ドラゴンボールSS ~農耕民族サイヤ人伝説~ (秋羅)
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第1部 農耕民族サイヤ人編
ラディッツ「農業力5万。ほぅ、なかなかではないか。」


 

おっさん「な、なにモンだおめぇ!?」

 

ラディッツ「俺か? 俺は宇宙一の農耕民族サイヤ人のスーパーエリート、ラディッツ様だ!!」

 

おっさん「さ、サイヤ人!? 」

 

ラディッツ「そうだ。全宇宙を股にかけ、星々を開拓し農地へと変えるのが俺達一族の仕事だ。」

 

おっさん「ほぇ~。宇宙には凄い人達がいるだなぁ・・・でなくて! オメェ! オラの畑にナニしてくれるだ! これからイモッコ植えるところだったのにこんな大穴空けられたら植えらんねぇべさ!」

 

ラディッツ「ムッ! 俺とした事が! これはすまない事をした。侘びとしてこれをくれてやろう。」キュイーン

 

おっさん「て、手なんて光らせて何するつもりだ~!?」

 

ラディッツ「こうするのさ! サタデークラッシュ!!」ポヒュウウウ

 

おっさん「ぎょえーーー!!??」

 

ドゴオオン!!

 

モクモクモク

 

おっさん「あ、あれ? 生きてる?・・・って、なに~!? 大穴が無くなって、代わりに一面芋畑になってるだ!?」

 

ラディッツ「ふっ。俺が畑を台無しにしてしまったのだ。これくらいはせんとな。ちなみに植えてあるのは惑星ポテイト原産の満月芋だ。成熟して新鮮な状態のこの芋は1700万ゼノ超のブルーツ波を発するから収穫に苦労するが味は超一級! 全宇宙で愛されているスーパーポテトだ。こいつは月の様な環境でも栽培できる作物だから、肥沃なこの星なら問題無く育てる事ができるだろう。」

 

ピピピピッ

 

「むっ! この農業力は!? フハハハハハッ! 見つけたぞカカロットよ! 今兄が会いに行くぞー!!」バシュウウウ

 

おっさん「あっ! おい待つだ!・・・行っちまっただ。まぁ、よくわかんねぇけどせっかくだからこのイモッコ育ててみっぺか。」

 

 

―のちにこの農家のおっさんは満月芋で巨万の富を手に入れる事となる。おっさんはテレビのインタビューでこう語っている。自分に満月芋を授けて去って行ったあの男はきっと農業の神だったのだと。そして、彼が農業の神に出会った地では筋肉隆々のロン毛でM字ハゲの大男の銅像が祭られるようになったという―

 

 

 

 

 

―――とある山―――

 

ラディッツ「見つけたぞカカロットー!!」

 

ギュウウウウウ・・・スタッ

 

ヤムチャ「うおっ!? なんだお前!?」

 

ラディッツ「なにっ!? この俺が分からんのか!? あれほど可愛がってやったというのに貴様というやつはっ!」

 

ヤムチャ「あの~、誰かと間違えてないか?」

 

ラディッツ「そんなはずはない! それ程の農業力を持っているのだ! 貴様は24年前に生き別れた俺の弟カカロットだ!」

 

ヤムチャ「えっと、俺の名前はヤムチャだし、24年前はまだ両親と暮らしてたから、お前の弟とは別人だぞ?」

 

ラディッツ「そうなのか!? だかこの農業力は・・・。」

 

ヤムチャ「なぁ、さっきから言ってるノウギョウリョクってなんなんだ?」

 

ラディッツ「そんな事も分からんのか? 農業力とは農業に関する知識や技術、適性などの全ての能力の総評。これが高ければ高いほど優れた農民という事だ。」

 

ヤムチャ「へ、へ~(汗) それで俺の農業力って・・・」

 

ラディッツ「貴様の農業力は10万。エリート農家と呼んでも遜色ない数値だ。ちなみに俺の農業力は53万で、一般人は5だ。」

 

ヤムチャ「おいおい、ナウでモダンなシティーボーイのヤムチャ様にそんなに高い農業力が有る訳無いだろう!」アセアセ

 

ラディッツ「こいつは最新式のスカウターだ。誤動作などありはしない。・・・ああ、そういう事か。」

 

ヤムチャ「な、なんだよ!?」

 

ラディッツ「貴様、都会に憧れて実家を飛び出したくちだな?」

 

ヤムチャ「ギクッ」

 

ラディッツ「なんと嘆かわしい。都会なんぞにかぶれおって。それ程の農業力があれば、大豪農も夢ではないというのに。」

 

ヤムチャ「う、うるせぇ!! 都会に憧れて何が悪い! テレビもねぇ! ラジオもねぇ! 車もぜんぜん走ってねぇ! 挙句の果てには年頃の女の子すら居ねぇ! そんな田舎で一生畑なんて耕してられるかよ!!」

 

ラディッツ「うーむ、俺の場合は農業さえできれば他はどうでもいいんだが・・・まぁ、価値観は人それぞれ。ましてや貴様はサイヤ人ではないからな。これ以上は押し付けにしかならんか。」

 

ヤムチャ「ほっ」

 

ラディッツ「だが気が変わったらいつでも言えよ。貴様は我が一族に迎え入れても差し支えない程の漢だ。その時は良い嫁を紹介してやろう。サイヤ人の女は器量良しの上に頑丈だ。子供も山ほど産んでくれることだろう!」

 

ヤムチャ「あ、ああ(汗) 無いとは思うがもしもの時はお願いするよ。」

 

ラディッツ「では俺は弟を探さんといかんから行かせてもらう。さらばだヤムチャよ! 貴様が農民に戻る日を楽しみにしているぞ!」バシュウウウ

 

ヤムチャ「いやだからなんねぇよ!!」

 

 

 

 

 

―――上空―――

 

ラディッツ「むぅ。あれから農業力の高い奴らを片っ端から当たってみたがカカロットが見つからん。そもそも本来ならばこの星の陸地は全て農地に成っているはずなのにそれがなされていないという事はカカロットの身に何かあったのか? いやまさな。カカロットは生まれながらにして農業力1万のエリート農民! それがこの様に穏やかな星でどうこうなるわけがないか・・・」

 

ギュウウウウウ・・・キキッ

 

???「とうとう追いついたぞ! 膨大な気を撒き散らしながら飛びまわりやがって! 何者だ貴様!」

 

ラディッツ「なんだ貴様は? 俺は今忙しい。話なら後に・・・むっ! 貴様はナメック星人! まさかこの星にも居たとはな!」

 

ピッコロ「ナメック星人、だと? 貴様! 俺の何を知っている!?」

 

ラディッツ「おいおいどうした? 随分と気性の荒いナメック星人だな。貴様野菜は食っているのか? ああ、ナメック星人は水しか口にせんのだったな。それじゃあ、地球の環境のせいか?」

 

ピピピピッ

 

ラディッツ「うん? なっ!? そんな馬鹿な!?」

 

ピッコロ「オイ貴様! さっきから何をごちゃごちゃと! 俺の質問に答えろ!!」

 

ラデッィツ「・・・農業力3。サイヤ人に次ぐ農耕種族であるナメック星人がたったの3だと?」

 

ピッコロ「ノウギョウリョク? 何の話だ?」

 

ラディッツ「まさか、考えたくはないが、カカロットの農業力も下がっているのか? だが何故? 地球人の農業力自体は高い方だ。その様な環境に居れば農業力が上がる事はあれど下がることなど・・・。もしや重力が低い事が原因か? いやしかし・・・」ブツブツ

 

ピッコロ「いい加減に俺の話を聞きやがれー!!!!」

 

ポヒュウウウ・・・ ドゴオオン!!

 

ピッコロ「フフフッ! どうだ? これで俺の話を聞く気になったか!?」

 

ラディッツ「・・・人が考え事をしているのにうるさいぞ。畑の肥しにされたいのか?」

 

ゴッ

 

ピッコロ「な、なんだこの気の量は!?」

 

ラディッツ「丁度良い。身の程知らずにもこの俺に攻撃してきたお前に良い事を教えてやろう。このスカウターは農業力だけではなく戦闘力も測ることができる。お前の戦闘力は332。そして、俺の戦闘力は・・・1500万だ!」ドン!

 

ピッコロ「なん・だと!?」

 

ラディッツ「分かったら消えろ。 有機肥料にされる前にな。」

 

ピッコロ「クソッタレー!!」バッ

 

ラディッツ「馬鹿が! シャイニングフライデー!」ギュオオオン!!

 

ガガガガガガッ!

 

ピッコロ「ぬぐわああぁぁーーー!!!!」ヒュー…

 

ラディッツ「しまった。ついイライラしてやっちまった。まぁ、加減はしたから大丈夫だろう。それよりカカロットだ。生まれながらに高い農業力を持つナメック星人があのあり様なのだ。カカロットの農業力も下がっていると考えた方が良いだろう。そして、この星で育ったにしては高い戦闘力。もし、カカロットが同じ状態になっているとしたら・・・。」ピピピピッ

 

ラディッツ「! あっちか! 距離12,909。この星で最も大きな戦闘力だ。今度こそカカロットであってくれよ!」バシュウウウ

 

 

 

 

 

―――亀ハウス―――

 

悟空「!!?」

 

クリリン「どうした悟空?」

 

悟空「ピッコロの気が消えた?」

 

亀仙人「なん・じゃと!? 彼奴ほど手だれをいったい誰が!?」

 

悟空「・・・!!み、みんな! 離れろ!! とてつもなく強い気が近づいてくる!!!」

 

クリリン「ええっ!?」

 

亀仙人「まさかピッコロを倒した奴か!」

 

ギュウウウウウ・・・スタッ

 

ラディッツ「・・・」

 

クリリン「誰だ? こいつ? ヘンテコリンな格好して・・・」

 

ラディッツ「ヘンテコリンだと? 貴様サイヤ人の作業着を馬鹿にしているのか?」ギロッ

 

クリリン「え? い、いやべつにしそういうつもりは無くて!」アセアセ

 

亀仙人「なんなんじゃ此奴は。強さの底が見えん」タラリ

 

悟空「・・・」ゴクリッ

 

ラディッツ「おお! その顔、間違い無い! ようやく見つけたぞカカロットよ!!」

 

悟空「カカロット?オラは孫悟空だ。誰かと間違ってんじゃねえのか?」

 

ラディッツ「間違うものか。・・・これを見たらわかる」シュル…

 

悟空「!! そ、それは尻尾・・・? オラと同じ・・・」

 

ラディッツ「その反応、やはりお前はカカロットだな。そう、この尻尾はサイヤ人の・・・ん? お、お前、尻尾はどうしたんだ!?」

 

悟空「尻尾はだいぶ前に無くしちまった。もう生えてくる事もねえ」

 

ラディッツ「なんだと・・・」

 

悟空「おめえは一体誰なんだ? なんの目的でここに来たんだ? オラの事をなんでカカロットと呼ぶ?」

 

ラディッツ「・・・まあ、落ち着け。まず俺は敵ではない。順に説明してやる」

 

・・・・・・・・・・・

 

悟空「な・・・なんだって!?」

 

ラディッツ「信じられないのも無理はない。地球人として育てられていたお前ではな・・・だが全て事実だ。お前は農耕民族サイヤ人であり、この俺の弟。お前は本来、この星を開拓する為に送られた農民なのだ。」

 

クリリン「なんか農民って点でシリアスな雰囲気が壊れちまったんだけど・・・」

 

ブルマ「しっ! クリリン黙ってなさい!」

 

ラディッツ「さて。次はこちらから質問させてもらうとしよう。カカロットよ、何故貴様はこの星を開拓していない? サイヤ人は生まれながらの本能として畑を作る。それは赤子とて例外ではない。にもかかわらずお前は畑を耕さず、農業力も下がっている。何故だ?」

 

悟空「何故って言われてもなぁ・・・あ、そういえば! オラを育ててくれた祖父ちゃんが言ってたっけ。オラを拾ったばっかの時は目を離すとすぐに土いじりしてたけど、頭ぶっけてからやんなくなったって。」

 

ラディッツ「つまりなんだ? 頭をぶつけた衝撃で本能と農業力を失ってしまったという事か!? なんという事だっ。俺は親父とお袋に何と言えばいいんだっ!!」

 

悟空「なんかわりぃな。でもオラはこの星で楽しく暮らしてる。オメェの言う事が本当だとしても今更畑仕事なんてできねぇよ。それにそんな事より修業したり強ぇ奴と闘ってた方がおもしれぇかんな!」

 

ピクリ

 

ラディッツ「そんな事、だと?」

 

亀仙人「な、なんじゃ!? 此奴の気が急激に高まっておる!?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

ラディッツ「貴様! 農業を馬鹿にしたかカカロットー!!」バッ ドガァァァァァァァン!!

 

悟空「!?」

 

パラパラパラパラ

 

ラディッツ「いいだろう。ならばお望み通り強い奴と闘わせてやろう。」

 

亀仙人「なんという圧力じゃ!? 」ブルブル

 

クリリン「か、身体が動かないっ」ガクガク

 

悟飯「うわーん! こわいよー!」

 

ブルマ「大丈夫! 大丈夫だからっ!」ギュッ

 

悟空「ひゃー! スゲェなオメェ! オラわくわく・・・」

 

ラディッツ「フンっ」ヒュン!

 

バギィィィィィィィンッ!

バシバシバシバシバシバシ!!

ギュオオオン!!・・・ガガガガガガッ!!

ポヒュウウウ・・・ ドゴオオン!!

ヒュン!

ドォォォォン!!!

ヒュン!

ドォォォォン!!!

ヒュン

バシュウウウウウ!!・・・ドザァァァァァ!

ドドドドドドドドドドド!!

ポヒュウウウ・・・ ドゴオオン!!

 

・・・・・・・・・・・

 

悟空「」ヤムチャ状態

 

ラディッツ「ふん。修行と戦いに明け暮れていたのにこの程度か。まぁ、当然か。脳筋が農筋に勝てるはずがないのだからな。」

 

悟飯「おとうさんを・・・いじめるなー!!」ゴッ

 

ラディッツ「むっ!! こいつは!?」ガシッ

 

悟飯「うわー!? 離してよー!?」ジタバタ

 

ブルマ「ああ!? 悟飯君!?」

 

クリリン「やめろー! 悟飯はまだ子供なんだぞ!!」

 

ラディッツ「悟飯?・・・この顔、そしてこの尻尾。カカロットの息子か!!」

 

悟空「あ・・・う・・・悟飯を・・・離せ・・・」

 

ラディッツ「やはりそうか・・・よし、良い事を思いついたぞ。カカロットよ、今から1週間以内に100ヘクタールの畑を耕し何でもいいから作物を植えろ。できなければこいつを惑星ベジータに連れていく。半分とはいえサイヤ人。腐らせる訳にはいかんからな。」

 

ブルマ「100ヘクタール!? そんなの機械を使っても無理よ!」

 

ラディッツ「無理ではない。カカロットがサイヤ人の本能を思い出す事ができればな。」

 

悟空「やめろっ・・・ラディッツ!!」ズルズル

 

ラディッツ「貴様も誇り高きサイヤ人ならばこれくらいやって見せろ。さて、今日のところはこれで帰らせてもらう。ちなみに貴様の息子も人質として連れていく。兄の期待を裏切ってくれるなよカカロット。」ヒューン

 

悟飯「うわーん! おとーさーん!!」バタバタ

 

悟空「ごはーん!!」

 

 

 

 

 

―――とある台地―――

 

ラディッツ「さて、これならばカカロットも畑を耕すだろう。これがきっかけになり本能を思い出せばいいのだが・・・」

 

悟飯「うわーん! うわーん!」

 

ラディッツ「・・・はぁ。少々やり過ぎたか。おい、悟飯といったか。そろそろ泣き止め。それでもサイヤ人の血を引く者か?」

 

悟飯「うわーん! うわーん!」

 

ラディッツ「むぅ・・・そうだ! カカロットを探して地球を周っている間に見つけたマンモスイチゴをやろう。」

 

悟飯「・・・いちご?」

 

ラディッツ「ああ、イチゴだ。こいつは俺が今まで見てきたイチゴの中でも一際デカく、そして甘い。こいつを宇宙に広めれば多くの者が喜ぶことだろう。ほれ。」スッ

 

悟飯「ん・・・」モグモグ

 

ラディッツ「どうだ?」

 

悟飯「おいしい!!」パァ

 

ラディッツ「そうかそうか。それはよかった!」

 

・・・・・・・・・・・

 

ラディッツ「というわけでサイヤ人は全宇宙に旨く新鮮な野菜を届ける為に日々努力しているのだ!」

 

悟飯「すごーい!!」onラディッツの膝の上

 

ラディッツ「そうだろう! どうだ悟飯? お前も農民にならんか? お前ならばエリート農民になれるぞ?」

 

悟飯「うーん・・・でもおかあさんがえらい学者さんになれって。」

 

ラディッツ「学者だと? そんなものになってなんになる。殆どの生物は食い物が無ければ生きていけん。そして、その生きる為に必要な食い物を作る農家こそが至高の職業。対して学者というのは何も生み出さず部屋に閉じ籠ってコンピューターをいじってばかりいる連中だぞ?」

 

悟飯「そんなことないよ! 学者さんだっていろんなものを生み出してるんだよ!」

 

ラディッツ「ほう? それはいったい何だ?」

 

悟飯「おかあさんがいってた! おうちに電気があるのも病気のときに飲むお薬があるのもみんなえらい学者さんががんばって考えたからなんだって! だから僕もえらい学者さんになって皆が幸せになれるようにいろんなことを考えるの! 」

 

ラディッツ「そうか、それならばいい。母親に強要されているのであれば無理にでも止めたところだが、自分の意思でなろうというのならかまわん。だが、どうせなるなら農学者になれ。サイヤ人の血を引くお前ならば農業に革命を起こせるような技術を生み出せるはずだ。」

 

悟飯「農学者か~・・・うん、わかった! 僕、農学者になる! そしておいしいものをたくさんの人が食べられるようにする!!」グッ

 

ラディッツ「それでこそサイヤ人の血を引く者だ! そうと決まればお前の母親にも話をせんとな。農学者になるにしても実際に農業を知らんことには始まらん。今の内にいろいろ教え込まねば。」

 

悟飯「おかあさん、ゆるしてくれるかなぁ?」

 

ラディッツ「心配するな。俺も説得する。それではお前の家に案内してくれ。頼んだぞ悟飯! 」

 

悟飯「うん! おじちゃん!」

 

バシュウウウ

 

 

 

 

 

―――悟空の家―――

 

チチ「そういうことならかまわねぇべ。悟飯ちゃん、しっかり勉強してくるだよ。」

 

悟飯「うん! 分かった!」

 

ラディッツ「すまんな。突然押し掛けたあげく無理を言って。」

 

チチ「気にしねぇでけろ。悟空さのお兄さんが悟飯ちゃんの将来の為にわざわざ骨を折ってくれるつーんだから、むしろ感謝してるくらいだ。」

 

ラディッツ「任せてくれ。こいつが立派な農学者になれるよう、しっかりと教える。」

 

チチ「よろしく頼むだ。それにしても、悟空さのお兄さんがこんなに働き者だとはビックリしただ。」

 

ラディッツ「そんな風に言うということは、あいつめ、働いてないのか?」

 

チチ「んだ! 悟空さったら働かねぇで修行ばっかして、本当に困った人だべ! 」

 

ラディッツ「そうか・・・あいつめ、本当にしょうがない奴だ。だが安心しろ。少し強引ではあるが働かざるをえない状況に追い込んでおいた。これを切っ掛けにサイヤ人の本能を思い出し、働き者になることだろう。」

 

チチ「そうなら良いんだけんど・・・」

 

ラディッツ「これでダメなら惑星べジータに連絡して指導員を呼ばねばならんだろう。或いは惑星べジータに連れていくか・・・」

 

チチ「流石にそれは嫌だべ。」

 

ラディッツ「まぁ、これはもしもの時の話だ。あいつもエリートの血を引く者。必ずややり遂げるだろう!」

 

チチ「んだな! 妻であるオラが信じねぇでどうするだ! 悟空さなら大丈夫だ!」グッ

 

悟飯「うん! お父さんならできるよ!」グッ

 

ラディッツ「(ふふっ。カカロットよ。良い家族を持ったな。家族の為にも頑張るのだぞ。)」

 

 

 

 

 

―――とある台地―――

 

一週間後

 

ピピピピッ

 

ラディッツ「むっ? この反応は・・・」

 

ギュウウウウウ・・・キキッ

 

悟空「ラディッツ!」

 

ピッコロ「この前の借りを返させてもらうぞ!」

 

ラディッツ「カカロットとこの前のナメック星人か。その様子では、畑は作らなかったようだな・・・」

 

悟空「それより強くなってオメェを倒した方が早ぇかんな!」

 

ピッコロ「神の奴の力を借りるのは癪だったが、おかげで大幅にパワーアップできたぜ!」

 

ラディッツ「そうか・・・カカロットよ、何故その選択をした? 力の差は歴然。貴様らが勝つ確率は1%もないのだぞ?」

 

悟空「ゼロじゃねぇならやる価値はある! それになにより・・・」

 

ラディッツ「なにより?」

 

悟空「オラ、働きたくねぇ! ぜってぇに働きたくねぇ!!」ドーン!!

 

ラディッツ「・・・」

 

ピッコロ「・・・」

 

悟飯「・・・」

 

ヒュ~・・・

 

悟空「さぁ、勝負だラディッツ! オメェを倒して悟飯は連れて帰る!」グッ

 

ラディッツ「カカロット、貴様・・・」ギリッ

 

悟飯「待ってくださいおじさん。ここは僕に任せてください。」

 

ラディッツ「悟飯!?・・・分かった。任せたぞ。」

 

悟飯「はいっ!」

 

ザッ

 

悟飯「お父さん・・・」

 

悟空「ご、悟飯!? オメェ、なんで?」

 

悟飯「お父さん、僕は怒ってるんだよ? お父さんはいつもそうだ。修行ばっかりでお母さんを困らせてばかり。そして、僕が宇宙に連れていかれるかもしれないのにおじさんが言ったことをしないでまた修行・・・もううんざりだ。」

 

悟空「い、いや、オラはオラなりに考えてだなぁ・・・」アセアセ

 

悟飯「だから、お父さんに見せてあげるよ。僕がおじさんから教えてもらった農業の力を!」ゴッ

 

悟空「の、農業!?」

 

悟飯「行くよ! ハッ!」バッ

 

バギィィィィィィィンッ

 

悟空「重てぇ!?」ズザザザァ

 

悟飯「まだまだぁ!」シュッ

 

ドドドドドドドドッ

 

悟空「う、く、のわぁ!?」バシバシバシバシバシッ

 

悟飯「足元がお留守ですよ!」ガッ

 

悟空「んなぁ!?」ガクッ

 

悟飯「今だ! ダブルサンデー!!」ポヒュゥゥン!!

 

悟空「うわー!?」

 

ドカァァァン!!

 

ピッコロ「そんな馬鹿な!? 神の元で修行した孫が、あんな餓鬼に!?」

 

ラディッツ「見たか。これが農耕民族サイヤ人の真の力だ。サイヤ人は農業力が高まると同時に戦闘力も上昇していく。これは過酷な開拓地で生き延びるために備わった特性だ。そして、勤勉な地球人との混血である悟飯は俺の教えを受け、たった一週間で農業力を1万まで上げた。」

 

ピッコロ「なら、あいつの今の戦闘力は・・・」

 

ラディッツ「悟飯の戦闘力は2万。カカロットのおよそ10倍だ。」ドン!

 

ピッコロ「なん・だと!?」

 

ラディッツ「素晴らしい才能だろう? そら、話をしているうちに決着が着きそうだ。」

 

悟飯「ハァー!! ウィークエンド!!」ギュオオオオンッ!!!

 

悟空「かーめーはーめー波ー!!!」ズドオオオオウッ!!

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

モクモクモク

 

悟飯「ハァハァ・・・お父さん・・・」

 

悟空「ヘヘっ・・・すげぇな、悟飯・・・オラの、負けだ・・・」ドサッ

 

悟飯「お父さん!?」ダッ

 

ラディッツ「安心しろ。気絶しただけだ。」

 

ピッコロ「まさかこんな事になるとは・・・」

 

ラディッツ「さて、おまえはどうするナメック星人?」

 

ピッコロ「くっ・・・。分かった。貴様に従おう。」

 

ラディッツ「賢い選択だ。」

 

・・・・・・・・・・・

 

悟空「ん・・・あれ? オラは・・・」ムクリ

 

悟飯「お父さん!」ギュッ

 

悟空「ああ、そっか。オラ、悟飯に負けたんだな・・・」

 

ラディッツ「どうだカカロットよ。貴様の息子の、そして農業の力は?」

 

悟空「ああ、ビックリした。修行してたオラよりも農業やってた悟飯の方がずっと強くなってたんだかんな・・・農業ってすげぇんだな・・・」

 

ラディッツ「ようやく分かってくれたのだな、カカロットよ。そうだ、サイヤ人にとって農業こそ至高の修練であり職業。これを極めればお前の望みも叶える事ができるだろう。」

 

悟空「ホントか?」

 

ラディッツ「ああ本当だとも。お前は俺の弟で悟飯の父親だ。忘れてしまっているだけでそのポテンシャルは計り知れん。それに開拓地では強敵と出会う事が多々あるからな。そういった奴らと闘う事もできるだろう。」

 

悟空「そっか・・・分かった! オラ、農民になっぞ!! だからオラに農業を教えてくれ! 兄ちゃん!!」

 

ラディッツ「!? ふっふっふっ・・・それでこそ我が弟だ! いいだろう! カカロット! 貴様を宇宙一の農民に育て上げてやる! 俺について来いっ!!」

 

悟空「ひゃー!! オラ、わくわくしてきたぞ! いっちょ農業やってみっかー!!」

 

 

 

―こうして悟空は無職を脱し、農民への第一歩を踏み出した。これから彼には多くの困難が待ち受けているが、それはまた別のお話―

 

 

 

悟飯「あ、ダメですよピッコロさん! ここはこうやってしっかり結ばないと支柱が倒れちゃいます。キュウリは弦が伸びて上へ上ヘと成長していきますから、支柱はしっかり立てないと!」

 

ピッコロ「そ、そうなのか、気を付ける・・・これでどうだ?」ギュッギュッ

 

悟飯「はい、大丈夫です。次はネットを張りますからそちらを持っててください。」

 

ピッコロ「何故俺がこんな事を・・・」

 

悟飯「ピッコロさん!!」

 

ピッコロ「わ、分かった! 今やる!」ダッ

 

 

 

 

 

つづく




この世界のサイヤ人は滅ぼされておらず、元気に農地開拓しています。


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べジータ「地球へ向かうぞ!」ナッパ「カカロットを指導するんだな?」

 

ベジータ「ああ、カカロットの奴、不慮の事故で農業力を失ったらしいからな。」

 

ナッパ「マジかよ!? 生まれつきあれだけの農業力を持ってたってのに残念だぜ。」

 

ベジータ「バーダックとギネの二人も残念がってたぜ。本当なら自分達が行きたかったようだが、今は惑星ミートの開拓で手が離せないようなんでな。代わりに俺達が行く。」

 

ナッパ「へっへっへっ。サイヤ人の王子直々に指導たぁ、カカロットの奴運が良いぜ。」

 

ベジータ「それに地球で作った息子がとんでもない資質の持ち主の様だからな。二人まとめてスーパー農民にしてやるぜ!」

 

???「おや? ベジータさんとナッパさんではないですか。」

 

ベジータ「! これはフリーザ様。いらしていたのですか。」

 

フリーザ「ええ。今日は新たに開拓していただく惑星についてベジータ王と打ち合わせがあるんですよ。今度の惑星はギニュー特選隊に酪農専用の星にして貰おうと思いましてね。」

 

ベジータ「そうでしたか。今度の惑星も完璧に開拓してみせますよ!」グッ

 

フリーザ「ほっほっほっ。頼もしいですねぇ。サイヤ人がツフル人を滅ぼした時はどうなる事かと思いましたが、貴方達を信じて正解でした。」

 

ベジータ「当然です! 遺伝子組み換えに食品偽装!更に食中毒を起こした挙句、食い物を粗末に扱うような連中はこの宇宙に必要ありません! サイヤ人こそ宇宙の農業を支える選ばれし民族! まさに農民です!」ドン!

 

ナッパ「懐かしいぜ。あの時は丁度満月だったからサイヤ人総出で大猿になって、惑星プラント全土を一瞬で耕作地に変えちまったからな!」

 

ベジータ「ああ、その上、親父とバーダックはブチ切れ過ぎてスーパーサイヤ人になっちまったくらいだ。ツフル王はションベン垂らしながら命乞いしたらしい。」

 

フリーザ「そして全員仲良く畑の肥しですか。本当にいい気味ですよ。彼らの所為で私の商売も大打撃を受けてしまいましたからね。危うく大赤字になるところでした。」ギリッ

 

ベジータ「しかし、それをすぐに立て直したのですから、流石〝宇宙貿易の帝王″フリーザ様としか言いようがありません。」

 

フリーザ「ほっほっほっ! いえいえ、これも貴方達サイヤ人の〝最野菜″のおかげですよ。これが無ければあんなに早く立て直す事は出来なかったでしょう。」

 

ベジータ「そう言っていただいて光栄です。」ペコリ

 

フリーザ「本当に感謝していますよ。商売の事もそうですが、最野菜のおかげで息子のクリーザの野菜嫌いも治りました。今では野菜が主食といっても良いほど食べてるんですよ。」

 

ナッパ「へっへっへっ! そいつぁ農家冥利に尽きるってもんですぜ!」

 

フリーザ「まぁ、それは私も同じなのですがね。それに兄のクウラも最野菜のほうれんそうが大好物で毎日そればかり食べて、遂にはメタルクウラになってしまったくらいです。まったく我が兄ながら呆れたモノです。」ホッホッホッ

 

ベジータ「最野菜のほうれんそうは鉄分がたっぷりですからね!」ドヤッ

 

フリーザ「だからといってメタル化するほど食べるものでもないでしょう? まぁ、それで大幅に戦闘力を上げた様ですから試してみたくもありますが。」

 

ベジータ「それでしたら、スーパーサイヤ人が丹精込めて育て上げた〝伝説のスーパー最野菜″などいかがでしょう?」

 

フリーザ「ほぅ! 〝伝説のスーパー最野菜″ですか。興味深いですねぇ。」ワクワク

 

ベジータ「こいつはスーパーサイヤ人が手塩にかけて育てた最野菜の中でも1億分の1の確率でしかできない栄養満点の黄金に輝く究極の最野菜なんです!」バーン!

 

フリーザ「でもお高いんでしょう?」

 

ナッパ「通常1つ惑星1つ分の値段のところ! 今回は超お得意様であるフリーザ様の為に特別価格!」バッ

 

ベジータ「1億宇宙ゼニーの大特価でお売りいたします!!」ドドン!

 

フリーザ「買ったぁ!!」ダン!

 

ベジッパ「「ありがとうございまーす!!」」ペコリ

 

フリーザ「支払いはクレジットカードで頼むよ。5回払いだ」スッ

 

ナッパ「一括じゃないんですかいw」

 

フリーザ「これは個人的な買い物ですからねぇ。月の小遣いを考えるとこれが精一杯です。」

 

ベジータ「宇宙貿易の帝王も奥さんには敵いませんか。」

 

フリーザ「これも妻帯者の宿命ですからね。」ヤレヤレ

 

ナッパ「たしかにw」

 

ベジータ「それではフリーザ様。こちらが伝説のスーパー最野菜でございます。熱を加えると栄養素が失われてしまいますのでそのままお食べください。」ドシン

 

フリーザ「なんと大きな黄金のカブでしょう!? これは非常に食欲がそそられない見た目ですが、最野菜がおいしくないはずがない! さっそく頂きましょう!」ヒョイ

 

シャクリ・・・シャクシャク・・・

 

フリーザ「・・・」ピタッ

 

ベジータ「フリーザ様?」

 

ナッパ「どうしました?」

 

フリーザ「うーまーいーぞーーーーーーーー!!!!!!!」ゴッ

 

ベジータ「ぐおぉぉぉ!?」ズザザザ!

 

ナッパ「うぐっ!!」ドガン!!

 

ドドドドドドドドドドドドド!!

 

ゴールデンフリーザ「素晴らしい。なんという旨味。なんという栄養。私の全細胞が歓喜に打ち震えているっ! これが伝説のスーパー最野菜。これほど美味い物がこの世にあったとは・・・。感謝しますよベジータさん。おかげで私は新たなステージに立つ事ができました。」シュインシュインシュインシュイン…

 

ベジータ「そ、それはよかったです・・・」ゼェゼェ

 

ナッパ「」壁にめりこみ

 

ゴルフリ「それではベジータ王のところに行くとしましょうか! 進化した私の経営力を見せて差し上げましょう!! 私の経営力は53兆です!! ほーーーーーほっほっほっほっほっほっほっ・・・」

 

バシュウウウウウウウ・・・!!!

 

ベジータ「・・・地球に行くか。」

 

ナッパ「」ピクピク

 

 

 

 

 

 

―――地球 東の都近郊―――

 

ゴォオオオオオオ!!・・・ズドン!!・・・プシュー

 

ベジータ「ようやく着いたか。ここが地球。なかなか良い星だ。開拓し甲斐がある。」ゴキゴキ

 

ナッパ「そうだなベジータ!」クン!

 

ズァオ!!!

 

東の都の住人A「うぎゃーーーー!!! 都の地面が一面菜っ葉畑に!?」アタフタ

 

東の都の住人B「一体何が起こっているんだ!? 天変地異の前触れか!?」アタフタ

 

東の都の住人C「あら~。食費が浮くわ~。」ヌキヌキ

 

ザワザワ・・・

 

ベジータ「おいナッパ! 新しい星に着く度にクンする癖を治せと言ってるだろう!」

 

ナッパ「すまねぇベジータ。新しい星に来ると気分が高揚しちまってな。ついやっちまったぜ。」テヘペロ

 

ベジータ「まぁ、気持ちは分からんでもないがな。だが、人が住んでる場所でやるのは止めろよ。今度やったらナノハに言い付けるからな!」

 

ナッパ「そ、それだけは勘弁してくれ! かあちゃんの収束エネルギー砲は死ぬほど痛ぇんだ!!」ガクガク

 

ベジータ「死ぬほど痛いだけで死なんのだから問題ないだろう?」

 

ピピピピッ

 

ベジータ「ん? 農業力の高い連中がまとまっている場所があるな。ラディッツ達か。」

 

ナッパ「みてぇだな。おし! さっそく行くとしようぜ!」

 

ベジータ「ああ。この星の農民の実力を見せてもらうとしよう。」

 

バシュウウウ

 

 

 

 

 

―――パオズ農場―――

 

悟空「かーめーはーめー波ー!!」ズドオオオオウッ!!

 

ラディッツ「いいぞカカロット! 見事な畝だ! だがこれで満足するんじゃないぞ! 真の農家は一撃で100ヘクタールの畑を耕す。今のは精々1ヘクタールだ!」

 

悟空「くそー! やっぱ農業は難しいぞ! けど、どんどん強くなってる実感がある! やっぱ農業ってスゲーな!!(農業力1万)」

 

ピッコロ「ちっ! こっちはまだ畝を作るので精いっぱいだってのに孫の野郎、どんどん腕を上げやがる! ぜったいに負けんぞ!(農業力6000)」

 

悟飯「大丈夫ですよピッコロさん! 畝ができるようになれば後は範囲を広めるだけです! すぐにヤムチャさんみたいに自由自在に畑を作れるようになりますよ!(農業力5万)」

 

クリリン「いや~、あれはもう次元が違うだろ。(農業力4500)」ヒクヒク

 

天津飯「流石はエリート農民と言ったところか。くっ、くくく・・・(農業力3000)」ピクピク

 

チャオズ「ヤムチャ、おまえがナンバーワンだ! ぷくくくっ!(農業力2500)」プルプル

 

ヤムチャ「うるせー! 畑の肥しにすんぞ!!(農業力20万)」ズガガガガガガッ

 

悟空「ひゃー! すげぇなヤムチャ! 操気弾でどんどん畑ができてくぞ! オラも負けてらんねぇな!」

 

ラディッツ「やはり俺の目に狂いはなかった。本気で一族入りを検討せんとな・・・むっ! この強大な農気は!?」

 

ギュウウウウウ・・・スタッ スタッ

 

ベジータ「ふっ、久しいなラディッツ。そいつがカカロットか。」デコッ

 

ナッパ「バーダックの奴にそっくりじゃねぇか! そんでそっちのちっこいのが息子か!」ツルン

 

ラディッツ「そのとおりだ。カカロット、悟飯。この二人はベジータとナッパ。ベジータはサイヤ人の王子でナッパはその指導役を務めた程の人物だ。今回はお前達の為に来てもらった。」

 

悟空「ひゃー! たしかにすんげぇでっけぇ農気持ってんな! オッス! オラ悟空! よろしく頼むぜベジータにナッパ!」

 

悟飯「よろしくお願いします!!」ペコリ

 

ナッパ「ほう。聞いてたより随分マシじゃねぇか。これなら思ってより楽そうだな。」ピピピピッ

 

ベジータ「ふん、どうだかな。 息子の方は兎も角カカロットの方は1年で元の農業力に戻った程度だぞ? これでは先が思いやられる。」

 

ラディッツ「そう言ってくれるな。カカロットは去年まで武術一辺倒だったのだ。基礎の基礎から教えてきてようやく本格的な指導を始めたところなんだ。熱意とやる気は十分ある。ここから急成長することだろう!」

 

ナッパ「そいつが身内びいきじゃなけりゃいいがな。」

 

ベジータ「まぁ、この俺の特別指導プログラム〝ベジータ様のお野菜地獄″を受ければ嫌でも農業力が上がる。あとは最後までついてこられるかだ。」

 

ナッパ「カカロット達とナメック星人はともかく、地球人がついてこられるか見ものだぜ!」

 

クリリン「ちょっ!? 俺達も受けるんですか!?」ギョッ

 

ベジータ「当然だろう? 貴様らはこの農場の従業員なんだ。このプログラムを受ける義務がある。」

 

ヤムチャ「ちなみに拒否権は?」

 

ナッパ「あるわきゃねぇだろう! まぁ、おまえほどの農民にゃ簡単すぎてあくびが出ちまうかもしんねぇけどな! 通過儀礼だと思って我慢してくれや。」

 

ベジータ「そうだな。地球最高の農夫ヤムチャ。貴様の勇名は惑星ベジータまで轟いている。俺の父であるベジータ王も一族に迎え入れようと親族の中からお前にピッタリの娘を選んでいるところだ。貴様には期待しているぞ!」グッ

 

ラディッツ「なんと! もうそこまで話が進んでいたのか! よかったじゃないかヤムチャ!」

 

悟空「おー! ヤムチャおめーブルマに振られたばっかだから丁度よかったじゃねぇか!」

 

天津飯「祝福するぞ・・・地球最高の農夫ヤムチャ・・・」ピクピク

 

チャオズ「結婚式には呼んでね! 地球最高の農夫ヤムチャ!」プルプル

 

ピッコロ「雌雄がある種族は面倒だな。」

 

ヤムチャ「だー!! てめぇら全員堆肥に混ぜて熟成させてやらぁー!!」ゴォ!!

 

シュン!

 

サイバイマン「足元がお留守ですよ?」ガッ

 

ヤムチャ「ぐえ!?」ガクン

 

サイバイマン「ヤムチャしやがって・・・」ダキッ

 

ヤムチャ「ちょ!? おまっ!?」ジタバタ

 

サイバイマン「さよなら天さん」ウルッ

 

天津飯「さ、サイバイマーン!?」

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

ヤムチャ「」プスプス

 

チャオズ「ヤムチャはパオズ農場の中で最弱。」ペッ

 

ピッコロ「サイバイマンごときにやられるとは我らの面汚しよ。」ケッ

 

天津飯「くっ!サイバイマンっ! 馬鹿な事をっ」グズッ

 

クリリン「いや!? ヤムチャさんの心配しましょうよ!?」ビシッ

 

ベジータ「心配するな。ヤムチャよ、これを食え。」グイッ

 

ポリポリ・・・パァァァァッ!!

 

ヤムチャ「はぁー・・・これは良い物だ。」ムクリ

 

クリリン「ヤムチャさんよかったー! ってあれ? ベジータさん、仙豆持ってたんですか?」

 

ベジータ「仙豆? いや、今のは大豆だ。サイヤ人が育てた大豆には超回復効果がある!」ドン!

 

ヤムリン「「なん・だと!?」」

 

ナッパ「流石最野菜だよな!」グッ!

 

ラディッツ「ああ! 開拓には欠かせない作物だ!」グッ!

 

悟空「ひゃー! 最野菜ってすげぇな! オラも早く作れるようになりてぇぞ!」ワクワク

 

悟飯「サイヤ人の持つ農気が作用しているのでしょうか? これが解明できれば多くの人々を助ける事ができます。」メモメモ

 

ワイワイガヤガヤ

 

ヤムリン「「・・・・・・サイヤ人って怖い」」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

半年後

 

悟空「おりゃー!!かめはめ波ー!!(農業力50万)」ズドオオオオウッ!!

 

ピッコロ「負けるかぁ! 魔貫光殺砲ー!!(農業力35万)」ギャルルルルル!!

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

クリリン「おーおーやってるやってる。ベジータの訓練と界王星での実習は全員クリアしたけど、もう俺達じゃ足元にも及ばないなぁ・・・(農業力2万)」←太陽拳で日照不足を補いながら気円斬で草刈り中

 

天津飯「仕方ないだろう。あいつ等は農耕民族だ。地球人の俺達とは身体の作りが違う。(農業力1万3000)」←同じく太陽拳で日照不足を補いつつ、四妖拳しながら四身の拳して収穫中

 

チャオズ「でも収穫とかはボク達の方が上!(農業力8000)」←太陽拳以下略しながら超能力で出荷用に箱詰め作業中

 

ナッパ「収穫で作物を傷つける訳にはいかねぇからな。畑作るみたいにゃできねぇのさ。だから普段はサイバイマンにやらせてんだ。」←太陽拳以下略しながらサイバイマンの種を採っている

 

サイバイマン「あっあっあっあっ」クチュクチュ

 

クリリン「あー・・・確かにサイヤ人の人達って細かい作業とか苦手そうですよね。」シュバババババッ

 

ナッパ「それと頭を使う事とかもな! だからそういうのはフリーザ様のとこに頼んでんだ。」

 

ベジータ「まぁ、いつまでもそれではダメだから少しずつ改革していくつもりだがな。差し当たってラディッツに経営について学ばせるつもりだ。」ヌッ

 

天津飯「帰ったのかベジータ。ブルマとのデートはどうだった?」ニヤニヤ

 

ベジータ「だ、誰がデートなんぞするか! あいつに会っているのはホイポイカプセルの技術を得る為の交渉と経営について学ぶためだ!!」アタフタ

 

クリリン「はいはいツンデレツンデレ。それにしてもラディッツに経営を学ばせるって意外だなぁ。あいつってそんなに頭良かったっけ?」

 

悟飯「僕に勉強を教えてくれるくらいには良いですよ? この間も化合物の化学式について教えてくれました。(農業力20万)」ヌッ

 

ナッパ「おっ! 今日はこっちに来たのか! 勉強との両立なんてすげぇ奴だな。とてもカカロットの息子とは思えねぇぜ!」ガハハハハッ

 

クリリン「よく考えれば悟飯はまだ5歳ですからね・・・この歳で研究までやってるんですから末恐ろしいですよ。」

 

悟飯「研究なんてそんな! 僕はただ、農気が野菜に及ぼす影響をしらべてるだけですよぅ!!」フルフル

 

天津飯「論文まで書いておいてそれは無いだろ。」ビシッ

 

ザッザッザッ

 

ラディッツ「二人とも畑を耕すのは完璧だ。次はそれと同時に作付もできるようになれ。これができれば一人前の農民と言っても良い。」

 

悟空「ひゃー! まだまだ強くなれんのか! オラ、ワクワクが止まんねぇぞ!!」

 

ピッコロ「孫! 次こそは俺が先に習得するぞ! 何時までも自分が上だと思うなよ!」

 

悟空「オラだって負けねぇぞピッコロ! どっちが先に出来るようになるか競争だ!」

 

ワイノワイノ

 

チャオズ「あ! ラディッツ達、来た!」

 

クリリン「お! それじゃあ休憩にするか! ヤムチャさーん! そろそろ休憩にしましょうよー!!」ブンブン

 

 

ヤムチャ「・・・」スッ

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

ヤムチャ「真・農家風風拳!!」カッ!

 

シュババババババババッ・・・ドサドサドサドサドサ・・・

 

ヤムチャ「ふぅ」

 

 

クリリン「すげぇ・・・ヤムチャさん、一瞬でトマトの収穫を終わらせちまった・・・」ゴクリ

 

天津飯「しかもあの一瞬で丁度出荷できる状態のトマトだけを選んで収穫してやがるっ」タラリ

 

ラディッツ「最早奴の農業力は俺を凌駕している・・・恐るべき漢だ!(農業力80万)」←ベジータブートキャンプを一緒に受けた

 

 

ヤムチャ「・・・ああ、何て清々しいんだ! 土の香りに包まれながら作物達と戯れる・・・農業って本当に素晴らしい!(農業力100万)」キラキラ

 

 

ピッコロ「おい、あいつどうしたんだ? ついこの間まで農業嫌がってたのに今じゃ嬉々としてやりやがる。正直気持ち悪いぞ。」

 

ベジータ「ああそれは、洗脳・・・もとい教育の成果だ。先週一週間サイヤ人の農業論をイヤホンで延々と聞かせ続けたからな! 今では立派な超農民だ!」

 

クリリン「ヤムチャさん・・・農業力が高いばっかりにっ・・・憐れ過ぎる・・・」グスッ

 

ヤムチャ「おや! みんな休憩かい! 僕も丁度収穫を終わらせたところだよ!」サワヤカ~

 

チャオズ「キモイ! ヤムチャ、あっちいけ!」ゾワゾワ

 

悟空「ひゃー! ヤムチャすっげぇうぜぇぞ! オラ、イライラしてきたぞ!」ピキピキ

 

天津飯「その鬱陶しい髪の毛ひっこ抜くぞ!」ボキボキッ

 

クリリン「すみません、フォローできません。」

 

ヤムチャ「おやおや皆つれないな。しょうがない。僕は重力室で感謝のクワ振り10000回をしてくるとしよう。今日はまだやって無かったからね! はっはっはっ!」キラキラキラ…

 

ナッパ「・・・ベジータ。やり過ぎたんじゃねぇか?」

 

ベジータ「そうだな。今夜あたり調整しておこう。」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

数週間後

 

―――カプセルコーポレーション―――

 

ベジータ「全員良く集まってくれた。」

 

ラディッツ「どうしたというのだベジータ? とうとうブルマとの婚約発表か?」

 

ナッパ「そいつは目出度ぇな! あのムッツリベジータがようやく結婚か!」

 

悟飯「おめでとうございます!」

 

ベジータ「だだだだだだだ誰があんな農業力の低い女と結婚なんぞするか! あいつとはビジネスライクの関係だと何度も言ってるだろうがっ!!」キョドキョド

 

天津飯「ほう? その割には腕を組んだりキスしたりしているようだが・・・」

 

ベジータ「ダニィ!? 貴様っ、何故それを知っている!?」バンッ!

 

天津飯「別に知らん。だがマヌケは見つかったようだな。」ニヤッ

 

ベジータ「はっ!?」(・д・ = ・д・)キョロキョロ

 

ヤムチャ除く一同「「「ニヤニヤニヤ」」」

 

ベジータ「・・・消えて無くなれー!!」キュイーーン…

 

ラディッツ「待てベジータ!? 俺達が悪かったから落ち着いてくれ!?」ガシッ

 

ナッパ「もうからかわねぇからギャリック砲は勘弁してくれ!?」アセアセ

 

ヤムチャ「それより早く話を続けてくれよ。ブルマの話は地味にダメージを受ける・・・。」ズーン

 

天ナッツ「「「すまんかった。」」」

 

クリリン「あはは・・・。それでどうしたんだよベジータ? 突然呼びだしたりなんかして。」

 

ベジータ「・・・ああ、それが惑星ベジータから連絡があってな。フリーザ様がナメック星に向かわれるそうだ。」

 

ピッコロ「ナメック星だと? 異常気象で滅んだんじゃなかったのか?」

 

ベジータ「どうやら少数だが生き残っている連中が居た様でな。土壌や水質を改善しながら細々と暮らしているらしい。」

 

ラディッツ「フリーザ様はそんなところに何をしに行くというのだ? サイヤ人なら兎も角フリーザ様が行く理由が無いだろう?」

 

ベジータ「これを聞いたときは俺も耳を疑ったが、あのドラゴンボールの存在がナメック星で確認されたらしい。」

 

ナッパ「な!? それは本当か!? だったら俺達も急いで行かねぇと!!」バン!

 

悟空「ドラゴンボール? それなら地球にもあんだろ?」キョトン

 

ラディッツ「馬鹿者! ナメック星のドラゴンボールに比べれば地球のドラゴンボールなんぞ唯の石ころだ!!」

 

クリリン「そんなに凄いモノなのか!!」ギョッ

 

天津飯「フリーザはそれで何を望むというんだ!?」

 

ベジータ「決まっているだろう! 不老長寿だ!!」バン!

 

ヤムチャ「な、なんだってーーー!?」

 

クリリン「(不老不死の間違いじゃないのか?)」

 

悟飯「(フリーザさんは健康志向なのかな?)」

 

ベジータ「そういうわけで、すぐにナメック星に向かう必要がある。そこでせっかくだからお前達も一緒に連れていこうと思ってな。」

 

ラディッツ「なら俺とカカロット、悟飯は決まりだな。ドラゴンボールも気になるが、ナメック星の土壌と水質の改善方法を学びたいからな。」

 

悟飯「環境汚染は地球でも問題になっていますからね。しっかり勉強してきましょう!」

 

悟空「オラはナメック星の食い物が気になるぞ! どんなものがあるのか楽しみだ!」

 

ピッコロ「俺も行くぞ。故郷がどんな場所か興味がある。それとナメック星人の農法にもな。」

 

ナッパ「それじゃあ俺は残るか。ドラゴンボールは気になるが、収穫がまだ終わってねぇからな。」

 

天津飯「それなら俺とチャオズも残ろう。収穫なら皆より上手くできる。」

 

チャオズ「そうだね天さん!」

 

ヤムチャ「あ、だったら俺も居残りで・・・」

 

ベジータ「当然ヤムチャは一緒に行くぞ。お前はナメック星で更なる進化を遂げることだろう!」

 

ヤムチャ「そんな事だろうと思ったよ!!」

 

クリリン「あははは・・・。頑張ってくださいねヤムチャさん。俺は稲刈りの準備がありますから・・・」ソソクサ

 

ヤムチャ「そんなこと言うなよ大親友のクリリンくん。俺と一緒にナメック産の作物の採種と洒落込もうぜ!」ガシッ

 

クリリン「離してくださいヤムチャさん! 俺は稲穂をスズメ達から守らないといけないんです!!」ジタバタ

 

ヤムチャ「そんなのサイバイマンにやらせればいいだろ!! お前だけは絶対に道連れだー!!」グイグイ

 

ギャーギャー

 

ベジータ「それじゃあ明日の朝、ここに集合だ。ナメック星にはブリーフ博士が作ってくれた宇宙船で向かう。寝坊するんじゃないぞ?」

 

ナメック組一同「「「了解!!」」」

 

 

 

―こうして悟空達は地球を飛び出し宇宙の遥か遠くナメック星へと向かう事になった。ナメック星の農業技術とは?そしてナメック星のドラゴンボールとは? 胸に期待を膨らませ、彼らの冒険が始まる―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「もうすぐだ・・・もうすぐ俺の願いが叶う! ナメック星のドラゴンボールさえあれば、俺は嘗ての力を取り戻す事ができる! その為にも貴様の働きには期待しているぞ?」

 

???「くっくっくっ。任せてくれよ旦那。だが、そいつが手に入ったらナメック星を好きにしていいんだよな?」

 

???「ああ、ドラゴンボールさえ手に入ればあんな星に用は無い。貴様の好きにしろ。」

 

???「そうさせてもらうぜ。あんたにとっては価値は無くても俺にとっては大事な資源だ・・・あぁ、楽しみだなぁ。早く真っ赤な果実を食いたいぜ・・・。」ジュルリ

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ紹介

コルド・・・冷凍加工食品会社の最大手「コルド食品」の会長
経営を部下に任せ、孫のクリーザとほのぼのと暮らしている

クウラ・・・宅配会社「クウラ宅急便」の社長。
メタルクウラになったことで分身できるようになり、実質無給の人員が大幅に増えた為、配達範囲を全宇宙に広め、輸送費の削減にも成功した。

ナノハ・・・ナッパの妻
野菜泥棒絶対に許さないウーマンで相手が良い子になるまで絶対死なない収束エネルギー砲をブッパしまくる。


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ゴールデンフリーザ「さぁ、行きますよ!! ビューティーザーボンさん!スリムアップドドリアさん!」

ビューティーザーボン「はっ! 進路・ナメック星! 宇宙船ギャラクシーフリーザ・発進せよ!!」バッ

 

スリムアップドドリア「野郎共抜かるんじゃねぇぞ! フリーザ様長年の夢が掛かってるんだ! 1秒でも早くナメック星に向かえ!」グッ

 

船員一同「「「「はっ! 全てはフリーザ様の為に!!」」」」

 

ゴールデンフリーザ「ほっほっほっ! 皆さんそんなに慌てなくても構いませんよ。安全運転でお願いします。」

 

Sドドリア「了解です! 野郎共! 宇宙交通法を守りつつ最短ルートで向かえ!!」

 

船員一同「「「「はっ! 全てはフリーザ様の為に!!」」」」

 

Gフリーザ「・・・それにしても、私が言えた事ではないですが、お二人とも随分変わりましたねぇ。」

 

Bザーボン「これも最野菜のおかげです。あれのおかげで肌のハリとツヤがとてもいいんです。それに本来醜かった変身後の姿もこんなに美しくなりました。」キラッ

 

Sドドリア「確かにな。この俺でさえ素直に美しいと思える姿だ。こういうのを傾国っていうんだろうな。」スラッ

 

Bザーボン「ふふっ。ようやく貴様も美しいというモノが理解できるようになったか。まぁ、今の私は美の化身と言っても過言ではないから当然といえば当然だが・・・しかし、貴様も私ほどではないが嘗ての出荷前の豚の様な姿に比べれば十分美しいといえるだろう。その姿なら私の相棒と呼ぶのも吝かではない。」シュバッ

 

Sドドリア「へへっ、まさかおめぇからそんな言葉を聞くとはな・・・確かに昔の俺は食肉用に肥育された豚の様なもんだった。だが俺は最野菜に出会った事で変わった! それまで俺にとって野菜なんぞ食うに値しない雑草も同じだった。でもな、最野菜はそんな俺の常識をぶち壊した! 肉汁をたっぷり吸ったキャベツ! バターで甘く焼いたニンジン! 煮汁が芯まで浸み込んだ大根! 惑星ベジータでの会食の席で最野菜を食わなけりゃ、俺は一生これらの旨さに気づきもしなかっただろうさ!」ドン

 

Gフリーザ「ほっほっほっ! そう言っていただけるとあの時あなたを連れて行った甲斐があるというものです。」

 

Sドドリア「ええ! 本当に感謝してます。おかげで最近息切れもしねぇし、毎朝清々しく起きれるようになりやした!」

 

Bザーボン「やはり最野菜は素晴らしい・・・」ズキュゥゥゥン!

 

Gフリーザ「その通り! 最野菜こそ最高の健康食品と言えるでしょう!・・・とはいえ、流石にナメック星のドラゴンボールには敵いませんけどね。」

 

Bザーボン「そうですね。穏やかで善良なナメック星人のみが神々から作る事を許された奇跡の宝玉。」ズァッ

 

Gフリーザ「その丸く美しい橙色の果肉は栄養満点で滋養強壮効果が有り・・・」

 

Sドドリア「最高7つまでしかできない種は万病の特効薬!」

 

Bザーボン「そして、分厚くも透き通った皮にはデトックスとアンチエイジング効果!」ドギャーン

 

Gフリーザ「それこそが不老長寿の妙薬とも呼ばれる龍瓜ことドラゴンボール!! ナメック星の滅亡と共に失われたと思われていたそれがまさかまだ存在していたとは!! これは是非とも食べなくてはいけません!」

 

Bザーボン「しかし、それだけ貴重な物を渡してくれるでしょうか? ドラゴンボールはフリーザ様が召し上がった伝説のスーパー最野菜よりも遥かにランクの高い作物です。購入するとしたら銀河一つの値段に匹敵するでしょうし、そもそも金銭を必要としないナメック星人が売ってくれるとも思えません。」ドドドドドドド

 

Sドドリア「確かになぁ・・・かと言ってあっちの価値が高すぎて物々交換もできねぇし、無理やり奪うなんてのは以ての外だ。」ウーン

 

Gフリーザ「そうですねぇ・・・まぁ、今回は顔合わせという事にして、ドラゴンボールを一目見る事ができたら良しとしましょう。」

 

Bザーボン「分かりました。では、今回のことを足がかりにしてナメック星人達と良好な関係を築き、いずれドラゴンボールを譲ってもらえるように努力する。その様な方針でよろしいでしょうか?」バーン

 

Gフリーザ「ええ、その様に。そしてドラゴンボールを手に入れた暁には、この船に居る全員で頂くとしましょう。」

 

Sドドリア「マジですかフリーザ様! 流石太っ腹だ!」

 

Gフリーザ「いえいえ。昔のドドリアさんのお腹には負けますよ。」

 

Sドドリア「そりゃあんまりですぜフリーザ様!」

 

一同「「「「ハハハハハハハハハハ!!」」」」ドッ

 

ヒュゥゥゥ・・・カッ!!

 

 

 

 

 

―――ナメック星―――

 

悟空「ひゃー! ここがナメック星かー! 空が緑色だぞ!」キョロキョロ

 

悟飯「多分地球と比べて大気が分厚いのと空気成分が違うからだと思うよ。」

 

ヤムチャ「よくそんなこと分かるな悟飯・・・おっ! 土は結構良いみたいだ! これなら問題無く畑が作れるぜ!」

 

ラディッツ「・・・ほぅ。今水質を調べてみたがそのまま飲んでも問題無いくらい綺麗だ。どうやらナメック星は嘗ての生命力を取り戻したようだな。」チャプチャプ

 

べジータ「ならば安心だな。それじゃあ次はナメック星人を探すとしよう。」

 

ピッコロ「そうだな・・・ここから北に複数の気を感じる。恐らく集落があるだろう。」

 

悟飯「そこにドラゴンボールがあるかもしれないんですね?」

 

ラディッツ「ドラゴンボールの世話はナメック星人でも大変なものらしいからな。育てているとしたら集落の近くだろう。」

 

ヤムチャ「・・・ドラゴンボールを育てるって俺達からすると凄く違和感あるよな。」

 

悟空「ああ。まさかナメック星のドラゴンボールが瓜だとは思わなかったぞ! 食わせてもらえっかなぁ?」ジュルリ

 

べジータ「お前達、無駄話はそこまでにしろ。一刻も早く集落に向かうぞ。」

 

一同「「「「おう!」」」」

 

バシュウウウ

 

 

 

 

 

―――ツーノ村―――

 

ギュウウウウウ・・・スタッ スタスタッ

 

ピッコロ「あれがナメック星人の村か・・・」

 

ヤムチャ「なんか変な形の家だな~。強いて言うならナメクジ?」

 

悟飯「周りに何か植えてあります。ナメック星の野菜でしょうか?」

 

悟空「だったら食ってみてぇなぁ! 宇宙船出る前に食ってきたけど少しだったから腹が減ったぞ!」グ~

 

ゾロゾロ ガヤガヤ

 

ベジータ「ふむ。どうやらあちらもこっちに気付いて出てきたようだな。ラディッツ、ここは貴様が交渉してこい。ブルマのところで多少は勉強してきただろ。」

 

ラディッツ「俺がか!?・・・分かった。これも将来の為だ。やってみよう。」

 

悟飯「おじさん! 頑張ってください!」グッ

 

ラディッツ「ああ、まかせろ! それじゃあピッコロ、お前もついて来い。同じナメック星人が一緒ならあちらも警戒心が薄まるだろう。」

 

ピッコロ「分かった。」

 

ベジータ「まかせたぞ。俺はその間にフリーザ様に連絡をしておく。」ピピピピピッ

 

ザッザッザッザッ

 

ラディッツ「ナメック星人達よ! 俺はサイヤ人のラディッツ! 我々は争う為に来たのではない! 農耕種族と名高き貴方達の農業について学びに来たのだ! それともう一つ! ナメック星の異常気象の折に地球に逃げのびたナメック星人の子孫を連れてきた! どうか我らを村に入れて欲しい!」ドン!

 

ザワザワ

 

ツーノ長老「・・・ナメック星人の方、こちらに来ていただけますか?」

 

ピッコロ「・・・」チラ

 

ラディッツ「・・・」コクン

 

ザッザッザッザッ

 

ツーノ長老「・・・おお! なんと清らかで逞しい心なのでしょう。そして、大地と自然に対する強い愛情! ・・・分かりました。異星からの客人よ。我々は貴方達を歓迎します。」

 

ピッコロ「いいのか?」

 

ツーノ長老「はい。貴方の様に強き善の心を持った方のお友達なのですから、皆さん良い方たちなのでしょう?」ニコリ

 

ピッコロ「ふん。お人よしでおせっかいな連中だ。」プイッ

 

ヤムチャ「おっ! 友達だってのは否定しないのか?」ニヤリ

 

ピッコロ「黙れ! 魔閃光!」ズオ!

 

ヤムチャ「ギャーーーー!!!!!」

 

ドゴオオン!!

 

ラディッツ「ご老人。我々を受け入れていただき感謝します。」ペコリ

 

ツーノ長老「たしかラディッツさんでしたね。そう畏まらずに。私は長老のツーノです。貴方方サイヤ人の事は私も存じ上げております。同じ農耕種族同士仲良くいたしましょう。では、たいしたおもてなしもできませんがこちらへどうぞ。村を案内いたします。」

 

悟空「おう! よろしくなナメック星人のじっちゃん! できればなんか食いもん食わせてくれ! オラさっきから腹がペコペコなんだ!」グ~キュルキュル

 

ラディッツ「やめんか馬鹿者!!」バシッ

 

悟飯「恥ずかしい父ですみません・・・。」ハァ

 

ツーノ長老「ホッホッホッ。かまいませんよ。とはいえ我らナメック星人は普段水しか飲まないので準備には少々時間がかかります。それでもいいのでしたら用意いたしますが?」

 

悟空「頼むぞ! 今ならなんでも美味く食えそうだ!」ドン!

 

ラディッツ「本当にすみません。よろしくお願いします。」ゲシッ

 

・・・・・・・・・・・

 

悟空「ふぅー・・・食った食った! オラもう腹一杯だ!」ポンポン

 

ラディッツ「水のみで生きられる種族と聞いていたがちゃんと料理の文化もあったのだな。」

 

ピッコロ「別に食えない訳ではない。俺もガキの時は魚なんかを取って食っていた。」

 

ツーノ長老「その通り。ナメック星人は水からエネルギーを得ることができますが、食べ物を食べれないわけではありません。とはいえ必ずしも必要というものでもありませんので、あくまで嗜好品といった扱いですが。」

 

ヤムチャ「それにしてはレベルが高いと思うんだが。特にこのアジッサの漬物は一級品だぞ」モグモグ

 

悟飯「確か、これで水質改善をしているんでしたよね?」シャキシャキ

 

ツーノ長老「はい。アジッサには水を浄化する力と土地に活力を与える能力が有ります。しかし、そのままだと浄化の際に溜めこんだ毒素がありますから、このように漬物にして発酵させるのです。こうする事で毒素が分解され食べられるようになります。それにこれは栄養がとても豊富なので体力を消耗した際に栄養食としても食べられています。」

 

ラディッツ「ほう! まさかそのような方法があるとは! 流石は嘗て宇宙一の農科学力を持つ種族と言われただけのことはある!」

 

ツーノ長老「いえいえ、そんな大したことではありませんよ。アジッサを育てるくらいしかやる事がないのでその分時間はたっぷりありましたから。それにアジッサを発酵させて毒素を抜く方法は異常気象以前にもあったそうなのでそれ程難しい事ではありませんでした。もっともそれは家畜の飼料用でしたが。」

 

悟飯「それでもすごいですよ。それになによりアジッサがすごいです! 水をきれいにして土地に活力をあたえるだけじゃなく、栄養がある食べ物にもなる! アジッサはとてもすばらしい作物です!」キラキラ

 

ツーノ長老「ホッホッホッ。そう言っていただけると我々も誇らしく思いますよ。」

 

ベジータ「・・・」ピッピッピッピッピッ

 

悟空「なぁベジータ、さっきから何やってんだ? オメェの分も食っちまったぞ?」シーシー

 

べジータ「フリーザ様と連絡が取れんのだ。もうとっくに到着していてもおかしくないはずなのにな・・・それとカカロット、後で覚えてろよ。食い物の恨みは恐ろしいと思い知らせてやる!」

 

ピピピピピピピピピピッ

 

ベジータ「な!? これは!?」

 

ヤムチャ「どうしたんだ?」

 

ベジータ「ここから東の方角で突如戦闘力10万超えの反応が複数現れた。その反応はそのまま更に東に移動中。その先には3000程度の反応が複数ある。」

 

ツーノ長老「!? その方角には同胞の村があります!」

 

ピッコロ「狙いはその村か・・・10万越えの方がフリーザ達と言う可能性は?」

 

ラディッツ「無いな。フリーザ様達の戦闘力はそんなに低くはない。」

 

ツーノ長老「ではいったい誰が!?」アタフタ

 

ベジータ「・・・嫌な予感がする。ラディッツ、カカロット。俺達3人で向かうぞ。」

 

悟空「おう! 分かった! もし悪い奴だったらぶっとばしてやるぞ!」ゴキッゴキッ

 

ラディッツ「油断するなよ。戦闘力10万とはいえ数が多そうだ。」

 

ヤムチャ「なら俺らはここを守ればいいんだな?」

 

ベジータ「そのとおりだ。この反応の連中が敵だった場合、この村も襲われる恐れがある。長老、できれば安全な場所に避難してもらいたいんだが。」

 

ツーノ長老「それでしたら近くに洞窟があります。そこに村の者達を避難させましょう。」

 

ピッコロ「だったら悟飯も護衛として一緒に行け。俺とヤムチャは村に残り、奴らが来た場合に迎え撃つ。」

 

悟飯「わかりました! ピッコロさん達も気を付けてくださいね!」グッ

 

ヤムチャ「やれやれ、まさかこんなことになるとはな。一体何が狙いなのやら。」ハァ

 

ラディッツ「・・・! そうかドラゴンボール!」ハッ

 

悟空「そういえばオラ達、元々ドラゴンボールを探しに来たんだったな。アジッサの漬物で忘れてたぞ。」

 

ベジータ「なら急がなければ! ドラゴンボールを奪われる訳にはいかない!!」

 

ツーノ長老「それでしたらご安心を。ドラゴンボールは既に収穫して最長老様の下に集められています。あそこはナメック星で一番安全です。」

 

ヤムチャ「そういうことならとりあえず安心か。」ホッ

 

ピッコロ「だが村が襲われる可能性があるのだからのんびりしてられん。すぐにでも行動を起こそう。」

 

ベジータ「そうだな。では俺達は東の村に急行する。お前達も抜かるなよ!!」

 

ピッコロ「そっちこそな!」

 

 

 

 

 

―――ムーリ村―――

 

どどめ色のサイバイマン「ギャギャギャギャー!!」シャッ

 

カルゴ「うわぁーー!?」ギュッ

 

悟空「でぇりゃー!!」

 

ゴキィ

 

どどめ色のサイバイマン「ギャオゥ!?」グシャ

 

悟空「大丈夫か?」

 

カルゴ「あ、ありがとうございます!」

 

デンデ「どなたか存じませんが助かりました。」

 

ラディッツ「坊主共! いいから早く逃げろ! こいつらは俺達が引きうける! ダブルサンデー!!」ポヒュゥゥン!!

 

デンデ「わ、分かりました」ダッ

 

カルゴ「皆さんもお気をつけて!」タッ

 

どどめ色のサイバイマン`S「「「ゲギャギャギャギャ!!」」」ピョンピョン

 

悟空「なんなんだこのサイバイマンは? 気持ち悪ぃ上に凶暴だぞ!!」バキッ

 

ベジータ「こいつらはGMマンだ! サイバイマンを遺伝子組み換えで極限まで戦闘に特化させたツフルの負の遺産! 何故こいつらがこんなところに!!」ブバババババババババッ

 

ラディッツ「GMマンはツフル殲滅時に全て破棄したのではなかったのか!?」ギュオオオオン!!

 

ベジータ「その筈だが・・・!?」バシッ

 

???「ちっ・・・防がれたか。完全に不意打ちだと思ったんだがなぁ。」

 

ラディッツ「誰だ!!」ポヒュゥゥン!!

 

ドオオオオオオオオン!!

 

ターレス「いきなりご挨拶だなぁ。親の顔が見てみたいぜ。」ザッ

 

悟空「な!? オラと同じ顔?」ギョッ

 

ラディッツ「親父・・・な訳ないか。その卑しい面・・・貴様がターレスか!」

 

悟空「ターレス? あいつもサイヤ人なのか?」

 

ベジータ「あいつはサイヤ人であってサイヤ人でない。奴はツフル人が貴様の父バーダックの遺伝子を元に生み出したクローン戦士だ。GMマンと同じように遺伝子操作されていて、農業に欠片も興味を持たず、戦いと殺戮を好む凶暴な男だ。」

 

ターレス「おいおい、俺だって農業に興味はあるんだぜ王子様。今日もこのナメック星で赤い果実を栽培しようとやってきたんだ。」

 

ベジータ「何が農業だ! 貴様が使う神精樹の実は星の生命を吸いつくし死の星へと変える! そんなものは農業とは言わん! 農業とは星との究極のコミュニケーション! つまり星と共に生きるという事だ!!」バッ

 

ターレス「くっくっくっ。そう邪険に扱うなよ。お前らも一度食ってみれば神精樹の実の素晴らしさが分かるはずだぜ?」

 

ラディッツ「誰が死の果実なんか食うものか! ターレス! 貴様はバーダックの息子として俺が殺す!」グッ

 

悟空「よく分かんねぇけど、オメェは悪い奴みてぇだな! いっちょ畑の肥しにしてやっぞ!!」バッ

 

ターレス「おっと、悪いが俺は戦う気はないんでね。GMマン、こいつらの相手は任せたぜ。俺はドラゴンボールの捜索を続ける。」ヒュン

 

GMマン「ギャウ!!」

 

ラディッツ「待ちやがれ!!」ダッ

 

ベジータ「止まれラディッツ!!」

 

GMマン`S「「「「ギャギャギャギャギャギャギャ!!」」」ギューン・・・カッ!

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

ラディッツ「ぐぉ」ドガン!

 

ベジータ「くぅ」ズザザザザ

 

モクモクモク

 

悟空「兄ちゃん! ベジータ! 大丈夫か!?」バッ

 

ベジータ「ああ、問題ない。」

 

ラディッツ「こっちも大丈夫だ・・・すまん、先走っちまった。」ガラッ

 

ベジータ「気にするな。貴様が熱くなるのもしょうがない。」

 

悟空「それでこれからどうすんだ? あのターレスって奴を追うのか?」

 

ベジータ「・・・奴の狙いはドラゴンボールを奪う事と神精樹を育てることだ。両方阻止するのはもちろんだが、神精樹の方が厄介だ。だから俺とラディッツでターレスを追う。カカロット、おまえはピッコロ達と合流して最長老のところでドラゴンボールを守れ。」

 

悟空「分かった。ピッコロ達のところにもGMマンが来っかもしれねぇから急いで向かうぞ。」バシュウウウ

 

ラディッツ「他のナメック星人の村はどうする?」

 

ベジータ「・・・確か、ナメック星人同士はテレパシーでやり取りができたはずだ。この村のナメック星人に事情を話して避難を促そう。」

 

ラディッツ「よし、ならば先程助けたナメック星人が南の方に居るようだ。そこに向かうとしよう。」ピピピッ

 

 

 

 

 

―――ツーノ村―――

 

ヤムチャ「農家風風拳!!」ノォン!

 

GMマン’S「「「ギャーーー!?」」」ザシュザシュザシュッ

 

ピッコロ「戦闘力が低いくせによくやるな!」ガッ

 

ヤムチャ「何時までもサイバイマン如きにやられるヤムチャ様じゃないぜ! 俺の農家風風拳は相手が植物ならなんだって刈り取る!」ノォン!

 

GMマン「アシモトガオルス・・・」

 

ヤムチャ「じゃねぇよ!」ノォン

 

GMマン「ギョエー!!?」ザシュ

 

ヤムチャ「ふっ。感謝のクワ振り10000回で鍛えた足腰は伊達じゃねぇぜ!!」

 

???「ほう・・・GMマンの相手ができる奴がこの星に居たのか。」ザッ

 

ピッコロ「!? ナメック星人? だがなんだこの邪悪な気配は・・・」ゴクリ

 

スラッグ「ふん。この俺をそんな劣等種共と一緒にするんじゃない。俺の名はスラッグ。超越種足る超ナメック星人だ。」ドン

 

ピッコロ「気を付けろヤムチャ。こいつはさっきの奴らが足元にも及ばんほど強いぞ。俺でもまともに戦えるか分からん。」

 

ヤムチャ「な!? それじゃあどうすんだよ!? 」

 

スラッグ「フッフッフッ。どうやら力の差が理解できる程度の実力はあるようだな。どうだ? この俺の部下になるというなら命は助けてやろう。」

 

ピッコロ「冗談ではない! ここで貴様に屈すればナメック星人達の命は無い! 貴様はなんとしてでもここで仕留める!」バッ

 

ヤムチャ「やっぱりそれしかないよなぁ・・・ハァ、まったく地球を征服するとか言ってた奴が随分変わったもんだよな!!」グッ

 

ピッコロ「それは俺が一番驚いてる!」

 

スラッグ「どうやら頭の方は良く無かったようだな。よかろう、貴様らはここで死ね。」

 

ヤムチャ「はぁぁぁぁ!! 狼牙風風拳!!」ウォン

 

スラッグ「遅いわ!」ゴッ

 

ヤムチャ「ぐわぁ!!?」

 

ピッコロ「魔光砲!」パヒュウ…

 

スラッグ「温いわ!」ピッ…ドオオオオオン!!

 

ピッコロ「がっ」

 

スラッグ「弱すぎるわ!!」カッ

 

ズドオオオオオオオオオン!!!!!

 

パラパラパラ

 

ヤムチャ「・・・」ボロッ

 

ピッコロ「・・・」ボロッ

 

スラッグ「ふん。この程度か。」

 

ピーーーーーーーーーー!!!

 

スラッグ「ぐお!? なんだこれは・・・頭が・・・割れるっ!?」グギギギギ

 

ヤムチャ「ぐっ・・・10倍・・・界王拳!!」ダキッ

 

スラッグ「何!? 貴様!?」

 

サイバイマン’S「「「ギャギャギャギャー!!」」」ダキダキダキッ

 

スラッグ「なんだこの力は!? 貴様ら離さんか!?」グググググッ

 

ヤムチャ「ピッコロ! 今だやれーっ!!!」ビキビキビキ

 

ピッコロ「20倍界王拳・・・魔貫光殺砲!!」ギャルルルルル!!

 

スラッグ「ぐっ・・・ぐおおおおおおおお!!」

 

ドサリ

 

悟飯「ピッコロさん!」ヒュン

 

ピッコロ「助かったぞ悟飯。お前が来なければやられていた。」

 

悟飯「でもヤムチャさんが・・・」グスッ

 

ヤムチャ「はぁ~・・・これは良い物だ。」ムクリ

 

ピッコロ「問題無い。最野菜の大豆があるからな。」グッ

 

ヤムチャ「ああ! 最野菜の大豆が無ければ死んでたぜ!」グッ

 

悟飯「よかったですヤムチャさん! やっぱり最野菜ってすごいですね!」

 

サイバイマン’S「「「ギャウギャウ!!」」」

 

ヤムチャ「それはそうと、あいつが気がつく前に止めを刺しちまおうぜ。ナメック星人は頭さえ無事なら再生できるんだろ?」

 

ピッコロ「かなり体力を消耗するがな。よし、では止めを・・・」

 

サイバイマン’S「「「!?ギャギャギャ!!」」」バッ

 

ドオオオオォォォン!!

 

悟飯「え!? サイバイマン!?」

 

ヤムチャ「俺達を庇ってくれたのか!?」

 

ピッコロ「クソッ、もう気がついたのか!?」

 

スラッグ「ぬぅぅぅ!! こんな雑魚共にこの俺が追いつめられるとは!! 許さん! 絶対に許さんぞ!! 」ゴゴゴゴゴゴッ

 

ピッコロ「不味い。かなり消耗しているようだが、奴は本気だ。先ほどまでの油断がない。」タラリ

 

悟飯「たぶん、口笛ももう効かないと思います。」ゴクリ

 

ヤムチャ「じゃあ今度こそどうすんだよ!? あれじゃあ最野菜の大豆がいくらあっても足りないぞ!?」アワワワ

 

スラッグ「・・・ドラゴンボール・・・やはりドラゴンボールが必要だ! ドラゴンボールで若ささえ取り戻せば、貴様らの様な雑魚に煩わされることもない!! 貴様らっ・・・この屈辱は忘れんぞ! 必ず血祭りに上げてくれるっ!!」

 

バシュウウウ

 

ヤムチャ「・・・どうやら命拾いしたみたいだな。」フゥ

 

ピッコロ「ああ。だが奴を放っておく訳にはいかん。奴がドラボンボールを手に入れる前に倒す必要がある。」

 

ヤムチャ「あの爺の状態でさえ物凄い強さなのにドラゴンボールで若返ったらどれだけ強くなる事か・・・考えただけでちびりそうだぜ。」ブルル

 

悟飯「消耗してたし、ベジータさんなら倒せると思うんですけど・・・」

 

ギュウウウウウ・・・スタッ

 

悟空「オメェ達無事か!」

 

悟飯「お父さん! はい! 敵に襲われましたがなんとか撃退しました。」

 

ヤムチャ「まぁ、まぐれで勝てた様なもんだけどな。そっちはどうだった?」

 

悟空「おう、こっちもかなりやべぇことになったぞ! 早く最長老って奴のところに行かねぇと!」

 

ピッコロ「どうやら敵はスラッグだけではないようだな・・・よし、情報を交換しながら長老達のところに向かうぞ。最長老とやらの居場所を聞き出さねば!」

 

 

 

―ナメック星に訪れた最大の危機。ドラゴンボールを狙う悪の超ナメック星人スラッグ。そして、ナメック星を神精樹の糧としようとするGMサイヤ人ターレス。果たして悟空達は二つの悪意からナメック星を守る事ができるのか。ナメック星の存亡をかけた戦いが始まる―

 

 

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

ビューティーザーボン・・・最野菜を食べ続けた事により絶世の美貌を手に入れた。
あまりに美しいその姿は性別を持たない種族さえ魅了し、どんなに難しい取引も成立させるスゴ腕営業マン。

スリムアップドドリア・・・最野菜を食べ続けた事により結果にコミットした。
体重は大幅に減ったが持ち前のパワーは健在で、痩せた事により大幅に上がったスピードも合わさり、フリーザ配下で随一の戦闘力の持ち主となった。
主な仕事は貨物の護衛。宇宙海賊達をクリティカルアッパーで宇宙のチリに変えている。

GMマン・・・GM:genetically modified organism(遺伝子組み換え作物)から。
宇宙征服を目論むツフル人がサイバイマンの遺伝子を組み換え、純戦闘型として生み出した生態兵器。
ツフル殲滅時に破棄されたはずだったが、ターレスが持ち出していた。

ターレス・・・ここではツフル人がバーダックの遺伝子を元に生み出したGMサイヤ人。
通常のサイヤ人とは異なり農業に興味が無く、戦いと殺戮を好む。
GMサイヤ人の中でツフル殲滅時に唯一完成していた個体で騒乱の中逃走。その後、どこからか見つけてきた神精樹の実を育てる為に星々を襲撃して全宇宙指名手配にされている。



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ターレス「どうあってもドラゴンボールを渡さねぇつもりか?」

 

ツムリー「お・・・おのれ・・・な、なんということを・・・き、きさまなどに渡してたまるか・・・!」ゼェゼェ

 

ターレス「まったくナメック星人って奴は頑固な連中だぜ。素直にドラゴンボールを渡せば苦しまずに済んだのによ。」ヤレヤレ

 

ツムリー「ほざけ! ドラゴンボールを渡したところで貴様は同じ事をしただろう!!」

 

ターレス「ご明答。俺は弱ぇ奴を痛めつけるのが大好きだからな!」キュイィン

 

ベジータ「ギャリック砲!!」バッ

 

ドゴオオオン!!!

 

ターレス「ちっ! もう追いついてきやがったか。」シュン

 

バシィ!!

 

ベジータ「ラディッツ! 貴様はナメック星人の治療に専念しろ! 俺がターレスを仕留める!」ダダダダダダダダダ!!

 

ラディッツ「分かった! くそっ、避難が間に合わなかったか! オイ! 貴様、これを食え!」ゴソゴソ

 

ツムリー「俺よりも他の者達を・・・今ならまだ間に合う・・・」

 

ターレス「おっと、させるかよ。GMマン!」バシバシバシバシバシ!!

 

GMマン’S「「「ギャギャギャギャギャ!!」」」バババッ

 

ラディッツ「ちぃ! まだ居やがったのか! サイバイマン! お前らでナメック星人を救助しろ! 俺が奴らの相手をする。」ダッ!

 

サイバイマン’S「「「ギャウギャウ!!」」」敬礼!

 

 

ガシッ ググググググググググッ・・・

 

ターレス「ヒーヒッヒッヒッ! 楽しいなぁ王子様! 弱ぇ奴を嬲り殺すのもいいが、偶には強ぇ奴と戦うのもいいもんだ! このいつ死ぬかもしれねぇスリルがたまんねぇ!!」

 

ベジータ「この戦闘狂が! そんなに戦いたいんだったらさっさと地獄に落ちやがれ! あそこなら永遠に戦い続けられるぞ!」

 

ターレス「はっ! 死ぬのなんて御免だぜ。それに地獄じゃ神精樹の実が食えねぇだろうが! 」バシィィィ!!

 

ベジータ「そんなものより最野菜を喰らいやがれぇぇぇぇぇ!!」バシュゥゥゥゥ!!

 

ターレス「俺は野菜が大っ嫌ぇなんだよぉぉぉぉぉ!!!」ギュポォォォォン!!

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

 

ラディッツ「これで最後だ! 」

 

グシャッ!!

 

ラディッツ「ちっ、ゴキブリみたいに逃げ回りやがって・・・サイバイマン! そっちは終わったか!」

 

サイバイマン’S「「「ギャウギャウ!」」」

 

ツムリー「お前達のおかげで皆助かった。ありがとう。」

 

ラディッツ「当然の事をしたまでだ。それより確認なんだがここのドラゴンボールも既に最長老の下に移されているんだな?」

 

ツムリー「ああ、ムーリ長老がテレパシーで伝えてくれたおかげで奴が来る前に送る事が出来た。感謝する。」

 

ターレス「そいつぁいいこと聞いたなぁ・・・」ユラァ

 

ラディッツ「!? ターレス!?」ブン!

 

ターレス「おっと・・・危ねぇなぁ・・・こっちは王子様との戦いでボロボロだってのにひでぇ奴だ。」ヨロッ

 

ラディッツ「貴様・・・ベジータはどうした!?」

 

ターレス「王子様ならアジッサとかいうのを庇って倒れたよ。」

 

ラディッツ「なんだと!?・・・貴様、アジッサを攻撃したというのか!!」ワナワナ

 

ターレス「ったく、あんな雑草消し去ったくらいでなに怒ってんだか・・・これだからサイヤ人は。」ヤレヤレ

 

ラディッツ「ふざけるなっ! アジッサは星に活力を与える奇跡の作物なんだぞ!? それを雑草呼ばわりした挙句、消し去っただと?・・・・・・ぜ っ た い に ゆ る ざ ん!!!」ゴゴゴゴゴ!! チカッ…チカッ…

 

ターレス「・・・ほんと、サイヤ人のこういうところは理解出来ねぇぜ。まぁ、理解したくもねぇけど。」

 

ラディッツ「覚悟はできてんだろうなぁ? タァァレスゥゥ!!」ビキビキビキ

 

ターレス「お生憎様。こっちはドラゴンボールの在りかが分かったんだ。わざわざてめぇの相手をしてやる理由はねぇ。逃げさせてもらうぜ。」バシュウウウ

 

ラディッツ「にぃがぁすぅかぁぁぁぁ!!!」バシュウウウ

 

ターレス「はっ! 掛ったな! メテオバースト !!」グオオオオオン!!

 

ラディッツ「しまった!?」キキッ

 

ドガァァァァァァァン!!

 

ヒュゥゥゥゥ・・・ドガァァン・・・

 

ターレス「・・・ったく、ビビらせやがって・・・早くスラッグの旦那に報告しねぇとな・・・。」

 

バシュゥゥゥゥゥ

 

 

 

 

 

―――最長老の家―――

 

最長老「ようこそ・・・サイヤ人に地球人、そしてカタッツの子孫よ。まず、我が子らを助けていただいた礼を言いたい。ありがとう。」

 

悟空「気にすんなって! 困った時はお互い様だ。それに美味い飯を食わせてもらったしな!」

 

ピッコロ「おい、のんびりあいさつしている暇はないぞ。何時スラッグが攻めてくるか分からんのだからな。」

 

悟飯「ドラゴンボールは全てここにあるんですよね?」

 

ネイル「いや、収穫が遅れたドラゴンボールが一つある。だが、お前達の仲間が知らせてくれたおかげで敵の手を逃れ、今こちらに運んでいる最中だ。」

 

ヤムチャ「ならひとまず安心か・・・それじゃあ敵が来る前に作戦でも考えるか。どうやらスラッグ以外にもターレスって奴がいるみたいだからな。このまま戦っても勝ち目は薄いぜ?」

 

最長老「それならば、私があなた方の眠っている力を呼び覚まして差し上げましょう。そうすれば、戦いも有利になることでしょう。」

 

ピッコロ「そんな事ができるのか!?」

 

ネイル「最長老様だけができる秘術だ。これにより潜在能力を引き出された者は、その時点の肉体で扱える限界まで力を引き出すことができるのだ。」

 

最長老「そのとおりです。さぁ、皆さんこちらに・・・」スッ

 

悟空「そんじゃあオラから・・・」

 

ズッ

 

悟空「うっひゃーー!! 力が噴き出してきたぞ!!」ゴッ

 

悟飯「すごいです! 気も農気も急激に上がってます!」

 

ピッコロ「これならば・・・」ゴクリ

 

最長老「では次はそちらの少年の力を引き出しましょう・・・」スッ

 

・・・・・・・・・・・

 

ヤムチャ「最後は俺だな!!」ワクワク

 

最長老「あなたは・・・どうやら戦う為の力は限界まで達しているようですね。」

 

ヤムチャ「え? いやいやいや、この状況でそんな冗談よしてくださいよ! さぁ、早く俺の潜在能力も引きだしてください!」アセアセ

 

最長老「申し訳ない。私では限界を超えた力は引き出せないのです。しかし、農業をする為の力ならば凄まじい力が眠っていそうなのですが・・・どうなさいますか?」

 

ヤムチャ「そんなこったろうと思ったよ!!」ドギャン!

 

ピッコロ「く、くくくくっ。流石だヤムチャ。サイヤ人の王に認められただけのことはある・・・」プルプル

 

悟空「ひゃー!! 流石だなヤムチャ! もう農業じゃおめぇに勝てる気がしねぇぞ!」ワクワク

 

悟飯「ヤムチャさん尊敬します!」キラキラ

 

ヤムチャ「ちくしょー!! 最長老! もうそれでいいからやってくれ! こうなったら圧倒的な農業力でスラッグ達をアジッサの苗床にしてやるぜぇぇぇぇぇぇ!!」

 

最長老「それでは・・・」スッ

 

ズッ

 

ヤムチャ「・・・ああ、感じるぞ。大地を荒らされたナメック星の怒りと悲しみが・・・安心してくれ、超農地球人となった俺が奴らを土に還してやる。」ゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

ピッコロ「また農薬キメたみたいにウザくなりやがった。」

 

悟空「ひゃー! すっげぇぶっ飛ばしてぇぞ!!」ピキピキ

 

悟飯「まぁまぁ・・・あっ! 気が近づいてきます! きっとドラゴンボールを持ってきたナメック星人の方ですよ!」

 

ピッコロ「ならこいつは放っておいて出迎えるか。」

 

・・・・・・・・・・・

 

ギュウウウウウ・・・スタッ

 

マイーマ「はぁ・・・はぁ・・・ネイル様、ドラゴンボールをお持ちしました。」スッ

 

ネイル「よく届けてくれた。さぁ早く中へ・・・」

 

悟空「っ!? そこから離れろー!!」

 

ビビビッ!!

 

マイーマ「かはっ・・・」

 

ネイル「なに!?」

 

ピッコロ「気を付けろ! まだ来るぞ!!」

 

バシュバシュバシュバシュバシュバシュッ!!

 

悟飯「くっ・・・ナメック星人の人を助けないといけないのに・・・」

 

ヤムチャ「ここは俺に任せろ。農家振振拳(のうかしんしんけん)!」ブン

 

ズァオ!!

 

ピッコロ「馬鹿な!? 鍬を振った風圧であの気弾の雨をかき消しやがった!?」

 

ネイル「超農地球人は空さえも耕すというのかっ」ゴクリ

 

悟飯「そんなことより早く助けないと!」ダッ

 

悟空「そうだった! おい、しっかりしろ!!」

 

マイーマ「・・・ド、ドラゴンボールが・・・ゴホッ、ゲホッ」

 

悟飯「え?・・・あっ!? ドラゴンボールがありません!?」

 

ネイル「なんだと!? まさか・・・」

 

スラッグ「ふっふっふっ・・・探し物はこれかね?」スッ

 

ピッコロ「貴様はスラッグ! ドラゴンボールからその汚い手を離せ!」ダッ

 

ターレス「おーっと動くなよ? 動いたらそこの家をぶっ飛ばすぜ?」

 

GMマン’S「「「ギャッギャッギャッ!!」」」

 

ピッコロ「貴様っ」ピタッ

 

ネイル「くっ・・・卑怯者め!!」

 

ターレス「ひっひっひっ! そりゃあ最高の褒め言葉だぜ。さぁ旦那、さっさとそのドラゴンボールを食っちまえよ! そしてあんたの真の力を見せてくれ!!」

 

スラッグ「よかろう! かつて数多の銀河を支配した超魔王の力を見せてやる。」ガパッ

 

ゴクン・・・

 

悟飯「ああ!? ドラゴンボールが・・・」

 

悟空「なんて奴だ・・・あんなデッケェもんを丸呑みにしやがった!?」

 

ヤムチャ「許せん。ナメック星人の方々が丹精込めて育てたドラゴンボールを味わいもせずあんな食べ方をするなんて・・・極刑に値する!!」バシュゥゥゥ!!!

 

ゴキィッ!!

 

ヤムチャ「ぬるぽっ!?」ギュルン・・・ドガアアアン!!

 

ピッコロ「ヤムチャしやがって・・・」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

スラッグ「ぬぅぅぅおぉぉぉぉぉ!!! 力がぁ・・・高まるぅ! 溢れるぅぅぅぅ!」メキメキメキ

 

悟飯「そ、そんな・・・どんどん大きくなっていく!?」ゴクリ

 

悟空「やべぇな・・・身体が動かねぇ・・・こいつ大猿になったベジータよりずっと強ぇぞ・・・!」タラリ

 

ターレス「ひゃーっはっはっはっ!! すげぇ! すげぇぞ旦那!! 耄碌ジジイの戯言かと思ってたら本当にこんな力を持ってたなんてな!! 超魔王の名は伊達じゃねぇ!!」ワクワク

 

スラッグ「ぐうぅぅぅぅぅ!! おおぉぉぉぉぉぉ!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

ピッコロ「こんな化け物とどう戦えというのだ!? これじゃあせっかくのパワーアップが意味を成さん!!」ガクガク

 

ネイル「なんという事だ!! 奴の放つ強大な気の影響で大気が乱れている・・・このままでは異常気象の再来になるっ」

 

スラッグ「ふーはっはっはっはっはっはっはぁ!! どうだぁ貴様らぁ? スラッグ様の力はぁ? 今更後悔しても遅いぞぉ? 貴様ラ全員塵モノコサズ消シサッテクレルワァ!!!」ググググググッ

 

ターレス「ひゃっはー!! やっちまえ旦那ぁ!!」

 

ゴォッ!!

 

悟飯「っ!!」ギュッ

 

悟空「・・・・・・・・・・・・あり?・・・なんだこりゃ? 攻撃がすり抜けたぞ?」

 

ピッコロ「一体何が起きているんだ!?」

 

スラッグ「オレノチカラガ・・・カラダガ・・・ヌケテイク・・・キエテイク・・・ナンナノダコレハァ!!??」プシュゥ・・・

 

ネイル「・・・そうか! デトックス効果! 奴はドラゴンボールの皮にあるデトックス効果で身体からアクが抜けているんだ!!」

 

ピッコロ「そういうことか! 奴は悪に染まりきったナメック星人。善の心を欠片も持たない奴からアクが抜ければ・・・」

 

スラッグ「ああぁぁぁぁぁぁ・・・ちょぅまぉぅのこのぉれがぁぁぁぁぁ・・・こんなことでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・・・・・」シュゥゥゥゥ・・・

 

悟飯「何も・・・残らない。」

 

スラッグ「ぁぁぁぁ・・・・・・」

 

スゥ・・・・・・

 

悟空「・・・」

 

ピッコロ「・・・」

 

ネイル「・・・」

 

悟飯「・・・自滅しちゃいましたね。」

 

ピッコロ「・・・ああ、なんだか釈然とせんが危機は去った。」

 

ネイル「・・・そうだな。ドラゴンボールを食われてしまったのは残念だが、おかげで助かった。」

 

悟空「あとはターレスをぶっ飛ばすだけだな! おっしゃ! 気ぃ取り直していっちょやってみっかぁ!!」

 

悟飯「そのターレスが居ない様ですが・・・どうやら逃げたみたいですね。」キョロキョロ

 

ピッコロ「ちっ、逃げ足の速い奴め。だが、奴一人ならば恐るるに足らん。神精樹を植えられる前に探し出すぞ。」

 

ネイル「俺も同胞の手当てをしたら手伝おう。せっかく再生した星を滅ぼされる訳にはいかんからな。」

 

悟空「なら最野菜の大豆を食わせてやれよ。これならどんな傷でも一瞬で治るぞ。」スッ

 

ネイル「そんなことができるのか!? 流石はサイヤ人の作った野菜だ。」

 

悟飯「そうなんです! 大豆は「豆の王」ともいわれ、豆類の中でもタンパク質の含有量が最も多く、しかもアミノ酸の組み合わせが動物タンパクによく似ていることから「畑の肉」とも称される非常にすぐれた栄養食品です! そして、そんな大豆の最野菜は最早「豆の神」といってもいいほどの代物なんです!!」ドン

 

ピッコロ「そうだな。数ができん仙豆より、最野菜の大豆の方がよっぽど素晴らしい作物だ!」バーン

 

悟空「それに仙豆は農気で育ててもあんま変わんねぇからなぁ・・・」ポリポリ

 

悟飯「仙豆は完成された作物だから、農気の影響を受けにくいんだよ。たぶんドラゴンボールも同じだと思う。」

 

ネイル「ふむ・・・我々は農気を扱えないから最野菜を作ることはできないが、サイヤ人の農法は参考になりそうだ。いずれ学んでみたいものだ。」

 

悟空「だったらベジータに頼んでみろよ! あいつサイヤ人の王子だからすげぇ詳しいぞ!」

 

悟飯「そうだ! どうせならこれを機にサイヤ人とナメック星人で交流をしたらどうですか? そうすれば、もっと多くの人達を幸せにできる野菜ができるはずです!」グッ

 

ネイル「そうだな。この騒動が終わったら、皆と相談するとしよう。」

 

 

 

 

 

―――エスカ村―――

 

ラディッツ「ん″・・・俺は・・・」パチリ

 

ベジータ「目が覚めたかラディッツ。身体はどうだ?」

 

ラディッツ「問題無い・・・はっ! ターレスは!?」ガバッ

 

ベジータ「俺達を倒した後、最長老の家に向かったそうだ。」

 

ラディッツ「なんだと!? それなら早く向かわねば!!」

 

ベジータ「落ち着け。先ほどナメック星人を通じて連絡があった。ドラゴンボールをひとつ奪われ、食われたそうだが、結果奴の仲間のスラッグという奴が死んだ。今はカカロット達がターレスを捜索してる。」

 

ラディッツ「そうか・・・なら俺達も探さねば!」

 

ベジータ「落ち付けといってるだろう。どうやらターレスの奴は戦闘力を隠すのが上手いようでな。スカウターでは見つけられん。だから気の感知が俺達より得意なカカロット達に捜索を任せて、俺達は奴を倒すために力を温存することにした。もどかしい事だがターレスを確実に倒すためだ。我慢しろ。」

 

ラディッツ「くっ・・・分かった。だが、待っている間手持無沙汰だな。」

 

ツムリー「だったらアジッサ畑を戻すのを手伝ってくれないか? 奴の所為でかなり荒れてしまった。」

 

ラディッツ「そういうことなら任せてくれ! 以前のものに勝るとも劣らないアジッサ畑にしてみせよう!」

 

ツムリー「頼りにしているぞ。」

 

ベジータ「俺も手伝おう・・・それにしても本当にターレスは度し難い奴だな。アジッサ畑をこんなにするとは」ギリリッ チカッ・・・チカッ・・・

 

ラディッツ「まったくだ! アジッサはサイヤ人でさえ復興させるのが難しい荒廃した星すらも再生させる事ができる奇跡の作物だ! その希少性と重要性も理解せずこの仕打ち! 今度会ったら産まれてきた事を後悔させてやる!!」ビキビキビキッ チカッ・・・チカッ・・・

 

ツムリー「アジッサの為に怒ってくれるのは嬉しいが、その辺にしておけ。怒るというのは存外体力を使う。今ここで怒って無駄に消耗するより、奴と闘う時の為に取っておいた方がいいんじゃないか?」

 

ラディッツ「それもそうだな。この怒りを腹の底に溜めに溜めこんで奴にぶつけてくれるわ!!」カッ

 

ベジータ「ああ! 奴に焼かれたアジッサ達の怒りと悲しみを思い知らせてやる!!」ドン

 

ツムリー「頼んだぞ。俺達の分の怒りもぶつけてくれ。」

 

ラディッツ「任せろ!!」

 

 

 

 

 

―――峡谷地帯―――

 

ターレス「さぁて、後は神精樹が育つのを待つだけだ・・・くっくっくっ、早く育てよぉ? お前さえあればベジータ達なんて敵じゃねぇんだからなぁ。」ジュルリ

 

ギュウウウウウ・・・キキッ

 

ヤムチャ「見つけたぞターレス・・・ナメック星に代わり、貴様を倒す。」

 

ターレス「なんだテメェ生きてたのか。ちっ、弱ぇくせに意気がんなよ。」

 

ヤムチャ「俺が弱いかどうかは戦ってから言え。農家風風拳!」ノォン

 

ターレス「へっ、そんな攻撃・・・」

 

シュバババババババババババッ!!

 

ターレス「な・・・に!?」ブシュッ

 

ヤムチャ「最早貴様を人とは思わん。お前は雑草。植物ならば俺の敵ではない!!」ノォン!

 

ターレス「調子に乗るなよ雑魚がぁぁぁ!!!」バチバチバチッ…

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

ザワザワザワザワザワ・・・

 

ラディッツ「くそっ! もうあんなに育っていやがる!!」ギュン

 

悟空「わりぃ、あんなになるまで見つけられなかった!」ギュン

 

ピッコロ「長年サイヤ人やフリーザの追手から逃れてきただけの事はあるが、ここまでとはっ!」ギュン

 

ベジータ「無駄口を叩くな!! 実が生っている状態ならまだ間に合う! 奴が全ての実をもぎ取る前に神精樹を消滅させるんだ!!」ギュン

 

悟飯「そうすれば吸い取られた生命力が星に戻るんですね! 絶対に取り戻してみせます!!」ギュン

 

ギュウウウウウ・・・キキッ

 

ターレス「おやぁ? 遅かったじゃねぇか。神精樹の実は既に頂いてるぜ。」クチャクチャ

 

ラディッツ「ターレス、貴様っ・・・・な!? ヤムチャ!?」

 

ヤムチャ「・・・」

 

ターレス「ああ、こいつか? こいつは無謀にも俺に戦いを挑んできてな。なかなかしぶとかったがこの通りだ。」ゲシッ

 

悟空「やめろ! ヤムチャから足を離せ!!」

 

ターレス「くっくっくっ。分かったよ・・・フン!!」ダン!!

 

グシャッ

 

悟飯「あ・・・ヤムチャ・・・さん?」

 

ピッコロ「貴様・・・なんということをっ」ギリッ

 

ターレス「ひーひっひっひっひっ!! 悪ぃな!! 間違えて踏みつぶしちまったぜ!! 見ろよ! まるで潰れた神精樹の実みてぇだ!!」

 

悟空「ゆ・・・ゆるさんぞ・・・」ガクガク チカッ・・・チカッ・・・

 

ラディッツ「よ・・・よくも・・・よくも・・」ピキピキ チカッ・・・チカッ・・・

 

ベジータ「俺は・・・俺達はっ」ブルブル チカッ・・・チカッ・・・

 

プチン・・・ゾワッ

 

   悟空

ラディッツ「「「俺達は怒ったぞー!!!」」」

 ベジータ

 

ゴッ!!!!!!!!!!!!!!

 

ターレス「な!? なんなんだ!? なんなんだこれは!?」ビリビリビリ

 

超悟空「俺達は大地を愛し、野菜を愛するサイヤ人・・・」シュィシュィシュィシュィ・・・

 

超ラディッツ「そして、アジッサと友の死による激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士・・・」シュィシュィシュィシュィ・・・

 

超ベジータ「そう、俺達が超サイヤ人だ!!」バチバチバチバチッ カッ!!

 

ターレス「そんな馬鹿な!?・・・い、いや関係ねぇ!! 俺は神精樹の実をたらふく食ってパワーアップしたんだ! 超サイヤ人だろうと敵じゃねぇ!! まとめて捻り潰してやるっ!!」ググッ

 

超ラディッツ「どこを見ている?」ガッ!!

 

ドゴォォォ!!

 

ターレス「がはっ・・・」ヒュン・・・

 

 

ピッコロ「なんというスピードだ!? まったく目で追えなかった!?」

 

 

 

超悟空「これは貴様に襲われたナメック星人の分!!」ドゴオオオオオォォォオン!!

 

ターレス「くっ!?」

 

超ベジータ「これは貴様に焼き払われたアジッサの分!!」バギィィィィィィィンッ!!!

 

ターレス「ぐ・・・がが・・・!!」

 

超ラディッツ「そしてこれは貴様に殺されたヤムチャの分!!」ドグシャ

 

ターレス「あっ・・・かはぁっ・・・!?」

 

超悟空「そして・・・」シュウウウウウ・・・

 

超ラディッツ「これが・・・」ビギビギビギッ・・・

 

超ベジータ「俺達の・・・」バチバチバチッ・・・

 

   超悟空

超ラディッツ「「「怒りだー!!!!」」」バッ

 超ベジータ

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

 

 

悟飯「す、すごい! 神精樹の実でパワーアップしたターレスが手も足もでませんでした!!」

 

ピッコロ「これが超サイヤ人・・・とんでもない連中だな・・・」ゴクリ

 

 

超ベジータ「・・・出て来いターレス。まだ生きているのはわかっているぞ。」

 

超悟空「超サイヤ人になった俺らに貴様の隠遁は通用しない。」

 

ガラッ・・・

 

ターレス「はぁ・・・はぁ・・・まだだ・・・まだ終わらねぇぞ・・・貴様らにツフルの力を見せてやる」カチッ…ピピピピピッ…

 

ゾワッ・・・メキメキメキメキッ・・・

 

超ラディッツ「ぬぅ・・・こいつ、月も無いのに・・・」

 

グォォォォォォォォォォ!!

 

大猿ターレス「ふはははははははっ!! 俺の目にはツフル人の技術で作られた超ブルーツ波発生装置が埋め込まれているのさ!! これから発せられるのは満月状態のブルーツ波の千倍!! そしてこの超ブルーツ波を受けた俺の戦闘力は100倍!! どうだ! 今度こそ貴様らは終わりだ!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

超ベジータ「・・・ラディッツ、カカロット。」

 

超ラディッツ「ああ・・・」ググッ

 

超悟空「いつでも行ける。」スッ

 

ピピピピッ!

 

大猿ターレス「なん・・・だとぉ!?」ドシィィィィィン・・・

 

超悟空「!? 誰だ!?」

 

ヒュゥゥゥン・・・

 

Gフリーザ「おやおや、魔族と名乗る連中を蹴散らして来てみれば大変な事になっていますねぇ。」

 

超ベジータ「フリーザ様!?」

 

超ラディッツ「何時こちらに!?」

 

Gフリーザ「たった今来たところです。そしてたら星が荒れ、神精樹が生えていたのだから驚きましたよ・・・どうやら原因はそこのお猿さんの様ですね。」ギロッ

 

超ベジータ「そのとおりです。恐らくフリーザ様を襲った連中もこのターレスの差し金でしょう。」

 

Gフリーザ「なんと! これがあのターレスですか・・・まさかこれほどの力を持っていたとは驚きです。逃げ足と悪知恵だけの小猿ではなかったのですね。」

 

大猿ターレス「ふ、フリーザ・・・なぜ!?・・・神精樹の実でパワーアップした魔族軍団ならいくらテメェでも!!!」

 

Gフリーザ「ええ、確かに以前までの私なら危なかったかもしれませんねぇ。しかし、伝説のスーパー最野菜でパワーアップした私の敵ではありません。全員ミンチにして有機肥料になっていただきました。」ゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

大猿ターレス「嘘だ・・・こんなことありえない・・・」

 

Gフリーザ「さて、質問はそれで終わりですね。それではそろそろ神精樹諸共消えていただきましょうか。」バチバチバチバチッ・・・

 

大猿ターレス「あ・・・ああ!!」ガクガク

 

Gフリーザ「それではさようなら。来世では良い子に生まれるんですよ。」スッ

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・

 

カッ・・・

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

 

 

超悟空「すげぇ・・・」

 

超ラディッツ「これがフリーザ様の力・・・神精樹が消え去りやがった・・・」

 

超ベジータ「これで終わりか・・・お疲れ様ですフリーザ様。」

 

Gフリーザ「ほっほっほっほっ! 星を傷つけない様に加減するのが大変でしたよ。」スタッ

 

悟飯「お父さん達もフリーザさんもすごかったです!!」

 

ピッコロ「おかげでナメック星は救われた。ナメック星人を代表して礼を言う。」

 

Gフリーザ「いえいえ、当然の事をしたまでですよ・・・ほらごらんなさい。神精樹に吸われた生命力が星に帰っていきます。」

 

ラディッツ「これは・・・」

 

ベジータ「なんと美しいんだ・・・まるで光が雪のように降り注いでいるようだ・・・」

 

悟空「これでナメック星も元に戻るんだな・・・」

 

悟飯「でもヤムチャさんは死んでしまいました・・・サイバイマンとの喧嘩で一度死んでしまっているのでドラゴンボールで生き返らせる事もできません。」グスッ

 

ピッコロ「そうだったな・・・くっ、ヤムチャの馬鹿野郎! サイバイマンに堅焼きそばを奪われたくらいで喧嘩を売るからこんな事になるのだ!」

 

ヤムチャ「そんなこと言われても、あいつは俺が楽しみにしてた昼飯の堅焼きそばを食いやがったんだぞ!? 食い物の恨みを思い知らせてやろうとするのは当然だろう? 」

 

ピッコロ「それで返り討ちにあって死んでいては意味がないだろう!・・・って何!?」ギョギョッ

 

ラディッツ「ヤムチャ!? 何故貴様が!?」

 

悟空「まさか化けて出やがったのか!?」

 

ベジータ「きっとターレスを止められなかった事が無念で出てきたんだな・・・安心しろ、ターレスはフリーザ様が倒してくれた。」

 

悟飯「そうです。だから安心して成仏してください。」

 

ヤムチャ「いやいやいや!! ちゃんと生きてるから!! ほら! 足もちゃんとあるし、頭の上に輪っかも無いし!!」アセアセ

 

ラディッツ「そういえば確かに・・・ではターレスに殺されたヤムチャは一体?」

 

ヤムチャ「あれは四身の拳ならぬ二身の拳で作った分身だ。ターレスに戦いを挑む前に正気に戻ったから分身して奴の隙を窺っていたのさ!」ドヤァ

 

ピッコロ「そうだったか驚かせやがって!・・・だがだったらなぜ今まで隠れていた? 分身を戦わせている間に俺達に知らせる事も出来たはずだ。」

 

ヤムチャ「え!?・・・いやぁ~、それはだなぁ・・・」キョドキョド

 

ベジータ「・・・まさかとは思うが、ビビって動けなかったとかじゃないだろうな?」ジトッ

 

ヤムチャ「はははははは! そんなまさか! このヤムチャ様がターレス如きにビビるわけ無いだろう⤴」ダラダラ・・・

 

ラディッツ「ヤムチャ・・・お前という奴は・・・」ハァ

 

悟飯「やっぱりヤムチャさんはヤムチャさんでしたね・・・」ハァ

 

悟空「ヤムチャ、オラ、農業以外はオメェに負ける気がしねぇぞ!!」www

 

Gフリーザ「なんだかよく分かりませんが、愉快な方ですねぇ。」ホッホッホッ

 

ヤムチャ「ちくしょー!! どうせ俺は農業だけが取り柄の男だよ!!・・・って、あれは!?」

 

ベジータ「どうしたヤムチャ?」

 

ガラッ

 

ターレス「・・・う・・・あ・・・」ピクッ ピクッ

 

ラディッツ「あれはターレス!? まさかフリーザ様のデスボールを食らって生きてやがるとは・・・」

 

ピッコロ「まるでゴキブリの様な生命力だな・・・よし、今度こそ息の根を止めてやる!」ザッ

 

ヤムチャ「待ってくれピッコロ。」ガシッ

 

ピッコロ「何故止めるヤムチャ!? 奴を生かしたところで改心するとは思えん。宇宙の為にもここで殺すべきだ!」

 

ヤムチャ「ちょっと俺に考えがあるんだ。それを試してからでも遅く無いんじゃないか?」

 

 

 

 

 

 

―――エスカ村―――

 

Sドドリア「よーし! 次はこっちの家を直すぞ! ついてこいターレス!!」

 

アジッサターレス「はい! ドドリアさん!」キラキラ

 

ピッコロ「・・・まさかあのターレスがあんなに変わるとは・・・貴様の話を聞いた時は耳を疑ったが試してみて正解だったな。」

 

ヤムチャ「だろ? 超農地球人になってから作物を見ただけでその特性がなんとなく分かるようになってな。それで思いついた。」

 

Gフリーザ「本当に驚きです。まさかアジッサにあんな効果まであったとは・・・これを活用すれば凶悪犯罪者も更生させる事ができますね。」

 

Bザーボン「しかし、あの姿は美しくありませんね。傍から見るとアホにしか見えません。」シュバッ

 

ラディッツ「そりゃ頭からアジッサ生やしてりゃ誰だってそう思うだろう。」

 

悟飯「アジッサの浄化作用。まさかそれが生物にまで効果があるだなんて思いもしませんでした。」

 

ベジータ「だからと言って植物を頭に植えるだなんて発想どうやったら出るというんだ。正気とは思えん。」

 

ヤムチャ「いやまぁ、アレを思いついたのは覚醒してラリってた時だし・・・」ポリポリ

 

悟空「まぁなんにせよ、あのアジッサは漬物にしても食いたくねぇけどな!」

 

ベジータ「確かに。あれは腹を壊しそうだ。」

 

ヒュゥゥゥン・・・スタッ

 

ピッコロ「うん? ネイルか。早かったな。用事は済んだのか?」

 

ネイル「ああ、最長老と長老達が集っての報告は終わった。今は今後の事について話し合っているところだ。」

 

ベジータ「今後の事というとサイヤ人との交流とフリーザ様との交渉か。」

 

ネイル「そうだ。ナメック星人は異常気象の後に外界との交流を絶ったが、ドラゴンボールの存在が知られてしまった今、我々だけでこれを守っていく事は難しい。それにアジッサを必要とする人々が宇宙にいると分かったからな。これからは我らの知識と技術を多くの星々の為に使っていきたい。」

 

Gフリーザ「そのためなら私も協力を惜しみませんよ。共に宇宙の食の安全とドラゴンボールを守っていきましょう。」

 

ベジータ「もちろんサイヤ人も協力するぞ! サイヤ人とナメック星人は最早盟友だ! 力を合わせて荒れ果てた星々を再生させよう!」

 

ネイル「ああ! これからよろしく頼む!」

 

ベジータ「・・・ところでさっきから気になっていたんだが、貴様が持っているのは・・・」

 

ネイル「そうだ。ドラゴンボールだ。今回の礼として皆に食べてもらおうと思ってな。」

 

Gフリーザ「よろしいのですか!?」ガバッ

 

ネイル「もちろんだ。といっても質が良い、種が4つ以下のドラゴンボールは神々に献上しなければならないから、質があまり良くない6つ種の物になってしまうが・・・」

 

Gフリーザ「いえいえ! 食べさせていただけるだけありがたいですよ!」ワクワク

 

Bザーボン「長年の夢が叶いましたねフリーザ様!」ズァッ

 

Gフリーザ「ええ! もういつ死んでもかまわないくらいです!!」ゴクリ

 

ベジータ「滅多な事を言わないでくださいフリーザ様!」

 

悟空「でもフリーザの仲間も合わせたらほとんど食えなくなっちまうぞ。」グ~

 

悟飯「均等に分けても一口で終わっちゃうね。でも食べさせてもらえるだけでもラッキーなんだからそれで我慢しなきゃ。」

 

ラディッツ「それにあまり食い過ぎるとドラゴンボールの効能で若返ってガキになってしまう可能性があるからな。一口分で十分だ。」

 

ピッコロ「そうだな。俺も下手したら卵に戻っちまう。」

 

ヤムチャ「そういえばお前ってまだ9年くらいしか生きてなかったんだったな・・・まったくそう見えないから忘れてたけど。」

 

ネイル「よし、それでは切り分けるぞ。そして、ナメック星人の至宝をじっくりと味わってくれ!!」

 

一同「「「おー!!!」」」

 

 

 

―こうしてナメック星のドラゴンボールを巡る騒動は終わりを迎えた。この騒動を機にナメック星人は外界との交流を再開し、サイヤ人とフリーザの協力を得ながら荒廃した星々の再生に尽力する事になる。またアジッサを使った悪人更生法がフリーザの手によって広げられ、全宇宙で犯罪者の社会復帰率が急激に高まり、その発案者であるヤムチャの名が全宇宙に知れ渡る事になるのはまた別のお話―

 

 

 

Gフリーザ「溢れ出よるわっ!!」ドバァァン!!

 

Bザーボン「舌がっ! 躰がっ! 反応しちゃうっー!!」ビリビリ

 

Sドドリア「めばえっ」

 

 

ヤムチャ「なんなんだあいつら、気持ち悪い・・・」

 

悟飯「あそこだけ別漫画になってます。」

 

ピッコロ「悟飯見るんじゃない。頭が腐る。」

 

 

ネイル「御粗末ッ!!!」ビッ!

 

 

 

 

 

 

 

第1部完!




これにて農耕民族サイヤ人編は完結です。
人造人間編は中古でコミックを買って、ストーリーの流れを確認してから書くつもりです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。


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第2部
ラディッツ「カカロット達が帰ってくるまで後3時間か・・・」


 

ギニュー「確か、ヤムチャ君の結婚式の後にそのまま惑星ベジータに残ったのだったか?」

 

ラディッツ「ああ、親父とお袋が引きとめてな。悟飯も一緒に残っていろいろ教え込まれたようだ。」

 

ギニュー「バーダック君達からすれば長らく会っていなかった息子と初めての孫だからな。構ってやりたくてしょうがないのだろう。」

 

ラディッツ「特にお袋が二人を離そうとしなくてな。おかげでチチにどやされたが最後は納得してくれたよ。」

 

ギニュー「ふむ・・・君は残らなくて良かったのかね? しばらく帰っていなかったのだろう?」

 

ラディッツ「俺はこっちで会社を立ち上げなくてはならなかったからな。それに弟のカカロットが結婚して息子まで作っていたものだから、俺はまだなのかという視線が痛いのなんの・・・」ポリポリ

 

ギニュー「はっはっはっ! 長男は大変だな! で、実際のところどうなんだい? 君ほどの男なら引く手数多だろう?」

 

ラディッツ「これまで農業一辺倒でずっと星々を渡り歩いていたからな。そういう浮いた話は無い。それにどうせ嫁にするなら強くて丈夫な女が良い。」

 

ギニュー「それは随分ハードルが高いな。超サイヤ人となった君に認められる女性がこの宇宙にどれだけいる事か・・・」

 

ラディッツ「まぁ、そんなもんでしばらく結婚は無理そうだ。それに事業も軌道に乗り、今が一番忙しい時期だ。そんな事を考えている暇はない。」

 

ギニュー「確かに地球の食品・飲食業界に革命を引き起こしたルートベジタブルファームの社長である君にはそんな暇も無いか・・・」

 

ラディッツ「ここまで急成長できたのはギニュー隊長を初めとしたギニュー特選隊の力があってこそだ。アンタ達の指導のおかげで高品質の乳製品と食肉を生産することができるようになった。改めて礼を言わせてもらう。」

 

ギニュー「いいってことさ! 我々も君にアジッサの飼料を教えてもらったからね! あれは素晴らしい! アジッサの飼料を食べさせた家畜達はとても良い乳を出すし、肉も旨くなる! アジッサのおかげで我々の酪農は新たな境地に達したのだよ!!]バババッ

 

ラディッツ「アンタにそう言ってもらえると俺も教えた甲斐があるというものだ。」

 

ピピピッ!

 

ギニュー「む! もうこんな時間か! すまないラディッツ君。私はそろそろ出発の準備をしなくてはならない。次の星の開拓があるからね!」スバッ

 

ラディッツ「こちらとしてはもっといろいろ教えてもらいたかったんだがな・・・」

 

ギニュー「なに大丈夫さ! 指導した地球人達は我々の技術を完璧にマスターし、もうどこに出しても恥ずかしく無い酪農戦士となった! 惜しくらむは彼らのスペシャルファーミングポーズの完成を見届けられない事だ。」シュババッ

 

ラディッツ「うちの従業員に何仕込んでんだアンタ・・・」タラリ

 

ギニュー「何を言う! スペシャルファーミングポーズは酪農の重要なファクターなんだぞ! これをするとしないとでは品質に雲泥の差が生まれるのだ!! 言わばこれは君達サイヤ人でいう農気! スペシャルファーミングポーズなくして、爆乳製品と超5ランクの肉は生まれないのだぁぁぁぁぁ!!」ズバーン!

 

ラディッツ「そ、そうか、すまなかった。そういうことならしょうがないな・・・」

 

ギニュー「分かってくれて嬉しいよ! では君専用のスペシャルファーミングポーズを・・・」

 

ラディッツ「いやっ!せっかくだが遠慮させてもらう。その様な高度な技術を短時間で覚えるのは難しいし、なにより出発の準備があるのだろう? 特選隊の皆を待たせては悪い。」ダラダラ

 

ギニュー「むぅ・・・残念だが確かにそうだな。君にスペシャルファーミングポーズを教えるのは次の機会にしよう! それではその時まで息災で居てくれたまえ! さらばだ! とう!!」ピョーン

 

ラディッツ「・・・あれが無ければ素直に尊敬できるんだがな。」ハァ

 

 

 

 

 

―――とある荒野―――

 

チチ「ラディッツさ! 悟空さと悟飯ちゃんはまだなのか!?」

 

ラディッツ「落ち着けチチ。先ほど地球軌道上に入ったと連絡があった。あと数分もすれば到着する。」

 

クリリン「フリーザ様の宇宙船で来るって話だったけど、大丈夫なのか? 国軍が出動したりしないよな?」

 

ベジータ「安心しろ。今回のフリーザ様の来訪は国王にも伝えられている。それにこれは将来地球が宇宙連盟に加盟する為の第一歩だ。そうそうおかしな事は起きんだろう。」

 

ピッコロ「それならば地球を挙げて盛大に歓迎した方がよかったんじゃないか?」

 

ラディッツ「今回は視察が目的だからな。地球の生の姿を見てもらう為にも特別な事をしなくていいと言ってある。」

 

ベジータ「それにこれは国の上層部以外にはトップシークレットだ。だからこそ一般人に余計な混乱が起きない様にこんな誰も居ない荒野を着陸地点に選んだんだ。」

 

ブルマ「まぁ、いきなり今日から宇宙人と交流しますなんて言われてもどうしたらいいか分からないものね。」

 

グオオオーーン

 

クリリン「あ! 来た! 悟空達が乗った宇宙船が来たぞ!」

 

チチ「悟空さー!! 悟飯ちゃーん!! ここだここだー!!」ピョンピョン

 

チャオズ「天さん! あの宇宙船すごく大きい!!」

 

天津飯「そうだな。聞いていたより大きいんじゃないか?」

 

ベジータ「あれはコルド会長のコールドポラリス号じゃないか!? まさか一緒にいらっしゃったのか!?」

 

ラディッツ「どうやらあの岩山の向こうに降りるようだな。急いで向かうとしよう。」

 

・・・・・・・・・・・

 

Gフリーザ「ここが地球ですか。なるほど素晴らしい星ですね。」

 

ダイヤモンドコルド「そうだな。大きさは小さいが生命力に溢れている。今回の視察について来て正解だったな。」

 

Gフリーザ「きっと有意義な視察になると思うよパパ・・・ん?」

 

ザッ・・・

 

???「・・・」

 

Gフリーザ「貴方は地球人ですか? 何か用でもあるのですか?」

 

???「お前達を殺しに来た・・・」

 

Gフリーザ「それは何故でしょうか? 地球人に命を狙われる覚えはないのですが・・・」

 

???「ッ・・・悟空さん以外は記憶に留める価値も無いというのかっ」ザワッ

 

悟空「え? オラがどうかしたのか?」ヒョイ

 

???「ご、悟空さん!? どうしてフリーザ達の船から!?」

 

悟空「どうしてって、惑星ベジータからここまで乗せてもらったからなんだけんど・・・オメェだれだ?」

 

悟飯「なんだかフリーザさん達を殺すと言ってたみたいですけど・・・」

 

悟空「何!? じゃあ悪い奴なんだな! おっしゃー! いっちょとっちめてやっぞ!!」ゴキッゴキッ

 

???「へ? いやちょっと待ってください!? 」アセアセ

 

悟空「話はOHANASHIの後だ! ナノハに教えてもらった絶対死なない収束エネルギー砲を喰らえー!!」キュイィィィン・・・

 

バシュゥゥゥゥゥゥ!!!!

 

???「え? え?」

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

ベジータ「で? 貴様は何者なんだ?」ゴゴゴゴッ

 

???「あの・・・その・・・えっと・・・」正座中

 

ラディッツ「頭にアジッサを植えられたく無ければきりきり話せ! それともまた絶対死なない収束エネルギー砲を喰らいたいのか?」ギロッ

 

???「待ってください! あれだけは・・・あれだけは勘弁してください!!」ガクガクガク

 

Bザーボン「フリーザ様。周辺にポットらしきものを発見しました。どうやらこの男が乗ってきたモノの様です。」

 

Gフリーザ「ご苦労様ですザーボンさん。さて、それでは話していただきましょうか?」

 

???「そ、その前に一つだけ質問させてください! 貴方は悪の帝王ではないのですか!?」

 

Sドドリア「テメェ・・・宇宙平和賞を3度も受賞されたフリーザ様をよりにもよって悪の帝王だと? 死にてぇみたいだな・・・」ボキッボキッ

 

Gフリーザ「おやめなさいドドリアさん! さて、何故貴方が私をその様に呼ぶのかは分かりませんが、とりあえず質問に答えましょう。答えは否です。私は食を愛するしがない貿易会社の社長ですよ。」

 

???「そんな馬鹿な!? 一体どうなっているんだ!?」

 

クリリン「混乱しているとこ悪いけど、さっさとゲロッちまった方が良いぜ? このままだと絶対死なない収束エネルギー砲を何度も喰らわされた挙句頭にアジッサ植えられちまうぞ。」

 

???「クリリンさん・・・そうですね。本当なら悟空さんだけに話すつもりでしたが、どうやらここは俺が知る歴史とは違うようです。なので全て話します。俺が何者なのか、そしてなんの為にここに来たのかを・・・」

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

トランクス「つまり、地球は滅亡してしまうんです!!」

 

一同「「「な・・・なんだってー!!」」」

 

クリリン「そんな・・・悟空が病気で死んで、俺達全員人造人間にやられるだなんて・・・」

 

ラディッツ「しかし、話を聞く限りコイツの世界とこの世界は乖離が大きいようだぞ。サイヤ人が戦闘民族で滅んでいたり、フリーザ様の一族が悪者で宇宙を支配していたり・・・ここまで違うと同じような事が起きるとは思えんのだが・・・」

 

ピッコロ「だが事が起きてしまった時の為の備えは必要だろう。」

 

クリリン「でもベジータでさえ敵わなかったんだろ? そんな奴ら相手に俺達がまともに戦えるかどうか・・・」ブルルッ

 

天津飯「確かに・・・いくら俺が千手の拳と百八身の拳を編み出したとはいえ、そんな奴ら相手では分が悪いだろう。」

 

チャオズ「きっと僕のベクトル操作も効かない・・・」シュン・・・

 

クリリン「二人はまだいいさ。俺なんて仙術を身に付けただけなんだぜ? こんなんじゃ足手まといにしかならねぇよ・・・」

 

トランクス「あ、あの・・・皆さん何を言って・・・」

 

チチ「そんなことより悟空さが死んでしまうってどういう事だ!! 冗談でも言って良い事と悪い事があるぞ!!」ブンブン

 

トランクス「ちょ!? チチさん揺さぶらないで!?」ガクガク

 

悟飯「ウイルス性の心臓病との事ですが、治す方法、あるいは予防薬の様なモノはないんですか?」

 

トランクス「ハ、ハイ! 僕が居た世界で開発された特効薬を持ってきました。」ガクガク

 

チチ「そういう事は早く言うべさ! ほれ、さっさと出せぇ!!」ブンブンブン!!

 

トランクス「あばばばばばばばば・・・」ガクガクガクガク!!

 

ブルマ「はいはい落ち着きなさいチチ。それじゃあトランクスが薬を出せないわ。」

 

チチ「そういえばそうだったべ。」パッ

 

トランクス「ぎゃふん!?」バタンッ

 

コロコロコロ・・・

 

ブルマ「ふーん。これがその薬ね。さっそく解析して量産しなくちゃ。ウイルス性ならみんなにも移るかもしれないものね。」

 

ベジータ「まったく、貴様の世界のカカロットは軟弱だな! 最野菜を食わないからそんな事になるんだ!!」

 

トランクス「こっちのサイヤ人は農耕民族じゃないんですから無理を言わないでください!?」

 

ラディッツ「なにはともあれ、その人造人間が現れるまで3年の猶予があるのだ。そこに向けて準備すればいい。」

 

Gフリーザ「なんでしたら私達も手伝いましょうか? 」

 

Dコルド「そうだな。この様に素晴らしい星を滅ぼされる訳にはいかんからな。」

 

ベジータ「そんな! お二人の御手を煩わせる訳にはいきません! これは我々地球に住む者の問題! ならば自分達の手で解決しなくては!」

 

ブルマ「ちょっとベジータ! せっかく手伝ってくれるって言ってるのに何断ってんの!? 地球の運命が掛ってんのよ!? そこんところ分かってるの!?」ガシッ

 

ラディッツ「騒ぐなブルマ。まだ人造人間が居ると確定した訳ではないだろう? それに地球はこれから他の星々と交流して行く事になる。そうなると様々な問題も発生するだろう。貴様はその度にフリーザ様達に力を貸してもらうつもりか?」

 

ブルマ「別にそんな事は言わないけど・・・」

 

ラディッツ「ならばこの程度の問題、俺達地球に住む者達で解決せねば。」

 

悟空「おう! 地球はオラ達の星なんだ! オラ達で守らねぇと!!」

 

クリリン「悟空・・・そうだな。ここでフリーザ様の力を借りるのは簡単だ。でも、そうしたらきっと俺達は地球人である事に誇りを持てなくなっちまう。」

 

天津飯「ああ・・・ 確かに俺達は弱いかもしれない。だが、何も直接戦う事だけが地球を守る事ではない。」

 

チャオズ「そうだね天さん。僕達は僕達に出来る事をやろう!」

 

ピッコロ「悔しいが、戦闘力は超サイヤ人になれる孫達が飛び抜けている。戦いは孫達に任せて俺達はサポートに専念するとしよう。」

 

ベジータ「任せろ。だがやる事は他にもたくさんある。国王に報告して緊急時の避難計画の策定や避難場所の確保。人造人間の作成者であるドクター・ゲロの捜索。人手はいくらあっても足らん。」

 

悟飯「ドラゴンボールで居場所を探すのはどうでしょう? 別に3年待たなくても人造人間が完成する前に倒してしまえば解決しますよ!」

 

悟空「何言ってんだ悟飯! それじゃあ強ぇ奴と戦えねぇだろ?」

 

チチ「悟空さこそ何言ってるだ! それで怪我でもしたらどうすんだ!? おら皆が傷付くところは見たくねぇだよ!!」

 

ブルマ「・・・あーもー! 分かったわよ! 私も私なりのやり方で地球を守るわよ! これでいいんでしょ!?」

 

ベジータ「それでこそ俺の婚約者だ。頼りにしているぞブルマ。」

 

ワイワイガヤガヤイチャイチャ

 

Dコルド「ふふっ・・・フリーザよ、地球の民は頼もしいな。」

 

Gフリーザ「そうだねパパ。彼らならきっと大丈夫さ。」

 

 

 

 

 

―――3年後 南の都の南西の島―――

 

ラディッツ「ついにこの時が来たか・・・」

 

ベジータ「結局、ドラゴンボールでも見つける事はできなかったな・・・」

 

悟空「ドクター・ゲロの居場所を教えてくれって言ってもそんな奴居ねぇっていうし、人造人間の居場所を聞いても違う奴が見つかったからなぁ・・・」ポリポリ

 

ラディッツ「だが、ドクター・ゲロという人物が存在していたのは確かだ。それに人造人間もドクター・ゲロに造られたモノだった。つまり、トランクスの世界を破壊した人造人間が居てもおかしくはないということだ。」

 

ベジータ「ああ・・・だが、居なければ居ないでその方が良い。人造人間が暴れて農地が荒らされては堪ったもんじゃないからな。」

 

悟空「オラは戦ってみてぇんだけどなぁ~。」

 

ラディッツ「まったくお前と言う奴は・・・」

 

ヒュゥゥゥン・・・スタスタッ

 

クリリン「ベジータ! 島の住人の避難は終わったぞ!」

 

天津飯「それと偵察ロボットも放って周囲を監視している。何かあればすぐに連絡がくるだろう。」

 

ベジータ「そうか、分かった。後は俺達に任せてお前達は離れていてくれ。」

 

クリリン「気を付けろよ? もしもの時は助けに行くからな。」

 

天津飯「力は弱いが分身を配置しておいた。いざという時は盾にでもしてくれ。」

 

ラディッツ「助かる。」

 

悟空「オメェらも気を付けろよ? 敵がそっちに行くかもしんねぇからな。」

 

クリリン「心配すんなって! 俺の仙術で見つからない様に隠れるからな!」

 

天津飯「では、頼んだぞ。」

 

ヒュン・・・

 

ラディッツ「・・・さて、あとは敵を待つだけか・・・」

 

ピピピッ!!

 

ブルマ〔ベジータ、現れたわ! 場所は街の中心部。姿は老人とデブ! 両方男よ!〕

 

ベジータ「本当に現れやがったか・・・ラディッツ! カカロット! 行くぞ!!」

 

ラディッツ「おう! 跡形も無く破壊してくれるわ!」

 

悟空「おーし! いっちょやってみっかぁ!」

 

バシュウウウ

 

 

 

 

 

―――市街地中心部―――

 

人造人間19号「どういうことでしょう20号、人が居ません。」キョロキョロ

 

人造人間20号「ふむ・・・サーチシステムには複数の反応があるが、何かおかしい・・・エネルギーが全て同値? これはいったい・・・む!?」

 

ギュウウウウウ・・・スタッ スタスタッ

 

ベジータ「貴様らが人造人間か・・・やっとツラが拝めたぜ。」

 

20号「不思議だ・・・何故我々が人造人間だと分かったのだ? それにここに現れる事も分かっていたようだな。何故だ? 答えてもらおう。」

 

ラディッツ「ふん。これから破壊される連中が知る必要は無いだろう。」

 

19号「大した自信ですね。ですが貴方方に勝ち目はありません。我々はソン ゴクウをずっと調査してきたのですから。」

 

悟空「オラを調査だと?」

 

20号「そうだ。超小型のスパイロボットを使ってな。天下一武道会の時もピッコロ大魔王の時も・・・」

 

ベジータ「なるほど・・・ならナメック星での戦いもスパイしていたのか?」

 

20号「その必要はない。我々はベジータ達が来た時点で貴様らのパワーや技を完全に把握した。その後更に腕を上げたとして、年齢から考えてそれまでの様な大幅アップは無理だという計算だ。」

 

ラディッツ「ならば俺らが負ける事は無いな。」

 

悟空「ああ。こいつらは一番肝心な事を調べ忘れちまったみてぇだ。」

 

20号「なに?」

 

ベジータ「貴様らに見せてやろう。ナメック星で俺達が手にした力を!」

 

   悟空

ラディッツ「「「はぁっ!!!」」」

 ベジータ

 

ゴッ!!!

 

19号「ありえない! 計算の50倍は超えるパワーです!」

 

20号「なるほど・・・かなりのパワーアップを果たしたようだな。これは早々にアレを使わねばならんか・・・」

 

超ラディッツ「さて人造人間達よ。せっかく戦うのだからこんな狭い場所ではなく広いところで思いっきり戦おうではないか。」

 

20号「・・・いいだろう。我々も全力で戦うなら広い方が良い。」

 

超ベジータ「ならここから南東の方角に無人の荒野がある。そこで戦うぞ。」ヒュッ

 

バシュウウウ

 

 

 

 

 

―――とある荒野―――

 

ギュウウウウウ・・・スタタタッ

 

超悟空「それじゃあ最初はオレが相手だ。いいよな二人とも?」

 

超ベジータ「かまわん。無様な姿を見せるなよカカロット。」

 

超ラディッツ「気を付けろよ。奴ら何か奥の手を持っているようだ。」

 

20号「さっそく孫悟空が相手か・・・好都合だ。もともと我らの標的は孫悟空、貴様なのだからな。」

 

超悟空「オレが狙いだと?」

 

20号「そうだ! 貴様が我がレッドリボン軍を滅ぼしてからずっと貴様を殺すために研究してきた! いかにすれば孫悟空を倒す事ができるか! そしてどういう人造人間なら勝てるのか!」

 

超ラディッツ「カカロットが昔倒したというレッドリボン軍の残党か・・・」

 

20号「そしてとうとう開発に成功した! 究極のエネルギーを取り込む事で最強のパワーを発揮する人造人間を!!・・・19号!」

 

19号「はい、20号!」スッ

 

超悟空「・・・哺乳瓶?」

 

超ラディッツ「なんだあの緑色の液体は? 燃料か?」

 

19号「チュウチュウチュウ・・・」ゴキュゴキュゴキュ・・・

 

カッ!

 

XIX号「・・・」ドドドドドドドドッ

 

超ベジータ「痩せた・・・だと? どういうことだ。奴は人造人間ではないのか?」

 

20号「ふっふっふっ。19号はドクター・ゲロが造り出したもっとも完成度の高い人造人間。そして、今飲んだのは最野菜を濃縮還元した100%最野菜ジュース! これにより19号は最強の戦闘形態へと変形するのだ!!」ドン!

 

超ラディッツ「ちっ、まさか最野菜の力に気づいていたとは・・・敵ながらやりやがる。」

 

20号「貴様らサイヤ人には感謝しているぞ。おかげで孫悟空を殺す事ができる・・・XIX号!」

 

XIX号「リョウカイ」グアッ

 

超悟空「っと」ガシッ

 

XIX号「ナニ!?」

 

超悟空「はっ!!」ドガッ

 

XIX号「グワッ!?」ヒュン・・・

 

ギュン・・・パッ

 

超悟空「ダダダダダダダダ・・・」ドガガガガガガ・・・

 

XIX号「グッ!? ゲッ!? ガッ!?」ドガバキゴキ・・・

 

超悟空「でやぁーーーっ!!!!」ズッ

 

グオオオオオオ!!

 

XIX号「ギャーーーー!!??」

 

ドガアアアアアン!!!!

 

パラパラパラ・・・

 

ドン!・・・ゴロゴロ・・・

 

XIX号「・・・」

 

ボンッ!!

 

20号「そんな馬鹿な!? 濃縮還元した100%最野菜ジュースを取り込んだXIX号のパワーは戦闘力にして5億! それをこうもあっさり倒すだと!?」

 

超ベジータ「最野菜をエネルギー源にするという着眼点は良かった。だが、そんな付け焼刃で摂取したところで常日頃から最野菜を食っているカカロットに勝てる道理はない。」

 

超ラディッツ「それに最野菜に限らず野菜はジュースにする過程で栄養素が失われる。それに気付けなかった事が最大の敗因だ。」

 

20号「ぐぬぬぬぬぬ・・・カッーーー!!!!!」

 

ズバババババババババババババババババババババッ

 

超悟空「うわっ!?」

 

グオオオオオ・・・

 

超ラディッツ「・・・あ、あの野郎・・・逃げやがった!!」

 

超ベジータ「ちっ! すぐに探すぞ! まだ近くに居るはずだ!!」

 

トランクス「皆さん!!」ヒュウウウン・・・

 

悟空「トランクス! 来たんか!」

 

トランクス「すみません。もっと早く来るつもりだったんですが、時間がズレていたので遅れました。」

 

ベジータ「要件はなんだ! 奴を追わねばならんのだ。早く言え!」

 

トランクス「それなら安心してください。母さんが偵察ロボットで追跡してくれています。」

 

ラディッツ「それならひとまず安心か・・・それでどうしたんだ?」

 

トランクス「実は皆さんが戦っていた人造人間と俺の世界の人造人間が違うんです。」

 

ベジータ「なんだと!? じゃあアレの他にも人造人間が居るという事か!?」

 

トランクス「たぶんそうです・・・俺の世界の人造人間は、赤いスカーフを巻いた長い黒髪の少年と可愛い女の子タイプ・・・金髪で少年の方とよく似た容姿で服装は俺みたいな感じでした。それとふたりとも冷たい目と丸いイヤリングをしています。」

 

ラディッツ「厄介な・・・あの19号とやらを見る限り倒せない相手ではないだろうが、3人一緒になって暴れ出したら大変な事になるぞ。」

 

ベジータ「それに奴らは気を持たないから探すのに時間がかかる・・・ブルマが奴の拠点を見つけてくれる事を願うか・・・」

 

トランクス「そうですね・・・ところで悟空さんは大丈夫なんですか? 胸が苦しかったりしませんか?」

 

悟空「おう大丈夫だ! おめぇが持ってきてくれた薬を元にブルマが予防薬作ってくれたからな! それに昨日健康診断してきたけど、医者に健康過ぎて気持ち悪いって言われちまったぜ!」タハハ・・・

 

ラディッツ「最野菜を毎日食べているのだ。病気などになるはずがない!」

 

ベジータ「そのとおりだ。サイヤ人は病気知らずの超健康的な種族だ!」

 

トランクス「・・・この世界のサイヤ人はいろんな意味ですごいですね・・・とりあえず悟空さんが元気でよかったです。」

 

ピピピッ!

 

ブルマ〔皆聞こえる? 人造人間の拠点を見つけたわ! 場所は北の都の近くの山にある洞窟! 今位置情報を送るから急いで!〕

 

ベジータ「分かった。お前はそのまま偵察ロボットで監視を続けてくれ・・・聞こえたなお前達。」

 

トランクス「はい! 人造人間が行動を起こす前に拠点ごと破壊しましょう!」グッ

 

ラディッツ「その前に念のため北の都に避難勧告を出してもらおう。ブルマ、連絡頼めるか?」

 

ブルマ〔それなら大丈夫。人造人間の拠点を見つけた時点でもう連絡してるから。〕

 

悟空「なら安心だな! よーし! いっちょ人造人間をぶっ飛ばしに行くかー!!」

 

一同「「「おう!」」」

 

 

 

―よく似ているが異なる世界からやって来たトランクスにより知らされた地球の危機。そして、その危機を回避する為に立ち上がった悟空達はドクター・ゲロが造り出した人造人間19号を倒すが、20号に逃げられてしまう。そこで知らされる更なる強敵。悟空達は人造人間から地球を守る事が出来るのか・・・―

 

 

 

トランクス「ところで父さんは母さんと結婚したんですか?」

 

ベジータ「入籍して子供も作ったが式はまだだ。人造人間の件があったからな。式はこの問題が片付いてからするつもりだ。」

 

トランクス「そうですか・・・良かった・・・こっちでは結婚するどころか母さんと俺を放って鍛えてばかりだったそうなので安心しました。」

 

ラディッツ「そっちのベジータはホントにクズだな! 野菜を食わないからそんな事になるのだ!」

 

悟空「きっとすっげぇチビでハゲで傲慢で永遠のナンバー2にちげぇねぇぞ!」

 

ベジータ「大丈夫だトランクス。俺は家族を大切にする。そしてお前も俺の家族だ。だから1人で抱え込まず俺を頼れ。いいな?」

 

トランクス「父さん・・・はいっ!」グズッ

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

ラディッツ・・・ナメック星での戦いの後、農業企業ルートベジテブルファーム(根菜牧場)を設立。多くの農家を取り込み、サイヤ式農業を教える事で品質と生産性を大幅に向上させ、更にギニュー特選隊を招き、酪農技術を取り込む事で高品質の乳製品と肉の生産を可能とした。またルートベジテブルファームの製品は非常に栄養価が高く美味である為、地球の食品業界および飲食業界に革命を引き起こした。

ベジータ・・・宇宙連盟の特使として地球連邦に派遣された。今後宇宙との交流行う事になる地球がスムーズに外交を行えるように国王のアドバイザーをしている。

ダイヤモンドコルド・・・フリーザから伝説のスーパー最野菜の事を聞いて試してみたところ宇宙最硬の肉体を手に入れた。元気玉を喰らっても無傷なレベル。


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トランクス「待っていろよ人造人間・・・!!!」

 

ラディッツ「見えた! 北の都だ!」ギュン

 

ベジータ「人造人間はまだ拠点から出ていない! 外からまとめて破壊するぞ!!」ギュン

 

ドオオオオオオン!!!!

 

悟空「なんだぁ!? 爆発したぞ!?」キキッ

 

トランクス「まさか自爆?・・・いやそんなはずはない! 皆さん気を付けてください!」

 

 

ヒュゥゥゥゥゥン・・・ドシーン!

 

18号「まったく、いきなり基地を破壊するなんてどういうつもりさ? 服が汚れちゃったじゃない。」

 

17号「悪い悪い。クソ爺が偉そうに命令してきたからついな・・・それより早く開けてやろう。パイプやコードが切れてしまったからな。」

 

 

トランクス「あいつらです! あいつらが俺の居た世界を破壊した人造人間です!!」

 

ラディッツ「あれがそうなのか・・・姿だけ見れば強そうには見えんが・・・」

 

ベジータ「油断はできんな。先ほどの爆発の際に感知したエネルギーは20号のそれより遥かにデカかった。」ピピピッ

 

悟空「ひゃー!! そんな奴らと戦えんのか! オラ、ワクワクしてきたぞ!!」ウッキウキ

 

 

カチ・・・プシュー・・・バキン!!

 

ザッ・・・

 

16号「・・・」

 

 

ラディッツ「もう一体人造人間だと?」

 

ベジータ「トランクス、あいつはどんな奴なんだ?」

 

トランクス「・・・し・・・知りません。あんな奴見た事も無い・・・」タラリ

 

 

17号「よう、16号。お前の動くところは初めて見るよ。何年かぶりで外に出られた気分はどうだ?」

 

16号「・・・」キョロキョロ

 

17号「ドクター・ゲロはお前を動かすのを嫌がっていた。俺たち自身の首を絞めることになりかねん・・・とね。」

 

18号「どういうことか知りたいわ。御意見は?」

 

16号「・・・」チラッ

 

17号「言いたくないってわけか・・・それとも無口なだけか? まあいい、おまえももともと孫悟空を殺す為に造られたんだろ?」

 

16号「そうだ。」

 

18号「ようやく口を開いてくれたわね。ドクター・ゲロの言いなりになるのはシャクだけど、とりあえず目標が必要だもの。」

 

17号「とはいえ、その目標の方から来てくれたみたいだけどな・・・」チラッ

 

 

ラディッツ「どうやら奴らはやる気のようだ。」

 

ベジータ「それなら俺があの小僧をやる。ラディッツは小娘。カカロットとトランクスは大男の相手をしろ。」

 

トランクス「分かりました。」

 

ヒュゥゥゥン・・・スタタタッ

 

17号「孫悟空の他にベジータにラディッツ・・・もう一人は知らないな。」

 

18号「別にどうでもいいじゃない。どうせ殺すんだからさ。そうでしょ16号?」

 

16号「孫悟空以外は殺す必要はない。」

 

17号「ったく・・・おまえはまじめな奴だな16号。」

 

ベジータ「戦いの前だというのにのんきにおしゃべりとは余裕だな貴様ら。」

 

17号「当然だろ。オレ達には無限のエネルギーがあるんだ。所詮有限のおまえらに負けるはずがない。」

 

ラディッツ「言ってくれる・・・なら無限と有限、どちらが強いか試してみるか?」ググッ

 

18号「試すまでもないと思うけどね。いいわ。最初は私がやる。誰が相手かしら?」

 

ラディッツ「俺だ。貴様のその余裕の面を崩してやる!」ゴッ

 

18号「・・・姿が変わってパワーが上がった?・・・まぁいいわ。やる事は変わらない。」スッ

 

シャッ

 

超ラディッツ「・・・」ガッ

 

ブンッ ガッ

 

バッ ババババッ

 

18号「・・・」バゴッ

 

超ラディッツ「・・・」ガッ

 

ブンッ!・・・ドガン!

 

超ラディッツ「・・・」ギュン

 

18号「・・・」シュン

 

ガッ・・・バキッ!!

 

超ラディッツ「・・・」スタッ

 

18号「・・・」スタッ

 

 

17号「へぇ・・・やるじゃないか。ドクター・ゲロに聞いていた以上だ。」

 

 

超ラディッツ「・・・なるほど、19号とは格が違うな。奴が相手なら既に5回は破壊している。」

 

18号「当然よ。19号がどんな奴かは知らないけど、所詮ドクター・ゲロの言う事を聞くようにデチェーンされた奴でしょ? そんな奴と一緒にされたくないわ。」

 

超ラディッツ「確かにな。貴様と奴とでは比べるのもおこがましい程の差がある・・・ならばここからは本気で行くぞっ」ギュンッ

 

18号「ッ!?」ガッ

 

超ラディッツ「はぁぁぁぁぁぁ!!」ドガガガガガガガガッ

 

18号「・・・ふふっ」バシバシバシバシ・・・

 

ズンッ

 

18号「っ・・・」ブン!

 

超ラディッツ「が・・・はっ・・・」

 

バキッ・・・ドガン!!

 

 

悟空「兄ちゃん!!」

 

トランクス「やっぱり強い・・・」

 

 

ガラッ・・・

 

超ラディッツ「・・・」ギュオォォン!!

 

ドガアアアアアアアアン!!!!!

 

モクモクモク・・・

 

18号「・・・驚いたよ。宇宙人とはいえここまでやるなんてね。おかげで服がボロボロよ。」

 

超ラディッツ「・・・まさか今のを喰らってケロッとしているとはな・・・・・・く、くく・・・はっーはっはっはっはっはっ!!」

 

 

トランクス「ラディッツさん!?」ギョッ

 

17号「なんだ? あまりの力の差に気が狂っちまったのか?」

 

 

超ラディッツ「はっはっはっ・・・・・・決めたぞ。貴様を俺の嫁にする。」キリッ

 

18号「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 

 

ベジータ「え?」

 

トランクス「え?」

 

17号「え?」

 

一同「「「え!?」」」

 

 

18号「い、いきなり何言いだすのさ! 本当に気が狂っちまったのかい!?」オロオロ

 

超ラディッツ「気など狂ってはいない。ただ、純粋に貴様を嫁にしたいと思っただけだ。」

 

18号「なぁっ!?」カァ・・・

 

 

 

17号「はははははっ!! 良かったじゃないか18号! お前みたいなじゃじゃ馬を貰ってくれる奴なんて他にいないぞ。その話、受けてやれよ!」ニヤニヤ

 

16号「孫悟空で無いのなら祝福する。幸せにな18号。」ニッコリ

 

18号「馬鹿言うんじゃないよあんた達! なんで私がこんな貧乏臭い奴の嫁にならなきゃいけないのさ! ふざけるのも大概にしなっ!」ガー!!

 

悟空「兄ちゃんは貧乏じゃないぞ? この間、長者番付で10位になってたからな!」

 

ベジータ「フリーザ様からも経営について学んでいたからな。あと数年もすればカプセルコーポレーションも抜き去る勢いだ。」

 

18号「・・・・・・・・・わ、私より弱い奴なんて御免だねっ!」キッ

 

17号「18号・・・今結構揺れただろ?」

 

18号「そんなわけ無いだろ馬鹿!!」

 

超ラディッツ「・・・なら貴様より強くなればいいんだな?」

 

18号「ふん! 絶っ対に無理だろうけどね!」

 

トランクス「一体何が起こっているんだ? 頭がどうにかなりそうだ・・・」グルグル

 

18号「興ざめだ! 行くよ17号、16号!」スタスタ

 

17号「おい勝手に決めるなよ18号! 16号もなんとか言ってやれ! お前は孫悟空を殺したいんだろ!」

 

16号「確かに私の目的は孫悟空を殺す事だ。だがそれは今でなくてもいい。」

 

17号「・・・しょうがないな。分かったよ。今日はここまでだ。」ザッ

 

トランクス「待て! 逃がさないぞ人造人間!!」カチャッ・・・

 

17号「止めておけよ。さっきので分かっただろう。俺達の方が圧倒的に強いってことがさ。」

 

トランクス「くっ・・・」

 

17号「だから強くなって来いよ。最低でも互角ぐらいじゃなきゃつまらない。ヌルゲーは趣味じゃないんでね。」

 

ベジータ「どういうつもりだ?」

 

17号「別に? 深い意味はないさ。俺達が孫悟空を狙うのはそれ以外にやる事がないからだし、やるならトコトン楽しみたいんでね。だからせいぜい強くなってくれよ。」ヒュン・・・

 

16号「孫悟空。次会う時は貴様を殺す。」ヒュン・・・

 

悟空「おう! それまでに強くなっからな! ぜってぇに負けねぇぞ!!」グッ

 

バシュゥゥゥゥ

 

トランクス「くそっ・・・まさかラディッツさんでさえ敵わないだなんて・・・奴らが暴れ出したらどうすれば・・・」

 

悟空「それなんだけどよぉ・・・あいつらたぶんそんなことしねぇと思うぞ?」

 

トランクス「なにを言ってるんですか悟空さん! あいつらは俺の居た世界を破壊しつくしたんですよ!?」

 

ベジータ「それはあくまでお前の世界の人造人間だろう。俺やフリーザ様の様に根本から違う可能性もある。」

 

トランクス「それは・・・そうですが・・・」

 

悟空「大丈夫だって! あいつらからは悪い感じはしなかったからな! それにラディッツが嫁にしてぇって言うくらいだ。だから悪い奴らじゃねぇさ!」

 

ベジータ「確かに・・・ラディッツの人を見る目は大分養われてきたからな。そのラディッツが認めたんなら問題ないだろう。」

 

トランクス「・・・お二人がそういうならとりあえず納得します。ただし偵察ロボットでの監視はつづけますからね!」

 

ベジータ「それは当然だな。だがあまり近すぎて奴らの癇に障って暴れられたら厄介だ。なるべく遠くから監視するようにしよう。」

 

トランクス「分かりました・・・あれ? そういえばラディッツさんは?」キョロキョロ

 

悟空「そういえばいねぇな。どこいったんだ?」キョロキョロ

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

ラディッツ「待て、お前達。」ヒュン・・・

 

18号「弱い奴はお呼びじゃないって言ってるだろ! さっさと修行でもなんでもしてきな!!」

 

ラディッツ「いや、貴様らは金を持っていないだろうと思ってな。3000万ゼニーが入ったカードだ。持っていけ。」スッ

 

18号「・・・」キュン

 

17号「チョロ過ぎだろ18号・・・まぁ、貰えるもんは貰っとくけどさ。」

 

ラディッツ「そうしてくれ。だが代わりに俺達が強くなるまで大人しくしてほしい。」

 

18号「はっ! なんで私達があんたの言うこと聞かなくちゃいけないのさ!」

 

ラディッツ「聞いてくれればもう3000万ゼニーくれてやる。」スッ

 

18号「まったくしょうがないね! 大人しくしといてあげるよ。ただし金が無くなるまでだからね! 分かったらさっさと強くなってきな!!」サッ

 

ラディッツ「ふっ。言われるまでも無い。」ギュン

 

バシュゥゥゥゥ

 

16号「青春だな。」ニッコリ

 

17号「いや違うだろう!?」ビシッ

 

 

 

 

 

 

―――神の宮殿―――

 

バシュゥゥゥゥ・・・スタタタタッ

 

神様「来たか・・・なんだかおかしな事になっている様だな・・・」

 

ピッコロ「人造人間に求婚するなど何を考えているんだ!」

 

ラディッツ「惚れてしまったのだからしょうがないだろう。」

 

悟飯「おじさん変わってますね。あんな怖い女の人が好きだなんて・・・」

 

チャオズ「ラディッツはドM?」

 

ラディッツ「だれがドMだ!・・・まぁ気が強い女が好きなのは認めるが・・・」

 

ピッコロ「本当に雌雄のある種族は面倒だな。俺には理解できん。」

 

ベジータ「まぁ、性別がないナメック星人には分からんだろうなこの感情は・・・。」

 

悟空「オラも結婚したばっかの時は良く分かんなかったけど、一緒に居るうちになんかこう胸が温かくなってくんだよ。そんでずっと一緒に居てぇって思うようになるんだ。」

 

悟飯「分かるような分からないような・・・」

 

ベジータ「こういうのは言われて理解するものじゃないからな。お前もいずれ恋をすれば分かる。」

 

トランクス「結婚してる人が言うと説得力ありますね。」

 

ラディッツ「さて、この話はここまでだ。俺達は雑談しに来た訳ではないのだからな。」

 

神様「精神と時の部屋だな?」

 

ラディッツ「ああ・・・あそこに籠って徹底的に鍛え直す。」

 

ベジータ「ラディッツ、貴様まさか農行をするつもりか!?」

 

ピッコロ「農行だと? それはいったいなんだ?」

 

ベジータ「農行は、100日の間断食を行い、身体に強い負荷を与えながら不眠不休で素手で畑を耕し続ける・・・サイヤ人でも達成する事が困難な修行法だ。」

 

トランクス「名前は兎も角とんでもない修業ですね・・・」タラリ

 

ラディッツ「こうでもしなければ18号には勝てんだろうからな。」

 

ミスターポポ「でも精神と時の部屋には土が無い。どうするつもりだ?」

 

ラディッツ「そんなもんホイポイカプセルで持ち込めばいい。それと超重力発生装置も一緒に持ち込み、一帯の重力を500倍にした上で超サイヤ人の状態で行を行う。」

 

悟空「ひゃー! すっげぇ楽しそうだな! 兄ちゃん、オラも一緒にいいか?」ワクワク

 

ラディッツ「別にかまわんが、飯が食えんのだぞ?」

 

悟空「う・・・そうだ! 農行する前に食い溜めすんのはどうなんだ?」

 

ベジータ「それは別にかまわん。だが燃費の悪いサイヤ人では食い溜めはあまり意味を成さんがな。」

 

悟空「そっか・・・」

 

ラディッツ「別に俺に付き合う必要はないぞ? お前はお前で修行すればいい。」

 

悟空「・・・いや、オラもやる。それをやれば強くなれんだろ? それに兄ちゃんが大変な思いしてる横で飯なんか食えねぇよ。」

 

ラディッツ「カカロットっ・・・よし分かった! ならば共に農行を達成するぞ!!」グッ

 

悟空「おう!!」

 

・・・・・・・・・・・

 

バタン・・・

 

トランクス「行きましたね・・・俺達はどうしましょう?」

 

ベジータ「俺が重力室を持っている。そこであいつらが出てくるまで修行するぞ。」

 

ピピピッ!

 

ブルマ〔トランクス、聞こえる?〕

 

トランクス「はい。どうかしたんですか母さん?」

 

ブルマ〔実は西のイナカの人から連絡があってね。なんでもウチのロゴが入った不思議な乗り物が見つかったんだって。〕

 

トランクス「? 不思議な乗り物? カプセルコーポレーションの製品じゃないんですか?」

 

ブルマ「ところがさぁ、その乗り物の型式聞いても分かんない訳。それで写真を送ってもらったら、なんとあんたのタイムマシンでさ! しかも壊れちゃってんの!」

 

トランクス「え!?・・・そ、そんなまさか・・・い、いやありますよ? 俺カプセルに戻してこうして持ってますから。」

 

ブルマ〔ああ、やっぱり? ちょっと苔とかがついて古っぽいと思ったのよねぇ。〕

 

トランクス「・・・とりあえずその乗り物のある場所を教えてください。確認しに行きます。」

 

ブルマ〔詳しくはないけど場所は西の1050地区あたりよ。〕

 

トランクス「分かりました・・・父さんすみません。急用が出来ました。」

 

ベジータ「構わん。重要な事なんだろう?」

 

トランクス「はい。なんだか胸騒ぎがするんです・・・」

 

悟飯「だったら僕も行きます。一緒の方が早く見つかるでしょう?」

 

トランクス「ありがとうございます悟飯さん。」

 

ブルマ〔なら私も行くわ。距離もそう遠くないから。〕

 

トランクス「いえ、母さんは待っていてください。何があるか分かりませんから。」

 

ブルマ〔トランクス・・・分かったわ。こっちのトランクスと一緒に待ってるからちゃんと帰ってくるのよ?〕

 

トランクス「はい!」

 

 

 

 

 

 

―――西1050地区―――

 

悟飯「あった! トランクスさんありましたよー!」

 

トランクス「よく見つかりましたね悟飯さん!」スタッ

 

悟飯「でも聞いた通り壊れているみたいですね・・・」

 

トランクス「・・・確かにこれはタイムマシンですね・・・ッ!? そんな馬鹿な!?」

 

悟飯「どうしたんですか?」

 

トランクス「これを見てください・・・」ザッザッ

 

悟飯「Hope?」

 

トランクス「これは俺が出発の時に書いたものです・・・」

 

悟飯「で、でも・・・こっちに来て随分経っているみたいですけど・・・」

 

トランクス「・・・とりあえず、中を見てみましょう。」フワッ

 

悟飯「・・・この穴、変ですよね・・・高熱で溶けた様な・・・それに中からあけた穴ですよ?」

 

トランクス「・・・とにかく開けてみましょう。」

 

カチャ・・・プシュー・・・

 

トランクス「・・・? なんだこれは? 木の実の殻?・・・いや卵か?」

 

悟飯「だとしたら、この穴をあけたのはその卵から生まれた何か?」ゴクリ

 

トランクス「・・・エネルギー残量はゼロ・・・やってきたのは・・・エイジ788!?・・・俺がやってきた時代より更に3年後!?」タラリ

 

悟飯「え・・・!?」

 

トランクス「こ・・・この時代にやってきたのは・・・今から・・・や、約4年前・・・」

 

悟飯「それじゃあこの卵の中身はトランクスさんが来る1年前には来てた?・・・いったい何のために・・・」ゴクリ

 

トランクス「・・・うん? あれは・・・」シュン

 

悟飯「どうしたんですかトランクスさん?」

 

トランクス「これは脱け殻?・・・しかも脱皮した直後だ!」ヌチャ…

 

悟飯「それじゃあまさか・・・卵から産まれた奴が!?」

 

トランクス「・・・まだ近くにいる可能性があります。探しましょう。」

 

 

 

 

 

―――ジンジャータウン―――

 

ギャピッギャピッギャピッギャピッ・・・

 

緑の怪物「くっくっくっ・・・人間が山の様に居るわぁ・・・これならば大量の生体エキスが手に入る・・・」ヒュン

 

ギャピッ

 

住民「・・・え?」

 

緑の怪物「こんにちはお嬢さん。さっそくだが貴様の生体エキスをいただこう。」シュル・・・

 

住民「きゃ・・・きゃーーー!!!!!」

 

シャッ!

 

???「千枚瓦正拳!!」シュッ

 

ズドォォン!!

 

緑の怪物「なぁぁぁぁにぃぃぃぃ!?」ズザザザ・・・

 

住民「あ・・・貴方は!!」

 

???「何をしている! 早く逃げんか!!」

 

住民「は、はい! ありがとうございますミスター・サタン!!」タッ

 

緑の怪物「・・・俺の食事を邪魔するとはぁ・・・貴様ぁ何者だぁ! 」

 

ミスター・サタン「俺の名はミスター・サタン・・・最強の地球人だ!!」ドン

 

緑の怪物「ミスター・サタンだとぉ? そんな奴コンピュータは言っていなかったぞ!」

 

ミスター・サタン「ならばその頭にしっかりと刻み込め! 貴様を倒す男の名をな!!」ダッ

 

セル「舐めるなよ! 俺は強者の遺伝子を組み合わせて生み出された最強の人造人間・セルだ! たかが地球人がこの俺に盾突くんじゃぁねぇぇぇぇ!!」ブンッ

 

ミスター・サタン「ふん! 大蕪一本背負い!!」ガシッ

 

サッ・・・ドシン!!

 

セル「ぐはっ・・・!!」

 

ミスター・サタン「禾花(かか)カカト落とし!」ブン

 

セル「か・・・は・・・」ゴキィン!!

 

ミスター・サタン「価値上げ背足! 上段麦掌(じょうだんばくしょう)! 西瓜割り! 腹下し蹴り!・・・」

 

セル「がっ! ぐっ! ごっ! ぎぃぃぃ!?」ズゴッ! ドッ! ズドン! ドスン!

 

ミスター・サタン「・・・大鬼瓦正拳!!」ヒュッ

 

ズドォォォォン!!!!

 

セル「ぐぅぅぅわぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」ヒュー・・・

 

ドガァァァァァン!!!

 

ミスター・サタン「ウィー!!!」ビシッ!

 

ガラガラガラガラッ!!

 

セル「ぐぅぅぬぅぅぅぅぅ! なぁぜぇだぁ!? たかが地球人のきぃさまがぁぁぁぁぁ!!」

 

ミスター・サタン「がっーはっはっはっはっ! ワシは毎日ラディッツさんところの最野菜を食って身体を鍛えているからな! 人造人間だか妖怪人間だか知らんがこのミスター・サタンの敵ではないわ!!」バーン

 

セル「最野菜だとぉ!?」

 

ミスター・サタン「さぁ! 善良な一般市民を狙う怪物め! ワシの究極の奥義を受けて消え去るがいい!!」ゴゴゴゴゴゴゴッ!

 

セル「ぐぬぬぬぬぬぬぬぅぅぅ!!・・・・・・・太陽拳!!!」

 

ピカー!!

 

ミスター・サタン「何!?」サッ

 

バシュゥゥゥゥ

 

ミスター・サタン「・・・逃がしたか。」

 

バシュゥゥゥゥ・・・スタッ

 

ピッコロ「おい貴様! あの怪物と戦っていたな! 奴はどうした!?」

 

ミスター・サタン「あ! 貴方はラディッツさんの御友人の方ですね? すみません逃がしてしまいました。しかし、だいぶ手傷を追わせたのでしばらく動けないでしょう。」

 

ピッコロ「そうか・・・とりあえず礼を言う。貴様のおかげでこの町は救われた。」

 

ミスター・サタン「いえいえ! 世界チャンピオンとして当然の事をしたまでです!」

 

バシュゥゥゥゥ・・・スタタッ

 

悟飯「ピッコロさん!!」

 

トランクス「神様から町が怪物に襲われたと聞きました。大丈夫ですか!?」

 

ピッコロ「ああ、この男のおかげで皆無事だ。」

 

悟飯「そうだったんですか! ありがとうございます・・・・って、サタンさん!?」ギョッ

 

ミスター・サタン「おお! 悟飯くんじゃないか! 元気にしとったか?」

 

悟飯「はい! 毎日最野菜を食べてるから病気知らずです!」

 

トランクス「あの・・・悟飯さん、この人はいったい?」

 

悟飯「この人はサタンさんと言って、おじさんの会社がスポンサーになっている格闘家の方です。今年の天下一武道会で圧倒的な力で優勝したんですよ!」

 

ピッコロ「そういえばどこかで見たと思ったら天下一武道会のチャンピオンか・・・なかなかやるとは思っていがここまでとはな・・・」

 

ミスター・サタン「がっはっはっはっ!! それもこれもラディッツさんのおかげですよ! 彼が最野菜と最高の修行環境を用意してくれたからこそ優勝できたんです!」

 

トランクス「そうなんですか・・・でも、どうしてラディッツさんは彼のスポンサーになったんでしょう?」

 

悟飯「サタンさんの善良な心とエンターテインメント性に目を付けたみたいです。サタンさんを鍛えてチャンピオンにすれば良い宣伝にもなるって。」

 

ミスター・サタン「しがない格闘家だったワシに目をかけてくださったラディッツさんには本当に感謝しています。これからはルートベジタブルファームの宣伝部長としても頑張っていきますよ!」グッ

 

ピッコロ「そうか、頑張ってくれ・・・ところ町を襲った怪物についてだが・・・」

 

ミスター・サタン「そうでしたな。奴は人造人間セルと名乗って町の人間を襲っていました。たしか、生体エキスがどうのと言ってましたな。」

 

トランクス「きっとそいつがあの抜け殻の主に違いありません・・・それにしても人造人間・・・まさかあいつもドクター・ゲロが造ったのか?」

 

ピッコロ「可能性は高いな・・・だがこれだけははっきりしている。奴が人間を脅かす邪悪な存在だという事だ。」

 

悟飯「じゃあ早く倒さないと!」

 

トランクス「ですがどうやって探すんですか? そのセルというのは気を隠すのがかなり上手いようです。」

 

ピッコロ「それなら問題無い。神の奴がずっと監視しているからな。」

 

ミスター・サタン「それなら安心だな!」

 

神様【そのことだが、すまん見失った。】

 

ピッコロ「なんだと!? どういう事だ!!」

 

神様【奴の移動速度が早すぎる。私では捉える事ができん。】

 

悟飯「そんな・・・」

 

ピッコロ「くそったれ! おい神! 貴様はそのままセルの捜索を続けろ! そしてトランクス! 貴様はブルマに連絡して地球瞬時警報システムを起動させるように政府に依頼させろ! 時は一刻も争う!!」

 

トランクス「分かりました。すぐに連絡します!」

 

神様【すまん・・・必ず奴を見つけ出してみせる。】

 

悟飯「ピッコロさん・・・僕はどうすれば・・・」

 

ピッコロ「お前は神殿に戻って鍛えておけ。万が一の時に戦えるようにな・・・」

 

悟飯「分かりました! ピッコロさんはどうするんですか?」

 

ピッコロ「俺は天津飯達と手分けしてセルを探す。サタン、貴様はどうする?」

 

ミスター・サタン「ワシは王宮に行って会見に立ち会います。そして、世界チャンピオンの名において全世界の人々に避難を促すのです。こういう時に世界チャンピオンという肩書は役立ちますからな!」

 

ピッコロ「ふっ、そいつは頼もしいぜ。」

 

ミスター・サタン「当然です! なんたってワシは世界チャンピオンなんだからな! がっーはっはっはっはっは!!!」

 

 

 

―トランクスの世界の未来からやってきた新たなる敵セル。ミスター・サタンの活躍により犠牲者こそ出なかったもののセルはその行方をくらます。何故トランクスのタイムマシンを使っていたのか、何の目的でこの世界にきたのか、謎は深まるばかりだがただ一つはっきりしている事がある。それは人類最大の危機だということだ。悟空達はセルの野望を防ぐ事ができるのか。地球の存亡をかけた戦いが始まる―

 

 

 

セル「なぁぜぇだぁ? 何故人間がどこにも見当たらない? これでは生体エキスを集める事ができないではないかっ・・・む? なんだこれは!? 何故こんなものに大量の生体エネルギーがぁ!? ・・・まあいい。今の状態ではロクに戦う事もできん。気は進まんがこれからエネルギーを吸収することにするかぁ・・・」

 

ギュウッ・・・ゴクン・・・

 

セル「な!?・・・これは!?・・・ふ、ふははは・・・ふっーはっはっはっはっはっはぁぁぁ!!・・・溢れる! 力が溢れるぞぉォォォォ!!!!!! 人間のエキスを吸わずともこれさえあれば!・・・待っていろよ17号、18号! これで力を蓄え、必ずお前たちを吸収してやる!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

ミスター・サタン・・・ラディッツに見出されたエンターテインメント性に富んだナイスガイ。ルートベジタブルファームの全面バックアップの下で修業を行い、サイヤ空手を身に付け、地球人として最強の力を手に入れる。ちなみに飛ぶ事は出来るが気弾系の攻撃はできない。

セル・・・トランクスの世界からやってきた人造人間。ただし、トランクスの世界は原作と同じなため、農耕民族の遺伝子を持っていない。


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神【ぜ・・・絶望的だ・・・奴の成長率は異常過ぎる・・・!】

 

ピッコロ「見つけたのか!? だがどういうことだ! 人間の避難は既に終わっている! 何故奴の力が増している!?」

 

神【奴はパオズ農場で最野菜を吸収している・・・最野菜が秘める豊富な栄養素が奴に力を与えているのだ!】

 

天津飯「なんてことだ!? よりにもよって最野菜を取り込むとはっ・・・」

 

クリリン「どうするんだよ!? ラディッツ達はまだ出てきてないんだろ!?」

 

神【・・・こうなっては仕方がない。ピッコロよ、宮殿に戻ってくるのだ。神と大魔王が再びひとつになる時が来た・・・】

 

ピッコロ「何を言っている! 貴様が居なくなればドラゴンボールが無くなるんだぞ!?」

 

神【たしかにそうだ。だが、ここで奴を止めるには我らが融合するしかない。】

 

クリリン「そんな・・・じゃあ人がいっぱい死んじまった時はどうすればいいんだ!?」

 

神【・・・作ったわたしが言うのもなんだが、死者さえ蘇らせるアレは元々宇宙の摂理に反するモノ。あまりに大きな願いを叶え続けると相応の歪みも生まれてしまう。】

 

天津飯「歪みか・・・考えてみれば、ノーリスクでどんな願いも叶えてくれるだなんて、そんな都合の良い話があるわけがなかったな・・・。」

 

神【わたしは悟空の様な高潔な心を持った者の最後の希望としてドラゴンボールを失くさずに残した。だが、もうそれも必要ないだろう。人々は地球の危機に手を取り合い、各々が出来る事を必死に行っている・・・そう、人が神の手から離れる時が来たのだ!】

 

ピッコロ「・・・分かった。ならば俺も地球の住人として出来る事をやろう。神よ、すぐに向かう。」

 

神【ああ、待っているぞピッコロ。】

 

 

 

 

 

 

―――パオズ農場―――

 

セル「ぶるぁぁぁぁぁ!!」

 

シャクシャクシャクシャク!

 

セル「うまい・・・うまいぞぉぉぉォォォォ!! もっとだ! もっと最野菜を食べなくては・・・俺の身体が! 全細胞が! 最野菜を求めてぇいるぅぅぅぅぅ!!!!!」ゴゴゴゴゴッ

 

バシュゥゥゥゥ・・・スタッ

 

ピッコロ「そこまでだ化け物め!!」

 

セル「・・・誰かと思えばピッコロ大魔王ではないか。」

 

ピッコロ「!? 何故その名を知っている!?」

 

セル「何故知っているかだと? 簡単な事よ。俺が貴様の兄弟だからだ。」

 

ピッコロ「兄弟・・・だと? 何を訳のわからん事を!!」

 

セル「くっくっくっ・・・まぁ、これじゃあ分からんよなぁ。よぉし、今の俺はすこぶる機嫌が良い。特別にこのセルについて教えてぇやろぅ。」

 

ピッコロ「・・・」ゴクリ

 

セル「改めて、わたしの名は人造人間〝セル″。生み出したのはドクター・ゲロの使っていたコンピュータだ。」

 

ピッコロ「やはりドクター・ゲロか・・・」

 

セル「その昔ドクター・ゲロは戦闘の達人達の細胞を集め、その細胞を合成させた人造人間の研究を始めたが時間がかかり過ぎる為に途中で断念した・・・しかしコンピュータはその作業をそのまま休むことなく続けていた・・・そして超小型の虫型スパイロボットを使い、孫悟空やピッコロ・・・更にベジータにフリーザ、そしてその父親の細胞をも集めたのだ。」

 

ピッコロ「まさかそんな事が・・・」

 

セル「今頃コンピュータはドクター・ゲロの研究所の地下でわたしを造っているだろうよ。」

 

ピッコロ「・・・いいのか? そんなことまで話して。」

 

セル「別にこの世界のセルがどうなろうと構わん。わたしさえ存在していればそれでいいのだからなぁ。」ニィ

 

ピッコロ「貴様・・・」

 

セル「さて話は以上だ。それではそろそろ始めようか。」ゴキッ

 

ピッコロ「最後に聞かせろ。何故貴様はわざわざこの世界にやってきたんだ!?」

 

セル「わたしの目的は完全体となることだ。そしてそうなるにはドクター・ゲロが造り出した17号と18号を吸収する必要がぁある・・・どうやったのかは知らんが私の居た未来ではトランクスに破壊されてしまっていてな。しかし、運よくトランクスがタイムマシンを持っていたのだ。そして、わたしはトランクスを殺し、タイムマシンを奪って、この時代にやってきたと言う訳だ。」

 

ピッコロ「そういうことだったのか・・・」

 

セル「さぁもう質問は終わりだな?」

 

ピッコロ「ああ・・・質問に答えてくれてありがとうよ。その礼に貴様にいい事を教えてやろう。」

 

セル「なに?」

 

ピッコロ「俺はもうピッコロでも神でもない・・・俺は貴様を倒す者だ!!」ゴッ!!

 

セル「!? このパワーは・・・!」

 

ピッコロ「はっ!!」ズッ

 

グォア!!・・・ズザァァァ・・・・

 

セル「ぬぅ・・・」グググッ・・・ムクッ

 

バッ・・・シュバッ

 

ピッコロ「ふっ!」サッ

 

バキッ

 

セル「ちィ・・・」バッ

 

ザクッ

 

ピッコロ「・・・」シャッ

 

ゴキィッ!!

 

セル「っ・・・」ブン!

 

ドガン!!

 

ピッコロ「ちっ・・・」ヒュー・・・サッ

 

スタッ

 

セル「か・め・は・め・・・」ギュゥゥゥン

 

ピッコロ「魔貫・・・光殺砲!!」ギャルルルルル!!

 

セル「波ぁぁぁぁーーー!!!」グオオオオオ!!

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

 

セル「・・・まさか貴様がここまでの力を持っていたとはな・・・」

 

ピッコロ「それはこっちのセリフだ。せっかく神と融合してスーパーパワーアップしたというのに貴様は最野菜を取り込むだけでそれに匹敵する力を手に入れた・・・ったく、反則的な能力だぜ。」

 

セル「くっくっくっ・・・わたしも驚いているよ。たかが野菜にこれほどの生体エネルギーがあるなど信じられん。だがおかげでわたしは成長する事ができた! この最野菜とかいう野菜の持つ栄養素を余さず取り込む度にわたしの細胞は歓喜に撃ち震え進化した!!・・・だがまだ足りんようだなぁ・・・」シュル・・・

 

ピッコロ「っ・・・」バッ

 

ギュオオオオオオオオ!!!

 

ピッコロ「こ、これは・・・吸いこまれるっ!?」ズザザザザ・・・

 

ヒュン・・・ヒュン・・・ゴキュンゴキュンゴキュン・・・

 

ピッコロ「なっ!? 周りの最野菜を吸いこんでいるのか!?・・・させん! 超爆裂魔波ぁぁぁ!!!」ダンッ

 

カッ・・・ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴン!!!!!!

 

 

ピッコロ「・・・どうだ?」ハァハァ

 

ゴッ!!!!!!

 

ピッコロ「っ!?」サッ

 

ギャピッギャピッギャピッギャピッ・・・

 

ギャピッ!

 

セル(健康体)「最野菜が無ければ即死だったぞ。」

 

ピッコロ「貴様・・・その姿はっ!?」

 

セル(健康体)「どうやら大量の最野菜を取り込んだ事により進化したようだな・・・ふははははっ! 身体が驚くほど軽いぞぉ!」

 

ピッコロ「くそったれぇぇ!!」ギュン!

 

セル(健康体)「どこを見ている?」シュン!

 

グルグルグルグル!

 

ピッコロ「ぐぅ!? 早いッ」ググググッ

 

セル(健康体)「無駄だ。わたしの尻尾からは逃れられん。それでは貴様の生体エキスをいただくとするぅかぁ・・・」

 

ドスッ

 

ピッコロ「がっ・・・あああああぁぁぁぁぁぁ!?」ドクンドクンドクン・・・

 

セル(健康体)「ッ!?」バッ

 

ピコッロ「はっ・・・な、なんだ? 何故離れたんだ・・・?」ゼェゼェ・・・

 

セル(健康体)「・・・不味い! なんと不味いエキスなんだぁぁぁ!!!」ピキピキピキ

 

ピコッロ「・・・・・・・・・・え?」

 

セル(健康体)「まさか生体エキスがこんなにも不味いとは思わんかったぞぉ!! ダメだ、これでは生体エキスでパワーアップできん! 最野菜だ! 最野菜を探さねばぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ギュン

 

バシュゥゥゥ

 

 

ピッコロ「えぇ・・・(困惑)」

 

 

 

 

 

 

―――ドクター・ゲロ研究所―――

 

クリリン「ピッコロの話だとここに地下研究所があるはずなんだけど・・・」キョロキョロ

 

トランクス「クリリンさん、ありました。たぶんここですよ!」

 

クリリン「おっ! ほんとだ! さっそく降りてみよう。」

 

ヒュゥゥゥ・・・スタタッ

 

???「おやぁ・・・まさかこんなところに客人がくるとはなぁ。」

 

クリリン「っ! 誰だ!?」バッ

 

キュピッキュピッキュピッ・・・

 

トランクス「子供?・・・いやまさかセルか!?」

 

セル「なぁんだ。君達はボクのことを知っているのかぁ。でもどうして知ってるのかなぁ? ボクのことはドクター・ゲロしか知らないはずなんだけどなぁ・・・」コテン

 

トランクス「貴様がそれを知る必要はない。貴様はこれから死ぬんだからな!」カチャ・・・

 

セル「おっと、待った待ったぁ! 別にボクは君たち人間を害しようとは思ってないよぉ! ボクの興味は農業だけだぁ!」

 

クリリン「農業?・・・あっ、そうか! ここのセルは農耕民族のサイヤ人の細胞を持ってるから農業に興味があるのか!」ポン

 

トランクス「だからといって敵じゃないとはいえません。今も俺達から生体エキスを吸おうとしているのかも・・・」キッ

 

セル「そんなことしないよぉ! ボクにはそんな能力無いし、そもそも戦闘力さえないんだから!」ブンブン

 

クリリン「そうなのか?・・・じゃあちょっと頭を触らせてくれよ。俺の仙術ならお前が力を隠していても触れれば探る事ができるからな。」

 

セル「どうぞどうぞ。それで疑いが晴れるなら。」

 

クリリン「それじゃあ・・・」スッ

 

トランクス「・・・どうですかクリリンさん。」

 

クリリン「・・・こいつの言うとおりだ。こいつには戦闘力がほとんどない。代わりにすごい農業力を持ってるみたいだ。」

 

セル「当然さぁ! ボクはサイヤ人のエリートである孫悟空にラディッツ、ベジータの細胞を持ってるからね!」

 

トランクス「・・・分かった。お前を信じよう。」

 

セル「ありがとう! それじゃあ改めて自己紹介をしよぅ。ボクは大地と野菜と平和を愛する人造人間〝セル″。ドクター・ゲロのコンピュータの誤動作によって生み出された存在さぁ!」

 

トランクス「誤動作?」

 

セル「うん。ちょっと前なんだけど、上の研究所が大爆発しちゃってねぇ。その衝撃でコンピュータが壊れちゃったみたいなんだ。そしてその壊れたコンピュータが合成中の細胞から悪の因子を排除して急成長させた結果生まれたのがボク・・・『完善体』セルなのさ!」

 

クリリン「完善体か・・・あいつとはある意味真逆の存在なんだな・・・」

 

セル(完善体)「それじゃあ次は君達の番だよ。君達の事、そして何故ボクの事を知っていたのか教えてよ。」

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

セル(完善体)「・・・つまぁり、君の世界のセルがこの世界の17号と18号を吸収して完全体になる為にやってきたんだね。」

 

トランクス「そうです。そして今、俺の世界のセルは力を蓄えるために最野菜を取り込んで進化を続けています。このままではそう遠くないうちに17号と18号を吸収する為に現れるでしょう。」

 

セル(完善体)「それは困ったねぇ。今のままでも危険なのにこれ以上強くなったらまぁずい。」

 

クリリン「なぁ、おまえもセルなら何か弱点とか知らないか?」

 

セル(完善体)「そぉうだねぇ・・・もしかしたらナメック星人の弱点である口笛が効くかもしれない。」

 

トランクス「口笛か・・・でもそれだけでは決定力に欠けますね。」

 

セル(完善体)「あとはそうだなぁ・・・なんとかして取り込んだモノを吐き出させるとか・・・」

 

クリリン「なんとかって・・・」

 

セル(完善体)「しょうがないだろぉ。コンピュータが壊れてなければ聞けたかもしれないけど、ボクが完成した時点で完全に壊れてしまったんだぁ。まぁ、データだけなら残っているかもしれないけど・・・」

 

トランクス「ならコンピュータを持って帰りましょう。母さんに協力してもらえばデータが壊れていても復元できるかもしれない。」

 

セル(完善体)「ならボクも一緒に行こぅ。何かの役に立てるかもしれないからねぇ。」

 

クリリン「いいのか?」

 

セル(完善体)「もちろんさぁ。言っただろぅ、ボクは平和を愛するって。今の状態じゃおちおち農業もできないし、異世界のセルは最野菜を盗んでるんだろぅ? これはなんとしてもお仕置きしなくちゃねぇ・・・。」ピキピキ

 

クリリン「ははは・・・そういうところはサイヤ人っぽいな。」

 

トランクス「・・・よし。コンピュータはカプセルに収納しました。急いで戻りましょう。」

 

セル(完善体)「そうだぁ、これも持っていこぅ。17号と18号の設計図だよ。何かの役に立つかもしれない。」

 

クリリン「おっ! それがあればあいつ等が暴れ出した時に止められるかもしれないな!」

 

トランクス「ええ! それも一緒に母さんに見てもらいましょう!」

 

 

 

 

 

 

―――神の宮殿―――

 

ギィィィ・・・バタン

 

ベジータ「ようやく出てきたか。100日の予定だったのに1年間も修業しやがって。待ちくたびれたぞ。」

 

超ラディッツ「すまん。農行は達成したがまだ不安だったからな。」

 

超悟空「おう! おかげですっげぇ強くなれたぞ! 超サイヤ人にもずっとなっていられるようになったしな!」

 

ベジータ「そのようだな・・・これなら俺も貴様らと同じ修業をした方がよさそうだ・・・トランクス入るぞ! 少しでも早くパワーアップするんだ!」

 

トランクス「待ってくださいよ父さん! 俺はサイヤ人の血を引いてますけど農耕民族じゃないんですよ!? だから農行をしたって・・・」

 

ベジータ「たしかにお前は農耕民族ではない・・・だが、農行は何も農業力を上げる為だけのモノじゃない。 極限の状態に身を置く事で感覚を研ぎ澄まし、余分なモノを削ぎ落す・・・その結果己の中に眠っている潜在能力を引きだす修業なんだ。これを行えばお前は必ず強くなれる。だから俺に着いてこい!」

 

トランクス「父さん・・・分かりました。俺も強くなりたい。人造人間にもセルにも負けないくらい!」

 

ベジータ「それでこそ俺の息子だ! それじゃあ行ってくる。ラディッツ、カカロット。お前達が精神と時の部屋に入っている間に事態は大きく動いてる。ピッコロに話を聞いておけ。」

 

トランクス「それと今、母さんがドクター・ゲロの研究所にあったコンピュータと人造人間の設計図を調べているので何か分かったら連絡があるはずです。」

 

超ラディッツ「分かった。状況を確認したら動くとしよう。」

 

超悟空「強くなったオラ達ならどんな奴にだって勝てるさ! ベジータ達が出てくる前に終わっちまうかもしんねぇぞ!」

 

ベジータ「それならそれでかまわん。一番重要なのは地球を守る事だからな・・・それじゃあ行ってくる。」

 

トランクス「ラディッツさん、悟空さん。皆をよろしくお願いします。」

 

ラディッツ「当然だ。貴様はこっちを気にせずにしっかり強くなって来い。」

 

トランクス「はいっ!」

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

ピッコロ「・・・という訳だ。」

 

悟空「ひゃー! そんなすげぇ奴が現れたんか! オラ、ワクワクしてきたぞ!」

 

ラディッツ「そのセルという奴は許せんな。俺らが丹精込めて育てた最野菜を盗み食いした挙句、18号を狙っているだと・・・最早畑のこやしでは済まさん・・・ 塵も残さず滅ぼしてくれる!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

天津飯「許せんのは分かったから気を収めてくれ・・・息ができん。」タラリ

 

ラディッツ「おっと、すまん。」シュウ・・・

 

クリリン「本当に強くなったんだな~。これなら18号達やセルにも勝てるんじゃないか?」

 

ラディッツ「どうだろうな。18号はあの時本気を出していなかったからどれだけ強いのか分からんし、セルの方は今も成長を続けているのだろう?」

 

ピッコロ「いや、セルの方は恐らく大丈夫だ。パオズ農場の件で最野菜を吸収している事が分かったからな。残りの最野菜農場・・・ルートベジタブルファームの本社とカプセルコーポレーションの分は全て収穫して厳重に保管してある。後は奴が痺れを切らして現れるのを待つだけだ。」

 

ラディッツ「そうか・・・ところで18号達の動向はどうだ? セルがそちらに現れる可能性もある。」

 

ピッコロ「あいつらなら東地区でドライブしているところだ。元々東の都で買い物をしていたようだが、住人が避難したからすることが無くなったようでな。」

 

悟空「お! あいつら暴れなかったんだな!」

 

ピッコロ「18号はだいぶ御立腹だったがな。」

 

ラディッツ「セルの事は教えてあるのか?」

 

クリリン「それなら俺が教えに行ったよ。セルの奴に吸収されたらまずいからな。でも17号が返り討ちにしてやるって息巻いちまってさ。そのまま行っちまったよ。」

 

ラディッツ「・・・嫌な予感がする。すぐに18号の元に向かうぞ。」

 

悟空「18号とは戦わねぇのか?」

 

ラディッツ「今はそんな事をしている場合ではないだろう。18号と戦うのはセルを倒した後だ。」

 

悟空「そっか。そんじゃあさっさとそのセルって奴を倒さねぇとな!」

 

ラディッツ「ああ! この世界に来た事を後悔させてくれるわ!!」クワッ

 

 

 

 

 

 

―――東地区某所―――

 

ブゥゥゥゥン・・・

 

18号「・・・」ムスー

 

17号「いい加減機嫌直せよ18号。別に買いものなんていつでもできるだろう?」

 

18号「わたしはさっさと金を使いきって思いっきり暴れてやりたいんだよ!」キッ

 

17号「その割に時間をかけて買った服が一着だけなのはなんでだよ? 実はそれ、ラディッツに見せる為に買ったんじゃないのか?」ニヤニヤ

 

18号「はぁ!? なんで私があんな奴の為にそんなことしなくちゃいけないのさ!! 時間がかかったのは気に入った服がなかなか見つからなかっただけだ!!」ウガー!

 

17号「ふーん・・・そういう事にしといてやるよ。」

 

18号「だーかーらー!!」グギギキ・・・

 

16号「車を止めろ17号・・・何か来る・・・」

 

17号「え? ラディッツでも来たのか?」

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

 

ヒュン・・・スタタタッ

 

18号「いったいなんなんだい!?」

 

17号「ラディッツ達がこんな事するとは思えない・・・ということはセルって奴か。」

 

ギャピッ!

 

セル(健康体)「ぐふふふふふ・・・見つけたぞぉ17号ぉ、18号ぉ。」

 

18号「あの気持ち悪い奴がセルなのか? 私達と全然違うな・・・」

 

17号「ドクター・ゲロはセンスが無いな。どうせならもっとかっこよく造ってやればよかったのに。」

 

16号「二人とも無駄話を止めて早くここから離れろ。お前たちでは奴に勝てん。」

 

17号「何言ってるんだよ16号。俺達には無限のパワーがあるんだぜ? あんな奴返り討ちにしてやるよ。」

 

セル(健康体)「ほぅ・・・言ってくれる。ではお前からいただくとするか17号。」シュンッ

 

グオン!

 

17号「え?」

 

16号「・・・」ブン

 

ドガッ

 

セル(健康体)「ちっ・・・旧型が邪魔しおって・・・」ギャルルン・・・ズザッ

 

18号「何なんだい今のスピードは・・・まったく捉えられなかった・・・」タラリ

 

16号「今ので分かっただろう。奴の戦闘力は大き過ぎる・・・お前達が奴に吸収されれば、もう誰の手にもおえない・・・世界の終わりだ。」

 

17号「だから尻尾巻いて逃げろって? 冗談じゃない。 さっきは油断したがあんな醜い妖怪野郎、俺の敵じゃない!!」ダッ

 

16号「17号!」

 

セル(健康体)「やれやれ・・・大人しく吸収されないかぁ・・・ならば強制的に大人しくさせるまでぇだぁ。」シュンッ

 

ガギン

 

17号「はっ! どうだ? お前の動き捉えてやったぜ?」グググ・・・

 

セル(健康体)「ほぅ・・・流石だ17号。では更に早くするか。」シュンッ

 

17号「なに!? ぐわっ!?」バキッ

 

シュンッ・・・ゴキッ

 

シュンッ・・・ドスッ

 

シュンッ・・・バキィ

 

シュンッ・・・ドガン

 

17号「かっ・・・はっ・・・」

 

 

18号「・・・たしかに逃げた方が良さそうだね・・・」

 

16号「ああ、そうだ。私が17号を救出する。そうしたらすぐに逃げてくれ。」

 

18号「まさか戦うつもりか!? やめなよ! 17号であれなんだ! 旧型のあんたじゃ・・・」

 

16号「・・・」ザッ

 

18号「聞いているのか16号!!」

 

16号「お前達はいい奴だ。人間も動物もいたずらに命を奪わなかった。短い間だが、いっしょに旅ができて楽しかった・・・」

 

 

 

セル(健康体)「無駄な抵抗はもう終わりか? それではそろそろ吸収させてもらおうか。」グイッ

 

17号「くっ・・・離せ・・・醜い妖怪野郎!!」ジタバタ

 

セル(健康体)「くっくっくっ・・・これからその妖怪野郎と同化するのだぞ?」スッ

 

グオン

 

17号「ッ!?」ジタバタ

 

セル(健康体)「ではいただこう・・・ん?」トン

 

ガツン!!

 

セル(健康体)「なに!?」ギュゥゥゥン・・・

 

ドガアアアアン!!!

 

16号「17号、すぐに18号と逃げろ。私が奴を破壊する。」

 

17号「破壊するだと?・・・そんなの無理だ・・・俺でさえ手も足も出なかったのに・・・お前が逆に破壊されるぞ!?」

 

16号「・・・計算では私とセルはほぼ五分と五分の戦闘力だ。」ドシュンッ

 

17号「なんだって!?」

 

セル(健康体)「面白い! ならばその力見せてみろぉ!!」バシュンッ

 

ガギィィィィィィン!!

 

セル(健康体)「ぬぅ・・・このパワーは・・・」グググググッ

 

16号「やはりな・・・スピードは早いがその分パワーが低い。」ガチッ

 

ブンブンブンブン!!

 

セル(健康体)「なあぁぁぁぁ!?」ドガンドガンドガンドガン!!

 

ドガン!!!

 

ガチャン・・・ブルン・・・ブィィィィン!!

 

セル(健康体)「・・・っ!? チェーンソーだとぉぉ!?」ギョッ

 

チュィィィィン!!

 

セル(健康体)「ぎぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?」ジタバタ

 

ガチャン・・・キャルキャルキャルキャル・・・

 

17号「なんだアレは!? 刃が付いたローラー?」タラリ

 

16号「耕運機の爪だ。」ダン

 

ギャリギャリギャリギャリ!!

 

セル(健康体)「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!?」ビクンビクン

 

ガチャン・・・キィィィィィィィン!!

 

18号「今度はドリルかよ!? 16号、おまえはいったい何なんだ!?」ゾッ

 

16号「私はドクター・ゲロが1カ月徹夜した際のおかしなテンションで造り上げた開拓型の人造人間・・・ゆえに開拓に必要な全ての装備が備わっている。」

 

17号「じゃあ、ドクター・ゲロがお前を封印していたのは・・・」

 

16号「わたしがドクター・ゲロ最大の黒歴史だからだ!!」グイッ

 

ギィィィィィィィィィィン!!!!

 

セル(健康体)「あっ・・・」ダラン

 

18号「・・・死んだのか?」

 

16号「まだだ。」ブン

 

ガチャン・・・

 

16号「ヘルズフラッシュ!!!」ボッ

 

ヴオッ・・・ズオオオオオオオオ!!!!

 

セル(健康体)「・・・」ジュッ

 

16号「・・・」ガチャン

 

17号「マジかよ・・・ホントに倒しやがった・・・」ゴクリ

 

16号「・・・っ!? 逃げろ17号!!」バッ

 

17号「なに?」

 

グチュグチュグチュグチュ・・・

 

セル(健康体)「ばぁ!!」シャッ

 

グオン・・・ギュウッ・・・ゴクン!

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・カッ!!!

 

セル(頑健体)「はぁぁぁぁ・・・体中に力が漲るゥゥゥ・・・これが特殊生命体との融合・・・すばぁらぁしぃぃぃぃ!!!!!」ゴッ

 

18号「そんなっ・・・たしかにあいつは・・・」ジリッ

 

セル(頑健体)「ふっふっふっ・・・私には核が存在してなぁ・・・それが破壊されない限り死にはしない。そして核さえ無事ならピッコロの血の力により再生できるのだぁ!!」

 

16号「18号逃げろ・・・俺が奴を食い止めている間に!!」ドシュン!

 

セル(頑健体)「ふん!!」ブン!

 

ドクシャッ!!!

 

16号「がっ・・・」ズザァァァ

 

セル(頑健体)「馬鹿め! 最早貴様など私の敵ではないわぁ!」クワッ

 

18号「16号!?・・・くっ」スッ

 

セル(頑健体)「さて18号、次は貴様の番だ。大人しく私に吸収されるがいい・・・」ゴゴゴゴゴゴッ

 

 

 

―遂に17号を吸収してしまったセル。そして更なる進化を求め、その魔の手を18号へと伸ばす。ラディッツは間に合う事ができるのか。そして、18号を守る事ができるのか・・・人造人間を巡る戦いは続く―

 

 

 

超ラディッツ「18号・・・無事でいてくれ!!」ギュン

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

セル(健康体)・・・最野菜を大量に吸収した事により進化した姿。見た目は人に近づき、元々細かった身体は更に細くなりスピードが増した。ただしその分パワーが落ちてしまった。

セル(頑健体)・・・セル(健康体)が17号を吸収した姿。身体が某アンチェイン並に発達し、健康体時のスピードを保持したまま超パワーを手に入れた。

セル(完善体)・・・農耕民族世界で生まれた悪の心を持たない善のセル。凄まじい農業力を持つが、戦闘力は人間の子供と大差ない。ドクター・ゲロの知識と農業科学の知識を豊富に有しており、この知識で地球の農業を発展させたいと考えている。ちなみに姿は子供のようだが、CV若本である。


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18号「それ以上近づいたら自爆してやるからね!!」

18号「私に死なれたら困るんだろ?」

 

セル(頑健体)「・・・この声が聞こえるか18号? 俺だ・・・17号だ。」17号ボイス

 

18号「っ!?」

 

セル(頑健体)「今俺はセルと一体化してとてもいい気分だ・・・すばらしいぞ! お前も早く吸収してもらうべきだ。たったそれだけで究極の生命体になる事が出来るんだぞ!」17号ボイス

 

18号「・・・・・・」タラリ

 

16号「だ・・・騙されるな18号・・・そ・・・そんなのはセルが17号の声を利用しているだけだ!!」ギギギッ

 

セル(頑健体)「きさまは余計な事を言うな! 黙ってろ! ロボットに俺達の気持ちは分からんさ!・・・さぁ、18号! 迷う事は無い! 早く一体化して最高のパワーを手に入れるんだ!! そしてドクター・ゲロ様の意思を受け継ぎ、孫悟空を倒し、更に全世界をも我らの手に!!」17号ボイス

 

18号「・・・お前は17号なんかじゃない!! 私達は勝手に改造したドクター・ゲロを恨んでいた。ドクター・ゲロ〝様″なんて間違っても言わないよ!!」キッ

 

セル(頑健体)「・・・ふん! ならば貴様を無理にでも吸収するまでだ。今の私なら、貴様がエネルギー弾を放つ前に捕える事ができるからな!」

 

18号「くっ・・・」ジリッ

 

セル(頑健体)「ふっふっふっ・・・諦めろ。」ニィ

 

超悟空「でやぁぁぁぁ!!」ギュン

 

ゴキィィィィ!!!

 

セル(頑健体)「なぁにぃぃぃ!?」ズザザァ・・・

 

超悟空「だだだだだだだだだだだ!!」ドガガガガガガガ!

 

セル(頑健体)「ぐぅぅぅぅ!! 孫悟空ぅぅ!!」ビシビシビシビシ・・・

 

バシュゥゥゥ・・・スタッ

 

超ラディッツ「18号! カカロットが奴を足止めしている間にここから離れるぞ!!」ガシッ

 

18号「ラディッツ!? どうして・・・」

 

超ラディッツ「お前が心配だったからに決まってるだろう! おい16号! 貴様は動けるか!?」

 

16号「すまない・・・動けそうにない・・・」ギギギ・・・

 

超ラディッツ「ならば俺が運ぶ・・・いくぞ18号! 俺に着いて来い!」スッ

 

18号「っ・・・分かったよラディッツ・・・あんたに着いてくよ!」ギュッ

 

バシュゥゥゥ・・・

 

 

超悟空「・・・行った見てぇだな。」スタッ

 

セル(頑健体)「孫悟空ぅぅ・・・俺の邪魔をしおってぇぇ・・・!!」ギリッ

 

超悟空「そう怒んなよ。もともとオラと戦うつもりだったんだろ? それともオラが怖ぇのか?」ニヤッ

 

セル(頑健体)「舐めるなよ!! 完全体にならずとも貴様なんぞ殺してくれるわぁぁぁ!!!」ゴッ

 

超悟空「へへっ! すげぇ気だな。オラわくわくしてきたぞ! そんじゃあいっちょやってみっかぁ!!」ブオオオオ・・・

 

カッ!!

 

超悟空1-2「はああああ・・・」シュゥゥゥゥ・・・

 

セル(頑健体)「え・・・・・!?」

 

超悟空1-2「・・・いくぞ。」シュンッ

 

ズムッ!!

 

セル(頑健体)「かはっ・・・!?」グラッ

 

超悟空1-2「・・・」グッ

 

バキッ!!!!

 

セル(頑健体)「っ・・・!?」ズザァァ・・・バッ

 

超悟空1-2「どうしたんだよセル? おめぇの力はそんなもんじゃないだろう?」

 

セル(頑健体)「ふっふっふっ・・・少しはやれるらしい・・・な!」ブンッ

 

超悟空1-2「ふっ!」ガシッ

 

グアッ・・・ダン!!!

 

セル(頑健体)「くっ!!」バッ

 

ギュン!!

 

超悟空1-2「はぁっ!!」バカッ

 

ヒュゥゥゥゥ・・・ザパァァァァン!!

 

ヒュン・・・スタッ

 

超悟空1-2「出て来いよセル。まだまだやれんだろ?」

 

バシャン!

 

セル(頑健体)「本気にさせたいようだな・・・この俺を!!」ギリッ

 

超悟空1-2「もっと強くなれんのか!? ひゃー!! だったら遠慮しねぇでやってくれ!!」ワクワク

 

セル(頑健体)「・・・ふふ・・・」

 

サッ

 

セル(頑健体)「はあああああああ・・・!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

カッ!!!!!

 

セル(頑健体)フルパワー「はあぁぁぁ・・・」ニィ

 

超悟空1-2「おめぇやっぱすげぇなぁ・・・ 楽しくなってきたぜ!!」グッ

 

セル(頑健体)フルパワー「孫・・・悟空ぅぅぅぅ!!!!」バッ

 

ガツン!!!

 

 

 

 

 

 

―――とある無人島―――

 

18号「大丈夫か16号?」

 

16号「ああ・・・今自動修復機能をフル稼働しているところだ。あと数分もすれば自分で動けるようになる。」

 

超ラディッツ「すまんな。せめて貴様が飯を食えたなら最野菜の大豆で治してやれたんだが・・・」

 

16号「気にするな。お前は18号を助けに来てくれた。それだけで十分だ。」ニコリ

 

超ラディッツ「俺が18号を助けるのは当然の事だ。18号には俺の嫁になってもらわねばならんのだからな。」

 

18号「ホントあんたは馬鹿だね。こんな時にまでそんな事言うなんて・・・」ソワソワ

 

超ラディッツ「ふっ、お前を嫁にする為なら馬鹿にでもなんにでもなるさ。」

 

18号「ふん! いくら金を持ってようと馬鹿の嫁なんてごめんだよ!」プイッ

 

16号「ふふ・・・青春だな。」ニッコリ

 

ザパァァァン!!

 

超ラディッツ「っ!? 下がれ18号!!」ギュン

 

ガギン!!

 

セル(頑健体)「ほう・・・完全に虚を突いたと思ったんだがなぁ。」グググ

 

超ラディッツ「貴様何故!?」グググ

 

セル(頑健体)「ふっふっふっ! そんなもの孫悟空を殺して追ってきたに決まっているだろう!!」バキッ

 

ギャルルン・・・サッ

 

超ラディッツ「馬鹿を言え! カカロットの気はまったく消えていない・・・何!? セルの気だと!? どういう事だ!?」

 

セル(頑健体)「つまりこういう事さ。」

 

ボコボコン!!

 

18号「きゃあ!?」グルグルグル

 

16号「18号!! ぐっ」ゴキィ

 

超ラディッツ「こ・・・これは・・・!?」

 

セル(頑健体)B「おっと動くなよラディッツ。動けば18号を吸収するぞ?」

 

セル(頑健体)C「お前もだ16号。自爆なんてしようものなら・・・分かってるな?」グリグリ

 

18号「な・・・なんでセルが3体も・・・っ!」ギリギリ

 

セル(頑健体)A「なぁに簡単な事よ。天津飯の四身の拳で分身しただけだ。」ニィ

 

超ラディッツ「まさか天津飯の細胞も持っていたとは・・・カカロットと戦っているのは最後の一人か。」

 

セル(頑健体)A「そのとおり。だが、私の分身は天津飯と違いパワーダウンしないのでな。孫悟空に海に落とされた際に分身して気を抑えながら追ってきたという訳だ。(まぁその分耐久力が下がってしまうのだがな・・・)」

 

超ラディッツ「ちっ・・・してやられたぜ・・・だが何故すぐに18号を吸収しない? それが貴様の目的なのだろう?」

 

セル(頑健体)A「たしかにそうだった。だが、貴様を見た事で考えが変わった。ラディッツ、俺に吸収されろ。そうすれば18号は助けてやる。」

 

超ラディッツ「俺を吸収する・・・だと!? 何故そんな事を・・・」タラリ

 

セル(頑健体)A「私がここまで進化できたのはひとえに最野菜のおかげだ。あれほど生体エネルギーに溢れたモノは他に存在しない。そして、そんな最野菜を生み出す事ができるサイヤ人を吸収する事ができたならどれほどの力が手に入る事か!」

 

18号「だめだよラディッツ! 私はいいからそんな奴ぶっ飛ばしちまいな!!」

 

セル(頑健体)B「うるさいぞ18号ぉ? 大人しくしていろぉ!」ギュウウ

 

18号「うっ・・・」ギリギリ

 

超ラディッツ「やめろ!・・・本当に俺が吸収されれば18号を見逃してくれるんだな?」

 

セル(頑健体)A「ああ、最野菜に誓って手は出さん。」

 

超ラディッツ「・・・分かった。好きにしろ。」

 

16号「ラディッツ!!」ザリッ

 

超ラディッツ「16号・・・18号を頼んだぞ。」

 

セル(頑健体)A「それでは全ての最野菜に感謝して・・・いただきまぁぁぁす!!!」グアッ

 

ズッ・・・ギュウッ・・・ゴクン!!

 

18号「あ・・・ああ!!!」ツー・・・

 

バシュゥゥゥゥゥゥ!!!!!

 

超悟空1-2「兄ちゃんっ!!!」ギュン!!

 

16号「孫悟空!!」

 

セル(頑健体)A「はぁ~~~~~っ!!!」ブゥゥゥン・・・

 

バンッ! バンッ! バンッ!!!

 

超悟空1-2「ちくしょ~!!」ガンガンガン!!

 

カァァ・・・ボゥッ!!!!

 

超悟空1-2「うわぁ~っ!!!」ビュンッ

 

グオオオオオオオオオオオオオオオ・・・

 

ビクトリーセル「・・・」ゴゴゴゴゴゴッ

 

18号「そんな・・・ラディッツ・・・」ペタン

 

16号「分身が消えたか・・・ぬん!」ギギギ・・・

 

ダン!

 

16号「18号、ここを離れるぞ。進化した奴が何をしでかすか分からん。」ポン

 

18号「い・・・嫌だ! あいつを・・・ラディッツを助けないと!!」フルフル

 

16号「無理だ。セルは17号を吸収した時点で俺達を超えていた。そのセルがラディッツを吸収してしまったのだ。私達に勝ち目はない・・・。」

 

18号「でもっ・・・」

 

シュタッ

 

超悟空1-2「オラが奴を足止めする。おめぇらはカリン塔の上にある神様の宮殿へ行ってくれ。そこにオラの仲間達がいる。場所は分かるか?」

 

16号「そこならデータにある。すまない孫悟空。」

 

超悟空1-2「気にすんなって。おめぇらは悪い奴じゃねぇし、困った時はお互い様だ。」

 

ギュピッ!

 

Vセル「・・・リー・・・ロン」

 

超悟空1-2「あいつもやる気みてぇだ。早く行け!!」スッ

 

16号「分かった。いくぞ18号!」ガチッ

 

18号「っ・・・」

 

 

Vセル「ベリィィィィィメロォン!!!!」カッ!

 

 

超悟空「・・・・・・・・へ?」ポカ~ン

 

Vセル「ふはは・・・ふぅーーはっはっはっはっはぁぁぁぁ!! ついに・・・ついにサイヤ人の力を手に入れたぞ! この力さえあれば好きなだけベリーメロンを作る事ができる!! 最早ベリーメロン以外どうでもいい!ア~イ・ラヴ・ベリィィィィィメロォン!! オールハイル・ベリィィィィィメロォォォォン!!」カッ

 

超悟空「・・・おめぇ・・・ホントにセルなのか?」

 

Vセル「何を言っている? どこからどう見てもセルだろう?」

 

18号「いや、変わり過ぎだろっ!!」

 

Vセル「ふむ・・・まぁ、ラディッツを吸収した事により華麗に進化した私を見違えてもしょうがないか・・・よ~し! ならば改めて自己紹介しよう!! 私はベリーメロンを求めて未来からやってきたベリーメロンをこよなく愛する究極のベリーメロン人間・・・ビクトリーセルだぁぁ!!!」Vポーズ

 

16号「どうしてこうなった・・・」

 

Vセル「さぁて、自己紹介も終わったし、そろそろ始めるとするか。」スッ

 

超悟空「っ・・・」スッ

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

スポーン!!

 

18号「首が飛んだ!?」ギョッ

 

クルクルクルクルクル・・・

 

Vセル「ベリーメロンバケーション!!!」カッ

 

ビビビビビビビビビビビビビビ!!!!

 

超悟空「うわっ!?」グッ

 

16号「18号、私の後ろへ!!」グッ

 

 

ズオオオオオオオオオオオ!!!

 

 

16号「こ・・・これは・・・」

 

超悟空「ひゃー!! すげぇな!! 島中一面メロン畑だ!!」ジュルリ

 

18号「いやなんでだよ!!」

 

Vセル「くっくっくっ! すぅばぁらぁしぃぃぃぃぃ!! これがラディッツの・・・サイヤ人の力!! この力さえあれば私の野望を叶える事ができる!!」

 

16号「野望だと・・・?」

 

Vセル「そうだ・・・私の野望・・・それは・・・この全宇宙をベリーメロンで埋め尽くす事だ!!!」ドーン

 

18号「こんな奴の為にラディッツは・・・」フラッ

 

16号「しっかりしろ18号!」サッ

 

Vセル「ふははははは! それでは我が野望の第一歩としてこの地球の大地という大地全てをベリーメロン畑にしてくれる!!!」

 

超悟空「そんなことさせねぇぞ! たしかにメロンはうめぇけど、それだけ育てても誰も幸せにならねぇ!!」ビシッ

 

Vセル「そんな事は無い! ベリーメロンは誰もが愛する至高の作物! それが大地を埋め尽くすという光景を望まぬ人間がいる筈がない!!!!」ビカー!!

 

超悟空「だったら地球の皆に聞いてみるか? そうすればどっちが正しいか分かるはずだ。」

 

Vセル「聞くまでも無いと思うがな・・・まぁいいだろう。ならばベリーメロンとその他の作物全て! どちらが良いか地球の住民に聞こうではないか!!!!」カッ

 

超悟空「よーし! そんじゃあ準備があるから10日位待ってくれねぇか? それまでに準備を終わらせるからよ。」

 

Vセル「いいだろう! ならばその間、私は適当な場所にセルファームを立ち上げ、ベリーメロン畑を作りながら待つとしよう。」

 

超悟空「しょうがねぇな・・・地球の皆に迷惑にならねぇ場所にしてくれよ?」

 

Vセル「善処しよう。」

 

 

 

 

 

 

―――神の宮殿―――

 

ピッコロ「まさかこんな事になるとはな・・・」

 

16号「すまない・・・我々の責任だ。」

 

18号「っ・・・」

 

悟飯「18号さん、そんな顔しないでください。おじさんはそんな顔をさせる為に18号さんを助けたんじゃないんですから。それに今ブルマさん達がセルを造ったコンピュータを調べているところなんです。きっとおじさんを助け出す方法も見つかりますよ!」

 

18号「坊や・・・そうだね。いつまでもクヨクヨなんてしてられない。私もラディッツ達を助けるためにできる事をするよ。まぁ、何ができるのかは見当もつかないんだけどね・・・。」

 

クリリン「それは俺達も一緒だよ。仲間だってのに何もできない・・・すごくもどかしいよ・・・」

 

天津飯「なんにせよブルマ達がコンピュータの解析を終わらせない事には動きようがないな。」

 

キィィィィン!!

 

チャオズ「あ! ブルマの飛行機だ!」

 

悟空「そんじゃあ何か分かったんだな!!」

 

ヒュゥゥゥゥ・・・ガチャン!

 

スタッ キュピッ ボン!

 

ブルマ「皆お待たせ! セルが吸収した物を吐き出させる方法が分かったわよ!」

 

セル(完善体)「へぇ~・・・ここが神の宮殿かぁ。なかなか興味深い所だねぇ。」キョロキョロ

 

8号「なっ!? セル!?」サッ

 

16号「あのセルよりだいぶ小さいが・・・奴が生み出した分身か?」ガチャン

 

クリリン「待て待て待て! 二人とも待ってくれ! こいつはセルだけど俺達に協力してくれてるんだ!」

 

天津飯「そのとおりだ。こいつがラディッツ達を救い出す鍵になるんだ。だから攻撃しないでくれ。」

 

18号「・・・どういう事だい?」

 

悟飯「それをこれから説明します。実はですね・・・」

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

18号「じゃああのトランクスって奴とセルは別の世界から来たってことなのかい?」

 

16号「パラレルワールドというものか・・・まさか実在したとはな・・・」

 

セル(完善体)「そういうことだねぇ。そしてボクがこの世界で生まれた野菜と大地と平和を愛するセルさ! とあるゲームのキャラクター風に言うと 『ぷるぷる。ぼく わるいセルじゃないよ。』だね!」

 

18号「その姿と声でふざけたこと言ってんじゃないよ。捻り潰されたいのかい?」ピキピキ

 

16号「気持ちは分かるがやめるんだ18号。ラディッツを助けられなくなるぞ。」ポン

 

18号「そうだったね・・・命拾いしたな。ラディッツに感謝しな!」チッ

 

セル(完善体)「やれやれ・・・18号はおっかないなぁ。ちょっとしたお茶目じゃないかぁ。」

 

ブルマ「いや私もだいぶイラっときたわよ? だだでさえ姿と声のギャップで気持ち悪いのにそんなこと言われたんじゃ引っ叩きたくもなるわよ。」ヤレヤレ

 

悟空「だよなぁ~。おめぇ声が残念すぎっぞ!」

 

セル(完善体)「酷い!? ボクだって好きでこんな声じゃないのに! どうせならくぎゅボイスが良かったよ!!」

 

悟飯「まぁまぁ・・・僕はセル君の声、嫌いじゃないですよ? 聞いているとなんだか楽しくなってきます。」

 

セル(完善体)「おお! 悟飯くん! 君は何ていい奴なんだ! 是非ボクのお友達になってほしい!」キラキラ

 

悟飯「もちろんだよ! よろしくねセル君!」スッ

 

セル(完善体)「こちらこそよろしく悟飯君!!」ギュッ

 

クリリン「良い話だな~・・・じゃなくて、そろそろラディッツ達を助ける方法を教えてくれよ。分かったんだろ?」

 

ブルマ「そういえばそんな話だったわね。もう! セルの所為で忘れちゃったじゃない!」プンスカ

 

セル(完善体)「いやまぁたしかにボクの所為だけどさぁ・・・」

 

18号「いいからさっさと言いな! じゃないと背中の翅を引っぺがすよ!!」ガシッ

 

セル(完善体)「わっわっ!? 分かったから止めてぇ! ボクのチャームポイントを取らないでぇぇ!?」ジタバタ

 

16号「それでどうすれば二人を助けられるんだ?」

 

セル(完善体)「・・・どうやら奴は吸収したモノを体内に留めておくのにかなりエネルギーを使うみたいでね。なんとかして消耗させれば吐き出すと思うよ。」

 

16号「だが、セルは17号を吸収して無限のエネルギーを手に入れた。それを消耗させるというのは・・・」

 

ブルマ「それなら問題無いわ。セルが・・・ああもう紛らわしいわね! これからこっちのセルは善セルって呼ぶわね!」

 

善セル「構わないよぉ。ボクもあのセルと一緒にされたくないからねぇ」

 

ブルマ「・・・それでね。善セルが持ってきてくれた設計図のおかげでエネルギー炉を止める装置が造れそうなの。これがあればセルが取り込んだ17号のエネルギー炉も止められるはずよ。」

 

クリリン「止められたとしても消耗するようになるだけで強いのは変わらないだろうからなぁ・・・戦って消耗させるのは難しそうだ・・・」

 

悟空「大丈夫だって! あと10日もあるんだからそれまでに強くなればいいさ!」

 

天津飯「そうは言っても精神と時の部屋には使用制限があるだろう? 悟空は後1年分しか使えないぞ。」

 

ピッコロ「・・・いや、なんとかなるかもしれん。」

 

悟空「本当かピッコロ!!」

 

ピッコロ「ああ、俺は神と融合した事でパワーアップしたがその際に知識も継承した。この知識とナメック星で学んだ知識を合わせれば使用期間を延ばして入れる人数も増やせるかもしれん。」

 

悟飯「すごいですピッコロさん!!」

 

クリリン「それならセルともまともに戦えるようになれそうだな!」

 

ピッコロ「できるかどうかはやってみんことには分からんぞ? それに時間が必要だ・・・そうだな、ベジータ達が出てきてからになるが2日程時間をくれ。」

 

善セル「合わせて3日か・・・それじゃあ待っている間もう一つの方法を試そうか。」

 

18号「他に方法があるのかい!? いったいどうすればいいんだ!?」

 

善セル「やる事は単純さぁ。セルに催吐性のある物を食べさせるんだ。これでもラディッツ達を吐き出すはずだよ。」

 

天津飯「そんな事で助けられるのか・・・だがどうやってセルにそんなものを食べさせるんだ?」

 

16号「・・・奴はメロンに凄まじい執着を持っていた。」

 

チャオズ「じゃあメロンに薬を混ぜる?」

 

善セル「それじゃあすぐにばれるんじゃないかなぁ。」

 

悟空「だな。オラだって変なの混ざってたらすぐに分かるんだからセルにも分かるだろ。それにそんな事したらセルが大暴れしちまいそうだ。」

 

クリリン「それじゃあどうするんだ? やっぱり戦うしかないのか?」

 

悟飯「・・・僕に考えがあります。」

 

クリリン「本当か悟飯!? いったいどうするんだ?」

 

悟飯「はい。セル攻略の鍵・・・それは、ずばりメロンです!」

 

悟空「何言ってんだ悟飯。それはさっきから話してただろ?」キョトン

 

悟飯「正確にはメロンのヘタの周りの部分です。」

 

善セル「・・・そうか! 〝ククルビタシン″か! 流石だよ悟飯君!!」

 

18号「そのククルビタシンってのはいったい何なんだ?」

 

悟飯「ククルビタシンはウリ科の植物のヘタに近い部分に含まれる有害物質です。」

 

ブルマ「え!? ウリの仲間にはそんなものが入ってたの!? 大丈夫なのそれ? 私ズッキーニとか好きなんだけど・・・」

 

善セル「通常の含有量では無害だよぉ。ただ、稀に含有量が多いモノがあってそれが原因で食中毒になったりするんだぁ。」

 

チャオズ「そういえば、たまに苦くて渋いやつがあった。それがそうなのかな?」

 

悟飯「たぶんそれです。その苦みや渋みの成分で食中毒になるんです。」

 

天津飯「だが俺達は食べても平気だったぞ? とてもセルに効くとは思えんが・・・」

 

悟飯「はい。だからメロンを品種改良してクルルビタシンが大量に含まれるモノを作り出します・・・本当はこんな事はしたくないんですけどね。」

 

善セル「そうだねぇ・・・品種改良っていうと良い物だと勘違いしそうだけど、その本質は遺伝子組み換えと変わらないからねぇ・・・」

 

16号「たしかにな・・・品種改良は「掛け合わせ」を行うことで、望ましい形質をもった子孫を作る。対して遺伝子組み換えはDNAの構造を直接的かつ人為的に変化させる・・・DNAに変化を与えるという点では、品種改良も遺伝子組み換えも同じだ。」

 

悟空「そんなに深く考えんなって! 環境に悪影響与えるってんならダメだろうけど、おめぇ達はそんな事しねぇだろ? それにメロンは中身を食うもんなんだから皮が苦くたって問題ねぇさ!」

 

ブルマ「それに品種改良は地球じゃ普通のことだしね。美味しくしたり、寒さや暑さに強くしたり。まぁ、時間が掛るし、変な特性持って無いかとかしっかり調べ無くちゃダメだけど、そこに注意すれば大丈夫でしょ。」

 

悟飯「・・・分かったよお父さん、ブルマさん。僕やるよ。皮にクルルビタシンを持たせる代わりにすっごく美味しいメロンを作ってみせる!!」グッ

 

善セル「ボクも手伝うよぉ! そしてセルの奴においしいと言わせてやろう!」

 

悟飯「ありがとう善セル君! 君が一緒ならすごく心強いよ!」

 

ブルマ「それじゃあベジータ達が出てくるまでどういう風に掛け合わせるかシュミレーションしておきましょ。復元したドクター・ゲロのコンピュータを使えば精度の高いデータが採れるはずよ。」

 

善セル「そうだねぇ。それと掛け合わせる作物も決めないとねぇ。」

 

悟飯「最野菜のマスクメロンをベースにするとして、夕張メロンとアンデスメロン、それと他のウリ科の作物を掛け合わせてみましょう。」

 

18号「私に何かできることはないか? ラディッツ達を助けるために私も何かしたいんだ。」

 

悟飯「残念ですけどこれは専門的な知識が必要な事ですから・・・18号さんはセルと戦う事になった場合に備えて鍛えたらどうですか?」

 

善セル「いや、18号は生体ベースとはいえ、ある意味完成された固体だから成長率はあんまり高くないと思うよ。だから、精神と時の部屋で鍛えたとしても悟空たちみたいに急激な成長は望めないかなぁ。」

 

18号「そんな・・・私は何もできないのか・・・」ブルブル

 

16号「18号・・・」

 

悟空「・・・18号でも強くなれっかもしれねぇ方法があるぞ。」

 

18号「本当か!?」バッ

 

悟空「おう!・・・ピッコロ、ラディッツの農場にあったアレも収穫してあるんだよな?」

 

ピッコロ「アレ?・・・そういう事か。たしかにアレならば18号も強くなれるかもしれん。」

 

16号「アレとはいったいなんだ?」

 

18号「強くなれるならなんだっていいよ。さぁ、早く案内してちょうだい。ラディッツを助ける為ならなんだってやってやるよ・・・」グッ

 

ピッコロ「分かった。それじゃあ着いて来い。お前達に伝説を見せてやる。」

 

 

 

―18号を守る為にセルに吸収されてしまったラディッツ。結果セルは強大な戦闘力と農業力を手に入れるが、農耕民族の遺伝子の影響でベリーメロン化してしまう。これにより当面の危機は回避されたがこの事が吉と出るのか凶と出るのか・・・それはまだ誰にも分からない。―

 

 

 

Vセル「喜びのパワーを右腕に!」キィィィン!

 

Vセル「慈しみの力を左腕に!」キィィィン!

 

Vセル「我が強さを右肩に!」キィィィン!

 

Vセル「誇り高き心を左肩に!」キィィィン!

 

Vセル「我が美しさを股間の紳士に!」チーン!

 

Vセル「シン・チャーグル・ファーミングシーズン!!!」

 

ズガガガガガガガガガガガガッ!!!!

 

Vセル「我が愛は1億のメロンを生む! さあ、美味しく育つんだぞお前達!!!」Vポーズ

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

ビクトリーセル・・・セルがラディッツを吸収した姿。頭がVの様な形になっており着脱可能。色は夕張メロンの様な配色。要はセルと某華麗なお方が合体したような姿。メロンに強い執着を持っており、元々の目的を忘れてしまっている。パーフェクトセルよりも強いが馬鹿なので脅威度は低い。


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悟空「ひゃー! 会社の地下はこんな風になってたんか!」

お久ブリーフ博士


 

18号「お前、ラディッツの弟だろ? 知らなかったのか?」キョロキョロ

 

悟空「おう! オラ難しい事分かんねぇから、畑仕事だけやってたかんな! 会社に来んのも久しぶりだ!」

 

18号「悟飯とラディッツは頭良さそうなのになんでこいつは・・・」

 

ピッコロ「幼い頃に崖から落ちて頭をぶつけたらしいからな。その時に頭のネジが何本か抜けてしまったんだろう。」

 

18号「ああ、どうりで。」

 

悟空「ひでぇなオメェら!?」

 

16号「それにしても巨大な冷蔵室だな。いったいどれだけの量を貯蔵できるのか・・・」

 

ピッコロ「俺もそこまでは分からん。だか、セルに吸収されない様に収穫した最野菜は全てここに保管してある。」

 

悟空「ここがセルに見つけられなくて良かったよな。もし見っかってたらもっと大変な事になってたぞ。」

 

18号「それで本当にここにパワーアップできるモノがあるのか? まさか最野菜がそうだとか言わないだろうね?」

 

ピッコロ「半分当たりで半分外れというところだな。」

 

18号「なんだいそりゃ? もったいぶらずに教えなよ。」

 

ピッコロ「そう焦るな・・・ほら見えたぞ。目的のモノはあの中だ。」

 

16号「・・・随分頑丈な扉だな。これは私でも破壊できないかもしれない。」ペタペタ

 

ピッコロ「特殊超合金製の扉だ。こいつはベジータのギャリック砲でも傷付けられん代物だ。代わりにとてつもなく重いがな。」

 

18号「アレとやらは、それだけの事をする必要があるモノってことか・・・それじゃあさっさと開きな。時間が惜しい。」

 

ピッコロ「ああ・・・孫、あそこの装置に手のひらを乗せて、レンズを覗きこめ。そうすれば扉が開く。」

 

悟空「おう! 任せてくれ!」スッ

 

ピピピピピピ・・・ピーーー! ガチャン!

 

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

 

18号「・・・これがそうなのか?」

 

ピッコロ「そうだ。これがお前をパワーアップさせるモノ・・・伝説のスーパー最野菜・・・モドキだ。」

 

18号「なんだいモドキって?」

 

悟空「本当の伝説のスーパー最野菜は黄金に輝いてんだけど、こいつは完全に成熟する前に収穫しちまったからな。」

 

ピッコロ「その所為で本物程の力は無いが、これでも凄まじいエネルギーを秘めている。こいつを食えばお前もパワーアップできるはずだ。」

 

16号「たしかにこれだけのエネルギーがあれば18号もパワーアップできそうだが・・・」

 

18号「金色に点滅するラディッシュとか食べたくないんだけど・・・ホントに食べて大丈夫なのか?」

 

ピッコロ「気持ちは分かるが大丈夫だ。こいつは完全無農薬でラディッツの農気を大量に受けて育ったモノだ。安全性も味も保証する。」

 

悟空「心配すんなって! 美味すぎて昇天しかけっかもしんねぇけど、そん時はぶん殴って連れ戻すからよ!」ブンブン

 

18号「全然安心できないんだけど・・・しょうがないね。これもラディッツを助けるためだ・・・逝くよ!」ヒョイ

 

パクン・・・シャクシャク・・・

 

18号「~~~~~~~~っ!!」ガクン

 

ドクン!!

 

18号「あっ・・・」

 

16号「18号!? どうした!?」サッ

 

18号「か・・・身体が・・・熱い・・・」ビクンビクン

 

 

ピッコロ「始まったな・・・未成熟とはいえ伝説のスーパー最野菜。取り込んだ事により細胞が進化を始めたんだ。」

 

悟空「がんばれ18号! そいつに耐えればオメェは強くなれるんだ!」グッ

 

18号「あ・・・ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ガクガク

 

ピカァァァァァァ!!

 

16号「こ・・・これは・・・」

 

18号「ガアアアアァァァァァァ!?!?!?!?!」ビキビキビキ

 

16号「まずい・・・18号の出力を上回るエネルギーが放出されている・・・! このままではエネルギー炉が暴走して爆発するぞ!!」ザッ

 

ピッコロ「待て16号。18号は今、身の内から溢れ出るエネルギーを制御しようと闘っているんだ。邪魔をするな。」ガシッ

 

16号「しかしっ!!」

 

18号「・・・・・・そうだよ16号・・・邪魔するんじゃ・・・ない・・・もう少しで抑え込めそうなんだ・・・もう少し・・・」ググクグッ

 

悟空「18号! 溢れだす力をただ抑え込むだけじゃだめだ! いきなりでっけぇ力が出てきてビックリしてるかもしんねぇけど、その力はオメェのモンだ! エネルギーを身体の中を血が流れるみてぇに循環させろ! いつも力を使う時と同じだ!」

 

18号「くっ・・・こっちの気も知らないで無茶言いやがって・・・だけど・・・なんとなく分かってきたよ!!!」ゴゴゴゴゴッ

 

キュィィィィィン・・・・・・カッ!!

 

グオオオオオオオオオオ・・・!!!!

 

16号「18号ーーー!!!」ビリビリ

 

ピッコロ「なんて爆発だ!? だがこれで・・・」ビリビリ

 

悟空「・・・感じるぞ。すごくでっけぇのに静かで力強い気だ。」ビリビリ

 

 

モクモクモク・・・

 

 

18号「・・・」ユラァ

 

16号「18号? 大丈夫か?」

 

ピッコロ「どこか身体に異常は無いか?」

 

18号「・・・平気だよ。むしろ身体の違和感が無くなって清々しい気分だ。」

 

悟空「そいつは良かった! ってあれ? そういえば18号には気が無かったはずなのになんで今は気を感じられるんだ?」

 

ピッコロ「そういえばそうだな・・・16号、スキャンできないか?」

 

16号「分かった。やってみよう・・・」ピー

 

ピピピピピピッ

 

16号「!? こ、これは!?」

 

18号「どうしたんだい?」

 

悟空「どっか悪かったんか?」

 

16号「・・・18号は生身の肉体に有機部品と機械を掛け合わせて造られた人造人間だ・・・だが、今の18号の肉体は全て有機物で構成されている・・・」

 

18号「なんだって!? それじゃあエネルギー炉も無くなったっていうのかい!?」

 

16号「いや、エネルギー炉自体は存在する。だが、それがひとつの臓器のようになっているんだ。」

 

ピッコロ「つまり、18号の機械部分が機能はそのままに有機物に変化したというわけか・・・」

 

悟空「? どういうことだ?」

 

16号「簡単に言えば、18号は最早人造人間ではない。人造人間の力を持った人間。超人となったのだ。」

 

ピッコロ「つまり、気とエネルギーの両方を扱えるようになったという事か。」

 

18号「・・・そうみたいだね。元々のエネルギーの他に別の力を感じる・・・これが気って奴なのか。」グッ

 

悟空「そいつはすげぇな! 元々めちゃくちゃ強ぇパワー持ってんのに気まで加わったら、とんでもねぇことになるぞ!!」ワクワク

 

ピッコロ「・・・そうとは限らんぞ。18号は元々気を扱えなかったんだ。突然気を得たからといって、すぐに使えるようになるわけではない。」

 

18号「たしかにね。この気ってヤツはエネルギーとは使い勝手が違うみたいだ。このままじゃ戦闘に使えないね。」

 

16号「それに気とエネルギーは反発し合うようだ。これを使いこなすにはかなりの修練が必要になるだろう。」

 

悟空「おっ! そんじゃあ精神と時の部屋で修行だな! オラが一緒に入って教えてやるよ!」

 

ピッコロ「それがいいだろう。気の扱いなら孫が最も優れているからな。」

 

18号「・・・しょうがないね。このままじゃ満足に戦えないだろうからね。・・・それにしてもこいつと一緒に入るのか・・・いろんな意味で疲れそうだ。」ハァ…

 

ピッコロ「安心しろ。精神と時の部屋をパワーアップできれば入れる人数も増える。そうすれば苦労が分散して多少マシになるだろう。」

 

18号「たのんだよ! この能天気で阿呆な修業馬鹿と二人っきりだなんてごめんだからね!!」

 

ピッコロ「任せてくれ。孫の馬鹿がお前に移ったらラディッツに申し訳ないからな。全身全霊で当たらせてもらう。」

 

悟空「ホントにひでぇなオメェら!?」

 

 

 

 

 

 

―――カプセル・コーポレーション―――

 

悟飯「とりあえず、こんなところかな。」

 

善セル「そうだねぇ。ドクター・ゲロのコンピュータでシュミュレートして、高い確率で望んだ結果になるように交配した苗の準備は万端だ。あとはピッコロの精神と時の部屋の改造が終わるのを待つだけだ。」

 

悟飯「あとは、期日までにベリーメロンを完成させる事ができるかだね。」

 

善セル「あ、名前はそれにするんだねぇ。」

 

悟飯「うん、少しでもセルが気に入る物にしたいからね。それに、皮は兎も角味は宇宙一にしたいんだ。だからこの名前がふさわしいと思ったんだ。」

 

善セル「直訳すると非常にメロン・・・いや、極メロンの方がいいかな。うん。如何にも美味しそうな名前だ。」

 

悟飯「この名前に負けないくらい美味しいメロンを作れるようにがんばろうね善セル君!」グッ

 

善セル「ああ! セルの奴をいろんな意味で昇天させてやろう!」グッ

 

ブルマ「あっ、居た居た。ふたりとも、メロンを栽培する為の温室とドクター・ゲロのコンピュータの複製品ができたわよ。」

 

悟飯「流石ですブルマさん! まさかこんな短期間で仕上げなんて。やっぱりブルマさんは地球一の科学者ですよ!」キラキラ

 

善セル「我らのブルマの科学力はァァァァァァァァァ! 世界一ィィィィィィィィィ!!」ウィンウィン

 

ブルマ「それ程でもあるわ!」o(○`ω´○)9 ドヤ

 

トランクス「何やってるんですか皆さん・・・」タラリ

 

悟飯「あっ! 出てきたんですねトランクスさん!」

 

善セル「お疲れ。どうやら随分強くなったみたいだね。」ピピピッ

 

ブルマ「おかえり~。ずいぶん髪の毛が伸びたわねぇ。あとで切ってあげるわ。」ヒラヒラ

 

トランクス「お願いします母さん。かなり鬱陶しかったんです。」

 

善セル「えぇ~! その髪型、ドラクエの主人公みたいでかっこいいじゃないか!」

 

悟飯「そうですね! これで剣を背負って髪を茶色にしたらそっくりですよ!」

 

ブルマ「あ~・・・でも目つきが悪いのがダメね。まったくそんな所だけベジータに似て!」

 

トランクス「いったい何の話ですか・・・(汗)」

 

ブルマ「それはそうと、あんたが出てきたってことは、ピッコロも精神と時の部屋の改造を始めたのね。ここから後二日か・・・。」

 

悟飯「僕達の準備は終わりましたし、それまでどうしましょうか?」

 

トランクス「だったら、18号の修行を手伝ったらどうですか? なんでも人造人間じゃなくなったとかで、気の扱いの練習してましたよ。」

 

善セル「おっ! 無事にパワーアップできたみたいだねぇ! でも人造人間じゃなくなったっていうのはどういうことだい?」

 

トランクス「俺も良く分かりませんが、特別な最野菜を食べたら細胞が進化して、機械部分が有機物になったらしいですよ? そのおかげで気を使えるようになったとか。」

 

悟飯「やっぱり伝説のスーパー最野菜ってすごい! 僕も作れるようになりたいです!!」キラキラ

 

善セル「だったら、精神と時の部屋に入った時に悟空にスーパーサイヤ人になる方法を教えてもらえばいいんじゃないかなぁ? 時間はたっぷりあるわけだし。」

 

悟飯「それは良いアイディアだね善セル君! よーし! スーパーサイヤ人になる為に研究だけじゃなくて修業もがんばるぞー!!」グッ

 

善セル「僕も微力ながら協力させてもらうよ! 一緒に頑張ろう!!」

 

 

 

 

 

 

―――神の宮殿―――

 

8日後

 

ギイィィィィ・・・バタン!

 

18号「ふぅ・・・久しぶりの外だけど、精神と時の部屋に慣れると身体が軽過ぎて違和感がすごいな。」

 

悟空「だよな~。なんか軽く飛んだだけで宇宙まで行けそうな気がするぞ。」

 

クリリン「二人ともお帰り! 修業はどうなったんだ?」

 

悟空「おう! ラズリの修業はばっちりだぞ。気のコントロールだけじゃなくてすんげぇ技も編み出したんだ!」

 

クリリン「そいつは良かった!・・・って、ラズリ?」

 

18号「私の名前だよ。中で修行している時に人造人間じゃなくなったのに18号は変だと善セルの奴に言われてね。この際だから改造される前の名前を名乗る事にしたんだ。」

 

クリリン「へぇ~。そんな名前だったんだな。ところで悟飯達はどうしたんだ? もしかして、まだ・・・」

 

ラズリ「ああ。残念だけどまだ完成していない。ぎりぎりまで品種改良を続けるみたいだけど、あてにしないほうがいいだろうね。」

 

悟空「もうちょっとのところまできてんだけどなぁ・・・。」ポリポリ

 

クリリン「そうなのか・・・でも、ラズリも無事パワーアップできたみたいだし、悟空にベジータ、トランクスまでいるんだ。セルの奴と戦いになってもなんとかなるよな!」

 

ピッコロ「そう簡単にいけばいいがな。」ヌッ

 

悟空「おっ、ピッコロ! 居たんか! 他の皆はどうしたんだ?」

 

ピッコロ「他の連中はお野菜超選挙に向けて準備中だ。会場の準備や当日の段取り、国との調整なんかもあるから大忙しだ。」

 

ラズリ「・・・セルの奴はどうしてるんだ?」

 

ピッコロ「セルなら中の都北西にある平原で大人しくメロンを育てているぞ。」

 

クリリン「変な歌と踊りを踊りながらだけどな。」

 

悟空「それならよかった! そんじゃあ残りの時間はじっくり体を休ませるとすっかぁ。」

 

ラズリ「そうだな。セルが暴れ出した時に万全の状態で臨めるようにな・・・。」

 

 

 

 

 

 

―――選挙当日 お野菜超選挙演説会場―――

 

 

ザワザワザワ・・・

 

ピッコロ「これより、投票に先立ち各陣営による演説を行う! これは地球の野菜の未来を決める重要な演説だ! 地球人たちよ、演説によく耳を傾け、よく考えて投票してくれ!」

 

ワアァァァァァーーーーーーー!!!!!

 

ピッコロ「それでは、『ベリーメロン党』党首セル! 演説を!」

 

Vセル「まァかァせェろォゥゥゥ!!!」スッ

 

 

バン!!

 

Vセル「世界はァ、嘘をついておる! 多くの野菜を食べなくてはならない、偏食するな、暴食するな、甘味を控えよ・・・。全ては嘘、まやかしに過ぎぬ・・・。身体に良くない。周りからおかしな目で見られる。だから常識と正論という嘘で、周囲からの批判のまなざしからその身を守っておるのだ! 原初の真理とは食欲なり。喰らうのだ! 己が好きな物を、欲望の限り、好きなだけ、己が本能の赴くままに!! 我らベリーメロン党こそが、世界の嘘を壊し、真実をもたらすのだ!! そォう、ベリーメロン党だけが!! お前たち人間のあるべき姿を解放するのだァ。人間たちよ、最早好きでもない物なんぞ喰わなくていい! 己が幸福の為に、己の愛する物だけを! 存分に喰らうがいいィ!!! オール・ハイル・ベリィィィメロォォン!!!

 

オール・ハイル・ベリーメロン!!

オール・ハイル・ベリーメロン!!

オール・ハイル・ヴィクトリーセル!!

 

ワアァァァァァーーーーーーー!!!!!

 

 

 

天津飯「チッ、セルの奴考えたな。メロン対他の全ての野菜の戦いだったはずなのに、今の演説で野菜嫌いや偏食家、欲望に忠実な奴らを味方に付けやがった。」

 

クリリン「ラディッツを吸収しただけのことはあるけど、まさかここまで人を引き付ける力があるだなんて・・・」

 

ブルマ「楽な闘いだと思ったんだけどねぇ・・・これはうかうかしてられないわねベジータ。」

 

ベジータ「ふん。俺に慢心等無い。全力で俺の思いを、野菜の素晴らしさを伝えるだけだ。」

 

トランクス「頑張ってください父さん!」グッ

 

 

ピッコロ「・・・それでは次に『超☆野菜党』党首ベジータに演説を行ってもらう。それではベジータ!」

 

ベジータ「ああ・・・」スッ

 

 

カッ!

 

ベジータ「

 

諸君 私は野菜が好きだ

諸君 私は野菜が好きだ

諸君 私は野菜が大好きだ

 

根菜類が好きだ

葉茎菜類が好きだ

果菜類が好きだ

豆科野菜類が好きだ

山菜類が好きだ

香辛つま物類が好きだ

菌茸類が好きだ

穀物類が好きだ

 

平野で 盆地で

高原で 台地で

丘陵で 湿原で

砂丘で 河岸段で

扇状地で 三角州で

 

この地上で育てられている ありとあらゆる野菜が大好きだ!

 

艶々と瑞々しく、ピリッと辛く威勢が良い大根が好きだ。

おでんの大根は冬の人気者。汁をたっぷり含んだ一切れを口に運ぶとホロリととろけて、ヤケドしてもいいと思う勢いで食べてしまう。

 

黒くて厚い皮に覆われていて存在感に満ちているカボチャが好きだ。

ふくりほくりとしてて感動的な食べ物で、咀嚼嚥下のあとに一呼吸おいて、しみじみ東の空を見つめていたいほどだ。

 

紫色が美しく光沢があり、皮の弾力の張った茄子が好きだ。

科学的に分析すれば、あまり栄養のない食べ物だが、食べ物の値打ちは栄養だけにあるのではない。食べる喜びのために食べる。それでいい。

 

白菜の葉っぱの縮緬じわに溜まった露の悲しい重み。葉の表をすべる日光の、猫の毛のような肌触りの柔らかさも堪らない。

塩漬けされた白菜の歯ざわりの快さ、ポリポリと響く音は最高だ。

 

すき焼きの牛肉はネギに味付けをする添え物に過ぎない。肉の味が移ったネギはすき焼きの醍醐味。肉の旨味と柔らかいネギの甘さには絶頂すら覚える。

 

ミョウガの刺激の強い香り。舌をちょっと痺れされるような味が好きだ

こんなに自己を頑固に守り通して、黙って辛味と香りを一身に引き受けている野菜をほかに知らない。

 

野のものなのに、春菊やほうれん草のような癖が無い菜の花が好きだ

花盛りの菜の花は、金色の花が高く高く咲き連なり、舌だけではなく、目でも楽しませてくれる。

 

諸君 私は野菜を 全ての人間の心を満たす野菜を望んでいる。

諸君 私を支持する地球人諸君。

君達は一体 何を望んでいる?

 

メロンのみの世界を望むか?

色鮮やかな野菜が食卓に並ばない世界を望むか?

肥満、栄養失調、生活習慣病が蔓延する世界を望むか?」

 

 

民衆『野菜(ベジタブル)!! 野菜(ベジタブル)!! 野菜(ベジタブル)!!』

 

 

超ベジータ「

 

よろしい  ならば農業だ

 

我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする備中グワだ!

だが今や飽食の時代。美味い物が溢れるこの時代において、ただの農業では通用しない!

 

農業革命を!! 一心不乱の超農業革命を!!

 

我らはわずかに50億人に満たぬ小さな星の住人にすぎない。

だが諸君は宇宙屈指の農耕民族だと私は信仰している。

ならば我らは、諸君と私で総兵力500兆と1億人の農集団となる。

 

野菜を視界の彼方へと追いやり 偏食をしている連中に思い知らせよう。

健康であるからこそ、好きな物を食べられるのだと思い出させよう。

連中に野菜の味を思い出させてやる。

連中に野菜を噛みしめた時の音を思い出させてやる。

 

多彩な食物が在るからこそ、愛するモノを真に楽しむ事ができるのだと思い出させてやる!!

 

50億の農民の開拓団で

世界を耕しつくしてやる!!

 

 

民衆『王子! ベジータ王子! 宇宙連盟特使殿! ルートベジタブルファーム特別顧問!!』

 

 

超ベジータ2「

 

第一次超農業作戦 状況を開始せよ

 

征くぞ 諸君!!」バシュゥゥゥ・・・!

 

 

ウオォォォォォォ!!!!

 

ドドドドドドドドドドドドド・・・!!!

 

 

シーン・・・

 

 

クリリン「・・・どうすんだよ。ベジータも会場に居た奴らも殆ど開拓に行っちまったぞ・・・」タラリ

 

天津飯「ベジータの奴め。途中から暴走していたな。まさか演説で超サイヤ人になるとは・・・」タラリ

 

ラズリ「これからどうするんだ?」

 

トランクス「投票は個人IDを使ったネット投票ですからすぐに結果は分かりますけど、この様子だと投票が終わるまで時間がかかりそうですね・・・」

 

ピッコロ「とりあえず投票期間は今日1日だ。午前0時まで投票を受け付け明日の10時に結果発表となる。」

 

悟空「それじゃあそれまで暇だなぁ・・・」

 

Vセル「ならば俺が手塩にかけて育てたベリーメロンを喰らうがいいィ!! その魂にベリーメロンの素晴らしさを刻みつけてやる!!」

 

 

 

 

 

 

―――翌日 お野菜超選挙演説会場―――

 

悟空「いよいよ投票結果の発表だな!」

 

トランクス「結局0時ぎりぎりまで投票が終わりませんでしたね。」

 

クリリン「ベジータの所為で結構な人数が農業に走ったからなぁ・・・」

 

天津飯「しかもベジータの奴も結局帰ってこなかったからな。」

 

ブルマ「しょうがないわよ。ここしばらく忙しくて農作業やってなかったんだから。農業欲が堪ってたんでしょ。」

 

トランクス「準備中も手の震えを抑えながらやってましたからね・・・」

 

ピッコロ「まるでアル中だな・・・」タラリ

 

ラズリ「おい、そろそろ時間だよ。準備しな。」

 

トランクス「そうでした。それじゃあ父さんの代わりに俺が舞台に立てば良いんですよね?」

 

ピッコロ「ああ、頼む。孫では心配だからな。」

 

ラズリ「全世界に醜態を曝す訳にはいかないからね。」

 

悟空「オラ、もう諦めたぞ・・・」ズーン

 

・・・・・・・・・・

 

ピッコロ「それでは時間になったので選挙結果を発表する!」

 

Vセル「おい待て貴様! 何故この星がベリーメロンに染まる素晴らしき日に誰も居らんのだァ!?」

 

ピッコロ「しょうがないだろう。ここら一帯の連中は農作業に走っているのだからな。中継はラジオで聞いているだろう。」

 

Vセル「農作業ならしかたがないな。よ~し! さっさと結果を発表しろ! まぁ結果は見えているがなァ!!」ニヤッ

 

ピッコロ「・・・それでは結果を発表する! 背後の巨大ディスプレイを見ろ!」

 

ダララララララララララララ・・・ダン!

 

 

 

〔投票率:100%〕

〔支持率〕{ベリーメロン党29%

     {超☆野菜党:71%

〔よって、超☆野菜党の勝利!!〕

 

 

 

Vセル「!?!?!?!?!?!?」エネル顔芸

 

トランクス「やりました! やりましたよ皆さん!! 俺達の勝利です!」グッ

 

クリリン「そうだな! セルが演説した時はどうなる事かと思ったけど勝てて良かったぜ!」

 

天津飯「これもベジータの演説のおかげだ!」

 

悟空「やっぱ、旨いもんはいっぱいあった方がいいかんな!!」

 

ワイノワイノ・・・

 

ラズリ「・・・おい、お前達。喜ぶのは良いけど気を抜くんじゃないよ。セルの暴走に備えな。」

 

クリリン「おっと、悪い。そうだったな。」スッ

 

悟空「オラは別にそれでもいいんだけどなぁ・・・」ザッ

 

天津飯「勘弁してくれ。」バッ

 

ピッコロ「まったくだぜ。これだから戦闘狂は・・・」グッ

 

Vセル「・・・めん・・・」ゴゴゴゴゴ・・・

 

トランクス「ッ・・・」カチャッ

 

ラズリ「来るかっ・・・!」ザリッ

 

Vセル「認めんぞォォォォ!!!」カッ!!

 

グオオオオオオオオオ・・・・・・・!!!!

 

クリリン「なんて気だっ・・・!?」ビリビリ

 

ピッコロ「これが奴の本気か・・・」ビリビリ

 

悟空「ひゃー! オラ、ワクワクしてきたぞ!!」ビリビリ

 

ドドドドドドドドドドド・・・!!

 

Vセル「最早ァ・・・最早我が理想の世界を認めない人間共なんぞどうでもいいィ! 一人残さず畑の肥しにして、ベリーメロンの養分にしてくれるわァ!!!!」ゴッ

 

トランクス「させるかっ! 喰らえギガスラッsy

Vセル「俺の背後に立つんじゃねえ!!!」

 

トランクス「ぐわぁぁぁぁぁ!!!」ドガン

 

天津飯「トランクスー!!」

 

クリリン「しっかりしろ! 今大豆を・・・」

Vセル「アイテムなぞ使ってんじゃねえ!!!」

 

クリリン「うわぁぁぁぁぁ!!!」ドガン

 

ピッコロ「クリリン! クソッ、ここまでとは・・・一旦引いて立て直・・・」

Vセル「男に後退の二文字はねえ!!!」

 

ピッコロ「ぐあぁぁぁぁぁ!!!」ドガン

 

天津飯「そんな・・・強過ぎるっ!」ガクガク

Vセル「軟弱者は消えうせろ!!!」

 

天津飯「があぁぁぁぁぁ!!!」ドガン

 

ギュン!

 

ガギィィン!!

 

超悟空2「それ以上はさせねぇぞセル!!」ググググ

 

Vセル「孫悟空ゥゥゥ!!!」ギリギリ

 

ラズリ「だけじゃないよ!!」キュィィン・・・

 

ドガアァァァァァァァン!!!!

 

Vセル「ぬゥゥゥゥゥ! 18号ォォォ!!!」ズザザザザ・・・

 

ラズリ「さあ覚悟しなセル! 私の新しい力でお前を叩きつぶしてラディッツ達を返してもらうよ!!」ゴッ

 

 

 

―ついに真の力を解放したセル。新たな力と共にセルに挑むラズリと超サイヤ人の壁をひとつ越えた悟空。はたして二人はセルに勝つ事ができるのか? そして悟飯達は間に合うのか? 地球と野菜の存亡を賭けた戦いが今始まる―

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

ラズリ・・・伝説のスーパー最野菜(未成熟)でパワーアップし超人と化した18号。細胞が進化した事により肉体強度が大幅に上昇し出力もアップ。更に悟空との修業により無限のエネルギーと気の両方を扱えるようになった。
ちなみにラズリという名前は公式。そして、17号の本名はラピスである。


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