東方幻想破壊録2(東方Project×ガンダムブレイカー) (双竜)
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序章
「すごい…」
魂魄妖夢は、目の前で行われている戦いの密度を信じられずにいた。第1回幻想郷GBC決勝。大妖精が駆る『アブソリュート・ゼロ(CW)』対小悪魔の駆る『アブソリュート・ジョーカー』の一騎打ち。それまでの戦いがまるで遊びだったかのような戦闘。魂魄妖夢が、ガンプラバトルのプレイヤーになろうと決意させた試合。
「流石だぜ…」
霧雨魔理沙は、目の前で行われている戦いを目線で追っていた。霊夢に誘われ、参加したもののお互いに2回戦に進出することはできなかった。初戦の相手が決勝進出者なら仕方がないと思いたい。互いに一歩も譲らない、本人も楽しめて観客も楽しませる。そんなプレイヤーになりたいと願った試合。
「…やりたい」
フランドール・スカーレットは、目の前で行われている戦いを純粋に楽しんでいた。プレイ自体は数少ないものの、初めてガンプラを操作した時の高揚感を肌で感じていた。姉のレミリア・スカーレットは準決勝で大妖精に負けている。つまり、大妖精に勝つということはフランは姉より上だという証明にほかならない。大妖精に勝つ。その目標が出来た試合。
結果は、大妖精の勝ちで、小悪魔の勝ちで、引き分けでもなかった。だからこそ、プレイヤーの数が激増したのかもしれない。
ーーー3ヵ月後ーーー
「なあ、妖夢。まだ機体は買わないのか?」
「買いたいけどお金が…」
妖夢は、霧雨魔理沙とフランドール・スカーレットの2人とチームを組んでいた。プレイヤーの数が増えすぎたことによる応急策。最大3人のチームでのバトルロワイヤルを大会に導入したのだ。もちろん、チームの登録をせずにソロで参加をしても問題は無い。ただ、勝つのが難しくなるだけだ。
「咲夜に言って借りようか?」
「ううん。大丈夫」
フランの提案を妖夢は柔らかく断る。大会には専用機体が無くても参加は出来る。難点があるとすれば、その機体はランダムだと言う事。
「あら、フラン。 ここにいたのね」
突如、話しかけてきたのはフランの姉であり紅魔館の主。レミリア・スカーレットだった。その後ろには十六夜咲夜が控えていた。
「ここにいるってことは、出来るわよね?」
レミリアはガンプラバトルの筐体に視線を走らせ、魔理沙に聞いた。魔理沙は迷う素振りを見せた。しかし、フランと目が合うとにっと笑い、
「出来るぜ」
「3人まとめて、かかってきなさい」
「後悔しても知らないぜ」
そうやり取りをすると、3人は筐体に歩いていった。妖夢は事情が飲み込めなかったのか、困惑していたようだったがすぐに3人の背中を追いかけていった。
「お嬢様、程々に…」
4人の背中を微笑ましく見送りながら、咲夜は誰にともなく呟いた。
興味を持って頂けたら幸いです。
これからも良ければよろしくお願いします。
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1話・運命の名を背負う者
『Battle Start』
無機質な音声が耳を通る。
「トゥルーディスティニー、出るわ」
と、レミリア。
「ファントム・バレット、行くぜ」
と、魔理沙。
「ブラッドレインガンダム、行っくよー」
と、フラン。
「えっと…ストライクガンダム、出撃します!」
と、妖夢。
計4機の機体がバトルフィールドに現れた。ステージは宇宙。レミリアとフランが得意とするステージ。
妖夢たちは、フランを先頭に編隊を組み、行動を開始する。
「どこだぜ……」
可能な限り索敵範囲を広げ、魔理沙はトゥルーディスティニーを探す。しかし、ファントム・バレットの索敵範囲には引っかからない。
「後ろッ!!」
妖夢が叫んだ。回避行動に移った次の瞬間、3人の間をビームが通って行く。
「ナイスだぜ!妖夢」
「あ、えっと、ありがと」
レミリアの奇襲は回避は成功したものの、妖夢は何故攻撃が予知出来たのか分かっていなかった。
「(なんで…分かったの…)」
「逃がしはしない!」
妖夢の困惑を知らないトゥルーディスティニーが加速する。索敵範囲外にいたにも関わらず、僅か10秒でバルカン砲の射程距離に近づいてみせた。
「くそっ!」
魔理沙が悪態を付く。ビームサーベルを抜き、トゥルーディスティニーに斬りかかる。
「遅い」
レミリアはバルカン砲で魔理沙を牽制しつつ、ブラッドレインの姿を探す。
「魔理沙ーー」
「足りない」
トゥルーディスティニーを挟撃する形でブラッドレインは姿を現し、ビームサーベルで斬りかかる。が、ディスティニーのアロンダイトに弾かれ、体制を崩す。その隙を逃すレミリアでは無い。
「落ちろ」
返す刀で、アロンダイトをブラッドレインに振り下ろす。フランは何とか制御を取り戻し、ブラッドレインガンダムの腕で防ごうとした。が、アロンダイトの攻撃力が高いのか、ブラッドレインの防御力が低いのか、ブラッドレインは縦に真っ二つになり爆発四散した。
「フラン?!」
一瞬の早業に魔理沙は驚きを隠せなかった。チーム1、接近戦を得意とするフランが落ちたのだ。遠距離を得意とする魔理沙では明らかに分が悪い。距離を取りたいが、性能差が大き過ぎる。
「くッ!」
「だから、遅い」
ブラッドレインを落とした勢いのまま、トゥルーディスティニーはファントム・バレットに接近する。そして、ファントム・バレットが防御体制に入る前に横にアロンダイトを振った。
「こんなの無理ゲーだぜ」
ファントム・バレットは横に真っ二つになり、爆発四散した。
トゥルーディスティニーのデュアルアイが赤く輝き、ストライクガンダムを標的に捉える。
「せめて腕1本でも!」
ストライクガンダム唯一と言っていいアーマーシュナイダーを抜き去り、構える。勝てると思っている訳ではない。
「…ッ。行くわよ」
レミリアは、ストライクガンダムが赤く発光したのを視界に捉えていた。サイコフレームの発光かと思ったが、ストライクガンダムにそのシステムは導入されていない。システムバグだと判断し、突撃を敢行した。
「(横?!)」
「なッ…」
突撃を敢行してきたトゥルーディスティニーの攻撃は突きではなく横払いだった。防御体制のまま、しゃがむようにして攻撃を回避する。反撃を繰り出そうとバルカン砲で牽制するが、アーマーシュナイダーの攻撃範囲に踏み込めない。
「これならッ」
「うぐっ…」
トゥルーディスティニーの蹴りがストライクガンダムに直撃する。ストライクガンダムはまともに防御出来なかった為、ブレーキが効かず小惑星に直撃した。そこで、ストライクガンダムが赤いオーラを纏っている事に気がついた。
「何?これ…」
「これで終わりn」
妖夢がオーラの正体が分からずにいると、アロンダイトが振り下ろされた。妖夢は目を瞑るが、アロンダイトは振り下ろされ無かった。見れば、アロンダイトを持っていたトゥルーディスティニーの腕が破壊されている。何が起こったのか分からずにいると、
「そこまで」
と楽しげな声が聞こえた。
………sideChange………
「お久しぶりです。咲夜さん」
「大妖精さん。お久しぶりです」
咲夜に話しかけてきたのは大妖精と小悪魔の名無しコンビだった。咲夜の主人であるレミリア・スカーレットを負かすほどの実力者。
「レミリアさんも来てるんですか?」
「そうね。今は妹様…フラン様と遊んでるわ」
モニターを見ればわかるはずなのに、大妖精は咲夜に聞く。咲夜は答えてから、大妖精の真意に気付いた。
「まさか…」
「あ、フランさんが落ちた」
大妖精は咲夜の言葉を無視し、事実を口に出す。
「無理ですよ。咲夜さん。大ちゃんも妖精ですから。周りの子より大人と言っても悪戯したいと思うものですから」
「そう、ね」
「あ、魔理沙さんも落ちた」
妖夢とレミリアの一騎打ちになってから、大妖精と小悪魔は妖夢の駆る機体が一瞬だが赤く輝いたことに驚いていた。だが、2人ともそれを表情に出しはしない。その代わりに行動に移した。
「私、乱入してくる!」
「程々にね、大ちゃん」
「了解、こあさん!」
走りさる大妖精を2人で見送る。先に口を開いたのは咲夜だった。
「生き生きしてたわね」
「そ、そうですね」
誰かバトルシーンの、描写教えてください…。
次回は機体紹介等です(多分)。
どうかこれからもよろしくお願いします。
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