千の魔を紡ぐ竜 (カージ)
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Prolog~それは始まる少し前~
⬜ 《
【〈UBM〉【死告熊鬼 グリムグリズリー】が討伐されました】
【MVPを選出します】
【【アレイスター・フルクトース】がMVPに選出されました】
【【アレイスター・フルクトース】にMVP特典【死告熊爪 グリムグリズリー】を贈与します】
あたり一面がクレーターだらけになった荒野に、その男は立っていた。
「はぁ・・・」
「どうしたのじゃ、ため息なんぞついて」
となりに立つ黒ゴスの少女が、心配そうに声をかけてくる。
「いや、最近は手応えのある敵も少なくなってきたなと思ってな。俺たちの目的も果たせやしない」
「そうじゃな。何せ、ワシが
「いっそ、アルター王国にでも行ってみるか? 確か、ドライグが未だに怪しい動きを続けているって話だろ」
「異論は特にないぞ。主様の行くところがワシの行くところじゃ」
そこで彼女はふと思い付いたかのように訪ねる。
「しかし、なぜアルターなのじゃ? 別にドライグでもよくはないか? 」
「理由は3つ。1つ、ドライグは機械技術が特産の国。俺には合わん。1つ、アルター所属のクランにリアルの親戚がいる。戦争参加には所属国家の各種ランキングの上位30位以内に入っている必要があるからな。ドライグに伝はないんだ。1つ、何より獣王にリベンジがしたい。だから、アルターの側に付くんだよ」
「なるほどの。では、早速向かうとするかの」
納得したように頷いた少女は、主様と呼んだ男を振り返りそういった。
「あぁ、そうだな。ここからなら、飛んでいける距離だろ? ハーカ」
「うむ」
ハーカと呼ばれた少女は、とたんにその姿を崩した。その体は、巨大な三つ首の黒竜へと変わる。そして、主様と呼ばれた男を背に乗せて、空へと飛び去った。
後には、穴だらけの荒野が残るのみである。
ーーその日、アルター王国には一人の超級が新たに所属することとなった。それは、後に『不屈』の名を得る男がこの世界に降り立つその日のこと。超級の名は、【アレイスター・フルクトース】。レジェンダリアから来たその男は、アルター王国の新たな希望の1つとなった。それにより、アルター王国は本来の歴史少々違った歴史を辿ることになるが、それはまた別のはなし。今から語られるのは、彼がどのように物語へと関わったのか、そしてどのような物語が綴られることになったのか。ただ、それのみである。
登場ジョブ紹介
・魔闘王
魔術師系の超級職であり、同時に闘士系の超級職でもある。魔法を用いた中~遠距離戦闘、武器などを用いた近~中距離戦闘をこなすオールラウンダー。その反面、それぞれのステータスは純魔術師系や純闘士系の上級職よりは高いものの、同レベル帯の各超級職に比べると低い。
登場アイテム紹介
・死告熊爪 グリムグリズリー
所有者:アレイスター・フルクトース
等級:逸話級
分類:武器・鉤爪
補正:STR+500
能力:〈死告毒爪〉(【死呪宣告】【衰弱】【脱力】の状態異常を攻撃した相手に与える)
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