これは人外ですか?いいえ、自称一般人です (爆走ボンバー人間)
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「俺が神で、法だ」
時間とは、すなわち人の記憶が培ってきたものである
人と人の記憶が過去と今、未来の時間を結び、歴史を紡いでいく
どんな悪行も、善行も、醜い事も、綺麗な事も記憶があればそれはその人達の時間に刻まれ、歴史に刻まれる
過去にどんな記憶があろうとも、それはその人の確かな時間となって、今へとつなぎ、未来につながっていく
人々の記憶は歴史に刻まれ、世界に刻まれる
その人個人の記憶は、その人自身に刻まれ、その人の「今」を作り上げる
では、記憶が失われれば、どうなるのか?
人々の記憶がなくなれば、それは「なかったこと」になり、歴史にも世界にも「存在しなかったこと」になる
その人個人の記憶がなくなれば、その人の過去から今につながる道筋は消え、「今までの自分」は消え
残ったのは「空っぽな別の何か」が残るのだろう
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
おはよう、もしくはこんにちは、はたまたこんばんわ読者の皆さま
まぁどれでもいいですよね、
初めまして、時坂黒乃と申します。ちなみに偽名です。
何で偽名なのかって?大人の事情ということで納得しろ。命令形になってる?
この小説では俺が神であり、法だ。まぁ、メタ発言はここまでにしておこう。
えー、では自己紹介を始めます(棒読み)
時坂黒乃 年齢?歳 性別男 趣味は料理と支配 特技はタイムセール総取りと闇討ち 悩みは目が死んでる事と背が低い事
極々普通の一般高校生です
え、普通の高校生は偽名や年齢隠ぺいしないし趣味と特技が普通なのか異常なのかどっちなんだよだって?
フッ、これだから一般回答しか出来ない頭の固い人は…まるで銀○のメガネと同じくらい残念な人だ。
今すぐそのメガネを質にでも入れて異世界転生でもして人生を三度はやり直してくるといい。
多少はメガネの呪縛から解き放たれるだろう。
まぁ、これぐらいでおふざけをやめておこう。これ以上やるとマジで銀○組の人たちが乗り込んできそうだ
ゴホン!話を戻そう
僕が通っているのは私立駒王学園
数年前まで女子高だった所で今では男女共学となっているが、未だに男子よりも女子の方が比率が高い
まぁ、読者への挨拶はここまでにしておくか
で、俺が今何をしているかと言えば……
「zzz…」
居眠り中だ。しかもマイ枕で。もちろん休み時間に寝てるんだろうって?
おいおい、そんなわけがないだろう。当然授業中に堂々と寝ている。清々しいほどにな。
当然そんな事をすれば注意されるのだが…
「時坂!この問題を解いてみろ!!」
「x=√5+2」
寝ながら即答で答えると問題を振ってきた先生はそのまま崩れ落ちた
この様に唐突な問題をすぐ解いたり、成績もトップのため教師達も強く注意出来ないのである
そもそも俺は高校程度の学など既に修めているので、そこらの教師では相手にもならない
なら何でお前高校に通ってんだよって?好きで通うわけないだろう。俺は日々予定が詰まっていて忙しいのだ。仕事を平然とサボるようなダメ魔王や駄神たちと一緒にするな。そんな俺がわざわざここに通っているのは……まぁ、また今度話そう。
べ、別に理由が思いつかなかったとかそんなわけじゃないんだからね!
……自分でやっといて何だが気持ち悪いな、これ
その後何事もなく授業を寝て過ごし放課後になる
HRが終わると同時に俺はすぐに起床し教室を出て下校しようとする
「時坂さん。待って下さい」
が、呼びとめられたので仕方なく止まる
「何か用か、白猫」
「声をかけただけでだるそうにして無気力な目をしないでください。後、白猫って呼ばないで下さい」
「別にいつも通りだ。ってか、眼に関してはお前と同じじゃねえか」
「一緒にしないでください。私はあなたのように目が死んだ魚のように腐ってません」
そういってジトッと目を細めて言ってくるこいつの名前はクラスメイトの塔城 小猫
琥珀色で猫のような目に白髪で中学生とも思えるような身長、いや下手すれば小学せ…
ブンッッ!!
突如として正拳突きが飛んでくるがマイ枕を盾にして防ぐ
「いきなり何すんだ?」
「失礼な事を思われたような気がしたので」
このように猫のように勘が鋭い。容姿も相まってまさしく白猫だ
「で、何か用があるんじゃないのか?急ぎの用があるから早くしてほしいんだが」
「そうですか。今からスイーツ店に行くので一緒にどうかと思ったのですが…用事があるなら遠慮しときます」
「そうか、じゃあもう行くぞ」
「はい。また明日」
「またな」
白猫の誘いは嬉しかった(スイーツ店だから)が俺にも譲れない大事なようがある
そう、今日は何と言ってもスーパーで特売セールがあり、国産和牛が半額なのである。これを逃すことなど
あり得ない!だが、この情報を握っているのは俺だけではない。近所に住む
「あ、お母さーん!こっちだよー!」
「おう、ジャック。場所取りご苦労さん」
「うん!私たち頑張ったよお母さん!」
「おー、えらいえらい」
「えへへ、褒められた♪」
頭を撫でると嬉しそうに笑う。それにつられて俺もいつもの少し笑みがこぼれる。
が、すぐに気を引き締める。なぜならそろそろ生存をかけた無慈悲な戦争が始まるのだから
そして開戦の時は迫り
『ご来店の皆さま!本日はお越し下さりありがとうございます!これより国産和牛半額のタイムセールを始めます!数量は10点限りで一人1点限りでございます!それではスタート!!』
今、戦いの火ぶたが切られた!
俺と片手に買い物袋、もう片手にジャックの手を握り帰路に着く
タイムセールではジャックは気配遮断と敏腕を使って誰よりも早く国産和牛を手に入れ、俺も主婦達に呑み込まれかけながらも何とか手に入れた。合計で二つも国産和牛を手に入れたので、今日は豪勢な食事に出切るだろう
「ジャック、今日はすき焼きだぞ」
「ほんと!?やったー!!すき焼きすき焼き♪」
夕飯がすき焼きだと知ってジャックはさらに機嫌が良くなる
「早く帰ろうお母さん!早く早く!」
「おい、待てってジャック。そんなに進んだら…」
手を引っ張って急かすジャックを止めようとするが止まらない。
こんな幼い姿をしているがジャックもサーヴァントなのだ。何の強化もしてない俺が止められるわけもなく
そのまま引っ張られ…
「あー、やっぱりこうなってたか」
「あら、人払いの結界はしてあったのに何故人間がいるのかしら?」
帰り道の途中にある公園の前まで来てしまい、公園には腹に風穴が空き血を大量に流している学園の変態…
名前は忘れた。それと、露出の高いボンテージに背中に黒い羽を出している鴉がいた
俺はこの公園でこのぐらいの時間帯にこの変態が殺されるのを知っていた。
いや、正確に言えばこの光景を
それ以前に人払いの結界が貼られている事や鴉の気配があるのは知っていた本来ならこんな面倒な事巻き込まれたくないから避けるのだが…どうしても確かめなければならない事があるのだ
「まぁいいわ。見られたからには殺すわ。死になさい」
そう言って鴉は手に光の槍を生成し投げようと腕を後ろに振りかぶり次の瞬間、
ザシュッ!!
「ああああああああああああッッ!!??」
鮮血が舞い絶叫が響き渡り、ボトリ、と鴉の腕が落ち切られた断面から血が垂れ流しになる
「ちょっとお姉さん。私、これからお母さんとすき焼きするんだから邪魔しないでよ」
ジャックの手にはナイフが握られており刃から血が垂れている
これだけで分かるだろうが、ジャックは鴉が槍を投げるよりも早くにナイフで腕を切り落としたのだ
「貴様ッ!?人間ごときがこの至高の堕天使である私の腕を、よくも!!?」
「先に俺たちを殺そうとしといて逆ギレかよ」
「ねぇお母さん。あの人解体してもいい?」
「いいぞ…と言いたいけど夕飯作らないとだめだから手短にな」
「はーい♪」
「貴様ら!バカにしてるの!?人間ごときがこの私をバカにするなぁ!!!」
逆上したカラスは残った腕で槍を手に向かってこようとし、ジャックは楽しそうにナイフを握り、俺は
暇そうにそれを眺めていると、近くに転移魔法陣が現れる
「ッ!?この紋章はグレモリー!?クソッ!命拾いしたわねガキども!」
いかにも三下のような捨て台詞を吐きながら鴉は逃げていく
だが、そんなことよりもあの鴉…
「あのクソ鴉、やっぱり絶殺だ…!」
俺は、俺の事をガキ、もしくはチビと言った奴を何人たりとも許しはしない。例え神だろうと社会的にも物理的にも殺すと決めている
とりあえず…
「あなた。これは一体どういう事なのか聴かせてもらってもいいかしら?」
目下で俺とジャックの事を睨んでいるこの紅髪女をどうするかだな
また面倒事が起こりそうだな、と他人事のように思いながら本日二度目の溜息を吐く
※カラスと会合したところ、少し修正しました
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お疲れ様です、管理者(笑)
久しぶりの投稿なのに全然話が進ンでない…
(はぁ、面倒だな…)
変態があの鴉に殺されてそこに自分たちがやってくる事を前日のうちに予知夢を見てたので知っていたが
目の前の紅髪の女…リアス・グレモリーがやってくる事は知らなかった。近くにいたならまだしもまさか死にかけの奴が持ってる悪魔と契約するチラシの魔法陣からこいつが出てくるなど、誰が想像できる?
そもそも予知夢と言っても見たい時に見れるわけでも見たいものが見れるわけでもない
あのクソ野郎なら千里眼で大体の事は見れるらしいが、俺は千里眼が使えるわけではない
あ、なんかあのクソ野郎の笑顔思い出したらイライラしてきた。あの野郎、いつもいつもやる事はロクでもないことしかしないし、しかも明確な悪意があってやってるわけではないので尚更、性質が悪い
「その制服、あなたも駒王学園の生徒ね。黙ってないでないで答えなさい。それとも力づくで聞かれたいかしら?」
おっと、目の前のこいつの事、すっかり忘れてた
リアス・グレモリー、現魔王サーゼクス・ルシファーの妹でこの駒王町の管理者(笑)だ
まぁ、管理者とは言ってるが悪魔どもが勝手に領地だと言ってるだけだが。ここは日本でこの土地は日本神話、
引いてはここの土地神のものだ。ここに住み始めた時に土地神に菓子折を持って挨拶に行くと、悪魔どもが好き勝手してると愚痴を言われたものだ。まぁ、おかげで土地神とは友好な関係を築けたし許可も出されたおかげで
ここの霊脈や精霊と接触しやすくなったんだが。
さて、この町の管理(自称)してるこの女を殺すことは容易だ。俺の魔術、もしくはジャックでも瞬殺だ。
だが、仮にもこいつは魔王の妹であり魔王のうち二人は重度のシスコンだ。それも身内贔屓をして、公私も
分けられないほどの。こいつを殺して、堕天使を排除してもルシファーは俺たちを血眼で捜すだろう。
流石にそれは面倒だ。
正体を暴かれず、尚且つグレモリーに出来るだけ手を出さずにこの場での記憶を忘れてもらう
普通に考えれば顔を見られて制服も見られてはスリーアウトものだが…何とかなってしまうのである
「ジャック、帰るぞ」
「いいの?あの人放っておいて」
「構わん。それよりもすき焼きだろ」
「あ、そうだった!すき焼き食べたーい!」
「ずいぶん余裕な態度ね。私の事を知らないのかしら?私はこの街の「この町の管理者(笑)で魔王の妹でその恩恵でこの町の管理をしているグレモリー家次期当主の駒王学園三年リアス・グレモリーだろ?」知ってたのね。見たところ貴方は1年のようだけど、先輩に対して呼び捨てとは失礼じゃない?敬語を使いなさい」
「ハッ。バカかお前は?敬語ってのは敬う言葉って書くんだぞ?俺よりもバカで弱くて管理もロクに出来ていない間抜けで家の名に頼ってるボンボンに敬う要素がどこにある」
「好き勝手に言ってくれるわね…!もういいわ!消し飛びなさい!」
そう言ってグレモリーは手に赤黒い魔力を溜めて放とうとするが
「攻撃への移行、遅すぎ。『動くな』」
「そんな事聞くわけがッ!?」
俺がそういうと同時にグレモリーの動きが止まる。止まってるグレモリーは口を動かす事も出来ず驚愕の
顔になっている。
俺が今使ったのは『言霊』だ。自分の言葉に魔力を乗せて言葉に力を持たせて相手に命令する事が出来る。
だが、これにも制限がある。一つは自分と同等、もしくは格上の相手には言霊がほとんど効かない。
もう一つはその土地とのシンクロしなければならない。正確にはそこの霊脈と精霊と接触しなければ成功率は低い。シンクロしたければ、そこの土地の霊脈を管理している領主に挨拶をしなければならない。領主は
目の前にいるこの管理者(笑)ではなく、土地神の事だ
「ジャック、霧頼む」
「わかった♪『
ジャックが己の宝具の真名を唱えると、ジャックを中心に霧が広がりここら一帯を呑みこむ
「じゃあな、管理者(笑)。まぁ、直ぐに忘れるだろうがな」
「なッ!待ちなさい!」
そんな事を聞くわけもなく、俺とジャックは霧の中に入りこの場から消える
side管理者(笑)
私はこの駒王町の管理を務めている72柱の悪魔の一つ、グレモリー家次期当主のリアス・グレモリーよ
私達は基本この町で悪魔の仕事の一つである人間との契約をしているわ
契約といっても契約者の願い事を叶えてその願いの分の対価を支払ってもらうという商売のようなものね
普通は私の眷族達が主に召喚されるのだけど、今回珍しい事に私が召喚対象だったから召喚者に興味が湧いたので召喚に応じたのだけど、転移した先には召喚者と思われるうちの生徒…確か兵藤君だったかしら?
その子が瀕死の状態で倒れており周りには血が付いたナイフを持っている女の子とうちの制服を来ている
男の子がいた。状況から見て、この子たちが何か関係しているのは間違いないわね
「あなた。これは一体どういう事なのか聴かせてもらってもいいかしら?」
自分の領土で生徒が襲われた事に怒りを感じながら質問をするが、男の子は溜息を吐くだけで答えようとは
しなかった。その態度に苛立ちを感じ少し魔力を放出しながら脅しをかける
「その制服、あなたも駒王学園の生徒ね。黙ってないでないで答えなさい。それとも力づくで聞かれたいかしら?」
実力行使も厭わないと、威圧的に言う。流石にこちらが本気である事は分かるだろう。これで素直に話すなら、話次第では見逃してあげても構わないわね。男の子が白状すると思っていたが
「ジャック、帰るぞ」
あろうことか私の質問を無視して女の子を呼んで逃げようとする。しかも呑気にご飯の話をしている。
魔力を放出して威圧しているというのにそれにも全く意に介してないため、もしかして私の事も知らないからこのような態度をとっているのかと思った。
なら、この地が誰の領地であるのかを知ればこんな態度も取れなくなるだろう
「ずいぶん余裕な態度ね。私の事を知らないのかしら?私はこの街の「この町の管理者(笑)で魔王の妹でその恩恵でこの町の管理をしているグレモリー家次期当主の駒王学園三年リアス・グレモリーだろ?」
自身の正体を名乗ってこの子のふざけた態度が崩す事が出来ると思ったら、相手は自分の正体を知りながら
なめきった態度で、しかもこの私に対して不躾な言葉を放ってきた
上級悪魔であり先輩でもある私に対する言葉づかいや態度について指摘するも
「ハッ。バカかお前は?敬語ってのは敬う言葉って書くんだぞ?俺よりもバカで弱くて管理もロクに出来ていない間抜けで家の名に頼ってるボンボンに敬う要素がどこにある」
このように返してきた
どうやら私に対する態度も、質問に答える気は全くないようだ
ならもう容赦はしない!
「好き勝手に言ってくれるわね…!もういいわ!消し飛びなさい!」
我慢の限界を迎えた私は滅びの魔力を集め攻撃の態勢に入る
「攻撃への移行、遅すぎ。『動くな』」
「そんな事聞くわけがッ!?」
当然そんな命令を聞くわけもなく魔力弾を放とうとするが、体が金縛りにあったように全く動かす事が
出来ず集めた魔力も体の自由が効かないために霧散してしまう
そのあと周囲が急に霧に包まれ男と小さな女の子は霧の中に消え姿を消した
私は自分の領地での蛮行、不躾な態度、不確定要素の多い存在を逃したことによる怒りでいっぱいだった
今までこの私にあのような態度を取った者はおらず、それだけにプライドを傷つけられた
次に会った時には跡形もなく消し飛ばそうと思ったところで、ふと気付いた
「顔が……思い出せない…!」
つい先程の出来事だと言うのにあの二人組の顔が思い出せない。それどころか会話の内容や性別、身体的な
特徴の何もかもが靄がかかったように思い出せない
「一体どういう事…?記憶操作系の神器?でもそんなものは聞いた事がないわ。だとしたら一体どういう事なの?」
相手の事を全く思い出せないのでは捜索どころか、対処の仕方も分からない
さらに不確定な事が増え頭を悩ませながら、先程召喚された事を思い出し召喚者である兵藤君の様子を確認すると、既に虫の息で助かる状況ではなかった。彼は神器を宿していたため堕天使に狙われていたのは知っていたけど、どのような神器だったのか少し気になるところではある。物は試しと検証してみた結果、八つの駒が反応したのを見て笑みがこぼれる
「面白いわね。どうせ死ぬのなら、私のために生きなさい」
私は手に持つ八つの駒を兵藤君に近づけると駒は兵藤君の中にするりと、溶け込むように入っていき彼のお腹の怪我も消えた。さて、思わぬ収穫があったけれど問題は山積みね。堕天使たちの対処にこの子への説明もだけど、何より正体不明の存在。もう、全くと言っていいほど覚えていないけれど何かがいたという事だけは覚えている。眷族とも話し合って早急に対処しないといけないわね。
黒乃SIDE
はい、さっきぶりの黒乃だ
うっざい管理者(笑)に絡まれ面倒だったのでジャックの宝具『
そんな事を考えてると家に着いていたので鍵を開ける
「ただいまー!!」「帰ったぞ」
ジャックは元気な声で、俺は抑揚のない声で帰宅を告げる
ジャックはトテトテと洗面所に向かい手を洗いに行く
それを見ながらドアを閉め鍵を閉める
ちなみにこの家はそこらの一軒家た同じように見えるがそれは外見的なもので、家の中は異界化させているため外見以上に広い空間となっておりいくつもの施設が内包されている
家には認識阻害の結界に探知結界を張っており、敷地には入居許可者以外の奴が敷地に入れば異次元空間に強制転移させるトラップを設置している。転移先には全自動魔力固定砲台、魔術トラップ、悪霊、自動機械歩兵と対地、対空兵器がぎっしり設置された空間になっており即座に蜂の巣、いや塵一つ残らず消滅させられるだろう。また、敷地内に入らず周りの被害を無視しての遠距離攻撃に出たとしても、この家に用いられている素材は俺が長年研究して錬金に成功させた金属、『
あらゆるエネルギーを吸収し100%の効率で光へと変換、拡散するという魔力場を展開する性質がある。物理的なものでも魔力的なものでも何かを攻撃、破壊するにはエネルギーが発生する。つまりこの結界は単純な攻撃ではどうあっても破壊する事は不可能なのである。これだけの要塞を突破するには敷地内の転移トラップを突破し、魔術的概念を完全に無効化する方法をとり、家内の異界化した空間をとっぱしなければならないのだ。世界最高峰の要塞と言っても過言ではないこの家を、黒乃は自分のこれまでの研究と数十年という月日を注ぎ込んで作りあげたのだ
買い物袋を持ってリビングに入るといきなり腹部に衝撃がきて、体制を崩しそうになるが食品がはいった袋があるため何とか耐えきる
視線を下に向けると、濃い黄色の髪をサイドテールにまとめ、その上からナイトキャップと呼ばれるドアノブカバーに似た独特な帽子を被り、瞳の色は血のように紅い真紅。服装も真紅を基調としており、半袖とミニスカートを着用し、スカートは一枚の布を腰に巻いて二つのクリップで留めているラップ・アラウンド・スカートと呼ばれるもので、足元はソックスに赤のストラップシューズを履いており、またその背中からは、一対の枝に七色の結晶がぶら下ったような特殊な翼が生えている幼い吸血鬼の少女、『フランドール・スカーレット』は俺の腰上あたりに頭を押し付けている。こいつの姉であるレミリアとは知り合いであり、
フランが外の世界を学ぶ際に俺が面倒を見ることになったのだ
「フラン、いきなり飛びつくな。食材落としちまうだろ。あと、鳩尾に頭が当たって痛いから離れてほしいんだが…」
「やだ!だって、お兄様の帰りが遅くてフラン暇だったんだもん!」
「遅くなったにはアホな鴉と無能な蝙蝠に絡まれたせいだ。俺は悪くない」
「……ふぅ~ん、そうなんだ。じゃあそんな奴らは『キュッと』しちゃってもいいよね?」
さっきまでの子どもらしい無垢な顔とは一転、狂気がにじみ出た笑みになり、紅い瞳を怪しい光を放ち、
血を啜るための鋭い歯を僅かに見せる
「ダメだ。蝙蝠はシスコン野郎が面倒だし、鴉は俺が潰す予約があるからな」
「ブー!お兄様のケチ!意地悪!」
「そうにゃ、そうにゃ。クロノは意地悪にゃ」
「何でてめぇも味方すんだよ黒歌…」
横やりを入れてきたのは黒い着物を大きく着崩し自身の体を見せつける我が家の居候でペットポジの黒歌。
妖怪である猫又の上位種『猫魈』の生き残りであり、魔力・妖術・仙術の使い手でありSS級はぐれ悪魔扱いされている。昔、クロノが散歩中に彼女を襲う悪魔たちと鉢合わせ襲われたので逆に悪魔たちを地に埋めてやったのだ。それからこの家に住み着いたのだが基本的にだらけている駄猫だ。
「え~、だってクロノったら、夜にあんなに激しく私の事をいじめたじゃない。もう無理だって言ってるのに無視してあ~んなことや、こ~んなこともしてきたじゃなってにゃあああ’あ’あ’あ’あ’あ’!!?
頭があああああああ’あ’あ’あ’!!」
「あれはてめぇが夜中に冷蔵庫の中身を食べあさったからお仕置きしたんだろうが!!こんなふうにな!!」
黒歌の頭を鷲掴みにしてアイアンクローをする。手に力を込めて圧迫すると、黒歌の頭からミシミシと音が鳴る
「お、お兄様…。黒歌とそんな関係になってたの…」
「ほら、てめぇのせいで無垢なフランが誤解してるじゃねえか!フラン、こいつとは何にもないから安心しろ。それよりも夕飯作るからそれまでジャックと遊んでろ」
クロノは黒歌を放り捨て、フランを部屋から出す。一応誤解だと伝えたが顔色が優れていなかったので、間をあけてもう一度話しておこう。ピクピクと痙攣を起こしている黒歌は無視する
夕飯の下準備をするため服の上からエプロンを着ると、服の裾が引っ張られる。
裾を引っ張っていたのは無表情な三人娘だった
「どうした?何か用か?」
「苺タルト食べていい?」「我、お菓子食べたい」『今日の夕飯は?』
寸分違わず(一人は筆談だが)抑揚のない声で質問してくる
左から順に、青い瞳に青い髪を後ろで雑に纏めている西洋人形のような少女
「魔像人間 リィエル・レイフォード」
黒い髪に黒い瞳、黒のゴシックドレスと黒で統一された世界№2の竜
「無限の龍神 オーフィス」
穢れが一切ない純銀の髪にサファイアのような瞳、兜、ガントレット、プレートアーマーを着た少女、
「
この三人娘の共通点は、無表情と大食いだ。実際三人とも食い物のことしか聞いてない
「夕飯は今から作るから菓子は我慢しろ。タルトはデザートだ。それと夕飯はすき焼きだ」
「「わかった」」『楽しみ』
三人は俺の返事に満足(無表情で分かりづらいが)したみたいでオーフィスとリィエルはテレビゲームを再開し、ユーはそれを見ながら湯呑のお茶を飲んでいる
それを見て俺は料理の下準備を始める
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「すき焼きという名のサバイバル」
ぐつぐつと煮えたぎる出し汁
金属の器に囲まれ火によって煮えたぎる煙からは香ばしい香りを漂わせる
多種多様の野菜に豆腐、椎茸、そして……肉!
普段、食べる事は叶わなく数少ない機会にのみ与えられる至福の一時
それと同時に始まる略奪という名の無慈悲な戦いを強いるバトルロワイヤル
そう……すなわち、ス・キ・ヤ・キ
しかも今日使っている肉はタイムセールで手に入れた国産和牛。これをみすみす見逃すわけにはいかない。今この鍋を囲んでいるのは、俺・ユー・ジャック・フラン・リィエル・オーフィス・黒歌の七人。この大乱戦の中で
他を出し抜き、鍋にもっとも多く手をつけ、どれだけの肉を食べれるかが勝利のカギを握る。
ぶっちゃけ俺は肉が大好きだ。メッチャ好きだ。他の奴より多く、好きなだけ食べたい。だからこそ負けるわけにはいかない。だが、事はそう上手く進まない。ここにはフランやジャックといった幼い奴らもいるのだ。そいつらを差し置いて一人だけガツガツ食べるなんてそんな大人げない事は出来ない。というかそんなみっともない真似恥ずかしくて出来ない。それに一番の問題は…
ちらり、と横目に無表情大食い三人娘を観る
三人はいつものように無表情のように見えるが、俺には分かる。
いつもに比べ口角が上がり眼は肉をガン見していて、今か今かと鍋が出来上がるのを待っている。何らかの対策をとらなければ肉は全て奴らの胃という名のブラックホールへと吸い込まれてしまうだろう。それだけは避けねばならない。下手をすれば一口も肉を食べる事はなく、すき焼きが終わることになる。何か…何か良い案はないのか……!
「そろそろ鍋が出来上がるにゃ。よそってあげるからお椀貸してにゃ」
「ん。わかった」
「我も」
「フランも!」
黒歌の手にリィエルとオーフィス、フランのお椀が渡される
(何?黒歌なら率先して肉を奪いに来るはずなのに、なぜ…まさか!)
ある考えにたどり着きそれを裏付けるように黒歌の口角が上がるのが見えた
(気づいたようだけど遅いにゃ。リィエルやオーフィスの食欲は止める事は出来ない。だけど、その手綱を握る方法はある!)
(自らが他の者の面倒を見ると言う鍋をよそう役…一見損な役割だが、この場においてその立場は鍋の主導権を握る立場になると言う事…黒歌も狙っていたと言うのか!)
((鍋を統べる支配者…すなわち、鍋将軍!!))
(しかもお椀にはそれとなく肉や野菜よりも、白滝を多く入れてやがる…!)
リィエルとオーフィスは白滝をしゃくしゃくと何回も噛んでおり癖になっていた
(リィエルとオーフィスは白滝の食感の虜…フランは背伸びをするところがあるから肉をがつがつと食べる事は出来ないにゃ。後は、ユーをどうにかすれば私が鍋将軍にゃ!)
黒歌は勝利を確信しにやける。だが、鍋将軍とはそう簡単になれるものではない
「黒歌、次お願い」
「我もお願い」
「わ、分かったにゃ」
黒歌は先程からリィエルとオーフィスの分をよそうだけで自分のお椀に手をつけられないでいた。リィエルとオーフィスは白滝の食感にも飽き、次々と食べていくのに合わせてよそわなければならないからだ
(あいつらの食への欲求を見誤ったな黒歌、貴様は鍋にロクに手をつけることも出来ず一生奴らの腹を満たすためによそってろ)
(そんな、バカ…にゃ……)
黒歌は絶望のあまり戦意喪失してしまう
(これで一人消えたな、だが勝負はここからだ。リィエルとオーフィスの抑制役だった黒歌が消え、先程から黙々と食べ続けるユーも加えてさらに肉は激減するだろう。だが、
それからすき焼きは続き時間は過ぎていき…
「我、お肉いっぱい食べて、満足」
「私も。クロノ、苺タルトは?」
『ごちそうさまでした』
「はいはい、今から持ってきてやるから待ってろ」
席から立ち冷蔵庫から苺タルトとあるものを持ってくる
「ほらリィエル、苺タルト」
「ん、ありがとう。はむっ」
「それじゃあ、俺はまだ食べ足りないから追加するか。この牛肉をな」
「にゃ、にゃんですって!?」
俺は手にある牛肉を見せびらかすように見せる
(こいつらの食を抑制する事もコントロールも出来ないのならいっそ満足するまで食べさせればいいんだ。
こいつらがさっきまで食べていたのは安い豚肉!これからがメインディッシュだ…!)
(そんな、私が今まで欲しがってたのがただの豚肉!?でもあれは確かに牛肉だったはず!牛丼とか焼き肉とかよく食べるあの牛肉だったはずにゃ!それが豚肉!?なら、私が追い求めていたのは…)
(初めからお前に牛肉を食べることも鍋将軍にもなれる事はなかった。つまり…負け犬、いや負け猫ってことだ)
そこまで理解が追いついた黒歌は気絶してしまう。それを気にかける事もなく鍋に肉を投入し焼きあがるのを待つ
(俺は鍋将軍などに最初から興味などなかったのさ。最後に残った至高の肉、それさえ手に入るのなら有象無象の肉などいくらでもくれてやるさ!俺は鍋将軍などというちんけなものではなく、至高の素材だけを使った最高のすき焼きを統べる者…皇帝ナベレオンになるんだ!)
勝利を確信しこれから食べる肉に思いを馳せながら笑みがこぼれる。すき焼きという名の戦いに勝ったのだから!だが、現実というのはいつも理不尽なものだ
「うわあ、凄く美味しそうな臭いがするねお母さん!」
「お肉まだあったんだね!全然お肉食べれてないからよかったー!」
(な…!?し、しまった!こいつらがまだ残っていたのか!?完全にノーマークだった!だがしかし、これぐらいの障害なら修正が効く!)
「な、なんだそんなに食べてないのか?よそってやる。【来い】」
ジャックとフランのお椀を白魔【サイ・テレキネシス】を使って自分の手元に引き寄せよそう
鍋に二つの箸がはいり具をとっていく
(ん?二つ?)
クロノはふと横を見るとユーが肉や豆腐などを食べている姿を見て、頬を引きつらせる
「ゆ、ユーさん?さっき食べ終わったのでは?」
『牛肉があるのなら別腹』
そこは普通デザートなのでは!?と思ってしまうクロノだが、ユーは気にせず黙々と食べ続ける。
その後フランやジャックよりも肉をがつがつ食べる醜態を見せるわけにもいかず肉に手をほとんどつけることも出来ず、食材も尽きてしまい今度こそすき焼きはお開きとなってしまった
「結局肉を全然食べる事も出来ずすき焼きが終わってしまった」
あの後片づけをしてからフランやジャック、オーフィスを寝かしつけてからクロノは工房に入る
この工房はクロノの研究室であり何らかの血液や体液等のサンプルや宝石や金属などの鉱物、生物の牙や皮など数え切れないほどの素材や触媒、それを調べる機械や工具などが数え切れないほど並べられていた。クロノはこの工房に籠もっては様々な研究をしていた。新しい魔術や化学兵器を開発、試行錯誤しており日々研鑽を積んではいるが、それらはすべてクロノにとってはただちょっと興味があったとか、適当に思いついたからとか、暇つぶしの感覚でやっている事がほとんどなのだが。世の魔術師や科学者からしたらそれこそ一生をかけた研究対象だったりするものを暇つぶしで作っているのである。それを知れば世界中の魔術師や科学者は直ぐにでも自信をなくしてハローワークに向かってしまっても不思議ではないほどに。まぁ、本人にとっては大抵のものはガラクタになってしまうのだが、それは全ての科学者が知らない方が幸せだろう。
クロノは今とりかかっている研究に早速取り掛かる。サンプルのはいった試験管を数本取り出し、装置にセットして投薬し操作する。クロノの前には培養液がはいったカプセルがあり、中には一体の獣が静かに眠りながら浮いている。
「こいつの完成におよそ200年もかかったが、なんとか完成率六割に到達、七割を切ったら実証実験を開始するか…お前が目覚めるまであと少しだ。お前が出来ればこの世界は変わる…それがどういった結果をもたらすす事になるのか楽しみだ…」
クロノはカプセルを撫でながら楽しそうな顔をする。その夜もクロノは研究室で過ごした
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「調教も躾けも変わんないですぜ」
「ふわぁぁ~~~、眠い…」
通学路を歩きながら口を大きく開けてあくびをし、隈が出来た目を擦る。朝は本当に日常の中で一番つらい時間だ。
あの後結局朝まで夜通し研究を続け、気がつけば朝日が昇っていた。仕方なく研究を切り上げて登校の朝飯の準備を進めた。朝から俺の居候たちは遠慮など知る筈もなくよく食べるので相当の量を作らなければならない。それも全て俺が作らなければならない。フランとユー、オーフィスはダークマタ―しか作れないし、リィエルは苺タルトしか出さないし、ジャックはなぜかゲテモノしか作れないのだ。黒歌?あいつは何言っても隙を見つけてはサボるから諦めた。そんなわけでうちの居候たちは総じて家事力ゼロの為、掃除、洗濯、料理など全ての家事を兼任している。普通の主婦の朝が戦場なら俺の家はラグナロクと言っても過言ではない。それに、留守を任せてはいるがセールスなんかが来た日はひやひやする。いや、まぁ不必要なものを買うことも心配ではあるが、
どちらかというとセールスマンの身の安全が心配だ。あの天然とバカ猫がいる魔窟に一般人が行って無事で済む可能性は低い。ご近所さんなら顔見知りなので大丈夫だが、見たこともないセールスマンの場合何かのきっかけで攻撃をしないとも限らない。特にリィエルはやりそうで怖い。
そんなこんなで朝から体力的にも、精神的にも参っているのだ。
教室に着くとクロノは席に座り、どこから取り出したか謎のマイ枕を取り出し埋もれるのだった。
あぁ、このモフモフ感。最高だ~。このモフモフ感は癖になるなぁ~。
「おはようございます、時坂さん。朝から枕に埋もれてだらしない顔をしてて気持ち悪いですよ」
「あ?…何だ白猫か、おはよう。今日もちっこいな。じゃあグッナイ」
モフモフ感の虜になっていると白猫が挨拶と同様に毒を吐いてきたが、毒を吐き返して夢の世界に飛び込もうとする。
バフッ!!
「いきなりパンチか。女とは思えない乱暴さだな」
「貴方が私の事をちっこいと言ったからです」
「俺は事実しか言ってない」
「人が気にしてるコンプレックスを指摘するなんて最低です。それに貴方だってちっこいです」
「お前も俺の顔を気持ち悪いと言っただろう?お互いさまだ。それに俺はチビじゃない。お前より1.5センチ高い」
「たったそれだけの身長差で威張るなんて心の小さい人ですね。体も小さいからそれと比例して心も小さいいんですね。残念な人ですね」
「自分は心の広い人間だとでも思ってんのか?だとしたら自己評価が高いな、白猫。だとしたら少しでも愛想良くしてみたらどうだ?そんなんだからボッチなんだよ」
「私はちゃんと友達がいます。あなたみたいなボッチとは違うんです一緒にしないでください」
「お前が誰かと親しそうにしてる奴なんて見た事がないけどな。見栄でも張ってるのか、それとも妄想の友達か?だとしたらごめんな不躾な質問だったな。これからも仲良くしろよ、妄想の友達と」
「ちゃんと現実の友達がいます。自分が友達いないからって僻んでるんですか?私に友達がいる現実を認めたくないだけじゃないんですか?友達が出来ないボッチは大変ですね」
「誰が僻んでるって?俺は別に友達を欲しいとか思ったことないから。無理して仲良くない奴と一緒にいても面倒なだけだからな」
「言い訳ですか?自分が友達が出来ないからってみっともないですね。さっさと認めたらどうですか友達を作れないボッチという事実を」
「俺は別にボッチじゃねえし。ボッチってのは友達が出来ず苦悩する奴のことだ。俺は別に全く気にしてないからボッチじゃないし。お前こそ本当に友達いるのか?だったら連れてきて紹介してみろよ。オカ研の奴とかじゃなくて同年代の友達をな」
「…別に同年代の友達とは言ってません。それに貴方に紹介する必要がありません」
「何だオカ研の奴の事を友達とか言ってたの?確かあそこお前以外は2年と3年しかいなかったよな?つまりお前は同年代の友達がいないボッチなんだな」
「別に同年代の友達でないといけないルールなんてないです。それに先輩たちは友達よりも親しいんです。貴方のような真のボッチと一緒にしないでください」
「見栄を張ったお前の方が真のボッチだと思うけどな、チビ猫」
「チビは貴方です」
「お前がチビだ。体も心もどっちもチビだ」
「「…………」」
バフッ!!
そこからはHRまで無言で白猫が殴り、俺が枕で防御していた
「クソ…白猫の奴、俺の貴重な睡眠を邪魔しやがって…」
あの後いつも通り授業中にやっと寝れるかと思ったら白猫が脚を蹴ってきたりするなどの地味な嫌がらせのせいで眠れなかった。小声で抗議すると「私は授業中に眠る不真面目な生徒が寝ないようにしてあげてるんです。むしろ感謝いてほしいくらいですね」という正論をもらった。今は屋上に移動してきたのだ。
「あぁ、なんか寝る気分じゃなくなったな。暇つぶしついでにあいつの近況報告でも聞くか、聞きたい事も出来たし」
早速スマホを取り出し電話をかける。通話音は数秒ほど鳴り響くとぱたりと切れ連絡先の相手につながる。
『もしもし~、いつでもどこでもあなたの悪魔をコロコロしちゃうお茶目な神父フリード・セルゼンでーす☆今回はどちらの悪魔のぶっ殺依頼でしょうか~?』
俺が電話をかけたのははぐれ神父のフリード・セルゼンだ。お茶らけた口調でふざけた奴だが、こいつは教会が英雄シグルドを再現しようとするシグルド機関の試験管ベビーの中でも生粋の天才で、戦闘に関してもいくつもの修羅場を潜り抜けた猛者なのだ。だが、こいつは聖剣を使う因子がなく教会から体の言い戦闘員として扱われていた。ある事がきっかけでこいつと知り合い、協力関係にある。俺はこいつに試験管ベビーとしての寿命の短さを解消するのともう一つの頼みごとを了承し、こいつは潜入先である堕天使陣営の情報を流し、時には標的の排除などをしてもらっている。互いに共通の敵をもちフリードの頼みごとを聞いているためwinwinの関係なのだ。
「クロノだ。ちょっと聞きたい事があってな」
『おや~、旦那でしたか。こりゃ失礼、それで今回は俺ッちに何の用でござんすか~?』
「今のお前の潜入先にいる奴でこれから俺が言う条件に該当する奴がいたら教えろ」
『お安いご用でさー☆それで旦那が探してるのは誰でござんすか?やっぱお好みの女性がいたら攫ってこいとかそんな感じでありますか?イヤン♡旦那ったらせっかちっすねー』
「今すぐ口を閉じないとその口を針で縫った後に数秒ごとに微電流を流し込むぞ」
『なんかすごい地味な嫌がらっせすね。しかも高電流じゃなくて微電流を数秒ごとって…』
「こういう地味な奴が一番相手の心をすり減らすのに効くんだよ。じゃあ言うぞ」
『はいさ!バッチこいでさ!』
「お前の所に現状不満を持ってる奴で最低限家事が出来る奴がいるか?」
『…へ?そんなことでいいんですか?』
「ああ。なんなら家事が出来る奴なら誰でもいい。後はこっちで調きょ……躾けておく」
『いや旦那隠し切れてませんぜ。調教も躾けもそんな変わんないですぜ。ってか、躾けって犬猫ですか。旦那の家にいる猫でも躾ければいいんじゃないっすか?』
「出来ればやってるさ。一度あの手この手で試しはしたが効果はなかった。人格を変えるレベルならまだしもそこまでは流石に身内にはしねえよ」
『やっぱ身内には寛大ですね旦那は。まぁ、だから俺ッちも安心できるんですけど。ちょうどその条件に当てはまる奴一人いますぜ』
「そうか。で、誰なんだそいつは?」
『ミッテルトっていう下級堕天使でさ。力も一番下でパシリみたいに扱われてて、いつも陰口叩いてたっすね。今回のシスターちゃんの神器摘出計画や悪魔の領地(仮)にいる状況にも不満があるみたいですし~』
「なるほどな、条件的にも最適そうだな。近いうちにお前んとこの上司消すからその時に誘うわ」
『え?俺ッちの上司消すって初耳なんですけど…』
プツッ!
フリードがなんか言っていたが気にせずに電話を切る。ちょうどいい感じに眠くなってきたしひと眠りする事にする。目を閉じると直ぐに意識が消えていった…
――本当にこれを・・・・ちし・・得ること・・・・のか?----
――ああ、それは・・をこえ・奇跡・・・す・・も出来る・・・・の・・・だからな―――
――そうなんだ、じゃあ早速・・・・よ!・・・も早く!---
――そうだな。俺もこれで・・うにいろ・・事を・・・え・ことが…---
――そうだ。これでお前たちは・・・くぐ・・なく・・。じ・・に・・・---
――あなたたちは・・・・・禁忌・・かし、・・・を得ま・・。この・・・・から・・・うし・・。人は・・のまま・・・に・・り・・・べきかよ・・・・・いなの・・---
俺は必ず果たしてみせる。例え何千年かけたとしても…全てが・・・・・な世界を作り上げて見せる。そうすれば・・・・・が這い上がる・・が・・・。これで少しでも理不尽な出来事が……
「…んぅ。ふわあぁ~。…夢か」
大分昔の、あの時の夢を見るのは久しぶりだな。あれから色々あって今の生活に落ち着いたんだよな…。別にあの時の事は後悔していない。思えばあの頃から俺は決めていたのかもしれないな。俺の目指す世界を作り上げることを…
「で、お前はそこで何してるんだ白猫?」
俺の隣では食堂で買ったのだろう大量の菓子パンやおにぎりを抱えていた
「私は屋上で風に当たりながら昼食を取ろうとしていただけです。そしたら授業をサボった不良生徒が寝ていたので、寝顔でも拝もうかと思っただけです。やっぱり不細工な寝顔でしたね」
「お前に見る目がないだけだろ。ってか、ちょうど昼か…飯でも食べるか」
俺はあらかじめ持ってきていた弁当を取り出し昼食を取ろうとする
「…何でお前は俺の隣に腰をおろして飯食ってんだ?」
「ここがちょうど風当たりが良いからです」
「…あっそ。まぁ、お前がどこで食べようと構わねえけどな」
「…では遠慮なく」
そこからどちらともしゃべることなく昼食を黙々と食べ昼休みはそのまま屋上で日向ぼっことなった
フリードと小猫の話し方がいまいち遭ってるか分からない
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