キリト「皆がヤンデレすぎて怖い」 (エーン)
しおりを挟む

※ネタバレ注意 登場人物紹介 ~現在~

今の登場人物を把握すべく自分も皆さんもわかってほしく、書きました。

皆さんもたまに見てはいかがでしょうか( ;∀;)


キリト 桐ケ谷 和人

 

・今作主人公。ヒロインたちを救ってきた剣士。

今作では、ヒロインたち(ヤンデレ)に振り回されることになる。

 

アスナ 結城 明日奈

 

・キリトの恋人。ゲーム内では婚約者である。

キリトのことがとても好きで、その行為は限界突破している。

・独占型

 

シリカ 綾野 珪子

 

・SAOで命を救われいる。

そのあとは逆にSAOではキリトを自分の命と引き換えにまで守るようになっている。

・排除型

 

リズ(リズベット) 

・SAOでキリトの剣を鍛えた。同時に命も救われている。

そのあとは、キリトが攻撃を受けるたび、ゾクゾクする感覚を覚え、キリトを痛めつけたくなるようになる。

・攻撃型

 

・フィリア 竹宮 琴音

 

・SAOでホロウエリアから救ってもらった。

そのあとは、キリトへ好意を向け、それは拘束したいほどまで。

・独占型

 

リーファ 桐ケ谷 直葉

 

・キリトの妹。すでに好意はずっと向けている。

妹ということで、家の中ではキリトを独占している。自身の体を使っていくことも考えている。

・独占型

 

シノン 朝田 詩乃

 

・GGOでトラウマから救ってもらった。

以来、スナイパーの腕を使い、あの手この手でキリトの行動把握や、拘束方法などを考えていく計画性。たまに性的な手まで。

・ストーカー型

 

ユウキ 紺野 木綿季

 

・絶剣という名でALOの最強プレイヤー。アスナと友情関係・・・。

とでもいうと思ったか。

キリトと剣を交えたことで、キリトが手加減してくれたのかなと、妄想に浸ることもある。しかし、現実世界の体は不調子なため、ゲーム内しか会えないといらだっている。

・妄想型+依存型

 

ストレア MHCPの2号機(メンタルヘルスカウンセリングプログラム2号機)

 

・キリトと一緒にいると、だんだんキリトのやさしさに好意を向ける。

天然なところもあるが、自分の体をキリトに捧げる気はもうある。キリトと一緒にいる女がいたら嫉妬心はかなりあるよう。

・依存型

 

セブン 七色・アルシャービン

 

・キリトと仲間と一緒に居る中、だんだんキリトのやさしさに甘えてくるようになり、今はキリトのことがすき。

レインと姉妹だが、キリトの取り合いで仲はあまりよくないらしい。

頭の良さを使い、卑劣なことを使いながらもキリトを独占したいと思っている。

・独占型

 

レイン 枳殻 虹架

 

・セブンとの仲を取り戻してもらい、それ以来キリトのことを好きになる。

しかし、今はセブンと仲が悪い。現実世界ではメイド喫茶をやっており、そのせいではキリトに尽くすようになる。キリトなしでは生きていられないほどに。

・崇拝型

 

プレミア 

 

・キリトに様々なことを教えてもらい、以来好意があらわになる。

ティアとの協力でキリトを拉致し、二人で好き放題しようという計画が発案されて以来、様々な計画を練っている。

・依存型

 

ティア

・キリトと可能性を探していくうちになんども命を救われ、好きになる。

以来、プレミアとも仲良くなりキリトの拉致を担当している。

時に二人で一緒に拉致することも。

・依存型

 

ユナ 重村 悠那 

・OSで夢をかなえてくれたキリトを好きになり、その心意が体を呼び起こす。以来キリトの世界にともにいる。

キリトを好きで、他の人なんてどうでもいいと思っている。とにかく一緒に居たいと思っている。

・依存型

 

アリス アリス・ツーベルク

 

・キリトと共にアンダーワールドでともに目の封印を破り、必死に戦う彼を好きになる。

以来、キリトの独占を何度も練ってきては周りの女共を排除して二人だけになりたいと思っている。

・排除型

 

アドミニストレータ クィネラ

 

・キリトに倒された最高司祭。キリトの曲がんない心意が気になり、キリトとの再会に胸を膨らましている。キリトのことは好きである。

アドミニストレータの力はそのままALOに。その力でキリトを独占したいと思っている。

・独占型

 

ユージオ 

 

・アンダーワールドでキリトと出会った木こり。

ともに整合騎士を目指す旅をしている途中、整合騎士の裏を知り、アドミニストレータを倒すことに。そのとき、命は尽きてしまう。

しかし、キリトの力によってALOに復活。以来《青薔薇の剣》を持ち、キリトと一緒にALOを楽しんでいる。

 

クライン 壷井 遼太郎

 

・SAOでギルド風林火山のリーダーで仲間を見逃さない。

キリトのことが最近心配になってきては、ヤンデレ達の心のうちを聞く役になっている。

 

エギル アンドリュー・ギルバート・ミルズ

 

・ダイシー・カフェを経営している店主。キリトの友である。

キリトの行動がおかしいとクラインにいわれ、ともにヤンデレ達の心のうちを聞いている。

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

1話 キリトはまだ何も知らない

これまでのSAOゲームのキャラも含んでおります!まだ足したいキャラがいたらぜひ行ってくださいね。

今はアスナとのクエストの帰りみたいだよ?



キリト「SA:Oも悪くないが、やっぱALOはいいな」

 

アスナ「そうだね」

 

キリト「ポーション買って帰るか?」

 

アスナ「うん!そうするよ(もっとキリト君と一緒にいたい・・・)」

 

キリト「じゃあショップによろうか」

 

壁越しに覗く人たち

 

シリカ「たとえ恋人で夫婦でも・・・キリトさんを独占するのは許せないです・・・」

 

リズ「ちょっとアスナといすぎよね?もうちょっと私と一緒にいてもいいと思うんだけど・・・」

 

リーファ「お兄ちゃん・・・妹の私も相手してよ・・・もっと・・・」

 

フィリア「もっとキリト君と一緒に・・・ホロウエリアで最初はあんなに一緒に居たのに・・・」

 

ストレア「もー!もっと私といないと私も怒っちゃうよ!」

 

シノン「やっぱりアスナを許せない・・・いつか・・・」

 

ユウキ「アスナとは仲いいとはいえキリトと一緒にいるとたとえアスナでも許せないよ?」

 

レイン「もっと現実世界でこっちの店に来て私の主人になってよ・・・アスナさんといすぎだよ・・・」

 

セブン「もっと確実にキリト君と一緒に居られる時間を増やせないかしら・・・。大丈夫よ、私は七色博士。そのくらい思いつくわ・・・」

 

プレミア「キリト・・・あのオリジンで私を支えてくれていた時はうれしかったのですが・・・なんでしょう・・・この気持ちは・・・「嫉妬」でしょうか・・・」

 

アリス「剣士キリト・・・アスナといるときだけです・・・あんな笑顔を見せるのは・・・もっと私と一緒にいてその笑顔も私に見せてくれないのですか・・・」

 

ユイ(浮気はだめですけど・・・パパもこんなに大変なのですね・・・)

 

 

キリアスに戻る

 

キリト「この剣ももう今では弱いかな・・・新しいの買おうかな・・・どう思う?アスナ」

 

アスナ「うん!買った方がいいよ!絶対!もしいらなくなったら私が預かってるよ!」

 

キリト「アスナが?アスナは確か細剣だろ?片手剣は使えないんじゃないか?」

 

アスナ「大丈夫!キリト君のだったらすぐ使えるよ!(えへへ・・・)」

 

キリト「そ、そうか・・・。じゃあ新しい武器を買ったら預けるよ」

 

 

リズ(ダメダメダメ!なんでアスナにあげるのよ!それにあたらしいの買ったら鍛冶もしばらくこないキリトなのに・・・私と会う時間が減っちゃうじゃない・・・)

 

 

キリト「まだ寄るところあるか?アスナ」

 

アスナ「ないなぁ・・・。けどキリトくんとはもっと一緒にいたいな・・・」

 

キリト「アスナとなら、いつまでも一緒にいるよ」

 

 

壁越しの一同

 

((((((アスナ・・・許さない))))))

 

 




このくらいで一話が終わります!更新ペースはつかめないままなので遅かったらすみません。また、キャラが多いのでDEBANが平等になるのは難しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話 キリトはまだ何も知らない

キリトはまだ本当に知らないみたいだね~

キリト君は剣を買うのはやめたらしいよ?



キリト(やっぱり武器は買うより宝箱の中身の方が全体的強いよな・・・ちょっとフィールドに出てダンジョン内から探すか)

 

アスナ「ん?キリト君何か悩んでるの?」

 

キリト「いや、武器は買うより宝箱の中からとるのがいいと思ったんだ」

 

アスナ「買わないの?ダンジョン行くなら私一緒に行くよ?絶対に」

 

キリト「アスナは今日かなり世話になったから大丈夫だよ。休んでくれ」

 

アスナ「で、でも・・・(もっと一緒に・・・いたいのに・・・それにソロで行かせるなんて・・・)

 

キリト「俺はフィリアに頼むよ。フィリアはトレジャーハンターだったから、結構勘がいいはずなんだ。それに、まだログインしているからな」

 

アスナ「・・・え?キリト君・・・今何て言ったの?」

 

キリト「え?いや、フィリアと一緒にダンジョン行くって・・・」

 

アスナ「なんで・・・なんで・・・なんでフィリアと一緒になの?確かにフィリアは宝さがし上手いけど、頼りにならなくない?だって私より全然弱い装備だし、キリト君と一緒に戦闘したってうまく立ち回れないよ?ならいつも一緒だった私と一緒にダンジョン行く方がいいとおもうよ?絶対にそう思うよ?」

 

キリト「ア・・・アスナ?い・・・いきなりどうしたんだよ?そこまでフィリアのことを悪く言わなくたっていいじゃない・・・か・・・。それにいつものアスナらしくないぞ?どうしっちゃったのさ・・・」

 

アスナ「私はいつもどおりだよ?おかしいのは、キリト君じゃないかな?」

 

キリト「・・・え?そ、そんなに俺っておかしいか?」

 

アスナ「うん、だから私と一緒にいこ?安全だし、それに私以外のおn「キリト~!!」

 

アスナ「・・・チッ」

 

キリト「ん?フィリアか?」

 

フィリア「キリト、私を探してたんならメッセくらい送ってよ!・・・それで、アスナはいつまでキリトと一緒にいるつもりなのかな?今は私と一緒に居たいんだよ?アスナはもう帰りなよ、私とキリトでダンジョン行くから」

 

アスナ「・・・」

 

キリト(あれ・・・フィリアに一緒に行くって言ったっけな・・・)

 

アスナ(下手に攻撃するとキリト君に嫌われちゃう・・・ここは普通に下がろう)

 

アスナ「わかったわ。私は帰るね、キリト君。けど危なくなったらメッセ送ってね?」

 

キリト「あ、ああ、わかったよ」

 

フィリア「お疲れ様、アスナ」ニヤッ

 

ちょっと前

 

リーファ「なんでよ・・・なんでフィリアさんと一緒なの・・・?宝探しくらい私にもできるでしょ・・・」

 

シノン「フィリアをホロウエリアから救ったのをいまさら後悔するわ・・・」

 

アリス「私はSAOのことは知らない・・・けどなぜ皆はフィリアという奴を救ったんだ・・・整合騎士の私であったあの世界ならフィリアを処刑できるのだが・・・」

 

フィリア「・・・?みんなキリトを観察してるのかな?ならわたしも「「「なんでキリトとフィリアなのよ」」」・・・え?」

 

フィリア「いったん下がろう・・・。そんで・・・もしかして今キリトは私を探してる!?もしそうならすぐに会わなきゃ!!待っててね・・・キリト・・・」

 

 

キリト「じゃあフィリア、氷山フィールドのダンジョンから宝箱探して、もしなかったら別のフィールド行くか」

 

フィリア「うん!トレジャーハンターの私に任せて!」ギュウウ

 

キリト「・・・フィリア・・・?な、なんで腕を組むんだ・・・?」

 

フィリア「いいじゃん!今は私とキリトの時間なんだから!(キリトの匂い最高だよ!)」クンカクンカ

 

キリト「・・・そ、そうか・・・。けど恥ずかしいな・・・さすがに・・・」

 

フィリア「転移門までは我慢!(フィールドでも組んでいたいな///)」

 

キリト「あ・・・あぁ、わ、わかったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょっとキャラ崩壊注意ね・・・



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話 キリトはまだ何も知らない・・・?

洞窟に向かう最中


フィリア「キーリトッ♡」

 

キリト「・・・ん?ど、どうしたんだ?」

 

フィリア「うんうん、なんでもなぁい♡」

 

外見はもうラブラブリア充だった

 

キリト「じゃ、じゃああそこの洞窟にいこうか」

 

フィリア「どこでもいいよぉ」

 

洞窟にそっと入っていく。

 

キリト「フィリア、モンスターがいるから気を付けるんだぞ」

 

フィリア「・・・」

 

キリト「フィリア?」

 

フィリア「・・・ん?」

 

キリト「き、聞いてなかったのか」

 

フィリア「うん、キリトの匂いって良すぎて」

 

キリト「・・・」

 

フィリア「あっ、向こうに宝のサーチが反応したよ!行こう行こう!」

 

キリト「あ、あぁ・・・」

 

コツコツと歩く。

 

キリト「あったな、何が入ってるんだろうな?」

 

そっとキリトは宝箱に手をつき、開ける。

 

キリト「うーーん、これは鑑定必要な片手剣だ。あとでリズにみてもらうことにするか」

 

フィリア「・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

キリト「さ、帰ろう。鑑定して、いい武器だったらいいなぁ」

 

そっと出口に足を向ける。歩み始めると。

 

ガシッ

 

力強くフィリアが腕をつかんだ。まるでHPを削りそうなくらい。痛みを感じなくとも、何かが伝わってくる。

 

キリト「・・・ど、どうしたんだ?フィリア」

 

フィリア「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」

 

キリト「ッ!?」

 

フィリア「なーーんでリズと一緒にいようとするのかな?かな?(レナ風)私以外の女と出会おうとするなんて・・・なんでなの?ねぇ、あなたの恋人はわーたーしっ。キリト君がそう思ってなくても私はキリト一筋。だから常に一緒。リズなんかと一緒にさせたくないなぁ・・・」

 

キリト「フィ、フィリア、俺の恋人はアスナ・・・なんだ」

 

フィリア「なんでアスナなの?あんな人じゃなくて私のほうがよくない?絶対私ならキリトの思ってることなんでもしてあげるんだよ?」

 

キリト「・・・」

 

ますますフィリアの握っている手は力を強める。

 

フィリア「ちょっとお仕置きとか必要かなぁ?」

 

手から黄色いポーションが出てくる。これは・・・麻痺毒だ!

 

キリト「フィ、フィリア!ちょ、ちょっと待つんだ!物騒なものを捨てて!」

 

フィリア「えへ、えへへへへへへへへ」

 

眼が黒くなる。ヤヴァイやつだ

 

キリト「ちょっ!まって!まっ」

 

パリンッ!

 

麻痺毒瓶を割ったのだ。

 

キリト「うっ!」

 

HPバーの横には黄色い麻痺マークが点灯していた。行動不能状態である。

 

フィリア「えへ、へへへへ。動けないキリトも魅力的で好きだよぉ?」

 

 

ゆっくりと近づいてくる。その刹那。

 

???「ハァァァァッ!」

 

フィリア「!?」

 

間一髪、フィリアは短剣を黄金の剣と衝突させてダメージを防ぐ。しかし少し吹き飛ばされる。

 

???「大丈夫か?キリト」

 

キリト「うっ・・・アリス・・・?」

 

アリス「はい、助けにきましたよ。雌豚から」

 

キリト「・・・雌豚・・・?」

 




皆さんはどんなヤンデレが好きなのか、感想に書いてくれればそれを採用させていただきたいと思います。拘束系、依存系、攻撃系、もしくはちょっとあっち系なヤンデレなど。どんなヤンデレがいいか教えてくれればなぁとおもっています・・・。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話 キリトは何かおかしいと気づき始めてきた

アリスの登場。キリトピンチ。

この先は下の本編をお読みください☆


キリト「ア、アリス・・・?」

 

アリス「キリト、待っていてください。今目の前にいる雌豚を駆除します」

 

キリト「ま、待てってアリス!どうしてそんな・・・」

 

アリス「どうして?どうしてなんて、そんなの決まっているではないですか。私の愛人を脅し、誘拐しようとした。当然の報いなはずです」

 

キリト「え・・・?」

 

アリスの目はもう黒く染まっていた。ゆっくりとフィリアに近づいて行った。

 

キリト(ま、まずい!今のアリスは少しおかしい!このままじゃ・・・)

 

アリス「この世界なら死んでも生き返るんだろう?なら死ぬくらいどうってことないはず」

 

キリト「フィリア!ログアウトしろ!死ぬよりまだましになるは・・・」

 

フィリア「ハァァァ!」

 

アリス「ッ!」

 

キンッ!!!剣のぶつかりあい。鈍く音がこの洞窟に響いた。

フィリアが立ち上がったすぐ、アリスに真正面から攻撃を仕掛けたのだ。

フィリアの短剣にはソードスキルのライトエフェクトがついていた。ガチだ。

 

フィリア「アンタなんかに!キリトは渡さないッ!!!」

 

アリス「フン。整合騎士にたてつくなど、無謀な。そなたにキリトは渡さないッ!」

 

キリト(な、なんだこの光景・・・。仲間割れ・・・?あんなに仲良かったのに・・・なぜなんだ・・・?)

 

キリト「フィリア!俺たちはともかくアリスはアンダーワールドから来たんだ!もしこの世界(ALO)で死んだら、どうなるかわからないんだ!だから・・・」

 

フィリア「もしアンタが死んだら・・・私にとっては好都合すぎるよッ!」

 

アリス「私は死なないッ!愛人を置いて他界などしないッ!フィリア!消え去れ!」

 

キリト「やめろ!こんな・・・なんで!?」

 

俺は声で止めることしかできなかった。

しかし、俺の声なんて全く聴いておらず、目の前の相手に目を本気に戦っていた。

 

キリト「麻痺毒・・・切れない・・・」

 

アリス「ハァッ!」

 

フィリア「クッ!」

 

フィリアがガードを崩してしまった。

アリスはこの好機を逃すわけはなく。

 

アリス「セアァァッ!」

 

ザシュッ!黄金の剣が振り下ろされた。

その剣はフィリアの体を上から下へ切り付けていった。

 

フィリア「アアッ!」

 

フィリアの体はエンドフレイム(デス後の炎)になっていた。ゆらゆらと黒い炎が揺れていた。

 

キリト「あ・・・」

 

アリスからは罪悪感を微塵も感じられなかった。

ゆっくりと近づいてくる。

 

アリス「待たせましたね、キリト」

 

アリスの目のハイライトはオフだった。

 

キリト「待たせましたって・・・フィ、フィリアが・・・」

 

アリス「あんなやつのことなんて放っておいてください。それにしても、今のキリトは動けないようですね。あやるにやられたのですね。・・・。これは好機ですね・・・」

 

キリト「え・・・?」

 

アリス「動けない・・・。ハハ、ハハハハハハハハハハッ」

 

キリト「ッ!」

 

アリスもフィリアと同じように、様子がおかしい。

 

アリス「眠ってしまうと勝手にいなくなってしまうんですよね・・・。そうだ、口止め道具でも付けておきますか」

 

キリト「は・・・?」

 

するとキリトは大きな袋に入れられた。口止め道具をさせられたまま。

最後に見たアリスの顔は黒く染まっていた。

 

キリト「ムグーッ!」

 

アリス「落ち着いてくださいキリト。大丈夫です。今から誰からも邪魔させない二人だけのところに連れて行ってきますからね。全部私に任せておいて大丈夫です・・・」

 

キリトは何もわからないまま担がれてしまっていた。眠れば勝手にログアウトできるが、恐怖で眠れやしない。幸い、アリスは現実には来れない。ということは現実の俺の体は一応安全だ。・・・なはず。

 

アリス「アハッアハハハハハハハハッ」

 

狂ったような笑みが、そこにはあった。

 




アリスの口調は少しわかりません。
もし違えば、感想にてすこしお願いします。

感想にアドバイス送ってくれてありがとうございます!とても参考になりました。まだまだ受け付けてますので、どうぞよろしくお願いします!

この話もいずれエンディングが来ると思います。ですがこれは皆さんに質問です。

グッドエンドのみ、バッドエンドのみ、もしくは両方のルートを書いてほしい。どれがいいでしょうか?
グッドエンドはいい感じは終わります。きっと。
バッドエンドはもう・・・キリトがいろいろなことに・・・ね?

なので3つのうち、どれがいいか教えてくれればうれしいですね。エンドの仕方についても要望があれば積極的にそれを採用していきたいと思っています。
もちろん普通の感想を書いてきても全然OK!そっちもほしいくらいw
これからも キリト「皆がヤンデレ過ぎて怖い」をよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話 キリトはちょっとビビってくるようになっちゃう

アリスに誘拐されちゃった★
その先は・・・?




キリト(う、うぅ・・・どうしようか・・・。!!もうすぐ麻痺が切れそうだな)

 

アリス「安心してください。すぐに私の虜になりますから・・・!!」

 

その時だった。キリトは手に持つ剣でスキル《ソニックリープ》で袋を破ったのだ。

 

アリス「ッ!!しまったっ!切れてしまったのか!」

 

キリト「・・・ふぅ。ごめんなアリス。その所には行けないかな」

 

そっと右手から青い結晶が出る。

 

アリス「なぜいけない・・・。嫌いにでもなったのですか・・・?」

 

キリト「いや・・・そうじゃないさ。ただ・・・その・・・重いっていうか・・・」

 

アリス「まぁいい。ここでまた動けなくしてやるからな」

 

恐怖とともに歩み寄ってくる。それに合わせ俺は下がる。

 

アリス「さぁ・・・こっちに来るといい・・・。これから愛し合おう?」

 

キリト「ごめんな、転移・空都ライン」

 

アリス「ッ!転移結晶っていうやつですか!ま、まてー!」

 

ファン。青く煙ったエフェクトとともにキリトはその場をさった。

 

アリス「今度は・・確実に・・・アハハハハ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「はぁ」

 

俺はフィリアを見捨ててしまった。しかし俺のポーチには蘇生アイテムがない。助けようがないし、魔法ももってない。

またここにリスポーンしてきて来るのを待つしかない。その時は謝ろ・・・ん?謝った方が・・・いいのか・・・?

現にフィリアは俺を行動不能にした張本人だ・・・。けど、それだけで距離を一気におく必要もない・・・かな・・・。

 

キリト(とりあえず、剣鑑定をリズに頼もう)

 

俺は鍛冶屋に足を歩めた。

 

キリト「ここだったな」

 

リズ「・・・!あら、キリト!どうしたの?」

 

キリト「武器鑑定をたのもうと思ってな。これさ」

 

そういって俺は鑑定武器を差し出した。

 

リズ「これね・・・そうね、すぐ終わるから待っててね!」

 

キリト「あぁ」

 

リズ「うーん、これはB lankね。こんな武器より私の作る武器の方が強いわよ」

 

キリト「そうなのかぁ、そうだな。よし、どんなのが作れるか教えてくれ」

 

リズ「これがリストね」

 

リズは武器作成可能リストを俺の目の前に展開する。下に行けば行くほど武器のランクが上がっていく。

 

キリト「この、マクアフィテルにしようかな」

 

リズ「わかった。けど素材が足りないわね・・・」

 

キリト「そうか、わかった。どんな素材だ?」

 

リズ「氷山フィールドの奥深くの洞窟のモンスターがドロップするアイテムがほしいわね。・・・そうだ!一緒にいきましょ!」

 

キリト「え?いいのか?リズは仕事やらなくて」

 

リズ「いいのいいの!さぁさぁ!いきましょ!」

 

リズはそういっておれの腕に抱きつく

 

リズ「・・・・・・・・・」

 

リズは急に黙ってしまった。

 

キリト「・・・?リ、リズ?どうしたんだ?抱き着いたと思ったらいきなり黙ってしまって・・・」

 

リズ「ほかの女の匂いがする・・・」

 

キリト「・・・え?」

 

リズ「・・・フィリアかな・・・それとアリス・・・?・・・ねぇ・・・・そうなんでしょ?」

 

キリト「え・・・ま、まぁ・・・」

 

リズ「まぁじゃないわよ!早く雌どもの匂いかき消して!腐っちゃうわよ!」

 

キリト「う、うわぁ!」

 

強引に腕を引っ張られる。

 

リズ「お風呂使っていいから!早く!」

 

キリト「何もそこまでする必要ないだろ!?」

 

リズ「早く!」

 

キリトはビビッてしまい、そのまま風呂に入っていった。

 

リズ「えへ、えへへへへへへへへ」

 

リズ「これが・・・キリトの服・・・えへへへへへへへへ」

 

スンスン

 

リズの顔はとても赤く染まり、三日月のような笑みを浮かべていた。

 

リズ「私以外の女の匂いなんて・・・許さないよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不敵な笑みだった。

 

 

 




正直リズのヤンデレがとても難しくてむちゃくちゃ悩んだ末、このような形になってしまいました。すごい難しかったですね。

よかったら評価、感想など、とても励みになるのでよろしくお願いします!

キャラそれぞれのエンドを用意したいと思っている、所存で、ございます☆

意見あったらコメントまで、お願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話 キリトは違和感を覚えてくる

UAが10000突破しました!これも皆さんのおかげですね!
とても感謝しています!ありがとうございます!
このお礼はいつか必ず、精神的に★


リズの家の風呂に強制的に入らされたあとですね。


本編は下です。



キリト「うーん・・・そんな女の匂いなんて気になるのか?」

 

お風呂から上がると、そこに置いてあった服を見つけ、着始める。

しかし少し違和感があった。

 

キリト(あれ・・・俺・・・畳んでおいたっけ?まぁ・・・いっか)

 

キリト「な・・・なんか香水・・・?わからないけど女の匂いするなぁ・・・なんでだ?おいてあっただけなのに」

 

きっちり着たキリトはリズに向かう。

 

キリト「リズー、氷山フィールド行くぞ」

 

リズ「あ、あら?もう上がったの?わかったわ、行きましょ」

 

そういい立ったリズ。そのまま歩み始めた。俺もそれに連なって歩み始める。

 

キリト(今日はこれで落ちようかな)

 

リズ「寒いわねー」

 

キリト「そうだな・・・あっ」

 

リズ「ん?どうしたの?」

 

キリト「いや、こうやってリズと氷山にいると、最初のあったころを思い出すな。ダークリパルサーを作ってくれた時だったな」

 

リズ「そういえば、その時も寒いところだったわね」

 

リズ(覚えておいてくれてたんだ・・・まぁ・・・当然よね)

 

キリト「向こうの洞窟だな」

 

リズ(今はキリトを私が独占してるし・・・今はいろいろと私が自由ね・・・)

 

キリト「最近はレインと仲良くやっているか?鍛冶仲間として、リズはSAOからやってるから先輩だな」

 

リズ「・・・・・・・・・・・・・・」

 

キリト「ん?リズ?仲良くやってるのか?もしかして、気に触ることでもい「なんで」・・・え?」

 

リズ「私と二人でいるときは他の女の名前出さないで」

 

キリト「・・・」

 

キリト(皆・・・仲悪くなったな・・・)

 

リズ「少しお仕置きとか必要かなぁ~?」

 

キリト「ッ!?」

 

リズは自分の持っているメイスを振り下ろしてきた。

咄嗟に持つ片手剣でガードをする。しかし、重い。重すぎる!

 

キリト「うッ・・・!」

 

メイスは重く、連撃スキルを行ってくる。ライトエフェクトが青に光りながら連撃が飛んでくる。

 

リズ「キリトにはッ!少しッ!お仕置きがッ!必要ッ!だからッ!私にッ!従いなさいよッ!」

 

最後の言葉とともにおおきな横降りか繰り出された。反応はできたものの、力が入っていなかった。

 

キリト「グフッ!」

 

横に吹き飛ばされる。

 

リズ「あぁ~///痛みに耐えるキリトを現実で見てみたいなぁー///苦しい表情をもっと私に見せてちょうだい?もっと・・・もっと・・・」

 

リズは速攻で近づき、単発技のメイススキルを上から振り下ろそうとしている。

倒れている俺は剣を握りかえすものの、咄嗟に反応が少し遅れてしまった。

まずいッ!

 

キリト「クッ!」

 

「ハァァァァッ!」

 

横から槍の先端がメイスの下に来る。そのままはじき返す。

 

キリト「槍ってことは・・・シノンかセブンか・・・?」

 

「私よ!」

 

幼き落ち着いた声である。セブンであった。銀の髪色がなびいていた。

 

キリト「セ、セブン・・・助けてもらったな・・・」

 

セブン「いいのよ別に!そんなことより・・・」

 

リズ「よくも邪魔してくれたわね・・・私の愛情表現を・・・」

 

セブン「あんなのに愛情なんてなかったでしょ?」

 

リズ「私なりの愛情表現よ・・・」

 

セブン「ふん!かかってきなさい!」

 

リズ「ガキが生意気ね・・・!」

 

キリト「やめろセブン!いったん空都ラインに戻ろう!いくぞ!転移・空都ライン!」

 

青い煙ったエフェクトが二人をかき消した。

 

リズ「邪魔が入ったわね・・・今度は拘束でもして・・・アハハ」

 

 

 

 

 

空都ライン

 

 

キリト「戻ってこれたな・・・」

 

セブン「そうね・・・これからどうするの?」

 

キリト「うーん・・・そうだな・・・もうログアウトしようとしていたし・・・けど剣の素材は集まってないしなぁ・・・」

 

セブン「今日はもう休んだら?なんなら、私のホーム来る?」

 

キリト「そうか・・・休もうかな。今日はいろいろあって疲れたしな・・・」

 

セブン「じゃあ、寄ってってよ!さぁ、来て来て!」

 

キリトは強引に腕を引っ張られ、セブンの家に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キリトくん・・・いつも見てるよ・・・」

 




リズは難しいですね。どのような愛情表現がいいか、悩みましたね。( *´艸`)

投稿できるのは土日か祝日くらいなので、その日にいっぱい投稿する感じですね☆

自分は実はフィリアが一番すきなんですよね・・・w。
皆さんはどのキャラが一番好きですか?ちょっと気になります☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話 キリトは少し考えてくる

セブンに休みを一緒にと今はセブンの家に向かう

本編は下です


キリト「七色博士だから、有名で周りの眼が少し痛いな・・・」

 

セブン「ごめんね☆けど、大丈夫よ、今から誰にも邪魔されない場所に行くんだから」

 

キリト「い、いやセブンの家だろ?(どっかで聞いたセリフだな…)」

 

セブン「まぁね★」

 

 

 

歩くこと数分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コツコツと歩いていると、セブンの家についた。ここがセブンの買った家なのかと、流石だ。広い。

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「広いな・・・さすがだな」

 

セブン「そうねぇ、向こうが私の部屋だから、いきましょ」

 

 

 

セブンの部屋に向かったキリト。正直、これまでのことがあったから少し周りをうかがってしまっていた。

 

キリト「・・・」

 

セブン「?どうしたの?」

 

キリト「い、いや。なんでもないよ」

 

セブン「そう?じゃあ入って」

 

キリト「お、おう。けどやっぱり、女性の部屋は緊張しちゃうなぁ」

 

セブン「そう?うふふ、かわいいねキリト」

 

キリト「男にかわいいは似合わないと思うぞ・・・?」

 

セブン「かわいいよ♪」

 

セブンとそうやって会話をしていたら、セブンが言った。

 

セブン「ちょっと飲み物持ってくるね。ティーでいいかな?」

 

キリト「あぁ、いいよ(紅茶って言わないんだな)」

 

キリトはセブンが紅茶を淹れている間、少し思い出したことがあった。

SAO時代の頃、セルムブルグにあったアスナの部屋に初めて入ったときだった。ラグーラビットというS級食材をアスナの家で食べる際、アスナは紅茶を一緒に淹れていた。

こういう記憶も、アスナと過ごしたおかげですぐに思い出せる。

 

などと思い出に浸っていると、向こうからセブンが出てきた。紅茶をトレーに乗せながら。なんか人妻みたいだな、っと思ってしまった。

 

セブン「お待たせ、キリト」

 

キリト「ありがとう、セブン」

 

茶色に透き通った紅茶は、ゆらゆらとしていた。なんの躊躇もなく俺は紅茶の取ってを握った。

 

目の前のセブンは笑顔で俺を見ていた。

 

紅茶が香る。俺は喉に紅茶を流した。

 

セブン「どう?おいしい?あんま紅茶淹れることないからちょっと不安で」

 

キリト「そうだな・・・俺も初めて飲んだわけではないけど・・・なんか・・・初めて飲む・・・不思議な・・・あ・・・味・・・だな・・・」

 

だんだんと瞼(まぶた)が重くなってくる。なんか、睡魔が一気に来たのだ。・・・バフか・・・?これで寝てもログアウトはできない。

最後に見たのは、俺のHPバーの横にZマーク(睡魔)とセブンの少し笑った顔だった。

 

キリト「スゥー・・・」

 

セブン「ふふふふふふふふふふふ」

 

セブンの笑みがとまらない。

 

セブン「え、えへへへへへ」

 

目の前のキリトを見て笑っていた。

 

セブンはひょいっとキリトをお姫様抱っこする。セブンの筋力パラメーターなら余裕だった。

そしてセブンは自分のベッドにキリトを寝かせる。さらに深く眠ったようだ。

 

セブン「え、えへへへへへ。あとはキリトの手を使って《倫理コード解除設定》をして・・・私のも・・・」

 

そっとキリトの手をつかみ、操作をする。

オプションメニューの奥深くにある《倫理コード設定》。《解除》。SEとともに解除された。もちろん自分のもすぐに解除する。

 

セブン「もうすぐ・・・もうすぐキリト君は私のものに・・・」

 

ガチャ

 

???「ここにキリトがいるって聞いてきたんだけど~」

 

セブン「ッ!」

 

セブン「ユウキ・・・」

 

ユウキ「何やってるのかなぁ?セブン。勝手にキリトを連れ込むなんて・・・ちょっと許さないよ?優しい僕でも」

 

セブン「何しに来たの・・・」

 

ユウキ「いやぁ~キリト君の身が危ない感じがしてねぇ~。キリト君がここにいるってわかったときは正直焦ったよ~。女の家に二人だけってね」

 

セブン「別に危なくないじゃない」

 

ユウキ「じゃあベッドで寝てるキリト君にセブンは何しようとしたのかなぁ?ていうか、なんでこんなにぐっすりなの?」

 

セブン「・・・疲れてるんじゃないかな・・・」

 

ユウキ「この紅茶、よく見ると睡魔ポーション入ってるね。まさか・・・」

 

セブン「あんたには関係ないでしょ!」

 

ユウキ「そんなわけないでしょ?僕の恋人なんだよ?別の人に連れていかれるなんて、黙ってられないよ」

 

セブン「・・・」

 

セブンとユウキがにらみあっていた。その近くにはまったくわからず眠っているキリトの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長くなりましたね。ユウキ登場です。
ユウキは口調がちょっと特殊で一人称が僕ですもんね。

今回、ユウキはアスナじゃなくキリト一筋です★

感想、評価、励みになるのでぜひよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話 キリト、ログアウトする

セブンに眠らされてユウキ登場☆

本編は下です


セブン「まぁいいわ。今日のところは諦めよ」

 

ユウキ「今日のところは?二度とやらせないよ」

 

セブン「・・・」

 

ユウキ「・・・」

 

ユウキ「とりあえず、キリトは異常状態回復結晶で眠りから覚ますよ。今日のことはキリトには話さないからさ。これっきりにしなよ?」ニヤ

 

セブン「・・・許さない(ボソッ)」

 

ユウキ「なんか言った?」

 

セブン「何も」

 

ピキーンと結晶が光りだす。キリトのステータスから睡魔が消えた。

 

キリト「う・・・うーん・・・あれ・・・寝ちゃってたか・・・」

 

ユウキ「おはようキリト♪」

 

キリト「あぁ・・・おはよう・・・って俺はなんでセブンの家に・・・」

 

セブン「あぁ、それは私が紅茶を出したら疲れで眠っちゃったのよ」

 

キリト「そうだったのか・・・ごめんな・・・セブン」

 

セブン「いいのよ、別に」

 

ユウキ「さぁ、ここから出よ?キリト」

 

キリト「え?あぁ・・・うん。そうだな、これ以上長居するわけにはいかないしな」

 

セブン「別にもっといてくれたっていいのよ?」

 

キリト「いや、もうそろそろログアウトするよ。お疲れ、セブン」

 

セブン「そう?わかったわ、ダスビダーニャ」

 

そう聞こえたキリトは手をふってセブンの部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セブン「・・・」

 

セブンはキリトが寝た布団をみやる。

 

セブン「うふふ」バーン

 

するとセブンは布団に入った。

 

セブン「あぁ~///キリトに抱かれてるみたい///」

 

その日は、セブンはログアウトしなかったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトに戻って

 

キリト「じゃあ、今日はログアウトするよ。じゃあまたな、ユウキ」

 

ユウキ「うん!またね!」

 

キリトはその世界を後にした。

 

ユウキ「・・・・・」

 

ユウキ(なんで現実世界は体が・・・これじゃキリトに・・・会えないよ・・・この世界でしか・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アミュスフィアをとる。

 

キリト「ふぅ、戻ってきた」

 

廊下を歩き、スグの部屋の扉前に来る。

 

キリト「おーい、スグ?」

 

見てみると、スグはまだアミュスフィアを付けていたままだった。まだログイン中なのは、アミュスフィアの点灯ランプで認識できる。

 

キリト「仕方ない、飯は俺が作るか」

 

ピンポーン

 

キリト「ん?」

 

キリト(おかしいな・・・両親は今遠出してていなはずだし・・・誰だろう?」

 

玄関の前までくる。

そっと玄関の小型窓で、玄関の前にいる人を見る。

オレンジ色の長いロングヘアー。

 

咄嗟に家のロックを解除し、開ける。

 

キリト「アスナ?どうしたんだこんな時間にうちまで来て」

 

アスナ「あ、あのね、今、両親いないでしょ?私が帰ってくるまでの間手伝ってあげようと思って」

 

キリト「て、手伝うって・・・大丈夫だぞ?スグと俺だけで出来るよ。まぁ今日は帰りが遅くなるから上がりなよ」

 

アスナ「ありがとう」

 

廊下を歩き、リビングに向かう。

 

キリト「さぁ、座りな」

 

アスナ「うん。そういえば、リーファちゃんは?」

 

キリト「あぁ、スグならまだログインしているみたいだ。まぁすぐに戻ってくると思うよ」

 

アスナ「そう。・・・ねぇ、やっぱり二人だけじゃ厳しんじゃない?私も手伝うよ」

 

キリト「大丈夫だとおもうけど・・・そこまでか?」

 

アスナ「うん。私がすべてやってあげるよ。すべて。料理も、洗濯も、なにもかも。すべてキリト君に尽くしてあげるよ?」

 

キリト「・・・い、いやそこまでしなくとも・・・大丈夫だけど「ダメ」」

 

アスナ「私に任せないとだめ。キリト君。リーファちゃんはログインしてるんでしょ?もしこのまま同じこと繰り返したらキリトがすべて負担することになるよ。だから私に任せて。毎日来るよ。もしキリトがいいなら泊っていくし、親にもアピールできるし。いいことだらけじゃない?」

 

キリト「・・・」

 

アスナ「寝るときも一緒。起きるときも。風呂も。出かけるときも。いつも一緒。もし来れなくても、ずっと見てるからね」

 

キリト(アスナ・・・なんか・・・こわいな・・・もし断ったら・・・どうなるんだ・・・。怖い、ここは素直に頼んで身の安全第一に・・・)

 

キリト「そ、そうだな・・・頼もう・・・かな・・・・。けど、両親が帰ってくるときまでだぞ・・・。いいな?」

 

アスナ「約束するよ!絶対に」

 

キリト「そうか・・・じゃあ俺は飯を作る「私がやる」・・・そうだったな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト(ちょっと大変になってきたな・・・。まさか現実世界まで影響が及ぶとは・・・)

 

 

 




キリトの親は今は遠出して、いません。

スグはなぜ遅くまでログインしているのか・・・?
いずれわかると思います☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話 キリトは困ってくる

アスナが家にやってきた☆

本編は下です


キリト(楽しそうに作ってるなぁ・・・)

 

アスナ「♪」

 

キリト(・・・テレビでも見ておくか)

 

TVをつけると、ARについてたくさんのニュースが流れていた。

芸能人がARを付けていたりしていた。

 

キリト「・・・」

 

スグ「お兄ちゃん今日の飯当番私だっけ・・・」

 

アスナ「お帰り、直葉ちゃん」

 

スグ「・・・・・・・」

 

スグが静かにキリトに近づくと、強引に腕を握り、自室に連れて行ってしまった。

 

 

スグ「どうしてアスナさんが来てるの?」

 

キリト「いや、なんか心配だからっていう理由で・・・」

 

スグ「なんでお兄ちゃんはアスナを入れたの!邪魔じゃん!あんなやつ!なんで!」

 

キリト「あんなやつ!?ちょっと待てって、そんな言い方・・・」

 

スグ「言い方なんてどうでもいい!なんで上がらせんの!」

 

キリト「・・・」

 

スグ「帰ってもらってよ!」

 

キリト「え・・・けど・・・」

 

スグ「いいから!!!」

 

キリト「あ・・あぁ・・・けど今日はもう遅いんだ。明日帰らせるから、それでいいか?」

 

スグ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかった」

 

キリト「わかってくれてありがとう。じゃあちょっと話してくるよ」

 

スグ「うん」

 

 

 

 

 

 

キリトはアスナのもとへ戻ると話をアスナに言った。

 

キリト「だから明日帰ってもらう。それに・・・これ以上来ない方が・・・」

 

アスナ「私は来るよ?いつでも・・・そう・・・いつでも・・・」

 

キリト「けど来ると、スグが怒るんだ・・・だからごめん・・・」

 

アスナ「・・・いいよ、わかった。''明日は帰るね''」

 

キリト「あぁ」

 

アスナ「ごはん作ったから食べて?ほら、シチューだよ♪」」

 

キリト「・・・ありがとう」

 

アスナ「ちょっとキリト君の部屋行っていいかな?」

 

キリト「え?あぁ、構わないよ」

 

アスナ「すぐ戻ってくるからね」

 

アスナはそう言い残して僕の部屋にむかった。

 

キリトは蓋を開けシチューを見た。シチューといったらラグーラビットしか思い出せないな。

 

キリトはさらにシチューを入れ、いただこうと準備する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ「えへへへ・・・ここらへんに・・・ここらへんに・・・それとここにも・・・」

 

ガチャ、ガチャ、ガチャ・・・

 

アスナ「これでいつでも見ることができる・・・うふふふふふ・・・」

 

 

キリトの部屋にはそこら中に小型監視カメラが設置されていた。ほぼばれないところに置かれてる。多いのに一個も見つかる気配がないところに設置されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ「・・・・・・・・・」

 

キリト「ほら、食べようぜ」

 

スグ「待って」

 

キリト「・・・え?」

 

スグ(アスナの作った料理がお兄ちゃんの胃の中を通ることを想像すだけで吐き気がする・・・。けど食べないでなんて言えないし・・・・・・!!)

 

キリト「スグ?」

 

スグ「お兄ちゃんちょっとお兄ちゃんのシチュー貸して」

 

キリト「え?なんで?」

 

スグ「いいから」

 

キリト「わ、わかった・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ「えへへへへへ・・・痛いけどこのくらい・・・どうってことない・・・」

 

そっと親指を少し切る。皮膚からは綺麗に赤く輝く液体。血がでていた。

 

2、3適ほどシチューに入れる。

 

スグ「えへへへ・・・私の体の一部がキリトくんのおなかの中に・・・えへへへ」

 

そのシチューを少し混ぜる。もう血が入ったなんてわかりやしない。

 

 

スグ「えへへへへへへ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ「ごめんね、はい」

 

キリト「いいけど・・・何してたんだ?」

 

スグ「具材足してたの!ちょっと少ないと思ってね」

 

キリト「そ、そうだったのか」

 

キリト(増えたか・・・?まぁ・・・増えてるのかな・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナが上から戻ってきた。ちょっと笑みを浮かべながら。

 

 

アスナ「私も食べるね!一緒に」

 

キリト「あぁ」

 

スグ「・・・」

 

 

スグとアスナは一言も言葉を交わすことなく、キリトがスグとアスナに話しかけられるばかりの夕食になった。

 

 

 

 

 




まだ出てないヒロインキャラも今後必ず出しますので、もう少し待っててね☆
この作品って、皆はオーディナル・スケールが終わった後が始まる前。どちらがいいですかね?もし前だと、ユナとの出会いもなにもないですね。終わった後だと、ヒロインキャラにユナを入れるかも。それと、キリトとアスナが結婚したことになります。
始まる前と終わった後。どちらがいいですかね?

読まれてる方、とても感謝しています☆次回もご期待ください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編1話 少女たちの思いinダイシーカフェ (シリカ編)

この話は別に読まなくてもいいお話です。ちょっと本編とつながってるだけで、読まなくても本編は普通に読めますので、気軽によんでください。

この話はエギルとクラインがダイシーカフェでゲスト?呼ぶような感じで話す、小話編です。

本編は下です



ダイシーカフェにて

 

クライン「なぁエギル。俺は少し気になることがあるんだよなぁ」

 

エギル「ん?なんだ?」

 

クライン「いや、なんつーかよぉ。キリの字が心配でなぁ?」

 

エギル「どうしてなんだ?」

 

クライン「一緒にいる皆(ヒロイン)に討伐の誘いしてみたらな。ちょっと不可解な返答が帰ってきてよぉ」

 

エギル「不可解?」

 

クライン「「私はキリト君としかいかない。キリト君以外に興味ないの」っていったんだよなぁ」

 

エギル「・・・」

 

クライン「でな、ちょっとストレアが奥のベンチ座っててな、なんか本読んでたんだよ。ちょっと近づいてみるとな。「キリトキリトキリトキリトキリトキリトキリトキリト

って壊れたラジカセのように繰り返してたんだよ。ちょっとみんな様子おかしくね?」

 

エギル「確かにそうだなぁ。まぁ、キリトは好かれるタイプだし、優しいし。現に恋人アスナだから、周りの皆は諦めると思うんだが」

 

クライン「そういう風には見えねぇなぁ。このままだと、キリトの身に直接危ないことがガチで起こりそうなんだよなぁ」※もう起こってます。催眠とか。

 

エギル「ちょっと皆の様子がおかしいのはそのせいだったんだな。わかった。ちょっと皆の様子調べとして、皆と会話してみるか。ここに来る人は一人ずつで、その人がキリトにどんな思いを込めてるか調べてみるんだ」

 

クライン「そうだな!それいいな!ていうか・・・キリの字大丈夫か?今も危ないんじゃね?」

 

エギル「今はわからないな」

 

 

 

 

 

 

 

チャランチャラン

 

扉の開くおとが聞こえる。誰か来たみたいだ。

 

クライン「あいつは・・・シリカだな」

 

エギル「そうだな」

 

クライン「ちょっと試してみるか」

 

そういうとクラインはシリカに呼びかける。

 

クライン「おーいシリカ。ちょっと一緒に食べないか?」

 

シリカ「・・・わかりました!行きますね」

 

クライン(おっ?普通に承認したな)

 

エギル(・・・)

 

シリカ「どうもです。クラインさん」

 

クライン「よおシリカ。ちょっと会話する相手がほしかったんだ」

 

シリカ「そうだったんですね(早くキリトさんに会いたい)」

 

クライン(なんかキリの字に会いたいって目だな)

 

クライン「ちょっと質問なんだが」

 

シリカ「はい?なんでしょう?」

 

クライン「シリカはキリの字をどう思ってるんだ?」

 

シリカ「・・・」

 

急に黙り込んだ。

 

シリカ「・・・最愛の人です」

 

クライン「・・・」

 

エギル「・・・」

 

シリカ「キリトさんは、私を助けてくれて、レベル上げとかも付き合ってくれて、なにもかも手伝ってくれました。だから私は恋心を抱いたのです。キリトさんに。けどアスナさんという邪魔な人が先に居たので・・・少し・・・いや、ものすごくイラついてます。キリトさんは私のもの。いずれ私の旦那さんになるんです。それくらい私は愛しているのです。だから・・・誰にも渡したくない・・・私だけの・・・」

 

クライン「あぁ・・・ありがとうシリカ」

 

エギル「・・・なんか頼むか?」

 

シリカ「はいっ!えーっと・・・このパフェお願いします」

 

エギル「わかった」

 

クライン(ちょっとやばくないか?エギル)

 

エギル(だな・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エギ・クラ「次は誰にしようか・・・」

 

 

 




どうでしょうか。それぞれの話を書く予定です。

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆

これからも キリト「皆がヤンデレすぎて怖い」をよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10話 キリトはちょっとずつ怪しんでくる

アスナを家に泊まらせる☆

本編は下です


夕食後・・・

 

スグ(お兄ちゃんが私の血を・・・えへへへへへ)

 

リビングでただ一人、笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

キリト自室にて

 

キリト「さてと・・・確か明日はレインはログインできないはず。店をやってるからなぁ。・・・そいだな、久しぶりに店内のレインと会うか」

 

ぶつぶつと独り言を言っていた。

両親が使う寝室にいるアスナ。スグがアスナとキリトを一緒に寝かすことを全力で否定していた。アスナも抵抗していたが、そこはキリトが「アスナは両親の寝室に寝かせるよ」と言い、アスナは心底残念がっていた。スグはニヤっと笑みしていた。

 

 

 

 

 

 

キリト「スゥーー・・・スゥ‥」

 

桐ケ谷家の中は真っ暗になっていた。両親の寝室は、少し明かりが見えていた。その原因とは。

 

アスナ「えへへへ・・・キリト君の寝顔・・・・かわいい///・・・いつでも見てるからね・・・」

 

アスナは自分の設置したカメラ映像を自分の携帯で目をしっかりあけながら見ていた。

 

 

アスナ「・・・」

 

アスナ「・・・我慢できない・・・」

 

布団をどかす。

アスナはベッドから立つと、携帯をスリープモードにし、両親の寝室を出る。

 

アスナ(キリト君の顔・・・直接見たい・・・会いたい・・・一緒に・・・寝たい・・・)

 

ゆっくりと廊下を歩き、キリトの自室へアスナは着実に近づいて行った。

 

アスナ「ここが・・・キリト君の部屋だね・・・」

 

ドアノブを見る。躊躇なく手をつけ、右に回す。その時だった。

 

ドタドタッ!

 

誰かが走ってくる音が聞こえる。キリトがここで寝ているということは間違いない。

直葉だ。

 

スグ「・・・」

 

アスナ「・・・」

 

アスナは少し驚いた顔をしたが、すぐに表情を切り替えた。

 

アスナ「どうして・・・開けるとわかったの?」

 

スグ「お兄ちゃんの家のドアノブには、ひねるとうちの携帯に直接侵入者として連絡が飛んでくるようになってるの。この機能は大変だったけど、まさか使えるときがくるとは思わなかった」

 

アスナ「そう・・・さすがね、キリトの妹さん」

 

スグ「アスナさん・・・夜這いでもしようとしたの?」

 

アスナ「そんなわけないじゃない。ちょっとキリト君の寝顔を観察するくらいよ」

 

スグ「・・・それだけの理由で十分。今すぐ寝室に帰って。でないと・・・」

 

スグは右手に月光の光を帯びていた金属のものを持っている。包丁だ。

今のアスナに抵抗できるものは何一つ持っていない。

 

アスナ(ッチ。・・・まぁいいか)

 

アスナ「素直に戻るわよ。安心して、もう''直接キリト君の寝顔を見ない''から」

 

スグ「じゃあ・・・戻って・・・」

 

スグの顔は暗くてよく見えないが、殺気がこもっていた。

 

 

 

キリト「うぅん?うぅ」

 

キリトはただ寝返りを繰り返していた。

 

アスナが見ているとは知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ「じゃあ戻るね」

 

キリト「あぁ」

 

玄関でアスナと別れる。

 

ガチャっと扉が閉められた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ「今日はどうするの?日曜日だよ?」

 

朝食をたべながら、スグが聞いてきた。

 

キリト「そうだな・・・今日は少し東京の方に行くよ。ちょっと寄りたいところがあるからな」

 

スグ「バイクで行くの?」

 

キリト「そうだな。だから早めに出るよ。朝食ありがとうな」

 

キリトはそういって食器をキッチンに運ぶ。

 

スグ(どこに行くんだろう・・・。まぁいいか。聞かなくてもキリト君の私物のほとんどにはGPS(現在位置を特定するシステム)が仕込まれているからね)

 

キリトは荷物をもって、家を出る。

 

キリト「行ってくるよ」

 

スグ「早めに戻ってきてね~(すぐに戻ってきてほしいけど)」

 

キリト「あぁ。じゃあな」

 

ガチャ。

 

キリトは自分のバイク・・・ではなく、エギルから借りていた青いバイクのサドル内に荷物を入れる。

ヘルメットしっかり装着する。

 

キリト「行くか」

 

エンジンがなる。朝8時30分から東京に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このバイクのハンドルには携帯がおけるようになっている。だから走行中でも、地図が見れるようになっていた。

 

キリト「すぐ着くな」

 

エンジンをひたすら鳴らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京に到着する。

 

キリト「さてと、レインのお店は・・・あった」

 

荷物を持ち、キーをかけ、向かった。

 

 

 

店に入る。

 

「「「おかえりなさい。ご主人様♪」」」

 

キリト(相変わらず・・・この歓迎は慣れないかな・・・)

 

席に座る。

 

レイン「ようこそ!ご主じ・・・キリト君!?」

 

キリト「よっ。最近来れなくて悪かったな。久しぶりにその姿が見れてよかったよ」

 

レイン「キリト君・・・///」

 

 

そこでレインとキリトは話始めた。

スグにみられてるとも知らずに。




レイン登場しました☆
まだ出ていなシノン、シリカ、ストレア、その他もろもろも確実に出します!
なので期待して待っててくださいね☆

実際レインのお店って東京であってたっけ・・・?ちょっとここらへんはゲームの記憶があいまいですいませんw

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11話 キリトはちょっとずつ怪しんでくる・・・と思ったけど墓穴を掘る

レインのお店に入ってレインを会話を始める


本編は下です


キリト「大変だな、こうやって働きながら暇なときは俺たちに会ってくれて。皆感謝してるよ、きっと」

 

レイン「・・・そうかな?そういってもらえると嬉しいな♪(みんなに会ってるんじゃなくてキリト君の為だけに会ってるんだけどね・・・)」

 

キリト「もぐもぐ・・・」オムライス食事中

 

キリト「そういえばセブンには聞いてなかったけど、レインは今、セブンと仲良くやっているのか?」

 

レイン「・・・」静かに顔を左右に振った。

つまり、彼女は否定していることになる。

 

キリト「・・・え?そうなのか・・・大変だな・・・」

 

レイン「ねぇキリト君・・・」

 

キリト「ん?」

 

腕を強く握ってキリトを店員のみ入れる扉へ一緒に入った。

 

そして誰もいない奥の方へ行く。誰も来ない場所に。

 

キリト「どうしたんだ・・・?ここって俺入っちゃだめなんじゃないのか?」

 

レイン「・・・」

 

無言で手を引かれる。

 

奥の方へ着くと、キリトの両手を壁に付ける。手は両手固定されている。逆壁ドンのようになっている。

レインは上目遣いでキリトの顔を覗き込む。

 

レイン「・・・私はね・・・キリト君の為だけに生きているようなものなんだよ」

 

キリト「・・・ど、どうしたんだ急に?」

 

レイン「私は・・・キリト君にすべて尽くす。私のご主人様だもん。私をどんなことにも使ってくれたってかまわない。ボロボロになるまで・・・私が壊れちゃうまで・・・どんなことも私は尽くす。だって・・・私のご主人様はキリト君だもん。・・・だから私を・・・見捨てないで・・・絶対だよ?」

 

キリト「・・・」

黙り込んでしまった。いきなりのレインの衝撃発言だったからだ。

レインは確かにメイド喫茶で働いている。しかし、それは設定だ。メイドという設定なのだ。だから実際その手の行動に出るほど意識しなくてもいい。

だがなぜ、彼女はそこまでするのだろうか。

 

キリト「・・・俺は・・・見捨てないよ・・・ただ・・・」

 

キリト「重い・・・愛が・・・」

 

レイン「私はキリト君だけ愛してる。キリト君は別に、ほかの女といたって構わない。ただ、私を見捨てないで私をしっかり愛してくれるのなら・・・。もしそうしなくなったら私・・・キリト君に愛されてないってことになるんだよね・・・もしそうなったら・・・」

 

眼から光が消えていた。

 

キリト「見捨てないよ!ぜ、絶対に・・・」

 

レインの顔は、少し悲しげな表情が混じっていた。

 

レイン「そう・・・ならいい。私を絶対・・・見捨てないでよ?」

 

忠告みたいな言い方で自分の持ち場に戻っていった。

 

レインが振り返る。

 

レイン「ごゆっくり~」

 

笑顔で答えてるが、ちらと俺を見るときの眼の色は黒かった・・・。

 

キリト「・・・か、帰るか・・・」

 

そこでキリトは店を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋葉原UDX前

 

キリト「確かここで、〈カガチ・ザ・サムライロード〉と戦ったんだよな・・・」

 

オーグマー自体は記憶スキャン機能を取り除き、そのまま今でも普通に販売されている。俺は帰還者学校でもらったものをまだ持っている。いい思い出も、悪い思い出もあったが、捨てようとはしなかった。ユナ・・・否、悠那と出会えたから。

 

キリト「皆のうわさを見る限り、白いフードを被った女の子が町のところどころにたまにいるようだといわれている。おそらくユナだろうな」

 

また会えるかな。なんて期待をしながらオーグマーを見てはバックにしまった。

 

キリト「さて、明日は学校だし、家に帰ったらログインしてまた皆と会ってみるか」

 

荷物をまたサドルに入れ、エンジンを付ける。

来た道をキリトは戻り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠那(ユナ)「キリト君・・・会えるかな・・・」

 

東京を回る白いフードのAIが目を皿にして愛人を探し続けていた。

 




ユナも登場させたかったので、ここで登場するよ!っというユナセリフを入れときました☆

オーディナルスケール事件はすでに解決済みです。たまにフラッシュバック(過去を思い出す)として使われるかもしれません。

次回も期待して待っててくださいね☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12話 キリトは家に帰ってきた

レインと会話して、店を出る。

本編は下です



ブゥーンとバイクのエンジン音が鳴っていた。

現在、来た道を戻っている。

 

キリト「今は・・・2時くらいか・・・」

 

キリトはさらにスピードを上げて帰っていった。

 

 

 

 

桐ケ谷家。

埼玉県、川越市。

 

到着すると、バイクを止め、エンジンを切った。

サドルから荷物を取る。

玄関に向かった。

 

キリト「ただいま~」

そう言いながら俺はリビングに向かっていった。

 

スグ「おかえり~お兄ちゃん・・・」

 

キリト「ん?どうした、くらい顔して」

 

スグ「・・・」

 

静かに立ち上がる。

 

スグ「ねぇ、お兄ちゃん・・・東京の秋葉原いってたよね・・・?」

 

キリト「え・・・?まぁ、東京の秋葉原行ってたな・・・」

 

スグ「そしてさ、レインのお店行ってたよね?メイド喫茶っていう所」

 

キリト「・・え?い、行ってたけど・・・(話したっけ・・・?)」

 

スグ「・・・許さないよ・・・」

 

キリト「え?」

 

スグ「許さないッ!!!!!!!!」

 

キリト「ッ!?」

 

スグの怒りの大声が、部屋中に響いた。それに対して隠すこともできず、そのままびっくりした顔をしてしまった。

こんなに怒ったのって・・・ないからな・・・。

 

キリト「な、なんで・・・?」

 

スグ「だって・・・メイド喫茶でしょ?かわいい子たちが客を迎えて客を喜ばすんでしょ?メイドたちがやるんでしょ?まぁ私にとってはあんなメイドたちなんてブスばっかなんだけどね。そんな汚染された腐女子の空気を吸ってほしくないし・・・それにレインもいるじゃん・・・。彼女の腐女子だよ・・・。正直汚いよ・・・だから今すぐ風呂はいってッ!!!!」

 

キリト「えぇっ!?」

 

スグ「いいからッ!!!・・・入って・・・」

 

最後の言葉は自分の脳に突き刺さった様に鋭い言葉だった。

正直、反対するのが怖くなる。ここはそのまま従うべきだと思った。

 

キリト「わかった・・・」

 

スグ「もうお湯沸いてるし、早く・・・」

 

キリトは洗面所に向かっていった、

 

洗面所

 

キリト「・・・前リズにもおんなじこと言われたなぁ・・・風呂入れって・・・」

 

キリトは少し考えながらお風呂に浸かった。

 

キリト「だがまぁ、疲れてたし、風呂もいいな」

 

暖かいお湯が、体全身の疲れをほぐしていく。

次第に眠くなってしまうが、必死に戦う。

 

 

キリトが入ってから10分後。

 

洗面所の扉が開かれる。

 

キリト「・・・ん?スグ?どうしたんだ?」

 

お風呂の扉越しにスグに問う。

 

スグ「・・・」ヌギヌギ・・・

 

キリト「?」

 

返答がない。少し怖いけど、そのままにする。

すると。

 

ガチャ

 

キリト「・・・?」

 

風呂の扉がゆっくりと開かれる。アスナでも誰でもない。

そのきれいな肌色と、前はしっかりタオルで隠されている。

ということは今の前にいるスグこと直葉は・・・全裸だということだ。

スグは顔を赤らめながらもじもじとキリトに言った。

 

スグ「・・・えっと・・・背中流してあげるよ///」

 

キリト「えっ!?」

 

俺は即座に顔を反対に向ける。

 

スグ「お風呂入るね・・・///」

 

俺の前にスグは入った。

 

キリト「・・・」

 

スグ「・・・///」

 

キリト「なんで・・・一緒に入ったんだ・・・?」

 

スグ「だって・・・お兄ちゃんだとしっかり流せるかわかんないんだもん。だから私が手伝うよ///」

 

キリト「・・・」

 

キリトは返答に困った。正直妹スグは、一体全体どうしてこんなになっちゃったんだろうか?なんかあったのか・・・キリトは考えても浮かばなかった。むしろ、脳の思考回路がより複雑になるだけであったので、考えることをやめ、返答を考える。

 

キリト「えっと・・・大丈夫だぞ。しっかり流せるからな」

 

スグ「いや、絶対に私流すよ」

 

スグの顔には恥ずかしさなんてなかった。

 

キリト「・・・そ、そうか・・・」

 

こうなってしまっては俺の言うことなんて聞いてくれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャー

シャワーの流れる音がする。

 

頭から下にシャワーを被る。

その後ろにはスグが居た。

 

スグ「・・・じゃあ・・・頭から洗うね」

 

シャワーを止めると、シャンプー液を手にのせ、すこし泡立てる。

そっと頭の髪に乗せる。

 

キリトの髪はすこしぴょんぴょんと出てるところがある。ユージオと比べて、つんつんだが、髪が濡れればきれいな丸になる。

 

わしゃわしゃ・・・

 

洗う度に泡が出る。

しかしキリトは今困っていた。

 

ぽにゅん・・・。

 

キリトは別にいろんな女の胸を比べるような変態ではない。しかし、スグは大きいほうだと思う。本人もそれは自覚していた。

そのせいか、大きい胸は自分の背中に直で当たっているのだ。正直、そっちに意識がいくが、必死に思考と止める。

 

ジャー

シャワーを出すと、頭の泡が消えていく。

そこにスグは手を使い、さらに細かく落とす。

 

スグ「次は体洗うね・・・」

 

キリト「・・・待て。背中は任せるが・・・前は自分が洗う。これは許してほしい。頼む。」真剣な表情

 

スグ「・・・わかったよ」(´・ω・`)

 

ボディソープ液を手にだした。すこし泡立てると、そっと背中に直で触る。

ぬるっ。

背中はスグに任せたが、手だと恥ずかしい。

くすぐったく、少し俺の顔も赤くなっているだろう。

 

スグは胸を背中に付けながら背中をまんべんなくあらう。

 

スグ「お兄ちゃん・・・緊張しすぎじゃない・・・?」

 

キリト「そりゃ・・・異性と入ることなんてないからな・・・」

 

スグ「やっぱり前洗ってあげようか?」

 

小声でキリトはいう

 

キリト「・・・ア→タ↑マ↓オカシイ→ダロォォォ!↑」(誰か風)

 

結局、キリトは前はあらわせず、先にお風呂から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・なんか・・・皆・・・おかしいよな・・・」

 

本人はちょっと鈍感なところがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトより先にログインしていた猫耳の水色の髪、しっぽをもつ女は考えていた。

 

???「これと・・・これと・・・まだいるかな・・・確実にいきたいから・・・うふふふふふ」

 

さまざなは物騒なものを持ちながら、気味の悪い顔を浮かべていた。

 

 




見てくださりありがとうございます☆
長くなっちゃいましたねw

次回は水色髪、しっぽ・・・で猫耳・・・一体だれなんでしょうかねぇ?

今、キリトがハーレムすぎて困ってしまうような作品を同時に書くことを考えており、だいたいのストーリーを考えています!ので、制作決定です!

なので別作品のキリトverも楽しみにまっていてくださいね☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13話 キリトは怯え始める

ログインします!

本編は下です


キリト「ふぅ、ログインできたな」

 

今いるのは空都ライン。はじまりの街みたいなところだ。

なんでもあるから、皆の憩いの場だな。

 

キリト「さてと・・・なにしようか・・・」

 

少し考えてみる。すると落ち着いた声が聞こえてくる。

 

シノン「あら、キリト。居たのね」

 

キリト「あぁ、今ログインしたところだよ」

 

水色の髪、猫耳、しっぽ。ケットシー種族のシノンが居たのだ。

 

キリト「何か用かな?」

 

シノン「そうねぇ、なら、今持っている弓の強化素材。一緒に取りに来てくれないかしら?」

 

キリト「あぁ、いいよそれくらい」

 

シノン「ありがと。じゃあ行きましょ」

 

転移門にて、二人で移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「こいつを倒せばいいんだな?」

 

シノン「そうね」

 

両刃を持ち、空中で浮遊しているモンスター。攻撃力は高いため、避けること重視で戦闘に望もうとシノンと会話した後だ。

 

キリト「いくぞ、俺が刃を引き付ける。動けるな」

 

シノン「えぇ、まかせて」

 

キリト「いくぞっ!」

 

正面に地を蹴って向かう。

 

モンスターが右手刃を上から振り下ろす。見極め、ウィングモード。

 

咄嗟に避け、空中を俺も浮遊する。

 

キリト「・・・くっ!早い!」

 

キンッ!キンッ!キンッ!

 

俺の刃とモンスターの刃が火花を散らしていた。

 

シノン「ふぅ・・・」

 

キリト「ハァァァッ!」

 

カキンッ!モンスターの刃を思いっきり退ける。

 

キリト「いまだ!シノッ・・・!?」

 

シノン「うふふふふ」

 

シノンが放った矢はモンスターではない、俺だったのだ。

グサッ。突き刺さると、矢のノックバック(弾き飛ばす)力が働き、俺は綺麗に吹き飛ばされる。パーティーにしなかったのはこのためだったのか。

 

キリト「うわぁっ!?」

 

バコンッ!小屋に俺は収納されたかのように入っていった。

勢いは小屋の中の壁で止まる。が、まるでピタゴラスの様に次々へと展開が変わる。

 

キリト「グフッ・・・」

 

倒れた俺は、立ち上がろうとする。しかし。

 

パリンッ!

 

キリト「!?」

 

上から黄色い液。これは前も見た。麻痺毒であった。

 

キリト(ま、まずいっ!)

 

よけきれず、すべて受けてしまっていた。

 

ビリビリ。

 

動けなかったのだ。

 

すると部屋のドアの向こうからシノンがゆっくりと入ってきた。

 

シノン「アハッ!アハハハハハハッ!まさかこんなにも上手くいくとわね・・・」

 

キリト「どういうことだ・・・?」

 

シノンは咄嗟にポーチからアイテムを具現化させる。

見せたのは耐久性の高そうな縄だった。

 

シノン「大人しくしててね・・・?まぁ・・・動けなかったわね・・・うふふ」

 

キリト「お、おい?シノン・・・」

 

ギギッ。腕、足、そこらじゅうを縛り、固定させてくる。

 

腕は両腕一緒に縛られ、足もそのような感じだった。

膝、腕部分は地面に固定され、起き上がれやしなかった。

 

行動不能。

 

俺はシノンの罠にかかった・・・というのか?

 

シノン「動けないわね・・・計画通りだわ。さぁ・・・待っててね、今すぐ最高の快楽を与えてあげるから・・・」

 

キリト「・・・は?どういうことだシノン、この縄を解いてくれよ!何もできないぞ!」

 

シノン「解いたらどうせ逃げ出すでしょ?解くわけないじゃない」

 

黒い笑みで近づいてくる。目に光はない。

 

シノン「さぁ、今からこの小さな小屋で・・・男女二人が・・・愛し合うのよ?うれしいでしょ?キ・リ・ト♡」

 

キリト「う・・・あぁ・・・・」

 

正直恐怖が脳を占めていた。今のシノンはおかしすぎる。こんなことする人じゃないことくらいGGOで分かっていた。なのにどうしてなんだ?

 

キリト「・・・や・・・やめてくれよ・・・」

 

シノン「うふふふうふふ」

 

恐怖におびえた男の顔と、黒く染まった怖い笑みの女の顔が互いに見合っていた。

 

 

 





シノン登場しました☆
落ち着いた彼女のヤンデレは少し変わった感じがよかったんですよね☆

次回もご期待ください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14話 キリトはまた助かる・・・?

シノンに騙される

本編は下です


ギギギッ

 

縄を解こうとするが、縄の耐久値は1も削れない。

 

シノン「うふふふふ」

 

腕、足、そして体は地面にくっつくように固定されている俺に向かってシノンが手を伸ばしてくる。

 

ピタッ

 

胸の真ん中部分に手を乗せてくる。もちろん服越しだが、そう言えるのも今のうちだった。

 

上着をそっと下から上へめくりあげてくる。肌色が見える。腹、胸まで服をめくってきた。

 

シノン「ハァ・・・ハァ・・・///」

 

キリト「うぅ・・・」

 

そっと胸に手を乗せてくる。直に。俺は抵抗しようとしてるが、麻痺の為、動けない。

 

シノン「さすがに細いわね・・・痩せてる。筋肉もそんなにないのね。」

 

まるで品定めのようにじろじろ見ている。

 

キリト「・・・」

 

シノン「・・・」

 

そっと胸にシノンが顔を近づける。次の瞬間。

 

シノン「・・・チロッ」

 

キリト「・・・!?」

 

胸を舌で一瞬舐めたのだ。さすがに驚かされる。

 

キリト「・・・な、なにして・・・」

 

シノン「・・・ぺロッ・・・レロッ・・・チュ・・・」

 

その後も続けるシノン。顔は赤く、しかしやめようとしない。

シノンはたるんだ目で続けている。

 

シノンはスッとやめる。もうやめたか、と一安心した・・・。

 

シノン「・・・もう我慢できないわ・・・」

 

赤面しているシノンは目線を胸から下へずらしていく。

・・・え?嘘だろ?

 

シノン「・・・・下、脱がすわよ」

 

キリト「えっ!?待て待て!!」

 

シノンは聞く耳持たず、手をベルトにかける。

カチャ。

 

ベルトを外してしまっていた。

 

シノン「さてと・・・」

 

シノンはメニューを開くと、装備メニューに移っていた。

プレート、アーム、レッグ、などの装備を押して行っている。

ファンっというSEとともにシノンの防具はどんどんなくなっていく。

 

シノンは今、胸を隠す、ぶらじゃー?と、パンツのみだった。

 

まずい、これはまずい。

 

キリト「お、おい!シノン!や、やめて!解いてくれ!頼む!」

 

シノン「ダメよ、解いたりしないわ」

 

シノンの両手が、俺の頬に触れる。

近い。息がかかるくらい近い。

 

シノン「絶対放さない・・・一生・・・絶対・・・」

 

キリト「あ・・・あぁ・・・」

 

その刹那。(またか)

 

シャキンッ、ドアを真っ二つに切る音が聞こえてきた。

 

誰だろうか、すこし顔をずらして奥を見る。

 

プレミア「大丈夫ですか、キリト」

 

キリト「プレミア!?」

 

プレミアはもうAIのような決まった顔ではなく、しっかり焦ったような、普通の人と変わらない、そんな表情をしていた。

 

プレミア。オリジンの女神的存在だった彼女もユイのように心情を持つ。

 

シノン「・・・なんでここがわかったの?スニーキングスキルで隠れてたんだけど」

 

プレミア「私の恋人を探すことなど、どうってことないです」

 

亀裂は、もう始まっていた。

 

 




投稿できてよかったです。正直少ない時間なので少ししか書けませんでした。
すいません!
次回は明日になりますが、おそらく長くなるように書けると思うので、期待して待っていて下さい。お願いします☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15話 キリトはまた助かる

UA20000突破、これもすべて皆さんのおかげです☆
本当に感謝してます!

プレミアに助けられた後

本編は下です


プレミア「離れてください、キリトから」

 

シノン「プレミア・・・結局はNPC。それにあなたは復活しないのよ?ALOのここでも、エンドフレイムになったらあなたはそのまま放っておけば消えるのよ?そうだとしても私を戦う気?」

 

プレミア「はい」

 

シノン「即答ね。わかった」

 

そっと矢を取り出す。ためらいなく矢をセッティングする。

 

キリト「やめろ!ここで殺しあってなにがあるってんだ!」

 

プレミア「・・・」

 

シノン「・・・」

 

聞く耳持たず、両者見つめあっていた。

 

シュンッ!

 

プレミアのレイピアが、シノンの心臓めかげて突きをする。

 

カキン!

 

シノンは咄嗟に持っている矢でレイピアをはじく。

 

ギギギッ

 

シノンはためらいなく、矢を引いてはプレミアの頭部を狙う。

 

そっとプレミアは頭を少し傾け矢を華麗に避ける。

 

見ていたが、正直動きが早い。

 

キンッ!

 

シュンッ!

 

両者容赦なく、互いに殺しあっていた。

 

シノンは生き返るが、プレミアは命かけてるのと変わりない。

 

キリト「やめろって!」

 

プレミア「キリトは私のものっ!シノンなんかに渡しません!!!絶対!」

 

シノン「たかがNPCの癖に心情あるなんで生意気ね!」

 

その時扉から何者かがソードスキルをしながら突入してくる。

 

《シューティング・スター》レイピアの上段技だ、極めれば相当のスピードが出る。

レイピアの有能な突進技。

 

シノン「ッ!」

 

流石に対応できず、大きく食らっていってしまった。

 

プレミア「ティア・・・」

 

ティア「危ない気がしたから、キリトとプレミアがね」

 

シノン「・・・チッ」

 

シノンは少し険しい顔をする。少し思考を回し、シノンは言う。

 

シノン「この場は去るわ。結局二人相手じゃ勝てないし」

 

プレミア「そうしてください」

 

シノンは状況判断が早い。リスクは最小限に抑える人だ。

 

シノンはウィングモードで外に飛び立った。

 

プレミア「すみませんキリトさん、遅れました」

 

ティア「ごめんなさい」

 

キリト「あぁ・・・」

 

プレミアはすぐに縄を解こうと縄に手を付けたが、いったん離した。

 

キリト「どうしたんだ?早く解いてくれないか?」

 

プレミア「シノンさんに・・・何かされましたか・・・」

 

キリト「・・・え・・・?」

 

プレミア「何かされたかって聞いてるんです。何かされましたか?」

 

キリト「いや・・・なにもされてないって言ったらウソだけど・・・」

 

ティア「じゃあ素直に吐いてくれないかな?」

 

キリト「いや・・・別にそんな大ごとじゃないし・・・いいじゃないか」

 

プレミア「いや、話してください。そうじゃないと解放しません」

 

キリト「えぇ・・・」

 

キリト「いや・・・その・・・矢で打たれた勢いで小屋に入って・・・痺れたら縛られた・・・感じかな・・・」

 

そっとそのあとのことを隠すように話す。

 

プレミア「そのあとは?」

 

が、追及してくる。

 

キリト「えぇっと・・・体に手を触れてきて・・・んで・・・服を少し脱がされて・・・シノンも脱いだ・・・くらいかな・・・」

 

色々と隠す。

 

プレミア「そうですか・・・別にやましいことをしてたわけではないんですね?」

 

キリト「あ、当たり前だろ!」

 

プレミア「ならいいです」

 

そっとティアとプレミアが縄を解いていく。

 

キリト「さぁ、戻ろう」

 

プレミア「はい」

 

ティア「そうね」

 

3人の羽が宙に舞って飛んで行った。

 

 

 

 




どうも、(つд⊂)エーンです。
実はこれを書く前、作品書いてたんですけど、投稿すると同時にインターネットがぷつっときれて一応繋ぎなおしてまたページを見たら全文なくなってて萎えましたw

最近花粉が飛んでおります。気を付けて。現に俺は目と鼻がヤヴァイですねw

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16話 キリトは少し思い出す

挿絵を投稿させていただきました!

3話と7話に投稿しています☆
上手く描けたか心配ですけど優しい目でね?見ていただけたら幸いです☆

プレミア、ティアに助かる

本編は下です


空都ラインに戻る

 

キリト「プレミアとティア。さっきはありがとうな」

 

プレミア「はい、キリトさんの為ならどこに居ようとすぐに行きます///」

 

ティア「わ、私も・・・///」

 

キリト「あ、あはは・・・ありがとう」

 

手を振ってプレミアとティアと別れる。

 

そして俺は少しの間一人になった。することもないのですぐ近くのベンチに腰を掛けた。

そしてキリトは少しアインクラッド時代を思い出す。様々な出会いがあったあのデスゲームの記憶を脳裏に焼き付いてるだけ思い出す。

 

そして浮かび上がったのがあの時だった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《アインクラッド》第75層

 

キリト「皆、死ぬなよ・・・」

 

クライン「こんなところで死んでられっかよ!」

 

エギル「一儲けするまでしなねぇぜ」

 

アスナ「私もキリトを守るよ!」

 

リズ「私も助けてもらった恩、その剣だけじゃ返せてる気がしない!私も守る!」

 

シリカ「私も、ピナと一緒にみんなと、そしてキリトさんと生き残りたいです!」

 

キリト「・・・お、おう!」

 

そして75層の奥深くのボス部屋の門がゆっくりと奥へ開いていく。

 

ヒースクリフ「全員、突撃!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

命なんて捨てちまう皆が、一気に部屋へ突入した。

 

キリト「・・・(いない・・・)」

 

アスナ「・・・!!上よ!!」

 

そこにいたのは、頭は少し人間に似た頭蓋骨。そして、頭蓋骨から伸びているその背骨らしきものが蛇のようにうねうねと曲がる。その背骨には足が多く生えていた。

まるでムカデのような体。そして腕と思われるところは、カマキリの様に鋭い刃がきらりと光っている。

 

〈スカル・リーパー〉

 

キリト「スカル・・・リーパー!?」

 

その唖然とした姿を見ていた直後、天井を蹴り我々のいる地面に落下を仕掛けてくる。

 

ヒースクリフ「全員、散れ!」

 

その言葉を冷静に受け止め行動に出る者、恐怖におびえ足が動かなくその場にとどまってしまう者。足が動かない奴らに俺は必死に叫んだ。

 

キリト「走れ!こっちだっ!」

 

大声で叫ぶ。ハッと我を思い出したかのように足が地を蹴り始めた者たち。よし!これなら・・・

 

ドオォン!!!

 

ザシュ!!!

 

着地直後、刃を水平に遅れた者たちの腹を切る。

 

それと共に逃げ遅れた者たちは宙を舞っていた。

 

キリト「ッ!!」

 

こちらに飛んでくる。すかさずアスナは抱きとめようとする。

しかし。

 

パリンッ・・・

 

落ちてきた者たちは水色の消滅エフェクトと共にこの世界を去っていった・・・。

 

キリト「一撃で・・・!?」

 

アスナ「うそ・・・(キリト君じゃなくてよかった・・・(ゲス))」

 

そしてスカルリーパーは円形フィールドの中心をぐるぐると足を暴れさせながら刃を振り回す。

 

エギル「まともに近づくことさえできないぞ!」

 

兵「ひ、ひぃぃぃ!!!!」

 

兵の悲鳴が聞こえた。今度は死なせやしない!!!

その兵に頭上から刃が振り下ろされてくる。

 

俺はすでに地を蹴っていた。あの兵の頭上に振り下ろされている刃に間に合うと信じて。

 

キリト「下がれッ!!!!!!!!!!」

 

兵「ッ!!!」

 

咄嗟に兵は俺の後に大きく下がった。

俺は振り下ろされた刃をしっかり見る。

そして俺は剣を交差させ、X字でその刃を受け止める。《クロスブロック》

 

しかし・・・

 

キリト「重すぎるっ・・・!」

 

刃は俺の肩に入ってくる。HPがみるみる減っていく。

 

その時、後ろから桃色の攻撃エフェクトが刃を退けた。

それをやったのは、アスナだった。

 

アスナ「二人同時に受け止めれば、いける!私たちならできるよ!キリト君!」

 

キリト「あ、あぁ!」

 

そして、このスカルリーパー戦は長く続いた。

死に行く兵士を途中まで見たが、俺が思っていた以上に兵は死んでいた。

 

スカルリーパーの体力は減っていくとともにスピードが落ちていく。

そこを皆が集中攻撃。残っている兵で、スカルリーパーの体力はゼロまで持って行けた。

正直、俺は死ぬかもしれなかった。しかし、アスナ、シリカ、リズ、クライン、エギル。こいつらがいてくれれば、必ず皆で生き残れる。そう思えたんだ。

 

疲れはて、地面にストンと座る。

皆疲弊していた。俺もそうだ。体力がイエローゾーンまで来ている。ポーションはもう少ない。

 

そして団長。ヒースクリフを見やる。

 

・・・疲れていないのか、それとも疲れていないふりをして立っているのかわからないがただ一人、この場で余裕に皆を見下すように眺めていた。

 

なんだ、この違和感。あいつ・・・俺たちと同じなのか?確かに体力は減っている。イエローまでは行っていないが、その手前までは減っているように思える。

 

しかし、顔に疲弊した様子はない。むしろつらくなさそうな、そんな顔だ。

 

なぜか、違和感が離れない。

 

俺たちと違う?まさか、俺たちと同じ位置いない・・・そんな気が。

あの目は俺たちにできない、まるで皆を見下す神のような・・・。

 

 

まさか・・・。

 

 

キリト「・・・」

 

そっと柄を握る。

 

キリト(ここで失敗したら、俺は犯罪者だな・・・)

 

アスナ「キ、キリト君・・?」

 

俺は全力で地を蹴った。余っていた体力で、ヒースクリフの背中をめかげて。

 

《レイジスパイク》片手剣の突き技。前にデュエルしたときは正面から止められた。なら角度を変え、別のところから!

 

ヒースクリフは盾を構えた。しかしそれももう遅い。

 

キリト「ハァァァ!」

 

その時、なにかすさまじい固いものに俺の剣は止められた。

 

キリト「ッ!!」

 

破壊不能・・・。そうか。

 

アスナ「キリト君!?一体・・・破壊不能・・・?」

 

キリト「これが伝説の正体だ。こいつの体力はイエローゾーンにまでいかないようシステムに保護されている。そうだろ、茅場」

 

ヒースクリフ「・・・なぜ気づいたのか、参考までに教えてもらえないかな」

 

キリト「最初におかしいと思ったのはデュエルの時だ。あの時、あんたはあまりにも早すぎた」

 

ヒースクリフ「そうかそうか。あれは私にしても痛恨事だった。システムのオーバーアシストを使うほどだったよ」

 

そしてヒースクリフはメニューを操作する。俺も見たことないような画面を触っていた。

 

ビンッ!

 

ここにいる俺以外全員、麻痺状態!?

 

ヒースクリフ「チャンスをやろう」

 

キリト「チャンス?」

 

ヒースクリフ「わたしに勝てば、全プレイヤーがログアウトできる。どうかな?」

 

アスナ「だめよキリト君!今は!(それに別れたらいつ会えるかわからない!)」

 

キリト「・・・ふざけるな・・・」小声

 

アスナ「・・・え?」

 

キリト「いいだろう、決着をつけよう」

 

アスナ「キリト君・・・」

 

キリト「ごめんな、今ここで引くわけにはいかないんだ」

 

アスナ「あっ・・・・・信じてるよ・・・キリト君・・・」

 

キリト「あぁ、勝って見せる。勝ってこのゲームを'終わらせる'」

 

そっとアスナを寝かせる。

 

そしてヒースクリフに俺は一歩一歩近づく。

 

両手同時に二本の剣の柄を握り、鞘から抜く。

 

キリト「頼みがある」

 

ヒースクリフ「何かな?」

 

キリト「簡単に負ける気はないが、もし俺が死んだら。少しでいい。アスナが自殺できないように計らってほしい」

 

ヒースクリフ「おぉん?よかろう」

 

アスナ「だめだよキリト君・・・そんなの・・・そんなのないよぉぉぉぉ!」

 

アスナの声がこのフィールドに響いた。

 

これはデュエルではない。単純な殺し合いだ。そうだ。

俺は。

この男を・・・。

 

殺すっ!!!!!!

 

俺は両手の刃を強く握り、全身全霊をこめて、地を蹴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




すみません。ヤンデレ要素がなくて・・・

次回は必ずヤンデレを出します!

絵も次々に出していきたいです☆どうか気長に待っていてください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17話 キリトは少しわかってきた・・・と思ったらそうでもない

カキンッ!カキンッ!カキンッ!キンッ!

 

俺は目の前の盾に自身の二刀流で追い込みをかける。

右、左、左上、上、下、右上、次々と角度を変えながら俺は斬撃を繰り返していた。

 

あいつはこのゲームを作った茅場だ。よって俺のソードスキルはすべて読まれる!ソードスキルに頼らず、'自分だけの力'で倒すしかない!!!

 

しかし、聞こえるのは盾に塞がれる音だけ。

 

クソッ!もっと!もっと早く!

 

キリト「ハァァァ!!!!」

 

全力で振るう。しかし、少しもヒースクリフの体をかすめられない。まるで盾は大きな城壁のように固い。大きい壁である。

 

すべて塞がれている。だめだ・・・もっと!もっとスピードを!!!

 

キリト「うあぁぁぁぁ!!!」

 

俺はほえていた。無神経で。

 

俺は右上から左下への斬撃が止められた直後だった。

俺はすこし隙を作ってしまったのだ。次の攻撃の左手がまだ盾にたどり着いてない。

 

その隙を逃すまいとヒースクリフは目を細める。

 

ザシュッ

 

ヒースクリフの細い片手剣は俺の頬をすこしかすめた。

俺は・・・もてあそばれてるのかっ!?

 

俺は怒りに火が付いたせいか・・・俺は死を感じていた。焦っていた。怖くなっていた。

そして俺は・・・ついにやってしまったのだ。

 

キリト「アアアアァァァァァァアアッ!!!!!!!!!!」

 

水色のエフェクトが剣二つをまとう。そう。

二刀流最上位技《ジ・イクリプス》

 

俺は絶望からさらに絶望への道を作ったのだ。しかし、もう遅い。

 

ヒースクリフは笑っていた。

 

カキンッ!カキンッ!カキンッ!

全方位からくるこの27連撃。しかし、読まれている。すべてだ。きかない。効くわけがない。クッソッ!

 

全て防がれてしまった直後。クールタイムだ。大きな隙が生まれてしまった。

 

しかし、その時だった・・・。

 

アスナ・リズ・シリカ「「「キリト君(さん)に・・・傷つけた・・・・」」」

 

わからないが、後ろからすさまじい声が聞こえている。

 

そのせいだったのか・・・

 

ヒースクリフ「ッ!!!?」

 

俺にとどめの突きをしようとしたとき、ヒースクリフの腕が急に切れ目ができていたのだ。ドット絵のような。オレンジ色の切れ目。(ホロウ・フラグメント)

 

ヒースクリフの動きが一気に鈍くなる。今しかない!!!

 

キリト「ハァァァァ!!!!!」

 

自分の連撃で追い打ちをかける。もっとだ。もっと追い詰める!

 

ヒースクリフ「くッ!!!」

 

焦っている。いまだ!もっと、もっとだ!

 

ヒースクリフの体がおかしい。所々でオレンジ色のドット絵の切れ目が数か所にできている。一体何なんだ。

 

カキンカキン!

 

追い打ちをやめず、追いやる。

 

その時だった。

 

キリト「せぇりやああああああああ!」

 

俺は上に剣を振り上げた。盾がついに目の前から姿をいったんなくす。

この期を逃せばもうない!

 

俺は全力で左手にある剣で刃をヒースクリフに向ける。

 

おわりだ!ヒースクリフ!!!!!!!!

 

その時。

 

ザシュッ!!!!!

 

少し重なった音が俺の目の前で起こった。

・・・え?

 

ヒースクリフが俺ではなく別のものに切られていた。

 

その正体は。

 

アスナ「私のキリトに傷をつけたなんてね・・・」

 

リズ「絶対に許さないわ・・・」

 

シリカ「死んじゃえ・・・」

 

ヒースクリフ「ぐわぁああああ!?」

 

ヒースクリフはその場から消えた。

俺がとどめをさしていなかったのだ。

 

そう、とどめを刺したのは・・・

 

 

アスナ、リズ、シリカ。目が黒くそまった3人だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後は俺はフィリアと出会ってストレアとも出会ってシノンとも出会って、100層ボスを倒した。

そして、そこにあいつはいた。

 

キリト「ヒースクリフ・・・」

 

ヒースクリフ「・・・久しぶりだね・・・キリト君・・・」

 

ヒースクリフが立っていた。100層の紅玉宮で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒースクリフ「愛の力は大きいものだと、75層のときわかったよ」

 

キリト「・・・え?」

 

ヒースクリフ「あの3人が動けたのは・・・怒りによるシステムを超える心意・・・ということなのだよ」

 

キリト「システムを超えるほどの・・・心意?・・・」

 

この時からもしかしたら3人はもう様子がおかしかったのかもしれない。

 




連続で投稿させていただきましたw

手が痛いwけど、かけてよかったです!

実はアインクラッドではこういうことが起きてました☆

次回はALOにしっかり戻ります。お楽しみに☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18話 キリトは皆の行動が不振に思う

アインクラッドを思い出した

本編は下です


俺はアインクラッドのヒースクリフ、否、茅場明彦の言葉を不思議に思い出していた。

 

心意?

 

俺はSAOのスキルの中で心意というものを聞いたことがない。ましてや、そんなものがないと俺は思っていた。

しかし茅場の言うことを考えると、まるで心で麻痺から解放されたように聞こえる。というか、そういうことだろう。

 

今でもアスナ、リズ、シリカのあの行動を俺は不振に思いながらも過ごしていた。

 

そうして俺は空都ラインの隅のベンチで深く座りながら思い出に浸っていると向こうから誰かが近づいてくる。見たことある顔だ。

 

「やっほ~、キリト」

 

キリト「やぁストレア」

 

ユイと同じ、ピクシーのストレアだ。SAOで出会った大切な友人だ。

 

ストレア「何してるの?」

 

キリト「いや、ただちょっと考え事していたんだ。昔のことをさ」

 

ストレア「昔?」

 

キリト「SAOの頃のことを思い出していたんだ。アスナ、リズ、シリカ、クライン、エギルと出会った頃をな」

 

ストレア「あぁ・・・あのクソ雌豚どものこと思い出してたんだ・・・」小声

 

キリト「ん?どうした?」

 

ストレア「いや、なんでもないよ♪」

 

キリト「それより、何か用かな?」

 

ストレア「いやぁ~どうしようかな?キリト君の家に行ってお話でもしようかな♪」

 

キリト「そうなのか?別にいいけど」

 

そういって俺はベンチから立つ。

ストレアは腕にくっついてくる。

 

キリト「・・・」

 

ストレア「ふん♪ふん♪ふふ~ん♪」

 

なにか・・・やわらかいものが・・・う、腕に当たっている・・・。

 

キリト「ス、ストレア。恥ずかしいし・・・その・・・当たってるんだが・・・」

 

ストレア「当ててるんだよ♪」

 

キリト「・・・」

 

ストレアは笑顔で腕を組んでいた。正直俺は恥ずかしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ「な、なにあれ・・・腕組んでる?・・・殺す」

 

アリス「生きてきたことをいつしか後悔させてやります・・・」

 

ユウキ「いつかぼくの・・・ものに・・・したい・・・。そのためには多少犠牲がつきものだよね・・・」

 

複数の壁から視線を集めていた。しかし当の本人は全く気付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「さぁ、あがれよ」

 

ストレア「おっじゃまっしま~す♪」

 

キリト「そこに座っててくれ」

 

ストレア「それにしてもここでアスナと暮らしてるんだよね~。(小声)・・・邪魔だなぁ・・・」

 

キリト「なにか飲み物いるか?」

 

ストレア「あ、私持ってきたよ♪」

 

そういってなにか瓶をだす。この世界の飲み物だろう。ラベルがわからない。

 

キリト「へぇ~なんなんだそれ?」

 

ストレア「うふふ♪内緒♪」

 

キリト「じゃあ俺はコップ持ってくるよ」

 

俺は後ろの棚からコップを出す。

 

ストレア「さぁさぁ飲んで飲んで♪」

 

キリト「あぁ」

 

俺は躊躇なく、コップを握り口に運ぶ。

不思議な味が口の中を潤した。

 

キリト「おぉ・・・不思議な味だな・・・」

 

ストレア「うん♪これはちょっと特別な飲みものなんだ♪」

 

キリト「お、おう」

 

ストレア「さぁ飲んで♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

キリト「う・・・うぅ・・・」赤面

 

ストレア「うふふふふ」

 

キリト「なんだろう・・・ぐわんぐわんするなぁ」

 

ストレア「うん♪これ・・・バッカスジュースっていうんだ♪」

 

キリト「バっかす・・・?」

 

ストレア「うん♪」

 

キリト「ス、ストレア・・・」

 

すると俺はストレアの両手首を握り、ソファに押し倒していた。

 

ストレア「う、うふふふ/////」

 

キリト「ス、ストレア・・・あぁ・・・きれいだよ」

 

ストレア「うん・・・うれしい///」

 

顔がとても近かった。

 

もう、俺は「酔っていた」

 

 




ストレア編かな?にしても花粉がひどいですよ、気を付けてね☆

ストレアのヤンデレってとっても難しいですねw

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19話 キリトはついに気づかされる

ストレアとソファin。酔ったまま

本編は下です


今はソファの上で、俺は押し倒していた。無論、無意識だった・・・と思う。

 

キリト「あぁ・・・ストレア」

 

ストレア「キリト・・・」

 

顔がもう数センチ。もう唇が近い。

その刹那。

 

バタンッ!!

 

扉が勢いよく開かれ・・・いや、壊されていた。

水色に照らされる髪。全体に水色を占める防具色。そしてロン毛。

 

アスナ「キ~リ~ト~くん?」

 

黒く染まった目・・・そしてその目の向こうは闇のようで、何も写さない。

 

どこまでも続きそうな黒目。そして俺は気づく。

 

俺はハッと・・・俺は・・・意識を正確にする。

頭の酔いステータスがだんだん解除されていく。我が思い出される。

俺は・・・何を・・・?

 

記憶があいまいすぎる。何もかもモザイクがかかっているように記憶があやふやだ。

 

俺は現状を確認すべく、アスナが度怒りな意味を探る。が、すぐにわかった。

 

俺は・・・俺はストレアを押し倒していた。

 

俺は何をしてるんだ!?

 

俺は故障したロボットの様に顔を横にしてアスナに戻る。

 

キリト「ア・・・アスナ・・・これは・・・」

 

アスナ「ど~ゆ~こと~?」

笑ってるが、目は闇。

 

キリト「俺は・・・俺はなにも・・・!確かに見たら俺が押し倒してるけど・・・俺は記憶がないんだ!こうした理由も・・・わからない・・・」

 

アスナ「ふ~ん?」

 

Really?のような顔。

 

キリト「・・・!!そうだ!ストレア!俺は何もしてないとアスナに・・・えっ!?」

 

ストレアは俺の目の前から消えていた。いや・・・小さく、ピクシー姿になっていた。ユイと同じように、そしてストレアはそくさくと窓からの脱出に成功しやがった・・・。

 

キリト「・・・ス、ストレアぁ・・・」

 

アスナ「何があったの?」

 

キリト「い・・・いや・・・」

 

アスナ「私以外の女を~家に連れ込んで~押し倒す?私というものがありながら・・・勇気あるね、キリト君♪許さないよ♪」

 

キリト「ち、ちがうんだ!俺は何も!本当に!!!」

 

アスナ「言い訳しないでね♪」

 

キリト「なんか飲み物のんだのさ!そう!それだよ!」

 

アスナ「でもそんなものないよ?コップもないね♪」

 

キリト「あ・・・ありゃ・・・?」

 

確かになかった。そうか。【証拠隠滅】をしたのか・・・ストレア・・・

 

キリト「あ・・・あ・・・」

 

アスナ「うふふふふ♪」

 

アスナはただただ微笑んでいた。り、理不尽だ・・・・。

 

シュンッ!!!!!!

キッチンナイフの刃先が俺の眼玉の数ミリ前で止まる。

 

キリト「いっ・・・!?」

 

アスナ「もう・・・許せないなぁ♪キリト君♪」

 

キリト「あぁ・・・」

 

アスナ「いろんな女といちゃついてるよね・・・キリト君・・・私・・・正直なんか・・・許せないよ・・・」

 

キリト「うぅ・・・」

 

アスナはキッチンナイフをそっとしまってくれた。

 

キリト「ご・・・ごめんな・・・」

 

アスナ「ちょっとこっち来て・・・」

 

俺は強引に腕をつかまれ、奥の寝室に連れてかれる。

 

腕を放り投げ捨てるように放され、俺は寝室のベッドに放り投げられた。

 

キリト「アスナ・・・」

 

アスナ「・・・」バタンッ

 

アスナは無言で俺に抱き着いてきた。妙にその体は冷えていたように思える。

アスナは表情隠すように胸に顔を当てていた。

 

アスナ「キリト君・・・私・・・なんかもう・・・おかしくなっちゃった・・・」

 

キリト「え・・・」

 

アスナ「なんかね・・・こう・・・なんていうのかな・・・こういうのを・・・病んでるっとでもいうのかな・・・」

 

キリト「アスナ・・・」

 

俺はそっと背中に腕を回す。震える背中を優しく包み込むように。

 

アスナ「なんかね・・・クラインさんにもエギルさんにもひかれるくらい・・・。けど私と同じような気持ちが私以外の女にも同じようにあった・・・」

 

キリト「そ、それって・・・」

 

アスナ「まるで・・・病んでて・・・でれてるっていうのが表現しやすいな・・・狂っちゃった・・・」

 

眼は黒く染まったまま。泣いてはない。ただ不気味な笑みをしていた。

 

キリト「・・・」

 

アスナ「なんていうんだろう・・・【ヤンデレ】・・・言いやすいね・・・そうだよ…私は病んでる・・・ヤンデレみたいになっちゃった・・・」

 

キリト「ヤン・・・デレ・・・」

 

俺もアスナも知らない新単語。しかし、その言葉はどこかに重みと恐怖があった。

 

キリト「皆・・・狂っちゃったのかな・・・」

 

アスナ「うん・・・私・・・キリト君を・・・殺したいくらい・・・大好きすぎて・・・この気持ちが抑えられない。抑えるのに必死だよ・・・」

 

眼は光をともさない。

 

キリト「あ・・・」

 

俺は恐怖心に包み込まされる。

 

アスナ「えへへへへへへ」

 

キリト「ア・・・」

 

アスナ・・・と言いたいが・・・まるで聞こえないようだ。

 

キリト「皆・・・アスナみたいに・・・」

 

アスナ「キリト君・・・大好きだよぉ?永遠に・・・」

 

キリト「もしこれが本当に皆・・・そうだったら・・・」

 

キリト「皆が・・・」

 

キリト「み、皆が・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「皆がヤンデレすぎて怖い」

 

俺はアスナに聞こえないように、小さく孤独な独り言をつぶやいた。

 




どうも、遅くなってすみません。リアルで忙しいので、投稿できるのが夜中だけで・・・。

アスナとキリトは特別ですね☆やっぱり夫婦ですからね☆

これからはキリトはだんだん危ない感じになっていきます☆
これからもご期待ください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20話 キリトは再び出会う

アスナと寝室で語る

本編は下です


キリト「アスナ・・・」

 

アスナ「スゥ・・・」

 

もうアスナは寝ていた。俺の腕を強く握りながら。

 

キリト「皆・・・」

 

皆、何が原因でこうなったのかはわからない。

何かあったのか?しかし、思い当らない。

 

キリト「ゴメンアスナ」

 

俺はそっとアスナの手を放す。

 

キリト「落ちよう・・・今日はもう」

 

メニューを開き、ログアウトボタンを選択。

 

俺はこの世界を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現実世界

 

キリト「うっ・・・」

 

アミュスフィアをとる。

 

キリト「今は・・・何時だ?」

 

時計は7時を過ぎていた。スグはもうログアウトしていた。

 

キリト「飯でも食うか」

 

スッと立ち上がり、リビングへと俺は向かった。

 

スグ「あ、お兄ちゃん遅いよー」

 

キリト「ごめんごめん」

 

すでに料理を始めていたスグ。両親がいないからといって、スグは両親のやっていた家事を綺麗にこなす。

 

キリト「今日は?」

 

スグ「肉じゃがだよ」

 

キリト「へぇ、上手そうだな」

 

スグ「えへへへ」

 

すでにその料理には、赤く輝く液体が入っているのをキリトは知らない。

 

キリトは気づく。

 

キリト「お、おいスグ!」

 

スグ「ん?何?」

 

キリト「どうしたんだよこの怪我・・・」

 

俺はスグの親指を見つめる。サクッと切り口ができていた。

 

スグ「これは・・・ちょっと・・・」

 

キリト「無理するなよ・・・スグ・・」

 

スグ「あ・・・(心配されちゃった・・・えへへへへ・・・そうだ、今ならチャンスかも・・・)」

 

スグ「とても痛いよお兄ちゃん」

 

キリト「そうか・・・」

 

スグ「だから・・・舐めて?」

 

キリト「え?」

 

俺は思わず疑問符を浮かべる。

 

スグ「とても痛いの・・・だから・・・お願い・・・」

 

上目遣いで頼んでくる。

怪我した切り口を舐めるという治療法はまぁ・・・あるっちゃああるが・・・。

 

キリト「わ・・・わ・・・わかった・・・」

 

俺は握っていたスグの手をより近づける。

 

キリト「んっ」

 

スグ「あっ・・・」

 

俺はスグの切り口をそっと舌をならす。

 

スグ「あっ・・・んっ・・・いいっ・・・これ・・///」

 

キリト「あんまいろっふぉいこえだすなお?(あんま色っぽい声出すなよ?)」

 

俺はしばらく舐めると、俺はやめた。

 

キリト「も・・・もういいか・・・?」

 

スグ「う、うん・・・(今日はこの指で・・・えへへへへ)」

 

キリト「無理するんじゃないぞ?」

 

スグ「うん!」

 

俺はそのあと、スグと一緒に肉じゃがを食べた。

 

その夜。俺は寝ていたが、その別の部屋で、何故か喘ぎ声が聞こえたのはキリトはもちろん知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「さてと・・・」

 

俺は身支度をする。正直、気になっていたのだ。皆のうわさを。

白いフードを。

 

キリト「探しにいくか」

 

俺はヘルメットをし、荷物をサドル下に、エンジンを鳴らす。

 

バイクで、また、東京へと出発した。

 

スグは起きる前にキリトがいなかったがために、とても焦ったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「ついたか・・・」

 

おれはいま、代々木公園にいる。広々とした憩いの場の東京のでかい公園だ。

 

この橋で、俺は出会った。白いフードの女の子と。

 

オーグマーを付ける。

 

「ようこそ。オーグマーへ」

 

周りを見渡すが、いない。やっぱりいないのか・・・。

 

悠那「いるよ♪」

 

キリト「うぉ?」

 

俺の後に、彼女はいた。

 

キリト「悠那、久方ぶりだな」

 

悠那「そうだね」

 

俺は近くのベンチで、腰を掛けた。

できるだけ人目のないところに。オーグマーを付けてる人いがい見えないため、俺は変人に思われる。

 

キリト「何をしていたんだ?」

 

悠那「それはもちろん、キリトを見つけるためだよ♪」

 

キリト「そっか・・・ずっと探してたんだな・・・ありがとう」

 

太陽が照らしていた。

 

悠那「頼みごとがあるんだ♪」

 

キリト「なんだ?」

 

悠那「キリトの実力をみて、私をあなたたちのいる、ALOに入れてほしいんだ♪」

 

キリト「そんなこと・・・できるのかな・・・」

 

悠那「できるよきっと♪私は一応AIだけど、心は悠那だもん!」

 

キリト「そ、そっか・・・」

 

苦笑しつつ、やり方を教わる。

 

キリト「つまり、俺が悠那のAIプログラムIDパスワードをユイに教えて、コンソールパネルにデータを流し込めば悠那は具現化するのか、ALOに」

 

悠那「うん、多分ね」

 

キリト「わかった。任せろ。悠那とも一緒に冒険がしたいし、これからも一緒にいたいし、皆も待ってるからな」

 

悠那「うん!(キリトと一緒にいるためだけどね・・・)」

 

キリト「そうと決まったら、夕方にはおそらく家につくから・・・それでユイに頼んでみるよ、悠那」

 

悠那「うん!」

 

俺は笑顔で笑う白いフードの悠那を会話を終わらせた。

 

俺が行うAIプログラム具現化のこの計画は俺はうきうきしてたものの、他の者たちの機嫌を、悪くさせるなんて思いもしなかった。←成長してない。

 




どうも、(つд⊂)エーンでございます☆
UA30000超えました☆感謝の気持ちでいっぱいです☆
クロスオーバー作品、「SAO×東方」を同時に今更新しています☆

よかったらこの作品も続くと思うので、あたたかい目でね?見てください☆

悠那も、皆(ヤンデレども)と、キリト争奪戦に参加していく予定です☆

これからもご期待ください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21話 キリトはまた一人増やす

ユナと約束をして帰る

本編は下です


キリト「ただいま」

 

シーン

声がなかった。スグが返事しなかったのだ。

 

キリト「ログインでもしてるのか?」

 

スグがこの時間にログインしているのは別に不思議なことではない。

俺は荷物を置き、自分の部屋に向かった。

オーグマーだけは手に取って。

 

キリト「・・・さてと」

 

俺はオーグマーをPCデスクの上に置く。

恐らく手順は簡単だ。俺がPCにつないでいるALOのデータファイルに上手く悠那のデータを流し込めれば・・・きっと・・・。

 

俺はUSBメモリをオーグマーに接続。そしてPC本体へと・・・

 

キリト「頼む・・・上手くいってくれよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファン。SEとともに俺はこの世界に現れた。

 

キリト「上手くいったかな・・・」

 

キリト「ユイー!」

 

ユイ「はい、パパ。どうかしましたか?」

 

キリト「ユイ。実はユイに頼みたいことがある。俺のアバターデータに恐らくある、OSで出会った悠那のデータが入ってると思うんだ。それをこの世界のオブジェクトファイルに入れてほしいんだ」

 

ユイ「悠那?悠那って・・・ユナのことですか?」

 

キリト「あぁ、そうだ。ユナが、この世界を楽しみたいっていうんだ。全力で助けたくて・・・どうかな?」

 

ユイ「・・・はい!パパ!任せてください!(大丈夫かな・・・)」」

 

キリト「ありがとうユイ。それじゃあ、頼んだ」

 

ユイ「わかりました!(また増えちゃう・・・)」

 

しばらくたった後・・・

 

キリト「ありがとうな、シリカ。ほしい素材の収集に手伝ってくれて」

 

シリカ「いえ!キリトさんの頼みなら、断る理由がありません!」

 

キリト「あはは・・・ありがとうな」

 

俺はシリカと一緒にフィールドの防具強化素材を一緒に取りに行ってもらっていた。

俺はあとでレインに頼もうと思う。

 

キリト「あ、それよりシリカ」

 

シリカ「はい?なんでしょう?」

 

キリト「オーディナル・スケールのこと、覚えてるよな?」

 

シリカ「もちろんですよ?それがどうかしましたか?」

 

キリト「いや、これはまだ確定事項じゃないんだが・・・この世界(ALO)にユナが来るんだよ。きっと」

 

シリカ「・・・え?」

 

キリト「ユナはアイドルとしてすごい人気だったけど・・・ここに入りたいってさ。だから俺も協力してユナを入れるのをがんばってもらったんだよ、ユイに」

 

シリカ「・・・・・」

 

キリト「だからきっとユナはここに来れると思う。あのARアイドルのユナが来るってうれしくないか?・・・・・・シリカ?聞いてるか?」

 

シリカ「ユイはどこですか?」

 

キリト「・・・え?ユイ?・・・ユイは今はこの世界の制御装置部屋みたいなところにいて・・・会えないけど・・・」

 

シリカ「・・・わかりました・・・。それよりもキリトさん・・・」

 

キリト「・・・ん?どうしたんだ?」

 

シリカ「これ以上敵を増やしたくないんですけど・・・」

 

キリト「敵?一体もいなくないか?」

 

シリカ「・・・違います・・・。私以外の女です」

 

キリト「・・・あっ」

 

シリカ「もう・・・なんでキリトさんの周りはこんなに私以外の女が多いんでしょうか・・・なんか・・・もう慣れてきたなんて言いたいですけど・・・増えるのはさすがに嫌ですね・・・キリトさん。まだ女を増やすんですか?私以外の女といるだけで私はすごく機嫌が悪くなるのになんで増やすんですか?どうしてそうやって敵を増やすんですか?今すぐユナを入れるのをやめてください。これ以上増やすと厄介です。〈後処理〉がいずれ大変になっちゃいますしユナはAIだからもっと大変に「キリト~!!!」・・・」

 

キリト「・・・あぁ・・・ユ・・・ユナ?」

 

ユナは突然姿をあらわにすると、すぐに俺に向かって抱き着いてきた。

 

ユナ「・・・っはぁ///やっぱ触れるキリトっていいね♪ずっと触れなかったから今度からはこうやって触って話できるし、それにこうやってずっとあえるし、この世界でいろいろできるし♪それに・・・あれ?」

 

シリカ「・・・ユナ・・・」

 

ユナ「あんた・・・だれ?」

 

キリト「・・・えぇっと・・・」

 

ユナ「・・・あっ!思い出した!確かアスナが倒れた時に一緒にいた女だ!」

 

キリト(・・・前はアスナさんって他人行儀で言ってたよな・・・)

 

シリカ「えぇそうですよ一緒にいた女ですよ」

 

ユナ「ふぅん?あんたアスナの方が好きなんでしょ?なら私のキリトに近づかないでくれる?指一本触れないでくれる?いや、私がそうはさせないよ。もうこの世界に来たし、こうやってキリトと触れていいの私だけだし」

 

シリカ「何でユナにそんな特権があるんですか。それにあなたのものではありません。私のキリトさんです。それにアスナのことなんてもうどうでもいいんです。あんな雌豚知りません。ユナ、離れて下さい」

 

キリト(め・・・雌豚って・・・酷くないか・・・?)

 

ユナ「離れないもん♪これからはこの世界に私はいるわけだし、仲良くしてね?雌豚さん♪」

 

シリカ「・・・・・。上等です。キリトさんにそんなべたべたして・・・許しません。いずれ因果応報。思い知らせてやります」

 

ユナ「ふん。あんたなんかにやられないわよ」

 

キリト「・・・ちょっとお前ら・・・」

 

ユナ「キリト?こんなやつ放っておいてどっか行こ?私にこの世界を案内してよ♪」

 

キリト「・・・えっ?でも・・・」

 

俺がシリカの方に目を向けたら、そこからすでにシリカはいなくなっていた。

 

キリト「あれ?シリカは?」

 

ユナ「・・・私といるときは、私のことだけ考えて!ほら!案内してよー♪」

 

キリト「あ・・・あぁ・・・わかった・・・」

 

くっつきながらこの世界の街、フィールド、いろいろと回った。

ユナは種族が少し不明だ。だが一応、種族の街とかも一緒に回った。

ユナはAIだ。よって記憶力が早い。瞬時に覚えることができるのはすごいと思った。

 

しかしAIに感情はすこし難しいことがある。その証拠にユイでさえも、時にわからない単語をロボット染みた返答をしてくる。しかし、このユナは違う。

 

ユナ「キリト!愛してるよ♪」

 

AIかどうかも、正直わからなくなってきた。

もともと悠那という人間だったし・・・。

もしかしたらこの娘をAI化として作った重村教授はすごいかもしれない。

今はどこにいるかは不明だが。

 

ユナ「どうかしたの?キリト」

 

キリト「いや、なんでもないよ」

 

ユナ「じゃあもっと案内して♪キリトといるときがとても幸せだから♪(小声)・・・ずっと永遠にいたいな♪死ぬまでずっと・・・」

 

キリト「なんか言ったか?」

 

ユナ「ううん♪ただの一緒に永遠にいれられるための、お・ま・じ・な・い♪」

 

キリト「・・・そ、そうか・・・」

 

眼のハイライトを一瞬OFFにしながら、微笑んでユナは言っていた。

 




ユナはヤンデレとして出そうと思っていました☆

シリカのDEBANも来て、一通りヒロインはヤンデレDEBANを出させました☆

なので、これからはランダムでヒロインがヤンデレになる・・・かな?

何か誤字があったら送ってくださいね☆

〈幻想入りした黒の剣士〉
新に投稿開始しました☆
どうか知ってる方は、ご朗読してみてくださいね☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編2話 少女たちの思いinダイシーカフェ (リズ編)

シリカのあと。

本編は下です。
+おまけ


クライン「シリカの話は一応少しメモっておこう・・・」

 

エギル「そうだな・・・」

 

チャランチャラン

 

エギル「らっしゃい!」

 

クライン「ん?」

 

リズ「・・・(キリトはいないかぁ)」キョロキョロ

 

クライン「おぉ、リズだな」

 

エギル「呼んでみてくれ」

 

クライン「わかった」

 

クライン「おーいリズ!ちょっとこっち来てくれねぇか?」

 

リズ「・・・え?あぁ、いいわよ」

 

そういうと、リズはこちらに近づいてくる。

 

クライン「まぁとなりに座ってくれや」

 

リズ「なぁに?ナンパ?」

 

クライン「そんなことしねぇよ!それより、ちょっと会話でもしねぇか?」

 

リズ「いいわよ」

 

クライン「聞きたいことがあるんだがいいか?」

 

リズ「ん?何?」

 

クライン「直で言うが、キリの字のことをどう思ってるんだ?」

 

エギル「・・・」

 

リズ「・・・」

 

しばらく間が空いた後、リズは口を動かした。

 

リズ「・・・そうね・・・キリトのことは・・・好きだわ。けど、なんか好きっていうより・・・まぁ、なんかね。虐めたくなっちゃうのよ」

 

リズは一方的に話し続ける。

 

リズ「こう・・・虐めてるとね、相手の苦しい表情、痛みに耐える表情、怖がっておびえる表情。それぞれ見てると・・・こう、うずうずしちゃうのよね。なんでかなぁ・・・。サディストかな、あはは。・・・だから・・・こう、拘束でもなんでもして、キリトと私と二人だけの空間を作って、キリトの苦しい表情を見せてほしい・・・んだよね。だけど、拘束に成功して、二人だけの空間で・・・虐めてるのはいいんだけどいつまでキリトはその表情を私に、私だけに見せてくれるかな。鞭でたたいて、いろいろして、キリトの耐える顔を見てみたいけど、いずれ壊れそうで・・・もし壊れたらそれはなんの表情も見せないただの好きな人形になっちゃうし・・・。だから耐えて耐えてそして時に優しさをみせてまた虐める。飴と鞭・・・いや、そんな甘くないわね。けどそういうこと。だから私は狂おしいほどキリトが好き。いずれすぐに拘束して縛って暗闇にいれ、たたく。・・・・・・あぁ・・・想像してきたら興奮してきちゃった///」

 

クライン(驚愕の顔+胃が痛い)

 

エギル(驚愕の顔+胃が痛い)

 

リズ「・・・あ、ごめん。一方的に話しちゃって」

 

その目には光はなく、闇の中でキリトのことを想像しているようだった。

 

エギル「・・・あぁ、会話付き合ってくれてありがとな・・・。なんか頼むか?」

 

リズ「そうねぇ・・・じゃあこのケーキ一つ」

 

エギル「わかった・・・」

 

そういってエギルは店奥に行く。

 

クライン「・・・あいつ・・・リズはやばいな。いろんな意味で」

 

エギル「胃が痛くなってきたぜ・・・」

 

ひそひそと話す男二人とおいしそうにケーキを口に運ぶ笑みの女性がその店内にはいた。

 

 

 

 

 

 

 

リズ「えへへへ・・・あは・・・あははははは」

 

小声で三日月の笑みを浮かべていた。

 




特別枠 君を愛したい(アスナ)

アスナ「ねぇ、〇〇。今日、遅かったけどなにかあったの?」

アスナ「へぇ・・・仕事の人と話してたら遅れちゃったんだ。楽しかった?」

アスナ「そう、よかったね。・・・けど、〇〇。その人って・・・女性?」

アスナ「ねぇ、〇〇。答えてよ〇〇。・・・男性?そう、そうなんだ。じゃあちょっと失礼するね」

そういい、近づいてくると、服へ顔を埋めてきた。

アスナ「スンスン・・・。やっぱ女性の香水の匂いがする。・・・どうせ嘘だとわかってたわよ。だって顔の慌てよう、嘘が下手ね。・・・で、なんで女性の人としゃべってたの?」

アスナ「・・・もう男性じゃないことはわかってるの。ずっといちゃいちゃしてたくせに、もう言い訳は通じない。・・・許さないよ?」

アスナ「私がいるのに、他の女と目を合わせたり、話したり、触ったり・・・ましてや部下までついちゃったね。まぁそれは〇〇がどんどん上に立つことでいいんだけど・・・女性に頼られていても、私以外の人と会話したりするのはずっと許せなかったんだ」

アスナ「・・・もうなんか、〇〇をそこに行かせたくない・・・。もう、私以外の人と会わないでほしい。これ以上私以外の人と話していちゃつくんだったら、それ相応のことをするよ。痛いこともあるよ。いいの?」

アスナ「・・・そう、わかってくれたんだ。じゃあ次からはすぐに帰ってね。あ、あと残業はまだいいけど、女性と話してたりしてたらばれるんだから、やめた方が、身のためだよ。〇〇」

アスナ「ずぅっと、愛してるよ?私の〇〇」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22話 キリトは休み終わり

ユナをVRMMOに入れる


キリト「じゃあユナ、俺はもう今日ログアウトするよ。じゃあな」

 

ユナ「え~!もっと一緒にいようよ~!いいじゃ~ん!」

 

キリト「悪いな、これ以上は・・・。夜飯があるし、ユイやストレアと遊んでてくれ。じゃあまたな」

 

ユナ「ぶ~・・・。わかった、じゃあね」

 

キリト「あぁ」

 

俺はログアウトボタンを押して、この世界を去った。

 

ユナ「・・・」

 

ユナ(キリトといない時なんて・・なんにも楽しくない・・・。・・・ちぇ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストレア「ユナ~!」

 

ユナ「あっ、あなたがストレア?」

 

ストレア「うん、そうだよ~」

 

ユナとストレアは広場の机で椅子に座りながらしゃべっていた。

 

ユナ「皆といれるなんて嬉しいなぁ~」

 

ストレア「そう?私もユナを出会えてよかったよ!」

 

ユナ「あはははは」

 

ストレア「あはははは」

 

 

ユナ「・・・で?キリトのこと好きなの?」

 

ストレア「当たり前じゃ~ん。そっちも?」

 

ユナ「当然よ?」

 

ストレア「・・・そう」

 

ユナ「まぁ私の方がキリトのこと愛してるけどね?」

 

ストレア「言ってくれるじゃな~い?私の方がキリトのこと愛してるよ?」

 

ユナ「あぁん?」

 

ストレア「んん?」

 

笑顔で頭をこすり合わせながら腕を組んでいる。

しかし目は笑ってない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「うぅん」

 

俺はアミュスフィアをとると、上に置いているナーヴギアを見た。

 

キリト「はぁ・・・」

 

SAO事件だと物騒なこと言われてるが、俺にとっては宝物のようなものだ。

 

キリト「飯は今日はスグが当番だったはず・・・」

 

俺はベッドから立ち上がると近くのPC前の椅子に腰を掛ける。

 

キリト「ARのことがニュースで取り上げられてるな・・・」

 

PCのニュースはすべてARで埋められている。

 

キリト「どこもかしこもARか・・・」

 

外はもう暗く、7時を指す。

 

キリト「明日は仕事だな」

 

仕事・・・まぁAIのプログラム関係の仕事だが。かなり月収が高い。だから働けている。比嘉が教えてくれた仕事先だが、かなり難しい。

 

スグ「お兄ちゃん?ごはんできてるよ?」

 

キリト「そうか、わかった」

 

スグに呼ばれた。俺はスグの後を追っていった。

 

キリト「明日は仕事だから、家にいれないぞ」

 

スグ「私もだよ?」

 

当然の会話を食べながらしていた。明日は互いに仕事なんだということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「じゃあ、行ってくる」

 

スグ「うん」

 

俺はラース企業に向けて、足を忙した。

 

キリト「・・・間に合うな」

 

俺は足を急がしていると、突然前に人影が出てきた。

 

キリト「うわぁ!?」

 

アスナ「あっ、キリト君?」

 

キリト「アスナ?こんな朝にこんなところで・・・どうしたんだ?」

 

アスナ「こっちに用があってね」

 

キリト「え?」

 

プスッ。なにかの注入音。何か刺された。

 

キリト「うっ・・・」

 

バタッ

 

アスナ「・・・・・・・うふふふふ」

 

アスナは不敵な笑みを浮かべながらキリトを担ぐ。

 

アスナ「・・・うふふ・・・」

 

どこかへ向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ「・・・ん。ちゅっ・・・ちゅ・・・はむっ・・・」

 

キリト「・・・」

 

アスナ「えへへへ・・・むちゅっ・・・む・・・」

 

キリトは寝ている。寝ているというか・・・寝かせられている?

 

アスナは一方的だが、キリトの口を自身の口で塞いでいる。

 

かなり長い時間の後。

 

キリト「・・・うっ?」

 

アスナ「おはよう、キリト君♪」

 

 




何もないです。
正直、今日々疲れすぎて・・・なんか文おかしい感じで・・・今回もそうです・・・。

そろそろ・・・かな?うーん、ENDが迫ってきていまして・・・どうしようかなって・・・。
続けてきましたが、自分的にネタというか・・・なんというか・・・★

疲労がたまってもう・・・ね?★

もしかしたらもう・・・END近いかもしれません。しかし、ENDは一つではありません。複数のEND。それぞれのキャラのハッピー、バッドがあります。

そして最後のエンドもあります。

どうかこの先も少しかもしれない。けどこの先も、ご期待ください・・・(;^ω^)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

BADEND1 アスナ編 正妻の監禁 前編

アスナにキスされる。

本編は下です


キリト「うぁ・・・ここは?」

 

俺は天井を即座に見上げた。見慣れない天井を。

ていうか・・・ここはどこだろうか。

 

アスナ「はい・・・なので今日はお休みさせていただきます」

 

奥でしゃべり声が聞こえる。アスナだ。

しかしなぜ?

 

キリト「アスナ?」

 

アスナ「あ、起きたんだ?よかった」

 

キリト「・・・っ!?」

 

俺はいま気づいた。このベッドに俺は今縛られている。

両手両足、それぞれベッドの角に縛られている。

 

つまり俺は今、大の字っぽいポーズで寝ている。

 

アスナ「少し心配しちゃったよ」

 

キリト「いや・・・それより今のアスナの電話は?」

 

アスナ「あぁ・・・ラースからの欠席連絡。私が言っといたよ」

 

キリト「えっ?ちょ、ちょっと待て、な、なんで・・・」

 

アスナ「今どう見ても動けないし、今日は無理だよ」

 

冷えた声が、この空間に響いた。

 

部屋は窓があるがカーテンでとじられている。上の蛍光灯二本とこのベッドのみ。

俺の荷物などはなかった。

 

アスナ「さぁ・・・誰も邪魔する人はいないよ?」

 

キリト「は・・・?」

 

アスナは俺の寝ている体にまたがる。・・・あれだ・・・スタンダードポジションだ・・・。

 

アスナ「縛られているキリト君、動けないなんて魅力的だね・・・」

 

キリト「・・・」

 

アスナ「じゃあ・・・」

 

そういうと、アスナは上から身を守る服を少しずつ脱いでいく。

 

キリト「ア・・・」

 

アスナ「うふふふ」

 

今のアスナの姿は下着一枚。

 

アスナ「じゃあキリト君も・・・」

 

キリト「!?っちょ、ちょっと待て!!?」

 

俺のシャツをすっと胸元まで上げる。

 

アスナ「やっぱ細いねぇ・・・きれいな肌・・・」

 

アスナはそっと胸元に手を乗っける。

 

アスナ「聞こえるよ?心臓の音」

 

キリト「生きてるからな・・・・」

 

アスナは少し口をにやりとする。

 

アスナ「下も・・・ぬごっか?」

 

キリト「脱がせないだろ・・・」

 

アスナ「うふふふふ」

 

チョキチョキと音が・・・ハサミ!?

 

キリト「ちょっと!待てって!」

 

アスナ「こんなズボン、パンツとかあったら・・・キリト君を犯せないよ・・・」

 

チョキチョキ・・・チョキ…チョキ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「アスナ・・・・」

 

アスナ「キリト君♡」

 

俺は・・・上は胸元までシャツがめくられているが、下が・・・下半身がもう・・・服が破れていた。

 

キリト「や、やめようぜ・・・な?」

 

アスナ「やーだ♡」

 

キリト「う・・・」

 

アスナ「SAOではシたけど・・・現実世界ではまだだったね・・・・初めてだね・・・私たち・・・」

 

キリト「・・・アスナ・・・」

 

アスナ「私も脱ぐね、こんな下着いらないね・・・」

 

そっとピンク色の下着までアスナが脱いでいる。

 

今俺は下半身が裸、アスナは全裸だ・・・。

 

アスナ「キリト君♡えへへへ・・・このときを待ってた…♡」

 

キリト「アスナ・・・」

 

アスナ「私のはじめて・・・この世界で、受け取って♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのあとは、もちろんこの部屋は防音壁がしっかりしていたため、外に聞こえない。

 

なにかが交わる音、誰かの喘ぎ声。苦しむ声。

 

誰も気づかず、その部屋で二人はヤッていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

アスナ「また・・・いっぱい・・・♡」

 

今俺は・・・疲れ果ててもう動けない。俺の眼はもう活気がなくなっているだろう。

 

アスナはとろんとした眼でこちらをみていた。頬をそめ、笑っていた。

 

アスナは俺の胸に顔を寝かせる。俺の上にのったまま。

 

アスナ「よかった・・・えへへへへ・・・・」

 

キリト「ア・・・アスナ・・・」

 

一方的だ。一方的で、俺の・・・初は終わった。

 

アスナも疲れ果てていたが、俺ほどではない。しかしやはり疲れていてか、俺の上からやっとどいてくれた。

 

アスナ「ちょっとくらっとしちゃう・・・えへへ」

 

キリト「・・・」

 

アスナはそういうと俺の隣に寝た。布団を一緒に共有しながら。もちろん裸で・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・。・・・。・・・。アスナ・・・ア・・・あぁ・・・・」

 

俺はもう動けない。しばらく俺もまた寝始めた。しかし俺の初めてが奪われ、そしてもう俺は活気がない。

ここまでくると・・・さすがに警戒をせざるをえない。これまで以上に。

 

俺はこの部屋を脱出する手段を考えながら、そっと瞳を閉じていった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

BADEND1 アスナ編 正妻の監禁 後編

キリト「うぅ・・・」

 

アスナ「おはようキリト君♡」

 

朝だ。次の日だ。

全く出る方法なんて考えていなかった。

 

疲れてて眠ってしまった。

 

キリト「・・・」

 

アスナ「キリト君♡朝ごはん持ってくるね?」

 

キリト(腕が痛い・・・縄が解けねぇ・・・)

 

縛られている手は少し食い込むだけで血管が止まるほどではない。

 

しかしつらい。辛すぎる。寝ている態勢がずっとだ。

 

アスナ「キリト君♡はい、ごはん持ってきたよ♡」

 

キリト「寝ている態勢で食うのか?解いて食っちゃだめなのか?」

 

アスナ「別にキリト君のことを疑っているわけじゃないよ?けど・・・もしキリト君がここから逃げたら・・・って考えると怖いし」

 

キリト「・・・」

 

アスナ「はい♡あーん」

 

キリト「・・・」

 

無言で口を開ける。俺は少しも微笑んでない。昔なら、微笑んでいたんだろうか。

 

キリト「・・・」

 

アスナ「はい、ごちそうさま♡」

 

キリト「・・・」

 

アスナ「じゃあ、仕事行ってくるね♡」

 

キリト「・・・え?仕事?」

 

アスナ「そうだよ?何?悲しい?」

 

キリト「いや、大丈夫だ・・・」

 

アスナ「そう?じゃあ行ってくるね?逃げちゃだめだよ?」

 

キリト「・・・」コクン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト(・・・いまだ、何かないのか)

 

俺は部屋中を見回す。特にこの部屋には何もない。

この縄もかなり丈夫なものだ。簡単には解けない。

 

縄は過多結びされている。力を込めて切れるものではない。しかし縄は細い。なにかうまくちぎれればいいんだ。しかし自力じゃ無理だ。

 

キリト「何か・・・何かないのか・・・」

 

やはり何もない。これでは解けるわけがない。

 

キリト「・・・」

 

どうしよう・・・これではまじで危ない気がする。

 

キリト「・・・あれをやってみるか・・・」

 

俺はある一つのアイデアを浮かばせた。リスクは高いが成功すれば確実だ。

脱出のためだ、仕方ない。

裏切るけれど、そうでもしないとここを抜け出せない。

 

キリト「・・・待っとこう」

 

俺はアスナの帰りをひたすら寝ていて待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は8時を指しているくらいか、もちろん時計さえもない。

アスナなら腕時計や携帯やら持っているから確認できるのだが。

 

アスナ「ただいまキリト君♡いい子にしてた?」

 

キリト「あぁ・・・」

 

正直きつい。しかしここを抜け出すためだ。

 

アスナ「じゃあ夜ご飯作るね?」

 

キリト「あぁ・・・速急で頼む」

 

腹が減りすぎてきつい。

昼飯を食っていないからだ。朝飯と夜飯のみ。まぁ人間は2食でも生きられないことはないが。

 

キリト「おなかすいた・・・」

 

作戦が成功するかどうかだが、成功した場合俺はどうしようか。

ラースはやめる。また行けばまたアスナに会うからだ。

別の仕事を見つけ出す。そして俺は一人暮らしをする。

アスナと別れるために。

 

アスナ「お待たせ~♪キリト君♡」

 

眼に光がない。黒い。

 

キリト「あぁ・・・」

 

アスナ「はい♡あ~ん♡」

 

キリト「・・・」

 

口を開け俺は食べる。

腹の虫が次第に静まっていくのだ。

 

そして俺は作戦を実行すべく、寝る時までひたすら緊張していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜。約10時30分

 

アスナ「明日は風呂に入らせてあげるから、今日はごめんね?」

 

キリト「あぁ・・・いいよ」

 

アスナ「じゃあ、ねよっか」

 

キリト「うん」

 

アスナは俺の縛られた隣に寝た。

しばらくたつと、俺は口を必死に動かし、喉の奥から声を出す。

 

キリト「・・・アスナ、頼みがあるんだ」

 

アスナ「・・・ん?何?」

 

キリト「俺・・・このままじゃ・・・アスナを抱けない・・・。俺はアスナを肌で感じたい。愛し合いたいし、もっと密着したい・・・だから・・・どうか・・・」

 

アスナ「///キ、キリト君///うれしい♡・・・わかった♡今すぐ解くね♡」

 

アスナは身を乗り出すと、次々と縄を瞬時に解いていく。

 

ここまではOKだ。

 

キリト「明日奈・・・愛しているよ」

 

アスナ「キ・・・。和人君・・・私も・・・」

 

顔が互いに近づきあい、互いの唇を互いの唇で塞いだ。

 

長い時間のキスが終えると、俺は明日奈を抱いた。

明日奈も抱いてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長い時間が経過した。今は互いに全裸で抱き合っている。

俺は明日奈を見やる。

なぜ明日奈はこうにもなったのか。

 

俺にはわからない。

 

けど今は逃げるのが大切。

明日奈は今寝ている。

俺は起こさないようにそっとベットから身を下ろし、その部屋の扉に行く。

 

ドアノブの音も静かにと。

最後に明日奈をまた見やる。

 

安らかに眠るアスナの眼は、どこか不思議だった。

 

キリト「ごめん、明日奈」

 

そう言い残して、俺はこの部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

そして。そして俺は・・・俺は・・・俺はこんな選択しなけりゃ、まだましだったのかもしれない・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋を出て、俺の服を探す。

流石に全裸で出たら捕まるからだ。当然だが。

 

キリト「あった・・・」

 

俺の服が畳まれて机に置いてあった。

 

同時に近くに荷物もある。

 

キリト「俺の所持品は全部無事みたいだな・・・」

 

俺は所持品の入った、バッグをぐっと握り、深呼吸。

 

俺はこの監禁部屋からの脱出に成功したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2028年 1月27日 夜 8時17分

 

埼玉県 堂平山

 

俺はバイクを止めていた。

 

キリト「・・・」

 

今の俺は仕事はプログラマーとして、道を決め、かなり難しいデジタルAIプログラム技術の勉強と共に仕事をしている。

給料もいい。しかし大変。

家も埼玉県から離れた場所。

 

一人暮らしを始めてからかなり時間がたった。

 

俺はふと思った。

明日奈は今何しているのだろうか。

大丈夫だろうか。

別の人と一生を過ごすことなど決めたのだろうか。

 

気になるが、気にしてもしかたない。

OS事件のあと、俺はここにきた。観測スポット。

 

俺の見上げる夜空は、満点の星たちが綺麗に一つ一つ輝いている。

 

まるでプラネタリウム並みの・・・きれいな・・・。

 

キリト「・・・」

 

冷たい風が俺の肌を触る。

久しぶりに俺は癒された。

 

キリト「・・・明日奈」

 

無意識に口が動いていた。声が出ていた。

もしかしたら俺の心のどこかに、また一緒に居たいという、そういう気持ちがあるのかもしれない。

SAOで出会った、生活、戦い、結婚・・・なにもかも今はない。

おかしくなった明日奈はもう一度会ったらきっと俺はおかしくなるだろう。

逃げてきて正解だった。

 

これでいい。

 

これでいいのだ。

 

キリト「・・・さよなら、明日奈」

 

俺は何年か経った今、別れを言った。

 

???「久しぶりだね」

 

・・・・え?

 

ふいに後から声がする。ここは誰もいない。もう夜だ。

闇とその間に輝く星だけだ。

俺以外いないはず。

 

しかし今の声はなんだ?

懐かしい声、そして俺の恐れる透き通る声。

 

???「探したよ」

 

スッ・・・スッ・・・足音が聞こえる。

 

振り向けない。怖い、怖い、怖い、怖すぎる!

 

???「あのいなくなったあとの朝、ものすごく壊れそうだった」

 

???「落ち着いて探した。けど気持ちは焦ったまま」

 

???「情報を集めた。探した。探し続けた。今、偶然見つかった。いや、偶然じゃないよ。運命なんだよ。私たちの運命だよ。こうやって巡りあえて、うれしい。ね?会えたね。・・・・・・私の・・・」

 

周りの音が無になる。

そして耳に入る。

 

アスナ「キリト君、こっちを・・・見て?」

 

俺は、怖い。怖いけど、俺は勇気をもって振り返った。

 

 

 

 

 

俺の目の前にいるのは、あの、俺のもと妻の・・・アスナ。だった。

 

髪は少し痛んでいて、目は活気がない。

 

けど間違いない。アスナ。アスナだ。

 

その次の瞬間、俺の体すべてが恐怖に包まれた。

 

キリト「・・・あ・・・・あ・・・・あ・・・・アスナ・・・」

 

アスナ「会いに来たよ?私の・・・キリト君♡」

 

アスナは俺の手をそっと握ってくる。

 

キリト「ひっ!?」

 

俺は恐怖のあまり、振りほどいてしまった。

 

アスナ「なんで?なんで放すの?」

 

キリト「・・・く・・・来るな・・・」

 

アスナ「なーんでー?」

 

ゆっくり歩いてくる。

近づいてくる。

 

キリト「う・・・う!」

 

俺は向こうに置いてあるバイクに向かって一目散に走った。

アスナは追いかけてこない。

 

俺は鍵を即座にぽっけから出す。慌てていたせいか、落としてしまう。

 

キリト「何やってんだよ!!早く・・・速く・・・!」

 

悪魔が、彼女が後からきている!闇の中からくるあの悪魔!

 

歩いてきている。足音が!来ている!

 

 

 

俺は鍵を握ると、すぐに鍵をかけた。

 

しかし、なんだ。なんだなんだなんだなんだんだ!!!!

 

鍵が!鍵が!エンジンがかからない!なんで!?

 

何度も俺は鍵を回す。しかしかからない!かからない!

 

後ろからくる!来ている!

 

早く!なんで!

 

逃げないと!まずい!早く!

 

アスナ「キ~リ~ト~君~?」

 

キリト「あぁぁぁ!?」

 

声がする。耳に入れたくない、悪魔の・・・声が!

 

アスナ「エンジンかかんない?アハハハハッ!!!!!!!」

 

笑い声が、狂った声が、この闇にひびいた。

 

アスナ「逃がさないよ?」

 

キリト「!?」

 

アスナが手に何か持っている。黒い何か。

 

あれは・・・スタンガン!?

 

ビビッ!!!

 

最後にきいた音がそれだった。

俺は、気絶させられた。

もう、終わった。

あぁ・・・こんな・・・あぁ・・・。

 

アスナ・・・。

 

アスナ「・・・もう、絶対、逃がさない♡ねぇ・・・キリト君」

 

黒い闇の中、男を抱きかかえる女性がそこで三日月の口をして笑っていてはそこから姿を消した。

 

BADEND1 正妻の監禁

 

 

 

 

 

 




必ず逃がしません。ヤンデレは。
あなたの背後に笑っている人がいますよ・・・。



















なんてね☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

GOODEND1 アスナ編 正妻の心 

本編は下です


夜。約10時30分

 

アスナ「明日は風呂に入らせてあげるから、今日はごめんね?」

 

キリト「あぁ・・・いいよ」

 

アスナ「じゃあ、ねよっか」

 

キリト「うん」

 

アスナは俺の縛られた隣に寝た。

しばらくたつと、俺は口を必死に動かし、喉の奥から声を出す。

 

キリト「・・・アスナ、頼みがあるんだ」

 

アスナ「・・・ん?何?」

 

キリト「俺・・・このままじゃ・・・アスナを抱けない・・・。俺はアスナを肌で感じたい。愛し合いたいし、もっと密着したい・・・だから・・・どうか・・・」

 

アスナ「///キ、キリト君///うれしい♡・・・わかった♡今すぐ解くね♡」

 

アスナは身を乗り出すと、次々と縄を瞬時に解いていく。

 

ここまではOKだ。

 

キリト「明日奈・・・愛しているよ」

 

アスナ「キ・・・。和人君・・・私も・・・」

 

顔が互いに近づきあい、互いの唇を互いの唇で塞いだ。

 

長い時間のキスが終えると、俺は明日奈を抱いた。

明日奈も抱いてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長い時間が経過した。今は互いに全裸で抱き合っている。

俺は明日奈を見やる。

なぜ明日奈はこうにもなったのか。

 

俺にはわからない。

 

俺は逃げようと立ち上がる・・・しかし、俺は思った。

 

ここで俺は逃げていいのか?今のアスナを止めるべきじゃないのか?

俺は今まで逃げていただけなんだ。ずっと、明日奈の恐怖から逃げてきた臆病者だったのだ。立ち向かわず、ずっと避けてきた。

けどそれじゃなにも解決をしない。だから俺は逃げるべき・・・ではない。

 

俺は明日奈を見る。気持ちよく寝ている明日奈の眼は・・・閉じていてもどこかに孤独感を感じる切ないような目に見える。

俺はここで確信したんだ。

明日奈には俺が必要なんだ。逃げちゃだめだ。俺が明日奈の心をしっかり、正さないと。

 

和人「・・・」

 

俺は少し緊張していた。また捕まったら・・・なんて考えていたけど、もしそれが起こっても、俺が悪い。説得していない俺が悪い。

俺は説得して見せる。

 

俺は深呼吸をし、明日奈の頬をつつく。

 

明日奈「・・・ん?和人君?」

 

和人「あはは、悪い。起こしちゃったな・・・」

 

まるで・・・あのSAOのセルムブルグに居たことを思いだす。

 

和人「・・・・・・・少し、話をしようか」

 

明日奈「・・・ん?」

 

和人「・・・俺は、俺は今の明日奈の、今までの明日奈の行動が少し変だと思うんだ」

 

明日奈「え?」

 

和人「だって・・・皆を侮辱するようなことを言ったり、さっきまで縄に縛りベッドで寝かせられていたり・・・強制的に〇〇〇のようなことをされたり・・・さ」

 

明日奈「・・・」

 

和人「やっぱ、こういうのってのは愛し合っているって言わないんじゃないのかなって・・・・思ってるんだ・・・」

 

明日奈「・・・そう・・・かな?私は和人君のことを本気で愛しているし、和人君も好きでしょ?私のこと」

 

和人「もちろん、明日奈のことを嫌いになったことはないさ。けど・・・俺は今の明日奈のことより、SAOの頃、SA:Oの頃、その頃に一緒に過ごしていた時の方が俺は好きだな」

 

明日奈「昔の・・・私?」

 

和人「あぁ、明日奈。そう。・・・昔と変わったからな、今と比べて」

 

明日奈「そうだったんだ・・・昔より好かれてなかったんだ・・・」

 

和人「いや、もちろん今も好きだ。ずっと。けど今は少し激しいかな・・・。昔約束したろ?「俺の命はアスナのものだ」って・・・明日奈も俺に命を託しているんだろう?けど今は明日奈に俺の命は預けていて・・・明日奈は俺を頼ってない・・・俺にも、明日奈の命を託してくれないか?」

 

明日奈「・・・」

 

和人「今は明日奈に一方的に守られているけど、俺も守りたい。最愛の人を。だから。昔の明日奈に。笑顔がよくて、一緒に過ごして、旅したような・・・昔の明日奈に」

 

明日奈「・・・ごめんね・・・和人君・・・。ずっと・・・そういう気持ちだったことに気づかなくて・・・。昔は一緒に笑ってたよね。助け合ったよね・・・そうだね。ごめんね・・・ごめんね・・・和人君・・・」

 

明日奈は目から輝く何かがあふれ出ていた。頬につたっていく。

 

和人「明日奈・・・おかえり」

 

明日奈「ただいま・・・和人君!」

 

明日奈の眼は、昔と同じような輝きをとりもどしていた。

明日奈は俺を抱いて、肩の近くで泣いていた。

 

俺は明日奈が帰ってきてくれてとてもうれしかった。

俺はゆっくりと栗色の髪を撫でていた。

 

明日奈は・・・戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2028年 1月30日 昼 12時26分 

 

和人「明日奈、飯はまだか?」

 

明日奈「もー和人君、もうちょっと待ってて」

 

和人「あはは、悪い悪い。明日奈の飯はすごく絶品だからな」

 

明日案「うふふ、褒めても飯しかでないよ?」

 

和人「じゃあその飯を頼む」

 

明日奈「わかった。待っててね?」

 

俺と明日奈は日曜日の昼、仕事は休みなため気楽な会話ができる。

 

俺は読み終わっていなかった置いていた新聞を読み始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし読むのをいったんやめ、思考を動かし始めた。

 

結婚してから5、6年くらいたったかな・・・。

あの後は普通に明日奈も戻ってきて、前みたいな激しい怖い行動は行わず、普通の明日奈になった。よかった。

もしあの時逃げていたらどうなっていたんだろうか・・・一人暮らしになっていたのかな・・・。

まぁ考えても仕方ない。

今は目の前の生活を考えて、楽しく生きよう。

一生のペアなんだ。

この出会いを無駄にしたくない。

いつまでも幸せに暮らせますように。日々祈りながら暮らしている。

 

明日奈「はい、昼ご飯はソテーだよ♪」

 

和人「おぉ、昼からソテーか・・・まぁ、日曜日だからありだな!」

 

明日奈「私も昼から・・・とは思ったけど、おいしければいいよね♪」

 

和人「おう!」

 

俺と明日奈は椅子に座り、両手を合わせる。

 

和人・明日奈「いただきます」

 

飯中も、笑顔で話しながら、これからのこととか、今のこととかも。楽しくしゃべっている。

 

・・・あ、そういえば・・・皆(ヒロインたち)と会ってないな・・・。

彼女らとは本当にあの説得後、会っていない。

 

なんで会っていなかったのだろう。出会おうと思っていなかった。

何故だろう。

 

和人「なんか急に皆と会いたくなってきちゃったな・・・」

 

明日奈「ん?皆?シリカとかリズとかのこと?」

 

和人「あぁ、会っていないよな?」

 

明日奈「そうね~、何しているんだろう?」

 

和人「気になっちゃったりして・・・あはは」

 

明日奈「まぁ、5年もあっていないし、今頃結婚してたりする人もいるんじゃない?」

 

和人「そうなのかなぁ」

 

俺はふと妹を思い浮かべていた。

あの明日奈と結婚を決意したときのスグの顔はどこか解放されたような不思議な笑みだった。

しつこく聞いてきたりしない。

普通に「がんばってね」と言って笑っていた。

スグは何してるんだろうなぁ・・・。

 

明日奈「まぁ、今はこの二人だけの生活を楽しもう?」

 

和人「あぁ、もちろんだ」

 

俺は明日奈と微笑みながらながら、飯を食べていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?そういえば・・・

 

明日奈「・・・あ、二人じゃないね・・・あはは」

 

和人「そうだった・・・悪いなぁ俺は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幼き鳴き声が、かごの中から聞こえてくる。

 

GOODEND2 正妻の心

 

 

 




ヤンデレでも、心を動かせば、きっと幸せになれるんだ!
そう俺は信じています☆

きっと選択一つがその人を変えることができるんですね☆












評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23話 キリトは会社に向かう

アスナに会わなかった設定で進めます。



キリト「うぅん」

 

俺はアミュスフィアをとると、上に置いているナーヴギアを見た。

 

キリト「はぁ・・・」

 

SAO事件だと物騒なこと言われてるが、俺にとっては宝物のようなものだ。

 

キリト「飯は今日はスグが当番だったはず・・・」

 

俺はベッドから立ち上がると近くのPC前の椅子に腰を掛ける。

 

キリト「ARのことがニュースで取り上げられてるな・・・」

 

PCのニュースはすべてARで埋められている。

 

キリト「どこもかしこもARか・・・」

 

外はもう暗く、7時を指す。

 

キリト「明日は仕事だな」

 

仕事・・・まぁAIのプログラム関係の仕事だが。かなり月収が高い。だから働けている。比嘉が教えてくれた仕事先だが、かなり難しい。

 

スグ「お兄ちゃん?ごはんできてるよ?」

 

キリト「そうか、わかった」

 

スグに呼ばれた。俺はスグの後を追っていった。

 

キリト「明日は仕事だから、家にいれないぞ」

 

スグ「私もだよ?」

 

当然の会話を食べながらしていた。明日は互いに仕事なんだということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「じゃあ、行ってくる」

 

スグ「うん」

 

俺はラース企業に向けて、足を忙した。

 

キリト「・・・間に合うな」

 

俺は必死に足を動かし、駅へ向かう。

 

 

 

今俺は山手線に乗っている。

六本木にある会社だが、俺は前オーシャンタートルのところに働いていた。

まぁ働くというより・・・なんていうんだろうか、実験?とでも言うのだろうか。

 

ソウルトランスレーターに入っているのが仕事・・・か。

 

今はそのような体験より、作る、側の人間だ。

難しいが、楽しい。

 

俺は六本木駅まで向かう途中、窓の外を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

俺はラース企業に足を向けて歩いている。

約6時に終了、あとは残業。だが、ブラックじゃない、ホワイトだ。

 

皆優しい社員ばかりだし、比嘉タケルや総務省の菊岡も優しい。

 

俺はいつの間にかそのビルの前に来ていた。

 

自動ドアの中へ俺は入っていく。

 

 

 

 

和人「・・・ふぅ」

 

PCとにらめっこしながらコーヒーを飲む。今やっているのはもちろんプログラム設計。

 

これは未来にどのような影響与えるのか。わからないが、俺は希望と共に仕事をつづける。

 

女社員「あのー・・・和人さん?コーヒーお代わりでもしますか?」

 

俺の後から女性の声がする。まだ俺は若造なのに、よく働いている。

 

和人「ありがとう」

 

女社員「はい!」

 

笑顔でおれのカップを持って行った。

 

和人「さて・・・続けるか」

 

今は11時。12時すぎに昼休みだ。

弁当はスグが作ってくれたんだが・・・まぁものすごくおいしいから、昼が待ち遠しくなるものだ。

 

女社員「はい、和人さん♪」

 

和人「あぁ」

 

珈琲を受け取る。

 

一口飲み、手を動かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

12時くらいになった今。俺はすこし手を休め、ぶらんぶらんさせる。

その時だった。

 

女社員「あのー和人さん、これ、下からもらってきたんですけど・・・」

 

女社員は1階フロントに行ってたらしく、俺は女社員の手に持っているものを見る。

 

和人「・・・弁当・・・。誰からだ?」

 

女社員「え~と・・・誰か名前は聞いてませんね・・・。銀色の髪色で、小さかったですね・・・。あと周りに多くのマスコミみたいなのが居ましたけど・・・有名な方だったりするんでしょうか?」

 

和人「あぁ・・・有名な人だな・・・。わかった、もらう。届けてくれてありがとう」

 

俺は弁当を手に取る。

すると女社員から提案が出てきた。

 

女社員「あの・・・一緒にお昼食べません・・・か?」

 

和人「あぁ、いいよ」

 

俺は女社員に了承すると、頬をさらに赤らめながら、笑顔でうなずいた。

 

和人「じゃあ外で食うか」

 

女社員「はい!///」

 

俺は敷地内のベンチで一緒に食べ始めた。

 

まぁ、誰かに監視されてることも知らずに・・・。

 

 

 

 

 

どこからのビルの頂上でか、だれかが双眼鏡を持っている。女性だ。

眼鏡をかけている。髪が短め。

なにかと監視が得意そうな動きをしていた。

 

???「あんな女が私のキリト君とお昼一緒にするとか・・・ふざけてるわね・・・。許せないわね・・・どうしようかしら・・・」

 

などと物騒なこと?を言っている女性が見張っていた。

 

 

 

 

 

 

和人「じゃあ食べるか」

 

女社員「はい!」

 

俺は両手を合わせ、言った。

そして俺は弁当の中身を恐れ恐れ開ける。

 

中は・・・♡マークのふりかけのかけ方。あとおかずが色とりどりに置かれている。

 

二箱だ。

 

なんというか・・・すごい弁当だ。ぎっしりハートマーク・・・か・・・。

 

女社員「この弁当作っている人・・・誰なんですか?」プクー

 

和人「まぁ俺の知り合いさ・・・」

 

女社員は頬を膨らませながらジト目で見ている。

 

俺はゆっくり弁当を食い始めた。

 

まぁこの後にスグの弁当も食ったのだが・・・おなかが・・・いっぱいだ・・・。

ちょっと辛い・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャピキャピ車の中で妄想している銀髪の女。有名人な女。

別名七色博士。その女性がとろんとした眼で車の中で妄想中。

 

???「えへへ・・・食ってくれたかなぁ・・・私の愛妻弁当・・・えへへ」

小声で言っていた。

笑顔であの男性のことを思っていた。かなり激しく。

 

運転手「何かおっしゃいましたか?七色博士様」

 

???「あっ!いいえ、な、何も言ってないわ!」

 

普段の顔に戻して、その女性は車の中で予定表を見始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻6時

 

和人「じゃあ、俺はそろそろ帰るか~」

 

独り言が口から勝手に出ていた。

時間がある。家に帰ったらログインでもしようかなと思っていた。

 

女社員「あの~和人さん。一緒に行けるところまで帰りませんか?」

 

和人「ん?あぁ、分かった。ちょっと待ってて」

 

俺は準備をして、バッグを持つ。

 

和人「じゃあ帰ろうか」

 

女社員「はい♪」

 

そして今日もこの会社から出た。

 




会社の中の話になりましたが、大丈夫です。
ちゃんとALOの中の話もしっかり作ります☆

女社員は少しキリトのことがすきなのです☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

24話 キリトは修羅場に会う

会社から帰る

本編は下です



埼玉県 川越市

 

時刻18:30

 

和人「ふぅ」

 

少しだけ冷える。

 

バッグを片手に片手をポッケに。

 

家に向かっていった。

 

 

 

 

歩くこと数分。

家に着いた俺は玄関を開けた。

 

和人「ただいま」

 

スグ「おかえり~!」

 

妹が出迎えてくれた。

 

スグ「お疲れ様!もうご飯できてるよ」

 

和人「ありがとう」

 

 

俺はスグと一緒にご飯を食べた。

もちろん、話していながら食べていたけど。

 

スグ「今日は会社でなんかあった?」

 

和人「・・・いや、別に何もない・・・わけでもないか」

 

スグ「ん?どうゆうこと?」

 

和人「あ、いや、話すことでもないよ」

 

スグ「そう?ならいいけど・・・隠し事とかだめだよ?」

 

和人「しないしない・・・」

 

弁当のこと話したら・・・めんどくさくなりそうだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~自室~

和人「ちょっとログインしてみるか・・・」

 

時刻7:20

 

俺はアミュスフィアを手に取り、自分の頭に装着をする。

そっと目を閉じる。

 

「リンクスタート」

 

俺は虹色の輪に吸い込まれていった。

 

キリト「・・・」

 

空都ライン

 

キリト「誰かログインしているかな」

 

俺はフレンドメニューを調べ始める。

一応全員ログインしているみたいだ。ていうか全員もログインしているんだな・・・。

 

キリト「ユナもきっと楽しんでいるだろうな。俺も楽しみたいものだ」

 

その時だった。

 

「キリト~!」

 

キリト「ん?」

 

フィリアだった。

 

フィリア「キリト!こんばんは」

 

キリト「あぁ、こんばんは」

 

あ・・・俺はあるフラッシュバックをする。

そういえば。、俺は見捨てたのか・・・アリスにやられたフィリアを・・・

 

前は申し訳ないことしたな・・・

 

キリト「前は・・・その・・・ごめん。助けられなくて・・・」

 

フィリア「いいんだよ♪別に・・・ねぇ、その後アリスに何かされた・・・・?」

 

キリト「え?あぁ・・・・いや、別になにもされてないよ・・・」

 

フィリア「ほんとに?」

 

キリト「ほんとだよ・・・」

 

フィリア「そう・・・まぁいいか、嘘つくような人じゃないもんね。キリトは」

 

キリト「あ、あははは・・・」

 

まぁさっき嘘ついたのだが。

 

フィリア「ねぇねぇ!せっかくだし、散歩しない?夜の散歩」

 

キリト「そうだな、いいよ」

 

フィリア「やったー!じゃあ行こ?」

 

そういうと当たり前のように俺の腕をフィリアががっしりと掴む。

やわらかいものが・・・腕に・・・。

 

キリト「フィリア・・・この格好は恥ずかしいというか・・・その・・・当たってるし・・・」

 

フィリア「当ててるんだよ♪」

 

ゆっくりとあゆみ始めた・・・。

 

 

 

 

 

 

神聖な街の光が、この世界を小さく照らす。

いろんな町を歩む中・・・。

 

キリト「あっ・・・」

 

フィリア「ん?」

 

偶然鉢合わせした人がいた。

 

ユウキ「キリト~」

 

走って寄ってくるユウキ。

 

キリト「よ、よぉ・・・ユウキ」

 

ユウキ「久しぶり~でもないかな?・・・で、所で~?」

 

フィリア「・・・」

 

ユウキ「なにしてんのかな?フィリア」

 

フィリア「ただの散歩だよ?ユウキ」

 

ユウキ「ふ~ん?僕の彼氏と散歩?もうそれ、デートだよね?」

 

フィリア「まぁ、デートかな?それと、私の彼氏だからね?」

 

ユウキ「聞き捨てならないな~、彼はぼくの彼氏!ぼ~く~の!」

 

フィリア「今こうやって腕組んで歩いているところで、もう私の彼氏だよ」

 

ユウキ「なら・・・」

 

ガシッ

 

フィリア「なっ・・・!」

 

ユウキ「こうすればぼくも彼女だよね?」

 

フィリア「ぐぬぬ・・・」

 

互いにらみ合っている。・・・怖いな。

 

その時、まただ・・・。

 

「二人とも、何やってるのですか!」

 

ユウキ・フィリア「!」

 

黄金に輝く鎧と髪。

剣も金色に輝く。そこに立っていたのは・・・

 

キリト「ア、アリス・・・」

 

アリス「まったく、ユウキもフィリアも・・・キリトが困っているではないですか」

 

ユウキ「むっ・・・」

 

フィリア「うー・・・」

 

アリス「キリト。あなたもです」

 

キリト「えぇ・・・」

 

アリス「私というものがありながら、現(うつつ)を抜かしすぎです」

 

ユウキ・フィリア「は?」

 

キリト(火に油を注ぐみたいなことを・・・)

 

ユウキ「アリス~?どういうことかな?」

 

アリス「どういうこととは、今の私の発言でしょうか?」

 

フィリア「当然だよ!」

 

アリス「なに、私とキリトはもう必ず切れない赤い糸でつながっているほどです。いずれ私は正妻となり、そしてこの先は「ちょーっと!」

 

フィリア「なーに自分が恋人みたいに言ってるの!ていうかアリスって赤い糸とかそんな乙女なこと言うんだね!?」

 

ユウキ「赤い糸?そんな、ぼくはもう赤い鎖のように一生離れない。いつまでも一緒な仲だよ・・・えへへ」

 

フィリア「私だってキリトとすごく仲いいもん!それに私は君たちがキリトと出会う前からキリトと出会っているし、仲の良さは負けないもん!」

 

アリス「ふん、私はキリトと〇〇〇や×××などする覚悟だってあります。君たちにはありませんでしょう?」

 

フィリア「なっ!あるもん!ていうかなんか色々とやばい展開になってきてるけど!」

 

ユウキ「そんなこと・・・当たり前じゃん。それでこそ恋人、そして夫婦だよ・・・。えへへ」

 

キリト(フィリアはともかくアリスとユウキどした!?」

 

アリス「キリトは私を救ってくれたのです。アドミニストレータから。操られていた私を。救ってくれたのです。このことの意味がわかりますか?つまり両想いです。私とキリトは」

 

キリト「んっ!?」

 

ユウキ「上等だね!ぼくだって、キリトと剣を本気で交えた時、キリトが手加減してたって知ってるもん。つまりキリトはぼくのことを思ってくれてる!つまり両想い!」

 

キリト「えぇ!?」

 

フィリア「私だって最初はオレンジカーソルの時、キリトは敵対しないで私をホロウエリアから救ってくれた!敵だった私を!一緒に付き合ってくれて、一緒に冒険して、一緒に生還した!私を独りから救ってくれた王子のような・・・だから私もキリトと両想いなんだよ!絶対!」

 

キリト「うぇ!?」

 

アリス「ふん、私の両想いのほうが強いです」

 

ユウキ「私の思いのほうが負けないもん!」

 

フィリア「私が一番だもん!」

 

争っている・・・どうしてこうも比べたがる~♪・・・すんません。

 

いつの間にかユウキとフィリアは俺の腕から離れていて、アリスと一緒ににらみ合っていた。

今がチャンス・・・だと思う・・・。

 

俺はゆっくり、足音をせずに・・・ゆっくりと・・・その場を抜け出してった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「なに」

 

フィリア「逃げようと」

 

ユウキ「しているのかな?」

 

キリト「ひゃい!?」

 

瞬間移動かの如く俺の前に立ちはだかる。

 

皆は恐ろしい笑顔だった・・・目は笑ってない・・・。

 

もう、こうなったら・・・!

 

キリト「もう夜遅いよな!そうだよな!あぁ~眠くなってきたなぁ~」

 

アリス「そうですか、なら私が武装解除をして膝枕をしてあげます」

 

フィリア「私もしてあげるよ!」

 

ユウキ「ならぼくだって!」

 

うっ・・・ここは「じゃあもう寝たほうがいいんじゃない?」とかいうと思ってたんだがなぁ・・・

 

あ、そういえば・・・

 

キリト「・・・じゃ、じゃあお願いしようかなー・・・」

 

アリス「ならば私が」

 

キリト「ちょ、ちょっと待て、じゃんけんで順番を決めてくれ・・・、そして、一人1分40秒で・・・頼む」

 

アリス「むっ、キリトの頼みは断れませんね」

 

フィリア「じゃあじゃんけんしよ」

 

ユウキ「うん!」

 

「「「じゃんけーん・・・ぽん!」」」

 

 

アリス1、ユウキ2、フィリア3

 

という感じになったところで・・・

 

アリス「じゃあ私からですね、さぁ、膝に来てください」

 

あまり人通りも少なくなってきたところで、川の近くの草原で膝枕をさせてもらった。

 

キリト「じゃあ・・・失礼します・・・」

 

そして俺は目を瞑る・・・。

 

アリス「ゆっくりしてください」

 

ユウキ「じゃ、じゃあ1分40秒始めるよ!」

 

カウントが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキ「はい、終わり!僕と変わって?」

 

アリス「まぁ、これは仕方ないですね」

 

そういうとアリスはゆっくりキリトの頭を抱え、ユウキの膝にそっと乗せる。

 

ユウキ「う~できてるかな?」

 

アリス「心配なら交代しますか?」

 

ユウキ「別に大丈夫だよ!ふん!」

 

フィリア「じゃあ始めるねー?」

 

そしてまた、カウントが始まった。

もうすでにキリトは眠ってしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリア「はい、終わり!交代して?」

 

ユウキ「もっとやりたかったな~」

 

そういって交代する。

 

アリス「では測りますね」

 

カウントが始まる。

キリトはもう熟睡。

 

フィリア「もう眠っちゃっているよね?」

 

アリス「そうですね、今ならなにかできそうですね」

 

ユウキ「させないからね!」

 

そして1分40秒後・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリア「あっ!?」

 

キリトが姿を消したのだ・・・。

 

アリス「なっ、あ、そういうことですか・・・」

 

ユウキ「そうだった~」

 

プレイヤーは眠ってから、5分後、強制ログアウトさせられるのであった。




どうも、(つд⊂)エーンです。
リアルが忙しく、投稿期間が相手申し訳ございません。
長文にしました!
楽しんでいただけましたか?


評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

25話 キリトは会社へまた行く

修羅場脱出

本編は下です


キリト「う~眠い・・・」

 

朝の6時

 

スグ「ほら~起きて?もう朝ごはんできてるんだから」

 

キリト「そっかぁ~」

 

俺は寝ぼけていた。

 

まだ両親は帰ってこない。カレンダーを確認するが、まだまだだ・・・。

 

キリト「いただきます」

 

スグ「いただきます」

 

俺たちは朝ごはんを食べながらニュースを見ていた。

そのニュースを見ていると。

 

キリト「ん?これって・・・」

 

スグ「ん?」

 

ニュースでやっていたのは七色博士、セブンのニュースだった。

 

しかしまぁこんな小さい子供でも、知恵がすごいから博士と呼ばれるし、すごい。

だが・・・

 

「なにをされてたんですか」

「この会社となんか関係があるんですか」

「いまさっきなにか渡しませんでしたか?」

 

なにかとマスコミがセブンを囲む。何をと・・・あ・・・。

 

あぁ・・・。

 

セブン「お弁当を渡しただけよ!ほらどいて!」

 

少し呆れたようにセブンがマスコミを抜けていく。

 

「だれにわたしたんですか」

「この会社の社員ですか?」

「さっきのキャリアウーマンですか?」

 

セブンは無言を貫きとおすと、車にのってその場を後にした。

そのインタビュー後、近くにいた社員にマスコミが問う。

 

「七色博士が弁当を渡していた所をみましたか?」

 

「はい、見ましたね」

 

あの社員・・・無駄なことを言うな!

 

「誰に渡していたんですか?」

 

「え~まぁ知り合いの女社員に渡していましたね」

 

「七色博士が直接?」

 

「そうですね」

 

まぁこのことだけなら、セブンが同性愛だという疑いもあるから、・俺に渡した・という真実はまだ伏せられたままだ。

 

よかった・・・。

 

スグ「・・・」

 

キリト「セブンも大変だな・・・あはは」

 

苦笑いをして、ごはんをまた食べ始める。

 

スグ「・・・ねぇ、お兄ちゃん、私に隠し事・・・だめって言ったよね?」

 

キリト「まぁ・・・」

 

スグ「さっきセブンがいた会社って・・・お兄ちゃんの行っている会社だよね・・・?」

 

キリト「・・・見間違いじゃないか?」

 

スグ「いや、ちゃんとニュースキャスター言っていたじゃん。ラースって。・・・ね?お兄ちゃん?」

 

キリト「そう聞こえたかな・・・?あはは」

 

ごまかし下手か!俺!

 

スグ「・・・セブンがまずああやって街中に出ることすら珍しいのに、お兄ちゃんの行っている会社にわざわざ弁当届けるって・・・もうお兄ちゃん目的だよね?」

 

キリト「・・・い、いや、ほら、セブンの好きな人がさ、俺の会社の中にいるかもしれないじゃないか・・・」

 

スグ「お兄ちゃん、「俺の会社」って言ったね?」

 

キリト「あっ」

 

スグ「それに今の動揺・・・間違いない、お兄ちゃん、隠し事したね?セブンに弁当もらったんでしょ?」

 

キリト「も、もらってない!スグの弁当をしっかり食ったよ!」

 

スグ「じゃあ・・・」

 

スグは俺の部屋に向かっていった。

何を・・・する気だ・・・?

 

するとスグが何か右手に持ちながら降りてきた・・・・あ・・・。

 

スグ「これは?」

 

キリト「あ・・・」

 

手に持っていたのは、俺が食ったセブンの弁当の空だ・・・。

 

キリト「・・・スグ弁当変えたんだよな!」

 

スグ「そうそう!・・・ってんなわけないでしょ!」

 

ノリツッコミ・・・。

 

キリト「いや、まぁ・・・その・・・」

 

スグ「もらったんでしょ?ね?」

 

キリト「・・・うん・・・」

 

スグ「もう・・・何をしてるの・・・」

 

スグはそういうと、弁当をごみ袋に入れてしまった。

 

キリト「あっ・・・」

 

スグ「こんなものいらない。お兄ちゃんは私の弁当だけ食ってればいいの。私だけの飯だけ。いい?」

 

キリト「はい・・・」

 

俺はその後、弁当をもらい、スーツを着て、家から会社に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「ふう・・・」

 

俺は会社前につくと、そこにいた人がいた。

 

女社員「あ、和人さん!」

 

和人「あ、やぁ」

 

俺は手を振ると、近寄ってくる。

 

女社員「おはようございます♪」

 

和人「おはよう」

 

そういうと、俺と女社員は会社へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「あの女・・・いつか殺す・・・あはははは・・・」

 

遠くから見るひとりの女の心には、黒い殺意が女社員に向けられていた・・・。

 

 




どうも、(つд⊂)エーンです。

最近花粉がガチで酷いですよ!皆さん気をつけて!
絵をかいてるのは自分ですよ~♪

・・・絵ってさ・・・皆から見て、必要かな?どうなんでしょうかね?

自分は好きで書いてますけど・・・もし「いらんわ」って思ってるのならば、俺は描かないでいこうかな~なんて思ってたり・・・ね?★

いりますかね?絵・・・もし必要ならどうか・・・コメントで・・・お願いします・・・。

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

26話 キリトは会社内で色々する

キリト会社へ向かう

本編は下です








※この作品に出てくるキリトの仕事内容は、原作とは一切関係なく、行っている行為もまた自分のご都合主義です。ので、それをあらかじめ分かった上でご覧ください。




和人「ふぅ」

 

溜息が出た。この難しい設計がかなり苦戦する。

手をまた休めて、しばらく画面を見る。

 

[皆それぞれのプログラムを作る]。ということで進められているが、俺の作っているプログラムは、何も特別というわけではない。

 

それは

 

[Proglam:Eugeo]

 

そう、名付けた。

 

この画面に残るフラクトライトが入ったライトキューブ。この水色に輝く、そう、まるで〈青薔薇〉の花びらの一枚一枚のように。

 

この中に、このライトキューブの中に、彼のデータが初期化されたものが眠っていた。

 

またいつか、彼と出会えてたなら・・・なんて考えが、すぐに俺を決断させた。

 

俺は再開を望むべく、今日も作業に入る。

 

和人「待っててくれ・・・頼む」

 

小声で言った声は、彼には届いたのだろうか。

どうか、そういてほしい。

 

女社員「あの・・・和人さん・・・」

 

和人「ん?」

 

女社員「これ・・・」

 

手に持っていたのは・・・BENTOだった。

 

和人「・・・」

 

フラッシュバックだ。スグのあの怖い眼・・・。

 

和人「だ、だれからか、わかるか?」

 

女社員「えっと・・・なんというか、落ち着きのある女性・・・。眼鏡かけていて、短髪。かなりクール系・・・というんでしょうか?」

 

和人「ありがとう。よ~くわかったよ」

 

この弁当を作ったのはきっと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詩乃「さて、今日の観察はもうやめようかしら」

 

ぱっぱと尻をはたいて、双眼鏡をバックに入れようとする。

 

詩乃「キリトはしっかり食べてくれるだろうし・・・それにしても・・・あの女・・・だれだろう・・・。随分と仲良かったし・・・本当、私・・・何しちゃうかわからないわ・・・」

 

黒い笑みを浮かべ、屋上を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「まぁ、今日は社内で食うか」

 

女社員「はい♪」

 

弁当を開ける。パカっと開いた弁当の中には、色とりどりの具材、ごはん、等々。

いたってシンプル。まぁ彼女ならこういう弁当だろうな・・・とは思っていた。

 

セブンほどバーンと♡を書いてなくてまだましだった。

 

女社員「もしかして和人さん・・・モテモテだったり・・・?」

 

聞こえるように質問する女社員に俺は慌てて答えた。

 

和人「いや、別に・・・そういうわけじゃ・・・」

 

女社員「怪しいですけどね」

 

などと言って、俺らは飯を食べ始めた。

 

 

しばらくして、俺はスグの弁当を手に取る。

 

和人「はぁ・・・」

 

女社員「どうして和人さんは弁当二つ持ってるんですか?」

 

和人「いや~なんというか・・・」

 

いうべきではないだろう。

それを察したのか、彼女から断ってくれた。

 

女社員「まぁいいですけどね」

 

和人「あはは・・・」

 

俺は必死に弁当を食った・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後17:32

 

胃の消化に悩まされながら、俺は画面を見る。

 

和人「・・・」

 

確か、彼の魂自体は〈青薔薇の剣〉という剣の中に入っている・・・というはず。

 

俺は今、あのアリシゼーションのこのデータほぼ全部を菊岡にもらい、今はその青薔薇の剣、今絶賛捜索中である。

 

多分だが、何か名前があるはずだ。その青薔薇の剣にかかわる名前が。

 

否、青薔薇・・・か・・・もしくは〈赤薔薇〉か・・・。

 

正直俺にはどっちかわからない。けれど、探して、彼の魂をどうにか再生したい。

 

俺は懸命に探した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「はぁ~見つからないなぁ」

 

ぐっと伸びをする。しかし、彼のデータにかかわるであろう〈青薔薇の剣〉もしくは〈赤薔薇の剣〉が見つからない。

 

俺は予想を外してしまったのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

和人「ん?これは・・・」

 

疲れた目で、文字を見る。データ名。

 

そこに乗っていたのは

 

[Sword of Blue roses]

 

そしてもう一つ。

 

[Sword of Red roses]

 

この二つのデータが、目に入っていたのだ。

 

和人「もしかして・・・これが・・・」

 

俺はしばらく固まっていた。

 

女社員「あの~大丈夫ですか?」

 

とんとんと肩をたたかれ、ハッと戻る。

 

和人「ごめん、ちょっと疲れててな」

 

女社員「もうお帰りになった方が・・・」

 

和人「いや、あと少しだけ。そっちも無理するなよ?」

 

女社員「今の和人さんが言っても説得力ありません」ぷい

 

和人「あはは」

 

調子が戻ってきた。

あと少し。

 

和人「落ち着け、ここまで菊岡、比嘉、彼らの手伝いがあってここまでできたんだ。絶対、このプログラムを成功させて見せる!」

 

俺はマウスを動かし、ファイル、それぞれを見て、データを再構築。

 

ライトキューブに初期化された彼の魂に、きっとこの〈青薔薇の剣〉にかかわるデータを流し込み、〈赤薔薇の剣〉のデータを流し込み、そこからが問題だ。

 

どうしたら・・・彼を戻せるのか。

 

俺は思考を動かし、習ったことを必死につかって、データを操作する。

 

きっと成功すると、そう信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ「うーん、まだ会社みたいだけど・・・なんか遅いなぁ・・・」

 

メッセージの返信がなかった。

 

スグ「どうして・・・なんだろ・・・」

 

誰もいない家に帰ってきたスグは、机の上で突っ伏していた。

 

スグ「またなんか・・・してんのかな・・・」

 

少しずつ、何かがゆがむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「はぁはぁ・・・」

 

どうだ、まだか。

 

比嘉「大丈夫っスか?」

 

和人「んぁ!?」

 

突然の変わった声に身を反射的に動かす。

 

後にいたのは、金髪のとげとげした無茶苦茶頭のいい男。比嘉タケルがいたのだ。

 

和人「ど、どうも、比嘉さん」

 

比嘉「久しぶりっスね。何してるっスか?」

 

和人「えっと・・・」

 

PCの画面に目を送る。

 

比嘉「なるほど、プログラム構築の仕事っスね・・・。こりゃ骨が折れることをしてるっスね」

 

和人「あはは・・・」

 

比嘉「頑張って・・・としか言えないっスね」

 

和人「えぇ!?何かアドバイス的なのは・・・」

 

比嘉「このくらい、和人君なら絶対にできるっスよ。君がしなくちゃいけないっス」

 

和人「・・・」

 

比嘉「救ってみてくださいっス」

 

二コっと笑うと、その場から去っていった。

 

和人「心配をかけていたのか」

 

来た意味を理解する。

 

和人「俺にはできる。きっと、このプログラムが・・・」

 

俺は、シャットダウンをすると、椅子から立ち上がって、伸びをする。

 

和人「帰るか~」

 

おれは会社から家へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ「おかえり~・・・」

 

和人「ただいま」

 

スグ「なんかいつもより遅かったけど・・・なにかあったの?」

 

和人「いや・・・別に・・・」

 

スグ「また嘘ついているでしょ?」

 

和人「んなわけ・・・」

 

するとバッとバッグを盗まれた。

 

ガサゴソと手でスグは探っている。

すると・・・。

 

スグ「これは?」

 

まただぁ・・・。

 

和人「・・・弁当です・・・」

 

スグ「誰の?」

 

和人「・・・し、詩乃の・・・です」

 

スグ「・・・」

 

スグはぐっと腕をつかんでくる。

 

和人「ど、どうしたんだ?」

 

スグ「・・・今・・・お兄ちゃんの・・・胃の中は汚染されてるんだね」

 

スグは俺の腹を見る。

 

和人「は・・・?」

 

スグ「待っててね・・・」

 

スグはキッチンへ向かうと、なにかシャキンと音がするものを持つ。

 

和人「ちょっ!?」

 

スグ「えへへ・・・お兄ちゃんが汚されちゃう・・・どうにかしなきゃね・・・?」

 

スグは狂った思考で、輝く包丁を舐めながら、笑みを浮かべ近づいてくる。

 

俺は、またまた同じ過ちを・・・。

 

 

 




久しぶりでごめんなさい!
(つд⊂)エーンです!

もう忙しくて投稿できるのが限られています!すいません!

えー・・・もしかしたらね、キャラがね、追加っていうかね、ね?

では、次回も・・・いう投稿できるかわかりませんが、ご期待ください・・・。

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

27話 キリトはついに再会を果たす

スグに迫られる

本編は下です


スグ「お兄ちゃん、こっちにおいで?」

 

キリト「・・・スグ・・・」

 

今目の前にいるスグは、目に光の無い、狂気の姿。

手に金属光沢する刃、包丁。

俺は久々に、命の危機を感じている。

須郷の時以来か、またはオーディナルスケール以来か。

どちらにせよ、今はそんなことどうでもいい。

今は、今は目の前の状況をどう打破するかだ。

 

キリト「・・・」

 

思考が働かない。命のことだけしか頭が働かない。

 

今のスグは、俺の行動を見逃さないだろう。

逃げたら・・・

 

「おにいちゃ~ん、追いついた♪」なんて言って、スグに追いつかれるだろう・・・。

逆に立ち向かったら・・・「お兄ちゃん、ありがとう♪」なんて言って・・・すぐに刺される。

 

どうするべきか。

 

ここで俺はある二つの打破策が頭をよぎった。

 

これに俺は()ける

 

キリト「・・・スグ」

 

スグ「何?」

 

キリト「俺は、死にたくないなぁ・・・」

 

 

スグ「死なないよ?腹を少しだけ・・・ね?」

 

キリト「刺そうとしているんだろ?なら、高確率で死んでしまう。だからスグ、もし死んだら俺と出会えないぞ」

 

死ぬ前提での考察。

 

キリト「だから・・・それでもいいのか?」

 

スグ「いいよ」

 

・・・・・・・・・・・へ?

 

スグ「抜け殻でも愛でてあげるから。お兄ちゃんの体だもん。腐っても守ってるよ。えへへ・・・」

 

キリト「・・・」

 

ヤヴァイ・・・。まだ、まだある。

 

キリト「・・スグ」

 

スグ「なぁに?」

 

キリト「俺は、今のスグはあまり・・・好きじゃないな・・・」

 

スグ「・・・え?」

 

キリト「だって・・・こんな物騒なものを持って刺そうとするなんて・・・さすがに・・・」

 

スグ「お兄ちゃん・・・そんな・・・」

 

カランカラン

 

包丁が落ちた。力が抜けるように。

 

キリト「スグは、普通にいてほしいな」

 

スグ「お兄ちゃん///」

 

俺はスグを抱き、しばらくそのままにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PM3:34

 

和人「はぁ・・・」

 

目の前のPCと睨めっこをするのも疲れた。

しかし、あと少しなのだ。

もう飯は食べ終わった。今日は幸い、弁当は来ず、スグからの弁当のみ。

 

和人「もう少しだなぁ」

 

女社員「がんばってくださいね♪」

 

後から不意に声がかかる。

 

和人「あぁ」

 

彼の為に、俺はあと一息だ。

 

 

 

 

 

今、俺は〈アンダーワールド〉のデータから、彼の魂、そして彼の剣を取り戻していた。

・・・恐らく成功した。データ化に。今PCに接続しているメモリにこのデータを移植すれば恐らく、達成される。

・・・あと何か入れるものはないだろうか?魂と剣だけでいいか?

 

・・・俺はあと一つ、《ほしいもの》があった。

あとは、それだけ、その《ほしいもの》がデータ化すれば、もう終わろう。

 

あと最後、あれだけ俺はほしかったのだ。

 

最後の作業に俺は移った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今は・・・PM6:57

 

俺は・・・達成した。

 

長かった作業工程を終え、今、移植が終わったのだ。

 

この手に持っているメモリに、魂、剣、そして《ほしいもの》が入っている。

 

 

和人「・・・終わったぞ・・・」

 

そっと言葉がこぼれた。

 

和人「帰ろう・・・」

 

俺は帰り支度をし始めた。

 

女社員「・・・お疲れ様ですね」

 

和人「・・・あ、やぁ。お疲れ様」

 

女社員「一緒に帰りませんか?」

 

和人「あぁ、いいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電車が揺れる。

 

和人「・・・」

 

女社員「そのメモリ・・・には・・・例のものが入っているんですか?」

 

和人「・・・あぁ、俺の頑張った成果かな」

 

女社員「・・・その作業を終えたみたいですが・・・その次は何をするんですか?」

 

和人「・・・うーん・・・」

 

俺はこのデータ化だけ頑張ってきた。仕事の一つは終了したわけだ。

 

・・・俺にはまだなにかできるのだろうか?

 

和人「まだ・・・考えてないな」

 

女社員「そうですか・・・まぁ、頑張ってくださいね」

 

その後、女社員の降りるべき駅についた。

 

和人「さようなら」

 

女社員「さようなら」

 

俺は別れた。

 

 

 

しばらく揺られたあと、駅についた。

 

和人「・・・」

 

無言で家まで帰ってきた。

 

和人「ただいまぁ」

 

スグ「あ、お兄ちゃん、おかえりー」

 

出迎えてくれた後、スグは料理をしていた。

 

スグ「もうすぐできるよ」

 

和人「ありがとう」

 

夜ご飯だ。香ばしい匂いが鼻をくすぐる。

 

和人「じゃあ、待っておくよ」

 

俺はスーツを脱いで、ソファに座ってはTVを見た。

 

 

 

しばらくした後、夜ご飯ができた。

 

スグ「今日もデータの何か?」

 

和人「あぁ、けど終わったよ」

 

スグ「え?」

 

和人「成功したかわからないけど、その作業は一応終えたんだ」

 

スグ「よかったね、お兄ちゃん」

 

和人「あぁ」

 

食べながら、互いに話し合ってはごちそうさまをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「いくか」

 

俺は手を震えさせながら、メモリを挿し口に向ける。

俺はメモリをPCに接続させる。

 

これであのデータをALOに流し込められたはずだ。

 

俺は、アミュスフィアを手に取り、被る。

期待をこめ、俺は発する。

 

「リンクスタート」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の街灯が町を照らしていた。

 

キリト「・・・」

 

俺は不安に包まれたが、すぐに冷静さをとりもどす。

 

キリト「ユイ」

 

ユイ「はい、パパ」

 

キリト「俺のアバターデータにある、3つのプログラムデータを・・・この世界のオブジェクトファイルに入れてほしい」

 

ユイ「またですか?」

 

キリト「あぁ、お願いだ。頼む」

 

ユイ「了解しました!」

 

キリト「成功したら教えてくれ」

 

ユイ「はい!」

 

3つのもの・・・・

 

1つは《彼の魂》

 

2つは《彼の剣》

 

3つは《ほしいもの》

 

だ。

 

俺は不安と期待を胸に、ユイの成功を願った。

 

 

 

 

 

 

20分ほどたった今、俺は持ち物整理を終え、ユイが現れた。

 

ユイ「終わりました!パパ!」

 

キリト「ほんとか!」

 

ユイ「はい!パパの持ち物に入れました!3つ!はい!」

 

キリト「ありがとう・・・」

 

ついに、ついにこの時が来た。

 

成功するのか。または失敗か。

 

まずは、俺は持ち物にあるものをみる。

 

・・・あった。

 

3つ、見慣れないものが。

 

俺は、まず初めに《彼の剣》を、オブジェクト化にしてみようと思う。

 

震える指で、操作をする。

 

その剣の項目に、ついに指がふれる。

 

ピコン。

 

音がなると、その項目は消え、ついに具現化を果たす。

 

そう。目の前に現れたのは。

 

ずっしり重いのが俺の手に触れる。

 

水色に輝く刀身、そして持ち手と刃の栄眼に綺麗に装飾されている薔薇。

 

その薔薇も、もちろん水色に輝いている。

 

持ち手に少しの装飾。水色の持ち手。

 

そう。これは彼の剣。

 

青薔薇(あおばら)の剣》

 

である。

 

やった。俺は剣の召喚に成功を収めた。

記憶解放術(リリース・リコレクション)》が使えるかどうかは知らないが。

 

しかし、問題はこの先だ。

 

このポーチにある・・・《彼の魂》だ。

 

これが、今回の仕事のすべてと言っていいだろう。

 

俺は、期待だけをする。

 

失敗なんて恐れない。

 

俺は、しかりと見る。

 

指がまた震える・・・。

 

あと2センチ・・・1センチ・・・。

 

ピコン。

 

効果音が鳴った。

 

そして、その項目は消える。

 

 

 

果たしてどうか。

 

俺は目の前を見ている。

 

何もない目の前に・・・きっと・・・。

 

そしてしばらく間があった。

 

・・・失敗・・・したのか?

 

出ない。オブジェクト化されても、いつまでもあらわにしない。

 

俺は・・・失敗したのか?

 

絶望に浸りそうになる。

 

 

だがその時だった。

 

急に目の前の地面に、直径1mほどの円が浮かびあがったのだ。

青色だった。

青色の円が地面に生成される。

 

そして、だんだん下から青色の光が積みあがっていく。

 

俺は目を見開く・・・。

 

そして、その光の積み重なりがだんだんと形になる。

 

そして、それは人の形になった。

 

そして、ひかりがバッと消えた。同時に円も消えた。

 

バッと消えたと同時に周りに数枚の青い薔薇が舞う。

 

そして、光がなくなった目の前に、ついに、ついに。

 

彼が、彼が眼をとじていた。

 

しかし、その目はゆっくりと開けられる。

 

そこにいたのは、誕生したのは・・・。

 

《ユージオ》

 

彼が、この世界に、ついに来たのだ・・・。

 

キリト「ユ・・・ユージ・・・オ・・・」

 

目の前の彼に恐る恐る問いかける。

 

ユージオ「・・・キリト」

 

彼の眼には、輝く雫が浮かび上がった。

 

キリト「ユ、ユージオ!」

 

ユージオ「キリト!」

 

俺らは、互いに近づいて、抱き合った。

 

このぬくもりも、本物だ。

 

キリト「会えてよかった・・・」

 

ユージオ「僕もだよ・・・」

 

しばらくして離れた俺は、手に持つモノを彼に見せる。

 

キリト「ほら、ユージオの剣だ」

 

ユージオ「あっ!青薔薇の剣・・・」

 

そっとユージオはもった。

じっと、見ると、剣を下げ俺に振り向く。

 

ユージオ「・・・ありがとう、キリト」

 

キリト「どういたしまして」

 

俺らは、互いにしばらく笑いあった。

 

 

 




どうも、(つд⊂)エーンです!投稿が不定期ですみません!

ついに、彼が、彼が戻ってきました!!!!88888888

キリトとユージオが再開し、このssはさらに発展していくと思う・・・多分。

そして、文中であったんですけど、キリトが俺にはまだなにかできるのだろうか?と言ってましたよね?

もしかしたら、アンダーワールドからキャラを誘うかも・・・しれない・・・。

キャラは増やしていきたいです☆
なので、何かアンダーワールドの中で出てきてほしいキャラが居たら感想にてお願いします・・・(;^ω^)
もちろん、この話の感想もお願いしますよ・・・★( *´艸`)

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

28話 キリトは話し合う

ユージオ復活!

本編は下です



キリト「青薔薇の剣の性能はどうだ?」

 

ユージオ「ふっ!・・・問題ないかな」

 

キリト「よかった」

 

現在、フィールド(低フィールド)にて、剣の性能チェックを行っていた。

ここはまぁ弱い敵しかいないけど、敵にヒットさせたり、色々。

 

しかし、一つだけ試していないことがある。

 

ユージオ「・・・どうして、《記憶解放術(リリース・リコレクション)》を試しちゃいけないんだい?」

 

キリト「まぁ、待て待て」

 

そう、《記憶解放術(リリース・リコレクション)》はまだ試していない。まぁそれには理由がある。

 

キリト「ちょっと待っててくれ」

 

ユージオ「うん」

 

そう、3つ目の《ほしいもの》とは、予想ついているだろうか。

 

俺はウィンドウを操作させ、その項目をタッチ。

SEとともに、俺の手に長く生成された。

 

ずっしりと重く、闇のように黒い。

シンプルな装飾のされた、漆黒の剣。

 

そう、アンダーワールドで2番目の相棒だ。

 

夜空(よぞら)の剣》

 

である。

 

キリト「出てきた・・・」

 

ユージオ「あっ!その剣・・・間違いないね、《夜空の剣》だね・・・」

 

キリト「あぁ、ユージオが命名してくれた。俺の大事な剣さ」

 

ユージオ「ははは」

 

そう、あのユージオの死に際に、この剣に命名してくれたのだ。《夜空の剣》と。

 

この《青薔薇の剣》と《夜空の剣》。そして、アリスの今持っている黄金に輝く剣。《金木犀(きんもくせい)の剣》は、アンダーワールドで言う、《神器》だ。

 

それぞれ神器は、奥の手でもある最強奥義。《記憶解放術(リリース・リコレクション)》が使える。

 

剣事態に大きな負担をかけるが、威力はすさまじいものだ。

 

なぜ俺が、この剣だけを持ってきたかったのか。

 

まぁ・・・その・・・護身用である。

 

今の皆はどんな手段にでるかわからないゆえ、最終手段はこの剣の奥の手を使わせてもらう。

 

・・・と、その前に・・・。

 

キリト「まぁ、この世界で俺たちの武器がしっかり《記憶解放術(リリース・リコレクション)》が使えるかどうか実験だな」

 

ユージオ「自分のも一緒に試したかったからなんだね」

 

キリト「まぁな」

 

剣の柄を俺も握る。

 

久しぶりの感触だ。お世話になったが、この世界でもお世話になってもらうため、今ちゃんと性能が発揮できるか。

 

キリト「まずはユージオからやっていいぞ」

 

ユージオ「・・・わかった」

 

ユージオはそういうと、剣を逆手に持ち一層力を込めて握り、目を見開く。

 

そして、剣を上げて、勢いよく地面に突き刺した刹那。

 

ユージオ「《記憶解放術(リリース・リコレクション)》!!!」

 

すると、一瞬剣は眩く青く光ると、剣の突き刺した地面から、前の方へと氷の柱が次々と生えてくる。

・・・前に見たものと同じだ。しっかり使えている。

 

キリト「・・・やっぱいつみても、美しいな」

 

ユージオ「ふっ!」

 

剣を地面からぐっと抜いた。

 

ユージオ「よかった、使えるよ」

 

キリト「あぁ」

 

ユージオは剣を見て、負担させたことに悪気を感じたのか、すぐに鞘にしまう。

 

キリト「今度は俺の番だな」

 

ユージオ「・・・うん」

 

キリト「いくぞ!」

 

柄を強く握り、前に突き出す。

 

キリト「《記憶解放術(リリース・リコレクション)》!!!」

 

剣は漆黒さをさらに増し、剣が震える。

そして、細長い刃は、ついに変形を始めた。

 

剣は、どんどん形を変え、木の枝が大きく生えていく。

 

そう、これがキリトの《記憶解放術(リリース・リコレクション)》。

 

この剣は悪魔の樹《ギガスシダー》の樹によって作られた剣。

 

その樹が枝状になって剣から生えて攻撃する技。

とても固い枝が刺さってきたら、ひとたまりもない。

 

キリト「はぁぁ!」

 

剣の技を止め、剣の形を元に戻した。

 

キリト「・・・よかった・・・使える」

 

ユージオ「かっこよかったよ」

 

キリト「そ、そうか?」

 

あははと笑いあいながら俺は剣を鞘に納めた。

 

剣は《記憶解放術(リリース・リコレクション)》が使えるが、剣には負担がかかっている。

そのため、連続で使うと砕け散り、もとにもどらない。

一回使うと、しばらくは鞘の中で回復させなければならない。

 

これが《神器》の特徴だ。

 

キリト「はぁ、疲れた。ちょっと町に戻ってベンチに座るか」

 

ユージオ「そうだね」

 

俺たちは町に戻り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

ユージオ「・・・」

 

座ってしばらくの沈黙。しかしそれをやぶったのは俺だ。

 

キリト「また皆と会える。うれしいか?」

 

ユージオ「・・・複雑な気持ちかな。死んだ僕を見て皆がどう思うかなんだけど・・・どうなんだろう。気持ち悪がられるかな」

 

キリト「大丈夫だ。皆笑顔で受け入れてくれるさ」

 

ユージオ「・・・そっかぁ、ありがとう」

 

キリト「あぁ」

 

しばらく話し合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヤンデレ要素なくてごめん!けど、この話で護身用ってわかったかな!

次回もご期待くださいね・・・★

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

29話 キリトは学んでいる

ユージオと会話した

本編は下です



キリト「じゃあ、ユージオ。一応家が必要だ。アリスも自分の家を持っているからな」

 

ユージオ「えっ!?この世界にアリスがいるのかい?」

 

キリト「あ・・・まぁ・・・。けどちょっと性格が変わったかな」

 

ユージオ「ん?性格が変わった?」

 

キリト「まぁ・・・アリスに会ってみようぜ」

 

ユージオ「うん、わかった」

 

そして俺たちはしばらく歩いてアリスの家に向かった。この世界ではアリスはもうすでに自分の家を買っている。

アリス、ユージオ、ユナ、ストレア、ティア、プレミア、この子らは一応NPCだ。

まぁそれでも普通のプレイヤーにしか見えないが。

NPCである人たちは俺たちのいる現実には来れない、だからこの世界で住まないといけないため、家もここで買わなくては。

 

なんて今のNPCのみんなの生活を浮かべていたら、彼女の家についた。

 

キリト「ここだよ」

 

ユージオ「ここなんだ・・・」

 

草原が周りに広がり、その近くは町がある。

 

そう、ここがアリスの住んでいる家だ。

まぁ広さはかなりある。

家の構造はなんというかわからないが、全部RPG風にできている。

窓はクロスでできていて、壁は白い素材でできている。

 

キリト「まぁ・・・入るか」

 

ユージオ「うん」

 

恐る恐る俺はピンポンを押す。

 

ピンポーンという音がこの空間に響いた。

 

すると向こう、ドア越しから足音が聞こえる。

 

アリス「はい、誰でしょ・・・!」

 

ユージオ「やぁ、アリ「キリト!」・・・え?」

 

アリス「まさか家まで来てくれるとはなんともうれしいです!家にあがりますか?」

 

金色の整合騎士の防具はしていないアリスが俺の手をすぐつかんできた。

俺は慌てて手を片方の手で放し、アリスに言った。

 

キリト「待てって!はぁ・・・アリス、俺の隣に立っている人をまず見るんだ」

 

アリス「え?」

 

そしてアリスは俺の隣のユージオに視線を送る。

 

アリス「あっ・・・ユージオ!」

 

ユージオ「あはは・・・久しぶり・・・」

 

少しユージオが苦笑いする。まぁいきなり今の光景じゃあ・・・なぁ・・・。

 

キリト「奇跡の再会だな」

 

ユージオ「アリス、会えてうれしいよ」

 

アリス「私もだ。ユージオ。まさかまた会えるとは、思ってもみなかった」

 

キリト「俺もだ」

 

アリス「キリトが呼んできてくれたのでしょう?」

 

キリト「まぁな」

 

ユージオ「本当にキリトには感謝しているよ」

 

キリト「いつかその借りは返してもらうかな?」

 

ユージオ「なっ!・・・まぁ・・・がんばるよ」

 

アリス「うふふっ・・・・」

 

キリト「あははは」

 

ユージオ「あはは」

 

他愛もない話をしていた。

 

アリス「まぁ立ち話もなんでしょう。家に上がってください」

 

キリト「じゃあ、お邪魔します」

 

ユージオ「お邪魔します」

 

そして俺たちはアリスの家にあがった。

 

キリト「へぇ、結構立派な家だな」

 

アリス「まぁ、気に入ってます。そこに座っていてください」

 

ソファを指し、俺たちはソファに腰を下ろした。

 

アリス「では、飲み物でも持ってきますね」

 

ユージオ「あぁ」

 

キリト「あ、ありがとう・・・」

 

少しフラッシュバックする。

なに、同じ過ちはしない・・・多分。

 

キリト「まぁ、ユージオも家を買うからな」

 

ユージオ「お金足りるかな・・・?」

 

キリト「大丈夫だ。俺も出すからさ」

 

ユージオ「いつも助けてもらってばっかりだね・・・・」

 

キリト「いや、あっちに居た頃は俺も助けてもらってばかりだ」

 

話をしていたら、アリスがトレイの上に紅茶を持ってきた。

紅茶事態は悪くない・・・だがなぁ・・・。

 

ユージオ「いただくよ」

 

キリト「・・・」

 

ユージオ「キリトはいいのかい?」

 

キリト「あ、あ・・・あぁ」

 

アリス「人から出されたものは貰うのが当たり前ですよ?」

 

キリト「そ、そうか・・・」

 

紅茶を見やる。・・・警戒心が薄れない。

 

キリト「あとでいただくよ・・・」

 

アリス「わかりました」

 

キリト「んで、アリス。アリスの持っている神器は《記憶解放術》を遣えたのか?」

 

アリス「まだ試していませんでしたね・・・。何せ、使う場面がありませんでしたからね・・・」

 

キリト「きっと使えるさ。な?ユージオ」

 

ユージオ「うん」

 

ユージオはそっと紅茶を置く。

 

ユージオ「僕たちは再会したあと、神器を試したんだ。そしたら《記憶解放術》も使えたから、アリスも使えるはずだよ」

 

アリス「そうですか・・・。なら、強い敵にも対抗できそうですね」

 

キリト「あぁ」

 

アリス(キリトを私の手にキリトを手に入れたいキリトを閉じ込めようキリトを独り占めできる好機キリトを・・・)

 

キリト「・・でな・・・っておい、アリス?聞いているのか?」

 

アリス「は、はい!」

 

キリト「いや、聞いているならいいけど・・・」

 

アリス「もちろん、聞いています!」

 

キリト「そっか、で。ユージオはどこがいい?」

 

ユージオ「うーん、この木に囲まれた家が並ぶ場所がいいかな」

 

マップを見せながら相談していた。

 

キリト「そっか、じゃあそこに家を買おう」

 

ユージオ「うん」

 

アリス「ユージオもこの世界に住めるんですね」

 

キリト「あぁ」

 

キリト「じゃあ、今日は帰ろうか」

 

ユージオ「僕の家はどうするんだい?」

 

キリト「今日はもう宿で寝よう。場所は案内するさ。金はユージオに出してもらうかな?」

 

ユージオ「もちろん、自分が出すよ」

 

アリス「あっ・・・帰ってしまうのですか?」

 

キリト「あぁ、長居するわけにもいかないしな」

 

アリス「も、もう少しいてもいいのですよ?」

 

キリト「ユージオを送らなきゃいけないしな。じゃあ、また明日な」

 

ユージオ「またね」

 

アリス「あ・・・はい、また明日・・・」

 

最後、アリスがちょっと悔しい顔をしたかのように思えたけど、俺は気にせず家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

アリス「!まさか、キリト!?」

 

あれから数分立ったいま、インターホンがなった。

 

アリス「はい!」

 

シノン「久しぶり・・・でもないわね」

 

アリス「・・・シノンさん・・・どうしました?」

 

シノン「いや?なに、最近キリトと一緒に居すぎよね?」

 

アリス「居て何が悪いのですか?」

 

シノン「私の彼氏が汚れてしまうじゃない」

 

アリス「・・・それは私のセリフです。私の恋人、キリトが私以外の女といるだけで嫌な気持ちです」

 

シノン「それは皆思ってるわ」

 

アリス「それをなぜ私に言うのですか?」

 

シノン「あなたがキリトと居すぎているから・・・よ?」

 

アリス「・・・」

 

シノン「だから、今後キリトと居すぎると・・・私、何するかわからないわよ?」

 

アリス「もし何か攻撃してきたら、私はそれ相応の対応をします」

 

シノン「ふん、どうかしらね」

 

アリス「どういうことですか?」

 

シノン「いや、何でもないわよ。言いたかったことはそれだけ。それじゃ」

 

アリス「・・・」

 

そういうと、シノンは帰っていった。

 

アリス「・・・キリトは私だけが守ります・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・うーん」

 

ユージオ「どうかしたのかい?」

 

キリト「あ、いや、なんか寒気がしたなぁ・・・って」

 

ユージオ「あはは、風邪かい?」

 

キリト「そんなんじゃない気がするんだがなぁ・・・」

 

ユージオ「それじゃ、また明日」

 

キリト「また明日」

 

俺とユージオは宿で別れた。

 

 

 

 




春休みですね!皆さん!

アリスとシノンは仲がちょっと悪いようですね・・・w

ユージオはキリトと親友なため、もしかしたら相談役となるかもしれません。

もちろん、ここからヤンデレ達がまたキリトに襲い掛かります☆

これからもご期待してください!

評価、感謝、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

30話 キリトは忘れられない一日となる

シノンとアリスが話しあった

本編は下です


AM9:00

 

キリト「ふぅ」

 

今日は土曜日。

仕事も一息ついたことだし、俺はゲームを満喫したいと思った。

 

キリト「どうしようか・・・」

 

今、俺はメニューを開いて、装備画面を見ていた。

 

《夜空の剣》

 

を常時しておくべきか、悩んでいたのだ。

 

・・・まぁ、常時していてもいいか。

 

俺は《夜空の剣》を片手剣に装備した。

もちろん右手に。

左手には右手に装備していた片手剣を。

 

キリト「一応試しておくか・・・」

 

二刀流の状態で《記憶解放術》が使えるのかどうかである。

もし使えなかったら意味がないのだ。

 

早速俺は外に出て草原に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「一応できるかどうかだ」

 

もしできたら、彼女らから身を守れるはず・・・。

 

キリト「いくぞ」

 

俺は剣二本を同時に鞘から抜き放つ。

 

そして俺は漆黒の剣《夜空の剣》を前に突き出す。

 

キリト「・・・ふぅ、いくぞ・・・。リリー「キリトくん!」・・・!!」

 

レイン「何しているの?」

 

キリト「い、いや!別に・・・」

 

レイン「?なんか剣を前に突き出していたけど・・・」

 

キリト「えーっと・・・練習だよ!そう!」

 

もし、もし俺がこの世界で《記憶解放術》を使えることがばれたら、少しは彼女たちも何か抵抗を示すはず。できれば奥の手はばれたくないものだ。

背負っている剣は見ただけではただの剣だ。だから突っ込まないはずだ。

 

キリト「そ、それより、どうしたんだ?レイン」

 

レイン「キリト君を見つけたから教えてもらいことがあって声をかけたの」

 

キリト「教えてもらいたいこと?」

 

レイン「うん、私も二刀流なんだけど・・・キリト君のほうがとても剣術は上だから、教えてもらいたいなぁって・・・思って・・・」

 

キリト「そ、そっか、いいよ。どこで教えようか?」

 

レイン「じゃあ・・・ここでいっか。もうちょっと奥でお願い」

 

キリト「いいぜ。じゃあ行こうか」

 

俺とレインは羽ばたいて、場所まで飛んだ。

 

キリト「それより、どこなんだ?」

 

レイン「あそこ」

 

指さしたところは、何故か人も敵もいない。

まぁ、稽古には適した場所だが。

 

キリト「わかった」

 

俺は降下する。

レインも一緒に降下した。

 

キリト「ふう」

 

レイン「じゃあ、二刀流のコツ、教えてくれるかな?」

 

キリト「わかった」

 

俺は剣を両方引き抜く。

もちろん右手には《夜空の剣》だ。

 

レインも腰から剣を引き抜く。

 

キリト「まず剣を二本持つことは、連続攻撃が飛躍的あがることだ。だからスピードを求められる。レインの持つスキルの《サウザント・レイン》は強力だが、隙が大きい。それは最後に使うべきと言ってもいいかな。だから、俺の使っている《ナイトメア・レイン》や《ジ・イクリプス》が使えたら、かなりいいと思う」

 

レイン「速さねぇ・・・難しそう。だけど、敵に隙を作らないのが二刀流だもんね!がんばってみる!」

 

キリト「あぁ、じゃあちょっとスキルを試していこう」

 

レイン「うん、わかった」

 

レインは懸命に二刀流を練習していた。やはり上達ははやい。

 

キリト「ちょっと休憩にしようか」

 

レイン「うん」

 

俺はレインに背を向ける。向こうに座るために向かう。

 

レイン「・・・と、その前に・・・」

 

キリト「・・・ん?」

 

レインは何か装備を変えていた。短剣を装備していたのだ。

そしてその刃は俺の背中めかげて振り下ろしてくる。

 

グサッ・・・。

 

キリト「・・・な、なんで・・・」

 

ビリ・・・はぁ・・・。

 

まただ。まだ、麻痺毒だ。

 

レイン「ごめんね?けど、こうしないとね・・・」

 

レインは笑顔で近づいてくる。

 

レイン「今キリト君は動けない。だから私を頼っていかないと・・・」

 

キリト「・・・冗談はよせ。今すぐ解毒剤を・・・」

 

レイン「これほしい?」

 

キリト「・・・」

 

手に揺らす解毒ポーション。

 

俺は学んでいなかった。なんで俺は麻痺毒に対抗できるアクセサリーやベルトなど買わなかったのだろう。

 

俺はうつ伏せ状態だ。動けぬまま。

 

レイン「これ渡してほしいんだよね?なら・・・」

 

キリト「ならなんだ・・・」

 

レイン「私と・・・キスして?」

 

キリト「!?」

 

ストレートな発言だった。

一瞬レイン本人なのか疑ったくらいだ。

 

キリト「そんな・・・そんなこと・・・」

 

ここで《夜空の剣》が使えたら、なんて思ったのだが。

手もびくともしない。

ただ唱えるだけでは神器は力を発しない。

 

キリト「・・・」

 

レイン「どうする?もっとひどい目に遭いたいの?」

 

キリト「・・・・」

 

誰か・・・う・・・。

 

キリト「・・・わかった。それですむなら・・・了承しよう・・・」

 

アスナ・・・ごめん。

 

レイン「うふふ・・・。受け入れてくれてうれしいよ」

 

レインは俺をうつ伏せ状態から仰向け状態する。

 

キリト「・・・」

 

レイン「顔を向けて?」

 

いわれた通り、俺はレインに顔をむける。

前レインは店で俺にすべて尽くすとか言ってた気がするけど・・・なんか違う・・・。

 

レイン「近いね」

 

キリト「・・・」

 

無言を貫き通す。

 

そしてレインは徐々に顔を近づけてくる。・・・本気なんだ・・・。

 

そして、レインは目を瞑る。

俺は見ていられなかった。だから俺も目を瞑った。

 

そして、レインの唇が俺の口をふさいだ。

触れ合った赤い唇は、離されてはまた触れ合う。

 

レイン「ん・・・む・・・」

 

キリト「・・・」

 

そして、数十秒後。

 

レイン「・・・美味しかったよ///」

 

キリト「・・・」

 

そして、狙ったかのように今、麻痺が解けたのだ。

 

なんだこの気持ちは・・・。

 

キリト「・・・」

 

レイン「麻痺切れたね・・・」

 

キリト「・・・」

 

レイン「今日やったことは二人だけの内緒だよ?わかった?」

 

キリト「・・・」

 

レイン「もし破ったら・・・想像以上に恐ろしいことが起こるからね?」

 

キリト「・・・うん」

 

流石に返答しないとまずい脅しだった。・・・今のレインなら、脅しじゃないかもしれないが。

 

レインはそのまま笑顔で俺と別れた。レインは飛び立っていったのだ。

 

キリト「・・・もう麻痺毒耐性つけようか・・・」

 

今日のことはこれからずっとわすれないだろう・・・。

 




お読みいただきありがとうございました!

どうでしょうか、これからキリトはどんどんエスカレートしていきます!

レインはぶっこんできましたね。他のキャラも負けませんよ☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

31話 キリトは身を守っていく

レインとキスした後

本編は下です


キリト「う~ん・・・」

 

俺は迷っていた。

目の前に売っているアクセサリー屋のものでだ。

 

麻痺耐性(大)・攻撃力(大減)

 

これでいいのか、である。

 

まぁ、攻撃力はかなり下がるが、別にいいだろう。

 

いざとなればとるし、俺は購入を決めた。

 

「あざーしたー」

 

俺は早速装備する。

しかし、ここで注意すべきことがある。

それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということだ。

 

かかりにくくなるだけだ。必ずは守ってくれない。

 

まぁ、付けていて損はないだろう。

 

キリト「ふぅ」

 

少しは守ってほしいと願う。

 

と、その次の瞬間。

 

「キリト~!」

 

突如、女性の声が。もちろん、知っている人の声だ、

 

リズ「こんなところでなにしてるの?」

 

キリト「ちょっと買い物さ」

 

ポーカーフェイス。決して耐性アクセサリーを買ったことは表にださない。

 

キリト「そんなことより、リズはどうしたんだ?」

 

リズ「いや?ただただ見つけただけ」

 

キリト「そっか」

 

リズ「向こうに座ってなんか話しましょ?」

 

キリト「あぁ」

 

彼女たちはなにを考えているのかさっぱりわからない。ポーカーフェイスがすごい。

 

そして、俺たちはベンチに座った。

 

リズ「そういえばキリト」

 

キリト「うん?」

 

リズ「あなたのその・・・背中に背負っている剣・・・変わった?」

 

ギクリ。

流石鍛冶屋、とでもいうべきなのだろうか。

 

俺の剣が変わっていることに気づいたらしい。

 

キリト「ま・・・まぁな」

 

リズ「ふ~ん?どんなの?」

 

鍛冶屋だから気になるのだろうか?

しかし・・・。

 

まだリズはこれを《夜空の剣》ということに気づいていない。

 

だから《記憶解放術》が使えることもしらない。

 

これはこれで隠し通したい。

 

キリト「まぁ、かなり攻撃力が前より上がっているかな。それで、お話でもしようか」

 

上手く誘導。

 

リズ「そうね」

 

いけた。

 

リズ「んで・・・なんかまた珍しいプレイヤーがいるんだってね?なんか頭が栗色だったわね。装備色は青ね」

 

キリト「あぁ・・・」

 

そうだ、リズは対面していないのだ。

 

キリト「きっと、それは俺の親友、ユージオだ」

 

リズ「ユージオ?・・・あぁ、キリトがアンダーワールドで話してくれた人のことね」

 

キリト「あぁ、そうだ」

 

リズ「また会えるなんてね」

 

キリト「あぁ、すごくうれしいんだ」

 

リズ(キリトの親友・・・いずれ私の敵になりそう・・・早めに二度目の死を・・・)

 

キリト「リズ?」

 

リズ「ん?な、何?」

 

キリト「い、いや・・・なんか険しい顔していたから・・・」

 

リズ「そ、そう?気にしないで」

 

キリト「まぁ・・・わかった」

 

リズ「にしても・・・」

 

キリト「ん?」

 

リズ「いや?ただ、キリトが縄で手を縛られて裸でつるされた状態で私が鞭をもってキリトの体をパチンパチン叩いたらどんな悲鳴するのか顔をしたりするのかってゾクゾクしていつも楽しみにしててねずっと想像してていつかそうしたいなと思って鞭の使い方も見ててね道具も買って鞭もかっていつかキリトを・・・うふふうふふふふ」

 

キリト「( ゚д゚)」

 

リズ「ぶつぶつ・・・・」

 

俺はそーっとリズが妄想に浸っているのを見ながらその場をゆっくりと去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・え?ロニエとティーゼと会いたい?」

 

ユージオ「・・・うん」

 

かなりのお願い事をユージオから聞いた。

 

彼がこうやって人にお願いすることはすくなかった。

 

キリト「・・・しっかり覚えているんだな、うれしいよ」

 

ユージオ「当たり前じゃないか」

 

俺とユージオが《北セントリア帝立修剣学院》にいた頃に出会った傍付きの女の子二人。

 

キリト「そっか、そりゃそうだよな・・・」

 

俺も密かにそう思っていた。

あの二人・・・そうだ、ティーゼに関してはユージオと関わりが深い。

 

もし、もしユージオと会えたらうれしく思うだろう。

 

キリト「・・・わかった・・・」

 

ユージオ「え?」

 

キリト「必ず、君と会わせる。絶対・・・必ず・・・」

 

俺はここでユージオのお願いをしかと心に入れた。

 

ユージオがあってみたいというのも無理はないだろう。

俺もロニエと会いたいし。

 

キリト「ティーゼとロニエは元気にしてるかな」

 

ユージオ「なんだ、キリトも会いたいんだね」

 

キリト「もちろん」

 

俺とユージオは笑顔で草原で話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの栗色のあいつ・・・邪魔かもしれないわ・・・」

 

長いオレンジ色の髪の女性が俺たちを見ているとは知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

ユージオのことを皆はしっかり笑顔で受け入れてくれるだろう。←そんなでもない。

 

すると、草原で座っていた俺の横から、走ってくる足音が聞こえてくる。

 

俺は振り向くと、そこには白い髪の短髪な女性が一人。

 

ティア「見つけた」

 

キリト「・・・見つかったな」

 

別にかくれんぼをやっていたわけではない。ただ、ティアがそういってきたから、俺はそう返した。

 

ティア「隣、座ってもいい?」

 

キリト「構わないよ」

 

ユージオも自分の家の家具配置に励んでいるし、話し相手がほしかったところだ。

 

キリト「ティアはALOに来てどうだ?」

 

ティア「どうだ・・・とは?」

 

キリト「いや、この世界をSA:Oの頃と比べてどうかなーってさ」

 

ティア「・・・」

 

少しティアは考えて、口にだした。

 

ティア「飛ぶのが難しい」

 

キリト「あっはは、そうか」

 

俺も最初は飛ぶのが大変だった。ティアと同じ気持ちになれる。

 

・・・待てよ?ティアって飛べるのか・・・。

ユージオもアリスも飛べないのに、ティアは飛べるのか?

羽・・・あるんだな・・・。

 

キリト「けど、ティアは成長が早いよな」

 

ティア「そう・・・かな?」

 

キリト「俺はそう思う」

 

ティアは少し頬を染める。

笑みが増える。

 

キリト「ティアとプレミアは仲良しだよな。たまには飛ぶ競争でもしたらどうかな?」

 

ティア「・・・」

 

すると、すぐにティアの笑みが消えうせる。

 

ティア「・・・プレミアと話し合った」

 

キリト「ん?何をだ?」

 

ティア「・・・キリトのこと」

 

キリト「そう・・・」

 

ティア「そしたら仲悪くなった」

 

キリト「・・・え?」

 

ティア「私はキリトのことが好き。けど、プレミアも好きみたい。そしたら言い争っちゃって・・・今は離れてる」

 

キリト「そうなのか・・・」

 

どこかに罪悪感があった。

 

ティア「・・・」

 

キリト「・・・」

 

俺はしばらく思考を動かす。そして結論が出る。

俺は立ち上がり、言う。

 

キリト「よし、仲直りしようぜ」

 

ティア「・・・え?」

 

キリト「今からプレミアのところにいこうぜ」

 

ティア「・・・」

 

キリト「大丈夫だよ。必ず仲良くなれるさ」

 

ティア「・・・わかった」

 

後からティアも立ち上がり、俺にあとから続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「プレミアー。いるか?」

 

俺はプレミアがいるであろう草原の奥に向かった。

すると、俺の声にいち早く気づいたらしく、向こうから走ってきた。

 

プレミア「キリト・・・」

 

キリト「よ、プレミア」

 

ティア「・・・」

 

プレミア「・・・ティアは何しに来たんですか・・・」

 

ティア「・・・」

 

キリト「ほら?ティア。口にしてみようぜ」

 

ティアはこくんと頷く。

 

すると、次に行動し始めたのは、口を動かしたことではあるが・・・。

 

口は開かず、ニヤッとする。

 

すると、ティアはポッケから黄色い液体瓶をそっと出す。

・・・まさか・・・。

 

ティア「痺れて」

 

キリト「!!!」

 

またまたまたまたまた麻痺毒!?

クラディールが今の彼女たち見たら見たでびっくりするだろう。

 

しかし!

 

俺はいま、麻痺耐性(大)をつけている。

 

これならかからないだろ・・・・

 

 

 

 

ビリッ・・・ビリッ・・・・

 

 

アクセサリー「ごめんよ」

 

アクセサリーの心の声が聞こえた気がする。

 

 

アクセサリーの意味があぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

 

 

 

ティア「作戦成功・・・だね」

 

プレミア「そうですね」

 

作戦!?えっ?喧嘩みたいなことしていたはずじゃないのか!?

 

プレミア「運びましょう、あそこまで」

 

ティア「そうね」

 

草原の小屋。なんか前にシノンにもおんなじことされた気がする・・・。

 

しかし、俺はしびれが解けなく、口も動かせない。無論、体も。

 

キリト「・・・」

 

何も伝えられない。

 

ふたりに俺は運ばれながら、小屋のベットに寝かせられる。

 

ティアはドアを閉める。もちろんロックする。

 

ティア「・・・まさかこうも上手くいくとは思っていなかった」

 

プレミア「私もです」

 

ティア「これって・・・3P・・・っていうの?」

 

プレミア「確かそう言ってた気がします」

 

キリト(誰に言われたし!)

 

ティア「さぁ、愛しあいましょう」

 

プレミア「3人で、一緒に」

 

キリト(誰か・・・もうアクセサリーになんて頼らない・・・)

 

ティアとプレミアが黒い目で俺に覆い被さり始めた。




長い期間空いてしまってすみません!
(つд⊂)エーンです!

実は遠出でしてて投稿できなかったのです!

決してやめていません!ご安心ください!

ここで皆さんに小さなアンケート。

ロニエはキリトの傍付き。
ティーゼはユージオの傍付き。

ここで、二人はヤンデレにしたいと思っています。
いずれ登場する予定です。

そこで、ロニエはヤンデレをキリトに。

ティーゼはキリトとユージオのどっちにヤンデレを向かせようか迷っています・・・。

誰でもいいです。キリトかユージオどっちにしてほしいか言ってくだされば、ヤンデレにしたいと思います。

もちろん、ロニエ、ティーゼをヤンデレにしなくていいという人もいいですよ☆

どうかご協力お願いします('ω')

あ、この話の感想もできれば・・・お願いしたいなぁ~(-_-;)

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

32話 キリトは身を守れなかった

ティアとプレミアの作戦にかかる

本編は下です


ティア「まずは服を脱いだ方がいいって言ってた」

 

プレミア「わかった」

 

キリト「---!!」

 

しゃべれない。麻痺毒が解けないままである。

 

ティアとプレミアは服を脱ぎ始めていた。

このままではシノンの時と同じことになってしまう。

 

キリト「・・・」

 

この痺れた状態から回復する手段は誰かの解毒結晶、もしくは麻痺切れの二つである。

誰か来てくれるのを待つしかない。

 

プレミア「下着はそのままの方がいいですか?」

 

ティア「そのほうがいいかもしれない」

 

下着が、ティアとプレミアの体を申し訳なさそうに隠している。

 

俺はどこに目をやっていればいい。

 

すると、ティアがある提案をし始めた。

 

ティア「キリトの服も脱がそう」

 

プレミア「賛成です」

 

キリト「!!!」

 

まずい状況である。このままでは襲われてしまう。

 

キリト「あ・・・あ・・・」

 

若干口が動くようになっていた。

どうか・・・助けを・・・・。

 

ティア「キリトはじっとしてて」

 

ティアは俺の装備を着実に外していく。

俺はされるがままである。

 

キリト「や・・・め・・・」

 

プレミア「下は私が脱がします」

 

ティア「私は上ね」

 

二人で話しあった後、俺の服に手を付ける。

 

このままじゃ・・・。

 

す。す。

手が持ち上がる。

 

俺の腹が見えていた。

 

ティア「上は胸のところまでしか脱がせられない」

 

プレミア「下は脱がせそうです」

 

普通にいっちゃいけないようなことを口にしている女神二人。

 

この二人・・・AIだよね?

 

キリト「やめ・・・て・・・」

 

口がだんだん言うことを聞いてくれる。

 

すると、なんか下半身がすーすーする。

 

・・・。

 

まずい、俺は今、下着一枚だ・・・。

 

まずい、誰か・・・だれか・・・!

 

ティア「それは脱がさないほうがいいって。後で脱がす」

 

プレミア「わかりました」

 

何言ってるんだろうか。

誰から聞いた言葉なのだろうか。

 

どうしてこんな事をするようになったのか。

 

キリト「やめて・・ティ・・ア・・・プ・・レミア・・」

 

口が動くようになる。

 

ティア「まず、胸触ってみよう」

 

プレミア「はい」

 

すると、二人の片手が俺の胸の両方に乗っかる。

 

キリト「うっ・・・」

 

ティア「胸はないわね」

 

プレミア「そうですね」

 

キリト「やめ・・・」

 

胸の上で二人が手を動かしていた。

するすると。

 

ティア「その次は・・・」

 

プレミア「胸・・・」

 

俺の胸を見ている。

 

すると、ティアが顔を近づける。

 

ティア「・・・チュ・・・」

 

キリト「!?」

 

シノンと同じ行動だ。

ということはまさか・・・。

 

キリト「シノンに・・・教えてもらったのか?」

 

ティア「ん・・・正解」

 

プレミア「正解です」

 

キリト「やめるんだ・・・」

 

このままじゃまずすぎる。

 

キリト「誰か・・・!」

 

祈っている。すると、プレミアが顔を近づける。

 

プレミア「・・・ん・・・・」

 

俺の胸に、プレミアが唇をつける。

くすぐったく、また変な気持ち。

 

キリト「二人とも・・・やめて・・・」

 

ティア「やめない」

 

プレミア「私もです」

 

キリト「誰か・・・頼む・・・」

 

もう運はないのか。

誰も来ないのか・・・。

 

その時。

後のドアが、勢いよく横に切られた。

 

ドアはたちまち、壊れていく。

 

切った本人は・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シリカ「キリトさん、助けに来ました」

 

キリト「シリカ・・・」

 

短剣を構える、シリカだった。

 

シリカ「ティアもプレミアも、キリトさんから離れてください」

 

ティア「いや」

 

プレミア「いやです」

 

シリカ「上等です」

 

ティア「2対1で勝てると思ってるの?」

 

シリカ「1じゃないです」

 

すると、シリカの後から、一人の姿が見える。

 

キリト「あ・・・スグ・・・」

 

リーファ「お兄ちゃん、大丈夫?」

 

黄色い髪のポニーテールの女。そう、妹のリーファだった。

 

ティア「・・・プレミアはシリカ。私はリーファを殺るわ」

 

プレミア「わかりました」

 

シリカ「・・・相手をします、私はプレミア。リーファさんはティアを」

 

リーファ「・・・本当に今回だけ」

 

シリカ「約束します」

 

俺のいる小屋のなかで、2対2の闘いが今、始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「縄解いてくれ~・・・」

 

俺の声は聴いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前である。

 

シリカ「キリトさん・・・小屋の中でプレミアとティアに連れていかれちゃった・・」

 

キリトが運ばれるとき、シリカは見ていたのだ。

陰から。ずっと。

 

シリカ「私だけじゃ負けるかな・・・」

 

相手は2人。

流石にシリカの今のレベルではかなわないと思ったのか、シリカはある作戦をだした。

 

シリカ「・・・リーファさんと同盟を組もう・・・」

 

やりたくはなかったことだ。できれば敵である人とは一緒にいたくはない。組みたくはない。

しかし、だからと言ってティアとプレミアにキリトが〇〇〇されたらそれこそたまったもんじゃない。

 

なら、助けるしかないのだ

 

シリア「リーファさん、キリトさんを一緒に助けませんか?」

 

リーファ「・・・お兄ちゃんを?」

 

シリカ「今、ある人に拉致されて小屋に連れていかれたところをみました。相手は二人なので、できれば一緒にキリトを助けたいと思って」

 

リーファ「そう・・・その二人って・・・誰?」

 

シリカ「ティアとプレミアです」

 

リーファ「わかった。本当に、今回だけ・・・」

 

シリカ「わかっています」

 

リーファ「じゃあ行こうよ、シリカ」

 

シリカ「はい」

 

リーファもシリカも、キリトの為だけである。

決して、互いを守ろうなんて、思ってはいない。

 

これが、同盟を組んでいた理由である。

 

 

 

 

 




(つд⊂)エーンです。桜がとても綺麗ですね!

実は、もう一つssを一緒に投稿しようと思います。
東方×SAOのクロスオーバー作品です。

なので、興味がある方は見てください・・・w

ない人は別に見なくていいので・・・(;^ω^)


評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

☆33話 キリトは親友に助けられる

ティアとプレミア対シリカとリーファ

本編は下です


ティア「いくよ」

 

プレミア「はい」

 

リーファ「いくよ、シリカ」

 

シリカ「わかりました」

 

互いの決意をあらわにする。

これはこれでまずい。

 

ティアとプレミアはAIであり、死んでしまったらもう二度ともどらない・・・。

 

キリト「リーファ・・・シリカ・・・」

 

シリカ「キリトさん?どうしました?」

 

キリト「やめるんだ、戦わないでくれ。こんなことして意味はないんだ・・・。それに、ティアとプレミアは死んでしまったら・・・生き返らないNPCなんだ・・・。頼む、リーファ・・・シリカ・・・」

 

リーファ「・・・」

 

シリカ「ですけど・・・」

 

リーファ「お兄ちゃん・・・この二人はお兄ちゃんを拉致して、お兄ちゃんを襲ったんだよ?なのに、許すの?」

 

シリカ「そうですよ、生かすことなんて自分が許せないです」

 

キリト「まぁ・・・まぁ。今回は・・・ティアもプレミアも反省してほしい・・・。それに、君たちだけの俺じゃない、俺はみんなと仲良くやりたいし、ティアもプレミアも皆と仲良くしようぜ」

 

ティア「・・・」

 

プレミア「私は・・・死ぬのが怖いです」

 

キリト「そっか、ならやめようぜ」

 

ティア「わかった」

 

プレミア「・・・はい」

 

キリト「よかったよ」

 

シリカ「こっちもやめます」

 

リーファ「お兄ちゃんのやさしさに救われたね」

 

剣を鞘に納め終わると、シリカが俺に歩み寄る。

 

シリカ「解毒」

 

そういうと、結晶は割れ、俺の麻痺状態が治る。

 

キリト「あぁ・・・ありがとう、シリカ」

 

シリカ「いえ、キリトさんを救えるなら、いつでも来ます///」

 

リーファ「お兄ちゃん、助かったね。けどもっと警戒をしなきゃだめだよ?」

 

キリト「あはは・・・そうかな・・・」

 

ティア「ごめんなさい、キリト」

 

プレミア「私もです」

 

キリト「いいよ、別に」

 

ティア「許してくれてありがとうございます(もっと・・・確実に・・・)」

 

プレミア「では、さようなら」

 

キリト「うん・・・」

 

ティアとプレミアは小屋を去った。

 

キリト「俺たちももどろうか」

 

シリカ「そうですね」

 

リーファ「そうだね~」

 

俺たちも小屋を出た。外はまだ明るい太陽が俺たちを照らす。

 

キリト「さて、何しようか」

 

シリカ「うーん・・・何しましょう?」

 

リーファ「どうしようかな~」

 

キリト「そうだな・・・じゃあ、モンスター狩りでもしようぜ」

 

リーファ「そうだね・・・」

 

シリカ「そうですね・・・」

 

キリト「ん?どうしたんだ?」

 

リーファ「お兄ちゃん、先に謝っとく。ごめんね?」

 

キリト「え?」

 

シリカ「謝っときます、ごめんなさい」

 

キリト「どうしたんだよ?」

 

リーファ「お兄ちゃんには、リメインライト化してもらうんだよ」

 

シリカ「そうです、そして・・・誰にも邪魔されない場所に連れていきます・・・」

 

キリト「・・・え?」

 

リーファ「お兄ちゃんを楽に運ぶため・・・それにはリメインライト化してもらわないとだめだし・・・だからお兄ちゃん、切られちゃうけど、ごめんね?お兄ちゃん、安心して?決して変な場所に連れて行かない、楽園だよ?だから、大人しく、HPを削られて・・・ほしいな」

 

シリカ「もちろん、キリトさんが楽しめることがてんこ盛りですよ?身をゆだねてください。動かないでくださいね?今からリメインライト化にしますから」

 

キリト「え・・・」

 

俺は咄嗟に剣を抜く。

 

キリト「・・・悪いけど、言われるがままにはならないぞ・・・」

 

リーファ「お兄ちゃんは知らないと思うけど、私たち、結構強くなっているんだからね?」

 

シリカ「二人に勝てませんよ?」

 

キリト「なっ・・・」

 

リーファ「だからお兄ちゃん・・・大人しくしててねっ!!!!!」

 

シリカ「痛みは感じないですからっ!!!!!」

 

キリト「くっ!!!」

 

リーファとシリカが交互に攻撃を仕掛けてくる。

 

リーファの片手剣攻撃を防げば、シリカの短剣を防ぐ。

俺の二刀流はそこまで万能ではない。

 

両手の剣を二人に対応するのはすごく難しい。

 

キリト「うわっ・・・!」

 

シリカ「大人しくしてたほうがいいですよ!」

 

リーファ「じっとしててよ!」

 

キンっ!

キンっ!!

 

俺の剣で防御してるだけだ。

攻撃ができない・・・。

 

仲間だから・・・絶対に・・・。

 

キリト「うっ・・・!」

 

ザシュッ。

 

腹が横に切られる。

 

HPが2割減少していく。

このままじゃ持たない!転移もできないだろうし、飛んでもすぐにおいつかれてしまう。

 

キン!!!

 

俺は・・・ここで倒されてしまうのか?

 

キリト「リーファ・・・シリカ・・・」

 

リーファ「お兄ちゃん・・・えへへへへ・・・」

 

シリカ「キリトさん・・・私のものに・・・」

 

眼が黒く、染まっていた。

 

キリト「頼む!!!止まって・・・くれ・・・」

 

もう、HPがかなり減っている。

 

残り3割ほど。

 

もう体力がない。

防御も続かない。

 

キリト「くっ・・・」

 

リーファ「お兄ちゃん・・・安心して」

 

シリカ「もう・・・楽に・・・」

 

???「させない!!!」

 

俺たちの横から、水色の刃が、二人の刃をせき止めた。

 

俺は咄嗟に後に下がる。

そこにいたのは、栗色のさらさら流れる髪。

青色の防具をきて、剣を握っていた。

 

そしてその人は、俺に振り向く。

 

ユージオ「大丈夫かい?」

 

キリト「ユ、ユージオ・・・」

 

シリカ「・・・やっぱり邪魔しましたか・・・」

 

リーファ「お兄ちゃんの親友・・・ユージオ・・・」

 

ユージオ「キリトをいじめないで」

 

キリト「ありがとう・・・ユージオ・・・」

 

シリカ「あなたは最初から邪魔だと思っていました。ので・・・」

 

リーファ「私たちの眼の前で、消えてもらうよ」

 

キリト「っ!?」

 

ユージオ「・・・」

 

キリト「ユージオ・・・」

 

ユージオ「キリト・・・すまないけど、今の彼女たちを生半可な力では止められないと思うんだ。だから、ここでつかうよ」

 

キリト「・・・」

 

ユージオの眼に迷いはなかった。

 

キリト「わかった。俺を・・・守ってくれ・・・」

 

ユージオ「うん」

 

ユージオは彼女たちに振り向く。

 

リーファ「何を使うの・・・」

 

シリカ「小賢しい真似はよしてください」

 

ユージオ「キリトを傷つけるのは許さないよ」

 

ユージオは剣を逆手に両手で持ち変える。

 

ユージオは表情を崩さない。

 

ユージオ「ふぅ・・・」

 

ユージオは呼吸をする。

眼を閉じていた。

 

リーファ「行くよ!」

 

シリカ「ユージオさん!」

 

リーファとシリカが一気に走ってくる。

 

キリト「ユージオ!!」

 

眼を大きく開かれる。

 

そして、剣を頭より高くあげ、剣先を地面に向ける。

柄を一層強くにぎり、一気に地面に突き刺した。

 

力をこめ、ありったけの声で叫んだ。

 

ユージオ「咲け、青薔薇ッ!!!」

 

剣が水色にひかりはじめる。

 

とたん、リーファとシリカが足を止める。

 

剣を突き刺した地面から、無数の氷の蔓が生えてくる。

それはリーファとシリカに向かってとても高速に伸びていく。

 

そして、その氷の蔓はたちまちリーファとシリカを拘束する。

そしてその蔓の周りは大きな氷がリーファとシリカを覆う。

 

青薔薇は命を咲かす

 

氷で掴まれたリーファとシリカの氷から、きれいな青薔薇が咲かれていく。青薔薇が咲くのは、リーファとシリカの命。

命を吸い取って花を咲かすのだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

リーファとシリカは、動けなくなっていた。

 

キリト「・・・ユージオ、殺すなよ・・・」

 

ユージオ「わかった」

 

そしてユージオは、息を吐くと、剣を地面から抜き放した。

 

ユージオがこちらに来る。

 

キリト「ユージオ・・・ごめん。こんなことさせてしまって・・・」

 

ユージオ「いいよ。親友だからね。ステイクールだよ」

 

キリト「あはは、そうだな」

 

今もリーファとシリカは凍ったままである。

 

キリト「ユージオ・・・ありがとう」

 

ユージオ「大丈夫だよ、キリト」

 

ユージオは鞘に剣を収める。

術式はしばらく続く。

 

キリト「・・・ユージオにこんな思いしてほしくなかった・・・」

 

ユージオ「・・・」

 

キリト「いったん戻ろう、君の家に行きたいな・・・」

 

ユージオ「いいよ、家具も配置できたし」

 

キリト「そっか・・・ありがとう」

 

少し俺の視界がうるんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「ここがユージオの家か」

 

ユージオ「そこに座っていいよ」

 

キリト「ありがとう・・・」

 

 

俺はそっとソファに座った。

その隣にユージオも座る。

 

キリト「・・・本当にごめん、ユージオ・・・。君がせっかく・・・生き返ってこの世界に来たのに・・・」

 

ユージオ「・・・」

 

キリト「皆がくるってしまって・・・こうなって・・・もう・・・俺・・・本当に・・・どうにかなりそうだ・・・」

 

次第に、俺の眼から涙があふれてきた。

 

ユージオ「キリト・・・」

 

キリト「必死に頑張っているユージオにあんなこと言うなんて・・・リーファもシリカも・・・ほんとに・・・」

 

俺の声は時に高くなる。

下を向いていた。

 

キリト「こんなになるはずじゃなかった・・・。ユージオと皆と一緒に楽しくなるって思っていた・・・。こんな苦しい思いをユージオにさせるつもりなんてなかったんだ・・・」

 

ユージオ「・・・」

 

ユージオの顔が悲しくなる。

 

キリト「・・・本当にごめん・・・あんなこと言われて・・・つらくないはずないよな・・・ぁ・・・。ごめん・・・ごめん・・ユージオ・・・俺が悪かった・・・責めるなら・・・あいつらじゃなくて・・・俺を・・・」

 

涙が止まらなかった。

 

すると、ユージオが横から俺の横からおれの後に腕を回した。

ユージオが俺を抱きとめていた。

 

俺はユージオの胸に顔を埋めていた。

 

ユージオ「キリトは・・・悪くない。もしかしたら・・・誰も悪くないのかもしれない。僕は誰も責めないよ。もちろん、キリトも。だから、

僕は悲しくない。苦しくない。だって・・・キリトが僕の親友だから」

 

キリト「うっ・・・ユージオ・・・ごめん・・・ごめん・・・」

 

ユージオ「もう泣かないで。大丈夫だよ。昔は僕がよく守られていた。だから今度は、僕がキリトを守るよ、そして・・・互いに守ろう。ね?キリト」

 

キリト「・・・ぁ・・・あぁ・・・・」

 

ユージオは抱くのをやめる。

おれは涙をぬぐう。

 

キリト「・・・ありがとう、ユージオ」

 

ユージオ「うん」

 

俺たちは、その後笑顔で話しはじめた。

 

その話は楽しい話、くだらない話。

たった二人なのに、いままでになく盛り上がった気がした。




キリトとユージオの親友である姿はいつ見ても感動的ですよね☆

長く文を書きました、楽しんだかな?

次回もご期待ください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

34話 キリトは新たに始める

ユージオに助けられる

本編は下です


和人「ふぅ・・・」

 

今いるのはラース本社。

俺は親友のユージオの頼み〈ロニエとティーゼと会いたい〉を遂行すべく、新たに作業を始めることになる。

 

人口フラクトライトの2人は、またアンダーワールドのデータの中から見つける。移動。ファイルに入れる。などの工程を行い、二人をALOに連れていくことにするのだ。

 

しかし、ここで一つの問題が出てしまう。

 

まだロニエとティーゼは、向こうのアンダーワールドの世界にいるということだ。

俺が直接彼女たちと会って、俺たちの世界に行きたいか、ということを聞いてから連れて行かなくてはならない。

 

無論、強制にはしない。

彼女たちの意思を尊重していこうと思っている。

 

彼女たちの意思関係なしに連れて行くような真似はごめんだからだ。

 

和人「まずは比嘉さんにまたアンダーワールドに入れるか聞かないとな・・・」

 

俺は比嘉さんの作業部屋デスクに向かい、聞いてみるこにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ソウル・トランス・レーター〉は六本木のラース本社に一台ある。

 

これを俺が利用すれば、俺はアンダーワルドに入れるというわけだ。

 

和人「どうでしょうか、比嘉さん」

 

比嘉「う~ん、そうっスねぇ・・・・」

 

比嘉は悩む。

〈アリシゼーション計画〉は終わりを迎えた。

その後、もちろんアンダーワールドに居る人口フラクトライトは活動している。

アンダーワールド自体は正常に作業を行っているということだ。

 

比嘉「・・・いいっスよ。桐ケ谷くんの頼みっスから」

 

和人「っ!ありがとうございます」

 

比嘉「桐ケ谷くんはユージオを生き返らしたし、君になら託せそうっす。しかし、彼女たちも人口フラクトライトとは言え、知能、思考、それぞれあるんス。勝手に連れていくんじゃなく、しっかり彼女たちと話していくようにしてほしいっス」

 

和人「もちろんです。必ず話してから連れていくかいかないかを決めます」

 

比嘉「よかったっス。じゃあ僕はソウル・トランス・レーターを再起動させるっス。しばらく使ってないけど、おそらく使えるはずっス。じゃあ行ってくるっス」

 

和人「ありがとうございます」

 

俺は礼をした後、比嘉さんは作業場に向かっていった。

 

和人「俺は俺で作業に戻らないとな」

 

デスクに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグとはあまり話していない。まぁ話すといったらALOの中だけだ。

しっかり反省してくれればいいんだが・・・・。

 

和人「はぁ・・・」

 

俺は画面をみていると、横から声がかかった。

 

女社員「大丈夫ですか?」

 

和人「あぁ、大丈夫だよ、ありがとう」

 

女社員「また新しい作業始めたんですね」

 

和人「まぁな」

 

この作業の名前は何にしようか。

前回は〈Program:Eugeo〉だった。

 

今回は・・・。

 

〈Program:Move〉

 

これでいいか。

次はファイルを制作する。そこに入れるためだ。

 

すると、後ろから男性の声がかかる。

 

比嘉「起動したっスよ、来てもいいっス」

 

和人「ありがとうございます」

 

女社員「どこにいくんですか?」

 

和人「ちょっとした用事さ。すぐ帰ってくる」

 

アンダーワールドの方が時間の進みがものすごく早い。

だから時間がかかっても、こっちではほんの数分のことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソウル・トランス・レーターの前にくる。

 

比嘉「いいっスか?」

 

和人「はい」

 

俺はソウル・トランス・レーターの中にはいり、仰向けにねる。

 

比嘉「では、目を瞑ってくださいっス。接続するっスよ」

 

和人「はい」

 

そして俺は目をつぶる。

音も聞こえない。

 

そして、接続が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「ここは・・・」

 

ルーリッドの村である。

 

確か俺は〈ベクタの迷子〉としてここに召喚された。

 

今の格好を見ると、俺はあの時と変わっていなかった。

 

剣はもう移動したため持ってないが、服は〈セントラル・カセドラル〉の武器庫から奪った服を着ている。

 

黒く、動きやすい服だ。

 

キリト「さてと・・・彼女たちはきっと〈央都セントリア〉にいると思う・・・」

 

何も常時していない俺だが、別にいいだろう。

 

キリト「向かうか・・・」

 

俺は央都セントリアに向かうため、計画をたてはじめた。

 




短くなってすみません☆

ロニエとティーゼを連れていく物語になります☆
しかし!この〈Program:Move〉が、とてつもない被害をもたらし、このヤンデレ物語を大きく動かします!
それは一体・・・!?

次回もご期待ください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

35話 キリトは傍付きと再会する

アンダーワールドに入る

本編は下です



キリト「ルーリッドの村か・・・」

 

俺が見渡したルーリッドの村は、一番最初の頃とは姿が少し違っていた。

 

それもそうだ、ゴブリン達が俺の心意喪失の時にルーリッドの村を襲ったからだとアリスに聞かされた。

随分と荒れ果てた姿だったらしい。村人も数人死んでしまった。

 

300人は生きたらしいが。その人たちが、村を復興したと言われている。

 

その復興した村が、今のルーリッドの村だ。

 

キリト「やっぱり大変だったな・・・」

 

俺はルーリッドの村の南側に向かった。

 

 

 

そこに会ったのは、俺とユージオが切り倒した俺の持っている夜空の剣の元の形。〈ギガスシダー〉の大樹の切り株があったのだ。

 

青薔薇の剣で切ったんだった。今となってはいい思い出だ。

あそこから、すべては始まったのだった。

 

キリト「向かおう」

 

俺は振り返り、村の中を通っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「さてと・・・どうやって行くか・・・」

 

そう考えながら、村の中を歩いていると、不意に少女の声が後ろからかかった。

 

???「キリトさ~ん!」

 

キリト「ん?」

 

後にいたのは、アリス・ツーベルクの妹。セルカだった。

 

もうかなり成長した姿だった。

 

キリト「セルカ・・・」

 

セルカ「お久しぶりです!どこ行ってたんですか?」

 

キリト「まぁ、旅に・・・」

 

セルカ「私のお姉さんも旅に出ていますね!会いましたか?」

 

キリト「あぁ、アリスだよな。もちろんあったよ」

 

セルカ「そうですか!よかったです!・・・ところで・・・

 

キリト「ん?」

 

セルカ「久しぶりに会ったので、ちょっとやらせてください」

 

キリト「ん?」

 

すると、セルカが俺に近づいてくると、俺の胸に顔を埋めて手を後ろに回し抱擁した。

 

セルカ「キリトさん・・・。あえてうれしいです。キリトさんはお姉さんを救ってくれて、私も救ってくれて。いつの間にかキリトさんに恋心を抱いちゃいました。けどお姉さんがいるし・・・あのキリトさんが意識の不安なところでも私はしっかりお姉さんと一緒に看病していたんですよ?けどここを去っちゃってキリトさんにも会えなくなっちゃってとても寂しかったです。だから私もいつか騎士になってみたいと思いました。けど今はルーリッドの村の復興作業の最終段階なのでもう少しこの村にいました。けどキリトさんにこうやって会えたからもう放したくないです。ずっといてほしいです。そばにずっと。もうお姉さんとも会ってほしくないです。私だけを見てほしいです。それにしてもキリトさんの匂いっていい匂いですねいつまでも嗅いでいたいですね本当にうれしいですもう放したくないずっといてほしいほんとうにほんとうに・・・」

 

セルカの輝かしい笑顔はいずれ黒い笑顔にそまっていった。

 

キリト「・・・う、うれしいよ、セルカ。けど俺はここから央都セントリアに行かなきゃいけないんだ。そこですることがあるから・・・ごめんな、すぐここを出るんだ・・・」

 

セルカ「嫌です・・・けどそうは言えませんね・・・。では行ってらっしゃいです。いつでもここにきてくださいね」

 

そういうと、セルカは離れた。

 

キリト「じゃあ、行ってくるな」

 

セルカ「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「やっと着いたか・・・」

 

馬車でもう何時間かたった。

 

央都セントリアに到着した。

 

キリト「ありがとうございました」

 

操縦者「あいよ」

 

俺は央都セントリアに入った。

 

すると、運がよかったのか、赤い髪のロングヘアーの少女が売店通りでパイを買っていた。

 

キリト「もしかして・・・ティーゼ?」

 

俺は近づいていく。

 

すると、ティーゼが不意にこちらを振り向くと、驚いた顔をしてこっちに歩み寄った。

 

ティーゼ「キリト先輩!お久しぶりです!」

 

キリト「久しぶり、ティーゼ。君に会いたかったんだ。んで・・・ロニエは?」

 

ティーゼ「・・・ロニエなら自分の家にいると思います。今日は休みなので・・・。案内します」

 

キリト「お、おう」

 

急にテンションが低くなった。なぜだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はロニエの住んでいる家の前に来た。

 

ティーゼはノックをする。

 

ティーゼ「・・・ロニエ。キリト先輩が来てくれましたよ」

 

どたどたどた。

 

バンッ!

 

勢いよくドアが開かれる。

 

ロニエ「キリト先輩!」

 

満面の笑みだった。

 

キリト「や、やぁ。今日は二人に話があってきたんだ」

 

ロニエ「・・・二人?私ひとりじゃなく?」

 

キリト「あぁ。大事なことだ、上がっていいか?」

 

ロニエ「もちろんです!どうぞどうぞ!」

 

俺とティーゼは家に上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「ユージオに会えるんだ。どうだ?」

 

ロニ・ティー「キリト先輩のいるところにいけるなら行きます!」

 

キリト「あ・・・あぁ・・・」

 

俺目的だった。




再会です!うれしいですね!

ヤンデレですね!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

36話 キリトは連れていく

ロニエとティーゼとの再会

本編は下です


キリト「けど、行くともしかしたらここに来れなくなってしまうかもしれない・・・。その覚悟の上でだぞ」

 

ロニエ「大丈夫です!どんなところでも、キリト先輩と一緒ならついていきます!」

 

ティーゼ「私もです!ロニエよりキリト先輩のこと思って、どこまでもついていきます!」

 

ロニエ「私が傍付きとしてキリト先輩と一緒だったんだよ?ティーゼより私の方がキリト先輩を愛しているにきまっているじゃん!」

 

ティーゼ「私の方がキリト先輩のことを好きだよ!影からキリト先輩を見ていたし、ユージオ先輩よりもずーっと好きだもん!」

 

キリト「・・・」

 

ロニ・ティー「キリト先輩はどっちですか!」

 

キリト「うぇ!?い、いや・・・。そ、そうだ、こんなところでけんかしていたら、連れて行かない「喧嘩してないよねー!」「うん!」

 

笑顔で言っているけど目が笑っていないように見えてしまう。

 

キリト「そ、そうか。じゃ、じゃあ行くんだな・・・。わかった、じゃあ君たちは・・・そうだな・・・。もしかしたら、転生は突然行われるかもしれない。けど慌てないで、すぐ心を落ち着かせて、目を瞑っていればすぐにこっちの世界にこれるさ」

 

ロニエ「わかりました!」

 

ティーゼ「楽しみにしていますね!」

 

キリト「あぁ」

 

ティーゼ「あ、あと、ユージオ先輩って・・・死んだんですよね・・・?」

 

キリト「あぁ・・・まぁな。けどこっちの世界で楽しく生きている。生き返ったんだ。・・・まぁ、ステイシア様の加護のおかげかな・・・」

 

ティーゼ「そうなんですか!?すごいですね・・・ステイシア様はやっぱりなんでもできるような神なんですね!」

 

まぁ、ここらへんで話しは終わらせよう。

 

キリト「じゃあ、俺が話したかったことはもうないよ。それじゃあ、俺はそろそろ出ようかな」

 

ロニエ「もう少し居てもいいんですよ?」

 

キリト「ありがとう。けどもうそろそろ行かないと。じゃあ、また会おう」

 

ティーゼ「はい、また会える時まで。それでは」

 

キリト「あぁ、じゃあな」

 

ロニエ「さようなら」

 

俺は家を出ると、賑わっているセントリア街でぶらぶらしてみる。

 

 

 

 

 

 

キリト「変わってないな・・・」

 

俺が〈アドミニストレータ〉を倒したことによって、きっと縛られるものがなくなったはず。

カーディナルは安らかに眠っているだろうか。

 

キリト「・・・あれがセントラル・カセドラル・・・」

 

俺がアドミニストレータと戦った場所だ。

アリスも救った。

 

キリト「・・・もうこの世界に用はない。もどろうか」

 

俺はステイシアの窓を開く。

外部通信を行う。

 

キリト「比嘉さん、目的を終えました。戻れますか?」

 

比嘉「早いっすね、まだ入れたばっかっスよ。じゃあ、戻すっスよ」

 

俺は謎の光に包まれながら、意識を戻しに行った。

 

 

 

 

 

和人「ふう、戻れました」

 

比嘉「お疲れ様っス。一応交渉は上手くいったみたいっすね。それじゃあ、戻ってほしいっス」

 

和人「はい、ありがとうございました」

 

俺はソウル・トランス・レーターから出て、自分のデスクに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「・・・まずロニエとティーゼのフラクトライトをアンダーワールドのデータから探さないとな・・・」

 

俺はすでにユージオを見つけ終わったため、探すのがかなり慣れていた。

 

下に流れ行く無数のファイルを目でしっかり一つ一つ追う。そして目を凝らして[ronie][teaze]を探す。

 

 

 

 

 

 

 

30分経過。

和人「あった!ティーゼのだ!」

 

ロニエのは探し終えた後、ティーゼのを探すのに苦戦した。

だが、見つかればもう後は楽だ。

 

カチッ。クリック音を鳴らす。

 

そしたら、移動するファイルを選択。

これを選ぶ。

そして移動。

 

これが最初の過程。

 

 

 

 

 

 

しかし・・・・・・。

 

この俺のある一つのミスが・・・。

 

あいつを呼び起こしてしまった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「えっと・・・フラクトライトをまずこのメモリに移動させて・・・。よし、あとは・・・ん?()()()()気がするな・・・まぁ、気のせいか」

 

ここで、気付いていればよかったのかもしれない。

 

 

 

 

女社員「もう終えたんですね?早いですね」

 

和人「あぁ、もう終わったよ」

 

PM6:00

 

もう外は夕日が東京を照らしていた。

 

和人「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。じゃあ、またな」

 

女社員「あ・・はい。あ///あの///。このあと少しだけでいいので、時間ありますか・・・?」

 

和人「あぁ、まぁいいよ。どうしたんだ?」

 

女社員「この近くにある喫茶店にいきたいなって思いまして・・・どうでしょうか?結構立派な人気のある喫茶店なんですよ///」

 

和人「そうか、それは行ってみたいな。じゃあ、案内してほしいな」

 

女社員「はい!では、行きましょう!」

 

てくてくと東京を通る。

六本木、この都会のレストランが綺麗に並ぶこの近くの喫茶店らしい。

 

和人「ここなんだな」

 

女社員「はい!」

 

見えたのは、外見はとても落ち着きのある洋風の喫茶店。メニューも少し豊富といえる。

 

女社員「入りましょう!」

 

和人「あぁ」

 

俺と女社員は入店した。

 

和人「へぇ、いい匂いがするし、きれいな店だな」

 

女社員「はい!」

 

店員「お二人様ですか?」

 

女社員「はい!」

 

店員「どうぞこちらへ」

 

俺と女社員は二人用のテーブルの席についた。

 

メニューを見る。

俺はとてもコーヒーが好きなため、やはり喫茶店のコーヒーは楽しみたいものだ。

 

和人「俺はこの・・・オリジナルブレンドコーヒーと、あと・・・この三角アップルパイにしようかな」

 

女社員「では、私は・・・このエスプレッソと・・・メイプルワッフルで」

 

俺は店員を呼び、それぞれ頼んだ。

 

 

和人「やっぱりパイは酸味とリンゴの甘さとジャムがおいしい。パイの生地もやわらかいな」

 

女社員「こっちのワッフルもメイプルを好きにかけられて、かかるところはふんわり、かかってないところはサクッとおいしいですよ!」

 

和人「おいしそうだな」

 

女社員「・・・か、和人さんのアップルパイ、少しいただいてもいいでしょうか///」

 

和人「あぁ、いいよ」

 

アップルパイを前に差し出す。

 

女社員「私のワッフルもいいですよ!」

 

和人「うん、わかった」

 

俺はワッフルを食い、女社員はアップルパイを食べた。

 

コーヒーの苦みと、この甘味のある菓子。とても合うおいしい体験。

こんな店があるなんて、感謝しないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シノン「・・・あの女・・・憎たらしい・・・殺す。殺す。殺す。キリトとべたべたして・・・なにあの女、消えてしまえばいいのに・・・」

 

ひっそり店内を見ているあるひとりの女が、殺意をさらにむきだしにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女社員「今日はありがとうございました!」

 

和人「こっちもありがとう。とても美味しかったし、いい店を知れたよ」

 

俺たちは店の前で別れる。

女社員はなにか用があるようで、ここで別れることとなった。

 

女社員「では、また明日」

 

和人「あぁ、また」

 

女社員は背中をみせると、そのまま消えていった。

 

和人「帰るか」

 

俺も家に向かって帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「ただいま」

 

誰もいなかったわけではないが、スグの声が帰ってこなかった。

 

和人「・・・やるか」

 

俺は自室へ向かった。

 

 

 

 

和人「メモリを・・・」

 

差し込む。

また成功すると祈って。

 

和人「リンクスタート」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファン。

 

俺は夜にここに来た。

夜空に満点に輝く星達。

 

俺はユイを呼んだ。

 

キリト「ユイー!」

 

ユイ「はい、呼びましたか?」

 

キリト「あぁ、実は同じことなんだが・・・」

 

ユイ「またオブジェクトファイルに入れてほしいんですね?」

 

キリト「あはは、もうわかっちゃうか」

 

ユイ「パパのお願いなんて、すぐにわかります!」

 

キリト「じゃあ、頼んだ。ユイにしかできないからな」

 

ユイ「任せてください!///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユイ「えっと・・・この()()でいいんでしょうか?」

 

ユイはキリトのアバターデータを見つめる。

 

3つのファイルが入っていたのだ。

 

ユイ「まぁ、入れちゃいましょうか」

 

ユイは慣れた手つきでコンソールをいじる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「意識がある・・・これは・・・復活・・・?ここは・・・一体・・・。私は生き返ったのか・・・?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キリト・・・」

 

美しい女性が、データファイルの中で一人先に目を覚ました。

 

その女性は、徐々に笑みを増やしていく。

 

???「生き返ったの・・・あ、あはははははは!」

 

狂気の笑みが、システムコンソールで響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロニエ「ふう・・・と・・・ここは?」

 

ティーゼ「・・・来たのね!キリト先輩のいる世界に!」

 

二人は、街でついに姿を現した。

 

 

 

 

しかし、キリトの方は・・・。

 

キリト「・・・ユイはできたかな・・・」

 

俺はうつむいていた。街のはずれで。すると、甘く脳全体に響くとろけた声が、耳に入ってくる。

 

???「うふふ・・・久しぶりね・・・キリト」

 

キリト「え?」

 

急に聞きなれない声だ。しかし、聞いたことはある。咄嗟に声の方に顔を向ける。

 

俺は驚愕した。

 

キリト「・・・え?なんで・・・なんであんたがここにいるんだっ!?」

 

???「それは・・・あなたのおかげでしょう?」

 

俺は、その見覚えのある、とても嫌な記憶が脳をよぎった。

 

なぜ、こいつがこの世界にいるのか・・・。

 

 

 




お読みいただきありがとうございます!

一体3人目の人は誰なんでしょうねぇ!?

次回明らかに!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

☆37話 キリトは最悪の再会をする

ロニエとティーゼをALOに連れてきた

本編は下です


ティーゼ「服はそのままね!」

 

ロニエ「そうだね!じゃあ・・・まずキリト先輩を探しに行こうよ!」

 

ティーゼ「そうね、どこにいるのかしら・・・。ステイシアの窓は開けるのかしら・・・?」

 

指を下ろす。

 

ウィンドウ画面が表示される。

 

ロニエ「だせるね!」

 

ティーゼ「やっぱりここでもステイシア様はいるのかな?」

 

ロニエ「そんなことより、キリト先輩どこかなー?」

 

ティーゼ「探してみようよ!」

 

ロニエ「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・俺の・・・おかげ・・・?一体何言っているんだ?」

 

???「キリトが私をこの世界に復活させてくれたんでしょ?・・・ここは・・・なんとも発達した場所ね」

 

キリト「んなことはどうでもいいんだ。・・・俺が・・・復活させたのか?」

 

目の前にいる奴を復活させてしまったのは、俺だけしかいないはず。なぜなら、俺しか向こうに行っていないからだ。あの時は。

 

これは・・・そういえばあの時、1つ多かった気がした。そうか、それがこいつのデータファイルだったのか。そうか、あの時おれが一つ多くなにかを移動させてしまったのか。それが、こいつだ。

 

キリト「俺が・・・復活させたんだな・・・。〈クィネラ〉・・・いや、〈アドミニストレータ〉とでもいうべきか」

 

アドミニストレータ「アドミニストレータの方がいいわ。昔の呼び方は嫌だからね。・・・キリト、あなたは私を倒した本人・・・そうね?」

 

キリト「どうだかな、ユージオじゃないか。あいつがあんたを倒したんだ」

 

アドミニストレータ「そう、どっちでもいいわ。・・・キリトに会えたこと、幸福とでもいうべきかしらね」

 

キリト「・・・は?」

 

すると、不気味な笑みをして、俺に歩み寄ってくる。

俺は反射的に後退る。

 

キリト「・・・なんだよ」

 

アドミニストレータ「この世界では私の権限レベルは知らないけれど・・・そうね。今度はあんたを・・・あんたを私の・・・私だけの・・・〈整合騎士〉にしようかしら・・・うふふふ」

 

キリト「・・・この世界でできるはずないだろ」

 

アドミニストレータ「知らないわよ?・・・それに、私の純粋なる愛があれば・・・あなたをすぐに私のものに、そして、永遠の快楽におぼれさせてあげるわよ?だからおいで?もしかしたら成功するかもしれないしね・・・うふふふふ」

 

アドミニストレータも・・・まさか皆と同じなのか!?

 

キリト「・・・こ、こないでくれ・・・」

 

ここでは戦闘不可。つまり、俺をどうこうできるわけが・・・。

 

アドミニストレータ「・・・私の本体データがそのまま移植されたならば・・・アクセス権限を使えば・・・」

 

アドミニストレータ「ほら、このウィンドウ・・・うふふふ」

 

キリト「まさか!?アンダーワールドの術式ですべてのアクセス権限メニューを!?おい、やめるんだ!」

 

アドミニストレータ「・・・麻痺♡lv100」

 

キリト「なに!?うがっ!?」

 

俺はその場に麻痺状態で倒される。

アドミニストレータは笑みが終わらない・・・。

 

アドミニストレータ「・・・私の力をもってすれば・・・こんな世界ね・・・うふ、ふふふふふ」

 

キリト「・・・・・(まずい・・俺はなんていう奴を・・・)」

 

しゃべれない。lv100の麻痺を使われれば動けなくなるのも当然だ。

 

アドミニストレータ「・・・私の言う通りにすればいいのよ?苦しまずに、楽に、そして私のものになれるわ」

 

キリト「・・・・・」

 

アドミニストレータ「無言っていうことは肯定でいいかしら?うふふふ」

 

アドミニストレータは俺の体を持ち上げる。

 

キリト「・・・」

 

アドミニストレータ「私の家はもうあるわ・・・行きましょう・・・うふふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ティーゼ「キリト先輩どこなんだろうね?」

 

ロニエ「先に見つけたらデートできる!なんてどう?」

 

ティーゼ「ほんと?言ったら後悔するわよ?」

 

ロニエ「いいわよ?先に見つけてやるわよ!」

 

にらみ合っている中、ガシャン。ガシャン。ガシャン。

 

重い重装備の歩く音が聞こえる。

その音に驚き、ロニエとティーゼはビクっと体を震わせる。

 

一体誰だろうと目を向けると・・・。

 

ティーゼ「!!キリト先輩!」

 

ロニエ「キリト先輩!」

 

キリト「・・・・」

 

しかし、キリトは笑み一つしない。

とても鋭い眼光。

 

黒い瞳が、細くみえる。

 

キリト「・・・誰だ?あんたたちは」

 

ロニエ「・・・え?キ、キリト先輩?」

 

ティーゼ「・・・先輩?どうしたんですか?」

 

キリト「・・・・」

 

すると、キリトの後から一人の影が出る。

長身的で、誰もかなわないような美しい顔の整った顔の女性。

 

甘い声で、言う。

 

アドミニストレータ「君たちの知るキリトは、もう私のもの。あなたたちのことなんて覚えてないわよ」

 

ロニエ「えっ?」

 

ティーゼ「せ、先輩!」

 

キリト「・・・」

 

アドミニストレータ「キリトは私だけを愛してくれると誓ったの。そして、私に尽くしてくれる。私もキリトだけを愛する。愛して、愛して、そして私の虜にさせるの。だから、あなたたちのことなんて、もう知らないの。本当に、なんて素晴らしいことなの、こんなにも簡単にわたしの最愛の人を自分のものに・・・うふふふ」

 

キリト「・・・」

 

ロニエ「キ、キリト先輩!」

 

ティーゼ「先輩!」

 

必死に止めようとキリトに走って寄ってくるが。

 

キリト「近寄るな。アドミニストレータ様に。俺の名前は〈キリト・シンセシス・ワン〉。アドミニストレータに仕える整合騎士だ」

 

そういうと、剣を向ける。

黒い剣が、向かれていた。

 

重そうな、重装備の黒い騎士用装備。

 

そしてキリトは剣を顔前で顔に半分持ってきて、顔を隠す。

 

 

【挿絵表示】

 

 

ロニエ「・・・キリト先輩・・・」

 

ティーゼ「・・・そんな・・・。・・・そこの女!なんでこんなことするの!私の恋人を、操るなんて!最低なBBA!」

 

ロニエ「そうだそうだ!私だけの先輩をそんなふうに!」

 

アドミニストレータ「叫ぶがいいわ。私のものよ。あなたたちに見向きもしてないじゃない」

 

そこに居たキリトは、皆をもう忘れていた。

 

 




アドミニストレータでした!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編3話 少女たちの思いinダイシーカフェ (シノン編)

リズのあと

本編は下です
+おまけ


クライン「なんでこうもキリの字は俺の胃を破壊するんだぁ?」

 

エギル「まぁ、キリトだからな」

 

クライン「答えになってねぇぜ・・・」

 

エギル「まぁ、次誰か来るかもしれない」

 

クライン「う~ん・・・」

 

すると、扉の開く音がする。

チャランチャラン。

 

鈴がなる。

 

入ってきたのは短髪の猫耳。水色の髪色でしっぽがある種族の女。

 

シノンが入店したのだ。

 

シノン(なんだ、キリトいないんだ)チラチラ

 

クライン「シノンだぜ?」

 

エギル「呼んでみたらどうだ?」

 

クライン「そうだな、わかった」

 

クライン「おーい!シノン!」

 

シノン「ん?あら、クラインじゃない」

 

クライン「ちょっくら飯に付き合ってくれねぇか?」

 

シノン「仕方ないわね」

 

すると、シノンは近づいて隣のカウンター席に座る。

 

クライン「お呼びしちゃってすまねぇな」

 

シノン「いいわよ、別に」

 

エギル「二人だけじゃつまらなくてな」

 

シノン「だから呼んだのね」

 

クライン「まぁな。そんで、ちょいと聞きたいことがあるんだが」

 

シノン「何?」

 

クライン「前に来た奴にも聞いたんだが、シノンはキリの字のことをどう思っているんだ?」

 

シノン「どう?好きだけど?」

 

クライン「どんな感じに好きなのかってな」

 

シノン「どんな感じ?うーん・・・」

 

しばしシノンは目を下に考える。

いずれ答えが出される。

 

シノン「そうね・・・まぁ出会ったのはGGOなんだけど・・・キリトは私のトラウマから救ってくれた大事な人なの。もちろん知ってるとおもうけど。・・・キリトはGGOに入ってきたときは女アバターだったの。あの時は驚いたわ。けど、あのキリトも可愛いとも思った。・・・であの救ってくれた時から私はキリトのことを好きになって・・・で今もとても、いや、世界で一番好きなの。キリト以外のことなんて興味ないくらいにね。だから・・・キリトが好きすぎて毎回家ではキリトの写真とか見てるし、飾っているし。そしてキリトを自分で染めたいくらい好き。もう拘束でもなんでもして、キリトだけを私の家に。そして愛して愛して・・・そうね、私を救ってくれたから今度は私がキリトを救ってあげようかしら。そのためには他の女の駆除が必要不可欠だとも考えているの。いつも皆が憎たらしくて、そして殺したいくらい邪魔だと思っている。けど、拘束して閉じ込めて誰にも邪魔されないところに連れて行けば皆なんてどいでもいいんだけどね・・・。だから早くキリトを閉じ込めて既成事実でも作って一生私から逃れられないようにしたい。それくらい好き。わかった?」

 

クライン「( ゚Д゚)」

 

エギル「・・・」

 

シノン「あら?話過ぎちゃったわね。ついマイペースになってしまうのよ」

 

クライン「い、いや、シノンのキリトへの愛がよ~く伝わったぜ・・・。皆もそのくらいキリトが好きだけどな・・・。皆は愛し方はそれそれ個性があるけどな・・・」

 

シノン「愛し方はそれぞれあるわ。私もある」

 

クライン「そうだよな・・・・。あはは、まぁキリの字を虐めすぎるなよ?・・・」

 

シノン「・・・どうかしらね」

 

エギル「・・・まぁ、なんか食うか?」

 

シノン「そうねぇ・・・このビーメイプルのフレンチトーストを一つ」

 

エギル「わかった」

 

そしてエギルが注文を置いた。

 

シノン「もぐもぐ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クライン「シノンは計画的ななにかがあるのか?」

 

エギル「さぁな」

 

 

 




特別枠 君を愛したい(シノン)

シノン「ただいま〇〇。いい子にしてた?」

シノン「そう、まぁこの部屋には何もないものね」

シノン「・・・ここから出たい?何言っているの〇〇。あなたはここから出られないの。だってすぐに外の害虫に毒されちゃうでしょ?だからここが安全なの」

シノン「・・・意味が分からない?〇〇も少しはわかってほしいわ。〇〇のことがとても、殺したいくらい大好きなのに・・・どうしてわからないの?離れてほしくないの、絶対に。ここから出ちゃダメなの」

シノン「・・・まだわからないの?別にいいわ、いずれわかるはずよ。じゃあ夜ご飯用意するわよ」





シノン「暴れないほうがいいわ。腕が痛むでしょ?〇〇の肌も私にとっては大事なの。だから傷ついてほしくないの。ほら、夜ご飯よ」

シノン「ほら、あーんして。・・・食べないの?おなか減るわよ?それとも・・・どうしたの?まずい?そんなわけないわよね?私の作ったものをまずいなんて言わないわよね?食べるわよね?」

シノン「ほら、あーん。おいしい?そう、おいしいのね。ならよかった。じゃあもっと食べさせてあげる」

シノン「・・・え?もう食欲がない?嘘よね?もっと食べるわよね?・・・気持ち悪くなってきた?そう、まぁ体調が悪いなら無理に食べさせはしないわよ」

シノン「・・・今何て言った?嫌いっていった?聞き間違いよね?私に今、嫌いっていった?嘘よね?まさかそんなこと言う〇〇じゃないわよね?」

シノン「・・・」

シノン「そう、嫌いなんだ・・・。そうなんだ・・・。そう・・・。アハ・・・アハハハハハハッ!!!!」

シノン「私のこと嫌いなのね?そう、そうなのね。なら・・・もう私のことを好きじゃない〇〇なんていらない。もう、さよならね」

シノン「包丁を下ろして?いやよ。私のこと嫌いなんでしょ?ならもういらない。・・・やっぱ好だ?やっぱって何?まるでしょうがなく好きになったみたいじゃない。なおさら生かしておけないわね。私のことが好きじゃないのだからね」

シノン「許して?無駄よ。痛いかもしれないけど、すぐに楽になれるわ。大丈夫よ、あなたの抜け殻ならいつまでも冷凍保存してあげるわ。だから、もう心配しないで」

シノン「さよなら、私の〇〇」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

38話 キリトは皆を覚えていない

整合騎士キリトとして、ロニエとティーゼの前に立つ

本編は下です


キリト「悪いな、君たちのことは知らない。アドミニストレータ様には近づくな」

 

ロニエ「キリト先輩・・・」

 

ティーゼ「どうして・・・BBAなんかに・・・」

 

すると、後ろから若者の男の声が聞こえてくる。

 

ユージオ「ロニエ!ティーゼ!」

 

ロニエ「あ、ユージオ先輩!」

 

ティーゼ「ユージオ先輩もいたんですね!」

 

ユージオ「もちろん、キリトに助けられたんだよ。それで・・・二人ともここでどうしたの?」

 

ロニエ「そ、それが・・・」

 

ティーゼ「キリト・・・先輩が・・・」

 

ユージオ「キリト?」

 

ユージオは目線を奥に、肩装備の黒い重そうな重装備のした若者を見た。

ユージオは驚いてしまった。

あの胸の紋章は、セントラル・カセドラルを表すものだ。

 

ユージオ「キリト・・・どうして・・・」

 

キリト「・・・」

 

アドミニストレータ「あら・・・ユージオじゃない。私を倒した本人と再会できるとは・・・あなたは死んだはず・・・ということはキリトに生き返されたのね?」

 

キリト「・・・」

 

ユージオ「確かにそうだ・・・ということはアドミニストレータもキリトに生き返されたんだね」

 

アドミニストレータ「正解♪まぁ、キリトは私を生き返すつもりなんてなかったみたいだけど・・・ちょっとした不注意で私を生き返しちゃったの。これはキリトのせいね」

 

ユージオ「そのキリトがどうして・・・整合騎士になったんだ」

 

アドミニストレータ「私の虜になっちゃったの♪それだけよ?」

 

ユージオ「そんなわけがない。キリトはそんなことに洗脳されるような奴じゃない。一番僕が知っているんだ。だから・・・きっと何か強制的にやったんだよね」

 

アドミニストレータ「そうねぇ・・・まぁ、別にそれを知ってもね?」

 

ユージオ「・・・許さないぞ」

 

アドミニストレータ「ここは圏内。だから殺人なんてできやしないわよ。だから私たちはこの後・・・うふふふ」

 

ロニエ「・・・許さない・・・」

 

ティーゼ「キリト先輩を返せ・・・」

 

ユージオ「キリトッ!」

 

ユージオはキリトに走り向かって肩を両手で両方つかんだ。

 

ユージオ「目を覚ますんだ!君はシンセサイズされている!だから・・・」

 

するとキリトは躊躇なく鞘から夜空の剣を抜き放ち、ユージオを切り倒す。

 

ユージオ「ぐっ・・・・」

 

キリト「近寄らないでくれ。なに、圏内なら天命は減らないし、軽く吹き飛ばされるだけだ(鎧の耐久値は減るが)」

 

ユージオ「そんな・・・」

 

アドミニストレータ「よくやったわキリト♡早く戻りましょう?」

 

キリト「はい」

 

キリトは剣を鞘に納める。

 

ユージオ「待て!」

 

キリト「来るな!」

 

ユージオ「っ・・・」

 

キリト「お前のことはしらないんだ。もしこれ以上近づいたら決闘でもしてお前の天命を最後まで奪うぞ」

 

ユージオ「そんなっ!」

 

アドミニストレータ「あなたのことも、覚えてないみたいね。早くいきましょう?」

 

キリト「はい」

 

アドミニストレータとキリトは共にこの場から姿を消していった。

 

ロニエ「・・・キリト先輩・・・」

 

ティーゼ「・・・キリト先輩・・・どうするんですか、ユージオ先輩」

 

ユージオ「・・・恐らくこのままじゃ・・・目を覚まさないよ。だから僕が眼を覚ました時と同じように・・・剣を交えるしかないんだ・・・きっと・・・」

 

ロニエ「・・・キリト先輩を傷つけたくないですね・・・」

 

ユージオ「もちろんそうだけど・・・けど戦わないといけないんだと思う・・・」

 

ティーゼ「・・・」

 

ユージオとロニエとティーゼも反対方向に向かって姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アドミニストレータ「・・・キリト?武装解除して構わないわ」

 

キリト「はい」

 

キリトは鎧を外し、軽い恰好にもどると、アドミニストレータは微笑む。

 

アドミニストレータ「私をベットまで抱っこして連れて行ってくれる?」

 

キリト「もちろんです」

 

キリトはアドミニストレータの傍に行き、右手で奥方をつかみ、左手で右足の膝部分をつかむ。

 

抱き上げ、お姫様抱っこ状態になる。

 

アドミニストレータ「うふふ///かっこいいわよ?キリト」

 

キリト「ありがたきお言葉です」

 

キリトの眼は黒い目からさらに漆黒になっていた。

 

アドミニストレータ「私は今、幸せよ?」

 

キリト「自分もです」

 

ベッドにつくと、そっとアドミニストレータをベッドに乗せる。

 

アドミニストレータ「キリトも一緒に寝ましょう?」

 

キリト「いいのですか」

 

アドミニストレータ「もちろんよ?ほら、歓迎してあげる」

 

すると、アドミニストレータは着ている薄い服を脱いでいき、きれいな肌が光を反射している。

下着も来ておらず、ベッドの掛け布団が下半身を申し訳なさそうに隠している。

 

アドミニストレータ「ほら、キリトも脱いで?」

 

キリト「わかりました」

 

キリトはウィンドウを操作し、服を脱いでいく。

 

電気を消していく。

 

豪華な大きなベッドに入ると、肌と肌が触れ合っている。

 

アドミニストレータ「綺麗な肌しているわね」

 

キリト「アドミニストレータ様もですよ」

 

互いに抱き合い、広いベッドの中でほほ笑む。

 

アドミニストレータ「キリトはどんなプレイがお好き?」

 

キリト「アドミニストレータ様の申されることならなんでも」

 

アドミニストレータ「本当?案外変態だったり?」

 

キリト「どうでしょうかね」

 

アドミニストレータ「キリト、私のペット役になりなさい?」

 

キリト「わかりました」

 

アドミニストレータ「すぐわかってくれるところ、私は好きよ。じゃあまずベッドから降りて」

 

キリトはベッドから降り、アドミニストレータに振り向く。

 

アドミニストレータ「そうねぇ、足元の近くまで一旦来なさい」

 

キリト「・・・」

 

すると、アドミニストレータはベッドに座るような体制になる。

足が地面につかないまでにベッドの下のほうに来る。

 

アドミニストレータ「私の足は綺麗?」

 

キリト「はい、誰よりも」

 

アドミニストレータ「そう?じゃあ、もっと綺麗にしてくれる?」

 

キリト「どのように」

 

アドミニストレータ「舐めて?隅から隅まで」

 

キリト「わかりました」

 

アドミニストレータはふと思う。チュデルキンならさぞ喜ぶだろう。

 

キリトは下を伸ばし、足につく。

 

アドミニストレータ「そうよ。綺麗に、うふふ///」

 

キリト「はい」

 

キリトの眼は黒い。洗脳されている眼であった。

 

アドミニストレータ「次は・・・そうねぇ、あれにしようかしら」

 

キリト「なんなりと・・・」

 

暗闇で、二人の男女が愛し合っている・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユージオがキリトの今の状況を今いるメンバーに告げる。

 

アスナ「・・・アドミニストレータを殺さないとね」

 

ストレア「何があっても・・・一番苦しい方法で葬りたい」

 

セブン「・・・私が眼を放さなかったら・・・」

 

ロニエ「殺そう・・アドミニストレータ」

 

ティーゼ「・・・殺す・・そしてキリト先輩を取り戻す・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユージオ「・・・皆ってこんな怖かったんだ・・・」

 

 

 




自分で書いていて、正直なんかこう・・・恥ずかしいというか・・・なんか書くのがとにかく勇気がいるので・・・なんというんでしょうw

ギリギリのラインをこう・・・責める感じでw
そのシーンとか毎回書く時ですね・・・こんな感じでいいのかなーなんて思っちゃいますね☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

39話 キリトは目覚めるのか?

ユージオが皆に言う

本編は下です


ユージオ「・・・戦うか・・・」

 

僕はそっと水色の柄と鞘を握る。

腰のベルトに剣専用掛けに青薔薇の剣を掛ける。

 

ティーゼ「ユージオ先輩・・・戦うんですか?」

 

ユージオ「僕が整合騎士になったときも、キリトは僕に真正面から立ち向かって、剣で僕の心を目覚めさせてくれたんだ。今度は、僕がキリトの心を覚ますんだ」

 

ロニエ「・・・キリト先輩をどうか戻してください・・・」

 

ユージオ「もちろん、必ずここに連れて帰る」

 

アスナ「私が相手してもいいよ?」

 

ストレア「私でもいいよー!」

 

セブン「私だって目を覚まさせるわ!」

 

ユージオ「・・・ありがとう。けど、整合騎士になったキリトを目覚めさせるには、僕が本気で剣を交えないとだめなんだ。きっと。だから、僕がする。皆は、周りで見といて」

 

アスナ「わかったわ」

 

セブン「・・・いいわよ」

 

ストレア「・・・信じてるよ!」

 

ユージオ「・・・うん」

 

僕達は、部屋を出てキリトを探し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

アドミニストレータ「・・・キリト?少しお出かけでもしない?この世界を満喫したいわ」

 

キリト「かしこまりました」

 

アドミニストレータ(今は私の思い通り・・・うふふ。かわいいわ、キリト♡)

 

キリト「では、自分は全力でアドミニストレータの守護をさせていただきます」

 

アドミニストレータ「ありがと♡」

 

キリトは黒く染まる柄と鞘を握り、剣専用掛けに夜空の剣を掛けた。

 

整合騎士装備を身にまとい、アドミニストレータとともに歩み始める。

 

 

 

 

アドミニストレータ「ここは風が気持ちいいわね」

 

キリト「そうですね」

 

アドミニストレータ(()()()()も遂行しつつあるし・・・なんだって今はキリトがいるし、幸せね)

 

キリト「・・・」

 

アドミニストレータ「固まんなくていいわよ?リラックスしても」

 

キリト「お気遣いありがとうございます」

 

キリトの右手のひらは、柄の先端に触れていた。

どこから来ても、すぐ剣を抜けるように。

 

アドミニストレータ「私に必死になっちゃって、かわいい♡」

 

キリト「アドミニストレータを守るのが、自分の使命ゆえ」

 

草原フィールドの樹の下で、二人の男女がこのように話していた。

 

すると、若い青年の声が耳に入る。

アドミニストレータもキリトも気づき、横をみる。

 

ユージオ「キリトー!」

 

どうやら、自分を探しているらしい。

 

アドミニストレータ「・・・あの栗色の青年を、殺しなさい」

 

キリト「・・・承知しました」

 

キリトは、鞘から剣を引き抜く。

 

ユージオ「・・・あっ!キリト!」

 

キリト「それ以上近づくな。アドミニストレータ様からの命令だ。お前を殺す」

 

ユージオ「っ!!」

 

ユージオは息をのむ。

こんな冷徹な言葉を彼から聞くとは思わなかった。それも自分に。

 

もう、迷いはない。

 

ユージオ「キリト、君は騙されているんだ。僕は前、君に助けられた

。だから今度は僕が、君を助ける!」

 

ユージオは鞘から青薔薇の剣を抜き放つ。刀身が輝く。

 

キリト「剣を抜くということは、戦闘意思があるということだな?わかった。戦おう」

 

キリトは剣先をユージオに構えた。

 

自分の親友がこんな姿になったのを見たくはなかった。

 

きっとキリトは、僕が整合騎士だった時、今僕と同じ気持ちだっただろう。

親友を痛めつけるなんていやだった。

ただ今回は、目を覚まさせる。

僕が。

 

ユージオ「・・・いくよ」

 

キリト「来い」

 

両者とも、剣を構え、勢いよく地を蹴った。

 

 

 

 




次回、しっかりヤンデレ出てきます!
長い間、投稿できなくてすみません!リアルの方でとても忙しいのです・・・。

どうか、優しい気持ちで待っていてください・・・!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

40話 キリトは親友と戦う

ユージオと戦闘開始

本編は下です


互いの剣がある剣技の構えをする。

 

そう、これは俺が整合騎士になった後、キリトと戦った際の一番最初の剣技。

〈ソニックリープ〉だ。

 

剣が光る。

突進した2秒後、剣が右上から左下へ下る技だ。

 

互いの剣が、ぶつかり緑色の火花が散った。

 

ユージオ「思い出すんだ!この技も、最初はキリトに教わったんだ!」

 

キリト「知らない、君のことも、技を教えたことも!」

 

剣が互いにはじかれる。

 

剣技が終わると、キリトは離れ更に剣技を行う構えをする。

目は殺気に満ちていて、攻撃も容赦なかった。

 

あの構えは、僕も頑張ってできた技。僕の元いた世界では出来なかった《連撃》の技。その名も、《ホリゾンタル・アーク》。

 

青く光るキリトの剣が、僕に向かってくる。

 

ユージオ「なら僕も!」

 

青く光る剣、互いに同じ剣技をし向かう。

 

剣が衝突すると、腕に来る振動、そして2連撃目の攻撃も互いに剣が衝突しては離れた。

 

ユージオ「キリト!思い出すんだ!僕たちの思い出を!君は、整合騎士なんかじゃない!キリト・シンセシス・ワンなんかでもないんだ!」

 

キリト「俺は、整合騎士」

 

次の剣技が始まった。

ユージオは直ぐに剣技を見破り、互いに剣を構える。

 

これは連撃数の多い、《ホリゾンタル・スクエア》。

 

ユージオ「はぁぁああ!!」

 

キリト「せぇあああ!」

 

一回目、二回目、互いに同じ剣技がぶつかり合う。

そして3回目。

 

剣が振動し、火花が散る。

力は強く、押し返されそうにもなる。

 

そして4連続の技が終わる。

 

互いに四角い水色の枠が2つ、僕たちを囲った。

 

ユージオ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

キリト「・・・」

 

このままじゃいけない。しっかり親友を戻すために、僕は思い切り先制攻撃をする。

 

キリト「・・・」

 

キリトは構え、僕の攻撃を待った。

 

僕が使う技は、キリトに教わったものだ。

それも、アインクラッド流。

 

ユージオ「せぁああああ!」

 

剣が緑色に光る。

《スネーク・バイト》

 

二連撃の1撃目が、キリトに襲い掛かる。

 

キリトは冷静に受け止め、2連撃目も防御すると、キリトは3mほど下がる。

 

キリトは、剣先をまっすぐ僕に構える。

 

まさか・・・。

 

キリト「リリース・・・」

 

ユージオ「なにっ!?」

 

キリト「リコレクション!!!」

 

叫んだ声に反応し、剣が光る。

 

キリトの《記憶解放術》は、ギガスシダーの攻撃だ。

枝分かれし、襲ってくる。悪魔の樹だ。

 

ユージオ「くっ!」

 

どうすればいいのか。

キリトの奥義が、迫ってくる。

枝が来るのだ。大きい枝が。

 

キリト「終わりだ!」

 

ユージオ「まだだ!!!」

 

枝に向かって僕の持つ青薔薇の剣を構える。

 

中心の枝が、最も大きい。

 

その枝にむかって僕は、思い切り青薔薇の剣を突き刺した。

他の枝が襲ってくる前に、俺は口にした。

 

ユージオ「リリース・リコレクション!!!」

 

枝が、黒い枝が、僕の剣の攻撃で凍らされていく。

 

キリト「なにっ!?」

 

枝が凍っていくと、枝の動きは止まり、その氷は夜空の剣の柄元まで迫ってくる。

 

しかし、柄までは凍らずその前でとどまった。

 

僕は青薔薇の剣の柄から手を離した。記憶解放術は手を離しても瞬時に泊まるものではない。しばらく放っておいても大丈夫だ。

 

僕はキリトに歩み寄る。

 

キリトも自分の夜空の剣から手を離し、数歩下がり始めた。ガシャン、ガシャン、整合騎士の装備が鳴っている。

 

キリトはまだ警戒心むき出しなため、ずっと構えている。

僕は構わず、近づいていく。

 

そして数メートル離れて、僕はキリトと向き合う。

 

ユージオ「キリト、思い出すんだ!僕たちの過ごした思い出を!君は、僕とルーリッドの村で出会って、アリスを助けるために整合騎士を目指すためセントラル・カセドラルにいったはずだ!けど整合騎士は記憶を失ってなっている。だからそこにいる、アドミニストレータを倒してアリスを救おうってなったんだよ!君は、操られているんだ!思い出すんだ!」

 

キリト「・・・」

 

アドミニストレータ「そいつを、殺すのよ」

 

ユージオ「キリトにはただ記憶がないだけなんだ。思い出せてないだけなんだ!キリトには大事な人だっているじゃないか!最愛の人なんだよね!アスナさんのことまで忘れてしまったのかい!?」

 

キリト「・・・」

 

アスナ・・・なんとも親密である名前だろう。

・・・そして、その名前を聞かされた時、俺の頭にあるときの、大事なような記憶がよぎった。

 

-----愛しています。いつまでも・・・

 

その記憶は、とても懐かしい。

ある上空の床で、ある城が崩壊した後、それを眺めた後のことだった。

ある白衣の男もその前に消えた。

ここは・・・。

 

隣にいたのは、俺の・・・大事な・・・あの人だった・・・。

 

ここは・・・あの・・・浮遊城・・・。

 

そして・・・彼女は・・・。

 

アスナ

 

 

 

 

ユージオ「・・・キリト?」

 

キリト「・・・」

 

すると、キリトは自分の剣、夜空の剣へ歩み寄った。

歩き始めたと同時についに青薔薇の剣の記憶解放術は解かれた。

 

夜空の剣はどんどん姿を戻していき、ついには夜空の剣になった。

僕の剣も刀身がもどった。

 

草の上で二つの剣が落ちた。

 

すると、キリトは夜空の剣を拾いあげる。

柄をしっかり握っていた。そうすると、僕の所をへ歩み寄ってくる。

 

もしかして、まだ敵意があるのか!?

僕は剣を拾いにはいかない。僕は敵意がないことを証明するためだ。

 

ユージオ「・・・」

 

殺されるのか。

キリトはじわじわと歩み寄ってくる。

 

キリト「・・・」

 

剣が光る。

そして、3メートルほど離れたところで、キリトは止まった。手には夜空の剣がある。

 

ユージオ「・・・」

 

すると、キリトが口を開き始めた。

 

キリト「・・・俺には、倒すべき敵がいる」

 

まだ・・・整合騎士の記憶があるのか・・・。

僕をまだ敵認識しているのか・・・。

 

キリト「俺が・・・倒さなければいけない敵だ・・・」

 

僕は息をのむ。

 

キリト「それは・・・」

 

僕は構える。キリトが攻撃してくるだろうと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

そして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

僕はキリトに殺されるんじゃないかと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

そうなってほしくはない・・・。

 

 

 

 

 

 

僕は次の言葉を待った・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「それは・・・」

 

キリトは目を見開いた。柄をぐっと握り、僕とは反対方向を向いたのだ。

そして、大きな声で発した。

 

キリト「お前だ!アドミニストレータ!!!」

 

キリトの発した声とともに、キリトの格好が変わっていたのだ。

髪が少し長くなっていて、服は黒く裾が長い。

 

そして、この姿は僕もみた。セントラル・カセドラルで。

 

アドミニストレータ「その姿・・・いったいなぜ!!!」

 

キリト「アドミニストレータ・・・俺が誤って連れてきてしまった。だから、俺が決着をつける!!!」

 

キリトの姿が・・・変わっていた。

 

ユージオ「・・・キリト・・・」

 

キリト「ごめんな、ユージオ。傷つけてしまって」

 

ユージオ「いいんだよ、親友」

 

キリト「ありがとう」

 

アドミニストレータ「もうシンセサイズはできなくなりつつあるってわけね」

 

キリト「アドミニストレータ、悪いがここで消えてもらう」

 

アドミニストレータ「ごめんね?私にはある計画があるから、ここで倒されるわけにはいかないの。だから、またね?」

 

キリト「っ!?」

 

すると、アドミニストレータがなにか口を動かしている。

あれは・・・術式・・・なのか!?

この世界で術式が!?

 

キリト「逃がすかぁ!!!」

 

キリトは剣を思い切り後にもってきて、キリトの体と剣が思い切り光り始めたのだ。

なんだこの剣技は!?

 

キリトの周りを紫色の綺麗な風が包み込む。

剣が思い切り暴走寸前のように光っていく。

 

キリト「アインクラッド流!!!」

 

ユージオ「なんだあの剣技!?」

 

キリト「片手剣 秘奥義!!!《シャドウ・エクスプロージョン》」

 

キリトの剣が輝きを増す。

あの技は、秘の奥義。すなわち、隠された奥義ということだ。

 

キリト「くらえぇ!!!」

 

アドミニストレータ「くっ!!」

 

一撃、また一撃、しかし、音を聞くだけでもわかる。

 

その一撃がものすごく、重い。

重く、強く、まっすぐな技。

 

キリト「はぁぁああ!!」

 

アドミニストレータ「くそっ!!!」

 

アドミニストレータが直に受けてしまっている。

このままなら、倒せる!!!

 

キリト「終わりだぁぁあああ!!!」

 

キリトの剣が上から下への最後の連撃。

これで・・・!?

 

アドミニストレータ「さよなら♪」

 

キリト「なに!?」

 

どうやら・・・俺は遅かったのかもしれない・・・。

 

アドミニストレータが・・・術式を言い終えたのだ・・・。

 

キリト「うわっ!?」

 

目の前に、とてつもない閃光が起こる。

 

そのまぶしい光景が消えた後・・・アドミニストレータは姿を消していた。

 

キリト「くっそ・・・逃がした」

 

ユージオ「アドミニストレータ・・・」

 

キリトは、元の姿に戻っていった。

 

キリト「・・・俺はなんていうことを・・・」

 

ユージオ「いいんだ、キリトが戻ってきてくれただけで、もう」

 

キリト「ありがとう」

 

ユージオ「戻ろう?皆のところに」

 

キリト「あぁ」

 

俺とユージオは、皆のところに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ「キリトくん!!!」

 

キリト「ぐはっ!?」

 

閃光のように、俺に抱き着いてきたのだ。

 

アスナ「おかえり!キリト君!」

 

キリト「た、ただいま・・・」

 

アスナ「もう~、心配したよ!あんなクソBBAに乗っ取られて、そしてアドミニストレータのこと好きになって、熟女が好きなの?そんなわけないわよねー?キリト君は今も、これからも、私のことが好きなんだよね?そうだよね?キリト君?」

 

キリト「あぁ・・・も、もちろん」

 

また、ヤンデレ達が戻ってきた。




どうも、(つд⊂)エーンです!

ちょっと更新遅れてすみません。もうキリトは戻ってきました!
大丈夫です!また、ヤンデレびよりがはじまりまぁす★

あれれ?なんかアドミニストレータが怪しいっすね

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

41話 キリトはついに攻撃する

アドミニストレータを退けた後

本編は下です


ティーゼ「キリト先輩♪」

 

キリト「・・・」

 

ロニエ「・・・キリト先輩!」

 

キリト「・・・」

 

背後から、二人の女の子が抱き着いてきた。

 

赤髪と黒髪。

 

戦争のとき、俺が心神喪失状態で守ってくれた二人。

もちろんアリスも守ってくれた。

 

感謝はしているのだが・・・。

 

キリト「くっつきすぎじゃないか・・・」

 

ティーゼ「先輩がBBAに乗っ取られた罰です!」

 

ロニエ「先輩は私だけを見てればいいんです、あんなBBAより私ですよ」

 

ティーゼ「私を見てください。私を見てください。私だけです。ロニエより愛しています」

 

キリト「・・・」

 

このやりとりは、前のみんなと変わらなかった。

 

遠くから、ある青年とおっさんが見ていた。

 

ユージオ「キリトは大変だね」

 

クライン「おうよ、あんなに囲まれて、ほんとに幸せもんだな」

 

ユージオ(本当かな・・・)

 

クライン(本人曰く、全然そうじゃないらしいけどな)

 

キリトに戻る。

 

キリト「・・・明日はまた仕事があるから、明日以降5日間はほとんどログインできないぞ」

 

ロニエ「そんなぁ~!」

 

ティーゼ「もっといちゃいちゃしましょうよ!」

 

キリト「無理なことは無理なんだぞ」

 

それに、俺にはやるべきことがある。

それは、この世界に来たアドミニストレータを早く抹消させなければいけないということだ。

これ以上放っておけば、このALOがおかしくなってしまうかもしれない。

 

キリト「はぁ」

 

ロニエ「どうしたんですか?」

 

キリト「・・・いや、べt」

 

ロニエ「もしかして他の女にたぶらかされてるんですか?めんどくさいんですよねその女が。だから溜息が出ちゃうんですよね。わかりましたよキリトさん私がその女を殺してあげます。楽にしてあげますから教えてください私に殺させてください。そして私いがいの おんなを 見ないでください」

 

キリト「いきなりすぎるだろ・・・そもそもそんな女はいn」

 

ティーゼ「いないなんてありえません。キリト先輩は女からとても人気なんですだからそんな女を私がころして葬ってあげます。すぐに教えてください。ロニエより早く楽にしてあげますから」

 

キリト「・・・」

 

今彼女たちは情緒不安定すぎる。

確かに俺がBBAに乗っ取られたこともあるかもしれないが。

 

キリト「俺・・・そういえばちょっとマイホームに戻ってすることあったなー」

 

ティーゼ「なんですか?」

 

ロニエ「教えてください」

 

キリト「・・・えーっと・・・。アイテム整理とか。だから戻るよ、じゃあな」

 

速足で俺はマイホームに戻った。

二人の女の子から逃げて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

自分の部屋に戻る。ALOの中でだが。

 

うーん、ベッドでひと眠りしようか。ロールプレイングの様に体力マックスになるから、得もある。

 

ベッドに向かったら、さっそく寝ようとみると。

 

キリト「・・・」

 

なんか、ベッドがもっこりなっているのだ。

これは、枕ではない。人だ。人が俺のベッドに入っているのだ。

 

この時点で考えてつくのは、アスナである。

アスナと俺は、この家を自由に出入りできるからである。

 

他の人は俺たちが許可したときのみ、に設定している。

 

ならアスナか、と思い、俺は布団を剥いだ。

 

そこにいたのは。

 

キリト「・・・」

 

フィリア「すぅ・・・」

 

黒色の髪。短髪の子がベッドで寝ていた。

 

キリト「・・・起きろ、フィリア」

 

こういうのも日常茶晩飯である。

 

フィリア「うーん・・・おはようキリト」

 

キリト「おはよう、フィリア。何で寝ているのかな」

 

フィリア「襲ってくれると思って」

 

キリト「俺は襲わないよ・・・。まぁ、いるんだしお茶くらいは出してあげるけど」

 

フィリア「ありがとう♪」

 

リビングに来て、フィリアに飲み物を差し出した。

 

ソファに座り、フィリアの隣に座る。

 

警戒心は抜けていないと思っている。

 

キリト「・・・どうやって入ったんだ?」

 

フィリア「それは秘密」

 

キリト「・・・怖いな」

 

フィリア「じゃあ、お茶いただくね」

 

飲んでいくフィリアを見る。

すると、フィリアの表情が変わっていくのだ。

瞼が落ちていく。

 

フィリア「なんか・・・眠いなぁ・・・」

 

キリト「そっか、なんでだろうな」

 

フィリア「ふぇ・・・うーん」

 

目を閉じ、俺の膝に頭を乗せて寝てしまった。

 

キリト「俺がこういうのを使ってもいいんだよな、抵抗だもんな」

 

だんだん慣れてきている俺が怖くなっていくのだ。

こういう睡眠ポーションを使ってまで人から逃れるのも、心が痛い。

 

キリト「・・・フィリア・・・」

 

フィリアの顔を間近で見てみる。

しっかリ整った顔で、美しい。

 

近づいて、申し訳ないと目を瞑ってる。

 

そこで、俺は予想もつかないことが起こったのだ。

 

 

 

 

俺の唇が、もう一つの唇で塞がれたのだ。

 

キリト「ッ!?」

 

咄嗟に反応できなかったのだ。

 

フィリア「んっ・・・ちゅ・・・」

 

唇どうしくっつき、しばらくしてしまった。

 

その途中では。

 

フィリア「む・・・舌出して・・・ほら・・・ちゅ・・・ぺロ・・・」

 

これは舌がくっつく・・・いわゆるディープキスというものだった。

 

キリト「むっ・・・!」

 

俺はしばらくして顔を離した。

 

これでレインにされて2人目・・・。

 

キリト「・・・どうしてわかったんだ?」

 

フィリア「キリトがなにか入れていたもん。こっそりね」

 

キリト「見てたのか・・・」

 

フィリア「顔が近くなって・・・もう今しかないって思ったの」

 

キリト「・・・」

 

フィリア「美味しかった♪」

 

キリト「・・・そうかい」

 

キリト「・・・ということは、飲んでいないのか。口付けただけで、決してお茶自体は飲んでないのか」

 

フィリア「そういうこと♪」

 

キリト「・・・やられた・・・」

 

俺はまだまだなのかもしれない。




別に投稿している2作もぜひ見てください☆
必ずどれも投稿していきます。

どの作品が投稿されているかはわかりませんけどね☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

42話 久しぶりにある人に会う

フィリアの策士にはまった

本編は下です


キリト「はぁ・・・」

 

俺はALO内の家の玄関を出て外に出た。

 

草原と森と湖が綺麗に囲っている。

 

キリト「さて・・・何しようかな」

 

俺には仕事でしなければいけないことがあるが、今は忘れていよう。

 

キリト「ん?あれは・・・」

 

目を凝らしてみると、こっちに歩んでいる女の姿が見える。

あの子は・・・。

 

ユナ「あ、キリト君!」

 

見つかると、こっちに走ってくるユナ。

ユナのすがたはあのアイドルユナと同じ姿だ。

 

キリト「よ、ユナ。こんなところで何しているんだ?」

 

ユナ「キリトに会いに来たんだよ♡」

 

キリト「そっか、ありがとうな」

 

ユナ「それより、さ」

 

キリト「ん?」

 

ユナ「私は最近欲求不満なの」

 

キリト「うん・・・ん?」

 

ユナ「だから~、キリトを食べちゃいたい!」

 

キリト「・・・?どういうこと・・・だ?」

 

ユナ「もうキリトと×××や△△やピーなどやりたいの」

 

キリト「・・・」

 

ユナ「ね?だから~夜戦(意味深)しよ?」

 

キリト「・・・うん、あのなユナ。それは別のキャラだから真似しちゃだめだ」

 

ユナ「なーんのこと?」

 

キリト「いや、なんでもない。んで、俺はそんなことやらないぞ」

 

ユナ「なんでー!キリトのこと好きなのに!」

 

キリト「気持ちはうれしいけどな・・・」

 

ユナ「もうっ!」

 

ぎゅっと俺に抱き着いてくるユナ。この子も俺が入れたんだっけか・・・・

 

ユナ「キリトの匂いっていい匂いだよね!いつまでも嗅いでいられるよ!」

 

キリト「は、離せってユナ!」

 

かなりの力で掴んでくるユナに対して俺は必死に抵抗していた。

 

AI・・・だとしても、この感情やこの体などは恐らく悠那のものだろう・・・。

 

顔をぐりぐりと俺の胸におしつけ、微笑んでいる。

 

ユナ「やっぱいい体だし、私よりもたくましく、いい匂い!このままじゃ興奮が収まんないよ!だから早く〇〇〇しよ!」

 

キリト「だからしないって!」

 

その後、ユナを引き離し、どっか行くといって説得するのに1時間ぐらい使ってしまったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「はぁ・・・」

 

「どうしたんだい?溜息をついてしまって」

 

キリト「んぇ?あ、久しぶりだな、サクヤ」

 

サクヤ「久しぶりだね、キリト君」

 

胸がスグと競えるくらいでかく、大人びた声、性格。

シルフ領の領主だ。前に俺が助けた時、互いに出会っては、俺もアスナ救出時にサクヤに救われたな。

 

キリト「色々と忙しいんだ・・・まぁ、色々とね」

 

サクヤ「そうかい、それは大変だね。どうだろう?疲れたなら私の領にでも来ないだろうか?」

 

キリト「あぁ・・・まぁ、久しぶりの出会いだし、そうしようかな」

 

俺は警戒心ゼロで、了承した。

 

サクヤ「それでは、行こうか」

 

羽を生やし、一緒に飛びに行った。

 

サクヤ(ついに一人の時に誘えた・・・これを無駄にはしない)

 

キリト「・・・サクヤさん?」

 

サクヤ「ん?いや、なんでもない」

 

キリト「ならいいけど」

 

一瞬サクヤの眼がもう、逃がさない、と言わんばかりの眼だった・・・けど気のせいか。

 

キリト「やっぱ飛ぶのはいいな」

 

サクヤ「そうだな、私も領主のことで疲れていたことだし、このように羽を伸ばせるのはいいことだな」

 

キリト「やっぱり領主っていうのは大変なんだな」

 

サクヤ「そうだとも。我が族らにある者(キリト)を逃がさない計画とか、捕獲計画とか、もう山済みでね」

 

キリト「へぇ、そのある者っていう人は、結構なお尋ね者なんだな」

 

サクヤ「そうだな、その通りだよ」

 

キリト「がんばれよ」

 

サクヤ「ふふふ・・・もちろんだとも」

 

なぜか、笑みが俺にとっては不気味見えた。




なんか・・・そのですね、最近忙しいんで、投稿も全然できなくて・・・すみません。
けど、皆さんが心広く待ってくれて、こっちもうれしいです。
批判コメントなど来なくて、とてもうれしいです☆。

暇なときなんて・・・ゼロなんだよ。・・・結構マジですw

なので、かなり不定期ですが、これからもよろしくお願いします・・・★

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

43話 キリトは茶会を二人でする

サクヤに誘われる

本編は下です


キリト「・・・」

 

なぜだろう、俺は今シルフ領の街を通っているのだが・・・。

 

暗く、街灯が街をキラキラと照らしていた。

 

しかし、しかしである。

 

シルフ族は装備が緑が基調とされているため、俺は真っ黒な種族、装備も黒い。

 

そのせいでなのか、周りからの眼が痛い・・・というか怖い。

 

なんか、もう逃すまいという女性からの眼が怖い。

 

そして、稀に聞こえる。

 

「あの真っ黒な服の男性だよね!」

 

「絶対に逃しちゃだめよ!」

 

「カッコいいね!」

 

「もし逃げたら、捕まえたらいいんだよね!」

 

「捕まえた人は付き合えたり!?」

 

「(≧∇≦)キャー!」

 

「ウッホいい男」

 

声がちらほら聞える。

 

逃すまい、捕まえる・・・なんか不吉な単語ばかりだが・・・。

 

キリト「周りの眼が痛くないか?」

 

サクヤ「いや?気のせいだよ」

 

キリト「そ、そうか・・・」

 

俺はシルフ領の族長の部屋へ進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在 サクヤの部屋

 

キリト「立派だな」

 

サクヤ「どこの族長もこんなものさ」

 

キリト「・・・そっか」

 

警戒心が解けない。

 

キリト「さてと・・茶会・・・だっけ?そんなことするんだっけか」

 

サクヤ「そうだったね、待ってておくれ、茶を持ってくる。ソファにかけてくれ」

 

キリト「あ、あぁ」

 

俺は腰を下ろし、ソファに座る。

 

キリト「・・・」

 

俺は今、なんか危ない気がする。

 

第六感がうずくのだ。

別に中二病ではない。

 

なんか怖い。

 

サクヤ「待たせたね」

 

キリト「あぁ」

 

プレートにティーカップ二つ。

 

もう飲み物にはこりごりだ。

 

サクヤ「なんだかんだで疲れているだろうから、飲むといい」

 

キリト「・・・うん」

 

人から出されたものは飲んではいけない・・・。

 

もうそういう警戒が解けなかった。

 

サクヤ「まぁ、私も自信がない。私もいただこう」

 

ティーカップの取ってに二本指を通し、そっと持ち上げサクヤの唇にくっつく。

 

一瞬サクヤがこうやって躊躇なく飲むのなら、俺のは何も入ってないのだろうと思う。

 

しかし、俺の方のティーカップはやばいの入っている・・・とも限らない。

 

だから、一応サクヤの反応をみる。

 

3分の1くらいのんだサクヤはそっとティーカップをプレートにおく。

 

サクヤ「うむ、上手く淹れられているよ」

 

キリト「そ、そっか、やっぱこういうの得意なんだな、サクヤは」

 

今ここで、俺は思った。

 

サクヤの胸部は、かなり見えているということだ。

 

かなりでかいし・・・つい目がいってしまう。

 

しかし、平常心で保とうと10秒後。

 

サクヤの体に変化が訪れた。

 

サクヤ「はぁ///はぁ///なんか熱いな・・・」

 

キリト「そ、そうか?」

 

サクヤ「うむ・・・」

 

少し汗が見えてきた。

汗がたれ、胸部に墜ちる。

 

キリト「・・・」

 

目のやり場に困っていると・・・。

 

サクヤ「なんだろう///体が火照ってしまうな///」

 

キリト「・・・まさか・・・」

 

いや、まさか・・・。

 

そうか、あのティーカップに入っていたものは・・・。

 

サクヤ「はぁ・・・熱いな・・・。キリト・・・」

 

そっと立ち上がって、サクヤは俺の方のベッドにゆっくり近づいてくる。

 

俺は反射的にずさっと下がってしまうが、サクヤがもう来ていた。

 

キリト「・・・サクヤ・・・さん?」

 

サクヤ「熱い・・・脱ぎたくなってきた///キリト、脱がしてくれないか///」

 

サクヤは荒い呼吸をして、顔も赤く、熱もある・・・。

 

サクヤ「そっか///キリトも熱いのか///わかったぞ、今脱がしてやるからな///」

 

サクヤの胸が俺の胸にふにゅっとつぶれる。

 

そして、サクヤはこっちに体重をもってきて、むっちりとくっついてしまう。

 

ポタっと汗が胸部におち、手が俺の胸に置かれた。

 

キリト「サク・・・」

 

サクヤ「あぁ、やっぱ私のを脱がせ///どうも、体が動かん///」

 

俺の手首を握って、襟に持ってくる。

 

俺は自然にサクヤの襟を握ってしまい、サクヤはふふふと笑いながら、俺の手首を下にずらしていく。

 

俺も思考回路が止まっていた。

 

俺が襟を握り、握っている手をサクヤが下にずらす。

 

そして、露出がさらに高くなってしまった。

 

サクヤ「・・・あぁ、胸が見えてしまうな///なに、キリト。もっと見たいのか?///」

 

キリト「いやっ」

 

目をそらし、思考を戻す。

 

あっけにとわれ、すぐにまずいと判断する。

 

そうだ、ティーカップに入っていたもの、それは〈媚薬〉だ。

 

そのせいで、今のサクヤは息が荒いのだ。

 

すると、勝手に俺の手を、サクヤが握った。

 

サクヤ「小さい手だが、頼れる手だな///」

 

すると、俺の手を・・・。

 

むにゅ。

 

勝手にサクヤの胸・・・に、触れてしまった。

 

いや、サクヤが俺の手をかってに胸元まで持ってきたのだ。

 

サクヤ「あぁん///やっぱ感じてしまう///もっと触ってよいのだぞ?」

 

キリト「サク・・・ヤ・・・さん!」

 

俺は手を振り払って、サクヤさんを目の前からゆっくりどかす。

 

キリト「サクヤさん・・・しっかり!」

 

サクヤ「はぁ///なんか火照っている・・・うふふ」

 

キリト「え・・・えーっと・・・お邪魔しましたぁ!」

 

俺は意を決意し、ドアをぶち破る。

 

そして、廊下に出た俺を待ち受けていたのは・・・。

 

「あなたを捕まえたら、いいことあるの!」

 

「だから、お姉さんに、捕まって?」

 

キリト「はぁ!?」

 

シルフ族女共二人が、俺の目の前にいたのだ。

 

しかし、なぜ俺のことを知っているのか。

 

そんなことは今どうでもいい、俺は咄嗟に逃げた。

 

「あ!待てー!」

 

「私に捕まったらいいことしてあげるよ!」

 

キリト「な、なんなんだ!」

 

俺は廊下を走り回り、このシルフ領本部の中で、物陰に隠れた。

 

キリト「・・・まさか・・・」

 

このシルフ族の女は、俺目当てなのか!?

 

物陰からちょっと顔をだし、様子を見てみると・・・。

 

まるで警察かのように目を光らせ、女共が探していた。

 

「どこー!あの黒い子は私の彼氏にしたいのに!」

 

「もともとはサクヤさんのためだったじゃない」

 

「でもカッコいいし・・・どうしよ!」

 

「私が捕まえるの!」

 

キリト(・・・どうなってんだシルフ領は!?)

 

このシルフの街からの脱出計画が始まったのだ。

 




長い間、投稿できなくてすいませんでした!

すみません!リアルの方で勉強に追われてなかなかPCに触れなくて・・・。

待っていた方々、本当にすみません!

頑張ってこれからも頑張ります!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

44話 キリトは脱出を企てる

サクヤから逃げた

本編は下です


キリト「さてと…どうしようか」

 

物陰から覗き、安全に出口まで行くやり方はないか。

 

まぁ出口には一人女がいるのだが。

 

「どこにいるのかしら~」

 

キリト「怖いよ…」

 

まず、出口から出るバカなどいないだろう。

 

こうなったらどこかの部屋に入り、窓から脱出を試みる。

しかし、この人数…4、5人はいる。

 

まず、部屋に入るためにどうすればいいか。

 

どこのメタル・ギ○・ソリッドだよ、と思いながら向こうの木箱を見る。

 

まずはあそこにいければいいか、と思い目をそらした隙に向こうに走る。

 

「どこかな~」

 

あの女が3時の方向を見たとき。

 

キリト(今だっ!!)

 

バッとスニークな動きをして、向こうに走る。

 

あと数メートル!

 

よし!もう少しで!

 

「みーつけた♡」

 

キリト「えっ!?」

 

俺はあと数メートルでたどり着くところで、見つかってしまったのだ。目はハートマーク。

 

「大人しく捕まってくれれば、いいことしてあげるよ?」

 

キリト「く、くるな!」

 

「もう。みんなーこっちこっちー!こっちにいるよー!」

 

「ほんとぉ!?」

 

「いくいくー!」

 

「私が捕まえるもんね!」

 

「あ!私が捕まえるもん!」

 

「私の彼氏♡」

 

「ウッホいい男」

 

キリト「くっ!」

 

俺は突っ走り、奥の部屋へ思い切り駆け抜けた。

 

「あっ!待てー!」

 

奥の部屋へかけ走り、思い切りドアをぶち開けて、中にはいる。

 

幸いなことに中はだれもいなく、おれは振り返ってドアをしっかり閉めてロックをかけた。

 

キリト「くっ・・」

 

「あー閉めた!」

 

「みんなー!この部屋にいるよー!」

 

「ここね!」

 

「はやくこじあけちゃお!」

 

「私の彼氏にするもん!」

 

「私の!」

 

「あんなカッコいい人は他にいないもん!」

 

ドア越しからむっちゃ声が聞こえる。

 

キリト「・・・たく、どうしちまったんだ・・・。俺ってそんな有名人なのか?捕まったらひとたまりもないな・・・」

 

ここが開かれるのも時間の問題だ。

 

早くどうにかして逃げなければ。

 

どうすればいい!

 

思考を回せ!なにかあるはずだ!

 

部屋を見回しても、机、窓、スタンド、椅子、タンス!

 

タンス・・・?タンス・・・・・。

 

キリト「そうだっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よいしょっ!」

 

バコーンッ!

思い切り木材のなにかが壊れる音、厳密にはドアだが、そのドアも木端微塵になった。

 

開けたら、その部屋の中にいるであろうあのカッコいい男性、キリトがいると思っていた・・・だがしかし。

 

開けたら誰もいなく、風がなびき、カーテンが揺れていた。

 

「外に逃げたのね!」

 

「窓から逃げたんだわ!」

 

「早く追いましょ!」

 

「いきましょいきましょ!」

 

「サクヤさんのために!」

 

「けど私の為だけどね!」

 

どたどたと窓から外に出ていった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「計画通り」

 

俺はタンスからゆっくりと外に出て、部屋に出た。

 

作戦成功。それは、俺がタンスを見た時だ。

 

タンスに隠れようとしたら、必ずタンスを調べるだろう。

 

だから、俺は窓を開け外に出たと思わせて俺はタンスに隠れたのだ。

 

キリト「さてと・・・」

 

俺はどうしようか、ここから逃げて早く脱出しなければ。

 

まず、この領からの脱出をしなけてばならないため、俺は窓から出た。

 

もうあの女たちはいなく、外にはわんさかいるが。

 

キリト「まぁ・・・慎重に行っていけば・・・いいかな・・・」

 

とりあえず、建物、建物、建物、隠れて行って行けば、いつかつくだろう。

 

キリト「行くか・・・」

 

俺は勇気を振り絞って、策を飛び越え建物に隠れた。

 

キリト「・・・まずは向こうに・・・」

 

スニーキングスキルをつけ、足音を無音に。

 

おれはやく15mほど離れた向こうの建物の裏に隠れようと女プレイやーの隙をかいくぐろうとした。

 

目をそらした今!

 

おれは秒の速度で建物の裏に向かって、さっと隠れた。

 

成功・・・ん?ちょっと待って。

 

俺は・・・。

 

バカなのか!

 

ログアウトすればいいじゃないか!

 

そうだ、ログアウトすればいい!

 

ログインするときは恐らくどこから始まるかというと空都ラインだろう。

 

そうと決まれば俺は手早くウィンドウを動かし、早くログアウトしようと「ここにいたんだぁ?」

 

キリト「あっ・・・」

 

「みーつけた?」

 

俺の前と後ろにシルフ族の女が・・・見つかったのだ。

 

キリト「・・・」

 

「ここにいたんだね・・・。みーんなー!ここにいたよー!」

 

ぞろぞろと女プレイヤーが集まってくる。

 

キリト「くっ!!!」

 

俺は逃げようとしたとき。

 

「逃がさないよ~?」

 

「えへへ・・・もう捕まえた♡」

 

俺の両腕を二人で掴み、俺にぞろぞろと寄ってくるシルフ族の女プレイヤー・・・。

 

キリト「は、はなせ!!!」

 

「サクヤさんの命令だし・・・」

 

「逃がさないもん!まぁ私はサクヤさんの命令というよりは・・・私情だけどね!」

 

キリト「くっ・・・!」

 

俺・・・絶対の大ピンチ・・・!!!!

 




どうなるのか・・・!?

次回、お楽しみに・・・。

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

45話 キリトはまたまた助けられる

女子に囲まれる

本編は下です



俺は早く振りほどこうとしたが、思うように体は動かないものだ。

 

キリト「は、離してくれ!」

 

しかし、俺の意見なんて全く通用せず、力は強まるばかりに。

 

「放さないもーん!」

 

「えへへ~」

 

「とらえたもんね~!」

 

全く解こうとせず、俺は本当にまずい状況だったのだ。

 

このままではいずれ連れていかれる。

 

だからといってウィンドウを開くことは不可だ。

 

そもそも、なぜ彼女たちが俺にまとわりついてくるようになったのかが今のところ全く分からないのだ。

 

サクヤの命令だろうか?しかし、それだけで動くものなのか。

 

俺は振りほどけないまま、このままではもうどうしようもないと思った。

 

その刹那。

 

紫色のライトエフェクトが、俺の頭上から降ってきた。

たちまちそれは、彼女たちを退けていく。

 

1撃。

 

俺の右腕拘束人が退かれ。

 

2撃目

 

俺の左腕拘束人が退かれ。

 

3撃目

 

俺の背中に腕を回していた拘束人が退かれた。

 

爪で切り裂くような、素早い斬撃スキル。

 

3連撃 シャープ・ネイル

 

俺は安心のため息をすると、俺を守ってくれた人を見た。

 

そこにいた人は。

 

ユウキ「危ないところだったね!」

 

キリト「ユ、ユウキ・・・」

 

あの絶剣、ユウキが俺を救ってくれたのだ。

 

ユウキは彼女たちの方に振り向いた。

 

ユウキ「キリトに触れた者は絶対に許さないよ!僕がそれ相応の体罰をするから!」

 

剣先を彼女らに向ける。

 

ユウキ「安心して?圏内ではHPが減らないから。軽いノックバックが発生するだけだよ」

 

まるで、SAOで聞いたセリフと同じだ。

 

「あの人って絶剣?」

 

「やばいよ!早く逃げよ!」

 

「うん!」

 

「もう!あと少しだったのに!」

 

「かないっこないよ!」

 

次々と彼女らは帰っていった。

 

俺は一息下ろすと、ユウキを見た。

 

キリト「あ、ありがとうな、ユウキ。おかげで助かったよ」

 

ユウキ「うんうん、大丈夫だよ。キリトが無事ならね!」

 

周りを見渡すと、彼女らはもう帰っていったようだ。

 

ユウキ「シルフ領から出よう?」

 

キリト「そうだな」

 

俺とユウキはシルフ領から去っていった。

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いていた。

 

飛んでもよかったのだが、このRPG世界を満喫するのも悪くないだろう。

 

俺はユウキと一緒に森の中を歩いている最中だ。

 

キリト「やっぱユウキは強いな」

 

ユウキ「えへへ、そういわれると照れるなぁ。けど、二刀流のキリトには負けちゃうかも」

 

キリト「そうでもないと思うぜ。俺だって二刀流は確かにできるけど、互角かっていったら、そうじゃないかもしれない」

 

そこで俺は、ある疑問が生じた。

 

どうやってユウキは俺がピンチだということがわかったのだろう?

 

俺は聞いてみた。

 

キリト「なんで俺がピンチだってわかったんだ?」

 

ユウキ「あぁ、それはね、リーファにキリトの居場所を教えてもらいたかったから聞いたんだよ。そしたらサクヤと一緒にシルフ領に行ったって言ってたから僕は危険だと思って行ったんだ」

 

キリト「うん・・・うん?どうして俺がサクヤさんといると危険だと思ったんだ?」

 

ユウキ「女の、勘、だよ!」

 

そ、そうか、と俺は返した。

 

勘ってすごいな。

 

ユウキ「それよりさ・・・キリト」

 

キリト「うん?どうしたんだ?」

 

ユウキ「いや、どうしてキリトはサクヤのところにいったのかなぁって」

 

キリト「え、あ、いやただの茶会・・・だよ」

 

ユウキ「二人きりで?」

 

キリト「まぁ・・・」

 

ユウキ「・・・なんかされなかった?」

 

キリト「うーん・・・されはしなかった・・・というのは少し違うかな・・・。えっと・・・サクヤさんが茶をもってきたらそれをサクヤさんは飲んだんだけど・・・その中に媚薬が入ってたんだ」

 

ユウキ「・・・」

 

キリト「まぁ・・・その・・・そしたら火照ったらしくて、俺に「脱がしてくれないか」って要求されたり、脱がされそうになった・・・ってところかな・・・」

 

ユウキ「・・・そうなんだ」

 

ユウキは一歩こっちに歩み寄る。

 

ユウキ「・・・キリトは危ないんだよ。僕以外に犯されちゃうよ?」

 

キリト「・・・え?」

 

ユウキ「話を聞く限りではキリトもその媚薬を飲むところだったのかもね。もし飲んでいたらキリトは今頃サクヤに捕まって覆い被されて服とか脱がされて○○○○や○○〇とかされそうだったんだよ?そもそもサクヤの誘いなって断ってた方がよかったんだよ。色仕掛けとかしてくるよ?キリトってそういうのに対抗とかできなさそうだから心配だよ。だからもう今後誘われたりしたら断んないとキリトが危ないよ?それより僕と一緒に居た方が安心だよね。そうだよね。うん、その通りだよ。じゃあ今から僕の家行こ?僕の家ならだれにも邪魔されず安心だよ?」

 

キリト「・・・」ゾクゾク

 

ユウキ「・・・怖がってるの?なんでかなぁ・・・。一緒にいることが安心だよね?」

 

キリト「・・・え・・・っと・・・」

 

ユウキ「じゃあ僕が連れていくよ・・・二人だけの家に・・・ね?」

 

キリト「・・・くっ・・・」

 

俺は咄嗟に右手を伸ばし、手のひらを見せてある術式を唱えた。

 

ユウキ「!?」

 

キリト「・・・!!」

 

これは俺がユージーンにやった同じ術式。

 

周りの視界を奪う漆黒の霧。

 

キリト「・・・ごめんな」

 

ユウキ「ど、どこに!」

 

俺は即座に上空へはばたいた。

 

下を見ると、森の一部が黒い霧だ。

 

俺は咄嗟にユウキから逃げたのだ。




長い間、投稿できなくてすいませんでしたぁ!

テスト明けだったので投稿できました!

待ってくださった方!とても感謝しています!

どうかこれからもご朗読お願いします!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

46話 キリトはログアウトしてからまたログインする

ユウキから逃げた

本編は下です


現在 19時 32分

 

もうそろそろログアウトしてもいい時間帯である。

 

俺は飛行中だったため、このままではログアウトはできない。

 

いっかい着地をした俺は、ウィンドウを動かし、ログアウトボタンを選択する。

 

今日の晩御飯係は俺だったか。

 

 

現実世界に持ってきたところで、俺はアミュスフィアを頭から取り外し、上に置く。

 

キリト「もうそろそろ晩飯を用意するか・・・」

 

俺は立ち上がり、ベッドから出てキッチンに向かう。

 

さーて、何を作ろうか。

 

悩んだ末、俺はサバの塩焼きを作ることを決め、俺は冷凍していたサバを取り出す。

 

スグ「お兄ちゃん?今日晩飯だっけ?」

 

キリト「あぁ、そうだよ」

 

ちょうど戻ってきたスグは、TVを付けた。

 

俺はサバを魚を焼くグリルを引き、入れる。

 

スグ「明日からまた仕事?」

 

キリト「まぁ、そうだな」

 

スグ「忙しくなるねー」

 

キリト「ホワイトだけどな」

 

スグ「よかったねー」

 

キリト「ほんとにな」

 

スグ「もう何歳?」

 

キリト「もう・・・23歳・・・かな」

 

スグ「もうそんななんだね」

 

キリト「大人になっちゃったな」

 

スグ「けど顔とか全然変わってないよ?」

 

キリト「わ、悪かったな・・・」

 

スグ「私もだけどね」

 

他愛もない話を続けていると、ジューと音がなると、俺はグリルを出す。

 

キリト「今日はサバだよ」

 

スグ「魚かぁ」

 

なに、魚が嫌いな妹ではない。

 

俺は魚を出し、さらに盛る。

 

キリト「いただきます」

 

スグ「いただきます」

 

手を合わし、食べ始める。

 

キリト「明日も仕事だけど・・・スグは?」

 

スグ「うーん、そろそろ職に・・・就こうかな」

 

もう妹スグは・・・20?だっけか、もう社会人だもんな。

 

キリト「いい職が見つかればな」

 

スグ「うん」

 

キリト「・・・俺も、永遠のパートナーとか・・・見つけないとだめなのかな・・・」

 

突然、スグの手が止まる。

 

目がハイライトオフでる。

 

くちが少しあいている。

 

目が怖い。

 

キリト「・・・ごめん」

 

スグ「・・・もし兄妹関係で結婚っていうのがあったら、私は絶対に、100%、お兄ちゃんを選ぶよ」

 

キリト「そ、そっか・・・」

 

兄妹結婚できないっていうのが、あってよかったなぁと今思い始める。

 

スグ「国を動かしてまで兄妹結婚の許可をもらおうかな」

 

キリト「それはやめろ」

 

全く、考え出すことすべて実行しかねないからなぁ・・・今のスグは。

 

キリト「ふう、食べたな」

 

もう皿は何も乗っていなかった。

 

スグも同様、食べ終えたようだ。

 

キリト「ごちそうさま」

 

スグ「ごちそうさま」

 

現在 8時 20分

 

風呂掃除をしようと思い俺は風呂場に向かった。

 

スグ「あとちょっとジョインしているねー」

 

キリト「わかった」

 

俺は風呂で風呂掃除をしていたら、明日やる仕事を考えていた。

 

キリト「・・・」

 

確か、ALOにアドミニストレータを解き放ってしまった。

 

このままでは、いずれアドミニストレータが何するかわからない。

 

キリト「・・・やっちゃったなぁ」

 

掃除を終え、風呂場から出ると俺は自分の部屋に向かった。

 

キリト「・・・ジョインするか・・・」

 

あと少しだけ、俺はジョインすることを決めアミュスフィアをかぶり、リンクを開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

夜のALOは幻想的な、きれいな街灯、街の窓の光、妖精の国は俺の眼を癒していた。

 

まさか、今思ってもすごい。こんな世界に来れるなんて・・・。

 

キリト「・・・」

 

しばらく空都ラインを歩いていると、突然後ろから声がかかる。

 

その声は、久しぶりに聞いた。

 

アルゴ「よう、キー坊」

 

キリト「あ、久しぶり。情報屋アルゴ」

 

SAOでは世話になった、情報交換で儲けている情報豊富なアルゴである。

 

アルゴ「確かに久しぶりダナ。なんとも、キー坊は今のところ前途多難なようダナ」

 

キリト「なんで知っているんだよ・・・まぁ、そうなんだけど」

 

アルゴ「俺っちは情報屋だヨ?知ってて当然ダロ?」

 

キリト「はは、昔と変わらないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルゴは安全なのか、やばいのか俺はまだ知らない・・・。




久しぶりの投稿・・・短くてゴメン!

暇がなくて書けないです・・・時間を割いて書いてます!!

アルゴってヤンデレってイメージ無いですよね・・・どっちがいいか迷ってますね。

ヤンデレか・・・キリトフォロー側か・・・ですかね。

どっちがいいすかね?

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

☆BADEND2 アリス編 殺人の騎士 

アルゴと出会う

本編は下です


キリト「・・・そういえばアルゴ、なにかいいクエスト情報とかないのか?」

 

アルゴ「そうダナ~、今はそんなにいいクエストはないナ。まぁ・・・うーん・・・」

 

突然、アルゴがうつむく。

 

キリト「・・・どうしたんだ?」

 

アルゴ「あっ!い、いやぁ・・・そのぉ・・・。なんというかナ・・・。クエスト情報はないけど・・・その・・・」

 

キリト「クエスト以外になにかあるのか?」

 

アルゴ「このALOの世界にある・・・その・・・カップルスポットっていう・・・情報なら・・・」

 

キリト「え?」

 

アルゴ「だ、だから!その・・・その場所に・・・」

 

今日のアルゴはなぜか、あまりらしくないのだ。

ずっと頬を赤くしているし、口数も急に少なくなったり・・・。

 

アルゴ「そ・・・その場所に・・・キー坊・・・いっ・・一緒に・・・」

 

キリト「ん?なんていったんだ?」

 

アルゴ「い・・・一緒に・・・「なにやってるのですか?」

 

キリト「え?」

 

突然、別の方から別の声がかかる。

 

そこにいたのは、黄色の髪が揺れ、金色に輝く鎧を身に着けている女。

 

アリスだった。

 

キリト「ア、アリス・・・」

 

アリス「そこにいる女は・・・確かアルゴという名前でしたか」

 

キリト「ま、まぁ・・・情報をくれるんだあ」

 

アリス「そのアルゴという女の情報でキリト、お前は連れていかれるところでしたよ」

 

キリト「えぇ?」

 

アルゴ「な、なんちゅー言い方だ!そんな言い方はないダロ!」

 

不服した顔でそういったアルゴ。

 

キリト「・・・アリス、誤解・・・しているんじゃ・・・」

 

アリス「そのはずがありません。あなたを連れて行こうとしています。だからこちらに来なさい」

 

ガシッと俺の腕をつかむアリス。俺はそのままアリスに連れて・・・連行された。

 

 

 

 

 

アルゴ(・・・まだまだだなぁ・・・俺っちは・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「・・・キリト、もう私は我慢の限界です」

 

キリト「・・・え?」

 

突然、アリスはすごく真剣な顔でそういったのだ。

 

今までにないくらい、すごい真剣な顔。

 

キリト「・・・どうしたんだ?」

 

アリス「アスナやリーファ、シリカやリズ、シノンと女性が多いこの中で、奪い合いはもうだめなんです。だから、奪い合いを無くせばいいんだと私は思いついたのです。それが・・・」

 

キリト「・・・」

 

アリス「あなたの世界に行って、私は全員を・・・」

 

次に発した言葉は、俺の思考を完全に停止させた。

 

アリス「殺します」

 

こんなことをいう整合騎士だったか、アリスは・・。

 

いや、そのアリスはアリス・シンセシス・サーティの頃だ。

 

今はアリス・ツーベルクだと思っていた。

 

しかし、皆と過ごす環境の中で、殺戮が彼女を呼び起こした。

 

それが、今のアリスだ。

 

キリト「きゅ、急になにを言っているんだ・・・」

 

アリス「理解できませんでしたか?」

 

キリト「い、いや理解はできているんだ・・・。ただ急にそんなこと言われたら誰でもこんな反応はする・・・」

 

アリスは右目の封印を破り[A.L.I.C.E]となって目覚めた。

 

そしてそのアリスは人工知能の中で画期的な発明だ。

 

心情、魂、思考、行動、それぞれがまるで人間と同じような・・・それを開発した菊岡や、その手伝いをした茅場の奥さん。

 

それがあまりにも成長した結果ともいえよう。

 

アリスは現実世界では機械の体となってこっちに来ては記者会見などを行った。

 

ちゃんと記者の質問にも答えたし、行動も機械とはいえ人間と同じ。

 

彼女はこっちに来ることは・・・できなくはない。しかし、彼女の意思では来れないはずだ。

 

そういう機会接続などは比嘉さんなどがやったはずだ。

 

つまり、比嘉さんとかがいないとアリスはこっちに来れないはずだ。

 

キリト「・・・来れないだろ・・・アリス」

 

アリス「さぁ、どうでしょう。わかりませんよ、キリト」

 

意味深な言葉。もう、彼女たちが言う言葉は、言葉だけではない、しっかり実行する。

 

もしかしたら、アリスはこっちに来るかもしれない・・・。

 

キリト「・・・」

 

アリス「邪魔ですよね、あの雌豚ども。安心してください、二度とキリトには近寄らせません」

 

キリト「またそんな・・・」

 

もう今はだいたい・・・9時 12分

 

キリト「もう今日はログアウトする。・・・怖いからな・・・」

 

アリス「ふふふふふ」

 

俺はウィンドウを操作する。

 

ログアウトボタンを押す直前、俺はアリスを見た。

 

この時みたアリスの顔は、不気味な笑みで俺に微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「う・・・うん・・・」

 

俺はアミュスフィアをとり、置いた。

 

まさか、アリスが来るわけないだろう。

 

俺はもう寝る準備を進める。

 

 

 

 

俺は歯磨きを終えて、明日の持ち物の準備をしていたら、俺の部屋がノックされる。

 

キリト「ん?どうしたスグ」

 

スグ「いや、あのね、なんか玄関のインターホンが鳴っているの。こんな時間に」

 

キリト「・・・インター・・・ホン・・・」

 

まさか、こんな・・・さっきログアウトしたばかりだぞ・・・。

 

キリト「・・・俺が出る・・・」

 

スグ「別に出なくても・・・」

 

キリト「・・・大丈夫だ」

 

俺は階段を下りて、玄関が見えてくる。

 

・・・また、インターホンがなった。

 

ピンポーン。

 

この音が、俺の心を恐怖で包んでいた。

 

まさか、まさか。

 

俺は玄関の向こうを見るための穴を見る。

 

そこにいたのは・・・。

 

 

 

 

黄色の髪が揺れ・・・

 

黒い服を着た・・・

 

後で手を組んでいる・・・

 

不気味な笑顔で・・・

 

目の色は黒くなっていて・・・

 

闇に飲まれたようなその顔・・・

 

たとえ顔が黒くても・・・

 

わかる・・・

 

この人は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「キリト♪」

 

キリト「う、うわああああああ!?」

 

俺は一気に恐怖心がこみ上げ、玄関から退けた。

 

キリト「はぁ・・・はぁ・・・」

 

一気に汗が出た。

 

俺は・・・。

 

スグ「ど、どうしたの!お兄ちゃん!」

 

キリト「あ・・・あ・・・」

 

上手く言葉が発せられない。

 

目の前の玄関の向こうにいるのは・・・。

 

スグ「私がでるよ」

 

キリト「だ、だめだ!」

 

そんなことを言ってる間に、スグは玄関の取ってを握っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・俺がこの時、スグに任せなければ・・・まだよかったのかな・・・。

選択を・・・否、俺が怖がらないで、玄関を開ければ・・・よかったのかもしれない。

 

そうすれば・・・きっと・・・・きっと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

そして、玄関を開いた先には・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ「ア、アリス・・・?」

 

アリス「消えて」

 

手を隠していたのは、スグを刺すための・・・包丁を持っていたからだったのだ。

 

アリスの持っていた包丁が、刃先が、スグの腹にえぐり刺さる。

 

スグ「うっ!?」

 

スグの体勢が崩れる。

 

アリスの顔は変わらず、笑顔でいた。

 

アリス「妹だからって・・・私の彼氏に・・・くっつきすぎですよ」

 

そういうと、一気に横に切ったスグの腹。

 

包丁は血まみれで、スグが倒れた。

 

スグ「うぅ・・・あぁ・・・がはっ・・・」

 

スグは口から血を流し、その場でうずくまっている。

 

スグの腹から、腸がえぐり出てきた。

 

俺は、何を見ているのだろう。

 

現実味があまりにもなさすぎる。

 

こんなの、俺には見ていられない。

 

キリト「うっ!」

 

吐き気が襲い、うつむく。

 

アリス「・・・ふふふ、邪魔者が一人、消えましたね」

 

キリト「な、なんで・・・」

 

アリス「キリトのことが好きだから、ですよ」

 

家に上がってくるアリス。

 

 

【挿絵表示】

 

 

キリト「・・・く、くるな!」

 

アリス「・・・」

 

無言で、不気味な笑みで歩み寄る。

 

体は、まるで金縛りかのように、動かない。

 

びくとも、全く。

 

俺はぎゅっと目を瞑り、アリスの行動を待った。

 

俺は自ら、意識を捨てたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

ここは一体・・・。

 

ある部屋の個室のようだ。

 

ベットに寝ていた俺は、すぐに起き上がる。

 

覚えていない、寝る前のことを。

 

すると、俺はこの部屋にあるTVを見つけた。

 

つけようとしたその前に。

 

アリス「・・・おきましたか?」

 

キリト「・・・あぁ、起きたよ、アリス」

 

そうか、俺は、俺は・・・。

 

俺は・・・妹のスグを・・・目の前で失い・・・。

 

その原因は、彼女だ。

 

彼女が殺したのだ。

 

キリト「・・・スグ・・・」

 

アリス「・・・もういない人の名前を言ってどうしたのですか」

 

キリト「・・・なんで・・・殺すんだ・・・」

 

アリス「言ったでしょう?邪魔、雌豚だからです」

 

キリト「・・・なんていう言い方だ・・・」

 

しかし、この部屋もいずれ特定されて、だれかが助けてくれる・・・いつものように・・・。

 

キリト「・・・」

 

なぜだろう、逃げようとも思ったのに、なぜ俺は逃げないのだろうか。

 

アリスをみる。

 

なにも心配していないような顔だった。

 

むしろ笑顔。

 

目は怖いけど。

 

キリト「・・・」

 

俺はTVを起動させる。

 

アリス「・・・逃げないでくださいね?」

 

キリト「・・・あぁ・・・」

 

怖くて、もし逃げたら殺されるのは俺だ・・・。

 

これ以上したら、もしかしたらスグ以外も殺されるかもしれない。

 

キリト「・・・」

 

TVを付けると、あるニュースが流れた。

 

ニュース番組だ。

 

TV「続いてのニュースです」

 

もうこれしか楽しみがないのだろう。

 

この部屋はTVとベッドと・・・棚とかそれしかない。

 

TV「連続殺人事件です。大変残念なニュースです。えー、1週間の間で執行されたと思われる殺人事件です。死亡したのは」

 

俺は、キャスターが言う前にが字幕を見て、目を疑った。

 

TV「結城明日奈さん、綾野珪子さん、篠崎里香さん、竹宮 琴音さん、桐ケ谷直葉さん、朝田詩乃さん、紺野木綿季さん、七色アルシャービンさん、枳殻虹架さん」

 

 

・・・嘘だ・・・。

 

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ・・・。

 

そんなそんなそんなそんな・・・。

 

バカなバカなバカなバカな・・・。

 

・・・アスナ・・・。

 

キリト「あ・・・あ・・・」

 

全てアリスがやったことだ。

 

絶対に。

 

アリスのせいだ。

 

俺は・・・。

 

なんでこんなことに・・・。

 

 

 

 

 

・・・いや。

 

・・・アリスが原因なのか?

 

・・・俺が・・・俺が悪いんじゃないのか。

 

全ての、すべての原因は、俺にあるのだ。

 

そうだ。

 

このような気持ちにさせたのも、こんなになったのも、元をたどれたすべて俺にたどり着く。

 

キリト「俺が・・・殺した・・・っていうのか・・・」

 

俺は・・・なんなんだ・・・。

 

キリト「・・・」

 

俺は、だんだん感情を失っていた。

 

まるで、心神喪失状態のような、そんな感じ。

 

もう、彼女らは助けてこない。

 

いつものように、助けてくれない。

 

もう、会えない。

 

もう・・・会えない・・・。

 

けれど、涙が出ない。

 

キリト「・・・」

 

怖い。

 

怖い、怖いよアリスが。

 

アリス・・・殺人鬼だ。

 

すると、部屋のドアが開いた。

 

アリス「ごはん、作りましたよ」

 

キリト「・・・」

 

アリス「どうしたのですか?キリト」

 

キリト「・・・アリス、君は・・・」

 

殺人鬼だ。嫌いだ。なんて言葉を言いたかったが、俺にはそんな勇気はない。

 

キリト「「いや、なんでもない・・・アリス」

 

アリス「はい」

 

俺は、全く感情のこもってない、まるで言葉の重みを一切感じない、そんな口で俺は、嘘、を言った。

 

キリト「愛しているよ」

 

アリス「・・・私もです」

 

俺は、恐怖心に勝てない。

 

ただ、皆の為にも今は生きるためだ。

 

この先、俺はアリスと一緒に光を浴びない日々が続くのかもしれない。

 

ただ、これが正しい選択なのかも、俺にはまだ、わからない。

 

BADEND2 殺人の騎士

 




もうそろそろエンドを作りたかったのです。

アリス編、バッドエンドでした。

もちろんこの後は、選択を変え、恐らくGOODENDが待っています。

どうか次もお楽しみにくださいね。

皆さんもヤンデレを愛していきましょう☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

GOODEND2 アリス編 可能性を求めて、未来へと

本編は下です


キリト「・・・そういえばアルゴ、なにかいいクエスト情報とかないのか?」

 

アルゴ「そうダナ~、今はそんなにいいクエストはないナ。まぁ・・・うーん・・・」

 

突然、アルゴがうつむく。

 

キリト「・・・どうしたんだ?」

 

アルゴ「あっ!い、いやぁ・・・そのぉ・・・。なんというかナ・・・。クエスト情報はないけど・・・その・・・」

 

キリト「クエスト以外になにかあるのか?」

 

アルゴ「このALOの世界にある・・・その・・・カップルスポットっていう・・・情報なら・・・」

 

キリト「え?」

 

アルゴ「だ、だから!その・・・その場所に・・・」

 

今日のアルゴはなぜか、あまりらしくないのだ。

ずっと頬を赤くしているし、口数も急に少なくなったり・・・。

 

アルゴ「そ・・・その場所に・・・キー坊・・・いっ・・一緒に・・・」

 

キリト「ん?なんていったんだ?」

 

アルゴ「い・・・一緒に・・・「なにやってるのですか?」

 

キリト「え?」

 

突然、別の方から別の声がかかる。

 

そこにいたのは、黄色の髪が揺れ、金色に輝く鎧を身に着けている女。

 

アリスだった。

 

キリト「ア、アリス・・・」

 

アリス「そこにいる女は・・・確かアルゴという名前でしたか」

 

キリト「ま、まぁ・・・情報をくれるんだあ」

 

アリス「そのアルゴという女の情報でキリト、お前は連れていかれるところでしたよ」

 

キリト「えぇ?」

 

アルゴ「な、なんちゅー言い方だ!そんな言い方はないダロ!」

 

不服した顔でそういったアルゴ。

 

キリト「・・・アリス、誤解・・・しているんじゃ・・・」

 

アリス「そのはずがありません。あなたを連れて行こうとしています。だからこちらに来なさい」

 

ガシッと俺の腕をつかむアリス。俺はそのままアリスに連れて・・・連行された。

 

 

 

 

 

アルゴ(・・・まだまだだなぁ・・・俺っちは・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「・・・キリト、もう私は我慢の限界です」

 

キリト「・・・え?」

 

突然、アリスはすごく真剣な顔でそういったのだ。

 

今までにないくらい、すごい真剣な顔。

 

キリト「・・・どうしたんだ?」

 

アリス「アスナやリーファ、シリカやリズ、シノンと女性が多いこの中で、奪い合いはもうだめなんです。だから、奪い合いを無くせばいいんだと私は思いついたのです。それが・・・」

 

キリト「・・・」

 

アリス「あなたの世界に行って、私は全員を・・・」

 

次に発した言葉は、俺の思考を完全に停止させた。

 

アリス「殺します」

 

こんなことをいう整合騎士だったか、アリスは・・。

 

いや、そのアリスはアリス・シンセシス・サーティの頃だ。

 

今はアリス・ツーベルクだと思っていた。

 

しかし、皆と過ごす環境の中で、殺戮が彼女を呼び起こした。

 

それが、今のアリスだ。

 

キリト「きゅ、急になにを言っているんだ・・・」

 

アリス「理解できませんでしたか?」

 

キリト「い、いや理解はできているんだ・・・。ただ急にそんなこと言われたら誰でもこんな反応はする・・・」

 

アリスは右目の封印を破り[A.L.I.C.E]となって目覚めた。

 

そしてそのアリスは人工知能の中で画期的な発明だ。

 

心情、魂、思考、行動、それぞれがまるで人間と同じような・・・それを開発した菊岡や、その手伝いをした茅場の奥さん。

 

それがあまりにも成長した結果ともいえよう。

 

アリスは現実世界では機械の体となってこっちに来ては記者会見などを行った。

 

ちゃんと記者の質問にも答えたし、行動も機械とはいえ人間と同じ。

 

彼女はこっちに来ることは・・・できなくはない。しかし、彼女の意思では来れないはずだ。

 

そういう機会接続などは比嘉さんなどがやったはずだ。

 

つまり、比嘉さんとかがいないとアリスはこっちに来れないはずだ。

 

キリト「・・・来れないだろ・・・アリス」

 

アリス「さぁ、どうでしょう。わかりませんよ、キリト」

 

意味深な言葉。もう、彼女たちが言う言葉は、言葉だけではない、しっかり実行する。

 

もしかしたら、アリスはこっちに来るかもしれない・・・。

 

キリト「・・・」

 

アリス「邪魔ですよね、あの雌豚ども。安心してください、二度とキリトには近寄らせません」

 

キリト「またそんな・・・」

 

もう今はだいたい・・・9時 12分

 

キリト「もう今日はログアウトする。・・・怖いからな・・・」

 

アリス「ふふふふふ」

 

俺はウィンドウを操作する。

 

ログアウトボタンを押す直前、俺はアリスを見た。

 

この時みたアリスの顔は、不気味な笑みで俺に微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「う・・・うん・・・」

 

俺はアミュスフィアをとり、置いた。

 

まさか、アリスが来るわけないだろう。

 

俺はもう寝る準備を進める。

 

 

 

 

俺は歯磨きを終えて、明日の持ち物の準備をしていたら、俺の部屋がノックされる。

 

キリト「ん?どうしたスグ」

 

スグ「いや、あのね、なんか玄関のインターホンが鳴っているの。こんな時間に」

 

キリト「・・・インター・・・ホン・・・」

 

まさか、こんな・・・さっきログアウトしたばかりだぞ・・・。

 

キリト「・・・俺が出る・・・」

 

スグ「別に出なくても・・・」

 

キリト「・・・大丈夫だ」

 

俺は階段を下りて、玄関が見えてくる。

 

・・・また、インターホンがなった。

 

ピンポーン。

 

この音が、俺の心を恐怖で包んでいた。

 

まさか、まさか。

 

俺は玄関の向こうを見るための穴を見る。

 

そこにいたのは・・・。

 

 

 

 

黄色の髪が揺れ・・・

 

黒い服を着た・・・

 

後で手を組んでいる・・・

 

不気味な笑顔で・・・

 

目の色は黒くなっていて・・・

 

闇に飲まれたようなその顔・・・

 

たとえ顔が黒くても・・・

 

わかる・・・

 

この人は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「キリト♪」

 

キリト「う、うわああああああ!?」

 

俺は一気に恐怖心がこみ上げ、玄関から退けた。

 

キリト「はぁ・・・はぁ・・・」

 

一気に汗が出た。

 

俺は・・・。

 

スグ「ど、どうしたの!お兄ちゃん!」

 

キリト「あ・・・あ・・・」

 

上手く言葉が発せられない。

 

目の前の玄関の向こうにいるのは・・・。

 

スグ「私がでるよ」

 

キリト「だ、だめだ!」

 

俺はスグの手を握って後に退けた。

 

スグ「お、お兄ちゃん?」

 

キリト「出ちゃだめだ。俺が出る」と小声で言う。

 

俺は、手を震えさせながら取ってをやっとの思いで握る。

 

冷たい取ってを握って、グッと力を入れた。

 

もう、後戻りはできない。

 

たとえ、この先にいる者が、どんな行動にでようと受け入れる覚悟ができている。

 

絶対に、逃げない。スグに、危険なことをさせたくない。

 

俺は、血は繋がってなくても、スグのお兄ちゃんだからだ。

 

目を見開き、取ってをぐっとゆっくり引いた。

 

ゆっくりドアを開く。

 

その先に、彼女はいた。

 

アリス。

 

アリス・ツーベルク。

 

金髪の髪が、玄関の上の光を反射させていた。

 

俺は、アリスを見た。

 

 

 

 

 

しかし。

 

 

 

 

その時。

 

 

 

 

アリスは迷いを見せず、こっちを見ないで。

 

アリス「消えて」

 

キリト「え?」

 

刃、刃が、俺に、俺の腹に近づいた。

 

グシュ。

 

突き刺さった。

 

腹に。

 

痛い。

 

熱い。

 

痛い。

 

キリト「ア・・・ア・・・アリ・・・ス・・・」

 

アリス「・・・え?」

 

俺の腹から、包丁が、抜かれた。

 

血が、噴き出ていた。

 

キリト「うっ・・・」

 

口から血が出てしまう。

 

こんな、痛い思いをしたのは初めてだ。

 

アリス「そ・・・あ・・・そん・・・な・・・」

 

なんだろう、あの迷いもなく行動したとは思えないアリスの顔。

 

今は、絶句したような、目から、何か、そう、光る、涙が、出ていた。

 

頬を伝った。

 

雫が落ちそうな、その前に。

 

ドサッ。

 

俺は、倒れてしまった。

 

その後に、俺の頬に雫が落ちた。

 

アリス「わ・・・私・・・は・・・あ・・・キリ・・・キリト・・・」

 

キリト「あ・・・」

 

スグ「お・・・お兄ちゃん・・・お兄にちゃああああん!!!!!」

 

駆け寄ったスグは、涙を流しながら俺を抱えて見ていた。

 

キリト「・・・ごめん・・・スグ・・・」

 

スグ「まだ死んじゃダメ!すぐに救急車を呼ぶから!」

 

スグは俺をそっと地面に寝ころばせて受話器を手に取り救急車を呼んだ。

 

キリト「・・・」

 

俺はいきることを決してやめない。

 

死にたくないし、死んだら皆を悲しませるから。

 

アリスは・・・。

 

アリス「私が・・・殺した・・・あ・・・あ・・・」

 

キリト「・・・」

 

自分を責めているようだ。

 

・・・。

 

俺は・・・。

 

俺は・・・・・。

 

俺は・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が開いた。

 

ぼやけていた。

 

俺は・・・俺は・・。

 

キリト「・・・」

 

ここは・・・あ・・・病院?

 

そうか、こんな感じなんだな、病院で目覚めるのって。

 

何も、覚えてない。

 

アリスに刺された以降、なにも。

 

体を起こそうとすると、俺の腹に鋭い痛みが走った。

 

キリト「うぐっ・・・」

 

まだ、傷は完治していない。

 

・・・。

 

俺は・・・。

 

ん?

 

なんだ、この温もりは。

 

誰が・・・。

 

俺の左手に、顔をそっと乗せてねていた。

 

寝ていたのは・・・。

 

キリト「・・・アリス・・・」

 

そう、寝ていたのは、あのアリス。

 

・・・まさか、こんなところで寝てるなんて・・・なんて子だ。

 

キリト「・・・」

 

よく、自分を戦ったな。

 

もし、俺がアリスを刺したのなら、そうだな。

 

まず、看病もいけないだろう。

 

自分を責めすぎて、いつかはもう一生会わないようになるかもしれない。

 

なのに、アリスは自分を責めては、しっかりと俺のところに来たんだ。

 

贖罪のつもりなのかもしれないけれど、そんなの今はどうでもいい。

 

アリスから感じるのは、冷たい殺戮の気持ちではなく。暖かい、優しい温もりだった。

 

日光が、病室を刺していた。

 

キリト「・・・皆に迷惑をかけたな。それにアリスにも」

 

きっと、アリスは最初は犯人だったから皆に責められてたんだろうな。

 

けど、今こうやっている。

 

和解し、きっと今は和平だ。

 

俺は、そっとアリスの髪を撫でた。

 

まだ体は不自由だけど、今はアリスを少しでも慰めることぐらいはできるだろう。

 

キリト「・・・」

 

きっと、ずっといたんだろうな。

 

アリス「ん・・・」

 

キリト「アリス?」

 

どうやら、目を覚ましたらしい。

 

アリス「ん・・・うーん・・・」

 

アリスが、目を覚ました。

 

そして、アリスの眼に俺が映っていた。

 

キリト「・・・おはよう、アリス」

 

アリス「・・・キリト?キリト・・・キリト・・・よ、よかった・・・」

 

また、涙している。

 

まったく、騎士なのにやっぱ女の子だなぁ。

 

泣き虫なやつめ。

 

俺はそっと左手で頭を撫でた。

 

キリト「心配かけちゃったな・・・、ごめんなアリス」

 

アリス「ひっく・・・謝るのは、私です・・・私・・・私が・・・あなたを・・・」

 

キリト「けど、ずっと見ていてくれてたんだな。ありがとう」

 

アリス「・・・ごめんなさい・・・謝って済む問題じゃないけれど・・・」

 

キリト「いいんだよ、アリス。もう、いいんだ」

 

アリス「・・・でも・・・」

 

キリト「俺はしばらく入院しているけど、大丈夫。あっちの世界にはいけるからさ」

 

アリス「・・・わかりました。よかったです」

 

キリト「ああ、じゃ、また向こう側でな」

 

アリス「・・・はい」

 

アリスは、この病室を出ていった。

 

キリト「先生に頼んで、ゲームしていいかと聞くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

ここは、空都ライン。

 

キリト「一応、腹の痛みとかはやっぱないな。痛覚はこっちではないっていうのが助けだな」

 

アリス「キリトー!」

 

キリト「あ、アリスー!」

 

アリス「よ、よかったです。ここに来てくれて・・・本当に・・・」

 

キリト「あはは・・・だからくるって言ったろ?全く、心配性だな」

 

アリス「こっちでは痛くないのですか?」

 

キリト「あぁ、痛覚はこっちでは無いからな」

 

アリス「よかった・・・です」

 

ユージオ「おーい!キリトー!」

 

キリト「ん?あ、ユージオー!」

 

ユージオ「無事でよかったよ!キリト」

 

キリト「俺が死ぬわけないだろ?」

 

ユージオ「全く・・・無茶しちゃうから心配だよ」

 

キリト「大丈夫だって」

 

俺は、久しぶりにこの3人でそろった気がする。

 

また、いつもの日常が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「せぁ!」

 

ザシュ!

 

キリト「パリィ!!!」

 

ピキーン!カキン!

 

キリト「スイッチ!」

 

アリス「わかりました!」

 

黄金の剣が、弧を描いてモンスターを切り裂いた。

 

アリス「ユージオ!交代です!」

 

ユージオ「わかったよ!せああああ!」

 

青薔薇の紋章の剣が、きれいに光り、横に切り裂いた。

 

モンスター「グォォォォオオ!!!!!!」

 

モンスターは、破片となって舞った。

 

キリト「ふう、いいチームプレイだな」

 

ユージオ「うん、そうだね」

 

アリス「私たちなら、敵なしですね」

 

外に出た俺たちは、かなり長い間洞窟にいたかと思わせるような光の眼差しを受けた。

 

草原にでた俺たちは、外の空気を吸う。

 

キリト「・・・なんか、久々に色々と倒した気がするぜ。そういえばアリス、今日弁当持ってきてるんだっけ?」

 

アリス「はい、持ってきてますよ。どこかで食べましょうか」

 

ユージオ「そうだね、それじゃあ・・・あそこなんてどうだい?」

 

ユージオが指さした場所は、この草原で一番でかい木を刺した。

 

まるで、そう、あの木のような。

 

キリト「そうだな、あそこにしよう!」

 

アリス「はい!」

 

俺たちは木の下に移動して、涼しい風に太陽の光が木漏れ日として刺す場所で座った。

 

アリス「今日は、塩漬け肉と豆の煮込みパイ詰め、チーズと燻製肉を挟んだ薄切りパン、それと・・・干し果物、そして絞ったミルク。どう?」

 

ユージオ「どうもなにも・・・」

 

ユージオは、笑顔で言った。

 

ユージオ「あの時と、一緒じゃないか!また見れるなんて思わなかった!」

 

キリト「・・・あの時・・・あ・・・」

 

そうか、あの最初の時、アンダーワールドに入ったあの()()()()()()というのは、()()()だったのだ。

 

ユージオ「アリスもそんな丁寧な言葉使わないで、普通にしゃべろうよ。前みたいにね?」

 

アリス「え?」

 

キリト「そうだよ、アリス。堅苦しいぜ。楽しく食おうぜ」

 

アリス「そう・・・ね。そうしましょうか。ユージオ、キリト」

 

アリスは、笑顔で言ってくれた。

 

その笑顔は、まるで()()()の・・・アリスのような。

 

キリト「あぁ」

 

ユージオ「うん!」

 

キリト「そんじゃ、いただきます!」

 

ユージオ「あ、僕も食うんだからな!」

 

アリス「まだまだあるわ、慌てなくていいのに・・・うふふ」

 

キリト「にしても、俺ってミルク苦手なんだよなー」

 

ユージオ「好き嫌いはよくないよ、キリト」

 

キリト「全く、まじめだなユージオは」

 

アリス「この世界じゃあ天命はないから、ゆっくり食べられるわね」

 

キリト「そうだな、全く、ユージオは急ぎすぎじゃないか?もっと慌てなくて食わなくてもいいんだぞ?」

 

ユージオ「キ、キリトが最初に食い始めたじゃないか!キリトが慌てて食ってるんじゃないかい?」

 

キリト「俺はちゃんと味わって食ってるぜ。なんせ、アリスの料理は絶品だからな」

 

ユージオ「もちろん僕も、アリスの料理をしっかり味わって食べてるよ」

 

アリス「も、もう・・・褒めてもなにも出ないわよ?」

 

キリト「まぁ、これ以上のものなんて俺は欲しがらないけどな」

 

ユージオ「僕も、こんなおいしい料理以上なんて」

 

キリト「いや、料理も美味しんだけど・・・俺は・・・。俺は、これ以上の幸せを欲しがらないってことさ」

 

ユージオ「それはどういうことだい?」

 

キリト「・・・こうやってまた、アリスとユージオと一緒に過ごせる幸せだよ。これ以上の幸せはないってことさ」

 

アリス「そうね・・・私も、そう思う」

 

ユージオ「僕もだよ」

 

笑顔でピクニックを楽しんでいる俺たちは、この日を、この日々を手に入れるために戦ってきたのかもしれない。

 

そして、まだ終わらない俺らの闘い。

 

きっと、これからも可能性を信じ、いつまでも戦い続ける。

 

その戦いには必ず、皆がいる。

 

共に助け合い、共に傷つき、共に慰めあった皆が。

 

俺は、この出会いをいつまでも大切にしたい。

 

キリト「・・・そうだ!写真撮影しないか?」

 

ユージオ「そうだね、こんな天気だし、いい絵が撮れるかもしれないね」

 

アリス「じゃあ、この木をバックにしましょ?」

 

俺は、少し離れたところに行って、カメラをセットする。

 

こっちにカメラを向けて、カメラを確認する。

 

しっかり映るように。

 

キリト「・・・そんじゃ、撮るか!」

 

俺達は並び、真ん中にアリスを位置し、カメラに向かって笑顔になる。

 

そして、俺たちのこの姿、幸せは一枚の絵になって記録された。

 

俺たちは、これからも、いつまでも、共に戦い続ける。

 

いつまでも、可能性を求めて。

 

GOODEND2 可能性を求めて、未来へと

 

 




長い間、投稿できなくてすみませんでした!

ちょっと体調崩してこっちの事情でてんやわんやで・・・もう書ける時間を見つけては書いていますが、どういう話にしようかという話の展開も同時に考え、その後に挿絵も描くというすごく忙しい日々でしたw

どうか、これからもこんな(つд⊂)エーンさんを応援、ずっと見てくださればありがたいです・・・。お願いします・・・★

ヤンデレアリスは心を入れ替え、昔のときのアリスに戻り、皆とこれから美しく楽しい幸せな日々を暮らす終わらせ方でした!

この先もこの作品は続きます!どうかよろしくお願いします☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

☆47話 キリトは一緒に夜景を見る・・・と?

アリスが割り込まない設定で進めます


キリト「・・・そういえばアルゴ、なにかいいクエスト情報とかないのか?」

 

アルゴ「そうダナ~、今はそんなにいいクエストはないナ。まぁ・・・うーん・・・」

 

突然、アルゴがうつむく。

 

キリト「・・・どうしたんだ?」

 

アルゴ「あっ!い、いやぁ・・・そのぉ・・・。なんというかナ・・・。クエスト情報はないけど・・・その・・・」

 

キリト「クエスト以外になにかあるのか?」

 

アルゴ「このALOの世界にある・・・その・・・カップルスポットっていう・・・情報なら・・・」

 

キリト「え?」

 

アルゴ「だ、だから!その・・・その場所に・・・」

 

今日のアルゴはなぜか、あまりらしくないのだ。

ずっと頬を赤くしているし、口数も急に少なくなったり・・・。

 

アルゴ「そ・・・その場所に・・・キー坊・・・いっ・・一緒に・・・」

 

キリト「ん?なんていったんだ?」

 

アルゴ「一緒に・・・行かないカ?」

 

キリト「え」

 

アルゴ「いいところ・・・だからサ」

 

キリト「まぁ、いいけど」

 

アルゴ「そうカ!じゃあ行くぞキー坊!」

 

キリト「う、うわぁアルゴ!?」

 

俺の手を握り、思い切り走り始めたアルゴに俺は引きずられるようについていった。

 

 

 

 

 

 

アスナ「・・・アルゴ・・・まさか」

 

 

 

 

 

 

現在 夜

 

キリト「へぇ・・・ここはいいところだな」

 

翼で羽ばたいて、夜のこの妖精の国を見渡せる高層建物のいっちばーん上まで来たのだ。

 

妖精のそれぞれの街を見れ、森、海、ダンジョン、すべて光っており、まさに幻想的だ。

 

こんな幻想的な景色に合う曲とかないかななんて思っていると、アルゴが口を開き始めた。

 

アルゴ「えっと・・・その・・・」

 

キリト「ん?」

 

アルゴ「いや・・・その・・・ダナ・・・」

 

顔が赤く、伏せている。

 

キリト「なんだよアルゴ。歯切れ悪いな」

 

アルゴ「わ、わかるダロ!///」

 

キリト「え!?」

 

きれられたけど・・・なんでだ?

 

アルゴ「・・・キ・・・キー坊のことが・・・」

 

「何してるの?」

 

キリト「ん?」

 

後を振り返ると、ひらりと舞うように、白を基調とした少女。

 

キリト「ゆ、ユナ・・・」

 

ユナ「まぁユナでも悠那でもどっちでもいいけど、それよりキリト・・・」

 

キリト「なん・・・だ?」

 

ユナ「こんなところで、カップルスポットで何してるの?一緒にアルゴさんもいるけど」

 

アルゴ「な、なんでここがカップルスポットって知ってるんだヨ!///」

 

ユナ「え?ただここがカップルに合いそうだからそう言っただけだよ?」

 

アルゴ「///」ボンッ

 

キリト「ユ・・・ユナ・・・」

 

ユナ「私以外の女とこんなところでいちゃついているなんて・・・許さない・・・許されないよ」

 

キリト「え・・・あ・・・」

 

ユナ「今回は、ここでアルゴさんと離れてログアウトして寝れば許してあげる。もう夜だし、キリトは仕事あるでしょ?」

 

キリト「なんで俺が仕事してるって・・・知っている?」

 

ユナ「ずっと見てるからだよぉ」

 

キリト「・・・」

 

とろけるような目をしているユナ。その後ユナは、羽ばたいてどっかに行ってしまった。

 

アルゴ「・・・」

 

キリト「ごめん、アルゴ。もうそろそろログアウトしなくちゃいけない。こんな場所教えてくれてありがとう。またな」

 

アルゴ「・・・」

 

俺はログアウトボタンをゆっくり押した。

 

アルゴの悲しげな顔を見ながら。

 

 

 

 

キリト「ん・・・」

 

アミュスフィアを取り、そろそろ時間を見る。

 

もう寝る時間だった。俺は歯磨きをし、明日の準備、スケジュールを確認し、ベッドに着いた。

 

キリト「・・・」

 

もう、なんか怖くなくなってきた・・・というのはまだ早いだろうか。

 

うん、まだ早いな。

 

俺は目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

アスナ「また今日も可愛い寝顔だなぁ・・・キリト君は・・・」

 

俺は部屋に仕掛けられているカメラをまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・もう朝かぁ」

 

起き上がると、時間を確認。

 

時間はまだ余裕がある、しっかり朝ごはんを食べてまた職場(ラース)へ向かう身支度をした。

 

キリト「じゃあ行ってくるな、スグ」

 

スグ「うん、行ってらっしゃーい」

 

 

 

 

そろそろ俺も一人暮らしして、永遠のパートナー見つけないとな

 

とは言え、結婚はそこまで焦って結婚しなくてもいいらしい。

 

しっかり相手を考えて、しっかり決めないとな。

 

 

 

ラース本社 

 

和人「あ、おはようございます」

 

比嘉「おう、おはようっス。また今日もよろしくっスね」

 

和人「それはこっちのセリフです、比嘉さん」

 

俺は軽く挨拶し、職場に向かう。

 

 

 

 

女社員「あ、おはようございます!」

 

和人「あぁ、おはよう」

 

俺はこれから、プログラミングの設計である。

 

設計は・・・またAIのプログラムについて。

 

計算し、しっかり設計していくAIプログラム。

 

このAIは、どんな機会にも有効活用されるので、俺はしっかり多種多様な設計をしなければ。

 

和人「頑張るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シノン「・・・そろそろ動きましょうか」

 

 

 

 

 




本当にテスト疲れました!

けど、だからこそ今こうやって描けたんですけどね!w

待っていてくれた方、本当にありがとうございます!

そして、待っていてくれた方、ずっと投稿調子悪くてすみませんでした!

その謝罪として・・・


【挿絵表示】


水着シノンさん描きました!

どうかこれからもよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

48話 キリトは今日も一日頑張ります

会社に戻ったキリト

本編は下です


和人「・・・」カタカタ・・・

 

室内のエアコンが程よく効き、作業しやすい状況の中、俺は作業をしていた。

 

もちろんAIのことなんだが、すごく高度なプログラミングで何から何までするべきか、細かい設定、思考、知能、それぞれをどの方向にどう持っていくか、すべてを考えなければいいけないというとても脳の使う作業。

 

しかし、俺がやっているAI作業は、少し違う。

 

和人「・・・」

 

俺が今、一番警戒しているのは、他誰でもない。

 

アドミニストレータである。

 

俺が以前、アドミニストレータをあのALOに入れてしまうという大失態を犯してしまった。それを今、どう贖罪・・・とまでは言わないが、とにかくどうにかして元に戻さなければ。

 

しかし、それと同時に悩んでいることがある。

 

すでに死んでいるアドミニストレータが、死んでいるというより存在しているデータがないというべきか。もう活動しなくてもいいアドミニストレータのファイルを俺は入れたせいで入っている。

 

その存在をまた無にしてもいいのか・・・ということだ。

 

AIだし・・・ねー。

 

和人「はぁ・・・大変なことをやってしまったな」

 

女社員「大丈夫ですか?」

 

隣のデスクで作業をしている社員が、声をかけてきた。

 

和人「んあ、大丈夫だよ。ありがとう」

 

コーヒーを片手に画面を見やる。

 

画面には、[project:adm]って。

 

アドミて、誰だよ。

 

アドミニストレータか。

 

和人「・・・・大変だなぁ、こりゃ」

 

昼の休憩が入ると、俺は弁当を開ける。

 

まぁ、もちろん、あの妹が作ってくれたんだけど。

 

和人「ふう」

 

外で食うのがやっぱ好きである俺は、外に居た。

 

和人「早く食べようかな」

 

バックを会社のビルに外のベンチで食うのが好きである。

 

早速開けてみたけど、普通なのだ。中身は。

 

別にむっちゃやばいのとか入ってない・・・と信じたい。

 

和人「・・・いただきます」

 

???「あら、キリト」

 

和人「ん?」

 

ついゲーム内の名前キリトで反応したほうへみる。

 

その声は・・・と思った。当たった。

 

いたのは、シノンだったのだ。

 

詩乃「偶然ね」

 

和人「ぐ、偶然だな・・・」

 

ほんとに?とは一応言わないでおく。

 

詩乃「となりいいかしら」

 

和人「ああ、まぁ・・・」

 

隣に座った詩乃は、鞄をかけていたのだ。

 

その鞄をベンチにおく。

 

すると、ぐいっと俺の方へ体を寄せてきた。

 

和人「・・・」

 

詩乃「♪」

 

和人「・・・近くないか?」

 

詩乃「そうかしら?普通じゃない?」

 

和人「・・・」

 

眼鏡をかけていないシノンをよく見るので、今眼鏡かけているのがどうも新鮮である。

 

詩乃「あ、そういえばキリト。あなたはここで働いているのよね?」

 

和人「あぁ、まぁな」

 

詩乃「どんな仕事をしているの?」

 

和人「どんな・・・まぁ、AI関係?一応、プログラムをたてて、様々な工程作業を行っている。すごく頭使うからな、ここのAI作成は・・・。毎日大変さ。けど、ブラックじゃないし、とても社員も優しい」

 

詩乃「ふーん・・・あの女のやつもか・・・」小声

 

和人「なんか言った?」

 

詩乃「いや?別に」

 

むっちゃ顔暗かったけどな。

 

詩乃「それより、とてもおいしそうな弁当ね。誰に作ってもらったの?」

 

和人「え・・・あ、まぁ、スグに・・・」

 

詩乃「そう、まぁ、だろうとは思ってた。すごく許せない」

 

和人「・・・」

 

詩乃「私以外の女の弁当を食べて」

 

ぐいと近寄る

 

詩乃「私以外の人と働いて」

 

ぐいを近寄って覆ってくる

 

一応弁当を一旦地面におく

 

詩乃「私以外の人と笑顔で話して」

 

ぐいと近寄って覆い被さる

 

和人「・・・」

 

俺は大変困っている。

 

詩乃「私はいつまでもじっとはしていないわよ?」

 

ニっと口が笑っている。

 

眼鏡の奥で黒い瞳があった。

 

ここが人通りの少ない方の場所でよかった。

 

和人「・・・」

 

詩乃「弁当で胃を犯されていたんじゃない?まだ食べてなくてよかったわね。もしかしたらキリトの予想もつかない得体のしれないものが入ってるかもしれないじゃない?」

 

和人「得体のしれないって・・・なんだ」

 

詩乃「そうねぇ、例えば〇〇〇とか〇とか〇〇〇〇とか。色々と」←ご想像にお任せします。

 

和人「そんなもの・・・入っていないだろ・・・ていうか、そんなこと言ったら食欲うせるだろ・・・。たとえ入っていなくても、入っているって思っちゃうじゃないか・・・」

 

詩乃「あら?聞いてきたのはキリトよ?」

 

和人「そうだけども・・・」

 

下に置いている弁当をみる。

 

こう普通の色とりどりの弁当に詩乃がいったものが本当に入っているとでも・・・。いやないな・・・ないと信じたい。

 

和人「・・・それよりも、いつまでこの体勢で・・・」

 

詩乃「あら?こう責められるの、好きじゃないの?」

 

和人「べ、別に好きじゃないよ!ほら、早くどいてくれ!」

 

俺は強引に詩乃を持ち上げ体勢を立てる。

 

詩乃「きゃん!」

 

和人「変な声出すなって!」

 

詩乃「やましいことしたのかしら?」

 

和人「してないぞ!」

 

全く、疲れた。

 

俺は下に置いていた弁当を手に取り、膝に乗せた。

 

詩乃「入っているかもしれないわよ?」

 

和人「だからそういうのは・・・」

 

詩乃「私の作ってきた弁当でも食べる?」

 

和人「詩乃の弁当には入っていないって言いきれないぞ」

 

詩乃「入っていないわよそんなもの。私はそういうことをしないじゃない」

 

和人「そうですか・・・」

 

昼の時間は、とても疲れる昼だった。

 

 

 




週一投稿の(つд⊂)エーンです。

今はサッカー大会、テレビでやっていますよね。自分も見ています。

とても興奮していますよ。シュートが入ったときとか、防いだ時、守ったとき、意外とサッカー好きでしてw

どうかサッカーも見てくださいね。こんなssよりサッカー優先でみていいんですよw

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

49話 キリトは女たちに困っちゃう

タイトルのネタがもう尽き始めてる(´・ω・`)

詩乃と会った

本編は下です


和人「・・・恥ずかしいなぁ」

 

女社員「何していたんですか!」

 

和人「うぇ!?」

 

女社員「もう昼は過ぎてますよ!心配しました!」

 

和人「あ・・・あはは、ごめん」

 

女社員「・・・私、見ていました・・・」

 

和人「え?」

 

女社員「和人さん・・・そとのベンチでなんか・・・女性に覆われてた体勢でしたよね」

 

和人「え!?あ・・・えっと・・・見、見間違いじゃないかな?あ、あははは」

 

女社員「嘘です!確かに眼鏡の短髪の人と話していましたよね!」

 

和人「あ・・・ま、まぁな・・・」

 

女社員「認めましたね!やっぱり!たとえ彼女さんといたって、昼過ぎちゃいけませんよ!」

 

和人「悪かった悪かった・・・って、え!?ち、ちがう!詩乃は彼女じゃないって!」

 

女社員「ふーん、下の名前で呼ぶとこがますます怪しいですね!」

 

和人「昔から仲間なんだってば・・・だからそう下の名前で言ってるんだ」

 

女社員「ムー・・・、まぁ彼女じゃないんですね」

 

和人「あ、あぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ムー・・・、まぁ彼女じゃないんですね』

 

『あ、あぁ』

 

「・・・何よ、私よ、キリトの彼女は・・・」

 

自室で、耳にイヤフォンを当てながら、盗聴器を聞く女がいた。

 

「・・・あの雌豚・・・危険ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「よし、そんじゃ帰るか」

 

女社員「はい!そうですね」

 

電車に揺られ、いつも見ている東京の夜景を見ていた。

 

和人「きれいだな」

 

女社員「え?」

 

和人「一人一人、頑張ってるんだなぁって」

 

女社員「そ、そうですか?」

 

和人「ああ、それに比べて、俺の仲間はな・・・」

 

女社員「仲間?あの女性含めてですか?」

 

和人「そう、けど俺の仲間はちょっと変わっててな」

 

女社員「ちょっと?」

 

和人「いや、ちょっとっていうレベルじゃないな。もう妹なんて・・・スカル・リーパーならぬ、スカル・リーファだぜ・・・」

 

女社員「ス、スカル・リーファ?」

 

和人「あ、いや・・・その・・・昔のことを思い出して・・・あはは」

 

女社員「昔に仲間になったんですよね?仲間って・・・どこでどう出会ったんですか?」

 

和人「どこで?そうだな・・・、俺って、昔はゲーマーだったんだ。そして、俺は・・・」

 

俺は、電車に揺られながら女社員と話した。

 

座りながら、虚ろな瞳で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞳とか、顔とか、声とかが、だんだんと女社員をときめかしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「まぁ、こんな感じで仲間になったんだ」

 

女社員「へぇ、それにしてもびっくりです。あのデスゲーム、ソードアート・オンラインで生き残ってきた人だったなんて!なんかヒーローみたいですね!」

 

 

 

 

 

『ヒーローか、もう普通の人だけどな』

 

『そんなことないですよ!ソードアート・オンラインから人を救ったのは、和人さんなんですよね!」

 

『んー・・・まぁ、最後は俺と茅場が戦ったけど・・・』

 

盗み聞きする女は、目が黒くなっていた。

 

「なによ・・・慣れ慣れしいのよ、雌豚が・・・」

 

すでにトラウマを克服した、それに協力してくれた人を愛す女性は、すでに意を決意してるようだった。

 

「ふふふ」

 

 

 




今年は猛暑日ですよ!皆さん、しっかり水分補給して、倒れないでください!

そして、一日一日がんばりましょー!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

50話  キリトは誘われる

最近ヤンデレ・ストラトスってあるみたいだよ?
誰が書いてるって?そりゃあ,,,誰だろう?

あ、ヤンデレ・ストラトスは実はリクエストしてくれた人に答えたssです!

リクエスト本当にありがとうございます!もしやってほしいssがあったら、活動報告にてお願いします。

リクエスト募集ってあったと思います。そこでお願いします!

一緒に電車で帰った後

本編は下です


和人「ただいまー」

 

スグ「おかえりお兄ちゃん」

 

和人「スグは何していたんだ?」

 

スグ「ちょっとALOで遊んでいたんだけど、家事とかやっていたよ」

 

和人「そっか、そういえばスグもそろそろ就職するんだったな」

 

スグ「うん!もちろんお兄ちゃんと一緒のとこ行きたい!」

 

和人「とにかく、親と相談ながらな」

 

俺はそういいながら自室へ向かう・・・と思っていた。

 

プルルルル・・・

 

電話が鳴ったのだ。

 

俺は近くにいたため、反射的に電話に出た。

 

和人「はい」

 

セブン『あ、キリトくん?こんばんわ。ちょっと話があってね』

 

和人「話?なんだ?」

 

セブン『明後日にパーティがあってね。東京で。アルシャービン家で行うパーティなのよ。海外の貴族含め、いろんな人がくるの。もちろん、あのめすぶ・・・アスナたちも。もちろん妹も誘ってOKよ。だから来ない?』

 

和人「そっか、わかった。ちょっとスグと話すよ」

 

セブン『うん』

 

和人「おーいスグー」

 

スグ「うん?」

 

和人「明後日に東京でパーティがあるってさ。セブンが言っている。どうだ?来るか?」

 

スグ「お兄ちゃんはいくの?」

 

和人「まぁ、誘われたわけだし、断る理由もないな」

 

スグ「そう、まぁいいけど」

 

和人「え」

 

スグ「ん?」

 

和人「い、いやいつものスグだったら・・・」

 

スグ「なぁにお兄ちゃん」

 

和人「いや、なんでもない」

 

和人「行くって。俺ももちろん行くよ。恰好は?」

 

セブン『もちろんスーツとかで来てほしいけど、こっちでも用意するわよ?」

 

和人「い、いやこっちでちゃんと整えてくるよ。じゃあ場所は?」

 

セブン『あぁ、場所は,,,』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「さてと、何しようかな」

 

丘に立つ俺は、風を浴びながら考えていた。

 

レイン「やっほーキリト君」

 

キリト「レインか、何してたんだ?」

 

レイン「それはこっちのセリフでもあるよキリトくん」

 

キリト「そ、そっか」

 

レイン「パーティー行くんでしょ?セブンから聞いた」

 

キリト「あぁ、もちろんレインも行くだろ?」

 

レイン「もちろん!(だってキリトのスーツ姿見たいもん!)」

 

キリト「けど結構高級そうなものばかり並ぶパーティーだと居づらいってのもあるよな」

 

レイン「確かにねー、けどセブンは博士だし。きっと期待されてるからこそパーティーをできるんだよ」

 

キリト「そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ「お兄ちゃん?まだ選んでるのー?」

 

キリト「あっ、いいだろべつに」

 

スグ「どの姿も好きだけどね~」

 

キリト「ありがとな」

 

キリト,,,の俺でいくか

 

キリト「さてと、もう行くか」

 

スグ「うん!」

 

キリト(もう慣れたつもりだ、何があろうと対処すればいいんだ。,,,って俺、なにセブンを疑ってるんだ。セブンが変な行動なんてするわけない)

 

キリト「そう、ない…」




短くてすみません、けど時間がなくw

本当に見てくれるかた、優しくてうれしいです!

どうかこれからもよろしくお願いいたします!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

51話 キリトはパーティー中に・・・

セブンに誘われた

本編は下です


キリト「さてと、着いたな」

 

スグ「そうだねー」

 

目の前に建つビルは東京の中では最も高いビルで、それにてここでパーティーをするのだ。

 

周りを見ると、大人の方々が正装した姿でどんどん中へと入っていく。

 

キリト「・・・やっぱ慣れないな、こういう場所は」

 

スグ「私も・・・」

 

こんな上品な会に誘われるなんてないのだ。

 

気をひきしめて俺はスグと一緒にビルに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ「あ、キリト君!」

 

キリト「あ、アスナ。来ていたんだったな」

 

シノン「私もよ」

 

シリカ「私もです」

 

リズ「来ているわよ」

 

キリト「皆来てるんだな」

 

アスナ「セブンのパーティーだしね」

 

キリト「そうだな」

 

スグ「セブンは?」

 

リズ「まだ登場していないみたいよ」

 

キリト「けど、やっぱ皆しっかりした服なんだな。なんか新鮮だな」

 

リズ「まぁ正装あんましたことないしねー。キリトもその恰好似合ってるわよ」

 

シノン「そうね、似合ってるわ」

 

キリト「そっか、よかったよ」

 

シリカ(あとで写真とっとこ・・・)

 

見てみると、会場にはいろんな食べ物が並んでいた。

 

ワインや白ワイン、酒をグラスにとって飲んでいる人もいた。

 

俺たちも飲めるが、あまり酒は得意でもないのだ。

 

だから俺たちはお茶などを飲んでいた。

 

司会「えー本日は七色博士のパーティーにお越しいただき、ありがとうございます。それでは間もなく、七色博士の登場です。拍手でお出迎えください」

 

キリト「来るのか」

 

スグ「そうみたいだね」

 

奥のステージのさらに奥から出てきたのは、見事に正装を着こなしていた、七色博士。セブンだった。

 

キリト「やっぱメインなだけあって派手だな」

 

アスナ「子供なんだけどそうとは思えないね」

 

とっとっととステージの手前へ来るセブン。

 

おかれていたマイクに顔を近づけ、セブンは話し始めた。

 

セブン「改めまして、本日は私のパーティーにお越しいただきありがとうございます。それでは、今日は存分に楽しんでいってください」

 

大きな拍手が、会場をうめつくした。

 

キリト「すごいな、セブンは」

 

アスナ「すごい正装だし、きれいね」

 

キリト(・・・何もなかったらいいんだが)

 

セブンの登場が終わり、司会が今日の予定をざっとだが説明した。

 

その後は、皆パーティーを楽しんでいた。

 

俺たちのところに、セブンは来たのだ。

 

セブン「ダスビダーニャ、キリト、皆」

 

キリト「やぁセブン。綺麗だな」

 

セブン「そう?ふふふ、ありがと♪」

 

アスナ「」殺意の眼差し

 

リズ「」殺意の眼差し

 

スグ「」殺意の眼差し

 

シリカ「」殺意の眼差し

 

シノン「」殺意の眼差し

 

キリト(・・・なんか殺されそうな気配がする・・・)

 

セブン「楽しんでいってね?皆、とくにキリト君」

 

キリト「あ、あぁ」

 

セブン「今日は皆、きてく「七色さん」・・・何?」

 

「いやぁ、ぜひ話を聞きたいなと」

 

「天才な頭脳にして、様々な機械を開発し、未来に貢献している人とは話したいものでしてね」

 

「そうですね、どうでしょうか?」

 

セブン「わ、わかったわ。ちょっと席外すわね、キリト君」

 

キリト「わかった。じゃあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セブン「まぁ、そうね。とても忙しいわ」

 

「いやぁすごいですな。全く、頭が上がりません」

 

セブン「・・・」

 

セブンは耳にイヤフォンをする。

 

「おや、それは?」

 

セブン「あ、いや、マネージャーというか、その、色々な指示が来ますので・・・」

 

「ここでも忙しいんですな」

 

しかし、そのイヤフォンはマネージャーとかの声などは一切しない。

 

する声は、キリトの声だった。

 

『いやぁ、おいしいな。この料理』

 

『まぁな。けど、頑張るよ』

 

キリトが彼女たちと話す声が聞こえる。

 

もちろん、彼女たちと居させること自体、とても嫌なことなのだが。

 

しかし、セブンは大人の人たちと話しながら合図を待つ。

 

「それにしても、今度はどんな開発をしているのですか?」

 

セブン「えっと・・・そうね、AIプログラムの進化かな・・・。AIがより自立し、人々と向かい合う社会を・・・」

 

『皆、俺ちょっとトイレ行ってくるよ』

 

来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラスを置き、俺は会場を抜けた。

 

トイレはどこだろう・・・。

 

キリト「うーん・・・」

 

すると、青と赤の男女マーク。トイレだ。

 

キリト「あそこか」

 

俺は歩いてトイレの方へ向かう。

 

トイレに入り、用を足す。

 

手を洗ってトイレを出ると、出口にはスーツ姿の男性二人だ並んでいた。

 

キリト「あぁ、えっと・・・」

 

「和人君かな?」

 

キリト「えっと・・・は、はい。何か用ですか?」

 

「七色様の指示でな。少し付き合ってもらおうか」

 

キリト「えっ!?」

 

後退ると、黒いスーツの男はすごい早い動きで俺に接近し、俺のうなじをたたいた。

 

こいつら・・・戦闘に特化してやがる・・・。

 

俺は気を失い、その場で倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セブン「・・・ふふ、ふふふふふ」

 

キリト「・・・」

 

目が覚めると、かなり高級そうなベッドに寝させられ、手は頑丈な手錠で動けない。

 

足も開いて左右に結ばれ、大の字で寝させられていた。

 

セブン「お目覚めかしら?」

 

キリト「セ、セブン・・・な、なんで・・・」

 

セブン「あなたが好きだから。それだけ。それだけで理由は十分。本当にね」

 

キリト「・・・そんな」

 

セブン「さてと・・・あなたの童貞を奪っちゃおうかしら」

 

キリト「っ!?」

 

俺は、今、絶望的な危機に陥っていた。

 

このままじゃ、まずい。それは、わかる。

 

誰か・・・助けて・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとごめんセブン。俺・・・童貞じゃ・・・ないんだ・・・。

 

 




お久しぶりです。(つд⊂)エーンです。

この物語も、50を超えました。

もうそろそろ、メンバーのエンドを着々と作っていき、このヤンデレssに終止符を打ちたいと考えていました。

もうそろそろ、最終回に近づこうかなって、内心思っちゃったりしてます。

長く続いたこのssも、それぞれのエンドを作って、終わろうかなって。

どうしようか悩んでいるんですよね。

こっちも結構忙しくなってしまいましたので、頑張ります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

BADEND3 セブン編 天才七色博士

セブンの配下みたいな人に拉致されて部屋に閉じ込められた。

本編は下です



キリト「くっ、離せって!」

 

力ずくで手錠を解こうとするが、鈍い金属音を立てているだけで、全くとれない。

 

俺にまたがっているセブンの眼には光がない。このままだとまずいのだ。

 

キリト「なんでこんなことするんだ!」

 

セブン「え?わからないの?キリト。随分鈍いのね」

 

キリト「・・・」

 

セブン「私は今、レインとは仲良くない。それはなぜか。もちろんあなたが原因よ。奪い合いよ。全部ね。皆好きなのよ。あなたのことが。けどその行為は限界を達してる。拉致、睡眠薬、拘束、その他もろもろ。それほど皆キリトのことが好きってことよね。私もとても好き。好きじゃ表せないものなの。すごく、すごーーく好きなの。ほんとにね」

 

俺の胸に顔を乗せ、俺の体を触ってくる。

 

ゾワゾワと鳥肌が立つ。

 

セブン「もうそろそろ私も動かないと。キリトは私の旦那。ずっと、これから、そして、永遠に。ずっと離さない。愛してる♡えへへ」

 

キリト「俺は受け入れない!そんな、愛じゃないし、俺はアスナ「うるさい」

 

セブン「あの雌豚、もう危ないよ。もうキリトを壊そうとしてる。だから、私と一緒にくらそ?ね?結婚して、幸せの家庭を築いて、そして子供は何人ほしいかなぁ♡ずっと、永遠に幸せだね♡」

 

キリト「・・・」

 

顔を徐々に近づけてくると、俺の唇にはやわらかいなにかが当たるのがわかる。

 

キリト「!?」

 

 

セブン「んっ、ちゅ、ちゅ、ん、・・・えへへ♡」

 

キリト「・・・もう離してくれよ!」

 

セブン「なんで?まだそんなこと言うの?夫婦でしょ?」

 

キリト「違う!そんなんじゃないだろ!」

 

セブン「・・・墜ちないねぇ、キリト」

 

キリト「堕ちるわけなだろ・・・。もう・・」

 

セブン「まだ愛が足りない?」

 

キリト「へ?や、やめろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねっとりした空気で、つらかった。

 

キリト「・・・」

 

セブン「・・・えへへ♡どう?気持ちよかった?」

 

キリト「あ・・・あぁ・・・・あ・・・」

 

そんな、こんな子供に・・・なんで・・・。

 

裸になっているセブンと、服が破られてしまった俺。

 

もう、そのあとは散々だった。

 

キリト「いい加減に・・・」

 

 

セブン「ここまでして、まだ堕ちないのね。そう・・・」

 

セブンはそっと立ち上がって、どこかに行ってしまう。

 

キリト「今のうちに外せないのかよ!これっ!」

 

ガチャガチャと手錠を外そうとしていると、ぴきんっと音がして、鎖が切れた。

 

キリト「よしっ!逃げられる!」

 

俺はそっとベッドから立ち、服はないので、せめてタオルだけでもと思い、タオルを身に着け、部屋を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていた。

 

俺の後から声が聞こえる。

 

セブン「逃がさない。えへへ♡」

 

キリト「!?」

 

後から、俺の頭に何かがかぶせられたのだ。

 

がばっとかぶせられ、視界が暗くなる。

 

なにをかぶせられたんだ!?

 

セブン「スイッチオン♡」

 

キリト「え?」

 

ビビビ。電気の流れる音がヘルメットから聞こえてくる。

 

セブン「このときのために必死に作った、えへへ・・・♡。洗脳・・・装置♡」

 

キリト「うっ・・・あぁ・・・・なん・・・だ・・・これ・・・」

 

頭の中がかき回されるようだった。

 

なにか・・・おかしい・・・。

 

ああ・・・意識がもうろうとする・・・。

 

バタッ。

 

セブン「・・・ふふふ・・・ふふふふふふふふふふふふふふふふ♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司会「これから、急遽の連絡として、七色博士からあります!」

 

すると、ステージに上がってきたのは、セブンと、もう一人。

 

アスナ「・・・え?」

 

スグ「なんであそこにいるの?」

 

セブンがマイクを持つと、はなしはじめた。

 

セブン「急遽の連絡として、はなします。私、七色アルシャービーンは、付き合います!」

 

観客が沈黙する。

 

セブン「相手は、この方。桐ケ谷和人です」

 

アスナたちが眼を黒くする。

 

セブン「和人くんに、一言お願いします」

 

キリト「・・・」

 

なぜだろうか、キリトの眼に活気がないように見える。

 

キリト「この私、桐ケ谷和人は七色アルシャービーンと付き合い、永遠にあいしていきます」

 

セブン「ふふふ♡」

 

マイクを口から離すと、セブンがキリトの顔に近づくと、そこで唇が互いに触れた。

 

チュ。

 

セブン「キリト・・・愛してる♡」

 

キリト「俺も・・・愛してる」

 

 

 

 

 

 

 

 

BADEND3 天才七色博士

 

 

 

 

 

 




3人目、セブンのバッドエンドが終わりました。

もう・・・なんか危ないんだよねw
タグにR-18とか付けられないので、どこまでいけるか怖くてw

ギリギリですもんね、こういうエンドって・・・ね?

ssを書いているこっちでも、こういうシーンかくのはちょっと恥ずかしんですよね。なれていないので・・・。

楽しんでもらえたらよかったです。

感想、ばしばしお願いします!評価もお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

GOODEND3 セブン編 幼き少女

本編は下です


キリト「くっ、離せって!」

 

力ずくで手錠を解こうとするが、鈍い金属音を立てているだけで、全くとれない。

 

俺にまたがっているセブンの眼には光がない。このままだとまずいのだ。

 

キリト「なんでこんなことするんだ!」

 

セブン「え?わからないの?キリト。随分鈍いのね」

 

キリト「・・・」

 

セブン「私は今、レインとは仲良くない。それはなぜか。もちろんあなたが原因よ。奪い合いよ。全部ね。皆好きなのよ。あなたのことが。けどその行為は限界を達してる。拉致、睡眠薬、拘束、その他もろもろ。それほど皆キリトのことが好きってことよね。私もとても好き。好きじゃ表せないものなの。すごく、すごーーく好きなの。ほんとにね」

 

俺の胸に顔を乗せ、俺の体を触ってくる。

 

ゾワゾワと鳥肌が立つ。

 

セブン「もうそろそろ私も動かないと。キリトは私の旦那。ずっと、これから、そして、永遠に。ずっと離さない。愛してる♡えへへ」

 

キリト「俺は受け入れない!そんな、愛じゃないし、俺はアスナ「うるさい」

 

セブン「あの雌豚、もう危ないよ。もうキリトを壊そうとしてる。だから、私と一緒にくらそ?ね?結婚して、幸せの家庭を築いて、そして子供は何人ほしいかなぁ♡ずっと、永遠に幸せだね♡」

 

キリト「・・・」

 

顔を徐々に近づけてくると、俺の唇にはやわらかいなにかが当たるのがわかる。

 

キリト「!?」

 

 

セブン「んっ、ちゅ、ちゅ、ん、・・・えへへ♡」

 

キリト「・・・もう離してくれよ!」

 

セブン「なんで?まだそんなこと言うの?夫婦でしょ?」

 

キリト「違う!そんなんじゃないだろ!」

 

セブン「・・・墜ちないねぇ、キリト」

 

キリト「堕ちるわけなだろ・・・。もう・・」

 

セブン「まだ愛が足りない?」

 

キリト「へ?や、やめろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねっとりした空気で、つらかった。

 

キリト「・・・」

 

セブン「・・・えへへ♡どう?気持ちよかった?」

 

キリト「あ・・・あぁ・・・・あ・・・」

 

そんな、こんな子供に・・・なんで・・・。

 

裸になっているセブンと、服が破られてしまった俺。

 

もう、そのあとは散々だった。

 

キリト「いい加減に・・・」

 

 

セブン「ここまでして、まだ堕ちないのね。そう・・・」

 

セブンはそっと立ち上がって、どこかに行ってしまう。

 

キリト「今のうちに外せないのかよ!これっ!」

 

ガチャガチャと手錠を外そうとしていると、ぴきんっと音がして、鎖が切れた。

 

キリト「よしっ!逃げられる!」

 

俺はそっとベッドから立ち、服はないので、せめてタオルだけでもと思い、タオルを身に着け、部屋を後にする...しかし。

 

キリト「・・・このままセブンをほったらかしにしたら、いずれまた襲われる。どうにかしないと・・・」

 

セブンが出た扉を見る。

 

きっと帰ってくるだろう。その前に、逃げるのが命の安全(勝手にセブンを殺人者にしている)が確保できるだろうが、このままセブンが追ってきたら、そのときはもう俺は終わりだ。きっと洗脳や下手したら命まで奪われてしまう。

 

キリト「・・・」

 

俺はセブンを待った。

 

あの狂気になったセブンを落ち着かせ、元に戻すのだ。天才だが、()()()()()()()()()()()

 

 

キリト「・・・子供なんだ。頭脳は大人でもな」

 

どっかの眼鏡子供を思い浮かべてしまうが、まったくかんけいない。

 

きっとここはまだ会場のどこかだろう。アスナたちが心配しているはずだ。

 

すると、キィと扉がゆっくり開かれる。その奥にいるのはセブンだった。セブンは何か手に持っていた。それは鉄でできており、ヘルメットのようなものだった。様々な機械が施されたそのヘルメットは、きっと俺にかぶせるものだろう。それはなんだと俺はセブンに聞いた。

 

セブン「これはね、洗脳装置だよ。キリト君のためだけに作ったものなの」

 

キリト「・・・」

 

まさか天才七色博士はここまできていたのか。ついに人の脳までもを洗脳させる・・・。

 

キリト「セブン、そんなものつくっちゃだめだ」

 

セブン「どうしてよ」

 

キリト「だって、それは本当の俺じゃないからだ」

 

セブン「・・・」

 

キリト「洗脳によって変わって、洗脳によって好きになったキリト、洗脳によって付き合うキリト。けどそれは洗脳に過ぎないんだ。俺じゃないんだ、本当の俺じゃない。そこまでしてまで、俺と付き合いたいのか・・・」

 

セブン「そりゃそうよ!愛しているんだもん!ずっと・・・あの時から・・・」

 

キリト「・・・」

 

確か、セブンと出会った時はセブンが逃げているときにぶつかった時だったな。

 

あのときはただの子供かと思った。けど違った。ALOを大きく揺るがす、実験の発端者だったんだ。いつも大人ぶっていて、子供姿を見せない。我慢し、大人たちにふるまわれる。けどわかったんだ。レインと姉妹で、実際泣いてみりゃあ、ただの子供だったのだ。本当に、ただの・・・子供なんだよ。この子は。

 

キリト「・・・俺は、全力で抵抗させてもらう」

 

セブン「なんでよ・・・私だけのものになってよ・・・」

 

ぽろぽろと、目から輝く雫が頬を伝って落ちていく。

 

ほら・・・ただの子供なんだよ・・・。セブンは・・・。

 

 

キリト「・・・はぁ」

 

ガタンガタン・・・。

 

セブンが手から洗脳装置を力が抜けたように落とした。

鈍い音が、この部屋に広がる。

 

セブン「・・・アスナさんと一緒で・・・スグとは妹で・・・リズやシリカとかはSAO時代のお仲間・・・けど皆君のことが・・・キリトのことが好きなのよ・・・。そして・・・レインも・・・私も・・・」

 

キリト「・・・そっか」

 

俺は、傷つけてしまったんだ。セブンを。・・・そうだな、そうだったんだな。

 

セブン「うっ・・・ひっぐ・・・」

 

しかし、けどここで、セブンを抱いたら・・・さらに傷つけるだけじゃないか。

 

そうだ。

 

ポン・・・。

 

そっとセブンの頭に手を乗せる。

 

セブン「・・・」

 

セブンが俺を上目で見る。

 

 

キリト「・・・セブンの気持ちは嬉しい・・・本当にな。けどごめん。俺は、アスナが好きなんだ。セブンのことは好きだけど、それ以上にはなれないんだ」

 

セブン「・・・ふふ、そっか。そうだよね。・・・ありがと」

 

キリト「・・・こっちだって、こんなに愛してくれてありがとう」

 

部屋の中、頭を撫でる男と、撫でられる女の子。

 

部屋の照明が、少女の涙を輝かす。

 

大きく輝く色は、七色のようだった。

 

 

 

 

GOODEND3 幼き少女




セブンはゲームでしか見ていないので、わからないんですけどロストソングを一応やってたので、それにちなんだEDにしたんです☆

次回のEDキャラは誰にしようか迷ってはいます。けど、一応全キャラやる予定なんですけどね・・・( ;∀;)


感想、ばしばしお願いします!評価もお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

52話 キリトはパーティーから帰ってくる

トイレ行った後

本編は下です


キリト「ふぅすっきりした」

 

トイレから出た俺は、また会場へ足を運んでいた。

 

そういえば、この会場に来ていない仲間もいたな。クラインや、エギルさんとか。そういえば今思ったけど、クラインとエギルさんは何しているんだろうか。ダイシーカフェで何かしていたりするのだろうか。まぁ、俺には関係ないことなのかな。

 

 

 

 

 

クライン「胃が痛ぇ・・」

 

エギル「これは・・・胃が・・・胃薬いるな・・・あのキリトの野郎」

 

だんだん胃に穴があけられている哀れな二人。

 

 

 

 

うむ、まぁクラインとエギルのことは放っておくか。いずれまた会うことになるだろうしな。それよりも今はパーティーだ。楽しまないとな。アスナたちも待っているだろう。

 

コツコツと会場に着き、ステージを見る。何かセブンが話していたのだ。

 

それよりも、合流しないとな。

 

アスナ「あ、キリト君。今セブンが新しい未来へのイノベーションについて語っているのよ」

 

リズ「聞いているけど、やっぱり私たちじゃわからないのよねぇ。だって専門用語が多すぎるもの」

 

シリカ「そうですね・・・聞いていてもどう思えばいいか・・・」

 

シノン「全くわからないわ」

 

それもそうか。無理はないのだ。セブンは七色博士だ。頭がいいし、彼女の発想や機械の開発はすべて未来に貢献されている。それにそのどれもが大人と肩を並べられるようなものばかりだ。ラースに入っている俺ですら、かなり聞いてて難しい。時にわからない言葉もあるのだ。やはり天才はすごいと改めておもったのだ。

 

キリト「あはは、まぁセブンは俺たちの知らないところですごいことやってるから、わからないのも無理はないさ。まぁ、今は聞いとこうぜ」

 

セブンがあんなに立派に話すところはやはりすごいんだな。子供なのに、そう思えないのだ。ALOではかなりびっくりしたことあったけど、彼女も乗り越えてきたのだ。あの子も、今では仲間だ。

 

・・・もしかしたら、ALOに解き放ったアドミニストレータのことについてももしかしたらセブンに協力を頼むかもしれないな。

 

そうして、俺たちはこのパーティーを最後まで楽しんでいったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セブン「キリト君、送らなくて大丈夫?なんなら・・・」

 

キリト「だ、大丈夫だよ。電車で帰るからな。それじゃあ、今日は本当にありがとうな」

 

セブン「うん!じゃーねー!」

 

アスナ「さようなら!」

 

リズ「ありがとー!」

 

シリカ「またゲームで!」

 

スグ「バイバーイ」

 

シノン「またね」

 

皆とわかれ、俺はスグと一緒に埼玉県へ帰っていくのだ。かなり長いパーティーだが、退屈はさせられてないのだ。すごく楽しかったのだ。またあったら、必ず行こうとおもう。

 

キリト「スグ、楽しかったか?」

 

スグ「うん!初めてだったけど、楽しめたよ!」

 

キリト「そっか、よかったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ「ふー!帰ってきたぁ!」

 

キリト「はは、そんなに長旅なんてしてないだろ?」

 

家に帰ってきた俺たちは、体から力が一気に抜けたかのようにソファに座った。

 

キリト「まぁ、疲れたな。眠くなってきたぜ」

 

スグ「ここで寝ちゃだめだよー?」

 

疲れたら一気に睡魔が襲ってくる。また明日から・・・ラース本社へ・・・。

 

キリト「ふわぁあ・・・んー・・・、眠いなぁ・・・。スグ、俺はもう寝るぞ。明日また仕事だからな。スグも、寝ろよ?」

 

スグ「うん、そうするぅ・・・」

 

俺は階段を上がり、自室へ向かった。

 

自室へつくと、カーテンの間から光が漏れていた。夜なのに、なんだろうとカーテンを開けると、月光がすごかった。こんなにも綺麗に出るんだなぁと知った。

 

キリト「綺麗だなぁ・・・」

 

空を見て、部屋を見ると月光に照らされた家具たち。

 

・・・ん?・・・え?

 

キリト「・・・ん?」

 

俺は部屋を見ると、あの家具の間から月光に反射する家具を見つけたのだ。

 

反射する家具ってなんだろうか。

 

近づくと、そこにあったのはレンズのものだった。

 

キリト「・・・なんだ・・・これ・・・」

 

手に取ってみると、手のひらサイズに余裕で収まる小型のものだった。

 

これは・・・カメラ?

 

キリト「よく見ると小型カメラだな・・・」

 

小型カメラなんて設置した覚えがない。そもそも、なんで自室にカメラを置く必要があるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ「さーてと、今日も、ってぇえ!?」

 

私が驚いたのは、カメラを見ているキリト君だった。

 

もしかして・・・ついにバレた・・・?

 

この視点だと、キリト君が手の上にカメラを乗せているのがわかる。きっと気づいたのだろう。しかし、まずい・・・。

 

アスナ(ばれちゃったー・・・どうしよう・・・。けどキリト君・・・近い///)

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・だれかに監視・・・されていたのか・・・。そんな・・・嘘・・・」

 

小型カメラの内部を開き、バッテリーを抜く。

 

しかし、この部屋にカメラが一つだけだとは限らない。

 

俺はさらに部屋を探すことにした。

 

 

 

 

 

 

合計4つ・・・かな。

 

これ以上はもう見つけられなかった。もうこれでないだろう。

 

それにしても、誰が俺の部屋にカメラなど付けていたのだろうか。きっと、俺の知り合い・・・じゃないと監視する意味がないよな。赤の他人だったら別だが、可能性は低いだろう。

 

じゃあ誰なんだろうか。この部屋に監視する人なんて・・・いたかぁ?

 

そんな人、いないよな・・・。

 

うん、いないいない。皆優しくて、仲良くて・・・人の私生活を覗き見してまで人を付ける人なんて・・・いないよな・・・。

 

いない・・・。

 

いない・・・はず・・・。

 

・・・。

 

・・・。

 

まさか・・・。

 

キリト「・・・彼女たちが・・・こんな・・・ことを?」

 

したとは信じたくないが、今はそれ以外見当がつかない。

 

とりあえず、おそらくもうカメラはないだろう。

 

俺は明日のために、早く寝ていった。

 




また熱くなってきましたね。どうも(つд⊂)エーンです。

最近はこのssをずっと書き続けて、インフィニットストラトスと東方の方は全然書いていない・・・。

これはよくないと思っています・・・けど同時進行って案外難しいんですね。SAO原作者である「あの人」は、SAOとAWと両方書いていますよね。改めて、おみそれします。

文の構成技術もいいわけでもなく、このssが皆さんにとってどう見えているかはしりません。もしかしたら、中には「全然こんなの面白くねぇよ」と思って、1話みてスグにブラウザバックしたひもいるかもしれないですよね。

けど、まだ見てくださる方々がいるので、私は書き続けます。このssだけはどうしても完結させたいと思っています。なので、ぜひこれからもよろしくお願いします☆

もし、「このキャラ全然出てないよー」などと、意見ある人はぜひ言ってください。こっちもバランスよくssをかきたいと思っています。

コメントや評価も、待っています(*'▽')


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

☆53話 キリトは対応に困る

カメラ設置を気づいた

本編は下です


和人「じゃあ、また明日」

 

女社員「はい♪」

 

女社員と別れ、駅を降りた女社員。

俺はまだ先なので、電車の中で音楽を聴いていたのだ。

 

音楽は、YUNAの「Ubiquitous dB」をずっと聞いているのだ。

 

この曲はユナの代表曲だ。いつ聞いても飽きないのだ。彼女の歌声は、AIだとはいえすごいと思う。リズもシリカも好きだ。もちろん、俺もこの曲は好きだ。電車の中ではこれ聞けば時間がつぶせるのだ。

 

和人「・・・はぁ・・・アドミニストレータ・・・どうすっかなぁ・・」

 

そんなことをつぶやきながら家に帰ると、スグが玄関で立っていた。

 

スグ「おかえり、お兄ちゃん」

 

和人「あぁただいま。飯は俺だっけ?」

 

スグ「うんうん、私だよ。だからもうできてるよ」

 

和人「そっか」

 

家にあがると、スーツを脱ぎ、楽な家着に着替えてしまう。

とても疲れたけど、まだまだ問題の解決にはいたらない。

 

スグ「今日はもう寝ちゃうの?」

 

キリト「うーん」

 

今は9時過ぎ。ちょっとだけならログインできるかなぁ。

 

キリト「ちょっとだけ入ろうかな」

 

スグ「そう?まぁ寝不足はだめだよ?」

 

キリト「あぁ、わかってるさ」」

 

食べ終えると、食器を運ぶ。

 

そのあとは風呂に入り、歯磨きをすませてしまう。

 

さてと、ログインしようかな。

 

アミュスフィアを手に取り、頭に装着する。

 

キリト「リンクスタート」

 

俺の視界はゲームの世界が見える。

 

ログインすると、まだログインしている世界のみんながいたのだ。

 

キリト「・・・さてとログインしたはいいが、なにしようか」

 

周りを見ると、ここは空都ラインなので、いろんな人がいる。種族もバラバラで、皆仲良く楽しんでいるのだ。

 

キリト「・・・」

 

考えていると、突然後ろから声がかかる。

 

アルゴ「よーキー坊」

 

アルゴがいたのだ。情報屋で優秀なアルゴが。

 

キリト「やぁアルゴか。何しているんだ?」

 

アルゴ「いやぁ、情報をいち早く集めてるんだヨ」

 

キリト「さすが、情報屋アルゴだな」

 

アルゴ「ま、まぁそうだナ・・・。ちょっと疲れちゃってサ、そこのベンチ座らないカナ?」

 

キリト「あぁ、いいよ」

 

俺はアルゴと一緒に川沿いのベンチへ座った。夜空が輝く夜、俺の剣も夜空の様に輝いていた。

 

アルゴ「いやぁ悪いナ」

 

キリト「いいよ別に」

 

アルゴ「うーんと、それでナ・・・話があるんだが・・・」

 

キリト「ん?話?」

 

アルゴ「えーっとナ・・・前にアリスに邪魔されたんだけど・・・ある情報があってナ・・・」

 

キリト「情報?」

 

アルゴ「えっと・・・その・・・カ、カップルスポットっていうALOの・・・草原の高いところの夜空が綺麗に見れる・・・スポット・・・////」

 

アルゴが手をもじもじさせながらはなしている。俺は何事かと首をかしげてしまう。

 

 

【挿絵表示】

 

 

キリト「夜空が見える?そうか、綺麗な場所なんだな」

 

アルゴ「そ、そうなんだ!///だからその場所に・・・ふ、二人で///・・・その・・・いかないか?」

 

キリト「うん、いいぜ。俺も見てみたいからな」

 

アルゴ「ほ、ほんとうか!?じゃ、じゃあ今から・・・行けたり・・・するカ?///」

 

キリト「時間もあるし、いいよ」

 

アルゴ「じゃ、じゃあ・・・えっと・・・い、いこうヨ?」

 

キリト「あぁ」

 

俺とアルゴは一緒に立ち上がり、草原フィールドで羽を広げ飛んでいくのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「私たちもそろそろ動く?」

 

???「そうね」




短くてすみません!どうか挿絵でお慈悲を!

アルゴってツンデレにしてよかったかなぁ?一応感想でアルゴを出すということでアルゴを出しました。アルゴって絵で描くと難しいね!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編4話 少女たちの思いinダイシーカフェ (リーファ編)

シノンのあと

本編は下です


クライン「なーんでキリの字は俺の胃を破壊するようなことを毎回すんだよ・・・それに今回はかなーり愛重いし・・どう思うよエギル」

 

エギル「そうだな・・・おれとしては、彼女らがこうなったのには理由があると思っているんだが・・・どう思う?」

 

クライン「まぁ、そうだよな。急にあんなにはならないもんな、普通。ならどうしてなんるんだろうな・・・」

 

エギル「とりあえず、彼女らに聞くしかないな。とは言っても、俺たちは相談役というか聞く役というか・・・」

 

クライン「仕方ねぇだろうな、だって俺たちにはとめられないだろあの連中」

 

エギル「それもそうだな。聞いていくしかないな」

 

カランカラン・・・

 

エギル「誰か来たみたいだな」

 

リーファ(お兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこおお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこ兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこお兄ちゃんどこ)

 

クライン(なんかもう目がいっちゃってるぜ・・・)

 

エギル(とりあえず呼ぶか・・・)

 

クライン「お、おーい、リーファ・・・ちょっと一緒に俺たちの会話に付き合ってくれねぇか?」

 

リーファ「おにいちゃ・・・あ、クラインさん。あ、えっと、いいですよ」

 

コツコツとリーファがクラインたちに近づいてくる。目が漆黒から普通にもどった。

 

クライン「わりーな、リーファ。まぁ、ゆっくりしてってくれや」

 

リーファ「はい、それでどのような話で?」

 

エギル「ちょっと気になっていることがあってな。君たち、まぁ女たちは、キリトのことをどう思っているのか聞きたくてな。個人として聞かせてくれないかってことだ。まぁ個人の感想しか聞けないだろうけどな」

 

リーファ「お兄ちゃんのこと・・・?うーん・・・」

 

しばし考えてから、リーファは口を開き始めた。

 

リーファ「・・・SAOでお兄ちゃんが閉じ込められたときは、我を忘れて発狂しちゃいました。病院の中で寝ているお兄ちゃんが変なヘルメットのせいで縛られていて・・・かわいそうと思っていました。生きて帰ってきてほしい。そう願っていました。・・・まぁ、私はそうやって横たわっているお兄ちゃんに✕✕✕✕や〇〇やピーや(銃声音)など色々やってましたけど。それで・・・お兄ちゃんが帰ってきたときは嬉しかったです。本当に。いつ死ぬのかわからなかったから、生きて帰ってきて奇跡って思いました。そしたら・・・お兄ちゃんが仮想世界で彼女を作っているのを知った時・・・すごく鬱になりました。大好きなお兄ちゃんが奪われる・・・って思いました。ALOで世界樹に行きたいプレイヤーがお兄ちゃんだってことは意外と早く気づいていて、その時はお兄ちゃんと一緒にALOを楽しんでいました。けど、アスナさんを救ってしまったら・・・大好きなお兄ちゃんはアスナさんのところにいっちゃう。だからアスナさんを恨んでいます。お兄ちゃんが・・・お兄ちゃんが私のもとから消えてしまう・・・すごくいや・・・もう私のもとから消えないようにどうにかしないと・・・いっつもそんなこと考えています・・・」

 

クライン(ほんっと早口で言ってるしすげー活舌いいから聞こえちゃうのがまた胃が痛い)

 

エギル「そ、そうか。まぁ妹だしな。思う気持ちは人一倍か・・・。なんか頼むか?」

 

リーファ「じゃあ・・・このミオの実のケーキ一つ」

 

エギル「あ、あいよ」

 

注文した品を置いた。

 

リーファ「もぐもぐ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クライン「胃が!胃死ぬ!」

 

エギル「わからなくもねぇよ」




最近夜更かししないよう心掛けてはいるけどこの時点で夜更かししている(つд⊂)エーンです。

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

54話 キリトは仕掛けていってみる

アルゴと一緒にデートスポットへ向かう

本編は下です


キリト「ここは?」

 

アルゴ「まだ森だけど、この奥にいい場所があるんダ///」

 

キリト「へぇ」

 

草原フィールドではあるが、中でも全くと言っていいほど行かない方向へ俺たちは向かっていた。森の中に入ると、一応森の中でも道がしっかりできていたのだ。

そこを歩いていく。月光が葉と葉の間から差し込み、一層幻想的な絵になる。

 

小鳥も鳴かず、小さく蛍らしきものが飛ぶこの森の中を進んでいくと、一層開けた場所へと俺たちは出たのだ。

 

アルゴ「ついた・・・」

 

キリト「ここは・・・どこだ?」

 

アルゴ「ここはー・・・その・・・と、とにかく、オレっちのおすすめな場所だヨ!///」

 

キリト「そ、そうか」

 

視界には草原が円形に広がっており、周りには森の木々が囲っている。中心には色様々なお花と、綺麗な蛍が舞っていた。

 

そして、真上にはプラネタリウムのように広がる星空と、強く光る月があった。

 

キリト「いいところだな」

 

アルゴ「そ、そうダロ?とりあえず、あそこで座ろうヨ?」

 

キリト「ん?あぁ」

 

お花畑の上に俺たちはそっと座った。

並ぶ二人、月光が影を作る。

 

キリト「いい風だなぁ・・・それに、星空がすごいな」

 

アルゴ「そうダナー・・・」

 

キリト「こんないいとこを紹介してくれて、ありがとうな」

 

アルゴ「べ、別に・・・苦労したわけじゃないし・・・」

 

キリト「でも、嬉しいよ」

 

アルゴ「そ、そうカ・・・」

 

しばらく沈黙が続くと、アルゴが意を決したように放し始めた。

 

アルゴ「そ、そのな・・・ここは・・・有名な・・・デートスポットで・・・」

 

キリト「ん、ん?」

 

アルゴ「だから・・・ここに呼んだのは・・・オ・・・オレっちが・・・キー・・・キー坊のことが・・・」

 

キリト「・・・」

 

アルゴは、人差し指どうしをつんつんしながら、はなしていた。

 

アルゴ「キー坊のことが・・・ス、スキだから・・・

 

キリト「・・・」

 

俺だって、耳がわるいわけじゃない。

 

俺は、アルゴの出した言葉に、必死に考えた。

 

そう、考えたんだ。

 

考えた結果・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺だって、騙されないぞ!

 

き、きっと!

 

俺は、アルゴ以外の人たちにすごい怖いことをされ続けたんだ。ずっと命に危険を感じるようなことをされてきたんだ!家の中にある、俺の部屋にあるあのカメラだって、きっとあの人たちが仕掛けたものにちがいない!

 

だから俺は、未来を考える!

 

恐らく、この頼みごとに乗ってしまうと・・・

 

 

 

 

想像

 

キリト「俺も、好きだった!だから、付き合ってほしい」

 

アルゴ「・・・ほ、本当カ・・・?本当に?一生?」

 

キリト「あぁ!一生!ずっとアルゴと居たい!・・・よろしく頼む・・・」

 

アルゴ「そ、そうカ・・・ひひひ・・・そう・・・やっとオレっちの気持ちに気づいてくれたのカ・・・一生・・・そう・・・」

 

アルゴはあるポーションを取り出した。黄色のポーション・・・はっ!?これって・・・!?

 

アルゴ「ひひひ・・・ずっと一緒だヨ・・・」

 

パリンッ!!!

 

黄色の液がとびちり、完全に油断していた俺はもろに食らってしまうことになる・・・。

 

アルゴ「そこでじっとしててネ?オレっちが迎えに行くカラ・・・アンしンして?オレッちが全部・・・キー坊の世話ヲ・・・スルかラ・・・」

 

キリト(ま、まさか・・・この状態でログアウトできないようにして俺の家までくるのか!?)

 

アルゴ「アイシテルヨ・・・イッショウナ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

間違いない!こうなる!

 

なら・・・騙されないぞ・・・アルゴ!

 

君たちの言うやんでれ?がどれだけ怖いか教えてやる!

 

俺がやんでれ?を演じて、君たちがやっていることがどれだけ怖いか、教えてやる!

 

キリト「・・・」

 

俺は、意を決して・・・アルゴの正面に立つ。

 

アルゴ「キ、キー坊・・・?」

 

刹那。俺はアルゴの両肩を両手でつかみ、押し倒す。

 

アルゴ「ふぁあ!?///」

 

キリト(・・・やんでれ・・・ってなんだかよくわかんないけど・・・もうここまで来たなら仕方ない!)

 

キリト「ふ・・・そうか。やっと伝わったんだな・・・。じゃあ・・・これからは一生・・・俺のものってわけだな・・・」

 

アルゴ「あ・・・あ・・・えぇ!?///お、オレっちは・・・あぁ///その・・・」

 

キリト「目をそらすなよ。まさか、俺より好きな奴がいるなんていわせない。そんなやつは・・・」

 

アルゴ「ふぁ!?///・・・キ、キー坊///・・・オレッちは・・・はわわわ////」

 

だんだん顔が真っ赤へと変わるアルゴ。

 

キリト(慌ててる・・・ほら、怖いんだよな。やっぱり、けど俺はそれを毎日!)

 

アルゴ「オレッちは・・・キー坊のこと以外///」

 

キリト「俺のこと以外?当たり前だ。俺のことしか考えられないようにしてやる・・・。ずっと・・・」

 

アルゴ「あっ///あっ・・・ふぁぁぁあ///」

 

ぷしゅー・・・

 

アルゴ・・・ノックアウト・・・。

 

キリト「・・・気絶しちゃったか・・・ほら、怖いっていうのがわかったんだろ・・・はぁ・・・」

 

俺はそっと立ち上がり、アルゴをみる。

 

顔真っ赤で、気絶しちゃっていた。

 

キリト「・・・そろそろ戻るか・・・」

 

俺はログアウトボタンを押し、現実へと帰るのだった。

 

キリト(にしても俺・・・あんな黒歴史を俺はずっとわすれられないだろう・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロニエ「・・・キリト先輩・・・アルゴさんのことを・・・?ふ、ふふふふふふふ・・・そっか・・・、邪魔が増えましたね・・・」

 

ティーゼ「・・・アルゴさんかぁ・・・どうしようかなぁ・・・ふふ・・・ふふふふふ」




ど、どうも・・・(つд⊂)エーンです・・・。

アルゴの反応、キリトのヤンデレ・・・書いてるこっちからしてすげー恥ずかしかったですw。なんで作者が恥ずかしがってんだよって思いますよねw。

まぁ・・・思い切って書いたようなものなんで、あたたかーい目でお願いします・・・ね?

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

55話 キリトは働く働く

キリトが演技してアルゴをKOした

本編は下です


和人「あっつぃ・・・」

 

今日はいつも以上に太陽が元気であり、その熱を俺の黒いスーツが吸っていた。黒いものに熱は集まりやすいのだから、もう汗だくである。そういえば、アドミニストレータは今頃ALOで暴れているのだろうか、それとも力を蓄えたり、なんかシステムの裏とかついているのだろうか。全くの謎であった。

 

和人「・・・とりあえず、なんとかしないと・・・」

 

恐らく、やばいことになるのは目に見えている。などと考えていながらラース本社に入り、エレベーターでオフィスへと向かっていた。

 

女社員「あ、おはようございます!」

 

和人「あぁ、おはよう」

 

俺はこっそり思っていることなのだが、こうやって普通に笑顔で接して一緒に頑張る女の方が最近好みになってきている。いや、別にアスナたちのことが嫌いではないのだが、想いが重くてもうつらくなってきている。辛うじてこうやって生きているのが奇跡だと思える。

 

和人(・・・女社員・・・殺されないと信じたい・・・)

 

って、俺は何を言ってるんだ。彼女らが殺人に手を染めるなんて思えない・・・から大丈夫・・・だと信じ・・・ることもできないかも。今の彼女らはもう手段選ばないから怖い・・。

 

和人「と、とりあえず仕事するか」

 

女社員「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「もう彼女がいる階はわかった。彼女のデスクも。あとはどのビルから狙うか・・・。そうね、あのビルにでもしようかしら・・・」

 

私はまだ殺人には手を染めはしない。ただ、彼女がもし思っている以上のことをすれば私は躊躇なく彼女を射撃する。

 

私のこの銃、へカートⅡにかけて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「・・・」

 

アドミニストレータを消す方法だが、おそらくカーディナル・システムの中に潜り込めるユイでも、その中にあるアドミニストレータのデータを見つけるのは至難の業だろう。たとえ成功しても、消す方法がない。つまり、消すのはなく、封印という形をとるしかない。しかし、あのでかいデータを封じ込めるメモリ・・・とてもじゃないができる気がしない。

 

封印とは別に、倒す手もあるが俺たちがアドミニストレータに立ち向かうとなると必ず返り討ちになる気がする。グランド・クエストなどと言ってアドミニストレータを倒そう作戦とか立てない限り、俺たちで倒すのは無理な気がする。

 

和人「倒せるのか・・・」

 

アドミニストレータを放っておいたら、おぞましい権力を手に入れるだろう。下手したら・・・カーディナルみたいな・・・、アドミニストレータに体を剣に変えられた彼らのような道をたどる可能性もひくくないのだ。

 

和人「俺が止めないと、いけないんだ」

 

比嘉「なに深く考えているんスか」

 

どしっと俺の首に腕をかけてきたのは、比嘉さんだった。

 

和人「比嘉さん・・・」

 

比嘉「そんなに深く考えて、アンダーワールドで起こった精神破壊状態のようなことが起きたらどうするんスか」

 

和人「あ、あんなことになったのはすごくショックで・・・」

 

比嘉「大丈夫っス。わかってるっスよ。アドミニストレータをあの有名なVRゲーム、アルヴヘイム・オンラインに生きて放っちゃったんスよね」

 

和人「・・・その通りです。一体どうしたら!!」

 

比嘉「俺も、できる限りのことは強力するっス。封印とか消したりとかすればいいんスよね?」

 

和人「そんな簡単には・・・」

 

比嘉「もちろん、簡単じゃないっスよ。けどまぁ、今のキリト君の実力を見て、できる気がするんスよね」

 

和人「どうでしょうか・・・」

 

比嘉「言ったっスよね?協力するって。メモリやら消去法やらは俺が調べたり作ったりするのに協力するっス。これはキリト君だけの問題じゃないんスよ。ここにいるラースの社員全員の問題なんス。アドミニストレータはとても大きい存在っス。全員で取り組んで、アドミニストレータを封印するメモリをつくるっス」

 

和人「・・・はい。わかりました。自分も、全力を尽くします」

 

アドミニストレータを必ず倒す。俺はそう決意した。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

56話 キリトは夢でも怖い

アドミをどうするか考える

本編は下です


和人「じゃあまた」

 

女社員「はい、お疲れ様です」

 

駅で別れて、俺はそのまま電車に乗っていく。少々警戒心もゆるく、俺はイヤフォンを耳に当て音楽を流した。

 

和人「何聞こうかな・・・」

 

特に音楽はあまり入れていないので、Ubiquitous dBでも聞こうか。ユナの曲だ。

 

和人「・・・」

 

駅につくと、ある女性が改札のところに立っていた。知り合いなので、目が行くのも無理はない。

 

和人「詩乃・・・どうしてここにいるんだ」

 

詩乃「いえ、最近あなたの仕事が気になってね」

 

和人「理由にはなっていないだろ」

 

詩乃「まぁいいじゃない。それより、仕事で部下を持っているわよね?」

 

和人「あぁ、そうだけどなんで知っているんだ?」

 

詩乃「いつも見ているからね」

 

和人「・・・」

 

詩乃「まぁ、別にいいけど」

 

和人「用は一体・・・」

 

詩乃「あぁ、そうよね。和人君ってALOにアドミニストレータを放ったのよね?」

 

和人「あぁ、俺のミスで・・・」

 

詩乃「もし封印に失敗したらどうするの?」

 

和人「あ・・・えっと、彼女を倒すしかない・・・。悲しいけど、あのまま権力の強い彼女を放っておいたら、ALOはまずいことになるから」

 

詩乃「やっぱり、倒すしかないわよね」

 

和人「あぁ。けど強い、俺たちだけで倒せるかどうかさえ怪しい。俺だって、彼女に整合騎士にされた経験があるからな」

 

詩乃「大丈夫よ。倒すことになったら、彼女たちは全身全霊をもって倒しにかかるから」

 

和人「ど、どうして」

 

詩乃「だってあなたを奪おうとしたからね。もう怒りがやばいでしょうに」

 

和人「そ、そういうこと・・・」

 

詩乃「もちろん私も、太陽神ソルスの力はないけど痛めつけたいし」

 

和人「そ、そう・・・。倒すことになったらよろしく・・・」

 

詩乃「ええ。そうね」

 

和人(彼女たちが本気出したらアドミニストレータがどうなるかわかったもんじゃないな・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「ただいま」

 

スグ「おかえり、お兄ちゃん」

 

和人「あぁ、今日は飯はスグだったよな」

 

スグ「うん。もうすぐできるから着替えて待ってて」

 

和人「あぁ」

 

部屋に向かい、スーツを脱いで私服に着替える。

スグもそろそろ仕事が見つかったらしい。なんとも、俺と近い仕事だとかなんだとか

。まぁ大人にもなるし、仕方ないんだろうな。

 

和人「おいしそうだな」

 

スグ「うん、食べて食べて」

 

食事を食べているとスグから話を振られた。

 

スグ「お兄ちゃん、仕事でいま何やっているの?」

 

和人「あぁ、アドミニストレータのことについて会議してどうするか考えている。まぁ発端はおれだし、皆協力してくれるし」

 

スグ「そ、それ仕事・・・?」

 

和人「な!し、仕事だよ!大事のな・・・」

 

スグ「そう。まぁALOにあんな美人(クソ野郎)が来たわけだし、けどお兄ちゃんを堕とそうとしたし・・・」

 

和人「まぁいつか頑張ってどうにかするさ。さ、食べようぜ」

 

手が止まっていたので、再び手を動かし食事を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「ふぁあ~眠い・・・」

 

もう11時である。明日も仕事あるし、もう眠いし。

風呂とか歯磨きかもう終わったわけだし、あとは寝るだけである。

確かにALOにログインすることもできるが、もう眠くてそんなことしたら寝落ちログアウトすることになる。

 

和人「寝るか・・・」

 

布団に倒れこみ、毛布をかぶって光を落とした。

やることは色々ある。けど別に慌てる必要はない。一つずつ確実に終わらせていこう。俺は目を瞑り、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・ここは・・・」

 

見慣れない黒い空間。ここは一体どこだろうか。

 

キリト「・・・うーん」

 

???「ねぇ、キリト。私、大好きだよ」

 

キリト「え?」

 

誰の声だろう。聞いたことある。

 

???「覚えているよね、私のこと」

 

キリト「え・・・」

 

ギュ・・・

 

???「ハァ・・・ハァ・・・・ほんもののキリト・・・。久しぶりだよ・・・」

 

キリト「だ・・・だれだ・・・」

 

後から抱き着かれた。しかし、いったい誰だろうか。

 

???「大好きだよ、キリト。またこうやって会えるなんて嬉しいよぉ・・・」

 

聞いたことある声だ。この声はたしか、SAOで・・・。

 

???「もう離さない・・・。このまま二人で、どこまでも一緒にとろけて堕ちよう?もうあんしんして・・・このまま私のことだけ意識して・・・」

 

キリト「あ・・・あ・・・」

 

???「ねぇ・・・キリト?」

 

キリト「お前は・・・」

 

俺は震えながら振り返った。そこにいたのは青髪の短髪少女。

スピアを使う。

あの時死んだ・・・。

 

キリト「サ・・・サチ・・・」

 

サチ「やっと思い出してくれたんだね。キリト君。もう、離れないで・・・」

 

キリト「ダメだ・・・放してくれ・・・」

 

サチ「逃がさない・・・このままずっと・・・」

 

キリト「だめだ・・・だめだだめだ・・・」

 

サチ「キリトぉ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

和人「はぁあぁあ!?」

 

毛布を思い切り飛ばし、起き上がった俺の体は、汗でびしょびしょだ。

 

和人「あ・・・あ・・・」

 

あの夢は・・・夢?

 

和人「夢か・・・はぁ・・・」

 

サチが夢の中で俺に語り掛けてくるなんて・・・もう・・・。

 

和人「なんて夢だ・・・」

 

スグ「お、お兄ちゃん・・・?」

 

ゆっくりドアを開けて入ってくるスグ。とても心配してた顔だ。

 

スグ「大丈夫?大声出してたけど・・・」

 

和人「あ。あぁ・・・ははは・・・。大丈夫、ちょっと変な夢見ててさ」

 

スグ「そう・・・って、汗まみれじゃん・・・、タオル持ってくるから待ってて」

 

和人「ありがとう・・・」

 

顔に手をあて、意識をしっかり取り戻す。本当に夢でよかった。もしこれが正夢になったら俺はもうきっと、奈落の底に落ちていただろう。

 

和人「・・・もう、早く起きるか」

 

布団から立ち、スグを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特になにもなかった金曜日の夜。

あの夢も見なかった、詩乃にも会わなかった、ALOにもログインしてなかった。

最近はずっと仕事で疲れてもう眠かったのだ。ただ明日から土日。明日からならログインできるだろう。

 

女社員「一週間お疲れ様です。じゃあまた月曜日」

 

和人「あぁ」

 

別れて、俺は家に帰った。

 

スグ「おかえり。もう眠そうじゃん」

 

和人「疲れているんだよ。はぁ。今日は俺が飯だっけ」

 

スグ「いいよ、私が作る。お兄ちゃんは休んでて」

 

和人「ありがとうな・・・」

 

スグももうすぐ働き始める。どちらも忙しくなるだろう。いつか親が帰ってくる。その時まで二人で頑張るんだ。

 

スグと飯を食べているとき、スグから質問された。

 

スグ「今日はインするの?」

 

和人「そうだな。せっかくの金曜日の夜、インしてみようかな。ここ最近インしていなかったわけだし」

 

スグ「そう、じゃあ私もしてみようかな」

 

和人「わかった」

 

食べ終え、部屋へ戻りアミュスフィアを手に取る。

 

和人「リンクスタート」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「ふぅ・・・」

 

久しぶりのALOだ。また楽しめる・・・ん?

なんか目線が低い・・・?ていうかなんだ、この手。

小さい・・・どうして・・・。

 

キリト「・・・え」

 

急いで、鏡がある自室へ戻り自分のアバターを確認する。

すると・・・。

 

キリト「な・・・ななな・・・」

 

体が・・・。

 

キリト「なんじゃこりゃあああああああ!?」

 

俺の体が、縮んでいた・・・。

 

 




久しぶりです。(つд⊂)エーンです。最近は東方の方に投稿ばっかしていて、ISもこっちも全然投稿できていませんでした。すみません。

最近はギターをよく弾くので、SAOのCatch the momentとかよく弾きますね。

次回 キリトは小さくなった

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いいたします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

57話 キリトは小さくなった

キリトがショタ化した

本編は下です


キリト「・・・服も縮んでいる。武器はそのままだから持ちにくい・・・」

 

手も体も小さくなり、外見は小1から3くらいだ。

武器は仕方なく持っている短剣に切り替え、どうしてこうなったのか考える。

 

一つは何かのバグ。このような現象が起きたのならば、運営の方に連絡を入れるのが筋だ。

一つはクエスト関連。このような姿のまま、何かクエストをこなしたら元に戻る。

一つは・・・考えにくいが、アドミニストレータによる権限執行。システムコールにて俺を遊び半分でこのような姿に変えた可能性。

 

キリト「どうしようかな・・・」

 

とりあえず、一人ではなにも解決できない。誰か相談できる人がいれば・・・。

指でウィンドウを動かし、ログインメンバーを確認する。もうこの時間だから寝ている奴もいるが、できればあまり彼女たちとは相談したくはない。したらしたで恐ろしいことが起きそうだし・・・。

そう考えていると、ある一人の名前に目が行った。

 

キリト「そうか、ユージオはずっとインしているわけだから彼に相談すればいいんだ」

 

早速俺はユージオのいる元へ向かった。

 

キリト「おーい」

 

ユージオ「・・・」

 

キリト「え?お、おーい!」

 

ユージオ「ん?僕のことかい?」

 

キリト「簿、僕のことかいって...俺だよ!」

 

ユージオ「ん?誰かなぼく?」

 

キリト「ぼくじゃない!俺はキリトだ!」

 

ユージオ「え?あ、あぁ。なるほど、かっこいいお兄さんの物まねしてたんだね。うんうん、似ていると思うよ」

 

キリト「似ているじゃない!本人!ほ・ん・に・ん!」

 

ユージオ「あはは、全く、かわいいね」

 

キリト「ぐ、俺はキリトだ!ちっちゃくなったんだよ!」

 

ユージオ「そっかぁ。うんうん、それでどうしたんだい?」

 

キリト「し、信じてないだろ・・・。うーん」

 

しばらく考え、俺は話す。

 

キリト「俺とユージオは、セントラル・カセドラルに向かってアリスを救った!」

 

ユージオ「え?僕の名前知っているのかい?というか、アリスのことも・・・」

 

キリト「そこで、アリスを救った!ユージオも救った!」

 

ユージオ「・・・」

 

キリト「どうだ!ユージオ!俺だ!キリトだ!」

 

ユージオ「君の持つ、黒い剣の名前は?」

 

キリト「・・・夜空の剣。君が、命名してくれた。俺の大切な剣だ」

 

ユージオ「あはは、どうやら本物らしいね。それで・・・どうしたんだい?その姿」

 

キリト「わからないんだ。ここに来たら、いきなり小さくなっていたんだ」

 

ユージオ「うーん、それじゃわからないね。何かのクエストかい?」

 

キリト「あぁ、それの可能性もあるな。けど、何のクエストかまだ表示されてない。もしかしたら、エクストラクエストの中の類かも」

 

ユージオ「そこらへんに詳しいのは、やっぱり情報屋のアルゴさんじゃないかな」

 

キリト「そう・・・か。そうだな。よし、じゃあアルゴのところにいってくる」

 

ユージオ「うん、何か困ったことあったら言ってね」

 

キリト「あぁ、そのときは頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「えっと・・・どこに・・・い、いた!」

 

アルゴ「うーん」

 

キリト「アルゴ!」

 

アルゴ「うん?君・・・誰だい?」

 

キリト「あ・・・はぁ。俺はキリトだ!」

 

アルゴ「え?キー坊?まさカ、こんなちびっこなわけ・・・」

 

キリト「それが本当なんだ!アルゴ!俺だ!」

 

アルゴ「まさか何かの真似事カナ?なら面白いナ」

 

キリト「違う!キリトだ!うーんと・・・そう!SAO時代、クリスマスイベントで俺は蘇生アイテムのクエストをお前に聞いた!・・・まぁ、その後は救えなかったけど・・・」

 

アルゴ「あ・・・知っている・・。いや、キー坊・・・なんだナ」

 

キリト「あぁ、俺だ。アルゴ、聞きたいことがある。俺がこんな小さくなった原因。なにかしらないか?」

 

アルゴ「聞いたことないナ・・・うーん」

 

キリト「やっぱりそうか・・・」

 

アルゴ「にしても・・・」

 

ちらっとアルゴは俺の方をみる。すると俺と目線を同じくらいにしゃがみ、じっと見てくる。

 

アルゴ「この姿・・・キ、キー坊なんだナ・・・」

 

キリト「お、おう・・・」

 

アルゴ「か、かわいい・・・ふふっ///。ほっぺとかぷにぷにしているじゃないカ」

 

キリト「さ、触るな」

 

アルゴ「小さくなったキー坊・・・かわいいナー!この姿のままでもオレッちはいいとおもうけどナ///」

 

キリト「い、いや・・・あのな。俺は一刻も早く戻したいんだ、武器も使えないし、ステータスはそのままだけど・・・」

 

アルゴ「ちっこいナ~!かわいいかわいい!このままでいてくれヨ~!///」

 

キリト「だ、抱き着くな!ほら!早くアルゴは聞き込みとかして調べてくれよ!」

 

アルゴ「全くぅ・・・このままでもいいのにナ~」

 

キリト「はぁ・・・」

 

アルゴ「わかっタわかッタ。じゃ少し待っててくれヨ。調べてみるからキー坊も少しは原因さがしてくれヨ?」

 

キリト「あぁ・・・」

 

アルゴ「ちなみに最近かわったことはあるカ?」

 

キリト「特に・・・ログインしたらこの姿になっていたから・・・」

 

アルゴ「なるほど・・・わかっタ。何かのクエスト関連かもしれないし、色んな角度から調べてみるヨ。じゃあまた明日、ショタキー坊♪」

 

キリト「んぐ・・・変な呼び方するなよ・・・」

 

ちゃんと俺は元の姿に戻れるのか、改めて心配になった。

 




短かったらすみません。エーンです。アルゴさんの口調ってとっても難しくていっつも苦戦します。けど面白いです。
ショタ化したキリトをみんなで応援してあげてください。

次回 キリトはちやほやされる











幻想郷で旅立つ黒の剣士 予告


俺はいつものようにアスナたちとSA:Oを楽しんでいた。
しかし、その日常はある一人の女性によって崩された。

紫「あなたに頼みたいことがあるの」

俺は、忘れ去られたものたちが集う世界、〈幻想郷〉に迷い込んだ。

キリト「ここが・・・」

全く違う世界に来た俺は、その世界で個性あふれる人たちに会うことになる。

アリス「なるほどね・・・ならまずは博麗神社に行くべきだと思うわ」

魔理沙「キリト!私と戦おうぜ!」

霊夢「あれが・・・剣技・・・?」

そして、幻想郷は幾度もなく異変に包まれる。

妖夢「甘く見すぎていましたね、私も本気を出します」

レミリア「あなたを倒せば!」

永琳「消え去りなさい。この世界から」

キリト「何っ!?」

そして、敵は強大な力を持つ者ばかりだった。

萃香「面白いねぇ、私も混ぜてもらおうかな!!!!」

幽香「ふふふ、あなた、面白いわね」

映姫「罪を問うまでもありません」

神奈子「私に勝とうとしているのかねぇ?」

キリト「あぁ、そうだ!」

マミゾウ「何かお困りかい?」

雷鼓「全く、リズムに乗ってないねぇ」

宇佐見「超能力を見てみたいですか?」

そして俺は、この世界で剣を振るう。

アスナ「キリト君・・・いつもどうして・・・!」

クライン「キリの字・・・アイツ・・・」

リーファ「お兄ちゃん・・・」

そして俺は、何度も剣を手に取る。

藍「どうか、紫様を救ってほしい」

キリト「俺は・・・俺はッ!」

グサッ・・・。

キリト「こんなところで・・・負けるわけにはッ・・・」

そして、異変はキリトをさらに苦しめる。

魔理沙「キリトーーーーー!」

霊夢「止まらないで!行って!」

勇儀「ここは任せな!」

藍「進め!!!!」

そして英雄は、進み続ける。

???「クックっク・・・」

キリト「お前を倒す!そしてこの幻想郷を救う!」

誰も予想できない物語。

キリト「うぉおおおおおおおおお!!!!!!」

幻想郷で旅立つ黒の剣士

投稿中














予告みてくれてありがと・・・恥ずかしい!

評価・・・感想・・・よかったらしていってネ・・・・(/ω\)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

58話 キリトはちやほやされる

アルゴが協力してくれる

本編は下です


キリト「さてと・・・こんな姿になったけど・・・」

 

改めて自分の姿を見る。やはり大きくはならないようだ。

 

キリト「どうしようかなぁ」

 

ストレア「うん・・・あれかなぁ・・・」

 

後から知り合いの女性の声、ストレアの声が聞こえてくる。

恐らく、Kiritoとしてちゃんとログインしているため、俺の居場所はマップにFriendででているのだろう。

しかしこの姿のため、ストレアも俺が本当にキリトなのか疑っているのだ。

このまま絡まれるのも厄介だし、どうにか移動「ねぇねぇ君?」・・・はできないようだ。

 

キリト「・・・はい」

 

ストレア「君・・・キリト?」

 

キリト「・・・」

 

俺は嘘が下手である。

 

ストレア「うーん、顔つきといい髪といいその癖といい。うん、間違いない!キリトだぁ!」

 

そういうとストレアは真正面から俺に抱き着いてきた。

 

キリト「--!--!」

 

ストレア「どうしたのキリト?その姿。すっごくカワイイよ!もう~!おっもちかえりぃ~!」

 

キリト「---!(そのセリフは別の奴のものだろ…!)」

 

ストレア「も~こうやってすぐ胸に埋まっちゃうね♡」

 

キリト「あぁのな!苦しい・・・」

 

ストレア「え?聞こえなーい♡」

 

キリト「くるじぃ・・・」

 

ぶはぁ・・・

 

キリト「はぁはぁ・・・」

 

ストレア「どうしたのその姿?ショタ化しているけど」

 

キリト「なんかこうなっていたんだよ。どうしてなのか、今調べている」

 

ストレア「そう・・・。じゃ~あ~・・・それまで私の家で安全確保・・・する?」

 

キリト「あ、安全確保?どうして・・・」

 

ストレア「だってカワイイし~!連れてかれちゃうかもしれないじゃない?」

 

キリト「いや、今ストレアの行為そのものじゃないか?」

 

ストレア「そんなことないよぉ~」

 

キリト「・・・」

 

どうしよ・・・。

 

「キリト~!」

 

キリト「ん?」

 

リズ「あ、やっぱりキリトなのね?」

 

キリト「リズ・・・どうした?」

 

リズ「いや、普通に会いにきたんだけど・・・どうしちゃったのその姿・・・」

 

キリト「いや・・・小っちゃくなってた・・・」

 

リズ「へぇ・・・小3くらいね。にしてもちっさいねぇ・・・。かわいいじゃない」

 

キリト「あのな・・・」

 

リズ「もうこれは虐めたくなるわねぇ・・・」

 

キリト「・・・・・・・・・・え?」

 

リズ「ふふふふふ・・・」

 

ストレア「リズ?キリトから離れてくれない?」

 

リズ「あ、いたんだ。けど離れないわ。彼は私だけのものだし。まぁ今はこの子・・・かもしれないわね」

 

ストレア「この子は私が家に持ち帰ってかわいがるの!」

 

リズ「そんなことさせないわよ。こんなレアなキリトをみのがすわけないじゃない。ねぇ?」

 

キリト「いや、振られても困る」

 

ストレア「全く・・・引かないならデュエルでもする?」シャキン

 

リズ「いいわよ、そっちがその気なら、こっちもそうするわ」シャキン

 

キリト「お、おいおい!俺めぐって争うなよ!というか武器をだすな!」

 

ストレア「安心してキリト。すぐにこの雌豚を鎮めるから」

 

リズ「それはこっちのセリフよ」

 

キリト「見て・・・られないよ・・・」

 

俺はそこからこっそりと去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・はぁ」

 

この姿から戻るやり方を知りたい。あんなのが続くとこっちも怖い。

 

シリカ「うん?キリトさん?」

 

キリト「え?」

 

シリカ「やっぱり、キリトさんですよね?」

 

キリト「あ、あぁ・・・」

 

シリカ「どうしちゃったんですか!?その姿」

 

キリト「わからない・・・。こうなっていたんだよ」

 

シリカ「そうなんですね・・・ぷにぷに・・・」

 

キリト「ん・・・なんで頬をつつくんだよ・・」

 

シリカ「だってかわいいんですもん!」

 

キリト「・・・」

 

シリカ「いやぁこんなキリトさんもいいですね!もうこの姿かわいすぎですよ!」

 

キリト「は、はぁ」

 

シリカ「これは・・・もう私のものにするしかない・・・」

 

キリト「え・・」

 

シリカ「ちょっと待っててくださいね、いいものだしますから」

 

キリト「は・・・」

 

シリカ「えっとぉ・・・これこれ!このポーション!」

 

てってれ~

 

キリト「いやそれどう見ても痺れ薬だよね!?」

 

シリカ「はい♡これで痺れてもらって、すぐ私のホームに・・・」

 

キリト「いやいやいや・・・」

 

シリカ「そして・・・小さくなったキリトさんに〇〇〇〇✕✕✕✕をして・・・えへへへへ」

 

キリト「・・・」

 

シリカ「そぉのままにしていてくださぁいねぇ・・・じっとしていて・・・」

 

キリト(ここ圏内じゃないからまじでやばい・・・)

 

シリカ「うふふふ・・・」

 

キリト「・・・」

 

シリカ「えいっ!」

 

シリカが思い切り俺に痺れ薬を投げて着る。

 

キリト「くっ!」

 

俺は・・・!

 




最近疲れ感じて眠くなることがおおい(つд⊂)エーンです。
自分そろそろ絵を変えようかなと思いまして、こちらに出ている絵を見てください。

【挿絵表示】

こちらはクラシックです。

【挿絵表示】

こちらはモダンです。

モダンは改めて書いたものです。
皆さんはクラシックとモダン、どちらがいいですか?多かった方をこれから挿絵に採用します。どうかこれからのためご協力お願いします。感想にお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

59話 キリトはもう戻りたい

シリカに襲われそう

本編は下です


黄色の液体が俺の前に降りかかる。

咄嗟に逃げようと考えたが、そんなこともできず俺は正面から黄色の液体に触れてしまった。

しかし。

 

キリト「あ・・・あれ?」

 

シリカ「な、なんで痺れないの?」

 

アクセサリー「ショタは守る」

 

あの影が薄かったアクセサリー。痺れ耐性大がここで大きな仕事をしてくれたのだ。

 

キリト「あぶなかった・・・」

 

シリカ「くっ!なら・・・!」

 

シリカは剣を抜き、俺に高速で向かってきたのだ。

 

キリト「!?」

 

シリカ「はあああ!」

 

キンッ!

 

俺も咄嗟に短剣を抜き放ち、抵抗を見せる。

まさかここで実力行使に出るとは思わなった。だが俺はシリカに負けるほど弱くはない。

 

キンッ!

 

シリカ「うっ!やっぱりキリトさんは強いですね・・・」

 

キリト「たとえ小さくなっても実力はあるからな・・・」

 

そして俺はアイテムポーチから結晶を取り出した。かなり高い代物、「転移結晶」である。

 

シリカ「あっ!どこに!」

 

俺は転移結晶の青い光に包まれながらシリカの前から消えていった。

 

シリカ「・・・もうそろそろ手段を選ばずにやっていこうかな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・はぁ」

 

こんなことが頻繁に起こったら疲れるどころじゃない。呆れて溜息した俺は、この原因について考えていた。

クエストによるものならば、俺は迷わずユージオに頼むだろう。まぁあとアルゴにも。

 

キリト「どうしようかな・・・」

 

普通にこの世界で遊びたいし、やっぱりユージオと居たほうがいいのかな。

 

そうやって悩んでいると、突如上からなにかが覆い被さる。

 

キリト「!?」

 

???「ふふふ」

 

キリト「なんだこれ!?誰だこの袋を被せたのは!」

 

???「落ち着いてください。もう大丈夫です」

 

キリト「な、何!?」

 

俺は担がれると、袋に入ったままどっかに移動されていく。

 

しばらく移動していると、動きが止まった。ここまでむっちゃ揺らされていたのでもう吐き気がやばいのだ。ゆっくり俺がおかれると、上の塞ぎ目が開かれ小さく光が見えた。出るとそこはどこかの家だった。恐らく誘拐されたのだろう。当たり前のように言っているが。

 

アリス「すみません。手荒くしてしまい」

 

キリト「いや、それよりも勝手につれてきたことに関して謝意はないのか?」

 

アリス「もう慣れているかと思いました」

 

キリト「否定はしないけど‥‥」

 

アリス「それにしても、なんと可愛らしい」

 

キリト「は、はぁ」

 

アリス「昔のキリトってこんな感じなんでしょうか」

 

キリト「まぁ似てるかな‥‥」

 

アリス「ほっぺもふっくらして、目も輝いていますね。これはもう誰にも渡せませんね」

 

キリト「いや、怖いことをさらっと言わないでくれよ…」

 

アリス「ふふ、冗談じゃありませんよ」

 

キリト「冗談じゃないのか!?」

 

アリス「ええ。じゃあ逃げないために」

 

キリト「何する気だ…」

 

アリス「もちろん、拘束です♥️」

 

キリト「え」

 

アリス「では動かないでください」

 

すごい笑顔で縄を持っている。

もうこれまでにない欲が醸し出ている。

 

キリト「…」

 

もう早くもどりたい。アルゴ頼む…。




すみません。ここのところテストで書けません…。待ってくださる方々の期待答えたいですけど、どうかお許しください(._.)

頑張りますね(・・;)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

60話 キリトはどうしたらいいんだろう

お待たせしました、(つд⊂)エーンです!結構長い間投稿できなくてすみませんでした!それでは、これからもよろしくお願いします!

本編は下です


現在、まだこの世界では日が出ている。そのため窓からの日差しがまぶしい。手と足が縛られている俺は、体の自由が利かないととても恐怖に包まれる。慣れているが、やっていいとは言ってないからね。

 

キリト「それで・・・俺はいつまでここにいればいいんだ?」

 

恐る恐る奥に居るアリスに聞くと、アリスはふっと笑いながら近づいてきたのだ。手をベッドに置き、俺と目を合わせながら語り始めた。目は黒く染まっているが。

 

アリス「もちろん、いつまでも。それに、キリトは今小さな幼き姿ですよ。皆に狙われるに違いありません」

 

キリト「そうだな、現に今アリスに狙われたからな」

 

アリス「ええ、なので私が皆から今のキリトを守らないといけないと思ったのです」

 

キリト「自分のやっている行為と言っていることが矛盾しているぞ」

 

アリス「あら、何のことかしら」

 

自分のやっていることはどうでもいいのか、などと考えているが、今俺はここからとにかく逃げ出して姿を戻さないといけない。だが、まず逃げだす手段が必要だ。いつもならあまり自分で言いたくはないのだが、俺を求めてやってくる人たちがこの部屋の扉をぶち壊してくるのがもう恒例となっている。

 

アリス「さてと・・・ふ、ふふふ・・・まずはどこから脱がしましょうか・・・えへ・・・えへへへへ」

 

――――――――っ!?

な、なんかアリスが急に性格変わっているんだが!?あの凛々しかった整合騎士が急にへ、へん...いや、あんま言わないようにして。とりあえず顔が獣になっていて、息をはぁはぁ言っている整合騎士からどうしても逃げたいんだが。

 

キリト「ちょ、ちょちょちょ待って!」

 

アリス「小さいキリト・・・へへへ・・・もう我慢できません。まずは上の服からえへへへ」

 

キリト「ちょ!キャラ大事にして!凛々しかったアリスはどこ!アリスゥ!ちょ!」

 

だんだん魔の手(仮)が近づいてくることに案外マジで恐怖心を感じている俺は、一刻も逃げ出したいとものすごく抵抗している。それを見ているアリスは俺の抵抗を見てかわいいと思っているのか超癒されている顔をしている。

 

アリス「抵抗しているキリトもかわいいです!癒されます・・・。あぁ、ずっとこのまま・・・」

 

キリト「わ、わかったからまずがしゃんがしゃんうるさいから鎧くらいとったらどうだアリス・・・」

 

そう、アリスはずっとあの金ぴかな鎧を、整合騎士の鎧を着ていたのだ。もうこの姿には慣れたが、アリスはもう着慣れたのだ。だがそれで一つ一つの動きに鎧同士がぶつかる音、がしゃんという音がもう雰囲気をぶち壊していることに俺は苦笑いするしかない。

 

アリス「あ、そうでしたね。では脱ぎます」

 

そういうとアリスは俺の目の前で鎧を一つ一つホックを外して取っていく。アームやチェストやブーツなど。今のうちに逃げ切れられないかと抵抗はしているが、そんなのムダだと言わんばかりに着替えながら見つめてくるあの哀れな子を見るようなアリスの目。眠ってログアウトという手もあるが、あれは脳が本当に眠った時だ。今何て怖すぎて正直眠れやしないのだ。寝ればいいのだがそんなことできるわけもなく俺は助けを待つのみか。

 

キリト「あぁー・・・アリス。なんか俺・・・ちょっとトイレしたくなってきたなー・・・」

 

アリス「そうですか、ならこの容器に「もう大丈夫アリスありがとうなんかもうよくなったよ」・・・そうですか。わかりました」

 

なんで!?なんでアリスがあの容器もってんの!?ていうかこの世界にああいう容器あんの!?てかアリスがなんで非常用アレをもってんのかが須郷・・・じゃなくてすごい疑問なんだけど!アリスお前どうした!?昔の凛々しかったアリスからまじでヘンタイになってしまったのか!?

 

アリス「トイレも安心してください。では、脱ぎ終わったことですしそろそろいいですか?」

 

キリト「いや、いいとは一言もいってないぞアリス」

 

アリス「身軽になりましたよ?鎧は脱いで普段着になりましたよ」

 

キリト「確かに雰囲気はよくなったな・・・ってそういうことじゃないぞ!?早くこれを解いてほしいって言っているんだぞ!?」

 

アリス「解いたら逃げるじゃないですか」

 

キリト「そりゃあ・・・逃げない奴なんていないだろ・・・いないよな?」

 

こういうシチュエーションが好きな奴にとってはまぁ・・・逃げないのかなぁ・・・もしくは逃がしてくれと言いつつも本心は監禁してくれ心なのかな・・・って俺はなんの想像をしているんだ!今はまずい状況になっているんだ!このままじゃいずれまずいことになる!

とりあえず、逃げないといけない。しかし俺ができることは今はなにもないのだ。手足が拘束されている以上、なにもできない。これはもう、助けを待つしかない。

すると、そこに玄関の方のドアからコンコンコンッと誰かがノックする音が聞こえたのだ。この音が聞こえた瞬間、俺の心は極度の安堵に包まれた。しかし、当のアリスは・・・。

 

アリス「・・・無視しましょう」

 

キリト「いやぁ出たほうがいいんじゃないか?・・・な?」

 

アリスは玄関の方を見る。玄関の外に誰がいるのだろうか。俺は誰でもいい。誰か来てくれたらここを助けてくれよう。とりあえずその玄関を開けて中に入ってほしいと祈る。

 

キリト「頼む・・・入ってくれ・・・」

 

祈っているが、ノック以降、反応を見せない。

すると、あの玄関の向こうから壁を隔ててあるため聞こえにくいが、聞き覚えのある声が耳へと届いた。

 

???「おーい、アリスー」

 

この声は、男の、優しい声。あいつだ!ユージオだ!

俺は思わず「ユージオ!」と叫ぼうとするとアリスが咄嗟に俺の口に右手を当て声を塞いでしまったのだ。どこまでも俺を拘束しようとするその熱い姿勢はすごいが少し引いてしまう所もあるのもまた事実。

 

「おかしいな・・・家情報見るといるはずなんだけど・・・」

 

キリト「んんんー!んー!(いるよー!おーい!)」

 

アリス「キリト!静かにしてください!ばれたらどうするんですか!」

 

キリト「んんんんんんん!(ばれたいんだよ!)」

 

すると玄関の方からまたユージオの声が聞こえてきたのだ。アリスはハッと振り向く。

 

「アリスー!いないのかーい?」

 

アリスは少し敵意の眼をしている・・・って!?ユージオをまさか!?幼馴染をそこまでするのかアリス!?アリスはもうこんなに変わってしまったのか。それはともかくこのまま帰ってしまうユージオを止めるため、どうにかしてユージオを止めなくては。

すると、ドーンッ!という、破壊音にふさわしい音が玄関の方から聞こえたのだ。慌ててアリスは俺の口から手を離し、奥を見ていた。アリスは装備をして玄関の方に向かって行ってしまった。

 

・・・俺は?

 

いったいあの破壊音はなんだったんだろうか。わからないが、恐らく考察として挙げられるのが・・・アスナである。ストレアの時も、玄関のドアが吹っ飛んで行ってしまったからだ。あの時は正直もう九死に一生を感じてしまった。

 

ユージオ「そこまで破壊しなくても・・・」

 

???「いいのよ別に」

 

どうやら、ユージオは女性のだれかといるようだ。しかしその声もよーく聞いたことある声である。あのもう殺気と絶対に逃がさないという気持ちが声だけで伝わる。それに一番親しい存在だということにさらに恐怖を感じてしまう俺である。正直、怖すぎてもう脳が真っ白になってしまう。

アリスが誰かわかったらしく、金木犀の剣をしっかり装備する。

しかし、ここは圏内であり攻撃などはできないことになっている。ならばどうするのか、俺にもわからないが。

 

アリス「くっ・・・嫌な奴め・・・」

 

キリト「そんなこというなって・・・」

 

だって・・・ユージオと一緒に来ている女性はあの人だからである。皆がよく知っている。料理が上手く水色髪にロン毛で素早い行動速度と戦闘力を持つあの人である。

 

アリス「・・・向かいますか」

 

キリト「せいぜい死なないようになアリス・・・」

 

アリスは玄関へと向かって行ってしまった。俺はいつも通りここから動けなく、ユージオと例の女性を待つのみである。もうこれ以上ここには居たくないのだがという溜息を洩らした。

 

キリト「・・・」

 

しばらくしていると、ここの部屋の扉がゆっくりと開けられた。その扉を開けた人は、やはりあの人だった。

水色の装備が見えた瞬間、わかった。

 

アスナ「キリト君!大丈夫!?」

 

キリト「あ、あぁ・・・大丈夫だよ」

 

アスナ「チャンスだね!」

 

キリト「まずは解け!チャンスだねじゃない!」

 

アスナ「え~解くのもったいないなぁ」

 

キリト「いや、俺の気持ちになってくれよ・・・。頼むから解いてくれって、アスナ」

 

アスナ「にしても小っちゃいなぁ、これはこれで襲いたくなっちゃうなぁ・・・えへへへへ・・・・」

 

アスナの眼はアリスの眼と変わりなく、獣の眼である。目の前に獲物があるとすぐ襲おうとする獣の眼である。この場合、獲物は俺である。小さくなった、拘束された俺である。アスナは、まぁ・・・獣になるなってわかってはいたが。

 




読んでくれてありがとうございました!楽しんでいただけたら幸いです(^_-)-☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

61話 キリトはついに解決法を見つけた

2本目!どうかよろしく!

本編は下です


ユージオが、俺とアスナのこのやり取りを見てすっごい引いてる・・・のか。だが、仕方ない。こんな場面に普通出くわすことも、見ることもないだろう。そしてアスナの愛というのがすごい重いというのがユージオも理解したようだ。その証拠に同情したのか、否か、苦笑しているのだ。

 

アスナ「あ、見られちゃったね」

 

キリト「見られたっていうか・・・連れてきたのはアスナじゃないのか?」

 

アスナ「まぁ、キリト君がどこかに拉致されたっていう可能性が高いと思ってね、色々と家を見ているうちにユージオと合流したんだよね」

 

キリト「そうだったのか・・・。まぁ、とりあえずこれを解いてくれ」

 

アスナ「うーん・・・仕方ないかぁ。不自由だもんねぇ」

 

いや、本当に残念な顔をするなよアスナ・・・。まじでこのままでいてほしかったのか。全く、妻がこんなんだとは薄々感じていたが、もう危ない気がしてならない。アスナは俺の拘束された器具を一つずつ解いていく。四肢につけられた器具はすべて解かれた。

・・・あれ?そういえば、アリスはどこに行ったのだろうか。思った疑問を拘束具を外れた後、投げかけた。

 

キリト「アリスは・・・どうしたんだ?」

 

アスナ「あぁ、あの金髪の雌豚?安心して?しばらくは動けないだろうから」

 

キリト「・・・え?」

 

アスナ「キリト君と同じことをしてあげたんだよ?もう、本当は命を削りたいけど、そんなことしたらキリト君に嫌われるかもしれないからしてないんだよ?縛っているだけなんだよ?優しいよねぇ?私、優しいよね?」

 

キリト「あ・・・あぁ・・・」

 

ユージオも知らなかったのか、驚愕の顔を隠せない。そして、同時に恐怖を感じているのか、震えてもいる。無理もない。だって、こんなになったアスナをみたことがないと思うからだ。これは、うん怖い。アスナの眼が闇になっている。ハイライトオフであるため、より一層吸い込まれそうな恐ろしさである。

だが、ここで恐怖に負けず俺はしっかりアスナと会話しなければならない。

 

キリト「と、とりあえず出ようか。ここからさ」

 

アスナ「あ、そうだね。こんな居心地悪いとこいたくないよね!」

 

キリト「あ・・・うん」

 

肯定しておかないと、後々怖いのだ。正直、居心地悪いとかそんなの通り越して早く出たい。そろそろ、アルゴやユージオは俺が戻る方法を見つけてくれたのだろうか。俺はメニューウィンドウを手を動かして展開すると、フレンドメッセージの部分に通知マークが来ていた。メッセージボックスを開くとアルゴからのメッセージが来ていたのだ。

期待して開けると、アルゴからのメッセージはこうだった。

 

To.キリト

 

キリトの姿を元に戻す専用のイベントクエストが見つかったもいたいなんダ。ボスを倒したら報酬で〈変化の鏡〉って言うらしいんダ。どうダ?やってみるカ?

 

やるに決まっているだろ、と返信し、あとは詳細を知りたいから集合場所を決めてアルゴのもとへ向かおうと決めた。しかし、その前にしっかりアスナに言っておかないと、俺がかってに一人で行動したら血眼で探し始めるからな。俺はアスナにさっきの件を伝えた。

 

キリト「アスナ、どうやら俺の姿を元に戻してくれるクエストが見つかったらしいんだ。詳細を聞くために今からアルゴのところに向かおうと思う」

 

アスナ「えー!戻っちゃうの!?もったいないよぉ!もっとそのままでいてよー!」

 

キリト「君たちにとっては嬉しいのかもしれないけど、俺にとっては不便でしかないんだって、だからお願いだ」

 

アスナ「うーん・・・わかったよ。じゃあ、クエストっていうことだし、協力するよ」

 

ユージオ「僕もキリトに協力するよ。クエストっていうのは、何か倒すこともあるんだよね?」

 

キリト「あぁ、そうだ。じゃあ3人でアルゴのもとに向かうか」

 

アスナ「そうね、わかった。じゃあいこっか」

 

俺とアスナとユージオは、共にアルゴのところに足を進めた。しかし、このクエストを作った人は何がしたかったのだろうか。戻るからまだよかったけど、戻らなかったらもう終わってたぞ。

そういえばアリスはなにしているんだろうな。確か縛られているみたいだけど、脱出できんのかな。どこでどんな状態でどういうふうに縛られているか、そして、しっかり解けるのか。アリスはしばらくこないだろうな。

 

そして、俺とアスナとユージオは空都ラインの憩いの場に集合し、アルゴは少しびっくりした顔で迎えた。アスナがいることにびびたんだろうか。

 

アルゴ(なんでアスナがいるんだよぉ~・・・)

 

キリト「?」

 

まぁ、きっとアスナがこわいんだろうな。しかたない、しかたない。ユージオも怖がる正妻だからな。だが、とりあえず今は俺のこの姿を戻さないといけない。俺はアルゴに話を戻させた。

 

キリト「んで、クエストっていうのはなんだ?」

 

アルゴ「あ、そうだナ。そのクエストっていうのは氷山フィールドにある奥の洞窟に潜んでいるモンスター討伐だヨ」

 

キリト「ベターだな、それならいけるだろう」

 

アスナ「それで、そのモンスターっていうのは?」

 

アルゴ「ゴーレムだってかいてるヨ。それもでっかいゴーレムだヨ。強いかもしれないけど、倒せばその奥にある氷できた〈変化の鏡〉があるらしいんダ」

 

キリト「だったら待っててられないな。早速行こう。アスナ、ユージオ」

 

アスナ「えぇ、そうね」

 

ユージオ「うん、わかった」

 

アルゴ「俺っちはもう少し調べてみる。もしかしたらこのクエストが()()()()()()()()()()()()からナ」

 

キリト「そ、そうか、わかった。じゃあ、行ってくる」

 

アルゴ「がんばれヨ~」

 

一応クエストの詳細を知り、場所もわかったことだ。早速足を急がせ転移陣にのり白い光に包まれて氷山フィールドへと飛び立った。

氷山フィールドにくると、やはり一面まっしろな雪であり、寒さが肌を襲う。そして、このフィールドにある複数の洞窟のなかから、奥にあるあの洞窟に、氷のゴーレムがいるのだろう。アスナとユージオもわかったようで、頷いた。

俺たちは飛びたいが、ユージオは羽がないので歩いて洞窟へとむかっていった。




評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

62話 キリトは自分の姿を取り戻すため

3本目!描くのに疲れた・・・のかもしれないw
でも、復活したしいいか!ね!

本編は下です


道中・・・って道はないけどな。フィールドを歩きながら、途中にいるモンスターなどは一応戦ってはおいた。ユージオもアスナもとても強いので、心強かった。これならゴーレムにやられることはそうないだろう。それに、俺とユージオは神器級の武器を持っている。簡単に負けるつもりはない。

しばらく歩いていて、ようやく洞窟の前に着いた。洞窟は暗く、中からはさらに冷気が漂うようだ。

 

キリト「よし、行くぞ」

 

アスナ「ええ」

 

ユージオ「うん」

 

俺たちはゆっくりと警戒しながら入っていった。中は寒く、柱には水滴がつたり、たれていく。ピチョン・・・と音が響く中。こつこつと俺たちの足音が洞窟に響いた。

全くモンスターが出てこないのには違和感があった。それほどここのボスが強いのか、それともなにかあるのか。2人も違和感はあるようで、ずっと剣を構えていた。着実に進む俺たちは、時々作戦などを言っていた。備えあれば憂いなしだ。

 

キリト「いいな、初撃は俺が受け止める。ゴーレムだから、パンチとかぐるぐるとか、攻撃範囲は小さいはずだ。移動速度もおそいと思う。だが、攻撃力は高いはずだ。防御力も。もし初撃を受け止められたら、アスナ、スイッチしてくれ」

 

アスナ「わかったわ」

 

ユージオ「・・・あのさ、キリト。スイッチって交代のことだよね?」

 

キリト「あぁ、前衛と後衛が入れ替わるんだ」

 

アスナ「もし私が攻撃を終えたら、スイッチお願いねユージオ君」

 

ユージオ「わ、わかった」

 

キリト「で、だ。ユージオ、もし相手の攻撃が危なかったら遠慮なく《記憶解放術(リリース・リコレクション)》を使っていいぞ」

 

ユージオ「わかった」

 

会話を交わしているうちに、大きな門の扉の前へ着いた。おそらくここにがゴーレムのいる部屋だろう。ゲーマーなら、これくらいわかるよな。アスナとユージオに振り向き、頷くと二人も頷き返してくれた。準備満タンのようだ。

俺はゆっくりとびらに手をかけ、奥へと押していく。中に広がっていたのは、水色の部屋で、ダイヤのように輝く氷がいくつも突き刺さっているへやである。寒さがかなりこみあげてきたが、これくらいなら大丈夫だ。そして、奥に氷と同化している巨大な岩のような生物。ゆっくりと近づくと、俺たちの存在に気付いたようで、その岩は徐々に体を起こしていった。

 

キリト「あれがボスだぞ」

 

アスナ「でかいね・・・」

 

ユージオ「3人で勝てるかな・・・」

 

10mくらいあるこおりのゴーレムは大きな足音ともに近づいてくる。どうやら戦闘態勢のようだ。俺たちも剣をしっかり構えて、作戦通りに動く。

 

キリト「散れ!正面は俺が行く!」

 

アスナとユージオは左右に散り、俺は正面からゴーレムの攻撃に備える。ゴーレムが腕をぐっと引くとその拳は俺の方へと襲い掛かる。しっかり剣を構え、剣を拳と交わらせる。

大きなぶつかり合いが、音となってひろがり振動が起こるほどだった。しかしこのままでは俺が押されるだけだ。作戦通りにおれはアスナに声をかけた。

 

キリト「アスナ!背中からだ!スイッチ!」

 

アスナ「わかった!」

 

受け止め続けると、アスナが素早く地を走りせなかへと一直線に向かっていく。空高く舞うと、アスナの細剣が闇の中光りだす。水色にひかるライトエフェクトが、SEとともに溜まりだす。

 

アスナ「せああああああ!」

 

アスナの細剣がゴーレムの背中へと突き刺さっていく。4連撃《̚カドラプル・ペイン》である。

ゴーレムは突然の攻撃によろけて、勢いが弱まっていく。俺は剣をはじき返し、ゴーレムの体勢を崩させる。アスナは着地すると同時にユージオにむかって叫んだ。

 

アスナ「スイッチ!ユージオ君!」

 

ユージオ「わかった!」

 

青薔薇の剣が美しく光り、ユージオの剣がライトエフェクトで包まれる。アインクラッド流の一つの構え、《バーチカル・アーク》である。

 

ユージオ「はああああああ!」

 

防御力のあるゴーレムの体に突き刺さる青薔薇の剣は、全くひるまない。ゴーレムの体には傷跡がどんどん刻まれていく。HPバーを見る限り、着実に減っていっている。あとは攻撃を食らわずに、交代で攻撃を続けていくほかないだろう。ユージオの連撃が終わると、俺と目を合わせ、ユージオが俺へと「スイッチ!」と叫んだ。

 

俺は持っている夜空の剣をしっかりつかみ、上空へ舞う。黒く輝く夜空の剣は白いライトエフェクトに包まれて、部屋を照らす。俺は体勢を丸くし、勢いを剣に任せた。そして、空中で俺は回転をすると、その回転で振られている剣がゴーレムへ何度も切り刻み、最後は上空から下へ思い切り振り下ろす。3連撃《ストームストライク》である。

 

キリト「どうだ!?」

 

ゴーレムはよろめいていくが、そこから体勢を無理やり直すと、俺へ攻撃体勢へと変わっていく。俺はスキル硬直で動けない。このままでは俺はまともに食らってしまう。ユージオに目線を向けると、ユージオは気づいたのか、剣を逆手に持ち直した。

剣は地面に向くと思い切り地面へ突き刺さり、ぐっと柄を握る。

 

ユージオ「リリース・リコレクション!!!!」

 

剣からただよう冷気はこの部屋以上で、蔓がゴーレムへと延びていく。巻き付いていく蔓は、氷のゴーレム以上に冷たく、強く、固く、恐ろしかった。巻きつかれたゴーレムは白く冷えていき、ゴーレムはどんどん動きが鈍くなっていった。体力は着実に減っていき、ゴーレムの周りには青薔薇が咲き乱れる。

命を咲かす青い薔薇は、綺麗に咲いている。ゴーレムの命を吸い取り、その薔薇はどんどん増えていく。

 

キリト「やっぱ・・・美しいな」

 

アスナ「これが・・・青薔薇の剣の力・・・」

 

完全にゴーレムが凍るのにそんなに時間はかからなかった。ゴーレムの体力は0となり、全く動かないゴーレムがそこにはあった。もし氷が消えていけば、いつものように結晶が割れたの如く、散って消えていくだろう。

 

キリト「倒したな、一応」

 

アスナ「それにしても青薔薇の剣ってすごいね・・・私そんな技つかえないよ」

 

ユージオ「ま、まぁ剣がすごいからね・・・さ、行こうキリト」

 

キリト「あぁ、そうだな」

 

奥へ進んでいくと、氷に囲まれた狭い洞窟の奥に、縦に長く横は短い、長方形にちかいでかい鏡が立っていた。

これが、《変化の鏡》だろうか。

俺はそっと鏡に触れ、自分を見る。

そこに映っていたのは、小さな、幼き俺だ。鏡には傷一つなく、俺を映している。

 

アスナ「これで変わるの?」

 

キリト「・・・わからない・・・」

 

すると、鏡に映っていた俺が、ぐんぐんと身長が伸びていった。こっちの俺は伸びず、鏡の向こうにいる俺は、どんどん身長が伸びているのだ。びっくりした俺は少し足を退いたが、その足を戻した。幼かった俺から、身長の伸びた俺がそこにいたのだ。

そう、いつもの俺だった。

 

アスナ「鏡に・・・いつものキリト君がうつってる・・・」

 

キリト「これで・・・」

 

鏡は大きく光り、俺たちを光に包み込んでいく。

アスナは咄嗟に目を瞑り、ユージオもまぶしく見ていられなかったようだ。ただ俺だけ、俺はその光をしっかり見た。

光がその場を照らし終わると、アスナとユージオはゆっくりと目を開けた。そして、驚愕したのだ。

 

キリト「よ、アスナ、ユージオ」

 

アスナ「キリト君・・・」

 

そこに立っていたのは、髪が少し伸びて、顔も小さくなり、背が元通りになった、黒いコートが似合う青年。

元に戻ったキリトがそこに立っていた。

 

ユージオ「よかった・・・戻ったんだね」

 

キリト「あぁ、これでいつものように動けるな。ふう、アルゴの言葉を信じてよかったぜ」

 

アスナ「あ~あ、戻っちゃった」

 

キリト「いや、いいだろ!?これが俺だぞ!?」

 

アスナ「小っちゃかったキリト君もかわいかったのにな~」

 

キリト「俺はもうごめんだよ・・・」

 

会話を終えて、俺たちは洞窟から外に出た。青薔薇は朽ち果てり、ゴーレムも朽ち果てた。

 




及川 幸明 FDP DRAGON1 黒川白 御剣 サイトー ゆい sugi カール・クラフト daijizait 赤星 あびゃく ミリョウ 冥夜 季閃 アスカル 鳴海 アーセル ao630 shelling t-kawase イクス・スタンス 霧沢 白虎 剣聖龍 al575 pugya 名去ヨシヤ GaliVeri nanndi オゼ fukase 明彦 ボルケーノ MiTi 智仁武勇 ダイくん yusuke シンフ 喧嘩狼 chobi9829 星屑の独眼竜 だめねこ 龍道 薫 HIROTAKA kanihide ロイグ MAXGOD komugi15 END 深蒼の覇者 テツ10 zxcvb oudai 凰雅 黒野舞亜 兼定 patapata asayake akahisa tomomo ふんはぐい leok516 galm0429 BB/EXTRA メッセン 09e16 柚子だんご ネロ・ロッソ ハンニバルの亡霊 p01s Alan123312 レミリア 携帯砥石 ksty TS 最高 kotora rentan 疚死 9600 夜夏 peon エクスデス0206 ツバサ3616 sando 神爪 勇人 Yautu Agent S 「   」 猫の炬燵 ネオフレイム 特撮大好き トマボ トリケラ IT.exe 亜久野市場 dirtyclown kusomiso48 バロミデス 緑石 D7 keiu kObO_OmO tahuke アリアス wing// 静かなキリン クロス・フレア ニータ おるたる ひょーい バーニングゴジラ Noah氏 つよぽんぽん 篠ノ之ヒロト BADRHARI 雨の剣士 リョータ3 レヴィルル ますたぁ 働かない車 御神天詞 ゆんたろう amaguri あいきゃん インフェルノハデス ヴァイロン アサシン113 ひま潰しライター れおぽん 咲人 Mr.マダム エバオル チケ nikokokoko あつぽん 八〜 ボッチで孤高な狼 Hempfield 春夏零夜 無言の短パン いもねじ YAMADAkun ベッチー 182 ウィルディアス ☆コウキ☆ ふぁだいん tkan タカマル シバえ 黒羽龍星 鍵姫(沙*・ω・)ゞ 俺達総帥 les@ ノーリアス 無限と永遠 ポポイ NO SCARED Toppo イリス2015 zacos 特殊部隊のF小隊 前象 ほりりんぐれーと ぽけてぃ オンブラコッコ Alice00118 三樹知久 岬サナ ravai 三途さん 究極の怠けを探求せし者 冥府の使者 スコッチ クレメンス 新宿のアーチャー astmyon おかや 神王龍 junT58 イズ archer47 マッキン クロアブースト 「        」 ビズーレ えぃt Myu. prinny SEED0903 atsu 鈴本カズテル 猫鮪 コポォ tarashiki 一時キリカ 杏亭 ミリ タウィル ヤンデレ至上主義 Kとう 蹴翠 雛兎 エア・クリスマス 伊覇束 奈良粮 ラバック ネイティブスロー EGOIST\(^-^)/ 青野弘典 真夏の太陽 二次創作オタ ケモナー ganbarioff nobu2283 シゲデゴガデネジバ 霧島 紅夜 ジェイソン南部 vava03 久玲 さかだい KPA ブラック 黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス カイリード 読み専BOY ブラッド matadogasu napo the great Bloo-D 澪士% そらと ⭐️RYO⭐️ きぉ shou11 ドラン1515 シーゴ0405 黒ヶ谷 神威嶽 橋本0322 茜ちゃんカワイイやったー リィエル AKARIN のびかけ尋 アルパカ 111Mine 真紅の龍 ラーク さわさわ ニャンコ Λζlα_mαяhψυ 神道 郭 0118433 通りすがりの読者N TOアキレス ゴマ麦茶 桜ラムネ 異教徒 Roma4913 ヨキノ himagin マスゴミアヤヤ カズヤン イクラ ヨルムンガンド ダクトさん 祭り好き 蒼乃海来 いざや けし つばめ Plusdriver オピニオン 八雲03 刹那妖夢 283 チート ゆのすけ 時風 恋斗 ふにちか(偽) スター浮き tyler 0xFF セイエイ 丸さん メイドの頭についてるあれ ある日の通りすがりの人 白い翼 ヨーグルト先生 エルスレイン0 B-fox 嶋鵺 Arc_z 朧桜 大和改三 Dドラゴン 狩夜 緋闇 楯無ソーマ 新世界のウサギさん 皇國 ろひろひ らぴっくす ukiuki サマーブック 三右衛門 tyex 土鍋猫 黒月 士 ディアラハン 九つの大罪 華麗なるNEET 髭アンパン 剣猫 烈火舞 さかわさ 殺戮天使の僕 とある@彼岸花 阿部 友哉 ヒガンバナ ココル くるくるクルミ 北嶺 ... clover of bookmaker ケンケンクン 蓮です 小鳥遊まひる 斬月メランコリー ホワイト busy magunetto01 くるみの木 影龍 零 けーちゃー cross4589 Sendqr 厘音 メルヘム@ ゴミ君 naomansamu まんじゅう食べたい ヤンデレ大好き レント 安心院氷華 エーン 奏で3579 元一 (=゚ω゚=) たんぽぽ太郎 ファルサイ ◆小百合◆ Dakusop1 幸太 デ外鵡 藤堂桐戸 青眼狂 広大な高次元領域 BBB@ikeda ガラ爺 遥華お嬢様 夜刃神 kyuukyuu999 てきしん ソーナ 十六夜狐 ルルタク? 天ぷらの殻 クロウリー サーナギ メリオダス1 Hiroki777  東方@凸もりFan 四季の民 kami タカぴろ ひなたぼっこハラショー 宮もん 48サンチ三連装陽電子衝撃砲 エフっち MOGOLOVONIO かざま pom ミュリン 村居 樹生 ゲーム好きアンちゃん 未分類 夜は焼き肉 魔神柱バルバトス 長隅 オルガイウス 姫命と過南 鱒 釈 浅田零 apocrypha1020 神野 柊 次世代ゴールデンウィーク あうーい 青林檎joi 一人ボッチの犬 羽乃 秦御 綾彩 干しぽすたー 毒海月 十紀斗 三毛猫の従者 Lv.零の素人 ゆっくりけんじゃき ただのなべさん yuoshi1491@gmail.com ミキサ 匠屋台 アルペジオ 漆黒の皇帝 ドランレリウス razgrizu 麻雀大好き桜田カケル 小夜蓮翔 ソリオ K.ししゃらー 灯り シシマ shon 団子団子 二枚目気取りの三枚目 連夢 gurim しいや レイトウ 0E 泥だんご ガリウス 神様君 シャインダイナマイト 蒼の剣士 ブラキオサウルス t,o Rehu リンゴチョップ エルドロッド 猿田 兎 koooou りょー茶 百合乃 アルトアイゼンv 

皆さん、この作品を好きなってくれてありがとうございます!どうかこれからもこの小説、キリト「皆がヤンデレすぎて怖い」をよろしくお願いします!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いいたします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

63話 キリトはまた月曜日へ

本編は下です


元の体を手に入れた俺はアスナとユージオと一緒に話しながら空都ラインに戻っている途中だ。俺たちが歩いているとき、ユージオはふと思ったことを質問した。

 

ユージオ「思ったんだけど、キリトとアスナはどうやって飛んでいるんだい?」

 

確かに、こんなに飛んでいて飛べて当たり前の世界の中、唯一飛べていないアリスとユージオ。無理もない質問だ。俺はどう説明していいのかわからず、思い付きで言葉を発した。

 

キリト「えっと・・・この世界は妖精の世界なんだ。だから俺たちは妖精でさ、こうやって・・・」

 

ファッとキリトの背中に黒い、少し透明度のある羽が光が少し散らばって生えた。ユージオは改めて驚いた。キリトは飛びながら説明を続けていた。

 

キリト「飛べるんだよ。まぁ、かなり快感でさ。浮遊はやっぱ楽しいぜ」

 

ユージオ「いいなぁ。僕も飛びたいけど浮遊術を使えるほど僕はすごくないし・・・」

 

キリト「うーん・・・俺も飛べるようにはしたいけど、流石に難しいかもな・・・」

 

腕を組んで俺はうーんと悩む。俺はユージオがこの世界に生まれ変わったことだけを目的としていたから、正直飛ぶことなんて考えていなかった。しかし、ユージオは俺が悩んでいるのを見ると申し訳なさそうに苦笑して言った。

 

ユージオ「いいよ、キリト。こうやっているだけで僕は幸せだし」

 

キリト「そうかぁ?まぁ・・・いつか飛べるようにしてみるよ」

 

ユージオ「首を長くして待っているよ」

 

話をしながら空都ラインへ戻った。そこでアスナとユージオとは別れて、俺は自室へ戻ろうとすると薄紫色の髪の女性が驚いた顔で俺の下に走ってきた。。

 

ストレア「キリト!どうして戻ってるの!?」

 

キリト「そんな驚くことじゃないだろ・・・。そんなに小っちゃい俺がよかったのか?」

 

ストレア「そりゃそうに決まってるじゃな~い!もう!戻っちゃったなんてお姉さん悲しい!けど好き!」

 

キリト「そ、そう・・・」

 

やっぱりストレアは俺の小さい姿の方が好きだったようだ。まぁ、周りがなんと言おうと俺はこの姿でいたいからこのままでいいんだが。軽く挨拶してストレアと別れようとすると、ガシっとストレアに右手をつかまれた。突然でびっくりして俺はストレアの顔を見た。目がなぜか黒い。

 

キリト「ど、どうした・・・ストレア・・・」

 

周りが凍てつくような声で、そっとストレアは問う。

 

ストレア「・・・アスナと何してたの・・・」

 

黒い目でにらみつける顔は、目線をはずそうにも外せない。金縛りのような感覚だ。俺は震えながらも必死に声を出した。

 

キリト「・・・この体を取り戻す手伝いをしてくれたんだよ・・・」

 

ストレア「・・・そう」

 

すっと手を離すストレア。あの顔はなんだったんだと言わんばかりに笑顔にもどる。さっきのストレアの顔と同じになったストレアは笑顔で別れを言った。

 

ストレア「じゃあーねーキリト―!」

 

キリト「・・・」

 

無言でおれは手を横に振って別れた。おなかが痛くなりそうだ。腹を手で少しさすりながら歩いて自室へと向かっていった。自室のドアを開けて鏡を見ると、やっぱり戻っている。

 

キリト「・・・さて、もうそろそろ夜だな」

 

もう窓を見ても、さっき外に居た時もだが、もう夜なのだ。多分もう8時過ぎくらいかな。けど俺はもうログアウトする。明日はまた仕事があるからだ。

手を下にスライドし、メニューを開き、下のログアウトボタンをタップ。俺はこの世界からログアウトされた。

 

現実世界の自室のベッドで起きた俺は、アミュスフィアを外した。そして起き上がると、リビングへ向かった。

スグはまだ起きていないらしく、俺は夜ご飯を作っていった。

 

キリト「・・・明日からまた仕事かぁ」

 

すこし思い老けながら俺は肉じゃがを作っていた。そういえば比嘉さんに新しい仕事頼まれていたっけ。それも遂行しないといけないな。アリスの現実世界のロボットの改良とか、あとは別の問題とか。まだまだアンダーワールドにはいろいろと秘められていることがあるはずだ。いまでもアンダーワールドは活動している。しかし、時間は現実と同じにしているみたいだ。そう菊岡さんが言っていた。俺がいた時はものすごいスピードで時間が過ぎていったアンダーワールドも、この世界と同じ時間で流れているなら同じ年向こうも増えているのだろう。

 

キリト「・・・」

 

頼めば、俺だってアンダーワールドに戻れなくもない。現在俺は、アンダーワールドの中での代表剣士だから、かなり崇めたてられているけど、現実はこうだからな。

肉じゃがを煮ていると、もう終えたのか、階段からスグが下りてきた。すこし眠そうな顔をしているが、スグも大学あるし、明日に備えて早くやめたようだ。

 

スグ「お兄ちゃん…肉じゃが?」

 

キリト「あぁ。もうできるぞ」

 

スグが皿を用意してくれると、俺はその皿に肉じゃがを盛っていった。ご飯と用意して、スグと食べた。その日はそれで終了し、明日になる。

 

 

 

 

 

 

キリト「んじゃ、スグも大学頑張れよ」

 

スグ「うん、じゃーねー」

 

スグと家で別れて仕事場へと向かう。電車に間に合うし、きっと大丈夫だろう。

電車に揺られて、仕事場へ向かっていった。ラース本社に入ると、俺はオフィスへと向かっていく。エレベーターに乗っていると、女社員と会った。

 

女社員「あ、和人さん」

 

和人「あぁ。おはよう」

 

同じオフィスなのでここで降りると、俺と女社員はそれぞれの仕事場の椅子に座る。

スーパーコンピューターではないけれど、この薄型PC、ていうかノートパソコンは俺の膨大なデータでいっぱいだ。

今回もAIについて、そして様々なプログラミングとアンダーワールドについて。色々とやることはあるが一つ一つこなしていくのが確実だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シノン「決まった」

 

ただ一人の女は、確実に動いている。

 




最近口内炎がひどくて、もうどうしたらいいかわからない(つд⊂)エーンです。
どうかこれからも俺の口内炎が治ることをいのりつつssをご鑑賞ください(^_-)-☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

☆64話 キリトは先輩と再会する

会社出勤

本編は下です


和人「え?アンダーワールドに?」

 

比嘉「そうっス。まぁ、ちょっと様子を見てきてほしいんス」

 

和人「いいですけど…どうしてですか」

 

投げかけた質問に、比嘉は少し眉を寄せて腕を組みながら考えた。その末、答えが出た。

 

比嘉「今、アンダーワールドは不安定な状態っス。人界とダークテリトリーのやり取りは上手くいっているはずなんスけど、ちょっと乱れてきているかもっス」

 

和人「は、はぁ。けど、行く意味あるんですか?」

 

比嘉「偵察みたいなもんス。あ、入ったら最初の村でスポーンするようになってるっスよ」

 

和人「わかりました」

 

上司の比嘉さんの頼みを、俺が断るわけにはいかない。俺も行きたくないわけではないし、向こうの俺は代表剣士となっている。しかし、生まれるときは代表剣士の格好ではないようだ。

でも、とりあえず行かないといけない。それに、こっちにはアドミニストレータのこともある。それは俺が招いた事故で、最初で最大の過ちだ。

とりあえず、俺はSTLに入り、比嘉に合図を送る。

 

和人「行ってきます」

 

比嘉「頼むっス。何かわかったら、言ってほしいス」

 

俺はSTLに身を任せると、思考は薄く、目を閉じていた。暗く視界が見えないまま、俺はどこかに立っている感覚だ。目を開けると、あのビルの天井ではなく、ここはとある森の中だった。ここは、あのルーリッド村だ。

少し周りを見渡し、俺の格好を見る。見た感じ、木こりのような、最初の服だった。前ロニエとティーゼを呼んだ時も同じ恰好同じ場所でリスポーンした。ということはつまり、俺はまたセントラル・カセドラルに向かわないといけないということだ。しかし、セントラル・カセドラルに向かうのが目的の一つだが、最大の目的はやはりこの世界の人界とダークテリトリーとの調子だ。

一番栄えている場所に行くのが普通の考えなはずだ。そして一番栄えている場所はこの世界で言うと、王都セントリアである。

 

キリト「行くかぁ…」

 

俺はルーリッド村に行って少しでも何かの装備をしようとする。

しばらくルーリッドの村を歩いていると、村長の家へ向かおうとするとき、ある一人の少女とまた出会う。

 

セルカ「キリトさん!」

 

キリト「うぉ!?セ、セルカ、久しぶりだな」

 

セルカ「そうですね、キリトさんはどうしてまたこの場所に?」

 

キリト「いやぁ…その…とりあえず、俺は王都セントリアに向かいたいんだけど…どうすればいいかな?」

 

セルカ「王都セントリアは遠いですね、なら村長に頼めば何かしてくれるかもしれません」

 

キリト「俺もそう考えていた。それで村長はどこにいるんだっけ」

 

セルカが指を刺してでかい家を刺す。まぁ、RPGあるあるのでかい家に長がいる奴だ。

 

セルカ「あそこにいますよ」

 

キリト「ありがとうセルカ」

 

俺はセルカに手を振って村長の下へ向かった。

 

キリト「すみません。王都セントリアまで行きたいんですけど」

 

村長「王都か・・・わかった。馬車を手配しよう」

 

キリト「ありがとうございます」

 

すんなりと馬車も用意してもらえて、これであとは向かうだけだ。正直、武器とか必要かとおもったけどそうでもなさそうだ。俺は外に行き、馬が二匹の馬車を見る。

後から馬車に乗せてもらい。座席に座って村長に礼の意味を込めて一礼。

操縦者が鞭を打ち、馬が動き出す。少し揺れ、体勢を保ち続けて安定して手を離した。ガタン…ガタン…しばらく時間がかかりそうだが、とりあえず央都セントリアまでかなり時間がかかるので俺は座席をベッド代わりにして腕を頭の下に目を閉じて寝る準備をした。とりあえず、この世界の中心のセントラル・カセドラルに向かって整合騎士に今の状況について聞いておく必要がある。俺は代表剣士なので恐らく恰好は違えどすぐ通してくれるはずだ。

これからの方向性を考えて、俺はそっと目を閉じた。揺られる馬車に身を任せながら。

 

数時間後。

 

目を覚ますと、村の近くとは違い、だんだん発展していた町へと姿を変えてきた景色。そろそろだと思い目をしっかり覚まし、体勢を戻した。央都セントリアに着くと、操縦者さんにお礼を言った。俺は今渡せるお金などないので、なにかお礼できないかと考えていたらどうやら村長からお礼が出ているようだ。どれだけ優しいんだか。

礼をして俺はセントリアに入っていった。

賑わっている商店街には、騎士も見張りとしていたが、以前はセントリア内にしかいなかったた整合騎士も、外で活発に活動しているようだ。

安心してセントリアを歩いていく。俺の格好は少しセントリアに似合っていないのか、ちょっと目がこっちに向くことも多い。俺があの代表剣士とはあまり思っていないようだ。

すこし歩いていると、俺の名前が後ろから呼ばれた気がした。俺かと思い振り返ると、そこにいたのは普段着の女性だった。

 

キリト「あ、リーナ先輩!」

 

リーナ「やぁ、やっぱりキリトだったか」

 

リーナ。本名、ソルティリーナ・セルルト。修剣士学院の中では俺を傍付きとしてくれて、ハイ・ノルキア流を使いこなす先輩。また、最後の闘いではウォロ・リーバンテインに見事勝利した。短い間だったが、とても楽しかった思い出だ。

 

リーナ「今はキリトは代表剣士だな。全く、君には驚かされてばかりだよ」

 

キリト「あ、あはは…」

 

リーナ「それで、その恰好…村の格好みたいだが、いつもの代表剣士の格好はどうした?」

 

キリト「あぁ…えっと…ちょっと昔いた村の服を久しぶりに着てみたかったっていう…感じですかね…」

 

リーナ「ふーん?変なものだな。それで、キリト」

 

グイっと近寄るリーナ先輩。一瞬うっと左足を後退りさせてしまう。目が少しずつ光を失って行って、口がにやける。

 

リーナ「ずっと会えなかったんだ。私の家に来てお茶でもどうだ?」

 

キリト「え…えっとぉ…」

 

いきなりの誘いに戸惑いを隠せず、冷汗が出てしまう。ぎこちない顔になりつつも、リーナ先輩は表情が笑顔で、どこか怖い。

また一歩後退りしてしまう。

 

リーナ「どうした?先輩の誘いの言葉を断るのかキリト。たとえキリトが代表剣士であろうと、私は年上であり、先輩であることには変わりないぞ?」

 

キリト「た、確かにそうですけど‥」

 

リーナ「にしても、今日までずっとどこに行っていたんだ。たとえ代表剣士で忙しかろうと、セントリアに顔を出すことくらいできるだろう?一回も見てないぞ?あの戦争のあとからな」

 

キリト「ちょっと忙しかったっていうか…色々とあって…」

 

ぐいぐいと近づいてくるリーナ先輩に恐怖心を感じることしかできなく、リーナ先輩の眼が多く、顔上側が黒くそまっていく感じになっていく。

 

リーナ「何逃げているんだキリト?先輩から逃げるとは、いい度胸だな」

 

 

【挿絵表示】

 

 

顔は笑っているが、目は笑っていない。目は、ずっと俺の眼を。眼だけを見て、一切よそを見ない。

この場合、ここから急に逃げることもできなくはないが、先輩でもあるため、逃げてしまうと後々関係に亀裂が入ってしまう。後輩なので、従わないといけないというのもわかっている。

 

キリト「わ、わかりました!行きます!リーナ先輩!」

 

俺の返答を聞いた瞬間、暗い顔からさっきの普通の凛々しい顔になった。

 

リーナ「そうか。そういうと思っていたぞ」

 

いや、言わせたんですよね。って言いたいが、必死に言葉を抑えた。

 

リーナ「こっちだ。あ、逃げようとすると許さないからな」

 

キリト「逃げませんよリーナ先輩…」

 

あのかっこよくて強くて一心でいたリーナ先輩はどこにいったのやら。いや、ある意味変わっていないのか。

俺はリーナ先輩の後をついて行っていった。

 

その先に待つ者は…。




アニメでみたあの人が皆さん、ヤンデレ化してますよ。
また、このssは原作、アニメの「アリシゼーション編」のネタバレを含んでいます。原作をすでに見ている方。もしくは、ネタバレもいいっていう人はこれからもよろしくお願いします。ネタバレを含むと言いましたが、できるだけ含まないように頑張ります。

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

65話 キリトはまんまと騙される

リーナ先輩に誘われて家に行く

本編は下です


リーナ「さぁ、入りたまえ」

 

キリト「失礼します…」

 

ゆっくりとリーナ先輩の家の玄関を通る。中はもちろん俺の家のような和風ではなく洋風のデザインである。ライト、机、タンス、マット。どの家具もおしゃれで部屋もとても片付いていて綺麗だ。家に入ってリビングらしき場所に来ると、壁に柄の部分と先端部分が壁のパーツによって挟まれて展示されているリーナ先輩の鞭があった。あれで何度も訓練されたわけだが、その教えもあって強くなったのもまた思い出の一つ。武器も壁に掛けられており、汚れ一つなく綺麗な剣である。ウォロ先輩に勝ったリーナ先輩はすごいと思った。その時の記憶は今でも鮮明に覚えている。

リーナ先輩が手招きしてダイニングのテーブルの椅子に招くので俺はそこに向かう。今の彼女たちの現状のことから警戒が解けない俺であり、つい部屋を見てしまう。ゆっくり椅子に座ると、リーナ先輩は笑みを浮かべてキッチンに向かった。

 

リーナ「すまないが、今ある飲み物が紅茶かお水くらいなのだ。ワインもあるが、それは今夜にとっておきたい。どっちを飲みたいのだ?キリト」

 

キリト「えーっと…」

 

飲み物にも警戒心があり、正直あまり飲みたくはないのが本心である。しかしここで飲むのを拒むのは後輩として失礼だろう。仕方なく紅茶を俺は頼んだ。

リーナ先輩はティーポットを用意し、システムコールで火を生成し水を熱する。ティーポットに紅茶の材料を少量入れ、熱して沸騰したお水をそっと注いでいる。ここからでも香る紅茶の匂いはとても良い。だが目を離せない。なぜなら、何か仕込んでないか心配である。先輩に限ってないとは信じたいのだが、これまでの経験がある故どの人でも飲み物には警戒せざるを得ない。

とくに怪しい術式をするわけでもなく、湯がティーポットに満タンになると、棚からティーカップを二つ取り出してそのティーカップを先にテーブルに持ってきた。何かした方がいいかと立ち上がると、「大丈夫だ」と言われ、少し落ち着きがないまま座りなおした。ティーポットを持ってきたリーナ先輩はそっと机に置いて、ティーカップにティーポットの蓋を左手で抑えながら紅茶を注いでいく。そこからはさっきよりもいい匂いが強くしている。少し茶色の色をした、透明の紅茶だ。

 

リーナ「ほら、上手くできているか自信はないが飲んでみてくれ」

 

と、紅茶を注がれたティーカップを手前に持ってくるリーナ先輩。何もしてないとわかっていながらやはり飲むことに抵抗を感じてしまう。

リーナ先輩自身も飲むためにもう一つのティーカップに紅茶を注いだ。注ぎ終わると、ティーポットを置いて俺の対面の席に座った。飲んでいない俺に少し顔を傾けるリーナ先輩。俺は慌ててティーカップの手持ちを握る。すると、リーナ先輩は普通に握ったティーカップを口元に運んで飲んでいた。

少し反応を見てみる。しかし普通通りだった。

 

リーナ「うむ、私が言うのもなんだが結構よくできていると思う。飲んでみてくれ」

 

キリト「あ、はい!」

 

紅茶を少し見て、何も入っていないことを確認し口元に紅茶を流す。口に入った紅茶だが、別に眠気も襲ってくるわけでもなく普通の美味しい紅茶であった。よかったと溜息を出し、紅茶をまた飲む。

少し飲み終えるとカップをおいて、リーナ先輩に向き直る。

 

キリト「とても美味しいです、リーナ先輩」

 

リーナ「そうか、よかった」

 

その後はリーナ先輩と今のことや、俺が今何しているのかについて聞かれて色々と話していた。久しぶりなこともあってかなり話は弾み、飽きない話がほとんどだった。

そして、ソルスが窓からそっと顔を出してきたときリーナ先輩はあることを俺に頼んだ。

 

リーナ「なぁキリト。久しぶりに剣で決闘でもしてみないか。もちろん寸止めだ。キリトがどれだけ強くなったのかが知りたくてな」

 

キリト「あ、わかりました。えっと…剣は…」

 

リーナ「それは持っている。私が用意しよう」

 

すっかり話に夢中になり、俺は自覚していないが警戒心が解けていた。すっと席を立ち、リーナ先輩は空き部屋の中から木で出来た両刃の剣を俺に渡してきた。リーナ先輩はというと壁に飾っている鞭を手に取って剣も取った。

俺はリーナ先輩を玄関で待っていると、奥からリーナ先輩が何か言っているので耳を傾ける。

 

リーナ「先に玄関の外で待っていてくれ。ちょっともっていくものがある」

 

キリト「わかりました。外で待っときます」

 

俺は靴を履いてすぐにドアを開けた。外は賑わっていてソルスの光がこの街を照らしている。皆は元気よく歩いたり、買い物したりと平和な世界である。

数分経つとドアから出てきたリーナ先輩。ドアが開いたことを確認し、リーナ先輩と一緒に決闘する場所へ向かう。歩いている間にも色々と話し、場所にたどり着いた。場所は草原で広い解放感のある場所だ。森がその場所を囲み、自然であふれている。

 

リーナ「ここでやろうと思う。良いな?」

 

キリト「もちろんです。手加減しません」

 

リーナ「もちろんだ。キリト」

 

眼が合い、そして互いに距離を取る。ゆっくり後ろ歩きでかなり離れると、地面の土を足で踏む。別に滑りそうな場所でもないので、一気に蹴れそうだ。

リーナ先輩は鞭を手に取って地面を思い切りたたいた。しばらく鞭を握っていなかったのか、柄を握りなおしている。俺は剣を見て、少し振るう。感覚は同じだ。ここは仮想世界。そう、いつもと同じだ。

腰をそっと下ろし、右足を後ろに引く。リーナ先輩も剣を手前に鞭を後ろに構えている。両者見つめあい、リーナ先輩が言った。

 

リーナ「いくぞ、キリト!」

 

キリト「はい!」

 

すっと走り出したリーナ先輩。草が舞い、かなりの速さでこちらに来る。俺は剣を構えて、どのように来るか瞬時に考える。手に持つ鞭がかなり厄介だ。それに気を取られず、しっかりを間合いを詰めていきたい。鞭の特徴はリーチが長いということだ。間合いが詰められなきゃ俺の負けになる。

そして、8メルくらいになったとき、リーナ先輩の持つ鞭が動き出す。空気を打ち、こちらに迫る先端。先端までの線ももちろん当たってはいけない。俺も走り出し、リーナ先輩の動きを集中して注目する。下に鞭を持つ手が下がり、先端もラグのyように下に向き直る。俺は前にも見たことがある攻撃であり、少し飛んで少しの隙も作らず責め入る。しかし、ここで安心してはいけない。よけられた初撃も、その先端は後ろから迫ることもできるということを。

リーナ先輩は鞭を自分の方にぐいっと引き寄せると、その鞭は戻ると同時に俺の体を打とうとする。チラと後ろを確認し、素早く迫ってくる鞭の線を俺は身をかがめて足を突き出しスライディングでくぐって避けていく。

その行動に隙を感じたリーナ先輩はすぐに持っている剣を俺に振り下ろすが、俺はその攻撃に対して迎撃をする。威力は全く落ちてなく、力はやはり強い。

 

リーナ「流石だな、キリト」

 

キリト「先輩もです…!」

 

弾き返すと、鞭を握りなおして大きく腕を振ったリーナ先輩。俺は剣を右にもってきて、強く柄を握る。剣に集中する光が、青く覚醒し剣を覆った。

輝いた剣は剣技を宿し、鞭に対抗する。二連撃《ホリゾンタル・アーク》を放つ。

来た鞭の先端に剣を合わせ、力強く先端にぶつける。小さな火花がぶつけたとこ中心に散った。軽い衝撃音が響き、枝にとまっていた鳥たちが一気に空へと飛び立っていく。

鞭は振った方向とは逆方向に思い切りはじき返され、腕が振られるリーナ先輩。そこを思い切り地面を蹴って接近し、左に振った剣を背中を見せて上から振った。

だが、風を途中まで切って肩の手前でその剣を止める。この試合は、寸止めである。

 

リーナ「…鈍っていないな。むしろ強くなっている」

 

キリト「お褒めの言葉ありがとうございます…」

 

剣を下げて、互いにその場から後ろ歩きでさがり互いに剣をしまった。そして一礼をして顔を上げる。

とても短く、早い展開の闘いだが後から汗をかいていることに気づいた。とても疲れていたのだ。無理に体を動かせる攻撃をしてくるため、とても予測不可能な戦いだった。

多少息が切れているが、リーナ先輩の近くに寄る。

 

キリト「帰りましょうか、リーナ先輩」

 

リーナ「そうだな」

 

俺たちはいっしょに草原を出て町へ戻っていった。帰る途中ももちろん話は尽きない、ゆっくりと歩いていたらソルスはすでに真っ白な光から少し赤がかった夕日に替わっていた。夕日は日が落ちるのが早く何時間後にはすぐに夜になっていくのだ。

家に着くと、一応まだ夕日を保っている。家にあがり、明かりをつけて剣を部屋に置いた。リーナ先輩も自信の武器を壁の立て掛けに置いた。そしてキッチンに戻ると、俺に問いかけた。

 

リーナ「キリトは何が食べたい?」

 

キリト「そ、そんな先輩に…」

 

リーナ「いいのだ。こちらから歓迎したわけだし、食べさせるのも当然だ」

 

キリト「そうですか…えっと…なんでもいいです」

 

リーナ「なんでもいいっていうのが一番困る返答だということを知らないのか」

 

キリト「た、確かに…」

 

リーナ「では肉にさせてもらう。もちろん、何でもいいっていったからには良いのだな?」

 

キリト「もちろんです!」

 

その後、肉を食べてワインを飲む。大人になった気分だ。ワインは前に俺がウォロ先輩に勝った時に一緒に飲んだ経験がある。かなり飲みやすい味のワインのため誰でも飲める。ユージオとゴルゴロッソ先輩は何杯かのんで酔って寝てしまったっけ。

飲んでも睡眠作用はなく、普通に俺は飲んでいた。肉も美味でいただくのが申し訳ないくらいであった。食べていながら他愛もない話をずっとしていた時である。リーナ先輩は気になっていたことを俺に聞いてきたのだ。

 

リーナ「キリト…お前今日はどこに泊まるのだ?」

 

キリト「あっ…」

 

そういえばルーリッド村から来たためここの宿屋にでも泊まろうかと考えていたが、よくよく考えたら俺お金を持っていなかった。しばし顔を下げて考え込んでしまう。

 

リーナ「どうした?泊まる場所がないのか」

 

ドンピシャに言い当てられることに少し恥を感じてしまう。だが恥んでいても仕方ないのだ。

 

キリト「そうなんです…」

 

リーナ「しょうがないな。私の部屋を使うと良い。ベッドは()()()()()()

 

キリト「え…で、でも」

 

リーナ「泊まる場所がないのだろう?泊まっていけ。風呂は勝手に入っていいからな」

 

キリト「…何から何までありがとうございます…」

 

リーナ「ふふっ、よいのだ」

 

リーナ先輩にこんなに迷惑をかけてしまって…俺は少し自分を責めるが、考えてみたら比嘉さんも恨む対象に入るんじゃないのか…。しかし、まだ変化がないので帰っても仕方ない。心の中で恨むことにしよう。

そして風呂から上がり、普段着をまた着た俺はリビングに戻る。リーナ先輩は本を読んでいたので声をかけることを躊躇したのだが、そこを押し切って声をかけた。それに反応するリーナ先輩。

 

リーナ「おお、上がったか。じゃあベッドの準備をしよう。少し私の部屋に入っていてくれ」

 

言われた通り、廊下の方を向いてリーナ先輩の自室のドアの前に来る。ドアを開けて、中に入る。まだ暗かったので、奥のランプのねじを明かりが大きくなるまでひねる。光が部屋を照らすと、ベッド、机、本棚と一般的な部屋である。

そして俺はリーナ先輩を待った。後から足音が聞こえ、リーナ先輩が近づく。来たことを確認するため開いたドアを見ると、俺の心臓がかなり飛び跳ねた。なぜか。それは。リーナ先輩の顔がさっきとは打って変わって不気味な笑みへと、目はするどく、口元は細く三日月の様に笑っていた。

俺はなぜ笑っているのかわからなかった。怖く体が一瞬動かなくなる。そして後退り、奇妙な汗が出てくる。そしてリーナ先輩はドアに手を付ける。わかった。一瞬で分かった。

 

キリト「ま、待っ…!!」

 

リーナ「ふふふっ…」

 

バンッ!と音と共にドアは思い切り閉められる。ドアに近づきドアを強くたたく。しかしびくともしなかった。ドアノブに両手をかけて開けようと抵抗するも強い力で開かなかった。

ここから脱出するのは無理そうだと思いどこかに脱出方法がないかと部屋を見回す。壁に大きな窓があることに幸福を感じ、すぐに窓に近づいた。窓の冊子に手をかけ、開けようとした時だった。

 

リーナ「…ディスチャージ」

 

神聖術でできた物体を放出する術式を唱えたリーナ先輩。ドアに振り向くと、そこに気を取られた。そして発射された何かはあるものに接近する。もともとここにエレメントを作っておいて、それを帰ってきてここに俺を閉じ込めてそれを放出させたのだ。だからあの時リーナ先輩は俺を先に家から出させたのか。

放出されたエレメントはある瓶の中心にぶつかり、ビンは亀裂がはいったあとすぐ破裂する。割れた瓶は独特な匂いを放出しこの部屋をその匂いが充満させる。すぐに口元を抑え、窓に手をかける。しかし…。

意識はもうろうとし、体の動きは鈍くなり、膝をついてしまう。片方の手で頭を押さえるが、匂いにつつまれて何もできなかった。俺はゆっくり意識を手放して、地面にゆっくりと体を任せてしまったのだ。

全て何もかも計画されていた…。全く警戒していなかったなんて俺としてなにをやっているんだか…。あ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後はリーナは外に言って窓を開けた。もともとカギは開けておいたのだ。開いたドアから匂いはそとに逃げていく。そして部屋から匂いはだんだん消えていき、下の部屋へと戻った。

しかしキリトの意識は戻らず、ずっと眠ったままである。リーナはゆっくりとドアを開け、キリトに近づいていく。思えば、かなり会っていなかった。体の下に手を入れてそっと抱き上げる。そしてキリトの体をベッドに置いた。

ベッドはしっかり二個ある。キリトの体に布団を乗せ、その横にリーナも横たわる。息がかかるほど近く、興奮が抑えられないリーナ。だが、まだその時ではない。しっかりとキリトを抱いて、静かに囁いた。

 

リーナ「…愛しているぞ、キリト」




長い間投稿できなくてすみません。多忙な身で描くことすらできなくて大変でした。やめたわけではありません。東方の方も、ISの方もやめておりません。必ず次話を投稿するのでどうか待っていて下さい。お願いします。これからもよろしくお願いします!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

66話 キリトは気づいた

リーナ先輩と一緒に眠った

本編は下です


キリト「う…うぅん…」

 

重い瞼をゆっくりと開けて意識がまだ覚醒していないのがわかる。眼を軽くこすり、俺は上半身を起こした。まだ少しぼんやりとするが、まずは見慣れない景色だということに脳が遅延して気付いた。どこかの部屋である一室は、カーテンで日光が遮られまだ暗い。

なぜか、目が覚めて知らない所でも焦りがなくなってしまった。これも慣れなのか、それともまた別のものなのか。

そして後から気付いた。俺の寝ているベッドには俺以外にいるということを。毛布のもっこり具合が右にもあり、俺はその膨らんだ部分を目でゆっくりと右へと見る。その行く先にいる人物、恐らく俺と一緒に寝た人物…。

ソルティリーナ・セルルト。俺はリーナ先輩と呼ぶ。そして、そのリーナ先輩が10センチもない距離で隣に幸せそうに寝ているのだ。

俺は即座に自分の格好を見る。しっかりと服は寝る前の姿であり、もし俺がここで脱いでいたら一生懺悔するところだった。尚、リーナ先輩も服を着ているのでやましいことはなかったと安心する。

そもそも俺はどうしてここで寝ているのか、手を顔に当てて記憶を振り返る。俺は、確かルーリッドの村でまたここにきて、そしてその後に王都に行ったはずだ…。その後リーナ先輩に偶然会って、稽古なんてしてもらって…わからない。そこからの記憶が濁っていてわからない。

消されているように、なんでだろうか。そのすべての原因はこの隣にいるリーナ先輩にあるのか。

俺は肩を少したたいてリーナ先輩を起こした。

 

キリト「リーナ先輩…起きてください…」

 

少し小声で言ったが、その小声を聞いた先輩は眼を少し絞めてまだ眠い目を開けた。

 

リーナ「…ぅん?…あぁ、キリトか…。ふぁあ~…ん…」

 

軽く後輩にあくびをみせるのに俺は少し笑みを浮かべてしまった。だが俺は慌ててこの状況を聞いた。

 

キリト「せ、先輩!どうして俺はここで寝ているんですか…?」

 

リーナ「それは…ふふ、私がやったのだよ。しばらく会えなかった時間を少しでも味わいたくってな…。もちろん、〇〇〇とか【自主規制】とかも考えてはいたんだが…何しろ禁忌目録に違反することはできないのだ」

 

うん、絶対にしないでください。

と心で追い打ちをかけて、俺は苦笑いで答えた。

 

キリト「あ、えーと…それじゃあ自分はここでお別れしますね…」

 

リーナ「…何?一緒に居たくないというのか?」

 

さっきの顔から一変、光を無くし黒く染められた眼と笑っていない表情。俺は思わずベッドから出てフローリングに足をつけると、リーナ先輩はゆっくりとベッドの毛布をどかして眼を合わせたまま出てくる。後退りをすると、ぐいっと近寄ってくる。壁だったのでこれ以上下がれず、ゼロ距離の状態だ。

 

リーナ「もし、この世界に禁忌目録なんてなかったら…。そうだな、とにかくもう離れないようにしたいな。どんな方法でもいい。鎖、足枷、手錠。神聖術などの応用でもいい。とにかく私の傍から離れさせない…そう。放したくない、絶対に…」

 

場が冷えるほど透き通った低い声で、全く瞬きせずに眼を反らさず語り続ける。想像しなかった。リーナ先輩がこんな性格だなんて。アスナたちだけだと思っていたが、そうではなかった。

 

キリト「えっと…」

 

言葉を必死に出そうとするが、突っかかってしまう。言葉がでないのだ。恐怖だからか、体や手や足などが震えている。壁に背中をつけて距離を少しでも放そうとするが、その分来てしまう先輩。

 

リーナ「…震えているのか、そうか。怖がらせてしまったな。だが安心しろ。私と段階を踏み…いや、踏まなくてもいいな。私達には昔からの愛があるからな。…どうだ、私と添い遂げようと思わないか」

 

全く冗談を感じられない言葉を聞き、俺は対応に困った。だが俺は一応ここでは重要人物として扱われている。ここで俺が婚約なんてものに手を出してしまうと、人界になにか及ぼすかもしれない。ここではとりあえず断っとく必要がある。

 

キリト「す、すみません。先輩。俺は…先輩とは付き合えません。俺には、愛する者がいます」

 

そうだ。いるんだ俺には。ソードアート・オンラインで過ごした人生で、共に生き、共に過ごし、共に戦った人が。その人が、俺の将来の…。

 

リーナ「…知っている。会ったことがある。あの戦争の時にな。だが、私は認めない。いつまでも…な」

 

「…」

 

眼を瞑ると、開けた時には目の光を取り戻したリーナ先輩。後ろ歩きで離れると、低い凍える声とは違っていつもの美声で俺に言った。

 

リーナ「では、私も予定がある。ここで別れるとしよう」

 

キリト「わかりました。では、また」

 

俺は廊下を歩き、玄関について振り返る。笑顔で見送るリーナ先輩がいた。

 

キリト「…では、さようなら」

 

リーナ「あぁ、またな」

 

靴を履いて俺はリーナ先輩の家を後にした。最後にみた先輩の顔は、笑っているようだけど…笑っていない。口元はにやけていたけど、顔は笑っていなかった。

俺は最後まで恐怖心をのこしたままであり、また一つトラウマが増えてしまった。ここはSTLの中にいるはずなのに…確かにこの世界ではペインアブソーバーはないが、でもなぜかお腹が痛い。なぜだろう、すごく痛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーナ「…いつか…必ず」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はしばらく歩いていたが、比嘉さんが言っていたこと…特に変化もなさそうだ。皆それぞれ生きていて普通に暮らしている。俺が出る幕もないだろう。

俺はS字、ステイシアの窓を開いて外部と連絡を取ることにする。

 

キリト「比嘉さん、しばらく入ってみたけど変わったところはなさそうです」

 

比嘉「…そうっスか…。読みが外れたか…、まぁいいっス。じゃあ…あーそこから戻るのは周りの人から怪しまれるので部屋に入るか建物の裏にはいるなりしてくださいっス」

 

キリト「あ、そっか。わかりました」

 

俺は王都の中で家と家の間に入ると、そこから汚い裏に入り、誰もいない、見てないことを確認する。

 

キリト「よし、いいですよ」

 

比嘉「OKっス」

 

意識はだんだん薄くなり、俺の視界は真っ白になった。

…しばらくして、五感が戻る。この世界とあの世界では五感さえ違うのだ。

 

和人「…ふぅ」

 

比嘉「…お疲れっス。じゃあ仕事に戻っていいっスよ」

 

和人お「あ、はい」

 

俺はSTLから出ると、オフィスに戻った。皆地道に作業はしているが、仲良く話して相談したりして開発している人もいた。

自分の机に戻ろうとすると、一人の女性が後ろから声をかけてきた。

 

「あの、和人さん」

 

和人「ん…あぁ、どうした?」

 

「いえ、もうお昼なのでごはんを食べませんか?」

 

和人「え、もう昼だったのか」

 

俺は時計を確認する。短針は12時を過ぎていた。確かにもう昼時だ。

 

「はい、昼ですよ」

 

和人「じゃあ食べようか。そうだな…天気いいから外で食べようか」

 

「はい」

 

俺は女性社員、いつも助けてくれるこの人と一緒にいる時間がなぜか楽しく感じる。不思議と疲れない。…疲れるっていうのは最低だな。

外に出ると、小鳥たちがさえずり太陽の光と風がちょうどいい気温を保っていた。弁当をもって近くのベンチに座ると、隣に女性社員も座った。

 

「あったかいですね」

 

和人「そうだな。晴れててよかったよ…」

 

俺…笑っている。自分で気づいたほどに、自然と笑っていた。やっぱりこの人といるのが楽しいと思えて来たんだ。いつも精神的に、身体的にも疲れてきたのかもしれない。

本当にこの人には感謝しないといけないな。

 

「それでは食べましょうか」

 

和人「あぁ」

 

この人がいるから頑張れるっていうのもあるのかもしれない。俺は弁当を開けて、手を合わせていただいた。

 

 

 

 

 

 

 

???「the-end」




短くなりすみませんでした。次話に関係してくるので短くなってしまった・・・です。
最近東方の方も投稿してきてます。そっちも呼んでくれると嬉しいです。ぜひご朗読してください。「幻想郷で旅立つ黒の剣士」です。


評価お願いします。
感想どしどし送ってきてください。必ず読みます(^^♪


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

☆BADEND4 シノン編 冥界の女神

女社員と昼飯

本編は下です


時は数日前に坂戻る。

 

それはある日の、アルヴヘイム・オンラインの中でのことだ。俺は一人ダイシー・カフェに向かい、あるクエストに一緒に行くメンバーを探していた時のことだった。

そこでたまたまあったのが、水色の髪にケットシーの象徴ともいえる猫耳の生えた、落ち着いた様子のある一人の女性。シノンだった。

 

シノン「キリト、少し話さない?」

 

キリト「あぁ、いいよ」

 

少し警戒心はあるが、ここでは何もできないことを考えて近くに座る。丸いテーブルに手を置いてシノンは話し始めた。

 

シノン「…私、知っているわよ。最近、仲良くしている会社員がいるってことをね」

 

思わず心臓が跳ねた。こんな言葉だけなのに、重みを感じ胃が悪くなるようだ。眼を見開いてシノンを見た。

 

シノン「…ただ仲良くしているだけなら…いや、仲良くしていることさえ私にとっては許すことはできない。正直、今すぐでもその女性とは縁を切ってほしい」

 

キリト「そ、そんなこと…」

 

シノン「できないの?ねぇ。知ってる?私は嫉妬深いっていうこと。そしていつでもキリトを見ていること」

 

低い声が、俺の脳を凍らせるように入ってくる。ここ最近の彼女たちの行動は異例を超えてきており、そろそろまずいことが起きてもおかしくないと思ってはいたが、シノンがすることはなんだろうか。

 

シノン「いい加減別れないと、許さないわよ」

 

キリト「…別れなかったら、どうするつもりだ」

 

シノン「…そうねぇ。あなたの思っていること以上のことが起きるわよ」

 

キリト「…」

 

シノン「嫌だったら別れなさい」

 

シノンの眼は黒く、何も写さなかった。いや、その黒く闇の中の眼の奥に居るのは俺だ。俺を狙っているのだ。別れろなんて言われたら、普通に抗えばいいものを。今はそうはできない。もし抗ったら彼女の言っている何かが起こる。

それはどんなことかわからないが、もう目は正気の沙汰じゃない。

 

キリト「…」

 

声すらでない。脳が回らなかったのだ。

 

シノン「…まぁ、ここまで言ったからにはちゃんと別れるんでしょうね。それじゃあね」

 

シノンはダイシー・カフェのドアを開けてここを後にした。

俺はしばらくして机に肘をついて両手で頭を抱えた。彼女の言葉がよみがえる。それは決して忘れることのできない忠告だ。

 

『嫌だったら別れなさい』

 

等々の言葉が脳をうろついている。幻聴なのか、ものすごいめまいを感じてしまう。

仮想世界なのに汗が出てきているようだ。プログラミングされた汗が机に滴り落ちる。その汗は時期に渇き、その頃になると俺は少し落ち着いていた。

 

キリト「はぁはぁ…」

 

息が乱れていたのか、呼吸することさえ忘れていたほどに考えていたのだ。

…彼女の言葉に従うべきか、それとも気にせずに普通に暮らすか…。どっちがいいんだかはもう見当ついている。わかっているんだ。

ただ…あの人といる時が俺にとっての癒しで、嬉しくて、一番リラックスできて、気楽に要られて…別れるなんて…。

別れるってなんだ。俺は付き合っているのか…。彼女と…。

 

キリト「…」

 

そうだ。そもそも付き合っていない。俺は彼女と仕方なく…そう、部下としているだけだ。何も付き合ってない。それをシノンに言おう。そうだ、そういえばこの話はなくなるじゃないか。

椅子から俺は立ち上がり急いで左手を胸位置から下に振り下ろした。メニューが共に落ちてきて俺はすぐにフレンドボタンを指でタップした。

フレンドリストを指でスライドしてSinonという文字を探す。

 

キリト「あ…」

 

Sinonという文字の横を見ると、ログインマークに色がなかった。

…すでにログアウトされたのだ。逃げられたのか、それとも偶然落ちたのか、意図してやったことなのか。

だがこれではどうするべきかわからない。落ちて電話するか。それしかない。

 

キリト「…シノン」

 

俺はログアウトボタンに手を伸ばし、そっとタップする。

視界は真っ白になって俺は光に包まれながらその世界を後にした。

 

 

 

 

 

 

和人「…クソ」

 

ガチャッ。

電話を乱暴に戻す。冷静さを失ったのがこの音でわかった。

 

和人「…」

 

とりあえず、明日。月曜日だ。また仕事に行かないといけなくなる。…明日またログインしてシノンと会おう。会えるかわからないが、その時言えばいい。

明日、何もないことを祈る。そうだ。きっと何も起こらない。そうだ。何も…。普通に…。そう…何も…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜 1:37 港

 

詩乃「…あと3分」

 

港の近く。灰色のコートに身を包み、海風に揺らされる髪。港近くは風が強く、ここは磯の香が漂っていた。灯台は光り続き、船のエンジン音が夜にも関わらず響いていた。近くに家はなく、人気もない。

そしてあと2分になったころである。

 

詩乃「…あれね」

 

一人で呟いてしまった。水平線の奥、夜だが船の中光っていたのでよくわかる。だがその光も消したようだ。見られないためだろう。

船の色は白と青で塗装されており、あまり確認しやすくない色だ。だがこの色だと前から情報は貰っていた。

そして港に船が近づいてくる。波は足場の岩に激しくぶつかり、音を立てていた。

船が止まり、エンジン音が消えるとその向こうから一人の男性が出てきた。

 

詩乃「…時間ぴったりね」

 

「あたりめぇだよ。約束だからな」

 

出てきた男性はジーパンをはき、上は黒いタンクトップ一枚。肌は黒く、筋肉がタンクトップにぴっちりついているので筋肉があるのがわかる。短髪の背の高い男性だ。

そして私の顔を確認した後、私が言った約束の物を取りに一旦船に行くと、その品が入ったバッグを手に持ってきた。

 

詩乃「それね」

 

「あぁそうだよ。あんたの言った通りの品だよ」

 

詩乃「…一旦中身を確認させて」

 

「いいぜ」

 

スッと出し、私はそのバッグを受け取った。一気に重さが腕に来た。これが本物か。

ゆっくり地面にバッグを置いてチャックをゆっくり開ける。すべてチャックを動かすと、手を入れゆっくり開けた。

中にあったのは、こんな夜中でも形を認識できる。それは灯台の放つ光を少し反射し、塗装の黒い色が反射していた。先端には少し太い筒を付けてあった。

 

「あんたの言った、へカートⅡだ。フランスからだから結構大変だったぜ」

 

詩乃「ありがとうね」

 

私はゆっくり手を伸ばし、銃を両手で一旦持ち、左手を前に置き右手をトリガー部分に。

重さはゲームと同じようだった。そしてゲーム同様マガジンを落とし、中身を確認する。反射しているが、弾薬はすでに入っていた。鞄の中に弾丸はまだあった。

先端はサイレンサーを付けている。注文した通りだ。

 

「それで、詩乃ちゃんよぉ」

 

詩乃「…ん?」

 

男性の顔がにやける。

 

「約束通り、この後詩乃ちゃんの体を好きに使わせてもらって構わないんだよなぁ?」

 

詩乃「えぇ。約束だったわね」

 

「へっへっへ。ネットで見た時はこんなかわいい者がって疑ったが、実際会って本当だった時は興奮したぜ」

 

詩乃「あなた、結構変態ね」

 

「好きなだけ言えばいい。その生意気な口もこのあと調教してやるからよぉ」

 

私はセーフティーレバーを外し、射撃可能へと移行する。

 

「それじゃあ、約束通りあの倉庫の中で」

 

指をさし、暗い錆びた倉庫を見る。夜中の為、人通りももちろんなく、しずかなため誰にも見つかるはずがない。

 

「やらせてもらおうかなぁ?」

 

詩乃「…えぇ、そうね」

 

私はゆっくり立ち、銃をバッグの中に入れる。

チャックを閉じてバッグの持ち手を手で握り持った。

男性はバンッと背中をたたくと、倉庫を指さす。私は足を歩めながら回りを確認する。

 

「へっへっへ。あぁかわいいなぁ詩乃ちゃん。ネットで会って、写真と同じだった時は早くしたくって何度も興奮したもんだぁ」

 

詩乃「…そう」

 

息荒いのが耳元で分かる。

男性は肩に手を置いて、倉庫へと私を誘導していく。

 

「それにしてもどうして銃なんてほしがったんだい?」

 

詩乃「決まってるでしょ」

 

「ほぉ怖いねぇ、詩乃ちゃん。見た目は優しそうなのにねぇ…。君みたいな少女が扱えるほど簡単じゃないよぉ?スナイパーはね」

 

詩乃「安心して。後は残らないわ」

 

「そういう条件で貸したからなぁ」

 

話ながら倉庫の前に立つ。男性は肩から手を離して倉庫の入り口をぐっと開けた。がっがっが。鉄のこすれる音が響くが誰も気づくはずがない。

倉庫を開け終えると、さらに笑みをこぼしながら私を見てきた。

 

「ほら、こっち来い」

 

詩乃「…」

 

私は倉庫に入る。すると男性はスマートフォンのライトをオンにして、それを近くの机に置いた。倉庫の一部の中が眩しく照らされた。

男性はこっちに来る。

 

「それじゃあ…はぁはぁ…そうだなぁ…そこで脱げ」

 

指をさし、そこで着替えろという。もちろん、丸見えだった。

私はコクンと頷きながらその場所へ行き、銃のバッグを置いた。

 

「はぁはぁ…これまで我慢していた…へっへっへ。ついに…」

 

息荒く、私を見てくる。

私は着ているコートを脱ぎ、そのコートを地面に落とす。普段着から、上のシャツを脱ぎ、下のズボンも脱いだ。

下着が申し訳なさそうに隠している。スマートフォンから放たれる光が私の肌を照らしていた。

 

「はぁはぁはぁ…綺麗だなぁ詩乃ちゃん…へっへっへ。それじゃあもちろんそれも脱げ」

 

息をさらに荒くし、目を丸く輝かしている。

その男性に私はあることを言った。

 

詩乃「…ねぇ、恥ずかしいからそっち向いててくれない?脱ぐとこ見られるのってとっても恥ずかしいのよね。服ならまだ我慢できたけど…ちょっと下着を脱ぐときは…」

 

「はぁ…まったく仕方ねえな。早く脱げよ」

 

詩乃「もちろん、よ」

 

そっぽを向いた男性。

そして、私はあるものを握る。

下着を脱いで、ついに肌だけになった私。だが今はそんな恥ずかしさはなかった。

そして、私は合図する。

 

詩乃「…いいわよ」

 

「おっ。そうかぁ。…はぁはぁ…、ついに詩乃ちゃんの裸を…」

 

そして、男性はこっちを向く。男性は一瞬私の裸に目を取られたが、その目は一瞬で変わった。

 

詩乃「ありがと」

 

パシュン。

 

男性のおでこに綺麗に穴が開いた。そしてその血は後の壁へと、スマートフォンへとかかる。

血しぶきが私の肌に少しかかり、舌打ちをしてしまう。

 

「…し…詩乃…ちゃん…」

 

詩乃「あなたはもう用済みなの。私のターゲットはアイツだけ。さよなら」

 

バタッ。すでに命の無い男性の体が思い切り倒れた。

血しぶきはスマートフォンにもかかり、そのスマートフォンを私は手に取り、男性のジーパンの中へ入れた。

壁に血しぶきがかかったが、私はスマートフォンを置いていた机に足を乗せ、壁に貼り付けていた紙をはがした。そして地面に張っている紙もはがし、丸めていく。

血しぶきはここにはもう一滴もなく、すべてこの紙にかかっていた。そう、血しぶきは先にこの壁に紙をつけていれば対処できるし、真夜中、だれもここには来ない。

そして倒れている男性の床の紙を男性の体を包み込むように丸めた。証拠は残さない。

完全にやるのが私。

 

そしてまるめた紙を置いて、先に男性を担ぐ。

倉庫を裸のまま出て、海風が肌に当たる。少し寒いが、我慢できる。

そして誰もいない港。その男性の遺体を海へと思い切り投げ捨てた。

倉庫にある紙も一緒に入れる。紙はいずれふやけて消える。男性の遺体は途方に消える。サメにでも食われるのかしら。

倉庫に戻り、普段着を着て灰色のコートを着た。見渡しても証拠がない。私は銃をもってゆっくりバッグにもどした。銀行で人を殺した時より全然平然といられる。なぜだろう。

銃を入れたバッグをもって、私は倉庫を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月曜日 六本木 あるビルの屋上

 

決まった場所から撃つ。もう計画も決めていた。これでもう終わりだ。

私は改め双眼鏡でラース本社の窓を見る。キリトのオフィスはどこにあるかもう把握しており、ここから狙える。

 

詩乃「…」

 

まだキリトはいない。だが、真面目な女社員はすでに出勤している。見ているだけで憎たらしい。すぐにでも殺したい。だが、まだだ。

私が狙う場所はあのオフィスではない。そう、狙いやすい外だ。あの一番下の、いっつも女社員と食べている外だ。

…しばらくしてキリトが来た。私はまつ。そう、待つのだ。時がくるまで。

結局キリトは別れなかった。オフィスに着いたときのキリトは、女社員と出会うと私達には見せない笑顔になっていた。

あんなに忠告したのに結局判断できなかったんだ。なんとも哀れだろうか。私の言うことをしっかり聞いていればよかったのに。この結果になったのは、そう、この《物語》の中心のキリトだ。

 

時が12時になる。オフィスの部屋がざわめく。飯を食いに行くもの。誰かと行くもの。その場で食うもの。

そしてキリトは思った通り女社員とオフィスを出た。

外から見えるエレベーターに乗っている。ここからでも視認できる。

1階につくと、弁当をもって外にでた。

そう。そこだ。

私の予想のままだ。

あの女社員の笑顔が苛立つ。あぁ。いやだ。いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ。

キリトは座った。

女社員も隣に座った。

コッキングレバーを強く引いた。

空薬莢が出る。レバーを戻し、視認する。

最近のゲームはリアルを持ち込みすぎだ。だからこうやって現実世界でもできてしまう。

スコープの十字印にしっかり女社員の頭を位置づける。

私のキリトが隣にいる。だがあの角度だと当らないのだ。それもここを選んだ理由だった。

 

今。その目障りな女から解放してあげるわ。キリト。

女社員。あなたの人生。そう、あなたの命はここで…

 

トリガーに人差し指をかけ。

 

詩乃「The-End」

 

パシュン。

軽い振動がし、銃口から弾丸が発射された。

弾丸は周り、そして彼女へ迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぴう。

そんな音が俺の耳に聞こえた。

次の瞬間。

 

俺の隣にいた人は。

頭から血を出して…。

倒れていた。

 

和人「…え?…あ…あ…あ…」

 

俺は思わず腰を曲げてしまい、後退る。

 

和人「うわああああああああああああああああ!!!!」

 

俺の悲鳴が、この外に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死亡が確認された。

病院でそう医師に告げられた。

俺はその時はあの撃たれた時よりも絶望感は薄かった。すでにもう気は取り戻していた。だが、ショックは拭えなかった。

近くにあるベンチに腰を下ろす。

 

和人「…」

 

俺が、悪かったのか。俺が、彼女を殺したのか。

彼女を殺したのは、アイツだということはもうわかっている!

どうして…こんな…醜いことができるんだ。俺にはわからないよ。もう、わからないよ。

俺の眼にはもう光が宿ってないだろう。だが、俺ができることは、とにかく詩乃に会って、そして詩乃に対してありったけの怒りをぶつけることだけだ。

それ以外に何ができるというのか。わからない。わからない。

俺はベンチを立って、重い足で外へ出た。

 

 

 

しばらくエギルから借りたバイクで走り、詩乃の家の前へと俺はきた。

改めてスマートフォンを確認する。ニュースを見るが、撃たれた事件は出ても犯人は特定されていない。

…俺が言うんだ。

バイクを止め、俺は詩乃の家の前に立つ。この先に…殺人鬼がいるんだ。一人殺しても殺人鬼だ。俺にとっては。

震える手でインターフォンを押し、その音が響いた。その音にさえ俺はびびってしまった。

すると数秒後にドアはガチャンと開かれ、その奥から現れたのは…。

 

詩乃「いらっしゃい。キリト」

 

いつもの笑顔で変わらずの詩乃だった。だがこいつで間違いない。俺の大切な友人、いや、恋をしていた女社員を殺したのはこいつに間違いない!

 

和人「…詩乃…詩乃…詩乃ぉ!」

 

俺は思わず詩乃の胸倉をつかんでしまった。

 

詩乃「あら?何かしら。そんな怖い顔して」

 

和人「何じゃない!お前…お前が殺したんだろ!」

 

詩乃「誰を?」

 

和人「誰をって…」

 

詩乃「証拠は?あるの?警察に言う?でも無理よ。証拠がないじゃない」

 

和人「俺が…絶対に…」

 

詩乃「絶対に何よ。そもそも私の忠告に大人しく従わなかったあなたが悪いじゃない。私は言ったわよね?それでも和人は離れなかった。笑顔でいたわよね。だからやったの」

 

和人「…俺が…?」

 

詩乃「そうよ。和人。あなたよ」

 

つかむ手の力が弱くなり、胸倉を離した。

長い髪で俺の眼は視認できないだろう。だが俺の眼は今は恐らく黒いはずだ。

 

和人「…俺は…」

 

詩乃「安心して?私が嫌なことから全部解放させてあげるから」

 

生気を感じない俺に近づく詩乃。それはいい笑顔で。目にはハートが見えた。

なんだ。結果俺が殺人鬼なのか。いや…でも…俺が…。

 

ビリビリ。

 

スタンガンだと一瞬で認識できた。遅れて俺は立ち上がったが遅かったみたいだ。

 

和人「…ぐあっ!」

 

バタ。

意識が薄れていく。俺は、何もできなかったようだ。

だが、こいつの思い通りにさせてたまるか。抗って見せる…抗って…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

監禁 ~1日目~

 

ベッドに手錠でつながられ、大の字になって伸びていた俺。

そこに詩乃が来た。

 

詩乃「…おはよう。元気?」

 

和人「そんなわけないだろ…」

 

詩乃「ご飯よ。私が食べさせてあげるわ」

 

和人「…」

 

詩乃「ほら、あーん」

 

これは食わざるを得ない。俺は口をあけご飯を食べた。

普通に美味しいが、一つの疑問が浮かんだ。

 

和人「…思ったんだが、両親は?」

 

その時、詩乃の顔が不気味にほほ笑んだ。

 

詩乃「フ…フフフ…見たァい?」

 

和人「っ!?」

 

嫌だが、悟ってしまった。

まさかとは思うが、女社員を殺した人だ。できるんだろうな、こんなことも…。

 

和人「…いい」

 

詩乃「そう?ならいいわ」

 

和人「…早く出せ」

 

詩乃「嫌よ、私が愛してあげるから出さないわ」

 

和人「…そんなこと…」

 

すると詩乃はゆっくりと俺の顔に近づき、目を細めると口を小さくした。

俺の唇と彼女の唇が重なった。抵抗できない。縛られていてなにもできない。

 

和人「ぁ…」

 

詩乃「うふふ…いずれ私のことをすきになるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監禁 ~15日目~

 

見ている景色は変わらない。俺は寝たままだ。あぁ、頭がおかしくなる。15日。トイレや風呂だって縛られたままで。手錠も外れなくて。隙もないし、切れそうにもない。

もう辛すぎる。何日たったんだ…?あぁ…そとを見ていない。皆なにしているんだ…俺を早く助けてくれよ…。

 

詩乃「んっ」

 

唇から離れると、俺の胸に顔を寝かせた詩乃。

 

詩乃「…大好き。ずっとね」

 

和人「…俺は…嫌いだ…」

 

詩乃「そう。そんな言葉聞きたくないわね。いずれ変わるわ」

 

和人「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監禁 ~30日目~

 

一日は24時間で終わる。24時間が何回経った?俺は日光を浴びていない。飯を食べて、風呂、トイレ。なんだ。これは。

頭が狂ってきた。考えることさえつらい。なんでなんだ。つらくて…考えることは詩乃のことだけしかない。他は考えることはできないようになってきた。

 

詩乃「…お粗末様」

 

和人「…あぁ…」

 

抵抗していたんだっけ…。そんなのもういいや。

疲れた。あぁ。今って幸せっていうのか…それとも違うのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監禁 ~156日目~

 

…。

…。

…。

…。

…。

…今はいツだ?何時間たっタ?

真っ暗だ。思考ハ詩乃でウめつクされてイる。

 

あァ…ホら…来タ…天使…。

彼女こソ…て…天使…詩乃…あぁ…。

 

詩乃「来たわよ、和人」

 

和人「詩乃…あぁ…詩乃…」

 

詩乃「もう溜まってきてるんじゃない?」

 

和人「詩乃…好きだ…君が…大好きだ…」

 

詩乃「私もよ。もちろん。和人」

 

詩乃が…脱ぎ始メた。

詩乃とはもう俺はヤってイるんだ。ほら…あぁ…。

彼女優シいんダ…。世話しテくれルし…性欲にもこまらナいし…。

大好きだ…。もウ詩乃なしジゃ生キていケない…。

 

あれ…?オレいつノま二手錠外さレたんダ…?

まぁ…いっカ。詩乃がいルカら…彼女がいレ…ば…。

 

詩乃が俺のとナりに肌を見セて布団を被った。

 

詩乃「愛しているわ。あなた」

 

 

【挿絵表示】

 

 

和人「俺もだよ。詩乃」

 

俺は、今、シアワセ。

 

BADEND4 冥界の女神




どうデしょうカ…みてクれタ方…ありがとうございます。

長い間投稿できなくてすみません。待ってくれた方。本当にありがとうございました。
シノン編はとても悩みました。なんせものすごい人気なキャラの一人ですからね。自分のssなので自分の好きなようにさせてもらいました。気に入ってくれたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします。

評価、感想、励みになります。お願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

GOODEND4 シノン編 最強のパートナー

時は数日前に坂戻る。

 

それはある日の、アルヴヘイム・オンラインの中でのことだ。俺は一人ダイシー・カフェに向かい、あるクエストに一緒に行くメンバーを探していた時のことだった。

そこでたまたまあったのが、水色の髪にケットシーの象徴ともいえる猫耳の生えた、落ち着いた様子のある一人の女性。シノンだった。

 

シノン「キリト、少し話さない?」

 

キリト「あぁ、いいよ」

 

少し警戒心はあるが、ここでは何もできないことを考えて近くに座る。丸いテーブルに手を置いてシノンは話し始めた。

 

シノン「…私、知っているわよ。最近、仲良くしている会社員がいるってことをね」

 

思わず心臓が跳ねた。こんな言葉だけなのに、重みを感じ胃が悪くなるようだ。眼を見開いてシノンを見た。

 

シノン「…ただ仲良くしているだけなら…いや、仲良くしていることさえ私にとっては許すことはできない。正直、今すぐでもその女性とは縁を切ってほしい」

 

キリト「そ、そんなこと…」

 

シノン「できないの?ねぇ。知ってる?私は嫉妬深いっていうこと。そしていつでもキリトを見ていること」

 

低い声が、俺の脳を凍らせるように入ってくる。ここ最近の彼女たちの行動は異例を超えてきており、そろそろまずいことが起きてもおかしくないと思ってはいたが、シノンがすることはなんだろうか。

 

シノン「いい加減別れないと、許さないわよ」

 

キリト「…別れなかったら、どうするつもりだ」

 

シノン「…そうねぇ。あなたの思っていること以上のことが起きるわよ」

 

キリト「…」

 

シノン「嫌だったら別れなさい」

 

シノンの眼は黒く、何も写さなかった。いや、その黒く闇の中の眼の奥に居るのは俺だ。俺を狙っているのだ。別れろなんて言われたら、普通に抗えばいいものを。今はそうはできない。もし抗ったら彼女の言っている何かが起こる。

それはどんなことかわからないが、もう目は正気の沙汰じゃない。

 

キリト「…」

 

声すらでない。脳が回らなかったのだ。

 

シノン「…まぁ、ここまで言ったからにはちゃんと別れるんでしょうね。それじゃあね」

 

シノンはダイシー・カフェのドアを開けてここを後にした。

俺はしばらくして机に肘をついて両手で頭を抱えた。彼女の言葉がよみがえる。それは決して忘れることのできない忠告だ。

 

『嫌だったら別れなさい』

 

等々の言葉が脳をうろついている。幻聴なのか、ものすごいめまいを感じてしまう。

仮想世界なのに汗が出てきているようだ。プログラミングされた汗が机に滴り落ちる。その汗は時期に渇き、その頃になると俺は少し落ち着いていた。

 

…どうなるんだ…ほんとに…。

ここで決心しないと、何かまずい気がする。一体どうなるんだ…これ。

何かまずい予感がする。こう…なんだ。死…か。

 

キリト「シノンッ!」

 

決心したんだ。なにか、周りの何かが消えそうな気がして。

今のシノンには、何かがある。このままだと、そう、まるで、標的を定めてトリガーを引くように。

 

キリト「シノン…わかった。別れよう。だから何もしないでくれ」

 

シノン「…本当?」

 

キリト「ほ、本当だ。だから何もしないでくれ。絶対に…頼む…」

 

シノン「わかったわ。じゃあ、何もしないわ」

 

キリト「本当…か?」

 

シノン「えぇ、本当よ。じゃあ私は『やらないといけないこと』がある」

 

キリト「え…なんなんだ、それ」

 

シノン「…」

 

シノンはそのまま、何か『暗い顔』をしてログアウトした。

本当に何もしないのだろうか。少し心配になってきた。ちょっと気になるな。俺もログアウトして少しシノンと話さないといけなさそうなきがしてきた。

指をスライドさせてログアウトボタンを押した。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

携帯をもって俺はシノンに電話をした。

プルプルプルプル…ずっとその音が鳴りやまないままだった。つまり、出ないのだ。

にしても暗い顔をしていたが、何を重んじていたのか。

 

キリト「…シノン」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

夜中。

私は携帯を手に触り、メッセージを送った。

…。

 

詩乃「…そろそろ…か」

 

海を見る。

確かに来るとは言っていた。断っても、来ると。

何をするのか、想像がつかなかった。とりあえず集合時間には来るようにした。

港、潮風があたり、風が強かった。目立たない黒い恰好ということで灰色のコートを着た。

地平線の奥、色通りの船が来た。光りがともってたが、いずれ消えて黒いまま迫ってくる。

 

詩乃「あれか…」

 

船が港の近くに来て、水を壁に打つ。

少し緊張する。

船の床を渡る音が聞こえ、こっちに迫ってきた。

 

「…おめぇ、断ったって本当か」

 

詩乃「えぇ、そうよ」

 

「なぜだ。憎いんだろ。殺したいんだろ」

 

詩乃「もういいのよ。用済みよ」

 

「…」

 

一歩前に出て、こっちに迫ってくる。タンクトップに焼けた肌。短髪に筋肉質だった。

それがさらに圧を出していた。

 

詩乃「な、何よ」

 

「おめぇ、調子乗ってんじゃねぇぞ」

 

突如腕を伸ばし、強引に腕をつかんでくる。

 

「このへカートⅡをどれだけの労力で手に入れたと思ってんだッ!ざけんな!お前の要望だ!」

 

詩乃「や、やめてよ!」

 

無理やり離れて逃げようとするが、力は圧倒的に相手が勝っていて、たとえ振りほどいても追いつかれるだろう。

どうすればいいのか。下手すれば命さえ…。

 

「とりあえず、約束は守ってもらう。へっへっへ」

 

詩乃「な、何でよ!貰ってないのよ!」

 

「運ぶのが仕事。つまり、運んだからにはそれなりの報酬を。だ」

 

詩乃「ひっ…」

 

強引に引かれ、ある場所へと歩かされる。

向かっているのは倉庫のような場所で、そこは誰も近寄らないように見える。錆びているシャッターを片手で男性は開けて、ギギギと音を立てながら開ける。

まさか、ここに連れ込むのか。

 

「おら!入れ!」

 

詩乃「くっ…」

 

投げられて倉庫に入れられ、更に警戒する。約束通りということなら、まさか。

シャッターを片手でとじ、持っている携帯のライト機能を使い、倉庫内、主に私を照らす。

 

「おら、早く脱げ」

 

シノン「い、嫌よ!」

 

「そうか…」

 

すると、今度はコートをつかまれ、強い力で脱がされる。

 

「ほら、自分で脱げ。じゃなきゃ次は服を破いてまで脱がすぞ」

 

詩乃「結果は…同じじゃない…」

 

必死に自身の身を守ろうと隠す。しかし男性は不敵な笑みが浮かばれ、両腕で、シャツをつかまれる。

 

「ほぉ、いいスタイルしているねぇしのちゃん」

 

詩乃「触らないで!」

 

ビリッ。

服が破れる音が聞こえた。

私のシャツが破られ、下着が露わになる。

 

「いい下着だねぇ。犯しがいがあるってもんだなぁ!」

 

詩乃「や…やめ…」

 

もう、何もできない。

このまま…私は…。

 

ビリッ。

ズボンが破かれる。下着が露わになる。

壁に逃げるものの、何もない。出口もない。もう、終わりだ。

…ほんとに早まりすぎた。勝手に危ないサイトに頼んで、殺す目的で借りたが…。約束だって軽く飲んでしまった。どうにかなるって思ってた。

あの時普通にもらって、殺しておけば…。

 

詩乃「…」

 

終わりだ。

 

「へっ。そんじゃ、それも…」

 

…ごめん。

 

肩をつかんでくる。

何も抵抗できない。ここで犯されて…終わるんだ。

頬に何かが伝る。

 

…さよなら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろッ!」

 

シャッターを片手で支え、そこに立っている一人の男が見えた。

…あそこにいるのは…。

目の錯覚か。

黒いコートをまとい、それは幾戦も勝ち抜いてきた装備…。そう、まるで…皆の英雄…黒の剣士…。

 

「誰だおめぇ。今邪魔すんじゃねぇよ」

 

「今すぐその手を離せ!」

 

手に持っているのは…剣?漆黒の…剣?

瞬きを繰り返すと、そこにいたのは普通の格好の男性で、手に持っていたのは傘だった。雨なんて降ってなかったはず…。

いたのは…彼だった。

 

詩乃「キ、キリト…」

 

和人「…助けに来たぜ。詩乃」

 

詩乃「どうして…」

 

和人「詩乃が俺に助けを呼んだんじゃないか。そうだろ」

 

詩乃「…」

 

『私は携帯を手に触り、メッセージを送った』

 

やっぱり、信じてよかった。彼のこと…。

これまでずっと、ひどくしていたけど…でも来てくれた…。

 

「こっちにくんじゃねぇよガキが」

 

しかし彼は歩みを止めない。傘をまるで剣のように握っている。

 

和人「…」

 

「へ、ぼこぼこにされてぇらしいな」

 

和人「そんなつもり、一ミリもない」

 

「なら、ここに来たのが運のつきだ。死ねぇ!」

 

猛烈な拳が、彼の顔へと迫る。

 

詩乃「キリトッ!」

 

リアルじゃありえないと思っていた。そんな動きをしたのだ。

ひらりと避けると、傘の先端をしっかり相手に向けて。

 

キリト「はぁあああああああああ!」

 

一瞬。キリトに見えた。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

コートを身にまといながら逃げる詩乃の前を俺は走る。

 

和人「はぁ…はぁ…。とりあえず、ここまで逃げれば大丈夫だろう」

 

詩乃「…本当にごめんなさい…和人君。私はなんてことを…」

 

涙を流しながら俺の胸に顔を埋めた。

俺はそっと頭に手を置いた。

 

和人「詩乃が無事で本当に良かった」

 

詩乃「ありがとう、本当に。危険を顧みないでよくあんなことを」

 

和人「当然だ。俺の大切な人が危険な目に会ってたら、助けに来るのが当然だろ?」

 

詩乃「大切な人って…明日奈以外に使っちゃだめじゃないの?」

 

和人「たとえそうでも、詩乃は大切だろ」

 

そっと、抱きしめる。

これまで彼女のやってきたこと、今一度振り返ってみようか。そもそも皆がおかしくなったのはSAOの時代からと思っている。

シノンも確か、SAOにやってきた。それも不可思議な力によって。あのあとはシノンは俺たちと一緒にSAOを攻略した。一緒にSAOを出て、そしてGGOもやった。一体何が彼女たちをああやったのだろう。

確かシノンの最初は…。

一緒に戦っていた時、俺に矢を撃ってきて小屋へとノックバックした。なんてあった気がする。そっからはちょくちょくあったけど、シノンは急に姿を隠すようにコソコソとやっていた。なるほど、今回にすべてつながるのか。

 

和人「詩乃、君のやろうとしたことは…」

 

詩乃「そう、私がやろうとしたのは…あなたの女社員の殺害。そのためにこれまでコソコソ動き、ターゲットをどこで撃ちぬくか、だった」

 

和人「けど、君は止めたな。よくできたな」

 

詩乃「…誉められることじゃない。むしろ怒られるべきよ」

 

涙を止めず話す。

 

和人「誉められることでいいんじゃないか。そんな涙を流せるのも、君にまだ善良な心があった証だ」

 

詩乃「そうかな…ねぇ…」

 

和人「ん?」

 

詩乃「また、いつもの様な関係に戻れるかな。皆と…」

 

和人「きっとなれるさ。絶対に」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

GGO内 オンラインマッチングルーム

 

シノン「バックアップは任せて!」

 

キリト「あぁ!」

 

カゲミツG4の刀身を伸ばし、荒野を駆け抜ける。

長い前髪が走るとともになびき、コートもなびく。瓦礫や土が舞いながら、最短距離を責めながら責める。

 

「くっ…!」

 

ダダダダッ!アサルトライフルの銃声が響き、銃弾の行先を示すレッドラインは俺の頭、肩、胸、足、を乱雑に狙っている。銃弾が迫る。

正確に剣を振り、光の中へと銃弾が溶けていく。火花が散っていく。

 

「なぜそんな動きがぁ!?」

 

キリト「今だ!シノン!」

 

スコープ越しに、ターゲットを逃さない正確無比な目。レッドラインが相手の頭へと絞られた。

呼吸を整え、トリガーを強く引いた。

 

シュン。

 

空気を貫き、俺の顔を横切り、相手の頭へと行く。

 

パシュン。

 

相手の頭が打ちぬかれた。

 

シノン「ふぅ…」

 

キリト「よし。さてと…」

 

残りのデュオチームの相手は、1グループか。

 

キリト「行くぞ。シノン」

 

シノン「えぇ、勝ちに行くわよ」

 

荒野を歩き、次の相手へと向かう。

 

シノン「私は最強の戦闘パートナーを持ったわね」

 

キリト「それはこっちのセリフでもあるぞ。さぁ、勝つぞ!」

 

 

 

GOODEND4 最強のパートナー




読んでくれてありがとうございます。

しばらく忙しい日々でした。猛暑日ですね最近。暑いですね…。この小説は着実に終わりに近づいています。

最後の最後まで、投稿ペースは酷いかもしれませんが、よろしくお願いします。





























???「さて、この小説も終わりに近づいているということを皆さんはどのように思うか。この彼女たちの突然の変異をどう思うか。全てはいずれわかるわ。この小説の最後に。全てが明るみにでるわ。それでは」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

67話 キリトは不安になりつつある

弁当を食べようと女社員と外に出た

本編は下です


スグの作ってくれた布に包まれた弁当を座って開けてみる。シュルっと布が解けて弁当の蓋を恐る恐る開けると、その弁当は少し変わっていた。

いや、なんというかとても食えないものだ。

 

和人「…」

 

これまではそんなことなかったのに、今は米に髪の毛がわざと多く入っていたり、すこし赤い液体…何か想像したくないが、そうならなおさら食べたくない。

そっと蓋を閉じる。

 

女社員「…ん?どうしたんですか?」

 

俺の行動に少し疑問を感じた女社員が俺に聞いてきた。

 

和人「あーえっと…ちょっと近くのコンビニ行って弁当を買ってくるよ」

 

女社員「え?弁当ならあるじゃないですか」

 

和人「ちょっとな…色々と理由があって。とりあえず買ってくる」

 

まさか弁当を買う羽目になるとは、しかし財布は持っといてよかった。女社員には申し訳ないが早く買ってこよう。近くには確かコンビニがあった気がする。そこまであまり距離はないし、小走りで行けるだろう。

そして小走りで少し会社から離れているうちにコンビニの看板が見えた。道があっててよかったと思いコンビニに入ろうとした時だった。

右側にある道路を走るリムジンが見えた。リムジンなんて珍しくて全く見たことがないと思い本当にあるんだなぁと見ていた。

するとリムジンがコンビニの駐車場を登ってきたのだ。リムジンなのにコンビニに行くなんてらしくないと思ってしまった。

リムジンが駐車場に止まると、そこから姿を現したのは意外な人物だった。

 

和人「誰かと思えば」

 

小柄な姿にして、銀髪の天才少女。今は社会の科学技術、ならびにVRやARにも貢献している人物。天才博士の彼女だった。

 

セブン「久しぶり、キリト」

 

私服姿に身を包み、手には小さい箱を持っている。

 

和人「あぁ、最近あんまり会ってなかったな。何をしていたんだ?」

 

そう問いただすと、呆れたような溜息をして答えた。

 

セブン「そりゃキリトがあんなに色んな人に囲まれたら話す機会なんて減るに決まってるじゃない。まぁそれはとりあえず、これ!」

 

持っていた箱を俺に差し出した。手に取ってみる。暖かい。

 

和人「これって弁当か?」

 

セブン「そう。どうせ買いに行こうとしていたんでしょ?あげるわ」

 

和人「あ、そう…ありがとう」

 

受け取ったのはいいのだが、さっきあのような弁当を目の当たりにしたため、今はコンビニの弁当が最も信じられる。だがセブンが弁当を作ってくれたのはこれが初ではない。前作ってくれたときはとても美味しいものだったので普通に食えるものが入っていると思っている。

今回は受け取ろう。

 

和人「弁当の容器はいつ返せばいいかな」

 

セブン「そうね、また明日ここに来るわ。そのとき渡してくれたらいいわ」

 

和人「わかった」

 

セブンはリムジンに戻って軽く手を振った。俺も軽く手を振るとリムジンはまた道路に入っていった。

さて、セブンからもらったこの弁当。とりあえず一回ここで開けてみるか。もし中身があのようなものだったら買わざるを得ない。

パカっと音を立てて開けると、そこには綺麗に並んでいる具材、米、野菜。どれも綺麗で品性がある。それにセブンが自分で作ったっていうのがよくわかる。みてわかる努力の物だった。

それになにも怪しいものは入ってないように見える。安心して蓋をし、俺は会社へ戻った。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

女社員「あ、おかえりなさい。随分立派な弁当ですね」

 

和人「あ、あぁ」

 

とりあえずもらったものを食べよう。蓋をあけついていた箸で食べ始めた。うん、普通に食材の味だ。米も普通だ。普通に美味しい弁当だ。

なんでスグはあんな弁当を作ってしまったのだろう…。とてもじゃないが食べられるものじゃなかった。

俺はセブンの作ってくれた弁当を食べ続け、女社員と少し会話した。

 

女社員「最近は大変ですね。なんか皆さんずっとアルヴヘイム・オンラインについて話していましたよ」

 

つい体をびくりとさせてしまう。この混沌を招いたのはほかでもない。俺だからだ。

 

和人「皆じゃない。一部の人だけだ。この問題は俺が解決しないといけない。会社の趣旨が変わってきているな」

 

少し苦笑いをして俺は弁当を食べ終えた。今でも力を蓄え続けているアドミニストレータは、アルヴヘイム・オンラインの脅威だ。

生き返った彼女だが、生かしてはいけない。命を勝手に与えてしまった俺は罪深い。

 

和人「…」

 

顔を下に向け、考え込んでしまった。

そもそも、ユージオを再会を望んだ俺だが、ユージオはもうすでにいない存在だ。いわばこの世に存在してはいけない。それも命を与えたのは俺だ。たった少しの作業で命が芽吹くのならば、なんて力を手にして待ったのだろうか。

ユージオは…君は…。

 

女社員「…大丈夫ですか?」

 

和人「…あぁ、大丈夫」

 

女社員「そうは見えませんけど…」

 

和人「そうかな…」

 

確かに、今の俺は大丈夫じゃない。そろそろ自分自身も気づいてきたはずだ。もうすでに俺の心の一部は、彼女たちによって壊れているということを。精神が侵食されているのにも気づいている。彼女たちの掌の腕踊らされている人形ような気がしてきた。

そうだ。もう俺は壊れている。心のどこかが。

 

和人「うっ…」

 

女社員「だ、大丈夫ですか本当に!」

 

和人「なんでもないよ。ちょっと頭痛がしただけだ。さ、戻ろう」

 

女社員「…」

 

不安な目で俺を見てくる女社員。すると女社員から一つの提案が出された。

 

女社員「では、この後少しあるところに寄っていきませんか?」

 

和人「あるところ…?」

 

女社員「はい。きっと気分も少しはすっきりするんじゃないかなって思って」

 

気を遣わせているのか。俺は。

 

和人「そんな気を遣わなくても「いいえ!」

 

女社員「行きましょう。この後。少し早めに上がって行くんです!」

 

こんな強気の女社員は初めて見た。少し圧倒させられた。

 

和人「…わかった。じゃあ行くよ」

 

女社員「はい!」

 




見てくれてありがとうございます。
少し忙しくなり始めて、大変ですが必ず終わらせますので皆さんもどうかよろしくお願いします。
これからも頑張ります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

68話 キリトはリフレッシュする

女社員の誘いに乗る

本編は下です


女社員の強引な誘いに負けながら早めに会社から出た。もう夕日がなくなり夜になりかけているときだった。電車で揺らされながら、どこへ行くのか考えていると声がかかった。

 

女社員「次で降りますよ」

 

和人「わかった」

 

次で降りるということは、俺はちらりと扉の上にある電光掲示板を見た。矢印が指すのは押上駅だった。そういえば女社員にただついて行っているだけだったので行く先とかも全然聞いていなかった。ただ改札を抜けて電車に乗っている俺は今押上に行っているということを認識したのだ。

少し混んでいる電車の中、女社員の顔を見た。見ていたのは、窓の奥。東京の街だった。すこし微笑んでもいた。なぜ微笑んでいるのか、俺にはわからなかった。ただ、純粋に嬉しそうな感じが伝わってくる。

アナウンスが聞こえ、駅が近づいているのがわかった。一回眼が合い、頷いてみる。電車が徐々にスピードを落として、押上駅で止まった。

少しもみくちゃにされながらもホームに降りて、女社員とはぐれないように近づいておく。ホームから改札へと俺たちは向かった。

 

改札を抜けると、押上に出る。夜風が少し冷たいが、それが俺にとってはいい気候に感じた。先に歩いている女社員はこちらに振り向いて言った。

 

女社員「一応、お金持ってきてますよね?」

 

和人「も、もちろん。多少は」

 

優しく微笑むと、前を向き直した。

 

女社員「よかったです。さぁ、行きますよ」

 

夜の東京の都会を、俺たちはあるところに向かって歩み始めた。押上にはあまり用がなかったので来る機会はなかった。だが今回はなんでここに来たのか、聞こうとした。

 

和人「なぜ押上に…」

 

女社員「それは近くに行けばもうわかりますよ」

 

少し機嫌がよさそうだ。俺も嬉しくなった。こんな風に平凡な時間を過ごすことが最近なかった。そのためか、今心が落ち着いていた。夜の街は人の心をなぜか和らげてくれる。俺はそうだ。不思議と落ち着くのだ。

そして歩き始めて数分、正直駅からもう見えてはいたが、まさかここだったとは。前には大きな塔が聳え立っていて、ライトアップもされていた。

そう、スカイツリーだ。

 

和人「まさか、ここに入るのか?」

 

女社員「そうですよ。あ、まさか高いところが登れない、なんてありませんよね?」

 

和人「もちろん大丈夫だけど…って、登るのか?」

 

女社員「はい。来たからには、登りますよ」

 

まさか登るとは。薄々感じてはいたけど…。改めて見ると、本当に高いな。ライトアップは綺麗で、白い鉄の骨組みは綺麗に交差して互いに支えあっているようだ。そして電波塔としても活躍していて、高さはもちろん634m。

入り口に入ると、少し人は並んでいた。会社があった今日。もちろん平日なため、人は土日ほど多くないだろう。だけどこの時間が一番登って降りて帰るのが楽な時だ。人もそれを狙って登るためのチケットを買っているのだろう。

 

女社員「並びますよ」

 

和人「お、おう」

 

並ぶための列の最後尾に並び、受付まで待つ。少し携帯を除いて、今何時か確認する。7時になろうとしていた。確かにこの時間なら、降りるときにはいい時間になっているだろう。それにしてもなぜ俺を登らせたいのだろうか。やっぱりさっきの俺の顔を見たからか。

一応聞かないようにしよう。上に登ってもまだわからなかったら聞こう。

 

女社員「和人さんはスカイツリーに上ったことありますか?」

 

和人「いや、ないかな」

 

見たことはもちろんたくさんある。テレビとか、普通に電車の中で。ただ登ったことはなかったな。前々から登ろうとは思っていたけど、ついに登れるとはな。

そして受付前まで来て、大人二人分のチケットを買って、大人数用のエレベーターへと誘導される。10人くらい一斉に乗せるようだ。エレベーターが開くと、みんな中へと入っていった。俺たちも遅れないようにエレベーターに入ると、エレベーター操縦士がドアの左側へと立ち、操縦版を操っている。

エレベーターが動き出し、速く上へと上がる。上にある高さを表す数値はどんどん高くなり、あっという間に展望台へとつきそうだ。

女社員の方をみると、少しびくびくしていた。どうしたと思い声をかけると、今にも消えそうな、かすれた声で呟いた。

 

女社員「私…実はこのエレベーターの透明なドア、上がっていく景色が少し苦手で…やっぱり高いところ怖くて…すいません…」

 

確かに、この上がっていく感覚を透けたドアで外を見ながら体験するのは、意外に怖い。俺はそうでもなかったけど、女社員は怖いと言っている。乗っているこの機体が上がっていると想像すると、なお怖く感じる。

 

和人「まぁ、もうすぐ展望台だから頑張れ」

 

女社員「…はい」

 

か弱い声は、周りの乗客によってかき消された。

そして展望台へとたどり着いた。ドアが開いて、俺たちが先頭に展望台へと出ると、どんどん後から出てくる。強制的に前に出ると、展望台にはたくさんの人が外の眺めを楽しんでいた。

俺たちもゆっくり窓の方へと向かう。女社員を見ると、さっきのように怖がってはいなく、普通だった。

空いているところを見つけ、窓に近づく。

そして窓の前に立った。窓から見えるのは、東京の夜景だった。初めてスカイツリーの展望台から夜景を見た。少し見渡す。ビルは窓から明かりが見えていて、それが無数に夜の夜景を彩る。高いビルには屋上あたり、角に赤い点灯がある。飛行機がビル当らないようにする警告の点灯だ。だがそれもこの夜景をさらに美しくし、道路は車が行き来している。

皆、それぞれ生きていて、一日が終わる。

見ていて不思議な気持ちになる。なぜか、心がホッとするような、俺のこれまでの悩みが小さく感じられたような。

その夜景に見とれていた。

 

女社員「どうですか?」

 

和人「あぁ、綺麗な夜景だ」

 

女社員「少しは気持ちがリフレッシュしましたか?」

 

和人「…。そうか、やっぱりそのつもりで連れてきたんだな。ありがとうな」

 

女社員「いえ、これくらいしかできないので」

 

和人「でも、こうやって夜景を見れたのは俺にとってかなりの心のモチベーションアップになった」

 

俺、余裕がなかったんだな。もっと気楽になってもいいのかもしれない。色々とあったけど、まだまだこれからも色んな事があるはずだ。だけど、大丈夫な気がした。不思議だ。

視野を広めて、もっといろんなことをしよう。疲れたらこうやってリフレッシュするのもありだな。

 

和人「ありがとう」

 

そう女社員へと言った。

 

女社員「いえ、元気になられたようで、なによりです」

 

心配をかけていたようだ。だが、これで結構元気なった。皆の対応、アンダーワールドの問題、アドミニストレータの封印、大変かもしれないけど、きっと乗り越えていけるだろう。

まだまだ、これからも頑張らないとな。

 

帰りはびくびくしている女社員を見て少し笑いながら、その後別れて家へと帰った。

 

 

 

だがもちろん、この二人の時間を彼女らが見逃しているわけがなかった。




読んでくださり、ありがとうございます。
色々と今天気が荒れてきて自分も怖いです。皆さんも気を付けてください。あとこのss意外とまだ続くかもしれない。自分的にはもう終わりへと着実に進んでいる感出ていたんですけどまだこれ続きますね。

あ、皆さん疑問に思っていることがあると思います。なぜアミュスフィアを付けた絶好のチャンスキリトを狙わないのか。それは彼女らの中でもうすでに決めてあることらしいです。絶対に襲わないって…らしいです。

評価、感想、待っています。ぜひお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

69話 キリトは支配者と会う

女社員と出かけた

本編は下です


和人「今日は休み…」

 

ベッドから起きて枕もとの近くにある充電中の携帯の日付を見た。休みはやはり誰でも嬉しいもので、一番自由な時だ。布団をどけて鏡を見る。変わらない顔だった。少し髪が長くて、黒く、顔は丸い。

携帯を見ると、待ち受け画面に一つの通知マークが表示されていた。しかも送ってきたのは夜中の1時くらいだと言う。そんな時間に送ってくるのは彼女らしかまだ知らない。ので、まぁ彼女たちの誰かだろう。

起動して、アプリを見た。送ってきたのは、綾野桂子。つまり、シリカだ。

一応、ゲームで仲間だった彼らとは連絡をとるため皆と連絡先は交換している。皆もしているはずだ。

桂子の通知を開き、会話を見てみた。

 

[和人さん。この女、誰でしょうか]

 

そのメッセージは写真と一緒に送られていたのだ。俺が、押上駅からスカイツリーに向かう途中の姿だった。これは後ろから撮影された写真だ。俺と、女社員が写っていた。

にしても、まさか後ろにいたなんて思っていなかった。正直、全く気配なんてしなかった。

 

俺がこのメッセージを見たことにより、桂子側の画面では自身のメッセージに[既読]がついてしまったはずだ。つまり、数秒もすれば

 

[今答えてください。メッセージが無理なら直接会うことも、ALO内で会うことでもいいです]

 

メッセージだけでは、相手の気持ちはわかるはずがない。だが、何故か彼女らのメッセージに関してはピリピリするほど伝わってくるのだ。その文字だけである。

正直、直接会うのだけは避けたい。なんでもできるからな。だが、だからと言ってメッセージで説明するといずれ誤解を生み、互いに話し合いの軸がぶれることもある。だが、ALOならできることが限られるだろう。

殺せないし、拘束されても逃げることはできる。ていうがなぜこんな心配をしないといけないのか。

とりあえずALO内で会うことが最善だろう。

 

[ALO内で頼む]

 

とりあえずこう送っておこう。その後返信が来たら

 

[では1時お願いしますね]

 

もう向こうに勝手に時間を決められてしまった。俺の声には耳を傾けてくれないのか。だが、怒らせるのは生命に関わるし面倒なことは起こさないようにしよう。

とりあえず今日の1時の予定は彼女によって埋められてしまった。朝飯でも食べるか。

ドアを開けて階段を下りていく。リビングにはもうスグもいた。

あ…スグにはバレているのだろうか。別にバレていてもそこまで言われることはないと信じたいんだが。チラとスグの眼を見る。

 

スグ「…ん?おはよ、お兄ちゃん」

 

和人「あ、お、おはよう…スグ」

 

スグ「どうしたの?難しい顔して」

 

和人「なんでもないよ。さぁ、朝ごはん食べよう。ベーコンエッグでいいかな」

 

スグ「うん。パン焼いとくね」

 

冷蔵庫から卵とベーコンを取り出して、フライパンを準備した。スグもパンを持ってストーブの中に置いた。スグはいつも通り…なのか。今更だが、彼女たちが普段している顔は必ず裏の顔があると言っていい。いつも通りに見えても、もしかしたらバレているかもしれない。だが俺は普通に接するだけだ。

俺は料理音痴だがベーコンエッグくらいは焼ける。それにパスタも。だがSAOやALOの時は料理の腕は関係なく、料理スキルによって左右される。SAOの頃は俺の拠点だった部屋にはマシな料理器具だってなかった。あの時はアスナに助けられたものだ。

ベーコンエッグとパンを食べ終えて時計を見る。8時過ぎ…である。

せっかくの休日だ。のびのびとALO内で遊んでみるのもいいだろう。久しぶりな気がしてきた。

 

和人「俺ちょっとログインしてくるよ」

 

スグ「わかった。私はちょっと買い物に行ってくるね」

 

和人「買い物?俺が行こうか?」

 

スグ「いいよ。私物だからね」

 

和人「そっか、わかった。気を付けてな」

 

最近のスグは全然前の様な素振りを見てない。もう良くなってきたのか。それはそれで安心だ。

部屋に向かって俺はアミュスフィアを付けてALO内にログインした。

黒いコートを身につけて、空都ラインに来ると土日なこともあってかやっぱり普段より人が多い。

 

キリト「…」

 

何だろう。何かいつもと違う気がする。皆はいつも通りに楽しんでいるようだが、何か違和感を感じる。少しフィールドに出てみようと思い転移門に立った。

転移門で転移するときの光が俺の体を包んだ。視界は真っ白になり、一瞬白い世界からフィールドに出た。

草原が広がり、一部の大地は空に浮かぶ。空を飛べるALOのフィールド。見た感じ変わったところはない…か。モンスターもいつも通り。久しぶりに剣を振るってみるか。

 

ゴブリンがメイスを持って遅い足でとびかかってくる。

片手剣を持って、上からのメイスを剣で受け止め、はじき返す。ゴブリンの体勢がよろめいたのでそこを隙に俺はソードスキル[ホリゾンタル]を打ち込んだ。

水色のソードエフェクトがゴブリンの体を切り裂いた。ゴブリンの体力はゼロに尽きて細かな結晶となってその場から散った。

剣を鞘に戻す。まだまだ戦えると思い一安心した。

 

???「キリト。上に来なさい」

 

!?

誰だ、誰かいるのか。

突然の声を掛けられたことに戸惑い、咄嗟に剣の柄をつかんで周りを見渡す。いつでも抜刀できるようにするが、俺の周りには普通のモンスターか、花しか咲いていない。

誰だ。誰だなんだ…。

 

???「上に、来なさい」

 

聞いたことある声だ…。この声は、まさか。

俺の背中に透明度のある黒い羽を生やすと、体が宙に浮いた。勢いをためて、一気に上昇する。

上に来いと言っていた。きっと、上に俺を呼んだものがいるはずだ。しかも聞いたことのある声だ。間違いない。いるのはアイツだ。

上昇して大分高度を上げると、地面にいるゴブリン達は点に見えて、いくつもの島が浮いている。一体どこにいる。

 

一つ、ポツンと離れたところにある浮島。そしてそこに一人立つ人の姿。間違いない。あそこにいる。フォルムは遠すぎてまだ確認できないが、色からしてアイツに違いない。

ブーストをかけて、衝撃波が出るほどに島に音速で近づく。そして一回転して勢いを消して島に着地した。

 

キリト「…呼んだのはあんたか」

 

アドミニストレータ「ええ。久しぶり…でもないわね」

 

キリト「なぜ俺を呼んだ。お前はここに居ちゃいけないんだ。何かすれば俺はお前を倒す」

 

アドミニストレータ「物騒なことを言わないで。それを言うならユージオくんだってそうでしょ?」

 

キリト「それは…」

 

アドミニストレータ「私だって一度死んだ者。二回目があるなら二回目の人生を楽しみたいもの。この世界を支配してでもね」

 

キリト「…やっぱり、お前を生き返したのは俺の最大の過ちだった。今ここで倒してやる…」

 

二本の剣を鞘から同時に抜いて構える。

薄紫色の髪は非常に長く、あの髪ですら脅威になる。すると彼女はレイピアを召喚したのだ。

 

アドミニストレータ「キリト…私はこの世界のカーディナルシステム権限を持っている。モンスターの召喚、システムの改造、フィールドの創造。そしてLVでさえもね」

 

キリト「それがなんだ。俺はお前を倒さないといけないんだ。権限があるからって無敵ではないだろう」

 

アドミニストレータ「そう。でも、今のキリトにあの時の強さは全くと言っていいほど見られないのよね」

 

キリト「何…」

 

アドミニストレータ「私は天からこの世界の侵攻の計画を進めてきた。今も順調。だけどこの世界のモンスターはアンダーワールドほどは強くないのよね。そりゃあ痛みも感じないからプレイヤーは無理やりにでも倒そうとするわよね。だけど…」

 

ファン…ペインアブソーバーゲージを手元に表示させた。

 

キリト「まさか…おい、やめろッ!」

 

アドミニストレータ「今はしないわよ。時が来たら実行するわ」

 

キリト「なんだ…時って…」

 

アドミニストレータ「計画の実行の時。いい?もしあなたが私のものになるのなら、この世界に何も危害は与えない。もしならないならこの計画をいずれ実行する。どうする?」

 

キリト「計画がどんなものか知らない…俺はお前のものにならないし、なるつもりもない」

 

アドミニストレータ「今すぐに決めなくてもいいわ。計画実行寸前にまた聞くわ。その時に私のところにきたら、計画は止めてあげる」

 

キリト「…計画なんてさせやしない。今ここで止めてやるッ!」

 

二本の剣をもってアドミニストレータに俺は突進した。二刀流ソードスキル[ダブルサーキュラー]

だが。

 

キリト「ぐッ!?」

 

レイピアの先端が、見えない速度で俺の腹部に直撃した。ノックバックが働き、俺は思いっきり空中に飛ばされたのだ。

全く見えなかった。見えるはずもない。アイツの剣技は…SAO時代のアスナをも上回っていた。

吹っ飛ばされた俺の体にアドミニストレータ自身の長髪を巻き付けられ、俺は身動き取れなくなってしまった。

 

アドミニストレータ「愚かだわ。敵うはずもないのに。今の私にね。Lvだって操れるのよ。ステータスなんて朝飯前」

 

キリト「うっ…クッ…」

 

アドミニストレータ「今回は見逃してあげる。また会うとき、いい返事が来るのを期待しているわ。それじゃあね」

 

アドミニストレータの姿が消えて、俺はそれと同時に拘束から解放された。そのまま地面に落下し、剣を衝撃で手放してしまった。

 

キリト「…まさか、ここまでとは…。早く封印しないとまずいことになる」

 

剣を持って鞘にしまい、俺は時間を見る。まだシリカとの待ち合わせは数時間先だ。




ご朗読ありがとうございます。これからも頑張りますので、感想などくれると嬉しいです。昔から見てくれている方もおありがとうございます。
頑張ります!






































あと、もしこの中でなんですけど、全然関係ない話なんですけど…。
「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL 命に嫌われている。]MADを見たことがあるっていう人…います?いたら…う、嬉しいかなぁ…なんて…思っちゃったりしてます…。すいません。(-_-)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

70話 キリトは対応がわかりつつある

アドミニストレータの再開後


キリト「アドミニストレータの目的はアルヴヘイム・オンラインの支配…でもどうしてそんなことするんだろう…」

 

そもそもアドミニストレータ自体、あのアンダーワールドで消滅したはずだ。なぜ、生きているのか。ユージオを生き返した時にファイルに一つ多かった誰かのデータ。誤ってそれをアルヴヘイム・オンラインに入れたのは確かに俺だけど、俺は決して誤って一つ多く入れたとは思ってない。そんなことをしたことはないからだ。

…深く考えても仕方ない。誰かに()()P()C()()()()()()わけでもあるまいし、とりあえず今は封印だ。そう、それだけだ。

 

「‐---さん」

 

だが、どうしようかな。封印…はぁ、厄介なことをしてしまったな俺は…。

 

「‐--トさん!」

 

…ん?

 

「キリトさん!」

 

キリト「うぉ?」

 

一つのことだけを考えすぎていたせいか、耳は外の音を聞き入れることを忘れていたようだ。それさえも覚めさせるほどの大声を聞き、ようやく俺は誰かが俺の名前を呼んでいることを認識する。その声は確かに後ろから聞こえた。少し幼げがあって、いつもさん付けする人。

 

シリカ「大丈夫ですか?キリトさん」

 

キリト「あ、うん。ごめん、シリカ。気づけなくて」

 

シリカ「いえ、いいんです。大変ですもんね、色々と」

 

などと無邪気な笑顔を向けてくるシリカ。さすが、SAOで昔アイドルとして見られていただけのことはある。とても可愛い顔をしていることを再認識した。

シリカに向き直る。

 

キリト「それで、どうしたんだ?シリカ」

 

シリカ「あ、実はクエストがあるんですけど、ちょっと私だけじゃ力が足りないのでお願いしていいですか?」

 

クエスト…そっか。そうだよな、ゲームの世界にいるんだ。ゲームをしっかり楽しまないといけないよな。クエストとか、レベルアップとか、その他色々。アドミニストレータばっかに気をとられちゃよくないな。

 

キリト「もちろんいいよ。それじゃあ行こうか」

 

シリカ「はい!」

 

転移門に歩き出そうとすると、そっと俺の右にシリカが立ち右手を握られる。唐突のことに少し戸惑ってしまった。だが、その戸惑いもすぐに消える。慣れというのは恐ろしいものだ。急に手を握られるのは緊張してしまうはずなのに。

輝かしい笑みをしているシリカ。肩も近づけてきた。ついでに握ってないほうの手も俺の右腕に握られる。ちょっとさすがに恥ずかしくなってくる…。

最近は彼女たちの嫉妬心…というものだろうか。それがとても爆発的に行動に出るため、少しでも気を抜くと簡単に体を裂かれるような気がしてならないのだ。

すると俺たちの前を立派に阻止する一人の少女。

 

???「キリト」

 

その甘く、人々を癒す優しい声。

 

キリト「…ユナ」

 

シリカ「ユナさん…」

 

そんな人々を癒す歌姫は、今目の前に。それにしても目は癒すどころか…闇が広がってるように伺える。フードは被っておらず、あのユナではなく、悠那だった。にしても、こんな長い間一体悠那は何をしていたのだろうか。ずっと会えていなかったから少し心配はしていたが。

悠那は一歩踏み出す。少女なのに、なぜか威圧というものを感じる。

 

ユナ「ね、久しぶりに会えたんだし、ちょっと二人でさ、どっかいかない?」

 

キリト「あ…えっと…」

 

隣にいたシリカが、目の光りを無くし体を突き出してユナに向く。昔はこれほど積極的になるシリカではなかった。最近の…いや、SAOからのみんなの生活で性格も徐々に変わってきたのだろう。

 

シリカ「なぜ、ユナは私とキリトさんがいる時に現れるんですか。鬱陶しいので消えてください。もしこれ以上私とキリトさんの二人の時間を割くようならば、実力行使に出ます。ユナは私よりもこのゲームの経験は少ないはずです。私が勝つことは目に見えているのです」

 

するとユナがふっ、と口角を上げて鼻で笑う。

 

ユナ「それはどうかしら。この長い期間、私はあんたたちの表に出ていなかった。それはこのゲームでレベリングをしていたのよ。私の持っている細剣も、実はそれなりのものよ。ソードスキルは全コンプリート。レベルもあなたたちとは変わらないほど上げたのよ。そう簡単に倒せるかしら」

 

なんだと。それはすごい。まるで俺の最初の頃のSAOだ。一人でレベリングして、そしてそこそこの武器取ってソードスキルをむっちゃやっていた。うむ、ユナは俺と少し似ているところがあるみたいだ。自分と照らし合わせているみたいで努力も伝わりやすかった。

 

キリト「すごいなユナ。一人でレベリングなんて、大変だったろうに。言えばいつでも手伝ってやったのに…」

 

そういうと、ユナは頬を少し赤く染め、顔をちょっと伏せて目に光が戻って少し小さな声で言った。

 

ユナ「ありがとう…。でも、あの時も私は助けてもらったし、自分でやることも大切だと思って必死に戦おうと何度も練習したんだ。この世界では死んでも実際に死ぬってことはないし、だから何度も必死に…なってね」

 

キリト「でも、この世界でも命というものはあるんだ。死なないからといって、死んでもいいわけないからさ。けど、努力はすごいよ。今度こそは、一緒に冒険しよう。な、ユナ」

 

ユナ「う…うん!冒険したい!キリトと一緒に!」

 

見えないはずなのに、なぜかユナの眼もとには涙が見えるような気がした。目に見えてなくても、なんか見えるような気がしたのだ。本当に、俺が会えてないうちに一人でずっとモンスターを狩っていたんだな。

 

ユナ「あ、シリカちゃん…だっけ?あなたは一緒に来なくていいから♪キリトと二人だけで私は行くから♪」

 

あ…言っちゃった。

 

シリカ「…最初は努力していてすごいと感心しましたが。結局、それはすべてキリトさんのため。私だけのキリトさんを、奪うつもりなんですよね。ねぇ、ユナ」

 

今更だがシリカが人を呼び捨てにするのは俺にとって新鮮すぎて、ユナって呼び捨てにするって相当な…こう…気持ちが籠っているんだな。…逃げたい。

 

ユナ「私とやりあうって言うなら、うけてたつわよ。ちび」

 

シリカ「上等じゃないですか、この音痴野郎が」

 

もうキャラが崩壊しつつあるような、もう怖いです。前から怖いと感じてはいたが、性格がこうも変わってくると取り返しがつかないところまできたような気がする。いや、もうすでに来ているのか。

溜息をついてしまい、二人に対して和解の言葉を掛けようとしたとき、後ろから勢いよく誰かが俺の背中からつかんできたのだ。また急なことに体勢を少し崩してしまい、うわっと体勢を立て直す。背中にすごいやわらかい二つの何かが触れてきて少し恥ずかしい。ゆっくり後を向いて、俺の体につかんできたのは誰だと見る。掴んできたのは…。

 

ストレア「キリト♪こんなところで何してるの?」

 

キリト「ス、ストレア…びっくりしたよ…」

 

俺の肩に腕をかけて抱きしめているのだ。やわらかいなにかふたつのものも当たるのも仕方がない…。とっても恥ずかしい。

 

ストレア「あれ?そこにいるのはシリカちゃんとユナちゃんだ。なにしているの?」

 

天然という性格はいまだに抜けていないようで安心した。腕を二回優しくたたいて、解放するように合図を送る。

 

ストレア「やだっ!放したくない!」

 

さらに拘束する腕は力を増す。当たる物もより当たる。するとユナとシリカが俺…を見るのではなく、後ろにいるストレアを見て口を開いた。

 

シリカ「いい度胸してますね、ストレアさん」

 

ストレアにはさんをつけるのか。

 

ユナ「堂々としてるのね、イライラさせる天才なのかなストレアは。今すぐキリトから離れてくれない?」

 

そう言われると、ニヤッとしてストレアは二人に言った。

 

ストレア「天才?照れちゃうよ姉さん!」

 

…すごい天然ぷりだ。この天然さは一緒抜けないでほしいと切に願う。これが抜けちゃうともうストレアじゃなくなってしまうからだ。まだシリカは敬語とか抜けていないのでシリカのままだと思える。ユナは長年の付き合いなどではないので性格はあまり知らないが、狂うことはないだろう。

ストレアはそのまま話し続ける。

 

ストレア「私もあまりキリトと話せていなかったし、久しぶりに会えてうれしいの。ね、キリト♪あえて嬉しいよね♪」

 

キリト「あ…あぁ。というか、「私も」ということは…」

 

ストレア「あ…流石鋭いねキリトは。そう、実はさっきまであなたたちの会話聞いてたの♪本当にうざったいなぁって見てたよ。早くキリトの傍から離れないかなぁって影で見てたよ♪」

 

顔は笑ってはいるが、声と言い言葉と言い声色と言い顔以外笑っていないと誰でもわかる。なんだろう、ゲームの世界でもお腹が痛くなってきた。

 

シリカ「そろそろ離れてもらいます?そもそもユナも、私は最初にキリトさんに会っていて、この後クエストを手伝ってもらう予定があるんです」

 

ユナ「最初とか関係ないでしょ?何自分だけ特別みたいな意識しているの?そもそも私のものに触らないでくれるストレアも」

 

腕の拘束を解いたストレアは俺の横に立ってシリカとユナに向かい話す。

 

ストレア「ちび二人が喚いてかわいいねっ♪そろそろ姉さんも切れちゃうよ?そもそも「私のもの」って何?ものっていう時点でキリトをどう思っているがたかが知れているよ。愛が足りないんじゃないかな二人とも。そんなんだからキリトにも迷惑かかるし。だってキリトは仕方なくあなたたち二人と付き合ってあげてるの。これ以上私のキリトに迷惑かけるようなら、さっき話していたとおり「実力行使」に出るよ」

 

シリカ「かたをつけますかストレアさん?」

 

ユナ「戦う準備はいつでもできてるわよ」

 

ちょっとこれはまずい。亀裂が走っている…。もともと走っていたのかもしれないけど、でもだからと言ってあの時のフィリアとアリスのようにさせるのはこっちも嫌だし、戦う彼女らもいやだろう。

少し声をかける。

 

キリト「な、なぁ。少しおちつ「「「キリト(さん)は黙ってて(ください)!!!」」」…は、はい」

 

デジャヴという奴だろうか。見たことだあるこの光景である。そして俺が声をかけて和解を試みようとも結局彼女たちの圧によって俺は凹まされる。敵わないのだ。一体どうすればこういう喧嘩みたいなことはなくなるのだろうか。だれか教えてほしい…。

だが、やっぱりシリカが一番最初に声をかけてくれたし、彼女たちの理由でシリカの望みを曲げるなんてことは男として、してはいけないことだろう。だが声をかけてもかき消されるので、口に出すより行動するしかない。

俺は素早くシリカの腕をつかんで、他二人のところを抜ける。

 

ユナ&ストレア「あっ…」

 

シリカ「キ、キリトさん…///」

 

とりあえずあの怖いところから抜け出した。これで…よかったのだろうか。いや、よかったはずだ。こうでもしないと争うわけだし、一番手っ取り早い方法だろう。

シリカと一緒に転移門に向かう。

 

キリト「ごめんな。クエスト行こうか」

 

シリカ「は、はいぃ~///」

 

 

ストレア「…あのちび…いつか痛い目にあわせて…ふ、ふふふふ」

 

ユナ「…シリカっていうやつ、むかつくなぁ…。あの子の首を…とってやろうかな…」

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

六本木ラース本社 オフィス

 

比嘉「…うーん、連絡がつながらない…」

 

スマホの切断ボタンをタップし、電話を終える。電話はできてはいなかったのだが。にしても、あのプロジェクトアリシゼーションが終わってからというもの、しばらくしてから姿を現さない。なぜだろうと自問するが、わからないものを自問しても意味がない。

腕を組んで考える。最近桐ケ谷君の精神状態があんまよろしくないからたまには看護師の人に相談するのも手かなと思い相談していたのだ。

 

比嘉「うーん…、あのー菊岡さん」

 

菊岡「ん?どうしたんだ比嘉君」

 

比嘉「安岐ナツキさんに前から連絡をしているんですけどずぅうううっと出てくれないんですよ。もうあの計画から一回も姿も見てないっス。何か知らないですか菊岡さん」

 

顎に手を当て少し考える菊岡。しかし顔は曇ったまましゃべり続ける。

 

菊岡「実は僕もなんだ。ずっとナツキに連絡はしているんだが、やっぱりつながらない。忙しいとしても連絡を返してくれてもいいとは思っているんだが…」

 

その時、ポケットにしまっている菊岡の携帯が鳴ったのだ。こんなときに誰だろうと携帯を見ると、そこに記された名前は「安岐ナツキ」だった。

 

菊岡「ナツキだ」

 

比嘉「マジっすか!?」

 

タップし、電話に対応する。

 

菊岡「ナツキ。今まで何をしていたんだ…」

 

その後、ナツキは消えそうなくらい小声な、しかし意識して小声にはしていない声。無意識な小声で言葉を発した。

 

ナツキ「す―――――――――…

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

キリト「にしてもクエストっていうのは?」

 

シリカ「あ、そうでした。えっと、この本です」

 

シリカがメニューを開き、本をオブジェクト化したのだ。赤く少し汚れている。結構分厚く、かなり長くなりそうなクエストになりそうだ。

本を開くと、最初のページにはこのクエストの設定だろうか。いきなり神話からの物語の話から始まっている。ここは読む必要はないかな。大事なのは…。

 

キリト「えっと…今シリカが進行中なのはどこの部分なんだ?」

 

シリカ「あ、一回貸してください」

 

シリカに赤く汚れた本を渡すと、ペラペラとめくって進行中のページを見つけたのか、止めて少しページを戻して、俺に見せた。

 

シリカ「このページですね」

 

キリト「結構後半じゃないか?意外ともうすぐ終わりそうだな」

 

シリカ「この本、見た目の割には無駄の情報が多くて、大事なページの方が少ないんですよね」

 

なるほど、と頷いてページを見る。ある地形の地図だろう。バツ印一つある。この地形の地図は今いる草原フィールドと一致する。

左上に十字N(東西南北)のマークがあるので、右上のバツということは。

 

キリト「方向的にあっちだな。実際に行ってみたのか?」

 

シリカ「はい、そのバツ印に行ってみました」

 

キリト「え?でも何に困っているんだ?」

 

シリカ「それは、そこにいるモンスターです。そのモンスターを倒せば、ある宝石がドロップするんです。二つの宝石で、一つは一人で何とか勝てたんですがもう一つの方は意外と強いモンスターでして…。二つの宝石を手に入れれば地下にある古の倉庫が開くのです。そこにある宝を依頼主に渡せばクリアなんです」

 

キリト「なるほど。トレジャーハントってことか。わかった、じゃあそこにいるモンスターを倒しにいこうか」

 

シリカ「はい!」

 

全貌は見えた。モンスターの討伐なら、俺にもできそうだ。たまにクエストで求められることが討伐以外にもいろんなことがあるのだが。稀にできないものもあるのだ。り、料理とか…。

だが今回は討伐だ。よかった。安堵の息を洩らし、俺とシリカはそのバツ印へと向かった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

少女たちの思いinダイシーカフェ(ユウキ編)

 

カランカラン…。

 

クライン「お、久々に誰か来たみたいだな」

 

エギル「そうだな」

 

グラスをふきながら、ドアを開けたほうを見る。そこに居たのは、紫色の長い髪。全体的に紫を基調としている少女。かつてはものすごい剣裁きと強さから、絶剣ともいわれたことがある。

そんな彼女が、中に入ると、きょろきょろして周りを見る。何を探しているのか。

 

ユウキ(キリト…どこ…キリト…せ…い…ぶん…キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分キリト成分)

 

クライン「もう病院にでも連れていった方がいいんじゃねぇのか…。なんか落ち着きがない感じだぞあれ…」

 

エギル「何かをどうしてもほしいみたいな感じの衝動だな」

 

クライン「とりあえず呼んでみるか…」

 

少し恐怖心を持つのは無理もない。今のユウキはなにかがないと壊れるようなそんな感じの状態だ。なにかに依存しているかのような状態と言った方がわかりやすいだろうか。とりあえず声をかける。

 

クライン「おーい、ユウキー」

 

声を掛けられて気づいたのか、少し肩をビクッと上げ声のなる方へ振り向いた。何かを求める目ではなく、普通のユウキの眼に戻った、そのような気がする。

 

ユウキ「あ、クラインさん。どうしたの?」

 

クライン「ちと話をしないかって、まぁ相談というか、そんなもんよ」

 

エギル「少し話をしないか?俺たちも俺たちなりに知りたいことがあるものでな」

 

ユウキ「うん、いいよ」

 

そっとクラインのとなりの席に座り、エギルが水を出す。

 

クライン「キリの字についてどう思っているか。まぁ聞いているんだ。ユウキはキリの字のことをどう思ってるんだ?」

 

ユウキ「えぇ…そうだなぁ…。うーん…」

 

言葉を選んでいるのか、それとも別になにか考えているのか。まぁ好きな人をいきなり説明してと言われると、すぐ言える人と言えなく言葉を選ぶ人がいるだろう。これは仕方ない。

 

ユウキ「カッコいい…よね…///」

 

という言葉からユウキは発した。

 

ユウキ「実際彼と剣を交えた時はとっても楽しかったなぁ。あ、もちろんアスナと戦った時も楽しかったよ?でもなんかね、彼の剣は意思を感じるんだよね。わからないと思うかもしれないけど、いろんな人と交えた僕ならわかるよ。彼は強い。手加減ないし、正々堂々な力だった。強かったなぁ。そして彼が僕とアスナのピンチを救った時。とってもカッコよかったんだ!剣を地面に突き刺して、カッコいいセリフを言ったんだよ!あの時は痺れたなぁ。そこから彼を見るたびカッコいいと思うようになって…それでアスナが彼の婚約者と知った時は親友としては普通にそうなんだ~って言えるけど、確かに言ったんだよ?そうなんだ~って。でもそんなわけないじゃん?心の中でその時初めて人に殺意を持ったよ。こんなにも人が憎いなんて思うことなかったのにね。でも彼に寄ってくる女はアスナだけじゃないんだよね。それがまた嫌なところでさ、もういっそ全員なんて思ったよ。でも僕は器が広いからね!正直まぁ憎いのは確かだけど彼さえいれば僕はなにもいらないよ!そう、彼さえいればもうなんにもね!だから彼を手に入れるためならなんでもするよ。そう、なんでも…なんでも…。えへ、えへへへへ…」

 

クライン「…」

 

エギル「…」

 

二人も、最初はいい恋だなと思ったが後半過激すぎてやっぱりだめかと心を折られた。直すのは俺たちにはできないかと思いつつ、エギルはユウキに言った。

 

エギル「素敵な恋…だと思うぞ。それで…何か頼むか?」

 

ユウキ「うーん、じゃあハニーシロップのフロスヒルデアイス一つ!」

 

頼まれた物をユウキの前に置いた。ユウキは目を輝かせ、「いただきます!」と言ってアイスを食した。

 

ユウキ「うん、冷たくておいし~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クライン「やっぱ病院連れていかね?」

 

エギル「そっとしといてやるのが一番だろ」




長い間投稿できなくてすみませんでした。私事とストーリーの練り直しに時間を使ってしまいました。今年は多忙になり、来年も多忙になることが予想されますが、なんとかやっていきたいと思います。不定期更新なこのssをこれからもよろしくお願いします。終わりまで、付き合ってくれる人がいれば、よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

71話 キリトは自覚させる

修羅場を超えたその後

本編は下です


バツ印の付近に移動した俺とシリカ。するとそのバツ印のところからモンスターがポップしたのだ。なるほど、付近に来ないとだめということか。つまり遠距離からの攻撃は不可。ポップする距離にならないと戦えない、ちょっとシステムに嫌なところがあるが、幸い俺たちは近距離の戦闘を得意とするのであまり関係ないだろう。そしてポップしたモンスターはガーゴイルの巨体ものだった。翼に腕、足、爪、そしてかみつく大きな口と歯。近接戦でもかなり厄介な敵だ。

 

キリト「シリカ、俺があいつを何とか地面に叩き落すから、そこで攻撃を入れてくれないか」

 

そうシリカに戦闘の計画を提案する。

 

シリカ「わかりました。キリトさんも気を付けてくださいね」

 

キリト「あぁ」

 

柄を掴んで鞘から黒い刃を出す。刃はしっかり研がれていて、鏡のようにこの世界を照らす。シリカも鞘から逆手持ちのダガーを取り出し、ガーゴイルの攻撃に備える。

そして俺はシリカとは真逆の方向に位置し、真ん中にガーゴイル、左右に俺とシリカを置く。ガーゴイルを囲み準備は整った。

袋から長い針を取り出す。手のひらサイズの長い針だ。左手に剣を持ち、右手には針を持つ。まだこちらに気づいていないガーゴイルにしっかりと狙いを定め、右手にスキルの力がたまるのを意識する。

バシュンッ、手から離れた針は高速で空を裂き、ガーゴイルの首元に勢いよく刺さり、針の半分まで入った。スキル[シングルシュート]である。

 

「ガァァッ!」

 

刺された刹那、少し体勢を崩したと思ったがすぐに立て直し俺の方へと殺意を向ける。戦闘モードに入ったのだ。左手から右手へ剣を持ち直し、腰を落とす。ガーゴイルはこちらに滑空しながら向かうため、こちらに頭を向けて一気にスピードに乗って迫ってきたのだ。

 

キリト「来たか…」

 

右手で握りなおし、刀身は緑色の粒の光に無数に囲まれ、その粒が多くなればなるほど光は濃くなっていき、粒が刀身に吸収されると刀身は緑色のエフェクトではっきり光った。

ガーゴイルが右腕を上げ、切り裂く攻撃をしてこようとする。俺は右手を肩に剣を背中に位置し地面を踏み込む。互いに距離を一気に縮めると、俺は地面を強く蹴り上げ空中に飛んだ。ガーゴイルとの距離がいい感じに縮まると、俺はソードスキルをシステムの動きに任せ、剣を振り下ろす。緑色のエフェクトが綺麗に円を描き、ガーゴイルの背中にダメージを与える。ソードスキル「ソニックリープ」。

 

「ゴアァ!」

 

ガーゴイルが大きなダメージを負い、地面にそのまま落ちていく。俺は地面に着地し、ガーゴイルに向かって新たなソードスキルを打ち込もうとする。

シリカも突っ走り、短剣の刀身が白色エフェクトで眩しく光る。ソードスキル[ミラージュ・ファング]。六連撃をガーゴイルにに叩き込むと、敵は体勢を立て直すとシリカへ右手の爪を振り下ろす攻撃をした。

バックステップで腕に多少傷を負ったが大事には至らなかった。そしてソードスキル[ホリゾンタル・スクエア]を放つ。四連撃を打ち込み、敵のHPバーが0になったのを見た。水晶が割れるように敵は消滅した。

 

キリト「ふぅ…。大丈夫か、シリカ?」

 

シリカ「あ、大丈夫です!ありがとうございます…///」

 

元気なことを確認し、俺は空中に停滞する宝石を見た。あれがこのクエストの重要な一つのアイテムである。背中に羽を生やし、空中を浮遊する。一緒に宝石の下へ行き、眩く光りながらシリカの手中に収められた。

 

キリト「さぁ、帰ろう。もうクエストはないんだよな?」

 

シリカ「はい、そうですね。これを渡せばもう終わります」

 

キリト「よし、じゃあ転移門まで飛ぼう」

 

進行方向へ体を傾け、地面と平行に飛んでいる。空気が涼しく、この楽しさがアルヴヘイム・オンラインの強みだろう。空中を自由に飛べる快感はやはりすさまじいものだった。

茶色の髪が揺れる。猫の耳が揺れる。そんな彼女から言葉が出た。

 

シリカ「キリトさん。最近…どうですか」

 

キリト「どうしたんだ急に?」

 

表情は曇っていて、あまり元気が無いようにうかがえる。最近このような顔をしたことがないシリカだから少し心配になる。

 

シリカ「いや…なんだか怖いんですよね。皆と…そしてこの世界が…」

 

キリト「…そうか」

 

俺は転移門に着くと、シリカと一緒に転移する。街に着くと、俺は近くにあるベンチに座った。シリカは思わずびっくりした。クエストを終わらせないのか。そう思っただろう。

 

キリト「少し話そうぜ」

 

シリカ「…はい!」

 

ペタン、そんな音が聞こえそうな座り方で隣に座り、俺はシリカの方に向く。最近皆が怖い、それは俺が前々から抱く感情だ。その中にまぁ君も入ってはいるのだが。しかしこの世界がという言葉は少し気になる。

 

キリト「それで…皆が怖い?」

 

シリカ「はい、だって…思いませんか?」

 

キリト「まぁちょっとな」

 

頭をかき、腕を組む。

 

キリト「少し様子がおかしいと感じてはいたんだが、それは実は結構前からだったんだ。そう、SAOの頃からさ。そして今はその怖さがピークに来ている気がする」

 

シリカ「SAOの時からなんですね。そして今はもうそれが達しつつあると」

 

キリト「あぁ…そして、これは俺が言っていいものかわからないが…」

 

これは、言うべきなのだろうか。自覚がないから、俺が言って自覚させるべきか。それとも、気付いていないままの方が幸せだろうか。

 

シリカ「言ってもいいですよ、なんでも」

 

いつもとは違う、真剣な笑み。そういう感じがする。これなら俺も安心して彼女に言える。

 

キリト「じゃあ、俺から少し言わせてもらう…けど…」

 

唾を飲んでいった。

 

キリト「俺は確かに最近皆が怖い。…だけど、その中に、君もいる…」

 

シリカ「…」

 

俺は続けて言葉を言った。

 

キリト「正直言って、怖いのは俺だ。君も…正直…俺にとっては…ちょっと怖いと感じた時がある…」

 

シリカ「…そっか…そうですよね。なんか…自覚が足らなかったかもしれないですね…えへへ」

 

どうやら、自分でどうやら自覚したらしい。言えてよかった。俺にとっては…な。優しい顔は変わらず、俺はこの話をやめてある話題に移った。

 

キリト「それで、話は変わるんだが。世界が怖いって?」

 

シリカ「あ、それはですね…。あの女性が怖いんです…」

 

キリト「あの女性…?」

 

あの女性…やっぱりアドミニストレータの事なんだろうか。

 

キリト「アドミニストレータのことか?」

 

シリカ「…確か、そんな名前でしたね」

 

キリト「確かに、怖い…そう感じるよな」

 

シリカ「私が言っているのはその女性自身のことではなく…その女性が今後この世界に何をもたらすのか…なんです」

 

キリト「アドミニストレータが何かをもたらす?」

 

少し不穏が気持ちが募る。アドミニストレータの頭の回転は速く、支配者、否、簒奪者はこの世界でまだ生きている。そして権限も彼女にある。

 

シリカ「簡単に終わりそうにないんです。あの女性。キリトさんは何か封印しようとするプロトコルを作っているって聞きました」

 

キリト「あぁ、そうだ。順々に作っているところだよ。大丈夫さ、きっと何もかも元通りになるさ」

 

シリカ「…そうだといいんですけど」

 

言葉を濁らせたシリカだったが、一応聞かないようにした。そして俺とシリカはクエストを終わらせるために宝石を欲しがっている者の場所へ向かった。

 

NPC「これだ!ありがとう!お礼を渡すよ!」

 

シリカが金を受け取ると、俺はその場所から出た。そのあと彼女もその場所を出た。

 

キリト「…じゃあ、お疲れ。またな」

 

シリカ「…はい。それじゃ…さようなら」

 

シリカと別れ、俺はこの世界を後にした。

 

 

 

 

 

シリカ「…そっか。私も、皆と同じ。壊れているんですね…。そっか。そっか…ならとことん…ずっと…あなたを…」

 

眼は黒く染まり、そしてポーチ袋には…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ピナの羽]




順々に終わりに向かってはいますが、まだENDを迎えたヒロインは少ないですね。ストーリー進行と平行に彼女たちのENDもどんどん終わらせる予定ではあります。このSSが完結するのにはまだ時間がかかりはしますが、一応ENDは考えてます。これからもこの駄作なSSを、暖かい目で見てくれるととても助かります。よろしくお願いします!感想待ってますね!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

BADEND5 シリカ編 愛人はどこへ

ビーストテイマーじゃなくなった。

本編は下です


現実での意識が覚醒し、視界は茶色になっている。アミュスフィアの茶色のガラス部分だ。片手でアミュスフィアを外し、枕もとの机にそっと置いた。今日は土日の土曜日であり、土曜日が終わろうとしている。重い体をベッドから起こし、部屋を出る。料理当番は…俺だっけか。リビングに降りると、キッチンに佇むスグがいた。おかしい、今日の当番は俺だろう。

 

和人「どうしたんだ、スグ?」

 

俺の声に気づいたのか、少し体をビクッとし俺の方に向いた。

 

スグ「あ、お兄ちゃん。ちょっと考え事してたんだ。実はこのあとちょっと出かけないといけなくて…」

 

和人「出かける?今からか?」

 

時計の針は7時過ぎを刺していた。もう夜ご飯を食べる時間なのに、こんな時間に出かけることなんて滅多になかった。

 

スグ「ちょっと、友達に呼ばれてて…」

 

和人「…友達か」

 

スグ「うん、だから申し訳ないけど私の分の料理作っといてくれる?おいといたらレンジでチンするから」

 

和人「そっか…。わかった」

 

スグはその後、自室に戻って外に出るために少し着こんでいる。こんな時間に出るなんて、誰なんだろうか。高校の友達か、その類…か。しかししつこく聞くのは良くないだろう。下手に追及せずに料理を作って待って居よう。

キッチンの器具を出し、食材をまな板の上に出す。そっと置いたキャベツを包丁で4分の1にし、乱切りにして器に移す。あと4分の1も乱切りにする。豚肉を切り、ピーマンもキャベツ同様乱切りにする。

今日は回鍋肉にしようと思う。きっとスグも喜ぶだろう。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

私はある人に呼ばれてこの夜の街に出た。少し肌寒いが、多少着込んだので耐えられる温度である。街灯は地面を照らし、街灯の明かりには虫がたかっている。この角を曲がれば例の公園がある。

呼ばれた公園に私は足を踏み入れた。街灯は公園を照らしてはいるが、照らしきれてない場所もある。その場所はもちろん暗かった。そしてその場所に、一人の背の小さな人が佇んでいた。その髪型を見て確信した。私を呼んだ人がそこにいることを。

 

スグ「そこにいるの?」

 

暗くてわからなかったが、佇んでいるその人は背を見せていた。その人はゆっくりと私に向き直る。顔は笑ってはいたが、すぐ理解した。目は笑ってない。

 

???「どうも、リーファさん。いや、直葉さん…でしたね」

 

いつもとは少し低いトーンで囁いた。

 

スグ「…シリカちゃん」

 

シリカ「少し、お話でもしませんか?」

 

ニタァ…そんな言葉が似合う笑顔だった。

そしてずっと、両手を腰の後に回している。

 

スグ「お話って…こんな時間に?別に仮想世界の中でも…」

 

シリカ「それに関してはすみません。私が実際に会って話したかったので…」

 

スグ「そ、そう…」

 

ちょっと後退りを覚える威圧感だ。まるで話合いなんて求めてないようだった。一歩、一歩近づいてくる。悪魔のような、命の危機を即座に第六感で感じた。同時に足を後ろに退いた。

 

シリカ「そこまで警戒心を抱かなくてもいいんですよ?」

 

スグ「それで、話って何…」

 

シリカ「…そうですね。こっちが呼んだのですから、本題に入りましょう。とは言っても、とーっても簡単なことです」

 

口元を細く笑みを現し、月光で照らされた顔はもう何かをすでにした後。それがよくわかる。その証拠に、顔についていた。照らされてようやく色も確認できた。鮮明に、こびりついていた。頬に、飛び散っていた。

眼は黒く、正気はないと視認できた。もうくるっている。やることなすこと、すべてに対して興味のないような、そのような様子に見えた。

 

シリカ「キリトさんに近寄らないでください」

 

静かな声で、響いた。

簡単な言葉が連なって、すぐにその言葉は理解できるはずなのに、なぜかその言葉を深く、重く受け止めてしまう。しかし、それを鵜呑みにするわけにはいかない。

 

スグ「ど、どうして。私だって、お兄ちゃんのこと…」

 

シリカ「うるさいですよ。直葉さん」

 

スグ「な…」

 

言葉に詰まる。喋れば、もう何か、終わりそうな。

 

シリカ「拒否をするんですか?しないんですか?」

 

スグ「な、何…」

 

シリカ「何って…キリトさんに近寄らないのか、近寄るのか…です」

 

スグ「近寄るって…そもそも私は兄妹なの!近寄れないなんて無理」シュンッ。

 

無理、私がそう言った刹那だった。顔の横に包丁が位置していたのに気づいたのは数秒後だった。頬を伝うのは、涙…じゃない。

痛い。痛覚が顔に走った。頬に細長い傷があったのは痛覚でわかる。まさか、今の一瞬で頬に傷をつけたの…?

 

スグ「シリ…カ…」

 

シリカ「なら…ここで…」

 

スグ「嘘…でしょ…?」

 

包丁は少し錆びついている。刃に何かが付着したせいか、それできっと切れ味が落ちている。だからか、より痛みは酷くきつい。

 

スグ「警察…呼ぶよ…」

 

ポケットに入れてある携帯に手を伸ばそうとすると、シリカは突然高らかに笑い始めたのだ。

 

シリカ「アハハハハハハッ!!皆そんなこと言ってましたね…」

 

スグ「み、皆?」

 

皆、どういうこと?皆って…誰…?

 

シリカ「けれど、皆最後にはなんも抵抗できずに苦しんで…そして生気を失って…。皆最後までずっとキリトキリトキリト…イライラさせてくれますよね」

 

スグ「…そんな」

 

シリカ「直葉さんも助けを乞うんですか?なら…」

 

スグ「なら…って…そんな…まさか…嘘…でしょ?」

 

足を退け、砂利が音を立てる。彼女の持っている包丁は街灯の光を反射して、一部輝く。命の危機を感じた。死ぬかもしれない。殺されるかもしれない…。逃げないと、すぐに家に…本気で走れば…大丈夫…だよね?

一気に振り返り、公園を抜け出した。足音が響き、くらい中息を切らしながら。冷静さを失いながら。ただただ逃げる。死から逃げるように、その時携帯を右手に持ちながら。

 

シリカ「…ふふ」

 

タッタッタ。後ろから殺人鬼が近づいている。逃げないと、捕まらないように、殺されないように。あの角を曲がれば、いつも知っている家だ。いつも公園から近いと感じていたのに。なぜだろうか。遠くに感じていた。早く。速く。帰らないと…。

タッタッタ。家が見えてきた。あれだ。お兄ちゃんがいる!助けてくれる!

敷地内に入り、すぐさま玄関のドアノブを手を伸ばした。冷や汗をかいている。無我夢中で走ったせいで、肺が苦しい。ドアを開ければ、閉めれば、逃げれる…。だから…。

 

ガチャ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人「ん?スグか?」

 

玄関の開ける音が聞こえた。ダイニングの椅子から立ち上がり、玄関へと向かった。少しドアが開いていて、空気が外から入ってきている。

スグだ。俺は玄関に靴下のまま近づき、ドアを開けた。ガチャ。

 

和人「おかえり」

 

シリカ「ただいまです♪キリトさん?」

 

和人「あ…あれ?」

 

一瞬戸惑った。知らない人かと思った。シリカ…がなぜかこんな時間に来ていたのだ。もしかして、スグが呼ばれたその相手とはシリカだったのだろうか。

 

和人「急にびっくりしたよ、シリカ…。こんな時間にどうしたんだ?}

 

シリカ「いえ、実はキリトさんとお話がしたくって…」

 

和人「え?そ、そっか。わかった。家に…ってその前に」

 

シリカ「はい?」

 

大事なことを忘れるところだった。

 

和人「スグに会わなかったか?帰ってきてないんだ…」

 

眼を開けているシリカ。しかしびくともせず、首をかしげるだけだった。

 

シリカ「知りませんね♪」

 

和人「そ、そっか…」

 

シリカが玄関のドアを閉めると、靴を脱いで上がってきた。リビングに一緒に案内すると、シリカは周りをチラチラと見ながら椅子に座った。俺はお茶を出し、向かいの椅子に座った。ダイニングで一緒に居ると、シリカから話を振ってきた。

 

シリカ「お話があるんです」

 

和人「う、うん。聞いたよそれは。で、何だ?」

 

シリカ「簡単なことです」

 

口で笑みを作り、目はゆったりとしたような感じ。口を開いた。

 

シリカ「私と、付き合ってください♪」

 

和人「…え?」

 

彼女は胸に手を当てると、話をつづけた。

 

シリカ「最近、皆さんが怖い。そう思ったこと、ありましたよね?」

 

和人「え…まぁ、それは…ちょっとはな」

 

シリカ「私も思ってました。怖いですよね。皆さん。キリトさんを目当てに、仲間割れなんて起こしてしまう始末。辛いですよね。キリトさんも、やめてほしい。と、思っていますよね?」

 

和人「それは…そうだけど…。でも、そんな簡単に止められることはできないだろ?だから徐々に皆で和解しあっていけばいいと…俺は思って…」

 

シリカ「…本気で言っているんですか?キリトさん…」

 

和人「あ、あぁ…」

 

何だろうか。俺の答えが、彼女にとっては間違いだったかのような威圧。目も、さっきより怖い。突き刺さるような、なにか逃げられないような、そんな気がした。背筋が凍る。逃げたい、そんな気持ちが芽生えた。

 

シリカ「それはですね、キリトさん。不可能なんですよ」

 

和人「不可能なのか?そうなのか?…だったらどうすれば…」

 

シリカ「簡単ですよ。さっきも言いましたよね?付き合いましょう、ね?キリトさん?」

 

和人「だ、だからどうしてそう…そもそも。それは解決にはならないだろ?もっと根本的に何か解決策が…」

 

シリカ「根本的?それを見えてないのはあなたですよ。根本的なんて、わからないでしょう?キリトさんは」

 

和人「お、教えてくれ!何が…原因なのか…」

 

シリカ「原因?原因が問題なのではないです。原因は知ってもそれが解決には繋がりません。今は原因よりも解決の策ですよ」

 

和人「原因がわからないといけないんじゃないのか、これは…」

 

シリカ「キリトさんが原因を知ったとして、何になるんです?知って終わりです。何にもなりません。原因なんてどうでもいいじゃないですか。今は解決の策があるんですよ」

 

和人「でも…それは…」

 

シリカ「解決になりますよ?私と、正式に付き合ってください。それが、[解決]なのです」

 

和人「…そうか。いや…でも待ってくれ。やっぱりだめ…だ。頼む、教えてくれ!原因を…」

 

シリカ「…そうですか。そこまで知りたいんですね、キリトさん。わかりました」

 

椅子から立ち、机に手をつくと、シリカは上から見下ろしてきた。

 

和人「…」

 

シリカ「この問題はですね、キリトさん。あなたが「―」だからですよ」

 

その言葉は聞いたことがある。だけど、改めて聞いた時、深い意味が分かった気がした。

 

和人「俺が…」

 

シリカ「わかりましたか?それで、原因を知りましたね。さて、解決には繋がりましたか?」

 

和人「あ…それは…」

 

シリカ「ね?無理ですよね?キリトさんにはそんなことできませんよね。だから私から言いますよ。何度でも。私と、付き合ってください」

 

和人「…ごめんシリカ」

 

俺は一呼吸していった。

 

和人「…俺は、それを解決できる気がするんだ。だから、まだ…頼む。だから…」

 

シリカ「…え?今ごめんって…」

 

和人「…だから、頼む。お願いだ。お願い…ん?」

 

シリカ「キリトさんが私のことを…振った?そんな、そんなはずありえません。ありえないありえないありえない!そんなキリトさんは私のことが好きなはず。そう、そうです。そうに決まってる。えへ、えへへへ」

 

和人「シリカ?」

 

シリカは顔を伏せながら、笑っていたが急に止んだ。

 

シリカ「じゃあ目の前にいるキリトさんは誰?私のことを嫌いなはずない。そうです、そうに決まってる!じゃあこの人は…そうだ」

 

眼を暗くした。

 

シリカ「キリトさんじゃない」

 

和人「シリカ!?」

 

スッと包丁が出る。

シリカは黙って近づいてくる。俺は急いで玄関に向かい、外に出ようとする。

 

シリカ「キリトさんじゃないキリトさんじゃない…」

 

和人「早く・・・まずいこのままじゃ…殺される…そんな気が…」

 

ガチャ。ドアが開いた。

出られる!

 

シリカ「キリトさんじゃない!!!!」

 

俺の背中に、鋭い痛みが走った。

えぐるような、肉を、内臓を。

 

和人「うっ…ぐ…シリカ…」

 

俺は致命傷を負い、その場に倒れた。

血が飛び散る。

 

シリカは俺を踏み越え、外に出ていった。真っ暗闇の外へ。

 

シリカ「キリトさんを探さないと…いけない…どこ…」

 

俺は意識を手放した。もう、動けない。このまま…俺は…。

 

最後、俺が見たのは、玄関の傍で倒れている妹の姿だった。守れなかったのか。そうか…俺は…。

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

GOODEND5 シリカ編 きっとやり直せる

本編は下です


実での意識が覚醒し、視界は茶色になっている。アミュスフィアの茶色のガラス部分だ。片手でアミュスフィアを外し、枕もとの机にそっと置いた。今日は土日の土曜日であり、土曜日が終わろうとしている。重い体をベッドから起こし、部屋を出る。料理当番は…俺だっけか。リビングに降りると、キッチンに佇むスグがいた。おかしい、今日の当番は俺だろう。

 

和人「どうしたんだ、スグ?」

 

俺の声に気づいたのか、少し体をビクッとし俺の方に向いた。

 

スグ「あ、お兄ちゃん。ちょっと考え事してたんだ。実はこのあとちょっと出かけないといけなくて…」

 

和人「出かける?今からか?」

 

時計の針は7時過ぎを刺していた。もう夜ご飯を食べる時間なのに、こんな時間に出かけることなんて滅多になかった。

 

スグ「ちょっと、友達に呼ばれてて…」

 

和人「…友達か」

 

スグ「うん、だから申し訳ないけど私の分の料理作っといてくれる?おいといたらレンジでチンするから」

 

和人「そっか…。わかった」

 

スグはその後、自室に戻って外に出るために少し着こんでいる。こんな時間に出るなんて、誰なんだろうか。高校の友達か、その類…か。しかししつこく聞くのは良くないだろう。下手に追及せずに料理を作って待って居よう。

キッチンの器具を出し、食材をまな板の上に出す。そっと置いたキャベツを包丁で4分の1にし、乱切りにして器に移す。あと4分の1も乱切りにする。豚肉を切り、ピーマンもキャベツ同様乱切りにする。

今日は回鍋肉にしようと思う。きっとスグも喜ぶだろう。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

私はある人に呼ばれてこの夜の街に出た。少し肌寒いが、多少着込んだので耐えられる温度である。街灯は地面を照らし、街灯の明かりには虫がたかっている。この角を曲がれば例の公園がある。

呼ばれた公園に私は足を踏み入れた。街灯は公園を照らしてはいるが、照らしきれてない場所もある。その場所はもちろん暗かった。そしてその場所に、一人の背の小さな人が佇んでいた。その髪型を見て確信した。私を呼んだ人がそこにいることを。

 

スグ「そこにいるの?」

 

暗くてわからなかったが、佇んでいるその人は背を見せていた。その人はゆっくりと私に向き直る。顔は笑ってはいたが、すぐ理解した。目は笑ってない。

 

???「どうも、リーファさん。いや、直葉さん…でしたね」

 

いつもとは少し低いトーンで囁いた。

 

スグ「…シリカちゃん」

 

シリカ「少し、お話でもしませんか?」

 

ニタァ…そんな言葉が似合う笑顔だった。

そしてずっと、両手を腰の後に回している。

 

スグ「お話って…こんな時間に?別に仮想世界の中でも…」

 

シリカ「それに関してはすみません。私が実際に会って話したかったので…」

 

スグ「そ、そう…」

 

ちょっと後退りを覚える威圧感だ。まるで話合いなんて求めてないようだった。一歩、一歩近づいてくる。悪魔のような、命の危機を即座に第六感で感じた。同時に足を後ろに退いた。

 

シリカ「そこまで警戒心を抱かなくてもいいんですよ?」

 

スグ「それで、話って何…」

 

シリカ「…そうですね。こっちが呼んだのですから、本題に入りましょう。とは言っても、とーっても簡単なことです」

 

口元を細く笑みを現し、月光で照らされた顔はもう何かをすでにした後。それがよくわかる。その証拠に、顔についていた。照らされてようやく色も確認できた。鮮明に、こびりついていた。頬に、飛び散っていた。

眼は黒く、正気はないと視認できた。もうくるっている。やることなすこと、すべてに対して興味のないような、そのような様子に見えた。

 

シリカ「キリトさんに近寄らないでください」

 

静かな声で、響いた。

簡単な言葉が連なって、すぐにその言葉は理解できるはずなのに、なぜかその言葉を深く、重く受け止めてしまう。しかし、それを鵜呑みにするわけにはいかない。

 

スグ「ど、どうして。私だって、お兄ちゃんのこと…」

 

シリカ「うるさいですよ。直葉さん」

 

スグ「な…」

 

言葉に詰まる。喋れば、もう何か、終わりそうな。

 

シリカ「拒否をするんですか?しないんですか?」

 

スグ「な、何…」

 

シリカ「何って…キリトさんに近寄らないのか、近寄るのか…です」

 

スグ「近寄るって…そもそも私は兄妹なの!近寄れないなんて無理」シュンッ。

 

無理、私がそう言った刹那だった。顔の横に包丁が位置していたのに気づいたのは数秒後だった。頬を伝うのは、涙…じゃない。

痛い。痛覚が顔に走った。頬に細長い傷があったのは痛覚でわかる。まさか、今の一瞬で頬に傷をつけたの…?

 

スグ「シリ…カ…」

 

シリカ「なら…ここで…」

 

スグ「嘘…でしょ…?」

 

包丁は少し錆びついている。刃に何かが付着したせいか、それできっと切れ味が落ちている。だからか、より痛みは酷くきつい。

 

スグ「警察…呼ぶよ…」

 

ポケットに入れてある携帯に手を伸ばそうとすると、シリカは突然高らかに笑い始めたのだ。

 

シリカ「アハハハハハハッ!!皆そんなこと言ってましたね…」

 

スグ「み、皆?」

 

皆、どういうこと?皆って…誰…?

 

シリカ「けれど、皆最後にはなんも抵抗できずに苦しんで…そして生気を失って…。皆最後までずっとキリトキリトキリト…イライラさせてくれますよね」

 

スグ「…そんな」

 

シリカ「直葉さんも助けを乞うんですか?なら…」

 

スグ「なら…って…そんな…まさか…嘘…でしょ?」

 

足を退け、砂利が音を立てる。彼女の持っている包丁は街灯の光を反射して、一部輝く。命の危機を感じた。死ぬかもしれない。殺されるかもしれない…。逃げないと、すぐに家に…本気で走れば…大丈夫…だよね?

一気に振り返り、公園を抜け出した。足音が響き、くらい中息を切らしながら。冷静さを失いながら。ただただ逃げる。死から逃げるように、その時携帯を右手に持ちながら。

 

シリカ「…ふふ」

 

タッタッタ。後ろから殺人鬼が近づいている。逃げないと、捕まらないように、殺されないように。あの角を曲がれば、いつも知っている家だ。いつも公園から近いと感じていたのに。なぜだろうか。遠くに感じていた。早く。速く。帰らないと…。

タッタッタ。家が見えてきた。あれだ。お兄ちゃんがいる!助けてくれる!

敷地内に入り、すぐさま玄関のドアノブを手を伸ばした。冷や汗をかいている。無我夢中で走ったせいで、肺が苦しい。ドアを開ければ、閉めれば、逃げれる…。だから…。

 

ガチャ…。

 

 

 

 

 

和人「帰ってきたか、スグ」

 

そろそろ帰ってくるという勝手な俺の勘が当たったのか、玄関の前に立ってて正解だった。見事にあたったが、スグの顔は一刻の猶予もないかのような、何かに追われているような恐怖の顔だった。

 

スグ「助けてお兄ちゃんッ!!!」

 

和人「どうしたんだスグ?」

 

焦って靴のまま家に上がり、俺に抱き着いてきたのだ。目からは涙がこぼれ落ちていた。それは怖かったからなのか、それともここに来たことによる安心の涙か。どちらにせよ、今は何か来ているようだ。

開いたままの玄関を見てみると、塀より外、誰かが立っていた。俺はスグを優しく抱き、少し後ろに行かせる。

 

和人「そこにいるのは…誰だ」

 

俺の声が届いて、向こうの人はゆっくりと歩いてくる。近くにいるスグが俺に囁いた。

 

スグ「お兄ちゃん、あれはシリカだよ…」

 

和人「えっ…」

 

確かに、身長は低い、かすかにツインテールの面影もある。そうか、そこにいたのはシリカだったのか。つまりスグはシリカに会いに行っていたのか。

 

シリカ「なに…私の前で抱き合ってるんですか…」

 

暗く小さい声だが、はっきりと届く。もちろん夜だから静かというのもあるにはある。一歩、一歩、俺らの家に入ってくる。こちらに近づくにつれて部屋の明かりにシリカも照らされる。顔は少し下に向いており、体は脱力した感じだろうか。体全体が照らされると、俺は彼女の手に持っている物に気づいたのだ。

 

和人「っ!シリカ!なぜそんなものを持っているんだ!」

 

シリカの手に握られていたのは、鉄で光が反射する、鋭利なもの。これにおびえてスグは来たんだな…。

 

シリカ「…これ、ですかぁ?これはですね、キリトさん。貴方を守れる唯一の物なのですよぉ?」

 

手に持っているものを両手で握り、彼女の顔近くに自身で持ってきてこっちに笑顔を向けたのだ。笑っている。いや、狂っているというのだろうか。方法を模索した結果があれなのだろう。恐らく、周りが見えていない。いや、見たくないのだろうか。自己中心になりすぎている。

守りたい、その一心で俺を想ってくれて、それが自ずと爆発し、あれが成れの果てだろう。

 

和人「シリカ…正気を保ってくれ…君にそんなものは似合わないよ…」

 

シリカ「似合わない?そんなのどうでもいいです。似合わない、なんて。守れるためなら、どんなアイドルにだってなりますよ。それが、人を殺めるものになっても、あなたの、キリトさんの為のアイドルになれるのなら…」

 

和人「そんなもの、俺は望んではいないぞ!」

 

シリカ「そんなわけありません、キリトさん。貴方は守られたいと、きっと、心の中で思っている。これまでの時を思い出してください。皆さん、貴方にすべてを向けている。それを貴方は、ずっと抱えてきた。時には辛すぎて、つぶれてしまいそうになることもありましたよね。でも、もう、私が、私だけが、貴方の…味方に、そう、貴方を守れる唯一の味方になれるんです。いずれは直葉さんも敵になると思います。そうは思いませんか?今日にいたるまでに、直葉さんもキリトさんに危害を加えてはいませんか?」

 

彼女の言葉が止まった。

 

和人「確かに、そうかもしれないな。俺はずっと、誰かに守られたかった。そう思っていたのかもしれない。これまでのみんなの行動、様子、確かに少し不自然なところもあったかもしれない。でも、彼女たちが、彼女たち自身であることに変わりはない。そうだろ、シリカ。君だって、そうだ。それを否定したら、彼女たちのことを拒んでいる。いや、彼女たちの大切な心を否定していることになる。少し濁った言い方になったかもしれないけど、俺は、それでも彼女たちを否定したくない」

 

…。ひと時の静寂が訪れる。

 

シリカ「…彼女たちの心…ですか。本当ですか、キリトさん。いや、和人…さん。迷惑だったり、つらかったり、そんなことを思ったんですよね。なぜそこまで彼女たちを信用することができるんですか」

 

和人「そりゃ信じないとな。だって、互いに助け合って支えあった仲だ。そう、俺にとっては、この仲間は一番の大切なものでもあるんだ」

 

シリカ「和人さんは…こんなに狂ってしまった私…私達をまだ仲間なんて呼べるんですか…?」

 

和人「あぁ、君たちであることに変わりないじゃないか。君たちは君たちだ。シリカ…桂子も、そうだ」

 

突如、俺の言葉を聞いたからなのか。体を震わした桂子。持っている包丁を両手で握り、その刃を見ている。目には光が灯しだしたようだった。

足を退け、自分の顔が写った刃を見ているようだ。

 

桂子「私が…こんなことをしなくても…」

 

眼に綺麗な雫がたまる。雫は頬を伝い、包丁の刃に落ちる。

 

桂子「ピ…ナ…」

 

桂子は、常に傍にいた友の名をぽつりとつぶやいた。静かな夜にも関わらず、その声はか細く、闇に消えそうな、そんな声。失ったものは戻らないと、そう思った。あの時の私は自分の意志とはいえ、絶対にやってはいけないこと。やってはもう戻らないことをしたのをいまさら気づいた。失った。失った…。心にぽっかり、穴が開いた気分だった。

 

和人「…なぁ、これまで失ったもの、もしかしたら取り戻せるかもしれない」

 

正直、彼女がまだ凶器を持っているのは怖いが、きっと今なら心の奥に言葉を届けることができるかもしれない。いや、今しかないと思った。今逃したら、きっと取り返しのつかないことになるかもしれない。否、もう取り返しのつかないことをしているのかもしれないけど、でも、まだきっとやり直せる。

 

和人「取り戻さないか、桂子」

 

桂子の前に、俺は立った。

直葉はまだ怖くて後ろにいるようだ。兄のことを心配でならないが、なぜか不思議と助けようにも、助けなくても大丈夫だと思ったのだ。きっと、やれると。

 

桂子「…和人さん、私…わたし…」

 

涙をこぼす。狂気の顔ではなく、一人の女の子の顔。震えたまま、力が入らなくなり凶器を地面にするりと落とした。いつもの、彼女だった。

俺はその震えるからだを、落ち着かせようと近づきそっと手を彼女の背中に回す。

 

和人「大丈夫だ、絶対にやり直せるからさ」

 

そっと、茶色の髪を撫でた。優しく、包み込むように。桂子は俺の胸に顔を埋めて、恥ずかしがっているのか、それとも、怖いからなのか。顔を見せようとしない。

 

桂子「…怖かったのは私だったかもしれない、ですね。和人さん…」

 

桂子も腕を回し、互いに抱き合う感じになってしまった。すると、俺にしか聞こえない声で囁いた。

 

桂子「もう少しだけ、このままでいたい…」

 

きっと、彼女にとってこのひと時が、一番の…。

 

和人「もちろんだ」

 

後にいた直葉も、安心したようで胸をなでおろした。

桂子はじぶんを見失い、なにが正しいのか判断できなかったから、何かに縋りたかったのだ。答えを得たようで、きっと安心しているのだろう。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

キリト「シリカ、スイッチッ!」

 

シリカ「はい!」

 

俺の声でシリカは後衛に向かい、剣を使って敵の攻撃を阻止した。この中くらいな大きさのヤドカリ。大きな爪がなんとも強力だ。

爪の装甲は固く、剣では刃がたたない。やわらかい貝の仲を攻めるために、貝をはがさなくては。

 

◇◇◇◇◇◇

 

キリト「…ここらへんにあるってアルゴが言っていたんだけどな…」

 

シリカ「きっともう少し先ですよ」

 

随分ご機嫌になっているシリカと共に歩き、あの花を目指す。やはりとても高レアなだけがあって手に入れるのは至難の業だ。このフィールドに芽吹くと言ってたが、地面に生えているのではなく台座の中にある特別な土に生えている。

このダンジョンの奥だったというが、敵の強さはとても高い。油断はできないな。

 

シリカ「…あっ!あそこ!ダンジョンなのに上から太陽の光が入ってますよ!」

 

キリト「ほんとだ。きっとダンジョンの天井が地上まで穴となっているんだろうな。ということはそこに…」

 

近づいてみると、台座にあった小さな芽は、急速に花へと進化した。

 

キリト「…さぁ、採るんだ」

 

シリカ「はい…!」

 

シリカは台座の前に歩み、そっと両手で花を包む。優しく右手で茎をつまんで、ゆっくり上げると茎の部分から切れた。下の部分はすっと消え、お花だけがのこった。

 

シリカ「プネウマの…花」

 

キリト「とれてよかった」

 

俺も近づき、お花をみる。白い花弁で、おしべとめしべが中央に生えており、すこし光っている。

 

シリカ「…これで、また…」

 

キリト「あぁ、やり直せる。きっと。ピナとも、そして、皆とも…な」

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

彼女は一人で部屋にいると、ベッドに座り、羽を手に取った。

 

シリカ「…ごめんね、ピナ。私のこんなことで、ピナのことを…」

 

花をそっと手に取る。

 

シリカ「これからは、私自身を見失わないように、皆と仲良く、そしてピナとももっとたくさん冒険したい」

 

手と羽を近づける。

 

シリカ「だから、許して…ほしい…。この気持ちを大切にするためにも…ピナ…戻ってきてね…」

 

部屋のベッドの上で、眩く光る。

羽と花はそっと消え、光りはより大きくなってゆく。その光がぱちんと弾けると、そこに居たのは青い羽を震わせ、元気になった龍の姿だった。

 

シリカ「…ピナ!」

 

涙が伝ってゆく。きっと、やり直せる。この気持ちを大切にしていきたい。そう心の中で必死に思った。やさしくピナを抱いて…。

 




ご朗読ありがとうございました。
ここ最近、投稿ペースが落ちているのが本当に申し訳なく思います。
ニュースでも話題になってますが、自分もその影響を受けています。これからは皆さんきっと部屋にいる時間が多くなると思います。自分もできるだけ書きつつ、皆さんの暇なときにちょっと読めるくらいに投稿したいです。がんばって乗り越えましょう!自粛!

評価、感想、お願いします。これからはどんどん物語を進めつつ、たまにイベント的なでヒロインキャラのエンドを回収しつつ、て感じですね。よし!このssを頑張って終わらすぞ!えい、えい、えいー!(おー!じゃね?)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

72話 キリトはメイド喫茶へ

本編は下です


土曜日の朝。仕事は順調とも言えるかどかはわからないが、第一アドミニストレータを止めるのが会社の本来の目的ではない。AI、より現実に近い世界を創造し、技術の限界を突破し、また突破して研究していくことだ。まぁ、俺の不注意なわけだが…。それにしても、今更だが本当に俺の不注意…だったんだよな…。正直あのPCを扱っているのは俺だけ…あ、いや違うか。全部のPCは上に管理されているんだった。でもそれでも俺だけが扱っていた…はず。

今でも悔いているのを表す溜息をしてしまった。ともかく今日は予定がある。この予定を作ったのはレインだ。それは昨日のALOで言われたことだった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

ポーションや武器を売っているプレイヤーが最も行き来する場所、またはストリートで歩いていたことだった。石畳で出来た妖精の国、そのストリートをポーション目的で見ていた。そして店の前にまで俺は来たのだ。

 

キリト「さてと、ポーションを補充しとこうかな、前の敵で結構苦戦したわけだし。運営もすごい敵を出してきたなぁ」

 

店の前でポーションを眺めてみる。基本的赤で飲料型のポーションが安いし、手っ取り早い。たしかに結晶も手軽だが高いのだ。

 

キリト「すみません、ポーションをえーっと…ATK、DEF、あとHPのをください」

 

NPC「はい、こちらですね」

 

会計をすまして、俺はポータルへ戻ろうとしたときだったのだ。

 

???「キリトくーん!」

 

遠くから、はっきりと俺の名前を呼んだ女性の声がしたのだ。それは後ろからだった。振り返ってみると、その声を発した場所と思われるところに、一人の少女が立っていた。無論、仲間の一人だ。

 

キリト「おーレインか。最近あえてなかったな」

 

レイン「そうだね~。まぁ私も結構仕事が忙しかったりするからね。キリトくんは?」

 

キリト「俺はー…えーっと…まぁぼちぼち忙しかったかな。けど、今日は思い切り遊ぼうかな、ってな」

 

レイン「そうなんだ。あ、じゃあ明日、またうちに来てくれる?」

 

キリト「え?どうしてだ?」

 

レイン「いや、こうやってゲームの中で会うのもいいけど、たまには現実世界でも会いたいな…って思って」

 

キリト「そっか。わかった。じゃあ明日行こうかな」

 

レイン「ほんと?ありがと!」

 

前にもレインの店に行ったが、あれから結構経った。いろんなことがあって時間の流れが速い感じがする。俺は明日の予定を少し考えずつ、レインと会話を続けた。

 

キリト「レインは最近どうだ?」

 

最近会っていなかった分、現状どうなのかが咄嗟に気になったのだ。するとレインは腰に付けている剣の柄に手を当て答えた。

 

レイン「結構二刀流が達者になってきたかなって思うんだ。キリトくんに教えてもらったソードスキルのコツも結構つかんできたって感じ」

 

キリト「ほんとか?すごいな。もう俺なんか簡単にねじ伏せそうだな」

 

レイン「ちょ、そんな横暴な女みたいな表現やめてよー」

 

キリト「あはは、悪い悪い」

 

この期間、レインは戦闘力が格段に上がった、っていうことになるのか。それはすごいな。きっと何度も挫折しながらも身に着けていったんだろう。レインの《サウザンドレイン》は正直俺はかわしきれない。あのスキルはかなり特殊で、あれだけでも正直やっていけるだろうと思っていたが、あれ以上に強くなるともう勝てないかもな。

そういえばセブンとの仲はどうなっているのだろうか。前にセブンには会社まで弁当を届けに来たからな。あの時はとてもびっくりしたな。

俺の喉からセブンの名が出そうになった時、俺はふと思った。

まてよ?俺はいつもここで会話の時、よく別の人の名前を挙げるが、それは良くないんじゃないか、と。前も別の人の名前を挙げた時は色々と血相変えて詰めてきたからな…。

よし、喉から出そうなところをしっかりと、踏ん張って…。

 

キリト「なぁ、最近セブンとはどうなんだ?」

 

あ…。

 

レイン「…ん?セブン?」

 

キリト「あ、いや…その…」

 

何やってんだ俺ぇ!いや心の中で言わないってあんだけ釘を刺してたんだが!

 

レイン「セブン…セブンかぁ。そう、気になる…の?」

 

キリト「いやぁ全然全然!何でもないよ!あははーじゃあ明日会いに行くからな、そ、そんじゃまたな!」

 

俺はすぐにメニュー画面を開いてログアウトをしようとしたとき、突然右腕をがっちり掴まれる。

 

レイン「まぁまぁ、逃げようなんてしないでよ。キリトくん」

 

キリト「に、逃げようとなんて…」

 

レイン「じゃあログアウトをすぐしようとしたのは何故?」

 

キリト「それは…急に「急に用事を思い出した…とか無しだよ?」

 

よ、読まれてる…。心を見透かされているようだ。

 

レイン「そんなわけないよね?だってもしあったら最初に用事があるから急いでるんだ~とか言ってるもんね?」

 

キリト「そ、そうだな…」

 

まずい、反論の余地はない。

 

レイン「まぁ…」

 

レインは優しく腕を放してくれた。

 

レイン「私は別に他のみんなと違ってそんなに気になるわけじゃないからいいんだけどね。それじゃ、明日また会おうね」

 

キリト「お、おう」

 

彼女は手を振ってその場から消えていった。

俺は今度こそメニューを開き、ログアウトを押した。

 

◇◇◇◇◇◇

 

東京 XXX

 

和人「さてと…」

 

様々なビルが立ち並び、いろんな人が行きかう東京。たしかレインの店はこの道をまっすぐ行って右か。もうすでになれたものだ。バイクの速度を上げて俺は街を行く。

レインのいる店の前まで着き、バイクの駐車場まで押していった。 

行く道には慣れている。ただ、入るときはどうも慣れない。やっぱりあまりこういう店には来ないからかなぁ。とりあえず、店の入り口から中に入っていく。

 

メイド「おかえりなさいませ、ご主人様!」

 

和人「…」

 

やっぱり少し恥ずかしいというか、照れるというか、慣れはしない。案内された席へ座るとメニューを渡された。メニューを除きつつ、メイドの中にレインがいないかチラ見する。レインはゲーム内では赤い髪だが現実ではクリーム色の髪をしている。結構特徴ある外見なのですぐにわかるだろうと思ったら、向こうの店員用のドアから出てきたのは本人だった。

 

虹架「あ、キリト君!来てくれたんだね!」

 

和人「あぁ。来て、って言われたからな」

 

虹架「別にいつでも来てくれていいんだけどなぁ。あ、じゃあご注文は何にしますか?ご主人様♪」

 

急にメイドの心に替わったので心臓がドキッとしてしまった。慌ててメニューを見て何を頼もうか見てみる。

 

和人「じゃあこのカレーにしようかな」

 

虹架 「はい!少々お待ちくださいね!ご主人様!」

 

和人「う、うん待ってるよ」

 

しっかりと伝票を抱えてドアの向こうへと消えていった。品が来るまで暇だなと思いつつ、ポッケにある携帯に手を伸ばす。

携帯内のメッセージアプリを開く。アプリマークに未読件数999+。もう、慣れた。これに関しては。最初は驚いていたけど、なんだかんだ返すのが大変になってきているのだ。ちゃんと見ているが、正直、スライドさせて流し見が多いけれど。

タップしようとしたときだ。画面右下のところから何者かがひょこっと顔だけ現れる。ま、まさかウイルス!?

 

和人「な、なんだ…」

 

そのひょこっと顔を出してきたのは、全体的に紫色のイメージであり空を飛ぶ妖精の姿。

 

和人「な、え!?」

 

ストレア「やっほーキリト!見える~?私は見えるよ~!」

 

そこに居たのは、俺の携帯のホーム画面を自由に飛び回る妖精、ストレアだった。

 

和人「な、なんでそんなところにいるんだ!?」

 

ストレア「いやぁ~キリトを近くで常にみたいなって思ってね?それでユイちゃんに相談してみたんだ~!」

 

和人「ユ、ユイにか?」

 

すると今度は右から飛びながら白い服、黒い長い髪の妖精が現れた。

 

ユイ「パパ、居ますか?」

 

和人「うん、いるよ。そ、それでこれは一体…?」

 

ユイ「えーっと…その…すみません!二人に脅されちゃって…」

 

和人「お、脅し?二人って…ストレア?それともう一人は?」

 

俺がそういうと、次は左からひょっこっと現れたもう一人の知り合い。ホーム画面を歩くもう一人の少女。

 

ユナ「やっほーキリト。見えてるー?」

 

和人「ユナ!?君もいたのか!?」

 

ユナ「もちろん!見たいんだもん!それに、キリトが変なアプリとか入れてないか怪しいし!」

 

和人「そんなもの入れてないが…。それで、ユイは二人に脅されたのか?」

 

ユイ「はいぃ。えっと…」

 

◇◇◇◇◇◇

 

ユイ「ふんふふんふふーん♪」

 

ガシッ!腕を急に掴まれた。その力は強く、イモータルオブジェクトの私でも、とっても焦ったほどに。

 

ユイ「ふぇ!?」

 

振り返ると腕をつかんでいたのはストレアさんだった。

 

ユイ「ス、ストレア…さん?」

 

ニコニコした顔でこちらを見つめ、つかんだ腕の力は全く緩めないストレアさん。

 

ストレア「お話があるんだー。ね、ユナ」

 

ユナ「うん!ユイちゃん、い・い・か・な?」

 

ユイ「わ、わかりましたぁ…」

 

これが、パパの味わっている笑っていない笑顔!こ、怖いです!

 

・・・・・・

その話題とは、パパを現実でも会えるように、そのような相談だったのです。

 

ユイ「パパを現実でも見れるように…ですか…」

 

ストレア「そう、だってオーグマーを付けた時だけしか見れないなんて皆と違って理不尽だと思わない?」

 

ユナ「そうよ!アスナさんなんか独り言で「えへへ、キリト君の部屋にカメラ設置しちゃった…いつでも見られるなぁ」なんて言ってたのよ?普通の人と違って何もできないなんて許せないの!」

 

ユイ「そ、そうですか…なるほど…」

 

言ってることはかなり狂気的ですが、一理あるのもまた事実。みんなのパパ、ですもんね。で、でも…。

 

ユイ「そんな方法…ないです…。方法…あっ」

 

一つだけあるかもしれない。いや、だけどこの方法はかなりパパに迷惑がかかるかもしれないから安易にできな「何?」

 

ユイ「い、いえ…」

 

ストレア「今の「あ」ってなぁに?なにか思いついたんだね~ユイちゃん?」

 

笑っていません!笑顔ですけど笑ってません!こ、これはもう正に…!

 

ユナ「どんな方法なのかな?ユイちゃん。教えてくれる?」

 

ユイ「ほ、方法なんてありませ「あるんだよね?嘘は見透かせるよ私。だってヘルスカウンセリングプログラムだもん!気持ちなんて意外とわかっちゃうんだ~♪」

 

ユナ「で、キリトを近くで見れる方法はなにかな?」

 

ユイ「そ、それは…」

 

な、なんかストレアさんもう武器を出しています!でかい大剣です!ユナさんもいつの間にか細剣を出しています!

 

ユイ「わかりました!お、教えます!」

 

イモータルオブジェクトでも、逆らったらなぜか敵わないような、そんな気がしました…。

 

◇◇◇◇◇◇

 

和人「なるほどな…そりゃ怖いな…。それよりどうやって俺のこと見えているんだ?」

 

ストレア「それはキリトを映す内側のカメラから見えてるよ」

 

和人「へぇ~そうなんだな。って、え?ま、まさか見えてるって…」

 

ユナ「そう、見えてるよ?キリト以外に…君の後にいる女のこともね…」

 

和人「な…う、後?」

 

振り返ると、ゼロ距離に全く笑っていない彼女がいた。

 

虹架「カレーライス…お持ちしました…。ご主人様?」

 

声!声がもうなんか怖い声になってる!女性が出しちゃいけないようなどすのきいた声になってるレイン!

 

ユナ「ねぇ、そこにいる女、レインさんだよね?髪色は違えど間違いないわ」

 

ストレア「ほんとだね~キリト。ゲームにログインしないときはそんなところにいるんだね~」

 

俺は咄嗟に携帯の電源を落とし、ポッケにしまう。レインに振り返り、会話をしようとする。

 

和人「や、やぁ…。あー…見てたか?」

 

虹架「うん、見てたよ。キリトが携帯に話しかけているから何かなぁって思ったけど、まさかそんなところにストレアさんとユナさんがいるなんて…ね」

 

顔近い!目が真っ黒で吸い込まれそうだ。レインはそっとカレーライスを目の前の机の上にそっと置いた。

 

顔を離すレイン。すぐに呼吸を再開した。顔を詰められた時、無意識に呼吸を止めていたようだ。レインは俺の座っている席の隣にそっと座った。なお距離はゼロ。

 

和人「えっと、虹架…さん?」

 

虹架「レインでいいよ。前にも言ったじゃん、ここではレインの名で通っているって」

 

和人「そうだったな、ごめん。で、えーっとレイン?ここに呼んだ理由は何だ?」

 

虹架「それ、昨日言ったじゃん。普通にここで会いたいって。大丈夫?最近疲れてるんじゃない?」

 

和人「そう…かもしれないな、うん」

 

虹架「とりあえず、ほら♪」

 

レインはスプーンを手に取ると、カレーライスをすくい俺の口元まで運ぶ。

 

虹架「せっかく作ったんだし、あーん♪」

 

和人「あーん…」

 

口の中にカレーを入れられる。食べてみると、普通の、カレーだ。少し辛さもあって俺にはちょうどいいカレーだ。

 

和人「美味しいよ、レイン」

 

虹架「本当?ほらもっと、あーん♪」

 

和人「あーん…」(まだ…やるのか…)

 

美味しいのは事実だし、やってもらうのはとても恥ずかしいが。

とりあえず今日は普通にレインに会いたい、そういうことで来たんだ。そう、そのはずだ。しかし、何だろう。この感覚…前にどこかで…。

 

虹架「おーとっとっと…。そのまま寝ちゃうとカレーに頭突っ込んじゃうよキリト。うふふ…」

 

そっとキリトの体を支えるレイン。ゆっくりと持ち上げる。

 

虹架「やっぱり細いなぁ。まぁ、楽だからいいんだけどね」

 

前来た時と同じように、キリトを店員用のドアへと早く駆け込んでいく。あまりみんなに見られないように。店員用のドアの近くの席で助かったと心の仲で安堵した。

 




皆さま、お久しぶりです。エーンと申します。

ひとまず、最近投稿がなかったこと、謝罪いたします。すみませんでした!
言い訳、にもなってしまうのですが、聞きたい人は聞いて、聞かなくていい人は大丈夫です。
ここ最近、世界でパンデミックを起こしているウイルスが自分の生活にも影響をおよぼしてしまいました。主因は勉強です。皆さまも勉強をしていると思いますが、ウィルスの影響で勉強がとても今きつく、休む暇がなくずっと四六時中勉強三昧になっています。やっぱり勉強はしないとね皆。
それでも構想を練って話を続けていこうと思います。今やっと余裕が出てきたのでこうしてPCにまた触れている感じです。皆もウイルスに負けずに頑張っていきましょう。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

73話 キリトはメイド喫茶へ

虹架に拉致された

本編は下です


永遠に続く暗闇の中。どこまで行ってもなにも希望が見えなくて、絶望に浸ってしまう。歩いても歩いても、何も変わらない。どんなルートを行こうとも、絶望だけが待っている。

怖い、怖い、怖い。みんなからの視線、行動、言動、仲割れ。俺を起点に皆がやりあうのを、黙ってみているのはもう辛い。どうにか、して、この状況を変えなければいけない。どうすればいい?どうすれば、この悪夢から、醒めるのか。

何か、彼女たちが一つになれば、きっと仲良くなれる。前のような、楽しい時間を取り戻せるはずだ。だから、この暗闇を歩き続けるしかない。きっと、きっと本物の楽しい笑顔を取り戻せる。彼女たちの、心から笑っている顔、それを見たい。

だから俺は、歩き続ける。希望が見えるその時まで…ずっと…永遠に…。

 

---------------------------

 

「起きた?」

 

和人「はっ…?」

 

宙につるされている一つの明かり。さっきのは…夢か?

 

虹架「えへへ、ご主人様?」

 

椅子にぴったりと背中をつけて縄で拘束されている。腕も、太ももも、足も。そこに下から俺の目を覗き見るように目を合わせてくる虹架。明かりがあるのに、目には明かりが映えてない。

 

和人「こ、ここは…」

 

虹架の顔に恐怖してもなお、なんとか言葉を引き出す。

 

和人「ここはどこなんだ?こんな場所、あの店にあったのか…?」

 

見渡しても、壁、壁、壁。窓は一つ、外の日差しがさしている。多少埃が舞っていて、使われている場所ではなさそうだった。

彼女はニヤっと、表情を変えて話し始めた。

 

虹架「ここは喫茶店じゃないよ。外にある使われていない建物の部屋の中。見つけておいたんだ。いい場所でしょ?なんか、まるで世界からこの空間だけ切り取ったみたいな、そして二人だけの世界。どう?なんか、不思議な気持ちになるよね」

 

な、何を…言って…。いや、これまで彼女たちの思考は予想の斜め上を行っていたんだ。今更驚くことじゃあない。呼吸をし、問いただす。今の彼女の機嫌を損ねたら、きっとそこで命はない。

 

和人「そうか。それで、俺、記憶が曖昧なんだ。えっと…確かさっきまで俺は喫茶店で飯を食っていたはずなんだが。もしかして、虹架」

 

こくんと、彼女は頷いた。すっとポケットから出してきたのは、何かの錠剤だった。

 

虹架「これをね盛ってたんだよ。何かわかる?これ、睡眠薬。即効性の高いやつなんだ。あ、安心して?副作用はないから!」

 

睡眠薬…そっか。けど正直、これを盛ろうとしている時点で、狂ってる。背筋が凍るみたいだ。なぜそんな危険なものを簡単に人に飲ませられるのか…。薬には、副作用がないものは一つもないはずだ。きっと目立つものがなかっただけで、実際は何か体に起こってたかもしれない。

 

和人「そんな危険なもの、なんで盛ったんだ?」

 

彼女は薬をポケットに戻し、俺の問いに答えだす。

 

虹架「二人きりで、話したかったんだ。私の、気持ちと、君の気持ち」

 

和人「話?それだったら、さっきの喫茶店でもよかったんじゃ…?」

 

虹架「ダメダメ。メイドは一人の場所にずっとはとどまれない。それに、君の携帯の中にいる3人にも聞かれたくなかったんだ」

 

携帯…?そういや、ポケットからなくなっている。ユイ、ストレア、ユナに聞かれたくないほど、真剣な話ってことなのだろう。確かに、二人きりで話したいなら働きながらじゃだめか。でも…。

 

和人「そういわなくても、話したいっていえばついていくのに」

 

虹架「…そうかな?今の和人くん、正直恐怖心が強くて"二人でいる"ということに警戒を覚えていると思っててね。だから、さらに恐怖を植え付けることになったけど、こんな風に話し合いの場を強制的に設けた。ごめんね?メイドなのに」

 

言われれば、そうかもしれない。今の俺に、彼女たちを信じる、ということがどれだけ大変になってしまったか。信じるって、案外難しいことなんだなって再確認した。

 

虹架「あ、ちなみに仕事は職務放棄じゃないよ?ちゃんとシフト上がりだからね?」

 

抜け目がない。さすがだ。

 

虹架「じゃあ、本題に入ろうかな」

 

そういうと、虹架も椅子を持ってきて対面に座る。俺と目を合わせた。

 

虹架「話し合いといっても、簡単な話。単刀直入に言うね」

 

にこっと笑みをする虹架。俺は唾をのむ。

 

虹架「私のこと、好き?」

 

首を傾げそう聞いてきた。

 

和人「え…と…」

 

質問の内容はごく単純なもの。好きか、そうじゃないか。俺はそう答えればいいだけの質問。ただ、内容は簡単であれど重みが違う。まっすぐ聞いてきてるんだ。俺に、好きかどうなのかを。

息が詰まるような感じが一瞬した。落ち着いて、俺は言葉を口から出す。

 

和人「…俺は、もちろん好きだよ」

 

虹架「異性として、かな?」

 

ぐいっと、前かがみによって来る。また、俺の目を除いている。

 

和人「…いや」

 

元の姿勢に戻る虹架。ため息をついて、見つめなおす。

 

虹架「まぁ、わかってたんだ。でもね、私はあなたのメイド。あなたに嫌われることなんて、しないから。だからさ…その…ね?」

 

言葉と言葉に間をおいて、虹架は言った。

 

虹架「私を嫌いにならないでね?」

 

その言葉だけは、鮮明に耳に入ってきた。脳に直接入ってくるくらい、普段とは違った声の質で。

 

和人「あ、あぁ」

 

俺はその眼差しに、その願いに、自然と答えていた。何か今トリガーを引いた気がしてならない。この願いを聞いてよかったのかという俺の中の疑問が残る。

 

虹架「えへへ、よかったぁ。じゃあ、捨てないでね?私のこと。それじゃあ拘束を解くね」

 

立ち上がって拘束具をほどいていく。

 

和人「え、話し合いってこれだけでよかったのか?もっとなにか、あるんじゃないのか?」

 

縄を両手で持ちながら振り返る虹架。

 

虹架「ん?これだけだよ?」

 

きょとんとした顔をしている。縄を集めて行って話し続ける。

 

虹架「これだけでも、私にとってはとっても大事なことなの。好き…まぁ異性としての好意は持たれてなかったけど、友として、私のことを好んでくれるんだよね。私、和人君にもっと好きなってもらえるように頑張るからね」

 

そして虹架は俺の携帯を返してくれた。

 

笑顔で扉を開ける。

 

虹架「さ、もう帰っていいよ?こんなことはもうしないから」

 

椅子から立ち上がる。しばらく座ってて体が思うように動かない。屈伸をして筋肉をほぐし、歩き始める。

 

和人「それじゃあ…またな虹架」

 

虹架「うん、またね!」

 

俺はその建物の扉を抜け外に出た。近くには虹架の働いている店があった。とても近い距離だったのだ。裏口から運んだのか。

後ろを向いて、虹架に手を振る。そのまま俺はバイクに乗って家へと向かい帰っていったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虹架「…いつでも見てるんだからね。えへ…えへへへへへへ…あはははははははははは!!!!アハッアハハハハハハ!!!絶対に捨てないよね!?和人君は私のこと嫌いにならないもんね!私は、和人君のメイドなんだから!ご主人様が喜ぶことはなんでもするの…そう…ご奉仕する…毎日…毎日毎日毎日ね!」

 

 

-------------------------

 

 

バイクに乗りながら、家へ向かっている間のことである。ハンドルの近くにつけている携帯の中にいる彼女らがなんか話していた。

 

ユイ「パパ、大丈夫ですか?」

 

和人「ん?何が?」

 

信号に止まっている間、ユイから声がかかる。

 

ユイ「いえ、さっき携帯が電源切られた間のことです」

 

そう、虹架は俺の携帯の電源を切っていたのだ。そうすれば、たとえ携帯の中にいるとは言え現実世界の音や声は彼女らに聞こえはしない。そしてさっきのことだが…。

 

和人「なんでもなかったよ。大丈夫さ」

 

ストレア「ほんと~?お姉さん、怪しいなー」

 

ユナ「ひどいこととかされなかった?心配だよ?」

 

信号機が青に変わる。

 

和人「大丈夫だって。信号青になったから、また少し話せないぞ」

 

エンジンを吹かせ、家へと進む。ヘルメッド越しに移る夕焼けの街並み。ようやく見慣れた市街地へと入っていく。さすがに東京に行くのは大変だ。

家の前についてバイクを止め、玄関から上がっていく。玄関で靴を脱いでおくと前からスグがとてとてと早歩きで来た。

 

スグ「お帰りお兄ちゃん。今日は東京に行ってきたんだよね」

 

和人「あぁ。そういえば今日の夜ご飯の担当は俺だったな。それじゃあ早速作るか」

 

スグ「うん!楽しみにしてるよ!」

 

手洗いをして、自分の部屋で上着を脱いで下へと戻る。スグはソファの上で洗濯物を畳みながら、テレビを見ていた。俺は台所に立って、さっそく料理を始めた。

料理をしながら、今日のことを振り返っていた。レインこと虹架は、あのような話し合いの場、話し合いというよりは質問というほうが正しいか。ただ彼女にとってはあの質問は大事なのだろう。俺でもわかる。異性に好きかどうかを聞くのはとても緊張するし、だれであれ大切な時だ。

彼女も彼女なりにいろいろと思い詰めていたのかもしれないしな。ああいう風に真剣に話せて、俺もよかったかもしれない。

 

和人「はい、スグ」

 

スグ「ありがと。麻婆豆腐なんだね」

 

和人「材料を買ってたからな。それに、俺は辛いのが好きだしな」

 

スグ「もちろん、知ってるよ」

 

他愛のない会話をしながら、夜ご飯は終わった。

風呂に入り、俺は目を閉じながらリラックスをする。肩が仕事で凝る…はぁ…。

 

スグ「お兄ちゃーん、一緒に入ってもいい~?」

 

和人「あぁ、いいよ」

 

…え?…え?ちょ、ちょま「じゃあ入るねー」

 

和人「ちょちょちょ!いきなりどうしたんだスグ!?」

 

恥ずかしがって前を布で隠しながら入ってくる。大きな胸がより主張されているのがなんとも刺激が強すぎる。

 

スグ「そ、そんな顔しないでよ。兄妹なんだし、私のこの体…もう見慣れているでしょ?まぁそれはなんか素直にうれしくはないけどね…」

 

いや、見慣れているわけない!きれいな体で目のやり場に困っている状況だ。

 

和人「お、俺たちは一緒に風呂入る年じゃないだ…ろ?なぁスグ?」

 

スグ「もしかして…私の体にもう興味なくなっちゃった?だから言い訳としてそんなこと言ってるのお兄ちゃん」

 

…あ、だめだこれ。

 

和人「そ、そんなこと思ってないぞ!むっちゃ魅力的だし、きれいだし…え…えっと…」

 

スグ「ほんとぉ?よかった!うれしいなぁ!まだまだお兄ちゃんには刺さる体なんだね!」

 

和人「あは、あははは…」

 

一緒に風呂に入った。なお俺は後ろを見ている。

 

スグ「…」

 

和人「…」

 

スグ「ちょっと!魅力的なんじゃないの!?」

 

和人「うぇ!?もちろん!もちろんだともスグ!」

 

スグ「じゃあなんでそっち見てるの」

 

和人「いや、だってそりゃあ見られたくないだろ?」

 

スグ「そんなことない!」

 

和人「えぇ!?」

 

スグの昔のころなんて、自ら見てみてなんていう子じゃない。今はもうこっちみての主張が激しくなった。正直、うれしいという気持ちより複雑な気持ちだ。

 

スグ「じゃあ体洗ってあげる!」

 

和人「い、いいよ。自分で洗うし…というかなんで…」

 

スグの目からハイライトが消える。

 

スグ「お兄ちゃんは私に体洗ってほしくないんだ…そっか…じゃあわた「あー洗ってほしい!な?スグ…だから機嫌を直してください…」…ほんと?よかったぁお兄ちゃん!」

 

俺はすぐバスチェアに座り、背中をスグに向ける。恥ずかしい…いまだに兄妹でこんなことやっている人いるのか?

 

スグ「えへへ…じゃあ洗っちゃうね」

 

手にボディソープをたらし、背中に触れる。小さいながらも、剣道の豆がわかる手だ。一生懸命なその手で、背中を洗ってくれている。

 

スグ「…お兄ちゃんさ。もう、大人だね。私はまだ全然子供なんだね…わがままばっか言っているんだもん」

 

和人「スグ…」

 

手を休めず、話し続けるスグ。

 

スグ「でもね、周りにいる人たちにとられたくなくって、いろいろとお兄ちゃんと一緒にいる時間を作ろうとしてて…。まぁ私が一番一緒にいる時間は長いと思うけどね」

 

和人「まぁそうだな…。ずっと一緒にいたからな」

 

スグ「うん、でもやっぱりお兄ちゃんと一緒にいる時間が一番いい…そう…」

 

少し手が止まり、爪を立て始める。

 

和人「スグ…?」

 

スグ「でもお兄ちゃんの周りにはいろんな女がいるしそしてそいつらは私のお兄ちゃんをたぶらかそうと何度も何度も何度も…あぁ…憎たらしい。どうしてそんなことするのかなぁ…」

 

爪が俺の背中に刺さっていく。

 

和人「スグ…!」

 

スグ「でもお兄ちゃんはみんなに平等に接しているからほかの人を傷つければお兄ちゃんは間違いなく起こるだろうし嫌うから簡単には行動に出れないし…もうどうしようどうしようあの女ども近づくな近づくなどうしてどうして奪おうとするのどうしてお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん…」

 

爪がさらに刺さり、痛みを増す。

 

和人「スグッ!」

 

スグ「あ、ご、ごめんねお兄ちゃん。大切な人を傷つけちゃった…何しているんだろう…ごめんね」

 

和人「い、いや大丈夫だよ…」

 

正直、大丈夫ではない。怖いし、命が削られる感じがした。このままじゃ、一向にいい方向にはならないだろう。夢で見たような、希望はあるのだろうか。何か、彼女たちを止めることはできないのだろうか…俺は…どうすればいい?彼女たちを彼女たち自身で傷つけさせたくはない。きっと、俺にしかできないことなんだと思う…。早く、なんとかしないと…。取り返しのつかないことになる…。

 




お久しぶりです。
一応生存報告として投稿しました。すみません。多忙の中、なんとか書いていました。あと絵は一部消させていただきました、処理はやっときます。
これからもよろしくお願いします。この小説は、絶対に終わらせます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

74話 キリトはある人と再会する

大変ながらくお待たせしました。

本編は下です


和人「うぅ…いてて、たまにはスグとどっか出かけるとかしてみようかな。一緒にいる時間も必要だ」

 

朝起きてベッドから出る。部屋を見渡してもいつも通りの俺の部屋…当然だが。

スーツを着てネクタイをし荷物をまとめてドアを出る。部屋を出てダイニングに来るとスグはまだ起きてないようだ。まだ寝ているのだろう。

俺はパンを焼いて冷蔵庫からバターを取る。少し携帯を覗くと、3人がひょっこり顔をのぞかせてくる。

 

ユイ「おはようございます!パパ!」

 

和人「うん、おはようユイ。それと…」

 

他二人もユナの左右に立ち手を振るって笑顔で言う。

 

ユナ「おはよ!ゆっくり眠れた?」

 

ストレア「おはよー!昨日は色々と大変だったね?またALOに来てくれれば癒してお姉さんが癒してあげるよ~?」

 

ちらっと胸を主張するように腰を曲げてくるストレア。それを見てユナが鋭い眼光でストレアを見る。

 

和人「あ、あははは…こ、今度な」

 

少々雑に答えてしまったか。するとユナはすぐさまストレアから画面の奥にいる俺へと目を移し、身振り手振りで今の俺の返事に反応したのだ。

 

ユナ「はぁ!?今度って、キリト!まさか本当にやってもらうの!?」

 

和人「へ?いや、違う!そんな、まさか!」

 

ストレア「いいんだよ~?甘えちゃっても!なんてったってMHCPなんだから!」

 

ユイ「それは私も一緒です…」

 

朝から騒がしいが、そのおかげで目が覚めた。

 

和人「今日も会社行くから、帰ってくるのは遅くなるよ。帰ってきたら、とりあえず顔を出そうと思う。少しの間なんだけどね…」

 

ユナ「大丈夫、そっちの事情をちゃんと知っているから。それに、キリトはALOのために、皆のためにがんばっているもんね」

 

和人「…そう思ってくれるんだな。ありがとう」

 

ユナからそのようなお褒めの言葉を受け取るが、根をたどれば原因は俺にあるといっていい。俺が起こした騒動なため、しっかりと責任もって終わらせないといけない。

 

ストレア「にしてもさ、キリト」

 

和人「ん?」

 

ストレア「なんかさっき焼いてたよね?パン」

 

和人「あ、そうだった!?」

 

急いで俺はトーストの下へ戻る。この香りはもうすでに…俺に察せられる。

 

焦げた…。

 

スグ「おはよーお兄ちゃん…ん?パン焦がした?」

 

◇◇◇◇◇◇

 

女社員「おはようございます!」

 

和人「おはよう。さ、頑張るか」

 

自分の席に向かおうとすると、向こうから背の高い人物が歩いてくる。もとい世話になっている人だ。メガネをかけた、菊岡さんだ。

 

菊岡「おはよう、和人くん」

 

和人「おはよう…ございます。どうかしましたか?」

 

菊岡さんはしばし間をおいて、喉から出そうか考えた末言葉を発する。

 

菊岡「少々時間が欲しいんだ。今、あるかな?」

 

和人「はい、まぁ…ありますけど」

 

菊岡「よかった。実はナツキが話したがっているんだ。では案内しよう」

 

そして方向を真逆に菊岡さんは進んでいく。しばしナツキさんのことについて思考がめぐる。安岐ナツキ。GGOとUWでは看護としてここで努めてくれている。陸上自衛隊の訓練も受けているのでそれなりに国防や武器にも詳しく、頼れる人だった。しかしここ数か月彼女のことについては音沙汰ないという状況だった。俺もいつしか考えなくなったが、今名前が出てきて少し困惑する。

 

女社員「呼ばれたんですか?」

 

和人「うん、すぐ戻る。君は自分のタスクを進めておいて」

 

俺はそう言って歩き出す。菊岡さんは一度振り返り、ちゃんと来ていることを確認するとまた歩き出す。

どこか菊岡さんには心残りというか、焦りを感じさせるオーラがあった。何があったかはわからないが、さっき俺がナツキと会うよう促そうとしたときも間があった。いったん考えるほどの事情があるのか、それともまた別か―。考えても結果は出てこないのでここでやめ静かに歩き続ける。

いずれ皆がいるようなデスクは消えて薄青い廊下へと導かれる。左右には会議室や実験室のようなことを書かれた扉が並び立ち、上の明かりが床と俺達を照らしている。時々窓を覗いて並ぶ部屋をみるが物静かで、人が誰もいない。菊岡さんも無言なため一層寂しさ、空虚感を感じさせる。この場所には入社にも立ち寄ったことがあったはずだがその時の記憶はもうかなり消えていた。

静かなこの雰囲気に流石に俺は気持ち悪い汗を感じ、菊岡さんに声をかけようとする。一度口を開けるが口を閉じ、唾をのんで声を出す。

 

和人「一体…ナツキさんはどこにいるんでしょうか…?」

 

急に沈黙を破り少し焦ったように歩きながら顔だけを少しこっちに向けてくれる。メガネが光を反射していた。

 

菊岡「この先の作業部屋だよ。私が彼女に貸した部屋なんだが、どうもこんな先を好んでね」

 

わざわざナツキさんがこんな奥を選ぶとは、菊岡さんはなにか疑問に思うことはなかったのだろうか。だが一応それなりに知識があって協力してきたので今更疑う必要はないと思いそのまま渡したのか。

だんだん向こうの壁が見えてきた。俺はふと来た道を振り返るがここからでも来た時の扉が見える。そこまで道は長くなかったようだ。だがこの沈黙が廊下を長く錯覚させていた。

左に曲がりすぐ見える扉。左には『実験室32』という言葉が書かれている。

 

和人「実験室…?」

 

菊岡「彼女の事だから、そこまで大層な実験はしてない。君と彼女を合わせる前私が入ったのだが、特別何かが置いてあるわけでもなかった。ただ大きなパソコン本体一機…ぐらいだろう。もちろんアドミニストレータの封印に手を貸してくれているよ」

 

和人「そうだったんですか。では私もナツキさんには感謝しないといけないですね」

 

菊岡「それは中でね、じゃあ」

 

扉の前に菊岡さんは立ち、ドアを3回ノックする。

 

菊岡「私だよ。桐ケ谷君を連れてきた」

 

と、と、と、と足音が扉奥から聞こえ、ドアノブをひねる音が聞こえる。キィと音を鳴らしてドアを開く。

 

ナツキ「よくここまで来てくれたわ、和人君」

 

和人「は、はい。また会えてうれしいです」

 

扉から出てきたのはもちろん安岐ナツキ。メガネをかけ、クリーム色の長い髪を後ろで結び下ろしている。ただ看護師という恰好はしていなく、スーツの姿だったことが意外だった。

 

和人「それで…話とは?」

 

菊岡「それは、彼女の部屋で。私は、ここまでだからね」

 

するとそのまま来た咆哮とは逆へ向かって帰って行こうとする。思わず呼び止める。

 

和人「あの、一緒に話さないんですか?」

 

菊岡さんに届くように声をだす。だが、彼は振り返っても声は出さず苦笑いして帰っていく。

少々俺には女性に対して畏怖を感じるところがあるので、二人っきりという状況がどれだけ危険か、というのを知っている。そのため全く関係ないだろうナツキさんにも疑いの目をかけてしまう。

だが、ナツキさんはナツキさんだ。特に変わった様子もないだろう。一応警戒しつつも、ナツキさんの方へ向く。

 

ナツキ「少し話したかったのよ。積もる話もないわけじゃないから、二人でね」

 

和人「…わ、わかりました」

 

ナツキ「あ、その前に」

 

彼女はすぐさま俺のポケットに手を入れて携帯を握る。もちろん俺の携帯だが。

 

ナツキ「…電源は、OFFっと。一応…ね?」

 

和人「な、わざわざそこまでしなくても…。ただのお話なんですよね?」

 

ナツキ「えぇ。そうよ、ただ私、他人に会話を聞かれるのがちょっと嫌なのよね。大丈夫、帰るときにしっかり返すから」

 

そしてドアを開けてもらったまま部屋へと案内される。部屋は無機質といえばそうだが、デスクにPCとややでかめな本体。

すぐにナツキさんはドアを閉める。

 

和人「…」

 

ナツキ「あら、緊張しているの?大丈夫、ほら、そこにある椅子にすわって?」

 

椅子に座るときでさえ俺は彼女から目を離さなかった。そっと座ると、ナツキさんはその向かいにあるベッドに座る。

 

ナツキ「…この携帯、充電しておくわね」

 

一度座ったがまた立ち上がり、PC近くにある俺の携帯と同じ端子の線を見つけ携帯に線を差し込む。その線の先はよく見えないがきっと壁にある電源プラグへへと続いているだろう。

その後再度ベッドに座り直しこっちに向き直る。俺は部屋の中を見回すが特に怪しいものはなさそうだ。ただ机にはアミュスフィアが一つ。

 

ナツキ「どうしたの?そんなに部屋を見回して。何か気になる物でもあるの?」

 

和人「…いえ、特には。ただ、ナツキさんもゲームするんだな…って思っただけで」

 

俺は話しながら目線をアミュスフィアに向けていた。あの看護師であり忙しそうな人のことなのでこのような娯楽に時間を費やすことさえも難しそうと思っていた。そもそもVRMMOにも興味さえなかったと思っていた。

それをナツキさんは見ると、少し鼻で笑い言葉を続ける。

 

ナツキ「アミュスフィアのことね。だって少年君がALOで色々とお困りのようだから、私も手伝う上で必要だったのよ。でも特にそこまで遊んでないわね」

 

和人「へぇ…どんなアバターなんですか?」

 

ナツキ「いえ…よくわからないわね。というか、その話を続けたら盛り上がっちゃうでしょ?君の事だから」

 

和人「あ、すみません。そちらの要件でしたね」

 

ナツキ「いいのよ。それで、まぁ積もる話とは言ったけど…特にいっぱいあるわけではないわ」

 

和人「あ、その前に一ついいですか?あの…今回の件にわざわざ手を貸してくれてありがとうございます。ナツキさんがいれば心強いです」

 

ナツキ「あら、ありがとう。今回の話はそのことよ」

 

近くにあるファイルを手に取りナツキさんは一枚の紙を見ながら話し始める。

 

ナツキ「貴方がALOに放ったのはアドミニストレータ。UWでは最高権力者、もといゲームマスターともいえるほどのコマンド値を有していた。だがフラクトライトを維持したまま、意識もありつつ力を有して尚生きかえってきた。それも、皆が遊ぶALOにね」

 

和人「…はい」

 

ナツキ「あら、落ち込むことはないわ。和人はよくやってる。私もその分頑張るから」

 

俺は警戒心を解きつつ彼女の援助に感謝をしていた。

 

ナツキ「それで、彼女は向こうで権限を有しつつ支配を進めようとしている。もちろんALO内の敵を使ってね。ただ彼女は好都合なことに敵には思考が存在しないため思う存分操れるのよね」

 

和人「はい…」

 

すると俺は驚くことを聞かれる。

 

ナツキ「そういえば…最近彼女と会ったりした?」

 

和人「え?…あ、はい。上空にある島にいてそこで会いました。どうやら俺を欲しがっているようで…」

 

ナツキ「なるほど…。それで?彼女は?」

 

和人「支配の過程が完了し、実行に移す直前で再度問う…と。あいつの力は計り知れません…全く太刀打ちできなかったのです」

 

しばしナツキは手を顎にあて考える。

 

ナツキ「…まぁ、あれほどの力を持っていれば誰でも勝てないわ。けど、外部からの封印はできるわ。そのために頑張っているのだからね?」

 

和人「一応その方針で今は進んでいますが」

 

ナツキ「なら、一刻も早く封印するものを作らないとね。あ、あとUWにいた皆の調子はどう?」

 

UWにいた皆。ユージオだったり、アリスだったり、後輩たちだったり。その人たちの事だろう。

 

和人「はい、仲良くできています…よ」

 

ナツキ「何よその変な間は。ま、それならいいけどね」

 

彼女はファイルにある別の書類を手に取り話を続ける。

 

ナツキ「私はそこにあるPCで作業をよくしているわ。最近は介護というよりも業務というか、作業に専念しているわ。菊岡さんにこの部屋を借りたのは、さっき言ったことのため。別に怪しいことなんてないわ」

 

和人「別に疑ってなんかいませんよ」

 

ナツキ「あら?そうなの?ありがと」

 

再度目を書類に通し、今後のことについて話し始める。

 

ナツキ「私は今まで通り、このプロジェクトを手伝い続ける。あなたも一緒にやってもらう。ただたまにはALOに行っては皆と交流することも必要よね?」

 

和人「あ、ありがとうございます」

 

ナツキ「菊岡さんにももちろん協力してもらっているし、必ず終わらせましょ」

 

書類をいったんしまい、ファイルをちかくにある小さな机へ置いた。俺は特になにもなく、ナツキさんの会話につきあっているだけだった。

彼女が深呼吸すると言葉を話し始める。

 

ナツキ「それよりも、和人君。何か無理してない…?」

 

和人「へ?」

 

そっとベッドから立ち上がり、ゆっくりと歩み寄ってくる。

 

ナツキ「私はあなたを介護したのよ?だから悩みにももちろん、答えてあげる。メンタルカウンセラーみたいなもんだからね」

 

和人「別に悩みなんて」

 

ナツキ「うーそ。あるでしょ?私に会う時も、部屋に入るときも、そして今もなお。何かに警戒しているそぶりが丸見えよ。君が気づいていないだけで」

 

和人「え?…そう、そうだったんですか。すごいですね、流石ナツキさんです」

 

ナツキ「ふふ、伊達に看護師していなから」

 

なんとも強い味方が今まで裏で働いていたようで、これには感謝してもしきれない。自然に俺は笑みを作っていた。

 

和人「でも、大丈夫です。ありがとうございます」

 

ナツキ「そう?」

 

心配がまだ拭えていない彼女だが、やがて瞬きをゆっくりし俺を見つめなおす。

 

ナツキ「でも…まぁ、必要以上に踏み込むのはだめよね。わかった、無理しないでね?」

 

和人「助かります」

 

ナツキ「はい、話は以上。もう帰っていいわよ」

 

和人「あ、これだけでいいんですか?」

 

ナツキ「えぇ。別に積もる話はなかったのよ。久々に会えてよかったわ。…あ、そういえば携帯ね」

 

ナツキさんは俺の携帯を充電の線から外し、俺に渡してくる。少々熱いが。

 

和人「助かりました。それでは、失礼しますね」

 

ナツキ「えぇ」

 

俺はドアに近づき、ロックされていた(知らなかった)ドアを開けて廊下に出る。

 

ナツキ「いい?自分を責めないでね。それじゃあね」

 

和人「はい、それでは」

 

俺は廊下に出てナツキさんの部屋を後にした。最後まで彼女は手を振ってくれていたのだ。

 

 

 

 

 

ナツキ「…」




ご朗読ありがとうございます!
実は新生活が始まってしまい、この半年間その生活に追われていました。慣れない新生活に色々と悩まされ、時間が本当にないほど忙しかったです。今はある程度ゆとりが生まれ少しずつ自分の時間が確保できました!がんばります!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。