Wシンデレラ~凛の姉と文香の妹~ (渋谷巴&鷺沢文香(あやか)=Wシンデレラ)
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乙女秘書のプロローグ
おーはーよーございまーす。
私は渋谷巴です。
ありふれた表現をすれば、神様転生を体験した永遠の19歳(享年)な私でしたが、この世界はアイドルマスターの世界としか聞いていませんし、精々本家アイドルマスターをアニメで2、3話見た程度な私ではこの世界をマスターすることは出来そうにありませんので、大手芸能プロダクション346プロにプロデューサーとして入社したのは良いのですが、後輩の武内君が人間関係のトラブルでトラウマを抱えてしまったのですよ。
そこで、私が武内君の秘書的な立場に立ち、サポートしようということになりました。
ですが、武内君は私に秘書を担って欲しく無いみたいなんですよね。
「な、なんでですかぁ?」
「御自分の役職を言って頂けますか?」
「むむ?ええっと、確か、アイドルプロデューサーとBランクアイドルとアイドル課の係長と美城本社にある社内バーのオーナー?」
「………また増えましたね」
ふむふむ。
つまり、武内君は私の心配をしているのですね。
私は【
「えへへ。武内君は心配性ですねー。私はまだまだ余裕がありますよぅ」
「ダメです!今後増えるようなことは許可できません」
むむむ。
武内君が強く出るなんて、珍しいこともあるものですねー。まあ、それだけ私の役職量が多いということなんでしょう。
しかし、最大40人分の仕事を1日で終わらせることが出来る私は、定時(アイドル業や社内バー等を除く)に終わらせることが出来るのですよ。
「既に今西さんには許可を取っているので、武内君には申し訳ないですが、秘書は決定事項ですよー。大丈夫です。私専属の事務所理局にも仕事を回しているので、私は一日に三時間は自分の趣味に使える時間があるのです!」
「本当ですか?」
「はい!」
「………わかりました、その提案をお受けします。渋谷さん、これから宜しくお願いします」
「まっっかせなさーい!」
むふぅ。
ちひろちゃんには悪いとは思いますが、わたしはもうすぐウェディングな舞台に立てる時期が近づいてきてるのですよぉ。
…………けど、ちひろちゃんも彼氏がいるらしいのですが、私はまだ付き合ってするいないのですよぉ。
「渋谷さんは何時も幸せそうな笑顔を浮かべてますね」
「武内君こそ、仏頂面じゃなくて笑ってる方が格好いいですよー。そうでした!このプロジェクトが成功したら、プレゼントがあるのですよ!とても素敵な物なので、楽しみにしててくださいね!!」
むふふふ。
武内君からプロポーズされたかったのですが、流石にこれ以上は待てません!
ならば!私からプロポーズしてしまえば良いのです!
流石私ですね!天才的なアイデアです!!
「は、はあ。ありがとうございます。」
えへへ。
武内君にプロポーズ、結婚、新婚旅行、子供は女の子がいいなー。で、でも、武内君と私との子供だから、男の子もほしいなー。
ふへへぇ。
すっごく楽しみです!
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不幸系妹のプロローグ
こんにちは。
皆様は銀行強盗に人質に捕られてしまった時は、どのような対応をするのでしょうか?
わたしは、お祖父ちゃん(義理)に小さいときから教えていただいていた合気道?のような武術で大抵のモノは受け流せるので、大丈夫と言えば大丈夫なんですけど、縄で腕ごと体をぐるぐる巻きにされてしまってはどうしようもないですよね?
「おら!さっさと金持ってこいや!!」
「は、はいぃ!」
側頭部に銃突き付けられながら立たされてる状態で抱き込むように手を回されているため、私の丁度胸の前に手がある上に、揉まれてるのですが、どうしたら良いのでしょうか?
勇敢なのですが、少し強面で、黒色のスーツを着た男性が私を助けようとしたのですが、両足の甲を拳銃で打たれてしまった上に私と同じような拘束されています。
しかし、その状態でも私を助けようとしてくれていて、とても格好良いのですが、見ている私が辛いのでバレないように足で顎を対角線上にコンッと当てて気絶してもらったので安心です。
ですが、早く治療しなくては脚が使い物にならなくなってしまいそうで心配です。
「例え火の中水の中、台風雷雨地震地割れであろうとも、子供達(+武内君)の為に現れる仮面ヒーロー【カレイドナイト】
────参上!!!」
………えぇ。
突然強化セラミック合金のシャッターが破れたと思ったら、『シュバ!』って効果音が聞こえない筈なのに聞こえそう程に整った着地&ポーズを決めながら宣言を終えた、明らかに女性な仮面ライダ◯が出現したのですが、どのような反応をすれば良いのか、私を人質としてる犯人すら戸惑っているのですが…………
「大丈夫か、武内君!!」
声は昭和の一号様と同じなのに、ライダースーツを着ているのせいで強調された女性的部位が雰囲気をシリアル方向へ変えているこの人は一体何者なのでしょうか?
とはいえ、明らかに何かしてますよ的な緑色の光を、武内君と呼ばれた勇敢な男性の両足の甲に照らしているのは、中々に滑稽なのですが、貫通して穴が開いていた筈の両端の甲が瞬く間に塞がっていくので、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
「私の親友の部下に怪我をさせるとは、赦せん!!彼女なんて、武内君のことを振り向かせる為に何れだけ酒宴に誘ったと思っているんだ!!そして、その度に誰が愚痴を聞いたと思っているだ!!」
正当な怒りと意味不明で理不尽な怒りが犯人達に向けられているのですが、一部は犯人達は関係有りませんよね?
とはいえ、武内さんの治療を終えて立ち上がった、謎の仮面ヒーロー【カレイドナイト】と名乗った女性は、怒気を滲ませながら見事な殺陣で銃弾を避けながら犯人達を気絶させていくのは、とても格好良く思えますね。
「君、大丈夫か?」
「はい。多少胸を触られましたが、命に別状はありません」
「そうか。取り敢えず、コイツを過度な負傷を負わない程度に痛め付けるか」
ヒーローが言って良い言葉では無いような気がするのですが、そのように怒れる人こそが、本当のヒーローよりも人間らしくて良いのではないでしょうか?
「さて、私は此処を去るが、帰宅時は気を付けると良い。君は美人だから、誰かにヘンな真似をされないとは限らない、留意したまえ」
現れたときと同じように『シュバ!』という効果音が聞こえそうな身軽さで去っていく姿は、とても印象に残りました。
後に聞いた話では、姉は【カレイドナイト】に惚れてしまったらしいです。
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