AngelBeats!転生編 (岩沢さん)
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序章『転生門の後で……』

転生門を抜ける記憶は全くない、

残ってる記憶といえば生前、死後の世界でのこと、そして雅美に愛してると言われて愛してるぞ!と返したこと。

 

そんな記憶を辿りつつ目を開ける、そこは自宅?らしかった。

そして聞き覚えのある寝息・・・雅美だ...!!

てことは転生できちゃったのか!?

 

うっし!とは思ったもののまだ雅美の記憶の確認をしなければ安心できない。俺はしっかり記憶が残っている

 

『起きろー雅美ー』

揺らしても起きない。

 

なのでいつも通りキスをする

 

すると・・・

 

『ん...あれ...?結弦?結弦!?結弦!!結弦!!!!!』

そう言って俺に抱きついてきた。

くぅー可愛いなあ俺の彼女は!!

 

すると雅美が言う

『良かった・・・無事転生できたんだな・・・!』

 

『ああ!これからも雅美と一緒だ!』

 

そう言ってキスをする

 

すると扉が開く。

 

『ほらおにいちゃんに岩沢先輩!遅刻しますよ!全く・・・二人で暮らしたいって言ってたのに朝起きたら案の定遅刻仕掛けてるじゃない・・・』

 

そう言っている女の子がいた。

 

誰だろうか?少なくとも俺がお兄ちゃんと呼ばれたのだから妹であることは間違いない。

とりあえず

『おう・・・?えーと誰やっけ?』

そう聞くとその子はえー!と驚き

 

『いやいや!なんで忘れちゃてるの!?妹の初音だよ!?まあ初夜で浮かれてるのも無理はないけどねーって!?なんてこと言わせるんじゃーこらぁーー!』

 

なんかキャラ崩壊してない?俺の知ってる前世の初音は大人しめだったはず・・・なぜそんな子がユイキャラっぽくなってるわ・・・ていうか雅美の両親は・・・?

 

『雅美の両親の了解は得てるんだっけ?』

俺がそう聞くと・・・はぁ・・・と頭を抱える初音

 

『いやねぇ・・・お兄ちゃん・・・何も覚えてない?岩沢先輩の父親は脳梗塞で死去、お母さんは私より結弦くんの方がって言って託されたのよ?』

 

『あたしの父親が脳梗塞で・・・?私の前世も脳梗塞・・・』

そう雅美が言うと初音がいう

 

『ええ確かに・・・岩沢先輩は前世では脳梗塞による失語症と寝たきりでそのまま死去しました。ですが!この世界では前世で死後の世界へ行った方々を殺めた方々つまり交通事故ならそのドライバー、岩沢先輩のようなケースだと死に追いやった原因の方を転生した方の代わりに殺すと言う仕組みなんですよ!』

 

突然そんな業務的なことを喋り出す初音、まさか知ってるのか?俺たち死後のこと・・・

と考えていると初音がはっ!?としてこちらを向く

 

『私どうしてたんだろ・・・お兄ちゃん?何か言ってた?』

 

なるほど・・・死後の世界でのことを聞くとなにかに乗り移られて仕組みを説明してくれるのか・・・

 

『なあ初音?俺達は何歳なんだ?』

 

そう聞くと初音が言う

 

『本格的にやばいよ・・・にいちゃん・・・私は15歳高校1年、にいちゃんたちは16歳高校2年でしょー!』

 

雅美が言う

『てことは?もう1度高校2年からやり直しか?』

 

『どうやらそうらしい・・・なあ初音・・・同級生には誰がいる?雅美の知ってる人で』

 

そう聞くと・・・はぁ・・・と呆れた顔で

 

『そこからか・・・わかったよ・・・私の同級生には 関根しおり、入江みゆきくらいよ・・・』

 

『おお!みんな転生成功したんだな!!』

 

『?転生って何ですか?』

そう初音が聞く。

 

『あ・・・?ああ・・・気にするな』

雅美は切り返す

 

『?今日のふたりへんだなぁ・・・まあいいや。朝ごはん食べて学校いってください!遅刻しますよ!』

 

俺と雅美は

『ああ!了解』

 

そう言って身支度をして朝飯をかき込み学校へ向かう。

制服は不思議なことにクラスSSSの時とほとんど変わらない。ただワッペンの部分が俺達が通っている設定の校章が付いている。その学園こそ

『学校法人立華学園

私立立華学園高等学校』

 

『なんか不思議な世界だな?結弦?』

そう雅美が言うので

 

『だなぁ・・・なんでも死後の世界仕様ってか?』

 

そんなことを言いつつ知らない道を歩む。すると不思議なことに学校の正門にたどり着く。そこで待つものはなんなのか・・・



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第1話 『いつもの仲間と』

俺達が学校につくと正門に見覚えのある顔が揃っていた。

 

『おっはよーひさ子!』

雅美がそう言うとひさ子が

『おっ!音無に岩沢!良かった!お前らが遅くて心配してたところだ。』

そんなことを言った。

 

『すまん・・・寝過ごしたみたいだった

。』

 

するとゆりが言う

『いやいや、まだ全然早いんだけどね?でもみんなが揃ってよかったわ!記憶もちゃんとあるみたいだし、年齢は基本は16歳?高校二年?』

 

俺はそれを聞き言う

『ああその通りだ。年齢としてはそうなる。ユイとみゆきちとしおりんは15だろう?一つ下になるみたいだ。』

 

するとみゆきちが言う

『そうなんですか!?なら先輩ですね!』

するとしおりんが割り込む

『この世界でも引き続き!岩沢先輩と音無先輩を応援しますよ!』

 

しおりんはそんなことを言った。

 

なぜ俺が関根をしおりん、入江をみゆきちと呼ぶかは特に理由はない。

まあ死後の世界での一緒に練習して仲良くなったそれだけだ。

 

みゆきちは

『いやいやいや〜』

と困ったように言う

みんなやっぱり変わらんなぁ。

 

『それじゃあ教室へ行きましょう!ここは転生後の世界、勉強はしなきゃあいけないからね?』

 

『岩沢〜ガルデモやるんだろ?』

ひさ子が雅美に聞く

 

『ああもちろんだよ。』

雅美はそう答えた。

 

『ならメンバーはどうする?』

ひさ子はそう言うが

雅美は

『もちろん、ひさ子にあたし、関根に入江、ユイ、結弦だろ?』

 

メンバーの名前をいう。まて俺が入ってる。バンド名はGirls Dead Monsterなのに・・・男がいていいのか?

 

そんな疑問を抱いていると、雅美が言った

 

『あっ・・・でも結弦がいるかぁ・・・ならGirls Dead Monster with.音無結弦

ならどうだ?』

 

なんだなんだその

ブルゾ〇ちえみWith"Bみたいな名前は・・・お笑いコンビちゃうぞ・・・

 

『それならブルゾンちえみっぽくしてみたらどうだ?』

ひさ子が言う

 

乗るな・・・乗るんじゃない・・・あかん・・・廃れていく・・・

 

『その意見も踏まえると

Girls Dead Monster with.Y

でいいか?』

 

やめてくれえええええーー!俺は心の中で泣いた

 

『どうした!?結弦!?なぜ泣いているんだ・・・泣くなよ・・・あたしも悲しくなるだろ・・・』

雅美がウルウルしている。

 

やっぱり雅美には伝わるのか・・

 

『どしたー?岩沢?音無は泣いてないぞ?』

ひさ子が不思議そうに言う

 

『違う・・・心の中で結弦は泣いているんだ・・・』

雅美がそう言うとひさ子がやれやれと言った感じでこのやりとりを見ていた

 

そりゃ傍から見ればバカップルだからな・・・

 

『ん・・・まあそれだけ心を通わせてるのよ2人は。』

ゆりがそんな名言っぽいことを言う

 

『そろそろいこーぜ。遅れるしよ』

野田が話にけじめを付ける

 

みんなはっ!?として言う

『そうだった・・・今日からは普通にやるんだよなぁ』

 

日向が言う。すると

 

『ひなっち先輩らしくないですよ。いつも通りやればいいんですから!あと私もガルデモメンバーなんですね!』

 

そういうのはユイだ。

 

『ああもちろんだろ?岩沢がいない間戻ってきてからも頑張ってたしな』

そんなことを呟くひさ子。

 

『ああ・・・誰もユイの音楽を邪魔する権利なんてないしな。みんなで頑張ろうぜ!』

 

雅美がそう言う

そう言えばどこかで聞いたふうな言葉だ。

 

あの時か・・・体育館でライブする日の昼頃か?ユイの路上ライブ聞いていた時か・・・あの時はどうも消えかけたらしい・・・良かった・・・消えなくて・・・。

 

そんなことばかりが頭をよぎる。

そんな時に助けてくれるのは雅美だ、

 

『大丈夫か?あたしはもう消えたりしないぞ?ずっと...結弦のそばに居るからな...?もちろん、結弦も離れるなよ...?』

 

そうだった...俺は...雅美を守らないといけないんだ...一生をかけて...。

そんな簡単なことではないが・・・それでも雅美を守ると約束した。雅美がいてくれる限り幸せにしてやらないといけない...。

 

『よっしゃ!行くか!』

俺は無意識にそんなことを言った

 

『やっと...元通りになった?だけどあたしばかりに現を抜かすんじゃないぞ?ちゃんと勉強もしなきゃな?』

 

上手く横槍を入れられた俺は

 

『わーてるよ。もちろん勉強も頑張るぜ?っていうかほとんど分かってるし・・・』

 

そして俺達は階段を上がりつつ教室を探す。

 

そして2年3組に俺達の名前を見つけた。

途中みゆきちとしおりとユイは学年違いのため一旦解散

 

そして名簿を見る

2年3組

1.岩沢雅美

2.大山純

3.音無結弦

4.椎名絵里

5.高岡 海人(TK)

6.田口ひさ子

7.高松浩文

8.直井文人

9.仲村ゆり

10.野田洋次郎

11.日向秀樹

12.松下護騨

13.藤巻亮太

14.遊佐未守

 

全員同じクラスだ

もち下級生以外は

 

てか少なっ!なんだよ14人って・・・

 

そう思いつつもゾロゾロと中に入っていくと、1人1人の名前が入ったプレートが机に置かれている。

 

俺は自分の席を見つけ座る。隣は誰かと覗き込むと

プレートに岩沢雅美と書かれていた

心の中でガッツポーズしそうになるほど嬉しかった。教室でも隣同士、俺達は一番後ろだ。

前にはひさ子と遊佐がいるが

遊佐は完全にキャラ崩壊している。

なんか元気でおてんばっ子になっている。

自分の感情を押し殺してということなのだからきっと・・・元の性格なんだろう・・・

 

しかしこんなに明るい子だったとは・・・

以前は幽霊のように現れていたのに。

 

『いえ・・・幽霊ではありません。ちゃんと歩いてます』

遊佐が突然振り向き以前の静けさで言った。

しかし言い終わると

 

『いやーさ?音無くんもあれだよね。私のこと幽霊みたいに言ってさぁ?ちゃんと歩いとるがな!とか思ってたよ(笑)』

遊佐は笑いながらそう言った。

 

『あれだなー遊佐もだいぶキャラ変わったなぁ。そう言えばガルデモの大ファンなんだって?』

雅美がそう言うと

 

『それ!Crow Songとか大好きだし何を言ってもAlchemyも譲れないねえ・・・』

 

遊佐のキャラが安定しないな・・・。

 

すると誰かが近づいてくる

『やあ。』

そう言われるが誰だろう・・・こんな奴おったっけ?

そう考えてると日向が来て

『よう!だいぶ変わったなぁ。』

そう言った

『まああれは死後の世界仕様。今は現代仕様だね』

まさか・・・なあ?そんなわけが無いか・・・。

そして日向がこっちを見て

『こいつ誰だ?みたいな顔すんなよ音無〜戦線のメンバーを忘れるなよ〜ほらあのセリフ』

 

『crazy for you』

いつもの口調で言った。TKだ・・・高岡海人こそTK・・・

 

『TKか?』

そう聞くと・・・TKらしき人が言う

『正解・・・ていうか音無は知らなかったよな・・・すまんすまん』

 

TKが普通に日本語を喋ってる・・・なにか不思議な感覚だ。

 

『あーTKか・・・TK自体あんまり顔合わせたことないしなぁ・・・』

ひさ子が言う。

 

『ひさ子・・・それは・・・』

なにかうなだれた様子のTKもとい高岡海人さん

そんなことをしているうちに担任が入ってきた。

 

『みんなおはよう。』

 

そう言われてさっと反応して

おはようございます

とみんなで挨拶する。

 

『これから新しい学年新しい年が始まるわけだが、何故こんなに顔見知りばかり?と思った奴もいるだろう』

 

たしかにそれは思った。なんだ?暗〇教室みたいな落ちこぼれかなんかか?と考えていると担任が言う

 

『まあそんな深い理由はない。くじ引きだ。』

 

なんだよそれっ!と全員が心の中で同じツッコミをする。

しかし、くじ引きでもこうなるとはなにか結ばれている元死んだ世界戦線メンバー達である。

 

こんなクラスで大丈夫なのか・・・なにか騒がしくなりそうだ。

 



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第2話 『生き物係は私だ』

さてそんなこんなで、新学期?がすたーとしたところだが、まずはクラス係を決めようとのことだった。

 

まずは室長(所により学級委員)を決めることになった。

TKが言う

『学級委員はゆりっペでいいだろ?』

 

そう言うと日向が、

『まあそうだよなぁ・・・リーダーといえばゆりっぺだもんな。』

野田も

『もちろん異論はない。ゆりっぺにしか務まらない。』

 

大山も

『もちろんゆりっぺ以外居ないよねぇ』

 

直井は

『なぜ僕ではない・・・僕は神だ・・・』

そういうので俺が一喝してやる

『直井・・・お前の存在は俺が認めただろう?』

そう言うと直井は

『もちろんじゃないですかぁ〜音無さんの前では直井文人です!』

という

 

『ならゆりで異論はないな?』

そう聞くと

『もちろんですよぉ〜』

そう言ったのでOKとする

 

『異論はないみたいだな。』

そう俺が言うとゆりは言う

 

『まあ話の流れでそうなるとは思ったのだけど・・・まあそんなに期待するなら私が引き受けるわ。副委員は私が指名でいいわね?』

 

みんなに聞くとみんなOKと言うので

高らかに指名する。

『なら椎名さんにお願いするわ。』

 

みんなの予想は外れ椎名になる

 

『あさはかなり・・・私は・・・その・・・生き物係がいいのだが・・・』

 

まあそうなるよなぁ・・・椎名だから。

 

『椎名っちぽいなぁ・・・』

日向が言う

 

『んーなら仕方ないわね・・・』

意外とすんなり手を引くゆり

 

『なら・・・ひさ子さん、お願いできるかしら?』

またもや予想は外れひさ子になる

ただ俺だけはひさ子も候補だと考えていた。

 

まあ確かに、ガルデモでも副リーダーっぽかったし、雅美がいない間はリーダーだったしな・・・

 

『あたしかぁ・・・光栄なことだけど・・・遠慮しとくよ。私よりは適任がいるだろ?』

ひさ子は断りを入れる

 

『んーそうかぁ・・・まあ仕方ないわ・・・』

これもまた簡単に手を引くゆり

多分・・・ガルデモの練習に支障が出ることを懸念したひさ子の気持ちを汲んだのだろう・・・

 

『ならここは・・・少々あれだけど・・・直井くん?お願いできるかしら?』

 

まさかの直井だ。まあ確かに生徒会長代理だしまあそんなに暴走はしないだろう・・・

 

『ふふっ・・・この僕に白羽の矢を立てるとは・・・なんとも光栄なことだ・・・貴様らを神がをまとめてやろう・・・』

 

いやだから・・・副委員なんだって・・・

まあ大丈夫か・・・

 

『んーまあいいわ。』

ゆりがそのまま着席する

 

『よーし決まったようだな・・・中村と直井は前へ出て他の係を決めろ』

 

二人は立ち上がり黒板の前へ

 

『じゃあほかの係を決めましょう。椎名さんは生き物係ね』

 

『うむ・・・』

 

納得の椎名。

 

あとは教科委員と保健委員と風紀委員だ

 

そう言うとひさ子が颯爽と手を上げる

『ならあたしと岩沢と音無で音楽の教科委員でいいぞ』

 

『ならそれでいいわよ。あとは・・・』

 

と言い考えているゆり

 

そしてなんやかんやで決まったらしい。

 

現代文・古典(遊佐・椎名)

政治・経済(藤巻・大山)

歴史・地理(野田・遊佐)

音楽(音無・岩沢・ひさ子)

数学(大山・野田)

理科(高松・藤巻)

英語(TK・高松)

体育(松下・日向)

家庭科・技術(岩沢・ひさ子)

その他↓

生き物係(椎名)

保健委員(日向・音無)

風紀委員(TK・ゆり)

学級委員(直井・ゆり)

 

兼任も所々いるものの申し出た人だけである。

もちろん生前の記憶から保健委員に抜擢だ。

 

『じゃあこんな感じでいいわね?』

ゆりが同意を求める。

 

みんな意見はないらしい。

 

というわけで決まった。

 

さて雅美を見てみると

 

『・・・すやすや・・・』

寝てた。そういえば声が聞こえないなぁと思ったが・・・まあいいだろ。

 

『雅美・・・起きろ』

小さい声で肩を叩くと、

 

『ん・・・結弦?ふああ〜・・・』

とあくびをして起きる

 

『寝んなよ・・・雅美・・・』

俺がそう言うと

『あー・・・済まない・・・』

と俺に謝った。

 

そして・・・担任(磯部と言うらしい)が立ち上がり、

 

『よーしきまったなー。仲村の統率力にはびっくりだ。みんな自然と従う・・・。』

 

そう言うと直井が

 

『先生・・・僕だって統率力はあります。この愚民どもを従えるなど容易いこと・・・もちろん!音無さんとガルデモメンバー以外のことですがぁ〜』

 

俺に加えてひさ子、雅美が崇拝の対象になったらしい。

あとから理由を聞いてみよう・・・

 

『おっ・・・おう・・・直井も・・・なかなかだな・・・』

磯部先生が引きながら言う。

 

てか本当にこんなんで大丈夫なのか?このクラスの先が危ぶまれるところである。

 

----------------放課後------------------------

 

授業も終わり役員決めの時に気になったことを直井に聞く。

 

『なあ?直井?』

直井の席に行くなり話しかける

 

『あっ!音無さん!どうしたんですかぁ?』

 

『いやな?俺以外にガルデモのメンバーが崇拝の対象になった理由をな』

 

『あーそのことですかー!いや実はですね?音無さんは笑顔が素敵で僕の存在を認めてくれた方じゃないですか?』

 

『ああ確かにな・・・』

 

『それで気づいたんです。音無さんはガルデモの岩沢さんと付き合っていることに。そこでですね?僕は音無さんは笑顔じゃないといけないんです。その過程で、岩沢さんは音無さんを幸せにしてくれて、ひさ子さんは岩沢さんと共に音無さんをバンドに誘って楽しませてくれている。つまり音無さんを笑顔にしてくれる方、全てが僕の憧れの方なのです!』

 

『そうなると・・・日向とかはどうなんだ?』

 

『あー男の人は生理的に受け付けないんですよ・・・ホモじゃないですし・・・あっもちろん・・・音無さんは僕にとって神様みたいで生理的とかそんなことで片付けられる人ではないので関係ないですよ?』

 

なんと言ったらいいのか・・・よくわからんやつだ。まあ元々だが

 

ガルデモの結成はまだみたいだ。ひさ子に聞いたが明日体育館の使用許可を得たらしい。さっそくライブする気かよ・・・その上練習なしときた。雅美と家で練習するか・・・。

 

そんなこんなで激動の1日が終わりを迎えた。

 



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第3話 『第3期Girls Dead Monster』

翌朝、雅美を起こして朝食を作る。

今日は土曜日だが、ガルデモの現世での初ライブだ。

 

朝早速声出しがしたいとのことで

雅美は「My Song」を弾いていた。

やはり少し物悲しくなる感じだが、もう雅美が離れることはないので泣いたりはしない。

何か俺が曲を書いてやりたいなぁ・・・そんなことを考えながら聞いていた。

 

歌い終わると雅美は

 

『バラードだ・・・一度ゆりっぺに却下されたやつだけどな(笑)』

 

確かにいい曲だ。雅美の音楽の入りはアコースティックだからな。

 

『なかなかいいんじゃないか?しかしお前の過去を知ってると悲しくなるのが難点だが・・・』

 

そう言うと雅美がいう

 

『まあな・・・だけどいい曲だろ?あたしの生前の想いだ。今は結弦がいるから幸せだが?』

 

それなら良かったと思い抱きしめた

 

『ん・・・結弦・・・大好き・・・』

 

まあ俺としては雅美が居てくれて好きなことをしてくれればそれでいい。

 

そういった所で学校へ向かう。

もちろん俺も今回は裏方として舞台袖にいる

体育館の使用許可はひさ子が取ってくれているらしい。

ここは現世。死後の世界みたいなことは出来ないらしい

 

元戦線メンバーたちはお客として見るらしい。なので今回は

しおりん、みゆきち、ユイ、ひさ子、雅美、俺

 

と言ったメンバーでやることになる。

今回からトルネードもクソもないので普通の学園内ライブ程度だ。

 

だけど熱気は当時と変わらない。

人も集まり、ガルデモの熱もあって最高のライブになりそうだ。

 

『よっし!始めるか!』

いつか聞いた雅美の合図で

 

ひさ子『よっし!』

ユイ『OKです』

しおりん『はーい!』

みゆきち『では行きましょう!』

音無『了解』

 

そして聞き覚えのあるCrow Songのイントロが流れる

はじめに歌うのは俺とユイを除くいつものメンバー

--------------------Crow Song------------------

岩沢side

 

やっぱり最初はこれだ!

 

入江に合図をする

 

『やっぱりこれですねぇ〜』

そんな声が聞こえた気がする

そしてドラムから入る

 

いつも通り弾いていく。

生徒達の反応も上々だ

 

今回は前回にはいなかった先生もいるからな。そこにウケるかどうか。

 

結弦が横で見守ってくれている。それだけでいつもと違う気分なのだが、ヤッパリ歌うのは楽しくなくてはな。やっぱりあたしは音楽キチなんだろうなぁ。結弦がいてくれるあとも前も何を言っても音楽は切り離せない。

 

そして曲が中盤に差し掛かる

 

『息継ぎさえできない街の中〜♪』

 

 

『星空が最高の舞台〜♪カラスたちカーカーと鳴くよ〜♪いつも思うよ〜いつ寝てるんだろ〜♪』

 

ひさ子も、関根も、入江もみんな普段通りの演奏をしてくれる。

歌いやすいのはやっぱりこいつらお陰だ。

 

そして曲はクライマックス

『いつまでだってここにいるよ〜♪通り過ぎてゆく人の中〜♪闇に閉ざされたステージで〜♪今希望の唄歌うよ〜♪あなただって疲れてるでしょ その背中にも届けたいよ〜♪こんな暗闇の中からの希望照らす光の歌を〜♪その歌を〜♪』

 

そしていつも通りの終わりを迎えた。

 

----------------Crow Song終わり---------

音無side

さすがだ。やはり圧倒される。よくこの中で歌えたものだと、自分自身感心する。やはりこいつらは現世でも人気が出そうだ。

そう考えていると後ろから声をかけられる。日向だ。

 

『よう!音無〜♪早速聞き惚れてるな(笑)まあ彼女が歌うから無理ないよな(笑)』

 

茶化された気分だ。

 

『お前だって、ユイが歌ってたら聞き惚れるだろ?』

 

『あー確かにな、そうなりそうだ。』

 

そんな話をしていると雅美とユイが入れ替わる。

そして雅美が俺の顔をのぞき込む。

 

『どーした?結弦?』

 

そう言うので、答えた

 

『ああ、お前の声に惚れてな』

 

なにげにすごいことを言っていた気がするがまあ恋人同士なので特に関係なし。

 

『結弦は相変わらずだよなぁ。』

 

そう言われ、

 

『まあなお前に惚れてお前の声に惚れる。どっちも雅美だから浮気じゃないぜ』

 

『んーそうだな。よく分からんが、あたしの全てが好きということだな』

 

んーまあそんなもんよねぇー

 

『ああそうだ。』

 

一方のユイであるが歌う曲は

「Day game」だ

 

ユイの作詞作曲らしい。

 

--------------------Day game-------------------

ユイside

 

初めて作った私の曲・・・岩沢さんはどう評価してくれるんだろう。

内緒で練習してきたとはいえ やっぱり緊張してしまう。

 

ひさ子先輩の顔を見ると、

 

『大丈夫だ。そのまま歌えよ』

 

と口が動く。

 

もちろん声が出せない状況で私を励ましてくれたのだろう。

 

ひさ子先輩が安心して弾けるようにしっかり歌わなきゃ。

 

ひさ子先輩のソロ・・・聞き惚れるほどの高い演奏力。もちろん、

しおりんもみゆきちもなのだけど。

 

そんなことを考えるうち曲は終盤に差し掛かる。

 

『手を振り上げろ!忘れちゃいけないよ本気の真っ直ぐ don't be afraid 』

 

久しぶりだ・・・こんなに思いっきり歌うのは・・・。

 

--------------------終了----------------------------------------

音無said

 

何かユイの演奏に迷いがなくなった気がした。

こうなんというか・・・音のムラが無くなっていい感じになっている気がしたんだ。

 

『ユイも上手くなったな・・・もしかしたらあたしはもう超えられたかな・・・(苦笑)』

 

雅美がそんなことを言っていた。

えらく自分を謙遜するよな。

 

今回はこの二曲で終わりだ。Alchemyは演奏に若干の不安があるということなのでユイの「Day game」がトリだ。

 

そして大盛況の中ライブは終わりを告げた。

 

こうしてガルデモは現世でも通用するということだ。

 

まあこれだけみんなのカリスマ性があれば当然なんだろうな。

 

雅美の歌声、ひさ子の圧倒的演奏技術、みゆきちのドラム、しおりんのひさ子に負けず劣らずの演奏技術、ユイの歌声

 

みんながみんな人を惹きつける魅力がある。もちろん容姿もだが、それ以上に女子5人でこの高レベルの演奏。

男5人より凄いんじゃないか?とも思えてしまう。

 

これからガルデモがどんな道を歩んでいくのか・・・



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第4話 『今年もやっぱり球技大会』前編

さて時は過ぎてライブからはや3週間。

 

5月に差し掛かり二つ目のイベントとなる

 

担任が入ってきたなり言った

 

『よーしもうすぐ球技大会だ!男の熱きバトル!野球!サッカー!女達も負けてはいない!バレーにバスケ!ちなみに野球も男子と混合OKだ』

 

まあ簡単いうと球技大会優勝する気満々だろ

 

女子と混合とか何考えてるんだ・・・学校は。

 

そんなときに雅美が話しかけてきた

 

「どうする結弦?何に参加するんだ?」

 

うーんとりあえず死後の世界でもやった野球あたりが良いだろう。

 

「俺は野球のつもりだがどうする?」

 

雅美はやっぱりという顔をしていた

逆にそれ以外の選択肢がないんだが・・・。

 

「そうなるとやっぱりあたしが必要になるわね!」

 

そういうのは、遊佐だ。ていうかキャラクターが違いすぎてマジで誰かわからんぞ。

 

とはいえ、まあマネージャー的な立場ならすごく役に立つ。

それじゃあチーム集めしますか・・・。

そう考えていると、日向がやってきた。

まあチーム集めだろう。

なので快く参加してやることにする。

もちろん岩沢、しおりん、みゆきち、ひさ子、ユイもいる。

後は椎名、俺(音無)、日向、野田、直井、そして、マネージャー遊佐、

 

以上このメンバーで出陣することになった。

そして、打順と守備位置は

1.三 直井

2.二 日向

3.投 音無

4.捕 野田

5.一 椎名

6.遊 ひさ子

7.左 関根

8.右 岩沢

9.中 ユイ

このね?明らかに勝てそうにない感じがプンプンしていますが・・・。

ユイの打撃力は折り紙付き、関根・・・、岩沢・・・、直井・・・

まあ気にせずやっていきましょー!

 

そんなこんなで練習することになった。

とはいえ、外野はそこそこボロが出ている

この際松下を入れた方がよかったか?

そんなことを考えていると次は打撃練習だ。

直井も意外と良い打球を飛ばしている。

日向と野田、椎名は相変わらず。

ユイはセンター、ライト、レフトと三方向に鋭い打球を飛ばしている。

これは期待するしかないか。。。

ところでひさ子も守備も軽快にこなしている。

日向と良いコンビネーションだ。

関根も危ぶまれていたが、、良い感じだ。捕球の基礎から日向が教えたかいがあったな。

ユイはまあ及第点。。。

岩沢もフライの捕球も教えたことはできている。

後は野球のルールだけか。。。

これはみんなに周知してもらわないといけないからな。

さてどうなることやら…

 

そこからの練習は過酷を極めた訳でもなく、楽しくユルユルと進んでいった

 

特にユイの成長度はすごい。あれだけ簡単に守備をこなすなんて・・・

 

 



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第5話『今年もやっぱり球技大会』後編

そんなこんなで本番がやってきた。

 

うちは女子が多いがみんなそれなりにバンドやっているだけあって、鍛えればちゃんとものにしている。。

 

本番だ。。。

初戦は2年2組だ。相手は野球経験者揃いだ。

相手はこっちを完全に見くびっている。

チャンスだ。

そんなこんなでトップは直井だ。

簡単に追い込まれて、三球目甘く入ったストレートだ。

直井が振り抜くと白球はショートの頭を越えてヒットだ。

2番日向だ。初球を振った。サードの頭を越えてファールゾーンへ。

ファウルのようだ。

そしてフルカウントまで粘った日向は七球目を真芯でとらえた。

のびが足りなかったもの外野を転がり二塁打

直井が悠々とホームに戻って

3組 1-0 2組

先制した。なおもノーアウト二塁

そして3番俺だ。

初球が甘く入ったものの見逃す。

さすがに初球は手が出なかった。

2球目カーブか…変化球の時のフォームが見え見えだ。

もちろん捉えたがボテボテのショートゴロ、

しかしショートの送球が一塁の頭を越えて、ころころと転がる

日向はそれを見て本塁へ

しかし送球が早く本塁アウト

俺は一塁ストップ。

1アウト一塁

ココでうちの4番野田だ

相変わらず片手でバットをもち簡単に振り抜く

もちろんボールはスタンドに入り2ランホームラン

3組 3-0 2組

これ勝てそう?

2組は投手交代

野球部の控えのエースだ。

さすがに反則じゃね?と思ったが球技大会だ

1アウトランナー無し

5番は椎名だ。

椎名は、やはり軽々ボールをレフト前へ

所詮は控えのエースだ。

1アウト一塁

6番ひさ子。

どうだろうな。

4球粘るものの三振

まあ仕方ないな130キロは出てた?

ひさ子「すまない…」

音無「良いってコトよ」

7番関根 見逃し三振

3アウトチェンジ

さてここからダイジェスト

ピッチャーは俺だ

1番

1球目ストレート ストライク

2球目チェンジアップ ストライク

3球目フォーク 三振

 

1アウト

 

2番

1球目チェンジアップ ボール

2球目カーブ ストライク

3球目ストレート ボール

4球目フォーク ファウル

5球目ストレート ファウル

6球目ストレート ボール

7球目チェンジアップ 三振

 

2アウト

 

3番

1球目ストレート ヒット

 

2アウト一塁

 

4番

1球目チェンジアップ ストライク

2球目ストレート ボール

3球目カーブ ボール

4球目チェンジアップ ストライク

5球目チェンジアップ サードゴロ

 

直井が捕球して二塁へ送球

二塁フォースアウトでチェンジ

 

8番は岩沢雅美だ

 

雅美は行きかけに頬にキスしていった

なんか照れるなあ…

 

1球目見逃しストライク

2球目ワンバウンドのボール

3球目高めにボール

4球目ワンバウンドボール

5球目バットになんとか当ててファウル

6球目低めにボール

フォアボールで出塁

 

選球眼すげえ

 

この選球眼に俺は見いだされたんだな

 

9番 ユイ

1球目 空振り

ボール一個分だろうか?でも今のスイングなら外野には飛ぶ

あんな細い体でレベルのたかいスイング

2球目 真芯で捉えた打球は三塁線に大きな打球。

ポール際ぎりぎりを超えてまさかのホームラン

無事岩沢とユイが帰ってきた。

ユイまさかの2ランホームラン

 

3組 5-0 2組

 

相手は愕然としている

ユイはベンチに来て小躍りしている。

日向と抱き合う

いいなあ

雅美「結弦ー帰ってきたぞ?」

音無「おかえり。いやはやすげーな。ユイは」

雅美「すげえよあれは。野田以上に飛んだんじゃないか?」

音無「だろうなあ」

 

そんなこんなで一周して直井

直井は三振

日向は初球を捉えて守備がもたつく間に三塁へ

 

1アウト三塁

 

三番、俺

初球捉えてセンター前

日向がかえって

 

3組 6-0 2組

 

コールドゲームの条件がそろった

 

6点差以上なら何回でもコールドだ

次の回俺が押さえれば勝ちだ

 

1アウト一塁

 

4番野田

初球を簡単に捉えて2ランホームラン

 

3組 8-0 2組

 

5番椎名

初球はボール

2球目はストライク

3球目フォークを捉えて2ベース

 

1アウト二塁

 

6番ひさ子

初球を捉えてヒット

 

1アウト三塁一塁

 

7番関根

初球ボテボテのゴロ

併殺で2回表終了

 

2回裏押さえたら勝ちだ

 

5番

ストレート ボール

カーブ ボール

ストレート ストライク

フォーク ボール

ストレート ファールチップ

チェンジアップ ストライク 三振

 

1アウト

 

6番

ストレート サードゴロ

 

2アウト

 

7番

チェンジアップ レフトフライ

 

ゲームセット!

 

なんと8-0の大勝

 

というか腕が痛い

 

ちなみにこの後決勝まで進んで

見事優勝!

できすぎだろこれ。

 



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第6話『ココで一発音無!』

ココで一発音無!

 

何というかなんだこの始まりかたは

 

そう言ってると雅美がいう。

 

『あれだよ。結弦の応援歌だよ』

『なんだよそれ?』

『いやささっき野球見ててココで一発OOって言ってたからな』

あーなるほどそういうことか

それで試合状況は…

D 4-7 G

おいおいまけてるやん…

 

『結弦はDファンなのか?』

そう聞いてくる雅美

 

『ああそうだ。あの濃紺のユニフォームがいい』

 

そういうと雅美が言う

 

『あたしはそんなに興味はないけどな』

 

そうだったのか

 

『まあでも興味持ってくれたらうれしいな』

 

とはいえ雅美も野球には興味を持ってくれてるそれだけでよかった。

 

『というかさ?』

 

俺がそう切り出すと雅美がこっちを向いた。

 

『なんだ?結弦?』

『実はさ?これから暮らしていく上で守ってほしいことがある』

『基本的には守るぞ?』

『俺に一生ついてきてほしい』

 

そういうと雅美が真っ赤にしていった。

 

『もちろんだろ?そんなこと言わせるなよ…恥ずかしい…』

 

なんか良い気分だな。

 

『結弦は?』

 

そう聞かれて何か照れくさい気分だ。

 

『まああんなこと言ったしそう思ってるに決まってるだろ?』

 

そう言うと俺にすりついてきた。

 

『結弦…愛してる…』

『雅美…』

 

二人で抱き合った…。

そしてその後二人でテスト勉強した。

 

『なあなあ…ココはどう解いたらいい?』

 

雅美がそう聞く

 

『ああここか…えっとな…公式はこの問題と同じで良い。』

『なるほどそういうことになるのか。おお解けた。』

 

どうやら解けたようだ。

しかし公式を教えただけでこんなに簡単に解くとは…

 

俺でも一回迷った。

実は頭良いんじゃないか?

まあ作曲できるぐらいだし、頭は良さそうだ。

俺がそう思っていると、雅美がシャーペンで俺の頬を突っつく。

 

『どーしたー?』

 

そう聞く。

 

『ああすまんな…とりあえずここまで終わらせて練習しようか』

『ああそうだな。』

 

そう言ってにこっと笑う雅美

まぶしい笑顔だ…さすが俺の自慢の妻だ…

 

前前世のことはあんまり気にしていない様子だ。

今が幸せだから…だろうか?

気の知れた仲間、音楽、うどん?、そして俺?

これだけ充実していれば、最もなんだが…

 

『さあ結弦?続きだ。勉強再開だ』

 

そう雅美が言う

 

『おっけー』

 

そういうと勉強へもどる。

 

休みの日はこんなコトしてたりする。

まあ何というか、幸せな時間だ。

これからも続きますように…

と思いつつ勉強に励む。

このあと雅美はライブの練習に行く。

もちろん俺も同行だ

雅美たっての希望だ

 

愛されるってこういうことなんだな。

前前世で初音が向けてくれた愛とは又違ったものを感じていた。



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番外編(椎名絵里)『生き物係の日常』

今回は椎名さん目線


朝7時みんなより早く登校する。

金魚の餌やり、カブトムシのゼリーの入れ替え、

色々やることはある。だけどこれが楽しいんだ・・・

虫や動物嫌いという奴はちゃんと接してから言ってほしい。それこそ

 

『あさはかなり・・・』

 

そう呟きあたしは金魚のチャッピーに餌をやる

残念ながら1匹なので、つがいにはできない。

しかしそう言ってもかわいい。このヒレの動き、たまらない。

次はカブトムシのカブ太郎だ。

 

名前は誰がつけてるかって・・・?そりゃあたしさ。

椎名だよ。今まで誰か分からなかった?

まあ現世だし仕方ないでござる。

 

ん?キャラが違うって?そんなの気にしたら負けでござる。

作者の勉強不足でござるよ。

その程度の知識であたし。椎名目線で書こうとするから。

『あさはかなり』

 

としか言えない。

さすがにござるはなしだ。

 

そんなネタはあれとしても、どうしても納得いかいなものがある。

それが犬の名前だ。ポチとは何だ。編凡すぎないか?

まあそんなこといってもクラスで決まったことだ。致し方ない。

ちなみにこの犬は雌だ。:

雄が隣のクラスにいるが、つがいにはならないようだ。

動物は相性がつきもの。まあそういうことだ。

さてさて、続いてはザリガニのアメリカだ。

これもあまりに納得いかない。

品種はアメリカザリガニだとはいえさすがに

頭のアメリカをとるのはないだろう。

でもなんかあんまり、みんなしっくりきてないだろうな。

ということで今日の六時間目に提案してみるか。。。。

あとは熱帯魚のアキラだ。

 

いやこれはないだろ…

さすがにあきれてきた。

まあ水槽の水の入れ替えは重要作業になる。

ストレスで死んでしまうことがあるからな。

ココは少し慎重になる。

 

そんなこんなで時間はあっという間にすぎて最初に来たのはゆりっぺ、最後は遊佐だ。。

遊佐が遅刻しかけるなんて珍しいな。

 

そんなこんなで三日に一回のあたしの日常だ。

割と生き物に接している。

もちろんみんなとしゃべることもある。

だからといって、生き物をないがしろにはしない。

 

生きてなんぼだ。あたしたちみたいに一度死んで生き返ることはもうないのだから。。。

 

この生き物たちにはこのときを一生懸命に生きてほしい。

もちろん寿命で死ぬのは仕方ない。

だけど、やっぱりなるべくなら死んでほしくはない

この子たちと卒業したい。

卒業できるかは又別の問題。

というわけでここまであたし、椎名の日記を読んでどうだった?

何というかいろいろ暴露もしたし久しぶりにすっきりした。

ということでここらで寝よう…明日も忙しくなる。。。。。



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第7話 『もうすぐ夏休み』

なんとか球技大会も終わって中間テスト、期末テストも無事に済ませてもうすぐ夏休みと来た

みんないつもと変わらないが休みと聞いてそわそわしている。

 

とはいえ今までが何十年も休みみたいな感じだったので今更という感じだが…

やはり夏休みとなればわくわくするのも無理はない。俺も今年はそわそわしていた。

雅美と海に行く予定があるから楽しみで仕方ない。

 

「なあ結弦?」

 

雅美がそう聞いてきた。

 

「どうした?雅美」

 

そう俺が聞くと、雅美が答えた

 

「今年は海に行くんだろ?なら水着買いに行くのついてきてほしいが…」

 

照れながらそういった

 

「なんだメッチャかわいいな」

 

俺がそう言うと、ひさ子が言った

 

「相変わらずだな・・・。音無、岩沢」

 

そういうと俺の方を見て

 

「絶対に幸せにしてやれよ!音無!」

 

熱く握手された。

その横で雅美は顔を真っ赤にして、幸せだよ…十分…なんてつぶやいていた。

まあ幸せにしてる自信はあるからね・・。それだけ大切な人・・岩沢雅美・・・

 

そんなことはさておき夏休みは宿題がカオスになるとこだが・・・

俺たちの(一部を除いて)頭ならなんとかなるだろ。

そんなこと考えていたら下校時刻になった。

今日は練習はないらしい。

ということで水着を買いに行くことにした。

スク水は、さすがにないと言っていたが、、、俺はアリだと思う。

さすが変態だ。とどこからか聞こえたので、これ以上はやめよう。

さあガルデモメンバーも合わせて、イ○ンに来たが

まあいろんな種類があるものだ・・

少し雅美は戸惑っているが関根と入江はノリノリだ。

入江がノリノリなのが少し意外だが…まあ気にせずやろう。

 

「なあ結弦・・あたしに何が似合うと思う?」

 

そう聞いてくる雅美。

うーん・・・何がいいんだろう?雅美だと・・・赤色とかか?

すると関根がヒモ水着をもってきた。

 

「これとかどーですかー?」

 

至極まじめに聞いてくる関根。

 

「おい関根・・・なにもってきてんだああああああああああああ!」

 

いつものごとくひさ子が鉄槌を加えようとするが・・ココは現実だ。死後の世界じゃない・・・

 

「やめろ、ひさ子。ココは現実だ」

 

そういってひさ子の腕をつかむ。

 

すると落ち着いてから一言

 

「そうだったな・・すまない」

 

そういうので

 

「大丈夫だよ。悪いのは関根だ。おまえが謝ることじゃない」

 

そういったら、おう と一言さっぱりと答えて

水着選びに戻る。

関根も反省したか、ちゃんと探していた。

 

そして入江がフリル付きの赤い水着を持ってきた。

それを見て岩沢が一言。

 

「おっ!これいいな。結弦どうだ?」

 

そう聞くので答えた

 

「ああ。似合うと思うぞ?かわいいからな。」

 

そういうと照れた顔をして雅美が

 

「えへへ…結弦が喜んでくれるならいいかな…」

 

そういった。

 

ああかわええなあ…。

 

そんなことを思いつつこの水着で確定のようだ。

 

「ところで結弦はどうする?」

 

そう雅美が聞いてきたので

 

「俺はあるから楽しみにしとけよ?」

 

柄でもなくそう答えて雅美の唇に指を当てる。

 

横で関根がきゃーと叫んでいる。ここはスーパーだうるさいぞ。

 

更には入江までもがあたふたしている。

 

ひさ子は

 

「お前らなぁ……」

 

と呆れた様子だった。

 

雅美は顔を真っ赤にして俯いている。

 

これはやらかしたかと後悔したところで空気を切り裂くようにやってきたのは

遊佐だ。

 

「うぃーす!テメーら何やってんすかー?」

 

相変わらずキャラほうか…いやいや人間変わったなぁ……

いや。死ぬ前の遊佐はこんな感じだったのか……?

 

すると入江が

 

「ま……まあ…とりあえずレジ行きませんか?」

 

何とか入江と何も知らない遊佐が場を取り持ってくれた

 

この重苦しいなんとも言えない空気を変えてくれたので

 

「遊佐か……ありがとう」

 

そう言い遊佐の両肩を叩く……すると遊佐は

 

「なんか知らんけど…どういたしまして…………?」

 

少し把握しきれていない様子だった。

 

なんやかんやレジで会計を済ませ帰路に着く。

 

ひさ子は遊佐に状況を説明していた。

 

すると遊佐は

 

「なんだそういうことか!音無やるな!」

 

そういい俺の右肩をポンポンと叩く。

 

「ホントびっくりしたよ……結弦。またそこがいいんだけど……」

 

そんなことを雅美が言った。

 

さあ夏休みまであと半月……

 

 



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第8話 「夏休みだけど『影』再来?」前編

かくして夏休みを迎えた旧戦線メンバー。
各自この世でも戦線というか同好会?のメンバー集めに勤しんでいた。
例を挙げるなら
ひさ子主催の麻雀教室だ。
週2回程度だが大盛況。教師までも参加するレベルの規模だ。

そんな中入江のファンクラブが出来たらしい?元凶は関根だ。
勝手に写真をブロマイド兼会員証として配っているらしい。
でも実際のところ入江目的で入る人もいれば、
自称会長である関根を目的に入る人もいるらしい。
そんな感じで来る夏休み!LIVEと個人活動と忙しいメンバーたちに忍び寄る『影』?




俺は夏休みなのに関根に呼び出され空き教室へ

 

「勝手に作って大丈夫なのか?」

そう俺が言うと関根はあっけらかんとして

 

「ほらこういうのは…本人が了承なんてしてくれるわけないじゃないですか!」

そう答えた。

まあそりゃ当たり前だろうな。もうすぐ入江も来るらしい。

 

「んで。その、みゆきちファンクラブだったか?何人今入ってるんだ?」

そう聞くと待ってました!とばかりに切り返してきた。

 

「今ですね〜生徒70人 教師12人の計82人ですよ!」

いや多いな…てか教師…生徒をそういう目で…

しかし思った以上の規模になってる。

ちなみにファンクラブ会員になったという奴に話を聞いたところ

自称会長の関根を目当てに入ったやつもいるとの事。

納得いくな。性格が少し突っ込みすぎるところがあるが

関根も普通に見てれば可愛い。というか戦線の中でも一二を争うんじゃないか?

まあ容姿の印象を消すほどの性格の明るさがヤバイが。

 

「ほーら!音無先輩!虚空を眺めてまた死ぬつもりじゃないですよねぇ?」

冗談めかしく笑いながら関根が言う。

 

「ばかやろう。雅美を残して死ねるかよ」

俺も少しクスッと笑いながら答える。

すると関根が

 

「くっそぉ!幸せ者めー!死ぬんじゃねえぞ!」

キャピキャピしながらそう言った

まああっちの頃からこいつはそう喜んでくれる

そう笑っていると俺のスマホに着信が来た。

ゆりっぺからだ。

 

「もしもし?どした?」

そう答えたらハアハアと息を切らしながら

 

「どうしたもこうしたもないわよ!学校にすぐ来なさい!」

そういうのだ。無論学校にいることを伝え、場所も伝えると

すぐに電話を切った。すると3分も経たないうちに

ガラガラピシャーン!と勢いよくドアが開く。壊れるぞ…

そしてあれよあれよという間にメンバーが揃った。

 

俺は状況が飲み込めていない。日向に聞くが首を傾げる

なんだ?こんな張りつめた空気、天使との対面以来だ。

 

そしてゆりっぺが開口一番に

「いい?みんなよく聞きなさい?9月から転校生が来るのよ!」

そう言った。

すると大山が

 

「え?それだけ?」

と応えるとゆりっぺがさらに続けた

 

「それだけだったら何も呼ばないわよ!その転校生ってのがね?この子よ!」

そう言ってスマホで撮った写真を見せてくる。

もちろんすぐにその子が誰かわかった。皆顔が引き気味になる。

そりゃそうだなぜならその子とは、あっちにいた時に敵対していた

 

『天使』

 

だった。

名前はどうやら、立華かなで というらしい

 

そしてゆりっぺは続ける

「この子ね。まあみんな知ってる通り天使よ。そして既に9月からこの学園の生徒会長に内定しているわ。」

 

しかしそれに対して野田が言う

 

「でもよ?ゆりっぺ。生徒会長って普通は選挙で決めるもんじゃねえのかよ?なんで転校生でいきなりそうなるんだ?」

野田にしては鋭い質問である。

それにゆりっぺは切り返し応える

 

「選挙もなにも。この子はこの学園の理事長の娘。そして心臓の病を克服して他校からこっちへ転入してくるのよ!」

成程そういう設定か。

 

「なんというか凄い設定だが」

松下がそう呟くと

 

「そんなこと言ったって私たちだって死んで死後の世界である種のもうひとつの人生を歩んでたわけだしね!有り得なくもないのよ!」

なぜ今メタ発言をするのか。よりにもよって二次創作でな。

 

「まあいいわ!それで立華さんが転入した後だけど、さすがに向こうの世界見たいに急に何かある訳では無いのだけど、一応注意してねってこと。」

そうゆりっぺが言うと雅美が

 

「だかな?特段立華ってやつが来たとしてもあたしたちの行動を制限されることなんてあるのか?」

そう答えた。するとひさ子もハッとして

 

「たしかにな。岩沢の言う通りだ。なにか制限される訳でもないだろ?今回はある程度教師を味方につけてるからな。そこまで立華のワンマンにはならないだろ?」そう返した。するとゆりっぺが

 

「まあそうなんだけどね?でも理事長の娘っていう設定が付く以上教師たちも支配下に入れることが出来る。うちは一応私立高校なわけだし」

確かにそうだ。この学園の名前は 私立立華学園だ。

 

「ん。みんなも一応警戒しておいてってこと。ごめんね。こんなことで呼び出したりして。解散!」

ゆりっぺがそう言うと皆一同に帰路へ着く。

そして空き教室に残ったのは

俺とガルデモメンバー+日向だ。

 

「しっかし面倒なことになりそうだぜ。」

溜息をつきながらひさ子がそう答える。そして雅美が

 

「まあでもさ?仲良くなれる可能性もあるわけだろ?立華とさ。な?結弦?」

そう俺に同意を求めてきた。確かに俺たちはあくまでも普通に学生生活を謳歌してる訳だ。無論何もされないだろう。と思い

 

「まあそうだな。俺らは普通に生活してるだけだし、昔みたいに刺されたりもしないからな」

そう答えるとひさ子が爆笑しながら

 

「ははっ!そんなこともあったっけな?でも聞いてる限りあれは音無がいけないと思うがな。」

と応えた。まあそうだな。あれは確かに俺が本物かどうか確かめたかった上でやられたことだ。仕方ない。

 

しかし前途多難だが、このさき大丈夫か?

 



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第9話 「夏休みだけど『影』再来?」後編

たわいも無い話をしつつ俺たちは対策を考えた。

そこで雅美が口を開け

 

「しかしさ?結弦やみんなも思ってると思うんだが、仮に立華が転入したとしても正直対策のしようがなくないか?」

確かにそうだ。良く考えれば『天使』もとい、『立華かなで』は理事長の娘。

いくら心臓病からの病み上がりとはいえ、この世界では刃は振れないし突き刺すこともできやしない。

だが向こうが出来ることと言えばひとつある。

その他は雅美と一致したため切り返す

 

「確かに対策のしようがないことは一致するが、向こうは理事長の娘。権力を振りかざすことは出来るぞ。生徒会長の椅子だってそうだ。」

するとひさ子がうーんと唸ってから口を開く。

 

「まぁ確かにな。今回の生徒会長の件だってある意味では権力行使だしな。」

すると雅美は

 

「確かに結弦やひさ子が言うことはわかるが…大袈裟にいえば仮に誰かを退学にするなんてことできるのか?」

そう言った。そしてひさ子が言う

 

「確かに一筋縄では行かないかもしれないが理由付けなんてなんでもいいわけさ。例えばユイと日向が付き合ってます。学校の風紀を乱したので退学とか」

超わかりやすい例えを持ってきた。当事者にされたユイと日向の心境やいかに…しかし俺らじゃないんだな。

するとユイが言う。

 

「なぜ例えで私たちかは分かりませんが…ひさ子先輩の言う通りそういう風にやることも不可能ではないんですよね。」

珍しいな。ユイが正論を振りかざしてる。

 

「なぜ俺らを例えにしたのかわかねーけど、まあ不可能ではないわな。」

そう日向が言う。

するとひさ子は

 

「へいへい…悪うございましたよ…っと。」

クスクス笑いながら答える。

 

彼女の気持ち分からないでもない。例えで出しただけなのに今で言うマジレスで返したわけだからな。冗談だろうがよ?となるのは当然だな。

それともそう取られかねないことでもしてるんだろうか?

日向に限ってそれはないと思うが。

とは言え俺たちもまあしてないことはないからなw

気を付けよう。

すると入江が言う

 

「で…でも…立花さんって物静かな性格でしたよね…?」

 

確かに一理ある。あのテストを受けた時だってそうだ。何もしなければ特に害のある子には見えなかった。

だがその静けさにもなんとも言えない空気感がある。普段は物静かなのに怒らせると怖い(〇しにくる)とは、ああいう子のことを言うのだろう。

そんなことを思いながら腕を組み唸っていると、入江が困惑したように

 

「…大丈夫ですか……?混乱させちゃいましたよね…ごめんなさい…)」

なんて言うもんだからちょっと気を悪くさせてしまったようだ。

 

とっさに入江に

「ごめんな大丈夫だ。気にするなよ?」

と謝った。

それでもペコペコと頭を下げている。悪い事をしたな。

 

その後も議論は白熱した。ガルデモの活動の支障にもなりかねない件だ。ふと空を見るとすっかり夕焼け色に染まっていた。俺たちは一同にポカンと空を見つめて、ひさ子の号令で帰路に着いた。

この件はゆっくり考えよう。そうみんなとまとめたところで何かと騒がしい一日が終わりを迎えた。

 

 



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