龍種を宿すノーマの少年のゆく道 (希望の忍者)
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序章
堕とされた皇女:前編


投稿作品、2作目をお楽しみ下さい。
感想も募集しますのでよろしくお願いします。

アンジュの登場は、1話の後半からですのでよろしくお願いします。


『マナ』と呼ばれる文明…それは魔法とも言えるような画期的なもので、戦争やエネルギー不足、環境問題等を解決し、あらゆる物が望み、手に入ると言う…,高度情報化社会である。そんな文明に人々は安泰の日々を過ごしていた。

しかし、そんな『マナ』の文明社会において、突然変異の

『反社会的分子…通称 《ノーマ》』と呼ばれる存在がいる。ノーマとは『マナ』が使えない者の事であり、マナの社会を脅[おびや]かす存在としてマナを使う者から差別を受け、嫌悪されている。

 

 

そんな『マナ』の首都『ミスルギ皇国』で“とある秘密”を抱えた異国の服を着て、少年が頭をすっぽりとロングコートのフードで隠して街を歩いていた。

 

???「やっぱりドコモかしくも、マナばっかりだな…しかも

ミスルギ皇国の皇女様の戴冠式(たいかんしき)前でこんなに人がいるからな……ったく何奴[どいつ]も此奴[こいつ]も

マナばっかり… まあ『ノーマ』である俺には関係のない話だかな。

 

そう…この少年の“とある秘密”とは『ノーマ』と言う事である。しかし、ノーマは産まれてすぐの()()()()の筈なのに,この少年は現にマナが使えない…突然変異中の突然変異である。だがそれでも少年の親は子に名を付け、子を愛し、育ててくれた。様々な知識を彼に教えた。

少年の名は……『リュウガ・ドラグニル』

両親は子の存在を隠すために山の奥地で両親は極力マナの力を使わず、自然と共に大変な暮らしだったけど幸せに暮らしていた。

しかし、ある日突然両親は不治の病にかかってしまった。

リュウガは必死に看病したが一向に病気が進み、永くないと悟り、リュウガに真実を伝えた。リュウガの両親は産みの親ではなく、ただ育ててくれた他人であった。リュウガが赤子の頃に山で拾いノーマである事は解ったが、子を産めなかった妻はそれでも育てたいと言い、夫もそれを承諾して人里離れた山奥で育てる事にした。

それを知ったリュウガは『それでも2人は自分の両親である事には変わりない』と言い、両親は涙を流して静かに息を引き取った……。この時のリュウガはまだ6歳の少年で、2桁にも経っしていない子供であった。

そしてリュウガは両親の墓を建て、残してくれたお金と紅蓮色の勾玉の首飾りと漆黒と純白が対となっている指輪と透明な勾玉のイヤリングに“XX”の施された匠の中に7体の幻獣様な生き物が施された腕輪にを身に付け、教えてくれた知識と異国服と骨で出来た太刀の刀剣とフード付きのロングコート等を持ち、旅に出た。

 

リュウガは旅をしながら生きる為なら何でも身に付けた。武術,医術,料理に裁縫,ギャンブル術,機械系,農作物系は当然の事。

人からだけでなく、動物や虫からも生きる術[すべ]を見つけ出しそれを身に付け、時には虫を食べ、それでも食べられなかったら与えられた知識と経験を駆使して食べ、飲めない水は与えられた知識と経験を駆使して濾過[ろか]して飲み水にしたりして生きて来た。

春は人々が賑[にぎ]わう季節だから スリなどをしてお金を調達した。マナに頼ってばっかりいたから盗みやすかった。

夏は動物や虫等が多く生きる術を見つけようとしていた。

虫も沢山いた為、食べられる虫を探して食べていた。

秋は作物や木ノ実が実る季節な為、山で食べ物を見つけ食べて、残った木ノ実は保存していた。お陰で、食べ物には困らなかったし、暫くは虫を食べずに済んでいたことに少し嬉しく思った。

冬は狩りの時期であり冬場の山は動物達がよくわかり易く見えていた為、動物を狩り肉を喰った。食べきれない肉は干肉にして保存していた。

リュウガはノーマであって解った事は、マナの力は“便利すぎて”ほとんど人間は考える事を放棄している。周りに流されてばっかりである。リュウガの眼には『豚に見えた。』言葉を話さず、考える事をしない、哀れで醜い豚に見えた。

だからリュウガはマナを使う奴らを“殺しても”何とも思わない。しかし、リュウガは自身に自問自答を忘れずにいた。『俺はリュウガ・ドラグニル…育ててくれた親は他人だったけど、本当の息子の様に育ててくれた、そして俺は生きる術を身に付ける。考えて,戦って,殺して,喰って勝って生きる!』これは自分自身を見失わない為である。自身を見失えば生きられない、戦わなければ生き残れないからと問いただす。

そして彼は、“自分の中に居る強い力を持つ存在”に気が付き始めた。

 

 

そして、それから10年が経ち、服装は自分で作った異国の服で刀は鍛冶屋で学んで刀を鍛えなおしたから斬れ味もより鋭くなっており、それを背中に背負いそして今に至る。

 

 

__________________________

 

リュウガ「さてと…とっとと買い物を済まして、この街を出ないとな。(それに…誰か知らないけど、つけられてるみたいだしね)」

リュウガは長年の生きる術でつけられている事に気が付いていた。

 

 

 

 

〈買い物終了〉

リュウガ「よし…全部買い終わったし、とっととこの街から出ないとな。戴冠式前でパトカーとかも多いし見つかるのは不味いしな。」

リュウガは買い物を済ましてミスルギ皇国を出ようとした際に、沢山のパトカーと野次馬を眼にする。

この時に、リュウガは無視して街を出ようとしなかった事を悔やんだが、後悔しなかった………。

 

 

赤子「ふええぇぇん! ふえぇぇぇん!」

そこには赤子を隔離する様にマナの結界を貼っていた。

 

リュウガ「ちっ 奴らは、まだあんな赤子まで猛獣みたいな扱いしやがって…檻にでも連れていく気かよ。」

リュウガは母から娘を引き離すのと赤子を猛獣の様な扱いをする警察に苛立[いらだ]ちをしていた。

 

母親「駄目!」

赤子の母親と思われる女性が叫ぶが、赤子は母親の方へ進むだけでマナの結界を硝子の様に壊してしまう。

 

母親「ああぁ!?」

 

警官「『ノーマ管理法』第一条[だいいちじょう],第三項[だいさんこう]により

この者を第1007765ノーマに認定する。」

泣いている赤子に警官は母親にそう報告すると……。

 

母親「セーラを…娘を返して!!」

母親は取り抑えられる警官に抵抗し、娘を取り返したが……またもや警官に取り抑えられる。

 

母親「どうかお許しを!この娘はまだマナの使い方が下手なだけです!」

母親は必死になって許しを問うが………。

ここで新たな人物が介入し告げる。

 

???「それこそノーマである証…断じて見過ごす訳には参りません!」

 

野次馬1「あの方は!!?」

 

母親「アンジュリーゼ様!?」

そこに現れたのは……ミスルギ皇国次期皇女となるアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギであった。

その皇女様はリュウガにとっては怒りを憶える演説を行う。

 

アンジュリーゼ「人類の進化の果てに手にしたマナの光……

それを否定するノーマは本能のままに生きる。

反社会的な化け物……今すぐにでも世界から隔離しなければなりません!」

 

リュウガ(ちっ マナ至上主義者かよ……。気に入らねぇ!)

リュウガはアンジュリーゼにも怒りと苛立ちをしていた。

 

母親「あ…アンジュリーゼ様!どうかお願いします!この娘はキチンと私が育てますから!」

 

アンジュリーゼ「不可能です……ノーマは人間では無いのですから。」

 

母親「うっ!うぅぅ…」

 

アンジュリーゼ「早く忘れる事です。今度はノーマなどではなく正しく普通の子を授かるべきなのです。」

アンジュリーゼは祈るように演説をし、野次馬達は母親な対して陰口を叩く。

 

母親「うわあぁぁぁぁぁ」哺乳瓶を投げつける。

 

メイド「障壁!」

 

警官達『この!こいつ!』

それを聞いた母親は怒り、まだ中身の入った哺乳瓶を投げつけるが、傍にいたメイドにマナの障壁で防がれる。

そして母親は警官達に取り抑えられる。

 

メイド「大丈夫ですか?アンジュリーゼ様?」

 

アンジュリーゼ「もう…モモカは過保護なんだから…」

 

警官達は娘をマナ結界では無く、強化硝子性の隔離ケースに入れ、パトカーに乗せ連れて行こうとする。

 

母親「セーラ! セーーラーーー!!」

 

母親は娘が連れて行かれた事に悲しみの表情ををし、両手と膝を地について、酷く落ち込んだ……。

アンジュリーゼ様とメイドのモモカはそれを見ていたが、リュウガはアンジュリーゼと野次馬にそして、この世界の理に憤怒と憎悪していた。

 

リュウガ(もう我慢の限界だ…それに、いい加減つけて来る奴にもうんざりだしな。)「おい……,」小声

 

母親「えっ?」

 

リュウガ「おっと 振り向くなよ顔を見られる訳にはいかないからな…で、お前は娘を助けたいか?ノーマであるあの娘を愛し、育て、一緒に暮らせるか?」

 

母親「助けたい!ノーマであっても…あの子はは私のたった1人の家族です。夫が亡くなって、娘までいなくなったら私は、私は……。」

リュウガは母親の女性に問い掛けると母親は愛していると答える。

 

リュウガ「それを聞けて安心したよ…助けてやるよ。」

 

母親「えっ…本当ですか?セーラを…娘を取り返してくれるんですか?」

 

リュウガ「何度も言わせるな。兎に角お前はこの街から出る用意をしておけ、この紙に安全な場所が書いてある。この場所に行けばそう見つからない少し遠いが我慢してくれ。今夜の7時に街外れの公園で会おう。当然娘を連れて、さぁ早く用意をしろ!」

 

母親「はっ…はい! ありがとうございます! えっあれ?…。」

母親は感謝に振り向くがそこには最初からいなかったかのように傍には誰もおらず、野次馬だけがこの場を散らす様に去って行くだけであった。

 

母親「いいえ!幻聴なはずが無いわ!渡された紙があるし、用意して、そこで待とう。渡された紙にはえっと、何処に安全な場所が?」渡された紙を見る。

 

母親「えっ!?…こんなに遠いの!?ほとんどミスルギ皇国と隣の国の境じゃない!でも…、ここならそう簡単に見つかる事は無いか…。」

母親は幻聴だと思ったが、現に安全な場所へと行く紙を渡されていたから本当だと信じた。そして、書かれた紙を見たがそこには驚愕と納得がいった。

 

_________________________

 

 

リュウガ「さてさて、あのパトカーは何処へ行った?」

リュウガは野次馬に紛れて、裏通りから“壁をつたって登っていった”なぜそんな事が出来たかと言うと……。

 

リュウガ「流石『青電竜 ライゼクス』の力だ。使い方は間違ってるけど、仕方[しかた]無いよな…。だけど金属では無い場所には貼り付けられないからな、でも工夫や発想でいくらでもやれる事はできる…。」

そうリュウガはまだ,“秘密を持っていた”それは………。

リュウガの中には“龍種”と呼ばれしドラゴン達がが宿っていた。『青雷竜 ライゼクス』は、その一体で、龍種の飛龍種で、発電器官が過剰に発達した特殊個体で、強過ぎる電力を巨大な電力の刃にして攻撃する力を持つ飛龍種であり、その電気の力を応用して金属が含まれている壁に電磁石で貼り付くように壁を登ったのである。そして飛龍種は飛行能力がある為高い視力を持っている故に、遠くまで見通せる眼が早く目的のパトカーを見つける事ができた。

 

リュウガ「おっと感心している場合じゃないな…あのパトカーは…よっし!見つけたぞ!」

リュウガは電力を手のひらから出して移動する。ただし、見つからないように素早く、隠密に……。

 

 

因みに…リュウガの後を付けていた輩[やから]は、裏通りに入っていくリュウガを見つけて後を追うとリュウガが待ち構えていた為、直後に “物理的” に口封じをしたて、悲劇の戴冠式の終わりまで誰も気付かずにいた事は余談である。

 

 

 

 

〈パトカー車内〉

警官1「ったくよ何でノーマなんか産まれて来るんだよなぁ?」

 

警官2「さぁな…だが、これが俺達の仕事だからな。あの母親もノーマなんか産まずに普通の子供を産めば良かったのにな。」

 

刑事「文句ゆうなお前ら… まぁノーマは俺達のにとっては仕事の給料になるからな…ノーマを見つけてお偉いさん方に報告して引き渡せば、俺等の給料になってくれているノーマには少しは感謝してもいいんじゃないか?」

 

警官1「そうすっね。」

 

警官2「確かに…。」

 

刑事「だろ?…」

 

刑事&警官「「「はっはははははははははっ」」」 ガッシャーーーン!!!

 

刑事&警官「「「ぐわあぁぁぁ」」」

刑事と警官達はノーマを高笑いしていた時に、まるで大きな物がパトカーの上に落ちて来て、おもわず叫ぶ。

そしてパトカーからノーマが入った隔離ケースを持った刑事が出て来る…他の警官は頭を打ったみたいで気絶している。刑事の頭から血を流しながらは何が起こったのか解らず混乱していた。

 

刑事「ぐっ…一体何がどうなってる?!

 

リュウガ「よう……クズな事を言っていた刑事さん♪」

 

刑事「きっ…貴様は誰だ?!!」

 

リュウガ「別に、ただの通りすがりのマナ否定派って所か…。

 

刑事「ノーマの味方をするテロリストか!?」

 

リュウガ「へぇ〜そうゆうのやっぱりいるんだぁ…

会ってみたいなそいつらに…あっその子は返してもらうよそして君らは、さよなら…。」

 

刑事「まっ!待ってくれ!…」グシャッ

リュウガはノーマの子を取り返すと、刑事は殺されると解っていて…待ったを掛けるが、リュウガは目撃者を消す為に用済みの刑事をさながらトマトを踏み潰すかのように頭を踏み潰し、無惨な死体になった。

 

リュウガ「さてと…夜まで時間が掛かるし身を潜める為にもどっか隠れないとな…。」

リュウガは身を隠す為に速くこの場を去った。

リュウガが去った後から、暫[しばら]くしてノーマを護送中のパトカーから連絡がつかなくなった事に疑問を感じ、民間人から連絡が入り駆けつけて来た他の警官と刑事は現場の状況目のあたりにし、あまりにも無惨な死体に刑事たちは吐き気をしており、中にはトラウマになりそうな者もいた。

 

__________________________

<<19:00 >>

街外れ公園 噴水広場

そこにはノーマの娘の母親が噴水広場のベンチに座り込み顔を伏せて、言われた通り娘を取り返してくれる人を待っていた。

 

 

母親「セーラ…あの人は娘を連れて来てくれますよね…。」

 

???「あぁ、約束通りな。」

 

母親「えっ…?」顔を上げる

そこには、フードで顔を隠した人…リュウガである。リュウガが布を巻いた赤ん坊、母親の娘…セーラを抱いていた。セーラは寝ているのか、静かである。

 

母親「セーラ…、良かった。」

 

リュウガ「安心するのは、この街を無事に脱出してからだ…いいな?…。」

 

母親「はい…。」

 

リュウガ「それと、娘と暮らす時は、あまりマナの力を使わない方がいい…これも娘の為にな。」

 

母親「はい…わかりました。本当にありがとうございます。」ペコッ

 

リュウガ「うん!早く行け!しっかり育てろよ!」

 

母親「はい!」

リュウガは娘を母親に引き渡し、今後の事を注意して母親をこの街からでるようにと行かせた。

 

 

リュウガ「さてと、俺もこの街を出るか…、いやその前に

あの巫山戯た姫の戴冠式を観てやるか…。それに、車に乗っていた若い男…何か邪悪な物を感じた。戴冠式で何をするつもりなのか気になるしな…。」

 

 

リュウガは車に乗っていた若い男性…皇女アンジュリーゼ

の実兄のジュリオ・飛鳥・ミスルギの邪悪な物を感じた事に疑問を持っていた。そして、その疑問は最悪最低の形で当たってしまうとはリュウガはまだ知らない。

 

 




話の中に出てきた7体のモンスターは…
一体目は、『青電竜 ライゼクス』にしました。
確定しているモンスターは…
『天彗龍 バルファルク』である。理由は単純。
バルファルクが機械になったらと思うと、ラグナメイルがピッタリだからである。

残りの5体のモンスターはXX[ダブルクロス]通りに、
すると…鏖魔[おうま]ディアブロス,天眼[てんげん]タマミツネ,銀嶺[ぎんれい]ガムート,燼滅刃[じんめつじん]ディノバルドにしようと思っています。
後の一体は、広告で募集しますのでお願いします。
因みに7体にしたのは、XXの文字の中に7体しか入れなかったからです。本当は10体位欲しかったんですがね…。
黒炎王 リオレウス,金雷公 ジンオウガ,荒鉤爪[あらかぎづめ]ティガレックス,
古龍種は…嵐龍 アマツマガツチ,骸龍 オストガロア,覇竜 アカムトルム,崩竜 ウカムルバス,老山龍[ラオシャンロン] ラオシャンロン,霞龍 オオナズチ,炎王龍[えんおうりゅう]テオ・テスカトル,鋼龍[こうりゅう] クシャルダオラ
天廻龍[てんかいりゅう]シャガルマガラ,キリン,雷轟竜ディオレックス,ゼルレウス,UNKNOWN,など、

因みに、異国の服は『MHP3』のユクモ服です。刀剣は骨刀【竜牙】です最終的にはには三千大千世界無双刀になる様にしますのでよろしくお願いします。他にも武器はユクモシリーズか、宿っている龍種の武器にします。
『画像しか見てませんので、すみません。』


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堕とされた皇女編:後編

ご都合主義で話を少し飛ばします。本当にすみません。

アニメとは少し違い、アンジュの両親をリュウガが救いますが……両親の登場はアニメと同じでこの話で最初で最後かも知れません。



ワアァァァーーーーー--

国民の歓声が響く

 

『16歳の誕生日をむかえるアンジュリーゼ様を祝福しようと、会場には多くの国民が集まっています。これからアンジュリーゼ様は皇室の方々と共に、アケノミハシラ前の会場へと入られ、いよいよ“洗礼の儀”が執り行われます。』

 

 

〔遠く屋根の上〕

リュウガ「あの母娘は無事に街を出てるだろうな……しかし、本当に凄いな…この国民の熱狂と歓声は、この国民の前であの男…ジュリオ・飛鳥・ミスルギだっけ?

一体何をするつもりなんだ?」

国民の歓声と共にアンジュリーゼは手を振りながら、アケノミハシラ前の会場へと進む。それらをリュウガは高い視力で遠く屋根の上から観ていた。リュウガの疑問を確認する為に……。

そしてリュウガの疑問は最悪最低の形で現れた。

アンジュリーゼが洗礼の儀に入って少しした時に、ノーマの警報が鳴り響いた……。ジュリオは父親である皇帝陛下(こうていへいか)に問い詰める様に話した後にそれは起きた。

 

ジュリオ『我が愛しの皇国民よ!今こそ真実を明かそう!!

皇女アンジュリーゼは“()()()”だっのだ!!真実を隠蔽し、ノーマを為政者!国家の私物化!国民への重大な背信だ!

化け物に、我がミスルギ皇国を穢させてなるものか!

今こそ!!全ての国民の前で真実を明らかにする!!

それがアンジュリーゼの洗礼の儀だ!!!』

 

リュウガ「ちっ…あの妹も妹なら、兄の方はよっぽどの歪んだ屑野郎って訳か…皮肉なもんだな、散々ノーマを否定していたのに自分自身がノーマでその立場になるとわな……。正[まさ]しく因果応報ってやつだな。」

 

リュウガがことの思考錯誤[しこうさくご]をしていると、アンジュリーゼの母親である皇后陛下(こうごうへいか)は洗礼の儀から出してアンジュリーゼと共に逃げる。

ジュリオは2人を{取り押さえろ}と近衛兵に命令すが、母親のマナにより行く手を阻まれる。どこが脱出する為の道があるだろうかとりあえずは警備が集まっている所を確認する。

 

 

 

リュウガ「にしても父親と母親はノーマとわかっていても愛していたんだな。何とか聞き取れたけど、洗礼の儀のプログラムを父親がノーマでも作動する様に設定していたけど、兄にプログラムを戻されたっか……。どうやら本当に醜く恐ろしいのは、ノーマを化け物などと差別、否定し…尚且[なおか]つ権力を欲しがる人間の欲望ってところか…。だがそう言う奴は自分の立場が危うくなると他人を犠牲にし自分は安全にしようとする。更に言えば戦闘に関しては全くダメで、戦場で早死するし、傷や痛みがあればスグに無様に泣き喚くタイプだな……。」

 

リュウガは、両親と実妹を堕としたジュリオ・飛鳥・ミスルギを分析し、思った事を口に出す。

 

リュウガ「恐らくアンジュリーゼはノーマと同様に連れて行かれるが、親はそれを阻止するつもりだろうな・・・・・・この16年間、娘がノーマという事を他のノーマを蹴落とす行為をしてまで庇い続けた理由をあの両親から聞く必要がありそうだな。」

 

リュウガはそう言い、早速行動に移る。

 

 

_________________________

 

アンジュリーゼは皇姫である自身に銃を向ける警備の者に無礼をはかる輩[やから]だと言い剣を鞘から抜こうとするが……警備の者は怯えた目で、命令も待たずに発砲してしまうが……皇后陛下はアンジュリーゼを庇い発砲した警備の者に撃たれてしまった。皇后陛下はアンジュリーゼに言い残すと目を閉じてしまう。

アンジュリーゼはそのまま警備の者に取り押さえられ、警備の者たちに連れていかれてしまう。

そして野次馬共が囲む中でリュウガは皇后陛下の所へ足を踏み入れる。

 

 

???「其所[そこ]をどくのじゃ!!皇后陛下の命はまだ間に合う!急いで応急処置をして病院に搬送すれば皇后陛下は助かるのじゃ!!早[はよ]う退け!!」

 

そこに居たのは大きな瓶底メガネをし、白衣を着た老人医者である。そう……老人医者に変装したリュウガである。

リュウガは旅の途中で生きる為に身につけた医術と変装術を使って医者のフリをする。医者の白衣と医療道具はこの洗礼の儀で万が一とおもわれる時に待機していた老人医者から気絶させ追い剥ぎをした。

変装術でその老人医者になりすます。声や口調もなるべくお年寄りを想わせる様に怒鳴る様に口に出す。

 

リュウガ(老人医者)「お主ら警察と警備の者は道を開けさせろ!皇后陛下の命がかかっておるのじゃぞ!一刻を争うのじゃぞ!早う動け!!」

 

リュウガ(老人医者)は警察と警備の者に{急げ!}と怒鳴りつけるが警察と皇国警備の者はアンジュリーゼがノーマだと知り皇后陛下がそれを庇い真実を隠していた事に戸惑いをあらわにしていたが、リュウガ(老人医者)に怒鳴されている事に気付き道を開けさせる。リュウガ(老人医者)は警備していた者に救急車を寄越させ、皇后陛下を乗せて病院へ搬送させる。

 

※因みにその医者は気絶させた後に立ち入り禁止のロープを使って縛って一緒に病院まで連れて行き救急車の中で暫く放置されていた。

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

リュウガ(老人医者)「(何とか皇后陛下を連れ出して止血する事は出来たが…後はオペをどうやって切り抜けるかだな……普通は数人で手術をするが、俺一人で何とかするしかないか。)」

 

そう、リュウガは生きる為に身に付けた知識の中には医者の技術も入っていた。

しかし、それには問題もあった……《マナの存在》である。

奴らはマナを使って手術をするか……否かだが手術室を見て観察した所、道具は手術台と離れた場所にある為……どうやら手術自体は手でやるようだが…メスなどの道具を手渡す時はマナを使うようであった。

リュウガは手術しやすい様に他の医者に医療道具を傍にもってこさせ、手術を開始する前に・・・・・・・・・

自身がノーマであるとバレない様に長年の生きた経験で迅速に対応し、他の医者を気絶させる。

そして、皇后陛下の手術を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

手術室の扉のランプが消え、老人医者に変装したリュウガが出て来た。外で待っていたのは……警備の者と皇国の近衛兵であった。

外で待っていた者達に……リュウガは横に首を振り、皇后陛下は手を尽くしたが出血が多く戸惑っていた警備の者と国民の塊によって手術が遅れてしまった為に止血が遅れてしまったと告げる。

皇后陛下に事情聴取に来た警察と皇国の近衛兵は諦めた表情で病院を去って行く。近衛兵には後日……皇后陛下の葬儀の準備に取り掛かって欲しいと頼み込む。近衛兵はそれを承諾してから病院を去って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、リュウガは医療術で皇后陛下を止血し手術を成功させた後に仮死状態にしていたのであった。

そしてリュウガは次にする事を行動に移す。

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

〈ミスルギ皇国の地下牢〉

 

そこには、元皇帝陛下のジュライ・飛鳥・ミスルギが地下牢に幽閉されていた。捕らえよと命じたのは、息子であったジュリオ・飛鳥・ミスルギである。ジュリオは皇国を再建する為に、ノーマである妹を隠蔽したジュライを

後日、公開処刑する事になっている。

 

 

元皇帝陛下「すまない………ソフィア、アンジュリーゼ。」

 

 

 

ドッカーン!!!!

 

突然地下牢の壁が爆発した。

 

 

 

元皇陛下「なっ!?何だ!!?」

 

リュウガ「ご無事ですか〜?皇帝陛下さんよ〜?いや、もう皇帝陛下じゃねぇか……」

 

ジュライ「・・・・・・あぁ、その通りだな。」

 

リュウガ「んじゃ、とっととヅラかるか。」 ドサッ

リュウガが担いでいた者をジュライの目の前で人形の様に、物の様に落とす。その者は裸にされ殺させていた男であった。

 

ジュライ「この者は一体!?」

 

リュウガ「そこで見張ってた近衛兵だが、丁度良くてな……此奴をあんたの死体に似せるだけだ。」

 

ジュライ「そっ!?そんな事は!?」

 

リュウガ「許されんか?今更だろ……娘の為に他人のノーマを蹴落とし、犠牲にしてたんだからよ。」

 

ジュライ「ぐッ・・・・・・」

 

ジュライはリュウガの正論に歯軋りをするように言葉を詰もらせた。

 

リュウガ「早くしな。あんたの妻である元皇后陛下も無事だぜ。」

 

ジュライ「なっ!?それは本当か!!?」

 

ジュライは見張りに来た近衛兵から妻であるソフィアは死んだと告げられたのだ。

 

リュウガ「ああ。だから早くしろ!」

 

ジュライは渋々と裸にされ殺された男をマナの光でジュライ自身の顔に似たてた。

 

リュウガ「次はお前が着ている服をそいつに着せろ。あんたはこっち服に早く着替えろ。」

 

リュウガが渡した服は一般庶民が着るような普通の素っ気ない服である。

 

ジュライ「一体・・・・・何をするつもりだ!?」

 

リュウガ「な〜に簡単さ。そいつをあんたの死体に似たてるんだよ。爆破も加えて、民衆の一人が怨みをかった様に見立ててな。心配すんな…どうせお前は明日には公開処刑だからよ、だったら此処を出て、罪滅ぼしの為にノーマや人間も関係無い国を作るのも悪くは無いだろう?」

 

ジュライ「・・・・・・そうだな。お前の言葉通りに妻と一緒に一から築き上げてみよう。ノーマも人間も関係無い国を………」

 

リュウガ「決まりだな。」

そして、リュウガはジュリオを担いで地下牢から脱出し、そして・・・・・・

 

ドッボッカーーン!!!!

 

 

地下牢をド派手に大爆発を引き起こし、見張りの近衛兵はの報告で、皇帝陛下はこの爆発により爆死したとジュリオに伝わるが……ジュリオは皇国民にはその事を隠蔽し、ジュリオのとった行動は病院の死体からジュライの顔に似せた死体をマナの光で操り………皇国民の前で、公開処刑をするという計画であった。

公開処刑する前に皇国民から……城の爆発は何なのか聞かれると、ジュリオは爆発に関しては皇国民の暴徒によって犯したとの事。

そして、ジュリオはジュライに似せた死体を公開処刑した。

公開処刑したジュライに対して民衆は、誰一人として……悲しみの表情をしていなかった。むしろ……いなくなって良かった。死んでくれて良かったと言う様な表情であった。

 

 

因みに、リュウガがジュライの偽物としてすり替えて殺した近衛兵は、爆発によるモノなのかと……発見できずと報告され、誰の記憶にも残る所か存在すらされていなかったとされる。

 

 

 

_________________________

 

 

公開処刑の前日、爆破された城から離れた場所。

そこには、リュウガと地下牢から救出したジュライと病院で止血し仮死状態となっている元皇后陛下である…ソフィア・斑鳩・ミスルギが居た。

ジュライはソフィアが生きていた事に涙を流して走り出し傍による。

リュウガはジュライにソフィアの仮死状態や今の現状を説明する。

 

 

リュウガ「俺が止血して仮死状態にしてやったから、仮死状態を解いて、暫くすれば目を覚ます。」

 

ジュライ「そうか。では妻の仮死状態を解いてくれ頼む!!」

 

リュウガ「ああ……わかった。」

 

そう言ってリュウガは懐から注射付きのアンプルを取り出し、ソフィアの傍によると……リュウガは注射付きのアンプルを心臓に打ち込んだだジュライはリュウガの行動に驚き動揺し取り乱したが、リュウガの一睨みにより黙らせた。そして、打ち込まれたソフィアは“ドックン”と強く脈動し荒らげながらも呼吸をする。

 

ジュライ「ソフィア!!ソフィア!!無事か!!?」

 

ソフィア「・・・・・あなた。」

 

ジュライ「おお。ソフィア!!」

 

ソフィア「よかった……あなた。・・・・アンジュリーゼは?」

 

ジュライ「くっ.......」

 

ソフィア「そう、無事なのね……よかったわ・・・・・・」

 

そう言ってソフィアは再び眠りにつく。

 

ジュライ「おいソフィア!ソフィア!!」

 

リュウガ「ちょっと待て、診てみる………心配すんな。ただの疲労で眠っているだけだ。手術してから止血し、仮死状態にしてからそれを解いたからな疲労が溜まっているんだろう。暫く寝ていれば時期に起きる。」

 

ジュライ「そうか・・・・」

 

ジュライはソフィアの安否をリュウガから診断され安心する。しかしジュライは、目の前にいるリュウガに聞かなければいけない事を聞く。

 

ジュライ「しかし何故、私達を助けた!?」

 

ジュライが聞くと、返ってきた返事はこうであった。

 

リュウガ「16年間……娘を庇い続けた理由を聞きたかったからさ、他のノーマを蹴落とす行為をしてまでね。」

 

ジュライ「………こうするしか無かった、アンジュリーゼを…私達の娘を庇い共に暮らすにはこうするしか無かったのだ!」

 

リュウガの言う通り、ジュライとソフィアは娘のアンジュリーゼを()()()と言う真実を隠すために、他者のノーマは反社会的な存在である事を教え、息子のジュリオと娘のシルヴィアにはアンジュリーゼがノーマである事を隠していたが……まさか息子のジュリオがそれを洗礼の儀で皇国民に暴露し、皇帝陛下であったジュライを拘束し地下牢へ入れ皇后陛下であったソフィアは銃で撃たれリュウガが手術して止血し仮死状態にしなければ亡くなっていた。

 

ジュライ「これから私達はどうすればイイのか……私達は地位を失い…家である城を失い…息子や娘すらも失った私達に一体何が出来る・・・・・」

 

ジュライは今の状況に絶望の地に堕ちていた。

ジュライとソフィアは娘のアンジュリーゼをノーマと言う事を隠し、それを息子のジュリオが皇国民の前で暴露し、ジュライは地下牢へと拘束され、ソフィアは一人の警官に撃たれていた。シルヴィアはジュリオと共にいるために会うことすらままらない状況である。

何より、ジュライとソフィアはアンジュリーゼはノーマだと……皇国民を騙していたようなものであるために、もう誰にも二人の声に耳を貸す者は居ないだろう・・・・・・・すると、リュウガはジュライに対してこう言う。

 

リュウガ「ならば…ノーマとそれと共存を望む者の為の国を創れ!必ずな…それがアンジュリーゼを迎えてやれるせめてもの償いだ。」

 

ジュライ「しかし、それは無理だ。アンジュリーゼが連れて行かれた場所はノーマを収容する軍事施設 “アルゼナル”だ。そこで死んだ者はそこの墓に眠ると言われている。それに今更父親の顔して会ってもいいのか………」

 

リュウガ「目を背けるな!自身の罪を自覚してやるべき事をやれ!・・・・・・・・・ん?待てよ。軍事施設って事は軍人を育て上げる施設だよな。まさか……ノーマを戦争の道具にしているのか?ノーマは人間では無いから戦争で死んでもいいと理由で・・・・・・」

 

ジュライ「戦争の道具という言い方はあながち間違ってはいないが・・・・・・戦争の相手は人間では無いましてや同じノーマでは無い!!」

 

リュウガ「じゃあ一体何なんだ?」

 

ジュライ「Dimensional Rift Attuned Gargantuan Organic Neototypes・・・意味は次元を越えて侵攻してくる巨大攻性生物と言い、

頭の頭文字を取って付けられた名前は本当に存在していいのか.......その名は.......

通称DRAGON(ドラゴン)だ。」

 

リュウガ「ドラゴンか・・・・・・・・・どうやら行ってみる価値はありそうだな。」

 

ジュライ「それは誠か!!すまない!!どうか私達の娘を護ってやってくれないか?」

 

リュウガ「だが、勘違いするなよ。俺はあくまでも見守るだけであって力を貸すつもりは無い。あんたの娘がどれだけ生きると言う事を理解しているのかを見届けるだけだ。生きる事を理解していれば例え惨めでも強く生きるが理解していなければ野垂れ死ぬだけだ。」

 

ジュライ「そっそんな・・・・・・・・」

 

リュウガ「だから………精々ノーマとそれと共存を望む者の為の国を創りながら祈ってる事だな。」

 

 

そう言い、リュウガは陰の中へと姿を消す。

 

 

ジュライ「ああ、築き上げてみせるよ。ノーマが住める国を………ありがとう。」




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