少年は天の覇者となる (ナカタカナ)
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空を制するのはやはり天

 僕の名前は大空(おおぞら)(そら)高校二年生だ

今日から、ここ四島列島で暮らすことになった。

 

 そして、今目の前にある学校が僕がこれから通う県立久奈浜学院高校だ、そして朝から校門前で

ピンクの髪をした女の子が先生に怒られていた。

 

 そして僕は職員室に向かった。

なんとそこでは、さっきの女の子が居たのだ、その子も転入生で、今日からこの学院で生活するらしい。

 

 先生に言われて僕と女の子名前は倉科(くらしな)明日香(あすか)さんは二年C組の所属となった。

 

「よろしくお願いします」最初に倉科さんが挨拶すると、次は僕が挨拶をした。

「えーと、大空天って言います。これからよろしくお願いします」と簡単な挨拶をして席に着いた。

 

 倉科さんの席は窓際の席で、僕の席は一番後ろで端っこのなんとも言い難い席だった。

 

 そして時間は流れて放課後、何で現実と言うのはスキップ機能とかが無いんだと僕は思ったり思わなかったり

するが、まあ今は置いておこう、僕は一歳年下の妹との二人暮らしで、今日は帰りに晩御飯の買い物をしなければいけない、まあ可愛い妹の為だと思えばそんな事はどうでも良いけど

 

 商店街に向かった。

商店街に向かう途中、周りの人が空を飛んでいた。

何でも、アンチグラビトンシューズ、通称グラシュはどういう原理か分からないが空を飛べるらしい

小さい頃から空を飛ぶのが夢だった僕にとっては夢の様な事だった。

 

 晩御飯の食材を買って、僕は少し浜辺に寄って見た、そこではクラスメートの倉科さんと鳶沢さん、日向君と、教室に来た女の子が

なんか、ものすごいTHEお嬢様って感じの人となんか熱血そうな男の人が空に浮かんでるポールの様な物

をタッチしたりしている所を見た。

 

 そして、倉科さんがお嬢様の背中をタッチしようとして海に落っこちた。

僕は急いで、浜辺に向かって走っていた。

 

 「お~ほほ、これからは久奈浜学院の院の字を取って、久奈浜学って名乗りなさい」

「ウー、久奈浜学園の字を護れなかったです」

 

 「何してんだ」と僕は聞いてみた。

「えーと、大空君、えーと今久奈浜学園の院の字をかけてFCをしていたんだ」

「FCってさっきのゲームみたいなのか、面白そう、僕が挑戦しても良いかな」

僕は荷物を下におろしてグラシュの電源を入れた。

 

 「えーと、お嬢様、もしよろしければ私と、先ほどのFCとやらをしていただけないでしょうか」

「お~ほほ、良いですわ、その口ぶりからすると、あなたは初心者でしょう、正直初心者をいじめるのは

あまり気持ちがいいものではないですがあなたもさっきの子のように強い意志が見えますわ」

 

 「ありがとうございます。それでどうやったら飛べますか」と日向君の方を向いて聞いてみた。

「フライって言えば飛べるけど、バランスをとr「フライ」えっ」

言われた通りにすれば、心地いい程に空を飛べたというより、浮かんだ

 

 「す、すごいです、私なんかまだまだです」

倉科さんがなんか言ってるけど気にしない

 

 「それでは始めましょうか、お嬢様」

「それでは、始めます。位置について、セット」その瞬間僕とお嬢様は同時にポールの様な物に向かって

飛び出したが、やはりお嬢様には勝てない

 

 ルールによると、相手の背中をタッチしても点が入るそうだ、それに僕は一点取ればいいから、なんとか

なるだろう

 

 僕はお嬢様の来るのを待っているといきなり左右にジグザグ動いた。

「うわっ、なんだこれ、おもしれぇ」僕は抜かれたがその後を急いで追った。

 

 「なかなか、やりますわね」と褒めてもらった。

「いえいえそんな事は無いです」と言いながらさっき倉科さんがやったような技をしてみた。

 

 「キャッ」と少しバランスを崩しただけでタッチは出来なかった。

「ウソだろ」「おいおい、エアキックターンをあんなに簡単に出来るっておかしくねーか」

 

 お嬢様は早くてなかなか追いつけないが、やれないわけではない

僕は体勢を走るような感じにして、エアキックターンのように片足だけに膜の様な物を張って、思いっきり

それを蹴る、そしてもう一回今度は違う方の足でそれをやる、それを交互にしてお嬢様の背中の直前まで来た

 

 「な、なんなんだあの動き、あんな動き見たことないぞ」

「空を走ってます」

 

 「なっ、なんですの」とお嬢様が呟いて次の瞬間お嬢様は仰向けになった。

「くっ、でもこれで」僕はもう一回全力で膜を蹴った。

下まで来て、もう一回今度は両足で膜を蹴った。

 

 パチン、と気持ちがよい音がして僕はお嬢様の背中にタッチできたと分かった。

「や、やった」僕はそのまま帰ろうとしたが少しずつ視界が赤くなるのが分かった。

 

 「や、やったよ、僕守れたよ」と言いながらみんながいる所に行った。

「だ、大丈夫か、血涙が出てるぞ」

日向君は慌ててこっちに来てそう言った。

 

 「だから、視界が赤いのか、まあ大丈夫だから良いよ」

『嘘だ、実はメッチャ頭痛いし、めまいがする、だけどカッコよく決めていたいから我慢する』

 

 「それよりなんで、エアキックターンが出来たんだ」

 

 「なんですかそれ」

 

 「君が、いましたことだよ」

 

 「えっと、別に僕は只・・・天を駆け抜けただけだよ」

 

 「まいりましたわ、私としたことが不覚でしたわ、それとお嬢様って言うのは止めてもらいたいですけど」

 

 「分かりました、お嬢様」

 

 「直す気なんてないでしょ」

 

 「ハハハ、ありがとうございました佐藤院さん」

 

 「それじゃ、僕は妹を待たせてるので帰ります」

 

 そう言って僕はすぐに帰った。

 

 

 

 

 家に着くと真っ先に妹が抱き着いてきた。

 

 「おにい、遅いよ、私もう腹ペコだよぉぉぉ」

 

 「分かった、ごめんな遅くて、すぐ作ってやるから待ってろ」

 

 「わーい」

 

 喜んでいる妹の空鳴(そらなり)(れい)の頭に手を置いてクシャクシャってしてキッチンに向かった。

 

 なぜ名字が違うかというと、僕達が異母兄弟だからだ

 

 まあ、そんな事どうでも良いけど、うちは両親が居ない、昔から親戚の家にお世話になってたけど

もう二人共高校生になったことだから、二人暮らしをするために両親が昔住んでたというここに来たのだ

 

 家も、昔両親が住んでいた家を貰って住んでいる。

 

 「おーい、レイ出来たぞー」

 

 「分かったであります」

 

 トコトコとくる妹の姿は犬がしっぽを振っているような絵に見えてくる。

そこが可愛いんだけどな

 

 「「いただきます」」

 

 「レイ、学校どうだった」

 

 「楽しかったよ、友達も出来たし」

 

 「へえ、友達って男の子なのか」

 

 「違うよ、女の子名前は真白ちゃんて言って、私と一緒でゲームが大好きなんだよ」

 

 「へえ、良かったな」

 

 「おにいはどうだった」

 

 「うーん、面白い事がたくさんあったかな」

 

 「それは良かったね、おにい、でも気を付けなよ」

 

 「はいはい、分かってるって」

 

 

 

 兄妹の会話をしながら夕食を終えた僕達はすぐに眠りについた。

 



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天を駆けて

 僕は、朝早く起きて日課のトレーニングを始めた。

 

 空を飛ぶことにあこがれていた僕はひたすら脚力を鍛えていた。

とあるジャンプのゴム人間などが出てくる海賊漫画のコックさんが空を蹴って飛んでいたのにあこがれて僕も

練習していた。

 

 約十年の練習の果てに僕は四回までだったら空中ジャンプできるようになっていた。

中学の時にに立ち幅跳びと走り幅跳びで、全国まで行った事がある。

 

 まあ、そんな事は置いといて、僕はまず五キロのランニング、それが終わったら一キロ全力ダッシュ

スクワット、百回を五セット、最後にうさぎ跳びで一キロ回ると言った見ただけで結構きついと分かる内容を

毎朝しているのだ。

 

 三時間かけて、日課のをトレーニングを終わらせた僕は、朝ご飯を作っていた。

 

 朝のメニューは簡単に、魚を焼いたのと、みそ汁に、卵焼き、漬物と言った、ゴールデンメニューにした。

 

 そして、朝ご飯の用意が出来たからレイを起こしに行った。

 

 「レーイー、朝ご飯出来たぞ」

 

 「うー、あっ、おにいおはよう」

 

 「ああ、おはよう、それじゃ早く食べるぞ」

 

 「うん」

 

 

 

 

 

 朝食を終えた僕達は一緒に登校した、レイはまだグラシュに慣れてなかったため、自転車の後ろに乗せて

学校に向かった。

 

 「それじゃ、頑張って勉強しろよ」

 

 「分かってるよ、おにいもそれじゃ一緒に昼ごはん食べようね」

 

 「分かったから、前見て歩けよ」

 

 「おわっ」

 

 「ほら、言わんこっちゃない」

 

 「それじゃ、おにいバイバイ」

 

 全く、良く友達から過保護って言われるけど、みんなも我が妹の面倒を見れば過保護になってしまうものだ

 

 教室に入ると、いきなり話しかけられた。

 

 確か、青柳さんだったけ

 

 「聞いたよ、昨日高藤学園の佐藤院さんとFCして一ポイント取ったって」

 

 「ああ、うん、面白かったよ」

 

 「そこでなんだけど、ぜひうちのFC部に入ってもらいたいんだけど」

 

 「うーん、ごめん僕、妹と二人暮らしだから、部活はちょっと無理かな、ごめんね」

 

 「まあ、それだったら仕方ないかな、でもいつでも待ってるから入ることになったら言ってね」

 

 「うん、そのときは言わせてもらうよ」

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 さーて、今日も一日頑張って勉学に励みますかな

 

 途中、倉科さんが、各務先生に頭を軽くたたかれていた、その姿に少し笑ってしまったのは内緒だ

 

 そして、昼休みになり、僕はレイの分の弁当を持って中庭に向かった。

そこで、クラスメートの飛沢さんに倉科さん、昨日レイが言っていた有坂真白ちゃんが居て

レイが一緒に食べようと言い出し、一緒に昼食を取っていた。

 

 「おにい、今日の弁当何」

 

 「レイが好きな、春巻きに、豆腐ハンバーグだよ」

 

 「やったー、おにい大好き」

 

 「はいはい」

 

 隣を見ると、三人がこっちを見ていた。

 

 「へえ、大空君って、「おにい」って呼ばれてるんだぁ」

 

 「二人共仲が良いですね」

 

 「あれ、でも、名字が大空と、空鳴って」

 

 「ああ、僕達は異母兄妹なんだよ」

 

 「そうなんですかぁ」

 

 「うん、父親がクズだったみたいでサー、四人と不倫してたみたいなんだよ」

 

 「へ、へえ」

 

 「まあ、でもそんなオヤジでも、レイと一緒にいられるのは、感謝してるけどね」

 

 すると、飛沢さんは面白いものを見つけたみたいな目になった。

 

 「大空君って、シスコンなんだぁ」

 

 「うーん、まあそうなのかな、でもこんな可愛い妹様が居れば誰だってシスコンになると思うよ」

 

 「おにい、私もおにいの事はだーい好きだよ」

 

 僕はレイの頭を撫でた。

 

 「ほんとに仲が良いですね」

 

 「ああ、そうだ有坂さん」

 

 「なんですか」

 

 「レイの事よろしく頼んだよ、それともしレイに何かあったら教えて欲しい」

 

 「分かりました」

 

 「ありがとう、ああ勿論有坂さんも困ったことがあったら言ってね」

 

 「はい、ありがt「僕がそいつらにドロップキッククラワセニイクカラ」ひっ」

 

 すると、青柳さんが来た。

 

 「はい、これ全部書いといたから、あとは提出するだけだよ」

 

 「二人の分もあるから」

 

 「手際よすぎです」

 

 「いや、文章偽造だろ」

 

 「いや、これ私の字にしっかり似ています」

 

 「どうしたの、真白ちゃん」

 

 「FC部に入部するんです」

 

 「へえ、FCって確かあれだよね、空を飛びながら部位にタッチして競う競技だよね」

 

 「そうよ、もしよかったらあなたも入部しない」

 

 「うーん、どうしよう、おにいはどうするの」

 

 「へっ、ああ、僕は入らないつもりだが、レイが入るんだったら僕も入ろうかな」

 

 「分かった、それじゃ私入りまーす」

 

 「それじゃ、青柳さん早かったけど朝の誘い、入部するって事で」

 

 「やったー」

 

 「でも、意外だよね、おにいグラシュなくても、少しなら空飛べるのに」

 

 いきなり、この妹様は爆弾発言をした。

 

 「「「「へっ、グラシュなしで空を飛ぶ」」」」

 

 「なに言ってるんだ、この妹様は、そんなことできる分けないだろ」

 

 「ウソだ、だって私知ってるもん、ああそうだ、ここで見せないと、おにいの黒歴史ばらしちゃお」

 

 「良し分かった、見せてやるからそれだけは止めてください、マジで」

 

 「フムフム、分かればよろしい」

 

 「ハハハ、流石にグラシュなしで飛ぶって」

 

 「あの、字間違ってますよ、飛ぶじゃなくて、跳ぶです」

 

 「跳ぶ?」

 

 「はぁ、おりゃっ」

 

 深呼吸をして、そのまま二メートルの高さまで上がる

 

 更に、一回空中を蹴る三メートル、更にもう一回四メートル、ちょっと待って二メートルまで落下してから

最後にもう一回、空中を蹴る、三メートルまで登って、落下する。

 

 ここまでで、約四十秒

 

 「「「「ウソ」」」」

 

 「すごい、流石おにい」

 

 「はぁはぁ、疲れた」

 

 「す、すごいです。飛び子さんみたいでした」

 

 「へっ、今のどうやったの」

 

 「ええと、グラシュじゃないわよね」

 

 「今のは、とある海賊の漫画に出てくる料理人の真似しただけですよ」

 

 「「「「いやいや、普通出来ないから、あれフィクションだから」」」」

 

 「まあ、それは置いといて、僕はこれで教室に戻るから」

 

 恥ずかしくなった僕は、急いで逃げるように教室に戻った。

 

 午後の授業が終わり、放課後、僕とレイと倉科さんは青柳さんに連れられ、FC部の部室前まで来ていた。

 

 そこには、昨日の熱血お兄さんが居た。

 

 部室の仲は汚かった。

そこで、僕の主夫属性が発動して、先輩と青柳さんを外に出して、掃除をした。

 

 掃除をしている途中で、有坂さんと、飛沢さんが来た。

 

 「へえ、ここがFC部かぁ、でもなんでマスクと三角巾にエプロン付けた主夫姿の大空君がここに居るの」

 

 「部室が汚いからって、掃除してるだけですよ、おにいは」

 

 「レイちゃんのお兄さんって、面白い人だね」

 

 「掃除終わったから入ってきていいよ」

 

 中に入ると、みんなはまず気持ちが一つになった(レイを除いた)

 

 「「「「「何、この高級ホテルみたいな部室は」」」」」

 

 「立ってないで、座ったら、今お茶入れるから、緑茶に、ウーロン茶、アールグレイティーにミルクティー

コーヒーがあるけど、何がいい」

 

 「私、ミルクティー」

 

 「わ、私は、緑茶をください」

 

 「お、俺はウーロン茶で」

 

 「私もミルクティーを」

 

 「私には、アールグレイティーをお願いします」

 

 「それじゃ、私はおにい特製のコーヒーを頂戴」

 

 「はいはい、ちょっと待ってて」

 

 僕は鞄から、茶葉とポットを取り出して、茶を入れた。

 

 ついでにお茶請けも

 

 それを見た周りは

 

 『なんで、カバンから茶葉とポットが出てくるのよ』

 

 『す、すごいです』

 

 『あいつはなんだ、未来から来た猫型ロボットなのか、ニュータイプなのか』

 

 『うわー、ちょー家庭的な男子が目の前にいる、流石にここまでのは見たことないよ、てかなんであんなカバンの中に、あんなポットが入ってるの』

 

 『レイのお兄さんって、す、すごい家庭的』

 

 『まだかな、まだかな』

 

 上から、飛沢さん、倉科さん、青柳兄、青柳妹、有坂さん、my Sister

 

「はい、どうぞ、熱いから気を付けてね、あとこれお茶請け」

 

 「あ、ありがとうございます」

 

 「一つ聞きたいんだけど、何で鞄にあんなポットが入ってるの」

 

 「私も気になります」

 

 「私もです」

 

 「私も」

 

 レイを見ると(・∀・)ニヤニヤとしているので、僕もアイコンタクトを送って返事した。

 

 「「世の中には知らない方がいい事もあるんだよ(ドン)」」

 

 「「「「「そ、そうなんだ(なのか)(ですか)」」」」」

 

 「それじゃ、明日から早速練習だな」

 

 昌也サイド

 

 「遅くなりました」

 

 「日直ご苦労さん、昌也はどう思う、倉科、飛沢、有坂、大空、空鳴の入部届、何かあったのか」

 

 「さ、さあ、別に何もなかったと思います」

 

 「そうか」

 

 サイドアウト

 

 

 




 感想良かったらください。
メインヒロインは鳶沢みさきにしてくださいとの意見があったのでそうします。


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天が見た大空


 これからちょくちょくと更新していきます。


 早速練習が始まったと思ったが、今日は練習は無しで解散だった。

 

 この後は、適当にレイと一緒に晩御飯の食材を買いに行った。

今日の晩御飯は何がいいと聞くと・・・

 

 「私は、おにいの愛情の籠った美味しーご飯だったら何でもいいよ」

なんていうから、思わずにやけてしまった。

 

 いきなりこういうことを言われると、何ていうかその、ドキッとしてしてしまう。

 

 家に帰った後は、いつも通り何も変わらない夜すを過ごした。

 

 次の日、学校に着くと日向君が少しやつれていた。

 

 何かあったんだろうか、まあ誰にだって大変な事の一つや二つはあるだろうからさ、まあ頑張れ

 

 そして、サラッと倉科さんに向けて一言、言った。

 

 「もう俺コーチじゃないんで、FC部に入るんだったら、コーチは必要ないって各務先生に言っといたから」

 

 やっぱり、絶対何かある、というより日向君は空を飛ぶ事が嫌いらしい、それじゃ仕方ないけど

 

 そして、いよいよ部活だ

 

 最初は簡単なブイとブイの間を飛んだ

チラッとだが、各務先生と日向君がこっちを見ていた、おっと、ちゃんと見ないとぶつかりそうだ。

 

 みんなの動きを見ていたが、鳶沢さんは経験者らしく、綺麗なフォームで飛んでいた。

 

 有坂さんと、倉科さんは飛べてるには飛べてるが、なんというかぎこちない

レイは、真っすぐ飛ぶことに精一杯らしくスペードはさほど出ていない。

 

 僕は、まあそれなりには出来ていると思う。

グラシュには競技用と言う物があり、青柳先輩はそれを使っている。

 

 僕達は通学用のグラシュなため、あんましFCには向いていない。

 

 練習が終わると、倉科さんと、有坂さん、レイはクタクタになっていた。

飛沢さんも疲れているようだけど、全く表情には出ていない。

 

 僕は、毎朝トレーニングをしているから、あともう一セットは余裕だと思う。

 

 それを見た青柳先輩は

 

 「気合いだ、気合が足りん」などと言っていた。

 

 そこに青柳さんが助けに入った。

 

 「まあまあ、今日は初日なんだもん、競技用のグラシュもフライングスーツもこれから用意しなきゃダメだし」

 

 「そうですよ、部長だけ装備がそろっているのはずるいです」

 

 装備と言ったくらいだ、相当ゲームが好きなんだろう有坂さんは

 

 そんな事を言われた部長は

 

 「ム、ム、すまん」いや謝らくていいと思うけど

 

 「明日は土曜日なんだし、みんなで一緒に買いに行かない」

 

 「そうね、私のグラシュもだいぶ使ってなかったからメンテしたいし」

 

 「はい、行きます」

 

 というわけで、土曜日になった、今日来るメンバーは、僕、日向君、レイ、倉科さん、鳶沢さん、有坂さん、青柳さん

見てもらって分かるだろうが、僕以外全員女子、しかも美少女、そりゃ周りからガンつけられたりしたうちされたり、呪われたりするわ

 

 僕の格好は、黄緑のシャツの上に、水色のウィンドブレーカー、あとジーパンだ

レイは、黄色いワンピースで、麦わら帽子に、ツインテールって言う格好だ

 

 それで、待ち合わせ場所に着いたものは良いものの、先に来ていた四人はナンパされていた。

そりゃ、そうだわな、全員可愛いし、でも全員メッチャ困ったような顔をしていた。

 

 ナンパしてる奴らの人数は、三人だった。

 

 「ねえねえ、君達、僕達と一緒に遊ばない」

「俺、良いところ知ってるからさ、今から行こうよ」

 

 「イ、イエ、待ち合わせしてるんで」

「そんな固いこと言わずにさ、ね、ちょっとだけで良いから」

 

 青柳さんは、なんとか言って断ってるけど、全く聞く耳を持たない。

良かった、僕が一緒に来ていて。

 

 「おーい、ごめん待った」

僕はそう言いながらナンパしてる奴らと、青柳さんの間に割り込み、みんなを後ろにした。

 

 「ねえ、君」

 

 「はい、なんでしょう」

 

 「僕達は、今その子達を誘っていたんだけど、もしよかったらなんだけど、君も一緒にどこか遊びに行かない」

 

 などと、言ってきた。

 

 「すみません、今日は部活に使う物を買いに来たんですよ、だから、無理です」

「そうなのかい、でも、その後はどうだい」

 

 しつこいな、こいつ、さっきから何度もナンパしてくる奴は、俺ガイルに出てくる葉山君にそっくりだった。

 

 「はぁ、あんまししつこいのも何なんで、ちょっと皆さん一緒に向こうの路地あるじゃないですか、

そこに行って、少しお話しませんか

 

 そう言うと、意味が分かったみたいで、二ヤリと口元に笑みを浮かべて素直に従ってくれた。

「分かった、そうしよう、おい行くぞ」

 

 「ああ、そうだな、お話しようか」

「ニシシ、そうだな、お・は・な・し・するか」

 

 三人と一緒に僕も、路地に入った。

瞬間、三人が一斉に殴りかかってきた。

 

 僕は、それをジャンプして避けた。

そのまま、降りるときに、一人の顔面を踏みつけて、もう一人横にいた奴の顔面を蹴り飛ばした。

 

 「グファ」

 

 そして、最後に残ったのは、一番しつこかった奴だ。

 

 「なかなか、やるね、でも僕はこれでも柔道の黒おb、グファ」

 

 僕は、(偽)葉山君の顔面をヤクザキックして、吹き飛ばした。

 

三人は、そのまま気絶して、伸びていた。

 

 それを見届けると、僕はみんなの所に戻った。

 

 「おーい、お話終わったよ、それじゃ行こっか」

 

 「大空君、ありがとう」と青柳さんが言ってきた。

 

 「一つ聞いておくけど、何もしてないよな、大丈夫だよな」

 

 「大丈夫だよ、あれくらい、それよりごめんね、もっと早く来てればよかった」

 

 「そ、そんなことないです。カッコ良かったです」

 

 「なんか、正義のヒーローみたいでした」

 

 「うーん、そうだね、悪いって思ってんだったら、帰りに全員にジュースおごってよ」

 

 「ははは、それくらいだったらいいよ、でもほんとにごめんね」

 

 「ああ、もういいって言ってんでしょ」青柳さんがそう言ってくれた。

 

 みんなの服装は 青柳さんは、少し肩が出た感じの薄い緑色の服に黒いスカート

有坂さんは、白いシャツの上にピンクの布を羽織っている。下は黄色のスカート

鳶沢さんは、オレンジの服で下はスカート

倉科さんは、白いワンピース

 

 「それじゃ、早速行こうか」

 

 僕達は青柳さんの後ろについて行った。

 

 ついた店の名前はスカイスポーツ白瀬という名前だった。

ここに来る前に僕より一つしたくらいの女の子が横を通り過ぎて行った。

その女の子は日向君と知り合いだったみたいだ。

 

 中は、見事にFC用品で溢れかえっていた。

「うわー、これが全部FC用品なんですか」

店内にはたくさんのポスターが張られていた。

FCで世界一周とかいろいろと

 

 すると店員らしき男性が日向君と話していいた。

この人は各務先生と知り合いらしく、みんなは男性(白瀬さん)が各務先生を葵って呼び捨てにしているのがどうとか言っている。

 

 「さっき葵から連絡があって、良い奴をいくつかそろえてやってくれってね」

「お願いします」

僕はそう言うと白瀬さんは僕の方をジロジロ見てきてこういった。

 

 

 「君、結構細そうに見えてムキムキだね」

いきなりこんな事を言われたら僕はどういう反応をしたらいいのか困る。

「そうなの、大空君って細く見えるからもやしみたいって思ってたのに」

失礼なことを言われた気がする。

 

 「まぁ、それは置いといて」

ナイスフォロー青柳さん。

「じゃあ、話を変えようか、すごいハーレムだね二人は」

「はぁ、ちょっと何言ってるか分からないです」

僕は少し毒舌気味に言ってみた。

 

 「そうなの、私ってハーレム要因だったの」

飛沢さんは嬉しそうにそう言った。

みんなは顔を赤くしている。

 

 「ハハハ、ところでどんなグラシュをお求めかな?」

「えぇーと、各自俺と相談しながら決めるって事で」

日向君がコーチっぽい事を言った。

コーチなんだけどね。

 

 そして靴の説明をしてくれた。

 

 グラシュには三つの種類がある。

 

 スピーダー用    初速は遅く、最高速は速い。加速はその間くらい。

 

 オールラウンダー用 初速と加速が普通で、最高速が遅い。

 

 ファイター用    初速が速く、最高速は遅い。加速はその間くらいの速さになっている。

 

 それでみんな選んでいたんだけど、鳶沢さんはインベイドのレーヴァテインと言うグラシュにするらしい。

何でもかなりピーキーなグラシュらしく、調教するみたいで楽しみだって言ってた。

鳶沢さんって怖いね。

 

 鳶沢さんは試しで履いていたが、難しそうに顔をしかめている割には安定していた。

その後に続いて有坂さんが、ハイて挑戦したが、!するくらいあちこちを飛び回って、台風のようになっていた。

 

 そして鳶沢さんにグラシュを選んでもらっていた。

 

 日向君は先に倉科さんのグラシュを決めると言って、選び始めた。

初心者にはオールラウンダー用のが良いらしく、ミズキの飛燕(ひえん)四型。

 

 グラシュって結構イタイ名前のが多いらしい。

 

 有坂さんのはスモールグローブのシャムと言うグラシュにしたみたいだ。

結構可愛らしい見た目をしている。

 

 「それじゃ、天のを決めるか」

「先に、レイのを決めてあげてくれないかな」

「分かった、それじゃレイどんなのが良い」

 

 なぜ、日向君が僕の事を名前呼びにするかというと、セコンドをしている時に呼びやすいからだそうだ。

みんなも、名前呼びにしてるけど、僕はまだ恥ずかしいからもう少し待ってもらっている。

 

 「私はオールラウンダー用が良いです」

「それじゃ、明日香と同じで飛燕四型にするか、バランサーの調整の幅も広いみたいだし」

「はい、お願いします」

 

 レイのは、倉科さんと同じ飛燕四型だけど、倉科さんのは赤で、レイのは水色をしていた。

 

 「それじゃ、天のを決めようか」

「うん、僕はスピーダー用が良いかな」

「だったら、どうしようか、白瀬さん、なんかオススメありますか」

「こっちにスピーダー用のグラシュが集まってるから見ておいで」

 

 僕とみんなは端っこの方にあるスピーダー用のコーナーに向かった。

 

 「さてどれにする」

「日向君、質問良いですか」

「はいどうぞ」

「スタートの時って前に僕がやったエアキックターンだっけ、それってできるの」

「ルール上では良いけど、誰もやったことが無いんだよな」

「へぇ、じゃあ、初速はメッチャ遅くて最高速と加速がとびっきり速いグラシュって無いの」

「そんなのは見たことないけど」

「あるよ」

 

 いきなり出てきた白瀬さんにビックリしたけどあるらしい。

「ほんとですか」

「うん、でも誰も買わないから奥の方にしまってたから取ってくるよ」

「お願いします」

 

 そして埃が被った箱が出てきた。

「うわー、すごいホコリまみれだ、ほんとに動くの?」

失礼な事を言ったのは鳶沢さんだ。

 

 「まぁ、だいぶ初期の奴だからね、ラビットのリターナルシフェル、名前の意味は「復活の堕天使」その通り」

『まずい、僕の黒歴史と言う歴史が蘇りそうだ』

 

 「まぁ、かなり使い勝手が悪くて誰も使われずに今日まで来たからね」

「試しに履いてみたらどうだ、天」

「そうだね、試してみるよ」

 

 「FLY」

僕がそう唱えると紫の羽根を出して浮いた。

バランスは思ってたより取りやすく、あとはあれが出来るかどうかだ。

少し、試してみたくなった僕は店内の一番広い所から少しだけエアキックターンをしてみた。

 

 まずは成功、天井付近まで来た僕は更に回転して地面まで一直線にエアキックターンを決める。

そして「FLY」と唱え、足が地面に着いた。

 

 「これにします。絶対にこれにします」

 

 僕は子供の様にお願いした。

「あ、あぁそれじゃそれにするか」

「おにい、かっこよかったよ」

店内にいた人も僕の方を見てなんか変な顔をしていたので聞いてみた。

 

 「みんなどうかしたんですかね」

「すごいな、君」

いきなり白瀬さんが僕の手を掴んできた。

「どうしたんですか」

「こんなところでエアキックターンを軽々としてしまうところがだよ」

「は、はぁそうですか」

 

 「それと、そのグラシュはただで良いよ」

「え、悪いですよそんな」

「良いよ、どうせ捨てる予定だったしね」

「ほんとですか、ありがとうございます」

 

 こうして蔵主をてにいれた僕たちはついでにフライングスーツも頼んだ。

 

 そして帰りに僕は日向くんにお茶を奢ってもらった。

 

 

 

 

 

 



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ましろうどん

 二日連続投稿


 僕たちはグラシュを入手した。

そして翌日になった僕たちは、本格的に部活が始まった。

 

 そしてアップを終えた僕たちは鳶沢さんがいい放った言葉で、試合をするはめにになった。

 

 僕たちの格好は部長を除いて体操服だった。

 

 「それじゃ、まずは暮らしなと鳶沢の試合を始めるぞ」

日向くんが、指示を出す。

こうしてみるとほんとにコーチなんだなって思う。

すごいな、同い年の筈なのにずっと先にいる遠い存在に思えてくる。

 

 そんなことを考えてたら、すでに二人の試合は始まっていた。

倉科さんはオールラウンダーで鳶沢さんはファイターだ。

倉科さんが先にブイタッチを決めたが、そこからは鳶沢さんとドッグファイトに移りあっという間に鳶沢さんの思う壺に入った。

 

 結果は鳶沢さんの勝利だ。

 

 「二人ともお疲れ、いい試合だったぞ」

すかさず日向くんが二人にアドバイス的なことをいっていた。

 

 「明日香はまだ、初心者だからこれから少しずつ頑張っていくとしてみさきは流石だな、ドッグファイトになったら、この中では一番じゃないか」

「フフーンすごいでしょ」

ニヤリと笑って鳶沢さんは日向くんを肘でつつく。

 

 「次は、真白とレイの試合を始めるぞ」

おっ、今度はレイの番か兄としてしっかり見てないとな。

 

 「セット」

部長の掛け声と共に二人は飛び出していった。

有坂さんはファイターに比べてレイはオールラウンダーだ

最初はレイのブイタッチに決まったが。

 

 そこで有坂さんが次のブイに向かわせないようにサードブイの前に立ちはだかる。

レイは色々フェイントをいれたりしているが初心者な為、

まだうまく飛べてない。

 

 そこで有坂さんがレイの背中をタッチした。

これで1ー1になった。

 

 有坂さんはそのまま連続ポイントを狙うがレイは思ったよりも早く立ち直り有坂さんの背中をタッチする。

2-1になり、そこからは二人のドッグファイト二なったが、レイが隙を見てドッグファイトから抜け出して、フォースブイにタッチしてブザーがなった。

 

 「お疲れ、二人とも結構よかったよ、でも途中でドッグファイトになってから、真白はまわりと言うかレイのことを見逃したりしてるときがあるから次からはそこを重点的に気を付けて練習しようか。レイはいい判断だった。

あそこでドッグファイトに持ち込まれると、どうしてもファイターの真白の方が有利になっちゃうからね。

これからも基礎練習をして夏の大会までに完成させようか」

 

 「「はい」」

 

 「次は部長と天の試合を始めようか」

 

 僕と部長はファーストブイの横まで向かった。

 

 「よろしくおねがいします。部長」

「おう、俺もs全力で行かせてもらう、俺は今日自分の壁を越える」

「カッコいいですね、だったら僕は誰よりも速く高く跳びます」

 

 僕はクラウチングスタートの姿勢になって、足元に

薄くメンブレンを張る。

 

 「セット」

 

 日向くんの声と共に僕は一気に面ぶれんの壁を蹴る。

僕は一気にファーストブイからセカンドブイの間まで移動した。

『よし、いいスタートダッシュだ、次は加速したいけど、

こういうときはどうすればいいのかな、確かローヨーヨーだっけ、それ試してみよう』

 

 僕は海面の方まで向かってセカンドブイにタッチできるちょうどのところまで来ると上に向かって飛んで加速した

そしてブイをタッチする。

 

 すぐ後ろには部長が迫っていた。

僕はサードブイに向かった。

スピードはまだ上がる。

 

 僕は走るような姿勢をとる。

 

 片足だけにメンブレンを張り、それを右足で蹴る。

一気に前に進む。次は左足、右足、左足そしてサードブイをタッチした。

 

 すると突然背中をタッチされた。

 

 「ウォォォォォォォ、気合いだ気合いだぁぁぁぁぁぁ」

部長はそのまま、フォースブイに向かった。

 

 「抜かれた、抜かれた、抜かれた抜かれた抜かれた抜かれた抜かれた抜かれた抜かれた抜かれた抜かれた」

「おい、天、聞いてるのか」

「抜かれた抜かれた抜かれた抜かれた抜かれた抜かれた

ゼって-、抜いてやる」

 

 さっきの倍のスピードで足を交互に動かしてメンブレンを蹴る。

一気に部長の背中をタッチした。

 

 『よし、抜かれた礼をしないと、ドッグファイト二持ち込んでやる』

僕は部長の背中をさらにタッチする。

 

 これで3ー1

 

 部長は立て直し僕の方へ向かってきた。

 

 『へぇ、火がついちゃったか、でも関係ない』

僕は、シザーズの要領で曲がるときにエアキックターンを

繰り出す。

 

 これによってエアキックターンは逆方向への移動をするときに爆発的なスピードを出すため僕のスピードは、あり得ないくらい速くなった。

 

 そして部長の背かをタッチした。

 

 僕は部長が海面ギリギリのところまで行ったのを確認してから、再びファーストブイをタッチした。

 

 そしてブザーがなった。

 

 僕は日向くんがいるところまで行った。

 

 「コーチ、すみません途中から耳に指示が入らなくて」

「あ、あぁ、そうだな、ビックリしたぞいきなり大声を出しながら、飛び出していってドッグファイトに持ち込んで

エアキックターンを何回も繰り返すもんだから」

 

 「いやぁ、なんか負けたくないって思ったら、あんな感じになった」

僕はアハハと言いながら日向くんをなだめた。

 

 「まぁ良いや、そこのところもこれから頑張っていく課題としていくからな」

日向くんは三十分の休憩の時間を取ってくれた。

 

 「よし、もう休憩はいいな、練習を開始するぞ」

僕たちはそのあと、日向くんの指示を聞きながらまっすぐ飛ぶ練習をしていた。

 

 見ていて思ったが、鳶沢三の鳶方はきれいだった。

姿勢がピンと伸びていて、綺麗だった。

部長もきれいな飛び方をしていたが、とにかく速くて、しっかりとその姿を見ることはできなかった。

 

 「きょうはここまで、家に帰ったらしっかりとストレッチとかしとけよ」

こうしてfc部の練習は終わった。

 

 「はぁー、お腹すいた二ャ-、うどん食べて帰ろうよ」

「いいですね、レイちゃんもどうですか」

「うどんですか、おにいはどうする?」

「うーん、たまには外食もいいかな、うんいこうか」

「それじゃ皆で行きましょう」

 

 そして僕たちが向かったうどん屋はましろうどんという

名前の店だった。

「もしかしてここって、ましろの家?」

「そうだよ、レイちゃん」

中にはいるとまだ時間帯が早いためか客は少なかった。

「お帰り-、ましろ」

「ただいま」

「あらあら、そちらの皆さんはましろの部活仲間の人かしら」

出てきたのは、二十代前半と思われるきれいな女性だった。

多分有坂さんのお姉さんなのかな

 

 「はじめまして、ましろちゃんのクラスメートの空鳴零って言います。ましろちゃんにはいつもお世話になってます」

「はじめまして、レイの兄の天って言います。

いつも有坂さんには家の妹がお世話になっています」

僕とレイは挨拶をした。

 

 「これはご丁寧に、ましろの母の牡丹です。

こちらこそ、娘がお世話になっています」

「あ、はい、よろしくお願いします」

「どうかしましたか」

「い、いえ、その少しビックリしちゃって」

「何にですか」

倉科さんが僕の顔を覗きこんできた。

 

 「いや、てっきりお姉さんかと思って」

すると牡丹さんは僕の方をじっくりと見てきて

「あなたいい子ね、おうどんサービスしちゃう」

「そんな、悪いですよ」

「いいのいいの、その代わりこの娘に勉強とfcのことしっかり教えてあげてね」

「はい、はい」

「それじゃ、空いてるところに座ってください」

有坂さんが、みんなを席につれていってくれた。

 

 「何にします?」

「わたしは、あごだし汁うどん」

「明日香先輩は何にします」

「わ、私もみさきちゃんと同じので」

「レイと天先輩は何にしますか」

「うーん、どれにしようかな、どれも美味しそう」

「有坂さんは何がオススメなのかな」

「だったら、このましろスペシャルにしてみたらどうですか」

「それじゃ僕はそれで」

「私もおにいと同じので」

 

 うどんが来るまでみんなで話をしていた。

「そういえばさぁ、天はいつになったらみんなのこと名前で読んでくれるの?」

「へ、そ、その」

「そういえばそうです、コーチとかはみんなのことを名前で呼ぶのに、何でなんですか」

「は、はずかしいから」

「なんかかわいい理由にゃー」

「おにいはいつになったら女の人になれるの」

「そんな、僕は父さんみたいなクソ野郎じゃないから」

「まぁいいにゃ、それじゃこれから天はみんなのことを名前で呼ぶ。決定」

 

 鳶沢さんが勝手にそんなことを言う。

「おにい、ちゃんとみんなのことな目で読んであげないと

私もう口聞かないから」

「それは洒落にならないからやめて」

「だったら私のことタメにしに読んでみて」

「み、み、みみみ、み、さ、き・・・・・・さん」

「プッ」

「笑わないでよ、恥ずかしい」

「天先輩はウブなんですね」

「ほらそこ、有坂さんじゃなくて、ま、ましろちゃん

変なこと言わない」

「次は私のこと呼んでください」

「あ、明日香さん」

「はい、なんですか天さん」

 

 「はぁーい、お待たせ」

そこへ牡丹さんがうどんを持ってきてくれた。

「「「「「いただきまーす」」」」」

僕は一口食べた。

その瞬間僕の時が止まったような気がした。

 

 「おにしい、どうしたのおにい」

「あれ、固まっちゃってる」

「ほんとですね、フリーズしてますね、バグでも発生したんでしょうか」

「顎が落っこちそうです」

 

 「はぁっ、ま、ましろちゃんこのうどんを作ったのは

お父さん?」

「え、えぇ、ダシはお母さんで、うどんはお父さんが

手打ちで作ってます」

「口にあったかしら、うちのうどんは」

「牡丹さん、だしは牡丹さんが作ったんですよね」

「えぇ、うどんは旦那ですけど」

「僕を弟子にしてください」

「へぇっ、いきなりどうしたのかしら」

「いえ、こんなにも美味しいうどんを食べたのははじめてでして、是非弟子にしてください」

「ひとつだけ、弟子にしてあげてもいいけど」

「どんな方法ですか」

「うちにお婿に来ることよ」

「へっ、そ、そそそそそそそれは、無理ですよ、

それにましろちゃんだって僕なんかとは嫌だと思いますし

それ以外に方法は」

「ないわ、うちの秘伝のレシピなのよ」

「そうですか、無理言ってすみません」

「別にいいわよ、それだったらうちに食べに来てくださいね」

「はい、そうさせてもらいます」

 

 僕は再びうどんに向き合って一気にうどんを啜った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 皆さんはあおかなはプレイしましたか?
僕は個人的には明日香ルートが一番よかったです。
特に、夏祭りの浴衣姿の明日香はものすごくかわいかったです。
一番好きなシーンは、やはり告白のシーンですね。
それに最後に出てきた、ゼフィリオンのフィギュアが出てきたときは、涙がポロポロ出てきました。
そのせいで、一回本気で明日香をメインヒロインにしようかとお思いましたが、やはり明日香には原作主人公の
昌也くんが一番だと思いました。

 皆さんはどのルートが一番好きですか?
もしよかったら感想と一緒に書いてください。


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