霧と剣の少年と白龍少女のほのぼの生活 (天覧会の部長)
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1話

 
 新しい作品です!どうぞお楽しみください!!


 やぁ、僕の名前は柏木尊(かしわぎみこと)。駒王学園に通う高校二年生さ。

親しい人達からはミコと呼ばれてたりする。

 

 そんな僕は現在、目の前に立つ異形と化したはぐれ悪魔の討伐に来ていた。

・・・・うわぁ 。これ僕が今まで見てきたはぐれ悪魔の中でも五本の指に入るほど気持ち悪いなぁ。

 

 呑気にそんなことを考えていると、目の前のはぐれ悪魔がうるさく吠えてきた。

 

「死ねぇぇぇ!!人間風情がァァァ!」

 

 ええっと・・・・目の前のこいつは馬鹿なのかな?そんなちっぽけな攻撃で何を仕留めるんだろうか・・・・

当然、その攻撃は僕に当たらず、目の前のはぐれ悪魔は突然出現した幾多の鎖に拘束された。

 

「なんだァァ!?この鎖はァァァ!?外れないじゃねぇかぁ!!」

 

「うん。まぁ神滅具(ロンギヌス)で作られた鎖だからね、そう簡単には外れないよ」

 

 それを聞いたはぐれ悪魔は先程までの怒りの表情はどこへやら、絶望に染まった表情を見せた。

 

「ま、ままま待ってくれ!!もう人を食べたりしない!!だから命だけわぁぁ!!」

 

 なんか今更命乞いをしてきたんだけど目の前のはぐれ悪魔・・・・

当然、そんなものには耳も貸さず、僕はもう一つの神器(セイクリッド・ギア)で創った聖剣を持ち、うるさく喚いている目の前のはぐれ悪魔の首を切り落とす。

 

 仕事を終えて一段落ついていると、この廃屋の扉が勢い良く開かれ、数名程の男女が入室してきた。

 

「はぐれ悪魔バイザー!貴方を消滅しに・・・・え?死んでる?」

 

 ・・・・うわっ!あの集団!全員この町の管理者?の悪魔達じゃないか!

これは見つかったら面倒くさいぞぅ!

そう思っていると、その集団の一人が僕に気づいたようで・・・・

 

「・・・・部長。あそこ、誰かいます・・・・」

 

 ヤバイ!説明するのも面倒くさいので即座に退散する!!

 転移する途中、集団の一人がなんか叫んでたけど知ったことか!!僕は早く帰りたいんだよ!

 

 

 

 ・・・・あ、生徒手帳落としちゃった。

 

 

―⚫⚫⚫―

 

 

「おかえりー!早速だけどご飯にする?お風呂にする?それとも、ワ・タ・シ?」

 

 家に転移するなり、エプロン姿で出迎えてくれたのは、ダークカラーの銀髪を腰辺りまで伸ばし、透き通った碧い目を携える整った顔立ちの美少女。

 

 ・・・・質問の内容は深く考えず、帰ってきたのでとりあえず挨拶を返す。

 

「うん、ただいま、ヴァーリ。とりあえず質問の最後の内容は聞かなかった事にするよ」

 

 いま自分ができる最高の笑顔で返した。

この返しに納得いかなかったのか、ヴァーリは頬を膨らまして。

 

「ふん!最後のは九割九分九厘本気だもん!なかったことにするなんてひどい!」

 

 いやいやいやいや、そう言われましても・・・・

 これに、僕は仕方なく目の前の彼女のご機嫌を治すため、ハグをする。

 

 いきなりのハグに彼女は若干驚いてはいたものの、すぐに嬉しそうな様子で抱きしめ返してきた。

 

「へへへ、ミコぉ〜」

 

 くっ!可愛すぎる!!何なんだこの小動物は!!

 そんな可愛すぎる小動物の抱き心地を堪能していると、リビングにいる母さんから。

 

「二人共ぉ〜、お熱いのはいいけどそろそろご飯にするから早く来なさい!それとそういうのはもっと夜になってからにして!」

 

 ご飯の呼び出しとからかうような一言。コレには思わず僕とヴァーリは頬を赤らめる。

 

「・・・・ご飯・・・・食べようか」

 

「う・・・・そ、そうだね」

 

 そう言ってリビングに入ると、そこには美味しそうな料理の数々。

 相変わらず母さんとヴァーリは料理が美味しいなと思っていると、ふとヴァーリが。

 

「それにしても今日は遅かったね?ミコならあの程度のはぐれ悪魔討伐、すぐに終わるでしょ?」

 

 このことについて僕は正直に話す事にした。

 はぐれ悪魔の討伐を完了したらこの町の悪魔の集団がやってきたこと。

 説明するのが面倒くさいから即座に転移したこと。

 そしてうっかりして生徒手帳を落としてきちゃったこと。

 

 これを聞いたヴァーリは同情した視線を送ってきた。

 

「てことは明日確実に訪ねてくるんじゃないの?

大変だねぇ。私も一緒に行くよ。そっちの方が楽でしょ?」

 

「・・・・ありがとう。ごめんね?僕の不注意なのに付き合わせちゃって」

 

 僕は申し訳なさそうにお礼を言う。するとヴァーリは見惚れるような笑顔で。

 

「気にしないで、困った時はお互い様でしょ?」

 

 あぁ、なんて優しい子なんだ!やっぱり僕は幸せ者だなぁ。

そう幸せを噛み締めてると、ふと母さんからこんな提案が。

 

「とりあえず向こうは眷属になるよう迫ってくると思うから断りなさいよ?」

 

 もちろん。というか向こうの実力じゃあ僕らを眷属にするなんて絶対に不可能だろうけど。

 そう思っていると、ふとヴァーリが。

 

「あ、明日の課題やってなかった!!教えて!ミコ!!」

 

 あぁ、やってなかったんだね、課題。

 それじゃあ、手伝うとしようか。

 

 

 その後、ヴァーリの課題を手伝だった後お風呂に入って、ベッドで一緒に寝ることになった。

 その際、ナニがあったかは・・・・察してほしい。

 

 あぁ、明日は悪魔との対談かぁ・・・・

 

 行きたくないなぁ・・・・

 

 




 ここで主人公とオリキャラの簡単な設定を紹介。

 柏木尊 

 見た目 FGOのマーリン
 
 イメージCV 櫻井孝宏

 所持する神器
 絶霧
 聖剣創造

 父 アザゼル
 母 柏木 蘭

 母の見た目 プロトマーリン

 イメージCV 川澄綾子

 所持する神器

 聖剣創造

 
 だいたいこんな感じです。またいつか設定集を出したいと思っています。

 では、お読み頂き、ありがとうございました!!
 


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第2話

 お待たせしました!第二話!始まります!!


 朝、目が覚めて自分の右隣に違和感を感じた。

 布団をめくってみるとそこには一糸纏わぬ自分の彼女の姿。

 

 ・・・・しまった、昨夜の出来事の後、服着せるの忘れてたんだった。

風邪は引いていないだろうか・・・・

 

 とりあえず、朝から目の保養にはなったがこのままにしておくわけにもいかないので、目の前の彼女を起こすことにする。

 

「ヴァーリ、もう朝だよ。起きて」

 

 すると、これが聞こえたのかヴァーリは目を擦りながら。

 

 

 もたれかかってきた。

 

 

 ・・・・まだ寝惚けてるみたいだね。

 もたれかかってきたヴァーリの温もりと柔肌を堪能しつつ、僕は彼女を起こすための最終手段を使う。

 

「・・・・そろそろ起きないと僕一人で学校行くよ?」

 

 これが僕の最終手段。一人で学校に行くこと。

 何故かヴァーリはいつも一緒に行きたがるので僕が一人で学校に行くことを極端に嫌がる。

 すると、これが効いたのか。

 

「!?ダ、ダメ!!!」

 

 うん、ちゃんと起きてくれたね。

 もちろん、今のは冗談のため即座に否定する。

 

「いやぁ、ごめん。中々起きなかったもんだからつい、ね?」

 

 少しの謝罪を含めた否定の言葉。

 すると、この冗談が気に食わなかったのか。

 

「ヒドい!!私がものすっっごく!朝弱いこと知ってるくせに!!」

 

 うん、すごく怒ってる。

 でも顔を赤くして怒っているからか、全く怖くない。

 そんな可愛すぎるヴァーリを収めるために、僕は彼女の頭を撫でてあげる。

 

「へへへ〜」

 

 うん、チョロいね。でもそこが可愛いんだよねぇ。

 さて、こんなことしてても埒があかないので、そろそろヴァーリを着替えさせてリビングに行くこととする。

 

 

 リビングに行くと、テーブルの上に一通の置き手紙。

 多分母さんのものだ。ええっと、何何?

 

『今日は神の子を見張る者(グリゴリ)の施設で過ごすので帰れませーん!そこんとこよろしく!』

 

 ・・・・またかぁ。相変わらず気紛れな人だ。

 母の気紛れさに若干呆れつつ二人で朝食を食べる。

 

「またお義母さんどっか行っちゃったの?

てことは今日の夜は二人っきり!?」

 

 ?ヴァーリが心なしか喜んでいるような気がする。

 というか二人っきりの時なんてよくあることじゃないか?

 なんで喜んでるか疑問に思ったのでちょっと聞いてみることにする。

 

「ヴァーリ、どうしたのさ?二人っきりの時なんてよくあることだろう?なんでそんなに喜んでいるんだい?」

 

 すると、この問に対して、ヴァーリは勝ち誇った顔で答えてくれた。

 

「当然でしょ!だって二人っきりだよ!お義母さんやお義父さんの目を気にせずあんなことやこんなことができるんだよ!?こんな天国はないじゃん!!」

 

 ・・・・予想の斜め上の回答だった。

 というかそういうことは母さんや父さんがいる中でもやってるよね?

 

 

 そんな疑問はひとまず置いておいて、朝の準備が完了したため、二人で学校に登校する。

 

 登校する途中、すれ違う人々のほとんどがヴァーリを見ていた。

 まぁヴァーリは贔屓目抜きに見てもとびっきりの美少女だから仕方ないと思う。

 

 

 そんなことを考えながら、僕達は二人で教室に入る。入った途端、他の男子生徒達から嫉妬のこもった目を向けられたが、いつものことなので気にしないでおく。

 

 すると、その中の嫉妬の目線を向けてきた男子の一人である兵藤一誠が僕達に話しかけてきた。

 

「なぁ、尊。今日リアス部長がお前のことを呼んでるみたいなんだ。一緒に来てもらっていいか?」

 

 あぁ、やっぱりか。予想はしてたけど使いが彼だということには驚いた。てっきり木場裕斗辺りがくると思ってたんだけども。

 

 

 

 そんな事を頭の隅で考えながら授業が終わった。

 

 

 さて!悪魔との会談。どう接すればいいだろうか。

 ・・・・とりあえず堕天使総督の息子って事は黙っておこう。流石に向こうも堕天使総督の息子の顔は知らないはず・・・・知らないよね?

 となるとヴァーリの正体も伏せておいた方がいいだろう。

 この町に堕天使総督の息子と旧魔王の血縁者がいましたって事がバレて魔王が派遣されてきても困る。

 

「というわけで尊、今からついてきてくれるか?」

 

 おおっと、深く考えている内に呼び出されてしまった。

 まぁ方針も決まったことだし大人しくついていくことにする。

 

「わかった。ところでヴァーリも連れてっていいかな?理由は後ほど説明するからさ」

 

「?あぁ、わかった。・・・・・・・・リア充め」

 

 なんか最後にボソッと恨み言を言われた気がするけどスルーするとしよう。

 

 

 兵藤一誠についていくと、この学園の旧校舎に辿り着いた。

 

 ・・・・それにしても結界がお粗末だなぁ、これじゃあ侵入してくださいって言ってるようなものだよ。

 

(ミコ。この結界脆すぎない?)

 

 コレにはヴァーリも思わず小さな声でツッコんできた。まぁ当然だよね。

 

 結界の出来にダメ出ししつつ、僕達は『オカルト研究部』通称悪魔の溜まり場にお邪魔することにする。

 

 

「部長。連れてきました!」

 

「えぇ、入ってきてちょうだい」

 

 それを合図に僕達は中にお邪魔する。すると、中にいたリアス・グレモリーが怪訝な顔をしてヴァーリを見てきた。

 

「・・・・どういうことかしら?ヴァーリさんは呼んでいないはずなのだけど」

 

「いやぁ、実はこの子も僕と同じ裏の関係者でねぇ、同時に説明した方が楽だと思って連れてきたんだよ」

 

「・・・・そう。ならいいわ」

 

 どうやらこの説明に納得してくれたようだね。

 まぁ納得してくれなくても無理矢理話を通すつもりだったから別にいいんだけども。

 

「少し予定が狂ったけどまぁいいわ。柏木尊君、ヴァーリ・ルジーナさん。貴方達を歓迎するわ。」

 

「それは悪魔としてだろう?」

 

「・・・・・・・・えぇ、その通りよ」

 

 よしッ!多分セリフの後で悪魔としてねとか言ってカッコつけようとしてるところを邪魔してやった。

 その証拠にほんの少しリアス・グレモリーの眉間にシワがよってる。

 

「早速だけどこの生徒手帳。あなたの物で間違いないかしら?」

 

「うん、間違ってないよ。ありがとう」

 

 渡された生徒手帳を確認して何か細工がされていないかを確認する。

 うん。特に何もされていないみたいだね。されてても今のリアス・グレモリー達程度の細工だったら僕達には意味ないんだけども。

 

 そう考えていると、早速リアス・グレモリーが話を振ってきた。

 

「ところで柏木尊君。貴方は何者なの?昨日のはぐれ悪魔を単独で殺すなんて」

 

 ・・・・うーん。ここはどう答えるべきだろうか。

二つの神器を見せるのも悪くないんだけどややこしくなりそうだからとりあえず片方の神器だけを用いて剣を創る。

 

「!裕斗と同じ創造系の神器!?それで昨日のはぐれ悪魔にも勝てたのね」

 

 よし。見事に勘違いしてるみたいだ。流石にこちらが堕天使と人間のハーフで神器を二つも宿しているなんて事はわからないだろう。

 

「となるとそちらのヴァーリさんも何か神器を宿しているのかしら?」

 

 すると、今度はヴァーリに話を振ってきた。

 ヴァーリはこっちを見てどうすればいいかを目で伝えてくる。

 僕はヴァーリの神器を展開する事の許可を首を縦に振ることでで伝えると、ヴァーリの背中から青白く輝く翼が展開された。

 

「!?嘘でしょ!?貴方の神器はまさか白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)!?」

 

 うん。すっごい驚いてる。他の眷属の皆も目を丸くしてるのが分かる。

 すると、リアス・グレモリーは目を輝かせ。

 

「貴方達。悪魔にならない!?悪魔になれば「結構です」っ!!」

 

 おぉっと。僕が断る前にヴァーリが話を遮って断ってくれたみたいだ。すると、リアス・グレモリーは諦めきれないのか。

 

「・・・・一応理由を聞いてもいいかしら?」

 

「はい、単純な話、メリットが一切ないからです。それに、貴方の実力では私達を転生させることは確実に不可能ですので、この話は断らせていただきます」

 

 ヴァーリがきっぱりと敬語まで使って拒絶の意思を見せた。

 しかし、まだしつこく言ってくるリアス・グレモリーに嫌気が刺したので、少し力を開放しながら話しかける。

 

「・・・・ねぇ、こっちはハッキリと拒絶したよねぇ。いい加減しつこいよ?」

 

「ッ!!!?」

 

 僕から発せられる圧力にリアス・グレモリーとその眷属達は目に見えて震えている。特に兵藤一誠なんかは膝をついてしまっている。

 

「・・・・わかった。今回は諦めるわ。でもここは私達の領土なの。だからこの部活には入部してもらうわ」

 

「うん。それくらいならいいよ。むしろこちらからお願いするよ」

 

 そう言って、僕とリアス・グレモリーは握手をした。コレには他の眷属の皆もホッとしている。

 

 ・・・・ていうかまだ諦めてないんだね。

 その図太さには呆れを通り越して感心するよ。

 

 

 こうして、僕達と悪魔の会談は幕を閉じた。

 明日から部活。行かなくちゃなぁ。

 

 




 ありがとうございました!次回もお楽しみに!!


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第3話

 それでは第三話。始まります!


 僕達がオカルト研究部に入部してから数日。

 僕とヴァーリはハンバーガーショップで昼食を食べていた。

 いわゆるデートってやつだ。今日の朝、このハンバーガーショップの紹介がテレビでやっていて、それを見たヴァーリが行きたそうにしてたのでデートに誘って昼食はここになったというわけだ。

 

「うん!美味しい!ありがとうミコ!連れてきてくれて!!」

 

「どういたしまして。僕もヴァーリとデートできるのは嬉しいからね。寧ろこっちがお礼を言いたいくらいさ」

 

 いやぁ、ヴァーリが美味しそうに食べる姿は可愛いからね。見てるこっちが笑顔になる。

 本当に僕の彼女は最高だよ。

 

 

 そんな事を思っていると、視界にふと兵藤一誠と、この辺りでは殆ど見かけない金髪のシスターが見えた。

 

 あぁ、あのシスターはもしかして今フリードに潜入捜査させてる際の報告にあった聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の所持者、アーシア・アルジェントかな?

 だとしたら何故悪魔である兵藤一誠と一緒にいるんだろうか・・・・

 

 幸い向こうはこちらに気付いていないようだしこのまま観察するとしようか。

 その方が面白くなりそうだしね!!

 

「ヴァーリ。そろそろ行こうか、面白いものが見れそうだ」

 

 すると、ヴァーリは僕の言葉を聞いて、新しい玩具を見つけた時のように微笑んだ。

 

「了解。あの二人を尾行するんだね。接触はしないの?」

 

「うん。接触して見るのもいいけど僕達の性分的に観察だけにした方がいいからね」

 

 ヴァーリとあの二人の尾行方法について話し合っていると、標的が店を出た。

 

「ヴァーリ。二人が店を出た。すぐに追いかけよう!」

 

「了解!既に片付けは済ませてあるよ!」

 

「パーフェクトだね。ヴァーリ!」

 

 こんなやり取りをしつつ、僕らは標的を追いかける。

 ふむ、どうやらゲームセンターに入ったようだね。

 僕もやりたいゲームがあったから丁度よかった。

 

「ヴァーリ。観察のついでにゲームやらないかい?実は僕、今日やりたいゲームがあってね」

 

「いいよ!奇遇だね。私も丁度やりたいゲームがあったんだ」

 

 そう言って僕達はゲームセンターに入ってすぐ、ちょっと進んだ場所にある某太鼓ゲームの前に立つ。

 即座に二百円を入れ、二人同時に鉢を構える。

 

 さぁ、今日こそは絶対に勝つぞ!ヴァーリ!!

 

 

―数分後―

 

 

 あぁ、負けた。これでもかというくらいに叩きのめされた。

 ・・・・相変わらず上手いなぁ。数ヶ月前までは僕の方がリードしてたってのに。

 

 

 ふと隣を見ると、そこにはピースしながらこちらに勝ち誇った笑みを浮かべるヴァーリの姿。

 

 ・・・・クッ!!ものすごく悔しいけど今のヴァーリが可愛すぎて何も言えない!!

 

 そんなヴァーリの姿に見惚れていると、標的がクレーンゲームでラッチューくん?とかいうぬいぐるみを取っていた。

 

 ・・・・あのキャラクター。世界的に人気だったんだね・・・・

 そんな至極どうでもいい事を考えていると、標的が動き出した。

 

 ふむふむ。今日はどうやら一日中このゲームセンターで遊ぶようだね。

 

 

 それじゃあ!僕達も遊び尽くすとしようか!

 

 

―⚫⚫⚫―

 

 

「・・・・遊んだねぇ」

 

「・・・・うん」

 

「おかげさまで財布の中身が空だよ・・・・」

 

 結局あのあと、標的の事をすっかり忘れて遊び尽くした。途中、店員からすごい目で見られてた気がしたけどもそれはこの際置いておこう。

 それにしても財布が軽い軽い!帰りはファミレスで夜ご飯、食べようと思ってたんだけどなぁ・・・・

 仕方ない。今日は二人で自炊しようかな。

 

 

 そう考えながらゲームセンターを出ると、そこには今にも光の槍で貫かれそうになっている兵藤一誠の姿。

 

 ・・・・これは状況的にアレかな?あの中級堕天使がアーシア・アルジェントを連れ戻しに来て、そこを行かせてたまるか!って感じで兵藤一誠が立ち向かったけど呆気なく返り討ちにあっているという感じだろうか。

 

 未だに神器(セイクリッド・ギア)すら完全に覚醒していないのに中級堕天使に挑むとはね・・・・

 まぁ、いくら彼が転生悪魔で僕達と敵対する勢力の一員だとはいえ、同じ学園に通う同級生。

 それに、これによってリアス・グレモリーに貸しを作る事ができそうだから助けてあげることにしよう。

 

「その悪魔を殺すのは待ってくれないかな?」

 

 突如として現れ、自らの光の槍を防がれたことに驚く中級堕天使。

 

 ・・・・いや、それよりも僕の存在自体に驚いているのかな?

 

 こう見えても僕の事は堕天使達の間では結構知られてたりする。

 余程の下っ端でなければ確実に知っているだろうからね。

 

「・・・・何故貴方がその悪魔を助けるのですか?所持する神器(セイクリッド・ギア)も『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』と言ったありふれたものだというのに・・・・」

 

 ふむ、流石に疑うよね。

 まぁ隠す程の事でもないし正直に答えることとする。

 

「いやぁ、この悪魔とは同級生でねぇ。ほら、僕は人間界の学校に通っているからさ。流石に同級生が目の前で死にかけていたら助けるだろう?ただそれだけの理由さ」

 

 どうやらこれに納得したようで、目の前の堕天使は僕に一礼すると、アーシア・アルジェントを抱えて飛び去っていった。

 

「さて、とりあえず言いたい事はたくさんあるのだけど。まずは一つ。大丈夫かい?」

 

「・・・・尊!?お前・・・・助けてくれたのか?」

 

「言わなきゃ分からないかい?それ以外ないだろう?」

 

「ッ!!そんなことよりアーシアを!!」

 

 そう言って兵藤一誠は飛び出した。僕は兵藤一誠の腕を掴んで行かせないようにする。

 すると、兵藤一誠はこれに納得行かないようで。

 

「離せ!!俺はアーシアを「助けに行くとでも?」っ!」

 

 本っ当にわかってないなぁ。この変態は。

 今だって僕が助けてあげなきゃ死んでいたというのに・・・・

 

「あぁ、そうだよ!俺はアーシアを助けに行く!文句あるか!!」

 

 ・・・・これ以上は何か言っても無駄そうだね。

 僕が忠告したところでこれは助けに行くことをやめないだろう。

 なので、説得できそうな人物のところに行って頭を冷やしていただこう。

 

 僕は兵藤一誠に気付かれない程度に薄く霧を展開してオカルト研究部部室まで転移する。

 

 

「!?お、おい!!なんで俺達部室にいるんだ!?」

 

 突然転移したことに驚く兵藤一誠。

 兵藤一誠だけでなく、今現在部室にいる部員たちも突然現れたことに驚いているようだ。

 

「!尊とヴァーリ!?それにイッセーまで!?これはどういうことかしら!?」

 

 

 

 僕は驚くリアス・グレモリーとその眷属達に事の詳細を話した。

 すると、兵藤一誠とリアス・グレモリーの口論が始まった。

 内容はアーシア・アルジェントを助けに行くかどうかだ。

 案の定リアス・グレモリーはその案を却下したが、兵藤一誠は一歩も譲らない。

 

 

 そんな口論の中、姫島朱乃がリアス・グレモリーに耳打ちをした。

 ふむ、会話の内容を読み取るに、どうやら乗り込むらしいね。 

 

 そして、リアス・グレモリーは僕とヴァーリも含む部員を全員見渡すと用事があるから少し出かけると言って魔法陣で何処かに行ってしまった。

 その際、兵藤一誠に神器(セイクリッド・ギア)扱う際の注意と駒のプロモーションについて伝えていたので教会を敵地として認めたみたいだ。

 

 

 そんな中、兵藤一誠が僕とヴァーリに近づいてくる。

 

「なぁ、尊。ヴァーリちゃん。俺達今から教会に乗り込むんだけどついてきてくれるか?」

 

 ・・・・まさかの一緒にアーシア・アルジェントを助けようという勧誘だった。

 

 すると、ヴァーリと神器(セイクリッド・ギア)に宿るアルビオンが僕に念話である提案をしてきた。

 

『ねぇ、ここは話を蹴って兵藤一誠にあの中級堕天使をぶつけて神器(セイクリッド・ギア)を完全に目覚めさせるっていうのはどうかな?』

 

『うむ、それには私も賛成だ。我々が参戦しては赤いのはまた当分目覚めないだろうからな』

 

『おぉ!いい案だね!ならそれでいこうか!』 

 

 念話によって僕達の方針が決まったので、僕は兵藤一誠の勧誘を断った。

 

 兵藤一誠はかなり渋りながらもこの返答を受け入れ、木場裕斗と塔城子猫と共に外に飛び出していった。

 

 

 さて、そうと決まればあの堕天使達の監視をしているフリードにも連絡を入れておこう。

 

『もしも~し。こちらフリード・セルゼン!そんで尊さん。どしたの?』

 

『いやぁ、実はこの前話した赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)の所持者がそちらに向かっていてねぇ。そこで、その所持者と今監視中の中級堕天使が対峙するように誘導してほしいんだ』

 

『ほうほう!それはその所持者を覚醒させるために!?』

 

『あぁ、その通りさ!ちなみに、その所持者と一緒にいる悪魔達も殺しちゃだめだよ?』

 

『わかってますよ〜んで要件はそれだけですかい?』

 

『あぁ、あと。もう監視任務は終了していいよ。父さんからもあの堕天使四人は悪魔の管理地で事に及んだから切り捨てるって通達が来たからね』

 

『うっし!これで一息つけるんすね!いや〜、やっとあの至高の堕天使(笑)達からおさらばできるぜ!』

 

『じゃ、頼んだよ!』

 

『ほいほーい!』

 

 とりあえず、兵藤一誠とあの中級堕天使を対峙させるようにする事と、監視任務終了のお知らせをしておいた。

 

 さて、準備は整った!あとは兵藤一誠の赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)が覚醒するのを見守るとしようかな。

 

  




 ありがとうございました!!次回もお楽しみに!!


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第4話

 第4話。はじまるよ!!


 僕達は現在、自分達の家に戻って遠見の魔術を使って兵藤一誠達の様子を観察している。

 

 おや、彼らがフリードと接触したみたいだね。

 フリードには殺さないように言ってあるけど、どうやらフリードの隣にいる狂人神父君が殺す気満々みたいだ。

 

 あ、狂人神父君が早速襲いかかった。それを木場裕斗が魔剣で受け止める。

 ふむ、どうやらあの魔剣は光を喰らう魔剣。『光喰剣(ホーリー・イレイザー)』のようだね。

おかげで狂人君の光の剣が刃を失ったようだ。

 そこへ兵藤一誠の拳がのめり込む。

 

 へぇ〜、『戦車』にプロモーションしたんだね。でも、まだまだ本人のスペック的に『女王』になることはできなかったみたいだけれども・・・・・・・・

 

 それにしてもあの狂人神父君を吹っ飛ばすとはね。

 あの狂人君。パッと見だと『悪魔祓い(エクソシスト)』の中では中の上位の実力はあると思うんだけど。まぁ、あの狂人君。慢心しちゃってたみたいだから当然か。

 

 あ。狂人神父君がキレた。どうやら兵藤一誠に殴られた事が余程気にいらなかったらしい。

 

 激おこ状態の狂人神父君に対処すべく、三人が周囲を囲む。

 コレにはお馬鹿な狂人神父君も危機を察したらしく閃光玉で三人の目を眩ませると捨て台詞を吐いて退散していった。

 

 

―●●●―

 

 

 ・・・・うわぁ〜。あのブルド?だっけ?グレモリー眷属達に負けてから捨て台詞吐いて逃げてっちゃったよ・・・・

 

 あ、ドーモ。フリード・セルゼンでーす。見たまんま上の命令で至高の堕天使(笑)達の監視任務やってま〜す。

 んで、ブルドを倒したグレモリー眷属三人組が今度は俺っちに標的を定めちゃってるじゃねぇッスか・・・・

 

「さぁ、後は君だけだよ、神父」

 

 ・・・・うーん。ここは素直に通してあげてもいいんだけどそれじゃあ面白味に欠けるよなぁ・・・・

 

「そうっスね。・・・・それが何か?」

 

「ここでお前を倒して先に進む!覚悟しろ!神父!!」

 

 えぇ〜、なんかグレモリー眷属の『兵士』君に倒す宣言されちゃってるよ俺っち。

 

 ・・・・確か殺さなければいいんスよね?

 よし!

 

「ほい!」

 

 パキン

 

「くっ!」

 

 おぉ〜。即座に接近されて魔剣を砕かれた事に驚く『騎士』君。

 でも中々優秀じゃないッスか。

 一瞬で魔剣が砕かれた事により実力差を判断して撤退できるとはね。

 やっぱり一番才能あるのはこの子でしたか〜

 

「なっ!?」

 

 ・・・・それに対してこっちの『兵士』君は才能に恵まれていないみたいッスね・・・・ぶっちゃけ今の攻防くらい見えないと話にならないんですが・・・・

 すると、『騎士』君が何かを決めたようで。

 

「兵藤君。小猫ちゃん。君達は先に地下に向かってくれ!この神父の相手は僕がする!」

 

「そんなことできるわけねぇだろ!!俺達も一緒に」

 

「・・・・兵藤君。ここは誰かが残らなくちゃいけないんだ。君はシスターを救出するんだろう?」

 

 ・・・・ナニ?この俺の事は構わず先に行け!!的な少年漫画ヨロシクな展開は・・・・

 

 

 あーあ、なんかやる気失せましまわ。んじゃ、とっとと退散するとしましょうかね〜

 

「・・・・通っていいっスよ」

 

「・・・・どういうことだい?」

 

「言葉の通りっスよ。なんかもう面倒くさくなったので。バーイチャ!」

 

 そう言い残して俺っちは霧に包まれて転移。途中、ポカンと間抜けヅラしてる『兵士』君が見えたけどどーでもいいっスね。

 

 

 

―●●●―

 

 

「やぁ、お疲れ様、フリード」

 

「お疲れ〜」

 

「いやぁ〜疲れたッス。なんかグレモリー眷属三人組には敵視されるし、監視は面倒くさいしもう災難っしたわ」

 

 フリードを回収して引き続きグレモリー眷属達の様子を観察することにする。

 さて、ちゃんと兵藤一誠の赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)は目覚めるのだろうか?

 

 ひとまず、三人と相対したフリードの感想を聞いてみることにしよう。

 

「フリード。あの三人に相対してみてどうだった?」

 

「・・・・そうっすね〜。現時点ではどう転んでも大した脅威にはなりませんわ。でも才能には恵まれてるッスね〜

・・・・あの『兵士』君以外は」

 

「・・・・そっかぁ・・・・・・・・あんなのが私のライバルって・・・・・・・・ハァ」

 

「ヴァーリ。元気出して」

 

 しまった。ヴァーリの心に更に深い傷ができてしまった!!我ながら失態だったかな。

 

「・・・・あ〜あ、これは次代に期待するしかないかなぁ?」

 

「いや、流石に早すぎないかい?せめて禁手に至るくらいまでは・・・・」

 

「・・・・そうだね。至ったら私と戦って逝ってもらおうかな」

 

「・・・・容赦ないッスね〜」

 

 若干フリードが僕とヴァーリの会話の内容に引いてる気がするけど気にしなぁい、気にしなぁい!

 

 

 それじゃあ、観察を再開するとしようか。

 

 

―●●●―

 

 

「アーシア!起きろ!アーシアァァ!!!」

 

 クソッ!どうしてだよ!!なんでアーシアが死ななきゃならないんだよ!!

 

「アハハハハ!!何!?悪魔がシスターの心配!?何よそれ!!アハハハハハハハ!!!」

 

 目の前でレイナーレは高笑いしてやがる!!

 許さねぇ!!こいつのせいでアーシアは!!

 

「ハァァァァッ!!」

 

「うるさいわね!!下級悪魔の分際で!この至高の堕天使レイナーレ様に対して礼儀がなってないわよ!!」

 

「ァァアアアッ!!!」

 

 痛え!!足に光の槍が二つ刺さった!光は悪魔にとっての猛毒。俺は力なく地面に膝をつく。

 

「そうそう!あなたみたいな下賤な輩はそうやって跪いていればいいの!!ハハハハ!!!!!」

 

 

 チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!!

 

 なんでだよ!!アーシアはなんにも悪くないだろ!!巫山戯んなよ!!何が神様だ!!救いも何もねぇじゃねぇか!!

 

「・・・・・・・・ざけんな」

 

「ん?何か言ったかしら?」

 

「巫山戯んなァァァッッッ!!!」

 

『Explosion!!!!』

 

「チッ、ガタガタうるさいわ・・・・・・・・ね?」

 

 俺は光の槍を足から無理矢理抜いて立ち上がる。

 なんだろう?今までに無い程力が湧き上がってくる。これなら、目の前の堕天使をぶっ飛ばせるんじゃねぇか?

 

「・・・・なんでよ!!なんで立ち上がれるのよ!!それにその力の量は何!?なんで上級悪魔並の力が出せるのよ!!」

 

 何か目の前でギャアギャア言ってるけど関係ねえ!どのみち俺はあと一発殴ったら動けなくなるだろう。

 だから絶対に外さねぇ!!

 

「覚悟しろ。堕天使!!!」

 

「・・・・ヒッ!く、来るな!!!」

 

 怯えて逃げようとする堕天使に超足で近づき、その足を右手で掴み取る。そして、左手に力を一気に凝縮して殴り掛かる!!!

 

「ぶっ飛べ!クソ堕天使ィィィ!!!」

 

「イヤァァァァっっっ!!!!」

 

 殴り飛ばされた堕天使はそのまま窓ガラスを突き破って外に出た。アイツのやられた面を見ることはできなかったけど結構スッキリした。

 

「ざまー、みやがれ」

 

 力を一気に開放したからどっと疲れが押し寄せてきた。

 俺は力無くその場に倒れ込んだ。

 

 

―●●●―

 

 

「お疲れ様。一誠君」

 

 兵藤一誠VS至高の堕天使(笑)の戦いが終わってすぐに僕とヴァーリは教会に転移した。

 いきなり現れて体を支えられたからか驚きを隠せていない兵藤一誠。

 

「尊!?ヴァーリちゃん!?なんで?」

 

「うん。至高の堕天使(笑)を倒して倒れそうだったから支えてあげようと思ってね」

 

「・・・・ていうかさっきの戦い見てたのかよ!?」

 

「あぁ。君のそれが覚醒するのを見届けるためさ」

 

「ッ!?そんなことよりアーシアを!!」

 

 おぉ、自分のことよりそこに倒れてるシスターを心配するとは。

 

 すると、後ろからリアス・グレモリーが声を掛けてきた。

 

「・・・・どういうことかしら?あなた、今まで何をしていたの?」

 

「いやぁ、一誠君の持つ神器(セイクリッド・ギア)が未だに覚醒していない状態だったからね。完全に覚醒させるために向こうに倒れている至高の堕天使(笑)と一誠君を対峙させたんだよ。そして、僕達は今までその戦いの様子を観察していたというわけなんだ」

 

「・・・・死んだらどうするつもりだったのかしら?」

 

「君たちだって手を出さなかったじゃないか」

 

「・・・・」

 

 僕の返答に黙り込むリアス・グレモリー。というか君達も同じ事しようとしてただろう?手を出さなかったのが何よりの証拠だよ。

 

「ねぇ。ところで一誠君。私の前に立って何か感じるものはない?」

 

 僕達が無言の睨み合いをしていると、ヴァーリが兵藤一誠に問い掛ける。

 

「・・・・言われてみれば、さっきから左腕が燃えるような感じが・・・・」

 

 兵藤一誠がそう答えた瞬間。彼の左腕とヴァーリの光翼が光り、威厳ある声が教会に響いた。

 

『漸くお目覚めか、赤いの』

 

『あぁ、その通りだ。久しぶりだな、白いの』

 

『せっかく出会ったのにこの状況ではな』

 

『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういうこともある・・・・それに、今戦っても結果は火を見るより明らかだからな』

 

『それもそうか。ならば暫く休戦か?白いの?』

 

『そうだな。たまにはこういうのもいいだろう』

 

 おぉ!二天龍同士の会話か!これは珍しいものが聞けたね!この会話に、僕とヴァーリ以外の皆は驚きを隠せないでいる。

 

「赤い龍。・・・・イッセーの神器(セイクリッド・ギア)はまさか・・・・神滅具(ロンギヌス)の一つ。『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』!?」

 

「え!?何!?これ、どういう状況!?それに何か俺の神器(セイクリッド・ギア)が喋りだした!?」

 

 えぇ〜、肝心の兵藤一誠が何も分かってないなぁ・・・・

 コレには思わずアルビオンも

 

『赤いの。お前の宿主は・・・・その・・・・アレだな』

 

『・・・・言わないでくれ、白いの』

 

 うーむ。アルビオンがドライグを憐れむ日が来るとはね。世の中って不思議だなぁ。

 

「部長。俺のこれ。一体何なんですか?なんかヴァーリちゃんの神器(セイクリッド・ギア)と会話し始めましたし・・・・」

 

「・・・・いい?よく聞いて。その神器(セイクリッド・ギア)はただの『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』ではないの。極めれば神や魔王をも超える力を得られる十三種ある神滅具(ロンギヌス)の一つ。『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』というものなの」

 

 これを聞いた兵藤一誠は唖然としていた。

 ふむ、それもそうか。ありふれた神器(セイクリッド・ギア)だと思ってたら実は神や魔王をも超えれるとんでも神器(セイクリッド・ギア)でした。なんて知ったらこうなるか。

 

「・・・・そして、ここからが重要なの。よく聞いて。『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)の所有者と白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の所有者は代々殺し合っているのよ」

 

「・・・・・・・・え?」

 

 うん。今度は口を開いて唖然としていた。

 まぁ、無理もないか。その殺しあっている所有者が現時点、目の前にいるからね。

 

「理解した?一誠君。・・・・あぁ、私は今ここで戦うつもりはないよ?だって一誠君。弱いし」

 

「そ、そうですか・・・・」

 

「ま、何がともあれ、改めて挨拶はしなくっちゃね!」

 

「え?あ、はい」

 

「私の名はヴァーリ・ルジーナ。今代の白龍皇だよ。

よろしくね?今代の赤龍帝。兵藤一誠君!」

 

 そう言って、ヴァーリは背中の光翼をより一層輝かせ、無邪気な笑顔と共に宣言した。




 ありがとうございました!!
続きはまた次回!!
 お楽しみに!!


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