【はいふり】繋げシーレーン!〜モグラのふねの輸送道中奮闘記〜 (すとらっぷ)
しおりを挟む

その始まり

見切り発車です。登場人物は別の場所で書いたガルパンssにも出てたり出てなかったり


今から100年ほど前、日露戦争の後、日本はプレートの歪みやメタンハイドレートの採掘などが原因でその国土の多くを海中に失った結果、海上都市が増え、それらを結ぶ海上交通などの増大に依り海運大国になった。その過程で軍艦は民間用に転用され、戦争に使わないという象徴として艦長は女性が務めた。これが「ブルーマーメイド」の始まりであり、女子学生の憧れの職業となっていった。また、かつての軍艦のなかにはブルーマーメイドを育てる教育用の船、教育艦として使用されるものもあった。

 

しかし今日では潜水艦に限って男性が運用している。潜水艦の構造故に体力的にも衛生面でも女性より男性が適しているため男性のみの組織となった。これを「ホワイトドルフィン」と呼ぶ。

 

 

これはホワイトドルフィンを目指す男達と、モグラと呼ばれたとある潜水艦の物語である!

 

 

 

 

某所、私立御舞等高校

 

ここは優秀なおまいらを多数排出する男子校である。この学校は特に頭が良い訳でもなく、悪い訳でもなく、歴史もそれほどなく、強いて言うなら最近海洋科が新設されただけの至って平凡な学校である。

 

そして本日、そんな学校の校長室に呼び出された生徒がいた

 

男「あの…もう一回言っていただけますか?」

 

校長「……」

 

男「……怒らないからもう一回仰って下さい」

 

校長「…」

 

 

 

校長「海洋実習用の…伊号潜水艦を…調達出来ませんでした」

 

男「OK戦争じゃ誰か釘バット持って来やがれぇぇぇぇぇ!!」

 

校長「怒らないって言ったじゃないか!」

 

男「怒るわクソジジイ!昔からお母さんの怒らないから言ってごらんなんて嘘に決まってるだろがぁ!!」

 

校長「ヒィッ!これには深い訳が!」

 

男「おうおうおう言ってみろや!その深い訳ってのをしっかりなぁ!!納得出来んかったら沈めるぞ!キラウエアの火口に!」

 

校長「ふぇぇ…海より致命的だよぅ…」

 

 

 

開始早々校長相手にブチ切れる最近の若者、主人公、高校二年生

 

 

 

男「まあそれは冗談として…いいから早く理由を話せ…流石に理由も聞かずに怒るのは悪かったかもな…」

 

校長「……予算使って追加装備買ったら…本体買う予算無くなっちまった!テヘッ!」

 

男「このドグサレがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!本体買わずにオプションだけ買ってどうするってんだゴラァァァァァ!!」

 

校長「ヒィィィ!!」

 

男「俺が!!この海洋実習のためにどんだけ努力してきたか!!艦が無いから陸上で!数ヶ月で技術詰め込んで!なんとか潜水艦動かせるようになって!やっと!やっとという時に!」

 

校長「あっ…職員会議の時間だ…」

 

男「逃がすか!もういい!コイツを殺る!はいふりSSなんて知ったことか!これから始めるのはサスペンスだ!完全犯罪成立させるぞコノヤローーー!!!」

 

校長「待て待て待て!話せばわかる!話せばわかる!」

 

男「問答無用!」

 

 

 

校長「べ、別に潜水艦が無いとは言ってないだろうが!」

 

 

 

男「は?」

 

校長「確かに伊号潜水艦は調達出来なかった!しかし、確かに性能では劣るが潜水艦自体はちゃんと用意しとる!海洋実習には参加出来る!!」

 

 

 

 

男「………早く言えよそれ」

 

校長「早く言わせて欲しかったよ……」

 

 

数時間後、近くの港にて(クッソダルい登場人物紹介パート)

 

 

校長『この後、海洋科の生徒が集まって顔合わせやら出港準備とかやるから、その時にお披露目になる。楽しみに待っとれ』

 

 

 

男「って言ってたけど」

 

 

男「顔合わせって言っても大体顔見知りだよな」

 

キモオタ「ドゥフフいかがされましたかな男氏ブフォwww」

 

ネクラ「………オハヨ」

 

男「結局俺達三人は集まるのな…」

 

キモオタ「三人揃って小学校で出会い、中学でも変わらず三人同じクラスで、三人揃って東舞鶴受験して、三人揃って落ちましたからなww」

 

男「ここにいるほぼ全員が東舞高落ちてるだろ…」

 

ネクラ「……ここ以外に拾ってくれる学校なんてなかった」

 

俺「……みんなそこはあのクソ校長に感謝してるんだけどな…」

 

キモオタ「ただ、あの人バカですからな…」

 

 

 

 

 

 

???「フゥーハハハハハハ!」

 

男「うわ…面倒臭いのが来た」

 

彼の格好は眼帯、指ぬきグローブ、黒いマント。後は察せ

 

クロウ「我こそは艦長!真名はクロウ=エルサ…」

 

そして謎の名乗りを上げる自称艦長

 

男「お前成績的に副長だぞ。艦長は俺だから」

 

クロウ「何ぃ!?」

 

男「ド、ドンマイ…」

 

クロウ「……いいもん…我…我、なんとかして艦長の座を射止めるもん…」

 

男「…中二病さえ患って無ければ……いい奴なんだけどな…」

 

クロウ、本名黒部。副長

 

 

 

??「男サン!」

 

??2「先輩!」

 

キモオタ「今度は一年生コンビですな」

 

チョウ「お久しぶりデス!」

 

男「おう!来日した日以来か?」

 

チョウ君は中国からの留学生、小柄な美少年である

 

 

 

男の娘である(強調)

 

ショタである(強調)

 

ヤりたい(感想)

 

ヤりたいだろ?(確認)

 

ヤります(宣言)

 

 

 

チビ「先輩聞いてます?」

 

男「あ、ああ、尻の話だよな」

 

チビ「何の話ですか!!」

 

チビ、名の通りチビである

 

年上のお姉様あたりにモテそうな外見をしているがある理由からまったくモテない。

 

エロ同人誌作家で、驚くほどにド変態だからだ

 

男「チビよ、チョウ触手総受け本の進捗はどうだ?」

 

チビ「はい!余裕で冬コミ間に合います!」

 

二人『ゲヘ…ゲヘヘヘへへへ』

 

 

 

キモオタ「取り敢えずは知り合いへの挨拶はこんな物ですかね?デュフ」

 

男「そうだな…」

 

 

 

?「おいおい、俺を忘れてもらっちゃあ困るぜ?」 

 

男「!?」 

 

ふと見るとベンチに若い男が座っていた。 

 

うほっ!いい男! 

 

そう思って見ていると突然その男は俺の見ている前でツナギのホックをはずしはじめたのだ…! 

 

阿部「やらないか」 

 

男「やりませんよ?」 

 

………………………… 

 

阿部「やらないか」 

 

男「やりません」 

 

……………………………… 

 

阿部「やらn」 

 

男「俺ノンケなんで」 

 

阿部「俺はノンケだって構わないで食っちまう人間なんだぜ?」 

 

男「知りません」 

 

彼こそが我が校の生徒会長、阿部会長だ。とても高校生とは思えない大きな体をしていていい男子生徒を次々に食っちまういい男である。いつも青いツナギを着ている。某くそみそなテクニックを披露するホモ漫画のキャラクターとは別人である。別人ったら別人なのである。 

 

男「だから苦手なんだ……」 

 

外面的にも内面的にもいい男なので生徒から慕われている。ただガチホモである。 

 

男「まさか生徒会連中全員と同じ船って…」 

 

生徒会の面々 

『ンアアアア!イキスギィ!アァン?アンカケチャーハン?』 

 

男「……はぁ」 

 

 

 

校長「お、集まってるな」

 

男「校長、やっと艦のお披露目か?」

 

校長「ああ!もう来てるぞ」

 

男「?」

 

キモオタ「もう来てる?」

 

その時、

 

 

 

ズザザザザザザザ!!

 

海面が揺れる、黒い影と共に

 

男「おおおおお!!」

 

クロウ「俺達の艦が!」

 

 

 

海の中なら現れる!

 

 

 

 

校長「『三式潜航輸送艇試作40号』通称『まるゆⅢ型』だ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男「…なんかちっちゃくない?」

 

 

 

 

 

三号潜航輸送艇試作40号まるゆⅢ型

(通称『まるゆ』)

 

艦長(正しくは艇長) 男

副長 クロウ

書記 チビ

砲術長 キモオタ 

航海長 ネクラ

船医 田所

補給長 阿部

通信 チョウ

工作長 不良

見張員 マサイ

機関手 くまのきぐるみ

その他20人くらい

 

※物語の進行状況によって名前付きが増えたり増えなかったりする

 

 

※本作におけるまるゆは史実のまるゆ1号から38号、及びまるゆⅡ型『潮』を都合の良くモデルにしています。まるゆⅡ型を元にして8号のネガティブタンクを付けたり企画で終わったロケット砲つけるかもしれなかったりその上小型スキッパー載せたりしますがご了承下さい

 

 

 

 

男「……説明して貰おうか…校長…」

 

校長「な、何でしょうか?」

 

男「まず初めに、魚雷発射管はどこに付いてるんだ?」

 

校長「…ありません」

 

男「…この艦の武装は?」

 

校長「…37mm船舶砲のみと…聞き及んでおります」

 

男「この艦のエンジンはなんですか?」

 

校長「改造したヘッセルマンエンジンです…」

 

男「たしかこれって石油採掘とかで使うエンジンで船に載せるものでは…」

 

校長「…ないですね」

 

男「そもそも潜水艦じゃ…艦じゃないよね?」

 

校長「『艇』…ですね…」

 

男「最後に…」

 

校長「はい……」

 

 

 

男「ト イ レ は ど こ に あ る の か な ?」

 

校長「 な い で す 」

 

 

 

男「野郎共!コイツの身ぐるみ剥がして沈めるぞ!!」

 

全員『了解ッ!!』

 

校長「待て待て待て落ち着けお前ら!!」

 

男「問答無用ぉぉ!!」

 

校長「ギャァァァァァ!!」

 

 

 

 

全裸で海岸に寝そべる老人とそれを取り囲む高校生の図が出来上がった

 

男「…マジかよ…正直実習出来るなら多少は性能低くても満足するつもりだった…文句は言う気なかった。感謝の言葉すら用意してた……」

 

クロウ「と、トイレ無し……しかも潜水艦で……」

 

チビ「実際問題どうするんですか…」

 

ネクラ「…母なる海に直接?」

 

キモオタ「潜航中はどうしますか?」デュフ…

 

阿部「糞まみれ…か?」

 

男「実習は4月7日…出港はもっと前だとしてもまだ時間はあるか……多少はマシなボットン便所作るしか…」

 

クロウ「どこにボットンするというのだ……」

 

男「どっかで見たことあるな…ドラム缶切って中に…コールタールか何か入れて匂いを遮断とか…」

 

チョウ「しかもどこに置くんでスカ…トイレ…潜水艦狭いデスヨネ」

 

男「中見てきたけど…倉庫の一角使うか…?あそこならスペース豊富だし…でも一応は食料詰め込む場所だから嫌だよな…」

 

不良「あぁん…?どうしたお前ら」

 

男「不良工作兵!いいところに来てくれた!かくかくしかじかで…」

 

 

 

不良「あぁ?トイレが無いだぁ?」

 

男「どうします…これ」

 

不良「あぁ…出来る限り速やかに艦外に糞捨てられるようにしたほうがいいな…後方燃料タンクの横にドラム缶の土台を作って固定、その中に…土と…バクテリア繁殖させろ」

 

男「バクテリア?」

 

不良「あぁ…下水処理施設とかで使われてる分解菌だァ…でけぇホームセンターとかならボットン便所用に売ってる…水よりゃ匂いも悪くならねぇだろぉよ……多少重いが…そこは気合でどーにかしろや。あとなぁ…アコーディオン式のカーテンとかも必要だなァ…仕切りねェよりは視覚的にも匂い的にもマシだろ」

 

男「お前本当に不良かよ!不良要素が金髪ピアスと喋り方しかねぇ!天才かよ!」

 

不良「工兵…だからナァ…」

 

チョウ(工兵はトイレ作るんですかね…)

 

 

 

男「よし!本番までにこのフネの操作を確認しつつできる範囲で快適にするぞ!劇的ビフォーアフターをみせてやろうぜ!」

 

全員『おおーー!!』

 

男「よし取り敢えず何人か買い出し行ってくれ!資金はさっき剥いた校長の身ぐるみから出せ!残りは艦内の確認と持ち場の確認!」

 

 

 

 

 

男「行動開始!」

 

 

 

 

 

 

校長「…私は…?」

 

男「金づる」




頑張ってた続けたいです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

出港前に沈没?

いきなり衝撃のサブタイトル


出港日がやってきたー!

 

男「……」

 

クロウ「…どうした、出港日だぞ艦長…盛り上がるがよい…」

 

男「なんで…」

 

クロウ「なんで?」

 

 

 

男「なんで行動が東舞鶴と合同なんだよぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

キモオタ「そりゃ我々航海に関しては全くの初心者ですし…同じ潜水艦にくっついて行ったほうが安全ということで…」

 

男「そんなことわかってるけどよ!俺達かなり肩身狭いぜ!」

 

 

 

東舞生徒1「うわ…御舞等の落ちこぼれじゃん……アイツらこんな所に来て恥ずかしくないのかな?」

 

東舞生徒2「なんかボロくてちっちゃいオモチャに乗るらしいよww」

 

 

 

 

男「そこでわざわざ聞こえるように嫌味言ってる奴らに魚雷ぶっ放したい!!」

 

クロウ「艦長よ…ぶっ放す魚雷が無い」

 

男「ちくしょー!」

 

 

 

チビ「先輩ー!」

 

男「どうしたチビ!俺のことは艦長と呼べ!」

 

チビ「艦長ぉ!少しでも威厳を保つために同人誌サークルの人に色々と装備を分けてもらいました!」

 

男「装備ぃ?」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

チビ「お勉強タイムです!」

 

チビ「まるゆは陸軍が開発した潜水艦です!制空権下での輸送を目的とした潜水艦なのですが空母や飛行機が存在しないこの世界では無用の物なので後でむりくり理由をつけることとします」

 

チビ「さて、まるゆは陸軍が開発した陸軍の潜水艦です。つまり乗組員も陸軍。つまり艦長(本当は艇長だけど気分的に)は陸軍士官なのです。陸軍士官なら史実的にアレ持ってないと格好がつかないですよね!歴代まるゆ艦長もアレを持ち込んでたそうです!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

男「こ、これは!」

 

チビ「秋葉原で売ってた昭和18年制式三式軍刀!のレプリカです!」

 

男「か、かっちょいい……」

 

チビ「これを、こうして…腰に吊ってください」

 

男「さらにかっちょいい!ちょっと艦内の奴らに見せてくる!」

 

チビ「いってらっしゃい〜」

 

 

 

 

チビ「まあ、あんなの吊ったまんままるゆの中入ったら」

 

 

ガンガンガン!ガッツンガッツンガガガガ!イタイッ!イタイッテ!

 

チビ「何処かしこにぶつけまくるに決まってるんですよね…ちなみに史実です」

 

クロウ「…いいな…アレ。我には無いのか?」

 

チビ「ちゃんと持ってきましたよ!なんと軍帽です!」

 

クロウ「おお!よいぞよいぞ!」

 

チビ「北朝鮮のですけど」

 

クロウ「それ無駄にデカくてかっこ悪い奴ッ!!」

 

チビ「消されますよ!?」

 

クロウ「うう…まるで道化だよ…」

 

チビ「あっ、ちゃんと被ってはくれるんですね…」

 

 

 

男「さ、さて、お前らそろそろ出港準備だ!」

 

キモオタ「…後で…軍刀ぶつけまくって壊した備品、弁償ですぞ」

 

男「…うぅ……」

 

ネクラ「…締まらないね」

 

チョウ「カンチョウ!東舞の伊201から入電デス!」

 

男「え?なんて言ってる?」

 

チョウ「『ナンジハ何者ナルヤ』(お前誰だよ)だそうデス。コチラの存在を学校側から知らさレテ無い、もしくは、おちょくっテルかト」

 

男「打電、『御舞等高校の潜水艇ナリ』」

 

チョウ「………………『潜水可能ナルヤ』(そんなので潜れるのww)」

 

 

 

男「叩き返せ!『返答ノ要ヲ認メズ』(答えるまでもない)ッ!!」

 

 

 

男「各員持ち場に付け!目にもの見せてやる!」

 

クロウ「潜るのか!?」

 

男「出向前にちょっとだけだ!すぐに水上に戻る!」

 

クロウ「……了解!」

 

 

 

男「潜航準備!ベント試せ!」

 

『ベント試ス!』

『ベント開ケ!』

『ベント閉メ!』

『艦内準備ヨシ!』

 

男「潜航用意!」

 

チビ『艦内潜航用意ヨシ!』

 

男「電動機用意!」

 

『電動機用意ヨシ』

 

男「機械停止!」

 

『機械止まりました』

 

男「縦舵艦内操舵」

 

ネクラ『…操舵手ヨシ』

 

男「メインタンク金氏弁開け!」

 

『金氏弁全開!』

 

男「ベント開け!」

 

『前後部ベント全開』

 

ゴゴゴゴゴゴ…

 

男「潜入深さ0」

 

『潜入深さ0』

 

男「舵角定め」

 

ネクラ『潜横舵、下0度付近』

 

男「ベント閉め!!」

 

『ベント閉鎖!』

 

 

 

 

 

男「どうだ!ちゃんと潜れてるだろうが!!!」

 

チョウ「カンチョウ!通信です、出まスネ」

 

 

 

『応答せよ!応答せよまるゆ!』

 

チョウ「へ!?は、ハイ!」

 

『艦内に異常は!?浸水はあるか!?』

 

チョウ「と、特に何モ…むしろ何か外部から問題ガ?」

 

 

 

 

『バカモノ!!どう見ても沈没してるだろうがッッッ!!!』

 

 

 

 

全員『ファッ!?』

 

 

 

 




言い忘れましたが当分女の子でません。女の子の出ない上にロクに戦いもしないはいふりssってなんなんですかね。動物のいない動物園並に意味がわかりません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

まるゆ大海に出撃!しない!

切りが悪くなるので今回は短め


前回のあらすじ

まるゆ沈没


男「んな馬鹿な!浮上!緊急浮上!メインタンクブロォォォォォ!!」

 

『うぇぇ!?り、了解、タンクブロー』

 

ズブズブズブズブズブズブ

 

まるゆは浮上を始める

 

男「あれ?普通に浮上出来てる…よな?」

 

ネクラ『…操舵、角度ともに問題無し……』

 

男「…だよなぁ」

 

ザパーン!

 

問題なく浮上する小さな潜水挺

 

男「浮上完了!発動機停止、機関起動用意!」

 

『な、……どういう…ことだ…』

 

あちらさんも理解出来てないようである

 

男「こちらでは現状問題はありません!」

 

艦橋にいるメンバーは総じて首を傾げる

 

チビ「…あっ、そういうことですか!」

 

一人合点するチビ

 

男「知っているのかチビ!」

 

チビ「えーと、通常の潜水艦って航行しながら少しづつ潜って行くんです。でもこのまるゆ他とは違って垂直に潜る。その姿が沈没に見えたのかと…」

 

クロウ「ええ…普通間違えるか?」

 

チビ「あり得ない話じゃないです。」

 

男「だ、そうです。救助は不要、作戦続行します」

 

『あ、ああ…了解した…安全な航海を祈る……いや待て、何故貴艦は今、無駄な潜水した?』

 

男「………アトランティスを見つけたのでいてもたってもいられず」

 

『嘘だッ!!お前馬鹿にしてるのか!?』

 

男「申し訳ありませんでしたー!」

 

 

 

 

男「…はぁ…肝が冷えた…せっかくの船出に水指されたぜ」

 

クロウ「その原因作ったのは貴様だろ」

 

男「潜水にはお前も反対しなかったくせに…」

 

 

 

チョウ「伊201から打電!『ソンナ装備デ大丈夫カ』…」

 

男「『大丈夫ダ、問題無イ』返せ。というかお喋りだなあっちの艦長!」

 

 

 

男「あーもうどいつもこいつも!今度こそ出港するぞ!各員再度持ち場に付き、安全確認!」

 

 

 

 

男「両舷前進微速!ヨーソロー!」

 

潜水艦なのに館内で誰かがラッパを吹き鳴らす音がする…

 

 

ネクラ『…両舷前進微速』

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!

 

スクリューが起動…

 

 

 

 

 

男「三式潜航輸送艇40号『まるゆ』、出港ッ!!」

 

 

 

 

4月16日早朝、東舞鶴男子海洋高校校より伊201を初めとする東舞鶴男子海洋高校及び御舞等高校海洋『まるゆ』が出港した

 

 

 

男「両舷前進原速!赤黒無し、進路150度!」

 

 

 

ネクラ『…いただきました…両舷前進原速…赤黒無し、進路ひゃ……』

 

 

 

ゴゴゴゴ…ゴゴ…キュラルル…ルル…

 

ネクラ『機関機能停止…』

 

男「え…!?」

 

チョウ「機関長、熊野より連絡、先程の急速浮上で動作不良起こしてエンジン止まりマシタ」

 

男「あ…あぁ〜うん…」

 

クロウ「ど…どうする?」

 

 

 

 

 

 

 

男「本部!大至急救援を!!大至急!」

 

 

『あー貴艦は引き続きアトランティス捜索をお続け下さい。以上』

 

男「悪かった!悪かったですから!修理手伝って!うちだけで修理となると時間が!足りない!プロの方助けて!」

 

 

 

 

 

 

男「遅刻しちゃうぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

 

 

冴え先悪い僕らのまるゆ、果たしてどうなることやら…




女の子登場はちょっと待って!…晴風登場はかなり待って…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

『猿島』沈没、まるゆ急行!

前回のあらすじ

お前がアトランティスになるんだよ!


男「ふぁ〜〜」

 

艦長殿の大きな、やる気のないあくびが眠気を誘う

 

クロウ「アレだな、遅刻確定したら急ぐ気にならなくなる理論」

 

男「ただでさえこのフネ遅いからな…巡航何ノットだっけ?」

 

チビ「8ノットです」

 

男「なるほど成人男性の歩行速度の約三倍の速度だ。通常の三倍って言えばかっこいいな」

 

チビ「赤い彗星のまるゆ…」

 

 

 

男「うーい、各員何か異常はあるかー?」

 

『艦長!トイレが臭いです!』

 

男「あーうん…ですよね……ちょっとした工夫くらいじゃ…どうにもならないよね…」

 

『こちら機関室、機関長の熊野が意地でも熊のきぐるみを脱ごうとしません!』

 

男「気にするな、ソイツは結婚式から葬式まで全部きぐるみだ。俺でさえ素顔を見たことが無い」

 

『ただでさえ暑い機関室できぐるみなんて熱中症で死んじゃいますよ!』

 

男「ソイツのきぐるみ、エアコン完備だから」

 

『何それズルい!ハイテクっ!熊野さんそれ僕にも貸してくださいよ!』

 

きぐるみ『断る、お前にはまだ早い…』

 

『声渋っ!?熊野さん声渋ッ!』

 

 

 

チビ「エアコンといえば、このフネってエアコン完備なんですよね」

 

男「ありがたいことにな。……エアコン付けられるならトイレも欲しかったよ……」

 

『艦長、阿部さんが廊下にベンチ置いて座ってます』

 

男「間違ってもホイホイ付いていくなよ…あと阿部さんと呼ぶな。彼はくそみそテ◯ニックとは一切関係無い。いいね?」

 

 

 

 

チョウ「ふぁぁ〜」

 

一方、こちらは可愛いあくびのチョウ君

 

ピピピーピピピーピピピー

 

チョウ「ん?…………ッ!?」

 

 

 

チョウ「カンチョウっ!横須賀女子海洋学校教官艦『猿島』より受信デス!」

 

ガタガタッ!

 

男「ど、どうした!言ってみろ!」

 

チョウ「『猿島』が…学生艦『晴風』より攻撃を受ケ……大破………救難信号デスッ!!」

 

男「う…ウッソだろおい……反乱…なのか…?そんな馬鹿な…」

 

チビ「反乱なんてそんなのあり得るんですか!?」

 

男「自身の意思か……何者かに乗っ取られてるか…なんとも言えないな…そもそもはっきり言って駆逐艦クラスでブルマーの艦倒せるか…」

 

クロウ「考察は後にしろ艦長!」

 

男「そうだな…場所は!?」

 

チョウ「西之島新島沖!例ノ集合地点!」

 

男「遅刻したからとは言え…ここからなら…すぐ駆けつけられる!機関長熊野!速度は何処まで引き上げられる!?」

 

きぐるみ『第四戦速までなんとか持たせてやる!幸い燃料はまだまだ豊富だ、さっき事故ったお陰でどさくさに東舞の新品の部品掻っ払ったから修理は出来る。でも壊れない程度に飛ばせ!』

 

男「わかった!熊野頼むぞ!あと熱中症には気をつけろ機関室暑いから!」

 

きぐるみ「おうよ…」

 

男「チョウ!猿島に応答して!」

 

チョウ「我知道了ァ!!」

 

 

 

男「これより本艦は『猿島』乗員の救助活動に移る!両舷前進第四戦速!」

 

ネクラ「…両舷前進第四戦速」

 

 

 

男「不良はスキッパーで先行、潜水装備は積んでないから無理はしない!」

 

不良『スキッパー載せてるのか!?これ潜水艦だぞ!船外にそんなもん載せたらぶっ壊れるわ!』

 

男「対水性能トップクラスのスキッパー!水中でエンジン起動でもしない限り水には強い優れもの!水圧にも強い!バカ校長が高い金払って買った装備品だ大切に乗り潰せ!」

 

不良『…了解だァ…うわ……ワカメ付いてる…』

 

 

 

 

不良『艦長、猿島発見!……まずいな…沈没しかけてる…でも…妙だ』

 

男「妙?」

 

不良『かなり左舷に傾いて沈みそうになってる…んだが…穴は空いてない』

 

男「どういうことだ?」

 

不良『大破って言う割にはまず砲撃を受けた様子はない。となると雷撃だァ。実際に魚雷受けたような痕はある。でもだ…不発か訓練弾が当たったとしか思えないレベルの被害だ。シロートでも体勢復帰出来るぜェ。例え内部の機械に影響があったとしても大破とは言えないなァ』

 

男「ダメコンサボってたのか……そんな訳ないなブルマーだもんな」

 

不良『機械の不良…ってか?』

 

男「詳しい話は後だ、とにかく生存者の救助、事情は助けた奴に聞くぞ。おっと、まるゆ目標地点に到着した」

 

 

 

男「最低限の人員を残して救助開始!救助信号、旗上げて!」




どうやってスキッパー載せたんですかね


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

救助せよ!まだ艦内は臭くないから

前回のあらすじ

救助開始


男「取り舵いっぱーい!……」

 

ズズズズズズ

 

男「もどーせー!」

 

ズズズ

 

男「前進極微速!使える物は何でも使って 助けろ!」

 

阿部「誰かロープを俺に!気絶してたり衰 弱してる奴は俺が海上で括る!」

 

モブ「使え!」

 

阿部「すまんな!」

 

鍛え上げられた肉体を晒し海に飛び込む!うほっ!いい男!

 

「どこかに縄ばしごはないか!?」

 

男「たしか倉庫にあったはず!取って く…」

 

クロウ「待て…それは我がやる…貴様がこ こを離れて誰が指揮を取る?」

 

男「……悪い」

 

クロウ「行動力があるのは貴様の長所だ が、立場を考えろ」

 

男「…」

 

クロウ「案ずるな、貴様一人いないくらい なら我が二人分動くのみ…」

 

男「すまん、苦労かけて……クロウだけ に」

 

クロウ「それでこそ艦長だ」

不良『要救助者発見!呼吸脈拍共に問題無しィ!空きのベッドはあるか?』

 

男「取り敢えずは艦長室のスポンジベッド使う!…めちゃめちゃ狭いけど…足りなかったら乗員室使うぞ」

 

キモオタ「致し方なしですな」

 

男「すまん…この船のベッド全部スポンジ製だから…濡れてる人寝かすわけだしビッチャビチャになるけど…」

 

ネクラ「…幸い明日の天気予報は晴れ……お洗濯日和」

 

男「そりゃ幸い。そしてもう一つ幸いなこと、俺達は潜水艦に乗りたてだから言うほど臭くない」

 

キモオタ「噂では臭いが目を刺すレベルになるとか…」

 

男「そんな俺達に救助されたら地獄だな、死ぬよりマシだけど」

 

キモオタ「せめて最低限の清潔を保てる備品の調達が必要ですな…ブフォ」

 

 

 

田所『んにゃぴ…こちら船医田所、まずうち(の船)さぁ…医務室として使えそうな部屋が艦長室しかなかったんだけど…よかったかな?』

 

男「わかった、そのまま艦長室を医務室として使って貰って構わない」

 

田所『おかのした!』

 

阿部『こちら水も滴るいい男、この調子で救出を続けると船内がパンパンだぜ。どうする?』

 

男「うーん、すぐにブルーマーメイドも駆けつけるはずだから…軽症の人は申し訳ないけど食料庫にダンボール敷いて雑魚寝して貰おう…」

 

『こちらモブ!猿島艦長古庄薫発見!意識不明なれど呼吸脈拍共に問題無し!』

 

男「よくやった!今度気が向いたらモブから昇格させてやる!」

 

『ありがたき幸せ!』

 

男「艦長が外に出てるって事は脱出はつつがなく進んだ…と考えていいんだよな?」

 

チビ「普通に考えればそうなりますね!」

 

ネクラ「悲観的に考えるよりは良いだろう…」

 

男「よし!誰一人死なすなよ!地獄の底まで追いかけて徹底的に救助せよ!俺もそっちに向か」

 

チビ「艦長はここにいてください」

 

シュルルルルルルルルバシュッ!

 

驚くほど素早い亀甲縛り、俺でなかったら見逃しちゃうね

 

男「やめろぉ!これは艦長に対する反逆行為だぞ!」

 

クロウ「クロウ帰還した。帰ってきて早々に…何かあったら誰が責任取るんだ…首が飛ぶのはお前一人で十分」

 

男「言い方ってものはないのか!」

 

それからしばらく、ギシギシと荒縄を軋ませながら指揮を取る艦長の姿が見られた。日本の未来は明るい

 

 

 

キモオタ「こちら砲撃長兼見張りのキモオタブフォww、船舶の接近を確認、ブルーマーメイドの『天神』横須賀女子の『間宮』、同じく『明石』、増援ですな」

 

チョウ「『天神』より打電!『協力感謝スル 被害状況ノ報告ヲ求ム』」

 

男「艦長古庄薫含む乗員12人救出、内意識不明6名、軽症6名。全員命に別状は無し、引き続き捜索、救助を続ける。送って」

 

チョウ「了解!」

 

 

 

 

その後、

まるゆ含む四隻の尽力によって死者を出すこと無く、救助は完了した。また、亀甲縛りで吊るされたまま堂々たる指揮をしたまるゆ艦長は「ドM艦長」というあだ名をつけられたが真相は不明である。




はいふり本編の裏側、という設定なので晴風との絡みは終盤の終盤…かな?ちなみに原作キャラと恋に発展したりとかないです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

メシをくれ!

前回のあらすじ

びしょ濡れの古庄教官って絶対エロいよね。俺も救助したい。どさくさで胸を触りたい。


チョウ「『天神』より報告!要救助者全員救助完了!死者行方不明者0デス!!」

 

男「良し!!全員よくやった!褒美に後で校長から財布せしめて焼肉いくぞ!」

 

理不尽に奢りが決まった!ゴチになります!

 

ネクラ「……校長…………南無」

 

男「ところで阿部さん、救助者にメシ作れる?温かいやつ。低体温で衰弱とか怖いから」

 

阿部「そう言われると思ってもう配ってる。温かい味噌汁とおにぎり。………ちなみにこれ、俺らの今日の夕飯な」

 

男「…仕方ないだろ……うん…夕飯は遅くなりそうだな…」

 

 

 

 

男「…取り敢えず天神に指示を仰ごう。どこに寄港していいかもわからんし。チョウ、頼む」

 

チョウ「了解!」

 

男「後、もし出来ることならならシャワー貸して下さい。お願いしますと伝えて。この船、シャワー無いから」

 

チョウ「天神より返信、横須賀女子海洋高校に寄港、そこで猿島乗員を降ろすそうデス。シャワーは…近くに銭湯があるからそこにいけト…費用はブルーマーメイドが出してくれるそうデス」

 

男「そりゃありがたい!……ところで我々、トラブル続きでまだメシを食べていないんだが…ついでに言うとつい先程夕飯が消え去ったんだが……と、遠慮がちに送って」

 

クロウ「送るも何も…先程から手旗信号で『ハラヘッタ メシクレ』ってラブコールしてる馬鹿がいるが?」

 

 

 

キモオタ「ボ、ク、タ、チ、ハ、オ、ナ、カ、ガ、ペ、コ、ペ、コ、デ、ス」ブンブン

 

お手本のように正確で切れのある手旗信号

 

 

 

男「こらキモオタぁ!!メシをタカるときは悲壮感漂わせて情けで食わせて貰うんだよ!元気にタカってどうする!」

 

チビ「見張り員から報告、天神艦長、大爆笑してます」

 

男「よしっ!好感触だ!キモオタ続けろ!」

 

クロウ「見事な手の平返し…」

 

チビ「艦長!キモオタが調子に乗ってモブ二人引き連れて手旗信号にヲタ芸を交え始めました!なんもう美しいです!芸術的なダンスの域です!」

 

男「ヲタ芸は昔から芸術だぞ!」

 

チョウ「艦長!美しい手旗ヲタ芸に免じて一人頭750円までナラ奢ってくれるそうデス!」

 

男「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!チビ!横須賀で美味い店探せ!」

 

チビ「抜かりなくホッ◯ペッパーで検索済みです!」

 

クロウ「無駄に手際がいいな」

 

人命救助で培われたチームワークは時としてしょーもないことに使われる

 

男「前進強速ヨーソロー!このまま海辺のラーメン屋に揚陸する!」

 

クロウ「待て待て待て待て!救助者引き渡してからだから!横須賀女子に向かうんだよぉ!」

 

 

 

 

猿島乗員「………」

 

モブ「良かったら温かいお味噌汁とおにぎりどうぞ〜」

 

猿島乗員「ああ、ありがとう…」

 

猿島乗員はなぜか壁を見つめている

 

モブ「いかがされましたか?」

 

猿島乗員「いや、すまない、何でもないんだ…ただ…」

 

モブ「ただ?」

 

猿島乗員「いい船だな、と」

 

モブ「…………嫌味ですか?」

 

猿島乗員「いやいやいや、そんな意図は無い!無いから!」

 

モブ「…猿島に比べて、お世辞にも良いとは…悪臭漂いますし…トイレ無いし…」

 

猿島乗員「それでも……何故かいい船だと思えるんだ」

 

少しの間、沈黙が支配した

 

モブ「…………これからいい船になるんですよ」

 

猿島乗員「?」

 

モブ「校長に聞いたんです。この船のこと。この船は昔の陸軍に造られたものなんです」

 

猿島乗員「陸軍に?」

 

モブ「陸軍が潜るからモグラなんて言われてたそうです。シーレーンを確保出来なくても敵艦に発見される事なく輸送出来るようにって…当時、ドイツが潜水艦を運用し始めてすぐでしたから各国はまだ潜水艦に対応出来てなかったんです。だから水上艦にバレずに輸送出来ると…。

でもこの船が出来てからすぐに本格的な対潜ソナーが開発されて…必要とされなくなった…落ちこぼれなんです…僕らと一緒で」

 

猿島乗員「そんな事は…」

 

モブ「落ちこぼれは事実ですよ。僕らはみんな他の海洋学校に落ちてますから…でも、そんな僕らでも、こうやって誰かの役にたてるんです。これからもっと」

 

猿島乗員「……かっこいいじゃないか」

 

モブ「……まあ僕未だに名前貰えてないモブなんですけどね!」

 

猿島乗員「へ?モブ…?」

 

モブ「いえいえこっちの話!じゃあ僕はご飯配ってくるんで!」

 

猿島乗員「ああ、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

猿島乗員「……俺は…俺達は…何故彼らと同じ様な生徒達に…発砲したんだ………なんで…なんで思い出せない………」




古庄教官のびしょ濡れは絶対にエロい。むしろ救助されたい。息を荒らげながら「大丈夫?怪我はない?もう…もう安心していいのよ…」とか言われて優しさと胸に包み込まれたい。包み込まれたくない?俺は包み込まれたい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

下品な話だがこの時主人公は勃起していた

前回のあらすじ

モブはモブ


横須賀女子 港にて

 

男「…お疲れ様でしたー一列に並んでお降りくださーい」

 

チビ「艦長、意識不明の方はいかがしますか?」

 

男「ロープで引っ張り上げる。クロウ、ちょっといいか?」

 

クロウ「どうした?」

 

男「俺は他の艦長に会ってくる。クロウは学校に連絡を」

 

クロウ「学校…あぁ…忘れてた」

 

男「忘れちゃいけないんだけどな…今後どうすればいいのか聞いてくれ」

 

クロウ「了解」

 

男「俺は……艦長達と連絡先を交換してくる」

 

クロウ「まてやコラ」

 

『艦長!意見具申!お前には無理だと思う』

 

男「おい今発言した奴誰だ!懲罰対象だぞ!ケツを出せ精神注入してやる!」

 

チビ「艦長ー今の発言に阿部さんが大興奮してます。船医の田所も。その中でも機関科のオネェさん率いる艦内オネェ組が艦長に是非注入して貰いたいと…」

 

男「待ってなにそれこわい!オネェ組って何初耳なんだけど!」

 

チビ「普段は地を隠してますからね…ちなみにまるゆ内人気投票では艦長、かなりランキング上位です」

 

男「聞きたくなかったその情報!」

 

 

 

男「マジかよ、怖いよ……BLタグとR-18タグ付けなきゃいけなくなるような…展開にはならないよな…」

 

 

 

杉本「おー、まるゆ艦長、こっちだ」

 

藤田「お疲れ様です」

 

端的に言い表すと、「無気力系ロリ」と「メガネ委員長」の二人だった。

 

男「あ、え、は、はい、はじめまして!お疲れ様です!まるゆ艦長の男です!」

 

杉本「『明石』艦長の杉本珊瑚だ」

 

藤田「『間宮』艦長の藤田優衣と申します、お見知りおきを」

 

男「ど、どーもどーも」

 

普段女っ気のない男子校生活をしているとこういうときいつものように振る舞えない男の図。

 

男「そういえば『天神』の皆さんは?」

 

藤田「『猿島』乗員の聞き取りをしています。貴方への聞き取りは我々に任されました」

 

男「なるほど……あ、すいません。今俺かなり臭いはずなんでそれ以上寄らないほうがいいかもです」

 

現在の男の体臭のレシピは『海+汗+ディーゼル+ウンコ』である。

 

杉本「…ああ、長期航海後よりはマシな臭いだが…確かに臭いな」

 

藤田「ちょっと、ストレート過ぎ!」

 

男「あはは…いいんです、宿命ですし…」

 

……………………

 

変な空気になる一同。海風が男側から女子二人へと吹き流れる。くさい

 

杉本「…」

 

藤田「………ゥ…」

 

 

 

男「俺…風下に回ります…」

 

杉本「…ああ」

 

 

 

藤田「…ほ、本題に入りましょう!」

 

男「そ、そうですね。真面目な話しましょ」

 

杉本「…それじゃあ、単刀直入に聞く」

 

 

 

杉本「『猿島』沈没の瞬間を見た人間として、これは本当に晴風の反乱であると思うか?」

 

男「思いませんね、一切」

 

即答であった

 

 

 

 

藤田「…その心は?」

 

男「サルベージすればすぐわかりますが魚雷が命中したであろう場所に穴が空いてませんでした。不発か演習用の模擬弾だったかと思います。記録係が撮影していたはずなので画像は後で提出します」

 

杉本「意地悪な質問だが、魚雷を発射した時点で攻撃の意思があったと見なされるのではないか?」

 

男「当時の状況がわからないので何とも言えませんが、本気で沈めるなら主砲、副砲、牽制に機銃全て使うべきでしょうね。不発魚雷以外に被弾の痕は一切見られませんでした。魚雷が当たる程の距離で機銃の命中も至近弾も無いというのは現実的じゃないですね」

 

藤田「なるほど…すいません、一応調査なもので…嫌な質問もしなければならないのです」

 

男「いえいえ、それにまだ晴風反乱の可能性はあるわけですし。全てを疑わなければちゃんとした判断は出来ません」

 

藤田「ご理解感謝します」

 

杉本「…ここからは推測の話になるから雑談ということにしておくが…何故爆発しない魚雷で『猿島』は沈んだと思う?」

 

男「……『猿島』はかなり左舷に傾いた状態で沈没しました…傾いたのは魚雷のせいでしょうけど、普通ならそのまま放っておけば勝手に復帰する筈です。でも…」

 

藤田「何らかのアクシデントで、復帰しなかった?」

 

男「…そのアクシデントは乗員から聞かないと分かりませんが…傾いた状態でダメージコントロールを考えず金氏弁全開にして注水すれば…我々の見たように沈没するかと…」

 

杉本「自沈、と言いたいのか?」

 

男「それは聞き取りで分かることなので…ただ印象としてはそんな感じです」

 

 

 

杉本「むぅ……」

 

男(考え込むロリ可愛い)

 

藤田「古庄教官もまだ意識を取り戻さないことですし…本格的な調査も始まっていないので…今はまだ何とも言えませんね……この件は我々から報告しておきます。まるゆ乗員は今日はお休み下さい、本件の一番の功労者はあなた方なのですから」

 

杉本「ぐっじょぶだ、これをやろう」

 

 

男「はぁ…どうも…」

 

なぜかカロリーメイトを貰った

 

男「…お腹空いてるんで助かります」

 

恐らく女の子から頂いた数少ないプレゼントとして腐るギリギリまで大切に保管することが決まった

 

 

藤田「それでは、我々はこれで」

 

杉本「さらばだ」

 

 

この機を逃してはならない。男は殆ど無意識で言葉を発する!

 

男「あ、あのっ!」

 

 

 

男「てか、LINEやってる?(笑)」

 

無意識での発言であるので、口から出たのが聞き慣れたコピペであったとしてもそれは致し方ないであろう。あってくれ

 

 

 

 

 

ちなみに連絡先は教えて貰えた。カロリーメイトと共に家宝とする




何気に初めての女性キャラクター

自慢じゃないが過去にBL専門のまとめサイトに自分のSSがまとめられたことがある。何 故 だ 


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

まるゆ神社とつかの間の平和

前回のあらすじ

てか、LINEやってる?(笑)


お風呂と夕食を終えた一行、お風呂シーンが見たければこのSSの評価を上げよう!もれなく阿部さんの裸を描写するぞ!

 

チビ「で、これはなんですか?」

 

チビが艦橋に追加されたあるモノを指差す

 

男「神棚」

 

艦橋に、神棚が、追加された

 

チビ「まあ艦内に神社がある軍艦もありますし、ご利益ありそうなんで文句はありませんけど…どこから持ってきたんですか…?」

 

男「不良工作長に木を渡したらちょいちょいと作ってくれた。不燃加工済で。船が揺れても大丈夫なように皿とか徳利とかマジックテープで固定可能」

 

チビ「すげぇ!あの人何者ですか!?」

 

男「これにさっき貰ったカロリーメイトをお供えしまして…」

 

チョウ「…何故カロリーメイト」

 

男「お前らには秘密だ」

 

キモオタ「艦長殿、出来ましたぞ!」

 

男「よし!よくやった!」

 

チビ「…今度は何ですか?」

 

男「ほれ、見てみなさい」

 

チビ「…」

 

木彫りのスク水少女である

 

チビ「細部まで美しいこの仕上がりに関する感想は置いておきまして、なんですかこれ」

 

男「御神体、艦娘、メンタルモデル、なんとでも呼んでいいぞ」

 

チビ「これまるゆですか!?」

 

男「このまるゆの御神体を設置しまして…」

 

 

 

男「まるゆ神社、完成!」

 

 

 

男「日本には船霊信仰というものがあって女性の神が乗っていると言われてる。これはこのまるゆの船霊であるまるゆ様を祀る施設だ。本来は御神体を船の下部のモリとかツルとか呼ばれてるところに安置するが、そんなものは無いので、艦橋にいてもらいます」

 

チビ「こういうのって御札とかも必要なんじゃないですか?」

 

男「抜かりはない!御札も作った!」

 

チビ「作った札にご利益あるんですか!?」

 

男「これからご利益つけるんだよ!いわば育成シュミレーション!」

 

クロウ「…なるほど、俺達が沈まなければコイツは不沈の神様になれるって訳か」

 

男「俺達が卒業した後もずっとだ。幸運を運ぶ船として崇められるまで」

 

 

 

クロウ「そうそう、校長に連絡したら激務で悪いが夜間航行訓練も兼ねて帰ってこいだって」

 

男「うっへぇ…マジかよ…なんで?」

 

クロウ「単純に横須賀女子側の迷惑になるから。横須賀女子はこれから全艦帰投命令が出るから俺達邪魔者になる。小さい艦とはいえ港の一部占拠してるしな。」

 

チョウ「横須賀の校長サンは退かなくてイイとは言ってくれマシタガ…」

 

ネクラ「…迷惑になるのは確実」

 

男「……しょうがないか…総員今のうちに陸でトイレ済ませとけよ!」

 

『了解!』

 

男「全員揃ったら出港用意!」

 

 

 

 

翌朝

 

結局夜間六時間ほど潜航していた。

 

男「夜開けたし浮上するぞー!準備始めて!メインタンクブロー」

 

プップクプップクプップクプップップー

 

潜水艦なのに艦内でラッパが鳴り響く。これ本当に誰が吹いてるんだろうか

 

ざぱーーーん

 

男「浮上完了!発動機停止!機関前進原速!」

 

カンカンカン

 

男「これから自由時間に入りまーす。当番以外は好きに休んでくださーい。甲板出てもいいぞー!」

 

チョウ「うわ…潜水艦とは思えないくらい堂々と海上航行…」

 

男「別にどっかと戦争中じゃないし、ここ領海だし…チョウも休んでいいぞ、俺はここでまるゆ様磨いてるから」

 

クロウ「甲板出てもいいんだよな、釣りしてくる」

 

男「おう、いっぱい釣って今日の夕飯を豪華にしてくれ」

 

キモオタ「ドゥフwwじゃあ拙者は肥溜めの処理をしてくるでござるwww」

 

阿部「それじゃ、俺もホイホイついて行って手伝ってやるかね…」

 

男「誤って艦内でひっくり返るなよ。大惨事だからな」

 

肥溜めとは勿論ドラム缶トイレのことである。処理の仕方は海にドボン。汚いように見えるが特に問題は無い。むしろプランクトンのいい餌になってくれるだろう

 

………………

 

男「平和だ…お茶でも飲むか…さっき阿部さんが水筒でお茶もってきてくれた…一緒にどうだ?」

 

チビ「いただきます」

 

男「…はふぅ」ズズズ

 

チビ「…」ズズズ

 

 

 

モブ長「漂流物漁りの時間じゃぁぁぁぁ!!」

 

モブ1「いえーい!」

 

モブ2「わーい!」

 

モブ長「とんでもないお宝引き当てて名前貰うぞぉ!!」

 

モブ1&2『おおー!』

 

 

 

………………

 

モブ長「…ゴミしか流れてこねぇ」

 

モブ1「モブ長〜なんか高そうな箱が引っかかりました!」

 

モブ2「Amaz◯nの箱じゃん!なんか入ってそう!」

 

モブ長「ナイス!早速中身を開けて見ようぜ!」

 

パカッ!

 

モブ長「……空?」

 

 

チュウッ!!

 

飛び出したのは、ネズミのような生物だ!

 

モブ長「うわっ!ネズミかよ!」

 

 

 

その時、艦内からまるで重戦車のような唸り声と共に何かが近づいてくる音がした 

 

 

阿部「ねぇぇぇずみはどこだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

補給長、阿部である

 

阿部「ネズミ死スベシッ!!」

 

ネズミ?「チュウッ!?」

 

ネズミが反応するよりも速く、阿部がネズミを掴む!

 

 

 

阿部「おんどりやァァァァァァァァァァァ!!」

 

そしてそのまま海へッ!!

 

 

ネズミ?「ちゅぅぅぅぅ!」

 

放物線を描き、そして見えなくなった

 

 

 

阿部「…はぁ…はぁ……」

 

モブ長「ちょっと阿部さん…折角可愛かったのに〜」

 

阿部「…あ゛あ゛?」

 

モブ1「ヒィ!」

 

普段の阿部さんなら絶対出さない声で答える

 

阿部「ネズミはなぁ…どんな病気を持ってるかわからないんだ…そして積んでる食料を食う……奴らはこの船から消さねばならん……もし見逃そうものなら……」

 

モブ長「ものなら……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

や ら な い か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モブ長「アッーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

知らぬ間にRATt感染フラグを叩き折った。というか投げた

 

 

そして投げられたネズミは……

 

チャポン…

 

着水

 

そして

 

 

ジャッパーン!

 

 

クロウ「おい凄いぞ!カジキマグロが!カジキマグロがいる!」

 

チョウ「大物ですよ!釣れますカネ!?」

 

クロウ「待ってろよ〜幼少の頃、釣りキチ黒部ぇと呼ばれた我の実力を見せてやろう!」

 

カジキマグロに喰われた。

 

 

 

 

本日の被害状況

 

モブ長 原因不明の失神

 

クロウ 見事釣り上げたカジキマグロに刺された

 

夕食は釣り上げたカジキマグロの刺し身が振る舞われた

 

 

 

つかの間の平和は過ぎ、夜が空を包み始める




モブの名前は募集中です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

救難信号!伊201の救助へ!

前回のあらすじ

カジキの殺傷能力を甘く見てはならない


そして夜になった

 

男「就寝時間だ、当番以外はくそしてねろ!」

 

クロウ「酷え挨拶だ」

 

誰も見ていないのに顔芸しながら艦長は号令する

 

男「と言う訳でクロウ、当直頼むぞ。俺は寝る」

 

クロウ「分かった……あれ?貴様どこで寝るんだ?」

 

男「え…?」

 

クロウ「いや、貴様昨日の猿島救助のとき、艦長室を医務室にしてたろ。ベッド無いぞ…どこで寝るんだ…?」

 

男「……どうしよ、どこで寝よう…」

 

クロウ「…田所に艦長室を返して貰えばいいだろう」

 

男「医務室は必要だろ!何かあったときに体制は万全にしたい!」

 

クロウ「うーん……取りあえず今日は我のベッドで寝ろ。処遇は明日の朝話し合って決める」

 

男「おいおい俺が乙女なら惚れちゃうぜ!サンキュー」

 

クロウ「おうおう存分に惚れろ、お前が乙女ならな」

 

男「それじゃ御神体のこと頼んだ、お休み」

 

クロウ「どんだけ気に入ってるんだよまるゆ様」

 

 

 

そして、

当直以外が寝静まった頃…

 

クロウ「見張り員、特に異常はないか?」

 

マサイ『ないですよー、無いですけど暇なので話し相手になって下さい』

 

クロウ「そうだな……じゃあまず…貴様誰だ」

 

マサイ『酷い…ずっとこの船に乗ってるのに…』

 

クロウ「いや、関わり薄かったから声だけじゃ誰かわからん」

 

マサイ『えー、僕の名前はソロモン・K・キサンバ。ケニアからの留学生です!』

 

クロウ「すまん、印象に無い」

 

マサイ『嘘でしょ!?留学生ですよ!マサイ族ですよ!?わざわざ長槍と首飾りと足輪まで着けてツッコミ待ちしてたんですよ!?』

 

クロウ「まだキャラが薄いな」

 

マサイ『これでも薄いのですか!?』

 

クロウ「このキャラの濃いまるゆ乗員の中、産まれた民族が有名なだけでキャラが立つとか片腹痛いわ!我だって何とか副長と中二病キャラにしがみついてるんだ!このキャラ捨てたら俺なんて主人公の隣にいるだけの劣化主人公だ!もっともがけ!」

 

マサイ『切実!?』

 

副長の苦悩、切実

 

 

しかし、そんな平和な夜が一変する知らせが入る…

 

モブ「副長大変です!救難信号を受信しました!」

 

クロウ「何!?」

 

モブ「東舞鶴の伊201が爆雷攻撃を受けたとのこと!」

 

クロウ「伊201…ええと…あっー!初日のアイツら!アイツらか!!」

 

まるゆ一度は奴らに因縁があるのだ

 

モブ「一応ブルーマーメイドが受信して現場に向かってるようですが…まだ時間がかかりそうです」

 

クロウ「伊201から一番近いのは?」

 

モブ「もちろん我々です」

 

クロウ「…艦長をたたき起こせ、判断を仰ぐ。まあ結果は分かってるが」

 

モブ「了解です!」

 

クロウ「そうだ、聞き忘れた、伊201はどこのどいつから爆雷を受けたって?」

 

 

 

モブ「………航洋艦『晴風』…だそうです」

 

 

クロウ「…………それも含めて、報告だ」

 

 

 

夜はまだ、明けない

 

 

 

〜兵員室〜

 

モブ「艦長!艦長!起きてください!」

 

男「馬鹿野郎…ブルマ履いてうどん打つバカがいるか…相撲しろ…ムニャムニャ」

 

モブ「アンタどんな夢見てるんですか!!いいから起きろ緊急事態だ!救難信号!!」

 

男「ムニャ…ムニャ…む…にゃ、にゃにぃぃ!?」

 

モブ「早く艦橋に!」

 

男「分かった!おいお前ら全員着替えろ!救難信号だ!」

 

男は手早く制服に着替える

 

男「今行く!」

 

チビ「艦長、忘れ物!」

 

遅れて起きたチビが軍帽と軍刀を投げる

 

男「わ、悪い!ありがとう!」

 

腰に付けながら寝てる乗員の間を駆け抜ける

 

阿部「ガブッ、痛ッ!おい艦長鞘が顔に…って聞いてねぇや…」

 

 

 

男「待たせた!状況を教えてくれ!」

 

クロウ「東舞鶴の伊201から救難信号、航行不能、既にブルマーに連絡済だけど時間はかかりそう、そしてその現場はここから割りと近い、というか通り道」

 

男「助けに行かない理由は無いな、動けないってことは浸水の可能性もあるしな。ところで原因は?」

 

クロウ「………爆雷を受けたそうだ……晴風にな」

 

男「…そうか」

 

クロウ「どうする?晴風が本当に反逆者だったら我々も危険だが?」

 

男「答え分かって言ってるだろ」

 

クロウ「指令がなければ動けないぞ、艦長?」

 

男「それも、助けにいかない理由にはならないな。機関前進強速!これより本艦は伊201の救助に向かう!」

 

 

 

男「モブ、伊201とブルマーにに連絡取ってくれ、一応これから向かうって」

 

モブ「それが…」

 

クロウ「どうした?」

 

モブ「ブルマーには連絡したんですが伊201と連絡が取れないんです…」

 

男「更なるトラブルかも知れない…急ごう。モブはブルマーにこちらで伊201と連絡が出来ないことを伝えて」

 

モブ「了解」

 

男「あと向こうの艦に乗り移れるように足場用意してくれ」

 

チョウ『僕がやっておきます』

 

男「あと阿部さんは俺らと救難者の夜食作ってくれ」

 

阿部『まかせろ』

 

男「マサイは探照灯用意」

 

マサイ『承りました!』

 

男「もし怪我人がいたら運ぶかも知れないから何人か準備しといてくれ。ええと、熊野、田所辺りはガタイいいから参加してくれ」

 

男「その他各自自分にできる事を探しながら待機!」

 

 

 

 

 

チビ「そろそろ目標地点ですが…」

 

男「モブは聴音機で探してくれ、マサイ、探照灯照射始め!」

 

『了解!』

 

パッ!

 

探照灯に光が灯った

 

 

 

 

モブ『いました!10時の方向です!』

 

男「マサイ照らせ!」

 

マサイ『目視確認!安定して浮上しています!』

 

男「よし!チョウ、通信は?」

 

チョウ『駄目です、相手の機械が故障しているのか、反応しまセン』

 

男「仕方ない…じゃあ俺らで接舷して乗り移るか…クロウ、指揮権は任せる。俺は相手の艦長に挨拶してくる。戦闘じゃないしこれくらいはいいだろ?」

 

クロウ「…まあいいか、相手が艦長出してきたらこちらが艦長出さないのも失礼だしな」

 

 

 

クロウ「機関停止!接舷準備!」

 

男「そんじゃ田所、熊野……あと誰か付いてきて」

 

チョウ『じゃあボクが行きマス!ハシゴ持って行きマスネ!』

 

 

 

男「ひゅー…夜の海は怖いな…足元暗っ」

 

ひょいひょいと伊201の甲板にのり移る

 

そして装甲板を叩く

 

男「聞こえるか!?助けにきたぞ!」

 

ガンガンガン!

 

ガパッ!

 

伊201のハッチが開き、乗組員が一人現れる…

 

 

乗組員「あ……あぁ…」

 

が、様子がおかしい

 

 

 

男「どうした?どこか怪我か?」

 

心配になり近寄る…

 

 

 

 

 

 

 

 

チョウ「か、艦長ッッ!!逃げてッ!!!!」

 

 

 

 

男「は!?」

 

 

 

 

乗組員「あ゛あ゛あ゛ッ!!!!!」

 

 

 

彼は、重い鉄パイプを振りかぶり、

 

 

 

 

 

そして振り下ろした




ブルマでうどんを打つ夢は実際に僕が見た夢です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

まさかの白兵戦!

前回のあらすじ

オレは高校生探偵、工藤新一。幼なじみで同級生の毛利蘭と遊園地に遊びに行って、 黒ずくめの男の怪しげな取り引き現場を目撃した。
取り引きを見るのに夢中になっていたオレは、背後から近付いて来る、もう一人の仲 間に気付かなかった。オレはその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら体が縮んでしまっていた!


がぎぃぃぃん!!

 

 

鉄パイプが、振り下ろされた…

 

チョウ「カンチョウッ!!」

 

 

 

男「あ、あっぶねぇ…軍刀持っててよかった…」

 

そこには鞘ごとで鉄パイプを受け止める男がいた

 

男「…い、一体どうしたんだ突然殴り掛かってきたりなんかして…俺たちは敵じゃないぞ!…軍刀持ってなかったら…俺はそ、即死だったぞ…?」

 

乗組員「がぁぁっ!!」

 

乗組員は男と距離を取り、パイプを構え直した

 

男「ウッソだろ…意味がわからない…こっちに戦闘の意思はない!」

 

乗組員「…黙れ…暴れずにいられるかッ!!」

 

男「マジかよ…剣道なんて学校の授業くらいでしかやってないぞ…」

 

男も模造軍刀を抜き、構える

 

男(どうすりゃいい…白兵戦なんて想定してないぞ…ただでさえ足場悪い中で…どうすれば…)

 

??((スネーク、まずはCQCの基本を思い出して))

 

男(いやいやCQCは出来ねぇよ!まず基本知らねぇよ)

 

乗組員「が…ガガっ!」

 

乗組員が突撃してきた!

 

男「ああもう!骨折しても文句言うなよっ!」

 

男が、相手との距離を縮める!

 

 

男「コテェェェェェェェェェ!!」

 

見事な出小手であった

 

乗組員「グガっ!」

 

カランカラン

 

鉄パイプを取り落とす!

 

男「ちょっと…頭冷やしてこい!」

 

そのまま乗組員を海に蹴り落とす!

 

 

 

男「まるゆ艦内にいる奴は今叩き落とした乗組員救助、拘束して!…どういうことだ…まるで意味がわからんぞ」

 

マサイ『艦長油断しないで!まだ来てるよ!』

 

ハッチからわらわらと人が出てくる

 

……全員、殺意の篭った異様な目をして

 

男「いや…この人数はマズイって…」

 

乗組員『ウガァァァァァァ!!』

 

男「ゾンビかよッ!退ひ…」

 

 

チョウ「破亜亜亜亜亜亜亜亜ッッ!」

 

美しい飛び蹴りで先頭の乗組員海に蹴り落とす。

 

チョウ「ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハァーッ!」

 

小柄なチョウが次々と相手を叩き落とす!

 

チョウ「カンチョウ無事でスカ?」

 

男「無事だけど…チョウ…お前それ…」

 

チョウ「カンフー!」

 

男「すげえなかっこいいぞおい!」

 

 

 

田所「……フンッ!ハッ!………ヌッ!」

 

田所「艦長、よく見とけよ〜」

 

男「田所!?」

 

田所は艦長をまるゆ側に誘導し、

 

田所「迫真空手…『制』の裏技……邪拳『夜』……逝きましょうね」

 

………ゴォォォォォォォォ!!

 

音すら遅れる神速の拳で三人同時に海に叩き込む!

 

田所「ホラホラホラホラホラホラホラァ!!」

 

 

 

きぐるみ「…」

 

スパァン!スパァン!

 

きぐるみ「…」

 

スパァン!スパァン!

 

きぐるみ「…」

 

スパァン!スパァン!

 

可愛い熊のきぐるみが淡々と乗組員を殴り飛ばす。ただ、工夫もなく、殴り飛ばす。顔を中心に、殴り飛ばす

 

 

 

 

 

201艦長「凄い……俺が一人として抑えられなかったアイツらを…」

 

最後の一人がハッチから顔を出す

 

男「お前が最後かぁぁぁ!!」

 

201艦長「いや待ってくれ俺は正…ぶべらぁっ!!」

 

 

伊201乗員、全滅の瞬間であった

 

 

十分後…

 

チビ「取り敢えず32人全員救助、及び拘束すみました…命に別状は無いですけど全員気絶してますね。これ拘束の必要ないんじゃ…」

 

マサイ『…たった四人で潜水艦制圧…化物ですか?』

 

男「勘違いするな…化物はあの三人だ……」

 

チョウ「久々に動いたのでお腹減りマシタ…」

 

田所「この辺にィ、美味いラーメン屋の屋台船、来てるらしいっすよ」

 

きぐるみ「もう夜明け前だ…居ないだろう…」

 

 

 

男「アイツら怖い」

 

 

 

クロウ「大丈夫かお前ら!怪我は無いか!救急箱持ってきたぞ!おいチョウ!血が出てるじゃないか!!」

 

チョウ「返り血ですから大丈夫デス」

 

クロウ「男ぉぉぉ!心配したんだからなぁ!パイプで殴られたときはどうしようかとぉぉ!!」

 

男「気持ち悪い抱きつくな…あと殴られてはいないから、怪我もないから。そして中二病キャラ壊れてる」

 

クロウ「…えぐっ…えぐっ…」

 

男「泣くな…」

 

チビ「…絶賛BL中のところ失礼します」

 

男「お前も海に叩き込んで欲しいのか?」

 

チビ「この状況、ブルーマーメイドになんて説明するんです?」

 

 

 

救助に向かうと連絡して、蓋を開けたらボッコボコにされて気絶してる生徒。まるゆ側には返り血が

 

 

男「……全部晴風のせいにしよう。最初からこうだった」

 

チビ「馬鹿ですか?」

 

男「………信じてくれるかな…『誰かに操られてるように』一心不乱に殴り掛かってきたから反撃した、なんて」

 

チョウ「…なんで襲ってきたのですカネ…」

 

男「…わからん…陵辱モノの同人誌で散々悪者として描写されてるからかな」

 

キモオタ「恐らく関係無いかと」

 

 

 

チュウ! 

 

男「…?ネズミ?」

 

 

男がその言葉を発した瞬間、

 

まるゆ艦内から重戦車のような唸り声と揺れが響き渡る…

 

 

 

阿部「ねぇぇぇずみはどこだぁぁぁぁぁぁ!!」

 

チュウ!?

 

阿部「そこかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

甲板に上がってきたネズミを掴むと、阿部は大きく振りかぶってヤード単位で投げ飛ばす

 

阿部「…フー…フー…」 

 

男「阿部さん…?ね、ネズミ退治お疲れ様…」

 

阿部「まだだ…」

 

男「え?」

 

阿部「まだ艦内からネズミの臭いがするぅ……うおおおおおおおおおおお!!!」

 

ガンガンガンガンドドドドドドドドドドララララララララズッコンバッコンズゴババビ!!!

 

 

男「…器物損壊も追加されたな」




撃墜数

チョウ 18人
田所 6人
きぐるみ 6人
男 2人


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

晴風補給作戦!ただしまるゆは味噌っかす

前回のあらすじ

ファンブックだと伊201はRATt感染してたらしいけど感染したままプルマー来ちゃったら大惨事だよね。そんな感じ


〜『間宮』甲板にて〜

 

男「……よく会いますね」

 

杉本「そうだねー」

 

藤田「会うたびにトラブルにまきこまれてるわね…」

 

男「……」

 

 

杉本珊瑚、『明石』艦長

藤田優衣、『間宮』艦長

 

 

杉本「それで、『コレ』は君達がやったということで間違いはないね」

 

男「…はい…そうです」

 

おまわりさんこいつです

 

『コレ』というのはもちろん、ブルーマーメイドの船に乗りこんでいる伊201の面々である。全員怪我人、ミイラのコスプレかな?

 

杉本「肩関節がすぐ戻せるように綺麗に外されてたり、拳の風圧で三半規管震わせて酔わせたり…君達一体何者なんだ?」

 

男「僕が聞きたいです…」

 

間違いなく超人が乗ってる船、まるゆ

 

男「それで……我々何か処分を受けるのでしょうか?」

 

杉本「そうだね…君達への処分は……」

 

男「………ゴクリ」

 

心臓が跳ね上がる

 

杉本「処分は……………」

 

男「…………………」

 

玉のような冷や汗が流れ落ちる

 

暴力行為で退学という文字が頭に浮かんだ

 

杉本「処分は………………」

 

男「……………………」

 

 

 

 

藤田「特に無いでしょ」

 

横から藤田艦長が答えてくれた

 

男「………………………………ふぇ?」

 

杉本「何さ、折角遊んでたのに」

 

藤田「可哀想だから打ち切りよ」

 

男「ええと……処分、無し、で、いいんですか?」

 

藤田「ええ、安心しなさい、無しよ」

 

杉本「伊201の艦長や乗員が証言してる。我々が先に攻撃を仕掛け、彼らは正当な自己防衛を行った、と。艦長は不機嫌だったけどね」

 

男「………よかったぁぁぁぁぁぁ!」

 

藤田「伊201の後始末はブルーマーメイドが請け負うそうです。検査の結果にもよりますが……彼らの行動はストレスによる集団ヒステリーか何かだと」

 

男「集団ヒステリー…か…俺もストレスには気をつけよう」

 

藤田「貴方は伊201より遥かに過酷な生活してると思うんですが…」

 

トイレが無かったり、自分の部屋がなかったり、殺されかけたりしたけど男は元気です

 

プルルルルルルル

 

クロウ「艦長ぉ!御舞等高校から通信だ!出てくれ!」

 

男「あ、すいませんちょっと失礼します」

 

クロウ「早くしろー」

 

 

 

男「こちらまるゆ艦長、レディとの会話を邪魔したのは貴方でよろしいか?」

 

校長「…それは済まないことをしたな。………………ほんとに…悪かった…一生に一度のチャンスを…本当に…済まなかった…」

 

男「おい、そこまで謝罪されると馬鹿にされてる気分にしかならない…用事がないなら切るぞ」

 

校長「用事ありありだ。御舞等高校からまるゆに任務を与える」

 

男「!?」

 

 

 

校長「これよりまるゆは、現在行方不明になっている艦を捜索、捕捉し、可能ならば補給を行う」

 

男「…場所の大体の目星はついてるのか?」

 

校長「一部はな。後は海を駆け回って貰おう。まずは作戦の第一段階として間宮、明石、他護衛2艦と共に晴風の補給に向かってくれ」

 

チョウ「は、晴風ってあの!」

 

クロウ「猿島と伊201を退けた猛者だな」

 

男「解せないな。何故間宮っていう立派な補給艦がいるのに俺達が晴風の補給に行くんだ?」

 

チビ「…そういえばそうですね」

 

校長「大人の事情だ、聞きたいか?」

 

男「そりゃもちろん」

 

校長「この作戦の関係者に宗谷家が関わりすぎてるからだ」

 

男「詳しく話してくれ」

 

校長「まずこの作戦の発案及び責任者は横須賀女子海洋学校の校長、宗谷真雪とその右腕真霜。そして今回の護衛艦が宗谷真冬の直属の部下が艦長。対象の晴風の副長は宗谷ましろ。そして間宮と明石はご存知の通り横須賀の生徒だ。こうなると性格の悪い大人は『宗谷家の独断だー!責任がー!内輪だー!公私混同だー!』とかいい始めるんだ」

 

男「それをこねくり回して攻撃材料にすると」

 

校長「その通り。と言うわけで面倒ごとを避けるために宗谷と関わりが薄い呉、東舞鶴、御舞等がこの作戦に参加、もしくは賛同する」

 

男「赤信号みんなで渡れば怖くないな。ところで呉と東舞はどこに?」

 

校長「そこの2校は直接参加出来ない代わりに作戦遂行中はまるゆの各校への入港を認め、補給をしてくれることになった」

 

男「なにそれありがたい」

 

校長「そして今回の晴風の補給に関してはお前たちまるゆが呉と東舞の名代だ」

 

男「やったな大和の名代だぞ…責任重っ!!」

 

キモオタ「正確には大和はブルーマーメイド旗艦ですから微妙に違いますけど…でも呉所属ですな」

 

男「菊の御紋つけないと」

 

校長「それでは、他4艦と共に晴風の元に向かってくれ」

 

男「了解、これより本艦は、現在行方不明になっている艦を捜索、捕捉し、可能ならば補給を行う!その第一段階として航洋艦晴風への補給作戦に同行する!」




やっと晴風登場…………?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

晴風遭遇!

前回のあらすじ

初任務は味噌っかす


男「東舞の部品掻っ払ってよかったな!燃料も高オクタンでスイスイだし!」

 

ネクラ「…お陰で水上14ノット出せる…今までなら間宮にすらついて行けなかった…」

 

男「サクサクっと改装手伝ってくれた杉本艦長には頭上がらないよ…各員明石が作戦実行中の方角に足を向けて寝ないように!」

 

キモオタ「本当に…こんな臭い艦内に女性を招き入れるだなんて…フォカヌポゥww」

 

クロウ「あってよかったファブリーズ、あってよかった消臭力」

 

男「…本当に航海始めて序盤でよかった…一週間過ぎてたら流石のファブリーズも消臭力も意味を成さない…」

 

 

 

 

チョウ「連絡が入りました。ここのすぐ近くの『オーシャンモール四国沖店』に入る軍用中型スキッパーの目撃情報が多数寄せられたそうです」

 

男「なるほど、日用品の補給にでも行ったのかな」

 

チョウ「…?大抵の船は出発前に生活必需品は積み込んでるハズデスガ…」

 

男「………いいか、チョウ。女の子には周期的に体調を崩してしまう日があるんだ。ある程度その周期がわかっていたとしても特殊な状況下ではそれが乱れる可能性がある。予想以上に多い日とかもあるかも知れないな。そんなわけでどうしても足りなくなってしまう場合がある。他の子に分けてもらうという手もあるが手元にアレが無いのは不安だろう。そしてどうしてもその時期は精神的に不安定になる。ネガティブ思考に囚われたり怒りっぽくなったり。ただでさえこんな状況なんだ。本人にとってかなり辛い状況だろう。他の物で代用できない事もないがそれが不快であることに代わりはない…アレで慣れてしまっている女性にアレ以外の普通の布や脱脂綿を使うというのはかなり不快感があるらしい。そんなときはせめてアレの不快感くらいは取り除いてあげたいと同じ女子ならそう考えてもおかしいことは無い。ちなみに男性はアレについて知らなすぎると不用意に女性を傷つけて相当面倒な事になるからある程度の知識と理解は必要だ。でも逆に知りすぎると引かれるらしい。女心というのはよく分からない。ちなみに俺は童貞だが熟知している」

 

チョウ「よく分かりまセンが…何を熱弁しているノデスカ…?」

 

男「この話を再び持ち出すことを禁ず!」

 

チョウ「唐突にナンデ!?」

 

男「無知とは悪なのだよ、チョウよ」

 

 

 

コイツらは知る由もないもないが結局男の予想と反してアレの問題では無かった。単純にトイレットペーパーが切れたので買い出しをしにいったそうである。

 

 

 

その点、晴風はしっかりしてるのだ。

 

 

 

ところでアレって何だろうね。僕知らないよ!

 

この話題をリアルで持ち出すのは以後禁止とする。

 

 

 

 

チョウ「ブルマーの巡視船が晴風乗員を保護…もとい捕獲したそうデス。彼女らに道案内を頼んで晴風に向かいマス」

 

男「理解した。発進用意!抜錨!」

 

 

晴風に補給と言ってもまるゆは味噌っかすなので特に何もすることは無い。遠目でその姿を見るくらいである

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

男「先導艦が晴風を発見!これより逃走を防ぐため包囲を開始するそう!まるゆは邪魔なので包囲完了まで近づかないように!」

 

クロウ「もはや邪魔者かよ!」

 

男「小さい上に速度も遅いし艦隊運動ド下手だからな」

 

チビ「ド下手っていうか…まるゆが特殊過ぎて合わせられないというか…」

 

 

 

男「包囲完了!我々は…特にやる事は無い!」

 

チョウ「そもそも我々、明石の影に隠れてるノデ、視認すらされてないンジャ…」

 

男「……目立たないのは美徳だもん…」

 

 

まるゆ艦内に哀愁漂ってるそのとき

 

ドンッ!ドンッ!

 

 

男「機銃の銃声!?」

 

マサイ『晴風発砲!25mm単装機銃!』

 

男「マジかよ!緊急潜航ッ!!ベント開けぇぇぇぇ!!」

 

 

ズブズブズブズブ

 

 

男「ネガティブタンクが撃たれたらお荷物になる!撃たせるな!というか主砲なら一撃で死ねる!」

 

クロウ「他艦から連絡が来るまで潜水!幸い晴風は爆雷持ってない!」

 

チビ「晴風は安全じゃなかったんですかぁ!!」

 

男「そそそそ、そうに決まってるだるぉぉぉ!!きっと事故だから!一発だけなら誤射かもしれない!あくまで万全を期してだから!落ち着けぇ!!」

 

クロウ「お前が落ち着けぇ!」

 

 

 

杉本「……機銃数発で何を狼狽えてるんだ…アイツら……」

 

 

郵便船の体当たりでヒビが入るのがまるゆクオリティ。

 

下手したら機銃で沈む…流石にそんな訳はない……よな?

 

 

 

 

結局、発砲したのは砲術長一人の暴走であって、理由はまた戦闘になると思って気が動転した、という見解らしい。というのも発砲した本人が自分でもなんでそんなことしたのかわからないといっているからだ。

 

何故伝聞口調かというと実際に人伝えにしか聞いていないから

 

 

男「そのとき潜ってたし…」

 

現在海上安全整備局安全監督室情報調査隊の平賀二等監察監が晴風に対する聞き取りを行っているとの事。海上安全整備局安全監督室情報調査隊って名前長え。

 

 

男「明石と間宮は東舞鶴の教員艦と合流して武蔵への補給を目指すっていってたっけ?」

 

チビ「そうですね、晴風の修理が終わり次第出発するとのことです」

 

男「校長からの指令は?」

 

クロウ「照月の捜索。南の方で目星は付いてるらしい。フィリピンから帰ってくる途中のタンカーが日本の戦闘艦らしき艦を見たと報告がある。途中までは明石と間宮と一緒に動くそうだ」

 

 

 

阿部「一緒に行動するなら提案があるんだが…」

 

男「なんだ?」




ここまで近づいても晴風乗員と関われない。オリ主と本編主要キャラが関わるとろくな事がないんだぜ!

…皆さんアレが何か伝わってるよね……?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【番外編】大激闘!まるゆVS間宮!血で皿を洗う艦隊決戦!前編

祝UA500超え&お気に入り二桁&新作ランキング入り(一瞬)ということで番外編!お祭り騒ぎ!何かにつけて番外編やるつもりだったけど!というわけで感謝祭であります皆さんありがとう!


男「――――と言う訳で藤田艦長、頼みます」

 

藤田「…なるほどね……面白いじゃない。今から準備しないと」

 

男「…ゲヘヘ、首を洗って待ってやがれ…」

 

藤田「フッ…こっちのセリフよ…」

 

怪しい会話をする二人は

 

御舞等高校海洋科所属『三式潜航輸送艇40号』通称『まるゆ』艦長 男

 

横須賀女子海洋学校所属補給艦『間宮』艦長 藤田優衣

 

 

 

杉本「…二人して何を考えてるんだ?」

 

そしてその邪悪な気配を感じてやってきたのは

 

横須賀女子海洋学校所属工作艦『明石』艦長 杉本珊瑚

 

男「いえいえ、何でもないです。ナンパしてただけです」

 

藤田「ええ、そうよ。そして慈悲もなくお断りしたところよ」

 

杉本「…ふーん」

 

心底興味無さそうな返事

 

杉本「まあ何をするにしても晴風の修理と改装が終わったら出発するから遅れないようにね」

 

ナンパではなく何か企んでること自体は見抜かれてるようだ

 

男「はーい」

 

藤田「了解でーす」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

クロウ「はー今日は絶好の釣り日和だなぁ…」チャポン

 

チビ「そうですねー…副長、浮上してるといっつも釣りしてますよね」

 

クロウ「おうよ、俺が頑張れば頑張るほどメシが豪華になるんだ、感謝しろ」

 

チビ「そういえばこの前釣ってた小魚で何か作ってましたけど…アレはなんですか?」

 

クロウ「お?それを聞くか…いいだろう、あとで貴様だけに見せてや……」

 

男『手が空いてる奴いるかー?もしいたらお使い頼みたい!近くのオーシャンモール四国沖まで行って欲しいんだー!』

 

チョウ「ハイハーイ!ボク暇デスヨ!」

 

男『お、サンキュー。じゃあキモオタと二人でこのメモの通りに買ってきてくれ』

 

チョウ「了解デス!」

 

キモオタ「それじゃ行きますぞブフォ」

 

 

 

チビ「…何かまた良からぬこと企んでるんですかね」

 

クロウ「知らん。俺には関係無い」

 

 

男「阿部!特別に真水大量に使っていいから身なりしっかりしとけ!」

 

阿部「恩に着るぞ、艦長。それじゃ、トコトン悦ばせてやるからな…」

 

男「俺も身体洗っとかないと…手伝いするからな…」

 

 

 

チビ「あの艦長が…真水使用許可…?しかも大量…?」

 

クロウ「…こいつは一波乱あるぞ…………」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

藤田「―――――ということよ」

 

間宮1「…なるほど」

 

間宮2「…全力でバックアップさせていただきます!」

 

 

 

藤田「……久々に全力の勝負ね」

 

 

藤田艦長の普段は中々見せない獰猛な笑みに間宮乗員は気分が高揚した

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

晴風の修理が終わり、『間宮』『明石』『まるゆ』が南進し始めて数時間後…『明石』に並走していたはずの『間宮』『まるゆ』から数人が『明石』に乗り込み…それは唐突に始まった

 

 

 

杉本「い、一体いきなりどうしたのさ?」

 

唐突な乗艦に戸惑う杉本艦長

 

男「第一回!チキチキ『間宮』VS『まるゆ』血で皿を洗う決死の寿司対決!!!!」

 

 

ワーワーワー!

 

 

事態に付いていけない『間宮』乗員以外の生徒が歓声を上げる!

 

 

チョウ「エー司会を勤めさせて頂きマス。『まるゆ』通信長、マルチリンガル中国人留学生、チョウと、」

 

加瀬「実は最近『北上』から転属して来ました!冷たい海とアシカが嫌いなお菓子大好き乗組員、加瀬でお送りします!」

 

杉本「まって、理解が追いついてない」

 

チョウ「事の経緯は『まるゆ』カラ。うちの補給長が『ウチの潜水艦だと思いっきり腕が振るえない!たまには出せる力全てを注ぎたい!』と言いマシタ」

 

加瀬「と言う訳で『明石』に修理して貰ったお礼も兼ねて、『まるゆ』全力の料理を振る舞おうという話になりました!」

 

チョウ「でもただやるだけジャ、ウチの艦長は満足しまセン。そんな時、丁度もう一隻料理上手な補給艦がいるじゃナイデスカ!」

 

加瀬「だったら二隻の補給艦で料理の出来を競い合って、どっちが美味いか決めようじゃないかい!そんで審査を明石に頼もうじゃないかい!と、なりました!」

 

チョウ「…でもスイーツだと我々に勝ち目はアリマセン。間宮といえばスイーツですカラ。公平に勝負出来る料理、そして尚且つ海らしい料理!ソレコソが!」

 

 

 

二人『寿司ッ!!!』

 

 

 

杉本「なるほどなるほど、つまり君たちが私達に寿司を振る舞ってくれると、そういう事?」

 

チョウ「イエース!」

 

加瀬「ルールは簡単!『明石』乗員一同に双方の寿司を食べてもらい、どちらが美味しかったか厳正なる投票を行います!」

 

チョウ「手が空いてない忙しい乗員にもちゃんと出前します!」

 

 

加瀬「それでは選手入場!」

 

 

 

チョウ「まずは『まるゆ』側から!ネズミ取りに命を賭ける、うほっ!青いつなぎのいい男!本日はそのトレードマークとも言える青いつなぎを脱ぎ捨テテ、ジャパニーズITAMAEスタイルダァ!御舞等代表、補給長、阿部!!そしてアシスタントの艦長、男です」

 

阿部「トコトン(明石の乗員を)悦ばせてやるからな」

 

男「握れないけど酢飯作りは任せろ!」

 

加瀬「対して『間宮』側だぁ!現れるのはもちろん!インテリな眼鏡がキラリと輝く!スイーツの美味しさは折り紙付きだが寿司の腕前は果たして!我らが艦長!藤田優衣!!!アシスタントは副長が担当します!」

 

藤田「間宮はスイーツだけじゃないって所、見せてあげるわ!」

 

副長「が、頑張ります!」

 

 

ワーワーワー!

 

杉本「ものすごいテンションだ…嬉しいけどさ」

 

 

 

チョウ「ソレデハ!」

 

加瀬「レェ〜〜ッツ!」

 

 

 

全員『クッキング!!』




すっしっくいねぇ♪すっしっくいねぇ♪寿司喰いねぇッ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【番外編】大激闘!まるゆVS間宮!血で皿を洗う艦隊決戦!後編

前回のあらすじ

すしうめぇ

作中の季節は春です


チョウ「両者同時に寿司を握り始メル!」

 

加瀬「食材はオーシャンモール四国沖店で購入しました!」

 

チョウ「おっと…阿部さんは何を握っているのデショウカ…これは軍艦巻きですネェ」

 

加瀬「やはり軍艦乗りとしてそこは譲れなかったのでしょう。おおっと!?藤田艦長が使っているのは…ラップ?ラップを使っています!」

 

チョウ「アレは!手まり寿司ッ!!」

 

 

 

 

 

 

クロウ「…なあ…これはどういう状況だ…?」

 

チビ「……寿司握ってますね」

 

クロウ「いつからここはグルメ漫画になったんだ…」

 

チビ「…さぁ」

 

 

 

 

 

阿部「なるほど手まり寿司か…」ニギニギ

 

男「…簡単に作れて見た目も華やかで、何より可愛い。女子受けするだろうな…インスタ映えもするな」

 

阿部「まあいいだろう…まだまだ序盤だ、それにオーソドックスな寿司も食べたいだろう。差別化するとき奇をてらいすぎると逆に命取りになる」ニギニギ

 

男「まずは基本、大切だな」

 

 

 

男「準備OK!さあらっしゃい!らっしゃい!!」

 

チョウ「先に動いたのは『まるゆ』ダァァ!!」

 

加瀬「基本形にして至高!これこそTHE SUSHI!ネタも王道!軍艦はウニ!イクラ!とびっこ!握りはイカ、マグロ、〆サバ、サーモン、玉子!しかし女子高生に対して〆サバとは…なんとなく渋い気もしますが…」

 

チョウ「春はサバが旬ですカラネ!一番美味しい季節だからこそ選んだのデショウ!そして特筆すべきは玉子!軽視されがちデスガ、玉子を食べれば寿司屋の実力が分かると言われるホド、繊細で難しいネタなのデス!!」

 

加瀬「整備に疲れた腹ペコJKがまるゆ側に殺到!」

 

 

『うまーい!』

『最近お寿司なんて食べてなかったよー』

『味の弾薬庫やー』 

 

杉本「うん…もぐもぐ…サバ…悪くない…もぐもぐ…うん」

 

チョウ「好評デス!まるゆ一歩リードか!?」

 

 

 

 

藤田「準備出来たわ!いらっしゃいませー!」

 

副長「ませー!」

 

加瀬「ここで間宮が動き出したー!遠目から見てもわかるキラキラ感!圧倒的インスタ映え!これは女子の心を掴む!」

 

『おいしー!』

『かわいー!』

『写真とろー!』パシャ!パシャ!

『味の弾薬庫やー!』

 

杉本「…もぐもぐ……うん、美味しい」

 

チョウ「間宮強い!普段工作や修理で手が離しづらいときニモ、手軽に食べやすいという手軽な点も高評価の一因かも知れまセン!」

 

加瀬「これはまるゆ一本とられましたね」

 

 

 

男「不良!出前用意!」

 

不良「はいよォ!」

 

 

 

クロウ「平和だなー…おっ!かかった!今日はよく釣れるなぁ!」

 

 

 

クロウ「……ついにチビも祭りに行ってしまった……釣れなくなったら我も行こう…あっ!またかかったー!」

 

 

 

 

〜間宮機関室〜

 

不良「まるゆ寿司の出前でェす!」

 

機関長「おー来た来た、本当に寿司祭りなんてやってたんだ」

 

不良「ここは高温多湿なンで、お早めにィお食べ下さいィ」

 

不良は寿司の桶を手近な椅子に置く。実はこの寿司桶、不良工作長の発明品。実はこれ小型冷蔵庫だったりする。ハイテクだが利用する状況が今回くらいしかない。

 

ちなみに桶には『暑いと食欲無くなりますよね!程よい酸味の寿司でも食べてお互いお仕事頑張りましょう!byまるゆ機関長 熊野』と付箋でメッセージが書いてある。端っこに描いてある可愛いくまさんのイラストは不良がちょいちょいと描き足したものだ。

 

仲間意識を掻き立て、無骨な男が可愛さアピールする

 

 

 

戦いは味だけでは無い。印象操作だ。

 

 

 

不良「そんじャ失礼しましたァ!」

 

 

 

 

不良「ミッションコンプリートだ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

チビ「こちらお茶でーす、いかがですかー!どうぞー!」

 

男「阿部さん、そろそろネタ追加するか?」

 

阿部「おう、流石オーシャンモールなんでも揃うな。下のクーラーボックスに入ってる」

 

男「校長のクレジットカード様々だぜ」

 

※犯罪です。よい船乗りは真似しないように

 

男「…うほっ!いいヒラメ…これ本物か?」

 

阿部「あったりまえだろう。エンガワの握りにする」

 

男「いいねいいねぇ!んじゃ俺は巻物作るかな」

 

阿部「おう頼んだ」

 

男「こっちも彩りで対抗してみるか!カリフォルニアロール!」

 

 

 

マサイ「伝令!伝令ィ!!」

 

男「どうしたマサイ!」

 

マサイ「2つニュースがあります。まず一つ目、間宮が普通の握り寿司も始めました。中々の完成度です」

 

男「まあうちの阿部さんも負けちゃいないからそれはなんとかなるだろう。もう一つは?」

 

 

 

マサイ「奴らの巻き寿司……半端じゃないです……」

 

 

 

 

藤田「昨日のうちに仕込んどいてよかったわ…」

 

 

『すごーい!』

『綺麗!』

『かわいー!』

『味の弾薬庫やー!』

 

杉本「…可愛い……可愛い!」

 

 

 

チョウ「いつもおっとりしてる杉本艦長が興奮しています!これは…これは!」

 

 

 

加瀬「飾り巻き寿司です!!側面には可愛い絵柄が!猫の絵です!これは明石が飼っている猫をイメージして作られています!他にも多彩な絵柄が!」

 

 

 

男「やられた!完全にやられた!」

 

阿部「うぬぬ…」

 

 

 

 

藤田「お互いにネタの購入は同じオーシャンモール四国沖、そしてまるゆ側の料理人の腕は私に勝るとも劣らない実力者…少し自惚れて大体同じくらいの実力…味の上では大した差は出ない!」

 

 

 

 

男「…そこで見た目の美しさを重視し、さらには明石のマスコットであるあの飼い猫を利用する!なんて鮮やかな手口…明石乗員の心をガッチリ掴みやがった!」

 

 

藤田「この勝負、貰ったわ!」

 

 

男「不味い…このままだと各日に負ける…カリフォルニアロールだけで勝てるような巻き寿司じゃない…」

 

阿部「どうする艦長…事前準備があれば飾り巻き寿司、やれない事はないが…今からは無理だ…」

 

男「……………」

 

 

 

 

 

男「あっ!?」

 

阿部「どうした!?」

 

男「阿部さん!まだ出してないネタはどこにある!?」

 

阿部「あ、ああ。このクーラーボックスに入ってる」

 

男「見せてくれ!」

 

かぱっ

 

 

男「……いける…後はアイツが…」

 

阿部「何か…行けるんだ?」

 

男「すまんちょっとまるゆに戻る!」

 

阿部「おい!待て!」

 

間宮に載せておいた小型スキッパーでまるゆに戻る!

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

クロウ「こりゃ今日の晩飯は豪勢だぞぉ~なんて言ったって今が旬の〜」

 

男「クローウ!」

 

クロウ「どうした艦長!寿司握ってるんじゃなかったのか?」

 

男「今日の成果ちょっとみせてくれ」

 

クロウ「お、おういいぞ!今日は本当に大漁だ!その中でもコイツ!クロダ…」

 

男「でかしたクロウ!!」

 

クロウ「え?」

 

男「ちょっと待ってろ!」

 

そう言うと男はまるゆの中に入り込む

 

 

ガッタンガタガタガチャガチャ

 

そこかしこに軍刀をぶつける音がする…

 

男「サンキュークロウ!今日のMVPはお前だ!」

 

何か大きな物を抱えながら男が再び外に出てきた。それをスキッパーに積む

 

クロウ「え?どういうこ…お前が持ってるそれってそれ俺が作ってる…」

 

男「あとこれも貰っていくぜ!」

 

クロウ「あ、ちょっとそれ!今日の俺の戦利品!あとソレは実家で作ってる奴だから持っていかれると困…おい馬鹿持っていくな!おいぃぃぃーーー!!!」

 

 

 

 

男「阿部ぇぇぇ!!」

 

阿部「やっと帰ってきたか!」

 

男「今からかこれ捌けるな?」

 

阿部「……こいつぁ随分肉付きがいい…」

 

男「クロウの奴が釣ってきた今日一番の大物だ」

 

 

 

 

男「これからまるゆ寿司では!ウチの副長が今さっき釣ってきたお魚をそのままここで捌いて寿司を握ります!!」

 

チョウ「ここでとれたてピチピチ宣言!!」

 

加瀬「本日最ッ高の鮮度です!そして出てきたのは……クロダイです!しかもとびっきり肉付きのいいクロダイです!クロダイの旬は春!ちょうど今です!これは期待出来る!」

 

阿部「それで終わりじゃないぞ…ああ…次はタコだ…」

 

チョウ「ここでタコも投入!!寿司を盛り合わせてイク!」

 

男「ここでクロウの実家で作ってる特製いかなご醤油を少しかける!ちょっと生臭さがあるから苦手なら普通の醤油にして!無理はしないで!」

 

 

 

加瀬「チョウさん、いかなご醤油とは?」

 

チョウ「香川で作られる魚醤と言われる調味料デスネ。イカナゴという小魚を原料としています。小女子(こうなご)とも呼ばれてマスネ旨味成分をとても多く含みマス」

 

 

 

阿部「タコ、いかなご、そしてタイは全て『明石』の名産だ!」

 

加瀬「工作艦『明石』の元となった場所、地名の方の明石ですね!」

 

阿部「まるゆ寿司特製『連合艦隊盛り旗艦明石』!!完成だ!さあ食え!」

 

 

 

『……旨ッ!』

『何このタイの歯ごたえ舌触り!筋が無い…ヤバイ美味しい!』

『旨味が…旨味が…うわぁぁぁぁ!』

『味の弾薬こっ…グハァ!』

『大変誰か倒れた!』

 

杉本「うん…美味い!採れたてだからなのか素材が元々いいのかは分からないけど…歯が身にスッと入って行く…この醤油との相性もいい…!すごいよ!」

 

 

チョウ「副長の犠牲の果てに今日一番の反響ダァ!」

 

 

 

藤田「新鮮さのために魚を釣ってくるだなんて……しかも『明石』のキーワードで一気にみんなを引き込んだ……これじゃ完敗…」

 

男「おーい!藤田艦長ー!」

 

藤田「え?」

 

男「まだまだウチの副長が釣った魚余ってるんだ!そっちでも握ってくれよ!」

 

藤田「い、いいの?」

 

男「おいおい、こっちだけ超新鮮な魚使ってたらフェアじゃないだろ!」

 

藤田「…いいでしょう…まだまだ握るわよ!!」

 

 

 

杉本「ねぇねぇ、さっきから私達だけ食べてて申し訳ないよ」

 

男「いや、でもそういう企画だし」

 

杉本「折角の祭り見たいなモノなんだからさ、皆で食べようよ。『まるゆ』も『間宮』も」

 

男「その言葉に二言はないな?」

 

 

 

 

男「よっしゃ『まるゆ』各員!『間宮』の寿司を食い尽くせ!!」

 

藤田「負けるもんですか!『間宮』各員!まるゆの寿司を食べ尽しなさい!数の上ならこっちのほうが上よ!」

 

 

ワーワーワー!!

 

チョウ「それではボクも実況だけだと満足出来ないので食べにイキマス!お疲れ様デシタ!」

 

加瀬「あっズルい!私も!」

 

そうして勝負でも何でもなく、ただの寿司食べ放題パーティが始まった!勝負の行方は有耶無耶になったがもはや誰も気にしていなかった!

 

 

不良「出前でふ」モグモグ

 

間宮操舵手「君今つまみ食いしたでしょ!?」

 

不良「何の事だかわかりましぇん」モグモグ

 

もちろん仕事中の生徒にも寿司は行き渡る。仲間はずれなんてものはないのだ!

 

 

男「じゃあ、俺もちょっとだけ頂いちゃおうかなぁ」

 

 

 

 

クロウ「おい待てや………」

 

ただ一人を除いて…

 

 

 

男「………」

 

クロウ「……」

 

男「お、おお、お前のお陰でとてもいいパーティになったぜ!ありがとな!」

 

クロウ「ははは…そうかい…そいつはよかった…」

 

ガシィッ!

 

クロウが力強く男の顔面を握りつぶす!

 

男「痛い痛い痛い痛い!!」

 

クロウ「魚盗んでいきやがってこの泥棒がぁぁぁ!!お前は直接…海の幸を堪能して来やがれぇぇぇ!!!!」

 

男「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

哀れ艦長!そのまま片手でぶん投げられ、海に向かって真っ逆さま!

 

ドボーン

 

 

 

 

クロウ「ふぅ…ちゃんと言ってくれればこんなに怒ることもなかったのに…」

 

チビ「あれ副長、こっち来たんですか?」

 

クロウ「おうよ、自分の釣った魚は食べたくなるもんだからな。あのタイ食べたい。どこだ?」

 

こうして各艦はお腹と英気を満たしつつ、次なる作戦に向かうのであった!

 

 

 

 

ちなみに男は救出後、余り物で作った鯛茶漬けを頂いたそうな




なんかいつもより長くなった

書いてたら寿司食べたくなった


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

不良の飛行機械

前回のあらすじ

杉本艦長マジ天使


名残惜しくも『間宮』『明石』と別れたまるゆ御一行、現在潜航しながら行方不明の『照月』を捜索中

 

男「思ったことがある」

 

クロウ「どうした?」

 

クロウは潜望鏡を覗きながら答える

 

男「照月のコンセプトがよく分からない」

 

クロウ「黙れ、そこはこの世界に置ける最大のタブーの一つだ」

 

 

 

チビ「ところで艦長、最近不良工作長の様子がおかしいのですが…」

 

男「あー、照月捜索用に貰った装備を勝手に改造して楽しんでるからな」

 

チビ「装備?」

 

クロウ「ブルマーが使ってる無人機の小型版の試作機。十分な浮力が得られなかった失敗作押し付けられた。なーにが照月捜索用だ。ないよりマシだがそのまま使っても何の役にも立たなかった」

 

チビ「それを改造してる…と。確かにちゃんと無人機を動かせるようになったなら照月捜索にも役立ちますね」

 

男「不良は前から無人機の改造はしたがってたらしいけど…アレは個人で手に入るようなものじゃないからな」

 

不良「艦長ぉ…試運転…していいか?」

 

男「そうだな…そろそろ試運転してみるべきだろう。浮上用意!ベント試せ!」

 

 

 

不良「やっぱりだ…間違いないぃ…計算し直しても…俺の計算は間違ってないんだ…ずっと…ずっと…前から待ってたァ……」

 

チビ「…大丈夫ですか…アレ…完全にイッちゃってますけど…」

 

男「嬉しいんだろうよ…アイツの夢への第一歩だからな」

 

チビ「夢?」

 

男「ヘリウムなどのガスに頼らないエンジンを使った回転翼飛行機械の開発…だそうだ」

 

チビ「それはまたファンタジーな……」

 

男「…」

 

チビ「…真面目に…ですか?」

 

男「大真面目だ。あの人が不良になったのも、御舞等にいるのもそこらへんが理由だからな」

 

チビ「飛べる…んですかね…」

 

男「飛べたら、それはもう革命だろうな」

 

不良「艦長!飛ばしていいか!?」

 

トランペットを眺める少年のようなキラキラした目で返事を待つ

 

男「ああ、いいぞ」

 

ムクムクと奇怪なフォルムの機械が出来上がっていく

 

従来の無人機の胴体部分をかなり小さくし、姿勢制御用の四つの扇風機の様なプロペラを巨大にしたような形だ。まさに奇怪な機械。

 

不良「流石に完全にプロペラの動力で飛ばせるほど上手く調節出来なかったけどぉ…ヘリウムは従来の五分の一以下だぁ!姿勢制御機能は今までプロペラの役割だったけどコレは…」ペラペラ

 

男「あーあー、俺そこらへん分からないから、早く飛ばせ、というか一番早く飛ばしたいのお前だろう」

 

不良「ワイヤー接続良し…燃料系統良し…飛ばすぞ…飛ばすぞ!」

 

 

 

不良「今までのより、早く、軽く、手早く飛ぶための機械…『Light flyer号』、発進!!」

 

ブルルルルルルルルルル

 

まるゆ甲板から機械が少しずつ浮遊し始める!

 

 

 

 

 

ただし独楽の如くグルングルン回りながら

 

 

 

 

 

男「…コレヤバイよな…」

 

不良「飛んでる…でも飛んでるゥ!!間違ってなかったんだ!ヘリウムなんか使わなくても飛べるんだ!」

 

男「飛べるのはわかった!すげえよ!わかったけど回りすぎてワイヤーが悲鳴上げてる!一旦降ろせ!ヤバイヤバイ!!壊したら俺の責任!」

 

不良「ハハハハハハハハハハハハ!!」

 

男「おい!ヤバイってヤバイ!」

 

 

バギィ!!

 

ワイヤーの留め具が壊れる!

 

 

ブルルルーン!!

 

急速に試作無人機…『ライトフライヤー号』は一気に50mほど飛び上がり…

 

ボカァン!!

 

 

 

爆発した

 

チビ「…………飛んだ」

 

不良「飛んだぞ!ちゃんと飛んだ!でも壊れた!でも飛んだ!やったぞ!」

 

男「やべー…始末書増える…でも飛んだな!」

 

不良「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!……ハハハ…ハハ…………………………………………………………」

 

男「…コイツ…立ったまま死んでやがる…!」

 

クロウ「死んでないわ…気絶してるだけだわ」 

 

男「田所ぉ!医務室に運んで!」

 

 

 

 

 

 

チビ「……なんでそんなに冷静なんですか…!?飛びましたよね!明らかにおかしな形の物が!!なんでそんなに冗談言ってられるほど冷静なんですか!?鳥でも気球でもないんですよ!!」

 

男「そりゃ飛ぶと分かってたからだろ」

 

クロウ「んだんだ」

 

チビ「今人類の大躍進が目の前で行われたんですよ!?それを分かってたって!!」

 

男「…あの男が計算上可能って言ったら可能なんだよ…チビもあと一年あの人と一緒にいりゃわかる」

 

チビ「でも…なんでそんな天才がうちに?……こう言ったら悪いですけど…お世辞にもあの才能を生かせる環境とは…」

 

クロウ「色々あったんだよ…ああなるまでにな…」

 

男「まあなんだ、偉くなりすぎると拘束激しくなって好きなこと出来なくなるもんなんだよ」

 

チビ「……よくわからないです…」

 

男「わかんなくていいさ」

 

クロウ「どうせ今飛んだって言っても誰も信じないしな。証拠品爆発したし」

 

チビ「……」

 

 

 

チョウ「艦長!大変です!武蔵が…武蔵が!!」

 

チョウが息を切らせながら甲板に上がってくる!

 

男「落ち着けチョウ!どうした!」

 

 

 

チョウ「武蔵が…東舞校の教員艦と交戦…最新鋭のあきづき型16隻が……航行不能………」

 

 

 

それを聞いた全員が押し黙る

 

男「……もう…これは…マズイだろ…」

 

クロウ「…おかしい…猿島も…晴風がと戦ったらしいドイツ艦も…もしかしたら伊201も……」

 

男「…何が起きてる…ストレス云々なんかじゃ絶対無いだろ…こんなの…」

 

チビ「もしかして…今探してる照月も……」

 

クロウ「……正直…その可能性は…」

 

 

その答え合わせのように、現れた

 

 

マサイ『右舷に艦影ッ!!識別番号…Y512…照月です!!』

 

男「噂をすれば…か…さっきの爆発に引き寄せられたか?………これは“どっち”だ………?」

 

 

 

 

マサイ「照月発砲ッ!!」

 

クロウ「“そっち”……だな」

 

男「緊急潜航ッ!!!メインタンク、ネガティブタンクブローー!!!!」




決して「Wright Flyer」では無い

空を飛びたいなんて言ったら夢物語と言われるこの世界で、それでも空を飛ぼうとした少年がいた……なんて番外編書いてたら本編がいつまでたっても終わらないのでサラッと触れるだけ。その内書くかもしれませぬ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

照月遭遇、臭い王子様

前回のあらすじ

照月が撃ってきた


男「総員衝撃に備えろ!!」

 

ばしゃぁぁん!

 

マサイ『右舷に着弾!!』

 

男「夾叉じゃないな?ならまだいいか…潜航急げ!チビは照月の対潜武装を確認!」

 

ネクラ「…0地点まで到達……」

 

男「深度110まで潜るぞ!」

 

クロウ「それ伊号潜の安全潜航深度超えてるだろ!?大丈夫なのか!?」

 

男「まるゆの設計舐めんな!下手な伊号より潜れらぁ!!」

 

 

 

チビ「出ました!照月及び涼月は対潜演習は期間後半に行い、洋上補給する予定だったので、爆雷は最低限しか積んでないはずです!」

 

男「でかした!最低限なら避けられる可能性は……」

 

チビ「問題はあっちのソナー、かなり性能いいです」

 

男「……キツイな…………」

 

クロウ「この船、爆雷に耐えられるのか?」

 

男「…訓練用に爆薬は減らしてるだろうが…まるゆのことだ…下手したら死ねるな」

 

クロウ「……狼狽えていいか?」

 

男「…奇遇だな、俺も20秒ほど狼狽える」

 

………………………

 

クロウ「どぉぉぉぉぉするこれぇぇぇぇぇぇ!!」

 

男「馬鹿叫ぶなぁ!!聴音機で聞かれるぅぅぅぅ!!!」

 

頭を抱えて教科書に載るレベルの狼狽えっぷりを見せる

 

 

 

ネクラ「…意見具申がある」

 

男「まるゆ様…どうか我らをお守りたまえぇぇぇ!………え?」

 

ネクラ「……200mまで潜るぞ」

 

男「…あの…この船の設計深度150なんだが…」

 

ネクラ「×1.5倍までなら耐えられる」

 

男「…マジで……」

 

ネクラ「……爆雷さけられたら…ソナーで照月の位置探りつつ一気に浮上、スキッパーで乗り込む」

 

男「…マジですの……?」

 

ネクラ「……マジだ」

 

 

 

 

モブ「…………………」

 

 

モブ「…………………」

 

 

…………………………

 

 

……………………ポーン……ポーン…

 

 

モブ「………捉えられました…爆雷来ますよ……」

 

男「…やるしか無いな。……ベント開け!」

 

ズブズブズブズブ

 

水を取り込み始め、潜り始める…

 

モブ「………」

 

 

……………………………チャポン……チャポン…チャポン

 

 

モブ「爆雷3つ来ました!!」

 

男「爆発音を聞いたら緊急浮上!」

 

 

男「相手が『まるゆ』を知らなければコイツが垂直に潜ることも伊号より潜れることも知らないはず!」

 

……………

 

……………

 

男「あとはまるゆ様に祈れ」

 

まるゆ神社に手を合わせて祈る面々…

 

 

地獄の様な数分間が続く……………

 

 

 

 

 

 

ドガンッ!!

 

ドドガガン!!

 

 

 

 

男「…よしっ!!外れたッ!!緊急浮上!!メインタンク、ネガティブタンク、ブロー!残りの爆雷が無いことを祈れ!」

 

ネクラ「…艦長……浮上して直接接舷するぞ…この位置なら出来る…」

 

男「よしっ!これより『照月制圧作戦』に入る!」

 

 

 

男「チョウを筆頭に田所、熊野、阿部、チビ、モブの六人で乗り移り、キモオタは船舶砲で威嚇射撃、マサイは戦闘用意して待機、クロウ、喧嘩の心得は?」

 

クロウ「生憎力を封印されてる」

 

男「…………」

 

 

 

ネクラ「浮上するぞ!」

 

 

 

 

ザッパーン!

 

 

 

男「浮上!突撃部隊!GO!!」

 

 

 

ガパッ!

 

ハッチを開け、『照月』に向かい不良製の鉤爪ロープを投げる!

 

 

 

チョウ「チョウ以下突撃部隊、行きマス!」

 

 

器用にロープを登る!

 

 

 

    装備

 

チョウ 素手(謎の中国拳法)

田所  素手(迫真空手)

阿部  素手(くそみそなテクニック)

きぐるみ 素手(モフモフグローブ)

チビ  荒縄(瞬間卑猥束縛術)

モブ  素手(素人拳法)

 

 

 

照月乗員「……あ…あぁ…」

 

チョウ「こちらチョウ…甲板に七人の女子生徒…異常デスネ…この前の伊201と同じように襲って来そうデス…どうしまスカ?」

 

男『襲ってきたら出来る限り怪我を負わせず無力化、出来るか?』

 

チョウ「やってミマス」

 

 

 

照月乗員「ガァッー!!」

 

掃除用具の箒で殴りかかってくる生徒を

 

チョウ「…せいっ!」

 

蹴り一発で箒を弾き飛ばし…

 

チョウ「スイマセン…すぐ戻すノデ……」

 

 

 

ごりっ

 

 

 

低い音が鳴る

 

照月乗員「がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

肩関節を外す

 

チョウ「拘束したら治すノデ…スイマセン…」

 

 

ゴリッ!ゴリリッ!!

 

 

 

 

チビ「こちらチビ、血も出てなければ外傷もないのに…絵面がエグいです…」

 

男『それを容赦なくエロティックに亀甲縛りするお前はお前でいかがなものかと』

 

チビ「見てもいないのに何故バレた!?いや田所船医が治してくれてますから!それから縛ってますから!」

 

 

 

 

田所『あのさぁ…』

 

男「どうした?」

 

田所『乗員の顔色がすっげぇ白くなってる…はっきりわかんだね……』

 

男「どういうことだ…?」

 

阿部『…!コイツ…腹がパンパンだぜ…それに腕が……』

 

男「まさか……!」

 

 

 

阿部『間違いない…栄養失調だ…』

 

 

 

男「…馬鹿な!まだ実習始まって一週間ちょいだぞ!?」

 

阿部『一週間飲まず食わずなら?船に乗ってるって状況は知らず知らずの内に体力使うものだ…そうとうカロリー使う…ちなみに腹が膨れ始めるのは栄養失調の典型的な症状』

 

田所『(間違い)ないです』

 

男「………阿部と田所は艦内を制圧してシャワー貸してもらえ。体を清潔にしろ。緊急事態だ文句は言わせない!終わったら田所は患者を診ろ。まるゆにも点滴はあったはずだしそっちの医務室も探してみろ!阿部は食料庫の確認後、厨房で食いやすくて早く作れるメシを!」

 

二人『了解!』

 

男「チョウは艦橋を第一目標として制圧!熊野はまるゆから一番近いところの砲から制圧!」

 

 

 

男「クロウ…悪いけどこの場、任せていいか?」

 

クロウ「貴様何のつもりだ…艦長は全体の責任を…」

 

男「…今は圧倒的に人手が足りないし命も掛かってる…増援が必要だ。しかし船の中は暴徒が暴れてる…お前、腕っ節に自信あるか?今現場で指揮取れるのは俺とお前しかいない。俺は軍刀もあるし、運動神経的にも自分の身くらいは守れる。クロウお前はどうだスポーツテスト万年Eランク」

 

クロウ「………」

 

男「時間がない…沈黙は肯定と受け取るぞ」

 

クロウ「……どうせここで照月無力化しないと俺達はお終いだ…いってこい…我に責任取らせるなよ?」

 

男「…それでこそ俺の親友だ」

 

クロウ「あと今年のスポーツテストはランクDに上がった。訂正しろ」

 

 

 

男「恐らく、何らかの理由で食料庫が使えなくなってる…俺は確認に向かう!」

 

チビ『艦長の携帯端末に照月の艦内図を送りました!確認しながら進ん………喰らえ菱縄縛りッ!!』

 

男「お前今日輝いてるな…」

 

 

 

男「よかった…甲板で大暴れしてるお陰で内部は人が少ない…」

 

 

 

男「あった…食堂……」ガチャ

 

 

男「チッ…開かないか…体当たりで…開くか…なッ!!」

 

ドンッと力強い体当たりを行う!

 

男「まだまだぁ!!」ドンッドンッ!

 

 

そのとき…

 

 

(もうやだ……なんで…やめてよ…!)

 

小さいが…確かに声が聞こえた…

 

男「中から女の子の声……!?まさか!」

 

 

 

男「こちらは御舞等高校海洋科所属潜水直接教育艦『まるゆ』艦長男だ!怪しい者じゃない!外から君たちを救助しに来た!開けてくれッ!!!」

 

 

間違いない、中に正常な生徒が立て籠もっている!

 

(ほ、本当に…?)

 

男「本当だ!!」

 

明確に救助しにきたわけじゃないが結果的にそうなので嘘にはならないだろう

 

(よかった…よかったよ……い、今開けます!)

 

数人の少女の安堵した泣き声とともに重いものが取り除かれる音がする

 

 

 

チョウ『艦橋制圧完了!全員2、3箇所関節外れてるので早く縛りに来てください。そうしたら戻します!』

 

男「了解した、食堂に正常な生徒数名発見、保護する

 

 

ガチャ!

 

扉が開く

 

 

照月主計「た、助かりました…本当にありがとうございました……!!」

 

男「それ以上寄らない方がいい…俺潜水艦乗りだから…臭いぞ」

 

主計「わ、わたし達も一週間ほどお風呂入れてないので……あっ///」

 

 

よくお姫様を救う王子様のおとぎ話があるが、お姫様も王子様もどちらも臭い話は聞いたことがないし、これから聞くこともないだろう

 

 

 

主計科3人の乗組員を救出




ところで一週間食堂に立て籠もってた彼女たちはトイレどうしてたんですかねぇ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

反乱の実態

前回のあらすじ

くさそう


男「クロウ、正常者をどこに誘導すればいい?」

 

クロウ『まるゆ艦内に誘導するよりはまだ照月にいてもらったほうがいいな…阿部がそっちの厨房に行くからそれまで待機…何があったか聞き取りをしてくれ』

 

男「了解だ、艦長殿?」

 

クロウ『せいぜい艦長気分を味わせて貰うぞ、えーと、今は艦長じゃないから…プー太郎殿?』

 

男「ひでぇ」

 

 

 

男「取り敢えず、全員健康状態に問題は無いね?」

 

主計「は、はい!全員健康です!」

 

男「名前教えてもらってもいいか?」

 

主計→ときわ「折田ときわ…です」

 

男「他の二人は……なるほどモブさんとモブさんね…」

 

モブ主計「扱いが…」

 

男「三人はどういう集まりなんだっけ?」

 

ときわ「主計科です」

 

男「……それじゃ、本題。この船で何が起こった…?」

 

 

ときわ「わからないんです……突然みんなが暴れ始めて…」

 

男「突然?」

 

ときわ「……何も前触れはありませんでした…友達と普通に廊下を歩いていたら…突然掴みかかられて…何とか逃げ延びたら…今度は集団で………」

 

男「…で、何とか逃げて立て籠もったのが、ここ…か……」

 

ときわ「なんとか扉抑え込んで、バリケード作って……耐えていたんですけど…そうしたら今度は戦闘する音が聞こえて…」

 

男「…」

 

ときわ「何がどうなってるんですか!?他のみんなは…?」

 

男「…俺達と戦闘後、艦橋にいた生徒は全員拘束、その他も順次拘束中………ただ栄養失調」

 

ときわ「わ、私達が…こんなところに立て籠もってたから…ですよね……主計科……なのに……」

 

涙を流し始めるときわ

 

男「そう自分を責めるな…今回は仕方ないよ。むしろよく無事だった」

 

 

 

阿部「悪い、少し遅れた」

 

男「身体は清潔か?」

 

阿部「嗅ぐか?」

 

男「いや結構」

 

阿部「ならいい、これからメシ作るぞ、お前達はこの船の主計科だな?すまんが泣いてる場合ではない。食材の場所を教えてくれ」

 

ときわ「グスッ…は、はい!」

 

チョウ『艦長…甲板来れますか?』

 

男「ん、わかった、今行く。阿部さん、ここは任せる」

 

阿部「おう、任された」

 

 

 

男「……チョウ…」

 

チョウ「…ある程度予想してましたが………」

 

男「なんていうか…活発なゾンビだな」

 

そこには、縄に縛られながらそれに齧り付き、涎を垂らしながら吼える。力ずくで逃れようとしているのか身体に喰い込む縄が痛々しい

 

痛々しくて見てられないほどだ。はっきり言って、人間とは思えない

 

男「話は…通じるのか…?」

 

チョウ「こちらの言葉に答えはしますが…会話にはなりません…田所さんが何とか点滴で栄養を補給しようとしてますが…暴れるので難しいです…」

 

チビ「おかしいですよ……何なんですか…何なんですかこれは!!」

 

男「…この光景を下の子達には見せるな。……ブルーマーメイドの到着を待とう…それまでにできる事を…」

 

チビ「出来る事って何ですか!何が出来るって言うんですか……!艦長ッ!!」

 

男「……なあ…コイツらと伊201の奴ら。同じ症状だと思うか?」

 

チビ「え?」

 

チョウ「襲い掛かってきたときと比較するト…同じようにシカ思えまセン」

 

男「伊201と照月の違いってなんだ…?なんで伊201は大人しくなって照月はこうなった?」

 

チョウ「叩きのめシタ…からでスカ?」

 

男「……こういう…ことか…?」

 

男が照月の艦内に向かって駆け出す

 

チビ「…どこに行くんですか…?」

 

何かを持ってすぐに戻ってきた

 

チビ「バケツとロープ?」

 

男「…」

 

バケツにロープを結び、海水を汲み出した

 

男「これで…どうだ…?」

 

バシャッ!

 

海水を思いっきり暴れている乗組員にぶっかける!

 

 

 

チビ「え……」

 

男「……田所呼んでこい。今なら点滴出来るかも。阿部の飯は無駄になるかも知れないが…」

 

 

 

チビ「…気絶…してる…?」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

男「食ってるか…?」

 

阿部「一応…点滴は拒んだが栄養補給自体は拒まない。食ってるな」

 

男「…食い終わったら海水被せて休ませてやってくれ」

 

阿部「わかっ……」

 

チュー……チュー……

 

阿部「……ね……ネズミが……」

 

男「今は控えr」

 

阿部「ねぇずみはどこだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

男「……」

 

チュゥ〜〜

 

男「うわ…ネズミ多いな…というかよく食料庫大丈夫だったな…」

 

チビ「うわっ!やめろ!ネズミが服に!」

 

男「チビ…大丈夫か…?」

 

 

 

 

チビ「う……ううう………がぁぁあぁ!!!」

 

チビが突然奇声を上げ、男に殴りかかる!

 

男「な…何ぃ!?」

 

ギリギリで躱す!

 

男「な、なんだいきなり!」

 

チビ「ふっー!ふっー!」 

 

男「チビも…凶暴化した…?………あのネズミのせいか!?」

 

チビ「うがぁぁぁぁぁ!!」

 

再び殴りかかるチビ

 

男「どりゃぁぁぁぁ!!!」

 

仲間を容赦なく蹴り飛ばす艦長!それでいいのか!

 

チビ「げふぅ…」

 

男「頭冷やしてこいこんにゃろぉぉぉー!!!」

 

海に向かって思いっきり投げ飛ばす!

 

 

 

男「全員ネズミに触れるなぁぁ!!!ネズミに触れると感染する!ウイルスか何かだぞ!!」

 

クロウ「ブルーマーメイドに連絡しておく!何か効くかはわからんがなんでもいいから殺菌できる物を集めろ!」

 

男「チビの救出誰かやってくれ!あとルール決めとく!俺らの中から感染した奴が出たら容赦なくブチのめして海に投げ込め!艦長命令だ!」

 

 




RATtの治療法が確立出来ないまま救助しようとするとどうなるか考えた結果地獄絵図となった。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

騙されるな!ソイツ何もかも分かってやってやがる!

祝UA1000突破!

前回のあらすじ


はいふりSSやっててちゃんと登場した女の子が3人しかいない。




モブ「うわぁ!ネズミがこっちに!やめろぉ!…………ウガー!」

 

男「凶暴化確認!おんどりゃぁぁぁぁ!!」

 

熱き拳によってモブをネズミごと海に叩き込む!

 

阿部「艦長!ネズミ6匹始末した!」

 

男「お前手の中グロい事になってるやめろ見せるな!というかガッツリ接触してるのになぜ阿部さん凶暴化しないんだ!?」

 

阿部「いい男だからだ!」

 

男「んな馬鹿な!?」

 

 

 

チュゥ!

 

阿部「いたぞ!あそこだ!」

 

阿部が一歩踏み出したそのとき

 

 

 

ダンッ!!

 

 

ネズミの姿が掻き消えた

 

 

 

 

キモオタ『デュフww機銃で処理しときましたぞww』

 

男「お前まるゆから機銃で狙撃したの!?ネズミを!?」

 

キモオタ「その通りでありますww」

 

男「流石!見事な腕前だ!」

 

 

 

そのとき艦内への扉が開いた

 

ときわ「な、なんの騒ぎですか!?」

 

男「しまった!ときわ!来るな!!」

 

ときわ「え!?うわぁ!ネズミ!」

 

ネズミの軌道上に折田ときわが入った瞬間、男の脳内には一つの完璧なプランが生まれた。

 

ここぞとばかりにときわを抱きしめて持ち上げると暴れるのも気にせずそのまま海に向かってフライアウェイ!!身体の感触と匂いを楽しみつつ緊急事態の名のもとにセクシャルハラスメント!もちろん、いや、たまたま手が胸に!あくまでもたまたまだ!自分が触れているものを確認するために2、3回揉む!あくまで確認のためだ!

 

そして二人一緒に綺麗に海にダイブ!濡れたセーラー服が張り付きエロティックに!ブラの色が透けるマーベラスぅ!!

 

 

男「完璧なプランだ行くぜ!」

 

 

そう、完璧なプランだった

 

 

 

ネズミが一匹だったら

 

 

 

男「うわっ!もう一匹ネズミぃ!やめ、うわぁぁぁぁ!!」

 

 

 

二人『うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

 

チョウ「ああもう面倒くさいッ!!」

 

 

ときわはある程度丁寧に海に放り込まれ、男は顔面を一秒に十二発殴られ関節を五箇所外された挙句に鳩尾に後ろ回し蹴りを食らって海に向かって吹き飛ばされた

 

二人仲良く海に飛び込むことは出来た。だが思う。

 

 

男「もうライフは0よッ!!」

 

薄れ行く意識の中、彼が放った言葉は心の底から出た真実の言葉に違いない

 

 

数時間後、ブルーマーメイドの『みくら』が到着した。

 

ブルマー「それではここからはブルーマーメイドの方で『照月』を保護させていただきます」

 

男「………はい…どうも…」

 

ブルマー「あの…お怪我は大丈夫ですか?」

 

男「はい………大丈夫ッス…関節もはめ直しましたし……あんなに殴られて痛かったのに怪我一つ無いし……」

 

チョウ「絶妙な力加減です」キリッ

 

ブルマー「……」

 

男「今回我々が身体を張って検証した結果、ネズミのような生物によって人間の正気が失われていること、それと海水が有効であると思われることがわかりました。…身体を張って」

 

チョウ「アト、ネズミと接触してすぐなら海水を被るだけで正気に戻りますガ…接触してからの時間が長いと海水を被せても気絶だけで、目を覚ましたらまた暴れ始めマス。注意してクダサイ」

 

ブルマー「感謝します。えーと…すぐに対策を始めますが……その…研究材料としてのネズミが…」

 

男「すいません……あのネズミ…うちの補給長が根絶やしにしました……毛の一本すら残ってません…」

 

ブルマー「馬鹿」

 

男「すんません…」

 

ブルマー「一応…照月艦内を捜索中ですが…」

 

男「あ、多分食料庫には近づかないほうがい…」

 

 

『ギニャァァァァァァァ!!』ビリビリビリビリ!

 

艦内から成人女性の叫び声が聞こえた

 

男「多分ネズミ避けにとんでもない対策してると思うんで」

 

チョウ「アッ、だから食料庫にはネズミが湧いて無かったんデスネ!」

 

ブルマー「遅いです!呑気に話してる場合じゃなさそう!?ちょっと見てきます!」

 

 

 

男「さて、行ったな…火事場泥棒の首尾はどうだ」

 

キモオタ「はい、流石に船舶砲の弾はありませんでしたが、機銃弾なら豊富に。食料類はまるゆに十分ありますので手は付けず。不良工作長の飛行機械修復のために幾つか工具や部品はかなりの稼ぎです」

 

男「よくやった、下がってよし」

 

キモオタ「はっ」シュバ!

 

チビ「…いいんですか…?これただの窃盗…」

 

男「…報酬だよ…報酬。命張ったんだもん…このくらい許される」

 

ブルマー『ぎにゃぁぁぁぁぁぁ!!』

 

先程の隊員の叫び声が聞こえた

 

男「だから気をつけろって言ったのに…」

 

阿部「この船の折田という娘…とぼけた顔してるが中々のやり手だぞ…ネズミ退治にあれだけのトラップを仕掛けるとは」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

ブルマー「それでは、我々は照月乗員を保護し、帰投します」

 

プスプスと服から僅かな黒煙を出しながら真面目に敬礼する隊員。

 

男「我々は引き続き行方不明艦の捜索を」

 

こちらも大真面目に敬礼で返す。内心大爆笑しながら

 

ブルマー「それでは…」

 

 

 

ときわ「男さーん!」

 

クロウ「お、お呼び出しだぞ?王子様?」

 

男「そりゃお姫様からのお呼び出しとあらば馳せ参じぬ訳にはいかないな」

 

 

 

ときわ「これ、皆さんで食べて下さい!」

 

それは大きなトレーに乗ったおにぎりだった

 

男「本当?ありがと!俺達今日ロクに食べてないからありがたい!」

 

ときわ「あと……これも…///」

 

なにやらモジモジしてる。萌える

 

連絡先が書かれたメモ帳だった

 

男「………ありがとう。陸に戻ったら連絡する」キリッ

 

 

 

 

男(よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!うっひょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!ヒャッハァァァァァァァァァァァ!!)

 

 

 

内心飛び上がっております

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

男「抜錨!前進微速!!」

 

未だ『みくら』甲板でときわが手を振っている

 

 

男「あーよかったよかった!」

 

クロウ「なあ男よ」

 

男「ん?どーした?」

 

クロウ「殴っていいか?」

 

男「いきなりなんだよ!」

 

クロウ「この展開狙ったよな!?お前!」

 

男「な、なんのコトカナー?」

 

クロウ「お前実は食料庫に誰かが立て籠もってるのわかってて艦内突撃しなかったか?それでヒーローになって女の子オトすつもりだったりしなかったか?そういう疚しい心が一辺も無かったと言えるか?」

 

男「………これも戦略だよね」

 

クロウ「OK!嫉妬心で殴る!」

 

男「かかってこいやぁ!これは俺の普段の努力による正当な報酬だぁ!!!」

 

クロウ「その役目は俺だったかもしれないだろうがぁ!!」

 

チビ「…醜い争いはまるゆ様が見てますよ〜」

 

 

 

照月救出、完了

 




折田ときわちゃんのモデルは照月艦長折田常雄中佐です


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。