転生したら幻想郷でチルノ様の世話をすることになったった件について\(^o^)/ (タケノコ委員長)
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第1章---幻想郷って?フハハハハハ!!!面白そうではないかー!!!
第1話→学年末1日目終了後の悲劇!まさかのくじ引きで来世決定!?
「うわぁぁぁぁぁあ。今日学年末テストじゃん。全然勉強してねーよ!!!絶対今回は酷い点数取るの確定だ---。オワタ\(^o^)/アハー!!!えっと、今日は何の教科だっけ---?うわー。マジか。そもそも公民と生物を一緒にしちゃ行けないっしょ!!!何で暗記科目を一気に出すかな~。」
私は、朝から学年末テストの用意をしていた。が、既に結果は見えてる通り、ボロボロになりそうだ。まあ、一気に内容を覚えようとしても、試験範囲が広いので、絶対に良い点を取れることはないだろう。オワタ\(^o^)/と思いながら、流石にまずすぎる点数を避ける為に、公民と生物は一生懸命勉強した。
「後一教科ある。えっと、数学か、数学だけはまあまあ取れるから、大丈夫だ!さて、公民と生物。頑張らなきゃな~。」
そう。私は数学が得意で、よくクラスの皆に教えている。その教え方は先生も驚く位うまい。そして、いつもテストは90点以上をとっていた。
「うわぁぁぁぁぁあ!!!もう学校行かなきゃ!これは歩いてる間も勉強かな~。せっかくゆっくり歩こうと思ったのに、自分のいつもの楽しみが台無しだ!!!」
私は、いつも歩きスマホをして歩いてる。良くない事だが、なかなか止められないのが現状だった。
「さて、早く行かなきゃ。数学3時間目だから、最初の2時間までに内容叩き込まなきゃスーパーオワタゾーンに突入だ!\(^o^)/フッフゥゥウウイ!!!」
どうやら、私は公民と生物に対して壊れてしまったようだ。まあ、そうなるのも仕方ない。そして、学校についた。
「あー。もうテストの準備してる先生だらけ。まあ、さっきの短時間でまあまあ覚えたから、流石に40点とか悲しい事態は免れるかなー。まあ、とりあえず1時間目から行かなきゃ。公民!面倒!最悪!アーー!!!」
どうやら、私は公民に対しておそろしく壊れてしまったようだ。まあ、そうなるのも仕方ない。そうして、テストの時間になった。
「よーい、---スタート!」
担任の佐藤先生がスタートと言った瞬間、わたしのクラスの生徒全員がペンを持ち始め、問題と向き合った。私も目の前にある悪夢の紙に手を触れた。が、予想通り後半につれてわからなくなってしまった。
時はあっというまに過ぎた。
「はい、しゅーりょー!」
この声が聞こえると、一番後ろの生徒がその列の分を回収しにかかる。生徒の声からは---
「終わったー。」
という声と、
「フツー。」
って声と、
「よっしゃぁぁぁあ!!!満点だ!!!!」
と言いながらいつも満点とってない集団と、
「意外と出来たかも!」
と言って本当に良い点を取る集団に分かれた。私は当然---
「最後に覚えた内容が出たけど最後の方終わった~。」
というお辛い組に入った。そして時は一瞬ですぎて2時間目。2時間目は生物だった。生物は公民よりは自信があった。
「生物。公民よりは良い点とりたいな~。」
と思ったら、今回の試験監督は最近学校で見なかった山崎先生だった。
「あれ?山崎先生だ!久しぶりー!」
という声が響いた。
「おう、テスト頑張れよ!今回難しいみたいだからな!」
といい、試験が始まった。まあ、これもすぐに終わって、結果は---目に見えていた。
「ラストだけは良い点とりたい!」
そういって数学が始まった。これもすぐに終わった。
「数学、これは来たかも!!!」
そう、私は数学が得意で、テストも90点は越えていそうだった。そうして、1日目は終わった。まあ、私に2日目はなかったのだが---。
「さーて終わった終わった!明日は何かな~?」
そして、私は家に帰った。いや、帰ろうとした。私は、家に帰るまでに電車を使うことになっている。そして、ホームに入った。私は、いつものように歩きスマホをしながら待っていた。
「ふぁー。あー。そうだ。久々に英語でゲームをしてみようかな~。アハハ~~~!」
その時、電車が来た。そして、歩きスマホをしていた私は、ホームを踏み外し、電車にひかれてしまった。
---。 -----。 -------。
「---。 -----。 -------。ん、あ、あれ?俺、電車にひかれて、それから、---。 -----。 -------。」
私は、状況がよくわからなかった。
「---。 -----。 -------。あー、俺、歩きスマホをしてたら、ホームを踏み外して、電車にひかれて、死んじゃったの?---。 -----。 -------。そうか。死んじゃったのか---。 -----。 -------。」
そう、私は、死んじゃったのだ。
「このあと俺、どうなるのかな~。」
その時、私の前に変な光が見えた。私は、その光に一瞬でのみ込まれた。
「---?え?う、うわぁぁぁぁぁあ!!!」
---。 -----。 -------。
「ここは?何これ、変な看板がある。」
私は、看板に描いてある言葉を見た。
ここは15歳以下でポックリしちゃったものの来世を決める場所です。ここから100メートル先にくじがあるので、それをひいて頂き、来世を決めて頂きます。来世は、およそ2000種類ありますが、何になるかはわかりません。では、幸運を祈ります。
「ん?注意書きもあるぞ。」
この来世のくじの中に、外れがあって、それに当たると一生地獄でうろうろすることになります。が、確率は1/5000程となっていますので、地獄のことは外れを引いてから考えてください。
「えー。マジか。---。外れとかあるのかよ。」
私は、外れの後が気になって、なかなか先に進めなかった。が、進まなきゃ何も始まらないし、1/5000を当てる自信はなかったので、100メートルを歩いた。
「ふぅ。ここが例の場所か。ここで来世を決めるんだ。って、何この並び!?100人くらいは並んでるじゃん!!!」
くじはおよそ1分間に1人(説明も入れて)となっているようだ。
「これ、100分間並ぶのかよ!?マジかよ。やめてよぉぉぉお!!!」
私は、100分間並んだ。その頃、私が死んだことを知らない数学の町田先生は、わたしのテストの丸付けをしていた。
「あー。惜しい!1問ミスだ!!」
私は、どうやら1問間違えたようだ。1問4点だったから、96点のようだ。そんなことわかるわけない私は、いよいよくじが次の次にまでなった。後ろはどうやら300人位並んでいるようだ。
「ふわぁぁあ。いよいよ次だ。」
そして、遂に私が引くときになった。
「それでは、一枚だけ選んでください!」
私は、外れが出ない事を祈って、くじを引いた。まさかこのあと、あの場所に行って、波乱の事態になることを知らずに---。 終
次回もお楽しみに!絶対見てくれにゃ~(>_<)
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第2話→悪夢の螺旋階段!?!?遂に能力と弱点決め!!
いよいよ、私がくじ引きをすることになった。
「頼むから、外れだけはやめてくれ!後、変な動物とかになるのもやめてくれ!特に蝶々は苦手なんだ!!!」
私は蝶が苦手だった。が、そんなことは気にせず、無心と私はくじを引いた。とても大きな箱の中に、大量のくじが入ってて、その中から1枚引く感じだった。流石に来世を決めるような場所でタブレットとかで自動で決めるような設定はないようだ。
「んじゃあ、これ!」
「それでは、そこをめくってください!その中にかかれているのが、あなたの来世です!」
「ええっと、幻想郷にゴー!って書いてあります!幻想郷ってなんですか?」
「幻想郷ですね、一番右の階段をのぼって325階となります!」
「325っすか---。」
心の中で、エレベーターやエスカレーターないのかよ!って思ったが、あえて何も言わない事にした。何か文句言って地獄に落とされたらという最悪の事態を予想したからである。
「一番右ですね?了解です!」
まあ、それよりも外れを引かなかっただけで満面の笑みだった。
「325階、階段だと1時間くらいかかるかな~?」
私は、地味に計算し始めた。
「ん?ちょっと待って---この階段長くない!?」
私は、近くにいた管理人にこの階段について聞いてみた。
「すみませーん。この階段って何階まであるのですか---?」
「1階分を登るのにおよそ100段で、この階段合計が50000段なので、およそ500階までです~」
「1階分を登るのに100段---?ちょっと待って---それって単純計算で325階登るのに32500段じゃねーかよ!山登りより圧倒的に辛いわ!!!」
「ええっと、325階---幻想郷ですか!?幻想郷---あそこで1年間生きていられるわけがないです---お気をつけて。」
私は、管理人に言われたことを信じず、1段1段階段をのぼって行った。足音が聞こえるなか、最初の100段を登った。
「はぁ、これは先が見えないぞ~。325階、今2階だから、まだまだこれからやねんかい!」
私は、光の差さないこの螺旋上の道を進んでいった。
「よっしゃ~!10階到達~!ふわぁぁあぁぁあ---この階段、陸上部の運動場にしたら良いのに、まあ、螺旋階段なのはちょい大変だけど、32500段登るなら絶対に売れたのに---。」
何故かこの階段の別の使い道を考え始める。既にくじ引きをした場所は見えない。そこまで階段登りをした。
3時間が経った。
「ふぅ、今でようやく120階か~。まだ1/3を過ぎて少ししたところ。頑張らなくっちゃ!」
更に3時間が経った。
「ふぇぇぇえ。今---何階だ!?おうふっ。195階---。全然進まねぇ、もう6時間位歩いてるぞ、俺がポックリしちゃったのは夕方5時頃だから、既に夜の11時だ。でも、なんか眠くならないな~。多分この場所では眠くはならないのかな~。あーあ、歩きスマホなんかしなきゃ良かった。」
更に3時間が経った。
「うぅぅぅ。---今---何階---だ?235階---もう、限界だ---!既に23500段登ったのか---?くそ~、眠くならないのになんで疲れるんだよ~。」
既に9時間階段を登っているせいか、体力も限界を越えてしまったようだ。
「はぁ、はぁ、はぁ~。」
息が上がってきた。そして、320階まで来た。既に15時間程歩いている。
「後500段登れば、終わりだ---!」
私は、最後の500段を登りきった。
「後500、400、300---200-----100。」
遂に
「よっしゃぁぁぁぁあ!!!325階到達~!!!15時間位かかったかな---。」
目の前には、幻想郷とかかれた大きな門がある。黄色に染まるこの門の奥には、幻想郷での事を決める管理人がいるようだ。
「この門を開けるのか~。あ、意外と軽い。」
私は、門を押した。
「ここ---は?」
「おお、久々のお客さんだ。5年ぶり位かな~。ええっと、じゃあ、能力と弱点を決めたいと思います。あなたの能力は、こちらのくじから決めてください~。」
「今日もくじかー。」
私は、とりあえずポンとくじを引いた。
「はい、これで。」
「この能力は、5分間だけ最強になれるというものですね~。」
「5分間だけ最強に---?」
わけが分からなかった私は、もう少し詳しく聞いてみた。
「5分間だけ最強にとは、詳しくはどういうことですか?」
「5分間だけ最強に、詳しく説明しますと、あなたがやられそうになったとき、あなたは自動で5分間だけ最強になれるというものです。普段は空を飛べないのが、その5分間だけは空を飛べたり、お馴染み目からビームだったり、火炎放射だったりと---自分がやりたい能力が何でも出来るんです。」
「で、弱点を決めるとは---?」
「この能力には、弱点があります。この能力は、体が暖められてから繰り出される能力なので、残念ながら氷相手には、この能力は使えません。因みに、この能力、あなたの体温が高ければ高いほど高火力になります。」
「氷が弱点?幻想郷ってところには、氷を操るのがいるんですか---?」
「はい、万が一氷を使うやつに出会ったら逃げてください。じゃないと捕まってしまい、そのあとどうなるかはわかりません。」
「なるほど。よく分からないけど、幻想郷に行ってからなら世界とかすぐにわかるから良いかもな~。」
「最後に、あなたの使命を言います。」
「( ̄▽ ̄;)、流石に完全に自由ではなかったか。」
「あなたの使命は、幻想郷の平和です!まあ、何か喧嘩してたら止めたり、事件が起きたら解決したり、と幻想郷を良い所に発展させることです。」
「了解でーす。」
「後、言い忘れてましたが、あなたの名前も変わります。転生するので、そうならなきゃいけないのです---名前は、何が良いですか?」
「じゃあ、筍でー。」
筍。タケノコと読む。
「了解でーす。後、先程の5分間だけ最強になれる能力、1日1回までしか使えませんので、ご注意を---それでは、筍さん、頑張ってください!」
「はーい、って、どこからが幻想郷なんですか?」
「ええっと、奥に階段がありますんで~、100段程登れば、幻想郷になります~。」
「100段、楽勝かな---?」
私は、100段位登って、幻想郷の入り口を見つけた。
「ここか~。いよいよ来世の場所が決まるのか~。」
私は、その大きな門を押した。が、なかなか重くて開かなかった。
「あ、こっちにボタンがある。これを押してっと。」
ポチッ
「お、これで開くのかな~。いよいよ運命の時か。楽しみ楽しみ!」
私は、門を押した。 終
次回は遂に幻想郷に行きます!お楽しみにずらー!
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第3話→目の前お花畑!脳内お花畑!!遂に幻想郷の世界へ!!!
「この話面白いではないか!!!脳内お花畑なのか---!!!おもしれぇえぇえ!!!」
と思った方、是非最後までよろしくお願いしまーす。因みに、第1章はこれで最後です!
「いよいよかー。」
私は、門を押した。
「この先に、幻想郷というものがあるのかー。」
私は、幻想郷がどんな場所か知らなかったから、少し怖かったが、目の前の門を押して、中に入った。
「うわぁぁぁあ!!!」
---。-----。-------。
「ここ、が、幻想郷なのか---。」
目の前は、一面お花畑だった。が、ここはまだ幻想郷のはずれの部分、どうやら人影は見つからない。
「なんだか黄色い花がたくさんあるけれども、これはなんなんだろう---。ん?まさか。幻想郷ってただのお花畑歩かされる所なの!?ちょ、おーーまちくださぁぁぁあい!!!!!」
私は、想像していたものとは違う感じの世界だったことにショックを受けた。
「なんで、なんでこんなところなんだろう。そういえば、5分間最強になれる能力とかどこで使うんだよ。---使い道無さそうじゃん。だってあの能力ってさ?たしか自分がやられそうになった時だけ使えるんでしょ???こんなお花畑、どこでやられるんだよ---。ドMなことしない限りやられねーよ---。」
私はショックして、挙げ句の果てには文句まで言い始めてしまった。幻想郷が、ただのお花畑と勘違いしたようだ。そのとき、私は変な看板を見つけた。
「なんだ?この看板。幻想郷は奥の方にあります。なお、ある一定のラインを踏み越えたら、こっちに戻ることは出来ません。その距離は、ここから凡そ500メートルです。覚悟を決めてから、真の旅を始めてください。---えー。やっぱり、戻れないのかー。」
私は、戻れないというガックリ感と、幻想郷がお花畑ではないという期待感が混ざり、複雑な感情を持っていた。そして、戻れないということを聞いて、最後に少しだけここで休むことにした。
「さて、しばらくここで休もうっと!!!」
私は、休もうと思っていたら、いつのまにか居眠りをしてしまった。
「スヤスヤスヤ---。んにゃー。幻想郷---。」
ん?何か夢を見ているぞ!!!
「これが俺の最強の能力だ--ムニャー。」
何かいやらしーい妄想のようだ。そして、時間はあっという間に過ぎて、夜になった。幻想郷にも、天気はあるらしくて、この日は雪が降ってきた。
「雪だ---。寒い。---うっ!なんだろう。体が自由に動かない---。そういえば、受付の方で、弱点は氷とか話してたっけ。まあ、仕方ない。今日はあそこの洞窟で過ごして、明日500メートル歩いて、今までとはバイバイして、新たな道を進むかー。」
そうして、私は近くにあった洞窟で寝た。一応、寒いといわれたら正直寒いが、外よりはましだ。
「さ、寒い---。こんなに幻想郷は寒いのか---。」
私は、なかなか寝れずにいて、しばらく経ってしまった。
「こ、凍りそう。もう、500メートルつき進んじゃおうか---な?」
私は、500メートル歩こうかまで考えたが、今の体力で歩くことはほぼ不可能に近いため、洞窟で一晩を過ごした。
翌日
「ふわぁぁあ!!!ん---そういえば、幻想郷の世界だったっけ?ええっと、500メートル歩くのかー。そしたら、人間として生きてきた記憶は、全て失うのかー。」
そう、幻想郷に入ったら、人間界での記憶は、殆ど全て忘れることになる。私は、それが嫌でなかなか進めなかったのだ。だが、いつまでここに立っていても、意味がなかった。私は、遂に歩き始めた。
「ふぅ。32500段の階段よりはずっと楽だ---。」
そういって歩いて、遂に500メートル付近まで来た。そこにも、看板があった。
「ここから先に足を踏み入れたら、人間界での思い出は消えます。また、こちらに戻ることも出来ません。因みに、自分が勉強したことは消えません(皆で遊んだ、ゲームした、カラオケ行った、等の記憶が消えて、数学の知識、英語の知識、文字等は忘れないということ)。それでは、楽しんで!!!」
よく分からなかったが、私は、500メートルのラインを踏み越えた。ら---何故か友達、皆で遊んだ記憶だけが消えた。さらに、そこにあったのは、今までの黄色いお花畑とは違い、何やら賑やかな雰囲気の場所だった。
「ここ---は?」
私は、目の前の美しい景色に、何も言うことなく、目の前にある橋をわたった。
「あ---そういえば、もう戻れないとかいうことって本当なんだっけ?」
私は、戻ろうとしたが、そこは、さっきとは違う景色だった。
「え?な、な、な、---なにこれぇぇえええ!!!山になってる!?」
やはり、戻るということは出来ないようだ。まあ、来世なんだし、戻るということは、来世という辞書には載っていないはずだ。
「はぁー、なんかいきなり幻想郷っていっても、まあ、---面白そうではないか!!!」
私は、これからの旅を楽しみにして、今度こそ目の前にある橋をわたった。ここから、幻想郷の旅が始まるという橋だった。
「さて、この橋を渡ったら、どんな景色が見れるのかなー---。すっげーー楽しみだ!!!ん?自分、2日前までどこで過ごしてたんだっけ!?あれ---。ちょっと待って、思い出せない!!!あれ?ええっと、(T-T)」
どうやら、私は看板通り今までの記憶が消えてしまったようだ。
「はぁー、看板通り。」
そんなことを考えてるうちに、橋を渡り終えた。
「お、橋を渡り終えたぞ---。かなり下の方に幻想郷があるみたいだ。」
どうやら、ここから2キロ程下に降りるようだ。そこにも、看板が書いてある。
「この階段、降りることは出来るが、登ることは出来ない!注意!!」
私は、何も考えず、下に降りた。何も考えず歩くと、2キロなんてあっという間だ。階段を歩くコツ--コツ--コツという音以外、何も聞こえなかった。遂に私は、幻想郷に辿り着いたのだった。---が、そこは、森のなかで、たくさんの木以外何も見えなかった。
「これが幻想郷---か、森を抜けろってことかー。ん?道がない。まあ、ここを歩く人が少ないから、道にはならないのかー。」
私は、森の中を歩いた。だが、その森は深くて、なかなか出れなかった。
「この森、大丈夫かな?というか、この調子だと、自分の5分間最強になれる能力なんか使わないぞ---ありゃー、困った困った(´Д`)」
そこで、丁度森を抜けた。
「お、森を抜けたぞ---やったぁぁぁぁあ!!!?」
私は、あるものを見てしまった。それは、昔の世界ではあり得ない事をしている、小さいものだった。
「な---な、なんだお前はぁぁあ!!!なんで浮いてるんだ!?え、まさか、幻想郷って、何でも出来る系場所なのか?」
「浮いているって、当然だよ。というか、あんた誰だし!!!因みに、あたいは○○○、最強の妖精さ!!!」
「さ、最強の妖精?お前、妖精なのか!?」
「当然!あたい、何でも出来るもーん!!!」 終
次回から第2章です!今回あった○○○とは、誰でしょうか!?次回もお楽しみにっすよー!!!
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第2章---チ、チルノ、おい待て!お前はそんなやつじゃあぁあ!---あ~あ。
第4話→⑨争奪戦!遂に登場チルノ!よく考えたら、俺氷に弱いんだっけ---。
「あんた誰だし!因みに、私はチルノ!!!最強の妖精さ!!!」
そう、目の前に現れたのは、自称最強の妖精、チルノだった。
「俺は筍!!転生したらこの世界に来たものさ!ええっと、まあ、転生前の世界のことは覚えてないけどね---。とにかく、お前、何で飛んでるんだよ!俺だって飛びたいのに卑怯だぞ!」
「うるさいわね、あと、ここを通りたかったら、最強のあたいを倒してからにしなさい!!!」
「最強のあたいって、あんた、どう見ても小さいし、最強には見えないんだけど---。」
「今、あんた、あいつなんか最強に見えないって思ったなー!」
「え?いや、そのー。」
私は、心の中で、まさか、あいつ、相手の心が読めるのか?それならかなりの強敵だ---。と思った。が、知っての通り、チルノにそんな能力等、一切ない!!!というか、あるわけない!なぜなら、⑨だから!
「お前、人の心が読めるんだな。ならば、何も考えずに行くしかない!」
「人の心が読める---?」
そう、この瞬間、チルノは、こいつ、単なる⑨だと思った。どちらも相手を⑨扱いしている!!!
「あー、そういえば、俺飛べないんだった!!!はぁ、どうすれば良いんだよー。」
さらに、私はある重要な事を忘れている。これに気付かない限り、私がチルノに勝つことはほぼ無理ゲーだろう!そう、それは---。私は、氷に弱い!!!このときの私は、チルノよりも格段に⑨状態だった!!!
「ふっふーん。お前、まさか飛べないんだな!!!」
「と、飛べるさ!!!ただ、お、お、---。」
「飛べないんだな!!!あたいの最強のパワーに一瞬で砕けちゃえ!!!必殺、アイシクルフォール!!!」
「え、アワワワワ---。寒い!!!くっ、凍って全然動けねぇ。あ---そういえば、俺、氷に弱いんだっけ---。」
私は、氷が弱点な事をようやく思い出した。だが、思い出してはいけなかったのか、ますます体が自由に動かなくなる!!!
「あ、---ちょ、タンマ---。グハッ---氷に弱いんだった。そういえば、受付の方で、氷に弱いから、それには気をつけてって言ってたっけ---。あー。逃げときゃよかった。---。くそ~、幻想郷って、意外と大変なところだな。」
「あーあ、なんだ、あまりにも弱すぎて相手になんないなー。」
このとき、私はピンチを迎えた。さあ、私がピンチを迎えたらどうなるのか!そう、私は、5分間だけ最強になれる!チルノのような自称ではない!!!だが、今の私の体温は圧倒的に低い---。最強どころか、最弱レベルだ!!!
「ふわぁ、ん?自分の強さが少しだけ上がった気が---そうか、これが5分間最強になれる能力か---うっ、全然動けねぇ。やっぱり、氷には弱いのか---あんなちっこい妖精ごときに、負けたくないよ---。」
私は、5分間をどう使うか考えた。その結果、体温を暖める→飛んで攻撃だった。
「ふふ。この作戦なら、5分以内に倒せる!」
「よし、そろそろとどめだー!」
チルノがこっちに近づいてきた。どんどんアイシクルフォールのパワーが上がる。
「チルノ、引っ掛かったね。」
「???」
遂に、私の体温は正常になった。だが、ここまで3分以上は使っている。早く倒さなきゃ5分間を使い、最強の能力は途切れる。そしたら、99.9%氷にやられて、最悪の場合、チルノに捕まってしまうだろう。
「さて、残り1分で倒すか。そういえば、俺、今だけは飛べるんだっけ?」
私は、5分間だけ何でも出来るようになっている。飛ぶことも、火の玉を出すことも---。
「んじゃあ、倒すか。ほいっと---。」
私は、少しだけ飛んでみた。
「お、飛べる飛べる~。アハハ!これは楽しい!!!」
「ダニィィィイ!!!と、飛べたのか!?」
チルノは、驚いて、ずっと打っていたアイシクルフォールを止めた---。
「---。飛べるって聞いてないよ---。」
ついでに、私は幻想郷を見渡してみたが、ここは幻想郷のはずれの方だから、やはり何も見えなかった。
「何も見えないなら、一気に倒しちゃおう。」
チルノは、隠れてしまった。
「あれ?あいつ、隠れたな---よぉし、だったら全体に雷でも落とそうかな~。」
予想通り、私は雷を打てるようになっている。
---。ドカン!!!
「フフフ、これでチルノもやられたことだろう。」
一方、チルノは---。
「アワー。これはお辛い---。このままでは、絶対に負けちゃう---。」
チルノは、氷を使って隠れていたから、ギリギリのところでセーフだった。すでに、私の能力は、あと30秒程だ。
「避けたかな?ならば、もっかい!!!」
---。ドカン!!!
「うわぁぁぁあ!!!」
チルノの悲鳴が聞こえた。
「お、やったな---。ええっと、どの辺りにいるかなー。」
私は、ゆっくりチルノを探し始めた。森のなかに、ガードしていたチルノがいた。
「うぉ、まだ大丈夫なのかよ---。ならば、この火の玉で---!さあ、これで終わりだ!」
この火の玉で、チルノがガードしていた氷が溶けた。
「よし、もっかいだー!!!」
私は、もう一回飛んで、火の玉を放とうとした。
「火の玉---あれ?」
私は、飛べなくなって、さらには火の玉まで出せなくなった。
「う、時間切れか---ならば、チルノが動けないうちに、捕まえるだけ!空を飛ぶ前に---!」
チルノは、逃げようとして、飛んだ。
「あ、飛ばれた。」
私は、チルノを倒すことが出来なかった。が、チルノもこっちを攻撃してこない。チルノは、身の危険を感じて、逃げたようだ。
「に、逃げなきゃー!!!」
「ふぅ、疲れた。ってー、筋肉痛か---。確かにあの力使ったら、今日1日筋肉痛するだろうなー。」
私は、筋肉痛がしたので、近くの池の辺りで休むことにした。
「くっ、休めるとこがない。仕方ないから、昨日の雪が溶けて作られた感じのこの池の辺りで休むか---。」
私は、このまま休もうとした。
「はぁ、幻想郷って結局どんなところなんだよー。」
そのとき、またチルノがやって来てしまった。私は、隠れるべきだったのに---やはり、⑨だった!
「うっ、く---今来られたら、何も出来ない。どうすれば良いんだ!?」
このとき、チルノは思った。
「あいつ、疲れて休んでいそうだなー。」
珍しくチルノの勘が当たってる!?!?
「ここは、一旦逃げるか---。か、体が、---。」
チルノは、一気に攻めてきた。
「こんなところで終わったら、また来世を決めて階段登らなきゃいけないだろ---。辛くても、倒すしかない---。」
「今なら少しの氷で行けるかな?」
チルノは、ためしに小さな氷を飛ばしてみた。
「いてっ!」
私は、避けられなかった。
「うはぁ、勝ったなこれは!」
私は、どうすれば良いかしっかり考えたが、分からなかった。
「くっそー!!!俺は、どうすれば良いんだぁぁあ!!!」
その答えは、決して見つかることはなかった。 終
次回、私はチルノをどう攻略するのか?それとも、やられてしまうのか?お楽しみに!!!
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第5話→アイシクルフォール!?な、何それ?美味し寒ぃぃぃぃい!!!
「くっそー、俺は、どうすれば良いんだぁぁあ!!!」
チルノの氷を避けられない私にとって、今はやられるのも時間の問題である。そして、遂にチルノがアイシクルフォールを使ってきた。
「アイシクルフォール!!!ふふ、これで決着!」
私は、アイシクルフォールをどうすることも出来ず、受けていった。
「う、ぐふっ、ぐっ---。」
徐々に私の体温は下がり、私の体力が無くなっていく。
「今度こそこれでとどめだー!!!」
チルノは、大きな氷をつくって、私に向かって超高スピードで投げてきた。
「ヤバイ、あれだけは避けなきゃオワタゾーンだ!」
私は、筋肉痛に負けずに、逃げようとした。
「ぐは---っ---。」
私は、そこで意識を失った。
「あたいったら最強ね!」
チルノは喜んでいるが、まあ、単なる相性が良かっただけである。そして、私が目を覚ましたときには---。
「う、ううっ、ここ---は?」
私は、知らない場所にいた。そこから動こうとしたが、筋肉痛がなおってなくて、さらにはロープで手と足が動けなくなってるから、頭がクラクラしてくる。
「くっ、このロープ、筋肉痛の俺にとっては最悪の痛みだ---。」
私は、そのロープをほどこうとしたが、無理だった。そこに現れたのは、チルノだった。
「くっ、早く離せ!!!」
「誰が離すんだよ~。あんたは今日からあたいの世話役だからね!!!」
「誰がそんなことするか!!!」
チルノのわけわからない話に、私は混乱してしまった。
「だいたいここはどこだよ!」
「おおーっと?世話役がそんな指図を出来るのかな?」
「つーか、まだこっちは世話するとか言ってないし---。誰がそんなん認めんだよ---。」
「この氷、あんたにぶつけるよ---。」
「それただの拷問じゃん---。もー、しょうがないなー。はいはい、あんたの世話すりゃ良いんだね、分かったから、このロープ外してくれる?」
「本当に?」
「本当だって---はぁ、めんどくさい---。」
私は、拷問され続けるのが面倒で嫌だったので、仕方なくチルノの用件を受け入れることにした。
「はいはいよろしくねーチルノ~。」
「チルノ様と呼びなさい!!!」
「えー---もう、はいはいよろしくねーチルノ様~。」
「うむ!!!」
私は、心の中で、なんでこうなるのかと思った。が、今はそれを言うとまたぼこされそうなんでやめておいた。
「んじゃあ、世話役っぽい格好にしなきゃねー。はい、とりあえずこの浴衣でも着ておいて。」
「かしこまりました。」
「私は、心の中で嫌でも、相性もあってチルノには勝てないため、今は従うしかなかった。」
「チルノ、チルノ様、ここはどこなんですか---?」
「ここ?あたいがよくいる場所よ。まあ、外見りゃ分かるけどね。今あんた出すと逃げられそうだから、今は出さないけど。」
「は、はぁ。」
「あれ?意外とその青い浴衣似合ってるんじゃない?」
「そうですか?あ、ありがとうございます!」
私は、幻想郷ではこの服を着ていこうかな?と考えた。なぜなら、幻想郷は名前からして面白そうだからである。
「そういえば、後2時間位で夜ですよ?お風呂の準備をしてきます。」
「あ、温度は2℃でよろしくねー。」
「え、2、2℃ですか---。了解です。」
流石チルノ。風呂まで冷たくするようだ。
「2℃って---あっちにとってはいい温度でも、こっちにとっては最悪な温度じゃん--。」
そう小声で話したが、チルノには聞こえてなかった。
「ふぅ。とりあえず、いつかチルノ倒して、脱走したいなー。」
私は、今は脱走のことしか考えてなかった。
「それにしても、あたいが作ったこの家、案外住みやすいなー。でも今日は冬なのに暑いなー。部屋を冷たくしよっと!!!」
私は、氷に弱い。よって、部屋を冷たくしたら、恐らく倒れる!!!と思いきや、少しだけ涼しくするだけだった。
「あ、意外といい温度---。」
チルノは、勝負してる時に思った。
「そういや、あんたの能力って何なの?」
「私の能力は、---一定のダメージを受けると5分間だけ最強になれるというものです。これには弱点があり、自分の体温が高いほど威力が増すので、氷が弱点なのです---。」
「あ、だから勝ったのかな~。まあ、勝ちは勝ちだから、ちゃんと世話役してもらうよ!」
「は、はぁ。---」
やっとチルノは偶然勝ったことに気付いた。
「あ、あ、あ、---あたい---偶然だったのか。」
「そうかもしれませんね。」
「アイシクルフォール」
チルノは、私に向かって攻撃してきた。
「わぁあ---ちょ、チルノ、チルノ様---!お待ちくださいぐふっ、ぐっ凍える---う---。」
私は、氷には弱いので、何も抵抗出来なかった。
「---ス、ストップ、これ以上は---。」
「反省したら許してやるぞ!」
「わ、分かりましたから---。何を反省するべきなのか---。」
正直、浴衣姿で氷は辛い。
「ふぅ。」
「何してんの?ほら、さっさと仕事して!!!」
「幻想郷では未成年でも仕事しなきゃいけないのか---。」
「あんた、何歳なの!?」
「15ですよー。」
「はい、じゃあ仕事渡すから、よろしくねー。」
私は、仕事の内容が書かれている紙を貰った。
1.この辺りの見張りをすること。敵がいたら、迷わず倒すこと。
2.夜はチルノ様のお手伝い!しーーっかり頑張ってね!
3.タダ働き!!!
これが、紙に書いてあったものだ。
「た、タダ働きですか---。」
「当然よ!あんたぼこしたんだし---。」
「まあ、これくらいなら助けてあげますよ!」
「やったー!」
こうして、私はチルノの世話をすることが決まった。まあ、正直やりたくなかったが、受けるしかなかったので、しょうがない。
「ふぅ。では、見張りをしてきます。」
「あー。その前に、その辺りちゃんと片付けて行ってね!!!」
「あー、はーーい。」
私は、部屋の片付けをしてから、見張りに出ることにした。因みに、筋肉痛はというと---。
「いててて、少しは痛い、けど、これくらいなら歩けるかな?」
まあまあ解消していた。そのあと、私はチルノの部屋を出た。
「そういえば、5分間だけ最強になれる技の名前でも決めようかなー。なんとなく言えたら面白いし、楽しそうだなー。」
私は、技の名前でも考え始めた。
「---。やっぱり、技の名前って、使うのは簡単だけど、決めるのは大変だなー。」
チルノの部屋を出て、回りをしばらく歩いていた。
「何だろう、ここは---。」
目の前に現れたのは、神社だった。
「何だろう。これ、神社かな?」
そこに書いてあったのは、
「博麗神社---。博麗神社なんて初めて聞く神社だなー。まあ、よく分からないけど少しチェックしておこうっと!!!」
私は、博麗神社の回りを歩くことにした。
「幻想郷には、神社もあるんだなー。」
ただし、そこには誰もいなかったので、私は、別のところを見てみることにした。 終
結局やられました(´Д`)というか、こうならなきゃこの先が進まないのでねwでは、次回もお楽しみにですぞー!
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第6話→0℃の風呂!?夕飯が蛙!?もう---オワタ\(^o^)/
「こんなところに博麗神社っていう神社があるのかー。知らなかったなー。まあ、良いや。誰もいないし別のところを見てまわろーっと!」
とりあえず、私は別のところを見てまわることにした。が、別のところといっても、大体森の中にある。そうこう歩いているうちに、あっという間に夜になってしまった。
「ふわぁ、もう夜になっちゃった---。チルノの手伝いしなきゃいけないのか---。めんどい---そしてあの⑨妖精のことだし、絶対絶対絶対厳しい手伝いしかないじゃん---。」
私は、最悪の事態を考えながら、仕方なくチルノのいる場所に戻った。
「はぁーあ、確か2時間近く前、2℃の風呂作ったんだ---2℃ってどんな感じ何だろう---。はぁーあ。冷たすぎて天国行きは決まってるくらいかな---。」
私は、心から萎えてチルノの部屋に戻った。
「ただいまですー。チルノ---様。」
「うん!お風呂、2℃じゃあ熱いから、0℃の氷風呂にしておいたよー!」
「え---。あ、了解です---。」
心の中で、悲しすぎて頭が狂ったのか、また外の様子を見に行こうとした。
「何やってんの?早く風呂はいりなよ。あたいもう入ったから---。」
「あ、はい!!」
そうして、結局0℃の氷風呂に入ることになった。
「というか、2℃と0℃って、変わりあるのかな---?」
私は、湯加減をチェック---する前から、風呂場が寒かった。
「うわぁ、寒い!外よりも寒いじゃん!!!」
とりあえず、私は体をおうとして、それから風呂に入ろうとした。
「---。この温度はまずい!!!」
私は、一応湯加減をチェックして、入った後のことを考えたくはないくらいだと思った。
「これは---非常にヤバイ---これが1日だけならまだしも---2ヵ月入ったら完全にお亡くなりになられてしまう!!!もう、2ヵ月後のことは、考えたくもないですね。アハハハハ!!」
とりあえず、しっかり体を洗って、いよいよ風呂に入るところだ。
「こんな風呂、125%くつろげないじゃん---。」
仕方なく、一旦入ってみた。
「あ、これはスーパーウルトラレジェンドギガサンダーオワタゾーンに突入してしまっている\(^o^)/」
もう、何が何だかよく分からない。私は、0℃の風呂に入った。
「---。外よりも寒い。これは、風呂上がってからの方が暖かく感じるパターンですな---。」
しばらく風呂、いや、氷風呂に入っていた。
「うっ、やはり氷が弱点なのは変わらないのか。体が、思うように動かない。早く、上がらなきゃ。」
私は、早急に上がって、タオルを手に取った。まあ、タオルなど、暖かくないに決まっているのだが---。
「うわぁ、あのときチルノから逃げてりゃよかった。」
今更感半端ない感じで、目が白くなっていた。
「目の前に、天使が---いや、天使など見えない!ふぅ、なんとか耐えきった。」
ようやく風呂から出た後は、夕食だ。チルノは、夕食を作ることができない。それに、体が小さい分食べる量が少ない。
「あ、これは夕食自分で作らなきゃいけない奴だ---。チルノ、様、夕飯は何になされますか?」
「あー、なんか買ってきてなんか作ってー。」
「え、あ、はい---。」
まあ、もちろん心の中で、どうすりゃ良いんだよ!!!って思った。一応、冷蔵庫の中を見てみた。
「結構具材揃ってんじゃん---。」
料理はあまりしたことのない私だが、この中にある具材で作ることにした。そのとき---。
「あ、あたい、例のやつあれば大丈夫だからねー。」
「例のやつですか?何だろう---。」
どうやら、チルノは例のやつが食べたいらしい。まあ、彼女の脳内はよく分からない。なぜなら、妖精だから!
「な、何であの最強もどきは例のやつを食べたがるんだよ---。そもそも、例のやつってなんだし---。あ、---。こ、れ、は、ま、さ、か。」
私は、冷蔵庫の中に例のやつって書いてあるものを見つけた。が、絶対に見てはいけないあれだった。
「この例のやつって缶、名前からもおかしいし、絶対に見てはいけない材料入ってるわ---。なんか、漢字1文字で、平仮名3文字の、か○るって動物が---。ん、んっー。」
私は、その事は2秒で忘れようとした。
「チルノ、例のやつです。」
「だから、チルノ様だって!」
「あ、はい---チルノ、様、例のやつです!」
「何ためらってんのよ!」
「いや、例のやつって、名前からしておかしいですし、そもそも原材料にか○るはちょっと---。」
「アイシクルフォール」
「うわぁ!チルノ様、それは良くないですって!!!」
「あ、な、た、さ、っ、き、な、ん、て、い、っ、た、か、お、ぼ、え、て、る、よ、ね?」
「はいはいはいはいはいすみませんでした気を付けます!!!---こ、怖い---。」
チルノのことだし、普段は怒らないが、ガチになると⑨みたいに怒ってくる。
「さて、では、私は外の様子を見てきます!」
「9分いないに戻ってきてねー。」
「了解です!」
まだチルノの部屋で目を覚まして3時間、早くも嫌な展開だ。まだ幻想郷ってものがどのようなものかも分からないし、もしかしたらここにはチルノしかいないかもしれない。そもそも、博麗神社ってのが何かも分からないし、他に建物があるのかも分からない。そんな中で、私は、真冬の旅をしていた。
「それにしても、夜は寒いなー。しょうがないけどなー。あ、そういえば、自分の技の名前をどうするかとかも考えなきゃ。ちょっと前も考えていたし、どうすれば良いかなー。やっぱり、格好いいのがいいよね!そんな、微妙なものは嫌だ!ぜーーったい嫌だ!!!」
私は、また自分の技の名前を決めようとした。が、やはり、5分間最強になれる能力を使いこなさない限り、名前を決めるどころか、小さい敵1体も倒せやしない。まずは、自分の能力を使いこなそうと考えた。
「それにしても、この辺りにあるのは博麗神社って建物だけなのかなー。まあ、ゆっくり探索すれば良いことだから、今はこの小さな地図の方が良いかもね!さて、チルノの居場所に戻ろうっと!」
私は、ゆっくりチルノの居場所に戻った。
「ふわぁ、ただいまですー。」
「うん、じゃあ、一日の最後の仕事ね。」
「あ、まだ仕事あるんですか---。」
「あたいに算数教えて!!!」
「え、な、何故に算数---ですか?」
「なんかー、テストで良い点とって、友達を驚かせたーい!(とはいえ、今は学校閉鎖中だけど)」
「へぇ、ということは、幻想郷にはチルノ以外にも誰かいるんだなー。」
「なんか言った?」
「いえ、何でもありません!幻想郷は広そうだなーっと思いまして---。」
「幻想郷って、広いのかな?他に世界があるかはわからないけど、もしあったとして、幻想郷と他の場所の広さの比較ができなきゃ、そんなの分かるはずないよ---。」
久々の⑨じゃない発言!!!とは、言わないようにした。
「まあ、私も幻想郷がどのような場所かもよく分からないですからね。今は真冬ですし、このあと何が起こるかも分かりませんから---。」
「幻想郷には、色んな能力を使える奴がたーっくさんいてね!!!それでね!!!えっと。」
「楽しい場所ですね!では、算数教えますんで、少々お待ちください!」
「はーい!」
「結局夕飯食べてねーよ。まあ、しょうがないかー。」
私は、夕飯を食べないまま、チルノに算数を教えようとした。まだ、チルノの算数の実力があのレベルとは知らずに 終
次回もお楽しみに!次回は算数を教えようとしますが、んっん~。もう、チルノの算数の実力、皆さんはわかりますよね?泣
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第7話→⑨争奪戦の結果!選ばれたのは、あやたっゴホゴホ。チルノでした。
「はい、じゃあ算数教えますよー。」
「わーいわーい(*´∇`*)」
「というか、算数は今どのあたりをやってるんですか?」
「えーっと、かけ算ってやつ~。」
「では、足し算と引き算はわかりますね?」
「うん!」
「では、試しに、3➕2=?」
「ええっと、3➕2だから、9!!!」
「あ(察し)」
もう、私はこの時点で、完全に察していた。チルノは、算数を何も知らないと!
「あ、じゃあ確認でもう一問出しますからね?良いですか?」
「うん!良いよー。」
「2✖5=?」
「ええっと、2が5つあるってことだよね?だから、22222じゃない?」
「あ---(察し2回目)」
やはり、算数を何も知らない!!!
「ええっと、これは、足し算も分からない系女子ですか---。こうなったら仕方ない。1から教えさせて頂きます。」
「かけ算だけで十分だよー。」
「では、3✖2➕4をかけ算知ってるだけで解けますか?」
「あ、足し算入ってる。」
「そうですよね、なので、足し算、引き算はしっかり覚えましょう。」
そのとき、私は何も知らないチルノにどうやって教えたら良いかわからなかった。
「流石に分かると思いますが、1と3の間の整数、いや、数はなんですか?」
そう、チルノに整数とか良い始めると、彼女の頭は99%破壊してしまうのである。
「1と3の間は2でしょ?」
「ふぅ、それは知ってるようだ。では、まずは足し算からいきますね!」
「足し算からか~。何となく一番使いそうなやつだね。」
「かけ算もよく使いますね。まあ、それはもっと難しくなってからです。ええっと、足し算、何も知らなさそうなので、ざっくり話しますと、ある数とある数を合わせることです。」
「合わせる?」
「では、例題からです---が、教科書はないのですか?」
「教科書、ない!」
「あ、では、私が例題を出しましょう。」
「よろしく~。」
「こちらです。」
私は、チルノの為に例題を書いてみた。まあ、チルノのことだし、きっと分からないに違いない。
「ええっと、3➕5?うん!6だね!」
「はい、違いますねー。1つ1つゆっくりやっていきましょう!」
「わかってるよー。」
「ええっと、3➕5ってどうやって教えたら良いかな---。」
大体予想はついていたが、チルノに分かるように教えるにはどうすれば良いか考えていた。
「あ、では、チルノ、チルノ様、3つ氷を出してみてください。溶けないくらいの小ささでお願いします。」
そう、氷戦法だった!
「うん、---はい、3つ出したよー。」
「では、次に、5つ氷を出してみてください!」
「わかったよー、-----はい、出したよー。」
「では、最後に合計を数えてみてくださいなー。」
「うん!ええっと、8だ!」
「これが足し算です!」
「なるほど~、氷を出していって解けば良いのか~。」
「では、2➕7は?」
「ええっと、まずは氷を2個出して、更に7つっと---。わかった!9だ!!!」
どうやら、氷戦法は刺さったみたいだ。が、引き算をどうすれば良いか考えていた。まあ、それは明日やることにして。
「では、練習問題10問作るんで、全部合ってたら終了でーす!」
「意外と分かりやすい!お主、やるなー。」
転生前、数学を教えるのが得意だったのか、この世界でも、教え方はなかなかだった。転生前のことは、全く覚えてないが。
「ふぃー、そういえば、あの10問、何分位で終わるのかなー。」
そこに
「できたよー。」
「にゃー!?意外と早い!」
「どれどれ---。ええっと、---。」
とりあえず、一瞬で丸付けをした。
「うん!オッケー!全部合ってるね!まあ、今日の氷戦法、絶対に忘れないようにね!」
「わかった~!んじゃ、あたいは寝るから~、今日はあんたも寝たらー?」
「あ、了解ですー!」
ベッドで寝ようとしたが、ベッドにチルノが座っていたから、明日の算数の準備をしてから寝ようとした。
「明日は何をするべきかなー。彼女にとって分かりやすい方法が多分氷戦法なんだけど、氷って消すことが---。あー、なるほどね、氷を消せば良いのか。引き算はそのやり方かなー。」
しばらく良いやり方を考えて、机の横で静かに寝た。まだ、幻想郷に入り、前世の記憶を消してから1日がたったところである。先は長く、何が起こるかも分からない。もしかしたら、チルノを守るために自分が犠牲になるかもしれないし、逆に、妖精の寿命が10日かもしれない。私は、この先の希望と不安を胸に抱き、寝たのである。
そして、翌日になったが、疲れていたのか、なかなか熟睡することは出来ず、朝日が昇る前に起きてしまった。
「ん、ん~。なかなか疲れが取れなかったなー。まあ、しょうがないかー。チルノは、---まだ起こさない方が良いかー。」
朝日が昇るのは1時間後、昨日の夕飯に何も食べなかったから、朝食を作り始めた。
「ふぃー、なんか簡単なものでも良いやー。」
およそ20分で、簡単な朝食を作り、チルノが起きるまでに食べようとした。
「ふわぁ、眠いやー。これは大変な日常になりそうだ。あのときチルノから逃げていたらなー。そんなことはしょうがない。彼女の世話をすることが、今は最優先なのかもしれないからなー。」
私は、昨日の続きで、チルノに算数を教える準備をしていた。
「ええっと、どうしようか。まずは昨日の足し算の復習かなー。」
「ふわぁ」
チルノが起きてきた。
「むにゃむにゃ---。あ、おはよー。」
「おはようございます!」
「何してんの?」
「あー、いえ、なんでもありません!ええっと、チルノ---様の予定はどのようになってます?」
「あたいは~、最近はこの辺りで1人なの。」
「なるほど、学校には?」
「あたいの先生、2週間前に異変に巻き込まれて、やられちゃって、今はその先生入院してるの。」
「なるほど、今は学校やってないんですね。入院生活が終わるまで、学校は行けないでしょう。大変ですね。」
「だからね!あたいは今のうちに算数を覚えてね!友達を驚かせたいんだ!」
「で、友達さんは今どこに?」
「わかんない。最近あってないから、どこにいるかなんて。」
「なるほど、では、今のうちに先に進めちゃいましょう!」
「うん!」
「では、朝なので私は見回りをしてきます!」
「早めに戻ってきてねー。」
「はーい!」
私は、少しだけ見回りをすることになった。まあ、恐らく安全であろうが、もしチルノが狙われたら、自分が助けなきゃいけない。
「よーし、今日もゆっくり探索---いや、見回りするぞー!」
そういって、見回りをした。30分ほどして、チルノの部屋に戻った。
「ただいま戻りました!」
「あー、お疲れー。最近異変が起きそうな感じだけど、大丈夫かなー?」
「異変?」
「うん、幻想郷ではよく色んな異変が起きるんだよー。」
「色んな異変ですか~、まあ、そんなもの起きたら、隠れていれば大丈夫でしょう!」
私は、異変がどのようなものかは知らなかったのである。 終
次回は異変とは何かからです!この幻想郷での知識がまだない私は、異変について聞いた瞬間、ああなります!お楽しみにですぞー!!!
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第8話→私と欲とポテトチップス!まさかの算数で残業!?
「異変?って、どんなものなのでしょうか?」
「あんた、本当に幻想郷について何も知らないのね。まあ、天才である私が幻想郷について少しだけ教えてあげましょう!」
「足し算も分からないのに天才ですか?」
「アイシクル---いや、やっぱり今日はなにもしないでおいてあげるわ---。」
チルノも、攻撃はしてこなかった。
「幻想郷には、色々な建物があるの。ここから一番近いのは、博麗神社ね、知ってる?」
「ええ、昨日見てみました。」
「そこの経営者、博麗霊夢、彼女が異変解決って職業をしているのよ。博麗の巫子ね。まあ、多分彼女は異変が多いと忙しいから、今は神社付近をうろちょろしているかもね。」
「博麗の巫子。まあ、そうとう強いんでしょうね。」
「あたいよりも強いかもね。」
「対象が少ないのでよく分かりませんが、まあ、対戦したら今の私なら5分最強の能力を使う前にやられてしまうでしょうね。あの能力、一撃必殺技とかにはすっげー弱いんすよね。今度能力を高めなくては---。」
「まあ、博麗神社に関してはそんなとこかな?あと、見たことのある建物とかある?」
「他には特にないですね---。脳内地図は、少しずつ広げていくとします!ありがとうございます(^-^)」
「能力を高めるのねー。そういえば、あんたって通常時、どんな技を使えるの?」
「実は、何も出せないのです。」
「それじゃあ最強の能力使うまで攻撃をくらっていくしかないわね。何か良い方法はないのかしらねー。」
「何か出せたら良いんですがねー。」
「素手で戦うのはおそらく無理ね。大体皆飛べるから、自分だけ飛べないのは絶対的に不利な条件よ。」
「5分間最強になれる能力を、いつでも使えるようにしたら良いのかなと思ったのですが、5分間が経った後、重症な筋肉痛になってしまうのです。」
「あんた、なんでそんな能力にしたの?」
「勝手に決まったんですよ!しょうがないじゃないですかw」
「まあ、そりゃそうね。力を高めたかったら、しっかり運動することね。」
「ギクリ---。」
「さっきそこであたいのポテトチップスこっそり食べてたの、見てるんだから。」
「いや、それは、あのー、はい、そうですね!」
「何がそうですねだ!アイシクルフォール!!!」
「ぶふっ、寒ぃ~。シールド欲しい---。ぐはっ、わ、分かりましたから---。」
「何が分かりましたですって?あのポテトチップス、今日のおやつにゆっくり食べようとしてたのに~!!!」
「いや、そりゃ、あのー。---。」
「二度としないでね---。もう、アイシクルフォールなんかそう簡単に使う技じゃないんだから---。」
「---。」
私は、顔を上げられなかった。
「もう、顔上げて!!!あんたはそこまで悪いやつじゃないんだし!それに、あたいは分かるよ、あんた、あたいの為に頑張ってくれてるじゃん!どんどんあんたの能力について考えていこうよ!」
「そ、そうですね!」
「あ、後、ポテトチップスの分だけ今日残業ねー。あたいの算数の教科書作って貰うわ!!!あ、足し算、引き算、かけ算だけで許してあげるわ。」
「残業ですか---では、そこにわり算ってやつも入れましょう。」
「わり算?あたい知らないよ?」
「どんどん先の内容を考えましょう!」
「うみゃあ!」
「では、その教科書を作らせて頂きます!」
「んじゃ、昼寝してるからよろしく~。」
「まだ朝の9時ですけどね---、了解です!」
私は、チルノの教科書を作ることになった。
「とはいえ、どんな内容が良いのかなー。算数の知識が分からないし、100までの数は分かるのかな?」
「数字なら億までは分かるから安心してねー。」
「チルノの声が聞こえてきた。」
「了解です!---一応億までは数は分かるんだ。」
てなわけで、まずは足し算から作ることにした。
「ええっと、足し算も一応1からやっていかなきゃなー。それよりも、足し算、引き算、かけ算、わり算の配分を決めなきゃ。20日で終わらせたいからなー。」
何にどのくらい時間をかけるかも、かなり重要である。
「ええっと、1日目から行こうっと!今日は、昨日の復習かな?1桁同士の足し算からやらなきゃなー。それから、引き算。練習問題も作らなきゃ。って、このままだと残業が3日は続いてしまうぞ---。お辛い!」
私は、ポテトチップスのせいで、最悪の事態を考えてしまった。
「あー、ダメだ。ポテトチップスのせいにしてはいけない!!!というか、練習問題に難しいやつも入れておきたいなー。よし、引っ掛け問題とかも面白そうだ!後、文章題かな?この辺りで数日間かけて良いかも!」
私は、ポテトチップスの妄想をしながら、問題を書き進めていた。そこに、なかなか寝れなかったチルノが来た。
「問題進んでるー?」
「進んでますが、昼寝は大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫!あたいなら昼寝しなくてもオッケーさ!」
「そうですか、良かったです!」
「そういえばさー、昔元学校の先生がさ、関数とか話してたんだけど、関数って何?」
「ええっとですね、関数の内容は、かなり難しくてですね~、足し算引き算かけ算わり算が分からなかったら、絶対分からないですし、文字式を理解しなきゃいけないですし、正の数だけでなく負の数をマスターしないといけないですし、更には分数、小数だけでなく、二次関数になってしまっては、一瞬見ただけじゃなにこれってなるようなグラフが出てきますので今は関数などお忘れください!!!」
「なに言ってるかわからん---けど、意外と算数の知識があるみたいだね!」
「算数ではなく、数学ですね---まあ、別にそんなことどうでも良いですが---。」
チルノに数学の知識を教えるのは、1年は早かったようだ。
「大丈夫です。関数の内容は、2年後にはマスターさせてあげますよ!」
「2、2年!あたい、そんな大丈夫かな?」
「大丈夫です!」
そういってるうちに、昼になった。
「お昼ですね---チルノ様は外に出ないのですか?」
「あたい氷の妖精で、今魔法を使えるやつに狙われてるの。だから、今は外に出たくないし、あんたが側にいて欲しいの。じゃないとあたい捕らえられちゃう!」
「捕らえられちゃう?そのあと何かおまずいことでも?」
「うん!捕まったら、多分逃がしてくれない。多分だけど、逃がしてくれなかったら、あたいの命が尽きるまでひどい目に合いまくるかもしれないの!」
「なんか、よく分からないですが、その魔法使いからはしっかりお守りしますのでご安心を!」
「ありがとう!後、あたいのポテトチップス、まだ許してないからね?」
「あ、まだでしたか---。まあ、残業1日くらいなら大丈夫ですから、それと、チルノ様には特別に毎日算数の宿題を用意させて頂きますからね~!」
「いや、そんなものは---。」
「友達さんを驚かせるんじゃなかったのですか?」
「あ、いや、その、宿題やります!」
「はい、オッケー!フフフ。」
「あんた、今日から私の算数の先生になって!」
「私が先生になるのですか---」
「うん!意外と説明分かりやすいから!」
「世話するって約束したのは私ですし、まあ、別に構いませんよ!」
「やったー!よろしくね!筍先生!!!」
「はーい!」
チルノの無茶ぶりは、甘い果実のようなものであった。私は、当然それを引き受けたのである。 終
次回は、私が先生になります!なんでこうなったのでしょうか?まあ、そんなことはともかく、次回も待っててくれっす!また、次回で第2章は終了です!
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第9話→筍先生!あたい算数わからなーい!どうすりゃいいのー?
「私が、先生になるのですか?」
「それしかないでしょう!あんたはあたいの先生だ!だから、正式な服を決めておかなきゃなー。そんな浴衣より、もっと良いのがあるはず!」
「服ですかー、先生っぽい服って、なんでしょうかね---?」
「そりゃわからないよー。先生っぽい服なら、もうちょいピシッとしてる服が良いかなー。」
「ピシッとした服ですか---難しいですね---。」
「んー。とりあえず、先生って色で表すと何だと思う?」
「私は、赤と青かなって思います。」
「なるほどねー。赤と青かー。そういえば、あんた、目が青に近いよね。前にあたいと対戦したとき、最強の能力を使ってるときは目がちょっと赤みがかっていたよー。」
「では、これならどうでしょうか?」
青色に染まるボタン付きの服に斜め線で2つ、赤いラインがついていた。赤いラインは、なかなかの太さだった。下は、青1色の服になっている。
「おー、良いんじゃない?」
「では、先生の時だけはこちらの服で行かせて頂きます。」
私は、何だかよさそうな服を選んでおいた。
「あ、帽子はどうするー?」
「帽子?私に帽子は必要なしです!というか、帽子、ここにないですからね。」
「へいへーい。じゃあ、今あたい暇だし、引き算ってやつ教えてー。」
「引き算ですね!簡単に言うと、氷を消すってことです。が、これは負の数ってやつをならい次第使えなくなりますので、それについては忘れないようにです!」
「氷を消す?」
「まあ、何を言ってるかよく分からないと思いますので、例題を2つ出してみます。1つめに、8➖5、2つめに、2➖6です。では、足し算同様に、氷を8つ出してみてください。」
「よいしょっと!できたよー。」
「足し算なら、更に5つ増やしましたが、引き算ならなくしていきます。」
「なくしていくの?」
「はい、8つのうち、5つを消してみてください。」
「あたい、氷を消すことは出来ない!」
「なら、氷を5つ動かしてみてください!」
「動かしたよー。」
「動かしてない氷は?」
「3つだー!」
「これが引き算です!」
「おおー。」
「では、2つめを見てみましょう。」
「2➖6ってあるよ!わかった!2個氷を出して、6つ氷を動かすんでしょ!」
「さあ、最後まで出来るかなー?」
「あ、あ、あ---あれ!?!?4つぶん動かせなくなっちゃったよ。」
「それが、負の数ってやつですよ。まあ、負の数は今はやらないでおきます。なぜなら、レベルが少し高いからです。」
「まあ、それはともかく、早く練習問題やろうよー。」
私は、この練習問題に、絶対分からなさそうな問題を入れてみた。
練習問題
( 1 )8➖6=?
( 2 )5➖3➕2=?
( 3 )2➕4➖3➖1➖1➕?=6
「ええっと、1つめが、2個余るから2だ!」
「さあ、だんだん難しくなっていきますよー。」
「2つめが、---あれ?5➖3が、2でしょ?2➕2=4?答えは、4で合ってるかな?」
「おおお!流石です!が、最後は絶対に分からないでしょうね---。」
「ええっと、2➕4が、---6?6➖3が3、3➖1が2、2➖1が1、1➕?=6。え?なにこれ?チルノ知らないよ?なんで?が一番右に来てないの!?」
流石チルノ、期待を裏切らなかった。
「さあ、ここからが難問です。この?をどうやって攻略しますかね?」
「1➕?=6。?に1からいれてみたらどうだろう。1なら、2=6、2なら、3=6、あ!!!」
「にゅや!もう分かったのですか!?」
「?に5をいれたら1➕5=6だ!答え5だ!」
「---。くっ、良い意味で期待を裏切った---!」
「ちょっとー、何よその言い方。またいつもの氷うつよー!」
「それはよくないですねー。まあ、このように、足し算と引き算がセットになってる問題は、たくさんありますので、忘れないように!!!」
「はーい!」
私は、今日の算数を終わらせて、外の様子を見ることにした。
「あーっと、いつもの浴衣姿に着替えなきゃ。先生やってるときといつもの姿、変えるってのが大変だなー。」
「外の様子見に行くの?魔法使いに気を付けてね!」
「了解です!」
私は、着替えてからすぐに外に出た。
「ふぅ、外は、やっぱり静かだなー。魔法使いなんているのか?そうだ。一応どんなやつかだけは聞いておこう。」
私は、念のため魔法使いがどんなやつなのか聞いてみることにした。
「チルノ様、魔法使いとはどのようなやつなのですか?」
「魔法使い?名前、なんて言ってたっけ?確か、マスタースパークとか言って、変な武器出して攻撃してくるんだよー。」
「マスタースパーク?ですか?聞いたことありませんねー。」
「いや、そりゃ知らないでしょ---。だってあんたここ来て2日目だよ---。脳内地図あまりにも狭すぎるから、マスタースパークも知らないんだよー。」
「いや、まあ、そんなことは気にしないで、見回りしてきまーす。」
「気を付けてねー。」
マスタースパーク、どんなものかは分からなかったが、とりあえず襲ってきたら5分間のうちに退治する。それが私だった。
「はぁーあ。魔法使いまでいるのかよー。一体どんな世界なんだよ---。」
私は、魔法使いを少し恐れていた。
「ふわぁ、あー、そういえば、今日も0℃の風呂、いや、氷風呂に入るのかー。このサイクルしてたら10日でこの世界とバイバーイしそうだぞー。」
私は、今日の夜のことを考えながら、夕焼けに満ちた空の下を歩いていた。
「あー、もう月が出てきてしまうじゃん---。」
私は、何もないことを確認して、チルノの部屋に戻った。
「なんか、暇潰しに誰かと対戦したいなー、その魔法使いと戦いたい---。」
「あ、そうそう、昨日確か0℃の風呂だったよね、あれだとやっぱり熱いから、➖1℃位にしておくよー。」
「いやいやいやいやいやいや!!!ちょっと待ってくださいね!3つほど突っ込みますね?まず、0℃が熱いってどういうことです!?で、➖1℃って、氷になりますよ!?風呂じゃなくなりますよ!?で、なんで普通に➖1とか負の数使ってるんすか!?あなた、負の数知ってたんすか!?ちょっと待ってください!?➖1℃になったら私がお亡くなりになられてしまいますよ!?」
「え?そんなこと気にしないー。大丈夫大丈夫!」
「大丈夫大丈夫って?折角先生始めたのに、1日でお亡くなりになられたら最悪じゃないっすか、まだここ来て2日なんですよ?流石に➖1℃は勘弁し」
「あ、ごめん、もう作っちゃった。➖1℃にしようと思ったけど、➖10℃になっちゃった。」
「ああああああああああああああ!!!!」
私の目の前には、既に可愛い天使がたくさん飛んでいたのである。 終
次回で10話になります!次回は、あれにしようかなー?イヒヒヒ。では、次回もお楽しみに!
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第3章---我とチルノが能力を上げし時、2人は共に強くなるのだぁぁぁぁあ!!!!!!
第10話→能力?妖精?わーい面白そー(*^^*)
「ゆっくりしていってね!」
「はぅわー。2日間で色々やらされたなー。先生やることになるわ、氷風呂に入らされるわ、見回りさせられるわ、更には算数教えることになるわ---正直もう最悪だ---こんなに大変なことになるなんて思わなかったよ---。」
私は、風呂にもしっかり入れず、体力が限界の中、言われた通り残業をして寝た。
翌日、私はあることを考えていた。
「チルノ様、私自分の今の能力を高めたいと思っております。どうすれば良いと思いますか?」
「ええ?いきなり言われても困るよー。」
やはり、チルノもいきなり言われては困るようだ。
「やはり、いきなりでは困りますよね---。」
「自分の能力をコントロールすれば良いんじゃない?」
「自分の能力を、コントロールするんですか?でも、どうやってコントロールすれば---」
「それを求めるのが、能力を高めるってやつなんじゃない?あたいだって、能力を高めるために色々頑張ったけど、今の自分が限界だった。」
まあ、私は昨日の夕方辺りから、チルノもおそらく求めていた何かを捕まえることが出来なかったんだろうとは考えていた。その答えは当たっていた。
「では、朝なので見回りしてきます!」
「別に良いけど、ついでに自分の能力を高めるってどんなことか考えてきたら?」
「自分の能力を高めるって何かを考えることは、私がチルノ様に会う前から考えてました。やはり、能力をコントロールするには、感情を能力任せにしないことだとは思います。何が起きても冷静に、ゆっくりと考えるのが、能力を鍛えるコツなのかもしれませんね。」
「あー、なるほど!あたい、感情を能力任せにしてたから能力上がらなかったのか!今から感情をコントロールしよう!あはは!簡単そうだ!」
「---。」
この時、筍は思った。こいつ、やはり2日前から何も変わっていない。単なる⑨!⑨である!と。
「あのー、やはり能力を高めるって簡単ではないと思いますよ。大変な努力をしない限り、おそらく能力は向上しないはずです!だから、その能力をコントロールするには、大変な時間、体力、想像力など、かなりの要素が必要なはずです。あははといってる場合ではないと思いますよ!」
私は、能力を上げる方法は分からないが、難しい方法であることは確信していた。
「ねぇねぇ、あたい、もしもすっごい頑張って能力を上げたとしたら、本当の最強になれると思う?」
「それは、あなた次第です。後、私は幻想郷についてまだよく分からないですし、その、何でしたっけ?マスタースパークだ。マスタースパークとやらを使う魔法使いに勝つことが出来なきゃ、おそらく幻想郷での強さtop10にもなれませんよ。きっと幻想郷には、100を越える者が住んでいると考えました。その勘が合ってるとは限りませんがね。まあ、自分が最強になれるかなれないかは、全てあなたの努力次第です。自分の能力は神様によって全て決められるのは絶対にあり得ないと思いますよ!」
「長くなったけど、意外と正論多いなー。やっぱり、あたいは氷の妖精、妖精でもきっと強くはなれるはず!よし、あたいも頑張って感情をコントロールして、能力を上げるぞー!」
「ところで、アイシクルスパークって、どんな時に使うんですか?」
「アイシクルスパーク?あー、アイシクルフォールだよ!マスタースパークと混ぜないでよー。まあ、そんなものはどうでも良いとして、アイシクルフォールってのは、切り札的な?何か争いとかを解決するためによく使ってるよー。後、自分がやられそうなときとか、最終手段みたいに使おうと思うけど、あんまりそれに使ったことはないかな、っていうか、一度もない。」
「へぇー、争いとかを解決するときに使うんだねー。結構冷たいし、感情をコントロールすれば、もっと冷たく出来るんじゃない?」
「感情をコントロール---あ!!!」
「何かなされました?」
「あ、あたい、アイシクルフォール使うときに、どうでもいいや!って感じでに感情をコントロールしてた!」
「ふわっ?」
この時、筍は思った。こいつ、やはり、かつてないほどの⑨である!スーパーウルトラミラクル⑨である!が、本人は自覚してない!もう!手遅れである!
「ならば、強くなるためにはどうすれば良いでしょうかね---?まずは適当にではなく勝つって気持ちを。」
「んー。後はこの能力自体を鍛えるとかかな?」
「やっぱり、それが最も一般的なのかもしれませんね。でも、本当に感情をコントロール出来てるのですか?ためしにアイシクルフォール打ってみてくださいよ。」
「でも、そんなことしたらあんたが---。」
「わたし?私ならそれくらい大丈夫ですよ!」
「じゃあ、いくよ、アイシクルフォール!」
「うっ、冷たっ!チルノ!3➕5は!?」
「3➕5?ええっと、8!」
チルノは、アイシクルフォールを打ちながら、普通に算数を解いていた。
「ストップ!ふぅ、何で氷が弱点なんだろうな?まあ、逆に氷が弱点じゃなかったら、おそらくこの出会いはなかっただろうし、それは、まあ、運命として捉えるのもありかもなー。」
私は、ゆっくり自分の能力を高めるということが、どのようなものかを考えた。そして、1時間位で、3つ予想をたてた。
1.自分の意思を高める
「やっぱり、自分の意思を高めるのが重要じゃない?自分の意思が弱かったら、99%最強の能力は出せないはずだよ。何はともあれ、これが一番重要だ!」
そこに、チルノが心に刺さる正論を言う。
「何考えてんの?そもそも自分の意思を高めるっていったって、もう既に限界まで高めてんじゃん。既にやってることを考えてどうすんの?」
「あ、確かに---。まあ、良いや、2つめー!」
2.体を鍛える
「やっぱり体が強いほど有利かなー。全体的な能力上がるし、これがなきゃかなり不利な試合を持ちかけられてくるなー。自分の体力を鍛えたら、絶対に強くなれる!!!」
「じゃああたい体小さいから不利じゃん---。」
「いや、そ、それは---。」
「ねぇ、数分前の妖精でも強くなれるんだという期待を返してくれない?い・ま・す・ぐ!!」
「うわぁぁあ!まあ、まあ、お、落ち着いてください!」
「あたい本当に強くなれるの?」
「大丈夫だ。問題ない。」
「カッコよく大丈夫だ。問題ない。って言われても困るんだけどー。3つめは何なの!?」
3.必殺技の威力を上げる
「やっぱり必殺技が一番強いじゃないですか、私の場合、まだ必殺技決めてないので、その能力を決めて、強くするのが重要と思いました。そう、これこそが素晴らしき内容でふー!」
「でふーって何!そもそもあたいの必殺技はどうやって強くすればいいの?」
「ええっと、それは、毎日鍛えて行くしかないですね。それが先程の体を鍛えることだと思います。」
「なるほどねー、つまり、私には出来ないってことかー。」
「いや、そういう、ことでは---。」
「アイシクルフォール」
「ぐふー!!!ちょ、いきなりやるのは---っていうかわたしを実験台にしないでくださいよぉぉお!!!」
私は、チルノの能力を上げるために、どうすれば良いか考えた。
「どうすれば能力上がるんでしょうかねー。もっとも、私は妖精ではないので、妖精が強くなる方法が分からないのです。が、やっぱり栄養をとることでは?」
「栄養をとる?」
「はい、蛙よりも栄養になる食べ物が他にもあるとは思いますよ!!!」
「そりゃ、暇なとき蛙を冷凍したいし---。」
やはり、妖精の発言は意味不明である。
「ねぇ、あたいが強くなったら、また勝負してよ!!!前回は一度逃げかけたけど、今回は逃げずに倒すから!!!」
「勝負ですか?いつでも受けますよ!!」
「うん!あたい、絶対に最強になる!!!」
「楽しみですねー。」
こうして、私とチルノは、自分の能力を高めようと考えたのである。 終
次回は、自分の必殺技を考えます!さぁて、必殺技は何が良いかな~?能力値とかも考えて、精密に面白い強さに設定しなければいけないっていうのが大変なんですよね~。そこをどうやって(もうええわ!!!)
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第11話→必殺技って何?ねぇねぇ、必殺技って何?---。
「必殺技---必殺技---んー。やっぱりいまいちこれだってものが出て来ないんだよなー。もっと良い技を求めようとし過ぎると、逆効果になるし、自分に合った必殺技ってのを考えないとな~。」
私は、どんな必殺技にするか考えていた。
「あんたは、どんなものが使いたいの?」
「私が何をしたいかってことですかー。」
「うん。必殺技はあんたが決めるもんだし、あたいは手出ししたくないよー。」
「そりゃそうですね---。」
「自分のことだし、ゆっくり考えても良いんじゃない?」
「ゆっくりと、考える---。んー。そうさせていただきます!」
チルノの助言で、私はゆっくりと決めることにした。
「あんた、必殺技決まったらまたあたいと勝負してよ!」
「え、あー、勿論です!」
「必殺技なんか使わせずに瞬時に倒すわー!楽しみだな~。」
「前回のようには行きませんよ!」
「勿論、普通に終わったら悲しいからねー。」
「最初は私の方が不利ですがね---。」
「確か、最初は飛べないんだっけ?」
「飛べないんですよー。」
「大変ねー。」
「はいー。もう飛べない私はただの私ですよ---。」
「何言ってるの?」
「何でもないです!」
「そう。」
私は、どんな必殺技を使えば良いか考えていた。
「ん~、流石に炎使うのはやだなー。」
消去法でやっていくことにした。
「そもそも炎使ったら、チルノも可哀想だし、ガチでやっちゃうかもしれないし---。」
1つ1つ考えていた。
「ふぃー。難しい---。まあ、そんなものかー。」
ゆっくり考えていったが、やはり面白そうな必殺技は見つからなかった。
「ふわぁー。かなり難しいっ!」
またチルノがアシストしてきた。
「自分がやられそうなとき、何で相手を倒したい?」
「何で相手を倒すか---。うーん。」
何も良いアイデアが浮かばなかったので、最初にチルノと勝負したときのことを思い出した。
「んー。どうしようかな~。---。まあ、なんとなく5分間しか最強になれないんだし、その時に、自分が何したいかを考えるのかな。」
「そうそう、そんな感じじゃない?」
「なんか、良い感じに出ると良いな~。」
「じゃあ、頑張って~。あたいは勝負の準備するから~。」
「自分に何がほしいか。」
おそらく、これに関しては、未来を決める重要な要素になるだろう。
「おうふっ、全然わからねぇー!!!」
私は、既に混乱していた。
「必殺技---必殺技---。チルノってどうやって必殺技を決めたんだろう。少し聞いてみよう。」
私は、とりあえずチルノに話を聞くことにした。
「チルノ様は、どうやって必殺技を決めたのですか?」
「え?あたい?あたいは、確か勝手に決められたのよ。詳しくは実はあたいもよくわからない。もしかしたら、全然違うかもしれない。」
「そうなんですか---確かに、昔のことって、なかなか思い出せませんよね---。」
「あたいは、どうやって必殺技が決まったんだろう。」
チルノも詳しくは知らなかった。
「私が勝手に決められたことは、5分間最強になれること、弱点が氷だってことです。」
「なんかあったの?」
「あれ?どうしてこうなったんだっけ?」
「あんたも忘れてんじゃん。」
「そうですね、何だかよく分かりませんが、忘れてしまいました!」
「まあ、とりあえずしっかり必殺技考えてね。」
「了解です!ありがとうございます!」
「後、算数の問題の練習の部分、難しすぎ!もっとレベルに合ったの出してよね!」
「あー、あ、了解です。」
既に昼時をむかえているが、私は必殺技についてしか考えてなかった。
「うみゃゃやあ!全然思い浮かばない~!」
もう、体力も限界だった。
「やっぱり、必殺技なんてそう簡単につけられるものじゃないのかな?」
既に私は諦めかけていた。
「もう、ダメだ。やっぱり必殺技決めるより、5分間を良い感じに使う方が良いのかな?」
そこに、なになら黄色い服を着た人間らしき者がやって来た。
「あ、ヤバイ、隠れなきゃ!」
私は、とりあえずばれないように隠れることにした。
「うん、大丈夫そうだ。今のこと、一応チルノに伝えておこう。」
私は、チルノに呼びかけた。すると、チルノはこう答えた。
「あー。おそらく、わたしを探している魔法使いのことね。隠れて正解だったわ。」
「そ、そうですか~。危なかった。」
「とにかく、こっちの方には来てないのね。」
「はい、おそらくその魔法使いは、別の方角に行ったので。」
「すぐに見張りをお願い。後、近くに来たら、この氷を溶かして、その動作と同時に、あたい隠れるから。」
「了解です。お任せください!氷なんか使わないなら、5分間使わずに倒せますから!」
その魔法使いが近くに来ないか、見張りをすることになった。そのため、必殺技のことは考えられなくなってしまった。
「ふぅ。仕方ない。まあ、彼女のことが最優先だ。」
そのとき、私は思ったのである。
「やっば、彼女のことばっかり考えているし---これって---まさか---。」
その独り言は、5秒間で考えるのをやめた。
「ふぅ、魔法使いが現れたら、自分がけっちょんくちょんにするだけのこと、そしたら、こっちも少しは楽になる!!!」
30分間ほどいて、大丈夫なことを確認して、チルノの部屋に戻った。チルノは、すかざすこういった。
「あ、そういえば、あの魔法使い倒したら、おそらくだけど博麗の巫女が黙ってないわね。」
「博麗の巫女、どんな奴かは分からないけど、きっとその魔法使いよりも強いんだろうな~。更に2人纏めて来たら、絶対にオワタになるし---。」
「なにふざけてオワタとか言ってるの?もっと真剣に考えなよー。」
「はいはーい、でも、この能力、1日1回までしか使えないし、後で死ぬほど筋肉痛来るのが難点なんだよな~。」
「そうなんだ~。使いづらい能力ねー。まあ、しょうがないしょうがない!」
「しょうがないっちゃしょうがないね。」
しばらくして、能力を考えた。
「よし、必殺技は、---あれで行きます!」
「え?決まったの?早くない?」
「私の必殺技は---。」
「---?」
「未来予知をする能力にします。」
「な、なんで?」
「未来予知、格好いいし、使ってみたかったんです!」
「へぇー、なるほどね。じゃあ、あたいと勝負だ!」
「負けて泣いても知りませんよ!」
「その言葉、150%にして返してやるわ!」
「へぇー、150%ですか。」
「あたいもあれから少しは強くなったし。」
「おや?私も強くなりましたよ!」
「よし、じゃあ、魔法使いがいないことを確認してから勝負だ!!!」
「へいへーい。」
こうして、私とチルノの再戦が決まったのである。 終
次回、リベンジ筍!チルノに勝てるのか!?お楽しみにっ!!!
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第12話→再戦!チルノvs筍!未来予知の効果は!?
「よっしゃ、チルノに勝ってやる!」
「あたいの最強パワー見せてやる!」
いきなり始まった筍vs最強もどき妖精チルノ!さあ、果たして結果はどうなるのか!?
「あ、一応魔法使いいないか確認して来てー。」
「了解です~。」
その前に、私は魔法使いがいないか確認することにした。
「いなさそうですねー。---オッケー、大丈夫でしょう!!!」
「ねぇ、せっかくの勝負だしさー、なんか賭けでもしない?」
「賭けですか?」
いつものように、チルノの強引な案件が私を襲ってくる。
「負けた方が勝った方の言うことを1つきく!但し、内容は対戦する前に考えること!」
「別に良いですよー。チルノ様の為になる厳しい内容を考えさせて頂きますので!」
「なに?」
「私が勝ったら、1週間算数の宿題10倍にします!」
「え---無理だよー。1日20分だから、200分、4時間20分かかっちゃうじゃん!」
「因みに、4時間20分ではなくて、3時間20分です。」
「そんなのどうでも良い!じゃあ、あたいが勝ったときの内容も厳しくするわ!」
「どーぞ、私、絶対負けませんので。」
「言ったな~!じゃあ、10日間あたいのアイシクルフォールの強化に付き合ってもらうからね!」
「こっちが10倍だから、そっちも10日ですか~。」
「うん!これで対等かな?さあ、いくよ!」
「へいへーい。---。」
賭けるものを決めて、チルノと私の勝負が始まった。
「最初はこっちからだ!」
チルノは、氷のつぶてを出してくる。
「いけー!!!」
私は、その攻撃をあえてくらった。
やはり、3日前とは明らかに違う。こいつ、かなり成長している。これはまずいな~。
「フフフ、こんなの余裕だ!」
「へぇー、余裕---ですか?まあ、早速ですが未来予知をさせて頂きます。」
「未来予知---その状態でも使えるの?」
「10分後、自分の能力が1分間だけ10倍になる!」
「10分後?」
「流石に1分後とかにするのはせっかくの勝負があっという間に片付いちゃうのでね。」
「あたいをバカにしてるな~!必殺、アイシクルフォール!」
「来ましたねー。」
私は、アイシクルフォールを避けていった。
「まだまだ~!」
「うっ!」
アイシクルフォール直撃!
「つ、冷たい、体が---うう~、3日前のようになるわけには行かない!行くぞ!!!」
ついに、5分間最強になれる能力を使った。
「感覚をつかんだのね。いつでも使えるようになったのかな?」
「はい、頑張りました!」
僅かな時間で感覚を掴んで、ここから反撃開始!
「瞬間移動!からの分身発動!一斉に攻撃!」
「早い!うわぁ!」
チルノに一気にダメージが入る。
「うっ、流石に前回のようには行かないか~。」
チルノも今回は苦戦気味のようである。
「では、体を暖めて---。」
「まずい、体が熱い分だけ力が強くなるんだった!」
チルノは、流石に私がやりたいことに気づいた。
「させない!」
チルノは、氷を飛ばしてきた。
「分身、氷を溶かせ!」
自分は、分身で氷を溶かす。
「全然勝てそうにない!今何分経過した?」
チルノは、時間チェックを行っている。
「試合開始から3分、能力発動から2分かな?後3分したら私の勝ちだ!」
チルノは、一生懸命私がやりたいことをさせないと、氷を飛ばしてくる。
「ふわぁ、では、これならどうですか?」
私は、ある作戦を思い浮かべている。
「分身をたくさんつくって、体を冷たくするのを完全に阻止、からの波動砲!」
「うわぁー!」
チルノは、かなりの劣勢であった。
「このまま算数10倍の宿題は嫌だ!4時間20分の宿題1週間は最悪だ!」
「3時間20分!忘れないでくださいねー。まあ、そんなこと、勝負には関係ないですが。」
⑨さを出したチルノ。だが、これも1つの作戦だった。
「3時間20分?1時間って何分だっけ?」
「1時間は60分ですよ、覚えてくださいな~。」
チルノは、上手く私のことをはめて、時間をとっている。
「はあ、そんなこと話しているうちにさっさと倒さなきゃ!これでチェックメイト!落雷!」
「ちょ、それ流石にアウト!」
「あれ?落雷!!!」
「あ、やった!」
「え?」
⑨なのは私も同じ、⑨が⑨にはめられてしまったのである。
「まさか、算数やってて時間を潰しましたね!」
「わーいわーい!これであたいの勝ち!アイシクルフォール10日間で強くしてもらうからね!」
「はぁーあ。」
まだ、私は切り札が残っている。実は、影に隠れている自分の分身がまだ残っているのだ。
「もう、飛べないのか。」
「やったー!じゃあ、ゆっくり倒していこうっと!!」
「ちょい残酷過ぎません?」
「え?良いじゃん!」
チルノは、やはり普通はやっては行けないことばかり考えている。
「まずは空間を氷で囲って。」
「なに?」
自分のいる場所が氷で囲まれた。
「ぐふっ!さ、寒い。うっ!これは、長い間は耐えられない。なんとか後2分、持ちこたえてくれ!」
「後1分で片付けよー。さて、この氷の空間を縮めていって。」
徐々に迫る氷の壁。これに挟まれたら、おそらく即試合終了である。
「おまずいおまずいアイシクルフォール10日はこれよりもおまずいけどこっちの方がおまずい!」
「アハハハハハ!そのままいけー!」
「くっ、間に合うか!?」
徐々に壁が迫る。私は、今の力ではこの壁を壊すほどの力はない。
「後1分。そしたら9分前に言った予知が来るはずだ!」
私は、全力で壁を押さえつけてるが、氷の壁はびくともしない。
「残り1メートルほどか。もう少しで来るんだ!」
そのとき、壁に押し潰されそうになるくらいの距離になった。
「うわぁ!!!流石に10分は遊びすぎたかー。」
私は、アイシクルフォール10日を覚悟した。
「やったー!あたいの勝ちー!」
---。バリ、バリ---。氷が壊れていく。
「やあ、チ・ル・ノ・さ・ま!」
「なんでなんで!?やられたはずじゃ!」
「10分前、私は未来予知をしました。そして10分が経ちましたね。さあ、残しておいた分身と共に、反撃開始です!」
「なんにせよ、飛べないなら1分間飛んでれば良いんだ!」
「それはどうかな?」
「え?」
「現在、私の能力が10倍です。すべての能力が10倍なので、飛ぶ高さも10倍、私は5メートルほどは飛べるようになりますっ!ほらっ!」
チルノをあっさりと捕まえた。
「うわぁ!動けない!このままだと!やられる!」
「さてと、今度こそはチェックメイトですね!」
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「パンチした瞬間、チルノは気絶した。」
「はい、終了ー。」
私は、チルノを倒したのである。それから、チルノを部屋に運んだ。まだ昼が過ぎたくらいである。
「うっ、ここは、どこ?」
「チルノ様の部屋ですよ。」
「そうだ。あたい、あんたにやられたのか---。」
「はい。」
「あーあ、アイシクルフォール10日間が。」
「だーかーら、私はあなたの世話役、どんな手伝いだってします!アイシクルフォールを強くすることなんか、お任せあれですよ!」
「本当!?やったー!!!」
「但し!」
「?---。あ、まさか。」
「算数の宿題10倍を終えてからじゃないと強くする手伝いはしませんよー!」
「あーーーー!!!」
「フフフ、楽しい!」
「ちょ、なに笑ってるの?」
「いえ、なんでもありません!」
「あっそ。」
チルノは、10日間算数地獄になるのであった。が、アイシクルフォールを強くするのは出来ることで、ウハウハ状態であったのである。チルノは、算数の宿題を始めたのであった。 終
次回は---んっん~。お楽しみに!!!(はっきりせい!!!)
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第13話→チルノ激おこぷんぷん丸?アイシクルフォールの練習!!!
「算数の宿題多すぎ~。」
「そりゃいつもの20分が10倍になって200分になりますからね。宿題もいつもの10倍です!」
「あ~あ。」
チルノは、宿題をゆっくり解いていた。
「そういえば、あんたの未来予知能力って、通常の時に出してたよね?」
「あー、あの能力特殊なんですよー。」
「確かに珍しい感じしてたよね。」
「まず、通常時に出せますが、出せるのは1試合につき1回、更には一番最初じゃなきゃ出せます。」
「それかなりお得じゃん!」
「この能力、とても強いですよー。」
「良いなー。あたいの氷なんてその能力で一撃じゃん。」
「それは分かりませんよ?」
「え?」
「未来のことは何も分からないので、いつどうなるかは分からないです!」
「あー、そうか~。未来予知を防ぐことも出来るのか~。」
「そうなんですねー。そういえば、魔法使いって、その黄色い服を着た奴だけなんですか?」
「いや?他にもいるよー。因みに、その黄色い奴が霧雨魔理沙って名前なんだよー。」
「で、どんな魔法を使うのですか?」
「本人は、普通の魔法使いって言ってたよー。」
「普通の、魔法使い?」
「まあ、ごく一般の魔法使いってこと。」
「なんだかよく分からないですが---きっと魔法使いだし、かなりの強敵なんでしょうねー。」
「当然よ。あたいが戦ったら、100%捕らえられちゃうもの!」
「へぇ~。」
「ところで、あたいとの勝負、あんた本気できた?怒らないから正直に答えて!」
「そりゃ、世話役が世話をしている方に本気を出しちゃまずいっすよー。」
「本気じゃなかったのー?残念---。」
「申し訳ないです!」
「あ、そろそろ算数の宿題終わりそうだよー。」
「了解です!では、アイシクルフォールの練習行きますかねー!」
「うん!」
算数の宿題を終わらせたチルノは、早速アイシクルフォールの練習に入った。
「では、まずは普通に投げてみてください!」
「いくよー!アイシクルフォール!」
チルノのアイシクルフォールが私に直撃!---も。
「このくらいだとなかなか寒く感じませんねー。もっと威力を上げられますか?」
「たぶん、もうこれが限界!」
まあ、私はチルノが限界ではないことには気付いていたが。
「では、次にいきます。今度は、あいつを絶対に倒すんだ!って心のなかで思って投げてきてください!」
「いくよっ!アイシクルフォールッ!!!」
さっきとは、威力が違った。
「くっ!さっきより格段に冷たい!これは、数分耐えるのが限界だ!」
「どう---?」
「威力、倍になってますよ!これが気持ち面です。」
「本当に?じゃあ、次に行こうよ!」
「いいえ、まだまだ全然足りません---。私のように氷が弱点なら、これくらいならチャンスはありますが、氷に強い相手ならどうでしょうか?」
「それは、ごり押し!」
「もー!もう少し真剣に考えましょ!勝負の世界はしのぎの削り合いですよ!」
「そうかー、じゃあ、もっと強くしなきゃいけないのかー。」
「では、そのアイシクルフォールの状態を1時間保つこと。まずは体力の練習ですよ!」
「1時間なんて---あたい、30分が限界だよー!」
「何を言ってるのですか!?1時間は最低ライン、24時間365日使えるようにならなくてはいけませんよ!」
「厳しいよー。」
「まあ、あなたの為です!頑張りましょう!」
「うん!」
しばらくして、チルノにはあっという間に限界がきた。
「う、後35分---。」
「あー、25分間が限界ですかー。」
「ごめんなさい---。」
「謝ることはないですよ!これから強くなれば良いのですから!!!さあ、少し休憩して、また始めますよー!」
「うん!じゃあ、あたい、冷凍庫に保管してあるアイス食べてくるー。」
「了解---で、あ---。」
そのアイスは、実はチルノが練習している間、私がこっそり食べたものである。
「あれ?アイスがない!!!」
「ギクリ---スタスタスタ---。」
「ねぇ?筍先生?あたいのアイス食べたよね---!?!?」
「いや?それは、そのー。」
「アイシクルフォールッ!!!」
「うわぁぁぁぁぁあ!!!」
さっきより倍寒く感じた。
「寒い寒い寒い---!わ、わかりました!私が食べましたよ!すみませんだから許してください!!!」
「誰が許すかー!!!」
アイス1つでチルノが怒ってしまった。いや、まあ、普通は怒るだろうけど---。
「ふわぁ、危ない危ない、今のはかなり寒かったぞー。」
「本当!?」
「自覚はないのかなー?」
「あたい、普通に出してたよー。」
「おそらく、感情によって支配されてるのかと。」
「感情によって?」
「はい、自分の意識と同じ感じです。あなたが本気で許せないと思ったとき、大きな力を発揮したのではないかなと思いますよ!」
「なにそれ?よくわかんなーい!」
「ま---まあ、流石に⑨チルノ様には分からないでしょうね?」
「ねえ?今何て言った?聞こえなかったからもう一度言ってくれない?」
「だから、⑨チルノ様には分からな---あ。」
「絶対に許さなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあい!!!!」
「うわぁ!!!まずいまずいまずいまずいまずいどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよ---。」
「アイシクル---フォーール!!!!!」
「ぐはっ!」
アイスの時より3倍ほど寒く感じた。
「チルノ様、流石に---これは生きて帰れないで---す!ちょ、おーまちください!!!ぐはっ!」
既に激おこぷんぷん丸のチルノに対し、どうすることも出来なかった。
「チ・ル・ノ---様---。」
私は、意識を失いかけた。
「あ!いけない!やり過ぎちゃった!」
チルノも、ようやくこっちに気付く。
「ねぇ?大丈夫?」
「は、はい---申し訳ないです---。」
「だくっ、いつになったら反省するのかなー?」
「それは、分からない---です。」
「はいはい、じゃあ能力高めたいから、さっきの練習いくよー。」
「了解です!」
激おこぷんぷん丸から戻ったチルノは、またアイシクルフォールの練習の再開をしようと思った。
「う---。」
「ねぇ、大丈夫?無理してあたいの為に頑張りすぎないで?」
「ぐふっ、ぐふ---。」
「まずい、これは休ませなきゃ。」
既に私は瀕死状態であった。
「ここでゆっくりしていってね。しっかり休まなきゃお仕置きだからね!」
「は、はい。」
「あたいは別の部屋で練習してるから、寒いなって感じたら遠慮なく言って!」
「了解---です。」
「んじゃ、あっちの部屋で練習してくるよ。」
チルノは、アイシクルフォールの練習は欠かさない。彼女は一体どこまで強くなるのやら。そして、もし筍vsチルノ3回目があるのなら、勝者はどちらになるのか---。そんなの、誰にも分からないのである。 終
次回---第3章最終回!最後までお楽しみに!!!
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第14話→チルノと私の能力を鍛えるって?やり方が分かんないのよぉぉぉお!!!
「彼も流石に疲れ果ててるのかな---?まあ、私の為に頑張ってくれるのもありがたいけど、体調管理しっかりしてくれなきゃ---。」
心配しているチルノに気づいた私は、ゆっくり寝てしまった。
「スヤスヤ---。」
チルノは、アイシクルフォールの練習を始めた。
「アイシクルフォール!!!」
チルノが用意したのは、部屋の温度を計る機械である。
「ええっと、---これは何℃だっけ---?先生に教わったから、あ!!!4℃だ!」
チルノは、4℃がどのくらいかは分からなかった。
「よし、次はあの温度計に向かって、アイシクルフォール!!!」
チルノは、私に言われた方法で技を出していく。
「どうだ?---ん?これは良いんじゃない?➖1℃だ!」
5℃落ちた。チルノは満足しているが、私は数分前、チルノに目標温度を伝えていた。
「良いですか?氷を使う場合、最強に寒くなきゃ、相手にダメージが入りません。」
「確かに、そりゃそうだよね---。」
「ですので、ここで目標温度を決めます。」
「目標温度?0℃で十分じゃない?」
「確かに、温度計で0℃なら、大体あなたの温度は➖3℃程でしょう。誤差があるのでね。」
「じゃあ、それで!」
「甘いですねー。➖15℃を目指してください。」
「そこまで!?」
「そうすれば、あなたの出している氷の温度は➖20℃程となるでしょう。」
「そのくらいの誤差はあり得るもんね。」
「はい、最終的には➖40℃ですが、今は➖20℃で行きましょう!」
「➖40℃?甘いのはどっちよ!最後には➖100℃やっちゃうもの!」
「いや、そこまでされたら、ただでさえ氷に弱い私は、一瞬で天へ昇ってしまいますから---!」
「あんたは私が守るから!安心して!!」
「守るべき人に守られるとは---。まあ、良いでしょう!期待してますよ!」
こんな話をしていたのであるが---。
「あー、➖100℃なんて、よく考えたらあたいのこの小さな体では無理に決まってるよー。」
既に諦めかけなチルノである。
「あーあ、なんかどんな薬でも生み出せるって能力のある---誰だっけ?エーリンだ!エーリンにその薬もらえないのかなー?」
チルノは、薬を使って能力をあげることを考えていた。その話は、私が聞いていた。
「ねぇ、チルノ様、エーリンって方がどのような方かは知りませんが、薬の力に頼るのは良くないと思いますよー!」
「まあ、そりゃそうだよね---。エーリンもどんな異変起こすかわからないからね---。」
「はいはい、では自分の能力を自分で高めましょう!」
「あんた、まだ10分位しか休んでないよね?大丈夫なの?」
「いえ---正直---限界なのですが、チルノ様の力を上げられたら、私にとってとても幸せなことなので!」
「やっぱり、あたいのこと好きなんでしょー?」
「いえ!そんなわけでは---!」
「あはー、恥ずかしがらず言いなー!」
「いや、それは、まあ、そうですね---。」
「お、言った言った!今度友達にあったらあたいが勝負に勝って拘束してその事を目の前で言わせてやるー!」
「お、言った言った!私に勝つんですね?上等です!」
「なんかあたいの真似しないでよー!」
「そんなの気にしないでくださいなー!」
「むか!---アイシクル---いや、あんたは早く休みな!」
チルノも、怪我人を攻撃することはしなかった。
「では、休ませていただきます---が、決して薬の力に頼るのは止めましょうね!自分自身で強くなるのが最も心が強くなりますから。」
「わかってる。さっきはごめんなさい。」
「では。」
私は、チルノの世話役、チルノがやってはいけないことをやりそうになったら、ただ止めるだけである。
「それにしても、彼の能力についてもっと詳しく知りたいなー。まあ、あたいは今の力を伸ばさなきゃいけないんだけど!」
そうして、チルノは自分の能力を高める為に、一生懸命努力した。その事が分からない私は、そのまま寝てしまった。
しばらくして、チルノと会ってから7日が経過した。
「う、うう、お、体調治りました!!!」
「よかったー!そういえば、今日であんたと会ってから7日目ね!」
「そういえばそうですねー。更には、私の場合、この世界に来てからも7日目です。」
「幻想郷にはもう慣れた?」
「いや、まだまだ慣れません---というか、幻想郷は広いので、まだ私が知ってるのは、幻想郷の5%程とみました。」
「あんまり知らないのね。予想通りだけど。あのとき、あんたがあたいを倒してたら、おそらくあんたはどこかで天使に変わってたでしょうね---。」
「もしかしたら---。」
「だって、今は冬の終わりだけど、まだこんなに大雪が降ってるんだもん、異変じゃない?」
「2月に雪が降るのは普通ですよ---。まあ、3月に降ったらもしかしたら異変かもですがね。」
「そうかなー。まあ、いいや。」
「では、体調も良くなりましたしー、チルノ様、あなたがどれだけ強くなったか、拝見させて頂きます!」
「また勝負するの?」
「流石にまた勝負したら、今の私の力では勝てないです---なんにせよ、力があまり出ないですもん。」
「そう、じゃあ、温度計にアイシクルフォール当てればいいのね?」
「はい!頑張ってください。」
「いくよ---温度計、あんたを倒す!アイシクルフォール!!!!!」
しばらく計測中。そのままお待ちください。
「結果---➖7℃だったよー!」
「まあ、数日間では強くなった方なのではないでしょうか?」
「わーいわーい!」
「ただ、➖15℃という最低ラインには、後3日以内に到達してほしいですがねー。」
「厳しいなー。もう。あ、算数の宿題、そこにおいてあるから、採点よろしくねー。」
「お、了解です!」
私は、ゆっくりチルノの算数の宿題の丸つけをした。
「おー、正答率けっこう良いな~。」
チルノも頑張ってるようだ。
「さて、私も負けられない。頑張って強くならなきゃ!」
そこで、私は思った。
「あれ?チルノの能力は、アイシクルフォールで、鍛えれば強くなるけど、自分の能力って---5分間無敵と未来予知でしょ?どうやったら強くなれるんだよぉ!!!」
私は、一瞬だけ天使が見えた。
「あー、どうしよう。こういう時こそチルノ様に手伝ってもらおうっと!!!」
急いで、チルノの部屋に駆けつける。
「チルノ様!私の5分間無敵と未来予知の能力、どうやって強くすれば良いのですか?」
「はぁ?知らないよ!!!だいたいね、そんなことあたいよりあんたの方が知ってるでしょ?あんた、本当に⑨ね!」
「え、それは---。」
「あたいのこと好きなのは分かったし、別にそんなのはどうでもいいんだけど、全部あたいに頼るのは止めてね!」
「ど、どうでもいい---。まあ、確かに、そりゃそうですね。」
「わかったら、さっさとあんたの部屋で能力あげるコツを考えなさい!」
「了解です。邪魔して申し訳ないです---。」
「---良いの良いの。」
私は、私の能力の鍛え方を考えた。が、やはり何も思い浮かばなかった。
「あーあ、これじゃあ、あの黄色い魔法使い、名前、なんだっけ?に勝てないじゃん!!!」
黄色い魔法使い、霧雨魔理沙。彼女の強さは一体---そして、私はチルノを守ることが出来るのか!? 終
次回から第4章です!第4章は、想像つきますねw。そう、私vsチルノ---ではなく、私vs霧雨魔理沙とその仲間(たち)です!!!お楽しみに!!!
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第4章---攻めてきた霧雨魔理沙とその仲間、博麗霊夢!届け!俺らの力!
第15話→遂に登場霧雨魔理沙!?光れ!マスタースパーク!!!
「私の能力ってなんなんだろう。」
チルノは、自分の能力について考える。
「俺の能力はなんだ?」
私も、自分の能力について考え直す。共にゆっくり考えているが、そんなときに、悪魔(?)がやって来る。
「よっしゃあ!私が氷の妖精チルノを捕まえて、霊夢を驚かせてやる!!!ハハッ!!!」
彼女こそが霧雨魔理沙。普通の魔法使いである。
「とはいえ、もう10日位探してるが、どこにいるんだ?」
とりあえず適当に探すのは、普通の人がやる行動だ。その頃、私は---。
「では、体調も完全に治りましたので、見回りいってきます!!!」
「うん、気を付けてねー。」
「もちろんです!!!」
体調が元に戻った私は、少しの間見回りに行くようだ。
「それにしても、この辺りうろちょろしてる者は、あの魔法使い、霧雨魔理沙か。彼女位だし、もうちょい発展してる場所はないのかな~。」
私はとりあえず勝負がしたかった。
「はぁーあ、今日も0--。誰もいないって辛いなー。」
そこにいたのは、チルノ狩りをしている魔理沙だった。
「なんだ?お前、みかけない顔だな。」
「私は筍、チルノ様の世話役として、この場所をうろうろしてます。」
「へぇー、じゃあ、あんたとは敵関係かー。」
「そうなりますねー。」
「じゃあさ、私が勝負に勝ったら、チルノのとこまで案内させてよ!」
「チルノ様の場所?ここから20メートル位したらありますよ---逆に、気が付かなかったのですか?」
「へぇ、じゃあ、チルノ呼んできて。」
「何をするつもりです?」
「当然!捕まえて---。」
「捕まえて?」
「んー。」
「まあ、チルノ様に意地悪するのであれば、即倒さなくてはなりませんね。ちょうど勝負したかったとこですし。」
「じゃあ、遠慮なく行くぜ!!!」
魔理沙は、ホウキを使って一気に飛ぶ。
「さてと、今回はどんな未来予知で行こうかなー?」
私は、相手によって未来予知の内容を変えていくことにしている。そうしないと、いつかはパターンが分かってしまうからだ。
「未来予知、10分後から1分間、霧雨魔理沙は動けなくなり、飛べなくなる!」
10分間耐えたら、魔理沙は1分間何も抵抗することなく、飛べないまま私の攻撃をくらうことになる。
「未来予知か?まあ、そんな10分後とか言うなら、9分以内、いや、5分以内で倒してやるからな!!!」
魔理沙は余裕の表情だ。なぜなら、まだ私の2つめの能力を知らないからである。
「へぇー、後悔してもしりませんよ?後で負けましたって言わせてやりますから。」
私も抵抗する。
「もういいや、マスタースパーク!!!」
「うわぁっと!危ない危ない。」
魔理沙のマスタースパークをギリギリのところでかわす。
「まだだ!!」
魔理沙は諦めず更に攻撃する。だが、ギリギリまで私は能力を使わなかった。
「こんなんじゃかすりそうにもないですねー。」
「くそー!だったら魔法で!」
「普通の魔法使いだし、普通の魔法しか出せないのでは?」
その予想は見事に当たっていた。
「さーてとっ!開始から3分経過!後7分ですよ?どうするんですかー?」
「あんた、まだ切り札持ってるでしょ?なんとなくそんな顔してるもん。」
「ほう、大正解!では、2つめの能力、使わせて頂きます。」
その頃、何か外がうるさいと思って、様子を見ようとしているチルノは。
「なんかうるさいなー。あいつー。外でなに遊んでるんだ?」
チルノは、その勝負を見た。
「げ!?まさかの勝負?しかも、魔理沙と?いや、無理だって!あたいが知ってるなかでは、この幻想郷内で上位30位には入る位強いんだもん!」
チルノが出ていることに気付かない私と魔理沙。
「さっきから逃げてばかりだとつまんないなー。もっと攻撃してこなきゃ楽しめねーよ!」
「はいはい、では、行きますよ!最強モード!!!」
「最強モード?なにその弱そうな名前!こんなくだらない名前に負けるわけが---あれ?あいつ、どこに行った?」
魔理沙は、一瞬にして私を見失った。実は、私は透明化してみたのである。
「後ろだよ!」
「なに!?」
「火炎玉!!!」
「うわぁぁあ!!!」
私の火炎玉が、魔理沙に直撃する。
「いてて---お前、何でそんな能力を隠しておいたんだ?」
「切り札は隠すもの。分身!からの一斉攻撃!」
どんどん魔理沙にダメージを与えていく。それをチルノは見ていた。
「え?ちょっと、彼めっちゃ強いじゃん!!!あのときあたいの世話役になってもらって正解だった!!」
チルノは、ゆっくり隠れて、勝負を見ていた。
「さて、まだ私の能力、使いはじめて1分ちょいですねー。」
「くっ、これが、後4分近く続くのかよ---。」
魔理沙は既に戦闘不能状態である。
「ぐふっ、もう、だめだ---。」
「はぁ?まだ始めて5分しか経過してませんよ?」
「いや、あの攻撃で耐える方が逆にすごい。」
チルノは、心の中で思う。既に戦闘不能の魔理沙をどうするか考えていた。
「うーん、博麗神社にでもおいてこようかな?」
いずれ、この判断が、最後に霊夢との勝負をするきっかけの出来事である。
「ええっと、確かこっちの方角だっけ?能力切れる前に戻ろう!」
私は、2分程で魔理沙を博麗神社において帰ってきた。
「イヤー、ただいま!おっと、ちょうど能力切れた。」
「ね、ねぇ、あの技、強すぎない?あたいが知ってるなかでは、おそらくベスト10に入るくらいの強さだよ!」
「そうですか?まあ、使い方誤ると酷い目にあいますがね。次の日辺りに---。」
「まあ、気を付けたら大丈夫なんでしょ?」
「はい。」
「じゃあ、あたいは算数やって来るからー、さっきの魔法使い、霧雨魔理沙の様子をこっそり見てきてくれるー?」
「了解です。」
私は、とりあえず魔理沙の様子を見に行くことにした。
「ええっと、博麗神社~博麗神社ぁ~!、あ、ここだここだ。」
とりあえず、中の様子を覗くことにした---が、何か嫌な予感がしたため、外から声だけでも聞くことにした。
「あーもう、なんであんな奴に倒されなきゃいけないんだよ!!!霊夢ー、俺の代わりにあのスーパー強い人間倒してよー。」
「ええ?なんでわざわざそんなことしなきゃいけないの?面倒だから正直やりたくないんだけどさー。」
「だって~、氷の妖精捕まえて、この大雪を元に戻して欲しいんだもーん!」
「あんたさー、いい加減に学習したら?これがあの妖精チルノの仕業だと思うの?」
「うん!」
「はぁー。もう、しょうがないなー。」
「やってくれるの?」
「確認とるだけね!」
「倒してよー。確認とかじゃなくて---。」
「君がチルノだとして、何もしてないのにいきなり攻撃されたら、絶対嫌だと思うでしょ?」
「やだやだやだやだやだやーだ!!!倒すー!!!」
「あっそ、なら自分で倒せば?」
「だから、あのスーパー強い奴を倒してくれなきゃチルノを倒せないの!」
「はいはい、わかったよ、もう。そのスーパー強い奴を倒せばいいんでしょ?」
「うん!」
「あー、だけどこれから3日間は忙しくてそっちに手が回せそうにないから、5日後辺りでいい?」
「おっけー!後、場所教えるよ!」
「はいはい、あーもう!なんでこうなるのかなー!」
霊夢はキレかけてるが、恐ろしいのは、それを聞いていた私だった。
「まずい!かなりおまずい!!!」
私は、すぐにチルノの部屋に戻ろうとした。 終
次回もお楽しみに!(ネタ切れなう)
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第16話→まずい!霊夢がやって来るぞ!2人で緊急会議!のはずが---。
「まずい!早くチルノ様に伝えなくては!」
霊夢がやって来る。5日後に攻めてくる。それをチルノに伝えなかったら、多分チルノはただじゃ済まないだろう。
「チ---チルノ様!!!」
「どうしたの?そんな急いで。」
「大変です!博麗霊夢、彼女が5日後に攻めてきます!」
「えええ?まずくない?」
「私も彼女の強さは分かりませんが、おそらく普通の魔法使いとは比べ物にならない気がします。」
「そりゃそうだよ。」
「私が勝てるかは分からないですが、5日後、チルノ様だけでも逃げてくださいね。」
「あたいが逃げる?」
「そうしないと、命に関わりますから---。」
「あたいは逃げないよ。あんたがやられたら、あたいも同じでいいや---。」
「チルノ、様。」
「分かった?なら、5日後の為に休みな。」
「---。」
もう、何も言えなかった。
「チルノ様、せめてこれだけは言わせてください。」
「なに?」
「自分の命を、大切に。」
「なによ、その名言。とっくに大事にしてるよ、友達の大妖精にまた会いたいから---。」
「そうですか、なら良かったです。では、5日後は---最悪の場合は自分だけでも生き残るという思いを忘れずにですよ。」
「---うん。」
5日後、どうなるかは分からない為、チルノに生き残って欲しいことだけは伝えた。
「もし逃げるとしたら、誰も分からないような場所か、あなたの友達、大妖精という方のいる場所が良いでしょう。」
「あたい、戦いたい。」
「え?」
チルノは、いきなり勝負発言をした。
「あたい、霊夢と戦いたい。逃げて捕まるなんて、まっぴらごめんだ!そんなのよりかは、戦って捕まりたい!か
「まあ、そこまで戦いたいなら、それはあなたの自由です。」
「本当にいいの?」
「ええ。私が決めることではありませんし、もしもの事があったら、私が守ります。」
「ありがとう!」
「まあ、もし魔理沙➕霊夢で攻めてきたら、2対1は不利ですし、今までの努力の成果を出すのもいいでしょう!」
「じゃあ、あたいたちが勝ったら、幻想郷の支配でもしようよ!」
「勝ち前提で話すのですか---、チルノ様らしいですね。」
「やりたいことをやる、それがあたいだからね!」
「あー、そっちも格好つけて!」
「えへへ!まあ、そんなのどうでもいいじゃん!」
「それもそうですがね、まあ、私は5日間の間に、今日の勝負の疲労を治さなきゃいけませんし、休んできまーす!」
「おっけー、おやすみー!」
「はぁ、まともな食事にありつけない---。」
私は、しっかりと休んだ。
「疲れた。この能力、すぐ疲れるのやめてほしいなー。あ!すぐに疲れないようにする努力をすればいいんだ!」
自分の能力を鍛える方法を見つけたのである。それは、突然響く雷のように、突然頭に浮かんできた。一方で、算数の宿題をやってるチルノは。
「あれ?足し算ってどうするんだっけ?」
⑨の為、一瞬で足し算のやり方を忘れた。
「まあ、いっか!」
適当に宿題を進めるチルノが、そこにはいたのだった。博麗神社では。
「スーパ強い奴って誰だし---まあ、流石に私より強かったら、魔理沙にも手伝ってもらわなきゃ。」
霊夢は、一人で睡眠モードに入る。
「ふわぁ、魔理沙が負けるくらいだし、そこまで弱くはないかー。」
まだ霊夢は私のことを知らない。それだからこそ、勝負は燃えるものである。
「さーてと、5日後、久々の異変解決しないとなー!アハハ!意外と楽しみ!頑張ろっと!」
霊夢も、やる気満々だ。
翌日
「はぁーあ、やっぱり筋肉痛が---。」
予想通りの筋肉痛だった。
「おはよー、やっぱり筋肉痛なのね。」
「はい、もう、この筋肉痛最悪です。」
「まあ、そうだよねー、霊夢はあたいらのこと、敵だと思ってる気がするけど、きっと魔理沙のせいなんだろうなー。」
「そうなんですかねー、私は何も言えませんが、もしかしたらそうなのかもしれません。」
「はぁ、大変大変。」
「もし負けたら、私はどうなってしまうのか---?」
「おそらくあたいは殺されて、あんたは霊夢に退治されるだろうね。」
「そんなー、嫌だ---。」
「嫌なら勝つだけの話よ。勝てば何でも出来ることになるからね!」
「ですね!」
「さて、今日中に体力回復させて、明日からあたいが知ってる霊夢の事、すべて話すわ。」
「よろしくお願いします。」
そうして、霊夢に勝つために対策を練り始めた。が、霊夢の必殺、夢想封印は即死級である。
「チルノ様、霊夢と勝負するまで算数はお休みにします。霊夢の対策、しっかり考えるのを宿題にします。」
「分かった。」
チルノの命は、自分が守らなくてはいけない。ドキドキしながら、4日後を迎えようとしているのであった。
「4日後---か。私がここに来て12日目で、大きな勝負をするのか---。霊夢って奴、私をどうするのかな---。」
チルノとは違い、私は負けたときの事も考えているのだ。
「まあ、勝てば勝ち組か---。フフフ、4日後が楽しみだなー!」
筍妄想始まり!
「勝ったらなんて命令しようかな!?チルノの見回り役でも勤めてもらおうかな!?いや、もっと厳しいやつがいいなぁ!そうだ!!!博麗神社終了のお知らせとか!!!フフフ、ハハハハハハハ!!!面白そうではないかぁ!!!」
とうとう私は壊れたのである。
「そうと決まれば、きっと霊夢って奴は悲しくなって倒れるだろうな!!!アハハハハハハ!!!!!妄想が止まらねぇ!!!!!」
「ちょっと、うるさい!!」
チルノが怒ってやってきた。
「ああ、失礼しました。」
「まったくー、主人を怒らせるなんて!!!」
「いえ!そんなことは---。」
「次やったらどうなるかわかるよね?」
「うわぁ!失礼しました!申し訳ありませんでした!失礼します!」
筍妄想終了!短き妄想だったのである。
「いてて、筋肉痛が---うっ。」
なぜか筋肉痛が治らない。
「あ、こういうときは---。」
私は、何か策を考えた。
「だったらさ?あれをすれば良いんだよ!」
まず、私は筋肉痛を治すため、ある行動をとった。
「よし、これでっと!」
私は、一歩も動けないように、体を固定した。
「うん!これで体に負担がかからないね!」
変な策だったが、意外と効果はあるかもしれなかった。
「そうそう、自分の技の名前、2つともなんか格好いい奴考えなきゃ。ええっと、チルノのアイシクルフォールは、氷符「アイシクルフォール」だったっけ?」
何かいい名前はないだろうか---。
「そもそも、自分の能力って、1つめが未来予知でしょ、2つめが5分最強能力でしょ、絶対ダサい名前になりそうだなー。」
何もわからなくなってきた。
「あああああああああ!!!分からねぇぇえぇええ!!!」
「ねぇねぇ、覚悟は出来てる?2分前に確かこういったよね?」
「え?いや、これはまぁ。」
「次やったらどうなるかわかるよね?って。」
「そ、それは。」
「氷符、アイシクルフォール!!!」
「やっぱり格好いい名前だなー。って寒いよぉ!筋肉痛の人にそりゃないって!!!ぐふっ。」
いつも通り、元気なチルノだった。めでたしめでたし!
「いや、良くないから!この物語の作者さん!早くこのアイシクルフォール止めてくれません!?」
はいはい、止めますよ!
「はぁ、あんたも少しは妖精の事も考えなさいね。」
「すいませんでした。」
うん!これで一件落着!なのかな? 終
次回もお楽しみに!!!早く編集しなくてはにゃ!
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第17話→必殺技の名前を決めて---開戦!運命のタッグバトル!!!
「お、ようやく筋肉痛治った!」
「あんたねー、遅すぎない?後2日だよ!」
「後2日かー。あ、そういえば---。」
「なんなの?またあたいをからかうつもり?」
「いや、そんなわけではなくて、今日、幻想郷に来てから10日目ですよ!」
「あ、そういえばそうだ。10日たったねー。」
「イヤー、色々ありました。今は、博麗霊夢、霧雨魔理沙、そしてチルノ様にしか会ってないですが、このあとはどうなるでしょうかね?」
「それは自分の目で確かめること!」
「はーい!」
「あんたの能力、なんて名前なの?」
「あ、それ、ずっと考えていたんですよー。」
「なになに?」
「ええっとですね、実は---。」
私は、しばらくの間考えて決めた、2つの名前を発表した。
「まず、未来予知の方から行きますと、始符「ホワイトスタート」そして5分間のやつが、終符「グランドファイアインフェルノ」です!」
「ネ、ネ、ネーミングセンス低すぎワロタw」
「な、なんですか!?」
「あ、ごめんごめん。」
チルノは、若干喧嘩を売っていた---が、そんなことを気にする余裕はなかった。
「さあ、チルノ様、行きましょう、アイシクルフォールの練習です!」
「はーい!」
2人でゆっくり練習を始めた。
「ふぅ、ふぅ、あたい、意外と強くなってきたかも!」
「そうかもしれませんね!」
そうして、2人で霊夢との勝負に向けて練習していった。そして、遂にそのときは来た---!
「さあ、霊夢がいつくるかわからない状態ですよ!チルノ様、覚悟を決めましょう。」
「覚悟!?ふん!あたいなんか既に覚悟は決めてるよ!霊夢なんか、一瞬で倒して見せる!」
「あ、来ましたよ。霊夢だけではなく、魔理沙も一緒ですねー。」
遂に、目の前に現れた。
「ねぇ、魔理沙、あいつがチルノの世話役なの?」
「ああ、かなり手強いぜ!」
「そりゃ、あんたぼこぼこにされて、最終的には神社の前まで持ってこられたからね。」
「あはは---まあ、勝負しなきゃ気がすまないんだよ!」
そこで、一応聞いてみた。
「一応確認、あんたが霊夢、そして隣の黄色いのが魔理沙でいいよね?」
「黄色いのってなんだよ!」
「ええ、そうね。ちょうどいい、2対2でどう?」
「最初からそのつもりでしたよ---!博麗の巫女!」
「はぁーあ、こりゃ大変そうだなー。うん、まあ、いっか。行くよ、魔理沙!!!」
「オッケー!」
私とチルノ側も。
「では、チルノ様、チェックメイトさせましょう。」
「いくよー!!!」
「さぁて、始符、ホワイトスタート!10分後、私とチルノの能力が1分間だけ10倍になる!!!」
「なぁに、10分後!?そんなこと言ってるなら5分で終わらせてやる!マスタースパーク!!!」
チルノに向かってマスタースパークを打つ。
「わぁ!」
ギリギリの所で避けるチルノ。
「なんだか2対2って大変そうだなー。」
霊夢も空を飛ぶ。
「皆空飛んじゃった---。さて、じゃあ自分も。終符、グランドファイアインフェルノ!!!」
「あれ?やっぱり空飛べるよねー。」
霊夢のめんどくさがりな性格がここで出た。
「うらうらうらー、必殺、アイシクルフォール!!!」
「はぁー、夏だったらこれ気持ちいいのに、冬だったら---って冷たすぎ!!!」
練習の成果か、アイシクルフォールの威力は上がっていた。
「魔理沙、挟み撃ちだ。チルノの後ろに回って!!!」
「いけないですねー!そうはさせないよ!」
私も、チルノを守るために本気で向かう。
「瞬間移動、からの魔理沙に攻撃っ!」
「何---?うわぁ!---ぐふっ!」
魔理沙は直撃して、大ダメージをくらう。
「アハハハハハ!!!こんなものなの?もうちょい楽しませてよ!!!」
「よ、よくも魔理沙を---!」
霊夢は激おこ状態になる。
「影分身---。」
分身を影に隠れさせる。
「ふっ!」
霊夢がチルノの目の前に立つ。
「ぎやぁ!」
「はぁぁぁぁあ!!!」
霊夢の一撃が、チルノに入り、チルノノックアウト!!!
「にゃ!?」
「よし、これで1対1。」
「くっ---。」
そこで、私は同時にたくさんの技を使う。
「雷、火炎玉、波動砲、分身からの攻撃!!!」
一気に攻める。何故なら、あと1分で5分間の能力が切れるからだ。
「行けぇぇぇええええ!!!!」
大きな音と共に、霊夢に技が直撃した---ように見えた。
「危な!気付くのが遅かったら確実に終わってたー。」
「まずい。残り時間が後20秒。最後の切り札にかけるしかない!」
実は、霊夢対策で、残りが0になるギリギリのところの技を考えていた。
「行くよっ!闇色ドラゴン召喚!」
そう、黒く染まった竜を召喚することだった。この竜は、チルノを0.01秒で倒すほどの強さを持つ。
「へぇー。竜を召喚か---。」
ここで、5分間の能力が切れた。とうとう飛べなくなり、竜対霊夢の勝負となる。
「ドラゴン!光を消して!」
竜は光、つまり太陽を消して、夜の世界にした。
「あんた---幻想郷をおかしくしないでくれる!?」
「このドラゴンは、光が少ないほど強くなるからね!」
「くっ---。」
「行け、ドラゴン!相手を攻撃だっ!!!」
霊夢にダメージが蓄積される。
「フフフ、後2分で能力10倍!今のうちにチルノの様子でも見てこよう。」
チルノの様子を見に行くところに、霊夢が目の前に襲いかかる。
「あんたを倒せばあの竜も消える!もしそうなら、あんたを先に倒す!」
「鋭い勘だね---でも、あの竜が自然にこっちにやって来て、あんたを攻撃しにいくから---!」
「それはどうかな?」
「え?」
「あんたはさ、あの竜に頼りすぎ!」
「どういうことなのかな---?」
「後ろを見てよ!」
振り返ってみると、闇色ドラゴンが倒れていた。
「うわぁ、マジかよ---。」
このとき、能力10倍まで残り5秒。勿論、霊夢はその事を忘れていた。
「さあ、終わりだね!」
「終わり?ねぇねぇ、ホワイトスタート、忘れてない?」
「あ、そういえば---。」
「解放!!!」
なんとか10分間持ちこたえた。
「さぁて、まずはどうしようかなー!とりあえず、ジャンプ!からの貯めておいた分身を出撃!」
「分身?そんなのに頼るんじゃないよ!」
「勿論、この分身も能力10倍だよ!」
「ええ。」
一瞬にして分身達で霊夢を取り囲む。
「行けぇぇぇ!分身達よ、一斉攻撃で倒してしまえ!」
「やぁぁあ!」
分身達が、一気に霊夢に攻撃、今回は逃げられる場所がなくて、攻撃を受ける。
「ぐふっ!なんだ、攻撃力が上がりまくってる---。まずい、これをくらい続けたら---。」
「さぁて、私もフィナーレで行きますかね!」
「やぁぁぁあ!!!」
霊夢は、遂に倒れた。
「よっしゃぁぁぁあ!!!勝ったぁぁぁぁ!!!」
「よっしゃぁぁぁあ!!!勝ったぁぁぁぁ!!!って、なんのこと?ふざけないで!!!私も分身なら出せるから!!!」
「にゅや?」
1分間経ってしまった。
「ふっ---。覚悟して!夢想封印!!!!!」
「うわぁ!マジかよ!!!」
霊夢の夢想封印が炸裂!のはずが---。
「夢想封印、吸収。」
私は、夢想封印を吸収した。
「キラーモード、オン。」
このとき、私は意識がなかった。この先どうなるかも、何も分からなかった。 終
キラーモード。これは一体なんなのか---。次回もお楽しみに!!!
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第18話→終戦!タッグバトル!キラーモードの正体とは???
「キラーモード、オン。」
夢想封印を吸収した。
「夢想封印発射!マスタースパーク発射!アイシクルフォール発射!」
「な、何!?」
私は、訳のわからないことになってきた。勿論意識がないため、完全に操り人形になっている。
「ちょ、こんなのあり!?」
霊夢が困る。そこにちょうど夢想封印が直撃する。
「ぐはっ!」
さらに、マスタースパーク、アイシクルフォールと次々刺さっていく。
「ぐはっふっ---。」
霊夢は、一瞬にして倒れる。そのあと、自分も一瞬にして倒れる。
-----。-------。---------。
「ん、ここは、どこだ?」
気づいた場所は、博麗神社だった。
「あれ?ここは、博麗神社?」
「あー、起きた起きた。」
「あ、霊夢---。これは一体?」
「あんた、覚えてないの?キラーモードとか言ってたけど。」
「キラーモード?なんでしょうか---?」
「記憶にないのか---。まあ、簡単に説明すると、あんたが見たたことある必殺技、全てを同時に出したのよ。」
「全てを、同時に---。」
そこに、チルノがやって来た。
「あ、無事なの?ねぇ、大丈夫?」
「ええ、大丈夫ですよ、チルノ様!」
「良かったー。」
「チルノ、キラーモードって知ってる?」
「え?---しらない。なにその強そうな名前の技。」
「それがね、彼がキラーモードとか言って、アイシクルフォール、夢想封印、マスタースパークを同時に出したんだよ。」
「なにそれー、不思議だね---。」
「これはただならぬ感じがして、で、そのあと私は倒れたの。」
「ということは、あたい達勝ったの?」
「そのあと、彼も倒れたの。」
「ということは---?」
「引き分け---ね。」
「なーんだ。まあ、そりゃ、しょうがないなー。」
「彼の力はおそらく使いこなせば私よりも強くなるわ。きっと。」
「でしょ?ただならぬ雰囲気がするんだよ!それを最初にあたいがやっつけたんだよ!」
「まあ、彼も能力を使いなれてなかったんだろうな---。」
「だから、それで世話役をしろって強制的に言ったら、してもらえることになったの!」
「いや、強制的に言ったらまあ普通はするでしょ---。」
「そうなの?」
「決まってんじゃん。まあ、かなり強い味方だし、今度から時々私の手伝いもしてもらおうかしら---。」
「だーめ!彼は私の世話役だから!」
「まあ、そうなるよね---彼が元気になったら聞いてみようかな?」
「キラーモードってなんだろうね---。」
「医者の永琳なら知ってるかも。でも、あっちもあっちでいっか異変起こしそうな感じしてるし---はぁ。」
「そんなときは、彼に任せりゃ良いんじゃない?あたいもキラーモード知りたいし、時々なら貸してもいいよ。」
「ああ、ありがとう。じゃあ、これから町の見回りしなきゃ行けないから、この辺で。」
「はーい!」
「彼は、しばらくそこで休ませていいよ。」
「あ、どうも---。」
「4時間前、キラーモード。一応日付と時間とその時の状態、書いておこう---。」
それから少し経って自分が元気になったのは、さらに2時間してからだった。
「はぁ、もう、大丈夫かな?」
「うわぁぁぁぁぁあ!!!」
「チルノがいきなり走ってやってきた。」
「ごめんなさい、私のせいでこんなに酷い目にあわせちゃって---。もう、世話役やりたくないよね?」
「元気になってから一番最初にそれを言います?」
「嫌だっだら、止めてもいいんだよ---あたいのせいでこんなに辛い目にあわせたくないから---。」
「はぁ、何を言うんですか?私があなたを守る約束、忘れたんですか?」
「え、いや、それは---。」
「もう、それに、私は彼女の夢想封印くらったって死にはしませんよ!」
「本当に?」
「はい、それに、チルノ様、あなたを捨ててしまったら、この先何をすればいいか分かりませんですからね。」
「---。」
チルノは、何も言えなかった。
「それにしても、キラーモード、私が出したみたいなのに、誰もその正体を知らない。困りましたねー。」
「まあ、またいつか、ゆっくり解決していこうよ!」
「そうですね、では、元気になったことですし、いつまでも博麗神社にいるのは迷惑ですから、帰りますか。」
「帰りますかっていっても、今、夜だよ。お化けが出るよ~。」
「ひっ!」
「あ、あんたの弱点発見!お化けに弱いんだ!」
「アハハハハハ、バレちゃいましたか。」
「はぁ、お化けが苦手な人、久々に見たよ。」
「あ、すみません。」
「早く友達の大妖精ちゃんに会いたいなー。」
「私がそこまで連れていきましょうか?」
「それがどこにいるか分からないし---。」
「なるほど。流石にそれだと辛いですねー。」
「平和な町だったらなー。」
「平和な町を管理するのが霊夢、彼女の仕事ですから---何かあったら彼女に頼んでみては?」
そこに、魔理沙がやって来た。ドタバタ走ってきた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ---チルノはいるか!?」
「え?」
「おい!チルノ!!!」
「うわぁ!助けてー!」
「チルノ様に何かしたら私が止めます!」
「は?何言ってるの?謝りに来ただけだよ---。悪かったな、チルノ。」
「あたいこそー。」
「ふぅ、良かったー。今勝負したら、博麗神社ぶっ壊れるところだったー。」
「では、明日の朝を待ちますかね---。」
「お化けが出るからねー。」
「もう、その冗談やめてくださいよー。」
「幻想郷でお化けが出るって意外と本当だよ?」
「あっ---。お前、お化けが苦手なのか---。」
「げっ、チルノだけでなく魔理沙にもバレた---。」
「あ~あ、世話役がこんなんなんて---。」
「まあまあ、お化けなんて出たら倒すのがモットーですね!」
「そうかなー。」
しばらく話していたら、いつのまにか全員その場で寝てしまった。
翌日
「んっんー。」
「おはようございます。チルノ様、と、魔理沙。」
「おはよー。」
「さて、そろそろチルノ様、あなたの居場所に戻りますかねー。」
「もうお化けは出ないからねー。」
「アハハ、では、私はこの辺で。」
最後に霊夢に声をかけた。
「それでは、私たちはこの辺りで帰らさせて頂きます。」
「あー。気を付けてねー。」
「それと、色々とありがとうございました!」
「あー、うん。こっちも。それとキラーモードについて情報があったら、教えとくからよろしくー。」
「ありがとうございます。」
「ねぇねぇ、早く行こうよー。」
「あー、了解です。」
「では、またお会いするときがありましたら、よろしくお願いします。」
「うん。」
こうして、私とチルノは、チルノの部屋に戻ったのである。が、その途中に。
「ねぇねぇ、暇だし競争しようよー。」
「お、良いですよ。」
「じゃあ、用意、スタート!」
チルノと私のかけっこレースが行われ、私が3分差でさきについた。
「ううっ。早いよー。」
「アハハ、失礼失礼。」
「ふぅ、まあ、一件落着かな?」
「はい。」
次にどんな異変が起こるかは分からない。が、私は行く。どんなことがあっても。チルノ様を守るために! 終
いよいよ次回第5章!あっという間ですねー(^o^)/お楽しみにですよ!
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第5章---冥界合戦!!西行妖の悲劇!?
第19話→白き絨毯!儚き異変は本当なのか---!?
「さて、今日も見回り行ってきまーす!」
私はタケノコ。現在は幻想郷でチルノ様の世話をすることになっている。
「うん。いってらっしゃーい!」
そして、彼女がチルノ。小さな妖精で、友達の大妖精ともはぐれ、今は代わりに私が手助けしているところだ。
「もう、いつ異変が来てもおかしくないや---。」
彼女は、博麗神社の経営者であり、幻想郷の異変解決をしている博麗霊夢。それと、
「そうだなー。まあ、個人的には異変が起きた方が楽しいんだけどな!」
彼女が霧雨魔理沙。博麗霊夢の幼なじみである。今まで、私は幻想郷でこれだけの人や妖精に出会った。
「それはともかく、まだ幻想郷のほんの一部しか知らないのは痛いんだよなー。」
そこで私は考えた。
「幻想郷ってどんなところか、少しくらい見回ってみよう。」
そう、探検である。その事をチルノに伝えた。
「今探検するの?今は危ないよー。だいたいあんたは自分の能力を信じすぎ!気を付けて。」
「あ、はい。申し訳ないです---。」
「それにしても、最近雪が多いなー。あたいにとっては嬉しいけど、きっと霊夢やあんたは辛いだろうなー。」
「天気が良くなりませんよね---何かの異変だったりして---?」
「いや、それはないと思うよ---。」
「そうですかね---意外と私の勘は当たると思いますよ?」
「じゃあ今あたいが一番食べたいと思ってるものは?」
「え?それは---蛙ですか?」
「誰が蛙を好んで食べるんだよ!」
「まあ、それもそうですね---。」
チルノの部屋での会話はゆっくりと進んでいく。一方、博麗神社では---。
「あー。また雪かー。こんなんじゃ外に出るのも面倒だよー。」
「そりゃそうだよなー。サボりたがりの霊夢にとって、雪は最大の言い訳の1つだからねー!」
「な、な、な、ななな!言ったわね!じゃ今から見張りしてくるよ!」
「じゃあってなんだよ---まあ、今日大雪になるかもしれないから気を付けなよ。」
「ねぇ、そういう自分はほったらかし?」
「え?」
「あんたも一緒に来るんだよ!」
「わぁぁぁあ!!!」
霊夢と魔理沙は、元気がある。氷風呂に入って、いつも疲れてる私とは違って---。
「降り裂ける 心と光 白き夢 事故起こらぬと 言えぬものかな---。」
「何かっこつけてるの?」
「雪を眺めてると、こうなりました。」
「ふぅん。」
静かな雪は、わがままに降っていく。たとえそれが後で水へと消える悲しきものだとはしても---。
「さて、私が異変を見つけて、あなたをギャフンと言わせてやります!!!」
「あっそ。まあ、無理だとは思うよ!だってたまたま雪が多いことって普通にあるからね!」
「そうですかね?」
「うん!」
もちろん、この雪地獄を異変と考えている魔理沙は---。
「へっへー!俺が一番最初にこの異変を解決してやる!」
「結局私まで連れてこられて--。別に異変だったら良いけど、これ異変じゃなかったらどうしてくれんの?」
「え?そのときはそのときだよ!」
「え?そのときは夢想封印だよ!」
「あ!真似したな!」
「真似してどこが悪いのー?」
「くーっ!どこで異変が起きているんだ!?」
「多分こっちの世界にこういう異変を起こせるのはいないと思うよ。」
「じゃあ、三途の川の先ってことか?」
「そうなるんじゃない?これが異変ならね。」
「よっしゃ!三途の川へいくぞー!」
「ねぇ、三途の川へ行くのは良いけど、方角逆だよ---。」
「え?あー!こっちか。」
「あんたねぇ、幻想郷なんにも知らない訳じゃないし、三途の川の位置くらいはわからないの?」
「忘れただけー。なんにせよ最近向かってないからねー。」
「普通は向かう場所ではないけどね。」
「うん!」
「まあ、そんなのはどーでもいいんだよ。」
「なになになになになぁに?」
「なになになになになぁにって---鬱陶しいわー。」
「だって暇じゃーん。」
そのころ、私は。
「この世界で雪を降らす奴とかいるのかなー?別の世界だったりしてさ---。」
皆の勘を表してみると---
霊夢>>タケノコ>魔理沙>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>チルノとなる。意外と私の勘も当たらないわけではない。
「もしかしたら、あっちの世界から雪を降らしてるのかも!」
そう考えた私は、そこら辺をうろちょろしていると---。
「あれ?魔理沙と霊夢だ。なんか喧嘩してるなー。」
そこにいたのは、喧嘩中の魔理沙と霊夢だった。私は、何も言わず、物陰に隠れて様子を見ていた。
「あの2人、意外と普通に喧嘩してるんだなー。」
霊夢は、私が物陰に隠れていることに気づいた。
「ねぇ、何してるの?」
「うわぁ!ビックリしたー。」
急に後ろから霊夢が声をかけて来たことに驚いた。
「気付いてたよー。」
「ふぅ、てっきり気配を消したと思いましたが、流石です。」
「なんだ?いたのか?」
魔理沙もこっちにやって来る。
「はい、雪が止まらなくて、異変かなと思いました。」
「あんたも?」
「あんたも?ってことは---同じ考えのようですね。」
「まあ、私はあいつに強制的に連れてこられたんだけど---。」
「あら、それは大変ですね。」
「本当、折角の休みだったのに、あいつのせいで全部台無しよ!」
「まあ、異変を見つけたら休みどころか、おお手柄じゃないですか!」
「そうなんだけど、魔理沙との賭けに負けるからさー。」
「か、賭けですか?」
「うん、これが異変か異変じゃないかっていう賭けで、私が異変じゃないに賭けてて、魔理沙が異変っていうね。」
「まあ、私はこれから異変が起きてるかなっていう場所に向かいますので。」
「あんたはどこだと思うの?」
「私は、この世界ではなく、別の世界だと思います。つまり、三途の川の奥にある死の世界だと考えました。」
「こっちと意見は一緒。」
「まあ、チルノ様は異変ではないという風に---。」
「私と同じね。ただ、違うのはあんたは魔理沙とは違い強制的ってことをしない。」
「変な賭けは好きではないですからね。」
「ふぅん。因みに、だいぶ先に三途の川があるわ。」
「へぇ、やっぱりあるんですね。幻想郷には色々ありそうだなという判断は正しかったですね。」
「色々あるかと言われたらないけどな。」
「魔理沙っちは黙っててください!」
「なにーーーー!!!」
「あーもう、2人とも喧嘩は良くな---。」
「お前、よくもこんなことを!!!マスタースパーク!!!」
「いきなり打つのは良くないですよ!」
そんなマスタースパークを、軽々避けていった。
「あーもう!まだまだー!!!」
「ねぇ、魔理沙。私があんたのこと吹っ飛ばしていい?」
「お前まで!こうなったら2人まとめて倒して、更には霊夢には異変だったよって言って赤面かかせてやってやる!!!」
「霊夢さん、彼女はいつもあんな感じなんですか?」
「あの顔にももう慣れたものよ。」
「あー、なるほど。いつもはどうしてます?」
「吹っ飛ばす。」
「そのまんまー。」
「夢想封印!」
「うわぁぁぁあ!!!」
「---。俺、多分普通の状態であれくらったらあの世行きだな---。」
霊夢が魔理沙を吹っ飛ばしたところで、霊夢の強さを改めて知る私。三途の川までの道は、まだまだ続くのであった。 終
次回で第20話です!イヤー、長いようで短いですねー。では、次回もお楽しみにぃぃ!!!
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第20話→冥界へ進む我等。そこに見えしは光無き世界!
ドン!!!
魔理沙は、いつものように夢想封印で倒れた。霊夢は、1850の経験値を奪われた!
「はぁ?この文の作者さん。第20話記念とはいえ今のは許さないからね?」
「まあまあ、それよりフツーの魔法使いの心配しましょ?ね?」
「まあ、そうだけど。」
「いてててて---くぅぅ。なんで俺は霊夢に勝てないんだ!!!」
「あんた、まだまだだね!」
「はいはい、喧嘩してる暇あったら三途の川の方まで行きましょ!」
「お、ナイスアイデア!」
「ごめん!後1分待ってくれない?」
「あ、はい。」
「ねえ魔理沙。あなた何か私に言うことはないかなぁ?」
「え?なんのことかな?」
「ふぅん。そんなこと言うなら私は神社まで帰るわよ!」
「勝手にしなよ!」
「だから喧嘩しないでくださいな!」
「あんたは黙ってて!!」
2人が同時に言う。
「そんなに俺にやられたいなら、勝負してやっても良いけど???」
「---。はぁ、悪かったわね。」
「冗談ですよ!流石にここで勝負したら、この先で何もできませんからね。」
「まあ、キラーモードってやつ、あれ強すぎだからね。」
「私もわからないですがね。」
「さあ、三途の川目指して行こう!」
「喧嘩終わったらこの顔。まあ、ゆっくり行きましょうかね。」
霊夢と私、それに傷ついた魔理沙は、三途の川の方へ向かった。
「そういえば、あんた、チルノの世話は大丈夫なの?」
「あー、安心してくださいな。分身をおいてありますんで。私が操ってますんで、いつでも彼女が何してるかはわかりますよ。」
「それなら安心ね。分身を隠しておくのね。」
「いつも必ず。因みに予備で3体います。」
「それならあいつも安心できるね。」
「いつでも彼女は守らないといけないので。」
その頃、チルノは---
「はぁーあ、アイス食べたーい!」
その伝達は私に届くようになっている。
「お、彼女、アイスが食べたいみたいですね。帰り際にでも買っておきましょう。」
「便利ねー。」
「なあなあ、三途の川ってあっちじゃないの?」
「魔理沙、あんた本当方向オンチね。オンチ過ぎて悲しくなるわ。」
「方向オンチで悪かったなー。」
「---。2人とも、大丈夫かな?」
心配しながら一歩ずつ歩いていった。
「おお、彼女も退屈みたいですね。ちょい連れてきますかね。」
「今からチルノを連れて来るの?」
「分身は、私が作ったときと同じ能力なのです。5分間最強の時に作っておいたので、何でも出来ます。」
「いいなー。」
「ただし、分身には弱点がありますよ。」
「なに?」
「1つめに、攻撃を1回でもくらったら消えます。2つめに、私がしばらく意識を失ってたら、そのうち消えます。」
「なるほどね。」
「けっこう分身ってのは弱点だらけですが、やられる前に必ずすることがあります。」
「何かあるの?」
「一瞬だけ時間が止まるんです。この幻想郷内全体ですよ。」
「なるほどね。」
「はい。」
「ねぇ、魔理沙。あんたのホウキ貸して!」
「ヤダー。」
「ふぅん。」
「何したいんだよ。」
「え?もちろん遊ぶ。」
「これは遊び道具じゃない!」
「お、やって来ましたね。」
「わーい!暇だったから来たよー。」
「さて、彼女も来たとこですし、三途の川に急ぎましょう。このペースなら、3日間かかっても着きそうにないですよ!」
「そうだよね。まだ博麗神社から200メートルしか進んでないし。」
「あ、本当だ。」
「はぁ、やっと気付いてくれました。」
「急ごう。」
皆で全速前進で行った。遠くにある三途の川へ。しばらくして三途の川付近まで来た。
「そろそろだよー。」
「はぁ、はぁ、全速力って疲れるー。」
「魔理沙。体力少ないなー。それだからいつまで経っても私に勝てないのよ。」
「あー!もう!悲しいよぉ!」
「チルノ様、あと少しですよ!頑張ってください!」
「あたいなら大丈夫!」
「その言葉も持ちますかね---?」
「なにー?」
「見えたわよ。ここが三途の川。でも、気を付けて!」
「え?」
「ここから先は、命あるものが入ってはいけない場所。異変が起きてなかったら、私達はどうなるか分からないわ。」
「チルノ、怖い---。」
「ここで待ってますか?」
「でも、1人だと。」
「大丈夫ですよ。分身をつけておきます。」
「本当に?」
「帰りにアイスも買ってあげましょう。」
「やったぁ?あれ?何であたいがアイス食べたいことわかるの?」
「分身から伝達が来るのですよ。」
「へぇ、もう変なことは考えられないじゃん。」
「まあ、分身がいる間はですがね。チルノ様、分身は1発攻撃を受けたら消えてしまうので、お気を付けて。」
「うん!」
「じゃあ、入るわよ!」
「よっしゃあ!絶対に異変だからな!見てろよ霊夢!」
「あたいにとってこれは異変だとは思えないけどなー。」
「さて、三途の川を飛び越えますよ!」
「よいしょ!」
「というか、私達は飛べるんだけどね。」
「ホウキ強い!」
「そのホウキを使ってでも私に負ける魔理沙がいましたね。」
「うわぁ、霊夢だけでなくお前も!」
「アハハ、それにしても、冥界は静かですね。」
「うおっ、魂が見えるよ。」
「やはり、ここが怪しい---。」
「ほーら霊夢!!!異変だったじゃーん!」
「ま、まだ異変とは限らないわよ!多分---。」
「おおっと?霊夢が追い詰められて汗かき始めたぞ!勝ったな!!!」
「くっ、異変だったら私にとってスッゲー面倒なことになるからなー。やめてほしい。」
「異変こいやぁぁあ!」
「あぁ、2人の感情は変わらないのか---。」
しばらく経って、階段が見えてきた。
「うわぁ、この階段ながっ!」
「ざっと1000はあるかもですね。」
一応ここに来るときに30000の階段を登ったが、その事はもう覚えてない。というか、記憶は消されてしまっているのである。
「さて、この上ですかね。」
「ここに何か書いてあるよ!」
「なんて?」
「白玉楼。冥界の地。」
「冥界の地---ですか。」
魔理沙が見つけた小さな看板。そこには、ここの恐ろしさが伝わるように書かれていた。
「ん?ちょっと待って?」
「え?」
「冥界の地の地って漢字が池になってるよ!」
「知らねーわ!」
「そんなこと気にせず、早く登りましょうよ。」
「そうですね---。」
皆でゆっくり階段を登っていった。
「ん?誰かいますね---。」
「君は?」
そこには、剣をもつ者が立っていた。
「私は魂魄妖夢。ここの侵入者は、排除します。」
「え?いきなり?」
「今は幽々子様の邪魔をしてはなりません。今から帰るなら、見なかったことにしますよ。」
「帰らなかったら?」
「別の意味で冥界にお世話になることでしょう。」
「つまり、殺るってことね。」
いきなり表れた魂魄妖夢。剣術を使うようだが、一体どんな技を使うのか!? 終
次回、魂魄妖夢vs霊夢達!お楽しみに!!!さぁて、小説読んだあとは、ゆっくりお茶でも飲みましょうよ(^o^)/
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第21話→白玉楼の変!西行妖が吸い込む地上の春!!!
「魂魄妖夢。あんたのことはまだ知らないけど、地上の雪地獄、直してくれない?」
「それはまだ出来ませんね。奥に大きな木が見えるでしょう?あれに花が咲くまでは---。」
「なんか企んでるわね。」
「はい、あの木は地上の春を集めたら花が咲きます。それを邪魔しに来たあなた達、逃げないようでしたら、実力で---!」
「ふぅん。でも、3vs1じゃつまらないわね、筍。あんた一人で行ける?」
「わ、私ですか?」
「さっき幽々子様とか言ってたでしょ?おそらく彼女は主犯よ。私がそっちで戦うから、10分で倒してくれない?」
「任せてください!」
「ほう、まずはあなたからですね、冥界の先へ消えなさい!!!」
「消えるのはあなたの方ですよ!」
まずは、いつもの技から始まった。
「始符、ホワイトスタート!」
「うわぁ、ネーミングセンス悲しすぎ---。」
「失礼ですねー。では、10分後、あの木が吸い込んでいる春が解放する!」
「え?何格好つけてるんすか?」
「そう思うならそう思っていてください。ウヘヘ。」
「あーもう、すぐに楽にしますから---!」
「その台詞、250%にして返します。」
「終符、グランドファイアインフェルノ!」
「え?飛んだ?」
「影分身!大鎌出現!行けっ!火炎玉!!!」
「うおっと!!!」
ギリギリのところで避ける妖夢。
「危ない危ない---後0.5秒反応が遅かったら大ダメージだった---。」
「へぇ、何玉1つ避けたくらいでゆったりしてるのかな?」
「後ろか!!」
妖夢はとっさに剣を振る。
グサッ!
「やった!」
「はぃ、外れでーす。そいつは分身だよ。」
「なにっ!?」
「お前が本物か!?」
妖夢はもう一度剣を振る。
「やーーー!!!」
「ふっ。」
私は、その剣を指1本で支える。
「お前、キラーモードとかなんとやらになる前に倒せそうだな。」
「なんだと!?」
「お前など、この大鎌を1回振ればっ!倒せるんだよぉ!!」
「う、うわぁぁぁあ!!!」
「はい、チェックメイト。」
「う---そ---だ!」
「嘘だと思ってるならもう一発、分身含めて波動砲!!!」
「あああああああああああ!!」
妖夢は、2分ほどでノックアウト。
「はい、今度こそチェックメイトだね。分身、そいつを安全なところにおいといて!」
もちろん放置はせず、安全な場所に戻すことまでやらなくてはいけないのだ。
「ふぅ、霊夢達はどうだ?」
階段を登った先にある木の前で勝負をしているみたいだった。
「流石に片付いているかな?」
少し様子を見ることにした。
「ん?ボスが見つからないのか?」
霊夢に声をかけてみる。
「どうしたんです?」
「幽々子ボスが見つからないんだよー。」
「なら私が。」
「え?」
「場所確認!幽々子!」
「なにそれ?」
「ええっと、ここから右に75度、上に80度です。高さはここから100メートルほど上ですね。」
「あらあら、バレないようにこーっそり攻撃しようと思ったのに。なーに?その技?」
「いましたね---!」
「ねぇ、地上に冬を返してほしいんだけど!」
「それは出来ないねー。あの木は地上の春を集めなきゃ花が咲かないの。でも、あと数日で花が咲きそうなのよ。」
「そんなの待てない。」
「早く返せ!早く返せ!」
「ところで、さっきからそこで早く返せ!って連呼している魔法使いみたいな奴はだあれ?」
「私のこと?私は霧雨魔理沙!普通の魔法使いさ!」
「やっぱり魔法使いね!」
「まあ、すぐに春は戻るけどな!」
「よぉし、では、行きますかね!」
「最近疲れてるから、さっさと終わらせないとなー。」
「やっぱり勝負するのね。いいわよ。」
「はぁーあ、残り1分で能力切れるとか、ならば、1分間で倒して見せましょう!」
時間がなかったら一気にせめる!それが筍流である。
「では、覚悟!」
目の赤みが増していく。赤と青の服の調和が保たれて、白玉楼に光が射す。
「え?なに?この力---。」
「霊夢、私の能力は5分で切れるんですが、もうその時間が来るんで、最後に光を灯しあなたの能力を3分間だけ2倍にしました。私の代わりに、頑張ってください。」
「そういやそうだったわね。」
ここで、能力が切れた。
「ふぅ、3分耐えたら木の成長は止まる。霊夢、あとは任せたぞ。」
ホワイトスタート。あと3分で起動。それまでの時間を潰してもらえたら、敵も総崩れとみた。
「へぇ、1人ダウンね。さっき妖夢を倒したの見たけど、彼は力尽きたのかな?」
「いや、彼の本当の目的は、妖夢を倒すことには見えないと思うなー?」
「まあ、何はともあれ、博麗の巫子。あんたとそこのおまけさんは、ここで冥界へ誘います!」
「そうはさせない!」
「なんだよ!おまけじゃないから!」
遂に本格的に勝負が始まった。
「まずはこの攻撃、避けられるかしらー?」
幽々子が攻撃する。が、最初はお手並み拝見、小さな玉をどんどん出していく感じだった。
「これは1つでもあたったらけっこう痛そうね。魔理沙!遊ばないでどんどん攻撃するんだよ!」
「えーやだやだやだやだやーだ!遊んでからじゃなきゃつまらないもーん!」
「冥界で死んだら成仏出来るのかなー?」
「成仏されないのもやーだ!」
「西行妖、大丈夫だよ。」
「へぇ、その木の名前、西行妖っていうんだ。」
「もう少しで桜が咲く!」
「私のことも忘れるなよ!マスタースパーク!!!」
「そこのネズミは黙ってなさい!!!」
「なんだと!?」
「はぁぁぁ!!」
「うわぁっ!」
「ちょっ、魔理沙!?倒れるの早すぎない!?」
「うわぁぁぁあ!!!」
その頃、チルノは---。
「ここ、怖いな---。三途の川のお水、生きてない---。」
精神的にも怖くてダメージを負っていた。
「こんな世界があったなんて、今までの楽しい生活が出来ないじゃん!!!夢にも出てきそうだし---。」
余計な心配事である。
「まぁ、今はあの3人に任せておけば大丈夫---かな?」
その3人の様子は、次のようになっている。
筍→能力使い果たしてぐったり(もう1つの作戦あり。)
魔理沙→幽々子の攻撃を受けて大ピンチ!(というか既にやられかけてる---。)
霊夢→現在唯一まともな戦力。いや、他の2人がまともじゃないだけかな---?うん、そうだ!その通りだ!!!
果たして、この続きはどうなるのか!?次回、運命の決戦です!!! 終
次回、いよいよ決戦です!!!お楽しみに!!!
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第22話→白玉楼から~かけっこで~15秒で部屋につく
「とうとうまともなのは巫子。あなただけね!あとは1人!!」
「まあ、それもそうね。魔理沙はいつものように調子のるし、彼は能力上の限界だし---。」
「さて、西行妖の為にも、あなただけはしっかりと倒さなきゃいけないの。先に謝っておくわ、ごめんなさいね。」
「何よ。堂々とごめんなさいねって。」
先に攻撃を仕掛けたのは幽々子だった。
「フフフ。逃げてばかりじゃ話にならないわよ。もっと相手を楽しませることすら出来ないのかしら?」
「冗談を言わないでくれる---?」
それを見ている魔理沙と私は---。
「あれを避けるか~。霊夢、流石だが、逃げてばかりなのかよ---!くそぉ、こっちも体が自由に動いたら---!」
「ねぇ、魔理沙。私のホワイトスタート忘れてません?」
「あ、そうか、あれ?どんなやつにしたんだっけ?」
「ええっと、後30秒位で西行妖っていうあの木の成長が止まるの。」
「マジかよ。それまで霊夢、耐えてくれ!」
チルノに至っては---。
「もう!なんでずっと帰ってこないの---。まさか、やられちゃったの?あたいも行こう!」
そういって、三途の川を飛んで飛び越えた。
「本当に大丈夫なのかな?」
黒い雲が黄色い光を出している。その光は、徐々に姿を消していくのだった。
「階段がある---。」
チルノは、階段を見つけた。更には、その階段がずっと上まで続いていることにも気付いた。
「これであたいが敵討ちして、最強になるんだ!楽しみだなー!」
チルノが見たのは、敵ではなく、魔理沙だった。
「あれ?魔理沙---生きてたの?」
「当然!」
「あ、彼も生きてたんだ。」
「あれ?なーんだ。結局来たんですか---あれだけ危ないと言いましたのに---。それに、あれだけ怖がって。」
「ごめんなさい。」
「まあ、ここに来たからには、手伝ってもらいますよ。」
「何を?」
「残り10秒で西行妖の成長が止まるので、そこで一気に相手を取り囲み倒すんです。」
「西行妖って、あの木のこと?」
「おい、霊夢が押されてるぞ---!」
「えええ?能力3倍にしたはずなんだけどなー。」
「大丈夫なのかよ---!霊夢、まさかの不調か?」
「いや、挑発してるだけっすな。」
「え?」
そこで丁度西行妖の成長が止まった。
「ちょっと?あれ?」
「西行妖。成長を止めたんで、もう逃げ場はないね。」
「霊夢、一体何をしたのよ。」
「いやいや、これしたのは彼だよ。既に妖夢との対戦の時から彼はこう言ってた。」
始符、ホワイトスタート。10分後、あの木の成長が止まる!
「はぁ。まさか、これが目的で逃げてたの?」
「じゃなかったらなんで逃げるのよ!」
「まあ、木の成長は止まっても、私はあんたらを攻撃し続けるわ。」
「無駄よ。見て、既にあんたの周りには結界しかないわ。」
「ちょ、嘘---。」
「さて、そこに隠れてる3人とも、皆で行くよ!」
「はーい!っていっても、自分この状態で使える能力ないけどね---。」
「あたいの強化したアイシクルフォール。しっかりと受けてもらうんだぁ!」
「体力的にマスタースパークなら後1回は行けるかな?」
「私は勿論夢想封印で---。」
幽々子を完全に追い詰めた。
「フッ、ちょっと油断しちゃったわ。まあ、4vs1は難しいものね。特に霊夢。」
「ねぇ、ちょ、俺の能力ないじゃん!」
「あー、あんたは見てていいや、いくよ!」
せーのの合図で一気に攻撃した。虹色に光る西行妖。地上に春を取り戻してくれるようだ。
「やったぁ!」
「ふぅ、チルノ様、なかなか良いアイシクルフォールを打ちますね。まあ、まだまだこれからどんどん強くなりましょう!」
「早くあんたの本気に勝ちたいなー。」
「いつでも勝負は承ります。が、いまなら20秒で決着着きますよ。」
「20秒?あたい、そんなに弱かったのか---。」
「そんなわけはありませんし、もしそうだったとしたら、これから強くなれば良いだけですよ!」
「そ、そうね。」
こうして、白玉楼から外へ出た。三途の川を飛び越えて、やっと死の世界から生の世界へと戻った。
「ふぅ、到着ですね。」
「やったぁ!あたい、生きて帰れた!」
「当たり前っすね。チルノ様、これからは危ないことはしないでくださいね!こっちだって大変なんですから---!」
「そりゃそうだよ!」
「---怪しき---。」
「私も怪しいって思ったわ---。」
「なあなあ霊夢、神社まで競争な!」
「え?」
「よーい、スタート!!」
「はぁ?ズルい!」
「勝ったら良いんだもんねー。楽しいなぁ!」
霊夢と魔理沙は競争をすることになったが、魔理沙はいつも通りズルをする。
「あ~あ。あの2人、白玉楼内よりも盛り上がって~。」
「ねぇねぇ、こっちも競争だよ!」
「へぇ?私もやらなきゃいけないんですか?」
「よーい、スタート!!!」
相手が小さな妖精とはいえ、賭け事には本気で挑む。それがタケノコ流だった。
「ちょっと待って!流石に本気で走るのは良くないよ!あたいにわざと負けるとかないの?」
「そんなのないですよー。」
「こっちだって本気で行かなきゃ!っていうか、本気で行かなきゃ勝てない---!本気でも分からないもん!」
チルノがそう考えてるうちに、差は縮まってきた。
「チルノ様、まず走るときのフォームが違いますね。腕は横ではなく縦にフリフリですよ。」
「縦に?こう?」
「そうです。それと足をもっと使って、1歩1歩丁寧に、真っ直ぐ走るんです!」
「あ、ちょっとスピード上がったかも!」
一瞬だけチルノは、勝てるのではないかと思った。
「さてと、そろそろ先に部屋に戻らさせて頂きますね。」
「え?」
一気に15秒でチルノの部屋の前につく。チルノはどこに行ったか気が付いてない。
「あれ?どこかに消えた?まあ、一気にゴールしちゃえ!」
3分ほど経って。
「やったぁ!ゴールだぁ!あれ?」
「お、遅かったですねー。」
「なんで?まさか、あのとき消えたのは?」
「はい、あそこから十数秒でここに着きましたよ!」
「えええ。なんかあんたに勝てる競技ないの?」
「ええっと、氷風呂耐えましょう選手権なら。」
「あ、じゃあ今からそれやろう!」
「ちょっと待ってくださいな---私だって氷には弱いんですからね---?うん。大丈夫じゃないんですよ(^_^;)」
「だったら弱点の氷を克服すればいいだけ!」
「え?まさか?」
「あたいのアイシクルフォール2時間耐えてごらんなさい!!!」
「お待ちください!」
「いぇぇあ!」
キュイーン! 終
次回から第6章!お楽しみに!
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第6章---消えた大妖精!辿り着いたのは---まさかの紅魔館だとっ!?
第23話→紅魔館拝見!吸血鬼などなんのそのー---いや、怖いです!
「はぁーあ、氷風呂最悪に冷たいんだよなー。」
「アハハ、まあ、良いじゃん!」
「良くないですよ---。」
「そういえば、大妖精ちゃん、大丈夫かな?無事かな?」
「きっと大丈夫ですよ!」
「本当に?なら良いんだけれど。」
「怖いなら、探しますか?」
「でも。---危ないよ?」
「あなたがどこかに消えたならすぐに探しに行くのと同様ですよ!」
「まあ、それはそうかな---。」
「では、行くか行かないか。」
「勿論探しに行くよ!」
「ならば、今すぐ行きましょう!」
「うん!でも、手当たりが---。」
「確かに、今まで私が会ったのはあなたを含めて5人ほど。これだと何も分からなさそうですね---。」
「霊夢に頼んでくるとか?」
「流石に毎回彼女に頼んでたら申し訳ないですよ---。」
「白玉楼は?」
「ええっと、あそこの2人は大妖精のことを知らないのでは?」
「まあ、どちらにも伝えるだけ伝えてきたら?」
「それもそうですね。」
「あたいは霊夢に頼んでくる!」
「では、私はまたもや三途の川を飛び越えるのですね。」
「あー、頑張ってー。」
「あ、はいー。でも、1人にするのは怖いのでやはり私の分身つけておきますね。」
「あー、よろしく。」
「毎度の事ながら、分身は1ダメージくらうと消えてしまいますので。」
「気を付けるよ。」
「では、早めに終わらせてきますのでお気を付けて。」
「うん!」
こうして、大妖精の行方を手分けして探すことにした。
「とはいえ、どうすれば良いんだ---?」
そもそも私は大妖精について詳しく知らない。30秒ほどで三途の川に着く。
「はぁーあ、またあの階段登るのかぁ。面倒だなー。」
1000段登る事なんて気にせず、三途の川を飛び越え、8段飛ばしで一気に登った。
「よいしょっと。到着ー。」
「あらまあ、あなたは---。」
「こんにちはー。」
「ごめんなさいね、今妖夢ちゃんが最近全然勝てないって拗ねてるの。今対応できるのは私だけよ。」
「いえいえ。---なんか申し訳ないです。」
「うんう。で、用件は?」
「大妖精って知ってますか?」
「あー、あの緑色の?」
「多分そうだと思います。」
「彼女に何かあったのかしら?」
「彼女が見つからないんですよ。」
「私も最近見てないわね---。」
「そうですか---。」
「ちょっと待ってね、妖夢~。お客さんだよ~。」
「はーい。あれ?あなたはこの前の---。」
「こんにちはー。」
「---で、なにか?」
「大妖精見ませんでした?」
「大妖精ですか?数日前に三途の川付近にいましたよ。そこから紅魔館方面に向かっていきましたよ。紅魔館について詳しく知らないのであれば、別の方に。」
「紅魔館ですね---ありがとうございます!」
「それと幽々子様。私のケーキ食べましたよね。」
「え、なんのことかしらー?」
「寝ぼけないでください。」
「アハハ、ごめんなさいね~。」
「前回が最後ですよって言いました。もう、許しませんよ!」
「あ、大妖精見つかると良いね!じゃあねー!」
「あ、ありがとうございました~。」
「幽々子様、覚悟!」
「うわぁぁぁぁあ!!!」
「妖夢、流石に剣を抜くのは良くないですよ。止めましょう。」
「---。」
「ね?」
「失礼しました---。」
2人の喧嘩を止めて、すぐに部屋に戻ることにした。
「さてと、20秒で行けるかな?」
あっという間に部屋に戻った。
「ふぅ、緑の妖精の情報は見つかったけど、水色の妖精が来ない限り何も始まらないんだよなー。」
一度博麗神社に行ってみようとしたら。
「ふぅ、行ってきたよ~。」
「おかえりなさいませ。どうでした?」
「何も見てないって。でも情報が見つかり次第知らせておくって。」
「なるほど。情報無しですか。」
「そっちも無かったのね。」
「フフフ。」
「何よ、その不気味な笑いは。」
「実はですねー。数日前に三途の川付近にいたとのことですよ。そこから紅魔館方面に向かっていきましたよとのことです。」
「紅魔館方面?迷子かな?あそこ危険なのに。」
「紅魔館は危険なところなんですか?」
「お化けが出るよー。」
「ピギィッ!---はぁ、そういう冗談はやめてくださいよ。」
「お化けではないけど吸血鬼は本当に出るよー。」
「えーーー!?終わった。」
「アハハ。じゃあ止める?あたい一人で行くよ!」
「いえいえ。そこで手を引くわけにはいきませんよ。」
「紅魔館の誇り高き吸血鬼、レミリア・スカーレット。彼女本当に強いよ。あたいなら瞬時にやられるよ。」
「私ならどうだと思いますか?」
「---分かんない。でもサシで勝負なら行けるんじゃない?」
「サシで勝負なら?他にも敵がいるんですか?」
「妹、フランドール・スカーレット。2人合わせれば流石のあんたも厳しいんじゃない???」
「えええ---2人いるんですか?」
「更に門番や魔法使いだっているんだって、名前は忘れちゃった。」
「まあ、私の能力は使えるのは5分間。敵は5~8名ほどとみました。」
「まあ、それくらいかな。」
「ところで、紅魔館ってどこですか?」
「三途の川に行く途中にあるよ。でも、いつもとはちょっと違う道を通らなきゃ。」
「あ~。了解です。」
「始めていくので分身だけ予め連れていきますね。」
「うん。」
「そんな顔しないでください---。」
「だって、あたいの友達が---。」
「ふぅ、では、分身が前に進んでますから、指示してください。紅魔館の場所はあなたが案内してくれなきゃ困ります。」
「うん。じゃあ、言うね。」
「お願いします。」
チルノの発言通り動くようにしている。その地形の情報は嫌でも頭に入っていく。
「なるほど、ここを右ですか。次の分かれ道はどっちですか?」
「ええっと、そこは左、しばらく真っ直ぐ進んで。そしたら紅魔館に着くよ。」
「おおお、意外と早い。じゃあ、一気に飛ばすように指示してください。」
「最高速度!!!」
「いい調子です!!!」
「あ、そろそろ、ゆっくり歩いて。」
「着きましたか?」
「うん、今目の前に出ている建物、多分脳内に入ってるでしょ?それが紅魔館。」
「うわぁ、これが。」
「吸血鬼がいるかなりホラースポットの建物。」
「あ---。」
「どうかしたの??」
「分身との情報通路が切れましたね。おそらく最後に一瞬だけ怪しい影が見えました。」
「それは門番にやられたのかな?きっとその門番驚いてるだろうね。」
「あーあ、まあ、紅魔館までの通路は分かりましたが、大妖精はいないですかね。」
「何で分かるの?」
「私の伝達により、緑の妖精が近くにいたら絶対に空を飛ぶんです。」
「へぇー。」
「では、別のところを探しますかね、また異変であの建物にはお世話になるかもしれませんからね。」
「そうだね。じゃあ、次の場所に行こっか!!!」
「はい!」
「んじゃあ、次の場所に行こー!!!」 終
次回もお楽しみに!大妖精待ってなさいな---
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第24話→紅魔館侵入大作戦!!大妖精は何をしてるの!?
「大ちゃん、大丈夫かな---?」
「へぇ、大ちゃんって言うんですか?」
「うん、まあね。とりあえずさ、手がかりが少ないよね。」
「数日前に三途の川→紅魔館方面---。私が紅魔館に行ってみましょうか?」
「危ないよ!」
「安心してくださいな、私も危なくなったら能力使いますよ。」
「気を付けてね、あんたがやられたらあたいもきっと。」
「そのときは霊夢に守って貰ったら良いだけの話ですよ。」
「まあ、そうだけど、あたい寂しくなっちゃう。」
「ならば、一緒に行きますか?」
「ヤダヤダヤダ!あたいなんかすぐにやられちゃう!」
「ならば、私が倒してきますよ!最悪分身で時間稼いで逃げますから---。」
「わかった。気を付けてね。」
「勿論ですよ!」
前回は分身だけで行き、門番にやられた為、今回は自ら行くことにした。
「前回の分身のおかけで、大体道は分かるぞー。後は、紅魔館の状態が分かれば良かったのだが。」
そうしてまだ道ではないところを歩いていった。その頃、霊夢は。
「はぁーあ、今日は晴れだけど、明日からはしばらく大雨らしいじゃん。面倒なんだからー。」
「なぁなぁ、霊夢ー。新しい技作ったから見ててよ!」
「ヤダ---って言ったら?」
「当然---その技を神社に--は打たないが、お前に向かって打つのさ!」
「いいよー。打ってみなよ。」
「言ったな?覚悟!!!」
「どんな技なのかな?」
「スーパー魔理沙猫だまし!」
パンッ
「よっしゃあ!」
「へぇー、単なる猫だましじゃん。」
「効いてないだと!?」
「そんなんでダメージ受ける方がおかしいよ。」
「や、ヤバイ。」
「魔理沙、暇だし反撃するねー。」
「うわぁ、わかった。悪かったから許してく---。」
「はぁぁぁあ!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!!ぐふっ。」
いつも通りであった。白玉楼では、大妖精について話していた。
「幽々子様、大妖精見ました?」
「あんまり見てないわね、最近何かあったのかしら---?」
「いえ、わかりません。ただ、紅魔館は怖いですからね、結構前と同じような異変を起こしそうですし。」
「怖いわね、まあ、霊夢が解決してくれるじゃあないの。」
「まあ、タケノコって人も手伝ってくれるでしょう。では、私は剣術の練習いってきます。」
「頑張ってねー。」
そんなこんなで、紅魔館前に辿り着いた。
「誰かいる---?」
そこには、門番が立っていた。
「あの、大妖精見ませんでした?」
「やぁっ!」
「ぐはっ。」
いきなり攻撃してきた。
「やる気満々だなー。まあ、良いか。暇だったし。始符、ホワイトスタート!10分後に大妖精の場所が分かるようになる!」
実は、これを狙っていたのだった。
「流石にそっちのリーダーに会う前に終符を使いたくはないなー。」
「そちらから来ないなら私から、やぁっと!!!!」
「意外と動きは早いなー。よっと。」
相手の攻撃を腕でガードし、すぐに捕まえた。
「あわわわ。」
「はい、チェックメイト。はっと!!」
門番は1分かからず倒した。
「ふぅ、いい感じ。でも、門番でこの強さなら、この先どうなるんだよ。」
そこへ、霊夢だけがやって来た。
「お?なんだ、先にいたのね。」
「大妖精探ししてたら、門番が襲いかかってきて、とりあえず怪しいので先に進むことにします。」
「なるほどね。門番強かった?」
「弱くは無かったです。が、強いかといったら当てはまりはしませんねー。」
「分かったわ。」
「ところで、魔理沙は---?」
「あー、あいつならいきなり猫だまししてきたから、私が片付けておいたわ。」
「えええ、なんですかそれは---。」
「いいのいいの。そんな事気にせずに、早く先に行かなきゃ。」
「そうですね。」
「先いってるねー。」
「了解です。」
こうして、霊夢も合流した。
「それにしてもちょっと怖いなー。」
未だに吸血鬼を恐れていた。そもそも、お化けが怖いと思う私に、吸血鬼は怖くないと言えるわけがないのだ。
「まあ、とりあえず紅魔館制圧途中に大妖精の居場所わかるし、いいかな?」
しばらく歩いてたら、図書館みたいな場所についた。
「ここは---?」
「こんな時に客が?運が悪いわね、この時間に入ったものはやってしまえって言われてて。」
「何でもいいが、大妖精知りません?」
「大妖精?知らないな。」
「やはり知らないと言うのですか---それも吸血鬼の仕業ですか?」
「吸血鬼に文句を言うなら、私が許さない。」
「やる気満々だなー。さっきホワイトスタート使っちゃったから、今使えないんだよなー。」
「ホワイトスタート?どうでもいい。魔法の力で排除する!」
「お、魔法使いかー。魔理沙よりかは強いかもな。」
「魔理沙、あいつの魔法はグダグダなんだよ。私が本物の魔法を見せてやろう。」
「魔理沙を馬鹿にしないでっ!!!例え最初は争いから始まっても、彼女だって一生懸命魔法を覚えようとしていた!!!」
「それが?」
「彼女だって魔法を極めようと頑張ってるんだよ!変な魔法も、弱い魔法だってあったよ。でも--。」
「ふーん。」
「でも、自分らしい技を身に付けたんだって。それが一番良いことじゃないか---なのにそれに対して馬鹿にするなんて、許せない。」
「許せないから?」
「排除するという言葉、3倍にして返します。」
「やれるもんならやってみなよ。」
「はぁ、能力まだ使いたくないんだけどなー。」
その頃、先に進んでいた霊夢は---。
「ふぅ、ここには誰もいないなー。」
かなり先に進んでいた。そこに---
「やはり来ましたか。」
「お、やっぱ誰かいた。けど、あんたが吸血鬼には見えないねー。」
「私は十六夜咲夜、お嬢様のところへは行かせませんよ!」
「つまり退治されたいってことなんだ。」
「まあ、あなたを倒せば残りはパチュリーと勝負しているネズミだけですね。」
「あ、あいつも退治してたのか。」
「まあ、そんな事はともかく、美鈴は?」
「あ、門番の事?あっちが倒したわよ。」
「パチュリーと勝負してるネズミもただ者ではないのね。」
「当たり前よ。私だって本気で勝負して引き分けだったもん。」
「まあ、お遊びはここまで、そろそろ勝負と行こうかしら。」
「ふぅ、やっぱ倒さなきゃ進めないのねー。前にも勝負したよね。」
「あの霧の時は惨敗でしたね。でもあれから能力を鍛えてきました。前回のようにはいきません!」
「あの霧の事件?なんだっけ、過ぎた異変は覚えてないわ。」
「そう。」
図書館でも、似ている話に入っていた。
「魔理沙への恨み、ここで晴らす!」
「魔理沙に恨みでも?」
「前に異変を起こしたら、私は魔理沙という普通の魔法使いに倒された。だから今回は---。」
「えええ?前に異変を起こしたんかい!」
「あの時は残念な結果でした、ところで、あなたが探しているのは大妖精?」
「で、それが?」
「大妖精はここの主さんが実験台に使ってるそうだよ。」
「何だって!?絶対に許さないっ!たとえ知らない妖精とはいえ、チルノ様が泣くような行為をするなら、全力で倒すっ!!!!」
「本気になったわね。まあ、その態度がいつまで続くか、楽しみだなー。ハハハハハ!!!!」
ここでホワイトスタートから10分間が経った。
「お、場所が分かった---やはりここの上の方にいるのかー。」
白玉楼でのアドバイスが役に立ったのだ。
「さぁて、門番同様チェックメイトさせてあげましょう!!!」 終
次回もお楽しみににゃー!
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第25話→パチェ&咲夜!紅魔館制覇への大一歩?
「では、開戦です!」
前回の霧の事件の時、私はまだ幻想入りしてなかった為、どのような魔法を使うかはわからない。
「能力使ってでも倒す!!!」
「能力使わなきゃいい勝負なんて出来やしない。」
「パチュリー様ー。何してるんですかー?」
「こあ、今ネズミを片付けるから待ってて。」
「分かりましたー。気を付けてくださいねー。」
「へーい。」
「はぁ、なめやがって---。」
「お、ガチ切れしてるな。」
「キラーモード。発動!!!」
「---え?キラーモードって言った???」
「夢想封印、マスタースパーク、アイシクルフォール。---発動。」
「まさか、キラーモードを使える人がまだいたなんて---。」
大きな音をたてて、パチュリーは秒単位でやられた。
「パチュリー様ぁ、大丈夫ですかー?」
「ぐふっぐふっ---うっ。」
「うわぁ、最近図書館にこもりすぎなんですよ。歩くくらいはしてくださいよー。」
「それより、あいつ、キラーモードの持ち主だ。怒らせない方が良いぞ。」
「ええっ、キラーモードの持ち主いたんですか!?」
「あぁ。」
キラーモードの効果が切れる。
「ふぅ。」
今回は意識はあったが、めまいが止まらなかった。
「う、うっ。---はっ!ヤバイ、やり過ぎた。ぐふっ。大丈夫ですか?」
「あぁ、それより、キラーモードの持ち主とは意外よ。」
「---キラーモード、知ってるんですか?」
「ええ。235年前、ある1人の少年。君みたいな身長の子がキラーモードを使えたの。」
「235年前?」
「ええ、それから、キラーモードを使う人は現れなくなったわ。」
「その子に何が?」
「その子は夜に外に出ると体が溶けていく特別な子だったんだ。」
「かなり辛い弱点だなー。」
「そのときのキラーモードの絵がこれよ。実際勝負した奴が書いたんだって。」
パチュリーは、キラーモードについての情報を教えてくる。
「うわぁ、怖い---目が赤くて、青い服を着ている---あれ?」
「そう、君と同じなんだよ。」
「ということは?」
「君は大分前にも幻想入りしている。」
「私が大分前にも幻想入りしている?」
「そうかもしれない。でも、その確率はごくわずかよ。安心して。」
「なーんだ、それなら良かった。」
「けど、キラーモードの扱いには気を付けて、彼は16の時にキラーモードでここを支配しようとしたの。」
「支配ですかー。大きな夢ですねー。」
「それで、彼は幻想郷を壊しかけた。ギリギリのところで退治はしたけどね。」
「へぇ、で、彼はどうなったのですか?」
「そのまま帰らぬ人となっただけ。」
「そうなんですね。」
「実は、もう一人キラーモードを使えた人がいたの。312年前。」
「幻想郷はそんなに昔から---。」
「312年前、リルトスって人が使ってた。でも、その人は真面目で、優しくてキラーモードは20年間で2回しか使ってなくて、幻想郷は安全だった。」
「それに比べて私は、まだここに来てから1ヶ月も経ってないのに、既に2回も。」
「使い方には気を付けて、キラーモードは幻想郷をも支配できる強すぎる能力。但し、使い方を誤れば、最悪の場合、幻想郷は崩れるわ。」
「なるほど、了解です。」
「さぁ、私が負けたことだし、先に行きたいなら先に行きな。」
「そうですね。それと、ありがとうございました。」
「気にしないで、ただ、幻想郷は消えてほしくないだけ。」
こうして、大妖精がいる部屋に向かった。その頃、チルノは。
「1人って悲しいなー。だいちゃん、大丈夫かなー。」
一人でゆったりくつろいでいた。
「やっぱりあたい一人ではいられない!前に異変を起こしてるとはいえ、友達がピンチな時は助けなきゃ!」
チルノもついに攻めにかかることにした。
「あたいだって最近アイツのおかげで強くなったもん!!今ならきっと!」
急いで走るチルノだった。その頃、咲夜と霊夢は--。
「前にもこうやって勝負したわよね。」
「あの霧の事件の時のようにはいきませんよ。私もあれから鍛えてきましたから、博麗霊夢、お前を倒すため!」
「あっそ。」
「今回も分身なのか?いや、わからないが、流石に同じ手は使わないだろうな---。」
「今回どうやって倒そうかなー。時間止めるのが本当に辛いんだよなー。」
「まずは私から、時間を止めさせて頂きます!」
「やれるもんならやってみなさいよ。」
あかい赤い霧の事件と同じように事は進んでいったのだ。5分もかからずに---
「うっ、何故だ!!!」
「自分を過信し過ぎてるの。だからいつまで経っても変わらないのよ---。」
「くっ、今回もダメだったか。お嬢様、申し訳ありません---!」
「はぁぁぁぁあぁあ!!!!!」
「ガハッ!!!」
咲夜は、すぐに霊夢に退治された。そこに、チルノが到着した。
「あ、霊夢。」
「あれ、チルノ。あいつを探しに?」
「うん、何故か見捨てられないの。」
「そう、大丈夫。彼は平気だよ。」
「で、大ちゃんはここに?」
「ええ、ここにいるみたいよ。多分。」
「なら、早く助けなきゃ!」
「慌てないで、もし万が一ここに居なかったら、タダじゃ済まないわ。紅魔館に迷惑かけた事として、幻想郷を追い出されるわ。」
「それはヤダ!」
「こんなところに。安心してくださいなー。大妖精はこの上にいますよ。」
「本当に!?!?」
「パチュリーっていう魔理沙を馬鹿にする魔法使いがそのように。」
「で、大妖精は安全なの?」
「それがー。」
「それが?」
「今生きているか、分からないです。」
「え?」
「ということは、危ないのね。」
「そうなります。」
「そうなんだ。」
「チルノ様。大丈夫ですよ。必ず助けますから。」
「本当に?顔色悪いけど?」
「アハハ、キラーモード使いました。その事の話についても、あの魔法使いから聞きました。詳しいことはあとで。」
「早く上に行こうよー。」
「では、出発ですっ!」
「うん!」
風を切り裂いて上に向かった。そこにいたのは---。
「お姉様、この後この妖精に何をするのですか?」
「決まってるわ---勿論それは体を分解して、パチュリーに妖精についての本を作って貰うのよ。」
「それ面白そーう!」
「やめて!私まだ死にたくない!」
「それを言えるのもあと5分間と思っていなさい。」
「ううっ。」
「フラン、最終準備よ。」
「ん?お姉様、あそこに丁度パチェが。」
「ああ、丁度良かった。」
「レミィ、フラン。」
「丁度良かった。今からこの妖精使って妖精についての本を作って貰えない?」
「取り消せ!!!!!」 終
次回もお楽しみに!3日後忘れないでくださいねっ!
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第26話→紅魔館主!レミリアとフラン登場!!!
「取り消せ!!!!!」
「今、なんて?」
「だから、妖精使った実験、今すぐ取り消せ!!!」
「あら?今、おかしな言葉が---パチュリー、お仕置きしなくてはいけないね!」
「それはこっちの台詞だっ!!!」
パチュリーは、妖精を助けようとしている。が、相手はレミリアだけでなく、フランドールもいる。
「ねぇねぇ、お姉様、あいつのお仕置きどうするー?」
「決まってるじゃない。1週間仕事の量を倍にするだけ。まあ、反抗心あるみたいだし、痛め付けなきゃね。」
「ならさー、ゆーーっくりやろうよーーー。」
「そうねー、それもありだ。」
「ふぅ、なめられたものだな---覚悟してろっ!!!」
これは、私が霊夢とチルノに会うほんの十数秒前に起きた出来事だった。私達がそこに向かうと---。
「はぁ、はぁ、ここの階段長いよー。」
「頑張ってください。チルノ様。」
「うん、でも---。」
「ほら、着きましたよ。」
「やったぁ!」
「あれはパチュリー?って、めっちゃ傷ついてる!?」
目の前には、血だらけのパチュリーがいた。
「大丈夫!?」
「流石にここの主を止めようとしましたが、勝てませんでした---うっ。」
「その、主は?」
「目の前に---。」
「はじめまして、私はレミリア、そして---。」
「フランドールよ。」
「俺はタケノコ。で、ここにいる妖精が氷術使いの。」
「チルノ!あたいの守り神から紹介してくれたけど、あたいは氷を使うのが大好き!!!」
「で、博麗霊夢。前にあんたらのこと倒したわよね。本当、懲りないねー。」
「妖精についての本を作るからねー。こいつには---。」
「あれ?チルノちゃん!危ないよ!逃げて!!!」
「あ、あいつも妖精か?丁度良い、実験台2だ!」
「チルノ様を渡す訳にはいきませんね!」
「何?その守り神ってやつ、いい気になってさー。」
「別にいい気になんかなってませんよ。むしろあなたたちの方がいい気になってるのでは?」
「あー、うるさい!!!今すぐ破壊してやる!!!」
「はぁーあ、キラーモードの次はあれを使うのかー。」
「あれって?」
「終符、グランドファイアインフェルノ!!!」
「なに?その技---って消えた!?」
「後ろだよ。」
「な、なに?グハッ!!!」
「お姉様!!!」
「あんたも人の心配するなら他の人の心配をしなさい!!!」
「え?うわっ!!!」
「フラン---!」
「地獄の業火で燃やしてやろうか???」
「くっ、うっ、動けない!?」
「金縛りしてるんで。」
「や、やめてっ!!!もうしないから!!!」
「フラン、すぐに諦めちゃダメ!!!」
「でも、---。」
「それ以上話せなくしようか!?!?」
「もう、許して---痛い痛い痛い!!!」
「これ以上痛くすることもできるからな!」
霊夢とチルノ、パチュリーは後ろで見ていた。
「霊夢、あいつ強すぎない?」
「私だって苦戦はするはずよ。」
「苦戦はするって、勝てるの?」
「多分ね。ただ、キラーモード、あれには勝てないわ。流石に強すぎよ。」
「霊夢があれよりも強い。幻想郷の中で強い人って、本当に強いんだね。あたいも頑張らなきゃ---!」
「お、あっちの吸血鬼も諦めたらしいよ。」
「早くない?」
「ううっ。許してー。」
「フラン、大丈夫?」
「大丈夫よ。お姉様。」
「さて、大妖精を返して貰おうか。」
「分かったわ。」
こうして、大妖精は元に戻った。
「チルノちゃぁぁぁあん!!!」
「だいちゃーーん!!!」
2人は抱き合った。それを他のみんなは見ていた。
「ふぅ、疲れ---た。ドテッ。」
「あれ?大丈夫?」
「かなり疲れました。今日は早く休みます---。」
その頃、紅魔館メンバーは。
「うっ、私の実験台が---!!!」
「レミィ。大人になりなさい。」
「---悪かったわね、パチェ。」
「もう二度としないって約束してください。」
「ええ。」
そのシーンを咲夜がこっそりと見ていた。が---
「あれ?やっぱり門番出番少なくない?」
美鈴だけは紅魔館内に入れない為、グループ内に入る事が出来なかった。
「さて、私は今から帰ります。」
「あんた、本当に大丈夫なの?」
「はい。」
「---嘘だね。」
「げっ---。」
「本当の事言ってよ!私からの命令だよ!!!」
「そう言われると仕方ありませんね。正直倒れそうです。」
「最初から言ってよ!あたいが運んで帰るから!」
「でも、そんな事して、大丈夫ですか?」
「あたいは---大丈夫じゃない。でも、あたいの友達を助けてくれたから、これくらいはしないと。」
「や、優しい。」
「当たり前だよー。そういえば、霊夢は?」
霊夢は異変解決したあと、すぐ逃げたらしい。
「なーんだ。最後までいたら良かったのに。」
「ふぅ。さて、ならば私たちも。」
「のまえに、霊夢からの伝言。」
「お、何でしょうか?」
「また勝負したいって、今度は最初から1vs1で。」
「ほう。彼女に勝てるかなー?」
「厳しいんじゃない?」
「多分、勝てないです。が、頑張りたいです。」
「あと、キラーモードは危険すぎだからやめて欲しいって。」
「ふぅ、最初から使うつもりはないですよ。」
「ならいいけど、代わりにあっちも武器は使わないってさ。」
「それで対等条件かな?」
「では、帰りましょう。紅魔館の皆さんに挨拶してから帰りましょうね。」
「うん!」
「ねぇ、守り神さん、倒れそうなら1日ここで休んでかない?」
「お気持ちは有り難いのですが、明日になるとさらに体中痛くなるので、本日中に帰らなくてはならないのです。」
「それならしょうがないわね、まあ、また遊びに来てね。」
「お姉様、私疲れたから寝たいよー。」
「フラン、私もですよ。早く寝ましょうね。」
「それでは、失礼します。」
チルノは、本当に自分を背負っていこうとした。
「お、重い。けど、あたいの力で。」
「チルノちゃん、無理しないでよ。私も手伝うよ!」
「大ちゃん。」
「2人とも、流石に歩くくらいは出来ますよ。」
「あれ?そうなんだ。ならいいや。」
「流石に馬鹿にしすぎですよ!私をなめないでくださいなー。」
「確かにあんたは強いし、あたいよりもずっと頭はいいけど、上には上がいるものなんだよ。」
「それは十分承知ですよ。」
「良かった。じゃあ、行こうよ!かけっこだ!」
「えええ?流石に無理ですよ。」
「うん、冗談!そういえば、大ちゃんこれからどうする?」
「私?うーん、決まってないなぁ。」
「だったら、私の部屋に来なよ!部屋も丁度3つあるしさ!」
「ありがとう!でも大丈夫?」
「うん!」
こうして、また幻想郷に平和が戻った。まあ、またいつかは異変が起こるであろうが、そのときはそのときである。
次回もお楽しみに!!!編集楽しいですよ(^O^)w
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第27話→闇雲に包まれた現実---悲しみを笑顔に変えて!!!
「はぁ、はぁ、はぁ---か、体が。」
「あ、あんたさー、自分の体の事も考えなよー。あたい守ってくれるのは嬉しいけど、あんたがいなくなったらあたい、もう。」
「ふぅ、しょうがないですねー、私の切り札あげましょうか?」
「何?」
「どんな攻撃受けても死なない魔法です。ただし、死なないなので死の1歩手前までは行きますけどね。」
「なんでそれを持ってるの?」
「この魔法は、パチュリーから借りた本からみました。キラーモードを使えるもののみ使える技ですよ。」
「それ、あたいに頂戴!!!」
「この魔法、5人までにしか使えないので、もう少しお待ちください。誰に使うかはしばらくしてから決めますから。」
「じゃあ、じっくり考えてね!」
「勿論ですよ。」
「そういえばさ---。」
「ん---?」
「あのー。」
「何ですか?もじもじしちゃって---。」
「レミリアとフランに与えたあの金縛り能力。」
「あれが何かありました?」
「あれ、あたい怖かった。あたいにあの能力使わないで---。」
「あの能力をあなたに使うわけないじゃないですか!あなたと勝負するなら、始符だけで十分です。」
「それ、あたいが弱いってこと?(`Δ´)」
「イヤー、まあ、違うって言ったら嘘になりますね。」
「ぬぬぬ、これでもくらいやがれ、アイシクルフォール!」
「という必殺技は右手で抑えられますよー。」
「う、うそ。あたいと出会ったときは今ので確実にやられていたはず---!」
「チルノ様、そちらが攻撃したなら、こちらも行きますよ!」
「うわぁ!タンマ!ちょっと待って!」
「なんてことはしませんよー。だいたい私も体が痛いんでね。」
「あ、そうか。」
「では、風呂入って寝ますー。」
「そう、おやすみー。」
「ふぅ、いててて、流石に無理しすぎたかな?」
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「え?」
後ろからいきなりチルノが抱きついてきた。
「チルノ様?」
「大ちゃんを助けてくれてありがとう!あたい怖かったよー!」
「そんな事お安いご用ですさ!守り神ですからね!って、泣かないでくださいよ---。」
「ぐすん、うわぁぁ!もう本当に、本当に怖かったんだよーー!」
「待ってください、そんなに泣かれたら、私まで---うっ。」
それを見ていた大妖精は、その場から動けずにいた。
「チルノちゃんに何があったんだろう。」
「ねぇ、大ちゃん!」
「え?」
「お帰り!!!」
「---うん!ただいま!!!」
この間に、こっそりやることを終わらせて寝た。これ以上そこにいることが厳しそうだったのだ。
「ふぅ、明日はかつてないほどの全身筋肉痛だぞー。おやすみ!」
こうして、悪夢の1日が終わった。
翌日
「痛いよ---ぐふっ、全身こむら返り起こしたような痛みだ---痛いって!うっ!足がちょっと待って痛い痛い痛い!!!」
「おはよーって、大丈夫!?」
「大丈夫---でしたらこんなことにはなりませんよ!」
「まあ、そりゃそうだね、うちの守り神さんはすぐに動けなくなるんだからー。」
「まあ、守り神とはいえ弱点はたくさんありますよ---。」
「あんたは短時間に圧倒的な能力発揮するからねー。」
「もう、体が限界のようです---。」
「しっかり休んでねー。」
「了解です痛い痛い痛い今度は手が!!!」
チルノは、ため息をついて部屋を出た。
「チルノちゃん!どうだった?」
「かなりの重症。多分、数日間は動けないような気がする。」
「私のせいだ---謝りに言ってくる!」
「え---。」
「大妖精だっけ?謝りに来なくてもいいよ---。ただ、何で紅魔館に捕まったかは教えてくれる?」
「その記憶は忘れさせられたの、でも、大分前に、白玉楼行って、道わからなくなって、とりあえず歩いてたら紅魔館に着いた。それだけしか覚えてないの。」
「なるほど。」
「大ちゃん、まさかの迷子?」
「そうなんだよー。」
「まあまあ、こうなってしまったのはしょうがないですよ。」
「そういえば、大ちゃんその前の記憶はあるの?」
「それはあるよー。」
「なら、一時的に情報が消されたのですね、ということは、門番に捕まえられたのかな?」
「私、何も知らない---。」
「まあ、そりゃそうでしょう。」
「ところで、もう床に寝そべって、目が生きてないよ、大丈夫?」
「既に天使が見えてますが、大丈夫ですよ。」
それからしばらくたった。私が幻想郷に来てからもう何十日たっただろうか、もう分からない。
「ふぅ、さて、今日も見回り行ってきまーす!」
「あ、そろそろパチュリーの本も返して来たら?」
「後20ページ程ありますので---。」
「なら今読んで返しなさいなー。」
「では、そうさせて頂きます!」
そうして、パチュリーの本を返そうと、最後の20ページ程を見てみた。そこには、衝撃的なことが書いてあった。
「え---キラーモードを持つものの寿命はおよそ5ヶ月---。そんなぁ、嘘だ---。」
実は、パチュリーが本を渡すとき、彼女は戸惑っていた。本を渡した後、小悪魔が。
「パチュリー様、本当に本を渡して良かったのですか?寿命のことみたら、彼はきっと。」
「彼もこの現実、知った方が良いじゃん。」
「でも。」
「現実から逃げない。幻想郷に来てから、レミィが言ってたでしょ?それと同じなのよ。」
「後は、彼次第ですね。」
そんな私は---。
「チルノ様、本を返してきます!」
「うん、いってらっしゃーい!」
悲しくて笑っていた。
「---やはり、あの能力の代償は高かったのかー。まあ、しょうがない---。」
その後、パチュリーに本を返すときに---。
「本、ありがとうございました!」
ここでも、チルノの時と同様に、笑顔でいた。心を抑えたのだった。
「ええ、ありがとう。どうだった?」
「とても参考になりました!色んな意味で。」
「そう、なら良かったわ。」
「では、失礼しますー。」
「ええ。」
現実は厳しいのである。その過酷な状態から逃げていてはこの先の扉は開かないと思った。この事を妖精達に伝えることは出来なかった。
「さて、後何ヵ月生きられるのかな?5ヶ月以内にいなくなる、4ヶ月として。---分からないや。」
現在、ここに来てから2ヶ月ちょい、残りここにいられるのは、半分である。
「さて、今日も見回りするかな!!!」
そうして、今日も新たな扉を開けようとするのだ。 終
次回から第7章です!では、次回もお楽しみに!
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第7章---春夏秋冬花の舞!閻魔も登場!?!?
第28話→平和な時が戻った??ルーミア登場後の悪夢??
新たな扉。私にとって新たな扉って何なのでしょうか?それを求めるのは私次第ですけどね。
「ふぅ、見回り終わりかな?それにしても、花が咲きすぎな程咲いてるなー。」
幻想郷に来てからしばらくして、花が咲き始める季節になってきた。まだ、そこまで咲いてはないが、今年は異常なペースで咲いてるらしい。
「この時期に向日葵咲くか?もうちょい後じゃないか?」
それだけでなく---
「うわぁ、百合や梅、 桜って、今季節なんだよ!」
今は春なのに、絶対にまだ咲かないような花まで咲いている。
「ちょい聞いてみよーっと!」
分からないことはなんでも相談!それがいつもやることである。
「チルノ様ー、 幻想郷っていつも季節外れの 花が 咲くのですか?」
「いや、普通は咲かないよ---でも、なんかおかしいね。」
「そうそう、後で最近会えてない友達見つけたから、この辺りに来るって。お出迎えよろしくー。」
「了解です。」
そのような会話をして2分程たったら、誰か現れた。
「あなたは?チルノ様のお友達さんですか?」
「私?ルーミア!闇を操るよー。」
「闇を操る?まあ、お待ちしておりました。中へどうぞ。」
「そういえば、チルノちゃんから聞いたよ。確か君は最近幻想郷入りして、猛烈な力を持つって。」
「え?私はそこまでの力は持ってないですよー。」
「へぇー、まあいいや、今度勝負しよ!」
「え、あ、良いですよ。」
正直、霊夢やルーミア等、たくさんの人に勝負を仕掛けられたら、寿命内に皆と出来るかは分からない。
「まあ、いつでもどうぞ。」
「なら、今から!」
「今ですか!?うひゃ、流石に能力は使えないかなー?まあ、良いや、能力無しで倒します!」
「言ったなー!」
「だって、後ろに回って、---はい、捕まえたー。」
「え?移動速度早すぎない?」
「そこまで早くはないですよー。」
「とりあえず、ここから脱出しなくては!」
「そう簡単にはいきませんよ。ここから動いたら激痛が走る体制に持ち込んでますから。」
「腕くらい動---けない!?」
「はい、そうしてますから。」
「チルノちゃーん、彼をどうやって仲間にしたの?」
「あたいが倒したんだよ!凄いでしょ!?」
「え?ねぇねぇ、本当なの?っていうか、早くこの体制戻してくれない?」
「ええ、本当ですよ。」
そういいながら、腕を離してあげた。
「体、痛めませんでしたか?もし痛めてしまったなら、私が手当てさせて頂きます。」
「大丈夫だけど、チルノちゃん、よく倒したよね。」
「あたい最強だからね!」
「さすがー!そういえば、彼と霊夢、どっちが強いかな?」
「前に勝負した時は引き分けだった。でも、今は分からない。」
「今度勝負するのなら、私もみたい!」
「数日後に予定していますよ。」
「え?本当?」
「はい、勿論です。ルーミア---様。」
「様付けなくて良いよ。無理矢理入れたでしょ。」
「妖精たちに笑いが生じる。」
「では、ルーミアで良いですか?」
「別に良いよ。」
「そういえば、あたいもチルノでも良いのに。昔は勝てたから良いけど、今はもう。」
「それは慣れないので厳しいかもです。」
「まあ、どっちでも良いんだけどね。」
「で、これからルーミアさ---んはどうするんですか?」
「暇だし遊んでから帰るー。」
「了解です。」
妖精達はしばらく遊んで、その間に私は見回りをした。
「ふぅ、暇ですね。たまには博麗神社の方に行ってみましょう。」
妖精達は夜まで遊ぶみたいだから、こちらも遊びにいこうとした。すると。
「なぁ霊夢、これが異変ではないのは調べて分かったけどよー。やっぱりおかしくないか?」
「たまにはこういうこともあるんじゃない?」
「そんな事あるのかなー。誰か知っていそうな人探してくるぜ!」
「あっそ、いってらー。」
そこに丁度。
「あ、魔理沙。それに霊夢も。一体何を?」
「お、ナイスタイミング!!なぁ、この花が咲きすぎな事件、異変だと思うか?」
「私は異変には見えませんね。何か別の物が影響していると見ました。」
「お前もそうなのかー。やっぱり異変ではないのかなー。」
「だーかーらぁー、知りませんよー。」
「おいお前!本当の事言わなきゃ霊夢がどうなるか分かるよな!?!?」
「えええ!?なんで私まで関わって来るのよ!」
「なぁ、魔理沙。人にちょっかい出すのは良くないぜ。」
目を赤くして、魔理沙を威圧した。
「うっ!なんだ、この感覚。かなり嫌な何かが襲ってきてる---。」
ついでに霊夢も。
「これ以上私のせいにするなら、覚悟は出来てるわね?」
「いや、出来てない。」
「はぁ、なら止めてよね。」
「わかったよー。諦めるよ。」
「それが最善の考えですよ。」
「まあ、今回は私の負けでいいや。」
「今回はって、まあ、魔理沙。ちょっとこっち来て。」
「なんだ?霊夢。」
「お仕置きだよ(^O^)」
「うわぁ、わかった。分かった!許してくれ!」
「誰が許すんじゃぁぁぁぁあ!!!」
「ぐふっ。」
「---見てられねぇわ。妖精の方に戻るか。」
そうして、チルノの部屋に戻ろうとした瞬間に、事件は起きた。
「あれ?3人ともいない。どこに遊びに行ったんだろうなー。まあ、良いけど、様子見てくるか。」
どこか近くにいないか、探してみた。が、どこにもいなかった。
「あの3人、危険なことしてー、しょうがない。分身作って探しにいくか。」
ただし、いつもの終符は使いたくないので、今残ってる分身で探すしかなかった。
「はい、番号!」
そういう掛け声と共に、1から数字を言っていく。
「1!2!3!4!5!はい、5人とも、妖精達を探して!」
その後、5人の分身と1人の本物で分かれて探すことにした。分身1から見ていこう。
「---落とし穴にはまった---。」
誰かが作った落とし穴に落とされた。
「誰がこれを、ん?何か書いてある。」
そこには、1枚の破壊されかけた看板があった。
「破壊されかけ---一体誰が?やーいやーい、引っ掛かったなー!フランより。」
どうやら、フランドールが勝手に作ったようだ。
「あ、あいつ---。」
こちらも負けじと落とし穴を破壊した。分身2、3は特に何もなく、分身4は---。
「ふわぁー、ん?あれは---。」
何やら怪しい人影を見つけた。
「誰でしょうか?行ってみましょう。」
何も考えずに、人影の方に向かった。その人影が、あのとてもやばーい人とは知らずに---。 終
人影とは一体?次回もお楽しみに!
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第29話→私と閻魔様の裁き!これもまた平和なり。
「なんだ?あの人影は?」
分身4は、あの人を見つけた。
「あのー、あなたは?」
「私は、閻魔。」
「え?地獄の閻魔様ではありませんか---。」
「ええ、この辺に小町って奴いなかった?タケノコ。」
「私の名前を知っている?そもそも小町という方を知りません---。」
「小野塚小町---また仕事をサボって---。」
「私も探させて頂きます。チルノ様を探すついでです。」
「ええ、悪いわね---そういえば、あなたに話すべきことは---うん。今のところは健全みたいね。」
「え、あ、ありがとうございます!」
「それでは、失礼するとしよう。」
「はい。」
何事もなかったかのように去っていった。
「なんだったのだろうかなー。」
そのあと、すぐにチルノ探しを再開した分身4。分身たちと本物で妖精探しをずっとやっていった。
「はぁー、あの妖精たち、すぐに別の場所行って---見つけたら説教してやる---!」
私も、閻魔並の説教をしようと考えていた。閻魔からの説教など、見たことなかったが---。そのとき、本体が---
「にゃ?ここは---。」
目の前には、向日葵畑が並んでいた。
「綺麗だな---誰が所有しているのかな~。」
そう考えて、上から見渡すと、怪しい人物が4人並んでいた。
「なんだ?」
様子を見てみると、あの妖精3人と、何やら向日葵畑を所有していそうな者がいた。
「そこで何をしているの?」
「にゃ!?---いつの間に---あなたは?」
「風見幽香。多分あなたがあの妖精達の守り神ね。」
「守り神?あぁ、あの子達がそのように呼んでるだけですよ。」
「そう。まあ、あなたと勝負するつもりはないわ。なんたって綺麗な花を壊すわけには行かないから。」
「私も勝負は避けたいところですね~。」
「来て、あの妖精達の所に案内するわ。」
そうして、妖精達を発見した。すると、このような声が聞こえた。
「アハハ!楽しいね~!大ちゃん!それにルーミア!」
「やめようよー、チルノちゃん。」
「そうだよー、あの人にバレたらどうなると思ってるの?」
「良いよ良いよ!見つかるわけないし!」
「そうだねー、見つかるわけないよね~。」
「うんうん!って---え。」
「チルノ様。探しましたよ~。」
「あ、お疲れ様~。」
「ねぇ、やろうと思えば一瞬で焼き尽くせるけど、どうしますか???」
「うわぁー!大ちゃん助けてー!」
「チルノちゃん。---ねぇ。」
「はい?」
「ごめんなさい---。」
「---。」
いきなり謝ってきたのは、チルノではなく大妖精だった。
「何に対して謝ってるんですか?」
「約束を守らなかったことです---。」
「次からは気を付けてくださいね。ルーミア、あなたもですよ。」
「ごめんなさい---。」
「それでは、家に帰りますかね。」
「はーい。」
4人で家に帰った。その途中で。
「そういえばさー、紅魔館で大ちゃんは何をされてたの?」
「ルーミア---聞かない方が良いこともありますが、それ、本当に聞きますか?」
「うん。」
「実は、私にもよく分からないのですが、最後の5分ほど見たら、実験に使われていたみたいです。」
「どんな実験?」
「きっと、妖精についての本を作って欲しかったのですかね。」
「え?君に?」
「いいや、紅魔館のパチュリーという者です。」
「紅魔館内でも争ってたの!?」
「まあ、私が説得したんですがね---。」
「そのあと、どうやって助けたの?」
「ええっと、私が紅魔館の主とその妹を金縛りで痛め付けました。今度行ったら謝らなきゃです---。」
「かなり痛そう--。もしそれをくらったら即ゲームオーバーかな---?」
「そうかもしれませんね。」
「強くなりたいなー。」
「ルーミア、あたいは彼から強くなる秘訣を教わったんだよ!彼に教われば?」
「ねぇ、教えてよ!」
「別に良いですが---。」
「わーいわーい!」
「さて---あれ?あそこに誰かいますね。」
こちらから話そうとしたが、あちらからいきなり話しかけてきた。
「なぁ、閻魔のやろう見なかったか?」
「この本体からは見てませんね、ただ、分身が見たとのことです。」
「分身作れるのか!?で、それってどっちだ?」
「イヤー、申し訳ないです。どの辺りかは忘れましたが、見たことない景色だったので、紅魔館や白玉楼方面ではないかと。」
「あっそ、どうも。あ、私は小野塚小町---。」
「へぇ、あなたが。」
「---?」
「地獄の閻魔様が探してましたよ!」
「げっ。」
「さて、早く行った方が身のためですよ~。」
「ぬぬぬ。」
「どうしたんですか?後ろを見れば良いことですよ。」
「え?」
後ろには、閻魔が立っていた。
「映姫!?逃げろ---!」
「小町---こんなところにいましたか---。」
「イヤー、今日はお花がたくさん咲いていてですね~。」
「そんな事はどうでも良い!そこに座りなさい!!!」
「ひゃいっ!」
「---あ、これは察した方が良いや。」
「小町、このような事件が起きてるからこそしっかり働くべきなのに、あなたはサボってしまってからこの世界に来る悪夢を考えたことはありますか?大体こんなこと---------。」
「チルノ様、ああなってしまっては終わりそうにないですね、家に帰りましょうか。」
「うん。」
「良いですか?この幻想郷に異変が重なることは、危険を表す赤信号なのですよ。まさかそんな事も分からないのですか?もし分からないのであれば、私が一から教え直してあげましょう。」
「いやいやー、そんな事知ってますよ~。」
「本当ですか?」
「勿論です!」
「---嘘をつくなっ!!!!!」
「いや、---ご、ごめんなさい。」
「ちゃんとお仕置きは用意させて頂きますよ!」
「ぐふっ!」
「ぐふっ!じゃない!!!!!」
「イヤー、これはヤバい!」
「ヤバいでもない!今日から1ヶ月間休みなしだ!」
「やめてえぇえ---。」
「何がやめてだ---小町!絶対に許さないからな!」
「ううっ。」
分身を使って私はその様子を見てみたが。
「これは終わらなさそうだな---小町、がんばれ!」
そのように、楽しい?幻想郷は続いていくと考えられた。
「さて、チルノ様、算数やりますよー。」
「うん!!!」
皆、ゆっくり話していた。
「なあ霊夢。勝負だ!」
「魔理沙。また?昨日もやったじゃん。またぼこぼこにされたいわけ?」
「うっ。」
紅魔館まで---。
「お姉様、遊ぼうよ!」
「ええ、良いわよ。何をするの?」
「勿論笑ったらシバかれるゲーム!」
「なにそれ---。」
更には、白玉楼まで。
「幽々子様、夕飯食べちゃいましたね。」
「だってー、お腹すいたもーん。」
「タイキックしますよ?」
「アハハ。」
そんな中、迷いの森の中では。
「月など、偽物に---。」 終
では、今度こそ---次回もお楽しみに!!!
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第8章---月も嘘をつく!永遠亭の悪夢??
第30話→我が行く最後の異変?明ける夜はない---!
「なかなか夜が明けませんね。」
「そーなのかー。」
私は、ルーミアと色々と話をしていた。
「そういえば、あなたは闇を操れるんでしたっけ?」
「そーなのだー。」
「今度は何もしないんで、その能力、私にぶつけてきてください!」
「別に良いけどさー。大丈夫?」
「はい。」
「じゃあ、行くよー。」
「どうぞ。」
「闇符、ディマーケイション!」
「---。」
「え?右手で吸い込んだ!?」
「おっと、何もしない約束でしたね。別の場所に落としましょう。」
「こ、怖い!」
「ねぇ、これから私に攻撃しないで!約束だよ!」
「勿論ですよ。」
私がいなくなるまで、あと1週間になっていた。そのとき、ルーミアが、とんでもない事を話した。
「ねぇ、そういえばさ。今、異変起こってるの、気付かない?」
「当然気付いて---え?」
「あのさ、永夜異変。」
「永夜異変???」
「よくさ、明けない夜はないっていうでしょ?その逆だよ。」
「どういうことですか?それをあなたが引き起こしたのですか?」
「違うよー。」
「というか、本当なのですか?もし本当なら、私も解決に向かいますよ。私がいる間、最後の異変を解決しに。」
「それ、どういう意味?」
「うわぁ!チルノ様。」
「ねぇ、今の事、全て説明して!命令!」
「はぁ---しょうがないですねー。」
「早く!」
「はぁ、しょうがないですね~。大ちゃん助けた時から隠してましたが、もう、言わなきゃですね。」
「え?」
「私、そろそろ死にます!」
「はぁ?」
「だから、私、そろそろ死にますから。」
「どういうことなの!?!?」
長くなりそうな話を、2分くらいにまとめて話した。
「そう、もしそれが本当なら、あんた、あと1ヶ月も寿命ないんだね。」
「はい---。」
「あたいだって、ぐすん。もっとあんたに助けて欲しかったのに!!!うわぁぁぁあ!」
「泣かないでください。---チルノ様。私も泣いてしまうではありませんか---ううっ。」
「あれ?霊夢だ。」
「ん?」
2人ともほぼ同時に大妖精の声に反応した。
「霊夢。」
「やぁ、早速だけど、助けてくれない?」
「永夜異変ですね。」
「話が早いわ。行きましょう。」
「ええ。てなわけで、皆さん、分身残しておくから。今回はついてこないで下さいねー。」
こうして、最後の試練へと向かった。これが、幻想郷にある伝説物語の最終章である!
「ここは?」
「迷いの竹林よ。」
「へぇ。ところで、霊夢の後ろに誰かいるけど、あなたは?」
「私は八雲紫。よろしくねー。」
「よろしくお願いします---。」
その頃、魔理沙は---。
「アリス、この異変、すぐに解決するぞ!」
「そう思うのも良いけど、そんな事ばかり考えてると、いつか命取りになるよ!」
「---。」
それから、2人は急いで迷いの竹林の方に向かった。一方で、ついてくるなと言われたチルノは---。
「あたい、やっぱり見に行ってくる!」
「危ないよー。」
「そーなのかー。」
「うん。彼の言葉がおかしくて、もしかしたらって事を考えると、今度はあたいが守りたくなって。」
「ねぇねぇ、チルノちゃん。本当に危ないって!」
「何が危ないだ!仲間のピンチを助けるんだ!あたいは最強になるんだ!」
「---。」
なんていうことでしょう!あのチルノが音速で迷いの森方面に向かってるではありませんか!
「急いで、助けなきゃ。」
それを、私の分身が追いかけていった。が、止めようとはしなかった。何故なのかは分からない。
「紫、今回だけだからね!」
「勿論、この先味方になるつもりはないわ。」
「---この2人、大丈夫かな---。お。来た来た。チルノ様~。」
「あ、なんとか追いついた!」
「では、先を急ぎましょう。」
「うん!!!」
それを見ていた2人は、心配そうな目をしていた。が、数秒ほどして、その目は勝負するときの目に変わった。
「あれ?誰かこっちに来ますよ!」
やって来たのは、敵ではなく、魔理沙とアリスだった。
「ふぅ、思わず戦闘体勢になったじゃん。魔理沙。」
「霊夢、それと---ねぇ。なんで紫が一緒なの?」
「それはあとで話す!」
「---あとできっちり説明してもらうからな!!!!!」
そんなことを話しているうちに、私だけ先に進んでいた。
「ねぇ、あたいに絶対に死なない魔法をかけて!」
「あれ?あー。あれはですね。私がただ言ってみたかっただけです!本当にそんなものがあったら、とっくに私にかけてますよ。」
「なんとなくそんな気がしてた。まあ、それは良いとして。この道長くない?」
「確かにそうですね。---あれ?何か建物が見えてきましたよ!」
「本当だ!って、あれは。」
「ご存知でしょうか?」
「永遠亭?」
「---なんでしょうか、それは?」
「あたいもよく分からない。でもね、永遠亭は迷いの竹林の中にある建物なんだってさ。どこかで聞いた。」
「なるほど、つまりここが最後のミッションってことですか。」
「多分。」
「では、ここから侵入しましょうか?」
「待って、結界のようなものが。」
「こんな結界、指1本で---壊せない!?」
「何格好つけてるの?」
「ならば、両手で!!!」
「どう?」
「ダメです!」
「ちょっとー、いい加減にしてよー。」
「ならば、本気の力で---。にゃーーー!!!」
「どうなの?無理なら無理って言った方が良いよ。」
「ダメですわ~。無理っす!」
「んじゃあ、霊夢達の到着を待つしかないね~。」
「必然的にそうなりますね。」
そうして、あの4人の到着を待った。が、なかなかやって来なかった。
「遅いですね。」
「もうあたい達で侵入しようよー。」
「でも結界が!」
「だったら、あたいのアイシクルフォールで!やーー!」
「つ、冷たい?体が、ぐふっ。」
「あ、飛ばす方向間違えた。」
「何やってるんですか!」
「アハハ、ごめん~。じゃあ、気を取り直して、アイシクルフォール!」
結果は目に見えていた。
「ううっ。全然聞かないよー。」
「もう、しょうがないですね~。」
「あんたが言えることなの?」
「---。」
「というかさ、この結界壊せないことには、先に進むことは出来ないよ?早く進もうよ!」
「ならば、地面掘って進みます?」
「え?」
「地面掘って、結界が作られてない所から侵入するのですよ。」
「頭良い!流石!」
「えへへ~。」
「いや、褒めなきゃ良かった。まあ、地面掘っていこうよ!」
そうして、地面を堀り始めて10分、まだ30センチ位しか進んでなかった。
「ねぇねぇ、まだ3メートルしか進んでないよ~。」
「単位換算ミスってる~。これ前に教えたばかりじゃないですか---。」
「あ、そっか。小数だっけ?---って、今はそれどころじゃないんだよ!」
「それもそうですね。」
「どうするの?霊夢達は来ないし。」
「ならば、---。」
「ん?」
「分身よ!集まれ!」
「うわぁぁぁあ!」
私は、分身の力を借りることにした。
「さてと、この人数いたらこんな結界壊せるかな?」
「あたいも手伝うー!」
「オッケーです。では、皆!せーので壁を壊して!行くよー。せーの!」
全員集まって、その結界は粉々に砕けた。
「ねぇ、凄いけどさ、そこに立ってた時間、返してくれない?」
「え?いや、それはそのー。」
そこに、丁度霊夢達が到着した。
「お、丁度皆さん集まりましたね。ところで魔理沙。君が連れてる彼女。誰?」
「私?私はアリス、アリス・マーガトロイドよ。」
「よろしくお願いします。私はタケノコです。」
そんなときに、永遠亭の中から誰か現れた。
「ようこそ、永遠亭へ。よくここまで来たねぇ。」 終
次回もお楽しみにゃ!
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第31話→竹林の屋敷のさらに奥へ---。タケノコ、本音が出そうになる!?
「ようこそ永遠亭へ。よくここまで来たねぇ。」
「なんだ?あのウサギみたいなやつは。まあ、どーでもいいわ。私がいる間最後の異変。派手に終わらせてやる!」
「その言葉、5分後には後悔することになるよ!なんたってこの永遠亭を見たものは二度と帰れなくなるからね!」
「その言葉、3分後には後悔することになるよ!行け!分身!」
「フフフ、分身ごときで倒せると思ってるのか---。」
「ずいぶんナメてきますねぇー。まぁ、あなたは既に負けてるので、良いんですがね。」
「はぁ?」
「後ろ。」
「そんな手に引っ掛かると思うなよ!」
「やっぱりそう言いましたか。」
「そんな原始的な技で私に対応するとか---。大口叩くわりに弱かったな!」
「ふぅ。」
「じゃあ、そろそろそこにいる博麗の巫女を倒して、月を消し去るから、お前は消え去れ!」
そう言われても、後ろで皆はゆったり見ているだけであった。
「何で見てるだけなんだ?あの弱っちい奴を助けようとするやつはいないのか?」
「ええ、間違ってるのはあなただから。」
「博麗霊夢。後で何も言えないようにしてやる!」
「その前に、あなたがやられるのよ。」
「そろそろ覚悟は出来たかな?---幻朧月睨!」
「何それ?」
「私の目を見たもの全員に幻を見せるの!」
「何!?」
「これでお前は私の掌の上で踊るようなものよ!アハハ!---ぐふっ!」
「はい、ナイス分身!」
「う---そ!」
「残念でしたねぇ。2分前に忠告したじゃないですか!後ろ、気を付けた方が良いよって。」
「ぐふっ。」
「分身3体で首元を狙いました。別に息をさせないようにするってわけではなく、ただ気絶させるだけなので、ご安心を。」
怪しい兎擬きを宣言通り3分で倒した。
「ふぅ、何だったんでしょうか---。」
そのとき、後ろから何やら叫び声が聞こえた。
「うわぁ!助けてー!幻覚が止まらないよー!」
「もう、チルノ様ったら---。」
「助けてー!早くー!」
「はいはい、あの技5分くらいで意識戻るんで、早く先に進みますよ!というか、他の皆は?」
「はぁ、はぁ---幻覚戻った。皆は先に行ってるってさ。」
「ふぅん---きっとその先はかなり強い敵がいるんだろうなー。何か良い技ないかな?」
「---アレならどう?」
「え?」
「闇色ドラゴンってやつ召喚すれば?」
「あー!なるほど!でも、あの龍にもっと良い名前をつけてあげたいんですよねー。」
「⚫⚫ドラゴンとか?ドラゴン⚫⚫とかで良いんじゃない?」
「そこからですね。」
「ドラゴン桜とか---。」
「あああああああ!!!!!!」
「え?ならドラゴンテールとか?」
「あああああああ!!!!!!」
「さっきからなんなの?」
「パクるのは良くないですよ!」
「そうかー。ならば---漆黒を操りし運命の神、闇色ドラゴンとか?」
「うん!!!それで行きましょ!」
「何で認めた!?」
「なんとなく!」
「---いや、とりあえず今は闇色ドラゴンでいきましょ---。」
「なんか、そう言うと思った---。」
「さて、皆さんの後を追いましょう!」
「うん!!!」
「ええっと、こっちでしたっけ?」
「あのさ---そっち行くと入り口に着いちゃうよ---。この、方向オンチ!」
「アハハ、勿論わかってましたよ!」
「分かってないでしょ!」
「---んっんー。奥に進みましょうか。」
「---。」
そうして、先に行ったみんなを探しに、奥へと進んだ。
「おかしい場所ですね。」
「何が?」
「分からないのですか?」
「うん。」
「ここ、浮いてませんか?きっと誰かが作った幻想でしょうね。」
「浮いてるようには感じないよ。」
「ならば、幻想を消してみます?」
「出来るの?」
「分かりません。なんにせよ、今は普通の状態なので。」
「始符、ホワイトスタートってやつ使えば?」
「あれは勝負の時にしか出せません。」
「そうなのかー。」
「お、ルーミアちゃんの口癖ですねー。」
「あ---。」
「さて、そんな暇はありませんよ。この壁、流石に壊したくはないので、奥に進むしかないですよ。」
「え、浮いてるところ見たい!」
「ならば、外見てください。」
「---。うん。」
「浮いてないなら、きっと何かがこの廊下を支えているはずです。何が支えていますか?」
「---なにもない。」
「はい、これで証明です。」
「はいー。よく分からないことはスルーして、この偽廊下を消そう!」
「待ってください!今消したら私飛べないので---。」
「あ、そうか。」
「どうしましょうか。」
「暇だしなんか話してよ!」
「ええ?いきなりですか?」
「うん!!!」
「では、竹取り物語でも話しますかなー。」
「なにそれ?」
「今は昔、竹取りの翁といふものありけり。野山に混じりて竹を取りつつ、万津の事に使ひけり。名をば讃岐の造となむ言ひける。」
「え?意味分からない---。どういうこと?それになむとかチルノ知らないよ。」
「なむは係り結びの---。」
「もうなんでも良いや!とりあえず、竹取り物語ってやつ、分かりやすく説明して!」
「今となっては昔のことだが、竹取りの翁という人がいた。野山に入って竹を取っては、様々な事に使っていた。名を讃岐の造と言った。」
「ふぅん。それだけ!?」
「先程の文章ならこれだけになりますよ。」
「というか、あんた、どこでそれを覚えたの?」
「それは---あれ?どこで覚えたんだ?」
「え?」
「私は、いつこの文章を---。」
「覚えてないの?」
「こんな言葉、いつ覚えたんだ---。」
「まぁ、忘れちゃったならしょうがないか!」
「申し訳ないです---。」
「さて、どんどん先に進もう!」
そうして、前を見てみた、が---そこに廊下は無かった。
「え---。」
「廊下が---!?」
「ちょっと、なにこれ!?」
「わかりませんが、落ちるぅー!」
「能力使って!じゃないと!」
「くっ、終符、グランドファイアインフェルノ!」
「ねぇ、あれ見て!」
「---?」
そこには、怪しげな人らしき姿があった。」
「誰でしょうか?」
そうして、技を出す準備をして、そっちへ向かった。
「あ、あれは、霊夢たちですね。」
「なあんだ。構えなくて良かったじゃん。」
「いや、その奥を見てください。先程より小さい兎と、私の服をパクってるような人がいますよ。」
「確かに、あんたも青と赤の服だもんね。模様が違うけど。」
「私の服をパクるとは許せませんねー。」
「そこなの!?ていうか、---ねぇ、あんたは何でここまであたいを守ろうとするの?」
「そりゃ、好きだ---あ、違います!ええっと、そりゃ---。」
「へぇー、あんた、そういう感情抱いてたんだぁ。」
「いや、誤解ですよ!」
「命令だ!本当の事を言え!」
「ふぅ、そうですか---。まあ、この事件が解決したら話しますね。」
「ふぅん、この恥ずかしがり屋!」
「違います!って、何やら相手が動きましたよ?」 終
次回もお楽しみに!
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第32話→エーリン&輝夜!これが、本当に最後なのか---。
「何やら相手が動きましたよ?」
「あ、本当だ!って、なんかヤバくない!?」
「何やら、相手は大技を出してきたみたいですねぇ。」
「うわぁ。逃げろ!」
「待ってください。おそらくですが、あいつを倒さない限り、ここから逃げることはできませんよ!」
「たぶん、あいつがエーリンだよ。」
「そういえば、どこかで。」
「ありとあらゆる薬を作れるんだ。もしかしたら、倒せばあんたのキラーモードを対処する薬、作って貰えるかもしれないよ。」
「本当ですか!?ならば、行くしかないですね。終符の時間も気になりますので、行きましょう!」
「本気なの!?今のあんたじゃ無理だよ!?」
「本気ですよ---。」
「そう。」
「闇色ドラゴン召喚!!!」
「はぁ。本当に召喚しちゃった。頑張ってねー!」
「ええ。」
既に出されている相手の攻撃を避けながら、一旦後ろに回った。
「やあ、皆。」
私の一言で、全員がこっちを向いた。」
「あんたがエーリンであろうがなかろうが、このドラゴンがいれば、絶対に倒せるぜ!」
「お前が誰であろうが、私には関係ない!その龍ごと裂いてあげるわ!」
私は、龍に乗ったまま移動した。
「さてと、あ、あれ忘れてた。始符、ホワイトスタート!10分後、あの偽の月は消え去る!」
「そんなわけないでしょうよ。」
「普通はね。でも、この能力は違う。今もお前は他の皆の攻撃を避けるのが精一杯の筈だね。」
「くっ---私だって、守らなきゃいけないものがあるのです!」
皆で、攻撃を避けていきながら、一斉に攻撃した。
「いけぇぇえ!!!」
四方八方から迫る攻撃を避けることは出来なかった。
「うわぁぁぁあ!!!」
それから、始符を打ってから10分たった。とうとう偽物の月が消えた。
「ふぅ---これで事件解決。」
「ふん!今回はこの私、霧雨魔理沙の活躍により事件解決だな!!!」
「あんただけじゃないわよ---。皆で解決したんでしょ!」
「霊夢---ま、まあ、特別にそういうことにしておこう---!」
「何が特別によ。」
「ギクリ---。」
皆笑顔だった。私も、このときは笑顔だった。龍に乗りながら笑っていた。
「さて、事件も解決しましたし、チルノ様、帰りますよー!」
「うん!!!」
「それでは、失礼しますー。」
「あ、お疲れ様ー。」
「へーい!」
そうして、帰ろうとしたとき、何やら誰かの足音がした。
「---!?」
皆一斉にそっちの方を向くと、誰かが1人立っていた。
「えええ?この事件まだ終わりじゃないんかー!もう私の能力あれしかないじゃねーかよ---。」
「あー、あれか。キラーモードでしょ。」
その瞬間、永琳だけがこっちを向いた。
「ねぇ、今なんて---!?」
「え、キラーモードって---。」
「あなた、300年程前にも幻想入りしてるの、覚えてない!?」
「え、何をいきな---パチェが言ってた!!!」
突然の出来事に、皆静まり返った。
「300年位前に、君は幻想入りした。そのとき、キラーモードっていう強い技を使ってたのよ。」
「そうなんですか---パチェの言うことは正しかったんですか---。」
「なんのこと?」
「大分前に、2人でキラーモードについて話し合って、1つ絵を見ました。あれは、私だったのか---。」
「どんな絵かは分からないけど、きっとそうよ。キラーモードを使えるのは、あなただけだから。」
「え?私だけ?」
「ええ。確か既に2回幻想入りしてるわ。」
「やはり---まあ、ということは、私の今後についても---。」
「ええ、私はキラーモードを治す薬を作ろうとしたことはあるわ。でも、到底無理だったわ。」
「この能力は特別なのでね---。」
そうして、2人でしばらく話し合っていた。一方で、チルノは---。
「グー、グー---アーイーシークールーフォーブヘッ!手加減してぇぇ。ムニャー。」
龍の上でぐっすりしていた。
「もう、チルノ様。いくらなんでもここで寝ないでくださいよ---まだ異変解決してませんよ!」
「フワァー。こんどこそぉ。アーイーシークールーブフフーー。」
「---聞いてませんね---。ハリセンどっかにないかな---。」
そのとき、本当に最後の犯人らしき人(?)が攻めてきた。
「うおっ。ドラゴン、どんどん避けちゃってー!ほら、チルノ様、起きて---って、酔ってるし。」
それからというものの、後ろで寝ているチルノの事は無視しようとした。
「ドラゴン!俺はもうキラーモードしか使えないから、絶対にやられないようにね!」
そういって、どんどん攻撃していった。が、やはり相手も最後というだけ強敵で、こちらの攻撃もかわしていった。
「そもそも、あいつ誰だし!」
「か---かぐや---様。」
「ほう、どうやらラスボス的な存在ですか---。」
そのとき、後ろで酔ってるチルノがくっついてきた。
「ええ?チルノ様、大丈夫ですか---?」
「ううっ。だ、大丈夫だぁ。」
「はあ、まずかったら降りてくださいね---。」
「勿論だぁ。あたいのアイシクルフォールでやっつけるんだぁ。」
「あなた、夢の中でやられてましたよね---。」
「う---え?なんでそれを!?」
「面白い寝言でしたねー。フフフ。」
ドラゴンに頼ってる間に、二人でゆっくりと話していた。
「ねぇ!忘れて!今すぐに!」
「そう簡単に忘れられませんよ---。」
「あーもう!恥ずかしい!」
「抱きつかれてる私の方が恥ずかしいですよ---。」
「だって、目がフラフラするんだもん。」
「ならば、しっかり抱えていてくださいね---。」
「うん!!!」
「じゃあ、後はドラゴンちゃんに任せましょう!」
「オー!うっ。」
「---。」
チルノが酔いまくりの中で、ドラゴンは頑張っていた。
「フフフ、ブリリアントドラゴンバレッタ!」
「はぁ!?なんだそりゃ---。」
輝夜の力が増していくが、龍の力はここで留まるわけではない---。
「さてと、チルノ様、そろそろ協力していただきますよ!」
「おっけー!例のやつでしょ!アイシクルフォール!」
「そう---って!私をめがけて攻撃しないでくださいよ!敵さんを攻撃しなきゃこの異変を解決できませんよ!」
「あ、そっか!」
「霊夢と魔理沙も頑張ってるんですから---さあ、どんどん打ってください!」
「やぁー!」
「さてと、実はこの龍にも一つ技がありましてね---。」
「なにそれ?」
「実は、この龍の力、私と繋がってるんです!」
「どういうこと?」
「さて、一旦下に降りてください!」
「ちょっと!対戦放棄?」
霊夢が話しかけてくるのを、目だけで合図した。
「龍よ、我にその力を!」
「え?」
そうして、龍から力をもらった。
「ふぅ、チルノ様、いきますよ!」
「うん!!!って、飛んだ!?」
「フフ、この能力身に付けるのに2ヶ月かかりましたよ。」
「飛べるなら、まさかあれも使えるの?」
「ええ、火炎玉だって出せますよ!しかも、この能力、龍に返すまで使い放題です!」
「じゃあ---。」
「相手を動けなくすることだって、余裕なんですよ!!!」
「おおお!いけいけー!」
「ブディストダイアモンド。」
「何なんだよ---。」
さらに増していく相手の攻撃、それを---。
「ブディストダイアモンド、解除。」
「な、なんだと!?」
「ハハハ!さて、金縛りで決めるのは勿体ないんで、キラーモード、発動!!!」
今まで見てきた必殺技---スペルはおよそ10個。それらを一気に出した。
「これなら、どうだぁぁぁあ!」
「くっ、サラマンダーシールド!」
「サラマンダーシールド解除!」
「うそ---ぐわぁーーー!」 終
次回もお楽しみに!
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第33話→明かされるキラーモード!その前に、疲れたんで休ませてください!
異変は、いつかは収まるものなのである。
あの事件が起きてからしばらく経って、異変は解決した。
「ふぅ。疲れましたね---チルノ様。」
「本当だよ!」
「あぁもう、こっちも変な兎のせいで大変な目にあったわ!こんなに大変な思いするの久々だったんだよ!」
「魔理沙---そうでしたね---。」
「ねぇ、魔理沙。大丈夫だったの?」
急に霊夢がやって来た。
「あぁ、頑張ったんだからな!」
「それは私の台詞!」
「まあ、そりゃそうだな。」
その話を遠くから笑顔で眺めていた時、ふとキラーモードについて思い出した。
「チルノ様。少々お待ちください。」
「え?」
「キラーモードについての話ですので---。」
「じゃあ、あたい先帰っちゃうよ!」
「であれば、分身つけときますね。」
「うん。」
そうして、疲れきってるチルノは、先に帰った。
「ふぅ、もう後何日生きれるのかな---。」
そうやって呟いた私は、永琳のもとへ向かった。
「ねぇ、キラーモードについて知ってるだけ教えて。」
「ええ、キラーモードは、私が知ってる限りでは、1人しか使えない大技。」
「大技---。」
「その能力は幻想郷内トップクラス。でも、代償があるのよ。」
「え?」
「徐々に体が崩れていくの。」
「ということは、私の体は既に。」
「ええ。きっとそうだわ。」
「そんな---。」
「でもね、この話には続きがあって---。」
「続きが?」
「私はその体が崩れていくのを防ぐ薬を作れないか研究したの。」
「それで、ダメだったと。」
「まずね、対象者が少ないと、流石に作れないわ。それに、今から作るなら到底数週間じゃ作れないわ。」
「ならば、おそらく間に合いませんね。」
「ただ、絶対に無理なわけではなくて、その進行を少しだけ遅らせることはできたの。」
「え?ならば、その薬を。」
「それを検証してみようと思って、実際に模型とか作ったの。そしたら、4時間だけしか延びなかった。」
「4時間---。」
「しかも、その薬は、初期段階にしか効かないのよ。」
「私の段階がわかりませんね---。」
「今すぐ測りましょう。すぐに出るはずよ。」
そうして、私の体の状態を調べてもらった。
「---。」
ずっと、心配しながら待っていた。ようやくやって来た永琳は、顔を前に向けることも出来なかった。
「どう---でした?」
「持って後2週間ちょいよ。きっと1週間程度で崩れるわ。」
「そもそも、どうやって崩れるんですか?」
「工程ってこと---?それは、一気に崩れる。それ以外の例えようがないわ。」
「なるほど。」
「では、私の体は決してなおらないと---。」
「そうなるわ---。」
「不老不死の薬とかでも、ダメなんですか---?」
「それとはまた別---。」
「まあ、後1週間---彼女にだけは言ってはいけませんね---。」
「逆じゃないの?」
「もしその事を聞いて絶望しちゃったら---。」
「それもそうね。まあ、こんなところよ。私が知ってることは---。」
「ありがとうございます!」
「ちょうど霊夢の方も話が終わったみたいよ。」
「では、そろそろ帰らさせて頂きます。」
「うん。気を付けてね---。」
「では、またいつか---。」
そうして、ぐったり状態で部屋に戻った。
「ふぅわぁ。すっげぇ疲れた---。」
「ねぇ、能力返さないの?」
「あぁ、そうでした---。龍を呼んでみましょう。一応、飛べることはできるはずです。」
そうして、少ししてからやって来たドラゴンに、能力を返した。
「お疲れ様、ゆっくり休んでね!」
「そういえば、その龍ってどこで見つけたの?」
「私が作りましたw。」
笑いぎみで答えたのに対し、チルノは不安を抱いた。
「わざと笑ってる顔だね---隠してること、話して!」
「隠し事なんて、ありませんよ。」
残り1週間のことは、決して言えなかった。
「そう、なら良いんだけど、もし困ってることあったら、あたい、聞くだけなら出来るからね---。自分で抱え込まないで---。」
「勿論です---。」
「じゃあ、あたいは疲れたから寝るー。」
「おやすみなさいです---。」
「うん。」
彼女が寝るまで、私は寝るフリをしていた。そして、ゆっくり寝始めた後に---。
「彼女は後1週間のうちに、何をしてほしいんだ---わからない---どうしよ---。」
徐々に増えていく悩みは、一人で抱え込まなければいけないものであった。
翌日
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!」
「どうしたの!?!?」
「いててててて、体が---!!!」
「え、嘘---。大丈夫!?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「ねぇねぇ、大丈夫!?」
「こむら返り起こしました痛てて。」
「やかましいわ!」
「結構痛いんですよ!」
「それはわかる---。」
「ふぃー。ちょっとずつ痛みが収まって来ました---。よかったよかった---。」
「よかったよかった---じゃないよ!あんたのことがすごい心配なんだから!」
「大丈夫です。必ずなおりますから!」
「本当に?」
「ええ。」
「じゃあさ、約束---だよ?」
「勿論です!」
嘘を本当のように言ってしまった---。
「ところでさ、あんた、体大丈夫なの?」
「ええ、この数ヵ月で鍛えましたんでね---。」
「ふぅん、努力家だねー。」
「毎日頑張ってます!」
「あたいだって毎日頑張ってるんだもん!」
「では、またいつか勝負します?あなたが勝ったらなんか好きなものあげますよ。」
「言ったなー!絶対に勝ってやる!」
「フフフ、そう簡単にはいきませんからね?」
「あんた、氷が弱点なのはまだわかってるんだから!相性ではあたいの勝ち!」
「相性<実力、私の勝ち!」
「真似するなぁ!」
「にゃ?」
「またとぼけて---。じゃあ、今から勝負だ!」
「ええ?今から!?」
「はいはい、すぐに用意して!」
「わ、分かりましたよ---。」
「そういえば、勝負するのってどれくらいぶりだっけ?」
「霊夢達のタッグバトルぶりですね。」
「あぁ、あのときよりも強くなったこと、証明させてやる!」
「さて、その前に、まだこむら返り起こしたところ、痛いんでもうちょい休ませてください!」
「何でだよっ!まだ痛かったんかい!!!」
「はい!」
そうして、チルノと久々に勝負することになったのである。この試合、波乱の展開に!? 終
次回、久々に勝負!お楽しみに!
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第9章---最後の1週間。色々あるけど、楽しむか!
第34話→チルノ!お前を倒して---最強になってやるぜぇ!
「さてと、では、勝負といきますか!」
「よーし!勝って皆に自慢するんだ!」
「---そう---ですか。」
「んじゃあ、もういいね?行くよー!」
「はい!」
「バトル、スタートにゃ!」
「さて、始符、ホワイトスタート!10分後、私の能力が3分間10倍になる!」
「やっぱり始符からスタートするんだ。予想通り!だったら、龍の力を借りる前、今のうちに!」
「そうはさせませんよ?」
「あたいだって、頑張ってきたんだから!いけ、アイシクルフォール!」
「フフフ、来ましたね!」
私は、そのアイシクルフォールをギリギリまで引き寄せた。
「今だ!」
「え?」
「終符、グランドファイアインフェルノ!」
「出た、めんどくさいやつ---。あ、でもアイシクルフォール当たった!やったぜキリッ。」
「んー、確かに冷たくはなってますね。普通の状態ならやられてましたよ。」
「なんで、ノーダメージ!?!?」
「今の私は無敵なんですよ。」
「だったら、逃げる!」
「そうはさせません!」
私は、分身を出してチルノの逃げ道を消した。
「うわぁ!」
チルノは反射的に氷を投げつけて、分身を消しながら逃げる。
「おお、昔は今のでやられていたのに、やりますな---。」
「へっへー。」
「では、次にこれならどうでしょう?波動砲!」
「来た!これは氷で風を吹かせれば!行けぇ!」
そうして、波動砲の威力はかき消された。
「なぬっ、流石です---。」
「今まで考えたからね---。」
「では、ちょーっと電気を使って---。」
「電気は氷で壁を作る!」
「はぁ---ヤバイ!」
チルノの対策に苦戦をしている。
「まあ、後ろ見てくださいな。分身たち、一斉に攻撃!」
「後ろにアイシクルフォール!」
「前からも攻撃!」
「うわぁ!」
間一髪のところで攻撃をかわしていった。
「あっれれ?あんたの実力ってこんなもんだっけ?」
「ならば、今までの攻撃、一斉にやったら、どうなりますかな---。」
「え?なにそれ!?チルノ知らないよ!?」
「皆、行けぇ!」
「キャア!!」
予想してない展開に移した瞬間、対処できなくなったようだ。
「ハハハ。あなたの実力ってそんなものでしたか?」
「うっ---まだ、勝負は終わっていないぞ!」
「ならば、最後に私が自らこの手で終わらせましょう。闇色ドラゴン。こっちにおいで!」
私は、ドラゴンをこっちに持ってきた。
「あ!それは卑怯だよ---。」
「さて、チルノ様、覚悟!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
そうして、勝負は終わったと思っていた。
「私の5分が切れました。ドラゴン、これからしばらく任せましたよ!って、あれ?」
昨日の疲れか、ドラゴンは本調子ではなかった。
「大丈夫?---これはお辛い!」
「あ、今がチャンスだ!これがあたいの努力の成果!」
「まだ、切り札が!?」
「あんたに勝ちたいからね---修行の成果だ!パーフェクトフリーズ!!!」
「パ、パーフェクトフリーズ!?」
そういって、大きな氷をどんどん出してきた。
「うわぁ!まじか---これは避けなきゃオワオワのオワになるぞ---。」
「何言ってるのかよく分からないけど、何も言えなくなるまで飛ばしてやる!」
「うぉっと。危ない危ない---って、どんどんやって来る!?」
チルノのパーフェクトフリーズを避けるのが限界だった。
「ねぇ、そっちに避けて良いのかなぁ?」
「え?」
「普通に氷を打つわけないじゃん!後ろに壁を作って逃げられないようにしたんだよ!」
「嘘---ヤバイ!」
「さあ、これで終わりだ!」
「囲まれ---た。逃げ場が無い!?」
そう言いながらも、ギリギリの隙間を探して逃げた。
「はぁ、はぁ---くっ。あれ?彼女はどこに行った!?」
「う-し-ろ!」
「にゃ!?」
「アイシクルフォール!!!!!」
「普通に打っても当たりませんよ?」
「それはどうかな?またまた後ろ、あ、横もか---。」
「え?」
今度の壁は、今にも倒れてきそうな氷だらけだった。
「な、なんだこれ!?」
「あたいがこうなるように頑張っておびき寄せたんだー。」
四方八方から降ってくる攻撃を避けることは出来なかった。
「受け止めるしか---ない。」
最後の手段で、受け止めることを選んだ。」
「あなたの氷と私の力、どちらが強いか勝負!」
「頼む、これで---倒れてくれ!」
「ここまで、成長したんですね---。まぁ、もう10分経ちますが---。」
「しまった!忘れてぁ!」
「3、2、1---はい、おっけー!」
「まずいよー!氷が---!」
私は、数秒で氷を溶かした。
「よいしょっと---さあ、反撃開始です!」
「うわぁ、終わった。」
それから、一瞬でチルノを捕まえた。
「キャッ!」
「それでは、この波動砲で---。」
「うわぁ!---ぐふっ。」
「はい、チェックメイト!」
「あたいは---こんなところでは、終われない!」
「にゃ!?」
数ヵ月前は絶対立ち上がれなかった攻撃も、上手く最小限のダメージに抑えたようだ。
「あたいだって、負けない!」
「ほう、ならば、もう本気で行かせて頂きます!!!」
「遂に来た!これを耐えればまだ隠してあるスペルカードで終わりだ!」
「あなたの考えは読めてますよ。ずっと高く飛んで逃げるつもりでしょう?」
「---そんな事考えてない!」
「なーんだ。避けるつもりがないなら、フィナーレですよ?」
「先程より威力3倍の波動砲、くらったら流石に立てないでしょう!行けぇぇぇぇえ!」
「だったら、次はあれだ!ダイアモンドブリザード!!!」
「まだあるし---!!!ちょっ、それは反則!!!」
「反則とか無い!!!」
「ならば、物理攻撃で決めましょう!」
そう言ったあと、一気にジャンプした。
「飛んで、飛んで、もっと飛んで---届いてくれ!!!」
「うわぁっと!あ、危ない!」
「と、届かない?」
チルノも、今は攻撃を避けるのに必死だった。そんな事をしていたら、いつの間にか時は過ぎていった。
「え---もう時間?」
「あ、やっと始符切れた?やったぁ!勝った!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
「アイシクルフォーーーール!!!」
「ぶふっ、ぐっ、体が---!!!」
「だったら、あれも---ヘイルストーム!」
「まだ、あったのか---。」
「行けぇぇぇ!」
私は、氷の壁の溶けてない部分に体を強く打った。
「ガハッ!!!」
「どうだ!これがあたいの実力さ!」
「ハハ、よく分身を倒しましたねー。流石、成長しましたよ---。」
「え?今のって、分身?」
「最後の一瞬で切り替えました。本物はあなたの後ろです!」
「えええ、勝ったと思ったのに---やっぱあたいは分身を倒すのが精一杯か---。」
「途中何度も危なくなりましたよ---まあ、今は動けない体制にしてますがね---。」
「手が抑えられてて、動けない!」
「さて、攻撃与えたくないので、選択権を与えましょう。続けるか、降参するか---。」
「---あたいの、負けだよ。」
そう言った瞬間、手を離してあげた。
「ふぅ---。」
「あーもう、あと少しで勝てたのにぃー!」
「惜しかったですねー。」
「というか、ガチで本気だったの?」
「本気でしたら、火炎玉使ってましたねー。」
「あ、そっか。ダメだー!」
「ダメではありませんよ。少なくとも、魔理沙とならいい勝負が出来ると思いますよ。」
「本当に?」
「ええ。」
「あたい、もっと頑張ろー!」
「その意気ですよ!」
「うん!!!」
そうして、チルノとの勝負が終わった。徐々に成長していくチルノ。果たしていつ私に勝てるようになるのか!? 終
次回もお楽しみにです!
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第35話→映姫と小町の喧嘩!?私の体も大ピンチ!!
「さて、では、部屋に戻りますか。」
「うん!」
そうして、2人でゆっくり部屋へ戻った。
「それにしても、あたいの能力、上手く使えばあんたに勝てる気がしてきた!」
「さぁ、それはどうでしょうか?」
「あ、そういえば、ドラゴン使ってないし---。もー、やっぱりダメだよー。」
「あぁ、そういえば---。」
「あたい、もしかしたら、一生勝てないのかな---。」
「いつかは---勝てますよ!」
「いつ?」
「あなたの努力次第です。」
「そう---。」
そうやって話したり、休んだりしている間に、4日ほど経った。残り2日---!
「ふわぁ。おはようございますー。」
「おはよー。今日も見回りよろしくねー。」
「勿論です!」
そうして、いつも通り見回りを始めた。
「ん?あそこに見覚えのある影---2人いる---?」
怪しい影があったので、少しだけ近づいてみた。すると、なにやら怒り声が聞こえた。
「映姫イィィィィィイ!!!!!なにやったぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!」
「なんだ!?」
急いで向かってみたら、どうやら小町と閻魔(映姫)がいた。
「おや、あなたたちは---。」
「お前は邪魔するなぁぁあ!」
「---え?」
「映姫!なぜあいつは無罪なんだよ!」
「あなたは彼女がやった事がどれだけ凄いことがわかりますか!?!?」
「最初に彼女は彼女の仲間を傷つける危険な事をしたんだぞ!」
「そのあと彼女は大きく反省した。その事を伝える為に私は教え込んだ。だからこそその成果を見てあげるべきなのだ!」
私は、2人の喧嘩をボーッと見ていた。
「---なんなんだ---。」
2人の喧嘩は、ずっと続いていった。
「あの---お二人方は一体何に対して喧嘩をしているのですか?」
「あら、タケノコさん。そうだ。早速ですがよろしいでしょうか?」
「閻魔様。内容は分かりますよ---。小町を説得するんでしょう---。」
「流石、話が早いわ。」
「やれる限りやりますが、何が起こっているのですか?」
「実は、小町を危険にさらした人がいて、私が説教をしたら、彼女は心を入れかえて、その後はみんなの為になることをたくさんしたの。」
「なるほど、その子を無罪にするか有罪にするかの喧嘩ですね。では、詳しい内容をお願いします。」
「彼女は面白半分で深さ20メートル以上の落とし穴を掘ったの。」
「え、お、お---落とし穴。ですか。」
「ええ。それで小町が引っ掛かって---。」
「で、そのあとは反省したのですか---。」
「ええ。」
「なんつーシチュエーションですか!?w。」
「それを彼女は許してくれないみたいで---。」
「なるほど、では、成敗してきます!」
「ええ。」
そうして、映姫の前に立ち、彼女を守るような形でこう言った。
「人を有罪にする。それはちょっとしたことでやってはいけないこと。あなたはそれが分かりますか!?」
「だから、お前には関係ない!そこをどかないなら、今すぐ倒すぞ!」
そう言われた瞬間。私の目は赤く照り輝いた。
「なっ---その力!」
「倒したかったら倒しなさい!私が500倍にして返しますよ!」
「言ったな!」
「フフフ、私も毎回ナメられてますね。映姫様、危ないので下がってくださいね---。」
「え、ええ。」
そう言った瞬間。
「グランドファイアインフェルノ!!!」
「対抗してやっ---。」
「何が対抗するだっ!人の気持ちを考えられないなら、その職につく資格はないぞ!!!」
「な、なんで---たったの、数秒で!?」
「チルノには本気は出さないが、感情を悪魔にコントロールされてる奴にはお仕置きの意味も込めて---。」
「な---。ぐふっ。」
後ろで見ていた映姫も、何が起こったのかさっぱり分からないような目で見ていた。
「今、何が起こったの---?」
「瞬間移動と物理攻撃を応用して一瞬で身に付けました。内部から破壊されるような痛みを伴いますが、体は無傷ですので---。」
「---いつ起きるの?」
「この能力を使ってる時間なら起こせますよ。どのくらいの力を残して起こさせますか?」
「立てるのがやっとの位で起こして---。」
「了解です。」
そういって、小町をギリギリのところで起こした。
「うっ、まだ---だ!」
「はぁ、また---?まだやるのかー。」
「下がってて。」
「ん---?」
そういって、映姫が前に出た。
「小町ぃ!!!あなたはやはり自分の事しか考えていない!ならば、あなたに職をつけることは出来ませんね!さようなら。」
「流石、彼女は説得力が違う---。」
心の中でそう思った。
「あっ、ちょっと---待ってくださいよ!」
「あなたに指図する資格は無い!」
「---。」
小町は何も話せなくなった。
「こ、怖ぇー。」
そう思った瞬間に、映姫がこっちにやって来た。
「あの---恥ずかしいところを見せてしまいましたね--。」
「いえいえ。ところで---小町は大丈夫なのですか?」
「数時間したらまた戻るでしょう。」
「それなら---良かったです。」
「なんか、借りが出来てしまいましたね---。いつか返しますよ。」
「待ってますーw。」
「それでは、そろそろ仕事に戻らなくては。」
「では、私もいつもの場所に戻らなくては。」
「それでは、ごきげんよう。」
「ええ。」
そういって、映姫は小町を置いてどこかへ行ってしまった。
「さて、私も帰りますか!ぐぶっ!---え?」
口から血が垂れ流れて来た。
「う---そ!どうしよ---。」
そこに、遅くて心配しているチルノがやって来た。
「げ---。」
「あ---。ねぇ!どうしたの!?」
「チ、チルノ様---。」
「血を垂れ流しちゃって---!!!」
「アハハ---私は、ここまでですわ---。」
「ねぇ!やめて!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
その頃、映姫は---
「くっ---彼がいなくなったら、また異変が起こりまくってしまう。最近は、前よりは安定してたのに!」
既に私が死ぬことを知ってたようだ。
「チ---ルノ様---。私は、持ってあと2日ほどです。体が動きませんや---。」
「ねぇ!どうすれば良いの?」
「私がいなくなったら分身も、そこで休んでるドラゴンも消えます---。それからは、あなたの力で生きていくしかないんです。」
「じゃあ、あんたがいるときは、何をすれば---。」
「さぁ---私にもわかりません---。」
それから、私は部屋で体を休ませていた。そして、そのときは来たのだった。 終
次回もお楽しみにです!
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第36話→バイバイ---いや、もう一度---!
「チルノ、様。今まで---ありがとうございました---。半年も持たなかったですが、楽しかったですよ!」
チルノは、私の言葉を泣きながら聞いていた。
「もしまた会ったら、そのときはよろしくね---。」
「ええ。」
それから、私は意識を失った。
「え?ねぇ。返事---して?」
それから、私が返事をすることはなかった。
「半年近く---あたいは強くなったんだ。ここで泣いてはいられな---うわぁぁぁぁぁん!!」
そこに、大ちゃんとルーミアがやって来た。
「チルノちゃーん!やって来たぁ---は!?」
「---。こんにちは。」
「こんにちは---じゃないよ!どうなってるの!?」
「彼が返事をしないの。」
「そーなのかー?じゃないよ!早くエーリンに見てもらわなきゃぁ!」
「それがね、もう絶対に遅いの。それに、エーリンでさえ治せない物なの。」
「え?じゃあ、彼は---。」
「うん---。既にいなくなってるの。」
「そんな---!」
皆で同時に顔を下に下げた。その頃、私は。
「ふわぁー。あれ?ここは?」
「いらっしゃい---やはり来てしまったのね。」
「あれ?映姫様?ということは、私はまだ生きてるのですか?」
「残念ですが、あなたは既に死んでます。」
「そうですか---。」
「まあ、こちらに来て下さい。」
私は、よく分からない場所に連れていかれた。
「さあ、あなたがやったことを映画っぽく作りました。1時間半程、あなたの一生を見てください。」
「え、あ、はい。」
そうして、見せられたのは、チルノと出会ったときの映像だった。
「あぁ。チルノ様---。このとき、私は何もできなかったなぁ---。」
次に見せられたのは、魔理沙と霊夢との出会いだった。
「うわぁ---確かここで出会って---。」
そのあと、白玉楼が見えてきた。
「妖夢、幽々子。元気にしているかな---。妖夢は私が倒してから強くなってるかな?」
そうやって、ずっと見ていった。
「あ、ここで大ちゃんと出会ったんだっけ。懐かしいなぁ。なんか、泣ける---。」
ゆっくりと見ていったら、いつの間にか終わっていた。
「うん、楽しい時間だった!」
「さて、これからあなたの行く場所を決めるんだけど、流石にこれで地獄へは落とさないから。安心して。」
「ええ。」
「って、普通なら天国に行かせるんだけど、借りもあるからね。どうせあそこに行きたいんでしょう?」
そういってる間に、チルノは私の事を外に出していた。
「どうしよう。彼---。」
「ごめん、チルノちゃん。私たちこれから用事があるから帰るね。」
「あ、また明日ー!」
「うん!」
そういって、チルノはまた泣き始めた。
「お、チルノじゃん!暇だから勝負しようぜ!」
「ま、魔理沙!いいよ!勝負だ!」
「ほー。ところで、あいつはどこ行ったんだ?」
「---もう、死んじゃった---。」
「そうか、それは---残念だな---。けど、これで今度こそお前を捕まえる事が出来るぜ!」
「ま、前みたいには行かないからな!」
「何ヵ月前だっけな?」
数ヶ月前、チルノは魔理沙に襲われ、それは私が助けた。が、今、私はもういない。
「あたいだって、彼に色々教わった!だから、魔理沙にも勝てるはずだ!」
「ほう!すぐに捕まえてやる!」
「あたいが勝ったらお前を捕まえる!」
「ほっほー。まあ、やばくなったら逃げるだけだ!」
「行くぞ!アイシクルフォール!」
「こんなん余裕---って、冷たっ!体が凍えそうだぜ。流石に前みたいには行かないようだな---。」
「どうだ!あたいの氷で凍ってしまえー!」
「そういえば、お前は氷が苦手な奴としか勝負をしてないんだな。悪いが私は氷が苦手ではないんだ。」
「どゆこと?」
「氷に対しては例の奴より強いんだな!」
「ということは、いつもあいつと勝負してたあの力だと、勝てない!?」
「悪いな。チルノ。」
「そんな---いや、まだ諦めないぞ!あれから絶対に強くなったはずだ!」
「確かにそうだな。強くはなってる---。」
「だったら、パーフェクトフリーズ!!!」
「なんだ、それは---。って、後ろに氷の壁?」
「どうだ!これで逃げられないぞ!」
「だから、私はあいつとは違うんだって---空飛べば逃げれるのー。」
「あ、そっか---。」
やってはいけないところで⑨センスを出すチルノであった---。
「まだまだー!どんどん囲んでやるー!」
そう思い、どんどん攻撃をしていくチルノ。それをゆったりと避けていく魔理沙だった。
「はぁ---はぁ---もう、打てないよー。」
「どうやら、ここまでのようだったな。今までの努力は無駄だったな!」
「そん---な!」
「マスタースパーク!!!」
「キャッ!」
チルノは、残り体力が壊滅的な中、ギリギリで攻撃を避けていく。
「もう---足が動かない!」
「もっぱつ!行けぇぇぇ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
しばらくたって、チルノは目を覚ました。
「え、ここは?」
「ハハハ!遂に妖精を捕まえたぞ!」
「離せ!というか、ここから出せ!」
「おおっと?それはできないなー。妖精ってのはどこにでもわくからなー。」
「どうする---つもりなの!?」
「勿論、残りも捕まえてくるぜ!」
「なんで、そんなこと---するの?」
「暇だからなー。っていうか、前に捕まえられなかったからな---今回こそは捕まえたかっただけだ!」
「他の2人に何かしたら、あたいが許さない!」
「その状態で言えることか?」
「ううっ---あぁー。あいつがいたらなー。」
「もう戻ってこないさ---。まあ、私もあいつがいないと少し寂しいが、おかげで妖精を捕まえられたし、これで良いんだ。」
「もう、終わりだー。」
「さてと、そろそろ他の2人も連れてくるから、楽しみに待っているんだな!」
「お願い、大ちゃん、ルーミア、逃げて!」
「まあ、他にもいるんだが、最近大妖精とルーミア以外見てないからなー。」
そういって、魔理沙は見えなくなった。
「あたいの力。まだまだだったなー。」
その頃、私は---。
「あそこへ行きたい---きっと考えている事は同じですね。」
「ただ、そこへ行くにはあなたの体が安全でなくてはならない。」
「私の魂が抜かれてる体は、一体どこに---?」
「ええっと---いつもの部屋の前に放置されてるわ。」
「え、雑---。」
「まあ、なんとしても、生きて帰るんでしょ。幻想郷へ!!!」
「勿論です!」 終
それでは、次回から最終章!お楽しみに!!!
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第37話→最後の希望は復活権!妖精達は待っている---
「幻想郷へ戻るには、何をすれば良いのですか?」
「2つ条件があるの---。」
「条件---。」
「一つ、能力を捨てる。二つ、死んでから1日経つ。」
「死んでから1日はともかく、能力を、捨てる?」
「安心して、キラーモードの事よ。あの能力が幻想郷の限界値を越えたの。それを捨てるだけ。」
「---なら、大丈夫です。あの能力がなかったら、私は数ヶ月で死なずに済みます。」
「そう、それなら良いわね。」
「ということは、楽勝じゃないですか!」
「みーんな、そう言っていたなー。」
「え?」
「問題は2つめなのよ。死んでから1日その体が残る確率はおよそ25%。」
「ということは---?」
「復活出来る確率は、圧倒的に低いの。」
「そんな---。」
「しかも、居場所が悪いからね---外でひなたぼっこしてるようじゃ到底復活はできない---。」
「なにか、希望はあるのですか?」
「残念だけど、あとは運に任せるしかないわ。それに、今チルノも危険だからね。」
「え!?」
「あなたが幻想郷に来て最初の方に、魔理沙と勝負したでしょ?」
「あー。そんなこともあったなー。」
「その続きってことで2人で勝負して、チルノが捕まったってこと。」
「と、いうことは---?」
「復活出来なかったら彼女も危険にさらされるわ。」
「嘘---。」
「それだけでなく、魔理沙は大妖精及びルーミアも捕まえようとしている。」
「えええ?」
「おそらく2人合わせても勝てないわ。ましてや1対1なんて。」
私は、それを聞いた瞬間気絶しそうになった。
「彼女たちは、このままにしておけば、もってあと3日程よ。」
「そんなことには---させません。もし復活できたら、また---。」
私は、少し下を向いた。それから、少し大きな声で---。
「一生、彼女を守りたい!」
「ええ。さて、別の客が来たから、そちらへ行ってきます。そこでしばらくお待ちください。」
そういって、映姫は別客の方へ向かった。向かっている頃に、魔理沙は大妖精を見つけた。
「やあ。大ちゃーん。」
「あ、魔理沙。なにー?」
「この写真見てよー。」
そういって、魔理沙はチルノが捕まった写真を見せた。
「え?なにこれ!?」
「さて、次は君の番だ---。フフフ!」
「うわぁぁぁぁぁあ!!!」
そうして、数十分後---。
「わぁっ!」
「だ、大ちゃん---。」
「チルノちゃん---やっぱり捕まってたのか---。」
「今日の魔理沙---魔理沙らしくないよ!」
「あたいもそう思った。一瞬は---。でもね、彼が来る前もこんな感じだった。だから---。おかしくないよ。」
「そうなの---。でも、ならなんでその数ヶ月は何もしなかったの?」
「そりゃ、彼が見張りをしてたから。」
「そうだよね---。でも、今は。」
「もう、何もすることがないよ。あたいたち、ここで死んじゃうの?そんなの、絶対に嫌だ!」
「私も---嫌だ!けど、抵抗できない。」
そうして、私が死んでから8時間が経過した。
「やっと1/3かー。」
そう、私が呟くと、仕事を終わらせた映姫がやって来た。
「あ、お疲れ様です---。」
「良かった。早い人だと既にこの時点で脱落してるからね---。」
「ここまで生き残る確率は---。」
「およそ9割。」
映姫は、私の質問を予測してたかのように早く答えた。
「9割---。割合の問題、ちょうど前にチルノ様に教えたなー。」
実は、算数もかなり進めていたのだ。
「やっぱり、頑張ったのね。因みに、12時間生き残れるのがおよそ8割よ。」
「8割---絶対に入ってる自信があります。」
「私もそうあって欲しいわ。」
「さて、私の体は---。」
そうやって、自分の体を見てみたら、やはり一ミリも動いてなかった。
「誰も、気づいていないのか?」
「そうみたいよ。なにせ、そこに人が来るなんて、5日に一人いるかいないかですからね。」
そこに、小町がやって来た。
「お疲れっす!あ!お前はこの前の!」
「ええ。そうよ。」
「絶対に有罪にしま---。」
「なぜ有罪にする必要が?」
「いや、それは---。」
「恨みを恨みで返したら、生まれるのはまた恨み。そんな負の連鎖を続けるつもり?」
「いや---。」
「ふぅ、やっと完全に納得させることができた---。」
「ごめんなさい---。」
「分かればいいのです。この仕事、好きでやってるよりかは、幻想郷を守るという気持ちでやってますから---。」
そうしているうちに、チルノの最新情報が来た。
「あ---大ちゃんと魔理沙に捕まってる。」
「はぁ---魔理沙。彼女も少し説教しなくてはなりませんね---。」
「た---大変ですね---。」
「ええ。それに、ここままだとルーミアまで捕まってしまうわ。」
「はぁ---。」
「私も明後日までは出れないし---。」
「生きているものは---いつまでも美しく、輝くべきなのに。」
「この---格好つけ---。」
「いつもこうですよ---w。」
「長所として受け止めておくわ。」
そうやってゆっくりしている間に、ルーミアも---。
「うわぁ!やめてー!」
「マスタースパーク!!!」
「ぶへっ---!!!」
映姫の予想は見事に的中し、皆捕まってしまった。それから、数十分して---。
「きゃぁ!」
「ルーミアちゃん!」
「さて、皆集まったことだし!これから私が世話をしていくぞー!」
「やめてよー!」
「さて、まずはマスタースパークに耐える練習だ!みんな、覚悟はいいな?」
「やめて!!!一言も世話されたいとは言ってないよ!」
「大ちゃん---。あたいだって---彼がいない世界なんて、つまらないよ---。でも、もう。」
「チルノちゃん---。」
実は、私はその様子を天から見ていた。
「チルノ様---。」
「なかなかいい妖精ね---。昔は対抗する意識さえ無かったのに、結構頑張ったのね---。」
「一から教え込んでおきましたから---。」
そうしている間に、15時間が経った。
「あと、9時間。私の体は持つのか!?」
「今のところ順調よ。ただ、やられるときは一気にやられるわ。キラーモードのように。」
「まあ---そりゃそうですよね---。」
「そうそう---。そろそろ伝えておくわ。」
「---ん?」
「一つ、生き返ってもここで何が起こったかは誰にも言わない。二つ、生き返っても数時間は魂がないから気を付けて。」
「なるほど、つまり、すぐに復活は出来ず、復活した経緯を話すなということですね。」
「そうよ---。」
「了解です。」
果てなく続くであろう幻想郷の歴史。名を更に残すため、私は生き返りを目指すのだ。 終
さて、重大発表---
このシリーズ。第40話を持ちまして、最終回!---シーズン1が---になります!つまり、シーズン2もありますよー!詳しくは次回!お楽しみにです!
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第10章---やぁ!ただいま!幻想郷!
第38話→ただいま!妖精を守らさせて---!
「私は、パチュリーや霊夢、アリスに助けられてばかりだったのだ。だから---。」
そんなこんなで時は過ぎていった。あれから23時間が経った。
「あと1時間!」
「そうね---。あと1時間で生き返れるのよ。あと1時間耐えれば---。」
「え---?」
「ここから一時間、生き残れる確率は今の半分に落ちるわ。」
「そんな---。」
「今までは正直準備運動よ。」
そんなことは気にせず、チルノの様子を見ていた。
「チルノ---様。もう少し、耐えていてくださいね。」
「ねぇ、もしかして---彼女の事が好きなの?」
「え?---い、いや!そんなわけ---。」
「うん。察したわ。」
そうしてゆっくり話しているうちに、あっという間に一時間が経った。
「時間ね。よく耐えたわ。」
「やったぁぁぁあ!!!」
「でも、これからいきなり復活は出来ないから、気を付けて。」
「了解です。」
「そこに36500段の階段あるから、そこを登れば幻想郷よ。」
「36500段!?」
「聞いたことあるの?」
「いや、初耳です。」
「そう。前世の事。完全に忘れてるのね。」
「え?」
「冗談よ。」
「やはりですか---。」
「さあ、幻想郷はすぐそこよ!いってらっしゃい!それと---彼女にプロポーズしちゃえば~?」
「そ、そんなの恥ずかしいですよ---。」
「否定はしないのね。」
「まあ、いつかするかもですね。」
「フフ、じゃあ、次会うときは、幻想郷で。」
「はい!」
そうして、私は幻想郷への短い道をわたった。
「私は、皆に迷惑をかけてばかりなのか---!?いや、そんなことはない---はずだ!」
「魔理沙。顔色が悪いよ---。無理しないでよ---。」
「そっちには関係ない!」
「魔理沙---?」
「私にも、プライドがあるんだ!」
「そうなの?それでこれ?」
「静かにしてくれ!」
「---。」
「チルノちゃん---。」
「はぁーあ。」
「チルノちゃん---。そっと、しておこう?」
「うん。」
何やら、最近魔理沙はプライドを気にしているようだ。
「やっぱり、あたい、このままだと寂しいよ。」
「ふぅん。やっぱりチルノちゃん。彼の事が好きだったんだ~!」
「ち、違う!」
「正直に言って~!」
「---そりゃ、気にはしてるよ。」
「そーなのか~?」
「そーかもね!」
「チルノちゃん---ショックが大きいの。私もわかるよ!私だって、彼がいなくなってから、怖いんだもん。何もかもが!」
「大ちゃん---。」
「さてと、話はそろそろ終わり。確かチルノは強くなりたいんだったな。」
「それが?」
「ならば、マスタースパークに耐えられる強さがないとな!」
「ちょっと待って!チルノちゃんが可哀想だよ!」
「私なりの教え方なんだ---。私も、今まで助けられてばかりだった。だから、こんどは---。」
「とはいっても、これは違うよ!」
「そんな---ことないはずだ!」
「大ちゃん!」
「え?」
「諦めよう?」
「チルノちゃん---。」
「さぁ、受け止めな、マスタースパーク!!!」
「アイシクルフォーーール!!!!!」
「ほう---。やはり追い込まれるほど強くなっているな---。人間と似ているんだなー。」
「うっ---体が、限界---。」
「チルノちゃん!?」
「ムーンライトレイ!!!」
「ルーミアちゃん!?」
「ほう、2対1かー。面白い!」
「2対1じゃない!私もよ!3対1よ!」
「ほう~。ならば、3人で止めてみな!」
「---チルノ様!危ないですよ!」
遠くから声が聞こえたが、それに気付くものはいなかった。
「マスタースパーク!!!」
「うわぁーー!これは無理だよ!」
「チルノさまぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!」
「え!?」
やっと気付いたが、既に能力を出す時間はなかった。
「な、なぜお前が生きてる!?」
「やっ!」
私は、妖精たちの前に立ち、マスタースパークを受け止めた。
「うぬぬ---。お前が来たところで、その状態なら倒せるぜ!!」
「誰が倒せるって!?グランドファイアインフェルノ!闇色ドラゴン、召喚!」
「うっ、ヤバイ!」
「マスタースパーク、吸収。影分身。行け!波動砲!」
「あー!そうだ!これから霊夢と遊ぶんだった!じゃあなー!」
「無駄だぜ!闇色ドラゴン、とらえて!」
「うわぁぁあああああ!!!!!ぶふっ!」
それからすかさず魔理沙をとらえた。
「おい、なぜこうした!?経緯を話せ!」
「だから、私は霊夢と遊ぶ予定が。」
「ないな。今分身に確認とってもらったが、霊夢は今日紅魔館に用があるみたいだぞ。」
「な、なんだと!?」
「もう諦めな。」
「また、また役にたつことが出来なかったか---。」
「どういう意味だ?説明しろ。」
「私は、皆に迷惑をかけてばかりだったのだ。パチェから本を奪いまくったり、霊夢の邪魔しちゃったり---。」
「で、なぜこうなった。」
「それから、お前が死んだと思って、代わりに妖精たちを強くしようと思ったのだ。」
「ほう。そういうことか?ドラゴン。今の話、本当か嘘か調べてくれ。」
そういって、ドラゴンは真偽を確認した。
「ほう、どうやら本当のようだな。ってことですが、チルノ様彼女をどうしましょうか?」
「別に、わざとじゃないなら離してあげて---。っていうか、なんでここにいるの?」
「それは後でお願いします。」
「うん。」
「では、ドラゴン。解放してあげて。」
「いてて。」
「では、チルノ様。そこ開けますから、下がっていてくださいねー。」
「うん!」
「おい待て、そこは私じゃないと開けられない魔法が---。」
「平気ですよ!解除!---はい、オッケーです!」
「はやっ!」
「わぁぁぁあ!!!お帰りーーー!」
「ええ、ただいまです!」
「これ、夢じゃないよね?」
「夢ではありませんよ!」
「本当?それと、死んじゃったんじゃないの?生き返ったの?」
「まあまあ、落ち着いてください。後で話しますよ!」
「じゃあ、いつもの場所帰ろうよ!」
「はい!」
そうして、妖精たちと部屋に戻ったのである。
「ふぅ---なんか1日しか経ってないのに10日くらい経った気分だよー!」
「大変でしたね---。」
「そりゃ、そうだよ。もっと強くならなきゃ!」
「また手伝いますよ!」
「よろしくねー!そういえばさ---あのときから気になってたけど、話ってなに!?」
「フフフ。」
「なに笑ってるの?」
「ドッキリー---大成功!!!!!」
「は!?」 終
シーズン1が終わってから休憩期間に入ります!9ヶ月位ですかな?その間更新0は悲しいので、番外編でもしチルノ様に会ってなかったら?ってやつをやります。詳しくはまた次回!お楽しみに!
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第39話→久々(?)に白玉楼と紅魔館に行ってみた!!!
「ドッキリー大成功!!!!!」
「は!?」
私が異世界(?)でしたことを言わないために考えたのは---。
「チルノ様。私が本当に死んだとは限りませんよね?」
「どういうこと?」
「私の生死の確認、正確にやってもらいました?」
「いや、見てもらってない---。」
「ということは---?」
「まさか!」
「ドッキリでしたぁぁ!(嘘)」
「ねぇ---じゃあ、あたいからのプレゼント!口を大きく開けて?」
「え?あ、はい。」
その瞬間、彼女はこっちに走ってきた。
「にゃ!?」
それから、口に手を当ててきた。
「お仕置きだ!口の中にアイシクルフォール!」
「へ?あぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
「どうだ!あたいを騙した罰だ!」
「ぐぶっ!ああ---もう、ダメです。やめて---ください。」
「どうした~?いつもの強さはどこにいったの~?」
「体が、動かない---。」
「よーし、今回はここまでにしておこう!」
「はぁ---はぁ---。ぐっ---死ぬとこだった---。」
「だいたいねー、こんなことしなきゃいいんだよ---。」
「うっ!---痛いところを突かれましたねぇ。」
「はい、あたいからの命令ね!」
「あ---はーい。」
「さぁて---じゃあ---。」
「何かお悩みでも?」
「あたい---怖い。」
「え---?」
「やっぱり、一人は怖い。」
「まあ、私も夜中に一人で歩くのは怖いですからね---。」
「お化けが苦手なんでしょ?フフフ。面白い。」
「なんか、元気がありませんよ?」
「あの---。」
「はい?」
「あたいのこと、どう思うの?怒らないから、はっきり言ってよ---。」
「前から、言ってますね---。」
「正直に、お願い。」
「うん。---ふぅ。---好きです。」
「やっぱりぃ。」
「まあ、分かってるとは思ってました。」
そのとき、チルノが出してきたのは。
「これ、何か分かる?」
「なんでしょうか?」
「ボイスレコーダー。」
「え---。まさか!?」
そこで流れたのは、私の好きですっていう声だった。
「あ---。」
「さぁて、大ちゃんとルーミアにも見せてこよーっと!」
「あっ---ちょ!やめてくださいよ~!」
「アハハ!楽しい!」
「なんでこうなった!」
そうして、彼女は家を飛び出して、ルーミアと大妖精のいる場所へそれぞれ向かったのだ。
「あーあ。終わった~。」
そういって、部屋でぐーったりしている私。少し笑顔だった。
「フフフ。思ったより、ドキドキするなぁー。」
そういって、夜遅くになってから、ぐったり寝た。
翌朝
「ふわぁぁぁ---。やっぱりしっかり寝れませんや。まあ、しゃーなし!」
そこに、誰かがやって来た。
「ん?チルノちゃん、帰って来た?おかえりなさいで---あれ?妖夢?久しぶりー!何かあったの?」
「大変です!幽々子様が!」
「え?」
「1日15回ほど朝食をとるようになりました---。」
「は?ということは、朝昼晩合わせて、45食!?」
「いや、夜食合わせて50食ほどです---。お願いです!なんとか止めてください!」
「なんでやねん!1日50食は無理やろ!」
「それが---あのお方はご飯を食べていないと気がすまなくて---。」
「幻想郷には随分変な人がいるもんだなぁー。わかりました。説得します。」
「ありがとうございます!というか、あのお方は食に関すること以外は変ではないんですがね---。」
「まぁ---そこまで変すぎる方はいませんからね---多分。」
「では、こちらです。」
そうして、白玉楼に向かった。
「幽々子様。お話があります。」
「なぁに?」
「お久しぶりですぅ~。」
「げっ---妖夢---。まさかとは思ったけど、助っ人を呼んできたのね---?」
「さて、1日に何度もご飯を食べる理由。聞かせてくださいな---。」
「それは。ただ食べたいだけよ。」
「妖夢が困ってますよ?」
「あら、そうなの?」
「ええ。流石に50食なんて作れません。」
「あらら~。それは悪かったわね~。ならば、1日45食---。」
「であれば、毎日おかず抜きにします。」
「ならば、30食---。」
「であれば、20食は自分で作って貰います。」
「なら、10食---?」
「幽々子様。そろそろ諦めてください。1日3食。これが一番良いのですよ!」
「うっ---。トホホー。悪かったわね。妖夢。気を付けるわ---。」
「なんか、私抜きでも行けた?」
「なんとか説得できました!ありがとうございます!」
「私は、なんもしてませんがね?では、部屋に戻らさせて頂きます!」
「ええ。」
そうして、部屋に戻った直後---。
「あれ?また誰かやって来た。今度は誰かな~?」
「お久しぶりです~。」
「あれ?中国---じゃなくて、みりん---じゃなくて---。」
「美鈴ですー!」
「あ、そうでした。で、ご用件は?」
「うちの咲夜さんが私をいっつも叩いてきて---もう困り果ててしまい~。」
「なるほど---。では、すぐに向かいましょう。」
「ありがとうございます~!」
そうして、急いで紅魔館に向かった。
「ふぅ---。あれ?咲夜さん、あそこに立ってますよ?待っているんじゃないんですか?」
「あ、本当だ!咲夜さーん!ただいまでーす!」
「あら、お帰り!---何やってたかしーっかりと説明してくれる?ニッコリ」
「ええっと、咲夜さん退治の為に助けを呼んできました~!」
「え?退治するとは言ってませんよ?」
「なるほどねぇー、美鈴!今月の給料は無しね!」
「げっ---咲夜さん、それは流石にやりすぎですよ---。」
「だってあなた、今月ずっと寝てばかりよね?そりゃ、叩くに決まってるわ---。」
「あ、まずい。」
「なるほど、つまり美鈴は寝てばかりで咲夜に叩かれ、結局助けを求めて私のところへやって来たと?」
「あ、いや、それは。」
「んじゃ、私は叩きたくないんで、後は咲夜にしっかり叩かれるんだなー。」
「あ、待って!」
「さてと、美鈴---。わかってるわよね?」
「うわあ!咲夜さん、ごめんなさい!ブヘッ!」
「ふぅ、あ、お嬢様に呼ばれた---。じゃあねー。」
「ああああああああ!!!!!」
その頃、部屋に戻ってゆっくりしている私は---。
「まったくー、でも、皆私が本当に死んだことには気づいていないみたい---。良かったー。」
そこへ、また誰かやって来た。
「今度はだあれ?あ、チルノ様。お帰りなさいです!」
「ただいま~!あのボイスレコーダー、大ちゃんとルーミアに聞かせてあげたよ!」
「うっー。」
「ヒューヒュー!だってさ!」
「やっぱり、こうなっちゃうんですね---。」
「さぁて、今日は午前中何したの?」
「紅魔館と白玉楼にいきましたよー。」
「何をしに?」
「ええっと---。ミニ異変解決。かな?」
「何それ、面白そう---。ミニ異変って---。」
「まあ、色々とありましたよ。」
「へぇー。」 終
次回がシーズン1最終話!!!そのあと何回かに分けて番外編、シーズン2がたくさんあって、この小説が完結となります!では、次回もお楽しみに!!!!!
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第40話→チルノ様の努力の成果!これまでとこれからを---!
「さぁて、チルノ様。何します?」
「んー。どうしよう?」
「今回でシーズン1終わりっていうメールがうp主さんから来ましたよ?」
「え?そうなの?」
「そうみたいですねー。」
「んじゃあ---。」
「はい?」
「あの---あたいと付き合ってよ!」
「え?いきなりですか?」
「うん!」
「別に、良いとは思いますが、本当にそんなことして大丈夫なのですか?」
「だって、最終回でしょ?」
「まだシーズン2があるみたいですよ!」
「へぇー、じゃあ、いつかあたいがお前に勝ったら付き合ってよ!命令ね!」
「楽しみにしてます。」
「ならば---今回はルーミアちゃんと勝負だ!」
「え?私が?ルーミアとちゃんと勝負を?」
「違う!あたいが!どれだけ強くなったか、見せてやるんだ!」
「はぁ---なるほど、それは良いですねー。」
「んじゃあ、ルーミアちゃんのところへレッツゴー!」
「なんでこんな展開に---。」
そうして、2人でルーミアのいる場所へ向かった。
「ルーミアちゃーん!」
「チルノちゃん?どうかしたの?」
「あたいと勝負だ!」
「え、いきなりー?でも、なんで勝負をしたいの?」
「あたいが強くなったところを見せてやるんだ!」
「そーなのか~?でも前に勝負したとき、チルノちゃんをぼこぼこにしちゃって、勝負をしたくないと---。」
「それは昔のこと~!そのリベンジだ!」
「チルノちゃん---。わかった!でも、今回もチルノちゃんをぼこぼこにしちゃったらごめんね?」
「大丈夫!今回はあたいが勝つから!」
「じゃあ、チルノちゃんに勝ったら、彼を1週間レンタルしていい?」
「え、私をレンタルするのですか?私はチルノ様をいつも守ってま---。」
「いいよ!」
「エエエ!?」
「やったぁ!じゃあ、勝負だ!」
「うん!」
「別に、分身で守ることならいつでも出来るのに---。まあ、聞いてないことだし、良いか!」
「それじゃあ、勝負開始!いくよ!ルーミアちゃん!」
「うん!」
「アイシクルフォール!」
「そーなのか?うわぁっ!」
「どうだ!あたいの勝ちだ!」
「まだまだそんなんじゃ終わらないよ!」
「うみゃぁ!?」
「今度はこっちからだー!ムーンライトレイ!」
「そんなのあたいくらいになるとぉ---直撃しても大丈ブヘッ!」
「前にもそんなこと言ってやられたよね---。成長してない?って、あれ?」
「今のあたいは、こんなところで終わらないんだぁ!パーフェクトフリーズ!」
「うわぁ!助けてぇ!」
「行けぇ!」
「ギャァァァァア!」
それを、コーヒーを飲みながら遠くで見ていた私がいたのである---。
「ほう、チルノ様。なかなか良い攻撃出しますな---。まぁ、本気出せば2秒で倒せますがね---。」
そこに、チルノが大きな声で何か話してきた。
「どうだ!このまま次はあんたを倒す!って、消えた?」
「後ろですよ---。」
「うみゃぁ!?」
「はい、チェックメ---。」
「わかった!なにもしないから、許して!」
「フフフ、こちらだって何もする気なかったですよ?」
「え、そうなの?」
「本気出せばあなたの命が危なくなるのでね---。」
「こ、怖い---。」
「はい、んじゃ、ルーミアちゃんを助けましょうか!」
「うん!」
そうして、ぐったりしているルーミアを助けた。
「チルノちゃん---強すぎ---だよ。」
「えへへー!あたい頑張ったんだぁ!」
「さて、ルーミアちゃんはしっかり休んだ方が---。私の部屋に連れていきましょう。」
「よろしく---。」
そうして、皆で部屋に戻った。
「あたい、まだまだ勝てる気がする!」
「えええ?また誰かと勝負するんですか?」
「大ちゃんは---傷つけたくないなー。」
「まあ、そうなりますよね---。」
「じゃあ---一人で紅魔館制覇!」
「やめましょう。私を倒せない限り、一人制覇は厳しいですよ?私だって一人だと厳しいですもん。」
「そういって、実は余裕系男子なんじゃないの?」
「アハハ---。まぁ、紅魔館制覇ってより、白玉楼の妖夢ならなかなか面白いとは思いますよ?」
「本当に?」
「わかりませんがね---。ただ、私が知ってる限り、白玉楼、紅魔館、どっかのひまわり畑位しか分かりませんから---。」
「あと、博麗神社ね---。」
「色々ありましたねー。」
「んじゃあ、白玉楼行ってくる!」
「本当に行っちゃったし---。少し冗談入れ気味で言ったんだけどな---。バレないようについていくか---。」
そうして、チルノ(たち)は、妖夢のいるところへ行った。
「あ、いたいた。妖夢ー!あたいと勝負だ!」
「いきなり---ですか?まあ、暇でしたし、受けてたちましょう!」
私は、それをこっそり遠くから見守ることにした。
「ここならバレないかな?」
「あらー。こんにちは~!」
「うわっと---まさか幽々子が後ろにいたとは。」
「今日はどんな理由で来たの?」
「言わなくてもあれを見ればわかるはずですよ?」
「あら、チルノと妖夢が勝負してるわね---。」
「もう、分かりますよね?」
「チルノ、妖夢に恨みがあるのね---。話し相手にはなるのに---。」
「違いますよ---。何故その考えに至ったのですか---?」
「何となくよ。」
「全然違いますね---。」
「そうなの?じゃあ何よ---?」
「彼女は---自分がどこまで強くなったか知りたいみたいです---。」
「ということは---妖夢と勝負して勝てるくらい強くなってるか知りたいってことなのね---?」
「ええ。ただ、私も鍛え方が甘すぎましたよ---。」
「そうなの?あんだけしっかりやってるように見えたのに?」
「ええ。もう少し⑨なところを消すべきでしたわ---。」
「ええやないの。これから消せば。」
「まぁ、そりゃそうですよね。」
「さぁて、勝負はどうなってるかしらぁ?」
「こ、これなら、パーフェクトフリーズ!」
「甘い!」
「え?」
「楼観剣に切れぬものなど殆どないのだ---。」
「そんなー、あたいの鍛えた氷なら---。」
「パーフェクトフリーズ?ってやつなど、一気に切り裂いて見せましょう!えいっー!」
「うわぁ!あたいのパーフェクトフリーズが!」
それを遠くから見ていた2人は---。
「あーらら。チルノ様。もうピンチですわ。」
「フフフ、妖夢も最近頑張ってるわねー。そういえば、あなたって飛べたの?」
「ドラゴンの力を借りてるとこうなりますー。」
「なぁに?それ?」
「フフフ、ここからさきは秘密ですー。」
「ええ?いいじゃないのー。」
「ダメよー。ダメダメ!」
「そう?ならしょうがないわね---。」
「まぁ、とりあえず、勝負の続きを見ましょうよ!」
「ええ。」
そうして、2人でゆっくり勝負の続きを見ようとした。が---既に終わっていたのだった。
「あら、もう終わったのかしら?妖夢?」
「ええ。あの妖精、なかなか強かったですねー。」
「へぇー。」
「あらら---チルノ様。」
「ふぇぇ。痛いよぉ~!」
「はいはい、ゆっくり休んでくださいね---。」
「あたい、もしかしたら、誰にも勝てない?」
「そんなことはないですよ!」
「本当に?」
「ええ。絶対ですよ!」
「なら、いいんだけど---。」
「それでは、そろそろ部屋に戻りますかな?」
「うん!」
「それでは、少々お待ちくださいねー。」
そうして、私は妖夢に一言伝えて、チルノといつもの場所に戻った。
「そういえば、あんたはさ~、最後に妖夢に何て言ったの?」
「フフフ、またよろしくねって、伝えておきましたよ。次勝負するときは、必ず勝ってくださいね!」
「あたい、頑張る~!」
「さぁて---様々な課題が出ましたねー。」
「これから一つずつ解決しないとなぁー。」
「では、これから何します?」
「んー、やっぱり、あたいと付き合ってよ!」
「まだそれ言います?よく考えてくださいよー。」
「え?」
「私はいつもあなたの手助け、してますよ!」
「え?」
「色々付き合って来たじゃないですか~。今さら付き合ってよって---。フフフ。」
「な、何笑ってるの!?恥ずかしいよ!」
「フフフ、失礼しました---。」
「んじゃ---一言だけ、良い?」
「何でしょうか?」
「あのさ---。」
「はい?」
「これからも---よろしくね!」
「勿論ですよ!」
「さて---いつか妖夢や魔理沙。それに、あんたも倒せるようになるぞ~~!」
「楽しみにしてます!」
「楽しみにしててね!」
「そのときまで、待ってますから---。」 終
これにて、シーズン1は終わりになります!これから不定期で番外編あります!そのあとにシーズン2もありますので、よろしくお願いします!では、シーズン1を見ていただき---本当にありがとうございました!!!!!
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番外編---夢の中は過去の過ち?赤い霧には見えぬ希望!
第41話---あの日の出来事が変わってたら---!?
もしも、あの日チルノ様に会ってなかったら---。私はどうなっていたんだろう---?
もしも、あの日に時を戻したら、私はどんな運命だったのだろう---?
もしも---もしも---もしも!!
今回は、そんな時間軸を転生した直後に戻してみるとしよう---。時は、チルノ様と出会う1分前にしよう。
「お、森を抜けたぞ---やったぁぁぁぁあ!?」
そこで私は、現実世界ではあり得ない小さいものを見るはずだった---。が---私はそれに気付かず、更に奥へ歩いていった。
「ふぅ---長い長い森だったなぁ。」
ここで世界が分岐したとしよう。私は、この先何が起こるか、まったく分からなかった---。
「さて、この先どこ行こうか---?」
勿論このとき、博麗神社や紅魔館、更にはまだ見てない他のものや人も知らない。そこに、壊れかけの傘が落ちていた。
「なんだ---これ?そうだ!傘を倒して、倒れた先に行けばいいんだ!それっ---。こっちか。って、逆走かよ!」
ただの独り言だった。でも、もし本当に逆走したら、チルノ様に出会ってたかもしれない。
「いいや、まっすぐ進も---。」
20分くらい進んでいった。そのとき、早速異変が起きた。
「なんだ?空が、赤い?あっちの方角からだ!行ってみよっと!」
この先何が起こるかわからない、ただ、私はある建物を見つけた。
「誰か、いる?」
そこには、中国人のような人が立っていた。
「誰、だろう?話しかけてみよう---。」
そうして、見知らぬ人に声をかけてみた。
「あの、あなたは?」
「お嬢様の邪魔をしに来ましたね?例え知らない人でも追い出させていただきます!」
「え?いきなり~?なるほど、こんなことの為に能力があるのか---。」
そのときはじめて能力の使い方を知った。が、当然知るのが遅すぎた。
「うわぁぁぁぁ~!!!」
「さぁ、天空まで飛んでいっちゃえー!」
「ちょ、これ終わる!助けてぇ!」
なにも知らないうちに、雲に触れられそうなほど天に昇りかけていた。
「う、うぅ。って、危ない危ない---。正面突破は無理だなぁ。」
そう思っていたら、近くにまた誰かいた。
「あれは、誰?」
そうして、話しかけてみた。
「ねぇ、君は誰?」
「私?私はルーミア!」
「ルーミア?」
「うん!あんた、紅魔館に入ろうとしたでしょー?諦めなよー。」
「ほう?ならば、能力を使えば良いだけの話ですよ?って、あの建物、紅魔館っていうんですね~。」
「そーなのだー。」
「では、怪しいものには触れないようにお気を付けて、私はもう一度行ってきますから---。」
「そーなのか~?」
「はい。ちょっと倒したくなったのでね---。」
「気を付けるのか~。」
「ええ。勿論です。」
そうして、もう一度紅魔館に行く事になった。
「さぁて、今度こそ!」
「また倒されに来たのですか?霊夢が来るよりも早く来るとは、何かここに恨みでも?」
「恨み?っていうか、あの赤い奴を消してほしいだけですよ?」
「それは出来ないですねぇー。」
「何か理由でも?」
「お嬢様の為ですからね。」
「お嬢様?」
「あらら?まさか幻想郷入りしてすぐなのかな?」
「それが、色々と記憶にないんですねー。」
すでにこのときには受付で何があったとか、そんなことは完全に忘れていた。
「まぁ、とりあえず一生曇りは嫌なので、すぐに晴れにしてあげましょう!」
「また勝負する?さっきのように吹っ飛ばして、同じ事をし---え?」
「私は5分間最強になれるのだからねぇ!」
「え?な、な、な、---何!?この力---。」
「テンパってるじゃないっすか~?」
「うっ,これは違う!」
「何が違うんですか?」
「いや、だから---この現状グハッ!!!」
「現実逃避しなーい。さて、次に行かさせて頂きますよ?」
その頃、霊夢は---。
「ジーーー。」
「何見てんだ,霊夢?」
「魔理沙、助けて!」
「なんだ?いきなりよー。」
「実は---実は!!!」
「なんか、誰かにおやつでも食われたのか?」
「お賽銭が入ってない!」
「---ごめん聞こえなかったぁ。もう一度いいかなぁ?」
「お賽銭がぁ入ってなぁい。」
「は?そんなん当たり前だろ?だいたいいつもいつもこんなことで声をかけてよー。」
「お賽銭ーーーーーーー!!!!!!!」
「お賽銭入れてやろうか?」
「魔理沙!是非是非この中に!」
「お前の脳内をお賽銭という言葉だけで埋め尽くそうかなぁ?」
「え?」
「霊夢、これからお賽銭以外のことを考えることが出来ないようにしてあげようかなぁぁ?」
「魔理沙---。落ち着け。まだ早い。」
「マスターお賽銭スパーーーーーーク!!!!!!!」
「ああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「どうだ!!!って、あれ?なんか、思ってるのと違うぞ?」
「お賽銭~お賽銭~お賽銭~お賽銭~ 」
「な、なぁ、霊夢。」
「お賽銭~お賽銭~お賽銭~お賽銭~ 」
「ねぇ、ちょ、何これ?なんか、やだ。」
「おーさーいーせーんっ!」
「霊夢!!私が悪かった!これから毎日お賽銭入れるから許して!ねえ!元に戻ってよ!」
「はい、言っちゃった~。んじゃ、毎日よろしくね!」
「は?」
「お賽銭ゲット~!そもそもマスターお賽銭スパーク?そんなものあるわけな---。」
「マスタースパーク。」
「あああああああああ!!!!!!」
「霊夢。そこで反省してるんだな。」
「ううっ---。」
そうして、なにやらわけわからない喧嘩みたいなことをしてるうちに、無情にも紅魔館の作戦は進んでいくのであった。
「さて、そろそろ霊夢たちがやってくるわ。」
紅魔館の主は、先の事を読んで対処法を探している。勿論、この時点でこの主について、なにも知らない。
「かしこまりました。お嬢様。」
「霊夢さえ倒してしまえば、幻想郷は私たちの物よ。確実に仕留めてちょうだい。」
「はい。」
そんなこんなで紅魔館内で話が進んでいる間に、私と中国語(仮)の勝負が再開されたのだった。
「さて、あれだけ飛ばしてまたやって来たので、今度は容赦しませんよ?今逃げるなら見逃してあげますよ?」
「ならば、最強になればいいんですよ!」
勿論、このときグランドファイアインフェルノという厨ニ---いや、そんな名前は存在してない。
「そちらも本気ですか?」
「とりあえず、私の能力は1つ。たった一つなのでね。一瞬で終わらせてあげますよ?」
「紅魔館には絶対に入れません!!!」
「ほう。ならば、今から私を止めてみなさい!」 終
次回もお楽しみにですにゃぁ!
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第42話→紅魔館の図書館!私の勘は孤独感!
「止められるなら、私を止めてみなさい!」
そういって、5分間最強になれる能力を使った。
「ほう、ならば、華符、芳華絢爛!」
「フワッ、な、なんじゃそりゃ!?」
「スペルカード。勝負を決めるときとかに使うものかな?」
「うわぁぁぁぁあ!!!」
「とりあえず、今は命令通り入れさせませんからね!」
「あれ、効いてない?」
「嘘---!?」
「なーんかよく分からないけど、ラッキーーー!」
「な、なら今度は---。」
「今度はこっちの番ですや。」
よく分からないまま、相手の攻撃を受け止めた。そもそも、スペルカードとはなんなのかさえ分からないのである。
「今って、最強なのかな?ならばぁ、えい!」
「な、何をするつもりですの?」
「フフフ、とりゃ!いや---。」
何となく考えたのが、紅魔館自体を破壊することだった。が、流石にそんなことはするべきでないと考えた。
「流石に物を壊すのは嫌ですねー。」
「入ってきたのにフラン様の事を知ってる---!?一体どこでその情報を---。」
「え?」
勿論、中国---じゃなくて、美鈴の勘違いである。
「いや、気を使ってるだけですが?」
「わ、私の事まで!?こ、こいつ、ヤバイ!」
「ええ?」
美鈴の能力は気を使う程度の能力。つまり、気を使ってるという言葉には敏感なようだ。
「ま、まぁ---。とりあえず早く赤い霧止めに行きますので、強制的に中に入りますよ!って、あれ?」
いつの間にか、美鈴が気絶していた。きっとフランと美鈴の能力が分かってるかと思ったのだ。
「ここが、入り口かな?」
とりあえず、紅魔館内に入ってみる事にした。
「失礼しまぁす---って、でかっ!ここ、紅魔館ホテルかよ!?」
それから、しばらく歩いてみたが、誰もいない。どうやら、人気のないホテルのようだ。さらに奥へと進んでみると---。
「ここから2階へと進むのかぁ。」
そうして、2階に上がろうとした瞬間---。
「霊夢じゃないんだぁ。」
「え?」
「私は小悪魔---。」
「自分?はタケノコ!何故か分からないけどこの世界にやって来た人間だ!」
「人間?ふぅん。まあいいや。図書館へは通させないよ!」
「やれやれ、さっき美鈴ってやつに出会ったばかりなんだけどなぁー。」
「あれ、美鈴を倒したの?」
「イヤー、なかなか手強かった---!」
「へぇー、ならばそこそこの力は持ってるんだ。」
「はぁ---。面倒なパタパタちゃんがやって来たぁ。」
「パタパタちゃん?」
「パタパタ飛んでるからそんな名前で~。」
「んじゃぁ、一瞬で終わらせて、パチュリー様のところへ戻ろっと!」
なんだかよく分からないやつがやって来た。いや、その場に立っていた。大きなドアの前で、残り僅かな時間の能力を活かした。
「フフフ、えいっ!」
「ぐふっ---。」
「口ほどにもない---。で、この先が図書館か?」
そうして、一気に図書館の方へ走っていった。
「あはは!この能力面白ーい!---どぉーん!」
なぜだか分からないが、調子に乗り始めてきた。勿論、5分間が切れるまで残り10秒だということを知らず---。
「あ、また誰かいるよぉ。」
「あなたは、誰?」
「自分はタケノコ。赤い霧を見ると何か寂しくなるから、それを止めにやって来たんだ!」
「なんか、人間の考えることはよく分からないわね。」
「え?」
人間の考えることという言葉であれ、ってなった。
「君は、人間じゃない---?」
「気づくのが遅いわね。私は魔法使いよ。」
「ま、魔法使い!?」
「ええ。衝撃的でしょ?」
「ま、まぁ、そんなわけない!」
いきなり私は魔法使いと言われて信じることは出来ないだろう。これを使うまでは、冗談だと思っていた。
「もういいや、一つ魔法を使ってあげるよ。いつも本を見て学んでいる中から、実践的な技を一つね。」
「本読んでる魔法使いか~。ププッ、なんか笑える---。」
「し、失礼ね!」
「というか、名前聞いてないな。」
「私はパチュリー・ノーレッジ。」
「で、私は自己紹介は済んでるから、エセ中国人同様あの力で倒してやる!」
「美鈴も大変ねー、色んな名前で呼ばれて---。まぁ、今から魔法の力、しっかり見せてあげるわ!」
「ま、魔法?」
「ぜぇ---ぜぇ---。」
どうやら、パチュリーは自己紹介をしてる間に話しすぎて息が切れたようだ。
「疲れるのはやっ!こんなの勝負にならないよー。」
このとき、私はその場にいるのがパチュリーだけだと勘違いしていた。
「あはは!こんなの勝負になりそうにないねぇ!」
「こあ、助けてー!」
「こ、こあ?」
「パチュリー様~。何かありましたー?」
「話しすぎて息切れしたわ。代わりにそこにいるやつ倒してくれる?」
どうやら、パチュリーは私との勝負から逃げて、こあという者に任せるようだ。
「敵前逃亡ですかぁ。エセ中国人の方が楽しめましたねぇ。」
「待て!この私が倒してやるー!」
「えい!」
私は、中国に打った技をもう一度打とうとした。
「あれ?えい!」
能力が切れたことは全く分かっていない。
「何で、出ないんだ!?えい!えい!---えい!!!」
「パチュリー様~。敵前逃亡したせいか、おかしな行動してますよー。」
「えええ?ならば、そのまま時間稼ぎさせておいてー。ハァ、ハァ---体が、思うように動かないわ。」
「全くー、パチュリー様が無理をするからですよー。」
紅魔館組は、私が何をやってるかわからないようだ。---いや、初めてこの動作を見て、疑問に思わない人の方がおかしいだろう。
「くっ---どうして、出ないんだ!?」
「そちらから行かないようなら、こちらからいきますよー!」
一気にこあが襲いかかってくる。
「そういえば、こあってあだ名、面白いなぁ---。プププ!」
「笑ったなぁ!?もう許さないですよぉー!」
「許したくなかったら許さないでいいですよー。足の早さには自信がありますから。」
「へぇー。一瞬で倒すー!」
「素手で勝負!」
考えに考え抜いた挙げ句、出てきた答えが素手で勝負!だった。
「そういえば、こあって本名は---?」
「なんだと思うー?」
「転んだ悪魔。」
「なにそれ?小悪魔だよー!」
「あははー、ちょーっと面白そうかなって---!!」
「どーでもいい!さっさと終わらせたくなくなってきたなぁ。じゃあ、行くよー---!」 終
次回もお楽しみに!
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第43話→架空事件?魂の心は夢の中にて---
「まずは腕から---!」
「もしかして、能力に、制限時間があって、切れた---?」
自分の効果が完全に切れたのを、ここでようやく気づいた。
「うわぁぁぁぁぁあーーー!助けてー!」
逃げようとしたそのときだった。
「うわっ!」
何かが飛んできた。勿論、早くて推測することすら出来なかった。
「な、なんだ?」
ゆっくり後ろに下がりながら、逃げる隙を伺っていた。
「れ、霊夢と魔理沙だぁ!」
「え?」
後ろにいたのは、ほうきを持ってる黄色い魔法使いと、お札を持ってる赤い人間だった。
「なぁに、意外だなぁ。先客がいたなんて。あなたは一体誰?」
黄色い方が質問していた。
「私はタケノコ。訳がわからずこの世界にやって来た者です!」
「訳もわからず?なんでここにいるのかさえもわからないのか?」
「はい---。」
「そうかぁ。霊夢、またまた仕事が増えたなっ!」
「ちょ、うるさいわねぇ!で、タケノコだっけ?危ないから下がってて、後はこっちでなんとかするから---。」
そこに、またまたパチュリーが現れた。
「あ、そこにいる紫の魔法使いめ、そこにいる黒いやつは倒したぞ!」
「ええ?いつの間に!?」
魔理沙は、私と霊夢が話している一瞬で、小悪魔を倒していた。10秒もかかっていない。
「おぜう様に命令されてるんでね、火符、アグニシャイン!」
なにやらよくわからないことになっている隙に、この館を出ようとした。
「出口は、どっちだっけ?」
迷子になってしまって、そこでまた誰かに出会った。
「侵入者ね---。」
今度は誰だよ!って思いながら、普通に話そうとした。そのときだった。
「たとえ誰であろうと、侵入者は生け捕りにしてお嬢様の元へ連れていかなくてはいけないの。抵抗しなければ命は助かると思うわ。」
「命は助かるって---ただじゃあ済まないんだなぁ。」
自分より背が高く、抵抗できそうになかった。
「私は十六夜咲夜、あなたはタケノコだっけ?」
「え、なぜ私の名前を?」
「さっきこっそり聞いたわ。」
状況の理解が出来なかった。まぁ、まだ全く習っていない単元の演習問題をするのと同じであろう。
「別に、私はこの霧を止めて欲しいって言いに来ただけですし---そもそも悪いことしようとはしませんよ---。」
「その霧を止めてほしいだって?やっぱり早くお嬢様のところへ連れていかなくては行けませんねぇ。」
咲夜は、既に能力は使えず、無力同然の私を捕まえて、お嬢様の元へ連れていった。
「うわぁ、止めてくださいよぉ!って、あれ?」
瞬きをした瞬間、目の前には、小悪魔のように黒い羽を持った者がいた。
「何が起こったんだぁ!?」
「私の能力よ。時間を止めて、その間にここに来たのよ。で、お嬢様、彼をどうしましょうか?」
「霊夢じゃないんだ。ねぇ、しつもーん。門番いたでしょ?そっちが倒したの?」
「あぁ。あの中国っぽい格好したやつかぁ。自分が倒しましたよー。」
「そこそこの実力ならあるのね。」
「そこそこの実力ならありました。今はないですがね。」
「どういうことよ?」
「私の能力、5分間最強になれるという力を使い、ここまで来たということです。」
「私はこの紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ。咲夜、殺そうと思ったけど、流石に殺すのはやめることにするよ。右足だけとっちゃってー。」
「え?え?---右足を、とる?」
「かしこまりました。お嬢様。」
「うわぁーーー!!!」
そこで、咲夜が言った事が衝撃的だった。
「生きて帰れるだけありがたいと思いなさい。」
「うわぁぁぁぁぁあーーーーーーーーーー!!!!!」
必死に逃げていた。当然のごとく、咲夜がずっと追いかけてくる。後ろを振り返ってる暇はなかった。が、足音は徐々に大きくなっていった。
「ハァ、ハァ---もう、限界だぁ。」
「ごめんなさいね、お嬢様の命令は絶対なのよ。ゆっくりやるか、一気にやるか、選ばせてあげるから。」
「うわぁぁぁあ!!!」
足を取られそうになった。
「マスタースパーク!!!!!」
どこからか声が聞こえたあと、目の前を黄色い光が覆った。
「うわぁぁぁあ!!!助けてぇぇええぇええぇええ!!!」
「ねぇ、ねぇ---大丈夫?」
「う、うわぁぁぁぁぁあーーー!」
「ねぇ---ねぇ!」
「ん---んんっ---?」
どうやら、悪い夢を見ていたようだ。そのとき、それはただの夢だと思っていた。
「チ、チルノ様---。」
「大丈夫?何か嫌な夢でも見たの?」
「変な夢を見ましたよ---。」
「どんな夢?一人で抱え込めないなら、あたいが聞いてあげるよ!」
「実はですね---。」
そうして、その夢を全て話した。そのとき、彼女の顔は何か考えてるような表情へと変わった。
「ねぇ、それってさ、本当?」
「はい---。」
何かおかしいと考えたが、そこで、彼女が口に出したのが---。
「あのさ、それって、半年位前に起こった出来事じゃない?あたいたちが初めてであった頃だったっけ?」
「え?」
「紅魔館の赤い霧事件だよ。」
「赤い霧---そういえば、私が大ちゃんを助けに行ったとき、誰かがその事について話したような。」
少しずつ謎が解決しそうになってきた。が、なぜその夢を見たかを考えると、答えは一生出そうになかった。
「そうなんだ---。で、夢の中であたいは見なかったの?」
「見なかったですねぇ。」
「なんか、面白いね!」
「面白いで終われば良いんですよぉー。ただ、この後大きな異変が起きそうな感じで怖いんですよねぇ。」
「怖じけないの!」
「そうですねー。」
そうして、悪夢は消えて、いつも通りの生活に戻ろうとした。
「さて、チルノ様。何かしますか?」
「なんかって?」
「そうですねー。トランプマジックでもやりますかねぇ?」
「え?出来るの!?」
「嘘でーす!」
嘘を使い場を盛り上がらさせようとしたタケノコ、結局、いつものようにアイシクルフォールが飛んでくるのだった。
「うわぁぁぁぁぁあ!!」
「自業自得!」
「ほんっと冷たいんですからぁ。」
「あははー。」
ここで、衝撃的な一言が飛んでくる。
「ところでさ、今何時かわかる?」
「いつも通りの7時じゃないんですか?」
「この時計見てみなよ。」
「え?」
じっと時計を見つめてみた。短針が指していたのは、7と書いてあるところではなく、0と書いてあるところだった。
「ということは?」
「現在0時!あたいを起こした罰として、腕立て200回!ほら、早く!」
「嘘ーーーー!」
そうして、腕立て200回をやってから寝ようとした。が---。
「ハァ、ハァ---息切れして---寝れない!」
その頃、別の部屋で横になっているチルノは---。
「ムニャー。行けぇ!アイシクルフォール!やったぁ!蛙ゲットー。ぶふぅぅぅう!!!」
面白そうな寝言だった。私とは違って---。それから、息がいつも通りになった私は、またゆっくり寝ようとしたのである。 終
次回もお楽しみに!
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第44話→夢と現実のオンパレード!?地獄の咲夜とレミリア!
「スヤァー、スヤァー---。」
いつの間にか深い眠りについていた。
「腕なんかちぎるなぁ!うわぁ!」
「一気にやるか、ゆっくりやるか、どちらか選ばせてあげるわ。」
咲夜は、ちょっと笑顔で自分の腕を見てくる。こっちはそれを半泣き状態で睨み返す。
「そうねぇ。そろそろ時間よ。覚悟してちょうだい。」
「うっ!」
腕を掴んだ瞬間のことだった。
「マスタースパーク!!」
「え?うゎっと!」
咲夜が急に視界から消えた。
「え?え?え?---とりあえず逃げる!」
助けに来たというより先に、逃げるということを優先しようとした---のも、一瞬だけだった。
「あ、あの影って---。」
「やあ、助けに来たぜ!」
「霊夢!あとは、黄色い魔法使い!」
「違う!私は霧雨魔理沙だ!」
「あ、そうだった。」
そこに、咲夜が近づいてきた。
「おのれぇ---。ここまで来たら3人まとめて排除よ!」
「見たところ、あなたは時を操る能力があるみたいね。」
霊夢は、一瞬で相手の能力を判断した。
「お見事。さすが霊夢。お嬢様から伝言よ。」
「何よ、いきなり---。」
そう言ったあと、紅魔館の主、レミリア・スカーレットからの伝言を話した。
「博麗の巫女。あなたを倒して、幻想郷は私たち、紅魔館のものにするわ。」
そこに余計な口出しをするのが魔理沙だった。
「なあなあなあなあなあ!!!!!私の分はないのかよ?」
「黄色い魔法使い---あなたの分はないわ。まぁ、別世界に行く権利はあげましょう。」
「だから霧雨魔理沙だ!それに異世界ってどこだよ!?」
「まぁ、天国に行けると良いわね。」
「天国?楽しいところなのか?」
霊夢が白い目で魔理沙を見つめる。
「そうねー、少なくとも最悪なところではないんじゃない?」
「んじゃ、そこ行きた---くないわ!」
「はっきりしてよぉ!」
結局、霊夢は魔理沙の頭をひっぱたく。
「痛いなぁ、霊夢ぅ。」
魔理沙も自業自得である。
「さて、お遊びはここまでよ。そろそろ覚悟してもらいましょうか。」
一方その頃、急いで逃げているタケノコは---。
「いててぇ---この階段なげぇよ---。踏み外して足ぶつけちゃったわぁ。」
おっちょこちょいにも程がある。が、あまりの怖さにこれしか出来なかったのだ。
「さて、生きて連れていくのは難しそうね。」
「あなたがね。」
霊夢の挑発にも動揺しない咲夜だった。
「時よ、私を運命の的へ---誘え!」
そうして、咲夜は時を止め、ナイフを投げていった。
「くっ、---って、え?」
しかし、霊夢の目の前にはナイフがなかった。後ろを振り向いてみると---。
「うわぁぁぁぁぁあーーー!!!!!!」
「魔理沙ぁ!」
咲夜が狙っていたのは、霊夢ではなく魔理沙だったのだ。それを、霊夢は全力で止めに行き、魔理沙は魔法で止めようとした。
「くっ、マスタースパーク!」
「無駄よっ。」
「咲夜の小さな声が聞こえた。」
「無駄じゃないさ!」
「だって、こっちには時間を止めるという能力があるのだから---。」
「くっ、どうすれば、どうすれば良いんだ!」
必死に悩んでいる間に、またもや咲夜のナイフが一面を覆う。しかも、今回は霊夢も一緒だ。
「くっ、避けて!」
防戦一方の勝負だった---。勿論、既に私は館から出ようとしていた。
「はぁ、はぁ---疲れた。あ!門が見える!ここに滑り込めば---!」
そう思って、門を出た瞬間だった。
「あれれ?さっきのよく分からないばか力の子じゃん。」
「げっ!」
そこにいたのは、体力を回復させた美鈴だった。
「ま、まずい、逃げなきゃ!」
そう思った瞬間、美鈴はあっという間に私を捕らえて、レミリアのところヘ連れていこうとした。
「くっ---助けてぇ!」
「助けをもらうなら、お嬢様のところでやりなさいな。」
「もう絶対右足とられる!ってか、絶対生きて帰れない!さっき脱走したばかりだもん!」
「そのしゃべり方、さっきお嬢様にあったみたいね。残念だったわね。まだ小さいとはいえ、お嬢様は罪を犯した人は許さないから。」
既に絶望の目をした私だった。それから、時間がゆっくりになったような気がして、しばらくしたら---。
「うっ、着いて---しまった。」
「お嬢様、失礼します。」
「あら、美鈴、門番は?」
「途中、怪しいものがいたので、捕まえてきました。」
そこで、ポンと放り出されたのが、私だった。
「ううっ、放り出すのにも力入りすぎだよ!」
そう思った瞬間---。
「それでは、仕事に戻ります!」
「アハハハハハハ!!!ありがとう美鈴!流石ね!」
レミリアの声は、恐ろしく、高く、私に死線を飛ばすような形だった。
「さぁて、どうしようかなぁ?」
既に決まっているかのような声で、私に目を向けてきた。
「さっき右足だけって言って逃げたしぃ、今度は許さないわ---!」
「あわわわわ---。」
だんだん諦めがついて、逃げたいという意識が消えてきた。
「ここまで来たら、たくさん悲鳴を聞きたいわねぇ。」
その言葉を聞いた瞬間、一気に逃げたくなった。
「残念だけど、逃げられないようにはなってるからね。」
「くっ---。」
そうして、ゆっくり体がちぎられていくということを覚悟した私だった---。すると---。
「う、うわぁぁぁぁぁあーーー!誰かぁ!」
「え?」
毎日のように聞いている声だった。
「あのさぁ、そろそろまずいんじゃない?」
「うわぁぁぁあ!!!ああああ!!!」
体を揺さぶられている。
「ねぇ、本当に大丈夫?」
「う、ううっ---こ、ここは?」
「---いつもの場所だけど?」
「はぁ、はぁ---。」
少し目眩がして、チルノの方に倒れた。
「ううっ。」
「大丈夫!?病院まで連れていくよ!」
「その必要はありません。プロではないのですが、すこしくらい医師のするべきことはわかりますから---。」
「それって、医者っぽい行動して、自分の病気判断して、自分で治すってこと?」
「はい---いや、半分は正解です。ただ、治すのは自分ではありません。」
「やっぱり永琳じゃぁーん。」
「あのドラゴンですよ。」
「えええ!?」
チルノは、後ろに転がりかえって、そのまま立てなかった。
「まだ夜ですかね?」
「あんたのせいでね!」
「申し訳ないです---。できれば、怒るのはよしてもらえませんか?」
「うん、わかった!で終わるわけないわぁ!」
「ごめんなさぁい!ちょ、うわぁ!やりましたねぇ?」
怒ったチルノは、私を攻撃してしまった。
「あっ、ちょ---怒らないで!お願い!」
「うん、わかった!で終わるわけない!!!」
「ギャァァァア!!!」
「捕まえたあ!」
一瞬でチルノを捕まえて、背中に攻撃しようとした。
「あっ---ごめんなさぶふっ---。」
「次攻撃したらこの10倍の力ですからね?って、消えた?やり過ぎたかな?」
格好つけてる間に、チルノがどこかに消えてしまった。
「どこだ?」
本気で探してるのに、気づかない。いつの間にか、後ろに立っていることも知らず。
「アイシクルフォール!!!!!」
「あっ、ガードって、後ろ!?」
ようやく気づいたときには、反射神経を使う間もなく、アイシクルフォールが直撃した。
「あ---ああうっ---。寒っ---。」
「どうだ!これがあたいの全力だぁ!」
またまた成長したチルノを見て、笑顔を見せた。アイシクルフォールを食らったまま。
「さぁて、とりあえず、闇色ドラゴン。召喚!」
「とりあえず、早く治してよね!」
「はぁい!」終
次回もお楽しみに!
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第45話→紅魔館、光の手こそあらざりけれ---
「それじゃ、治しますよー!」
「はーい!」
ドラゴンを使って治そうとした。が---。
「あれ?ドラゴン。大丈夫?」
いつの間にか起きた悲劇、チルノとイチャイチャしてたうちに、夜が明け、ドラゴンの力が奪われていったのだ。
「うっ---こうなったら仕方ない。永琳のところに---。」
いこうと思ったが、もしチルノにバレたら、きっと嘘つきだと言って余計にからかってくるだろう。
「ならば、バレなきゃいい---。フフフ。フハハハハハ!!!」
そうして、永琳、永琳、助けて永琳!と笑顔で外を出た。ところ---。
「あれ?どこ行くの?」
チルノが話しかけてきた。あわてて口を閉じて、それからバレないように話した。
「朝になったので、暗いところでドラゴンを召喚させますので、外に行ってきまーす!」
元々、あの変な夢を止めようとして出したドラゴン。治せるのは本当だが、実は夜じゃないと治すのは不可能だ。
「よし、逃げ切ったぞぉ!」
そういって、永遠亭ヘ向かった。急いで向かったので、あっという間についた。すると---。
「なんだこれ?」
何か貼り紙が置いてあった。
「本日は出張のため、午後2時にならないと診察できません。」
急いで永琳を探そうとした。が---。見つけたのは永琳ではなく---。
「やっぱり、暗いところって言ってあたいを騙したんだねー。」
「あっ---。」
「さぁて、騙したからには責任とってもらうよ?」
「違います!ドラゴンは昼だと力が出ないんですよ!アン◯ンマンの顔が水に濡れたときのように---。」
「アン◯ンマンは関係ない!今すぐあたいの部屋に来なさい!」
「あっ---はい。」
何故かチルノに見つかって、色々と面倒なことになった。
「さぁて、まずは謝ってもらおうかな。」
「いや、だから---ドラゴンの力を---。」
「アイシクルフォール。」
「あっ---待って---。ぐふっ。」
普段は痛くはないアイシクルフォール。しかし、0距離射程からだと100倍程度の威力となり、危険である。
「はぅぅ。はぅぅ。アイシクルフォール、止めて---ください。」
「謝ったらいいよー。」
「申し訳ありませんでした!」
よくわからなかったが、とりあえず謝っておいた。
「で、何であたいを騙したの?ドラゴンが変な夢を止めるんじゃないの?」
「質問を質問で返してしまいますが、このドラゴンの特徴、覚えてますか?」
「ドラゴンの特徴?夜に強い。」
「夜に強ければ?」
ようやく、チルノはドラゴンの原理について気づいた。
「あっ---そうか!」
「分かりましたか?」
「う---うん。そのー。」
「はい?」
「疑って---ごめんなさい---。」
「別に謝らなくてもいいんですよ?怒ってませんし---。」
「でも。」
「はい。顔あげて!私がいる目的を思い出して!深呼吸!」
しっかり眠れてないようなチルノだった。そこで、一度寝かせてから永遠亭に行く作戦に出た。
「あのね---。あたい眠いから昼寝するぅ。」
「昼寝?じゃなくて、まだ朝寝ですね!」
「どっちでもいいや。おやすみー。」
「はい。おやすみなさい!」
チルノが寝てから数分。少しだけ部屋の整理をして、再び永遠亭に向かおうとした。
「あれ?午後2時?駄目やん!」
まだまだ午前中である。しばらく部屋の近くで見張りをすることにした。
「ふわぁー。なんだか私も眠くなってきちゃった---。」
悪い夢のせいか、殆ど眠れてない私は、チルノと同じように朝寝をしようとした。のだが---。
「だめだ---永琳に悪い夢を治してもらわなくっちゃ---。」
チルノと違い、やるべきことがある私は、その場で運動して、なんとか耐えようとした。
「眠い、眠い---あぅー。眠いと思うとさらに眠くなるよぉー。」
そこで、私が考えたのは---。
「そうだ!眠くないと思ったら眠くなるなるんじゃないかな!?」
タケノコの洗脳作戦!始まり始まり~♪
「まずは、腕を前に伸ばして、後ろに、前に、後ろに---。」
そう、洗脳という名のタケノコ体操第一である。
「次に、足を前に出して、腕をのばーす!1、2、3、4!」
思ったよりも眠気が消えていく気がした。
「そこからジャンプ!1、2、3---。」
そんなことをしているうちに---なんと、なんとぉ!
「すやーぁ。すやーぁ。---むにゃむにゃ---。」
美鈴のように木に寄っ掛かったまま寝てしまった。勿論、悪魔の体験は止まらない。
「ううっ。ここ---は?」
美鈴に連れてこられて、レミリアの前に立たされている状態である。
「アハハ!右腕頂戴!」
半泣きの私だったが、抵抗することは出来なかった。もしこのとき、今の私の実力があれば、おそらく逃げていただろう。
「たす---けて!幻想郷って---こんなにも、辛いところだったなんて、知らなかった。」
知らないのは当たり前だろう。そこに、また誰かやって来た。
「おーねえさまぁぁぁぁあ。遊ぼうよぉ!って、そいつだれ?」
「あら、フラン。」
そこに現れたのは、黄色い悪魔?のフランだった。
「おーねえさまぁぁぁぁあ。今日の遊びって、そこにいる人間を壊すことなの?」
「フラン、それだけじゃないわよ。幻想郷を支配するという遊びなのよ。」
「どうやって?」
「あの赤い霧が見えるでしょう?あれが幻想郷全体を覆ったとき、ここは紅魔館のものとなるのよ!」
「本当!?」
私からすると、何を言ってるか分からなかったが、妄想してるうち、またまたあの話に戻った。
「でさ、お姉様。さっきちょっぴり聞こえたんだけどね、そいつの腕をちぎっちゃうって本当?」
「あら、聞こえていたのね。」
フランの登場により、助かるのではないかという妄想は、今の会話により絶たれた。
「うっ---。」
思わず出してしまう絶望の声であった。
「ねぇねぇ、そいつの腕と足、私にちぎらせてよ!」
「ええ?良いわよ。でも、半分半分ね。」
「やったぁ!」
この隙に逃げることは出来たかもしれない。ほんの少しだけ油断をしていた。だが、そのときの私は、そんなことに気付かなかった。
「はぁ---。」
何故かフランがため息をつく。
「あら、半分半分じゃあ不満?」
「いや、でもね、---やっぱり動かなくなるまでそいつと遊びたいの!暇だし!」
「わかったわ。フラン。そいつの処理はあなたに任せるわ!」
「ありがとう!」
そうして、今度はフランの部屋に連れていかされた。その1分後、レミリアの部屋にて。
「さぁて、あと2時間よ。霧が覆い尽くすまで。
「あと20分よ。あんたが倒れるまで。」
「やっぱり来たのね。」
部屋に誰かが現れた。しかも、吸血鬼相手に驚かず、大口を叩く。
「博麗霊夢!」
レミリアの声は、紅魔館の外にも聞こえるような大きさだった。かなりの威嚇となった。 終
次回もお楽しみに!
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第46話→エーリン、エーリン、助けてエーリン!
「博麗霊夢!」
この声が幻想郷中に聞こえようとしていた頃、フランと私は別の部屋にて---。
「アハハハ!!!やっぱりちぎるのはもったいないや!ちぎらずに食べちゃおう!」
いきなり意味不明な一言炸裂!
「な、いきなり何を言うんですか!?」
「え?だーかーら、お前の体食わせろぉ!」
「いや、私食べても美味しくないですから!」
どこにいても聞くような言い訳をつけたところ、フランが言うには---。
「安心して、今までたくさんの人を食べてきて、なんとなく上手そうな人とそうでない人の区別がつくようになったの。」
何でやねんっ!って思うよりも前に、たくさんの人を食べてきてという言葉に疑問を持った。
「私よりも前に数々の犠牲が---これは許せませんねぇ。」
「そうだよ!数々の犠牲が出てきて、お前はその一人なんだ!」
「私が犠牲に?そんなことさせませんよ!」
「だったら---いや、もういいや、お前とは遊び飽きたし、ここで魂は消しておこっか!」
「魂を、消す?」
「じゃあ、これ見てよ!」
いきなりフランに訳のわからないものを出された。その訳のわからないものは---。
「見てみて!分かれているんだよ!私がヤったときの技別に!」
そこに書かれていたのは、数々の人の名前だった。
「これだけの人を犠牲にしてきたなんて---。」
「大体食べられるのは月に1人か2人かな?」
そこには、数万もの人が書かれていた。
「待てよ?月に1~2人だとして、1万人食うには、およそ500年必要なんですよ?」
「あはは、バレちゃった。」
「バレちゃったって、あなた、まさか500歳!?」
適当にいった言葉だが、意外と勘は鋭かった。
「495歳だよー。」
「はぁ?」
人間界では、100歳生きれば凄いというのに、およそ500歳と聞くと驚いた。何故か否定はしなかったが。
「495歳---か。昔から、幻想郷は存在してるんですねぇ。」
「そんなことどーでもいいじゃん!すぐに楽にさせてあげるしさ!」
既にフランの目は、吸血鬼を超えた吸血鬼の目をしていた。
「ここまで暇な私と時間稼ぎしてくれたし、せめて一撃で楽にさせてあげる!」
「殺すという概念は変わらないんですか---?」
相手の目を見て、落ち着いて話せば、生きて帰れるのではないかという最後の望みも、完全に消えてしまった。
「ごめんね、ここに入ったものは絶対に生きて返さないの。」
そうですかぁ、と心の中で思い、目をつぶった。
「んじゃ、覚悟!」
「くっ---!」
「ね---ねぇ。何でこんなところで?」
「うわぁぁぁぁぁあーーー!」
「え?」
「うっ---あ、ああ。お、おはようございます。チルノ様。」
「うん、おはよう!」
既に何度目かわからない朝を出迎えたチルノがいた。
「でさ、質問いい?」
「ど、どうぞ。」
「何でここで寝ているの?」
いつの間にか寝たせいで、芝生が生い茂っているところで寝ていた。
「あ、あれ?いつの間に。」
「どうせ、変な夢見たせいでなかなか眠れず、永遠亭あくまで必死に眠らないように耐えていて、限界が来ていつの間にか寝ていたんでしょ?」
「ギクッ!」
ほぼ100%合ってたチルノの勘と、バレてしまってこの後何を言われるかわからない恐怖心から、チルノの前から逃げようとした。
「スタスタ---。」
「絶対に逃がさないからっ!」
「うわぁぁあ!!!」
瞬く間にチルノに捕まってしまった。
「う、ううっ。ごめんなさい---許して、ください。」
本気で反省してしまった。倒そうと思えば倒して、逃げることは出来るが、主を倒すことは出来なかった。
「とりあえず、大変なんでしょ?」
「は、はい---。」
「なら最初からあたいに言ってよー!あたいが助けたのに!」
「いや、さ、最初から伝え---あの、深く反省いたします---。」
「午後2時まで起きてられそう?」
意外と際どく、はいともいえず、いいえともいえず、微妙な感覚だった。
「ううん、頑張れば起きてられそう---です。」
「起きようと思えば起きられるのね?」
「はい。」
「なら、ちょっと待って!」
チルノは、一度部屋に戻り、何かを持ってきた。
「チルノ様。それは?」
「アイスを作る例の機械ー!」
「あ、アイスですか?」
「そうそう、これでメイキングアイスすればいいんだよ!」
いかにも英語が話せなさそうな人の発音の酷さだった。ということは置いておいて---。
「つまり、アイスでも食って寝ずに耐えろってことですかぁ?」
「他にもあるよ!こっち来て!」
そうして、チルノの部屋に向かわされた。
「こ、ここに何があるというのですか?」
「えへへ、ちょっとだけ下がって!」
何やら、チルノは素手で勝負するようだ。
「え、ちょ、まさか!」
そう、そのまさかであった。
「食らえ!」
「ま、待って!たんま!」
「アイシクルフォール!!!」
「ああああああああ!!!!!!!!」
最近徐々に強くなっていってるアイシクルフォールは、顔面に直撃し、そのせいで---いや、そのお陰で目がぱっちり覚めたのだった。
「ふぅ、ふぅ---。」
色々はしゃいでいるうちに、お昼の12時を回った。
「さぁて!チルノ様。お昼の時間ですよー。」
「ありがとう!っていうかさぁ。あんたっていつもどこから具材出してるの?」
素朴な疑問だった。
「私?私はお金稼いでそれで色々買ってきてます。分身に任せてるんでご心配なく。」
実は、分身に金を稼がせるという最低なことをしていた。
「へぇ。で、分身何人働いてるの?」
「そうですねー。まぁ、10人位ですかね。」
実は、なんかあったとき用の為に、たくさん働かせていたのだ。
「ふぅん。それなら大丈夫だね。多分。」
「あはは---。」
それから、ご飯を食べて、またまたアイシクルフォールを食らって、色々ハプニングが起こって、午後2時になった。
「お、やっと開きましたよ!チルノ様。如何致しましょうか?」
「心配だから、あたいもついていく!」
「ありがとうございます。」
二人でゆっくり歩き、永遠亭逃がさないから向かった。
「そういえばさ。」
「はい?」
「あんたって、けーね先生のことは知らない?」
「たしか、ごく稀にその先生のこと話してましたよね。」
「うん、もしかしたらさ、寺子屋が復活するかもしれないんだって。そのときはまた色々と伝えるね!」
「寺子屋いってたんですか?了解です。」
そんなこんなで話をしているうちに、永遠亭についた。すると。
「今日は空いてるかなって---エーーー!」
「嘘、何これ!?」
2人で驚いた理由は---。 終
次回もお楽しみに!
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第47話→永琳の一言。守りたいものの代償??
2人が驚いた理由は---。
「何この行列!」
時々チルノがここに来るらしいが、ここまでの行列は見た事がないとのこと。
「っていうか、何でチルノ様は時々ここに来るのですか?」
「それは聞いちゃダメ!」
「は、はぁ。」
そんなこんなあって、やっと順番が回ってきた。
「はぁ、やっと着きましたねぇ。」
「う、うん。何分待たされたことか---。」
「1時間56分20秒です。では、問題。1時間56分20秒を◯◯秒に直してください。」
「知らないわ!今あんたの為に並んでるの!そんなこと気にしてられないの!」
「あっ---ごめんなさい---。」
「もうっ。」
待ってる間も、チルノは私の悪夢のことしか考えてなかったようだ。そうして、永琳にこの事を話した。
「結論からすると、そのことに対する薬は作れません。」
「え?何で、ですか?」
「きっとそれはあなたの心の問題なのでは?何か不安とかが重なって、あまりの負担に変な夢を見るとか、よくあることよ。」
「ということは?」
「悩みとか、本当にないの?」
そこで、一瞬だけチルノの目を見た。
「え?え?え?---あたいの、せい?」
「私に、彼女を守りきれるか、ずっと心配してる、そんな悩みはありますね。」
「そう、そういえば、どんな夢か聞いてなかったわね。」
すぐに夢の内容を話そうとした。
「ええっと、簡単に説明すると---。」
「いいえ、その必要はないわ。その心配事と夢が一致してたら、どんな感じかは大体わかるわ。」
「え?」
「きっと、誰か強い敵に襲われて、自分も戦うけど、自分の体を守れず、誰かに助けてもらってる。そんな感じかしら。」
「強い敵?」
そこでパッと思い付いたのが---。
「レミリア、フラン?」
「そんな夢だったのね。フフフ。」
さすがの永琳も、私の夢の内容で少し笑ってしまった。
「自分も戦う?そういえば、赤い霧が出来てから、中国倒して、そこから霊夢や魔理沙に---。」
「一致したでしょ?って---。」
永琳は1つ、その夢の大まかな内容を聞いて、疑問に思ったようだ。
「ねぇ、それって、いつぐらいの話か覚えてる?」
「いつぐらいって?確かチルノと出会った頃---。」
「ルーミアに会った?」
「あぁ!そういえば!」
「すぐに悩みを解消させて!」
「え?」
次に永琳が話してきたのが、衝撃的な言葉だった。
「今日ね、人里に行って、あまりにも体調が悪い人間がたくさんいて、皆を助けたの。そしたら、皆悩みを抱えてて。」
「人里?」
まだいったことのない場所だった。
「今度行くといいわ。その話は置いておいて。」
「は、はぁ。」
「その悩みがたまたま似てたのよ。あなたと。」
「え?ということは、皆同じような夢を?」
「そうよ。」
そのあとの話が気になってきた。
「じゃあ。」
「どうせ次に聞きたいのって、その人たちがどうなったかでしょ?」
なんとなく想像ついてるのはわかった。
「まさか---。」
「半分位の人の息が、途絶えてしまったわ。しかも、夢の、スケールっていうか、悩みがデカイ人たち。」
「そんな---。」
「冗談よ。でもね、かなり疲れている顔をしていたわ。」
そこで、私の夢についてもう一度確認してみた。
「私の夢は?」
「あなたも、かなり疲れているんでしょう?」
「私が?」
守りたいものを守るために、かなりの力を使っているのであった。
「ねぇ、疲れてるの?」
いきなりチルノが話しかけてきた。
「いや、私は、大丈夫ですよ!」
「そうなの?ならいいんだけどさ。もし本当に疲れているなら言ってね!」
「はいはいはい!!!!めっちゃ疲れてます凄い疲れてます!!!」
「はぁ?頭大丈夫?」
痛いところを突かれたというよりは、自分で突いてもらおうとしたかまちょ及びドMプレイである。
「やっぱり、あたいのことばかり考えすぎなんじゃないの?」
「そりゃ、そうですよ---。」
「もう少し、自分の体にも気を付けなきゃ---。」
何故かチルノが永琳に見えてきた。
「そもそも今の夢を見る前は殆ど寝てないでしょ。あたい知ってるからね!寝ると一瞬の隙を突かれるとか考えているんでしょ?」
「イヤ、そ、そんなこと!」
いつものこの展開で終わると思っていた。
「確かに、彼の診察結果を見て、寝不足と言わざるを得ないわね。」
そこに、永琳が更に私を追い詰めた。
「うっ---。」
「ほーら!あたいの勝ちぃ!」
「いや、勝ち負けとかないですからね?」
「知ってるけど?」
それから、色々あって。
「それじゃあ、まずは健康のことから意識してみるといいわ。」
「りょ、了解です。ありがとうございましたー!」
なんとか悪夢から逃れられるかもしれない道を探した。
「ふぅ、これで終わりならいいんだけどなぁ。」
一つ目に見えているなかで怖かったのが---。
「さぁて!」
チルノが何を話しかけてくるかわからなくて、かなりドキドキしていた。
「ええっと、チルノ様。これはですね---。」
「知ってるよ。あたいがこれから何を言うかわからなくて怖いんでしょ。」
なぜか今日の彼女はひと味違う感じがした。
「長い付き合いだからね---それくらいわかるよ。」
「そ、そうですか?」
「うん。まぁ、特に酷いこと言うつもりはないよ。」
「助かったぁ。」
「ただ。」
「え?」
「これから1ヶ月あたいがあんたを守る!だから、しばらくの間は自分の体を休ませて!」
そう思いたいところであったが---。
「チルノ様。それだと今度はあなたが壊れてしまいますよ?私のネジはそう簡単には壊れませんから、安心してくださいよ。」
「でも---。」
「それに、もしあなたに何かあったら、これから私は何をしていけば良いんですか?」
「もしあたいがあんたを失ったら、これからあたいは何をしていけば良いの?」
似たような質問で返されたが、返答に困ることはなかった。
「大妖精ちゃん、思い出してください。あなたにとって大切な友達でしょ?」
「それは、そうだけど。」
「私にはあなたのように友達は多くありません。仲が良いのはいても5人位ですよ。」
「うん---わかった。ただ、自分の体のネジが壊れない程度でお願いね!」
「これからも、守りますよー!」
「うん!」
「さて、私は昼寝してきますー。疲れましたんでね---。」
「うん!あたいも昼寝するよ。昼寝って15分くらいがちょうど良いんだってさー。」
「そうなんですか?」
「美鈴から教わったよー。」
いかにも知っていそうな人だったので、それを否定はしなかった。
「美鈴は毎日寝てますからねぇ。仕事してるのか!っていうw。」
「うんうん!」
そうして、体が持たないことをチルノには伝えていない私は、昼寝を始めた。
「スヤー,スヤー---。」
「どこからちぎっちゃおうかなぁ?」
「や、やめてくださいよ!」 終
次回もお楽しみに!
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第48話→霊夢vsフラン!圧倒的実力---?
「どこからちぎっちゃおうかなぁ?」
「や、やめてくださいよ!」
フランに抵抗を無くしたが、いざとなると抵抗してしまう。
「めんどくさいから、じゃあね!」
そういって、フランは---。
「きゅっとしてぇ?」
「え?」
この後、どっかぁん!って言葉をいった瞬間にやられることを知らない私だった。そんなことで戸惑ってるところに---。
「そこにいたんだ。」
「え?」
フランと私、共に同じ声を出して、後ろを振り向くと、そこに立っていたのは---。
「博麗の巫女、お姉さまを倒したんだぁ!」
「あっ---。」
霊夢は、まず最初に私を見つめて来て、それから---。
「あなたは誰なの?」
「私はフランドール・スカーレットよ。」
そうしているうちに、こっそりフランから離れる私がいた。
「ここまで来るの大変だったでしょ?」
「ええ、大変だったわ。相手が弱すぎて。」
すぐにフランを挑発する霊夢。しかし、フランはそう簡単に挑発にのらない。
「でもね、私は違うから!全てを破壊してあげるわ!アハハハハハ!!」
「はぁ。これまた面倒な---。」
これまでパチュリーや咲夜を倒してきた霊夢だった。
「あれ?そういえば---魔理沙は?」
なんとなく思った疑問に、あまりの珍回答をした。
「魔理沙?あぁ。パチュリーがいたところにたくさんの本があったからって盗みに行ったわよ。」
「えええ?」
そのとき、魔理沙の趣味を知らない私だった。
「さて、これできっと最後だし、ちゃっちゃと紅魔館倒して、異変解決しちゃうわよ!」
珍しくかなり張り切っている霊夢だった。きっと魔理沙という邪魔者---じゃなくて、魔法使いがいなくなってしまったことにより、本気が出せるようになったのだ。
「離れてなさいよ!」
そういって、霊夢がフランの元に一気に近づく。弾幕をぼんぼん撃っていきながら。
「なめてきやがって---アハハハハハ!!!」
「え?」
一見おかしいような人、じゃなくて吸血鬼にしか見えない笑い声だった。
「レーヴァテイン~、恋の迷路~、カゴメカゴメアハハハハハハハ!!!」
何を言ってるかさえわからないフランの攻撃は、治まりそうになかった。むしろ、威力を増していくばかりだった。
「うわぁ!」
そう言いながら逃げていく私。でも、もう紅魔館で残ってる敵はフランだけだった。既にほぼ安全な道を通ってるのに等しかった。
「ふぅ。ここまで---来れば!」
いつの間にか紅魔館の外に出ていた。体は壊れかけ、心はグダグダな状態だった。一方で、霊夢とフランの前に、魔理沙は---。
「この本良いなー。お、新たな魔法じゃねーかよ!ふっふーい!」
飽きずにずっと図書館で本を読んでいる。目の前でパチュリーが倒れている事を気にせずに。
「なるほどなぁ。こうやって魔法出すと体力が削られずらいのか。マスタースパーク!---変わらねぇか---。」
では、霊夢とフランの方はどうなってるのか。
「なんで、全部避けてしまう---。」
さっきまでのフランの攻撃を余裕の表情で避けていく霊夢だった。
「ならこれなら---。そして誰もいなくなるか?!」
その攻撃で、余裕過ぎて暇そうな霊夢も、弾幕がかすってきた。
「つっ---。」
「アハハハハハ!こんなんでいなくなっちゃうんだ!バイバーイ!」
完全に狂ったフランだったが、実は霊夢はまだ何も攻撃していない。
「495年の波紋~。これでQ・E・Dだね!」
その瞬間、とうとう霊夢が仕掛けた。
「封魔陣!」
「え?ちょ、動けない!?」
さっきまで調子乗っていたフランの顔に焦りが見えてきた。
「これで、夢想封印!!!」
「う、うわぁ!お姉さま、助けて!」
その頃、別の部屋で倒れているレミリアの助けは、当然来なかった。
「ああああああああああああ!!!!!」
「んっ---んんっ。」
しばらくした。
「ふわぁー。」
横を見てみると。
「どう?あの夢、見なくなった?」
赤い服でも黄色い服でもなく、青い服を来た妖精だった。
「あぁ---やっぱり、見ちゃいましたよ。」
「また?大変だね---。」
「でも、なんとなく良い感じに終わろうとしてますよ。」
「本当に?で、どんな感じのストーリーだったの?」
「ええっと---まずは。」
それを言おうとした瞬間に、いきなりチルノが止めてきた。
「ええ?止めちゃうんですか?」
「やっぱり、最後まで見てからにしてよ!そっちの方が楽しみじゃん!」
「そ、そうですか?わかりました。」
そうして、布団から飛び出て、暇なのでチルノと外へ出て見ることにした。たった15分程度の睡眠でも、夢はかなりよい方向へ進んだ気がした。
「そういえばさ、今まで他にどんな夢を見てきたの?」
「そうですねー、プリンをめっちゃ食った夢とかですねー。」
正直に、かつ面白い解答をしようとしたら、こうなった。
「どんなプリンを食べたの?」
「とても大きくて、上にチョコとか乗ってて美味しかったですよー。」
「へぇー。食欲凄いねー。」
ほぼ棒読みのチルノの返答だった。
「そういえば、正直に言って。今困ってることってある?」
「困り事---ですか---。」
「うん。」
暫く考えたあと、このような答えが出た。
「あなたがいつ私を倒してくれるか---。」
「そんなん、すぐに倒すよ!」
正直、そう簡単ではないが、楽々すぐ倒す!と発言した。
「本当ですか?」
「本当!あたいが勝ってからすぐに付き合ってもらうんだもん!」
「あぁ、そういえばそうでしたねー。」
少し前、勝負したときに、あたいが勝ったら付き合ってもらう!とチルノが発言していた。
「あのさ---また、いつか勝負しようね?」
「はい。勿論ですよー。楽しみですねー。今回は何秒で倒せるかな?」
少し笑いながら、少しチルノを煽ってみた。
「エヘヘー。あたいなら数秒であんたを倒しちゃうから!」
氷という弱点を克服した私を倒せるような氷を作るには、前に目標とした-100度位でなければいけないのだ。
「では、チルノ様。久々に、氷の温度でも測ってみますか?」
「うん!」
そうして、氷の温度をはかったところ---。
「-45度ですねー。」
「そうとう冷たいんじゃない?」
「普通の人なら1発当たれば大ダメージですよ!まぁ、これが霊夢とかだったら無傷に等しいとは思いますが---。」
少し厳しいことを言ってみたが、動揺することはなかった。
「じゃあ、とりあえず前にやられた口癖がみょん!の幽霊?を倒しちゃうよー!」
「普通に妖夢って言いましょうよ---。っていうか、口癖みょんなんですねー。しかも、あの子って幽霊なんですか?」
「そこは突っ込んじゃダメ!今度会ったら聞いてみる!」
「はぁい。」 終
次回もおやすみ---じゃなくて、お楽しみに!
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第49話→悪夢は終わりを告げる。紅魔館完全脱出!
「暇ですねー。」
夢も終わりを迎えようとしていて、暇になってきた。
「うん---なんかさ、ちょっと遊び相手になってよ!」
「遊び?一体何を?」
よく考えてみれば、チルノと遊ぶのは久々な気がした。最近修行ばかりやっていたのだ。
「じゃあさ、大ちゃんやルーミアちゃん連れてくるね!」
「お、良いですねー。」
更には、その2妖精に会うのも久々であった。ずっとチルノと2人でいた気がしたから、少し緊張していたのかもしれない。
「あたいが1人で行ってくるから、留守番よろしくねー。」
「大丈夫なのですか?」
「安心してよ!あたいだってやる時はやるんだから!」
「では、道中お気をつけて。」
「うん!」
そうして、チルノは2妖精と遊びに行った。もちろん、分身の私も後ろからつけていった。え?ストーカー?何それ---タケノコ知らないよ。
「大ちゃーん!遊びに来たよー!」
「チルノちゃん!久しぶりー!ねぇねぇ、寺子屋復活するかもって聞いた?」
「うん!楽しみー!」
「チルノちゃんは頑張って算数覚えないとね!」
「フフフ、今度の算数の授業で絶対驚くよ!」
「そんなに勉強したの?」
「あたい一人で頑張ったんだ!」
完全な嘘である。私に教わったことを隠しているが、当然分身の私はそれを聞いていた。更に、本体は苦笑いしていた。
「へぇー、じゃあ、3+5は?」
「8でしょ?」
「お、凄いじゃん!」
「さいきょーであるあたいをなめたなー!一人でも努力できるんだぞ!」
やはり、どうしても一人でやったということを貫き通そうとした。
「でもさ、前にどっかであの人に教わったのを見たような見てないような---。それはどこ行っちゃったの?」
冷や汗をかき始めるチルノは必死の言い訳を即座に考えて---。
「確かに昔はそうだったよ。で、でもね---ええっと、今は自分で考えて解くようになったんだよ!」
「そうだったんだ!」
なんでも信じてしまう大妖精の心は、何とも言えない不思議な感情に包み込まれて---。
「チルノちゃん。もう私に冗談は通じないからね!」
「えええー。さいきょーのあたいがさいきょーの嘘をついたと思ったのにー。」
「確かにチルノちゃんは私よりは何倍も強いと思う。でも、守り神さんには勝てないよー。」
「じゃあ、今度勝負したときにあたいが勝ったら、さいきょーって呼んでね!」
「うん!」
なんだか仲が良い感じで分身の私も笑顔でいた。そこに---。
「あなたは食べてもいい人類?」
「え?」
いきなり後ろから、ルーミアの声がしたら、食べる気満々の表情をしていた。
「や、やめてくださいよ---。」
「いただきまーす!」
やはり食べる気でいたルーミアは、肩を掴みかじろうとした。が---。
「ルーミアちゃん。」
いつの間にか私の分身はルーミアの目の前から消え、後ろにいた。
「あ、あれ?」
もう勝ったと思い、わずかながら油断していた時に、こっそり逃げたのである。もちろん、ルーミアちゃん。と呼ぶまで逃げたことに気付かなかったようだ。
「そ、そんなー。今日の食べ物がー。」
「えええ?食べるものなかったんですか?」
「時々収穫ゼロなんだよー。」
即座にルーミアの手を掴んで、いつもの場所まで連れていった。
「え?いきなり、何するの?今度こそ食べちゃうよ!」
「まぁまぁ---落ち着いてくださいよ---。」
「なんで?なんかこっちに楽しいことがあるの?」
「楽しいこと---なのかは分かりませんが、まぁ、あなたの為にはなると思いますよ?」
そうして、自分の部屋まで連れていき、僅かながらご飯をつくってあげた。
「こんなもんですが、どうぞ---。」
「え?これ---良いの?」
「勿論ですよ!」
「わーい!ありがとう!」
「どういたしまして~。」
ルーミアが一人で食べている間、チルノ達を見張っている分身が消えていた。この間、何が起こったかはわからない。
「ふわぁ。美味しかったー!ありがとう!」
「良かったです~。では、この後どうしますか?まだ私を食べたいというなら、抵抗しますよ?フフフ。」
「もういいや。また今度食べに来るから---今度はご飯ではなくあなたを。」
「楽しみにしてますよ---。」
正直かなりめんどくさかったが、笑顔でいたルーミアにおされてしまった。
「ふぅ---。」
暫く休もうとしたが、やはりチルノと大妖精が心配だったから、今度は自分で行くことにした。
「大丈夫かな---というか、私も遊びに入れてほしいのに---。」
侘しさが顔に現れながら、ゆっくり歩いていった。変な妄想をしていたら、いつの間にかチルノと大妖精が遊んでいた。
「チルノちゃん、次何しようか~?」
「鬼ごっこだ!」
「でも、2人だと出来ないよー。」
「あー、そうか~。」
「2人でできる遊びって少ないよね~。」
そんな中でも笑顔の2人を木の後ろからゆったり見ていた。それから暫くして、遊びが終わったようで---。
「ふぅー、楽しかった~!」
「さいきょーであるあたいの本能が久々に活発になったよ!」
ちょっと何を言ってるかわからなかったが、そのまま一人で先に部屋に戻った。もちろん、既にルーミアは帰っていったようだ。
「ふぅ---。」
なんだか色々止まったり動いたりしたせいか、ちょっとだけ体が悲鳴をあげていた気がしたが、気にしなかった。いつの間にか顔を見上げれば夕焼けに染まる空が見える状態になっていた。
「なんか---色々寝たなぁ。」
最近の記憶では、寝た。寝た。妖精に会った。寝た。---等、頭の中が睡眠欲に負けていた。そこに---。
「ただいまんもすー!」
「ま、まんもす?」
「マンモスじゃあダメ?なら---。」
「い、いやぁ、別に良いですからね?」
おこちゃまな発言をして部屋に戻ってきたチルノのボケは、全く決まらなかった。
「あたい、疲れたから寝るー。」
どうやら、チルノの頭の中も睡眠欲に負けていたようである。暫くして、外から光が消え、いつの間にか2人とも寝ていた。
「スヤー,スヤー---。」
「夢想封印---!」
「助けて!うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」
それから1分ほどして、フランは壁に寄り掛かって、目を閉じていた。
「ふぅ---これで、終わりかな?あぁぁぁぁあ。異変解決するって皆ポンポン言うけど大変なのよね~。」
めんどくさがりの霊夢は、その場をゆっくり後にして行った。その頃、私は---。
「ふぅ---これで、紅魔館を---脱出だぁぁぁぁぁあ!!!」 終
次回もお楽しみに!
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第50話→結局終わりは一緒。霊夢とチルノがついに協力?
「紅魔館---脱出!よっしゃぁぁぁあ!」
満面の笑みに満ちた私は、一人で来たと思われる道を後にした。それから数時間歩き---。
「あれ?あそこにいるのは---誰だ?」
何か小さな人っぽい影があった。話しかけてみることにした。
「ねぇ、大丈夫?」
「え?あたい?」
「うん---。」
「別に、大丈夫だけど---もしかして、あんたって人間!?」
「そりゃ、どっからどうみても人間ですよ?」
「そうなんだー。」
氷の羽らしき物を纏い、笑顔で私に話しかけてきた。
「あたいが倒してやる!」
「た、倒す?私はさっき紅魔館から脱出したばかりなんですよー。」
「あ、そうなの?じゃあここでおとなしく捕まってね!」
こっちの体力を完全に無視して来て、いきなり攻撃を始めた。
「うわぁ---めんどっ---。」
このときから既にチルノペースだった。
「エヘヘ、アイシクルフォールー!」
「アイスフリーズ?」
「違う、アイシクルフォールだ!これ喰らってあたいの下僕となって一生あたいの元で働かせてやる!」
だんだん意味不明な事を言ってきた。夢でなかったら瞬時に反省させられるが、このときの私はあまりにも弱いため、アイシクルフォールを止めることは出来ず、避け続けるしかなかった。
「うわぁ!っと---危ない危ない---って、またやって来た!」
2分程度この状態が続いた。いつの間にかチルノを見失っていた。
「あれ?アイシクルフォールが止まった?」
そう思ったら、後ろに何か重いものが当たった気がした。それも、1回や2回だけでなく、何度も何度も---。
「うっ!」
「後ろってのは気付かなかったでしょ?」
いつの間にか戦線離脱しようとして、こっそり洞窟に隠れていた。さっき私がチルノを見失ったが、今度は逆バージョンで起こっている。
「あれ?消えた?」
反射的に後ろを振り向くチルノだったが、誰もいなかった。
「逃げたかな?探してやる!」
そうして、近くを探し始めた。
「どこに逃げたのかなー。」
⑨なチルノは、近くにあった洞窟にさえ気付かなかった。
「あ、あの木の上とかどうかな?」
近くに20メートル位の大きな木が1本立っていた。その上を飛んで確認したが、やっぱり誰もいなかった。その間、私は---。
「今なら、誰もいない!チャンス!」
洞窟にいるため、一定の高さを越えるとどこに標的がいるかがわからなくなる。因みに、このときチルノは洞窟の真上にいた。
「よし、誰もいないな!逃げろっ---。」
逃げようと決めたのとほぼ同時に、チルノが私の存在に気付き---。
「今度こそ---アイシクルフォール!」
「ぐふっ---うっ!」
そのまま、地面に倒れていた。洞窟内で数十分もいたのに、結局紅魔館を制覇した(してくれた)挙げ句、チルノにやられてしまった。
「うっ---。」
「おはよう---。夢、どうだった?いい結末だった?」
ずっと歩いていたのか、いつの間にか朝になっていた。
「あら、チルノ様。夢の中でも会いましたよ?」
「本当?で、どんな感じだったの?」
「あなたのせいで紅魔館から逃げたのに捕まりましたよ!---まったく、夢の中でも~。」
「エヘヘー、って、人の夢は人の夢だよ---。」
「そうですね---。」
なんとなく、あれで夢は終わった気がした。一応、その夢をチルノに全て話してあげた。
「なんか、出会った頃が懐かしいよね~。」
「そうですねぇー。もうどれだけ前なのか---。」
「そういえば、昨日は一緒に遊べなくてごめん---。」
「いきなりその話ですか?」
一応、昨日の事は覚えていた。
「で、昨日は何をしたんですか?」
だいたいは分かってたが、何も聞かないとなると、興味ない?と思われるから、色々聞くことにした。
「ええっとねー、大ちゃんと遊んだ!」
「おお、それはよかったですねー!」
「楽しかったよー!でもね、今日の事は今から決めているんだー。」
「え?」
「今日はあんたとたくさん遊ぶ!」
「わ、私と?」
「ねぇ、今日暇ー?」
「暫く暇ですよー。異変が起きない限り私の出番は少ないですからねー。」
「それって、霊夢と同じじゃん。」
チルノが霊夢扱いしてきたのには少しムカついたが、逆に苦笑いしてしまった。それから---。
「ちっ---ちょ、あの貧乏人と一緒にしないでください!私の年収はあの人の100倍ですから!」
「今舌打ちしたなー!」
「してませんよ!」
そんな感じに喧嘩っぽいものが続くのかなと思っていたら、誰かやって来た。
「誰かやって来ましたねー。開けてきます。」
「よろしくー。」
そうして、ドアを開けると、そこに立っていたのは---。
「げっ---これは---まずい!」
「やぁやぁやぁ---。」
半ギレ&超超超笑顔の霊夢だった。
「あははー、まぁまぁ、中にどうぞー。」
「お邪魔しまーす。」
笑顔なのに、ずっと睨み付けているような感覚がして---。
「ちょっと、チルノに相談があるの---。2人だけにしてくれない?大丈夫よ。私が妖精を攻撃なんかそんなにしないから---。」
「わかりました。」
そうして、私の部屋に戻り、15分程度仕事をやった。実は、チルノに暇と言ったが、嘘だった。
「いいよー。」
チルノの声が聞こえ、外に出てみた。
「ねぇねぇ、口開けて!」
「え?あーーー。」
よくわからないが、チルノに口を開けてと言われたから、適当に開けてみた。
「アイシクルフォール!」
「げっ。」
前に口の中にアイシクルフォールを撃たれて、体が動かなくなりかけたこともあった為、即座に危険を察知した。
「ちょ、だから口の中はあぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「今回はここで終わりじゃない!霊夢ー!」
「夢想封印!!!」
「ぐふっ、この状態でこれはっ---どはっっっつっ!!!」
もう訳がわからないほど攻撃を繰り返され、床に倒れこんだ。
「はぁ---はぁ---ううっ。なんで、こんな目に---。」
そういったが、なんとなく予想はついていた。
「そっちが私を貧乏人扱いするからよ。」
「だって、あたいに対して舌打ちしたからね、あたいの怖さを教えておこうと思ったんだよ!」
「くっ、チルノ様。賢くなりましたねぇ!」
「でしょー。」
そうして2人で話しているときに---。
「じゃ、私は帰るからじゃあねー。また異変あったらよろしくねー。私は出動したくないから---。」
「出動してくださいよ---。では、また今度---。」
それからも、チルノと言いあいをし続けた。その日の夜は、もう紅魔館の夢は見なかった。
「ムニャー、パンケーキオイシーイ!」
なんだか、楽しい夢を見ていた気がするが、楽しい夢に限って色々忘れてしまっているのである。 終
次回から第Ⅰ章!お楽しみに!
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第Ⅰ章→復活、寺子屋!事件の1週間!
第51話→一番席は寺子屋!夜と朝の冒険?
「おはようございますー。チルノ様ー。」
チルノの世話をしている私。最初は笑顔が少なかったが、今はいつも2人とも笑顔でいた。
「おはよー!今日の夢はどうだった?」
「楽しい夢でしたよ!」
「よかったー!」
そんな感じで話し合っていたところ、何か届いているのが見えた。
「何か手紙が届いてますよ?」
「本当?とってくるねー!」
適当に手紙をとって、一読するチルノの顔は、徐々ににやけていくのが分かった。
「ねぇねぇ、明日から凄いことが起こるんだって!」
「す、すごいこと?なんですか?」
「当ててみてよ!」
とりあえず適当に答えることにした。
「ええっとー、アイス食い放題フェスティバルが行われるとか?」
「なにそれ---アイスなんか自分で作るからそんなの嬉しくないよ---。」
「アイス、自分で作るんですか?」
「うん!だってタダだし---。」
「はいはい、それはよかったですねー!で、結局手紙には何が?」
「実は、明日から寺子屋復活するんだって!」
「明日から?それはよかったですねー。」
どうやら、チルノは寺子屋が復活してほしいなーってずっと思っていたらしい。
「で、ちゃんと寺子屋でついていけるようにしっかり勉強しましたよね?」
「たぶん、大丈夫だと思う---。」
自信なさげのチルノだったが、個人的に、教えられることは殆ど教えたと感じていた。
「私も今まで教えてきたことより難しいことは教えられません。寺子屋で最後に授業したときを覚えてますか?」
「うーん、なんとなく。」
「そのとき、算数ではどんな問題が出てました?」
「ええっと、分数の割り算!」
「大分前に教えましたね、きっと大丈夫です!」
「本当に?」
「明日は是非、他の方々を驚かせてみましょう!」
「う、うん!」
とりあえず、まず自信をつけることには成功した。ひとつ怖いのは、誤って他の子を攻撃した瞬間、その子が生存できるか分からないということだ。
「それと、チルノ様。」
「なに?」
「絶対に、今の力で友達を攻撃してはいけませんよ!約束ですからね?」
「もちろんだよ!」
それから、チルノから寺子屋で今まで何があったか聞いて、明日の準備を少しだけ手伝っていたら、いつの間にかベッドの上で寝ていた。
翌日、まだ外は暗い中、昨日あまりにも早く寝た為だろうか、既に起きていた。
「ふわぁ---。寺子屋---どんな所なのかな。ちょっと後ろついていってみるか。フフフ。」
朝---じゃなくて、深夜から嫌らしい事しか考えてなかったが、安全を守るためにしなければいけないと感じたのだった。
「暇だし、どうしよう---。」
せっかくだから、日の出を見ることにした。あまりにも暇だったので、暇潰しに最適と思っていた。が、まだ午前4時で、日の出まで2時間近くあった。
「あぅあぅあー。どうしよ---。」
本気で考えているが、簡単な答えはたくさんあった。
「そうだ。散歩でもするか---。」
そうして、音をたてずに外に出て、超適当にふらふら歩き始めた。もちろん、部屋には分身を残していった。
「いってきまーす。」
そうして、こっそり龍の力を借り、空を飛んで幻想郷を眺めていた。無意味なことだが、きっと何か意味があると思っていた。
「ふぅ---。夜って、こんなに静かなんだなぁ。」
地平線の奥へと消えていきそうな満月をゆったり見つめて、気付いたら笑顔になっていた。
「チルノ様---。一生、守りますからね---。」
反射的---というよりは、なんとなく言っていた短い文。頭の中は、彼女の事で埋め尽くされていた。それからしばらくして、朝日が見えかかってきた。
「朝焼けって綺麗---。」
東から昇る太陽から逃げるように、月を眺めていた時の雲は消えていた。既に快晴の空となっていた。
「うん、これからも頑張らなきゃ!」
そうして、ひっそりと部屋に戻ったら---。
「ふぅ---静かに入ってー、って、チルノ様起きてるし。」
普段は寝ているチルノだが、今日はワクワク気分だったのか、既に起きていた。またまたドアを閉め、分身に任せていた。
「ねぇねぇ、何となくだけど、これって分身でしょ?」
「げっ---。」
分身がそんな声を聞き取って、慌て始めた。そのあとすぐに、チルノが歩いている音が聞こえた。
「あわわわうぅぅう---。まずい---。」
そのとき、いきなりドアが開いた。もちろん、そのあと逃げる隙さえなかった。
「あっ、ばれましたか---。」
「おはよう!って、なんとなく分かったよ!何やってたの?」
怒ってる表情より、楽しそうな表情をしていた。正直に答えた方が良いと思った。
「ええっとですねー。朝日を見に外へ出ていったんです---。」
「そうなの?ならあたいも一緒に連れていってよー。」
服を引っ張ってきて、よりいっそう笑顔になっていた。
「ねぇ---。」
「はい?」
「あたい、本当に寺子屋でついていけるかな?本当に心配なの---。」
顔を真っ赤にして質問してきたが、なんとなく返事は予想できていそうな真っ赤な顔だった。
「絶対。絶対---大丈夫です!もし怖いというのなら、私も一緒についていきますよ?」
「いや、大丈夫!あたい、今までの努力の成果を信じて、きっとみんなを驚かせる!」
「まぁ、あなたの場合、100-57が出来た時点で皆驚くと思いますから大丈夫です!フフフ。」
「あー、からかったなぁ!」
「ちょっとですからね?」
「くっそー、いつものメンバーだけでなく、あんたまで---。いつか見返してやる!」
「見返すなら、勝負にて---。」
そんなこんなで時は過ぎ、いよいよ寺子屋へいく時間になった。
「それじゃあ、行ってくるね!」
「お気をつけて、自分を信じて---。」
「うん!じゃあ、また後で!」
朝早くから寺子屋での授業の第一歩を踏み出したがその道のりは、私が思っていたよりは過酷なものだった。
「はぁ、どうせ12を素因数分解しなさいとか簡単な問題しか出ないから大丈夫だっていうのに---。」
テキトーに言ってるが、実はチルノに教えたのは基礎だけでなく、応用レベルの問題だらけだった。少しだけ時間がたって、遂にチルノが寺子屋についた。
「数か月ぶりだなぁ~。確か、彼と出会った頃から休止してたもんなぁ。」
その様子を大丈夫だと言い続けていた私が心配になり、こっそり後を追っていくという私がいた。
「よーし、一番に到着!」
まだ先生や、他の妖精達も誰も来ていない中、一人で自分の席に座った。 終
次回もお楽しみに!
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第52話→授業開始!チルノの発達は?
まだ誰もいなかった寺子屋に一人静かに座ったチルノ。一人で勉強をしていた。
「ふわぁ、意外と簡単だなー。」
そこに、大妖精がやって来た。
「あ、大ちゃん!おっはよー!」
「おはよ---って、チルノちゃんが、遅刻をしていない!?!?」
「エヘヘー、あたいさいきょーだからね!」
「凄いよチルノちゃん!」
2人の笑顔を、寺子屋の100メートル上から見ていた。数分たったが、そこに誰かやって来た。
「あなたは?」
「私?私はタケノコです---。」
「あら、あなたがチルノさんの---守り神?」
久々に、守り神と呼ばれた気がしたが、誰か分からなかった。
「で、あなたは---。」
「けーね先生と呼んでね!フフフ。」
そうして、笑顔でゆっくり寺子屋に向かっていったのを、静かに眺めていた。
「ねぇねぇ、リグルちゃん!大変だよ!チルノちゃんが遅刻してないよ!」
「ええええええ!アハハ---幻想郷は今日で消滅するんだ。きっと人間に滅ぼされるんだよ。」
なんだかバカにされてるようで、チルノは怒り気味だったが、久々の再会を楽しんでいた。
「皆さーん。お久しぶりです!」
皆で騒ぎ立ててるうちに、ゆったり降りてきた慧音先生がドアを開けてきた。
「あ、けーね先生!久しぶりー!」
「はい、皆さん、お久しぶりです!が、本日はまだ体が回復してなく、永琳に聞いたところ、後1週間程度なので、しばらく代理としてある方を呼んでます。」
チルノだけ、なんとなく想像はしていた。
「ええっと、入ってー。」
「はーい!」
そうして、私は部屋のなかに入った。実は、上空で話したあと---。
「ふぅ、朝飛ぶのって大変なんだよなぁ。早く降りなきゃ---。」
「ねぇ、教師出来そう?」
いきなり慧音先生が質問してきた。
「まぁ、内容によりますよ---。」
「一週間教師の代わりお願いね!はい、こっちこっち!」
ワケわからない事を言われ、気付いたらこうなっていた。
「はい---ええっと、朝礼だっけ?」
いつも通りの時間に、いつも通りやれと指示されて、慧音先生は永琳の元へ向かった。そうして、朝礼やって、連絡して、一時間目が始まった。
「ええっと、一時間目は---何だ?」
「先生!一時間目は国語ですよ!」
いきなり大ちゃんが言ってきた。
「国語ですかー。ええっと、今回から新しい単元に入るみたいですよー!皆さん、教科書持ってきてますか?」
「はーい!」
小学校のような、元気な声が聞こえてきた。
「では、教科書の132ページを開いてください!」
妖精達の元気で、つられてこっちまで元気になってきた。
「今回から古典というものの学習をしていきます。では、皆さん、1000年前と今と、違うところを書いてみましょう!」
まだいきなり先生代理をするとなってから20分も経っていなくて、急な対応のため、教え方がわからなかったが、積極的な妖精達に助けられていた。
「技術の発達量なのかー?」
「ルーミアさん。こういう場合は、具体例などを付け加えると分かりやすく、良いと思いますよー。」
「そーなのかー?」
「そーなのだー。」
「先生がルーミアちゃんの真似をした!録音すりゃ良かったー。」
よく考えたら、まだ妖精達の名前を知らなく、しかも、一部の妖精は、私の事さえ知らなかった。
「ええっと、自己紹介が遅れましたが、私はタケノコです。主に何をやってるかはチルノさんに聞いてください。私からは話したくありません---。」
とりあえず、自己紹介を終えて、授業を再開させた。
「では、ルーミアさん。技術の進歩。具体例を挙げて、もう一度話してみてください。」
「ええっと---具体例具体例---カメラとか、電気で動くものが使えるようになったのかー?」
「素晴らしい。そんな感じです!ただ、古典で習うことは、昔の文章になります。」
みんなよく分からなさそうだったから、例文をあげてみた。
「では、簡単なのから行きましょう。いろは歌って分かりますか?」
全員が分かっているような顔をしていた。
「次に、いろは歌、最後まで言えますか?」
一部は分かっていそうだが、一部は言葉だけという妖精もいた。
「先生!いろは歌言ってくださいよー!」
「ええっと、ミスチーさんでしたっけ?」
「うん!」
そんなこんなで、なんとか授業を続けていった。実は、私が教えられるのは算数及び数学だけであり、他の教科はさっぱりだった。
「はい、では、まとめですー。」
最後にまとめを書いて、一時間目が終わった。既に完全にクタクタだった。休み時間も短く、あっという間に二時間目が来た。
「ええっと、二時間目は?」
「先生!二時間目は算数ですよ!」
好都合なことに、算数の授業がやって来た。
「ええっと、算数です。」
「先生!なんで算数になったらそんなピシッってなったんですか?」
あまりにも動作が怪しく思われたのかもしれない。
「それは---今は気にするべきでないことです!って誤魔化しておいて、算数も新たな単元らしいですね、確率です。」
慧音先生から、サイコロを渡されていた。
「では、大妖精さん、このサイコロを振ってみてください。」
「え?あ、はい。」
ポンと振ったら、2の目が出た。が、それを何も見ずにてでおさえ隠した。
「大妖精さん、今何が出たでしょうか?」
「え?分からないです---。」
「分からないが続いては、授業にはなりません。予想をしてみましょう。」
「ええっと、5です!」
「ほいっ---2でしたー。」
「あぁ。外れた。」
「では、チルノさん。本題です。」
実は、ずっとこの時を待っていた。
「このサイコロを振って、素数が出る確率を求めてください。」
「はーい!」
回りから、チルノをバカにするような笑いが聞こえたが、あえてそのまま笑わせていた。
「1/2です!」
「正解です。」
「ん?」
「Σ(Д゚;/)/えええええええええええええ!!!」
「はい、静かにー。では、そもそも確率とは何かから説明しましょう。」
そのあとは、皆が驚くシーンを見て、その都度笑顔になりながら授業をした。
「はい、これで本日の授業は終わりでーす。皆さん、お気をつけて帰るように。」
「はーい!」
「チルノさん。」
「ん?」
「ほらね?皆さんを驚かせる作戦、上手く行きましたね!」
「うん!でも、なんであんたが授業をするの?けーね先生がまだ来れないのは納得行かなくはないけど、なんであんたなのか分からないよ。」
「それは、たまたま近くにいたからですよ。」
「へぇー、ということは、あたいを見張ってたんだ。」
「いや、それは---。」
「まぁ、なんとなく予想してたけどね。」
完全に白い目で見られていた。
「じゃあ、大ちゃんと帰るから、また後でー。臨時先生!」
「はい、お気をつけて帰るように。」
「うん!」
いきなり適当に授業をしてみたが、案外上手くいった気がした一日だった。 終
次回もお楽しみに!
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第53話---体育と音楽!ミスチーの本気の歌?
「はーい、私の授業2日目です!今日の一時間目は体育です!」
「わーーい!」
体育になると、寺子屋内が急に盛り上がるが、一つ疑問に思った。何故かこの日だけ皆に人気な教科だらけだと---。
「みんなー!外に出るぞ!」
「わーい!わーい!」
だがしかーし!今回の体育はそっち系ではなかった。
「皆さーん。誰が外へ出ると?」
「先生!でも体育なら外でランニングとか、そんなんじゃないんですか?」
「ざんねーん。ミスチーさん。今日やるのは---。」
実は、昨日の間に慧音先生から予定を知らされた。が、私の場合、大体が特別授業と書いてあった。
「今日やるのは、もしもの時に体を守る為、最低限の力をつけさせるものです!」
「最低限の力??」
「はい。では早速、一人ずつ私を全力で殴ってみてください!」
よくドMじゃねーかよ!と言われるが、本当は他人を思ってのことなのだ。決してドMではない---はずだ。
「じゃあ、あたいからやっちゃうよ!」
いきなりチルノが飛び出てきた。どうやら、私を倒したいようだ。
「ほぅ、では、どうぞ。ただし、1発だけですからね?」
「やぁぁぁあ!」
気合いの入った1発だった。が、正直ガチになりかけてたから、全く動かなかった。
「そ、そんなぁ!」
「チルノちゃん---チルノちゃんでも倒せないなら、私。」
「大丈夫、大妖精さん、私はなにもしませんから、安心してください!」
「ほ、本当ですか?」
今のを見て、皆が汗をかいてきたが、なんとか洗脳させてみた。
「じゃあ、いきます!」
「どうぞー。」
「えいっ!」
その一発は、じみに急所に当たろうとしたので、左手の親指1本で止めてみた。
「き、きいてない?」
「なかなか良い一発でしたねー。」
「あ、ありがとうございます!」
「では、次ー。」
どんどん殴ってきたが、私はびくともしなかった。
「はい、これで全員ですね!」
「なぁなぁ、なんでこんなことしたんだ?」
「チルノさん。あなたにいつも教えていることをするんですよ?」
「あたいに?」
「では、皆さんにも教えましょう。」
チルノ以外の皆、何いってんだこの人は---と考えていた。
「では、皆さん。やってる真似で良いので、ボールを投げる時の動作をやってみてください。」
全員が静かに、早く投げた。
「では、そこで手を握って。それでパンチすると、相手のどこに当たりますか?」
「顔の部分なのかー?」
ルーミアがこっそり私を攻撃しようとして、どこか確かめた。
「ルーミアさん、正解です。では、顔にパンチしたら、相手はどうなりますか?」
「怯むか倒れるのかー?」
「そうなりますねー。それを利用するんです!」
実は、チルノが私を攻撃した部分が顔の部分に近かった。
「ただし、皆さん方の力では、気絶させることは不可能に近いでしょう。では、相手を倒すには、どうすれば良いでしょうか?」
「力をつける!」
「リグルさん、それも一理ありますが、それだと私だって時間がかかってしまいます。もっと単純に---。」
「二発目をうつ!」
いきなり外から誰かがやって来た。
「あら?フランさん。お久しぶりです!」
結構久しぶりで、声だけで誰かは分からなかった。
「で、二発目をうつ!合ってるでしょ?」
「正解です。流石ですねー。ところで、なぜここに?」
「暇だから散歩してるのー!」
「そうでしたか?」
「じゃ、そろそろ行くねー!」
「道中お気をつけて。さようなら~。」
「うん!バイバーイ!」
少し驚いたが、すぐに授業を再開させた。
「さーて、偶々やって来たフランちゃんに答えられたので、二発目についてやっていきまーす。」
それから、その後の動作について教えた。ここで、練習相手になってもらう妖精がいた。
「では、チルノさん。いつものやつ、皆の前でやってみますか?」
「うん!待ってたよー!」
「では、これからチルノさんがお手本を見せてくれますよー。」
「わーい!わーい!」
「ちょ、あたいそんな強くないよ!」
皆が笑顔になった。チルノの努力の成果を知らず。
「それでは、どうぞ。ただし、私も本気で受け止めます---。」
笑顔でいたら、瞬間的にチルノの手が目の前にあって、少し怯んでしまった。
「うっ!」
「いまだ!頂き!」
さらに、腹の辺りに一発打ってきた。
「危ない危ない。」
「ええっ、今のでも決まらない?」
がっかりしているチルノだったが、よく見ると---。
「ふぅ---ふぅ---。なんとか、急所は避けましたが、痛いなぁ---。」
「あ、当たった?やったぁ!」
チルノの動きを捉えきれてる生徒たちは誰もいなかったようだ。
「流石です---。っていう風に皆さんも怯ませる→攻撃するという姿勢を忘れずに!」
皆がチルノの方に向かっていった。
「凄いよチルノちゃん!私にも教えて!」
「教えるのかー?」
それを一人で孤独に見ていた私だが、チルノが強くなっていて、少しだけ嬉しかった。少しだけーねw。
「では、1時間目はここまで!次の授業は道徳です!」
「はーい!」
皆が休み時間に入ってすぐ、その場に倒れ込んだ。実は、チルノの攻撃がめっちゃ痛かったのだ。
「はぅぁ。これで二時間目出来るかなぁ---。」
そこに、チルノがやって来た。
「あっ、チルノさん。なかなか良い攻撃でしたよ?」
「本当?でも、大丈夫?あたい、本気になりすぎて、凄い強く打っちゃった。」
「ふぃー。」
「---本当に、大丈夫?」
無傷で余裕の表情を見せたかったが、あまりにも痛く、しばらく立つことが出来なかったのだ。普段は4枚ほど着ているが、今は2枚しか来ていない。しかも、薄い服だけだ。
「意外と、冷たいですね---。ふわぁ。」
「そうかな?えへへー。」
「さて、2時間目いきますよー!」
「次勝負したとき、あたい、絶対勝つから。」
ちょっとドヤ顔で言ってきたが、笑顔で頭を撫でて、2時間目に入った。
「はい、二時間目は音楽です!前にけーね先生から自分の好きな歌を歌って発表するという課題が出てたようですが、皆さん、やってありますか?」
「もちろん!」
「頑張ったよー!」
やっぱり元気な寺子屋だった。
「で、それを皆の前で歌うみたいですが、誰から歌いますか?」
ただ、こういう時に限って静かになるのは普通だった。
「はい、じゃあ---席順にいきますか、それともー、名前順にいきますか?」
本日在籍者は、大妖精、チルノ、ミスチー、リグル、ルーミアの5妖精達。大妖精がすぐに席順といった。
「お、席順という人が多いですね!では、一番左の大妖精さんから行きましょう!」
「え?」
結局、どちらにせよ大妖精が一番だった。そのあと、チルノ、ルーミア、リグルと歌っていき、最後にミスチーの番になった。
「それでは、最後にミスチーさん!長い間お待たせしました---。では、どうぞ!」
「先生って人ですよね?歌聞いて大丈夫なんですか?」
いきなり訳のわからない質問をされた。
「もちろんですよー。私は歌が上手い下手とかではなく、皆さんの積極的な姿勢を求めているんですよ!」
「じゃあ、歌うね!」
「どうぞ!」
「ファーファーファー ファーゥファーゥ ---。」
ミスチーが歌いはじめてから、何故か頭がふらふらしてきた。
「う---ううぅ。なに---これ?」
ミスチーの隣で笑っているリグルを見て、膝を地面につけてしまった。
「体が、自由に動かない?」 終
さぁ、ミスチーの歌で倒れかけてきたタケノコ。果たして、どうなってしまうのか!?では、次回もお楽しみに!
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第54話→寺子屋の笑われもの?妖精達の大進撃!
「ミ、ミスチーさん---歌は---上手いですが、なんですか?この---ふらふらしてくる感覚。」
このとき、ミスチーのことを知らなかったから、歌でふらふらしてくることを知らなかった。
「うっ---はぅー。」
「ねぇねぇ、ミスチーの能力は歌で人を狂わす程度の能力なんだぞ!あんたのような人間は狂ってしまうんだぞ!」
「そ、---そうなんですかぁ?」
既に限界ラインが見えてきたから、最後の手段でミスチーを止めようとした。
「ミスチー---さん。と、とりあえず歌を---歌を止めてください---うっ。」
「ファーファ---先生、どうでした?」
「うん、とても良かったですよ!倒れそうになりましたけどね---。」
「だから最初に言ったじゃん!」
最初に言われても言われなくても、ミスチーの能力を知らない限り結果は同じであった。
「ふぅ---なんだか今日は妖精さんたちに色々やられまくりですね---後で---エヘヘ。」
そんなことを考えていたら、いきなりミスチーが歌い出した。
「ファン!ファン!ファン!ファン!ミスチーファン!ヒトたおす!ヒトたおす!ヒトをたおすぅ!」
何故か普通の歌なのに、頭の中に高い電子音が流れてきた。そして、幻覚のようだが、なにかが見えた。
「な、なんだ---あの青いやつは!」
外から出てきたのは、青がでかく、人を襲ってくる青くデカい何かだった。恐らく、捕まるとまずいと考えて、すぐに逃げた。
「うわぁぁぁぁあ!!」
しかし、ここから出る道はミスチーに塞がれて、あっけなくそいつに捕まってしまった。
game over---
「ねぇ、さすがにやられるの早くない?」
「アハハ!人間狂わせるのって楽しい!」
「う---ううっ。あれ?私は何を?」
あお○にのゲームの世界らしき場所から、寺子屋に戻った。
「そういえば、私---ファンファンとかいう音楽を聞いてから、記憶がないですね。」
「そうだよ。あんた、その音楽聞いて倒れたんだぞ!」
「あらら?ミスチーさん、やりますねぇ。」
「ありがとう!」
「では、2時間目終わり!」
「わーい!」
それから、3時間目になった。
「はい、今日は3時間で終わりの日なので、本日ラスト授業です!最後の授業は---え、英語です。」
実は、私は英語が殆どわからないのだった。
「ええっと、今回から英作文の練習に入りますよー。」
「はーい!」
もちろん、英作文なんか出来ないから、こっそり教科書を見てカンニングをした。
「今回は久しぶりで、最初の方から確認をしなさいと連絡があるので、教科書の8ページから英作文を作っていきましょう。Are you ready?」
「Yes!」
三時間目になっても皆元気に授業を受けていた。
「では、一番上の日本語の文章、私は12歳です。と、私は、寿司は好きですが、天ぷらは好きではありません。を英語にしてください!」
教科書を見て、こっそり確認した。それから、2分ほどたって、全員が書き終わった。
「では、答え合わせ!まず、一番目の文章から---出来た妖精さん!」
全員が手をあげた。
「では、一番最初に手をあげたチルノさん、どうぞ!」
「ええっと、I am twelve year old.ですか?」
英語が出来ないとはいえ、この辺りはまだ分かる範囲だった。
「惜しいですねー。」
「先生、でもこれで私は12歳ですになってると思いますよ?」
「ですが、12というのでyearを複数形に、yearsにしましょう!」
それから、二問目はルーミアが答えた。
「I like sushi,but I don't like tempura.なのかー?」
「はい、オッケーです!では、次のページにいきます!」
それから、1問1分程度で進んでいくため、8ページほど進んでいった。が---そこで。
「もう、わかんねぇ---。」
「先生、急いでいきましょうよ!」
大妖精の一言で、なんとか進んでいった。
「ええっと、この問題は関係代名詞を使う問題です!そのー---。」
しばらく寺子屋内が静かになった。
「teacher,are you ok? You look very tired.(先生大丈夫?めっちゃ疲れてるように見えるけど。)」
チルノが簡単な単語を使って話してきた。が---。
「え?ええっと、そのー。」
「Perhaps,you can't speak English!?(もしかして、英語話せないの!?)」
さらにチルノの隣で大妖精が英語を重ねてきたが、もちろん何を言ってるか分からなかった。
「ええっと、ザ、ザッツオーケー。」
発音も酷いまま、話していったが、今の一言で寺子屋のみんなに冷たい目で見られた。
「あ、これ話せないやつだ。」
「今どき英語話せないとかダッサー。」
「あたい、あんな人に算数教わってたんだ。明日から英語教えてあげるよ!」
「これは慧音先生に報告だね!」
「いや、ちょ---皆さん。落ち着いてください!」
「じゃあ、さっき私が話した英文を日本語に直してよ。」
大妖精の強烈な一撃を返すことは出来ず---。
「ごめんなさい、分からないです---。」
あまりのショックで膝をついてしまった。
「ううっ---私は、私は---教師失格です。」
「先生!頑張って!」
「そうだよそうだよ!あのチルノにさえ負けた先生!明日からチルノに教わってみたらー?」
「ちょ、それあたいを酷い扱いしてるでしょ?」
「チルノちゃんごめーん。」
「いいよいいよ、既にあいつのsan値はピンチに決まってるよ。」
そんなディスりまくりのチルノの前に向かい---。
「今日から英語教えて下さいお願いします何でもしますから!(なんでもするとはいってない)」
「あーあ、言っちゃったー。」
完全に周りは苦笑いをしていた。
「う、ううっ。」
そのまま、笑われながらその1日が終わった。その後すぐ、チルノがやって来た。
「あんたさ、意外にも英語苦手だったんだね---。」
「う、ううっ。返す言葉が---ない。」
「はいかいいえくらい言いなよ---。そんな、怒ってないからさ---。」
あのときの笑いを抑えきれないチルノは、少し笑いながら質問をしてきた。
「はい---私、社会と同じくらい英語苦手です---。」
「やっぱり、で、あたいに教わるって本当?」
「そ、それは---。」
完全に膠着状態になった。
「お、お願いできます---か?」
「無理。」
「え?」
いきなり無理だと言われたので、少し驚いたが、無理と言われても無理はないだろう。
「ですよね。」
「だって、あたいは人間に色々教える力なんて持ってないよ。それより、あんたなら自分で話した方が早くない?」
何故かチルノに色々言われてしまった。
「それも、そうですね。」
「じゃあ、あたいは大ちゃんとミスチーの屋台寄っていくから、先帰っててー。」
「わかりました。では、お気を付けて。」
「ちゃんと帰ったら勉強するんだよー!」
小学生のように色々言われた1日だった。でも、久々に小学生の時代に戻れた気がした1日でもあったのだ。 終
次回もお楽しみに!
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第55話→妖精の作文?目的と努力にゃー!
あれから、授業にも慣れてきた。しばらくの間色々教えまくって、先生の大変さも知った。
「はい、いよいよ、本日が最後の授業になります!明日から慧音先生が戻るそうですよー。」
「そーなのかー?」
「そうなんですよー。」
「先生、最後は何をするんですか?」
今日も普通にやろうと考えていたのだが、いきなりパッと思い浮かんだ良いアイデアがあった。
「実はですねー。今日は皆さんが今目標としていることを文にまとめ、それを1人1人発表して欲しいと思います!」
全員ざわつき始めた。もちろん、これも想定内である。
「まぁ、そんなわけで、目標なんて言われてもわからないと思う方。そんな時は皆さんが好きな事を思い浮かべてください。好きな人、物とかでもいいですよー。」
時間はあるため、皆にしっかり書いて欲しいと思っていた。数分たって、皆好きなことを書き終えた。
「では、次。今までやって来た事の中で、一番スケールがでかかった事を思い浮かべてください。それが成功していても、失敗していても、どちらでもいいですよ。」
さらに数分たって、皆書き終えた。何をしているか分からず、不思議に思っている顔をしていた。
「では、その2つと関連性が深い単語を思い浮かべてください。」
そこにチルノが。
「例はないのかー?」
「例ですか?---。」
クラスが静かだから、少し盛り上げようと、面白いことを考えようとしたが、無理だった。
「好きな人は、チルノさん。あなたですよ---。」
「それ言わないでよ---。恥ずかしいじゃん---。」
「あなたが例をと言いましたので---ね?で、スケールがでかいことは、あなたを守りつづけることです。」
大妖精の顔が真っ赤になっていた。怒ってるようには見えなかったが---。
「では、関連性が深い単語。例えば---氷、守る、妖精、勝負---とかですか?」
「なんで勝負が関連してるのかー?」
「ルーミアさん。守るために必要なものってわかりますか?」
しばらく考えたあとに---。
「強さなのかー?」
「そうですね。」
色々質問が飛んできそうだったから、ここで一度纏めてみた。
「まず、目標というものは、自分の好きなことを書くと分かりやすいですね。そこに体験談をいれると尚更良いので、先程のスケールでかいものをいれると良いんですよー。」
実は、完全に自分流だったのだが、妖精たちに分かりやすく、簡単に文章が書けるように伝えていった。
「因みに、字数は150字以上2000字以内でお願いしますー。」
皆が静かになって書いていく。眠くなってきたところで、発表の時間になった。
「では、発表の時間です!まずはミスチーさんからー。」
「わ、わたし!?一番最初なんて---。」
「リラックスすることです。」
そうして、ミスチーがゆっくりと原稿を読んでいった。
「私は、一度屋台の開店に間に合わず、大きな批判を喰らったり、最近売り上げが徐々に落ちてきています。これをなんとかしなくてはいけないと考え---。」
周りがいつも以上に静かなうちに、あっという間に原稿を読み終わっていた。
「終わりです!」
「とてもいい目標ですね!自営業の大変さにも負けず、頑張っている姿はとても良いと思います!」
皆が拍手をして、次の妖精になった。
「では、お次はルーミアさん!」
「そーなのかー?」
相変わらず口癖は変わらないが、原稿をゆっくり読むというしぐさは同じだった。
「前に人里で何者かに襲われたとき、対抗できなかったのだー。今回体を守るという授業を受けて、自分の身は自分で守り、闇を深めていくのだー!」
「なるほど、闇の世界が好きなのですね。確かに、いきなり襲われたら対抗なんて難しいものです。でも、もし今回同じことが起きて、対抗しなきゃいけないときに出来たら良いですね!」
ここでも拍手がうまれた。そうして、大妖精、リグルと話していって、もちろんチルノは最後に残しておいた。
「では、チルノさん。どうぞ!」
〔以下チルノの原稿〕
あたいの目標。チルノ
あたいは先生を倒して、何か危険が訪れたときに、ずっと守ってもらっていた先生と一緒にやっつけたいと思います!
1年前、あたいはまだ先生に会ってなくて、ルーミアちゃんに負けるくらい弱かったです。でも、あのとき彼に出会い、そこから強くなってきました。あたいだって強くなれる。彼の言葉を信じて修行をしてきて、今ここに立ってます。
確かに、今のあたいは先生よりずっとずっと弱く、先生が本気を出した瞬間、一瞬でやられてしまいます。だから、いつか勝てるように、あたいは強くなり続けたいです!
その為に何をするべきかというと、まずは修行を積み重ねて、昔勝負して負けた妖夢や魔理沙に勝つことが重要だと思ってます。因みに、先生は1分かからずに倒せると思います。
たとえどんなに弱く、才能がないとしても、努力するのが一番大切だと感じました。これからも色んなところで努力していきたいです。そして、算数のテストでいつか100点を取りたいです!
それと---。先生を倒したあと、倒れるまでつ---付き合いたいです。
最後の一言で、周りが静かになった。顔を赤くして。
「先生、どうでしたか?」
「とても---いい文章でしたね!ただ、恋の話は二人きりでしましょうよ---。」
「エヘヘ、ごめんなさい!」
皆が笑っていたところで、授業が終わった。
「はい、これで私の一週間の特別授業は終わりになります!皆さん、お疲れ様でしたー!」
「ありがとうございましたー!」
みんなの元気な声が寺子屋内に響き渡った。
「さて、では、気を付けてかえってくださいねー!」
「はーい!」
チルノ以外の全員がそれぞれ帰るべき場所へ帰っていった。
「ねぇねぇ、一緒に、帰ろ?」
「チルノ様---わかりました!」
その後、部屋の整理をして、2人でゆっくり帰っていった。笑顔で部屋に戻ったら、慧音先生が部屋の前に立っていた。
「あ、けーね先生だ!」
「あら、こんにちはー。」
「こんにちわー!」
「---25×11は?」
いきなり暗算で問題を出してきた。
「ええっと、275!」
「やっぱり。」
少し引きぎみで、私の方に声をかけてきた。
「1週間ありがとう、お陰で体も昔のように戻ったわ。それと、彼女の世話、大変だったでしょ?」
「最初は大変でした---でも、彼女の努力のお陰で今は逆に楽しいですよ!」
「それなら良かったわ。」
そうして、チルノの方に目を向けた。
「頑張ったのね---皆と仲良くやってる?」
「うん!」
「良かった。では、この辺で失礼するわね。」
「また明日ー!」
そうして、ゆっくり寺子屋の方に向かっていった。
「チルノ様。部屋に戻りましょう!」
「じゃあ、部屋に戻ったら特訓だ!」
いつも以上に笑顔で張り切っていた。 終
次回から第Ⅱ章、お楽しみに!
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第Ⅱ章→夜、神社の宴会。ひょうたんの逆襲!
第56話→宴会&霊夢異変?謎の咲夜の伝言!
「うみゃぁー。」
色々勉強や修行づくしで疲れたチルノが、自分の部屋のベッドで休んでいた。
「チルノ様。お疲れ様ですー。」
「あ、お疲れー。」
「チルノ様、本日のアイシクルフォール、また強くなっていましたねー。」
「もうそろそろあの龍使ってるあんたにも勝てるかな?」
正直、勝てると言いたかったが、そこで勝負しようとなると、危ないので。
「まだ厳しいとは思いますよ?ただ、ドラゴン使ってない私なら別ですけどね---。」
「やっぱりー。」
ちょっとだけ落ち込ませちゃったかと思ったら、意外と笑顔でやっぱりーと言ってきた。
「さて、修行してたらもう夜になってしまいましたね。風呂に入って寝ましょうか!」
「ねぇねぇ、一緒にはいろーよー!」
「さ、さすがにそれは出来ませんよっ---!一緒に遊ぶくらいじゃないと。」
少しからかってるような顔にも見えたが、彼女はゆっくり風呂に入り、その間に外の様子を見てきた。
「なんか、怪しい雰囲気がする---。」
何が怪しいかはまだ分からなかった。が、何か視線を感じる気がしたのだった。とりあえず、一度部屋に戻ってみた。
「なんなんだろう、怪しい視線だなぁ。」
それから、彼女が風呂から上がった後、自分が風呂に入る前に今の事を伝えておいた。
「チルノ様、気のせいだったかもしれませんが、外から視線を感じた気がしました。あなたより強い敵だと思ったら、すぐに私を呼んでくださいね。」
「そうなの?わかったよ。」
そうして風呂に入ったが、その日中には誰もやってこなかった。寝る前に。
「あ、あのさ---大丈夫かな?」
「わかりませんね---。ただ、やはり視線は消えていません。きっと近くにいるはずです。」
「お願い、一緒に寝よ?」
「え?それもちょっ---。」
「怖いの。お願い---。」
今度は、チルノのつぶらな瞳に負けてしまった。
「わかりました。何かあったらすぐに私を起こしてくださいね?」
「うん---。」
そうして、2人でゆっくりと寝て、次の日の朝になった。
「うわぁ!誰か、いる---ねぇ、起きて!助けて!」
先にチルノが起きたら、目の前に誰かが立っていた。思わずすぐに私を起こそうとしてきた。
「う、ううっ---おはようございます。それとよく見てください---そこに立ってるのは紅魔館のメイドさんじゃないですかぁ。」
「え?---あっ、本当だぁ---。」
寝起きの体で、なにもすることが出来なかった。
「本日は、何をしに?」
そう聞いてみたところ---。
「ちょっと恨みがあるのでやりにきました。」
笑顔でそう返してきた。
「はぁ---寝起きなんですがねぇ。もし本当なら守らなきゃ---本当ならですよね?」
「冗談って分かってたのね---。異変よ。」
また寝ようとしていたチルノまで、咲夜の方を向いた。
「久々の異変ですが、今回は何か?」
「実は、最近霊夢達が大量に宴会を開くのよ。3日置きよ。」
「つまり、あの狂った貧乏---じゃなくて、霊夢を成敗せよ!と?」
「違うわ。」
「ええ?」
「大事なのはそこじゃないのよ。」
「では、いったい?」
「まぁ、今日も宴会あるから、可能なら来てみて欲しいわ。そしたらわかるはずよ。」
「はぁ---。というわけですがチルノ様、如何でしょうか?」
「あたい、今日はやること多くて外に出られそうにないから、1人でお願いできる?」
昨日の夜から疲れてるわりに忙しそうなチルノだったので、そのまま色々させて、咲夜と別の部屋にいった。
「とりあえず、今日の午後5時、早いけど、その時間からいると確実ね。」
「場所は、博麗神社と。」
「そうね、きっとそうなるわ。」
「わかりました。では---。」
「なんか巻き込んでごめんなさい。霊夢があまりにも酒を飲みすぎて、異変解決しそうにないのよ。」
「霊夢、お酒飲めるんだ。いいなー。」
まだ酒を飲める年ではない私だったから、ちょっとだけ寂しかったが、異変があるということでそんなことは殆ど考えてなかった。
「それと、今回は幽々子や紫も来るらしいわ。レミリア様もご一緒に来られるそうよ。」
「あぁ。紫---確か永夜の時に会ったっけ---。」
「じゃあ、よろしくね。」
「では、本日の午後5時に会いましょう。」
そうして、咲夜は部屋を出ていった。
「何だったんだ---。ただ、気になるなぁ。」
一応、今の会話内で重要なところだけはチルノに伝えようとしたが、既に寺子屋へいく準備をしていた。
「もう行かれるのですか?」
「一緒に行こうよー!」
どうやら、久々の授業が楽しみなようだ。
「すぐに行かれるのでしょうか?」
「5分くらいしたらね。」
「かしこまりました。」
そうして、5分だけゆっくり準備をして、部屋を出る時間になった。
「じゃあ、行こう!」
「はい!」
異変について、誰か来るかもしれないと感じ、分身だけおいて部屋を出た。
「そういえばさ、あんたは授業受けないの?英語酷かったじゃん---。」
「それは禁句です---。」
いきなり弱い点を突かれて、少し慌てぎみたった。
「あのー。ええっと、あ、そろそろ寺子屋に着きますよ!」
「オッケー、じゃあ先生に伝えておくよ!」
「はい、すいませんでした---。」
しばらく静かになって、チルノを見送った。
「それでは、いってらっしゃいませ~。」
「うん!」
部屋に戻ってから、すぐに空を飛ぼうとしたが、朝なので龍の力が使えず、超高速で走って霊夢の様子を見にいった。
「神社には、いない?いや、いた---。」
こっそり様子を見ていたら、いきなり霊夢が視界から消えて、後ろから。
「ねぇ、そこで何してるの?」
「あっ---お、おはようございます~。ええっと。」
「今日の宴会のことねー。別に来るのはいいけど、そっちは酒飲めないでしょ?お酒は20歳になってからだよ。間違って飲まないようにね。」
「それは伝わっていますので。」
「そう、特に大きな用がないなら帰ってくれる?今日の用意で忙しくなるのよ。」
「わかりました。---ところで、何か最近異変とかないですか?」
「異変?そんなものないわよー。」
咲夜が言うとおり、きっと酒に酔っているのかもしれないが、もしかしたら咲夜の間違いかもしれない---どちらが正しいかは、行ってみないとわからない状態だった。
「じゃあ、また後で来てねー。お賽銭入れていってよ---。」
「あいにく、現在お金は殆ど持ってきてないんです---。」
「そう、じゃあ。」
実は、既に酔いかけてる気がしたが、すぐに部屋に戻った。
「あれは---霊夢自身が異変だ---。」
部屋のなかで、こっそりそう思っていた。が、本当の異変は、そんなものではなかったのだ。 終
次回もお楽しみにずらー!
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第57話→苦味の酒に酔う少女!空に隠れた鬼?
「これは怪しいわ---。」
そう思いつつ、しばらく時間は過ぎていった。一人でいるのが寂しかったから、パチュリーのところで何か手掛かりになりそうな本を探しにいった。
「ふぅ、やっと紅魔館着いた---。誰か、寝てる?」
門番の美鈴が寝ているのを見たが、見なかったことにして、図書館へいった。
「お久しぶりですー。」
「あら、久しぶりね。あいにくこの時期は忙しいの。前に大妖精救った時あったよね?あのときと同じ、レミィから仕事出されちゃって---。用があるなら早めにね。」
「わかりました。」
「敬語使わなくても良いわ。」
「なんとなく使ってしまうので、無視してください---最近、霊夢に変わったところありません?」
「霊夢に変わったところ?宴会開きすぎじゃない?しかも、お酒飲みすぎじゃない?まるで、誰かに操られてるようなの。」
「操られてる?」
なんとなく、咲夜が言ったことと似ているような気がした。
「そのような現象、前に起こったことは?」
「知らないわ。そんなの本で見たことないわ---。」
「初めて起こる現象と---。」
そうして、本はなかったが、いくつか情報を手にいれて、紅魔館を出ようとした。そこに。
「あうっ、あうっ、あうっ---。」
「今日も寝たわね---昨日の昼に明日寝たら目を潰すってこと伝えたわよね?---ちゃんと理解した上で寝たのよねぇ?」
あまりにも見るに耐えない光景だった為、2秒でその場を離れた。おそらく---いや、絶対あの2人は気付いていなかった。
「なんなんだあれ---。つーか、自業自得だろ---。」
紅魔館が見えなくなり、いつの間にか部屋に戻っていた。
「そろそろチルノも終わるか---。」
なんとなく散歩とか、情報収集とかしてるうちに、チルノの授業がおわる頃になっていた。
「また歩くのかよー。」
そうぶつぶつ言いながら、チルノの元に向かった。
「あ、ちょうど今終わったよー!でも今日は大ちゃんと帰ることになってるんだ---それと、けーね先生が呼んでるよー!」
そうして、そっちの方に向かおうとしたら、先生の方からこっちに来てくれた。
「あなたって、英語出来ないのね---。それと、社会。」
折角色々やって忘れようとしたが、今の一言で努力が崩れ落ちてしまった。
「タケノコちゃんは英語が出来ないですねー。」
「あなたもここに来れば良いのに---。」
慧音先生までここまで言ってきたのには、少しショックを受けた。
「あ、そういえば、今日の宴会は私も行くから、よろしくねー。」
棒読みで話してきて、自分もいつの間にか棒読みで返していった。
「あ、りょーかーいでーす。」
それから、ゆっくりと部屋に戻っていった。
「チルノ様、本日は如何でしたか?」
「楽しかったよ!先生結構驚いてたし---。」
「それは、努力の甲斐がありましたねー!」
「うん!」
「あと数時間で宴会の方に向かいますが、そのときは何をするのですか?」
「宿題が終わってたら大ちゃんとリグルちゃんとミスチーとルーミアちゃんと遊ぶんだ!」
「ほう、面白そうですが、私は久々に異変発生ですので、ごゆっくり、楽しんできてくださいね!」
本当は妖精の中に混ざりたかったが、自分のすべきことに優先順位をつけると、それは後回しであった。
「じゃあ、あたいは宿題やるから、しばらく部屋にいるよー。そうだ、間違っても宴会で酒は飲まないでよね!」
「霊夢に誘われたらタイキックしちゃうんで大丈夫です!」
「なに?絶対に○っ○はいけ○い24時のいつものタイキックの人を呼んでくるの?」
「呼べません!」
「あ、そうなんだ---。まぁ、健康には気を付けてー。」
そうして、チルノが宿題を始めて数時間、宴会にいく時間になった。
「ふぅ---いよいよ---か。」
そうして、一人静かに夕方になりかけの空を見ながら、神社へと向かった。
「本当に---異変が起こるのか?起こらなかったら酔ってる霊夢でも成敗してみるか---フフフ。」
そうして歩いている間に、太陽は雲によって隠されてしまった。
「く、暗い---。」
ヒトリシズカに歩いていたら、いつの間にか神社に着いていた。
「どうもぉ~。」
「あら、やっぱり来てくれたのね。」
目の前に、宴会の手伝いをしている咲夜がいた。
「お疲れ様です。ところで、なぜそんなに服の一部がぼろぼろなのですか?」
「実は、霊夢の手伝いよりメイドとしてやらなきゃいけないことがたくさんあって、抵抗したらこうなったの---。情けないわよね---。」
「霊夢、ますます倒しがいがあるなぁ!」
だんだん、空のことではなく霊夢の方へ体が移っていった。それから、数十分たって、宴会が始まった。
「そういえばあなたって、こんな感じに大きな宴会出るのは始めてなの?」
まだ素面の霊夢が話しかけてきた。
「確かに、今までこんな感じに大きい宴会に参加したことはないですねー。妖精達に混ざったり、3人位でやったりはありましたけどね---。」
「そうなんだ---。」
実は、どんな感じで宴会をしているかなんて、殆どわかってなかった。前世でも、まだ中学生で、宴会なんかしたことはなく、完全に初の状態なのだ。
「ん---?」
なにか、空に怪しいものが浮いてる気がしたが、宴会に夢中になってる皆は気付いていなかった。霊夢は既に自分が一番最初に飲む勢いで、酒に手を触れ始めた。。
「前方120メートル位かな---。」
それを言う2秒ほど前に、異変が起きようとしていることがわかった。が、今は情報収集という意味で、そいつを放置しておいた。
「絶対、誰か、いる---。」
なんとなく誰かいる気がしたが、おそらく一人では倒せないくらいの力量だった。
「はぁ---霊夢、今にも酔いそうな顔だわ---こりゃ、異変解決しそうもねぇよなぁ。」
他がどうかは分からないが、少なくとも自分は宴会を楽しんでいなかった。むしろ、警戒心たーっぷりの状態だった。
「さて、もう待つの嫌だし、行くか!」
そういって、前方に120メートル進んで、異変の主犯を捕まえようとした。既に夜に近づいていく時間帯のため、ドラゴンは一応使えそうな形だった。
「ふぃー。闇色ドラゴン、召喚だぜ!」
まだ敵が見えていない状態からドラゴンを召喚したら。
「始めてみるねぇ。一緒に酒でも飲む?それとも、毒でも飲む?じょーだんだよー!」
「お、現れた。」
目の前にいたのは、ひょうたんを持った小さな女子だった。 終
次回、第Ⅱ章完結!お楽しみに!
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第58話→萃香と苦い酒?悲しすぎる宴会の結末!
「やっぱりいた~。」
いきなり鬼の姿で出てきた少女。他の皆は宴会に夢中になっていたが、正直自分は宴会をしに来たというより、異変解決しに来た為、そんなものに興味はあまりなかった。
「で、宴会の時に悪戯してるのは君なのね。」
「そうだよー、タケノコ君。」
「私の名前を、知ってる---のか。」
意外と幻想郷内で知られているなー---うへへ。って思ったが、そんなことを気にする余裕などなく---。
「さて、今すぐその変な妖気とか止めていただきましょうか?」
ここで、完全に戦闘モードになった。
「それはできないねー。だって---」
「グランドファイアインフェルノ。」
そんなどーでもいい理由など聞きたくもなく、チルノがいないのか、周りのことを気にせず攻め始めた。
「火炎玉っ!」
「おっと、危ない危ない。」
久々に打ってみたが、精度は落ちていなかったが、距離があり、当たらなかった。
「もうそっちが攻めたってことは、倒したって文句は言わないよね?符ノ壱、投擲の天岩戸!」
相手が鬼なだけに、鬼のような攻撃をどんどん打ってくる。
「危ないっ!」
いきなりかすりそうになり、シールドを張る場面もあった。
「へぇー、避けるのは得意なんだ。なら二つ目、符ノ弐、坤軸の大鬼!」
さらに力が増していったところで。
「おそらく、一方向にしか攻めることができないのか---。ならば、影分身!」
相手の弱点を突こうとするが、今度はいろんな方向に打ってきて、なにもできない。
「くっ---。どうすれば。」
最近、チルノとの修行の付き合いしかしてなくて、ここまで強い敵に出会い、色々苦労していた。が、次の瞬間を待っていた。
「あはは!もう力尽きたの?夜になっちゃったし、これからゆっくり食べていくことにするよっ!」
「---闇色ドラゴン、召喚っ!」
現在このドラゴンが幻想郷最強クラスの龍だった。
「なにっ?だったら符ノ参、追儺返しブラックホール!」
そんな漢字さえ読めなさそうで、見た目強そうな技でも、軽々避けていった。
「そんな---。」
ここで、ずっと使いたかったある技があった。
「チルノ様、お借りします---アイシクルフォール!」
「え?それはあの妖精の---。」
「1年間ちょいそばにいたのでね、なんとなく真似してみたんですよ?まぁ、今の威力は彼女の10倍、耐えきれますかねぇ?」
「はぅ---ぐっ---まだ、こんなところでは。折角の春を折りすぎのこの幻想郷に復讐を---!」
「ならば、今度は最近覚えた技で、死符、闇ノ夜!」
終わらない悪夢のように、大量の龍の分身を使い一気に攻める技だったが、かなりの体力を消耗するため、あまり使いたくなかった。しかし、長引くと面倒なので、早めに終わらせた。
「そんな、避けられ---ない。」
「じゃあ、闇色ドラゴン、相手に向かって目からビームでも打っちゃって~。」
既に余裕の表情で、決め手の一手を出してあげた。
「う、うそだっ。」
そういって、目の前に見える桜が風によって散っていった。
「ふぅ、やっとチェックメイト、早く帰ろっと。」
なにか忘れているようだったが、神社から少し離れたところで勝負していたので、完全に忘れていた。一方、博麗神社では。
「あら、妖気、消えたわね。」
何故か参加していたレミリアとパチュリーが静かに話していた。
「きっとたまたまだったのよー!」
もう止まらない霊夢が走り回りながら騒いでいた。
「そういえば、タケノコちゃんどこ行ったのか---。」
咲夜が私のことを探しに来た。疲れてゆっくり帰っていったので、すぐに見つかった。
「あ、いたいた。」
まだ完全に酒に溺れていない咲夜だったのか、私のもとにやって来た。
「あー!宴会忘れてたぁ!異変解決したからって帰ろうとしてたぁ!」
「異変、解決?」
「そこにいるちっちゃいのが主犯でしたよ。」
そういって、倒れている彼女をだっこして、ここまでつれてきた。そのとき、やっと目を覚ました。
「うっ、ううっ。」
「お早うございます。」
「ここは?---そうか、あの龍にやられて、意識、失ってたんだな。」
「一緒に宴会やります?あなたの目的って、宴会したかったから、じゃないんですか?」
明かりが少なく、静かな空間の中、それよりも静かにうなずいた。
「さ、行きますよ?」
「あのさ---ごめんなさい---。」
「私に謝らないでくださいよ---謝るなら今宴会している迷惑かけた他の皆さんに。」
そこに、咲夜が衝撃的な一言を話した。
「いいえ、きっとみんな、異変のこと気にしていないわ!」
「ええええ?そうなんですか?あの霊夢!今すぐにでも成敗してやりてぇ---!」
「んじゃ、霊夢に伝えておくわね!」
「うわぁ、待ってくださいよっ!流石に宴会楽しんでるところにそんなこと言うのは申し訳ないですから---。」
そうして、ゆっくり神社の中に入った。
「うわぁ、久しぶりだなぁ。」
ひょうたんだけはずっと握ったまま、静かに声を出していた。
「そういえば、名前すら聞いてなかったですね。」
「伊吹萃香だよ!タケノコ君、よろしくっ!」
「よろしくお願いします!」
そういって、宴会のところにいって目の前にあった物を飲んでいた。そんな宴会も皆で話していたらすぐに終わっていた。というか、来てから10分くらいで終わっていた。
「あっふー!終わったぜおわったぜ!んじゃ、帰るからっ!萃香ちゃん、バイバーイ!」
意識が朦朧としていたが、なんとかいつもの部屋まで帰っていった。
「チルノさまー。ただいまですー。ううふっ。」
「お帰り~!って、何があったの?今にも倒れそう!大変な異変だったのね、早く風呂はいってって---傷が殆どない?ってことは。」
しばらく、何をしたか見当すらつかなかった。
「うっへ!---あの水なんか変なあじしたなぁ。まぁ、霊夢のところだから、しょうがねぇかぁ!」
そのろれつが回りきってないのと、水という言葉で、パッと思い浮かんだ。
「ま---さ、か。あんた、酒飲んだでしょ!?!?」
「酒?あぁ!あれ酒でしたかぁ!苦味がよかったんですよねぇ!」
「あっ---。」
その場から静かにチルノが去っていった。それから、誰かを呼んでいる気がした。
「何してるんですか~?」
「え?すぐ来るから、待っててね!」
何を言ってるかわからなかったが、そこに誰かがやって来た。
「ふっふっ---遂にあなたの弱点を見つけてしまったぁ!今日は説教しがいがありそうですねぇ!」
「げっ---。」
目の前に、緑の髪の毛で冠を被っている裁判長、四季映姫が現れた。
「ニゲヨーっ---。」
「待ちなさいっ!今逃げたら、あなたを地獄に落としますが、ここで座っていれば今回は説教だけで済ませてあげますよ!?」
「はぃ、すみませんでしたっ---。」
それから、100回くらい未成年なんだから酒は飲むなっ!と聞かされた気がしたが、魂が抜けかけていて、最後の方はなにも覚えていなかった。
「さて、明日はもっと良い日になるかな~?」
チルノは、私が説教を受けている間に、熟睡していた。 終
次回から第Ⅲ章、お楽しみに!
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第Ⅲ章→山奥の孤独な神社、守矢の事件!
第59話→怪しい少女!山のトップに潜む影!
「ううっ---ここは?」
昨日の説教を受けて、いつの間にかその場で寝ていた。
「はっ---チルノ様。」
既に目の前に立っていた。
「あのさっ---もう、変な行動とらないでよね?昨日はちょっと怖かったから。」
「あっ---そのー、ごめんなさい。」
「良いんだよ---もうしないならね。」
そうして、そのあとのんびりしていた2人、それから、長い月日がたった。
「チルノさまー!今日も元気にやっていきましょう!」
「あんたさ---まだ子供っぽいけど、大丈夫なの?」
始めて酒を飲んでから、いつの間にか半年が経っていた。
「まぁ、あれから特訓してきたし、そろそろあんたを倒したいな~。」
「多分、もう通常の姿なら倒せると思いますよ?あっ、もちろん龍を連れていたら別ですけどね---。」
「その龍を倒したいんだよー。」
ずっとチルノの成長を見てきたが、最近は今の状態を保つのが精一杯のようだ。
「とりあえず、あなただって限界なんて持っていない筈ですよ?」
「そうかな~。」
「きっと限界なんてないです!」
「---うみゃー。」
「にゃにゃ?」
「にゃぁ!!」
何故か猫になって話し合っていた。もちろん、途中からただ勝手ににゃんにゃん言うだけになっていたようだ。
「さて、チルノ様、久々に暇が出来たので、なにか遊びましょうか?」
「やったぁ!じゃあ---勝負だ!」
「ええっ、いきなり勝負ですか!?」
「うん!」
「べ、べつに良いですよ?」
現在は昼、チルノにとって私を倒す最大のチャンスの時間だった。しかし、彼女だって本気ではない私を倒すのは嫌なようだ。
「じゃあ、今日の夜に勝負だ!あたいはその間に博麗神社にお参りしてくるよっ!」
「そ、そうです---か。」
上機嫌に飛び出していったチルノだったが、こっちは勝負するほどの体力が夜まで持つか心配だった。しばらくして、チルノが帰ってきたのだが---なにやら伝言を預かっているそうだ。
「ただいま~!」
「お帰りなさーい。」
「そういえば、霊夢から伝言貰ったよ!口で言うのめんどくさいから、紙に書いたって~。」
「伝言?」
そうして、その紙を受け取り、一読してみた。すると。
「なるほど。」
「何て書いてあったの?」
「要するに、神様が博麗神社奪うぞ!って書いてありますね。」
「え?何で?」
「それはわかりませんね---。後、後日その神様がいる山に登るらしいですよ~。」
「じゃあ、あたいも一緒に登る~!」
「本当ですか?というか、それ許してくれるのでしょうかね---。」
「後で霊夢と相談するよ!とりあえず、今日は勝負だからね?」
「はいはーい。」
そうして夜になったが、早く寝たくて、長期戦になると不利そうだから、数分で終わらせることにした。
「んじゃ、行くよー!」
やるきに溢れるチルノをすぐに倒すのは勿体ない気がしたが、適当にいつもの札を打った。
「闇色ドラゴン、召喚!」
「い、いきなりっ!?」
「ごめんなさいね---波動砲!目からビーム!からの終符、グランドファイアインフェルノ!雷で攻撃!」
「うわっ、きやっ!」
なんとか避けていくチルノだったが、電気がかすってしまった。
「うっ---こっちだって、アイシクルフォール!」
別に、いつもより弱いってわけではなかったのだが---。
「ドラゴン、あれくらい止められるよね?」
そうして、アイシクルフォールという氷の技は完全に止めて、次にパーフェクトフリーズを打とうとしたところに、ドラゴンで留目をさした。宣言通り、数分で終わらせることに成功した。それから、部屋にもどって---。
「う、ううっ。」
「チルノ様、おはようございます---。」
「はぅっ---そうじゃん---やっぱり一瞬で終わっちゃったじゃん---。」
「そうですね---少し本気出しちゃいましたよ---。」
「やっぱり勝てないな~。」
自分のベッドの上に布団をかけて休ませてあげた。就寝時間になって、その横で笑顔で眠っていた。
数日がたって、この日は霊夢が例の事件のことを魔理沙に話すようだ。
「ねぇねぇ、魔理沙、ちょっと良い?」
「なんだ?決闘なら大歓迎だぜ!」
「はいはい、全然決闘じゃないから---。」
「なんだよー。」
「これ見てよ。」
魔理沙は、自分が受け取った紙と同じものをもらった。
「なんだこれ---。」
「見ての通りよ---また面倒な事になったわね---。」
「よっしゃ、すぐに討伐だ!行くぞ霊夢!」
「なんでよ---。」
あまりにもやる気がない状態の霊夢は、行くぞ霊夢!とか言われてもその場に寝転んでしまった。
「なんだよ霊夢~。」
「今からいくのー?疲れてるから嫌なんだけど---。」
「そりゃ、討伐しなきゃいけないんだぞ---。」
「はいはいわかったよすぐ準備---やっぱやめた~。」
「じゃあいつやるの?」
「今でしょ!って、はめないでよ!」
「はぁー。」
ずっと霊夢と魔理沙の喧嘩は続いたままだった。その頃、私とチルノは---。
「よーし、今から勝負だ!今なら勝てる!」
「えええ?今日もやるのですか?」
あれから毎日チルノに勝負を仕掛けられていて、ずっと勝ち続けているのか、勝負の手を止めないようだ。
「わ、わ、わかりましたよ---。」
そうして勝負したが、結果はいつも通りだった。
「うわぁぁぁあ!!!」
「はいっ---今日もチェックメイトですねっ!」
「ううっ---そんなぁー。」
あえて気絶はさせなかったが、連戦のせいか、1日目より動きが鈍くなっていると感じた。
「チルノ様、まずは体を休ませてからにしましょう。」
「でも---。」
「可愛いですね---そう落ち込んでいるところ。」
「えっ---そ、そ、そんな。あたいなんて---。」
「すっごい可愛いですね!」
「おっふ---。」
「さて、ゆっくり休みましょうか!」
「うん!」
上手く流れをこっちのものにして、チルノを休ませた。結局、霊夢と魔理沙は---。
「んじゃ、明日山に向けて出発な!」
「はいはーい---。」
霊夢も、本当はもっと後が良かったようだが、魔理沙におされて明日で承諾してしまった。
「はぁー、異変とはいえあっちの神社が儲かりすぎてるのよ---守矢神社め!」
現在、山の頂上に守矢神社という神社があるのだが、博麗神社の参拝客が減り、そっちに行く人が増えてきたようだ。
「絶対に許さない。ましてや、うちの神社まで取られてたまるか!」
霊夢と守矢神社一同、壮絶な戦いが始まろうとしていた。 終
次回もお楽しみに!
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第60話→秋の鍵山は地獄の山登り!!!
霊夢&魔理沙が山に登り、異変を解決しようとする前日、私はすぐに寝て、次の日になった。
「ふぁー。チルノ様、おはようございます~。」
「あ、おはよー。」
いつも通り自分の横で寝ていたチルノは、私が呼び掛けるとすぐに起きるのだ。
「さて、久々の異変ですね---。」
「うん---なんか、平和ボケしてないかな?」
「大丈夫、私だって多分平和ボケしてますよー。」
と、冗談を言ってからすぐに霊夢とおまけ---魔理沙と共に山へ向かう準備をした。まだ朝なので龍は使えないため、チルノに全部任せるつもりだった。
「さーて、チルノ様、いきますよー?」
「うん!」
そうして、博麗神社へ向かったのだが、そこに魔理沙はいない、しかも、霊夢までもがいなかった。
「あ、あ、あ---あれ?」
しばらく何が起きてるかわからなかったが、チルノに上空から霊夢と魔理沙を探してほしいと頼み、探してみた。
「いないよー。」
360°見渡してもらったが、やはりいない。
「チルノ様、2人で行きますか?」
「あんた、龍使えないで勝てるの?」
実は龍がいないと使える技が少なくて怖かったが、まぁ---大丈夫だろうと2人で山に向かった。
「さて、チルノ様、目指すはあっちの方角です!」
「ちがうよ---あっちだよ---。」
「あっ---。」
そうして、道を間違えそうになりながら山に向かったが、山登りなんかしたことなく、ゆっくり歩いた。
「ねぇねぇ、この山だよね?」
「そうですね、この山の頂上に守矢神社というよく分からねぇ神社があるのかっ---。チルノ様、成敗しましょう!霊夢たちが来る前にやっちゃいましょう!」
「後で霊夢と魔理沙にもう終わらせたっていってそのまま山を10往復させてやるっ!」
そういうことで山に登り始めようとしたが、山を登り始めてから1分位して、目の前に誰かが立っていた。もちろん、初めて会う者だった。
「チルノ様、おそらく敵です。すぐに片付けちゃいましょう!」
「うん!」
目の前には、秋静葉という落ち葉をたくさん持ってる少女がいた。
「あら、あなたたち、山登りしてるのね。でもここから先は通さないわ---。」
「よし、チルノ様!アイシクルフォール!」
そうして、チルノがアイシクルフォールを1発ボンと打ってみたが、落ち葉が凍るほどの寒さで瞬く間に倒れていった。
「つ、つよすぎるって---。」
そうして、現在1敵撃破をした。もちろん、倒したらすぐに登らなくてはいけない。後で霊夢たちがやって来て、もう倒しましたよー作戦が失敗に終わってしまうからだ。
「ねぇねぇ、あたいたち結構登ったよね?あたい疲れてきたんだけど---。」
「そうですねー---まだ5分位しか歩いてませんよ?」
「ええっ!?」
どうやら、チルノは山登りが苦手なようで、すぐに疲れてしまった。
「ふぅ---一旦休憩---。」
2分ほど休憩して、また頂上を目指して歩き始めた。
「さて、次は誰が現れるんでしょうかねぇ---。」
「さっきよりも強いんじゃない?」
「そうですねー、まぁ、チルノ様なら倒せますよね~?」
「なにそのプレッシャー---。」
そうして話していたら、次の敵が現れた。休憩終わらせてから1分後の事だった。
「お、来ましたよー!」
「あたいがやっつけちゃうよ!」
さっきよりは強そうな目だった。
「お前は誰だ?」
チルノが既に戦闘モードで一歩前に出た。
「秋穣子だよっ---。」
「あたいは最強の妖精、チルノ!」
「オータムスカイ!」
名前をいった瞬間にスペルをうち始めた。どうやら、すぐに倒したいようだ。
「お、相手もやる気満々ですね~!チルノ様、1人でやっちゃいますか?」
「もっちろーん!今回はあんた使わずにただ地獄の山登りしただけで終わらせる回にしたいんだ~!」
「それはありがたいですが、地獄の登山オンリーは勘弁してくださいよ---。」
そうして、話ながら相手の攻撃を避けていくチルノ。もちろん、無敵艦隊のように相手の攻撃は確実に避け、こっちの攻撃は確実に当てていった。
少しして、チルノのアイシクルフォールが超近距離で直撃して、ノックアウトさせた。本人も殆ど汗をかいていなかった。
「はい、チルノ様、お疲れさまです!」
「ま、まって---しょ、しょうぶはまだっ!」
「これ以上抵抗したら私がピチュらせる。」
まだ意識があった穣子に少しだけ威圧してみた。個人的には少しだけだが、かなり大幅な威圧に見えるときもあるようだ。今回はその中間位だったようだ。
「さて、チルノ様、山登り再開です!」
「う、うん!」
穣子だけでなく真横で見ていたチルノまでもが私の威圧を怖いと感じてしまったようだ。
「チルノ様、怖かったですか?」
「ちょ、ちょっと---。いや、あたいは最強の妖精になるんだ。あんな威圧なんか怖くないさっ!」
言い切ったようだが、実は顔は震えていたので、そんな事が嘘なんてのは誰にでも分かる範囲だ。
「さて、山も結構登ってきましたねー。私たちの部屋なんて殆ど見えませんもん---。」
それから、さらに歩いていった。また5分ほど歩いたところで、次の敵がやって来た。
「おーー、あそこにいますねぇー。」
「え、どこどこー?」
「後ろから迫ってきてますねー。」
「え、あんた、後ろ見てないじゃん。」
なんとなく誰か来たのはわかったが、誰かかは全くわからなかった。
「チルノ様、なんとなく邪悪な感じがします。お気をつけて---。」
「うん、わかった!」
そうして、後ろを振り返ってみると、やはり誰かがいた。
「お前は誰だ!?」
チルノが叫ぶように相手に質問した。
「鍵山雛。厄を溜め込むことが出来るんだぁ。今から貯めた厄を払っちゃうよ!ってか、もう放っちゃってるんだけどね---。」
「行け~!チルノ様!アイシクルフォール決めてしまいましょう!」
そういって、右足を出した瞬間、まさかの出来事が。
「さぁ、やってしまうのでぇっ---ぶふっ!」
踏んだところに大きく真ん丸の石があって、そこに乗った瞬間石は砕け、転んでしまったのだ。
「いててて---。」
「う、うわぁ、ダサっ。」
相手だけでなく、チルノまでもが私のことを引いていくのに、少し困ってしまった。
「い、今のは忘れてください!」
「じゃあ、もう終わらせるよ、アイシクルフォール!!!」
「うゎぁぁぁぁぁあ!!!」
アイシクルフォールが顔面に的中!大ダメージを与えることに成功した!!私に---。
「チルノ様、違いますっ!相手は私ではなくあっちですよっ!ゴホッ。」
「あっ、間違えた。」
「あはははは!!!周りの人たちが不幸になるのを見るのって楽しいなぁ!」
「どうすれば、良いんだ?」
チルノ一人で倒すを言ったので、私は一切手伝いをしていない。彼女は、鍵山雛をどうやって攻略するのか!? 終
次回もお楽しみに!
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第61話→にとりと早苗の急襲!遂にタケノコキレる?
「ど、どうすれば良いんだろう---。」
ずっと頭の中であることを考えていた。
「チルノ様、相手は私たちに不幸を渡してくる厄介な敵です。ですが、不幸の不幸ならどうなりますか?」
「え?ど、どういう意味?」
なんとなく分かるかもしれないが、裏の裏は表というように、不幸の不幸は幸なのかなって思った。つまり、ずっと当てたいと思ってるから当たらないので、当てたくないと思えば良いと思った。
「鍵山雛、もっと不幸を渡してこいっ!」
まるでドM発言だが、これもひとつの作戦である。
「良いんだね?じゃあこれで終わらせるよっ!バッドフォーチュン!」
「いまだ!チルノ様!本気で頭の中で考えるのです!」
その合図と同時に、チルノがかなりの大声で、ある言葉を話した。
「あたいは---絶対にお前にアイシクルフォールを当てたくないんだぁぁぁぁぁぁあ!!!」
そうして、アイシクルフォールを打った。
「なにいってるの?って痛い痛い痛い痛い!!」
今までずっと命中しなかったアイシクルフォールがどんどん当たっていく。
「うっ、ああっ---。」
防御力が低いのか、チルノのアイシクルフォールが強いのかはわからないが、それが当たった瞬間、少女は一瞬で倒れた。
「もう、大丈夫そうですね---。チルノ様、ナイスです!」
「やったぁ!えへへ~。」
もちろん、そう考えていられるのも束の間、すぐに頂上まで登らないといけないのだ。
「はぁ、はぁ、---少し疲れたぁ。」
そうして、少しだけチルノをおんぶしながら山に登っている途中に、また新たな敵が---。
「おっと、また誰かいるし---。今度は青い服、私たちの服と色が似てますねー。まぁ、性格は違いそうですけどね。」
そう思って、声をかけてみた。
「やぁ---私はタケノコ。君は?」
「河城にとりだよー。よろしく~。」
そういって、少し警戒しながらわずかに前に進んだ。
「残念だけど、ここから先、人間は行かせないよー。」
「ほう、なぜですか?」
「なんとなく---。」
今の何故かという質問、別に相手が何て言おうとすぐに倒して先に進もうっていうのは決めていた。とりあえず聞くだけの意味ない物だった。
「チルノ様、行けそうですか?」
「うーん、まぁ、なんとか。」
「さ、既に相手攻撃してるので、今はテキトーにシールド引いてますが、あなたが勝負するときは何も手伝わないので、確実に倒しましょうね!」
「うんっ!」
そうして、チルノが一歩前に出た。
「まさかこんなにあなたが勝負できるようになるなんて、妖精さんも馬鹿にしてはいけませんねぇ。」
そうして、影で囁きながら、いろんなものがぶつかる音が聞こえた。こっちまで飛んできそうだったから、とりあえず小さいシールドは張っておいて、2人の攻撃は避けていった。
「オプティカルカモフラージュっ!」
「だったら、パーフェクトフリーズっ!」
そのようすなど見ずに、こっそり先に山を登っていった私だったが、そろそろ頂上が見えてきた。偵察という意味で少し様子を伺っていたところ、ある人物が現れた。
「あ、あなたも人間さんなんだ~!あはははは、チョー久々に人間見たんですけどぉ!あ、あっちの神社にもいたかっ!」
後ろから話しかけてきたが、ここで振り向くと相手の思う壺である。もちろん、そんなの無視していた。次の発言まで。
「あなたが考えていることって、博麗神社であーだこーだ言った事件の加害者でしょ?私のことだよぉ!」
「---はぁ。」
そうして、ため息をつきながら後ろを振り向いた。それから、山を降りて、ゆっくりチルノの方に向かおうとした。
「ちょ、ねぇ、ここまで来たからには守矢神社の信者になるのよね?」
「---はぁ、そんなものなるためにここにやって来るなら、今まであった子達に被害加えてないよっ---。」
少し発言の仕方がうざくて、キレかけていた。
「じゃぁ、私もやってみたら良いのに~。まぁ、あなたに奇跡なんて破ることできないでしょうけどね~。」
「奇跡?へぇ、そんなもの起こせるんだ。じゃあ聞くよ、たまたま奇跡が起きて勝つのと、毎回実力で勝つの、どっちが強くなるかな~?」
「私は奇跡を起こせる程度の能力、東風谷早苗、あなたの実力さえも抑えてしまうわっ!」
なんとなく面白そうになってきた。チルノの方に行こうとしたが、そろそろキレかけてたのが完全に爆発して、本気になってきた。
「じゃあ、あなたの奇跡、うちやぶってビリビリに引き裂いてやりますわぁ!」
そうして、チルノがいない間にこの事件を解決させようとする作戦に出た。
「ホワイトスタート、お前は10分後に奇跡が使えなくなるっ!」
「なに~?そんなの奇跡で吹っ飛ばすわよー!」
その間に、分身でチルノの様子を見てもらったが、まだにとりと弾幕をうちまくってる最中だった。しかし、勝負になるとそっちに力を使うことはできない。しかも、今回はぶちギレバージョンである。
「白昼の客星っ!」
何をいってるかわからなかったが、油断していたら弾幕が体に数発命中した。
「あー!奇跡だぁ!やっぱ奇跡の方が強いのねぇ!これで君は守矢神社の信者ねっ---あ、あれ?」
「てめぇ、いつまで奇跡が続くと思ってんだよ---奇跡ってもんは滅多に起こらねぇから奇跡っていうんだ。実力とかに頼らないなんてただの神頼みしかしない少女だわっ!!グランドファイアインフェルノ!」
「あれ?お、怒った?」
既に何を言ってるかわからなかったが、ここまで来たらもう本気で倒そうとしていた。
「だったら次はどんな奇跡っうっっ!」
後ろから何も触れていないのに、鎖で結ばれたような痛みを与えてみた。
「うっ、痛い---こんなもの、奇跡起こして解除っ!」
しかし、奇跡が起こせていない。
「あーあ、あれからちょうど10分だ!奇跡的だなぁ!いや、自分で図っただけなんだけどね。」
そうして、奇跡など起こさず、自分の実力で早苗を捕まえた。
「うっ、離してー!」
既に敗北宣言しているかのような事を言ってきたが、もちろん1発与えないと離せない、そんな感情を持っていた。
「さて、ちょーっと痛いですけどっ!火炎玉っ!」
いつもより大きく、それをいつもより近距離で直撃させて、やっとの事で早苗を倒した。
「はぁー、めんどいっ。」
そこに、チルノがやって来た。
「あ、いたいた~。こんなところにいたんだ~。って、その右手に持ってるのって?」
「あー、さっき奇跡ってもんを信じすぎていた早苗って少女ですよ。ちょい申し訳ないですがぶちギレたので1発でかいの与えておきましたよ。」
「な、なんか怖っ。」
「私がですか?私は普通に勝負するなら怖くないですよ?」
「そうかな~?」
そこに、誰か別の何かがやって来た。
「やぁ、守矢神社にいらっしゃーい。」
「お、チルノ様、そろそろフィナーレですね。あの奥に守矢神社があります。一気にそこを抑えましょう。」
次にやって来たのは、さっきより強そうな少女---?であった。 終
次回もお楽しみに!
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第62話→神奈子の誘惑、攻める2人への甘い罠♪
「さぁ、チルノ様、あの人、見た目ヤバイですが、サシで勝てそうですか?」
「うーん、流石に厳しいかもっ。」
「私は八坂神奈子よ。そうねぇ、って、そういえば霊夢と一緒じゃないのね。」
色々忘れかけていた、というか、忘れていたが、この時間になっても霊夢がまだ来ていなかった。
「あの赤服リボン、やる気あるのかよっ---。」
流石に最初は冗談で来る前に倒そうとか言っていたが、流石にここまで来ると怖くなってきた。
「まぁ、霊夢なんて必要ないのでっ!」
とりあえず、2人で倒そうとした。
「あら、ならば、すぐに終わらせそうね。まぁ、怖いのは早苗を倒したって事くらいね。」
少し軽く見られ過ぎなんじゃないかと思ったところ、チルノがまた前に出てしまった。
「今回もあたいがっ。」
「危ないですよ。あっちはもういつでもかかってこい体勢ですよ?今すぐ行ったら確実にやられますよ?」
「そ、そう?」
「あの状態であれば、私なら0.05秒あればもう放てる状態です。」
そうして、今回も一気に攻めようとしたチルノを止めて、少しだけ相手の様子を見てみた。
「チルノ様、そろそろ来ますよ、避ける準備を---。」
そう考え、伝えた直後にうってきた。チルノに当たりそうな弾は上手く避けさせていった。
「はい、チルノ様。反撃ですよ?もう私、昼に勝負するのはこりごりなので、あなたに任せますよ---。」
そうして、色々心配したのに、最終的にチルノ1人で
神奈子と勝負させた。まぁ、やる気が全くなかったってことだ。
「どうすれば、勝てるの?」
「それは、自分で考えて、ただ、ひとつだけヒント、相手が弾幕をうってないときって、チャンスですよね?」
「相手が弾幕をうってない時がチャンス?」
そうして、なんか格好いいかはわからないが、テキトーに言ってみたらよさそうな言葉を言ってみた。
「じゃあ、頑張ってくださいねっ!」
そうして、チルノは相手の攻撃を避けていきながら、ゆっくり攻撃していった。しかし、見てみると力の差は歴然であり、助けないとまずいことになりそうだった。
「うっ---危ないっ、アイシクルフォール!」
「そんな攻撃で当たると思うなんて、早すぎるわ!」
そんな中、もちろん私もただボーッと立っているわけではなく、相手の攻撃を分析していた。攻撃する前と一度やり終わった後、どっちの方が攻めやすいか、色々考えてみた。
「キャッ!」
そんな中、まだ勝負して1分しか経っていないのに、神奈子の攻撃がチルノに刺さってきた。
「う、ううっ。助けてっ。」
心の中でチルノはそう思っていたが、私にはその声は届いていなかった。
「さて、そろそろ終わらせましょう。エクスパンデッド・オンバシラ!!」
一気に倒そうとしに来た。それにようやく気づいた私だった。
「危ないっ!火炎玉っ!」
そんなものをうってるときにはもう時は遅く、完全にチルノに攻撃が当たってしまった。
「うっ---あぁ。」
そうして、チルノが地面に落ちていった。
「チルノ様っ!!!」
叫んでいる間にも、無意識にチルノが落ちる場所に向かい、なんとかキャッチしたのだが---。
「チルノ様---チルノ様!大丈夫---じゃない。」
完全に気絶していた。既にかなりの山を登って、すぐに早苗と勝負したせいで、私にも神奈子を倒すほどの力は残っていなかった。そこにすかさず---。
「次はあなたね。さぁ、彼女と一緒に出直してきなさいっ!」
「くっ---もう、ダメだ。体力が---。アハハっ。」
思わず苦笑いしながら、目の前に迫る弾幕を見ていた。
「チルノ様、一緒に出直しましょう---。」
---。
「ホーミングアミュレット!」
小さな声でそんなのが聞こえた気がした。何て言ってるか、分からなかった。でも、確かに聞こえはした気がした。そうすると、目の前の弾幕が爆発していた。
「あ、あれ?な、何が起こったの!?」
そうして、後ろを振り返ってみると---。
「待たせたわね---。」
いつも通り、霊夢が遅れてやってきた。正直、ちょっと前までは霊夢の事は待っていなかったが、今はそんな話は別である。
「ちょっと、チルノ、大丈夫!?」
「相手の攻撃をもろにくらってしまい、私もあなたが来るのがもう2秒遅ければ、あんな感じに---。」
「その話は後、あなたはすぐにチルノを永遠亭まで!」
そうして、残り僅かな力で、彼女を永遠亭まで運んだ。
「チルノ様、すぐに意識を元通りにさせてあげますから!」
一気に山を降り、自分のことなんか気にせず彼女の事だけを考えていた。その頃、霊夢と神奈子は---。
「くっ、来てしまったのね---博麗神社はここ、守矢神社のものよ!」
「そんなことなんかさせないっ!ずっと博麗神社は守ってきたものなのよ!」
「ならばこれでくたばってしまえ、アンリメンバードクロップ!」
「そんなもので私を倒そうなんて、甘すぎるわ!」
余裕の表情で避けていった霊夢に、更なる攻撃を加えようとした。
「まぁ、そんなもの想定内よ!目処挺子乱舞!」
「うっ!」
霊夢に攻撃が当たった。
「やはりあなたも私たちの守矢神社の信者に---?」
「許さない、夢想封印!!!」
「そ、そんな、絶対に攻撃は当たっていたはず---。」
「あんなので当たったと思っていたの?ちょっと幻想見せてただけよ。当たったふりしただけ---あんなのかするより、まだチルノの攻撃をずっと食らってた方がよっぽど辛いわ。」
「くっ---守矢神社ぁぁぁぁあ!!!」
自分が永遠亭につく頃に、さっき登っていた山から爆発音が聞こえた。
「霊夢、やってくれたのかな---。」
その願いは消えることはないまま、いつの間にか永遠亭の扉の前で倒れていた。
「そ、そんな---私だって、守矢---神社を。」
「さぁ、あなたが主犯ね、隠さず言わないと10倍の痛みに変えてあげるわ。正直に行ったら確実に今の攻撃で許してあげるわ。」
「まだ、守矢神社には---あの子が---残っているわ。」
「なに!?」
もうふらふらして、掠れた声で、そんなことを言っていたので、信用せずもっかい夢想封印を出そうとした時に、守矢神社の中から誰かがやって来た。
「やっぱり来たのかー。面倒だなー。」
いつの間にか神奈子はチルノのように気絶していた。
「あなたが最後なのね。」
「そうだよー!」
元気よくやって来た小さい子、これが最後の勝負だった。 終
次回、今回の章もラスト!お楽しみに!
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第63話→チルノ、命の危機?終焉の守矢神社編!
「あなたが最後なのね。」
「そうだよー!洩矢諏訪子、よろしくっ!」
「さぁ、今すぐ博麗神社を支配するってのを止めてもらおうか。」
その頃、永遠亭では---。
「師匠、お薬の材料を買ってきます!」
「今日はちょっと量が多いけど、一人で大丈夫?」
「はい!では、いってきます!」
そうして、鈴仙が外に出た瞬間---。
「ああああああ!!!」
「い、いきなりどうしたのよ---。」
まだ永琳はあれを見ていないから、驚くわけはない。
「し、し、---師匠。タケノコさんとチルノさんが---。」
「何よ、その2人が目の前で手を繋いでいたの?」
「はい---。」
倒れながらたまたま手を繋いでいたが、もちろん倒れているなんて知らない。
「師匠、とりあえずベッドに運びましょう!」
なんだか永琳も見たくなったようで、こっちにやって来た。
「え---はぁ!?すぐに助けないと!てゐ、一緒にベッドまで運んで!」
「はーい!」
そうして、2人はベッドに運ばれた。
「なんなのかしら---病気?」
そうして考えている間にも、無意識にいろんな検査をし始めた。脳や心臓の異常など、色々見ていった結果。
「これは、誰かと勝負したあとの損傷ね。しかも、急所に当たっているわ、彼女はすぐに手術しないと、命が危ないわ!」
どうやら、大脳に強い攻撃が当たり、無防備なチルノは脳に大きな損傷を負ってしまったようだ。
「彼も若干の攻撃を受けているわ、ただ、ここへ来るのに必死であまりの疲れに倒れてしまったのかも、足にダメージが来ているわ。」
そうして、知らぬ間にチルノだけ手術室へ行った。もちろん、その間にも体を休ませようと、一人ベッドですやすやする自分だった。
数時間経ち、そんな中、やっと意識が戻り始めてきた。
「---んっ。」
目の前に、さっきまでなかった光が見えるようになってきた。
「はぅ~。こ、ここは?」
すぐに右を見ると、永遠亭という看板と、輝夜がいた。
「あ、---永遠亭か。」
そうして、輝夜が話しかけてきた。
「おはよう、大丈夫?」
普段はこんなところには来ないようだが、後で質問すると、暇だから普段いる場所を飛び出してきたらしい。
「私は---ダメだ。何も思い出せないっ---。そうだ、チルノ様、は?」
「今、手術を受けているらしいわ。」
「そん---なっ。」
折角戻った光が、また闇へ包まれていく感覚がした。
「後で、謝らなきゃ---私は、守ってあげられなかったのだからっ---。」
「それは違うんじゃない?きっとあなたは彼女のために急いでここまで運んで来たんじゃない?そのままにしなくて、ここまで持ってきたんだよ---。」
「でも---。」
「ずっとそのままだったら、彼女だって命が---でも、まだ大丈夫そうなタイミングで持ってきてくれたんだって。流石よ!」
そうして、会話が進んでいって、誰かやって来た。
「こんにちは---。」
目の前にやって来たのは、霊夢や魔理沙かと思っていたが、大妖精とルーミア、慧音先生だった。
「こんにちは---。」
その3人の挨拶のように、少し暗めに挨拶をした。
「チルノちゃん、大丈夫?」
「ええ、大丈夫ですよ。今、手術を受けていますが、ですよね、輝夜さん。あれ?」
いつの間にか輝夜は姿を消していた。
「まぁ、良いや。しばらくしたら手術は終わると思いますよ?」
そうして、3人は私の後ろに座り、ずっとチルノが回復するまで待っていた。
ずっと待っていたら、手術中のランプが急に消えた。しかし、あまりにも待ち続けていて、そんなものは見ていなかった。
「手術は終わったわ。」
「どうでしたか!?」
一斉にその声が飛び交うが、なんとなく顔を見てわかっていた。
「ええ、勿論成功したわ!ただ、脳に損傷を負ってしまったから、しばらくリハビリが必要ね。そうすれば、元通りになるはずよ。」
「よかったぁ---。」
そう、後ろの3人は思っていた。もちろん、私もそうは思っていたが、じろじろチルノだけを見て何もしてなかった自分に腹が立った。
それから少しして、また自分のベッドの中にチルノが入ってきた。当然、まだ意識はない。
「チルノ様---。」
その事だけを考えて、彼女の意識が戻るのを待っていた。
それから彼女の意識が戻るのは、すぐの事だった。
「ん、んんぅ。ここはー---?」
「チルノ様っ---。」
ずっとベッドの横に座っていた。そこに、永琳がやって来た。
「なにか、手術の前の事で覚えていることはない?」
「そういえば、あたい---神奈子って奴と勝負して、負けちゃったんだ---。」
横でその事を考えていた私は、更に目をそらした。
「チルノ様---申し訳ありませんでした!」
横で口が地面につくほど深く謝った私を見て、彼女は手を伸ばして私を捕まえ、ベッドに運ばれた。戻した。
「あたいだって、神奈子を倒せなくて、こんな目に合わせちゃって---ごめん。」
それを横で泣きながら見ていた寺子屋3人組だった。そこに、また誰かやって来た。
「今度は、誰だろう?」
今度こそ霊夢かと思いきや、守矢神社一同だった。
「あっ---。」
数秒間場が静まり返った。永琳、慧音先生は患者を守ろうと、もしもの時のために私たちの前に立った。妖精2人は逃げようとしていた。そんな中、更に後ろから誰かやって来た。
「あ、あれはっ。」
やっと霊夢がやって来た。しかし、いつもと様子が違った。
「さぁ、あの2人に謝りなさいっ---。」
「ごめんなさい---。」
守矢神社のメンバー達が、ドンと謝ってきた。
「え---。」
あまりに急すぎて、何も理解できなかった。どうやら、あのあと霊夢に退治され、ここへ連れてこられたらしい。
「は、はぁ---。」
よくわからないが、それよりもこんなずたぼろな体でもチルノを守ることに精一杯だった。
「これから守矢神社一同は独立して、静かに守矢神社教を広めていきます!」
色々言ったが、全て覚えていなかった。そうして、霊夢にまたまた連れていかれた。あのあと、諏訪子を倒して和平になったらしい。
「それじゃあ、私たちは帰ります---。」
ダブル妖精+先生が帰っていった。
「チルノ様、今回はお疲れさまでした。色々ありましたが、なんだか最後は霊夢に取られましたね---。」
「あたい、体全体が痛くて辛いよー。」
そのわりには笑顔のチルノ、少しずつ体力は回復していった。その間にも、私の足の痛みが治り、ほぼ動けるようになっていた。
更に数日経ち、チルノも劇的な早さで体が元通りになってきた。思ったより早く退院できそうだった。
入院して半月ほど、やっとチルノが退院して、いつもの部屋に戻った。その前に、ひとつだけ永琳から聞かれたことがあった。
「あなたって、チルノ以外の事、考えているの?」
流石に考えている私は、考えているって答えた。若干笑われたことは、今でも覚えている。 終
次回から新章になります!お楽しみに!
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第Ⅳ章→地底の白い柱!闇への入り口にようこそ!
第64話→謎の白い柱?嘘つきの白い雪!
「ねぇねぇ、遊ぼうよ!」
「別に、良いですよ?」
あの山に登ったときの件が嘘のように、チルノはかなり、というか、あの件の前以上にとても元気である。
「そういえば、結構前にあなたのアイシクルフォールを真似して打ってみたんですよ?」
「なにそれ、面白っ---。」
少し馬鹿にしてくるような目で笑ってきた。そんなのにむかつく事はなく、逆に笑顔にしてくれる。
「じゃあ、それが本当なら打てるよね?」
「はい---では、アイシクルフォール!」
「うっ!---つ、冷たい。」
この技を使ってる本人よりも冷たく、痛いらしい。
「こんなんじゃ、一生付き合ってくれないじゃん---。」
「まぁ、それはあなたの努力しだいですよ?」
ここで、チルノが素朴な疑問を出してきた。
「もしかしてさ、あんた、パーフェクトフリーズ、出せない?」
「やってみますか?」
そうして、アイシクルフォールのように打とうとしたが、どれだけ工夫しても無理だった。
「はぅ---出来ませんよぉ---。」
「そうなんだ---。」
そうして、技についての話は一度終わり、遊びの話に戻っていった。結局色々外に出ることになった。
「そういえば、いつものように暇な霊夢なら遊んでくれるかなー?」
「ええ?私が大変なことになっちゃいますよ---それに、今は冬ですよ?外雪降ってて寒いじゃないですかぁ---。」
そんなことは関係なく、チルノは命令だと言いまくり、従わざるを得ない状態に陥った。
「よーし、じゃあ神社へゴー!」
そこで思ったが、結局暇そうな場所は他にもあるのでは、もしかしたら別の妖精さんなら遊んでくれるんじゃないかなと思ったが、敢えてそれを言うのはやめておいた。また色々言われて面倒になりそうだったからである。
それから、テキトーに歩いて、すぐに神社についた。最近は、チルノも少し足が早くなった気がしたが、まだまだ全然、出来たと思ったのに出来なかったテストのように、本人も早いと思っているが、ただ思っているだけだった。
「なんだかんだ言って、結局着いちゃうんですね---というか、ここだけ雪が積もってない---?」
そうして、よく見てみると、神社の近くに柱が立てられているではないか---。
「なにあれー---?」
「さぁ---始めてみましたねー。」
最初は、あの貧乏霊夢が頑張って開発したものか、買ったものだと思っていた。しかし、その柱の横にいた霊夢に色々聞いてみると。
「私じゃないわよ---こんな柱作れるお金なんてないわよ---あなたたちの2%位しか稼げないのよー。」
それはそれで、霊夢も大変そうだった。もちろん、それからその柱をもって帰ろうとしたが、霊夢には気付いていないのか、極々僅かな霊気を感じられる気がした。
「チルノ様、一旦こっちに---。」
「え?なんかあったの?」
それを、チルノに確認してもらおうとした。
「あの柱、僅かではありますが、なんか霊気を感じられる気がしませんか?」
そんなことを言っても、霊夢が分からないのであれば、流石にチルノも分かるわけはない。
「というか、霊気感じられるの?それ、ある意味すごいね---。」
そうして、あの柱の研究をしたいと霊夢に聞いたが、その柱のお陰で周りの雪が溶けていくので、調べてほしくなかったのだろう。
「やっぱり、確実にあそこから霊気が出てますね---きっと霊夢には届かない、それに気付かないように上手く作られていますね---。」
そうして、あの柱を今度は撤去したいと思ったが、やはり霊夢は拒否しそうなので、なんかあったら霊夢1人でやれという風に伝えておいて、そのまま大ちゃんの方に遊びに行った。
少しして部屋につき、一緒に遊ぼうと伝えると、いつも通り良いよと言ってくれた。
「じゃあ、鬼ごっこするー?」
「でも、2んだから、寺子屋の皆で遊ぼうよ!」
「いいねー!」
そんな風に、妖精たちで楽しみあっているうちに、そこに分身だけ残して、すぐにあの白く、周りの雪を溶かす怪しい柱を調べた。
「なんだこれ、というか、どうやって生えてきた?」
今は全く伸びようとと縮もうともしていないこの柱は、おそらく人工的なものであろうということは既に考えきっていた。
「いや---上か---上は、出てないなぁ。ならば、周りかな。」
怪しいと思ったものはすぐに調べる、今回は具体的にどの辺りから妖気が出ているか調べた。その結果、ここではなく別の何かの場所から出ていることがわかった。
「どこからでているっ---!」
しっかり探したのだが、その場所は今は分からなかった。
「だったら、この柱を叩いて、壊すっ!」
すぐにこの行動に至ったが、残念なことにこの柱は絶対に壊れないように出来ていた。このとき、主犯を倒さなきゃ戻らないと覚悟したが、どうせ霊夢の責任だしとチルノのいる場所へ戻った。
「うわぁ---チルノちゃん早すぎだよー。」
「フフフ、大ちゃん、あたいはさいきょーの妖精、だから足が一番早いんだよ!」
「うわぁ、流石チルノちゃん!」
大妖精もチルノのさいきょー見せかけ罠にはまっているように見えたが、あの目に感情は籠っていなかった。
「ねぇねぇ、次は何をする?」
「じゃあ、このメンバーでドロケイでもしようよ!」
そんな感じに、遊びまくっているが、そんなときにも唯一あの柱が気になってしょうがない私だった。
「あの霊夢を説得させるには---。」
そう考えているうちに、暗くなってきたから、皆が帰ることになった。1日目の柱に対しての成果はなかった。
「ねぇねぇ、一緒に帰ろー?」
上手い感じに分身が頑張ってくれて、なんとかあの白い柱を調べることに成功した。
「今日は楽しかったねー!」
「そうですねー!」
別に本体がやったわけではないが、取り敢えず楽しかった風に言っておいた。
「また明日も遊ばないー?」
流石にあの柱を調べたかったから、その誘いには断り、また明日は一日かけてあの柱について研究をしようとした。
翌日、昨日の疲れか、2人とも少し筋肉に疲労が出ていた。
「おはよー!」
「はい、おはようございます!今日も頑張りましょう!」
「よーし、今日も遊ぶぞー!」
そうしてチルノは一人で遊びに行った。その頃、ある場所では---。
「さぁ、こいしたちよ、いよいよよ。」
「えへへ、お姉様、頑張りましょうね!
静かに、なにかが始まろうとしていた。 終
次回もお楽しみに!
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第65話→原始的な罠!キスメとヤマメと落とし穴!
あれから、1日が経ってしまったが、周りの雪を溶かす以外何も起こっていない。
「はぁーあ---何もすすまねぇーw。」
笑いながらため息を吐いて、チルノの膝の上に乗っかっていた。
「そろそろ---どいてよー。」
「あっ---無意識にやってましたっ!失礼しました---。」
そうやって、静かにどいた。
「ふぅ---で、本当にあの柱が怪しいの?」
「絶対に怪しいですって!」
「そうなのかなー。」
自分に霊が取りついているのかと思ったが、実は夜に闇色ドラゴンを呼んで、あの柱を調べてもらったのだが、不思議なことにどこかに繋がっていることがわかった。
「ならば、こちらから侵入しますか---。」
そうして、こっそり柱の中に手を入れてみた。
「---大丈夫かなっ---?」
何が出るかわからず、少し怖かったが、別になにも起きない。ただ、別の世界へ行けそうな感じはしていた。
「さぁ、なにも来ないので、一気に行きますよー?」
「待って、あたい、心の準備がっ---!」
「ゴー!!!」
「キャッ!」
そうして、強制的にチルノを連れて中に入っていった。その様子を、こっそり霊夢に見られていたが、長い間出てこないのに、少し怪しいとは思ったのか、静かに手を触れてみた。
「少し、様子見ね---。」
そうして、2人静かに中に入っていったが、やはり変な場所に来てしまった。
「ねぇ、ここは、どこ?」
勿論、来たことはなく、この質問に答えることは出来なかった。
「さぁ、とりあえず、近くを捜索してみましょう!」
そう思っていたところに、いきなり誰かが話しかけてきた、が、話してくる前に、既に気配はあったことに気付いていた。おそらく、チルノも気付いているような顔をしていた。
「な、なんで樽みたいなものに乗ってるんだ!?」
そう思いながら、敵の強さがはっきりわからず、数歩後ろに下がった。今思えば、そんなことしなくても良かったのかなー。とは思った。
「チルノ様、先手必勝、すぐに終わらせましょう!」
相手の攻撃を避けながら、アイシクルフォールとまだ能力を使っていないときの火炎玉で一気に倒した。相手も油断していたのか、ゆっくり様子を見ていた所、そんなことを気にせずに倒してしまった。
勿論、すぐに進まなきゃいけないなーっと思ったので、倒した瞬間前へと進んだ。そこへ、いきなり分かれ道があった。
「チルノ様、右と左、どっち行きますか?」
「どっちに行けばこの異変を解決できるかなぁ---。」
当たり前だが、普通なら左、または右と答えるだろう。しかし、チルノはある意味⑨なので---。
「んじゃあ、まっすぐ!」
当然、まっすぐ行けば壁だが、その壁を突き破ればいい場所に着くかもしれない。そんなことは祈らず、結局私が右、チルノが左に分かれた。
「結局右来たけど、後で合流できるんじゃないかなぁ---?」
そんなことを考えながら走っている私だった。前と後ろの気配しか気にしていなくて、いきなり地面が落ちて捕まるなんて、想像もしてなかった。
「うわっ!」
かなり深く、綺麗な円柱型で、出るのに時間がかかりそうな落とし穴にはまってしまった。
「くっ、ここからだせっ!」
そんなことを言っても、誰も反応するわけない。
「あー、めんどっ---。」
その頃、チルノは---。
「キャッ!」
同じトラップに引っ掛かっていた。しかし、チルノは元気があればいつでも飛べるので、なにも苦労せずにそこから出た。
「なんだったんだ---今の落とし穴ー。」
そう頭の中で思いながら、また先へと歩いていった。そこに、まだ登って半分くらいの私の前に、誰かがやって来た。
「んっ?」
僅かな足音で、誰か敵が来ることに気付いた。おそらく、落とし穴を見に来たのだろう。逃げ場はなく、相手の攻撃をどうすることもできず、いきなり意識を失ってしまった。
「ヤバい---。」
頭の中でそう思っていたが、対処することは出来なかった。
しばらくして、チルノはまた別の敵にあったようだ。やはり、あの柱は人工的に作られ、かなりの妖気を放っていたのだろう。しかし、まだ霊夢は中に入ろうとしなかった。どうせ面倒くさいとか思って中に入りたくないに違いない。
「んにゅ---。ここは?」
私は、気がつけば別の場所にいた。
「あー、落とし穴で出会ったやつに捕まったのかー。」
しかし、そこら辺の人とは違い、物事を理解する早さはずば抜けていた。やはり、落とし穴で出会ったような人が目の前にやって来た。もうひとつの方は不発だったなーとか言いながら。
「お前は、誰だ?」
「教えなーい。」
そんなことを言われると霊夢並みにめんどくさくなるから、捕まってても出せる分身で片付けたかった。しかし、相手も油断はしていなさそうで、今は使うのをやめた。
「はぁーあ、やっぱり彼を置いて行くの、良くなかったかなぁ---。まぁ、目の前の敵から倒せって言われたし、やっちゃうか---。」
本人は黒谷ヤマメというものらしいが、すぐに倒してしまおうと、一気にアイシクルフォールを打つ。
「キャプチャーウェーブ!」
敵もスペルを打つが、いつも私と一緒に本気で鍛えているチルノの方が、一枚、いや、百枚上手だった。
「うがぁあ!」
そうして、一気に倒して、更に進んだのだが、まさかの事態に---。
「うわっ、行き止まり!?」
目の前は行き止まりで、2人で分かれてから更なる分かれ道はなく、仕方なく振り出しに戻った。
「はぁーあ、運悪っ---まぁ、あっちがやってくれてるかなぁ---。」
しかし、その願いもむなしく、私は落とし穴という原始的な物で誰かに捕まっていたのだった。
「面倒だから、ここで待ってようかなぁ---。」
そんなことは知らないチルノは、あの柱の前で一人休んでいた。
「やっぱり手伝いにいくかぁ---。」
座ってから5秒、静かに立ち上がり、私がいる場所に向かった。
「ふぅ---。」
お互いの行動を知らない私たちは、全く別の期待をしていた。そんな中、霊夢は---。
「なーんか面倒っ。」
雪の中、さっきまでありがたいと思っていた柱を、とうとう切りたくなってしまった。が、勿体ないと思ったのか、一人宴を始めていた。かわいそうに---。
「はぁーあ、異変、嫌なのになー。」
そんなことを考えている間にも、チルノはまた別の敵に遭遇していた。
「お前は、誰だ?」
異変解決への第1歩---?本当に解決に進んでいるのか? 終
次回もお楽しみに!
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第66話→別世界はもう命懸け!求めるものをかけて---
「お前は、誰なんだ!?」
今度は、前からではなくこの場所への入り口、つまり後ろから声をかけられた。
「パルスィだよ!よろしくねっ!」
相手は、こいつ、背が小さぁー!とか思って、油断しているようだ。
「まさか巫女の前に誰かやって来るなんてねー。まぁ、そっちの対処があるから、すぐに終わらせちゃうよ!」
そういって、いきなり攻撃してきたが、チルノにはゆっくり攻撃されているように見えた。
「なにっ---全部軽々避けた!?」
そうして、チルノは笑いながらパルスィの攻撃を楽々避けていく。
「あっ---まっまさか。お前は霊夢の分身なのかぁ!?」
実は霊夢の分身なんじゃないかと思われてきたが、流石にそんなわけもなく、チルノのアイシクルフォールで一撃だった。
「う、こっちの、ボスはっ---強いんだぞっ!」
雲行きが怪しくなるような発言をしながら、普通に倒れていきそうになった。
「そんなことないよっ---。」
「お前と一緒に来た---彼なら、もう捕まったからなっ!」
「なにっ!?」
その本当か分からないことを最後に、完全に意識を失った。
「そんなっ、捕まったなんて、いや---嘘かもしれない。もし本当だったらあたいが頭を1万発殴ってやるわ!」
本当とは知らず、チルノもわざとらしく大げさに言った。
「ふぅ---なんかめんどくさーい。彼や霊夢の手助け、欲しいなぁ。」
一人とぼとぼ歩いているのか、寂しそうな顔で進んでいた。その頃、静かに縛られながら待っている私は。
「あーあ、こんな縛りもの2秒で抜けるわっ。」
現在、誰もいないので、折角だし誰かいる前で取ろうと思い、もうチルノじゃなくてもいいから誰か入ってほしいということを願っていた。
しかし、時間は過ぎるばかりで、幻想郷内の雪が降り積もっていくまま、なにも起こらない。
「ふぅ---。」
静かに体を最も休めることができ、尚且つすぐに抜けるようにした。
「さっ、これで準備はバッチリ!」
その間にも、またまたチルノが、別の敵に遭遇していた。
「またー!?さっきパルなんちゃらってやつ倒してから100メートルしか進んでないしっ---。」
そういいながら、勝負出来ることを嬉しそうに思っていた。
「私は星熊勇儀よ。よく体が小さいのにここまで来れたわね。見逃してあげるから、ここから逃げた方が良いわよ?」
相手は、鬼のような体をしていて、さっきまで勝負してたキスメ、ヤマメ、パルスィとは違う雰囲気を見せていた。勿論、チルノは立ち向かう気だった。
「あたいは妖精チルノ!幻想郷で一番強くなるためにあたいの---守り神と修行してきたんだ!あんたなんかには絶対に負けない!」
昔のチルノでは絶対に言えない言葉を堂々と言う。パルスィのように簡単には倒せなさそうでも、自分に対しての士気をあげていった。
「本当に勝負するのね?これがラストチャンスよ---。もう知らないわっ。怪力乱神!」
相手も強いのか分からないが、相手からの威圧感がさっきまでとは違っていた。
「くっ、だったらあたいもっ!アイシクルフォール!」
そんなもの効かねーよ!って顔をしながら避けていった。所々かすったが、そこまで大きなダメージは与えられていなさそうだった。1分程勝負して、チルノが劣勢になった。
「くぅー。小さい体の割にはやるなぁ。で、誰から教わったんだ?独学か?」
「タケノコっていう男子、いつも優しく、あたいを守ってくれる事に必死なんだ。だからっ、助けにいくんだっ。」
「ほうっ---。で、タケノコってのはどこにいるんだ?」
さっき別行動してたら落とし穴にハマったらしくてなんて絶対に言えなかった。
「今、捕まってるんだよ。だから、早く進まなきゃっ---。」
ギリギリの体で、なんとか話せるくらいの体力で言った。
「うっ、体がっ---。」
膝を地面に付いてしまった。
「おうっ、大丈夫か?」
意外な事に、勇儀はチルノを倒そうとは思わなかった。さっきの話を聞く前とは違い。
「ふっ---お友達さんを助けるんでしょ?」
「---うん。」
その頃、私は---。
「ふぅっ。もういいやっ。」
バキッ---バキッ---。
「ふぅ。疲れたぁ!解放!」
自由に動けるようになっても、すぐそこにかなり強力な結界が張ってあった。
「あーもうっ!結界とかめんどいっ!」
かなり強力な結界だったが、なんとなく自分を捕まえて、5倍の痛さにしてここで縛ろうとした。
「うへへっ。」
すぐにドアを超デカい音で開けた。その音に気付いた誰かがやって来た。私を捕まえた誰かだった。
「やっぱり、破っちゃうのか。」
目の前にいたのは、古明地さとりという妖怪だった。
「ふぅ~。」
静かに共に1歩ずつ前に進んだ。
「さて、能力解放しますかねー、終符、グランドファイアインフェルノ!」
「んっ?」
いつも通り、龍の力を使えない分、この能力でなんとかするしかなかった。
「よしっ、まずは火炎玉で---!」
心の中でそう思った。
「行けっ!火炎玉!」
そうして、いきなりうたれると殆どの確率で避けられない技を、何故か避けた。
「うっ、そこまで甘くないな~。ならば雷で攻撃!」
しかし、まるでこっちの出す技がわかっているかのように避けていく。
「仕方ないなー。ならば、最近覚えたアイシクルフォール!」
チルノを見て、学んだ技だって避けていった。
「違う。違う。---何で当たらないっ!!!」
なんとなく、相手が持ってる怪しい目が気になった。
「あれでこっちの心を読み取ってるな---。」
静かにそう考えていると、いきなりさとりが話してくる。
「そうねー、意外と早くこの存在に気づくのねー。」
やはり、目のせいだったようだ。
「さぁ、きっとお前がここのボスだな!早くあの白い柱を消せ!」
「それ、ここにくるときに一番最初に考えてたでしょ?あなたが考えていることは全てバレバレよ。」
「なら、どうやって倒せばいいんだっ!」
一度は何も考えないという事が出てきたのだが,そんなときに先生の話を聞いていないのと同様、攻撃なんか出来るわけがない。
「さぁ、そろそろ帰って貰います。早く霊夢の始末をしなきゃいけないので。」
皆大体同じ事を行ってくる。そして、私の前には誰もいなくなる。これを今まで何回、いや、何十回見てきただろうか。
「もう、終わらせます。テリブルスーヴニール!」
そんなもの、上にジャンプして避けてやろうと、頭の中で考えてしまった。
「よし、今だ、避けるっ!」
声に出して避けようとするほど、頭の中でそれだけをしっかりと考えていた。何故声に出したかは、ただあるものを消すためだった。 終
次回もお楽しみに!
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第67話→心の読み取り!相手をさとる勝負?
「よし、上に避けるぞー!」
実はこのとき、頭の中ではとても複雑なことを考えていた。誰にも分からない数学の問題だった。相手がこれを読み取れば、混乱するのではないかと思ったからだ。
「うっ、なんだこれっ---。」
作戦通り、相手もパニックになっていた。そこで、更に試したいことがあった。それが、大声で上に避けるぞ!って言ったものだった。
もし相手が無意識的にずっと人の心を読み取れるなら、パニックになっていても私が言いたいことはわかるはずである。そこで、上に避けるぞ!と言いながら、相手の攻撃を下で避けていった。やっと数学の問題が解けたさとりだった。
「答えは72ね!」
「あったりー!さぁ、ごほうびに1発食らっていただきましょう!影分身!からの全員で火炎玉!」
「そんな、そんなもの避けられるって!」
そういってるが、実は本当にギリギリで避けた感じだった。そこに刺激を与えるかのように、私は---。
「今避けるのギリギリだったーって思ってるでしょー?」
「そんなこと、思ってないっ!」
すぐさま、さとりが言い返す。
「ふうん---。」
すぐさま、チルノから教わった超難しい単語を頭に思い浮かべる。分身だけは攻撃を続けさせたまま、そうして、相手が避けながら私の心を読み取ろうとするのに、パニック状態に陥ってしまった。
「はい、今だっ!」
そこに、後ろからやって来たのはチルノだった。
「オッケー!アイシクルフォール!!!」
「イヤッ、まっ、心を読み取れないっ!ぶふ---っ。」
相手が自分しか見てないので、分身が考えている事は分からなかった。つまり、分身がこっそり考えていることは、絶対にバレない。それを利用して、チルノを呼び寄せたのだった。
「ふぅ、チルノ様、よくそんなところでチャンスを待っていましたねー。」
実は、ただ、小さな柱の後ろに隠れていただけで、氷くらいは注意すれば見れるような場所だった。
「あたい、もう怖かったんだからねっ!ちゃんと一緒にいようね---。」
「そうですね、では、この先は2人で一緒に倒していきましょう!」
「うん!でも、今ので終わったんじゃないの?」
そこに、ようやくあの人がやって来た。
「あっ、霊夢~。もう皆片付けちゃいましたよー?ここのボスと思われる彼女だってこの通りです!」
「あら、そう。お疲れー!」
面倒な事が嫌いな霊夢は、そんな事をやってくれた私たちに笑顔を見せていた。嫌らしい笑顔だった。
「ここに来た意味ないじゃない---折角ここまで来たのに、どっかの落とし穴に落ちそうになったこと以外、何も起こらなかったわよ。」
どうやら、霊夢もチルノ、私と同じようにあの落とし穴に落ちそうになったようだが、なんとか回避したようだ。その落とし穴のせいで捕まったなんて、口が裂けても言えない---。
「さぁ、さっさと片付けて、帰るわよ。」
静かに霊夢が片付け始めた。別に仲間のいる場所ではないのだが、聖職者として、荒らしたぶんもとに戻す。毎回やって来ている事らしい。
「さて、終わったから私は帰るわ。2人は暫くイチャイチャ遊んでいるの?」
「彼女の気分次第ですけどね---。」
「もうちょい遊ぼー!」
「変な遊びはダメですからね?」
「じゃあ、リアル鬼ごっ---。」
「あーーー!!!そうだぁ!私あっちの部屋も使っていたんだぁ!自分で片付けてくるよぉ!」
そうして、落とし穴にはまってから捕まった場所を綺麗にして、すぐに戻ってきた。
「じゃあさ---何する?」
「そうですねぇ、修行しましょう!」
「いや、もっと遊びたいんだよー。」
「ならば、いつも暇そうなフランちゃんとか呼んで一緒に遊びましょうよ~。後、妖精達、妖夢とかなら一緒に参加してくれそうですよ?」
とりあえず、なんか嫌な空気が漂っているこの空間から出たかった。
「そうかなぁー、あたい、もうちょいここにいたいんだけど~。」
「少々お待ちください、---北西方向70メートル、誰かいます。気をつけて---。」
「え?」
そういってもどうせ信じてくれないだろうと思いながら、チルノが気を付ける前に守るような体制になっていた。
「な、何があったの?いきなりさ---。」
「静かにお願いします---絶対に誰かいますからっ---。」
一歩ずつ北西方向に近づいていくが、その距離が縮まることがない。
「相手も動いているな---。」
心の中でそう思い、一気に走る、だがこれでも距離は縮まらない。
「なんなんだっ!」
ずっと歩いたり走ったりで、徐々に疲れてくる。勿論、足を止めることはなく、どんどん入っていった。
「はぁっ---疲れたぁ。」
かなりのペースで走っていった為、とうとう疲れて止まってしまった。チルノも追い付いてきたが、今度は距離が倍になっている。更に離れていってるので、ほぼ全速力で走ったが、これが実は、罠だった。
「ちょ、そっちはダメっ!」
そのとき、チルノの方を振り向き、一瞬だけ前を見てなかった。目の前には白い光。そう、最初に入った柱だった。
「あっ!」
気づいたら、私だけはもう博麗神社の前だった。
「あれ、意外とすぐに戻ってきたんだ。」
「おわったっ---!チルノ様っ!!!」
「え?」
既に今回のミッションが終わったのかと思っていた霊夢だった。私の想像とは180度違ったものだったが---。
「チルノ、どこ行ったの?」
「早く、逃げてっ!お願い!じゃないと、危ないのにっ---。」
「ねぇ、落ち着いて?ゆっくり話してよっ---。」
霊夢が心配してくるが、そんなレベルじゃなかった。
「私も最後に一瞬思ったの、まだ誰かいるかもしれないという雰囲気、でも、どうせ違うやと思ってここに出てみたの。そしたら、あっちの世界に戻れないのよ---。」
もう一度柱の中に入って、チルノを助けに行こうとする。しかし、柱に触れるだけで、何をしても変わらなかった。
「どうするのよ!このままじゃチルノの守り神失格じゃない!」
「---相当遠いなぁ---いや、行ける!」
「え?」
確かに、本物の私はこの場所に戻ってきてしまった。しかし、残して置いた分身はその場所にいた。リアルタイムで流れてくる場所と行動。遠いが、すぐに1人でその場所に向かった。その頃、チルノは---。
「ううっ。一人になっちゃった。もう、襲ってこないでよ---。一人じゃ勝てるかわからないよ---。」
弱音を吐いているところに、祈ってはないがやはり誰かがいた。味方---のようなふるまいは全くしていなかった。 終
そろそろクライマックスに近づいています!では、次回もお楽しみに!
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第68話→お燐VSチルノ!氷は炎、炎は氷へ---。
「早く、1秒でも早く助けにいかなきゃ!」
そう言いながらチルノの元に向かっているが、既にチルノは敵に遭遇していた。しかも、古明地さとりより強そうだった。
「ううっ。いや、あたいは立ち向かってやる!それで倒してやる!今までの努力の成果を見せてやる!」
強引すぎる洗脳だったが、意外にも逃げたいという意識を消してくれて、戦うというやる気に変わっていった。
「ほう。小さいからだでよく言うね~。」
小さい体。何度も何度も聞いた言葉で、既に飽きを覚えていた。
「あたいは氷の妖精チルノだ!結構前からある人と修行をしてきたんだ!お前なんか怖くないんだぞ!」
先程同様、意地を張っていたが、怖さだけは隠しきれず、からだ全体が震えていた。
「火焔猫燐。とりあえずよろしくとは言っておこう。あっ、めんどくさいからお燐って言ってね!」
「え、えらそうにっ!後で恥でもかかせてやる!」
しかし、どうみても相手は火を使いそうな敵、1撃でもくらったら体が解けてチルノではなくミズノ、さらに攻撃されるとユゲノになってしまう。
「さて、早くアイス食いてえからやっちゃうかっ---。キャックウォーク!」
まずは軽くうってきた物を、確実に避けていくチルノは、まだ余裕の表情を浮かべているように見えた。
「やっぱり、あれだけ言ってたから今のは避けるかっ---ならば、ゾンビフェアリー!」
「ゾンビフェアリー?あたいはゾンビじゃない!氷だ!」
どうやら、自分の事をアイスフェアリーではなくゾンビフェアリーと呼ばれたと勘違いしているようだが、これはスペカであり、相手の攻撃は徐々に強くなっていった。
「うわっ---危なっ---あたいを騙しやがって、許さないぞ!」
「あの---さ?君の勘違いじゃないの?」
「え?」
「スプリーンイーター!」
「うっ、うわっ!」
ずっと相手の攻撃を避け続けていたが、とうとう1発左腕に当たってしまった。
「あらら、ここでアイスの時間だね!火焔の車輪!!」
「ま、まって---あたいはまだっ。グハッ---。」
このまま溶けていくように見えた。
「あっ---もう。ダメだっ---。ごめん。あたい、強くなれなかったよ---。あたいの分も、強くなって!---。」
「アイシクルフォールっ---。」
「え?」
いつのまにか、目の前の炎が消えていた。
「はぁーあ、あたいの分も強くなって!---って、あなたもちゃんと強くなってくださいよねっ!後で反省文2枚ですからっ---。チルノ様!」
「ううっ、怖かったよぉぉ---。」
「霊夢は最初は着いてきてたんですが、10秒ほどしたら疲れてこっそり逃げていきました。まぁ、その瞬間見たので後で霊夢にも反省文2枚と。」
「お、おのれ---2人まとめて倒してしまうわ!怨霊猫乱歩!」
チルノを一歩後ろに下がらせて、その攻撃がちょっとずつ近くなっているのを、ボーッと立ったまま見ていた。
「え、待って?なんか攻撃しないの!?」
チルノが驚いて見ていたが、当たる直前、右腕を前に出して、僅かに氷を出していった。2人はバレないように---。
「嘘だ、攻撃が、効いてない---?もしかして、あの巫女より強いのっ!?」
「絶対彼女の方が強いですよ---少なくとも、昼の間は---まぁ、夜になればわかりませんけどね?」
その隙に、チルノがこっそり自分の腕を見ていた。
「ねぇ、なにこの氷、完全にトリック---。」
「チルノ様、世の中言って良いことと言っちゃダメなことがあるのですよ?」
何も見なかったことにして、ずっと攻撃を右腕で抑えていた。
「ふうっ、ずっと打ち続けるなぁ、まあ。そんなのやってたらあなたが疲れていくだけなんですけどね?」
ずっと笑顔で受け止める私を見て、徐々に限界に近づいていくお燐は、急に攻撃を止めた。
「はい、お疲れさまでした。じゃあ、私は昼から攻撃する気はないので、チルノ様、炎に氷を当てて、相手を火焔から氷焔に変えてください!」
「うんっ!」
さっきやられた恨みでもあるのか、いつもより威力が上がっていた。
「これでお前も反省文2枚だ!パーフェクトフリーズ!!」
「う、まてっ、2人係りは卑怯だぁぁぁぁああ!!」
そうして、火焔は氷焔になってしまった。
「ふうっ---大変だった---。」
「チルノ様、左腕、結構損傷してますよ?大丈夫ですか?」
「うーん、ちょっと痛いかもしれない---。」
「では、軽く止血だけしましょう。横になってください。」
「う、うん---。」
そうして、チルノの左手を出来るだけ元に戻していった。
「あ、ありがとうっ---。」
「どういたしましてっ!では、チルノ様、多分今度こそ部屋に帰りますよ?」
そう思ったのだが、辛いことにあの白い柱が壊れていた。つまり、歩いて帰らなきゃいけなかった。
「仕方ないですね---チルノ様。ゆっくり帰りましょうか---!」
そのとき、チルノが勝負中にちょっとだけ見た何かを思い出した。
「待って、そういえば、勝負中はあの白い柱、あったよ?でも、今は消えてる。つまりさ、自分達ではない第3者があの柱を壊した。まだ誰かいるんじゃない!?」
そんなチルノの予想は、合ってるかは私たちには分からなかった。もう一度まわりを見渡したのだが、どれもいなかった。
「どうなってるんだろうっ、まあいいやっ---帰ろっ!」
チルノが強引に私の手を掴んで、走って部屋に戻った。
「ところで、どれくらいで部屋に戻れるの?」
「そうですねー、10分近くですかね?」
「そんなにー?」
めんどくさそうなチルノだったが、なんとなく手を繋いでから嬉しそうな顔をしていた。
「ねぇねぇ、あのさ、今日も来てくれてありがとうっ!」
「当たり前ですよ---あなたが死んでしまっては私も涙を流すだけじゃ収まらないですからね---多分幻想郷荒らしてますね---。夜、龍の体で---。」
「なんか、やっぱり怖いよっ---。」
チルノを守るため、多分これが現実になってしまったら本気でこの場を荒らしてしまうかもしれないだろう。
「今回も事件解決したねっ!」
「色々頑張りましたねー。」
そんな中、博麗神社では---。
「出ていきなさい。」
「やっぱりバレちゃったかぁ---。」
「どうせあの白い柱の奥にいた者でしょう?」
「さすが博麗の巫女、すぐに気づいちゃうんだ。」
私たちが知らない中、霊夢が犠牲者となり、最後の敵に立ち向かっていった。勿論、初対面の相手だった。
「折角ここに来てもらって申し訳ないけど、すぐに終わらせちゃうから。」
「かかってきなっ!」 終
次回もお楽しみに!
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第69話→地から聖へ---
「ねぇねぇ、暇だししりとりでもやりながら帰ろうよ~。」
そんなことがあって、ゆっくり遊びながら帰っている最中に、霊夢が最後に敵と出会ったようだが、動こうともしなかった。
「ふわぁー、なーんでこんなめんどくさい事に引きづりこまれるのかなぁー---。」
最初はやる気を出していたが、急に休みたくなったようだ。
「面倒と思うなら私が倒しちゃって更に面倒にさせちゃうね!弾幕パラノイア!」
「はぁ---。」
目が完全に疲れている霊夢だが、相手の攻撃だけは避けていった。しかし、普段のやる気は今だ出ず、何度かかすりはしていた。
「攻撃してこないならっ、次!夢枕にご先祖総立ち!」
徐々に威力を増す敵の攻撃も、まだまだ直撃するほどの量ではなかった。
「で、まだ続けるの?もう止めるなら1撃で楽にしてあげるわよ?」
霊夢の挑発もほぼ聞かず、更に攻撃を続ける古明地こいしだった。
「だったら、次こそ直撃させて終わらせちゃえ!イドの解放!」
「まだやるのー?」
静かに、霊夢が本気になろうとしていた。
「まだまだ攻めるよ!スーパーエゴ!」
「もういいわね?封魔陣!」
ついに霊夢が攻撃し始めたが、まだこいしは普通に避けていった。
「さて、そろそろ来るわねー---じゃあ、後は任せるわよー!」
そうして、出てきたのは---。
「はいはーい!って、なぜ私がこんな所にいるんですか!?」
「あたいも参上!はぁーあ、走るってたいへん---。まぁ、良い運動になったし、じゃあ、一気に攻めるよー!」
「もちろんですよ---。」
異変を解決しようとしてたら、いつの間にか夜になっていた。つまり、あれが使える時間になっていた。
「もう、夜になれば最強クラスになりますから---!闇色ドラゴン、召喚!!」
そうして、後ろから龍がやって来て、良いタイミングでジャンプし、上に乗った。
「合体っ!」
その後すぐに、龍の力を自分の体に入れた。つまり、これが最強状態である。
「ふぅ---これで終わらせてやるっ---火炎玉!」
「そんなの避けられっ---はぁ!?」
普段の10%の大きさの玉が、上下左右数千に渡り降り注ぐ、勿論、避けることなど咲夜のように時間を止めたって不可能なレベルだった。もっと早くから避ければチャンスはあったが、既に遅かった。
「いや、まだ始まってないでしょっ---。」
「はい、疲れたので早めのチェックメイト。遊んでやれなくてごめんなさいっ!」
いつもは、少しは様子見て一気に終わらせるが、今まで落とし穴にはまったり、色んな敵を倒したりして、もう寝たいという感情が頭の中の99%を埋めていた。
「まだ、終わってない!弾幕のロールシャッハぁぁぁあ!!!」
そんなものをうったって、無数の火の雨に当たり、すぐにノックアウト、一気に地面へと落ちていった。
「ふぅ---。」
静かに後ろで見ていた。チルノの方へ向かっていった。
「チルノ様、もう、これで本当に終わりですよ---お疲れさまでした!」
「やっと、終わったんだっ---。」
2人で同時に地面に横たわった。いつの間にか霊夢はどこかへ消えていた。そのまま寝てしまい、気づいたら朝になっていた。
「んっ---ふわぁー---。あれ?ここは---あっ、チルノ様、おはようございます!」
「んーー、うみゃ---あー。おはよー。」
小さい声で返事をしてきた。が、5秒ほどして、その声が大きなものに変わっていった。
「ああああああ!!」
何かを思い出したような声だった。
「今日英単語のテストじゃん。不合格になっちゃったら今回の範囲の単語1000語を5回ずつ書かなきゃいけないんだって---おわったぁー。」
もはやその英単語の本さえ見ていないチルノに、1から1000まで教えようとしたが、あまりにも数が多く、殆ど知らない単語ばっかりだった。
「もう、知らないっ!」
すぐに部屋に戻り、またすぐに部屋を出て、チルノが一人寺子屋へ向かっていった。その間、私は例の事件について、まだ横たわっていたこいしに声をかけた。
「で、今回の何でこんなことを起こしたの?」
「詳しく説明すると長くなるけど、まぁ、幻想郷を私たちの物にしたかっただけ---。」
「あの白い柱の正体は?」
「あそこからみんなをこの場へ侵入させようとしたんだけど、それより前に君達がやって来て、こっちに来るのがもうちょい遅かったら上手くいってたかもしれないのに---。」
「なるほど---ね。」
やはり、その後の事は分からないが、とりあえず支配して何かしたいという事は間接的に伝わってきた。
「あの---もうこんなことしませんっ!」
「絶対、約束ですからね?」
昔は霊夢がやっていたことも、今は私がやっている。そう、霊夢は更に色々サボるようになってきたのだ!
「じゃあ、これからは気をつけて。私はいつもの部屋に戻るから---。」
そうして、1人であの戦闘をしていた場所へと戻っていった。最後に他のみんなは元気になっているよと伝えたら、笑顔を見せていた。
「ふぅー!おわったぁ!」
すぐに部屋に戻り、暫くはチルノの帰りを待っていた。少しだけ外の見回りなどもしながら、チルノの様子を見たいのを我慢していたが、やっとチルノが帰って来た。
「---ただいまー。」
「おかえりなさいっ!あれ---なんだか浮かない顔をしていますね---。」
「だって---。」
英単語のテストが不合格になったんだと思っていたが、実際はそんなことではなく、あの忘れていたことだった。
「反省文2枚、全然終わらないの---お願い!何でもするから許してよぉ~!!」
「あ、そういえばそうでしたねー。反省文書かせるの忘れてました。」
「え?という事は---。」
チルノの顔が氷のように絶望の色をしていたのを、笑いながら見ていた。
「思い出しちゃったー!」
「ううっ---やらかしたぁぁ!」
床をコロコロ転がりながら、テストで0点をとったときのような目をしていた。
「で、何でもするから許してよぉー---と?」
「うんっ---。」
「わかりました。反省文5枚書かせるので2枚というのは無しにしてあげましょう!」
「2枚が5枚---?って、それ増えてるじゃん!倍以上書かなきゃいけないなんて無理だよー!!」
いつも通り、ちょっと意地悪し合いながら成長する2人。次の異変でも強くなれるのか!? 終
次回は完全にオリジナルストーリーです!お楽しみに!
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第Ⅴ章→フランVSレミリア!デザート事件!
第70話→デザートをめぐった勝負!フランの悩み?
「ふわぁー、やっと反省文終わったよぉ---。」
「どれどれ---よく書けてますね---はい、では終了です!」
「やったぁ~。」
棒読みのやったーは、チルノが色々書きすぎた為、壊れかけながら言ったように思えた。
「疲れたぁ---もう5枚なんて辛すぎるよ---本当にごめんなさい---。」
「まぁ、意識って簡単に変えられるように思えますが、かなり難しいですからねー。一度良い方向に行かせるまでにどれだけ時間がかかるかなんて、誰にも予想できませんから---。」
「何言ってるのかわからないっ---。」
色々話しているうちに、ドアがドンドン鳴った。どうせ霊夢とかだろうと思い開けてみると、チルノの進化形みたいなのが立っていた。
「あら、フランちゃん。いらっしゃ---ちょ、泣いてる?服がぐちゃぐちゃ---足に怪我!?どうしたんですか!?」
普通のチルノ進化形ではなく、誰かに追われ、傷を負われてここに来た。それ以外思い浮かばなかった。
「た、助けて---。」
「フランちゃん、どうしたの!?」
とりあえず、すぐにベッドに寝かせておいた。
「永遠亭まで連れていきましょうか?」
急激に回復しているので、その必要はないかなと思いながらも、一応聞いてみたが、予想通りの返事だった。
「なぜこうなったか、覚えていますか?」
「ううっ---思い出したくないっ!これからはここで暮らすもん!」
「え?---紅魔館は---っ?」
布団の中に潜り込んだフランは、紅魔館で何か起こり、それで戦いここに逃げてきたとしか思えなかった。
「なんとなくわかりました。現在応急処置行ってますから、少々お待ち下さい---。」
そのまま、1分前から始めている処置をもう2~3分かけて終わらせて、気分を落ち着かせてから何があったか聞くことにした。今度は、しっかり答えてくれた。
「お姉様が、私の高級プリンを食べちゃって、1日だけならまだしも、10日間位私のデザートを食べちゃうんだよ。最後には、色々挑発してくるしさ---。」
原因はあのレミィだったようだ。しかし、さっぱり状況が掴めず、まずは実際に紅魔館に行くことにした。
歩いたはずだが、意外とすぐに紅魔館に着き、寝ている門番の前に立ってほっぺたをツンツンして笑い、中に入っていった。
中は変わらない景色が続いていた。シャンデリアや長い階段等、前にも通るときに見た物は、昔の記憶を思い出させるような感じがした。
階段を登り2階に着くと、早速咲夜に出会った。
「あら、こんにちはー。」
「咲夜---さん。こんにちは~。」
「咲夜でいいわよー。」
別にお互い敵意識を持つことはなく、レミリアとフランの事を聞いてみた。
「フランは今はあなたの部屋にいるのね?」
「なんかいきなり私の部屋にやって来ました。面倒はチルノが見ています。最初は着いてきたのですが、途中で飽きて戻りました。」
「お嬢様、一体何をされているのやら---。」
一度咲夜もフランのように止めにいったが、やはり最後にはやられてしまったらしい。
「レミリア・スカーレット。大分前に異変が起きてからそこまで会ってねぇな---。」
もう1年以上はレミリアに逢っていないんじゃないかというほど久々の再開だった。
「さぁ、行きますかっ!」
「待って!」
いきなり止められて驚いた。
「な、何かありました?」
「今、お嬢様はすっごい不機嫌で、見たもの全てを破壊しようとしているから、私が先にいきます。」
いきなり咲夜が部屋に入ろうとしたが、恐る恐る入っていこうとするのは素人でも感じられるようだった。
少しため息をして、手をドアに触れたのを下ろした瞬間、顔を下に向けた。
「咲夜、無理しないでくださいよ---。」
「ごめんなさいね---さっきお嬢様を止めようとしたら足を怪我してしまって---。」
「そもそも、何があったか、もっと詳しく教えてください。」
咲夜は間を空けず、彼女の部屋に入れさせて、その当時の話を聞くことにした。
「あれは、みんなで遊んでいたときの話よ。」
「わーいわーい!今日も仕事おわったよー!」
「あら、フラン様。お疲れさまです!」
そのときは、咲夜はフランの部屋にいたようだ。
「ねぇねぇ、お姉様はどんな仕事をしてるのー?」
「それは---何も、してません。まぁ、いざとなったらここをまとめるだけですからね---。」
「それって、ニート?」
暫くの間、レミリアの話をしていた。そのとき話したことは、詳しくは覚えてなかったようだが、そのあとフランがレミリアの部屋に向かったらしい。咲夜は、それに着いていった。
「お姉様、お姉様もちゃんと働いてよ!」
「何ー?私はちゃんと働いてるわよ?」
そう言いながら、ゲームを手にとって、部屋で一人で遊んでいた。仕事道具さえ部屋の中に置いていなくて、ちゃんとやっているとは到底思えなかった。
「でも、お姉様、今何やってるのー?」
「今?仕事中よ。オーブ100個集めてパン◯ラ当てるという私にとっての仕事よー。」
「紅魔館にとっての仕事はー?」
「あなたたちでやってちょうだいー。」
やはり、遊んでしかいなかったレミリアは、咲夜を呼びデザートを持ってくるように指示した。このときだったらしい。
いつも通り、すぐにデザートを持ってきたが、いつにも増して美味しそうな色、形をしていた。すぐにレミリアが食べ始めた。
「おいしーい!さっ、フランも食べたら?」
「お姉様っ---。」
このとき、既に怒りかけのフランだった。別にニートなのは変わらないし、もう慣れているのだが、今のデザートの行動にて---。
「お姉様っ---。」
「あら、フラン、食べないの?」
勿論、フランもプリンが好きで、いつもみたいに食べようとしていたが、そのプリンはもう、レミリアのお腹の中だった。
「さっきのデザート、プリンの方は私のだったんだけど---。」
普通なら、デザートを2個出されたら、1つしか食べないだろうが、レミリア食いしん坊は、両方とも自分の物だととんだ勘違いをし、2つとも食べてしまった。
「あらー、ごめんなちゃーい。あ、オーブ5個ゲットー!」
「お---ね---え---さ---まっ---!!!」
完全にキレてしまったフランだったが、そこから2人を止めようとした咲夜は、ここから何が起こったかは思い出せないらしい。
「と、ここまでね---。」
すぐにレミリアを大反省させようと立ち上がり、もう一度、今度は一人で部屋のドアのぶに手をかけた。
「フランちゃんだって、デザートを食べようとしていたのに---。反省させてやるっ!」 終
次回、完結!お楽しみに!
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第71話→盗人の最後?レミリアへの重い罰!
ドアをコンコンっと鳴らし、まずは中に入る。そして、すぐにレミリアの顔を見る。やはり、かなり不機嫌なようだ。
「失礼します---!」
出来るだけ、相手の気分を更に悪くさせないよう、そーっと素早く入った。
「出ていきなさい。」
レミリアからいきなりそんな事を言われてしまったが、当たり前だが今回の目的上、出ていくことはできない。
フランとチルノが何をしているか少し頭の片隅で興味を持ちながらも、すぐにフランを紅魔館に戻してあげたいという気持ちもあり、静かに一歩前に進んだ。
そんな事をしている間、フランとチルノは大妖精、ルーミアを連れて一緒に遊んでいるようだ。分身から羨ましい情報が流れてくるが、気にすることはなかった。
「さて、フランちゃんに謝ってもらいましょうか---。」
「もうそっちにまでこの事が流れていたのか。」
少し意外だと思ったようだが、表情は全く変えようとはしなかった。このまま勝負せずに終わらせることは不可能そうだ。
「ふぅ---。」
2人が同時に大きくため息をついた。それから、目線を一度横に向け、戻したときには戦闘モードになっていた。
「最後のチャンスよ。ここから出ていきなさい。」
「もう、私が何をするかわかりますよね---。」
その言葉を言った瞬間、レミリアが一気に攻撃してきた。それを予測していた私は、そんなもの余裕でかわしていく。
「で、これ以上攻撃するとこちらも攻撃しますよ?」
今度はこっちが忠告したが、さっきの私同様、攻撃してきた。
「ふぅ---。」
静かに目が暗くなり、手を前に出して、レミリアの弾幕を全て、しかも軽そうに、笑顔で止めた。
「さすがに今のを止めるくらいの実力はあるのね。天罰を下しましょう。スターオブダビデ!」
いきなりスペカを打ってきたが、鍛えてきた身体能力ですべてかわしていった。その間にも、少しずつ相手にダメージを負わせていっている。
数分して、レミリアの体力が残り僅かになってきたところ---。
「こ---これで負けてしまっては、何を言われるかわからないんだっ---スカーレットマイスタ!!!」
さっきまでとは比べ物にならないほどの威力。避けることがほぼ出来ず、どんどん体に当たっていく。腕に当たったり、足に当たったりだが、急所に当たりそうになったらそれだけは避けるようにした。
「もう、これで終わりよっ!」
レミリアが仕上げの一言。それに対し、私は苦笑いしながら相手が攻撃する瞬間を見ていた。
「紅色の幻想郷。これで終わり---さぁ、二度と紅魔館に来ないで---って---もういないのかっ。」
スペカを打ち、当てた瞬間に消えたから、倒れたんだと思っていた。しかし、現実はそう甘くはない。
「誰が消えたんですって?」
「はっ!?」
振り向いたときにはもう遅く、首のちょい下、気絶するかしないかギリギリの所を強くついた。
「うっ!!!」
悲鳴が紅魔館中に響き渡り、2発目で気絶した。
「はぁ---なんでこんなことしなきゃっ---。ごめんなさい。少しベッドの上で休んで。それと、そのあと反省してもらいましょうか。」
すぐに咲夜の所に行って、彼女の様子を見ておくように伝え、チルノ達がいる場所に戻った。
「かーごめかごめ、かごの中の鳥はー、いついつ---。」
「あらら、なんか皆さん集まって遊んでますねー。」
「あー!帰ってきた!どうだった?」
正直、ここは紅魔館内の問題というわけで、フランだけを連れてまたそこに向かった。
「もう、大丈夫なの?」
勿論、フランの質問にもうなずき、いつの間にか寝ている美鈴をたたき起こしてから中に入る。それから2階に上がり、寝ているレミリアの前にたつ。
「あら、フラン様。お帰りなさいませ!」
ずっと待っていた咲夜の横に立ち、レミリアが起きる瞬間を見ていた。
「うっ---あれ?なんでここに?」
「お姉様ー。」
暗く笑っているフランを見て、無言で逃げようとするが、すぐには逃げられない。上から押さえつけ、ずっと笑い続ける。
「ちょっと待って、フラン。これはっ!」
「お姉さま。何を言っても許さないからね!」
「わかった、働くから、働くから!」
フランと咲夜が見つめ合い、こういった。
「お姉さま。1週間咲夜の仕事を全てやりきったら許してあげる。ただ、出来なかったら、1ヶ月デザート禁止!」
既に目が真っ白になり、天の先を見つめていたレミリアは、泣きながら承認した。
「さ、咲夜ー、一緒に遊ぼー!」
「ええ、フラン様!美鈴とパチュリー様も入れましょう!」
そうして、レミリアを置いて他の紅魔館全体のメンバーで遊び始めたが、結局勝手にやって来た妖精達も参加した。
「よーし、まずは美鈴が鬼ねー!」
「私からですか?」
「うん!」
みんなでわいわいして、私も含めとても楽しんでいる間、レミリアだけ掃除をしていた。
夜になり、みんなが帰っても、レミリアは一人仕事だった。
「あー、全然終わらないっ!」
その頃、部屋に戻った私とチルノは---。
「ふぅー、楽しかったねー!」
「そうですね、チルノ様!」
大妖精、ルーミアもそれぞれ帰っていき、また2人に戻った。
「ねぇねぇ、今日は深夜まで遊ぼうよ!」
「えっ---まぁ、今日くらいは---!」
夜なので、静かに2人で楽しんだ。
翌日、せっかくプチ異変が終わったと思ったが、次の日---。外は真っ暗闇に染まっていた。もう太陽は登っているはずなのに---。
「うわぁ---大雨っ---。これ、異変じゃないの?」
「いや、これはただ天候が荒れているだけですねー。」
異変ではないのは明らかだった。幻想郷から妖気は全く感じられなかった。少なくとも、今は---。
「折角今日も大ちゃんと遊びに行こうとしたのにー。」
今日の雨は、大きな傘でも役に立たなさそうな豪雨だったので、部屋で勉強していた。
その頃、霊夢は---。
「あーーーーーー!!!金だぁぁぁ!!!金がほしいんだぁぁぁあ!!!」
と、錯覚を起こすほどずっと発狂し続けていた。しかし、そこら辺から金が降ることはまずない。雨のなか、神社の中でぐるぐる回っていた。
ゲリラ豪雨というものだったのか、思ったより早くその雨は止み、外は明るくなった。しかし、これが新たな悪夢への誘いだった。
「あー、雨やんだ。」
霊夢がそのように外をじっと見ていたところ、なにやら怪しいものが見えた。
「えっ---あれは、宝船!?」
すぐにそこに向かい飛び立つ。世の中、そんなに甘くはないのだが---。今はそんなことより発狂を抑えたかったのだろう。 終
次回、第Ⅵ章、お楽しみに!
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第Ⅵ章→輝く船の騙し技!悪夢はとうとう金色に染まる---
第72話→霊夢の過去。夢に満ちたチルノ!
霊夢の錯覚は止まらず、よだれをたらしながらよたよた船に向かう。たまたま近くに誰もいなかったが、おそらく誰かがこのシーンを見たら、ただではすまなくなってしまうだろう。
「金だっ、金だっ、金だぁ!」
あまりにも貧乏すぎて、本能まで揺さぶられ、そこへ向かう。その頃、勉強しているチルノは、そろそろ外に出たいと思い、キリの良いところで終わらせ、遊びにいった。
「ん、あれはなんだ?」
どうやら、チルノが怪しい船を見つけたようだ。それに、誰かが着いていくところもだった。そのときは、それが霊夢だなんて全く思っていなかった。
同じ頃、大妖精も船に気づいていた。かなり広範囲で見れるであろうこの宝船、実は気づいているのは今のところ彼女らだけだった。
「ちょっと、寄り道しよー!」
そういうチルノに対し、大妖精は気にも留めなかったが、チルノが向かって行くのを見て、一緒になって向かった。
「あれ、チルノちゃんだ。なにやってるんだろー。」
霊夢と同じ速さで向かっていったが、本能は揺さぶられていなかったチルノだった。少しして、やっとあの影が霊夢だということに気付いた。
「あー、霊夢だー!あっ---ね、ねぇ、霊夢?」
やはり、本能が壊されると、人間はダメになってしまう。霊夢も、金にはめっぽう弱かった。それだけで彼女を自由自在に操れるのではないかというくらい。
「ねぇねぇ、霊夢、起きてよー!」
「はっ---あ、チルノ。危ない危ない、もう少しで操られそうになったわ---。」
「霊夢っ---。もう操られていたよ?」
「---それは聞かなかったことに!」
そこに、大妖精も加わり、徐々に船が近づいてくる。いや、近づいていくと行った方が良いだろうか。
「なんか、最近あなたから色々言われてばかりね。昔はあんだけバカだったのに---あっ。」
口が滑っても、もう言ってはいけないことだった。まぁ、わざとではないのであろうが、結局論どちらにせよアウトだった。
「言ったなー!アイシクルフォール!」
「つ、つめたっ!ちょ、タンマタンマ!くっ---。」
意外にも、今のアイシクルフォールが霊夢に少し効いている感じはした。言いかたからして本当にそう思っていたのだろう。
「チルノ、強くなったなー。」
霊夢だけでなく、私もずっと思っている事だ。
「頑張れば強くなれるんだ!」
「へぇー。」
いつの間にか、昔のチルノや大妖精が追い付けない早さになっていた。
「だって、あなた、絶対に昔はこのスピード着いてこれなかったわよ?」
「そうかもしれないね---いつも大ちゃんとかけっこで負けてたもん。」
「私も彼から色々教わりたいわよ---。」
「多分霊夢の方が強いんじゃない?夜は分からないけど、少なくとも昼は。あたいだって勝てそうだもん!」
「何よ、昔のあなたなら逃げてたでしょう?そんなものよ。私だって小さい頃はすごい弱かったわよ。」
そうして、霊夢が過去の事を語り出した。
「私は、昔は友達なんていなかったわ。まぁ、今も退治ばかりしてて、いろんな人達と話す機会なんて減っちゃったんだけどね。」
まだ幼い頃、ずっと神社の前で修行をしていた。毎日10時間、一秒も休まずに。
「一瞬でも辛いって思ったら即倒れるわよ。まぁ、修行の仕方が悪かったのかもしれないけどね。」
「なぁなぁ、霊夢ってなんでそんなことやってたの?」
「それは強くなるためよ。」
「まぁ、そうだよね---。」
それから、大きくなるまで毎日欠かさず修行し、魔理沙に会ったわ。森のなかで迷子になったときだったわ。
「ううっ---怖いよっ---。」
静かにさ迷っていると、誰かに出会った。
「あなたは食べても良い人間?」
後ろを向くと、黒く赤い影にそまった妖怪がいた。
「あなたは?」
「ルーミアだよっ!」
そういったあと、ルーミアがいきなり攻めてくるのに、対処が出来ず、霊夢が木の横で倒れてしまった。
「う、うっ。」
更にルーミアが近くにより、一気に襲う。
「うわぁぁぁ!!」
そこに現れたのが魔理沙だった。
「マスタースパーク!」
いきなりの事だからよくわからなかったが、いつの間にかルーミアは消え、代わりに帽子をかぶった魔法使いがいた。
「おい、大丈夫か?!」
なんとか立てるか立てないかくらいで、すぐに別の場所へ連れていかれた。現在魔理沙が住んでいる所だった。
「ふぁぁあ---ここは?」
「お、起きたか。」
「あなたは?」
「霧雨魔理沙。よろしくな、博麗霊夢。」
「なんで、私の名前を---?」
「前に聞いたんだよ。」
それから、体力が回復してからよくその場所に現れるようになった。
「って感じに、色々頑張ってここまで来たのよ。あなたも頑張ればもっと強くなれるのよ。」
「あたい、絶対最強になるんだ!」
「何よ、昔はさいきょーさいきょー言ってたのによ。」
「そ、それはっ、言っちゃダメ!」
そうやって話しているうちに、目の前に誰か現れた。
「誰っ!?って---。」
3分前のチルノの部屋で、退屈に溺れていた私が急いで2人の前に立った。遅れていた大妖精を連れて。
「あー、大ちゃんずるーい!」
もう船は目の前だったが、敵が一人も出てこない。霊夢にとっては、宝船と勘違いしていて嬉しかったが、他の皆にとっては不思議だった。
それから間もなく、船に到着した。金色に染まっているのが、ますます綺麗に見えたが、想定していた事件事が起きてしまった。
「ふぅー。やっとついたー。」
そう言いながら、皆で船の上に座ると、誰かがやって来た。
「ふぅー、来たかぁ。博麗霊夢!って、その他のおまけは?」
どうやら、私たちの事は全く知らないようだ。これは、相手の顔を見ればすぐにわかることだった。
「え、ここって、宝船じゃないの?」
いきなり敵が現れた霊夢は困惑状態に陥った。その後、一気に攻めると思ったら、いつの間にか霊夢がいない。
敵が心のなかでなにやってるんだー?っと思っている間、下を見ると、絶望しながら帰っていく霊夢がいた。すぐに連れ戻そうとしたが、金に対するあまりに面白い態度で、笑いながら見ていた。
すぐに敵を倒そうとしたら、いきなり隣から声が聞こえる。
「あたいにやらせて!お願い。あたい、たくさん修行してきたから、勝負したい!」
霊夢と色々話をして、普段より本気になっていた。
「お前は誰だ?!」
チルノの声が、宝船らしい場所の中に響き渡った。
次回もお楽しみに!
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第73話→旅と仕掛けと黒い雲!闇の祭り万歳?
「あたいに任せて!」
そう言い、私を押してまで前に出てきた。何かのアピールなのか、私を見つめた瞬間ウインクしてきた。
「チルノ様、頑張ってくださいねっ!」
敵がいるというのにお互い顔を赤くして、私はチルノを、チルノは敵を、敵は私を見た。
「今の会話で分かってると思うけど、あたいはチルノ!日々さいきょーに近くなっていく妖精だ!」
「ナズーリン、もう自己紹介すんだし、早く追い出すから。」
なんだか疲れているのか分からないが、普段は1分ほど話してから勝負するのに、今回は間を持たず、名前を言った瞬間に攻めてきた。
「ビジーロッド!」
いきなりの攻撃だが、なんとなく---ほぼ確実に今の攻撃で勝てると確信した。チルノは気づいていないが、そのうちの1発が外を見ている私にぶつかったが、何も痛くも感じなかった。
「うっ、レアメタルディテクター!これなら行ける!」
それにしても、相手も過剰に調子にのり、どんどんうってくるが、チルノにとってはテキトーに飴玉でも飛ばしているのではないかと勘違いするほどだった。
「な、ならば---ゴールドディテクター!」
結局、最後までチルノに攻撃は当たることがなく、チルノの攻撃が---。
「アイシクルフォール!」
「ちょ、待って、避ける余裕がない!」
慌てるが、いくら慌てたって、全く終わってないテスト勉強同様、間に合わないのだ。
「あうっ---。」
めんどくさくて欠伸をしている私の前に、いつ来たかは分からなかったが、いつの間にかチルノがお腹に手を触れていた。
「ねぇ、終わったよ?」
何か質問するかのように言ってきたが、どうせされたいことなどは分かっていた。
「お疲れさまでしたー。ナデナデしましょうねー!」
「わーい!」
幼稚園でちょっと良いことをしたときのような時間は1分ほどで終わった。
「チルノ様。後ろに敵がいますから、気をつけてくださいねー。」
そう言ったものの、まだ視界には入らないような位置だった。案の定、チルノはキョトンとしているが、すぐに視界に入る位置にやって来た。
相手の様子等を見ると、先程と力量的には殆ど同じようには見えた。まぁ、どちらかといえば今回の方が強いとは思うが---。
すぐにチルノが戦闘体勢に入ったが、今度は私が止めた。理由はごく単純だった。ここまで来てボーッと立つのが飽きたからだった。
「チルノ様、私にも勝負させてくださいよー。」
そう言うと、チルノはすぐにうなずいたが、一つ疑問に思った。ちょっとしたことだったが。
「ねぇ、今昼だけど大丈夫?」
「えっ---?もちろん、この状態でもやる時はやりますからっ!それに、そこまで私弱いですか?」
「いや、大丈夫っ!」
そうして、笑顔で相手を睨み付けた。笑顔なのに恐ろしい、そんな感じに見つめると、相手が怯んで動けなくなった。
「ふぅ---名前くらい教えてくださいよ?私はタケノコ。彼女を守っている者です---。さぁ?」
「多々良小傘。通りすがりの者だけど---。」
意外にも、この船とは全く関係がなく、たまたま出会った感じだった。つまり、この異変とは関係が無さそうだった。
「へぇ---通りすがりねー。」
異変に関係がないなら、無理やり倒そうとはしなかった。しかし、それはあくまで自分の意見だった。
「こっちもお金欲しいし、やっちゃうかー。からかさ後光!」
「おっと---危ない危ない。」
そう言ってるが、本当は適当に危ないと言ってるだけで、全く怖くなかった。それに、片手で受け止められそうだった。
「あーあ、うっちゃいましたねー。」
棒読みで笑いながらそう言い、さっきよりも強く睨み付け、細胞までもが動かなくなるように怯ませた。
「火炎玉っ!」
かなり冷たくなったチルノの氷をすぐに溶かせるか溶かせないかギリギリの温度で攻撃した。
「まぁ、これくらいで十分でしょう!」
そう言ってるが、実は今の状態だとこれが限界だった。それをごまかそうとしたが、最近毎日一緒に修行をしているチルノにはバレバレの嘘だと思われていた。
「うっ---。」
ただの通りすがりということで申し訳なかったが、こっちも倒さなきゃ先に進まないため、上手い感じに倒した。すぐに起き上がるだろう。地上にて。
「ふぅー。さぁ、チルノ様、どんどん行きましょう!」
「あのさ---バレてるから。」
「あーー!!!ダメです!言うの禁止です!」
そうして、歩き始めて5歩。たったの5歩しか歩いていないのに、新たな敵がやって来た。しかし、今回の敵は、いつもとは違う。
「な、なんだあれっ!?」
驚愕したが、よく見たら、雲の上に誰か立っている。夢に溢れた子供が見ると、おそらく目が輝くだろう。しかし、残念ながらその雲は敵である。
「---なんて言えば良いんだっ?」
私も、まず何を言えば良いか分からなかったが、いきなり相手がパンチしてきたので、受け止めようとした。
「そんなもの簡単に受け止めて終わりですよっ!」
そうして、正面からやって来たパンチは受け止めた。
だが、そのときにはもう周りを雲に囲まれた。山のように高い雲だった。
「お前は誰だ!」
チルノは雪が降りそうにない雲が嫌いなようだ。氷の妖精らしい発想だが、微妙な所の好き嫌いが面白い。
「雲山と雲居一輪。よく一輪&雲山って呼ばれるけど、めんどくさいからやめてね。」
「アイシクルフォー」
「ダーメ、効果はなしです!」
スペカをうとうとしたチルノをすぐに止めた。相手は雲。雲に氷をうったって意味がない。むしろ、氷を足して一気に攻撃する。逆効果だった。
「ううっ、じゃあ、どうすれば?」
「積乱雲の悪夢に染まり上がれ!見越し入道雲!」
どうやって倒すか考えている間。そんなときにも攻めないなんて事はない。四方八方から黒く舞い上がる雲の攻撃の1発が私に直撃した。
「つっ---!」
「大丈夫っ!?」
もちろん、大丈夫だと思っていたが、相手がでかいので、少しは痛みを感じた。まぁ、1発KOではなさそうだった。
「チルノ様、相手は2人です!こっちも2人でいきますよー!」
「うん!」
「次はぁ、仏罰の野分雲!」
また攻撃が変わっていったが、チルノと避け、私がチルノの腕を掴んだ。
「きゃっ---え?」
「チルノ様、今って言ったらアイシクルフォールうってください!」
「でも、相手は---。」
「確かにそうですよね?でも、今相手は雨を降らせているようなもの。つまり、それを雪に変えると雲は?」
「冷たくなる!」
そうして、理屈っぽい事を話し、チルノがタイミングを合わせてアイシクルフォールをうった。一番効きそうなところで合図を出した。
「つめたっ!」
相手の雲が冷たくなり、小さくなっていった。
「今ですよっ!パーフェクトフリーズ!すべてを凍らせてください!」
「行けぇ!パーフェクトフリーズ!」
言われた通りにうち、2つの雲は傘みたいに地上に落ちていった。
「はい、チェックメイトです!」
「やったあ!」
そう喜んでいる間にも、また新たな敵がやって来た。今度は5歩どころか、1歩も進んでいない。しかし、今度の敵は、船長の服を着ていた。 終
次回もお楽しみに!
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第74話→船の先端へ!危険な波に注意?
「今度は船長さんかいっ!」
意外と早めに船長が現れた。2人とも今出てきたのが最後の敵だと思っていた。まだいつもより出てる敵は少ないが、いつもより連戦が多く、疲れてしまったのだろう。
「チルノ様、今までとは若干違う気がします。お気をつけて。まぁ、行けると思いますよ?」
最初の3戦よりかは圧倒的に強そうだった。服装的にも、相手の実力的にもだった。とここで、おかしいことに気づく。
今、船は動いている。誰のお陰か、普通は船長が動かしているが、今船長はここにいる。つまり、この船は他に運転できる者がいない限り自動だった。
「なんかハイテクやなぁー。」
わざわざ船長の服装をしてきたことに半笑いした。すぐにその半笑いは収まったが。まぁ、こんな状態でずっと笑い続ける人なんて誰もいないだろう。
「村紗水蜜だよ。」
「むらさみな---さん?」
さすが⑨チルノ、名字と名前で区切るところをしっかりと間違っている。
「おい、むらさみな みつ!この船なんとかしてくれ!」
「あのー、むらさみな---じゃなくて、村紗---だよ?」
さすがの相手もおばかなチルノに嘲笑いした。
「なんだって良い!アイシクルフォール!」
いきなり攻めるチルノだが、大分前、龍に乗ったときに酔ったように、今回も船酔いしていた。今さら酔ってるのに気づいたチルノだったが、もう遅かった。
「う---ううっ。なんか、吐き気が---!」
「チ、チルノ様っ?」
その間に、ムラサ船長は近寄り、攻撃してくる。
「2人とも、転覆して地上へ落ちてっ!道連れアンカー!」
チルノが酔っているため、代わりに私がガードした。ガードする為に与えられた時間も殆どなく、選んだのは素手でキャッチすることだった。
「よっと---意外と固そうに見えて柔らかかったなぁー。」
何も無かったかのように受け止める私、流石の相手もビックリしていた。
「え、え、え?これ、まずいんじゃない?ファントムシップハーバー!」
更に攻撃を加えるが、さっきより時間があったので、今度はガードした。
「ふぅー。」
その間に、チルノが酔うのを治そうと、体を少し浮かせていた。速く動くものに乗ると大体酔うから、安静に船を放置して安静にさせておくのがいいと感じたのだった。
「チルノ様、もう大丈夫ですか?」
案外酔いは早く治り、再びチルノが船長のところへ向かう。しかし、船長の目は黒く太陽の光が見えない冥王星の端っこにいるように暗かった。
「今度こそ倒すっ!パーフェクトフリーズ!」
さっきよりも威力が5倍程に上がったパーフェクトフリーズで、ムラサ船長を倒した。
「ふぅー、やったぁ!勝ったぁ!あたいの攻撃決まったぁ!」
と喜んでいるチルノだったが、船酔いのせいで1人だったら負けていただろう。そんなことは勿論口に出していない。
「お疲れさまです!さぁ、もう少しで終わりだと思います!一気にいきましょう!」
こっちが進もうとしたとき、今度は相手からやって来てくれた。しかも、2人。今度はチルノの助けが出来なさそうだ。
「何故一気にやって来たぁー。めんどくさっ---。」
本音が出たが、きにせずすぐに倒そうと決めた。
「さぁ、チルノ様、張り切っていきましょーっ!」
「さっきめんどくさーとか言ってた割にはやる気あるんだ。」
「んっん---なんですかそれ?」
いきなりだった。そこに誰か現れた。しかも、見たことある緑だった。
「やぁー!皆の神様ー、早苗ちゃんだよっ!いぇぇぇえい!」
急にその場が静かになったが、気にしないことにしよう。
「よーし、さっきとは違う緑が来たから、一気に終わろう!」
「ちょ、待て!3対2とはずるいなぁー。」
相手がそう言ってくるのに、早苗は勝負だから何人いても勝てば良いと思っていた。しかし、私たちの考えは全く違うものだった。
「チルノ様、あれ、やっちゃいます?」
「あれって?」
「どこかで見覚えのあるやつですよ?」
「まさかっ!」
チルノが反応した。なんとなく彼女も理解したのだろう。そう、3対2を人数を減らさず2対2にするのだ!
「行きますよっ!」
「うん!」
ここで、2人の声が重なり合う。
「へーーんしんっ---!やーーーっ!」
指の高さが同じ位置に、うまく揃ったのだ。
「よし、成功だ!」
---。
-----。
-------。
しかしなにも起こらない。
「何でやねんっ!なんか起こるんじゃないんかいっ!チルノ様、もう一回行きますよ!?」
味方だけでなく敵までもが笑っていた。今思うとあわれな行動をしたなーって思うが、まぁ、しょうがない。
「あの---さ?集中しよ?」
チルノからの痛い一言、いつも通り私は何も言えなかった。
「じゃあ、あんたは下がってて。」
「わ、私が?」
「あたいだって、やる時はやるんだから!」
「---無理はしないでくださいね?」
「うん!」
僅か20秒程のこの会話で、また敵かよー、もう早く部屋に戻ってゲームしたいわー!とか思っていた私の心をわずかに変えた。まぁ、早く部屋に帰りたいのは変わりないが。
「あたいはチルノ、氷の妖精だ!で、こっちにいる緑がー。」
「もう自己紹介済み!早苗ちゃんだよー!やっふぅー!」
とうとう壊れてきた早苗から倒したくなったが、そんな冗談でもやりそうにないことをするわけがない。
「寅丸星、毘沙門天の弟子だ。ナズーリンを倒したのは知っているぞ---。部下として扱っているからな。」
その先は分からないが、自己紹介の時は暗い表情で見つめてきた。
「聖白蓮よ。よろしくー!」
なんだかさっきの寅丸星とやらよりかは明るかった。しかし、敵であることには変わりない。どんなに善人に見えようと、やられてしまっては意味がない。というか、私的にも早く終わらせてほしいと思っていた。ねっころがりながら。
「あたいの攻撃食らいやがれ!アイシクルフォール!」
いつも修行でうってる以上の攻撃が放たれた。
「行けぇーーー!!」
チルノの攻撃が相手に直撃!が---相手の顔を見ると、まさかの---?
「あー、楽勝。」
攻撃していたチルノだけでなく、私まで驚いた。
「いつものあの攻撃が---効いてない!?」
普段自分だって動くのが精一杯のアイシクルフォールが止められてしまった。
「さて、こちらもいくよ!紫雲のオーメン!」
「レイディアントトレジャー!」
2人の同時攻撃に、2人は避けることが出来ず、後ろでガードしてる私も崩れそうになっていた。
「くっ、チルノ様っ---これは、あなたたちでは無理です!」
その声は彼女達には届いてない。果たして、どうすれば勝てるのか? 終
次回もお楽しみに!
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第75話→船を攻略、消えて行くナニカ!
「チルノ様、もう絶対に勝てないです---私も参加します!」
「まって、まだ早苗が攻撃するから、2人で倒すんだ!」
「チルノ---様っ。」
少し顔を下に向けていた。理由はとても単純だった。本当に、あの2人なら倒せないから。それに、一緒に勝負したかったから。
「もう一回、アイシクルフォール!」
「じゃあ、こっちもいくよ!グレイソーマタージ!」
早苗の攻撃も、私にまで飛んできた。しかし、さっきとの差はガードする前から分かっていた。
「こんなの余裕!」
敵の2人は相変わらず余裕だ。私と同じような顔で攻撃を受けていた。
「その程度か。」
またもや寅ちゃんが暗い声で言ってくる。何故かそれだけで怖いと思うようになるくらい。
「アブソリュートジャスティス!」
そんな言葉1つで味方がつらい表情へと変わっていく、そんな姿を見てはいられず、遂に私が動いた。
「グランドファイアインフェルノ!」
5分館無敵になるこのスペカ(?)により、一気に能力を増していく。その後、いつも通り火炎玉をうったが、さすがに相手も全部避けていった。
「チルノ様、後はお任せを。まだ太陽は沈みませんが、やれるだけやりますから---。」
「え---。う、うんっ。」
静かに後ろへ下がっていった。それに続き、早苗も後ろへ下がっていき、結局1対2になってしまった。まぁ、正直人数など関係ないと思っていた。既に分身で四方八方敵を囲んでいたからだ。
「ん---?これは。」
急に雨が降ってきた。しかし、これが悪いとは思わず、逆にあれを使うチャンスだと思っていた。2人はまだ分身には気づいていなさそうだ。
「行け、雷で終わらせてしまえ!」
「そんなもの効かない!」
そう言い、しっかりと受け止めた。いや、受け止めてくれた。そんなことは分かっていながら打ったのだ。どうせこうなるなら弱めに。
「うっ、止められた!」
あえて口にするこの言葉、すぐに相手が反撃しようとする。
「今度はこっちから---!その大口を叩けないようにしてやる!って、なんだあれはっ!」
ここで2人がようやく分身に気付いた。
「ぁ、やっと気付きましたか?」
分身に何も持たせないとなると、流石に一気に倒すことは出来なさそうだったので、1体1体ゆっくりと火炎玉を用意させていった。ばれないようにするのが大変だった。
「さぁ、みんな、一気にうつよー!!!」
分身全員に呼びかけて、一斉に構えた。だが、相手もこの状態だと避けられそうだった。
「あはは、その程度じゃ甘い!」
相手も必死になってきた。
「発射!」
一気に放たれた火炎玉は、相手に向かって猛スピードでかけていった。と思いきや、飛んできたのは本体の僅かに作られた炎だった。一気にその炎は10倍、100倍へと大きく、強くなっていった。
「さて、この大きさの玉、当たったらどうなるかなー?」
船よりも大きく、チルノの氷が溶けそうな程の炎で相手を睨んだ。因みに、チルノが冷気を操り、周りの冷気を奪い自分の周りだけ涼しくしていった。
「さて、これで終わりですねっ!火炎玉【分】!」
火炎玉を2つに分けてうっていく技、火炎玉【分】、しかし、2つに分けても大きさは変わらない。つまり、そのままのコピーが1個できるということだ。
「皆の思い、いげえぇええ!」
チルノや早苗も共にそう叫んで言い、2人は暫時意識を朦朧とさせ、その後船の脇に飛ばされ、倒れた。
「ふぅー。」
すぐにチルノの元へ向かった。
「あ、あの---。」
チルノが何か言いたそうだったが、既に何を言うかは分かっていながらも聞いてあげた。
「なにか、ありましたか?」
「毎回毎回助けてくれて、ありがとう。」
いつも通りもじもじしながらそう言い、少し笑顔になった。
「もっと笑顔になってくださいよ!私は怒ってなんかいないですから!」
「う、うん!」
そうして、2人で自動的に動く船の上でワイワイしていた。すぐに早苗も増え、3人になっていた。
「この船、すごい!」
特に身長的に小さいチルノがおおはしゃぎ、2人はその元気さを見て無意識に笑っていた。
「今日からあたいたちの部屋はここで良いんじゃない?」
「チルノ様、それはダメですよ。流石にこの船を持ってきた方に申し訳ないじゃないですか?いくら悪いことをしたって、物を奪うのは重罪ですよ!」
「それも、そうだね。」
そんなこんなで夜になり、一緒に地上へ帰ることにした。寅丸星達は横にさせておいた。
「さぁ、帰りましょう!」
「さぁみんな!天に認められた早苗ちゃんが帰るところだよー!しーっかり見送ってね!」
「ねぇねぇ早苗ー、それって天だから天国へ行くってこと?」
「え?え?え?---いや、ち、地上!いい?ち・じょ・う!」
今日どこかで⑨パワーを発動したが、またまたそのパワーを発動した瞬間だった。誰かに見られていると感じながらも、地上へ戻った。
「ふぅー、今回も終わったね!」
「チルノ様、また一つ成長しましたねー。」
「え、何が?」
「まぁ、色々とですよ!」
「そうかなぁー。」
帰り道にも2人で話ながら帰るが、結局、早苗は偶像崇拝だのなんだのよく分からない事を言いながら船に残った。帰ってきてくれるといいのだが。
「さて、では、最後にすぐに帰った霊夢をぶっ倒しに行きましょう!」
「えー、あたい勝てるかなぁー。」
「大丈夫です、あの赤、マネーには目がないので---グヘヘヘヘ!」
「ねぇ、変なこと考えてない?いや、考えてるね。」
「はい?」
そうして、博麗神社に向かったが、霊夢が誰かを捕まえていた。しかも、最後に船から出るときに誰かに見られていそうな感じがした、あの感覚と非常に近かった。
「え?こ、これは。」
「あー、さっきそこら辺で捕まえたのよ。イヤーな目線を感じたから。ね、封獣ぬえ。」
「---。」
最後までなにか口にすることは無かった。しかし、この事件になにか関係してるのは確かだった。
しばらく霊夢が質問攻めをしたあと、ぬえを解放したらしい。その後の行方は全く分からないが、とりあえずあの見れば欲望、確認すれば絶望の船は消え去った。
「今度こそ終わりだよね?」
「はい、チルノ様!」
そうして、やっと2人で部屋に戻った。なにか忘れているような---?
「あれ?早苗は?」
「あっ---。」
彼女の行方も全く分からなかった---。 終
次回、遂にリベンジ?お楽しみに!
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第Ⅶ章→チルノの逆襲!リベンジマッチに勝利せよ!
第76話→私が此処にこれた理由?昔の僕のタマシイ!
あれからしばらく日にちが過ぎ、チルノにも少し落ち着きがなくなってきた。体力が回復してきた。そういう感じにも捉えられる。
今日の外はいつもより明るく快適な温度だった。それだからか、外に遊びに行きたいと言い出すチルノ。そこで、いきなりある提案が浮かんだ。
結構前に、チルノは白玉楼にいるみょんみょんと勝負し、結果は惨敗。そろそろ勝てるのではないかと、再戦しようと考えていたのだった。
しかし、あれから強くなったものの、あっちだっておそらく強くなっている。果たして勝てるのかはわからない。
「ねぇねぇ、あたい、もう勝てるよね?」
みょんを倒したいと思った本人は少し心配そうに、でも楽しそうに語ってきた。もちろん、私は自信をつけるような答えを返してあげた。
「頑張れば絶対に無理ではないとは思います!無理では---。」
正直無理だと思っていたので、チルノのやる気がなくなることはオブラートに包み、バレないように言った。
「あとさー、あたいだって本気だから、来るのは良いけど手伝うのはダメ!とりあえず、ゆっくり歩いていくねー。」
「かしこまりました。」
そうして、静かに部屋を出ていった。そもそも、私がそれについていかないなんてあり得るのか?否!否!否ぁ!
「さぁ、着いていこっ!」
そうして、2分ほど後にチルノに着いていった。しかし、前にチルノの姿がない。
「あれ?どこに?」
そのとき、後ろから誰かがやって来た。
「やっぱり気になるんだぁー。」
「あっ---チルノ様---いや、これは、ただ買い物に---!」
「じゃあさっきのあれ?どこに?って言葉は何を意味しているの?」
「ええっと---、それは。」
「正直に言えば怒らないよ?」
半分笑い、半分睨みながら見つめてきた瞬間、正直に答えた。宣言通り、チルノは怒るどころか、手を掴んできてきた。
「一緒にいこうよ!おんぶしてー!」
「え?あ、了解です。」
そうして、チルノをおんぶして歩いていった。
ゆっくり歩いているためか、なかなか白玉楼にたどり着かない。当たり前のことだが、10キロある道を時速10キロでいくのと時速2キロで行くのなら5倍の差がある。
数分して、チルノをおろして再び手を繋いだ。そこで、たまたま博麗神社に通りがかった。
「あ、霊夢だ。霊夢ー、おはよー!」
「あら、チルノと愉快な仲間ね。おはよう。」
「ゆ、愉快な仲間?まぁ、おはようございます。」
今はちょうど賽銭箱の整理中だった。しかし、何も入っていない。
「ちょっと、賽銭していきなさいよ!」
「え?賽銭なんかせずとも欲しければ少しはあげますから---。」
「じゃあ1000万で!」
「二度とあげません。」
そうして、その後のおねだりは無視して更に奥へ言った。またすぐに誰かにあった。どこかで見たことがあるようなかおだった。顔だった。
「あー、アリスだ。久しぶりー!」
どうやら、朝の来ない事件の時にあったアリスが歩いているようだ。
「お久しぶりね。」
「お久しぶりです!」
そうして、いきなりチルノが勝負しようと言い、当然アリスは断ってからまた歩き始めた。
それから、ようやく白玉楼についた。三途の川をわたり、別の世界へ行った。
「そういえば、こんな階段ありましたね---。」
そこに、いきなり妖夢が走ってきた。なにやら慌てているようだ。
「タケノコさん、重大事件です!今すぐこちらへ---。」
「え?」
そうして、ある魂を見せられた。皆が落ち着いているなかで、その魂だけ動き回っている。
「この魂、タケノコさんの300年前の魂です。」
「はい?」
そもそも、何で自分の魂だと分かったのかが不思議だったが、質問する前にその話をしてきた。
「この魂、おそらくタケノコさんとリンクしてます。昔のあなたなのですが、タケノコさんは幻想郷を破壊しようとしました。」
「破壊?」
大分前にパチュリーから自分の過去の話をされた。そのときの自分と似たような事をしているらしい。というか、似たようなってよりかは完全に同じことを。
「しかも、この魂、私たちが分からないところで数百年隠れていたものです。」
しかし、それがどう重大な事件なのかは分からなかった。
「もしこの魂を切ったら、あなたの魂がなくなるのです!」
「つまり、自分が殺される?」
「はい。しかも、この魂は数百年後には何もしなくてもなくなります。あなたが一度死んだあと、ここに帰ってこれたのも、この魂があったからだと判明しました。」
そう、つまり昔の私が再びチルノに会えたのは昔の魂が残り、それに引き付けられたからということがわかった。どうやら、八雲紫の調査で分かったらしい。
「今の話、チルノには内緒で---。」
そう伝えて、チルノを呼んだ。しかし、あと数百年一緒にいられる。今までチルノにあってから5年も経ってない。そんなことを考えると、数百年なんて長いことだと考えていた。
「因みに、この魂が消えると、何が起こっても幻想郷に入れなくなります。」
「あー、つまり、幻想郷に入れるのはこれが最後ってことね。」
そこに、チルノがやって来た。
「チルノ様、さぁ、本題に入って、やりたいことをちゃんと話すのですよ?」
「勿論!」
そのあとすぐに、昔の自分の魂の所に行ってみた。
「これが、私の中の昔の---。」
落ち着きがなかった魂が、急に静まり返った。
「はじめまして。昔の私。君が私をここに連れてきたの---?」
もちろん、昔の魂は何も話さない。
「そういえば、私って魂たくさんあるから多重人格---?まぁ、いいや!」
怖い話でも無視して、チルノと妖夢の様子を見ていた。そこに、後ろから誰かが迫ってきたが、それが誰かは何も言われずとも分かっていた。
「幽々子さん---。」
「あらあらー、すぐに分かっちゃうのね---。それと、さんはつけなくていいわよ---。」
「そうですか?」
「で、今日は何しに此処へ?」
それから、あの2人の様子をみて、大分前に勝負していた時を思い出した。チルノにとってはリベンジ戦、私と毎日修行して、今回こそはと頑張ろうとしていた。
「そういうことなのねー。」
「はい。勝負したいと言ってましたので連れてきました!」
その頃、例の2人は---。
「今日こそは勝つんだ---!あたいの本気ですぐに終わらせてやるー!」
「さて、お手柔らかに!」
そうして、妖夢が剣を抜いた。 終
次回もお楽しみに!
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第77話→勝負みょん!チルノvs妖夢の行方は?
妖夢が剣を抜き、妖精は昔は逃げようとしていたが、今は怯むことなく攻めていった。
「こんなに本気で攻めてくるのなら、その分あたいだけに集中している。ならば---!」
実は、昔こんな事を教えた。
「チルノ様、この問題を解いてみてください。」
そこには、小学2~3年生ほどの算数の問題を一問用意しておいた。しかし、数分ほどかけないと終わらないような問題だった。
しばらくして、その問題の半分ほどを解いたときに、ある仕掛けを用意した。それも、チルノがすこし痛いと思うような玉を後ろから当ててみた。
「うわっ---いきなりびっくりしたー。」
「チルノ様、今の気付きませんでした?」
「そりゃ、あるものに集中していたら他の事には気を配れないよー。」
その言葉が、勝利への秘訣だった。勝つためには1つのものにすべてを集中していたら他の所には気づかない。つまり、他の敵がいたら、確実にやられるだろう。
「チルノ様、では、こちらへ。」
「え?うん。」
そうして、私が分身して2人になり、本体からずっと小さな弾幕を投げ続けた。
「これを避けていってください!ただし、数分したら後ろからいきなり攻撃するので、それも気を付けてください。」
そうして、チルノが前からの攻撃を避け続けた。ずっと避けていると、余裕になってきて遊びながら避けていた。そのとき、こっそり後ろから攻撃する。かなりの弾幕数で。
「うがっ!!!」
予想通り、チルノが地面に倒れこんでしまった。
「いてててて---。わ、忘れてたっ。」
「チルノ様。」
「ごめんなさい---後ろのこと、完全に忘れてて。」
特に怒ることはなく、もう一度やらせてみた。今度は、相手の目をみるようにとアドバイスをした。
それから、もう一度弾幕を投げる。それからまた遊び始めたチルノだが、今度は私の目をしっかりと見ていた。
「あれ?変な場所をみている?」
私が見つめている場所を見ると、ちょうど弾幕を出した分身をみた。それから、チルノが一生懸命避けていった。
「あ、避けれた!」
「チルノ様、流石です!」
本当はもう一度あたって、それから変なところを向いていたら一瞬でもそっちを見ようと伝えようとしたが、素晴らしいことに何も言わずに上手くできた。
「えへへー、なんとなくいつどうするか分かったよ!」
「あれから何も言わずに分かってしまうなんて、チルノ様---。」
その後、チルノとは別の修行をした。
「こんなに本気で攻めてくるのなら、その分あたいだけに集中している。ならば!」
チルノは、まずはちょこっと攻撃する。妖夢は剣を使わずにそれを避けていく。まだまだ本気でないのは分かっていた。
「行けぇ、アイシクルフォール!!」
「こっちだって、業風閃影陣!」
この2つの技が僅か2~3秒の間に出されたが、若干アイシクルフォールの方が押していた。
「みょん!?」
妖夢が必死に避けていく。一生懸命避けていく。そこに、チルノが相手には聞こえないような小声で。
「パーフェクトフリーズ!」
チルノが後ろからこっそりうつ。しかし、妖夢はまだそれに気付いていない。完全にアイシクルフォールの処理に集中していた。
「よしっ、アイシクルフォールを真っ二つ!あれ?チルノ---は?」
かっこよさそうに真っ二つ!とか言っていたが、そんなことなど1秒程で絶望に変わり果ててしまったのだ。
「みょん!?」
振り向いたときにはもう遅く、一度しまった剣を抜くより早くパーフェクトフリーズが当たった。
「ぐぶっ---。」
そのまま床に倒れていった。それからしばらく体を揺さぶっても起きなかった。
「や、やった---勝った!」
すぐにチルノが私の元へやって来た。幽々子との話は終わり、勝負が終わった頃には足を床につけていた。
「ねぇねぇ、あたいやったよ、頑張ったよー!」
それから2、3秒、場が静まり返った。それから、静かにこう言った。
「あたい、霊夢にもかてるかな---?」
「霊夢に勝ったら私にも勝てますよ---。ただ、この世界で一番強いのが霊夢とは限りませんからね?上には上がいるものですよ。」
「あ、そっか。でも、霊夢に勝ったらあたい、幻想郷最強に大きく近付けると思うんだ!」
それから、妖夢がやって来て、色々チルノと話をしていた。その間に、霊夢にチルノと勝負したらどっちが勝つと思うか?と聞いてみた。
「本気でやったら私が勝つわ。でも、最近のチルノ、結構強い敵だって倒せてるし、少し油断したら負けるかもしれないわ。」
私の中では、おそらくだが---霊夢が勝つとは感じていた。前より考える時間は長くなったが、おそらく霊夢は私の龍時間より強いのではないかと思う。それに勝てないチルノは。
それから、チルノが鳥居の前にやって来た。少し汗をかいていて、今勝負すると本領発揮出来そうにないような状態だった。
更に、1つ問題点があった。霊夢も金欠過ぎてほぼ何も食べてなかったのだ。お腹がグーグー鳴っているが、必死に耐えたまま神社内を掃除していた。もう、流石にかわいそうだった。
そう感じしているときに、遂に霊夢が限界をむかえた。体力パラメーターが0に限りなく近くなっていたのだった。
「せめて、水だけでもください!!」
「はーい。」
既にそう言うのは予想済み、分身を使って水とご飯を持ってきた。目を輝かせていたのは言うまでもない。
「はっはぅぉーーおいしそぉー。」
食べはじめてから3分、一気に完食してしまった。
「ごちそうさまでした!ありがとうございます!」
「いえいえ(^_^)」
そうして、チルノが本題を言ってきた。
「霊夢、今から勝負だ!」
それを止めたのは霊夢ではなく---。
「チルノ様、流石に汗かいてるそのコンディションでは無理ですよ---。今やってもすぐにやられて後悔してしまいますよ?」
「じゃあ、どうすれば?」
「明日なら、回復しますよね?」
「じゃあ、明日だ!」
霊夢が私を見つめてにやっとして、良いよと言ってきた。あの様子じゃ、100%手加減はしないだろう。それでも、チルノは120%の力を出すかもしれない。
「さぁ、じゃあ、明日の昼頃で良い?朝は時間がないのよ。」
そうして、2人で部屋に戻った。すぐに作戦会議をしようとしたが、これはあたいの勝負なんだと言い、1人で考え始めた。
「チルノ様。期待してますよ!」
「勝ったら最後はあんたとだからね?絶対に夜にだから!勝ったらちゃんと付き合ってよね!」
「やっぱり霊夢で終わってほしいわー。めんどくさいー。」
なんて事を口で言うとどうなるか分からないので、心の中だけで考えた。
それから、私が寝てる間もずっと考え、日付が変わってから2時間程して、ぐっすり眠った。
霊夢との決戦の日がやって来た。 終
次回もお楽しみに!
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第78話→チルノvs霊夢!?夢想封印を避けよう大作戦!
さぁ、いよいよチルノvs霊夢。今回と次回で激闘を繰り広げます!では、ゆっくりしていってねー!
遂に決戦の日がやって来た。霊夢とはあまり勝負したことがなかった。2対2で昔勝負した覚えがあったが、それが1対1なら秒で終わっていたに違いない。
ずっとずっと私と修行をしてきて、一段と強くなっていった。アイシクルフォールの温度も-70度までは達成している。もし私が当たれば5秒も持たない。
太陽が見えてから4時間程がたった頃、チルノが起きた。
「おはよー。いよいよだね。」
やはり、緊張していていつもよりガタガタしていた。
「チルノ様、落ち着いてください---。じゃないと勝てる勝負も勝てなくなりますよ?」
「うん---そうだね。」
なかなか今の感情が正常なものに戻らない。あまりにも肩に力が入りすぎている。
「もし、負けたらどうしよう---。」
「負けたときの事は考えないで、勝つことだけを意識してください。そうしないと、心が落ち着かないですよ?」
「うん。」
それから少しして、昨日いた鳥居の前に向かった。色々2人で話していたら、ピリピリしていたのが穏やかに変わっていった。
「チルノ様、頑張ってくださいね?手伝いませんよ?」
「当たり前だよ!手伝ったら許さないんだからね?」
いつも通り、すぐいっしょにその場へ着き、霊夢に圧力的に話しかける。
「今すぐ勝負だ!あたいがさいきょーってことを教え込むんだ!」
「あら、もう来たのね。」
霊夢がいつも通りチルノに話しかけた。普段チルノに挑発されているのは慣れているようだ。その頃、私は。
「チルノ様、勝って帰ってきてくださいねっ---。」
実は、こっそり霊夢に話しかける0.1秒ほど前に超高速で部屋に戻った。それから、いつの間にか深い眠りについていた。間接的にチルノの手伝いをしていて、あまりにも疲れていたのだ。
それから、私はチルノが戻ってくるまでずっとずっとベッドで寝ていた。途中頭がすぐ横の壁にぶつかったが、痛いとも思わなかった。
「じゃあ、始めるわよ、チルノ。」
「かかってこい!」
自分の力を過信しすぎなチルノとは違い、冷静な霊夢は相手の様子を見ていた。昔とは違い、すぐに終わらせるのは難しそうと判断していた。
しばらく、無言空間が続いていた。お互い動きそうにない。霊夢は動こうとしたが、カウンターが怖く打てず、チルノはまだ攻撃しようとしない。
昔、こんなことも教えていた。
「チルノ様、今まであったことの無い人達の攻撃力、その人の見た目だけで判断できますか?」
「そんなの無理だよー、でも、そんなの知る前に倒しちゃえばいいんだ!」
普段と全く同じ、すぐに倒してしまおう戦法で相手を考えていた。しかし、一気に攻めるとそれはそれで危険もあるのだ。
「では、相手の能力が氷を跳ね返す程度の能力だったとしたらどうしますか?」
「それはその能力を越えて攻撃するだけだよ!」
攻撃は最大の防御崩し、チルノは自分の攻撃で相手の力を越えようと考えていた。そこで、チルノに火炎玉を打とうとした。
「では、今からこちらが攻撃するので、しっかり守ってくださいね。」
そういって、1発だけ攻撃した。チルノが懸命にその攻撃を打ち消そうとしたが、そんなことをしている間にいつの間にかチルノの体に当たり、一気に大ダメージとなった。
「うっ---!な、何で止められないの?」
そう言ったあと、チルノが同じ事をして攻撃してきたが、その氷を手で掴み、完全に砕いた。
「あっ---。」
砕かれた瞬間、何も言えなくなった。まぁ、流石に一瞬で砕かれるとショックにはなるだろう。
「チルノ様、落ち着いてください---。あなたにも出来るちゃんと押さえる方法があるのですよ?」
「本当?」
「行けぇ、アイシクルフォール!」
ずっと硬直していた勝負から、一気に動いた。チルノが放ったアイシクルフォールは、全体的にまんべんなく広がり、霊夢を追い詰める。
「くっ、流石に一筋縄じゃいかないようね。」
霊夢はまずは避けてばっかりで全く攻撃しなかった。2、3回は攻撃出来そうな所があったが、序盤に攻撃はしないようだ。
それから、3分程たった。ずっと修行したので、まだチルノに疲れは出ていない。そんな中、一気に霊夢が攻める。
「二重結界!」
霊夢がチルノを動けなくさせようとしたが、危ないところでギリギリ避けていった。
「あぶない---。」
そうチルノが思ったが、そんなことを考えていれるのも今のうちだった。
「今ので終わると思ったけど---封魔陣!!」
結界をよけたら今度は別の攻撃がやって来た。しかも、私の攻撃とは早さが明らかに違った。
「うっ、わぁ---っ!」
膝に当たったが、数えきれないほどの玉があったから、1発だけ当たったのではそこまで痛くはない。しかし、囲むように攻撃してくるため、1発当たると逃げられなくなる。
「えっ、まっ---これじゃ、避けられないっ、なら!」
前は諦めていたかもしれないが、チルノは攻撃には攻撃をということで一気に攻めていく。それで、なんとか相手の攻撃を避ける。
「今度はこっちが、パーフェクトフリーズ!」
徐々に攻撃力が上がっていくが、当たらないと意味がなく、360度上手く利用し、1発も当たらずに避けていく。
「そろそろね、---夢想封印!!!」
一発、大きな弾幕が目の前に迫ってくる。まともに喰らったら、確実に一撃でゲームオーバーになる。
「来たっ---。」
チルノがギリギリまで動かない。今からただ避けるのは絶対に不可能な距離になってきた。
「---いまだ!」
そこで、チルノが一気に後ろに下がりながら攻撃する。
「行けぇ!フロストコラムス!!」
下がりながら攻撃して、相手の夢想封印のスピードを遅くした。その頃、霊夢は夢想封印により前は見えてなかった。しかし、チルノが避ける様子もなく、倒したと思っていた。
「うわぁぁぁあ!!!」
いきなりチルノの悲鳴が聞こえた。それと同時に、夢想封印が止まった。
「意外とてこずっちゃったなぁ---。」
「行けぇ、アイシクルフォール!!」
後ろから声がした瞬間、振り向いてみると、何故かチルノがいた。それに気づいた時には、もうアイシクルフォールの中にいた。
「つっ---な、何でよっ!---。」
「完全に油断したなー!」
あのとき、霊夢は絶対にチルノが倒れたと勘違いしていた。これが、私が教えた1つの戦法である。
「じゃあ何で悲鳴を---!」
「だって、危なかったんだもん。」
その言葉により、霊夢が何も言えなくなった。本当は、騙そうとしたのだが、危なくて悲鳴を出すことなんて多々ある。
アイシクルフォールを直に受けた霊夢は、すぐには動けそうになかった。
「さぁ、霊夢!ここからが本当の勝負だ!絶対に勝って最強になるんだ!あたいはなるためにここに来たんだ!」
すこしの間動けなかったが、霊夢がなんとか立ち上がった。それから、ニヤリとし、札を手に取った。 終
次回、決着。果たして、どうなるのか?お楽しみに!
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第79話→油断厳禁!赤と青の勝負はいかに---?
チルノが夢想封印を避けられるようになり、アイシクルフォールを直撃させ、霊夢を追い詰めた。しかし、霊夢がニヤリとした。まだ余裕なのか?それとも---。
「流石にこのままだとまずいわね---。」
そう言いながら笑顔だったのか、チルノは全く油断しない。
「チルノ、どんな風に修行してるの?」
「相手の攻撃を避けてから攻撃したり、一気に攻撃したり---日によってちょっとずつ違うけど、どれも良いものだと思う!」
「そうね、彼の修行、楽しい?」
「うん!」
その頃、私はチルノの事を忘れてベッドに仰向けになり寝ていたが、トイレにでも行きたくなったのか、いきなりバッと起きた。
「ふぁーー。あっ---チルノ様っ---。まだ、やってるのかなぁ?」
寝起きでもにゃもにゃ独り言を呟いているが、誰も聞いてる人はいなく、寂しくなり外に出ることにした。
「ふぁぁあー。」
そこに、黄色い魔法使いが現れた。いきなりの登場だが、寝ぼけてて全く驚かなかった。
「よっしゃー、いきなりだけど勝負だ!」
「ええ?まだ寝起きしてから3分経ってないんですけど---ふぁぁぁあ---。勝負ですか?」
「マスタースパーク!」
なんか言ってるなー、あの黄色い魔法使い---。と思っていたら、いつの間にか当たると痛そうな光が目の前に迫ってきた。
「ちょ、いきなりかよ。」
眠そうにそう言いながら、マスタースパークを片手で止めた。それから、なんとなくやる気になったのか、睡眠状態だった脳が活性化したような気がした。
「魔理沙---そっちが攻めたなら、こっちも良いよねっ!」
「待て、わ、わかった。反省するから許してくれっ!」
慌てる黄色に、0距離で火炎玉を打つと、魔法使いは白目になり地面に落ちていった。
「はぁーあ、チェックメイトォー。」
脳が活性化---してると思ったら、あまりにも眠そうにチェックメイトォーと言い、また部屋に戻って眠ってしまった。
そうしている間に、霊夢とチルノの方にも動きがあったようだ。
「うっ---さいきょーのあたいが、なんで!ぐふっ。」
「チルノ、油断しないなら油断刺せる。これも作戦のうちよ。」
1円も無駄にしない霊夢が、1ミリも油断せず、相手がどうすれば悪手をとるか見ていた。
さっき色々質問していたが、その間にこっそり後ろから攻撃したのだ。それが原因で、チルノも1発攻撃を受けた。
「うっ---体が---動かない、よう。」
しかも、霊夢の攻撃はチルノより強いのは当たり前。一撃がでかく、既にふらふらしていた。
「あたいだって、ここで勝つためにやって来たんだ。うわぁぁぁぁぁあ!!!アイシクルフォール!!!」
そうして、とにかく大量にアイシクルフォールを打つが、もう感情維持が出来るか出来ないかの境目にいる。全然当たりそうになかった。
「チルノ、もうそこまで来たらダメなのよ。夢想封印!!」
そんなチルノに威力MAXで攻撃したら、避けることなどできない。一気に全発くらい、チルノが魔理沙のように地面に落ちていった。
「はっ、ごめんチルノ!ちょっと、やり過ぎた。」
そう霊夢が思っていたが、既にHPは0、瀕死状態だった。元気のかけらかかたまりを使わないと回復しない状態だ。
「とりあえず、部屋に連れていくか。」
そう言い、静かに寝ている私の部屋に向かった。そして、ドアをノックした。
「ふぁ---あれ?誰かがドアを?」
それから、ゆっくり起きて扉を開けると、目の前には誰もいない。しかし下を見ると、青色の妖精が倒れているのが見えた。
「あれ?チルノ様。---もう、負けちゃったんですか?すぐに治しますよ。」
そうして、すぐにポケモンセンター----じゃなくて、自分の部屋で治療をした。治療とはいえ、簡単な問題からことだ。
「よし、これでオッケー。」
「ん---んんっ。」
すぐに目覚めたチルノだが、意外と寝ぼけている時間は短かった。
チルノの服がボロボロになっている。それと、扉の前で倒れている。何が起こったかはすぐにわかった。
「チルノ様、おはようございます。」
「あっ---霊夢。霊夢は?」
治療したとはいえ、まだ傷だらけのチルノを外に出すのは本人も辛そうだったのたで、まだ寝かせておいた。
「ねぇ、霊夢に伝えて欲しいことがあるの。」
「なんでしょうか?」
「勝負してくれてありがとう!って、お願い。」
「かしこまりましたー。」
それから、なにか言いたそうなチルノだったが、ずっと目線を横にしていて、話しそうになかったので、そのまま神社へ向かった。
しかし、そこに霊夢はいない。どこに行ったのか分からなかったが、もしかしたら部屋の近くでチルノの様子を見ているのかと思い、すぐに戻った。
部屋の近くを回って見たら、さっきの黄色い影より背の高い赤い影があった。すると反射的に話しかけていた。
「霊夢。チルノから伝言です。」
「きっと対決ありがとうとか言ってたんじゃないの?」
静かにうなずいたら、霊夢がチルノのように伝言があると言ってきた。
「お世辞なしで危なかったわよ---。って伝えてくれる?」
そっとチルノの方を見て、了解と返事して、部屋に戻った。
部屋に、入ると、チルノが枕をぎゅっと抱えていた。
「チルノ様、霊夢から伝言です。」
そうして、それを伝えた瞬間、チルノがいきなり。
「あのさ---最後油断しちゃったの---。」
悲しそうにそう言ってきたが、勿論怒ることなんか全くない。
「チルノ様?」
「最後、霊夢に釣られて油断しなかったらきっと勝っていた---修行したのに上手く出来なくて、ごめんなさい---。」
静かにそう言うと、いきなり泣き始めてしまった。本当に悔しかったのだろう。
その日は、チルノをずっと慰めて、ずっと横にいて、いつの間にか寝ていた。
それから、しばらくの月日が経ち、チルノはずっと、霊夢に勝つため修行していた。相手の挑発に乗らないよう、どんな事を言われても相手の行動をよく見る事をしていた。
時々疲れはててその場で寝てしまうこともあったが、そんな日は私が部屋まで連れていった。
今日は朝起きると雪が降っていたが、その雪はすぐに止んでしまった。その頃、どこかで何かが起きているようだ---。
「あらー、妖夢、おはよう。」
「幽々子様、おはようございます。ところで、今日はいつにも増して霊が多いですが、何かあったのでしょうか?」
「なんなのかしらー---。」
どこかに、怪しい霊が潜んでいるかもしれない---。 終
次回から霊夢---じゃなくて、霊が怪しくなってきます!では、次回もお楽しみに!
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第Ⅷ章→暗き寺でのチルノ修行!夢の1人で完全制覇?
第80話→霊の大量祭り?原因は白玉楼説!
「幽々子様、今朝はいつにも増して霊が多いですが、何かが起きているのでしょうか?」
そう妖夢が尋ねても、流石に何も知らない人には答えることができない。やむを得ず知らないと答えた幽々子だった。
そう、今日は久々に雪が降ったせいかもしれないが、霊がいつもより多く、やかましい。そこら辺で喧嘩してる霊もいれば、一人ぼっちで寂しそうな霊もいた。
2人は、なんだか賑やかで良いなー、って思いながら、元気な霊達を見ていた。
「妖夢、ご飯はまだかしら?」
「幽々子様、つい5分前に食べたばかりじゃあ---。」
そう言い、妖夢が霊に近付き霊が何をしているか詳しく見ていた。他にもたくさん霊はいるが、妖夢が見ていた霊はごく普通だった。
「異常なし---か。」
何か非凡な事でも起こるのではないかと思い、期待していた妖夢だったが、その希望は今見た感じ皆無だった。
「今日もまたご飯作らなきゃな---。たまには自分で作っても良いのに---。」
そう呟きながら、しばらくの間妖夢が選んだ霊を見ていた。
ご飯を作り終わって見ていても、やっぱりざわざわしているが、そこまで怪しいことは起きては無さそうだ。
その頃、地上では---。
「ねぇねぇ、なんか騒がしくない?」
チルノがいきなり変な事を言うが、雪のせいではないかと思い、ずっとベッドの上で休んでいた私。それに対し、騒がしくても修行するチルノを心の中で応援していた。
確かに、一瞬だけ騒がしいと思った私だが、それがそこら辺にいる霊だなんて、知る余地もなく、ただ寝たいという気持ちに染まっていた。
「ふぁ---ぁ。」
そうして、いつの間にか二度寝に入ってしまった。ただ少し雪が降ってるのを見て、寒いと思って布団から全く出たくないと感じていた。
そんな中、チルノは外で修行していた。寒稽古で寒そうだが、よく考えたら彼女自身が氷の妖精ではないか---。
「行けぇ、アイシクルフォール!---ふぅ---。」
ずっと避け続ける私の分身に当てようとしていくが、なかなか当たらない。今日は的確に技を当てる修行をしていた。
それから、チルノが私の横に寄ってきて、口に手をあてて。
「アイシクルフォール!!」
そう言い、分身とは違い体の中に直接攻撃してきた。
「んぃぁぁああ!!!」
一気に私が起こされ、すぐに。
「やっぱりこんなにざわついてるのはおかしいよ!退治しにいこう!」
「---すやすや。」
「アイシクルフォール!!」
「んぃあがぁあ!!!」
もう寝ることは出来なさそうだった。とりあえず起きて、詳しく話を聞いてみた。
「で、どうすればこのカ◯ジに出てきそうなざわざわ---は止まると思うのですか?」
「とりあえず、霊夢に聞いてみる!」
「霊夢に?わかりました。では、行きましょう!」
そう言いながら、心のなかではもう少し休ませてくれぇーとか思っていたが、なんかもう、どーでも良くなった気がした。
一気に手を掴まれ、走って外に飛び出した。チルノが少し照れてる気がするが、その事には触れないことにした。
「チルノ様。最近大ちゃんと仲良く遊んでますか?」
「うん!時々暇なときに遊んでるよ!やっぱり楽しい!」
「それは良かったです!」
色々と雑談をしながら霊夢を見つけた。何故か神社ではなく森の中をうろちょろしていたが、その事については聞こうとはしなかった---が。
「あ、霊夢だ~。」
「あら、チルノ達じゃない。2人もあれが気になったの?」
と、よくわからないことを言ってきたが、なんとなく想像はついた。どうせ、この状態だからあれしかないんだ。
「霊夢も気になったんだ~。あたいが気づいたんだよ!後ろの少年は気付かなかったんだ!」
「ちょ、チルノ---様?」
いきなり恥ずかしいことを言われ、全身ガクガク震えたが、意外とすぐに立ち直った。
「チルノ様---わ、私は気付いてないわけではないですからねっ?」
冷や汗をかきながらそう言い、霊夢がくすっと笑ったが、話はすぐに霊のことになった。
「霊といえば---?」
そう、私が言った途端、2人が同時にある単語を言い、すぐにそこに向かった。むしろ、今まで何でここに行こうとしなかったのかが不思議である。
そうして、稀にくる白玉楼へ足を踏み入れた。相変わらず怪しい雰囲気だが、やはり霊はいつもより多い。すぐに幽々子の元へ向かった。
しかし、おかしいことにいつもは庭で遊んでいる幽々子が庭にはいない。チルノだけが完全にここが犯人だと思っていたが、残りの2人はあらゆる可能性を考えていた。
「チルノ様、妖夢があの部屋の中にいます。怪しまれないように話しかけてみてください。」
ここで、純粋なチルノに行かせて、妖夢と遊ばせる作戦に出た。なんとなく、チルノも飽きてきたようで、すぐに走っていった。
「ねぇ、何を考えているの?」
一方で、霊夢は私が何を考えているか理解できていない。ただ、敵陣に突っ込ませてるだけの危険行為だと考えていた。
白玉楼にいるあの2人。よく考えたら、普通に遊ぼう!って言えば、おそらく敵扱いはされないだろう。
しかし、数分してチルノが帰ってきてしまった。何か怪しいことでもいたのか?理由を聞いてみると。
「妖夢、疲れてるようで寝ちゃってたよ。しかも、横に誰かが食べてたとされるご飯の皿が数十枚も---。」
そのように、チルノがぞくぞくしながら言ってきたが、信じられないと思い、1人で様子を見ると、その発言はどうやら本物みたいだった。
「チルノ様---。確かにそうですねー。」
「あれれー?妖精が言ったことをすぐに疑う人なんているわけないよねー!」
なんだか、いつもより気分が良いのか壊れてるのか分からないが、その分面白いちょっかいを出してくる。
「そ、そ、それはぁ。ごめんなさい!完全に疑ってました!」
「フフフ、このあたいにそんな態度をとるとは、良い覚悟だな---。くらえ、アイシ---。」
「チルノ様。ここで体力使ってはダメですよ?」
すぐにチルノの攻撃を止めた。というか、すぐ後ろが壁で逃げられないため、攻撃を止めるしか手段がなかったのだ。
「でも、幽々子は?」
そこに、いきなり後ろから、冥界の陰がやって来る。
「あらあら、3人揃って。良い感じのデートかしら??」
そう、幽々子が言うが、チルノはそんなことは無視して、一気に敵陣へ突っ込んだ。 終
次回もお楽しみに!
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第81話→この3人は命蓮寺行きです。とある奇妙な幻想郷噂!
「あたいがうるさくて何にも集中できないこの霊たちを倒してやるー!」
このようにチルノが言うと、私の力では止めることができない。しかし、幽々子にそう言っても、ただきょとんとしていた。
後ろで私と霊夢でこそこそ話していた。何を話していたかは、後でチルノに言うことにした。
「お前はあたいが倒してあたいがさいきょーな事を見せつけてやる!」
そう言うと、後ろで2人とも苦笑いしていた。なんとなくチルノがさいきょーと言うと面白くなる。それで、チルノが幽々子に勝ったあと、火炎玉を飛ばしたときの彼女の反応が楽しみになってくる。
そうして、チルノが一気に大食い選手権1位の前に立ち、倒そうとする。しかし---幽々子がチルノよりも早く上に上がってしまった。
「そこまで上がったなら---あたいも本気を出してやる!」
そう、格好つけて言ったが、残念なことに皆にはチルノが最初から本気なのはバレていた。そう、⑨なのだ!
「あらあらー、そんなに攻撃しないなら、こっちから行っちゃおうかしら?死蝶の舞!」
蝶々の事が嫌いな人が見たら1秒足らずで気絶するであろう程、たくさんの死蝶がチルノの上からやって来た。
「うっ---。ただ、あたいはこんなところで終わらないんだからねっ!」
楽しそうに避けていったチルノだが、意外と危ないことだっていくつかあった。蝶に囲まれて直撃間近な事だって、むやみに敵に近づくことだって。
でも。今、この瞬間。倒すと決めた敵なら、必ず倒して見せる!そうして、そうするために修行したから。今、この瞬間。一気に攻めようとするのだ。
「行けぇ、アイシクルフォール!!」
「はっ---!まさか!?」
ずっとチルノが移動していた理由、それは、色んな場所から攻撃するためだった。
「まっ---あらあら。そんなことも出来るようになったのね~。」
それから、幽々子が避けることはしなかった。というか、死蝶の舞とは圧倒的な差があり、避けることは出来ないと断言出来る出し方だった。
まだ飛んでいた蝶達は消え、同時に妖夢がチルノの前にやって来た。
「チルノ---さん。幽々子様を倒すなんて、流石です!」
半分驚きながら、半分褒めていた気がした。が、ずっと動き回っていたのか、かなり息が上がっているみたいだった。
「ふぅ---あり、がとう!で、後ろ、何か話したいんじゃないの?」
「チルノ様、気付いていたんですか?結構隠れてたはずですが---?」
「うん、分かりやすかったよ!霊夢もね!」
私だけでなく霊夢も呆然としていた。バレないように気を付けても、かくれんぼのようにいつかは見つかってしまう。数日前にチルノとかくれんぼをしたが、一瞬で見つかってしまった。
「へっへー、あたい、さいきょーへ近付いているね!」
霊夢が失神したことは置いといて、いきなりチルノが私の腕をぎゅっと掴んできた。それも、話そうとしない。
「今回の異変、全部あたいが解決するよ!」
「えっ---?」
自信満々にそう言われたが、あまりにも無理がある気がした。でも、前より少しだけ信じてみる価値はありそうだ。
「チルノ様、まずくなったら呼んでくださいね!」
「やーだ!」
冗談半分でそう言ったようだが、彼女がまずいかまずくないかなんて動き1つでわかってしまう。
それから、妖夢がチルノに一言使えたあと、白玉楼を降りていった。
「なんか、霊夢って毎回最初の方に気絶してますよね。」
「うん。」
なんか、白玉楼を降りたらチルノが急に静かになった。まぁ、どうせあの事だし、後でまた言うはずだから何も言わないようにしておいた。
しばらく歩いたが、何も起こらない。途中から霊夢が追い付き、しりとりでもしながら真っ直ぐ進むが、結局ついたのは寺子屋だった。
「あ、あたい---ここ、知ってる。なんで、寺子屋に着いたの?」
「さぁ、偶然ですかねー。」
そう言いながらも、寺子屋を通過していく3人。デートとまで呼ばれるが、全然そんなものではなく、ただの異変を解決するためにある行動なんて誰も思わないだろう。
「あたいね、ちょっと前には仏教ってやつを習ったんだー!」
「仏教?なんですか?それ---。」
私がそう言った後、皆静かに、半分白い目でこっちを向いてきたのは何故だろうか---?まぁ、なんでもないだろう。
「さぁ、チルノ様、どんどん行きますよー!」
何とかしてこの場の雰囲気を取り戻そうとしたが、仏教---?何それ美味しいのー?(^q^)とか思っていては論外だったようだ。
とにかく、寺子屋が見えなくなるまで歩くと、ある噂を聞いた気がした。しかも、なんか仏教とやらに関係がありそうだ。
その噂によると、ある倉や寺みたいな所に入ると、何故か誰も帰ってこないらしい。
「チルノ様、聞きました?」
「うん。これはドラマの殺人事件によく出てくる典型的なストーリーだよね。」
「ええ。私もそう感じたわ。寺から金を全て奪って、私は働かなくても!」
「チルノ様、放っておきましょう。」
「そう---だね。」
なんか壊れた霊夢(2回目)はさておき、その噂の倉や寺がどこにあるか聞いてみた。しかし、返答は誰に聞いても同じだった。
ずっと、ずっと、どこにあるのかさえ分からないわ。そんな事しか言わなかった。
ここで諦めるわけにはいかない。そう思った私は、ある作戦に出た。
今、地上にも霊はいるが、白玉楼を過ぎた辺りは静かな霊も、さっきよりすこしうるさくなっている気がした。つまり---。
「まって、まさか!ちょっとずつの変化を見ていって、場所を特定するの?」
実は、ここまで来るのにも霊の動きはしっかりと見ていた。ここからどの辺りに歩けば良いかなんて、すぐにわかる。
「さぁ、チルノ様。行きまーすよー!」
「うん!」
霊夢が復活(2回目)して、また3人で歩いていたが、場所が分かったとなると、しりとりをしていた事なんて完全に忘れていた。最後にチルノがアゼル◯イジ◯ンとか言って、霊夢がぶっぶーですわ!とか言ったこと以外---。
そんなことは気にせず、予想していた場所に向かうと、ますます霊の動きは怪しくなる。ただ、霊ではなく霊夢の様子は今はおかしくはない。
「この辺りだと予想したのですが~。」
私が指を向けたほぼ延長線に、なにやら怪しい建物があった。
「ねぇ、もしかしてあれじゃない!?」
チルノと霊夢が同時に言ったが、あまりにも怪しい雰囲気が漂っていた。
そこに、なにやら看板があった。右から行ってみたが、そこには命蓮寺と書いてあった。
さらに少しだけ進むと、今回もいよいよ怪しい影がやって来た。
「あら、いらっしゃい。こっちと一緒に仲間になるの!?一緒に命蓮寺に入門するの?」
そう言ってきたが、私は前に出ようなんて全く考えていなかった。何故なら---。
「あたいはチルノ!さいきょーの妖精だ!」
そう、自身では言っていたからだった。 終
次回もお楽しみに!
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第82話→寺の幽霊煎餅事件!忘れ去られた敵---?
「あたいが倒すんだ!」
思っていた通りに、チルノが前に出た。これで自分はゆっくり休めるー!とか、心の中で全く思っていないぞ?勘違いしないでよね!---。
まぁ、そんなことはともかく、いきなりこんな怪しい場所について、3人とも冷や汗をかいていたが、チルノが勝負ムードになると、急に止まっていった。
前線に立ったチルノだったが、今日最初に戦ったのが幽々子だったから、かなり上から目線で敵を見ていた。
「私は幽谷響子。確かチルノって言ったわね。妖精のようだけど。」
「あたいはさいきょーのチルノだ!」
なんかよく分からないが、多分---昔とは違い自分の事をさいきょーだと信じているのだろう。
そんな中で、霊夢と私でチルノの事は全く心配せずに雑談をしていた。チルノに会って何年経ったとか、彼女と勝負したらどうやるとか---。
前者についてはもうよく分からないが少なくとも3年くらいは一緒だと。後者についてはその日の体調とやる気次第だとは伝えておいた。
15秒して、霊夢がいきなりフフッと笑ってきたが、きっと後者が嘘だとバレたのだろう。
こんな感じにテキトーに話している間に、すぐにチルノが戻ってきた。
「あ、チルノ様。如何でしたか?」
「結構楽勝だった!なんか前より体が軽い気がする!」
そう言ってきたが、よく見たら左手に軽い怪我をしていた。ただ、本人はまだまだ動けそうだし、見つめるだけにしておいた。
「ところでさ---。」
いきなりチルノの声がちょい低くなった気がした。が、それは事実だった。
「ところでさ---。なんで、煎餅食べながら待っていたの---?」
そう、2人で呑気に煎餅を食べながら色々話していたのだった。どうやらチルノも食べたかったのかもしれない。
「あ---。チルノ様。ちょ、ガチでぶっ倒すとかやめ---。」
「アイシクルフォール!!」
いつも通り---。いや、今日は霊夢も一緒に0距離でアイシクルフォールを受けた。
2分ほどして、いつもの冷たい攻撃が止まった。その頃にはもう共に白目を向いて倒れていた。
更に2分ほどして2人共回復した。なんか鳥肌だけはおさまらないが、まぁ---大丈夫だろう!
それから、すぐに立って、また命蓮寺の方へ進んでいった。
「ねぇねぇ、終わったらあたいにも煎餅食べさせてよね!」
「それまだ考えていたのですか?」
「うん!」
そうやって煎餅の話をしているうちに、またまた次のミッションがやって来た。別にインポッシブルな敵では無さそうだった。
「ねぇねぇ、またあたいが倒すー!いいよね---?」
そう言われたが、拒否するしないを言う権利さえ無さそうに見えた。
「お気を付けて下さいよ---?今怪我したら後半どうなるかわかりませんからね---?」
そう言うと、チルノは嬉しそうに敵退治を再開した。なんか---また後で嫌な予感がしそうなのだが---。まぁ、それは気のせいだろう!
それから、よく見ると相手は何やら怪しいものを持っている。傘のように見えるが---。きっと何かの武器だろう。
「あたいはチルノ!さいきょー過ぎて男子が一日に1000人以上寄ってくるほどの天才だ!」
なんだか段々自己紹介が壊れてきているが、そんなことはどーでも良い。ただ、チルノが無傷で帰ってこれることを望んでいた。
「私は多々良小傘。よくからかさお化けって思われてるんだけど、まぁ。そんなもんかなぁ。って、前に会ったような?」
攻撃する前から不気味だと思うのは当たり前のように、怪しげな雰囲気を散らしていた。
その頃、私は---。
「ひっ---幽霊やんっ。に、逃げなきゃ食われるー!」
そう、昔から私は大の幽霊好きだった。折角煎餅を食べながら待っていたのに、その楽しみが台無しにされた気がした。
「うわぁ---。あんた幽霊苦手なの?」
霊夢からそう言われたが、何も返せなかった。だって、本当に苦手なんだし---。
ずっと幽霊を見たら夢に出てくるから嫌だと思ってきたのだろう。なんとなく脳内に幽霊は怖いものです~。と押し付けられている気がする。
しかも、今回はただそこら辺に現れる幽霊ではなく、なんらかの能力を使えるからかさお化けだ。更に怖いのは当たり前だろう。
「チルノ様---。早く、たおして---!」
そういう願いが届くか届かないかは、今までの練習の成果を出せるか、チルノにかかっていた。
「フフフ、一気に倒して1人で異変解決!そういう風に幻想郷で話題にさせるんだ!アイシクルフォール!!」
いきなり攻撃を仕掛けるが、相手もすこしは避けていった。流石に5秒で終わる敵ではなかった。本気を出せばわからないが。
そういえば、多々良小傘。今更だが、どこかで勝負したようなしてないような---。ただ、倒した相手の事なんて一晩で忘れてしまう。
「アンブレラサイクロン!」
色々話していたが、いきなり攻撃をしてきた。しかし、チルノだってそんな攻撃で地面に落とされる訳にはいかなかった。
「フッフッフ---後ろ、見てみなよ。」
そう言って、チルノが挑発してきたが、流石に小傘ものるわけがない。これにのるのはシラフとは程遠い魔理沙位だろう。
「そんなことには引っ掛からないよー!って、ぶふっ!---う、そ。」
しかし、よく見たら後ろからも攻撃出来るように避けていたのだ。これは、私が昔教えたものだった。そう、相手を油断させて死角から攻撃して勝ってしまおう大作戦だ!
「ぐっ---。」
そう言って、小傘は地面に落とされていった。
「やったー!今回は無傷だー!」
勝負する前も笑顔だったが、今はその倍はある。あの最後の後ろへの警戒感を消す技は、簡単ではない。上手く成功させているのには驚かされたが---。
「えへへ。あたいさいきょー!って---ねぇ。な、何してるの?」
あまりにも幽霊が苦手なため、ずっと後ろを向いて体がふるふる震えていたらしい。
「大丈夫。あたいが倒したよ!怖いなら、あたいの背中に乗ってよ!おんぶしてあげる!」
気遣いは有り難かったが、流石にそれをされるとこちらが情けない気がしたので拒否した。それから、今度は霊夢の方を向いた。
霊夢の方を向いて3秒ほどして、急にチルノの顔が変わった。
「そ、その---煎餅ー!」
「まって、チルノ。私だけじゃなくて彼も食べてたわよ!」
「霊夢ぅぅぅぅううう!!裏切ったなぁぁぁぁあ!!!」
そのときのチルノの目が、さっきの500万倍暗い感じがする。これからどうなるか大体予想していた。もちろん、その予想は的中した。
5分後、2人は一緒に地面に突き刺さっていた。私たちが回復するまでに、チルノがゆっくり煎餅を食べていたらしい---。 終
次回もお楽しみに!
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第83話→限界へ挑むチルノ!幽霊出る危ない寺?
煎餅を食べていたらチルノにやられ、回復したあとの事だった。更に命蓮寺の奥に入っていった。
「ねぇねぇ、煎餅は終わる前に食べちゃったから終わったらさっきの100倍の威力でぶっ倒しても良い?」
嫌です!と言おうとしたが、これどんなに足掻いてもダメなやつだと思い完全に諦めた。
チルノがそう言ってから10秒ほどして、急に笑いだした。まぁ、きっと冗談だったんだろうと思っていたが。
「まぁ、帰ったら覚悟しておいてね!」
完全にやる気モードになっていた。もう何とかならないかなーって考え、脳内フル稼働だった。
「チルノ様、別に私にちょっかい出すなら構いませんが、流石に殺しはしないでくださいよ?」
そう言った瞬間、またチルノがさっきと同じ行動をした。
「そんな、覚悟しておいてねって、冗談だよ!」
「ふぁぁあ---びくったぁ---。」
リアルガチでチルノのジョークに引っ掛かっていた私だが、そう話しているうちに目の前に敵が現れた。
「おっ---チルノ様。行っちゃってください!」
さっきと似ていて、幽霊ぽかった。でも、さっきよりは怖そうなオーラを放っている気がした。
相手は、手を前にだし、変なお札が頭にある。もう、幽霊が苦手な私にとっては今すぐ部屋に戻りたい状態だった。
「私は宮古芳香。キョンシーって言われてる。」
チルノが足を1歩引いたが、私はきょとんとしていた。
「きょ、キョンシーってなんですか?」
「ええええええええ!!!」
皆にバカにされてるような感じに叫ばれた。というか、キョンシー知らない私は論外だろう。
「キョンシーってのはね、中国にいて、噛まれると色々起こるんだよ!」
「色々?」
「---もうだめだ。諦めよう---。」
⑨にまで⑨風に扱われ急に悲しくなってきた。
「チルノ様---。」
もう、本当に帰りたいと思ったのだが、ここでいつもの私が飛び出た。どっちに行けば良いのか分からなかったのだ。
少し周りを歩いてみたが、残念なことに更に迷子になった。
1分ほどして、霊夢のお札が落ちているのを見つけて、その方向をたどり何とかもとに戻った。
「はぁぁぁあ---ありがとうございます---。」
「もう、気を付けるのよ---。」
確かに、霊夢には助けてもらった。ただ、チルノが勝負しているうちには煎餅を食べ、来たらこっそり隠すズル技には納得いかなかった。
私は、チルノがいるときでもいないときでも同じ行動をとる。昔からそう思ってやっていた。意外と難しいことではあるのだが。
チルノだって、私が変な行動をしたらすぐに見つけてしまう。そのあとは---アイシク---。いや、これ以上は負の遺産だ。
「あたいだって今までたくさんの経験を積んだから、中国に現れるキョンシーには負けない!」
「そうかいそうかい?」
笑いながらそう言ってくるその不気味な姿。本物の幽霊そっくりだ。
「ねぇ。1秒で倒されるのと、5秒で倒されるの、どっちが良い?」
そうチルノが挑発して見たが、相手はその言葉を完全に無視した。どうやら、そんなことにはのらないようだ。
「ふぁぁ---。」
どうやら、今までとは違い強そうな敵が来て、面倒くさくなったようだが、普段通り---。
「アイシクルフォール!!」
そう言い、まずは脅す程度の強さで攻撃したが、全く脅しているようには見えない。相手は幽霊。脅しのプロだ。
「だったら、パーフェクトフリーズ!!」
「ぬぁ!?」
一気に攻撃したおかげか、2回目は直撃した。どうやら、思ったより移動速度は鈍い。
「よし、あと1回当てれば勝てる!」
そう思った直後だった。相手も何も攻撃せず終わるわけがない---が。
「なら、ヒールバイデザイア!」
普通に攻撃してくる。そこを返り討ちにしようと考えていたのだが、相手がとった行動は、回復。
今まで回復してきた敵なんて見たことがないチルノ。幽霊を見ている時以上に焦っていた。
「硬直してるね、ポイズンレイズ!!」
今度はちゃんと攻撃してきた。が、時すでにお寿司!---じゃなくて、時すでに遅し。ガタガタ震えて避けることが出来なかった。
「うわぁぁぁあ---!っっ---。」
前に浴びた手のにあわせ、全身傷だらけになっている。もう、これ以上は厳しいか、そう思っていたが、彼女だってこんな所で終わるわけがなかった。
「あたいは、一人でこの異変を解決するんだ!!ソードフリーザー!!」
最近修行しているうちに覚えた技だったが、まだ使いたてなのに申し分ない威力だった。
「まっ、こっちだって軽々動けなぃぅぶふぅ---!」
世界の果てまで行ってしまった敵だったが、何とか勝つことができた。
「ふぅ---あたい、ここが限界---かも。」
そう言いながら、余裕そうな顔をしていた。
「チルノ様、もう2戦は行けますよ!」
そう言いながら、更に奥へ行こうとしたが、目に見えるところにまた誰かいた。
「yeah!私は霍青娥よ。よろしくー!」
なんだか、さっきよりかは陽気なのがやって来た。意外と敵には見えないが、まぁ---流石にここまで来て私は味方よ!とか言うことは---。
「あたいはチルノ!で、後ろの2人が---。」
「私はタケノコ。なんかよく分からないけど彼女のお助けさんです。」
「博麗霊夢。言っておくけど、あなたと勝負する気はないわよ。そこの水色の妖精さんが何とかするわよ。」
「すぐに私を敵扱いしちゃうのね~。」
霊夢からもちょっと挑発してもらったが、反応なし。かなり穏やかそうに見える。
それから、敵も少しやる気スイッチがオンになったようだ。
「2人とも、後は任せて!」
そう言うと、暗黙の了解を得て、2人とも後ろに下がった。
さっきの試合で、少しチルノも疲れ気味に見えるが、本人だって必死なんだろう。わざわざ下がっていなよとか言うわけにはいかなかった。
「あたいだって、ここで終わりやしないよ。アイシクルフォール!!」
さっきの勝負よりも強力なアイシクルフォールをかましたが、上手く上に避けられてしまった。ここまでは想定はしていた。
「ふぅ、小さい体でそんなに強い攻撃を出せるのねー。結構修行したのね---。」
なんだか敵に褒められても全く嬉しそうな顔はしていなかった。だって、いきなり攻撃されたのだから。
「フフフ、ヤンシャオグイ!」
「うわぁぁあ!!」
普段なら倒せそうな敵だって、さっきのvs宮古で動きが遅くなっていた。
「ううっ---。」
本人も、流石に心が折れそうになっていたが、頑張って立ち上がった。
「まだまだ倒れないなんて、相当修行したのねーー。」
「敵であるお前に言われたくはないっ---!」
チルノの心が覚醒した。 終
次回もお楽しみにゃんにゃん!
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第84話→遂に体を動かせる!?数週間前との絆---
「あたいだって、こんなところでは負けていられない!」
完全に身が入るチルノ。青娥もちょっとはがむしゃらになっていた。
面白いほどにガチになる時は真面目になるが、大体そうなったときは敵を昏倒させるまで攻撃を仕掛けてしまう。
「パーフェクトフリーズ!!行けぇ!」
「こっちも、ゾウフォルゥモォ!」
「うわぁぁああぁぁぁあ!!」
昔---。いや、数週間前だろうか。私が昼にチルノと勝負したことがあった。このときに、チルノの真面目さを思い知らされた。
「よし、昼なら勝てるでしょ!行くよー!」
最初は微笑していたチルノが、本気になったせいか笑顔がその5倍になった気がした。
それに対して私は、ゆとりを持って勝負しようとしたのに、なんだか怖くなってきた。
最初の事を考えていたが、どうせ一気に終わらせてしまうのだろうと考えていた。
「---どうしようか---。」
そう考えていた私に、一気に氷が迫ってきた。まずはそれを対処しようと、急いで避けていった。
だったらチルノのようになれば良い。そう考えて、私がとった行動は---。
「行けっ、火炎玉!!」
「ちょ、近距離でいきなり打つのは良くなブハッ!」
そう言うと、チルノが数メートル先に飛んでいった。少し、いや---かなり彼女の事を気にせず本気で打ってしまった。もし0距離で打ったら---溶けていただろう。
「うっ---がふっ---ごほっ!」
チルノが悲鳴をあげている。すぐに自分で治そうとするが、流石にどうすれば良いか検討がつかない。
しばらく考えた挙げ句、彼女の部屋を超絶怒濤に涼しくして、そのなかに入れておくことだった。
その行動をしたおかげか、彼女の怪我は少しずつ回復へと向かっていった。
「ふぁぁ---さ、流石に痛かった---よう。」
「チルノ様、申し訳ありませんでした!」
彼女が窓から見える半分ほどは白に染まっている空をしばらく眺めていた。ただ、西にある黒い雲を見ることはなかった。
「あたいの要求聞いて?」
急に頬を染めるチルノだった。無論、その条件を飲まないわけがない。
「手、繋いで?」
「---はい。」
妖精の要請を受け入れてあげた。
「うわぁぁああぁぁぁぁあ!!」
「どうやら、ここで終わりのようね。」
チルノが、数メートル先に飛んでいった。途中途中に紅血がたらたら流れてしまっている。
その瞬間を、誰もが黙って見るわけにはいかない。友達が倒れているのに、無視するわけには行かないのだ。
「はぁ---やっとこっちの出番かっ!」
正直、ずっと煎餅食べながら、彼女の事を見守っていたため、体が動きたいと嘆いていたのだ。
「あらあら、今度は見守りさんなのねー。良いわよ、何分でも付き合ってあげるわ!」
大体ではあるが、相手の力量は分かっている。つまり、どのくらいで行けば楽しめ、かつ早く終わるかなんて考えていた。
「もう---トンリン芳香!」
体内時計が急に止まった。それから、動き出すと同時にそれらの攻撃を避けたり、片手で受け止めたりした。
明らかに焦燥感を抱く敵。いきなり攻撃したのに、余裕で受け止めるその姿が許せなかったのだろう。
それに比べて、これから反撃をしようとする私。緊迫感なんて存在していなかった。
「じゃ、これで終わりで。火炎玉!」
チルノの時よりも大きく、強く、硬い攻撃のはずだったが、ギリギリの所で避けられた。
真剣になっているときの顔を見てみれば、何を考えているかなんて一目瞭然だ。
はじめは私も一進一退の攻防かと思っていたが、それは1対1の時の事だった。奥から声が聞こえてくる。
「夢想封印!!」
「はっ!?」
気付いても、気付かなくても、今の状態で攻撃を避けるなんて出来っこない。
「はいよ、チェックメイトっ!」
どこまでも美しく輝く夢想封印の光の後に、氷の妖精のもとへ近寄っていった。
彼女は---死んだ---ふりをしていた。
「チルノ様、大丈夫でしょうか?」
そう言っても、彼女からは返事がない。いくらふりとはいえ、ここで大丈夫だよー!とか言ったら、遊びの意味がない。
どうすれば良いか考えた結果、辿り着いたのは。
「こちょこちょー。」
「うわぁぁー!」
何か笑ってくれそうな刺激を与えることだった。予想通り、彼女は手でくすぐったい所をおさえながら笑っていた。
「ふぅー、あたいやっぱり1人じゃだめだったよ---。」
そう言う瞬間から、急ではないが、彼女の顔が西の空のようになっていった。
ただ、私たちの顔は東の空のようだ。ただ、私たちは空の事なんて上の空。ただ前の妖精を見つめていた。
「あたい、これ以上頑張っても、体力作れないんじゃない---かな?なにやってるんだろう。あたい。ばかだよね---。」
言い方的に、疑問文にはしていなかった。ただ、雲を越えて捕らえる筈が捕らわれている蜘蛛のように動きさえも見せなくなった。
なんだか、刹那の悪夢に捕らわれているようだ。どうにか慰め、褒めなければいけないと感じ取った。誰もが雰囲気だけでわかるであろう。
「ねぇ---。」
急に頬を染めるチルノだった。
「手、繋いで?」
当たり前のようにぎゅっと握りしめたチルノの手が、いつもより冷たかった。
これで良いかとか聞くことはなく、彼女が嬉しそうにしていた。
しかし、このままふわふわ気分でいる余裕なんてどこにも存在しない。まだ、ここを制覇したわけではないのだから。
確かに、ずっと手は繋いでいた。が、私の緊迫値は勝負の時より高い値を見せていた。次の相手の強さがわからないからだ。
「そういえば、タケノコ君は---なんでそんな風に強い技を出せるの?」
さっきよりも顔が真っ赤になっていたが、それよりも気になったのが、タケノコ君という言い方だった。
「チルノ様---なぜ私をタケノ。」
「だって、その方が可愛いかなって思って---。」
そう言っている彼女の方が可愛かった気がした。
「強くなる方法ですか?本気で自分を襲ってきた相手には情けはかけないですね---。」
そう言うと、チルノが不思議そうな顔をしていた。
「相手が、仲間だったら?」
そう質問してきた。素朴なのに答えるのが大変そうな問題を出されて、慌てぎみだった。
「その人を使って敵を欺く。とか?」
ゆっくり歩いていたが、これ以上呑気に雑談している暇は無さそうだった。
「あ、チルノ様。次の勝負、やって来ましたよ?」
「うん!」 終
重大発表
このシリーズ、100話ぴったりで完結です!最後に現れる敵は、まさかのたくさんの一般人!?この先もお楽しみに!
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第85話→炎天下の闇風に渡る---曇る命蓮寺!
「チルノ様、本気で行きましょう!」
「うん!」
まだ敵情報なんて分からなかったが、何故か徐々に暗くなるこの場所。どうやら、少しずつ雲が出てきたみたいだ。
2人とも、いや、霊夢を入れて3人とも怪しいと思うのは当然。だって、嫌な雰囲気を出しているのだから。
「あいつ、死神か?」
そう私が思っていたが、相手はどうやら死神ではない。どうやら、蘇我屠自古という亡霊らしい。
「チルノ様、さっさと終わらせましょう!」
「うん、アイシクルフォール!」
まぁ、いきなり攻撃しても、大体避ける準備はされているだろうし、全く当たらなかった。敵もちょっとずつ攻撃してくる。しかし---、
「闇色ドラゴン、召喚!」
空が暗くなる。それは、私が本気になれるということでもあった。一気に龍を出して、この暗き場所では本気を出そうと考えた。
「行けぇ、火炎玉!」
どうやら、本気になりすぎたようだ。四方八方を越えて、ありとあらゆる方向から出される火の玉は、避けることはできなかった。
「はい、チルノ様。さっさと次行きますよ?」
そろそろ終わらねぇかなー。とか、心の中で思っていたが、そんなのまだまだ遠いかもと、最悪のケースも思い浮かべていた。そこに---、
「ほう、屠自古を倒すとは、お主らやりおるのう---。」
次の敵を探す暇が省けたが、やはりさっきよりは強そうだった。
「我は物部布都。お主らの名はここに入るときにこっそり聞かせて貰ったぞ。」
どうやら、どこかで会話を聞かれていたらしいが、過去は過去。聞かれたならその情報が出回る前に倒せば良いと考えていた。
「別に、何で仏教とか信じてここに入ったのさ---。」
そんな風に疑問を抱いた私だが、彼女は意外な答えを出してきた。そう。仏教への反対意見だった。
「我は仏教など好ましくないと思っておる!」
そう話していたが、突然---。
「んっ---?」
私が、何か奥に滅茶苦茶強そうな物がいると感じ取った。しかも、一気に力を増してくる。何かあったのだろうか。
「ふぅ---。チルノ様、霊夢っち、いきますよ!」
「ちょ、霊夢っちって何よ---。」
なんとなく喜んでくれるかと思ったが、嬉しそうでなかった。
私とチルノが出会った日から、
「あたいの世話をしたら、そこから解放してやる!」
「はぁーあ---わかりましたよ---。」
そう言って、2人での生活が始まった。
「さぁ、今日も修行ですよ!」
「はーい。」
最初は、あまりなれずに、大変な日々を送っていた。
「じゃあ、今日は教科書の185ページ、文章題その4ですよー。」
「さいきょーのあたいに任せておいてよ!」
でも、ちょっとずつ慣れていくものなのだ。
「行けぇ、アイシクルフォール!!」
「---おっ、上達しているじゃないですか!」
「やらなきゃいけないことは、やってみるんだよ!」
そう、チルノが言ったことは今でも覚えている。
でも、彼女の言い方的に、何か深い理由があるのだろう。もし辛い出来事だったらと思い、敢えて聞かないようにはしたが。
「チルノ様、彼女、何か心に深い傷を負っているようです。最近出した技で傷つけすぎないように。」
相手に聞かれないようにこっそり伝言を言い終わらせた所で、チルノが一気に相手を押さえつける。
「なにっ!?」
相手が一瞬怯んだうちに、チルノが腕、足を完璧に掴む。それから、動けないようにして---。
「ねぇ、何で---嫌なの?」
「な、なんの話だ。我にはやらなきゃいけないことがあるのだ---!」
そう言っていたが、その言葉の意味を考えると、明らかに私たちを倒すという意味では無さそうだった。
「ふぅーん、どうやら、神霊たちのせいで無事に花見が出来ないことが嫌なんですねー。」
「お主---なぜそれを!」
私が、こっそりと前の敵から色々と聞いてみたのだった。暗き場所でも桜と共に神霊が舞う。
いつのまにか、神霊が増えてくるこの場。それも、奥から怪しい気配が見えた瞬間から増えているのだ。
私の分身を利用したことをしらない敵は、どうやらガチモードになってしまったようだ。
「我は戦う。雨の磐船!」
そういって、無数に降り注ぐ攻撃を、チルノが当たり続けながら、私が反撃をし、霊夢が後ろに回った。
「いたいよー!助けて!」
そうチルノが叫ぶ。が、助ける人がいない---わけではない。昔と違い、私と霊夢が一気に助けに向かう。
「チルノっ!」
そういって霊夢が急いで妖精を抱え、攻撃を避けていった。
「あ、あ、ありがとう。」
「チルノ---あなたも色々と変わったのね---。」
「うん---。」
私がずっと攻撃しているのを、チルノがそっと眺めていた。毎日のように顔を赤く染めている。
「はぁ---我は邪魔物は許さないっ---廃仏の炎風!!」
「行くぞっ、闇色ドラゴン、炎天下の闇風!!」
もともとこの技はチルノの攻撃を受け止める為に、自分の手前に出しておいたものだが、それを応用して作った。
「うっ、なんて、パワーっ。」
そうして、布都を倒した---が、やっとのことでラスボス的な物がやって来た。
「今日も、神霊たちがたくさんやってきたなぁ---。」
そういって、聖人が階段をゆっくり、下ってきた。どうやら、寝起きのようだ。
「私は豊聡耳神子。」
そう言うと、さっきまでクタクタだったチルノが急に起きて---、
「おい!あたい達の花見の邪魔をするな!」
「邪魔?私はしてませんよ---。ただ、そこら辺の神霊達がうるさいのです。」
「お前がそれを引き寄せてるんだな!行けぇ、アイシクルフォール!」
なんとなくすぐに攻撃するチルノ。しかし、相手も名誉がある敵だ。そう簡単にやられはしない。
「十二階の色彩!」
今までとは速さが違い、チルノも一瞬でノックアウト。それを止めようとした私も、数発が体に当たり、一気に地面に突き落とされた。
残りは霊夢、ただ1人だった。
「なんで私がやらなきゃいけないのよ---。」
そういい、1メートル、また1メートルと、神子の近くに巫女が近づく。
「ゆくぞ、日出ずる処の道士!」
「夢想封印!」
ほぼ互角にみえたこの2つの技だが、霊夢はそんな相討ちで終わらせることはしない。
「後ろまで、見なきゃね?」
「なにっ!?」
目の前が光に包まれ、うるさくしていた神霊が逃げていった。
「うっ---がフッ。」
そうして、曇っていた空が明るく、太陽が出てきた。私の龍が動けなくなり、私がしまってあげた。
「神子、なぜこんなことになったのよ。」
私とチルノが出会った頃よりも圧倒的に前の話になるという。1000年以上も前に封印されていたが、何故か復活してしまったとのこと。
「で、なんで復活しちゃったのよ。」
その理由は、誰にもわからないという。
「さ、色々迷惑かけて悪かったわね、貴方も神社に戻ればどう?」
そう、静かに伝えられると、命蓮寺を後にした。綺麗に咲き誇る花を見ながら。
帰り道に、人里の人達に色々質問されたが、途中からめんどくさくなって来たのはしっかり覚えている。
そうして、部屋に戻って---。
「チルノ様、暗き地には謎が多いですね---。」
「というか、人里の人も大変だね---。」
その頃、命蓮寺では---。
「綺麗な花---。」
布都が一人で花見をしていた。
「春の化粧は桜に決まり---。」 終
次回から新章!妖精大活躍!お楽しみに!
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第Ⅸ章→妖精達の大戦争!?魔法使いもご一緒に---
第86話→フレンド妖精とイタズラ妖精!荒らしには罰を!
「いくよー!アイシクルフォール!」
「ぬっ---ぐふっ!」
「どうだ!これでさいきょー間違いなしだ!」
「まだまだ足りないですねー。」
いつも通り、チルノが修行をしているが、鬼監督タケノコ、かなり厳しく判断をしている。もちろん、今のままではさいきょーなんてほぼ遠い。
毎日最低30分は修行に付き合っているせいか、今日チルノが好調か不調かなんて攻撃を受けた瞬間わかる。
今日は久々に氷に吹き飛ばされてしまった。いや、3日前もだった。もう、彼女に言えることなんて算数位になってしまったかもしれない。
今日の練習が終わり、休憩にはいると、チルノが外にでた。
「ねぇねぇ、外で遊ぼうよ!」
「え?いきなり---ですか?」
「良いでしょ?ね?」
なんでたった2人で外で遊びたいかはわからなかったが、チルノがそうしたいようなので、一緒に遊ぶことにした。
いつもより遠くの、森の方で探検をしたり、鬼ごっこをして遊んだりして、夕方になるまで一緒にいた。
「さぁ、帰りましょうか?」
「うん!」
そうして、いつもの部屋に入ると、なにか景色が違うことに気付いた。
まず、入り口のドアが壊されている。それに、中も荒らされている。
「え?え?え?---なにこれ---。」
更にチルノが上を見ると、屋根も完全に破壊されていた。チルノがすぐに原因を突き止めてやろうと動き出した。
「これが自然に出来るなんてあり得ない。犯人探し、手伝って!見つけたら生かした捕まえてきて!」
「私も許すつもりはありません。すぐに捕まえます!」
しかし、この日は分身も消していて、防犯カメラとかもなく、いつ誰に壊されたかなんてわからない。手がかりが全くなかった。
捜査は途方に暮れるばかりだったが、ある噂によると、幻想郷が荒らされまくっているという話になった。
ある人曰く、強さを証明しようと考えているのではないかとか、また別の人曰く、たまたま自然現象だったのではないかとか---。
ただ、この部屋は明らかに風の影響は受けにくい所にある。自然で壊れるなんて不可能な荒らされ方だった。
「あたいたちの部屋を荒らすなんて---どんな理由でも許せない!見つけたら1000年間監禁してやる---!」
怒ったチルノがハチャメチャに怖いことを言ってくるが、大体自分の家を勝手に荒らされた人はこうなるだろう。
私も、この時は同じ事、いや、それ以上の個とを考えていたが、少し落ち着くと、考えがちょっと改まった。
しかし、絶対許さないというこの言葉は頭から全く消えなかった。
「ねぇ、なんでこんなことをしたと思う?」
「チルノ様---申し訳ありません---。全くわかりそうにないです---。」
「そうだよね---。でも、絶対に許さないっ。」
超高速で霊夢のところへ行き、手がかりを聞きに行った。
神社についたが、霊夢も少し落ち着きがないようだ。なにかあったのかと思い、少し聞いてみることにした。
そうすると、いつもは聞かなさそうな珍しい言葉を言ってきた。
「魔理沙が、家に来ないのよ---で、2人はきっと別のあの異変の事を聞きに来たのでしょう?」
どうやら、霊夢もこの事に関しては知っていたようだ。
「とりあえず、神社に入って。」
そうして、神社の中に入った途端、目を疑う光景があった。それは、一度どこかで確認できたあの荒らし方だった。
「こ、これは---。」
「幻想郷の見回りをしている最中よ---。」
ここまで落ち込んでいる霊夢を見たことは一度もない。相手が強そうで、怖くなってきた。
ただ、チルノの意志はダイヤモンドより堅く、相手が永琳より強かろうと捕らえてやろうと思っていた。
「で、チルノ様。手がかりがひとつ増えましたが、東西南北、どっちに進みますか?」
正直、奇跡的にこっち!といっても、見つかる可能性なんて殆ど皆無に近い。ただ、彼女が決めることを信じたい。そんな自分がいた。
自分中心にならず、人の状態も聞き、どうすれば良いか考える。チルノだって、同じ事をしているはずだ。
ただし、あてもなく探すこの作業は辛いため、まずは大妖精に話しかけることにした。
「どうしよ---このままだと、幻想郷が荒らされていく!」
そう考えているうちに、大妖精に会ったが---彼女の様子がおかしい。
「チルノちゃん。またいたずらしたでしょ---?」
「だ、大ちゃん?」
大妖精の部屋もチルノの所並みに荒らされていた。どうやら、彼女はこれをしたのがチルノだと勘違いしているようだ。
「チルノちゃん。また昔のように荒らしちゃって---。」
「違うよ、これは---。」
「これでチルノちゃんを倒してやる!えいっ!」
いきなり大妖精がチルノに攻撃を仕掛ける。仕方なく避けていく氷の妖精だって、攻撃されたら止めるしかない。
「大ちゃん---ごめん、アイシクルフォール!」
どうすれば良いか困ってしまったが、とりあえず落ち着かせないといけない。その為には、攻撃仕返すしかなかった。
「うわぁぁぁあ!!」
そのままチルノが大妖精を捕まえる。
「うっ---。」
「大ちゃん、あたいたち友達でしょ?こんなことするわけないじゃん---。信じて?」
「チルノちゃん---私はなんてことを---。友達を攻撃するなんて、友達失格よね---。」
大妖精を止めようとした私も、ここは妖精の勘に任せることにした。今はチルノと一緒に戦うのではなく、彼女を見守る事が重要だ。
「ふぅ---チルノ様。彼女はどうするのですか?」
これから何を言うか分かっていたが、念のため聞いておくことにした。
結果からすると、思っていたことと何も変わらないことを言ってきた。彼女の部屋を一緒に掃除してあげた。
もしかすると、彼女が何か知っているかもしれない。この事について聞くと、ちょっとした手がかりが出てきた。
「相手もきっと、妖精よ。姿は全くわからない。私じゃ何も出来なかったの。だから、もしかしたら、チルノちゃんなのかもって。」
「そうだったのですか。友達に悪戯されることなんてよくあることですよ?でも、相手が友達に思ってないことなんてないですよ?」
無言空間が続き、最後には私とチルノで別の場所を探すことにした。
大妖精も一緒に行きたいと行ったのだが、彼女も少し怪我をしていて、何かあったら怖いから部屋で安静にしておくように伝えておいた。
「あっちから、視線を感じる。妖精らしい。」
チルノがいきなりそう言ってきた。もしかしたら、何かあるのかもしれない。急いで、そっちの方へ走っていった。 終
次回もお楽しみに!
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第87話→チルノ。妖精の神となれ!
では、今回もゆっくりしていってね!
チルノの妖精の勘を信じ、そっちに向かうと、何やら怪しい森に入っていった。
前に永遠亭に行った時とはまた別の森。何やら、誰かが進んだ跡が見えなくもない。
それから、しばらく進むと、ある物を見つけた。
「この辺りの木---切り倒されてる。どうして、こんなことまで---。」
更に奥へ進むと、いよいよ本命となる者が見えてきた。見た感じ、3人組の妖精だ。
何か企んでいるようだが、妖精に妖精を送ると気配を感じ取られそうな為、自分1人でこっそり見ることにした。
ギリギリ話し声が聞こえる辺りには来たが、どうやらバレてはいないように見える。
「何を、考えている---?」
証拠としてボイスレコーダーもポケットの中に入れ、彼女達の話を聞いていた。すると---。
「じゃあ、次は地底の前で!」
「決定ね。」
今の部分だけだが、良いタイミングでこれたのか、何をするかは完全に聞き取れた。ここで止めるか、地底で止めるかは迷ったが、地底に行くことにした。
理由は2つ。もし今の話が遊びの話だったらと、相手が本当に何かするなら、全員の強さが分かるからだ。
急いで地底の前に行き、木の上に乗って待っていた。
すると、やはりあの3人組が来た。上からこっそり覗くチルノと私。
チルノが我慢の限界に達したのか、私に一言いって下へ行った。
「あたいが勝って帰ってきたら、妖精の神って呼んでよね。」
「ゆっくりきゅっとしてどっかんしてきてくださいね!」
「うん!それと、相手が動揺しそうなタイミングで入ってきて!」
そう告げると、チルノが下に降りて、敵達が臨戦態勢に入りかけるが、なんとかバレないようにこらえる。
「あら、妖精さん?こんにちは、私はサニーミルク。」
「ルナチャイルドよ。」
「スターサファイア。あなたは確かチルノね。最近噂になってるよ。」
どうやら、皆何か怪しいことをしていることは隠そうとしているようだ。何か爆弾発言をしないか、誘ってみたが、普通に話をする。
しかし、色々聞こうとしたが、何か怪しい話は全くしなかった。
「では、私達はそろそろ行くわね。」
ここで、チルノがこっそりゲットしたあのボイスレコーダーを流す。その反応を見てみる。
どうやら、皆焦っているようだ。秘密の話を聞かれて、その話を拡散される。どれだけ恥ずかしいことか---。
「これはもう---やっちゃうしかないか---。3対1なら勝てるって!」
相手は、こちら側が1妖精であるように考えている。私の事には気付いていない。まぁ、誰も気付かないようにはしていたのだが。
「チルノ様、このタイミングでよろしいでしょうか?って、もう出ちゃいましたけどね---。」
「うん!」
笑顔の後に待っているのは、いつもの絶望的な光景。それを理解していた敵達は、今すぐ逃げようとしていた。
敵前逃亡か?と2人が思っていたが、実力差を考えるとそうするしかないだろう。
「いや、まだ諦めない---!」
サニーミルクがそういうと、もう一度全員で力を合わせて向かってきた。
「ルチルフレクション!」
敵が力を合わせて来るなら、こっちだって力を合わせれば勝てる---はず。チルノと掛け声を合わせて---。
「行くよっ!アイシクルフォール!!」
敵の絆に負けず、こっちの攻撃が全員に直撃。その状態がずっと続いていた。
しばらく時間が経って、自分達の部屋にて。
「さぁ、幻想郷内での悪戯、どう責任を取りますか?」
「い、今から戻しに---。」
「そういう気持ちがあるなら、見逃してあげますが、もう二度としないでくださいね。」
「ごめんなさい!」
そう言っていたが、いつの間にかチルノがいなくなっていた。
どこにいるか、あの妖精達が荒らした分を元通りにしているうちに探してみたが、どこにもいない。
どうすれば良いか悩んでいたが、まぁ、そのうち戻るだろうと思い、布団に潜り込んでしまった。
一方で、実はテキトーに歩いていた訳ではないチルノは---。
「魔理沙!今日こそ勝負してあたいが勝つんだ!」
どうやら、通りすがりの魔法使い、魔理沙を見つけていたようだ。
「チルノ、久々に勝負するなー。まぁ、新しい技、マスターファイアで体も心も熱くしてやる!お前のハートをぶち抜くぜ!」
「ちょっと何言ってるかわからない。」
マスターファイア、どんな技かは分からないが、もし本当に炎系の技ならと思い、警戒しなくてはいけなさそうなものだ。
とりあえず、お互いまずは様子見。しかし、どちらも動かない。
「さぁ、先に言って終わらせちゃうぞ、マスタースパーク!」
前兆なく攻撃してきた魔理沙だが、前よりは楽そうに攻撃をかわすチルノ。その後も攻撃しながら避けていく。
「妖精でも前より圧倒的に強くなってるのぜ---私だって、マスターファイア!!」
「きた!---って、え?」
なんだか、予想していたものとは全く違う、攻撃どころか自分のスピードを少し早めるだけの技だったようだ。
明らかにくだらなさすぎだと考えているチルノだが、まあ、これが魔理沙の発想なんだろう。
「さぁ、これで私の能力が少し上がったのぜ!いくのぜ!」
白い目で魔理沙を見つめるチルノ。⑨に上から目線でみられることは誰にも嫌なことだろう。
「だったら次は、マスターロケッ---。」
「アイシクルフォール!」
変な名前で変な能力を使っていく魔理沙。飽き飽きしたチルノは、必殺技みたいな名前を言い終わる前に攻撃した。
それが、魔理沙に当たるが、まだ倒せてない。
「だったら、パーフェクトフリーズ!」
「ぬっ!ぐはっ---霊夢---す、まん。」
何故か霊夢に謝りながら、倒れていった。結局、変な技をするよりかは、基本から学んで行った方が勝てるのだ。
チルノが、魔理沙を運んで博麗神社の横に置き、布団に潜り込んでしまった自分の元へやって来た。
「あ、お疲れ様です。何かあったのですか?」
「魔理沙と決闘してた。」
「はい?で、魔理沙は?」
「博麗神社にいるよ。」
よくわからないことを言われたが、色々話しているうちに、なんとなく理解してきた。
あれこれしているうちに、どうやらあの妖精たちも荒らした分以上に幻想郷を綺麗にしていたようだ。
魔理沙も、また神社で休ませて貰って霊夢に礼を言い、家に帰ると告げたようだ。
そうして、幻想郷は変化しながら美しさを保つ---のだろう。
「さぁ、妖精の神さん、明日も頑張りましょー!」
「うん!」 終
次回から新しい章に!お楽しみに!
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第Ⅹ章→小さいが為の大きな夢物語!
第88話→妖怪の悪ダンス!魔理沙とアリスの怪我の仇!
「んっ---。まだ眠いよー。」
「おはようございます。チルノ様。なんだか、いつもより眠そうですね---。」
「だ、大丈夫。」
そういっているが、そうとう眠そうだったから、しばらく横にさせておいた。そうでないと、今にも倒れてしまいそうだったからだ。
チルノだって、自分だって完璧ではない。むしろ、どこに完璧な人がいるのだろうか---。彼女も、休むときは休まないといけないのだ。
チルノが寝ようとしたが、なかなか寝れそうになかった。何かあったのか、聞いてみることにした。
「そ---その---。も、もっと近くに寄ってくれないと、寝れないじゃん。」
目線をそらしてそう言ってきたが、こっちから強制的に目を合わせるように見て、そう言った途端に隣に座ってあげた。
「これなら安心できるっ!おやすみー。」
さっきとは比べ物にならないくらいぐっすりしていた。どうやら、自分が近くにいないと怖いのだろう。
まぁ、彼女なら少しの事なら対処出来るのだろうとは考えていたが。
そこに、誰かがやって来た。
「んっ?」
すぐに扉を開けると、出てきたのは魔法使い達だった。
「あっ、魔理沙にアリスって---その傷は!?」
お互いかなりの怪我を負っていた。顔を見ると、2人で勝負したようには思えなかった。
しかも、彼女達もかなり慌てぎみだった。恐らく、何かに追われていたのだろう。
「中に入って、歩ける?すぐに対処するから---。」
黄色軍団が部屋に入ってきて、まずは応急手当てをした。
5分ほどでアリスにはすぐにやらなきゃいけないことはしてあげれたが、魔理沙があまりにも酷い怪我をしていて、どうしようもなかった。
「これは---応急手当ても出来ない---。すぐに永遠亭の方に行かないと。」
そうして、分身により15秒で永遠亭に運んでいったが、その途中、なにやら嫌らしい気配を感じた。
その気配は、よい人では無さそうな、邪悪なオーラを纏っていそうなモノだった。
「アリス、質問。やられたのって、森の中でしょ?」
「なんで、それを?」
気配を感じた場所を詳しく説明すると、彼女は予想通りの反応をした。
「で、誰にやられたか---。」
「ごめんなさい---、わからないわ---。ただ、きっと妖怪よ。」
「了解。」
また一つ、面倒な仕事が出来てしまった。もうたまには霊夢に任せても良いんじゃねーのこれ?と思っていた。
だが、アリスの願いは今すぐにでもあのオーラを消してほしいとの事。最初に自分に依頼が入ったからにはやるしかなかった。
「さぁ、5分で行って15分で終わらせるか。」
そう言ったが、またどうせ敵が襲いかかってくるのだろうとは覚悟していた。
アリスからも途中も気を付けてと言われ、少し怖くなったが、行くしかなかった。
「ええっと、こっちか?あ、逆だ。」
そうして向かう途中、1分程経った所で、誰かが現れた。人では無さそうだったが、実力的には勝てそうには見えた。
「な、なんだ!?人魚?!」
そう思い、すこし近づいてみたが、やはり人魚のようだ。
「わ、わかさぎ姫か?」
「正解よー。当ててくれて嬉しいわ。」
なにやら笑顔だが、意外とすぐに攻撃してきた。
「スケールウェイブ!」
「うおっ---。魚だけにうおっだわ---。」
遊びながら簡単に避けていく。そうして、
「火炎玉!」
軽めにうつ火炎玉も、そこら辺の小さい湖に打てば確実に水が蒸発してしまうほどの熱さ。流石に一撃だったようだ。
「ふぅ、進まなきゃ。」
そう言って、近くまで来たため警戒して歩いていった。すると、今度は赤蛮奇とやらの怪しい敵がやって来た。
「ファー。まだあれからちょっとしか歩いてないよー。」
「私はこの先へ通るもの全員をここで戻させる。」
そう言って、いきなり自分が進もうとしてみた道をとおせんぼしてきた。もちろん、今回はすぐに異変を解決するため、こんなところで1分や2分も遊んでいる暇はない。
そもそも、何故妖怪がいきなり暴れ始めたか、その理由を探らなきゃいけない。
そんな事なんて全く想像できず、ただ今目の前にいる敵をどう倒せば良いかということを反射的に考える以外の脳はなかった。
しかし、今回の異変、まずはその事についての情報がわからないと、絶対に解決できなさそうだった。
というか、赤蛮奇とやらが何をするかさえわからない。初見とはだいたいこういうものなのかもしれない。
「さぁ、ここは妖怪たちの遊び場になるの。フライングヘッド!」
あたかも100メートル走でフライングをするかのように、まだどうするか考え途中で攻撃してきた。
「うぉっと---。」
ガードしたり、受け止めたり、避けたり、跳ね返したり---。色んな受け方はあるが、時と場合によってどうすればいいかは変わる。
よく目の前に来たものはだいたい受け止めるが、それをカウンターに利用するのも案外悪くないときもあるのだ。
今回の相手の攻撃も、目の前にやって来た瞬間にカウンターを仕掛けた。そう、その攻撃の10倍の威力で。
「さぁ、試しに使ってみるか---分身!からの電符、テクニカルオンパレード!!」
相手が倒れるまでずっと止まらない攻撃。しかも、これは相手に当たるまで追跡していくもの。ほぼ確実に当たるやつだった。
「くっ、一発がでかいっ---。」
そう言う赤蛮奇。しかし、この攻撃で終わったら甘いものだ。
「いけぇ、火炎玉!」
「ま、まだあるのかよっ---。」
そう言い、フラフラする赤蛮奇に追い打ちをかけた。
「うっ---ぐふっ。」
「はい、チェックメイト!」
侵掠すること火の如く、敵を倒すときは一気にやりたい派の私。すぐに終わらせ、次のステージへ進んでいった。
その途中で、ちょいと久々に大妖精達がが通っていた。他にも、ミスチーとリグルも一緒だった。
「あら、妖精さん。お久しぶりです!」
「あ、久しぶりー!チルノちゃん頑張ってるー?」
「はい---私がいなくても皆さんを守っていけそうですよー。」
「ねぇねぇ、チルノちゃんに伝えておいてよー。」
なにやら、大ちゃんが言いたいことがあるらしい。悪い話では無さそうだし、聞いてみた。
「頑張るのは良いけどたまには遊ぼうね!って言っておいてー。」
「了解です。」
そう言って、皆がどこかに行こうとした。
ここで、なんでこんなところにいるのか気になって質問してみたが、この異変に関わる怪しい話が出てきた。
それも、かなり危険そうな事だった。
「そうそう、この辺りで遊ぶ約束をしてたんだけど、普段は動かなさそうなものが勝手に動くんだよ---。」
そうリグルが言ってきた。ミスチーが怖そうにしてたのもこのせいだったのかもしれない。
「そうですか?では、調べてきます。」
また一つ、やることが出来てしまった。ただ、この異変の主犯を倒せば終わる。ただ、それだけのこと---。 終
次回もお楽しみに!
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第89話→合体!チルノコ大作戦!皆の願いをひとつに込めて
あれからすこし---すこーし奥へと進んでいったが、何か動く気配など全くない。
静かすぎて林の中、たった一匹でさまよい続ける狼のようだった。---これを、一匹狼とでも言うのだろうか。
かといって、敵も生き物。どんなに悪い敵でも、命を食べてしまうことなんて絶対に許されない。
仮にそんなことをしたとする。きっと、いや必ず。四季映姫が私の目の前にやって来るはずだ。
過ちを犯してしまえば、過去に行けることは出来ない。だから、今ここでそれをしようとする者を正すのだろう。
それが犯す前に止め、ちょっとの失敗に収め、反省し、行動を改めたら、それはきっと成功なのではないか---。
今、私はここで過ちを犯そうとしている者を止めようとしている。これは、どこにいても同じ。
誰がいつ何をするか等、その人以外はわからない。
そんな感じにテキトーに自分の頭で綺麗事を並べていた。ただの妄想大好き人間になっていたのだ。
と、そんな事はどーでも良いが、やはりこの辺に怪しいものはない。ふらふら歩いていると---。
「んっ?な、なんだあれ---。」
このとき、私はまだ知らなかった。この後に起こる悲劇を。
目の前にいた---いや、あったのは、不思議に動く木だった。それも、自分の周りの物だけ急成長している。
「なにこれっ---って、ヤバイ!」
木が成長し過ぎて、そのままいると閉じ込められそうになった。すぐにそこから脱出しようと、空を飛んで逃げた。
「危なっ---。」
やはり、あの妖精達が言っていた事は本当だった。まぁ、4月1日でもないので、偽りとは思ってなかったが。
「さぁ、早く悪さする敵を倒さなくてはっ---。」
そう言って、怪しい方向へと向かっていった。すると、また別の者がいた。
「ん?あれはぁ---。早苗やん。」
「うっ---タケノコさん。助けて、ください!」
どうやら、早苗もこの異変を解決しようとしていたようだ。しかし、アリスと魔理沙のようになっていた。
「だ、大丈夫---ですか?」
「うっ、奇跡が、効かないっ。」
能力を使う前にやられてしまったようだ。かなり深い傷だが、すぐに怪我を抑えればなんとかなりそうだ。草のベッドの上で休ませておいた。
「で、相手はどのような敵なのです?」
「ごめんなさい---。見れなかったのよ。」
どこかで聞いたことあるような言葉を出してきた。
そこに、誰かがやって来た。しかも今度は怪しそうな雰囲気を出していた。
それも、早苗の方をずっと見ていた。恐らく、彼女が早苗を倒したのだろう。
よく見たら、若干静かそうに見えてかなり暴れている。
「よーし、止めるかっ!」
「私は今泉影狼。よくここまでたどり着いたわね。でも、ここで終わりよ?」
そう言い、挑発してきたが、余裕そうなので、1発で決めようと思った。
「瞬間移動っ、からの火炎玉っ!」
かなり近付いて撃った。
「はい、チェックメイ---ト?」
「トライアングルファング!」
「ぬぁっ!?」
余裕そうにしていた後、体も心もどん底に落とされた。
「い、意外だなぁ。くっ。」
左腕を負傷してしまった。幸い利き手ではなかったが、両手を使わないと攻撃は出来ない。
「分身!一気に攻撃だっ!」
「甘いっ!ストレンジロア!」
そう告げると、分身が倒されてしまった。
「ふぅつ---。まずいなぁー。」
早苗が慌てているが、彼女にも奇跡を起こせる体力が残っていなかった。
次攻撃されたら、ガードするしかない。もう、何も出来ないのだ。
「うっ。こんなところで負けるなんて、守り神失格ですね。」
そう考えていると、予想通り敵が攻撃してきた。
「スターリングパウンス!」
ガードは出来たが、自分のところではなく早苗の方に向けた。捨て身で味方を守ろうとした。
もしガードしなかったら彼女がまずいことになる。そう考えていた。
「また、どこかで。」
そこに、また誰か現れた。それは、いつも見かける姿の者だった。
どうやら、ここまで場所を突き止めて来たらしい。
「アイシクルフォール!」
「その声は?」
そこに現れたのは、氷の妖精チルノ。私を守るためにやって来た。
更に、黄色い魔法使い達も元気になり一緒にやって来た。
目の前にアリスがやって来たのには少し驚いた。が、影狼の方を強く睨んでいた。
「おい、仲間を攻撃したのだから、分かっているのだろうな。」
アリスが顔を見ているだけでガチ状態になっているのがわかる。守り、復讐、色んな意味で。
その後ろにいる魔理沙も同じ表情だった。まるで、そこら辺の人に大切な本を破られたときのようだった。
そうして見ていると、誰かが自分の目の前にやって来た。
「ち、チルノ---様。」
「お待たせ。後はあたいたちに任せて!」
油断して負けそうになった所を見られて色々と終わったと思ったが、彼女が怒っていることもなく、自分を全力で守っている。
「さぁ、立てる?」
「はい---。」
「じゃあ、いくよ!」
今までずっと成功しなかったあの技だが、練習を重ねてきた。今日こそは行けると信じている。
双方の絆が1つになり---。
「へーーんしんっ!やっ!!」
指が重なる。そして---。
そのときの光は、太陽よりも眩しく輝いている。
「うわぁぁあ!!!」
今まで感じたことのない力が込み上げてきて、気がつけば。
「こ、これは?」
最強の妖精へとなっていた。つまり---。
「変身出来たのかっ。」
既に敵が敗走モードだったが、魔理沙のマスタースパークで怯ませ、その間にアリスが捕まえてくれた。
「余はチルノコ。最強の妖精だ!」
「くっ、こうなったらもう一発---動けない!?」
アリスによりそこから動くことは出来なかった。絶対に動けないような姿勢になっていた。
「余はこの世界を守るのだ。行くぞ!アイシクルフォール!」
今までとは違い、体が軽く、とても速く、とても強い攻撃が出来た気がした。
「くっ、私の---計画、がっ。ぐぶっ!!」
目を大きく開き、その後静かに閉じた影狼だった。
それから間もなく、合体していたものが普通に戻った。
「うわっ。」
「あ、戻りましたね、チルノ様。」
チルノが赤い顔でこっちを見つめてきた。なんだかとっても恥ずかしそうだ---が。
「このあたいと一緒に変身して合体するなんて、怖すぎるわ!アイシクルフォール!」
「ちょ、なんでですか!?ぶふっ。」
こうして、また笑顔が戻ってきた。しかし、まだまだ異変解決は出来ていない。即先へと進むのだった。 終
次回もお楽しみにゃ!
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第90話→森と人里。どちらも闇深き勝負!
今泉影狼を倒し、更に奥へと進む一同だったが、更に雰囲気が悪くなってきた。どうすれば良いか---。
そう考えているうちに、何か変な情報が入ってきた。どうやら、人里で悪戯している妖怪がいるという。
しかし、どう考えたって今進んでいる方向にも怪しい者はいると考え、2組に分かれることにした。
「そうそう、この異変が終わったら、また勝負しようよ!」
「チルノ様?別に構いませんが、もう勝てませんよー。」
チルノは霊夢より若干早く上達しているように見えるが、やはり巫女になるために辛い特訓をするよりは、楽しんでやるのが一番なのかもしれない。
しかし、霊夢は長い年月をかけ、修行をしてきたため、たった数年頑張ったって全然叶わない。
そもそも、もう勝てないというのがお世辞なのかもしれない。
ただ、チルノが頑張っているし、いつかは越えられてしまうかもしれないのは事実だった。
まぁ、そうなったらチルノが私を守り、私が彼女と修行する。完全に逆転の世界へとなってしまう。
そう色々考えているうちに、更に木々により太陽が見えなくなっていった。
その頃、魔理沙とアリスは---。
「ねぇ魔理沙。あの壁---。」
「はっ---!」
アリスが見つけたのは、悪戯書きされている壁だった。そこに書かれているものは、人里崩れちまえ!等、皆が見て不愉快になる物だらけだった。
2人ともこの先どうなるのかと不安になってきたが、その不安を遥かに上回る事件が起きた。
「おい、あれって慧音せんせじゃねーのかよ!?」
普段とは違う慧音先生。何かから必死に逃げている。しかも、さっき自分達が出会った妖精達も一緒だ。
どうやら、ミスチー達はたまたまこの辺りに寄ったとき、この未解決事件に逢ってしまったようだ。
「先生---大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ。それより、後ろから危ない妖怪が来ています。すぐに逃げてください!」
「先生を置いていけないよ!」
「ミスティアさん。あの2人を見てください。」
妖精達は、魔理沙達をじっと見ていた。2人が軽く頷くと、全員が安全な所へ逃げていった。
急いで先生も休ませ、2人が向かったのは、さっきまで彼女らがいた場所だ。そこにいたのが---。
同時刻、私たちも誰かに出会っていた。
「私は九十九弁々。で、こっちが妹の。」
「私は九十九八橋。人間とはいえ、妖精とはいえ---これ以上先へとは進ませないわ。」
相手が2人。ちょうど2対2のタッグバトルが出来そうだ。
「チルノ様。相手が増えただけでいつも通りです。頑張って行きましょう!」
「さっきやられそうになった人間に言われたくないよ---。」
「グサッ---。」
なんだか本音を言われると言い返せなくなるが、何もかもが未練色に染まるよりかはたまには本音を言ってみるのも良いのかもしれない。
私の反応を見て、チルノがニヤニヤしてたが、こっちもポッペタをつんつんし返してみた。
お互い、倒す気満々だと、間接的に感じている。
「行けぇ、パーフェクトフリーズ!」
「ぬぁっ!祇園精舎の鐘の音!」
思ったより美しい音を奏でる弁々と共に---。
「諸行無常の琴の音!」
八橋も一緒に演奏する。
流石に2人同時の攻撃は避けるのが大変---であるように振る舞っていた私。
「さぁ、今この場所。暗いですね---。闇色ドラゴン召喚!!」
現在、木々のお陰で太陽の光が届かず、かなり暗いこの場所なら行けるのではと思い出したが、龍もいつも以上に動きが良かった。
「はい、では行きますよー。火炎玉!」
龍が打つ火炎玉。この辺りの木を全て枯らしてしまいそうだが、木は燃えないような玉になっているから自然破壊はしていない---たぶん。
勿論、相手の攻撃もしっかり、確実に避け、追い詰めていった。
「な、ならば---平安の残響!」
「耳無し芳一!」
相手も意気投合し、一緒に攻撃してくる。しかし、こちらの意気投合の度合いはそんなものではない。
1発が私の体にあたった---が、それは分身。ちゃんと本体を見分けられていなかった。
「チルノ様。今です!」
「うん!アイシクルフォール!」
2人がくっついていて、逃げようとしたが遅く、一斉に直撃した。
「うっ---!ぐっふぅ---。」
最後に倒れるまで同じような行動をしていたが---。
「はい、チェッ。」
「チェックメイトー!」
「チルノ様!それは私が言う約束なんですよ---。」
「良いじゃん良いじゃーん!」
勝負が終わったらすぐにじゃれあう2人。一方で、弁々とは比べ物にならなさそうな程怖く見える敵に会った、チームイエローペアは---。
「つっ---意外に強いぜ。流石鬼人正邪という名前だけあって、煽りの上手さは鬼レベルだな---。」
ずっと上から目線で敵を見つめる敵だが、倒してしまえば問題ない。2人とも、少しの負傷はしながらも敵に食らいつく。
「じゃあ、出直してこい!鏡の国の弾幕!」
「ぬぁぁぁあ!」
魔理沙1点に攻撃をする正邪。しかし、こちらの手札は魔理沙だけではない。
「私がいることも忘れないでくださいね---。乙女文楽!」
魔理沙に当たりそうになった攻撃がガードされ、魔理沙が強い目線で正邪を見る。
既にアリスと隣合わせになり、2人で攻撃する準備は万全だ。
そのあと、アリスは魔理沙を見つめ、魔理沙はアリスを見つめ---。
「マスタースパーク!」
「アーティフルサクリファイス!」
一緒に攻撃すると、攻撃力は2倍---だと見せかけて、仲が良い2人だと威力は10倍、20倍にもなりうる。それは、私とチルノも同じだったはずだ。
「うっ---がはっ---。まだ、こんなところではっ---。」
なんとか正邪が立ち上がるが、すぐに取り押さえつける。
「しばらくおとなしくしてなさい。」
あまりのアリスの重圧で、足が震えていた。アリスは私達の事を待っていたのだろう。
その頃、私たちはちゃんと人里に向かっていたが、これで終わりだと思い込んでいた4人が間違いだった。
なんとなくこれ終わる雰囲気だろ。それが一大事を招く。誰もが何度も経験したことがある、油断。
油断することで人は、魔法使いは、弱くなる。ちょうどそんなときに敵は現れるものだ。
「チルノさまー、帰ったらしょーぶですよー。」
あまりの疲れで壊れる私だが、チルノは笑っているし、良いだろう。
しかし、壊れているとはいえ、バトルの時のネジは絶対にはずれない。
「チルノ様!避けて!」
「えっ?」
そう言った途端、反射的に避けると、いきなり上から攻撃を仕掛けられた。
「さぁ、最後のショーの幕開けね。」
最後まで慌てさせる。それが、異変。なのだろうか? 終
次回、この章も最終回!お楽しみに!
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第91話→自分と他人。それぞれの求める物
いよいよ本当の最後の敵。少し明るい所に出てしまったため、闇色ドラゴンは使えなさそうだ。まずはチルノに任せる。
「あたいはチルノ!お前は誰だ?」
何を言うのか考えていたが、なんか思ったより普通な事を言うチルノ。でも、これが彼女のやり方。特に驚いていない。
「私は少名針妙丸。私達にも楽しめる幻想郷を作りたい。そのために今戦っているの。」
そう、なんか意味深な事を言ってくるが、容赦ないチルノは、どんどん攻撃していく。
それに比べて自分はただ彼女の成長を確認。高みの見物をしている呑気なやつだ---。1発チルノにやられたらと思うくらいに。
別に、彼女の今の目標は私を越えることだし、1発やられたらそれは彼女の成長記録の大きな1ページなのだ。悪いことなんかではない。
そんなこんなでチルノが頑張っている姿を見ると惚れてしまう。心の中身は隠しきれないのだ。
「うっ---まだまだ---小人の道!」
チルノも小さいが、少名針もかなり小さい。小さいもの同士だが、掲げるものはその体の何十倍、いや何百倍にもでかい。なんとなく勝負からその様子が見える。
「あのお椀被ってる敵さん、何か操られているな?」
私がそう思ったが、それが合っているとはこの時全く思ってもいなかった。ただの野生の勘みたいなものだった。
「ぐふっ、ぐふっ---まだまだ行ける。大きくなあれ!」
今まで出してきた攻撃がとても大きくなり、チルノに襲いかかる。それは、ピアニッシモがフォルテシモに急に変わり出したように。
「うわぁっ!」
流石に避けきれずに、少しはチルノに当たってしまった。彼女もこれまでの戦いで少し疲れ気味だ。
「にひひー、アイシクルフォール!!」
「うわぁぁぁぁ!!!」
そう思っていたら、チルノがいきなり本気になった。たった1撃で敵を倒してしまうほどに。
すぐにチルノが少名針を取り押さえる。
「ねぇ、何でこんなことしたの?教えなきゃもう一発出すよ?」
そのときの笑顔交じりの顔は、誰もが恐ろしいと思うはずだ。躊躇せず慌てて答える。
「正邪に、一緒に弱者でも楽しめる幻想郷。楽園を作ろうよって誘われたのよ。」
「せ、正邪!?まだいるの!?」
「後は人里にいる正邪に任せるわ---。」
まだ魔理沙とアリスの結果を知らない2人は、急いで人里の方へと進んでいった。既にお互い限界を越える中。
もう一戦やらなきゃいけない。そう2人が思い、今にも休みたいと考える。が、そんなことをゆったり考える時間は異変中1分1秒もない。
だからこそ人里に行くのではないか。それで、平和をとり戻すのだ。そういう未来を想像していた。
あれこれ考えているうちに、いよいよ人里についた。しかし、魔理沙達とは反対側にいたため、まだ2人の事には気づかない。
しかも、私なんかチルノのことばかり考えていて、あの2人の事は忘れかけていた。本人の前で言ったらただじゃ済まない。
「チルノ様、正邪って敵。一緒に倒しませんか?」
「それ、あたいも言おうとしてたよ?」
まだどんな敵か全く想像できてない中、誰かが床に縛り付けられてるのが見えた。しかも、ちょっと怪しい。
その隣には、黄色い姿の魔法使い達が立っていた。彼女達の事を思い出したのもちょうどその時だ。
「あれは、魔理沙とアリス。まさか---?」
そう。そのまさかなんだ---。正邪を倒そうとしたが、その望みは先行してやって来た者に奪われてしまったのだ。まぁ、これも悪いことではないが。
「あら、お疲れ様です。そこに縛り付けてるのが正邪ってやつですか?」
「何で名前を?」
2人が悩んでいるなか、正邪だけはなにかを察したように冷や汗ブシャーしている。
「少名針妙丸。」
後ろからチルノが正邪を更に追い詰める。主に精神的にだが、かなり大ダメージだ。
「で、正邪とやら。なんでこのような事をしたのかな?」
私がゆっくりと問い詰める。ただ、普段と雰囲気を変えてはいる。仲間まで追い詰められるようなものだ。
今までこれに応答しないものはいなく、今回もちゃんと理由を説明した。
「弱者でも楽しめる幻想郷。楽園を作ろうとしたんだ。」
「それで少名針を操ったと?」
「なぜそれを---。」
「それは後で本人から聞きなさい。本人が分からなかったらこっちの想像です。」
徐々に威圧を強くしていく私。まだまだ最大の6割程度だが、既にアリス、魔理沙がガタガタ状態だ。
チルノはこのような威圧には馴れているため、ビクともしない。恐ろしい子に育ってしまった。
「なるほどね---今の幻想郷は弱者にとっては厳しいところだったと。」
思ったより正論を言ってきて、なにか返そうと思っても、正論以外思い浮かばなかった。
「そうでしたか---。でも、この世界は弱者を守る人もたくさんいるのですよ?たった2回、3回強者に虐められただけでそんな行為を起こすとしたら、あなたが間違っています。」
そう言うと、急に正邪が下を向いた。硬いヒモに縛られながら、自分で荒らした人里を眺めていた。すると---。
「今から荒らしたところ、完璧に治すから、許してください---。」
さっきまでとは別人となり、急に反省したようだ。さっきの言葉が効いたのだろうか。
そう言うと、静かに紐をほどき、1つ1つ丁寧に修理し始めた。
その修理はかなり長い時間やっていたようだが、最後にはしっかり綺麗になったようだ。
終わってから、既に部屋に戻っている私達の所にわざわざ顔を出してきた。
「あ---お疲れ様です。」
「今日は色々これからについて見直せるような日でした。その---ありがとう。」
「それなら良かった。もう荒らしなんかしないでよね!また治させるから---フフフ。」
それから数分、色々と話していき、その後静かに帰っていった。ただ、この時チルノはお風呂に入っていた為、顔を出すことが出来なかった。
そこで、彼女へ伝言を残していった。
「あの黄色い2人、強かったし、友達をもっと大切に思ってよね。」
きっと彼女にこれを言うと、もうしてるよ!と思ったが、更にもう一言残していった。
「お前、彼女に告白しなよ?」
それを言うと帰っていったのだが、私への伝言とはいえ、流石にそれを言うことは出来ない。
彼女が風呂からあがり、まずは最初の方の伝言を伝える。
「そんなの知ってるに決まってるじゃん!」
やはり自分が考えてたのと同じ事を言ってきた。
「では、お休みなさい。チルノ様。好きですよ!」
「うん、おやすみー。---はっ!?」
その場で動けなくなるチルノ。私が寝た後、彼女が何を考えていたかは全くわからない。 終
次回もお楽しみに!
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第ⅩⅠ章→幻想郷の小さな出来事も解決します!
第92話→デタラメひまわり!小さな幻想郷の事件!
あれから、たった数日の間は何事も起こらず、平和な幻想郷が成り立っていた。
その頃、別のところで、何かが起こっているようだ。しかし、それは大事件とは思いがたい小さい事ではあった。
ここから少し近めのひまわり畑。そこに水やりをする風見幽香。何やら、折り紙で作ったひまわりを植えているようだ。
ひまわりに対しては本当に愛情がある。流石フラワーマスターだ。ただ、やり過ぎなのではないかとも思ってしまう。
「あら、この子。とてもしっかり成長しているわ。どれだけ綺麗になるか、楽しみね---。」
そう独り言をしていた所、空から誰かがやって来た。
「清く正しい射命丸文!今日も新聞作り頑張ります!」
なんだか、こちらにも独り言をする者がいるようだ。しかも、新聞作りだの、幽香とは違う事に熱心だ。
「あ、あれは---!」
空高いところから見るひまわり畑。射命丸が見つけたのは---。
翌日、私の家に誰かがやって来た。
「ん?お客さんかな?」
そうして、ドアを開けると、立っていたのは。
「おはようございます!清く正しい射命丸文です!文々。新聞を持ってきました!」
「し、新聞?」
そこに、やっと起きてきたチルノがやって来た。明らかに眠そうだから、ほっぺたをぎゅっとしてみた。
「痛い痛い痛い痛い!!何するのよ---。」
チルノが急に怒り出したが、何も言えなかった。彼女も眠気には勝てないのだろう。
ただ、彼女が新聞を持ってきた射命丸の方を向くと、首を傾げた。2、3秒その状態が続いたあと、いきなりなにかを思い出したようだ。
「ブン屋だ!」
話についていけないのが辛かったが、彼女達が色々話しているし、そのまま2人にさせておいた。
しばらくした後、チルノがさっきの新聞を持って戻ってきた。
かなり興味があるようだったが、幻想郷での新聞を見るのは初めてだ。
「チルノ様、それにはなんて書いてあるのですか?」
チルノがちょっと見た後、射命丸が向かった方向に向けてなにかを囁いた。少し遠くにいた私には聞こえなかった。
すぐに私がその新聞を見る。すると、そこに書いてあったのは---。
風見幽香のひまわり畑。ひまわりは偽物!?
先日、私が幻想郷を見回っていたとき、偶然にもひまわり畑の上空を通り越した。そこにいたのが風見幽香。
彼女はひまわりを本当に愛していて、ひまわり畑を作ったのだが、こちらの写真のように、折り紙で作ったひまわりを植えていた!
今回、彼女の許可がおりず対面は出来なかったものの、彼女のこの行動には驚かされるばかりだ。
「これ---射命丸さん御愁傷様でした---。」
既にこの先どうなるかがほぼ読めた私。彼女がこれを見つけた瞬間、あの子の命は1000個あっても足りなくなる。
ただ、流石にこんなことを書くのだから、もしかしてとは思わされてしまう。
「ねぇ、騙されちゃダメ。よく言ってたでしょ?」
「チルノ様---そうですね。とりあえず、ひまわり畑に向かってみましょう。」
「もう---信じちゃってるよ。」
チルノにダメとは言われながらも、最後にはその場所に行き確認する。まぁ、校外学習進化版みたいな感じだろうか。
ただ、百聞は一見に如かず。ひまわりを1個1個見ていけばわかる話だ。
そうして、やや急ぎめでひまわり畑に向かったところ、幽香が新聞の事を知らずひまわりに水を与えている。
「くー、やっぱり折り紙じゃないかー。」
「あら、そこにいるのは?」
どうやら、幽香に気配を感じ取られたようだ。
「あら、お久しぶりね。悪い事しに来たわけでは無さそうだし、普通に出てきても良かったのよ?」
「水やり中だったので、終わってからが良いかなと思っていました。」
半分嘘、半分本当の事を言ってみたが、別に嘘だとはバレて無さそうだった。
「そうそう、最近良いものを作ったのよ。ちょっと見てくれないかしら?」
そうして、別の場所へ連れていかれた。想像以上に広いひまわり集団で、水やりが大変だと思っていたが、その先には。
「この中よ。」
更に奥へとはいるが、なぜだか分からないがこの辺りだけ屋根がある。
おそらく、この屋根は幽香自身が作ったものだ。しかし、ずっとひまわり畑だったのに、ここだけ屋根があるのはおかしい気がした。
「屋根---?小さい。」
「そう、見て、このひまわり。何でできているか分かる?」
何も見なくてもなんとなくわかったが、一応現物を見ていた。
折り紙で作ったにしては、かなりレベルが高くて良さそうだった。そこそこ器用じゃないとこれは作れそうにない。
「これは---まさか、折り紙ですか?」
「あら?すぐに分かっちゃった?あなたもフラワーマスターね。」
見なくてもと言ったが、見れば誰でもわかるものだった。しかも、フラワーマスターなんかでもない。
その頃、後がどうなるか分からない射命丸の新聞を読んでいる者たちは。
「咲夜ー、この記事本当なの?」
どうやら、紅魔館にまでこのデタラメが届いていたようだ。
既にレミリアは信じていなかったが、この新聞を作った例の者の運命はどうなるか。0.5秒で想像できた。
別の場所にも届いているようだ。
「さとりお姉さまー。」
「いきなり叫んで何よ、こいし?」
地底の方にも新聞が届いていたようだ。その後、2人が何を考えるか。誰もが同じ事を思うだろう。
更に、別の場所でも---。
「映姫様。こちらの新聞の作成者、射命丸文という者ですが、いかがいたしましょうか?」
「何時間説教しても足りなさそうね。地獄へ落としてしまいましょう。」
「映姫様、そこまでする必要は?」
映姫の目はいつも説教するときとは全く違う。その10倍は怖そうな目付きだった。
すぐに立ち上がり、現在の射命丸の場所を調べ、その場へと向かった。
そうしている中、続々とひまわり畑に集まる新聞を見た者達。一斉にひまわりを見ると、本物だ。
ある者がその新聞を持っていた。霊夢だった。
すぐに霊夢が幽香の所へと向かう。
「こっちは水やりの続きをするけど、2人はどうする?」
「そろそろ部屋に戻ります。」
「そう、じゃあ、気を付けてねー。」
その発言と入れ替わりで、霊夢がたどり着いた。
「あら?今日は訪問者が多いわね。どうしたの、霊夢?」
何も言わずにその新聞を見せる。更に指で、この新聞の作成者が書いてある場所を指す。
幽香がこの記事を読んでいくにつれ、顔が怖くなっていった。
「こいつ、私のひまわり畑を---。」
「射命丸なら今あっちよ。」
その事を知らない彼女は、ゆったり新聞を配り続けていた。まだ向日葵の悪魔と地獄の悪魔が来ていることなんて全く知らないのに---。 終
次回、射命丸はどうなってしまうのか?お楽しみに!
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第93話→偽りへの戒め!たった1つの影響力!
新聞を配り終えてゆったりしている射命丸。現在は人里で休憩中だ。
「ふぅー、また明日の記事の題材を見つけなくては---。」
今日の仕事が1終わったらすぐに明日の分を作らなくてはいけない。思ったより大変なんだろうか。
すぐに色んな場所を飛び回っているが、目についたのは、幽香だった。
この間は気付かなかった射命丸の存在も、今回はしっかり気付いている。
「ねぇ、そこにいるの、射命丸文。でしょう?ちょっとこっちに来て頂けるかしら?」
何を考えているのか、射命丸には全く理解できていない。しかし、幽香の元へ向かうと、なんとなく分かってきたような気がした。
既にどうするか考えきっている幽香。
「この新聞を書いたのって誰かしら?」
「お、いつもありがとうございます!この私、射命丸文の文々。新聞、如何でしたか?」
「ちょっとこっちに来ていただけないかな?」
そうして、2人が向かった場所は、あのとき射命丸が上を飛んでいたあの場所だった。
前は上から見ていた少し屋根に隠れている折り紙のひまわり。しかし、その周りを見てみると。
「あ、あれ?」
そう思うのも当たり前だろう。だって、彼女にとってここ全体が折り紙で出来ていると思っていたからだ。
同時に隣にいるフラワーマスターの顔を見ると、冷や汗が止まらなくなってきた。
「この新聞、読んで欲しいのだけど。声に出して!」
そうして、1面に書かれた文を見出しから全部読んでいった。
そうして、2分程して最後の1文字を読むと---。
「そこのひまわり、折り紙なの?」
幽香が指したのは、ひまわり畑のど真ん中だった。勿論、そこは本物達。
「折り紙---じゃないです。」
「さぁ、楽しいお仕置きの時間ね。1時間がいい?10時間が良い?」
何も言えずに、ひまわりの手入れ全部やったら終わりと言われ、結局10時間働かされた。
結局終わったのは夜遅くだった。
「はぁ---あんなの二度としたくない---。早く今日の新聞考えなきゃ。」
そうして、地獄のように反省した射命丸だが、新聞の取材は終わらない。どうすれば少しは面白くなるか。
現在は博麗神社の上空を通過中だが、流石にここに取材は出来なさそうだ。
その後少し経って、ある人が見えた。
「あ、あれは?」
彼女が見つけたのは---。
「あれ?昨日の新聞の人だ。そういえば、幽香に案内されて折り紙のひまわりがあるのは確かでしたが、普通のひまわりもありましたよ?」
そう言ってみたが、誰かにやられたような後はあった。それと、何かを探し求めているような感じはあった。
「そういえば、次の新聞の取材に来たのです!」
「私に?」
いきなり取材交渉されても困るが、もう夜遅くで大変そうだったから、とりあえず内容だけ聞いてみた。
「弱者を強者に育てるには!という内容です!」
ひまわり畑より現実的になっている。すぐに終わるらしいので、どうすれば良いか、簡単に説明した。
10分程で取材は終わり、すぐに射命丸は帰ってしまった。
今から編集しなければならないようで大変だが、それも自業自得である。エセ記事を書かなかったらこんなことになってないのだ。
「なんだったのか---。」
チルノが一人で修行する中、のんびりと取材に応じる人。その頃、修行の方では---。
「行けぇ、アイシクルフォール!!」
1時間アイシクルフォールをずっと打ち続ける修行。集中力、体力等が必要なもの。
本当はチルノと一緒にやりたかったが、正直眠たかったから、取材終了2分後にスヤスヤしてしまった。
それから1時間後、チルノも修行が終わり、その場で倒れるように寝てしまった。
翌日の朝
今日も文々。新聞が届けられた。
まずは普段と同じようにチルノが見る。しかし、読んでいるときのチルノの顔がとてつもなく赤い。
なんでそうなのか、理由を知らない私は、前回同様呼ばれ、その記事を読むと。
タケノコとチルノの恋愛関係!
この間、私はタケノコ(図1)に取材に行き、チルノに対する気持ちを叫んでもらった。
最初は彼も戸惑っていたが、色々と雑談を挟み、最後にはこう言った。
「彼女の為ならこの命を投げ捨ててもいい。それだけ彼女を信じてます。」
いきなりそう言われたときは私も引いたが、恋愛とは、長くいれば深まるものなのかもしれない。
「あいつ---ひまわりの100倍怖い思いをさせてやるわ---。」
そう言って、すぐに部屋を出ようとしたが、チルノが止めた。
「こ---これ、本当?」
「昨日取材に応じたのは本当ですよ?でも、あのエセ新聞の作成者は弱者を強者に育てるにはとか言ってました。」
「よし、あたいも一緒にヤりに行くー!」
そうして、一緒に出たが、その頃、デタラメ大好き射命丸は。
「良いですかこういう幻想郷中に広まるものにデタラメを書くのは論外です。そもそも今日の新聞なんですか絶対デタラメですよね?もしデタラメじゃなかったら今からあの2人に聞いてきますが、まずひまわりの事件から嘘を書いていま---
「あ、あ---の。もうそろそろ帰っても---。」
「然もありなん。この事について、貴方は完全に黒。地獄に堕ちて今回の罪を全て償って頂きましょう。」
「ちょ、流石にそんなのやりすぎでうわぁぁぁぁあ!!!」
そうして、射命丸は悪夢の世界に放り投げられてしまった。
それから、彼女を探している私たちが映姫を見つけると、いきなり彼女が何かを持って話しかけてきた。
持っていたものを見ると、2人ともプシューしてしまった。
「これってこんな取材を受けたのですか?」
いきなりそう言われたが、部屋を出る前、チルノに言ったように話した。
「やはり、ただ、本当の事を書いていそうですよね。」
ちょっともじもじして映姫がそう言ってきた。まぁ、全てが嘘とは言えないかもしれないが、こんなのが幻想郷に広まったら---。
そこで気になったのは射命丸の存在だが、映姫がここにいる時点でなんとなくわかった気がした。
この新聞を幻としてしまいたい。心の痛みは連鎖し、誰にも見つからないようにこっそり部屋に戻る。
その頃、他の妖精は---。
どうやら、この新聞はチルノの友達、大妖精にも届いているようだ。
「チ---チルノちゃん---!」
勿論、何も言えないに決まっている。だって、大妖精にはこれが偽りだなんて全く分からないからだ。
たった1つの新聞でも幻想郷に大きな影響がある。何かを広めるって怖いんだ。しばらくの間、外に出ようともしない私たちだった。 終
次回もお楽しみに!
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第94話→人里の小事件!ダメ元、本気の嘘!?
では、今回もゆっくりしていってねー!
ちょっとした事も解決した私達。しかし、そんなことなんてほぼ毎日起こっているのだ。
地球には物騒な事件が毎日起きているのと同じ。歪んだ絆から生まれる悪のようなもの。
今回だって、射命丸がこの幻想郷の輪を崩して生まれた事件。ただ、最後には上手く解決されるのだ。それが幻想郷であろうと、そうでなかろうと。
それが宇宙というものなのか。
そして、今日もそんなちょっとした事が起きようとしている。それも、今回は能力を持たない、人里に住んでいる者達だ。
能力使いの者達だけが喧嘩をするわけではない。
「私たちも能力が欲しいんだ!」
「お前らの能力よこせー!」
「こっちだって1つ能力があったらどれだけ楽しくなるのか---。いますぐにでも奪ってやる!」
いきなりこんな騒動が起きはじめた。何故こうなったかはわからないが、正直これを止めるのは大変そうだ。
理由は深そうに見えて凄い簡単。だって、今までは一度に10人程が何かを起こしているのに対して、今回は桁違いの数。数の暴力だ。
勿論、すぐに私が止めようとするのだが、流石に人里で能力を使うわけにはいかない。話しで止めないとダメなのだ。
しかし、どうすれば良いのか。ただ綺麗事を言うわけにもいかない。
かなり考えたのだが、ここでチルノから1つ案が。
「能力を持つことの大変さをしれば良いんじゃない?」
「なるほど---。」
確かに、上手くいけば綺麗事を言うより楽そうだ。しかし、問題はどうやって大変さを知らせるかだ。
「あー、そこまで考えてなかったよ。」
この案を出した本人もここまでは計画してなかったようだ。
「どうしましょうか?」
最初は変な事ばかり考えていた。人里を支配しちゃえとか、そんなの放置しておけばとか。
でも、しばらく考えていたら、たった一つ、いい案が出てきた。それは---。
その頃、人里では。
「絶対能力あった方が楽だって。強くなれるじゃーん!」
たくさんの子供達がそう話していた。子供には夢がたくさんある。特に男子はヒーローになりたいという気持ちが強いのだろう。
そんな感じで広がるこの負の連鎖。早く行かないと、人里がただでは済まなくなる。
慧音先生もこの事を対処しているが、流石に1対何百では勝てるわけがない。
そもそも何故こんな事が起きているか、慧音先生はたったそれだけだが、聞くことができた。
どうやら、ある人によると---。
「この間のひまわり事件に興味をもって---能力があれば凄い影響力を与えることができる。それが面白そうなんだ。」
その先を聞くことは出来なかった。その人もすぐに帰ってしまったからだ。ただ、その人もきっと畑を覗きに来たのだろう。
ただ、もしあの事件がなくても、いずれこういうことは起きるに違いない。今解決しないといけないことなのだ。
そうして、あの作戦で早速2人が人里の近くに行く。成功するかはわからない。でも、やらなきゃいけない。
「さぁ、永遠亭に許可は頂いたので、下手な演技はやめてくださいね?」
「そっちだって。」
そう話していると、予定通りあの兎がやって来た。ちょっとずつ作戦が大掛かりになってきた。しかし、これだけやらなきゃ。
「お久しぶりです!因幡です!なんだかこの騒動についてはよくわかりませんが、頑張って解決しましょう!」
やる気には満ちているように見えた。顔はものすごーくニヤニヤしていたため、説得力は0だったが。
運がいいことに、ちょうどこの辺りは人がいない。偶々皆家の中に入っているようだ。
誰も見ていないことを確認して、チルノがパトロールをするふりをする。
「はぅ---はぅ---うっ---。」
チルノがいきなり倒れる。勿論、意識はあるが、意識不明状態に見せる。ただ、これだけだと何も思ってくれない。
「ち、チルノ様ぁ!!」
そう、私が叫ぶ。そうすると、人里の皆が一斉にやって来る。ここまでは予想通りだ。
だがしかし、将棋のように玉を端に寄せても詰ませないと意味がない。次に何を言うかがとても重要だ。
「ど、どうしよ---能力使ってパトロールしたら倒れちゃった。うどんげー!」
「んー、いきなり何ですかー?って、チルノ!」
人里の皆が慌てている中、バレないようにこっそり演じる。
ただ、人里の中でたった1人でも怪しいと思ったらそこで終わりだ。慎重に、かつ出来るだけ大胆に攻める。
「で、何で倒れたの?」
「彼女、よく能力使ってパトロールするんです。でも、使いすぎて倒れて---。」
「すぐに永遠亭に連れていくわ。」
そうして、うどんげが目標地点につれていく。勿論、途中で止めることなどせず、最後までやり遂げる。
それから、永遠亭に着いたものの、誰も来る人はいなかった。ただ、1つ変わったことがある。それは---。
人里で能力能力騒ぐ者が格段に減ったことだけだ。
実は、この後慧音先生が最終的に皆を静かにさせたらしい。流石先生。色んな人とのコミュニケーション力が非常に高い。
その頃、私たちは。
「いやー、お疲れ様でしたぁ!」
「上手くいったかな?」
一応、この時点ではまだ人里がどうなってるか知らない一同。ただ、願いは皆同じだった。
その後結果は霊夢から伝えられたが、何となくそうなってはいるだろうなとは予想できていた。
そうして、ちょっとした異変を解決させて、部屋に戻ったが、そこでチルノから1つ提案があるみたいだ。
「ねぇ、そろそろあたいと勝負してよ?良いでしょ良いでしょ?」
いきなりそう言われたが、受けないわけがない。だって、凄い楽しそうだったから。
今勝負したらいい感じになるかもしれない。2人ともそう思っている。
「チルノ様、いつにしますか?」
「やる気になったなー!明後日に勝負だ!絶対に勝って付き合ってもらうよ!」
流石に本気出して勝てるとは思っていたが、彼女の修行を見ると、とんでもないことをしていた。
まず最初に、アイシクルフォールを5時間打ち続けるもの。1時間ではなく、その5倍だ。流石に私もそんなにはもたない。
それが終わって5分後、色んな人達に勝負を挑みに行ってたようだ。私の気付かないところでこっそり。
最後に私の対策まで練っているみたいだ。その様子を見ると、チルノがこっちを向いて---。
「負けないからね。」
そう言ってきた。
それから、ギリギリまで本気の対策タイムが始まった。 終
次回もお楽しみに!うー
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最終章→夢は、追い続けるモノ。でしょ?---
第95話→運命の勝負スタート!思い出の勝負!
僕らの勝負前日、お互い何をしているか、全く別々の事をしていた。
まずは私から。
自分は、いつも通りゆったりしながら技の研究とかをしている。布団に潜って試したり、チルノを驚かせたり。
では、チルノは何をしているのか。
彼女は、いつも通り本気で修行中だ。種も仕掛けもなく、真っ向勝負でやるつもりなのか、それとも面白い悪戯を出してくるかはわからない。
いずれにせよ、一筋縄どころか百筋縄ではいかなそうな相手になってしまった。良いことではあるのだが、流石に怖い。
彼女が勝てば付き合ってもらうよ!とか言ってるが、何をされるか分からず、少しの好奇心はある。
ただ、お互い何をしているのかは全く知らずに、私は部屋の片隅、チルノは部屋の隣で練習をする。
まぁ、考えが同じものはあった。例えば勝負場所。お互い練習前に決めようとしたのだが、1分たたずに決まってしまった。
僕らが初めてあった場所
あの時以来殆ど来ていないが、絶対に迷子にならないと断言できるほど迷わず行ける。
何故ここが良いかもいうと、それはなんとなくなのだが、他に勝負する場所がない。
そうして、この日は月が昇りはじめて数時間たつまで寝なかった。ダラダラするなら寝た方が良かったのかもしれないが。
いつか、あの場所で、もう一度本気で戦いたい。お互い弱かったあの日とはまた別の勝負を繰り広げたい。
翌日
珍しく2人とも日の出2時間前に起きていた。というか、うずうずしてしっかり寝てないのだろう。まぁ、この状態なら闇色ドラゴンも出せる。
この日は雲一つない綺麗な空だった。どこかの天気予報によるとこの時期にしては珍しいらしい。
そうして、2人が一緒にあの場所へと向かった。
思ったより時間はかかったが、緊張しているから、時間感覚がちょっとだけ狂ってしまったのかもしれない。
「ふぅ---この場所。懐かしいですね。」
「あたい達が初めて出会った場所だよね---。色々やって来たね!」
「ずっと修行ばかりで大変じゃなかったのですか?」
「大変だよ。そして、またここで負けたら修行の繰り返し。勝てば努力が報われるけどね。」
パッと目に映る1本の木。あの日、自分が絶体絶命の時に逃げ込んだ場所だった。
どっかに池だか水溜まりだかがあったような気がしたのを覚えているが、それは無くなっていた。
曖昧な心を捨て去り、後は勝負に集中するだけだった。ただ、1つやってみたいことはあった。
あの時を再現したい。もう1度、あの出会ったシーンを。
「確か、あのときは森を抜けたところすぐにいましたよね?何を言ったかは忘れてしまいましたが---。」
「そういえば、そうだったね。」
そんなこんなで5分ほど時間を使い、未来で過去を再現する。それが何を映してくれるかは何もわからなかったが。
私にとって1つ、過去と同じにしたくないことがあった。勝負の結果だ。負けたらまた何かで動けなくなるようにするに違いない。
そうして、自分が一度森の深くに入り、出ようとする。
「やっと森からでれたー!って、なんだあれ?」
「あたいはチルノ。今回こそは最強の妖精だ!」
「さ、最強?」
明らかに小さい体。最強には見えなかった。幻想郷って何でも出来る系の場所なのか?とは思ってしまった。
ただ、いきなりあんなのが出てくると流石に恐怖心までは隠しきれなかった。
「わ、私はタケノコ。なんかよく分からないけどここに来た人間だ!」
「そんなの関係ない!アイシクルフォール!!!」
「うわっ!」
いきなりチルノが攻撃するものを避けていく。昔より圧倒的に動きが良くなっている。
そんなこんなで色々再現しようとしたが、途中からそんなことは完全に忘れてしまった。
ただ、2人とも懸命になっているのだ。賭けるものは今までで最高クラスにでかいかもしれない。
「さぁ、まずはあれかな?ホワイトスタート!10分後、チルノの体が1分だけ動かなくなる!」
ずっと昔使っていた物だ。ただ、そんなものでさえ忘れるわけがない。
「なら、10分以内に倒せれば良いんだ!パーフェクトフリーズ!!」
チルノがそう言ってから数秒後、10分後って言ったことを後悔した。普通にやっていたら負けるに違いない。
ただ、まだまだこんな事で負ける私ではない。彼女の力は凄いが、こっちも諦めてはいけない。
「さて、次は---グランドファイアインフェルノ!」
「来たな、無敵技---!」
チルノが攻撃し続けるが、1ダメージも受けない私。どれだけやっても意味がない5分である。
ただし、私は攻撃し放題だ。どんどん攻撃する。
「行け、火炎玉!!」
「うわっ!危ない---。」
彼女も勝つために避け続ける。攻撃は最大の防御とはいうが、避けられてはそもそも勝ちが見えない。
「ならば影分身で攻撃!」
現在の自分の体調では6体の分身を作れた。ただ、1体ずつの威力は若干下がる。
「さぁ、分身、フィナーレの時間です!」
そうして、チルノの周りを6体、分身が囲む。
「---今だ!」
ずっと何も言わなかったが、いきなりそう叫んだ。こっちには何が今なのか全くわからない。
ただ、作った分身を皆倒して、あっという間に自分の目の前にやって来た。
「無駄ですよ?まだ効果は切れていな---あ、切れた。」
「アイシクルフォール!」
「えっ、ま---ぐふ---。」
チルノは、避けながら5分間を数えていたのだ。60秒×5で300秒。1秒の誤差もなく決めてきた。
「いってぇ---。」
この体力では奇跡が20回位起きないとたちうち出来ない。
「や、やりますねぇ。」
「でしょー?お前は全てあたいの思うつぼなんだ!」
余裕の表情を浮かべ、ゆったりしているチルノ。
「じゃ、どの技で負けてあたいと付き合うか、選ばせてあげるよ?今まででやったなかで、攻撃してほしいものは?」
なんだか次で終わりそうな予感はしていた。ただ、数年前はかなりの⑨だったし、もしかしたらと思い。
「せ、せめて85秒時間を---。」
「別に良いよ?」
そう言って、ゆっくり考えるふりをしてみた。まぁ、バレてはなさそうだ。
そうして、85秒経ち、適当に技名を言ってみた。
「へぇ、それで良いのね?いくよ!---。あれ?」
チルノが急に動けなくなる。
「残念でしたね。ホワイトスタートの時間ですよ?」
そうして、チルノを追い込む私。ただ、彼女にもまだ秘策がある? 終
次回、思い出の勝負、決着!お楽しみに!
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第96話→時は過ぎ、強さに自信をもつ2人!定めを乗り越えろ!
自分を本気で倒そうとしたチルノだが、ホワイトスタートによって動けなくなってしまった。
「か、体が動かない!?どうしよう---。」
「チルノ様、対戦、ありがとうございました!」
そう言って、ゆっくりチルノに手を伸ばす。悔しいが、体が動かないチルノ。体は動かない。体は---。
「アイシクルフォール!」
「え?---ぐはっ---!---なっ!?」
チルノがいきなり攻撃する。しかし、私は体が動かなくなると言ったはずでは---。頭の中で大混乱。
すると、1つの結論が出た。
現在、チルノの手は私の前。私は体が動かなくなると言った。つまり、体が動かなくても、ギリギリのところでアイシクルフォールを打てば---。ということだ。
そんなことに気付いて、後ろから回り込み作戦をする私だが、1分と言ったのに大後悔。既に1分経っているのだ。
「そ、そんな---。私の作戦が---。」
そう言うと、チルノがとんでもない言葉を言ってくる。
「こんな風になるなんて、よ☆そ☆う☆ず☆み!」
かなり嬉しそうで笑っていたが、ここで終わるわけがない。
こっちにも切り札はある。それも、最強のあれである。
おそらくだが、これも彼女にはバレバレだろう。しかし、今のままではもう一度アイシクルフォールを打たれて負けてしまうはずだ。
「チルノ様。よくここまで成長しましたね。では私の本気、受け止めてみてください!闇色ドラゴン召喚!」
「来たかぁ---。大丈夫。ずっと対策はしたんだ。」
そう言って、自分に大丈夫だと言い聞かせるチルノ。ただ、かなり大きな龍に普通に攻撃していても意味がない。
そう、彼女にはこの状態にもこっそりと対策を取っていたのだ。
ここまで来るとは全く想定していなかった私。ただ、まだまだ勝機が0というわけではない。そんなの当たり前なことだ。
「フフフ、チルノ様。行きますよっ!影分身!」
そうして、陸から、空から。彼女を四方八方囲む。もう手をつけられないチルノ。
「はっ---まずいよー。こんなの勝てな---。」
い。と言いそうになったが、ふとなにかを思い出したかのように止めた。
チルノと私が出会って数週間、チルノと私の再戦で、彼女は私の術中にはまり完敗した。
あの日、私を越えると決意した。それが、彼女の夢。ここ数年間での1番の目標だった。
それを達成するチャンスは数多くはない。ただ、今日はそれを成し遂げる機会がある。ここで挫けてはいけない。
そう思い、静かに目を閉じる。
そうして、目をゆっくりと開け。
「フロストコラムス!」
「にゃ?まじかい!」
いきなりチルノが分身を一掃する。危ない場面も今まで習った通り上手く切り抜ける。
あまりにも強すぎてこっちが冷や汗をかいてしまう。ただし、こっちも分身がやられただけで負けるわけではない。
「チルノ様。相当本気なのですね---。私を倒すため、完璧にやっつける目標。---うん。」
妖精と人間。お互い最後に笑うために必死に繰り広げられたこの勝負。
そして。ついに。
「うっ---。ぐふ---。」
「さぁ、あたいの全力、受け止めてみて!」
「ま---待って---!まだ、終わっていない!」
そう言って私が抵抗するが、あの瞬間から負けが確定しているのだ。
数分前---。
「さぁ。闇色ドラゴン!一気にやっちゃうよ!」
そう言って、一気にチルノの前により、近距離で攻撃する。もちろん、いきなり避けるなんて絶対に出来ない。
「あっ---待って---!痛っ!」
かなりダメージを与えられた気がした。しかし、本当にチルノが狙っていたのは、私ではなく私が乗っているものである。
ただ、どうすれば良いか。それは、昨日チルノが考えたことである。
「ダイヤモンドブリザード!を龍に攻撃!」
「龍に!?」
現在、チルノに近距離で攻撃したばかりでかなり近距離に龍がいる。つまり、今攻撃すれば、凍らせることができる。
「嘘!それはまずいよ!」
そうして、現在。
「あぁ。」
私が横に倒れて動けないなか、ゆっくりとチルノがやって来る。
そうして、私の上に乗り、頭に手をのせる。
もう私に出来ることは殆どない。
「ふっ---。私の負---。」
「アイシクルフォール!!」
「えっ?もう終わあぁぁぁぁあ!!」
「最後まで決めきるって言われたからね!」
その攻撃は1分程続き、完全に動かなくなった私。
それから、チルノが私を背負い、部屋まで連れていく。
部屋についた瞬間、ずっと意識がなかった私の目が開いた。
「こ、こは?」
「あたい達の部屋だよ!」
チルノにだっこされたまま、ずっと会話をしていた。
そうしていると、誰かがやって来た。
ドアを開けると、何故か霊夢がやって来た。
何でやって来たか聞くと、意外な事を言ってきた。
「2人の勝負、見てたわよ。チルノ。凄い強くなったわね---!」
「えへへー。」
どこで見ていたかは分からないが、どこかに隠れていたのだろうか。いずれにせよ、話し方的に本当の事を言っているはずだ。
「ところで、チルノ。ずっと彼をだっこしているの?」
「だって、今から約束を守ってもらうんだもん!」
「約束?その前にひとつ。私と勝負してみない?」
今のチルノなら良い勝負が出来るし、もしかしたら勝てる---かもしれない。ただ、霊夢もかなり修行はしてきている。それも、体が壊れる寸前まで。
だからこそ勝負すべき。って言った方が良く聞こえるような。ここでつまらない発言なんて、誰もしないと思い、チルノは。
「じゃあ、あたいが勝ったら博麗神社の資金半分貰うね!」
「ちょ、流石にそれはダメよ!」
慌てる霊夢だが、数秒後にそんなことが嘘だなんてしっかり気付いた。お金の話になるとすっかり本気になる霊夢。
そこに謎にやって来る魔理沙。ずっと1人でいたのか寂しくなったのだろう。
一人になると悲しくなってしまう。大体の人が当てはまることだろう。魔理沙もその1人だ。
「お、チルノと霊夢が勝負?昔ならあり得ないことじゃねーかよ!」
そういう魔理沙だが、本当にチルノと勝負したいのは魔理沙のようだ。
ただ、流石に魔理沙もそんなことは言えず、少しウズウズしているが、観戦するのも面白そうだと思い、口を閉じていた。
まぁ、1つだけ、魔理沙が気になっていることがあった。それは---
「ところでチルノ。なんでずっと彼を抱えているんだ?そんな恥ずかしそうによ---。」
「い、今から---いや、後で約束守ってもらうだもん!」
そんな照れていることは知らず、またまた気絶してしまった私がいた。 終
次回は私vsチルノではなく霊夢vsチルノ!?お楽しみに!!!
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第97話→チルノ対霊夢!あたいの本気は海より深く---。
太陽が昇ってきた。
太陽が真上にやって来た。
太陽が沈んだ。
太陽は時間と共に位置が変化していくが、今のチルノを同じように表すことが出来る気がする。
チルノと出会った。
チルノに脅され、一緒に強くなってきた。
いつの間にかチルノに追い越された。
ずっと側にいて、彼女の事はよくわかっているが、霊夢の側にいることはあまりない。
もし霊夢を表すとしたら。
霊夢に出会った。
一緒に異変解決した。
なんだろうか---?
最後がどうなるかはこの後の勝負で決まるはず。チルノが勝てば、やはり追い越しただし、勝てなかったらやはり霊夢は強かったになるだろう。
ただ、僕らが強くなっているのは太陽をチルノに変えた文でよくわかる。
一番最初がスタート地点として、ゴール地点は一番下なのか?と言われたら、きっとそれは違うだろう。
僕らが別れるわけではないし、もし別れたとしても1つの小さな冒険が終わるだけで、まだまだスタートとゴールは存在する。
いつか出会ったものは別れに繋がる。むしろ、別れがあるから出会いがあると言った方が良いのかもしれない。
その期間が、1年だとしても、5年だとしても。永遠ではない。
しかし、僕らの絆は永遠に続くと思う。体は消えても何か、赤い糸のようなもので繋がっているモノや人は大量にあるのだろう。
そうして、彼女は毎日のように大変な特訓に耐え続けた。今度は彼女から色々教わる番なのか?
「おーい---。」
円卓を囲み一緒に英語や数学のお勉強したり、太陽の光があまり入らない森の中で修行したり。
「おーーーーい!何妄想してるのーーーー?」
まぁ、どちらにせよ完全に彼女に勝てなくなっていそうな気がするし---。
「アイシクルフォール!」
「痛い痛い痛い痛い!ちょ!---。」
「その、おはよう。今から勝負するし、折角だし見てみてよ!」
今日はチルノが霊夢と勝負する日。ずっと彼女の側で寝ていたようだ。
ゆっくり起きようとしているがチルノはある言葉を残して博麗神社へと向かった。まぁ、早く来てよね!っていう極単純な言葉ではあるが。
霊夢の掌の上で一人踊らされるか、良い勝負が出来るか、展開がどちらに傾くかはわからない。
ただ、すぐに博麗神社の元へ行くと、既に勝負が始まっていたようだ。
こんな寝起きすぐにどうやって勝負するのかよくわからない。こっちは眠くて眠くて倒れそうなのに---。
ただ、あの2人は熟睡したかのようだ。準備運動も終わらせ、勝負をするときの目に変わっていく。
「じゃあ、あたいの実力。いや、あたい達の実力、とことん味わわせてやる!」
「あたい---達?」
言いたいことはきっと、1人で強くなったわけではないということだろう。ただ、そのあと彼女はその話題が無かったかのように攻撃を開始した。
戦闘の扉を開けると、そこは戦場。いつ攻撃されてもおかしくない。
「アイシクルフォール!」
「やっと来たわね---って、強すぎじゃない!?」
最近チルノと霊夢が勝負したのはいつなのか?全然分からないが、その時からは明らかに強の世界へと向かっている。刃の研がれ方が全く違う。
「さ、流石にすぐに終わられようと思ったけど、なかなか厳しいようね。」
さっきまで裁判で白を貰ったときのように余裕そうだった霊夢が、1つ証拠品を出されたように内面では少し慌てている。
「私も巫女として、負けてられないのよ---。チルノ。折角だし、本気で勝負してあげるわ!」
「最初から本気でいてほしかったよ---!」
お互い交感神経を働かせはじめ、勝利の杯をつぎに、戦場での弾の数は急激に多くなっていく。
その美しさは華麗に咲いた薔薇の花をも軽々越え、太陽にまで届きそうなものだった。
「あれでやられないなら---絶対に決める!パーフェクトフリーズ!」
「反撃開始!夢想封印!!」
「そんなものに負けるわけ---うわぁっ!」
思ったより霊夢の1発が強く、いきなりピンチになるチルノ。
だが---。
チルノはこういう。しかも、本当の事みたいだ。
「うへへ、前よりも痛くないぞー。霊夢、あたいの本気をなめてもらっちゃ困るねー!フロストコラムス!」
「マジかっ。っつっ---。」
徐々に蓄積されていくチルノからのダメージ。
最初の攻撃をA、次をB、C---とすると、現在までのダメージはA+B+C---ではなく、きっとそれに何かが足されているはず。
霊夢の体は完全に冷えきり、鳥肌が立っている状態だ。
一方、チルノには夢想封印という攻撃Aしか当たっていない。現在チルノへのダメージは合計でAだけである。
ここからはお互いの体力がどこまで持つかだ。
必死に動いて冷えきった体を何とかしようとする霊夢。人の限界を越え、風車のように超高速で回転しながら攻撃している。
霊夢より小さいからだ、妖精でも人間に負けじと攻撃し続けるが、ずっと避けていると、いつかは限界が---。
「あたいに限界はない!これで決めてやる!アイシクルマシンガン!」
十数メートル先にいる霊夢に迫るこの技。
「いっけぇぇえ!あたいの全力で、最強になるんだぁぁ!!」
「うっ!」
霊夢に直撃!したように見えたこの攻撃。
ただ、私が一瞬見たのは、霊夢が瞬間移動をしたかのようにチルノの後ろに着くところだった。それも、1メートル程のところに。
「夢想封印。これで終わりよ!」
「はっ---ちょ、タンマ!うぁっ---。」
その後チルノは何も話さなかった。ただ地面に落ちていき、それを私が優しく持ち上げる。
「チルノ様、お疲れ様でした。頑張りましたね---!」
その姿に気付いた霊夢はこっちにやって来る。
ただ、よく見ると霊夢もかなりの傷を負っていた。もう体力は殆ど無さそうだった。
「ふぅ---彼女。強くなったわね。流石、良い育て方よ。」
「育てたのは私ですが、努力したのは彼女ですからね?彼女の努力の成果です!」
休んでいるチルノを見て、ちょっと顔が赤くなり、それから部屋に戻る。休んでいるチルノがますます可愛く見えてしまった。
それから1時間後、チルノがようやく目覚めた。
最初に聞いてきたことは、当たり前のように霊夢との勝負のことだった。
結果は現在の様子からよく分かるようだ。ただ、霊夢に会いたいという。
「チルノ様?霊夢なら、ここに。」
実は、彼女が起きるまで霊夢が側にいたのだ。
「れ、霊夢。お前---じゃなくて、霊夢はやっぱり強いんだね。あたい、やっぱり幻想郷で最強になるなんて無理なのかな?」
素朴な疑問の中にある深いチルノの望み。ただ、望みが海の底より遠くても、技術をあげていけばいつかは---。いつかはたどり着く場所なんだ。
チルノはそう考え、海の底より先へと向かう。
「あ、そういえば、勝負してくれてありがとう---ございました。」
「そんな、いきなり敬語使わなくて良いのよ?私も相当危なかったわ。正直、あれ避けられてたら負けてたかも。」
この一言だけでも今回の反省点はたくさんある。無限ではないが、しっかりやらないと直せないほどに。
チルノの希望。私の希望。目に見えないものであれば、それだけ到達地点の美しさが増していく。暗闇の先にある夢の場所に繋がっているのだろう。
「じゃ、私は帰るから、あとはよろしくね。」
「ありがとうございました。」
そうして、霊夢はまた神社へ戻るのだった。 終
次回もお楽しみに!
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第98話→チルノの!大ちゃん大チャンス大作戦!
命を賭けて戦う人。
望を賭けて戦う人。
絆を賭けて戦う人。
今日もどこかで戦いは起きている。ただ、上は綺麗事を並べただけであり、本物の勝負は実に残酷なもの。
僕らが楽しんで勝負をする事なんて、本当ならあり得ない話だ。
さて、今頃チルノは何をしているか?さっき外に出る前に、大ちゃんと遊んでくる~ってのんびりしていた。
ようやく、平和ってものが訪れてくれたのだろうか?まぁ、いずれにせよ、平和が崩れるときは必ず来る。その時はすぐに解決に向かわなければならない。
「あーーー、暇だぁーーー。」
正直、一人で部屋の隅っこにいると退屈でしょうがない。ここは1つ、面白いことを考えてみる。
「数年前、僕は幻想郷という世界でチルノにであった。そこで彼女との勝負に負け、縛り付けられて---。あれ?この先なんだったっけ?」
色々なドラマがありすぎて、昔の物語なんて重要な部分でないところは忘れてしまった。
「さぁ、自分もお出かけしよーっと!」
そうして、テキトーにその辺を散歩する。
しばらくすると、ある家が見えてきた。その前には魔理沙が退屈そうに立っている。平和ボケは嫌なんだよとか言いながら。
「あ、魔理沙。久しぶり~。」
「おう、タケノコじゃねーか!なんでこんな近くにいるのに久しぶりなんだろーな?つーか、なんか異変ないのか?」
「異変なんてないほうが---。」
誰かと勝負したそうな魔理沙だが、今日は勝負する気にはなれない。そもそも、異変起こって欲しいとかいう方がおかしいのでは?とは思った。
「さて、部屋に戻るか。」
そうして、自分は一人、また孤独の世界で仲間を待つ。
その頃、皆でガヤガヤしている妖精グループは。
「あー、負けちゃった~。チルノちゃん腕相撲強すぎ~。」
「へっへー、あたいは最強なんだ!」
そこで、妖精たちから急だけど面白そうな発言をしてくる。
「チルノちゃん!私たちも強くなりたいから色々教えてよ!」
「え?それは---。」
なんで自分なんだと戸惑うチルノだが、仲間たちからの願い、ちゃんと受け止めることにした。
ただ、何を教えるか。そんなの全くわからない。
そこに、部屋から戻ったが彼女の事が心配になってやって来た私。すぐにチルノが質問する。
「ねぇねぇ、大ちゃん達が強くなりたいんだって、あたい、どうやって教えたら強くなってくれるかな?」
「なるほど、ならば1つ。基本から教えてみてはいかがでしょうか。それ以上は言わないようにします。あなたへの試練?みたいなものですよ?」
「基本かー。やってみる!」
そうして、チルノがやり始めたのは---。
なんと、まさかの勝負だった。
彼女になにか秘策があるのか?ただ単にチルノvs大妖精なんてやっていたら今なら1秒で決着が着く。
それどころか、大妖精が重症だ!いやいや、一生入院級かもしれない!
「さぁ、勝負!」
「チルノちゃん---私、絶対に勝てな
「アイシクルフォーーール!!」
「うぁぁぁぁあ!!ま、まって!チルノちゃ--チルノ様---。」
ここに来て、やっと大ちゃんがまずい事になっているのに気付いた。
「あっ、ごめん!」
「チルノちゃんが、そのやり方が良いなら、私は絶対に着いていくよ---。」
なんか、自分が悪いやつにやられそうになったとき、身代わりになってくれた仲間のようだった。
ただ、彼女も急所は回避したようで、頑張って立ち上がる。
そうして、意外なことにこういう。
「チルノちゃん、私は---。」
「待って、大ちゃん。ダメだよこれ以上動いちゃ---。かなり怪我しちゃってるよ---。」
なんだか強引な修行になっているが、これが1番最初の教え方。自分も最初に教えるときは下手だった。
それからずっと教え続けて、いつの間にか良い感じに教えられるなった。
彼女にも同じようになってほしい。そう思ってそのままにしておいたのだ。
そう考えていたが、いきなり私の元にやって来るチルノ。
「ねぇねぇ---どうすれば良い感じに教えられるのぉ~ー!やっぱりよくわかんないから、もっとぶぉーーって感じに教えて?」
「うぉー。」
いきなりやって来て驚いたが、流石にこっちに来られたし、目がキラキラしていたから教えるしか無さそうだった。
「分かりましたが、そのぶぉーーってなんですか?」
「それは---。」
それから、毎日のように皆に色々と教え続け、ずっと皆を傷つけ、時には自分がミスしたり---。
ただ、1つ問題点がある。
大ちゃんには---必殺技がない。
これにはチルノも大苦戦。ずっと大ちゃんに必殺技を教えようとするが、自分と教えたがにていて、すぐにテンパる。
「どうすりゃ良いんだよー---。」
ずっと困り続け、しばらくの間、別に必殺技なんてなくても良いんじゃないか?と綺麗事さえも思ってしまった。
ただ、ここで一つ案が思い浮かぶ。
「そうだ。何も出せないなら---。」
そこでチルノが考え付いた事は---。
「大ちゃん!あたいなりに必殺技を考えてきたよ!」
「本当に!?」
大ちゃんも嬉しそうだ。
ただ、次の言葉を聞くまでは。
「その名も、大ちゃん大チャンス大作戦!」
「チルノちゃん---それ一発ギャグ?」
思ったより冷たい雰囲気になったが、内容はレモンの酸の強さのようだ。
「大ちゃん。まずは近くによって?近寄りすぎないで!」
「え?うん---。」
そこに、チルノが面白いものを置いておいた。
「これで、何が起こるの?」
意味がわからないようだが、まぁ。普通はそうだろう。
そのとき、ある場所で---。
「うわぁっ!」
急に大ちゃんが転びかけてしまった。また、いつも通り怪我だけして終わるのか?そう思った時だった。
「そこで転ばないで耐えて!」
なんとか言われた通りやるが、少し姿勢を低くした状態で止まる。
「そこからあたいに向かって攻撃するんだよー!」
どこかの漫画本にあるように、相手の視界から一気に消える。ただ、それが大チャンスなのだ。
「チルノちゃん。これは?」
「えへへー。攻撃する瞬間に避けるんだよ!それから攻撃するんだ!」
シンプルかつ面白そうな案だが、正直なんとも言えなさそうだ。ただ、これが案というもの。
その後、チルノvs大妖精では---。
「ぐはっ!チルノちゃん強すぎー。」
「大ちゃん!まずは基礎体力をあげよう!」
結局、1からがんばる作戦になった。
「よーし、チルノちゃん。私がんばるね!」
なんだかんだで今日も修行はしていくもの。1を2に、2を3に。いずれ無限へと変えていくもの。なのだろうか?最終的にはそう考えた2人だった。 終
次回もお楽しみに!
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第99話→幻想郷探検!コレが本当にしたいことなのか?
「ふぅ---一人を一人前にするのって凄い大変なんだね---。」
そうチルノが自分に言ってくる。
自分と同じ道を辿る人がいると、何だか嬉しくなる。ただ、そのあと彼女が言った言葉が、いつくるか分からなかったあの言葉だ。
「ねぇ。」
「はい?あ---。まさか?」
「そう。ちゃんと、付き合ってくれるよね?」
「そうですねー、まぁ。約束ですからね。勿論です!」
「あたいのずっと目指していた目標。やっと達成できたよ---。」
今までで一番嬉しそうな気がした。こっちも嬉しいのだが、ずっと余裕余裕言ってたあの時期が恥ずかしく思ってきた。
ただ、1つ疑問に思うことがある。これはずっと思っていたことだ。
「付き合うって---いつもの事じゃないですか?」
「違うよ?あたいとずっと手を繋いでもらうんだ!ほら、あたいの事をだっこして?」
よく分からないことを言ってるが、とりあえず言われた通り手を繋ぎながらだっこした。
すると、急にチルノがぎゅーーって大きい声で言う。
少し驚いたが、まぁよくやりそうな性格だし---。それに楽しそうだからそれはそれで良いのかなと思っていた。
「チルノ様。どこに行きますか?」
「紅魔館と白玉楼と永遠亭と博麗神社と魔理沙の家と宝船と地底と---。」
「分かりました。わかりましたから!ぜ、全部いきましょ?---ね?」
「やったぁ!」
好奇心旺盛なチルノ。行きたくなったところには何としてでも行きたいようだ。
でも、行きたいところがありすぎてどから行こうか迷っていた。
ただ、1箇所だけどうしても行きたくない場所があるようだ。
「あたい、地獄には行かないからね?」
「ふっ---じゃあ、最初は映姫様の前に行きますか?」
「やだやだやーだ!なんか威圧が---。」
「あ、もう後ろにいますよ?」
「え?うわぁ!」
後ろを向くと、映姫と八雲紫がその場にいた。どうやら、紫は映姫のお説教をくらっている最中のようだ。
「地獄の閻魔様---。こ、こんにちはー。」
映姫に説教されると確信したチルノだが、意外なことに挨拶だけして行ってしまった。たまたまここを通っただけのようだ。
ただ、僕らを見ると映姫のほっぺたが少し赤くなっていた。
後ろに小町もいたが、一緒に行ってしまった。なんで森の中にいたかは分からなかった。
「じゃあ、まずは紅魔館行ってフランちゃん達と遊ぶ!」
急な決定でなんでこの答えに至ったかは分からなかったが、とりあえずその場所へ向かった。
ずっとだっこしていて少し疲れたが、寝ている門番の前についた。
とりあえず、咲夜に伝えるか迷ったが、そのまま見なかったことにしてあげた。背中にナイフが刺さっている姿なんて見たくなかったからだ。
ただ、流石に勝手に入って良いかわからないが、まぁ---最終手段に門番が寝てたので勝手に入って良いんだなと思いました!とか言えばなんとかなると思った。
そうして、歩いている途中に一つ。
「チルノ様---ずっと抱えていると大変ですので降りてくださいよー。」
「だーめ!あたいの命令だ!」
そう言って降りようともしない。色々お話しているところ、もう紅魔館の前に来た。
「フランちゃーん!遊ぼうよ!」
チルノがそう言うと、フランが出てくる。
「あ、チルノちゃん!って---何その態勢---。」
半分面白がって、半分は呆れた目で見てくる。
結局、そのあと紅魔館全体で遊び、いつの間にか夜になっていた。弾幕ごっことか、危険な遊びはしなかった。
今日はもうどこにも行けなさそうだが、チルノは無理やり色んな場所に行きたがる。
一つ、自分がおことわりしたのは---。
「チルノ様、この時間の白玉楼はダメですよ?あの食欲お化けがご飯をめっさ食べてますからね!」
「じゃあ白玉楼だ!」
なんか今日どこかで聞いたような言葉が炸裂し、向かったのは---。
「やっとついたよ---。地底。」
「何故夜にここを!?く---暗くてお化けが---。」
「だってさっき白玉楼だけは行きたくないって---。だ・け・は!」
その後、チルノの事をより強く握りしめ、ゆっくり歩いていった。
異変の時、自分がはまった落とし穴がそっくりそのまま残っていた。今思えば浅そうに見えるが、そんなことは後の祭り。今は関係のないことだ。
と、そこに誰かがやって来た。
「あら?チルノさんに---誰だっけ?」
「タケノコです!お久しぶりですー。」
古明地さとり。最近あまり見ていないような気がした。もう月が真上にどんと構えている状態だ。
ただ、ここで何をするかなんて全く決めていなかった。
とりあえず、いつもさとりがいる部屋に入って---。色々話しているうちに、あの時の話に入る。
「あのとき異変を起こし始めたのはかなり後悔してます---。まぁ、その後にどれだけ学べるか、それが大切なんですね。」
最近は異変も起こらず皆やるべきことをやっているようだ。それが形に現れているか、現れていないかは内容にもよるが、どちらも良いことだ。
まぁ、結局月は頭のてっぺんを通り越したが、ずっと話続けてしまった。
そんなことをしているから、チルノはもう寝てしまっている。
流石に朝まで話すと次の日の体力がないから、一度自分達の部屋に帰ることにした。
寝る前に思ったことがある。
彼女がしたいのって、本当にこんなことなのか?もっと幻想郷1位を賭けて勝負したいのではないのか?
今僕らには変身というものが存在する。どこかのへーんしん!やー!みたいな事を叫んで。
ただ、幻想郷最強の人になんて全く会えていない。これからもきっと会えないかもしれない。または、どこかで会えているか?
ほぼ100%それはノーだろう。だって、まだここには数えきれないほどの人がいる。だから、数えきれないほどの冒険があり、異変がある。
明日、いや、もう今日だが、今日の朝は彼女が本当は何をしたいか聞いてみることにした。
そうして、太陽が昇ってくる。まだチルノは疲れきったのか起きない。無理に起こすのも良くないから、じっと待っていた。
午前10時程になってやっと起きてきた。
「ふぁ---おはよう。あっ!昨日のことは?」
「チルノ様。」
すぐさま自分からこういう。それから---
「本当にしたいことを、教えてほしいです。」
少し驚いてるチルノ。
「バレちゃったかー。あたいが本当にしたいことは---。」
次回---最終回!
次回についてのお知らせです!
①次回の投稿は3日後ではなく7日後。字数普段の倍くらいと最終回ぽくします!
②次回は重大発表あります!
③最後までゆっくりしていってね! 以上です!
さぁ、彼女が求めていることとは?お楽しみにです!
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最終回→決めた未来はスタートへ---
重大発表は後書きにあります!では、最後までゆっくりしていってね!
「あたいはチルノ!さいきょーの妖精さ!」
チルノがよくいう言葉。きっと僕らが出会った時もそんなことを言っていたに違いない。
今、彼女が最強かどうか。今まで出会った者たちに聞いたら、きっと全員が違うと答える気がする。
では、もしこれが---。
「あたいはチルノ!みんなに負けないように強くなってきた妖精さ!」
ならどうだろうか?
これなら、ほぼ全員がそうだと答えるだろう。
これをチルノにそっくりそのまま言ってみた。それから何をしたいか聞いてみた。
すると---。
「あたい---もうやり残したことなんてないよ---。ずっと助けて貰って。だから、これからはお前を助けてやる!」
昨日の疲れが吹き飛んだようにそう言ってきた。
その頃、幻想郷の外の世界では---。
「よし、これでタイムマシンが---。」
ある人が、タイムマシン。時空を歪ませる実験をしていた。それも、最終段階に。
それから、タイムマシンを使い、過去へ行こうとした人。この人こそ、私の実の父だ。しかし、その実験も虚しく---。
「うわっ、まずい!」
起動させてから数秒後のこと。近くにいた人々も巻き込む大事件となった。
そうして、自分の父がやって来たのは---。自分が数年前にやって来た天空のくじ引き所だった。
その情報が幻想郷の閻魔様にも届く。勿論、それを自分に伝えようとするが、もっと面白いものができた。
自分のこれからを分ける運命の扉だった。
幻想郷は外の世界とも少しはリンクしている。外で大爆発が起きて、一部分で空間が歪んでしまった。
ここと外を繋ぐ扉は、3時間程で消えてしまうが、これに入ってしまったらもうここには戻ってこれない。
数分後、映姫が父について伝えに来た。会えるのはこれが恐らくラストチャンスだと。それと、空間の歪みについても。
最初に思ったのはこれ。
「父の後をついで、外の世界でタイムマシンを作らないといけないのかな---。って、父って誰だ?あ、前世の父か---。」
チルノと別れなきゃいけない辛さ。ただ、やらなきゃいけない事には突き進まなきゃいけない。幻想郷で学んだことだ。
「で、最後に父に逢いたいですか?」
映姫がそう言ってきたが、断ることなんて出来ない。というか、自分から言いたい位だった。
「はい---。」
1時間後に別世界の閻魔の元で裁判が下される。それまでに父をここに連れてきてくれるようだ。
その間、自分は幻想郷の思い出を頭に思い浮かべる。
最初にチルノに出会ったとき、霊夢に会ったとき、初めて異変を解決したあの白玉楼。皆で遊んだ紅魔館に、相当苦戦した永遠亭---。
「ううっ---。」
思わずその場で泣いてしまう。チルノが300メートル程先で修行をしているなか、ただ1人。森のなかで。
「今まで、ありがとう。僕は、父の希望を継がなきゃ。」
例え前世の記憶が少なくても、父や母の事は大切にしている。だって、その2人がいて自分がいるのだから。
1つ、やらなきゃいけないことがある。チルノにこの事をどう伝えようかというものだ。
どうせ彼女の事だしこんなこといっても今日はエイプリルフールじゃないよ?とか言ってくるだろう。
ただ、何も言わないでこっそり出ていったら遠くから睨まれてしまう。
ずっと考えた結果、300メートル駆け抜けていった。
「チルノ様---少しよろしいでしょうか?」
「ん?」
「実は、---。」
やはり何も言えずその場で立ったまま動けなくなった。でも、言わなきゃ。
「実は、---。前世にいた場所に戻らなきゃいけなくなったのです---。」
「またまたー、今日はエイプリルフールじゃないよ?」
予想通り最初は笑って見過ごす。しかし、そこに丁度やって来たいつも映姫と一緒にいる小町。
「本当のことよ。彼の前世で父が大事故を起こして---。」
その後、映姫が詳しく説明をした。徐々にチルノの顔が青ざめていく。
「そん---な。もう、この日が来ちゃったの---。ずっと一緒にいたかったのに---。」
「ごめんなさい---。」
「もう、お前なんか知らない!勝手に行ってしまえ!」
ムキになったチルノがそういう。すぐに荷物だけ整理して、その場から出ていく。
「もう、やり残す事は---霊夢にだけは伝えなきゃ。」
そう、霊夢にこの事を言おうと博麗神社に行く。最後のお賽銭に5円玉をいれる。何か良いことがあるのだろうか?
そうして、霊夢にそれを言うと、最後に見送りに来ると行ってきた。
「これで、本当にやり残す事はない!やり残す事は---。」
また泣いてしまう。1度目の涙はなぜ流れたか分かるが、今回のはよくわからない。
そこに、父が到着する。すぐに呼び出されてそこへ向かった。
映姫から1つだけ言われた。
「この後外の世界へ行くなら、私と会うことはもう恐らくないです---。この先どうなるかわかりませんが、1つ。もし外の世界へ行っても、自分が一番したいことをするのです。」
「そちらも、閻魔として幻想郷を守る事。とてつもなく大変だと思いますが、焦らずに---。また、どこかで会えたら。」
「ええ。」
そうして、父の元へ向かう。制限時間は10分程度だった。
父の顔を見ると、なんとなく前世の事を思い出した。詳しく思い出したわけではないが。
何を言おうか考えていたら、いきなり父がこう言う。
「元気でいたか?」
「勿論。」
正直、よく体調は崩していたが、とりあえず肯定か否定かなら、雰囲気的に肯定を選ぶ。
「今は何をしているんだ?」
「ええっと、みんなを守るために異変を解決して---。」
「良いことをしているな。今後も続けていくのか?」
幻想郷か、外の世界か。父に会うまでにずっと悩んでいた。普段ならどちらでも良いと言うが、今回はそういうわけにもいかない。
下を見てゆっくり考える。まぁ、言うことは決まっていた。父の為。
「父の後を継いで、タイムマシンを作るべきだと---。」
「それ、本当にお前がしたいことか?」
「えっ!?」
よく見ると、父が何か持っている。画面を覗くと、自分の様子が映っていた。
それも、チルノと絶交した場面。
何やら、父はこれをしっかりと見ていたようだ。それと、泣いていた所まで。
「お前には、大切なものがいるんだろ?その子を守ってあげるのが一番良いんじゃないか?というか、自分の後を継ぐなんて、嫌々言われても来て欲しくないからな!まぁ、これからも異変解決頑張れよ!」
たった30秒程で言われた父の言葉で自分の心を大きく動かされた。やらなきゃいけないことが変わる。
こんな感じにやる事が変わることなんて異変ではたくさん起きてきた。仮説を立て、立証するか確かめる。これを何度も繰り返して解決をする。
今回も同じだ。仮説を立て、それが間違いだと気付き、新たな仮説をたてる。
「あの子に---謝らなきゃ!」
「残念だが、もう時間だ。では、父さんは閻魔の元で裁判を受けるが---お前は絶対に地獄に行くような行為はするんじゃねーぞ。」
そうして、父が光のない世界へといってしまった。
その姿を静かに見守る自分。なんだか、自分の前世を想像してしまった。まぁ、この仮説も合ってるとは限らない。
ただ、予想では、きっと理系で皆と色々話していたんだろうなーとは感じた。
そうして、2つの世界を繋ぐ場所へ行く。しかし、今すぐこの歪みを消してしまいたい気分だ。
「バイバイ。別世界の。自分の前世の場所。僕は、今守らなきゃいけないものを、本気で守るよ。」
そうして、チルノの元へ向かう。少し、いや本気で急いで。
「チルノ様!」
「なに?帰るんでしょ?バイバイ。もう知らない。」
「その---。」
ずっとチルノが無視してくる。自分が言っても無駄なのか。まぁ、そりゃそうだろう。あんなこと言ってしまっては。
ただ、父と何を話していたかだけは言った。でも、チルノは聞いていたかさえわからないように無視してくる。
もう仲直り出来ない。そう思っていた直後だった。
「今言ったのは本当の事。」
「あ---。そういえば、さっきバイバイしたけど。いらない別れでしたね。」
「ええ。」
場に1人増えただけで、チルノの様子が変わった。
さっきまで何も聞いていなかったが、急にこっちにやって来て。
「アイシクルフォール!」
いきなり攻撃される自分。なんか映姫も巻き込まれているようだが、見なかったことにしよう。
「いてて---。」
「もう、変な嘘は言わないでよね?結構本気で落ち込んじゃったんだから!」
そうして、この場は2人へと減る。さっきまでとは違い、ずっと笑顔に満ちて、いるだけで楽しくなる場所へ。
もうすぐ歪みは消えるらしいが、そんなところも見にいこうとはしなかった。自分は幻想郷の人。今この瞬間を本気で生きる。
成功しても。失敗しても。
「ふぁー---。またいつもの日々に戻ったね。」
「そうですねー。何しますか?」
「あたい、今回の事でずっと考えていたことがあるの。」
「考え事ですかー。」
「お前を育ててやる!」
「それ、数時間前にも言ってましたよ?」
さっきも今も言ってくる。きっと、ずっと思っていたことなのだろう。
今回もそれを断ることなんてせず、修行の日々が始まった。
しかも、修行の内容は自分の5倍は辛い。勉強して修行して勉強して修行のサイクルだ。休みも殆どない。
「チルノさまー。もう---ヘトヘトですよー---。」
「ほら!次は英語だよ!」
「うはっ。」
およそ4時間で限界に到達してしまう。ただ、これもまたスタートなのかもしれない。
スタートがあってゴールがある。またスタートがあって---。ただ、2つめのスタートでは経験というものがある。1つめより進化している。
今の自分も、進化し続ける。また今まで起きた出来事が繰り返されるのかと思うと、凄く大変だが、今まで数々の人達と仲がよくなった。今は仲間がたくさんいる。
「さて、チルノ様!今日も幻想郷の見回りしてきます!」
「頑張ってねー!」
「チルノ様!ずっと一緒にいさせてください!」
「勿論だよ!」 終---?
まずは、ここまで見ていただいて本当にありがとうございました!およそ300日、ちょっとずつ小説ってどんなものかわかった気がしますw
重大発表
転生したら幻想郷でチルノ様の世話をすることになったった件について\(^o^)/ はこれで終わりですが、この先自分が小説を書くか。
勿論Yesです!(いつになるかはわかりませんがw)
今度は幻想郷の外の世界---いや、これ以上はネタバレになりますねwえ?ネタバレしてほしい?---じゃあ、ちょっとだけ!
ここは夢想都市。色んな町に分かれているが、各町にそれぞれ人口のおよそ0.5%だけ能力を持った者が存在する。それを人を守るために使うものもいれば、悪用するものも。
そんな中、悪いものにある人のが拐われたという噂が漂う。その人の姉が「神風 瞳」。
彼女は妹を救うため、悪者を倒そうと冒険に出掛ける。しかし---
以上です!さぁ、次の主人公は 神風 瞳 です!実は、この先のことは考えてませんw
まぁ、このシリーズ。自分も1話→100話に連れて学んだことはたくさんあります!
では---
次回もお楽しみに!---いや、次作もお楽しみに!!
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