進撃の旅行記 (クレイモア)
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遭難

ついカッとなって書いた。反省はしていない。


さてと。山の中だから携帯の電波は圏外で使えないし、というかそもそもバッテリーがきれてるし、持ってきていた磁石は狂ってるし、更に言えば地図は落としたし。

 

うーん……これはあれだ。

 

完全に迷子。ザ、遭難ってヤツだな。

 

慣れた山だからってちょっと登山道から外れたのが失敗だったわ。

 

ハハハッ、もう笑うしかない。

 

……しっかし、俺は今どの辺を歩いているんだろうか?何かいつの間にか山の植生が自分の知っている山と全然違ってるんだよね。

 

そこら辺に生えている木も俺の背丈ぐらいしかない若木ばっかりだし。苗畑にでも迷い込んだのかな?

 

まぁ、元々山で一泊する予定だったから色々な道具や食料はあるし、非常用の備えもしてあるから2〜3日ぐらい迷っていても大丈夫なんだけど。

 

それでもやっぱり早めに帰り道を見つけないと不安――っと言っている側から遠くに人工物発見!!はぁ〜助かった〜。

 

 

 

……うーん。何これ。

 

遠くから見た時はでっかい塀だと思っていたけど近付いてみたらデカイ壁だった。

 

そんで、近くにあったぶっ壊されていた門?から壁の中に入ってみたら精巧に作られた廃墟のミニチュアハウスの町があったんだけど。

 

まぁ、ミニチュアって言っても俺の背丈ぐらいあるんだけどね。

 

んー……特撮のセットかな?

 

金持ちが自分で映画を撮るためにでも作ったのか?

 

にしても妙にリアルだな、このミニチュアの廃墟。

 

何と言うか本当に小人が作って住んでいたみたいなクオリティなんだけど。

 

あ、奥にまた壊された入り口がある。

 

……行ってみるか?いや、でも不法侵入とか言われたらややこしいしなぁ。

 

まぁ、遭難してる身だし事情を話せば分かってくれるか。

 

という訳で行ってみよう。

 

 

 

さて、そんな訳で更に奥へとやって来たわけですが。

 

道中も何か打ち捨てられた村とか古城とか砦とか、そんなミニチュアが沢山あったし、やっぱりここは特撮の撮影現場か何かなのかな?

 

ちなみに森もあったけど、また迷うのが嫌で避けてました。

 

っと、またさっきと同じような白い壁を発見。

 

入り口はどこかな〜……えっと、また入り口がぶっ壊されているんだけど。

 

何か不吉だなぁ。ま、とにかく。

 

「お邪魔しまー――した〜……」

 

……ヤバイ。

 

ヤバイヤバイヤバイ!!

 

何がヤバイって、何か全裸のオッサンがいっぱい居た!!

 

というか、ちこ丸出しで何か嬉しそうにミニチュアの町を歩き回ってた!!

 

絶対これはヤバイ場所に迷い込んじゃったよ!!

 

よし。……オッサン達に気付かれない内に逃げよう。そうしよう。

 

ゆっくり回れ右――って、何か俺が来た方角から全裸のオッサン集団がこっちに向かって来てるんですけど!?

 

逃げ場が無ねぇ!!

 

え、えぇい!!しょうがない!!こうなったらミニチュアの町の中に隠れてやり過ごすしかない!!

 

行くも地獄、戻るも地獄だよ。コンチクショー!!

 

こんなとこ来るんじゃなかった!!




続くかどうかは人気次第


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異変

あ、ありのまま今目の前で起こっている事を話すぜ!!

 

迷い込んでしまった野外映画スタジオらしき敷地中で特撮マニアの(全裸の)オッサン達が自ら怪獣か何かに扮してはっちゃけているんだと思っていたら、変な機械を腰に付けてスパイダーマンみたいに家々の隙間を自由自在に飛び交う小人達が現れた。

 

何を言っているのか分からないと思うが俺自身、目の前の光景が信じられない。

 

それに小人達の存在だけでも驚きなのに全裸のオッサン達がその小人達を捕まえて次々と捕食している。

 

一瞬、あれらはロボットや立体映像か何かかとも思ったが、この場にいるからこそ分かる。

 

オッサン達にしろ、小人達にしろ、どちらもロボットや映像なんかのそんなチャチなもんじゃ断じてない。

 

あれらは明らかに生命体だ。

 

しかし、オッサン達は一見すると人間のようだがその実、化物か何かのようだ。

 

それに対して血を流し恐怖の悲鳴を上げる小人達は人間に近い生物だろう。

 

遠くてよく分からないが言葉を使って連携を取っているような社会性があるようだし。

 

……ガリバ旅行記か借りぐらしアリエッティの世界にでも迷い込んだのか、俺は。

 

それにしてもオッサン達が小人を捕食するシーンがグロすぎて頭がどうにかなりそうだ。

 

……とりあえずこんなヤバイ場所からはさっさとおさらばしよう。

 

って、やべえ!!

 

見るのに夢中になっていたら5〜6人の小人と3人のオッサンがこっちに向かって来てる!!

 

早く逃げないと巻き込まれ――あ。

 

「……」

 

振り返ったら髭を生やした全裸のオッサンが居た。

 

というか、何か知らんが勃してるんですけど!!

 

ほ、掘られる!?

 

あ、ちょ、無言でこっち来るな!!

 

クッ、こうなったら覚悟を決めろ、赤井(あかい)永蓮(えれん)!!

 

「おんどりゃああ!!っ!?死なない!?」

 

熊対策で持っていたコンバットナイフで心臓を一突きにしたのに!!

 

「熱っ!?」

 

心臓を刺したのにオッサンが普通に動いている事に唖然としていたらオッサンに肩を掴まれたんだが、その手が滅茶苦茶熱い!!

 

「イッ……テエェ!!」

 

左肩を噛みやがったこの化物!!ゾンビかテメェは!!

 

「この化物が!!」

 

……あ、あれ?マジで殴りはしたけれど、殴ったオッサンの頭が砕けたというか弾けたんだが。

 

どうなってるんだ?

 

拳に付いた血も何か蒸気を上げながら徐々に消えていってるし。

 

って、オッサンが立ち上がりやがった!!顔が半分吹き飛んでいるのにまだ生きてるのかよ!!

 

というか、コンバットナイフで刺した傷や半分吹き飛んだ顔が再生してる!!

 

こいつら不死身かよ!?

 

どうすりゃいいんだ!!



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