女神転生・影【デスゲームサマナー】 (どくいも)
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プロローグ

ちょっくら実験作


【女神転生・影】

 

 

これは、アトラスから販売されているソフトである【女神転生シリーズ】。

それが好きで好きで仕方ないやつが作った、同人ゲームである。

ゲーム形式はオープンワールド型ローグライクともいうべきか、舞台は200X年の東京。

悪魔が復活した魔都東京を崩壊するその日まで、探索及び世界の崩壊を食い止めようというものである。

 

だがこのゲーム、公式で作られたものでないため、かなり内容は雑多でプレイできたβ版はゲームとしてのバランスは崩壊気味。

序盤からすぐ近くにラスダンもどきがあったり、シナリオだってはちゃめちゃ崩壊気味。

多くのテストプレイヤーが誰一人東京におちるICBMの襲来を阻止できず失敗。

このゲームにクリアなどあるのかと、多数の不満が寄せられていた。

 

が、それ以上にこのゲームは素晴らしいところがある。

それは、このゲームには女神転生シリーズの外伝を含んだありとあらゆる要素が入っているということだ。

基本的な悪魔召喚プログラムにCOMPに悪魔会話。

さらにはCOMPだけではなくGUMPやデモニカに封魔管。

プレイヤーキャラだって、サマナーだけではなく異能者や悪魔、さらにはペルソナ使いだってできる自由度。

NPCもメシアガイアはもちろん、トールマンに南条にジプスまで。

おおよそ、その手のファンへの大サービスとして非常によくできていた。

 

 

……もっともそのせいで、キャラ格差やそれによる難易度の差があれ過ぎて、普通の一般市場としては販売できそうにない。

同人ゲーだから、さもあらんといった内容であった。

まぁ、それでもゲーム自体はよくできており、実際にβ版を簡単にだけプレイした自分も思わずこれは舌を巻いて驚いたものだ。

そして、先日ついにこの【女神転生・影】の正式版がリリースしたとのこと。

ここ一年近く更新が停止していたため、ついにアトラス法務部にボコられたかとみんなひやひやしていたのだが、無料配布ゆえ無事だったのだろう。

そんなこんなで自分はその『大アップデート正式版』とやらをプレイし始めたのであった。

 

 

 

≪新しくキャラを製作しますか?≫

 

「あっ、やっぱりベータ版からのキャラ引継ぎは無理か。

 ……まーそうだよなぁ、その辺は切り替えていくか」

 

 

そう呟きながら、すでに使えなくなった古いファイルを消去し、新しいキャラクター制作画面へと移行する。

 

 

「やっぱり、メガテンならサマナーだよなサマナー!

 ……って、ん?サマナーにもいろんなタイプがあるのか。

 前回は一律<サマナー>だったのに……というか、色々あるな。

 やっべ、めんどくせぇ」

 

 

β版よりも色々ふえた、キャラ制作画面に四苦八苦しながら、ふと、画面の下の方にかわったアイコンを見つける。

 

 

「【キャラクター製作オート診断モード】?

……なになに、【質問に答えることで、その質問に応じて適切なキャラクターを製作します】っと。

【オート診断で製作されたキャラクターは序盤に少しボーナスがある場合があります】……ほう!

これはいわゆる、SJに出てきたあのシステムか。

……うん、いいじゃん、こういう遊び心好きだよ。」

 

 

そう決意したところで、さっそくオート診断で無数の質問に答えていく。

内容は普通の【緊急時に一番頼れるもの何か?】とか【恋人と親、どちらを救うか】などのありきたりなものから

【一番好きな悪魔は?】や【悪魔を殺して平気なの?】など多岐にわたった。

そうして、20を超える質問を答えて、ようやく自分の初期キャラクターが製作された。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【氏名】中島 凪

【クラス】ナチュラルサマナー

【成長タイプ】忍者

【ステータス】 Lv5

力7 体5 魔4 速8 運4

【スキル】

獣の反応(自分の命中・回避率が上昇、効果小)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「……これは、オート製作にしては悪くない……のか?

 歴代メガテン的には、速が高いのは外れはないはずだけど……

 というか、ナチュラルってなんやねん、普通のサマナーと何が違うんだ。」

 

 

成長タイプが忍者というのは一瞬戸惑ったが、どうやらこれはTRPGでの【クラス】に由来するそうな。

あまり女神転生のTRPGの方について詳しくはないが、このゲームではそういうものなのであろう。

だが、実際もし仮にこの成長タイプが間違いだったとか、実は魔が高くないとゲームにならないとかもあり得るかもしれない。

が、しょせんこれはまだゲーム序盤も序盤。

誰だって最初は手探りだという開き直りで【これでよろしいですか?】という質問に、迷わず【OK】を押す。

 

 

「なぁに、もし仮にこのキャラが弱かったら作り直せばいい。」

 

 

そんな風につぶやきながら、その後もいくつかの簡単な設定を整えて、【キャラクター最終決定】に【YES】と力強くおす。

 

すると流れ始める簡素ながらも迫真のプロローグ。

無数の解説に、冷徹ながらも恐ろしさを感じる文章、あふれ出る東京の魔都っぷり。

そして……

 

 

「おお、謎の魔法陣とプログラムっぽい何か。

初代リスペクトかな?」

 

 

画面に映される魔法陣に無数のプログラム言語。

何一つ理解できないそれを眺めつつ、そして、突然画面全体に移った。

 

 

 

【すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせすぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ 】

 

 

「あ、あれ?なんだか……意識が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・・

 

 

 

そうして、目が覚めるとそこは見知らぬ部屋の一室。

外から見える知らない光景。

なれない体、机の上にあるパソコンと携帯にさっそうと移る【DDS-NET(S)】の文字がやけに自己主張つよくその画面に移っていた。

 

 

「……せめて、自キャラの性別自体はちゃんと♂にしておくべきだったなぁ」

 

 

こうして、元彼現在彼女の「中島 凪」は取り返しのつかない後悔をしながら、静かに現実からログアウトし、悪魔闊歩する魔都【東京】へと閉じ込められてしまったのであったとさ☆

 



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【緊急事態】目が覚めたらゲームの中にいた件について

古今東西、困ったことがあったらまず一番初めにやるべきことは情報収集である。
それは、ゲームを起動したらいつの間にか自分がゲームの中のキャラになっていたという、もう古来より使い古されて味のないガムみたいな状況に陥った自分でも変わらない。
それに、丁度目が覚めたら目の前にはまさに「調べてください」と言わんばかりのパソコンと携帯があり、まさに【DDS-NET(S)】という謎のサイトにつながっているのだ。

ゆえに自分は慎重にその携帯とパソコンをいじりはじめ、その謎のサイト【DDS-NET(S)】及び、それが映し出されているパソコンおよび謎の携帯を調べ始めたのであった


 

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【緊急事態】目が覚めたらゲームの中にいた件について

 

1:名無しのサマナー

聞いてくれ、俺はついさっき【女神転生・影】って同人ゲーを起動したら

いつの間にか、そのキャラになって全然知らないこの場所にいるんだが、

これって何かの間違い?夢とか?

 

2:名無しのバスター

俺もだ、同じ状況

そして、たぶん夢じゃない

 

3:名無しのサマナー

ワイも

美人でボインなチャンネーになってるwwwwww

元童貞なのにwwwwwwww

 

4:名無しの悪魔

ふざけんな、こっちは悪魔だぞ

フロストだぞ。

ヒーホー!驚きダホー!          じゃねーよ!!ばかか!死ね!!

 

5:名無しのサマナー

わーい、大変そうだホー!

……こんなことなら、おしゃれ隻腕+義眼キャラにするんじゃなかった……

 

 

 

(しばらく、愚痴やらなんやらが続きます)

 

 

 

635:名無しのサマナー

愚痴っててもしゃーないし、少しくらい前向きに進もうぜ

逆転の発想だ、どうせ向こうでも負け組だったんだ

こっちの世界で一旗揚げればいいと

 

636:名無しの悪魔

ふざけんな、こちとら元普通の勝ち組サラリ=マンじゃ

何がかなしゅーて、不定形の化け物をやらなきゃなんねぇんだ

 

637:名無しのバスター

>>636 同人ゲーに手を出してる時点で、勝ち組サラリ=マン(笑)だろうな

 

638:名無しの悪魔

ぶっ殺されてぇのか

 

639:名無しのサマナー

ならさらに逆転の発想だ

どうせなら、このゲームをクリアしちまおうと

ゲームクリアしたら、元に世界に戻れる、王道だろ?そういうの

 

640:名無しのバスター

そんな保証どこにあるんだwww

クリアしたら戻れるとかどこに書いてるんだwwww

そもクリア条件は?トールマン暗殺?それとも閣下討伐?

4文字討伐ならさすがにあれ過ぎんぞ

 

641:名無しのサマナー

まぁ、それを言い始めたらそもそも俺たちのゲームに閉じ込められた状況がベタすぎるし

そこは楽観的に行こうや

 

642:名無しのサマナー

どうでもいいけど、初見のあの召喚罠

マジで何とかしろ

敵兼初仲魔がピクシーでディアなかったら今頃病院でおねんねしてたところやぞ

……そういえば、保険書とかどうなってるんだろ

 

643:名無しのバスター

悪魔遭遇早すぎやない?

というか、何?もしかして部屋出たらイベントとかそういうのあるん?

 

644:名無しの悪魔

>>643 それは部屋すらない路上スタートの俺に対する嫌味か?

オレサマ オマエ マルカジリ してやろうか?

 

645:名無しの悪魔

僕の頭をお食べ

 

646:名無しのサマナー

「>>645のHPに大ダメージ!」

 

647:名無しのバスター

「ウォン!オマエノノウミソチイサスギル!モットマトモ二ベンキョウシロ!」

 

648:名無しの悪魔

>>645~>>647 お前ら結構余裕あるな

 

649:名無しのバスター

それより、悪魔だよ悪魔

マジで扉を出たらすぐ戦闘とかそういう流れなん?

俺は嫌だぞ、もとヒッキーにガチ戦闘とか。

しかも、運極にしちまったから、たぶん戦闘とかミンチになる未来しか予想できない

 

650:名無しのサマナー

とりあえず、ほかのスレ見た感じの簡単な情報をまとめてきたよ~

▽確定情報

・プレイヤーには大まかに3タイプ【サマナー】【バスター】【悪魔】に分かれている

・基本この板にいるやつらはあのゲームを起動したことによりこっちの世界に転移もしくは憑依的なものをした。

・傷薬や普通のお金は部屋や周辺もしくは端末内の【バック】のどれかにある。

・着替えや身分証明書の類は初めのキャラ設定通りにある。

・なお、それぞれのタイプによってはじめはある程度決まった流れがある。

・タイプ【サマナー】…悪魔召喚ができる、メガテンのサマナー的な奴ら。目が覚めたら近くにCOMP的なものがあるはず。なお、こいつらだけ、初回にCOMPに触れると強制悪魔召喚&初戦闘という地味なデストラップイベントがある。仲魔にできるかどうかはサマナーのタイプにより。

・タイプ【バスター】…異能者、普通の魔法使いや悪魔変身者、そしてペルソナ使いとかがこのグループ。特にデスイベみたいなのはなし?

・タイプ【悪魔】…文字通り悪魔な奴ら。普通の悪魔から地味に人修羅もこのグループ。部屋なし路上スタートが鉄板。なお、異界スタートもあるらしいので油断は禁物。

 

……というわけで、>>649はバスターらしいから即悪魔戦闘とかそういうのはないっぽい

あくまで今のところであり、これからはどうなるかわからんが

 

651:名無しの悪魔

はえーよホセ

 

652:名無しのバスター

>>650 有能

というか、ぱっとみ一番バスターが恵まれてるっぽい?

【悪魔】と【サマナー】から漂う地雷感

 

653:名無しのサマナー

サンキュー>>650!

後、サマナーは意外と地雷じゃないぞ。

召喚された悪魔だって、土下座して命乞いしたら普通に見逃してくれたで。

被害は冷蔵庫の缶ビール3本だったけど。

 

654:名無しのサマナー

あり!&有能

>>653 お前は俺か。こっちはげんこつ+説教受けたな。「これに懲りたらむやみに悪魔を召喚するでない!!」って。

帰るときは普通に玄関から帰っていったのが印象的だった。

 

655:名無しの悪魔

>>650 有能

>>653~>>654 突っ込みどころが多すぎるwww

でもまぁ、そもそも死んでたらここに書き込めなさそうだしな。

 

656:名無しの悪魔

とりあえず、ダントツの地雷は悪魔でFA?

 

657:名無しの悪魔

>>650 有能

たぶんFA 特に【人修羅】はやばいよ

……だって、上半身裸のせいで今しがた警察に職質受けたばかりだもん(体験談)

 

658:名無しのバスター

悪魔が不遇、サマナーも地味にやばいってことはわかった

それと>>650さん、すまんけど、ほかの情報はどんな感じ?

できれば、不確定でもいいから、デビルシフターの情報が欲しいんじゃ

 

659:名無しのサマナー

続報マダー?

 

660:名無しの悪魔

さすがに情報乞食は見苦しいぞ

……といいつつ俺もマダー?)チンチン♪

 

661:有能サマナー

またせたな、お前ら。続報だぞ 泣いて喜べ

▼不確定情報

・基本、崩壊前の日本が舞台?スタート地点は地味に東京以外もある?(確認済み、札幌、名古屋、御影市)

・なお、はじめみんなに配られている携帯的なものはほぼ100パー【マッパー】【バック】【DDS-NET(S)】【クエスト】が標準搭載されている?

・【サマナー】のCOMPにはそれ以外にも【悪魔会話機能】と【Magバッテリー】【アナライズ】は標準搭載?

・【COMP】アプリは【DDS-NET(S)】で買える?

・外には普通に一般人がいる。NPCじゃないっぽい?

・【悪魔】は人修羅以外は一般人に見えない?

・【マッパー】は原作通り、【DDS-NET(S)】は俺らプレイヤー専用のDDS-NET、普通のDDS-NETがあるかどうかは不明

・【バック】は文字通り荷物を入れることができるアプリだけど、個人差あり?容量は【悪魔】>>【サマナー】>【バスター】の順?力と魔のステが関わってるという噂も?

・【クエスト】は文字通り【クエスト】、そこに書いている依頼をこなせばバックに報酬が振り込まれる?依頼主は不明

・【クエスト主】=【黒幕】説が濃厚?

 

……もっと我を讃えてくれてええんじゃよ?

 

 

662:名無しの悪魔

>>661 有能

 

663:名無しのバスター

>>661 超有能

だから、さらに情報プリーズ!

 

664:名無しのサマナー

>>661さんマジ有能でリスペクト

……だから、もっと情報をですね、げへへへへへ!

 

665:名無しのサマナー

>>661 あなたが神か

 

666:名無しの悪魔

>>661 濡れた、契約しよ♪

 

667:名無しのバスター

>>666 悪魔の数字乙

 

668:名無しのサマナー

>>666 マザハさん乙

 

669:名無しの悪魔

>>666 ネロチャマ乙

 

670:有能サマナー

ほれ、さらに続報じゃ 泣いて喜べ愚民ども

▼サマナー詳細情報

サマナーのタイプは大まかに3っつある

①ノーマル・サマナー(別名・クラシックサマナー、ニュートラルサマナー)

……よくあるCOMPで悪魔召喚ってタイプのオーソドックスなサマナー

COMPに【悪魔召喚機能】【悪魔合体機能】がデフォでついている。

悪魔会話で勧誘して、仲魔を増やして集団でボコれ。

普通のサマナー

②ハイテク・サマナー(別名・サムライサマナー、ニューサマナー)

……基本はノーマルなサマナーと一緒だけどそれに加えて【スキルハック】やら【デビオク】が初期からいろんなアプリが搭載されてる?

さらに召喚にマグネタイトを消費しないで半永久的に召喚可能なチートサマナー

でも、機械系以外の初期スキルがなかったり【バック】容量が少ない、同時召喚数が2体までなどいろいろ制限もあるっぽい?

ぶっちゃけぱっと見当たりなサマナー

③オールド・サマナー(別名・ナチュラルサマナー、陰陽師)

……外れなサマナー COMPはあっても【悪魔召喚機能】が【COMP】についていない、サマナーにあるまじきレアなスタイル。

ならどの辺がサマナーかというと、どうやらクエスト報酬に【封魔管】があるから、それで召喚契約しろってこと。

一応、初期からスキル持ってたり【バック】容量が大きかったり身体能力がほかサマナーより高いとかいううわさがある。

 

671:名無しのサマナー

ナイス!ナイス!ナイーーース!!!

 

672:名無しのサマナー

ありがとう……本当にありがとう……

それしか言えなry

 

673:名無しの悪魔

有能

……でも、それよりも悪魔の情報をry

 

674:名無しのバスター

有能だから、バスターの細かいスタイルについてもry

 

675:有能サマナー

【バスター】と【悪魔】はちょっと待ってな。

これらは種類が多すぎてまとめきれん。

 

676:名無しの悪魔

【悲報】有能君無能

 

677:名無しのバスター

手のひらくるっくるやで

 

678:名無しのサマナー

なんでや!ここまでまとめてくれるだけ、十分有能やろ!

……というか、あれだ。ようやくわかった

なんで自分悪魔契約したはずなのに、仲魔が送還できないかよくわかった。

【封魔管】とか、おじさん聞いてないよ

 

679:名無しのサマナー

オールド乙

わい、【ハイテク・サマナー】

すでに初めに倒したやつ+デビオクで仲魔2人体制な模様

ピクシーちゃんとカハクちゃんチュッチュ♪

 

680:名無しのサマナー

わいノーマルサマナー

はじめ召喚されたピクシーだったのにぶち殺してしまう

……もう一回召喚されねーかなぁ

 

681:名無しの悪魔

元キモ童貞で働かなくていいなら、ワイが契約してやるでよ^^

 

682:名無しのサマナー

No Thank you

 

683:名無しのバスター

>>681 スライム乙

 

684:名無しの悪魔

というか、同じプレイヤー同士で契約とかできるの?

 

685:名無しのサマナー

>>678 とりあえず、悪魔を一匹でも殺せば一本は【封魔管】手に入るでよ。

オールド系は共通で【クエスト】に【初めての悪魔討伐】ってやつさえこなせば報酬で【封魔管】もらえるっぽい

 

686:名無しのバスター

そマ?自分、同じ【クエスト】あったけど、報酬は普通にマッカだけだったんだけど

 

687:名無しのサマナー

……その初めての討伐とやらは自分と契約済みの悪魔でも可能なのかねぇ?

 

688:名無しの悪魔

>>687 なんという悪魔的発想

絶対こいつらの仲魔にはなりたくない、それだけはよく分かった。

 

 

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「ふむふむ、そういうわけか……とりあえず、するべきことは決まったな。」

そういいながら、背もたれに深くもたれかかる。
とりあえず、なぜゲーム設定上ではサマナーであるはずの自分が、ここにある機械類で悪魔召喚とか送還ができない理由がよく分かった。
どうやら【オールド系サマナー】である自分の【COMP】ではまともに悪魔召喚すらできないようだ。
いまさらながらキャラメイクをオートにしてしまったことへの一層の後悔が脳裏に浮かぶが、過ぎたことはしょうがない、あきらめて前を見るとしよう。

「でもそうなるとなぁ……悪魔をぶち殺さない限り、悪魔契約できない……かぁ」

懐かしきガラケー型の【COMP】画面に映しだされた【クエスト】。
【初めての悪魔討伐・報酬 封魔管(1本)】を見ながら静かに溜息を吐き、そして、自分の足にわずかに力をこめたのであった。



「や、やめてにゃ~~!!!!!
お、おいらはオイラは悪い悪魔じゃないから!!!
ふみつぶさないで!それ以上力入れると骨がいかれる~~~~!!!!
ちゃんと、ちゃんとサマナーと契約するから!!!何でも言うこと聞くから!!ゆるして、ゆるして~~~!!!!!」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※続くかどうかは知らん


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1話目

悲しくもこのほぼ魔界同然、いや、それ以上の魔窟である【女神転生世界の東京】について、事実を簡単に理解してからすでに3日。

変わってしまった性別や今の自分のいる部屋についてなどにいろいろ慣れ始めてきたので、早速改めて状況を整理しよう。

現在の時代は200×年。

携帯はガラケーが主流で、テレビは地デジではなくアナログも混在する。

そういう言い方をすると、一昔前に感じるがアトラスファン的には真・女神転生Ⅲの発売年2003年、ストレンジジャーニーの方は2009年販売。

ペルソナⅢが2006年でペルソナ4が2008年と考えればあまり昔のことでもないと感じられるのがふしぎである。

 

まぁ、そんな冗談はさておき、元ただの大学生であった自分の現在は【中島 凪】(♀)。

渋谷のマンションに一人暮らしをするサマナー見習い。

部屋はまぁ女性の一人暮らしゆえそこそこのセキュリティのマンションであり、冷蔵庫や風呂など一通りの物はそろっている。

が、それだけであり、特にサマナー用の武器やアイテムが隠されているとかそういったことはない。

なお、事前に日記やら何やらがあれば憑依を疑うが、そういう雰囲気は全くない生活臭を全く感じさせないゴミ一つほこり一つない部屋であったことも付け加えておこう。

(まるで、今しがたできた箱庭に詰め込まれたかのような部屋とでも言っておこう)

幸い、自分の持つ悪魔召喚できない不良品の【COMP】でも【バック機能】はついており、その中に【傷薬】と【武器】がいくつか入っていたので非常時に最悪の事態ということはなさそうだ。

 

そして、外の様子はマジで一見するとただの【東京】そのものだ。

街行く人は挨拶すれば、あいさつし返すし、普通に買い物もできる。

パッと見ではここが怪異あふれる【女神転生の世界】だと、言われなければ気づかないほど普通の世界だ。

 

 

……が、それはあくまで表面上、仮初の平和だというのは理解している。

時々反応する【エネミーソナー】に、【マッパー】に映る謎のアイコン。

さらには、テレビで流れる歴史やニュースがここが自分のいたかつての地球ではなく【女神転生の世界】だということを逐一こちらに知らせてくる。

 

 

『えー、本日未明、トールマン氏が来日し……』

『T大学の調査隊が、アステカ文明の遺跡からクリスタルでつくられた彫像を発見』

『先日、井之頭公園であった猟奇殺人事件ですが……』

『ついに南極で観察された、異常状態に国連が調査隊を派遣することを決定』

『あなたの~テレビに~時価ネットたなか~♪み・ん・な・の 欲の友♪』

 

「ちょっと、死亡フラグ多すぎじゃね?」

 

 

思わず、流れてくるテレビからの情報に突っ込みを入れてしまう。

それほどまでにカオスな状況である。

女神転生やアトラスとかよくわからない人に簡単に状況を言うと、このニュースの事件どれ一つ放置しても大体世界が滅ぶ、王手すら生ぬるいといった状況なのである。

もしこれが熱血系ゲームの主人公なら、無数の世界の危機を救えるなんて最高じゃやねーかとか言えるかもしれない。

が、実際にそこで生きる人間にしては最悪極まりない。

ましてや、なまじ力があればこそ、だ。

 

 

「まったく、わかんないことばかりだ。」

 

 

そんな風に呟きながら、今日もいつ死ぬかわからない恐怖から目をそらしつつ、情報収集のため【DDS-NET(S)】を探る。

プレーヤーのうち、何人かは既に外で悪魔狩りをしはじめた人もい始めるようだ。

が、残念ながらそれでも未だ何が世界の崩壊を引き起こす引き金か、自分たちはどうすればいいかなどの決定的な情報は出てきていない。

それ故に慎重派の自分としては、最低限何をすれば生き残れるか、この世界においてのタブーは何かがわかるまでは行動を開始したくないのが本音だ。

ましてやここは元の地球でないし、同じ日本でもない。

急がば回れ、果報は寝て待て、というわけで今日の日程も無事【この世界の常識を学ぶ】に決定された。

本日はせっかくだから、【DDS-NET(S)】以外での普通のインターネットで情報収集してみるとしよう。

そういえば、元の世界にあってこっちの世界にはないゲームとかあるのか?今の総理大臣は誰なのか、かつて国防に葛の葉やそれに類する物は存在するのか?

色々と興味は尽きない。

 

 

「………おーい、サマニャー、おーい!」

 

 

まずは手短なところから調べてみたところ、どうやらこっちの世界には任〇堂とソ〇ーが存在するようだ。

任〇堂DSも販売されてるし……それによく似たCOMPも存在するようだ。

ゲーム機型COMPとは、子供が持つにはいいかもしれんが、大人の強面の人が悪魔相手にそれを持っていると違和感が凄そうだ。

 

 

「ねーねー!聞こえてるんでしょう?

 無視しないで~~!!!プリーズ!!」

 

 

聞こえない聞こえない。

……そして、この世界にもある意味元凶であるアトラスがあることも地味に驚きである。

なお、販売しているゲームは【デビル・サヴァイヴアッー!!】に【男神転生】【世界海迷宮】シリーズなど、と……いろいろ惜しすぎる。

 

 

「にゃーにゃ!!嘘ついてるから!

 オイラの声が聞こえてるってバレバレだから!

 それよりサマナー!!オイラ、消えかかってますよー!あなたの大事な仲魔が死にかかってますよー!!!

 マグネタイト不足で餓死しかかってますよ~~!!!聞いてますかニャ~~!?!?」

 

 

あまりにもうるさいため、いったん捜索の手を止め、ふと部屋の隅その謎ナマモノへと目を向ける。

ぱっと見はそれは猫やいたちといった獣類のように見えるが、そいつはただの獣ではない。

人の言葉を理解する耳に、しゃべれる口、さらには理性の光を宿す眼……いや訂正、現在は死んだ魚のような眼をしている。

それにむけてただ無言で手元にある【COMP】を掲げ、【アナライズ】をして状況を確認するのであった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪魔獣≫〈いたずら下手な〉カブソ Lv2

HP 5/33

MP 0/27

【相性】 火炎耐性 電撃弱点

【スキル】・ひっかき (物理属性 小ダメージ)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「……なんだ、まだHPが5も残ってるではないか。

 まだまだ死にかけには程遠いではないか。

 これなら、あと1日……2日は持つな、よかったな。」

 

「いやいやいや!もう1回〈ひっかき〉しただけで瀕死になる程度の体力だから!!

 戦力とか、魔法以前になんでオイラサマナーの仲魔になったのに死にかけなきゃいけないのにゃ~~!!

 オイラはここに悪魔の権利を主張する~~!!だからねぇ、助けて~、助けて~~!!」

 

 

なお、この石川県版猫河童こと<カブソ>君だが、一見猫に似ているためかわいく見えるかもしれないが、こいつも十分に悪魔だ。

なぜなら、こいつとのファーストコンタクトである【COMP】からの強制召喚では、まずこいつ挨拶もなしに「しねにゃ!」とか言いながら、真っ先に自分を殺しに来たのだから。

なお、あっさりその攻撃をかわし、体格の差を活かして、タコ殴りにするとあっさり降参し命乞い。

彼曰く仲魔になるから見逃してくれと言うので生かしてやった。

だが、今の自分は【封魔管】がないと悪魔契約できないようで、正式契約できないとなると、悪魔にとっての必須食事である【マグネタイト】を供給してあげることができないわけで……

 

 

「正直、悪魔を1匹でも殺さないとまともに契約できないのに生かしておく理由はないんだよなぁ……」

 

「いやにゃ~~!!

 まだオイラは死にたくないにゃ~~!!

 ちゃんと正式に契約したら、正式な仲魔になれたら、何回でも肉盾になるから!!!

 だから、だから助けて~~!!プリ~~ズ、プリ~~~~~~~ズ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

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【間違い探し】メガテン東京を散歩するスレ

 

 

15:名無しのサマナー

浅草ナウ

アメ横にいるけど、ここはいろんな意味で変わらないなぁ

……時々、エネミーソナーがガリガリいうのが不安しかないけど。

 

16:名無しのバスター

中野ナウ

一見変わんないけど、中野ブロードウェイはさらにカオスになってるに違いない

楽しみだわ 三┗(┓卍^o^)卍ドゥルルルル

 

17:名無しの悪魔

>>16 ま〇だらけが女神転生を侵略すると聞いて

 

18:名無しのサマナー

山手線でぐるぐるナウ

……やべーな東京、エネミーソナーとマッパーの検索範囲拡大して探索しているけど、ガンガン反応が出てきて怖いわ。

もうちょいレベル上がれば、遠隔アナライズとかもできそうだけど、それやったら一気にSAN値削れそう。

東京怖すぎうち

 

19:名無しのバスター

奥多摩ナウ

山中なら安全だと思ってた時期が私にもありました。

……というか、山奥なのにアンテナバリバリ通じるんやなって

あれ?、なんか周りの景色がゆがんでry

 

20:名無しの悪魔

>>19 むしろ、田舎ほど悪魔がいるんじゃね?

   自分、【地霊】だけど、だからこそ人里よりは山中に行きたくなるし。

   むしろ、半端に都内にある分だけやばい場所そうだけど大丈夫?

 

21:名無しのサマナー

神田川ナウ

ここやべーわ、水系悪魔が潜んでるわ

水中に引き込まれたら勝ち目ねぇぞ

 

>>19 なんかやばそうだけど生存報告プリーズ!

 

22:名無しサマナー

高岩寺ナウ

いくつか、宗教施設回ってるけど当たりはずれがあるな

とりあえず、ここの【とげぬき地蔵】はあたりっぽい

アナライズしても失敗って出るから、レベルか何か足りんのかもしれんけど

>>19 生きてたら返事しろ~~

 

23:名無しのバスター

秋葉原ナウ

メイド喫茶に行ったと思ったら、ゾンビレディーあふれる冥途喫茶だった件

何を言ってるかわかんねぇと思うがry

>>19 おい、冗談はやめろ 嘘だよな?な?

 

24:名無しの悪魔

女湯ナウ 長年の願いがようやくかなった……!!

悪魔を選んでよかった……一般人に見えない設定で本当によかった……!!

>>23残念ながら……

 

25:名無しのバスター

>>24よ~~し!お兄さん、ちょっくら世を害する悪魔討伐を開始しちゃうぞ~★

 

26:名無しのサマナー

いつの世になっても人は争いをやめないのか

かなしぃなぁ

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

 

 

「……はぁ。」

 

「へーへーへー!!

 ここが、現在の人里……なかなかに面白そうな場所だなにゃぁ!」

 

 

結局、あの後、カブソがうるさすぎたので本日の予定を町中散策に変更。

ある程度DDS-NETの情報も確認しながら、町中で【悪魔狩り】を開始することになった。

なお、悪魔狩りを開始する理由はこの残念悪魔と正式契約するため。

そのためには、マグネタイト(悪魔が人間界に必要となるエネルギー的なの。もとは人の精神エネルギー的なのだけど、悪魔を殺しても手に入る)稼ぎおよびクエスト消化のため。

本当はもっと、情報を集めてからにしたかったのだが、これ以上時間かけると本当にこのカブソが消えてしまうかもしれないから仕方ない。

なお、外出にさいしてカブソ君にはカバンの中に入ってもらってるが、どうやらこいつも一般人には見えないようだ、色々と助かった。

 

 

「……で、今の体調は大丈夫か?

 たぶん次に1回くらい戦闘するが、その時動けないとか抜かしたら、容赦なく見捨てることになるぞ。」

 

「それはたぶん大丈夫にゃ~!

 ご主人様がくれた〈傷薬〉のおかげで、体調自体はばっちりだにゃ!

 いや~~、はじめは本当に見捨てられるかと思ったけど、実はご主人様が優しくて感謝にゃ!」

 

 

どうやら、実験がてらに与えた【バック】の中の〈傷薬〉は罠ではなかったようだ。

これならいざというとき自分が使っても大丈夫だろう。

アナライズしたところMPは回復してないようだが、そもそもこいつMP使うスキル一つも覚えてないし、自分もMP使う特技は覚えてないため問題ない。

……でもまぁ、こいつはいろいろと運や頭は悪くないだろう。

もし仮にこいつが、仲魔になる口約束をしたくせに脱走しようとしたり殺してでもマグネタイトを奪おうとしたら、返り討ちにしてクエストの肥やしにしてやるところだったのに。

実に惜しかった。

 

そうして、少し時間は立ち、積極的に探すはビルとビルとの間の裏路地。

そう、辺りに人が多いのに目につかないそんな場所に野良の悪魔は潜んでいることが多いらしい。

そんな掲示板で得たその情報を基に、渋谷の駅近くビル街をぐるぐると回り、半時間も経った頃。

やや大人の店がひしめく場所の一角に差し掛かった時に、自分はついに初めての悪魔と遭遇することとなったのだった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪屍鬼≫オバタリアン Lv3

HP ??

MP ??

【相性】??

【スキル】・毒ひっかき (物理属性 小ダメージ+毒)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「……なぁ、くそ猫。

 あれ、マジで悪魔なの?ほんとうにゾンビでいいの?」

 

「何言ってますかニャー!サマニャ~!

 あの匂いに、あのマグネタイト、どう見てもどう嗅いでも100%悪魔ですにゃ!」

 

「いやいや!どう見てもケバイ衣装したおばさんでしょ!!!

 悪魔とかそういうのに見えないんだけど!ああいう引き込み時々見るだろ!

 明らかに地雷扱いとか、モンスターとか言われるたぐいだけど、そういう意味での悪魔じゃねーからこれ!

 この【COMP】を疑うわけじゃないけど、さすがにこれはちょっとあれ過ぎる!」

 

 

そう、残念ながら今回こちらが初めて街中で発見した悪魔(?)はこちらから見ると一見すれば化粧がひどい老年のきわどい恰好をした女性……。

いろんな意味で目に毒であるのは間違いないが、正直普通に2足2手で顔色や見た目だって、厚化粧のせいでゾンビ特有の顔色の悪さとかはわからない。

へたしたら、ただ薄汚れたゾンビのコスプレだって宣言されても全然違和感がないレベルであれな見た目の悪魔であった。

 

 

「な~に、言ってるんですにゃ!

 あんなザコ、姉御にとってはしょせん指先一つでちょちょいのちょいでしょう!

 というわけで、あっしは後ろで……い、いや!逃げるってわけじゃないんですけどにゃ?

 ちょ、ちょっとレベル差があるというか……」

 

 

そして、さらっと強敵を自分に押し付けようとする悪魔の鏡、仲魔落第。

だけどもちろん許さん。

 

 

「……うん、いいこと思い付いた。

 おまえ、すこしあの〈オバタリアン〉外までおびき出してこい。

 そうしたら、あいつも本当に悪魔だってわかるだろ。

 もし人に見えたらあいつは一般人、見えなかったら悪魔、簡単だろ?」

 

「いやいや!何言ってるんですにゃ!

 そもそもオイラは確かに傷薬で回復してもらえたけど、それでもついさっきまで死にかけてたんですにゃ?

 それなのにいきなり、初戦闘とかそのうえおびき出しとか荷が重すぎて……」

 

「まぁまぁ、そんなこと言わず、ほら、ちくわ上げるから。

 一本だけ。」

 

「安くにゃい!?おいらの命の価値やすくにゃい?

 ちくわって、ちくわ一本って!」

 

 

どうやら、ちくわ1本で動かないくらいには賢いようだ。

だが、未だ自分の立場を理解していない程度にはおろかだということもわかった。

というわけで、さっそくにこやかな笑みを浮かべながら、バックから【模擬刀】をとりだし、静かにそれをカブソの首に添える。

 

 

「さぁ、カブソ君?

 今ここには2つの選択肢がある。

 ここで私に殺されて、魔封管の糧になるか。

 それとも、あいつの前に立ってちょっと挑発して殴られてくるか。

 答えは2つに1つだ。」

 

「にゃ~~!!!

 それって実質選択肢はないでしょう!!!」

 

 

なお、その後はすったもんだあり、カブソ君はちくわを咥えながら雄々しく件の悪魔(仮)に単身突撃。

無事というか幸い、〈オバタリアン〉は本当に悪魔であったようで、一般人に見えないはずのカブソを視界に入れるや否や即攻撃。

そのボールのように吹っ飛ばされるカブソ君を見て、ようやく自分もあの人型が本当に悪魔だと確信したのであった。

その後は、カブソ君が完全に殺されきる前に、自分も乱入。

無事に初の敵悪魔を模擬刀で撲殺にするのに成功したのであった。

なお、カブソへとヘイトが向かっているからか、それとも【獣の反応】の恩恵かはわからないが、〈オバタリアン〉の攻撃は一発もこちらに当たらず、それに反してカブソ君の体力は再び1桁台まで減っていたのであった。

さもあらん。

 

 

「……よし!よかった、本当にこいつ悪魔だったんだな」

 

 

なお、お約束というべきか流れというべきか、倒されたオバタリアンはその身を粉へと【マグネタイト】へと変換され、それが手にもっている〈COMP〉の中へと吸い込まれていく様子を見て思わず安心によるため息が出る。

さらにそれに追従するがごとく、COMPの【バック】の中にクエスト報酬が届き、無事【封魔管】を入手することができた。

戦闘後、カブソを管へと吸い込ませることで本当の意味での【仲魔】獲得にも成功。

それにより【クエスト・仲魔を手に入れろ】も達成し、さらにもう一本【封魔管】を入手した。

はじめはどうなるかと思ったが、結果だけ見れば100点を超えて花丸以上の出来である。

 

 

「なんだ!悪魔討伐って簡単じゃん!勝ったなガハハ!」

 

 

そんな風にベタなフラグを立てつつ気分よく笑ってる途中、再召喚してみたカブソからひと言をこんなことを言われた。

 

 

「サマニャ~、ぶ、無事契約できたのはオイラとしてもうれしいにゃ?

 で、でも今のオイラ死にかけだから、ちょっとおいらを回復してほしいかな~とか思ったり……」

 

「え?悪魔って、マグネタイトさえあれば、ちょちょいのちょいで自動回復できたりしないの?」

 

「え?」

 

「え?」

 

 

……なお、その一言だけで自分の心にあった慢心は崩された模様。

次の課題が【ディア】と【エナジードレイン】どっちも使える悪魔の勧誘に決定されたのは言うまでもなかった。

 

 

 




回復の泉?
悪魔合体機能?

そんなもの(COMPには)ないよ、(サマナーとしては)あたりまえだよなぁ?


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※間幕 【やったぜ】今日から俺もサマナーデビュー

※よく考えたらこのお話は読んでも読まなくてもあまり本編に影響ないかもしれません


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【やったぜ】今日から俺もサマナーデビュー

 

1:名無しのバスター

なお、【COMP】はその辺の拾い物な模様

軽く触れた感じ、ここにもつなげられないし俺たちの持ってる【COMP】とは規格が違う。

多分、この世界のサマナーの持ち物だったんだろうなぁ(遠い目)

 

2:名無しの悪魔

ちょ、まって、いろいろ待って。

在来のデビルサマナーがいるって、それマジ?

ちょとsYレならんしょこれは…

 

3:名無しのサマナー

>>2 野良悪魔がいるんだから当たり前だよなぁ!

……にしてもやっぱり、いるのか原住民サマナー

いや、向こうにとってはこっちが異物なんだから、あたりまえっちゃ当たり前なんだが。

 

4:名無しの悪魔

やべぇよ、やべぇよ……

最悪お前らなら土下座で許されると思って、もうすでに色々悪いことしちまったよ……

これ、この後悪霊として葛の葉とかに討伐されるフラグ?

い、いやだ~~!化け物になったんだから、せめて好き勝手に生きさせてくれ~~!!!

 

5:名無しのサマナー

まじか、というか、まぁいろいろ当たり前なんだが

ところでそのCOMPは、誰か俺達の自力製作の可能性とかはないの?

ソフトこぴってインスコした的な

 

6:名無しのバスター

はーい!俺俺!それ実は俺のだから!

だから、それくれ!早く渡してくれ!

今新宿駅前○○の××にいるから!

 

7:名無しのサマナー

>>6 嘘乙

 

8:名無しの悪魔

>>6 嘘松乙

 

9:名無しのバスター

外から書き込めている時点で嘘がバレバレなんだよなぁ……

……というか、ちょっとまて、仮に俺たちがマジでこのCOMP落したらどうなるん?

 

10:名無しのサマナー

>>9とりあえず、なくすときは普通になくすよとだけ

おっれの場合は交番に届けられたからいろんな意味でセーフだった

それよりも、そのCOMPの状態とか詳細キボンヌ

 

11:名無しの悪魔

この世界のサマナーかぁ

契約するならお前ラよりもそっちの方がええかもなぁ

できれば、ゲキカワロリがえぇなぁ

 

12:名無しの悪魔

なら俺はあえての原作キャラ行くぜ!

イオっぱいの段ボールになりたいだけの人生、いや、悪魔生であった

 

13:名無しの悪魔

なら俺はソデコチャン!

絶対あの精神力なら薄い本みたいなry

 

14:名無しの悪魔

そこは大正義アツロウだろJK

 

15:名無しのバスター

>>12 >>13お前ら、命知らずすぎワロタwwwww

薄い本のモブ同然に主人公(仮)に殺されそう

 

16:名無しのサマナー

というか原作キャラいるのかよ?

誰か調査した奴いないん?

 

17:名無しの悪魔

おいおい、話題がずれてるぞ。

それより謎COMPだよ謎COMP

この世界にもCOMPがあるってのは割とマジで大事な情報だぞ?

できれば、詳細が知りたいんだが>>1

 

18:名無しのサマナー

というか、なんでそれがCOMPだとわかったですか?

もしかして、COMPってほかの人でも開けられたりするんですか?

そうなると色々やばいと思うんですが

 

19:名無しのバスター→>>1

とりあえず、お前らが興味を持ってくれてうれしい

それじゃぁ、簡単に状況説明

①ビルの裏側などで悪魔狩りにいそしむ>>1

②そして異界&強めの悪魔探索をする

③悪魔からの貢物として死体をもらう+荷物漁り→てーれってー

簡単に説明するとこんな感じ。

 

20:名無しのサマナー

まてまてまて

いろいろ突っ込みが追い付かない。

とりあえず、異界ってマジ?もうそんなのができるほどのGPなの?

 

21:名無しのバスター

リアル死体漁りとか人間性疑うわ

お前それでも日本人かよぉ!

 

22:名無しの悪魔

>>21 そこかよwwwwww

おれなんて、もう人間もぐもぐ(殺してはない)しなきゃ生きてけない体なんだよ?

その程度、誤差みたいなry

 

23:名無しのバスター

>>22よく見たらこいつもやべーこと言ってる件

 

24:名無しのサマナー

ちょっとまって!みんな静かにして!

>>1ちゃんの話が聞こえないじゃない!

 

25:>>1

なんか、盛り上がってるから、俺話さなくてもいいかなーって

 

26:名無しのサマナー

だめです

 

27:名無しのバスター

>>25 許さん

 

28:名無しの悪魔

>>25 詳しく話さんとお前をぉ!狩るぅ!

 

29:>>1

こんな時だけ団結とか、ひどすぎワロタwwww

お前らは悪魔かwwwww

 

30:名無しの悪魔

悪魔なんだよなぁ……

 

 

 

(なお、この後、>>1がCOMPを拾った詳しい状況説明とか雑談とか)

 

 

89:>>1

とりあえず、このCOMPはまじでくそ雑魚なのは確定だな。

別にPCに詳しくないけど、軽くいじっただけで誰でも開けるし。

中に入ってるCOMPのアプリは【悪魔召喚機能】と【契約】、レベルと名前しかわからん【アナライズもどき】だけ。

【バック】はともかく【マッパー】すら入ってないとはなぁ。

そもそも【DDS-NET(S)】にすらつなげられんし。

 

 

90:名無しのサマナー

ところで中に入ってる悪魔とかは召喚可能?

できたらいきなり戦力超強化できそうに聞こえるんだけど

 

91:名無しの悪魔

さすがに非契約者なのに、召喚したらいうこと聞くとか都合いいことはないだろ

……ないよな?

 

92:名無しのバスター

もしそうなら、俺今日からずっとCOMP回収マンやるわ。

 

93:名無しのサマナー

【DDS-NET(S)】につなげられないのはある意味メリットかもしれんがな

 

94:>>1

>>90 中にいる悪魔が召喚可能か、またそいつが言うことが聞くかは不明

そもそも自分はさすがにそんなリスキーなことしたくない

できたとしても、中にいる仲魔が全員【DYING】してやがる。

 

95:名無しの悪魔

あ~~、状況を考えればしゃぁなしか

【地返しの玉】とか持ってたりしない?

 

96:名無しのバスター

ちょっと俺も気になる。

詳細知りたいから、最悪俺が【地返しの玉】なら予備もあるから届けに行ってもいいほど

 

97:名無しのサマナー

でも、むしろ死んでるならある意味では安全に召喚できるかどうか確かめられるのではry

どうでもいいけど、おれはこっちのCOMPでよかったわ。

COMPに【回復アプリ】なしで戦い続ける勇気とか俺にはないわ。

まじ【COMP】様様だわ

 

98:名無しのサマナー

>>97 死ね

 

99:名無しのバスター

>>97 呪われろ

 

100:名無しのサマナー

回復アプリ持っている方が少数派なんだよなぁ……

 

101:名無しの悪魔

俺、人修羅。

市販の【傷薬】でHPマックスまで回復できるため、高みの見物

 

102:名無しのバスター

たしか、【バスター】と【悪魔】は一応は薬局で【傷薬】買えるんだっけ?

薬局でアナライズしてたら確かに売ってたけど塗り薬の手間+1つ5000円はぼったくりだろ

 

103:名無しのバスター

たった5000円で命と時間が買えると考えれば安いもんだろ。

……でも、やっぱり、女神転生なら魔石の方がええよなぁ

魔石と魔法での回復は一瞬だから、この差はでかいよよやっぱ。

 

104:名無しのサマナー

>>102 なにそれ、聞いてないんだけど

え?何?もしかして、サマナーいじめ?

 

105:名無しのバスター

【悪魔】+【超能力者】と【人間】じゃ再生能力違うからね。

ちかたないね。

 

106:名無しの悪魔

ただでさえサマナー君は数の暴力+人間のままってメリットがあるんだから

我慢しなさい!

 

107:名無しのサマナー

ハイテクサマナー+回復の泉アプリありのワイ

高みの見物

なお、なお代金は超絶高い模様。

マッカだけに赤字でマッカッカってかwwww

 

108:名無しのバスター

>>107

 

109:名無しのサマナー

>>107

 

110:名無しのバスター

>>107

>>107

 

>>107

 

111:名無しの悪魔

>>107 お?おいらの仲間カホ?

すごい強力なブフだほー!

 

112:名無しの悪魔

>>107【強烈な氷結属性全体魔法】

 

113:名無しのバスター

>>107 ……うん!

というか、>>1だよ>>1

せめて、で、結局【COMP】について何か別のことわかったりした?

 

114:>>1

>>107 ……っは!俺も凍っていた!

とりあえず、中にいる悪魔を簡単にチェックしておいたでー

死んでるから性格とかはわからんが、大まかの性能はわかった

……ところで、この中に入っていた悪魔を見てくれ、これを見てどう思う?

・〈天使〉エンジェル Lv4

・〈天使〉ホーリーゴースト Lv3

 

115:名無しの悪魔

>>114 ……すごく、メシアンです

 

116:名無しのサマナー

>>114 なんという偶然だ~~~(棒)

まさに、神のお導きみたいだ(直球)

 

117:名無しのバスター

やべぇよ……やべぇよ……(マジ焦り)

 

118:名無しの悪魔

どう見ても厄ネタ確定です。

本当にありがとうございました

 

119:名無しのサマナー

ぐ、偶然、天使系しか仲間にできないサマナーなだけだったかもしれんし()

 

120:名無しのサマナー

どの道それは召喚できたとしてもいろんな意味でこじれそうやなぁ

マジで大丈夫か>>1?

なんか、呪われたりしてない?

いや、天使なら祝福か?

 

121:名無しのバスター

>>120 名前が変わっただけなんだよな……

 

122:名無しのバスター

元の世界ならともかく、こっちの世界での4文字の加護とか嫌な予感しかしないのですが(真顔)

讃美歌しか歌えない体にされそう(小並感)

 

123:名無しのサマナー

餃子にされるんですね、わかります

 

124:>>1

色々考えたけど、やっぱりこれ厄ネタか~~

ワンちゃん、有効利用からの【サマナー/バスター】になりたかったんだけどなぁ

 

それじゃぁ、もうちょい調べたら元の場所に捨ててくるわ

 

125:名無しの悪魔

>>124 ちゃんと指紋は消しておくんだぞ~

 

126:名無しのサマナー

いや、悪魔たちが言うのは残留マグネタイトとかがあるから

小細工程度の証拠消しは、むしろ危ないって言ってるぞ

 

127:名無しのバスター

普通に破壊して、ごみに出せばええやん(ええやん)

 

128:名無しのサマナー

中にいる悪魔事か!

……いや、中にいる悪魔はもうすでに死んでいるし、一緒か

 

129:名無しの悪魔

>>128 この人でなし!悪魔めぇ!

……でも、天使相手ならええか(テノヒラクルー!)

 

130:名無しのバスター

お前ら天使に辛辣すぎワロタw

 

131:名無しのバスター

だって、天使だぜ?

 

132:名無しの悪魔

だって天使だもん

 

133:名無しのサマナー

おwwwまえwwwwらwwwwww

……まぁ、気持ちはわかるがw

 

134:名無しのサマナー

ところで>>1、結局>>1はどっちにしたん?

普通に捨てるん?それとも元の場所に戻すん?

 

135:名無しのバスター

それならちょっと待って>>1!!

マジで捨てるぐらいなら、俺が買い取るぞ!!

厄ネタでも構わんし、俺はまじでそれが必要なんだ!

金とかアイテムならうなるほどあるから売ってくれ!!!!!!!

 

136:名無しの悪魔

>>135 必死すぎワロタwwww

まぁ、気持ちはわかる

 

137:名無しのバスター

確かに、捨てるくらいなら誰か有効活用できるやつに渡してほしいなぁ。

機械に詳しい系の異能者も俺らのうちにいるみたいだし、そいつに渡したら、低スペックとはいえ【COMP】量産ができるようになるんじゃね?

 

138:名無しのサマナー

なにそれwwww

夢ヒロガリングwwwwwww

 

139:名無しのバスター

というか、>>1の返信遅いなぁ

もしかして、死んだか?

 

140:名無しのサマナー

>>139 なんという無慈悲

でも女神転生だから、ありえなくもないのがあれ。

 

141:名無しの悪魔

へっぽこCOMPとか下手に壊すと爆発程度じゃすまなそうだしね。

壊した瞬間異界化とか十分あり得そう。

というか、作品によってはよくあるよな

 

142:名無しのサマナー

>>141 COMP暴走からの悪魔沸き装置化

    経験値の稼ぎ所さんですね、わかります

 

143:名無しのバスター

というかマジで返信が遅いな、これは本当にほんとか?

 

144:>>1

くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」!!!!!!!!!

wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 

145:名無しの悪魔

!!!

 

146:名無しのサマナー

おいおいどうした突然wwww

 

147:名無しのバスター

これ以上のハプニングはお腹いっぱいだぞw

いいぞもっとやれw

 

148:名無しの悪魔

もしかして、マジで異界化したか?

それなら、俺が救出しに行ってもええんやで?

 

149:>>1

148のやさしさが身に染みるが、そうじゃない。

実はさ、あの後結局このCOMPは元の場所に戻そうと思ったんだ。

それで、家の外に出たんだ。

 

すると家の外に無数のシスター服の女性の集団が待ち構えていたんだけど、お前らどう思う?

 

 

150:名無しのバスター

>>149 ひえっ

 

151:名無しの悪魔

何そのホラー(真顔)

 

152:名無しのサマナー

>>149 はえーよ!メシアン!

 

153:名無しのバスター

>>149 ジョボボボボボボボボ

 

154:名無しのサマナー

やったやん(震え声)

イベント発生だよ(震え声)

よろこべよ

 

155:名無しのサマナー

とりあえず、何があってもここのことは話すなよ?

それやったら、マジで俺らがお前のことぶっ殺しに行くぞ?いいな?

 

156:名無しのバスター

>>155 そこは助けに行くぐらい言ってやれよw

……いや、私は無理ですよ?

 

157:名無しの悪魔

とりあえず、>>1よ今はどんな状況なの?

助けるにしても、見捨てるにしても、詳しい状況さえ言ってくれないとどうにもできんぞ?

 

158:>>1

とりあえず、あの後、すぐにUターン&荷物整理

急いで、家にある窓から脱出したよ。

これで巻けたかどうかわからんが、二度とあの家には戻れんな(白目)

 

159:名無しの悪魔

よ~しよし!

よかったよかった、とりあえず>>1のその行動力はすごいな。

感心すらできる

 

160:名無しのサマナー

ナイス!!!

とりあえず、地の果てまで逃げろ~~

最悪俺らのうちだれかがかくまってくれる……はず

 

161:奥多摩の悪魔

奥多摩まで走れば、俺の住む異界でかくまってやるよ

だから、マジでがんばれ

 

162:名無しのバスター

>>161 この反応の速さよ

>>158 というわけで、>>1よ、早く走るのだ、奥多摩まで!!!

    ……いや、それって下手な都外よりも遠いんじゃry

 

163:名無しのサマナー

というか、そのシスターとかって偶然じゃね?

さすがに昨日の今日で即対応手出来る地元悪魔系組織とか

恐怖の対象でしかないよ?

 

164:>>1

【悲報】どうやら、>>1の勘違いではない模様

さらに、なぜか知らんが付けられている。

なぜか、走る先々に、シスター服+神父服のひとが多数みられる件。

なにこれ、混乱状態?それともマジでメシアンに追い詰められている?

というか、これも正しく打ててるの?ボスけて

 

165:名無しの悪魔

あー!アーッ!あーーーーーー!!!

 

166:名無しのサマナー

やべぇよ……やべぇよ……

 

167:名無しのバスター

な、なぁ、それって冗談だよな?

悪いギャグだよな?

嘘って言ってください!!

 

168:名無しのバスター

【悲報】この世界のメシアン、超絶アクティブ【やばい】

 

169:名無しの悪魔

悲報ってレベルじゃねぇよ!!

地元サマナーだけでなく、メシアンまで山盛りとか、俺達悪魔に死ねって言ってるみたいなもんじゃねぇか!

それってとっても危ないなってry

 

170:>>1

駅の改札口封鎖された。

……これはもう、だめかもしれんね

 

171:名無しのサマナー

あっ(察し)

 




ガイア教「先越されたか!俺らも参戦するぞ!」


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2話目

草木も眠る丑三つ時。

眠らない魔都東京の一角にうごめく影あり。

百鬼夜行の魑魅魍魎。

かつての大戦で壊された国防霊装に、無数の犠牲者の怨念。

宗教思想のガラパゴス化に数多もの特異点がここ東京を魔都たらしめ、今日も無数の悪魔を輩出しているのであった。

だが、生まれるのならば消えるのも世の理。

そして、その悪魔に死を与えるものが今ここに存在するのであった。

 

「おい!貴様、ディア使えるか?ディア使えるか?使えないだろうなぁ!!!!!

 ならば死ねぇぇ!!!」

 

「ぐあああぁぁぁぁぁぁぁ」

 

というわけで今日も今日とて楽しく悪魔狩りである。

なお、件の標的の悪魔はここ数日で随分と見慣れた悪魔であった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪屍鬼≫ゾンビ Lv3

HP ??

MP ??

【相性】 呪殺・精神無効 火炎・破魔弱点

【スキル】・毒ひっかき (物理属性 小ダメージ+毒)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ほぼオバタリアンと同等のスキルと耐性構成である。

さらに言えば、ステータスの関係か実際に戦闘してみると、この〈ゾンビ〉はオバタリアンのそれよりも少し鈍い、つまりは楽勝だということだ。

 

「手裏剣術4段の腕前をくらえ!!」

 

「……グギ、オゴゴゴゴゴ!!!」

 

【バック】から手裏剣を取り出し、それを素早く件のゾンビに向けて放つ。

こちらの投げた棒手裏剣は流れるように相手の足部分にあたり、もし相手が人間ならば今の一撃だけでその場で倒れこむこと間違いなしだ。

 

「ガァァァァァ!!!」

 

しかし、それだけで止まるほどゾンビは、悪魔は甘くはないようだ。

人間ならば腱が切れて動けないはずのその足を、無理やり超常の力で動かし、近づいてくる。

が、すでにこちらが先制できている時点で勝ちは決まったも同然であり、あとは仲間と自分の追加攻撃であっさりと沈むのであった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

●〈中島 凪〉のレベルが上がった!レベルが8になった!

新しく〈毒針〉を覚えた!

 

●〈いたずら下手な〉カブソのレベルが上がった!レベルが5になった!

新しく〈麻痺ひっかき〉を覚えた!

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ひゃっは~~!!新しく強い技を覚えた気がするにゃ!」

 

「……相変わらず、どっちも物理寄りだけどな」

 

新しくレベルが上がったのはいいが、相変わらずパーティバランスが悪すぎである。

〈毒針〉も〈麻痺ひっかき〉も物理属性一辺倒。

さらに自分が覚えたとされる〈毒針〉意味不明すぎる。

どこから毒針を放つのか、髪か?指か?それとも口なのか?不安しか出てこない。

 

さて、結局あの日初討伐の夜に、自分のまともな回復手段がバックに残っている残り4つの【傷薬】以外何もないことに気が付いた。

そのため、何とか自分でも使える回復手段である【ディア系】回復魔法を使える仲魔探しを続けてるのであった。

が、当然探しただけで現れてくれるほど、そう都合のいい話はない。

そもそも、この町中で【悪魔】に出会うことすらそこそこ貴重であるのに、出会えたとしてもそいつはたいてい【屍鬼】やスライムである。

もちろん、そんな悪魔がディア系の回復魔法が使えるわけも、まともに会話ができるわけもなく、結局は経験値の足しにしているのがここしばらくのライフスタイルである。

 

「……あー畜生、やっぱり街中だとピクシーがポンポン出たりしないのかねぇ?」

 

「さすがに妖精とか、地霊とかはそういう場所じゃないと出ないと思うにゃ。

 でもサマニャーもオイラもどんどん強くなってるから問題にゃいのでは?」

 

「お前は1つ5000円のお薬で全快出来るから関係ないんだろうけど、こちとらそうはいかないんだぞ?

 いつも綱渡りの戦闘でひやひやしてるんだ。

 せめて、毎回の戦闘ごとにゾンビ共が確実に魔石を落としさえしてくれればなぁ……」

 

「ひやひやしてるって言ってる割に、いっつもサマニャーは敵に突っ込んでるにゃ。」

 

「うっせ、おとなしくちくわでも食ってろ」

 

そんな風にカブソにちくわを投げ与えながら愚痴っているときに、それは突然現れた。

COMPから突然なるアラーム、無色から黄色へと変わるエネミーソナー。

即ち、次の悪魔の反応である。

 

「……!!連続で出てくるとは珍しいな。

 おいクソ猫、ちくわ食ってないで次の悪魔が来るぞ!さっさと構えろ」

 

ご褒美のちくわに夢中で気の抜けていたカブソのケツを蹴り上げ、有無を言わさず戦闘の準備をする。

カブソが何か言いたげな顔でこちらを見ている気がするが無視。

エネミーソナーが真っ赤になるころには、悪魔そのものの気配は見えずともマンホールがごぽごぽと水音を立てているせいでどこから来るのかまるわかりであった。

そしてそれは凄まじい威圧感と悪寒と共に現れた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪龍王≫〈分け身の〉ゲンブ Lv6

HP ??

MP ??

【相性】 氷結耐性 電撃弱点

【スキル】 ??

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「……よし!格下だ!殺せ!じゃなかった、捕らえろ!」

 

「くらえにゃ!<麻痺ひっかき>!」

 

「グワーッ!!!!!」

 

 

この間、実に0.1秒。

先手必勝が常勝の理とはいえこれはやりすぎである。

もし相手が物理反射なら、今頃ミンチなのはこちらだったのはいうまでもないがきちんとアナライズしてから襲ったからセーフだともいえよう。

 

「ままま、まてまて人の子よ!今宵は戦いに来たのではない!

まずは話を聞け‼︎

うむうむ、わかってくれて嬉しい‥‥いや、刀を下ろさないのかよ」

 

当然である。

悪魔相手に油断出来るほど自分が強くないのは充分に理解してるつもりである。

ゲームでは序盤の悪魔交渉に失敗=奇襲からの死は女神転生のお約束ともいえよう。

そのため、絶対に油断だけはせず、背後に退路は常に意識して……。

 

「はぁ~~!よかったにゃ~~!!

 サマニャー!どうやらこの人は敵じゃないみたいだにゃ~~。

 これなら一安心にゃ!あ、おじさんもちくわいる?なかなかおいしいにゃよ?」

 

「ほう、魚介の練り物か。

 嫌いではない、頂こう。」

 

対してカブソは実にお気楽、殺意すら湧くほどだ。

とりあえず、後でカブソを絞めると心のデスノートに記入しつつ、バックから追加のちくわを取り出してゲンブとカブソに与えた。

しばらくチクワ批評会で盛り上がった後、このゲンブはこんな事を言い放った。

 

「なに、実はな、最近我の守護下の<異界>が厄介な侵略者に乗っ取られてしまってな。

 先日別の人間に奪還を依頼したのだが、結局まだ解決できてないようなのである。

 というわけで、そ奴にかわっておぬしが我の領地を取り戻してくれんかのう?

早くしないと、異界が暴走して、この辺一帯が水没するだけでなく、悪魔が溢れてしまうが故、この地の守護を任された我の立場としてもおぬしらここに住むものとしても非常にまずいことになると思うのだが。」

 

ちょっと、色々言いたいことがあるが、とりあえずは、それは自分には荷が重すぎる問題では?

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

※ なお、この間の異界に行くか行かないかの葛藤は

【ボスけて】初めての異界攻略【なお、ほぼソロ】 参照

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

というわけで、色々悩んだり、DDSーNET(S)で相談したりして数日。

結局自分は再び同じ路地裏に来ていた。

 

「おお!また会ったな若き人の子よ!

して、我の頼みを聞いてくれるのだな?」

 

「取り敢えず、軽くね軽く。

前報酬ももらえるらしいし。

一旦下見していけそうなら、依頼を受けたい。」

 

虎穴に入らずんば虎子を得ず。

色々考えた結果結局自分はこの依頼を一旦は引き受けてみることにした。

勿論これが罠の可能性や他の人にたらいまわしにする事、掲示板で他の人とパーティを組んでなど色々考えた。

が、まずは依頼された先がの異界がどの程度の難易度が下調べするのが一番初めにやることだという結論に至った。

 

「出来ることなら、ばっぱっとその異界をクリアしてやりたいんだけどね?

本当にその異界が自分でクリアできる程度なのか分からないからな。

それで構わないか?」

 

「ふむ、我の見立てでは、お主一人で十分倒せそうだと思ったから依頼したのだが‥‥

まあ、不安になる気持ちがわからないわけではない。

良かろう、なれば今ここに入り口を作ろう、暫し待つが良い」

 

すると、現場の足元にあった下水への入り口が淡く輝き出す。

そしてCOMPも【マッパー】もそれに呼応するかのように更新され、マップ上でそこが【渋谷地下水道迷宮・入り口】と表示される。

どうやら、このゲンブの発言が1から10まで完全に嘘だったと言う最悪のシナリオでは避けられたようだ。

 

「ここをくぐれば元我の支配する異界に行けよう。

帰るときはまたこの門をくぐれば戻れるであろう。」

 

ちょっと棒や指を突っ込んでみた感じ、特に罠という感じでもなかった。

顔を突っ込んでも問題なく、別世界っぽい地下水道という不思議な光景が見えるだけだ。

ちょっとだけ、自分が本当に女神転生でファンタジーな世界に来たことへの感動が心に宿った。

 

「さて、では頼んだぞ!

 我の守護地を荒らすあの憎き悪魔を倒しさえしてくれれば、然るべき礼と口利きはしてやろう。」

 

そういいながら、ゲンブが心持ちうれしそうな顔で、自分に向かってそう言ってきた。

なお、この依頼の報酬として、この依頼の後に回復とエナジードレインどちらも使える悪魔を紹介してくれるように約束してもらった。

前報酬として、模擬刀でない本物の【刀】も貰えたし、できる限りの下準備はしたつもりだ。

 

「今回はあくまで下見下見、深追いは禁物。」

 

そう自分に言い聞かせるように呟きながら、異界の入り口へどんな困難が来てもいいように覚悟を決めながら乗り込むのであった。

 

 

……が、一番初めにそこで待ち受けていた困難はこちらの想像の上をいく物であった。

 

 

 

 

 

『ウオォン!!コノトチ、スデニオレサマノモノ!!

シンニュウシャ、ユルサナイ!!ニドモ、オナジテヲクワナイ!!』

 

「え?」

 

「あ。」

 

「にゃ」

 

異界の門を完全にくぐった瞬間、変色する異界の入り口、弾かれる体。

そして、思わずCOMPを確認すると、そこにはこのような通知が来ていたのであった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

▼貴方は、異界の中に閉じ込められてしまった!!

 

▼異界の主の悪魔を倒すまで、あなたはここから脱出することができない!!

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 




セーブポイントと回復ポイントと現実に会ったらよかったのにね



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【ボスけて】初めての異界攻略【なお、ほぼソロ】

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【ボスけて】初めての異界攻略【なお、ほぼソロ】

 

 

1:名無しのサマナー

昨日まで路地裏でゾンビ狩りにいそしんでいたんだけど

突然の野良悪魔が現れて、異界攻略を命じられた件

しかも、断ると、東京破滅予言までされた。

ぶっちゃけ、まだレベル10にも満たないのに荷が重すぎるんじゃが、じゃがぁ!

 

2:名無しのバスター

>>1 嘘乙

……と言いたいんだけど、ここメガテンだから十分あり得るんだよなぁ……

 

3:名無しの悪魔

>>1 嘘乙!

国防担当の悪魔なんていたら、とっくに悪の悪魔なんて滅ぼされてるだろうから

その悪魔だいぶ吹かして話してるだろ

 

4:名無しのサマナー

>>1 冗談はよせボーイ!

それよくメガテンである、「騙して悪いが……」系クエストのパターンにしか見えない

 

5:名無しのバスター

>>1 嘘乙 と言いたいけど、詳しい状況がよくわからんとも何とか。

相手のレベルとか、そういうのはわからんのかい?

 

6:名無しの悪魔

むしろ俺が、東京を滅ぼしたい件

 

7:>>1

詳しい状況を話すまえに、前提を書いておくわ

▼俺 TS系オールドサマナー Lv8

   摸擬刀と手裏剣メインの物理系サマナー

   正直、仲魔が弱すぎてお話にならなくて困ってるのが最近の悩み

 仲魔 カブソ Lv5

    ひっかき系しか使えないおちこぼれ悪魔

    最近麻痺ひっかきを覚えたけど、普通のカブソなら【アギ】覚えるらしいのにこの始末である。

 

討伐歴…【屍鬼】ゾンビ、オバタリアン、ゾンビちゃん、ゾンビドック、【外道】スライム

正直まだまだ、自分が駆け出しなのは重々承知してるし、パーティ戦も未経験

それなのにいきなり異界攻略とかハードル高ない?

   

8:名無しのサマナー

>>7 TS系オールドサマナー

ちょっとまて

 

9:名無しの悪魔

>>7 TS キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

 

10:名無しのバスター

>>7 ちょ、まwwww

やっぱりTS勢は存在したのかwwwww

悪魔化以外では意外と報告少ないからどうなってるかと思ったけどやっぱりいるのねwww

 

11:名無しのバスター

>>7 まー、そりゃいるよなwwww

というか自分もTSバスターやしwwww

ところでTSって、男→女?それとも女→男? 後者なら明日乙女ロードで私と握手

 

12:名無しのサマナー

いやぁ、TSって言葉は大概男→女でしか使わんでしょwww

というわけで、実際性別変わった感じどんな感じ?

やっぱりもう、大興奮したとか?それとも以外にも初心な感じ?

 

13:名無しの悪魔

そこは、スカートの有り無しと下着の趣味を聞くべきだろJK

 

14:名無しのバスター

オールドだからやっぱり熟女?

それとも逆説的に幼女の可能性がry

 

15:>>1

お前らに相談した俺がバカだった

 

 

 

 

(なお、この後、しばらくTS談義及び>>1の私生活が根掘り葉掘りされてます)

 

 

61:名無しのサマナー

スパッツとは恐れ入った!

やったぜ!タヱちゃん!明日はホームランだ!!

 

62:名無しのTSバスター

うむうむ!よくぞ言ってくれた!!

そう、スパッツならば男女共通!

なにもおかしくはないネ

 

63:名無しの悪魔

スパッツなら、パンツがなくても恥ずかしくないもんな!

 

64;名無しのサマナー

おまえらそろそろTSの話ばっかりじゃなくて、>>1の依頼についても聞いてやれよwwwww

 

65:名無しの悪魔

いやだって、もうそういう悪魔関連はおなか一杯っていうか……

 

66:>>1

おwwwまwっうぇwwwらwwwww

 

67:名無しのサマナー

だが少しまて、ここでもしまともな返答が出来なければ

この貴重なTS属性のサマナーを失うことになるのでは?

 

68:名無しの悪魔

>>67 !!!!!!

 

69:名無しのバスター

>>67 そこに気が付くとは……やはり天才……

 

70:名無しの悪魔

>>67 なに!このままではTSスパッツ系サマナーが悪魔にエロ同人されるだって!

 

71:名無しのサマナー

>>67 TSスパッツオレっ娘幼女サマナーが、夜魔に騙されて……ふむ、続けて

 

72:>>1

おまえら、元男相手に何を期待してるんだwww

……ぶっちゃけ怖い(真面目)

 

73:名無しのサマナー

ばかやろう!!元男だからいいんじゃないか!!

 

74:名無しの悪魔

なにか、問題でも?

 

75:名無しのバスター

女の快楽は男の100倍らしいからね、仕方ないね

 

76:名無しのバスター

>>72 おう、この空気をどうにかしたくば早く燃料を追加するんだよ

あくしろよ

 

77:名無しのロリコン

お前らひどすぎワロタwwwww

大丈夫!ここに俺みたいにまともに相談に乗るつもりの奴もいるから!

 

……だから、ちょっと下着を脱いで、その感度と体の関係性をry

 

78:名無しの悪魔

率直に言って地獄かな?

 

79:>>1

とりあえず、詳しい状況を書くと

 

いつどこで…昨日の夜、渋谷の路地裏で

誰が…≪龍王≫「分け身の」ゲンブ Lv6 氷結耐性 電撃弱点

なにを…渋谷の地下水道に管理していた【異界】があったけど、野良悪魔に乗っ取られたから取り返してくれ

なぜ…前人が失敗したから、その代わりに。なお、放置すると異界が暴走して渋谷沈没するとのこと

どのように…一回攻撃しても誤射で許してくれるぐらいには寛大

      性格は話す限りは普通、前報酬と成功報酬あり

 

80:名無しのサマナー

あ や し い

 

81:名無しの悪魔

う~んこの

 

82:名無しのバスター

だれか地質学に詳しい人はいらっしゃいますか~?

 

83:名無しのサマナー

>>82 そこは風水だろJK

 

84:名無しのメシアン

とりあえず、天使以外はNGで

 

85:名無しのサマナー

>>84 ダウト

 

86:名無しのバスター

>>84 アウト

 

87:名無しのバスター

>>84 メシアンがアウトっていうならむしろ正しいんだな!

    よっしゃ!ぜひやるべきだ!(ぐるぐる)

 

88:名無しの悪魔

まぁ、冗談は抜きにしても、ちょっと微妙……というか怪しい。

ただの玄武にしてはやけにレベル低いし。

なんかこう、何も見なかったことにしてスルーするのが安定な気がしなくもない。

 

89:名無しのバスター

まぁ、そういう悪魔からの依頼を受けるなら、もうちょっとレベル上がってからの方がいいよなぁ

罠にしろ、罠でないにしろ

 

90:名無しのサマナー

にしてもゲンブか……

メガテン的には敵でも味方でもどっちでもない印象だなあ

ピクシーなら即OK,天使なら即キャンセルぐらいならわかるんだが

 

91:名無しのメシアン

>>90 ギルティ

 

92:名無しのガイアーズ

>>90 >>91 wwwwwwwwww

 

93:名無しのサマナー

ちょっと刃、当たってんよ~~

 

94:名無しの悪魔

なぜ、メシア&ガイアに書き込み制限しなかったのか

これがわからない

 

95:名無しのバスター

ゲンブとか、黄龍の特殊合体で使う印象しかねぇなぁ

……ところで、その〈分け身〉って何?いや、なんとなくニュアンスはわかるんだが。

 

96:名無しのサマナー

>>95 分霊的なサムシングじゃない?詳しいことはわからんけど

 

97:>>1

>>95 本人(本悪魔)に聞いたところ、本体の分身とか、もっと大事なところ守護しているけど本体は動けないから派遣用の体的なのらしい。

いや、ほんとは>>1も放置したいのはやまやまなんだけど、東京が沈む言われたらねぇ

どのくらい先かもわからんけど、これを放置したせいで東京滅亡とかなったら、後悔してもしきれんわって思って。

 

98:名無しのサマナー

>>97 さすがにそれは考えすぎじゃね?

……それに、もっと明らかな東京滅亡フラグがいろいろ立ってるし(自衛隊五島部隊ナウ)

 

99:名無しのバスター

ははは、異界1つごときで東京滅亡とは笑わせる(タルタロス攻略ナウ)

 

100:名無しの悪魔

大丈夫、それより前にもっとやばいことが起きそうだから(アントリア探索ナウ)

 

101:名無しのサマナー

>>98~100 ひえっ

 

102:名無しのサマナー

>>98~100  こいつらのいる場所全部にICBMさえ落とせればどんだけ楽なことか

 

103:名無しの悪魔

何事も暴力で解決するのが一番だ(名言)

 

104:名無しのバスター

まぁ、嘘にしろホントにしろにしろ、もしそれが誰も探索してない異界なら

それだけである意味宝の山だからなぁ、探索したい気持ちはわかる

 

105:名無しのサマナー

異界もなれりゃぁ、経験値稼ぎ場だしな。

一部を除いて、いまだ高難易度の異界は見つかってないし、

GP的に考えて多分、いきなり高レベルだけしかいないデスダンジョンってことはないだろう。

 

106:名無しの悪魔

単騎はつらいかもだが、それだってサマナーなら一人で手数補えるしなぁ

やっぱり、サマナーって卑怯だわ

 

107:名無しのバスター

実質世紀末が決まってるから、今のうちに稼げるうちに稼いでおきたいからな。

>>1は野良ゾンビがりしているみたいだけど、それだとそろそろレベル上限に詰まりそうだし

異界探索もいい転機だとは思う

 

108:名無しのサマナー

>>104~>>107 突然の修羅勢

 

109:名無しのバスター

攻略ガチ勢怖い

 

110:名無しのガイアーズ

オレでも、さすがにここまで極端な意見は言えんわ

ゾンビ相手に地味ヒャッハーで精いっぱいだわ。

 

111:名無しの悪魔

まぁ、>>104~>>107の言いたいこともわかる。

ぶっちゃけ異界とかいっても俺が知るところだと、今の東京なら明らかにやばい場所

(エコービルやら自衛隊駐屯所、神取ビル)除けば、しょぼい異界しかないからなぁ。

他の悪魔曰く『これからどんどんやばくなる』って予言しているから、今みたいな安全な異界しかないうちに探索するのはおかしい話ではない

 

112:名無しのサマナー

>>111 その話よく聞くけど、結局それってマジなの?

ベータ版では、時期がたつごとに確かに野良悪魔のレベルとか上がっていったけどさ

 

113:名無しのバスター

ゲームと現実を一緒にするゲーム脳乙

いきなり東京滅びるとか何言ってるんだって感じですよ

 

114:名無しのサマナー

ゲームに閉じ込められた俺らがそれ言っちゃお終いよ

 

115:名無しの悪魔

現実逃避乙

むしろ、俺ら的には崩壊を前提に動くほうな普通だろ

 

116:名無しのバスター

まあ、信じるも信じないも本人の心構え次第だろ

でも見たところ、1は結構異界探索に乗り気だし東京崩壊信じている感じ?

それなら色々とつじつまが合うんだけど

 

117:>>1

まあ、信じてる信じてないで言ったら割と信じてる。

正直体が丸々変わったせいで、現実逃避の引きこもりすらできんし職業設定がなかったせいでマジでただのニートだからなぁ

悪魔狩りぐらいしかすることがないのである(絶望)

 

118:名無しのサマナー

わかる(ニート並感想)

 

119:名無しのバスター

お前は俺か

 

120:名無しの悪魔

毎日がエブリディすぎて辛い

 

121:名無しのサマナー

というか、性別まで変わったんだからそりゃ嫌でも危機感湧くか

ある意味悪魔勢並みのガチ勢だな

 

122:名無しのロリコン

性別が変わったことによるムラムラを、悪魔で誤魔化すと聞いて(難聴)

 

123:名無しのガイアーズ

淫乱虐殺系TS美女か

多属性だな

 

124:名無しのサマナー

それだと悪◯姦してるみたいだな

カブソだから獣○だな

 

125:>>1

毒針飛ばすぞてめーら

で、結局異界に行っても俺は大丈夫なの?

それとも「ご苦労だった……と言いたいところだが」される流れなん?

どっち?

 

126:名無しのサマナー

大丈夫か大丈ばないかでいえば多分大丈夫

行くことにそれなりにメリットは感じられるし、罠であってもそこまで即死みたいなことはない…はず

でも、どうやら1は異界初心者みたいだから言っておくと、「危ないと思ったら、すぐ帰る事」これだけは守れ。

これさえ守ればなんとかなるはず。

 

127:名無しのバスター

正直言わなくてもわかってると思うけど、初回は情報収集したら帰る位の慎重さでいいも思うよ。

出てくる悪魔の傾向と耐性によってはどうしょうもない場合もあるし。

別に一時撤退しても異界は逃げん

 

128:名無しのバスター

>>126、127 修羅勢のありがたいお言葉

 

129:名無しの悪魔

ガチ勢怖いな、とずまりしとこ

 

130:名無しのサマナー

今の時点で毎日悪魔狩りしているんだから、攻略ガチ勢なのは間違いなさそうだから

まぁ、出来る限り頑張って、さっさとこの世界をクリアしてほしい(モブ並み感)

 

131:名無しのサマナー

>>130 甘いな、真のガチ勢ならそんな寄り道的な依頼受けないぞ。

   奴らは真摯に吉祥寺の異界とかマヨナカテレビでパーティ組んでまっすぐレベル上げにいそしんでるぞ

 

132:名無しの悪魔

>>131 ストイックすぎぃ!

 

133:名無しのバスター

まぁ、俺ら的には野良異界とかの攻略ケースが少なすぎるから、ぜひ>>1には実験台になって報告してほしいのが本音だ

 

134:名無しの悪魔

ウス=異本展開キボン

 

135:>>1

なんかすごい不安になる言葉が多いけど、とりあえず前向きに、かつゲンブさんがお前なら問題ないと言ってた言葉を信じて、ちょっくらやってみるわ。

受けるなら前報酬でなんかすごいかっちょいい刀もらえるし。

……ところで、自分一人だと不安なんだけど、一緒にPT組んでくれる優しい人がいたりとかは……

 

136:名無しのバスター

おう、がんばれよ!

煙球を忘れずにな~

>>135 ははっ、ナイスジョーク

 

137:名無しのサマナー

>>135 見ず知らずの人と一緒にPTくんで噂されたら、嫌だから……

 

138:名無しの悪魔

>>135 TS娘の処女と引き換えなら

 

139:名無しのバスター

回復薬はあり過ぎて困ることないからたっぷり買っておくんだぞ

>>135 せめて、どんな悪魔が出るかわかってからなら

 

140:名無しのバスター

>>135 一緒に組んでもいいけど、まずは異界がどんなもんか下見してからにして

 

141:>>1

畜生!流石お前ら、いざというときはというときはマジで役に立たないな!

いいもんいいもん!こうなったら、一人でパパっと攻略して報酬独り占めしてやるもん!!

畜生め!!

 

142:名無しのバスター

>>141 いてらー

 

143:名無しのサマナー

>>141 面白い報告期待してるぞ~~

 

144:名無しの悪魔

>>142 異界の詳細わかったら、助けられるかもしれんから

    また折り返しの報告よろ

 

145:名無しの悪魔

>>142 もし侵入者とやらがPCだった場合は手加減ヨロ

 

146:名無しのサマナー

応!頑張ってこい

 

 

 

……さて、そろそろいったか。

みんなー、>>1が本当に無事に帰ってこれるか賭けようぜ!

俺は、なんだかんだ言って罠で、異界がゲンブのトラップタワー説に一票

 

147:名無しの悪魔

>>145 おまえwwwww

なら自分は、中が淫魔系ばかりで、偽典展開に一票

 

148:名無しのバスター

>>145 自分は普通に下見して無理そうですぐ帰ってくるに一票

 

149:名無しのバスター

>>145 そもそもヘタレて、結局は異界には入れないに一票

 

150:名無しの悪魔

お前らwwwwww誰か一人くらい大成功で依頼達成からの日本救出ルートに1ッ票入れろよwww

 

151:名無しのサマナー

>>150 いや、無理だろ(真顔)

 

152:名無しのバスター

>>151 ははっ、ゲームや漫画でもあるまいし

 

153:名無しのバスター

>>151 現実はゲームよりも、厳しいんやなって

 

154:名無しの悪魔

おまえら、鬼か

 

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 




※なお、みんな悪魔退治しているように見えるけど
実際は引きこもっている人の方が多いのが現状です

ただし、悪魔勢は除く


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3話目

※今回の話から 攻撃や耐性属性を斬→物理にするという小変更しました
ご注意ください


【渋谷地下水道迷宮】

 

そこは一見すればただの地下水道。

周りに流れる汚水にじめじめした雰囲気、かび臭い匂い、薄暗くもところどころ輝く電灯。

しかし、それでもここが異界であるのはあきらかであり、例えばただの地下水道のはずなのにここが車が通れるほど広かったり、ありえないほど複雑かつ膨大に道が広がっていたり。

そして何より、目の前にいる無数の悪魔達がここが尋常ならざる場所だということを示しているのであった。

 

「ゲッゲッゲ!イツマデ、イツマデ!!」

 

「ヒッヒッヒ!フケイ、フケイィィィ!!」

 

「くっそ!また出やがったな!

 さっきからキリがない!」

 

そこにいたのは、2匹の鳥の姿をした化け物。

片方は、立派な髭の生えた壮年男性の人の顔とがった耳、雄鶏の体。

もう片方は、人の頭蓋骨を模した頭に鋸のような歯が並び、剣のような鋭い爪を持つ巨鳥。

どちらも鳥型のいわゆる【凶鳥】といわれる悪魔のカテゴリー。

戦乱や疫病を招くとされる不吉の象徴。

人面鶏体の悪魔【フケイ】は中国では凶事の先触れ、戦乱を呼び寄せる鳥として、骨頭鳥体の悪魔【イツマデ】は疫病の流行や飢饉の死者の怨霊が鳥に化けたものとして知られている。

なお、女神転生においてこれら【凶鳥】の悪魔の特徴として有名なのがある。

別にそれは、こいつらの鳴き声が某国民的黄色鼠のように自分の名前を叫ぶことではない、それはたまたまこの2種類がそういう悪魔だというだけだ。

そう、悪魔カテゴリー【凶鳥】、それに共通する特徴とは……

 

「羽の生えた雑魚どもが!!こっちは急いでるんだ!!

 さっさとおとなしく成仏しろ、【毒針】!!」

 

「イツマ……いぎゃ、ぐあああぁぁぁぁぁ!!!」

 

「わ、わしが、人間如きに……ぐああぁぁぁぁ!!!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪凶鳥≫フケイ Lv6

HP ??

MP ??

【相性】 銃・電撃弱点

【スキル】・ザン (衝撃属性 単体攻撃)

     ・シバブー (敵単体に麻痺付着)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪凶鳥≫イツマデ Lv7

HP ??

MP ??

【相性】 火耐性 銃・氷結・破魔弱点

【スキル】・アギ (火属性 単体攻撃)

     ・ひっかき

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「あ、またレベル上がった」

 

「オイラもにゃ~~!

 お!サマニャー、おいらも新しい特技をおぼえたきがするにゃ!」

 

そう、この【凶鳥】の特徴、それはどいつもこいつも【銃】属性の攻撃に弱いということだ。

おそらく、【鳥は銃で撃たれて死ぬ】という概念が【悪魔】レベルでも浸透しているこの世界ゆえの出来事なのであろう。

ここに来る直前に【毒針(銃属性攻撃+毒付加)】を覚えていたおかげで、ここについてから出会う【凶鳥】の悪魔群れ相手でも危なげなく戦えている。

そして、バシバシと悪魔を倒せているおかげでレベルがどんどん上がり、今では【毒針】を使わずとも手裏剣による攻撃(銃属性)だけで一撃で倒せるほどだ。

どうやら、あのゲンブの言うこと自体は基本間違っていなかったようだ。

ここで出てくる悪魔はどいつもこいつも【凶鳥】系ばかりであり、どいつもこちらの手裏剣で一方的に駆ることができる。

文字通り【自分一人でも攻略できる異界】の発言に偽りなしだ。

おかげで走り回るだけで、マグネタイトもマッカに経験値、時々ドロップ品まで手に入る。

もし時間さえあれば、手にもつ手裏剣すべて使い切るまで戦い続けたであろう。

 

「ブオオォォォォォ!!マテ!シンニュウシャ!!

 オレ、オマエ、ニガサナイ!!コロス、コロス、コロォォォス!!」

 

……ただし、当然ながら世の中そんなに甘くない。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪龍王≫〈威風堂々〉ノズチ Lv17

HP ??

MP ??

【相性】 物理・氷結・電撃・火炎耐性 衝撃・呪殺弱点

【スキル】 ??

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ニャ―!!なんて奴にゃ!!

 鈍いくせにもう追いついてきたにゃ!」

 

「あ~もう!物理耐性って、序盤のボスの耐性じゃねぇぞ!」

 

そう、この異界で出会ったなかで唯一【凶鳥】でない悪魔。

誇大な体に眼も耳も頭すらない一頭身。

しかし、まるで象のような長い鼻とマルタのように太い脚。

この異界の現在の主にして、今回の異界監禁元凶〈龍王〉ノズチ。

それが地面を砕き、障害物を吹き飛ばしながら突撃してきたのであった。

 

「グオオォォォォォ!!!!!」

 

「あぶないっ!」

 

「ブニャばらっ!!」

 

ノズチがその巨体と象のように長い鼻を使って、強大な物理範囲攻撃【会心波】を放ってくる。

幸い自分はその見え見えの大振りな攻撃などかわせるが、カブソにとってはそうではないようだ。

ノズチのその激しい一撃を食らい、まるでゴムマリのように吹っ飛んでしまう。

 

「くっそ、よくも肉盾(カブソ)を!

 追加の【毒針】くらえ!」

 

「ブブゥ!!」

 

自分の放つ手裏剣に魔力的な何かがこもり、それが【毒針】となってノズチのその巨大な毛皮の中へ突き刺さる。

一応【銃】属性の手裏剣は【物理】属性ではないため、多少となりダメージを食らっているはずではある。

なおこの〈毒針〉というスキルを実際使ってみたところ、これは自分の〈銃属性〉攻撃をオーラとか魔法的何かで強化するスキルであり、髪の毛を飛ばしたり、針を具現化させる能力ではないのであしからず。

 

「グブブッ!!グブブッ!!〈ディア〉!!」

 

「なんでボスが、しかも物理タイプのくせに回復技使ってんだよ!

 殺すぞ!!(殺せない)」

 

その言葉とともにノズチの体の傷がみるみる回復していく。

この悪魔、一見脳筋に見えて普通に回復魔法が使えるようだ。

おかげで、先ほどから何度も何度も毒針を打ち込んでいるのにまるで衰えた様子を見せない。

 

「グブオオォォォ!!!〈マハジオ〉」

 

「くっそ!手元に避雷針(カブソ)が……グギガァァァァァ!!」

 

そして〈ノズチ〉から放たれる強大な雷の波。

それは広範囲で実態を持たない。

当然目視すらまともにできない【範囲魔法】なぞただの人の身でまともにかわせるわけもない。

先ほどまではカブソを盾にすることで何とか防いでいたが、とうとうまともに直撃をしてしまった。

全身に焼けるようなしびれる激痛が走る。

意識が飛ばないように、特に武器やCOMPを手ばさないよう奥歯を食い占めるが痛いものは痛い。

え?これの盾にしていたカブソをへ罪悪感?

サマナーだからね、ちかたないね。

 

「クッソ……クッソ……!!」

 

「グブ!グブブブブブブ!」

 

……が、どうやら〈運〉が悪かったのか、根性が足りなかったのか。

いくら踏ん張っても、体に、足に力が入らない。

これがいわゆる麻痺状態〈PALYZE〉になってしまったというやつなのだろう。

自分が麻痺してしまったことを理解しているのか、〈ノズチ〉が薄汚い笑い声をあげて、ゆっくりこちらへと近づいてきた。

おそらくこのノズチはもうすでに勝った気でいるのだろう。

そりゃそうだ、こちとら身動きすら取れないただの人間で、向こうは強大な力を持つ悪魔。

それはもう一見すれば、すでに勝負は決まっているように見えるであろう。

……しかし、こちとらサマナーだ、ただただおとなしくやられるほどやわな人間ではない。

 

「隙ありぃ!くらえにゃ!!!〈麻痺ひっかき〉」

 

「グバァ!?グバ、ゴババババババ…!!」

 

やられたように見せておいたカブソの奇襲が無事に成功させることはできたようだ。

そのうえ、ちゃんとこちらの狙い通り向こうも麻痺ってくれた。

実にざまぁみろ&スカッとさわやかでる。

 

「よ、よし!今の隙にさっさと逃げるぞ!」

 

「あ!ちゃんとさっきの凶鳥どもが落としたドロップはきっちり回収済みにゃ!安心して離脱するにゃ!」

 

「でかしたといいたいところだが、そんなことしてるならさっさと戦線に戻れ馬鹿!

 いいからさっさと逃げるぞ!」

 

しびれる手足に四苦八苦しつつも、カブソの補助を受けながら、何とか戦線を離脱するのであった

 

 

 

 

 

「……というかこれ、ムリゲーだろ」

 

「だにゃ」

 

エネミーソナーで安全を確保した異界の片隅で、身を休めながらそう口から漏らす。

 

「そもそもさ、こっちももうすでにレベルがアホほど上がったよ?初めての集団戦も難なく達成できたよ?

 でもねぇ、物理型に物理耐性のボスは無理なの、範囲魔法も無理なの。

 しかも、ボスのくせに最初からずっと追尾してくるとかなんだよあれ、お前はダンテか」

 

「サマニャー、おいら難しいことわかんないからとりあえず、ちくわプリーズ」

 

「……いつ異界から出れるかわからないから、半分な」

 

「わーい」

 

半分になったちくわを食べながら、色々今ある手で何とかしようと考える。

が、結論はどれも無理ということになった。

 

レベルが完全に上がるまで異界潜り?無理、あのノズチが途中乱入しているのに満足にレベル上げ専念などできるわけがないし、帰れないせいで食事睡眠がとれない。

この異界の中でノズチから逃げ切り?無理、あのノズチは常にこちらの位置をある程度は正確にとらえてくる。

あの象のように長い鼻による嗅覚によるものか、異界の主の特性によるものなのだろう。

ヒット&アウェイの逃げ切り?向こうは回復魔法もちなのにそれをするほどこちらは無謀ではない。

そもそも、もうこっちはアイテムが付きかけているのだ、それなのに持久戦とか自殺行為にしか見えない。

つまりはどこかで最終決戦を仕掛けて、倒しきるしかないのである。

 

「……というか残りの手裏剣もう20もないのは真剣にまずいな。

 このままじゃ凶鳥相手にもツム、マジツム」

 

「オイラ一人だと、この辺の野良悪魔もつらいんですがニャ。

 それと、ちくわのお替りは?」

 

「これはだめ、いざというときの非常食。

 帰ったら、笹かま買ってやるから我慢しろ」

 

「言ったにゃ?その言葉言ったにゃ!!!

 アクマ、ケイヤク、ミノガサナイ!帰ったら笹かまゲットにゃ!!」

 

こいつは能天気そうでいいな……。

こちらはもうすでに、事前に買っていた悪魔には効く〈傷薬〉は使い切り、この異界に入ってから拾えた数少ない〈魔石〉も使い切ってしまった。

残りは時価ネットで買った【ワケアリン】だけだ、なめてるのか。

手裏剣だって、凶鳥相手だけなら使った後再回収できるが、〈ノズチ〉相手に使ったり、ノズチから逃げるたびにどんどん手裏剣のストックが減っていき、すでに当初の5分の1にも満たない量しか残ってない。

本決戦で使えるのはあと2、いや1回分がいいところであろう。

つまり、あのノズチに特攻しかけることができるのはあと1回だけだ。

それまでに何とかしなければならなく、かつ今できる方法でノズチへの勝率をできるだけ上げる方法は……。

 

「よし、体のしびれも取れたし動くぞ。

 そして、あいつに追いつかれる前に新しい仲魔を勧誘する。」

 

「え?サマニャー残り1体しか仲魔にできないのにいいのかにゃ?

 今回の依頼終わったら新しい仲魔を紹介してもらうって言ってたのに。」

 

「いいのいいの。

 終わったら開放する、キャッチ&リリースすれば。

 今回一回だけの付き合いで仲魔にするの、大丈夫、もし別れるときに文句言ってもしょせんは凶鳥。

 手裏剣の攻撃で一発よ」

 

「うっわ~~、サマニャー、すっごい悪い顔してるにゃ……」

 

こうして、地味に自分にとって初めてのまともな仲魔勧誘が始まったのであった。

 

 

 

 

「チュッエチュエ、チュッエチュエ!!」

 

「キヒッ、キヒヒッ!イツマデ……イツマデ、生きあがくつもりだ?

 ヒキッ、キヒヒヒヒヒヒ!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪凶鳥≫チョンチョン Lv9

HP ??

MP ??

【相性】 衝撃無効 火炎弱点

【スキル】・マカカジャ (味方全体の魔法攻撃力を上昇させる)

     ・メパトラ  (味方全体の精神系状態異常回復)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「はい、不採用~~残念でした~~」

 

「「グギャアァァァァァァァ!!!!」」

 

こうしてまた1つ、新しい悪魔の群れを魔界へと還してしまった。

悪魔勧誘?何のことかね?

 

「サマニャー、さっきから勧誘するって言って、一匹も勧誘成功してないみたいにゃんだけど……」

 

「い、いや、しょうがないじゃん。

 まともな悪魔がいないんだもん。」

 

冗談はさておき、カブソの微妙に攻めるような視線に思わず目を泳がせてしまった。

いや、これは本当に仕方ないのだ。

こちらとしては対ノズチとなる悪魔を仲魔にしたいのだ。

そのための理想は〈物理〉以外の攻撃手段を持つ〈呪殺〉か〈衝撃〉の魔法が使え、かつ〈電撃〉属性に強い悪魔だということである。

それなのに、出る悪魔出る悪魔、どいつもこいつも何かが足りない。

〈フケイ〉はザン(衝撃属性単体魔法)が使えるが、電気弱点でそもそもレベルが低すぎる。

〈イツマデ〉は電気耐性を持たないうえ、メインウェポンのアギ(火属性単体魔法)はノズチは耐性を持っている。

〈チョンチョン〉?攻撃魔法なしだから〈物理〉攻撃しか使えないし、使える補助魔法も対ノズチ戦にはまったく意味をなさない。

そのうえ、ビジュアルはフライング羽付き生首である、ひどいったらありゃしない。

 

「そんにゃこと言っても、さっきからもう嫌な気配がビンビンしてるにゃ~

 これはもうすぐ、ノズチに追いつかれるんじゃないかにゃ?」

 

「要するに次かその次で決定しなきゃいけないわけかぁ……

 あ~~、もう、こうなったら、フケイを仲間にしてかばいつつ戦うか?

 イツマデは論外だし、レベル的にはチョンチョンだけど、今私たちの中に魔法攻撃を使えるやつがいないのがなぁ……」

 

そう愚痴をこぼしながら、ラストの仲魔勧誘のチャンスへとエネミーソナーを見ながら向かうのであった

 

 

 

「あら?こんなところに人間?

 でも運がよかったねお姉ちゃん、今はおなかがすいてないから見逃してあげてもいいよ?」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪凶鳥≫〈おませな〉モーショボー Lv14

HP ??

MP ??

【相性】 銃・火炎弱点 衝撃無効 電撃吸収

【スキル】 ??

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「はい!確保~~!!!確保~~!!

 絶対に逃がすなカブソ!!!囲え!!!」

 

「合点招致にゃ!!

 暴れんニャよ……暴れんニャよ……!!(麻痺ひっかきしながら)」

 

「きゃ、キャ~~~!助けて!!!

 暴漢よ暴漢~~!!!!」

 




※ライドウ式仲魔勧誘
まぁ、TSしてるから多少見た目はセーフ()


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4話目

※今回は文章視点が【3人称】→【1人称】と変わるため、ちょっと読みにくいかもしれませんので、ご注意ください


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【凶鳥】モーショボーは、少女の姿をした悪魔である。

より正確に言うなら、愛を知らぬまま死んでしまった少女の霊がなるといわれる悪しき鳥の姿をした悪魔。

このかわいらしい姿もあくまで囮、その本質は旅人を誘惑し、隙を見せるとくちばしで頭をつつき、穴をあけ、脳みそを吸い取るという残虐行為をするためのものである。

さて、そのモーショボーの中でも彼女、〈おませな〉モーショボーには夢があった。

辺りのモーショボー仲間が、いかに人間の脳をむさぼるか、そもそも人間とは何なのか、そんな低俗な話をしているころ、彼女はすでに心の奥底には一つの夢があった。

そう、彼女は【恋】をしたかった。

それも同じ悪魔やケダモノ相手ではない、人間にあって恋したい。

 

彼女は周りの友が妖虫系悪魔の効率的な殺し方を模索しているときに、別の女妖精(ピクシーちゃん)から人間との恋愛のすばらしさについて聞いていた。

周りの友がバカな男悪魔を囲んで棒でたたいている時に、別の女悪魔(リリムさん)から男と女の駆け引きなるものを聞いて赤面していた。

かくして彼女は、どんどん周囲のモーショボー仲間からはぐれる代わりに彼女はほかのモーショボーとは違う思想、つまりアイデンティティ、個性である〈おませ〉を得ることとなった。

 

そんな彼女がもはや自分の古巣である群れから離れることに何も躊躇がなくなったころに彼女は決心した。

 

「そうだ、人間界にいこう。」

 

そう決心すると彼女は早かった。

自分のいる場所から最も人間界に近いとされる異界へ出向き、マグネタイトがたまるまで潜伏する。

そして、人間界と魔界がつながるとき、又はこの異界に来れるほどの人間が来たとき、その人間と恋人になるのだ。

そう、これは完璧な作戦のはずであった。

残念ながら、自分のいけた異界がじめじめした薄暗い雰囲気であるが、それでも人間といずれ恋できると思えば安いものだ。

ここにいる遠縁の同胞たちは知能は低いが害はなく、唯一自分を攻撃するのはあの毛むくじゃらの1匹のみ。

幸いそいつはうすのろで空を飛べないため、自分は安全。

それにいつか自分を迎えに来る王子さま的にはあれぐらいは倒せるくらいの人であってほしい。

 

「さぁ、まっててね♪未来の私の王子様♪

 いつか私を迎えに来て、もしくは私が迎えに行くから♪」

 

 

 

……なんて、考えていた時期が彼女にもありました。

 

 

「おらっ!!さっさと私の仲魔になれ!!

 今すぐ仲魔になるんだよぉ!!!」

 

「おうおう!姉御が優しく言ってる間にさっさと仲魔になるにゃ!

 もし断ったらどうなるか……わかってるかにゃ?」

 

「い~~や~~~~!!

 絶対に嫌!!!私には夢があるの!!!だから、私は、絶対にあんたたちの仲魔なんかにはならない!!」

 

そう、彼女は絶賛ピンチに陥っていた。

淡い恋へのあこがれを抱いた純情悪魔少女は、現在邪悪なサマナーによってとらえられ、縄でしばれられ脅されていた。

ゴウランガ!何たるヒレツメイタ事か。

おおブッタよ!眠っておられるのですか!

 

「にゃ~~に~~?

 姉御が下手に出れば、調子に乗りやがって!

 ちょっとまた痛い目を見たいようだニャ!」

 

猫のような姿をした悪魔が爪を研ぎながらモーショボーへと近づく。

彼女は自らの身に降りかかる暴力を予感し、思わず身をすくめる。

 

「まぁまて、カブソよ。

 この悪魔の言うことももっともだ。

 話を聞いてやろうではないか」

 

「え、何その差別。

 オイラの時は脅し一辺倒で交渉とかなかったのに、ひどくにゃい?」

 

何か言いたげだったが刀に脅されてすごすご引き下がるカブソを尻目に、モーショボーは改めてそれを見た。

すらりとした長い肢体に、引き込まれるような黒い髪。

胸と顔からそれが女性であり、その目はどこかこちらを引きつけるように感じた。

 

「(これが……)」

 

そう、これが彼女のかつての友達から聞いたそれであり、またそれとは違う者。

悪魔より弱い体のはずなのに、悪魔を御するほどの力を持つ。

悪魔より少ない知識しか持たぬはずなのに、それを上回る知恵を繰り出す。

なにより、我々悪魔の食事でありながら、同時になぜか悪魔は彼らから目を離すことができない、そんな存在。

 

〈人間〉

 

その中でも特に【いろんな意味で憧れでありながら要注意】とされる【デビルサマナー】であることを彼女は瞬時に理解できた。

 

「……さて、で、かわいいかわいい悪魔ちゃん?

 いや、〈おませな〉モーショボーちゃんとでも呼ぼうか。

 君の願いは何かね?私としては君を仲魔にできるなら、多少なら融通するつもりだが」

 

その【デビルサマナー】はわざとらしい、身振り手振りを加えながら彼女にそう言ってきた。

だが、彼女とて悪魔、やすやすとそんな演技に騙されるつもりほど甘いつもりではない。

 

「……だめね!

 私の夢は、あなた如きにかなえられるようなてーぞくな願いじゃないの!

 あなたがあの悪名高い、でびるさまなーとか言うのだってのはわかったけど、こればっかりは無理ね!」

 

彼女とって悪魔の意地やらプライドやらがある。

人間に脅されたからと言って、なんでもはいはいと答える訳にはいかないのだ。

 

「それは誰かの命令に従ってるとか、任務だからか?

 具体的には、メシアとかメシアンとかガイアとかガイアーズとか」

 

「そんなわけないでしょ!!

 私の夢は私のものよ!!」

 

「それはたとえ今ここで殺されても……叶えたいほどのものか?」

 

その【デビルサマナー】がそう呟くと、その手に持った刀をモーショボーの首元に添える。

どうやらその【刀】はただの数打ちなんぞではない。

首に当てられただけで、まるで全身の血が凍るような寒気。

圧倒的な死の気配がそこにはあった。

 

「そ、それでも……よ」

 

それでも、モーショボーは涙目ながらにそう言いはなった。

彼女とてある程度は覚悟していた、人間界へ行った弱い悪魔の末路を、力ない悪魔が住処から出ていくその意味を。

もちろんそれはほいほい殺されて、はいそうですかといえるほどのものではない。

だが、それでも命惜しさに自分の夢を捨てるくらいなら、この身を捨てるのも惜しくない。

それぐらいの覚悟はできていたのであった。

 

「……」

 

「……(ヤッベ、ドシヨコレ、…」

 

「……(…ロセッ!コロセッ!ア、イヤナンデモアリマ、ニャー!!」

 

モーショボーはすべての覚悟を受け入れ、目をつぶりすべてを受け入れるつもりだった。

わずかに、皮膚に食い込んだ刀身が自分の最期を告げいているような気がした。

あぁ、さらばいと短き悪魔生よ、彼女の脳裏に走馬灯のような何かが流れて……

それはやってこなかった。

 

 

 

「……ならば、私が今からお前の夢を絶対にかなえてやる。

 だから、貴様はつべこべ言わず俺のものになれ。

 いいな?」

 

「……えっ、あっ♪は、はいっ……」

 

眼を開けた瞬間、首筋から離れた死の気配と、目の前にあったサマナーの真剣なまなざし。

その激しい告白と放たれる圧倒的な強いマグネタイトの波長に、悪魔モーショボーたる彼女はあっという間に魅了されてしまった。

 

「よっし!なんか知らんがうまくいった!

 それじゃぁ、さっそくこのまま契約を……」

 

「ちょ、ちょっとまった!!

え、いや、違うの!!そうじゃないの!!

ちょ、ちょっとあまりにも男らしい発言に胸キュン……って違う!!」

 

「え~」

 

「え~~じゃないの!!!」

 

ぱっと崩れたそのサマナーの態度と表情、さらにはモーショボー自身の口から出た言葉。

どちらもそれはあまりにも予想外過ぎて、彼女は大いに困惑してしまった。

なんで自分は、思わずYESと答えてしまったのか?そして自分のこの胸の動悸はなんなのか?

もしかして不整脈?いや違う、これは……でもそんなわけがないと、モーショボーは怒涛の反論を開始した。

 

「そ、そもそも、わ、私は女であなたも女よ!!

 そ、それなのに、私の夢(人間と恋人関係になる)を叶えるなんて!

 そういう(恋人)関係になるのはおかしいのよおかしいわよ!!」

 

「いや、そもそも自分は(魂は)男だし。

 (サマナーと仲魔の関係には)男女関係ないでしょ」

 

なお全然関係ないが、吊り橋効果という言葉や優しい刑事と厳しい刑事という言葉があったりなかったりする。

 

「ええぇぇぇ!!た、確かにそれはい、一理はあるけど、女同士でそういうのはアブノーマルだと思うの!!」

 

「でも、夢をかなえるのに性別は関係ないだろう?

 それに(サマナーと仲魔の関係で)男だから女だからで一緒になるかならないかを決める方が不純じゃないか?」

 

「は、はうぅぅぅぅ!?!?」

 

なお、さらに関係ないが、彼女は一度もサマナーに【自分の夢=人間と恋人同士になること】だとは言ってないし、サマナーもモーショボーの夢が何かなんて知ったこっちゃない。

 

「モーショボー、オマエがこのまま意地を張ってもただここで犬死をするだけだ。

 オマエには夢があるんだろう?それに、ここで死ぬべき物ではないのは私でもはっきりわかる。

 ではどうするべきか、賢い君ならわかってるはずだ。」

 

「うう……でも、だって……」

 

モーショボーは悩んだ、とても悩んだ。

かつての友人女悪魔達(頭お花畑なピクシー&男大好き夜魔達の素敵コンビ)のアドバイス。

自分の夢、ジェンダー問題などなど、まるで1秒が無限に感じられるほど彼女は悩んだ。

なお、発端がサマナーの脅迫&麻痺ひっかきで、現在が縄で捕縛され中だったことは忘れた。

乙女の恋の前には出会いの仕方など些細な事なのである。

そして、彼女は意を決してこう言った。

 

「……ねぇ、サマナー。

 あなたが誠意を見せてくれたら、仲魔になってあげてもいいわよ?

 なに、簡単な事よ。もっと私に近づいて、この目であなたの顔を見せて頂戴?」

 

「……。」

 

「うふふふ♪

 あなたもサマナーなら知ってるでしょう?

 私はモーショボー、愛を知らない悲しき少女の悪霊。

 ヒトの脳を食いむさぼる悪魔……そんな私でも受け入れてくれるなら……って、あ♪」

 

彼女のある意味では予想通り、ある意味では彼女の予想外にあっさりサマナーは彼女に近づいて、その身を縛る縄を外してくれた。

その人間から放たれるマグネタイトや美しい目は、非常に心地よいものであり、彼女の心に何かこみあげてくる。

悪魔ではない人のぬくもりのそれが、悪魔であるモーショボーの身と心にどんどんしみわたっていった。

 

「うふふ、ここまであっさり悪魔に近づいて、あっさり開放しちゃうなんて……

 なんて危なっかしい人なのかしら?」

 

「なぁに、君のことを信頼してるからね」

 

そのサマナーのおどけながらも美しい横顔と射貫くような視線に、モーショボーの乙女回路的な何かにキュンキュン来ていた。

かつての悪魔知り合いの【惚れた方が負け】とかいう言葉がぱっと脳裏に浮かんび、変な納得が彼女の心を支配した。

……なお、人によってはサマナーの手には刀が握られ続けているため、微塵も信頼しているようには見えないかもしれない。

が、そんなものモーショボーの目には見えてい(ても/ないため)関係ないのだ。

関係ないったら関係ないのだ。

 

「うふふふふ……♪」

 

かくして、モーショボーの心は決まった。

先ほどまでは相手の人間をまるで死神のように恐ろしく感じていたのに、今ではその逆に感じていることにモーショボー自身おかしく感じて思わず笑みを浮かべてしまう。

モーショボー自身、今の自分の気持ちが嘘か本物なのかは分からない、それでも、この気持ちが本物かどうかをこの人と一緒に確かめてみたい。

そう思える程度にはすでに彼女はこの人間に惹かれていた。

かくして、彼女は意を決してこういったのであった。

 

 

「えへっ♪もう、まったくしょうがない人なんだからぁ♪

 それじゃぁ、自己紹介するね?

 私は〈凶鳥〉モーショボー!これから、よろし「ブモォォ!!!!ヨウヤクミツケタゾ!!!!」……」

 

なお、彼女の意を決した告白返しは無情な妨害を受けた模様。

 

「こ、こほん!

 ちょっと変な妨害を受けちゃったわね!

 で、でもまって!もう一回やり直すから!やり直すから!!」

 

もちろん、彼女とて、一世一代のセリフを言おうとしていたのでリテイクを要求した。

が、世の中はそんなに優しくないらしい。

 

「ブモモモォォォ!!

 チビアクマ!ウルサイ!邪魔スルナラオマエカラコロスゾ!」

 

「もうタイムアップにゃ~~!!!

 こうなったらもう戦うしかないにゃ!!!」

 

「っくっそ!

 結局はこうなるのかよ、いくぞ!!」

 

なぜだかよく知らない間に、戦いが始まるムードになり、勝手に始まる戦闘。

もちろんここまで来て、このサマナーの敵になるとかそういう選択肢はすでに彼女の中にはない。

しかし、それでも自分の本気の言葉や決意をうやむやにされたこと。

憧れのシチュエーションを壊されたこと。

その他色々のもやもややいら立ちが無数に重なり……

 

「殺す」

 

この日、モーショボーは初めて、純粋な殺意が何たるかを学んだ。

その後数秒、モーショボーの魔法で異界の主たるノズチの巨体が宙を舞った。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「≪ザン≫ッ」

 

「グワッー!!」【WEAK!!】

 

「≪ザン≫ッ」

 

「グワッー!!」【WEAK!!】

 

「一斉攻撃チャンスだにゃ!やっちゃうかにゃ?」

 

「→はい」

 

「グワッー!!グワッー!!」【大ダメージ!!】

 

「ッグ、バカニスルナッ!!≪マハジオ≫ォォォォ!!!≪会心波≫!!!」

 

「ハイ雑魚乙」【サマナーをかばいながら電撃吸収!HP回復!!】

 

「見てから回避余裕でした」【会心波をモーショボーをつかみながら完全回避】

 

「」

 

「≪ザン≫ッ」

 

「グワッー!!」【WEAK!!】  ※以下上のセリフを死ぬまで繰り返す

 

 

 

「ヨ、ヨモヤ、コノ龍ノオウタルオレサマガ……バカな……」

 

結局あの乱入からその数分後、空気の読めなかった龍王ノズチは無事、マグネタイトへと変換されるのであった。

勝因は大体モーショボーが【ザン】を覚えていたがおかげである。

2足歩行敵に足払い+弱点攻撃を続けると相手は死ぬ、実にシンプルな結果だ。

 

「人間~~~♪私って強いでしょ?

 ほめてほめて~~♪」

 

「うんうん!

 モーショボーは強くてかわいいな!

 最高最高!」

 

「えへ、えへへへへへ♪

 そうでしょうそうでしょう!もっと褒めてくれてもいいのよ?」

 

さて、なんかよくわからないうえいろいろあったが結局私ことTSイケイケ系サマナーである自分は、あの後流れでモーショボーの勧誘に成功。

そのままの流れで悪魔討伐、つまりは異界の主ノズチ討伐にも成功したのであった。

一時は自らの死を本気で覚悟していたが、終わってみればあっけないものである。

なお、カブソは死んだ。

死因はマハジオも会心波どちらも一人では防げない上、私もモーショボーも特に奴をかばうとかはしなかったからだと思われる。

戦況に影響しない戦力だったからね、仕方ないね。

いわゆるコラテラルダメージ、勝利のための致し方ない犠牲というやつである。

 

「……ほう!本当に倒してくれたか!!

 さすがだと言っておこう」

 

そうして自分たちがノズチを倒してしばらくたった頃に、そいつはのこのこと現れたのであった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪龍王≫ゲンブ Lv42

HP ??

MP ??

【相性】 火・破魔無効 氷結耐性

【スキル】 ??

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

圧倒的威圧感に迫力。

ノズチすら子供に見え、この地下道パンパンにするほどの巨体なカメの姿をした悪魔、ゲンブであった。

どうやらこいつが本体というやつなのだろうか?

〈分け身〉であるゲンブは本体ならばこの地を守護しているにふさわしい悪魔といって言ったが、これならばたしかに言うほどのことはあるかもしれない。

モーショボーも思わずその壊滅的な巨大差に、こちらにひしっとしがみついてきてくれた、やったぜ。

 

『ふむ……よくぞ、あの邪悪な不届きものを仕留めてくれたな。

 礼を言うぞ、人の子よ。』

 

「いや、色々言いたいことはあるけどさぁ……

 それだけ強いなら自分でやれよ、自分で」

 

『いやいや、そういうわけにもいかんかったのじゃ。

 運悪くわしがここに出るための出入口を占拠していたのがあいつだったからのう。

 無論、あやつを押しつぶすほどのパワーで無理やり顕現すれば何とかできなくもなかったが、それやると今度は守護すべき人里にまで影響が出てしまう。

 ……というか、おぬしは別の儂が見初めただけあって、さすがの胆力じゃな。』

 

ゲンブがその巨体にふさわしい大声で笑うもんだから、こちらの耳が痛い痛い。

 

「それよりおっちゃん。

 依頼を達成したんだから、お礼頂戴よお礼。」

 

『うむ、せかすなせかすな!

 これをこうして……はい!できた【サバトマ】』

 

巨大ゲンブから魔力が放たれる。

すると、こちらの空中目の前に魔法陣が浮かび、そこから一体の悪魔が現れた。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪精霊≫アクアンズ Lv14

HP 110

MP 95

【相性】 氷結反射 破魔・呪殺・精神無効 火炎弱点

【スキル】・エナジードレイン (万能属性 MP・HP吸収)

     ・メディア (HP回復 全体)

     ・ブフーラ (氷結属性 単体 中威力)

     ・スクカジャ(命中・回避上昇 味方全体)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「強い(確信)」

 

『じゃろう?』

 

その輪郭がぼやけた人の水型の悪魔をアナライズした結果すごいものが出てた。

確かにこれは、素晴らしい悪魔である。

火炎以外に弱点がないし、それ以外は超耐性も優秀。

エナジードレインという、自己MP回復手段を持ちつつ、全体回復に補助と強力な単体攻撃魔法まで!

おおよそ今の自分のパーティが持っていないすべての要素をこの悪魔は持っていた。

しかも、この世界ではどうだかわからないが、悪魔合体において【精霊】はとても有用な存在である。

たしかに、これならいろんな意味で今回の死線を乗り越えた甲斐があるだけの悪魔といえるだろう、これを仲魔にしない手はない。

ともなれば……

 

「よっし、そうなりゃまずは解約だな。

 カブソは……って、ちっい!あいつ死んでいやがるせいで管から出てこねぇ!

 相変わらず肝心な時にアレだな!」

 

どうやら、死んでいる仲魔を強制契約解除することはできないようだ、また一つ賢くなった。

となれば、手持ちの封魔管が2本しかない現在の仕様上、もう一体の方を解約しなければならないが……。

 

「……え?

 なに、その目は、え?え?

 違うわよね?なんでこっちの方を見てるの?」

 

確かに今回のノズチとの戦闘において、この娘(悪魔)には大いに助けられた。

今のパーティ唯一のまともな攻撃魔法もちなこともそうだし、優秀な耐性もそうだ。

さらにはこの娘は【ディア】を使えるため、ある意味ではこの娘だけで自分のパーティに必要であった要員は揃えられたともいえよう。

命を救ってもらえた恩義もあるし、割と勢いでの発言とはいえ、契約してくれたら彼女の目的とやらを達成する助けをする的なことを言った覚えもある。

 

「(でも、このアクアンズが優秀過ぎるんだよなぁ……)」

 

しかし、だからこそ、ここで切り捨てたいのも本音だ。

彼女の目的がよくわからない以上、もしそれが超困難だった場合や極悪非道だった場合、うまく目的をあきらめさせる必要がある。

それに今回命の危機を味わって分かったのは、力はありすぎて困ることはない。

特に仲魔はできるだけ強力であるほどいい。

情にかまけて、あんまり強くない悪魔を使い続けるのはどちらも共倒れになり、不幸な結末しか呼ばない。

具体的に誰とは言わないが、今回はそれをとくに痛感した。

せめて、管がもう数本あれば話は変わるのだろうが、それはないものねだりというやつなのだろう。

 

「ね、ねぇ!

 な、何とか言ってよ!そ、そんなのうそでしょ!!

 あなたは私との約束、守るって言ったわよね?

 私の生涯のパートナーになるって言ったわよね!!覚えてるんだから!」

 

そこまでは言ってない。

思わずそう突っ込みそうになるが、半泣きになりながらこちらに抱き着いてきたモーショボー相手にそんなことを言うほど野暮ではない。

……無論、ここで殺しては契約解除すらできなくなってしまうため抱き着いてきたモーショボーを振り払わない。

泣き叫ぶ少女の姿にこちらの良心がチクチク刺激されるが、こちらも命がかかっているのだ。

そう意を決して、彼女に契約解除を告げようとし……

 

 

 

「………うそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつき……」

 

「ひえっ」

 

モーショボーが謎の点滅を開始。

本能の警告に従って、改めて彼女をアナライズした

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪凶鳥≫〈おませ?な〉モーショボー Lv15

HP 120

MP 136

【相性】 銃・火炎弱点 衝撃無効 電撃吸収

【スキル】 ・ザン (衝撃属性 単体攻撃)

      ・ディア(HP回復 単体)

 

 

 

 

 

 

      ・自爆 (自爆属性【防御できる相性は無い】 使用者の死亡と引き換えに敵味方全体にダメージ)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ヤダナー、モーショボーちゃん!

 私ガ君との約束を破るわけがないじゃないか!」

 

「え?」

 

「むしろ、離してって言ってもお前を開放するつもりはないぞ?

 約束は意地でも達成してやるから、覚悟しておけよな!」

 

やっぱり、約束を破るのはよくないよね☆

人情最高!契約第一!

というわけで、モーショボーちゃんとの契約が継続になることが決定されました。

 

「あ!どうしてもいやで、そっちから契約解除したいなら、こっちも考えないこともry」

 

「そ、そんなことない!!!

 えへ、えへへへへ♪ご、ごめんね!サマナー、わ、私勘違いしちゃったみたいで……

 うそつき呼ばわりして本当にごめんね!

 ……そ、それにしても一生離さない、離さない……か❤」

 

『……ふむ!色々サービスしたつもりだったが、どうやらイラン世話だったようじゃな!

 悪魔と人間にも、愛や友情は成立する!!

 実にいい話じゃ!!』

 

「あ、愛なんて!

 ま、まだ私とお姉さんはそんな関係じゃ……♪」

 

かくして、無情にもゲンブの召喚した精霊はあっさりと送還されてしまったとさ。

初めての異界クリアであり、とってもめでたいはずなのに、なんだか達成感以外の感情で目頭が熱ったのであった。




※なお、更新データ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【NAME】≪魔獣≫〈いたずら下手な〉カブソ Lv12
【相性】 火炎耐性 電撃弱点
【スキル】・ひっかき (物理属性 小ダメージ)
     ・麻痺ひっかき (物理属性 小ダメージ+麻痺)
     ・道具の知恵・癒 (回復アイテムに詳しくなり、また使用できる)
【状態】 ≪DYING≫

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



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【修羅勢じゃないよ】脱初心者スレpart8【普通だよ】

1:名無しのバスター

 

ここはレベル10を超えたプレーヤーが交流や情報交換をするスレです。

激しい宗教や派閥勧誘は禁止 個人の恨みつらみは別スレで

なお、パーティ募集自体はOKですが、待ち合わせや細かい時間決めなどはメールでのやり取りでお願いします

 

次スレは>>950を踏んだ方が宣言して立てること!

 

※書き込み制限 Lv10未満

 

2:名無しの悪魔

立て乙

 

3:名無しのメシアン

立て乙

 

4:名無しのサマナー

オッツオッツ☆

 

5:名無しの悪魔

立て乙~~

 

6:名無しのガイアーズ

立て乙

ここも随分とにぎやかになってきたなぁ

 

7:名無しのバスター

異界も意外と難しくないってわかってきたからね

パーティ組めば、悪魔の群れもさして怖くない

 

8:名無しのバスター

そろそろレベル30いくやつもおるんかねぇ?

今自分、ようやく16にたどり着いたばっかりだけど

 

9:名無しのサマナー

はえーよ、今の東京で20超えは率直に言って頭おかしい(真顔)

マジでリアル毎日異界に潜り続けてるやつぐらいじゃねぇの?

それでも、そもそも敵悪魔レベルが低すぎて無理そうだけど、もしくはソロ攻略とか

 

10:名無しの悪魔

>>9 おう、こちとら毎日異界にいるけどなにか?

それでも、別にレベル11、そんなもんよ

 

11:名無しのバスター

>>9 毎日がパレスでメメントスだから

囚人に休みはないのだ(真顔)

 

12:名無しの新人

初レス ってこういうのって別にいらんのか

とりあえず、自分は先日初めて異界にソロで行ったあっという間にLv8から15まで上がったからそんなもんだと思ってたわ

もしや、複数人だと経験値効率悪くなるん?

 

13:名無しのサマナー

>>12 TS兄貴姉貴オッスオッス!!

とりあえず、改名してみないかな?時雨とかおすすめだよ()

 

14:名無しの悪魔

>>12 TSニキ、TSニキじゃないか!

とうとうTSニキもこっちにきたとは、色々感慨深い

 

15:名無しのサマナー

>>12 兄貴姉貴、レベルアップ早過ぎぃ!!

というか、マジでここに書き込めたってことはソロ潜りもマジなのか(真顔)

兄貴姉貴はなかなかの命知らずと思える

 

16:名無しのバスター

>>12 なんでや!この人がTSニキとは限らんやろ!!

もしかしたら同じタイミングでソロで異界に突っ込んでレベル爆上げした新人がおるかもしれんやろ!

……で、TSニキ、初異界という名の処女卒業、どうだった?

 

17:名無しの新人

なんでや!!自分が、TSした奴だとは限らやろ!!!

……まぁ、本人ですけど。というかお前ら特定早いのな。

ちょっとビビったわ

 

18:名無しのバスター

>>17 知ってた

 

19:名無しのサマナー

>>17 まぁ、このタイミングで新人なんてバレバレですし?

 

20:名無しの悪魔

>>17 とりあえず、こっそり陰で見てましたから

意外と美人さんで驚いた

 

21:名無しのロリ

>>20えっ

 

22:名無しのバスター

>>20 そマ?

 

23:名無しの新人

何それ怖い

 

 

 

(しばらく、>>12の状況説明やらストーカー談義やらが続きます)

 

 

451:名無しの悪魔

というか、仮とはいえ異界の主って単体撃破できるもんなんだな

ちょっと希望沸いてきた 

 

452:名無しのバスター

いやいや、無理だからw

集団でやっても割とてんやわんやだったぞw

TS兄貴姉貴の話は話半分に聞いておいた方がいいw

 

453:名無しのバスター

というかね、個人で初回異界攻略とかぶっちゃけ【サマナー】でもないとどだい無理って話よ

一人で集団戦できるし、警戒とか休憩もできる さらには直前に大幅戦力増強も可能ときた

どう見てもサマナー優遇されてるよなぁ

畜生、納得いかねー

 

454:名無しのサマナー

>>453 どう考えても、店で傷薬買いたい放題のバスターの方が100倍楽な件。

しかもこちとら、マグ不足やらマッカ不足とも常に戦ってるんやぞ?

ハンデってレベルじゃねぇよ

 

455:名無しの悪魔

>>453 サマナーの種類にもよるんじゃないかなーって。

正直、確かハイテク系サマナーのCOMPはマグ無限の召喚費無料なんだっけ?

そりゃ強いわ、誰にも負けねーし、デビオクとやらで無限戦力補強も可能

チートってレベルじゃねぇぞ

 

456:名無しのバスター

やっぱハイテクサマナーって壊れだわ(確信)

戦闘中でデビオクってたら、そりゃ誰にも負ける気がしないわww

 

457:名無しの新人

しかも、奴らデビオクの関係上すぐ好きな仲魔でハーレムとか構築できたんやろ?

これは絶許ですわ

 

458:名無しのバスター

>>457 俺らからしたら、女悪魔ちゃんとイチャイチャできる可能性があるってだけでサマナーはギルティ

でも、TSニキは許すよ、竿ないし、初回デスゲームだったし

 

459:名無しの悪魔

やったね!ニキ姉貴!オイラも許すよ!

……というか、単騎で異界主ぶち殺せるレベルのやつと喧嘩とかワロエナイ

 

460:名無しのガイアーズ

>>457 勘違いしてんじゃねーぞ

ハイテク系COMPも楽じゃねーよ、ぶっちゃけ、COMPいじらないとスキル発動せんし戦闘だとそれがつらい

そもそもマグバッテリーがない分、【電池】が切れたらそれでジエンド

正直、携帯型コンプでまともに戦い続けるのは2~3時間が限度じゃね?

異界探索とか無理無理カタツムリ

 

461:名無しのバスター

>>460 そマ?いくらなんでもそれは貧弱すぎだろjk

俺が知ってるやつは約半日一緒だったけど、そんなそぶり微塵も見せてなかったぞ?

 

462:名無しのサマナー

>>461 まぁ、色々工夫仕様はあるし

ぶっちゃけリミット問題は背中にどでかいバッテリー積めば解決する問題ではある。

個人的には召喚制限のが気になる。携帯いじらないと処理速度の関係で3体までしか召喚できん。

COMPのCPUやメモリ増設とかどうやるんだって感じ。

 

463:名無しの悪魔

ジオ→充電→戦力強化→ジオのサイクルだけで、電力問題解決しそうなんですが…

 

464:名無しのメシアン

やっぱり、ガイアーズは頭が足りないですねwwwww

モヒカン乙wwwwww

 

465:名無しのガイアーズ

モヒカンのどこが変なんだ!

殺すぞ!

 

466:名無しのバスター

>>465 え、マジでモヒカンなん?

ヒャッハーしてるん?

 

467:名無しのサマナー

ガイア教に入ると、ハゲかモヒカンにされるという噂……

本当じゃったか!!

 

468:名無しの悪魔

ちょっと、悪魔だからガイア教に入ろうとか考えてたけどやめた

流石に、ハゲとモヒカンしか許されないのはねーわwwww

 

469:名無しのガイアーズ

ふzけるなお前マジ絶対つるさんぶっころsy

 

470:名無しのガイアーズ

これはメシア教の計略

 

471:名無しのメシアン

壮大な自爆なんだよなぁ……

 

472:名無しのロリ

おいおい、ちょっと宗教臭くなってきてるぞ

抑えろ

 

473:名無しのモヒカン

どっちも邪教のくせになwwwwwww

 

474:名無しのメシアン

>>473 名誉棄損です

 

475:名無しのメシアン

>>473 推測で物事を話すのやめてくれませんか?

 

476:名無しのサマナー

>>473 

 

477:名無しのサマナー

馬脚現すの早過ぎぃ!

 

478:名無しのメシアン

い、一応、俺が行ったメシア教の教会はゲームのよりもぬるい……ぬるいはずだから(震え声)

 

479:名無しの悪魔

というか、マジで宗教臭いぞ

早く全面アク禁にならないかな~って

 

480:名無しのバスター

それやったら今度は別の似た組織が幅を利かせそう()

 

481:名無しの新人

やっぱメシアンとガイアーズ以外の宗教や派閥はあるん?

ゲームで出てきた感じの

 

482:名無しのバスター

過去スレ見ろ……と言いたいけどあえて説明すると、よくわからん。

ストレガや仮面党らしきのに勧誘されたって話は聞いたことあるけど

 

483:名無しのサマナー

自称かもしれんし、ただの嘘かもしれんしってレベル

でも規模がでかいメシアとガイアはすでに多数俺らの中でも勧誘されてるからほぼ確定してる

なぜか、掲示板でも名前が変わる特殊仕様になってるし

 

484:名無しの悪魔

やっぱり、メシアとガイアはなんかあるんやろうなー

誰か早くぶっ潰して来いよ

 

485:名無しのバスター

Goo●leアースでいくつか本拠地わかるレベルだしな

 

486:名無しのメシアン

というか、クリアしたいならなぜみんなメシアの下で団結しないのか、

これがわからない

 

487:名無しのバスター

これ以上宗教の話はやめよう!

はいやめ!終わり!終了!

次の話題に行こうじゃないか!

 

488:【メギドラオンでございます】

【この発言はメギドラオン☆されました】

 

489:【メギドラオンでございます】

【この発言はメギドラオン☆されました】

 

490:【メギドラオンでございます】

【この発言はメギドラオン☆されました】

 

491:名無しの悪魔

結局のところメシアとガイア以外だとどこで悪魔合体できるん?

自分、悪魔だけどどこかで悪魔合体したい所存。

……なんで俺、はじめに【ミルメコレオ】なんか選んじまったんだろ……

 

492:名無しのサマナー

ミルメコレオ

……なんだっけ?ライオンっぽい悪魔だというのは覚えている

 

493:名無しのバスター

〈妖虫〉 ミルメコレオ

体の前半分がライオン、後ろ半分がアリの姿をしているという魔物。雄ライオンがアリの卵に受精させることで生まれるとされるが、父が肉食、母が草食であるため、何も食えずに飢えて死ぬという。聖書のヨブ記にある「老いたる獅子」が誤訳されたことによって、この奇怪な生き物が生まれたとされる。

 

494:名無しのバスター

>>何も食えずに飢えて死ぬ

あっ(察し)

 

495:名無しの悪魔

何やってんだwwww

 

496:名無しのサマナー

これはひどいwwww

 

497:名無しのバスター

亡霊ニキはさっさと成仏して、どうぞ

 

498:>>491

>>497 死んでねーよ!!!

けど、常にお腹が減ってるのに何も食えないのがつらい。

肉を食うと胃が拒絶して吐くし、草喰うと口が拒絶してやっぱり吐く

毎日が地獄ってレベルじゃねー

 

499:名無しのサマナー

ひえっ

 

500:名無しの悪魔

悲惨ってレベルじゃない

 

501:名無しのサマナー

これ、どうにかならんの?

悪魔みんなこうなら可哀想ってレベルじゃないんだが

 

502:名無しのバスター

こっちはベルぺットルームあるけど悪魔はそうじゃないからなぁ……

 

503:名無しのバスター

>>501 そんなわけない。 とりあえず過去レスから

 

☆悪魔大雑把タイプ分け

 

▼【原作悪魔】タイプ……原作に出てくる悪魔。メジャーなのからマイナーなのまで。

普通の魔法使えるし、悪魔としての種族特性全開。一般人には見えないず、COMPは思念操作可能便利。

最大の特徴は条件を満たすと悪魔合体をして種族も姿もを変えることができる。

なお、悪魔合体による意識混濁は生悪魔とすると大いに変化するが、デビルソースや精霊御霊合体、カード合体だとあんまり変化しないのでおススメ。

 

▼【人修羅】タイプ……Ⅲのあいつ。マガタマの力によって人間が悪魔になった。デビ●マン。

中に入ってるマガタマによって、弱点や特技が変わる。悪魔合体はできない。(エラーが出るとのこと)

人型のくせに一般人には見えるけどその場合は普通の人間に見えるらしい。

なお、弱点やスキルを変えるには別種類のマガタマが必要となるが、入手方法が限られててつらい。

(一部では、野良悪魔と契約できるという噂もある。)

 

▼【魔人】(造魔?)タイプ……魔人であって魔人でない。たぶん原作のふんどしとか餃子枠。

これになるのは初めの設定で【僕が考えた最強のオリジナル悪魔】を選択した奴らである。

基本、初めに自分が考えた設定に忠実、そのためか【ロボ娘】とか【ハーフ悪魔】とか頓珍漢な奴らもここに分類される。

戸籍や人に見える見えないは設定により、悪魔合体はできるけど姿や耐性、意識や特性が変わらないのが最大のメリットでデメリット。

某邪教の館主や某ロリ曰く【魔人】というよりは【造魔】に近いんじゃねーとのこと。

 

 

504:名無しのバスター

>>503 ㌧クス こう見るとやっぱり【魔人】こと【オリ悪魔】のひどさ極まるなw

 

505:名無しの悪魔

>>504 だよなwwww 俺みたいなマジで普通の種族としての【魔人】選んだ身としては一緒にしてほしくねーわ

こっちは本気で【魔人】ロールしてるのによぉ、向こうはオリ設定で無双ウハハしてるんだもん。

やってらんねーよ

 

506:名無しの悪魔

>>505 ここに弱点【物理】を選んだ哀れな魔人という名のオリジナル雑魚悪魔もいるんだ、だから許してくれ。

 

507:名無しのミルメコレオ

それより俺だよ俺、マジで誰かどうにかしてくれ。

具体的には邪教の館の紹介プリーズ

 

508:名無しのサマナー

いや、それは俺らも知りたい(真顔)

 

509:名無しのバスター

サマナーも合体アプリ有るかどうかは運(初期所持運&クエスト運)らしいからなぁ

これ知りたいやつ多いだろ

 

510:名無しのガイアーズ

>>507 うちらに所属すればいいだけの話やで^^

 

511:名無しのメシアン

>>507 天使になるなら口利きしないこともない

 

512:名無しの悪魔

ほらきた(笑)

 

513:名無しのサマナー

それは絶対バットエンドっぽいから行きたくないんだよな~……

でも、色々特典がもらえるって話だけで行きたくなるのがずるい

 

514:名無しのバスター

俺らのうちで合体アプリ持ちのやつらに契約してもらうことはできないの?

 

515:名無しのサマナー

できないことはないらしいって聞いた

そして、合体も可能で実証済みって言ってるコンビは見たことはある。

 

516:名無しのミルメコレオ

>>514 !!それだ!!

 

516:名無しのサマナー

>>515 いや、でもあんまりお勧めできないよ

プレイヤー悪魔はなぜか普通の悪魔の数倍マグ消費大いし、契約があいまいなせいか命令違反もよくおきる。

(例・布団で寝かせろや無駄飯ぐらい、命の危機で逃げだしかけるなど)

さらに言えばCOMPの挙動がもっさりになるから、できることなら契約解除したい。

でも普通の同じ悪魔より強いのは確かだし、元同じ人間を見捨てるのかって意識の呵責もある。

デメリットのほうがでかい(ゲキデカ後悔中)

 

517:名無しのバスター

>>516 もしかしてご本人さん?

 

518:名無しの悪魔

マジでプレイヤー同士の契約とかあるのか

にしても、プレイヤー同士ならある程度命令違反もできると

いいこと聞いた

 

519:名無しのサマナー

>>516 なにうかつなこと言ってんだテメー!!

うちの悪魔(P)が要らんこと覚えただろ!!

 

520:名無しのバスター

>>518~519 う~ん、この畜生どもw

 

521:名無しのミルメコレオ

俺は命令違反とかしないから!

実戦経験も豊富だし、マジで契約して、せめて別悪魔に夜魔でも天使でもいいから!

 

522:名無しのバスター

>>521 そんなに契約したいならメシアやらガイアやらに契約すればいいのにw

 

523:名無しのメシアン

……ん?はぐれのミルメコレオ?もしや……

 

524:名無しのミルメコレオ

>>522 そういしたいのはやまやまだけど、初回遭遇時は腹が減ってイライラしてたから、

思わずメシアンガイアーズ両方噛み殺ししちゃったんだよなぁ……

腹は膨れなくてもあいつら普通の人間よりマグは多いし、栄養価も悪くないんだもん。

もうすでにひどい敵対状態なんよ、ボスけて

 

525:名無しのサマナー

>>524 ひえっ

 

526:名無しの悪魔

>>524 大量殺人犯兄貴はさっさと自首して、どうぞ

 

527:名無しのガイアーズ

>>524 おいまじsyレにならんしょこれ、どうなttてんだよ

 

528:名無しのメシアン

>>524 さっさと神罰うけろ

 

529:名無しの悪魔

>>524 お前みたいなのがいるから、悪魔PCがやばいやつだって勘違いされるんだよ

だからさっさと消滅しろ

 

530:名無しのミルメコレオ

いやいや!俺だって最近はちゃんと自制できてるし、同じプレイヤーは一度も襲ったことはないから!!

というわけで、今度からオフ会にバリバリ参加してみようと思う

ぶっちゃけ、悪魔合体さえできれば、メシアとガイアからの指名手配も逃れられると思うし

だから、出会ったらぜひ契約してくれよな☆

 

531:名無しのバスター

>>530 ひえっ

 

532:名無しのサマナー

>>530 おい、マジでやめろ!! やめてください(震え声)

 

533:名無しの悪魔

これからのオフ会には大量殺人鬼が混ざるようになるのか

やばい(確信)

 

534:名無しのサマナー

いや、今までだってそういう可能性はあったわけだけど改めて明言されると怖いな

おい!メシアンまたはガイア!マジであの悪魔なんとかしろよ!

 

535:名無しの肉眼鏡

……張りたくない……ものすっごく今のタイミングで張りたくないけど

張らざるを得ない、というわけでとりあえず張る

 

ttp/××××××.DDSS.net

 

いつも通りの定期パーティ募集だこら(震え声)

来るなら来てみろってんだ(震え声)

 

536:名無しのサマナー

だめだよ肉兄貴ww

最悪のタイミングだよwwwww

 

537:名無しのバスター

バwwwカwwwww野wwww郎wwwwww

 

538:名無しのバスター

これは、サマナー系が誰も参加しなくて地獄絵図になるやつですわ(確信)

 

539:名無しのメシアン

ちょっと浄化しに行ってくるわ

 

540:名無しのガイア

ちょっとカチコミ行ってくるわ

 

541:名無しの悪魔

もうこれ、100%地雷やんwwww

 

541:名無しのサマナー

>>539 >>540 はいキターwwww

追加の厄ネタキターwwwww

もう手遅れwwww

 

542:名無しのロリ

肉兄貴の依頼とはいえ、さすがにこれはなぁ……

 

543:名無しの肉眼鏡

ちゃんと、ちゃんとしたセッティングにするから!

だから、だからマジで誰かまともな奴だけ来てくれ!!

プリーズ、プリーーーーーズ!!!

 

 

 





※なお、【人修羅】PCのマガタマはクエスト位でしか安定した入手法がありません。
つらみ


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5話目

混沌の街、新宿

 

その東口から、ショッピングモールを通り歌舞伎町へそのさらに奥のビルの一角。

なぜ自分はホームである渋谷から、わざわざ離れてこんな場所にいるのか?

それは無論、自分はデビルサマナーが故、悪魔退治のためである。

 

「グォ、グオォォ!!ちょ、ちょっとまて、な、な?」

 

「……」

 

さて、今目の前にいるのは一体の巨大な獣人の姿をした悪魔。

ヤギの頭をした巨人の蛮族、アイルランド神話に出てくる人食いの化け物、【夜魔・フォーモリア】である。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪夜魔≫フォーモリア Lv7

HP ??

MP ??

【相性】 氷結耐性 火炎弱点

【スキル】 ??

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ねーねー!凪、さっさとこんなの殺しちゃおうよ~!!

 こんな雑魚の話を長々と聞いているなんて、時間の無駄だよ?」

 

「ひ、ひぃぃぃぃ!一回、一回話し合おうじゃないか?

 悪い話ではないからな、な?」

 

モーショボーが邪悪な笑みを浮かべながら、フォーモリアに脅しをかける。

先日のゲンブほどではないがトラックほどの大きさもある悪魔フォーモリア。

それが、人間の少女ほどの大きさしかないモーショボーに腰を抜かして恐れおののいている姿はなかなかに滑稽である。

 

「……まぁ、いい。話を聞こう。

 で、用事はなんだ?こちらも暇じゃないから、手短に頼むぞ。」

 

「よ、よぉし!よかったよかった!

 な、ならまずは武器を置いてな?話し合いに武器は不要だろ、な、な?

 ……馬鹿め!悪魔の目の前で、ぬけぬけと武器を手放しやがって!

 くらえっ!!【脳天割り】っ!!って、なぁ!躱されただとぉ!!」

 

さてこのくそ悪魔、せっかくこっちが話を聞いてやろうと思ったのに、交渉にかこつけて不意打ちをしようとしてきた。

無論、そんな見え見えの攻撃など当たってやる義理はないし、向こうから交渉を決裂させた以上この悪魔に情をかける必要はなくなった。

ナマス切りにしようかと思ったが、今しがた刀はしまったばかりだ。

改めて取り出すのも少々格好が悪いので、せっかくだからと新しく覚えた新技を試してみる事にした。

 

「さっそく新忍法!≪爆炎の術≫(ファイアブレス)

 ……ぶふぅ!!(訳・マジで出た!!)」

 

「グギャアアァァァァ!!!!」

 

「うわ!すっご~~い!!

 まるでケルベルス?的な、よくわかんないけどかっこいいよ!うん!」

 

口先から出た熱波が悪魔の全身を包み、その身をあっという間に火だるまにする。

モーショボーが頑張ってほめてくれようとしているが、語彙足らずでほめているのかけなしているのかよくわからない。

このファイアブレス、火を吐いているはずなのに体が冷たくなるのに似た感覚が走る。

これがMPが減る感触というやつなのだろうか?

COMPを確認したところ、一回につき20近くMPが減っているのがわかる。

……MP90近くしかない自分だと4回しか使えない計算である。

奥の手にしては微妙すぎる。

そんなこんなで、目の前にいたヤギの丸焼きがただのマグネタイトの灰粉へと完全に転職することで、今日のお仕事が終了したのであった。

 

「……お見事です、サマナー。

 流石ゲンブ様の紹介なされた方ですね。

 これほどの悪魔を危なげなく倒せるとは。」

 

はぐれ野良悪魔がいたビルから出た直後に、そこで一人の女性が待ち受けていた。

その女性は深くフードを被っており、全身真っ黒の衣装で、どのような顔か具体的には何歳くらいの人かなどはうかがい知ることはできない。

まさに謎の女性、といった感じの風貌である。

 

「あ!それなら多分凪と同じくらいの年齢だと思うよ?生体マグネタイト的に!」

 

「こほん!そういうデリカシーのない詮索はいかがかと思いますよ、若きサマナー様。」

 

モーショボーが勝手に探っただけなのに自分が怒られた件。

多分、管理責任とかそういうのなのだろうが、色々と納得がいかない。

 

「では、凪様。今宵はよくぞ我等の依頼をこなしてくださいました。

 少ないですが、これが今回のお礼です」

 

そうして渡されたのは分厚い封筒に1本の管。

封筒の方は当然現金、マッカではなく円である。

もう一つの報酬は、一見ただの金属でできた試験管もどきにしか見えないかもしれない。

が、これこそがかの一部のデビルサマナーにとっては必須アイテム。

さっそくそれをうきうき気分で受け取り、手に持つCOMPで早速アナライズをしてみた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】〈粗末な〉封魔管

 

【効果】レベル7までの悪魔を入れることができる封魔管

 

【解説】弱い悪魔ならば封印できる銀製の封魔管

    これを使っての高レベルの悪魔相手使役は、安全性が保障できない。

    これで封じる悪魔はあくまで低レベルの悪魔にとどめるべきであろう

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「粗悪品じゃねーか!!!!」

 

「アーッ!!!!!!

 な、何貴重品を投げ捨ててるんですか!!!!

 あなた、何してるかわかってるんですか!!!」

 

思わず反射的に報酬を投げ捨ててしまい、その事でまたその謎の女性(意外と若い)に叱られてしまったのであった。

実に理不尽である。

 

 

 

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【儂の相棒?】仲魔紹介・自慢スレ【俺の嫁!】

 

25:名無しのメシアン

初めの仲魔が天使でした

それがすべてだ

 

26:名無しのサマナー

ようやく俺のはじめっからの仲魔のスライム(性別不明・意思疎通不可)

が、ゴースト(見た目♀・意思疎通困難)になったぞ!!

……よし、少しはましになったな!

 

27:名無しのサマナー

それはましになった……というのか?

とりあえず、うちのピクシーの方が100倍かわいいのは確かだ

 

28:名無しの悪魔

>>26 まぁ、ただのスライムが大事にされているってことはいいことだ。

……物理以外ほぼ全部弱点なのに、よく相棒にしてたな

 

29:名無しのサマナー

>>27 うちのピクシーの方が3倍かわいいし!

自分の身長と変わらない果物をえっちらおっちら食べる姿マジきゃわわ

 

30:名無しのサマナー

俺は硬派だからな

シーサー君の毛皮でモフモフしてる程度だ

 

31:名無しのサマナー

造魔サイコー!!!

人型で人間大で食事や話しも可能で消費マグネタイトなし、戦闘力や衣装も変更可能!!

白肌なのと虚心なのが欠点だけど、それ以上にメリット多過ぎてリア中でつらい!

やった勝ち組だぜ!!……これで♀型なら最高なんだけどなぁ……

 

32:名無しのサマナー

>>31 確か消費マグネタイトなしなんだっけ?

それはマジでうらやましい、うちのナパイアもかわいさでは負けてないと思うけど

消費マグネタイトのことを考えるとな~、だしっぱってわけにはいかないんだよなぁ

 

33:名無しのサマナー

>>31 ホモ乙

うちのピクシーがNO1

炭酸苦手で牛乳&乳製品好き

クリーム系のものあげるとよく全身白くてべとべとになってね。

ふふふ、下品なんですがry

 

34:名無しの悪魔

アルプちゃんチュッチュ

ゲームの時は夜魔のくせにあんまりかわいくないとか思ってたけど、リアルになると夜魔というか、淫魔やばい。

アルプちゃんに貢ぐためにマグを集める日々です

 

35:名無しのピクシー

やっぱりピクシーですよピクシー

あの羽がたまらん。

 

36:名無しのTS系サマナー

というか、ここの仲魔自慢って、マジでピクシー多いな。

最近仲魔になったうちのモーショボーもまじかわだから、悪魔のかわいさも理解し始めたけど

やっぱり、ピクシーは別格なの?そんなみんな引き付ける特別な魅力がある感じ?

 

37:名無しのサマナー

>>36 ヒント・レベル

 

38:名無しの悪魔

>>36 悪魔は召喚しているだけで、マグネタイトを消費するじゃろ?

   そして、レベルが高い悪魔ほど多く消費するじゃろ? そういうことじゃ

 

39:名無しのサマナー

ハイテクサマナーのワイ、消費マグネタイトないので高みの見物

……レベルが足りなくて、ピクシーとカハク以外の女性悪魔がおらんがな!

 

40:名無しのバスター

今のところ、比較的安全ってわかってる異界で出てくる安牌女悪魔が

ピクシーぐらいしかいないからじゃね?

悪魔合体&デビオクはできるやつ限られているし

すくなくとも、モーショボーはレベルが高すぎるぞ 裏山

 

41:名無しのサマナー

モーショボーマジうらやましい……

レベルが足りなくて仲間にできんし、デビオクで低レベルでいるかと思えばそんなこともなし

そもそもデビオクって基本高い、マッカがいくらあっても足りん

ピクシーも悪くないけど、ちっちゃすぎてスキンシップが……

 

42:名無しのサマナー

お前らなんかまだまともな仲魔ができてていいだろ!!

俺なんかなぜか【ゾンビ】しか仲魔にできないんだぞ!!!

一般人に見えるのに弱くて、臭い上に意思疎通不可とかつらいなんてもんじゃねぇ!!

 

43:名無しのバスター

>>42 でも全部♀なんだろ?なら当りじゃねぇか(適当)

 

44:>>42

>>43 まぁね

JKゾンビちゃんSはふがふが可愛いし、ぎりぎり許せなくもない

ディスポイズンと魔石鼻栓近藤必須だけど、ぎりぎり事もいたせるし

 

45:名無しのサマナー

>>44 えっ

 

46:名無しの悪魔

>>44 何その犯罪

 

47:名無しのバスター

警察に連絡した

 

48:名無しのサマナー

とりあえずとんでもない上級者が俺らの中に混じっているということだけはわかった

 

49:名無しのガイアーズ

ガイア教は力あるものすべてを受け入れる

……でもさすがにその性癖はアウトだわ  生理的に

 

 

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「……仲魔好きガチ勢こわいな、とずまりすとこ」

 

「ね~ね~凪♪

 そんなものより、そろそろMP回復したでしょ?

 そのCOMP?とやらをいじってないで、もっと私にかまってよ~~!!」

 

さて、悪魔退治の依頼の後、我々は自宅ではなくとある都内のホテルの一室で体を休めていた。

なお、現在いるホテルの名前は【ホテル・業魔殿】。

先日のゲンブの依頼の後、【アクアンズ】にかわる報酬として、紹介された場所である。

このホテルは、地脈の関係で宿泊するだけでMPや疲労の回復する場所に建てられた特別な知る人ぞのみ知る高級客亭。

わかりやすく言えばサマナー御用達の会員制【回復施設】である。

一瞬ゲーム知識からここでは【悪魔合体】できるかもとも思ったが、どうやらそこまでのサービスはやってないとのこと。

この施設の存在があの命を懸けた依頼に釣り合う報酬かと聞かれれば……せめて、宿泊費に紹介割引が付けばと思わざるを得ない。

 

「はいはい、今私は忙しいからね~~

 ほら、今回はゲーム持ってきてあげたから、そこのテレビにつなげて遊んでなさい」

 

「む~~!!

 また私を子ども扱いして!!こういうの知ってるよ!!

 『ケンタイキ』!『ケンタイキ』ってやつだ!!」

 

モーショボーはぷりぷりほほを膨らませながらも、こちらがCOMPから取り出したゲーム機をえっちらおっちらテレビにつなげている。

小さい女の子を見ているみたいでほほえましいが、これでも当然悪魔。

召喚し続けるだけで、マグがゴリゴリ減るし、それは消費マグが抑えられるここ【業魔殿】であっても無視できないほどの量だ。

 

「あ、あれ?こっちのコードはどっちにつなげるんだっけ?

 色?形?どっち?」

 

「ふっふっふ!そんな時はオイラにお任せにゃ!

 こっちがこれで、こっちがこうにゃ!!」

 

「……あんた、私と同じ悪魔なのに、よくこういうことわかるわよね」

 

「くっくっく、驚いたかにゃ?

 これが【道具知識・癒】の力にゃ!!」

 

「いや、それは違うだろ(真顔)」

 

なお、死んでいたカブソ君はこの【業魔殿】で蘇生させてもらえました。

もちろん、状態異常回復や悪魔蘇生は宿泊費とは別料金、しかもマッカ払いのみ有効とのこと。

その高さや、ゲンブに【業魔殿】だけでなくもう一つの報酬として【仕事の伝手】も紹介してもらえなければ、そもそもカブソの強制休暇期間がいまだに続いていたであろう程だ。

 

「ねーねーサマニャー!

 ルームサービス!ルームサービス頼みたいにゃ!!!

 SUSI!SANMA!TENPURA!!」

 

「ふざけんなてめぇ、ただでさえこの業魔殿の宿泊費が高いんだ。

 今回の依頼の報酬が本当に外れだったから、今回ご褒美はなしで。」

 

「ぶーぶー!!」

 

「え~~!!そんな~~!!

 わたし、ここのケーキが食べたかったのに~~!!!」

 

「あ、モーショボーちゃんはいいよ~。

 イチゴとチョコ、どっちがいい?」

 

「その差別は流石に露骨すぎにゃい?」

 

カブソの方にコンビニいなりパックを投げ渡しながら、ルームサービスのデザートメニューを眺める。

ここは宿泊費も高いが、ルームサービスや食事代はさらに高い。

美食悪魔でも満足できるサービス故、これぐらいの値段は仕方ないらしいが、それでもホールでないケーキに1万以上の値段をつけるのは法外だと言わざるを得ない。

 

「……はぁ、懐が寂しい」

 

「それは、お金的な意味でかにゃ?

 マッカ的な意味でかにゃ?」

 

「全部」

 

視線がうるさいカブソにケーキのイチゴを渡しながら、ため息を吐く。

先日のゲンブの異界解決以来、自分にはこの東京内においていくつかのフリーのデビルサマナーとしての仕事を受けられるようになった。

どうやらあのゲンブは、この辺ではそこそこ有力で人間に友好的な悪魔だったらしく、彼の依頼をクリアでき、かつゲンブからの紹介だということで無事(?)この渋谷近辺での裏業界に混ざることができるようになった。

具体的に言えばこの【業魔殿】内にあるスパに通えば、そこで裏業界の人が接触し仕事を紹介してくれるという流れである。

なお、【業魔殿】は会員制ゆえ、あまりに危険な人や集団は入れず、安全な依頼しかないとのこと。

具体的にはガイア教やらメシア教やらの依頼はないとのことだ。

まぁ、その安全性とやら自体はわりかしうさん臭くはある。

が、仕事を紹介してくれるのは無職である自分にはありがたいし、依頼が終わるごとに万札の入った紙束をポンと渡してくれるのはうれしい。

しかし、問題がないわけではない。

 

『もっと難しい依頼を紹介してくれていいんだよ?』

 

『あ な た は な に を い っ て る ん で す か』

 

そう、ここで紹介する悪魔退治のお仕事がどれも簡単すぎるのだ。

具体的に言えば、どれもこれもせいぜい10レベル未満の悪魔討伐ばかり。

しかも、事前にきちんとした調査済みなせいか、先のゲンブの異界解決の時のような乱入や奇襲もなし。

異界解決なんてのは当然ないし、難しい程度のものでもせいぜい銃を持つゾンビの連戦程度である。

無論、倒すのが簡単なうえに円の報酬が沢山もらえる仕事というのは表面上はいいことだ。

しかし、こちとらデビルサマナー、しょっぱい敵の相手ばかりでは、通常の悪魔退治で手に入るはずの【マグ】や【マッカ】など、本当に必要なものが手に入らないのだ。

それに、例え円の大金といっても、それはせいぜいここ【業魔殿】で数日の宿泊またはアイテム購入するだけですぐに飛んで行ってしまう程度だ。

【業魔殿】がマジぼったくりなのか報酬が少ないのか、果たしてどちらなのか。

 

『あなたがその年齢に対して、やけにお強いのはこちらとしても重々理解しました。

 しかし、今この東京にレベル10を超える悪魔はそうそう出現しませんし、そのような難しい依頼はそもそもあなたのようなフリーなサマナーには頼みません。

 無論、ゲンブ様のお墨付きがあるため、まったく信頼がないとは言いません。

 が、それでも難しい依頼を頼むには必要な格というのがあります。』

 

自分によく仕事をくれる件の謎女性曰く、要は自分は信用がないとのこと。

そりゃそうだ、どのくらい探られているかは知らないが自分は普通の日本からゲームへ転移したプレイヤー。

この世界においてのキャリアなど、自分でも自身がどんなのだかわからない位だ。

そんな怪しさが服を着て歩いてるような奴に、難しい悪魔退治を頼むほど裏業界は甘くないのだろう。

 

『む、そんな不服そうな顔をしないでください。

 そもそも、本来ならばフリーのサマナーがこういう仕事を頻繁に頼まれることの方が珍しいのです。

 その点、あなたは国防を担うゲンブ様の後ろ盾がある分、ほかのフリーのサマナーの倍以上は信頼がおけるというもの。

 ……そうですね、具体的に言えば後5いや10年もすればあなたにも国から重要な仕事を任せられるかもしれませんね。

 ですので、その時まで頑張って精進してくださいませ。』

 

うん、色々遅すぎるね!

そもそも、この世界の人たちはどのくらい知っているかはわからないが、この東京あと10年以内にはほぼ99%くらいの確率で滅びるのだ。

もちろん、DDS〈S〉-NETに潜むお友達の誰かや主人公的人物が華麗に滅亡を阻止して、東京が滅びない可能性があるかもしれないが、そんなもの希望的観測に過ぎない。

そうなれば、もちろん東京は世紀末のモヒカン大歓喜状態、俗にいう札束なんてケツをふく紙にもなりゃしねぇ時代に突入するのだ。

 

「というわけで、もうすぐこの東京も滅びるから、もっとマッカやマグを貯めておかないといけないわけなのだよ。

 ケーキやうまい飯は今のうちにたっぷり食いだめておけよ、10年もしないうちにそれらは食えなくなるから。」

 

「ええっ!そうなの!!

 わ、わかったわ!それじゃぁちゃんと味わって食べておくね!」

 

「ちょっと、サマニャーの言っていることがわかんないかにゃって」

 

仲魔達にいかに自分の財布事情が厳しいか真摯に説明してみたが、カブソの方はわからなかったようだ。

……管はちょうど【クエスト・異界攻略】で1本、先の現地依頼の報酬でもらった粗悪品な管がもう1本手に入ったのだ。

悪魔合体ができるようになったら真っ先に素材にしてやろう、そうしよう。

 

「でも凪~、結局マグやマッカはどう貯めるつもりなの?

 も、もしかして、私たちの召喚頻度を少なくするとか!

 そ、そんなのいやよ!な、凪がどうしてもっていうなら我慢しなくもないけど、それでもいや!!」

 

「にゃーにゃーー!ならせめて管に入る前にビデオ予約を!

 見たい番組をビデオ予約さえさせてくれたら!

 それと三食のご飯付きなら!」

 

……いろいろ甘やかしすぎたな。

痛くなる頭を押さえながら、COMPのメールボックスを確認した。

 

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差出人:肉眼鏡

宛先:あなた

 

●第19回 異界探索オフ会

 

異界探索オフ会の詳しい日程が決まりました

スケジュールのおおざっぱな流れは初日が交流会、2日目以降から本格的な異界探索となります。

拘束期間は最長5日間。

参加費は最低1万円。

集合場所は秋葉原の駅前。

当日は、そこそこ目立つ格好で電気街口改札にお願いします。

なお、目印は今回の集合場所には私の仲魔を配置しておきますので、それが目印です

 

 

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「こっちの世界のアキバはなんかすごそうだな、こう生体マグネタイト的な意味で。」

 

届いたメールに慎重に言葉を選びながら返事を返す。

かくして数日後、色々不安はあるが私は自分と同じプレイヤーと合流し、異界探索をすることにするのであった。

正直に言えば、掲示板の内容の流れから色々不安がわくことも多い。

同じプレイヤー仲間というだけで信用するにはあまりにも危険な考えだということはよくわかる。

が、ここで受けられる依頼だけでは全然マッカもマグもたまらないし、そもそもあのゲンブの依頼以降一度もレベルアップしていない。

レベルも貯蓄も頭打ちの現状、これを打開するには多少なりとも冒険しなければならないのだ。

2重の意味で初のオフ会であるが、せめて集まる人たちがまともな人でありますように……そう願いながらCOMPの画面を閉じるのであった。

 

 

 

そして運命の数日後、電気街兼オタクの街 秋葉原

 

「あ、こんにちはTS系サマナーさん。

 私は肉眼鏡こと、【筋肉 炎鳥】です。

 悪魔で人修羅ですが、気軽に【キン肉マン・フェニックス】とでも呼んでください」

 

「はじめまして!

 はかせは【はかせ】だよ!こっちは造魔の【東雲 なの】!

 趣味は研究!職は生産系のバスター!よろしくね!」

 

「ドーモ、黒髪系サマナーさん!

 新選組一番隊隊長!【沖田 総司】推☆参

 あなたが私のマスターですか?って、なんちゃって!

 あ、もちろんバスターなのでそこのところあしからずです。」

 

「「「……で!あなたのお名前は?」」」

 

どうやら、こいつらは別の意味でやばい集団であったようだ。

来たことをいろんな意味で後悔しつつ、ずるずるとサマナー用コスプレ店なんてわけのわからない場所へと連行されていったのであった。

 

 

 




ちょっと早いけど主人公のステータス更新

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【氏名】中島 凪
【クラス】ナチュラルサマナー
【成長タイプ】忍者
【ステータス】 Lv15
【耐性】 破魔無効
【スキル】
・獣の反応(自分の命中・回避率が上昇、効果小)
・毒針 (銃属性 小ダメージ+毒付加)
・爆炎の術〈ファイアブレス〉 (火炎属性 小ダメージ複数全体ランダム)

【装備】 武器・練気刀
        手裏剣
     防具・サバイバルベスト(御洒落軍服)
        コンバットブーツ(御洒落軍靴)
        キャップ(御洒落軍帽)
  アクセサリ・マント (ピラピラする 一部の仲魔の忠誠度が上がりやすくなる)

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6話目

あの後騒がしい人たちに連れられて、アキバを回ることいくつか。

無論、自分はごく普通の一般人。

TSしたって悪魔を何匹か狩ったって、斬られりゃ血が出て撃たれりゃ死ぬ。

ごくごく普通の人間である自覚はちゃんと持っている。

だからこそ、今回のオフ会で自分は慎重に事を進めるつもりであった。

できるだけ静かに且つ目立たず、最悪の場合は途中で脱走する事も視野に入れていた。

何せ相手は皆、自分と同じプレイヤー。

いきなりゲームに閉じ込められ、情緒不安定状態の可能性も高く、それなのに人外の力を持っている奴が大半。

そこにさらにメシアやガイアが絡むのだ、これでは危険でない可能性の方が低いというものだ。

 

「え?この格好?

 それはキャラメイクの時点で、沖田さんモチーフにしたからですよ。

 なら、このまま突っ走るしかないかなーって!」

 

「あ~わかるわそれ。

 俺も元々病弱気味だったからな。

 せっかく、フェニックスになったならちゃんとその名に恥じない行動を演じなきゃな。

 それにむしろ、おどおどしたマッチョとかそっちの方が違和感がひどいし。」

 

が、自分の予想は悪い意味で覆された。

幸い、オフ会の待ち合わせ場所にいた人はどれも理性的?な人であり、会話や行動にも余裕がみられ、少なくともいきなり街中で襲われるということはなさそうだ。

その上、ガイアーズやメシアンは今回のオフ会には参加させていないので、そっちの方向の心配も杞憂であった。

……しかし、それでも今回の面子は明らかに近寄り難い集団である事に違いはなかった。

 

「ねーねー!フェニックス!

 また肩車して、肩車~~♪」

 

「おいおい、それならまたお前の【なの】に頼めばいいだろ。

 …しょうがないな、乗れ」

 

「わ~~い♪フェニ太郎のそういうところ好き~~!!」

 

「いやぁ!相変わらずはかせさんとフェニックスさんは仲がいいですねぇ。

 本当に見ていてほほえましいです。」

 

電気街に降り立つ、身長190越えのマッチョマンとそれに肩車される白衣を着た幼女。

その横を歩く和服の美女(帯刀)+普通のジーパンTシャツ&パーカーのTS一般人の自分。

 

「浮いてる……すっごく自分浮いてるよ……!!」

 

「じゃけん、あなたも私達と同じくらい強いキャラづくりをしましょうね~~♪」

 

そうして、連れられるはコスプレショップ。

正確にはコスプレショップに偽装した、【デビルバスター用装備】を売る店らしい。

ここで買わされた防具が【サバイバルベスト】の延長であり、ちゃんとした防御力のあるのが不幸中の幸いである。

……まぁ、それでも浮くものは浮く。

少なくともこいつらと一緒に街中を歩くと、それだけで遠目から写真を撮られるという恥辱を受ける羽目になった。

そのため、隙あれば逃げ出そう、そんな風に考えていた。

そんな風に考えていたのだが……

 

「見てください!!これが私おススメの【ノッブなりきりセット!】

 かっこいい軍服をベースに種々のアクセサリーを含みながら改造!

 高い保温性と柔軟性をもち、いざ戦闘というときにも全く動きを阻害しません!

 私も半分だしますからね、ね♪」

 

「ねぇねぇ、あそこのゲーセンにも寄っていこうよぉ!

 あそこのゲーセンの景品はどれも裏業界でも人気みたいで、悪魔相手の交渉でも使えたりするよ!

 個人的におススメは1回1000円もするじゃんけんマシ~ンかな~。

 運のステータスに自信があるんなら、宝石を稼ぎたい放題だよ?」

 

「お前は酒を飲める口か?

 ならば、あそこの酒屋で売っている【純米カラジシ】は覚えておいた方がいいぞ。

 あれは辛めとはいえ悪魔にも美味いと評判の酒だからな、仲魔との飲みに最適だ。」

 

やだ、この人たち、愉快集団だけど……ガチだ!!

かくして自分は悪魔関連情報という名の餌+久々のまとも?な人間交流を続けてしまい、ずるずると一緒に行動&友好度が急上昇。

日が暮れる頃には、この面白集団になじんでしまい、そのまま一緒に食事をする羽目になっていた。

 

「いらっしゃいませだホ~~!

 5名様……いや6,7名様かホ?

 すぐにご案内するホ!」

 

なお、今晩夕飯を取るこの店はサマナー御用達の喫茶。

何人か明らかに堅気でないのが混ざっているし、そもそもウェイターが悪魔である。

やはりオフ会ガチ勢、よくこんな店を知っているな。

 

「ヒーホ―♪

 お客様のマント、とってもかっこいいホー!!

 ちょっと触ってみてもいいカホ?」

 

なお、この店で初めてヒーホー君こと【ジャックフロスト】に出会えたがいろいろと心境は複雑である。

理由はだいたいこの【ノッブなりきりセット】のせい。

フロスト+ほか子供系悪魔に絡まれつつ、椅子に座るころになってようやく一息を付けた。

悪魔交渉成功率が上がるからと勧められ買ったマントであるが、ここまで絡まれるのは寧ろ逆に問題があるかもしれん。

後で、買い替えよう。

 

「え~~!!なんてもったいない!

 そこまで悪魔に絡まれるのは、それほどまでにノッブにその衣装が似合ってるからです。

 だから、ノッブはノッブらしく堂々とそのマントを装着し続けた方がいいですよ♪」

 

「誰がノッブだ、誰が」

 

沖田さんがものすごくいい顔をしながらこちらにサムズアップしてくる。

なお、今回の自分の衣装のコーディネートは大体このコスプレ沖田さんの熱いプッシュのせい。

……くそう、内心ちょっとだけ、この衣装だと違和感なく男っぽい服を着れる安心感があるのが恨めしい。

運ばれてくる料理に舌鼓を打ちつつ、お互いの大まかな人柄がわかった頃に改めてその会合が始まった。

 

「さて、それじゃぁひと段落もしたから改めて自己紹介、と行きたいところだが、ここだと他の目もあるからお互いのCOMPでアナライズする感じでいいか?」

 

「ん、了解」

 

「あ!後、本名が他の人に知られると面倒なので偽名使って話していきましょう!

と言うわけで、今から私たちはノッブの事はノッブと呼びますのであしからず」

 

「まじですか」

 

「マジですよ♪」

 

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【氏名】筋肉 炎鳥

【クラス】人修羅 

【ステータス】 Lv15

【耐性】 物理耐性 バットステータス弱点

【スキル】ヒートウェイブ (物理 全体小ダメージ)

     気合い (次の物理攻撃の威力2.5倍。)

     心眼 (敵からの奇襲成功率を下げる)

     吸魔 (単体 MP吸収攻撃)

 

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【氏名】東雲 はかせ

【クラス】ハッカー

【ステータス】 Lv21

【耐性】 破魔無効 バッドステータスに強い

【スキル】ディア

     カードハント (戦闘後、確率で悪魔カードやスキルカードを入手)

 

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【氏名】沖田 総司

【クラス】ペルソナ使い

【ステータス】 Lv14

【耐性】 物理無効 

【スキル】ジャベリンレイン (銃属性 全体中ダメージ)

     チャージ (次ターンの攻撃威力2倍)

     タルカジャ (味方全体の物理系攻撃の威力を上げる)

     勝利のチャクラ(戦闘終了時にMPを微小回復)

 

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「シクシク、沖田さんが一番レベルが低いです」

 

「嫌味か貴様」

 

取り敢えず、色々言いたいことはある。

が、端的に言えば3人ともちょっと強すぎない?

 

「取り敢えず俺のマガタマは今飲み込んでるのとは別にもう一つある。

が、そっちはまだレベルが低くてな。

耐性がどうしても合わない時以外は使うつもりはない」

 

まずはマッスル系人修羅ことフェニックスさん。

只でさえ、物理耐性とか言う素晴らしい耐性を持っているのに全体攻撃持ち。

かつ奇襲対策もできて、奥の手にマガタマ変更による耐性&ステータス変更もできるらしい。

 

「はかせは基本は裏方担当だよ〜。

アプリ制作とか解析とかがメインだけど、レベルが高いからディア要員ぐらいはできるよ!

取り敢えず、お近づきの印にこの【百太郎】のアプリをあげよう‼︎

 奇襲だけではなく擬態悪魔とかもわかる優れものアプリなのだ!」

 

で、この自称裏方担当のはかせ。

裏方とか言いながらレベルが20を超えているし、その御付きの造魔もレベル20である。

しかもなんかCOMPを軽く見せてもらうと訳の分からないアプリがどっさりときたもんだ。

 

「あ、今丁度悪魔合体の研究中だから、近々人様に紹介できるくらいの達成率にするつもりだから!

 その時はよろしくね♪」

 

まさかの邪教の館主枠も兼任とは。

何この幼女、本当に同じプレイヤーなのか疑わしいレベルだ。

 

「それじゃぁ、沖田さんもさっそく自己紹介を……!!」

 

「いや、もう物理無効だけでお腹いっぱいです」

 

「そんな!!!」

 

最後のこのペルソナ使いに至っては【物理無効】である。

そのうえ弱点がないのに中威力全体攻撃持ちとかね。

もはや人間じゃねぇ、ネームドボスか何かに違いない。

 

「というかですね、我々からしてみたらノッブさんの方がいろいろ気になりますね」

 

「うんうん!それは言えてるね!

 というか、レベル10超えている【オールド系サマナー】とか初めて見たよ!

 ステは結構普通なんだね~~」

 

「やっぱり、武器は火縄銃なんですか?

 そうなんですか!?」

 

一人だけわけのわからない質問をするペルソナ使いを無視しつつ、お互いの能力や今までの経緯。

簡単な戦闘スタイルなどについて話し合っていた。

どうやら聞いたところ、このフェニックスとはかせは【オフ会】でのレベル上げのみ。

沖田さんは基本ソロでの異界攻略、数回だけオフ会に参加したことがある感じらしい。

 

「……ところで、少し掘り下げた質問いいですか?」

 

話の終盤、フェニックスさんから突然の真顔でそう質問された。

 

「あ~、今使ってる回復施設や初めて行った異界についてのこと?

 それはちょっと、会員制だからあんまり話せないというか……」

 

「いえ、それのことではありません。

 もっと以前、そう、初期でのレベル上げについて聞きたいのです」

 

自分としては、ゲンブから紹介されただけの【業魔殿】やそのことについて聞かれるとばかり思っていた。

が、どうやらそのことではないようだ。

 

「ノッブさんなら張本人ゆえに知っていると思います。

 が、改めて言いますと【サマナー】は【バスター】や【悪魔】と違って、【回復薬】で即時回復することができません。

 そのために、我々が知っている多くの【オールド】や【スタンダード】に属するサマナーたちでレベルを10を超えている人はほとんどいません」

 

フェニ太郎曰く、今まで何度かこのようにオフ会を開いているが、大抵の高レベル帯プレイヤーはほとんどが【バスター】ばかり。

時々【悪魔】や【ハイテク系サマナー】が参加することもあったが、自分のような10レベルを超えた【オールドサマナー】を見たのは自分が初めてだとのこと。

……確かに、自分もゲンブにさえ会っていなかったら今でもおそらくまだレベル10にぎりぎり到達していなかったかもしれん。

そう考えれば、あのゲンブからの依頼もある意味では幸運だったといえよう。

まぁ、文字通り死線をくぐらされたため、感謝なぞ絶対にするつもりはないが。

 

「基本、オールドとかスタンダードの人って回復手段がないせいで引きこもっちゃってる人ばっかりなんだよね~。

 【ハイテク系サマナー】なら無限マグのおかげで、マッカさえあれば無限回復&仲魔物量戦法があるんだけどね。

 それでもノッブは初期から何回も回復手段が確立しないまま、悪魔狩りをつづけたんでしょ?

 それなら、何か悪魔狩りの秘訣や裏技みたいなものがあるんでしょ!!

 その辺のこと、是非はかせも知りたいな~って」

 

「【バスター】の私たちなら寝て起きるだけで全回復できますけどね。

ノッブは普通のサマナーらしいですからねぇ。

 これはやっぱり宝具的なのがあったりするんですか?」

 

フェニックスに続きはかせも身を乗り出し質問を続けて、果てには沖田さんは無茶ぶりを言い出す始末。

だがしかし、そのように何かを期待する視線をされようとも、ないものはないのだ。

しいて言うなら……

 

「相手の攻撃に一度も当たらないように悪魔狩りを続ければ、回復薬は必要ない。

 それを続けていたことかなぁ。」

 

「「「え。」」」

 

3人から変なものを見る目で見られるが、こうとしか言いようがないのだ。

 

「いや、普通のサマナーだと怪我したら、傷薬だとなかなか治らないんでしょ?

 だから、先手必勝で敵を奇襲して、相手の攻撃が1度でもあたる前に殺しきっただけ。

 どうしてもやばいときは、仲魔(カブソ)を肉盾にできるし、回避率上昇スキルもあった。

 だから、都内の雑魚悪魔狩り程度なら意外と何とかなったよ」

 

正直にこうとしか言いようがない。そもそも自分がゲンブに会うまでに狩った敵はどれも【ゾンビ】系であり、どいつもこいつも戦いやすいやつばかりだった。

それ故、いざ戦闘になった時も普通に動きや気配を察知すれば十分に回避できるやつらばかりだったし、最悪カブソがいなくても何とかなる悪魔だけであった。

それゆえに、ここまで自分が問題なくレベルを上げれたのはこの都内の野良悪魔が弱いだけで自分が強いとか秘訣があったわけではないのである。

 

「そ、それは俗にいう初期武装が強すぎて、相手を一撃で倒せたから余裕的な?」

 

「いや、初期装備は≪模造刀≫だけど、あれはいろいろ酷かった。

 おかげでただのゾンビ相手に、殺すまで何度もたたきつける必要があった。

 反撃をされかける前にその腕を何度もたたき折ったから、反撃も回避も余裕だったけど」

 

「え~っと、相手悪魔からの魔法攻撃とかそういうのは……」

 

「都内の異界外の野良悪魔にそんなもの使うやつがいるとでも?」

 

「そ、それでも、あ!

 も、もしや、防具が、防具がわりかし良品ぞろいだったんですか?」

 

「防具とかないから、家にあった一番動きやすい服を装備していたよ。

 防御力はないけど、当たったらどのみち終わりだし、軽い方がいいかなって」

 

「……具体的に?」

 

「ジャージ」

 

「……悪魔狩りなのに?」

 

「うん、ジャージ(防御力+0)」

 

「傷薬が使えないのに自分から、一人で、普通に戦闘を?」

 

「うん、まぁいずれ嫌でも戦うことになりそうだし、なら準備できる今のうちにね?」

 

卓上に嫌な沈黙が蔓延する。

……何か自分、おかしなことを言っただろうか?

いやいや、サマナーであるならこれぐらい普通のはず、普通のはず……だよな?

 

「え、えっと一応自分集団で戦うときはちゃんと隊列とかも考えられるから!

 だから、安心して一緒に「とりあえず、明日の異界探索でノッブさんは前線に出るの禁止で」そげな!!」

 

なぜかフェニックスさんから、謎の近接戦禁止令を言い渡される。

確かにこの面子であると、自分の近接力が下から数えた方が速いのはなんとなくわかる。

が、自分から近接攻撃を取ったら、手裏剣とかわいい召喚と肉盾(カブソ)バリアーしかなくなってしまうではないか!

 

「それと、明日の探索には絶対にまともな防御力のある防具で来てください。

 これは探索前の絶対条件です」

 

「えっと、そんなこと言われても……。

 今自分の持っている防具でまともな防御力のあるのなんて、さっき買ったこのノッブコスプレの【御洒落軍服】だけなんだけど……」

 

「じゃぁ、それで」

 

「これ、コスプレで恥ずかしいんだけど。

 ……ジャージじゃダメ?いろいろ着慣れてるから邪魔にはならないと思うよ?」

 

「命と恥辱どっちが大事だと思ってるんですか!!!

 とりあえず明日マジでジャージできたら、無理にでもまともな防具に変えてもらいます。

 そうですね……具体的には今我々が持っている中で最も防御力の高いやつに無理矢理着替えさせます」

 

「あ!フェニちゃん!

 なら、はかせ一番高性能な防具として、この【ハイレグアーマー(ロリには着れない)】があるんだけど!」

 

「じゃぁ、それで」

 

はかせがそう言って取り出したのは、もしアクロバティックな行動一つでもしたら即ポロリしそうなヘソ出し紐水着鎧であった。

TSの元男として、ガチ回避系サマナーとしてあれはいろんな意味であれは着たくない。

そのため、土下座+明日以降このコスプレ軍服装備で探索すると約束することで何とか許してもらった。

 

「あの人いろんな意味でやばいですね……

 逆のパターンは想定していましたけど、こういうのは予想外というか……

 ちょっと、怪我されても責任取れなさ過ぎて辛いというか……」

 

「だ、大丈夫だよフェニちゃん!

 いざというときは私のディアがあるし、それに実力派なのは本当みたいだから!

 ……でも絶対生き急いでるやつだよ、私たちと別ベクトルのヒャッハー組だよ……

 とりあえずこれが終わったらマジでいろんな安全なサポートを受けさせなきゃ……」

 

「大丈夫です!!あれほどノッブが似合うノッブは初めて見ましたから!

 ノッブはこの沖田さんがちゃんと守りますから!」

 

なぜか別れ際まで、ほか3人の謎のひそひそ話が一気に増えたことをここに記載しておこう。

むむむ、もしかして自分の実力が疑われているのか?

ならば仕方ない、明日の探索はババっと邪魔にならない程度に前線に出て、戦えるところを見せなければならないかな!

そう決意して、一旦こっちのわが家へと帰還するのであった。

 




※なお、フェニ太郎さんの初期マガタマは【カムド】です


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7話目

さて、件のコスプレ会議の次の日

 

我々が現在いる場所はアキバのとある雑居ビルの一室。

現在はその中にある異界を探索している最中だ。

今回の異界は、表は普通の書店であったはずなのに、異界の中はなんと森林。

無数の見慣れぬ木々が生い茂り、都会の中にいるはずなのにすがすがしい空気を感じ、建物の中にいるはずなのに暖かな陽気を感じる。

ある意味ではここは過ごしやすく、ピクニックに行くのには最適な場所といえるだろう。

 

「ギギッ!!ギギギッ!!!ニンゲン、ニンゲン!!!!」

 

「ウゲッ!!!アホの人間がこんなとこにまで来やがった!!

 まぁいい!こちとらイライラしてたんだ、ちょっくら立場わからせてやるよ!!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪妖樹≫サンショウ Lv11

HP 133

MP 74

【相性】 火炎弱点 氷結耐性

【スキル】・突撃 (物理属性 小ダメージ クリティカル率は高いが命中率が低い)

     ・バインドクロー (物理属性 中ダメージ+麻痺)

     ・バウンスクロー (物理属性 小ダメージ 単体複数)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪妖精≫ゴブリン Lv3

HP 101

MP 24

【相性】 銃・電撃弱点

【スキル】・突撃

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ただし、それはここに悪魔がいなければの話だ。

さて、ここに入ってから我々はすでに数回は悪魔の群れと会合し、戦闘を繰り広げている。

もちろんここは異界であるので、出現してくる悪魔は基本群れで襲ってくる。

その上前回のゲンブの依頼のように、出てくる悪魔が【凶鳥】オンリーなんて都合のいいことはない。

出てくる悪魔の弱点や種族もある程度傾向はありはするが、それでも結構バラバラ。

もしここを一人で探索することとなったら、相当に骨が折れていたであろう。

 

「我が秘剣は敵を穿つ……!!ペ・ル・ソ・ナ!!」

 

「不死鳥ストレッチ!!」

 

……が、今回に限っては全くそんな危険など訪れなかった。

どうやら、今回の異界攻略は調査段階でここに出てくる悪魔は物理型が多いことと知っての攻略であったらしい。

そのため、今回のパーティの前衛は沖田さん(物理無効)とスーパーフェニックス(物理耐性)の2枚看板であり、全然苦戦のくの字も起きない。

もちろん、自分も邪魔にならない程度に手裏剣や仲魔の召喚でサポートはしている。

が、しかし大体の戦闘が沖田さん&フェニ太郎の全体攻撃のもとに一瞬で一掃されてしまう。

一番役にたっているのがモーショボーによる≪ディア≫というのがいかにこの戦闘で自分に役割がないかをよく表しているであろう。

このままではいけない、このままだとマジで自分は経験値泥棒にしかならない!

というわけで、色々理由をつけてとある悪魔との1対1での戦闘を少しやらせてもらい、自分の近接戦闘能力の証明と、できるなら以降の前線に混ぜてもらおうと思っていたのだが……

 

「グギッ!!ギギギッ!!!

 ナゼダ!!ナゼアタラン!!」

 

「ほっ、よっ、はっ!!

 どうじゃ?案外、儂もやれるもんじゃろ?」

 

「きゃ~~!!流石ノッブ!!かっこいいし、口調もマジノッブ!

 ……でも、もう十分大丈夫ってわかったから、さっさととどめさしちゃってもいいんですよ~~!!」

 

「というか、マジでさっさとやっつけてください!!

 見てるこっちがひやひやするわ!

 まじで紙一重でかわし過ぎというか……いや、のんきにこっち振り返らなくていいですから!!」

 

「あ、増援」

 

「ちょ!!まっ!!」

 

「大丈夫、大丈夫!こいつ程度の攻撃なら1体でも2体でも変わらん!!

 ……って、足払いはやめろ!足払いは!!」

 

結果、問題なくサンショウ2体を倒せたのにより一層強く前線に立つことを禁止された。

その上、手裏剣の援護も禁止された、解せぬ。

 

「手裏剣の援護禁止はひどくない?

 マジで置物すぎて申し訳ないんだけど。」

 

「さっきの戦闘で、手裏剣をナイフ代わりにして近接戦できること証明しちゃったからね。

 しかたないね!」

 

同じ後列の仲間のはかせがこちらの体をポンとたたいて慰めてきた。

なお、はかせはマジでニート状態の自分とは違い、豊富なMPで存分にフェニックス用ディア要員をやっている。

かなしぃなぁ。

 

「というか、ノッブちゃん、全然ニートじゃないから。

 さっきから、ちょくちょくはかせに来た攻撃をカバーしてくれてるでしょう?

 だから、無理して貢献しなくていいから、ね?」

 

「そうですよ!ノッブはいざというときの保険係でもあるんですから!

 だから、後方でドーンと構えていてください!」

 

本当にできた人たちすぎて辛い。

というか、本当にできている人すぎて、特にフェニ太郎さんなんて前線で肉盾兼矛もしてくれている都合上、頭も上がらな過ぎて困る。

 

「……ところで中島さん、なぜわざわざ近接戦を希望するんですか?

 単純な親切心だけだと返されたら、はっきり迷惑だと返させていただきますが」

 

「実はちょっとだけ、同レベル帯や集団戦での近接の役回りを練習したかった。

 このパーティなら、いざ自分が失敗してもうまくフォローしてくれそうだしっていう下心はあった。

 って、言ったら怒る?」

 

「ほう!いえ、むしろ安心しました。

 マジモンのシリアルキラーかカオス志向的な何かと思って、ひやひやしましたから。

 実際、今の我々は、安全な状態で戦闘訓練なんてなかなかできるもんじゃないですからねぇ。

 そういう心情ならよくわかりますし、非常によい心がけだと思いますよ。」

 

なお、フェニックスさんも近接戦すぐあとしばらく無口になってましたが、本音でしゃべったら許してくれました。

いい人たちすぎて、ビビる。

 

「それじゃぁ!自分も前線で戦ってみてもいい!?」

 

「それはだめだ、おとなしく後列にひっこんでろジェロニモ」

 

「辛辣!」

 

 

 

 

「あ、この先ボスいるよ」

 

「マジか」

 

「マジだ」

 

かくして特に何の感動もないまま、この異界の最深部まで到達してしまった。

しいて言うならレベルが1つだけ上がったことと、途中でディア要員を一人仲魔にできた程度だ。

無論、命乞いでである。

 

「……では、どうしましょうか?」

 

「どうするって言うと?」

 

「倒すか倒さないか、そういうことです。」

 

さて、いざどうするかといわれると結構困る質問である。

目の前にある木のつたでできた扉はそこそこ厳重そうであり、本能に訴えるピリピリした気配を感じる。

COMPについているエネミーソナーもこの先にいる敵がただ物でないことを表すかのように【この先からとてつもない強烈な気配がする……】と表示されているほどだ。

おそらく、この先にいる悪魔は強力な悪魔なのであろう。

もしこれが、ただの現実や平穏時であるなら危険は避けるべきである。

 

「やっぱり、ボスって経験値とかおいしいの?」

 

「あ~~、中島さんは異界攻略まだ1回目でしたっけ?

 なら言っておきますが、はい、ぶっちゃけうまいです。

 【クエスト】をよく調べておくとわかると思いますが、実は【異界のボス】は倒すごとに我々は特別報酬を得ることができます。

 しかも、それで出るアイテムは大概かなりのレアなものです」

 

「ふむふむ」

 

「ですが、1回目は固定みたいですが2回目以降はランダム。

 ただの大量のマッカかもしれないし、はたまたは逆に超絶レアアイテムかもしれない。

 私の場合はこれで予備の【マガタマ】を手に入れましたし、今回もできることならやりたいのが本音ですね」

 

「ガチャか」

 

「そういわれるとそうですね。

 悪魔の命でガチャ……っふ、そう言われるとなんだかとっても背徳的ですね!」

 

壷に入ったのか、フェニックスがいい笑顔を浮かべてくる。

いや、なにこの【こいつうまいこと言ったな】みたいな顔は、別に受け狙いで言ったわけではないのだが。

 

「それに純粋に、経験値もうまうまです!

 このレベルの異界のボスならもう+1レベルは手堅いですよ!」

 

う~~む、そう言われるとなかなかに悩む。

しかし、こちとら一回目のあの【ノズチ】はなかなかにトラウマである。

確かにこの集団だとよっぽどの敵でもない限り負けそうにもないが、果たして安易に突撃しても大丈夫なものか。

 

「というわけで、不安そうなノッブちゃんのために扉の外からボスをアナライズしてみたよ~~!!」

 

「マジで!そんなことできるの!!」

 

「できるのだ!!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪幻魔≫タム・リン Lv18

HP ??

MP ??

【相性】 物理・破魔耐性 呪殺弱点

【スキル】 ??

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ふええぇぇ……物理耐性はもうお腹いっぱいだよぉ……」

 

「物理耐性大安売りのオンパレードだね!」

 

博士に見せてもらったそのアナライズデータは確かに色々たりないが、それでも耐性や名前がわかるのはありがたい。

【タム・リン】、たしか色素の薄いクーフーリンみたいな悪魔でそこそこレアな悪魔であったような気がする。

 

「お~~、タム・リンか。

 たしか、物理タイプの悪魔だったような……違うか?」

 

「あ!これ私知ってますよ!

 確か妖精の騎士とかそういうのはず。

 さらに言えば、こんなイケ面顔してますがかなりの肉食系!

 ぶっちゃけ、イケメンレイパーです」

 

「……つまり、ここは妖精の森?

 ここが森なのや出てくる悪魔でゴブリンとスプリガンが多いのはそういう理由だったのか。

 の割には、物理型ばっかりで1匹もピクシーがいないから気づかなかったが」

 

さて、この先に待ち受けているボスもわかり、対策もなんとなくはわかった。

もちろん、今のメンツは物理型が多いゆえ、苦戦は必須であろうがそれでもこちらもそれ以上に硬い。

なおかつ相手が本当に物理タイプ攻撃ならば、それこそいざとなれば沖田さん一人で倒せるだろう。

なにせ、物理無効である。

 

「……で、どうしますか?

 私としては、中島さんさえよければ今回はこのタム・リン討伐に挑戦してみたいのですが」

 

「あ!はかせもはかせも!

 これぐらいなら多分、最悪フェニちゃんと私だけでも何とかなるレベルだし!」

 

「あ!沖田さんもやりたいです!

 悪魔との剣豪勝負ってかっこよくありませんか?」

 

どうやら、今回の面子はみんなやる気らしい。

ならば自分も水を差すことはしない方がいいだろう。

しかし、その前に一つだけ言いたいことがある。

 

「これ、いざというときはちゃんと逃げられるよな?

 【残念!大魔王からは逃げられない!】みたいなことはないよな?」

 

「あ、それならはかせが『トラエストストーン』がもってるよ。

 だからいざというときはパパっと異界の外に脱出しちゃお!」

 

「それならよし!」

 

かくして自分たちは、胸を張ってボス悪魔の部屋へと突入したのであった。

ある種の勝利を確信しながらである。

 

 

が、その予想は悪い意味で覆されることとなった。

 

 

「ふっ、はっ!!必殺≪魅了突き≫!!」

 

「不死鳥乱心波~~!!!」《魅了状態!》

 

「ちょ!!あいつ、女好きの悪魔のくせにフェニックスさんを狙って魅了しましたよ!!」

 

「うわっ、ホモだ!!エンガチョエンガチョ!!」

 

確かに今回のボス【タム・リン】は、基本攻撃方法が物理だけなのは間違いなかった。

ただし、それと同時に【状態異常付加】の攻撃をしてくるが故、【バッドステータス弱点】なフェニックスさんが魅了されることされること。

前線2枚看板が実質1枚、いや、魅了されて相手に手勢が増えていることを考えるとマイナスに入る勢いである。

 

「だ、だまりなさい!!

 私だってできれば、貴方達麗しい女性の誰かを我が槍で骨抜きにして差し上げたいのです!!

 なのに、まともに我が槍が当たるのがこの肉達磨しかいないとか……」

 

「なっ、わが盟友よ!!

 つれないことを言うな、俺とお前の仲ではないか♪」《魅了状態!》

 

「やっやめろ~!!

 その体格で抱き着くのは、唇は……ウゴ、ウゴゴゴゴゴゴ!!!!!」

 

「おえっ」

 

「うわ~~~……」

 

「やっぱり、ホモは二次元に限る。

 はっきりわかんだね」

 

「そうですか?沖田さん的には割とオモローでグットですが」

 

「そ、それより早く治してあげるにゃ!

 色々見てられないにゃ!!」

 

なお、こんな状態でもあるのに戦況は悪い意味で拮抗していた。

その理由としては無敵の沖田さんの【物理無効】と相手が魅了突きをするたびにセルフで精神的ダメージを負っているが故である。

この誰も得をしない、負のスパイラル。

無論、こんなグダグダした状態で物理耐性持ちのボスを物理攻撃がメインの自分たちが倒せるわけもない。

 

「こ、こんな空間にいられますか!!

 私は別の場所でこの心の傷を癒させてもらいます。

 というわけで後は任せましたよ、我が盟友たち」

 

すると今まで見なかった【ピクシー】や【ナパイア】といった女性妖精たちが無数に現れ、入れ替えるかのように姿をくらます幻魔タム・リン。

 

「あっ、やべっ!!あいつ逃げる気だ!

 追えっ追えっ!」

 

「父さん、母さん!オレはこの一撃で貧乏生活からおさらばだ―――っ!!」《魅了状態!》

 

「こらっ、フェニ!!

 マジでいつまでも洗脳されてるな!!

 メパトラストーンも安くないんだぞバカッ!!」

 

そして、その妖精軍団と洗脳されたフェニ太郎を治しながら迎撃したため、当然終わったころにはタム・リンは逃走済み。

こうして、自分にとっての2回目の異界攻略及びボス戦は、相手ボスの逃走という何とも締まらない結末に終わったのであった。

 

 

 




※なお、当作品には同性愛への侮辱や差別する意図は一切ありません。
どうか、ご了承ください




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【裏方最高】生産者PCが自然と集まるスレpart3

【裏方最高】生産者PCが自然と集まるスレpart3

 

1:名無しのバスター

 

・ここは生産能力もちのPCが情報交換をするスレです

・もちろん、レアアイテムや生産についても質問雑談もOK

・「これは本当にアイテム生産っていうの?」という疑問などやアイテムの使い方の質問も

・このスレは書き込み制限や観覧制限をしていないため、大事な話や秘密にしたい事は専用のスレでお願いします

 

前スレ

ttp/××××××.DDSS.net

 

 

 

215:名無しのサマナー

IN八十神高校

「転校生の鳴上 悠です。今日からよろしく」

「俺こそが本物の鳴上 悠です。みんな間違えなように」

「ごく普通の一般生徒の鳴上 悠です。ぐっ!!抑えろ……落ち着け!俺のペルソナ!」

おwwまwwえwwらwwwwww

 

216:名無しのバスター

これはひどいw

 

217:名無しのサマナー

わかっていたじゃろうに……原作キャラ名だとこうなる悲劇位……

 

218:名無しのバスター

わい、練馬在住の鳴上

意図せず勝ち組な模様

 

219:名無しの悪魔

というか、原作キャラ名勢はマジ迷惑

この前、新宿に祐子っていう女教師の異能者いたからあれかと思ったら同じプレーヤーでやんの

なんでその名前でやったし!

 

220:名無しのサマナー

>>219 アラディアの悪魔憑きですね、わかります

 

221:名無しのバスター

お前らもっと、生産的な話をしろよ、生産系なだけに

 

222:名無しのサマナー

>>221 いうて、GP低すぎてまともなもの作れないんや

    しゃーない

 

223:名無しのバスター

単純なアイテム量産はなんというかやっぱり、魔法でパパパって感じやしな。

俺のデュオニソスが火を噴くぜ!(イワクラの水量産しながら)

 

224:名無しの悪魔

>>223 そこはソーマじゃねーのかよwwww

 

225:名無しのバスター

レベルが足りねぇんだ、察しろ

 

226:名無しのサマナー

とりあえず、地霊の力と金の力で四国にシェルターを作ることには成功

……でも、これ下手に都内からでて核シェルターにこもるよりは都内に立てこもった方が安全そうなのがねぇ

せめて、何で滅びるかわかれば対策が立てやすいものの

 

227:名無しの悪魔

電霊のワイ

レーダー乗っ取りまくってようやく破棄された潜水艦を発見

次はこれをどうサルベージするかだなぁ

 

228:名無しのバスター

なぜ正統派なアイテム開発組がいないのか

これがわからない

せめて、悪魔召喚プログラムを量産しようという猛者はいないのか

 

229:名無しのメシアン

>>228 MURI★

 

230:名無しのサマナー

傷薬&牛黄丹の調合位なら(漢方屋で修行中)

 

231:名無しのバスター

量産していいのか?(制御できるとは言ってない)

 

232:名無しのガイアーズ

俺氏、ガイアメシアなら悪魔召喚プログラムについて研究で来てるだろうと思って入団

幻想だった模様

 

233:名無しのメシアン

>>232 わかるわ。

あいつらがやってるの、既存の悪魔召喚プログラム入りの機械拾って、適当なメシアっぽい端末に移し替えているだけだもん。

>>232の発言的にガイアも似たり寄ったりかぁ

 

234:名無しのバスター

というか、スティーブンや兄ぃに会えた奴いないのかよ

作った本人に直接聞けばいいだろ

 

235:名無しの悪魔

そも、俺らが持っている悪魔プログラムでさえ、人によって全然コードが違うというかそもなんで動くとかそもそもこれプログラムって言えるのってレベルだからな?

モブ一般人どものCOMPはまだプログラムって言えるけど、俺らのCOMPはマジで未確認物体X、調べれば調べるほど劇物にしか思えん。

>>234 というか、もしこれが真①ならあの車いすをぶっころころすればすべて解決では?

 

236:名無しのサマナー

>>235 ????

 

237:名無しのバスター

>>235 俺たちはアイテムを作るんじゃない!未来を作るんだ! そういうわけですね

 

238:名無しのサマナー

>>236~>>237 無言の無境界の波動関数

 

239:名無しのサマナー

……ちょっと話変わるけど、ここにもメシアンとガイアーズが出るようになったか。

ならもしかして、そいつらを通してうちらの情報がガイアメシアに漏れる可能性があるの?

それならとっても恐ろしいなって

 

240:名無しのバスター

>>239 はははっ、何をいまさら

 

241:名無しのガイアーズ

安心しろ、とりあえずガイア教での検証結果、俺らのCOMPは持ち主以外のぞき見防止+操作防止機能がある。

だから、最低限の情報セキュリティはできているはず。

……ばれるとしたらこの中の誰かが意図的に情報を売った時だけやで^^

 

242:名無しのメシアン

主君の名において、メシア教同志とはいえ皆様の不利な情報を同志たちに教えることはしないためご安心を

(ここでの情報をほかに話さないとは言ってない)

 

243:名無しの悪魔

知ってたとはいえ、やべぇよ……やべえぇよ……

 

244:名無しのガイアーズ

全然関係ないけどな―!!

異能者の情報ってそれっだけで、金になるんだよなー!!

全然関係ないけどな!    ところで、ガイア教では金だって力という意味を持ちry

 

245:名無しの悪魔

よ~~し★おじちゃん、いまから244の家を襲撃しに行くぞ!

 

246:名無しのバスター

>>245 俺も俺も!丁度今ゲイボルグの試し切り相手がほしかったんだよ!

 

247:名無しのサマナー

よし!俺もちょっと新しい仲魔の性能の確認がてら同行するぞ!(ムド+呪殺ガードキル)

 

248:名無しの悪魔

とりあえず、初めてここに来てみたけど、なんでここまでPC同士のアイテム開発がうまくいっていないのかの理由がよく分かった

 

 

 

(しばらく、アイテム開発(開発しない)の話や疎開場所についての話題が続きます)

 

 

 

329:名無しのバスター

結局のところ、バスターが悪魔召喚プログラムをえられる可能性はないってことかぁ

 

330:名無しのバスター

>>329 眉唾だけど、異界攻略報酬で低確率で手に入るらしいぞ

 

331:名無しのサマナー

>>331 それって、外身を変えられるってだけのオチじゃなかったっけ?

    たしか、それでCOMPの見た目をサックス型に変えた猛者がいるとか

 

332:名無しのメシアン

色々言いたいことはあるがなぜそれにしたwww

 

333:名無しの悪魔

死亡フラグと使いにくさどちらも上げて、ロマンをとるとは……対した奴だ。

 

334:名無しのサマナー

>>331 いや、マジで要るっぽいらしいのは確か。

    バスターや悪魔の一部でゲット済みらしい。

 

335:>>329

やったぜ!なら、おれのペルソナ【アリス】と仲魔【アリス】で、今日から俺とお前でダブルアリスだ!とかできるん?

 

336:名無しのサマナー

何その天国……いや、地獄か?

 

337:名無しのバスター

「「死 ん で く れ る?」」

死ねるわ!!

 

338:名無しのガイアーズ

マッドティーパーティでもいいぞ!

 

339:名無しの悪魔

>>335 喜んでいるところ悪いけど、今んとこ追加報酬の悪魔召喚プログラムは【純・異能者】か【人修羅】ぐらいしか手に入ってないっぽいぞ

 

340:名無しの悪魔

>>339 あー、やはりそうか、そんなうまい話はねぇか

 

341:名無しのメシアン

まぁ、ペルソナ使いは素の状態でも強いですからね。

仲魔まで手にはいったら、明らか過剰戦力でしょう

 

342:名無しのバスター

ヤダヤダ!小生やだ!!小生も悪魔召喚プログラム欲しいの!!

アリスちゃんと二人でダブル魔法少女やりたいの!!

 

343:名無しのサマナー

なにその邪悪な魔法少女

 

344:名無しのバスター

男なら皆プリ◯ュアになりたいからね、しかたないね

 

345:名無しの悪魔

それほどなら、もう野良でメシアならガイアなら狩りごっこして悪魔召喚プログラムを強奪すればええやん

 

346:名無しのガイアーズ

野良の悪魔召喚プログラムとか、地雷ですわ

 

347:名無しの悪魔

取り敢えず、デスクトップPCのCOMPを持ち歩いている猛者なら見た

 

348:名無しのサマナー

なにその二宮金次郎

 

349:名無しのサマナー

それどうやって戦うんだよwww

 

350:名無しの南極研究員

そうなるとデモニカが最強なんだよなぁ

 

351:名無しのバスター

あ、アーヴィン(偽)兄貴 お仕事乙〜

 

352:名無しの悪魔

ニセニキ任務お疲れ〜

進捗どうなった?悪魔合体プログラムの抽出は?

 

353:名無しの南極研究員

無理。無理無理の無理

一応、悪魔召喚プログラムzip試作はできたけど、デモニカ以外では解凍すらできんし、開けるとなぜかよくバグという名の悪魔召喚が起きる。

せめて、シュバルツバースから出て実験できれば違うんだけどな〜

 

354:名無しのバスター

まあ、そっか

誰かトラポート持ちいないのかよ

 

355:名無しのサマナー

せめて国内であればな

 

356:名無しの悪魔

こっちはようやくカリーナまで着いたけどそっちは今どの辺?

そろそろぼの字にまでついた?

 

357:名無しの南極研究員

すまん、まだこっちははじめのところから動いてない

ぶっちゃけ俺らPC頑張りすぎて、生存者ましましの人多すぎの飽和状態だからな。

ブルージェットの隊員分の悪魔召喚プログラムを補うのすら四苦八苦だわ

 

358:名無しのバスター

ありゃありゃ

 

359:名無しのサマナー

思わぬ弊害が

誰か間引きしろよ()

 

360:名無しのバスター

そっちの野良COMPは高性能そうな分だけおなさら残念な件

マジでどうにかならんの?

 

362:名無しの南極研究員

無理無理、というか高性能ゆうても多分俺らの持ってるCOMPの方が何だかんだ高性能よ

それより、配布版フォルマサーチの調子はどう?

誰かまともに使えたやついる?

 

363:名無しのバスター

無理、激重沈没丸

 

364:名無しのサマナー

そもダウソすら失敗したんだが

 

365:名無しの悪魔

わいは役に立っとるで

一応、重いらしいけどワイデビルだし、COMPなんてこの掲示板とバックぐらいしか使わんからな

サンガツ、おかげで毎日魔物肉旨旨やで

 

366:名無しのメシアン

ここでdlしても部下に配れない不具合

せめて、野良機械に配布できるようにしてくれないと検証すら出来ん

 

367:名無しの悪魔

やめたまへΣ(゚д゚lll)

 

368:名無しのサマナー

ニセニキグッジョブ

まじグッジョブ

 

369:名無しの南極研究員

まー、やっぱりそうなるかぁ

そもそも元のフォルマサーチもたぶん、シュバルツバース内でしか使えんだろうっぽいからなぁ。

ワンちゃん外でも異界でならと思ったけど……

 

370:名無しのバスター

>>365を見るに無駄ではないっぽいけど、結局どんな感じなん?

というかシュバルツバースって結局なによ

 

371:名無しの悪魔

よく見ろ、>>365の役には立ってるっぽいぞ

かくいう自分もそこそこ世話になってる。

>>370 南極ににある大型異界、カメラでも暗黒空間として観測できるほどにはでかい

   国連の調査隊とpcが潜入中

 

372:>>365

>>370 一応入れてみた感じ、悪魔が死んだあと死体を残りやすくなったり、隠されたアイテムの場所がわかりやすくなる。

これ入れる前は狩りした獲物が殺した後霧みたいに消えられるから、急いで食わなきゃいけなかった。

がこれ入れてからは、そこそこの確率で死体の一部を残すようになったから食事の保存ができるようになった。

マジ感謝

 

373:名無しの悪魔

>>372 マジか、今までフォルマとか興味なかったから無視してたけどそれは便利だな

 

374:名無しの悪魔

>>372 生の悪魔肉食べるとか覚悟決まり過ぎててビビるわ

 

375:名無しのバスター

>>374 デミナンディ考えればそれくらい普通普通

 

376:名無しの悪魔

種族フードですね、わかります

 

377:名無しの南極研究員

お前らwww

……いや、みんなの役に立ってるなら俺もうれしいよ?

でも俺としては、フォルマ使ってのアイテム開発とかそういうののために配ったんだよ

なのにおかしいな、本来の使い方で使ってくれてるやつが誰もおらんのだが

 

378:名無しのサマナー

>>377 無茶言うなww

あんな激重アプリ入れてまともな異界探索できるわけないだろw

つかったら、仲魔1匹も呼び出せんかったぞww

 

379:名無しのバスター

>>377 現状俺ら個人がフォルマ手に入れてもどうしようもないからなぁ

しかも、エリアサーチ範囲がやけに短くなるし

 

380:名無しのサマナー

命には代えられんのじゃ、許せニセニキ

 

381:名無しのガイアーズ

せめて、一般COMPに配布できて大きな研究所が手に入ればワンちゃんだが

今はまだいろんな意味でハードルが高すぎる

 

382:名無しのロリ

>>377 近々何とかなるかも

 

383:名無しのサマナー

>>382 !!

 

384:名無しのバスター

>>382 ロリネキキタ━━ヽ(゚ω゚)ノ━━!!

 

385:名無しの悪魔

ロリネキオッスオッス、どう?

ちゃんと例の彼を落とすことはできた?

 

386:名無しの南極研究員

ロリネキおいーす

というか、進捗あったってマジ?もしかしてフォルマの加工に成功したとか?

もしくは容量の縮小に成功したとか

 

387:名無しのロリ

>>386 どっちもちゃう

でも、なんとかフォルマサーチ使えるっぽいサマナーをようやく発見できた。

その人、俗にいう【オールド系サマナー】系なんだけど、ちょっとCOMPみせてもらったら容量スカスカだった

試しに重めのアプリ入れてみたけど、問題なく悪魔召喚もマップも作動してたし。

フォルマのドロップ率自体はまだ試してもらってないが、少なくともアプリによる戦闘力低下とかはなさそう

 

388:名無しのバスター

>>387 お~まじか

というか、よくまともなオールド系サマナーなんて見つけたな

サマナーなんてハイテク系以外ほぼ全滅状態だろ

 

389:名無しのサマナー

オールド系サマナーって何の存在意味がと思ったら、そういう意味があったのか

もてる悪魔の数が少ないだけの不利なサマナーだと思ってたわ

 

390:名無しの南極研究者

あ~~、やっぱりそうか

うちにいるオールド系はPC用COMPや封魔管使ってないから確信できんかったが、やっぱりこっちの予想としては正しかったか。

でもそうか、これでようやくロリねぇもまともにフォルマ研究してくれそうで俺もうれしい!

 

391:名無しのロリ

それと、いい報告と悪い報告が1つづつ

いい情報:現地産の封魔管の存在があった。調べた感じやろうと思えば量産できそうだし、安定度も現地産COMPの100倍はある。

悪い情報:これ、たぶん専用技能ないと召喚や収納できない

多分、オールドサマナー専用アイテムだ

 

392:名無しのサマナー

>>391 どこでそんなの手に入れたwwwwwいや、ある意味いつも通りか

 

393:名無しのバスター

>>392 カドモンを初期から持ってるようなヒトだ

何を持ってても驚かん

 

394:名無しの悪魔

というか、オールドサマナー専用ってマジか

オールドサマナーは悪魔召喚プログラムもらえない、ただのはずれ勢ではなかったのか

 

395:名無しのロリ

>>394 あくまで推測だけど、たぶんオールドサマナーは異能者の一種だわ。

でも、【バスター】とかと違って、異能能力は【悪魔感知&制御】とかそういうの。

最近であったガチオールドは見えない攻撃でもバシバシかわすし、魔法攻撃も事前に察知してから躱してた。

率直に言って動きがめっちゃきもいけど強い、ぬるぬる動く。

しかも、今まであったオールド系はどの人もCOMP容量がやけに軽い。

これはたぶん、マップや悪魔サーチとかにかかる容量を本人の異能で補っているからだと思われる。

 

396:名無しのバスター

>>395 何そのニュータイプ

 

397:名無しのサマナー

ええなぁ、同じサマナーとしては回避能力上昇はうらやましく思える。

ハイテクだ系は常にCOMP見ながら戦闘と召喚制限との戦いだからなぁ

 

398:名無しの悪魔

なにさなにさ、結局オールドサマナーも当たりだったってことか

畜生、オールドだけは同じ底辺仲間だと思ってたのに……!!

マジで救いを……純悪魔型PCにも誰か救いを……!!

 

399:名無しのサマナー

>>398 そんなわけあるかぁ!!自分はオールドサマナーだけど全然そんなことなさそうなんだが!

普通に敵の攻撃躱せんし、そもサマナーなのに封魔管1本しかないせいで仲魔すら縛り。

なのに特別なスキルもないせいで、戦闘力はたぶん底辺クラス、パーティのお荷物。

戦闘力を隠している?馬鹿言うな!純悪魔は戦闘力高いだけましだろ!

 

400:名無しのバスター

>>395 >>399 なんかどっちが正しいかわからんのだが。

オールドは結局強いの?弱いの?

 

401:名無しのロリ

う~ん、肉体は普通の人間っぽいし、傷薬ブーストできないからいろんな意味できつそうだとは思った。

火力低いし、スキルも微妙で悪魔ストック数ではハイテクや普通勢とは雲泥の差。

本人がヒャッハー系だから気にしてなかったけど、あれは間違いなく縛りプレイの綱渡り仕様だね。

私なら間違いなく引きこもってる

 

402:名無しのバスター

>>401 ですよね~~

 

403:名無しの悪魔

>>401 まぁ、どんなに強くても傷ぐずり&睡眠による高速回復なし縛りはやれる気がしない。

 

404:名無しのサマナー

>>401 むしろ、同じオールドとしてそんな化け物がいることに驚いてるんだが

 

405:名無しの南極研究員

まぁ、有能な軽いCOMP持ちサマナーを引き込めたのはわかった。

で、結果はどうだった?フォルマ加工には成功したか?

 

406:名無しのロリ

>>405 いや、それ自体はまだ

とりあえず、これからその人にフォルマサーチ実地試験をこれからやってもらうつもり。

報酬も用意したし、加工したいフォルマ対象もだいたい決まってるから、たぶん結果は早いうちに出せると思う。

唯一の懸念は依頼したい場所のいる悪魔にムド持ちがいるってことぐらいだなぁ

 

407:名無しのバスター

>>406 おい

 

408:名無しのサマナー

>>407 ちょっとまて

 

409:名無しの悪魔

さらっとこいつ、とんでもない地雷放ちやがったぞ

 

410:名無しの南極研究員

>>406 落ち着けロリネキ! それは遠回しの殺人と変わらんぞ!!

うちの隊員も何人かそれで犠牲になってるし、人間は死んだら生き返らんぞ!

そこんとこわかってるのか!?

 

411:名無しのロリ

大丈夫大丈夫、私の見立てでは彼女ならムドも見てから回避できるだろうし

そのための保険も渡すつもりだから、多分大丈夫

それにそもレベル低い悪魔しかいない場所だから、当たっても即死なんてめったにしない……はず

 

412:名無しのサマナー

>>411 だろう、多分、……はず

他人の命でかもしれない運転はやめろ!

 

413:名無しのバスター

しかもサマナー系はみんなただの人間やぞ

俺らバスターと違って、地返しの玉でお手軽蘇生は無理だぞ

 

414:名無しの南極研究員

やめろ、まじやめろ

俺の発明で間接的殺人とか、洒落になってないぞ

 

415:名無しのロリ

大丈夫大丈夫、ここでは軽く書いてるけどちゃんときっちり計画は立ててる

それにここで彼女に頑張ってもらえば、以降彼女にとってもここのみんなにとってもムド対策はぐっとましになるはずだ

というわけで、さっそく依頼してくる

 

416:名無しのバスター

ヤメロー!!ヤメロー!!

 

417:名無しの悪魔

というか、やっぱりロリネキも表面上優しくても外道なんやなって

 

418:名無しのバスター

何をいまさら、ロリネキなんて見た目と猫かぶり以外全部マッドやで

でも、ここまでくると軽く引くわ

 

419:名無しのガイアーズ

ワイの知ってる限りリアルガイア教でもここまでやらん

マジでゲーム並みの外道中の外道っておるんやなって(白目)

 

420:名無しのサマナー

とりあえず、俺のサラスヴァテイーに縁切りの祈祷をかけておいた

名前もわからん相手に効くかどうかはわからんけど、せめて件のオールドガチサマナーが無事ならええんだが

 

421:名無しの悪魔

>>420 そして、半年後 そこには件の彼氏に振られたなんちゃってロリネキの姿が!

 

 

 




フェニックス「ふぇっくしょん!!風邪ひいたかな……人修羅でも風邪をひくのか?」

はかせ「お風呂あいたよ~~、お次どうぞ~~♪」

なの「……(ファイトです、はかせ)」






※誤字脱字報告いつも感謝しております
ありがとうございます
それと、掲示板回はある程度意図的に誤字脱字を残しております
訂正してくださった方には感謝しかありませんが、そのままにしてしまうことをどうかご了承ください


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8話目

さて、件のフェニックス×タムリン(誘い受け)事件から早数日。

あの後休みを挟んで、フェニックスの心の傷を癒しつつ何度か同じ異界にリベンジを繰り返した。

が、我々はタムリンに遭遇すること自体はできるものの、結局最後までタムリンを討伐することはできなかった。

理由はシンプルである。

 

『こんな侵入者に相手してられますか!私は逃げさせてもらいます!』

 

このタムリン、もはや会うたびに我々から全力で逃走したからだ。

一応相手は、あの異界の主ゆえに異界そのものから脱出するという最終手段をすることはない。

が、しかしそれでも相手は物理耐性持ちの状態異常攻撃持ち。

物理メインの自分たちでは速攻で倒すことはできず、かといって逃走を防止するには地形が悪い。

今回の討伐オフ会の期限が5日間だけということもあり、自分たちは最後までタムリンをどうすることもできずにその異界を後にすることとなったのであった。

 

『で、次はいつリベンジする?』

 

『その言葉、待ってました!!』

 

だが、我々はあきらめるつもりは毛頭もなかった。

残念ながら、自分もはかせも予定があるが故即連日異界攻略&討伐をする事はできない。

ならば、どうせ時間が空くなら、きっちり対策を練ってから再び異界攻略&タム・リンに完全勝利しようという流れになった。

具体的には、はかせは造魔のスキル構成の変更及び対策アイテムの制作を。

フェニックスははかせの助手を。

そして自分は……

 

『というわけで、ノッブちゃんはちょっくら【ムド】持ちの悪魔を仲魔にしてきてね♪』

 

『ははは、こやつめ』

 

はかせがさらっと自分に無茶ぶりをしてきたことに戦慄を覚える。

確かに、あのタム・リンは呪殺弱点があるため、もしサマナーである自分が【ムド】を持つ仲魔がいたら、おそらくあっさりとあのボスを倒せていたであろうことは否定しない。

だが、少し考えてみてほしい。

そもそも自分が【ムド(呪殺系即死)】持ちの悪魔を仲魔に入れるためには、ムド持ちの悪魔と相対せねばならないのだ。

つまり、こやつは確率で即死する呪文を持つ悪魔とゆっくり交渉してきてね♪とかのたまっているのだ。

 

『それじゃぁ、アリガトウゴジャマシター!』

 

『まぁまぁまってまって!

 まずはノッブちゃんにこの悪魔のデータを見てもらいたいんだ!』

 

こちらはその遠回しの死刑宣告から即逃げようしたが、はかせの手八丁口八丁により何とか話を聞くまでに押しとどめられてしまった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪魔獣≫カタキラウワ Lv9

HP 109

MP 60

【相性】 呪殺無効 破魔弱点

【スキル】・ムド (呪殺属性 敵単体に確率で即死効果)

     ・メパトラ (味方全体の精神状態異常を回復する)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

そして始まる無数のプレゼンとデータの数々。

こちらが地味に押し返そうとするもそれ以上の好条件のものを抜き出して誘惑してきたのであった。

 

『ほら、みてみて!

 この悪魔、タム・リン対策に最高だと思わない?

 タム・リンの魅了を解除できる回復魔法もちで、しかも呪殺によるアタッカーもできる!

 もしノッブちゃんが、この子を仲魔にできたら一気に戦闘が楽になるんじゃないかな~?

 しかも、メパトラなんて、この先一人で悪魔狩りをするときは尚更必須になるよ?』

 

それは確かに強い説得性があり……

 

『それにね!実際この悪魔が出る異界なんだけど、一回博士たちは行ったことがあるんだよ!

 それでもねぇ、いざ相手すると呪殺なんて一回も当たらなかったよ。

 しかも出てくる悪魔はほとんどが【オンモラキ】っていう凶鳥の悪魔だから、ノッブちゃんの独壇場だよ!

 カタキラウワの方も対して強くないし、何より遅いからノッブちゃんなら見てからムドでも躱せると思うし』

 

かなりの好条件にも思えてくる。

 

『あ!そうだ、もしノッブちゃんが今回の依頼を受けてくれるならこの【ホムンクルス】を1つ贈呈してあげよう!

 これはね~~、持ってるだけで1回だけ【即死攻撃】を防いでくれる優れものなんだよ。

 それに今回は出血大サービス!もしノッブちゃんがカタキラウワを一定数以上討伐したら【呪殺対策防具】をプレゼントしてあげよう!

 どう、これでカタキラウワ討伐したくなったんじゃない?

 え?なら討伐前に渡してくれ?そういうわけにいかない事情がこっちのもあるんだよ、察して』

 

そして、もし依頼を受けてくれるならと提示されたうまい報酬の数々。

 

『……さて、で、結局ノッブちゃんはどうする?

 この先一生呪殺持ち悪魔におびえて尻尾まくって逃げ惑うか。

 それとも今ここで勇気を出して、保険ありありの状態で討伐依頼をこなして【呪殺対策】を手に入れるか!

 道は二つに一つ!

 なんといまなら、アイテムドロップ率アップアプリと異界のゲートサーチまでついてくる!

 さぁ、やる?やらない?どっち!!』

 

『あ、でも冷静に考えたら、【ホムンクルス】を無料でプレゼントはやり過ぎかぁ。

 原価もちょっとした外車ぐらいはするし、手間賃も考えてやっぱりここは有料で……』

 

『やります』

 

かくして、自分はまんまと乗せられる形で〈新宿西口公園・異界の調査依頼〉というなの片耳豚(カタキラウワ)討伐及び勧誘依頼を受ける羽目になった。

なお、依頼とは言うもののカタキラウワを絶対に討伐と勧誘をしなければならないという重い依頼なわけではない。

最低限新宿西口公園にある異界に実際に行ってくるだけでよく、博士的には自分が渡したCOMPアプリの調子を確かめてほしいというのが本音とのことだ。

で、現在、自分はさっさと業魔殿での依頼&現金収入と回復を済ませ、新宿駅へ移動。

現地で沖田さんと合流して、新宿西口公園の異界に侵入していく。

なお、はかせとフェニックスはアイテム制作の準備とやらで不参加である。

色々と納得がいかない。

 

「大丈夫です!ノッブは大船に乗ったつもりでど~~んと構えてください!

 あ、最悪私は【地返しの玉】さえあればムドによる瀕死からは後遺症なしで蘇生できますので。

 検証はしてませんが、両足吹っ飛ばされても4分以内くらいなら、欠損なしノーペナルティで蘇生できるそうですよ?」

 

色々と心強いのかブラックジョークのつもりなのかわからない発言はやめていただきたい。

しかし、こちらとしても沖田さんの強さはこの間の異界探索でよくわかっているし、ついてきてくれるならありがたいことこの上ない。

改めて2人ではかせから渡された異界情報について確認し、ゲートサーチを使用してさっそく新宿西口公園内の異界へと侵入。

そして、件の悪魔を頑張って探す予定であった。

あったのであったが………

 

「ピギィィィィ!!ピギィィィィ!!!」

 

あっさりと目的の悪魔は見つかってしまった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪魔獣≫〈フードな〉カタキラウワ Lv1

HP 70

MP 34

【相性】 呪殺無効 物理・火炎・氷結・電撃・衝撃・破魔弱点

【スキル】・バウンスクロー 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「弱い」

 

「弱い(確信)」

 

「物理弱点とか、最弱の極みか」

 

「ヒャッハー!!これならオイラでも余裕で勝てそうだにゃ~~!!」

 

しかもなぜかその目的の悪魔である片耳豚(カタキラウワ)は異常に弱体化していたのだ。

もうそれはそれはかわいそうなほどであり、具体的にはお得意の必殺のムドを持っておらず、呪殺される心配はない。

それなのに物理弱点なせいでこちらからの攻撃は全部が一撃必殺になりえる。

その上知能も低下しており、本来喋れる悪魔だそうだがそれすらできていない。

実際にここまで弱いと普通の豚かそれ以下であり、野犬ほどにも脅威に感じない。

田舎の山道で遭遇するイノシシの方が3倍くらいは強そうという感想が出るくらいには弱い悪魔であった。

だが、話がそれだけで終わらないのが今回の困ったところである。

 

 

「ピギィィィィ!!ピギィィィィ!!!」

 

「ブギィィィィ!!フギィィィィ!!!」

「チョッケェェ!!プリィィィィ!!!」

「ピギィィィィ!!ピギィィィィ!!!」

 

◆軍勢〈カタキラウワの群れ〉が現れた!

 

「………なんなのよ、この数!!一体この豚どもは何匹いるの!!!

 こら、近づくなっ!!も~~!!弱いだけのくせにっ!!」

 

「げっ、この豚たち、何匹倒しても全然マグネタイトもマッカもスッカスカだ。

 ……もしかして、これ、下手に仲魔に戦わせるとせっかく貯めたマグがむしろ無駄になる……?」

 

「というか、沖田さん的にもこれ以上は刀がボロボロになるから、色々とげんなりなのですが」

 

「ふっ、みんな情けないにゃ!

 ここはオイラがババーンと活躍して、あの豚どもをマルカジリに……

ギニャー!!!ふ、袋にするのはやめるにゃ!そこは弱点でっ、あべしっ!!」

 

5匹以上のカタキラウワに囲んで蹄で殴られているカブソを管に回収しつつ、今改めて相手している悪魔たちの様子を見る。

この眼前に広がるは無数の子豚悪魔の黒い絨毯。

そう、このカタキワウラ、なんと当初のデータよりも弱体化している代わりにとんでもない数で群れて行動していたのである。

3匹や4匹程度の集団戦ならしたことがあるが、これほど大量に悪魔に集われるのは初めてだ。

しかもこいつら、群れの中で1匹や2匹倒したところで全然めげないし逃げもしない。

むしろ、その数匹を囮にしてその間に数で囲んで襲い掛かってこようとする始末だ。

 

「とりあえず、乱戦のダメージ覚悟であの悪魔の群れの中心に突っ込んでみるか?

 そうすれば、ダメージは受けるだろうが、適当に暴れまわるだけであの群れを四散できるかもしれないし」

 

「いえ、それはやめた方がいいと思いますよ?

 片耳豚(カタキラウワ)は伝承では、股の間をくぐるとその人間から魂を奪って殺すそうですし」

 

「え、それじゃぁ、やけにこいつらがさっきからこっちに向かって突進してくるのは……」

 

「……ムドは持っていないため、即死はしませんよ、多分」

 

ムドを持っていない悪魔でも本当に呪殺できるかどうか、それをわが身を持って確かめる気にはなれない。

無論,仲魔の蘇生代もただではないため、カブソの囮作戦も同様である。

かくして私たちは,虎の子ファイアブレスを使って何とかこの軍勢から逃げ出したのであった。

 

 

 

「で、どうしようか。

 正直、すでに弱体化しているとはいえ何匹か標的の討伐ができたんだから,もう帰ってもいいと思うんだが」

 

現在いるのは新宿西公園異界の片隅,正確に言えば、異界の入り口近くに避難した。

行く先行く先あの黒豚悪魔の群れが待ち構えていたのでどうなることかと思ったが,どうやら異界の入り口付近には近寄れないようだ。

この情報を知れたのは僥倖であった。

 

「賛成~~!」

 

「沖田さんもさすがにムド持っていないとはいえ、カタキラウワとの連戦は嫌ですからね。

 いろんな意味で、心臓に悪いですし」

 

「オイラももう、豚にひき肉にされるのはこりごりニャ」

 

でもまぁだからと言って,これ以上あの悪魔と関わるのは仲魔も沖田さんのどちらも嫌だそうだ。

そりゃそうだ、あれらは数は多くてめんどくさいのに経験値やドロップ、マグネタイト的な意味ではまずい。

なのに、集団戦法を仕掛けてくるという意味で半端に強いのだ。

 

「というわけで、全会一致で帰宅を宣言。

というわけでさっそく帰りまーす」

 

「まって、ちょ、ちょっとマテ!

 せめて、せめてもうちょっとだけ考えてクレ!!

 本当に、本当に困ってるから、何でもなんでも協力するカラ!」

 

しかし、この圧倒的賛成の中で1名だけ,正確には一匹だけがこれに異を唱えた。

それは紅い体に鋭い牙、4足歩行でバラの棘よりも鋭い首輪をしている2尾の大犬の姿をしたバケモノ。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【氏名】〈妖獣〉ガルム ≪真名・只野 パスカル≫

【クラス】悪魔 

【ステータス】 Lv16

【耐性】 火炎・呪殺無効 氷結弱点

【スキル】ファイアブレス

     かみつき (物理属性 小ダメージ)

     パニックボイス (敵全体 混乱付与)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「な、なぁ!あんた達、この異界には入れるってことは博士の友達ダロ?

 なら、友達の友達もまた友達ってことで、ここはひとつ助けると思ッテ!!

 あの豚どもの間引きに協力してくれ!!」

 

彼こそが俗にいう悪魔PCこと〈純悪魔系プレイヤー〉の〈妖獣〉ガルムである。

このガルムと出会ったのはつい先ほど、共に同じカタキラウワの群れから逃げている途中で合流したのだ。

なお、彼はかつてここを博士と一緒に攻略した仲間の一人であり、その時ここにいる異界の主を共にぶっ殺して、その日以降この異界を拠点にして行動しているPCだそうだ。

純悪魔プレイヤーの特徴として、人間界で行動するには少なくないマグネタイトを消費しなければならないという制約がある。

そのため、彼は日頃はこの異界でDDS(S)掲示板のオフ会に参加して暇をつぶしつつ、その辺にいる豚や鳥の悪魔をマルカジリ。

そういうある意味では食っちゃね生活をしつつつい先日までこの異界内で自堕落生活をしていたそうな。

 

「ついこの間までこの異界はごく普通の片耳豚(カタキラウワ)陰摩羅鬼(オンモラキ)しかいない異界だったノダ!

 でも、あのように片耳豚(カタキラウワ)が弱体化の反動か群れてしまってからは、むしろ物理攻撃がメインとなって思うように狩ることすらできなくなってしマッタ!

 このままだと俺は餓死するか、あの豚たちに撲殺されてしマウ!

 だから、どうか、どうか!同じPC仲魔の命を助けると思っテナ?」

 

「無理無理。あんなのがうじゃうじゃいる時点でここからの引っ越しをお勧めしますよ~」

 

「で、でも……そうだ!礼なら、礼なら何でも弾むカラ!!!

 なんと今ならこのスキルカード詰め合わせをやロウ!!

 はかせに100万で売ってと言われても拒否したレアものだゾ!」

 

「いや、俺たちにそんなの渡されも使い道ないし。

 それに表業界だと100万なんて雑魚悪魔2、3匹分の討伐報酬だから」

 

「なにそれノッブ、私そんなこと聞いてないんですけど」

 

無論、彼の苦悩はわかる。

が、それでも友達の友達だからと言って素直に言うことを聞いてやる必要もないし、なにより命の危険があるので絶対にNOである。

それゆえ、このまま彼を無視して、この異界から帰ろうとしたのだが……

 

「クゥ~~ン、クゥ~~ン!!」

 

「おい、ついにこいつか弱い犬真似なんてし始めやがったぞ」

 

「しかも、ビジュアルが地獄の犬みたいだから微塵のかわいさも感じないのがやばいですね。

 って!こら!本当に犬みたいに、袖にかみつかないでください!!」

 

だが、彼の諦めの悪さは尋常ではなく、このままでは異界の外までついてきそうな勢いであった。

そのため、後一回実験に付き合ってもらえるならという条件であの軍勢悪魔の群れの討伐に付き合う羽目になったのであった。

 

「本当に、本当に1ッ回だけだからな?

 しかも、だいぶ無茶なことするからな?」

 

「オオ!あ、ありがたい……ありがタイ!!

 感謝、感謝……!!」

 

「む~~、ノッブがそういうなら特別沖田さんもあと1回だけ付き合いますが……

 なにか、勝算でもあるんですか?」

 

「いや、せっかく沖田さんが自分のことをノッブノッブ言うんだから。

 せっかくならそれらしくやってみようかなって」

 

 

 

 

そして数時間後、そこには火の海になった新宿西口公園異界の姿が!!

 

「ヒャッハ~~~~!!!!汚物は消毒だ~~!!!!」

 

「ぴぎぃ、ピぎィィィィィィ!!!!」

 

「おらおら!!燃えろ燃えろ!!悪魔は霧に、豚は焼き豚に!!!」

 

無数に飛び交う火炎瓶に、響き渡る豚どもの悲鳴。

 

「こ、これ、本当にこんなことしていいんでしょうか?

 い、いや、相手は悪魔でここは異界だからいいんでしょうが……それでも……」

 

困惑する沖田さん。

 

「グエッグエッグエッ!!!

 よくもさっきはこのオレサマをぼこぼこにしてくれたな、このミニ豚ドモ!!

 オラッ!!我が段ボールハウスを壊してくれた礼に貴様らを生きたままマルカジリにしてヤロウ!!」

 

嬉々として火の海に突っ込み、豚の集団をかみ殺していく只野ガルム。

 

「ねぇ、凪凪~!

 またこの【ポリタンク】?ていうのが空になったから、お替りお願い♪」

 

異界内の空を飛び、豚の群れに大量の灯油をばらまくモーショボー。

 

「うにゃ~~!!!お、おいらにも火が移った!!

 え?た、確かに火炎耐性は持ってるけど、熱いものは熱いんだニャ!!

 だ、だから回復プリーズ!」

 

火つけ係の少なさと火炎耐性もちゆえに、マッチで灯油に火をつける役になったカブソ。

結局、あの後色々考えたが、あの軍勢相手にまともにかち合うのは悪手だという結論に至った。

範囲攻撃もMP不足ゆえに連発はできないし近接戦も色々とリスキーである、ならばどうするか?

簡単だ、足りないMPや範囲攻撃は外部(ガソリンスタンド)から補えばいい。

かくして思い付きで、焼き討ち作戦を決行してみたが、これが思ったよりもうまくいったのであった。

勝因はガルムのCOMPバックがスカスカであったことと十分な貯金とモーショボーの飛行能力。

念のためと100ℓ以上の灯油を用意したが、この調子だとむしろやや足りなくなるかもしれない。

だが、使い切るころには十分あの豚たちを懲らしめることはできるだろう。

 

「うむ!やはり、焼き討ちは心地よい!

 強敵悪魔と戦うには頭を使うのが一番だってよくわかるんだね!

 それでは、追加の爆炎の術(ファイアブレス)をくらえぃ!」

 

「い、いや、これ、沖田さんの知ってる頭脳戦とはちがう!

 でも、本能寺ファイアーって手段がノッブっぽくて非常にいいかも……あ、クエスト報酬来ました」

 

「お、オレモ」

 

「やった、こっちも……よしっ!新しい封魔管だ!」

 

かくして、自分たちは〈知恵〉と〈勇気〉をふんだんに活用したことによりガルムからの依頼及びはかせの依頼を完了。

それに、さすがに焼き討ち殺法でいっぺんにこの量の片耳豚(カタキラウワ)を倒せれば、マグネタイトや戦利品もそれなりに手に入る。

さらに『フォルマサーチ』のおかげで用途不明のアイテムも無数に手に入った。

おかげで〈クエスト・悪魔100体討伐達成〉をこなせ、管も手に入ったことも考えれば今回の異界探索はおおむね大成功といえるだろう。

さらに言えば、カブソのレベルも1つ上がった、せっかくだから新しい特技の一つでも覚えてくれるとよいのだが。

 

「……って、にゃにゃ!にゃにゃにゃ!!」

 

そんなことを考えていると、討伐最後らへんで突然カブソの様子がおかしくなった。

どうしたのであろうか、もしかして発情期?悪魔なのにそんな馬鹿な。

そんなあほなことを考えていると、横にいる沖田さんが補足をしてくれた

 

「あ!もしかしてこれって、悪魔の【変異】とか【ハイレベルアップ】ってやつじゃないですか?

 あれですよ、ピクシーがハイピクシーになったり、エンジェルがパワーに進化するあれですよ」

 

「あ~~、あれか。

 確かにCOMPにも変化を見守りますか?とかでてるな。

 ……カブソって変異すると何になるんだ?

 まぁ、強くなるならいいか」

 

某国民的育成RPGよろしく謎の光を放つカブソを眺めつつ、特に深いことを考えずにCOMPの画面の〈変化を見届けますか〉の選択肢に【はい】を選択した。

 

「ふにゃぁぁぁぁぁ!!!!

 来た来た来た来たぁァァぁ!!!!!」

 

そうして、限界まで輝くカブソ。

光りながらも姿が変わり、元の枕程度のサイズのそれが膨らんでいき、輪郭に変化が起きる。

伸びる四肢に長い手足。

その身にまとう雰囲気は猫っぽさは残ってはいるが、その体は人の女性のそれ。

暗くてもよく見える光る目に猫のような長いしっぽ。

そう、それはまさしく日本に存在する猫の悪魔の代表。

美しい容姿で人を狂わせるその悪魔の名前は……

 

 

 

「ふぇふぇふぇっ……!!

 わしは〈天女〉【センリ】。

 生まれ変わった儂の姿はどうじゃい?

 姿が変わったが、本質は変わらん、コンゴトモヨロシクニャ」

 

「きもい」

 

「きもっ!」

 

「コレハヒドイ」

 

「……リアル八頭身?」

 

なんとそこにいたのは、悪い意味での猫女人(非猫娘)の悪魔。

顔は猫のままであり全身の獣成分がかなり高いのに、無理に人間と同じ体格を持った様子の笠を被った猫の化け物。

〈センリ〉に変わった元カブソの姿がそこにはあった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪天女≫<変化下手な>センリ Lv19

HP 200

MP 127

【相性】 衝撃耐性 電撃・呪殺弱点

【スキル】・ひっかき

     ・麻痺ひっかき

     ・道具の知恵・癒

     ・リカーム (対象の死亡〈瀕死〉状態を回復)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「……うん、取り合えず強いのはよくわかった。

 20レベル以下なのに蘇生魔法覚えたのもちょっと驚いた。

 ……それでもね、うん、なんだ、その、みんな帰るぞ~~」

 

「は~~い、お疲れさんでした~」

 

「ふぇ、ふぇ、ふぇふぇっ?

 にゃ、ニャんじゃその反応は?

 そこは普通に強くなったねとか、おお美しいとかそういう言葉はなしにゃのかえ!?

 センリって、すごい悪魔なんにゃぞ?【ネコまた】のさらに上でこの妖艶さは数多の男を骨抜きにするんにゃぞ?」

 

せっかく見ないふりをしてやったのに、この元カブソ現人猫妖怪はしきりにこちらに感想を求めてくる。

どうやら悪魔と人間の間には決定的な美的センスの違いがるようだ。

でなければこのケモ率80%のネコオババ(非猫お姉さん)は自身が人間の男にメチャモテル姿だと本気でいうわけがない。

けど、はっきり言ってその姿はいろんな意味で一般男子向けではないぞ。

 

「イヤ、流石に犬畜生に堕ちたオレでもいろんな意味でノーサンキューダ」

 

「私も、ちょっと女悪魔として同類扱いはいやかなぁって」

 

「にゃ、にゃぜ!!」

 

モーショボーもPCガルムも自分と同じく、こいつの見た目はNGだったようだ。

あの見た目のキモさは人魔共通、単にこの〈変化下手な〉センリがことさらにきもいだけ。

もしかしたら、この〈変化下手〉の称号が悪さしているだけで【センリ】という悪魔種族そのものは美猫娘揃いなのかもしれない。

が、それでもこのリアル8頭身猫人型がきもいという事実は変わらないだろう。

しかも半端にレベルが上がったせいで、出している消費マグネタイトも2倍以上に増えている。

 

「そういえば、管も新しいのが手に入ったことだし、悪魔合体そろそろやってみたかったんだよ。

 うん、いろんな意味で丁度良かったと思うことにしよう」

 

「え、なにそれ、ちょっと聞いてないんにゃが」

 

「私も賛せ~~い!!

 同じ仲魔(仲間)的にも、一緒に戦うのがこれっていうのはちょっといろいろ堪えられないし。

 というか……うん!せめて、どっちかにふりきってほしいな!」

 

「沖田さんも残念ながらこれは擁護できませんね。

 というか、元カブソのセンリさん、なんか無駄にくねくね動かないでください。

 ただのネコの時は問題ありませんでしたが、今の容姿でやられるのはいろんな意味で目に毒です」

 

「ふぁふぁっ!!

 ちょ、ちょっと、にゃっと上位のネコ悪魔になれたのに!!

 それなのにいきなり悪魔合体はさすがにやめ……やめ、やめっアーーーッ!!」

 

嫌がるセンリを無理やり管へと戻して、ガルムからのお礼を受けとりつつ我々は新宿西口公園異界を後にしたのであった。

 

 

 

「ところで、【ムド】持ち悪魔の勧誘とタム・リン対策は?」

 

「あ」




※なお、今回出てこなかった方の公園にいたはずの悪魔

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【NAME】≪凶鳥≫オンモラキ Lv5
HP 98
MP 59
【相性】 銃・氷結弱点
【スキル】 アギ (火炎属性 小ダメージ)
      一部の魔脈 (MPの最大値を10%アップさせる)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





★おまけ リクエスト:大雑把な蘇生や悪魔や異能者とサマナーの違いについて
(大体独自設定なので、興味ない人は読み飛ばしてください)

女神転生世界では無数の蘇生アイテムがありますが、〈この作品〉ではそれぞれには大雑把な蘇生制限があります。
ストーリー的に言うなら、【魂が冥界から帰ってこれなくなるまでの時間制限】が。
ゲーム的には【種族による自然回復速度の優劣及び蘇生制限時間】があるというものです。

大雑把な蘇生指標としては【バスター】>【悪魔】>【サマナー】となっています。

これらの違いはゲーム的に言えばわかりやすく言えばこのPC達は隠しパラメータとして【スタミナ】というステータスがあると考えてください。
【スタミナ】が高いほど【平時でのHPMP回復速度】及び【蘇生しやすさ】【不眠不休活動の限界時間】が伸びる。
【バスター】や【悪魔】はそれらのステータスがはじめから高い分、代わりに悪魔をなかなか仲魔にすることはできない。
代わりに【サマナー】ははじめから仲魔を作ることができるけど、【スタミナ】のステータスが低いという大きなハンデを背負っています。

それと、レベルが上がるごとにスタミナも上昇するので高レベルPCほど無茶な蘇生も容赦なく行えますし、サマナーであっても高レベルであれば蘇生魔法の恩恵をあずかることができます。

無論、これ以外にも【死んだらオートで蘇生する】能力を持つバスターや【蘇生術に詳しい悪魔による蘇生】【肉体損傷度が50%以上ならバスターよりも悪魔の蘇生率の方が高くなる】などまたいろいろと話が変わってくる上抜け道や例外もたくさんあるのであしからず。






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9話目

さて、またまた時間はちょちょいっと進み、あのカタキラウワ討伐から早数日。

文句を言ったり、交渉したり、恋愛相談を受けたりして、はかせからの報酬や準備もあっという間に終わった。

というわけでさっそく博士特製の秘密兵器ができたらしいので、その試作もかねて件の池袋の異界の【タム・リン】にリベンジしに行ったのだが……。

 

「まいりました、どうか命ばかりはお助けください」

 

「戦う前に命乞いとかってありなの?

 悪魔の誇りとか異界の主としての威厳で襲ってくるところじゃない?」

 

「ふふふふ……悪魔だって誇りより大事な物がある。

 そういうものなのです」

 

「おまえ、それすごくかっこつけて言ってるつもりだろうけど、死ぬほどかっこ悪いからな?」

 

が、結局その秘密兵器は不戦勝故ボス戦で使われることはなかった。

なお、相手の白旗を上げるのが遭遇した時点であるので文字通り、1回も試せていない。

流石に早すぎではなかろうか。

 

「というかですね?

 冷静に考えて、完全対策してきた悪魔バスター複数人相手に、ただの小界の悪魔1匹が対抗できるわけないでしょう。

 もう命乞いでも土下座でも何でもするので、どうか今一度そのみなさんの手に持った【呪殺道具】をしまってくださいませ」

 

悪魔界NO1人気者イケメン悪魔ことクーフーリン。

それの色違いのタム・リンが、すまし顔で武器を手放し土下座をしながら命乞いしている。

その姿は哀れを通り越して、シュールといえなくもないかもしれない。

 

「え~~?

 でもせっかくがんばってはかせが作った【ひこうばり】と【呪殺ペーパー】なのに~~。

 せめて、ボス補正持ちの相手にも通じるか試したかったのに~~

 ね、ね?せめて、一刺しだけでもね?ノッブちゃん!今こそ間違えて手を滑らせてもいいんだよ?」

 

「こちらとしても、お前の場所をここに追い詰められたのは、ここにいる野良男妖精たちと交渉した結果だからなぁ。

 『あの女妖精を独占してハーレム作ってやがる最低な悪魔の主を何とかしてくれ』って。

 ここで下手にお前を見逃すとそいつらとの約束も破ることになるからなぁ」

 

なお、今回は前回と最初から最後までガチのタム・リン対策を実行済みである。

ここに来る前に自分が集めたアホほど倒したカタキラウワのフォルマ。

それから作られた、はかせ製の無数の【呪殺アイテム】が一人5つ以上持てるほどがっちり攻撃面で準備。

さらに、自分も逃げ道を野良男悪魔と交渉してふさいでもらい、さらに女妖精の乱入やタム・リンの逃走防止策も万全。

当然魅了対策の消費アイテムも追加で用意しているので、まぁこのタム・リンに一片の勝機も残されてないことを考えれば、このタム・リン土下座も仕方ないかもしれない。

 

「やめてください、死んでしまいます。

 というか、そんなの連発されたら、逃げる間もなく消滅してしまいますから。

 具体的には即死自体はしませんが、そのアイテム1つにつき体力の3割ぐらい削れる感じです。

 ほら、結果わかったでしょう?だからやめましょう、お互い無益な争いは望まないはず」

 

どうやら、ボス耐性か呪殺即死自体はしない模様。

もちろん、そのボス自身の自己申請ゆえ本当かどうかは疑わしいが、何もわからないよりはいい。

 

「……でも、異界のボス狩りは有益だからこそ、こうやって狩りに来たんですよ。

 むしろ見逃して何かメリットあるとでも?」

 

「え?あなた達は、私が時々外で人間の女性の純潔を奪いまくったこと。

 それで討伐を依頼にされたのではないのですか?」

 

「え?」

 

「あ、やっべ。」

 

「ギルティ」

 

色々予定外ではあったが、数回ひこうばりの仕様の確認と即死はしないがダメージが通るのを確認できた。

あと一発で呪殺完了しそうなところで、改めてタム・リンが悪魔交渉という名の命乞いをしてきた。

 

「ふ、ふふ、危うく妖精郷の草履係に逆戻りするところでした。

 さ、さて、改めて交渉を開始しますと、あなた達、私を【仲魔】にしませんか?

 こうみえても、この辺にいる有象無象の悪魔どもよりもよっぽど役に立つと自負してますよ?」

 

とうとう、この異界の主(ボス)仲魔になるとまで言い始めた。

本当に元々この辺の悪魔のボスだったくせにあっさり人間の下に下る決心をするとは。

ここまでくるとむしろあっぱれといえなくもない。

……しかし、だ。

色々心情とか考えを無視すれば、この提案はかなりおいしいものである。

実際にこの【タム・リン】の強さは本物であり、まさしくボスにふさわしい。

実際我々4人のデビルバスターを同時に相手しているのに、対策なしでは突破困難でその上なかなかに理知的(悪魔基準で)だ。

無論、仲魔にできたらおいしいが、もしそれをしたら異界の主討伐報酬などは受け取れなくなるかもしれない。

ほかの人はどう思っているのか、そう不安になり、ほかの人の意見を確認してみた。

 

「私としてはどちらでもといった感じですね。

 もう、ここに来るまでにはかせの研究という点では十分成果が得られましたし。

 それに、今回の異界の主攻略という点では私は役になっていませんしね」

 

「はかせとしてはどっちでもいいかな~~

 あ!でもできれば仲魔にしてほしいかも!

 ここで異界の主レベルの悪魔を仲魔にしたときのデータとかもとってみたいし、その時にクエスト判定がどうなるかとかも検証できるからね!」

 

「沖田さんは、ノッブがタム・リンに押し倒され骨抜きにされない自信があるならOKですよ。

 夜の魅了突きでサマナーが妖精騎士にメロメロとか、薄い本が厚くなりますから」

 

元男に何を期待しているんだ。

かくして、無投票2賛成2の結果、無事タム・リンの討伐は中止、代わりに彼が我々の軍門に下る結果で今回の異界探索は終わった。

 

 

 

 

「……というわけで、これからよろしく頼みますよ。

 我が主、【筋肉 炎鳥】殿。

 これからは粉骨砕身、全身全霊で我が忠誠、あなたに捧げましょう!!」

 

「えっ!俺ぇ!!」

 

ただしサマナーの自分ではなく、人修羅のフェニックスさんの仲魔になる模様。

 

「い、いやいや、そこにサマナーの中島さんがいるだろ!

 それなのになぜ俺なんだ!お前は女好きの悪魔のはずだろ!

 そこは普通に彼女にする流れだろ!」

 

「いえいえ、簡単な話、彼女だと力量……いえ、レベルが少し足りないんですよね。

 それで彼女以外で契約できそうなのが、あなただけだというだけの話です。

 あっ!けれど勘違いしないでください、これは決してあなたの仲魔になるのが嫌だというわけではありませんよ?

 むしろ、初めてあの熱いヴェーゼを受けて以降、なぜかあの日のことを忘れることができず、悶々とした日々を……」

 

「あ~~!!あ~~!!聞きたくない、聞きたくない!!」

 

「…………」

 

「うわっ!!はかせちゃんさん、なんかすごい顔してますけど大丈夫ですか?

 とりあえず、その手に持った【蟲毒皿】をしまって、ね、ね?」

 

なお、この後荒ぶるはかせを鎮めるのに無数の悪魔の命が犠牲になったことを付け加えておく。

我々は妖精ばかりの異界であったのに、なぜか出たレアな地霊の群れと遭遇。

それを無表情で機関銃で穴だらけにしたはかせとその造魔の勇姿を忘れはしないであろう。

 

 

 

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【頭打ち多発】脱初心者スレpart12【レア異界求】

 

352:名無しのサマナー

今まで設定【会社員】だけど無視して無勤でいたら、

今日になって、突然勤めている設定の会社から電話かかってきてやんのwwww

一体何のことかわからんくて、マジでビビったぞwww

 

353:名無しのバスター

>>50 わかる、自分学生だけど突然自称教師が家庭訪問してきたww

お互い顔も見たこともないから、マジで微妙な空気が流れたwww

 

354:名無しの悪魔

うらやましぃなてめぇら。

こちとら人間に見えない設定のせいでいまだにボッチだ。

でも、悪魔で友達ができたから微妙にセーフ

 

355:名無しの悪魔

>>354 悪魔にも友達になりたくないって言われた自分はどうすれば?

ちなブロブ

 

356:名無しのバスター

>>355 あきらめろん

 

357:名無しのバスター

>>355 悪魔で無理なら人間でも無理だ

 

358:名無しの悪魔

>>355 大丈夫だ!お前の友達はここにいる、みんな、そうだろう?()

真面目な話、マジで誰かPCやらNPCの仲魔になったらどうなんだ?

身の安全的に野良でいるよりも誰かしらと契約した方がええと思うんだが

 

359:名無しのサマナー

>>358 サマナー的にはボッチは悪魔であっても仲魔にはNG

むしろ仲魔との連携が大事だから、そこんところダメな仲魔はだめ

即合体材料

 

360:名無しの悪魔

>>359 とどめを刺していくスタイル

 

361:名無しのバスター

マジレスは大事だからね、ちかたないね

 

362:名無しのサマナー

全然話は変わるんだが、一昨日六本木で悪魔のアリス見た

あれ誰かの仲魔だったりする?

あの時はびっくりし過ぎて手を出せなかったが、もしあれがマジアリスなら即勧誘しに行くんだが

 

363:名無しのバスター

いやいやwさすがにそんなメジャー魔人そのへんにいるわけないやろwww

流石にだれかPCで似た格好か、悪魔合体頑張って作ったとかそんなんだろwwww

……そうなんだよな?

 

364:名無しのサマナー

いや、遠目でアナライズしたところ普通にアリスだった。

PCなら表示で名前出るからあれはマジで生アリスだったわ

 

365:名無しの悪魔

>>364 そマ?

 

366:名無しのサマナー

 

  ( ゚д゚) ガタッ  きたか…!!

  /   ヾ

__L| / ̄ ̄ ̄/_

  \/   /

 

367:名無しのバスター

ちょっとスキルカードもらってくる

 

368:名無しのサマナー

ちょっと勧誘してくる

 

369:名無しのサマナー

>>365~368  おまえら、行くのはいいがLv30超えてるレベルだぞ 

それでボス補正ある場合に勝てると思うか?

 

370:名無しのバスター

>>369 思ったより何とかなりそうww

……いや、でも微妙に勝てさそうやな

 

371:名無しのガイアーズ

レベル30台ってことは宝箱から出る方のアリスか?

死んでくれる?なしで状態異常メインな感じかと

むしろ呪殺メインの方がやりやすかったなぁ

 

372:名無しのメシアン

呪殺攻撃がないんですね!やったー!

さっそく改宗させに行かなきゃ!

 

373:名無しの悪魔

>>372 残念だがそっちのアリスでもヘルズアイはあるから

普通に呪殺攻撃はしてくるぞ しかも破魔無効だし

 

374:名無しのメシアン

やっぱり、メシアンじゃ攻略無理じゃないですかヤダー!

 

375:名無しのサマナー

>>374 あきらめろん

というか魔人相手は今の俺達じゃきついだろ

 

376:名無しのガイアーズ

というか、お前らアリスには食いつくのか

ゴーストQが出たって噂は誰も食いつかんかったのに

 

377:名無しのサマナー

あたりまえだよなぁ?

 

378:名無しのバスター

お口お化けと幼女

どっちが重要かなんて明らかだからね

 

379:名無しの悪魔

お前らさらっと流してるけど、なんかこれってやばくね?

魔人2体が東京に出るとか、明らかに異常事態だろJK

 

380:名無しのバスター

これ位魔都東京だと普通普通

……とか、いいたいけど、よく考えたらやばいかな

今の都内(非異界)の悪魔平均3レベル位だっけ? 確かにやべーな

 

381:名無しの犬

やっぱいろいろ最近変だよな

異界でもなんか俺が住んでたところの悪魔が突然レベルダウン&軍勢化したし

コスプレガチ勢(新人S)に助けてもらえたけど

 

382:名無しのサマナー

コスプレ勢また増えたのかwwww

というか、おれも元々水系しかいない異界で突然チュパカブラが乱入してきたし

これGP上がったか?

 

383:名無しの悪魔

もしかして? → 終末が近づいている

 

384:名無しのバスター

流石に冗談でもヤメーヤwwww

……冗談だよな?

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

ところ変わって現在自分たちがいるのは23区最大面積の区、大田区。

高級住宅地と町工場の街の2つの顔を持つその場所で、現在自分は異界探索とは関係ない久々にフリーな用事でここに訪れていた。

 

「……では、行かせていただきます」

 

「おう!こい!」

 

ただし、戦闘をしないとはいってない。

 

「それではまず、こちらから……【ブフ】!」

 

はかせ特製の造魔こと【東雲なの】の魔法により、こちらに無数の氷結の魔法が飛ばされる。

無論、手加減はしているであろうが当たったら痛いでは済まないため、その魔法を落ち着いて躱す。

外れた魔法が床や壁にぶつかり、そこに氷柱を作る。

どうやら、やみくもに撃っているのではなくきちんと躱されることを想定して、氷柱が妨害となりそうな場所にもブフを放つのが非常にいやらしい。

むろん、このまま回避するだけではいずれ床すべてが凍らせてしまうのが目に見えているし、そうなれば氷に足がとられて避けることすらできなくなってしまう。

なればこそ、さっさとその発生源を止めるべく、飛び交う魔法を回避しつつ【東雲なの】の元へと一気にかけ寄ろうとする。

 

「……そうくるのは読めていました、【マハブフ】」

 

が、当然それは向こうに読まれていたらしい。

こちらが近づいたのに合わせて、容赦なく全体魔法を放ってくる。

無論、こちらから突っ込んだ上に範囲魔法である【マハブフ】を今から躱すのは不可能。

このままだと氷結魔法に直撃必須の氷像化不可避である。

 

「でも、新装備ならばなぁ!!でりゃぁい!!」

 

「……!!」

 

でも、躱せないならば、それはそれでやりようがある。

自分の魔力感覚を全開で引き延ばす、できるだけ魔法の威力が低いところを探す。

そこに向かって全力で最も自分の装備の中で最も対氷結防御の高いところでぶつけて、魔法自体を受け流す。

 

「これが新装備の力だぁ!!!」

 

「……なっ!!」

 

すなわち、前転でマントで体をかばいつつ、マハブフを強引に突破。

これには造魔である彼女も驚いたようで、その隙をついて立ち止まらずまっすぐ彼女へと近接戦を挑みに行き、そこから勝機を……。

 

「なら、全力で行きます」

 

「降参しました」

 

あと少しというところで、【東雲なの】の両手が変形。

彼女の手首がはずれて銃口が飛び出し、そのマシンガンの銃口を突き付けられた時点でこちらは白旗を上げざるを得なかった。

人間はマシンガンに勝てるような、肉体構造をしていない、はっきりわかんだね。

サマナーなら銃弾位前転でかわしてみろだって?無茶言うな!

 

「え~~!!ノッブちゃんもう降参なの?

 私が作ってあげた【ダークベスト・改】ならば多少なら防弾設定付いてるんだけど!

 たぶん、ナノについている短機関銃程度なら骨の1本2本折れるだけで致命傷にはならないから!

 もう少し摸擬戦を続けようよ!」

 

「ははは、骨折は致命傷ではないというのか」

 

「でも、実際骨折ならば回復魔法なしでも時間をかければ病院で治せる程度でしょ?

 なら、軽症軽症、誤差の範囲だよ♪

 それとなんなら、なのの耐久試験もかねて手裏剣投げてくれてもよかったのに。

 そうしたらもっといい勝負できたでしょう?」

 

この似非ロリ、もはや自身のブラックさを隠そうともしなくなってきやがった。

なお、現在自分たちのいる場所はこの世界のはかせの実家、【東雲研究所】大田区羽田空港近く。

どうやらキャラ設定の段階で、超資産家で地下研究所ありとか言う設定にしたらしい。

おかげで、現在彼女の家の地下で新装備の試運転という名の摸擬戦をさせてもらえるという恩恵をあずかれた。

……でも、確かに摸擬戦はこちらから言い始めたことだが、いささか向こうの攻撃に殺意を感じたのは気のせいだろうか?

 

「ソンナコトナイヨ。

 別に致命傷あったら、あのネコちゃんのリカームの臨床研究ができるなとか思ってないよ」

 

「ははは、ちょうど剣の方の性能はまだ試していなかったな。

 ちょっと試し切りさせろ」

 

その後しばらくはかせと楽しい狩りゴッコと楽しみ、存分に新装備の性能を確認。

そして、夕方になるころには新しくなった装備がきちんとなじむようになった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【氏名】中島 凪

【クラス】ナチュラルサマナー

【成長タイプ】忍者

【ステータス】 Lv17

【耐性】 破魔・呪殺無効

【スキル】

・獣の反応(自分の命中・回避率が上昇、効果小)

・毒針 (銃属性 小ダメージ+毒付加)

・爆炎の術〈ファイアブレス〉 (火炎属性 小ダメージ複数全体ランダム)

・会心 (通常攻撃のクリティカル発生率が上昇する)

・極地適応 (氷結・火炎属性ダメージ微小軽減 さらに多くの地形ダメージも軽減する)

 

【装備】 武器・備前長船

        手裏剣

     防具・ダークベスト・改(【呪殺無効】)

        コンバットブーツ

        キャップ

  アクセサリ・マント (【極地適応】 一部の仲魔の忠誠度が上がりやすくなる)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「でも、見た目はあんまり変えてくれないんだな」

 

「むしろ、これで服だけ見た目を変えたらズボンと帽子の統合性が取れなくなるからね。

 それにちょくちょく変わってる部分あるよ、服のボタンとかフォルマでできてるからこその【呪殺無効】だし。

 でもおかげでコスプレっぽさは消えて、本格派になってるでしょ?」

 

「むしろもっと痛い人じゃないか」

 

なお、おかげで前よりなんちゃってノッブ成分は薄れたけど、前よりガチの時代錯誤人に見えるという不具合。

しかも、貴重な呪殺耐性装備だから外せるわけがないというトラップ付きである。

……無料になるからと言って、デザインを完全に向こうに任せたのは失敗だったなぁ。

 

「マントと刀も剣合体やカード合体でできた産物だからね?

 特にマントは絶対外しちゃダメ!貴重な只野君からもらったレアな【スキルカード】を使用したんだから!」

 

せめてマントを外させてと思ったがそれも無理らしい。

なお、これらは無料とは言ったが、正確には自分の〈フォルマサーチ〉で拾ったフォルマを売り、その分の料金の一部でこの装備を譲ってもらっているという形である。

でも拾ったフォルマはあのカタキラウワ達のドロップ品である〈魔獣の豚ヒヅメ〉と〈高級豚肉〉がほとんど。

それに例の妖精郷もどきで討伐した妖精系悪魔のフォルマを追加しただけである。

自分だと使い道はないそれらのアイテムがここだと1つ300マッカ以上、日本円だと1つ1万以上でで取引してくれるとのことである。

おかげで一気にどんと現金収入もマッカ収入も増えた、実に話がおいしくて笑いが止まらない。

 

「それより弱体化してしまったオイラについて一言」

 

「ははっ、ざまぁw」

 

「ぶっころにゃす」

 

それと、装備新調だけではなく悪魔合体も完了済みだ。

具体的には前回あまりにもきもいレベルアップをした元カブソ君こと天女センリには、はかせの栄えある生悪魔合体研究の実験台第1号になってもらいました。

 

『今って東京のGP(ゲートパワー)が低いから、私お手製の悪魔合体装置だとレベル15以上の悪魔は合体できないんだ』

 

『となると、センリはこのまま?』

 

『いや、合体するとレベルが下がる』

 

『ふぇふぇふぇ!!にゃ、にゃらやめておくべきニャ!

 せ、戦力ダウンする合体なんて本末転倒!

 わしも頑張って変化上手になるから、いましばらく我慢してくれれば……』

 

『かまわん、やれ』

 

『よく言ってくれた!それじゃァ逝っくよ~~!!』

 

『や、やめろ!ショッカー!!

 せ、せめて猫系悪魔にして……ニャ―!!!!!』

 

かくして、天女センリLv18は〈天女×凶鳥【オンモラキ】〉→〈堕天使【メルコム】〉。

〈堕天使×悪霊【ゴースト】〉と合体させて現在の〈魔獣〉【ケットシー】Lv14へと姿を変えて現在に至るのであった。

確かにこの元カブソがレベル低下の悪魔合体に対して文句を言いたくなるのはわかる。

でもちゃんと悪魔合体の末にちゃんと猫系の悪魔にしてやった上にデビルソースまで使ったのだ。

見た目も前のブラクラ八頭身でも元の不細工な猫もどきでもない、正統派黒猫の妖精。童話の【長靴をはいたネコ】をイメージさせる、まぁ人によってはかわいいといえるかもしれない姿にはなれたのだ。

ある意味ではむしろ感謝してほしいものである。

 

「というか、悪魔合体してもこの元カブソ側の意識が残るんだな。

 生悪魔と合体させるって言ったから、てっきり永劫の別れになると思って覚悟していたんだけど」

 

「ん~~、そうだね。

 たぶん合体に使った悪魔の自我が薄かったことか、それともこの〈剣技下手な〉の称号が原因じゃないかな?

 もしくは、忠誠度が高い方の個性が残るとか。

 この辺はまだ検証次第ってところかねぇ」

 

「そ、それより早く治療してほしいにゃ……。

 こ、こっそり決闘中に魔石使おうとしたのを謝るから……しゅ、手裏剣は!手裏剣でゴリゴリするのはやめるにゃぁ!

 そこ、そこは弱点が会心が……ぐにゃぁぁぁぁ!!!!」

 

地味反抗してきたカブソを秒で鎮圧しつつ、はかせと悪魔合体についての談義を重ねていく。

確かに今の段階の悪魔合体で、レベルが上げられないのはいろいろ痛い。

でも悪魔合体をすると、明らかにスキル面や特技面で充実するし、何より見た目が前よりもだいぶましになった。

できればガンガンこれからも悪魔合体をしたいがそれには少々管の数と合体候補の難儀がある。

モーショボーの合体は彼女の意思もあるし、結構先になりそうだ。

 

「それより、はかせ。

 今日こうやって私を呼び出したのは新しい装備を渡す、それだけじゃないんだろう?」

 

「あ、ばれた?」

 

「どう考えても、色々装備やフォルマ買取、アイテムにサービスし過ぎだからな。

 どうせ、前のカタキワウラ討伐の時みたいに何かほかに頼みごとがあるからこうして、博士の自宅にまで招待してくれたんだろ?

 というわけで、とりあえず聞くだけ聞くから、その頼み事とやらを言ってみてくれ。

 ものによっては聞くかもしれないから」

 

「えっへへ~~!!!さすがノッブ!察しと気前がいい!!

 それじゃぁね、実は先日六本木にとある珍しい悪魔が発生したんだけど……」

 

なお、当然ながらあまりに厄過ぎて、今までもらったアイテムを放り投げてでも拒否したくなる出来事なのはある意味では想定通りだといえよう。

 

「あ、今日は空手の教室があるから自分はこの辺で……」

 

「今 日 は 休 め」

 

 

 

「このくだり、前にも見た」

 

「まぁまぁ!決して相対しろとか、討伐しろとかそういうわけではないんでしょう?

 軽~く六本木を散策、エリアサーチをかけてくるだけで、追加報酬ありとかおいしい依頼じゃないですか!」

 

かくして現在自分たちがいるのは結局六本木に来てしまっている、沖田さんも同行で。

大体はかせの口車に乗せられたからという側面が強いが、それでも実際にはかせの依頼はリターンがでかいというのも大きい。

それに、今回は普通に異界でない六本木をただただエリアサーチするだけ。

魔人アリス発見情報という噂が掲示板で飛び交っていることだけが不確定要素だが、それでも早々には出会わない。

……はず。

 

「にしても、辺りを見ると結構同業者多いな」

 

「まー、あそこまで露骨にCOMP持ち出している姿を見ると同業者だってわかりますね。

 さすがに露骨にアナライズはマナー違反なのでしませんが」

 

そして自分と同様にアリスの情報につられたPCにちょくちょく遭遇する。

見た目派手な人から、銃刀法違反に喧嘩を売っている人、仲魔を使って捜索している人やさらには悪魔そのものまで視界に入る。

……悪魔が見える異能者一般人がいたら卒倒しているレベルであろう。

 

「にしてもよく自分以外のPCもアリスにつられてこの六本木によく来たな

 ……レベル30台のボス属性もちとか、もし遭遇したら死亡確定ってレベルなんだが」

 

魔人【アリス】。

真・女神転生シリーズでは色々とおなじみ且つ有名悪魔である。

見た目は幼女、性格も幼女。

ただしこちらに〈しんでくれる?〉と強力呪殺を放ってくる超強力悪魔なため、基本的に遠目で見るにはかわいいが、絶対に遭遇したくない、そんな悪魔である。

今の自分には呪殺無効であるとはいえ、仲魔もそうであるわけではないしそもそも10以上のレベル差があり場合によっては状態異常技も複数使用してくるし、保護者達がさらにやばい悪魔なためいろんな意味でも相手したくない悪魔である。

 

「ああ、それはどうやらアリス好きプレーヤーが魔人アリスの情報に懸賞をかけたからだと思いますよ。

 メシアガイアも混ざっており、日本円で1000万、マッカやマグ、アイテムや悪魔での報酬も検討するそうです」

 

「なにそのアリスガチ勢、怖い」

 

そんな風に軽い会話を挟みながら六本木をエリアサーチをすること数時間。

いいことか悪いことなのか、無数のゾンビを見つけはしたものの結局大まかな六本木の地図は完成させることはできたが、アリスについて情報を得ることはできなかった。

 

「結局アリスに遭遇せず、か。

 いいことなのか悪いことなのか」

 

「もしかして既に誰かが仲魔にしたり、討伐しちゃったんでしょうかねぇ」

 

「今の時点で魔人討伐できる奴とかいるのか?

 ……いや、相性さえよければいけるか、それにガチ勢なら」

 

「というか、私としてはノッブと異界に行くと毎回変なことがあるので、今回もまた何かしらのイベントがあると覚悟していたのですが。

 どうやらそれは杞憂だったみたいですね」

 

「ははは、こやつめ」

 

「まぁ、冗談はさておいて、ここのところこの東京全体で色々イベントが起きてますからね。

 ノッブといるといないの関わらず、何かハプニングがあると身構えてましたが……これなら杞憂みたいですね」

 

ふむ、言われてみれば確かに一理ある。

あの業魔殿で出会うほうの依頼をくれるお姉さんもここ最近悪魔発生の報告が多いとか嘆いていた気がする。

う~む、今はスルーしていたがもし本当に悪魔の詳しい情報が欲しいならあの業魔殿で非PCの悪魔バスター相手にも情報収集をする必要があるのかもしれない。

 

「でも、冷静に考えてもしここでイベントが起きるとしたら何が起きるんだ?

 アリスの一般人虐殺マッドティパーティ?

 それとも赤おじさんと黒おじさん襲来?まさか魔人全開放ってのはないだろう」

 

「はははは、もう軍勢悪魔とか一通りやばい経験はしましたからね。

 もうこれ以上はなにが起きても、よっぽどのことでは驚いたりは……」

 

そうして、それはいわゆるフラグだったという奴だろう。

その瞬間に突然通知の入るCOMP。

鳴り響く電子音、それは自分のCOMPだけではなく沖田さんのも同様。

さらには遠くの道を歩く自分以外のPCのCOMPもそうであり、それはPCであれば人型、非人型関わらずその通知は全員に届いた。

 

「な、なんだこれは!!」

 

「あ、あれは……人が!!!空が!!」

 

周囲から上がる悲鳴に驚嘆。

辺りにいる人々がまるで霧が晴れるかのようにどんどん消えていく。

先ほどまで明るかった空が、まるでビデオの早戻しのようにあっという間に暗くなり、空にあった太陽がまるで置き換わるかのように月へと変わる。

それは赤い赤い、巨大な満月(フルムーン)、まさに血に濡れたというのがふさわしいのだろう。

 

「お、おいどういうことだよこれは!!」

 

「な、なんで……どうして、うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

そうして、先ほどまでは普通であったはずのデザインとアートの街【六本木】はあっという間に異界【六本木】へと変化。

文字通り、夜の街になってしまったそこには、すでに我々PC以外の人間誰一人いなくなってしまった。

その代わりというのだろうか、代わりに虚空から現れるは無数の悪魔の群れ。

しかも、わざわざ我々プレイヤーの近くを狙ったかのようにそいつらは現れた。

そして、最後にCOMPに映し出されたその通知が今の我々の身に何が起きたのかをはっきりと知らせてくれていたのであった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

〇期間限定大型イベント発生

 

本日現時刻より時間経過の大型イベント【1ST EVENT ≪憂鬱の日曜日≫】が発生しました!

イベント中は全プレイヤーを特殊フィールドにご招待!

なお、この特殊フィールドでは悪魔遭遇率&レア悪魔発生率の大幅アップ。

悪魔の敵対率及びフィールドギミック増加及び使用不能。

レアアイテム及び特殊ドロップ通常ドロップの上昇などいろんな高面白イベントが目白押し!

イベント達成ボーナスや貢献度による上位報酬があるため、奮ってイベントにご参加ください★

 

▼イベントの勝利条件

①プレイヤー側の生存

②一定以上の悪魔及びボス悪魔の撃破

 

▼イベント失敗条件

①プレイヤーの全滅

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




※元カブソの悪魔合体後の姿

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【NAME】≪魔獣≫<剣技下手な>ケットシー Lv14
HP 108
MP 104
【相性】 銃撃・呪殺耐性
【スキル】・メディア
     ・麻痺ひっかき
     ・道具の知恵・癒
     ・リカーム
     ・銃撃耐性
     ・タルカジャ (味方全体 攻撃力上昇)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

★はかせの合体ワンポイント
元々は銃弱点のケットシーだけど、スキル〈銃耐性〉を〈偽人 デモニカもどき〉のデビルソースを使用することで補強!
さらに合体に宝石を使うことでレベルとステータスに若干のブーストがかかるというスペシャル仕様になっているかも!
……でも、はかせブーストをしても普通のケットシーよりもステータスが低いっていうのはいろんな意味でびっくりだよ。
代わりに消費マグネタイトが低いみたいだけど……うん、それならおとなしくもうワンランク下の悪魔を使おうよって感じだね。
ノッブちゃん、意外と趣味が悪いのかな?
後、残念ながら低ステータス故、坂本さん襲名の儀は取り消しになりました。


※活動報告に書いた通り、akiha様より支援絵をいただきました。
この場を借りて改めてお礼を申し上げます


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10話目

※ちょっと早めのメリー苦しみます また今回も途中から3人称になります



突然空虚より現れた悪魔の群れを殲滅していくばくか。

こちらを襲った悪魔たちが霧へと還り、散らばるドロップとCOMPに来る通知。

自分たちの周りにいくばくかの静寂と沈黙。

されど遠方から聞こえてくる数多の悲鳴と無数の怒号。

 

「沖田……」

 

「はい」

 

言葉を交わさずとも、お互いにすでに大まかな状態はつかんでいた。

それゆえ、次にするべき行動は必然的に決まっていた。

 

「こっちは東方面を探索するから、そっちは西方面で」

 

「……了解しました。

 でも、一人で大丈夫ですか?

 ノッブ……いえ、中島さんが強いのは理解してますが、今は緊急事態。

 もしものことがあるかもしれませんよ?」

 

「大丈夫だ、こちらは一人じゃない」

 

懐から管を取り出し、出し惜しみせず中身を開放する。

 

「うにゃ!な、なんかやばそうな気配かにゃ?」

 

「おお~~!!やっと私の出番ね!

 うんうん、凪はもっと頻繁に私を呼び出してよ!

 わたしもも~~っと頼っていいんだから!」

 

そう、自分はデビルサマナー。

常に一人ではなく複数だ。

 

「……うん。それなら大丈夫そうですね」

 

「それよりそちらこそ大丈夫か?

 実力を疑うわけではないが、万が一が……」

 

「大丈夫ですよ♪

 ちゃんと呪殺や破魔対策装備をしてますし、状態異常対策もばっちりです。

 ……それに、今はそんな万が一とか言ってる場合でもないですしね」

 

辺りから聞こえる悲鳴がさっきより減ってきたように感じる。

聞き間違いや勘違いだと信じてたいが、おそらくそんな甘い話はないだろう。

 

「それでは、また半日後にここで!」

 

「いくぞ!モーショボー!カブソ!」

 

「ええ!もちろん!いくわよ~~!!」

 

「ちょ!オイラもうカブソじゃないのにゃ~~!!」

 

かくして、我々は異界と化した、この【夜の街:異界六本木】の中へと駆け出して行ったのであった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「はぁはぁ、はぁはぁ!」

 

駆ける、駆ける。

異界と化した六本木の夜の街を2組の男女が走っていた。

片方は男性、青年というのにやや細めながらも筋肉のついた体格、整った顔立ちをしている。

現在彼が多少衣服に血がついており、腕や足に傷がついていることさえもむしろ彼の容姿を引き立てる程度には好男子であった。

 

「……ふぅ、はぁ……うぐっ!!」

 

そうしてもう一人は女性。

こちらも整った容姿に、金髪、女性らしさも感じさせつつ幼さも残す顔立ち。

黒白の服を着た彼女は、見るものを和やかな気持ちにさせる愛らしさを備えている。

が、そんな彼女でも今の状態を見てそんな風に思う人は少ないだろう。

なぜなら、彼女の手と服に隠された腹部からは、抑えきれないほどの赤い鮮血がこぼれていたからだ。

 

「……おい、亜麻色、私はもうだめだ……。

 だから、お前だけでも……」

 

「バカなことを言うな!!

 相方を置いて逃げれるか!!」

 

この2人の男女はプレイヤーであった。

この2人は完全にひきこもるわけではない、かといって積極的に攻略をするでもない、いわゆる【緩やかに攻略を目指す】を目標に挙げて活動する2人パーティであった。

出会いの仕方は、たまたま街中のファミレスで、混雑により相席をしたことに始まる。

その後、このお互いにこの世界へと転移したこともあり、お互い知り合いと呼べる知り合いがほとんどおらず、すぐさまお互いに交流を開始。

そして、あっという間に意気投合して、共に協力関係に。

ここまでコツコツと準備を重ね、最近ようやく初の悪魔討伐を経験。

危なげなく、初討伐もこなせ意欲は万端に。

これならば近いうちに異界攻略もできそうだ、いやいや、そんな簡単に話はうまくいくか、もっと野良悪魔でレベルを上げてから……。

そんな相談をしていたころに、これが起きたのだ。

そう、この【期間限定イベント≪憂鬱の日曜日≫】とやらが。

 

『危ない、亜麻色!!

 ぐぅぅぅぅ!!!!』

 

『な!魔理沙!よくもお前ら

 うおおぉぉぉぉ!!!』

 

それは一瞬の出来事であった。

2人で賞金目当てで六本木の探索をしていると、突如世界が暗転。

そのまま、まさかここ辺り一帯が丸ごと異界と化して、そのまま無数の悪魔たちの群れに襲われるなど誰が想像できようか?

無論、片手で数えるほどしかまともに悪魔戦闘をこなしたことがない2人。

第1波、第2波と襲ってくる悪魔の群れに耐えきれるわけもない。

そうして、第3波目でとうとう異能者の方の女性が重傷を負う。

そのような状況でまともに戦闘を続行できるわけもなく、何とか仲魔の命を犠牲にすることで逃走に成功したのであった。

 

「……がはっ!!」

 

「おい、魔理沙、魔理沙、魔理沙ぁァァぁぁ!!」

 

……だが、それを選択するのはあまりに遅すぎた。

すでに彼女の怪我は重傷を通り越して、致命傷。

腹からだけではなく、口からも血が噴き出し始めていた。

そうして彼女の足の動きが止まり、血を抑えるはずの腕からは赤の濁流が漏れ始め、つないだ右手は力が抜け、するするとはずれていってしまった。

 

「……お願いだ、本当に亜麻色。

 私はここまでなんだ、だからせめて、オマエだけでも……」

 

「くっそ、何言ってるんだよ!!

 何弱気になってるんだよ!!いつもの余裕はどうしたんだ!!

 このくらいなんだって言ってくれよ!!だから、だから……!!」

 

目の焦点がぼやけ、明らかに顔から生気が抜けてきている相方に怒気を超えて、懇願のような声を男は出した。

だが、叫んだところでこの男はただの【ノーマルサマナー】。

すでに彼が取れる手段はほとんど残されていなかった。

彼は普通のサマナーゆえ、ディアなどの回復魔法は使えないし、回復アイテムの類は先の戦闘で使い尽くした。

仲魔で回復しようにも、彼の唯一の仲魔は先ほど戦闘で戦闘不能に。

 

「くそう…ちくしょう!

 せめて、せめてどこかに薬局でも立っていたら……」

 

無論、もう手遅れかもしれないことは男はわかっている。

それでも、彼はあきらめたくなかった。

こんな理不尽に負けたくない、何もせず死にたくなく、なにより好いた女性を見捨てるなど彼にはできるわけがなかった。

 

「つぅぅぅ!!もうエネミーソナーも真っ赤だ!

 いつまた悪魔どもが襲ってきてもおかしくない!

 とりあえず、こうなったら無理にでも背負って……」

 

「……!!だめだっ、それだけはだめだ!!

 私のことはいいから、だから、だから……」

 

「ダメも良いもあるか!!

 いいからさっさとつかまれ!」

 

嫌がる相方を無理やり腕力で抑え込みつつ、男は女をその背に背負った。

プレイヤーになって多少の体力は挙がっても、やはりサマナー、人相応に重さは感じる。

まともに抵抗するほど体力が残ってないのに、無理に抵抗する彼女を落ちないように支えながら、改めてCOMPの画面を確認した。

 

―――そして、その一瞬の隙に、彼の首に致命的な一撃が加えられた。

 

「ぐああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

あまりの激痛と予期せぬダメージに、彼は思わず手に持つCOMPを手放し、その上前のめりに倒れてしまった。

 

「あ、あ、あ……」

 

「違う!違うんだ、私じゃない、私じゃないんだ……!!」

 

厳しい激痛と混乱する思考を何とか収めつつ、彼は自分の背後から悶えつつ確認した。

するとそこには、口元から大量の血を滴らせた彼の相方の≪霧雨魔理沙≫の姿があった。

その血に濡れた歯や口から、彼は自分へ一撃が彼女の口撃によってなされたのだとわかった。

だが、それを行ったであろう彼女の顔色はもはや真っ青を超えて青紫色であり、彼女自身も自分がなぜそんなことをしてしまったのか、理解できていないのであろう。

 

【ギヒャヒャヒャ!ゲヒャヒャ!!

 ひっかかった!ひっかかった!!】

 

そんな悲しみや混乱を超えて、絶望的な表情をしている彼女。

その背後や体から、突如黒い靄のような噴き出し、鈍い声を響かせ、その悪魔が姿を現した。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪悪霊≫ディブク Lv10

HP ??

MP ??

【相性】 氷結・破魔弱点 呪殺耐性

【スキル】 ムド

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「なっ……!!おまえは、さっきまいたはずの!!

 そ、それより彼女は……」

 

【げっへっへ!あの程度で本当に俺達から逃れることができると思ったのか?

 ぎゃっはっは!すでに憑かれているのに逃げ切れたと思ってるお前たちのマグネタイトはうまかったぜ~~??

 思わず、こいつの体の中でゆっくり味を反芻しちまう程度にはなぁ!!】

 

その悪魔の名は、【悪霊・ディブク】。

ユダヤ伝説の邪悪な精霊で、過去に罪を犯したために新しい体を与えられず体のない呪われた悪霊。

そうしてこのディブク、何よりの特徴は【人に取り付き、その体と魂を支配する能力】があることである。

伝承では足の小指の先に小さな穴を開け、そこから犠牲者の体に出入りするとされているなんて言われているが、今回は違う。

大胆にも彼女のお腹に穴をあけ、そこから侵入し憑りついたというわけだ。

 

「貴様、貴様、貴様ぁぁァァぁぁ!!!!!!」

 

【おおっと、いいのか小僧?

 貴様が、俺に攻撃しようとすれば、こいつを傷つけることになるんだぜ?】

 

当然彼も一方的にやられるつもりはなく、彼女に憑りついた悪魔を退治しようとした。

が、その瞬間まるで紐でつられたかのように少女の体がその黒い靄の悪魔をかばってしまう。

 

「お、お願いだ!

 はやく、早く私の体ごと殺してくれ!!

 このままだと、このままだと……!!」

 

「ばかやろう!!

 そんなことできるわけ……ぐはっ!!」

 

「いや、いや、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

【ぎひっ!ぎひひひひっ!!!

 うめぇぇぇぇぇ!!!いい絶望のマグネタイトだぁァァぁ!!!

 これなら俺様の冷えた体もあったまるぜぇぇぇ!!!グハハハハハハ!!】

 

当然そうなってしまえば、心理的にも体力的にも、男は悪魔を撃つことなどできなくなってしまった。

無防備に硬直してしまった彼に襲う、憑りつかれてしまった彼女の一撃。

すでに両者ボロボロゆえに男も無様に一方的にやられ、その全身の骨が順々に折られていく。

それだけではなく、加害者側のはずであろう彼女の方も、限界を超える力で殴っているが故、そのこぶしからも骨が割れるような音が響き、折れた指先から血しぶきが舞う。

そして、両者にはそれほどの痛みを受けながら、それ以上に感じている別の絶望感、彼の苦悶の声に彼女のやめてくれ、やめてくれという哀願の悲鳴。

人の絆と絆を引き裂く、まさに悪魔の所業の地獄絵図がそこにはあった。

 

「う……あ……」

 

「う、う、うぅ……

 もう嫌だよぉ……殺してよぉ……離してよぉ……」

 

そうして、ディブクはゆっくりたっぷりと2人をいたぶるのであった。

十数分後には男は上からも下からも血を流し、女の指ももはや無事なものが1つもなくなってしまうほどであった。

そして、そんな悲劇ののち、たっぷり笑い終わった悪魔の口から改めて言葉が紡がれたのであった。

 

【ああ!俺様もそろそろ飽きたところだし、そろそろ殺してやるよ。

 安心しな!】

 

「あ……あ……」

 

「やめ……ろ……彼女を……離せ……」

 

そうして、彼女の心に既に十分膨れきった絶望のなかに、やっと終わるという希望が生まれた。

……だが、当然、この悪霊がそんな生ぬるい考えで開放するわけもなかった。

 

【ただし、お前ではなく、彼氏の方だがなぁ!!】

 

「あ……あが……!!」

 

「いや、いや、やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

 お願い、放して、放してぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

彼女ののどから、既に枯れ切ってしまったはずの悲鳴が出た。

全損しているのに無理やり動かされた指から、痛み以上に想像しがたいほどの膨大な苦痛が心に生まれる。

もう十分心が壊れたのに、なぜこれ以上壊そうとするのか?

すでに壊れてしまったと思った心がさらに砕け散るのを彼女は感じた。

 

【ぎゃははははは!!!ギハハハハ!!!

 うめぇぇぇ!!!さすが異能者の心!!!

 これほどまでにうまいマグネタイトは初めてだ!!

 こいつを殺しても終わりじゃねぇぞ?お前には俺の依り代兼餌になってもらわなきゃならねぇからな!】

 

うるさく響く悪魔の声に、指から感じられる彼の体温、薄れゆく生命力。

ありとあらゆる絶望を感じながら、彼女の脳裏に最後に浮かんだのはシンプルな願いであった。

 

「(せめて、彼だけは……無事に……)」

 

 

 

 

「残念だが、そこまでだ」

 

そうして、その願いは届いた。

 

「……あ」

 

そう、どこからか現れたひと振りの刀が、彼の喉に絡みついた彼女の腕ごとバッサリと悪魔の体を切り落としてくれたのだ。

 

【ぐ、ギヤアァァァァァァァァァ!!!!!!

 俺の、俺様の腕が、体がぁぁぁぁ!!!】

 

彼女は切り飛ばされる自らの腕をどこか他人事のような目で見ながら、その悪魔が初めて悲鳴を上げたことに何か場違いな喜びを感じた。

 

【おまえ、おまえ!!!

 こいつと同じ人間だろぉぉぉぉ!!!!!

 それなのに、こいつを傷つけて……この女がどうなってもいいのか!!!】

 

「っは、憑りついておいてよく言うな。

 こちとらお前みたいなパターンは見飽きてるんだ。

 悪霊に憑りつかれては、もうまともに救うすべはない。

 ならばせめて殺してやるのが救い、ちがうか?」

 

「う……あ……」

 

その救いは、黒かった。

内赤外黒のマントに黒い帽子、黒い軍服に黒いズボンと黒い靴。

その赤と黒の刀のすらりとした体形をしており、無理やりであるが救われた男にはその人物がまるで死神のように見えた。

 

【ひ、ひひ!そんなこと言って、知ってるんだぞ!

 人間はうそをつくからな!

 そんな風に強がりを言いながら、本当は手も足も出せな……ぐぐぁぁぁぁぁぁ!!!】

 

「ふむ、手裏剣も普通に通じるんだな。

 よかった、これなら無駄なマグネタイトを消費せずに済みそうだ」

 

そうして、その黒い死神は彼女に取り付いた悪魔を退治し始めた。

……その依り代である彼女の体ごと。

 

「やめ……やめて……くれ!

 頼むから……頼むから……」

 

彼女の体が傷つけられるごとに、男の悲鳴のような嘆願が上がった。

無論、男とてわかってはいる、すでに彼女はいろいろと手遅れだということに。

それでも一方的に傷つけられる彼女を見て、思わず静止の声を上げてしまうのであった。

 

【ぐぎ、グギギ!!!

 こ、これ以上こんなぼろ雑巾の中にいられるか!!

 俺は逃げさせてもらう!!!】

 

そうして、一方的に傷つけられていたからであろう。

先に音を上げたのは悪魔の方であり、そいつはとうとう憑りついていた女の体を捨て、逃げるかのように空中へと避難。

あっという間にビルとビルの合間を縫って、どこかへ行ってしまったのであった。

 

「っち、空に逃げるとは面倒だな。

 ……でもまぁ、あのふらふらした様子だと墜落も時間の問題か」

 

「あ……う……」

 

「……こっちは今からあの悪魔を追いかけ、とどめを刺す。

 これは餞別だ、だから早く傷を治しておけ」

 

そういうと、その死神はその全身ボロボロの男に魔石をひょいと数個投げ渡したのであった。

 

「な……!!こ、こんな貴重品を……!!」

 

それはあまり悪魔や裏業界に詳しくない男でも知ってる代物であった。

それは【魔石】、それ自体には回復の魔力が詰められた石であり、使うだけで傷があっという間に治る回復アイテム。

もちろん今の回復手段がほぼない彼にとってそれは非常にありがたいものであるのにはまちがいない。

が、彼はそれをもらってもそれに返せるだけの物を差し出せるほど価値のある持ち物がなかった。

 

「た、確かに今これをもらえると嬉しい……けど……」

 

「っむ!あっちのほうか。

 どうやら足止めまでいるとは、これは大量だな」

 

こんなものをもらってもお返しができない、そう言おうとしたが、それよりも先にその死神はすでに駆け出してしまった。

その忙しない死神の後姿を眺めながら、思わず男は呆然としてしまった。

先ほどまでの惨状と突然すぎる事態の変化を考えればある意味では仕方ないことであろうが。

 

「……がはっ、ごほっ!!」

 

「……っ!!と、とりあえず、今は呆けている場合じゃない!!

 そ、それより彼女を……!!」

 

だが、その忘却も彼女の血を吐く声を聴くことですぐに現実に戻されるのであった。

男はなんとかボロボロの体を引きずりつつ、先ほど投げ渡された魔石をつかむ。

すがる気持ちでその魔石をボロボロの彼女に使用した。

 

「ゲほっ……ごほっ……」

 

「おい!おい!なんでだよ!!

 なんで傷が治らないんだよ!!

 この魔石、偽物かよ、おい、おい!!」

 

しかし、それでも彼女の体は治らなかった。

魔石を使用しても、小さな傷はふさがるが、依然彼女の体に空いた大穴や切られた腕から一向に血が止まることはなかった。

偽物であることを疑い、自分に1つ使ってみるが、自分の傷は無事完治。

それなのに、残りの魔石をすべて割っても彼女の体から一向に良くならなかった。

そして、彼は気づいてしまった、この魔石が不良品なのではないことを、そして彼女は魔石の回復程度では間に合わないほどの重傷で手遅れ。

つまり、彼女はもう……

 

「……もう、大丈夫だよ。

 ここまで……ありがとう、でも、もう、私は、助からない。

 だから、はやく、逃げ……」

 

「ま、待てよ魔理沙!

 まだ、まだだ!まだ治せるはずだから!!

 そ、そうだ、まだだ、まだ、血さえふさげば……」

 

「あは、アハハ……

 こ、こんなときまで助けようとしてくれて……あり……がと……

 実はね、私、いいたかったことが……」

 

憑りつかれていないためか、先ほどよりも目には意識は残っている。

それでも、その眼の灯はあまりにか細く、弱弱しく……

 

「言わなくていい!!

 なおったら、治ったらいっぱい聞くから、だから、だから、生きて、生きて……!!」

 

「あはは、言うと決めたらこんな簡単だったんだ。

 あのね、私、あなたのことが、好……っ……」

 

そうして、閉ざされる瞳。

抜ける四肢の力、止まる拍動、静まる呼吸。

 

「おい、魔理沙、魔理沙、魔理沙ぁァァぁぁァァぁぁ!!!!!!!!」

 

すべてが手遅れであり、あまりに自分たちは無力であった。

その現実を悟った彼はただただ彼女の亡骸の前で、泣き叫ぶことしかできなかったのであった。

 

 

 

「……お、まだ残っていたのか。

 おそらくもうどこかに避難していただろうと思ったのだが、意外だったな」

 

男が絶望感と喪失感、ごちゃごちゃの感情のまま固まっているとそいつは再び現れた。

それはマントを付けた死神。

さきほど、彼女にとどめを刺し、また彼女と自分を救ってくれた人物。

男はその事実に対しても心に大きな葛藤が生まれながら、同時にそれ以上の相方を失った喪失感で、今はただ一歩も動く気になれなかった。

 

 

 

「む?そっちは……あ~、もしかして瀕死か?死か?

 まぁ、まだ時間がそこまでたってないし、間に合うかもな。

 というわけで、蘇生を試してみるぞ」

 

「え?」

 

そして、奇跡が起きた。

 

「うんにゃ~~!!

 これならうまくいきそうだにゃ!というわけで、さっそく我が魔力で生き返るのニャ~~!!

 リ、リ、リ、【リカーム】!!」

 

その死神が呼び出した、猫の悪魔。

死の不吉の象徴であるはずの黒猫なのに、その悪魔から唱えられたのは【蘇生】の魔法であった。

あふれる感じたことのない魔力、柔らかで温かい波動、ふさがる大穴につながる腕。

 

「げふっ……ごほっ……!!

 あ、あれ?わ、私はさっき死んで……ということは、涅槃かここ?」

 

そうして、なんと先ほどまで死んでいたはずのその少女はこうしてあっさりと息を吹き返してしまったのであった。

 

「バカやろう!!!

 心配かけやがって!!」

 

「わ、わっぷ!!

 え?え?こ、これはいったいどういうこと?

 あ、あれ?腕もつながってるし……もしかして、夢?」

 

「ばっか!!!夢なわけあるかバカ!!!

 本当に、本当に心配させやがって!!

 二度と、二度とかばうなんて真似したら、絶対に許さないからな!」

 

無論、彼は彼女に抱き着いた。

ただただ、彼女の存在を手放さないように、次こそは彼女をきっちりと守れるように。

 

「ちょ!亜麻色、そ、そんな強く抱きしめられたら痛いって!

 そ、それにちょっと人が見てる前で恥ずか……いたっいたたっ!!

 そ、そこは傷のこってるから、傷に装備が当たって、いたっいたたっ!ちょ、冗談になってないから!

 こらー!!!」

 

結局その男女の感動の抱擁という名のいちゃつきは、ほか悪魔の群れの乱入が来るまで続いたのであった。

 

 

「で、そろそろ話、始めてもいいか?」

 

「あ、はい、本当にすいません」

 

「わざわざ助けていただいたのに余計な手間を取らせて……

 本当になんて言ってよいやら」

 

現在、彼と彼女は全力で謝っていた。

よくよく考えなくても彼と彼女は、このマントマンに全力で助けられていた。

貴重な回復アイテムを譲ってもらったことも、悪魔を追い払ってもらったことも、その上蘇生とその後襲って来た悪魔の群れを撃退までしてもらった。

どれ一つとっても大恩人なのに、それを全部、しかも文句ひとつ言わずやってくれたのだ。

なのに、自分たちはその大恩人にまともなお礼どころか、挨拶一つまともにできてない。

これは失礼を通り越してやばいといってもいいだろう。

あまりの申し訳なさに、思わずその男女2人とも即座に土下座へと移行したほどだ。

 

「……別に頭を下げなくてもいい。

 こっちも好きで助けただけだから、別にお礼を言われるためにやったわけではない。」

 

「(何この人、やばい善人?)」

 

「(いやいや、これはきっとあれだぜ。

 さっきのは負けイベントとかそういうの、でこの人はお助けNPCとかそんなの、多分)」

 

どうやら、相手は怒っていないようだ。

そのことに安心しつつ、ちょくちょくこそこそと談話する見習いプレイヤーコンビ。

なお、その推測は色々と的外れな模様。

 

「ごほん!で、早速だが、時間がないから軽い戦力確認と自己紹介だ。

 自分はまぁ君たちと同じ俗にいうプレイヤーだ。

 名前は中島、種族は人間、見ての通りちょっと不便な方のサマナーだ」

 

「あ、わざわざご挨拶をありがとうございます。

 自分は【亜麻色 玉葱】。ノーマルなサマナーです。

 ……でもいまちょっと仲魔が死亡中であんまり戦闘できない状態です」

 

「え、えっと!わたしは【霧雨 魔理沙】。

 職はバスターで、普通の火の魔法が使える魔法少女です!

 そ、それとマカカジャも使えます!

 ……お助けキャラじゃなかったのか(ボソッ」

 

そうして始まる、お互いの簡単な自己紹介。

黒軍服側は自分がフリーサマナーをしているプレイヤーでいくらか戦闘経験に自信がある。

なので、慣れていないだろう人を救うべく異界を探索していたこと。

男と女の方は、まだまだ駆け出しで数回しか戦闘をしたことがない見習いプレイヤーであること。

それゆえ先ほどは助けてくれて非常に助かったとのこと。

大体そんな当たり障りのない内容である。

 

「にしても、この異界で一人で探索って色々すごいですね。

 やっぱり、レベルもすごい高いんですか?」

 

「いや、普通にレベル17ぐらいだからまだまだ全然だよ。

 しかもいつもの探索は、ペルソナ使いのバスターに手伝ってもらってるし」

 

「あ、意外と常識的なレベルだった。

 ……でも、よく考えたら私たち2人足したよりも上だな。

 そりゃ、強いわけだ」

 

男は、静かに彼女と話をする自分達を救ってくれたそのプレイヤーの様子を改めて観察した。

先ほどまでは怪我を負ってかつ極限の精神状態だったため気づかなかった。

が、この人男の衣装ではあるがどうみても女性である。

その長い髪や顔立ち、背格好や胸元に声とどこからどう見ても100%女性。

同じサマナー系でしかも女性なのに、ここまでの実力を、それよりも性別のことは突っ込んでいいのか?

……そんな風にまじまじと眺めすぎたからであろう。

 

「……こっらっ!」

 

何を勘違いしたか、なぜか彼は彼の相方に手の甲をつねられてしまった、実にざまぁである。

かくして、お互い平和的に自己紹介も終わったところで、改めてその黒い男装令嬢のサマナーのほうから提案が出された。

 

「さて、大体お互いに状況はわかった。

 で早速で悪いが、君たちさえよければ、これから一緒に安全な場所に避難しないか?

 無論、強制ではないが」

 

「え!安全な場所?

 この異界にそんな場所が……」

 

その黒サマナーの口から出された言葉は、思わず男の口から大声が出てしまうほど驚くべき情報であった。

 

「……まぁ、一応DDS-Sを見ればすぐわかる情報だから言っておくが、どうやらこの異界にはいくつかの安全地帯が設けられているらしい。

 俗にいう、ゲーム内での【回復の泉】とか言われる場所だな。

 それ以外にも、メシア教やガイア教の支部は異界になっても場所が変わっておらず、その上結界で野良悪魔が入れない仕組みになっているようだ」

 

もし初めからそこさえ知ってれば……そのせいで彼女を無駄に傷つけてしまった悔しさで、彼はぎゅっとこぶしを握った。

そして、それに気づき、静かにその手をやさしく包み込む彼の相方の少女の姿があった。

ぺっ。

 

「……ごほん、さて、となると必然的に今から我々が避難するのは【メシア教の教会】【ガイア教の寺】【がめつい回復の泉】の3択になるわけだ。

 ……どれもいろいろ言いたいことがあるだろうが、其れでもあえて聞こう、どれがいい?」

 

「何そのひどい三択」

 

結局、彼と彼女はいろいろ話し合った結果、【回復の泉】へと避難することに決めた。

メガテンでの宗教施設は厄介ごとの温床だからね、ちかたないね。

 

「それじゃぁ、準備ができ次第出発するぞ。

 無論、もう少し休みたいならそれでもいいがな」

 

「あ、えっと、その……」

 

「安心しろ、ちゃんと私もついていくから。

 せっかく助けたのに、回復の泉につくまでにまだ死んでもらっては困るからな」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

こうして彼らは、心強い護衛を手に入れてこの異界にある安全地帯、【回復の泉】をめざして探索を再開したのであった。

 

 

「というわけで到着」

 

「本当にあっさりと到着した件」

 

で、かくして本当にあっさり何事もなく目的地まで到着した。

いや、何もないといえばうそになる、途中何度か悪魔の群れに遭遇はしたし、それはこの新人バスターズ2人だけでは死を覚悟するレベルのものであった。

 

『秘剣!大体同時3体切り!』

 

『『ぐぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!』』

 

だがそれも、全部大体この時代錯誤のコスプレイヤーがあっさりと撃退してしまった。

その無双っぷり、新人2人組が結局一度もまともに怪我することなく、かつマントウーマン自身も回避盾をしながら、結局すべての攻撃を避けきったほどだ。

おかげで、2人はほとんど見ているだけでレベルが2つも上がってドロップ品も複数ゲットできた。

ただでさえ命を助けてもらったのに、その上おこぼれまで頂戴してしまっていると彼は色々申し訳ない気持ちでいっぱいであった。

 

「というか、中島さん色々おかしいって。

 剣で魔法を切るって」

 

なお、バスターの方の彼女はそれ以上に自分が苦戦した相手をあっさりと倒す、その黒サマナーの挙動に理不尽さを感じている模様。

さもあらん。

 

「回復の泉へようこそ……。

 さぁ、傷を存分に癒やして差し上げましょう……

 ただし、マッカをくださればの話ですが……」

 

「えっと、こっちとしてはただ安全に泊まらせてもらえばいいんだけど……」

 

「ただでの停泊はだめです。

 ここではいるだけで体力が回復してしまいますから。

 マッカを払って回復を受けるか、出ていくか、選択肢は2つに一つです。」

 

「思ったよりすごく横暴だった!

 っげ、しかも高い!!……ならMP回復だけのコースで」

 

なお、【回復の泉】はなぜかとある建物の中にひょっこりと存在しており、一見変哲もない雑居ビルの扉を開けると、なぜかそこは神聖な空間が広がっているという具合であった。

なお、神聖なのは雰囲気だけであり中にいる泉の聖女とやらはなかなかの拝金主義者で、マッカを払わなければ瀕死人でも強制的に部屋の外へワープさせるという畜生であった。

かくして、何とか【回復の泉】で傷を癒せるようになった2人。

だが、それに対して黒いサマナーの方はそうはしなかった

 

「それでは私はこの辺で失礼する」

 

「え!えっとそれはその……」

 

「なに、まだ俺はするべきことがあるからな」

 

それだけで2人は悟った。

おそらく、まだ外にはたくさんの自分と同じようなプレイヤーがひどい目にあっているであろうことを。

そしてこの人はそんな人たちを救いに行くのだと。

 

「な!なら、そのできれば自分たちもお手伝いを……」

 

「いや、それは必要ない。

 見たところ2人はもうお疲れのようだし、そもそも外の悪魔をどうこうするにはレベルが足りない」

 

「そ、それじゃぁ、せめて道中でドロップした私たちの分のアイテムを!」

 

「気遣いはうれしいが、それは君たちのものだ。

 一応、アイテム交換という形でならば受け入れるが……構わないか?」

 

「え、えっとそれで……

 ちょ!多い多い!それ、交換レートおかしいですから!

 盛るなとは言いませんが、せめてフェアトレードに!

 それだと、むしろこっちが施しをもらってるみたいで気まずいじゃないですか!!」

 

「え~~」

 

「え~~じゃない!」

 

なお、この男は基本善人なため、この黒サマナーの協力をしようとしたがそれはあっさりと断られた模様。

せめてアイテム支援をと思ったが、それもむしろ逆に施しを受けてしまう始末だ。

 

「なら、せめて、君たちはちゃんと生き残ってくれ。

 そうとしか言えない。

 ……それに、このイベントがいつまで続くかわからないからな」

 

そう言うとその男装の黒い軍服マントのサマナーは簡易な回復だけを済ませ、まともに礼を言わせる暇すら与えず、一人回復の泉から去っていったのであった。

 

 

 

「色々すごかったな」

 

「ああ、まじでな」

 

かくして、現在結局2人は回復の泉に入浴中。

なお、はじめは男女別か混浴か聞かれ、別れようとしたが、少女が自分が殺された時のトラウマを再発。

そのため、彼女の方から真っ赤な顔と真っ青な顔を交互に繰り返しながら混浴を申し出るという実にレアなイベントがあったことをここに記載しておこう。

っか!

 

「というか、レベル10あがるだけであそこまで動きが違うものなのか?

 もうあれ、人間の動きじゃないだろ。

 私とか、異能者になって体力すごく上がったつもりだけど、あれには勝てる気がしない。

 レベルが10あがっても無理な気がする」

 

「わかる。

 前転で火の魔法弾いてたしね」

 

「しかも、私に出せないほど強力な奴をな」

 

なお、会話の話題は大体件の自分たちを助けてくれたサマナーの話題が自然に出てきた。

悪魔の話題はトラウマが怖いし、それ以外の話は重い話ばかりだからある種仕方ないといえるだろう。

 

「……俺も、あの人ぐらい強くならなきゃな」

 

「できるの?」

 

「できるのもなにも、あれくらい強くないとお前のことを守ることができないだろ」

 

「……っう!

 ま、ま~~!!そういってくれるのはうれしいけど、あの人は明らかに別次元の強さだろ。

 それにあれだろ、あの中島さんはぜっっったいライドウのロールプレイとか、そういう方向で動いてるんでしょ。

 あれを真似るのは危険というか、無謀の極みだと思うの」

 

「ライドウ?何それ?

 あれはただのぐだぐだのノッブコスとかレアな軍服装備とかそういうのじゃないのか?」

 

「いやいや、あの前転とか刀ロールプレイどう見てもライドウモチーフじゃん。

 黒猫とかもゴウトにゃんリスペクトだろうし、なんかもう、すっごくエンジョイしているな~~って。

 女なのに無理に男っぽくしてる時点でだいぶあれだし。

 ……いや、歩き方とかは確かに男女半々って感じだったけど」

 

かくして少女は中島さん=なりきりライドウ説を提唱し始める。

青年の方はライドウのことはよく知らないが、確かに聞けば聞くほどなんとなくその中島さんとやらがライドウというキャラをモチーフにしている気がしてきた。

確かに男女の性別や手裏剣と銃などの違いはあるが、それでも戦闘スタイルや仲魔のチョイス、さらに黒づくめでマントなんて奇異な恰好、わざわざモチーフでもなければしないであろう。

ましてやそれがメガテンに関わる強キャラならば……だ。

そうして、その話を聞いた結果、その青年は一つの結論に行きついた。

 

「それじゃぁ、俺もあの人をまねれば同じように強くなれるってことだな?」

 

「そ の 理 屈 は お か し い」

 

なお、その理論はトンデモ理論だった模様。

その後その青年が言い出す、自分も前線に立つやら仲魔に頼らない戦闘とか言い出し始めたので彼女が全力で止めた模様。

やったね!少女は新しく〈ウソ泣き〉をおぼえたぞ!

 

「わかったわかった!と、とりあえず俺は無茶しない程度には頑張るよ。

 でも、今後は前よりも頑張って強くなる」

 

「それでいいんだそれで」

 

「……でも、今度はきっちり守るからな。

 ちゃんとお前を守りきれるくらい強くなるから」

 

「……ば~か、その時は私も同じくらい強くなってるよ。

 むしろ逆にお前のことを守ってやるぜ。

 だから、置いていかないで、しっかりつかんでいてくれよな」

 

男女2人。

デビルマスター見習い。

2人は【回復の泉】混浴で互いに布1枚で隔てた中、静かに互い手と手を取り合うのであった。

 

 




泉の聖女「ぺっ!!!」



※今回の男女コンビ見習いステータス

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【氏名】亜麻色 玉葱
【クラス】ノーマルサマナー
【ステータス】 Lv5→Lv7
【耐性】 破魔無効
【スキル】・くいしばり
     ・追撃の心得

【仲魔】ピクシーLv2(初期仲魔)
    ノッカーLv4(都内ではぐれていたのを偶然勧誘)
    コボルトLv6(ノブ凪の虐殺時、命乞いで仲魔になることにより見逃してもらう)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【氏名】霧雨 魔理沙
【クラス】魔術師
【ステータス】 Lv7→Lv9
【耐性】 氷結弱点 火炎耐性 破魔無効
【スキル】・アギ
     ・アナライズ
     ・マカカジャ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


※リア充爆破しろという思いで書きました


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11話目

このイベントが始まってから早くも半日。

一向に空の様子は変わらず、巨大な赤い満月が浮かびっぱなしではあるが、それでも時間は経過し、あっという間に約束の時間になってしまった。

 

そうして、戻ってくるは六本木ヒルズの中心≪森タワー≫のふもと≪66プラザ≫。

そこにある絶好の待ち合わせキモオブジェ≪巨大クモ・ママン≫の下に彼女はいた。

どうやら彼女は自分のなすべきことをなしたらしい、その顔には満足げな表情が浮かんでおり、達成感にあふれていた。

 

「おや、ノッブ!

 遅かったじゃないですか!最後の一組がそんなに時間がかかりましたか?」

 

「……まぁ、な」

 

だが、自分はそうではない。

沖田さんが笑顔でこちらの様子をうかがってくるが、今の自分は冷静さを欠いている。

そのため、こちらは彼女の顔をまっすぐ見返すことができなかった。

 

「その様子を見るに……どうやらうまくいかなかったみたいですね。

 わかりますよ、誰しも得手不得手、上手くいく時上手くいかない時があるんです」

 

「いや、救出自体はうまくいった。

 あの後も3組ほど見つけて、それぞれ希望する避難所へと届けることができた。

 悪魔の群れにも遭遇したし、それでも特に何の犠牲も出すことなく倒すことができた。

 ……だから、当初の目的は達成できた」

 

「おお!それはよかったです!

 ならば、悔いはないはず、違いますか?」

 

「……っ!!」

 

沖田さんのその言葉に、思わずこちらの心がきしむのを感じる。

そうだ、違うのだ、確かに自分は先ほどまで最善を尽くしたし、努力はした。

多くの未熟なプレイヤーを助けることもできたし、多くの悪魔を倒すことができた。

だが、だがそれでも、ここまでやってなお届かないものがあった。

思わず、自分は再び衝動的にこの夜の街≪異界:六本木≫の奥深くへと再び足を踏み出そうとしていた。

 

「……はい、ストップですよ、ノッブ。

 あなたは強くても人間。

 半日も異界を駆け巡って体力も限界、違いますか?」

 

が、それは彼女によって止められてしまった

 

「いや、まだ動ける!

 それに、それに今ならまだきっと間に合うはず、それにもしかしたらまだ近くに未熟なプレイヤーが隠れているかもしれない!

 だから、だから……」

 

「だめです、諦めてください。

 目的と命、どっちが大事か、言わずともわかりますよね?」

 

「……」

 

彼女は優しい顔をしながら、静かにこちらの肩をつかんだ。

そうして、やさしくこう諭してきた。

 

「そうです。

 世の中にはどうにもならないこともあるのです。

 ノッブはちゃんと十分頑張りました、だから、今はあきらめてゆっくり休憩をはさみましょう

 

 

 

 

 

 そうwwwww例えwwwwドロップ率アップ&レアドロップ期間中なのに魔石しかドロップしないクズ運でもねwwwww

 いや~~、こっちはいろんなアイテムがドロップしてつらいわ~~!!

 ノッブほど多くのプレイヤーの救助はできませんでしたが、見慣れないアイテム類はたくさんゲット出来ちゃいました!

 魔石ばっかりで、COMPでの魔石所持数が限度になるとかそんなことなくてつらいわ~~!!」

 

そうして沖田さんは満面の笑みを浮かべ、両手に持った様々なアイテムを見せびらかしてきたのであった。

例えば、使えば永続的にステータスがアップする【速の香】からMPを大幅に回復できる【チャクラポット】。

それだけではなく悪魔を一定時間追い払える【退魔の水】に【ガーネット】をはじめとする宝石類まで!

さまざまな自分とは違い、様々なレアアイテムを手に入れることに成功したなんちゃってコスプレ沖田の姿がそこにはあった。

実にふぁっきゅーである。

 

「ぐぎ!!ぐぎぎ!!!べ、別にくやしくないし!

 それに魔石だけじゃねーし!

 それ以外の便利アイテムもカンストまでドロップしたし!

 ドロップ率自体は悪くない!」

 

「ひーほーほー!!

 で、そのアイテムとは一体?」

 

「……アギストーンとデビルスリープ」

 

「でwwwでwwwデビルスリープwww

 よりにもよってデビルスリープwww

 アギストーンにそれとかピンポイント過ぎておなか痛くなりますよww

 それはあれですよ、きっとこれからも敵は焼き討ちしろっていう天からのお達しですよww」

 

沖田さんが、バシバシとこちらの肩をたたきながら大爆笑する。

くそう!沖田さんと2人でいると、こちらが強すぎるせいか悪魔達の方から逃げ出すからってわざわざ分かれたのに!

2人に分かれば、探索力ならモーショボーがいる分こちらが上だから、最終ドロップ結果もこちらが勝てると思ったのにぃ!

 

「……やっぱり、色々と納得いか~~ん!!!!

 それに自分もレアアイテムほしい!!

 お香も欲しいし、特に宝石なんて悪魔交渉とか合体に使うから!!!

 というわけで、やっぱりもうちょっと初心者PCの護衛と称して、弱者に集まる悪魔の群れ狩りを続ける!!

 というわけでもう一度行ってくる!!」

 

「はいはい、馬鹿なこと言ってないで帰りますよ。

 もうすでに半日もたってますから、大方の初心者プレイヤーはもうすでに避難か死亡してるでしょう。

 あきらめて、私たちも休憩に入りますよ、無論、負けたノッブのおごりでね」

 

「やだ~~!!やだやだ~~!!

 こんな苦労したのにお香なしとかやだ~~!!

 宝石もなしとかやだ~~!!!」

 

こうして、異界とかしたこの東京で自分の情けない駄々こね声が周囲に響き渡ったのでした。

なお、こんなに隙を見せたのに悪魔の群れは、こちらに恐れをなして一匹も近寄ってはこなかった。

シットナブル!

 

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

【憂鬱の日曜日】期間限定イベント総合スレpart3【実は今日は月曜】

 

1:有能サマナー

このスレはこの世界【女神転生・影】で現在行われている

期間限定イベントについて雑談していくスレです

気が付いたことや起きたこと、何でも書き込みOKです

ただし、避難所や宗教勧誘、救助目的などは専用スレでお願いします

 

☆リンク

・避難・救助スレ

ttp/××××××.DDSS.net

・宗教勧誘兼避難所紹介スレ

ttp/××××××.DDSS.net

・攻略スレ

ttp/××××××.DDSS.net

 

2:名無しのバスター

立て乙

 

3:名無しのバスター

立て乙

 

4:名無しの悪魔

立て乙、なんか有能ニキ久々に見たな

 

5:名無しのサマナー

立て乙

マッカが……マッカが足りないんじゃ……

 

6:名無しのバスター

立て乙

>>5 解り過ぎて辛い

 

6:名無しの悪魔

>>5 めっちゃわかる

今まで悪魔だから同族のよしみってことで、戦闘とか回避させてもらってたから今回のイベントはつらい

なんで、はじめっから強制敵対なんじゃ!

 

7:名無しのサマナー

明らかに出てくる悪魔会話通じないやつ多いよね~~

悪魔交渉もいつもよりも失敗が多い気がする

 

8:名無しのバスター

みんなそういうけどいうほどか?

悪魔なんて大体いつもあんなのだろ。

 

9:名無しの悪魔

目の前で他PCが悪魔にもぐもぐされてるところ見ちまった……

おえっぷ、あれ、全身食われても蘇生とかできるのかね?

 

10:名無しのサマナー

……今回、多分いろんな意味でですイベントなんだろうけど

悪魔どもに襲われると、文字通り骨まで食われつくしてくれるおかげで

リアルな死体を見ることが少ない、それだけが救いだよな

 

11:名無しのバスター

おいバカやめろ

 

(しばらく少し陰鬱な話が続きます)

 

300:名無しのバスター

というか、避難所ってどこもホントたけーな

ガイア教の寺もメシア教の教会も回復の泉もマジでぼったくり値段

こちとら少し泊めてもらうだけなのに悪魔集団を複数狩るよりもマッカ持ってくとかふざけているとしか思えない。

 

301:名無しのサマナー

回復の泉は論外として、ガイアの寺やメシア教会まで高いのはあれだよな。

機械や結界とか動かすのにマグが必要らしいけど、どう考えてもあればぼり過ぎ。

しかも教会や寺は運営が同じプレイヤーなのにねぇ

 

302:名無しのガイアーズ

部外者のくせに実に偉そうだな。

追い出してやってもいいんだぞ

 

303:名無しのメシアン

入館は無料です

ただし、結界内に入るには必ず寄付をしてもらうだけです

 

304:名無しの悪魔

>>302 >>303 う~~んこの

 

305:名無しのメシアン

まぁ、身内には割引効くみたいだから

あえて今だけ所属するのも手だぞ

 

306:名無しのバスター

一度はまったらずるずるに抜け出せなくなりそうで怖い

 

307:名無しのガイアーズ

大丈夫大丈夫、俺らの内でまだガチな宗教家はそこまでいないはず……

いないよな?

 

308:名無しのメシアン

^^

 

309:名無しのガイアーズ

もう両組織に俺らの情報が流れている時点でって感じはするがな

 

310:名無しのバスター

やっぱり回復の泉が一番だぜ!

見た目エロいし、神性で居心地が最高にいいし、悪魔交じりでも差別がないとか最高だぜ!

 

311:名無しのサマナー

でも、サマナー的には仲魔の回復を別料金にとるから嫌い

せめてもっと安ければ……

 

312:名無しの悪魔

そんなあなたにもっとおすすめ、ナキサワメ!!

なんと彼女は施設もないのに回復してくれる、かわいい女神様だぞ!

……ただし、料金が回復の泉の倍以上だがな!!

 

313:名無しのサマナー

>>312 wwwwあれはねぇよwwww

ぼったくりってレベルじゃねぇぞ!

……まぁ、近くに回復施設がなくて払わされたんですけどね(白目)

 

314:名無しのメシアン

馬鹿なプレイヤーがナキサワメにケンカ売って

一方的にぶち殺されているのは見た。

あの子戦えるんやなって

 

315:名無しのバスター

お前ら、そんな不便なところに避難してるの?

俺様は一人、優雅にベルペットルームでイベントが終わるまでのんびりしてるぜ!

まぁ、回復や飯が出ないのがあれだけどな!

 

316:名無しのサマナー

>>315

 

317:名無しのガイアーズ

>>315

 

318:名無しのバスター

やはり俺もちゃんと初期設定でワイルド補正をONにしておけばよかった……!!

なぜ、自分はそれを取り忘れてしまったのか

 

319:名無しの悪魔

というか、基本的に今回のイベント

序盤は警告なしでスタートしたけど、マジでそれだけだな。

確かに不意打ち率は上がってる気がするけど、出てくる悪魔は雑魚ばっか

実質ただのウマドロップだし、神運営だわ

 

320:名無しのメシアン

>>319 ほう、人死が出て神運営と

率直に言って死ね 氏ねでなく死ね

 

321:名無しのガイアーズ

>>319 修羅勢基準で一般PCに接してはいけない(戒め)

 

322:名無しのバスター

それでも、今回のイベは割と良心的よ

中に回復施設はあるのに、敵はレベル10以下悪魔限定でしょ?

ぶっちゃけ、戦闘慣れしていれば余裕余余裕。

掲示板も使えることやパーティを組むこと考えれば、理不尽で運ゲーされるよりはだいぶましだよ

 

323:名無しのサマナー

回復施設が高いことを考慮しても

回復アイテムのドロップ率がいいから、それで何とかもなりそう

……まぁ、おかげでDYNG半分で仲魔ストックMAXになっちゃったんですけどね

 

324:名無しのバスター

せめてどこかに売店さえあればなー

 

325:名無しのガイアーズ

そういうときこそ、俺らPCの協力しどころだろ!

というわけで、いつでもガイア教の商業部門担当の私がいつでもお客様との取引をお待ちしております

銀座で僕と握手

 

326:名無しのバスター

>>325 すまん、自分名古屋

 

327:名無しのサマナー

遠過ぎぃ!!というか、このイベントって全国レベルなのか

 

328:名無しの南極研究者

そうだよ、おかげでこっちは久々の地上に出れたぞ~~

艦内は安全なままだし、施設もそのまま。

悪魔遭遇率もシュババに比べりゃ低いし天国みたいなもんだ!

……まぁ、外は周りは一面銀世界の南極なんですけどね!

 

329:名無しのバスター

>>艦内は安全なまま >>悪魔遭遇率低下

何それ、ずっるい

まぁ、それでも南極単身は全然うらやましくないけど

 

330:名無しの南極研究員

そこは嘘でもうらやましいと言ってくれ(´・ω・`)

やっと見つけた地理的利点なんだから

 

331:名無しの悪魔

というか、やっぱりこのイベ全国区なのはわかったけど

地域差はあるん?ドロップ率変わっちゃったりするん?

というかこの異界はどういう仕組みなの?

 

332:名無しのメシアン

>>331 するする、というかしている。

メシアン専用スレでの情報だと、どうやらPCが多くいる場所ほど悪魔発生率&レア泥率は上がるっぽいよ

逆にPC少ないとところだと襲撃もかなり散発的らしい

なお、ここメシア教会を含めPCが使ったり所有している場所は現実と変化が少ないみたいです

あえてのこの世界を言うならPCしかいない異界地球的な?

 

333:名無しのガイアーズ

>>331 ドロップ率はしらんけど、発生率変化は確か

人が多いほど悪魔が沸きやすいってことで、各組織に建物に入場限界の人数制限が求められてる

なお、異界設定はそれぞれ元いたプレーヤーが強制的にその場の裏世界的な場所に連れていかれているっぽい

現実世界とは多少リンクしているっぽいから、自分の部屋にも帰れるぞ 結界はってないと悪魔が沸いてくるがな

例えるなら魔界にそのまま俺らがいた場所を一般人除いて落した感じ

 

334:名無しのバスター

>>332~>>333 結婚おめ

 

335:名無しの悪魔

ピッタリ症おめめ

 

336:名無しのサマナー

本当にメシアンとガイアーズは仲がよろしいですね^^

 

337:名無しのメシアン

>>333~>>336 絶許

 

338:名無しのガイアーズ

天使臭い奴らと一緒にされるとか末代までの恥ですわ

 

339:名無しのサマナー

真面目な話、つまりは東京周辺は危険でデンジャーだけどうまい

俺みたいなド田舎在住はめったに悪魔の群れに会えないと

……電車動いてないけど、今から東京の祭り、俺も参加できないかなぁ

なお、十勝在住

 

340:名無しのバスター

プレイヤー密度的に御影町とか軽子坂はやばそうだな

 

341:名無しのサマナー

>>339 なんでそんなところに住んでるしwww

 

342:名無しのバスター

別にそのくらい、シェルターとか考えれば珍しいことでもないだろ

なおワイアメリア まさかここでもイベントに巻き込まれるとは思わんかった

 

343:名無しの悪魔

>>342 逃げ過ぎぃ!!

 

344:名無しのサマナー

その理論で行くと、今一番イベが活発なのってどこ?

自分は鳴上Sの一人だからいうけど、たぶんのこ町が個人的にやばいと思ってる

 

345:名無しのバスター

>>344 八十稲羽はPC人口密度確かにやべぇな(確信)

 

346:名無しのメシアン

確かにそうかもしれませんけど、今なら六本木の方が危ないのでは?

確か魔人の目撃情報への懸賞とやらで大量の人が集まっていたらしいですし

 

347:名無しのバスター

あ~~、アリス騒動あったなぁwww

イベントのインパクトですっかり忘れていたわww

 

348:名無しのロリ

今考えれば、やけに全国的にGPが不安定だったり、異界での悪魔変異

魔人の登場の複数登場とかはこのイベントの前兆だったんだろうね

 

349:名無しの悪魔

ちょっとした気持ちでアリス情報に懸賞金かけたら大変なことになったでござるの巻き

……ろ、六本木で死んでも、自分のせいじゃないんやで?

 

350:名無しのバスター

もしかしたら、この異界でアリスに会える可能性

レア悪魔出るらしいしちょっとやる気でてきた

 

351:名無しのサマナー

ということは、今六本木って悪魔の巣窟?

世紀末でヒャッハ―で、その辺に死体が散乱してる感じ?

 

352:名無しのバスター

>>351 ライドウが駆け回ってるから大丈夫だぞ

 

353:名無しのサマナー

お助けキャラが続発してるから大丈夫っぽい

 

354:名無しのメシアン

なにそれkwsk

というか>>352ってマジか!!

ちょっと今から、行ってみる

 

355:名無しのガイアーズ

いやいやww

さすがに偽物だよな?そうだよな?

……やべぇ、もしいるなら俺すぐここ抜けるわ

絶対にぽぁされちまうw

 

356:名無しのサマナー

女版ライドウやぞ

魔法を前転でかわしてたぞ(震え声)

 

357:名無しの悪魔

俺もちょっと遠目で見たけど、あれヤバい

強いとか弱いじゃなくて、バグ

なんか、一人格ゲーから来たみたいに無敵時間がついたり、謎軌道で動いたりしてる

 

358:名無しのバスター

>>354 いやいや自分普通にそれらしきのに合ったけど普通に俺らと同じPCだったぞww

というかあれはただのノッブだろwなぜかゴウトにゃんらしきもの連れてたけど

 

359:名無しのメシアン

>>358 多分みんなが言ってるのとそれは別物じゃない?

俺も六本木で刀を持ってる時代錯誤の女性に救われたし

名前を言うとあれだから書かんけど、セイバーっぽかったよとだけ

 

360:名無しのバスター

高レベルだと、悪魔の出現率が下がるからね

低レベルのプレイヤーに護衛と称して悪魔おびき寄せ装置になってもらうと色々と美味しいからね

ちかたないね

 

361:名無しのバスター

いや、俺が見たライドウっぽいのは絶対PCとかそういうのじゃないから

だって、遠距離でアナライズしてもうまく表示されなかったもん

絶対運営のプログラム加護とやら受けてる何かだわ

 

362:名無しの悪魔

>>361 マジ?もしかして、ライドウコスプレだけでなくリアルで運営のお助けキャラがいる感じ?

 

363:名無しのサマナー

>>362 キタ━(゚∀゚)━!

    え?え?まじで、本当ならいろいろと楽しみなんだが!

 

364:名無しの悪魔

なんだ!お助けキャラがいるなら安心だな!(慢心)

でも、チョイスがライドウっていろんな意味で怖いんですが(震え声)

 

365:名無しの悪魔

むしろ、リアルライ様がいるなら仲魔にしてほしい

というか、下僕にしてください(願望)

あ、でも♀かぁ……♂ならなぁ……

 

366:名無しのバスター

ま~でもある意味それは妥当かもなぁ

今自分も六本木にいるけど、どう考えてもシステムの加護なしには倒せないボスがおるし

 

367:名無しのサマナー

え、マジ?もうボス見つけたの?

というかよくボスだってわかったな

 

368:名無しのガイアーズ

>>367 どうやら人口密集地が高い地域にボスが発生している模様

すでに複数発見されてる

 

369:名無しのバスター

まじでか!ちょっとボス突っ込んでくる!

なぁに!死にかけてもライドウちゃんが助けてくれるさ!(慢心)

むしろライドウちゃんに会えるなら一石二鳥では?(ぐるぐる目)

 

370:名無しの悪魔

自分の命をチップに突っ込むとは剛の者過ぎる

 

371:名無しの壬生浪士

なんだこれは、たまげたなぁ(震え声)

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

「……ねぇノッブ。

 ノッブって、何かアナライズ対策……

 いえ、何か新しいCOMPアプリをはかせからもらったりしましたか?」

 

沖田さんがソファーの上でCOMPをいじりながらそう言ってくる。

さて、今現在が我々がいるのはあの【業魔殿】(異世界)のとある一室。

ガイア教施設、メシア教施設がこのイベント異界にもあるなら、もしかしたらこの【業魔殿】もと思ったが、どうやら自分の予想はいい意味で的中したようだ。

ここならば、あまり他PCと出会わないだろうし何よりこの建物周囲には悪魔避けや人避けの結界があると聞いたことがある。

おかげで陣営のいざこざや細かい料金プランを気にせずにのんびりできる。

実に快適である。

 

「あ~、確かにあの似非ロリから【遠隔呪術対策】とかいう謎のアプリのモニターを頼まれたな。

 でも戦闘中は特に何か効果があるわけでもないし、敵魔法を防いでくれるでもなかったなぁ。

 とりあえずONにしていたけど、そっちから見て何か特別な変化があったりした?」

 

「……いえ、特には!

 でもやっぱり、ノッブはもってるなぁとだけ」

 

「???」

 

沖田さんが何か勝手に一人納得しながら、うんうんとうなずいている。

きっと何かあるのだろうけど、聞いても多分教えてくれなさそう、そんな雰囲気をしている。

 

「ねぇねぇ!ところで凪!!

 今日わたしすごく頑張ったよね?一杯お空飛んでいろいろ情報収集したよね?

 だから、今日はここのケーキ、ホールで頼んでいい!?」

 

「あ~~、いいよって言いたいのはやまやまなんだけど、ここ、今異界にあるから……

 シェフのムラマサさんがいないせいでそういうの頼めないんだよ。

 それに、ルームサービスの類も無理です」

 

「えぇ~~!!そんな~~!!」

 

なお、この異界の中にある【業魔殿】は従業員がいないため、ルームサービスの類は期待できない模様

幸いちゃんと水も使えるし、電気も通っているので数日過ごす分には問題ないだろう。

けれどマッサージやプールは無理、ビデオは見れてもテレビは電波が通っていないため見れない。

当たり前か。

 

「というわけで、今回はこの部屋備え付けにある割高なドリンク類で我慢しなさい。

 今回は特別におつまみもOKだから」

 

「やった!それじゃぁ私ジュースジュース!

 この瓶に入ってるやつ飲んでみたかったんだ~~♪」

 

ちょろい。

そんな風に思いながら、嬉しそうに部屋備え付け冷蔵庫をあさるモーショボー。

その姿にかわいらしさを感じるが、さすがに高級シャンパンラッパ飲みはいかがなものか。

 

「そういえば、ノッブはこのあと少し休んだらどうするつもりですか?

 やっぱり、また悪魔狩りという名のレアドロップ探し?

 それともボス討伐行っちゃいますか?」

 

「え、もう普通にひきこもるつもりだけど」

 

「え」

 

「え」

 

自分の言葉が意外だったのか、沖田が不思議そうな顔をした。

が、自分としては当然のことを言ったつもりだったのだが。

 

「というか、これ以上はもうあきらめた。

 そもそもフリーのリュックの容量がフォルマのせいでもういっぱいいっぱいだし。

 魔石とか普通にドロップするアイテムはクズ運のせいで所持数限度が来て、野良プレーヤーに押し付けたぐらいだもん。

 安定してレアドロップするなら探索もいいんだけど、その辺の宝箱は他プレイヤーがすでに開けちゃってるみたいだからなぁ」

 

「まぁ言われてみればそうですが……」

 

「あ、沖田が探索したいっていうなら付き合ってもいいんじゃよ?

 レアドロップ分けてくれるなら!」

 

「ははは、冗談は良子さん。

 というか、ノッブと2人探索ってこの辺の野良悪魔だと弱過ぎて、出てくることすらなくなるでしょう」

 

「それな」

 

一応、お荷物という名の新米プレイヤーを見つければ寄生することで何とか野良悪魔と戦闘できるが、まぁもうすでにイベント経過からは丸一日以上経過している。

おそらくこんなに時間がたってしまえば、すでに新米プレイヤーはいろんな意味でいなくなっているだろうし、さすがに死にかけや救助を求めていない新米プレイヤーの悪魔を横取りするほど飢えてもいない。

つまり、今の自分たちはおそらくボス悪魔以外は基本わざわざ探さなければ悪魔に遭遇することはないのだ。

 

「一応、管にいる雑魚悪魔で釣るって作戦も考えたけど、マグネタイトもただじゃないしリスクも高いからね。

 下手な探索は収支がマイナスですよっと。

 ところで沖田さんはどうするの?

 やっぱり今のうちに探索して、レアドロップかき集めるの?」

 

「いや、そうしたいのはやまやまなんですが、どうやら私もノッブほどではないですが、やり過ぎたみたいで……

 一人で歩いても、悪魔の方があんまり寄ってきてくれないんですよねぇ。

 だから、どうせなら私こう言う高級なホテルに泊まったことないし、今回は存分にこの業魔殿をノッブと一緒に楽しもうかなって!

 というわけで、モーショボーちゃん!私にもジュースわ~けて!!」

 

「えっ、やだ。

 オキタはおとなしく、水でも飲んでろ」

 

「辛辣!」

 

なぜか沖田さんに微妙に冷たいモーショボーを尻目に、自分もベットへゆっくり横たわるのであった。

 

「まぁ、ボスもさすがに自分みたいなライト勢が挑むのは万が一を考えると危なそうだしねぇ。

 適当にごろごろして、適当にぱぱーっと遊び惚けますか!

 あ、そういえばここの冷蔵庫には珍味の詰め合わせがあったはず」

 

「ライ……ト……?」

 

「あ、それならオイラがもう食べちゃったニャ」

 

「ぶっ殺す」

 

かくして、自分たちはイベントが終わるその日までこの業魔殿(従業員なし)でゆっくりと過ごしていくことを決意したのであった。

 

 

 

 

「……」

 

「あっ、次オイラの番かにゃ」

 

「……ねぇノッブ」

 

「……なに?」

 

「あーっ!!こら、そこ、無断でオナラカード使わないで!!

 せっかくもうすぐ、目的地だったのに―!!」

 

「このイベント始まってから……今日で何日目でしたっけ?」

 

「……ここ、常夜なせいで、外出てもわかんないんだよ」

 

「にゃ~っはっは!!

 甘い、甘すぎるにゃ!

 貧乏神をそう簡単に引きはがせると思ったら大間違いにゃ!」

 

「じゃぁ時間でいいでしょう時間で、DDSSのイベントタイマー的なのあるでしょう?

 そこに何か書いてないかなーって」

 

「……170時間ちょい」

 

「170時間かぁ……」

 

「約一週間ですねぇ……」

 

「約一週間かぁ……」

 

「うう~~!!

 次こそ、次こそ急行カード使うもん!!

 って、ああ!全部、ぜんぶ1って!!ああ~~!!」

 

「……流石にそろそろボスの顔くらいは見に行きますか」

 

「そうだな、無理そうでもアナライズぐらいしておきますか」

 

なお、当初立てた【イベント終わりまで立てこもり作戦】は早々にとん挫。

掲示板も【悪魔】よりも【食事】や【いつ終わるか】を気にし始めたこと、イベント終了の徴候その他が皆目起きていないこと。

以上のことからようやく、自分たちはあきらめたかのようにボスへと向かう羽目になったのであった。

さもあらん。




※クリスマスは2度刺す……!!

※170時間を5日と書いてたミスを修正
掛け算できないガチ勢 かなしぃなぁ


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【憂鬱に憂鬱】期間限定イベント総合スレpart11【ライドウはよ】

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【憂鬱は憂鬱】期間限定イベント総合スレpart11【ライドウはよ】

 

 

1:名無しのガロット

このスレはこの世界【女神転生・影】で現在行われている

期間限定イベントについて雑談していくスレです

気が付いたことや起きたこと、何でも書き込みOKです

ただし、避難所や宗教勧誘、救助目的などは専用スレでお願いします

 

☆リンク

・避難・救助スレ

ttp/××××××.DDSS.net

・宗教勧誘兼避難所紹介スレ

ttp/××××××.DDSS.net

・攻略スレ

ttp/××××××.DDSS.net

 

立てたからマジで誰か仲魔&悪魔合体はよ、はよ

はよ!!!!!!!

 

2名無しの悪魔

立て乙

 

3:名無しのサマナー

立て乙 >>1 だが断る

 

4:名無しのガイアーズ

立て乙

>>1 絶許

 

5:名無しのバスター

立て乙

 

6:名無しの悪魔

立て乙 だめだ、貴様はそこで渇いていけ

 

7:名無しのバスター

>>1が何したっていうんだww

 

8:名無しのバスター

>>7 ヒント:元ミルコメレオ

 

9:名無しのサマナー

>>8 答えじゃねーかwww

 

10:名無しのバスター

>>8 なるほどww元餓死ニキかwwwそれはゆるされないwww

 

11:名無しのガイアーズ

確か、うちとメシア教殺しまくった奴だっけ?

うちでも討伐依頼出てるしな~、賞金も高い

ただで逃すのは惜しいかもな

 

12:名無しのバスター

というか、飢餓アニキ別の悪魔にかわってんじゃ~~ん

何に悪魔合体したいとか、まさか合体の良さに目覚めたか?

 

13:>>1

そんなわけあるかボケ

こちとら、前よりさらに悪くなったわ、ふざけんな

 

14:名無しのサマナー

>>11 〈悪霊〉【ガロット】 特殊な絞殺刑を受けた死者の悪霊。

“ガロット”とはヨーロッパで用いられていた鉄製の首かせのことである。

 

15:名無しの悪魔

餓死の次は窒息っすかww

器用ですねwwww

 

16:名無しのサマナー

飢餓ニキの次は酸欠ニキかぁ

ゴロ悪いな

 

17:名無しのサマナー

というか、さらっと種族かわってるのな

もしかしてハイレベルアップとか変異的なのしたの?

にしても〈妖虫〉から〈悪霊〉とは変わり過ぎな気がするが

 

18:>>1

>>16 ちがう、悪魔合体での変化

「悔い改める」っていってメシアンに頭下げて悪魔合体させてもらった。

そのために自分で天使になれるように<悪魔カード>を集めたし、それでメシア教の邪教の館を使わせてもらった

なのに、あのぺ天使共合体事故起こしやがった上にその失敗を「信心不足でお前のせい」とか言って殺そうとしてきやがった。

これ、俺悪くないよな?

 

19:名無しのバスター

>>18 あー、それなら仕方ない……のか?

 

20:名無しのサマナー

>>18 悪魔合体ってゲームだと笑って許せるけどリアルでやられると殺したくなるよな

その気持ち、わかるわ(真顔)

 

21:名無しのメシアン

そうだな、その後正当防衛を盾にうち所属の守護天使をぶっ殺さなければ同情の余地あったかもな

 

22:名無しのガイアーズ

>>21やったぜ

 

23:名無しのバスター

やりすぎぃ!

 

24:>>1

>>22 ならぜひ仲魔にしてくれ!!

もし仲間にしてくれたら、メシア教への鉄砲玉でも囮でも何でもやるから

ちょっと変な過去を持った悪魔を仲間にするだけで、超有能な悪魔Pが手に入るんだ!

悪い取引じゃないだろう!?

 

25:名無しのサマナー

だが断る

 

26:名無しのバスター

ちょっと何言ってるかわからないかなって

 

27:名無しのガイアーズ

>>1様の今後のご発展とご健勝をお祈り申し上げます。

 

28:名無しの悪魔

お断りメールやめろwwwww

やめろ(真顔)

 

(以降、しばらくフリーサマナーの悪魔合体について話し合ったりしております)

 

131:名無しのサマナー

まぁ、そんなこと言っても今はイベ中ゆえ悪魔合体できないんですがね(涙目)

ストックがもうパンパンだよぉ……

 

132:名無しの悪魔

>>131 わかる ようやくいい感じの悪魔を勧誘できたのに

せっかく拠点いるのに肝心の悪魔合体が出来なくてつらい

 

133:名無しのバスター

というかそもそもいつ終わるんだこのイベ

原作にそって1週間とか?

 

134:名無しのガイアーズ

その1週間な

つい1時間ほど前に過ぎたで

 

135:名無しのメシアン

>>132 HAHAHA!いくらガイア教と言えど、異界の中で悪魔合体装置を動かせないと見えます!

愚かですねぇ!!

 

まぁ、うちもそうなんですけどね

 

136:名無しのサマナー

合体アプリ無しサマナー勢は、邪教の館抜きだと合体すらできんくて不便そうやなぁ

ハイテクのワイ、高みの見物

 

137:名無しの悪魔

悪魔だって、つらいぞ

というか、こんな体だから知り合いの邪教のおっちゃんでないと自分を悪魔合体させてくれない

 

138:名無しのメシアン

うちは何とか悪魔合体装置動かせそうなんだけど

使い方が無理やりなせいか、合体事故が起きる起きる

……これ、クレーム的な意味で一部の人にしか使わせられんわ

 

139:名無しのサマナー

>>138 それでもいいからやらせてくれ

 

140:名無しのバスター

>>139 よし、それじゃぁ、1億マッカな

 

141:名無しの悪魔

高過ぎぃ!

 

142:名無しのガイアーズ

>>141 なら、お前の貞操な

 

143:名無しのサマナー

俺、男なんですが

 

144:名無しのサマナー

何か問題でも?(英傑【タケダ シンゲン】を召喚しながら)

 

145:名無しのバスター

>>144 ひえっ

 

146:名無しの悪魔

戦国時代で衆道は武士のたしなみだからね(震え声)

何も問題ないネ(震え声)

 

147:名無しのサマナー

流行りの女性化武将ならワンチャン

 

148:名無しのサマナー

というか、マジでこの異界のどこかでも平常運転のフリーの悪魔合体所とかないのかよ

 

149:名無しの南極研究員

うちに来ればいくらでもやらせてやるぞ^^

 

150:名無しのロリ

有料でかつ自力探索でかつうちの結界を無傷で超えられたら考えてやらんでもない

 

151:名無しのデジモン

とりあえず、生身で電子空間に来れるようにしろ

話はそれからだ

 

152:名無しの悪魔

存在チート共は帰れ!!!

 

153:名無しのバスター

行ったら生きて帰れなさそう(偏見)

 

154:名無しのバスター

死んだ悪魔より生きた人間の方が怖い

 

155:名無しのサマナー

でも、1週間たった今、まじでいつイベントが終わるかわからんからな

南極兄貴のところなら意外と悪くないワンちゃん……?(錯乱)

 

156:名無しのバスター

それマジで言ってるの?

いや、確かにこの面子だと一番ましで現実味があるけどどさぁ……

 

157:名無しの悪魔

南極だとシロクマいないから安心だな!

 

158:名無しのバスター

>>157 どのみち異界だから俺ら以外の生き物いないだろw

ペンギンさんは見たかったな~

 

159:名無しのサマナー

そういう問題じゃねぇ!!

……でも、リアルホッキョクグマは悪魔殺せるようになった今でも倒せる気がせんわ

 

160:名無しのサマナー

>>159 わかる(真顔)

安定して倒すならレベル10……いや、15はほしいな

 

161:名無しのバスター

あほなこと言ってないでそれよりイベントだよイベント

マジでいつになったら終わるんだ、俺の隠れ家の水も食糧が尽きたぞこら

 

162:名無しの悪魔

オレサマ 悪魔! メシ タベナイ!

 

163:名無しの悪魔

オレサマ 悪魔! トイレ イカナイ!

 

164:名無しのバスター

>>162~>>163 あ~~!悪魔ってこういう時有利なのか!

こっちは、毎日水不足で四苦八苦してるってのになぁ

こういう時のためにリュクにもっと水詰めておけばよかった……

 

165:名無しのサマナー

確か、バスターってほとんどがフリーのリュックのサイズが小さいんだっけ?

つらそ~(浄水器+段ボール3っつ分の水分を確保しながら)

 

167:名無しのサマナー

現代社会において、水や飯なんてそこら辺にあるだろ

異界化しても、コンビニや自販機さえ見つければ20パーセントくらいの確率で人間でも食えるのあるし

残りの70%は食料に似た何かかすでに荒らされているものとする

10%? デストラップ

 

168:名無しのバスター

田舎をなめるな

 

169:名無しの悪魔

俺ら悪魔のフリーポケットは無駄にでかいしな~

結構ノリで食料リュックに保存していたから、会えさえすればトレードしていいんだが

一応新宿駅周辺でぶらぶらしているから、ほしかったらきてちょ

 

170:名無しのバスター

一応こっちの世界でも自分の部屋は変わらず+なぜかライフラインは無事だからなぁ

水が欲しければ自分の部屋に戻ればいいよ

もしくは他PCの部屋をあさりに行くとか

 

171:名無しの悪魔

>>170 どろぼー!!

 

172:名無しのサマナー

俺の部屋とか、戻ったらすでに空き巣はいられてたな

しかも悪魔と戦闘したのか部屋がボロボロでマジ萎ね

 

173:名無しのバスター

女性PCの部屋をあさってハスハスするなら今の内だぜ!!

うひひ!名も知らぬ女プレイヤーのパンツもぐもぐ!!

悪魔に追いかけられて、ここで籠城したけど、もう悔いはry

 

174:名無しの悪魔

>>173 うわぁ……

 

175:名無しの悪魔

コレハヒドイ

 

176:名無しのガイアーズ

人間って追いつめられるとここまでひどくなるんやなって()

 

177:名無しのサマナー

ところで、真面目に食料とか水対策みんな何してる?

>>173を擁護するわけじゃないが、今この異界内で水食糧は結構大事だからな

しかも、すでに1週間たってるわけだから、これが1か月に伸びても違和感がわかない

 

178:名無しのバスター

>>175 そういう時はおしらせを読むじゃろ?

条件にボス悪魔の撃破があるじゃろ?

そういうことじゃよ

 

179:名無しのサマナー

>>178 ふぁっきゅー 無茶を言うな

 

180:名無しのメシアン

流石にあれに正面から挑むのは無謀です

 

181:名無しのサマナー

え?なになに、みんなボス情報はすでに共有済みなの?

最近ようやくスレ見るほどの暇ができた身だから、よく知らないんだが

 

182:名無しの悪魔

ほれ

つttp/××××××.DDSS.net

 

183:名無しのサマナー

>>181 だいたいイベントのタイトル通り

 

184:名無しのバスター

ポラリス

 

185:名無しのバスター

モモアイスクリーム

もしくはフライングパンケーキ

 

186:名無しの悪魔

∞の下Bサ●ス

しかも、スター状態もち

 

187:名無しのサマナー

ドルベみたいな名前な奴

 

188:名無しの悪魔

>>187 ブックス!

 

189:名無しのメシアン

>>187 ブックス!!

 

190:名無しのバリアン

ブックス!!

 

191:名無しのガイアーズ

ブックス!!

 

192:名無しの悪魔

ちょっとまて、今変なのいた

 

193:有能サマナー

>>187 ドルベじゃなくて『ドゥベ』な。

 

・≪貪狼星≫【ドゥベ】

饅頭のようなピンクの頭部に円錐状の体を持つ悪魔のようで悪魔でないなにか

頭の穴が開いた部分が爆発し、その爆発は頭部が大きくなる度に威力を増す。

 

攻撃方法・火炎魔法+物理 

     時々悪魔召喚をしてくる

速度・鈍く機械的 ただの鈍足サマナーでも走れば逃げられる

大きさ・最小で1メートル大きくても高さ5メートルもない でも実際退治すると浮遊してるから大きく見える

火力・そこそこ でも≪アギ≫レベル。

   頭部爆発攻撃だけはもう少し威力が高いため注意

数・各地に複数 PC密度が多い地方ほど多い

 

防御+体力:驚異の≪全 属 性 完 全 耐 性≫

     正確には【物理・銃反射 火炎・衝撃・氷結・電撃・破魔・呪殺無効】

     と表示される。でも状態異常はボス特性故効かないし、それ以外も色々効かない。

     実際の体力はそこまでらしいが、そもそも無敵だから関係ない。

 

一言:元ネタだと人類を試し滅ぼす兵器とか剣とか言われている存在

   実際この世界だと、ただの無敵属性のボスである

   一応、何体か撃破報告があるため、攻略不能というわけではないが、ふつうのPCには無理

   であったっても、動きは鈍く、逃げるのは容易なため素直に逃げよう

 

194:名無しのサマナー

>>182~>>192 thx!

にしてもゲぇ! セプテントリオンとかマジかよ!

俺ら、無に飲み込まれちゃうの?

 

195:名無しのバスター

別にシュバルツバースがあったんだから、これくらい出てきてもおかしくないだろ

……にしても、あらためてみるとひどいステータス。

ほぼ全部耐性無効とか。 しかもきっちり物理は反射のせいで【貫通】スキルが効かないというね

 

196:名無しの悪魔

こいつ、人類を滅ぼす剣の設定なのに俺ら悪魔PCも普通に襲ってくるのな。

運営、早く不具合解消しろ

 

197:名無しのサマナー

>>196 ざまぁwwww

 

198:名無しのバスター

>>196 飢えも排泄も必要ないし、多少はね?

 

199:名無しの悪魔

もしかして運営ってぽの字?

 

200:名無しのサマナー

>>199 割と最初っから自分はその節押してたで

 

201:名無しのバスター

>>199 いや、さすがにこれだけでそうと判断するのは無理があるだろ

それにガイアやメシアにシャドウなんかも出てるからな?

 

202:名無しの悪魔

お前ら知らないだろうから言っておくと、この世界のラスボスは閣下だよ

どうだ?びっくりしたか?

 

203:名無しのガイアーズ

>>202 もしくは4文字とかな。

はいはい、だいたいいつものいつもの

 

204:名無しのサマナー

だれか俺と同じ大穴、未来人ライドウ説に1票入れようぜ?

 

205:名無しのサマナー

そんなのどうでもいいんだよマジで

それより、>>193でさらっと【ドゥベ討伐】の文字が見えるけど

どうやって倒したん? 誰か元ネタ通りトラックで爆発寸前に突っ込んだの?

 

206:名無しの悪魔

>>205 それ、きかんで。

とりあえず、俺がその辺の道端に落ちてるタンクローリー投げつけてもダメージは0だった。

バスも同等。別に≪弱点・乗り物≫とかいう色物ではなかったよとだけ

 

207:名無しのメシアン

私もそれが詳しく知りたいです

よろしくお願いします

 

208:名無しのガイアーズ

それなら簡単、おれもまた聞きだからはっきり言えないけど

討伐を見たやつ曰く、普通に魔法で倒していたそうな。

それに、頭部を壊せば、火炎以外弱点になるのは原作通りらしい。

 

ただし、頭部を破壊出来ることを確認できた魔法は【マグネス】だけな模様

 

209:名無しの悪魔

>>208 はい、ムリ―!!

 

210:名無しのバスター

なぜに4大属性じゃないwwwww

やべwwwつんだwwww

 

211:名無しのバスター

地変属性とか、ペルソナ2だけじゃないですかヤダー!!

……というか、なんでそんな魔法覚えてるし(震え声)

 

212:名無しのペルソナ

ほー、書いてない属性なら普通にきくのか

……なら、俺の〈サイオ〉も効いたりしちゃうの?

俺の時代来ちゃう?

 

213:有能サマナー

>>212 残念ながらマジで【マグネス(地変属性)】だけ

【サイオ(念動属性)】はきかないし【フレイ(核熱属性)】も無効な模様

なお、【アクエス(水撃属性)】は微量ながら効果があるみたいだから

持っている人は試してみるのもいいと思う

 

※なお、これらの魔法は初回の設定や特殊アイテムなど限られた方法のみで習得可能なようです

 

214:名無しのバスター

>>213 サイオの持ち腐れじゃないですか―ヤダー!!

 

215:名無しのバスター

この露骨なP2の優遇

好きでもないし嫌いだよ

 

216:名無しのメシアン

とりあえず、うちの避難民で【アクエス】か【マグナス】を使える人を探してみようと思います

ありがとうございました

 

217:名無しのバスター

>>216 おいwwwドゥベに効く魔法が使えるのとそいつと戦えるかは別もんだぞwwww

だいたいあいつ、動きは弱くてもレベル20はあるんだ、そもそもの強さが高い。

下手に近づいたら、魔法で一瞬で消し炭だぞ

 

だから、避難民動員とか言う鬼畜行為はやめてください(震え声)

 

218:名無しのサマナー

>>217 避難民乙

 

219:名無しの悪魔

惰弱乙

 

220:名無しのガイアーズ

避難先で働かずに腔飯はうまいか?

 

221:名無しのメシアン

あー、やっぱりどこもそういうのあるのか

うちも俺含めて避難PCが何人かいるけど、何人かはまともにマッカすら出そうとしないんだわ。

せめて、稼ぎを協力するから狩りに行こうとすると怖がって出かけないし、あいつら何なん?

 

222:名無しのメシアン

こっちは最低限の食糧保存しかしてなかったからね

なのに10人近く避難してきたからね。

率直に言ってヤバい(真顔)

 

223:名無しのガイアーズ

うちはなまじ大きな寺だったせいでなぁ

井戸付きのせいで避難民が風呂入れろもっと水よこせうるさいんだわ。

追い出そうとすると、暴れるし、帰ってくれ(真顔)

 

224:名無しのサマナー

結界もち個人宅だけど、

次回からはちゃんと対人用防御策も作っとこう、そう思いました(真顔)

 

225:>>1

俺たち同じ人間でPCだろ?

そう固いたいこと言うなよ

 

226:名無しのサマナー

>>225

 

227:名無しのバスター

ダウト

 

228:名無しのバスター

もう味方同士で仲間割れとか、これはゲーム終盤ですわ(確信)

 

229:名無しのガイアーズ

別に同じPCってだけで初めから仲間ではないだろ

 

230:名無しのメシアン

たしかに>>229みたいなことを言う人は、我々プレイヤー団結する上でのは

仲間ではないかもしれませんね

 

231:名無しの悪魔

はいはい、メシアガイアメシアガイア

 

232:名無しのバスター

というか、>>216はよく見なくてもいろいろ焦り過ぎじゃね?

避難民率いてボス戦とか、その前にもっとやることあるだろww

 

233:名無しのサマナー

それな、というか、どう考えてもドルベ複数討伐って

【マグナス】以外にも方法あるだろこれ、複数人いて全員が同じ方法を取ったとは思えんのだが

 

234:名無しのサマナー

しかも、ボス位に挑むくらいなら普通に町中探索して

異界コンビニの辺りを探した方がいいだろ

あぶないけど、ボスに挑むよりは100倍マシ(断言)

 

235:名無しの悪魔

もしかして>>216は頭ゼレーニンかなにかなのか?

 

236:名無しのガイアーズ

多分>>216は六本木代表のメシアンだから許してやって(震え声)

 

237:名無しのバスター

>>236 !!

 

238:名無しのサマナー

何……だと……!!

 

239:名無しのガイアーズ

>>236 ガイアなのにメシアンをかばうとか……おまえ、まじか!

 

240:名無しのメシアン

これは天使仲魔にしたものの反応ですね、間違いない

 

241:>>236→六本木のガイアーズ

>>240 ちげーよたこwwww

いやさ、自分も六本木にいるからいえるんだけど、今の六本木はかなりやばい。

ぶっちゃけ、人口密度のわりに強PCがいないせいでマジで地獄状態なんだわ

避難所であるメシア教会もガイア寺も人でぴちぴちで物資や人手不足

それなのに人口密度高い性で悪魔出現率がおかしく、レア悪魔密集率も高い

 

242:名無しの悪魔

おh

 

243:名無しの悪魔

地獄かな?

 

244:名無しのサマナー

レア悪魔発生率アップとかむしろうらやましいんだが

(修羅並み感想)

 

245:名無しのバスター

レア悪魔発生率アップとか怖すぎ

でも、金のシャドウならうらやましい

>>244 リアル修羅勢乙

 

246:六本木のガイアーズ

まぁ、うらやましいとかいうやつがいたら今からでも来てくれ。

全然歓迎するから。

でも今の六本木はやべぇぞ。

何せボス複数だけじゃなくて、魔人も複数いるからな!!!

……おかげで、元修羅勢の同僚が帰らぬ人に

わかりやすく言うとアリスのお友達化

 

247:名無しのバスター

>>246 ひえっ

 

248:名無しのバスター

死んでくれちゃったか―

 

249:名無しのサマナー

でも、死ぬだけでロリの下僕になれるならそれは本望では?(白目)

 

250:>>216→六本木のメシアン

それだけなら、やばいですむんですがなんともう一匹魔人がいてですね、

それが【ゴーストQ】 これがやばい、マジやばい

何がやばいって、結界の中でも容赦なく入ってくるんですよ

 

251:名無しのバスター

 

252:名無しのサマナー

無力な避難民PCの群れに魔人とか、パニック展開不可避

 

253:名無しの悪魔

B級ホラーかな?(すっとぼけ)

 

254:名無しのバスター

あー、よくある安全圏がない地獄みたいな?

そりゃヤバいな、新しい安全圏を求めてボス討伐

もしくは精鋭集めてボス討伐、残りは回復の泉の方が現実的か

 

255:名無しのガイアーズ

アリス×ドゥベ×ゴーストQの三重奏とか何それ怖い

>>254 でも回復の泉、水くれても飯は出してくれねぇんだよな……

 

256:名無しのメシアン

同胞として助けに行きたいけどいろんな意味でハードルが高すぎる

 

257:六本木のメシアン

あ、皆さん心配してくださってますが、大丈夫ですよw

避難所の皆さんはメシアガイア合わせてどちらも無事!

このゴーストQという魔人、確かにレベルこそ高いですが臆病で逃げ腰、名前だけの魔人!

だから、別に結界に入ってきてもこちらを襲ってこず、むしろばればれないようにこっそり侵入する始末。

そして、被害も食料をあさるだけの程度なものです

 

そう 今 貴重である 食料を 食糧庫から 根こそぎ食い尽くすだけの 大食いってだけでね!!!!!

 

率直に言って 死ね!!!!

 

258:名無しの悪魔

>>257 wwwwwww

 

259:名無しのガイアーズ

笑っちゃいけないんだろうけどwwww

 

257:名無しのバスター

流石オ〇Q、やってくれるなwwww

今は状況的に全然笑えないけど

 

258:六本木のガイアーズ

ぶっちゃけあれはねーわ、というかうちもやられたわ

なにがあれって、あいつ人の気配がわかるらしく集団で行くと逃げるくせに、こっちが食べ物をみつけると絶対に横取りしてくるんだよなぁ……

しかも、アリスと違って野良活動でも被害がやばい

具体的に六本木周辺の食事事情が、あいつ一匹のせいでやばい

外の店も安全な場所にあるのは大体あいつに食われつくしたし

 

259:名無しのサマナー

ひえっさすが魔人

 

260:名無しのバスター

腐っても魔人ってやつか

 

261:名無しのバスター

毛が3本のくせに生意気な

 

262:名無しのガイアーズ

なんか、笑いながら見てたけど、これってもしかしてすごくやばい?

今一番PC人口が密集してる六本木

→なのにそこに暴食の魔人が現れる

→ただでさえ食糧&インフラ危機が起きてるのにそれがひどくなる

→今ここ

 

……やばいな(確信)

 

263:名無しの悪魔

やばいもやばい、まじやべぇよ

俺も六本木にいたからわかるけど、あそこのボス密集率はやばいよ

なんか3日目くらいまではそうでもなかったけど、4日目以降ドゥベが集まって来てやがんの

色々危機感抱いたから、俺はさっさと逃げだしてきたわ

 

264:名無しのサマナー

これは六本木虚無りそうw

 

265:名無しのバスター

六本木が無の領域に飲み込まれるんですね、わかります

 

266:名無しのバスター

流石に予告なしにそうはならないとは信じたい

……信じてます(震え声)

 

267:六本木のメシアン

まぁ、無に飲み込まれるかどうかは置いといて

それよりも差し迫った問題として、食料水問題安全地帯etc問題が発生しているため

近くのガイアの人たちとも協力して無理やり大規模探索&ボス討伐に移行する予定です

あくまで希望者という体ですが、受けてくれる人には宝箱優遇などの措置は取るつもりなのでそれなりに参加してくれる……といいなぁ

 

268:六本木のガイアーズ

ほんとうなら、ある意味稼ぎ時だから、ボス討伐とかせずだらだら引き延ばしたかったのもあるけどな

流石に、兵糧攻めは無理。

メシアンでも今回は同じPC同士ってことで協力していくつもりだ

 

……まぁ、道中でアリスとかに遭遇したらメシアとか難民無視して真っ先に逃げるつもりだが

 

269:名無しの悪魔

それはしゃーないw

 

270:名無しのサマナー

むしろ飛び込んで池

 

271:名無しのバスター

メシアとガイアの協力関係とか素敵だな感動的だな

……だが無意味だ(新魔人バーン!)

 

272:名無しのバスター

最危険地帯の六本木で集団探索とか

何が絶対におこるだろうから、私、それが気になります!

 

273:名無しの悪魔

どう見ても失敗フラグです、本当にありがとうございました

しいてアドバイスするなら、レア野良悪魔の称号系はレア魔法を覚えていることがあるよとだけ

 

274:名無しの壬生浪士

本当にいい傾向なはずなのに、なぜか嫌な予感しかしない不思議

 

275:名無しのサマナー

なぁに、いざとなったら六本木には噂の無敵のライドウ様がいるんだ!

それが何とかしてくれるはず!

 

276:名無しのバスター

なおそれも、初日2日間以降見かけなくなった模様

 

277:名無しのバスター

終わったな、六本木(悟り)

 

 

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※年内最後の投稿です
ここまで見てくださった方ありがとうございます
また来年も続けるつもりですのでよろしくお願いします



※それとなんと今回も支援絵をいただいちゃいました!
ユニ様よりノブ凪ちゃんです

https://img.syosetu.org/img/user/210594/36553.jpg


※それと前回支援絵をいただいたakiha様よりも許可がいただけたのでここで乗せさせていただきたいと思います。
ノブ凪(ノブのノブ)

https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=66295902


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12話目

リアルが忙しすぎる記念に初投稿です


さて、パパっと時間は移り現在は六本木の異界。

美しい景観を保ちながら、よく見るとまるでその道は迷宮のように入り組んでいるこの異界六本木。

沖田さんの勧めもあって、現在再びこの町を探索しているわけだ。

 

閑散とした通り、マップは埋まれど出てこない悪魔、大体あけられている宝箱。

無論、其の捜索の殆どが無駄骨に終わりそうな中、自分たちはようやく目的の悪魔に出会えた。

 

「キャー!!タスケテ~~!!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪魔族≫<宝で重い>オモイカネ Lv??

HP ?

MP ?

【相性】 ??

【スキル】・ランダマイザ

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

悲鳴を上げながら逃げる其の悪魔は、日本神話に登場する天津神の一柱。

知恵を司る神さまこと【オモイカネ】である。

無論、本来ならオモイカネは神故に強力な悪魔。

まだレベル20にもたどり着かない自分達では到底倒せる相手ではないのだが……。

 

「ふっふっふ!こちらは私とノッブ+その仲魔の悪魔達!

 簡単に逃げられるとは思わないでくださいよ?」

 

「ひっひっひ!お前のことは掲示板でよ~~く知ってるからなぁ!?

 旨味、雑魚ステ、レアドロップ!

 諦めて大人しくしろ!!今なら綺麗に殺してやるぞ!」

 

しかし、このオモイカネは違った。

この異界の影響か、はたまたは呪いか、なんとこのオモイカネのステータスは基本的に素早さ全振りになっており、攻撃能力や防御性能が大幅弱体化しているのだ。

しかも、その身に秘めたマグネタイトの量は膨大で、ドロップマグもマッカの量も膨大。

俗に言うレア敵、わかりやすく言うとドラ〇エのはぐれメタル、ペルソナで言う金のシャドウ枠なのだ。

 

「げっへっへ、確かお前は銃弱点だったんだよなぁ?

 沖田ぁ!銃は持ったか!」

 

「モちのロンですよノッブ!

 ふっふっふ、こんな時のためにはかせから買っておいたニューナンブが火を噴きます!」

 

無論、此方とてそんなご馳走をますます見すごすわけがない。

なんとか2人3匹で協力して袋小路へと追い詰める。

そうして、こちらがその生きた宝箱に銃口と手裏剣の先を向けた瞬間にそれは起きた。

 

「まてぇい!!」

 

突如ビルの上に立つ、5つの悪魔の影!

その小さくも頼りある5匹の悪魔は、まるでオモイカネをかばうようにビルから飛び降り、我々の前に立ちはだかる。

そして高らかに名乗りあげるのであった!

 

「イチゴフロスト!」

 

そう、それは色違いのジャックフロスト。

プリク〇君と言われ当時の女子高生に慕われた氷の妖精ジャックフロスト、それの色違いであった。

 

「レモンフロスト!」

 

そのイチゴフロストの次に名乗りあげるは別の雪の悪魔。

レモンフロスト。

先の血のような赤色と比較すれば此方は痺れるような黄色。

ともすれば、その次に現れるのは当然……

 

 

 

「イチゴフロスト!!」

 

「ん?」

 

しかし、なぜか次も赤だった。

 

「イチゴフロスト〜〜!!!」

 

「……」

 

「レモ〜ンフロスト!!!」

 

そうして並んだのは赤、黄、赤、赤、黄。

赤い悪魔が3匹に黄色のが2匹である。

思わずあっけにとられる自分たち、ポージングを始めるフロストたち。

その間に抜け目なく逃走路のマンホールを確保するオモイカネ。

そしてその5匹の氷の小悪魔は、此方の様子を無視して高らかにこう宣言したのであった。

 

「おいら達、5匹そろって……」

 

「「「「「フロスト・ファイブ!!!!!」」」」」

 

「さぁ、邪悪なデビルバスターどもよ!

 おいらたちが来たからにはもう好きにはさせないホー!!!!」

 

「うん、お前ら、正座」

 

笑顔でそう沖田は切り捨てたのであった。

 

 

 

「ヒホー……また戦ってもらえなかったホー……」

 

哀愁漂う5匹のフロストの背中を見送りながら、尻目に銃をしまう。

なお、オモイカネは自分がフロストファイブ(偽)に説教している間に逃走済みである。

さもあらん。

 

「で、どうする?」

 

「まさか、半日歩き回って、まともに悪魔に遭遇することすらできないとは……

ノッブの幸運E、恐るべしです」

 

「失礼な、ちゃんと5は超えてるぞ。

5は」

 

沖田さんの訴えるような視線を無視しつつ、だらんと地面に腰を下ろす。

さて、現在自分たちがいるのは異界六本木のど真ん中。

既に本格的に悪魔探索を始めてから3時間は経過している。

しかし、それにも関わらず、何故か自分たちはレア悪魔遭遇は愚か、普通の悪魔とすらほとんど出会うことすらできていなかった。

 

「あ〜も〜、おかしいですねえ。

掲示板情報だと、今の六本木は悪魔の海だーと聞いたのに。

これでは異世界でノッブとデートツアーに……あ、そう考えると意外と悪く無いかも?」

 

「いや、悪いじゃろ」

 

「ですよね〜」

 

アホな問答を沖田さんと繰り広げるも、それでも一向に悪魔が出てくる気配すらない。

お互いに改めて大きく溜息を吐き、真面目に話し合うことにした。

 

 

「で、どうしましょうか。

一応、こちらとしてはもう少しなにかイベントが終わるまでに経験値やらレアアイテムが欲しいんですけどねえ」

 

「でも沖田とワシが一緒に探索しても高レベル故か運の悪さ故か、何故かほとんど悪魔と遭遇しない。

……やっぱりここはバラバラに探索したほうがいいのでは?」

 

「でも、掲示板によればボス悪魔がうようよ歩き回ってるらしいのに二手に分かれるのは危なくないですか?

流石にマッカよりは命が大事ですよ?」

 

「でも、安全策を取りすぎて、1匹も悪魔に出会えなかったらそれこそ意味がないだろ」

 

 

沖田さんと数分間に渡り議論し合うも、結局有効な結論は出なかった。

しかし、そんな風に議論に行き詰まっていたからだろう。

だからこそ、自分たちはこんなアホなことを思いついてしまったのだ。

 

「……あ!そうだ!

こんな時だからこそ使えるレアアイテム!

そういえば私拾ってたんでした!早速これを使っちゃいましょう!!」

 

まさかそれのせいで、これからとんでもないことに巻き込まれる事も知らずに……。

 

 

 

 

 

 

「何故だ……どうして、こんな事に……」

 

 

六本木メシア教会テンプルナイト兼異能者系プレイヤー【安藤院】。

彼は現在、六本木のケヤキ広場で一人絶望に浸っていた。

 

「に、逃げろ!あんど……ぐおぉぉ!!」

 

絶望でこちらの足が止まった隙に、また一人仲間が吹っ飛ばされる。

既に、ここ数分で見慣れた光景、しかし、それは絶対に見慣れたくない光景でもあった。

 

「畜生!!よくも同士を!!絶対に許さん!!」

 

そう声高らかに激昂し、反撃の【ハマオン】を放ち、周囲の悪魔の一団を撃退する。

しかし、それでは焼け石に水であった。

 

「¢$&#%¥℃$£⊂⊆>……」

 

《貧狼星》こと【ドゥベ】。

それに呼び出されるのは、今しがた倒した悪魔を上回る量の悪魔であった。

そう、今この場において、無数の悪魔を一瞬で倒せる安藤の魔法はなんの意味もなかった。

少なくとも召喚主である【ドゥベ】を倒さなければ。

 

「くらえ!!【アクエス】!!」

 

しかし、幸か不幸か安藤院はこの【ドゥベ】に有効打を与えることのできる属性の魔法を使うこともできた。

……しかし、その魔法の水流は目標にあたることはなかった。

 

「ギキォァァア!」

 

体格の大きい悪魔が【ドゥベ】の盾となり、その一撃が塞がれる。

その出来てしまった安藤の魔法の隙を縫って、他の悪魔が、件のドゥベが、そうして()()()()()が。

追撃、あるいは追加の悪魔の召喚を行うのであった。

 

「畜生……畜生!

一体……一体何処で間違えたんだ」

 

安藤の脳裏に浮かぶ無数の後悔と走馬灯。

そうして思い出されるのは、つい先ほどまで自分たちが行なっていた順調なガイアメシア合同の六本木攻略のことであった。

 

そう、初めはこの不安しか感じない組み合わせに反して、捜索は非常に順調であった。

お互いに共通した目的を持って団結できていたし、悪魔が出てきても難なく撃退。

ドゥベと遭遇した時は、両陣営の共同での耐性外魔法での不意打ちであっさりと撃退することができぐらいだ。

 

『なんだ!思ったよりも全然余裕じゃないか!』

 

思わず他の仲間がそんなことを言うくらいには、心の余裕が生まれたのも確かであった。

噂のボス悪魔が、耐性外魔法の魔法を当てれば、あっさりと頭部が壊れその【完全耐性】が失われるという脆さを持っていたからだろう。

或いは、そのボスが単体ならば耐性さえ突破すれば意外とあっさり押し倒せるという事実もあった。

そう、だからこそ自分達は油断してしまったのだろう。

 

ーーこのドゥベの持つ真の恐怖はそこではないのに、だ。

 

自分たちは気を大きくしたまま、当初の目標であるショッピングモールに到着。

ここを占拠する2体のドゥベの群れを見てもなお場所を変えず、物資の確保のために奇襲を仕掛ける事にしたのであった。

その結果は概ね成功、片方は死にかけでもう片方は頭部欠損状態と、これならばここからまともに戦って負けるわけがない。

そんな、すごく有利な場面であったはずなのに……

 

『¢$&#%¥℃$£⊂⊆>!!』

 

『へ!今更悪魔召喚かよ!そんなのオセェんだよ!

 雑魚悪魔の一匹や二匹……え?』

 

しかし、その優勢はあっさりと覆されたのであった。

 

『『『¢$&#%¥℃$£⊂⊆>!!』』』

 

まさか、【ドゥベ】の悪魔召喚で【ドゥベ】が召喚されるなんて。

いったい誰が予想できるだろうか?

 

「ひ、怯むな!

たかが、たかが1匹増えただけじゃないか!

それだけじゃ此方の優位は崩れん!!

きっちりと1匹ずつ倒せば……」

 

『『『¢$&#%¥℃$£⊂⊆>』』』

 

そうして、その【ドゥベ】の増殖は一回では終わらなかった。

呼び出された【ドゥベ】がまた悪魔召喚で別の【ドゥベ】を呼び、そしてその新しく呼び出された【ドゥベ】がまた別のを呼ぶ。

こうなってしまうとあとは簡単だ、ネズミ算式に増えた【ドゥベ】により、あっさりと我々は制圧されてしまったのであった。

 

「まだだ……ま、だ……ぐぅ!!」

 

当然、この六本木メシアガイア同盟は弱くはなかった。

しかし、それでももう限界であった。

MPは切れ、体力も尽き、何よりも新たな【ドゥベ】の完全耐性を突破できる数少ない魔法持ちの悪魔や異能者が早々に退場してしまったのが痛すぎた。

そうなると後は、防戦一方。

互いが互いを庇い、気がつけば死屍累々の全滅状態がそこにはあった。

 

「¢$&#%¥℃$£⊂⊆>」

 

「は……は、お、れ、は……馬鹿だ。

みんなを巻き込ん……で、とくべつだと、思い上がっ……て」

 

レベルが高かったからだろう、最後まで立ち残ってしまった今回の捜索のメシアリーダーである安藤院の心には無限の後悔が詰まっていた。

そう、もし不意打ちが失敗した時点で早々に撤退を支持していれば。

もし、ドゥベの真の強さが同族召喚にあると気がついていれば。

そもそも、自分が迂闊にも両陣営を巻き込んで六本木捜索隊なんて言いださなければ!

 

「は……は。

こん……な、皆殺しには……ならなかった、か……な」

 

血で滲み、音すら掠れた感覚器でもはっきりとわかる。

無数の同胞プレイヤー達の死体、死体、死体。

どいつもこいつもいい奴であった。

メシアとかガイアとか関係なしに。

誰もが率先して他プレイヤーを助けるためと志願した、間違いない正義漢ばかりであった。

それなのに、このような地獄の様な状況になってしまったのは間違いなく、先導者兼リーダーであった自分が原因だ。

少なくとも安藤院自身はその様に確信してしまっていた。

 

「あ……」

 

そうして安藤院は、一種の諦めを感じながら、眼の前の光景を見ていた。

迫り来る悪魔の波。

もはや自分以外立つもののいない戦場。

そうして、自分達の命を刈り取らんとする死神の鎌を。

 

「は、は……俺はどうなってもいい。

 だから、だから、どうか、どうか、仲間、だけは……」

 

己の末路を悟り、全てを出し尽くしたメシアンたる彼の最後の行動は、純粋な【祈り】であった。

それは特定の神にではない、悪魔でもない、ましてや目の前に迫るドゥベ達にでもなかった。

もっと神聖な、人の根源たる思考のもとに生み出される名もなき信仰、それが彼の今際の際に行った、最後の行動であった。

 

 

 

……だからこそ、幸か不幸か、その祈りは届いたのだろう。

 

 

 

「……え?」

 

最後に目をつぶり、無我の境地で祈っていたために気がつくのが遅れた。

が、こちらは満身創痍の死の淵に立たされていたはずなのに、何故かいつまでたってもその時は来ない。

恐る恐る目を開けると、そこには時が止まったかの様に動かないドゥベ達の姿がそこにはあった。

困惑するこちらの様子を尻目に、結局その悪魔の群れは自分達へのトドメも忘れて、どこか別の場所へと移動してしまった。

後に残されたのは、ボロボロのけやき広場に壊れているものの物資の残ったショッピングモール、そうして死屍累々満身創痍ではあるものの、原型は止めている自分達だけであった。

 

「……っは!!お、おい!皆!無事か!!

今から蘇生をするから!早く目覚めてくれ!!」

 

静寂した六本木けやき広場で思わず暫しの硬直してしまった安藤院だが、ようやく自分達が助かったことに気がついたのだろう。

素早く気絶者にはメディアを、重傷者には【地返しの玉】を使い、周囲に散乱していた回復アイテムなども使い、素早く部隊を復旧させた。

安藤院の努力のおかげか、実力者揃いであったからか、幸いにも蘇生できないほど損傷した死体や蘇生アイテムが足りないということはなかった。

 

「……え、えっと、我々は勝ったんですか?

死んでしまったため、よくわからないのですが……」

 

「僕もわからない。

……すまない!僕は様子を見てくる!

みんなは物資をアジトに運んどいてくれ」

 

制止しようとする仲間の声を無視して、安藤院は一人その場から離れた。

彼が行く道は先程自分達と戦いそして見逃されたドゥベの群れのいく先であった。

なぜ自分達は見逃されたのか?

そも、彼らは何処に向かったのか?

そんな疑問を抱えながら六本木を走った彼だが、その答えはすぐに見つかることとなった。

 

「……な!」

 

ビルの屋上から見ると、そこにいたのは大量の悪魔、悪魔、そしてドゥベの群れ。

まさに群勢と呼ぶにふさわしい、大量のドゥベとその配下の悪魔がそこにはいた。

しかも、それらは今なお増えているらしく、あるものは同族召喚で、あるものは遠方からの飛行で、どんどんとここに六本木中のドゥベが集結しているのがマップを使わずとも分かった。

しかも、それ程大量にいるのに、それらは一切こちらへと注意を払うことなく、ただ一点を目指していた。

そうして、このドゥベまみれの地獄地帯、今最も六本木で天国に近い場所。

そこにそれはいたのであった。

 

「……あれが……ライドウ……!!」

 

遠目からも分かる、赤黒いマントに固い軍帽。

黒い軍服に鋭い刀。

事前のDDSSで話だけは聞いていた、このイベントの六本木の守護者の姿がそこにはあった。

実は安藤院自身はその話を信じてはいなかった。

なぜなら、このデスゲームの黒幕がそんな甘い命綱の様なものを作るほど人情みに溢れているとは思っていなかったし、そもそも避難所での話を聞くにそこまでその偽ライドウが強いとも思えなかった。

無論、強いのだろうがそれはあくまで常識的なプレイヤースキルの延長。

即ち件の偽女ライドウはただの初心者救済するお節介な善良プレイヤーであり、それ以上のものではないというのが彼自身の出した結論であった。

 

「……ありえない」

 

しかし、彼はその考えは間違いだと悟った。

なぜなら、その守護者は格が違ったからだ。

視界をほぼ全て埋め尽くすほどの悪魔とドゥベの群れなのに、今尚五体満足で戦い続けられていた。

いや、正確には彼女の仲魔であるモーショボーや黒猫の悪魔の姿が見えるからそれは違うのだろうか、それでも人間としては単身であった。

その刀で敵の腕を切り、その外套を持って魔法を逸らす。

前後の同時攻撃すら難なくいなし、ただ一つのアイテムを相手にぶつけるだけで相手を行動不能にしていた。

その動き、もはや芸術的という言葉を超え、【超人】と言わざるをえなかった。

 

「援護……いや、無理か」

 

少しでも手助けしようとも思ったが、それはすぐに無理だと悟った。

そもそも距離か離れすぎているし、下手に手を出してこちらに悪魔達のヘイトが向けば今の自分では一瞬でボロボロになってしまう。

しかも、バフをかけようと思ったが、なぜか補助強化魔法が掛からなかった。

だからこそ、彼は信じる事にした。

そのライドウが全てを助けてくれる事に、この六本木のプレイヤーの未来、それを賭けるに値する人物だと。

 

「……感謝します」

 

かくして、彼は自分の仲間のいる場所へと戻っていった。

避難所にいるみんなに物資を届けるため、そして仲間の無事を確認する為にだ。

それと共に、彼は一種の勝利も確信していた。

何故なら、すでにライドウが来たからだ。

そのライドウは、どのような手段を用いたかは知らないが、この六本木中の悪魔を一人で集め尽くし、それ全てを同時に相手取っているような超人だ。

おそらくは、ここがゲーム内である事を思い出すに、今回のはここまで全てが神が起こしたイベントのうちなのだろう。

それで自分達がライドウの手助けが来るまで戦う、そう言う運命だったのだろう。

なればこそ、先ほどまでの自分達の戦いは無駄ではないが、一旦はここまで。

幾らかの安心感、そして達成感と高揚感を胸に秘めながら、彼はその場を去るのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

なお、六本木地獄現場。

 

 

「ハアァァァァ!!ふっざけんな!!

あのビルにいた男、まじで1匹の悪魔すら倒さずに帰りやがった!!

しかも、何が『感謝します(キリッ』 っだ!!煽ってんのかクソメシアン!!!」

 

「凪!今度は鬼が召喚されたよ!!

物理耐性持ちだから、気をつけて!」

 

「アアアァァァ!!ウゼェェェ!!!

何こいつら?何で召喚する悪魔が地味に強くなってるの?学習してるの?自分だけを殺すポラリスなの?

オラァ!デビルスリープ!!!」

 

『もしもし〜ノッブ〜、生きてますか〜

生きてたら返事して下さーい』

 

「はいはい、生きてますよ生きてます

死んだら返事できませんよ〜……で、実際後何分くらい?

いつになったらこの地獄の悪魔軍団は尽きるの?」

 

『使用した個数とその効能を考えると……後1時間は固いですね☆

ガンバ♪』

 

「ガンバ♪……じゃねぇぇぇ!!!

無理無理無理!!只でさえもうキャパオーバーなのにこれ以上は無理!!!死ぬ、死ぬ!、死んじゃう!!」

 

 

かくして、自分達は【集魔の水】の効果とその複数使用による危険度を身をもって体感する羽目になったとさ。

めでたくなし、めでたくなし★

 

 

「あ、凶鳥の群れ」

 

「おいおい、死んだわ自分」

 




※なお、集魔の水使用後を仲魔の反応

合体素材「ふむ?何か気配が強いですね。
     ……言うなれば、マグネタイトが分不相応に大きそうというか?
     俗に言う、美味しい獲物っぽく見えますね。
     人間で言うところのカレー店の無料配給サービス位」
元カブソ「うわっ、なんかいつもより臭うにゃ。
     ファブリーズいるにゃ?」


モーショボ「このマ凪……スケべ過ぎる!!」


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13話目

どうしてみんなあんなに筆が早いの?

愛と勇気と知恵で大勝利するストーリーを書いたから、実質初投稿です


さて、なんで前回こんなことになってしまったか、お気づきの方も多いと思うが、改めて説明しよう。

 

まず、ここに【集魔の水】と言うアイテムがある。

ご存知の方も多いと思うが、これの効果は簡単に言うと【悪魔と遭遇しやすくなる】というものだ。

使用方法も簡単、それを体に香水のごとく振り掛けるだけ。

すると体から発する匂いやマグネタイトの質が変わり、悪魔にとって魅力的なものになるという仕組みだ。

 

しかし、それ故に、このアイテムはそもそも周囲に悪魔がいない状況で使用してもまるで意味がない。

今回のようにイベント中なのに、エネミーソナーが真っ青な自分たちでは1つ使用したところで対して悪魔遭遇率が殆ど変わらなかった。

……だからこそこんな事を思いついたのだ。

 

『一つで効果が薄かったら、複数使えば意外となんとかなるのでは?』

 

悪魔的発想である。

いや、そもそもゲーム内ではこの手のアイテムは複数個同時になんて使用できなかったので、そんなことも可能なのかも怪しい。

Compでも表示上は複数同時使用不可とされている。

が、どうせダメで元々、軽い気持ちで2つ同時使用をしてみた訳だ。

 

『……すぅ、スゥー、スゥ〜〜〜!!』

 

『うわっ!!サマニャー、ちゃんと歯磨いてるかにゃ?

 ヤバい異臭がするにゃ』

 

こちらにひっついて離れないモーショボーと、勝手にこっちの匂いを嗅いでおきながらフレーメン現象を起こしやがったカブソ。

カブソを地面と悪魔合体させながら、取り敢えずどうやらこの【集魔の水】は複数同時使用ができそうな事を確認した。

となれば、表示が微妙にバグっているCompを他所に沖田さんと自分は集魔の水をどんどか複数使用するのは自然の流れであろう。

 

その結果と言えば、1つだけならほぼ変わらず。

2〜3使えばソナーに悪魔の影は映るものの、遭遇する前に逃げられる。

4つ使えばようやくまともに悪魔と戦える様になり、5つでようやく人並み以上の遭遇率。

 

そうして、6つも使用すれば……。

 

 

「……生きてる、私、生きてるよ」

 

「なんで生きてるんだ、自分」

 

『当然ですよね!ノッブならこれくらい楽勝、楽勝!

  ……すいません、流石に今回ばかりはノッブでも厳しいと思ってました』

 

 

そうして、起こった結果が前回のラスト、つまりは【異界だよ!全員集合★六本木悪魔祭り♪ドゥベも来るぞ】という訳だ。

あの先の悪魔の大軍とは何とか回避と防御に専念する事で最低限の被害で突破。

そのまま逃げる様にこの六本木ヒルズビルへと逃げ込み、一旦の休息を得たという訳だ。

なお、沖田さんは6つも集魔の水を使用してしまった自分と違い、4つしか使用してないため、このデスレースには巻き込まれなかった模様。

クソが。

 

『でも、結局今こうして私のナビゲートとノッブの変態回避力のおかげて、一時的に避難はできているんでしょう?

 ならば、後はここから態勢を整え反撃するのみ!そうですよね!』

 

「無茶を言うな、アホゥ」

 

『えー……でも、現にこうやって一時的とは言えビルの中で籠城できてるんでしょう?

 意外と実力的にも拮抗できるみたいだし、何とかなるのでは?』

 

此方がピンチの割にやけに余裕のある口調の沖田さん。

しかしながら、実際に戦い続けた身としては、あれと戦うどころかまともに相対すらことすら困難だと言わざる得ない。

 

「そもそもこうやって運良く休憩できてるのも、沖田さんが別れる直前にくれた無数の回復アイテムのおかげだからなぁ。

 敵のボスに此方の攻撃は効かないし、悪魔の質もバカにできるほど弱くはない。

 そもそも、相手が鳥系の悪魔を召喚できる時点で制空権すら取られてるんだ。

 あくまで、自分が生き残れてるのは、敵がかなり機械的でアホだから、それだけだ」

 

「……機械思考って、学習能力あるのに?」

 

「それでも、だ」

 

沖田さんに分けてもらったチャクラドロップを口に入れながらそう返す。

まあ、確かにあのドゥベたちの召喚する悪魔はレベル制限はあるとは言え、こちらの嫌がる悪魔を積極的に召喚するぐらいの脳味噌はあった。

此方の攻撃が物理攻撃多めだとわかれば、物理耐性の悪魔を多めに、制空権を取るのが苦手だとわかれば、鳥系の悪魔の群れを出す程度のいやらしさを持ってはいた。

 

が、それでも行動が機械的すぎる故か自我がないからか、その行動は基本的な部分は見え見えであった。

単純な攻撃一つとってもフェイントなしでかわしやすいし、集団で攻めてくるくせに陣形を考えていない。

さらにはどんな悪魔を召喚できても、その肝心の攻め方が【追い詰めて、悪魔を召喚して囲んで殴る】以外の作戦をとってこないのだ。

戦略面も作戦面もお粗末、これならばいくらでもやりようがあると言うものだ。

 

そのうえ、あいつらは主従揃って【ロボット三原則】すら破れないのが大きい。

即ち【自傷自殺の禁止】と【仲間への攻撃禁止】、それに加えて【無駄な器物損壊】の遵守である。

これだけ縛りがあれば、いくらあの大群でも、体の大きいだけの亀同然だ。

 

こちらが向こうに肉薄すれば、範囲魔法をつかえず、【デビルスリープ】で前衛を眠らせればそれだけでお手軽の肉壁をゲット。

おかげで悠々と六本木ヒルズビル内に籠城できているし、ビル内で眠らせた悪魔を人質もとい悪魔質にすれば、ビル破壊ですり潰すと言う作戦すら封殺できてしまった。

 

『……まさか、ドゥベが対魔忍属性があったとは……

この沖田さん、不覚!!』

 

「対魔忍言うな。

 まあ、頭が悪いのは確かだけどな」

 

改めて、エネミーソナーを確認しつつ、【煙玉】やガソリンをまいて部屋を何度か移動する。

どうやら、今の向こうは此方を探すために一階一階地味なローラー作戦をしている模様、効率悪すぎだろ。

 

「ま〜、ここまで来ればもう時間稼ぎも十分か。

 そろそろ、集魔の水の一つ目の効果が切れる時間だし。

 だったらもう、業魔殿に戻っても大丈夫だろう」

 

そうして、そんな悪魔達の努力を台無しにするべく、懐から取り出したるは一つの石。

その名前も【トラエストストーン】。

このアイテムは使うとあら不思議、何と自分が安全だと思った場所まで一瞬でワープできると言う便利アイテムなのだ。

真Ⅱだとダンジョンの入り口限定であったが、Compで確認したところ、どうやら回復の泉と業魔館のどちらでも好きに行き先を選べるようだ、ⅡじゃなくてIMAGIN式ですか、やったぜ。

なお、ここまでこれを使わなかった理由は、単純にこれが沖田さんからのプレゼントのせいで1つしか持っていなかった事と下手に効果が残っている状態で使っても、逃げたところでまたすぐに悪魔の群れがついてくるのが目に見えていたからだ。

是非もなし。

 

「それじゃ、じゃあな!バカな悪魔ども!

 今度はもっとオツムの方も鍛えてから、出直してくるんだな!」

 

そうして、私はこの悪魔との知恵比べに完全勝利した事を確信しながら、手に持つトラエストストーンを発動させるのであった。

 

 

 

 

 

――――キンッ!

 

「え?」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【caution!!】

 

▼現在そのアイテムはこの建物に貼られた【結界】のため、使用することはできません。

 

▼そのアイテムを使用するには、この結界を破壊するか、もしくは術者を排除してください

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

『……というわけで、モーショボーさん!

 出番ですよ☆』

 

「ええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

【悲報】ドゥベ達賢い【帰れない】

そんな冗談はさておき、どうやら相手は思ったよりかなり賢いらしい。

ビルの入り口や窓の外を強い悪魔で固めながら、結界まで張り脱出を防ぐ。

そうして相手の逃走路を防いだところで、ゆっくりと下から順に階を制圧して此方を追い詰めているようだ。

 

「ふ、ふふふ、どうやら今回の知恵比べは引き分けみたいだな!」

 

「どう見ても完敗なんだよにゃあ……」

 

そもそも、相手が無敵の上で成り立ってる作戦だからセーフ。

ともかく、多勢に無勢な上に攻撃も通じない相手には、にげることしかできず、現在いる場所はとうとう最上階である。

これ以上逃げ場のない絶対絶命の袋小路で、ここから脱出する方法は、この建物そのものに結界を張っている術者を何とかしないといけないというところまではわかった。

一応は、ビル中を逃げ回ったおかげで、どこにその術者がいるか、また結界の範囲がどの程度かも大凡は理解できた。

……が、当然この結界を張っている術者は雑魚悪魔ではなかった。

 

「でも、寄りにもよってこれも【ドゥベ】が。

 しかも、【複数匹】が分担してるのかよ」

 

博士特性のCOMPアプリを起動させながら、【マップ】を見ると、そこには特別な反応を示す【ドゥベ】達が六本木ヒルズの1階入り口に複数あるのがわかった。

どうやらこいつらが今回の結界を作っている術者であり、こいつを倒さない限り、自分たちはこの建物の外から周囲10メートル以上は離れられないらしい。

さらに言えば、【ドゥベ】は当然ながら≪全属性完全耐性≫。

その上、この結界は術者を倒さなければ脱出できないのにその術者は無敵な上に一匹二匹倒したところでは結界は壊れないというくそ仕様。

このままでは一方的に消費して、嬲り殺されることが決定しているかのように思えるだろう。

 

 

……そう、それはこのモーショボーがいなければの話である。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

【NAME】≪凶鳥≫〈おませ?な〉モーショボー Lv18

 

【相性】 銃・火炎弱点 衝撃無効 電撃吸収

 

【スキル】 ・ザン 

      ・ディア

      ・マカカジャ 

      ・マハザン

 

      ☆自爆 (自爆属性【防御できる相性は無い】 使用者の死亡と引き換えに敵味方全体にダメージ)

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「げへっへ!大人しくあきらめて、人間……いや、悪魔爆弾になるにゃ!!」

 

「はぁぁぁ!!!ふざけないでよこのくそ猫!!!

 あんたこそケットシーならケットシーらしく、まともな知恵の一つや二つ出しなさい!!」

 

モーショボーと元カブソがお互いに罵声を浴びせながらもみ合っているのを尻目に考える。

そう、自分の持ち札で唯一あのドゥベに有効打を与えられる可能性がある、それがモーショボーの【自爆】である。

モーショボーの持つ自爆は【耐性無視】の大ダメージスキル。

一度使えば本人が死亡してしまうが、それでも敵味方を含めた周囲に大ダメージを与えることができる。

もっとも、敵味方の部分は、モーショボーをミサイル方式に飛ばせば何の問題もないし、遠く離れた場所で死亡しても封魔管に戻ってこれるのはすでにカブソで実験済みだ。

今回の結界を破るためにモーショボーを結界ドゥベに特攻させることは決定済みになったわけだが、そうなると一つ問題が出てくる。

 

「……なぁ、モーショボー?

 その【自爆】を使って、果たしてちゃんと【ドゥベ】を倒すことができるのか?」

 

「……!!そ、そうだよ!!

 そもそも、私のできる程度の【自爆】だと、あのへんなのを傷つけることはできても、完全に倒しきることは難しいと思うよ!!」

 

「そうなの?」

 

「そうなの!しかも、威力は私の保有マグネタイト?の量に依存しているからね!

 【マカカジャ】や【タルカジャ】をしても無駄!

 だから、ね?やめよ、やめよう!そんなことしても無駄だから、ね?」

 

此方の腰辺りに抱き着きながら、必死にそう訴えかけてくるモーショボーちゃん。

その可愛さに思わず罪悪感と癒しを感じつつ、その頭をなでつつ考える。

入口にたむろしているドゥベ達は一回自爆したで倒すのが難しのならば、リカームで無限神風特攻させれば何とかなるか?

でも見たところ、ドゥベ達は最低限の学習能力があるので、波状攻撃は得策ではない。

そもそも、モーショボーをこちらで蘇生させて突っ込ませる関係で、特攻させるたびにこちらの位置がばれるため、できれば一度で決めたい。

ともなれば……

 

「それ、本当かにゃ~?嘘ついてるんじゃないかにゃ?そんな匂いがするニャ!

 自分が自爆したくないからって、そんな嘘をつくだなんて……

 かーっ!!みるにゃ沖田、卑しい女だニャ!!」

 

「はぁああああ!!!!私がそんなくだらないことでうそをつくわけないでしょ!!

 ……ま、まぁ、確かに自爆の威力を高める方法に心当たりがないわけでもないけど……」

 

『なんだ!いい方法があるんじゃないんですか!

 なんで早く言わなかったんですか?』

 

沖田さんとカブソに問い詰められたからか、モーショボーは顔を赤め、もじもじしながらもこう答えるのであった。

 

「えっとね、実は、自爆の威力を上げるには、私の保有マグネタイト量を増やせばいいから……。

 即ち、私にたっぷり生体マグネタイト貢いでくればいいのよ!」

 

 「あ!でも魔石じゃ無理よ?あれは、器以上には回復してくれないから!

 それと、血とか生贄もダメ!趣味じゃないし!

 で、でもそうなると、……ね?そ、その、手軽に出る強い感情でね?

 ……ぞぞぞ、俗に言うボーチュー術?っていうの?

 あ、あの、サキュバスさんが言うには、好きな人と、え、エッチなことをすれば、自然とお互い気持ちよ〜くなって、自然とマグネタイトのやり取りができるというか……。

 も、勿論!いくらナギが相手でも!そういう事はまだいろいろ早いと思うわよ!

 で、でも、少しくらいなら、ナギがしたいって言うなら、断れないかな〜って……」

 

「うわっ」

 

「うわっ」

 

『何というムッツリ』

 

「う、うわって何よ!!

 そ、それに私だって、これはないなと思いながら言ってるわよ!!

 で、でも本当なんだから仕方ないじゃない!!!

 私はムッツリじゃな〜〜い!!」

 

耳まで赤くなりながら、ワタワタと手を振るモーショボーがそう抗議をする。

まあ、確かにそんな方法ならば色々言いたくないのもわかる。

そもそもとして、此方としても召喚や献血以外でのマグネタイトの渡し方なんて教わったこともないし、房中術もそうだ。

当然、あんな様子ではモーショボーの言うことだって正しいかどうかわからないし、やり方を知ってるわけもなし。

正直かなり怪しい方法である。

 

 

 

 

……でもまあ、試してみる価値はあるか

 

「え」

 

『え』

 

「え?ちょっ…………!!!?!? 」

 

という訳で、おもむろにモーショボーの唇を奪ってみた。

おおう、悪魔の唇なのにしっとり柔らか。

温かみも感じるし、粉ミルクと炊き立てのコーンを思わせる香りだ。

初めは硬直し、しばらくするとキスされていることに気がついたのか、暴れようとする。

が、それは優しく押し倒し、指も絡めることで封じる。

 

「……ダメだったか?」

 

「はひゅ♪え、ええ!???

 い、いや、ダメかどうかで言えばダメじゃないけど、ま、まだ、心の準備というか……はひゅん♪」

 

ダメじゃないならいいよね!

という訳で、めんどくさいことを言われる前にもう一度唇を奪った。

とは言っても、ただ唇を奪うだけではそれは本当のセクハラヤロウ?になってしまう。

今回の目的はあくまで【マグネタイトの供給】。

なので、あくまでその目的のために、静かに此方の唇を開き、舌を使って相手の唇も開かせた。

 

「はわわ、はにゃにゃにゃにゃ……」

 

背後がうるさい。

しかし、モーショボーも聞こえてないのか無視しているのか。

モーショボーの口内を舌でなぞり始めると、彼女も覚悟を決めた表情で、その潤んだ瞳を静かに閉じた。

静かな水音が響く中、自分はようやく準備の整い、手探りながらも口から口へとマグネタイトを送り込んでみた。

やり方は単純、いつもやっている業火の術こと【ファイアブレス】を発火させずに、エネルギーのままモーショボーの方へと注ぎ込むと言った方法だ。

残念ながら、正規のデビルサマナーでない自分では、この方法が正しいかどうかはわからない。

がどうやらモーショボーが炎上していないところを見るに、直ちに悪影響はなさそうだ。

少しづつ、慎重に唾液と共に流し込んでいく。

 

『ちょ〜〜!!ノッブ〜〜!!

 ま、マジでやっちゃってるんですか!!あ、明らかにえ、エチエチな音が聞こえちゃってるんですけど〜〜!!』

 

まあ、怪しい水音がしちゃってるからね!

是非もないよね⭐︎

でも色々と命がかかっている場面だし、そもそも相手は悪魔だ。

この程度ならたとえ供給相手の見た目が人外童女でも許される……筈だ。

 

「……ぷはぁ♪

 あ……あ……♪」

 

「お〜い、モーショボー、大丈夫か〜?」

 

「あひゅん♪

 えへへ♪ナギったら、本当に強引で……えへへ♪」

 

どうやら大丈夫じゃないようだ。

どうにも話が通じないようなので、諦めてアナライザで互いの状況確認してみる。

すると、モーショボーのHPとMPがどうやら最大値を超えて回復しており、逆にこちらのHPとMPはそれ相応に減少していた。

適当に勘だけでやってみたが、どうやら試みは概ね成功したようであった。

 

「うわぁ……まさかマスターが処女なのに房中術の使い手だったとは。

 色々知りたくなかった、まさに清楚系び……プゲラ!!!」

 

カブソからも成功しているお墨付きをいただいたよ!やったね!嬉しくねぇ。

そんな出刃亀にアギストーンの塊を投げぶつけ、それをビル中にばら撒くように指示して部屋から追い出した。

そうして、ようやく自分は改めてモーショボと向き合い、口を開く。

 

「モーショボー」

 

「えへ、えへへへへ♪

 だ、ダメよナギ♪ここだとまだオキタが聞いて……」

 

「今から、君にはこの結界の術者であるドゥベに【自爆】をもって特攻してもらう。

 おそらく、それだけが私達がここを無事に脱出できる唯一の方法だ」

 

「あ……」

 

蕩けていたモーショボーの表情が引き締まる。

此方の真剣な言葉を聞いたからだろう、彼女の顔も自然とまじめなものへと戻っていた。

 

「もちろん、君がこの作戦を嫌がっていることは十分理解しているし、それがただ痛いからというちゃちな理由ではないことは私は十分理解している。

 ……それでもなお、私は君にこの作戦に同意してもらいたいと思っている」

 

補足しておくと、このモーショボー、こう見えて戦闘の際にはかなり真面目だ。

ちゃんとこちらの盾になれと言えば、たとえそれが死ぬほどの致命傷の攻撃であれきっちり庇ってくれるし、そのために本当に死んでしまう攻撃を受けることもあった。

その彼女をしてなお嫌がる【自爆】とは……おそらくこちらの予想を上回り、厳しいものなのであろう。

そうして、その推測は彼女の言葉によって肯定された。

 

「……うん、そうね。

 ナギ、いえ、愛しい人でありマスター、そしてサマナー。

 自爆っていうのはね、そんな貴方に頼まれてもなお嫌なものなの。

 だってね、本来概念である悪魔にとって、自爆は文字通り【自我の崩壊】、いわゆる【本物の死】を意味するのよ?」

 

モーショボーはそう言いながら、まっすぐな瞳でこちらをのぞき込んだ。

 

「勿論、私は貴方と契約しているから、自爆しても完全に自我が消失することはない。

 強い変質もしないだろうし、ちゃんと復活もできる。

 ……でもね、それでも多少は影響は出るかもしれない。

 いや、もしかしたら一度自爆したら以前の自分とは別物になってるかもしれない、いや、絶対になるに違いない」

 

モーショボーは悲壮に満ちた表情を浮かべながら此方へと顔を向ける。

 

「それでもマスターは私に【自爆】してほしいの?

 私が私でなくなるかもしれないのに、本当に私が消えてしまうかもしれないのに?」

 

そういうモーショボーの瞳には、人には出せぬほどなお黒々とした深淵を映しながら、何処か壊れかけの少女の様な儚さも見て取れた。

もし、真に今の彼女を愛していれば、それだけで自分の考えを改めたかもしれない。

善人ならばそれだけで罪悪感に囚われ、別の作戦を取ろうとしたかもしれない。

 

「私の心までもが悪魔になっても、好きと言ってくれますか?」

 

……しかし、それでも私の答えは変わらないのだ。

何故ならば、独善的なデビルサマナー、仲魔を思いはしてもそれで自分を曲げる事はしてはいけないから。

 

「……あっ♪」

 

それ故に、私は返答と謝罪がわりに、改めてモーショボーを強く抱擁した。

言葉は不要、純粋な信頼による返答である。

……いや、別に答えに困ったからごまかそうとしているわけではない。

ないったらない。

 

「……うん♪わかったわ、ありがとうね、ナギ。

 私、【自爆】するわ。

 誰でもない、私のために。

 貴方の愛が欲しいから、自分から死んであげるね♪

 貴方の(マグネタイト)と私の命で、立ちはだかる敵をチリ一つ残さず消し去ってあげましょう!

 ……だから、その分たっぷりの【(マグネタイト)】お願いね♪私のマスター」

 

顔を赤らめながらも、その様にお願いするモーショボー。

その誠意に答えるべく、此方もそっとその顔に此方の顔を重ねるのであった。

かくして、お互いの合意の上、自分とモーショボーによるドゥベ爆殺作戦が実行に移されるのであったとさ。

 

 

 

 

なお、供給風景

 

「取り敢えず、初めは此方のHPが残り1割切るにまで全力で注ぐ感じにするか。

 慣れたら残り1止め、そんな感じで」

 

「え」

 

「丁度魔石も99個あるし、50回は挑戦できるな!

 あ、チャクラドロップやドリンク系を口移ししつつマグ供給出来れば、時間短縮にもなるな、試してみるか」

 

「いやいやいや!さすがにそれは、いろんな意味で壊れちゃうから!!

 それに、私の体だとそこまでの過剰マグには耐えられな……」

 

「え?無理?

 あー、でもよく考えなくても過剰マグは危ないのか。

 となると常にCompは見れる様にしておいた方がいいな。

 それと効率は悪いけど画面が見えなくなる口移しでのマグネタイト供給もやめて、手からやった方が……」

 

「ダメです」

 

「え」

 

「そんな雰囲気台無しなこと、今更許される訳ないでしょ!!!!!!!

 私とのマグネタイト供給は口移し以外絶対に認めないんだから!!

 あ!でも、手と口同時ならウェルカムだからね!!

 むしろそうして!!

 ハーリーはーりーHurley!!」

 

「……まいっか!」

 

 

 

 

かくして、ようやくビル全体にアギストーンという名の爆弾とポリタンクに入ったガソリンをばら撒き終わったカブソ。

彼が最上階に戻って見たものは、かなりやつれた自分のマスターと、まるで崩壊寸前の太陽を思わせるほど輝き点滅しながらもいい顔をした凶鳥少女の姿であった。

 

なお、マグネタイトの過剰供給による性能向上効果は素晴らしく、モーショボーは溢れ出る魔力でまるで彗星の如く高速で悪魔も壁も関係なしに最下層へと突き進む。

さらに、肝心の自爆の威力は最下層から放たれたそれは、20階以上離れている筈なのに、なお建物内全ての悪魔、カブソ、さらには彼女のマスターを巻き込み、建物ごと倒壊させるには十分な威力があったことをここに記載しておこう。

 

 

 




この後めちゃくちゃドゥベ狩りされた







久々の投稿であったのに、沢山の感想ありがとうございます!
すごく励みになります!
ゆっくりですが更新していきたいと思っています




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【完全撃破】憂鬱イベント反省会スレpart3【希望の未来にレディゴー!】

久しぶりの掲示板回なので実質初投稿です


東京都大田区にある一軒家。

そこに立つ【東雲研究所】とよばれる建物に【東雲 はかせ】は住んでいる。

 

既に1st EVENTが終了してから数日が経過しており、ここ連日プレイヤー達を賑わせていた【魔人】騒動もひと段落。

それ故に、多くのプレイヤーは各々が休憩やら回復やらに努めている。

が、それはどうやらこのはかせには適応されないようだ。

 

彼女の周囲にある無数の機械、工具、呪具。

それは所謂本物のオカルトなものであり、どれ一つとっても表世界では話題になりそうなものばかりだ。

 

そう、彼女にとっての真のイベント期間はまさに今なのであった。

【EVENT】の発生に伴ったゲートパワー上昇に友人プレイヤーの装備の修繕と改良、数多くの未知のアイテムの解析。

なによりもこのイベントがなんなのか、またこのイベントで起こった表世界への影響についての情報収集など、彼女が今やるべきことが目白押しなのである。

 

特に今回のイベントでは、彼女の親友(と、少なくとも彼女自身は信じている)が騒動の真っ只中にいたのだ。

そのおかげで、壊れた自信作装備品の数々にレアアイテムの解析と開発、さらには膨大なレアデータの整理と自分一人でやるには地獄を見ること間違いなしの量の仕事がいっぺんにやってきたのである。

ありがとうノッブ!愛してるナギちゃん♪地獄に落ちろ中島!!!

 

それゆえに、現在のはかせは連日の徹夜はもちろん、ギリギリのMPや悪魔召喚に研究室のフル稼働。

さらには回復アイテムを使ってのデスレースまでして研究開発をしていたのであった。

 

しかし、命削りのデスレースを当然周囲が止めないわけもなし。

 

彼女の仲魔である造魔【東雲 なの】と暫定彼氏により簀巻きにされ、引きずられるかのように休憩室へと連行。

無理矢理にでも休みを取らされるのであったとさ。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

【完全⭐︎撃破】憂鬱イベント反省会スレpart3【希望の未来にレディゴー!】

 

 

1:名無しの犬

このスレはこの世界【女神転生・影】で前日まで行われていた

期間限定イベント【1st EVENT】での思い出を語ったり、反省したりするスレです。

此処はあくまで、反省やら雑談するスレです。

過度な愚痴や暴言、宗教勧誘の類は専用スレでお願いします

 

●リンク

・愚痴スレ

ttp/××××××.DDSS.net

・宗教勧誘兼行方不明者捜索スレ

ttp/××××××.DDSS.net

・鎮魂スレ

ttp/××××××.DDSS.net

 

 

 

2名無しのサマナー

立て乙〜

 

3:名無しのサマナー

盾乙!!!!

完全勝利!完全勝利!!

 

4:名無しのメシアン

立て乙!!

うおらっしゃ〜!!

な〜にがポラリスだ!こちとらポリスじゃ!

 

5:名無しのガイアーズ

タテ乙

>>4 なに言ってるかわからんが、すごい自信だ

 

6:名無しの悪魔

たて乙

悪魔だからか後半全然襲われない+食料問題無関係で思ったより無茶苦茶楽だったな

 

7:名無しのサマナー

タテ乙

ギリギリだけど生き残れた……

残り貯水が1L切った時は死を覚悟したわ

 

8:名無しのバスター

人間は辛いなサム

でもまぁ、イベント期間がこんくらいだってわかったから次回からはなんとかなるやろ(慢心)

 

9:名無しのガイアーズ

↑それで次が1日や数ヶ月になって地獄を見るんですね分かりまry

 

10:名無しのバスター

いやいや、水のほうは【ブフ】系があれば何とかなるやろ。

一応食料は例のアプリを開発&無料配布してくれたし

 

11:名無しのバスター

例のアプリ?

マップのこと?

 

12:名無しのサマナー

確かにマップで食品店は探せるけど、今回みたいに長期間だとすでに荒らされてる可能性が高くてなぁ

悪魔に居座られたら関係ないし

 

13:名無しの悪魔

つ ttp/××××××.DDSS.net

 

14:名無しのサマナー

今見たww

なんぞこれwwwww

 

15:名無しの悪魔

『アプリ・【突撃!隣の晩ご飯】をインストールしますか?』

いや草

 

16:名無しのバスター

こんなアプリ原作にあったっけ?

別に全作品やってるわけじゃないけど

 

17:名無しのサマナー

うげ、ちょい重めのアプリだな

ハイテクサマナーの自分だときちい

 

18:名無しのバスター

もれバスターだけど問題なく動くぞ

……ちょいもっさりになるけど、戦闘中はComp使わんし

 

19:名無しのサマナー

で、このアプリ結局なに?見た感じより詳細に食料の場所がわかるように見える感じ?

>>18 戦闘中にアイテム取り出せないの辛くない?

 

20:名無しのサマナー

これは一言で言うと【食料発見アプリ】。

3凶さん方が飢えた俺らに見かねて、今回この【周囲の食料及び食べれる悪魔】をサーチするアプリを開発&無料配布してくれたそうだ。

効果の程はまだ不明だが、パッと見るに悪くなさそう?

 

21:名無しのバスター

>>食べれる悪魔

おいwwwwwwまてwwwwww

 

22:名無しの悪魔

食べれる悪魔←パワーワード感凄い

 

23:名無しのバスター

あ、これ名前はあれだけど性能は地味に凄い

具体的にはサーチするだけで腐ってる食べ物とそうでないのが区別できる

これすごく便利、具体的には食品の仕入れとかに

 

24:名無しの悪魔

八百屋無双 始まります

 

25:名無しのサマナー

何という日常系アプリ

 

26:名無しのバスター

これ種族フードサーチ&合体制限解除でもあるのか

……限定的すぎんだろwwwwww

 

27:名無しの悪魔

種族フード自体が限定的すぎるんですがそれは

 

28:名無しの悪魔

いやいや、マニアックなアプリだけどかなり有用じゃないかこれ?

無料配布とかまじ?

 

29:名無しの悪魔

なお、無料の理由は偽ニキのフライング土下座と私財投げ売りで起きた慈悲な模様

 

30:名無しのサマナー

サス偽

 

31:名無しのバスター

可哀想すぎて草

 

32:名無しのサマナー

生産スレの最後の良心

 

33:名無しの悪魔

三凶ぇ……

 

34:名無しのメシアン

我々のメシアは彼だったのですね

 

35:名無しのバスター

ォィ、このアプリ少し設定いじると人肉も食料判定するぞ

この機能つけたの絶対デジニキの仕業だろ

 

36:名無しのガイアーズ

ヒェッ

 

37:名無しのサマナー

えぇ……(困惑)

 

38:名無しの悪魔

別に悪魔自体も食えるんだし人間ならなおさらやろ

……というか、これ自分自身すら可食とか出たんだが

ちな自分【珍獣マメダヌキ】

 

39:名無しの悪魔

たぬき汁乙

悪魔用の食料サーチもできるのか

それにいざというときは屍でも食らって生きる決意が必要

なら人間が食料に含まれるのもごく自然な考えといえよう

むしろつけることは必須、自明の理とも言える

 

そんなわけあるか

 

40:名無しのバスター

結論→日頃からちゃんとフリーバックには水と食料を詰めておきましょう!

   もしサマナーなら保存食神と契約しよう!

 

41:名無しの悪魔

悪魔になれば食料や水はいらないぞ

 

42:名無しのサマナー

>>10 ここでさらっと【ブフ】水進めてるけど、これやめといたほうがいいからな。

  悪魔の魔法で作った氷は飲むとかなりの確率でお腹を壊すぞ。

 とくに俺の【チン】が作ってくれた水とか、飲んだら一発で腹壊したわ。

 

43:名無しのバスター

何故その悪魔をチョイスしたwwwww

 

44:名無しの悪魔

>>42 むしろ何で生きてる

 

(このあと色々と保存食について、談議しております)

 

 

175:名無しのガイアーズ

そう言えば、食料と言えば結局六本木はどうなった?

無事無の領域に飲まれた?

もしくは全員餓死?

 

176:名無しのサマナー

縁起でもねえw

 

177:名無しのバスター

まだ生きてるわ!!

勝手に殺すなや

 

178:名無しの悪魔

前スレでも色んな憶測謀ってたけど、結局どういう結論になったの?

 

179:名無しの悪魔

取り敢えず、一番分かりやすそうなスレ拾ってきたぞ

>> ttp/××××××.DDSS.net

 

180:名無しのバスター

お、サンキュー

概ねみんな無事だったのか、よかった

 

181:名無しの悪魔

ァー最終日に六本木でまたイベントあったのかよ!

居残ればよかった!クソが!!

 

182:名無しのバスター

なんか無事なことは分かったけど、色々ごちゃごちゃしてわからん。

誰か三行で説明してくれ

 

183:名無しのサマナー

これぐらい真面目に読めや

 

184:名無しのサマナー

自分で読む癖をつけないとこれから先生き残れないぞ

 

①最終日、六本木民がドゥベの群れ相手にレイド戦を挑むもあっさりボロ負け どうやら負けイベントな模様

②死にかけの瞬間ライドウ乱入イベント発生!ドゥベの群れ全回収&休憩タイム発生

③休憩後、ライドウ、ドゥベの群れをまさかのビルごとブッパ!&六本木全体に耐性なしの弱体化ドゥベが散らばる

④イベント第二段階開催!!弱体化ドゥベ狩り祭りの開始じゃ〜〜!!!

 

大体こんなところらしい

 

185:名無しの悪魔

>>184 四行じゃねえか、無能

 

186:名無しのバスター

三行超えるとか、やめたらぁ?この仕事

 

187:名無しのサマナー

ありがとう!感謝するよ!

四行じゃねえか、氏ね

 

188:名無しのメシアン

>>185〜187 う〜んこの畜生ども

 

189:名無しのサマナー

>>184 努力は認める

 

190:>>182

お〜ありがとう〜

これ読むにドゥベが倒れないのは運営も予想済みだったってこと?

 

191:名無しのサマナー

まー、普通に考えて全門耐性は突破できんからね

ちかたないね

 

192:名無しのガイアーズ

というか、もはやライドウがいる事は確定なのか

ライドウが敵の駒とか考えたくないんだが

 

193:名無しのサマナー

いやいや、さすがにあのライドウがラスボス如きに操られるとは思いたくないんだが

 

194:名無しのバスター

>>193 すごく支離滅裂だが、言いたいことはわかるw

 

195:名無しのサマナー

ポの字が黒幕だとすると、14代目が故人ならそういうこともできそうなのがねぇ

 

196:名無しの悪魔

そもそもあのライドウ女やぞ

本家より弱い可能性がある

 

197:名無しのサマナー

なら仕方ない

 

198:名無しの悪魔

弱弱牝ライドウ……ありやな!!

 

199:六本木のメシアン

>>196 でも、ヒルズビル丸ごと全門耐性貫通切りできる程度には強いんですけどね

 

200:名無しのバスター

めちゃくちゃ強いじゃないですかーー!!

ヤダーー!!

 

201:名無しのサマナー

強すぎて草

 

202:名無しの悪魔

むしろそこだけ見れば本家より強いワンチャンあるぞ

 

203:名無しのサマナー

本家が戦艦ロボを切る事ができていたこと考えれば、そのくらいできてもおかしくはない……

ないんだけどねぇ……

 

204:名無しのバスター

え?ポラリスの改造によって、性別すら超越した完全究極体ふたなり14代目ライドウちゃんだって?

 

205:名無しのサマナー

>>204

 

206:名無しの悪魔

>>204

>>204

 

207:名無しの悪魔

天災現る

 

208:名無しのバスター

>>204 ヅカっぽくなりそう

 

209:名無しのサマナー

おwww前wwwらwwwww

 

私はいいと思う

 

209:名無しのサマナー

真面目に考えよう()

ところで、誇張抜きにビル丸ごと全門耐性の敵を攻撃する

そんな事可能なの?教えてエロい人

 

210:名無しのバスター

可能ちゃ可能

 

211:名無しの悪魔

なんか【貫通】にはランクがあって、普通の貫通だと【反射】には無力だけど、【貫通+快心】やランクの高い【貫通】だといけるとか。

 

212:名無しのサマナー

いやいや、さすがにビル切りは比喩表現だよな

……だよね?

 

213:名無しのサマナー

あの六本木ヒルズビルの爆破だけどウチのリリムたんが言うには

あれはエロパワーだ!あのマグネタイトはエロパワーによるリピドー爆破に違いない!!だって

 

214:名無しのガイアーズ

あたまサキュバスば可愛い

 

215:六本木のバスター

真面目に現地で見ていた民としては、ビルごと一発で吹っ飛ばしたのは本当、切ったかどうかは不明って感じかな

そもそも敵を逃さないためかドゥベ達がヒルズに入り切った瞬間建物丸ごと結界を貼ったんじゃ

お陰で中で何が起こってたか微塵もわからんかった

 

216:名無しのサマナー

なんというプロフェッショナル

というか、ライドウさん結界まで張れるんすね、器用ですね(震え)

 

217:名無しの悪魔

>>216 そこは原作通り、他の人の手助けがあったと信じたい

それ考えると六本木にいるドゥベを集めきるのも十分やばい術だよな

どんな裏技だよ

 

218:名無しの悪魔

決闘空間ですね、分かります

 

219:名無しのバスター

マジで>>203の可能性があることに震える

 

220:名無しのサマナー

それだと、マジでライドウちゃんが俺らへのラスボスになる可能性があるのか?

冗談じゃねえ

 

221:名無しの悪魔

で、でも!件のライドウ(仮)はドゥベの群れと敵対はしていたから、完全に運営の駒ってわけではないはず!

……ないといいなぁ

 

222:名無しのバスター

そして、真Ⅲルートですね分かります

それとたしかにビル切りは派手だけど、あのドゥベを倒す事自体はそこまで難しくなかっただろ

連合軍もしょっぱなでも何体かは倒したみたいだし

 

223:名無しの悪魔

>>222 限られた初期変態スキル持ちを前提にする話やめーや

 

224:名無しの悪魔

レア属性持ちとかオリ悪魔優遇とか笑えない

 

225:名無しのサマナー

>>223>>224 何言ってんだお前ら

普通に今回のイベだと【レア悪魔】という名の【レア属性魔法】持ちの悪魔がそこそこ沸いていただろう。

サマナーなら勿論、バスターでもレア魔法スキルカードも貰えるし、数匹倒す程度なら割と楽なイベントだっただろ

 

226:名無しのバスター

 

227:名無しのサマナー

そマ?

 

228:名無しのサマナー

……は??????

 

229:名無しの悪魔

で、でもドゥベのレベル20位あるから

普通に倒すの困難やったし……困難やったし(震え)

 

230:>>225

あと、当然ドゥベは倒すと高確率で特別報酬が手に入るぞ

例えば、【ノーマルサマナー】なら【悪魔合体プログラム】が【バスター】なら【悪魔召喚異能】といった感じだな。

一匹でもドゥベを倒してないとリアル戦力差がどんどん離れるぞ、気をつけろ

 

231:名無しのガイアーズ

ああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!

 

232:名無しの悪魔

まじか

まじかぁ……

 

233:名無しのサマナー

つら……

というか、いい加減邪教の館位はみんなに無料配布しろよ!

 

234:名無しのサマナー

ワイ、何とか倒したのに手に入った合体プログラムが【邪教の館】ではなく【FRI-DAY】だった模様

……何でや!!!

 

235:名無しのサマナー

いい加減COMPの容量がパンパンなんでち!

たちけてくだちぃ!

 

236:名無しの悪魔

サマナー勢は序盤で仲魔のストック満パンになったらしいからなぁ

そして満杯で仲魔削除できなくなったころに、ようやくレア悪魔と交渉できるレベルになって……っていうのが今回多かったパターンらしい。

 

237:名無しのメシアン

自分はばっちりドゥベたおして、邪教の館ゲットできたぞ~!

でも、そもそもメシア教に入ったおかげで割と自由に悪魔合体施設使わせてもらえるから無用の長物だった!ガハハ!

 

238:名無しのサマナー

>>237 ギルティ

 

239:名無しのサマナー

>>237 これは破戒僧

 

240:名無しのガイアーズ

>>237 天使様、出番ですよ

 

241:名無しの悪魔

あの、ところでもしかして、今回のボス報酬って弱体化ドゥベの討伐でも手に入るんですか?

ぐ、具体的には六本木の第2波イベントでも……?

 

242:名無しの悪魔

 

243:名無しのサマナー

え、いやいや流石にそrだとうらやm、いや甘すぎてずるいんじゃ

 

244:六本木のサマナー

……てへっ♪

 

245:六本木のガイアーズ

運も実力のうち。

つまりはそういう事だ

 

246:六本木のメシアン

これも天の思し召し

なればこそ、その施しは遠慮なく受け取るべきでしょう

 

247:名無しのサマナー

>>244~>>246 はあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!

 

248:名無しのガイアーズ

おま……おま、ふざけんな!!!!!!

 

249:名無しのバスター

うらやましすぎて憤死しそう

 

250:名無しのメシアン

こんな不公平……認められるわけがない……!!

悪魔、非道、不平等……これは悪魔の卑劣な罠に違いない!!!!!

 

251:名無しの悪魔

>>245 >>246 というか、ガイアとメシアンのくせに六本木組は仲良しだなぁ

       ぶっとばしてやりてぇ

 

252:名無しのバスター

こちとら、レベルも上がらんかったし収入もマイナスなのに

この格差……

 

253:名無しのバスター

なんという運営の罠にして不和の元

偽ライドウは黒幕の手下、間違いない

 

254:名無しのロリ

ライドウが羨ましい?

なら貴方もライドウになればいいじゃない、

 

255:名無しのバスター

!?

 

256:名無しのサマナー

げぇ!三凶!

 

257:名無しの悪魔

ジャーン!ジャーン!!

 

258:名無しのバスター

相変わらずの絶妙なタイミングでの登場だな

にしても、ライドウになればいいじゃないとはよく言ったもんだ

 

259:名無しのサマナー

乙ー

で、このタイミングでそのセリフってことは何かイベントの黒幕について分かった?

もしくはライドウの正体についてとか

 

260:名無しのロリ

どっちもちゃう

でも、件のライドウ(仮)の装備の切れ端から元の姿への復元に成功

ついで、それの量産化もできてるよって報告

 

261:名無しのサマナー

!!!!!!

 

262:名無しのバスター

まじか……

まじか!!!

 

263:名無しの悪魔

ライドウちゃん(♀)のバスと!

おバストはいくつだったんですか!!それさえ知れれば悔いはない!!

 

264:名無しのバスター

>>263 この状況でまず初めに出る言葉がそれなのはすげーわ

 

265:名無しのサマナー

>>263 知った瞬間に呪殺されそう()

 

266:名無しのロリ

装備自体はシンプルなものだったからね。

そういうわけで、今回のクエスト報酬と偽アーヴィン&デジちゃんの協力のもとおおよお完全復元&それをDDSSを通してネット販売することにしたよ

つ ttp/××××××.DDSS.net

>>263 流石にそこまでは……w

 

267:名無しのサマナー

まって、色々と待って

 

268:>>263

>>266 (´・ω・`)ショボーン

 

269:名無しの悪魔

ちょっと待てロリニキネキ!

色々と情報が多くて手一杯なんだが!

後、>>263はうるさい!

 

270:名無しのサマナー

え?え?ネット販売とかできるようになったの?

それに、そこでライドウ装備のコピペ販売ってマジ?

>>263はちょっと静かにして!

 

271:名無しのバスター

うわぁ、ちょっと覗いてみたけどマジで売ってやがるよ

しかも50000マッカって……高過ぎぃ!

あと、>>263 俺は評価するよ

 

272:名無しのバスター

>>263の人気に嫉妬

 

273:>>263

なんでや!(´・ω・`)

さっきまでお前らも♀ライドウちゅっちゅとか言ってたやろ!(´・ω・`)

……でも、そうか、これを買えば疑似的に♀ライドウと繋がれるのか。

そうか、そうかぁ……(´・ω・`)

 

274:名無しのバスター

>>273 天才か

 

275:名無しのサマナー

>>271 いや、一流の装備だという事を考えれば50000マッカは十分安いだろ

しかもこれ、念願の呪殺無効装備

防御値は心もとないけど……ええやん、ライドウが着てたってことは相当使いやすいんやろ

とりあえず、3着買った

 

276:名無しの悪魔

>>275 ブルジョワ過ぎぃ!!

 

277:名無しのサマナー

>>276 サマナーは仲魔の装備も必要なんじゃ 察しろ

 

278:名無しのバスター

うわ、このロリネキショップ、マジで高いな

……でも、銃火器や弾がワンクリック購入できるのは便利

 

279:名無しの悪魔

お巡りさ~ん!!

 

280:名無しのバスター

銃刀法涙目

 

281:名無しのサマナー

ははっ、何をいまさら(都内を刀&ロケラン装備で移動しながら)

 

282:名無しのバスター

うおっ、速達で購入したらCOMP内のバックに直接送られやがった!

実はこれ相当の技術的ブレイクスルーでは?

 

283:名無しの悪魔

お~、こっちにも送られてきた。

でも、その割に瞬時ではないのな。

意外とタイムラグある感じ?

 

284;名無しのデジモン

いや、現時点だと速達は自分がほぼ手動で届けてるからな

それくらい許せ

 

285:名無しのサマナー

うわっ!増えた!

 

286:名無しの悪魔

げぇ!3凶!!(本日二度目)

 

287:六本木のメシアン

うおおぉぉl!!これですよこれ!!

これ、まじで私が見たあのライドウの装備で間違いありません!!!

感謝します!!

 

288:六本木のガイアーズ

あ~、これが噂の装備か。

なんか、思ったよりも普通な感じだな。

普段使いできる対悪魔装備って考えると便利そうって印象。

 

289:名無しのバスター

>>287 あ、こいつがそういうならおそらくガチか

    まさか、マジでレプリカとはいえあのライドウの装備が手に入るとはなぁ

 

290:名無しのサマナー

なんか胡散臭いと思ったからうちの仲魔のえーきっき(魔神・ヤマ)に真偽判定してもらった所『嘘はついてない』って判定されて思わず草w

なんか隠しているらしいけど、言葉自体に嘘はなさそうだってww

……3凶やべぇ(震え)

 

291:名無しのバスター

>>290 まじかぁ

 

292:名無しの悪魔

HAHAHA!ナイスジョーク!!

……ジョークじゃねぇのかよ!?!?!?

 

293:名無しのサマナー

装備の切れ端だけからライドウ装備ガチ再現とかロリネキ頭おかしい

 

294:名無しのバスター

とりあえず、購入おしておきました

 

295:名無しのメシアン

よく見たら個数制限があって草

買わねば(真顔)

 

296:名無しのガイアーズ

まって!今からマッカ借りてくるから俺の分もとっておいて!

 

297:名無しの悪魔

個数制限の話してから急にショップページが重くなった件

おまえらもっと自重汁(購入連打しながら)

 

298:名無しのデジモン

らめぇぇぇぇぇ!!!!

そんなにアクセスされたら、せっかく一生懸命に作ったボクの電脳ショップが壊れちゃうのぉぉぉぉォ♪♪♪

……マジでやめろ(真顔)

 

299:名無しのサマナー

デジモンアニキもかわいそう(ボタン連打しながら)

 

300:名無しのバスター

みんなも必至だからね、ちかたないね(電霊ハックを試みながら)

 

301:名無しのデジモン

>>300 ぶち殺すぞガキ

 

302:名無しの悪魔

マジ切れしてて草

あ、一瞬で殺された

 

303:>>290

ところで、うちのえーきっきによるロリネキの話は一つだけ明確に嘘ついてるところがあるって

……ロリネキ、♀ライドウのスリーサイズ知ってるって、マジ?

 

304:名無しのサマナー

!!!!!!!!!

 

305:名無しのバスター

 

306:名無しのデジモン

なにそれきいてない

 

307:名無しの悪魔

こうりゃくぜいとして、そのじょうほうはきちんと開示するべきだとわたしはおもいます!

というわけで、件のライドウちゃんのスリーサイズ!!はやくはやくはやくぅぅぅ!!!

 

308:>>263

★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★

★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★´∀`★★

 

309:六本木のガイアーズ

ああ!とうとう暴走者が!

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

「……ん、とりあえず、ナギちゃんのごまかしはこんな感じでいいでしょ。

 あんまり目立ちたくないみたいだしね」

 

そういいながら、はかせは自身の持つCOMPへと入力を終える。

どうやら自身の親友は自分の予想以上の活躍をしてくれたようだ。

それこそ知らず知らずのうちに一種の【伝説】に、一種の英雄と勘違いされるほどに。

……なればこそ、彼女自身のため、多くのプレイヤーのため、伝説は伝説に、希望は希望のままにそうしておくべきだとはかせは判断した。

 

「……まぁ、だからこそ、ここまでの【ランキング報酬】を彼女がもらえたんだろうねぇ」

 

その言葉と共に彼女が視線を向けると、その先には親友から預かさられた無数のレアアイテムの山。

物反鏡などのシンプルなレア消費アイテムから、ヒヒイロカネ製封魔管。

伝説の名を冠する武器にレアなフォルマなど、見るものが見れば卒倒すること間違いなしのラインナップがそこにはあった。

だが、それらが細事に思えるようなものが、今回のイベントのランキングトップ報酬として配られていたのであった。

それは……

 

 

 

 

 

「こら!はかせ!何見てるんですか!」

 

「え、ちょ、こ、これは休みながら情報収集というか……そう!知識欲を満たすという休憩の一種なんだよ休憩の!だから問題ない、ないんだよ!」

 

「そんな言い訳はどうでもいいです!

 というわけで、今度こそフェニックス様を連れてきますね!

 彼に監視付きで見張ってもらうので、覚悟して下さい」

 

「え、ちょ、ま、まって~~!!

 それだけは、それだけは~~!!!」

 

かくして、博士はこの後フェニックスの見張りの下、強制的に休みを取らされるのであったとさ。

それゆえに彼女のそのアイテムに対する解析はもう少し後になる事になった。

 

そう、その【EVENT・ランキングトップ報酬】として【中島 凪】に送られた〈謎の巨大機械〉。

……それの詳しい正体がわかるのは、もう少し後の話になるのであった。




●おまけ

495:名無しの悪魔
ところで、結局アリスちゃんどこ行った

496:六本木のガイアーズ






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ここまで読んでくださってありがとうございます!
久々だから、長くなってしもた


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14話目

しおりの数が666件になったので記念の初投稿です


モーショボや他仲魔の尊い犠牲により、無数のドゥベ討伐と表世界への帰還して早数週間。

イベントが終了したためか、表世界を賑わわせた魔人騒動もすっかり落ち着きを取り戻し、その他異界で発生していた異常もなくなっていた。

 

が、それは必ずしもこの魔都・東京に平和が戻ったと言うことを意味しているわけなかった。

 

明らかに出現率の上がった悪魔。

地脈の異常に増える異能者。

何よりもメシア教やガイアーズと言った大手オカルト団体がその活動を活性化させ始めたのだ。

これで異常なしと言ったらそれこそ問題であろう。

 

そんな緩やかながら、確実に緊張感の増すオカルト界隈。

となれば、当然この世界で悪魔召喚師として生きる自分にもそれは関わってくる。

 

増える依頼に、難易度の増す異界。

かち合う同業者に見たこともない悪魔。

この魔都・東京の異変を肌で感じることが出来る。

しかし、だからと言って自分はそれらを言い訳に依頼を断ったり、尻込みしたらする気は毛頭にもない。

例えそれが、先日まで使っていた装備が全損していても、召喚に制限がかかっていようとも。

何故ならそれが力持つものの責務であり、自分という正義のデビルサマナーの宿命なのだから!!

 

「という訳で、正義の名の下に、死ぬが良い!!!」

 

かくして、本日も自分は絶賛正義の放火活動中であった。

場所は東京都台東区、上野駅近く上野公園内、国立西洋美術館。

通常なら、そんなところで重火器を乱射し周囲を火付けするなど、銃刀法違反に建造物放火罪、さらに器物損壊罪と来れば、無期懲役で下手すりゃ死刑だ。

が、幸いにもここは異界内部。

更には美術館の倉庫側と来れば、どんな事をしようとも表世界へ影響はほぼなし。

せいぜい困るのはこの異界に住む悪魔とこの仕事の依頼をしたヤタガラスのメンツくらいなので、存分にこの異界を焼き討ちさせて貰うとしよう。

 

「ガァアァァァア!!よくも、貴様らぁ!」

 

だが悲しいかな、この楽しい火祭りはどうやらここまでのようだ。

此方の鼓膜を破らんばかりの雄叫びを上げながら、この異界の主と思われる悪魔が飛び込んで来た。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪魔王≫モラクス Lv14

HP ??

MP ??

【相性】 銃耐性 火炎・破魔・呪殺無効 氷結弱点

【スキル】 マハラギ

     ゲヘナ(敵全体に恐怖状態付与)

      突撃

      巨角の連撃(物理 小ダメージ×2)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

そこに現れたのは【魔王・モラクス】。

人型牛頭の巨漢でソロモン七十二柱の一つ。

宝石と薬草の知識を持ち、大いなる伯爵にして総裁。

元々は神であったモロクが、唯一神教の影響で悪魔に。

その結果、36の軍団もの悪魔の群勢を率いている事になったと言う【魔王】の名に相応しい大悪魔であった。

 

「よくも我が砦を……!!

 愚かな人間め……!!殺す……殺してやる!!」

 

しかし、見たところ、目の前にいるのは威厳ある【王】でもなく【神】でもない純粋な怒れる【魔】。

目を血走らせ、息を荒げる、怒りに燃える姿に強者としての余裕はなく、今にも破裂しそうな恐ろしさを感じさせた。

一体何が彼をそこまで怒りに駆り立てるのであろうか?

 

「それは!!貴様が!散々我が城を荒らし尽くしたからだろうが!!!」

 

「ですよねー」

 

どうやら、目の前にいる大悪魔は火炎無効ではあるものの、被害がないわけではなかったようだ。

そのせいか、彼の連れている配下の悪魔達や装備がこげこげのボロボロである。

 

「……で、遅くなりましたが、こんばんは魔王様。

 人間界へのご旅行のようですが、どのような入用で?

 観光ですか?お仕事ですか?ああ、もしかして迷子だったり?」

 

「無論、虐殺だ!!

 この愚かな人猿めが!!

 太古よりの守護者であった我を裏切り汚し、堕としたのは貴様らの罪!

 今こそ我が霊基と神格を、貴様らの血と肉をもって取り戻したろうぞ!」

 

だーめだこりゃ。

どうやら、目の前にいるこの魔王様は物騒な理由での東京進出だったようだ。

何となくそうであろうことは、事前の情報収集で察してはいた。

彼にとってその理由は大事な事なのだろうし、彼の配下の悪魔も人間への憎しみをもっている所を見るに、その無念は大変に大きなものだというのも窺える。

……しかし、それでも一つ言わせてくれ。

 

「その理由なら、何でわざわざ東京に進出するんだ?

 復讐するなら、元々信仰されてたヨルダンとか、その霊格の貶める原因となった主神教の聖地に侵略するのが筋じゃない?」

 

「……ここから足掛かりにするつもりだ!」

 

復讐を建前に、無関係の日本の土地で侵略してんじゃねぇよ!!

という訳で、自分は一切の同情もなく、このクソみたいな悪魔のクソみたいな復讐の連鎖をここで断ち切ることにした。

 

「ROCK-YOU!!」

 

掛け声と共に、腰を下ろし背中に背負っていた巨大な重火器をぶっ放す。

その新しく手に入れた装備の重火器は伝説級の代物。

放たれる弾丸はどれも強い火炎の力を秘めており、それが掃射される様はまさに火炎地獄と言ってもいいだろう。

 

「馬鹿め!効かぬわ!!」

 

が、残念ながら今回に限ってはこの【火炎】の力はマイナスに働いてるのだろう。

目の前にいる大悪魔は火炎無効であり、この火炎弾による攻撃ではビクともしない。

嫌だね、せっかくの新装備なのに、それがボス相手に効かないのって。

……しかし、それでも多少の効果はあったようだ。

 

「ギァァァァア!!」

 

「アヂィ!アギィィィ!!!」

 

周囲にいるモラクスの配下の悪魔達が燃え悶える。

確かに、彼の周りにいる悪魔達はその多くがレベルは低くも【火炎耐性】はもっていた。

が、それでも【無効】や【吸収】ではないらしい。

それならば、この新しく手に入れた新武装の威力なら半減程度、その上からでも削り殺せる。

その伝説の名に恥じない火力に思わず此方もうっとりとしてしまう。

 

「よくも我が配下を!!

 喰らえぇ!【マハラギ】!!」

 

怒れるモラクスは、意向返しであろうか、此方に向けて範囲魔法の【火炎】の魔法を唱えて来た。

 

「でりぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「な!此奴!人の身で我が地獄の火を!?!?」

 

が、残念ながら、それは此方には効かない。

そう、今の自分は奇しくも相手と同じ【火炎無効】。

装備を一新し、新しく手に入れた防具の耐性ではこの程度の炎の一つや二つ、全く問題ないのだ。

お陰で前転なしにこの火炎地獄全力疾走で突破。

それに前の装備よりもさらに身軽だからな、だからな!!

 

「魔王!覚悟!」

 

「オノレェェェ!!!!舐めるナァァァァ!!」

 

魔王の目先数メートルへと肉薄し、此方も手に持つ武器を、火器から武器へと持ち変える。

それは長柄の武器であり、大きさは自分の身の丈以上、その刃は強大にして鋭利の円形だ。

当然この武器も新調したものであり、いわゆる魔法の武器でもある。

この武器がヤバいと言う事に向こうも気が付いたのだろう。

モラクスは素早く魔法の詠唱をやめ、無理やりその身をよじり、近接攻撃へと切り替えて来た。

 

「我が神罰を受け入れろ、人間ぅん!!!!」

 

――【巨角の連撃】

魔王モラクスの専用の近接攻撃スキルである。

 

その巨大な牛頭から繰り出される双撃は、まさに地獄の暴風雨。

当たれば只ではすまない必殺の二撃であろう。

……ただし、それは当たれば、の話だ。

 

「遅ぉい!!」

 

「な、なにぃ!!」

 

当然、そんな見え見えの超頭突きを躱せないわけもなし。

更には身を屈んでの頭突きという分かりやすい攻撃法のせいで、弱点である後頭部がガラ空きである。

少々狙うには此方の身長が足りないが、そこは身体能力と武器のリーチでカバーする。

 

「死ね!【鬼神楽】」

 

「……ごっ……パッ……!!」

 

魔力と体力を発散しながら、手に握る武器を全力で振り抜く。

空中でのスイングという、力も狙いもかからない筈のその一撃は、魔力により、まるで矢のようなスピードで魔王の後頸部へとまっすぐ命中。

その穂先が轟音をあげ、皮膚を裂き、肉を切り、骨をも砕く。

あっさりとその魔王に致命傷を与える事に成功し、周囲の悪魔達も思わず呆然としているのがわかる。

さて、このように魔王の首に刺さった武器ではあるが、それを引き抜こうとしたその時、この武器にかかった魔法という名の呪いが発動した。

その呪いの力を信じ、その武器を抜かずにそのままに振り抜く。

 

「ガアアァァァァァ!!!」

 

すると、その刃がまるで豆腐のようにあっさりと魔王の頸椎を切断。

大すぎる断末魔を上げながら、その首がゴロゴロと転がり、悶え苦しむ。

 

「魔王、討ち取ったり!!」

 

「我が、我がこんなところで……エボバッ!!」

 

その転がり落ちた首もきっちりと叩き潰した上で、自分はこの異界全てに響く大声でそう宣言するのであった。

 

 

 

 

 

「な ん で そ の 格 好 で 成 功 し て る ん で す か」

 

「私 に も わ か ら ん」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【氏名】中島 凪

【クラス】ナチュラルサマナー

【ステータス】 Lv28

【耐性】 火炎・破魔・呪殺無効  氷結弱点

【装備】 武器・首狩りスプーン (時々即死)

        伝説のフレイムケース (火炎属性)

     防具・ハイレグアーマー (氷結弱点 火炎無効)

        G -ラダース (呪殺無効 力-2 魔+3)

        キャップ

  アクセサリ・夏盛Tシャツ

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

というわけでこれで無事に今回のお仕事は終了、異界も主を失った事により雲散霧消。

それにともない、依頼主である謎の女さん(20代くらい?)から、今回のお仕事ぶりについて全力でお小言を受けているわけだ。

 

「ただでさえ、前までの格好がアレだったのに、その上をいくなんて。

 貴方、馬鹿なんですか?それともダーク悪魔なんですか?」

 

いや、わかっているよ?

自分の服装がとてもデビルサマナーとしておかしすぎる格好であることくらい。

今の自分の装備は、分かりやすく言えば【背中にギターケース、手には巨大なスプーンと腕時計、それにハイレグ水着にシャツを着た女】という、お前は何処のロッカーだと言わんばかりの格好だ。

 

「貴方を紹介する私の身にもなってくださいね?

 見ますか?あの館長さんの微妙すぎる表情?」

 

「ロックよりもジャズが好みだったか?」

 

「そういう問題じゃ有りません!!」

 

いや、しかし、そんな文句を言われても、この装備は見た目に反してどれもとても強いのだ。

このギターケースは見た目こそ普通のギターケースであるが、中身は仕込みマシンガンで威力もバッチリ。

首狩りスプーンも名前の通り、呪われてはいるものの恐ろしい切れ味と長いリーチ、更には時々発動する首狩り即死は強力。

さらに腕時計の呪殺無効とハイレグアーマーの火炎無効は言わずもがな!

夏盛Tシャツの意味?馬鹿野郎!ハイレグ水着で街中を歩けるか!!

 

「後、魔王討伐……って。

 何でこんなところに魔王がいるんですか」

 

「こんな時期に宗教画特集なんてやったからじゃない?

 知らんけど」

 

異界の原因と思われる、美術品の聖遺物に目を向ける。

そこにはまだほんのりと魔王のと同じマグネタイトが残っており、これを使えばあの悪魔を呼び出す事も可能であろう。

自分的には趣味ではないが、はかせに渡せばそこそこな値段で買い取ってくれそうではある。

 

「いや、ダメですからね」

 

「へーい」

 

どうやら自分の視線に気が付いたようだ。

謎の女さんは此方を咎めるように忠告してくる。

 

「確かに貴方が、格好はアレですが、出来るサマナーであることはわかりました。

 が、それでも魔王クラスの悪魔を使役するのは少々危険すぎると言えるでしょう。

 まあ、それでも20年……いや15年くらいでしょうかね。

 そうすれば、問題なく使役できると思いますよ」

 

謎の女さん(声が可愛い)は、そう此方へと助言してくれた。

……しかしながら、自分のレベルが今回倒した魔王の2倍近くある現状、ちょっとだけその発言はおかしいと思うのは、自分が傲慢だからか、謎の女さんの人を見る目があれだからか。

……どっちもなんだろうなぁ。

 

「へいへい、わかったからそれよりも報酬をくれ。

 今回は特に国からの依頼でもあるんだろ?

 なら、かなりの額なんじゃないか?」

 

「……誠に申し訳ないですが、国からの依頼だとむしろ報酬は低めですよ?

 信用と信頼は手に入りますので無駄とは言いませんが」

 

「ひとふのみ……おい、まじかよ。

 ゾンビ退治と同じ値段とか、ガバガバってレベルじゃねぇぞ」

 

渡された小切手の額を確認しながら、思わず目頭が痛くなる。

今回はほとんど仲魔を召喚しておらずマグの消費が無かったからいいものの、これは戦い方によっては赤字を覚悟しなければいけない仕事だったようだ。

……やっぱりサマナーは辛いなぁ。

 

「まあ、今回は事前に難易度の割に安いって聞いてたしね、覚悟はしてた。

 それよりもあれをよこせ、あれ」

 

「むう……、まあ確かに約束はしましたが……

それでも、この業界は信用が第一なんですよ?

 そこのところをわかってのことですよね?悪用はしませんね?」

 

「大丈夫、大丈夫。

 この眼を見ても、自分が信用できない人物に見えるか?」

 

「少なくとも、その格好では微塵もサマナー的信用を覚える要素がありませんね」

 

ですよねー。

しかし、それでもなお、事前に約束していたからだろう。

謎の女さんは諦めてその封筒を此方に渡してくれた。

 

「という訳で、これが例の物です。

 これは非常に大切で貴重な物です。

 もしこれを粗末に扱えば、それは私だけでなく貴方の信用もかかっているんですからね?

 そこのところを覚悟して使ってくださいね?

 いいですね?」

 

謎女さんが此方の目を見ながら、そう強く言ってくる。

その表情からは何故か此方に依頼を渡してきた時以上の不安の表情が感じられる。

何故だ。

 

「わかったわかった。

 この【紹介状】は自分が知る中でも最高にロックなやつに渡してやろう!

 存分に楽しみにしているが良い!」

 

「ふりじゃ有りませんからね!

 絶対に普通の人でお願いしますね!!

 ふりじゃない、ふりじゃないですからね〜〜!」

 

かくして自分は謎の女さんの悲鳴を聞きつつ、自宅へと戻るのであった。

 

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【チラシ】生活の雑談・独り言・愚痴スレ

 

712:名無しのサマナー

イベント終わったら、水道管壊れてた

つら

 

713:名無しのバスター

こっちは電器代がああばばばば

まさか、イベント中に電気つけっぱにしていた分の電器代が徴収されるとはこのリハクry

 

714:名無しのバスター

うちの部屋に居座った挙句、戦闘したバカはドイツだ!

お陰で、部屋の家具が全滅

 

716:名無しの壬生浪士

こっちは家に帰ったら、首吊り生肉と遭遇した件

イヤダァァァァ

 

717:名無しの悪魔

人間は大変そうだな(ホームレス並感)

 

718:名無しのガイアーズ

イベントの自宅避難、まさかこんな罠があるとはなぁ

 

719:名無しのサマナー

まさかイベント空間と表世界が自部屋だけリンクしてるとは

 

720:名無しのメシアン

正確には教会や重要施設も少しずつは被害出てたみたいですけどね

 

721:名無しの悪魔

今度からちゃんと鍵かけておこう

 

722:名無しのバスター

鍵如き同じプレイヤーの前じゃゴミみたいなもんだ

結界張れ結界

 

723:名無しのサマナー

↑やり方わかんねーよ

 

724:名無しのガイアーズ

悪魔に聞け

運が良ければ教えてもらえるぞ

 

725:名無しの悪魔

というか、イベ中に部屋荒らされるのは同じプレイヤーが困って避難してきたからだろ

それくらい多めに見てやれ

 

726:名無しのバスター

無理です

 

727:名無しのサマナー

嫌です

 

728:名無しの壬生浪士

なんで下着荒らされた挙句、人の部屋でダイナミック自殺

その上そのせいで部屋が異界化したのに情けをくれなければいけないんですか?

 

729:名無しのメシアン

うわぁ

 

730:名無しのサマナー

つら

 

731:名無しのガイアーズ

警察の事情徴収とか大丈夫だった?

 

732:名無しの壬生浪士

だいじょばないです(経歴不明並感想)

どうやら、自分の前に警察が何人か異界に飲み込まれてしまったみたいで

そのせいで現在絶賛尋問中。

一応完全な濡れ衣だからセーフだと思いますけど

 

733:名無しのサマナー

あっ……(察し)

 

734:名無しのメシアン

悲しいなぁ

 

735:名無しの悪魔

絶対に俺らのことばらすなよ!

ふりじゃないからな……ふりじゃないからな!

 

736:名無しのバスター

というか、マジモンの死体て

まさか、まじで同じプレイヤーの死亡者?

このイベントって死者でたんだ

 

737:名無しの悪魔

なんか自分は死んだはずなのに、イベント後普通に蘇生したからそんなもんかと思ってたんだが

 

738:名無しの元バスター

こっちはゾンビになってまでアリスちゃん親衛隊になったのに……

捨てられて辛

 

739:名無しのサマナー

なんで蘇生してるんだww

 

740:名無しの悪魔

お前だったのか、ゴン……

 

741:名無しのメシアン

ダメじゃないか!

死んだ人間が生き返っちゃあ(過激派並感)

 

742:有能サマナー

お前らは運が良かったな

どうやら完死する前にイベ終わったからセーフだったに過ぎないぞ

具体的には魂が完全にあっち側に行くと蘇生が出来なくなるって

BYカロン情報

 

743:名無しの悪魔

まじすか

 

744:名無しのバスター

>>BYカロン

なんという説得力

 

745:名無しの壬生浪士

だから、この刀はデビルバスター用ですって

まじでやってないですって

 

746:名無しの犬

有能さん久々に見たな

 

747:名無しの悪魔

やべ、おれのダチ、イベで一緒に死んだけど

まだ帰ってから会えてないんだよ まさかまじでいったのか?

 

748:名無しのサマナー

捜索板にいけ

 

749:名無しのガイアーズ

>>742 どこで知り合ったそんなのw

 

750:有能サマナー

普通にガキパトした時にカロンさんに教えてもらえた

 

751:名無しのバスター

なんというフレンドリーな橋渡し

 

752:名無しの悪魔

悲報・有能さん、相変わらずの無能

 

753:名無しのサマナー

マッカ死ぬほど搾り取られたに違いない

 

754:名無しのメシアン

その理論だと、ヴァルキリーや天使信仰は蘇生できなさそうですね

……契約、解除したくなってきた

 

755:名無しのサマナー

解除するくらいなら俺にくれ

 

756:名無しの悪魔

天使といえば、なんかこのイベント後から明らかにメシアンの勧誘増えたよな

 

767:名無しのメシアン

おれもー

 

768:名無しのバスター

と言うか、今回のイベでPC内でのメシアガイアの絶対数増えてるよな

 

769:名無しのガイアーズ

属性装備強つよつよだからしゃーなし

 

770:名無しの壬生浪士

事情徴収なう

いやいや、異界内でアリバイ説明とかできるわけないでしょ

 

771:名無しのメシアン

イベントで一時加入のつもりが、まさかの報酬がアライメント指定装備だったのがなぁ……

 

772:名無しのガイアーズ

呪殺無効装備は貴重なのだ

ゆるせ

 

773:名無しのバスター

呪殺無効ならライドウスーツ買えよ

 

774:名無しのガイアーズ

たけぇ

 

775:名無しのメシアン

高いです

 

776:名無しのバスター

被りまくりやんあれ

 

777:名無しの悪魔

生産待ちですが何か

 

778:名無しのガイアーズ

予備欲しいやん?

 

779:名無しのバスター

防御値微妙なのとお一人様一枚までがなぁ

 

780:名無しのサマナー

何処にいたこんなに

 

781:名無しのメシアン

あんな高いの買ってる奴おるのな

 

782:名無しのバスター

だれもダークベスト言わないのは草

 

783:名無しのバスター

そういう意味ではロリショップに感謝だな

でなきゃ今頃装備難民になってたな

 

784:名無しのサマナー

普通の店だと耐性装備がなぁ……

 

785:名無しのメシアン

一応、メシア教なら上に相談すればそこそこの装備譲ってくれるんですけどね

でも密林!!早く来てくれ〜!!

 

786:名無しの悪魔

お前がAmaz●nになるんだよう!

 

787:名無しのバスター

今ならライバルも少ないぞ!

やったねタエちゃん!チャンスタイムだ!(なお東京崩壊)

 

788:名無しの悪魔

今のおれらって起業できるの?

いや、俺は野良悪魔だから100パー無理だってわかってるが

 

789:名無しの壬生浪士

やばい、なんか誤解されてるかも

いやいや、銃痕は気のせいですって、ちょっとデビルバスティングの副産物ですから、許して、許して

 

790:名無しのバスター

しらかん

>>789大丈夫?臭い飯表振る?

 

791:名無しの悪魔

やる気があれば

>>789 拳銃所持は犯罪なんだよなぁ……

 

792:名無しのサマナー

出来るんじゃない?

今回のイベ後からなんか戸籍生えてきてる人多いし

 

793:名無しのメシアン

↑初めて聞いた

 

794:名無しのガイアーズ

あー、なんかGPが何とかとか

悪魔pがそんなこと言ってたな

 

795:有能サマナー

>>794 それはあんまり関係ないかも

でも、今回のイベ前と後で、何故か俺らの存在が外部に認知されやすくなったのは確からしい

今までは瞬間記憶や瞬間認識以上はめったにNPCと関われなかったけど、今だとバリバリ記憶されるらしい

特に悪魔プレイヤーの場合顕著だとか

 

796:名無しの悪魔

まじかよ、何となくそんな気はしてたけど

 

797:名無しのガイアーズ

おれの女湯覗きライフが……

 

798:名無しの悪魔

↑まだいたのか、さっさと除霊されろ

 

799:名無しのバスター

よくわからんな、具体例プリーズ

 

800:名無しのバスター

具体的には以前なら銃刀法違反スーツでバリバリ歩いても滅多に職質されなかったらしいけど、今だと余裕でされるとか?

 

801:名無しの悪魔

食い逃げも以前は捕まりはするものの顔は覚えられなかったけど、今はすると余裕で顔を覚えられるし、対策もされるよ

 

802:名無しのサマナー

可愛い幼女ウォッチングをしていたら以前は通報されなかったのに、今は公園に近づくだけで職質を受ける

 

803:名無しの悪魔

お前らwwww

 

804:名無しのガイアーズ

何と言う犯罪者の巣窟

 

805:名無しのバスター

人間の性悪説を証明するかのようだぁ

 

806:六本木のメシアン

この方々が心まで悪魔に乗っ取られてるだけだからセーフ()

 

807:名無しのサマナー

と言うか、さっきのなんか>>716は大丈夫か?

なんかめんどいことになってるぽいけど

 

808:名無しの悪魔

壬生浪士さん、なんかだいじょばない言ってたけど助けいる?

常識的な範囲でなら助けなくもない

 

809:名無しの壬生浪士

うわwwwwwやばwwww

何故か今回の異界の被害全部をなすりつけられそうwww

というかされ中wwwww

 

810:名無しの悪魔

は?

 

811:名無しのメシアン

え?

 

812:名無しのバスター

あっ(察し)

 

813:六本木のガイアーズ

急いで逃げるんだ!!

 

814:名無しのサマナー

逃げるとむしろと指名手配されそう

 

815:名無しのメシアン

いやいや、さすがにそのレベルだと専用スレ立てましょうよ

スレ立て仕方わからんなら代わりに立てますよ

 

816:名無しの壬生浪士

あっww

COMP没収されるwww

オワタ/(^o^)\

 

817:名無しのサマナー

のんきに絵文字うっとる場合か!

 

818:名無しの悪魔

そんな暇あったらさっさと逃げろ

 

819:名無しのバスター

……あれ?もしかしなくてもこの強引な逮捕の流れ

真1イベントではry

 

 

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「……えっとその……沖田さん大丈夫?

 取り敢えず紹介状権限で逮捕は取り消してあげたけど……」

 

「違うんですよ、沖田さんは本当に無罪ですよ!

 ただ少し、本当に間が悪かっただけで……」

 

なお、なぜか沖田さんに業魔殿を紹介しようと持ったら警察所に拘留されていた。

一応、逮捕状だけは、なんとか謎女さんの国家権力パワーで何とかしてもらった。

が、それに従い、何故か謎の女さんの沖田さんへの監視命令と「預金通帳も金庫も異界で悪魔に燃やされた」という沖田さんの悲痛のつぶやきにより、沖田さんとの同棲が決まったのでした。

めでたくなし、めでたくなし☆

 

 




※14話終了時点での『中島 凪』のステータス

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 
【氏名】中島 凪
【クラス】ナチュラルサマナー
【成長タイプ】忍者
【ステータス】 Lv28
【耐性】 火炎・破魔・呪殺無効  氷結弱点
【スキル】
・獣の反応(自分の命中・回避率が上昇、効果小)
・毒針 (銃属性 小ダメージ+毒付加)
・爆炎の術〈ファイアブレス〉 (火炎属性 小ダメージ複数全体ランダム)
・会心 (通常攻撃のクリティカル発生率が上昇する)
・鬼神楽 (物理 単体 中ダメージ クリティカルしやすい)
・反撃 (敵から攻撃を受けると反撃する)
 
【装備】 武器・首狩りスプーン (時々即死)
        伝説のフレイムケース (火炎属性)
     防具・ハイレグアーマー (氷結弱点 火炎無効)
        G -ラダース (呪殺無効 力-2 魔+3)
        キャップ
  アクセサリ・夏盛Tシャツ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


★イベント後たくさんドゥベ狩り(と言うよりはその配下メイン)をしてかなりレベルの上がったノブ凪のステータス
 モーショボの爆発とビルの倒壊により、今までのダークベスト一式がボロボロになったので、イベント報酬や獲得フォルマ共々はかせに改修を丸投げした。
 そのつなぎとして渡された装備がこれ。
 見た目があまりにもデビルサマナー以前に人としてあれだが、性能はジッサイ破格。
 【伝説のフレイムケース】はイベント報酬の1つ、仕込みマシンガンでもあるギターケース型銃火器。あんこタンメン付き。軽く撃つだけでオーバーキルな威力を叩き出す。オートで火炎属性が付くのがメリットであり欠点。火以外の属性弾を撃とうとするとなぜか威力が下がる仕様。なんでさ。
 【首狩りスプーン】は巨大な斧属性の近距離武器。即死効果は強く、さらには攻撃時は武器が勝手に動いて近くの敵の首元を狙ってくれる。ゲーム的に言えば【ランダムな敵を攻撃】。やっぱり呪われてるじゃないか!なお、これははかせからの試験アプリの検証報酬で偽ニキからカツアゲして手に入れた物らしい。鬼か。
 【ハイレグアーマー】は言わずもがな。ハッカーズ版。色は黒とオレンジ2種類用意してくれた。モーショボ歓喜。どちらかといえば黒派。沖田さん大興奮。どちらかといえばオレンジ派。
 【G -ラダース】はおしゃれな腕時計。女性専用装備。呪殺無効を手易く付けれるのはいいが力ダウンが思った以上にきついとは本人談。魔上昇?使わないんだよなぁ……
 夏盛Tシャツははかせ完全オリジナル()。さして効果はないが、無駄に【ドゥベ】のフォルマを使ってるため絶対に燃えないしポロリもしない。なんという資源の無駄遣い。

スキルに関しては報酬で枠が増加+バック容量もアップ。
その上、ようやくまともな物理攻撃スキルを覚えたため絶好調!
……と言う訳でもなく、もともとクリティカル率高いのに命中率の下がる【鬼神楽】を使ってまで攻撃する意味がどこまであるのか不明なのが悩み。
反撃?あってもなくても勝手にしてる。

※各々のコメント
ノブ凪「強いけど、この装備を笑顔で元男に渡すはかせは鬼畜。
    刀&手裏剣の時よりも、戦い方が大雑把になるのがなぁ……
    スプーンのせいでなんかテンションもハイになっちゃうし、小回りが効かない。
    ギターケースはマジで強いけどマシンガンだから、撃つとそれだけで周りが火の海になる。
    ソロ異界専用装備だろコレ」
はかせ「身バレすると悪いからね。
    100%別人としか思えない格好にしてみました☆
    ……でも、初見のネタ武器なのに数日練習しただけで使いこなす凪ちゃんは変態の鏡。間違いない。」
沖田さん「水着ノッブ!!!水着ノッブじゃないですか!!
     沖田さんにも水着実装してくださいよ!!!
     え?水着で戦闘?そういうのはいいかなって、ハハッ」


モーショボ「オレサマ オマエ マルカジリ」


▼ここまで見てくださってありがとうございます!
 感想はすごく励みになってます。


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15話目

HSのバトルグラウンド楽しいね!
思わず更新が滞ってやばい(真顔)

でも、ぎりぎり間に合わせたので初投稿です


ここは新宿にある知る人ぞ知るホテル。

表の姿は不気味ながらも雰囲気ある完全予約制の高級ホテル。

裏の顔はその名の通り、人外魔境。

選ばれし悪魔狩り達の羽休めと交流のための施設。

それがこの【業魔殿】である。

そうして、この【業魔殿】の中にある高級レストラン【Chez Muramasa(シェ・ムラマサ)】。

そこにいる人達も選ばれしデビルバスターであることは言うまでもないだろう。

 

「……と、いう訳で〜!、

 いやぁ、今回という今回は本当に助かりました!

 あのままだと下手すれば前科持ち……いや、逮捕や実刑ついてもおかしくありませんでしたからね!

 あ、今回は当然私の奢りです!じゃんじゃん食べてください!」

 

というわけで、現在自分は沖田さんの奢りでこの業魔殿内でも特にデビルサマナー泣かせと評判のレストラン、【Chez Muramasa(シェ・ムラマサ)】に来ているわけだ。

 

「べ、別にこんなのでオキタの同居を許すわけじゃないんだからね。

 ……わけじゃないからね!」

 

「エンガワ!えんがわ!ENGAWA!!」

 

なお、ここがデビルサマナー泣かせ言われる所以はここの料理が悪魔でも食べることができ、一緒に食事が出来ればあっという間に好感度をあげられるのが一つ。

 

「……うわぁ、相変わらずメニューは時価ばっかりじゃな。

 沖田、これ本当に大丈夫か?家燃えたばっかりじゃろ?」

 

もう一つはここが本当の意味で驚く程の高級レストランである事だろう。

どのくらい高級かと言えば、こちらの世界ではデビルサマナーをやっているおかげで高級外車をポンと買える身分になった今なお行きたくないと思えるほどである。

前回のイベント以降やけに大食になったモーショボと容赦なくお好みで寿司を頼みまくるカブソ。

この二匹の暴食ぶりを見るにやっぱりここは魔境、そう強く心のメモ帳に書き足しておいた。

 

「ま〜大丈夫か大丈夫じゃないかで言えば、割と大丈夫じゃないですね。

 イベント後すぐに装備の新調しましたし、アイテム補充も同様。

 それに重なった異界化のせいで、家財は全滅。

 その上現金や通帳の類は全滅しましたから。

 そういう意味では今の私、かなりすっからかんの文無しですよ」

 

「おい」

 

あまりの沖田さんの告白に急に胸が高鳴る。

もしかしてこれが恋……?

いや、これは不整脈ですね、間違いない。

 

「まあ、それでもここだと現金ではなく、【マッカ】や【マグネタイト】払いでも良いのでしょう?

 それならば前回のイベントや日頃の異界巡りで腐るほど持ってますからね」

 

そう言いながら、沖田さんは自信満々に自身のCOMPを見せつけてきた。

するとそこには、膨大な数のマグネタイト保持量が表示されていた。

 

「いやぁ、それでもマッカの方ははかせとの交渉でかなり使ってしまいましたが、【マグネタイト】の方はたっっっぷり溜め込んでます。

 何せ私は【ペルソナ使い】、マッカなら使うことはありますが、マグネタイトに関しては本当に使い道がありませんからね。

 この機会にドーンと、使い切っちゃいましょう!」

 

沖田さんがそのように自信満々に宣言する。

その様子に少し嫌な予感はした。

が、それでも沖田さんが強く遠慮するなと言うので、多少の自制はしつつも存分に豪遊させてもらうことにした。

 

「ん〜?あれ?シェフ?なんか今日のケーキ、以前よりも雑じゃない?」

 

「フム、そうですか。

 デハ、これならばどうでしょう?

 ……以前よりも人間向けの味付けのものですガ」

 

「あ!こっちこっち!こっちの方が美味しい!

 生地のふわふわとクリームのしっとり感が最高!お代わり!!」

 

モーショボちゃんが口にクリームを付けながら、笑顔でケーキを頬張る。

自爆の影響はどうやら彼女に少なくない影響を与えたようだ。

具体的には以前よりも表情に柔さが生まれ、以前以上に可愛さの増したモーショボちゃん。

その上、地味に消費マグネタイト量も減り割安便利になったモーショボちゃん。

ただし、それに伴い何故か平時の食事量が増え、勝手に管から出るなどの命令違反を頻発する上、悪魔合体をしようとするとエラーが出るようになったモーショボちゃん。

総合的に見るとややマイナスかも知れないけど可愛いから+300点です。

 

「ただし、クソ猫。

 てめーはだめだ」

 

「あー!!

 オイラのエンガワ〜!!!」

 

永遠にエンガワを食べ続けるカブソから寿司を取り上げ、代わりにその口にチューるを突っ込んだ。

なお、カブソはこれはこれでと今度はチューるを舐めながら、これに合う料理をとか無茶な注文をシェフにし始めた、無敵か。

 

「ぷい〜!食べた食べた!

 もぅ〜お腹いっぱい!」

 

「は〜い、お粗末様でした」

 

「ふっ、今回はこの辺にしといてやるにゃ」

 

そうして楽しい会食も終り、みんなが笑顔で食事を終える。

シェフも笑顔で沖田さんに伝票を渡し、それを沖田さんが流しみること一回。

笑顔が固まり、硬い表情で伝票を見直すこと2回。

3回目に伝票を見る時は、もはやその顔には驚愕も絶望しか残っていなかったのは言うまでもないだろう。

ふと沖田さんがここまで驚くとはどれほどだと気になったので、自分もその伝票を横から覗き込んでみた。

 

「……いや、これおかしくない?

 なんでいつもの3倍……いや5倍、それ以上値上がりしてんだよ」

 

そして、そのお値段は本当に目玉が飛び出るくらい高かった。

具体的にはいつも高いと思ってるが、それが可愛く見えるくらいには絶望的で強気な料金設定である。

自分が悪のデビルサマナーならこれだけでギターケースを取り出して、即座に地獄のデスライブを始める可能性がある程度にはぼったくり価格だ。

が、どうやら聞いてみたところ、この料金設定は嘘やボッタクリの類ではない、とある事情が重なってしまった故の出来事らしい。

 

「いえ、それには訳がありましテ。

 実はなぜかここ数日、異様にこの業界界隈に大量の【マッカ】と【マグ】が流れて来マシテ。

 そのせいで、メシアもガイアも生体エナジー協会でも何時もならばマッカの買取をする筈が売りに出し始めているノデス。

 無論、現金払いならば通常通りのお値段で対応させて頂けますが、マッカやマグネタイト払いでとなりますと、こちらのお値段でと言うことにナリマス」

 

「……あ〜、つまりは今は丁度マッカやマグの値崩れが起きていると?」

 

自分の答えにシェフはゆっくりとうなずく。

そのシェフの言葉は真実なのだろう。

その証拠に、伝票に書かれた料金はマッカやマグ払いだと高いが、現金払いだとむしろ安い値段設定になっている。

そうして、幸か不幸か何でこの界隈に急にマッカやマグネタイトが放流されまくったか、それには心当たりがある。

だからこそ、1プレイヤーにしてデビルバスターとしては、シェフのその言葉に納得せざるを得なかった。

……が、残念ながら世間情勢が何であろうと沖田さんの手持ちに現金がないと言う現実は変わらない。

伝票と手元のCOMPを見比べながら、オロオロとする沖田さん。

煽るモーショボ、脱走の準備を始めるカブソ、無表情ながらもオーラで威圧するシェフ+無数の仕込み武器を持って背後に控えるメイドさん達。

余りのカオスっぷりに困惑を超え、変な笑いが浮かんでくるがこのままでは色々とラチが開かないし揉め事まで行けば、下手すれば出禁だ。

そうして一通り状況を楽しんだ後、ようやく観念して自分はCOMPから財布を取り出し、こう言うのであった。

 

「カード使えますか?」

 

「あ、ウチは現金だけなんですよ」

 

ん十万越えなのに、ニコニコ現金払いとか嘘だろオイ。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

【もはや普通すれ】脱初心者スレpart52

 

 

253:名無しの壬生浪士

お 前 ら 自 重 し ろ!!

 

254:名無しの悪魔

↑お前モナー

 

255:名無しのサマナー

そうかお前もか、俺も何じゃよ

 

256:名無しのバスター

ワイもワイも

 

257:名無しのメシアン

貴公もそうか

 

258:名無しのガイアーズ

実は俺も

……で、何の話?

 

259:名無しの悪魔

そうそう、自分もそうなんだよ

あれだろ、今日もまたピクシーに振られたとか、そんな話だろ

 

260:名無しのガイアーズ

ちげーよ。

マグネタイトの価格崩壊についてだろ

 

261:名無しのサマナー

↑マッカの方のことでは?

そっちの方が話の流れとして自然だし

 

262:名無しのバスター

魔石系の低級アイテムの値崩れの方の可能性

 

263:名無しのバスター

もしかしたら、ここ数日でお手軽依頼が殆ど取られ尽くしたことかも。

 

264:名無しの壬生浪士

大 体 全 部 だ こ の 野 郎

 

265:名無しの悪魔

 

266:名無しのサマナー

ですよねー

 

267:名無しのメシアン

知ってた

 

268:名無しのバスター

それはマジで俺も思ってる

俺以外みんな自重しろ!!

 

269:名無しの生協

生体エナジー協会でバイトしてるけど、ここ数週間はマジで激動で徹夜続き

マジでもう少し自重してくれ

これじゃ誤魔化せるものも誤魔化せんやろ

 

270:名無しのバスター

すまない……

すまない……!!

 

271:名無しのバスター

本当に申し訳ない(マグ&マッカを全部現金返還しながら)

 

272:名無しのガキ

大丈夫?有能バイターいる

 

273:名無しの生協

>>272 出禁は帰れ

 

274:名無しの悪魔

酷いwwww

 

275:名無しのバスター

このガキが何をしたwww

いや、この感じ、元ミルコメ兄貴かww

 

276:名無しのサマナー

餓死→窒息→餓死に戻るとは器用なww

 

277:名無しのメシアン

何と言う天罰

 

278:名無しのガキ

(´;ω;`)帰る

 

279:名無しのバスター

マジで来て帰っただけやんww

 

280:名無しのガイアーズ

あれはワシらでも救えぬものry

 

281:名無しの生協

生体エナジー協会は中立組織だから前科ものは無理だからね

そこははっきり言っておかんと

 

282:名無しのバスター

でも、せっかくイベント報酬でマグやらマッカがいっぱい手に入った瞬間にこれとか……

やっぱりこの世界の神は草運営、間違いない

 

283:名無しのガイアーズ

それって四文字のことか?

ならしゃーなし

 

284:名無しのメシアン

メシアン的にはそれを言われるとやめろと言わざるをえない!!

……いや、やっぱ否定できんわ

 

285:名無しの悪魔

四文字が黒幕と決まったわけではないだろう!

良い加減にしろ!(四文字無能は否定しない)

 

286:名無しのサマナー

ようやく、もやし生活が終わると思ったのにこれとか

つらい

 

287:名無しのバスター

いや、そこまでの極貧は普通にバイトしろ

 

288:名無しの悪魔

(裏業界への)バイトですね、わかりまry

 

289:六本木のガイアーズ

今ならガイアの伝で手軽なアルバイトを紹介してやるぞ!

え?内容?893関連の護衛?

 

290:名無しの悪魔

↑ねーよ!

 

291:名無しのバスター

色々と危なスギィ!

 

292:名無しのサマナー

無能なら死ぬし、有能でも目をつけられるとか、なんと言う地雷依頼

 

293:六本木のガイアーズ

でも給料相場はええで?

ttp/××××××.net

 

294:名無しのバスター

うわ、絶妙にやりたくなる値段やめろ

 

295:名無しの悪魔

罠だと分かってはいるが……いるんだがなぁ

 

296:名無しの悪魔

これ悪魔でもできるバイトとか、マ?

流石ガイア傘下の893

 

297:名無しのバスター

物件に沸いた悪霊退治くらいならセーフそう!

という訳でポチー!

 

298:名無しのバスター

なんという勇者

 

299:名無しの悪魔

やるんならレポよろ

それによって続くか決めるから

 

300:名無しのバスター

見えてる地雷を踏むとは……惜しいやつだったよ

 

301:名無しのサマナー

と言うか、イベント後、日和見勢動きなんだよ

そのせいで、悪魔が増えた筈なのに依頼が減ってるぞ!

どうにかしろ運営!

 

302:名無しのメシアン

(都内のデビルバスター人口が)溢れる、溢れるぅ!

 

303:名無しのサマナー

中級者スレだと依頼が増えたって喜んでたけどな

つまり、雑魚依頼だけが人気でry

 

304:名無しのガイアーズ

いや、安全マージンは取りたいやん?

 

305:名無しの壬生浪士

業界的には新前すぎて信用が足らんと言われました

 

306:名無しのバスター

強敵悪魔討伐依頼だと割と他悪魔pだったりするのじゃ

許せ

 

307:名無しのバスター

ガイアメシアの増員のせいで、お手頃依頼は全部大手がとってっちゃうからね

ちかたないね

 

308:名無しの悪魔

うーん、この

 

309:名無しのサマナー

意地でもガイアメシアに入信させようとする神の見えざる手(見え見え)を感じる

 

310:名無しのメシアン

悔しい!でも、入信しちゃう!

 

311:名無しの悪魔

や め ろ !

 

312:名無しのバスター

ゲーム内だと何で明らかに死に向かってるのに雑魚モブどもがそんな組織に入ろうとするかわからんかったけど、ようやく少しだけ理由が分かったわ

 

313:名無しの生協

今なら大卒程度の頭+レベル15超えならうちのバイトも紹介してやるぞ!!

……ここ数週間ずっとデスマーチだがな!

 

314:名無しの悪魔

デスマーチ(notアプリ)

 

315:名無しのバスター

メガテン世界に来てまで、何故わざわざ社畜に戻らなければならないのか

 

316:名無しのメシアン

しかも、バイト扱いと

現実は辛いなサム

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

「……きたっ!!

 沖田さん、構えて!」

 

「了解です!!

 シェ・ムラマサとか家賃代その他のため、覚悟!!」

 

かくして、沖田さんの熱い要望により、自分たちはあの後素早く依頼を謎女さんからもらうことになった。

依頼内容は都内に発生する強力な悪魔の討伐。

なお、相手の詳しい名称は不明だが、女性を中心に無差別に襲いかかってくる狂気にのまれた悪魔だと言う事。

すでに無数の死者含む被害者が出ているおり、被害は甚大。

被害者には弱小であるがデビルバスターも含んでおり、放置は非常に危険と判断。

被害が広がる前に、可及的速やかに処理してほしいとの事だ。

 

「ーーーAAAAAAAA rrrrraaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!」

 

そうして、明らかにマグの濃い路地裏を駆け回る事数十分。

どうやら向こうもこちらの気配に気が付いたのだろう。

その正体不明の謎の人型の悪魔はまともな会話すらせず、狂気の雄叫びを上げながら、こちらへと襲いかかってきた。

 

「……ずぁ!!」

 

「大丈夫か?沖田!?」

 

なお、その威力とスピード共に猛烈であり、周囲の壁がえぐれアスファルトの地面も割れる。

その攻撃を受けた沖田さんを中心に周囲の建物や道路が砕け壊れる。

 

「……が、大丈夫です!

 今の私の【ペルソナ】は【ヨシツネ】で【物理無効】!

 貫通なしの物理なら問題ナッシングですよ……っと!」

 

「ーーーgaasaaaa?」

 

しかし、その一撃も物理無効の沖田さんの前では無意味だ。

悪魔の攻撃を無効化し、相手が呆けた隙に沖田さんが反撃の一撃を放つ。

しかし、綺麗に胴に当たった筈の刀もまた、相手に触れる直前でその勢いを落としてしまったのであった。

おそらく相手も物理無効持ちや吸収持ちなのだろう。

何故前任のデビルサマナーがやられてしまったかがよく分かると言うものだ。

 

「……ノッブ!アナライズ結果は!?」

 

「アナライズ結果は……ボス補正?か殆どエラー!

 名称不明!スキル不明!耐性……お!物理銃吸収、呪殺無効、電撃弱点!」

 

沖田さんが悪魔を足止めしているうちに、こちらは相手のアナライズを済ませる。

しかし、残念ながら、相手がどのような悪魔かは分からなかった。

が、それでも耐性が分かれば戦う上では十分とも言えよう。

 

「悪魔会話……は無理そうだな。

 ダークマンすら無反応だし」

 

「いやいや、今のこれを見たら分かるでしょう!

 どう見てもまともに対話すら出来ない類じゃないですか。

 そんな呑気な事……うわちょ!目潰しはやめて!」

 

沖田さんが悪魔を相手取りながらも律儀に答えてくれる。

こちらとしても、前回の教訓からもそろそろ物理耐性の強い仲魔が欲しかったところなのだ。

が、どうやら今回は縁がなかったようだ。

此方への殺気も止まらず、まともに交渉すらできない相手にデビルサマナーといえど、容赦する必要はない。

既に奪った無数の若い女性の仇討ちをする事となった。

 

「ノッブ!攻勢に入りたいので《あれ》をお願いします!」

 

「了解!という訳で……喰らえ!」

 

沖田さんの合図と共に素早くCOMPからそれを取り出しなげる。

それは宙に舞った後に破裂。

薄暗い筈の路地裏の戦場に直視すれば目が焼かれるほどの膨大な光が放たれた。

 

「わーお、さすがはかせ特製の閃光弾。

 半端ないな」

 

無論、悪魔によってはそもそも視覚が無かったり、そもそも光で強化されるのもいるので過信は禁物。

しかし、それでも今回の悪魔には有効だったのだろう。

その光を直視してしまった悪魔は先程までの軽快な動きは何処へやら。

その身を縮こませ、悶えていた。

 

「いまです!ペルソナチェンジ!からの……《ジオンガ》!!」

 

「換装!からの《電撃弾》喰らえ!」

 

「ーー!!IGAAAAAaaaaaaaaaaaa!!!」

 

沖田さんの放つ極大な電撃と、自分のギターケースから放たれる無数の小型電撃が目の前の悪魔へと襲撃する。

そして運が良かったのだろう、自分達の攻撃を受けたその悪魔は電撃により痺れて《麻痺》状態になってくれた。

 

「よっし!その素早い足さえ止まってくれれば後は大丈夫!

 麻痺が解ける前に一気に畳みかけますよ!」

 

「了解!《モーショボ》!《チャグリン》!」

 

かくして、沖田さんは続けて中位の電撃魔法のジオンガを、合体素材予定だった【妖獣・チャグリン】のジオとモーショボのザン、さらにはギターケースで援護射撃もした。

かくして、この弱点属性を含む波状攻撃にはさしもの悪魔もひとたまりも無かったのだろう。

その悪魔がバスティングされるのはそのすぐ後のことであった。

 

 

「ーーA…… A……

あり……がと……」

 

「……?」

 

「よっしゃ〜!!

 これでようやく現生確保!やった!」

 

悪魔の遺言を聞きながら、消えゆく悪魔。

薄まる周囲のマグネタイト濃度に喜ぶ沖田さん。

おそらくこの辺は半分異界化していたのだろうが、その怪しい気配も薄れていくのを感じる。

これならば数日も経たないうちに、ここは元の薄暗いだけど裏路地に戻るだろう。

 

「……」

 

「どうしたんですか?ノッブ。」

 

此方の様子が気にかかったのか、沖田さんが此方の顔を覗き込む。

無論、それは単なる自分の勘であり、確証があったわけではない。

周囲には感じない他悪魔の気配に、不可解な遺言。

異界未満の場所にいるにしては不釣り合いな強さに、突然湧いて出たかのような被害経歴。

何より戦い方は二足二手の人型であり、あまりにも整いすぎている耐性、アナライズが利かない謎の特性。

その全てを一つに繋げると自ずと導き出される回答は……。

 

 

「……え?」

 

「……やっぱり、こう言うことかよ」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

〇クエスト【初めてのPK】の達成を確認しました

 ・クエスト達成報酬を送付します

 ・おめでとうございます!貴方は敵対プレイヤーの討伐に成功しました!

  つきましてはそれに従い特殊な報酬を得ることが出来ます

  報酬を選択してください

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

COMPに表示されたその文字とプレイヤー独特の残留マグネタイト。

その自分の抱いた疑問は実に最悪な形で明かされてしまったのであった。

 

 




tip・中島がノブ口調で話すと沖田さんが喜ぶが、かわりにノブポイントも上昇してしまう。


※アナライズが利かなかったのはこの【魔人】タイプのプレイヤーのオリジナルスキルによるものです
モデル?スカスカの具


▼感想ありがとうございます!
非常に励みになっております。でも主人公の影が薄いのは本当に申し訳ry


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16話目

カブソと表記するか元カブソとするか統一できてないけど初投稿です



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

●ケットシーは【リカーム】を使った!

◯MISS!

●蘇生を拒否されました。

 【抵抗:成功】蘇生は無効化されました。

 

●貴方は【地返しの玉】を使用した!

◯MISS!

●蘇生を拒否されました。

 【抵抗:成功】蘇生は無効化されました。

 

※この蘇生を実行したい場合は、より高位の蘇生アイテムを使うか、高位の悪魔による蘇生を行なって下さい。

 

●プレイヤーの消滅を確認しました

◯蘇生対象:不適切

●蘇生対象を正しく選択して下さい

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「女の身で童貞卒業おめでとう!

 初めての相手は男の子?女の子?

 それともり・ょ・う・せ・い?」

 

「言い方ァ!」

 

さて、プレイヤー過失致死事件から早数日。

あの後は依頼は達成したものの、沖田自分共々心に少なからずのダメージを負ったので、数日の休養を取る流れになった。

数日間は二人で部屋に引き籠ったり、駄弁ったり、遊園地にデートに行ったり。

そして、現在は気分転換を兼ねて沖田さんと共にはかせのお家に遊びに来たわけである。

なお、自分ははかせとアイテム整理&依頼報告、沖田さんはモーショボと一緒に筋肉眼鏡ことフェニックスさんとカウンセリング中である。

 

「一応、フェニちゃんはカウンセラーの資格を持ってるらしいからね!

 ……プレイヤー設定上は」

 

「急に不安になってきたんだが」

 

メガテンで設定上だけのカウンセリングとか嫌な予感しかしない。

大丈夫だよね?カウンセリング後に変なものに目覚めたりしないよね?

沖田オルタ(千年王国の姿)とか見たくないのだが。

 

「取り敢えず、リラクゼーションの為に天使聖歌隊による賛美歌を流してみよう!」

 

「おいバカやめろ」

 

はかせの暴挙を元カブソと2人がかりで食い止める。

途中はかせの見たこともない仲魔も交えての小乱闘となったがなんとかCDの破壊に成功。

沖田さんのアライメントは守られた、やったぜ。

 

「まあバカなことはさておき、はかせも意外もすんなり自分達を受け入れてくれたなぁ。

 同胞殺したから相談に乗ってって来たから、拒絶やら無視されるかと思ったんだけど」

 

「いや?むしろ凪ちゃんのアクシデント率を考えると、遅すぎるくらいかなって思ったくらい。

 別に発狂したプレイヤー同士殺し合いなんて、私的には珍しい物でもないし。

 私やフェニちゃんだって何回か経験あるくらいだからね」

 

唐突な殺人歴暴露に思わず飲んでいた紅茶を吹き出す。

でも、よく考えればそれも当然か。

フェニックスはオフ会ガチ勢であり、自分とは比較にならないほど多くのプレイヤーと接触しているはず。

はかせの方だって、生産系で金持ち物持ち、その上見た目幼女だ。

そんな彼女らが今まで出会った事のあるプレイヤー全員善人な訳がない。

それを考えれば、はかせ達がPvPやPKを経験したことがある事は別におかしい事でもないだろう。

 

「で・も!私は凪ちゃん達と違って蘇生に失敗したり、そのせいで相手を完全にロストさせることはなかったけどね!

 よ!この殺人鬼!目的のためなら同族すら殺す鬼畜!」

 

「や め ろ」

 

ケタケタと笑うはかせと元カブソ。

暫く付き合ってきてようやくわかってきたのだが、この【はかせ】、相方のフェニックスとは違って絶妙に倫理観のネジが壊れている。

オフ会の時はフェニックスやなのがストッパーとしていてくれるため、ある程度ごまかされてきた。

しかし、よく考えたらホムンクルスを持たせてくれたとは言え呪殺耐性なしでムド持ち悪魔へと悪魔交渉依頼や模擬戦で容赦なく実弾をブッパしてくる奴がやばくない訳がない。

この気質が生来のものかキャラ設定によるものかはわからない。

が、それでも彼女に善性や親愛の類は存在しているし、この良くも悪くも割り切っちゃってる性格は、今みたいな状況では有難いものだ。

 

「で、初めて同じプレイヤーをやっちゃった訳だけど、やっぱり特殊報酬は美味かった?爽快感は?

 報酬によっては殺プレイヤー依頼、受ける気になった?」

 

「掘り下げるなよこの野郎」

 

なお、割り切りすぎて、こちらの心の傷口に容赦なく抉ってくる模様。

ひどい。

 

「いやいや、こう見えて私だってちゃんと凪ちゃんのこと心配してるんだもん!

 沖田さんやフェニちゃんの前では気を使ってたみたいだけど、私の目はごまかせないからね!

 この際だからど〜んと、お悩みの一つ二つ言ってみてよ!

 いつもお願い聞いてもらってばっかりだしね!」

 

意外にも、はかせは両手を広げながら、こちらを気遣う発言をしてきた。

あのポーズは母性やら包容力を出してるつもりなのだろう。

しかし、見た目がロリロリなせいで抱っこをお願いする園児にしか見えない。

だか、それでも見た目に反してはかせが頼れるのは確かだ。

それに悩んでいるのは本当なので、この際に相談に乗ってもらうことにした。

 

「……まぁ、確かに色々悩んではいるよ。

 イベントの難易度やらプレイヤーの生死。

 見えない未来とか色々、考えることはあるよ」

 

はかせが無言でこちらの話を聞き続ける。

包容力のあるポーズ(笑)は崩していない、意地でも崩さない。

 

「特にさ、今回の同じプレイヤー殺し、あれは相当きついかった。

 殺すこと自体もそうだし、不可抗力や正当防衛に拘らず、あれはダメ、そう本能的に思ったよ、

 ……自分にPK、同胞殺しは無理だ。

 あれは人として慣れちゃいけないし、恐らくこの先似たような事があると今度は手を止めるんだろうな。

 同じ心を持っていたはずの、同じ境遇の人を、一方的に切り捨てる、そんな事自分にはできない。

 ……いや、それは悪魔も一緒か。

 悪魔だって、人間だってプレイヤーだって、同じ意志や心あるものなんだ。

 人として当然な事なんだろうけど、そんな単純なことさえ忘れてたなんて……な」

 

【悪魔を殺して平気なの?】

そんな名言が脳裏に浮かぶ。

そう、今までは自分は悪魔を何処か自分たちとは隔絶した、殺しても心痛まない存在だと思っていた。

しかし違った、よくよく考えればそうだ、悪魔と人もプレイヤーも同じ命なのだ。

それなのにそれを自分の都合で一方的に殺すことは何と傲慢なことなのだろうか?

そう、これがこの世界の厳しい現実、こんなことすら気づかなかった自分は果たしてこの先生き残れ……

 

 

 

 

「いや、悪魔が人間と一緒な訳ないでしょ。

 バーカ」

 

「にゃんという薄っぺらい言葉。

 驚くほど反吐が出るにゃ」

 

だが、自分の悩みは何故かはかせと元カブソには大不評だった。

何でや。

 

「悪魔と人間の命が等価〜?そんな訳ないじゃん!

 悪魔は死んでもわりとすぐに復活できるけど、人間はすぐ蘇生不可になる!

 ましては、私や凪ちゃんはサマナー系だよ?ロスト率が悪魔Pやバスターよりもはるかに高い!

 それなのに等価?そんな馬鹿な話はないから!」

 

「悪魔と人間の命が等価とか、それならどれだけよかったことか!

 そもそも平等とか言うならまず先にオイラの待遇改善を求めるにゃ!

 オキタはまだしも、同じ仲魔のモーショボーとオイラの扱いが違いすぎるにゃ!!

 改善を要求する!平和!平等!給料賃上げ!

 せめて、1日に最低3ちゅ〜る5かまぼこを要求するニャ!!」

 

とりあえずアホな事を言う元カブソの口に煮干しを突っ込み、その上から踏ん付け黙らせる。

ノーモア暴力やらノーモアパワハラとか言ってるが、これは差別ではなく区別だから問題ないのだ。

 

「というか?そもそも、自分と別の生き物の命を等価と考えること自体がナンセンスなんだよ!

 基本どんな生き物も生きてるだけで食う喰われるはやっているし、その中で好き嫌い優劣がつくのは当然の話!」

 

「特に今回はかたや、精神虚弱殺人鬼プレイヤーの評判激下げクソ悪魔。

 かたや、私の親友で地元対魔組織とのコネクションありのTSサマナー!

 こんなの100プレイヤー中99人が凪ちゃんの方を支持するだろうし、少なくとも私は凪ちゃんの方がずっとずっと大事!

 あ、生き残ってくれてありがとうね!フェニちゃんの次の次の次の次位に好き!」

 

結構順位低い……いや、高いのか?

励ましてくれてるのか、罵倒されてるのかよくわからない説教をくらう。

確かにはかせの言う事が部分的には正しいのは分かるし、大事と言ってもらって嬉しい。

しかし、それでもプレイヤー殺害の問題と博士の理論は別問題なのでは?

同じプレイヤーを殺してしまった事をそんな簡単に割り切って良いものなのか?

そんな自分のもやもやを読み取ったのだろう、はかせはため息を一つ吐いた後、このような提案をしてきたのであった。

 

「まったく、私としても凪ちゃんがそんな下らない事でクヨクヨして戦力ダウンされちゃ困るからね!

 ……という訳でぇ!そんな凪ちゃんの悩みを解決できる、スペシャルな依頼を用意してみました♪」

 

あれ?何故だかこの流れ、以前も経験したことがある気がするぞ?

そんな此方の嫌な予感をよそに、はかせが眩しい笑顔をこちらに向けながら詳しい依頼内容を説明してきた。

 

「今回の依頼内容は【護衛及び防衛依頼】!

 対象ははかせ、防衛対象ははかせと無数の機材達。

 マッカやMAGが安くなってる今がチャンスだからね!これを機に割安()と称してぼったくり価格でどんどん悪魔プレイヤーからマッカやMAG、それとデータを搾り取っちゃおう!

 それに今回の依頼内容は特に今の凪ちゃん向けだよ?

 ……なにせ当日は沢山の悪魔プレイヤーとの衝突や交戦が予想されるからね!

 これに参加すれば対プレイヤー向けの精神鍛錬や対人戦を学ぶことができるぞ!やったね凪ちゃん!リアル経験値だよ⭐︎」

 

「よっしゃぁ!この依頼ならマスターも少しは痛い目を……

ゴホン!サマニャー!これはぜひ受けるべき依頼だにゃ!

 ここで少しでもプレイヤー?とやらと戦えば、涙目……ゲフン、苦手を克服してより強くなれるにゃ!だから、ぜひぜひ受けるべきなのにゃ!」

 

なぜ気が弱ってる時に更に自分に追い討ちをかけなければならないのか?

普通に考えて、今の精神状態でこの依頼を受けるのはいろんな意味であり得ない。

が、経験上、このまま話し続けると何故かはかせの匠な話術で依頼を押し切られてしまうのは明白だ。

それ故に、今回は口論もせず一目散に逃げようとした。

 

「……なっ!!」

 

「ふふふ、どうやらようやく効いてきたみたいだね!

 良かった、効果がないかと冷や冷やしてきたところだったよ」

 

が、それは不可能だった。

なぜなら、なぜかまともに体が動かなかったからだ。

正確にいえば口や五感は問題ないのに、何故か手足が痺れ、まともに椅子から立ち上がることすらできないと言った状態だ。

 

 

「これは……まさかさっきのお茶!?」

 

「おふこーす!だよ!

 良かった、流石に魔法でもない只の薬だと凪ちゃんでもそう簡単に探知できないんだね。

 これは良いこと知った」

 

この女郎!飲み物に薬盛りやがったな!!

この依頼を受けさせるためだけに其処までするか!?

……いや、そもそも初めっからここにきた時点でお茶を勧め、それに既にシビレ薬がもられていた時点で……

 

「はかせ!謀ったな!はかせ!!」

 

「ふふふ、君の甘さと油断を呪うがいいさ」

 

いい笑顔でそう言うはかせに、すまなそうながらも一切の容赦なく自分を担ぎ上げる給仕をしていた東雲なの、仲魔のくせに爆笑して助けようともしないクソ猫。

思わず口から火を放ち、元カブソを存分に火であぶってやる、ざまぁ!

かくして、自分はその後動けないまま交渉という名の洗脳を受け、拒否できない状況で依頼を受諾。

結果、はかせの当初の計画通り、強制的に依頼を受けることになるのであったとさ。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

・悪魔プレイヤー専用スレ その48

 

 

782:名無しの戦車

・・・・・・・・・・・・・・・

【NAME】≪マシン≫【特殊支援型の】T95C/P Lv25

【相性】 物理耐性 電撃弱点 (バッドステータス無効)

【スキル】アイアンクロウ

     暴れまくり

     仲間を呼ぶ

     爪強化

     応急手当

・・・・・・・・・・・・・・・

ところで俺のステータスを見てくれ

これをみてどう思う?

 

783:名無しの悪魔

すごく……機械です

 

784:名無しの悪魔

何と言うメカ

 

785:名無しの悪魔

メカなのに銃スキルがついてない件

これで戦車を名乗るとかマ?

 

786:名無しのメシアン

もしかして、これでプレイヤーなのかよwww

ウッソだろオイwwww

 

787:名無しの悪魔

アイアンクラブ!アイアンクラブじゃないか!

 

788:名無しの悪魔

旧警察署へお帰り

 

789:名無しの悪魔

オリジナル?それとも原作のなにか?

ペルソナシリーズしかやったことないからわからない

 

790:名無しの悪魔

今調べたら陸自開発中の次世代型戦車とか出てきたぞおい

 

791:名無しの悪魔

確か真・女神転生1の敵だっけ?

よくそんなのキャラにしたな

 

792:名無しの悪魔

スティンガー落としそう

 

793:名無しの戦車

一応真1リスペクトからのメカ敵は仲魔にできないからって好奇心でキャラメイクした結果がこのザマよ

設定的にはゴウト小隊の対悪魔用特殊車両試作機って感じ。

スタート地点も当然そこで今もそう

こんな体だから勝手に動けないし、下手に動いたら改造修理に待った無しの激ヤバ境遇

 

794:名無しのガイアーズ

なんと言う生き地獄

 

795:名無しの悪魔

テロリストのお膝元とか発狂不可避

 

796:名無しの悪魔

五感とかどうなってるんですか?(素朴な疑問)

 

797:名無しの悪魔

↑それ、悪魔Pの俺たちだと大体ブーメランになるぞ

 

798:名無しの戦車

>>796一応基本五感は全部あるよ

でも、それが食欲や痛みにつながんないから色々と微妙

……それとみんなに聞きたいんだけど、これって【純悪魔】タイプだと思う?それとも【魔人】タイプ?どっち?

 

799:名無しの悪魔

知らないよwwww

 

800:名無しの悪魔

一応原作に出てたってことで悪魔……って言いたいけど、どう考えても悪魔合体出来ないから後者で

 

801:名無しの悪魔

ロボ娘は確か魔人タイプって確認済みだろ?

ならこれはヒト型でないだけのロボ娘だから魔人だろ

 

802:名無しのガイアーズ

流石に戦車をロボ娘と言い張るのは無理がある

 

803:名無しの悪魔

というか、魔人かどうかってそんなに大事?

ぶっちゃけレベルさえ上がればどっちでもいい気がするんだが

 

804:名無しの悪魔

変わる

 

805:名無しの悪魔

すごく大事

 

806:名無しの悪魔

悪魔と魔人の違いは悪魔合体できるかどうか

魔人タイプだと悪魔合体でスキルはかわっても種族や見た目は変わんないらしい

 

807:名無しの悪魔

まじか、と言うか魔人姿変わんないとは言え悪魔合体できるのか

いいこと聞いた

 

808:名無しの戦車

あ〜やっぱり魔人かぁ。

ワンチャン【悪魔】だったら種族変えられるとは思ってたのに

戦車のままだと生活キツすぎるんじゃぁ……

 

809:名無しのメシアン

ですよね〜www

 

810:名無しの悪魔

むしろ時期的にいつ戦争に駆り出されるか秒読みな件

 

811:名無しの悪魔

ワンチャン悪魔でもそのビジュアルでどうやって邪教の館に行くんじゃww

 

812:名無しのガイアーズ

そも自走できるのか?

 

813:名無しの戦車

つttp/××××××.DDSS.net

>>812 できるぞ サマナーと契約はできんけど

 

814:名無しのメシアン

ん?これは生産系のスレか?

ちょっと入場制限のせいか見れないんだが

 

815:名無しの悪魔

……なんでや!!

 

816:名無しのガイアーズ

え?どしたの?

自分これ見れないからわかなんのだが

 

817:名無しの悪魔

ちょっとリンク飛んでみた

→おいいいいい!!!!

 

808:名無しの悪魔

見てきた

相変わらず3凶はやる事が豪快だなおい

 

809:名無しの悪魔

ロリネキは親切なのか鬼畜なのか

もうわかんねぇなこれ?

 

810:名無しの悪魔

見れない俺のためにも、なにがあったの教えろ

 

811:名無しの戦車

とりあえず、簡易コピペ

●●●●●●●●●●●●

オフイベント・【悪魔プレイヤー限定!】悪魔合体交流会

主催・はかせ

内容・近日オフイベントとして格安で悪魔プレイヤーの悪魔合体を請け負います。

・今のままでは強さが足りない方

・マッカやマグはあるけど素材のない方

・地雷設定の悪魔故に種族を変えたい方

・既に犯罪を犯し姿を変えたい方

などなど、悪魔プレイヤー限定で今回は実験も兼ねてサービス価格で悪魔合体をさせて頂きたいと思います

当日はマッカもしくはMAGをお持ちいただければ、素材はこちらで準備致し、お好みの種族へと変化させて頂きます。

悪魔プレイヤーの方は奮ってご参加ください

※当日は合体装置が壊れ次第終了となります。事前にご了承下さい。

●●●●●●●●●●●●

と、こんな感じ

詳しい場所や時間は後ほどとのこと

 

812:名無しの悪魔

うおおおおおぉぉぉ!!まじかぁ!

 

813:名無しの悪魔

ようやく合体♪キタ───O(≧∇≦)O────♪

 

814:名無しの悪魔

素材持参なしでいいってまじ?

やべ、ちょっとテンション上がってきた!!

 

815:名無しの悪魔

ずっとオバリオンだったけど

ようやく……ようやくまともな悪魔になれるんやなって

 

816:名無しのメシアン

なんで、なんでメシアンお断りなんじゃ……

自分だって早く別種族になりたいのに……!!(霊鳥並感)

 

817:名無しの悪魔

先のイベントで悪魔合体プログラムがある程度行き渡ったとはいえ貴重といえば貴重だからなぁ

容赦なく犯罪者もウェルカムしてるところがとってもロリネキ

 

818:名無しの悪魔

やったと喜んだら場所は都内かよ(絶望)

誰かインドネシアで悪魔合体サービスしてくれる猛者はいないのか?

 

819:名無しの悪魔

遠スギィ!

 

820:名無しの悪魔

ロリネキの一般プレイヤーへの悪魔合体サービスってやってたっけ?

不安しか感じないんだが

 

821:名無しの悪魔

>>820 一応オフ会で仲良くなった相手にはしたことあるとは聞いたことあるけど……

やべ、なんか不安になってきた

 

822:名無しの悪魔

プレイヤー合体メインにやってる生産系って骨ニキとデジニキとか教授くらいだっけ?そう考えるとたしかに不安

格安には惹かれるけど、プレイヤー合体は事故りたくないからなぁ

今回は見送ろうかな

 

823:名無しの悪魔

でも、教授もロリネキも会うのが困難だからな

こんな機会でもないと無理だろ

 

824:名無しのガイアーズ

普通に邪教の館にいけ

 

825:名無しの悪魔

ないです

 

826:名無しの悪魔

(コネも素材も)ないです

 

827:名無しの悪魔

結界に弾かれるんだが?

 

828:名無しの悪魔

一般邪教の館はプレイヤー意識を配慮してくれない+料金くそ高い+自分で素材を用意ry

でとても一般悪魔プレイヤーが悪魔合体出来る場とは違うぞ

 

829:名無しのメシアン

ガイアメシア所属の邪教の館は、アライメント外の悪魔だとめっちゃ塩対応だからな

精神的にも合わないだろうし

 

830:名無しのガイアーズ

でも、ロリネキ主催っていうのがね

肉兄貴の監視は大丈夫なんですか?

 

831:名無しの悪魔

当日は幾らかの護衛をつけて参加します

とは書いてるけど、肉眼鏡さんの名前は書いてない。

つまりはそう言うry

 

832:名無しの悪魔

くっっっっそ不安

でも、行っちゃう!ビクンビクン!

 

833:名無しの悪魔

いやこれ不安だけど、メシアガイア以外の純悪魔pにとってはまじで大チャンスだよなぁ

こんな機会でもないと種族変更できんぞ

 

834:名無しのガイアーズ

合体事故怖い……怖くない?

その点うちなら、強い悪魔ならだれでもウェルカムでベテランがry

 

835:名無しの悪魔

怖いけど今よりはマシ(レベル1物理弱点レギオン並感)

 

836:名無しの悪魔

合体事故してもどう考えても今より強いんだよなぁ(4属性弱点スライム並感

 

837:名無しの閣下

強さとかどうでもいい!

自我が飲まれるか飲まれないかの勝負なんだよぉ!!

 

838:名無しの悪魔

これはひどいwwww

 

839:名無しの悪魔

おい、ちょっとまて

 

840:名無しのメシアン

何でそんな種族を選んだんですか?(素朴な疑問)

 

841:名無しの戦車

あら、意外と知らない人多かったのな

……俺には無駄っぽいけど、喜んでくれる人が多くて嬉しいよ(´-`).。oO

 

842:名無しのメシアン

戦車ニキ(´・_・`)

 

843:あなしの悪魔

戦車さん可哀想

 

844:名無しの悪魔

二度とまともな食事もオ●ニーできずに死ぬんやなって

 

845:名無しの悪魔

>>844 ヤメロォ!!

 

846:名無しの悪魔

思ってても言っていい事と悪い事があるだろ!!

 

847:名無しの悪魔

無差別爆撃はやめろ

 

848:名無しの戦車

大丈夫、もうそれくらい覚悟してるから

してるから……

 

849:名無しのガイアーズ

まじで可哀想すぎて泣ける

 

850:名無しの悪魔

自分も同じ境遇だから分かるわ

こんど一緒に愚痴ろうな

 

851:名無しの悪魔

自分夢魔だから夢さえ見るならワンチャン癒せるんだが、メカはバステ無効だからなぁ……

 

852:名無しのデジモン

いや、魔人でも割と悪魔合体しまくればある程度は姿や耐性は変えられるぞ

 

853:名無しの悪魔

え?

 

854:名無しの犬

 

855:名無しのメシアン

は?

 

856:名無しの悪魔

デジニキ!でじにきじゃないか!

 

867:名無しの戦車

はぁぁぁぁぁ!!!

それホントウガ!!!うそならゆるさんジ!!!!

 

868:名無しの戦車

ちょっとwww口調変になってるぞww

 

869:名無しの悪魔

でも気持ちはわかるわ(全属性弱点魔人並感)

 

870:名無しの悪魔

嘘乙!ソースはよ!

……と言いたいけど、デジニキは合体ガチ勢だからなぁ

つまりは、マジってことか!?!?

 

871:名無しのデジモン

あくまで最近わかったことだけどな。

骨さんと共同研究でやったんだが、どうやら魔人でも数十回悪魔合体を繰り返せば姿や性質がそっちに偏るらしい

実際、魔人から人間には戻せなかったが、人造人間(無性五感欠損ロウ固定)から人造人間?(巨根性欲マシマシ野獣属性)くらいには戻すことができた

 

872:名無しの悪魔

何でそうなったしwwww

 

873:名無しの悪魔

まじか、まじかぁ!

 

874:名無しの悪魔

野獣属性wwww

 

875:名無しのガイアーズ

巨根←これいる?

 

876:名無しの悪魔

何というED治療ww

 

877:名無しの悪魔

魔人の性転換手術とはたまげたなぁ

 

878:名無しの戦車

性欲!性欲だけでも戻れるの!まじで!!!

 

879:名無しの悪魔

うぉおぉぉぉ!女にようやく女に戻れルゥ!

 

880:名無しの悪魔

これ、ご飯は!ご飯は食えるようになったのか!!

 

881:名無しの悪魔

あー、確かに何回も合体すればそらゃ魔人でも偏るか

でも、数十回とは気が遠くなる話だなおい

 

882:名無しのガイアーズ

というか、なにと合体させられたらそうなったしw

 

883:名無しのデジモン

当然五感も戻ったし経口での食事もいけるようになったぞ

一応、このデータ自体はロリさんと共有したけど、ロリさんは悪魔合体には其処まで熱心じゃない筈なのに突然これだから、何かあったのかなって。

多分、今回のオフイベははかせ的には魔人合体の実地研究も兼ねてると思われるね。

だからまぁ、魔人タイプの人もMAGやマッカがクソ余ってるなら被験者も兼ねて行ってみるのもありなんじゃないかな。

……合体成功率は保証せんけど

>>882 カクエン13体

 

884:名無しの悪魔

やべ、ちょっと生きる希望湧いてきた

 

885:名無しの悪魔

まじか、まじかぁ

 

886:名無しの悪魔

カクエンwwwww

 

887:名無しの悪魔

自分女人修羅だけど自分も男に戻してもらえるんですか!

そのカクエンって悪魔と合体すれば男に戻れるんですか!!

 

888:名無しの悪魔

↑そのむっちり太腿を捨てるとはもったいない!

 

889:名無しのメシアン

と言うか、カクエン イズ 何?

 

890:名無しの悪魔

取り敢えず悪魔全書より

【妖獣】カクエン

中国の伝承にある妖猿。単性社会を構成するとされる。

子孫を残す手段として、カクエンは人間の女性をさらい、子を産ませるという。女性はカクエンの子を産むと母子ともに返してもらえるが、子を育てなかった場合、母親は殺されてしまうとされる。また生まれた子供は、普通の子と何も違わず、人間社会で普通に成長を遂げるという。

・Qつまりは? →Aオス猿孕ませレイパー悪魔

 

891:名無しの悪魔

 

892:名無しの悪魔

これは野獣(真)ですわw

 

893:名無しの悪魔

むしろこんなの10以上と合体して自我保っている魔人のスペックおかしいわww

 

894:名無しの悪魔

合体材料のチョイスがあれ過ぎるwwwww

 

895:名無しの戦車

確かにこんな悪魔を大量に自分に混ぜるのはアレだが……

でも、それで食欲や性欲が戻るならぁぁぁぁぁ!!!

 

896:名無しの悪魔

落ち着けwwww

 

897:名無しの悪魔

まてw早まるなwww

 

898:名無しの悪魔

これだけ同じ悪魔がいたら精霊や御霊が何匹作れると思ってんだ勿体ない

 

899:名無しの悪魔

一人ですら10も20も悪魔合体素材使うのに、いくら向こうが素材提供すると言っても限度があるのでは?

 

900:名無しの悪魔

そもそれだけやったら先に合体装置が壊れそう

 

901:名無しの大天使

ピクシーと合体すればワイもぷいキュアにry

 

902:名無しのデジモン

>>900 だろうな

しかも出張サービスだから簡易合体装置だろうし

多分、十数人も合体したらそれで終わりじゃないか?

今まで合体装置の強度ならそれくらいだし。

 

903:名無しの悪魔

!!!!!!!

 

904:名無しの悪魔

そマ?(震え)

いや、ちょ、それは少なすぎでは?

 

905:名無しのメシアン

いや、サービスでやるにしては十分多過ぎるくらいでしょう

素材も向こうが用意って書いてるくらいですし。

 

906:名無しの悪魔

どうりで注意書きに【合体装置が壊れたらそこで終了】って書かれてるわけだ。

そりゃ、魔人合体を10も20もやったら装置もあっという間にショートしちゃうか

 

907:名無しのガイアーズ

あっ…あっ……(絶望)

 

908:名無しの悪魔

何という蜘蛛の糸

 

909:名無しのガイアーズ

ロリネキ太宰治版お釈迦様説

あると思います()

 

910:名無しの悪魔

いやいやいや、ロリネキなら流石にその辺の対策考えてるよな?

よな?

 

911:名無しの悪魔

取り敢えず魔人は後回しで

 

912:名無しの悪魔

ふざけんな!

 

913:名無しの悪魔

戯言は其処までにしろ

 

914:名無しの悪魔

寧ろワンチャン普通の邪教の館で悪魔合体できる純悪魔プレイヤーこそ後に回されるべきだろJK

 

915:名無しの悪魔

あの、自分人修羅なんですがね

邪教の館に行けないから、仲魔の合体とか……ダメですか?

 

916:名無しのメシアン

ダメです

 

917:名無しの悪魔

カエレ!(・∀・)

 

918:名無しの悪魔

人修羅ちゃんは悪魔合体必要ないでしょ!

そんな暇あったら、異界でマガタマ集め頑張りなさい!

 

919:名無しの悪魔

人修羅は悪魔Pとして認めない!

繰り返す!人修羅は悪魔Pではない!

 

920:名無しの悪魔

わかるわ

 

921:名無しの悪魔

何という人修羅差別

 

922:名無しの悪魔

何で人修羅悪魔スレでも邪険にされなきゃあかんの?

 

923:名無しの悪魔

人間の五感に悪魔の強さ、どちらの人脈も取れる、その上維持コストなしとほぼメリットオンリーだからね

ちかたないね

 

924:名無しのメシアン

悪魔オンリーのオフで人修羅が来るのやめろ

 

925:名無しの悪魔

人修羅の自分は人からも悪魔からも嫌われるんですがそれは

 

926:名無しの悪魔

>>925 それはお前のリアルコミュ力のせい

 

927:名無しの悪魔

ひでぇw

 

928:名無しの悪魔

でも割と事実

 

929:名無しの悪魔

いやだいいやだい!

こちとらまじで邪教の館出禁のせいでここぐらいでしかまともに合体できなさそうなんじゃい!

 

930:名無しの悪魔

そもこれ回数に限りがあるっぽいのでどの道早いもの勝ちなのでは?

 

931:名無しの戦車

!!

 

932:名無しの悪魔

ですよねー

 

933:名無しの悪魔

気づいてしまわれたか……

 

934:名無しのガイアーズ

速さこそ正義!いい時代にry

 

935:名無しの悪魔

絶対当日現場は地獄よな

 

936:名無しの悪魔

ヤベェよヤベェよ

 

937:名無しの悪魔

何でいまだに詳しい場所と日時書いてないかよく分かったわ

 

938:名無しの大天使

ちっと大天使だけどぷいキュアになりたいから行ってみる

 

939:名無しの戦車

オレもオレも、戦車だけど当日市ヶ谷から脱走して向かってみるわ

ニュースになる?知らね

 

940:名無しのガキ

やっと追いついた!!

というか、オレが都内から離れた瞬間こんな催しとか……

今樺太だけど何とか間に合ってくれ〜!!

 

941:名無しの悪魔

げぇ!餓死ニキ!!

 

942:名無しの悪魔

ジャーン!ジャーン!!

 

943:名無しのメシアン

というか大天使www

何でそんな高位の天使様なのに悪魔合体する必要があるですか(震え)

 

944:名無しの悪魔

戦車は流石に自重しろ!!

 

945:名無しの悪魔

戦車が合体脱走とか大ニュース不可避

 

946:名無しの悪魔

流石にあんたが動くと他プレイヤーの存在がバレるし、最悪イベ中止になるからやめろ!!

 

947:名無しの悪魔

餓死ニキとか、他プレイヤーとの戦闘不可避

 

948:名無しのガイアーズ

というか、大天使が出歩いてメシアンに目をつけられないんっすかねえ?()

 

949:名無しの悪魔

とりあえず、当日は大天使と無差別殺人鬼犯罪者と戦車が都内を闊歩することはわかった

 

950:名無しのメシアン

何という終末

 

951:名無しのガイアーズ

絶対当日に現場にいかねぇ

 

952:名無しの悪魔

とりあえず、>>950は次スレ立てけよ

 

 

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そして、時間は少し進み、はかせの依頼当日。

六本木にできた新たな異界内部でそれは起こった。

 

 

「黒キ騎士ノ 駆ケル時

 世界ヨ 染マレ 飢エタル黒ニ……

 罪人タチヨ コノ天秤ノ赴クママニ

 コノ身ガ 殺メル命ハ 幾許カ…」

 

▶︎魔人 ブラックライダー が 1 体 出てきた! <カカッ!

 

「この世に光がある限り、俺はいつでも蘇る!

 俺は太陽の子!仮面ライダーブラァーック、アールエーックス!!」

 

▶︎魔人? 仮面ライダーブラックRX が 1体 出てきた! <カカッ!

 

「そこまでだブラックライダー!! 人を想う心…それだけで人は光になれる!」

 

「黒キ我ガ名ヲ 驕ルトハ

 死中ヲ 往クカ 滅ビニ 逝クカ」

 

かくして、目の前で突如始まる魔人と魔人()のライダーバトル。

黒き馬が飛び、火花が散り、剣舞い、死が跳ぶ黙示録。

戦わなければ生き残れないとは誰のセリフだっただろうか?

別にクライシスも終末も関係ない、その上、ベルトもメノラーも賭けてないのに何故彼等は戦い合うのだろうか?

きっとそれには人間の自分にはわからない、深い理由があるに違いない。

もしくはこれも閣下のせい、おのれルシファー!この世界もお前によって破壊された!!

 

「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」

 

「いや、アホなこと言ってないで、あれお客さんの邪魔だからさっさと止めてきて。

 大丈夫、レベルでは勝ってるはずだから」

 

「嘘だろおい」

 

こうして、自分は否が応でもこの連続で発生する大乱闘悪魔プレイヤーブラザースに巻き込まれ、喧嘩両成敗という名の悪魔プレイヤー虐殺に慣れざる得なくなるのでした。

 

 

 




当初「イベント後の話は沖田さん同棲とはかせコミュと■■で…1話くらいで、次のイベント行けるか!」
今「どうして……どうして……」


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すごく励みになります!


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※幕間・小話詰め合わせ

少し、箸休め的なのでも
時系列は14話以降です


●謎の女さんの一日

 

ヤタガラスの使者・森野の朝は早い

 

「……まぁ好きではじめた仕事ですし」

 

誰とも聞かれない愚痴を零す。

最近は危険な悪魔が多いからなと思いながらノロノロと布団から起き上がる。

まず、入念な体調チェックから1日が始まる。

体力、精神力ともに問題ないことを確認してから、管から仲魔を呼び出す。

 

「モリノン!モリノン!

 ゲンキ!ゲンゲンキ!」

 

「……うん、これなら問題ない。

 【コダマ】君もいつもありがとう。」

 

今日は大事な交渉日である。

彼女は自分の仲魔に問題ない事を確認し、管に戻す。

変装を行い、フード被り、家を出る。

基本的にどの依頼を誰に割り振るかは決まってはいるものの、最近の依頼主の嗜好に合わせ、多種多様な条件をつけなければいけない。

一昔前ならば何を贅沢なと切って捨てられたものの、現在の状況ではそうも言ってられない。

思わずため息が出る。

 

「やっぱ都内の仕事はキツイですね……。

 競争率が高いですし、危険度も高い」

 

それは彼女自身が選んだ道だから、後悔はしてないつもりだ。

しかし、それでも依頼の下見や事前調査の段階でババをひかされたと分かると気が滅入ってしまうのも確かな話だ。

 

「……この依頼はダメですね。これは裏にメシア教が絡んでいますね」

 

彼女の目とコダマの地脈感知力で、異界や地脈の性質を読み取り、そう結論つける。

腐ってもヤタガラスの術者、これくらいは問題なくできるのだ。

 

「お、この依頼なら!

 ……いえ、厳しいですね。

 彼女には簡単で安すぎますし、それ以外には厳しすぎる」

 

一見問題ない依頼、それでも敵の強弱の関係で取りやめざるを得ない場合がある。

そう、今、一番の問題は依頼の下請け先不足である。

50年前は何十ものオールドサマナーが軒を連ねたこの魔都・東京だが、今では少数派 。

特に実力があるものはほとんど他組織へと行ってしまった。

管使いがまともに戦力になるのに10年はかかると彼女は思案する。

 

「この業界のサマナー、悪魔の召喚ができるようになるのは当然ですが、ある程度は本人も戦えなければいけませんからね」

 

しかし、ここ数年は安価なハイテクサマナーにシェアを押されている。

 

「いえ、私は続けますよ。待ってる人がいますから───」

 

オールドサマナーの灯火は弱い。だが、まだ輝いている。

 

「時々ね、わざわざ手紙までくれる人もいるんですよ。

 またお願いしますって。ちょっと嬉しいですね」

 

「遠くからわざわざ求めてこられるお客さんが何人もいる。

 体が続く限り続けようと思ってます」

 

「やっぱりね、管使いだからこその魅力ってあるんです。

 機械がいくら進化したってコレだけは真似できない」

 

業魔殿内にあるカフェ【新世界】にてマスターに管を巻きながら彼女はそう呟く。

20××年、悪魔召喚プログラムの存在で依頼報酬が5分の一にまで下がり、一時は転職を考えた。

 

「やっぱりアレですね、たいていの若手は機械に召喚を任せてしまうんですよ。

 機械の方が早いとか、異能があるから問題ないとか……

 でもそれを乗り越える奴もたまにいますよ。

 ほら、そこにいる中島もそう。

 そういう奴が、これからのオカルト界を引っ張っていくと思うんですね」

 

最近では他組織のサマナーにも注目されているという。

出されたソーダ水をぐいと呑み干しながら「本物に追いつき、追い越せですかね」 。

そんな夢をてらいもなく語る彼女の横顔は職人のそれであった 。

 

今日も彼女は、日が昇るよりも早く現地の地脈の捜査を始めた 。

明日も、明後日もその姿は変わらないだろう 。

 

ヤタガラスの使者の朝は早い。

 

 

●沖田とノブ凪

 

「どうしてこうなった……」

 

ことの初めは、落ち込んだ沖田さんとの駄弁りであった。

先のPKは思った以上に自分たちの精神を削っており、その為に二人となにも悪魔関連のことをする気にはなれず、家でダラダラ。

そして、同胞殺しという事実から目を背ける為か、やけに沖田さんがこちらに物理的な意味で接触が増えてきたのであった。

 

「あ、髪のセット手伝いますよノッブ」

 

「買い物に行くんですか?

 なら私もいきますよ!……え?手を繋ぐのは別に友達同士なら変じゃありませんよね?

 ましてや私とノッブは親友同士ですし」

 

「あ!お昼寝ですか!

 私も一緒に寝ま〜す♪」

 

どう考えても接触過剰です本当にありがとうございました。

残念ながら自分は元は男だから、沖田さんの言う普通の女の子の距離感ならこれくらい普通理論が正しいかどうかはわからない。

が、このままでは男として色々と危ない!

ブツもないのに何がと言われたらそれまでだが、それでもこちらはいまだに心は男のつもりだ。

 

「な、なあ!沖田よ。

 ワシは元々の性別は男、そこのところはOK?」

 

「……?今は女の子ですよね?」

 

「そうだけど!その、心は男だから、ね?

 その、不安とか性差とか、あるじゃない?」

 

「……!!ああ、ごめんなさい、気が付きませんでしたね!

 気が利かなくてすいません、それじゃぁ、さっそく一緒にナプキンとブラを買いに行きますか!」

 

「ちげーよ!!そっちじゃねえよ!!

 だ、か、ら!あのね?沖田さんは美人なんだから、もっと警戒した方がいいって言いたくて!」

 

「ああ、それなら大丈夫ですよ〜♪

 ちゃ〜んと人は選んで言ってるつもりですし。

 ノッブはノッブだから大丈夫!そのような信頼の上でやってる訳です」

 

「……もしかしたら、自分が沖田さんを押し倒すかもよ?」

 

「いや、ステータス的に無理でしょ」

 

「自分が、いやらしい目で沖田さんを見てるかもしれんぞ?」

 

「へー、ところでこの沖田さんボディのバスト。

 なんとF、寄せてあげればGになるんですよ!

 まぁ、前の体と1サイズしか違わないですが」

 

「あーもー!そーいう事はっきり言っちゃう!」

 

何故か沖田さんは此方を機嫌良くニヨニヨ見て笑い、嬉しそうである。

だが、このままではラチが開かない。

そう思わず、こんなバカな事を言ってしまったのだ。

 

「それなら、家主命令で一緒にお風呂に入ってもらうように命令してもいいのだぞ?

 それが嫌ならもう少し警戒心を持って……」

 

「あ!いいですねそれ!

 一緒に入りましょう!」

 

「え」

 

「寧ろウェルカム!!やったぜ!

 これでようやくノッブの生全裸が見れますね!

 あ、カメラ持ち込みはOKですか!?」

 

「あほか!いい訳ないじゃろ!!」

 

「……っち!まあ、いい。

 それでも私の網膜にきっちりとノブのフルヌードを焼き付けますから」

 

「ちょ!おま!ひ、引きずるな!

 まって、心の、こころの準備がぁぁぁあ!!」

 

かくして、自分の抵抗も虚しく、自分と沖田さんはあっさりと一緒のお風呂に入る羽目になったのであった。

美女との体の洗い合いという、男の時ならさぞ嬉しかったであろうイベントを経験する羽目になりましたとさ。

 

「……風呂場に水着はルール違反では?」

 

「少しは加減しろ!!」

 

 

●沖田とモーショボー

 

「私も混ぜろよ!!」

 

「勿論!大歓迎ですよ!!」

 

「おい」

 

その次の日はなぜかモーショボーを含め3人で入る事になった。

今度は水着は許してくれなかった。ぐすん。

 

 

●はかせと凪

 

時間は少し飛んで合体イベント数日後。

はかせのところに装備品を取りに来たときの出来事であった。

 

「ところで凪ちゃんには不要だろうけど。

 先の合体レポート、あれのおかげで新しい良さげな装備が出来たんだ」

 

「へぇ、どんなの?」

 

はかせがパチンと手を鳴らすと造魔が持ってきたのは大きな全身スーツ。

それは機械出てきており、とても頑丈で強そうだ。

 

「そう!これは先日ようやく完成したパワードスーツこと【強化外筋骨格】

 次世代万能学習パワードスーツこと【デモニカ】をベースにいくつかの稀少素材を使用!

 さらに【魔人・仮面ライダーブラックRX】のデータを参考に作成、完成させた品がこれ!」

 

それはデモニカとは違い、蟲を思わせる外骨格であり、頭部もバケツのそれから蟲を思わせる複眼に似た強化ガラスに触覚がとても良く目立つ。

 

「その攻撃力は勿論、硬さは折り紙付き!

 物理系悪魔に襲われても、壊れない特殊合金の鉄壁ボディ!

 装備だって、対悪魔用の突撃銃に対悪魔用グレネード、カッコいい対悪魔用高周波ブレードも完備!」

 

素晴らしい装備の数々に、お洒落なベルト。

青い装甲が実に眩しい。

 

「なにより、普通この手の強すぎる強化装備はバスターでないと使えないけど、これはキチンと鍛えれば【サマナー】でも装備可能!

 そう!これは言うなれば(成長する特性を無視すれば)デモニカの上位互換装備!

 いやぁ!私の才能が恐ろしい!」

 

はかせは高らかに、そして誇らしげに自分の創造物を自慢する。

そうして、一通り自慢が終わった後にはかせはこう自分に相談してきたのであった、

 

「……でも、こんな凄いパワードスーツスーツなのに、何故か他プレイヤーの皆さんには不評なんだよねぇ?

 凪ちゃんはこの装備のなにがいけないんだと思う?

 この【仮面ライダー・G3アーマー】」

 

取り敢えず、この後はこれの見た目と名前を変えるように説得することになった。

その結果、【G3-X】と名前を変更したところ、なぜか以前より少しだけ売上が伸びた。

その事実に、はかせはとても納得いかない顔をしていたのが非常に印象的であったとさ。

 

 

●沖田とモーショボーとノブ凪

 

「え〜!流石にリンスくらい使おうよ!」

 

「ああ!ノッブの髪の洗い方、適当過ぎですよ!

 せっかくの長髪美人なのにもったいない!!

 ……何で卵シャンプーだけでこの艶を維持できてるんですか!!おかしいでしょ!!」

 

なお、初めの頃は風呂場ではモーショボーが沖田さんを牽制していたのに、何故か自分の髪の扱いに関して意気投合。

モーショボーと沖田さんの間で謎の女の子同盟が発足し、2人の仲が大幅に改善。

その結果、定期的に自分は沖田さんかモーショボーと一緒にお風呂に入る羽目になるのでした。

何でやねん。

 

 

●ノブ凪と新悪魔

 

「あら、貴女が私を呼び出したの?私は女神・ハトホル。

 エジプト神の一柱、ラーの妻、イチジクと豊穣の女神よ。

 今後ともよろしくね?」

 

いざと言う時や非戦闘時に使いやすそうな悪魔が欲しい!

それに謎女さんが言うには、豊穣神を仲魔に出来ていると斡旋できる仕事が増えるとの事で、この度はこの【女神・ハトホル】をはかせに頼んで作ってもらってみた訳だ。

 

「スキルは【パトラ】と【ポズムディ】に【雷電真剣】、【エストマ】【エナジードレイン】【ディアラマ】と。

 ん、これで簡単な状態異常にも対処できたし、エストマ要員しては十分過ぎるな」

 

もっともこのハトホルは物理と銃弱点なので、あんまり普段の戦闘には使わないだろう。

が、それでもいざと言うときの保険があるかどうかで大違いである。

 

「うふふ、長くなるか短くなるかはわからないけど、これからよろしくね?

 マスターさん♪」

 

おぉ、見た目こそ細身の角付き美少女だが、この余裕、確かに女神オーラを感じる!!

いや、実際に出ているかどうかは不明だが、そんな雰囲気と喋り方を感じたのは本当だ。

ところでハトホルさん、貴方は雌牛の女神のはずなのに、何で近年のビジュアルは貧乳なのですか?

え、セクハラはダメですよだって?ごめんなさい。

 

「あ〜!!

 オキタに続き、また新しい女を連れてきた〜〜!!

 私と言うものがありながら!!」

 

さっそくハトホルのお披露目を家で行った訳だが、どうやらモーショボーちゃんには不評らしい。

文句を言いつつ、ハトホルに絡んでいくモーショボー。

そして、そのまま奥の部屋へとハトホルを連れ込み、一対一での圧迫面接をすると意気込むモーショボー。

あらあらと言われながらも特に抵抗せずについていくハトホル。

そうして、扉が閉まりその後1時間後。

部屋から出てきた時にはすっかりトゲの抜かれたモーショボーと余裕を持った表情で微笑むハトホルの姿が!

 

「ママ……ハトホルママ……!!」

 

「はいはい♪モーショボーちゃんはいい娘ですね〜♪

 ママはここにいますよ?」

 

見るにこのモーショボー、すっかりハトホルに懐柔されてしまったようだ。

いや、確かにハトホルは養育の女神とかそう言う方面もあるけど、流石にこの堕としスピードには驚愕を超えてドン引きである。

 

「うふふふ♪

 あ、サマナーさんも勿論、私の事をママって呼んでもいいのよ?」

 

「ひえっ」

 

この日、何故この世界では女神も悪魔呼ばわりされるのか、理屈ではなく魂で理解したのであったとさ。

 

 

●謎女と中島と現地民と

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

623:名無しのハンター

おまえら、プレイヤーって組織について知ってるか?

 

624:名無しのハンター

プレイヤー?なに、またパラダイムX関連か?

 

625:名無しのハンター

だからパラダイムXは無実だって言っただろう!!

 

626:名無しのハンター

あ〜、最近やけに増えた名前詐欺悪魔達のこと?

あいつらパラダイムX産の悪魔だったのか?

 

627:名無しのハンター

↑最近は中華やアメリカ辺りでも似たようなの出来たからそっちの電脳異界かも知れんな

 

628:名無しのハンター

だからどっちもちげーよwww

いい加減パラダイムXから離れろww

 

629:名無しのハンター

天海市関連のあれがそれほど凄いとか、日本壊れちゃ〜う

 

630:名無しのハンター

ファントムを見ればあながち嘘とも言えないのがなぁ

 

631:>>623

いい加減話題を戻そう(真顔)

それよりプレイヤーだよプレイヤー、あいつら相当やべぇぞ

 

632:名無しのハンター

具体的にどうヤバいのか言えよ

翔門会よりやばかったら話聞いてやるよ

 

633:名無しのハンター

いや、大体のオカルト組織は翔門会よりはやばいやろ

 

634:名無しのハンター

アマネちゃんカワイイやったー

 

635:>>623

話し続けるぞ

この間、近場の異界で野良の悪魔狩りしてたんだが、その時ドミニオンとサマエルとかいう超クラス悪魔が普通に異界内を闊歩してて、命辛々抜け出したんだわ。

で、何とか情報だけでも盗み聞きした所、そいつらが所属しているグループがプレイヤーとか言う組織らしい

 

636:名無しのハンター

嘘乙

 

637:名無しのハンター

サマエルwwwにwwwドミニオンwww

堕天使の親分と大天使が一緒とかwwww

嘘にしてももう少しマシなのを言えwwww

 

638:名無しのハンター

ここは割とフリーだからあんまいう奴いないが、ガチメシアンは怒ると思うぞ?

 

639:名無しのハンター

取り敢えず、神罰当たるように祈っときました

 

640:名無しのハンター

私も

 

641:名無しのハンター

俺も

 

642:名無しのハンター

やwwwめwwwろwwwwww

 

643:名無しのハンター

どこに潜んでたし

 

644:>>623

そんなこと言っても、嘘じゃねえんだから仕方ないだろ!!

いや、おれだって聞き間違いだと思ったからこそこうやって聞いてるんだ。

誰か詳しい奴いないか?

 

645:名無しのハンター

知らんなー

 

646:名無しのハンター

しらかん

 

647:名無しのハンター

何となくだが、まじで名前からしてパラダイムX関連じゃないのか?

プログラムの影響で本来なら敵同士でも敵対できないとかあるらしいし。

 

648:名無しのハンター

俺はデビルシフターとか悪魔変身能力者説を推すな

それなら高位の堕天使と大天使でも一緒に今の地上に入れる理由として自然だし。

 

649:名無しのハンター

噂の仮面使いじゃないか?

仮面使いは経歴なしで突然力だけ目覚める奴多いらしいし

あいつら大抵目覚めた時期が年頃のせいで、絶対何かしらやらかすし

 

650:名無しのハンター

↑ペルソナ使いって言え

まぁ、やらかしには10割同意するけど

 

651:名無しのハンター

あ、もしかしたら私もそのプレイヤーってやつにあったことあるかも

でもそいつはわりと普通に人間だったけどなぁ

 

652:名無しのハンター

お!まじか!

続報ある感じ?

 

653:名無しのハンター

ガセじゃないのか!!

 

654:>>623

詳しく詳細おね

 

655:>>651

いや、詳しくって言われても、街中で普通に自称サマナーとかいう顔だけのイケメンにナンパされただけだが。

明らかに素人で弱そうな癖に、こっちが異能者だって察しやがったから、思わずむかついてユキジョロウの餌にしてやった

 

656:名無しのハンター

うわぁ

 

657:名無しのハンター

丸かじり怖いです

 

658:名無しのハンター

いや、でも雪女郎ってつまりはつまりは雪女やろ?

ワンチャンエロい意味の可能性がry

 

659:名無しのハンター

どっちも、犯してから氷漬けにして食べてたわ

 

660:名無しのハンター

げぇ!ダークさマナー!!

 

661:名無しのハンター

やっぱり女悪魔は害悪

はっきりry

 

662:>>623

でもそれでよくそいつがプレイヤーだってわかったな

というか本当にプレイヤーとやらに関係してるのか?

 

663:>>651

まー、なんかウチのユキジョロウがやけにうまいうまい言ってたのが印象的だったし、まじで顔だけは良かったからなぁ。

でも、その分発言があまりにも終末思想すぎるし、その癖に自分達だけはプレイヤーだからこの世界を救えるとかあほなこと言ってたから。

よく考えれば、殺すのはもったいなかったかも

 

664:名無しのハンター

ひぇ

 

665:名無しのハンター

ナンパされただけで相手を殺すサマナーがいるらしい

相変わらず女のダークサマナーは恐ろしいのぅ

 

666:名無しのハンター

サマナーは仲魔と似るんやなって

 

667:>>651

死にたいなら素直にそう言え

遠距離呪術の心得もあるから

 

668:名無しのハンター

ごめんなさい

 

669:名無しのハンター

生きててすいません

 

670:名無しのハンター

へん!化け物女のつよがりなんぞこわくもねぇ!

でこるもんならやってあれ、なんか画面がチカチカして

あがごがごかやががこやかまか@tmdjtwdgpjtjjt

 

671:名無しのハンター

ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル

 

672:名無しのハンター

>>670 無茶しやがって……

 

673:名無しのハンター

>>670 はいい奴だったよ……

 

674:>>623

はいはい、終われちゃった人の話はここまで!

で、ほかにプレイヤーについての情報はないの?

あんまり、>>651さんの言うプレイヤーの話と自分のプレイヤーの話が一致してる気がしないんだが

 

675:名無しのハンター

ですよねー

 

676:名無しのハンター

>>623何という外道w

……まあ、妥当だな!

 

677:名無しのハンター

でも、最近やけに抵レベルの高位悪魔をよく見るのはわかる

じぶんも、10レベルのニーズホッグとかいうレアなもの見たし

怖くて手は出さなかったけどね?

 

678:名無しのハンター

そうか?自分は逆によく15レベルを超えたピクシーやフロストとか高レベルな低位悪魔をよく見るようになったんだが

 

679:名無しのハンター

↑あ、むしろそっちの方が心当たりあるわ

自分、野良ゴブリンにフォグブレスやらベノンザッパーやら食らってまじで死にかけたわ。

ゴブリン相手にマジの敗走する羽目になったわw

 

680:名無しのハンター

こちとらインフェルノから大氷界食らったんですが

 

681:名無しのハンター

例のスーパーガキ様はプレイヤーだった説が微レ存?

 

682:名無しのハンター

何処かあほな高位サマナーが仲魔を合体事故とかてすてたとかかな

 

683:名無しのハンター

流石にそれなら俺らのうち誰かが察している

……察してるはずだよな?

 

684:名無しのハンター

でもこんな話あっても、誰もプレイヤーについてわかってないんだな

案外俺らの情報力もこんなもんか

 

685:名無しのハンター

いや、ウチの組織ではプレイヤーについてもう少し詳しくわかってるぞ

 

686:>>623

>>!!!!

 

687:名無しのハンター

ま?ということは本当にプレイヤーという組織は実在するのか!?

 

688:名無しのハンター

>>623の戯言ではなかったのか!!

 

689:>>623

おい!!

 

690:>>685

取り敢えず話が長くなるのは嫌だし、あんまり情報漏洩し過ぎると今度は俺が消されちまうから、手短に。

①どうやら、プレイヤーというのは特定の悪魔及び人間集団であり、基本ドイツも特別な異能を持っているらしい

②こいつらが結成されたのは結構最近?

でも、成長率がいいのか結構強い奴もおおい?

③聞いたところ、なんか強大な悪魔にみんな揃って洗脳もしくは拉致された模様。

その際に悪魔召喚プログラムか悪魔化の力を授けられた?

④組織のボス不明。構成員人数は下手したら1万いってるかも

⑤一番の問題が、こいつら全員思想が行動がバラバラでメシアやガイア含む各界のオカルト組織に多数参入済みらしい。

 

691:名無しのハンター

ちょ、ちょっとまって!

情報量、情報量が多い!!

 

692:名無しのハンター

どうやってそこまで調べたwww

 

693:>>651

いやよく見たら意外と情報スカスカじゃない?

目的すらわかってないじゃない

 

694:名無しのハンター

ん〜?これを見るにつまりプレイヤーは悪魔変身能力者と異能者の集団ってことでオケ?

 

695:名無しのハンター

都内のどっかに病院に擬態したゾンビ&化け物製造工場があるっていってたけど、それの亜種か?

 

696:名無しのハンター

というか、⑤!!

これまじかよ!!……いや、うちならコネさえあれば誰でも受け入れるわ(ガイア並感)

 

697:>>685

>>691 むしろ少ない方

>>693 ですよね

>>694 おそらく?にしては完全な悪魔が多いけど

>>692 一応、複数のプレイヤーと思われるやつにマリンカリンの洗脳とか、読心術持ちの悪魔とか、拷問で聞き出してるから嘘ではない筈

……でも、捕まえられた奴がどいつもこいつも末端すぎてまともな情報持ってねえんだ

 

698:名無しのハンター

ひぇっ

 

699:名無しのハンター

思った以上にガチでびびるわ

 

700:名無しのハンター

天罰食らえ!!

 

701:>>685

一応、殺しや拷問は悪魔相手だけだからセーフだろ

そういう訳で詳しい目的や背後関係はわからんかったが、取り敢えずプレイヤーは存在する

そして奴らは意外と近くにたくさんいて、近々入った系の有能な新人異能者や悪魔がプレイヤーとやらの手勢の可能性もあるから気を付けろよって話だ

 

702:名無しのハンター

やべべぇ!なんか急に怖くなってきた!!

 

703:名無しのハンター

だ、大丈夫だよな?

うちに入った経歴不明のサマナー、プレイヤーじゃないよな?

いや、プレイヤーだからなんだという訳じゃないんだが

 

704:名無しのハンター

氏んでくれ

 

705:名無しのハンター

>>685 どう見ても嘘乙

そうやって、組織中で不和を起こさせたいだけだろ

騙されんぞ

 

706:名無しのハンター

やっぱり新興のオカルト組織はこういう時背後関係が適当だからいけませんね!

その点、日本なら古来より土着してきた退魔組織からますから問題ありませんね!

ヤタガラスとかヤタガラスとか!!

 

707:名無しのハンター

何というわかりやすいプッシュ

 

708:名無しのハンター

ジプスとガイアとメシアに押されまくってるヤタガラスさんチィィスwwww

 

709:名無しのハンター

相変わらずの露骨さで安心した

 

710:>>685

あ、ヤタガラスさんちっす

ところで、プレイヤーについてですがプレイヤーの背後にクズノハライドウが味方してるとかいうまことしやかな噂があるんですが本当ですか^ ^

 

711:名無しのハンター

wwwwww

 

712:>>623

流石に嘘だろうけど草

 

713:名無しのハンター

プレイヤー公認国防最強退魔師扱いのクズノハさん!だって!

 

714:名無しのハンター

とうとうヤタガラス最後の砦のクズノハすらNTRと聞いて

 

715:>>706

そんな訳ないだろ!!!!!!!

そもそま、そんな気軽にこんな場所でくにのしゆわごしゃのなまえをだすもはjiwosいれ!!!!111!!1!

 

716:名無しのハンター

あ、ヤタガラスさんまた壊れたww

 

717:名無しのハンター

相変わらずヤタガラスは人材不足なんやなって

 

718:名無しのハンター

かつては国の退魔エリート集団だったのに(´;ω;`)

何と哀れ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

「と、言う訳で、中島さんは知らないでしょうが最近このデビルサマナー界隈では【プレイヤー】なる怪しい集団が話題になっているのですよ」

 

「ふむ、私が中島さんを疑っているかと思ったですって?

 ふふふ、甘いですね。

 実はここだけの話、かの【プレイヤー】なる集団のサマナーはそのほとんどが【悪魔召喚プログラム】を使用しないと悪魔を召喚できません。

 その点で、既に中島さんがプレイヤーの可能性はないんですよ」

 

「ああ、あの中島さんの連れてきた沖田さんでしたっけ?

 彼女もおそらく大丈夫でしょう。

 というのも、ペルソナ使いが己をプレイヤーというのは大概若気の至りとかそういう名のせいで、別に本当のプレイヤーとは関係ない場合の方が多いようです。

 まぁ、これぐらいの情報、私達にかかれば造作もなく分かることです、ご安心を」

 

「これでわかったでしょうが、我々の所属する組織の情報収集力とセキュリティはかなりのものなのです。

 ですのでこれからも安心して、共に国のため、人々のため、依頼を受けてくださると幸いです」

 

何故かこの日以降、謎女さんに対する中島の態度が幾分か優しくなったそうな。




(よし、これで17話目、少しくらい遅れてもバレへんやろ)

感想ありがとございます!
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17話目

最近書くごとに話が長くなるから初投稿です


「で、実際問題できるの?

 悪魔プレイヤーの合体イベントなんて」

 

「出来らぁ!」

 

「それじぁ、やってもらおうか!

 一個人で大量悪魔プレイヤーの救済合体イベントを」

 

「え!一人で合体イベントを!?」

 

そんな茶番はさておき、さっそく始まった悪魔プレイヤー合体祭りであるが、実際そこまでの道のりは結構大変であった。

まずはたくさんの悪魔プレイヤーが移動そして集合できる場所の誘致。

場所を見つけた後はそこの土地を支配する地域オカルト組織の事前の説得とごまかし。

たくさんの悪魔合体をしても大丈夫なように複数の悪魔合体装置の準備とそれの運搬。

ゲートパワーや合体成功率上昇のための異界の建設に足りない人手の確保、etcetc……。

そんな困難の先にようやく開催されたのがこの【悪魔プレイヤー大合体交流会】であった。

しかし、ようやく交流会が始まったからと言って、そこで困難が終わると思ったら大間違いである。

むしろ、ここからが真の困難の始まりであった。

 

「アアァァァアァああ!!!!!

 まだ、まだなのか!、もゔ、もゔまじぎれんぞ!!!」

 

現在我々がいるのは六本木の地下の一角。

そこにある、はかせが作った簡易異界にて合体イベントを行っている。

そして、見渡す限り大量の悪魔悪魔悪魔。

しかも、誰もがプレイヤー悪魔のせいか、レベルは低くともレアな悪魔ばかりである。

 

「す、すいません!

 どうやらロリさんと相手の方がまだ合体先について協議中のようでして……

 大丈夫です、ちゃんとちゃんとみんなの分の素材悪魔はありますので!

 ですから、きちんとお待ちいただければ……」

 

「あおおおおん?

 舐めてるのか!こちとら、悪魔合体回数に制限があるのなんてお見通しなんだよ!!

 こちとら、人間をやめた悪魔だぞ!!

 そんな下らん嘘をつくなら殺すぞ!」

 

そして、その悪魔プレイヤーは何故か苛立っている人(悪魔)が多かった。

……いや、理由は分かる。

そもそもここに集まった悪魔プレイヤーは自我崩壊の危機だったり、強さの頭打ちだったり、単純なQOLの問題など、どいつもこいつも切羽詰まった状態のやつばかりなのだ。

それでようやく今回合体しにきたのに、待ち時間が10時間近く、その上はかせの気分次第でいつ終了するかもわからないのだ。

そんな状態で長時間待たされて、苛立たないわけもない。

一応現在はアルバイター達がなんとか鎮めようとするものの、状況はあまりよろしくない。

 

「ああああああああああ!!!

 満月、マンゲツ!!まっかでまあるい!!

 わおおおぉぉぉぉん!!あっはははははははははは!!!!」

 

「うわわぁぁ!!

 はっ、発狂者!発狂者が出たぞ!!

 食い止めろ!!」

 

「ヒャハハ!死ねぇ!

 俺以外の悪魔プレイヤーはみんな死んでしまえ!

 そうすりゃ、ちょっとは俺の番が早くなるだろ!!」

 

そうして、そんな状態で月齢が満月に変わるのだ。

月齢……それは天に登る月とはまた別の、小さな暦。

数時間ごとに変わるそれは月に擬えて新月から満月まで時間ごとに変わり、悪魔に心理的影響を及ぼす。

そして、月齢が満月になるとどうなるか?

その結果がこの地獄絵図であった。

 

「俺はあっちの魔人を沈める!

 ノブさんはあそこの骸骨騎士を頼む!」

 

「へいへい、了解ですよっと」

 

はかせの雇った他の暴徒鎮圧用プレイヤーに混ざって自分も暴れる悪魔Pの一人へと駆け寄る。

するとそこにいたのは火のように赤い馬に跨がり、巨大な剣を持つ悪魔の姿があった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪魔人≫レッドライダー(真名・赤松・マスクド・海苔太郎) Lv13

【相性】 火炎・破魔・呪殺無効 氷結弱点

【スキル】???

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ハハハハハハハハ!

 血ガ滾ル 月スラ 鮮血ヲ 求メテイルゾォ!

 世界ヨ 染マレ! 爛レシ 紅ニ!!」

 

そこにいたのは、終末の四騎士、第二の封印こと【魔人・レッドライダー】となった悪魔プレイヤーであった。

どうやら、彼もこの月齢の魔力からは逃れられなかったのだろう。

その手に握る剣が一度払われるたび、斬撃や炎が飛び交い、周囲が血と火の地獄へと変わる。

周囲の無力な悪魔プレイヤーやアルバイターが燃え千切れ、そしてその命を落とす。

 

「クソ猫!!」

 

「アイアイ、【リカーム】【リカーム】!

 おら、雑魚はさっさと生き返って、ケツまくって帰ぇるニャ!」

 

悪魔の暴動に巻き込まれ、死亡した悪魔プレイヤーをさっさと生き返らせて速やかに避難させる。

……暴動を抑えてから蘇生させてもいいが、それでリミットが切れたら怖いからね。

 

「オオ!我ガ裁キヲ 邪魔スルトハ!

 マズハ 貴様カラ 血祭リニ 上ゲテヤロウ!!

 喰ラエ! 我ガ剣技【テラーソード】!!」

 

そして、目の前でチョロチョロしていたからだろう、ようやく魔人の標的がこちらへと移る。

その魔人の剣から放たれた斬撃は轟音を上げながら真っ直ぐとこちらの首目掛けて飛んできた。

 

「よっと」

 

「なにっ!!」

 

しかし、そんな見え見えの攻撃に当たってやる道理はない。

一直線で首だけを狙ってるとわかれば、避けることは然して難しくもない。

いい感じに硬直しているその魔人に向かって一気に走って距離を積める。

 

「クッ!

 【テラーソード】!!【テラーソード】!!」

 

それでも正気を取り戻したのだろう。

そのレッドライダーは二発三発と続けて技を放ってくる。

しかし、その攻撃はどうにも素人臭さが抜けていない。

フェイントすら挟まない先読みすらして無い遠距離攻撃など、少し姿勢を低くするだけで難なく回避できる。

そして、あっという間に数mの距離まで接敵し、既にこちらの首狩りスプーンの射程圏内に入れることができた。

そのことは向こうも悟ったのだろう、魔人はその当たらない剣技を止めて、最後の大抵抗を行ったのであった。

 

「魔人相手に 接近戦を挑むトハ 愚かナ!

 その傲慢 身ヲ持って 償うガイイ!

 【ト リ ス ア ギ オ ン】!!!!!!」

 

そう!その赤の騎兵が繰り出すのは火炎系魔法の最大呪文!

空を焼き、鉄すら蒸発する筈の業火を繰り出そうとして……。

 

 

 

 

 

▶︎しかし、MPが足りなかった

 

 

 

「ふふふ、運が良かったな。

 今回はこの辺にしておいてやろう」

 

「そうか、じぁあ死ね」

 

かくして、自分は無事に本日二十九匹目となる魔人討伐に成功。

【魔人スレイヤー】の称号を手に入れる事になるのでしたとさ、まる。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

【ロリネキ主催】悪魔P合体オフ会実況part4

 

 

78:名無しの赤騎兵

というわけで、首狩りスプーンで首を跳ねられたけど

一瞬だけどすっげ―痛かったゾ

 

79:名無しの悪魔

↑成仏してクレメンス

 

80:名無しの悪魔

ギロチンが人道的処刑は嘘

はっきりわかんだね

 

81:名無しの悪魔

それは首切られた程度では死なない悪魔だからだろw

 

82:名無しの悪魔

それよりも、仮面ライダーBLACKさんのリボルケイン挿入→爆破の方が辛いんですが

 

83:名無しの悪魔

ゴリラによる撲殺に比べればどれも優しい件

 

84:名無しの悪魔

何でこいつらはこんなに喧嘩売ってるんですかね?

 

85:名無しの悪魔

取り敢えず、ほぼ全ての警備員に喧嘩売ってしまった俺がレビューするぞ〜

【警備員敵対絶望度ランキング】

【GOD】仮面ライダーBLACKさん>>(永遠に勝てなさそう)>>ファーブニール・ゴリニキ>(レベル100なら)>なのDeath・夏盛>(瞬殺の壁)>コスプレガチ勢&造魔>(全然勝てないの壁)>ヘラニキ含む有能バスター&悪魔>(勝率半々の壁)>ハイテクサマナー含む自称戦闘員>(ぺっ!雑魚が!)>バイター(うんこ)

 

86:名無しの悪魔

なんぞwwwこれwww

 

87:名無しの悪魔

なのですさんとノッブたけぇなw

そして、へらさんぇ……

 

88:名無しの悪魔

なのですさん機龍より下とかにわかか?

 

89:名無しの悪魔

ハイテクサマナー、だらしねぇな♂

 

90:名無しのサマナー

↑バスター以上に本体がくそ雑魚+生身の人間だからね

ちかたないね

 

91:名無しの悪魔

ヘラニキ……w

あんなにゴリマッチョなのに見せ筋で草

 

92:名無しのバスター

ゴリラつえぇぇw

初めはネタ扱いだったのにw

 

93:名無しの悪魔

ゴリラとヘラクレス……どこで差がついた

 

94:名無しの悪魔

↑慢心、環境の違い

 

95:名無しの悪魔

そも月齢が変わる度に暴れる事自体アレだからな?

その辺分かっているんだよな?

 

96:名無しの悪魔

こちとら悪魔なんだからしゃーねーだろ

 

97:名無しの悪魔

こんな時に暴れるなんて、お前ら悪魔か!←悪魔なんだよなぁ

 

98:名無しのぷらずま

お、粛清ですか?

デビルバスティングの時間なのですか?

あと、>>85は絶対に許さん

 

99:名無しの悪魔

ゴメンなさい

 

100:名無しの悪魔

ひえっ

 

101:>>85

ちよーしこきましたぁぁぁぁ!!

すんませんっしたぁぁぁぁぁ

 

102:名無しの悪魔

>>85 死んだなw

 

103:名無しの悪魔

とうとうイベント初の完全ロストきちゃうか?

 

104:名無しの悪魔

大丈夫大丈夫、いくらなのですさんでもそこまで鬼畜ではないやろ

 

105:名無しのぷらずま

関係ないですけど、フルムーン時に悪魔合体すると合体事故が起きやすいとのことなのです!

更に、死亡した状態での悪魔合体で事故率が倍ドン!

トドメに、狂神招来せずに悪魔合体して貰えばほぼ確実に合体事故からのスライムになれるのDeath

 

106:名無しの悪魔

ごめんなさい!!!

 

107:名無しの悪魔

全部、全部>>85って奴が悪いんだ!!

 

108:名無しの悪魔

やめろー!!ヤメローー!!

ここまできて、退化するのはいやダァァォア!!

 

109:名無しの悪魔

(そこまで分かっているのに何故暴れるのか、それがry)

 

110:名無しの悪魔

というか、自制が効かないなら普通に封印されながら待ってればええやん(封魔管で待機勢並感)

 

111:名無しの悪魔

>>110いや、いきなり封印待機する?と言われてOKというのはきついだろw

 

112:名無しの悪魔

でもまさか封魔管内にいても掲示板は使えるとはな

俺も下手に暴れてパト体験するくらいなら、封印待機の方が良かった(ガチ死亡数回経験)

 

113:名無しの悪魔

いや、でもこれ入れ物の当たり外れがあるから微妙やぞ

なお、自分は炊飯器型封魔管……ヌカ臭い!!!

 

114:名無しのメシアン

wwwww

 

115:名無しの悪魔

何というピッコロ大魔王

 

116:名無しの悪魔

まあいいや、それより合体だよ合体

お前ら結局何になるのか決まった?

俺はやっぱり妖精さんになるつもりだけど

 

117:名無しのガイアーズ

森の妖精♂

 

118:名無しの悪魔

またも妖精族か

でも安定なんだよなぁ

 

119:名無しの悪魔

オススメが地霊と妖精らしいからな、それならやっぱ妖精選んじゃうよなぁ

……何故かピクシーだと高確率で♀になっちゃうらしいけど

 

120:名無しの悪魔

ピクシー、男女比1:8らしいぞ

 

121:名無しの悪魔

きつぅい!

 

122:名無しの悪魔

でも、同じ妖精でもゴブリンなら8:1で男になれるそうだがな

 

123:名無しの悪魔

ソースは?

 

124:名無しのガイアーズ

♀のゴブリン……ありだな!

 

125:名無しの悪魔

お、おぅ(困惑)

 

126:名無しの悪魔

むしろその辺は固定化できないんっすかねぇはかせさんよぉ

 

127:名無しのバスター

名前は出すなよ

 

128:名無しのぷらずま

ロリネキ曰く「時間がねぇんだから文句言うな」だそうなのです

 

129:名無しの悪魔

ですよねー

 

130:名無しの悪魔

まだ2日目なのに既に合体数100超えてるんだっけ?

そりゃそうも言うわ

 

131:名無しの悪魔

今回の合体集まった人数が多すぎなせいで基本一人につき合体一回までだからな

合体予想は一応はしてくれるらしいが、男女や細かいビジュアルまではむりらしいし

 

132:名無しの悪魔

つら

 

133:名無しのぷらずま

性別固定がいいなら、女神で♀固定やカクエンで♂固定みたいな方法もあるのです

と言うか、性別如きでぎゃーぎゃー騒ぐな、思春期か

 

134:名無しの悪魔

そうだよ(真顔)

 

135:名無しの悪魔

リアル厨某でしたがなにか?

 

136:名無しのぷらずま

あ、ごめんなのです……

 

137:名無しの悪魔

素直かww

 

138:名無しのサマナー

若いのにこんなのに巻き込まれて可哀想

 

139:名無しのぷらずま

取り敢えず、お詫びに今し方ロリさんや同僚と話してまとめた合体指標的なのをまとめとくのです

・個人的悪魔P合体の勧め(基礎編)

①取り敢えず迷ったらN_NかN_Lになれ!

まず基本時に【ロウ(LAW)】属性や【カオス(CHAOS)】属性はその名の通り、このタイプの悪魔になると、否が応でも思想が秩序や混沌思想に偏る。

だから変化先悪魔は【NEUTRALーNEUTRAL(完全中庸)】や【NEUTRALーRIGHT(中庸にして善)】がおすすめなのです

ダークいろんな意味でやめとけとの事

②単一悪魔系はやめておこう

基本的に、大元が1柱の悪魔、特に強大とされているはやめておくのが正解なのです。

そもそも低レベル高位悪魔は同レベルと比較してステータスやスキルこそ有用ですが、そのための維持コストMAGも必要経験値も高いのです。

その上で、普通より強い悪魔の方が精神汚染が強いらしいのです、

例えば【ベルゼブブlv1】さんや【マーラさまLV10】などはどうやら悪魔の本体?からやばいくらい精神汚染の精神攻撃を喰らったそうです。

……むしろ、それでよく無事でしたね。

③出来れば自分のスタンスにあったのを

言わずもがな、朝形の【夜魔】や男の【地母神】とか辛さの極みなのです。ちゃんと自分の趣味に合った種族にしようね!なのDeath

 

140:名無しの悪魔

突然の優しみ!!

 

141:名無しの悪魔

でも基本的なことばっかやな

 

143:名無しの赤騎士

②はまじでよくわかる!!!

ほんとこれ大事、自分も本体から終末終末迷惑メール並に洗脳音波飛んでくるからな

 

144:名無しの悪魔

ここに来るの大体②が嫌な奴が多いだろ

まじで今の悪魔は高位悪魔になるメリットないからなぁ

修正はよ

 

145:名無しの悪魔

同じニュートラルなのにNーDはダメなの?

 

146:名無しのサマナー

>>つ【NーD】属性悪魔

【死神】【妖虫】【妖獣】【邪鬼】

 

147:名無しの悪魔

おh……

 

148:名無しの悪魔

死神ワンチャン……と思ったけど、低レベルでも30スタートか

こりゃ無理だな⭐︎

 

149:名無しのぷらずま

あと、dark属性は悪魔本体の精神汚染が実に遠慮ないとのことなのです

完全に同調できるか逆に押し返せる自信がない限りやめておくのです

 

150:名無しの悪魔

ですよねー

 

151:名無しの悪魔

はーい

 

152:名無しの悪魔

具体的に何がいいとかはないの?

もっとわかりやすい指標が欲しいんだが

 

153:名無しの悪魔

我がままかw

 

154:名無しの悪魔

どうせ、いざ自分の番がきたら迷うのに

 

155:名無しのぷらずま

>>152 そういうと思ったのです

取り敢えず簡単にまとめたのです

●変化先悪魔おすすめランキング

①【妖精】【地霊】【珍獣】

ど安定 低レベルなら大体こいつらで問題ないのです

妖精は【ナパイヤ】【ピクシー】【ゴブリン】地霊も【ドワーフ】

【ノッカー】【カハク】、珍獣は【マメダヌキ】と二足歩行飲食可五感あり精神汚染もほぼなし、厄介な悪魔習性なし、人間からも嫌われにくいし、野良悪魔の群れに溶け込みやすくもある。田舎でも消費MAGが増えないとかなりお得なのです。

一部【スダマ】や【チュパカブラ】といったハズレもあるけど致命傷にはならないし、これになれたらなっとくべきなのです。

②【魔獣】【龍王】【聖獣】【神獣】【精霊】

属性的精神汚染は軽度。でも身体は完全に獣なのです

二足歩行のプライドを捨てれるならこれ

【精霊】もなった本人的には悪くはないらしいんですが、どうも自我そのものが薄くなってるみたいなので、傍目にはおすすめ出来ないのです

③【妖鬼】【夜魔】【幻魔】【天女】【妖魔】【妖鳥】

ここからは属性侵食や悪魔本体の影響をある程度受ける種族なのです。

でも、この辺は二足歩行五感飲食可能なのが多いので人によってはこっちの方がいいかもなのです。

なお、【幻魔】がこの順位なのは結構大元が強力な悪魔が多いからなのです。

でも、本体が人間にフレンドリーな悪魔が多いので精神汚染は勘弁してくれる場合が多いみたいなのです。

④【地母神】【女神】

マザコンワンチャン枠

属性はどっちも偏っていて、本体もガチで強いですが、この2種族は母性と良識があるので気に入られればママ味で優しく世話をしてくれる……かもしれない

大体こんな感じ、残りはやめとけかそもそもなれないかのどちらかなのです

参考になれば嬉しいのです

 

156:名無しの悪魔

サンキュー!!

 

157:名無しの悪魔

思ったより、ガチの回答でびっくり

なのDeathさんの優しみ

 

158:名無しの悪魔

魔神はダメなの?NーLじゃないの?

 

159:名無しのバスター

魔神……何がいたっけ?

トートとか?

 

160:名無しのぷらずま

>>158 ゲートパワーが低い&そもそも今回提供できる素材レベル的に魔神レベルの悪魔にはなれないそうなのです

 

161:名無しの悪魔

ですよねー

 

162:名無しの悪魔

しってた

 

163:名無しの悪魔

魔人プレイヤーの合体についても教えてください!!

なんでも島村!

 

164:名無しの悪魔

結局素材悪魔はどこらか仕入れたの?

流石に100以上の悪魔をこんな恒常的に連れてこれるとは思えんのだが

 

165:名無しの悪魔

つ悪魔全書

 

167:名無しの犬

ヒント・悪魔全書

 

168:名無しの悪魔

答えじゃねーかwww

 

169:名無しの悪魔

あー、なるほどそれがあったか。

それさえあればマッカさえあれば再召喚し放題だもんな。

 

170:名無しの悪魔

悪魔全書持ちのハイテクサマナー確保したか?

 

171:名無しの悪魔

普通に前回のイベ報酬で確率でゲットしてそう

 

172:名無しのメシアン

あの人なら元から持ってても驚かんぞ

 

173:名無しの悪魔

なんだよ!なら実質素材は只みたいなもんじゃなーか!

ならもう少し合体費用安くしろよ!

 

174:名無しの悪魔

>>173 あほ

 

175:名無しの悪魔

やめろ

 

176:名無しの悪魔

この混雑ぶりを見てそれをいうのか?

 

177:名無しのロリ

 

178:名無しの悪魔

ひえっ

 

179:名無しの悪魔

>>177 !!!

 

180:名無しの悪魔

ロリネキ!ロリネキじゃないか!!なぜここに!

今は合体作業中では?

 

181:名無しのロリ

飯休

つかれ

 

182:名無しの悪魔

お疲れ〜

というか、かなり疲労気味?さすがにこの数はロリネキで予想外だったのか

 

183:名無しの悪魔

まー、さすがにこっそり告知だったのに拡散された結果1000近く集まるのはアホかとは思うのはわかる

確かイベント日数は当初は2日予定だっけ?

これ間に合うの?

 

184:名無しのロリ

延長決定済み

今日来たのまでは意地でも全部やる

だから暴れるな

>>182 当たり前 罠疑えよボケ

 

185:名無しの悪魔

おけ

 

186:名無しの悪魔

よっしゃゃあああ!!

本人からの証言とったあああぁぉぉあ!!

 

187:名無しの悪魔

ロリネキ神神神!!!

 

188:名無しの悪魔

>>184 いやいや、もうすでに限界だったから罠とかそれ以前だからw

 

189:名無し悪魔

と言うか、ロリネキにしては親切過ぎでは?

もしや偽物か?()

 

190:名無しのロリ

怨怨怨

 

191:名無しの悪魔

ひえっ

 

192:名無しのバスター

こらっ!

思っててもそう言うの言わないの!

 

193:名無しの悪魔

お前も大概やぞw

 

194:名無しの悪魔

と言うか、まじで疲れてるのにやるのな

なんか理由でも

 

195:名無しのぷらずま

ここだけの話、1日目の終わりに例の彼の人がここに来て応援と釘差しに来たので……

 

196:名無しの悪魔

あっ(察し)

 

197:名無しの悪魔

さす肉眼鏡

 

198:名無しの悪魔

肉眼鏡はライト&カオス&母性

肉眼鏡は地母神だった……?

 

199:名無しの悪魔

愛は地球を救う

はっきりそうわかんだね

 

200:名無しの悪魔

でも、肉眼鏡は巨乳が好きと

悲しいなぁ

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

さて、そんなこんなもあって、ようやくイベントも最終日。

途中で悪魔合体装置がいくつか爆発したり、そのせいで異界維持用ターミナルが壊れかけて、危うく会場が魔界に落ちかけるなどのハプニングも起きたが、概ね問題なくイベントは進行した。

問題ないったらないのだ。

 

「……にしても、PK。

 随分となれちまったなぁ……」

 

「ウホ」

 

ここは異界中の警備員室。

現在自分とこのゴリさんが休憩中であり、一緒に話しながら間食を楽しんでいるところだ。

 

「というか、こっちは向こうを殺したのに。

 まさか、殺された本人から感謝されるとなぁ

 ……倫理観おかしくなりそう」

 

「ウホ」

 

ゴリラがバナナを食べながら頷く。

今回このイベントに集まった悪魔プレイヤーはどいつもこいつも基本精神力が限界のやつばかりであり、基本何かあると発狂したり、暴走するのが常だ。

しかし、そんな発狂したプレイヤー達が正気に戻るのが殺され、蘇生されたその瞬間との事だ。

……話で聞くのは本当かよと思うが、実際に感謝された時は思わず呆気に取られたものだ。

このコロッケ美味いな。

 

「でも、ま、そうだよな。

 そうだよ、蘇生という概念があるんだから、同じプレイヤーでも手加減は不要……か」

 

「ウホウホ」

 

ゴリラが次のバナナを剥きながら頷く。

これは限りなく現実である、怪我をすれば痛いし、傷つき過ぎれば死ぬ。

これは限りなくゲームである、死んでも蘇生できるし、死が必ずしも人生の終わりを意味しない。

要は程度の話だ、たしかに相手を気遣って殺さないか悩むのは大事だ。

が、この世界ではそんなのより我が身の無事の方が大事なのだ。

少なくとも、取り返しが付くうちは、だ。

 

「ん、覚悟完了。

 もう悩まない、多分」

 

「ウホ!ウホホホホ!」

 

ゴリラが3本目のバナナに突入する。

決意も固まり、この合体イベントも残りわずか。

最後に有終の美を飾るべく最後の警備へと向かうのであった。

 

「……ところで、一方的に話しておいてなんだが、自分の話通じてた?」

 

「ウホッ」

 

ゴリラから中島へ、筋まで綺麗に取られたバナナが差し出された!

中島のゴリラへの好感度がグンと上がった!

中島とゴリラの関係が【親友】になった!

 

 

 

「……まあ、こんなあっさり終わるとは思ってもなかったけどね」

 

「ヒャッハー!!おらぁ!これ以上暴れられたくなければ、俺も合体させろぉ!もしくは責任者をよベェ!!」

 

「な〝ず は ぎ ら い〝 な の で ず」

 

そうして、最終日の見張り。

ここでもやはり問題は発生した。

丁度自分が休憩が終わり、持ち場へと向かうとそこには修羅場が広がっていた。

具体的には既に受付が終了した筈なのに、無理やり外部から悪魔プレイヤーがこの異界の中に入り込んできて、暴れていたのだ。

その暴れっぷりたるやアルバイターは勿論、周囲の合体待ちの悪魔プレイヤー、さらにははかせに雇われた凄腕のはずのデビルバスタープレイヤーも仕留められているくらいだ。

……幸い、半分くらいは命は取られていないようだが、麻痺して動けなくなっている上に投網までかけられているので無効化自体はきっちりされている。

勿論、安全第一にこっそりとその乱入者にアナライズを仕掛けてみる。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪幽鬼≫ガキ Lv25

【相性】 氷結耐性 呪殺無効 火炎・破魔・衝撃弱点

【スキル】???

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

(……これで良く襲撃しようとしたな、おい)

 

なお、アナライズ結果はなんかこう、思ったよりもしょぼいものであった。

たしかにレベルは高い。

只のガキとは思えない20レベルオーバーは、ここに来た悪魔プレイヤーの中でもトップクラスであることは間違いない。

だが、それでも火炎弱点と破魔弱点はあまりにも脆すぎる。

よくその種族でそこまでレベルを上げられたなと感心すらする。

 

「……でも、現にこうやって襲撃を成功させてるってことは何かあるのか?

 ……クッソ、出来ればもっと慎重に攻めたいが仕方がない」

 

だが、此方もいつまでも隠れて様子を見ているわけにもいかない。

犠牲者が出ている為、早く蘇生しなければ間に合わないかもしれない。

ならばせめて、気づかれないうちに一撃で仕留める!

そう覚悟を決めて、標的が別の方向を向いた瞬間に一気に接近、その首を刈り取らんと首狩りスプーンを払った。

 

「……!!!ゲット、ライド!!!」

 

「はああぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

しかし、なぜかその必殺の一撃ははずれてしまった。

理由は簡単だ、なぜか此方が相手の首を切り落とすよりも早く、標的の首が【自分から】千切れたからだ。

 

「ハッハー!!こちとら元絞首刑霊(ガロット)よ!首なんぞ自分で外せるわ!」

 

「その理屈はおかしい」

 

「うるせえ!出来てるんだからしゃーねぇだろ!

 喰らえ!【麻痺ひっかき】&【切なさ乱れ撃ち】!!」

 

「ちょ!?おま!うおおおお!!!」

 

そうして、此方の一撃が外れた隙をついて今度は向こうがその体幹側は【麻痺ひっかき】を、その取れ落ち浮遊している生首の口からは【切なさ乱れ撃ち】の一人波状攻撃を繰り出してくる。

幸い、今回は向こうの姿勢も悪かったからだろう、此方はそれをきちんと防ぎ、躱しきることが出来た。

が、流石にこれをもう一度やれと言われても無理だ。

 

「という訳で、出番だ!【ケットシー】!【ユニコーン】」

 

「ニャニャー!おいらの出番かにゃ!」

 

「ブルルルルゥ!!」

 

ならば此方も肉盾と手数を増やす。

という訳で【銃耐性】持ちの元カブソと【バットステータス無効】の聖獣のユニコーンを召喚し、なんとか対応しようとした。

……が、どうやら召喚は自分の専売特許ではないようだ。

 

「なら俺様もぉ!《限定召喚》!【レギオン】!【コープス】!!」

 

「ちょ!まじか!!」

 

そうして、侵入者側である餓鬼プレイヤーもまた悪魔を召喚する。

しかし、幸いというかやはりというか、召喚してきた悪魔の属性は【悪霊】に【屍鬼】と色々と偏っている。

しかも本人も含めて弱点は【火炎】【破魔】、これなら自分の【ファイアブレス】とユニコーンの【ハマ】でなんとかなりそう……。

 

「【スクカジャ】」

 

「【テトラジャ】」

 

「ざけんなぁ!!!」

 

全体回避率アップと【破魔】無効とかちょっとインチキが過ぎるだろ!!

と、素早くその補助魔法を使った相手の仲魔をファイアブレスで沈めようとしたが、どちらも弱点の攻撃を1回受けた程度では沈まなかった。

くっそ、よく鍛えられているじゃないか。

 

「でも、ここで無理にでも仕留めなきゃ、だるい事になる。

 こうなりゃ、被弾覚悟で無理やり止めを……!!」

 

そうして、自分が敵陣のど真ん中に突っ込もうとしたその瞬間、背筋に嫌なほどの汗が噴き出した。

そう、それは必殺の一撃、致命傷への予感である事は間違いなかった。

 

「(【ムド】か?いや、それなら今の装備で無効化できる筈。

 なら、隠された高威力技?……それでも先の打ち合い的にあんまり【力】のステータスは高くない筈)」

 

それは理性的に考えれば杞憂に終わるはずであった。

相手は自分よりもレベル面では格下。

向こうの即死魔法は既に対策済み。

状態異常でも最悪自分だけなら、【ケットシー】の【道具知識・癒】があるので何とかなるはず。

ここで一旦引くよりは相手の仲魔に止めを刺す方が正解のはずなのだ。

 

「……っち!!」

 

しかし、今回は自分の直感を信じた。

いったん相手への接近を取りやめ、敵の攻撃の回避に専念することにした。

 

 

 

 

「進撃のダブル【マッカビーム】!!!」

 

「うわわわわわあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

そして、その自分の直感は正しかった。

 

「あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝!

 私の所持金とマッカが0に〝ィィィィィィ!!!!!!」

 

「ぷ、プラズマさーん!!!」

 

運悪く、自分の躱した先にいた警備仲間の一人に2本のマッカビームが直撃し、悲しみの怒号が響き渡る。

なお、この【マッカビーム】という特技、使われると本来なら回避不能で所持マッカや所持金が強制的に半分になる極悪技なんだって!

そして、このガキさんはそれを2発同時に放つことで相手の有り金を全て奪う技を身につけたみたいだね!

……ファッキー!!!

 

「くっはっはっはっ!安心しろ、同じプレイヤー同士、命まではとらねぇよ!

 ……でも、わざわざロシアからやってきたんだ。

 合体させてくれねぇんなら、替わりにマッカ位なら頂いてもいいよなぁ?」

 

「な ん と い う 身 勝 手」

 

そんなクソみたいなことを言いつつも、さらっと仲魔の回復と補助を重ねがけする自分とガキP。

……というか、この状況思った以上によろしくない。

向こうの高性能かつ的確に弱点を埋める行動。

予測不能ながら確実に此方の嫌がる選択をする思考。

何よりこいつ、ものすごく戦闘慣れしているせいか手傷を負わせるなら、確実に此方も向こうの攻撃を受けるだろうという現実。

 

「いいのかな〜、チラッ、チラッ、別に俺は既にそこそこの現金収入を得たから帰ってもいいんだぜ?

 ああ、勿論!合体してくれる様に説得してくれるなら、奪ったマッカも現金ものしつけてお返ししますゼェ!ゲッヘッヘッヘッ!」

 

唯一幸いなのは向こうが本気での殺し合いを望んでないことくらいか。

……いや、寧ろ半端に交渉する気があるせいで、周りの麻痺して動けないプレイヤーがガキPの意見に折れつつあるからマイナスかもしれない。

 

「……」

 

「ちょ!流石に周りにまだ生きてる人がいるのに、火炎マシンガンはまずいのです!」

 

「……ダメ?」

 

「可愛らしく言われてもダメなもんはダメなのです!

 死体を燃やし尽くしたら、バスターでも蘇生は厳しいのです!」

 

少しだけ、被害者共々【伝説のフレイムケース】で焼き尽くすという危ない思考も出たが、これもダメと。

……意外と使いにくいなぁ、仕込みマシンガン。

 

「でも、となると交渉、交渉かぁ……

 なんかいい方法が……あ」

 

そしてその瞬間ふと頭に浮かぶ。

そう言えばこんな時のために業魔殿で買っておいたアイテムがあったなと。

 

「ゲッヘッヘッヘッ?

 何だあ?もしや金か?それとも施餓鬼米かあ?

 そんなのが効くほど、俺様は安くは……あ」

 

そして、そのアイテムをCOMPから取り出した瞬間、明らかに相手の動きが止まった。

自分の予想は正しかった様だ。

これなら最悪、向こうの動きを止めることぐらいはできるだろう。

 

「ほ〜れ!

 とってこ〜い!!」

 

そして、その取り出したそれを、異界の天井ギリギリ誰もいない方向に向かって投げつける。

 

「……!!!ふぁおおおおおお!!!」

 

自分の狙い通り、その自分の投げたものに向かって、全速力で追いかけるガキPとその仲魔達。

先程までの隙のない佇まいとは違う、その隙だらけの様子に思わずニヤリと笑みが浮かぶ。

そして、その無防備な背中にトドメの火炎弾を撃ち込もうとして……それは取りやめた。

 

 

「うおおおおおお!!!俺にもよこセェェェェ!!」

「グキァォァァあおおおおお!!グキャオオオオ!!」

「俺のだ!み〜んな俺様のものだ!!」

「はああぁぁぁぉあ!!ふざけんな!!これは俺様が頂いたもんだぞ!」

「ダディバナダァァーン!ナズェミテルゥンディスカァ‼︎」

「うるせぇぇ!テロリスト!これは手前にはもったいなさ過ぎるもんだろ!ガキは犬の糞でも食ってろ!!」

「アッバタケッターブラァ‼︎」

「あ〜!!言っちゃったな、それ言っちゃったな!俺はお前をヌッコロす!!」

 

自分の投げた先には、何故か今まで日和見を決めていた悪魔Pを含め大量に群がる悪魔プレイヤー達の姿が!

そしてそれは既に既にこの場にいなかったはずの悪魔プレイヤーを含めてその数をどんどんと増していく始末。

あ、やべ、殴り合いの殺し合いが始まった、これは止めた方が……いや、いったん落ち着いてからでいいな、死んだら蘇生させればいいし。

 

「……取り敢えず、今のうちに死亡者や麻痺して動けないやつの回復をしておくか」

 

「い、いや、それはいいんですが……

 あれは何を投げ込んだのです?見たところそんなに凄いものには見えなかったのですが……」

 

「ああ、あれ?たしか【ムーンハイド】だっけな。

 シェ・ムラマサ一押しの悪魔専用のご馳走だとよ」

 

どうやら【dark悪魔】ですら一発で仲魔になるの謳い文句は嘘ではなかったらしい。

まあ、文字通り【餓鬼】であるガキPには特効するだろうなとは思ったが、まさか周りにいる無関係な悪魔Pも狂わせるとは、あんまり考えなしに使うのも良くなさそうだ。

そんなことを考えながら、犠牲者の蘇生をしつつ、ことの顛末を見守るのであったとさ。

あ、ガキP、乱入した巨大ファーブニールPに潰され死んだ。

 

 

 

 

「うぇ〜、もうしばらくは合体したくない……」

 

「お疲れ様でしたはかせ、蒸しタオルをどうぞ」

 

さて、ガキ騒動もひと段落し、ようやく全ての悪魔合体待ちもいなくなった。

はかせも疲労困憊しつつ、こちらへとやってきて、それは即ちこの悪魔合体オフの終了を意味していた。

 

「……で、なんか騒がしいけど何かあったの?」

 

はかせがそう尋ねてきたので、自分は今現在判決が行われているその場に向かって指を向ける。

するとそこには無数の荒縄で雁字搦めにされたガキPの姿が!

 

「おふっ……おふっ……」

 

「おら!!何勝手に満足した顔で逝こうとしたんだ!!

 おら!死ぬくらいなら、さっさと奪ったマッカを返しやがれ!

 いや、早く返してください!!まじであれが全財産なんだから、早く、早クゥゥ!!」

 

「……ゲッヘッヘッヘッ!!

 残念だったな、既に貴様らのマッカは、別異界にある俺のアジトに転送済みよ!

 俺のCOMPを弄っても何もでねえぜ?残念だったな!」

 

「ぐっ!な、ならさっさとその場所に案内しろ!

 そうして、所持金共々お前の持ち物を奪い去り……」

 

「ギャッハッハッハッ!

 お前ら雑魚如きが俺のアジトに来る度胸が本当にあるかぁ?

 来たきゃきても良いが、命までは保証しないゼェ?」

 

なお、現在のガキPは既にHPもほぼなし、MPもなし、電霊や魔人プレイヤーの異能でアイテムや召喚も使用不可の完全詰みの拘束状態である。

 

「……そんなこと言って良いのか?

 俺達はお前を痛めつけることはできるんだぜ?」

 

「完全ロストはご法度でそこまでできない根性なしばかりなのにかぁ?

 なら怖くないね!今の俺は最強に満たされてるからな!」

 

何故か四面楚歌のはずなのにニッコニコのガキP。

周りの怒りに満ちた悪魔プレイヤー達がそのガキPに向かってこう告げる。

 

「なら、せめてもだ。

 今から俺達はお前をリンチするわけが……何か最後に言い残すことはあるか?」

 

「あのご飯は今までの全人生悪魔生の中でも、最高のご飯でした☆キャハ♪」

 

「よし、氏ね」

 

そうして、執行されるガキへの集団リンチ。

まあリンチと言っても、蘇生あり拷問なしのぬるめのもので、リンチを受けてる筈の本人は笑っちゃうくらいの余裕は見せてはいるが。

 

「……ん、なら問題ないね!

 それにしても、ノブちゃん、良い顔になったね!」

 

「そうか?

 PKに慣れた酷い顔だと思うが?」

 

「いや違うね!

 割り切りながらも、きちんと優しい心も持ってる、そんな素晴らしい顔だよ♪」

 

ガキPがボコボコにされてるのを背後に、はかせがそう言う。

中々にカオスな光景だが、ある意味では今の自分たちにはふさわしい光景なのかもしれない。

 

「よ〜しよし!いい娘だいい娘だ!

 ノッブちゃん大好き♪」

 

「へいへい、私も大好きだよ」

 

はかせが造魔におんぶされながらもこちらの頭を撫でる。

なので、お返しにこちらもはかせの頭を撫でた。

お互いの頭を撫で撫でられつつ、今回のはかせの依頼とイベントを振り返る。

確かに初めは無理やり連れられ始めさせられたイベントではあった。

が、結果的にはこちらは対プレイヤー戦という得難い経験を此方の心にダメージが少ない形で得ることができた。

そして、それに付随するいくつかの人脈に依頼報酬。

これらを考えれば今回のイベントは結果だけを見れば悪くなかったのかもしれない。

 

「……でも、今度こそ騙し討ちじゃなくてまともな依頼を持ってきてくれ」

 

「えー、別に普通の依頼ならノッブちゃんに頼む必要はないかなって」

 

「ははは、殴るぞ」

 

そんな軽口を叩きながら、このイベント会場から撤収を始めようとする。

……そして、そんなふうに油断した時だからこそ、それは起こったのだろう。

 

「あ」

 

「あ」

 

「おおおおおおお!!!きたきたきたぁぁぁぁぁ!!!

 飯のお陰で、全身に力が湧くぅぅぅ!!!新しい俺様に目覚めちゃううう!!」

 

リンチされている筈のガキPが突然騒ぎ、その体が輝やかせ始めた。

一見意味不明な光景だが、自分は一度似た様なものを見たことがあり、おかげでこの発光がいったい何なのか理解することができた。

 

「悪魔プレイヤーでも【ハイレベルアップ】ってしちゃうのか。

 ……でも、【ガキ】の上位個体の悪魔って何?」

 

「え〜と、たしか【エンク】じゃなかったっけ?

 あの汚っさんと赤さんと火男(ひょっとこ)餓鬼(ガキ)の汚い部分だけを混ぜて悪魔合体させた感じの」

 

「なんだ、その悍ましい生物は」

 

焔口(エンク)】、それは餓鬼(ガキ)と同じ【幽鬼】に位置する悪魔の一種。

飛んでくる虫を、口から吐いた火で焼いては食べるが、その限りない飢えを満たすことはできないという。

「少財餓鬼」とも呼ばれ、不浄なものであれば少しは食べることを許されている、俗に言う文字通り餓鬼の上位種に当たるとされている悪魔だ。

つまり、今目の前で上位種に【ハイレベルアップ】仕掛けている目の前の彼は、順当に行けば何も食えないから少しだけなら汚い食べ物を食べれる悪魔に変わるわけだが……。

 

「あ」

 

「あ」

 

そうして、その光がまし、ガキPの体が違う悪魔へと変化していた。

それは長い白髪に痩せこけた頬。

身に纏うボロ布の麻服に、人より大きなひょろ長い体格。

何より特徴的なのは、何故かその悪魔は天地逆転しおり、まるでそれは懐にある金を全部落としてしまうかと思えるもので……。

 

 

 

 

 

「ふっひっひぃ、目覚めちゃった♪

 新しい俺様は、【魔人・ビンボウガミ】

 コンドトモヨロシク……ふひぃ♪」

 

「ひえっ」

 

「ひえっ」

 

それは自分たちが予想していたよりも、はるかにやばい悪魔であったのは言うまでもない。

というか、あれはいかん!エンガチョ、エンガチョ!!

 

「ひっひっひっい♪

 ところで、早速目覚めて何だけど、何故か今俺様は、とってもさぁむいの。

 だから誰か温めて欲しいなぁ♪」

 

「ひえっ」

 

元餓鬼現在貧乏神Pがそう言った瞬間、一斉に逃げ始めるプレイヤー達。

飛び交う悲鳴と怒号、逃げ悶える人外と人間。

 

「……あ♪そう言えば、さっき俺様のお腹の中を暖かくしてくれたサマナーには、まだ御礼が出来て無かったかなぁ?」

 

「やったね!ノッブ!

 ご指名だよ!依頼主命令だ、ちょっと言ってデータ取りと足止め宜しく!」

 

なお、自分もこっそりその群衆に紛れて逃げようと思ったが、残念ながら既に目をつけられてしまっていた模様。

当然こんな状況ではイベントも流れ解散。

そんな中自分は嫌になる程たっぷりビンボウガミPに絡まれてしまった。

ざけんな。

 

「なぁんで…そんなに…つれないのぉ…

 俺様……あっためてほしいだけなのにぃ……」

 

この後は何とか【吟醸ゆめざくら】3本含む悪魔用の酒とつまみと土下座をする事で、見逃してもらえましたとさ。

 

「いらねぇ……貧乏神の連絡先とか、持ってるだけで運気下がりそう。

 捨てたい、切実になかったことにして捨てたい」

 

「え〜?せっかくの仲魔チャンスだったのにもったいない!

 それに雇えばそれだけで一発でダークサマナーとして大成できそうだったのに」

 

「じゃあ、はかせが仲魔にしろよ」

 

「NO THANK YOU」

 




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 
【NAME】≪幽鬼≫ガキ(真名・小暮 修) Lv25
【相性】 火炎・破魔弱点 氷結耐性 呪殺無効
【スキル】 ・麻痺ひっかき
      ・切なさ乱れうち
      ・咳き込み
      ・丸かじり
      ・氷の乱舞
      ・マハムド
      ・獣の眼光
      ・限定召喚《悪霊・屍鬼》(2体)
      ・マッカビーム
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

○(元)ガキPの簡易ステータス
幾多のメシアンとガイアーズに喧嘩を売ったスーパー餓死ニキがノブ凪と戦った時点でのステータス
ミルコメレオのときから【切なさ乱れうち】を継承、ガロットからは【咳き込み】を継承。
さらっと【獣の眼光】や【マッカビーム】などの敵専用スキルもあるが、これは現地メシアンガイアーズの討伐クエスト報酬で得たもの。
どうやら運営もメシアンガイアーズ狩りを推奨している様だ、やったぜ!
なお、彼の仲魔の【レギオン】は【テトラジャ・マカジャマ・ザンマ・道具知識:癒・自爆】【コープス】は【スクカジャ・麻痺噛み付き・ムドオン・道具知識:攻・自爆】。
やけに有用なスキルを持っているのはこれは彼が現地メシアンやガイアーズを素材に作られたから。
普通に強いし、いざと言う時は容赦なく自爆するため逃走にはうってつけとの事。

前回は沢山の感想ありがとうございます!
今回も感想を頂けると幸いです。


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※間幕 小話詰め合わせ2

どうしても次の話に行く前にねじ込みたかった話が複数あるため、初投稿です


●デビルサマナー・中島のごく一般なデビルバスティング

 

「今日は両方かぁ……」

 

デビルサマナー中島の朝は別に早くない。

布団に潜り込んでいた沖田とモーショボーを起こさないように布団から出て、ハトホルを召喚し、身支度をする。

ストレートとはいえ女性化してしまった影響か毛量が多く手入れが大変だ。

一度バッサリ切ってしまおうかとも思ったが、モーショボーと沖田さんの強い反対及び長い髪には霊的に強い価値があるというはかせのアドバイスにより我慢して整える。

 

「何か手伝う?」

 

「いえ、大丈夫ですよ。

 最近ようやくこの時代の食材に慣れてきましたので」

 

朝ごはんは基本当番制、しかし最近は仲魔にしたハトホルさんが自分から立候補することが多い。

仲魔にした当初は古代エジプト的な価値観のせいで色々と味気ないものが多かったが、ここ数日であっという間に一般的な日本の家庭料理を覚えていた。

 

「ふあぁ……おはようございます、ハトホルさん、ノッブ」

 

自分に遅れ、沖田さんとモーショボーも目を覚ます。

寝ぼけ眼の2人に挨拶し、食事を取る。

本日の予定は謎女さんとの待ち合わせである、食べ終わり次第きちんと装備を整えてから沖田さんと共に業魔殿へと向かった。

 

「という訳で、今回は北海道の網走までお願いします」

 

「まじすか」

 

という訳で、急遽、試される大地へと行くことに決まった。

依頼の内容は簡単な見回りと豊作祈願である。

女神ハトホルを仲魔にしてからは今までメインであった悪魔狩りだけではなく、こういった地味な地方巡業をする事も増えた。

わざわざ豊穣神を仲魔にしてまですることか?とは思うがまあ、それはそれなのだろう。

 

「本日はこのような場所までようこそおいでくださいました。

 何もないところですが、どうぞゆっくりしていってください」

 

飛行機場から迎えに来た車と乗り、北海道網走近くにある町の牧場へと到着した。

自分の見た目が見た目なので、依頼によっては簡易な変装やそれらしい服装に着替える必要があったりはするのだが、今回の依頼主は特にそういう指定はない様だ。

長話や講釈をたれる気もないのでささっとハトホルを召喚して仕事を終わらせることにする。

 

「がんばれ♪がんばれ♪」

 

▶︎中島達 は いっしょうけんめい 仕事 している!

 

仕事と言ってもこちらとしては召喚したハトホルが祝福を与えている姿を見守るだけだ。

もっとも見守るだけと言っても、ハトホルを召喚しているだけでMAGが減るので言うほど楽な仕事と言うわけでもない。

 

「すいません、お使い様。

 どうしても見てもらいたいモノが……」

 

一通りの祝福掛けが終わった時、依頼主が仰々しく頭を下げたので、何事かといえばどうやら身内が悪魔に呪われたかも知れないとの事。

ヤバいなぁ、女神転生で呪いは確か回復が効きにくくなるとか歩くごとにダメージだっけ?

アムリタ待ち居ないんだよなぁ……なんて思いながらとある屋敷の奥へと案内される。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】野口 静留Lv0

【種族】人間

【相性】破魔無効

【スキル】なし

【状態】風邪

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】花子 Lv1

【種族】動物

【相性】破魔無効

【スキル】突撃

【状態】風邪

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「(た だ の 【風 邪】 か よ)」

 

色々とツッコミを入れたくなる気持ちをグッと抑え、それとなく病院に連れてく事を提案してみせる。

が、どうやら既に病院には行っており、既に只の風邪だって突き返された後との事、せやな。

風邪如きで騒ぎ過ぎとも思うが、確かに40度を超える熱が、家畜共々1週間以上続く状態は確かに親心的には不安にもなるかもしれない。

という訳で、何もしないのもアレなので、ハトホルの【ポズムディ】でパパっと家畜共々治してさせてもらった。

何故か勝手にハトホルさんが人に見える様に顕現したり、癒しの力を込めたイチジクとやらをお土産に渡していたが、ともかく依頼自体はこれで終了。

お礼を言う依頼主を尻目に向こうで取ってくれたホテルへと移動し、深夜になるのを待つ。

 

「あ、あなたが【TSサマナー】さんと【壬生浪士】さんでよろしいですか?」

 

「はいはい、そうですよ〜。

 で、そちらが【森のくまさん】さんに【稲荷】さんですね。

 本日は宜しくお願いします!」

 

そして、北海道に行くと決まった段階で緊急告知しておいたプレイヤーオフ会IN網走を開催することにした。

今回の参加者は自分と沖田さん、悪魔プレイヤーの【森のくまさん】こと『幻魔・ジャンバヴァン』とバスタープレイヤーの【稲荷】さんである。

『幻魔・ジャンバヴァン』は、ラーマーヤナに登場した熊の神様。

稲荷さんは元三十路現高校生で、男なのに【妖獣・タマモノマエ】へと変身してしまうデビルシフターとの事。

TS仲間だ!やったぜ!

 

「あ、これがお土産の鮭と菱の実です。

 現在お世話になってるコロポックルの里で取れた新鮮なものですよ」

 

「お〜これが噂のベカンベかぁ。

 あ、こっちは悪魔も人間も美味しく食べれるつまみと酒、ついでに【まんだらメロン】なんて持ってきてみました」

 

「やった!酒だ酒!

 あ、でも、こっちも夕張メロン買ってきてしまった……」

 

メロンとメロンで被ってしまったがそこはご愛嬌。

かくして開かれる、北海道網走のホテルで行われるプレイヤーオフ会。

酒を飲んだら、つまみを食べたり、各々情報交換をしたりした。

 

「え?精神汚染ですか?

 私はそこまでですね。

 今姿を借りているこのジャンバヴァン様は、人間に友好的な神様なので。

 寧ろ、人々に害を及ぼさない事を誓えば、魔法や戦い方についての知識を貸してくれたり、力を貸してくれますよ」

 

「この辺は田舎のせいか殆ど稼ぎの出来る【異界】がないんっすよね。

 野良の悪魔は滅多にいないし、知っている異界だって片方は熊さんの縄張り兼一般人立ち入り禁止場所。

 唯一安定していけるのが【旧網走刑務所】の異界だけなんすよ。

 そのせいか、全然変身先が変えられなくて……」

 

そんなたわいも無い会話を続け、すっかり1日が終わり、朝になる。

そして、さっそく観光兼現地の異界巡りに行こうとした時に、ホテルのロビーからの連絡により中断されてしまった。

聞く所、どうやら昨日の依頼人が他の同業者も似た症状で苦しんでいる為、どうにかお願いできないかとの事だ。

だから、病院に、行け!!

 

「でもマスター、あの【風邪】は【病魔】の呪いによる【風邪】だから、霊薬や魔法でないとそう簡単に治療できないわよ?

 毒性も人間界のそれよりも強力だし、感染力も強いから油断大敵よ?」

 

悲報・どうやら昨日の風邪は本当に悪魔の呪いだったらしい。

そりゃお医者さんもお手上げだよなと思いながら謎女さんに報連相。

驚きながらも治療許可をもらえたので、沖田さんとオフ会組にはモーショボを護衛に付けつつ原因となる悪魔探しに。

自分は牧場及び家周りをしつつハトホルさんによるポズムディ祭りを開催することとなった。

 

「【ポズムディ】、【ポズムディ】!」

 

「……これ、めんどくさいない?

 市販のディスポイズンでは何とかならないの?」

 

「見たところ、これは元の生命力が強い人間にのみ効くタイプの霊薬ですね。

 これだと簡単に作れる代わりに最低限の力を持つ人間でないと、このレベルの病魔は退散できない。

 わかりやすくいえば、レベル5以上必要と言ったところでしょうか」

 

一瞬余りの人数に【アムリタソーダ】をばらまこうと考えたが、さすがに赤字になりそうなのでぐっと我慢する。

途中ハトホルさんのMPが尽きかけるというハプニングはあったものの、そこは先のはかせの依頼報酬でもらった【MPリカバリー・アプリ】のおかげで何とか事なきを得た。

このアプリの効果は周囲の微量なマグネタイトを効率的に吸収し、体に同調させて、持ち主及び仲間の精神力の回復をサポートする。

即ち、歩くだけで勝手にMPが回復するのだ。

科学の力ってスゲー!

 

「あの、突然走られて、どうしたんですか?」

 

「あ、ちょっとした儀式みたいなものですから気にしないで」

 

でも500歩でMP1回復は流石に効率悪すぎではないだろうか?

自然回復よりは早いとはいえ、足踏みや車移動だと回復率下がるし、MP回復の為とはいえ、1人治療するごとに周囲を駆け回る姿は変人のそれである。

 

「これだとキリがないから、一人二人、見込みがある子を覚醒させちゃいましょう」

 

「それって、大丈夫なの?」

 

「まあ、おそらくは問題ないでしょう。

 マスターの話では遅かれ早かれ力に目覚めた方が良さそうです」

 

なお、それでも余りにも患者が多すぎる為、ハトホルさんの不思議パワーで何人か異能者やら候補者やらに目覚めてもらった。

その甲斐あってか、日が暮れる頃には概ね集まった人全ての治療を終えることができた。

でも、どう見ても最終的に治療人数や頭数が100を超えていた件。

本当に大丈夫か、ここ?

 

「よし!お仕事終わり!

 これで自分もやっと悪魔狩りに参加出来そうだな!」

 

「あ、ノッブもお疲れ様でした〜!

 こっちも無事に原因と思われる悪魔の討伐が終わりましたよ〜。

 どうやら今回の騒ぎは【悪霊・マカーブル】の【パンデミアブーム】が原因だったみたいです。

 そこそこ強かったですが、毒と風邪以外は物理攻撃しかしてこなかったので、沖田さん達の敵ではありませんでしたよ!

 沖田さん大勝利〜⭐︎」

 

なお、肝心の標的悪魔(経験値)は既に沖田さん達によって既に美味しく頂かれてしまった模様。

モーショボーちゃんを通して多少はおこぼれを貰えたが、雀の涙程である。

この後はようやく依頼が達成した記念に熊さんの住む【地霊・コロポックル】だらけの異界を見せてもらったり、網走刑務所で悪霊外道狩りを行ったりした。

個人的には少々不完全燃焼気味ではあるが、何時迄もここに居るわけにもいかず、依頼完了の報告と次なる依頼の為に東京へと戻るのでありましたとさ。

 

 

●ヤタガラスの使い視点

 

「あ、現地に着きましたか、でどうですか?依頼の方は……え?風邪の治療もした?

 え、ええ、結構です。いえ、問題ありません、お疲れ様です、ちゃんと要望通り、温泉ありで、仲魔の召喚も大丈夫なホテルにしました。

 任務の疲れもそこでゆっくりとってください」

 

「え?な、何ですか!?中島さんに何か不具合でも……

 え?逆?寧ろ、悪魔による呪いを解いてくれた?

 それで追加で解呪をお願いしたい?ちょ、ちょっと待って下さい!

 こちらとそちらで情報の齟齬があるみたいなので、少し本人と確認して参ります!」

 

「いやいやいや!悪魔の魔法による疫病とか、いやいやいや!

 そ、それでは今すぐに応援の癒し手を集めてそちらに……え?要らない?

 な、何言ってるんですか!大事件ですよ大事件!」

 

「はぁ!?近所で高位の悪魔が発見された!?

 え、え?熊の神……?え、キムンカムイ*1の可能性が高い!?!?

 ちょ、ちょ、ちょ、と、取り敢えず、中島さんだけでなく沖田さんの方にも連絡を……」

 

「え?え?今ちょうどその熊の神と一緒にいるんですか!?

 さらに狐の神とも!!目的は病魔退治!?

 ど、どこのアイヌ神話ですか!冗談ですよね、ですよね???」

 

「だから、彼女らはメシアではないです!

 今こちらは緊急事態で忙しいんです!!イタ電なら切りますね!!」

 

「はぁぁぁぁぁ!?!?人畜合わせて未知の病の被害者が100以上って!

 現地の調査員である貴方達は一体何を……え?何を馬鹿なことをやってるんですか!!

 だから言ったでしょう!悪魔召喚プログラムとかいう、胡散臭いものに触れるなと!!」

 

「うー、うー!と、取り敢えずこれ以上被害が増えない様に抑えて、中島さんにも報告を……え?もう半数以上治ってる?嘘でしょう!!」

 

「だから、沙那王の生まれ変わりなんて知らないって言ってるでしょう!

 自衛隊やガイア教の勧誘も本人から要らないと報告を受けてます!

 忙しいから切りますね!!」

 

「え!?相手は悪魔【悪霊・マカーブル】ですか!?

 そ、それは死の象徴、【黒死病(ペスト)】の具現霊じゃないですか!!

 という事は、今そこで流行ってる病は、風邪ではなくペスト?それとも新興感染症?もしく【黒死病(ペスト)】を超える新たな死の病!?!?!?

 き、危険すぎます、沖田さんも一旦神様と引き返して対策を……え?余裕?何言ってるんですか!無茶が過ぎますよ!!!まって、まって、まって〜〜!!」

 

「な、中島さん!緊急事態です!沖田さんが!

 ……え、一般人のうちから回復魔法持ちを増やしたけど問題ないかですって?

 いや、それって増やせるものなんですか?いやいやいやいやいや」

 

「だから、引き抜きはダメだって言ってるでしょう!!

 公務員なら縄張りから出ないで大人しくしていて下さい!!え?新しく異能者が増えた気配がした?帰れ!!!!」

 

「あーもー!!!

 取り敢えず、一般人の保護と情報隠蔽を第一に!

 それと【マカーブル】対策に施餓鬼米の選別と関係各社に一級霊的災害(ハザード)が発生したと報告を!

 そして、沖田さんの救出とアイヌの神・カムイとそれに関する疫病の資料を!

 後は網走周囲の封鎖と疫病対策、それにダメだった時のために最悪ジプスやメシア教、ガイア教と協力を……」

 

 

「は?え、もう倒した?は、は、は、え、え、ええええぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 

依頼後、業魔殿にて。

 

「大丈夫?なんか、やつれてない?」

 

「……取り敢えず、【中島さんと沖田さんは、アイヌの神々の天啓を受けた結果、無数のカムイと協力し、網走周囲に蔓延る疫病のカムイを退治した】と言うことになりましたので、それでよろしくお願いします」

 

「ちょっと、意味わかんないかなって」

 

●中島達とはかせと北海道土産

 

「北海道土産と言ったらこれ!

 ロイスの生チョコレートでしょう!」

 

「え〜?私はこのトウキビチョコって言うのが好き〜♪」

 

「何言ってるにゃ、こんなの毛蟹一択にゃ」

 

「山親爺」

 

「この大平原っていうのが一番いい気がするわね」

 

「……そこで結局買ってきたのが夕張メロンハイチュウなのは訴訟」

 

はかせに文句言われた。

ええやん、安くてうまい限定品やで?

 

●北海道土産(真)

 

なお、謎女さんへの北海道土産。

 

「網走刑務所の異界で契約した悪霊が【アイヌの黄金の在処】を知ってるとか言い始めたんだがどう思う」

 

「ちょっと、内容に脳味噌が追いつかないのですが」

 

デビルサマナー中島〜カムイの黄金伝説〜

始まりません!

 

 

●悪魔PとPと現地民と

 

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【新生活】合体イベント反省会スレその4【新しい体よ】

 

111:名無しの悪魔

元大天使から晴れて念願のピクシーになれたから、調子に乗って新前サマナーと契約してからかって遊んでいたら、相手が特殊性癖に目覚めてしまったでござるの巻

 

112:名無しの悪魔

何という俺ら

 

113:名無しの悪魔

お、お前は俺か?

 

114:名無しのサマナー

どっちの気持ちもわかるだけ何も言えねえw

 

115:名無しのガイアーズ

相手は現地民?それとも俺ら?

 

116:>>111→名無しのピクシー

やだなー

せっかくのピクシータソになれたのに何でお前らと契約しなきゃ何ないんですか

 

117:名無しの悪魔

dsyn〜

 

118:名無しのバスター

契約者のスペックup

それと仲魔になった経緯も

 

119:名無しの悪魔

どうせ現地のロリだろ

俺らだし

 

120:名無しのメシアン

なんでや!俺らも見た目だけはイケメン美女多いやろ!

(なお中身)

 

121:名無しのピクシー

流石に細かいスペックは無理だけど簡単に

・K校生 男

・細めの中肉 身長やや高 真面目

・契約経緯「僕と契約して魔法少女にry」

 

122:名無しの悪魔

んんんんん??

 

123:名無しの悪魔

何というQB

 

124:名無しのガイアーズ

と言うかマスター男かよ

チャレンジャーすぎる

 

125:名無しの悪魔

↑いや、女悪魔になるとその辺気にならなくなる

寧ろ、男の方がry

 

126:名無しの悪魔

hm乙

 

127:名無しのサマナー

元女性の可能性

お前実は魔獣だろ

 

128:名無しの悪魔

男なのに魔法少女とはこれいかにry

 

129:名無しの悪魔

大丈夫、女として扱えば男も女になるってエロい人も言ってた

 

130:名無しのバスター

それでよく契約できたなw

というか、姿が見えたって事は向こうも異能者?それともCOMP持ち?

 

131:名無しのピクシー

>>127 アオーン!よくぞ見破った、私は【外道・QB】今後とも宜しく まあ、普通に元男だけどね

>>119>>128 三次ロリ相手にいたずらとか犯罪者になっちゃうだろ!()

>>129 ですよね!()

>>130普通に一般人異能者っぽい 只の人間には見えないはずの自分を普通に発見できてたし

 

132:名無しの悪魔

ほう〜、リアル現地異能者か

自分はまだ見た事ないんだよなぁ

 

133:名無しの悪魔

一般異能者ってことはメシアやガイアでもなしか

確かに珍しいな

 

134:名無しのサマナー

ところで、異常性癖って結局ピクシー好き(柔らか表現)とかペドフェリアとかそう言うの?

もしくは、人外好きとか

 

135:名無しの悪魔

俺も悪魔になったせいでそう言うのに忌避感減っちまったからなぁ

 

136:名無しの悪魔

ドラゴンカー●ックスの概念をこっちの世界にも広げたのは誰だ!

龍神になってから、車を見るとやけにムラムラry

 

137:名無しのピクシー

>>134 いや、端的に言うと女装癖

初めはコスプレ程度だったのに、今では自分から化粧や女性用下着を着用するくらい

 

138:名無しの悪魔

なんでさ

 

139:名無しのガイアーズ

これはひどい

 

140:名無しのメシアン

おう、どんな悪いことしたんだ?

ちょっと俺の前で懺悔して見ろや

 

141:名無しのピクシー

なんで俺のせいだって断定するんだよ!!

……まあ、自分のせいなんですけどね

 

(この後しばらく、>>が現地民との契約及び女装への経緯を説明中)

 

534:名無しの悪魔

つまり、3行で纏めると

①素人異能者と契約!しつつ【この世界はニチアサ魔法少女の世界で、君が魔法少女になりきらなきゃ世界は滅びるんだよ〜!】と嘘をつく。

②素人異能者、その嘘を信じてしまい恥ずかしながらも魔法少女になろうと頑張ってくれる+>>111も全力で悪ノリする

③女装している内に、異能者君、完全に魔法少女(女装)に目覚め、最近では私服=女装になり、それで彼女とデートに行くレベル

うん、これ大体>>111の自業自得じゃねえか!!

 

535:名無しの悪魔

悪魔たん……

 

536:名無しの悪魔

妖精脳すぎるw

 

537:名無しのピクシー

でも、それでこっちにも女装を強要してくるのはいかんと思うんだ

元男としてフリフリのドレスだけは断固拒否する!!

 

538:名無しのバスター

人には着せておきながら何と言うワガママ

 

539:名無しの悪魔

お前も女装沼に落ちるんだよぉ!!(元男ピクシー同士並感)

 

540:名無しの悪魔

なら逃げればいいじゃん

 

541:名無しの悪魔

でも、異能者とは言えよくサマナー?と契約出来るなぁ

意思に反する命令とかされそうで怖くないの?

 

542:名無しの悪魔

確か、プレイヤー同士なら契約ガバガバとか聞いたけど、その辺どうなのよ

 

543:名無しのピクシー

>>540 いや、なんか一緒にいて楽しいから、まだいいかなって

>>541 そこんところはぶっちゃけこっちのほうがレベル上だし

命令自体はいざとなれば全然無視できるぞ

 

544:名無しの悪魔

なら問題ないな!()

 

545:名無しのサマナー

問題しかねぇよ!

 

546:名無しのバスター

格上にインチキ教えられた上に、特殊性癖に目覚めさせられた異能者君かわいそう

 

547:名無しのメシアン

むしろ、異能者の彼女さんが一番かわいそうなんですがそれは

 

548:名無しのサマナー

実際話によるとレベルがよっぽど格上でもない限り、プレイヤー悪魔は割と契約ガバガバらしいな

 

549:名無しの悪魔

↑確か5くらいまでは何とかなるんだっけ?

 

550:名無しの悪魔

にしても聞く限り、やっぱり悪魔pとしてはサマナーと契約するメリットはでかいな

 

551:名無しの悪魔

現世をノーリスクで歩くとなるとやっぱり誰かと契約するとが一番っぽいからなぁ

ワンチャン死んでも契約主が生きてるならロストしないらしいし

 

552:名無しの悪魔

だからって雑魚のお守りをさせられるのはねえ

 

553:名無しの悪魔

そも雑魚は悪魔維持用のMAG稼げねえよ

 

554:名無しの悪魔

Pにしろ現地民にしろ、某水着警備員ほどとは言わんが

旨い飯を奢ってくれる飼い主がええなぁ

……金ないし

 

555:名無しの悪魔

というかこれ、明らかに合体して五感や心を取り戻すと尚のこと現世への固執を取り戻しちゃってるよな俺ら

 

556:名無しのピクシー

生と食事の喜びを思い出しちゃったからね

異界の飯はもう口に合わんのよ

 

557:名無しの悪魔

やっとの思いでゲーム買ったのに充電器がないとかな

 

558:名無しの悪魔

せめてアイスクリームくらい手軽に買えるようになりたいホ〜

 

559:名無しの悪魔

一応プレイヤー用デジタルショップはあるにはあるが、日用品系はかなりぼったくりだからね

値段30倍はねえわ

 

560:名無しのガイアーズ

あれ実質ほぼ送料らしいぞ

 

561:名無しのバスター

おかげでまたマグネタイト相場が壊れてry

 

562:名無しの生協

お前ら自重しろ

 

563:名無しの悪魔

サーモン

 

564:名無しの悪魔

すまんの(ハナホジ)

 

565:名無しのサマナー

でもインフレの後のデフレだから実質元通り、よってセーフ!()

 

567:名無しの悪魔

にしても、お前ら精神に余裕が出でもやらかすのな。

それに人間界のものが欲しいならちゃんと交易してる場所や異界に行けばいいじゃない!具体的にはメシアやガイアとか。

 

568:名無しの悪魔

ねーわ

 

569:名無しの悪魔

ねぇわ

 

570:名無しの犬

100歩譲ってもメシアだと無理やろw

 

571:名無しのメシアン

場所による。

自分のところは「悪魔合体の素材です!」って言い張れば天使以外の悪魔も全然お目溢しされる感じ

時々将来いい天使になるんだぞって餌付けもしてくれる

ねこまんまおいしいです

 

572:名無しの悪魔

ガバガバァw

 

573:名無しのメシアン

何と言う牧歌的メシアンw

 

574:名無しのガイアーズ

でも、悪魔になった身としてはマジでガイア教の考えには賛同するところが多いんだよなぁ

悪魔と共存って、実現すれば俺らでも自由に人間界でショッピングできるんだろ?ええやん

 

575:名無しの悪魔

たしかに、今みたいに異界に隠れてこそこそするのはな〜とは思う

 

576:名無しの悪魔

ガイア教関係者は俺みたいな悪魔でも取引してくれる

それでもやっぱり高いけど

 

577:名無しの悪魔

個人的にはさっさと日本にICBM落ちてくれんかな〜とは思ってる

そろそろまともに都内を大手を振って歩きたいんじゃ!

 

578:名無しのバスター

何と言う犯罪者集団

 

579:名無しのメシアン

ハントしなきゃ(使命感)

 

580:名無しのサマナー

宗教関連の話題はやめ!

ここまでにしよう(迫真)

 

581:名無しの悪魔

泥沼待ったなしだからな

 

582:名無しの悪魔

と言うか、買い物云々で悩むなら六本木にいけ

あそこならどの思想でもプレイヤー限定で自由に買い物できるし

 

583:名無しの悪魔

あ、あそこまじで完成したんだ

 

584:名無しの悪魔

六本木合体会場跡地異界だっけ?

何かはかせは異界作った後、それを現地のメシアガイアプレイヤーに売却したとか聞いたけど。

 

585:名無しのバスター

どうやら、ようやく異界の安定と整備がひと段落したらしく、これから順序プレイヤーの交流場としてメシアガイアP共同で管理、開放していくらしいぞ。

具体的には六本木周辺の悪魔P用の居住区やアイテムショップ、邪教の館(仮)何かも設営予定との事

 

586:名無しの悪魔

まじかよ!!

 

587:名無しの悪魔

知ってる

でも、住居は既に予約が満杯でキャンセル待ち状態なんですよね(絶望)

 

588:名無しの悪魔

住めないなら、都内はきついかもな

隠れる場所は多いけど、あのイベント以降なんでか野良のデビルバスターが出やすくなったのがなぁ

 

589:名無しの悪魔

でも、電脳空間、スーパーハザマランドと続き、まともなプレイヤー用異界が増えたのはめでたいことだ。

しかも、聞く限りかなりきっちりしてるっぽいな

 

590:名無しの悪魔

↑香川の大うどん帝国も忘れるな

 

591:名無しのガイアーズ

うどん限定で現地民との交流とかニッチすぎるんだよなぁ……

 

592:名無しのサマナー

最近だと北海道にもなかったっけ?

たしか、コロポックルの里とやらが募集してたとか

 

593:名無しの悪魔

ああ、確か網走あたりだっけ?

なんか、現地の神様と勘違いされてるから、威厳と防衛目的でそれなりに人数欲しいかなったからって募集かけてたやつか

 

594:名無しの悪魔

結局人数集まったのあれ?

それとも罠?

 

595:名無しの森のくまさん

少し足りないけど集まりました

若干名だけプレイヤー許容範囲があります

宣伝してくれた人ありがとうございます

 

596:名無しの悪魔

あ、熊さんちっす

 

597:名無しのサマナー

道民さんちーっす

 

598:名無しの悪魔

道民といえば骨皮さんがいる場所だっけ?

確か札幌あたりに住んでるとか聞いたことあるな

 

599:名無しの悪魔

お〜、普通にきてるってことは罠ではない感じか

なら行こうかなぁ ちな岩手

 

600:名無しの森のくまさん

>>598 骨皮さんとは会ったことはありますがそこまで交流はありませんでしたね

網走は北海道の東海岸なので、西側となるとなにぶん交流するのも大変で

>>599 歓迎しますが、いく途中に札幌周辺を通る場合は注意してください

あそこはどうやら今私達が交流出来ている地元オカルト組織とはあまり仲が良くない上に過激派なせいで、野良悪魔を見つけ次第封印や殺害してるようなのです

海路や他人間プレイヤーの協力の元で来てくださると幸いです

 

601:名無しの悪魔

ひえっ

 

602:名無しの悪魔

まじすか

 

603:名無しのガイアーズ

札幌周辺部なんて原作でなんかオカルト組織あったから?

まさかヤタガラスや葛の葉の本拠地とか?

 

604:名無しのバスター

ないないw

ヤタガラスはまじでこの世界では弱小らしいし

 

605:名無しのサマナー

まじかーならガイア辺り?

確か、東北とか北陸、奈良京都に多いとか聞いてるけど

 

606:名無しの悪魔

自衛隊だろJK

しらんけど

 

607:名無しのメシアン

ワンチャンメシアの可能性

札幌ってもともとクラーク像とかあるんだっけか?

なら伝わっててもおかしくないし

長崎とかもメシアンのメッカと地元民から聞いたし

 

609:名無しの悪魔

>>603 ジプスだぞ

デビサバ2通り、大阪に本部おきながら名古屋と東京と札幌福岡にでかい拠点持ってるのはどうやら確定らしい

 

610:名無しの悪魔

うわあじぷすつおい

 

611:名無しの悪魔

大和なのか都なのか、それが問題だ

 

612:名無しのガイアーズ

ポンコツかヤンホモか、究極の2択やね!

 

613:名無しのメシアン

というか、前回のイベントといい、まじでこの世界デビサバ2がベースなんじゃなね?

なら対策しようがありそうな気も

 

614:名無しの悪魔

うえぇ、転移イベントかぁ

やっぱり次もあるのかねぇ

 

615:名無しのサマナー

まずは管理者を準備しなきゃ(白目)

 

616:名無しのバスター

次はちゃんと食料や水の確保しておかなきゃなぁ

 

617:名無しのガイアーズ

それと住居の整備も

 

618:名無しのサマナー

↑そう言えばここで引っ越すとイベント空間でもそれは反映されるのか?

 

619:名無しの悪魔

対策かぁ……でも、そうなるとまじで次もセプテントリオンなのか?

ドゥベはあくまであの全門耐性だから苦労したが、今更通常耐性のメラクにこられてもって感じはする

 

620:名無しの悪魔

流石にスピードとかレベルは上がってるんやろ

もしくはアニメレベルの巨大化とか

それでも無敵でさえなければ大丈夫そうだが

 

621:名無しのサマナー

普通に別の敵になってる気もする

 

622:名無しの悪魔

どうせ、どんなボスでも次イベントはクソ強化やいらんハプニングが起きるんだろ?知ってるんだから

 

623:名無しのサマナー

ですよねー

 

624:名無しのメシアン

はいはい、いつものいつもの

 

625:名無しの壬生浪士

メガテンなら絶対何かやってくれる

そんな熱い信頼がありますからね!()

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

「あ、そう言えば前回の中島さんの活躍のおかげで、我々の組織と網走にいたカムイと友好関係を築く事になりましたよ」

 

「内容は、定期的な地脈と土地の守護の代わりにいくつかの奉納品や交流を続ける事で契約を結べました」

 

「つきましては、現地でキムンカムイと交流した中島さん。

 何かオススメの奉納品を教えてくださると嬉しいのですが。

 やっぱり、伝承的に基づいて鮭や熊の肉が最適でしょうか?

 もしくはイナウ*2やカムイノミ*3を行ったほうがいいでしょうか?」

 

かくして助言をして数日後。

そこには、ものすごく納得いかない顔をしながらも、感謝を述べる謎女さんの姿があった。

いや、でも喜んでくれたろ?週刊誌の定期奉納契約。

 

 

 

*1
アイヌ神話の山と熊の神

*2
木の彫物

*3
カムイを祭るための祭り




(書き終わったものを見ながら)
あれ?せっかく小話書いたのに書きたかった箇所が消えてry
……まま、ええやろ(適当)

ここまで読んでくださってありがとうございます
次回からもうちょい話が動くと思う


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18話目

あけましておめでとうございます

新年の初投稿です


「……ゔぁー」

 

深い微睡から目を覚ます。

二日酔いのさらにその先の泥酔状態からの覚醒は一言で言えば最悪の気分だ。

ふらつく頭部を抑えつつ、辺りを見渡すとそこには瓦礫、瓦礫、それとガラクタ。

周囲の光景と自分の朧げな記憶から、すぐさまに警戒レベルを引き上げる。

速やかに管を取り出し、仲魔を呼び出した。

 

「うにゃにゃー!!ようやく晩ご飯の……あれ?ここはどこにゃ?」

 

「あらあら、何か厄介ごとの雰囲気ね?

 いいわ!私に任せなさいね♪」

 

取り敢えず、問題なく召喚ができて一安心。

また、その仲魔のリアルな反応から、ここが夢や幻覚の類でないことも悟り、一落胆と言ったところだ。

その上、出かけるときに家に置いてきたモーショボーは、ここでは呼び戻せないようだ。

明らかな戦力ダウンに沈む気持ちを抑えつつ、久しぶりともなる刀を握る。

いくつかの荷物と今回の()()をCOMP内へとしまい、警戒しつつ、外へ出る事にした。

 

 

 

「おぎがぎょょょ!!!」

 

「キハハハハ!久々の人間じゃ!

 さて、頭から喰らうてやろうか!手足をもいでやろうか!」

 

薄暗い崩れかけの廃墟から出ると、そこは無数の邪悪な悪魔の溜まり場であった。

その容姿は、片や半人半獣の緑色の毛むくじゃら、一人邪悪なぽん●っきー。

片や低位の日本の水神と言う名の空飛ぶ巨大エイ。

そんな愉快なレベル15オーバーの悪魔の群れの姿である。

元の世界だとどちらも異界の主をやっていてもおかしくない格の悪魔であり、そんなのが突然問答無用で群れになって襲いかかってきた。

並のプレイヤーでは歯が立たないのは間違いないし、大半のプレイヤーならばソロでこれらを相手する事は死を意味するであろう。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪妖獣≫ピアレイ Lv17

HP ??

MP ??

【相性】 氷結・毒無効 火炎・破魔弱点

【スキル】・アクセルクロー

     ・毒ガスブレス

     ・プリンパ (単体 混乱付与)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪妖魔≫イソラ Lv15

HP ??

MP ??

【相性】 氷結耐性 火炎弱点

【スキル】・毒かみつき

     ・アイスブレス

     ・メディア

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「おら!ギターケースの錆になれ!!」

 

「「「グギアアァァァ!!!」」」

 

もっとも、今回の自分に限って言えば、特に苦もなくこの戦闘を終えることができた。

相手が此方よりも低レベルかつ火炎属性弱点であったのは、運がいいのか日頃の行いか、悩ましいところである。

 

「ふぃ〜、倒した倒した!

 ……ところで、結局このレベルの悪魔が出るってこと、ここは知らないレアな異界……って事で良いのか?」

 

「いやいや、MAGの濃度は濃いけどここは異界ではないにゃ。

 オイラの髭センサーもそう言ってるにゃ」

 

「確かに魔界の空気も混じってはいるけど……。

 でも、ここは魔界や天界、ましてやドゥアトとも違うわよ?

 だって、看板や崩れた建物から見える広告や文字が日本語でしょ?

 魔界や冥府ならもう少し煩雑でわけのわからない言語が揃っているのよ」

 

周囲のあまりの荒廃っぷりと野良悪魔の強さからここは何処かの異界だと思ったが、仲魔に聞いたところ如何にも違うようだ。

かと言って、何故か都内をほぼ網羅しているはずのマップアプリも何故か作動しない。

仕方なく、改めて周囲の状況を確認するべく、近くで一番高い建物(元高層ビルの廃墟)へ悪魔を蹴散らしながら登り詰める。

 

「うわぁ……」

 

「おお〜絶景だにゃ、絶景だにゃ!

 少なくも力強い、人間達の怨恨怨苦のMAGが溢れてるにゃ!」

 

すると、そこに広がるのは明らかに光が少なくなり、荒廃した都市の夜景であった。

ほとんどが崩れ、灯りがついているのが少ない建物。

薄暗く物、まるで人工の光のようにあっての光しか映さない石壁の星空。

淀んだ空気に軟調の濁流が流れる河川と海岸線。

何よりも目に引くのは、かつてこの大都会でもっとも高いとされたはずであった【折れた東京タワー】が、今いる場所が何処であるか、それを如実に示していたのであった。

 

 

「……な〜んで【東京大破壊】済みなんですかねぇ?」

 

 

思わず、目の前に広がる光景と今の自分が置かれている状況、怒涛の展開に、ただただ無力にもそう叫ぶしかなかった。

 

 

 

 

 

 

さて、何故このような事になっているのか、大まかに説明しよう。

話は今より半日前、自分がはかせの家に修理に出した装備やアイテムを引き取りに来た時まで遡る。

 

「と!いう訳で、例のナギちゃんの装備とアイテムの修理と補強、さらにはランキング報酬の機械の解析も終わったから返すね!」

 

「ありがとナス!」

 

はかせから渡された懐かしの刀と学ラン風防具を受け取り、装備具合を確かめてみる。

服はバッチリ、刀も手に吸い付くかのように持ちやすい。

マントも以前より力強く前転しやすく、おしゃれ帽子も激しく動いても何故か全然外れない。

 

「注文通り、前回の【ドゥベ】討伐時に出た【フォルマ】をそのマントや軍服に使ったからね。

 受け流しにさえ成功すれば理論上どんなに攻撃にも耐えられるよ。

 あと、マントの【極地適応】も強化しておいたから、【毒沼】や【放射能汚染】などの【地形ダメージ】も防げるはずだね。

 これからも存分にハプニングに巻き込まれてくれ!」

 

「その騒動の原因の半分ははかせのせいだって自覚ある?」

 

「でももう半分はノッブちゃん自身のせいだよ、間違いなく」

 

そんな風に装備の馴らしを行いながらも、はかせの説明を聞き、COMPを整理する。

そして、はかせの造魔と軽い模擬戦なんかもしたのちに、改めてはかせに説明を求めた時にそれは現れた。

 

「……で、結局あと【ランキング報酬】でもらったあの機械、あれは結局何だったの?」

 

「え?ああ、これね。

 これは【FASS】、私たちの持つのと同じ【ターミナル】の一種だね。

 ちょっと性能に差がありすぎるけど」

 

先のイベントの特別報酬【FASS】。

名前自体は確か【魔神転生Ⅱ】辺りで出てきた覚えはあるが、残念ながら詳しくは覚えていなかった。

 

「【ターミナル】って事は……これも女神転生恒例のテレポート装置の一種か?

 もしくは悪魔を呼び出しちゃう系の機械?」

 

「理論上はどっちもできるかな。

 この【FASS】と呼ばれる【ターミナル】はどうやら【時空間移動兵器】みたいでね。

 それこそ無茶をしようと思えば、単純な場所移動だけでなく、【時間移動】や【平行世界移動】もできる【超高性能ターミナル】だよ。

 無論、魔界と繋げれば【悪魔召喚プログラム】に、空間断絶すれば【異界創造機】に、異なる空間を繋げて【無限発電機】なんかもできるよ」

 

「ちょっと何言ってるか分かりませんね」

 

なお、その実態は思わず自分の脳が理解を拒絶するほどの劇物だった模様。

まさかこんなところでリアルタイムマシン兼どこでもドアを見るとは。

取り敢えず、ノリではかせに預けてみたがどうやらそれはいろんな意味で正解だったようだ。

こんなやばい機械を取扱説明書も無しに送ってくる運営は間違いなく頭がおかしい。

さて、そんなやばいを超えて意味不明な性能を持つ【FASS】であるが、だからこそ一つ気になることが出来てはかせに尋ねてみる。

 

「……と言う事は何だ、もしかしてこれさえ使えばワンチャン【元の世界】に帰れるかもしれないの?」

 

「それは、MU⭐︎RI!

 ナギちゃんのいた世界に戻るにも座標の設定がわからないからね。

 そもそも、この【FASS】自体が時空間移動兵器としてのマシンパワーが抑えめみたいでね、近くない並行世界へ移動は厳しいだろうし、無理にそんなことしたら、移動中に壊れて時の迷子になるのが関の山だよ!」

 

「ですよねー」

 

まあ、ある種予想通りの答えではあった。

現実はこんなもんだろう。

 

「色々言いたい事はあるけど、はかせ的にも十分これの解析は終わったし、そろそろこれをナギちゃんに返したいと思います!」

 

「え、なんか話聞く限り危険物すぎてそのまま預けてバイバイしたいんだけど、もしくは買い取って欲しい」

 

そんな危険物をポンと返されても困ると言うのが本音だ。

いや、そんな危険物を友達とは言え知らずに預けていた自分も大分問題ではあるが、それはそれと言うやつだ。

 

「まあまあ!

 この【FASS】はノッブちゃんでも問題なく使えるように専用リミッターいくつも付けたし、ちゃんと取説やヘルプも付けたんだよ?

 具体的にはこれ一つで【無限発電炉】兼【悪魔合体装置】兼【悪魔全書】機能を使えるようにしてみました!

 後、【はかペディア】や【パリンと割れるバリア】、さらにはキッチンシンクなんかも付けて今ならなんとお値段送料共に無料!お買い得だね!」

 

しかしながら、ここまでしてくれたのに無碍に返すわけにもいかない。

さらに言えばこの【FASS】、元はと言えば(運営に押し付けられたとは言え)自分のものである。

だからこそ、自分はこの【FASS】を素直に受け取ったし、はかせがリミッターとやらをかけていると言ったから、まず問題ないだろう。

そんな風に思っていたのだ。

 

「げっ」

 

「あっ」

 

しかし、それゆえにハプニングと言うのは予想外の時に起こるからこそ問題なのである。

そう、まさか初めての【FASS】での悪魔合体で【合体事故】をやらかしてしまったのであったとさ。

 

 

 

 

「にしても、この【大破壊後東京】は歩きにくいったらありゃしねぇ。

 道も舗装が溶けてボロボロのが多いし、なのに薄暗い。

 かといって明かりをつけると悪魔が集まるし、やりにくいったらありゃしない」

 

「難しい事はよくわかんにゃいけど、取り敢えず面倒くさい場所だと言う事は分かったにゃ。

 ……って、あ!つまりここだとちゅ〜●を買うことが出来ないのかにゃ!?!?

 せっかくの人間界なのに!!あの人類が生み出した最高傑作の一つが、まさか失われてしまったのかにゃ!?!?」

 

まさかのち●〜る遺失産物(ロストテクノロジー)化である。

でも、製造元のい●ば食品は確か静岡の企業故、この大破壊後も残ってるかは怪しいだろう。

 

「うおおおお!!!

 で、でもオイラは信じてるにゃ!

 世界に誇り『世界の猫を喜ばす。』のキャッチフレーズを持つ●なば食品なら、きっとこの世界に猫がいる限り、滅びはしない!

 滅びはしないはずだ……と!!」

 

勝手に熱くなっている元カブソはさておき、時間は戻り、現在自分たちがいるのは【大破壊後東京】。

結局のところ、今自分たちがこんな場所に来てしまった原因は、悪魔合体の合体事故による【FASS】の暴走である。

暴走した【FASS】は何故か勝手に【時空間移動】を発動させ、自分をこの【大破壊後東京】に飛ばしてしまったという訳だ。

 

「そう言えば、放射能汚染とか大丈夫なのかねぇ?」

 

当然、こんな状況は此方にとっても想定外であり、出来事は致命的だ。

このような事態の前では、流石に先のイベントのランカーと言えども消沈してしまう事不可避……

 

「あ!あっちにピアレイの群れがいるぞ!

 逃すな!追えっ!!」

 

「合点承知にゃ!

 お!サマニャー!そこ直線で行くより、こっち回り道すれば挟み撃ちに出来るにゃ!」

 

「でかした!」

 

「ちょっと順応するの早過ぎない?」

 

なんて事はなく、こんな状況でも意外と自分の心は平穏であった。

そもそも、こんな風にいきなり知らない場所や危険な場所に飛ばされるのはもう3度目くらいである。

それに今回はイベントの備えのために、事前の準備はそれなりに整っているし、飛ばされる直前にきちんとはかせを突き飛ばしたお陰で、おそらく被害は自分だけ。

その上、元凶である【FASS】はきちんと此方の手元のCOMPに収納済みなのだ。

なればこそ、まだまだ全然希望はあるし、ともすれば落ち込むよりは少しでも手足を動かした方が為になると言うのが此方の経験則だ。

 

「取り敢えず、当面の目標は何処か休める場所の確保。

 時間に余裕ができたら今回の飛ばされた元凶の【FASS】の解析……は自分だと無理だから、専門家に解析してもらう。

 それと出来れば、この東京崩壊の原因究明も出来たらって感じかな」

 

「マスターがタフ過ぎて、お母さん嬉しくもちょっと寂しい。

 もっと、も〜っと頼ってくれてもいいのよ?」

 

こうして、自分と仲魔は決意を新たに、この未知なる【大破壊東京】の探索を開始するのであった。

 

 

 

 

なお、数時間後。

 

「イヤアアァァァァ!!」

 

「ヒャッハー!!!

 脱走奴隷だぁぁぁ!!女だァァァァ!!

 捕まえろ〜〜!!」

 

「ゲッヘッヘ!!

 女ぁ!今ならまだ俺様の肉奴隷で勘弁してやるゼェ!

 大人しく降伏しろやぁぁぁ!!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪外道≫処刑ライダー Lv18

HP ??

MP ??

【相性】 銃・呪殺弱点

【スキル】・たいあたり

     ・挑発 (敵全体 攻撃力上昇 防御力低下)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

なんと!そこには悪魔より悪魔と評判な、バイクに乗った暴漢達と追いかけられる女性の姿があった!

 

「やっべ!!リアルヒャッハーだ!

 写真撮ろう!写真!

 あ、あと奴隷制度あるのか、あっちゃうのか!

 流石大破壊東京!期待を裏切らない!」

 

「……サマナー、なんかテンション上がってない?

 気のせい?」

 

「これもまた人間にゃ」

 

かくして、私は溢れ出す世紀末臭に、胸の高鳴りを抑えながら、そのモヒカン達へと接触を謀るのであったとさ。

 

 




◆あらすじを3行で
【FASS(タイムマシン)】の導きで〜
大破壊東京に飛ばされて〜
ノブナギは〜ヒャッハー達と〜出会った〜()

なお、当初はもっとイージーモードになるはずでしたが
主人公強いし、もっとリソース削ったろと言う天の声でこうなりました。

ここまで見てくださった方&感想ありがとうございます!
また、今回も感想などがあると嬉しいです


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