小説ジャガーマンシリーズ (いのかしら)
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じゃがたろう

麓←読めない

を川が流れる山のその反対側の麓に、かばんちゃんとサーバルちゃんが居ますやんか。

サーバルちゃんは山へ芝刈りに行かなあかんし、かばんちゃんは川へ洗濯へ行かなあかんし……芝とか何に使うか全然わからん。

かばんちゃんが器用に服を洗っていると、上流から何かが流れて来ました。

そこには

顔がでかくて、首が太くて、脚が短くて、ちょっとずんぐりむっくりな感じする、頑丈な体をしてる小さな生き物が、両脇に柵らしきもののついた板の前方に出っ張った木の棒にしがみついていました。←ここすき

かばんちゃんは彼女を川から引き上げ、陸の上に置きました。

彼女は

「これはちょっと厳しいぞ〜(誘拐疑惑)」

などと言ってましたが、気にすることなく家へと板ごと連れて帰りました。

サーバルちゃんが背負っていたカゴに、みゃみゃみゃみゃと狩りまくった芝を入れて帰ってくると、

「なにこれなにこれ〜、すっごーい!」

という感じで、ジャガーだったので(ウィー)ジャガーと名付けられたジャガーは、この家の子になってますやんか(既成事実)。

ワイトはつかいさんの作品の匂いがすると思います。

 

 

ジャガーは家族の愛を受けながら大きく育って、強そうな腕を持ちながら、それを乱用することなく、何か頼まれたら

「まっかせてー。」

の一言で受けてくれる頼れるけものなんだね。

ある時かばんちゃんとサーバルちゃんがしばらくぶりに海際の町に出かけると、町から活気が失われていました。

何事ですか、と町の人に聞きました。

すると店をやっていたオオカミさんがこう答えました。

「ここではある程度の周期で海面が低くなり、むこうの島とこちらが繋がってしまう。

その際に、島から「せるりあん」と呼ばれる化け物がやってきて、町を滅茶滅茶にしたり、物を奪ったり、フレンズを攫ったりしていくんだ。

町を守ってくれるハンターはいるんだが、守るのに精一杯で流石に向こうに行くことは出来なくてね。

その周期がもう暫くしたら来るので、フレンズは恐れているのさ。」

町がここまで静かだと、かばんちゃんもサーバルちゃんも、必需品が買えずに困ってしまいます。

結局何もできずに家に帰ってきてしまいました。

なおオオカミさんは便乗したものの、この先の出番はない模様。

 

 

家に帰ってそのことを話すと、ジャガーがこう言いだしました。

「まっかせてー。私がなんとかするよ。」

「危ないよ。」

2人はハンターでも無理なのだから、とジャガーを止めようとしましたが、確かに町が破壊されると生活に困るのとジャガーの熱意に押され、結局行くことを認めました。

 

 

出発の日、サーバルちゃんはジャパリまんのたくさん入った袋をジャガーにあげて、ジャガーは木の板を背負い、糸で体と縛り付けていました。

「気をつけてねー!」

「無理しないでねー!」←やさしい

背後からそう呼びかけられるのに答え、みるみるうちに家を離れていきます。

 

 

その島と繋がる海辺へと歩みを進めると、ジャングルから何かが飛び出してきました。

「ジャガー、何しに行くの?」

コツメカワウソです。

ジャガーが一通り説明すると、カワウソは

「なにそれー、面白そー!」

といって、ジャパリまんを一個もらうとついてきました。

コツメかわいい。

 

 

結構その海辺へ近づいてきた頃、何かが道を進む2人の目の前に降りてきました。

「ぅわたぁーしぅわぁー、とぉーきぃー。」

歌い出したそのけものは周りの木々を震わせるように歌い始めました。

「トキじゃないか。」

「私の歌どうだった?」

「ネタじゃ……ないかな?」

「うぐっ。」

「ごめんごめん。」

ジャガーがまた一通り説明すると、トキは

「町のファンがいなくなるのは困るから。」

と、ジャパリまんを受け取ってついてきました。

 

トキ&アース渦巻香被ってて草。

お前も投稿するんだよ!

 

ジャングルを抜けて暫く進んだ頃、道を進んだ先に1人立つものがいました。

手には長い棒を持ち、それをこちらへ突きつけてきます。

キンシコウです。

「ダメですよ、この先に行っちゃ。

もうすぐセルリアンがやって来ますから。」

「私たちもセルリアンの対処に協力したいんだけど、いいかな?」

「ジャガーはね、すっごく強いんだよー!何か来てもやっつけられるよ!」

「……確かに今は対処に向かえるフレンズが足りていません。

協力してくださるならありがたいです。

手伝ってくださいますか?」

「うん、いいよー。」←ここすき

「でもジャガー、対処ってどうするの?」

「その島とはどんな感じでつながっているのかしら?」

「海の底から島とを結ぶ道が浮かび上がって来るんです。」

「じゃあ、まずそこへ行こう。」

ジャガーを先頭にフレンズたちはジャングルの中を、途中で大きい川に出たりしながら進んでいきました。

 

 

ジャガーたちが移動中なので日記

先週の日曜日、今まで連載してきたガルパン2次小説、『広西大洗奮闘記』が完結しました。

・ここはどこ?なにが起こったの?

・飯も燃料も切れそう!HELP!

・チャンスだ!野郎ぶっ殺してやぁる!

三行であらすじを説明しとくとこんな感じ。

そろそろ最終章始まりますし、皆さんもガルパンのアニメ見て、映画見て、大洗に行って、どうぞ。

ハーメルンとpixivに載せてあるので、宜しければ見てみてください。

 

 

ジャガーたちがキンシコウの言う島と繋がる場所にたどり着くと、確かに海の向こうの島に向かって道が伸びつつあります。

「これが……みち?」

「幸いまだ向こう岸までは繋がってないみたいですが、繋がったら向こうからセルリアンが大挙して押し寄せて来るでしょう。」

「どうするの?」

「まっかせてー。

みんなこれに乗って。」

ジャガーは紐を解くと、背負っていた木の板を海の中に落としました。

「これで向こうに行って町を襲うのをやめてもらおう。」

「私は先に島を見て来るわね。」

ジャガーは木の板にジャパリまんの袋とカワウソとキンシコウを乗せ、トキは先に島へと飛んでいきました。

しかしジャガーが進んでも進んでも向こうの島はあまり大きくなってきません。

しかし水にも入らなあかんし……な身体をしているジャガーは休まず板を漕ぎ続け、なんとか島の沿岸の浜辺にたどり着きました。

「どぅへ。」

「ジャガー、大丈夫?」

「へーきへーき……」

しかしジャガーは岸辺に座り込み、息を荒くしています。

しばらくはここから動けず、ましてや戦うことなど出来ないみたいです。

沿岸には上陸出来ましたが、そこから先は大きな壁に覆われて中は見えません。

そこへトキが舞い降りてきました。

「トキさん、セルリアンは?」

「大きいのから小さいのまでたくさんいたわ。

一か所に集まってたから、暫くしたら渡ってくるんじゃないかしら?」

「まずい、急がないと。」

「でもジャガーが……」

「急ごう。」

ジャガーはなんとか立ち上がり、先を行くキンシコウらの後を追います。

バビロンジャガーの歌、最後にみんなが集まって来るところ好き。

 

 

道が出来ている場所の前には、それはそれは大きな鉄の門がありました。

フレンズの中でも大きな部類であるジャガーでさえ、何人集まっても破れる気がしません。

「トキ、中から門を開けられる?」

「多分できると思うけど、開けたら出てきちゃうんじゃない?」

「逆にそうしないとこちらから入れませんし、向こうが開けた時にはこちらは止められないでしょう。

残念ながらハンターたちも彼ら全てを食い止めることは出来ません。

セルリアンをここで止め町を守るなら、こちらから行くしかありません。」

「わかった。」

トキが空へと舞い、扉の向こうに行くと、向こうの扉の鍵を外し、片方をぎぃと押し開いた。

「開けたわ。近くにはまだ来ていないみたい。」

「中に入りましょう。」

 

 

『じゃがキャラ』のジャガーすき

 

 

中は灰色の砂で覆われており、あまり気分の良い雰囲気ではありません。

「本当に居ないね。」

「ここの正面の門の先にたくさん居たわ。」

「怖いよ、ジャガー。」

「だ、大丈夫だから……」

トキが指差す先には階段の上に同じような門があり、それも見る限り固く閉ざされています。

「どうしましょうか。」

キンシコウがそう言った直後、急に正面の扉がガタッと思いっきり開きました。

水色の一つ目の生き物が何匹か出てきて、ジャガーらのもとに降りて来ようとしましたが、驚いて立ち止まりました。

「来ましたね!」

キンシコウはすかさず棒を持って階段を駆け上がり、棒をセルリアンの石に突き立て破壊しようとします。

「待って!」

しかしカワウソが叫んでキンシコウの気が緩んだすきに、セルリアンたちは門の向こうへと逃げ帰ってしまいました。

「門が開いた、ということはセルリアンは間も無く来ます。

ここで食い止めなくては!」

「待って待って。

ジャガーも疲れてるし、セルリアンと戦うのは無理だよ。」

「だとしたら私たちがここに来た意味が……」

 

 

ワイトはハカセの可愛さは1/3以上伝わっていると思います。

 

 

すると開きっぱなしの門の向こうに何かが現れます。

それの放つ禍々しい雰囲気に、皆一様に足がすくみます。

「……向こうのものか。」

見た目は全身真っ黒ですが、姿はフレンズに似ていて、言葉は話せるようです。

「私はジャガー。」

「わたし、コツメカワウソ!」

「ぅわたぁーしわぁ、とぉーきぃー!」

「キンシコウです。」

黒い者は階段をゆっくりと降りながら、それぞれの顔をじっと見まわします。

トキの歌声にも動じていません。

「……先程は済まなかった。

部下に予定より早いのに先走ったものがいたようだ。

ここまで乗り込んで来たものは初めてだ。

話を聞こう。」

あまりに丁寧な対応をされ、寧ろ困ってしまいました。

 

 

長い階段に登って奥まで行かなあかんしぃ……セルリアンたちが睨んでくる前も通らなあかんしぃ……

そんなこんなで進むことしばらく、やっとその黒い者の家と思われる屋敷にたどり着きました。

「狭くて何もないが、上がってくれ。」

そのまま屋敷に上がると、そこにいた小さなセルリアンの案内され、奥の部屋に入りました。

そこでは一段高いところにすでに黒い者が座って待ち構えてます。

座るよう指示されると、姿勢を正して座ります。

「とりあえず、ジャパリまん食べる?」

「頂こう。

さて、向こうのものがここに来たということは、要件は町を襲うのをやめてもらいたい、といったところか。」

「そうよぉ。

町が度々破壊されると、こっちも困るんだ。」

「だろうな。」

「だったら何故……」

「我々も向こうを襲い、フレンズを連れ帰らないと生きていけないからだ。

我々セルリアンは物に長時間触れると、その対象をもセルリアンとしてしまう。

つまり数は増える一方のうえ、まともに道具が使えないのだ。

だから道具を使ったり、建物を建てたりしてもらうために、フレンズが居てもらわねばならないし、物も大量に必要になる。

一度彼らに頼れば、あとは次々と彼らを養うためのフレンズが必要になる。

おまけに我々は海を渡れない。

この島から逃げることも出来ないのさ。

となれば、生きるために一瞬海に入らないで済む時にフレンズと物を持ってくるしかないんだ。」

「だとしても……」

「限界は近づいている。

島の使える水がだんだん減っているのも知っている。

向こうがいつこちらを成敗しに来るか、警戒しても安心できん。

だが……浅瀬で船も満足に走らせられず、向こうのフレンズに嫌われている我々には手の打ちようがない。」

 

「だったら、私がなんとかしようか?」

「ジャガー?」

「私たちは木の板に荷物とかを乗せてこちらに来たんだ。

たくさんは無理だけど、物を運ぶくらいなら出来るよ。

それで今回は取りやめてくれない?」

「……次までまたしばらく周期が開く。

仮に嘘なら、我々は滅亡しかない。」

「嘘じゃないよー!

何より私たちがここにいるし。」

「でも実際ありなんじゃない?

私が空を飛ぶよりはジャガーの板の方がたくさん運べそうだし。」

「そうですね。

またしばらく間が空くならなおさら、今回奪ったものを食い潰しながら待つより、ジャガーさんから日々もらったほうが、結果的には多く得られるのでは?」

「……よし、道が繋がるのは今日の夕方から3日間。

明日の昼まで待ってやるから、ありったけの荷物をその木の板とやらに乗せてここに持ってこい。

それが十分だと分かったら、今回は中止にしよう。」

「ありがとうございます。

早速行きましょう。」

「山から下りる際は付き添いをつけるぞ。」

キンシコウが行動を始めると、他の皆も付き添いのセルリアンに連れられて屋敷から海辺へと下っていきました。

 

海辺から本土へと再び木の板を漕いで戻り、カワウソとキンシコウを降ろすと、何かが彼らに向かって飛び出してきました。

すでに日が暮れかかっているので、もしやセルリアンが渡ってきたのかと身構えましたが、よく見るとフレンズのようです。

「キンシコウ、どこに行っていた!

持ち場を離れるなと言っただろう!」

「すみません、ヒグマさん。

しかし朗報です。

セルリアンが襲ってこないかもしれません。」

「なに……確かに夜になってもこないから変だとは思っていたが、話を聞かせてくれ。」

キンシコウとジャガーは概要を説明すると、ヒグマは少し右に視線を逸らしました。

「参ったな……もう町の店はほとんど閉まっていて、物なんてほとんど無い。

基準が向こうが満足するかどうかなら尚更足りない。

おまけに町から手で持って来るだけでも一苦労だぞ。」

「確かに……私たちジャパリコインもあまり持っていませんし……」

「とりあえず町に行ってみるしかないんじゃないかな……」

「そうだな……」

上手くいったかと思ったところで不安に襲われた。

 

アースヒグ巻香すき

 

目的も曖昧のまま沿岸を進みました。

しかし再び彼らを呼び止める声がありました。

今度は1人では無い、たくさんだ。

「ジャガー!」

奥から大量のフレンズがこちらへかけて来る。

「よく分からんが、いつもの礼だ。

手伝えることがあったら言ってくれ。

ジャングルの皆も協力してくれるぞ。」

そのトップにいたキングコブラがジャガーに声をかけます。

「そうはいっても……」

「ジャガー、とりあえず向こうに送れるものを持って来るしかないぞ。

町に行ってどうにかなるとは思えん。」

「そ、そうだね。」

ジャガーとキンシコウがキングコブラに事情を話すと、キングコブラはあたりのフレンズを掻き集め、自宅の中で持ってこれるものを持って来るように指示しました。

「キングコブラ、流石にそれは悪いよ。

みんなのものをもらうのは……」

「気にするな。

町が寂れてしまうのは、ここら辺のフレンズにとっては非常事態だからな。」

「そーだぞー。

町で物が手に入らないのは辛いんだぞー。」

「ジャパリまんだけだと飽きてきますしね。」

他のフレンズも同調し、みるみるうちにジャガーの前には、たくさんのものが山積みにされました。

身近なものを簡単に加工したものから、町で買ったと思われるものまであります。

「こ、こんなに?」

「向こうを満足させるには、できるだけ持って行った方がいいだろうな。」

「ジャングルからツタをたくさん持ってきてください。

荷物を板に固定します。」

作業は一晩続き、ヒグマの指示で休んでいたジャガーが目を覚ますと、目の前には荷物を載せ準備を整えた板が、海の上に浮かんでいた。

 

「板は手先の器用な奴に補強させた。

浮き袋?というものも付けたそうだ。

あとは荷物のせいでバランス崩しやすいから注意しろよ。」

「ありがとう。」

「昼までなんだろ。

急いだ方がいい。」

ヒグマがクマを作りながらジャガーを急かします。

ジャガーはいつも通り板の前の棒を握って、それを固定していたツルを切りましたが、確かに進みにくそうです。

いや、少なくとも時間までに間に合うか微妙です。

「重すぎぃ〜。」

「じゃあ私、この板を後ろから押すね!」

「では私は上の荷物が崩れないようにしておきましょう。

途中必要なら変わりますよ。」

カワウソに押されて、板はゆっくりと岸を離れました。

 

日は高く登っていきます。

期限はその分迫ってきます。

「ジャガー、間に合う?」

「多分。」

「島も近づいてますし、大丈夫とは思いますが……変わりますか?」

「いや……多分私が下手に手を離したら、これひっくり返る。」

「それほどですか……」

「大丈夫大丈夫。

夜はきちんと寝たから、体調も良いし。」

「私もっとちゃんと押す!」

 

 

彼らは半ば岸に打ち上げられるように乗り上げました。

「手伝った方が良かったかしら?」

島にいたトキが彼らのもとに舞い降ります。

「いや、トキはかの早く黒い人を呼んで……」

「ジャガー!」

「私も行きます!」

門の様子を見るに時間には間に合っているようですが、いつまた開くかは分かりません。

ジャガーは岸で腰を下ろして待つしかできませんでした。

 

しばらくして、セルリアンの護衛を付けながら黒い者がやってきました。

「本当に来たか……それにしてもたくさん持って来たな。」

「これで町を襲うのはやめて頂けますか?

お願いします!」

キンシコウが頭を下げて頼み込むと、他のフレンズもそれに続きました。

「……一往復で息が荒れるのか。」

「……」

黒い者はフレンズを眺めながら、指を顎の下に当ててじっと考えます。

「……よし、話を飲もう。

ただしそこの漕ぎ手はこれから毎日島と町を結んで物を送り、7日以内にもう一人選んで1日2往復させること。

島の中は私がまとめておく。

その代わり町を襲うのはやめよう。」

「あ、ありがとうございます!」

「次からはこちらから対価を払おう。

そちらが身をもって約束を守ったんだ。

こちらが応じないわけにもいくまい。」

ジャガーは立って黒い者に手を出しました。

黒い者の手は冷たかったのですが、そのにこやかな顔がとても暖かく、あまり気になりませんでした。

 

 

こののちジャガーは毎日休ます島と岸を結ぶようになりました。

途中でマイルカが加わりましたが、それでも1往復は欠かしません。

町の人は町を救ったジャガーを尊敬し、荷物の輸送を頼むときはジャパリまんを渡すようになりました。

島の方も攫われた人が何人も帰って来て、逆に小さなセルリアンが頭を布で覆い、その上に商品やジャパリコインを載せて町へ現れるようになりました。

お互い嫌っていたフレンズとセルリアンは互いを受け入れ、交流は時が経てば経つほど盛んになっていきました。

 

ほら、今日も町の外れから声がします。

「まっかせてー!」

片腕を振り上げながら、ジャガーは島とを結ぶ鍵となっています。

 

 

「アカン。」

「桃太郎とジャガーマン要素、最後の方無くなってますやんか。」

「ニコニコのも12話入れて良MAD化したりするし、へーきへーき。」

 

 

ジャガーマンを生み出した偉大なる千賀さんに感謝を込めて。

ジャガーマンに幸あれ。

合作楽しみです。

井の頭線通勤快速

 



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「ジャガ」あくジャガわ龍之介

気が向いた

謎の青汁


ジャガーの身体と云えば、ジャングルちほーで知らぬ者はいない。

顔がでかくて、首が太くて、脚が短くて、ちょっとずんぐりむっくりな感じする、頑丈な体をしてるのがジャガーです。←女の子やぞ

木にも登らなあかんし、水にも入らなあかんし、どこでも、こう、狩りしたりできるような体になってるんで。

ヒョウの模様は丸っこい輪っかが体に散らばってますやんか。

その丸っこい輪っかの中にさらに点々があるのがジャガーの模様です。

 

ジャガーはここしばらく、この身体を内心気に病んでいた。

前はそこまでは気にならなかったのであるが、最近ニコニコちほーにジャガーマンシリーズというものが登場して、あちこちでこのように紹介して回るものだから、女の子やぞとフォローしてくれる者もいるとはいえ、あまり心地よいものではなかった。

そしてその声はすでにジャガーの知らぬ所まで広がってた。

他のちほーからやってきてジャガーの渡しを利用したものたちが、そのことを乗る度に口にするのである。

しかもそれらのフレンズの中に、自分ほどずんぐりむっくりしたフレンズは見当たらなかった。

 

あ、そうだ。

アース襟巻香すき。

急に空に飛ぶとこすき。

ふあぁ〜、びっくりしたぁ〜。

 

勿論表面では、今ではさほど気にならないというようなすました顔をして、川の上では渡しを、陸の上では右手の拳を空に掲げたり、他のフレンズの頼みをいいよ、と言って受け入れたりして過ごしている。←ここすき

自分がそれを後頭部を掻きたくなるほど気にしているのを見せるのも、また心地よいものではなかったからである。

しかし日常の会話の中でも、何処かで「顔がでかい」とか「ずんぐりむっくり」とか出てくるのを恐れていた。

ジャガーが他のフレンズと話しながら若干ゃ腹を見つめて、らしくもなく顔を赤らめていたのは、←ここもすき

このことへの不快に動かされた所為である。

ジャガーの自尊心は川の渡しで役立っているという結果的なことよりも遥かにデリケイトに出来ていたのでありますやんか。

 

合作2時間超えるらしいね。

全部見る時間が取れるか分からないです。

でも見たい。

 

ジャガーはフレンズが来ていない時に水面に顔を映し、その顔が出来るだけ小さく見えるよう角度を変えてみようとした。

頬杖をついたり、顎の下に指を当てたりして、何とか相対的に顔が小さく見えないか試してみたりした。

しかし満足のいく角度が決まったことは一度たりともない。

むしろ見るたびに自分の顔が大きくなっているような気さえする。

ジャガーがこう云う消極的な苦心をしながらも、一方ではまた、積極的に顔が小さくなって、ずんぐりむっくりではなくなる方法を試みた事は、わざわざここに云うまでもない。

ジャガーはこの方面でもほとんど出来るだけの事をした。

しかし先の紹介にあった身体は、一寸たりとも変化することなくそこにあったのである。

どうしたらいいか、全然わからん!

 

 

ジャガーは内心と外見の乖離に進退窮まって、とあるフレンズに相談に行くことした。

この島の長である。

ジャガーは住処の近くに使っている木の板を止め、そこに小石でバツの字を作っておき、ジャパリまんをある限り持って旅に出た。

長い長い旅路であった。

川上へ上に聳え立つ崖の下を通り抜けると、木の家のある湖へとたどり着く。

そこから平和な平原を抜けて、ジャングルではないが森をくぐり抜けると、壁に巨大な穴があり、その中に木が生えている、という奇妙な建物を見つけた。

それがこの島の長がいる場所、ジャパリ図書館である。

 

アンインノカケラ、まじで良MAD

 

建物に入ると、長とその助手はジャガーの前に舞い降りた。

事情を言う前に、

「もう分かっているのです。我々は賢いので。」

「賢いので。」

そう言われてしまってはどうしようもない。

「我々はここにある本の中で、お前にとって一番良いと思われるものをすでに見つけてあるのです。」

長である博士は目の前に本を差し出した。

「これはヒトが自らを磨くために行う、だいえっと、というものについて書いてある本なのです。

これの通りにすれば、少なくともましになるとは思うのです。」

「まずは顔から何とかするのです。

この本にはぱっく、なるもので小顔になれると書いてありますが、ここはあったかいタオルで代用するのです。」

「あとは足を細くして足を長く見せ、さらに身体を細くするのです。

このためには何日かここに居てもらわなくてはならないのです。

やるですか?」

「やらないですか?」

ジャガーの心は決まっていた。

「やろう!」

 

ハカセまんと助手まんうまそう。

 

こうして日々が流れ、博士から与えられた幾多の苦難を乗り越えて、ジャガーの姿は見違えるようになっていた。

顔がでかいと言われることはないだろうし、もうずんぐりむっくりと言われることもないだろう。←こんな感じのジャガーさんもすき

水場で自分の顔を見たジャガーは思わず叫んだ。

「すごいね、まほうみたい!」

「当然なのです、この島の長なので。」

「長なので。

御代として、ちゃんとジャパリまんは帰りの分以外は置いていくのですよ。」

「いいよー!」

ジャガーはいくつかジャパリまんを持って、博士らに礼を言ってから帰途に着いた。

 

再び平原と山の下を超えて川を下り、ジャガーは住処へと帰ってきた。

博士たちからこれからは、これまで1日2周であった川の渡しを3周に増やした方がいいと言われた。

早速板の上の石を取り除き、川下に向かって出発する。

川を下っていると、ひとりのフレンズがジャングルから飛び出してきた。

こちらにはまだ気づいてないようなので、こちらから声を掛ける。

「カワウソ。」

「ん……?」

カワウソがこちらを向いたのはいいのだが、何か納得いかないかのような顔をして、らしくもなく顔をしかめている。

「ほんとにジャガー?」

「そうよぉ。」

「随分……変わっちゃったねぇ。」

「でしょぉ。」

結局その日、カワウソは乗り込んで来なかった。

 

その後数日、博士たちに言われた通りにしていたが、ジャングルちほーのフレンズから避けられるようになった。

目を合わせようとすると、それから逸らしてくるのである。

3周回るために引き止めることもできず、そうなれば渡しに乗り込むフレンズもいなくなる。

3周回っても乗り込んでくるフレンズがいないのなら、終わった後岸辺で息を荒くする他何の利もない気さえする。

ジャガーは少し気が立ってきた。

そして温厚で優しかったはずのジャガーがそうなればなるほど、ますます渡しに乗るフレンズが減った。

無性に虚しくなったジャガーは、新しく出来た橋の板の一枚に腰掛け、足をこう……バタバタする行動をとるようになった。

 

ある晩、ジャガーは腹回りと首回り、そして顔にやけに熱を感じた。

何か無理があったのだろうか、とその日は渡しを2周もせずに、薬効があるとされる葉っぱを何枚か抱いて寝床についた。

 

翌朝目を覚まし川で顔を洗おうとすると、水面には懐かしい顔が浮かび上がっていた。

腹回りにも懐かしい感触が帰ってきていた。

これで数日の努力は無に帰したことが明らかになった。

ジャガー自身が悩んでいた身体に戻っていたのである。

しかしジャガーの心持ちは、理由は全然分からんがやけに清々しかった。

体調もいいので、ジャガーはのんびりと川を下り始めた。

 

途中、再びジャングルからフレンズが飛び出してきた。

今度はあちらから自分に気づいたようである。

「あ、ジャガー!」

「カワウソ……」

不安であったが、恐る恐る岸辺へと近づく。

向こうは一切その場から動こうとしなかった。

岸辺に近づいたその時、カワウソはこちらへ駆けてきた。

「ジャーガー!」

「おわっ!」

急に抱きつかれたため、思わずバランスを崩す。

2人とも揃って川の中に沈み込んだ。

「……ぷはっ。」

「ジャガー!よかったー、戻ってくれて!」

水面から浮かび上がってもカワウソは抱きついたままで、離す気配は全くない。

しかしそれは実に喜ばしく、これからはずんぐりむっくりとか顔がでかいとか言われることを気にすることはないだろう、と訳もなく確信していた。

 

よよよマン流行れ

 



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「ジャガ瀬船」森豹外

どうも井の頭線通勤快速です。

あけましておめでとうございます。

小説ジャガーマン流行れ


ジャガーの渡しはジャングルちほーに張り巡らされた川を上下する板である。

1日2度回ってくるそれは、どのようなフレンズであろうと、たまたま居合わせることが出来れば乗ることができ、そこから回っていく先へジャガーへ行き先を告げれば対価なしで連れて行ってくれる。

そういう代物である。

それを運ぶのがこの

顔がでかくて、首が太くて、脚が短くて、ちょっとずんぐりむっくりな感じする、頑丈な体をしてる

ジャガーというフレンズである。←女の子やぞ

時には立たないと乗り切れない程度の人数でさえ乗せることもあった。

この島の長である者に通ったことではないが、その辺りは半ば黙許だった。

 

住みか、またはその周辺に居ればジャパリまんが供給されるフレンズにとって、移動は必ずしも必要なものではない。

せいぜい水場への移動ほどであろう。

そしてこの川そのものが水場であるゆえ、渡る者というのは他に友人があり会いにいく者や、みずべちほーのペパプのライブに行く途中の者など僅かだ。

 

だが彼らの道中、ジャガーは良く客の話を聞いた。

自分の住んでいるところの話。

自分がどのような動物であるかの身の上話。

自分の知り合いのフレンズの話。

それ以外にも良くボスが現れる場所が変わったり、新たに楽しい場所が見つかると、間違いなくその話はすぐにジャガーの耳に入った。

良い話であれば共に喜び、悪い話なら共に心を痛め、時に不覚にも涙を流すことさえあった。←ここすき

そのためジャガーはジャングルちほーの情報を細やかに知ることができた。

そしてジャガーは惜しげも無く他のフレンズに伝えた。←ここもすき

無論話していいかはそのフレンズに確認を取ってからである。

それゆえその話を聞きに川を渡る用もないのにジャガーの渡しに乗る者が時々いた。←頼もしぃ〜

 

いつのころであったか。

フレンズには日付という感覚はなく、時代は循環するものと考えているため、何月何日とは表すことができぬ。

おまけにずっと季節も同じようなものだから、その日を特定できる条件もない。

が、とにかくその日もジャガーはいつもと変わらず川をぐるぐると巡っていた。

今日これまで乗せたフレンズは4人、そのうち3人は対岸へ渡るためではなかった。

ジャングルの葉の一部が川に浮かぶ夕暮れに近くなり、ジャガーはこのまま今日は終わるのだろうと考えていた。

 

しかしふと脇を見ると、これまで見たことのないフレンズが立っていた。

ジャガーは板を岸へ寄せる。

その者の顔はその時初めて確認できた。

その名はわからん。全然わからん。

もしや噴火で新たに生まれた者かとも思ったが、まぁ相手が話したがらないのだから仕方あるまい。

蛇のフレンズらしくフードを被っていたり、毛皮の色はジャガーに近いとか、サーバルの如く立派な耳が付いてたりするとか、鳥の羽が付いていて空が飛べるとかそういうのはなくってぇ……

「乗るか?」

そのフレンズはコクリと頷いた。

 

「どこまで行けばいいんだい?」

行き先を決められていないまま、ただ先へ進むことを求められたジャガーはそう尋ねた。

だがそのフレンズは答えようとしない。

この痩せ気味の、顔が青白いフレンズの様子を見るに、いかにも神妙で、いかにもおとなしく、ジャガーでさえ先達か何かと敬って、何事につけても逆おうとせぬ、口を除き。

だがその一方でこのジャングルちほーのジャガーに全力で遠慮するような態度ではない。

ジャガーは不思議に思った。

 

ワイトナカイもそう思います。

 

そして板に乗った後、ただ安全を確かめるだけではなく、絶えずこのフレンズの様子に細かく注意をしていた。

 

その日は日が沈みつつある中で風が止み、空一面を覆った薄い雲が月の輪郭を霞ませ、土の方に残るひんやりした感じはなく全ての水気が靄となって立ち上りそうであった。

あたりはひっそりとしていて、ただ板に当たる水の囁きを聞くのみである。

 

顔色も良くないし、話したくないなら横になれば良いと言ったが、首を振って応じようとしない。

行き先が告げられぬまま板を進めるしかなかった。

雲の濃淡に合わせて月光が増減するのに応じて、月を仰ぐそのフレンズの瞳には微かな輝きしかなく、それがほんの僅か揺れ動く。

先程からジャガーは不思議だ、不思議だ、全然わからん、と心の中で繰り返している。

もしこのフレンズが旅人なら、とジャガーが考えると、違和感しか生じない。

ジャガーにとって旅とはかばんのようににこやかに進むものだからである。

このような暗い顔をして、やたらでかい袋とともに進むものではない。

かといって気兼ねしているようでもない。

そうであれば声をかけて即座にこの板に乗り込むわけがないからだ。

本当に全然わからん。

 

この板に乗る者は大半が物見遊山にでも行くかの如く陽気である。

そうでないものもいるが、人に話せないほど悪い気持ちを持ちながら乗る者はいない。

この者が生まれつきこのような顔であるというならそうであるのかもしれないが、どうもそうとも思えない。

フレンズの情の果てにこのような様であるのか、などと考えているが、このフレンズはどうしたのだろうとジャガーが考えても、考えるほど分からなくなる。

 

加ガー岬、なにが起こってんのか全然わからん!

 

離れてからしばらく、ジャガーが進んでいる川は支流の一本へと合流した。

ジャガーは再び呼びかけた。

「どうしたんだい。

行き先もなけりゃ向こうに渡るのかどうかも分からん。

一体何を思っているのさ?」

「はい。」

やっと答え、辺りを見渡した。

余りにも執拗に見回すものだから、ジャガーは再び声をかけざるを得なかった。

「あぁ、別に何かを問いただしたいとかそういうのじゃないから。

ただどういう心持ちで川を下るのか、そしてどこまで下るのか、それを聞きたいだけさ。

私はジャガー。

今までたくさんのフレンズを乗せてきたけど、大抵は何か楽しいことがあったと話してくれるのがほとんどなんだ。

あなたほど寂しそうに乗るフレンズは見たことがない。

いったい何を思っているんだい?」

そのフレンズは顔をこちらに戻した。

顔の口角を上げようとしているようだが、それが不十分ゆえ真顔にしか見えぬ。

「ありがとうございます、ジャガーさん。

なるほどフレンズの身の上であっては日々の暮らしは楽しいことばかりでございましょう。

その気持ちはつい先日までの私なら簡単に思い起こすことができたでありましょう。」

随分と丁寧な口調である。

思わず僅かばかり速度を落としてしまった。

「このちほーは結構な土地でございます。

しかしそのちほーの、いや他のちほーのいかなるフレンズも、私の苦しみは完全には理解出来ますまい。

ここからどんどん川を下っていただきますが、この先が私が居て良い場所だというのを願うばかりです。」

「川を下った先って……どこまでだい?」

「私がそこに着いたらお話しします。

そこまでの渡し賃はジャパリまんをお渡ししますので。」

「いいよいいよ、いつも貰ってないから。」

「そういう訳にはいきません。」

幾度か問答が続いたものの、ジャガーが折れて丸く収まった。

 

「後ろの袋は?」

「ジャパリまんです。

居場所が決まらずこれが尽きたら、そこが運命なのだと落ち着きます。」

「そうかい。」

ジャガーはそうはいったものの、聞くことごとに予想もつかぬ話ゆえ考え込み黙り込んでしまった。

このフレンズと自分とではおそらく比べようのない差があるのではないか、と。

それにしてもこのフレンズは袋いっぱいにジャパリまんを蓄えている。

対してこちらはボスを見つけたらそれから食べる分だけもらう生活だ。

蓄えることはほとんどない。

真面目な性格なのだろうと推察していた。

自分はこうはなれそうにない。

 

 

「さぁ、大きい川に出るよ!」

ひときわ広い川が彼らの視線の先に広がった。

とはいってもそれを見せるのは月明かり。

「広いですね。

月も合わさり、実に見事です。」

ただそれだけ答えた。

顔を見ると視線をこちらには合わせてこない。

「いろいろ聞くようで悪いけど、何があったんだい?

その訳を聞かせてくれないか?

こちらは移動中は人の話を聞くのも仕事なんだよね。」

こちらが話に相槌を返していたためか、少しは信頼されたようだ。

そのフレンズはしばし躊躇った後、口を開いた。

「かしこまりました。」

それでもまだ躊躇いがあるようで、呼吸の音のみが数度繰り返された。

そして小声で話しは始まった。

 

コミケは行けませんでした……

ジャガーさん合同近場じゃ売り切れてるみたいだし、どうしたものか……

あ、でも狙ってたテルマエフレンズは近場でGETしました。

 

「恐ろしいことを致しまして、なんとも申し上げようがございませぬ。

あとで思いますと、どうしてあのようなことができたのかと不思議でたまりません。

全く夢中だったのでございます。

私にはコンビの相手がおりました。

私がこの身体にて目覚めた時、すぐ近くで同様に目覚めた者でした。

しばらくしてとしょかんとやらで身の上が分かると訪ねてみましたが、そこの博士たちにはどうもいまいちピンとこない代物だそうでございます。

相方が何者かは分かりましたが、こちらが何者かは分からない。

それでも相方は私を認め、その先過ごす中でも離れぬようにいたしまして、共に助け合って生きてまいりました。

ある時私は初めて意識を得た場所の近くにおりました。

特に用もなく、気が向けば何処かしらにはあるであろうジャパリまんでも食えば良いかと相方と共に考えておりました。

するといきなりセルリアンが現れたのです。

気味悪い色をしたセルリアンでした。

私は咄嗟に対峙しようとしました。

一匹ならば即座に石を叩けば良い。

勝ちが私には見えておりました。

しかしみるみるうちにあたりのセルリアンは数を増していきました。

こうなっては逃げるほかありません。

すぐに相方の手を引いて逃げ出しました。

距離が少し離れ、もう少し先の崖の上まで行けば逃げ切れる、そう思った時です。

私が相方の手を握っていた右手は後ろに、そして下にぐいと引きずられました。

何事かと振り返ると、相方が足の方を触りながら座り込んでおります。

思わず立ち止まりどうしたどうした、と声を掛けてみますと、足をくじいたようです。

もともと相方は2本足で走る生き物ではなかったらしく、長距離を走り続けるのは決して得意ではありませんでした。

あともう少し進めるか、と尋ねましたが、立つことさえ私に支えられなければ不可能でした。

ここからは動けない、ならば打つ手は一つ、断固としてここを守り抜くのみ。

そう思い私は相方が何か言ったことを聞かずにセルリアンに突っ込みました。

自分で言うのも何ですが、私はある程度腕が立ちます。

その腕で2人の危機を救ったことさえあります。

今度も何とかしてやろうと勇み立ち、野性解放さえ発動して攻撃を繰り返しました。

しかし多すぎました。

1匹倒そうものなら、その間に次のセルリアンが足元にいます。

そいつを蹴り飛ばし、殴り、石を潰し……

しかしそれを繰り返しても止まらない上、セルリアンは四方から攻め寄せてきます。

結局飛び出したはいいものの、いつのまにか足元に相方が迫っていました。

いや、私が相方に迫っていました。

私が右のセルリアンに対処しようとした時、左のセルリアンが相方に襲いかかりました。

体力を奪われつつあった私はそれを即座に蹴り飛ばすこともできず、相方は一部がセルリアンに呑まれてしまいました。

何とか引き離した時には呑まれた左腕からは煌びやかなサンドスターが垂れ流されておりました。

大丈夫かと声をかけますが、何を言ってるかも聞き取れないほど弱く呻くのみ。

痛みに堪えているようでありました。

私はセルリアンをしばし近づけまいと奮闘し、幾らか距離を取ることに成功しました。

私にはある考えがずっと浮かんでおりました。

しかしそれをセルリアンと共にはねのけながら戦っておりました。

ところが相方が言ったのです。

私を置いて逃げろ、と。

ああ、聞いてしまった、その言葉。

私は一度拒否しました。

コンビを組んだものの為に戦わざれば、何がコンビたるか、と。

あなたは必死に戦ったし、私は逃げられない。

このまま耐えても最後にはここの土の上でサンドスターが尽きてしまうでしょう。

ならばあなただけでも生き残るべきなのだ、と。

ああどうすれば良いのでしょうか。

このまま見捨てるのが最上だと?

冗談じゃない、とは思いました。

私は再び脚に力を入れ、セルリアンを追い返そうとしました。

また石を潰し、セルリアンを無限に弾き続けてやろうとしました。

その結果2人とも呑まれたとしたら、その時はその時だ、とさえ考えておりました。

しかしその時、相方がもう糸のようなか細い声で、涙を流しながら訴えかけてきたのでございます。

逃げろ、と。

ただ逃げろ、と。

そして生きろ、と。

声が途絶えれば、目が物を言います。

まるで逃げない私を早くしろ、早くしろ、とさも恨めしそうに見つめてくるのでございます。

この顔を見た時から私は本格的に気が狂ってしまったのです。

頭の中をぐるぐる回っていた輪が止まりかけると、私の腕はもう戦いたくないと言うように急速に軋み始めました。

そして相方に今までありがとう、と大きく叫ぶと、崖の方へと足が動いておりました。

今思いますと、最後の顔だけはしっかり確認すべきだったというのも、後悔の一つにございます。

途中で意識を取り戻し背後を見てみますと、相方の姿はセルリアンの群れの向こうに消えておりました。

その後は崖を登り切り、ただひたすらその場を離れました。

雨が降り始め足元が悪くなって滑って転ぼうとも、その場から離れるのに必死でございました。

後で知ったことでございますが、その後セルリアンハンターがその場に来ていたようなのです。

すなわちもう少し私に勇気と力さえあれば、セルリアンを撃退できた。

そして相方は生き残れた。

あの程度の傷ならとしょかんか手先の器用な者のところに連れ込めば死には至るまい、と思えてきます。

それを考えるとあぁ本当は私が相方を死なせたのではないか、と押しつぶされそうで、こうして旅を続けているわけでございます。」

下を向き俯き加減に話していたそのフレンズは、こう言って視線を膝の上に落とした。

 

クリスますやんかは被ってるのも多くて、それもまた良いですやんか。

お前も投稿するんだよ!

ちなみにベイ(ウィー)ユニバースのオリコン1位すき

 

なるほど他のフレンズにはそのまま理解出来るものはそうそういることはない。

いない方が健全に違いない。

ジャガーはその話をまるで目の前で起こっているような思いで聞いた。

目の前に立ちはだかる崖を見た。

背中の方からセルリアンが来て、背筋が震えた。

しかしこれは本当にこのフレンズのせいなのであろうか。

ここまで思い悩むほど罪のある話なのだろうか。

そのままこのフレンズが戦い続けても、その後がいつなのかによっては助からぬものだったかもしれない。

相方が逃げて良い、と言ったから逃げた、と割り切れるほど凡庸なフレンズではないのは話しぶりからもわかる。

しかもセルリアンに呑まれる痛みは相当なものだったらしい。

助からぬならば苦しみを縮めた、と考えられるのかもしれない。

 

トラウィーアルすき

てかぺぷ式ドードーちゃん、くっそかわいぃー!

 

だが結局セルリアンハンターが来た。

助かった可能性が生まれてしまった。

それを疑い続ければ確かにこのようになってしまうのも頷ける。

 

ジャガーはいろいろ考えた末に、コンビの相方もおらぬ自分では全然わからん、判断は下せぬ、と結論付けた。

しかし困っているフレンズを見捨てられるほどこのジャガーも凡庸ではない。

何とかならないものか、と思い悩みつつ、暗闇に入りつつある中、この沈黙の2人のフレンズを乗せた木の板は、黒い水の上を滑っていった。

 

唯ちゃんマンも拡大の兆し!

そうだ、ニコニコでパワプロドリームカップIIというのがありますやんか

その大会の中に参戦しているのがゆゆ式ときんモザ連合です。

前大会思わぬ活躍を見せたので今大会も期待!

ちなみにゆゆ式きんモザ連合の試合は2試合先です!

お前も応援するんだよ!

なおけもフレはないんだなこれが

ガルパンはいるけど

 

 

「ここら辺にあまりフレンズのおらぬ場所はありませんでしょうか?」

沈黙を先に破ったのは、このフレンズの方であった。

「ん?」

「他のフレンズがおらぬ場所が理想でございます。」

「それはほとんど無いよ。

なにせこのジャングルちほーはフレンズがとても多いちほーだからね。」

「そうですか……」

「それにしても、どうしてそんなところに?」

「しばらくは相方へ祈りつつ、静かに暮らそうと思います。

その為には静かで、あまり邪魔のない場所が良いのです。」

「ふーん。」

なかなか良く分からぬ話だ。

他のフレンズと会わずに過ごしたくない、この感覚はどうも理解できない。

「そういえば何のフレンズか分からないって言ってたけど、何か得意なことはあるの?」

「生憎特にこれといった特徴が無いのが特徴でございまして。」

「泳げる?」

「溺れぬ程度には。」

 

 

しばらくすると、両側の光を遮っていたジャングルのうち、右側が不意に開けた。

木の類はなく、草だけが茂っている。

「ここは?」

このフレンズが声を掛ける。

「ここ?

ここなら前に川の流れが変わっちゃった時に陸になったところだよ。

確かにここはあまり他のフレンズがいないところだけど、ここは次大雨が降ったら流れがこっちになるかもしれないから、あまりお勧めしないよ。」

「ここにします。」

「いいのかい?」

「ええ、正直ゆきやまちほーとかさばくちほーとかの住みづらい所には行きたくはございませんので。

その辺の岸に止めてください。」

「……分かった。」

ジャガーは言われた通り岸に板を止めて、このフレンズが降りるのを待った。

しかし動く動作が伝わってこないので振り返ろうとすると、やっと立ち上がり板をひょいと飛び越えて袋を背負った。

「今日は重くて面白くも無い話を長々と聞いていただきありがとうございました。

こちらは礼でございます。」

先ほど折れたゆえ、ジャガーも仕方なく二つジャパリまんを貰う。

「また来るよ。」

「……私のために煩わしい目に遭ってもらうわけには……」

「じゃあ、私の気が向いたら。」

「……その時はよろしくお願いします。」

このフレンズが茂みの奥へと進むのを確認して、ジャガーは元来た道を帰り始めた。

 

 

ジャガーはあんいんばしにたどり着いた。

今日の空には薄く雲が覆っているが、そのカバーを突き破れる星の光は地上に降り注ぐ。

ジャガーは板を岸にあげると、その橋の板の一枚の上に寝転がった。←ここすき

このまま寝床に入る気にはならなかった。

やけに身体が火照っている。

それはこのいつもより蒸し暑い夜のせいではないだろう。

橋が少し沈み、ジャガーの毛皮を濡らす。

やはりジャガーは川に浸っているのが相応しいようだ。

このまま何もせず放っておける程ジャガーはフレンズとしての精神を損なっているわけではない。

明日からちょくちょく様子を見に行くことを決めた。

もらったジャパリまんを食べながら見る空の星が増えた。

 

次の日、一周回ってからジャガーは昨日の例の場所へと赴いた。

そこではそのフレンズが木や蔦を大量に積んでいるようであるが、当人がそこにいない。

ジャガーは板を岸に上げ、その場で腰を下ろして少し待っていた。

すると当人が肩に長めだが太さはそこそこの丸太を抱えて帰ってきた。

「あれ、ジャガーさんではないですか。」

「そうよぉ、遊びに来たよ。」

「わざわざこんな私のために訪れていただきありがとうございます。」

「それでこんなに蔦とか集めて何を作っているんだい?

橋でも通すのかい?」

「いえ、とりあえず雨風をしのげる小屋を作ろうかと考えております。」

「小屋?」

「木で壁を作って屋根として板を被せます。

こうすることで雨が降っても濡れる心配は減ります。」

「なるほどねー。

で、それはどうやって作るつもりなんだい?」

「蔦を掻き集めて丸太と丸太を結びつけて、それを繋ぎ合わせて壁を作ります。

少し丸太の間に隙間が出来ますが、そのままで構いません。

屋根はそれを二層重ね合わせた上でそこら辺の草を刈って被せて、雨が入ってこないようにします。」

「手伝うよ。」

「大丈夫ですか?

かなり手間のかかる作業ですが。」

「まっかせてー!」←頼もしぃ〜

 

いくらか時間が経ったのだろう。

真上で照っていた日の光は斜めから差し込んでいる。

「どぅへ、つかれたぁ〜。」

「大丈夫ですか?」

「へーきへーき。」

小屋は未だ壁のほんの一部が出来たのみである。

「今日はここまでにしておきましょう。

ジャパリまんでも食べますか?」

「ああ、ありがとう。」

そのフレンズが袋から取り出したジャパリまんをジャガーは受け取って頬張る。

「それで、この先もこの作業を続けるのかい?

手伝いがいるなら他のフレンズでも呼ぼうか?」

「いえ、これは出来るだけ一人で進めたいので結構です。」

「それじゃあ私の手伝いは?」

「ジャガーさんは昨日私の話を聞いてくださったので構いません。」

「よく分からないねぇ。」

 

ニコニコでけものクトゥルフ第1章完結!

イイハナシだからみんなも見に行きマスク♪

 

 

数日おきにジャガーはそのフレンズのいる場所へ行った。

作業を手伝う時もあればただ話すだけで帰って来ることもあった。

そしてその度に川を回る回数が1回になるため、それが気になる3人組が現れた。

彼らはフレンズではないが、何故かジャガーのそばにいる。

一人は鉄の鎧を身にまとう男、キャシャーン。

一人は最強の悪魔、デビルマン。

一人?は正統派レスラー、タイガーマスク。

「行くかー!」

「尋ねるマーン!」

「赴いてみマスク♪」

それぞれの掛け声と共に、ジャガーの背中を追いかける。

 

赴いてみマスク、行ってきまスカンクと同じノリ……する……

 

ジャガーが尋ねると、後ろからやたら目立つ格好をした3人もその場に登場した。

これに驚かぬフレンズはそうそうおるまい。

「……この人たちは?」

「あー、うん、私にも全然わからん。

でも悪いフレンズじゃないから。」

「はぁ……」

あまり機嫌は良くなさそうだ。

だが岩をも砕くデビルカッターで切られた丸太やタァー!の一言で一斉に落ちた周りの蔦、そして夜にも輝くキャシャーンのキラーン!

作業効率としては格段に上がった。

そしてジャガーの手伝いもあって、小屋はその日の夜のうちに完成した。

 

風邪引きました。

引いてなかったらこの小説昨年度中に投稿できるはずだったのに……

鼻水と痰が辛いです……

 

「本日は本当にありがとうございました。

遅いですし今日は泊まって行ってください。

粗末なものしかご用意出来ませんが。」

「ありがとうございマスク♪」

しかしタイガーマスクはタァーの一言の後、即座に横になって眠り始めた。

残りの4人はジャパリまんを齧りつつ、話をし始めた。

「小屋は出来たけど、これからどうするんだい?」

「暫くは座禅したり瞑想したりして過ごして、これからどうするかを考えていきます。」

「ざぜん!……ってなに?」

「図書館で見たところだと、座って目を閉じてじっとなにも考えずにいることで、気持ちを安定させたりするものだそうです。

最近本当に気持ちが沈んだままで、自分もそれを受け入れがちなので……

相方のこともどうするか、まだ決めておりませんから。」

「相方?」

ただ付いてきただけの2人が口を挟む。

「そういえばお話ししておりませんでしたね。

あまり気持ちの良い話ではありませんが、お聞きになりますか?」

デビルマンとキャシャーンの頷きを確認してから、このフレンズは再び先日ジャガーにした話をゆっくりと繰り返した。

2人はじっとこのフレンズの目を見ながら話を聞いていた。

夜は更け、川から吹く風は少し強くなる。

「ジャガーさんが来てくださっていることで気分の風向きは良くはなってきております。

しかしそれで相方への想いが相殺されることは決してありません。

最近ではそれでも生き続けるしかないのかと思っておりますが、それが相方を本当に切り捨ててしまうようで、どうにも踏ん切りがつかないのでございます。」

「正しいことが、正しい結果をもたらすとは限らない。」

急に声がした。

互いに向かい合っていた4人はそれぞれの顔を見渡すが、誰もさっきの言葉を発してないようだ。

となれば、1人しかいない。

むくりと起き上がる。

「君の話を聞くに、確かにそこに残るのは正解だったかもしれない。

しかし君は近づくセルリアンを即座に蹴り飛ばす瞬発力も失われたなかで、さらに敵を後退させていた。

おまけに君はその時、セルリアンと対峙しているその時、セルリアンハンターが来ると知らなかったのだ!

そのまま戦い続けてどちらもサンドスターを失うか、せめて片方が生き残るか。

そして君は後者を選んだ。

確かに前者の方が良かったかもしれない。

だがこうして君が生きたからこそ、君はジャガーさんと出会ったし、私たちはこの話を今聞けているではないか。

そして小屋を建て、川に入って過ごすことが出来るではないか。

これは後者を取ったら出来なかったことだ。

過去を捨てることはできない。

だからこそいま、この状況を享受しなくてはいけないのではないか?」

「……」

「どちらを選ぶのが正しいのか私には分からない。

仮にどちらかが正しくとも、それを選んでふさわしい結果が来るとも限らない。

正しさは結局自分にとってものものに過ぎないからな。

逆に自分では正しいと思い、実践することで自分が辛い目に合うこともある。

君が今辛い気持ちであるからといって、それが正しくないわけじゃないということさ。」

「それいったら私もかつての仲間を全て敵に回したな。

だがそれを後悔はしていない。

守るべきものがあると知っていたからな。」

「俺も命を捨てた上でここにいるな。」

「えぇっ?」

いきなり話された3人組の過去にジャガーは驚きを隠さない。

てかキャシャーン何者?

「まぁ結論、君がそんなに相方に囚われたまま世捨て人になることを相方が望んでるか、一度考えたらどうだ?」

「……ですが、私は今何のフレンズか分かっておりません。

その中で私が何者か規定していたのは、その存在を初めて互いに確認したのは相方です。

それが失われた今……自分って何なのかな、と考えてしまうのでございます。」

「なら私たちが名前をつけようか。

君が何かはわからないけど、互いに名前で呼べば分かり合えるよ。

だって私たちはフレンズなんだから!」

「……フレ……ンズ……」

「そうだな。

我々がそうじゃなくても、君が君であることを認めることは出来るじゃーん。」

「そのくらい容易いことだな。」

「これからもちょくちょく来るし、フレンズとしてよろしく頼むよ。

別に私たちと友人になったからって相方を捨てなきゃいけない理屈はないでしょう?」

「……」

そのフレンズは前に体を倒し、嗚咽を繰り返す。

次に顔を上げた時、その目は赤くなり、涙で溢れていた。

「ありがとうございます……

少しは……気が楽になりました……」

「いいよいいよ。

そういえば前はなんて呼ばれてたの?」

「いえ、特には……ただ呼ばれたら対応してましたし、基本離れ離れになることもなかったので……」

「……なんて呼んだら良いだろうか。」

考える間に夜は更けていく。

 

サンタサーンの呪文すき

 

決まらぬまま翌朝。

いつのまにか寝ていた5人は次々に目を覚ます。

結局名前は決まらないままだ。

案はぽつぽつ生まれはするのだが、それ以外の案を排除して決められるか、となるとそこまでしっくりこない。

ここにいない相方も聞いて納得してくれそうな呼び名、その条件ではなかなか決まらないのも当然であった。

「どうしようかァー!」

「タァー!(同調)」

「全然わからん!」

すると急にデビルマンが空を見上げた。

「誰だ?」

空に見えるは二つの影。

それらはゆっくりと空を回った後、ゆっくりとこちらに向けて落ちてきたぞ!

「待たせたのです。

お前がこんな地味なところにいるとは。」

「かばんみたいに頭が良くて従順なヒトは良いですが、お前は頭が良いけど捻くれた面倒なフレンズなのです。」

いきなり何事だろうか、と5人は顔を覗き込む。

 

助手のたこ焼き顔すき

 

「ハカセたち、どうしたの?」

「そこのフレンズが何者か、調査の末ようやく分かったのです。

お前は……」




次も時間ができたら


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一寸豹子

どうも井の頭線通勤快速です。

関西弁は適当です。すマーン!


むかしむかしあるところに、かばんちゃんとサーバルちゃんが住んでいますやんか(既成事実)。

無論2人の間に子供がいるはずもなく、しかし子供が出来るように日々祈っておりました。

しかし天の理りを曲げてまで授かるわけもなく、その日の夕日を眺めては2人とも溜息をついておりました。

しかしどこぞのサンドスターか何かが、何らかの縁で彼女らに子供を与えたのが、この物語の始まりです。

 

ある日の朝、2人の家の前に小さな籠が置かれていました。

下には綿がたっぷりと敷き詰められ、その上には耳の生えたネコのような小さな生き物が寝息を立てておりました。

その大きさ、わずかに一寸。

2人はこの小さな子を天からの贈り物と思い、一寸豹子と名付け大切に育てました。

 

ジャガーのキャラソン、若干ゃ無理矢理気味のとこすき

 

元から小さかったものですから、たくさん食べて大きくなったとは言えど、一尺ほどが限界でございました。

なにより喋り方がどちらの親にも似ず、

「どーんとウチに任せたらええねん。」←ここすき

とか

「アホか!何しとん!」

などと喋るものですし、一向に治る気配もありません。

仕方なく2人はその話し方をほおっておくことにしておりました。

 

ちなみに大きさは一尺ほどになったものの、名前は変わらない模様。

 

頑として好く豹の如く、最後の盛り上がりがすき

 

ある日、その一寸豹子が旅に出たいと申し出ました。

此処を出て、遠くの地を見て来たいと言うのです。

2人は迷いました。

この小さな一寸豹子が目の届かない所に行ってしまえば、要らぬ偏見などを受けないかと心配したのです。

ワイトもそう思います。

これまでもその件に関しては苦心してきただけに、その不安は大きなものでした。

しかし彼女を育てる為にはこのまま家に置き続けるわけにもいきません。

 

こちらジャパリパー区あんいん橋公園前わからん所の全部同じじゃないですかのところ、微妙に全部違っているの若干ゃ草

 

いずれは独り立ちさせねばならないだろう、と考えていた2人は、その旅を承認することにしました。

 

2人は一寸豹子に小刀とその鞘、それに大きめの茶碗と箸を与え、日がまだ高いある時に送り出しました。

「ほな、自分行っとくるで。」

「気をつけてねー。」

「何かあったら、帰って来てよー。」

「モチのロンよ!」

こうして左に小刀を差し、背中に茶碗を背負った一寸豹子は長い旅へ出発しました。

 

深い森林ではイノシシに追われ、何とかこれを仕留めて近くの村の人に分けたり、平原では鹿に「なんやとゴラァ!」と吹っかけられた喧嘩を買ったり、雪山で凍えそうになりながらも旅は続きました。

その中である川を下って行った先に街がある、という話を聞きました。

街らしき街を見たことがなかった一寸豹子は茶碗を川に浮かべその中に乗り、箸を櫂にして川を下りました。

 

街のそばを流れる川の岸辺に茶碗を止め、そこで一晩野宿をしてから、一寸豹子は街を散策しました。

建物が所狭しと並んでおり、見たこともない格好をした人や商品が目に入ります。

面白がって長く滞在していたものの、ここでは食事は銭がなければ満足に出来ません。

仕方なく働こうとしたものの、山での作業や農作業の手伝いと狩りくらいしかして来ていない一寸豹子に出来る仕事はここでは限られています。

 

腹を空かせつつぶらぶら歩いていると、街の大きな家に姫の付き人を募集している由が張り出されていました。

力なら自信があった一寸豹子はすぐにこの募集に応じました。

しかし背の高さが一尺ほどしかなかった一寸豹子を雇うことを、その家の者は嫌がりました。

ところがその家の姫が一寸豹子を一目見てその姿を気に入り、一寸豹子はその家の付き人になることが出来ました。

 

遅くなってすマーン(詫びるマン)!

最近忙しくて頻繁には書けなくなってます。

あとネタ切れ感。誰かネタをください。

最近パワプロドリームカップの紹介作品、ハーメルンのpixivに載っけているので、良かったら見てね

ガルパアァァァァン(歓喜)

今日の夜ご飯はチーズ入りハンバーグでした。

 

一寸豹子がその姫に仕えてからしばらくして、その姫が街から少し離れた神社に祈願に行くことになりました。

勿論その付き人の一寸豹子もついていきます。

その神社に行こうとする途中の森から2人の鬼が出て来ました。

鬼はすぐに姫の列をみとめ、真っ先に姫を連れ去ろうとしますが、その前に一寸豹子が立ち塞がります。

「なんやお前ら?あいさつもせんでいきなり人の前にんなデカイ手ぇ突き出す奴があるかいな!」

「なんだこのちっこいの。」

「自分は一寸豹子、かばんとサァバルんとこに生まれた娘にしてこの姫の付き人や。

ウチん姫に手ぇだすってんなら、先にウチ倒せや。ほらほら。」

「あん?お前みたいなチビ俺らの敵じゃねぇんだよ!」

鬼からすれば人でさえ手のひらで足を握ることが出来ます。

鬼の1人が一寸豹子の服の襟を掴むと、ひょいと口の中に放り込み、飲み込んでしましました。

しかし一寸豹子は喉を持っていた小刀で切り刻みました。

思わず鬼は一寸豹子を吐き出して、喉を抑えて悶えます。

「ええぃ、生意気な!」

もう1人の鬼が手のひらを一寸豹子の方に向かわせ、その胴体を握ります。

一寸豹子はすかさず持っていた小刀を鬼の親指の付け根に突き刺しました。

こちらも驚きのあまり手を離してしまい、手を抑えて痛がっています。

その一方で一寸豹子はすっと地面に降りました。

鬼たちは傷つけられた部分を抑えつつ、森の中へと逃げ帰って行きました。

「二度と姿見せんなこのドアホが!」

 

ドレミジャロンド、ジャガーがいっぱい出てくるとこすき

 

姫の無事を確認した後、そこで一寸豹子はあるものを拾いました。

どうやらあの鬼たちが落としていったようです。

「なんやこれ?」

「それは打ち出の小槌です。

願いを言いながら振ると、それが叶うそうですよ。

助けられたお礼です。

一度お使いください。」

「あ、そうなん?

んじゃ、背ぇでも伸ばしてもらおか。

ほんっまこの背ぇの所為で困ったことしかねぇんや。

ほれ、背ぇ伸びろ。背ぇ伸びろや。背ぇ伸びろゆーとんやろが。」

すると変な煙が一寸豹子を覆い、それがはれるとそこには

顔がでかくて、首が太くて、脚が短くて

ちょっとずんぐりむっくりな感じする

頑丈な体をしてる←女の子やぞ

ジャガーが現れました。

「あー、よかった。」

こうして背丈も立派なフレンズとなった一寸豹子改めジャガーは、その後も付き人の役を

「まっかせてー!」←ここもすき

と引き受け、姫を助けた礼でもらった資金でかばんちゃんとサーバルちゃんを呼び寄せて、3人で幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし

 

(主人公は)ジャガーやぞ

byなかやまおにいさん



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