AngelBeats! The Another story with.Girls Dead Monster (岩沢さん)
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第1話 『Million star』

天使エリア潜入作戦から一夜明け俺はすっかり眠っていたようだ

 

二段ベッドの上から日向の声が聞こえる

『おはよー音無』

 

『おう 日向』

そう答えるとベッドを降りて着替えを始める

いつも通り朝食を済ませ自由行動の時間だ。

 

俺はおもむろにいつも足を運ぶガルデモメンバーの元へ

 

相変わらずノートにシャーペンを走らせて作曲をしてる岩沢がいた

こっちには気づいていないようだ。

まあいつもの事だが・・・

ドアを開けるもそれでも気づかない。

 

俺は最終手段を使った

『ライブが始まるぞーー!』

そう叫ぶと 岩沢は はっ!?っと顔を上げ

『よーし!まずはCrow Songから行くぞ!』

しかし周りに誰もいないことに気づき俺に気づいた

 

『何だ音無か・・・人を音楽キチみたいに・・・まあ間違ってないけど・・・』

 

相変わらずの岩沢である

俺がふと昨日のことを聞く

 

『どうだった?昨日は』

 

うーんと唸った岩沢は

 

『まあ成功・・・だろうな。怒られたけどさ』

そう答えた

 

『すまんな俺らが足止めできなかっただけに・・・』

 

俺はいつの間にか謝っていた

 

そうすると岩沢が言う

 

『いや、お前らのせいじゃない・・・あたしらが人を集められなかった、そんだけだ』

 

岩沢も負い目を感じてるようだ・・・

すごく悪いことをしてまった気分だ

 

『でもさ、あのタイミングでalchemyを弾くなんてどうかしてるよな。よりによって序盤で、ひさ子もビックリしてたよ。あの曲はライブのトリなのに』

 

それだけガルデモメンバーが必死だったということだろう

 

『なあ音無?alchemyなんだがあの曲どう思う?』

 

ふと岩沢がそんなことを呟く

 

たしかに俺も何度が聞いたが・・・素人の俺が感想を言うのはどうだろう?

たしかにいい曲だし岩沢の声もマッチしてる、ひさ子のギターもカッコイイ、入江や関根も迫力の演奏をしているが・・・

長々考えたが・・・簡単に済ませる

 

『そうだな・・・歌詞もいいしみんなの演奏もグッド、岩沢の声もクールで良い』

 

そう答えた

 

はははっ!っと笑う岩沢

 

やばい笑われた・・・センスのカケラも無いもんなぁ

しかし岩沢が言う

 

『そんなこと感じてたのかぁって思ってさ』

 

そう答えるがあんまりフォローになってない・・・

 

だけど、と口を開く岩沢

 

『だけど、感想とかってさ?センスじゃないと思うんだよ。確かに私には天性のギターセンスがあったのかもしれないよ?だけど感想を言ったりこう・・・なんというか・・・喋る?のは苦手だなぁって。自分の気持ちは歌に乗せてく派だからさ』

 

だろうね、岩沢は音楽が大好きだから、その方が気持ちを伝えられるのかもしれない

 

『それにしても・・・しばらくライブはできないんだろ?』

とりあえず聞いてみる

 

『たぶんな・・・しばらくは出来やしないだろうな、教師達の監視もあるだろうし・・・まあこの世界は永遠だから消えない限りは出来るけどさ・・・』

 

ある種確信をつく言葉だった・・・岩沢が昨日のライブで感じたことなのか?

 

そう考えてると岩沢が言った

 

『なあ音無・・・私がこの世界に来た頃に作った曲があるんだ。当時はひさ子と二人だけだったし、今みたいに戦線がスポンサーでもなかった頃だけどな。』

 

そんな昔に作った曲があるのか・・・聞いてみたいな・・・

 

と考えてると岩沢がニヤリとしてこちらを見る

 

『なんか聞きたそうな顔だな、ひさ子がもうすぐ来るからきたら弾いてやるよ』

 

おお・・・聞けるのか、しかも俺だけのために

 

そう言ってるとひさ子が来た

 

『おっ!音無か、岩沢と二人っきりとは・・・』

 

そう言って少しニヤけた

 

『言っとくが何も無いぞ』

 

と2人でハモって反論した

 

『分かってるよ、冗談、冗談・・・でもハモってたな(笑)』

 

笑いながらそう言うひさ子

 

確かに今は岩沢とハモったが・・・たまたまだ

 

『たまたまだからなひさ子』

 

と岩沢がいう、なんか悲しい・・・

 

『でだよ、音無に million starを聞かせてやりたいんだが・・・いいか?ひさ子』

 

とひさ子に提案する岩沢

 

そうするとひさ子は答える

 

『ああ別にいいが・・・覚えてるかな・・・』

 

もうだいぶ弾いてないようだ

 

『大丈夫。ひさ子のギターセンスには期待してるからな』

 

そんなこと言う俺

 

『なんか照れくさいな・・・』

 

そういうひさ子。少し岩沢がムスッとしたのは気のせいだろうか?

 

『なら弾いてやるか』

岩沢とひさ子が二人で答える

 

--------------million star演奏中---------------

 

弾き終わるとふうっと一息つく二人

 

想像以上だ。すごい迫力だ。ドラムが機械とはいえ女性2人で弾いてるとは思えないほど。

やはりこの二人は天才だ

ひさ子の過去は知らないが岩沢の過去は相当なものだった

 

その後3人で談笑した

その中で岩沢の暴露話をいろいろ聞いた

実はうどんが好きな岩沢

今度うどんを奢ってやろうと思った

 

 



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第2話 『第3のCrow Song』-前編-

気がつくと俺はまた岩沢の下へ来ていた。

窓越しに岩沢を見てると珍しくこちらに気がつくと手招きした

なので中へ入る。

 

『また来てしまったぞ』

 

そう俺が言うと

 

『いや、音無ならいつでも大歓迎だ』

 

岩沢がそう答える。

 

『そうだ。今日は相談したいことがあったんだ。』

 

と岩沢が言う

 

『なんだ?』

 

と聞くと

 

恥ずかしそうに答えた

 

『実は・・・』

 

言葉に詰まる岩沢

 

『実は・・・さ?私の書いた曲でCrow Songがあるだろ?』

 

『そうだな・・・あの歌はいい歌だ。』

 

そういうとニコッと笑って岩沢が言う

 

『音無に・・・歌って欲しいんだ・・・』

 

俺は耳を疑った。

え?Crow Songを俺が?

 

『俺に歌えと?』

そう聞くと岩沢が

 

『嫌ならいいんだ・・・だが、私は音無にも歌って欲しいんだ・・・』

 

『全然嫌じゃないし、むしろ光栄なくらいだよ。』

 

そういうとニコッと笑って

 

『なら歌ってくれるか?』

と聞く。子供みたいな笑顔だ・・・岩沢のことを好きになってしまうくらいに・・・いやもう・・・好きなのか・・・俺は・・・岩沢のことが・・・

とりあえず邪念は振り払ってギターを弾いて歌うことにした

 

『歌うんだがギターは経験が無いんだ・・』

 

そういうと岩沢は心配するなという顔で答える

 

『大丈夫。私とひさ子で教えるからさ?』

 

おお心強い・・・

 

『ひさ子はああ見えて面倒見良いし入江にドラム、関根にギターを教えてあそこまで育て上げたからな。』

 

ひさ子はほぼ全てに精通するのか・・・なら安心だ。

 

『だがあとはどうするんだ?ガルデモメンバーを使うとなると岩沢がいいなんて声も上がりそうだが・・・』

 

それはないとも言えない。ガルデモメンバーの演奏なら岩沢の声の方が通るし。

 

『そうなんだよ。そこがミソだ。実は昔、戦線のゆりっぺや日向たちが一度文化祭に出たことがあるんだ』

 

へえ出たことあるんだ

 

『そこで演奏したのか?』

 

『ああ』

 

これは意外な過去。。

 

『だからさ日向にドラム、ゆりっぺにリードギター、音無にリズムギター兼ボーカルあとは一緒にやってくれそうな戦線メンバーを連れてくればいいだろ?』

 

だが・・・ゆりっぺや日向はどう思うのだろう?

 

『ゆりっぺや日向には話したのか?』

そう聞くと流石のもので

 

『ああもう話は通してある。ゆりっぺは面白そう!と乗り気だ。日向も久しぶりにやってやるかと』

 

二人共随分乗り気だな

 

『あっそろそろ定例会議だから行くな』

そういうと岩沢もついてきた。

『今日は私も出席なんだ』

 

そうなのか・・・なら一緒に行こう

 

本部の前について、2人で合言葉を言う

 

2人『カミモホトケモテンシモナシ』

 

鍵が開く音が聞こえ中へ入る

 

そうすると高松が

 

『やっと来ましたね二人共』

 

大山が

『でもなんか珍しい組み合わせじゃない?』

 

とはしゃいでた

 

そして扉が閉じるなりカーテンが締まりスクリーンが降りてくる

 

ゆりは言う

『今回の作戦なのだけど今回は幹部メンバーではなく、岩沢さんと音無くん、日向くん、私が実行メンバーになるわ。では作戦名を発表する。』

 

スクリーンに映し出された作戦名は

 

「オペレーション Girls Dead Monster」

 

『今回の作戦はオペレーションGirls Dead Monsterよ』

 

なるほど・・・そういう事か

 

野田が口を開く

 

『てことは・・・ガルデモの曲をゆりっぺが言ったメンバーでライブするのか?』

 

そうするとゆりが言う

『ご名答よ、その通り、野田くんが言ったように先程発表したメンバーでガルデモの代表曲を演奏するのよ』

 

大山がいう

『なかなか大胆じゃない?ゆりっぺ』

 

 

たしかに大胆すぎるほど大胆だ。普段ガルデモの歌声や演奏を聞くミーハーな生徒たちに、俺たち素人(岩沢以外)がそれと同じ曲を弾いて歌うのだから

 

どこかに一抹の不安を残す作戦だが出た以上、選ばれた以上弾いて歌うしかないのだから・・・というかボーカルがなぜ俺?

 

『なあ、ゆり、なんでボーカル俺なんだ?』

 

そう言うとゆりが言う

『岩沢さんがどうしても音無くんがいいって言ったからよ?』

 

なるほど、岩沢推薦か

 

『あっ・・・ああ私が見込んだんだから間違いはないはず・・・だが?』

 

岩沢が少し照れながらそういう

 

何にしても光栄なことなので練習するしかないな

 

そうするとゆりがいう

『でも音無くんは軽音は素人だからライブまではこの定例会議の出席は免除するわ。その代わりガルデモメンバーとしっかり練習してね?いつも足運んでたでしょ?』

 

どうやらお見通しのようだ。遊佐は歩く監視カメラ、それをゆりに報告

おお怖い・・・怖い・・・

 

このふたりの連携があるから戦線はバラにならずにすんでる部分もある

 

そんなこんなで

オペレーション Girls Dead Monsterスタート



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第3話 『第3のCrow Song』-中編-

そんなこんなで練習が始まった

 

でも意外と難しいものではない・・・あれ?これ意外と弾ける?

 

『なかなかセンスあるな。音無!名前とは大違いだ。このセンス・・・岩沢以来か?』

そんなこと言うひさ子

 

ひさ子にとっては岩沢以来の上物らしい。

 

『ギターの練習ばかりだが歌は大丈夫なのか?』

 

そう岩沢が聞く

 

『ああ、歌の方はおかげさまで覚えた』

 

『ふーんそうか・・・ならAlchemyも歌ってみるか?』

 

そういう岩沢

 

『だが二つ覚えるのは・・・』

 

といったが

 

『大丈夫。私が弾くからさ?』

 

ならいいかな・・・。

 

『ならやる』

そういうと岩沢はニッコリしてガッツポーズしてた

 

これじゃあまるでひさ子にヤキモチを焼いてるだけじゃないか

 

そんな事言ったら殺されそうなので心の中へとどめておく

 

『だいぶ様になってきたじゃないか音無』

 

岩沢がそう言う。

 

『たしかにいいものを持ってるぜこいつ!』

 

ひさ子が言う

 

こんなに褒められると照れるんだが・・・

 

『何照れてるんだよ音無。気を抜くなよ!』

 

岩沢に一喝された

 

たしかにその通りだ。さあ頑張らないと・・・定例会議免除してもらったんだからな・・・。

 

しばらくして一度岩沢ボーカルでガルデモメンバーと音合わせすることになった。

このメンバーとやって自分の演奏がどう聞こえるか不安だがやるしかない

 

聞いてくれるのはガルデモ大好きな陽動メンバーのひとり ユイだ

 

岩沢は今回は歌うのみ。俺がリードギターを務める

 

『じゃあ行きますよ?』

入江が言う

 

『音無さん。足引っ張らないでくださいね!』

 

そうおちょくるのは関根だ

 

『少なくとも元は関根よりいいよ音無は』

 

フォローに入るひさ子

 

『よっしゃ行くぞー!』

岩沢の合図で入江のドラムが入る

 

-----------Crow Song演奏中---------

 

無事弾き終わった・・・だいぶ神経使ったせいか腕が痛い

 

『なかなかじゃないか音無!』

 

ひさ子が言う。たしかにうまく弾けた実感はあるぞ。今までで最高だ。

 

『なかなかいいじゃないか!歌いやすかったよ』

 

岩沢も言う。んー岩沢に言われるとひと味違うぞ。

 

『凄いです・・・たった10日で私たちの演奏と同等かそれ以上・・・・』

 

入江は感嘆の声を上げる。確かに10日でここまで出来ると自分に才能があると思う。

 

『くそー音無さんの方が上手いじゃないかー!』

と関根は嘆くが関根だって迫力があった。

 

『関根だって凄かったよ。正直まだまだだと思うよ俺は。』

 

あえて謙虚に下手に出てみる

 

『はっはーそうですよねぇ?』

 

岩沢・ひさ子・音無『関根は扱いやすい』

 

『えーそれどういうことですかぁ!』

 

みたび嘆く関根

 

『私を忘れるなゴラァ!』

主に俺に向かって吠えてきたユイだ

 

『たしかに音無さんの演奏良かったですよ!だけど、ひさ子さんや岩沢さんとやるとまだまだですよ?』

 

そりゃそうだろ・・・岩沢は生前路上ライブやってた訳だし、ひさ子は生前よく分からんけど多分音楽関連だろうし・・・10日前に始めたど素人だぞ・・・

 

まあでも10日でここまで手応えを感じれたから頑張ればやれるはず!

 

『このままならCrow SongだけじゃなくAlchemyも行けそうだよな』

というのはひさ子

 

『だがな・・・ゆりや日向の演奏のレベルはどうなんだ・・・』

 

『あーそれがあるよな』

すでに忘れてたふうな言い方の岩沢

 

『多分ゆりや日向より全然うまいと思うわ』

そんなことを言うひさ子

 

そんなこんなで初音合わせが終わり、この先・・・どうなる事やら・・・

 

後編へ続く

 



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第4話 『第3のCrow Song』-後編-

※音無目線

 

何とかCrow Songをモノにした俺だか

何故かAlchemyまでやることになりまた必死で練習してた

作戦開始からライブまで1ヶ月

逆になぜ1ヶ月でやろうとしたのか

そこが分からない・・・

まあでも何とか10日でCrow Songはものに出来たわけだしあと20日ある何とかAlchemyも完成させよう・・・

1日朝8時〜20時半(昼・夕食各30分)

約11時間半という厳しい練習時間だがひさ子がある程度考慮して設定してくれたんだそこには感謝せねば

だが最近は時間が過ぎるのはあっという間だ。多分これはハマってるんだろう。

 

『最近演奏に貫禄が出てきたよな?何か10年くらいやってます的な』

 

岩沢が言う

 

『そりゃこんなに必死で弾き続けてたらな』

 

そういうと岩沢が言う

 

『でも、頑張る男は好き・・・だぞ?』

 

おお・・・そう言われてなんか嬉しい!

 

ていうか最近の練習の糧はひさ子や岩沢始めガルデモメンバーに会えること1日いれること

なのかもしれない。その中で岩沢の存在は大きい。もちろんひさ子もなんだが。やっぱり俺は岩沢のことが好きなのかもしれない・・・

 

やっぱり岩沢のことを考えると心臓が高鳴る・・・

 

『どうしたー?音無?』

ふと顔を上げると岩沢の顔が間近くにあった

 

『あ・・・ああすまない・・・』

 

岩沢のことを考えるとぼーっとしてしまう

 

『ひさ子ー、音無の顔が少し赤いようだが・・・』

ひさ子にそう言ってこちらへ向かってくる

 

『うーん、練習のしすぎか?もしかしたら体調崩したのか?何にせよ少し長めに休憩とるか・・・』

 

『少し熱いから熱があるかもしれないな・・・』

 

ふと岩沢の手が俺の額の上にあった

 

恐らく熱がないか確認してくれたんだろうが・・・もうなんというか・・・オーバーヒートしそうだった。

 

『待ってろ。スポドリ買ってくる』

そういって部屋を出てくひさ子

 

そして室内は岩沢と2人きりだ

 

『あんま無理するなよ?体調優れない時とか喉乾いた時は言えよ?』

 

純粋な心づかいだろうが今の俺は幸せ以外何も無い。

 

『ああ・・・すまないな。心配かけちまったな・・・』

 

起き上がろうとすると岩沢の手がそれを制し、岩沢の膝の上に頭を置く状態だった。要するに岩沢の膝枕だ

 

もうなんかダメだこれ・・・身体から力が抜ける。

 

『タオル額に当ててやるから目つぶってろ。』

 

心遣い感謝します・・・

 

『ああすまん・・・』

そう答えると目をつぶった

 

一瞬岩沢の顔が真ん前にあった気がしないでもないが…そんなことは気にしないことにした。多分キスだろうと考えてそのまま眠りについた

 

--------------------その後--------------------

※ここから岩沢目線

 

そんなこんなで音無の額にタオルを置いてやることにした。いやその前にやっておこう・・・2人っきり、膝枕してるこんな時しかチャンスはないからな・・・音無の額にキスをしてやった…一瞬目が開いてる気もしたが気にしない

 

音無がどう思ってるかは知らないが、多分私はこいつこのことが好きだ

と言ったって生前恋なんてしたことない。どうしたらいいか分からない・・・

だからこういう時にちょっと意識してしまう・・・膝枕だって無意識にやってしまったんだし、

なんて考えていたらひさ子が帰ってきた

 

『おお、岩沢が膝枕してる』

そういうので私は言った

『見てよ音無の顔。なんかすごく可愛い。』

 

『そりゃ恋してるんだろうな音無に。』

ひさ子もそう言う

 

やっぱり恋してるんだ・・・

 

『音楽キチを落とすってどんな神経してるんだか・・・』

 

そう私がつぶやくとひさ子が言う

 

『まあそれが人間ってもんだ。あたしだって恋したことはあるからな。生前な?』

 

ひさ子の過去はほぼ知ってるが・・それは初耳だった

 

少し暗い顔をしたのであまり詮索するのはやめておこう・・・

ライブまではあと20日。

多分今日はもう音無も無理だろうから

あと19日でAlchemyを音無に覚えさせよう・・・

明日には元気に復活してるはずだ。

また音無の笑顔を見るのが楽しみだ。

正直 ゆりっぺには感謝してる

そのおかけでずっと音無といれるしご飯も一緒に食べられる。あったかい気分になれる。

さて明日のために何をするか考えよう。

 

 



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第5話 『第3のAlchemy』

※音無目線

 

さて昨日ゆっくり休めた・・・

さあ今日も練習しよう!だるさとかは1日で解消されるんだなぁ

 

昨日岩沢が言ってたけどやっぱり休憩は大切なんだなぁ

 

てか昨日の高揚した気分はやばかった・・・あの後夕方頃起きて岩沢の飲みかけスポドリ貰ってほんとなんか絵に書いたような出来事だったな。

 

さてと・・・今日はどこからだっけ?

 

そして教室に入る。

 

『おっ!おはよー音無!』

と一番に駆け寄ってきたのは岩沢だった。

 

『眠れたか?』

ひさ子が聞く

 

『ああおかげ様でゆっくり休めた。昨日はほんとに感謝するよ。』

そう俺が言うとひさ子が

 

『なんかごめんな?詰め込み気味にやってしまったみたいだ・・・』

 

そういうので俺は

『ああそんなの気にすんな。そのおかげでAlchemyに行けるしな、ところでゆりや日向は大丈夫なのか?』

 

すると岩沢が言う

『ああ何とかモノにはしたそうだ』

 

あちらには入江と関根が応援に行きつつひさ子も半分くらい向こうにいる

まあひさ子の方が経験あるからその点でだろうな

 

そして今日からまた練習再開だ!

 

--------------------12日後----------------

 

ライブまであと1週間だ

やっと・・・Alchemyもモノにした

ふう・・・間に合ったー

 

『おめでとう音無!』

2人から祝福を受ける

あとはあいつらとの音合わせだ

あと1週間頑張るぞ!

 

そして割と何回もやったガルデモとの音合わせだ

 

今回はCrow SongとAlchemyの両方をやることになった。もちろん歌うのは俺だ

 

入江と関根もやってきた

今回もガルデモの大ファンのユイが仕上がりを聞きに来た。前回と違うのは・・・岩沢が聞く側という事だ

 

やっぱり音楽となると目の色が変わる岩沢、やべっ・・・緊張してきた・・・

 

『ほらそんなガチガチにならない!』

 

岩沢に一喝された

 

そのことで緊張も解れた

 

さあやろう!

 

『音無さん?OKですか?』

入江が言う

 

『足を引っ張るなよー音無さんよぉ!』

 

相変わらずおちょくる関根

 

『ほらほらどやされるぞ、さあ始めるか!』

 

ひさ子の一言で全員の心に火がついた

 

『岩沢・・・聞いてくれこれが俺の22日間の成果だ!』

 

その合図とともに

入江のドラムが入る

 

-------------Crow Song(音無ver)------

※ここから岩沢目線

 

『岩沢・・・聞いてくれこれが俺の22日間の成果だ!』

 

そんなかっこいい挨拶で音無は演奏に入る

 

私に向けた曲ではないんだから・・・

でもちゃんと弾けてるししかも感情がこもった歌声と弦さばき。

とても22日で完成したとは思えない出来。

歌詞もちゃんとアレンジが加わって男性目線の曲に仕上がってる・・・歌自体は元のまま教えたのに、自分でアレンジしてるということ?何にしても才能の塊なのかもしれない・・・

 

そして演奏が終わるとスグにAlchemyのイントロが入る

 

----------------Alchemy(音無ver)---------

 

これも相当な出来だ・・・私は聞いててふと思うことがある。大好きな音無と同じ舞台で同じ曲を歌いたい!

 

そのことで心がいっぱいになっていた。

 

もちろんガルデモで歌うのもそれもそれだけど・・・音無と歌っても楽しいかもしれない・・・いつの間にか私は涙を流してたらしい、頬を涙が伝う。

自分で作った曲なのに聞かせる側と聞いてる側ではこんなに違って聞こえるのか・・・作った甲斐があるものだ・・・

 

私はこうやって聞いてるみんなを感動させてたんだ・・・。

 

そしてあっという間に曲は終わり。

 

---------------------------------------------------

※ここから音無目線

 

はあはあ・・・やった!弾ききった!

岩沢も感動したのか涙を流していた。

そんなに俺の歌声で感動したのか?

 

何にしても大成功だ!

 

あとはあいつらとの音合わせだけだ!

 

『音無・・・流石だよ!私が見込んだだけのことはある!』

 

あくまで気丈に振る舞う岩沢だが

涙のあとは隠しきれてない

 

でもそれだけ心に響く演奏が出来たということ・・・

自信を持っていい!

 

『さて最後はゆりたちとの音合わせだな』

そう俺が言うと

関根が言う

『じゃあ呼んできます!』

関根が走って出てった

 

『私を忘れんなゴラァ!』

相変わらずのユイ

だが今回は感嘆の声を上げる

『凄いです音無先輩!岩沢さんの曲をこんな短い期間でものにするなんて!』

 

『そう言ってもらえて嬉しいよ・・・ガルデモの大ファンのユイが認めるならこの歌は本物だ』

 

ガルデモメンバーともう1度音合わせだ

 

メンバーは

俺と岩沢、ひさ子と入江だ

 

さて4人であの迫力が出るだろうか・・・何故か急遽岩沢も歌うことになったらしい

 

『音無さん?岩沢先輩、OKですか?』

入江がそう言うと

俺と岩沢は二人で『OK』

と答える

 

『よっしゃ音無!最後の総仕上げだ!』

ひさ子がそう言って曲が始まる

いつもの入江のドラムから入る

 

------------Crow Song(岩沢・音無)----------

 

※ここから音無・岩沢両目線

音無:始まった岩沢はいつも以上に気合が入ってる 俺も頑張らなきゃな

 

岩沢:音無あたしに負けたらダメだからな!

 

音無:岩沢の声量にはまけないぜ!

 

岩沢:さすが私が好きなった人だ

私の歌と完璧にハモってる。

こうしてられるのが今幸せなのかもしれない・・・

音無・岩沢 :いつまでだってここにいるよ

通り過ぎていく人の中

闇に閉ざされたステージで今希望の唄歌うよ

あなた(お前)だって疲れてるでしょ(だろ)

その背中にも届けたいよ

こんな暗闇の中からの

希望照らす光の歌を その歌を!!

 

岩沢:完璧だ!音無の歌声と私の歌声

完璧にハモってる!やっぱり私は音無のことが大好きなんだ!

 

音無:岩沢と息ぴったりだ完璧に揃ってる。やっぱり俺は・・・岩沢のことが大好きだ!

 

--------------------終了--------------------

 

俺達は曲が終わると同時にギターを置いて抱き合ってた。お互い無意識にやっていたようだ。

 

『岩沢・・・大好きだ・・・!』

『私も音無のことが・・・大好き!』

そんなことを言い合ってたらしい。

 

岩沢と俺がはっ!?っと気がつくと恥ずかしすぎてお互いすぐ離れた

だがひさ子は俺たちをくっつかせてAlchemyのイントロを弾きだす

 

-----------Alchemy(岩沢・音無ver)-----------

 

『岩沢!』

『音無!』

お互い呼びあって

顔を見つめ合い弾き始める

 

音無:流石だぜ岩沢の声!

 

岩沢:音無が見てる・・・でも平常心で歌わなきゃ・・・!

 

音無:必死で歌ってる顔可愛いなぁ

さすが俺の彼女だぜ

 

岩沢:『2番は音無のソロだよ』

 

音無:『OK!』

 

岩沢:音無の声・・・ああ・・・私の心がとろけそう・・・

 

音無:もっと俺の声岩沢に届け!

 

音無:『ここから2人で!』

 

岩沢:『わかった!』

 

音無・岩沢 :いいさここらでちょっと根性を見せてやる

自分で頬叩いて 存在の証明へ!

歩いてきた道振り返らない・・・!

嫌なことばかりでも前へ進め!

触れるものを輝かしてゆく・・・

そんな存在になって・・・

岩沢:見せるよ!

音無:見せるよ!!

岩沢:見せるよー!!

音無・岩沢:見せるよーー!!!

 

音無:完璧だ俺達は二人で前へ進みたい。

岩沢:もし消えても・・・来世でも・・・音無と生きていきたい!音無無しじゃもう生きていけない!

 

音無:もし・・・消えてしまっても・・・俺は・・・来世も岩沢と生きていきたい!

もう俺には岩沢以外居ない!

 

--------------------Alchemy終了--------------

 

また不意に抱きついていた。今回はキスまでしてた。

 

他のメンバーはみんな拍手してた

 

 

だが今回は離れなかった・・・いつまでもいつまでも・・・ずっと・・・

 

そしてしばらくして落ち着いたところで俺と岩沢は照れながら手を繋いだまま・・・お互いを祝福しあった。

 

『ナイスだぜ!さすが岩沢だ!』

 

『音無こそ!いい歌声だったぜ!』

 

『岩沢・・・愛してる・・・ずっと・・・ずっと・・・一緒だぞ・・・』

俺が耳元でそう言うと・・・涙を流して

 

『もちろんだよ・・・音無・・・これからもずっと離さないでくれ・・・』

 

そして抱き合う

 

その瞬間頭の中によぎる生前の記憶・・・?

 

俺の名前は・・・音無結弦・・・音無結弦だ!俺には妹がいた・・・名前は・・・初音?だろうか・・・妹は病弱で・・・俺は・・・医師?を目指してた・・・?そして妹を救おうとした・・・?岩沢は生前失語症だった・・・俺が治せるのか・・・?でも・・・次生まれ変わっても一緒なら・・・元気な・・・元気な・・・岩沢でいてほしい・・・いや苗字で呼ぶ必要は無い・・・雅美・・・もう離したくない・・・

その瞬間 岩沢雅美をぐっと抱き寄せた・・・

 

『なあ雅美・・・』

そう呼ぶと雅美は顔を見て

 

『どうした・・・?音無・・・?』

 

そして今思い出した名前を告げる

『俺記憶戻った・・・名前は音無結弦・・・結ぶ弦と書いてゆづるだ』

 

『音無・・・いや・・・結弦・・・か・・・無から弦で音を結ぶ・・・音楽らしい名前じゃないか・・・?』

 

『そうだな・・・そういう風に考えることも出来る・・・』

そして残りの過去を話そうとした時

雅美に止められる。

『今はいいさ・・・後でゆっくり聞かせてくれ・・・生前何があったか・・・もし私に出来ることがあれば・・・何でもするからさ・・・』

そう言う雅美

『ああ。分かったよ・・・』

 

そしてふたりは離れ

 

俺は名前のみ思い出したといい、他のメンバーにも教える

 

『いやぁ良かったじゃないか!音無!名前だけでも思い出せて。もしかしたら岩沢の愛が思い出させたのかもな』

 

そういうひさ子

 

入江も涙を流して言う

『良かったですぅ・・・ぐすっ・・・二人の愛が奇跡を起こしたんですね・・・ぐすっ・・・』

 

そこに関根が戻ってきた。

 

『どうやら今日は無理らしいですよ。また今度ですね。』

関根は状況を珍しく飲み込み落ち着いて話す

 

『音無先輩名前思い出して、岩沢先輩と付き合うことになったんですね。良かったです!』

 

関根も祝福の笑顔で迎えてくれる

 

『音無先輩!岩沢先輩のハートを鷲掴みですね!なんというかロマンチックです!』

ユイも祝福してくれた

 

そこで雅美が喋る

『結弦?お前が初めての彼氏だ・・・泣かせるなよ?ただ嬉し泣きは別だぜ?』

 

『分かってるよ・・・幸せにしてやる!』

 

てか来世で雅美とくっつけないものか?そんなことを次は考え始める

 

そして後日、オペレーションGirls Dead Monsterは中止となった

 

ひさ子が言うにはどうやら仲のいい俺たちをくっつけたいという作戦だったみたいだ

 

なんかゆりもみんなも・・・お節介なのか・・・気が利くのか・・・

 

ゆりも岩沢さんと音無くんが一緒になれたし全てよしと言い片付けられた

 



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第6話 『消失不可...?』

いつも通りひさ子と雅美の元で曲の構想を練っていると 遊佐がやって来た

 

『音無さん、岩沢さん、ひさ子さん、全員直ちに本部へお願いします。今回は緊急招集です。』

 

また緊急招集とは何事だ?

『結弦、ひさ子 行くよ!』

雅美がそういう。

『ああ分かった。しかし雅美・・・なんだろうな・・・嫌な予感しかしないんだが・・・』

 

『でも少なくともお前らのことではないだろうな』

ひさ子が言う

 

『そうだといいが・・・』

そう俺達は呟きながら本部へ向かった

 

本部につくなり合言葉だ

『カミモホトケモテンシモナシ』

がちゃりと開く音が聞こえた

中へ入る

 

今回はスクリーンに他のメンバーだろうか・・・たくさんの戦線の制服を着た人たちが映る

 

『これで集まったわね・・・』

 

そうゆりがいい俺たちに告げる

 

『この世界は・・・何か満足したり、心残りを解けば消えてしまうそれは分かっているわよね?』

 

日向がいう

『ああもちろんだ、神が俺たちを消したがってるということだろ?』

 

『ええその通り。なのに・・・この世界のどこかに出口が開かれた・・・』

 

みんなで驚嘆する

 

『出口だって!?』

 

『ええそう。出口よ。この世界の記憶を持ったまま、生前の記憶を持ったまま、今の容姿関係そのままで・・・この世界から抜け出せる、ただまだその辺りは推測に過ぎない。』

 

俺は聞く

『てことは、俺と雅美の関係もそのままでってことか?』

 

そうするとゆりが言う

『ええその通りよ、まだ推測段階なんだけど、恐らくそのまま転生できる。したがってこのまま転生できれば音無くんは岩沢さんと来世でも結ばれる。という事。』

 

なんだって・・・チャンスじゃないか・・・雅美と結ばれるまたとないチャンスじゃないか・・・

 

雅美も言う

『てことは私と結弦以外の全員ともこの関係を保ったまま転生できるのか?』

 

またゆりが答える

 

『ええまだ推測なのだけどそのまま転生できるとすれば現世でも岩沢さんは音無くんと結ばれるし、ガルデモとして活動も出来るわよ』

----------------------------------------------------

※岩沢目線

私はそれを聞いて頭の中が結弦とガルデモのみんなで一杯になった

このまま転生できるとすれば私は結弦と結婚できて・・・ガルデモとしてメジャーデビューも出来なくはないという事

 

私はやはり音楽キチ兼結弦キチかもしれない・・・音楽をこんなに愛して結弦のことも愛してる・・・そんな叶うはずもない欲張りな事が二つもできる・・・

結弦もチャンスだと思ってる・・・でももし出来なかったら?・・・それを考えるとためらってしまう。

確かに二人で遊びに行く所もここにはそんなに無い・・・でも消失不可となるならどれだけでも結弦と一緒にいれる・・・あの声が聞ける・・・あの顔が見れる・・・何より・・・結弦の体温・・・もう忘れられない・・・

でももし?転生に成功して結弦と結ばれたら?

ここでは行けない場所へ二人で行ける、子どもだって作れる・・・

正直言うと私は結弦の子供を産みたい・・・だって、結弦と私の愛の結晶だから・・・

--------------------------------------------------

※ここから音無目線

 

もし転生に失敗すればここの記憶が残ったまま・・・離れ離れになってしまう・・・それを考えると・・・そんなリスクを背負ってもやるべきか・・・?

 

でももし?転生に成功すれば

雅美と結ばれるし、子どもだって作れる、それは俺と雅美の愛の結晶だから・・・

そう考えつつ雅美を見るがおそらく同じことを考えているのだろう・・・少し震えてる・・・少し抱きしめてやった

そうするとピタリと震えが止まる、小さい声で雅美は『ありがと』と言う

 

『やっぱりリスクが大きすぎるのよね・・・私達は特に失敗してもいいのだけど・・・音無くんと岩沢さんで万が一失敗すると記憶を持ったまま二人は引き裂かれる・・・私自身彼氏が出来たことは無いのだけど・・・姉妹や両親と同じように引き裂かれるのは辛いわ・・・でも、いつまた消失可能に戻るかわからないから・・・どっちを取ってもリスキーなのには変わりないわ』

 

こんな状況で・・・どちらかを選べだと?でも出口なんてどこにあるか分からない・・・結局見つからないまま閉じられてしまう可能性だってある・・・

だがここは賭けに出るべきなのか?

ゆりが喋る

『正直に聞くわ音無くん、岩沢さんあなた達はどうしたい?確かに転生できれば子どもだって儲けられるし、結婚だってできる。それこそ入籍も可能よ。まあ結婚自体はこの世界でもできないこともないのだけど・・・もちろん失敗すればお互いを思ったまま引き裂かれることになるの・・・。あなた達を応援したいのはここのみんなが思ってることよ、そのリスクを背負ってでも現世に帰ることを望むのかこの世界に留まるのか・・・あなた達の答えに私達はそれに従うわ』

 

俺達の答えがみんなの総意になるのか・・・ならば

 

『出口は探した方がいいだろ?』

俺がそういうとゆりが答える

『そうねいつ閉じられるかわからないし、探すだけ探してもいいわよ』

 

『答えは少し待ってくれないか?雅美と考えたいんだ・・・』

 

『ふふっそういうと思った!敷地内の川の沿いにフィッシュ斉藤くんが家を建ててくれてるのよ。だからそこでじっくり考えてみて?でも答えは急ぎ目にね?いつ閉まるか分からないから』

 

ゆりがそういうと野田が言った

『ゆりっぺの心に感謝しろよ!俺達はみんなお前らのこと応援してるからよ!』

 

ホントにありがたい・・・その言葉に甘えよう・・・

『雅美もそれでいいか?』

 

そう問いかけると雅美はいう

『ああ私もそれでいい・・・結弦と考えたいんだ・・・』

 

『なら決まりね!早速寮から荷物少し出して1週間は暮らせるくらいの娯楽物は持っていきなさい。もしあれならご飯は食堂で食べなさいね?後みんなに・・・今から私達は総動員で出口を探すわよ!但し!音無くんと岩沢さんからこの件について発言しない限りこの話は慎むように!音無くんや岩沢さんから出口見つかった?って話があればあったかないか位は答えていいわよ』

 

その後雅美と俺は寮から楽器とCDとPCとマイクをもち川沿いの小屋へ移動した。



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第7話 『揺れ動く心』

フィッシュ斉藤の元へ行くと

既に完成していたようで立派な小屋が建っていた

 

『これが私たちの家・・・』

雅美はそう呟くと

フィッシュ斉藤は言う

『まあおふたりさん、ゆっくり考えなよ。ゆりっぺから聞いたけどだいぶ悩んでるんだってな・・・?』

 

だいぶ気にかけてくれているようだ。

フィッシュ斉藤とは対して喋ったことは無かったが・・・まあ同じ戦線メンバーとしてなんだろう・・・

 

『ああ・・・転生に成功すればいいんだが・・・絶対という保証がないんだ・・・もし失敗となればここの記憶を持ったまま引き裂かれることになる。転生先の時間軸もわからない・・・別の時間軸の場合だと、永遠に引き裂かれることになる・・・俺はもう・・・雅美無しじゃ現世に戻りたくない・・・』

 

俺が心の中の言葉を吐き出すと雅美も同じように吐き出す

 

『私だって・・・結弦と同じ時代、隣にいるままこの関係のまま転生したい・・・だって・・私はもう・・・結弦無しじゃ生きていけない・・・いつまでもいつまでも・・・結弦と居たい・・・結弦が大好きだから・・・愛してるから・・・結弦はもう絶対に離さないって約束してくれた・・・私は結弦に寄り添って生きたい・・・もちろんガルデモとしても・・・現世でもひさ子や関根、入江と一緒に歌っていきたい・・・この世界で出会った人たちみんなが私にとってかけがけのないピースなんだ・・・特に結弦は初めて好きになって・・・初めて愛し合えて、幸せを教えてくれた・・・本当に大切な人だから・・・』

 

俺は涙が止まらなかった。雅美の心の支えになれてたという喜びよりも、雅美がこんなにも愛してくれてるという気持ちの方が大きかった。

 

フィッシュ斉藤は言う

『それなら尚更・・・二人愛し合ってるならどんな困難でも乗り越えられると考えた方がいい。例え離れてしまう危険があったとしても・・・2人なら絶対に一緒にいれると・・・その気持ちだと思う俺はな?お前らの考えることは違うかもしれん。だが少なくとも俺はそう思う。まあゆっくり考えろな?』

 

俺たちを気にかけ優しく諭してくれる。

前世で似たようなことがあったのだろうか・・・まあ何にせよ・・・この行為に甘えることとした。

 

『すまない・・・齋藤・・・』

 

俺が謝るようにいうと・・・

『いいってことよ!同じ戦線メンバーだろ?仲間の幸せを願うのは当然のことだ。あと生活必需品はほとんど揃ってるから心配すんな?』

 

『ああ・・・ OKだ』

 

そしてフィッシュ斉藤は去っていった

 

釣竿を残して・・・

 



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第8話 『音無雅美』

その後俺達は色なことを考え話して、喧嘩はなかったけど、いろんな意見が出た。

 

その時雅美が息抜きで作っていた曲があったらしい

今のところGirls Dead Monsterは岩沢

休養中ということで臨時ボーカルとしてユイが務めることになったらしい

とりあえず雅美も了承しているようだ

 

その時ユイのためにと言い1曲書き上げていた。

 

俺たちはそれを事前にゆりに連絡をし4日ぶりにガルデモメンバーの元へ行きその曲をユイに手渡した

その後ユイが歌詞を付け曲名は

「Thousand Enemies」となった

一度その曲を二人で聞いたがいい歌詞に仕上がっていた

あれから1週間が経過するが俺達の意見はまとまった。フィッシュ斉藤が言うように俺たちなら困難を乗り越えられるということで二人で転生することにした。もし失敗してもその時はその時とした。

そう意見が決まってからか雅美にも笑顔が戻りつつある

 

『なあなあ雅美』

俺がそう言うと雅美が顔を上げる

『どうしたの?結弦?』

『実はさお前のAlchemyの歌詞を俺が考えたんだが?』

『おおそうなのか?楽しみだ。』

 

『お前の歌詞を原型にやったからだいぶ残ってるんだ。でも俺がお前に向けた歌詞にした』

そういうと雅美は目をキラキラさせて

『早く聞かせてくれよ結弦』

と言いキスされた

 

『行くぞ?』

 

『ああ』

 

何にもいらない お前と生きれるなら

それが全て・・・

でもそんなことが 俺に出来るかな

二人過ごす人生(じかん) 夢の様な 日々・・・

全部大事なものなのに

 

いいさここでもう

永遠に過ごそう

 

そういうことばかり考えるようになった

 

歩いてきた道振り返ればイヤなことばかりでもううんざりだな

でもこれからは俺がいるから

そんな道を歩ませたりしないぜ

 

 

二人で歩いて 二人でいれるなら

何もいらない

 

でも休んでも見る だって疲れちゃうだろ? そんな矛盾思考

俺の過去の記憶 すっかり忘れてたみたいだ

いっかここらでちょっと俺のそば来てみろ

俺と二人で新しい未来を歩もう

 

ぼさあと突っ立ってるだけでも 

化石になってしまいそうなんだよ

誰からも忘れられたっていい 

俺にはお前さえ居ればいいんだ

 

いいさここらでちょっと

根性を見せてやる

二人で踏み出して存在の証明へ

 

歩いてきた道振り返るな 

イヤなことばっかりでも前へ進め

お前を絶対守ってやる そんな存在になってみせるぜ!

 

俺が歌詞を朗読した

 

すると雅美は意外なことを言う

『なんかさ?結弦らしいよ?』

 

そう言われあんまりピンとこない

 

『だからさ?結弦らしいんだよ?弓弦の気持ちがいっぱい出ててさ』

 

ああそういうことか。

 

『すまんななんか・・・』

そう謝ると雅美は

 

『いいよ?私だって一緒だから』

 

まあ似たもの同士ということか

 

『でもすごく嬉しいよ・・・センスのアリなしじゃない・・・気持ちがこもっていれば何でもいい曲になる・・・』

 

確かにな、それはそうだ、雅美が作った曲だってすべて思いがこもってる

それだけに人気がある所以・・・

 

『なあ結弦・・・?もし2人で転生できたら・・・結弦に歌詞をつけて欲しい』

 

確かにそれはいいが・・・俺にセンスがあるのか?

 

『だが俺にセンスはあんまりないぞ?むしろ曲作る方が得意もしれないぞ?』

そういうと雅美は言う

 

『それでもいいよ・・・?結弦は私の一番大切な人だから、そんな人に曲作ってもらえたらすごく幸せだから』

 

『雅美の幸せか・・・なら作ってもいいかもな?ただ保証はしないぞ(笑)』

そう言うと雅美も笑い

『だったらその時は結弦に責任取ってもらお(笑)』

 

『なんでそ〜なるんだよ(笑)』

 

『実際そうでしょ?(笑)』

 

『んな事言われてもなぁ(苦笑)』

 

『別れるとかそんな事じゃないぞ?』

 

『分かっとるわ(笑)流石に俺も悲しいぞ(泣)』

 

『泣くなよ・・・男なんだから(泣)』

 

『すまんな(泣)やっぱ雅美とじゃないとダメみたいだ・・・(泣)』

 

『私だって・・・結弦じゃないと・・・ぐすっ・・・ぐすっ・・・』

 

『泣くなよ・・・雅美』

 

その時俺は無意識に抱きしめキスをしていた

 

雅美・・・雅美・・・雅美・・・

 

結弦・・・結弦・・・結弦・・・

 

二人抱きしめ合いそんなことを思っていた・・・



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第9話 『岩沢雅美 恍惚の時間』

そんなこんなで覚悟を決めた俺たち

 

雅美はそろそろ復帰かー

 

とガルデモ復帰へ意欲を見せている

 

これで復活となればユイとダブルボーカルとなる

 

それもそれで聞いてみたいところだが、今はまだダメらしい・・・ゆりたちも頑張ってくれてる。今は我慢だと言い聞かせて、二人で過ごしている

 

正直いえば過去の人生で一番充実してるかもしれない。

 

ここで住み始めて1週間と半分過ぎたが

そろそろか?

 

『なあ結弦・・・結弦の歌、聞きたいな?』

 

やっぱりか・・・何にしても音楽なんだな・・・雅美は

 

『わかったよ。マイクもCDもあるから歌ってやるよ』

 

そう言って俺はCrow Songを歌う

-----------------------------------------------------

※ここから岩沢目線

 

『よし歌ってやるよ』

と言って結弦は歌い出した

 

ああ・・・やっぱり・・・結弦の歌声を聞くと・・・とろけそうなくらい・・・幸せだ・・・

私なんかにもったいないくらい・・・低く綺麗な声・・・

ああ・・・もうこの声は私専用だ♡

ああ・・・誰にも聞かせたくない・・・

でも・・・一緒に歌いたい・・・歌って

もう1度あの幸せを噛み締めたい・・・

 

そんなことを考えてるうちに曲は終わりを迎えた

あっという間だ・・・これが幸せなんだ・・・

 

------------------終わり------------------

※ここから音無目線

 

ふう・・・相変わらず雅美は恍惚ノ表情をしている・・・俺の歌声がそんなにあいつの心に響くのか…?

 

なら彼氏としては最高の気分だ!

 

ついでにAlchemyも歌ってやるか

 

『流石だよ・・・結弦・・・お前の声・・・最高だ』

そんなにいいのか?ならば

 

『よし!Alchemyも歌ってやる!』

 

『いいのか?ならお願い?』

そう言ってキスしてくれた

 

もう歌うっきゃない!よしやるぞ!

 

そしてAlchemyを歌い始める

 

-----------------------------------------------------

※ここから岩沢目線

 

ああ・・・これがやっぱり・・・・・・いい!

ああ・・・心がとろけそう・・・もうこの声の虜だ・・・私には結弦が必要だ・・・もう結弦しかいない!

結弦・・・結弦・・・結弦・・・私の結弦!

 

--------------------終わり------------------------

※ここから音無目線

やっぱり・・・雅美には俺が必要なんだな・・・俺にも雅美が必要だ・・・もう雅美無しの人生なんて考えられない!

・・・雅美・・・雅美!

そう呟きながら抱きしめていた

あったかい・・・もう離したくない・・・もう離したくない・・・絶対離さない!

しばらく抱きしめてると・・・雅美が手でお腹をポンポンと叩く。

 

ん?と思いつつ雅美の方を見ると・・・

 

『苦しいよ・・・結弦・・・』

 

あっ・・・あっ?ああ・・・そういうことが

『ごめんな・・・苦しかったな・・・すまない・・・』

そう謝ると雅美は言う

 

『ああ・・・別に抱きしめてくれるのは大いに結構だが・・・苦しいんだ・・・まあでも・・・それだけ・・・結弦が愛してくれてるってことだろうけどね?』

 

うん、そう思ってくれるならそれでいいが・・・ただ無意識に抱きしめると思いっきりやってるみたいだ・・・

 

『まあ愛してるんだから少々な?でも強すぎるのは反省するよ。』

 

すると雅美が言う

 

『まあいいんだけどさ?ある程度加減してくれるならキスでも抱きしめでもいつでもウェルカムだぜ?』

 

『言われなくてもするぞ?恋人なんだからな?』

 

『いや恋人じゃないよ・・・』

 

『どうした急に?』

 

『もう結弦と私は夫婦だから!』

衝撃もあり、嬉しくもある言葉だ!

 

『もちろんだろ?もう夫婦だ!』

 

『結弦!』

バッと抱きついてきた

 

『雅美!』

俺も抱き締め返してやった

 

『こんなことが永遠に続きますように・・・』

そう俺は雅美に聞こえないようにぼそっと言った



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第10話 『音無夫婦舞台に立つ』-前編-

そんなこともありつつ既に時はあれから3週間が過ぎようとしていた。

 

日中は俺の歌を雅美に聞かせたり雅美の歌を俺が聞いたりして、夜はまああれだ、恋人もとい夫婦なのだからそういうことだ。初めは俺が果てる方が早かったのだが最近は雅美の方が先だ

俺も慣れてきたんだろう。

おっとこんな下衆な話をするのもあれだ

 

ゆりから連絡が入った。

『音無夫妻?聞こえる?』

 

なんだ向こうまで伝わってるのか?

 

まあいいんだけどな?

 

『どうしたゆり』

『ゆりっぺ?』

 

二人で答える

 

『相変わらずねぇ。で今回なんだけど久しぶりにトルネード起こしたいのよ。だからいわさ・・・んんっ!音無さんにガルデモ復帰して欲しいのよ。ただし名前は岩沢でね?』

 

ゆりがそう言う

 

『確かになぁ、大人気バンドのボーカルが男と付き合ってるなんてファンが減るだろうしなぁ』

俺がそう言うと雅美が不思議そうに

 

『んー?そういうのものなのか?今更だが、岩沢という苗字に未練はない。むしろ私は音無雅美だからな?』

 

そういいキスをした

 

『んーそうなんだが、ライブの時だけな?頼むよ?普段は音無でいいからさ?芸能人でも結婚しても苗字変わらん人いるだろ?』

俺がそう言うとニコッと笑って雅美がいう

 

『んーわかったよ。しょうがねえな。ファンが減るのも嫌だし、第一結弦のお願いだしな?結弦の言う通りにするよ』

 

そう言って俺の胸へ擦り寄ってきた

 

やっぱりあったかい・・・

そう思い抱きしめた

無論向こうへは抱きついてるなんて状況は伝わってないのでゆりが言う

 

『流石音無くんね!いわさ・・・音無さんをまるめこむなんて!』

 

『まあ夫婦だしな?そのへんは』

そういうとゆりがうんうんと言い

 

『これからお願い事は音無くんを通じさせるわ!』

 

『おうそうしてくれ』

相変わらず雅美を抱きしめたまま答える。どうやら俺とゆりの会話さえ雅美には通じていないようだ

 

『とりあえずOKだな?雅美!』

そう雅美に同意を求めると可愛い声で驚き

 

『ふぇ!?なにがだ!?』

 

『今までの会話何も届いてないみたいね・・・?』

 

そうゆりが言うので同意した

 

『どうやらそうらしい』

 

『あーごめんゆりっぺ!結弦のことで頭がいっぱいで聞いてなかった』

 

雅美はそう言う

 

『ん・・・?清々しい程にラブラブカップルね・・・?』

呆れた声でそう言うゆり

 

『まああとはこっちで伝えておくよ。作戦実行はいつごろだ?』

 

『明後日の19:00よ。日付は3週間離れてたいわさ・・・音無さん・・・』

 

そう言おうとしたゆりに雅美がいう

『ゆりっぺ!言いづらいなら岩沢でいいぞ』

 

なるほど・・・

 

『うんわかったわ!岩沢さん3週間ほど離れてたから感覚を取り戻してもらいたいのよ!』

 

『まあずっとやってきてたんだから大丈夫だ』

そう言うがゆりがいう

 

『音合わせもあるでしょう?まだトルネードに関してはガルデモメンバーにしか言ってないのよ。あとは音無くんを参加させるかどうかは岩沢さん次第ね。歌いたいなら参加させればいいし、別にいいならいつものように天使の足止めをしてもらうけど?』

 

雅美がうーんと考え、言った

 

『参加させたい・・・結弦と同じ舞台で歌いたい。結弦の声と私の声とユイの声でみんなを元気づけたい!』

 

ゆりは笑い

 

『相変わらずの音無くんへの愛情ね!わかったわ!音無くんとユイと歌いなさい!』

そう言った

 

『ああ恩に着るよ・・・ゆりっぺ!』

雅美も言う

 

『よしやってやるか・・・』

俺も決意した。

 



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第11話 『音無夫妻舞台に立つ』-後編-

さてそんな訳で練習再開だ。

俺も雅美もちょこちょこやっていたおかげでブランクはそんなに感じなかった。

 

『てか音無、前よりうまくなってないか?』

ひさ子が言う

 

『まあそこそこ練習してたしな』

そう答えると雅美が言う

 

『結弦の成長は目を見張るぞ/////』

照れながら言うのでこっちも照れそうだ・・・

 

『まあ確かにうまくなってますよね!』

 

と言うのはユイだ。ユイも演奏は完璧だ

 

聞くと路上ライブを良くやってたようだ

そりゃ上手いだろうなぁ

 

『今回は三人で歌うんですよね?』

 

そうユイが聞くので答える

 

『ああそうだ。俺と雅美とユイでな』

そうするとユイが言う

 

『でも、ガールズバンドに男というのは・・・どう紹介するんですかー?』

 

それを聞き雅美が答える

『んーそうだな、私が実力を認めたってことでいいんじゃないか?』

 

『あーですね、岩沢先輩が認めたとなるとすごい人ってなりますよね!』

ユイがそう言う

 

確かにそれは最もだが・・・すごい人とはなにかプレッシャーのかかる感じだな・・・

 

『それさあ?雅美、プレッシャーにならないか?』

恐る恐る答えると雅美が言う

 

『大丈夫!結弦!いつも私に歌ってたように歌えばいい、結弦は観客に歌わなくていい・・・私やメンバーに歌ってくれ。結弦の声を聞くとなにかが溶けそうなくらい・・・』

 

溶ける何かと言いかけた時、ユイが乱入する

 

『岩沢先輩、ラブラブカップルじゃないですかー』

 

『い・・・いや・・・た・・・確かに・・・な?ラブラブカップル・・・かも知れないが・・・それだけ・・・な?好きなんだよ・・・』

 

おお・・・雅美が動揺してる・・・

 

くぅー可愛いなぁ・・・俺の妻は!

 

こんなやり取りをしているうちにあっという間に練習時間は終わり、

本番当日を迎える

 

-----------本番当日18:20分頃--------------

 

うどんを食べながら俺と雅美とガルデモメンバーは待機していた。

もちろん雅美の分は俺が出した

おかげでうどんの食券はなくなってしまった。まあ雅美の笑顔があればなんでもいいが・・・

 

そんな横で雅美はブツブツ何か言いながらうどんを食べている

よく聞くと

 

『んー結弦の奢ってくれた…うどんは・・・いつもと違う・・・結弦の愛情入りか!』

 

とニコニコしながらよくわからんことをいってるが

喜んでいるならそれでいい。

うん可愛い。

 

さて時間は・・・18時45分か・・・セッティングも完了したらしい

 

ゆりからも無線が入る

 

『さて岩沢さんの復帰ライブよ!派手にやっちゃって!』

 

心待ちにしてる生徒は多いだろう。

今回は岩沢復活というわけだ

確かに今までライブには顔を出していた俺たちだから雅美がいることは自然なことだろう・・・

 

そんなことを考えているとひさ子が肩を叩く

 

『さあいくぞ!音無!』

 

『おうやるぜ!』

 

そしてステージ立つとまずはスポットライトが雅美に当たる

 

『みんな久しぶりだな。』

 

そう雅美が言うと会場がざわつく

たしかにいつもはこんな始まり方はしないからだろう

そんなことを考えていると雅美が言った

『今日は私の復帰ライブでもあるが、今回は私が認めた男性ボーカルを紹介したいと思う。』

それを聞いた生徒達は歓声を上げた。

 

『うそー岩沢さんが認めた人ってすごい人じゃない?』

 

『あの岩沢が認めたのか!すごい人じゃねえの?』

 

そんな声が食堂中から聞こえる

 

その中でスポットライトが俺にあたる

 

『それがこの男、音無結弦だ』

 

会場が歓声を上げた

 

『うわーイケメン!カッコイイ!』

 

女子生徒から黄色い声援が聞こえる、

 

『口で説明するのも面倒だ、ぜひ歌を聴いて判断してほしい。今回は、結弦と私とユイの三人で歌う』

 

そう雅美が言うと入江のドラムが入る

 

--------------------Crow Song------------------

ここから音無、岩沢、ユイ目線

 

音無:いつも通りだな!雅美の声も、ユイの声も出てて最高だ!

 

岩沢:ああ・・・結弦の声・・・やばい・・・

 

ユイ:音無先輩凄いです!

 

岩沢:結弦・・・結弦・・・結弦・・・もっと私を・・・骨抜きにしてくれ!

 

音無:雅美・・・雅美・・・雅美!もっと届け!

 

ユイ:岩沢先輩もさすがです!でも相当音無先輩の声に骨抜きにされてますね・・・でも普通に歌えるってすごい!

 

-----------------------------------------------------

2曲目、これも3人でmillion star

 

--------------------million star----------------

岩沢:結弦・・・愛してる!もっと私の声届け!

 

音無:雅美の声!流石だよ・・・俺にはかなわねぇわ・・・でも負けないぜ!

 

ユイ:ふたりが切磋琢磨しあってる!私も負けないぞー!

 

岩沢:ユイも・・・いい声してるな!だけど結弦は私のものだ!結弦・・・大好き!

 

ユイ:先輩方には負けません!2代目ボーカルですから!

 

音無:ふたりともすげーや・・・おれだってやってやるぜ!雅美!ユイ!そして見に来てくれたみんなに届け!

 

岩沢:結弦!お前も人に魅せる歌い方出来てるじゃないか!結弦・・・もっともっと!

 

音無:もっともっと!そう聞こえた気がする。次曲は負けないぜ!

 

-----------------------------------------------------

3曲目 Thousand Enemies

これも三人コラボ

------------Thousand Enemies---------------

岩沢:歌詞もいい曲だからな、しかも覚えやすかった、初めてだがやってやる!

 

ユイ:これは私の曲です!岩沢先輩にも音無先輩にも負けませんよ!

 

音無:さすがだな、ユイ、雅美、ユイの持ち歌だが・・・雅美とユイの声がハモって綺麗だ!

ユイも張り切ってるな!

 

岩沢:結弦・・・ユイ!私だって負けない!ガルデモ初代ボーカルだ!負ける訳にはいかない!

 

音無:雅美!雅美!お前の声はやっぱり最高だ!俺の歌声ももっと届け!

 

岩沢:ああ・・・結弦・・・結弦・・・最高だ・・・結弦は誰にもやらない!私だけの結弦だ!

 

ユイ『さあ先輩達!フィニッシュですよ!』

 

音無・岩沢『OK!』

 

最後はかっこよく決めた

 

---------------------------------------------------

 

4曲目 『crossing field』←まあLISAさん繋がりでね?

 

ひさ子のキーボードで入る

 

------------------crossing field---------------

ユイ:私の作詞作曲です!みんなで全力で歌いましょう!

 

岩沢:今までのガルデモにない曲調でなかなかいいぞ!

 

音無:ユイも作曲できるんだな。雅美に負けないくらいいい曲だ!

 

岩沢:ユイの声もなかなかいいぞ!

でも!結弦や私も負けてないぞ!

 

ユイ:二人ともしっかり出てますね!もっともっと!!!

 

音無・岩沢 OK!!

 

ユイ:ここはソロです!

 

岩沢:いい声してるな!私も負けないぞ!結弦・・・結弦・・・もっともっとだ!

 

音無:雅美・・・雅美!もっともっと!

 

ユイ:フィニッシュです!

 

-----------------------------------------------------

 

5曲目 My soul Your Beats!

 

-----------------------------------------------------

音無:ドラムとギターからだな

 

ユイ:これも私の持ち歌です!

 

岩沢:私の頃よりも曲数が増えてるな!さすがユイだ!私だって負けない!結弦・・・もっと私の心へ!

 

音無:雅美の心に響け!雅美のこと大好きだ!その思い届けー!

 

ユイ:気合い入ってますねー負けませんよ!

 

岩沢:もっともっと!みんなもっとついてこい!これがガルデモだ!!!!

その時ひさ子、関根、入江が歌い出す

 

全員:聞こえた気がした!

感じた気がしたんだ!

震え出す今この胸で

もう来る気がした!

幾千の朝を超え!

新しい日が

待ってる気がした!

読んでる気がしたんだ!

震えてる!この魂が!

見つけた気がした!

幾億の夢のように

消え去れる日を

見送った、手を振った

ありがとうと・・・

 

最後はひさ子と関根のギターで終わる

 

---------------------------------------------------

 

ラスト Alchemy(岩沢・ユイ・音無)

 

--------------------Alchemy---------------------

 

観客『Alchemyだ!これがラストだ!』

 

音無:最後はこの曲だ!

 

岩沢:やっぱりこの歌の時の・・・結弦の声・・・最高だ・・・奥まで入ってくる!

結弦・・・結弦・・・!

 

ユイ:音無先輩の声・・・心に溶け込んでくるような・・・そんな綺麗な声・・・男性でこんな綺麗な声出せるんだ・・・

 

岩沢:結弦・・・最高だ!結弦・・・結弦!

 

ユイ:岩沢先輩の声もさすがです!でも・・・音無先輩も・・・いい!

 

岩沢:ああ・・・心地がいい・・・絶対離さない!もう・・・結弦は私のものだ・・・

 

ゆり:縁もたけなわね・・・送風機作動させて・・!

その時、送風機が動き出し食券を巻き上げる。

 

音無:雅美・・・流石だ・・・綺麗だ・・・雅美は俺のもの!

 

演奏が終わり暗転した時全員で食券を拾いその場から退散する

 

--------------------ライブ終了------------------

ここから音無目線

 

無事いつもの空き教室に戻ってきた。

 

今回はライブも食券拾いも完璧だ。

事前にゆりたちが用意してくれたうどんをみんなですする

 

『うーんやっぱり・・・いつものうどんだ・・・結弦が奢ってくれた時に比べると・・・』

 

まただ・・・また雅美がよく分からんことを言ってる

別に味を変えてる訳では無い

俺が奢る時も今もいつものうどんだ。好きになるということは・・・人の味覚さえ変えてしまうのか・・・たしか生前何かで読んだことがあるが・・・

 

『人は愛する人の出した食事はいつも食べているものであっても錯覚でもっと美味しいと感じてしまう。ぶっちゃけ恋の病というやつね』

 

多分・・・最後の文章はなかったはずだが・・・

まあいい、ここの食堂のご飯は麻婆豆腐以外ハズレはない

 

基本美味しいから問題なしだ

 

『まあいつも通りだなぁ』

ひさ子が言う

 

『別に普通のいつものうどんですよ。まあ音無先輩が味変えてるなら知りませんが?』

ユイが言う

 

『別に俺は味なんか変えてないぞ?何も触ってないからな?』

そう言う俺

 

ややお茶を濁した答えになったが・・・

そうすると案の定関根がからかう

 

『やっぱり岩沢先輩、恋の病ですねぇ・・・?音楽キチの岩沢先輩を病にする音無先輩・・・やり手ですな?』

 

『恋の病?なんだそれは?病気なのか?』

そう聞く雅美

 

それを補足するようにひさ子が説明する

『恋の病ってな?あれだよ・・・好きな人のことばっかり考えてどうしようもなくなることだ。例えばタダのうどんでも岩沢みたいに音無が奢るものだとさらに美味しく感じたりするんだ。病とはいっても・・・心の病、科学では認められない、人間が本能的に陥る病だ』

 

うんほぼ完璧だ。説明はそういう感じだな

すると雅美が言う

 

『その恋の病か?それは治ることはあるのか?』

そこは俺が言おうと思い俺が口を開く

 

『ああ。もちろんある。ただそれは悲しいことだ』

 

すると雅美が不安そうな顔をする

『えっ・・・?悲しいことか・・・?』

 

なので俺が言う。いつの間にか涙も流れていたようだ。そりゃ、雅美に嫌われるなんて考えたりしないからな・・・

 

『ああ・・・治る時は・・・雅美が・・・俺を・・・嫌いになる時だ・・・』

 

確信をついた俺の答えに雅美も泣きながら答える

 

『・・・結弦・・・結弦・・・絶対離さないからな・・・?私がその病気から覚めることはないから・・・心配するなよ・・・?』

 

そう言って抱きついてきた

 

『ああ・・・分かってるよ・・・俺も嫌いにならないから・・・絶対に・・・』

 

深く・・・抱きしめ合い・・・いつの間にかキスもしていたようだ・・・

 

その流れを見ていたほかのメンバーも少しばかりしゅんとしている。

特にひさ子は、なんかまずいこと言っちまったな・・・と言わんばかりの顔でうどんを食べる手が止まっていた。

 

ユイもあっ・・・という顔で、やはり食べる手は止まる。

 

入江も、もらい泣きで泣いていた。

おふたりが幸せならばという顔をしていた

 

関根も、元々自分が振った話だと認識してるので・・・もはや床に正座待機していた

 

そうしていると、ユイが言う

 

『だっ・・・大丈夫ですよ!岩沢先輩と音無先輩、愛しあってるじゃないですか!大丈夫ですよ!恋の病は冷めないですよ!どっちもです!』

 

おお・・・ナイスフォロー!

 

なので雅美を安心させようと言う

『大丈夫だよ・・・雅美・・・雅美がこんなに愛してくれてるんだ、絶対守ってやる!』

 

すると雅美も言う

『ああ・・・分かってる・・・私も愛してるし・・・結弦も愛してくれてる・・・嫌いになることなんて絶対ありえない』

 

それを聞いてみんなが安心する

 

そしてその後はまた談笑しながら食べ切ってガルデモメンバーと別れ

雅美と二人で家へ戻る



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第12話『満天の星空の下で』

俺達はみんなにお礼を言うため本部へ向かっていた

事前にゆりには伝えてある。

 

本部の前に付き合言葉を言う

『カミモホトケモテンシモナシ』

 

がちゃりと鍵が開く音が聞こえ中へ入る

 

『やあ音無くん!』

と大山が迎えてくれた

野田は応接ソファーに座りこっちをじっと見ていた

 

高松もこっちを見るなり

『僕とは久しぶりですかね?』

なんて言う

 

日向が駆け寄ってきて

『ナイスライブだったぜ!音無!』

 

そんなことを言ってくれた

 

そうするなりゆりが言う

『相変わらず出口は見つからないままね・・・岩沢さんと音無くんの覚悟は決まったみたいだけど・・・。』

そうした時、遊佐からゆりに連絡が入る

 

『ゆりっぺさん・・・ゆりっぺさん・・・遊佐です。グラウンドに謎の人物出現です・・・接触してみましたが特に悪い方ではないようです・・・』

 

『おっけー了解!すぐ行くわ』

そう言うなり本部を出ていく

出てくときに俺の肩を叩き

『岩沢さんのこと・・・幸せにしてやりなさいよ。あと明日の正午屋上へ来て・・・2人でね?大丈夫そんな変な話じゃないから』

 

『ああわかったよ』

ゆりなりに俺たちを気遣ってくれてるんだろう。

 

みんなにお礼を言って本部を出て家に帰る

 

歩きながら俯いてる俺を見て不思議そうにしている雅美。

 

『どーした?結弦?』

 

『ああ・・・ゆりが明日2人で屋上へ来いって』

 

『ふーんそっか・・・なら遅れず行かないとな・・・?』

 

まあ何の話にせよ・・・受け入れるつもりではいるんだが

 

まあ悪い話ではないようだしな

すると雅美が言う

『私達・・・転生して一緒になれるんだろ?だけどさ、それは有限だろ?』

 

確かにそうだが・・・

 

『んーそうだな今気にしても仕方なく無いか?迷ってるのか?』

 

俺がそう言うと

 

雅美はうん・・・と答える

 

『大丈夫』

 

とりあえず抱きしめる

 

雅美からもギューと抱きしめ返される

 

雅美・・・心配するな・・・俺が守ってやる・・・。

 

帰る途中の森の中に空が綺麗に見れる場所がある

そこへ雅美を連れてくことにした

 

『なあ雅美?連れていきたいところがあるんだ』

俺がそう言うと雅美は言う

 

『そうなのか?結弦が連れてってくれるところならどこでも嬉しいぞ』

 

さっきの表情とは一変ニコニコしている雅美。抱きしめてやったからだろうか。ただまだ不安そうな顔は残ってる。ならいっそキスしようと考え

雅美の顎を上にあげキスする。

傍から見ればただの少女漫画にありそうなキスの仕方だ。

すると

『ん…!?』

と驚いた様子の雅美

だがすぐ理解したのか貪ってくる

ああ・・・幸せだ・・・

そして俺達は自宅へ戻らず

その場で寝っ転がり星を見ていた。

 

そしていつの間にか寝ていたようだ。

深夜2時頃だろうか?俺が覚めた時、横にいた雅美は寝息を立てて寝ていた。

背中が痛い・・・とりあえず雅美を起こそう

 

『起きろ。雅美』

そういいキスをする

 

『ん・・・結弦・・・?』

 

すっかり寝ていたのか寝ぼけた顔でこちらを見る。

 

『帰るぞ?』そう言うと雅美はうん・・・と言いしゃがんだ

 

おんぶしてやるか・・・

 

『ほら雅美、おんぶしてやる』

そう言うと雅美が言う

 

『いいのか・・・?』

 

『ああ大丈夫だ。おいで』

 

そう言うと雅美は嬉しそうに背中に乗っかってきた

 

そしてえっさこらえっさこらと担いで自宅へ戻る

汗など関係なしに俺も雅美もそのままベッドへ直行

 

そして眠りについた

 



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第13話 『ゆりと雅美と俺と』

翌朝時計を見るともう10時半だった

『雅美・・・起きろ?』

そう言ってキスをする

 

『ん・・・おはよう、結弦』

ニコニコしながら起きる

 

『なんでキスしないと起きないんだ?』

そう聞くと雅美はいう

 

『昔さ?シンデレラ読んでて、キスして起きるシーンあるだろ?』

 

そうだそうだった・・・毒りんごで眠らされたシンデレラが王子様のキスで起きるあれだ。

 

『それに憧れて?』

そう俺が聞くと

雅美が言う

『だって女はみんな・・・シンデレラだからな・・・?』

 

めっちゃメルヘンな俺の妻 雅美。

言い方悪いが考え方が小学生だ

 

まあそんなところがいいのだよ。

 

そんなやり取りもそこそこに俺達は学校へ向かう

そして指定された屋上へ行くと

まだ11時半だと言うのに既にゆりがいた

俺たちを見るなりゆりが言う

『ごめんなさいね・・・こんな時に呼び出して・・・』

 

『いいぜゆり。』『いいよゆりっぺ』

俺達がそう言うと安心したように

切り出す

 

『実はあなたたちに聞きたい事ががあるの。』

 

『聞きたいこと?』

不思議そうに俺と雅美は顔を見あって首を傾げた

 

『ええ・・・実はこの学園内を少し調査したのだけど・・・現状カップルがあなた達のみなの』

ゆりがそう言うと雅美が言う

 

『それがなんの関係が?』

 

そうするとゆりが持論を展開する

 

『どこかに転生門が開かれた・・・それ自体はひと月前に話したとおりだけど・・・その転生門自体が日替わりで出てくる可能性があるのよ。日替わりと言ってもこの学園内の土地のどこかにだけどね?実はこの転生門に入った人がいるのよ』

 

それを聞いて驚愕した

入った人だと?俺と雅美は2人で顔を見合い驚いた

 

『入った人?そんな人がいるのか?』

雅美がそう聞くとゆりが答える

 

『ええ・・・我が戦線のメンバーで初期の頃から戦ってくれた人たちなのだけど・・・その人たちはある時付き合い始めた。私自身それを知らなかったのだけど・・・その2人が危険を顧みず転生門に飛び込んだらしいの・・・その後どうなったかは?知らないけど・・・。色々調べたりしたのだけど、幸せになりたい人、その人たちの前に現れるみたいなの。実際転生門が現れた時は若干のジバの変化が見られたの』

 

ゆりがそう言うと雅美は俺に聞く

『結弦・・・ジバ?ってなんだ?』

ああそうか・・・

『電気的現象・磁気的現象を記述するための物理的概念のことを言うんだ。まあわかりやすいように言うと、

静電気学ではクローンの法則、

静磁気学ではメント・ガウスの法則、

電気力学だとファラデーの法則、

電気回路だと、電気抵抗、

共変定式だと電磁テンソル

それらの法則に分類されるものだ。』

※参照 Wikipedia

説明し終わると雅美のハードディスクがショートしてた

まあそんなもんだろうなぁ

なぜ俺がこんなことをスラスラ言えるかはアニメかマンガかゲームを参考にしてほしい。

 

『ごめん何も聞いてなかったわ・・・』

やれやれと言った様子のゆり

 

雅美はようやく再起動。

『いやぁ結弦は物知りだなぁ』

といい、感心していた

 

なので俺はもう一度言い直す

『すまんもっと簡単に言う。

小学校とかでは理科の授業で、砂鉄が磁石の周りを囲むように引きつけられる実験をやって磁場の存在を教える。 ただ・・・これだと、磁場の影響を受けるのは鉄だけであると思われがちなんだが、強力な磁場の中では、様々な物質が影響を受ける。 最近だと、磁場や電場(電磁場、電磁波)が生物に与える影響について関心が寄せられているらしいぞ』

※参照 Wikipedia

 

『うーんさっきの説明と比べるといくらかわかりやすいのだけど・・・』

 

だな専門用語なしだしな

 

雅美はというと

『うんやっぱり結弦は物知りだ』

相変わらずそれだけだ

 

『まあいいわ・・・難しい話はやめよ?なんで磁場の変化が起こる所に転生門が現れるのよ。』

そうゆりが言う

『それはどう見分ける?』

俺が聞くとゆりが言う

『単純になんかおかしいなとでも思ったら確認すればいいのよ』

 

あー単純だ・・・まあ磁場の変化なんてなんのこっちゃなのでそうするしかないが・・・

 

『おけ何か変わったことがあったら連絡する』

俺がそう言うとゆりが頷き

『ならもういいわよ?ごめんね?足止めして・・・』

 

『いや大丈夫だ、ゆりっぺ』

雅美がそういう

 

話も終わりとりあえず昼なのでご飯だけ食べていこう。雅美に肉うどんを奢ってやった。

 

雅美の食べてる姿言動は相変わらずだ

 

『うん!やっぱりこの味だ。結弦が奢ってくれると愛情が入ってるな!それだけ私が結弦にゾッコンだということなんだよな!幸せだ!』

また意味不明なことを言いながらニコニコして食べていた。ただ雅美が幸せならそれでいいし、ゾッコンらしいからな・・・?俺も雅美にゾッコンだし、幸せだ・・・

 

腹を満たした俺達はまた談笑しながら家へ帰る

 

 

 




多分初めてだと思いますが・・・改めて
おはこんばんちは。筆者ですw
後書きなんて初めてなので何書いたらいいか・・・(笑)
そんなこんなで今回で13話です。
アニメだと最終回?ですかね?
最近はめっきり入江、関根、ひさ子、その他戦線メンバーの影が薄まってますが・・・w
ただの音無くんと岩沢さんの恋愛小説ですよこれじゃあ
あっでも・・・筆者は二人の幸せを願ってます。これを書くきっかけになったのはゲームのラストで2人が静かに引き裂かれるシーンがありました。そのシーンを見てやりきれなくなり、それを思い出してこれを書き始めた次第です
みんなの中にも岩沢ファンは多いはず!みんなで幸せにしてやりましょ!
ではそろそろお時間ですね!
ではまた!


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第14話 『Hot Meal』

翌朝、俺が目を覚ますと雅美が起きていた。

時間を確認すると朝の7時だ。

確かにいつもより起きるのも30分遅い。だがいつも雅美を起こすのは8時半だ。

昨日流石に言い過ぎたか・・・そう思ってると雅美がこっちに気づき、手招きしながら言う

『おはよ。結弦』

『ああおはよう雅美』

頬にキスをして朝の挨拶だ。

 

『こんな朝早く何やってるんだ?』

俺がそう聞くと

雅美は言う

『ああ・・・曲を書いてたんだ。と言っても歌詞だけなんだが・・・』

俺は察していう

『あれか・・・ユイ

のThousand Enemiesか?』

すると雅美は

おお・・・と驚き言う

 

『その通りだ。私の生前の記憶も混ぜて歌詞を作ってるところだ。流石だな・・・私の気持ちを読み取るなんて、やっぱり相思相愛だからか?』

 

『ああそうだろう。雅美ー!』

そういいなぜが抱きつく俺

 

『わわっ・・・結弦ってば・・・』

 

照れながらも俺を受け止め抱き抱える雅美。

 

『すまんな・・・朝キスしてなかったから無性に抱きつきたくなったんだ。』

そう言うと雅美は俺の顔を見ていう

 

『分かったよ・・・ほら』

キス顔の雅美。

 

『ああ』

そう言ってキスした

 

『それで進捗状況はどうなんだ?』

そう聞くと雅美は言った

『もうほぼ完成だ。だけど一つだけ納得いかないんだ・・・。』

 

『どこだ?見せてみろよ。』

俺はそう言う

 

雅美は頷くとノートを見せてくる

綺麗な字だ・・・改めて見て感嘆する

 

で、ノートのワンフレーズを指さして言う

『この部分なんだが・・・』

そう言ってそこのフレーズを読んでみせる

『爽快に平穏を奪ってしまえ

一時間も眠れば大丈夫だから

陽がのぼるまでここはライブステージ

その手にはマイク代わりに

缶コーヒーでみんなで歌ってる』

 

朗読が終わると雅美が続けて言う

『その手にはマイク代わりの缶コーヒーでみんな歌ってる、の部分がな?字余りになるんだ・・・歌いずらくてな?』

 

なるほど・・・だが俺がフレーズを変えるのは勿体ない、マルッとは変えず今ある言葉で最適な歌詞にすることにした。

 

『ちょっと考えさせてくれ?』

そう言うと雅美が言う

『なら・・・待ってるぞ。あっ朝ごはん作るぞ』

 

そう言って台所へ走ってく・・・。

『またうどんなのか・・・?』

そんなつぶやきは聞こえてないだろう

転生したらしっかり料理習ってもらおう・・・

 

そして40分経って、ようやく朝食だ。ん?ご飯に味噌汁に納豆に鮭、the和食だ。と言うか鮭は分かるが・・・ほかの食材はどこから?

 

『なあ雅美・・・?鮭以外の食材はどこから?』

そう聞くと雅美は答える。

『ああ、ゆりっぺたちが持ってきてくれてたみたいだ。』

 

へぇ・・・?稲作やってんだ・・・?

てか死んだ後も稲作って・・・

どんだけ日本人なんだよ!?

まあ確かに・・・米は食べたかったさ・・・?てか雅美の手料理・・・よし食べよう。俺の中で全米(ぜんこめ)が泣いた。

 

その後、二人で鮭をつっつき

少し身をほぐして俺の顔の前に出す

『ほら結弦。食べさせてやるよ』

よーするにあーんというヤツな

もちろん拒否する理由なんてない。

ありがたく雅美の箸で食べる

そういえば関節キスだな。

 

『関節キスだぞ?結弦喜べよ/////』

確かにそうだが・・・普通にキスしてるしな・・・だがこれは嬉しい!

もちろん俺もやった

『ほら雅美・・・』

同じく顔の前に突き出す

そうして雅美の口に入れる。

そして全く同じセリフを言う

『関節キスだぞ?雅美喜べよ//』

そう言うとあっさり言った

『てか、あたし達キスしてるし・・・お互い初めてのものも頂いたからな』

 

あー本人は下だと分かってるのか?分かってたらあざといぞ・・・。

 

『だが生まれ変わったらまたあげないとな?』

 

そう言うと雅美はいう。

 

『なっ・・・なんてことをッ////!』

 

ほら分かってたじゃないか。

 

気を取り直してご飯を食べ続けた。

 

そして食べ終わるなり雅美は食器を洗いながら言う。

『それで思いついたか?歌詞のこと』

 

あーそれかまあ候補は一つだ

 

『一応な』

 

そう俺が言うと雅美が言う

 

『そうなのか?教えてくれ!』

 

『ああもちろんだ。さっきの所な?

その手にはマイク代わりの缶コーヒーでみんな歌ってる

だった所を

その手には缶コーヒー

マイクにしてみんなで歌ってる

ってどうだ?』

 

なるほど・・・と言うと雅美は生前からあるアコースティックギターを持ってきて弾いて歌う

 

『爽快に平穏を奪ってしまえ

一時間も眠れば大丈夫だから

陽がのぼるまでここはライブステージ

その手には缶コーヒー

マイクにしてみんなで歌ってる』

 

歌い終わると雅美がキラキラした瞳をこちらへ向ける

 

『完璧だよ・・・結弦!!出来た!』

 

どうやら即採用だったようだ。

『タイトルは何にするんだ?』

そう聞くと雅美はいう。

『Hot Mealだ』

 

温かい夕食という意味だっけか?

雅美の過去を知ってるだけに、らしいタイトルだ。

その後は雅美が『Hot Meal』を披露してくれた。

流石だな・・・雅美の声は最高だ!

 

この幸せがずっと続きますように・・・

 



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番外編『音無の日記』

朝6時 音無結弦 起床

『早く起きすぎたな・・・まだ6時か・・・雅美はまだ寝てるな』

まあもっとも生前は仮眠程度しかして無かったのでもちろん寝かせてやる。

本当はすぐにでも起こしてキスしたいところだが・・・耐えろ・・・結弦・・・

 

朝6:30分 音無結弦洗濯をする

とりあえず洗濯でもしておくか・・・

雅美の下着・・・ブフォ・・・あっ・・・血が・・・

俺の鼻から赤い液体が垂れている。

昨日アーモンドチョコ食べすぎたかなぁ。3箱食べたもんな・・・とりあえず・・・

邪念は捨て洗剤を持って洗うよ〜♪

と million starのワンフレーズをもじって歌いながら洗濯物を中に入れて洗濯機を起動。

さてあと1時間くらいは終わらないからな・・・何をするか・・・

 

『とりあえず風呂入ろう・・・昨日はいらなかったからな・・・』

 

朝6時50分〜朝7時20分

 

音無入浴中・・・・・・

 

朝7時30分音無結弦風呂出る

ふぅ・・・スッキリした・・・。

そろそろ雅美を起こそうかな?

まぁ暫く顔でも見てよ・・・。

 

『こうやって・・・よくよく見ると綺麗な顔してるな・・・。あーキスしたい・・・』

 

朝7時40分〜朝8時15分

音無結弦、岩沢の顔を見つめる

マジマジと見つめてみると雅美の目は閉じているが、俺がドギマギしてしまう・・・ちゃんとパーツが整った絶賛の美人だ。この戦線は美人多いしな・・・関根にしてもひさ子にしても、入江は・・・小動物?だろうか。まあでも美人に変わりなし、ゆりもいい感じだしな。

 

だが俺にはやっぱり雅美が必要だ。

雅美が人生の支えだ・・・ってまあ人生終わってるんだけどな・・・?

 

朝8時20分 洗濯終わり、干す

ピーピーピー!と洗濯機が終わりの音を鳴らす。

おっ・・・終わった終わった。

最近洗濯の時間が長いなぁ。

そして洗い終わった雅美の服やスカート、俺のズボンなどを取り出して外へ干す。下着類は乾燥機で乾かすことになってる。いくら学校から離れてるとはいえ、いつ人が来てもおかしくない場所。なのでそうしてる。

あっ・・・雅美の純白のパンツ・・・ブフォ・・・あっ・・・鼻から血が・・・

相変わらずいつも見てるのに鼻血を出すあたりそれだけ雅美のことが好きで顔しか見てないからだろうか?

 

そろそろご飯を作ろう・・・今日はピザトーストだ。たまにはパンがいいだろう・・・。

『さてっと・・・まずは食パンにケチャップ塗ってっと・・・』

『あとはスライスチーズにベーコン、ゆで卵にバジル・・・あっ・・・ハムだ。』

 

ゆで卵は俺が生前食べた時にのってたので。

 

あとはオーブンで焼く。大体5分か?

それくらいやっておこう・・・

 

さて雅美を起こすとするか

 

9時15分 音無、雅美を起こす

俺は寝室に戻り雅美の横に座る

『おーい起きろー!朝だぞー!』

やっぱ起きない・・・だがいつも寝返りを決まってうつんだが起きてるのか?どうも俺のキスで起きたいらしい・・・?

なのでやっぱりこの方法かと思い・・・キスをする

すると

 

『ん・・・結弦・・・おっはょ〜』

ふぁぁぁ・・・とあくびをして起き上がる。

まだぼーっとしているようだ。

『暫く横にいてやる・・・』

そう言った、俺は横で雅美を俺の肩へもたれかかせて暫くその体勢でいた。

すると雅美が言う

『んー・・・膝がいい・・・』

『膝枕か?寝てしまうだろ?』

そう言うと雅美がハッとして俺の方を見る。そしておもむろにキスをしてきた。

なので俺はそのまま抱き抱え暫く合わせていた。

 

『やっと起きたか?雅美』

そう聞くとすっかり目が覚めたのかニコニコして言う。

『結弦!大好きだぞ♡』

 

もちろん分かってはいるが嬉しい!

なかなかこういう

 

チン!とオーブンがなった

出来たみたいだ。

 

『おっ?準備してくれてたのか!』

そう言うと抱きついてきた。

俺も抱きしめ頭を撫でてやる。

 

雅美の猫なで声を聞き、元気が出た。

まだ雅美が寝起きなので。

 

その後は二人で朝食だ。

雅美はピザトーストを見たなり言う

『ピザトーストか?生前は食べたことなかったからな・・・』

正直驚いた。

『マジか・・・なら初めてのピザトーストが俺の手作りだぞ?』

そう言うと雅美がフフッと笑いながら言う

『私の初めては何もかも結弦だよな』

 

俺は考えてみると確かにそうだ。

 

雅美の初彼氏も俺だし

雅美の初めても俺だ

ピザトーストも俺

雅美の初婚約者も俺

 

『これだけ初めてが結弦だと・・・運命すら感じてしまうんだ。私は結弦と出会うためにこの世界へやって来た。そしてこれからは、結弦と第二の人生が始まる。そんな気がするんだ。』

 

そうしんみりと答える

 

『確かにな・・・俺だってお前と出会えて良かったよ・・・こんなに人を好きになるなんて妹含めても初めてだ。』

そう答えると雅美は言う

 

『良かったのか?結弦が初めて大好きなったのがこんな音楽キチで。』

そういうので俺は言う

『そんなこと関係ない。好きなった人と一緒にいたい、ずっとそばにいたいと思うのは当然だぞ?音楽キチとか関係ない。』

 

俺は雅美を抱きしめた。

そして耳元で囁く

『愛してるぞ…雅美…』

 

雅美はああ…と答え言う

『結弦・・・結弦・・・大好きだよ。ずっとそばにいさせてくれ!そばにいたいんだ…嫌いにならないでくれ...もうあたしには・・・結弦しかいないんだ!』

 

涙を流しながらそんなことを言うので、俺も堪えきれない。

 

『雅美・・・雅美・・・大好きだ!大丈夫...ずっとそばにいてくれ...嫌いになんてなるもんか!...もう...俺達は...誰にも邪魔はできない!俺にも...もう...雅美しかいないんだ!!』

 

強く抱きしめて、その後少し緩め、キスをする

もちろん雅美も俺の頭を自分の方へ押さえつけお互いの唇を貪った。

 

そんな幸せと雅美の愛を感じた日だった。

 



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第15話 『Reincarnation method』

今日もいつもと変わらない朝を迎えた。このまま平和ならそれでいい。

 

そんな話をしながら雅美と談笑していると、インターホンを鳴らす音が聞こえる

 

『はーい待っててなー』

雅美がそう答え玄関を開ける

『どーした?』

俺がそう答えると玄関に遊佐が立っていた。

 

『音無さん、岩沢さん2人だけ緊急招集です』

遊佐はそう言った

 

『OK』

俺と雅美がそう答えると遊佐は

『お早めにお願いしますね』

そう答えて去ってゆく

 

『遊佐は相変わらずだな』

俺がそう答えると雅美が言う

『ああ、昔男子生徒に何かをされてそれ以来ちょっと荒れてたんだ。だが今は自分の感情を押し殺して通信士としてやってる』

 

へぇそんな過去が・・・

 

『まあもっとも…あたしも遊佐の過去はよくわからない』

 

『そんな事があったとなると詮索も出来ないだろう。特に俺は男だ』

 

そう俺が言うと雅美が言う

 

『確かにな・・・結弦はすごく優しいが...そんな事で遊佐の中で男という存在は片付けられないだろう』

 

そういうのも無理はない

トラウマはそう簡単に消える訳では無い。雅美だってそうだ。これからは俺がいるからトラウマなんて作らせないが・・・生前は父親が父親だ。

 

『さて行くとするか?結弦?』

気がつくと雅美が覗き込んでいた。

『あっ・・・ああ・・・』

雅美がキスをしてきた。

 

そして本部の前に着くといつもの。

 

2人『カミモホトケモテンシモナシ』

 

ガチャりと鍵が開く音が聞こえる。

 

『来たわね?二人共!』

ゆりが座椅子に座り言う

 

『さて来てもらってなんなんだけど・・・実は・・・ちょっと問題が起きたのよ・・・』

 

なんだなんだ・・・騒がしいな・・・問題とは・・・

雅美がいう

『その問題とはなんだ?結弦とは居れるのか?』

 

相変わらず雅美はそのことばっかりだ。もちろん俺も第一声はそうなるだろう・・・

 

するとゆりが言う

『ええもちろん・・・あなた達の関係には影響はないわ。ただ転生門についてね。その付近で誰かがウロウロしてるらしいのよ。』

 

誰かがか・・・しかしそいつが転生門となにか関係があるのか?

 

『そいつが転生門と関係があるのか?』

 

雅美は俺の疑問を投げかけてくれた

 

『ええ・・・そこなのだけど・・・その人物は毎日違うところに現れるのよ。』

 

ここ1週間のリストを見せてもらった。

 

1日目 学園B棟 屋上

2日目 学園A棟 指導室前

3日目 学園 グラウ・・・

 

等色んなところに現れているようだ

しばらくは動向を見守るということだ。

もしかしたら何か知っているかもしれない・・・話してみる価値はあるとゆりは言う

 

『まあ実際天使以外の神の使いなのか、NPCなのか、私たちと同じ死んだ人間なのか、よくわからないのだけどね?』

 

俺は言う

『そうなると安易に近づくのは危険だな・・・?』

 

ゆりも同意した

『まあそうね・・・音無くんは護身用で銃を持ってるだろうけど岩沢さんは何も無いのよね・・・。いざ戦闘となってもし神の使いだと天使並みの力があるとみていいのよ・・・。そうなると音無くんだけで岩沢さんを守れるかどうか・・・』

 

確かにそれはある。ゆりでさえ互角に戦うのが限界だ。特に天使に関しては手の内がわかっているが、相手は未知数だ。

たしかにこの世界は殺されても生き返るが、やっぱり雅美が殺されるのはやりきれない・・・

ここは安全が確認できるまで待機か・・・

 

するとゆりは言う

 

『とりあえず音無くん、岩沢さんは私たちが接触して安全が確認できるまでいつも通り待機してて。これから確認ができるまでは音無くんの定例会議出席を免除するわ。もし敵だとして、私たちの仲間だと分かってしまうと、音無くんがいない間に岩沢さんを攫うことも考えられなくもないのよ。実際、直井くんの件でも日向くんと天使が攫われたこともあったのよ。』

 

そんな事があったのか・・・大変だったな・・・。

またゆりが言う

 

『いい?音無くん・・・。岩沢さんが大事だと思うなら・・・全力で守りなさい...私たちがなんとか平穏に暮らせるようにしてあげるから...男として最低限でしょ?好きな人を守るのは』

 

確かにそうだ。ゆり達には感謝してる。俺の妻は岩沢雅美だ・・・いや音無雅美か...雅美を守るのは男として最低限やらないといけないこと。1度幸せにすると宣言した。それは本当に雅美のことが大好きだからだ。愛してるからだ。だったら守れなくてどうする。俺は俺のできることをすればいい、それは転生門のことは他の戦線メンバーに任せて、雅美を守ること。一緒に転生できるまで。雅美を守り通す。そして転生後も・・・。

 

『結弦...私を守ってくれるのか?』

 

雅美はそんなことを言う。

 

『もちろんだろ!一回幸せにすると宣言した!それはお前のことが大好きだから・・・愛してるから!だから絶対守り通す。そしてその後も守り通す!だから俺のそばにいてくれ!雅美!!!』

 

周りに聞こえるほどの大声で宣言した俺。

 

すると雅美は涙を流し言う

 

『結弦!...結弦に一生ついていくぞ...』

 

『ああもちろんだ!二人で第二の人生を歩むんだ!』

俺がそう言うと雅美はうんといい

抱きついてきた。

 

『ほっらぁ!頼りにされてるじゃない!音無君!男なんだからシャキッとしなさい!』

 

そうゆりにハッパを掛けられる

その後ゆりはすぐに・・・さてと・・・といい珍しく応接ソファに座った。

『まあここにいるあいだはゆっくりしなさいよ。でもねぇ・・・岩沢さんがこうなるとは・・・正直何十年観てきたけどなんか予想外ね。』

 

すると雅美が言う

『ははっ・・・まあ・・・な・・?今まで人を好きになることなんて無かったしな・・・特に戦線メンバーにはときめいたりはしなかったしな・・・まあ私が好意を抱いたとしても・・・こんな音楽キチだぞ?引かれるにきまってるよ。ギターだけにな...』

 

今のはダジャレか?

 

『あれ?結弦?』

雅美がこっちを見る

 

『ダジャレか?』

そう聞くと雅美はパッと笑顔になり。

 

『そうそう!私は音楽キチ・・・だから好意を抱いても引かれる(弾かれる)だけだギターだけにな・・・と言うわけだ。』

 

しっかり事細かに説明をしてくれた。

こういうのってさらっと言って流すのが当然なんだが・・・なんか意外な雅美の一面を見られた気分だ。

 

『うーんまあ・・・センスはあるわね・・・岩沢さんのセンスは抜群よ・・・。』

 

と苦笑いを見せながらなんとかおだてて見るゆり。

 

すると雅美は気を良くして・・・

 

『正直すべった気もしたが・・・ゆりが笑ってくれるなら結構だ。結弦ごめんな?突然言って・・・状況飲み込めてなかったんだよな?』

 

そう言われたので俺は

 

『ああ・・・とっさだったからな。今考えると・・・面白いぞ・・・?』

おそるおそる言った

 

すると

『よかったー結弦にも通用した...結弦頭いいからさ?受け入れられないと思ったんだよ』

 

なるほど・・・正直な反応すればよかったのかもな。

そんなこんなで3時か・・・そろそろ帰るとするか。

『そろそろ、帰った方がいいわよ?みんな来ると面倒でしょ?』

 

『そうだな・・・そろそろ帰るか?結弦?』

 

『ああそうだな・・・じゃ!また来るよ』

そう言って俺達は本部をあとにした。

 

-----------------------------------------------

※ここからゆりっぺ目線

 

17時ちょうどあたしはいつも通り指示をする。

『はい閉めて!』

そうしてカーテンが締まりスクリーンが降りてくる

 

『さてついさっきまで岩沢さんと音無君がいたのよ。』

 

あたしがそう言うと日向くんが言う

 

『あれか?緊急招集のやつか?』

 

彼はそういった。

 

あたしは頷き続ける

 

『ええ・・・2人には待機してるように指示をしたわ。何としてでも転生門の付近にいるやつと接触してみせるわよ。そうすれば彼らも結ばれる。』

 

すると野田くんが言う

 

『しっかしよぉ??ゆりっぺ、何であいつらに躍起なんだ?』

 

それは・・・説明のしようがないのよ・・・私もわからない・・・そう思いつつも答えられることを答える

 

『うーん・・・まあ・・・そうねぇ・・・説明のしようがないのよ私にも』

そう答えると大山くんが言う

 

『ゆりっぺは純粋にあのふたりを応援したいんじゃないかな?息ぴったりだし、ラブラブだし、なんか兄妹みたいな?感じに見えるよ僕にはね?』

 

そう言うと藤巻君が

 

『確かにな、岩沢にしても音無にしても・・・周りが嫉妬を通り越して清々しいと思うほどにラブラブカップルなのかもしれないな』

 

確かにみんなの言うことはよく分かる・・・特に大山くんがいうことが一番わかる。

 

あたしは兄弟3人殺された過去がある。そして音無くんと岩沢さんを不意に兄妹だと思ってふたりを幸せにしたいということなの?

でも考え方はそれで間違っていない。今は消失不可の状況にある。もし消失が始まるとあのふたりを幸せにして私が消える可能性もある。そうなるとみんなで転生しようということが出来なくなる。だけどあのふたりを引き裂くことなんて出来ない。彼らには目に見えないけど・・・強い愛で繋がってる。

だけど転生門がしまった時・・・私が消えることを選ぶかふたりを裂くことを選ぶか・・・でも私の邪神に従ったとしてもふたりを裂くことなんてできるわけがないじゃない・・・それをしてしまえば整然と同じ悔いが重なるだけ・・・

そう考えると早めに転生門を見つけてみんなで転生した方がいい。

そんなことを考えている私を尻目に、みんながその思いを汲み取ったように・・・言う

 

野田くん

『でもよ?あの2人を裂くなんて残酷すぎねぇか?岩沢や音無の過去は知らねーが、なにかその過去があってふたりが結ばれてるんだろ?だったら幸せにしてやらねぇとな。そうじゃなきゃこの世界に来た意味すら無くなっちまうだろ?奴らだって俺達の仲間だ。』

 

大山くん

『僕はあのふたりを幸せにしてあげたいと思うよ。もちろん二人の過去はわからないけれど、きっと過去なにかがあってお互い、求めあった結果、岩沢さんの中で音無くんが、音無くんの中で岩沢さんが、ハマったような気がするんだよ』

 

日向くん

『おっ!大山!珍しく男らしいこと言ってんじゃん!でもゆり!ここにいるメンバー、ガルデモメンバー全員がその気持ちだぜ?ガルデモメンバーも時間見つけて探してくれてるんだぜ?』

 

それを聞いたあたしは、

『ふぅ・・・あたしの心配しすぎだったようね・・・みんな!岩沢さんと音無くんのために何としてでも探し出すのよ!』

 

全員がおおー!と拳を突き上げた。

 

かつて無い一体感・・・これなら絶対見つけられる!

 

そう決意した。



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第16話『A peaceful night』

緊急招集から10日が経った日の夜。

 

前に比べれば雅美の変化もすごい。

みんなの前では至って普通の

岩沢雅美なのだが

俺の前では俺の雅美だ。

甘え方がうまくなっている。

もちろんそれだけ愛されてるんだろうなぁ。生前は無かった幸せだ。

それは雅美も同じだろう。

『なあ?結弦?』

 

俺の膝枕で横になっている雅美が話しかけてくる。

 

『どうした?雅美?』

 

『最近さ?ひさ子たちと練習してるとさ?なんか・・・今まで感じたことのない・・・手応えがあるんだ。』

 

『ん・・・?その手応えとは?』

 

俺がそう聞き返すと雅美は

 

『ああ...なんかさ?このメンバーとなら転生してもやれる気がしてさ?』

そう言うので俺もいう

 

『確かに・・・みんなの演奏もグッド、雅美の声もクールで・・・』

 

そんなことを呟くと雅美がいう

 

『ははっ!それいつか聞いた感想まんまだぞ?』

 

そんな事があったっけ・・・?

 

『うーん覚えてないなぁ・・・』

 

『やだなぁ・・・ほら体育館占拠してライブやった翌日にあたしがAlchemyの感想聞いた時だよ』

 

そう言われれば・・・あっ・・・やべっ...全く同じこと言ったわ・・・

 

『そうそう・・・言ったわそんなこと・・・まだ弾けるようになる前だよな?』

 

そう聞き返すと雅美が言う

 

『ああその通りだ、結弦、お前も変わんないなぁ・・・』

 

『たしかに変わらんが雅美を愛する気持ちと大好きな気持ちは口では言い表せないくらい大きくなったぞ!』

 

そう俺が言うと雅美が

 

『いやむしろさ?大きくなってないと意味無いだろ?だって・・・あたしは・・・結弦の・・・彼女・・・だし?』

 

そりゃそうだ。大きくなってなきゃ意味がない。俺は雅美を愛してるし自慢の彼女と言えるくらいだ。ただ、雅美のライブの集客の事もあるからあまり大々的には...言えんけどな?

 

『なあ結弦・・・?そろそろ寝よっか?』

 

そう雅美に言われて時間を確認するするともう時計は23時を指していた。

 

『そうだな・・・寝るか』

 

大きなあくびをした俺はそのまま雅美とベッドへ入る。

 

寝るときはもちろん一緒だ。もちろん腕枕安定だ。いつも、雅美が眠りにつくとそっと...腕を抜く。

そうするとそれを知ってか知らずか腕に絡みついてくる。

たまに絡まり方によっては雅美の股付近に手が行く。

それこそ何かわからん展開なのだが・・・、たまに触れたりすると、雅美が甘い声を漏らすこともある。

 

んー話がゲスになりそうだ。

 

大体はスグに雅美の方が眠りにつく。

まあ生前1時間寝たらいいくらいの生活してたんだし、ゆっくり寝かせてやるのが義理だろう。

 

いつも雅美の寝息を聞いているわけだが・・・本当にそれこそ、しおり が みゆきを小動物系と、からかっていたが、雅美の方が小動物だ。

 

そんなことを考えるうちにまぶたの上と下がお友達になろうとする。そのまま俺は・・・眠りについた。

 



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第17話 『転生門発見』

17話 転生門発見

 

今日は朝から何かと騒がしい。

例の件だとだけ言われてゆりから本部へと言われている。

 

『そろそろ行くか?結弦?』

雅美はそう言って俺の手を引く

 

『分かったよ。そんな急ぐな。』

そう言って雅美を抱き寄せ静止させる

 

『結弦・・・恥ずかしい...』

 

そりゃ学校の真ん中で抱き寄せるんだから当然だろう。

と言っても今は授業中。周りには誰もいない。

 

そして本部へ着くといつもの

 

『カミモホトケモテンシモナシ』

 

鍵が開く音が聞こえてドアが開く。

 

『来たわね』

 

俺達が来た早々そういったゆりは

 

『高松くん!』

 

『はい。』

 

そう言ってカーテンが締まり、スクリーンが降りてくる。

 

『早速なのだけど・・・転生門を見つけたわ。そしてその周りをうろつく人物にも接触できた。そして転生門の謎を教えてもらったわ』

 

そうゆりが言うと雅美が真っ先に喋る。

 

『ゆりっぺ、その転生門の謎とは?』

 

するとゆりが答える

 

『ええ...転生門に関してはほとんど私たちの推測通り。ただし、転生すると今の年齢から幾らか若返る。もちろん見た目はそのままなのだけど・・・』

 

となると・・・俺が18だから高2になるのか。

 

年齢としてはユイ、しおり、みゆきちが高校1年生に転生する。

 

俺達18歳組、要するに3人の先輩にあたる俺達が高校2年となるのか。

 

『もちろん生前18まで生きたし、記憶が残るのだから、正直勉強は退屈よね・・・今みたいに自由はできない、ただ、それを我慢すればちゃんとした人生を送れる保証がある。』

 

そうなればもちろんそうしたい。

雅美とも結ばれるしな。

ただそうなると俺たち以外にメリットがあんまりない。

まあここでも学園生活送ってるのだが・・・。

 

『もちろんみんなの意見も聞いたわ。総意として音無くん、岩沢さんについて行くとのことよ。』

 

全員で転生か...それもいいかもな

 

『私たちが転生すると私たちに関した記憶は消えることになる。もちろんガルデモの事もね。天使も私たちと戦った記憶もなくなる。ただ私たちは記憶を持ったまま、行くことになるから、ここでの記憶、生前の記憶も残るわ

。』

 

転生してもバンド活動をしたいと前に雅美が言っていたがそれも出来るのか...

 

『ならさ?あたしたちが使う楽器とかはどうなるんだ?』

 

そう雅美が聞く

ゆりが答える

『もちろん持ったまま転生できるわ。ドラムに関しては重すぎてどうなるかだけど・・・せめて入江さんにはバチくらいは持っていくように言ってあるから。あと...Girls Dead Monsterのロゴも忘れずにね?やるなら。』

 

『それは分かってる。結弦にもやりたいと話はしてるしもちろん許してくれたけどな?』

そう雅美は答える

 

『ああ、俺も歌ったんだし、雅美の声、ガルデモの演奏は俺にとってなくてはならないものになったからな…』

 

俺はそう答えた

 

『なら決まりね。では作戦を発表する。』

 

スクリーンに映し出されたのは

 

Final operation 『AngelBeats!』

 

これが戦線最後の作戦になる...そう思いながら全員は夕食へ行く...



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最終回 『Final operation AngelBeats!』

そして翌朝、俺達はまたもや緊急招集だ。

 

恐らく最後の作戦の事だろう。

 

本部へつくと、俺達が最後だった。

まあ距離があるから仕方ない。

 

『来たわね・・・では早速機能発表した最終オペレーション AngelBeats!の事なのだけど・・・決行は今日の20:00よ。各々持っていきたいものを持ってきて欲しいのよ。』

 

転生する上で持っていきたいものだろうか・・・俺は雅美と楽器とCD、PCくらいだろうか・・・

野田が言う

『どこに集まればいいんだ?』

 

ゆりは慌てたように言う

『そういえば言ってなかったわね・・・一応今日の朝、直井くんが確認してくれたところだと、昨日とそんなに変わらないわね。場所はひさ子さんが猛獣化した時の所よ』

 

『あれは・・・悪い記憶だ・・・というか・・・関根が悪いんだろ・・・あれは』

 

『確かに・・・作戦とはいえ・・・やりすぎた部分はありました・・・』

 

そうかあのへんなのか・・・

 

では、とゆりは立ち上がり、

 

『解散!』

 

そう言って解散した。

 

各々持っていくものを決める。

 

『結弦は何をもってくんだ?』

 

そう雅美が聞く

 

『うーん俺は楽器とPCとCDかなぁ』

そう言うと雅美が

 

『あたしもだろ?』

そんなことを呟く

 

『もちろんだ。雅美と結ばれるために転生するんだからな?』

 

そう言うと雅美が安心した顔で

 

『良かった・・・』

そう言った

 

まあ置いてくわけないしな?

 

『あっそうだ、ひさ子たちの所へ行かないとな?』

 

そう言えばそうだ。

 

そして俺達はいつも練習する空き教室へ来た。

 

『おう!岩沢、音無!』

 

『ひさ子!持ってくものは決まったのか?』

 

『ああ!楽器はまず確実だな。ただドラムをどうするか・・・』

そうひさ子が悩んでいる。

 

『だったら俺とお前らで大丈夫。』

 

俺がそう答える。

 

『なんでだ?結弦?』

雅美がそう聞く

 

『ああ、実は椎名がだいしゃをよういしてくれたんだ。これなら女性でも引けるからな。そこに載せるまではそんなに難しくはない。実際男性3人がかりなら台車に載せるくらい簡単だ。』

俺はそう説明する。すると、しおりんが

 

『さっすが!音無先輩!頭いいですねぇ・・・それの頭で岩沢先輩を落としたキレは侮れませんなぁ』

 

茶化されてるのか褒められてるのかよくわからないが・・・まあ気にしないに越したことは無い。

すると、みゆきちが言う

『あははっ・・・お気になさらず〜・・・』

 

と必死でフォローしてくれた。

 

だがフォローするには少し足りなかった気がしてならない・・・

 

でも、このメンバーと一緒なら俺も雅美もやりやすい。

 

そして夕方になり夜になり

転生作戦開始まであと2時間ほどの

夜6時・・・ガルデモメンバーと俺でドラムを台車に載せ、紐で縛り台車を引く。

 

そして例の集合場所に着いたのは作戦開始15分前のことだった。

 

『やっと来たわね。ドラムも持ってく感じね・・・てかさ?誰か手伝ってやりなさいよ。音無くんはいいとしても、日向くんとか野田くんとか高松くんとか!!音無くん以外女性なのよ!?普通は男が持ってくるもんでしょ!?』

 

ゆりが主に3人にキレる

 

『すまねぇ・・・ゆりっぺ・・・』

みんな頭が上がらないようだ。

 

たしかにここまで統率が取れてたのはゆりのリーダーシップありきだ。

そしてゆりが言うことすべて正しい。

 

まあそのうち収まるから気にしないでおこう。

 

周りを見るとみんな結構軽装だ。

まあガルデモメンバーや俺は楽器があるから多く見えるんだろう。

 

『さて?早速だけど行きましょう!少し早いけどね?』

 

そうゆりが言うとみんなが順々に入ってゆく。

 

中へ進んでいくうち、この世界での出来事が走馬灯のように蘇る。

 

この世界に来た時、突然戦線に入れと言われたこと、初めてガルデモのCrow Songを聞いた時、天使エリア作戦で女子寮に入ったこと、ひさ子と雅美にMillion Starを弾いてもらったこと、operation Girls Dead Monsterの時にひたすら練習した1ヶ月、そしてその中で雅美が好きだと気づいたこと、膝枕してもらったこと、雅美と初めてを貰いあったこと・・・記憶が蘇ったこと・・・全部がこの世界で起こったことだ、今では奇跡すら感じてしまう。それだけにこの世界を離れることに何か一抹の寂しさというものがある。

それは雅美も同じだろう・・・

 

--------------------岩沢目線-------------------

この世界に来て何10年・・・いろんなことがあったな・・・

 

この世界に来た時、生前脳梗塞で動かなかった身体が動き、出なかった声が出せたこと、本当にその時は飛び跳ねるほど嬉しかった。

そしてアコギしか弾いたことのない、あたしにひさ子がエレキギターを弾かせてくれたこと・・・本当にあの時は心が踊った・・・そしてこの世界に来て初めて作った Crow Song、そしてAlchemy・・・今ではどれも思い入れのある曲だ。

そしてひさ子とあたしと、関根、入江全員が揃って結成した

Girls Dead Monster・・・

何10年と1500人の生徒相手にライブをしてきた・・・その中で自分の幸せよりも人の幸せを願って歌い続けた。

 

でもそんなあたしに手を伸ばしてくれた音無結弦・・・そう今ではあたしの彼氏だ・・・彼に出会ってから半年?だろうか・・・いつの間にか彼に惹かれて、彼のことが好きになって、いつしか彼なしでは生きられなくなった・・・生前恋なんてしたこと無かった・・・まあ・・・するヒマなんて無かったんだろうけどな・・・

でもそんなあたしに幸せを教えてくれた・・・だからこそ、彼にはいろんなものをあげた・・・初めてのキスから・・・初めての・・・ん...まあ・・・結弦には感謝してる・・・これからもあたしを守ってくれる・・・そう...約束してくれた・・・だからあたしは彼を信じて・・・ガルデモメンバーや戦線のみんなを、信じて・・・ここから第二の人生が始まる・・・。いや...第三の人生だろうか...?何にせよ...結弦がこれからはそばにいてくれる...

 

そして気づくとあたしは・・・結弦の作詞した『第3のAlchemy』を口ずさんでいた。曲のタイトルなんてない・・・これが結弦のAlchemyだから・・・

ただあたしは、

あたしにはあたしのAlchemy

ユイにはユイのAlchemy

結弦には結弦のAlchemy

があると思う・・・誰かが何を思って歌うのかは・・・自分の勝手だ

その人にはその人の解釈や考え方がある・・・だからAlchemy、Crow Song、そのほかの曲もその人の好きなように歌ったらいい・・・あたしはそう思うんだ・・・

さてそろそろ・・・光が見えてきた。

あたしは結弦の後ろから抱きついて、二人で歩き出した。

 

『結弦!愛してる♡』

 

『雅美・・・俺も愛してる!』

そう言って抱き合ったまま光の向こうへ歩いていく

 

みんなもやれやれと言った感じで、前を歩いている。

 

ここから第3の物語の始まりだ!

 

‪Fin




こんにちは!筆者の西崎祐也です!

最後はあんな終わり方でよかったのでしょうか・・・?

今日は次回予告とこれまで読んでくださった皆々様への感謝を綴りたいと思います!

さて岩沢さんからなんですが
ここでプロフを見直しておきましょう。

生前、両親の喧嘩が絶えない家庭での生まれ育ちで、そんな日常から抜け出したいと思った時 とあるバンドの曲を聴いて音楽に目覚めた彼女ですが、
中古のコード本とごみ捨て場にあったアコギで作曲ができるようになるとは・・・相当な天才肌な彼女ですが
そんな彼女の音楽には目もくれない無能な大人達の前で歌い続けた彼女の意思には感服します。もちろん僕が聞いたら聞き入ってしまうでしょうが・・・そんな彼女は父親にビンで頭を殴られ、後にそれが脳梗塞の原因となって、失語症、寝たきりの原因になってしまうのですが・・・。その後死亡してこの世界にやってきたというのが彼女の生前の記憶です。

死後の世界ではCrow SongやAlchemyなどの人気曲で一躍学園内では時の人となります。
アニメでは3話 『My Song』で歌い切り消えてしまうのですが・・・ゲームやこの小説では回避ルートを主としてやって来ました。

単純に筆者が幸せにしたいと言うだけで始めたこのシリーズももう終わりを迎えてしまったというので・・・何か一抹の寂しさというものがあります。
ですがこの後!新シリーズでこのお話の続きが見れるのです・:*+.(( °ω° ))/.:+

そのシリーズ名!

AngelBeats!転生編

です!

転生後の世界では音無・岩沢の関係はもちろんの事!ほかの戦線メンバーも恋をする!?的な展開があるんだと!・・・思います・・・(しょーじきまだなんにも決まってないけどな?)

そんなことはいいとしてですね
登場人物の紹介でもしておきましょう!

仲村ゆり
音無結弦
日向秀樹
松下護騨
直井文人
岩沢まさみ
田口ひさ子
入江みゆき
関根しおり
椎名枝里(えり)
高松浩文
野田洋次郎※
遊佐未森
藤巻亮太
大山純 (大山くん)
日向結衣 (ユイ)
田中一希(TK)

以上戦線メンバーたちです!
ちなみに公開されていたメンバーの本名はそのままに、
公開されていないメンバーたちは、元ネタとされる方の名前を少しもじる
等で使わせていただいております!

※野田洋次郎は
RADWIMPS(代表曲:前前前世)
の野田洋次郎さんとは一切関係ありません。たまたま被っただけですきっとそうです。

そんな感じで皆さん登場します!
あとユイに関しては
敢えて日向結衣にしてありますが、
元ネタの方の名前もYUIなので名前がわからないということから
結婚してやんよ!
でお馴染み日向くんと苗字同じでw

ていうことで次回予告はここまでにしておいて!

ここまで読んでいただいた皆々様・・・本当にありがとうございます!
これがデビュー作品となりました。
私が言いたいことは一つだけ、、、

これを読んでる方、普段普通に生活している方、
それが本当に幸せな人生なのです。(幸せかどうかは人それぞれ)
彼らの生い立ちと比べれば普通に生活してるだけでも幸せなのです。。

そしてAngelBeats!に出てくるGirls Dead Monsterの曲の数々、実に胸に突き刺さる歌詞や演奏・・・全部名曲と言っていいのではないでしょうか?

アニメとしては賛否両論色々あるかと思います、、
ですがこんなに曲とリンクした作品はないでしょう?
歌詞一つ一つに込められた思い・・・考えるだけで深すぎて・・・溺れてしまいそうな・・・そんな歌詞ばかりです。

話がそれました・・・スミマセン...

私の二次創作作品はAngelBeats!が中心となります。

ここまで見てくださった方ありがとうございます!シリーズとしては
全18話と短いものになりましたが・・・何とか書き上げることが出来ました!
ではこれからも...頑張っていきますので応援よろしくお願いします!

このシリーズをもう一度読みたい方は検索から ‪AngelBeats!The next story with.Girls Dead Monster‬で調べるとピンポイントで出てくるかと思います。
その他の作品も応援の方お願いします!

ではまた次回の作品でお会いしましょう!バイバイ!


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