決闘盤は盾、カードは剣って幻想郷でも通用するのだろうか (ネヘモス)
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いきなり死んで異世界転生したら襲撃された件についてby玄乃
「という訳であなたは死んでしまいましたとさ!」
「死んで早々意味わかんねーよ…」
俺の名前は
「どうせ夢だろすぐ覚める」
「それがそうでもないんだなこれが。キミは電車に轢かれそうになった幼馴染を庇って死んだよ。見てみる?見事なまでにミンチに…」
「おう、俺が死んだのは理解した。で、早苗は?助かったのか?」
「キミのお陰で助かったよ」
「そうか、ならいい。で、俺は天国か地獄か、どっちかに行くんだろ?」
「いや、キミのその勇気に免じて転生のチャンスをやろう」
突拍子もない話だな。てか、このノ〇ノラのテトみたいな神様ホントにそんなこと出来んの?
「できるよ、失礼だな。なら、俗にいうところの特典もプレゼントしようじゃないか。何を所望する?」
こいつ、俺の心を読みやがった!?
「いや、俺そもそも転生する気なんて無いし、何よりあいつが生きてるなら…」
「転生先の世界でその子に会えるかもよ?まだ想いも伝えてないだろう?」
この瞬間、俺は本能的に悟った。こいつは本当の神だ。なら、
「神様はデュエルモンスターズを知ってるか?」
「勿論!インフェルニティ楽しいよね!」
ほう、このロリ神とはいい酒が呑めそうだ。
「じゃあ遊戯王ARC-V仕様の
「オッケー!それじゃあ転生させるね!」
…あれ?なにか忘れてるような…。
「そう言えば、転生先ってどこよ?」
「東方Projectって言えば分かる?」
……をい……。
「俺そんな作品知らね」
知らねえと言おうとして問答無用で意識が遠のいた。
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気がつくと、俺は森のような場所にいた。起き上がろうとして左腕に異様な違和感を覚えた。見てみるとそれは見間違えることなく、ARC-V仕様の決闘盤だった。すると、決闘盤から電子音が鳴り出した。決闘盤を見ると「Calling 神様」の文字。とりあえず、スマホの要領でそれを耳にあてがう。
「もしもし?」
『あ、繋がった?神様だよー。とりあえず、特典の内容と今の状況をざっくり説明しとくねー』
神様の話を纏めるとこうだ。
・能力の名前は「カードを実体化させる程度の能力」。デュエルモンスターズのカードであればモンスターの実体化も出来るし、魔法・罠の使用も可能。但し、上級モンスターや儀式モンスターにはアドバンス召喚や儀式召喚に必要なリリース、それに対応する儀式魔法が必要で、エクストラデッキのモンスターは召喚条件を満たさなければならない。また、出せるモンスターの数は5体が限度、場に残る魔法・罠も5枚が限度と言う正にデュエルモンスターズのルール準拠の能力である。
・万が一の保険としてもう一つだけ能力を与えたこと。能力名は「剣を身に宿す程度の能力」。正直意味がわからんかった。
・そして、現在の時間軸は紅霧異変と呼ばれる異変の少し前で、主人公である少女がスペルカードルールなるもの作る前の時間であるということだった。
『さて、ここでチュートリアル戦闘発生のようだ。じゃあ、楽しい異世界ライフをー』
言うだけ言って切りやがった…。てか、チュートリアル戦闘?俺が周りを見てみると、
「グルルルル…」
(∪^ω^) わんわんお!
みたいな巨大な狼が俺を見下ろして、じゃねえよ!?
咄嗟に決闘盤を左腕にセットして展開する。そして、ズボンの右ポケットにあったデッキをセットした。神様によれば、前者の能力は決闘盤にデッキをセットした後、デッキの上から5枚のカードを引くことで発動可能だそうな。
そして、手札を見てとりあえず様子見をすることにした。
「召喚『
俺が召喚したのは、相手の狼よりもひと回りもふた周りも小さな黒いドラゴン、そして、俺の相棒を呼んでくれる切り札だった。巨大な狼がそれを認識すると、小さなドラゴンを攻撃した。その巨大な爪でドラゴンが切り裂かれると同時に俺に衝撃波が襲ってきた。だが、
「後悔するのはテメェだ、ワン公!」
ギャァァァァァァ!!
突然鳴り響くドラゴンの鳴き声。それがトリガーとなり、俺の相棒を呼び覚ました。
「行くぜ相棒!召喚『
ゴアァァァァァァァ!!
そこには、先程の小さなドラゴンが成長した姿、そして、前の世界での俺の相棒とも言うべきモンスター。デュエルモンスターズを知らない人でも名前くらい知っているであろうモンスターの1体。
真紅眼の黒竜が狼の前に立ち塞がった。
「レッドアイズ、そいつを焼き払え!黒炎弾『ブラックフレアバースト』!!」
レッドアイズの口から黒い炎が吐き出され、巨大な狼を跡形もなく焼き払った。狼がいなくなったのを確かめると、俺は力が全身から抜けていくのを感じた。と言うか、俺の意識はここで途切れた。
「あれ?確かここで妖気を感じたんだけど…。て、誰か倒れてるじゃない!早く手当しないと…ん?これは?」
玄乃が気絶して数分後、その場所に赤い巫女服の女性が現れた。お祓い棒にお札を持っていて、黒い髪を背中まで伸ばした女性は玄乃とその近くにあった絵札を見つけた。全体が緑色の枠で覆われ、黒い竜が火を吐いている絵が描かれているカードだった。
「『黒炎弾』?何だろう。とりあえず、この人を運ばないと!」
女性は玄乃を担ぎ上げると、自分の生活拠点である神社に飛んでいくのだった。
先に言っておきます。Fate要素が出てくるのはまだ先です。てか、能力見たら察する人多いんじゃ?
ちなみに、主人公のメインデッキは【真紅眼】です。そのうち派生系も出てきます。では、次回お会いしましょう(・ω・)ノシ
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先に言っておく、俺はケモナーではないby玄乃
「…俺は、どうなった?」
『大丈夫?ご主人様?』
誰だ、俺のことご主人様って呼ぶ輩は。
『ここですよ!』
ふと、足元を見る。そこには黒いワンピースを着た幼女がいた。それも、なんか影が途轍もなくでかい…、うん?待てよ?もしかして、デュエルモンスターズあるあるのカードの精霊とか?あるわけないか。まさか、こいつが金華猫なんてことは」
『流石はご主人様!よくぞ私の正体が分かりましたね!』
おうふ、思考漏れてた&正解だった。
「金華猫」デュエルモンスターズではレベル1、闇属性、獣族のスピリットモンスター。召喚・反転召喚・特殊召喚に成功したターンに持ち主の手札に戻るスピリット共通効果を持っており、一見すると自分の真紅眼デッキとは無縁に見える。
ところがどっこい、デュエルモンスターズにおける猫はだいたいやばい効果を引っさげている。救急猫からのゴヨウ・ガーディアンなんて環境を荒らしに荒らしまくった戦犯、公式から去勢される始末である。話を戻そう。
「金華猫がお前なのは分かった。それで、俺になんの用?」
『胡散臭い神様を名乗るガキから伝言で、ご主人様の前の世界で使っていたデッキを全部持ってこれることを伝えてくれと。ついでに私が現実世界でこの姿を維持できるようにしたと言ってました』
「とりあえず、ここが精神世界ってことでおk?」
『そんな所ですね。そろそろ目覚めても良いかな?外の女共が騒がしいから』
…後半金華猫の声のトーンが低かったのは気のせいだと思いたい。
『それと、私のことは戦闘中以外では「クロ」って呼んでください♪』
「了解」
そして、眩い光が俺を包み込んで…。
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目を覚ますと、和風の天井が目に付いた。それで俺は布団に寝かされていて、とりあえずこう言う事にした。
「知らない天井だ…」
うん、言いたかっただけです許してください。
「にゃー」
どこからともなく猫の声。すると、俺の腹の上でゴロゴロしている黒猫、もといクロがいた。
「あら、もう起きても平気かしら?」
襖の開く音がしたと思うと、そこに黒髪の赤い巫女服の女性がいた。
「びっくりしたのよー。突然妖気が消えたかと思ったら貴方が倒れてるんだもん。ところで、その妖怪は知り合い?」
「妖怪?もしかして、クロのことか?」
「その子、金華猫って化猫でしょ?橙ちゃんに聞いたわよ」
「へぇ、その橙って奴も化猫みたいな言い方してるけど、そこんとこどうなん?」
「事実だから仕方ないじゃない」
ダメだ。ああ言えばこう言うでのらりくらりとかわされる。もしかして、この人がロリ神が言ってた
「アンタが『博麗の巫女』博麗霊夢か?」
「あら?外来人にしては珍しいわね、博麗の巫女の事を知ってるなんて。でも残念、あなたの目の前にいるのは『
目の前の女性、霊歌の話を纏めると、
・博麗霊夢は次代博麗の巫女で現在修行中の身である。霊歌はその監督をしていた。
・その時、感じたこともない妖力と霊力を感じ取り、八雲紫なる人物に霊夢を任せてその場所にやってきた。
・妖力が消えたと思ったら、そこに倒れている玄乃とクロがいた。
「それと、これあなたの?」
すると、彼女の懐から1枚のカード。慌てて起き上がり、デッキを見る。ホントだ、3積みしていた黒炎弾が1枚足りない。
「その通りです。すみません」
「いえいえ、その代わり、その黒い竜が描かれた絵札を見せてもらっても?」
黒い竜が描かれた絵札?もしかして「真紅眼の黒竜」の事か?とりあえず霊歌さんにそれを見せると、
「すごい霊力ねこれ。あなた何者?」
何も言えない。だって通りすがりの
「決闘者?超能力者みたいな人?」
霊歌さん、貴方はエスパーですか!?
「いや、玄乃くん、たまに言ってることただ漏れだからね!?」
そして、俺の処遇は八雲紫なる幻想郷の賢者に任せられることになった。ほぼなし崩し的に…。
真紅眼での金華猫の仕事といえば、分かるね?
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