【年上彼氏の受難】 (homura1988)
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年上彼氏の受難1

「そろそろ寒くなる時期だな、デグレチャフ少佐」

 

「ええ、そうですね」

 

 昼下がりの図書館というものは、なんともまあ、身も心も微睡む場所である。好みの資料を探し求め、古めかしき湿気の匂いとページの捲る音。そして静かな呼吸音。神聖かつ、貞淑的な空気は、前世の頃から暇さえあれば通っていた場所だ。

 時間も忘れ、ひたすら知識を埋め込ませて物思いに耽る、これこそ素晴らしき休日の使い方、のはずだった。

 閲覧用の長いデスクを挟んでわたしターニャ・デグレチャフの眼前に座る者。たしか、この場所ではじめてお目にかかったはずだ。帝国軍戦務参謀次長、そして准将閣下の任を背負うハンス・フォン・ゼートゥーアだ。その存在を知らぬ者が見れば軍人とは思えぬ物静かな表情と、それ以上に心の底が全く読めない目尻の皺の深さは、ミステリアスなおじ様、という印象だろう。しかし、幾度対峙しようとも、わたしには一向に慣れるものではない。

 飲食禁止のはずなのだが、閣下の右手のコーヒーカップからは香ばしい珈琲の匂いが鼻腔をくすぐった。ちょうど小腹が空く時間。わたし以外にこの場所に居る者も、みな同じことを考えているだろう。本の内容など頭に入ってくるわけがないと。

 

「ところで、レルゲン中佐とは最近どうなんだね」

 

「…はい?」

 

 このところ、やたらとゼートゥーアもルーデルドルフもわたしとレルゲン中佐の仲を知ってから、あれやこれやと菓子を詰め、紅茶を詰め、時には二人で休暇を合わせて遠出でもしてきなさい、とお節介じじいになっている。

 同世代の孫娘がある日突然、二十余り年上の男性と恋人関係になったらそこまではしないだろうに、むしろ前線時代を思い出し暴れるだろう。どちらかというと、わたしにもそうして欲しかったのだが、どうやら本当に帝国陸軍はわたしをどこまでも少女と認識はしてくれないらしい。

 

「ステップアップはしているのかね、と聞いているんだ」

 

 その問いに、ええまあぼちぼち、と出そうになり、寸前で口を噤む。背後の少佐や中佐クラスの同朋らが聞き耳を立てているのが分かる。

 分厚い辞書のような戦歴史のページを捲ろうとするも、指が狼狽えてうまく紙が掴めなかった。

 

「その件に関しましては、小官個人の意見では到底お答えできるものでは」

 

「いつまでも、彼を袖にするのはよくない」

 

「はあ、覚えておきましょう」

 

 まるで上官が部下に過去の経験を生かしてアドバイスをするように、ゼートゥーアはすすった珈琲の後に感嘆を込めた溜息を吐く。いったい、この状況をどうしたらいいのか、わたしには全く見当がつかない。

 

「要するに、薄手のタイツくらい履いてやったらどうだ、ということだよ」

 

「…いったい、どこでそれを…」

 

「ああ、昨夜ちょっとした酒の席でね、彼が不満を吐露していたものだから」

 

 後ろに座る者が、明らかに動揺している。わたしもゼートゥーアの言葉に、もう少しばかり狼狽えていたのなら立ち上がって椅子を倒していたかもしれない。静かな図書館という空気を崩したくはないのに、ゼートゥーアの言葉に、同朋らどころか司書までも、見ないふりをしながらも耳は完全に此方に向いているだろう。

 非常にまずい。ここ最近は、わたしとレルゲン氏の仲は周知に認識されてきたが、まだまだ謎に包まれている状態だ。それなのに、先日、寒くなってきたからタイツを履いてくれと彼がわたしに具申したことまで漏洩してしまった。とんだステップアップだ。明日からどんな顔をして参謀本部に行けばいいのだ。今すぐこの場から逃げ去りたい。

 

「馬の脚のことならわたしもルーデルドルフも負けないのだがなあ」

 

 馬と一緒にしないでくれ。

 

 ゼートゥーアのコーヒーカップが一刻も早く空になることを願いながらも、二日酔いで自室で寝入っている彼への制裁を沸々と考えながらわたしは分厚い本をゆっくりと閉じた。

 

続く

 

 



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年上彼氏の受難2

年上彼氏の受難1のその後です。


 

 軍務に定時上がりとは実質存在しないものだが、時々、夕方を知らせる柱時計の音ともに積まれていた書類を全て処理してしまう日もある。

 そのような日は街へ出て日用品の買い物でもしようかと考えながら軍衣を脱いだ。多忙が続くとシャツやジャケットをリネンに出すことを失念してしまうため、恋人であるターニャ・デグレチャフには『見た目に反して』と軽い呆れ顔を浮かべながら言われてしまう。

 私生活がズボラであることはある程度自覚しているが、実は、私はどうやら何かやらかしてしまったらしく、先日からターニャが一切口を聞いてくれない。

 私と同じく多忙なターニャだ。ただでさえ会う機会も普通の恋人同士や軍人同士の恋人らと比べれば少ない。

 それなのに、次に休暇が合う日に街へ出て一緒に冬服を拵えようと、あまつさえタイツを履いてもらおうと考えていたのに、自室どころか執務室にさえ顔を出してくれないのだ。

 腕時計で時間を確認し、ターニャの執務室へ足を運んでみることにした。ドアをノックし返事を待たずして部屋へ入ると、副官の淹れてくれた珈琲に舌鼓を打っていたらしいターニャが私を視界に入れた途端に表情を歪ませた。副官は一礼をし部屋を出て行く。

 

「ターニャ、そろそろ機嫌を直してほしいのだが」

 

「……」

 

「お願いだ、いったい私が何をしたというんだ」

 

 もうひとつ、気になっていることを上げるならば、廊下ですれ違う士官らの視線が明らかに異様であること。私とターニャの仲が少しずつ周知されていることは分かっているが、ターニャが口を聞いてくれなくなった日と同じくして本部の同期や下士官の私への対応が余所余所しいのだ。

 本当に、いったい、なにが起こっているのか分からない。

 ターニャに触れられないぶん、煙草の本数も増えてしまっている。

 どうしたらいいのだ。

 

「酒の席です、貴方は覚えていらっしゃらないので仕方ありませんよ、しかしながら、何をどう言われても、ゼートゥーア閣下からのお願いであろうとも、わたしは絶対に薄手のタイツなど履きませんから」

 

 閣下からのお願いとは、と考えていたところで、数日前のゼートゥーアとルーデルドルフ両准将閣下の酒の席に呼ばれた際、しこたま飲まされたことを思い出す。

 あの時の記憶は一部が飛んでおり、その後、閣下へ会った際 、すまないな、と意図の掴めない謝罪をもらったのだ。まさか、まさか。

 

「私は、閣下に、君がタイツを履いてくれないことを言ったのか…?」

 

「本当に貴方は、見た目に反して残念すぎます…それに、わたしが過去に何本ストッキングを駄目にしたか分かっているでしょう!?」

 

 そのまま溜め込んでいた怒りを吐き出すように事の経緯を話し始めたターニャによると、軍大学の図書館でゼートゥーア閣下に私との仲は順調かと問われ、そのままタイツの話になったと。図書館の閲覧用のデスクで、ターニャと閣下だけではなく、他の士官や学生がいる中で。それがあの異様な視線の正体か。なるほど、大問題だ。いや、それよりも。

 

「一般的には30デニール未満のものをストッキング、それ以上のものをタイツと呼ぶ。しかし糸の構造が違うからストッキングのように直ぐに破けたりはしないためサポート力もある」

 

 ターニャが数少ない私服用にしているストッキングは履くたびに直ぐ駄目にしていることは知っている。だからこそ、タイツなのだ。

 季節もそろそろ秋も深まり冬へと向かっている。黒いタイツで防寒しているものの、屈めば膝や太ももが布地から薄めに見えるのがとても良いと私は考えている。

 

「力説しないでください悲しくなりますから…一体、そんなこと何処でお調べになったのですか…」

 

「もちろん、ゼートゥーア閣下の受け売りだが?」

 

「結局は、あの人が一番の原因ではないですか!?」

 

 それから数日後、陸軍内に知れ渡ってしまった私のタイツ案件により、薄手のタイツの魅力に気づいた同士官や彼女が大隊長として率いる203大隊の男性メンバーらが、恋人の切なる願いに応えてやらないのかと彼女を説得してくれたらしい。

 ターニャは一日限定で薄手のタイツに私服のワンピースを着てくれたが、その代償として半年間、寝台どころか部屋にすら入れてもらえなかった。

 

 

 

 

 



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年上彼氏の受難3

年上彼氏の受難2から少し経過した、ターレルのいちゃいちゃ突入編です。


 

 良い子は寝入る時間もとうに過ぎた、野鳥も床につき杏の実を啄む夢でも見ているのだろうと考えてしまうほどの、わたしには久しい穏やかな夜。

 術式を展開する音も砲撃の音も耳に届かぬ、セミダブルの柔らかい寝台の上は、まるでマシュマロの上に寝ているかのような気持ちにさえなってしまう。

 彼との夜伽を終えて直ぐに気を失ってしまったらしいわたしは、次に目覚めた時には二人の体液にしっとりと濡れた敷布の上にいた。自身の息がまだ落ち着いていない。気を失っていたのはほんの一瞬なのだろう。

 受け止めきれなかった衝撃を徐々に身体に染み込ませようと肌がいつもより敏感になり、触り心地の良いシーツでさえ今のわたしには刺激の強いものとなる。

 ゆっくり身を起こすと、瓶からコップへ水を注いで一気に喉へ流し込んでいる彼がいた。上半身は肌蹴て皺が深く入ったシャツに、膝下の黒い靴下、その靴下が下がらぬようにと嵌めているソックスガーター、という格好だった。

 

「結局は脱ぐんですから、意味がないではありませんか」

 

 声が出るか確認もせず、彼が目覚めたわたしを認識していないことを分かっていながら挨拶もそこそこに悪態を投げる。しかし擦れ気味の声でもしっかりと彼に届いたようで、テーブルに置いていた煙草に手を伸ばそうとしていた彼が薄く笑みを浮かべて寝台に戻って来た。

 その途中で、彼は床に投げられているわたしの衣服を拾い上げようとしていた。昼間は非番だったため散らばったわたしと彼の服はどちらとも私服。全て拾ってくれると思いきや、彼の手にはタイツだけが握られており、数時間前に脱がされて冷たくなった繊維を惜しむように、彼は鼻先に押し付けてタイツの残香をたんまりと嗅いでいる。

 今夜は帝都の中心街にオープンしたというイルドア料理の店に行ってみたのだが、どちらかというと大衆向けの騒がしい店だったため、落ち着いて食事を楽しむ雰囲気ではなかった。結局は行きつけの食堂でいつもと変わらない冷たいディナーを済ませ、特に予定もなかった男女二人が向かったのは、言わずとも家具の少ない彼の部屋。

 

「私が脱がせたのだ、だからいつものように自分で脱いで破らなかっただろう。それだけでも意味はあった」

 

 真面目な顔でタイツの匂いを嗅ぎながらとんでもないことを言っている、という自覚が彼にはないらしい。

 季節の変わり目も過ぎだんだんと寒くなってきた今日この頃、恋人であるエーリッヒ・フォン・レルゲンが突然、私服の際に薄手の黒いタイツを履いてくれないかと言い出したのがこの夜のきっかけである。真面目な方にも一つくらい人に言えない趣味や性癖があってもおかしくはないのが軍人という職務ではあるが、突然のことにわたしは即刻拒否の意を示した。

 しかしそれでは終わらず、酒の席で酔ったエーリッヒが准将閣下に恋人がタイツを履いてくれないと不満をぶちまけ、それを軍大学の図書館でゼートゥーア閣下の口から直接から報告を受けた挙句、あの堅物の貴重な我が儘なのだから聞いてやってはどうだと言われたのだ。他の佐官クラスの者や学生がいる図書室で。それはそれは、瞬く間に噂が広がるのは目に見えているだろう。案の定、数日後には大隊メンバーにまで、上官の恋人エーリッヒ・フォン・レルゲンはタイツ愛好家という噂が届いていた。

 その後、なぜかタイツの素晴らしさに目覚めた奴らがゼートゥーアと同じくエーリッヒを擁護するようになり、結局は、一日限定ならとわたしが折れる形で薄手のタイツを履いたのである。

 しかし一度だけで満足しないのは男の性で、ことあるごとにタイツを履かせようとするものだから、半年ほどちょっとした意地悪で自室への出入り禁止してみたのだが、それが悪かったのだろう。北へ西へと戦線を駆け巡り自室へ帰って衣装箪笥を開けると隙間なくタイツが詰められている光景はさすがのネームドのわたしでさえ恐怖を覚えた。

 思っていた以上に彼の精神状態が危うくなっているようだった。恋人ながら危機感を覚えてしまい、不本意ながらも彼と出掛ける時は薄手のタイツを履くことにしたのだ。

 

「いつまで嗅いでいるんですか、やめてください」

 

 寝台から下りて、彼の手からタイツを奪う。

 彼はどこで間違ってしまったのだろう。わたしと出会ってしまったことが原因なら別れた方が彼の為でもわたしの為でもあるのかもしれない、と先日セレブリャコーフ少尉に愚痴をこぼしてみたものの、少佐が別れてしまったらもう陸軍内に中佐と一緒になってくれる女性はいらっしゃらないかと、となかなかに辛辣な言葉が返ってきた。

 

「わたしだけが知る、君の匂いだ、構わないだろう」

 

 腰を取られ、半ば抱えられるようにして抱きすくめられる。一回目を終えたばかりだというのに、彼は水分で潤ったばかりの唇でわたしのこめかみあたりにキスを落としてきた。

 そのまま再び寝台へなだれ込むつもりなのか。彼の膝がいたずらに臀部の割れ目を押し上げたが、ガーターソックスの金具の無機質な冷たさにまで触れてしまい、あっ、と短く声が出た。

 

「わたしにも休憩をくださってもいいじゃないのですか、貴方だけズルいですよ」

 

 お返しとばかりに彼の耳下あたりにキスをする。しぶしぶ床に下ろされた身へ、ソファにかけてあった彼のガウンを羽織られる。もちろん彼のガウンは大き過ぎて裾は床に引き摺られる形となり、彼の愛煙とコロンの匂いに包まれた身体に匂いが移ってしまいそうだった。

 先ほどの彼と同じように、瓶から水をコップに注ぎ一気に喉へ流し込む。彼はそれを黙ったまま寝台へと腰掛けて足を組む。軋んだ音が早くしろと言っているように聞こえる。

 

「というか、貴方の今の格好、笑えますね」

 

 仕事から一歩抜けると本当にこの方は、だらしない、の一言に尽きる。よくもまあ今まで生活出来ていたものだと呆れるほどに。

 

「この格好は嫌かな」

 

 わざとらしく、意地の悪い笑みで彼はわたしに問う。後方勤務にしては無駄のない筋肉の付き方をした大腿がシャツの裾から二本ぬめり出ており、その下には太すぎず細すぎない膝が見える。そして、革のベルトのソックスガーターと黒い靴下にしっかりと守られている下腿が、足首までの曲線を描いているのだ。

 前世の頃に数回わたしも使ってみたが、どうにも金具に締め付けられている感覚に違和感が拭えず直ぐに外したソックスガーターだが、似合うべく者が装着すると色気が増すのだなと実感させられた。どうやら、わたしも恋人の性癖に当てられてなにかに目覚めてしまったらしい。

 

「嫌ではありませんが、目のやり場に困ります」

 

 未だにシャツ一枚に靴下とソックスガーターという格好の彼が無事に水分を補給したわたしに此方へ来るように目配せをする。ガウンを脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿で寝台に腰掛ける彼と対峙してみた。

 一つだけ、タイツを履いて良かったと思えた点はある。戦線から帰還直後の身は血を流して医務室の世話になるほどの傷はないものの打撲痕だらけなのだ。人の目に晒すことはさすがに出来ず、そのせいで夏でも長袖を羽織り、足の打撲痕も薄くなってからようやく私服のワンピースに袖を通せていたわたしには、打撲痕を隠せて尚且つこの季節なら防寒も出来るタイツはなかなかに良い代物だった。

 要するに、最初こそは恋人のおかしな要望を拒否していたものの、わたしも頭ごなしに嫌と言えなくなってしまったわけだ。

 わたし自らタイツを履いて待ち合わせ場所に現れた際は、オペラ鑑賞をするはずだった予定など放り出して真っ先に部屋へ連れ込まれたのは一週間前だったか。

 

「もう一度、タイツを履いてくれないかターニャ」

 

「はあ、またですか……」

 

 散らばった服を見回しても下着が見つからず、どうせすぐ脱がされるならとそのままタイツを履いてみた。臀部も下腹部もくすぐったい。目の前の恋人といえば、難しい顔をして動きを止めてしまった。わたしの動きも止まっている。ああ、たまには違うことをして彼の欲をたくさん刺激し、数日わたしが帝都を離れても大丈夫なようにしてみようか。

 あと一歩踏み出せば彼に触れられる場所まで近寄り、わたしの左膝で、彼の膝を割り開いた。呆気なく彼の膝は開かれる。右手を彼の左膝に乗せ、眼前に露になった彼のモノを爪先で撫でてみた。タイツ越しのモノはすでに硬度を保っている。

 

「ター、ニャ、なにをして、」

 

「本当に貴方は変態ですねエーリッヒ、ほら、もう大きくなってる」

 

 撫でるばかりでは面白くない。少しだけ力を入れて足の裏でモノを押すように刺激すると、びくりと彼の腰が跳ねた。その顔はなかなかに扇情的で、無意識に舌舐めずりをしてしまうくらいには、わたしの恋人は、タイツのざらざらとした感触がお気に召しているようだった。もう少し足を開いてもらい、閉じぬように身を割り入れる。

 革の触り心地を指で堪能しながら金具をパチンと開き、両方の足から靴下を奪う。膝にはソックスガーターだけが残り、まるで彼が縛られているようにも見えてしまった。背中がぞわぞわと震える。彼だけの蜜壷がじんわりと濡れてきたのが分かり、今度は膝でモノを押してみるとようやく抵抗らしい力の入った腕に肩を掴まれた。

 

「じ、焦らさないでくれっ」

 

「大好きなタイツに責められるなんて、貴方には喜ばしいことでしょうに…」

 

 それから彼とわたしの異様な夜は滞りなく過ぎていったのだが、やはりお節介じじいには全て筒抜けだったようで。

 ソックスガーターに目をつけるとはさすがデグレチャフ少佐だな、中佐もとても喜んでいたぞ、と再び軍大学の図書館でゼートゥーアから酒の席での報告を受けることになろうとは、この夜のわたしはまだ知るよしもなかった。

 

 終わり

 

 



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