ゴッドイーターで百合妄想してなにが悪い (ゲテモノがかり)
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プロローグ

初めまして


「任務終了、これよりアナグラに帰投する」

 

ふぅ…やっと帰れる

 

ゴッドイーターになってそれなりに経つけどやっぱりソロの任務は慣れないな

 

「シイナさん任務ご苦労様です」

「あぁ、ヒバリか。うん、ノルマはクリアしたかな」

「では、帰投用のヘリがすぐに到着するかと思います、ご苦労様でした」

 

そう言って通信が切れる

 

「そういえば今日は新型が配属される日か」

 

どんな奴だろうか?

 

厳つい坊主頭の脳筋か?

それとも優男なのに戦闘能力が異常に高いスーパーマンのようなやつなのかな

などと昔読んだライトノベルというものの主人公を思い出す

 

「まぁ、会えばわかるか」

 

そうして彼女はちょうど到着した帰投用のヘリに乗り込む

 

 

________

 

 

「紹介するぞ、今日からお前達の仲間になるユイとコウタだ」

 

「えっと…ユイです。よ、よろしくお願いします!」

「コウタです、よろしく!」

 

「ユイは極東支部初となる新型だお前達の大きな戦力になるだろう」

 

「ユイとコウタは第一部隊に配属するお前達、励めよ」

 

「「は、はい!」」

 

「では、以上だ全員任務に戻れ」

 

ツバキがそう言葉を切って去って行った

 

 

極東支部にいるほぼ全員がやはり新型に興味があるのか集まっている

 

ユイと言われた新型が全員に挨拶をして回っている

 

「え、えっとユイです!よろしくお願いします!」

「よろしく、シイナだ」

「シーナさんですねよろしくお願いします」

「あぁ、よろしく」

 

 

一通り挨拶が終わったのか第一部隊の面々が待つ場所に戻り任務のブリーフィングをしているようだ

 

 

 

「そろそろリッカも仕事が終わってるかな?」

 

彼女は友人の仕事が終わっていることを信じて一緒に夕飯でも食べに行こうと誘いに行くのだった

 

 

_________

 

 

「おい、リンドウ」

「ん?あぁシイナか、どうした?」

「あの、新人2人はどうだ?」

「まあまあかな、これからまだまだ伸びるだろうなあの2人は」

「そうか、今は任務か?」

「あぁ、ユイはソーマと一緒に任務だコウタはサクヤとな」

 

_________

 

「う、うう…」

 

どうやらユイの目の前でエリックがオウガテイルに喰われたらしい

なんとか任務はクリアしたものの精神的なショックが大きいようだった

 

サクヤとコウタが慰めているようだが復活まではもう少しかかるようだった

 

「なぁ、シイナ」

「なんだ?リンドウ」

「ユイを慰めてやってくれないか?」

「なんで私が?」

「似てるんだよ、昔のお前と。素直になれないとことかな」

「…うるさい。いまユイはどこにいるんだ」

「部屋に閉じこもってるよ」

 

_________

 

「ユイ、開けろ」

 

サクヤとコウタをどかしてドアをノックする

 

「シイナさんですか?」

 

ドアの向こうから声が聞こえる

 

「あぁ、シイナだ開けてくれ」

「すみません、今は誰とも喋りたくないんです帰ってください…」

「それがお前のところの隊長に頼まれててそうもいかないんだ」

「リンドウさんには私から言っておきますから帰ってください」

「…………リッカか?あぁ、私だ。新しく来た新型の部屋のドアぶっ壊れるから修理よろしくな。修理代は新型の給料から出すから安心しろ。あぁ、よろしく」

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「やっと開けたか、ユイ」

「開けますよ!あんな電話聞こえてきたら!」

「まぁ、フリだから電話なんてしてないから安心しろ」

「そういう問題じゃないです!ていうかなんで勝手に部屋に入っているんですか!」

「うるさい、黙れ」

「横暴すぎです!理不尽です!」

「落ち着けよ」

「落ち着けるわけないじゃないですか!」

「で、なんであんなに落ち込んでた訳?」

途端に静かになる部屋

 

「目の前でエリックさんが食べられたんです、初めて会った人でしたけどエリックさん私にも気さくに話しかけてくれたんです。私が周りをもっと警戒していれば、救えたはずなんです」

「つまり自分が許せないのかお前?」

「許せる訳ないじゃないですか!私の不注意でエリックさんは…」

「こうして新人のユイちゃんは悲劇のヒロインになりましためでたしめでたし、か?」

「ふざけないでください…人が死んでるんですよ!?」

「よくあることだろうが、そんなこと」

「な!?怒りますよ!いくらなんでもゆるせま「お前だけが仲間の死ぬところ見てきた訳じゃないだろうが。ソーマはショック受けてないとでも思ってるのか?ここにいる奴らはみんなそれを乗り越えて生きてるんだよ。アラガミをぶっ殺してぶっ殺されて、そういう世界にお前は今いるんだ」

「…はい」

「リンドウもサクヤもソーマもジーナやブレンダンもみんなそれを乗り越えて今ここにいるんだよ、わかったな」

「はい」

「つらかったらいつでも味方になってやる。誰もお前を責めたりしないから大丈夫だから今は休め」

「うっうわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

泣き崩れるユイを彼女は抱きしめ頭を撫でる

 

 

_________

 

「シイナさんありがとうございます、私頑張ってみんなを守れるようなゴッドイーターになりますね」

「あぁ、がんばれよ」

 

 




【人名】シイナ
【ヘアスタイル】18
【ヘアカラー】1
【トップス】クールスナッズ上
【ボトムス】クォーツスクール下


劣情100%で女の子キャラを作って百合百合させるのが好きです

ユイちゃんのイメージはみんな勝手に妄想してね




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1話

原作沿いがだるくなってきた


「新型がまた配属されるんだって」

「ああ、聞いてる」

「どこから来るのかな?」

「ロシアって聞いたけど」

「あ、噂をすれば、かな」

リッカと話していたらどうやら噂の2人目の新型が第一部隊の前であいさつをしていた

_________

 

 

「はじめまして、アリサ・イリーニチナ・アミエーラと申します」

 

第一部隊の前であいさつをしている美少女が極東支部2人目の新型神機使いアリサ

 

「すっごい美人だね」

「確かに、ロシア美女って言葉がぴったりだな」

「うん極東では見れない綺麗さだよね」

「おんなじ女としては羨ましいくらいの美人でゴッドイーターとしての資質も高い、か」

「羨ましいの?シイナ」

「まあ、な私より美人で才能もあると思うと正直羨ましい」

「そんなことないよ、シイナはカッコいいよ?」

「女の子にカッコいいとか言うなよ、リッカ」

「ふふ、本当のことだよ」

「あっそ」

「シイナったら照れちゃって」

「うるさい、仕事に戻れよ」

「はいはいわかりましたよ、また後でね」

「あぁ、また」

 

そう言ってリッカとわかれ新人、アリサに挨拶でもしようかと思っていると後ろから声をかけられた

 

「えっと、シイナさんですよね…?」

「うん?そうだけど、たしかアリサ?だったよな」

「は、はい、本日付で配属されましたアリサ・イリーニチナ・アミエーラです、どうぞよろしく」

「シイナだ、よろしく」

これがアリサとシイナの初顔合わせだった

_________

 

あれから何度かアリサやユイと何度か合同任務をしていて少しの違和感を覚えていた

 

「おい、リンドウ」

「ん?なんだシイナ」

「最近のアリサの様子は?」

「どうした?突然」

「いや、今日ユイとソーマ、アリサ達と一緒に任務にあたってたんだけど少し、な」

「アリサがちょっと不安定なんだろ?」

「あぁ、実力は全然問題ない超一流だけど…」

「精神的に不安定な気がすると?」

「そうだ」

「う~ん、精神的なことだからなぁ…まぁそういう不安を取り除くのがリーダーの役目だからな、まかせとけ」

「あんまり無理はするなよ」

「おう!じゃあ俺はこれからデートだからな。待たせちゃ悪い」

そう言ってリンドウはデートへと向かっていった

 

 

 

_________

 

一本の緊急連絡がアナグラに入った

 

【リンドウ行方不明】

 

すぐさまツバキの指示によりリンドウ捜索隊がくまれた

 

第一部隊は集められ事情聴取

 

要件をまとめるとユイ、コウタ、サクヤ、ソーマとリンドウ、アリサで分隊を組み任務にあたっていたのだがなぜか同じ区間で合流してしまいリンドウ・アリサのチームが教会内を探索中、突如として教会の天井が崩落してしまいリンドウと分断されてしまい追い打ちをかけるようにアラガミの襲撃にあいやむなく撤退、アリサは精神的ショックで錯乱リンドウは行方不明となった

 

「ユイ!」

「あ、シイナさん!」

「無事か」

「はい、なんとか」

「そうか良かった、サクヤは?」

「サクヤさんは部屋です。みんなリンドウさんが心配でしかたがないみたです。私、撤退するときリンドウさんに頼まれたんです、アリサちゃんを、第一部隊のみんなを頼むって…サクヤさんもコウタもエリックさんのことで落ち込んでた私を慰めてくれた、だから今度はその恩を私がかえすばんなんです」

そう言いながらもユイの手は小刻みに震えていた

 

「あんまり一人で背負い込みすぎるな、私にできることならいつだって手伝ってやるから」

「ありがとうございます…」

「第一部隊はしばらくの休養が与えられるから、リンドウは私たちが必ず見つけるから、だから安心しろ」

まったくもって確証のないことばでもそれでユイを少しでも安心させるため、リンドウが死ぬわけ

ないと自分に言い聞かせる為に

「必ず生きてるから」

と彼女は言う




百合豚でごめんなさい



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2話

原作沿いの話だるくなってきた


「寝ちゃったか」

リンドウが行方不明になり不安で押しつぶされそうになったユイはエントランスのソファーでシイナの肩にもたれかかって眠っている

「ヒバリ、毛布とか持ってない?」

受付の少女、ヒバリに尋ねる

「あ、ちょっと待ってください。ありました!どうぞ」

ありがとう、とヒバリに礼を言いユイに毛布を掛ける

「さてと、ヒバリ。リンドウの捜索ってどうなってる?」

「いま、正規の捜索隊が帰ってきましたが発見は出来なかったみたいです」

「そうか…わかった、ありがとう」

「いえ、仕事ですから」

そう言って少女は微笑む

「ユイが起きたら休むように言っといてくれ」

「はい、了解しました。シイナさんはどちらに?」

「リッカに私の神機の調子が悪いから見てもらってたんだ、もうそろそろできてる頃だろうからな」

そう言ってシイナはエントランスを後にした

 

 

_________

 

「雨宮リンドウの捜索を打ち切り、雨宮リンドウを本日をもって除隊とする」

ツバキがそう告げる

不満を口にするアナグラの面々、だがそれもそうだろういまだにリンドウの神機もゴッドイーターの証である腕輪もみつかっていないのに捜索を打ち切るなどどう考えても怪しいのだ

「また、検査中だったアリサも快方に向かっているがまだ前線への復帰はいまだに不可能だが面会は可能だ。以上だ」

ツバキはそう言って去っていく

 

「不満そうだね、シイナ」

「まあ、な」

「だよね、神機も腕輪も発見できないまま捜索打ち切りはいくらなんでもありえないよ」

そう言うリッカも不満そうだったがおそらくアナグラ中で一番不満なのはツバキだろう

唯一の血を分けた姉弟の神機も腕輪も見つからないまま打ち切りなど今すぐにでも上層部に直訴に行きたいだろう、だがそれを教官という責任のある立場の自分がやってしまっては元も子もないとわかっているから尚更もどかしい

「アリサの見舞いにでも行くか」

誰に告げるわけでもなくシイナは病室に向かった

 

 

_________

 

シイナが病室に入るとそこにはユイがいた

 

「あ、シイナさん!」

「やあユイ、アリサ。久しぶり」

シイナが挨拶をユイとアリサにする

「お久しぶりです、シイナさん。」

アリサがシイナに挨拶をする

 

………………

 

アリサはまだ疲れているのか寝てしまっている

 

病室に三人しかいないことを確認してユイがシイナに話す

「ふぅん、ユイがアリサの手を握ったらアリサの過去が見えた、ね?」

あんまり信じられないというような感じでシイナが言う

「本当なんです!榊博士にも話したら博士は新型同士の感応現象だっていってました」

「まあ、信じるけどそれがどうかしたのか?」

そうして話されるアリサの過去はシイナの想像以上につらいものだった

 

「それはつまりリンドウを抹殺しようとしている奴が極東支部上層部にいるかもしれないということか?」

「はい、おそらく」

「わかった、この事は周りにいうなよ」

「はい」

「ところで話は変わるんだが任務に付き合ってくれないか?」

 

 

_________

 

所変わって嘆きの平原

 

「あれ、シイナさんいつもの神機じゃないんですね」

「ああ、今までの神機は代理だよ」

「え、でも他人の神機はオクラル細胞の関係で使えないんじゃ?」

「私は予備でもう一つ持ってるんだ、ユイが来る前に調子が悪くなってねようやく直ったから慣らすためにもな」

そう言ってシイナが持ってきた神機はあまりにも細かく繊細で鋭かった

「これ、普通の神機じゃないですよね?」

「ああ、だから整備にも時間がかかって仕方ないんだ。ゲンさんがいうにはこれは大昔の極東の刀、古刀って言うらしい。敵はオウガテイル2体だ私とユイで一体ずつ倒すぞ」

「はい!」

…………………

 

「見つけた」

前方にオウガテイルを見つけたがどうやらあっちもこちらに気が付いたようだ

「ユイこっちに2体いる合流してくれ

「了解!」

すぐにユウが合流する

「正面から私が突撃する、ユイは援護してくれ」

「はい、了解しました」

シイナが抜身の刀を肩にかつぎ

ドンっと思い切り地面を蹴りオウガテイルにシイナが肉薄する

1体目のオウガテイルがシイナに飛びかかる

シオウガテイルの鋭い爪がシイナを切り裂こうとのばされ後数ミリというところでユイの撃ったレーザーがオウガテイルを吹き飛ばす

「危なすぎです!シイナさん死んじゃいますよ!」

ユイの声が聞こえるがなにを言っているかまでは理解できない

シイナは刀を担いだまま立ち止まる

 

絶好の攻撃の機会であるはずなのにオウガテイルは動けない

味方であるはずのユイも動けない

オウガテイルは恐らく生まれて初めて恐怖というものを感じている

一歩でも彼女に近づけば一撃で自分のコアは砕かれて散る、そんな確信があった

ユイはシイナに恐怖していた今まで何もか一緒に任務に行ったこともあった

だからこそわかるシイナは圧倒的に才能に恵まれていない

 

ソーマやアリサのような天才的な戦闘センスがない

だがそれを補う血の滲む努力の結晶

才能ではないもう一つの武の頂

だが目の前のシイナは違う

先ほどの踏み込みもソーマやアリサに比べれば全然遅い

それでも今、目の前にいるシイナは得体がしれない

 

こらえきれなかったのか2体のオウガテイルが同時にとびかかる

その瞬間ユイはシイナの勝利を確信した

2体のオウガテイルがとびかかった瞬間まさしく一閃

オウガテイルの首が胴体と離れさらにコアを吹き飛ばす

 

_________

 

「ふぅ…疲れた」

「なんですか!あれは!」

オウガテイルを倒し、帰投用のヘリを待っているときユイがシイナに興奮気味に聞く

「いや、なんて言うかその…(言えない!子供のころ読んだ漫画の技に憧れてアレばっかりやってなんとかそんな風に見えるようになったなんて言えない!)」

「カッコいいなぁ…あれ、私もシイナさんみたいな神機にしようかな」

(みんなに怖がられて単独で任務やるはめになるぞ)

シイナの心の声はユイには聞こえないのだった

 

 

 

 

 

 




【シイナさんの黒歴史技】シグルイの流れっぽいなにか


これから更新は月水金の午後5時にしたいと思いますよろしくお願いします


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3話

暑くてパソコンの調子がやばい


「シイナさんって死にかけたことってあるんですか」

任務が終わり帰投用のヘリに乗っているとユイがシイナに尋ねる

「あるよ、ヴァジュラに何度も。よくリンドウやサクヤに助けられてたんだ」

先ほどの恐ろしいまでの強さを見せたシイナの面影はなくいつものベテランの、ユイの先輩ゴッドイーターの顔になっていた

 

_________

 

シイナとユイがアナグラに帰投してアリサのいる病室に向かうとそこにはサクヤがいた

サクヤはアリサから大体の事情を聞きあの日の真実をアリサは自らサクヤに話したそうだった

すべてを聞き終えるとサクヤは落ち着いた面持ちで頷いた

「大体わかったわ、話してくれてありがとうアリサ」

 

アリサの話をまとめると両親をアラガミに殺されて精神的に不安になったアリサは病院生活を余儀なくされる

だが突然フェンルリから新型の適正があると言われて半ば強引にフェンルリの病院に移された

そこで症状を薬で抑えながら戦い方を学んでいった

そして両親の仇であるアラガミがここ、極東支部付近にいると聞きここに赴任してきたそうだ

また、アリサの担当治療医であるオオグルマも一緒に赴任している

そしていざ仇であるアラガミと対峙した時なぜか仇がリンドウになってしまい錯乱

教会の天井に誤射し天井が崩落してリンドウは行方不明となってしまう

 

「でもなんでアリサちゃんにリンドウさんを親の仇だなんて教えたんでしょう?」

ここにいる全員の疑問をユイが言う

「…リンドウは何か上が知られたらまずいことを知ってしまったのかしら」

サクヤが仮定するがそうするとリンドウは一体何を知ってしまったのかという疑問が浮かぶ

「考えても仕方ないわね、手掛かりが少なすぎる。邪魔してごめんなさいねアリサ。話してくれてありがとう」

サクヤは椅子から立ち上がりそう言って去って行った

 

 

_________

 

アリサが突然シイナの部屋を訪ねた

 

「リハビリ?」

シイナが問いかけるとアリサは頷き

「明日、任務を手伝ってくれませんか!?」

「いいけど、2人で?」

「いいえ、ユイさんとコウタにも先ほどお願いしてきました」

「任務内容は?」

「ボルグ・カムラン一体の討伐です」

「場所は?」

「愚者の空母」

「OK、行くよコウタとユイにも私が行くこと伝えといてくれ」

 

…………………

 

~愚者の空母リスポーン地点~

 

「えっと、皆さん私のわがままに付き合ってもらって済みません」

アリサが謝るが

「いいっていいって!一応オレの初めての後輩の頼みだしね」

コウタが気にしないろいった感じで答える

「私も全然気にしてないよ!」

「ああ、大丈夫だ」

ユイとシイナも気にしていないと答える

と、コウタがシイナに質問する

「シイナ先輩の神機ってなんか前と違くないですか?」

「…ユイ、説明しといて」

「え、オレ嫌われてる!?シイナ先輩に嫌われてる!?」

ユイが苦笑しながらコウタとずっと聞きたそうにしていたアリサに説明する

 

ユイが説明を終えてのでアリサから任務開始の合図が出される

「じゃあ、任務を開始しましょう」

 

…………………

 

愚者の空母はほぼ一直線の地形をしているので索敵はかなり楽だ

なのですぐにボルグ・カムランを発見できる

のだが

「なんで2体!?」

コウタが叫ぶ

「シッ!気づかれます!」

アリサがいうが

「分断はむりそうだね」

とユイが分断は絶望的だと伝える

ヒバリに連絡をしたところ被害が出る前に2体とも倒してくださいとのことだった

「とりあえずコウタは援護射撃、私とユイさん、シイナさんで突っ込みます」

アリサが指示をだし

それに三人は了解する

 

「では、ボルグ・カムラン2体の討伐任務を始めます!」

 

堰を切って飛び出るシイナだがすぐにアリサとユイに抜かされる

決して遅いわけではない

ユイとアリサが異常なのだ

後ろからコウタの射撃がボルグ・カムランに直撃する

こちらに気が付いたときにはアリサとユイの連撃が決まる

 

「じゃあ、私はもう1体の方を受け持つぞ!」

シイナは声を張り上げアリサとユイに言う

「わかりました、もう1体はお願いします!」

アリサが了解する

 

…………………

 

「さて、と」

もう1体のボルグ・カムランとシイナは向き合う

片や騎士の鎧のようなものを纏ったアラガミ

片や大昔、極東にいたサムライの持っていた古刀をもつ一人のゴッドイーター

 

誰にも邪魔させぬ

そんな事が聞こえてきそうな緊張感

ボルグ・カムランは盾を構え尾を引きシイナが近づけば串刺しにしてやると言わんばかりの気迫

対してシイナはまるで杖をつくように刀を地面に突き立てる

ボルグ・カムランのそれと比べると隙だらけ、命を差し出していると同義

だが対峙しているボルグ・カムランは動けない

いま、目の前にいるのは己が知らない人間だと本能が告げる

戦闘能力であればあちらの3人のほうが上だろう

だが攻撃力

これだけはあの3人を凌駕する

だがボルグ・カムランは退かない

ボルグ・カムランは盾の構えを解き身をひねる

ボルグ・カムラン最大の武器、尻尾のリーチをいかした回転攻撃

駄目だと言う己の本能をボルグ・カムランは黙らせる

一撃、そう一撃で殺せば問題ない

そう言い聞かせ体を動かそうとするが動かせない

本能には逆らえない

見ればもう1体のボルグ・カムランはもう虫の息、いや倒れた

アリサ達がもう集まってきている

 

アリサ達は動けない

アラガミに恐怖したわけではない

シイナとボルグ・カムランの気迫に飲まれている

アリサが

コウタが

そしてユイが

動けない

アリサとコウタは優しい先輩であるシイナがアラガミよりも恐ろしく感じていた

ユイは前回のシイナよりもまた桁外れの気迫に震えていた

 

どれ程対峙しているだろうか

ボルグ・カムランもシイナも限界まで疲弊している

終わりが近い

4人と1体が確信する

ボルグ・カムランが雄たけびをあげる

ボルグ・カムランの精神が限界を迎えたのだ

ボルグ・カムランは身をひねり尻尾を横殴りにシイナを吹き飛ばそうとする

その瞬間をシイナは待っていた

     一撃必殺

デコピンの要領で刀をはじく

気づけばシイナはボルグ・カムランの後ろにいた

コウタやユイ、アリサはおろかボルグ・カムランですら気がつけなかった

そしてボルグ・カムランは気がつく身体が動かない

いやコアが真っ二つなのだと

ボルグ・カムランの身体が縦に割れ血が噴水のように吹き出す

そしてシイナも精神も限界を迎えていたのかどさりと倒れた

 




【シイナさんの黒歴史技】シグルイの伊良子の逆流れもどき




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4話

ご都合主義


ボルグ・カムランを倒しアリサ、コウタ、ユイは自室に戻り休んでいるがシイナはヒバリに任務の報告をする役目をかってでたためエントランスに向かった

 

「ヒバリ、なんでボルグ・カムランが2体いたことがわからなかったんだ?」

「あ、あははははは…すみませんでした」

申し訳なさそうに頭を下げるヒバリにあまり文句もいえないのでシイナも自室で休もうかと考えていると突然、ヒバリに連絡が入りアナグラに警報が鳴り響く

「っ!?…わかりました!シイナさん大変です!アナグラ付近の工場跡地にシュウが出現しました!防衛班は先ほどあったオウガテイルの群れの襲撃により負傷者多数!どうしましょう!?」

「どうしましょうって…私が出る、工場でいいんだな!」

そう言って神機を担いで工場に向かおうとするシイナにヒバリが声をかける

「で、でも!神機のメンテナンス受けなくていいんですか!?相手はシイナさんの苦手なシュウですよ!?」

やるしかないだろ、そう告げてシイナは走っていった

 

_________

 

~鉄塔の森~

 

シイナが工場についてすぐシュウはいた

あとは構えから放つ一撃必殺の剣で終わりのはずだが

何事にも弱点がある

シイナは構えによって己の足りない筋力などを補っていた

つまり構えで溜めた威力を瞬間的に発することで自分の能力を補っていたが

シュウやヴァジュラなどは待ってくれない

いや、構えをとらせる隙を与えてくれない

 

案の定シュウが手招きで挑発しているあいだに、とシイナは思ったが

シュウは危険を察してシイナに光球を放つ

 

「ちっ…」

 

紙一重でよけるシイナに反撃の隙を与えないシュウの連撃

苦し紛れに一太刀切り付けるがやはり浅い

シュウの連撃がさらに過激さを増す

シイナはそれを完璧には避けきれない

見ればシイナの肌はシュウがかすったのか所々に切り傷があった

完璧になんて避けれない

なぜなら彼女にはユイ達のような才能はない

それがどうした

だからなんだ

あいつらには及ばなくても現にこうして生きている

天才に勝てなくても天才を目指したっていいだろ

最強になれなくても最強を目指したっていいだろ

そんな事が聞こえてきそうなシイナの勇姿を観ている人間はいない

 

一体どれほどの攻防が繰り広げられただろうか

シイナが切り

シュウの攻撃は当たらない

一撃、直撃を当てればシイナは死ぬ

それがわかっているからこそシュウはもどかしい

だからシュウはさらに連撃を加速させる

 

「ぐっ…!」

 

シイナが苦悶の声を上げる

いまだにシイナの身体にはボルグ・カムラン戦の疲れが色濃く残っている

そこにシュウとの戦闘

すでにシイナはいつ倒れてもおかしくない状況なのだ

そしてさらに加速したシュウの連撃、ときおり距離をとって撃ってくる連続光弾が精神的にきつい

休む暇がない…今のシイナにとってこれ程つらいことはない

止まらない連撃が次第にシイナの傷を深くする

 

ごすっ!

 

刀で受け流しきれなかったシュウの拳がシイナに突き刺さる

ある程度威力が殺されていたので即死は免れたがシュウの拳はシイナの肺にある空気をすべて押し出しシイナを吹き飛ばす

 

「ゴホッゴホッ」

 

せき込みなかなか立ち上がれない

が立ち上がらなければただ死ぬだけ

脚は震えて

眼はかすみ

刀を握る手は感覚がない

それでもあきらめない

ただ死ぬなんて死んでもいやだ

今、死ぬならば目の前のシュウも道ずれだ

そう意気込んでシイナは立ち上がる

 

目の前にシュウがいる

 

なんだ、簡単じゃないか

 

「    」

 

声にならない雄叫び

いや、声は出ていなかったかもしれない

気合い十分

目標はシュウ

たった一撃

コアに刀を突きたてる

それだけで勝てる

 

コアの場所なんて関係ない

殺す

 

シイナ特攻

走らない

走れない

ゆっくりとシュウに向かって歩く

ゆらり、ゆらりと

シュウの拳が届く範囲に入った

ゆらりとまるでわかっていたかのように拳を躱す、躱す躱す躱す躱す躱す躱す

当たらない

焦るシュウが後ろに退こうとした所にとびかかりコアに突き刺す

 

 

 

…………………

 

「どこだこ「シイナ!」うわっ!」

 

シイナが目を覚ますとリッカがいきなり抱き付いてきた

リッカは泣いているようだ

「ちょ、ちょっと、なんで泣いているなだよ!」

「だって!だって!シイナが!」

リッカは泣きながらシイナに今の状況を話はじめた

 

………………

~病室~

「じゃあ、私はシュウを倒せてたんだな」

「うん、でも10日目を覚まさなかったけど」

「心配させてごめん」

 

シイナがリッカにあやまると

 

「うん、許す!」

リッカは笑顔でシイナを抱きしめた

「なんで抱きしめるんだよ!」

「照れない照れない、私を心配させたんだからこのくらいはね」

うっ…それを言われるとシイナは弱い

「まだ安静にしてなよ、私はここにいるから」

うん…おやすみ

そう言ってシイナは深い眠りに落ちる

幸せそうな寝顔で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




たぶんこのssはぼくのかんがえたさいきょうのあらがみにシイナさんがころころされてEND


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5話

艦コレの提督は女提督、はっきりわかんだね


「おやすみ」

リッカがシイナに優しく言う

ああ、おやすみ

とシイナは言おうとするが言葉が出ない

しゃべれない

ズブズブとベットに自分が沈んでいく

必死にもがくが這い上がれない

 

_________

 

「っ!」

シイナが目を覚ますと隣にはシュウが横たわっていた

すぐさま立ち上がり神機を構える

神機でつつくが動かない

どうやら死んでいるようだ

「あ…」

安心したのか崩れ落ちるシイナ

幸いだったのは周りにほかのアラガミがいなかったことか

 

「さっきのは夢か…」

少し悲しそうな顔で先ほどのリッカとの病室での会話の夢を思い出す

 

「帰らなきゃな…」

刀を杖替わりにしてアナグラに帰るルートを歩く

 

「頼むからオウガテイルなんて出るなよ…」

まぎれもない本心でつぶやく

実際シイナの身体は満身創痍だ

左腕には力なくだらりと垂れさがり

右足は腱が切れたのか動かない

身体のいたるところの骨が折れたりヒビが入っている状態だ

こんな状態で歩けること自体が異常なのだ

アラガミに襲われたら確実に死ぬ

だが、現実は非常である

 

「マジかよ…」

そこにはお供のザイゴートを連れたサリエルがいた

見つかればシイナは死ぬだろう

 

シイナは見つからないように距離をとり

腕輪の録音機能を起動する

「えっと、これで撮れてるのか?とれてるよな?あ~今からいう事は私の遺言だからな、もし私の死体を発見してくれたらこれを聞いてるれると信じてる。まぁ、一言しか言うことがないけどな…」

ふふふ、と自嘲気味に笑う

「そのな…みんな悪いけど先に逝ってる、じゃあな」

そう言って録音を切ると右腕でなんとか刀を構えてサリエルを待つ

 

極度の緊張でふさがっていたシュウとの戦闘でついた傷が開く

いつものように集中できない

喉が渇く

身体が熱い

身体中から悲鳴が漏れる

逃げ隠れることも考えた

けど自分はゴッドイーターで

目の前にはアラガミがいる

だったら、

「殺さなくっちゃなぁ!」

 

シイナを発見したザイゴートが仲間のザイゴートとサリエルを呼び寄せる

 

サリエルのレーザーがシイナの脇腹を貫きザイゴートの毒がシイナを侵す

それでもシイナは倒れずに1体のザイゴートを葬る

攻撃をかわすたびに死にそうになる程の痛みがシイナに走る

シイナが飛びザイゴートを足場にしてサリエルのコアを貫こうと飛びかかる

これを外せばもうサリエルを倒すのは無理だろう

角度、速度、高さともにパーフェクト

そして刀はサリエルに突き刺さる

サリエルが絶叫する

それでもサリエルのコアには届かなかった

 

神機はサリエルに突き刺さったまま

どさりと

シイナが落ちる

かろうじて生きてはいるが身体が動かない

だんだんと視界が赤く暗くなる

ああ、死んだなそんな確信があった

サリエルがレーザーを放とうとしていることが肌でわかる

そしてレーザーが

 

「シイナさん!!」

 

意識を失う瞬間ユイの声が聞こえた気がした

 

 

_________

 

シイナさん!シイナ!シイナ先輩!

 

シイナを呼ぶ声がシイナに聞こえる

 

「シイナ!」

ああ、リッカかと心の中で返答する

大丈夫、どうやら私はまだ生きてるみたいだから

いつもみたいに私に笑いかけてくれ

そんな悲鳴みたいに私の名前を呼ばないでくれ

起きたくても動けないんだ

瞼が重たいな

ごめんな、もう少しだけ寝かしてくれ

 

そこでシイナの意識はまた真っ暗になる

 

_________

 

 

 

 

 

「おはよう」

 

みんなが寝静まっている夜中

シイナが目を覚ました

 

誰もそれに答えてくれないがみんなシイナのそばにいた

リッカが右手を握ったまま寝ている

ユイとアリサはすぐそばで椅子に座ったまま寝ている

サクヤとコウタも椅子に座って寝ている

ソーマは壁にもたれかかって寝ているようだ

 

「ん、起きたのか、うちの元隊長みたいなことはやめてくれよ」

ソーマが目をさましてシイナに言う

「ああ、大丈夫だよ。心配かけたな」

「そういうのはそこの奴らに言ってやれ」

「わかった、でもありがとな」

ソーマはそうかい、とだけ言い残して去って行った

「あ、どのくら寝てたか聞くの忘れた」

 

時すでに遅し

ソーマはもう病室から出てしまっていた

 

「夢じゃないよな…」

自分の頬を引っ張ると確かな痛覚がシイナを襲う

だけどそれはシイナを安堵させる痛み

夢じゃないことの証明

シュウとの死闘とサリエルとの自滅覚悟の戦い

死んでもおかしくなかった

でも生きている

リッカがそばにいる

ユイも

アリサも

サクヤとコウタとソーマ

アナグラのみんなにまた会える

 

いつ振りだろうか、仲間の死以外で泣くのは

 

そしてシイナはもう一度眠りに落ちる

次に目を覚ました時にはみんな起きているだろうか?

 

………………

 

「おはよう」

シイナが目を覚ますとリッカが泣きながら抱き着いてきた

 

「よかった…本当に生きててよかった…」

病室にはリッカしかいなかった

どうやらユイ達第一部隊は任務に駆り出されたようだ

 

 

 

「私を助け出してくれたのはやっぱりユイ達か」

「うん、そうだよ。凄かったんだから、特にヒバリちゃんが、シイナさんが!シイナさんが!って地声でアナグラ中に聞こえそうだったよ」

リッカが苦笑いしながら話す

だいぶ落ち着いたようだったが急に真面目な顔でシイナに

「あんまり無茶しないで…今回の事件でね本当にシイナが死んだらどうしようって思った…嫌だよ…嫌だよシイナがいなくなるなんて」

「大丈夫だよリッカなら私が死んでも」

「大丈夫じゃない!私、リッカが行方不明って聞いて胸が張り裂けそうになってリッカがもしリンドウさんみたいにいなくなったらと思ったらもう居ても立っても居られなくなって」

そこまで言うとリッカは涙でしゃべれなかった

そんなリッカを見ているとシイナの胸がズキンと痛んだ

シュウやサリエルなどアラガミにつけられた痛みではなく

しいていうなれば心が痛んだ

 

「ごめん、私は死なないから、ずっとアナグラをリッカを守るからだから泣かないで、ね?」

優しくリッカを抱きしめながらそう言う

「うん…うん…」

シイナの腕のなかで泣くリッカの頭をシイナは撫で続けた

 

 

………………

「隊長!?」

シイナが大声を出す

「うん、ユイちゃん第一部隊の隊長に就任したみたいだよ」

第一部隊はまだ帰ってこないが後でユイに隊長就任祝いしなきゃな

そう思うシイナだった

 

 

 

 




カッコいい戦闘シーンを書きたい


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6話

今回の話は頑張って百合成分をいれましたがはっきり言ってクソです

だから感想でクソですね^^とか言われても喜びます




「「「退院おめでとう(ございます)」」」

 

ユイ達第一部隊とリッカがシイナの退院を祝う

 

「ありがとうな、みんな」

シイナがお礼を言う

 

「そして、ユイは隊長就任おめでとう。がんばれよ」

心からシイナはユイを祝福した

 

「あ、リーダー!大変です!榊博士の依頼の任務に行く時間です!」

アリサが慌てたように言いその言葉を聞き慌てて準備して病室を出て行く第一部隊の面々

病室にはリッカとシイナの2人きりになる

 

「ねぇ、私の部屋で飲まない?快気祝いに?」

リッカがクイッっと飲むしぐさをしてシイナを自室に誘う

「ああ、最近は全然飲めなかったしな、一度部屋に戻ってから行くよ」

 

_________

 

「シイナだ、入っていいか?」

 

――どうぞー、と中からリッカが了承する

 

「相変わらず部屋はきれいだな、お前の仕事場とは大違いだ」

「うるさいな、部屋さえきれいならいいの」

「あっそ、ビール一本取って」

「はいどーぞ」

リッカがシイナにビールを渡す

 

「では、シイナの退院を祝って…乾杯!」

「乾杯」

小さくビールの缶をぶつける

 

「明日は休みだからね今日は飲むよ~!」

「身体ぶっ壊すほど飲むなよ」

わかってるとリッカは言うがシイナは不安そうだ

 

「なぁ、リッカ?私の神機はどうだ?」

「ん~微妙かな、刃こぼれがひどいから刃ごと変えなきゃいけないからね」

「そうか…ならさ前より大きくしてくれないか?」

「わかった、後で必要な素材のリスト渡すからユイちゃん達とかに手伝ってもらったら?」

そうするよ、とシイナは言ってリッカに礼を言う

 

「シイナ~なにかおつまみ作って~」

シイナに抱き付きながらリッカが注文する

「邪魔だから離れろリッカ」

「嫌だ~シイナは私の傍にいなさい」

 

完全に酔っ払いのリッカを引きはがし立ち上がる

「どこいくの?」

リッカが不安そうに聞く

「どこにも行かないよリッカ、でどんなおつまみが良いんだ?」

リッカを安心させるようにやさしくシイナは微笑み台所に立つ

「んん~冷蔵庫になにか入ってたっけ?」

ゴソゴソと冷蔵庫を漁りリッカが取り出したのは…

 

「…なんでお前の冷蔵庫にはこんにゃくしか入ってないんだよ」

「あはははは…」

リッカも苦笑しかできない

調味料も探したがなかった

一体どうしていままで生きてこれたのかかなり不思議だがあえてシイナは突っ込まなかった

 

「…Oアンプルで煮込んでみるか?」

「おお!そこに回復錠を砕いて散らせばアクセントに!」

酒が回った二人を止める者はなく暴走が加速していく

 

「よし!ハーブと漢方を私の部屋から持ってきたぞ!」

おおおお!とリッカが声を上げる

完全に酒に呑まれた悪い例である

「さらに贅沢にも牛革だ!」

なんだかシイナのキャラが壊れ気味だ

酒の力恐るべしだ

 

~シイナさんのお料理教室~

 

1、こんにゃくをOアンプルで煮込みます

 

2、そこに牛革を突っ込みます

 

3、漢方とハーブも突っ込みます

 

4、最後に回復錠を砕いた物を上からかけます

 

5、食べます。味は察してください

…………………

 

「酔いが醒めちゃった」

リッカがげっそりした顔で言う

「ごめんリッカ…」

「いいよいいよ、飲みなおそう」

「うん、なにか食べたいものとかある?」

シイナがせめてものお詫びにとなにか作るか?と聞く

 

「ん~そうだな」

悩むリッカがじっととシイナを見る

シイナもリッカの視線を感じたのかリッカになんだ?と問いかける

「どうかしたのか?リッカ。なに食べたいか決まったのか?」

「シイナが食べたい」

「…はぁ?」

何を言っているんだという風にリッカを見るシイナに至極真面目にリッカが言う

 

「だからシイナが食べたい!」

「カニバリズムかよ」

「そういう事じゃなくて!」

どういうことだよ、とは言えなかった

いや言わせてもらえなかった

 

リッカがシイナを押し倒した

シイナがゴン、と頭を打ち付ける

 

「いってぇ…」

シイナが呻く

「ご、ごめんシイナ…」

「だったら降りろ」

「う、うん」

リッカが慌ててシイナから降りる

 

「正座」

「はい…」

 

シイナの目の前でリッカが正座をしている

「なんであんなことしたんだよ」

「シイナが可愛くってつい」

言い訳にならないことを言うリッカにシイナはため息がでる

 

「…怒ってないの?」

リッカが少し不安そうにシイナに問いかける

「怒ってないよ、だからそんな寂しそうな顔するな」

リッカの頭にポンと手を置く

 

「ねぇシイナ、ぎゅってして」

「…いやだ」

「ええー…」

 

リッカに顔を見られないように後ろを向いて拒否する

「じゃあ、また今度ぎゅってしてよ」

 

――だからそれまで絶対死なないで

 

リッカが小声で言ったがシイナにはしっかりと聞こえた

 

でも聞こえないふりをしてシイナは

 

「ああ、また今度」

ゴッドイーターの「また」は信用できないけど

 

「また今度な」

 

………………

 

あの後朝方まで飲み続けた2人は凄まじい二日酔いに悩まされたのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 




青い花よりガルパンとか咲とか妄想の幅がある百合が好きです

これからは更新は不定期になりますすみません


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