「俺達、友達に戻ろうよ。」 (桃音@まゆすきp)
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「俺達、友達に戻ろうよ。」

本日、3作品目です。はい。
こういうヤンデレ読みたい!と思ってたらやらかしました!


今、私の彼氏が発した言葉を一生懸命に脳内で変換していた。

ともだち友達トモダチtomodatiともダチ

 

「おい、聞いてるのか?」

「あ、うん。トモたちがどうしたの?」

 

おでこに軽く衝撃が走る。……でこぴんされた。

 

「話全然聞いてないのな!?」

「き、聞いてたってば!ほら、今日のハンバーグ美味しかった!とか。」

「言ってねぇよ。そもそもハンバーグじゃなかったし。あれを人間は鋼鉄という。」

 

すっかり呆れた顔で私の愛しい人が、お弁当箱を返してくれる。

そういいながら中身は空っぽだなんて、愛い奴め。

 

そう。今日のハンバーグには隠し味が入ってたんだよ。

わかったかな。

 

「でさ、俺達は一回恋人から友達に戻るべきだと思うんだよね。」

「わー!わー!可愛いねこだあああああああああああっ。」

 

猫なんて居ないけど。

 

「え、猫!?どこだよ!?」

 

そう言えば、彼は猫を探しだすんだ。

 

「…………そんなところがとってもかわいい。」

 

彼が置いていった鞄から携帯を取り出す。

携帯のパスワードは確か彼の誕生日の逆。

ロックが解除されて、携帯の中身を見る事が出来る。

 

インターネットの履歴。えっちなサイトばっか。しかもアブノーマルな奴。

Lineのトーク履歴には、色々な女の子との会話。

 

皆に『好きだよ』なんて送ってる。許せない。

 

自分の携帯で彼の携帯の画面を撮る。

女の子の名前から誰だか割りだそう。

 

彼の鞄に携帯を戻す。

そのすぐ後に彼が帰ってくる。

 

「子猫がたくさんだった…。」

 

あ、猫居たんだ……へぇ。

 

 

「それでさ、俺達……友達に戻ろう。

 

なんていうか重いんだよ。」

「そう。」

 

冷えきった声でやっと返事をする。

 

「そっか。」

 

私は笑顔で言う。

 

「こんなに君を愛してるのにダメなんだ。

こんなに君しか見ていないのにダメなんだ。

挙げ句の果てには友達…?戻れるわけないじゃん。」

 

そう言って、私は走る。

そうすれば彼から『さっきはごめん。』とメッセージが入る。

 

家に帰って、すぐに少し汚れた身体をシャワーで洗う。

 

さて、彼のツイッターアカウントにログインする。

彼のDMをチェックする。

 

へぇ、電話番号とか交換してるんだ。

送ってた自撮り画像を保存する。

それから私は行動を開始する。

 

非通知で電話をかけるんだ。

 

『はい…?』

 

可愛い女の子の声。

 

「調子にのんなブス。」

 

そう言ってからブチッと電話を切る。

それを彼が連絡を取ってた相手全員に繰り返す。

 

ツイッターでアカウントを作ってから、相手のDMに「ビッチ」だとか「淫乱」だとか書き込む。

当然ブロックされる。

だからアカウントを作り直してまた書き込む。

 

人の彼氏を盗ろうとしてるんだから当然じゃない。

 

出来る事なら殺してやりたい。

 

彼を見る全てのモノが邪魔。

彼が愛する私以外のモノが邪魔。

 

消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろッ!

 

 

 

 

 

あ、そっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______

 

最近、女性が行方不明になる事が増えた。

猫の残虐死骸も見つかるようになった。

 

私は彼氏の隣で笑っている。

 

とても暖かくて少しずつ冷えていく大好きな彼を抱き締めながら私は言う。

 

「邪魔モノもなくなって…これで永遠にずーっと一緒だね♪」

 

アイシテマスよ。ずっと。ずーっと。

 

 

 

 

 

【○○市で女性が行方不明となっている事件で、容疑者と見られる少女が男性の遺体を抱き締めながら、遺体となって発見されました。】

 

 

 

 

 

 

 

 




ハンバーグの隠し味は内緒ですけど、きっとわかってくださいますよね♪
あと、ツイッターで中傷したりするとアカウント凍結されますので、絶対やっちゃダメですよ?

あ、続きません。
感想待ってます!


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