誰だよこいつこの教室入れたヤツ (パリの民)
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畑さんは空気が読めない。

なんか書いてて楽しくなってきたぞ。


人間は平等なのだろうか。それは断じて否である。

 

そもそも平等とは一体何なのだろうか、平等か否かを考える事はまずそこから始まる。例えば、憲法の下での平等というのは学校で習った通り、社会関係上で同じ立場に立つこと。または差別からの自由となっている。まぁ、差別が無ければ平等とは確かになるが、果たして人は差別せずに他人と関われるのだろうか。

 

それの答えはまたしても、否だ。

 

容姿、生まれた環境、生まれた場所、産みの親、行った行為、身体の強弱、成績の善し悪しなどなど、世の中には差別の対象となる物が多数存在する。

 

そして、差別していると認めたくない者は決まってこう言う。それは差別ではなく、区別であると。区別とは両者をはっきりと別ける事だが、その別ける事柄、判断材料が両者の違い、或いは差である。そして、それは結局差別へと結論づけられる。

 

もし本当に世の中に差別しない者がいるとするならば、そいつはもはや人間ではないとすら言えるだろう。現代社会は平等平等と訴えて止まないが、平等な社会は実現不可能である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことの発端は高校の入学式の日にその高校行きのバスで起こった。

 

バスの中は、丁度通勤や通学に使う時間ということもあり席は埋まり混雑していた。中には、綾小路と同じ制服を着ている生徒も数名見て取れた。そして、座席に座れていない老婆が見て取れたが、別に譲ってやるほどのお人好しではない綾小路は無視する事にした。

 

 

「席を譲ってあげようって思わないの?」

 

 

OL風の女性が優先座席に座っている人に注意しているようだった。真横にはさっきの年老いた老婆がいた。どうやら優先席に座っている高校生とは思えないがっちりとした体格をした、自分と同じ学校の制服に身を包み、場違い感がすごい金髪の髪を染めた男がドッカリと座っていた。どうやら彼女は男が老婆に席を譲ってあげようとしない事に苛立っているようだ。

 

 

「そこの君、お婆さんが困っているのが見えないの?」

 

 

 OL風の女性は、優先席を老婆に譲ってあげて欲しいと思っているようだったのだろうが、静かな車内での声は良く通り、周囲の人たちから自然と注目が集まり、老婆は迷惑そうだった。

 

 

「実にクレイジーな質問だね、レディー?何故この私が、老婆に席を譲らなければならないんだい? どこにも理由はないが」

 

「君が座っている席は優先席よ。お年寄りに譲るのは当然でしょう?」

 

「理解できないねぇ。優先席は優先席であって、法的な義務はどこにも存在しない。この場を動くかどうか、それは今現在この席を有している私が判断することなのだよ。若者だから席を譲る? ははは、実にナンセンスな考え方だ」

 

 

何とも高校生らしからぬ喋り方であった。

 

 

「あの...私は大丈夫だから」

 

「どうやら君よりも老婆の方が物わかりが良いようだ。いやはや、まだまだ日本社会も捨てたものじゃないね。残りの余生を存分に謳歌したまえ」

 

無駄に爽やかな笑顔で彼が言い放つ。どうやら、OLは半ば強引に言いくるめられたみたいだが、彼女は納得していないみたいだ。だが、反論できない。とてもムカつく発言だが、老婆が騒ぎを大きくしないように止めに入ったのが一番の理由だろう。そもそも本当に老婆が座りたかったかどうかもかも分からないし、次のバス亭で降りるかもしれないし、逆に座るとしんどいという人も居るかもしれないのだ。結局は注意した側の優しさの押し売りになる。この出来事はこれで終わりかと綾小路は思っていたが、そうではなかった。

 

 

「あの……私も、お姉さんの言う通りだと思うな」

 

 

思いがけない救いの手を差し伸べたのは、綾小路と同じ制服を着た非常にかわいい女の子だった。

 

「お婆さん、さっきからずっと辛そうにしているみたいなの。席を譲ってあげてもらえないかな? その、余計なお世話かもしれないけれど、社会貢献にもなると思うの」

 

その説得の仕方は悪手だ、と綾小路は思う。彼はどう見たって自分大好き人間だ。ほら見ろ、パチンと指を鳴らして口撃してきたではないか。こうなっては女の子もOLも老婆も彼を説得するのは無理だろう。

 

結局OLと女の子が優先席じゃない所も声をかけ始め、我慢出来なくなった一人の女性が替わってあげた。このバスは暗い雰囲気が漂っていた。なんと言うか、後味が悪い。

 

だが、その空気は一瞬にして一人の女の子に壊された。

 

 

 

 

バスの入口は二枚のドアが左右に開くタイプであるためある程度の大きな物でも簡単に入る。車椅子用に作られたのだろうか。そのドアとほぼ同じ大きさのリュックをしょっている女の子が入ってくる。バスの中にいた者は全員彼女に目が釘付けになった。しかも持ち物はそれだけではない。手にも何かが入ったカバンを持っていて、それもデカく、辛うじて顔と制服が僅か見える程度である。

 

隣で小説を読んでいた女の子も本を読むのを辞めて彼女を見ていた。

 

 

「私をそんなに見つめて...惚れましたか?」

 

「「「「ちげーよ!」」」」

 

 

バスの殆どの人が同じ言葉を発した。

 

 

「おや?入りませんな...ちゃんと計算した筈なのに」

 

「お、入った入った。奥までずっぽりと」

 

 

下ネタには誰も突っ込まなかった。

 

変な手のポーズも全員無視した。一体誰に向けてやったのやら。

 

 

彼女は辺りをキョロキョロする。だが、先程優先席で揉めたようにこのバスには座れる場所は無い。だが、彼女は座れた。何故なら先程優先席に座っていた金髪の男が譲ったからだ。

 

これから起こる事は、バスにいる全員が予想できた。

 

 

「なんで席を譲ったの!」

 

「どうしたんだい?レディー」

 

「さっきあのおばあさんに譲らなくて、なんで今度は譲ったのよ!」

 

「おかしな事を言うね。私は降りる駅が来たから立ち上がっただけに過ぎないのだが?」

 

 

またしてもOLは言い負かされた。

 

 

その男が自分と同じ制服を着ている事からわかっていたけど、やはり同じ学校だったかと思う綾小路だった。彼はバスを降りて、暫く校門を眺めていると、バスで自分の隣に座っていた女性に話しかけられる。

 

 

「ねぇ」

 

「...」

 

「あなたよ」

 

「もしかして俺か?」

 

「あなた以外に誰がいるの?頭おかしくなった?」

 

「なってない、それで、どうした?」

 

 

平静を装ったいるが内心話しかけられた事でめっちゃ綾小路は焦っている。

 

 

「さっきの大きな荷物の子、私たちと同じ制服着ていたわよね」

 

「あぁ、そうだが?」

 

「なんでここで降りてないのかしら」

 

「俺に聞かれても...?降りてない?」

 

「ええ」

 

 

綾小路は去って行くバスを振り返るが、確かに窓から女の子が見えた。いや、彼女の大きなリュックが窓から見えた。

 

 

「...さぁ、俺は無視する事にする」

 

「そうね、その方がいいみたいね」

 

 

その後開かれた始業式に、彼女は来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の名前は畑 ランコ。中学の時は新聞部に入っていて根っからの記者である。ちなみにそんな部活無かった為に自分で立ち上げた。

 

そして、大きな荷物の中身は100kgを優に超えるカメラやマイクなどの様々な機材。もはや並の人間には持てる代物では無く、ましてや女子が持っているのだ。恐らく彼女は化物の類だろう。

 

彼女がバスを降りなかった理由は、校門から学校の寮までは遠すぎる為だ。そもそもこの学校は殆どの物をポイントで買わせる為に基本私物の持ち込みを許していない。小さな物ならばいいが、彼女のは明らかにオーバーである。

 

だから見つからずに入る必要がある。なので学校の敷地内に入ったら真っ先に寮に入って、これらを隠す事になる。そもそも持ってこなければいい話だが、撮った物の画質が悪かったり、機材が不十分で撮れなかったとなると彼女にとっての恥である。

 

よって、退学のリスクを背負ってでも彼女は盗撮用のカメラなどを持ってきた。と言っても、彼女は見つかる訳がないと思っているのだが。

 

 

「これより、秘密の潜入、またの名を!隠れてし〇しこ作戦を開始する!」

 

誰かに言う訳でも無く、彼女の一人言だ。

 

「かさかさかさかっさぁー!」

 

口でかさかさ言う割には、彼女の足元から音はない。彼女が降りた駅は学校前の次であり、バス停から寮までの直接距離で最も近いのはここである。

 

ただし、ここを通ろうとする者はいない。それは校舎をぐるっと囲む壁が原因である。高さは6、7mほどあり早速人が越えれるほどの高さでは無い。また、壁の上には24時間監視体制の監視カメラがついている。おまけに赤外線センサーもあり、まさにネズミ1匹通さない仕様であるが、彼女には関係ない。

 

 

「へっ、ちょろいぜ」

 

さも当たり前のようにバレずに中に侵入できた。赤外線センサー、盗聴、盗撮、特にカメラ関係は彼女の右に出る者はいない。整備から修理、おまけに改造も出来る。部品さえあればだが。

 

そして、その全てが彼女のバッグに詰まっている。

 

 

 

 

ちなみに、彼女の部屋がわからなく、結局適当な部屋のベランダに全てを放置してから始業式に行き、着いた頃には始業式が終わっていた。

 

 

 

 

 

 

綾小路が入った教室はDクラスであり、ホームルームのチャイムが鳴っても先生は来なかった。そこを見計らって、一人のイケメンが立ち上がり、みんなに自己紹介をしようと促す。

 

「みんな!これから同じクラスで過ごすんだし、自己紹介した方がいいと思うんだ。じゃあ、まずは僕くから。僕の名前は平田陽介...」

 

 

そんな感じで自己紹介が進んでいき、綾小路の番がやってきた。

 

 

「次は君だね!」

 

「えー、綾小路清隆です。えー、特技は特に無いです。えー、よろしくお願いします」

 

 

自己紹介する必要がないと言い須藤が机を蹴ったと同時に、一人の美女が入ってくる。

 

 

「お前達、席につけ...ん?一人いないようだな、初日から遅刻か?」

 

 

クラスがいない生徒が誰だか気になり始めた所で、恐らくその生徒であろう女子を殆どが見つけた。

 

大きな胸をした女性の先生の真後ろに。

 

 

「おぉー、これは凄い胸ですなぁー。これは売れるぅ!!」

 

 

そう言いながら先生の胸を揉み出す女生徒。何人かの生徒(男女含め)が顔を赤くしてみている。

 

 

「貴様は一体何をしている」

 

「A〇女優の胸と比べていたんです」

 

 

胸を揉まれているのに一切動じない茶柱。

 

 

「今すぐやめなければ退学にするぞ。いいから席につけ」

 

「はぁーい」

 

 

畑が席に着いたのを確認して、茶柱が話し出す。畑の席はほぼど真ん中である。

 

 

「今から配る学生証カード。それを使い、敷地内にあるすべての施設を利用したり、売店などで商品を購入することが出来るようになっている。クレジットカードのようなものだな。ただし、ポイントを消費することになるので注意が必要だ。学校内においてこのポイントで買えないものはない。学校の敷地内にあるものなら、何でも購入可能だ」

 

この学生証は学校での現金の意味合いを持つ。なるほど。かなり大切な物だと理解する。"買えない物は無い"と言う所に、4人程が気にかける。この言葉はどういった意味を持つのだろうか。今考えても仕方がない事だが、質問しようとも綾小路にはその勇気が無いために黙っていた。他にも気になった者はいて、顔から見るに高円寺、堀北もそうだろう。そして、あの大きなリュックの女の子もだ。

 

 

「先生ぇ!何でも買えるってことは...茶柱先生を買うことも出来るんですか!」

 

 

これにはクラスの全員が呆れる。そんな事が出来る訳が無いと思っていたのだろう。だが、返って来た答えは予想に反する物だった。

 

 

「当たり前だろう。最も、私は高いがな。諦めな。3年間何も成さずに貯めたとしても、足りないぞ」

 

「なるほどなるほどぉ...」

 

「ポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。お前たち全員、平等に10万ポイントが既に支給されているはずだ。なお、1ポイントにつき1円の価値がある」

 

 

教室の中がざわつく。10万。予想外の金額に驚きを隠せない。多くて3万程かと予想していた綾小路だが、軽く超えてきた。さすがに日本政府が関わっているだけある。このクラスだけでも一カ月、数百万。学年では一千万円以上ものお金が支給される事となる。

 

さらに先生が補足説明をする。曰く、この学校は実力で生徒を測り、入学の段階で10万円の価値と可能性がある。ポイントは卒業後には全て学校側が回収。現金化は不可。ポイントの譲渡は可能。いじめ問題には敏感。との事だ。

 

 

「質問は無いようだな。では良い学生ライフを送ってくれたまえ」

 

 

先生が戸惑う生徒を尻目に教室から退出する。淡々と説明だけして居なくなった。

 

先生が出ていくのを見計らって畑の席の横にバスの女の子がやってくる。

 

「10万は驚いたね。高校生に渡す額じゃないよね。高すぎるよ...私は櫛田桔梗って言うんだ!君の名前は?」

 

「新聞部の畑ランコです。別に高く無いですよ。デ〇ヘルの120分コースに4回しか行けません。思春期男子には出し足りないかと...」

 

「え、部活?デリ〇ル?」

 

「貴方...可愛いですね」

 

「そ、そうかな」

 

「いや、間違えました。エロいですね。その胸はわざと出してるんですか?全貧乳女子の憧れの的です。やはりもんで貰える相手がいることが重要なんですね!お若いのになんて破廉恥な!」

 

「お若いって畑さん同い年だよね...」

 

「まぁ、そうですが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綾小路がコンビニ(学校敷地内)で買い物していると偶然堀北にあった。

 

「なぁ。お前の名前は?俺は綾小路清隆だ」

 

「言う必要が無いわ」

 

「隣同士で知らないのは居心地悪いんじゃないのか?」

 

「...堀北鈴音よ」

 

 

それを言ったきり、堀北は買い物を始めた。

 

 

「安いの買うんだな。金があるんだし「必要ない」しかし「必要ない」」

 

「でもナ〇キンは買ったほうが「貴方ねぇ...!」」

 

「待て堀北、今のは俺じゃないぞ」

 

 

堀北がコンパスを握ってこちらに針を向けている事に気付き慌てて否定する。

 

 

「これは失礼。ナプ〇ン派では無く、タ〇ポン派でしたか」

 

「...貴方なんなの?」

 

 

睨みながら堀北が綾小路の横で喋った女子に聞く。

 

 

「新聞部の畑です」

 

「はぁ、綾小路君。幾ら友達がいないからって友達料まで払わなくても。おまけに彼女だし」

 

「勘違いだぞ。こいつはいつの間にか俺の隣にいた」

 

「そうです。私はどちらかと言えば百合よりなんで、はい」

 

「聞いてないわ」

 

 

その後、いつの間にか畑はいなくなっていた。

 




畑さんの性格がおかしかったら言ってください。次回から気おつけます。その他は知りません。ちなみに、作者は畑さん大好きです。あと白井黒子も。


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畑さんは水着姿を撮りたい。

テスト終わった~(2つの意味で




ポイントの話が終わった後、いつの間にか畑はいなくなっていたが、クラスの人々はそれどころではなく、彼女がいなくなっている事に気がついたのは綾小路だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

この学校のプールのプールサイドで畑はカメラのセッティングをしていた。

 

 

 

「さぁ、今日は売れる写真を沢山撮りましょ~!」

 

腕を突き上げ、握り拳を作る。当然、親指は人差し指と中指に挟まれている。

 

絵面的には、手だけにモザイクがかかることだろう。

 

今日はプール開きの日であり、無駄に顔がいい女子達や、イケメンが何人もいる男子の写真が取り放題である。

 

 

Dクラスのプールは午後のはずだが、何故か彼女は朝からいなかった。そして、その事について茶柱は何も言っていなく、Dクラスが授業をサボり始めたのは彼女が原因だろう。

 

そして、当の本人は何処にいるのかと言うと、やはりプールにいた。今はAクラスが使用中である。

 

 

 

 

 

プールにて、Aクラスの場合。

 

 

「おぉ、おぉ!素晴らしい!ブラボー!可憐な女子たちが下着とそう変わらない格好でくんつほぐれつの状態に!」

 

パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ

 

盗撮である。

 

 

「あら?貴方はこのクラスの子?見たこと無いわ」

 

「おお、これは一部のロリコンと呼ばれるマニアにはたまらんボデー!」

 

 

パシャパシャ

 

リクライニングチェアで寝ていた白い髪の毛に白い肌、さらに白いワンピースのような水着を着た女の子がカメラを握る畑に声をかける。近くのテーブルには杖が置いてあり、彼女の物だろう。

 

 

「いえ、私は1年D組の生徒です」

 

 

それを聞いていたAクラスの男子生徒が畑を馬鹿にする。

 

 

「Dクラスの不良品が何故ここにいる!」

 

「そんな!私を不良品だなんて...!下の口はまだ未使用なのに!」

 

「真顔で何とんでもないこと言ってんだてめぇ!」

 

「山盛君、下品です。口を謹んで下さい」

 

「え、俺が悪い事になってるの?」

 

 

その後彼は連行された。ハゲに。

 

 

「すみません。うちのクラスの生徒が迷惑をかけました」

 

 

先程の女性が謝ってくる。

 

 

「いえ、許しません。体で払って下さい」

 

「「何言ってんのあの子!?」」

 

「それでしたら喜んで」

 

「「坂柳さん!?」」

 

 

Aクラスのツッコミの時の団結力は素晴らしい物だった。

 

 

「それはさて置き、貴方の名前は?」

 

「畑です。畑ランコです」

 

「私の名前は「坂柳有栖さんですよね。知ってます」へぇ...」

 

「どうして、知っているんですか?」

 

「私、新聞部なんで!と言うか、先程坂柳さんって呼ばれてたでしょう?」

 

「この学校にそんな部活ありましたっけ?」

 

「作ります」

 

「そう。貴方面白そうだから、連絡先交換しましょう?はい、これ」

 

 

それから、畑を見る坂柳の目は玩具を見る目であった。

 

ちなみに、更衣室に仕掛けたカメラは坂柳に回収されて、後で気付いた畑が泣いていた。

 

 

 

 

 

 

 

プールにて、Bクラスの場合。

 

 

「おぉ!これは逸材だ!我がクラスの櫛田(おっぱい)に匹敵する程の武器(おっぱい)を持っている...!これは万人受けするに違いない!うぉおおお!間違いない!櫛田さんが言っていた一之瀬(おっぱい)さんだ!」

 

 

パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ

 

「君は櫛田ちゃんの友達なの?」

 

「いえ、主従の関係です。私が主」

 

 

櫛田という単語に反応する一之瀬が質問するが、聞いてから聞かない方が良かったと後悔する事になった。ちなみに彼女とは連絡先を交換していないが、この学園で畑の知らない連絡先は無い。

 

 

 

 

 

 

プールにて、Cクラスの場合。

 

「っしゃー!張り切って写真撮りましょう!!」

 

 

Cクラスの女子も中々美形が多く色々撮りたかった畑だが、龍園は他人が自分らのクラスを見に来るのが気に食わないのか、山田に命令する。

 

 

「アルベルト、連れ出せ」

 

 

山田アルベルト。身長は2mを超えているんじゃないかと疑う程高いガチマッチョな黒人であり、一応生徒だ。

 

 

「bad girl」

 

「おや?」

 

 

山田に制服の襟を掴まれて、畑はプールの外に放り出された。

 

 

「あーれー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だが、私はフェイクだぜ!」

 

 

プールの側にある連絡用のスピーカーの下の小さな黒いカメラに気づいた者はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

そして戻ってきて、Dクラス。

 

 

「畑さん!?今までどこ行ってたの?」

 

「おや、櫛田さん。おっぱいをさらけ出してどうしたんですか?」

 

「さ、さらけ出してないよ!?これは制服がキツいから仕方なく...」

 

 

その言葉に顔を赤くしながら聞き耳を立てる馬鹿な男子が2人いて、それを他の女子が白い目で見ていた。

 

 

「私は他クラスの生徒と仲良く(一方的に写真撮っていただけ)していただけです」

 

「あ、畑さんも私と同じ目標なんだね!でも授業抜けてやるのは良くないよ?」

 

「大丈夫です、先生の授業は録画済みですので」

 

「へぇ、今度私にも見せてね。復習に使えるから」

 

「え、えぇ(不味いぃ!あの中には確かに授業の内容を撮ったのもあるが、先生のお尻の動きを撮ったものと、胸の動きを撮った物が混ざっている!...仕方ない、今日中に編集して、そちらの録画は別のSDカードに移しますか)」

 

 

 

 

 

 

Dクラスのプール授業の時間がやってきた。

 

綾小路は現在、楽しそうに遊んでいる女子達を遠くで眺めるボッチに過ぎない。揺れ動く乳、それを見て鼻の下を伸ばす男子、そんな男子が嫌だからプールに入らない女子、そして...ボッチの横に来るボッチ。

 

 

「あんな事があったのに、呑気な物ね」

 

 

堀北はこのクラスの異常性を説いている。

 

 

「気を紛らわせたいだけなんじゃないのか?」

 

「そういう物かしら?」

 

「まぁでも、確かに全く影響受けてない人も数人いるがな」

 

 

綾小路が目線を向ける相手は、自分の体を眺めて絶好調と言う高円寺と、可愛らしい水着に身を包んだ女の子達...を撮りまくる変態、が今まさに女子から止めてと言われている所であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生に与えられた自由時間を好機と思ってか、平田が全員に呼びかける。

 

 

「みんな、真剣に聞いて欲しい。今日僕達はポイントを貰えなかった。だから、来月は絶対にポイントを獲得しなくてはならない」

 

 

正論かもしれないが、この男にとってそれは正論では無い。

 

 

お前が何やろうが勝手だが、俺を巻き込むなと言って出ていった。

 

 

そんな様子を難しい顔で見ていたのは何もDクラスの連中だけではない。

 

とある部屋のカーテンの影からプールを覗いている者がいた。

 

生徒会長、堀北学である。彼は窓から視線を外し、部屋に呼んでいる二人の生徒と会話を始める。

 

 

「おめでとう、1年A組坂柳、葛城、おめでとう。今月お前たちのクラスに与えられたポイントは940。これは誇るべきs「すみませ~ん!」なんだ?」

 

「ちょ、貴方何しているんですか!?この部屋は今会長が使っているんですよ!?」

 

「おや、会長がいたんですか」

 

 

ガチャ

 

 

「え、ここ鍵しまってたはず...え?」

 

 

橘の話を無視して入って来た者は、畑ランコである。彼女は突然入ってきた自分に何の用だと問い詰める会長にお辞儀して窓の所まで歩いて行き、カメラの3脚を立てて録画モードを選択し録画開始と同時にそこを去っていった。

 

 

「な、なんだあの女は!?」

 

「会長がそこまで動揺する所は中々見られませんね、レアでs「トゥォア!スクープの予感!!」またですか...」

 

 

パシャ。

 

 

その後会長に腕を締め上げられ、無理やり彼女の撮った写真を消去されたが、それはフェイクであると畑は語る。

 

ちなみにこの後みんなの水泳の実力を知るために先生にタイムを競い合うトーナメントをしたが、畑はありえない程速かった。具体的に言うと、女子の1位を横から水中カメラ(大きいやつ)を撮影しながら同じスピードで泳いでいた。

 

彼女はいい物が撮れたと嬉しそうであった。無表情であるが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日から、クラスの様子が一変したと感じる綾小路であった。

 

ポイントで買ったゲーム機を友達に無理やり買わせようとする者、返せるかわからない借金を増やしていく者、そして...普段冷たい堀北が何故か食事に誘ってきたこと。

 

 

「え?」

 

「だから、お昼よ。聞こえなかったの?奢るわよ」

 

 

結果的に赤点を取った者を救済する為の勉強会の進行役を無理やり任された。

 

 

「俺を巻き込むな」

 

「食べたわよね。豪華なスペシャル定食。嘘で私を誤魔化して櫛田さんと会わせた事を私が恨んでいないとでも?」

 

「汚ぇー」

 

「来たねー!スクープのチャンス!あの孤高の雰囲気を漂わせる堀北鈴音がまさかの男とお食事デート!?これは売れるぅのか?まぁ、色々捏造するとしましょう」

 

「堀北...こいつを呼んだのもお前か?」

 

「呼ぶわけ無いでしょう?いつからいたの...。まぁいいわ。貴方も勉強会への参加メンバーの1人なんだから。それと、綾小路君。赤点のメンバーを集める算段がついたら私に連絡して、これが私の連絡先ね。畑さんにも渡しておくわ。最後に、こいつとデートなんて身の毛もよだつ程の気持ちの悪い行為を私がする訳ないでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人を誘いに行った綾小路だったが、見事に撃沈したため自分の部屋に戻ってきた。

 

「やっぱりダメかぁ...」

 

「仕方ない、櫛田に頼むか...あ、携帯番号知らなかった...」

 

「そうと来たら、任せてくだされ!」

 

「え、畑...。何処から入ってきたんだ。鍵も掛かってたし」

 

「あっちです」

 

 

ベランダの窓を指す畑。

 

 

「えぇ......」

 

「まぁまぁ、私も堀北さんに頼まれた身ですし」

 

「で、本音は?」

 

「勉強会密着取材!」

 

「はぁ...」

 

「櫛田さんの電話番号ならば、私が教えましょう」

 

「おぉ、助かる」

 

 

無表情な2人のトークは端から見れば不思議な光景だろう。

 

プルプルプル

 

「もしもし!」

 

「お、櫛田か。綾小路だ」

 

「あれ?綾小路君?どうして私の電話番号知ってるの?」

 

「畑が教えてくれたんだ」

 

「畑さんってプライバシーの権利知らないの!?」

 

「記者ですから」

 

 

電話から漏れた僅かな声を拾う畑の高スペックにやや驚く綾小路であった。

 

 

「記者だからと言っているぞ」

 

「え、綾小路君の所に畑さんいるの!?あ、私お邪魔だったかな...ごめんね?」

 

「櫛田、流石に冗談がキツいぞ」

 

「そうかな?畑さん見た目は可愛いじゃん?」

 

「それはさて置き...」

 

 

その後、綾小路の言った勉強会に自分も参加するという条件を提示され、それについて堀北を説得するのに時間がかかったが何とか無事収まった。

 

 

「畑はいつまでいるんだ?」

 

「終わりましたか。私としてはこのまま一緒に夜を過ごすのも構いませんよ?」

 

「遠慮しておきます。失礼だが、畑の携帯の中見せて貰っていいか?」

 

「まだ付き合ってもいないのに束縛するつもりですか。束縛するのは縄と決まっています!緊縛プレイ!」

 

「いや、見せたくないならいいんです」

 

「まぁ、減るものでもありませんし」

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

1年D組 綾小路清隆

1年D組 堀北鈴音

1年D組 櫛田桔梗

1年D組佐倉愛里

1年D組軽井沢恵

1年D組平田洋介

1年D組須藤健

1年D組山内春樹

1年D組池寛治

1年D組高円寺六助

1年C組龍園翔

1年C組伊吹澪

1年C組椎名ひより

1年C組山田アルベルト

1年B組一之瀬帆波

1年B組神崎隆二

1年B組白波千尋

1年A組坂柳有栖

1年A組葛城康平

3年A組堀北学

 

 

☆☆☆☆☆☆☆

 

 

全学年、おまけに職員の携帯番号まで入っていた。

 

 

「あ、勘違いしないで下さいね。まずは全員分の名前を書いて、その後教えて貰った物だけ登録しているんです」

 

「そりゃそうか。別に羨ましいとか思ってないからな」

 

 

 

綾小路の部屋から畑が立ち去った後、綾小路はある結論に至る。

 

「(櫛田や堀北はともかく、少なくとも俺は電話番号を教えていない。誰かから教えて貰った可能性もあるが、流石に全校生徒の名前を知っているのはおかしい。.....1番警戒しなくてはいけないのがこんなに身近にいたとはな.....女の子の電話番号、これで3つ目か。しっかり登録しよう)」

 

畑が彼にとって最も警戒する相手になった。

 

ちなみに、彼女は全校生徒の電話番号どころか、監視カメラや学校のデータベースにまで入り込んで、部屋の場所まで知っている。

 

理由はいつどこでどんな事件が起きても対応(取材しに行くなど)できるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勉強会は解散する事になった。

 

原因は須藤が幾ら教えても身につかないので、堀北が呆れて罵倒を始め、結果須藤が怒り出して出ていき、それにつられ池と山内も出ていき、それを追いかけて櫛田が出ていき、結局残ったのは赤点を取った畑と綾小路と堀北だった。

 

 

「そう!実は私赤点だったんです!」

 

「誰に対して言っているのよ。早く続けなさい。そこのホルモンの名前は教科書にあるやつ全部覚えなさい」

 

「パラトルモンはPTH、作用は骨吸収...パンツ履いてないと骨抜きになるまで犯されると覚えましょう」

 

「なんで無駄に長くしたの...」

 

 

畑は新聞に載せる材料を探す事に日々を費やしている為に、勉強する時間は皆無である。だが彼女の中学での成績はかなり上位であった。周りが頭悪いのか、それとも単純に彼女が凄いのかはさて置き、彼女はやればできるの子、YDKなのである。

 

 

「なに言ってるんですか、大抵の女子はヤればできる子です」

 

「いいから下ネタ言ってないで暗記を続けなさい」

 

「そこはもう全部覚えましたよ?」

 

「え?」

 

 

堀北が確認の為に問題を幾つか出すが、彼女は完璧に答えて見せた。

 

 

「私数年前に物凄い凡ミスをしたのです。なんと!取材しに行ったのにメモ帳が無いではありませんか!ですがここでパンツを脱いで書くにも、パンツは書くには生地が柔らかすぎます。そこで私はその場の出来事を全て記憶したんです。意外とうまく行きますなぁ」

 

「貴方意外と凄かったのね...」

 

「それより!...約束は覚えてますよね...?」

 

 

ここに来て今まで小説を読んでいた綾小路が会話に混ざってくる。気になったのだろう。

 

 

「約束...?」

 

「なんでもないわ、貴方には関係無いもの」

 

「実は、今度のテストで彼女の望む通りの点数を取れれば、スクール水着の被写体になってもらう約束なんですよ」

 

「へぇ...」

 

「全く、そんなのプール授業で見れるのに...何を考えているのか」

 

「いえ、あの時更衣室にあったカメラを壊されてまして.......あ」

 

 

そう、実は盗撮用の小型カメラが更衣室にあったのだが、回収しに行った時には既に壊されていてゴミ箱に入っていた。

 

だが、そんな事は"どうでもいい"。

 

 

「畑さん、貴方今なんて言ったの?」

 

「ふー、ふー」

 

 

吹けない口笛を頑張って吹く畑の口の形は「3」のような感じだった。彼女だけ作画が違う。

 

 

「もしかして、私が見つけたカメラって畑さんのじゃあないわよね?」

 

 

ジョジ〇の奇妙な冒険みたいな言い方で聞いてくる堀北。その様子は明らかに怒っていて、本当に後ろにスタンドが見えそうな勢いであった。

 

 

「ふー、ふー、ふー」

 

 

汗をダラダラかき、必死に口笛を吹きながら明後日の方向を向く畑。堀北に首を掴まれてどこかへ連れてかれる畑に、綾小路は静かに骨は拾ってやると言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それ後、彼女の姿を見たものはいないという。

 

 

 

 




まぁ、最後のは嘘です。


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畑さんは基本邪魔

短いし進んでないけど勘弁して


期末テストで赤点を取った者は、退学。これは高校生の彼らからすれば、かなり酷い内容だ。だから皆必死に勉強しようとする。無論、彼らが必死に勉強する理由は何もそれだけでなく、クラスポイントが関係していたりする。クラスの殆どがテスト向けに必死に勉強している中、とある部屋でそれは行われた。カーテンが閉まっているのか、中はほぼ真っ暗でお互いの顔が見分けにくい。そんな怪しい部屋で、男女がペアでいればやましい行為をしていると思うのが思春期男子だが、生憎二人はそんな間柄ではない。

 

 

「さて、私から例の者の情報を買いたいと言っていましたが…幾ら出すんですか...?博士...」

 

 

博士と呼ばれた男はどす黒い声で静かに笑った後に、言った。

 

 

「1人2000ポイントだ...それ程の価値がある」

 

「ほぉー...これは大きく出ましたな。クラスポイントが無く、いつ追加の料金を貰えるかわからないのに...」

 

「俺は学校が始まってからのこの数週間、全て友達に隠れて山菜定食を買っていた。そうやって節約して残った金は全てこの為にあったのだ。先生の何でも買える発言はどうやら合っていたらしいな」

 

「まぁ、いいでしょう。ちなみに、何ポイントあるんです?それによって買える量が変わりますよ...?」

 

 

この女、かなりの鬼畜である。彼女がこう聞くという事は、残ったポイントを全て搾り取るつもりのようだ。

 

 

「そう、まるでザー○ンを搾り取るように!徹底的に!」

 

 

ここまで来れば、もはやこの二人が誰か読者にはわかっただろう。男はクラスで博士呼ばわりされている外山、そして、女は新聞部と自称する畑である。

 

ちなみに、下ネタは無視された。

 

津田を呼んできてほしいくらいだ。

 

 

「84000ポイント、つまり42人分」

 

 

この男は元から全て出すつもりだったらしい。

 

携帯を通してポイントが行き来し、闇の(物理)取引は終わった。

 

 

「では、これを。うちのクラスの女子は20人しかいないので、人気のある他クラスのも入れておきました」

 

 

84000ポイント支払って得たのは、1枚の紙切れ。

 

だが、これでいい。

 

外山が買ったのは女子のスリーサイズである。それが1枚の小さな紙にびっしりと書かれている。ぴったり42人分という事は、彼女は博士がどれだけ買うか、いやどれだけ買えるか。つまり博士の現在のポイントを把握していた。

 

それに気づいた博士はやや彼女が恐ろしくなったが、彼女の口から聞こえた下ネタで怯えるのも馬鹿馬鹿しいと思った。

 

 

「ちなみに、私のも入れておきました」

 

「いや、畑さんのはちょっと...」

 

「私の情報に価値がない事は知っていますよ。だから入れた!少しでもあげる者の価値を落として儲ける為に!」

 

「あ、でも畑さん意外と人気あるので、大丈夫でござる」

 

「なん...だと...?誰ですかその人は、洗脳して櫛田(おっぱい)の事が好きになるようにします」

 

「さっすが畑さん!俺たちに出来ない事を平然とやってのける。そこに痺れる憧れるぅ!まさか自分から商品価値を落としていくスタイルとは、まじ尊敬するンゴ」

 

「あれですよ、大阪城がエレベーターつけるのと一緒です」

 

「うん、絶対違う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、畑はいい新聞のネタが無いか探していたら、面白い物を見つけた。まだ新聞部すら作ってないのに、もう活動を始めてるのは、流石としか言えない。

 

Dクラスの佐倉が夜の森で自撮りをしていたのだ。

 

 

「へぇー、貴方は佐倉さんでしたよね?」

 

「は、はひ!?い、いつの間に!」

 

「木の影からずっと見ていましたよ」

 

「ずっとですか!あ、あ、あのこの事は、クラスのみんなには内緒で...」

 

「どうしようかなー、新聞部としてこんなスクゥープ逃せないんだよねー」

 

 

かなりの棒読みで、それを聞いた佐倉がコミュ障に似合わず慌てた感じで話しかける。

 

 

「そ、それは困ります!わ、私何でもしますから!」

 

「ん?今何でもと?」

 

「ヒィ!?」

 

「じゃあ、こうしましょうか。これから自撮り禁止!」

 

 

ビシッと人差し指を佐倉に向け、もう片方の手を顔に当てて決めポーズ。

 

 

「そ、そんなぁ!」

 

「その代わり、私が撮る!」

 

 

バァーン!というような効果音が聞こえて来そうな感じでジョジョ立ちをする畑。

 

 

「えっと、どういう...」

 

「どうせ撮るならちゃんとした機材で撮らせてくださいと言っているんですよ。別に自撮りしてもいいですが、要は被写体になれって事です。えぇ、まぁ、その写真を販売する事になるかもしれませんが」

 

「そ、それだと私だとバレちゃうのでは...?」

 

「ダイジョブその辺は新聞部に誓って、絶対漏れないようにするから!だからエロい格好に着替えて写真撮らせて、ぐへへへへ...」

 

「は、畑さん、本音出てるよ!?」

 

「何をおっしゃいます!私は貴方の趣味を手伝いたい一心で」

 

「さっきの言葉は無かった事にするんだね、あははは...」

 

 

 

 

 

これが佐倉と畑の出会いだった。

 

いやもうクラスで出会っているが、まともに話せるようになったのはこれが切っ掛け。まぁ、片方はまともな事を話したことは無いが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある日の夕暮れ時、綾小路は堀北を説得するために会いに行こうとしたが、彼女が自分の部屋のある方とは別の方に向かっていたので気になってついて行った。

 

そこで見たのは男に迫られている堀北だった。一瞬ナンパかと思い立ち去ろうとしたが、男が堀北に危害を加える動作をしたので、仕方なく関わる事にした。

 

 

「おい、何も本当にやることは無いだろう、相手は女だぞ」

 

「君は...」

 

 

振り返った男の顔が生徒会長のものだった事に驚き、堀北が兄さんと呼んだことにさらに驚いた。

 

 

「...........なるほど、近〇相姦か...邪魔したな」

 

「違う」

 

 

1秒も経たずに否定する生徒会長は反射神経が相当なものだと見た。

 

 

「なんですとぉ!〇親相姦ですとぉ!!!撮影せねば!」

 

 

そして、この女性の反射神経も運動神経も絶対おかしい。そう思いながら3階の窓からカメラを空中で構えながら飛び降りてくる畑に呆れた目線を送る綾小路だった。

 

生徒会長は畑の行動に気を取られ気づくのに遅れたが、漸くまだ腕を掴まれている事に気が付き、振り払わずもう片方の手でつきに行く。恐らく狙いは頭で、下手すれば脳震盪を起こすのではないかと思うほど速い。そしてそれを簡単に躱す綾小路にやはりかと言う目線を送る。

 

 

「入試の成績、全て中間点ぴったり取っただけで留まらず、この身のこなしとはな....只者ではないな」

 

「偶然ですよ、偶然」

 

「ほう、今私の拳を躱しているのも偶然か?面白い」

 

「男同士で組んづ解れつ........1部の女性には売れる…!」

 

「え、ちょま、待て貴様」

 

 

畑の発言に動揺する堀北兄、そして、見たこともない兄の姿に妹も固まる。一応生徒会長が仕掛けて来ないので綾小路も手を止めている。

 

シラケたのを感じたのか堀北兄は1度わざとらしく咳をし、冷静になる。

 

 

「ごっほん。君、その動画をどうするつもりだ?いや、いつから撮っている?」

 

 

実は畑が撮った物はかなりまずい。何故なら生徒会長が新入生に暴力を振るうシーンが載っているのだ。

 

 

「貴方と鈴音さんが話し合いを始めた頃からですが?」

 

「つまり、全部か...」

 

「ちなみに、動画の使い道は少々見やすくする為に加工して(残酷な戦闘シーンを演出して)、新聞に載せて出すつもりです」

 

「........何が望みだ?」

 

「私スペシャル定食が食べたいなぁー」

 

 

棒読みのセリフの筈なのに異常にムカつくがなんとか堀北兄は抑える。

 

ちなみに畑の次の日の昼食はスペシャル定食であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




下ネタの量が少ない、圧倒的に。あ、畑さんがキャラ崩壊していたら言ってください。え?ほかの人?それは知りません。


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畑さんの新聞部は超有能。

週間ランキング39位で、しかもお気に入り数が400越え...


お前ら下ネタ好きだな!

まぁ、小学から高校に入ってもなんだかんだで一番盛り上がるのが下ネタの話と哲学ですよね。

この小説の1話から見たのですが、誤字結構多いですね。

なんだよ!パス停って!パスしてどうする!


図書館にて、赤点組は堀北の謝罪によりやる気をだし、全員で真剣に勉強していた。

 

とある女子生徒によると、

 

生徒会長にナンパされていた所を助けた所、そのままホテルにゴールインした結果である。

 

らしい。

 

まぁ、女子生徒が畑だとわかった瞬間、情報の信用性はかなり下がることだろう。

 

畑クオリティ、または畑効果とも言う。(言わない)

 

 

「くっ!私としたことが、そんな美味しい場面を見逃すとは…ホテルに入るまでは見たのですが...」

 

「そんな事実は無いわ、気色悪い」

 

「おい、俺に失礼じゃないか」

 

「え、堀北さんと綾小路くんってそう言う関係なの!?だ、だから仲がいいのか」

 

「おや、パイオツ殿はそう言う関係と言っておったが、どういう関係なんだい?ほれ、言ってみろ、ほれ、ほれ」

 

「えぇ!?え、えっと、その」

 

櫛田は顔を真っ赤にしてうずくまる。その反応に頬を染める男子ども。

 

それに絶対零度の目線を向ける堀北。

 

どさくさに紛れて櫛田の胸の大きさを測る畑。ちなみに、やや大きくなっていた事に驚いた。

 

明らかに勉強する空間じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、原因たる畑が堀北にぶちのめされ(物理)、現在は普通に勉強している。

 

 

「畑ちゃんはなんのお勉強をしているの?...!?」

 

畑が何の本を見ているのか気になった櫛田が聞きながら後ろから覗くと、そこには全裸にかなり近い格好をしたモデルの写真が大量にあった。男性用グラビアだろうか。

 

 

「うぇ!?」

 

 

櫛田が驚いた事に堀北が不思議がり彼女ものぞき込む。

 

 

「あ、いや、これはそのぉ...し、取材のお勉強を...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤点組は時間いっぱいまで勉強出来た。縄でぐるぐるに巻かれ、更に口にも縄をかまされた事によって動くどころか喋れない1人を除いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

畑は放課後、勉強会には行かずにとある部屋に向かう。部屋には長机が数個あり、あと椅子が十数個。そして、ビデオを再生するための機材、画像や動画編集用のパソコン3台、他にも印刷機などもあり、ここが新聞部の部室である。

 

実は、畑は茶柱に部活を作りたいと言ったら、ポイントで買えと言われた。20万程消えたが、様々な生徒に様々な写真を売っている内に彼女のポイントは50万を超えているので、さほどダメージは無い。ちなみに、20万ポイントは後々返された、3倍程になって。それが部費らしい。それに畑のポイントを加え、彼女は色々な資材を買った。

 

因みに一番売れたのは佐倉のものだったりする。当然、誰かわからないようにしている。聞かれても答えない。しつこい奴は始末する(比喩)。

 

 

 

この新聞部、実は密かに有名なのだ。原因は情報量。新聞を書く為の取材などで集めた情報がこの学校の仕組み上かなり利用出来るのである。そこに目をつけた上級生の特に賢いもの、つまりクラスのリーダーがそれぞれ刺客を送り込ませた。その結果、クラスにもある程度新聞部が知れた。

 

この新聞部、普通では有り得ない点がある。それは上級生だろうと、上位クラスだろうと、部長にはなれない。なれるのは畑だけであり、部長は任命式である。そして、部長には自由に部員を退部させる権利がある。

 

これが畑が20万ポイントも払った原因であり、茶柱などの先生に駆け寄りポイントを使って権限を買ったとしても、学校に200万、畑に200万払わなくてはならない。茶柱はこれが当然だと言っていた為に、学校もこういう事態を予想していたのだろうか。

 

下級生であり、おまけに最下位クラス出身の畑が部長で好き勝手出来たとしても、入ることである程度の恩恵がある。尚且つ、リーダーの命令に逆らえるような人材を彼らが寄越すわけがない。なんだかんだで、部活は成り立っている。現在の部員は畑含めて7名。1-A、1-B、2-A、3-A、3-B、3-C、更に1-Dと、もはや一切クラスがダブらない部員に畑は一切違和感を覚えなかった。

 

彼女は新聞部で取材して、新聞を書きたいだけである。

 

これだけ聞けば健全だが、彼女はついでに図書館で読んでいた本程過激でなくとも、あれのようなものも出したいと思っている。当然、モデルはこの学校の生徒や職員である。そして販売対象もこの学校の者だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

期末テストの数日前のDクラスは焦っていた。原因は中々成果が出ない勉強。勉強して上がるものもいれば、そうでない者もいる。それは努力の差、では無く才能の差。特に赤点組は危険である。

 

それらを解決する為に手伝えと綾小路が櫛田に言い、櫛田はすぐに引き受けた。原作どおりならば、このまま櫛田のおっぱいのお陰で去年のテストの解答を二人は手に入れるのだが、原作と違う点が一つ。この櫛田を誘うシーンを堀北に目撃された事である。その些細な違いによって話の展開は大きく変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

上級生と思われる男子生徒に綾小路は目をつけた。理由は彼が食べているのが山菜定食だからだ。山菜定食はお世辞にも美味しいとは言い難い。苦い、のが原因だったりする。そして、この定食は無料である。つまり、これを食べる生徒は相当なもの好きかポイント不足に陥っている生徒に限定される。

 

 

「先輩、話があります」

 

「私は今忙しい」

 

「ポイント不足に悩んでいるんでしょう?いい話があります」

 

「!?.......話だけは聞く」

 

 

綾小路は彼の隣に座り、櫛田は空いてる席が無いため仕方なく向かい側に座る。

 

 

「去年の1年の期末テストをポイントで買いたい。2万だ」

 

「流石に低すぎる。おまけに僕に危害が及ぶ可能性も考慮して、8万」

 

 

2万ですらDクラス生徒にとってはとんでもない損失なのに、8万など有り得ない。毎日山菜定食で我慢して漸く辿り着く額、あまりに高すぎるが、過去問は案外これ程の価値があるかもしれない。

 

 

「高すぎる。2万」

 

「安全性が皆無、7万5千」

 

「この場を見ているカメラは無い、俺とこいつが黙っていれば安全だ、2万」

 

「そもそも低すぎるとメリットにならない。6万」

 

「スペシャル定食連続で食べたくはないか?2万」

 

「山菜定食で満足だ、6万」

 

 

綾小路はこれ以上下がらないと判断し、櫛田に目を向ける。だが、それよりも早く櫛田は動いていた。男子生徒の腕を両手で握り、体を前のめりにして説得を試みる。

 

 

「お願い、クラスメイトの為なの!このままだと彼が退学しちゃうの!」

 

 

男子生徒は彼女の必死さに、では無く彼女が前のめりになった事で見えた胸の谷間に心を動かされる。やはり彼も男子生徒である。こんな可愛い女子生徒に迫られて、上目遣いでお願いされ、更に谷間が見えたら動揺せずにいられる男子など彼女の本性を知った者だけだろう。

 

 

「うっ...ご、5万」

 

「ダメだ、2万」

 

「お願い....ダメ...かな?」

 

「う...これ以上は無理だぞ…!4万!」

 

「よし、じゃあそれで」

 

「ちょっと待ちなさい」

 

「「!?」」

 

 

交渉が成立しそうになった瞬間、堀北が割り込む。

 

後ろには畑がいた。一緒に来たというよりは、襟を掴まれている所を見ると強制連行だろう。

 

 

綾小路はなぜお前がいる。そしてなぜよりにも選ってそいつを連れてきた。と言う思いを込めて視線を向ける。

 

堀北はその視線を無視する。

 

無視されたので似たような視線を畑にぶつける。

 

 

「そ、そんなに見つめられると...私、興奮してしまいます...!」

 

 

綾小路はこの学園に来た目的とかを忘れて辞めたくなった、学園を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堀北は櫛田に退けといい、退いた席に畑を座らせる。どうやら彼女が交渉するようだ。

 

「2万以内ね」

 

「任せてください。しっぽり搾り取ってやりますとも」

 

「違う、そうじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

畑に目の前に座られた男子生徒は困惑する。確かに畑と呼ばれる女子生徒は顔は可愛らしい。だが、先程の子と比べるとどうしても、胸の辺りが劣っている為に色仕掛けはないだろう。そう予想した。今度こそ値下げはしないと心の中で決めた。

 

 

「5万」

 

「2万」

 

「だから、無理だって。そもそもこれは受けても受けなくても僕にダメージは無い」

 

「2万」

 

「5万、むしろ君たちの方が困るんじゃないかな?」

 

「2万」

 

「じゃあ、こうしよう。4万で、その子を僕の自由にさせる」

 

「うへぇ!?」

 

「屑ね...」

 

「1万5千」

 

「なんで下げた!?」

 

 

本来ならば値段を上げて妥協策へと持っていくのだが、何故か彼女は更に下を行った。綾小路はこんな奴を警戒していたのかと、自分に呆れていた。

 

 

「ごっほん。冗談ならば付き合わないぞ、5万」

 

 

怒らせたのか、1度下げたのを戻した上級生。

 

 

「クライマックスと行きましょう。私たちが出せる最大がこれだ」

 

 

そう言って畑は端末を取り出し、ポイント受け渡し画面へと行く。

 

畑はただただ無表情で端末を彼に見せる。

 

 

「な!?巫山戯ているのか!無料だと!?」

 

「先輩があげれば、櫛田と言うおっぱいに好印象を与えられる。あげなければそれまでである」

 

「出来る訳ないだろ!」

 

「あ、さいですか」

 

 

そう言って畑は椅子から立ち上がり、全員を連れてどこかに行った。綾小路はもうどうでもいいと思っている為についていき、頭の整理がついていない櫛田は取り敢えずついていく。堀北は1度男子生徒を睨んでから去った。

 

残されたのはひとり虚しく山菜定食を食べる先輩だけだった。

 

彼は2万でもいいから貰って置けばと後悔した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

畑の後に続いた堀北らは新聞部の部室にやってきていた。

 

 

「よかったね!畑ちゃん、やっと新聞部作ったんだね!」

 

「えぇ、ちょっと待っててください。適当に三〇木馬に座っていてください。いい感じに濡れたら言ってください」

 

 

そんな物どこにもないと突っ込める気力がある者はいなかった。

 

 

テーブルを囲む椅子に座って待っていると、奥から畑が何やらプリントを持ってきていた。

 

 

「はい、綾小路くんが欲しがっていた過去問去年バージョンです。1万で貸し出しますよ?」

 

「え」

 

 

何故持っている。と言う疑問が浮かび、問いただそうとする前に答えられた。

 

 

「新聞部ですから」

 

 

答えになっていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後櫛田が畑さんから勉強頑張っている皆さんへのご褒美だよと言って過去問をテスト前日にクラスの全員に配る。

 

クラスは畑に感謝した。

 

どうやって手に入れたと考える生徒がいない所、彼らはその程度なのだろうか。まぁ、考えた所で無意味なのだが。

 

 

 

 

 

 

 

テスト当日、開始前に畑は堀北にトイレでこう言われた。

 

 

「おや、私を待ってどうしたんですか?ナ〇キンを忘れたのですか?貸しますよ?」

 

「違うわ。今そういう雰囲気じゃないってわからないの?」

 

「あ、これは失礼しました。ナプ〇ンでは無くタン〇ン派でしたか」

 

「だから、違うって。貴方には平均点を下げて貰いたいの。下げれるだけ下げて貰える?」

 

「いいですよ」

 

 

畑がこうも彼女の言いなりになるのは、理由がある。彼女に写真の売買がバレて、それを見逃して貰っているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テストが終わった後、須藤は悔しそうにしていた。今回のテストは彼は彼なりにかなり頑張ったのだ。

 

その結果疲労がたまり、昨日貰った過去問をさほど勉強出来ずにいたのだ。

 

その為、結果は良くない。

 

そんな彼の前に堀北がやってくる。

 

 

「須藤くん」

 

「……なんだよ、説教か?なんとでも言え……」

 

「過去問をやらずに寝たのは完全にあなたの落ち度よ。でも、それは手を抜いた結果ではないでしょう?やれることをやってきた点については、自信を持っていいわ」

 

「は、なんだそれ、慰めか」

 

「私は慰めなんて言わない。事実を言ったまでよ。あなたがどれだけ苦労したかは見て取れるもの」

 

その言葉に須藤は顔を上げる。

 

 

「それと、もう一つ」

 

「今度はなんだよ……?」

 

「訂正させて欲しいのよ。以前私は、バスケットのプロを目指すことを愚かだと言って罵ったわ」

 

「それ、今思い出させることか?」

 

「話を聞きなさい。あの後、バスケットについて調べたのよ。そして、プロになる道のりがどれほど大変か、以前より理解が深まったわ」

 

「で、だから俺には諦めろって言いてえのか」

 

「そうは言ってないわ。あなたが私の調べたことを理解していないはずがない。それを知った上で、あなたはその道を進もうとしているのね」

 

「ああ、そうだ。俺は馬鹿にされようとバスケのプロを目指す。お前に言われたとおり生活に困っても、その夢は諦めない」

 

 強く言い切る須藤の目には、確かな意志が宿っている気がした。子供が消防士になりたいと言う無邪気さはないことは無い。だが、彼ならば叶えられると思える眼差しであった。

 

「夢の実現の難しさや大変さを理解していない人間が、そのことについて語る資格はない。今はあの時の発言を後悔してるわ」

 

 表情こそずっと真顔だったが、その頭は徐々に下がって行く。

 

「あの時はごめんなさい……私が言いたかったことはそれだけ。じゃあ」

 

「うわ、ちょ」

 

 

その後堀北はクラスから出ていき、残された須藤は綾小路にこう相談した。

 

 

「やべぇ、俺堀北に惚れたかも...」

 

「えぇ...」

 

 

それはクラス中の感想を代弁しているようだった。

 

そんな話題にこの人が食いつかない訳もなく。

 

 

「応援しますよ!頑張ってツンデレ、いやツンツン素人処女妹属性を落としましょう!(大丈夫、ホテルの用意は私がしておきます。当然SM部屋ですね...)」

 

 

後半何言っていたかを聞き取れた者はすぐ近くにいた綾小路だけだったが、突っ込む気はなかった。

 

 

「お前...テストの過去問といい...今回のことといい...良い奴だな」

 

 

それは絶対にないとクラスの殆どの生徒が思った。




この小説の他にも「天竜人は悪い人?」と言う赤屍さんが主人公の小説書いてるんですが、あれに旗が出ると予想変換で畑と出るんですよね。ごっちゃごちゃです、間違えないように気おつけなくては…


この小説を書いてて思うのですが、私の下ネタのレパートリー少ないですね。勉強の為にほぼ毎日自家発電してます。小説の為です、仕方ないよね


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畑さんは無視するに限る。

無視出来るのならば。





最初は歌の歌詞を書いていたのですが、それはダメらしいのでその部分を全て消し、それだと文字数が少ないので色々書き足しました。

歌詞を書いてしまい申し訳ありません。


テストが帰ってきた。

 

一番危うい須藤の英語ですら39点と赤点を回避できた為に、クラス全員で喜んだ。まぁ、特に喜んでない人もいるが。彼らは知っている、こんなに甘い訳がないと。彼女は知っている。金が手に入れば、夜遊ぶ人が増え、スクープが待っていると。

 

いや、知っているのは彼女だけだし、そんな事は起こり得ないのだが。

 

 

「これがお前ら全員の点数だ。そして」

 

 

そう言って担任の茶柱が須藤の名前の上に赤線を引く。

 

 

「これが赤点のラインだ」

 

「な!?」

 

 

須藤が驚く。当然だ、前回の赤点の点数より10点程上がっているのだ。

 

 

「どうやら畑はギリギリ合格ラインだが、残念だが須藤。お前はだめだ」

 

 

前回と違う点数に当然の質問がされた、それに茶柱は続けた。

 

 

「今回のテストの学年平均は79.4点。これを2で割り、39.7。小数点以下は切り捨てて、39点。これが赤点ラインだ」

 

「そんな...」

 

 

クラスが静まり返り、その隙に茶柱は外に出て、その後に綾小路と堀北が追いかけた。

 

堀北が去り際に須藤に任せてと言った。そのせいで須藤の堀北好きに拍車をかけた。チョロインは須藤かもしれない。

 

ちなみに、畑のとった点数は40であり、赤点ギリギリだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上にて、茶柱はついてきた二人に何の用だと聞いた。

 

 

「須藤のテストの点数を買いたい」

 

「ほう...」

 

「貴方はこの学園ではなんでも買えると言った。最初は半信半疑だったが、畑の質問で確信した」

 

「なんだったか?」

 

「茶柱先生を買えるか、と言う質問にあんたはYesと答えた」

 

「あぁ、はぁ、あいつは自由すぎる...。まぁいいだろ。10万だ。1ポイントもまけない」

 

「わかりました」

 

 

綾小路の残高ではギリギリ払えない額に何か言おうとした所に代わりに堀北が言った。

 

 

「綾小路くん、私が半分だすわ」

 

 

ポイントの支払いが終わり、茶柱が去った後、ひょっこりと畑が顔を出す。屋上をかこう柵の外から。

 

 

「堀北さん、撮影会はいつにします?」

 

「はぁー...出来れば忘れて欲しかったわ...。ていうかここ屋上よ?」

 

「記者ならば、如何なる場所でも現れます!ゴキブリのように!」

 

「自分で言うのね」

 

「名前つきスク水にビキニは勿論、V字水着マイクロ水着、貝殻、手ぶら...」

 

「まって、手ぶらは水着じゃないわ」

 

「堀北、ツッコむ所違うぞ」

 

「何を言っているんです。女の子の突っ込む所なんて4つしかないんですから、間違えようがありません」

 

 

綾小路のツッコミにすかさず下ネタを挟む畑。

 

 

「...ん?4つ...?待てよ...下に2つ...口で...あと一つどこだ?」

 

「ふん!」

 

「グハッ...」

 

 

綾小路が堀北に聞いたところ、帰ってきたのは堀北の肘だった。腹に突き刺さった彼は膝から崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テストが終わり、畑は櫛田にカラオケに行かないかと誘われた。畑は断る理由も無いので、一緒にいった。そこにはクラスの殆どが集まっており、いないのは堀北だけだろう。と言う事は無く、意外な事に彼女も参加していた。

 

そして、更に意外な事に説得したのが櫛田である。

 

内容はこんな感じ。

 

 

「堀北さん!みんなで打ち上げパーティーみたいなのやるから、堀北さんもこない?」

 

「有り得ないわね。ただでさえポイント不足なのに反省もせずまた遊ぶの?一生治らないわね、あの連中」

 

「堀北さん来ないの?」

 

「行くわけないでしょう。メリットなんて皆無じゃない」

 

「でも、堀北さんだけいないなんて寂しいよ...堀北さんも可哀想だし」

 

「それは貴方の思い違いよ。私は1人でも楽しいわ」

 

「お願い!堀北さん!畑さんが来るから暴走しても止めれないの!」

 

 

櫛田は幾ら誘っても無理だとわかり、方向を変える。

 

 

「堀北さんだけだと思う!彼女を止められるの!」

 

「はぁ、それなら仕方ないわね...」

 

 

 

 

 

 

 

 

全部畑のおかげである。だが、櫛田が彼女に感謝する事はなかった。

 

 

「最近思うのですが、皆さん私に対する扱い酷くないですかね?別に虐められて感じるような性癖無いのに…あれですかね。勘違いした結果ですかね。皆さん私をドMだと勘違いし、わざとこんな事を...じゃあ、演技でも喜んだ方がいいのでしょうか?」

 

「やめなさい」

 

 

堀北はちゃんと機能した。と言うより、有能である。ツッコミが無いのがかなり残念であるが。

 

津田が欲しい...(願望)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、クラスメイトがそれぞれ自分の歌唱力を披露している中、彼女の番がやってきた。

 

 

「えー、それでは聞いてください」

 

「オリ〇ン座の下で」

 

 

 

 

〜〜〜♪

 

 

 

 

その歌は、ひたすらセッ〇スと連呼するような内容であった。

 

その結果、当然カラオケ部屋の雰囲気は一変する。

 

楽しかったカラオケの雰囲気が、明るかった部屋の人々は、ただただ静まり返っていた。彼女を止める為に用意された堀北ですら、動けずにいた。

 

どうやら彼女を止めれる者はいないらしい。

 

 

「あれ?お皆さんお静かになっておどうしたんですか?お生理ですか?」

 

 

お前のせいである。

 

ちなみに、彼女の歌っている歌にのりのりだった男子生徒が数名いたが、現在は白い目を女子生徒から向けられて、賢者タイムである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは彼女らがカラオケに行く少し前の話である。

 

時はテスト返却の後、須藤が何故か退学せずにすんだのでその『祝いのパーティin綾小路部屋』が終わった後まで遡る。

 

当然畑もいる。

 

全員帰ったあとあと片付けを綾小路がしていると、自分の部屋に櫛田の携帯が忘れられていた事に気づいた。当然彼は櫛田を追って届けに行くが、櫛田が向かったのは自分の部屋があるフロアではなく、外であった。

 

何をするのか気になり、綾小路は彼女の後をつけていた。

 

素人である櫛田に見つからないように後をつけるのは簡単であった。"彼は作られた"人間である。素人に遅れをとるほどの男では無い。

 

だが、素人でない彼であっても、その後をつけている畑に気づけずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ...最悪。死ねばいいのに...あのクソ女!クソ堀北!」

 

 

後をつけた綾小路が見たものは川の柵を蹴りながら堀北に対し暴言を吐いている櫛田であった。

 

 

彼は目を疑った。

 

あれほど明るく、友達集めを頑張り、クラスメイトに人気が高い彼女がこんな事をすると思えなかったからだ。

 

彼女の姿に戸惑っていると、なんと彼女にバレてしまった。

 

不可抗力である。櫛田の携帯が鳴ったのだ。

 

 

「誰!?...そこにいるのは...?」

 

 

誤魔化せないと判断した綾小路は仕方なく出ていく。

 

 

「俺だ、綾小路だ。櫛田、携帯忘れ」

 

「ぺっ......聞いたの?」

 

「聞いてないって言ったら、信じるか?」

 

 

櫛田は綾小路の目と鼻の先まで顔を近づける。キスしそうなほど近いが、雰囲気が明らかにそれではない。櫛田の目がそう言っている。

 

 

「誰かに話したら...容赦しないから...」

 

「もし話したら?」

 

「あんたにレイプされたと言いふらしてやる」

 

「冤罪だし、それ」

 

「大丈夫、これで冤罪じゃない」

 

 

そう言って櫛田は綾小路の手を自分の胸に持ってくる。

 

 

「これであんたの指紋がべっとりついたから、証拠も」

 

 

パシャ!

 

 

シリアスな雰囲気にこの女が居合わせない訳がない。彼女はそういう生き物だ。

 

 

「な!?」

 

 

櫛田が酷く驚く。

 

今のは間違いない、カメラのシャッター音。今の写真が撮られていたら、間違いなく自分が綾小路の手を取り自分の胸に押し当てているシーンになる。これで逃げられて、クラスメイトに知られたらまずい。

 

彼女は何としてでも盗撮犯を見つけると決心したが、その必要はなかった。

 

盗撮犯は自分から出てきたのである。

 

普通こういった場面を見たものは正義感で助けに行くか、警察呼ぶか、真っ先に逃げるなりするだろうが、彼女は普通では無い。

 

 

「いぃやっほぉぉぉぉう!!!!やっと溜まった性欲を爆発してくれる人がいましたぜ!綾小路くんならやってくれると信じてた!あ、どうぞお気になさらずに続けて下さい。いやー、もはやクラス、いや学年のアイドルとなりつつある櫛田さんがこんなに積極的だとわ!自らその豊満なぼでぇを使って男を落としにかかる。その威力は核兵器にも匹敵する!そうか...!これが日本が核を持たない理由だったのか...!くぅー...私が男ならばすぐに襲いかかったものを......いや待てよ?むしろ女だから出来る事があるじゃあないか!そう!女の子同士ならでは...レズと言うジャンルを...だ、だが待て...私はノーマル...だっけ?いや、私の性別は記者でした、失敬した。だがそれでも.........」

 

 

その後彼女は1人で長々と何かを語っていたので、櫛田は彼女を無視した。

 

適切な判断である。

 

 

「綾小路くん、私が言いたいのは一つだけ。この事を誰にも言わないでくれる?」

 

「大丈夫、いいホテル知ってます。学園出ちゃダメとか私がハッキングしてちょちょいのちょいです!」

 

「...あ、あぁ」

 

 

取り敢えず綾小路を承諾させた櫛田は標的を畑に変える。

 

 

「畑さん、貴方もだよ。この事を黙ってないと容赦しないから」

 

「なるほど...レズなら大歓迎です!」

 

「そうじゃない!あぁもう!」

 

「大丈夫ですよ、つまり貴方の性格の話ですよね」

 

「そうだよ...もしクラスメイトにバレていたら...」

 

「大丈夫です!そんな性格でも好いてくれる人はいますから!確かに裏が濃い性格で世の中ではクズ女とか言われるかも知れません。ですが、そんな性格を好きだと言ってくれる人だっているんです」

 

「いる訳ないじゃない。だから隠してるのよ」

 

 

実際、多くの人は彼女の本性を知れば彼女を嫌いになるだろう。

 

 

「大丈夫、実際ここの作者は貴方のような性格の女の子が大好物ですから」

 

 

だが、それとは逆で彼女の本性を知って好きになった人もいるはずだ。

 

 

「とにかく!私の性格の話はしない!後写真も出せ!」

 

「じゃあ、写真出す代わりに私の前では本性で過ごすと言う約束で」

 

「はぁ!?!?」

 

「作者がもっと見たいんですよ。貴方のそういう所」

 

「あぁもう!じゃあわかったから写真消して!クソが!」

 

写真を渡せば終わる会話だが、何故かここで畑さんがキレた。

 

 

「なんなんですか貴方は!さっきからクソだのう〇こだの...スカ〇ロプレイが好きなのを私に言ってどうするんです!でも私はそういうのもちゃんと写真に収めますので任せてください!」

 

「言ってねぇから!クソしか言ってないし変な性癖付け足すな!」

 

「おっやぁ?ス〇トロプレイを知っているとは...おやおやおやおや、貴方もこちら側でしたか」

 

 

畑は櫛田がこちらに来るように手招く。

 

 

「ちが...わ、私は...」

 

どうやら彼女の前では必然的に素になってしまうらしい。それはあの生徒会長も同じだ。いや、素と言うより、変な自分が出てくる感じだろうか。もはや別人である。

 

 

「変な自分......櫛田さん貴方変態なのですね?」

 

「心読むな」

 

その後畑が彼女の目の前でカメラの写真を消して、2人は帰っていった。

 

それから櫛田がクソがと口ずさむ事はなくなった。

 

1人残された綾小路は、何がなんだかわからず、部屋に帰ってカップラーメン食べてシャワー浴びて寝た。

 

そして次の日になり気づいた。

 

 

「携帯返し忘れた」

 

 

 

 




次回は須藤のあれですかね。暴力事件?果たして畑さんがいると、事件の結末はどう変わるのか。


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畑さんのせいと考えるのはあながち間違いでは無い。

活動報告

小説の後書きとかに書いた方が読む人多い気がする。

返信コメント

前書きにも濃厚に書き殴って早く本文読みたい兄貴姉貴たちを悶々とさせてどうぞ


作者「よっしゃ、やってやんよ」


※作者が適当に本編と全く関係無いことを話していきます。飛ばしてどうぞ。





サブタイも含めますがタイトル回収出来てる小説は本当にすごいと思う。無理無理、サブタイもタイトルもいつも適当なんだもの。

SCPにはまりもう半年以上たっていると思うが、最近SCPの二次創作に手を出していない事を思い出し読み始めたら、面白い者がたくさんあって最高です。具体的な作品名は出しませんが、SCPの世界に転生する話よりもSCPと他の世界とクロスオーバーの方が私は好みなんですよ。ハイスクールD×Dとのクロスオーバーの作品は本当に素晴らしい作品なので皆さんにも見てもらいたいですね。私なんかの小説読むよりは絶対いいでしょう。主人公組や転生者組の軽率な行動によって世界が滅びるのは実にSCPらしくて好きです。後、何故か昔あったおっさんがSCPの能力を全部持ってヒロアカの世界に行く作品が読めなくなっていて悲しいです。作者が消したのでしょうか。最初はSCPの能力を個性として持っていて無双するのかなと思っていましたが、まさかSCPを体内に確保、収容、保護しているとは。しっかりそのSCPの特性で苦しんでいますし、文句無しです。そしてそんな彼をヒーローやヴィランが利用しようとしてるのがまた滑稽ですね。まぁ、仕方ない事なのでしょう。SCPの世界ではSCPは異常な存在だからこそ恐れられ、警戒もされるのでしょうが、ヒロアカの世界は異能力など使えて当たり前。SCPもただの能力を制御しきれない赤ん坊としか考える事ができないのでしょう。彼らにはSCPは規模が違うと説明してもそんな強力な個性があってたまるかと思われるだけなのですから。

長々(長くないか)と話しましたが、読者の誰かSCPの二次創作書いてくれる方いませんか?読みたいです。出来れば女の子を助けまくってハーレム作ってる主人公の所に送ってください(鬼畜)。女の子なんだから助けて当たり前だろとかいう主人公の所にです。世の中はそんなに甘くない、君の軽率な行動で世界は何度も滅ぶと教えてやってください。

これこそ男女平等社会かもしれないですね。

まぁ、男女平等などありえないですが。

殆どの女性が男尊女卑を訴える時は基本女尊男卑な時だと思います。本当に男尊女卑の時代は訴えをする人なんて極わずかであり、それが当たり前だと男女共に思っている筈ですから。毎回外で食事する時(特に食べ放題など)に料金が男よりも女の方が安いのを見ると本当に男尊女卑なんだろうかと思ってきますね。男の方がいっぱい食べるから女を安くするのは当たり前かもしれないですが、それだと男尊女卑こそありえないじゃないですか。女性だから職場に採用しないのだって、女性はいらないから当たり前になるじゃないですか。






前書きこんな長かったの始めてだ。

では、本編をどうぞ。








とある日の放課後。

 

寮への帰り道。

 

綾小路は偶然なのか必然なのか、その場面を目撃した。須藤がCクラスの生徒を"一方的に"殴っているシーンを。

 

彼は止めようとはしなかった。

 

何故ならこういった場面には必ずあの女の子が登場するからだ。だから、まだかまだかと待ち続けていたが、結局いつの間にかCクラスの担任の先生に須藤は止められ、その場の全員がいなくなっても彼女は現れなかった。

 

 

「空気読めよ」

 

 

今言うべきではないが、よく言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに彼が待ち望んだ彼女、畑さんは何をしているのかと言うと。

 

 

 

 

 

 

「坂柳様!どちらに向かえばよろしいのでしょうか!」

 

「私の部屋まで頼みますわ」

 

「了解であります。タクシー畑、いっきまぁーす!」

 

「ごー!であります!」

 

坂柳が杖を前に突き出しながら言った。

 

 

 

 

そう、畑は坂柳有栖のタクシーになっていた。

 

小さな体とはいえある程度の重さがある筈の坂柳をまるで何も持っていないように簡単に持ち上げ、その上かなりのスピードだ。本当に人間か疑うレベルである。

 

余談だが、畑はゴリラと噂される事もある。原因はDクラス主催男女対抗腕相撲で勝ち上がり、あの須藤に勝ち、高円寺と引き分けになったからである。あれ以来高円寺の遅刻回数が増え、通学路で彼がトレーニングしている様子が度々目撃された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年Aクラスは2つの派閥に分かれている。1つは坂柳派、もう一つは禿げ...葛城派である。

 

畑としてはどちらにも属していないが、周りから見れば進んで坂柳のタクシーになる彼女はどう見ても坂柳派であった。まぁ、彼女としては禿げに属すくらいなら美少女に属した方が絶対いいに決まっている。被写体が増える的な意味で。

 

だが、彼女はある事が気になり葛城にも近づいていた。

 

普段彼は人当たりがいいと思われるように演じ、自分の評価を上げようと努力しているのだが、今日の彼は我慢出来なかったらしい。

 

 

「お前は二度とここにくるなよ…」

 

 

畑が去る時に葛城が言ったこの発言だけ聞けば彼の人間性を疑うが、相手が畑ならば話は別だとこの日のクラスにいた人らの心は派閥を問わずに同じになれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間を遡ること数分前。

 

畑は葛城の下に訪れていた。当然初対面(?)な為に葛城は人当たりのいい笑顔でどうしたと聞いた。

 

 

「いやぁ、新聞部が水泳部のイメージ向上を新聞部に依頼してきまして、それで水泳水着特集出そうと思いまして、競泳水着の被写体を探してるんですよね。ほら、あなたは身長もちん長も大きいって売りですよね」

 

「いや、そんな話知らないのだが」

 

「またまたぁー!そんなこと言ってとてつもないもっこりだと服の上からでもわかりますよ」

 

「どうしてそうなる!第一、服からでもって、私が常に勃起をしているみたいじゃないか!」

 

「何を言うんです!だからあなたを男優に選んだのではありませんか!」

 

「それ探してる男優の前にAとVつくよな!?」

 

 

葛城は1度周りの目線に気が付き心を落ち着けた。そしてわざとらしく咳をすると、再び言った。

 

 

「お前に構う暇はない。私は(テストの)勉強しなくてはならないのだ」

 

「あちゃー、それなら仕方ないですね。男たるもの(性の)勉強は必要ですものね。でも、無理しないでください。ヤりすぎは体に毒ですよ」

 

「気遣い感謝する」

 

「いえいえ、では」

 

 

その後彼女は朝の会が始まるまでに被写体を探し回り、最終的にBクラス1人、Dクラス4人が被写体になってくれて、女子の方は坂柳を初め、Bクラス1人、Cクラス1人、Dクラス2人であった。

 

Dクラスが他クラスよりも貢献してくれた為にDクラスへ新聞部が融通するようになり、後に新聞部の依頼を受ければどのクラスもこぞって人を出すようになったのだが、それはまだ先の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

須藤が問題を起こしたと聞けば、Dクラスの生徒はまたかと答えるだろう。

 

だが今回はそうも行かなかった。このまま行けば須藤が退学になるからだ。それはいけないと久しぶりの出番に喜ぶ平田が立ち上がり、皆を導いた。

 

 

「久しぶりの出番言うな」

 

 

こちらに話しかけるのは君だけだよ。常識考えようよ。

 

 

「おや?何がイけないのでしょうか?」

 

 

こいつもか…。

 

 

その後、事件解決の為に平田と綾小路、櫛田が動き犯人探しが始まった。

 

だが、中々上手くいかない。

 

そこで綾小路が堀北ならば知っているかもしれないと言い、彼女に頼み込んだ所、佐倉愛里という女性の名前が上がった。

 

そこで堀北と唯一親しい綾小路、そこに櫛田が加わり佐倉に聞き込みに行くことにした。

 

探偵か。

 

櫛田を堀北は嫌っているが、残念な事に友達皆無な佐倉と面識があるのは彼女だけなのだ。

 

 

 

 

 

放課後、彼女の後ろから呼びかけようとすると、彼らの方が呼びかけられた。

 

 

「おや?これは珍しい組み合わせですね」

 

「あ、畑さん!」

 

「お前か...」

 

「はぁ...ややこしくなりそう」

 

 

人によって随分と態度を変える人たちだ。声だけならば櫛田は変わってないが、ちょっと嫌そうな顔をしている。

 

別に彼女が嫌いではないのだが、ただ単に接し方がわからないと言った感じだろう。特に櫛田は彼女を前にして素の自分を出しそうで怖いのだろう。

 

 

「私貴方の事苦手なのよね...」

 

 

嫌いではない...はず...。

 

 

「私...嫌われている...!?酷い!昨日はあんなに求めて来たのに!ヤり捨て!?」

 

「そういう所よ...」

 

「まぁまぁ、堀北も落ち着け。すまんな畑、今佐倉に用があってお前に構ってる暇ないんだ」

 

「私に用...ですか...?」

 

 

全員が後ろを向くと、そこには佐倉がいた。櫛田は驚いた。失礼かもしれないが、彼女の知っている佐倉はこんな簡単に話しかけられる程のコミュニケーション能力を有していない。むしろコミュ障で怖がりだ。

 

そんな彼女が、いったいなぜ。

 

「あ、あの、須藤さんの事についてはまだ心の整理がついてないので、また今度でお願いします!」

 

「え、えぇ」

 

堀北も人伝に聞いていた、そして自分の目で見てきた彼女はこんな性格だったかとびっくりして固まる。彼女は考えた。何か原因がある筈だ。そう思い1つの可能性に至り、横を見る。

 

 

「え、生理まだ来てないんですか?」

 

「もう畑さん!そ、そういう話はダメですよ....」

 

 

畑に対してぷんぷんと可愛らしい効果音がつきそうな感じで怒っている佐倉を見て納得した。

 

あぁ、やっぱりこの人のせいだわ。

 

彼女が思った通りだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かおかしな事があればだいたい畑さんのせい。




本編短くてすみません。サブタイ回収出来たのでぶった切った。

次回でもしかすると、生徒会役員共のキャラがもう一人追加します。次回でなくとも、次の次には必ずだす。誰が出てくるか楽しみにね!作者としては津田が欲しい。


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畑さんは動かしやすい。

誰か助けて、下ネタの量が減ってるよー!こんな下ネタが少ないのは畑さんじゃない!ごめんなさい、次は、次こそは下ネタを大量に...

次の投稿も遅くなると思います。


須藤が原因のCクラスとDクラスの騒動は、結果からすれば原作通りになった...

 

 

 

 

など、ありえない。

 

彼女、畑 ランコがこの学園にいる限り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

須藤とCクラスの連中が揉めていた現場を目撃した者を佐倉以外で探し回った綾小路らだったが、結局彼女以外にいないだろうという結論に至った。

 

そして、佐倉ちゃんの事は任せてと櫛田が言っていた為に暫く様子見という事になった。

 

その日の放課後、綾小路は櫛田に一緒についてきて欲しいと言われて、待ち合わせ場所に行くと佐倉と櫛田がいた。

 

 

「ごめんねー、2人でショッピング行くことになって荷物持ちの男手が欲しかったんだよね。頼める?」

 

 

そんな上目遣いされたら断れる物も断れないだろうと思いながら櫛田の言うことを聞く綾小路。

 

 

「綾小路くんだけじゃ可哀想だと思うから、私も男手を呼んだんだよね」

 

「え!佐倉ちゃん彼氏いるの!?」

 

「なんと!スクープの予感!」

 

「畑さん!?」

 

 

櫛田が驚いて大声を出すと同時にどこからかいきなり畑が現れた。

 

 

「いや、ううん?あ、そうじゃなくてね。男手って畑さんの事だから」

 

「え、畑ちゃん女の子だよ?」

 

 

ちなみにだが、このクラス、学年所か世界では畑を下の名前で呼ぶ者はいない。何となくその方がしっくり来るのだろうか。確かにランコちゃんと呼ぶと違和感があるが。

 

 

「でも、多分大抵の男よりも男手になると思うよ?力的な意味で」

 

 

佐倉は何を言っているのだろうか、と櫛田は思ったが、そう言えばと以前彼女が高円寺と腕相撲で張り合っていた事を思い出す。ちなみに高円寺が両手で、畑が片手だ。改めて考えると、畑の異常性がよくわかる。

 

ゴリラ女と呼ばれても仕方ないのだろう。本当に畑は化け物だ。顔が可愛く、筋肉などどこについてるか聞きたくなるような体なのに、一体どこからあれ程の力がでるのかは永遠の謎である。

 

 

 

その後、綾小路を引き連れショッピングに彼女らはいった。綾小路は荷物係として呼ばれたが、畑が結構持ってくれるのでかなり楽だ。女の子を3人も連れてショッピングなどと言うハーレムをクラスの三バカが見れば嫉妬物だろう。

 

なんせ、櫛田は言うまでもなくクラスどころか学年のアイドルであり、佐倉は地味だがよく見ればかなり可愛い。おまけに胸も櫛田に負けない程のボリュームだ。綾小路が知らないが、実は密かにファンがいたりする。まぁ、できた原因は畑だったりするが、それはひとまず置いておく。

 

 

「それにしても、Dクラスはポイントを貰えなくなったのに、それでも買い物するのか」

 

「うん...ランコさんのおかげで、私の趣味がポイントになったの」

 

「えぇ、佐倉殿は良き取引相手です」

 

 

佐倉はインターネットにて自撮り写真をあげる事が趣味であり、そのお陰でちょっとした有名人なのだ。しかし無料であげていた為、収入がない。そこで、畑を通して学校中に謎の美少女の写真として販売したのだ。その結果彼女の現在のポイントは数十万もある。

 

 

「へぇー、佐倉ちゃんの趣味ってなに?」

 

「え、えぇと...」

 

 

櫛田は何故聞こうとするのだろうか、彼女は知っている筈なのに。

 

綾小路に知らせる為だろう。

 

何故櫛田が知っているかだって?

 

 

「企業秘密です。と言うか、貴方も"新聞部"なのですから知ろうとすれば知れるはずですよ?」

 

 

彼女が新聞部の副部長だからだ。

 

 

「...まじか...」

 

 

綾小路はここに来ての新事実に驚きを隠せないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今現在、新聞部はかなりの規模となり、更には都市伝説まである程の組織だ。

 

異世界の情報が行き交う場所が冒険者ギルドであるように、この学校で情報が行き交う場所が新聞部となったのだ。

 

新聞部の内部の情報量は凄まじく、利用価値は大きい。セキュリティは畑が自慢するほどの物であり、並のハッカーでは突破所か、かえって自分の情報を晒す事になるほどだ。

 

新聞部の情報には閲覧権限があり、新聞部員ですら買わなければ手に入らない情報もある。ちなみに、それらの情報を全て管理しているのが畑であり、副部長の櫛田でさえ見せて貰えない。そんな情報を独占しているにも関わらず新聞部の誰も彼女に逆らおうとしない。

彼女に逆らおうとしない。

 

それは自分らの機密情報を知っている彼女が怖くて逆らえないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

などという大それた理由じゃなくて、単に彼女に借りを作るのが嫌な人が多いだけだ。

 

考えて見て欲しい。貴方の知り合いには年中下ネタしか言わず、おまけに馬鹿な行動ばかりして捕まっている奴がいる。そんな奴が自分よりも遥かにお金持ちだとして、彼になにか奢ってもらうのはプライドが許せるか?

 

ちなみに作者は余裕で奢ってもらうだろう。

 

 

「櫛田はなんで副部長になれたんだ?」

 

 

綾小路が気になっていた事を歩きながら聞いた。

 

現在、壊れた佐倉のカメラを直すためにカメラショップに向かっている。

 

 

「んー、私は畑さんに誘われたからかな〜」

 

「えぇ、うちには万人受けするマスコットが足りないと思いまして。彼女と書記が来てから部員のやる気と数が劇的に伸びました」

 

「書記?」

 

「えぇ、Aクラスの坂柳有栖です」

 

「んー、知らない名だな」

 

「うんとねー、坂柳さんはとってもちっちゃくて可愛いんだよ!」

 

「えぇ、1部の趣味の者にはたまらない物をおもちだ」

 

 

ちなみに、櫛田が入ったのは自分と綾小路の間に起こった出来事が知られていないか探るためである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カメラショップの店員はかなり気持ち悪かった、と後に櫛田は語る。

 

常にはぁはぁと言いながら、佐倉を見つめており、佐倉が住所を書く時など目が血走っていた。そして、綾小路が代わりに自分の住所を書いたら激怒した。

 

だが、綾小路に正論を並べられて黙らされた。

 

 

「別に彼女の住所じゃなくてもいいだろ。受け取り人は誰でもいいはずだ」

 

 

そんな会話をしている中、商品選びをしていた畑が戻ってきた。

 

察しのいい人にはもうおわかりだろう。

 

 

「おや、皆さんはここでなにを?」

 

「畑さん。私のカメラを修理しようと思って...」

 

「あぁ、なら大丈夫ですよ。部品はこれで足りるので私が修理してあげましょう」

 

「畑さんってカメラの修理もできるのか…ハイスペックすぎだろ。なんでDクラスなんかに...あっ…(察し)」

 

 

綾小路が何かを察していた。

 

実は、彼女のカメラが壊れた原因は畑にあった。彼女を撮影する時に、畑のカメラで撮った後に更に彼女のカメラでも撮ってあげるという約束をしているのだが、その際に水中でカメラを使ったのが間違いだった。彼女のカメラは畑のとは違い防水ではなかったのだ。

 

 

「私があろう事か、ぐちょぐちょに濡れている佐倉さんのおまんまん中にカメラを突っ込んでしまったt」

 

「畑さん、何言ってるんですか!?しかも言い方変えてピー音を回避しないでください!」

 

「違いますから!水中で使ってしまったせいでしょう!」

 

「ていうか、よくそんな躊躇いもなく言えるね...」

 

「という訳で、これください」

 

 

受け付けの男はずっと畑を睨んでいた。畑に自分の仕事を取られたせいで佐倉と近づけない事よりも、彼女と佐倉の関係が羨ましかったのだ。

 

 

「くそ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、その男は佐倉に向けて盗撮写真を送るなどしたが、全て佐倉に知られる前に畑が処理(持ち帰り)した。更に男が佐倉の部屋に乗り込もうとしたが、いざ入って見れば中で待ち受けていたのは5人の警察。呆気なく逮捕され、その後名無しにより有名な掲示板に彼についてこう書かれていた。

 

 

ーー

カメラショップ店員、松下 寮 (まつしたりょう) 38歳。童貞。

 

女子高校生を盗撮し、更には部屋にまで乗り込み乱暴をし、現在〇〇刑務所にて服役中。懲役1年。

 

《松下の卒業アルバムの写真》

 

住所---------。

 

身長167cm、体重79kg。

 

家族構成は母親、父親、弟。

 

彼が一年後に釈放されても皆さんには彼を許さないで欲しい。私の娘の青春は彼のせいで台無しになったのだ。

 

私は彼を許さない。

 

--

 

 

 

 

ちなみに、男が持っていた写真は全て畑が没収したが、後々佐倉の前で全て燃やした。佐倉の為だと彼女は言っているが、写りが良かったら彼女は燃やさなかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいせーいぽこ〇ん、ゆーせい、出すぞぽ〇ちん!ぽこち〇!ぽこ〇ちん!おち〇ぽ主義ってなんだ?(壁を叩く音)おち〇ぽ主義ってなんだ?正直私もわからない」

 

「僕は君がここでそれを言う理由がわからない」

 

 

CクラスとDクラスの騒動の会議が、Cクラスの訴えの成立で幕を閉じず、後日仕切り直しになった。

 

そして、生徒会長である堀北兄が部屋から出てきて迎えたのは変人、否変態だった。

 

 

「ここでは、ぽこ〇んのぽこ〇んによるぽこ〇んの為に、ぽこ〇んを健全に言える社会を目指します!」

 

「何をしているのだ貴様は...!」

 

 

もはや口調が意味のわからない事になっている生徒会長。あぁ、畑の言動の意味がわからないのはいつもの事だ。

 

 

「おや、つれないですね。まぁ、私が用事があるのはナニつきの貴方では無く後ろの無い方なので悪しからず。さぁ、行きましょう橘さん!大丈夫、処女までは奪いません」

 

「ふぁ!?」

 

 

堀北兄の後ろには橘茜ただ1人。

 

 

「だそうだ、橘。さっさとこいつを連れて行ってくれ、頼む...」

 

「え、か、会長!?」

 

「では行きましょう」

 

「私もこれと2人っきりとか嫌なんですが!会長!助けてー!力つっよ!?」

 

「安らかに眠れ、橘...」

 

「会長ぉぉぉ!?」

 

 

堀北兄はとことん畑が苦手なようだ。

 

この一点にのみ、堀北妹は兄に勝っている。最も自慢できないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

畑は櫛田に頼まれ、今回の一件に少し手を出す事になった。彼女は部員の頼みなら断れないと言っているが、どう考えても櫛田のメイド姿に釣られたのだろう。

 

そう、今回の成功報酬は櫛田のメイド姿の写真販売権である。

 

では、あの櫛田が。あの本性はクソしか言えない畑称うんこマン、もしくはスカ〇ロフェチ野郎。そんな彼女がなぜ畑に頼んだのか?彼女は表では須藤がいなくなったら悲しいと言っているが、別にそんな事は毛ほども思っていない。ではなぜか?皆さん思い出して欲しい。彼女は自分の友達数人に店を占領させ、更に綾小路を利用してたった一人の人物と一緒に食事をしようとしたことがあるのだ。まぁ、結果失敗したのだが。

 

そう、彼女の目的は堀北鈴音と仲良くなる事。

 

 

 

 

 

ーもしも今回の一件、堀北の発言やら佐倉の証言を持ってしても解決できなかったら、私がなんとかする。そして、なんとか出来たら友達になって欲しい。ー

 

 

意外な事に堀北は承諾した。このやり方の方が彼女好みらしい。

 

 

 

 

 

 

 

そして、櫛田の持つ能力は基本が他力本願。その中で彼女がある意味1番信頼している生徒に頼んだ。

 

自分のメイド姿と引き換えに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




後藤さんは素晴らしい。


次回は新キャラ出せるかな?

新たに出すキャラが気になる人へのヒント、先生です。え?これだけじゃヒントにならない?本当に生徒会役員共見てます?


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畑さんは副部長にお手本を見せる。

お久しぶりです。センターが終わり、まだ2次がありますが、期間開きすぎると凍結扱いされそうなので出します。


追記:津田と会長の会話を、タカトシとコトミの会話に変えました。この変更は後々に響きます。


新聞部の新聞の1面は、とある先生のことで持ちきりだった。

 

《坂上数馬(さかがみかずま)》

 

生徒を陥れるクソ教師!?

 

 

このタイトルから始まる新聞の内容は1年Cクラスの担任である坂上氏がCクラスの代表をポイントで脅して操り、彼らを使い他の生徒を退学寸前にまで追い込んだという物。更にはこれまでの教師としてはありえない行為などや、書類改竄、教師や生徒に対する痴漢疑惑など様々な彼が犯したとされる罪が述べられていた。

 

特に1番読者を驚かせたのは生徒会長の面前にも関わらず書類改竄の嘘を貫き通したという事実を、後に新聞部が暴いたということであろう。

 

作成者の畑曰く8割が本当らしい。

 

これが、畑が橘を呼んだ理由。

 

彼女に坂上のやった悪事を報告させてもらったのだ。

 

意外にもこれほど沢山の悪事が出てきたのだが、これだけでは炎上までは足りないと考えた畑は橘にサムズアップしてから、なぁーに、でっち上げは得意です!と言って去っていった。

 

橘も生徒会のメンバーとして畑の行為は少し見過ごせないところがあったが、それ以上に坂上が会長を騙していた事が許せないので彼女に協力することにした。

 

ちなみに、その後彼女は畑と少し仲良くなり、会長の写真を買う仲になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の一件は学園の外にも広まった。国が注目する学園でこんなクズ教師がいていいのか?という世間の意見を、国は従わずにはいられなかった。民意もそうだが、企業の意見が恐ろしかったのもあるが。

 

坂上を庇った所で、国に得る物はさほど無い。ならば全ての罪を彼に擦り付け、その後教師を入れ替えればいいという結論に至った。

 

そんなこんなで、この日Cクラスに新たに先生がやってきた。

 

この一大事には当然、坂上を消した張本人である新聞部も飛びつく。

 

 

「いい加減、貴方も新聞部の活動をするべきだ、新聞部ならば」

 

 

畑は新聞部に所属しているのに未だに仕事をしていないことを、部室の机の上で転がりながら部屋へと入ってきた櫛田に指摘する。

 

「畑さんが勝手に入れたんじゃないですか!?あとそんな所で寝てるあなたに言われたくないんですけど!?」

 

「そんな!?1度入れただけの関係で...いえ、1度入れたならば私も責任を取らなければなりませんね…。わかりました、子供が出来たらラン太郎と名付けましょう!」

 

「話飛びすぎじゃない!?」

 

 

1度櫛田は自分を落ち着かせ、畑に質問する。

 

 

「...それはさて置き、坂上先生がいなくなった原因って畑さんですよね?」

 

「人のせいにするの良くないですよ?」

 

「無理して隠さなくていいですよ、確かにあの人佐倉ちゃん泣かせたし、因果応報だと思うんですよね」

 

櫛田は頑張っていた。畑の前とはいえ、他にも新聞部員はいる。そんな中本来の自分を晒すわけにはいかない。口調からやや敬語が取れてきていたが。

 

「インガ...オホォ!ってなんです、下ネタですか?響きからして喘いでいるんですが」

 

「なんで全部そっちに持っていくの!?」

 

「いえいえ、確かにあの校内新聞を学園の外にまで配りにいき、さらにネットにも上げ世論を調節したのは私ですが、私は何もしてませんよ?」

 

「全部お前のせいじゃねぇか!?」

 

「「「え?」」」

 

「あ、しまっ」

 

 

そして、遂に本性を少しだが露見してしまった。

 

櫛田は1度怒るのをやめ周りの反応を伺う。

 

「櫛田さん...あんな乱暴なこと言うんだ...」

 

「あの櫛田さんが...あんな言葉遣い...」

 

 

櫛田の本性がもし1人にバレていただけならば、綾小路のように脅して言わないように出来るかもしれないが、ここにいる男女はおよそ10名。到底無理である。

 

櫛田桔梗と言う女性は、皆を引き付け、誰に対しても優しい表の顔と、気にいらない奴を消そうとする裏の顔がある。そんな彼女は表の顔を利用して、何人もの人を退学や転校へと追い込んだ。だが、それは標的が少ない時のみであり、これほどの数をいっぺんに相手するとなれば、自分の表の顔に惹かれた者達が離れかねない。

 

つまり、彼女にはどうしようもないのだ。

 

だから彼女が今出来る事は、愚策中の愚策、現実逃避であり、耳を塞いで蹲り、事がすぎるのを待つことだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男と言う生物は、対象物が可愛いとそれだけで許してしまう生き物だ。よく、可愛ければ何をしてもいいのか?と可愛いは正義と言う思想に反対する者達がいるが、それは間違っている。

 

可愛いければ何をしてもいいのではなく、何をしても可愛ければ許されるのだ。

 

許されない時点で可愛いと思ってなどいないのだから、許されないのは当然である。

 

可愛いは正義ともう1つ、面白ければ許されると言う言葉もあるが、これはまた後ほど話そう。

 

さて、可愛いは正義となるのだが、それは今の状況にも当てはまる。

 

この新聞部と言う部活動は畑と言う変人の元に成り立っているのだから、その下もまた基本的に変人なのだ。否、変人でなければやっていけないような場所なのだ。

 

そんな変人らの櫛田の先程の発言に対する反応はと言うと当然常人のものとは少し異なる。女の子が汚い言葉遣いをしたことに対するものとは思えない程に。

 

 

「くそ!俺も畑さんみたいにすれば櫛田さんに叱って貰えるかなぁ!?」

 

「まじかよ!?櫛田さんあんな事言う子なのか...お願いします!俺にも!」

 

「言っちゃった的な感じで耳を塞いで目をギュッてしてるであろう顔を見せてくれ櫛田さん!俯いてちゃ見えない!」

 

 

櫛田の聞いていない所で彼女の人気は上がった。ちなみに、変人集団には女性もいる。

 

 

「お願い桔梗ちゃん!SM向けの服があるの!着てくれない!?あと写真撮影も!カメラに向かって「膝まづきなさい?あなたのその汚いケツの穴にヒールのかかと差し込んでやろうか?アン?」と言ってください!」

 

 

 

 

 

「いやなんであんたも混ざってるの!?」

 

 

どうやら最後のは、畑さんが言っていたらしい。口調がもはや意味わから無くなっていたので、気づけなかった読者も多いだろう。

 

「まぁ、それはさておき。串刺しさん、あなたがこの部にいる以上取材はしてもらいます。なぁに、捏造したってバレませんよ」

 

「櫛田だよ!さっきまで普通に呼んでたよね!?あと、私初めてだし、やる事わからないよ?」

 

「なるほど、ケツ田さん処女ですもんね。では、私の取材を見ていてください。ぬるりとズッポリお手本を見せますよ。では行きましょう」

 

「畑さんってもしかして、普通に喋れないのかな?はぁ...ツッコミ役が欲しい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本のとある学校の廊下にて。

 

 

「ふぇっくしょい!!!」

 

「お兄ちゃん誰かに噂されてるんじゃない〜?」

 

「俺の噂するやついるか?」

 

「私の友達にはお兄ちゃん自慢してるよ?アレがビッグサイズだって」

 

「俺の妹が最近おかしい」

 

津田タカトシ、現在中学三年生。妹、津田コトミ、現在中学二年生。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は戻ってきて、畑らがいる学校の、職員室にて。

 

 

「新しく入りました、横島ナルコと申します。これ、つまらないものですが...」

 

 

坂上が去った代わりに、新入りの教師が入ってきて、他の先生達に袋に入った何かを渡していった。

 

 

「あら、見て佐枝ちゃん。新入りの子礼儀正しいわね?」

 

「当然だ、礼儀は必然だ」

 

「やっぱり硬いわねー」

 

「だが、何かがおかしい...」

 

「え?」

 

 

Dクラス担当の茶柱先生とBクラス担当の星之宮先生が話していると、プレゼントを渡される番が星之宮にやってきた。

 

 

「ぜひ使ってください」

 

「あら!嬉しいわー。何かしら」

 

 

ヴヴヴヴィ"ィ"ィ"ン!!!

 

 

「あ、あー、何かのおもちゃかしら」

 

「おっやぁ?察しがいいですね」

 

 

袋から出てきたのは、先が回るタイプの、男性器に形が似た棒状のもの。どう見てもバ○ブである。

 

横島は満面の笑みで言った。

 

 

「大人の玩具。1人の時でも、2人でも使えるわよ?やり方わかる?」

 

「...え、えぇ...いやぁ、使うのは遠慮しておきます…」

 

「あ、なるほどね!もー、さすがは星之宮先生、生じゃなきゃ満足できないなんて。(大丈夫ですよ!後で私のセフレ貸します)」

 

「いえ、結構です」

 

突然小声で耳元で喋ってきたが、星之宮はそれ以降ずっと彼女を冷たい目で見ていた。そして、なぜ先程からプレゼントを渡された者達が暗い空気を漂わせているのかようやく理解した。

 

次に茶柱にピンクロ○ターをプレゼントし、授業中に使用するのがオススメです、と言ったため、横島はどこから出したのか、ロープで縛られて職員室前の廊下に放置された。

 

ちなみに、縛り方は亀甲縛りなどではなく、電磁コイルを作った時のような隙間のない縛り方であった。この縛った相手が畑ならば、いつの間にか抜けられているが、残念な事に横島はそこまで高性能じゃない。誰も解かなければ、一生このままだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、案の定そのままだった。

 

当然、畑による取材もまた、そのまま進められる。

 

 

「では、櫛田さん。私がお手本を見せますね」

 

「あの、畑さん。縛られてるんですが」

 

「ダメよ、記者が相手の趣味に口出しするのは」

 

「んーーー!!」

 

 

口まで縛られてる為、横島は喋れない。

 

 

「いや、どう見ても助けて欲しそうなんだけど」

 

「全く...これだから素人は」

 

 

大袈裟にやれやれのポーズをする畑。煽り力が高い。

 

 

「まず、取材するにあたって、最も大事なのは相手の気持ちになって取材する事です」

 

「失礼しまーす」

 

 

どこからか取り出したロープで、まるでリボンを操る競技のように完璧に操って自分の周りでくるくるさせると、畑は横島と同じような格好になった。唯一の違いはメモの為両手を出している事だろうか。

 

そして、床で横になってる横島の目の前に、畑もまた縛られた状態で横になる。この学校の短いスカートではもはやパンツは隠せないが、本人は気にしてない。

 

もはや畑の女性らしさは見た目のみになってしまった。異世界転生で痴漢で捕まったおっさんが女子高生の身体を手に入れたらこうなるのだろうか。

 

 

「質問します。この学校は他の学校とは全く違いますが、初めて入った時の感想をください」

 

「質問はまともなんだね...」

 

「んー...んー!」

 

「やっぱり口だけでも取らない...?」

 

 

だが、その程度の障害、畑は難なく乗り越える。口が塞がれたからと言って、それは障害にはなり得ない。

 

 

「ふむふむ、刺激的な初体験だったと...」

 

「絶対そんな事言ってないよね!?」

 

「この学校の生徒は、男女共に顔が良い方が多いですが、どう思いますか?」

 

「マトモなのは最初だけ!?」

 

「ん〜、んーん、んー?」

 

「まぁまぁ食べごたえがありそうだと...」

 

「あれ、意外とそれ言ってるっぽい」

 

「では次に、貴方はどう言った経緯でここの学校に来たんですか?」

 

「ん」

 

「なるほど、前の学校で男子生徒に対して必要以上に誘惑した挙句、相手が堕ちないから無理やり食べてしまい、なおかつその事がバレて追放処分をくらい、何故かここの学校があなたを欲したからこちらに来たと...」

 

「あの『ん』にどれだけの意味が込められてたの!?」

 

「最後に、イラ○チオをされた時はどのような声を出すのですか?」

 

「いやどんな質問!?ねぇ!」

 

「ん"んーん"!!」

 

「迫真で演技してるよこの人!?」

 

 

畑は縛られたまま手を思い切り地面に向かって突き出し、ぴょーんと飛び、綺麗に着地する。縛っていたロープもふぁっさぁと地面に落ちる。メモ帳をポケットにしまい、やり切った顔で櫛田に言った。

 

 

「こうするんです」

 

「いえ、無理です」

 

 

 

 




下ネタをもっと入れたいですねー。直球ではなく、カーブを増やしたい。

次回は、無人島に行けるかな?

果たして、横島ナルコが担任となったCクラスに未来はあるのか!?


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畑さんと横島ナルコは仲がいい。

今回からいよいよ希望の船「エスポワ〇ル」に乗る畑さん。果たして、限定ジャンケン、鉄骨渡りの末に畑さんは借金を返済し、無事ランの家に転がり込んで未来の猫型ロボットから幸せをもらう事ができるのか!?

お願い畑さん、死なないで!

次回、城之内死す。


プールサイドで休憩していたビキニ姿の櫛田に、畑が話しかけた。

 

 

「見渡す限りの青い海!青い、青い空。あ、それはS○Pだ。いやー、今日はいいペンキですね!」

 

「いつの間に隣にいたんですか、畑さん」

 

「トイレに入った辺りから」

 

「え、そこからぁ!?」

 

 

勿論嘘であり、今来たばかりである。

 

 

「そういえば、私新しい顔文字考えたんですけど、使いません?」

 

「絶対ろくな物じゃないよね!?私は遠慮しと」

 

「これです」

 

「人の話を聞いて!!」

 

 

【 (s^E^x) 意味:ヤろうぜ!】

 

 

A4紙に大きくマジックで書かれたそれは、一瞬で破り捨てられた。

 

「では私は行きますねー」

 

「え、畑さんそれ見せる為だけに来たの!?」

 

 

畑はすぐ側のプールの中に飛び込み、親指を人差し指と中指の間に入れて、その手だけ突き出した状態プールの中へと沈んで行った。

 

ターミ〇ーターのように沈んで行くさまはかっこいいが、突き出した手にモザイクがかかっているので最悪である。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の学年全員で集まって行く旅行と聞かされたものが、並のものでは無いと推測できるものの、その詳細まではわからない。それは葛城も坂柳も同じだ。

 

というのはあくまで原作でのことであり、今回はたった1人のイレギュラーによって全く違う展開になってしまっている。

 

畑 ランコ。

 

彼女が佐倉や櫛田、堀北などの写真を効率よく販売し、なおかつ自分のやりたかった新聞部という部活を立ち上げたおかげで、情報の行き来が先生の監視外で大規模に行われていた。

 

新聞部は最初は畑と櫛田しかいなかったが、その活動内容から組織として大きくなると早くから推測した者のクラスのリーダーが部下に、あるいは自身で潜入した。

 

実は、新聞部の情報を見るのには閲覧権限というものを手に入れる必要があり、これを上げるには自身の情報を提供する、もしくは長く働く必要がある。要は、より長く、そして効率もよく働き、優秀な人が上に上がるシステムなので、今のとこはだいたい先に入った者が上の閲覧権限を持つ。

 

このシステムのおかげで、先に目をつけた者は得をし、後から入った者は情報を提示し続けて、少しづつ自身の閲覧権限を上げる他ない。

 

そして、畑と櫛田の次に新聞部に入ったのが、この個室プールで寛いでいる坂柳という幼女のような体つきをした少女である。なんでも、Aクラスのみが入れるらしいのだが、セキュリティーなんてものは、畑という人物の前では無意味だ。

 

そもそも、Aクラス以外が入るなんて誰も思ってないだろうから、普通に入れてくれる。

 

元々、彼女は初対面で畑を気にいっており、部活に誘われ時も速攻で入った。そして後に自分のいる場所が結構すごい所だと気づく事になる。

 

そして、運がいいのか悪いのか、葛城は彼女がここにいるという理由で同じ部活には入らなかった。

 

このことから、この2人には大きな情報量の違いが生まれてしまった。

 

どれほど大きいかと言われれば、葛城は島の周りを回る船に乗り注意深く観察するのが関の山なのに対し、坂柳はそれを見て「去年と場所同じなのね」と思ってるほど情報量に違いがある。

 

そして、今回坂柳はこれから始まるクラス対抗のゲームから降りるつもりだ。ポイントが欲しくないと言うよりは、畑がいるDクラスに勝てる気がしないのが大きい。

 

「で、あなたは今回、何をたくらんでいるのですか?」

「今回の豪華クルーズから始まるなんちゃってサバイバルゲームですが、他クラスのリーダーの名前を当てればポイントが貰えるらしいですね」

「えぇ、あなたの情報だと、自分のクラスのリーダーが当てられればポイントは貰えないだけというデメリット無しの内容ですね」

「まぁ、そんな事はどうでもいい。私は極限のサバイバルから始まるラブストーリー、及び乱〇パーティの撮影がしたいです。後々の参考に」

「あら、では撮れたら私にもください」

 

坂柳という女性のキャラがだんだん、畑さんに近づいて来ている。畑さんというのは伝染するなにかなのかもしれない。

 

「ところで、畑さん...」

「ええ、なんでしょう?」

「このクルーズの情報ならば、去年と同じだとしても納得が行きますが…特別試験の内容は毎年違うらしいです...。何故貴方は、今年の特別試験の内容を知っているのです...?」

「...」

 

 

 

 

 

 

 

長い、長い沈黙が続く。

 

そして、個室のライトが一瞬消え、また戻るというホラーにありがちな展開が起こるが、今の畑にはぴったりだ。いつもニコニコしていた顔からは笑顔が取れ、恐ろしいほど感情の読み取れない顔になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、私元からこの顔なんですが」

「えぇ、知ってました」

「人の顔の悪口は良くないですよ。えぇ、とても。で、なんでしたっけ?あぁ、あれは先生から教えて貰ったんですよ」

「え、えぇ!?!?」

 

坂柳がここまで驚くのも無理はない。この学園は先生の口の硬さで成り立っているようなものであり、もし先生がベラベラ喋るようになったら全ての試験が破綻する。

 

そう、彼女は知らない。

 

いや知っているが、ここまで簡単に喋るとは思わないが正しいか。

 

世の中には、例え国家権力によって口止めされている機密情報だろうと「クラスの成績が上がれば先生の評判も上がる」という戯言で惑わされ、簡単にゲロってしまうセフレあり、彼氏、夫無しの女性教師がいるのだ。

 

彼女の名前は、横島ナルコ。

 

上の口はガバガバだが、下のは結構締まるんだぞと自称している生徒会役員共が誇る変態教師だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サバイバルについて

 

期間:1週間

 

《基本情報》

 

・試験中の乗船は正当な理由なく認められない。

・キャンプ地の確保から食事の用意まで全て生徒が行う。

・スタート時点でテント2個、懐中電灯2個、マッチ一箱が支給。また、日焼け止めは制限なく、歯ブラシは各自1つずつ配布。女子の場合、生理用品も無制限で支給。テントは8人用の大きなもので、重量15キロ程度。

・試験専用ポイントが300支給。専用のマニュアルも存在し、ポイントで入手できるものが記載されている。

・試験終了時、各クラスに残っている試験専用ポイントは、その全てをクラスポイントへ加算し、夏休み明けに反映。

・支給されるトイレは段ボールの簡易トイレ。ワンタッチテントも付属。吸水ポリマーシートにより汚物をカバーして固めることが可能。ビニールとシートは原則無制限に支給される。

 

《ペナルティ情報》

 

・欠席や体調不良などでリタイアした場合は、30ポイントのペナルティ。

・生徒達には腕時計を配布。許可なく外した場合はペナルティが発生。時刻の確認機能以外に、体温や脈拍、モーションセンサー、GPSを搭載。また、万が一の場合に学校側へ連絡を取る緊急連絡機能も付属。

・環境を汚染する行為を発見した場合は、20ポイントのペナルティ。

・毎日午前八時、午後八時に行う点呼に不在の場合、一人につき5ポイントのペナルティ。点呼は各クラスのベースキャンプで実施。

・他クラスへの暴力行為、略奪行為、器物破損などを行った場合、生徒の所属するクラスは即失格。対象者のプライベートポイントは全没収。

・試験ポイントにマイナスは存在しない。

 

《スポット占領とリーダーについて》

 

・島の各所にはスポットとされる箇所がいくつか設置。それぞれ占有権が存在し、占有したクラスのみが独占して使用可能。しかし、占有権は8時間しか意味を持たず、自動的に権利は取り消される。

・スポットを一度占有する度に1ポイントのボーナスを取得。ただ、ボーナスポイントは暫定的なもので、試験中に使用することは不可能。また、スポット占有には専用のキーカードが必要である。

一度の占有に付き1ポイントを取得。占有したスポットは自由に使用可能。しかし、他クラスが占有しているスポットを許可なく使用した場合、50ポイントのペナルティを受ける。

・キーカードを使用することができるのは、リーダーとなった人間に限定。例外なくリーダーは決められ、担任へ報告。その際にリーダーの名前を刻印したキーカードを支給。なお、正当な理由なくリーダーを変更することはできない。

 

《リーダー推理と報酬について》

 

・7日目の最終日、点呼のタイミングで他クラスのリーダーを言い当てる権利が与えられる。その際、見事他クラスのリーダーを的中させることができたなら、的中させたクラス1つにつき50ポイントを取得。逆に言い当てられたクラスは代償として50ポイントを支払わなければならない。

・見当違いの人間をリーダーとして報告した場合、判断を誤ったとしてマイナス50ポイントされる。また、リーダーを見破られたクラスは、それまでに貯めたボーナスポイントを全て失うことになる。

 

という説明を、新入りの横島の口から拡声器越しに言われる。一応パンフレットもある。

 

「せんせー、質問です」

「あら、えぇーと、畑?質問はなに?」

「女子生徒には生理用品が無制限で支給すると言いましたが、男性の生理用品は支給しないんですか!?」

「いや、男性の生理用品ってなに!?」

 

突然の質問に思わず櫛田がツッコミを入れる。だが残念なことに、畑さんと横島が揃ったのだ。ツッコミが畑だけの時点で足りないのにこの2人では化学反応を起こす。

 

「それは先生も思いました。男性にはローションとオナ〇ールを支給する事にします」

「あと、女性にはバイ〇も必要ですよね」

「ピンクロータ〇で我慢してもらいましょう。は!そうだ!男性への支給は私にしましょう!濃厚な白いアレを私が先生としてしっかりと...」

「お前1回だまれ」

 

横島は茶柱に引きずられて去っていった。

 

ちなみに、性処理用具は支給されなかった。

 

そして、これはこれでパーティの匂いがすると畑は喜んでいた。

 

 




サバイバルは果たして原作どおりに行けるのか…


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畑さんに毒された堀北。

シリアスを誰が許そうとも、私が許すことは無い。


もしこの小説と同様に、畑さんが出てる小説があれば教えてください。色んな畑さんがみたい。

て言うか、誰かこの小説に触発されて畑さんの小説書かないかな…そんな人いないか...




【サバイバル生活1日目】

 

Dクラスは平田中心で動き、リーダーを堀北が務める事になった。

 

ちなみに、キャンプ地と決めた場所は占有したスポットのすぐ近くである。

 

散策班、食料調達班、水調達班などの様々な班に別れる事になったが、唯一櫛田が畑を見守る班になり、櫛田は珍しく反発した。彼女は新聞部で起きた事件から少し学んだのだ。

 

 

「わ、私と畑さんは嫌だよ!?」

 

「そうか?よく一緒にいるから、仲がいいのかと」

 

「そうだぞ平田。もし畑さんと一緒になって櫛田さんがセクハラされたらどうするんだ」

 

 

というように最もな理由で畑と同じ班になる事はなく、畑は相性が良さそうな高円寺の散策班に加わった。

 

ただ、その前に決める事はまだ山ほどある。

 

 

「はぁ!?設置型のトイレ買うのか?簡易型でいいだろ!」

 

「はぁ!?無理に決まってるっしょ!これだから男子は」

 

「えぇそうですよ。じゃああなたはムラムラしたらどこで自家発電するつもりなんですか?弾が装填されたマグナムをまさか人に向けるつもり!?」

 

「ちょっと畑さんは黙ってて」

 

 

皆をまとめる為に、平田が意見をだす。

 

 

「トイレは必要だと思うんだ。水はまだしも、トイレはプライバシーの為にもね」

 

「いいのか平田...それだとお前がトイレでマグナムの射撃訓練をするみたいだぞ」

 

「しないよ!?」

 

「私ならば、トイレが無くてもペットボトルに出しますがね。張り込みの時とか良くしますし」

 

「ごめん、畑さん。私たちまだ羞恥心捨ててないから」

 

「ひどい!まるで私が羞恥心ないみたいに」

 

「「「ねぇだろ!」」」

 

 

クラス全員からツッコミが飛んでくる。

 

ちなみに、トイレの為に水は妥協する事になった。その後も多少時間はかかるも(主に畑のせい)順調に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Cクラス、龍園 翔の苦労、というタイトルをつけてあげたいほど、龍園は横島に苦しめられていた。

 

「だから!そのあと無線機で俺と連絡して、生徒のいない所に誘導しろ!」

 

「えー、そう言うのダメだぞ?知らないのか?はぁ、これだから若い精〇は」

 

「所々下ネタ混ぜてくるな!第1、今までお前が何人も生徒を食って来たことを僕が知らないとでも思っているのか!?」

 

「え、バレてたの!?てへぺろ。あ、もしかして翔くんもセ〇レになりたいのかしら、だとしたら...でへ、でへへへへ」

 

「くそ、こいつどうすれば...!どうにか出来ないか?山田」

 

Cクラスの皆がビーチを満喫する中、龍園のみ頭を抱える。

 

「oh...I see.あーーあ、もしその指示通りに動いたら、クラスがポイントを貰って、先生の功績として認められるのになぁ」

 

「マジで!?OK、やるやる!私にズッポリ任せなさい!」

 

と、横島の扱いは山田が上手いらしい。その点は彼を褒めるべきだが、龍園はそれ以上に言いたいことがあった。

 

「お前日本語ペラッペラじゃねぇか!?なんで今まで英語ばっかり言ってたんだ!?」

 

「私、ハーフ。日本語バッカリ、シャベテルト皆さん私が日本人にしか見えないとか言い出すんですよねー」

 

「所々片言使ってからのペラッペラやめてくれねぇかなぁ!?てか誰だよ!お前どう見ても黒人じゃねーか!」

 

後にこの事件は山田ショックと呼ばれた。龍園に。

 

まぁ、何はともあれ無事言う通りに動いてくれる横島だった。

 

ちなみに、龍園は流石にそれは喋らないだろうと思って聞いてなかったが、もし他クラスのリーダーのことを聞いていたならば、彼女はなんの躊躇もなく普通に答え、彼がこの先さらに苦しめられる事もなくなっていたことだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dクラスの散策班は、畑、高円寺、綾小路、佐倉の4人である。

 

高円寺は圧倒的な身体能力でどんどん先へと進むが、佐倉について行ける体力はない。と言うより、高円寺の猿以上のスピードを誇る木と木を伝う移動法は人間が出来る芸当かと言われたら微妙なのだ。着いていけてる畑がおかしい。

 

「はっはっはっは!やはりcrazygirlは素晴らしいな!」

「この程度、新聞部ならば誰でもできますよ」

「そうか!ならば新聞部へ今度行ってみようか!」

 

誤解を招きかねないので訂正するが、新聞部でこんな事が出来る人は畑のみである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Cクラスのところにやって来た散策班(と言っても、はぐれた綾小路と佐倉のみだが)

 

彼らが見たのは、くつろぐCクラス、そしてヨダレを垂らしながら走る横島と、横島から逃げる龍園であった。

 

「畑並にやばいやつがいた...」

 

「そ、そうだね。でも畑さんは犯罪はしないはず...」

 

 

否、盗撮は立派な犯罪である。なぜ捕まらないかは謎だが。

 

何故ビーチを満喫しているのかCクラスの人に聞くと、男子生徒が自慢げに理由を語ってくれた。なんでも、リーダーがポイントに興味がなく、初日で使い果たして皆でリタイアするらしい。

 

その後、彼らは本当にクルーザーに帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、Bクラスの皆は、スポットから離れて海辺に集まって盛り上がっていた。

 

BクラスはDクラスよりも遥かに早い段階で作業を終えたため、スポットから離れて海辺に行き、娯楽も必要ということで購入したビーチバレーボールを使い、ビーチバレーボール大会を開いていた。

 

そこには何故か畑の姿があった。

 

高円寺がリタイアした後Bクラスに来ていた畑は、ビーチバレーで遊んでいたのを見つけ、一之瀬の協力もあり、ビーチバレー大会を開くことになる。最初は問題児が集うDクラスの中でもさらに異端な問題児の開く大会には誰も出たがらなかったが、優勝チーム全員に10万ポイント贈呈ということで、皆がやる気を出した。

 

ちなみに、賞金を出すのは畑。

 

これでは彼女は損するのみだと思うかもしれないが、なんとこの大会撮影し放題なのだ。

 

そもそもカメラなんて持ってないだろうという質問は当然なため、どうやってカメラを調達したのか語ろう。

 

と言っても、防水ケースに機器を入れ、バレないように海に流した後に回収しただけである。ケースには改造が施されており、真っ直ぐにこの島の海辺まで進んでくれる優れものだ。

 

この日の為に大量にポイントが飛んだが、本望だと彼女はいっていた。

 

選手の参加資格は撮影許可のみである。

 

畑の収入源は情報の売買もあるが、やはり写真が大きい。この学園は男女共に顔や身体のレベルが高いのに、性関係の発散する物が一切ない。生殺しである。

 

そこで立ち上がった匠が、畑ランコ。思春期の男女の悩みを解決すべく、彼女は全力を尽くす。

 

AVとまでは行かないが、水着姿でも十分助かるのだ。オマケにかなり可愛いく、さらに畑の技術のおかげで際どい物も多い。

 

畑の写真の需要は高い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dクラスがキャンプ地を決め、そこでテントを張っていた班の元に、他の班が戻ってきていた。どうやら散策班が戻ってきたのが1番最後らしい。

 

そんな彼らを待っていたのは悲報だった。棄権者が出れば貰えるポイントが減るため、誰も棄権しない方針の中、真っ先に高円寺が風邪を理由にリタイアしたのだ。

 

彼を罵る者もいたが、平田はそれを止めて皆で頑張ろうという。だが、その皆から裏切りが出たのでどうしようもない。

 

重たい雰囲気が漂う。

 

これが作者の嫌うシリアスという物だ。

 

さて思い出して欲しい。

 

メタな話になるが、そもそもこの話はシリアスを嫌い、その雰囲気を消させる為に作った物だ。

 

ならば当然、あらゆるアニメで1番だと作者が考えた、シリアスブレイカー代表の畑選手が何もしない訳が無い。

 

 

「え!風邪なんですか!?良かったー、てっきり私が無理矢理飲ませた媚【ピー】のせいで勃【バキュン】が収まらなくなり、女性陣を夜に襲う事になるのを恐れて辞退したのかと」

 

「えぇ!?そうだったの!?」

 

「そっか、高円寺くん私たちのために」

 

「高円寺、お前は真の男だぜ...!」

 

「高円寺くんかっこいい...!」

 

「見直したぞ、こんちくしょう!」

 

「というか畑さんは高円寺くんに何しちゃってんの!?」

 

「そんな事より皆さんも〇薬どうです?」

 

「「「いらねぇ!」」」

 

 

皆が高円寺のことで盛り上がる中、それを見ていた堀北が皆から離れたところにいる畑に近づき声をかけた。

 

 

「自分を悪役にして、高円寺くんをいい人にすることで雰囲気を戻すなんてやるわね。けど、もう少しまともな嘘をつけないのかしら」

 

「え?嘘じゃないですよ?」

 

 

畑が取り出したのは中身がほぼない粉薬を入れるような袋だった。

 

 

「...なぜそれを...」

 

「いやー、もしえっちな展開にならなかった時のための措置ですよ。今日の夕食にこれから混ぜようかと思ってます」

 

「そう、わかったわ」

 

 

可憐な16歳の少女から出たとは思えない程鋭い拳が飛んできた。

 

〇薬の処分に困ったので、堀北はバレないように袋の中身を出した上で袋ごと埋めた。先生に渡してもよかったが、そうなるとポイントを減らされる恐れがあるのでやめた。埋める時に、カメラが出てきたので、どうせ畑の盗撮だろうと思い、堀北はなんの躊躇いもなく踏んで壊した。

 

そして、夜中に埋められた薬を探しに来た畑だが、結局森で明かりも無しに1人で寝ていた変質者しか見つからず、彼女は諦めてかえり、堀北に聞きに行くことにした。

 

もし畑が森を移動する時に音を立てていれば気づかれたはずだが、恐ろしいことに彼女は草が生い茂り、木々の幅も狭いこの環境で一切音を立てずに移動しているのだ。

 

 

「で、こんな夜中に私のテントに来たと...何故返すと思ったのかしら...。それで、その変質者ってだれなの?」

 

「暗くて何もわからなかったのですが、髪型、身長、体格から龍園さんか、龍園さんだと思います」

 

「それをわからないと世間では言わないわ」

 

「1番大事なチン長が分かってないじゃないですか!!」

 

「それをわかる必要はないわ。それにしても、Cクラスは全員クルーザーに戻った筈なのに…面白いわね...」

 

「夜な夜な誰かを襲うかもしれませんね...警戒の為にもカメラの設置許可を」

 

「ダメよ」

 

「ちっ」

 

 

面白い事に、キャンプ初日で龍園の計画は全て破綻していたのだ。そのことを、龍園はまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 




Dクラスのみんな「俺達は強いられているんだ!ツッコミをすることを!」

津田並にキレのいいツッコミ役が欲しいですねー、一体誰がこんな物語にしたのか。



感想待ってます。


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畑さんは好かれやすい。

遅れてすみません。

大学は選択授業だから、休みが多いとか言ってた塾の先生出てこい。めっちゃやることあるぞ。

この小説は僕の書いてきた小説の中で1番好きな小説でした。ですが、サバイバル生活以降のよう実は、頭の悪い僕には難しく、書ける気がしないので、サバイバル生活でキリもいいので終わらせ、別の小説を書くことを考えています。


一日目の時に、いつの間にか、というか画面外で、Cクラスからハブられた伊吹という女の子を綾小路と佐倉が連れてきた。しかし彼女をテントに入れたくないという女子が大半だった。なんせ、CクラスとDクラスは須藤の暴力事件の因縁のようなものがある。いくらどっかの誰かのせいで丸く収まったにせよ、そういった感情は中々消えない。

 

8人テントを両方とも女子が占有し、片方のテントに息吹、畑、櫛田、篠原、軽井沢、佐倉、さらに軽井沢にいつも着いている女子が何人か来た。軽井沢は平田に頼まれたから仕方なく息吹と同じテントになり、自然と取り巻きもついてきた。佐倉と櫛田は自分からの志願で、畑はそもそも取材の為に譲れないと真っ先に来た。

 

そして、保護者として、堀北も畑と同じテントになった。

 

堀北は自分が畑の保護者というのが不服であったが、残念な事に他に適任がいない。

 

仕方なく、彼女は畑の制御装置となった(制御出来るとは言ってない)。

 

男子に襲われない為にこのテントを占有した女子だったが、まさか男子が逆に襲われるとは誰も思っていなかった。

 

横島先生による襲撃だ。いつの間にか綾小路の布団の上でヨダレを垂らす横島がおり、即戦闘となった。

 

格闘がかなり強い方の綾小路がいるとはいえ、男子は総力戦を強いられた。

 

生徒会役員共でも、彼女は海辺で男を捉える為にその超人的な身体能力を発揮しているので、読者には言うまでもないだろう。

 

彼らはなんとか横島を捉える事に成功し、このままでは彼らの大切なものが危険だと判断しロープで縛った状態で海に流した。

 

ここが畑のせいでギャグの世界線になってなければ集団殺人事件である。

 

そして、2日目以降、テントは男子が占有することになる。横島の襲撃で、2日目、男子のほとんどが疲労困憊で食材調達などの仕事が疎かになり、危うく全員リタイアすることになるところだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

【2日目】

 

 

横島は翌日、平気な顔で別の班の男子に朝から突撃していた。畑に匹敵するスペックは侮れない。

 

 

 

 

 

清々しい朝を迎えた綾小路は、朝早くに起きてストレッチをしながら、昨日の事を思い出していた。

 

寝る場所を決める時に、池と篠原を中心に男女対立がまた起きた。

 

八人用テント(二つ)、懐中電灯(二つ)、マッチ(一箱)、歯ブラシ(ひとり一つ)、日焼け止め(無限)、生理用品(女性のみ・無限)、マニュアル(一つ)、腕時計(ひとり一つ)、簡易トイレセット(ひとクラス一つ)。

 

初期の支給品はこれのみで、後はポイントによる購入となる。

 

ポイント節約のため、最低限のものしか買いたくないのだが、1日目は寝る場所、及び誰がテントを使うかで揉めた。

 

支給品はテント2つ、1つに8人寝れるものだ。仲良く男女それぞれに一つづつ与えれば、それぞれに寝れない者は発生するが、そこは個々で解決できる範囲となるだろう。しかし篠原さつきを中心に何人かの女子が、テントは2つとも女子が所有するべきだと主張したのだ。

 

これにより、池や幸村を中心とした男子との対立が始まってしまった。簡易トイレについては、なんとか畑のおかげで丸く?収まったのだが、また揉め始めた。

 

主張内容は簡単、テントに入れない女子が出れば、その子が襲われる可能性があるので、その防止だ。

 

お互いに譲れない。

 

篠原は友達の女の子が男達に襲われるのが耐えられないという理由で。

 

池は男子の居場所のため。そして、何より男らが女子を襲うという侮辱を撤回させるために。

 

篠原は運がいい。もしここがギャグ小説でなく、ジョジョ第5部の世界線ならば、彼女は侮辱したことで殺されているのだから。

 

だが、それは起こらない。

 

何故ならば、この世界には様々なギクシャクとした空気をぶっ壊してくれるプロフェッショナルがいるのだから。

 

 

「私からもお願いします」

 

「は、畑さん...?」

 

「な、あの畑さんが!?」

 

 

まさか畑が篠原の味方をするとは思わなかった。男子にとっての畑は、可愛い女子と言うよりは、男子の心強い味方の方が近い。発言は過激だが、篠原のような女子よりはよっぽど男子の心がわかっていると言える。

 

「彼女は...篠原さんは皆さんとの考え方が違うのかもしれない。皆さんが望んだ事に、彼女は同意できない。あなた方がそれが普通だと思っていても、彼女にはそう思えないんです。だから、自分が正しいと思った事をしようと考えるのです。どうか彼女の正しさを認めてください...!皆さんには損をさせませんから...!」

 

男達は、こんなに熱い畑さんに当てられたのか、大人しく全員引き下がった。

 

 

 

 

 

 

 

その後、外で男のみを集めた畑さんは、損をさせないという言葉を言葉どおりにするという。

 

少し気になったあることをこっそり畑に聞いてみた。

 

 

「なぁ、畑。あれ、篠原をかばった演説。何のことを言ってたんだ?」

 

「何を言ってるんですか?篠原さんが乱交パーティが苦手なので、一旦男達を落ち着かせて、1VS1の状況を作ろうとしただけじゃないですか」

 

「だと思った...。で、どうやって男達を納得させるんだ?1度は引き下がったとは言え、まだ不満があると思うぞ」

 

「畑さんにまっかせなさい」

 

 

畑は男子が全員集まったのを見て、男子の目の前にブルーシートを広げて、そこに正座した。

 

 

「さぁ、端から行きましょう。池さん、好きな女子は...」

 

「なっ、まさか...!畑殿はあれを...!」

 

「どういうこと?外村くん」

 

「なんだかわからないけど...俺の好きな人は櫛田さんだぜ」

 

「では、これを」

 

 

それは、写真だった。櫛田がスクール水着を着て、カメラに向かって四つん這いになっている写真だ。盗撮では無い。彼女の盗撮は有名だが、これは明らかに櫛田の協力の元の写真だ。

 

「な...んだと...!?」

 

「おっと、あげるのは、サバイバルが終わったあとですよ〜。私は大丈夫だが...あなた達が写真をどこかにしまってバレたら不味いでしょう...?」

 

「安全管理も万全とは...さすが師匠だ!」

 

「「「おぉおおおお!!!」」

 

「な、なぁ!畑。堀北は...堀北のもあるのか!?」

 

「もちろんありますよ。それもメイドコスのが...。ちなみにこちらは有料ですのでご購入くださいねー」

 

「買った!」

 

 

無闇に金を使わないでよかったと思う須藤だった。

 

その後も、畑は男子全員の好みの女子を聞いていく。驚いた事に、在庫が無い女子はほとんどいなかった。

 

そう、ほとんどである。

 

あの畑でさえ用意できなかった女子とは、果たして...。

 

 

 

 

 

 

 

 

男女の対立を2度も食い止めた畑に、綾小路は素直に関心する。彼女の本来の目的は全く違うのかもしれないが、それでも止めた事には変わりない。やらない善よりやる偽善とはよく言ったものだ。

 

まぁ、そもそもやらない事のどこが善か綾小路はよくわからないが。

 

 

「よ。綾小路!朝からストレッチとは関心しますな〜」

 

「畑か、おはよう」

 

「ははーん、さては昨日女子を襲い、そのせいで腰がやられましたね?ヤッたせいで」

 

「違う、むしろ襲われた」

 

「えぇえぇ、わかってますとも、隠したい気持ちはわかります。しかし何故、この畑を呼ばないのですか!?」

 

「いやだから、違うって言って」

 

「とぼけないでください!あの伊吹って子が証拠です。他クラスからお持ち帰りなんかしちゃって!」

 

「あれは佐倉さんといっs」

 

「佐倉さんにまで手を出したんですか!?」

 

 

綾小路は、彼女と会話することを諦めた。

 

多少尊敬した自分がアホらしく思えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

このサバイバル生活は、クラス対抗のものであり、本来ならば他クラスと仲良くなろうとはしない。それどころか、他クラスと平気で騙し合いをするこの学校では、こういった行事の時は特にピリピリしている物だ。

 

さらに、今回のサバイバルの内容は、お互いのリーダーを見破る必要があるため、なるべく他クラスとは行動したくないと思っているのはどのクラスも同じだ。

 

「なんでこの女が一緒に行動してるんですか!?」

 

「なんですか?まるで私がいると不都合があるような言い方を」

 

「不都合しかねぇよ!?」

 

 

Aクラスの男が、ついに我慢できずにツッコミを入れた。

 

一応スポットの登録は済んでいるので、リーダーが誰かわかるような行動はしないが、それでも他クラスがいると動きにくい。リーダーが指示を出しにくいのだ。

 

「Aクラスにいるうちの新聞部員...リタイアしちゃいましたので、変わりに私が来ました」

 

「いや意味わかんねぇよ」

 

「大丈夫!夜這いをしたとしても黙っておきます」

 

「しねぇよ!?」

 

「信用できるかァァァ!」

 

 

お前にだけは言われたくない。そうツッコミをしたいが、彼にはもう体力は残されていない。いや、この場合は精神力か。

 

そう考えると、津田はスタンド使いなのかもしれない。

 

畑さんは例外だ、本人がスタンドみたいなものなのだから。

 

ちなみに、彼女はこのままAクラスのスポット場所にまで着いて行った。そして、何故かスポットへ入る事を葛城が許可した。Aクラスは葛城と坂柳の対立でだいぶギクシャクしていたが、彼女のおかげでだいぶマシになったのだ。

 

「なんで許可したんですか!?」

「葛城さんを責めるのは辞めましょう?不毛だわ」

 

スポットへ入れた事に疑問を抱き、葛城を問い詰める男子、そして葛城を庇う女子。そして、庇う女子を叱る女子(畑)。

 

「そういうのはいけないと思いますよー。毛の話は、特にね!」

 

当然だ、葛城の頭にはもう毛がないのに不毛だというのは有り得ない行為だ。

 

「これから生えるんですよ!!」

 

葛城は泣きそうになるのをぐっとこらえる。

 

「彼女たちだって、好きでパイ〇ンでいる訳じゃないんですよ!」

 

「俺の毛の話じゃねぇのか!?!?」

 

 

 

世の中には面白い言葉がある。ツッコんだら負けだと。もちろん、挿入のことでは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この小説を読んでいる者のほとんどが、畑さんが好きだから見に来ているはずだ。ではそんな畑さんが大好きな諸君は、この小説を見て、あるいは他の小説でこう思ったことは無いだろうか。

 

私の推しキャラの事が好きなキャラがいないのはおかしいと。

 

自分が可愛いと思ったロリババァを主人公がババァだと言ってぞんざいに扱っていたら、主人公が少し嫌いになる。お互いが悪口を言い合い、仲良さそうならまだしも、中には推しキャラを泣かせる人だって物語には登場する。

 

この物語は、畑さんがひたすら下ネタ関連の事を連呼し、引かれるというのが主な内容だった。だが、それだけではおかしいのだ。

 

現実には畑さんの事が好きな人が沢山いるのだ。ならば、小説の中にそんな変人に恋をした人がいたらおかしいのだろうか、いや、そんなはずはない。

 

これは、畑さんの事が好きになってしまった男の子の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

これだけでは情報が少ないので、ヒントを与えよう。リーダーのような存在だが、このサバイバル生活でリーダーにならなかった人だ。

 

 

つづく




7日間を書き終えたら、別の小説を書くことにしています。その代わりと言ってはなんですが、この七日間めっちゃ長くゆっくりと書こうかと考えています。

次は主人公が別の作品を書いてもいいが、やはり畑さんが好きなので畑さんをどこかの作品に入れるストーリーを描きたいです。できるだけシリアスが多いものを。

ちなみに、本編で畑さんの事が好きな人がこれから登場し、その人について少し書くつもりですが、誰かわかりますか?

感想、意見を待ってます。


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畑さんはコーラが飲みたい。

お久しぶりです。期末テストです。つまり死です。

他にも色々小説を書いてたのですが、最近はこれしか書かなくなりましたね...。やっぱり、下ネタを書くのが1番楽しいんですよ、えぇ。あと畑さん好きだし


平田洋介(ひらたようすけ)。高度育成高等学校、1年Dクラス。サッカー部。クラスのまとめ役を果たしているため、男女関係なくクラスメイトからの信頼が厚い。成績も人柄も優秀である。

 

一件完璧かと思われる彼だが、彼にもDクラスに入れられた理由がしっかりとある。

 

中学時代に友達だった人物がいじめにあったとき、彼は見て見ぬふりをしていた。結果、その友人が自殺未遂をしてしまったのだ。

 

それ以来、彼は常にクラスの平穏を願い、トラブルを嫌う。

 

そのため、自分にどうしようもないトラブルが起きると暫し放心状態になる。彼は、正しくあろうとしただけの男だ。

 

しかし、周りがそれを許さない。正しさなど追求すればするほど正しさから外れてしまうものだ。だから、自分が正しいと思った事をするしかないのだが、彼にはそれができない。

 

お互いに妥協案を提案されても、妥協を許さない者がほとんどだ。

 

だから、衝突する。

 

しかし、そんな時に、全く別の、平田では思いもよらない方法で解決してしまう女性が現れる。

 

平田洋介が、畑ランコを好きになるのは時間の問題だった。

 

 

 

須藤が問題を起こした時、高円寺が勝手に辞退した時、男女でポイントの使用方法を決めた時...そして、テントを使う者を決めた時。

 

気がつけば、彼女ばかりを見ていた。

 

周りはまだ気づいていないだろう。

 

自分が1番早く気づいた。

 

隠しておくつもりだった。

 

隠し通すつもりだった。

 

周りが、可愛い女の子の話をする時、決まって畑の話だけをしないものだから、恥ずかしさがあったのだ。

 

だが、畑にどの女の子の写真が欲しいか聞かれた時、思わず言ってしまった。

 

 

「畑さんのは、ないのかい...?」

 

「ふむ、自分のを撮ったことはないですね。需要があるのならば、撮って起きましょうか」

 

 

幸い、この場にいる男子は少ない。

 

みな写真に期待をし、外に出て働きに行ったため、ここにいるのは須藤、綾小路、そして畑の常連である外村のみだ。

 

 

「なるほど、流石は平田殿。その考えはなかった...!私も畑さんのを頼む」

 

「追加注文は料金がかかりますよ〜」

 

「払う!」

 

 

平田に突き動かされ、同じく畑の写真を購入する外村。

 

 

「平田...おめー...」

 

 

平田を見て、自分も好きだと言った時にクラスのみんなに止められたのを思い出し、同類を見つけたと思い感動に浸る須藤。

 

こいつ大丈夫かという目を向けてくる綾小路。

 

ちなみに、この出来事以降、須藤は平田の言うことを少し聞くようになり、平田はより畑が好きになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日目。

 

テントの外に出た女子達は、異様な光景を目の当たりにする。

 

 

「な、なにこれ...?」

 

 

朝起きてストレッチをしていた綾小路は被害が少ない方だ。多くの男子が昨晩の横島襲撃事件のせいで、疲労困憊で倒れていた。

 

眠っている事は見て分かるため、死んでいる訳ではないようだが、それでも明らかな戦闘の形跡。幸い怪我人はいないが、所々に土埃などがついていた。

 

昨日の外が騒がしい理由はこれかと納得する女子だった。

 

 

「はい、そこの女子達。ぼさっと立ってないで手伝って。動けない者から中に運んで、タオルを水で濡らして拭いてあげて」

 

 

平田もかなり疲れてるが、それでもなんとか立ち上がり、綾小路と共に皆を手伝うが、彼に支持する力は残されてない。

 

仕方なく、軽井沢が代行した。

 

軽井沢の支持で須藤を運んでいる堀北が彼女に事情を聞く。

 

 

「軽井沢さん。起きたら既にこの状況なのだけれど、何があったのかしら」

 

「私にもよくわからないけど、昨日横島先生が男子を襲ったらしいんだよね。そっから全面戦争が勃発したって」

 

「あぁ、そうだ。あ、あれは、化け物だ...!」

 

 

肩を佐倉に支えられて歩く池はトラウマが蘇ったような表情をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事件の始まりは、夜中の2時を回った頃。

 

皆寝静まり、作戦会議などをしていた者でも明日の為に寝たころ、一匹の獣が荒野に放たれた。

 

まず被害にあったのは、博士と呼ばれ親しまれる幸村だった。

 

 

「ぎゃぁぁああ!!」

 

 

男子達はテントの前に集まって寝ていたため、彼の声で全員起きた。

 

 

「おい博士!うるせぇぞ!」

 

 

山内が夜中に奇声をあげる外村に起り、支給された懐中電灯を持って状況を見に行く。それに池もついて行く。

 

 

「何時だと思ってんだ!?ついにおかしくなったのか、博士...。はか...せ...?」

 

「おい、なんだよ山内...うわああああ!?なんだこれ!!!?!」

 

「おい、どうした!池、山内!..!?」

 

 

後からやってきた須藤を含めた3人が見たのは、縄で亀甲縛りをされたパンツ一丁の博士が木にぶら下がってる光景だった。

 

「な、何が起きてるんだ...!?」

 

「は、博士ぇえええ!!」

 

「いいから早く下ろしてやれ!」

 

「どうした!?須藤くん、池くん、山内くん」

 

「平田!気おつけろ、博士が何者かにやられた!」

 

「他クラスか!?」

 

「そんなはずはねぇ!やったら失格になるぞ!」

 

「じゃあ、誰なんだよ!」

 

「みんな、一旦落ち着こう」

 

 

平田が来たあと、男子が全員あつまった事により騒がしくなるが、それを平田が収める。

 

 

「他クラスがこんなことをやるにはリスクが高すぎる。となるとやったのは職員だ」

 

「何言ってんだ綾小路!先生たちの方がこれをやる意味ないだろ!」

 

 

綾小路の推理に文句をつける須藤。

 

 

「いや、1人だけ、こういう事を趣味でやる先生を1人しってる...」

 

「誰だそいつは...!」

 

「オォォォォオオオオオ!!!!」

 

 

誰か聞き出そうとする池の声を遮り、遠吠えが響き渡る。

 

男子たちから見て、焚き火の向こう側。煙に紛れて目を光らせる四つんばいの者がいた。

 

 

「なぁ、童貞なんだろぉ?童貞置いてけぇ...童貞置いてけぇ!!」

 

 

四つんばいでこちらを威嚇しながら叫ぶ横島に恐れ慄く男子。

 

 

「横島...ナルコ...!」

 

「あいつが...あの...!」

 

「あぁ、坂上先生の代わりに入って来た新入り教師で、初日に茶柱先生にバ○ブをプレゼントした先生だ...」

 

 

混乱する男子達から、平田が前に一歩出る。

 

 

「男子諸君!僕は戦う事にする!僕らの貞操のために!未来のために!」

 

「仕方ねぇな。戦わなきゃ俺らもあぶねぇ」

 

「へっ、借りを返す時が来たようだな」

 

「俺も力を貸す」

 

「行くぞ!!!」

 

「「「「おおぉお!!!」」」」

 

《オォン!!》

 

平田の掛け声と共に、男子が一斉に走り出す。

 

だが、風向きが代わり、一瞬煙に横島が隠れた瞬間、彼女は消えていた。

 

 

「ど、どこいった!?」

 

「消えるはずが無い!!横島と言えど、人間だ!」

 

「探せ!」

 

 

もう横島ナルコを先生と呼ぶものはいなかった。

 

その後犠牲者は着実に増えていき、ついには1桁になった時、綾小路の案で平田がパンツ一丁で囮になり、なんとか捕獲に成功した。

 

そして、かなりきつく縄で縛り、海へと投げた。

 

こうして、横島vsDクラス男子は大勢の犠牲者を出し、Dクラス男子の勝利で幕を閉じる。後に、これは伝説となる。色んな意味で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、次の日、横島は普通に教師として活動しており、昨日のは偽物だと思う人もいたが、横島の一言で本物だとわかった。

 

 

「今日も行こうかな...結構激しかったし...じゅるり」

 

 

これでも教師なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2日目】

 

昨日の事をまるで先程体験したような緊張感で男子に聞かされた女子達はテントを男子に使わせると決意した。

 

 

 

 

 

かなり濃い1日を過した男子達は、働ける者はわずかであり、平田ですら眠っている。中には、悪夢にうなされて、悲鳴をあげるものもいる。

 

よって、力仕事をやる者がいない。

 

堀北のように鍛えている女子は少ない。堀北であっても須藤などには力で負ける。

 

仕方なく、力仕事は畑さんに頼むしかないのだが、負担が大きすぎるため女子全員で頼む事にした。

 

 

「えぇ、構いませんよ〜。ですが〜...フヒッ、貴方達にはモデルになってもらいます...」

 

「も、モデル...?」

 

「安心してください。新聞を作る時に使うと思いますので。水着やナースコスなどですかね。別にA○女優のような事をヤれとは言っていません。それとも...その方がよかったですかね?そうですよね、皆さんもぬるりとズッポリしたいですよね。えぇ、えぇ分かってまーす。この畑におまかせあれ!必ず貴方達に合うペニ○を探して来て充実した○○○○ライフを送らせる事を誓います!フィ○○ファ○クからバ○ー犬、獣○、どんな物で「畑さん落ち着こうか!?」なんでしょう、櫛田さん」

 

「どうするの?畑が後半に言っていた事はやらないとしても、水着とかは覚悟しなければ、彼女はやってくれないわよ」

 

 

堀北が女子達の前に立って、質問する。

 

 

「私は構わない。私達が無理やり男子からテントを奪った結果がこれなんだから」

 

 

軽井沢は平田が倒れた事のに罪悪感を感じているのだろうか。あるいは、混乱を乗じて平田が居なくとも上の立場になろうとしているのかはわからない。だが、彼女が賛同した事は大きい。

 

 

「私もいいわ」

 

 

彼女をきっかけに、やる人は一気に増え、最終的には全員が承諾した。

 

横島の襲撃は確かに悲劇だ。それは戦争と同じで、戦争は確かに悲劇でしかない。だが、戦争のおかげで技術が発展するように、男達は理想の女子の様々な写真を、己の身を犠牲にして手に入れたのだ。世の中、悪い事ばかりではない。

 

誰かが言っていた、生きていれば必ずいい事が起こると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男子のほとんどが寝込んでいる中、畑は燃やすためのまき探しを任命されたのだが、彼女が真面目に探しに行く訳もなく、Bクラスの連中に混ざっていた。

 

Bクラスは一之瀬を中心に行動しており、彼らは少ないポイントでできる娯楽、即ちビーチバレーで遊んでいた。

 

ネットは張っておらず、コートを木の枝を使って砂浜に書いており、使ったポイントはバレーボール分のみ。

 

「流石はBクラスをまとめるリーダー...貴方ならばやってくれるとわかっていた...!おぉ...これは...これは売れるぅ..!!!!」

 

「誰ですか貴方」

 

 

審判をしていた数人のうち1人がカメラを構えて撮影を始める畑に気づき、話しかける。Cクラスの伊吹がカメラを持ってこれるほどのガバガバなこのサバイバル生活で、畑にカメラを持ってこれない道理はない。

 

まぁ、伊吹の場合は先生が持ってきたのだが、普通に船まで気付かれずに泳いでカメラをとってきた畑は、やはり化け物だ。才能だろうか、ドブに捨てているもいい所だが。

 

 

「新聞部部長の畑です」

 

「そんなのは知ってます!なんでここにDクラスの貴方がいるのですか!」

 

「まぁまぁ、別に○交パーティを開いている訳では無いのですし...何を恥ずかしがります!」

 

「Dクラスにリーダーが誰だか知られるとまずいからです!」

 

「大丈夫ですよ、言いません。あー、でもこのままだと言いそうだなー。偶然リーダーのカード見ちゃったからなー」

 

「見たんですか!?」

 

「あーれー、このままだと言いそうだなー」

 

 

その話が聞き捨てならないのか、一之瀬が試合を抜けてやってきた。

 

 

「何が狙い...」

 

「私、コーラが飲みたいなー」

 

「くっ...!」

 

 

こうして一之瀬は渋々口止め料を払うことになる。

 

 

「そう言えば一之瀬さんって、前にちらーっと見た時にものすごいポイントを持っていたのですが...もしかして○春「そんな訳ないでしょ!」がっはっ!!」

 

畑は一之瀬に殴られて、砂浜に頭から突っ込み動かなくなった。まるで地面に刺さったやり投げのやりのように。




最近知ったんですが、文字にエフェクトをつけられるのらしいですね、ここで色々試して見ます。


ブブブブブブ

↑バイ○音


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畑さんは今日も元気。

大学って大変ですね。まぁ、小説書けてないのは単にネタ不足とかそんな感じです。

前回までのあらすじ。

「私、畑ランコによる、前回までのあらすじ」

「1日目。Dクラス男子と教師の間に生まれた禁断の関係...よる静かに寝る男子達、そこには教師の姿。そして男子は言った。「どうして、先生がここに!?」先生と共に乱れて行く生徒たちの行く末とは...。」

『乱れてんのはあんたの頭だぁ!』

日本のどこかの中学校から、そんな声が響いた。

「そして2日目ぇ!絡み合い、仲を深める女子たち、ついには身体を許す関係に...!そこから発展していき、やがてはま○こを交わす仲に...」

『あんたそれ以上は許されからなぁ!?』

またどこかの中学校からツッコミが届いたような、届かなかったような...。




いやー、ツッコミって大事ですねー。改めて津田の存在に感謝感謝。

では、津田のいない本編へどうぞ。






【3日目】

 

ここまで来ると各々の班がサバイバル生活に慣れてくる。女子には興味無い横島先生は、別のクラスのテントに出没していたが、ともあれDクラスの男子は復活し、まき集めなどの力仕事をやるようになった。ちなみに、力仕事をやるのを拒んでいた男子もいたが、横島の襲撃以来、力をつけるために頑張っている。もう襲われないように。

 

そして、女子もまた男子が全滅しないように手伝うのを惜しまないようになった。良くも悪くも、男女の仲が深まった。

 

 

 

 

 

 

Dクラスが各々にやる気を出している中、Aクラスの仮リーダーである都城市...城之内.......葛城は島の森の中の人気のない場所で、リタイアしたはずの龍園と会っていた。

 

「約束は守るんだろうな」

 

「あぁ、既にスパイを送り込んでいる。頃合いを見てリーダーのカードの写真を撮って持ってこさせる予定だ」

 

「こちらの方に畑ランコがやってきた。あいつは頭のおかしな言動が多いが、頭はまわる。くれぐれもバレないようにな」

 

 

Aクラスのキャンプ地まで情報無しでやってきた畑を警戒する葛城。

 

 

「おいおい、自分の事をハゲだのずる剥け○んぽとか言われて怒るのはわかるが、そこまで警戒する必要はないだろ」

 

「おい龍園、お前毒されてないか...?」

 

 

皆さん忘れているかもしれないが、この龍園翔。なんと"この作品"で、横島ナルコの初めての犠牲者なのだ。まぁ、これ以上は言わなくともわかるだろう。

 

 

「それより、お前の事は誰にもバレて無いだろうな...?」

 

「当たり前だろう。俺を誰だと思ってる」

 

 

龍園の作戦の内容のターゲットはDクラスである。

 

まずCクラスの誰か。自分が信用している人物をいじめて、他クラスの所に行かせる。今回の彼のターゲットはDクラスな為、当然Dクラスに行かせる。いじめられた跡などを見れば、他クラスでも慈悲で入れてくれるだろう。

 

ーこの時点で、作戦自体に穴があるように思えるが、そこはまだ彼の技量の問題なので、置いておこうー

 

次に、その生徒以外のCクラス全員がリタイアしたと思わせた上、自分だけはリーダーとしてのこり、最後の日までバレないように過ごす。これで、Dクラスに自分がいることがバレない限り誰もリーダーを当てれないだろう。

 

ー森の中を葉っぱで作った臨時ギリースーツで隠れ、男女のそういう方面の進展をカメラでとらえようとしていた畑さんに普通に気づかれているが、畑さんが誰にも言ってない為にそこまで支障はない...はず...ー

 

次に、Dクラスに潜入した者が、リーダーの名前が登録されたカードの写真を撮る。カメラの持ち込みは禁止なため(畑は独自のルートからカメラ類を調達している)、横島に頼んで決められた地点にカメラを袋に入れて埋めてもらう。そして、それを潜入者が受け取り、使う。

 

ーこれ普通に渡して貰ってはダメなのだろうか?埋める必要性があるとは思えないがひとまず置いておく。このカメラ、横島には使い道が正確にわかっていた。だから彼女の気遣いにより、カメラは"ビデオモードで土からレンズだけを出した状態で埋められていた。そのおかげか、盗撮に敏感な堀北によって発見された後、破壊された。

 

もし、畑さんがいなければ、盗撮に気づく能力には目覚めてないので、畑さんのおかげと言えるだろうー

 

カメラを壊されたからには、強行手段でカードをどうにか盗むしかない。1度リーダー登録すれば"滅多に"変えられないので、盗んでしまえばこっちのものだ。

 

高度育成高等学校主催の無人島サバイバル。社会人に必要な社会人基礎力である、前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力を伸ばす事がこの試験の目的である。

 

サバイバル生活開始から3日。カメラを壊され、盗むことを強いられた伊吹澪が動きだす。

 

 

 

 

 

 

 

龍園翼はまだ知らない。

 

自分の作戦が1人が学園に与えた波により、破綻寸前であることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綾小路は優秀だ。畑が無表情に少しの邪悪な笑みを浮かべながら見せて来た龍園が人目を気にしながら水浴びする写真。先程畑さんは龍園について言ってないといったが、彼女は龍園が写った写真をこうやって見せて回っているのだ。

 

『えぇ、言ってませんよ?写真を見せただけです』

 

彼女がとある生徒会の裏事情?を知ってしまったことについて口止めされたときに言った言葉である。

 

彼女には口止めが通用しないのに、口止めがない情報が流れないわけが無い。

 

そんな写真から、龍園の考えに辿りついた綾小路は、伊吹が動くのを待っていたのだが、三日目にしてもまだ彼女は動かない。頼まれた仕事をやるだけだ。

 

ならば、動きやすいようにするまでと綾小路は考え、彼もまた機を待つ。

 

 

 

 

 

そして、畑もまた、機を待つ。

 

 

「何をしているのかしら?畑ランコ」

 

「あっらー、リーダーじゃないのー」

 

「リーダーって呼ばないで!貴女ルールわかってないの!?」

 

 

堀北に話しかける畑によって、あっさり誰がリーダーか目の前でバラされた伊吹は暫く動けずにいた。

 

 

「それぞれリーダーを決め、お互いに知らせないようにするのでしょう?王様ゲームって事ですね」

 

「貴方がわかってない事はわかったわ」

 

「なんですと!?」

 

「じゃあ、私が説明してあげるから、よく聞きなさい」

 

「はい」

 

 

畑はメモ帳を取り出し、メモをしだす。もはや持ち物の持ち込み禁止の事を言うものはいない。

 

 

「まず、チームのリーダーをそれぞれ決めるわ」

 

「乱交パー○ィと言えど、進行役は必要ですからねー」

 

「お互いにそのチームのリーダーが誰かあてる」

 

「互いの○器をあてがう」

 

「当たればポイントを貰えるわ」

 

「当たれば妊娠...」

 

「逆に、リーダーを当てられればポイントは無くなるわ」

 

「妊娠すれば暫くヤれなくなる」

 

「だから、お互いに隠し、そして当てなければならない」

 

「だから、コ○ドームが必要...」

 

「...」

 

「?」

 

 

...堀北は説明を諦めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dクラスの馬鹿な会話のおかげで、自分の仕事を果たせると確信し、行動に移す伊吹。

 

その後を追いたいも、断念した堀北の代わりにルール説明してあげるよう頼まれた綾小路は、仕方なく畑もつれて、伊吹を尾行する。

 

綾小路は自分以上に気配や音を隠すのが上手い畑に驚くが、それも今に始まったことでは無いので無視する。

 

伊吹が向かった場所は、カメラが埋められていた場所だ。綾小路も伊吹も知らないが、そのカメラは既に堀北によって破壊済みであり、なんの意味もない。

 

伊吹はカメラを掘り起こし、彼女はレンズが粉々に砕けたカメラ。掘り起こした地点が高すぎるし、足跡もついていたので、誰かに踏み壊された可能が大きい。

 

彼女は自分のリーダーがアホなのではと思ったが、取り敢えず今はそれを置いておく。問題は、カメラで撮る以外に残された方法が、カードを盗み、リーダーのところに持っていくことだけだが、無線を渡されていない為にそれもできない。

 

龍園が無線を使ったのは、人がいる所を避ける為であり、緊急事態に対応するための連絡用ではない。

 

伊吹は、自分でAクラスに向かって、カードを見せることを決意する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ろで見ていた2人の反応は様々だ。

 

 

「カメラ?...リーダーのカードを撮るつもりか」

 

「カメラ?...男子のもっこりを撮るつもりか」

 

綾小路はカメラから、彼女の目的がリーダーを知ることと推理し、畑は彼女が盗撮犯だと推理する。そこまで考え、畑は動こうとするが、綾小路によって止められる。

 

 

「まて、何をする気だ」

 

「盗撮は犯罪です!今すぐそのカメラの中身を没収し、私のものに...!」

 

「盗撮は犯罪って...あんたが言うか..?」

 

 

いつもの無表情はなくなり、悪い笑みを浮かべる畑をみて、綾小路は尚更止めなくてはと思った。

 

 

 

 

 

 

 

この日以降、横島の出没は無かった。この無人島の1件で、彼女はこの学校の教師を辞めさせられ、そして桜才学園に転任することとなる。戻って来たと言ってもいい。

 

彼女に合う学園はそこしかないのかもしれない。

 

こうして、高度育成高等学校は、僅か1ヶ月の間に2回も教師を入れ替えるという珍事が起きたが、そのことについて教師に聞くと、誰もが疲れたような顔をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




龍園くんは知らない。自分の建てた作戦が始まる前から終わっていることを。


と言うより、頼む人が横島先生の時点で詰んでるんだよね。

龍園くん可哀想。龍園くんの童○が奪われたかどうかはご想像にお任せします。


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最終回、畑さんは永久に不純です。

これでこの作品は終わりですが、次回作の内容が決まりましたので、後書き見てね!


【4日目】

 

サバイバル生活も、各々が順応してきた。人とは慣れるものでありどんな過酷な環境でも生きてさえいれば順応するだろう。だが、それでも慣れないものは誰にもあり、櫛田桔梗にとっての畑ランコとは、まさに慣れないそれであった。

 

「櫛田さーん」

 

「なにかな?畑さん」

 

「ほらー、私他クラスの動向を見る必要があるじゃないの」

 

「誰も頼んで無いね。むしろ頼むからクラス全員が失格になるような事は」

 

「そこで」

 

「話聞けや!」

 

 

櫛田は畑のお陰?で最近は自分の悪い部分を隠そうとしなくなった。具体的にいうと、人前でも口が悪くなる。ただし畑に対してのみだが。

 

 

「綾小路さん、堀北さんが2人でいる時は見張っていてほしいのです」

 

「なんでなの?」

 

「あの2人、怪しいんです!」

 

「あー」

 

 

これには櫛田も身に覚えがある。そもそも、堀北と仲良くなろうとして、その仲裁役として仲のいい綾小路に頼んだほどなのだから、2人の仲は例え堀北が否定したところで揺るぎない。それこそ恋愛に発展しても、なんらおかしく無いと櫛田は考えている。

 

 

「あの2人...2人ともあまりエロ本に興味無いようなのです...」

 

「いやどっからその話に辿り着いた!?」

 

「いや〜、まず綾小路さんですが、私が櫛田さんの水着姿だとか、堀北さんの水着姿とか見せた時にもっこりしなかったのですよ」

 

「うん、まずいつ私の水着姿撮ったの?」

 

「あの年頃の男子ならば櫛田さんの水着姿を見ただけでズボンを突き抜けるほどに勃◯してもおかしく無いのにも関わらずですよぉ!?」

 

「畑さんの想像してる男子の股間強すぎじゃない!?」

 

「まぁ、冗談ですがね」

 

「そ、そうだよねー」

 

「うちのクラスでそれができるのは高円寺くんぐらいですので」

 

「なんで知ってるの!?」

 

「なに言ってるんですか?媚薬飲ませたと言ったじゃ無いのー」

 

「あれみんなが高円寺くんを責めないようにする為の配慮かと思ったら、まさかの事実だったぁー!?」

 

 

櫛田桔梗は、畑ランコには慣れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

畑に慣れないのは、櫛田だけではない。Cクラスからはぶられた伊吹もまた、畑との接し方に困っていた。

 

 

「伊吹さんは状況から考えていじめられてハブられたのですよね」

 

「貴方には関係ない」

 

「伊吹はクラスで輪姦されていたっと」

 

「貴方は何をメモしているの」

 

「インタビューに答えて頂いたのでそのメモを」

 

「まず答えてない。あと質問の内容とメモが全く関係ない」

 

「では次の質問です」

 

「無視していい?」

 

「沈黙は是なりっと」

 

「なんだこいつ、誰だよこの教室、ひいてはこの学校に入れたやつ」

 

「はいはーい、タイトル回収しなくても結構ですよー」

 

 

伊吹の前に木製の椅子を持ってきて、畑は彼女に座るように促す。

 

 

「どぞどぞー」

 

「勝手にクラスのポイント使って交換していいの?」

 

「それ私が作りました」

 

「え!?ど、どうやって...」

 

「素手で」

 

「す!?ゴッホッ」

 

 

どうやら畑を前にして平静を保てる者はいないようである。

 

 

「おや?椅子よりもベットの方が落ち着きますか?」

 

 

伊吹は心の中で思った、違う、そうじゃないと。

 

 

「まさか!?三角◯馬の方が落ち着くと言うのですか!そ、それは流石に用意してないですね...」

 

「違う、そうじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、龍園翔は横島ナルコと無線で連絡を取っていた。

 

 

「おい、今Bクラスはどの位置にいる」

 

『Bクラスの男子なら私が食べてる所よ』

 

「お前いい加減にしろよ、なんの為にこんな事をしていると思ってやがる」

 

『え?私が色んな男子食べれるようにサポートしてくれるって話じゃなかった?』

 

「ちげーよ!なんでてめぇの童◯狩りのサポートしなきゃならねーんだ!お前が俺のサポートをするのが目的だろ!」

 

『ほぅ、言うようになったわね、チェリーボーイ』

 

「あん?」

 

『仕方ない、今から向かうから居場所教えなさい』

 

「Bのポイント付近の森の中だ、なんでこっちくるんだ?」

 

『そんなの...』

 

「よく聞こえないぞ」

 

「お前を(性的に)食べるためしかないだろー!」

 

 

突如龍園近くの草むらから飛び出す横島、そんな彼女に反射的に別のアニメで聞いたようなセリフを残し逃げ出す龍園。

 

 

「くんじゃねー!クッソ!なんでうちも教師はこんなやつになっちまったんだー!俺の高校生生活は不幸すぎるー!」

 

 

「任せなさい、お姉さんが全力であなたの性生活サポートしてあげるわー!ぐへへへっへ!」

 

「うぉぉぉおおおお」

 

 

 

 

貞操を守る為に、男は走った。

 

愛する者はいなないけど、

 

それでも未来の自分を思い、

 

終わる(卒業)はいますべきではないと信じ、

 

男は走り続ける。

 

エロスは走った。あ、龍園だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4日目夜、横島の襲撃を恐れたDクラスは、テントで男たちが震え、外で女子たちが厳重に警備していた頃。夜の森では、未だに終わらない命(童貞)がけの闘争劇が繰り広げられていた。

 

 

「くっそ!なんなんだ、あいつのスタミナは!はぁ、はぁ!」

 

 

木を背に隠れて息を整える龍園。だが、その木を背に化け物がいる事を彼は知らない。

 

 

「ゲヘヘへ、大丈夫。私テクニックは凄いから、2分で終わらせてあげる!」

 

「ぎゃーあーーーあ!!!!?」

 

 

珍しくとんでもない悲鳴を上げた龍園はさらに逃げ出す。当然追おうとした横島を、別の生徒が呼び止めた。

 

 

「おや、奇遇ですね」

 

「ん?あなたは確か...」

 

「畑です、新聞部の」

 

「あー、なんか色んな子のエッティー写真集めてるんだっけ?私のいる?」

 

「いえ、貴方のは売れなさそうなので」

 

「ひっでぇーな、おい!で?何の用?」

 

「はいはい、前回の取材は色々慌しかったので、取材の続きをしたいのですが大丈夫でしょうか」

 

「ん?私は人を追ってるから、これでも忙しいのよ。教師は」

 

 

教師にあるまじき行為をしている事に突っ込める人はいない。

 

 

「ほい」

 

「ひゃー!ビール!ビールよー!最近禁止されてたからやったー!!」

 

「へぇ、そうなんですか。是非とも一杯言っちゃってください。ついでにべろんべろんに酔って洗いざらいびしょびしょに全部出しちゃってください」

 

「その為のビールか!汚いわね!でも飲むしかねー!!ビールに悪いよね!」

 

「では最初の質問です。ずばり経験人数は?」

 

「ふん、お前は今までに換えたパンツの数を数えた事があるのか?」

 

「換えのパンツ使い切るまでっと。では、テクニックは凄いと言っていたのですが、何かコツは無いのでしょうか。次回の新聞の題材にしますので」

 

「うーん。大事なのは経験を積む事ね、セ◯レだけじゃなく、セフ◯の◯フレのセフレにまで手を出す事ね」

 

「友達の友達はセ◯レって事ですね。そう言えば、この合宿が終わったら先生はこの学校から出て行くらしいですが本当でしょうか?」

 

「...もう知ってるのね。えー、そもそも私は政府が換えの先生を用意するまでの繋ぎ、この合宿が終わったら前の学校に帰るわ。だからその前に、ここにいるイケメンを全員食べるつもりなのよね...じゅるり」

 

「そちらの学校はいい所でしょうか?」

 

「ええ、少なくともここよりは下ネタに寛容よ。あなたも来る?」

 

「...えぇ、考えておきます」

 

 

 

 

 

 

 

長い夜がようやく終わる。

 

 

【5日目】

 

 

畑による取材以降、横島が生徒を襲う事は無かった。

 

Bクラスは男子の大半がリタイヤした為、これ以上継続は無意味と判断し全員リタイヤ。ちなみに半数以上は貞操を守れたようだ。Cクラスの龍園はトラウマを抱えそのままリタイヤ。残るは伊吹だけであると5日目になって知った彼女はどうすればいいか分からず、呆然としていた。残るはAクラスとDクラスという意外な結果で合宿は継続していく。

 

 

ちなみに、畑の取材を声は聞こえなかったが、遠くから取材のために明るいライトを置いていた畑を見ていた平田はますます畑が好きになった。そして、彼はほんの少し変わった。

 

具体的に言うと。

 

 

「ちょっと男子!なんで勝手に私たちの水飲んでるのよ!」

 

「間違えたんだから仕方ないだろ!」

 

「やめたまえ!そんなギスギスしていては、交尾する段階まで持っていけないじゃないか!」

 

「え、ちょっと平田くん?どうしたの?」

 

「そうだぜ平田、お前落ち着け。畑に毒されてるぞ」

 

「僕は普通だ。畑に犯されてなんかいないよ」

 

「いやおかしいだろ!あんた誰だよ!」

 

「畑さん説明して!」

 

 

呼ばれた畑が登場し、女子たちに連行される。

 

 

「昨晩彼の趣味嗜好にあった写真をプレゼントしたのですよ」

 

「きゃー!?平田くんが性に目覚めた!」

 

「いや、むしろありなんじゃね?顔はいいし」

 

「うん、アリだな」

 

 

一方当の平田は男子に説教していた。

 

 

「いいかい?僕の経験上この頃の女子は半分顔、半分金及び優しさを重視しているんだから、もしヤりたいならまずは優しく接する事が大事」

 

「おーい、博士。平田が壊れた」

 

「ふむふむ、エロ漫画などでよく気持ちよくなって落ちる女子がいるのを見るのだが、そういうのは現実でもいるのかね?」

 

「いる。が、彼女たちは気づいてない、もしくは頑なに認めないだろう。だから顔を言い訳に使う女も何人か見てきた」

 

 

この男、貞操を守るぞと言っておきながら童貞ではないのだ。

 

そんな彼をアホを見るような目線で見るものが数人。主に畑と深く関わっている者たちだ。いや、変な意味ではなく。

 

「平田くん、何があったのかしら」

 

「畑さんが好きなんだと」

 

「うへぇー、まともだと思ってたのにー」

 

「彼も櫛田さんに言われたくないと思うわ」

 

「ほりちゃんひどーい」

 

「何?その呼び方」

 

「だって堀北さん下の名前で呼ばせてくれないんだもん。ならほりちゃんになるよ」

 

「そんな名前だと畑が反応するから今すぐやめなさい!」

 

「確かにな、あいつの事だから掘られた時の鳴き声が鈴みたいな音だから堀北鈴音って名前何ですか?とか言いそう」

 

「綾小路くん、殺すわよ?」

 

「うっ、す、すみませんでした」

 

 

綾小路はつくづく思う。最近堀北が怖いと。

 

 

「仕方ない、いいわ。櫛田さんに鈴音と呼ばせてあげる」

 

「わーい!やったー!鈴音ー!」

 

「くっつかないで」

 

 

ここぞとばかりに抱きつく櫛田。鉄の柵を蹴りながら愚痴を言っていた彼女には思えないほどだ。

 

そして、堀北も嫌そうにするが、なされるがままである。

 

畑と同じクラスになった者たちは、畑と深く関われば関わるほどに変わっていく。良い方向に変わっているかは綾小路には分からないが、それでもクラスの笑顔が、演技ではなくなっていくのは日に日に感じていた。

 

そんなクラスを見て悪くないと思う自分も、少なからず影響を受けているのだろう。最初は仲間だとか毛ほどにも思っていなかったが、今ではこの関係が好きに思える。

 

もう少し長く今の日常が続けばいいと綾小路は思う。今とても自由を感じるからだ。

 

だが、そんな日は長く続かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6日目、畑によって料理に媚薬が入れられている事が判明。畑は堀北の折檻の刑に処されるのだが、Dクラスの夕食は食べれなくなった為、全員でAクラスに頼もうと言う平田。まぁ、元々の平田の意見は媚薬が入ったものとAクラスの料理を交換しようと言う最悪なものだったが。

 

そこから機転を聞かせた軽井沢の意見でお願いする事になる。本来の彼らならばそんな平和的な案など出るどころか女の過ちを庇う女と男の対立からの両陣とともにその日は我慢となるのだが、やはり畑の影響は大きい。

 

そして予めAクラスのキャンプ地を発見していた綾小路が場所を教え、交渉となったのだが、最初はAクラスも断っていたが、畑が媚薬を入れた事が原因とわかると葛城が災難だったなと言って承諾し、AクラスとDクラスは最後の夕食を共にした。

 

 

【7日目】合宿終了。

 

 

リーダー当て。

 

Dクラスのみ正解。

 

 

 

 

Aクラスの葛城は、Bクラスがリタイヤしたため昨晩の食事中に誰がリーダーか見抜こうとしていたのだが、最後まで見抜けずただ飯を食わせるだけの結果になった。

 

むしろ逆に綾小路にバレる事となった。

 

ちなみに、Dクラスのリーダーは堀北だと決まっていたのだが、直前に平田にお願いされリーダーは畑となっていた。

 

葛城が指名したのは堀北であった為、この平田の活躍がなきゃリーダーは割れていたのだが、平田は1人の畑に憧れる男子。彼はこの功績を堀北に譲り、そして目立つ事が嫌いな綾小路もリーダーを当てた功績を堀北に譲った。

 

帰りの船にいざ乗ろうとした時に、畑だけ茶柱によって止められ別の船に連れて行かれたのを綾小路が見た。

 

 

 

 

 

 

 

船に乗って数分後、綾小路は茶柱に呼ばれる。

 

 

「失礼します」

 

「ご苦労だった。君の活躍は知っている」

 

「いえ自分は」

 

「早速だが本題に入る」

 

「...」

 

 

綾小路はなんとなく気付いていた。自分の自由が崩れるのを。そして、それをする者にも見当はつく。(”検討”は、つけるものではなく、するものです)

 

 

「君に縁のある者の命令で、畑ランコは転校する事になった」

 

「...!」

 

 

綾小路は拳を握りしめる。

 

 

「本当は話してはいけないのだが、私は話すべきだと思ってここにいる」

 

「...」

 

「何にとはあえて言わないが」

 

 

茶柱にとって畑は多少ヤンチャではあるものの可愛い生徒なのだ。

 

 

「勝て、勝って敵をとれ」

 

 

綾小路は他人がどうなろうとどうでもいい。そしてクラスメイトは他人であり、転校しようが退学しようがどうでもいい。

 

だが、彼にわずかな間ではあるものの自由を与えてくれた、自由を身近な存在にしてくれた畑には感謝をしている。だから、

 

 

綾小路は茶柱を見据えて、今までの彼を知る彼女には見たことないような、なにかを決意した顔で言った。

 

 

「任せてくれ」

 

 

そう言って回れ右をして綾小路は部屋から出ていく。

 

 

「あぁ、畑ランコから伝言だ」

 

「...」

 

「私は横島先生のかつていた私立桜才学園に行ってきます。あそこの生徒はここと違って下ネタに寛容なので、きっと買い手も増えるでしょう。これは売れるぅー!だそうだ」

 

 

 

 

 

 

部屋を出る綾小路の顔は、わずかに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狙ってハメて、スクープ!私はやってきたぞ!桜才学園!うぉぉおおお!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






次回作「下ネタ教室」


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畑さんがいる教室

次回作の冒頭部分だけ載せます。

このまま出すかは分かりません。

最近コロナなどもあり時間に余裕が出てきたのでまた書き始めようかと思います。ただなかなか納得のいくものが書けず、書く手が進まない状況です。皆さんもどういった展開が見たいとか、畑さんならこうなるだろうという意見が有れば教えてほしいです。




畑ランコには一つの謎があった。穴の工事、いや綾小路はその謎のせいもあり彼女の過去が気になっていた。

 

その謎とはすなわち、様々なカメラ機材の資金源とその一般人とは全く異なる身のこなしである。

 

彼女が盗撮紛いどころか思いっきり盗撮しているのに用いられるドローン、三脚、さらには設置型の小型カメラ多数は親に買ってもらったかと聞くと、自腹なのだと言う。

 

そのため、親が金持ちという訳ではなく、高校入学前、すなわち中学で何かあったのではないかと調べてみたが、これといった情報はなかった。

 

せいぜい、昨年突如“月が三日月型に爆発した”というニュースがあった時に、彼女が中学三年だったぐらいである。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は、政府の必死な情報隠蔽の前では、それらしい情報にしか辿り着けなかったが、読者にはそれが気になるものも居るだろう。

 

機密となっているため畑さんは話せない、畑ランコという少女の過去。

 

それは、畑ランコが高校生になる少し前、中学三年性の時の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

櫟ヶ丘(くぬぎがおか)中学校の理事長である浅野學峯(あさのがくほう)には一つの悩みがある。それは、悩みが一つだけという訳ではなく、その他の悩みがその悩みに比べれば取るに足らないものであるからだ。

 

悩みは単純、自分の生徒の扱い方がわからないである。

 

ならばそんな生徒など自分から遠ざければよい、エンドのE組に送ってしまえばいいのだが、成績が良く、なおかつこれといった悪事もやっていない為に送るに送れないというのが現状だ。

 

でっちあげの内容で送るのもできるが、それを彼のプライドが許さなかった。

 

そもそも、これといった悪事もしていない女子生徒がなぜ苦手なのかと言われると、馴れ馴れしい態度と“言葉”彼は答えるだろう。言葉遣いではなく、言葉。

 

 

 

「や!」

 

「また君か...。」

 

「質問いいですか?」

 

「はぁ、なんだね?」

 

「先生の奥さんは、エッチする時にバッグばっかりで顔を見てくれないことに嫌気がさして別れたという話は本当ですか?」

 

「君にその話をする理由はない」

 

「何よ、ちょっとぐらい教えてくれても〜...!」

 

「なんだね」

 

「まさか!浅野先生EDになられt」

 

「断じて違う!!」

 

「っもー、隠さなくていいんですよ?先生の頭は優秀でも亀が先につく頭はさほど優秀じゃない話なんて少し内容を盛って校内新聞に流したりしませよー」

 

「君は前にもそう言って、平気で私の性癖を校内にばらしたじゃないか!と言うか私は風俗狂いではない!一度も行ったことないぞ!」

 

「え?あなたそれでも大人ですか」

 

「なぜ大人のステータスが風俗に通う事になるのか疑問しか湧かないのだが」

 

「私は風俗に行ったことないという貴方の、いや貴方の息子に疑問しかありません。やはりEDになってしまったのでは?」

 

「そんな所に行かずとも、優秀な私には女性の方からやってくるのだ」

 

 

落ちつけ浅野學峰、キャラ違うぞ。

 

 

「なるほど、『女なんて使い捨てティッシュより価値は低い』っと、メモメモ」

 

「発言内容とメモ内容が違うじゃないか!」

 

「にしても妻に見捨てられたのに、よく女の方から来るとか言えますね。頭下半身についてるのでしょうか」

 

 

浅野學峰はキレた、それはもうキレた。一応畑は優秀な為に見逃していたが(それはあくまでも表向きの自分を納得させるための言い訳であり、本当は彼女を素行が悪い事を理由にクラス替えをさせると負けたような気がするからだ)、ついに彼女に罰を与えることにした。(なるべく相手にしたくなかったから)

 

翌日、三年E組の機密情報にたどり着いたという事を理由に、畑ランコはエンドのE組に転入させられる。学校側には、学内の情報をばら撒こうとしたという事にした。本来ならば、同じクラスの人がそんな事をすれば嘘だと学園に抗議する所だが、個人情報をばらまくという内容を聞いたAクラスは彼女がやってないと信じることが出来なかった。

 

そこから、日頃の行いは大事なのだと学習した。浅野學峰が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、新たな生徒が暗殺に加わることとなる。

 

 

 




一応次回作はここではなく、別の作品として出しますが、URLはここに貼っておくつもりです。


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