もしも神秘99のカリフラワーが啓蒙全開で聖杯戦争にぶち込まれたら (トイレの紙が無い時の絶望を司る神)
しおりを挟む

啓蒙が高いと真実が見えるらしいけどコ○ンとか真実を見抜く探偵とかはやっぱり常人よりは啓蒙は高いのだろうか

書きたくなって書きました。
2話で終わるかと思います。


俺は普通に自転車で通学して普通に横から車が出てきて轢かれて死んだらしい。

まぁよくあるような死に方だ。この場合は車の前方不注意になって裁判では不利になるんだっけ?

 

俺はまぁ普通の高校生だったよ。友達は.....少なめだが確かにいた。

そう、普通。普通だったんだ。

 

「聞こえたかい?私が君を他の世界に生まれ変わらせてあげようって言ってるんだよ」

 

だからこういうのはもっと、こう、悲惨な奴だったりがするもんじゃないの?

こういうラノベや二次創作の様な展開は見たことはある。

実在するとは思わなかったが。

 

「ふぅむ、少し困ってるみたいだ。まぁ少し落ち着いて話そう」

 

そう言うと恐らく神みたいなものであろう男(?)は目の前に椅子を出し座るように催促する。

言われた通り座り、少し今の状況を聞く。

 

「あの.....俺は、死んだんですよね?」

 

「まぁそうだね。本当に、運が悪かった。まぁ運命の通りなんだけどね」

 

どうやらよくある間違いとかじゃないらしい。

ってかあれが運命なのか。嫌だわ。

 

「君は少し頭がいいみたいだ。気になることがあるなら言ってみてくれ」

 

「では......転生の基準や、特典はどうやって付けるのですか?」

 

気になったことを直球に聞いてみた。

だって、そうでしょ?基準が不明なんだ。

 

「ふむ、じゃあ説明しよう」

 

「転生に基準なんてないんだよ。

本当にくじ引きみたいな物なんだ。宝くじって言った方がいいかも知れない。人間は本当に凄いよ。誰も言ってないのに転生のことを語り出すんだから。結果それで神になったし」

 

あのそれブッダのことですよね?仏様ですよね?

 

「だけど、一部その権利がない人種がいる。大企業の社長とか、世界への影響が大きい人間だよ」

 

「考えてみてほしい。今僕が君を送ろうとしているのはここより次元が一つ下の世界。二次元だ。次元が一つ違うだけで、言うなれば存在感のようなものやその次元での人への影響が大きく違う。デカすぎるんだよ」

 

「そこに三次元でも世界への影響が大きい人間を送ろうものなら世界自体が軋みあげて悲鳴を上げるだろうね」

 

なるほど.....そういうことなのか......。

 

「で、特典なんだけど、それはさっき言った二次元に行った時オーバーフローした存在感を削り取って作られるものなんだ」

 

「次元を下げるというのは言うなれば魂と存在の器が小さくなるということ。だから、その時は平気だった中身が急に器が小さくなったことで零れてしまう。その零れた中身を使って、特典を練り上げているわけだ」

 

.....難しいですね。

 

「確かに想像するのは難しいし私だって説明するのは難しい。だから我慢してくれないか」

 

まぁ、はい。

色々ありがとうございました。

 

「いや、別にいいよ。こっちもちょうど作業が終わったところだ」

 

作業?

その作業というのは?

 

「転生した人間は、元々世界にいなかったことにされるんだ」

 

.....え?

 

「だから君も、今の名前を捨てることになる。✕✕くん。ほら、雑音かなにかで聞こえないだろう」

 

それは、俺の友人も、俺のことを忘れる.....ってことですか?

 

「まぁ、そうだね。でも、もう会わないんだし、必要ないだろう?」

 

それはそうですが......。悲しいですよそんなの。

 

「まぁこれは決まりというか習わしというか。諦めてくれたまえ。さて、転生したい候補とかあるかい?」

 

.....そうですね、ではFateの世界で。

 

「あ、ごめん無理」

 

え?

......え?

 

「言い忘れてたけど、特典作るための容量も個人差があるんだ。君は普通くらいなんだけど、あの世界普通のスペックじゃ生き残れないから。次元が低いっていうけど低いのは存在の重さと次元だけで力は私たちより高いから。三次元の存在が本気で作った存在だからね。仕方ないよ」

 

何だそのめちゃくちゃな設定は。

だがここまで来て引き下がれない。存在まで消されてその上リクエストは却下?

ふざけるんじゃない!!こうなったらどうやってでもFateの世界に入ってやる!!

つまりはあの世界でも生き残れるようになればいいのだろう?なら心当たりがある。

敵を倒せば倒すほど強くなるRPGの世界をワンクッション置いてそこで強くなってから行けばいいのだ!!

 

それを神に熱く語った。さながらプレゼンの様だった。

神も「人間はやっぱり流石だ。欲の権化だね」と笑顔で言っていた。

そして許可をもらった。

 

「で、転生する世界はどこなんだい?」

 

神殺しが手に入り、武器や技術も充実するまさに『夢』のような世界....!!

 

―――ブラッドボーンだ!!

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

あれから長い年月が経った。

本当に、長い年月だ。

今『私』が何をしているのかだと?

決まっているだろう。

 

 

 

喰らえ!!叡智なる我が啓蒙を!!上位者の智慧を手に入れ、完璧で美しい体を手に入れた我が姿を!!きゅえああああああああ!!!!」(神秘の放射)

 

 

 

汚らわしい狩人め!!なんだその人間のような頭は!!

武器なんぞ持ちよって!!けしからん!!

何故体に布を纏っている!?恥ずかしくないのか!!

 

私が正してやる!!我が啓蒙と我が友人『ゴースの寄生虫』の手によって!!!

夜空の瞳!!夜空の瞳!!!

くっ、うまく避けおって!!喰らえ!!我が妻(予定)の星の娘の体の一部だ!!触れられることを光栄に...!?避けただと!?許さん!!触れることも許されんがそれをあわや回避するなど言語道断だ!!

我が下腹部に埋め込んだ星の娘の手で片付けてやる!!

あぁ、星の娘、エーブリエタースよ!!やはりそなたの体は美しい!!是非とも私の妻になってもらいたい!!

 

銃なんぞいらぬ!!啓蒙を絞り出せ!!(ブシャア)

かかったな!!ふははは!!!そのまま溶けてしまえ!!

なに!?無視して私に刃を向けるか!?滾るじゃないか!!

さぁ!!私のとっておきだ!!食らって死ねい!!

 

彼方への呼び掛けア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!

 

ふぅ.......私の勝利だ......!!

勝利の後の脳液は最高だな我が友よ。

 

 

 

 

 

 

彼がこうなるまでの足跡を少し辿ろうと思う。

 

無事輸血爺に輸血をされ狩人となった彼は、迷わずその先にいた獣の尻を掘り殺した。

初めてヤーナムを目にした彼の感想は

 

「美しい.....」

 

だったという。元々が真実しかない三次元出身ということで啓蒙はこの時数値にすると既に50近くあった。

一先ず近くの市民に殺され、狩人の悪夢に向かった。

この時、彼に恐怖はなかった。痛みも薄く、体から血がなくなる感覚しかなかった。啓蒙が高いとこの世界では痛みが薄いようだ。

 

動く人形も画面越しに見慣れてはいたのでスルーできた。

最初の武器は仕込み杖だ。彼はゲームでは技量マンだったらしい。

 

そこからは順調にボスを倒していった。

狩人になったばかりで体が動かないかと思ったらそこら辺はもはや特典と言うべき啓蒙の影響で体の動かし方もわかっていた。というか、これが特典なのだろう。

 

ヤーナムの影にリンチされたりヘムウィックの魔女を嵌めたりしながらどんどん進む彼。

この頃からどんどんおかしくなって行った。

まず技量に血の意思を振っていたのを急に神秘に振り始めた。

理由は一つ。

 

頭に啓蒙が入る感覚が快感になっていた。

 

脳髄がドロドロになるような感覚と超越の知識が自らを満たす感覚が彼を狂わせた。

啓蒙が増えるたびに体を打ち震わせ股から白くベタつく何かを吐き出し続けた。

その愛しき啓蒙が囁くのだ。

 

『神秘を求めるのだ』

 

彼はそれに従い神秘を上げにあげた。

もはや当初の目的などどうでもいい。

ふぇいと?なんだそれは状態である。

 

彼は愛刀の仕込み杖や慈悲の刃、落陽等の技量武器と神秘を使いながらボスを蹂躙して行った。

酷いものだった。酷いものだった。悍ましいものだった。

そしてついに、ゴースをやっとの思いで海に返した時、運命に出会う。

 

『ゴースの寄生虫』である。

 

啓蒙が囁くのだ....。

 

『苗床を......虫の苗床を......』

 

彼はその場で言われたことを行った。

カレル文字『苗床』を刻み、ゴースの寄生虫を『飲み込んだ』。

誰が自分を苗床にしろと言った。

 

頭から啓蒙が溢れ出てくる.......体を何かがかけずり回る......。

見ると、体が上位者になっているではないか。

彼は歓喜した。そして歓喜しすぎてテクノブレイクで死に悪夢に帰った。

 

それが今の彼である。

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

私は思った。というよりも啓蒙が囁いたのだ。

 

『悪夢から.....抜け出.....』

 

確かに悪夢から覚めた場合その先には何が、どのような啓蒙があるのだろうか。

悪夢から覚める方法は一つ心当たりがある。

 

「ゲールマンよ。私を介錯しろ」

 

「.....良いだろう。元々私から問おうとしていたのだが」

 

力強く立ち、鎌を取り出すゲールマン。

私は跪き、介錯しやすいようにした。

 

「最後に言いたいことはあるか」「啓蒙バンザああああ」

 

言い切る前に介錯された。少し解せない。

 




ステータスはこんな感じです。

体 30
持 50
筋 20
技 50
血 20
神 99

啓蒙99

SLは275です。何も考えてません。

寄生虫は異質の寄生虫で血晶石が「神秘+27.2%/スタマイ3%」「神秘+9.8%/神秘+72.5/スタマイ3%」「神秘+27.2%/スタマイ3%」です。
妥協は一切無しだから。

カレル文字は「苗床」「姿なきオドン(水銀+5)」「拝領(輸血+5)」「右回りの変態(15%)」

状況に応じて変えるかもです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

<●>99

やっと......やっとそれなりの展開が完成した.....。
しかし問題はこの回で終わりそうにないということだ。

『―――』は視点変更です。


眩い光が周りを満たしている。

ゲールマンに介錯されたあとの悪夢の目覚めというのはこういう物なのだろうか。

ようやく光が収まり、目に入ったのは.....。

 

髪が青い嫌味な目をした青年と、何やら面白い体の構造をしている老人。

そして私と同じように寄生虫を飲み込んだ様である少女だった。

 

「な、ななな、なんだこいつ!?カリフラワーか!?」

 

嫌味な目をした青年が驚いているようだ。

何を驚いている。落ち着きたまえよ。

 

「クカカ......なにやら面白い物を呼び出したようじゃな、慎二よ」

 

......ん?この老人、啓蒙による『注目』ができるぞ。

なるほど、少なくとも有益な者では無いようだ。ならば仕方ないな。

 

グジュアァ!!!

 

まず寄生虫の触手で体勢を崩す。

 

「ひぃ!?」

 

嫌味な目をした青年は怯えていた。

しかし毎度驚かれてもうるさい。

ふむ、あとで慣れるように少しばかり啓蒙をさずける事にした。

 

「クカカ....なんじゃ、ただの狂犬か」

 

しかしこの老人、体を貫いたにも関わらず普通に喋っている。

よく見ると貫いた部分から虫がはみ出ている。

まさか本体が別にいる類か?

 

「慎二よ。狂犬.....バーサーカーのサーヴァントは取り扱いが極めて難しい。注意するんじゃぞ」

 

老人は体が治りながら階段を登って行った。

やはりというかなんというか、老人は只者ではないというのはどの世界も一緒か。

 

念の為老人の後をナメクジに少し追わせる。邪魔になりそうであれば神秘の爆発で消し飛ばしてしまおう。威力的には彼方の流星3発分くらいか?まぁ十分だろうな。

 

「お、おい。お前」

 

嫌味な目をした青年に呼ばれた。

しかしまじまじと見ると本当に嫌味な目をしている。

 

「なんだ?嫌味な目をした青年。

ふむ、嫌味な目をした青年というのも呼びにくい。名はなんと言うのだ」

 

「は?え?ば、バーサーカーじゃないのか?」

 

バーサーカー(狂人)か。確かにそうかもしれんな。

だが啓蒙によると私はライダーの様だ。して、名はなんというのだ?」

 

啓蒙が少しずつ情報を流してくる。

それを読み解くにこの世界は私が元いた世界とは遠く離れているらしい。

『聖杯』を求めた殺し合いが存在するらしいが、聖杯など幾らでもあるし冒涜されたもの以外特に用はないな。

 

「僕は間桐慎二。お前のマスターだ。せいぜい僕に使われるがいいよ」

 

「ところで青年、啓蒙に興味はないかね?

啓蒙はいいぞ。見えなかったもの、見失ったものを再び見せてくれる。ちょいと脳が腐る者も居るがそんなのは些細な問題だ。どうだね?智慧は軽いものから深いものまで幾らでも準備はしているのでね。少し分けてもいい。脳髄が溶けるような甘い感覚はえも言われぬものが」「人の話を聞け!!」

 

断られてしまった。

仕方がない。隙があればねじ込むことにしよう。

 

「して青年、慎二よ。私はなぜここに居るのかわからないのだ。何か知らないか」

 

そう、ゲールマンに介錯されたのはわかる。

だがここはどこなのだ?見覚えはあるのだがいかんせん思い出せない。

 

「はぁ!?お前サーヴァントなんだろ!?なんで知らないんだよ!?」

 

「サーヴァント?なんだそれは」

 

「サーヴァントも知らないサーヴァントって......とんだ欠陥品じゃないか!!」

 

慎二は怒り狂ったまま後ろにいた少女に向かう。

 

「おい桜!!なんでこんな欠陥品を呼び出した!!僕への当てつけか!?あぁ!?」

 

そのまま慎二は少女(おそらく桜という名前)を蹴る。

少女は呻き咳き込むものの、反応が薄い。慣れているのか......?

 

「ごめ....んなさい」

 

しかし興味が尽きない。

啓蒙が疼くのだ。この少女に激しく反応している。

少女の中には何があるだろうか。

気になる。その中には新たな啓蒙が存在しているのだろうか。

 

「慎二、少し避けてくれたまえ」

 

「うるさい欠陥品!!」

 

声が届かないほど感情が荒れてしまっているようだ。

少女を解析すれば啓蒙的な知識が増えるのか試してみたかったのだが......。

ふむ、ではこうしよう。

 

「慎二、こっちを向きなさい」

 

「だから、なんなんだよお前ェ!!!!」

 

「受け取るがいい」

 

パキン

 

先程しようとした啓蒙の譲渡を慎二に行い(恐らく起きる)発狂を利用して一旦少女から意識を離そうということだ。

 

「え?あ、なんだこれ、は?上位者?■ル■ンワース?おい、やめろ!!やめろぉ!!!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」

 

おっと。間違えて上位者の方を使ってしまったらしい。まぁ耐えきれないなら発狂して廃人になるだけだ。鎮静剤と我が啓蒙による治療で療養すれば幾分か楽になるだろう。

さて、お楽しみの時間だ。

 

「少女よ。今から少し質問をする。YESかNOで答えてくれたまえ」

 

「え、あ.....はい」

 

紫の綺麗な色の髪の少女は光のなかった目に少し生気を取り戻してこちらに目を合わせた。

 

「ひっ!?」

 

おっと。我が友『寄生虫』による啓蒙が吹き出したこの頭に驚いてしまったようだ。

なに、直にこの美しさが理解できるようになる。

 

「まず一つ目だ。君の中の物、それは自らの意思で受け入れたものか、はたまた生まれた時から持っていたものなのか。どちらだ」

 

「それは......生まれる前、なんだと思います......?」

 

曖昧だが、少なくとも喜んで受け入れたものではないようだ。

というか何を指しているのかもわかっていないようだ。

些細な問題だと流す。

 

「二つ目だ。それは私の中にある寄生虫のように有用か、それとも害になるものか。どちらだ」

 

「あなたの中にも......?」

 

「あぁ。まぁ私の場合自らが飲み込み、同時に我が友としたのだがね」

 

「私は、害になる物.....なんでしょうか。えぇ、これ以上にないほど。これのせいで私は......」

 

おっと。目から生気が消えてしまった。

 

「では最後だ。それを消し去りたいか、残したいか。どちらだ」

 

「そんなの、残したいと思うわけないじゃないですか」

 

即答か。なるほど。

なにやら別に興味のない過去話をする空気になったので足早に貰い受けるとしよう。

 

「よろしい。それでは君の中の物に私の一部をぶつけて喰らおう。なに、心配はいらない。神秘に不可能はない」

 

そう言って1匹のナメクジを生み出す。

その虫が生命器官を媒介にしていたとしてもこれが代用してくれるだろう。

それに、彼女に啓蒙と神秘を植え付ける良い機会だ。

これは勘だが、彼女は良い『苗床』になる。資質があるのだ。

 

「虫を、この虫を、本当に取り去ってくれるのですか!?」

 

「あぁ、そうだとも。君の体に起きている不条理なこともこれで消え去るだろうな」

 

少女が俯く。

泣き出したようだ。

 

「うっ、うぐっ........抜いて、抜いてください!!今すぐこの何かを消し飛ばしてください!!」

 

「心得た」

 

そして彼女に勢いよく()()()()()()()

 

「え.....?」

 

「安心したまえ。死にはしない。私が攻撃するのは君の中の物だけだ」

 

上位者になればこのようなことは容易い。

使う機会は限りなく少ないがね。

私は素早くまさぐり、ナメクジを置く。

これでナメクジは彼女の生命器官に影響を及ぼし、最適化しながらじっくり少しずつ神秘を浸透させるだろう。

この瞬間、どこに隠れていたのか大量の虫が私を襲うが残念ながら神秘の放射で消し飛ばせる。

 

「キィー!!キィー!!」

 

「ほう......なんだ、ただの寄生虫ではないか」

 

残念なことに、少し神秘を感じはするが、どれもそれだけの寄生虫だったようだ。

興味も尽き必要もなくなったので握りつぶす。

襲ってきていた虫も勢いをなくし去っていった。

 

虫共が去ったということはあの老人も息を引き取ったか。

虫の造形があの老人の体を修復した物と同一だったのでナメクジを起爆したが、上手く消し飛んだのだろうな。

 

さて、興味は満たせた。慎二はどうなっているだろうか。

 

「あぁ、ゴース。あるいはゴスム.......秘密を隠す蜘蛛.......ナメクジ、青ざめた血.........」

 

まぁこのくらいならなんとかなる。

色々と混濁しているようなのであやふやにするのは楽だ。

ひとまず鎮静剤を飲ませてゆっくり説明をすることにしよう。

あぁ、楽しみだ。同士が増えるというのは喜ばしいことだ。




※啓蒙はバラバラのヒントしかくれません。しかも結構重要なことだけ。

多分キャラ崩壊というか「誰だこいつ」になってると思うので指摘してくだされば治します。
そんなものは全て悪い夢だというように......。

例)人知れず死ぬ虫爺


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ここに良いワカメがあるであろう

これをこうして(啓蒙を注いで)こうして(仕掛け武器を握らせて)こうじゃ(悪夢にたたき落とす)


発狂した慎二に鎮静剤を飲み込ませる。

すぐに効くだろう。そして意識が朦朧としているあいだに啓蒙を刷り込み同士とすることにしよう。

新しい聖杯を手に入れるために共に戦うのだ。気が合うほうがいい。

 

「さて慎二よ。少しは落ち着いたか?」

 

「あぁ.....これは、なんなんだ?急に頭に流れ込んできたんだ。わけもわからない言語を無理やり叩き込まれて、色んなものを脳みそに突っ込むみたいに見せられて」

 

よし、混濁してきたな。

喜ぶがいい。啓蒙を極めた私に手ほどきを受けるのだ。そのヨレヨレの髪が全て先触れになるほど啓蒙の虜にしてやる!!

 

私は詳しく、そして甘美に説明した。

どうやら慎二は魔術なる啓蒙になりそうな興味深いものを使う為の力がなかったらしい。それに特化した環境に生まれながらだ。

なんと勿体なく、そして哀れなのだろうか。

 

だが安心するがいい慎二よ。

魔術などという偉そうに使い手を選び、伸びの極めて悪い不良品のことはもう忘れるがいい。

 

君にはこれから、深い神秘を教えよう。

 

「良いか?慎二よ。よく見ておけ.....」

 

「なんだ?何するつもりなんだ?」

 

「夜空のひとぉぉぉぉみぃぃぃ!!!!」

 

目から啓蒙により繋げた外なる宇宙から隕石を取り出し、神秘を纏わせて射出した。

隕石は壁を砕きながら超速でどこかに飛んでいったが、どうにかなるだろう。

 

「今のは.....?」

 

「今のは我が神秘による秘術。その名も『夜空の瞳』だ。

この愛しい目玉を媒介にして神秘を扱うのだ」

 

そう言って触媒の目玉を見せる。

啓蒙によって慣れたからなのかなんとなく理解は出来ているようだ。

 

「時に慎二よ。魔術が使いたかったのであったな」

 

「まぁね。なのに僕には......くそ!!どいつもこいつも僕を哀れに見るんだ!!」

 

「確かにその魔術という選ばれた人間しか使えない極めて利便性が低く伸びも悪く融通も効かない才能だけの技術に憧れるのもわかる」

 

「めちゃくちゃに言うなお前」

 

事実だろう。

 

「ここで先に結論から言おう。先程の神秘、使いたくないか?」

 

「え?つ、使えるのか?」

 

食いついたな。まぁそうだろうな。

 

「神秘というのは自らが選びとるもの。必要なのは才能ではなく努力と知識だけだ。秘術と言っても媒介さえ手に入れば何度でも使えるのだよ」

 

慎二は必死でどうやったら使えるのかを聞いてきた。

ふむ、そうだな啓蒙よ。彼の打たれ強さと物事に対する柔軟性、そして啓蒙に耐えた資質があれば立派な上位者になれるだろう。

 

「神秘を手にしたいか」

 

「あぁ!!どうすればいい!?」

 

「それでは、これから君には......」

 

 

―――私が歩んだ軌跡を君の足で歩いてもらうことにする

 

 

慎二を狩人の夜に招待し、私がゲールマンに成り代わり助言者となって慎二を狩人にする。

その途中で慎二は神秘に魅入られ啓蒙を愛するようになるというわけだ。

とりあえず慎二には眠ってもらいそこから悪夢に接続しよう。

 

なに、心配することは無い。何度死のうと、何度繰り返そうと、それは『一夜の悪夢』に過ぎない。

時間はたっぷりある。せいぜい折れないようにな、慎二よ。

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

そこから、慎二は悪夢を走り抜けた。

最初の輸血を泣きながら受け入れ、最初の獣に食いちぎられ、人形が動くのに卒倒し、教会の獣を苦労しながら叩き潰した。

最初の武器は斧にしたらしい。まずは体力と筋力に血の意思を注いだ。まぁ、それが無難な方法だろう。

 

古狩人のガスコインに何度も切り裂かれ絶望している所に私が助言する。助言と言ってもオルゴールを叩きつければいいと言うふうなアドバイスだが。

 

立ち塞がる様々な獣や狩人を狩り、発狂し、上位者を垣間見て啓蒙を増やして行った。

そしてついに慎二は.......。

 

「あっひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!」

 

上裸になってアルデオを被り、回転のこぎりで獣を刈り取っている。

.......ん?

 

「慎二よ、啓蒙はどうしたのだ!?神秘は!?それが目的じゃなかったのか!?」

 

「うるさいなぁ。あんな悍ましいもの、間近で見て興味が引かれるわけないだろう?」

 

ば、馬鹿な!?なぜあの美しさが、快感が理解できないのだ!?

 

「最初からヤバいやつだとは思ってたけど、今ではそれがさらにはっきりわかるよ。

普通の狩人は寄生虫を飲み込んだり、先触れを股にぶち込んだりしない!!」

 

「何がおかしいのだ!?これは愛だ!!愛するものに対する敬意の表れなのだ!!」

 

「謝れ!!今すぐ愛するものがあるすべての存在に謝れ!!!」

 

こうして、慎二はまさかまさかの変化を遂げたのであった。




慎二爆絶強化の回。
もうワカメとは言わせない。今日からはWAKAMEだ。味噌汁の具レベルには強くなりました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

降臨者(フォーリナー)はもう少し早く出て欲しかった

こんなカリフラワーどう見たってフォーリナーじゃないか!!いい加減にしろ!!!
どんどん短くなっていくぅ.....。


「シンジよ。今お前は悪夢を3度終わらせた。ここまで来た感想はどうだ」

 

「どうもこうもないよ全く。達成感と解放感でいっぱいさ」

 

あの後シンジは悪夢を3周し、有り得る全ての終わりの可能性を見た。

とりあえずここまで出来れば合格だろう。神秘を投げ捨てたのは頂けないが。

 

「ここで合格試験をしようと思う。いや、合格は既にしているのだが、まぁオマケのような物だ」

 

「なんだよ。まだ何かあるの?」

 

前々からずっと思っていたことなのだが.....。

 

「そのアルデオ、見ててイラつくし邪魔だ」

 

「なんだと!?嫉妬!?嫉妬ですかァァァァアアア!?!?」

 

 

ふむ、どうやら大きなこだわりを持っているらしい。

思った通りだ。試すにはもってこいだろう。

 

「シンジよ、今から本気の私と一度戦ってもらう」

 

「なんだよまた急に」

 

「私に勝てたら......そうだな、言うことを一つなんでも容認してやろう」

 

「それは僕になんの得があるんだ.....」「最後まで聞け」

 

やはりシンジである。人の話を聞かないのは悪い癖だ。

 

「そしてシンジが負けたら.......」

 

「負けたら?」

 

「アルデオを没収だ」

 

鬼のような反応速度でシンジが爆発金槌を振り下ろしたことで戦いの火蓋が切られた。

 

 

 

 

 

 

 

結果、シンジはナメクジだらけでアルデオを回収され涙目になった。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

悪夢から帰還したシンジとカリフラワーの上位者。

一方は満足気に、もう一方は哀愁を漂わせて見るからに落ち込んでいた。

 

「本当にあれから殆ど時間が進んでいないな。血の匂いも月の香りもしない場所も久しぶりだろう?シンジ」

 

「あるでお......」

 

ダメみたいである。

しかしカリフラワーの上位者にもその気持ちは痛いほどわかる。寄生虫を取られた時の喪失感はもう2度と味わいたくないのはたしかだ。

だからこれは愛のムチなのである。愛(1)のムチ(99)なのである。

 

「まずはこの少女を部屋に置いてくるとしよう」

 

理由は普通に邪魔だからだ。そんな『風邪をひくだろうから』とか紳士的なことを期待されても困る。カリフラワーだもの。

少女.....桜を適当なベッドに寝かせたあと、シンジとカリフラワーはすぐに動いた。

 

「シンジ、とりあえず視察に行くぞ。『使者の贈り物』を用意しろ」

 

「あいにくそんなものは持ってないよ。今の僕は普通の格好だから、あんたが霊体になって付いてきてくれれば軽く散歩できるよ」

 

「むっ、そうか......そういうのもあったのだな」

 

悪夢で鍛えられたのか冷静な判断が目立つシンジ。そりゃそうである。あんな世界で一々戸惑っているようなら今頃シンジも啓蒙に飲まれカリフラワーである。

海藻付きのカリフラワーとか誰にも得がない。ならなくて良かったね。

 

「今は......3時か。学校に行く時間を考えると、2時間くらいの散歩だね」

 

「学校だと!?」「な、なんだよ......」

 

「なんと.....なんと羨ましい.....!!」「別にビルゲンワースみたいな所じゃないからな!?」

 

そんな掛け合いをしながら周囲の散策を始めた。

至って普通の住宅街で、間桐家の屋敷が異様に目立つこと以外はなんらおかしな所はない。

 

「僕達が何番目の参加者なのかわからないけど、まぁ始まったばかりだしなにか起きるってことはないのかな」

 

「他に参加者になりそうな者に心当たりなどはないのか?」

 

「そうだなぁ.......遠坂とかかなぁ。なんと言ったって御三家だし、この冬木町の管理もしてる。すぐに思い浮かぶのは遠坂かな」

 

と言ったふうに話しながら歩き回る。

他には自分の友人の話、武器の話などで盛り上がった。

 

「だから、なんで気持ち悪いのと結婚しようとか思うわけ!?」「貴様ァ!!我が妻の星の娘を愚弄するか!!!」




短めですがなにか投稿しなきゃと思った次第です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

自分が見直す用の設定集とステータス

特に意味の無い設定集です。
読んでも読まなくてもいいです。
うぎぎ......神喰らいの方がまるで進まない.......。


カリフラワーの上位者:啓蒙ブッパの神秘神

 

所謂カリフラワー。元は高次元に生きる人間だったが転生することになった。ヤーナムの悪夢を◼◼◼回周回していた時に啓蒙に悪夢から覚めるように提案されそれを実行。ワカメにサーヴァントとして召喚され、桜を治療するついでに神秘を植え付け、ワカメに啓蒙をぶち込んで悪夢に放り込み、間桐のおじいちゃんを知らぬ間に消した。初っ端から色々している。アホ。

寄生虫を飲み込んだり、星界の使者にハグしたり、再誕者に乗ったり、メルゴーにバブみを感じたり、ロマを娘のように撫でたり、エーブリエタースに惚れて先触れを下腹部に埋め込んだり、オドンに「なぜ子供が産める」と質問したり、月の魔物とキャッキャウフフしてるうちに上位者の赤子になったり等、常時発狂状態である。

 

「あぁ、星の娘よ、私と共に空に帰ろうではないかウッ!!(死亡)」

 

クラス:ライダー

筋力C

魔力EX(神秘が魔力と判断された結果)

耐久D

敏捷A

幸運B

宝具?

 

クラススキル

騎乗C

技量A(不意打ちの威力アップ。筋力の不足を補う)

狂化C

高次元存在D(クラススキルのスロット数アップ)

神性-(神よりも上であると自称)

狩人A+(輸血液を所持。敏捷がアップ。耐久ダウン。対獣特攻&人型特攻)

道具作成(銀)EX(水銀弾の作成)

 

スキル

神秘EX:魔力とは違う異質な存在。過去に存在していたであろう神秘と比べても、悍ましく、人の知的好奇心をくすぐる。一度覗いた者を、例外なく引きずり込む。

これを放出して戦闘するため、魔力を封じる物は通じず、世界に存在する神秘を殺す物はお門違いである。

 

上位者EX:思考の次元が一つ高く、常人は存在することを脳が拒否し、違うものに見えたり姿自体が見えなかったりする。見えたとしても本質を見抜こうとすれば頭を犯され、染められる。世界の理を捻じ曲げながら存在するため、ガイアも存在を感じることができないでいる。生物達の滅びへの抗いが産んだ抑止力のアラヤは、その姿を見ただけで軋み歪む。抑止力は必死に見て見ぬ振りをしている状態である。可哀想に。

このスキルがあれば自分を見抜くものには制裁を与え、地や天に位置する存在を上から潰すことができる。

 

悪夢からの帰還者A:ヤーナムの悪夢から帰還した証。自らの死を悪い夢にすることが出来る。その為には悪夢へと接続するためのランタンの設置が必要になる。

 

 

宝具:随時紹介

 

 

間桐-慎二(ワカメ):脳筋

原作のワカメに力とアルデオがぶち込まれた。

いつもは火薬庫の武器を使っているがたまに協会の脳筋武器を使う。

悪夢を3週してから帰還した。

ヤーナムにまともな人間が少なかったせいか、間桐-桜に少し優しくなったり衛宮-士郎への当たりが少し柔らかくなったりしている。

趣味と生きがいが狩りになったせいか、遠坂-凛のことがどうでもよくなっている。

 

「遠坂はどうしたって?あぁうん。そんな時もあったね(遠い目)」

 

 

Fate風ステータス表

 

筋力A

魔力E

耐久D+

俊敏B+

幸運E-

宝具-

 

クラススキル

狩人B

狂化D

 

スキル

悪夢からの帰還者B




何か間違いや違和感があったら指摘してくださいませ。

追記:「水銀弾はどこに行った」という指摘を元に道具作成を追加しました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

学校って行くまではダルいけどいざ顔出すと結構楽しかったりするよね。

FGOの第2部の序を見た結果:あの......マリオゴルフだっけ?みたいな名前の人に転生する二次創作が増えるけどみんな失踪しそう。

あとうちの嫁のアーラシュくんがやっとスキルマになりました。祝って?


「兄さん、ご飯ができましたよ」

 

「わかった。先に食べてて良いぞ」

 

「......。」

 

「なんだよ」

 

「夫婦みたいな会話だな」「残念。あれには衛宮が居るからね」

 

朝の散歩を終えて、私は夜空の瞳を、慎二はアルデオを磨いているといつの間にか日が出ていた。

太陽など久しぶりに見た。眩しく暖かかったが、頭が乾くし冷たい空気の方が好きなのだ。やはり夜が至高である。

 

「そういやお前、食事とかどうするんだ?」

 

「摂ろうと思えば摂れる。少しの間『苗床』のカレルを外せばいい」

 

「つまり元の頭に戻るのか.....見てみたい気がするな」

 

まぁもはや味覚もなく摂る必要も無いので外す気は無いのだが。

少女.....桜にはそれを伝えた所、少し残念そうであった。

桜は慎二が少し柔らかくなったのが不思議だったらしい。

前の慎二がどのようなものかわからないが、問題ないので良いと思うのだが。

 

「兄さん、行ってきます」

 

「あぁ」

 

「.......やっぱりおかしい。いままで返事しなかったのに」(ボソッ)

 

『ふむ、不思議がっているようだな。ヤーナムにはまともな人間が居なかったからな。普通の反応が心地いいのだろう』

 

「な、なるほど......え!?ライダーさん!?」

 

『む?どうかしたか?』

 

「なんで付いてきてるんですか!!」

 

『いやなに、我が弟子のような物である慎二の親友というものに興味が湧いてね。幾つか揺するネタを......と思った次第さ』

 

「.....大人しくしててくださいね」『なにかする訳でもない。安心したまえよ』

 

そんな会話をしながら桜について行く。単独行動のようなスキルを持っている訳では無いが、まず魔力パスなどこの上位者には必要ない。慎二から離れてもなんら問題はないのだ。慎二自体も戦闘能力を有しているのでなお更に。ちなみにほかのサーヴァントの様に分霊というわけでもないのでステータスははっきり言ってバカ高い。本来のスペックである。

 

インターホンを押す。中からこちらに向かう足音がする。

さて、エミヤとはどのような少年なのか.....。

 

「はーい。あ、桜ちゃん」

 

出てきたのは女性......エミヤではないか。

桜と少し話し込んでいる間にすり抜けて中に入る。

中には赤髪の少年......これがエミヤ少年か。他に金髪の鎧を見にまとった剣士がいる。

あれは......サーヴァントか?つまりエミヤは敵か?

 

「お、桜が来たみたいだ。セイバー、ちゃんと着替えてくれよ」

 

「わかってますシロウ」

 

サーヴァント......セイバーと言ったか。セイバーは鎧から瞬時にジャージに着替える。

サーヴァントだとバレたく無いようだ。

啓蒙が囁いた。

 

『なるほど.......そうか、セイバーは勘が鋭いのか。あまり近づくのは得策では無いようだ』

 

面倒くさい相手だ。恐らく後から襲ってもバレてしまうのだろう。それに慎二の親友のエミヤをどうするのかは慎二が決めることだ。今は手を出すべきではないか......。

 

『一度慎二に伝えに戻るとしよう』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいライダー。お前今までどこに行ってたんだ」

 

慎二が少しイラつきながら問いかける。

エミヤ少年のことを聞いてどんな顔をするのか楽しみだな。

 

「いやなに、霊体化して桜に同行していただけだよ」

 

「何してんだよお前.....」

 

呆れているが私はただ敵情視察していただけなのだ。あまり睨まないでほしい。

 

「なに、慎二の言うエミヤがどのような少年なのか気になってね」

 

「本当に何してんだよお前!?」

 

「何をそんなに慌てるのだ」

 

「バレたらどうするんだよ!!ってかサーヴァントなのに僕から離れても大丈夫なのか!?」

 

その説明は面倒くさいので省くとしよう。

 

「敵情視察をした結果を伝えるとしよう」「敵ってなんだ敵って」

 

「敵ではないか。エミヤ少年は聖杯戦争の参加者なのだからな」

 

「........は?衛宮が?」

 

困惑する慎二。何故そこまで動揺するのか。

その理由はエミヤ少年は魔術を使えないかららしい。隠していたとか回路があることを知らなかったとかかも知れないらしい。

 

「何はともあれ、エミヤ少年は聖杯戦争の参加者なのだ。サーヴァントはセイバー。金髪の、鎧を着た美しい少女だったぞ」

 

「衛宮の女難はいつも通りか......」

 

なんと、あの少年は女難の相があるのか?

アリアンナや実験棟の脳液聖女に好かれそうだな。いや、どちらも良い女だな.......。女難とするならほおずきか?

 

「で?どうするのだ慎二よ」

 

「決まってるだろ?事情はともあれ参加者なら、邪魔するなら押し通るまでさ」

 

どうやら、特に問題は無いようだ。




少し無理やり過ぎたかも。反省。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

日常の中の啓蒙

かなり期間が空いてしまったので初投稿です。


シンジに付いていって学校に行って見たが、ビルゲンワースのようなものを期待していた私が馬鹿だった。

つまらなかったので教師に啓蒙を注いだところ授業が面白くなって生徒達も喜んでいたように見える。シンジは微妙な顔をしていた。シンジの親友である衛宮士郎も喜んでいたように思える(適当)。

 

「お前何やってんだよ!!!」

 

「あんなつまらない物を『授業だ』などと言う教師が気に食わなかったのでな。少しテコ入れしてやった」

 

「あれはテコ入れじゃなくて魔改造と改悪って言うんだよ......!!!」

 

むぅ、怒られてしまった。そんなに悪かったか?少し奇声はうるさかったが.....。

いや、授業のことは今はどうでもいい。今は衛宮士郎や他のマスターのことだ。

私が教師に啓蒙で細工したのは(授業がつまらないのは本当だが)考え無くしてのことではない。

 

あの学校に一人や二人他のマスターが居たとしてもおかしくはない。

教師であったり生徒であったりするだろうが、恐らくは多くの教師や生徒があの啓蒙教師と交流を持っているだろう。

 

啓蒙は三日程で治るようにしてある。

それよりも早く治っていれば、マスターが居るのは確実。下校や登校時に周りを必要以上に警戒したりしている者がいれば怪しい。という感じにマスターを炙り出す作戦だ。少し脳筋だがね。

 

あいにく私は自分で仕掛けるより仕掛けてこられた時に対処する方が得意なのだ。シンジも恐らくそうだろう。狩人というのは得てしてそう成長する。

 

一番手っ取り早いのは啓蒙が囁いてくれるのが早いのだが.......。

 

『優雅.....たれ.......』

 

ん......?優雅たれ?なんだそれは。

 

「シンジよ、優雅たれとはなんだ?」

 

「ん?なんだそれ?ことわざか?」

 

知らないようである。啓蒙が囁いた知識に無駄はない。必ずや何かある筈である。

ふむ、啓蒙以外のことを考えるのは少し面倒になってきた。

 

「シンジ、今から衛宮士郎を聖杯戦争から落とそうと思うのだがどうだ?」

 

「急に何言い出してるんだよ........」

 

「いやなに、衛宮士郎は魔術のことをほとんど知らない可能性もあるのだろう?相手がセイバーだと言えども私に勝てる様には思えないのでね。アルデオがあればシンジの姿もわからぬであろう?

それに衛宮士郎の協力者が居ればそれも同時に炙り出せるかもしれないと思ったのだ」

 

「うーん.......」

 

ふむ、流石に納得しないか。

 

「ま、そういう事なら早めに手を出すか」

 

と言って獣肉断ちを取り出した。

......知らないうちに、立派な脳筋に育ったようだ。

 

「ただバレそうになったら切り上げるよ」

 

「良し。では夜に奇襲でも行こうではないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜夜〜

 

 

夜である。空気が冷え、風が心地の良い夜である。

今私たちは衛宮士郎の家から少し離れた場所で、衛宮士郎が確認できるまで遠眼鏡で覗いている。

.....見えた。衛宮士郎だ。食事中で、誰かと話しているようだ。協力者か?ここからでは確認出来ない。

だが確認できた。骨折り損にはならないようだ。

 

「よし。では行くぞシンジ」

 

「あぁイイよライダー。待ちくたびれてた所だ」

 

獣肉断ちを肩にかけて立ち上がるシンジ。

人払いは済んである。何も気にする事はない。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

夜になり、静けさが支配する衛宮家。

居間にはセイバー、アーチャー、そして衛宮士郎と遠坂凛が見合っていた。

 

「シロウ!!おかわりです!!」

 

絶賛食事中である。

 

「はいはい。遠坂も、遠慮しないで良いぞ」

 

「うぅ.....なんでこんなに美味しいのよ」

 

器を受け取り白米を掬う姿はまさに良妻。料理の味も一流。これには流石に遠坂凛も唸るしかなかった。

そうやって平和に見える時間は少しずつ流れていき。

 

突然、庭からの轟音とともに終わりを告げた。

 

「シロウ!!敵襲です!!」

 

「待てセイバー!!」

 

セイバーが飛び出したと共に衛宮士郎はそれを追いかけた。

 

「アーチャー、私達も行くわよ!!」

 

「待て凛。相手がどのような物か判断してからの方がいいだろう」

 

「衛宮くんはまともに魔術も使えないのよ!?」

 

「それで死んだのならそれまでだ」

 

と喧嘩しながら衛宮士郎の所へと向かっていった。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

衛宮邸の庭にわざと轟音を出して出現すると、すぐさま金髪の鎧を着た少女、セイバーのサーヴァントが現れた。

私に斬りかかってきたので月光聖剣で受け止める。

 

「くっ、錆びて砕けた剣を扱うとは......」

 

「見た目に騙されていては足を取られるぞ」

 

そう言って下腹部の我が嫁の一部を解放する。

皮膚を突き破るこの感触がなんとも心地よいものだ。

 

「なにっ!?なんとおぞましい!!」

 

「セイバー下がれ!!」

 

衛宮士郎の指示の通り下がろうとするセイバー。まぁ、良いか。()()()()()()()()()

 

「見るが良い。我が月光の輝きを。伝承の狩人より、しばし借りさせてもらおう」

 

錆びた刀身に神秘を込めると、暗い深緑の光の刀身が姿を表した。

月光聖剣のスケールダウンした真の姿である。

 

 

偽装展開・月光聖剣(ルドウイーク)

 

 

横に振るうと月光の残輝を纏い、ステップをしてセイバーに切りかかる。

困惑しながら刀身を受け止めるセイバー。神秘の濃さに霊基が軋んでいるようだ。

 

「聖剣だと.......!?こんなおぞましい光の何が聖剣だ!!!」

 

「この聖剣は人の害になる物を絶ち、所有者を英雄へと導いた由緒正しき聖剣だ。ただ生まれがおぞましいからと言って差別は感心しないな」

 

力を込めると相手が地面にめり込む。

歯を食いしばって堪えている様だ。

 

「アーチャー!!」

 

向こうから少女の声がする。

同時に矢がこちらに向かって飛んでくるのが見える。

防げないタイミングだな。良いタイミングだ。

 

だが.....。

 

ガキン!!

 

「おっと、うちのサーヴァントを殺られるのを黙って見ているわけには行かないね」

 

こちらにはシンジがいる。

声を低くして喋り方も若干変えている......。どれだけバレたくないのだ?

その姿(異常者装備のアルデオ)を見られるのがそんなに嫌か。

 

「マスターがサーヴァントの攻撃を弾くなんて.......卑怯にも程があるわよ!!!」

 

キィーッと若干ヒステリックになっているようだ。

 

「落ち着け凛。常に『優雅たれ』だろう?」

 

ん?優雅たれ......?

あぁ、啓蒙の言っていた『優雅たれ』はこのことを言っていたのか。

なるほどなるほど.....。

 

「おい、そこのあんた」

 

お、衛宮士郎がシンジに声を掛けたな。

 

「あんたの声どこかで聞いたことあるんだけど、前にどこかであったか?」

「ライダー、退くぞ」

 

シンジが肩を思いっきり掴んだ。

もう少しで倒せると思うのだがシンジが思うのなら仕方がないな。

 

「そうか。諸君、シンジに礼を「わああああああ!!!退くぞライダアアアアアア!!!!!」

 

シンジに引っ張られて退くことになった。




宝具紹介

『啓蒙と瞳(高次元の特権)』対界宝具:EX
レンジ:1〜∞
世界の理を無視している元凶。
本来この世界は外宇宙や平行世界を含めて全てが「根源」を元にしていると言われている。過去に起きたこと、未来に起きること。全てがこの根源から湧き出ているという。


「瞳」は上位者の証。高次元の生物の特権。
魔眼や神眼、千里眼のどれにも当てはまらない。故に「瞳」。
数多くのヤーナムの使徒が追い求めた超次元の理である。故に、根源を元とせずこれそのものが1つの別の「根源」のようになっている。「根源接続者」ではなく言わば「根源所持者」である。
この世の理を塗り替えることも可能。


「啓蒙」は異次元の知識。そして新たな知識へと導く良き相棒であり、自らを貶める天敵であり、良き恋人である。己が知らない知識をぶつ切りに告げ、生物としての知識欲を刺激する。身を堕としてしまえば最後。知識を求める獣へと成り下がる。
一般的にこれが高いほど上位者に近いとされる。知識は肉体にも影響を与えるのである。




『偽装展開・月光聖剣(ルドウイーク)』対人宝具:A+++
レンジ1〜5
かつて獣を月の光で狩り、非業の死を遂げた伝承の狩人ルドウイークの真の聖剣。
対象を導き、英雄とする導きの月光を扱えるのはルドウイークのみだが、狩人の上位者の神秘と技量を持ってすればその残輝だけは操れる。真の輝きと威力ではないが、大抵の神秘を切り裂き輝きを届けることが出来る。
「大抵」の範囲は、言うまでもないだろう。


こういうのどう説明すればいいかわからないのでグチャグチャになっています。すみません。
あとストーリーがグチャグチャになっちゃいました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

啓蒙の擬態

前回は「なぜカリフラワーに突っ込まない」という意見がかなりありました。
多分既にわかっていると思いますがネタバらしです。


「はぁ.....はぁ.....なんだったんですか、あれは......」

 

セイバー、アルトリア・ペンドラゴン。通称アーサー王は先程相見えた()()()()()()()()()()()を不可思議に思っていた。

明らかに呪剣や魔剣の類である剣を『聖剣』と言い、自分の代名詞である『エクスカリバー』にも匹敵するか、信じられないが凌駕する程の神秘を内包する魔剣を扱う剣士。

聞いたこともない容姿である。

剣自体も、最初は何も神秘を感じないガラクタ同然の錆びた剣だったのだが、手を翳した瞬間怖気が走る程の神秘が姿を表したのだ。

 

極めつけはあの下腹部から飛び出した『おぞましい気配を感じさせる不可視のナニか』。

明らかに魔の類である筈なのだが.......。

 

「セイバー!!無事か!?」

 

思考の途中で自らのマスターが声をかけてきた。

思考を一旦止めて返事をする。

 

「えぇ、大丈夫です。シロウ」

 

「にしても、なんだったんだろうな。あの()()()()()

 

「ん.......?」

 

「衛宮くん、セイバー!!無事!?なんなのよあの()()()()()()()()()()!!あんな英霊に心当たりはないわよ!!よっぽどマイナーな英霊なのね!!急に襲ってきたりして、野蛮な連中ね!!」

 

「「え?(はい......?)」」

 

「な、なによ......」

 

「凛。それはあの緑髪の青眼の男剣士のことですか?」

 

「大丈夫か?セイバー。あんな赤い髪を緑に見間違えるなんて。今日は早めに休んだ方がいいぞ」

 

「ちょっと何よさっきから赤だ緑だって!!あれはどう見ても青でしょ!?」

 

言い争いが激化する中、アーチャーが声を挟む。

 

「待て、あの剣士は私には()()()()()()()()()に見えたのだが」

 

「それはセイバーのことでしょ!?」

 

アルトリアは訝しんだ。同時にアーチャーも訝しんだ。

 

「とりあえず一旦話を整理させよう。貴様はアレがどう見えた?」

 

アーチャーが声を掛けた。

 

「俺には赤い髪の女性に見えた」

 

「セイバーはどうだ」

 

「私には緑髪の青眼の男剣士に見えました」

 

「凛はどうだ」

 

「青い髪の目つきの悪い男よ」

 

「そして私は金髪の中性的な剣士か.......」

 

ここで衛宮士郎以外はハッとある可能性に気づいた。

それは......。

 

「つまりあいつは何かしらの認識阻害の宝具を持っているという事ね」

 

「それも見る人物によってそれぞれ別人に見えるという効果......」

 

衛宮士郎もこれを聞いて納得した。

なるほど。それならばお互いの認識は食い違うのもわかる。

そういうタイプの宝具を持っているのならわかる。

 

「だが私たちの共通の認識は....」

 

「「「「剣士だということ」」」」

 

そう。姿や性別が別に見えても剣士であるという認識は共通していたのだ。

 

「つまり得物まで認識を阻害する効果はないということか」

 

推論を深めていく4人。

だが悲しいかな。全くの的外れである。無念。

 

「でも、セイバーはもう出てるでしょう?クラスは何になるのかしら」

 

遠坂凛の疑問も尤もである。剣士であるセイバーと撃ち合いなおかつ押し切ることが出来る.....。

セイバーなら1番納得できるがセイバーではないことは確定している。

ではあれは何者なのかということだ。

 

「認識阻害の宝具や剣の宝具を持っているあたり、宝具の数が多いライダーだろう」

 

「いや、マスターを強化して自分も強化できるキャスターかもしれないわよ」

 

「それもありえるのか......」

 

謎は深まるばかりである。

ただライダーというのは当たりであるが.......。

 

 

 

 

「そういえば、あのとんがりコーンみたいな頭してた方の声をどこかで聞いた事があるような気がするのだけど.....」

 

「俺も遠坂と一緒だよ。聞き覚えどころか聞き飽きているような......」

 

「私もそうだな......」

 

セイバー以外の3人はマスターであろう男のことも引っかかっていた。

鉄塊のようなハンマーのようなものを持ち、サーヴァントであるアーチャーの矢を目視してたたき落とした声的に男であろう者。

3人はその声にどこか既視感を覚えていた。

 

「そういえばあのサーヴァントが『シンジ』と呟くとマスターの方が酷く狼狽えてましたね......」

 

剣士の一挙一動に目を凝らしていたセイバーは、あの時の剣士の呟きもしっかり聞き取っていた。

 

「「「シンジか......(シンジね.......)(シンジだと........?)」」」

 

3人が思い浮かべるのは同じ人物。

 

 

『可愛い子猫たち、今日の僕は少し疲れているんだ。またね』『おい、衛宮。弓道場掃除しとけ』『うるさいなぁ!!!桜のことしか喋れないのかお前はぁ!!!!』『まぁ、僕は天才だからね』

 

あの自信過剰で魔術以外はハイスペックないけ好かないモテ男(寄り付く女は金目当て)。性格はネジ曲がり、妹の話になると急に切れるワカメ野郎。

その名も『間桐慎二』である。

 

だが、先程の男(?)と慎二がどうしても『=』で繋がらない3人。

だが思い当たる人物は間桐慎二しか思い浮かばない。

3人は頭を悩ませた。

 

 

 

結局、本日はとりあえず眠ることになった。




はい。カリフラワーが突っ込まれない理由は一重に「彼らの啓蒙が低いから」です。
0より下のマイナスレベルだからね。仕方ないね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特に理由のない啓蒙が教師を襲っている(進行形)

期間が空いたので初投稿です


セイバー・アーチャー陣営が困惑している中、夜の闇を翔ける不審者が2人がいた。

 

「シンジ。何をしている。あのまま行けばサーヴァントを2騎ほど血の意志にできたというのに。もしかしたら狩人証や武器や装備なども啓蒙ショップに追加されたかもしれぬというのに......」

 

「うるさい!!そもそも僕の正体がバレそうになったら逃げる約束だったじゃないか!!

っていうかよく考えたら襲う理由もないじゃないか畜生!!!」

 

「なんだ今更気が付いたのか」

 

キレるアルデオ頭(血族)のシンジとカリフラワー。夜の静かな街に声が響く中、頭キノコの啓蒙中毒は落ち着き払った口調でアルデオに語りかける。

 

キノコ的にはお遊びというか、暇つぶしのようなノリで襲撃をしていたこともあって別にバレても問題ないような気がするというテンションで動いていた。

 

「それより良かったじゃないか。辺境での経験は役に立つとわかって」

 

「あんな血晶ガン盛り火力バカの聖杯狂いどもの相手よりはマシなのは最初からわかってたよ」

 

2人はあの血に狂った狩人達の溜まり場を思い出した。

人形の装備を頭と手だけつけ残りは全裸の男狩人。ドレスを着たマッチョのヒゲオヤジ。顔が赤だったり青だったりするヤツらなど。まともな奴がいない。

 

元々、戦いやすいからという理由だけでそんな場所で狩人同士で殴りあって臓物や血の意思をしゃぶり合う輩にまともな奴がいるわけないだろと言われたら言い返せないが。

 

というかキノコの方は最近まともな人間(?)同士で戦うことが少なくなっていたので久しぶりにそういう対人戦がしたいなーと思っており、サーヴァントならいい相手になりそうだと思って突撃したのだ。

あとシンジがアルデオなのに血族なのは血の穢れで倒した狩人を数える為である。

 

シンジもカリフラワーも特に願いはなく、お互い手に入れた聖杯に潜ってみたいと言うだけの理由で参加しているのでぶっちゃけ一回行ければあとの聖杯戦争自体は流してもいいと思っているのだ。

その聖杯が冒涜やトゥメル=イルのように有用でなければだが......。

 

「そう言えばライダー。なんで月光なんて使ったんだ?落葉とか慈悲の刃とかあったじゃないか」

 

キノコは技神ビルドである。寄生虫は言わずもがな、技量武器は慈悲の刃を筆頭に葬送の刃や仕込み杖等を基本使っている。月光は筋力と神秘に補正があり、神秘はあるが筋力は使い物にならず、どうにか振り回せるくらいである。

 

「いや、相手も同じようなものを持っていたゆえな。それに月光の光波には神秘の補正が強く乗るのでな。あれくらいならなんとか押し切れると思ったのだ」

 

「ライダーは相手の土俵に上がって勝負するの好きだよな」

 

「そっちの方が楽しいだろう?」

 

 

 

 

その日はそのまま家に帰り、何事も無かったかのように眠った。

シンジ的には今日のことが忘れたくて、カリフラワーは特に気にすることもなく眠りについた。

 

 

そしてシンジは朝起き、学校に向かった。

いつも通りの日々だ。

 

「おはよう慎二」

 

「あぁ、おはよう衛宮」

 

いつも通りの友人。

 

「おはよう、間桐慎二くん」

 

「あぁ、おはよ.......ん?」

 

そこにいつも通りじゃない異物が混ざった。

 

「なんで遠坂が衛宮と一緒にいるんだ?」

 

とりあえずとぼけておく慎二。咄嗟の判断も慣れたものだ。

 

「あら、なにか不都合なの?」

 

「いや、ただ物珍しかったからな。衛宮、なにか弱みでも握られてるのか?」「どういう意味よそれ!!」

 

慎二は昨日のことを思い出して少したじろいだ。

まさかバレているのか.....。そう疑わずにいられなかったが顔には出さない。

 

結局軽い話をしただけで特になにか接触があったわけじゃなかった。よかったと安心したのも束の間。

 

「すぉれでわぁ!!!じゅっっっぎょう!!!ですぞ!!!」

 

啓蒙教師のことを忘れていた。

目が別々の方向に向き、機嫌の良さそうに黒板に殴り書きする教師。

不気味だ。不気味でしかない。

しかし困ったことに前の授業よりわかりやすいのだ。なぜだ。

 

「まぁとうくん!!!87ページのぉ......この問題をとぉいてください!!!!」

 

「は、はい......」

 

 

 

 

啓蒙教師の授業も終わり、教室は今日も教師のことで持ち切りだ。

それを聞きながら人知れずため息を吐く慎二。いつもの光景だった。

 

 

 

それから学校の帰り道。疲れた顔をして帰る慎二の後ろを尾行する影があった。

 

「遠坂。これ大丈夫なのか?俺たち凄い怪しいぞ」

 

「大丈夫よ。だって相手は慎二よ?バレないわよ」

 

慎二が疲れた顔をしている要因2人の会話である。

既に体全身どっぷり輸血で強化されている慎二の聴力は2人の会話がしっかり聞こえている。

さてどうした物か。巻くべきか、逆にこちらから向かうべきか.....。

気持ちゆっくり歩きながら考える。

 

尾行される原因は多分昨日のあれなんだろうなと思いながら歩を進める。

あいつガッツリ慎二って呼んだからなぁ。なにやってんだろうなぁあの啓蒙フェチはと心の内で愚痴る。

 

ここで慎二に天啓が降りた。

慎二が曲がり角を曲がると、2人も少し急いで付いてくる。

慎二は追いつかれる前に狩人の夢に一度避難した。

そして2人が困惑しているところに.....。

 

「なにやってんのお前ら」

 

2人の後ろに回り込んだ。

 

「「ッ!?」」

 

 

 

2人にはお帰りいただいた。

早く寝ようと家のドアを開けると

 

「シンジ、今度は寺に行くぞ」

 

そのまま啓蒙バカに連れ去られた。




なんだろう。なんでこんなに適当になって「コマけぇことは気にすんな」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

啓蒙って言葉にするだけで偉くなった気がするよね

遅くなり申し訳ありません.......。
全部MHWとブラボとFGOが悪いんや......。
水着バラキーやったあああああああ!!!!!!


「おい!!ライダーどういうつもりだ!!!」

 

意味もわからず連れ去られた慎二はライダーを怒鳴りつける。

 

「いや、聞けばこの世界にも独自の上位者がいるとのことではないか。それなら行ってみるしかないだろう?」

 

実はこのキノコ、暇つぶしに慎二宅でTVを見ていると、神社や寺などの特集の番組を見つけ、神......キノコ的には上位者の存在がこの世界にも居ると知ったのだ。

ならばこうしてはいられないと慎二が帰ってき次第連れ出そうと考えたのだ。

 

「いやそれ上位者じゃないから!!!おい、離せ!!行くなら1人で.....あああでもこのバカ1人じゃ何するかわかんないし......!!」

 

そんな事考えている間にキノコは特有のヤーナムステップで街を駆け抜けていく。その姿はまるで一陣の風。キノコのぬめりが反射し光って酷く気持ちが悪い。

 

「シンジ、ついたぞ。これが寺か」

 

「痛っ!?」

 

慎を投げ捨てたキノコは長く続く階段を見上げる。その奥に見える雰囲気のある建物を見て目を見開く。

 

「シンジ!!見ろ!!アメンドーズだ!!やはりここにもいたのだな!!!」

 

「はぁ?何いって.......うわぁ!?マジじゃん!?なんで!?は!?!?」

 

驚くことに、寺の門の部分に小さめのアメンドーズが居るのだ。

群体生物のように複数個体の存在するアメンドーズ。 たしかにヤーナムには......特にヤハグルにはそこかしこに張り付いていたが、まさかこんな場所にも存在するとは思わなかったようだ。

 

「な、なんでこんなとこに.....。」

 

「恐らく、私たちに釣られて現れたのだろう。それか元々存在したか......」

 

そうつぶやきながら階段を上るキノコ。

 

「ま、待てよライダー!!アメンドーズってことはどこかに飛ばされるんじゃないのか!?」

 

慎二の言う通り、アメンドーズは他の場所へ対象を移動させる能力を持っている。例のごとく原理は全くの謎だが......。

 

「つまり未開の地があるということだぞ!?カインの血族の絶頂期のカインハーストや、我々の前の獣狩りの夜などのな!!!!」

 

ワクワクした面持ちのキノコ。いわゆるDLC2弾に当たる場所へのワープを期待しているようである。

 

「さぁアメンドーズ!!!私を未開の地に!!!!」

 

『.......。』

 

心を込めて交信するキノコ。それをしきりに眺めるアメンドーズ。まさにヤーナム。これぞ、ヤーナムといった光景である。

そんな交信が届いたのか......。

 

『.........!』

 

アメンドーズは手をキノコにかざした。

 

キノコはカレル 【右回りの変態】を手に入れた。

 

「........。」

『........。』

 

なんとキノコは、聖杯で手に入る最大倍率の右回を超えた右回りを手に入れたのだった。倍率20%である。

 

「.......帰るか」

「あぁ.......。」

 

微妙な顔(?)をしたキノコと一緒に慎二は家に帰った。

キノコは、落胆すべきか喜ぶべきかわからないような顔をした。

 

 

 

「.......今のはなんだったのでござろうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅に帰った慎二とキノコ。

キノコは心做しかしなびていた。

 

「元気だしなって。正直僕も期待したけどさ。すごいじゃん?まだ上のカレル文字があったなんてさ」

 

「そう......だな.......」

 

だがまだしなびているキノコ。

そんなキノコに頭を悩ませる慎二。慎二も期待した部分はあった。まだ行ってない未開の地があるのかと。新しい武器や道具があるのかと。全ては夢であった。なんとヤーナムらしいことか。

 

「.....少し、部屋に籠る」

 

キノコはしなびたまま部屋に行ってしまった。




なんかおぞましいモノ♂がいたみたいですね


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

啓蒙体操第一、うぃっっっっっっっっsっっっsっs(錯乱)

怒らないで.........忙しくて読み専になってたりGE2Rがフリプで来たからこれを機にストーリー思い出すかとか思ってただけなんです.......。ボックスガチャ30止まりでした........。


部屋に篭った私は、狩り武器を出しては引っ込め出しては引っ込めを繰り返していた。

 

「全盛期のカインハースト.......医療協会の深部........」

 

流石にショックが大きい。

アメンドーズが居たら新しい場所があるというのは常なることだろうと言うのに.......。

期待してしまった分跳ね返りも大きいものだ。

 

「......いや、いじけていても何も始まらぬな」

 

気合いと啓蒙を入れ直した私は、この聖杯戦争をどう切り抜けるか少し考えることにした。

 

「明らかなのは恐らくセイバーとアーチャーか......セイバーはともかくアーチャー.......弓か.......いい思い出は無いな」

 

シモンの弓剣には何度も辛酸を味合わされた。

打つのは迅速、威力も申し分ない。変形前も使いやすく、変形後は卑怯なほど厄介。聖杯などで味方になれば心強く敵対すれば途端に牙をむく。

あれを馬鹿にした狩人は間違いなく嫉妬している。そうじゃなければ見る目が無さすぎる。

 

おっと。思考がそれたか。

とりあえず私を含め3騎のサーヴァントが明らかになっている。セイバーは聖剣というわかりやすいものを持っているから調べれば誰なのかわかるかもしれないな。

 

というかクラスは聖杯戦争で出てくるクラスだけなのだろうか。ハンターとか、クリーガーとかいないのか?

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

バーサーカーを引き当てた私は、この戦争の勝ちを確信した。極光の中から聞こえる狂気的な呻きを聞いて、つい笑みを零した。

バーサーカーといえば、サーヴァント1扱いづらいクラスよね。

魔力食いで、急に暴れたり命令を聞かなかったり、果てにはマスターを殺したり。とにかく理性が失われてどんな行動をするかまるで検討がつかない。

 

だけど悪い部分だけじゃない。

 

魔力食いということはそれほど強力な宝具やスキルを高出力で使うことが出来るということだし、バーサーカー特有の「狂化」の影響でステータスも跳ね上がる。飼い慣らせばこれほど強力なサーヴァントはない。

 

私は御三家の1つ「アインツベルン家」の生まれで魔力量は多いし、バーサーカーくらい使いこなせるわ。

さぁ、出てきなさい。筋骨隆々な大男かしら?逆に細身で技術に特化しているかも。女戦士なんかも有り得るわね。なんにしろ楽しみだわ!!

 

「GYAAAAAAAA」

 

出てきたのは、悍ましい何かだった。

大きな異形で、口の中は眼球であふれている。有り得ない場所から足が生え蠢いている。

布の切れ端が体に纏われ、()()()()()()()()()

顔は馬のようで、半分は爛れている。

 

まさに、化け物。

化け物が覗き込んでくる。溶けた瞳孔が私の顔を歪ませて映し出している。

動けなかった。冷や汗と悪寒が止まらない。

 

化け物は、頭を下げて大人しくしている。

魔力がちゃんと回ってるからかしら......?

今のうちに、ステータスを見させてもらうわ。

 

 

 

 

『醜いルドウイーク』

 

筋力:A+++

魔力:A

耐久:B+

俊敏:C

幸運:E-

 

宝具「???」

宝具「???」

 

スキル

狂化A+

導きの??

??の神性B+

狩人A




ちょっと短めですが......。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

啓蒙活動ってもう別の意味にしか聞こえないよね

よぉ......1年ぶりだなぁ......(エレン並感)


武器の血晶の組み合わせを色々変えながら思考を巡らせる。

 

「あのアーチャー、よく思い出してみれば鉄の矢を飛ばしていたな。もしやシモンか.....?同郷かも知れぬな。今度会話を試みるとしよう」

 

こっちもこっちで勘違いしていた。

あのアーチャーは決してヤーナム由来のサーヴァントではないし、あの弓はシモンの弓剣ではない。

どちらかと言うと某絵画世界の爆発する大矢を使う戦士の方が近いだろう。

 

「彼がシモン使いだとすれば、千景にも気を付けるか。下手すれば一瞬で私は消し飛ぶだろうからな。恐ろしい物だ全く」

 

「おいライダー、あれがシモン使いだって話は本当か?」

 

偶然通りかかった慎二が焦った様子で話しかける。彼もあれにはトラウマがあるのだ。

脳筋な彼はまだ未熟な頃、あの弓に遠くからチクチクされ何十と地面とお見合いしているのだ。短銃の要素を併せ持つ細剣も死すべしだと思っている。

 

「恐らくだが。鉄の矢を飛ばしていたからな。そんな武器は我々は1つしか当てはまるものを知らない」

 

「そうか......あれなんだな......」

 

顔を合わせた2人は決意を露わにして、腕を組み合う。

 

「「技血は死すべし!!慈悲はない!!」」

 

全く見当違いな決意を共にし、弓剣相手の戦い方を学び直すため、2人は悪夢の辺境へと向かった。

なお、血の女王には後日、溢れんばかりの血の淀みが送られ、当分上機嫌だったという。

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

「醜い....ルドウイーク.......?」

 

全く聞いたことの無い名前。それほどまでにマイナーな英霊なのだろうか。透き通るような銀髪と滴る鮮血のような紅色の瞳を震わせた幼女は、、目の前の自らのサーヴァントを見て思案する。

 

「GRRRRRR......」

 

鼻息が荒く、しかし身を伏して居るその異形は、バーサーカーとは言えぬほど大人しい。

肩(?)の2つ目の口は忙しなく動いており、口内の瞳は焦点が会わず光もない。

その大人しさが、幼女......イリヤスフィール・フォン・アインツベルンに疑心を芽生えさせる。

 

(なにかきっかけがあると制御が効かなくなるのかしら......もしそうだとしたら引き金は.......?)

 

中には特定のキーワードで発狂するバーサーカーも居ることを知っているイリヤは、それを疑った。

そういう手合いは、下手に会話すると変なところで地雷を踏み抜く可能性があるため、声をかけずらく思う。

 

(というか会話が成立するとも思わないし......放置でいいのかしら?でもせっかく召喚したなら......)

 

少しずつ落ち着きを取り戻しつつあるイリヤ。適応力が高いのである。

せっかく呼び出せたならせっかくなら安心して自らを任せられるようにしておきたいと思うイリヤは、腹を括り会話を試みる。

 

「ね、ねぇ......ルドウイーク.....で良いのよね?」

 

「HYYYYY.......」

 

「あな、あなたは、どどどこの英雄なのかしら?」

 

「HYYYGYAAAAAA.....」

 

イリヤ、撃沈。

勇気を出した結果得たものは、自らのサーヴァントは獣のような物であり会話は成り立たないということであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

ある教会の一室。真紅のワインが注がれたグラスを片手に渋い顔をした黄金のオーラを放つ男が1人。

 

「つまらぬ.......不愉快だ.......我ともあろうものが手すらも出せずにいるとは.......」

 

苦々しくワインを傾け喉を潤す。

 

「酒も不味い.......ふん」

 

グラスを宙にほうり投げ自らの宝物庫に戻す。

世界最古の王。人類の裁定者。ギルガメッシュである。

 

「我がこの手で消すべき雑種にも劣る寄生虫......その実我が自ら手を出すと半ば強制的に座に送り返される。それどころか我という概念自体も消されかねない.......」

 

人類の裁定者であり、人類を脅かす外敵を消す役目を己に課すこの王は、あの寄生虫......今回の聖杯戦争ではライダーとして参戦しているあの狩人について思索する。

 

「アラヤ、ガイアもあれには見て見ぬふりをする始末よ......。

虫如きが、我をここまでコケにするか......!!!」

 

怒気を隠さず顔をゆがめる。

何もしていないカリフラワー狩人は密かに心当たりはないが言われしかない恨みを買っていた。




ギル様の言葉遣いがわからぬ.....。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。