SCP財団Lobotomy支部 (セキシキ)
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番外
セキシキの提言 SCP-███ 『逆行運河・創世光年』
ただのネタです。
見なくても特に問題ないので、こんなん許せねえ!という人はブラウザバックを推奨します。だから低評価は勘弁して……マイナスvote、記事削除……ウッアタマガ(本家でのトラウマ)
後かなり作者の趣味盛ってるのでそこにも注意です。
警告:貴方がアクセスを試みているファイルはレベル5/███ クリアランスを持つ人員にのみアクセスが許可されています。適性なユーザー情報及びクリアランスを持たない職員によるアクセスはあらゆる処罰を含む懲戒処分を行う根拠になります。また不正なアクセスを確認した場合、機動部隊デルタ-10"審判者"によって即時確保されO-5評議会によって処罰が決定されます。
[ファイルアクセス]
Password: ██████
ユーザー:████・████████
ユーザー情報認証中……
ユーザー情報認証中……
ユーザー認証が完了しました。ようこそ、████様。
アイテム番号: SCP-███
オブジェクトクラス: Apollyon
特別収容プロトコル:SCP-███は現在財団の収容下にありません。財団内外への情報漏洩を防ぐため、この報告書を含めたSCP-███の情報はO5によって管理、統制されねばなりません。
想定されるあらゆる状況に備えるため、プロトコル███を策定し必要手順を一工程ごとに分け財団所属の全職員に担当させることで、情報を隠蔽しつつ発生すると思われるイベント███への対処手段を確立しています。
説明:SCP-███は遥か以前から計画され、いずれ発生すると考えられているK-クラスシナリオです。いつ、どこで、何のために、どのような手段によって発生するのか等の情報は全くもって不明です。
SCP-███が考案された正確な時期は不明ですが、現代から遡って3000年ほど前であると思われます。また何らかの手段によって現代まで計画が継続しており、その計画もしくは思想に賛同する信者のような存在(SCP-███-A)がいるようです。SCP-███-Aの存在は1名を除き一切確認されていません。
SCP-███に関する情報の全ては、Dr.█████によって齎されました。Dr.█████は自身がSCP-███-Aであること、何らかの手段によってK-クラスシナリオの発生が画策されていることを報告しましたが、それ以上の情報は保有しておらず一切の証拠も提出出来ませんでした。そのためDr.█████の発言のみを頼りにオブジェクト指定を行うことについて議論が行われましたが、Dr.█████に対し実施された各種精神検査の結果正常と判断されたため、Dr.█████の高い忠誠と実績を加味しSCP-███に対するプロトコルが制定されました。引き続きSCP-███に関する情報の収集が行われています。
インタビュー記録███
対象:Dr.█████・█・██████████
インタビュアー:Dr.██████████・█████
付記: このインタビューは、自身の発言を記録して欲しいというDr.█████の嘆願により、Dr.██████████が個人的に行ったものです。
録音開始:
Dr.██████████: ……よし、録音を開始したぞ。これでいいのか、█████?
Dr.█████: あ、ああ……。すまない、話しても信じて貰えそうにないのはわかっているんだがもう自分の中で抱え込むことが出来そうにないんだ。
Dr.██████████: 水臭いな、俺とお前の仲じゃないか。[Dr.█████とDr.██████████は長年に渡る交友関係がありました]世界が滅びる、だったか。そりゃここで働いてれば冗談ではすまされないけどよ……お前の担当って、確かSafeオブジェクトじゃなかったっけ?
Dr.█████: 違う、違うんだよ██████████。財団の職務とかは関係ないんだ、これは俺だけの問題で、人類全ての問題なんだ。
Dr.██████████: [黙り込んで]わかった、とりあえず話してくれ。
Dr.█████: ありがとう。ただ俺に分かることはほとんどないんだ。世界がいつか滅ぼされることくらいしか知らない……。
Dr.██████████: そりゃ、世界はいつか滅びるだろうしそれが出来るScipなんて山ほどいるだろうけどさ。
Dr.█████: ██████████、お前は勘違いしてるよ。滅びるんじゃない、滅ぼされるんだ。世界を滅ぼそうと画策してる大馬鹿野郎がいたんだよ!
Dr.██████████: ……どういうことだ?
Dr.█████: わからない、わからないんだ!でも世界を滅ぼす計画を立てて、大昔から続けてる奴がいるんだ!
Dr.██████████: おいおい、いくらなんでも荒唐無稽すぎるぜ████。そりゃお前の事を信じてやりたいが……
Dr.█████: 信じられないのもわかる、この際信じてくれなくてもいい!もう俺には耐えられない、あの悪魔みたいな囁きに抗うことが出来ないんだ……!
Dr.██████████: 他に解っていることはないのか?誰が主犯なのかとか、世界を滅ぼす手段とか。何でもいいんだ、知ってる事を全部教えてくれ。
Dr.█████: 俺に理解出来ているのは、世界が焼き尽くされることと、俺自身が化け物になってその手下になるってことだけだ。後のことは駄目なんだ。次元が違いすぎて、スケールに差が有りすぎて、今の俺では説明が出来ない。知っているのに、理解することが出来ないんだ。
Dr.██████████: 世界が焼かれる……現実改変能力か?……って、待て待て待て!化け物になるってどういうことだ!?
Dr.█████: そのままの意味さ。世界を焼き尽くすことを至上としてそのために全てを捧げるただの化け物に成り果てるんだよ、[暴言につき編集済]。
Dr.██████████: ……。
Dr.█████: 多分、受け入れて化け物に成れば理解出来るようになるんだろうけど、そうなったらもう後戻り出来ない。財団を蹴散らして、世界を滅ぼす尖兵になってしまうだろうな。
Dr.██████████: ……それは、財団と渡り合えるほどなのか?
Dr.█████: ああ。化け物になった俺を殺すことは出来るだろうけど、その上にいるのは多分規格外だ。俺達じゃ手も足も出ないかもしれない。
Dr.██████████: ……ほとんど何もわからない上に相手は俺達よりも圧倒的に上位の存在、か。何だか何時もの財団って感じもするが。
Dr.█████: それでも、俺達が扱って来たKeterオブジェクト何かとは比べものにならない。正体もわからず収容も出来ず、ただ滅びるのを待つだけなんだから。
Dr.██████████: ……お前はどうするんだ?
Dr.█████: ……化け物になんざなりたくねぇ。さんざ見てきた末路じゃないか。
Dr.██████████: ……。
Dr.█████: 何時からだったか、俺の中にいるナニカが話し掛けて来るんだ。お前の生まれてきた意味を果たせって、それがお前の宿業なんだって。受け入れれば、人何かより偉大な存在になって、偉業の一助になれるんだって!
Dr.██████████: でも、そんなのには成りたくないんだろう?
Dr.█████: 当たり前だ!そんなものに成り果てたく何てない!
Dr.█████: 散々見てきたから、人として生きていけることがどんなに幸せな事か知ってる!人がどれだけ脆くて弱くて、それでも強い事も知ってる!
Dr.█████: どうしようもないクズ共も、ろくでなしの博士達も、恐怖に膝を屈した人間も、化け物になってしまった奴らも沢山見てきた!
Dr.█████: でもそんな奴らが、必死になって戦って来たことを知ってる!人類の平和と未来を守る何て青臭い理想のために、名も無き職員達が英雄の如く戦って来たのを知ってるんだ!
Dr.█████: 彼等の犠牲を無駄にしないためにも、こんな所で人理を壊させちゃいけないんだ……。
Dr.██████████: ……この事は、上に報告しよう。信じて貰えるかは分からないが、やれることをやろう。な?いつも通りじゃないか。
Dr.█████: ……ああ、そうだな。何時も通り、俺達の仕事をしよう。
補遺1: Dr.█████はインタビューの█週間後、自室にて自殺しました。以下の文書は、部屋から見つかったDr.█████の遺書です。
漸く、O5が緊急を要する議題だと認めてくれた。証拠が俺の証言のみだったせいで時間が掛かってしまったが、これでやっとスタートラインだ。どこまでやれるかは分からないが、彼等なら上手くやってくれるだろう。
しかし、俺はそこまで行けないらしい。俺の悪足掻きを覚ったのか日に日に声が大きく、強くなっているのを感じる。一日中悪魔みたいに囁いて、ご丁寧に夢にまで出てくる始末だ。あいつにはまだ言っていないが、今の俺は気狂い一歩手前だ。後数日のうちに誘惑に呑まれ、奴らの走狗になってしまうだろう。
……だから、自分で決着を着けることにした。
多分ここで俺が死んだところで、対して意味はないんだと思う。奴等は尋常でなく周到だ、化け物候補が一人死んでも問題ないように策を張っているだろう。俺の死はきっと、残酷なほどに無意味だ。
でも、それ以上に人類を滅ぼす尖兵になってしまうことが恐ろしい。人類の砦という誇りを自ら壊してしまうのが嫌で嫌で仕方がないんだ。
こんなところで降りてしまって、本当にすまないと思ってる。でも、俺なんかを愛して、育ててくれた父さんと母さんを傷つけるなんて絶対に許せない。そんな企みに関わるなんて虫酸が走るんだ。
悪い██████████、後のことは任せた。闇の中で戦う我が同胞に託す。人の未来に、光が有りますように――――
緊急通知: 2015/7/30、我々はCK-再構築シナリオに敗れた。残存する全職員は速やかに手順001の実行wo@k;cs/lxf!ade?------
K-クラスシナリオ
ja.scp-wiki.net/k-class-scenarios
というわけで、『FGOの人理焼却を財団風に表現したらこうなりそう』という(偽)提言でした。趣味もりもりで申し訳ない。以下少し補足です。
殆どオブジェクトの説明がないのは、財団でもその存在をほぼ認知してないだろうなぁという考えからです。魔術の専門であるはずの時計塔ですら未来見るまで気付けなかったからこれくらいが妥当かなと。
では認知出来ないものをどうしてオブジェクト指定出来たのかと言えば、とある博士が情報を持っていたから。インタビューや遺書見ればわかると思いますが、彼もアマデウスやレフと同じ魔■王[編集済]の因子を持つ魔人柱候補でした。事前の知識量がわからなかったので、「魂のステージが違いすぎて殆どわからない」という形を取りましたが。
彼はいつからか自身の中から発せられる幻聴、魔人柱への誘惑と戦って来ました。必死に耐えてきた彼は精神的に限界が来たので、古くからの知己であったもう一人の博士を頼り、そこから財団に認知されました。インタビューから自殺まで時間が開いたのは、彼らが上層部を説得するために掛かった時間ですね。直属の上司を必死に説き伏せ、O5まで報告書を上げてオブジェクト指定に成功したのです。だからこそのApollyon、『収容不可能で世界を滅ぼすオブジェクト』というクラスなのです。
そして最後に、何故彼が魔人柱の誘いを蹴り、Stay night時空のレフのように自殺を選ぶことが出来たのか。アマデウスがマリーと出会った奇跡と同じように、彼は財団で人間の可能性を見てきました。SCP財団で命掛けで戦う多くの職員、SCPの脅威に晒される機動部隊や研究、勲章を貰うまでいたったDクラスなど、歴史に名を刻むことのない数多無名の職員たちが人類をSCPから守るために日夜戦っていることを知っています。彼は人間が弱く、しかし勇気と誇りを持つ生き物であるかを見てきました。だからこそ、人類に希望を見出して仲間に後を託して死んだのです。
まあ、最後はお察しなのですが。財団の施設はいくつか残ってるかもですが、彼らにはもう出来ることはありません。あとは任せたぜカルデア!
長々と説明してきましたが、これで終了です。長文大変失礼しました。駆け足で書いてるので文書おかしいかもですけどご容赦下さい。今回は評価怖いなぁ。後悔はしてないがな!人類は敗北したって書きたかっただけだし!
感想や評価待ってます。ただ、マイナス評価入れるだけってのはやめて欲しいです。理由も入れてくれないと、何が悪いかわからないからね。趣味に合わないなら見なきゃいい話ですし。
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本編
SCP-002-Lo 「Scorched Girl」
作者の執筆技術向上と趣味を兼ねて細々とやっていくつもりなので、よろしくお願いします。
アイテム番号は、SCP-(アブノーマリティナンバー)-Loという表記で行きます。
あと今更ですが、Legacy版に基づいてます。
アイテム番号:SCPー002-Lo
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:SCP-002-Loは、サイト██内の耐火耐熱素材で構築された標準的な大きさの人型収容セルに収容されています。収容室に隣接するように待機スペースを設置し、警備スタッフと技術スタッフを最低2名ずつ常駐させ、非常事態に即応できるようにしてください。またそのために、待機スペースには各種装備が十分に用意されなければなりません。収容室内に入室する際は、標準耐火防護服を着用することが義務付けられています。SCPー002-Loに対する実験はレベル3以上の職員3名以上の承諾の元行われなければなりません。
収容室の外壁にはウォータージャケットが張り巡らされており、液体媒体を用いた水冷式熱交換システムによって冷却されています。担当スタッフは3日に一度点検を行い収容設備の不備を確認、必要に応じて修復作業を実行して下さい。点検時に致命的な損傷が発見された場合、スタッフは即座に管理官及び上位スタッフに報告を行い承認が下り次第別の収容セルにSCP-002-Loの移送を行って下さい。
SCP-002-Loの発熱量が増大し、収容室内の温度が許容値を超えた場合、耐火防護服に耐熱ジェルを塗布した上で収容室内に進入し、SCP-002-Loを鎮圧してください。この際、警棒やゴム弾等の非殺傷武器の使用が推奨されています。もし対処が間に合わずSCPー002-Loが封じ込めを破った場合、サイト██の保安部隊は直ちにSCPー002-Loを鎮圧を行い、職員の集まる場所には決して近づけさせないで下さい。鎮圧が完了した場合、SCP-002-Loは予備として設置されている同型の収容セルに再収容し、破損した収容設備は修復を行ってください。このため、予備の収容室は常時万全の状態に保たれなければなりません。
必要時を除きサイト管理官の許可がない限り、SCP-002-Loとの会話は決して行わないで下さい。
説明: SCP-002-Loは、全身が焼け焦げ炭化している少女のような姿の人型実体です。SCP-002-Loの肉体は内臓や神経組織も含めて全て炭化していますが、通常の人間のように食事や発話を行うことが可能です。炭化した組織のみの状態で生命活動を行うプロセスは、現在まで解明されていません。
SCP-002-Loの胴体と思わしき部位には、全長50cmほどの発火したマッチ棒(以下SCP-002-Lo-1とする)が貫通しています。SCP-002-Lo-1の火は収容時から常に灯っていますが、SCP-002-Lo-1が減少、もしくは劣化する様子は見受けられず、火が消える兆候もありませんでした。また、SCP-002-LoはSCP-002-Lo-1の影響を受けないことが確認されています。
SCP-002-Lo-1の炎はSCP-002-Loの精神状態によってその勢いを増減させます。通常時のSCP-002-Lo-1の温度は凡そ███~███℃程度ですが、SCP-002-Loの状態が悪化している時SCP-002-Lo-1が放つ炎の熱は████℃ほどまで上昇します。またこの状態となったSCP-002-Loは他者を攻撃する傾向にあり、収容セルを破壊して収容違反を発生させる可能性が非常に高いです。SCP-002-Loが収容を破った場合、未解明の原理で食堂や談話室など人の多い場所を特定し、そこに向かいます。目標地点に到着すると、SCP-002-Lo-1の熱量が急激に上昇し爆発、周囲██mの範囲をオブジェクトごと焼き尽くします。爆発後SCP-002-Loはその場から消失し数秒後、元々いた収容セル内に再出現します(事案002-C参照のこと)。SCP-002-Loの移動速度は██km/h程度と低速です。
SCP-002-Loは他者との交流を非常に嫌っており、対照的に被虐行為を大変好みます。そのためオブジェクトに対しインタビューを含めた会話等の行為は禁止されています。SCP-002-Loに対して会話を行った場合、最大5秒以内に収容セル内の温度は██~███まで急激に上昇します。またオブジェクトに対して加虐行為を行った場合SCP-002-Lo-1は急速に沈静化します。
補遺1:"幼い少女"と、"マッチ棒"という特徴から、SCP-002-Loとマッチ売りの少女の童話と関連付ける話が職員の間で流れているようですが、実際に関連があることを示した情報はありません。特にDクラス職員には、SCP-002-Loに話しかけることがないよう厳重に注意してください。
本当に注意してくれよ?Dクラスとはいえ重要な資源であることには違いないんだ。金輪際、あいつらの丸焼きなんて見たくはないねーーー■■■博士
+[クリアランスレベル3以上の職員のみ閲覧出来ます]
+[クリアランスを照合、認証完了しました。]
補遺2:20██/██/██に事案002-Gが発生しました。収容室██-Dが全損し、エージェント■■(通称エージェントX)が被害に遭いました。これを受けて収容室██-Dは放棄、新たに収容室██-EがSCP-002-Loの収容プロトコルに組み込まれることが承認されました。(事件記録002-G参照)
+事件記録: 002-G
関係SCP: SCP-002-Lo
関係エージェント: エージェントX
場所: 収容セル██-D
日付: 20██/██/██
概要: 20██/██/██、収容セル██-D内にてエージェントXが[編集済み]の作業を行っている最中、突如SCP-002-Lo
-1が活性化しました。この時点でエージェントXはSCP-002-Loに対して接触していませんでした。
SCP-002-Lo-1の活性化と同時にSCP-002-Loか行動を開始し、エージェントXに対して移動を始めました。エージェントXはこれを通常の状態悪化と判断しプロトコルに従って装備していた散弾銃で鎮圧を開始。計██発のゴム弾が直撃しましたが、SCP-002-Loに変化は一切見られず状況は継続しました。
この段階でエージェントXは鎮圧から対話による制止へと方針転換し、SCP-002-Loに対して会話を試みましたがSCP-002-Lo-1の発熱量が増大、████℃にまで達しました。この段階で収容セル内の温度が許容値を越えたため、プロトコルに従い緊急アラートが発令、収容室前に対策チームを待機させました。
エージェントXは更に会話を続行、SCP-002-Loは制止を受け付けませんでしたが、エージェントXに対し応答したことが確認されました(音声記録: 4826-002参照)。
その後SCP-002-Loは進み続け、エージェントXの目前1mで停止しました。一分後、SCP-002-Lo-1は沈静化し、SCP-002-Loが所定の位置まで後退したことで事態は収束しました。
この一件での被害は使用された収容セル██-Dが想定を超えた負荷により熱交換システムが破壊されたため使用不可、エージェントXは近距離でSCP-002-Lo-1に曝露し続けたものの、防護服に耐熱ジェルを塗布していたため全身に軽度な火傷を負うだけで済み、一週間の治療の後職務復帰しました。
また、エージェントXが個人的に使用していたポータブルレコーダーにSCP-002-Loのものと思われる音声が残されていました。現在SCP-002-Loと一方的とはいえ会話が成立した唯一の事例であり、これ以降SCP-002-Loが会話を行うことはありませんでした。
+音声記録: 4826-002
記録者: エージェントX
ずっとずっと、寒かった。苦しかった。だから私は火を灯した。
火は暖かかったけど、決して消えることはない。燃え尽きることはなく、私を焦がし続ける。
でも、それももうすぐ終わり。絶対に燃えることのなかったマッチの火が、ようやく燃えて灰になるの。
それでも、きっと苦しいだけ。これからも、これまでも。
なのに、どうしてあなただけ幸せなの?
どうせ何も変わらないなら、あなたが苦しんでいる姿が見たい。私と一緒に灰になって欲しい……だけど。
[SCP-002-Loが立ち止まる音]
遠くで、あなたが見えるの。
あなたはきっと、私を星か灯台のようなものだと思っているのね。
私はもうすぐ燃え尽きて灰になっちゃうけど、あなたには、灰になってしまった私に気づいて欲しい、覚えていて欲しい。
……あなたにだけは、きっと。
"マッチガールは人々の暖かさや明るさ、喜びをとても嫌っています。しかし同時に彼女は、それらに憧れてもいるのです。"-Angela
というわけで、一番手は作者が一番好きなアブノーマリティです。全身黒こげの少女とか可愛くね?(発狂済み)
最後に無理してインタビューを入れたのは、この子の最終観測が好きだからです。今まで手に入らなかったからこそ人の暖かさを嫌い妬み、それでも消え去る自分に気づいて欲しいと願う。健気じゃないですか。最高ですね!
因みに名前を『マッチ』ではなく『Scroched』にしたのはこっちの方が響きが好きなのと、『焦がれた少女』という訳が気に入っているからです。
感想や批評、アブノーマリティのリクエストなど送っていただけると幸いです。
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SCP-040-Lo「Big Bird」
剣豪とセイレム頑張って進めてたので、というわけではなく、仕上げるのに時間かかっちゃいました。あとはレポートに手間取ってたのもある。
さて、今回のアブノーマリティは前回感想でリクエストが来てた大鳥くんです。皆を救おうとする良心的な子だよ、やったね!(白目)実はβ版ではまだこの子に会ってなかったりする。
前回より少し短めですが、ゆっくりしていってね!
アイテム番号: SCP-040-Lo
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-040-Loは、サイト██内の標準的な生物収容セル内に収容されています。収容室の扉は鋼鉄製のものを使用することでオブジェクトが破壊出来ないようにしてください。
1日に3~4回程度、職員はSCP-040-Loとの娯楽行為を実施することが推奨されています。SCP-040-Loと娯楽を行う職員はレベル2精神耐性訓練を受けることが義務付けられており、収容室には事前にSCP-040-Lo担当責任者によって許可されている玩具を持ち込んで下さい。娯楽行為は一度に20分程度が推奨されています。10時間以上職員との娯楽もしくは交流を行わせなかった場合、職員を収容室に近づけないようにし、精神耐性がレベル2以上のDクラス職員に娯楽行為を実施させて下さい。
他のオブジェクトが収容違反を起こした場合、機動部隊アルファ-5"森の番人"はSCP-040-Loの収容室前に待機し、収容違反を阻止しなければなりません。オブジェクトの収容違反が発生し職員がSCP-040-Lo-1に曝露した際は、該当職員を早急に拘束、もしくは外部から衝撃を与えることで対処してください。
説明: SCP-040-Loは、カラス科カラス属(Corvus)のように見える全長██mほどの生物です。SCP-040-Loは羽が存在しませんが全身が黒く、体中に幾十もの黄色い目を持っています。また翼の代わりに1本の細い腕が哺乳類の前腕のように生えています。SCP-040-Loを目撃した者は多大な精神的負荷を被る場合が非常に多いため、オブジェクトを担当する職員は高い精神耐性があるものに限定されています。
SCP-040-Loが保持しているランタン(SCP-040-Lo-1と指定)は材料鑑定の結果、外郭部分は年代の古い██材を使われているだけの普遍的なものでしたが中に入っているろうそくの芯は、SCP-040-Loの羽で作られていることが判明しました。また年代鑑定から、ろうそくは██年間絶えず燃え続けているものだと思われます。
SCP-040-Lo-1はSCP-040-Loが所持した場合のみ異常性を発現します。SCP-040-Loは、SCP-040-Lo-1を用いることで他者を催眠状態にしオブジェクトの元に誘導する効果を発揮できます(異常性に曝露した人間を"対象"と呼称)。対象はSCP-040-Loの元に到達するまで催眠状態が維持され、オブジェクトからの攻撃によって覚醒します。またそれとは別に、対象に外部から強い衝撃が加わるとSCP-040-Lo-1の影響下から脱することが出来ます。
SCP-040-Loは他のオブジェクトが収容違反を起こした際、自らも収容室を脱走して職員を殺害しようとします。SCP-040-Loが収容違反を探知する方法は未解明ですが、周囲およそ███mまでが範囲であると推測されます。SCP-040-Loは収容違反を起こすと 、施設内を徘徊しながらSCP-040-Lo-1を使用し周辺の職員を自らの元に呼び寄せます。オブジェクトが対象、またはその他の職員に遭遇した場合、SCP-040-Loは遭遇した職員に対して攻撃、殺害を試みます。尚SCP-040-Loの移動速度は遅く、攻撃方法は嘴による打撃に限定されるため、オブジェクトに遭遇した場合でも逃走することが可能です。SCP-040-Loがこのような行動を取る理由は現在に至るまで判明していません。
SCP-040-Loは精神状態が悪化すると収容違反、及びSCP-040-Lo-1を用いて職員の誘導を試みます。これを阻止しオブジェクトの収容を維持する為、SCP-040-Loが好む他者との娯楽及び交流が収容業務に組み込まれています。
SCP-040-Loは[編集済み]の森林地帯で発見されました。森にはSCP-040-Lo以外の生命体は発見できず、元々森に生息していたと思われる生物の[削除済み]された死体が███体ほど確認されました。隠蔽のため森林地帯を封鎖し、カバーストーリー"危険生物の群生地域"の作成、流布が行われました。
付録: [編集済み]地域にのみ伝わっている民間伝承の中に、SCP-040-Loについて描かれたと思われる昔話が確認されました。以下の文章はその抜粋となります。
・その大きな鳥は、[欠損]から森のみんなをまもろうとしました。かれはじぶんの羽をはいで、えいえんにもえつづけるろうそくを作りました。くらいよるでもみんなをみまもるためです。
・[欠損]は……でむらの人をたべてしまいました。大きな鳥はそれがゆるせませんでした。そしてかれはおもいつきました、わたしがみんなを先にころせば、みんなはかいぶつにころされずにすむ!
・かれはそれからまいにちやすまず森をあるきまわり、みんなをころしていきました。いのちを一つ"すくう"たびに、かれのからだには一つずつ目がふえていきました。
かれはねむることなく、みんなをすくいつづけたのです。
・ついにかれは、みんなをすくいました。もりにはもう大きな鳥しかおらず、やすまずうごきつづけたからだは目でおおわれていました。
・かいぶつとは、だれのことだったのでしょうか?
その鳥は怒り、あなたに噛み付くかもしれない。あなたは恐れて部屋から出た。
というわけで、(ある意味)皆の救世主大鳥くんでした。まあそりゃ、目の前に目玉めちゃくちゃ生えてる化け物いたらSAN値減るわな。とは言えぶっちゃけこいつに思い入れないから、ここで書くことないなぁ。あ、最後の昔話はオリジナルで入れました。こうでもしないと彼の考えは伝えられないからね。
それと一つ謝罪をば。本当ならマッチちゃんのように最終観測をつけたかったのですが、中々書き切れなかったので先に中身だけ上げました。ゴメンね?次回は他のアブノーマリティではなくこの子のTale上げる予定です。
書いて欲しい!とかこの子が好き!というアブノーマリティがいたら気軽に書いて下さい。今特に書きたいのがないので、上手くいけそうなやつがいたら書きます。ただ実際にプレイして遭遇してからになるので、時間はしばらくかかりますが。
あっ、でもこの子いいよって言って危なみに溢れる奴を紹介するのは止めようぜ、お兄さんとの約束だ!(危うくレティシアちゃんに職員殺されそうになった男の顔)
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tale-Lo 救済者の休日
さて、今回は前話に書いた大鳥くんのTale、もとい最終観測です。本家のtaleあまり読んだことないので、ちゃんと書けているか不安ではありますが。
某年某月某日。その日のエージェント███(通称エージェントX)の担当業務は、職員たちが"大鳥"という渾名で呼ぶ、大きな鳥型のオブジェクトと遊ぶというものだった。
字面だけを見れば微笑ましくもあるが、残念なことにこのオブジェクト、SCP-040-Loは幾度も収容違反を起こし何十人もの職員をあの世と病院送りにしたScipである。そのような恐ろしい存在を相手に娯楽行為を行うのがどれだけ職員達に精神的重圧を与えてきたかは、推して知るべしといったところだろう。
とは言え、Xは財団に勤務して数年で多くのオブジェクトを担当した言わばプロフェッショナルであり、SCP-040-Loの担当になって既にから何度も娯楽業務を遂行している。他の職員が恐れおののく作業も、彼にとっては最早日常の一部なのだ。
それに、SCP-040-Loは周囲を燃やしたり職員を食べたり胞子を出したりするわけではなく、ただそこにいるだけだ。機嫌を損なわなければ、薄気味悪い化け物と相対するだけですむ分、他のScipより遥かにマシと言えるだろう。
『時間です、X。SCP-040-Loの収容室へ向かって下さい』
無線から流れるオペレータの無機質な音声に従って、Xは幾つかの玩具を手に収容室へと足を向ける。目的地に到着するまでの道すがらで、支給されている骨振動式の小型無線機と防護スーツを慣れた手つきで装着していく。単純に遊ぶだけなら無用なこれらも、SCP-040-Loとの娯楽業務では時に生命線となる。他のオブジェクトが脱走した連絡を受けたり、SCP-040-Loの攻撃を一撃でも防いでくれたり、これらの装備で命拾いした人間は数多い。まあ、必要としないのが一番理想的ではあるが、万が一は何時でも起こりうるものなのである。
さて。ちょうどお気に入りのロングコートを纏ったところで収容室に到着した。二度ほど深呼吸をしてから、懐よりレベル2と記されたセキュリティカードを取り出し、扉脇にあるリーダーにタッチする。瞬きする間もなく扉は音を立てて開き、その奥から、件の鳥が姿を見せる。
「……行くか」
意識を切り替えて、Xは扉の向こう側へと踏み入れる。勿論、後ろ手で扉を閉めておくのも忘れてはならない。手に持っていた玩具を詰めたバッグを一旦床に下ろし、"仕事"を開始する。
『ヒトマルサンゼロ、SCP-040-Loの娯楽作業を開始する』
『了解ですX。どうかご武運を』
「よう、SCP-040-Lo。久し振りだな!」
出来るだけ明るく声をかける。当然、反応はない。このオブジェクトは会話することが出来ないからだ。その代わりに、じぃっとこちらを見続けている。
2mは優に超え、3mにも届かんばかりの巨体に真っ黒な全身に浮かぶ幾多の黄色い眼達。鳥の癖に一枚も羽を持たず、翼の代わりに生えている細い一本の前腕とそこに保持されたランタン。相も変わらず不気味と評するしかない化け物の姿がそこにあった。
その不気味さから、精神が弱いものが見ると軽くパニックになるらしい。まあ、あまり長くは拝みたくないのは心の底から同意できるが。
とはいえ、このまま見つめ合っても始まらない。Xは床に置いたバッグからボールを取り出し、不敵に笑って言った。
「おい、サッカーしようぜ」
このあとめちゃくちゃサッカーした。
『20分経過、業務を終了して下さい、X』
無線機から淡々と響いたアナウンスを聞いて遊びの手(というか足だが)を止める。時間の経過が早いことに少し驚きながらも、業務を果たすためSCP-040-Loに終了を告げる。大鳥は一瞬その巨体を硬直させると、Xから目を身体ごと背ける。何故か、まるで拗ねているみたいだ、とXは思った。
いや、そんなはずがないだろう。SCP-040-Loはその独善から多くの命を奪った化け物だ。怪物には人の理屈は通じない、故にこそ、彼は怪物足りえるのだ。
Xがそそくさと玩具を片付け、扉へと向かおうとした時だった。
ォォォオオオオオオオオオンンンッッ!!!
収容室内で低い轟音が響いたのだ。一瞬風鳴りかとも思ったが違う。まるで、怪物が嘶いたような―――
「ッッ!!」
其処まで気づいて、即座に後ろを振り向いた。そこには先程までの大人しさなどどこにもない、大口を開け吠える
元々娯楽業務を行っていたせいで互いの距離がかなり近かった。あと数歩で、彼はXの元に辿り着くだろう。逃げようにもScip-040-Loには他者を催眠させるランタンがある。真後ろにある扉から逃げ出したとて、直ぐに部屋の中へ呼び戻されてしまうだろう。防護スーツもあまり長くは保たない。
せめてもの抵抗をと、Xは腰に装備した電磁警棒を手に取る。SCP-040-LoはそんなXの眼前まで辿り着き―――一瞥しただけで、そのまま扉のほうへと向かっていった。
「……殺さ、ないのか……?」
自身を見逃した大鳥の行動に呆気にとられ茫然とすること暫し。俺の耳を早鐘のようにオペレーターの焦った声が叩く。
『……ッ……クス……X!』
ハッと意識を呼び戻し、慌てて応答する。
「こ、こちらX、何かあったのか?」
『フゥ、やっと出ましたね。死んだのではないかと焦りました』
「す、すまん。それより……」
『他のオブジェクトの収容違反が発生しました。恐らく其方も反応が有るのでは、と連絡したのですが……」
成る程、SCP-040-Loが急に吠えたのはそれを探知したためか、と納得する。
「機嫌損ねたのかとあせったぜ……」
『当該オブジェクトは?』
「元気なもんだ。今はドアをノックするので忙しいみたいだが」
扉のほうにチラリと見ると、そこには扉を嘴で強打しているSCP-040-Loの姿。ドアの拉げ具合から、おそらく一分以内には破壊されるだろう。だが……。
『既にアルファ-5が待機済みです。プロトコル254に従い自己防御を行って下さい』
「了解、行動を開始する。流石、仕事が早いな……」
オペレーターの指示を受け、Xは収容室の隅へと駆ける。その先にある端末にパスコードを入力してロックを解除する。
ピピッ、という電子音と共に、四本の油圧シリンダーに支えて壁の一部が迫り出してくる。Xはその裏のウェポンラックから急いで防弾盾を引っ張り出し自身の前で構えた。
それとまったく同時に、轟音と共に扉が破壊された。大鳥は多くの職員を
「目標視認!全員斉射ァ!」
―――幾多の銃弾が、彼を襲った。
数十の銃から放たれる幾千幾万もの弾丸が大鳥を撃ち抜いていく。防弾盾の後ろで流れ弾に当たらないよう身を縮めているXからは見えはしないが、その光景は容易に想像出来る。火薬が炸裂する音が、鉛が空気を裂く音が、肉を引きちぎる音が、Xの脳裏に凄惨な光景を幻視させた。
およそ一分、破裂音と風切り音は鳴り続け、残響を残してピタリと止んだ。カツリ、カツリと地面を踏む音が聞こえる。
「もう大丈夫ですよ、X」
盾の向こうから聞こえる男の声。その言葉に安堵を覚えつつ、盾を放り出して立ち上がる。
「助かった、ありがとうカノン」
「いえ、これも仕事ですから」
カノン。それが機動部隊アルファ-5"森の番人"の部隊長である彼の名だった。財団の保有する特記戦力たる機動部隊の長に選ばれるほどに優秀な人物であり、また隊を率いるに十分な人望と信頼を兼ね備えている。Xとはよく現場で顔を合わせており、最早胸を張って友人と口に出来るような仲になっていた。
「しかし、あなたは毎度毎度面倒事に巻き込まれる。転属願いを出しては?」
「そんな事してもまた別の厄介事に巻き込まれるだけだから無駄だと思うんだ」
二人が和やかに話している奥では、部隊員が動けなくなった大鳥に縄を括り付け、収容室へと引きずりこんでいる。その様子を盗み見たXは、自らの行為を直ぐに後悔した。
そこには、全身が銃創でズタズタにされ夥しい量の血を流した大鳥が引きずられている姿があった。体中を覆い尽くさんばかりであった黄色い眼の群れはそのほとんどが閉じられ、ランタンを手にしていた一本の腕は力なく垂れ下がるばかり。
例え世にも恐ろしい化け物であっても、これほどまでに痛めつけられた姿を目の当たりにすれば、
「……大丈夫ですか、X?」
内心が態度に出ていたのだろう、カノンが心配そうに此方を覗きこんできた。
大丈夫だ、と軽く手を振って問題ないとアピールするが、カノンにはXの内心がわかっているのか更に続ける。
「X、あなたはオブジェクトに対して心を傾け過ぎています。彼等は
「……」
その言葉に、
そうこうしている間に作業を完了させた部隊員達は、収容室から撤収を始めていた。カノンの元にも、部隊の一人が状況が終了した旨を報告しているようだ。
「X、我々は撤収します。あなたは所定のプロトコルに従い、追加で20分間業務を行って下さい。事態が再発生した場合は、我々が再度出動します」
「了解した。そうならないよう、微力を尽くすよ」
互いに敬礼を交わし、背中を向けて歩き出す。カノンは
収容室に残ったのは数々の弾痕と、疲れたように歩くX、そしてボロ雑巾のように打ち捨てられている大鳥だけだった。
そうして歩みを進め、XはSCP-040-Loの元へと辿り着く。Xを優に上回っていたその巨体も、今や力なく地面に横たわる黒い塊のようになり、Xを見つめる瞳も、片手で数えきれるほどになってしまっていた。
"怪物とは、誰のことだったのでしょうか"
ふと、Xの脳裏に昔話の一節が過ぎる。怪物から皆を守るために
羽を全て引き毟って灯火を作り、翼を捨てて腕にランタンを携え、昼も夜もなく怪物を探すため目を開き続けた。自らの独善に従って、皆の命ではなく魂を救うために。
気がつくと、Xの掌は大鳥の身体をゆっくりと撫でていた。鳥とは思えないその感触に思わず寒気が走ったが、それよりも自身の行動に、つい先ほど忠告されたことを無意識的に破っている事実に衝撃を受け思わず大鳥から手を離してしまった。
自らの無防備さに思わず戦慄しながらも大鳥の方へ恐る恐る視線を移すと、黄色の瞳と交錯する。それは自身の身体に触れるという自殺行為にも似た行いをした人間に対する好奇心を感じさせる視線だった。
ふと、大鳥の身体が揺れていることに気付いた。よく見れば、ろくに動かない身体を左右に小さく揺らしているようだった。まるで、もっと撫でてとねだる子供のように。
その様子に、今度は自らの意志でゆっくりと手を近づけていく。制止を喚く無線機をポケットに突っ込み、ついに大鳥の身体に掌が触れる。そのまま丁寧に、労るように巨体を撫でていく。
大鳥はXへの視線を外すと、その瞳に虚空を映し出す。そうして徐々に、一つまた一つと開いていた瞳を瞼で覆っていく。残った目を気持ちよさそうに細めたのを最後に、大鳥は全ての目を閉じ、規則的な寝息を立て始めた。
「……寝ちゃったのか」
大鳥を撫で続けながら、Xは小さく呟く。幾多の命を奪った化け物とは思えないその姿に思わず苦笑する。これではまるで、どこにでもいる人懐っこいただの鳥のようではないか、と。
もちろんそんなことはなく、大鳥が世にも恐ろしい化け物であることに変わりはない。犯した罪は消えることなく、踏みにじられた生命たちは彼を決して許しはしないけれど。
せめてこの一時だけは、救済者に安息の有らんことを。
"怪物はいなくなりました。そして、この永久の灯火もいつか消えるでしょう。ゆっくりと、ぼんやりと…"'
- Angela
撫でて撫でておねだりする大鳥きゅん可愛い(一時的発狂)
というわけで、SCP-040-Lo"大鳥"の最終観測でした。いやあやっと書き終わった、これで心おきなく本家のSCP書けるぅ!
あと、しつこいようですが、書いて欲しいアブノーマリティがあったら、感想欄に書いて下さい!ぶっちゃけ次書くの特に決まってないです!そろそろSCPらしく、要注意団体て絡めたいなぁ
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SCP-085-Lo 「We Can Change Anything」
三体目のアブノーマリティは、「何でも変えて差し上げます」です。何故こいつにしたんだよ。かなりドマイナーな代物である。
分からない人は、是非wikiを見てネ!
アイテム番号: SCP-085-Lo
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-085-Loは、サイト██内の電子ロックの施された標準的な保管室に蓋が開かれた状態で収容されています。SCP-085-Loを用いた実験は現在全面的に禁止されています。
SCP-085-Loの起動を防ぐため、職員はオブジェクト内部に決して入らないよう注意して下さい。
説明: SCP-085-Loは、人一人がちょうど収まる程度の大きさを持った容器のようなオブジェクトです。SCP-085-Loは白く塗装された鉄によって構成された人型であり、3つの蓋に分割するような構造をしています。また内部には鉄製の針によって覆われています。その形状から、中世に使用された拷問器具である鉄の処女[iron Maiden]をモデルに作成されたものと考えられています。
SCP-085-Loの異常性は、オブジェクト内部に人間が進入した際に発動します(内部に進入した人間をSCP-085-Lo-1と呼称します)。SCP-085-Loは動力の供給が一切無いにも関わらず蓋が閉まり内部にSCP-085-Lo-1を格納します。蓋が完全に閉じた時点で、SCP-085-Lo-1は内部から脱出することが出来ません。
蓋が完全に閉じると、SCP-085-Loの顔面及び胸部に当たる部分に電子的な目と心臓がそれぞれ表示されます。同時にSCP-085-Lo内部の針がSCP-085-Lo-1へと刺さり、その肉体を徐々に傷つけます。またこの際、肉体に与える損傷は時間経過と共に増えていき、最終的にSCP-085-Lo-1が死亡するまで継続します。SCP-085-Lo-1が死亡した場合、オブジェクトが開放され、内部から[削除済]のSCP-085-Lo-1が放出されます。
このオブジェクトが持つ最大の異常性は、SCP-085-Loが、内部のSCP-085-Lo-1に傷を負わせると、未解明のエネルギーを生産するという点です。SCP-085-Lo-1が負った傷の量や深さなどに比例して、生産速度が上昇していきます。このエネルギーは電力などの他エネルギーへと不可逆変換が可能です。
SCP-085-Loは、「所有者に死を齎すロボットがある」という噂を調査していた財団エージェントによって回収されました。最後の所有者である████氏を含め、██人に「家庭用ロボットの第二弾」という触れ込みでマーシャル・カーター&ダーク株式会社によって販売されてたことが確認されています。尚、回収したSCP-085-Loの購入履歴に不透明な期間が存在していることから、秘密裏に販売、もしくは貸与されていた可能性があり、追加調査が実施されています。
SCP-085-LoはSCP-041-Loと同様、[編集済]社によって製造されました。[編集済]社は、19██年に解散した株式会社プロメテウス研究所の後継会社のうちの一つであり、20██現在も活動を続けています。SCP-085-Loの生産は停止していますが、[編集済]社が大量生産企業であることから、同型のオブジェクトが複数存在するものと推測されます。
付録: 文書085-Lo-1
以外の文書は、販売されていたオブジェクトに付属していました。
貴方のお子様が問題を起こしていつも泣いてらっしゃいますか?変えて差し上げましょう!
貴方の体型がお気に召しませんか?太りすぎですか、それとも痩せすぎですか?変えて差し上げましょう!
貴方の家、お金がなくて電力に必要なエネルギーがないんですか?変えて差し上げましょう!
使い方はとても簡単。機械を開けて中に入り、 閉めるボタンを押すだけ。今すぐ全てが良くなるでしょう。
+レベル4相当のセキュリティクリアランスのみ閲覧可能
[ファイルアクセス]
…
付与されたセキュリティクリアランスを確認中…
…
クリアランスを確認、アクセスを承認します
補遺1: SCP-085-Loのエネルギー生産量は、電力に変換すると1人あたりサイト██の全施設を1~2日ほど稼動することが出来る程であることが判明しました。このデータを元に、健常な肉体を持つDクラス職員を常時3名選出し、非常時にSCP-085-Loへ投入するプロトコル085が作成されました。この情報はクリアランスレベル4以上の職員、及び上位クリアランスから一時的にアクセス権限を付与されたレベル4相当のクリアランスを持つ職員にのみ開示されています。
プロトコル085を実行する際は関与する全職員に対して「オブジェクトの実証実験」というカバーストーリーを公布し、作業を担当するスタッフは財団に忠実な職員のみを選出してください。決してSCP-085-Loが利用可能な状態にあることが知られないようにしなければなりません。
プロトコル085が適用されるのは、サイト全体への電力供給が停止し、大規模収容違反、引いてはK-シナリオ発生の危機が現実的になった場合のみである。その場合我々は、何の躊躇もなくScipの力を利用するだろう。しかしこのオブジェクトの力は決して知られてはならないものでもある。
確かにこのオブジェクトは、人間の命をエネルギーに変換するという、倫理に大きく背くだけの比較的無害な存在だ。だが考えても見て欲しい。専用の原子力発電所を稼動させることで完全に維持しているサイトの電力量をただ一人と引き換えに賄うことができるのだ。もしもこのオブジェクトが他の組織、団体の手に渡り使用されてしまえば、奴らの勢力はより強大になり、更に多くの犠牲者を出すことだろう。それを阻止するため、SCP-085-Loは我々が持ち続けなければならない。
大袈裟な措置だと思うかもしれないが、我々が守るべき世界と、無辜の人々のために。諸君らの健闘に期待するものである。ーサイト██管理官
今、すべてがうまく行くでしょう。
ぶっちゃけ、前回のあとがきで書いたとおり要注意団体を出したかっただけです。あとは高レベル職員を呑まれて、若干トラウマになっているのもある。
今回登場した団体は、株式会社プロメテウス研究所とマーシャル・カーター&ダーク株式会社です。株式会社しか出てきてねえな。
詳しいことはSCP財団wikiを参照して頂ければわかると思いますが、ざっくり言うと異常存在を研究・製作している多国籍企業(解散済)と、異常存在を富裕層に売る秘密クラブですね。活動内容と名前が好き。
あと、「リクエストが出来るように活動報告作って欲しい」と言われたので、リクエスト用の活動報告投稿しました。感想書くついでに好きなアブノーマリティ書いてって~程度の気持ちだったので、規約を失念していました。本当に申し訳ない。
次回が何時になるか分かりませんが、のんびりお待ち頂ければ幸いです。感想やリクエストお待ちしてます!
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SCP-067-Lo 『Leatitia』
それと、マッチちゃんや大鳥君と比べ少し雑です。リリース版では最終観測なくなっちゃったからね、仕方ないね。
というわけで以前可愛いとおすすめされたレティシアちゃんです!
アイテム番号: SCP-067-Lo
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-067-Loはサイト██内の標準人型収容室に収容されています。担当職員は日に二度、SCP-067-Loとの交流作業を行ってください。標準人型管理プロトコルに基づき食事が供給されるべきですが、SCP-067-Loの要望を受け、適量の菓子類を支給することが許可されています。
SCP-067-Loを担当する職員は、通常業務や収容違反時の鎮圧を始めとしたその他のオブジェクトに関わる一切の作業が禁止されています。これに違反した場合、セキュリティースタッフ10名からなる対応部隊が即座に派遣されます。
説明: SCP-067-Loは灰色の髪と赤い瞳を持った10代初頭の少女のように見えます。SCP-067-Loの挙動は機械人形のようにぎこちなく、収容室内では██Hzを中心とした標準的なオルゴールの音色が聞こえるという報告が上がっています。SCP-067-Loは首元に赤い大きなリボンのついたドレスと赤いボンネットを着用していますが、これらは摩耗することがなく交換は不要です。
SCP-067-Lo-1は、SCP-067-Loが接触した人間(以下対象)に対し渡す心臓の形をした玩具です。オブジェクトの贈与を拒否する試みは、対象がSCP-067-Lo-1の受取を拒否した場合でも、SCP-067-Loからの懇願によって最終的に了承してしまうため全て失敗しています。また受け取ったSCP-067-Lo-1は日付変更と共に消失します。
何故あの玩具の受け取りを拒否しないのか、何て言う奴は実際に断ってから言ってもらいたいね。あの悲しそうな顔を見ると、受け取らないって言う選択肢が頭から吹っ飛んじまうのさ。アンタもそうだろう?D-1463
SCP-067-Lo-2は、SCP-067-Lo-1を所持した人物から発生する全高2m程の未知の生命体です。一見すると蜘蛛(Araneae)のような姿をしていますが、六つの虹色の脚、数十に及び目、口のような器官等の異常な特徴を有しています。SCP-067-Lo-2は発生後出現地点周囲を徘徊し、視認した生物を無差別に攻撃します。SCP-067-Lo-2の攻撃手段は現在まで前脚による刺突以外確認されておらず、移動速度は標準的な人間のそれと同程度です。SCP-067-Lo-2はBクラス装備のセキュリティースタッフ複数人で対処する事が可能です。
SCP-067-Lo-2の発生条件は、対象がSCP-067-Lo-1を所持した状態でSCP-067-Lo以外のオブジェクトと関わる何らかの作業に従事することです。またこれは、対象が作業に従事しようと行動を開始した時点で条件を満たすと考えられており、対象が行動を起こす前に業務を中止させることで発生を無効化することが出来ます。
インタビュー記録067-Lo
インタビュアー: エージェントロキ
録音開始
エージェントロキ: 久しぶりだね、SCP-067-Lo。今日はいくつかお話を聞かせてもらいたいんだけど、いいかな?
SCP-067-Lo: ええ、もちろんだわお兄さん!でも駄目ね、名前で呼んでっていつも言っているでしょう?私にはレティシアって名前がちゃんとあるんだもの!あっ、おちびちゃんでもいいわよ、みんなそう呼んでくれるの!
エージェントロキ: ああ、そうだったね、ごめんごめん。でも今日はそういうわけにはいかないんだ。ちゃんと記録に残さないといけなくてね。
SCP-067-Lo: あら、そうなの?お仕事なら仕方ないわね……。
エージェントロキ: ではまず始めに、君は此処に来る前どこにいたんだい?
SCP-067-Lo: とっても遠いところよ!お友達もたくさんいたわ!でも、連れてきちゃだめって言われて……。
エージェントロキ: そこでは何を?
SCP-067-Lo: そうね……お気に入りの人を見つけたら手作りの贈り物をあげていたわ!
エージェントロキ: 贈り物……君が我々に渡している、SCP-067-Lo-1のことかな?
SCP-067-Lo: ええ!でも中身は秘密だよ!
エージェントロキ: そうか、ありがとう。ところでSCP-067-Lo?SCP-067-Lo-1のことで、何か隠していることはないかい?
SCP-067-Lo: !?な、なんのことかしらー?
エージェントロキ: 誤魔化そうとしても無駄だよ、君が何か隠してることぐらいお見通しだ。さあ、秘密にしてることを話してくれ。
SCP-067-Lo: むむむ!それなら仕方ないわね、ちゃんと話すね?
SCP-067-Lo: 秘密にしてたんだけどね、私イタズラいっぱい考えてるの。お友達連れてきちゃ駄目って言われたから、とっても素敵なアイデアを思い付いたの!
エージェントロキ: ……それは?
SCP-067-Lo:私の友達を箱に隠して、それをみんなにプレゼントするの。みんなきっと驚いてくれるよね!そしてみんなが私のイタズラで笑顔になるの!もうっ、せっかく秘密にしてたのに!
エージェントロキ: ……なるほど、君はそのお友達を箱の中に隠していたのか。それらが何をしているのか、君は知っているのか?
SCP-067-Lo:え?職員さんたちを驚かせているのでしょう?もしかしてお兄さん怖いのかしら。大丈夫よ、確かに見た目は怖いけどみんないい子だもの!
エージェントロキ: そうか、いい子か……。
SCP-067-Lo:ここでもたくさんの友達ができたらいいな!でも私は恥ずかしがり屋だから、贈り物のことは秘密にしてね!
エージェントロキ: あ、ああ。わかった、二人の秘密だ。
SCP-067-Lo:うふふ、お兄さん優しいね!
エージェントロキ: ……。
SCP-067-Lo: みんなともっと一緒に遊びたいな!だってみんな笑顔じゃないもの。暗い顔してる!
私はここを笑顔でいっぱいにするまで、ここにいることにしたの!
私のイタズラでみんな笑顔になってくれたら嬉しいな!
録音終了
だから私はとっても素敵なアイデアを思い付いたの! - Laetitia
はい、いたいけな少女可愛い可愛い(目そらし)。
そんなわけでA Shy Kid(恥ずかしがり屋の子供)ことレティシアちゃんでした。ちなみに私は『問題児』に出てくるレティシアが好きです。金髪合法ロリ吸血鬼とか最高じゃん。
やっぱり最終観測なしはキツいなあ。最後インタビューでそれっぽくしましたけど、どうだったでしょうか?少しでもこの子のやばいところが伝わればいいなと思ったりラジバンダリ。
もしかしたら、追加でTaleとか書きだすかもしれません。気まぐれですけどね。
一応次何書くかは決めてあります。まあ本家かいたり就活したりで忙しいのでいつになるかわからないんですが。気長に待っていただけると幸いです。
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