IS 《インフィニット・ストラトス》典型的な転生 (犠牲になったのだ…)
しおりを挟む

転生から7年。

好きなキャラのホモ画を唐突に送られた今日この頃


この世界には、

《生まれてくる子に憑依をする形で転生する》者と、《気がつくと違う世界に飛んでいる》者がいるらしい。

 

 

 

前者ならば記憶は残り、

後者ならば記憶が無くなるらしい。

 

俺の師匠兼保護者に聞いた話だ。なぜ記憶が無くなるか云々の話は分かっていない。

もしかしたらこれ以外の転生方もあるのかもしれないが、現状これだけだ。

 

俺は後者で、記憶が無い。

 

そして、もちろんこの世に親もいない。

 

俺は、死にかけている時にそこを通った師匠に助けられた。師匠から聞いた話だと、前いた世界では転生ものの小説などあったらしく、その場合能力を持って転生するらしい。

 

その場合、俺は能力もなく、転生したにも関わらず10日とそこらで餓死しかけていたというなんとも情けないものだな、と自分の事ながら他人事のように思った。

 

実際その時のことは大分前。

他人事のようにもなる。

 

 

 

そうだ、名前を言ってなかった

 

名前は、淑守。

読み方は《しずもり》

師匠から名付けられた。

 

 

 

 

───どうやら、師匠はこの世界に転生する前に、自分を事故で殺してしまった神に能力をさずけられているらしいが、自分はあったかすら曖昧で、能力があるか不明だ。

 

まあ、あるのならばそれに越したことはないが、なくても不便なことなどない。

 

 

と、前まではそう思っていた。

今、この自己紹介なるものをする二日前、師匠であり保護者でもある人物から《この世界の転生者関連》のことを改まって話された。

 

 

 

曰く、この世界の1部の転生者が戦争に関与している、と。

 

この世界自体を壊そうとしている転生者も少なからず、存在することを。

 

そして、その能力に溺れたものや、元から破綻している者を殺すべく、組織を古くから作られていること

 

最後に

 

──────現在、組織単位の戦争までに発展していると。

 

 

 

 

 

 

と言っても、自分が悲観しているのは、その戦いに関与できない、とか

止めるために戦うことができない

 

などではない。

 

自分の身や、守りたい人ができた場合、守ることができない可能性がある、ということだ。

 

どうやら、自身の師匠───まさに天上天下、唯我独尊な性格をしているあの男はまだないとは決まった訳では無い淑守の能力を開花させようと修行を付けようとした。

 

 

修行というなの戦闘になる可能性が大なのだが。

正直、あの師匠の能力は、能力に無頓着な俺からしてもわかるほど規格外だ。

 

と、また逸れてしまいそうになった。

とりあえずは、自身の能力が分かってないため、肉体から作っていこうということになった。

 

聞いた話によると、師匠が戦った相手の中にはその場で初めて能力を使った者がいるらしい。

──戦った理由は相手側から襲ってきたため。

 

話を戻す。

相手は師匠に対して能力を使おうとすると、身体系の能力であったのか、自身の体が耐えきれずわずか十数秒のうちに自壊したらしい。

 

ぶっちゃけこんなの聞かされれば、能力使いたくなくなる。

 

かと言って、肉体の鍛錬を怠ると師匠のいう能力のせいで自壊が起こる可能性もあるので、バカにはできない。

 

まさかよく二次創作物でよくある生まれながら《俺TUEEEEE》してる人などこの世界にはほとんどいない、としった師匠は絶望したらしい。

 

あの人は極力努力だのなんだのはしたくない人らしいから。

 

 

師匠の場合は、その師匠に備わった能力の副作用か成長するにつれて勝手に肉体も出来上がったらしく、自壊の恐れなしにバンバン使ってたらしい。

 

 

 

話を戻そう

結論だけいうと、肉体鍛錬の後に能力発現のために転生者などと戦わされるらしい

 

淑守、享年14歳

やだな、有り得そうじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、現状報告と自己紹介は終わった。

今から修行の時間だ。

 

 

師匠からは十分前には道場についておけ、という言葉を預かっているため待っている。

聞いたところによると、まずは体術から教えられるらしい。あの師匠が体術できるとは思えないんだが、どうするのだろうか。

 

と、考えながら待っていると道場に金髪赤目の青年がやってきた。服装はライダースーツ。

肢体整い、かといって細すぎるわけでもない。

 

名を、ギルガメッシュ。

古代メソポタミア初期王朝時代に君臨した伝説的な王の能力を持った人間。半神半人。

 

「ふむ。時間は守っているらしいな。雑種」

 

いきなりのこの言い方、いつも通りの師匠である。

物言いはきついが頭は聡明であり、悪い人ではない、と感じる。

 

「ま、この我自ら鍛錬してやるのだ。時間厳守くらい当たり前よな。…なんだ、その目は。この我に体術を教えれるのか、とでも言いたげではないか」

 

さすが、聡明である。

ぶっちゃけギルガメッシュに体術が備わっているか、半信半疑である

今の俺のようにもしかしたら師匠がいたのかもしれないが。

 

 

 

そうえば話は変わるがこの師匠。

ギルガメッシュは転生した頃、名前がまだ無かったらしい。もちろん親もいない。

 

今でこそ国民登録されているが、10代までは登録されていなく、見つけた転生者の宅に転がり込んでいたらしい

 

 

ちなみに今の俺は師匠に登録申請されているので、大丈夫だ。

俺は比較的運が良かった。

運が良かったというのも、師匠はたまたま餓死しかけている俺を拾ったのではなく未来予知や感知系能力者の協力により俺を見つけれたらしい。

 

それが遅れていたら、今頃転生者の武装集団に入れられ、違う知恵を入れられていかもしれないということだ。

 

無論、俺の師匠が本当はその武装集団じゃないとも確証はないがもしそうなら、マインドコントロールも出来ていたはずである。

 

なので、師匠が本当は敵とは思っていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

と、少々思いふけっていると、

師匠はすでに鍛錬を教える準備が終わっていたのか、道場の中心に立っていた。

 

「何をしている。早く立つがいい。そして覚悟を決めて構えよ。この我自らの手ほどきしてやるのだからな。

──なに?鍛錬はしないのか、だと?馬鹿め!覚えるより感覚として、戦い方ではなく体の動かし方を理解すれば下手に体術を覚えるよりは強かろう。」

 

 

そうして、地獄が始まった。

 

 

 

 




見てくださった方に感謝を。
次回もサービスサービスゥ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

抜けた記憶に植えられた名前

タイトルが意味深?勘違いだ笑ってやる!(ギルガメッシュVOICE)


始めたばかりなので、すぐに週一くらいのペースに戻しますが早めに出すでござる


時刻は午後20時。外はすで暗くなっている。

 

我が師匠、古代メソポタミア初期王朝の伝説的な王、ギルガメッシュとの手ほどきの結果を簡潔に言おう。

 

手も足も出なかった。

 

「ハッ!ま、多少は才能はあるのでないか?我ほどでもないがな!ハハハハ!!」

 

同じ転生者なのにこの差。

この差は年齢だけではない気がする。

 

 

肩で息をし、仰向きになりながら師匠であるギルガメッシュを見る。

息は愚か、汗一つかいていない。

 

とことん規格外だ

そう、しみじみ思った

 

体術だけでこの差である。

もし仮に自分に能力が開花したとしても、まるで勝負になる気がしない。

 

「当たり前だ。我は、誰にも負けんともさ。なにせAUOだからなハハハハハ!!

──して、貴様。動体視力が良いのか?それとも勘が鋭いのか…。途中火はこの我の拳に対応しかけていたな?」

 

率直に言おう。

覚えていない。

 

必死だったのだ。気を緩ませるとあの早い拳が体にめり込むかと思うと、必死に避けることにだけ集中してしまったのだな。

 

 

現段階で殴り返すなど、夢のまた夢。

そんな、殴り返せるほどの隙がないほど強かった。

 

「余裕がない、という事か。ま、そうであろうな。貴様と我のステータス差は歴然であるしな。

さて、本題だ。おそらく貴様の能力は肉体系に働くものだ。魔術などの近・遠距離系のもののそれではない。」

 

よく体術の手ほどきだけでそれだけのことがわかったな、とジト目を一瞬してしまった。

この英雄王、わりとすぐに拗ねるのだ。

 

ジト目なんか無かったヨーと言えるレベルの真面目な顔を一瞬で作って見せる。

 

「ま、なんだ。つまり貴様はこの我のような力は愚か、一般の魔術師の力すら持ててないというわけだ笑ってやる!ハハハ!!」

 

このAUO、笑いやがった。

 

もう一度言う。

 

このAUO、笑いやがった。

 

 

よしこれで俺の心に刻まれた(主に仕返しをするための気概が)

と、密かに復讐を誓っているとギルガメッシュがこちらを向き「だが」と付け加えた

 

「貴様には魔術とは別の力がそなわっているのかもしれん。あるいは次第に開花しだすか。何度か悶絶してもおかしくない力で殴ったのだがな。───存外しぶといのだな、貴様は。」

 

このAUO鬼畜ですわ。

いや畜生だわ。

 

「ま、そういうでない。耐久面を鍛えてやろうとしたまでのことよ!」

 

そうして、両の手を腰に置き、ハハハハ!と高笑いをする。一段落付いたのか、高笑いをやめると

 

さて、と言った。

 

「これから貴様は自身の力で能力を開花させて見せよ。魔術のことであればまだ開花させるための手を貸してやれたかもしれんが───どうも、我の範疇ではないようだからな。

これでもサービスてんこもり、というやつだそ?嬉し涙を浮かべながらこの我のために能力を開花させよ。雑種」

 

この師匠、ほんとはたんなるストレス発散したかっただけじゃないのか、というレベルで突き放された。

なんてヤローだ笑われてやる。

 

と、軽く現実逃避していると、最後に、と一言付け足した。

 

「二日前話したこの世界の重要人物の件、貴様程度でも出来るであろうが、しっかり守れよ?我は二日ほど留守にするでな。」

 

そう言うと、ハハハハ!と高笑いしながら師匠は出ていった。何がおかしい!!とか思ったりもしたが。

 

ところで、重要人物、か。

─────はて、何のことだったか

 

 

何もともあれ、疲れた。

 

 

 

 

時刻は午後20時半。

夜はこれからという時に、ようやく道場の戸を全て閉め、隣の家に戻った。

 

ギルガメッシュは保護者の面も兼ね備えているが、大体は家にいない。理由はわからないが、なにか仕事かなにかしているんではないだろうか。

───いや、ないな。あの唯我独尊な師匠が仕事できるはずがない。

 

と、辛辣な評価を下しながら家に入る。

するとそこには

 

なぜか俺の家に侵入している少年がいた。

 

…曲者だあああああ!!!!

 

 

 

 

 

 

2分後、簡単に少年を捕まえた。

身長は低めで少し痩せ気味。また、髪の毛は少々ボサボサだ。なかなかのヤンチャ坊主と見た。

右目の下に小さい傷が付いている。塀をよじのぼったときに、木の枝に引っ掛けたのだろうか。

 

とりあえず、その傷を消毒し、絆創膏を貼りながら話を聞く。

 

お前は誰だ?と。

多少ぶっきらぼうになったのは許せ、少年。

 

目に浮かべているのは多少の恐怖と申し訳なさ。

なにか塀の中にボールでも入れてしまったのか?だとしたら曲者だなんて、早とちりだったか

 

そう思いながら、小学生位の少年の話を待つ。

すると、ぼそっと名前を名乗ってきた。

 

俺の名前は、織斑一夏だ、と。

 

 

 

 

 

織斑一夏。

はて、どこかで聞いた名前だ。

師匠から聞かされたっけ?気のせいか。

 

そうばっさり違和感を切り捨てると自分も名乗る。

 

俺は淑守、と

 

そして続ける。

なんで俺の家に入ってたんだ?と

すると少年は少し脅えながら言う

 

「俺んちに、なんだか変な人が来てて、千冬ねえになにかあったら裏の日本屋敷にすんでる、ギルガメッシュって人を頼れって言われてて」

 

以下略。

どうも師匠がこの少年の姉、千冬とやらと面識があったらしい。

そして、ここで先の違和感に合点がつく。

 

この織斑少年、おそらくこの世界の主人公になる子だ、と。

 

 

 

 

 

 

二日前、改まって話された転生者の組織の話。

 

そして、おそらくはそこででた、織斑一夏と織斑千冬の両名。

 

いきなりだったので、ほとんど飲み込めずに理解していたが、今ならなんとなく分かる。

つまりはこの子逹を守り、また世界を守るために近くにいるのだろう、と。

 

 

 

次先ほど心の中で曲者だあああああとか叫んでいたことはこの際無かったことにし、とりあえず現時点無能力者である俺はこの子を匿うことにするなら、とりあえずは屋根裏部屋にでも隠すか、と思いこの子を連れていこうとした矢先。

 

織斑邸と我が屋を隔てている塀が轟音と共に砕け散った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やべーかくのたのしいけど難しいけど楽しい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

進化のためのトウソウ

ぶっちゃけると、主人公の能力が全く決まってない。あと三日連続はきついからこれからはマイペースに更新しよ…


轟音の刹那、砕かれた壁の破片が一夏と淑守に飛んでくる。

中にはとてつもない大きさのものもあるが、淑守はとっさに動き、理解が追いついてなく、動きが止まっている一夏を背中で庇った。

背中に今朝、師匠との手ほどきで何発も食らったような重さの衝撃と、それ以上の鈍器を背中に振り下ろされたような衝撃が幾度となく降り注ぐ。

 

「し、淑守さん!?」

 

一夏がようやく状況を飲み込み、悲鳴混じりに名前を呼ぶ。

 

 

すると、壊された壁の方から人影が出てくる。

そこからでてきたのは一夏と同じ年齢の、銀髪の少年だった。

 

「あぁん?なんだ、雑種が増えてやがるな!」

 

淑守はチラっとそっちを見る。そいつから漂う危険な気配。おそらく先ほどの庇った時の怪我もあるだろうが、どっと嫌な汗が出てくる。

困った。背中の傷のせいであまり動けそうもない。

 

すると、少し遠目からジーっと見ていた少年は、庭に何個も落ちている岩の上にジャンプで移動しながらこちらに寄ってくる。

 

「よっ、ほっと。…なあそこのにーさん。そこのガキ、渡してくんね?そしたら見逃したげるからさ。」

 

壁の修理代は何ともならないけど。

そう付け加えると少し手を伸ばせば手に届くほどの距離にまで近付いてきた少年は、自分と一夏を交互に見る。

そして、その少年の目の中の光を見た淑守は【一夏を渡したあと、俺も殺される】と察した。

なぜ一息に先ほどの壁をぶち壊したような力を使わないのかは不明だが、渡すわけにも行かないな、と考えた。

 

しかし、ここで師匠が運良く帰ってきてくれるとも思えないしここで運良く俺の力が開花してくれるとも思えない。

いつだって現実は非常なのだから。

 

 

無意識に一夏を抱きしめる力が強くなる。

それを見た少年は、ハッと嘲ると手の平から何やら手から半径30cmくらいの光る玉を出した。

先ほどの壁破壊もあれでやったのだろうか。だとしたら自分も粉砕されてしまうかな。と、そんなふうに頭の隅で考えながら、どうやってこいつを無力化するか考える。

 

無論。相手は待ってくれないが。

 

「じゃ、サヨナラさん!!」

そう言い放ち、飛びかかってくる。無抵抗にあんなもの食らったら、ひとたままりもない。一瞬で潰れたトマト、いやミキサーにかけられたトマトになってしまう。

一夏を抱きしめながら横に飛び、なんとかこれを避ける。

 

すると、その光の玉がめり込んだ場所が、削り取られたかのような傷跡を残しながら、消えた。

 

「ひっ…」

 

その光景を目にした一夏が短く声を漏らす。先ほどの壁を破壊した能力とは別のようだ。今のは近距離攻撃に思えるが、あまり油断はできない。なにせ相手は転生者なのだ、躊躇なく能力を振りかざすところを見るに、常習犯かもしれない。

念の為背後に警戒しながら、背中の傷を我慢し一夏をつれて屋敷の部屋の中に向けて走り出す。

 

 

「おっと、意外と頑張るんですなあ!!こっちも張り切らないと、ね!!」

 

 

少年は走り出した俺たちを見て、ニヤっと口角を釣り上げるとまた手のひらに光る玉を出し、投げるモーションを加える。

やはり投げれるのかよ、と悪態を着くとそのまままっすぐ部屋の中に入らずに勢いをさらに付けて右側の角にある障子を蹴破りながら中に入る。

 

たしか、この部屋を真っ直ぐ行くと日本刀があったはずだ。人を切ったことはおろか振ったことさえないが、突き刺すくらいは出来よう。

そう思い、日本刀がある部屋まで走る。

 

と、その途端先ほど投げた光の玉が炸裂した。爆風が体を襲う。条件反射に一夏を背中でかばいながら吹き飛び、なんども床に体を打ち付けながらなんとか立つ。

炸裂し発生した爆風のおかげか煙幕が出来ていた。相手の玉がどこから来るかわからないが、とりあえずは日本刀を取りに行くしかあるまい。

でなければ、自分達が殺される。

 

立ち上った煙に紛れ奥の部屋に音を殺して入っていく。もちろん時間稼ぎのために違う部屋の襖を開けてからだ。

後ろをチラッと見ると、ところどころ光ったものが飛んだりしている。おそらく先ほどの投げてきた光の玉を、むやみやたらに打っているのだろう。

 

と、まだまだ危険な状態だがようやく一夏のことを気付く。どうやら気絶してしまったようだ。

むしろそれのほうがありがたいが。なにせ今から人殺しをせねばならないのだから、子供には見せられない。

 

と、考え事をしていると、後ろから光の玉が飛来して───俺の耳を少し掠る。死んだかと思ったが、こんなことで腰を抜かしてなんかいられない。

一夏を抱きしめ、なんとか日本刀の部屋にたどり着く。

そこを開けると、襖の向かい側に長短2本の刀が飾られていた。

 

 

 

さあ、師匠の顔に泥をならないためにも

 

仕事の時間だ。

 

 

 

 

 




この話を短く訳すと、庭から日本刀が飾られている部屋にはしたっただけでござる


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

夜明けの時

あー能力がああああああうわああああああ


とある晩。俺、織斑一夏は唯一の肉親である千冬姉の帰りを待っていた。その日は早くにバイトを上がれると聞いたから、ご飯の準備をして待っていたのだ。

 

しかしその後、平穏な日常は一時的にとはいえ、いきなり音をたてて崩壊した。

自分の家の屋根が壊れると共に。そして、すぐさまその壊れた箇所を見てみると、そこには怪しげな、屋根の上に立っている銀髪の少年だった。その少年は、屋根の壊れた部分から目を怪しく光らせ、こちらを見ていた。

 

そして、口を開く。

「お前が、織斑一夏か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…ッ」

意味がわからなかった。

頭が回らず、織斑一夏という名前を肯定してしまった。

するとその瞬間、コチラに手のひらを向けてそのままなにかよく分からない、光るたまを投げてきたのだ。

ソレが当たった箇所が削れたようになる。

 

子供の頭ながらに、危機察知はよく働き、逃げなければいけないと思った。

そして今、一気に階段を駆け下り、ベランダから出ようとしているところだった。

 

千冬姉が言っていたのを思い出しての行動だ。

「何か、異常なことが起きたらすぐさま裏手の日本屋敷の家に乗り込め。そこの住人が解決してくれるはずだ」と。

 

後ろにチラッと目を動かすと、階段から悠然と降りてきている銀髪の少年が目に入った。

唐突に感じた命の危機。

泣きたいと思うよりも、まず千冬姉のいいつけを守り、日本屋敷に入るのを優先した。

わざわざ門からでて日本屋敷に入るのは時間がかかりすぎる。

仕方ないので、1m80くらいの壁をよじ登る。その時少し左頬を切ったが、気にする時間はない。

 

そうして、なんとか落ちる形で日本屋敷に入れた。

そして、尻餅をつきながら目の前の屋敷を見渡そうとすると、少し短めの、黒い髪の女の人が立っていた。

 

思わず、先のこともあるため逃げ出してしまう。しかし、2分後くらいだろうか。あっさり捕まってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はよく怪我をするな、と淑守は思った。

今朝の師匠との手ほどきのときに溝を入れられ、先ほどの一夏を守るために壁の破片を背中に強打したりなどだ。

 

厄日が近いのだろうか。

そして、先ほどは銀髪の少年が光る玉で襖を貫通させて俺を攻撃してきた。その時右腕を少し削られてしまったので、動くたびにチクチクと痛みがする。

もう少しで着くんだがな、と考えながらも焦っていくと死ぬ可能性があるので焦らず、しかしなるべく急いで日本刀のある場所を目指す。

 

 

 

そして、ようやく日本刀がある部屋の襖の前にまで来れた。いそぎ襖を開けて日本刀を取りに行こうとする、が、あることに気付いた。

 

光る玉は先程からこの日本屋敷を無茶苦茶に削っていっている。にも関わらず、先ほど待てとは違い、まるで精密性がない。

 

相手の銀髪の転生者はある程度狙いを絞って光る玉を撃ってきていた。だが今はどうだろう。削ってると入っても、壁の真ん中から壁を粉砕しながら部屋の角を破壊する、と言ったようなものだ。

 

めんどくさがりなので、狙うことをやめたのかもしれない。もしくは恐怖心を煽ることなのかもしれない。

 

だが、もし。もしもこれが陽動としたら?色々な部屋は、敵の攻撃の衝撃により襖が壊れたりしてボロボロになった姿を覗かしてきた。

そしてこの部屋を見比べると、まるで破壊されたあとが少ない。

光る玉が貫通させたあとはあるが、それでもほかの部屋と比べるとやはりおかしい。

こんなに考え事をしているのに当たる所かこの部屋に光る玉が入ってきやしない。

 

陽動と仮定するならば、相手がいるのは

 

────この襖の向こう側か。

 

開けていないのならば、それはそれでいい。

だがもしそうなら、死ぬ可能性がある。

しかし、襖を開けねば何も変わらない。逃げることもいいかもしれないが、この傷だらけな体では逃げ切れるとは思えない。

意味無いとはおもうが一夏隠して

 

開けるか。

 

 

そう覚悟を決め、襖に手を掛ける。すると、

 

ふすまから刀が飛び出し

 

自分の心臓を

 

突き刺した。

 

 

 

 

 

 

と、思われたその瞬間、横から黄金の剣がふすまから飛び出た刀を粉砕し、地面に突き立った。

 

「この我の雑種を随分可愛がってくれたようだな?下郎。」

 

 

死ぬ寸前だったため思考回路が少し鈍いが、やや間を開けて淑守は剣が飛んできた方向をみた。

そこは、光る玉によって大きな穴を開けられ、外の景色が丸見えになっていた。

 

そしてそこに降り立つはメソポタミア第一王朝の伝説的な王。

唯我独尊にして傲岸不遜。己を唯一無二の王ま称してはばからない男。

 

黄金の甲冑を着用した、【英雄王】その人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は少し短くなってしまった…
ところでみなさんはどれくらいの文字数で書いてほしいのでしょうか?
好きな本は1話1話が長いのでみんなもあれがいいのかなぁ、と考えたり…



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

蹂躙の雨

全話を間違えて十日に更新してしまった…(淑守のキャラ設定が間違えてたのでかきかえようしていたけど忘れてた)



「痴れ者め。この我がいない間にこうも我が敷地を壊し…なおかつ我の雑種や織斑一夏にここまで傷をつけるとは…死をもって償うがいい!雑種!!」

 

王の一声により、宝物庫の扉は開けられる。

能力名【王の財宝】。

最強の王の背後にいでしは無限の宝物、その一端。

一つ一つが並々ならぬ魔力を帯び、一つ一つが敵を砕かんとする。

 

そして、その宝物は

今、銀髪の少年に

放たれた。

 

淑守の視界を砂煙で埋める。しかし絶え間なく聴こえてくる、壁や地面が破壊される音。

一拍子遅れて、織斑一夏を念の為抱き寄せて庇っておく。

銀髪の少年は、その圧倒的な力を前にして声も出せず、絶句したまま

 

消し炭になった。

 

改めてこうも圧倒的な力を見せられると、やはり怒らせると手に負えないんだな、と感じながら

淑守は気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと夜空が見えた。

夢ではなかったようだ…

どうせなら夢が良かったな。

 

そう、軽口を叩きながら立ち上がる。腕や背中からは絶えず痛みが襲うが、命を落とさなかった分、良かったものだ。

 

と、そこで織斑一夏の存在を思い出す。

たしか抱き寄せて庇っていたはずだが、と思い腕の中を見渡す。

しかし居ない。

 

はて、死んではいないのだろうが

どこに行ったのだろうか。

 

そう考えながら、ほとんど更地になった元我が家を見渡す。

道場も庭も、家の形さえもはや残っていない。

師匠、我が敷地を〜と怒っておきながら一番被害だしたの怒ってた本人じゃん…

 

と、軽口を心の中で叩きながら、少し思い出そうと立ち止まっていると、後ろからこえがかかる。

 

「ふむ。えらく長い時間寝ていたな雑種」

 

そこにはいつものライダースーツに着替えた師匠が立っていた。

どうやら黄金の甲冑は仕舞ったようだ。まああのままの姿でいたら、街中なので目立って仕方ない。

まあおそらく自分の家を壊されたことに怒りながら自分の家を破壊した時点で目立ってると思うが。

 

どーせ聞いても日常茶飯事だからだとでも一蹴されそうなので聞いてやらない。

 

 

「ハッ!そう我の顔を見るな、雑種。我といえど照れぐらいはある」

 

と、照れを微塵にも思わせないドヤ顔で、こうも言い放つ。

どうやら家がない以外は日常生活らしい。

 

とりあえず一夏のことを聞いてみる。

このまま日常生活トークに持ってかれる前に聞いとかねば、というやつだ。

それに少しばかり怪我もしていたので、心配だ。

 

「うむ?織斑一夏か?あやつならば自分の家で休んでるだろうさ。この我が手ずから運んでやったのだからな!ハハハハ!」

 

それならば一安心か。

というか1人だと危険とかは、ギルガメッシュの事なのでなにか対策を練ってはいるだろう。

 

 

さて、これから肝心なことを問い詰めたい。

 

「俺たちの家、壊しすぎじゃね?」

 

何気に初めてのカギ括弧付きセリフである。

いや、これに限っては物申したい。

途中まではかっこよかった。たとえば俺や一夏を助けたところとか。

王らしく敷地に勝手に入られ、なおかつ家を壊されていたことを怒ったりとかは。

 

 

だが、家を壊されて怒っときながらこの師匠、自分で自分の家にトドメを刺しているのですが。

むしろ主犯こっちなのですが。

いくら何でも地で馬鹿と天才は紙一重を行うとは、薄々察していたがまさかこんなとこでも発揮されるとは思いもしなかった。

 

「ハッ!家はさきほどの下郎に荒らされていたのには怒ったが、別に我自信が壊すのならばなんだってよいでないかハハハハ!!!」

 

寝ることろはどうするんだよ…

俺達今日は野宿とかやだぞAUO

 

「む、今何やら発音がおかしかったな貴様。まあ、たしかに寝床を危惧するのはわかる。が、あるではない。近くにいい寝床が。」

 

そう言うと、AUOは目の前の織斑邸を見る。

 

そうして、こちらをまた見る。

 

自分が「?」と首を傾げていると、「察せよ」といい親指を織斑邸に向け、早く行こうではないか!!とでもいいたげな顔を作る。

 

ようやく察した。察したが、いいのだろうか…

 

「いいに決まっているであろう、たわけ。貴様、この我がくるまであのどこぞの痴れ者から織斑一夏を守っていたらしいではないか。奴にしては恩もあるのだ、許してくれよう。」

 

と、いうわけでさっさと行くぞ雑種。

一言だけ言うと、言葉通りさっさと行ってしまった。

…ま、たしかに頑張ったのだから許してもらえるだろう。ということで、自分も織斑邸に向かった。

 

この世は面が厚い人間こそ生きれるのだ。

 

 

 

 

…時に、能力はいつになったらあらわれるのだろうか。これではいつか必ず死ぬぞ、俺。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────おまけ

 

 

午後20時、ギルガメッシュは弟子である淑守の手ほどきが終わると颯爽と道場を後に、颯爽と愛車であるエルキドゥに跨り、ある場所へ向かった。

 

今日はギルガメッシュにとってとてつもなく大事な用事があったのだ。その、ギルガメッシュでさえやったことのない快楽。それをどうしても手にするため、彼はバイクで夜の街を突っ切る。

 

情報屋に惜しみなく金を使い、その目当てのモノを手に入れるためだけに動いていた。

それは、この世に存在してるとはいえ、とてつもなく少ない宝であり、世の中のそのモノの存在を知っている人間は少なからずそれを求めるという、至高。

 

ギルガメッシュは今朝、淑守に手ほどきをする前にその目当てのモノが入手出来るかもしれないと連絡を受け取ったのだ。

ギルガメッシュが求めてまないもの。それは、運動好きな子供でさえそれを知ると止めれなくなり、大の大人でさえそれをしてしまうほどの魔力を持ったもの。

 

その名も

 

─────ゲーム!!!

 

「ハハハ!ついにあの【スーパーマ〇オブ〇ザーズ】が我が手中に来るのだな!!待っているがいい!我が財宝、スーパーマ〇オブ〇ザーズよ!」

 

高笑いをしながら黄金のバイクをとばす。そのスピード、日本で少しは誰しもが聞いたことがあるであろう、韋駄天でさえ涙目のスピードを出していた。

 

高速道路をバイクで突っ切り、二個となりの県までぶっ飛ばす。途中煽り運転をする雑種がいたが、王の財宝で車を破壊しておいた。まあ問題なかろう。

 

そして、高速道路から外れ、少し細い道に入る。そして入り組んだ路地をバイクのまま疾走する。

そうすること10分、ある店の前に付いた。

店名は「レッツパーリータイム」中々クレイジーと思ってしまう店長がいる店である。

 

ギルガメッシュは王の財宝でエルキドゥを収納するとそのまま店の中に入り、目当てのモノをさがす。

しかし、棚にはなぜか目当てのものが無い。

何巡が棚を目線で這わせてみるが、やはりない。

 

情報屋にガセをつかまされたか、などと考えて、ふとレジを見る。

 

すると、そこに並んであったのはウン万円するスーパー〇リオブラ〇ーズ、初回限定版だった。

 

「ふ、ふは、ふはははは!!ようやく見つけたぞ、我財宝に入る逸品、スーパーマ〇オブラザ〇ズよ!!」

 

腰に手を当てながら高笑いし、急ぎ店員を呼ぶ。

「おい店員!あの初回限定版のスーパ〇マリ〇ブラザーズを寄越すがいい!!金は払おう!ハハハハ!」

 

と、言うと同時に横からもこえが上がる。

「店員!あのレジにあるスーパーマ〇オブラ〇ーズの初回限定版をこの余に寄越すがいい!!!!王の中の王、オジマンディアスが言ってやっているのだ!さあ持ってくるがいい!!」

 

と、その言葉がかぶり終わったところで、ギルガメッシュはオジマンディアスと名乗った男と目を合わせる。

 

「おい貴様。我を置いて王の中の王、だと?そしてあのゲームは我のものだぞ。」

 

「何を言うかと思えば、貴様を置いて、だと?余に勝る王などおらぬ!だからこそ王の中の王、ファラオなのだ!!そしてあれは余のものだ!!」

 

 

そこには、一触即発な空気が漂っていた…

 

 

 

次回!【王たちの戦い!】デュエルスタンバイ!

 




イヤッフ-


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

進化のハテのユメ

ようやく決まってきた能力!フー!!


朝、目を覚ます。するとなんということだろうか

みしらぬ天井があった。

なぜだか白い目で見られた気がしたが気付かなかったことにしよう。

 

にしても、ここはどこなのだろうか。たしか昨晩はとある古代メソポタミア第一王朝の王が家を破壊させたはずだが…ならここは違う家だろうか。

 

とりあえず部屋を見てみるために上体を起こす。

すると、ちょうど上体を起こした目線の先には、少しカーテンがあいた庭に続くドアがあり、そしてそこから壊された壁の破片と、その先に見える元自分の家だったものの残骸が見えた。

つまり、ここは家の隣が裏の近くの家なのだろうか。

まさか師匠、自分の家に近かった人の家を大金でいきなり買ったのでは…!?

 

と、良からぬ想像をしていると、トン、トンと階段な方から音が聞こえた。

誰かが降りてきているのだろうか。

 

とりあえずそちらを振り向くと、そこには目付きの悪い女の子が降りてきていた。

服が少しはだけた様子で。

 

女の子は、寝起きではあまり頭が回らないタチなのか俺に気付かずに冷蔵庫に歩み寄ろうとしたところで──

俺に気付いた。

 

そこで師匠に言われていた言葉を思い出す

「いいか、勝負では相手の力量が貴様より上なのならば、先手を打つがいい!」と。

 

それを思い出したため、俺は自分の両手を両肩に回し、自分を両手でかばう形にして、息を吸う。

そして、先手を打つ。

 

「きゃーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果だけ言おう。

最初は同じ女が何故いきなり叫ぶ!?といわれ、男だぞ、と訂正したら顔を少し赤らめた後、側頭部に蹴りを食らわされそうになった。

 

訂正。側頭部の蹴りを防いだ瞬間空いた横腹を回転蹴りで蹴られ、吹っ飛んだ。

そして、その際に出た大きな音により織斑一夏が起床した。

織斑一夏氏はどうやらギルガメッシュに弟子を泊めてもらう旨を伝えていたらしく一夏がそれを目付きの悪い女の子…織斑千冬に説明していた。

 

ちなみに、それを理解したあと割とさっきの俺の女のような叫びの余韻を引きずりつつ、謝ってきた。まあ淑女様のあんなはだけた姿を見れたのならば別に怒ることは何も無い。

 

「ごめんな、淑守さん!千冬姉にギルガメッシュさんから泊めてることを言うの忘れてたんだ…」

 

まあ特に問題は無い。体は頑丈なのか、すでに痛み腫れもない。

というかなぜ一夏は俺のほうを正面から見ないのだろうか。

特に普通じゃないか?と思いながら視線をしたに落とす。するとそこには着たこともないような黒いダホダボのカッターシャツを着た、胸元のはだけた姿が目に入った。

 

なるほど、しかしなぜ男のはだけた胸元を見て顔をあかめてやがるのだ、こいつは。

と、そこで一夏の姉である───先ほど紹介を預かった織斑千冬が教えてくれた。

 

君はとても女の子のような顔だぞ、と。

 

つまりあれか。昨日は必死だったことによりあまり話すことがなかったが、今日は特に何も無いからつい見てしまったと。

ま、特に支障はない。なぜだかここでわざわざ俺が男だと訂正するのを目に見えてるのだ、雑種とかドヤ顔で考えていそうなどこぞの王が予想できた。ので、あえて否定はせずに、「ああ、すまん」とだけ伝えて胸元のボタンを閉めた。

 

 

 

 

どうやら、織斑一夏が朝食を作ってくれるらしい。

昨日怪我をしたのを知っているからか、座っていてくれと言ってくれた。

──まあ、なぜか切り傷すら、削られた傷口さえもなくなっているのだが。

 

これは、段々能力が垣間見えてきたかな?と思いつつほかの傷口を確認する。

あの師匠が宝物の一つで直した可能性もあるからだ。

 

そこで、昨日から自分の身に少しおかしな事が起こっていることに気付く。先ほどあの織斑千冬に蹴られた脇腹。ギャグ系だから、とかいった理由ではなくなぜか痛みがあまり無かった。昨日は壁の破片が当たるのも普通に激痛が走ったが、だ。

女の子だから蹴りの威力が弱かった?その線はなさそうだ。

織斑千冬はおそらく武道を嗜んでいる。あの蹴りが女の子だから、と言った理由で痛みがあまりなかったとは考えずらい。

 

自分の能力について、あーだこーだと考えているうちにどうやら織斑邸の朝食が出来たようだ。

一夏と千冬が和食を持ってきてくれた。

味噌汁に鮭、ご飯、たくあんなど手の込んだ朝食だ。

 

3人合わせて、いただきます、と両手を揃えて食べ物に感謝しながら食べだす。

鮭から食べる。世には鮭はパリパリ派と、やわらかくジューシーに派と言うのがあるらしいが、俺は後者であった。

一夏が作ったものは中がいい感じにやわらかく、小学生がつくっているとは思えない美味しさであり、それをあの時間で作れるというのはとてもすごいな、と感心していた。

 

 

 

ご飯を食べ終わると、少しの休憩の後礼を言って織斑邸をあとにして、家に戻ろうとした。が、織斑邸の居間から出たところで思い出したのだ。家が壊滅していることに。

 

そして、どうやらギルガメッシュが居ないようなので、家はどうにもならないことに気が付いた。

どうも、千冬は薄々勘づいていたのか、気を利かせてしばらく泊まりか?と聞いてくれたので、行為に甘えることにした。

 

ともかくは、ギルガメッシュが来るのを待とう…

 

 

とりあえずはやることも無く、縁側に座って自分の能力について考える。

痛みに鈍感になる能力なのだろうか。それとも身体能力が副作用で上がる、また違った能力?と。

そう考えていると少しずつ睡魔が襲ってきた。

昨日の夜の戦いの疲れが取れてないのだろうか。まあ深く考えても意味が無い。少し休むか、と座ったまま居眠りをする。

 

 

そこで彼は、夢を見る。

 

 

 

 

 

 

 




もしかしたら、わかる人にはわかる可能性が

感想とかよければ送ってください!頑張れるので!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

衝撃の出会い・上

淑守ってさ…
昔兄が絵を描いて、それを俺にくれたキャラなんだ…


気がつくと、なにやら周りが燃えている場所にいた。

そして、どうやら自分はどこかの丘にいるらしい。

このような体験はしたことが無いため、軽く混乱に陥っていると、なにやら目の前の丘の下の地面が動いてるではないか。

目を凝らすと、それは謎の異形達が地平線まで埋め尽くしていた光景だった。

自分の背後を見る。

その後ろにあるのは謎の都市のようなものだった。

その都市の周りには、いくつもの光る半透明な壁がオーロラのように貼られていく。

 

どこかの戦争だろうか。

しかし自分の周りには誰もいない。目の前の地平線まで埋め尽くされた異形がいるだけだ。

 

と、そこであることに気づいた。

自分の体から火が出ていることに。それだけではない

体が少々でかくなっており、また全身がまるで目の前の異形のような形をしている。

傍にある岩を触ってみる。その瞬間、一瞬で岩が溶けた。溶岩となった岩が地面を燃やしている。

目の前に飛び出した異形の一体の頭をつかむ。すると掴んだ頭が一瞬にして溶ける。

まるで、自分の体が全身凶器になったみたいだを

と、そこまで状況を把握した途端、体から自由が奪われた。いや、元の持ち主の体に戻った、と言うべきか。

どうやら今のは自分の体ではなかったようだ。たった今、なぜか自分の体が半透明な形で先程まで自分が入っていた異形を上から眺めている形になっていた。

 

と、そこで異形がこちらを静かに、目だけ動かし、見てくる。

何か言いたげだったが、自分がそれをどう言っているのかかんがえていると、いきなり自分の体が上に引っ張られて言った。

引っ張られている最中、なぜか目の前が見えなくなったが、途中でさきほどの異形の軍団と炎の異形が単騎で戦っている光景が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かが呼んでる声がする。

幼い子供の声と女の子の声だ。…誰だっただろうか。

「し…ず…ん…」

頭がなにやらぼんやりしている。体がやけに重い。自分の体と何かが接続できてないような、そんな感じだ。

「しず…さ…!」

叫ぶ声がやけに途切れ途切れに、しかしエコーがかかってきこえる。

「しず…ん…!」

そしてようやく、体に血の循環が回ってきたような、そんな感触が戻ってきた。ようやく、誰の声が思い出す。

「しずも…り…」

ようやく、目を開けれるレベルまで感覚が戻った。

 

目を開ける。

そこには、一夏と千冬が自分の顔を覗き込んでいた。

「淑守さん!!」

「淑守!大丈夫か!?」

織斑姉弟が必死に声をかけている。気が戻ったので手振りで大丈夫だ、と伝えた。声はなぜか掠れてでそうにない。

 

 

 

時間を置くと、先ほどまで感じてた異常な感じは失せた。少し足元がふらつくが立てないこともない。

それでも織斑姉弟は心配そうに顔を覗いてくるが。

大丈夫だと伝え、一夏の頭に手を乗せる。と、その瞬間

さきほどの夢のような出来事をはと思い出す。

 

────触れただけで溶ける物体

 

無意識に距離を置いてしまった。 一夏は不思議な感じで俺を見てくる。

その視線を無視して、自分の体を念の為見る。特にさっきの異形のようにはなってなかった。

 

「どうかしたのか?淑守さん」

 

一夏がその様子を見て聞いてきた。千冬も続いて「さっきから少し変だぞ。もう少し休んでおけ」と。

まあ、あんな夢を見たあとだから仕方ないともいうか。

…あの夢は関係の無い、杞憂で終わってもらいたいんだがね。

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬の言葉に甘え、少し休むことにした。どーせなら千冬の太ももとかよかtいや何でもない。

というか、今気づいたんだがこのシャツだと寒い。たしか今は4月中旬。朝はまだ温かかったが、夕日がかたむいてるこの時間帯は少し寒い。それにこの黒いカッターシャツの下には何もきてないから本当にさむい。

 

と、少しボーッとしながら縁側に座ってくつろいでいると

 

 

変態が目の前の屋根に現れた。

否、変態、いやHENTAIが屋根の上にダイナミックに現れた。姿は、ほぼ全裸で、顔に女性の下着をつけ網タイツを着用しパンツの両サイドを伸ばして両肩の上に引っ掛けている。そのためそのHENTAIの息子は強調してるがのごとくもっこりしていた。

 

そして驚くべきはその鍛え抜かれた体。

普通の、体が貧弱な男がその格好になったらただただ「変態」と言う枠のレッテルを貼られて終わりだろう。

だが、このHENTAIは、不必要な脂肪をなくし、体の筋肉そのすべての四肢を均等に鍛え男の体としての黄金律を揃ええいた。

その結果、HENTAIな姿をしているに関わらず、雄々しく見え

HENTAIな姿をしているからこそ、見たことのない気風を感じた。

 

…なんの展開なのだろう。これ

 

いきなりの大分ぶっとんだHENTAI加減を見て呆れてしまった

少しの間見なかった振りにでもするか…と目をそらそうとする。するとHENTAIがいる屋根の上に中国の道着をいた、お下げの男が回転しながら屋根に着地した。

そして、何かあったのか怒号を放つ。

「逃げてんじゃねーよ変態野郎が!!」

何をされたかは知らないがまああんなに何かされたらあんな感じに怒る人もいるか、と強く自分に暗示し知らんぷりを決め込む。

それに片方のおさげ、見た感じ大分強そうだし。

と、また思いふけってようか、と縁側に座ろうとした瞬間。おさげがHENTAIに殴りかかり

 

HENTAIはそのお下げの腕をうまく絡めとり

 

おさげの体勢を前のめりに崩し

 

自分の

 

イチモツに

 

擦りつけた。

 

「お前の初KISSは女の子の唇ではないッ!私のイチモツだ!!!」

 

 

 

 

 

 

 




さすがHENTAI!俺たちにできないことを平然とやってのけるッ!!そこに痺れる憧れるゥーーー!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

衝撃の出会い・下

世の変態紳士に送り届けますう!!!


ぜぇぇぇぇんかいまでのあらすじぃぃぃ!!!

 

おさげの男が変態のイチモツに無理やりキスをさせられた!!!

 

以上ッ!!!

 

 

 

…あっはい。すみません現実逃避してました。

 

目の前であんな衝撃的な攻撃方法を見せつけられるとは思ってなかったのだ。

ほらみろ。おさげの男、何をさせられたのか未だに理解が追いついてないぞ。

 

「もう一度言ってあげよう。お前の初KISSは女の子ではないッ!!この私のイチモツだ!!!」

 

わぁ、トドメさした。

 

おさげの男はそれを聞くと、ドサッと気を失って倒れた。精神的なダメージが大きかったのだろう。

普通に倒されたのならばまだしも、あんな感じでたおされた人にはちょっと近づきたくない。

冷たいのは重々承知ですが何か。

と、また現実逃避をしているとそのHENTAIは何処かを目指して飛んでいった。

台風のような勢いで現れたHENTAIだったな。

 

とりあえず落ち着くために縁側に座り直す。

もうそろそろ夜だ。空も段々綺麗な青みがかった黒に染められつつある。

体を冷やしたくはないので、座ったばかりの縁側から立ち上がり家の中に入る。まあ家と言っても織斑家の居候だが。

 

というか、ギルガメッシュはどこに行ったのか。

あの人はなかなか気まぐれだからな。この前なんか愛車である黄金のバイク、エルキドゥに跨って高笑いしながらどこかに走り去って、帰ってきたのが2週間後!とかあったからな。

実際あの師匠は転生者だと言うのに中々王っぽく振舞って自由きままに遊んでくるからな。

しかもどこか人を引き寄せるカリスマもあるし。実際俺もあの師匠のことは嫌いではない。

まあ命の恩人なので大それたことがない限り、嫌いにはならないのだが。

 

 

 

 

 

夕日が完全に落ち、夜になった。

昨晩壊された日本屋敷の方からチリンチリンの虫の音がきこえる。

夕方は変な奴らをすこし見かけたが、夜は誰もいなさそうだ。今日は休日だったので一夏と千冬は家にいたのだが、明日からは学校なので居なくなるらしい。

俺は残念ながら明日の学校は休むつもりだ。

なにせ仲いいやついないし。中学だからまだ留年とかはほとんどないからいいが、去年は3分の1も休んでしまった。今年くらいは高校に入っても休みぐせが出ないよう、積極的に出ねば…。うむ、明後日から本気だす。

 

と、ソファの肘置きのところに上半身をだらんとしながら、そんな悠長なことを考えていると千冬が近づいてきた。

それと同時に切り出される。

「淑守。ギルガメッシュから話は聞いているが、お前は学校休みがちらしいな?明日はしっかり行くんだぞ?」

oh......

まさかの急展開。千冬がこの事実を知っているとは。というか俺のことを話されているとは!!!

師匠何してんだってばさ…

 

と、そう考えているとさらに追い打ちがきた。

「それに、年上の言うことは聞くものだろう?」

ぐうの音も出ません。

それに居候の身なのだし、さすがに言うこと聞くしかないよねえ…

 

わかった、明日はちゃんと行くよ。

そう伝えると、千冬はさらに揚げ足をとる。「明日は、じゃないだろう?明日も、だろう?淑守。」

 

「ちゃんと…行きます…」

なんというか、数少ない俺のコメントがドンドン情けないものになっていそうだなー

…まあ、元から威厳もクソもないから良いか…

と、そうしているとどうやら一夏がご飯を作ってくれたようだ。

元気に俺たちを呼んでくる。

「千冬姉!淑守さん!ご飯できたぞー!」

以外だな。千冬は作らないのか。

当番制なのかな?まあいいか。

 

そう思いながらテーブルに付き、ご飯を食べた。

 

 

深夜。ご飯を食べ終わり一夏が寝た頃。

ソファでシャツの裾がずり落ちてくるのを何度も適当に直しながらテレビを見ていると、自室にいた千冬が一階に降りてきた。

「…昨晩は、すまないな。」

いきなり何故か謝られた。特になにかされた覚えもなかったので「?」と言った顔を見せる。

「ギルガメッシュから聞かされていたが、転生者の襲撃のことだ。私がいても何も変わらなかっただろうが、それでもバイトにいってしまっていた私の落ち度だ。本当ならば一夏は私が守るべきだというのに…」

なるほど。

どうやら昨晩の転生者の襲撃のことで悩んでいたらしい。あれは単なる偶然で助けれたようなものだし、運良くギルガメッシュが来てくれたから俺も助かっただけだ。気にしないでもらいたい。

それでも、と千冬は続ける。

「しかし、一夏を守るためにお前は怪我をしただろう?それをなんとしても謝りたくてな…。それに、一夏のことも守ってくれた。」

 

千冬にとって、一夏は唯一の肉親だ。俺が助けたことにより恩を感じているらしい。

しかし俺は自分が生き残るために戦おうとしただけだ。一夏の命は副産物と言ったところか。

まあ助ける気がなかったと言えば嘘になるが

本当に気にしないでもらいたい。

どーせなら感謝されるより千冬に膝枕をしてもらう方が嬉しい。

 

そう言った冗談半分の言葉も伝えると、千冬はフッと笑って、自分が座っているソファの隣に座る。

そして肘をついてくつろぐ。

今まで家では大体1人だったので、隣に誰かがいるというのは中々新鮮だ。

そう感じながら、テレビをまた見ようとすると、千冬が自分の太ももポンポンと叩いた。

 

「どうした?膝枕が御所望じゃなかったのか?」

oh

さすがに一夏の特等席をいただくわけにはいかんぜ

あれは比喩(?)で言ったものだから大丈夫、と伝えると千冬は少し仏頂面になり

「お前が言ったのだろう?比喩であれなんであれ、私がしていいと言ったんだ。…まさかレディに恥をかかせるのか?」

あと、一夏にしてやったことなどないぞ。と、茶化してきた。

そこまで言われるとやらない理由がない。役得ということで膝を借りるとするか。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

能力者と無能力者

時間が足りぬう↑


役得で膝枕をさせてもらおうかと思い、横になろうとした瞬間。

外でなにか、落ちてきた音がした。

音に驚き飛び跳ねながら地面に着地する。

 

「おい、淑守。今の音、まさかまた来たのか?」

千冬に質問に、一夏を連れて逃げるために二階に駆け上がりながら答える。

おそらく転生者の類だろう、と。というかそうに違いない。だってこういう粉砕系や破壊系の音がなったらだいたい事故か転生者だし。

 

二階に駆け上がり一夏の部屋に入る。

先ほどの轟音を聞き、一夏も起きていたようだ。

なにかをいう前に一夏の手をつかみ走り出す。後ろで何か言っているようだが、それどころではない。

どうやら扉を破ってきたらしい。

バキィ、と音を立てながらなにかが入ってくる。なにやら上半身裸の大男が立っていた。だが、目をつけるところは上半身裸という変態チックなところではない。

彼の右腕だ。なにやら腕に岩がくっついているではないか。その岩が連なり、まるで巨大な腕とかしている。

うむ、実に異形だ。

その大男は、一夏と千冬を見て低い声で話す。

 

「お前達が織斑家か。…そちらの女は見たことがないが。貴様も転生者か?織斑になろうとした口か。」

 

何を言ってるのだろうか。織斑になろうとした口とは。

あと俺は女じゃない。男だ。…まあ、女相手なら手加減をしてくれる可能性があるから言わないが。

 

にしても、この前は途中で師匠が来てくれたが、今回は流石にそうもいかないだろう。

しかし、妙案が浮かぶ訳でもなし。

仕方ないので時間稼ぎを狙って質問をする。

「あんたもこの世界を壊そうとしてる口かい?織斑になろうとした口ってのはなんだ?なにか知ってるだろう?」

多分こんな入り方をするんだからこいつも破壊しようとする側だろう。それに上半身裸に岩の腕となれば平和的な人間にも見えない。

実質問題質量的にも体格的にも能力的にも勝てる気がしない。

どうやってこの修羅場を超えようか。と緩やかに考えながら目の前の大男と対峙していると大男がとてつもないスピードで腕を振る。グォンという日常生活ではあまりきかない音が聞こえ、冷や汗をかきながら一夏と千冬を守り、自分は上半身を下げて腕を避ける。

と、腕を振り切ったと思いきや一瞬にして腕をたたむ。

見覚えのある型だ。

この構えから来るとすれば正拳突きだが…

果たしてどう避けようか。

 

とも考えているうちに既に正拳突きを放ってくる男。

一夏と千冬には当たらなそうなのでその腕の内側に滑るようにして入る形で避ける。

 

これが対普通の人戦ならばそのまま蹴りを入れるなり殴るなり出来るのだが、相手は転生者。それも懐と言うよりでかい腕の内側に滑り込んだだけだ。

戦ってわかったことだがどうもこいつの腕は、射程距離が変わるらしい。

岩が何個もくっついて岩になっているものだから射程距離も曖昧らしく迂闊に入るとミンチにされかれない。

 

というかこいつに話術は無理そうだし、どうにも昨日から不運が続いてるような感じがする。

さすがにあの師匠と言えど昨日の今日で攻めてくるとは思ってないだろう。つまり助力は期待できない、と。

もう一人後ろに戦えそうな者がいるが、千冬は原作組だ。元の世界ではない傷をおわせることはできない。

 

つまりはどうにかして逃がすことか。ただこいつが1人で来てるとは限らないんだよなあ。

 

どうにも妙案が浮かばず、避けながらため息ばかりついた。

するとどういうことでしょう。あの大男のほうからブチっと何かが切れる音が聞こえました。

え?なんで敬語かって?現実逃避です。

 

「貴様!舐めているのか!!!!能力を使わんか!!!!」

 

まさかの激昂超である!というやつだろうか。

しかし体格的にも年齢的にも能力的にも勝てる気が起きない。この場合はおそらく逃げるが勝ちという奴だろう。

とりあえずは後ろの千冬たちを見る。一夏は怯え、千冬は今にも飛びかかってもおかしくなさそうだ。

千冬さん勇敢。

だけどさすがに死なせてはいけない子を戦わせるのは気が引けるのでどうにかして倒す策を考える。

だが、ここはたんなる家である。そんな策に使えるものなどほとんどない。

 

考えているうちに腕を避けきれなくなり、軽く当たり体が後方に吹っ飛ぶ。

縁側に続くガラス戸を割りながら塀の向こうの「元・我が家」の方向に吹っ飛んでしまった。

しかし当たる瞬間後ろにジャンプしたため多少はダメージは減ったはずだが…

やってみて感じたけど後ろにジャンプしながらってあんまり普通の人との戦いには必要ないよな…

 

そのまま吹っ飛びながらゆったり考えている所、どこか転生者の類なのかもしれないな、と考えていると大男は千冬と一夏を無視してこちらに迫ってくる。確実に俺をやる気のようだ

体を回転させ着地した瞬間大男のタックルにより再び吹っ飛ぶ。

吹っ飛ばされて瓦礫の上に叩きつけられ、一瞬呼吸を忘れそうになった。それほどまで痛みがあったのだ。

背中を強くうちさきほどのタックルもあったせいか足がフラフラしている。

やはり能力者と無能力者では勝てないほどの差があるのだろうか

 

どこかでそう感じながらついに、膝から崩れてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

弟子の意地

最近好きになった歌い手を見つけて時間がなかったある


目が覚めると

見知らぬ天井だった。

左の方から光が入ってきている。

今は昼頃なのだろうか。

 

視界の端に点滴の入った袋が見えた。

おそらく、自分の腕に繋がっているのだろうか。

ここはどこなのだろう。視界の端の点滴を見る限り、病院なのだろうか

 

どこか確認するために、状態を起こそうとする

そこで、ある事に気付く。

なぜか手足が動かない。というか首さえ、視線さえ動かせない。

ただただ天井を見上げるばかり。

自分の身になにが起こったのか、不思議でならなかった。なにがあったかわからず、現状自分の体でさえ確認出来ない。

自分に何が起きているのか、わからない。そういう焦りから近くに誰かいないか確認するため誰かいないか、と聞いてみた。

聞いてみた、はずだった。

いざ声を出してみると

 

「うぅ…あぅ」

 

声が掠れておおよそうめき声としか言えない様なものしか出なかった。

戸惑いが焦りを加速させた。

ここに至る前、何があったのか思い出そうとする。

が、なにも思い出せない。

その記憶喪失がさらに焦りを加速させる。

自分の趣味も

好きな食べ物も

好きな人も思い出せない。

 

名前すら、でてこない

 

発狂してしまいそうだった。

自分の自由は、天井を見るしかなく、呼吸を自分で意識して止めようとしても止めれない。

まるで何かの管轄下に自分の体を入れりたみたいだ。

そのまま、色々なことをかんがえてとりあえずはなにか思い出そうとした。

 

 

 

 

 

 

外の明るさは衰え、オレンジ色の光が刺している。

────7時間。

そのあいだずっとなにか思い出せるか考えていた。

しかし思い出せない。

というか、誰も来ない。もうそろそろ点滴が無くなるのではないのか。

 

その時、あることに気づいた。

───左目の違和感。

起きた時は普通に天井がはっきり見えていた。

だが、今はどうだ。なぜかボヤけている。

右目は普通だ。特になんの違和感もない。なぜだ。なぜおかしなことばかり起きる。そう思いながら上げれもしない慟哭を必死に押さえながら、意識をまた、手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し、意識を手放していたようだ。気をしっかり持ち、上半身を起こす。そこには着々と近付いてくる大男がいた。

彼の目は不気味に輝きながら右腕を上に振り上げる。ゴウッという風を切る音とともに自分を潰すべく石の右腕が落とされる。

ふらつきながらも横に転がりながらそれを交わす。が、相手が瓦礫を壊した時に飛来してきた、尖った木や石が体に容赦なく叩きつけられる。痛みに耐えられず、体を支えるのを忘れてまた地面に崩れる。

こちらはとうに息が上がっている。しかし、相手はまったく上がっていない。当たり前か。さっきから腕をふっているだけなんだから。

 

上向けになり、戦意損失しかける。体は傷だらけで激痛が走る箇所がいくつか感じる。

相手がまた腕を振り上げる。

このまま眠りたいな。そうすれば痛みもなく潰されるんじゃないか。そう思いながら、ぼーっと振り上げられた右腕を見る。

そして、それが勢いよく自分の体に落ちてくる。

このまま寝るか。そう思い目を瞑る。

 

 

が、なぜか体は勝手に動く。腕を避け、ゴロゴロののたうち回りながらも回避する。

と、その時。なにやら右目の視界の端にあるものを発見した。月光に照らされ怪しく光る少し長めの、俺の指先から肘らへんまでしかない、折れた刀。

 

俺の心臓に刺さり掛けたあの刀だ。

 

あの夜師匠は刀を折るという形で俺を守った。

そしてその時の折られた刀がまだここに残っていたようだ。命の危険を感じながら刀の元に走り、男の岩の腕をスライディングで避けながら刀の柄を掴む。

そして、そのまま足を少し大きめに開きながら立ち、刀を正眼に構える。

と言っても、刀の刃は10センチくらいしかなく、非常にリーチが短かった。

ほとんど切れ味が良かったかもしれないナイフのようなものだ。

少しあがいては見たが、どうにかなるものなのだろうか

そう思った。

 

だが、ふと。なぜか、こんな状況だと言うのに

あることを思い出した。

師匠の織斑家を守れ、という言葉だ。俺はあの人に恩がある。家族のようで、師匠でもある。

俺が心の底で、普段ならば確実に口にはしないが尊敬している人だ。あの人が俺に守れ、と言ったんだ。ならば、そう言われたのならば。

師匠の顔に泥を塗るわけには行かない。どうあっても、刺し違えてでも守らねばならない。

 

腹は決まった。

 

あとは、戦うだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────おまけ──────

 

彼は常人離れしていた。

力が。技が。速さが。硬さが。

そして

────姿さえも。

 

パンツの両サイドを伸ばして肩に引っ掛け、自分の息子を誇らしげには強調し、顔に女性のパンツをかぶるその姿。

まさに変態の道を極めしもの。

その名は

 

変態仮面

 

変態道とは紳士であり、そして変態である。その二つを持たなければ、変態の道には入れない。

変態の道のもっとも高き場所を目指し、彼は邁進する。

 

世の中に蔓延る悪を粛清するために。

 

 

「ムッ!あれはひったくり犯か!!」

 

変態仮面はひったくり犯を目撃した。女性はキャー!!と叫び、男のほう、つまりひったくり犯の方は一目散に逃げている。

当たり前だ。盗みをしているのにゆったりと歩くものなどいない。

 

が、しかし。彼はそれを粛清するためにパトロールをしていた。そして今。その犯行現場が見られたのだ。

彼は人間とは思えない速さでひったくり犯を追いかける。ビルの壁を蹴り、自動販売機の上を行き、そして歩道を走る際、誰にも当たらないように走る。

 

ひったくり犯はどうやら路地裏に逃げたようだ。

 

しかし、彼はその人を超えた変態的身体能力でひったくり犯を追いかける。

すなわち

────壁走りだ。

しかもなぜか両肘を頭の後ろにそろえるというジ●ジョ

立ちならぬジョ●ョ走りで。

とてつもないスピードでひったくり犯を追い、10数秒。

ひったくり犯が立ち止まっていた。

 

「ハァ…ハァ…ここまで来たら大丈夫だろ…」

そう言いながら壁に手を付く。するとなぜだろう。モニュッとした、なにやら暑いものを触った感触があった。

「あん…?なんだ?こりゃ」

そう言いながら手をついてる方向を見ると、そこにはほぼ全裸の変態がいた。そして自分が触っていたのは──────

 

「お前が触っていたのは壁ではない。

私の お い な り さ ん だ!! 」

 

 

 

 

 

どこからか、叫び声が上がったようだ。

 

 

 

───こうして、また世に蔓延る悪は挫かれる。

彼は正義の味方。

正義は彼の味方ではないようだが、ともかく正義の味方なのだ。

その名も

 

 

 

 

変 態 仮 面 !!!

 

 

 

 

 




読んでいただきアザシタッ!!
感想評価オネガイシマス


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プライド

忙しすきて書けない…


そんな。

そんな形になってまで。貴様はまだ戦うのか。

そんな折れた日本刀を。ナマクラ刀で戦おうというのか。

 

彼は戦慄した。

その行為にでは無い。その行為をさせるほどの、誰しもが諦めるような展開で覚悟を決めるその有り様に。

 

そして大男・神鳴誠一は、武人としてその女の有り様に敬意を表しながら自身の力をさらに発揮させる。

能力名、サイコキネシス。その真の能力を隠すために右腕に岩の腕を形成するようにサイコキネシスを発揮させていた。

 

先ほど形成してた大きさの倍以上の大きさの岩の腕を形成する。

確実に潰して殺す。

その殺意を胸に今まで以上のスピードで振り下ろす。

人生で聞くことのないようなほどの大きな、風を切る音。

それを聞きながら、地面ごとこの女を粉砕する。

大きな地割れがあたりに響き渡る。地面の殴った部分は大きく陥没し、上から破片が落ちてくる。それほどまでの力で殺したのだ。

 

勇敢な女への敬意を胸に、織斑千冬の方向を向く。もう、邪魔者はいない。不本意な命令だが仕方なし。

すまないが命を貰う。

そう思いながら腕を横に構え、力を貯める。

そしてその力を一気に爆発させ、目で追うのも至難なほどのスピードで横に腕を薙ぐ。

これで終わりだ。

 

 

 

 

 

 

────不意に腕を何かが切り裂いた。

ばかな。

そう思いながら腕を切ったものの方向を見る。

そこには、先ほど殺したはずの女が刀を構えて立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやらしくったようだ。

師匠には悪いが織斑姉弟を守るのは無理だったようだ。そもそも能力がないのに、能力者などに叶うわけがない。そう、心の中で愚痴りながらスローモーションに見える大きな腕が自分に段々近づいてくる。

耳はその腕が圧倒的なまでのスピードにより起こしている風の切る音を聞く。

前世はわからないが、今生はこれでおしまいのようだ。

思えば俺の今生はほとんどを家の中で過ごしている。生まれつき肌が黒いと言ってもずっと家の中にいたのでまったく遊んだりもしていない。

なんやなかんや後悔を思いついてしまったな。そう思いながらある光景が目に映る。

 

織斑姉弟の姿。

織斑一夏と織斑千冬はこちらを見て愕然としている。当たり前か。目の前で人が死ぬ瞬間になるとは思ってもみないだろう。

しかしそこであることを思い出す。あることと言っても言葉や出来事ではなく、俺の気持ち。ちっぽけな、しかし確実な誇りを心のどこかでかけていた「織斑姉弟は守る」という気持ち。

師匠から命令されたもの。それを思い出した。

 

するとその時、体の奥になにかが爆発する感覚があった。体の底から物理的な熱さを感じる。沸き起こる不思議な現象を感じながらも腕は俺を押しつぶした。

クレーターができ自分は地面に埋まる。

ドン、ドンという地響を感じながら一瞬で埋まっていた状態から脱出すると、今にも殺されそうな織斑姉弟が目に映る。

その瞬間、体が自然に居合の型を取る。刀も持っていないというのに。

あれを防げるものを持っていないのに、なぜか自分は腕を振るため力を込める。

その瞬間、紅蓮の炎を巻き起こしながら、朱色のの鞘に収まった刀を出現させた。そしてそのまま刀を振るう。

その瞬間、炎が飛び、その腕を切り落とした。

 

 

 

 

 

 

 

体が熱い。しかし不思議と気分は高揚していた。

背中の傷は嘘みたいに無くなり、先程までの激痛も残っていない。

見覚えのない赤い刀を持っていたが、いまは関係ない。この男を倒さねば。

師匠から任されたんだ。この兄弟を守れ、と。

 

男はいきなりの出来事に理解が追いつかないのかこちらを見て驚いていた。

能力者なのだ。戦いぶりなら見ても多くのものと戦ってきたんだろう。死なないものや傷を一瞬で治すような能力を見たかもしれない。だが、今回は殺したと思った人間が生きていたのだ。そうもなるだろう。

自分は刀を構え一気に男との距離を消す。

 

先程までは見えもしないし避けれもしないはずの腕が、今では良く見える。スローな動きを見ながらそれを体制を低くしながら避けさらにスピードを上げて懐に潜り込み、袈裟斬りをする。

手応えはあるが筋肉のせいか死ぬまではないと思った。

しかし、今はそんなこと関係ない

ただただ

 

─────気分がいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑千冬は目の前の出来事を疑った。大男が岩の腕で潰したはずの淑守が生きているのだ。それもらんらんと赤く目を輝かせながら。

そしてもっとも疑ったのは大きな岩の腕を、先程までは持ってなかった、赤い刀身の刀で切り裂いたことだ。

彼は笑っていた。オモチャを手にいれた子供のようでもあり、戦いが楽しそうにも見える。

 

刀を軽く振ると、とても人間とは思えないようなスピードで岩の腕を避け、大男に近づき、一閃。

淑守の動きを捉えきれなかった大男はその斬撃を腕に受け、血が流れた。

室内を縦横無尽に駆け回りついには、蹴りで大男を外に蹴り飛ばすという、体格や体重差などを無視したような力を見せつけた。

 

千冬は朝のことを思い出す。

目が覚め、いつも通り1階に行き、水を飲もうとすると、ソファのところに黒い少女がいたこと。

近所のギルガメッシュという自分勝手な王のような人物から話を聞いていたがまるでイメージとは違った。

あまり室内から出ず、修行もあまりしない。やることは趣味でご飯だけ。

自分の趣味であるゲームもあまり付き合わないという気ままさ。

実際に、たしかに他人の家のソファで寝るなど気ままさが現れているが

不思議と嫌悪感は無かった。

ダボ付いた黒いカッターシャツを来ている彼女はぼーっと外の、壊滅している家を見ると、こちらをちらっとみてきた。

何を思ったのか知らないが、興味を湧いた。

 

正直弱そうだとも思っていた。こんなやつが一夏や私を守れるのか、と。

だが、実際は強かった。今まで色々な格闘技を見てきたが、それに当てはまらずも見てきた人たちよりもしぶとく、生きるのに必死で、なによりも守るために標的を自分に移すように戦っていた。

 

そして今になっては大男を圧倒してさえいる。

しかしどこか危ういような雰囲気を醸し出している彼女は、さらに加速していた。

 

 

 

 

 

 

 

 




やばいいいいいん


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

刹那

あああああ時間がめっさあいたやああああああん


心臓がまるでエンジンのように血流を早く動かす。それにともない体温も異常なほど高くなり、動体視力、身体能力ともに人間離れした動きを実現する。

 

淑守が強化された蹴りで大男を外に蹴り飛ばすと、次はそのままその男の頭上に飛び上がり男の心臓をねらって刀を突き立てる。

男はそれを間一髪避け、すぐさま転がりながら立ち上がる。避ける時に多少背中を掠ったがなんともない。だが今危ないのは斬撃を受けてしまった右腕だ。

少々出血が酷い。またいつも能力を使ってるのも右腕なのでそれも少し都合が悪い。

 

手を抜いたつもりは無いがこのザマである。途中までは多少身体能力の高い少女とばかり思っていたが、今まで戦ってきた能力者とは訳が違う。

身体能力が元から高く1発1発の攻撃が重い者もいたが、それはあくまで体が頑丈になったりといった範疇なので攻撃は当たりはする。

 

だが、この少女はどうか。動体視力がいいのか攻撃は見切られ、身体能力もそれに釣り合い、とても高い。普通ならば死ぬ攻撃を受けてこうして立っており、その時にできた傷もすでに治っている。

まるで魔人だな、思いつつもどこか抜け道がありそうだ。

こいつは今とても気分が高揚している。

酔っていると言ってもいいだろう。

その結果獣のごとき怒涛の連撃を可能にしてるのだろうが、見切れればカウンターで、こんどこそ本気の攻撃を加えれば、殺れるはずだ。

 

そう思いながら左手にあたりの瓦礫を集める。

俺の能力はサイコキネシス。おそらくまだバレていないはずだ。ので、これに賭ける。

あえて左腕にの瓦礫を両断させ、その瞬間にサイコキネシスで強化された右腕を使い体を貫通させてもらう。

身に多少そぐわない司令を受けたが仕方ない。家族のため、この少女達を倒さねばならないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

淑守はどんどんと加速する自身の身体の異常にきずいていた。どんな仕組みかも。

 

意図的に心臓の鼓動を早くし、自身の体を通常時より早く動けるようになる仕組み。

どのようなことがトリガーになり、この仕組みが働いたのかわからないが、まあいい。

いまは眼の前の大男だ。おそらく利き腕であろう右腕をを切られてまだ諦めてないその目はあなどれない。

しかし今は違う。気分が高揚している。しすぎている。

あなどれないという気持ちも置いてき、理性も置いてき、さらに加速し男の眼の前に飛ぶ。

 

飛びかかる最中、男の左腕に瓦礫が集まるのが見える。あれで防ぐ気だろうか。

刀を頭の上に掲げて一刀両断にする。瓦礫を確実に両断した。あとは首を切るだけ───

 

 

両断した瞬間、淑守の体を男の右腕が貫いた。

その右腕は淡くモノクロな感じのオーラで覆われ辺に紫電を撒き散らせながら、淑守の体を貫いていた。

 

転生者、神鳴誠一の能力。サイコキネシスによる、塵を高速移動、塵どうしを擦り合わせることによりプラズマも発生させ、殺傷能力を挙げる技。

 

掠っただけでもその部分を消し炭にし、一瞬にして焦がす奥の手の一つ。

名を、【鏖雷】

塵から雷を発生させ、またその雷により相手を塵に変える大技。その絶大なる一撃は淑守の腹を貫通させなお勢いは衰えず、その前方の家の壁を軽々と粉砕していた。

 

神鳴誠一はそのまま腕をふり抜き、淑守の体を吹き飛ばす。瓦礫の上に受け身なしに突っ込む。

 

 

 

────今度こそ、確実に殺った。

内臓も焼かれた。潰すこととは違い腹を貫ぬいた。

地面に血が滴る。右腕には未だに小さな紫電が残っている。

 

殺った。確実に貫いた感触があった。

はずなのに───

 

倒れている淑守の身体から異常な熱気を感じる。淑守周りは陽炎で揺らめき、先程までその体から流れていた血は完全に蒸発して固まっている。

腹の傷もなぜかすでに無くなっている。

 

 

奴は…人間を辞めたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

身体は熱気に包まれ、眼は紅く煌めく。刀は火を噴く魔刀になり、淑守の体は音を置き去りにした

 

目の前から消えた途端、神鳴の左腕が吹っ飛ぶ。刹那のうちに斬られた。目に映らない早さ。淑守が走ったあとの地面は粉砕されているがその粉砕されるという結果に至る前に淑守はすでに違う場所に立っていた。

 

神鳴は片腕を抑え片膝を付きながら淑守を見る。

 

「…こんな桁違いな転生者がターゲットの護衛だと…割に合わなさすぎる依頼、だ…」

 

そう言いながら男はこちらを睨む。

ゆらり、と立っている淑守は刀を右手でダラン、と持ち、まるでさっきまでの淑守とは違う感じになっている。

 

───仕方ない。以来は失敗した。命まで失うわけにはいかない。

撤退するか。

 

神鳴はそう考え、能力を隠さずサイコキネシスの能力であたりの地面を浮かせ、淑守に投げつける。

 

無論、淑守はそれを軽々も半身になることで避ける。が、その攻撃が終わった頃には、すでに神鳴は逃げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




だいぶ遅れたすみませんんんんん


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

抜け落ちる日々

最近アナタシアのダンスに夢中な我


とあるどこかの一室。

窓から入る光は赤く、もうじき夜になろうとしていた。

その赤い光が指す部屋は真っ白で、空白のような空間だった。

その空間の壁のところには。

ベットに寝ている白髪の青年が1人。

 

部屋には誰もいなかった。最初は誰来なく、生き物の気配すらないこの施設で。

上げれもしない慟哭を必死に抑えて、抑えて抑えて抑えて壊れて発狂して発狂していた彼は。

今、生命の終わりを迎え用としていた。

すでに動けないこの状況下に置かれて2週間。

飲まず食わずでここまで生きているのもおかしいが、ともかくは2週間耐え、そして死にかけていた。

思い出すものもなし。生きる意味もなし。

そんな彼は今───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと、見知らぬ天井が見えた。

 

じゃない。なぜこんなところに俺は寝てるんだ。

たしか大男と戦ったはずなんだが…?別にあの世ってわけじゃなさそうだし。

だけども、なぜか何があったか思い出せない。たしか岩の腕に押しつぶされたところまでは覚えているのだが…

 

てそうだ。なぜ俺はあんなことが起きたのに生きているんだろう。ふつう死んでないか。

 

 

とりあえず目眩を感じながら起き上がる。たしか織斑邸は大男との戦いで壊れたはずだ。

この目でそれは見ていることは覚えている。

ならばここはどこなんだろうか。というか千冬と一夏はどうやったのか調べねばならないのだが、どうも体の調子が悪い。少し気怠い感じがするが、そうも言ってられない。右手にドアがあるのでとりあえず確認しに行こう。

そう思いながらベットから立とうとすると、ストン、と膝が何故か崩れた。

 

…どうも足に力が入らない。太ももの丁度半分から下の感覚が感じられない。

まさか潰された時の後遺症か…??

 

そう思いながらベットを使ってもう一度立ち上がろうとすると、目の前のドアが開き黒髪の少年が入ってきた。転生者だとかゲームでよくある不思議な少年Aなどでは間違ってもない。一夏だ。

一夏は起き上がろうとしている俺を見て、びっくりしながら「淑守さん!?目覚めたのか!」といいすぐさま近ずいてきた。

 

そこであることに気づく。

なんかこいつ…でかくね?

 

おかしい。記憶のある限りではたしかまだ俺の腰らへんだった気がするんだが。

こいつ、すでに俺の上顎あたりまで来てるぞ!?

でかくなってないか…!?

なんだこれ…!?

と、そこでもう一人が一夏の声を聞いてドタドタとあがってくる音が聞こえる。どうやら二階建てだったようだ。

 

「淑守、起きたのか!?」

そう言って入ってきたのは、黒スーツの姿をしている、織斑千冬だった。

ただ、やはりこっちもなぜか成長している。なんとナイスバディになっているではないか。

て何がどうなってるんだろうかこれは。

 

混乱した表情をしている俺を見た二人はとりあえずベットに俺を座らせ、順を追って説明をしてくれた。

 

 

 

 

 

 

どうも俺は、大男と戦う際人外的な力を見せ、大男の巨体を蹴り飛ばしたり、腕を切ったりしたらしい。

その時の記憶はないので能力の発現したばかりだったからか記憶が飛んでるのだろうか。

 

ともかくはそれは置いといて。

大男を退けた後、俺はどうやら気を失って倒れたらしい。

 

…聞いただけだと真実味がない…

で、もう一つはなぜ一夏や千冬がでかくなってるかなのだが。

長い間眠っていたとか?いやいやまさかそんなゲームじゃあるまい「実は…淑守さんは、5年間寝てたんだ…」おいおいまじかよHAHAHA

 

…え、5年?じゃあ俺今19なの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞いたところによると一夏は今15、千冬は22らしい。

て千冬年上だったんだな。

 

ともかく。俺がそんなに寝てるなら師匠がなにか考えているはずなんだが、なぜここにいないんだろうか。またフラフラどっかをバイクで走り回ってるのか

千冬や一夏に聞いても師匠のことは知らないらしい。

ただ、千冬から聞いたのはあの「俺の能力か覚醒した時」大男が撤退したあと、倒れた俺の横にいつのまにか立ってなにか謎の液体を俺にふりかけていたらしい。

そこから師匠は行方不明、とも。

 

いったい何故なのだろうか。

師匠が敵なら千冬や一夏をいつでも殺せたから敵という線はない、はずだ。

 

殺すのが目的ではないという線もあるがとりあえず師匠はほっておこう。考えるだけ無駄っぽいし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たしか師匠は本作に入るのは一夏が高一に上がる少してまえと言ってたはずだよな。で、今一夏は15だから大体あと…少ししかないじゃないか!?

こいつ早生まれか!?遅生まれか!?あ????早生まれ!?ならあと数ヶ月もないじゃないか!!!?!?

 

どうしてこうなった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

淑守は久しぶりに外に出て、散歩をしていた。

少し遠くまで行ってみたい気分だったので山を登っていると寺を発見した。中々古く、昔の人がいう「趣がある」と言った感じだ。

そしてその寺の前には一人、長髪の中性的な優男がいた。

 

「おや、住職殿からは聞いてないでござるが、山の中を歩いてきたお客人でござるか?む、違うんでござるか。」

 

なぜか、その優男は昔の侍が着ていそうな服装で腰に細長い袋に包まれた棒のようなものを携えていた。

 

一昔前のござる口調と変わった人ではあるが、悪い人ではなさそうだ。

にしても今の時代にござる口調とは…

髪の毛が少し赤っぽいし外国人なのだろうか。よくある時代劇で日本語を学んだのかな?

 

「いやぁ、拙者これでも日本人でござるよ。で、今日はどうしたのでござるか?こんな山の上まで歩いてくるとは。なにかお困りでござるか?」

 

や、たんなる散歩です。と軽く返す。にしても山の中に寺があるとは聞いたこともないのだが、よくある地元の人にとってはなんら特別ではないものなのだろうか。

と、いつもながらぼーっと考え事をしていると赤毛の侍さんは「山を登ってきて疲れたでござろう?お茶でもどうでござるか?」と声をかけてくれた。手ぶらできたものだから少し喉が渇いていたので、遠慮なく貰うことにした。

 

寺の中に入ってみると、風通しがよく木の葉が舞う、落ち着けるような場所になっていた。

周りを見渡していると、赤毛の侍は「こっちでござるよー」と呼んでいたのでそちらに付いていく。

本堂とは別の部屋に入れてもらうと、赤毛の侍はお茶をコップに入れ持ってきた

「ところで今は平日でござるが、学校はどうしたのでござるか?お主の年ならばまだあるはずでござるが」

 

おっとこの侍痛いとこついてきやがるぜ

まあ学校なんか行ってないがわざわざ言うのも野暮だし休んでることにするか

というかほんとに原作とかどうするんだろうね。

 

どこからかそこは言っちゃダメ的な視線を感じながらも無視しながらお茶を飲んでいると外からなにかドン!!という、なにかが落ちてくるような音が聞こえた。

なんだろうと思いつつ、扉を開けると、そこには…

 

顔にはパンティー

 

ほとんど裸で、パンツの両サイドを肩に引っ掛け

 

股間の息子は雄々しい

 

そう

 

彼の名は

 

変 態 仮 面

 

 

 

 

 

〜続く〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょっと中途半端になっちゃったかな?
年末年始は用事で更新遅くなるかもしれません!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

協力者・上

春眠暁を覚えずー

 

処処啼鳥を聞くー

 

夜来風雨の声ー

 

花おつること知る多少ー

 

 

 

と、しょっぱなかな現実逃避していた淑守は、自分の今の境遇に頭を痛めていた。

 

 

大男と戦い、その後能力の反動でか、倒れてしまい、長い間眠っていた淑守!!

彼が目を覚ますと、なぜか5年という長い月日が立っていた!!昔は小さかった一夏は自分の身長をすでに追い抜き、千冬はナイスバディになっていた!!!

ならば自分もなにか変わってるだろうと鏡を見た淑守は絶望した!!!いい男になってるわけでもなく、五年前と同じすがたのままだったのだ!!(CV.バギー)

 

 

 

 

淑守は激怒した。

自分の青春時代が寝て過ご終わってしまっていたことに。

 

姿形は変わらなくても19は19。

それとも寝てる間は成長がとまってたりするのか。

ともかくは今更学校なんて行けるわけもなく、青春時代を寝て過ごした淑守はこれからのことを考えていた

 

え?なに?まだ能力者との戦いも終わってないのにこれからのことを考えるのはおかしい?その前にどうやって一文無しで生きるかが私にとって大事になるでござる。潤いもほしけり、ということで働きます。

どうやら一夏と千冬は能力者との戦いにより壊滅した『元・我が家』から俺の身分証明書云々を回収してくれていたようだ。

 

ということでとりあえずなにかあったらすぐに駆けつけやすい近くのコンビニとかで働くとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果

 

落ちました(´;ω;)

どうも定員には事足りていたらしい。え?なに?このコンビニが何かの伏線になるんじゃないかって?なわけないだろう…

とりあえず手当り次第に他のとこにも応募してみよう。

 

 

 

結果

落ちました( ˙-˙ )

は?なんで落ちたんだ!?学歴か!?あ!?たしかに中学とかの時代を俺は通過してないが!!!

仕方ないだろ!?寝てたんだから!!!

 

…ふぅ。とりあえず落ち着いて今日はここらにするか…

もう最初のクールみたいな印象ないだろ?え?そんなの最初からなかった?

うるせぇ(自主規制)!!

 

 

 

と、街角で壁に向かって落ち込んでいると、なにやら後ろから声をかけられた。

「や、やぁ。そんなところで壁に向かって落ち込んで、どうしたんだい?」

わりと引き気味だこの人!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名前は田中志郎、どうやらとある本屋の代理店長らしい。

特徴といえば、すごく顔色悪い。

真っ白というかもう真っ青。どうしたんだろうか。体調が悪いのか、と思えばどうやら、いつもの事らしい。

 

「なるほど、君が苦労してることは分かったよ。それなら僕のところでバイトするかい?まあ給料はそこまで高くないし面白くもないかもしれないけど」

 

えらく腰が低いぞこの人!?

というか町中で声をかけられるとか普通あるだろうか、いやない。

俺はあの大男との戦いのあと寝ていたのだ。あいつが組織に属してるなら十中八九というか普通に俺のことは言ってるだろう。

町中で声をかけてくるなんて怪しい。ぶっちぎりで怪しい。本当は違うのかもしれないが、こっちは命がかかってるのだ。仕方ないが断らせてもらおう。

 

「ま、まあ、でもまようよね…店も店員が僕を含めて二人しか居ないし仕方ないよね…。うん、君はまだ頑張って働くところを探しておくれ…」

 

やべぇ、すっげぇ断りずらい。

…い、一旦見学という形でいいですかね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別の仕事があるらしく、田中さんは連絡先を渡して去っていた。

今日は既に行く気はなかったので後日いくことにし、自分も家に帰る。

すると、その途中何やら一夏君が歩いているではないか。

それも女の子と。原作組かな?よく知らないのだが。

後ろ姿は小さな体躯に灰色の髪の毛服は長袖のシャツを来ている。しかしそれよりを俺が驚いているのはあの一夏が女の子と二人きりで歩いているところだ。

 

ほんの数日前のように蘇る小さな一夏が…

女の子と二人きり、か…

 

 

 

 

羨ましいかよぉぉぉぉぉぉ

ぜってーぶっ殺す!!!

 

「いや、流石にそれは不味いんじゃないかね?」

 

と、その瞬間後ろから声がかかる。

淑守は距離を取りつつ後ろを振り向く。気配がしなかった───

能力者か。

 

振り向くと、そこには白い髪に浅黒い肌、黒いシャツに黒いジーパンも全身黒色の男がたっていた。

胸元は着崩しているので軽くはだけている。

とてもチャラい。

いや、そうでなく。

 

何者なのか、こいつは。

 

 

「何者か、とでもいいたげな顔をしているな少年。」

その男はその灰色の目でこちらを見据えながら周囲を警戒していた。

 

 

「私はエミヤ。」

 

男は周りの警戒をとき、こちらを見据える

 

「───君の師匠、ギルガメッシュの協力者だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遅くなりましたあああああああ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

協力者・下

マイペースに行こう(開き直り)


とある悪魔が散歩していた。

とある世界の隅っこの孤島に。

そこには悪魔や天使、神さえも建築出来なかったであろう白く巨大な、船があった

純白であり虚無。物体であり、生命を感じさせるモノ。

 

ほかの悪魔とソリの合わない彼は息抜きのために散歩をしていた。その折に見つけたのだ

おおよそ理解不能な物体を。

普通ならば人間の組織でいう上司に報告をしたりするだろう。

だが彼はしなかった。するか悩むこともなく見つけた事実を自分の胸の中にしまい込んだ。

 

彼は他の悪魔と違い身体能力が高くない。魔力にばかり特化していた。特化しているからといって周りの悪魔となんら差異はなく一般的な悪魔と同じより少し高いだけだった。

そんな彼は唯一の特技に飛ぶ能力を持っていた。

大悪魔でさえゆったりと滑空したりする程度だ。

しかし彼の翼はまるで根本的な悪魔とは違った。その羽ばたきは誰にも追われることはなく彼を現実から遠ざけた。

悪魔が現実から目をそらすのもおかしいだろうが、彼はそれだけの変わり者なのだ。

軽口叩き、ミジンもない余裕を見せ、臆病に警戒する。そんな彼は孤島で────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

協力者。エミヤと彼は名乗った。

ギルガメッシュがある日、酒に気分を良くしながら俺に見せてきた写真。

それをエミヤも見せてきたのだ。

複製不可、機械の視認も不可。そしてギルガメッシュの持っているものとは違うと決定付ける印

どうやら本物のようだ。

 

ギルガメッシュ以外の協力者。それが目覚めてこんなにも早く会うとは。

 

「信じてもらえたかね?今回は別件でここまで来たんだが…。ふむ、どうやらやはりまだ君にとっては不明点が多いらしいな。」

 

「どうやらブラジルの麻薬カルテルを分解させるために旅に出た組織の人間がここらで時間を潰すと言っていたので来てみたのだが…」

 

そう言いながら周りをまた確認する

 

「…ふむ、いないようだな。いやなに、その途中君を見つけたから声をかけておいただけさ。あの英雄王のことは心配するな。居場所は確認している。」

 

そう言うとエミヤは「それでは私は行くとしよう。声をかけただけなのでね」といって歩き去っていった

どうやら本当に見かけたからだけのようだ。

まあ特に気になることもなし、とエミヤが歩いて行く方向に背を向け、自分も織斑邸に帰って言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────ある薄暗い部屋にて

 

 

 

「織斑…一夏…」

 

昼間だというのにカーテンやらなにやらで光という光をすべて遮った部屋の中。

そこには本棚がずらりと並んでいた。

そしてその本棚の前に、本をみながら呟く男がひとり。

 

「織斑…千冬…」

 

その男は悪を企てるものだった

 

「この二人は…抹殺せねばならない…」

 

太陽を飲み込むほどの悪。

おおよそ現代の化学でも解明できない体をもつ者。

 

「だが…こいつらの周りには、まるで焚き火に群がる虫のような数の、転生者共がいる…」

その男は、本棚を触りながら横に歩いていく

 

「この世界を…我が手中に収めるために…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




早めの投稿(文字数的に)
そうえば大体文字数は2000はいくようにしてるんだけどもっと増やした方が読みごたえあっていいかな?
なにか意見などあるなら感想にて教えてくださいー


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鈍色の光

テヤァ!!!


街中のとある一角

あまり人がこなさそうな道にあるこじんまりとした本屋。

淑守はその本屋でアルバイトをしていた。

本屋でバイトするさい渡された青紫の、普通は使わないであろう変わった色のエプロンを着る。

この本屋の店員は現在3人。

自分、店長代理、ほか1名だ。

 

ほか1名と言った人とはまだ顔合わせしてないが店長代理とはすでに顔合わせをしている。むしろなぜか町中で店長代理に声をかけられたから。

あれは恥ずかしかった。…いや、思い出すのはよそう。転生者全員変わった人間と思えばいいんだ。

 

と、心の中でなぜか心なし落ち込んでいた淑守はふと窓の外、海の上に建設された学校。IS学園をみた。

前、千冬から聞いたが千冬はあそこで教員をしているらしい。なぜか一夏は知らない様子なので黙っておいたが。

千冬はどうやら普段家にいることは無いらしいので俺はとてつもなくいいタイミングで目を覚ましたのかもしれない。

 

どうやらこれもまた俺が寝ている間の出来事らしいが世間は女尊男卑の世界になっていたらしい。

その理由は先のIS学園に関連しているのだが、どうやら俺が寝ている最中、ISという人が搭乗できる兵器がある博士によって開発されたらしい。

 

その博士の名前は忘れたが、問題はその兵器【インフィニット・ストラトス】通称ISは女性にしか反応せず搭乗できるのも女性だけのようだ。

 

そしてそのISは世界最強と言われる兵器。なんの嘘でもない事実らしいが────

それが女性にだけ乗れるため、世間は女尊男卑が当たり前となってしまったらしい。

 

正直ISが凄いだけで女性はそこまで凄いとは言えない気がするが、そんなことを言い出したらめんどくさい話が展開されそうなのでスルーしておく。

 

だが実際問題この前外を歩いていたらとんでもない高飛車な女性を見かけて引いたのだけどね。

街ゆく男を小馬鹿にしながら歩いているその女は綺麗かもしれないが内面が荒んでましたです

 

 

 

と、途中まで誰かに説明をしていたら、店長代理が着替え室からでてきた。

 

肌が真っ白でどうにも疲れきり、調子が悪いようにしか見えないこの人こそが、この本屋の店長代理をしている、田中士郎(25)だ。

 

「おはようございます。淑守君。窓の外に気になるものでもあったのかい?」

 

前見た時よりも体調悪そうだなこの人…

そう思いながら「IS学園をを見てただけです 」と軽く答える。

ほんの数日前にここにバイトで入ったのだが本当にあまり人がこない。ただなぜか経営が成り立っておりそしてまたこの本屋には掘り出し物というのか、レアな書物が多いと人懐っこい客が説明をしてくれてた。

しかし、ほとんど立ってるだけだなこれ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜8時。

バイトが終わり家に帰っている最中、店の右手の細い路地からなにか物が崩れる音がした。おそらくそこに置かれていたゴミ箱かなにかの崩れる音だろうが、ゴミ箱かなにかが一人でに倒れることは無い。

転生者が連続に攻めてくるとは思えないが念の為見ておくことにした淑守はその路地のほうにむかい足を進めた。

 

 

そして路地に入れる角についたその時。

足元をなにかが素早くかけて言ったのが見えた。暗くてあまり分からなかったが、おそらく今のでかさは猫だろうか。

それならゴミ箱やなにかが倒されることも納得できる。

単に転生者の件で過敏になっていたようだ。

あまり過敏になりすぎると休憩もあまり出来ないだろうし、さっさと帰ることにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───とある授業中の教室──

 

 

 

教室の中はがやがやと生徒達の会話で少々騒がしくなっていた。当たり前の光景だ。

教員はガヤガヤと騒がしくなっている生徒達に少し注意をし、そして黒板に字を書き始める。

するとまた段々と騒がしくなっていく。これもまた普通の光景だ。

 

生徒達の会話で騒がしくなっている中、ピロン、と携帯の着信音が鳴った。

数人はその音に気づいたがすぐに会話に戻る。

 

 

その数分後、ある生徒が立ち上がり『先生、トイレ行ってきます』と言って教室から出ていった。

 

 

 

 

 

廊下にて

先程出ていっただ生徒が携帯をいじりながらトイレに向かう。

その生徒は結い上げた髪をきつかったのか軽くいじる。

また、ピロン、と鳴った携帯をみて溜息をつきながらどこかに電話をかけた。

 

「たはぁ〜。勘弁してくださいよ熊上さん。俺学生っすよ?今の時間帯は大抵授業って言ったじゃないっすかぁ…」

 

どこか間延びした様な口調の彼は、少し長い髪を結い上げた頭もぽんっと叩き軽口をいう。

 

「仕事は放課後まとめて聞くんで今は勘弁してくれません?え?急ぎの用?前もそんなことを…あぁ〜はいはいわかりましたよっ」

 

そう言って携帯を切った彼は窓の外を見て、呟く

 

「化け物狩り、ま〜た危ない仕事持ってこられちゃったよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想、評価などしてくださったら嬉しいですぅぅぅぅ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

悪魔の物語

短編集です


投稿したと思ってたのにして無くて焦った


とある白い悪魔がいた。

まるで鳥のような翼を持った悪魔が。

 

悪魔は、世界の端の孤島であるものを見つけた。

白い船の事じゃない。

その船の中にいたイキモノのことだ。

たしかニンゲンといったか。自分たちのような悪魔の世代にはすでに地上に現れようとする悪魔はいないのでニンゲンについての話はあまり聞かなかった。

 

だがそんな彼でも地上ではない場所にてニンゲンいる異常はわかっていた。

そしてニンゲン自体の異常も────

 

 

 

 

そのニンゲンは肌が白かった。髪の毛は黒く体は細かった。

そして、なぜか寝台に寝転んだまま動かなかった。

長らく見ていたがどうやらこのニンゲンは目が見えていないらしい。悪魔には良くあることなので見えていない悪魔はその分違う器官で感知して行動している。

しかしこのニンゲンとかいうのは他に感知する方法はなかったはずだ。

 

なぜ、目が見えていないのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪魔は自分たちが拠点にしている場所にいた。

聞いた話によると、古の大戦にてニンゲンと接触した時の記録を残している本があるらしい。

 

ならば、とニンゲンの体について書かれた本があるのではないかと思い悪魔は本が貯蔵されている場所に訪れていた。

 

そこである本を探す

“なぜあのニンゲンは目が見えていないのか”。

その謎を解くためのニンゲンの体に関する本だ。

時々他の悪魔がこちらを見、そして鼻で笑いながらどこかえ歩き去っていった。

…まあ、良くあることなので気に止めはしないんだが

 

悪魔全書、ニンゲン解体本、拷問館の本、天使に関する本どたくさんの本がある。ほとんどな違う種族への効率のいいころし方だ。

つまらない。

殺し合いばかり考えて何が楽しいのかわからない。たしかに戦闘中の高揚感はいいがその他は特にない。殺すのも仕方なし。

殺されるのも仕方なし。

 

なのになぜこうも悪魔の世界はつまらないのだろうか。

 

 

と、そうこうしてるうちにニンゲンの体が関する本を見つけた。

 

 

 

 

 

本を見ていると、目に関する文章を見つけた。

どうやら、あのニンゲンはシツメイ、とかいうものを患ってるらしい

シツメイ、シツメイ。口の中でその言葉を幾度か繰り返す。

ニンゲンというのは不便なんだな。

そう思いながら本のページを進めていく。

パラパラと開いていくと、ニンゲンが食べるものがいくらか書かれたものを見つけた。

悪魔の世界では見かけないような赤い物体。ニンゲンにとって、アマイ、という感想を抱くようなモノらしい。

 

と、そこであることに思いつく

 

───あいつ。何をどう食べてるんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またある時、悪魔はそのニンゲンがいる場所に赴く。

そして、変わり者の悪魔はそのニンゲンを観察するという趣味ができていた。

得に見ていても面白くはなさそうな、ただ寝ている姿をだ。

 

表情も、体も動くところを見たことがないその悪魔は不意に、話しかけてみようか、と思った。

どんなふうに話すのか、気にならないかと言われれば気になる。ただもしこいつが死んでいたらつまらないな。

 

そう思いながら悪魔は語りかけた。

 

「よー兄さん。…俺の声、聞こえるぅ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんか時間起きすぎてキャラぶれっぶれやぁ…

感想受け付けてマース


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。