石滅相馬は勇者であり… (磯山ゲル)
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出逢いは猫饅頭

どうも、磯山ゲルです。
最初に言っておく!
私はとても飽きやすく、時間もあまりない!

というわけでかなり不定期です。


それでもよかったら見ていってください。
苦手だなと思ったら即ブラウザバックどぞ。


———一人の少年が居た。名前は■■■■。

その少年は男児でありながらも■■の■を有しており、

一人で■を下し、最後には独りとなった。

彼の地は既になく、残っていたのは■■と四国…。

少年は独り白い世界を歩き続け、そして四国へとたどり着き幼き勇者たちと力を合わせた。

そして、最後に残った勇者である、彼女は語る。

———ふらりと現れ、忽然と姿を消した■■はきっと…

 

 

彼女に遭いに行ったのだろう。と

 

 

      ■■御記 ■世紀十五年四月

              ■■■■■記

 

———————————————————————————————————————————————————

 

 

 

 

———夢を見ていた。

白い道を誰かが歩いてきている。

凄く懐かしい誰か…。

歩いてくる音は次第に大きくなって、近付いてきているのがわかる。

でも、いつもそこで夢は醒めてしまう。

懐かしい誰か…、あなたは一体誰なんですか?

 

 

「起立、礼。神樹様に拝。」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「こんにちわー。友奈、東郷入りまーす。」

 

「こんにちわ。」

 

「お疲れ様です。」

 

「お、来たわねー。」

 

 

私は結城友奈、車イス乗ったこの子は私の大親友の東郷さん。この金髪で髪の短い子は犬吠埼樹ちゃんで髪の長い人が部長で樹ちゃんのお姉さんの犬吠埼風先輩。

私たちは人を助ける勇者部です。

今日の部活はミーティングでその後にうどんを食べに行きました。

 

いつもの生活、こんな日がずっと続くと、そう思ってました。

——この時までは。

 

次の日の授業中、教室中にけたたましい音が鳴り響いた。

 

「え!?私の?」

 

友奈は携帯を鞄から取り出し音を止めようと携帯を取り出す。

同じく、東郷も携帯を取り出し画面を覗く。

 

そこには『樹海化警報』と書かれていた。

 

「何…これ…。」

 

「ふうっ、あ!すいませんでした。止ま…り…。先生?」

携帯の音が止まったので、顔をあげて先生に謝ろうとしたら。

 

———私以外の人が動いてなかった。

 

「友奈ちゃん…。」

 

東郷さんが不安そうにこちらを見ていた。

 

私はとりあえず東郷さんと教室を出ようとしていたら地震が起きて、白の世界に飲み込まれ、

 

私たちの日常が一旦終わりました。

 

勇者部が全員集合し、風先輩がこの出来事について教えてくれた。

ここは神樹様の結界で携帯のマップに移っている乙女座と書いてある点はバーテックスという敵で私たちが戦わなければいけないということ。

 

私は再びマップを見る。

 

「この世界に私たちしかいない…。あれ…?」

 

私はマップの端っこに白い点があることに気付いた。名前は書いてなくて、凄くわかりにくかったけど確実に点だとわかった。

 

でも、それを気にしている暇もなくバーテックスから攻撃が飛んできた。

風先輩と樹ちゃんがバーテックスと戦い始めた。

 

 

バーテックスがこちらを見ていた。

東郷さんが自分を置いて逃げてとそう私に言った。

 

「何言ってるの!友達を…。」

 

ふと、気付く。私は…、

 

「そうだよ…。友達を置いてなんて、そんな事絶対しない。」

 

今度は…、

 

「嫌だ…、ここで友達を見捨てるような奴は…勇者じゃない!」

 

守り切る!

 

乙女座の攻撃が友奈に当たる。

 

土煙が上がると、友奈の拳を突き出しており、その手には桜色の篭手がついている。

 

「嫌なんだ。

誰かが傷つくこと…、辛い思いをすること…、

皆がそんな思いをするくらいな…ら!」

 

友奈が大きく跳躍する。

 

「私が…、頑張る!」

 

「おおおおおお!勇者パァー―――ンチ!」

 

友奈の拳が乙女座の体を貫く。

 

「勇者部の活動は、みんなのためになることを勇んでやる。

私は讃州中学勇者部…結城友奈。私は勇者になる!」

 

 

乙女座を封印した勇者部は、風先輩の説明を受けて、東郷さんが風先輩に怒鳴ってしまって部室を出て行ってしまった。

 

そして、二日連続でバーテックスが来た。

今回は二体で天秤座と水瓶座のバーテックスだった。

風先輩と私が水瓶座に捕まってしまったとき東郷さんが変身して助けてくれた。

天秤座も竜巻を起こして近づくことができなかったけど、東郷さんの援護のおかげで何とか倒すことができて、元の世界に無事戻ることができました。

 

そして、それが昨日の事。

今日は風先輩が、

 

「連日でバーテックスと戦って、勇者部に来ていた依頼ができてないわ!今日は猫探しするわよ!」

 

と言って、私と東郷さん。風先輩と樹ちゃんの二グループに分かれて街中で迷子の猫を探しています。

 

「猫ちゃんどこかなー?」

 

「そうね、どこにいるのかしら。飼い主さんも心配してるから早く見つけてあげたいわ。」

 

私たちが探しているのは黒い毛並みで少し白い斑点がついている猫ちゃんです。

街中の人に聞いても見かけてないとのことでちょっと行き詰ってます。

 

「友奈ちゃん、少し公園で休憩しましょう?」

 

「そうだね、じゃああそこの公園で休もっか。」

 

そう言って私たちは公園で休憩をとることにしました。

 

「あれは何かしら…?」

 

東郷さんが公園のどこかを見て不思議そうにする。

私も東郷さんの見ている位置を見てみる。

そこには、ベンチの上に数十頭もいるだろう猫の集団の塊があったのだ。

 

「わー、猫がおしくら饅頭してるよ東郷さん!猫饅頭だよー。」

 

「そうね、でも猫だけじゃないような…。」

 

「とりあえず行ってみよう!もしかしたら私たちが探してる猫ちゃんもいるかもだよ!」

 

そう言って私は東郷さんと一緒にその不思議な光景に近づいて行った。

 




主人公がいない!

次回出てきます。
今回は二回目の交戦まででした。

あれ?出てくるバーテックス違くね?と思った方。

順番を変えましたのでそこは目をつむってください。

ではまたいつかの次回へ


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猫饅頭の正体

どうも、磯山ゲルです。

書置きがあったので暇なときに投下しておきます。
まぁ文章グダグダなところがありますがどうぞ読んでください。





夢を見ていた…。

遠く昔の夢。

花弁が散ることのない時代。

俺がまだ、こちらに来たばかりの時代の夢を…。

 

 

そして、目が覚める。

真っ暗だ。

それにしては何か熱いような気もする。それに柔らかい。

 

「うぅ~ん。」

 

息ができない…。体が重い。

俺はすがるように手を伸ばし、そして…

 

 

…意識を手放した。

 

————————————————————

 

 

 

「手!?人が埋もれてるの!?」

 

「あっ…。」

 

猫の中から人の手が出てきたと思ったらその手が力なく垂れる。

 

「大変!友奈ちゃん!」

 

「わぁああああ!猫ちゃんたちそこどいてーー!」

 

私は、猫ちゃんたちをベンチから降ろしていく。

そして猫饅頭のなかには私たちと同じぐらいだろう白髪の男の子が横たわっていた。

 

「ど、どうしよう!東郷さん。」

 

「意識を失っているだけだわ。きっと大丈夫よ。でも、目が覚めるまで猫が乗らないように見ていましょう?」

 

「そうだね、風先輩たちにも連絡しておこう。」

 

東郷さんが、風先輩と樹ちゃんに今のことを話したらすぐに来ると返信があったので男の人の隣のベンチで座って待つことにした。

 

————————————————————————————————————————

 

 

「う…、うん?」

 

目を開ける。気が付くとさっきまで暗かったのに青空が見える。

体も軽いし、息もできる。

 

「あっ、目を覚ましたよ!」

「大丈夫ですか?」

 

声がする、体を寝かしたままそちらを見ると女の子たちがこちらを見ていた。

 

「ゆ…」

 

「「ゆ?」」

彼女達が首をかしげる。

 

「ああ、いや…、何でもない。それで君たちは?」

 

「私は讃州中学勇者部の結城友奈で、こっちが東郷三森さんです。」

「あなたが猫につぶされて意識を失うところを見たので、意識が戻るまで待っていたんです。」

 

そう、その子たちが答える。

 

「猫…。ああ、そうかまたか…。」

 

俺は体質上動物…主に猫等にとても好かれやすい。そのため猫につぶされることになったんだろう。

 

「凄かったんですよ!猫の山があって。」

 

「体質上、動物に好かれやすいんだ。外で昼寝とかするとたまにこんなことがあってね…。まぁとにかくありがとう。」

 

俺は二人に対してお礼を言う。

 

「いいんですよ。困っている人を助けるのが勇者部ですから!」

「そうですよ、ただこんなことがよくあるなら気を付けたほうがいいと思います。」

 

東郷さんという子に叱られてしまった。

 

「アハハ…、まあ次からは気を付けるよ。」

 

少しばかり照れ臭く頭をかきながら謝る。

「ところで、君たちは何を…「おーい!友奈―、東郷―!」

 

大きな声で二人の名前を呼ぶ声がするのでそちらを見ると、金髪の長髪と短髪の子たちが二人の元へとかけてきた。

 

「猫饅頭はどこ?」

 

金髪の長髪の人が彼女たちに聞いた。

 

「風先輩、猫饅頭はもうありません。彼がその中から出てきた人です。」

 

東郷さんがそういって俺の方を向く。

長髪の人がこちらを向く、

 

「あなたが猫饅頭の人ね。私は犬吠埼風、讃州中学勇者部の部長よ。で、こっちは妹の樹。」

「よ、よろしくお願いします。」

 

短髪の子…犬吠埼妹さんは人見知りなのかびくびくしながら頭を下げる。

 

「で、猫饅頭の人。あなたは?」

 

そういえば挨拶をしていなかったな。

 

「俺は石滅相馬(こくべつそうま)です。中学二年で明日讃州中学に転校する。転校生です。入る部活を決めていなかったので助けてもらった恩義もありますし、その勇者部ってのに入ろうと思います。」

 

「「「ええーーー」」」

「あら。」

 

勇者部の面々は俺から離れて何やら相談している。

 

「ど、どうするのおねえちゃん?」

 

「どうするったって…。」

 

「風先輩、彼は勇者ではありません。部室で話し合うこともできなくなることを考えると…。」

 

「でもでも、あの人悪い人じゃなさそうだし大丈夫じゃないかな?」

 

「う~ん、とりあえず今は保留ってことにしておいて、大赦に私から入れていいか聞いてみるわ。それでいいわね?」

 

「「はーい」」

「了解です。」

 

 

相談が済んだようで四人がこちらに向かってくる。

 

「ごめんね、ちょっと保留ってことでもいいかしら。」

 

犬吠埼先輩がを合わせてすまなそうにそう答える。

 

「別に大丈夫ですよ。そんなに深く考えなくても、どんなことする部活だとかも知らないわけですし。ただ、勇者部って響きがなんだかかっこいいですし入ってみたいな~とか思っただけですから。」

 

「「!」」

 

「そうだよね!勇者部って名前かっこいいよね!」

「あんた、中々見る目あるじゃない!採用!」

 

「お、お姉ちゃん!」

 

「あ、そうだったまだ保留だったわね。でも、勇者部の活動に参加するのはいいわよ。友奈と東郷と同じ学年だから二人と一緒に来てくれれば。」

 

犬吠埼先輩がサムズアップしてそう言った。

つまるところ勇者部の部員ではないが手伝いならOKというわけだろう。なにか知られたくないことでもあるのだろうか?

 

「まぁ…、大体想像つくけどな…。」

 

「うん?なにか言った?」

 

耳が良いのだろう結城がこちらを向く。

 

「何でもない。まあ明日からもよろしく。」

 

「うん!」

 

 

その後少しばかり話をして、彼女たちが探していた迷子の猫を探すのを手伝って(猫から寄ってくるのですぐに見つかったが…。)帰路に着いた。

 

 

 

 

 

マンションの扉を開け、電気をつける。

ベットに横になって今日の出来事を思い返す。

 

きっと彼女と同じだろうあの子。それに明るく懐かしい雰囲気の勇者部。

多分だが、勇者部は関係者なのだろう。

だから無理はさせたくないし、もう一人も減らしたくない。だから俺は頼りたくはないがとある場所へと連絡をする。

 

『明日から讃州中学に入る。俺も戦うことにしたため勇者システムのデータが欲しい。送ってくれ。』

 

簡潔な文でメールを送信した。数秒後に返事が返ってきた。

 

『石滅相馬様。現段階ではまだ完成していない為、完成次第お届けします。』

 

『わかった。だがそれが届く前に来たら俺は力を使うからな。二回も今回の勇者に任せたんだ。次あたりは参戦したいものだがな…。』

 

『早急に用意いたしますので、どうかご自重ください。』

 

返事を確認して、目を瞑る。

 

————————————————————————————————————————

 

 

今日はびっくりしたなぁ…。まさか猫に埋もれてる人がいるなんて思ってなかった。

それに、今日あったあの人を見たときなんだか少し懐かしい感じがしたんだけど気のせいかな?

それになんだか少し謝りたいと思ってしまった。

なんでだろう?助けるのが遅かったから…かなぁ?

 

そんなことを思っていると携帯が鳴る。

 

樹『今日はお疲れさまでした。友奈さんと東郷先輩が石滅先輩を見つけてくれなかったら、猫ちゃん見つけられなかったかもしれませんね。』

 

風『私も猫饅頭見たかったなぁ~』

 

東郷『写真は撮ってありますのでどうぞ。』

 

東郷さんが貼った画像はちょうど猫の中から手が生えてるところだった。

 

友奈『東郷さんいつの間に!』

 

東郷『抜かりはないわ』

 

風『うわぁ~、なんじゃこりゃあ。怖いわねこれは』

 

樹『なんだかホラーみたい』

 

 

そんな会話を続ける。

少し夜も更けてきて携帯を閉じ、電気を消してベットに入る。

 

「石滅相馬君かぁ…。」

 

ぽつりとつぶやき、私は眠りについた。

 




やっと主人公登場。
はてさて彼は何者なんでしょうか?

因みにちょっと無理やり改変していますが名前に正体が隠されております。

もしも気になったら考えてみるのも面白いかもです。
少しばかり違う面もありますが…。

ではまた次回!


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入部

うわー、戦闘をさせたい!

でもゆゆゆって戦闘の部分が意外と纏まっててそれまでの日常が長い!

戦闘はまだちょっと待ってくださいごめんなさい。


あと、ゆゆゆい始めました。
沖縄とか北海道の勇者でてくんのね…


「こんにちはー、友奈、東郷入りまーす。」

「こんにちは。」

 

「失礼します。石滅相馬入ります。」

 

「来たわね。で、石滅はこれ!」

 

「?」

 

俺は犬吠埼先輩から一枚の紙を手渡される。

それをめくると入部届と書いてあった。

 

「それ書いて出せばあんたも正式に勇者部よ!」

 

「「ええーー!?」」

犬吠埼妹と結城が驚く。

 

「早くないですか?昨日言ったばかりなのにもう入部しちゃっても大丈夫なんですか?俺としては他の部活の誘いをきっぱり断れるからいいんですが…。」

 

「いーのいーの。ちゃちゃっと書いて職員室に出してきなさい。」

 

俺は入部届を書いて部室を出ていく。

 

 

———————————————————————————

 

「いいんですか?風先輩。」

 

「あたしも昨日大赦に聞いてみたんだけど、『自分の好きなようにしなさい』って感じの返事が来たのよねー。文章はもっと堅かったけど。」

 

「そうですか。なんだかあっさりとしてますね。」

 

「まぁまぁ、相馬君がいないときに話せば大丈夫じゃないですか。彼とはすごく仲良くできる気がします!」

 

友奈ちゃんが目を輝かせる。昨日の勇者部がかっこいいという発言に惹かれたのだろう。少しあったばかりの人を信用しすぎな気もするが…。

 

「そうね、彼が居れば動物関連はすぐ解決できそうだものね。」

 

「友奈さん名前呼び…。」

 

「お!そういえば~、いつの間にか名前で呼んでるわね~。部室に来るまでに何があったぁ!。」

 

「え?あ、いや…。なんか自然に呼んじゃってました。ていうか名前呼んだの初めてです。」

 

「教室では私が石滅君を誘ったものね。」

 

「うん、なんだか話しかけづらくて…。なんでだろうね…。」

 

そういうとニヤニヤして風先輩が近づいてくる。

 

「それはぁ~、恋なのではないですかぁ?」

 

「「「え!?」」」

 

「友奈さんひとめぼれですか?!」

 

樹ちゃんが目を輝かせる。樹ちゃんはよく少女漫画を読むからこういう話題が好きなんだろう。

 

「友奈ちゃんそれは本当なの?」

 

東郷さんが静かにそう聞いてくる。なんだか少し声のトーンが下がったような…?

 

「ち、違うよ!なんだか不思議な感じがして、つい!」

 

慌ててそのことを否定する。なんだか彼が懐かしい感じがするなんて言ったらまたからかわれそうだったから…。

 

「ま、そうよねー。じゃあ石滅…うんこれ言いづらいわね私も名前呼びにしよう。」

 

「それは…本人が居ないところで決めてしまっていいものなんでしょうか?」

 

「いいのいいの、どうせ気にしないわよー。」

 

風先輩がそんなことを言ったとき、丁度扉がノックされる。

 

「石滅です。入っても大丈夫ですか?」

 

「おぉ!ナイスタイミング!いいわよー。」

 

ガラララと扉を開け相馬君が入ってくる。

 

「今、話してたんだけどさー。なんか石滅って呼びづらいから相馬って呼ぶけどいい?」

 

風先輩が聞く。

 

「構いませんよ。好きに呼んでください。他のみんなも好きに呼んでくれていいから。」

 

「よーし、じゃあ新戦力も揃ったし、依頼バンバンこなしていくわよー!」

 

「「「おー!」」」

「お、おー!」

 

相馬君がワンテンポ遅れてみんなの真似をする。

 

「じゃあ、とりあえず東郷!ホームページの更新よろしく!」

 

「了解しました。」

 

東郷さんがパソコンに向かう。

 

「私と樹は、部室で待機して~…。」

 

風先輩がなんだか悪い顔をしている。

 

「友奈と相馬は、この猫ちゃんたちの里親探しに行ってらっしゃい!終わったら亀屋で集合!」

 

「風先輩!若い男女が一緒に居るなんて…!」

 

「おやおや~、私はただ依頼をしてきてって話をしたんだけど東郷は何を想像しちゃったのかなぁ~?」

 

「な、何でもありません!…友奈ちゃんくれぐれも気を付けてね?」

 

東郷さんにそう言われる。男の子が一緒のほうが危なくないような気がするけど…。

 

「うん、頑張ってくるね。」

 

そう言って相馬君と部室を出ていこうとすると、

 

「気になるんだったらとりあえず話してみなさい。」

 

風先輩が耳元でそういった。…やっぱり先輩なんだなぁと思った。

 

「はい、結城友奈行ってきます!行くよ相馬君!」

 

「お、おう。石滅相馬行ってきます。」

 

「「行ってらっしゃーい」」

 

私と相馬君は学校の外に出た。

 

——————————————————————————————

 

校外に居る俺たちは猫を探している。

…と言っても、寄ってくる猫の中に迷子の猫がいないか探しているだけなんだが。

 

「すごーい!ホントに猫ちゃんが途切れることなく集まってくるよー。」

 

結城は、目を輝かせながら傍で見ている。

俺は、寄ってくる猫と写真を照らし合わせながら迷子の猫を探している。違う猫には「また今度な」と断りを入れ抱っこしてから降ろしてやる、すると猫は渋々ながら俺から離れていく。

はたから見たら猫を選別してるみたいだなと客観的に思う。

 

「お前か、迷子の猫は…。」

 

背中に花弁のような模様がある猫。桜の花びらみたいな猫を抱きかかえる。

猫は嬉しそうに「にゃあ」と鳴く。

 

「ほれ、結城が抱いててくれ。」

 

「え!いいの?」

 

そんなに羨ましそうに見られているとこちらも渡さざるを得ない。

 

「優しくだぞ?」

 

「うん!うわぁ、やっぱりあったかいにゃあ」

 

時が止まった…気がした。

自分が言ったことを理解したのか結城は顔を真っ赤にする。

 

「やっ!えっと…、今のはなんていうかね!違うの!つい出ちゃっただけだから!」

 

「あ、あぁ…、可愛かった…ぞ。」

 

「へ!?」

 

しまった。今のは失言だったか?結城が更に顔を真っ赤にする。

さながら茹でたてのタコのように真っ赤だ。

 

「う、うぅ…。」

 

「ごめん…。失言だった。」

 

そうして二人の間に気まずい空気が流れる。

しばらくして沈黙を破ったのは結城の方だった。

 

「ねぇ相馬君…。

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちってどこかで会ったことない?」

 

サァ…っと、俺と結城の間に風が吹く。

 

「…なんでそんなことを聞く?」

 

少しばかり息をするのを忘れてしまった。

顔に驚きは出ていなかっただろうか?

彼女にはばれていないだろうか?

…彼女はどこまで継いでいるのだろうか?

 

「なんかね、相馬君に初めて会ったときすごく懐かしいって感じがしたんだ。それに今は相馬君って呼んでるけど…、なんだかもっと違う呼び方をしてた気がする…のかな?」

 

「なんで最後疑問形なんだよ。」

 

「わかんないや…。」

 

エヘヘ…と照れ臭そうに笑う結城。

 

「安心しろ、俺と結城は紛れもなく初対面だ…。」

 

「そっか…、そうだよね。変なこと聞いちゃってごめんね!」

 

「気にするな。それよりもその猫届けて亀屋に行くぞ。1時間も猫の選別してて疲れたから。」

 

「そうだね!私もおなかペコペコだよ~。」

 

そうして俺と結城は猫を届けに行った。

猫の飼い主は感謝の言葉を何度もいっていた。…とさ。

 




書き貯めが消えました。磯山ゲルです。

主人公のキャラが定まっていない気がするとは思うけど気にしないでください。

それにしても仕事中ずっと考えててもいいネタ思いつかないもんですね。
次の投稿いつになるかわかんないですが頑張ります。

感想とかくれると嬉しいです。

ではまた次回!


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UDON

話が思いつかない!
休日出勤疲れた!

どなたかいいネタを頼む!


まあ、ちょっと戦闘回はずいぶんと先になってしまいそうなお話にしてしまいました。
戦闘まちの方ごめん!

それではどうぞ。


そして今は亀屋で夕飯?おやつ?のうどんを食べていた。

 

「やっぱりうどんは最高だね~。」

「そうね~、うどんは女子力も上げるし、病気にも効くし!完璧な食べ物よね!」

 

結城と犬吠埼先輩ははしゃいでいた。

俺も黙々とうどんを食べている。四人のテーブルの隣のテーブルで…。

寂しくはない。寂しくはないからな。

 

「うん…やっぱりうまいな。」

 

少ししょっぱく感じたのはきっと気のせいだろう。

 

 

「それでそれで!どうだったのよ友奈。」

 

「何もされてない?友奈ちゃん。」

 

「どんなお話をしたんですか?友奈さん。」

 

「アハハ…、少し世間話をしただけで特別なことはしてないよ。」

 

四人が何やら顔を合わせてひそひそと話をしてる。

やっぱり、新人は蚊帳の外か…。

そして俺はうどんを食べ続ける。

 

 

「友奈ちゃんの顔が赤い!やっぱり何かされたの!?」

 

「そ、そんなことないよ!何にもなかったから!」

 

「う~ん…、友奈がここまで照れるのも珍しいとは思うんだけどねぇ…。まぁ問い詰めるのはまた今度にして!」

 

「風先輩!」

 

「まぁまぁいいじゃないの友奈。こんな話今までできなかったんだしー。で、文化祭に向けての話をするわよ!。相馬ー、一人でうどん食べてないでちょっとこっち来なさい。」

 

犬吠埼先輩に呼ばれ俺は椅子を四人のテーブルへと持っていき座る。

 

「何ですか?」

 

「文化祭、あたしたち勇者部が何をするかあんたも考えなさい。」

 

いきなりそんなことを言われる。

結城、東郷、犬吠埼妹は「あっ…。」と小さく声を上げる。

 

「ちょっとぉ!あんたたちも忘れてたの?宿題として出したでしょー。」

 

三人は「最近忙しくて…。」なんて言う感じに言っていた。

まだ、何にも決まっていないようだ。

 

「わかりました。一応考えときます。」

 

「相馬も一応って何よ!一応って!」

 

「まぁまぁ風先輩。」

「お姉ちゃん落ち着いて。」

 

結城と犬吠埼妹が犬吠埼先輩をなだめる。

東郷はなんだかこちらをじっと見ている気がする。何故だかそちらを向いてはいけない気がしてそっちは見ていないが…。

 

「とにかく、文化祭の出し物をしっかり考えること!いいわね!」

 

「「はーい」」

「了解です。」

「わかりました。」

 

と、それぞれ返事をし解散となった。

俺が会計をしているときに後ろから「そんなに食べたんだ…。」とか「あたしの3倍の女子力ですって!?」なんて聞こえた気がしたがあまり気にはしなかった。

UDONはうまい。今回の亀屋でのミーティング的な何かでそれを改めて知り個人的にもまた来ようと思った。

結城と東郷は車イスの東郷のために来るまで帰り、犬吠埼姉妹は自転車で帰っていった。

 

俺は4人が見えなくなるまで手を振っていた。

 

 

「さて…、ここに来たってことは、用意はできたってことだよな。」

 

俺は黒塗りの車から出てきた仮面の者にそう尋ねる。仮面の者は跪こうとしたので、「目立つのは嫌だから」と言ってやめさせた。

 

「先日言われた通りのものをご用意致しました。家までお送り致しますのでどうぞお乗りください。」

 

言われた通りに車に乗る、車が動き出してから仮面の者…彼でいいか。隣に座っていた彼は銀色のアタッシュケースを開く、

 

「これが石滅相馬様の勇者システムでございます。過去使用されていたもののデータを入れてありますので違和感なくお使いいただけると思います。」

 

「わかった。」

 

「それと、過去の勇者のデータを一部入れてありまして、そちらとの使い分けも可能でございます。」

 

その言葉に俺は眉を寄せる。

 

「過去の勇者といったな?誰のだ。」

 

「それは————でございます。」

 

俺は、彼の首を掴み、力を入れる。

 

「それは守れなかった俺に対しての当てつけか?」

 

「め…、滅相もございま…せん。石滅…様のお力になれ…。」

 

そこで、俺は力を緩めた。少しばかり頭に血が上ってしまったようだ。

 

「すまんな。少しばかり頭に血が上った。」

 

「いえ…、石滅様のお怒りはごもっともです。ですが、石滅様の勇者システムは今だ不完全であり攻撃力に不安があります。満開も機能として備わってはおりません。ですのでかのお方のデータも入れることにより攻撃力を上げる方法をとらせていただきました。大変申し訳ございません。」

 

「いや、いい…。もう気にしないことにするさ。お前たちの考えが間違っていたとしても、一緒に戦えるとでも思っておけばいいだろう。」

 

丁度、話が終わったころには俺の家の前だった。俺は「ご苦労」と一言だけ残し車を出た。

その時に神樹の信託では次のバーッテクスは約一か月後ということを聞いた。

 

それまでは勇者部との交流を深めておくとしよう。俺の変身はその時までお預けだな。

 




文字数が少ない…申し訳ないです。

ゆゆゆ4話見ましたが友奈ちゃんスキーのわたくしの心をえぐりに来る回でした。
ホントもう…戦いとかいいから、どうか幸せにしてあげてよ。

因みに次回予告の結婚相手は神樹では?と思っております。
神様と結婚~みたいな話はよくあると思いますし…、まぁでもぶち壊して差し上げましょう!
結婚なんて許しませんからね!

ではまた次回。
早めに投稿できるよう頑張ります。


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隠者

どうもです。

なんか書けちゃったので投稿します。

クオリティは期待しないでください。

12/19/23:43 ちょっとだけ言い方を変えた部分があります。内容的には変える前とあまり変わらないので一度読んだ方はあまり気にしなくても大丈夫です。

ではどうぞ


俺が勇者システムを手にしてか数日が経った。

 

「石滅入ります。」

 

「お疲れ様です。」

 

犬吠埼妹がタロットカードをめくりながら挨拶をする。

 

「今日はまだ犬吠埼妹だけか?」

 

「はい、お姉ちゃんは部活会で遅くなるそうです。友奈さんと東郷先輩は一緒じゃなかったんですか?」

 

「あぁ、結城は補習で東郷は付き添いだな。今までは普通の成績キープしてたらしかったんだが今回は少し下回ったらしい。それで、俺には先に行っててくれだと。」

 

「そうだったんですか。」

 

「…。」

「…。」

 

会話が途切れる。

俺はこの部活に入ってからまだ一週間ぐらいしか経っていないし、犬吠埼妹は人見知りだから当然といえば当然だろう。

 

「あ、あの石滅先輩!」

 

「なんだ?犬吠埼妹。」

 

「その…、タロット占い…、興味ありませんか?」

 

おどおどと、聞いてくる。

 

「そうだな…、犬吠埼妹の占いはよく当たるって結城が言ってたから…怖いが占ってもらえるか?」

 

「はい、じゃあ石滅先輩の何を占いましょうか…。」

 

どうします?といった風に聞いてくる。

 

「そうだな…、なら大雑把かもしれないがこれから先の事でも占ってもらえるか?」

 

これから先どんなことが起こるのか正直期にはなる。今まで占いなんてしてみようと思ったことがないからな。

 

「わかりました。えー…っと。」

 

そして、犬吠埼妹がカードをめくる。

そこに書かれていたのは、年老いた男がランプを片手にたたずんでいる絵だった。

 

「えっと…、隠者の逆位置ですね…。」

 

「なんだか、あまりよさそうな絵ではないな。」

 

少しばかり笑ってしまう。

 

「意味は、沈黙・内省・孤独…。で、でも勇者部にいるから独りじゃないですし、あまりあってないかもしれないですね。」

 

そう言って少しはにかむ。

 

「…。」

 

俺は黙る。

 

「石滅先輩…?」

 

黙った俺を不思議そうに犬吠埼妹が見る。

 

「沈黙ってことだから黙ってみたが…。早速犬吠埼妹の占いが当たったな。」

 

そう言って笑って見せると犬吠埼妹も笑う。

 

「石滅先輩って面白い人なんですね。」

 

「そうか?つまらないよりかは良いがな。」

 

「それと私のことは樹でいいですよ。お姉ちゃんも居ますし、呼びづらいと思いますから。」

 

犬吠埼妹が名前で呼んでくれと言う。人見知りと聞いていたが少々印象が変わった気がする。

 

「あぁ、わかった。じゃあこれからは樹と呼ばせてもらうことにしようか。」

 

「はい。」

 

なんとなくだが、犬吠埼先輩が妹を溺愛するのが分かった気がする。

こんな妹が居たらいいなと思える子だな。

 

「ふむ、樹がタロット占いをしてくれたのだから俺も何かお返しがしたいところだが…。」

 

「そんな。気にしなくていいんですよ。好きでやってることですから。」

 

「うーむ、しかし昔友人が『何事にも報いを』と言っていたからな。お返しは大事なことだろう?」

 

「そうですけど…。」

 

「少し思いついたことがある。部室に一人残してしまうことになるがいいか?」

 

「大丈夫ですけどどこに行くんですか?」

 

「秘密だ。その方が面白いだろうしな。」

 

そう言って俺は部室を出ていった。

 

——————————————————————

 

 

「すみませーん、友奈、東郷遅れちゃいました。ってあれ?樹ちゃんだけ?」

 

「はい、お姉ちゃんは部活会です。石滅先輩はさっきまで居たんですけど、どこかに言っちゃいまして…。」

 

「どこにいったんだろうね?相馬君。」

 

「まあ、考えてもしょうがないから、いつも通り過ごして二人を待ちましょう?」

 

「そうだね!東郷さん。」

「そうですね。」

 

私はタロットをして、友奈さんは東郷さんがパソコンを打っているところを見ていた。

しばらくして、

 

「やっと、部活会終わったわー。ってあれ?一人足りないわね?相馬はどしたの?」

 

「それが、なんかどっかに行っちゃったらしいんですよー。SMSで聞いても変身来ないですし。」

 

「そりゃまたなんでかしらね。」

 

お姉ちゃんはう~んと考え、

 

「まぁ、今日は外ですることもないし、いっか。依頼の整理でもして待つとしますか。」

 

「「はーい」」

「わかりました。」

 

それから、一時間ぐらいたったころに石滅先輩が帰ってきた。

 

「遅いじゃない。どこ行ってたのよー!」

と、お姉ちゃん。

「石滅君どこ行ってたんですか?」

と、東郷先輩。

「どこ行ってたの?SMSも返事なかったから心配したんだよ。」

と、友奈さん。

 

「すみませんでした。行ってた場所は家庭科室で、SMSは気付かなかった。」

 

「「「「家庭科室?」」」」

 

「これを作ってたんだ。ほれ、樹。」

 

そう言って石滅先輩が袋を手渡してくる。

なんだろうと思い袋を開けてみると中には布でできたカードケースが入っていました。

 

「家庭部に場所を借りてな。タロットをよく使うなら市販のカードケースよりかはいいと思ってな、緑はなんとなく樹が好きそうな色だったから下だけだが…。」

 

「うわー!すごーい!相馬君手先器用だね!」

「あんた、こんなことできたのねー。やるじゃない。」

 

友奈さんとお姉ちゃんが絶賛する。

東郷先輩も後ろで驚いた顔をしている。

 

「ありがとうございます!丁度古くなってて新しいケースを買おうと思ってたところなんですよ。嬉しいです。」

 

「そうか。喜んでもらえたなら何よりだ。」

 

「ていうか、あんたらいつの間に仲良くなったのよ。」

 

「タロット占いをしてもらいまして、その時に呼び方も変えるように言われました。」

 

石滅先輩がしれっと答える。

 

「樹が自分から!?樹ぃ…成長したのね…。」

 

「お姉ちゃん大げさだよぉ。」

 

「ね!ね!今度私にも何か作ってほしいなぁ。」

「私も…、ブックカバーが欲しいのですが…。」

 

友奈さんは目を輝かせながら、東郷先輩は少し恥ずかしそうに石滅先輩に頼んでました。

 

「わかったから!また今度機会があったら作ってやるから。」

 

「じゃあ、あたしエプロンー!」

 

お姉ちゃんも手を挙げて参加していきました。

 

数日後、家庭科部の人たちが石滅君貸して―と部室に詰め寄ってきたことがあったとかなかったとか。

 

今日も勇者部は平和です。

 




今回は樹回でした。

なんか、ゆゆゆは日常回が一番楽しいかもな。
辛いことなんてなくてええんや。

こんな感じで勇者部一人一人の回を書いていきたいと思ってます。

戦闘回?

まだまだ先ですごめんなさい。

ではまた次回


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無くなる思い出

投稿間が空いてしまいました。とりあえずどうぞ


「なぁ、今日は依頼もないし、勇者部一同少しばかり付き合ってくれないか?」

 

唐突に、本当に唐突に石滅君がそんなことを言い出しました。

 

「どうしたのよ急に。別にいいんだけど。」

部長である風先輩は、良いと良い。

「私も大丈夫です。」

樹ちゃんも風先輩に続く。

「なになに、どこか行くの?」

友奈ちゃんが興味津々に尋ねる。

 

「…東郷も大丈夫か?」

 

「ええ…。大丈夫です。むしろ一人置いていくなんてことしないでくださいね。」

私も彼の提案に乗る。

 

「それでどこに行きたいのよ?」

 

「そうでした。ちょっと遠いんですが…、大橋の方のイネスに行きたいんです。」

 

「「「「イネスに?」」」」

 

勇者部四人の声がかぶる。

 

「どうして、イネスに行きたいんですか?石滅君。」

 

私がそう聞くと、少し…ほんの少しだけれど私の目を見る。他の人からしたらほんの一瞬だったかもしれないけれど何かに期待していたような目だった気がします。

私が首を傾げると彼は少しばかり息を吐く。ただの呼吸かもしれなかったけれど…。

 

「昔…、世話になってたイネスのジェラート屋が今日で閉店するらしいんだ。だから最後に顔を出しておきたくて。」

 

…と言う。

 

かなり早い梅雨も明け、気温も上がってきた最近だからいいじゃないと風先輩が言って勇者部全員で行くことになった。

 

「イネスまではバスなんだが東郷は大丈夫か?もしバスが辛いとかだったら車を呼ぶが…。」

 

「バスぐらいなら大丈夫です。久しぶりに乗るけれどみんな一緒ですし、車を呼ぶなんてそれこそ大げさだと思います。」

 

 

「そうか。」

…なんだろう?今日は私のことをやけに気にしているような気がする。

 

そして、バスに乗りあれよあれよという間にイネスに到着した。

 

「いやー。大橋までだいぶかかるかと思ったけど話してたらすぐだったね東郷さん。」

 

「ええ、でもまさかしりとりだけでイネスまでの時間をつぶしちゃうなんて思わなかったわ。」

 

「リタイアありだったからねー。でも樹も結構頑張ってたけど、東郷と相馬には勝てなかったかぁ。」

 

私たちは道中、しりとりをして時間をつぶすこととなった。パスが2回までしか使えずリタイアした人から順位をつけていくといったルールだ。

因みに5位は友奈ちゃん、4位が風先輩で3位が樹ちゃん。私と石滅君の決着は着かなかった。

一番最初にリタイアした友奈ちゃんは私たちのしりとり中、終始頭にはてなマークを浮かばせていた気がする。

 

「ついたぞ。今日は俺のおごりだから好きなのを頼んでくれ。」

 

「「やったー!」」

と、友奈ちゃんと風先輩。

「ありがとうございます。」

と樹ちゃん。

「いいんですか?」

私がそう尋ねる。

 

「気にするな。付き合ってもらったからこれぐらいはするさ。」

 

「ありがとうございます。」

 

勇者部が様々なメニューに悩む中、私はすぐに決まった。石滅君もメニューを見ておらず、もう決まっているのだろう。

 

「決まったな?じゃあ、買ってくるから待っててくれ。」

 

そう言い、石滅君がジェラートを買いに行く。

 

「私も手伝うよ。」

 

友奈ちゃんも石滅君の後についていった。

 

「それにしても相馬が私達も誘うなんてねー。」

 

風先輩が注文している二人を見ながらそんなことを言う。

 

「確かに、石滅君は一人で来てそうですね。」

 

私も風先輩のようなことを考えていた。

彼は、自分の事に誰かを巻き込もうなんてしなさそうな正確なのはこの一か月でなんとなくわかっていたからだ。

 

「相馬先輩、ここのジェラート屋さんを誰かに知ってもらいたかったとか思ってたりするのかなぁ?」

 

樹ちゃんも不思議そうにする。

 

「ジェラート屋さんが無くなっちゃうから勇者部に知ってもらいたかったってこと?」

 

「はい。昔来てた時も誰かと一緒に来てたから…とか?」

 

「うーん、相馬はよくわからないわねぇ…。不思議だわ!」

 

「何々?なんの話してるのー?」

 

友奈ちゃんと石滅君がジェラートを持ってきた。

 

「石滅君がみんなを連れてくるなんて珍しいなって話をしてたのよ。」

 

友奈ちゃんはそうだねと答えた。当の本人は、

 

「ここに来るときは誰かしら連れてこないと店長にからかわれるからな。ほれ、宇治金時」

 

とだけ言い、私にジェラートを渡す。

 

「ありがとう。初めて見たときからおいしそうと思ってたんです。」

 

「そうか…、これも味見してみないか?」

 

そう言って彼は自分のジェラートを差し出してみる。

 

「何味なんですか?」

 

私がそう聞く。他のみんなも自分のジェラートを頬張りながら耳を傾けている。

 

「醤油味ジェラートだ。東郷なら気に入りそうだと思うんだが…。まだ口もつけていないし、どうだ?」

 

醤油味ジェラートなんて聞いたことがない。少しばかり興味がわき、もらうことにした。

 

「それじゃあ、一口だけいただきます。……なんだか、不思議な味。」

 

「そうか、口に合わなかったか?」

 

「いいえ、不思議な味だけどどこか懐かしい味で、おいしいと思います。」

 

「それはよかった。」

 

彼は少しだけ微笑む。

 

「なになにー?相馬君私も一口良い?」

 

「いいぞ、ほれ。」

 

「ううん?なんか不思議な味だねー。でもおいしい?なんだろうこれ…?」

 

友奈ちゃんは首を傾げる。やはりこの味は食べる人を選びそうだ。

その後は各々が自分のジェラートを話しながら食べた。

 

 

 

皆が食べ終わりさて帰ろうという空気になったとき、

音が消えると同時に世界が姿を変えた。

そう、樹海化警報もないのに私たちは樹海の中に立っていた。

 




どうも磯山ゲルです。

今回もまだ日常…だがしかぁし!次回は戦闘じゃぁ!


ネタはあるけどどう書けばいいのかわからず、家で職場でうんうん唸っておりますw
帰郷するので間が空いてしまうかもしれませんが、できれば今年中にもう一話投稿したいと思ってます!

感想とかもらえると私は大変喜びますよ?

とまあ冗談はさておき、また次回でお会いしましょう。
アデュー!


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新しい勇者

あけましておめでとうございます。

投稿が遅くなった磯山ゲルです。
実家でインターネットが使えず、自宅に帰ってきてからの投稿となったため遅くなりました。

三日から仕事って…。

ま、まあとりあえずどうぞ。


「今日は警報なしで来たわね。何か不具合でもあったのかしら?」

 

風先輩が言う。それもそのはず、樹海化警報が鳴って暫くしてから樹海になる筈なのに今回は警報が鳴ることはなかった。

 

「敵は…、三体ですね。」

 

私たちのいるところに向かってくるバーテックスは一体、タコの足をした奴だ。

他の二体はそのかなり後ろから緩やかに近付いてきている。

 

「一ヶ月ぶりだから、ちゃんとできるかな!?」

 

「友奈さん、そういう時はアプリで確認です。えーっとですね、ここをこうこうこう…。」

 

「ほうほう。あ~、そこをこうこうこう…か。」

 

「えーい、成せば大抵何とかなる!四の五の言わずビシッとやるわよ!」

 

友奈ちゃんと樹ちゃんの会話に風先輩が喝を入れる。

「は、はい!」

 

「勇者部ファイト――!」

 

「「ファイト――!」」

 

その時、バーテックスが爆発した。

スコープを覗いていた私は刀が上空から降ってきてバーテックスに刺さり、それが爆発したのを見た。

 

「「「え!?」」」

 

「東郷さん!?」

 

友奈ちゃんが驚いたまま私に聞く。

 

「私じゃない…。」

 

私はスコープを覗くのをやめ、友奈ちゃんたちのそばへ行く。

バーテックスの頭上から赤い服の少女が刀を持って現れる。

 

「ちょろい!」

 

赤い少女はバーテックスを一度斬りつけると刀を一本地面に投げる。

 

「封印開始!」

 

「あの子、一人で封印する気!?」

 

「思い知れ、私の力!」

 

赤い少女が封印の儀を始めたことでバーテックスから御霊が出る。

御霊と一緒にでたガスがあたり一面を覆いつくした。

 

「ガス!?」

 

「わ!なにこれ?」

 

「何も見えない~。」

 

私達勇者部がガスで動きを封じられる。

 

「そんな目くらまし!気配で見えてんのよ‼」

 

赤い少女が叫ぶ。

そのすぐ後にガスが晴れ、バーテックスも御霊もなくなっていた。

 

その後、赤い少女が私たちの前に降りてくる。

 

「えーっと…、誰?」

 

友奈ちゃんが尋ねる。

 

「揃いも揃ってボーっとした顔してんのね。こんな連中が神樹様に選ばれた勇者ですって?」

 

「あの~…」

 

「何よチンチクリン。」

 

「チン!?」

 

「私は三好夏凛。残りの2体はあたし一人でやるからあんたたちは解散。はい、お疲れ様。」

 

一体目の封印を終えた赤い服の少女が私たちの前に降り立ち、片手をあげて言う。

 

「ちょっと、急に出てきて何よそれ。」

 

風先輩が一歩前に出る。

 

「みんなで力を合わせてやろうよ。そしたらすぐだよー。」

「そ、そうですよ。一緒に力を合わせましょう?」

 

次は友奈ちゃんが発言し、樹ちゃんも同意する。勿論私も友奈ちゃんの意見には賛成だ。

 

「はぁ?私は完成型勇者なの。あんなバーテックス一人で充分よ。」

 

そう言って私たちに背を向け、

 

「ちょっと!待ちなさいよ!」

 

風先輩が止めるが彼女は跳躍———。

 

 

 

 

 

—————できなかった。

彼女の足、腕、胴に鎖が巻き付いていたのだ。

 

「何よこれ!敵の攻撃!?」

 

赤い少女は驚愕。私達も呆然とする、何があったのかが全くと言っていいほどわからなかったからだ。

鎖は地面から出てきているようだが、今地面から出てきたようには見えなかった。

 

「今、助けるよ!」

 

そう言って友奈ちゃんが動こうとするが、

 

「!?」

 

友奈ちゃんにも鎖が巻き付き動くことができなかった。

そして鎖は風先輩、樹ちゃんも拘束した。私も鎖を警戒していたが私には一向に鎖の拘束がこない。

四人が拘束され、私も下手な動きができない以上どうするかを考える。

(みんなに巻き付いてる鎖を何とかしないと…。でも動いたら拘束されてしまう可能性もある。一体どうしたら…。)

 

そう考えこんでしまっていた時、不意に私の後ろから声が発せられる。

 

「すまないな。今にもあいつらに手を出しそうだったんで拘束させてもらった。」

 

振り返るとそこには、白い外套を着た石滅君の姿があった。

 

「相馬!?」

「相馬君!?」

「相馬先輩!?」

「石…滅…君なの?」

 

「そうだ、悪いがあの3体(・・)のバーッテクスは俺の獲物だから手を出さないように拘束させてもらった。」

 

「ちょっと相馬!あんたなんで樹海に居るのよ!てか、勇者って無垢な少女じゃなきゃなれないんじゃないの!?とにかくこの鎖をほどきなさいよ!」

 

風先輩が石滅君に対して怒鳴る。

 

「すみません犬吠埼先輩。鎖を解くことはできません。なので、ジッとしていてもらえませんか?後できちんと説明はしますから。」

 

石滅君はそう言って頭を下げる。

 

「…、納得はしてないけど動けないからあんたの言うとおりにするわ。樹と友奈、東郷もそれでいいかしら?」

 

「はい風先輩。…相馬君…後でちゃんと聞かせてね。」

 

友奈ちゃんは少し悲しそう表情をする。

 

「すまない、本当は話しておいてからがよかったんだが色々とあってな。話せないことは多いができる限りはしっかりと説明する。」

 

「私は相馬先輩を信じます。」

 

「ありがとう樹。」

 

樹ちゃんは石滅君にまっすぐと目を向け、石滅君は一言感謝を述べる。

 

「石滅君、なぜ私を拘束しなかったのですか?」

 

私はそれが気になっていた。勇者部と赤い少女の5人のうち遠距離攻撃ができるのは私だけだ。もし、手を出されたくないというのならば私を拘束するのが優先なはずなのだ。

 

「さてな…、それの説明はまだ先になりそうだ。自分で考えてみるのもいいかもしれん。状況を読むのは得意だろう?」

 

そう言って、石滅君は2体のバーテックスに向かっていった。

 

(…二体?彼は三体と言っていた…。)

 

ふと気づき、端末を見る。端末には二体のバーッテクスに近づく石滅君。そして二体のバーテックスの後ろに一体、射手座が居た。

 

(最初見たときは三体だけだったのに増えている。あのまま油断して突撃していたら被害が出ていたかもしれない…。もしかしてそれをみこして?)

 

バーテックスに近づく彼を見る。

彼の背中はなんだか懐かしさを感じた。どこかに行ってしまいそうな雰囲気を漂わせると共に―――。

 




どうでしたでしょうか?

初めての主人公登場回でした。
頭の中では考えがまとまってるんだけど書くとなるとまた別物になってくる此れ如何に。

感想や評価を頂けると嬉しいです。
また、いつも読んでくれている方々、今回初めて読んだよーって方々今年も頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いします。

ではまた次回お会いしましょう。アデュー!


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わからないけれども覚えてる

ども、磯山ゲルです。

うん、三連休ずーっとゆゆゆ見てたら投稿してなかったことを思い出し、急ぎ話を作って投稿しました。
その為、内容は急ぎ足でございます。ゴメンナサイ…。

戦闘描写難しすぎるんよ。
あとなんか主人公視点で書くよりも第三者?目線で書く方が好きかもしれないことに気が付いた。

まあとりあえずどうぞ


勇者部を拘束した俺は蠍座と蟹座の前に立つ。

後方には射手座もいる。

 

「さて…、このまま戦ってもいいんだが、それだと仇を打ったことにはなんないからな…。」

 

俺は端末の赤い牡丹のマークを押す。

白い服が赤く染まる。

 

「銀、お前の力を借りるよ…。」

 

大きな二丁の斧が俺を挟むように空から降ってきて地面に突き刺さる。

俺はそれを引き抜き駆け出す。

 

「まずは蠍座!お前だ!」

 

蠍座の尾が突きを放ってくる。

俺は大きく跳躍し、それを避ける。

 

「知ってるんだよ、それは!」

 

蠍座の顔を十字に斬りつけ、そのまま踏み台にし、次は蟹座に向かって飛ぶ。

 

———ガキィン!

 

振りかざした斧は蟹座の盾によって防がれる。

 

「まぁ、そうだよな。…でもな、壊れない盾なんてもんはこの世に存在しないんだよ!」

 

盾に乗った状態で、斧の紋章が激しく回り、火の粉を散らす。

そして、俺は右の斧を逆手に持ち、突き刺す。

蟹座の盾が砕ける。

 

「!!」

 

蟹座本体に攻撃をしようとしたところで光の矢が降り注ぎ、阻まれる。

俺は一度、蟹座と蠍座から距離をとった。

 

———————————————————————————————————————————

 

 

 

「凄い…。」

 

私たちは遠くで戦っている石滅君の戦闘を見ていた。

 

「なによあれ!あんな奴がいるなんて聞いてないわよ!」

 

三好さんは驚いている。私達も当然驚いている。

 

「相馬の奴、強すぎない?」

 

風先輩が額に汗をたらし言う。

友奈ちゃんと樹ちゃんは、口が開いたままだ。

 

私もスコープで覗きながら、風先輩の言葉の通りだと思っている。

石滅君は3体のバーテックスの攻撃を避け、隙を見つけては攻撃をしている。

 

「でも、このままじゃ石滅君に分が悪いです。」

 

攻撃を加えても敵は石滅君が避けている間に回復をしている。

 

「あーもー。この鎖さえほどければ!というかなんで相馬は封印の儀しないのよ!」

 

ガチャガチャと暴れるが風先輩に巻き付いた鎖は外れない。

 

「大丈夫ですよ風先輩!相馬君は負けないですよ!」

 

友奈ちゃんが言う。でも、言葉とは違い、表情は明るくしているようだけれどいつもよりも少し陰っている。

スコープを覗きなおし私は思う。

 

(彼は、あの3体は自分の獲物だといった。でも、私には攻撃するなという意思の鎖での拘束はない…。これは援護してもいいということなのかしら…。)

 

———————————————————————————————————————————

 

 

 

「久しぶりの戦闘でこいつら3体相手は少しばかり手間だな…。」

 

俺は蟹座、蠍座、射手座と対峙しつつ呟く。

 

「少しばかり荒いかもしれないが…、しょうがないか。」

 

斧の紋章が再び回転し、俺の体が赤く光る。

 

「その尾が邪魔なんだよ!」

 

突きを放ってきた尾を避け、切り刻む。

そして、蠍座の正面まで跳躍し、両手に持った斧を斜めに振り——

 

左肩に光の矢が突き刺さった。

「っ!」

 

痛みが走る。————けれども…。

「こんなもんで止められるわけないだろ!」

 

———抜く。

 

 

 

「封印の儀をしなくても、中にある御霊さえ切ればな…。」

 

着地した俺は誰に聞こえるわけでもないが呟く。

そして、蠍座の体が砂へと変わっていく。

 

「さて…と…。次は蟹座、お前だ。」

 

立ち上がり蟹座をにらみつける。

奴は盾を八枚展開し六枚で自分の身を守るように展開し、二枚で俺を潰そうとしてくる。

 

「お前の場合は、俺がやらせてもらうからな。」

 

勇者服は既に赤色ではなくなり元々の服の色である白に戻っている。

潰そうとしてきた盾に鎖が巻き付き動きを止める。

 

「大赦は攻撃力に不安があるとか言ってたが、そんなことはないんだよな。」

 

右手を上げる。

地面から鎖が五本出てきて束になる。

 

「行け。」

 

あげた右手を下ろす。

束になった鎖は、一直線に蟹座へと向かう。蟹座もそれを理解したのか展開していた盾を六枚重ねての防御に移る。

 

「六枚だけでいいのか?」

 

俺は言葉を理解しているかわからない存在に対して問いを投げかける。

 

束になった鎖は六枚の盾を貫き、蟹座の体に突き刺さる。

 

「散。」

 

蟹座の体から鎖が五本それぞれ違う場所から突き出る。

束になった鎖を体の中で散らせた、束ねた鎖か散らせた鎖が貫いたのかはわからないが御霊を壊せたようで蟹座が砂へと変わる。

 

「最後はお前だ。———縛鎖。」

 

射手座へと視線を移し、前へと突き出した掌を握りこぶしへ変えると射手座の体に何本もの鎖が突き刺さり動きを止める。

 

「封印開始。」

 

呟くと射手座の封印の儀が開始され、御霊が射手座の周りを素早く回る。

 

「封印の儀ってのは、勇者が随分と楽にバーテックスを倒せるようにしてあるんだな…。見てるんだろう?—————————須美!打ち貫け!!」

 

俺が叫んだ次の瞬間一筋の光が御霊を貫く。

 

「さすがだな。多分状況終了とか言ってるんじゃないか?…まあ、仇はとったぞ銀。二人でな。」

 

そんなことを口に出していると光に飲み込まれ樹海化が終わる。

 

———————————————————————————————————————————

 

彼の戦いを最初は驚きながら見ていた私たちは言葉を失っていた。

勿論、今も驚いているのだが。

彼は、封印の儀なしでバーテックスを二体殲滅したのだ。

 

一体は肩に攻撃を受け、血を流しながらも二丁の斧で相手の大きな体ごと切り裂き、二体目は鎖を束ねて盾ごと貫いた。

 

「相馬君…。」

「相馬先輩…。」

「何やってんのよあいつは…。」

 

友奈ちゃんと樹ちゃんが心配そうに彼の名前を呟く。

風先輩も少しばかり怒気をはらんだ声を出す。

 

(私達勇者は、精霊のバリアのおかげで敵の攻撃を完全には受けていない…。だから仲間が傷つく姿を見るのは初めて…のはず。ならなぜ私はこんなにも落ち着いているのかしら。)

 

考える…、が心当たりはない。

そんな時に彼の声が耳に届く。

 

「————須美!打ち貫け!!」

 

その言葉を聞いたとき、私は自分でも気が付かないうちに引き金を引いていた。

 

(————え?)

 

打ち出した銃弾は御霊を貫き。バーテックスの体は砂へと変わった。

 

これで、今回すべてのバーテックスは殲滅した。

 

「状況終了ね。」

 

私たちは光に包まれ、元の世界へと戻された。

 




いかがだったでしょうか。
やっぱり、戦闘はいかんせん…。
因みに鎖のイメージはFGOエルキドゥでしていただけると…




あと、ゆゆゆゆ最終話見ましたが泣きましたね、ええ泣きましたとも。朝四時頃に…
ちょっと時間的に物足りない感ありましたが、これが最高の終わりだなと思える作品でした。
だがしかし!頭の中で考えていたネタが使えなくなってしまって大慌てですよ!どうしましょう。

そんなこんなでベットの上でうんうん唸っておりますが今後も本作品をよろしくお願いします。

あっ!あと感想とかお待ちしてますからね!遠慮しなくてもいいんですよ?

ではまた次回


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シオン

投稿遅くなって申し訳ありませーん(土下座)
言い訳はしません!

まあ、ぴっかーんとひらめいたので書き進めてみました。

文章力には期待はしないでね♪

お気に入り数が増えている感謝!

それではどうぞ


戻ってきたのは2年前の勇者が戻ってきていた場所。

少しばかり懐かしく思っていると、勇者部の面々が近寄ってきた。

 

「石滅君、肩の怪我は!」

「そうだよ!相馬君肩大丈夫なの?」

 

 

東郷と友奈が慌てながら聞いてきた。

犬吠埼先輩は、スマフォで救急車を呼んでいるようだ。樹は口を手で押さえて驚いている。

まあ、樹海から戻ってきたら左肩に穴をあけていて血を流している奴が居たらそういう反応をするだろう。

 

「この程度、大丈夫だ。それよりも黙っていてすまなかった。」

 

俺は勇者部四人に対して頭を下げた。

 

「相馬君が謝る必要なんてないよ!」

 

結城が言う。

 

「友奈の言う通りよ相馬。今救急車呼んだから、その怪我しっかり治しなさい。その後に色々聞かせてもらうことにするわ。」

 

スマフォをしまいながら、犬吠埼先輩が言う。

 

「驚きはしましたけど、相馬先輩が優しいのは勇者部全員が知ってます。だから、気にしないでください。」

 

と樹。

 

「石滅君、みんなこう言ってるんですから頭を上げてください。」

 

東郷。

俺は頭を上げ四人を見る。

と、自分の体に違和感を感じる。

 

(ああ、今日は弱い日だったか…。また、少し心配をかけてしまうな…。)

 

その考えを最後に俺の意識は暗転した。

 

 

石滅君が下げた頭を上げたと思ったら、彼の体からフッと力が抜け、膝を折り前に倒れた。

 

「相馬君!?」

「石滅君!?」

「相馬!」

「相馬さん!」

 

 

———————————————————————

 

 

倒れる寸前、友奈ちゃんが石滅君を抱きとめる。

 

「相馬君!相馬君!」

 

「友奈ちゃん落ち着いて!ゆすってはダメよ」

 

石滅君を抱きとめた友奈ちゃんは何度もゆすり声をかける。私は友奈ちゃんを落ち着かせようとするが、友奈ちゃんはずっと石滅君を呼び続ける。

 

「お姉ちゃん!救急車まだ?!」

 

「さっき呼んだからすぐ来るはずなんだけど…。ああもう!早く来なさいよ!」

 

樹ちゃんも風先輩も慌てている。私もどうしていいのかわからない。

すると、遠くからサイレンの音が聞こえた。

 

「アタシ、道路まで呼びに行ってくるから!東郷は友奈落ち着かせといて。樹はあたしと一緒に来て!」

 

「わかったよお姉ちゃん」

 

樹ちゃんは風先輩と一緒に走っていく。

 

「友奈ちゃん、落ち着いて。救急車も来たから大丈夫よ。」

 

そう何度も言うと友奈ちゃんは我にかえったようで、

 

「うん、ごめんね東郷さん。」

 

と言った。その瞳には少しばかり涙が浮かんでいた。

その後駆けつけた救急隊員に石滅君は運ばれ、勇者部は後から来た大赦の車で一度家へと帰された。

大赦の人が言うには、ただ意識を失っているだけでじきに目を覚ますとのことだ。友奈ちゃんは病院へ行くと言っていたが、辺りはすっかり暗くなっており風先輩が「また日を改めてお見舞いしよう。」と言い、強制的に家に帰ることとなった。

 

——————————————————————————

 

 

 

「私の名前は————。あなたのお名前は?」

 

「俺の名前は…、石滅相馬。」

 

「石滅相馬…、じゃあそー君だね!」

 

目の前の少女は明るく笑ってそう言った。

 

「こんなところに君みたいな小さい子がいるなんて珍しいね。」

 

「私は、家が近くだしこの神社がすきだから。そー君だってちっちゃいよ?」

 

彼女は両腕を大きく広げてそう言った。

 

「俺は、この土地の神様に挨拶しなきゃいけないからね。でもそっか…、君が彼女の言ってた子なんだ。」

 

「彼女?」

 

「ううん、何でもない。せっかくだし遊ばない?お父さんもお母さんも用事で今日は帰ってこないみたいだから。」

 

「いいよー!じゃあ何する?かくれんぼする?」

 

「じゃあ、かくれんぼしようか。30秒数えるから——はかくれていいよ。」

 

「ふっふっふ。私は一度かくれたら見つからない自信が「いーち、にー。」ってもう!?急がなきゃ!」

 

そう言って彼女が駆けて行った。

 

その後お昼から始めた二人のかくれんぼは、相馬の圧勝で終わった。

 

「そー君、かくれんぼつよいね!どこにかくれても見つかっちゃうんだもん。かくれるのもうまいし。」

 

「まあね、いっつもかくれんぼみたいなことはしてたから。」

 

「そっか~、あっ!もう5時の鐘が鳴っちゃったから帰らないと!…そー君、また一緒に遊べる?」

 

彼女が顔を覗き込んでくる。

 

「遊べるよ、今日からしばらくここに住むことになってるから。小学校も同じなんじゃないかな?」

 

「ほんと?!同じクラスだと良いなぁ。」

 

「それよりも、帰らなくていいの?」

 

「あ!お母さんに怒られちゃう。またねー。」

 

彼女はぶんぶんと手を振り走って帰っていった。俺も彼女の姿が見えなくなるまで手を振っていた。

 

———当時小学2年生、これが俺と彼女の出会いだった。

 

 

———————————————————————

 

 

目を覚まし、体を起こす。

どうやらここは病院らしい。

 

「また懐かしい夢を見たな…。」

 

呟き気付く、ベットに突っ伏して結城が寝ていた。

時計を確認すると今は午前5時。窓の外はうっすらと明るくなっている。

 

「夜中に忍び込みでもしたのか?」

 

不思議に思いながらも、心配させてしまったことを申し訳なく思う。

俺は手を伸ばし彼女の頭を撫でた。

 

「心配かけてごめんな。…ありがとう。」

 

「う…ん…。!! 相馬君体は大丈夫?!」

 

「おはよう結城。体は大丈夫だよ。それと、まだ朝の5時だから静かにな?忍び込んできたんだろ?」

 

「うっ…。ごめんなさい。でも心配だったから…」

 

がばっと体を起こした後はシュンとなってしまった。

 

「謝らなくていいよ。心配かけたのは俺だし、ありがとう。」

 

「うん!でもよかったー。相馬君が目を覚まして。」

 

「ああ、それは申し訳なかったな。先に話しておくべきだった。…それよりも早く帰らなくていいのか?看護師さんに見つかったら怒られるんじゃないか?親御さんも心配してるだろうし学校もあるだろ?」

 

「そうだったー!じゃあ、わたしもう帰るね!」

 

そう言って病室を出ていこうとする結城をみて俺もベットから出る。

 

「何やってるの相馬君?!」

 

「いやなに、外まではおくるよ。のども乾いたから飲み物でも買いに行きたいしな。」

 

「だめだよ!けが人は安静にしてなきゃ!」

 

結城がとめる。

 

「けがはもう大丈夫だから。ほれ行くぞ。」

 

結城の手を引き病室を出る。

 

「!…うん。」

 

 

 

「それじゃあ送ってくれてありがとう。」

 

「ああ、今日の部活にはいくからその時に色々と説明するな。」

 

「え!今日?!」

 

「そう、今日だ。怪我も大したことないし退院できるだろうから。犬吠埼先輩にはそう伝えておいてくれ。」

 

「わかった。でも無理しちゃだめだよ!それじゃあまたねー。」

 

手を振りながらかけていく彼女が見えなくなるまで俺は手を振り続けた。

 

 

 

その後飲み物を買って病室に戻る途中に看護師に見つかり怒られてしまった。

 




いかがでしたでしょうか?
今回はちょっと石滅相馬の過去話的にしました。

因みにシオンの花言葉は追想・追憶です。なんかいい花言葉ないかなーとか考えながらググりました。

今後どう話を展開していくのかそれは作者にもわかりません(ドヤッ


感想、評価を入れてもらいえると嬉しくて作者の投稿スピードが上がります(予定)


ではまた次回。さらばー


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復活

どうも磯山ゲルです。

投稿が遅くなって申し訳ありません。
話が浮かばない!

気分転換に他の人の作品を読もう!

はっ!もうこんな時間!?寝なきゃ!

の毎日でした。

話は全然進みませんがとりあえずどぞ!


今私は勇者部の部室に居ます。

 

「それで?相馬は来るって言ってたのね?」

 

「はい。怪我はもう大丈夫だから今日行くって言ってました。」

 

風先輩は腕を組みうーんと唸る。

 

「もちろん聞きたいことは山ほどあるけど別にそんなに急がなくてもいいのに…。」

 

「相馬先輩は真面目だし、思ったらすぐ行動!って感じだから。私にくれたケースの時もそうだったし。」

 

「樹…。そうよねえ…アイツなら絶対来るわね!しかし夏凛も何にも知らないっていうし~」

 

ついさっき勇者部に入った夏凛ちゃんを風先輩が見る。

 

「わ、わたしの方こそ聞きたいわよ!勇者はトーシロ4人だけだって聞いてたんだから!」

 

夏凛ちゃんが声を上げる。その時勇者部の扉がガラッと開いた。

 

「遅れました。石滅相馬怪我より復帰です。」

 

「相馬君!」

「相馬先輩!」

 

「お帰り相馬君!」

 

私は、相馬君の元へと駆け寄った。

後ろから東郷さんも来る。

 

「石滅君、怪我は大丈夫なんですか?」

 

心配そうに相馬君を見上げる。東郷さんはスコープで相馬君の戦いを私たち以上に昨日の戦いをしっかり見ていたからどんな怪我かも知ってるんじゃないかな?

 

「ああ、この通り大丈夫だ。心配をかけたようで悪かったな。」

 

そう言って相馬君は東郷さんの頭に手をポンと置く。

 

「いいなぁ東郷さん…。相馬君、私も撫でて?」

 

「はいはい。悪かった悪かった。」

 

相馬君は空いている手で私の頭を優しくなでてくれた。

 

「あー。仲良いところ悪いけど相馬。少し話を聞いてもいいかしら?」

 

風先輩は頬をポリポリ掻き申し訳なさそうに言った。

他の人たちも居たことを忘れていた私は恥ずかしくなって相馬君から少し離れた。さっきまで目を瞑って撫でられていた東郷さんも恥ずかしかったのか「もういいです」と言って少し離れる。

 

「すみません。まぁ、色々と聞きたいことがあると思ったから今日来たので…。それで、何を聞きたいですか?」

 

相馬君が風先輩に向き直る。

 

「最初は退院おめでとうと言っておくわ。それで相馬も勇者ってことでいいのよね?」

 

「はい、俺は勇者ってことでいいですよ。そこの新人さんと同じようなものですけど大赦から派遣されたってことではないです。」

 

「そうなのね。勇者は無垢な少女じゃないと慣れないって聞いたけど…、もしかして相馬って女子だったり?」

 

真剣な顔をしていた風先輩があからさまな冗談を言った。

 

「ええそうです。性別を偽ってましたごめんなさい。」

 

「「嘘!?」」

「「「ええー!?」」」

 

私たちの驚く声が教室に響く。

 

 

 

「もちろん嘘ですが、どうして全員驚くかなぁ…。普通わかるだろうに。」

 

「嘘かー良かったー。相馬君が女の子だったらどうしようかと思ったよー。」

 

「結城?俺が女子だったらまずいことでもあるのか?」

 

「へ!?あ、ううん何でもないよ!えへへ。」

 

「?」

 

「こほん!まぁ相馬もこれから一緒に戦う仲間としてもよろしく頼むわ!」

 

「はい。頑張りますよ。で、昨日も居たその子は?」

 

夏凛ちゃんの方をちらっと見て風先輩に尋ねる。

 

「私は三好夏凛よ!大赦から派遣された勇者なの!…ていうかあんた何者よ。大赦には勇者は4人って聞いてたんだけど?」

 

「石滅相馬、勇者だ。大赦も知らないことはあるんじゃないか?」

 

「嘘よ!あんたが使ってたスマホは大赦の者だったわ!知らないはずないじゃない!」

 

「あー、あの一瞬で見えてたのか、目良いんだな。まぁ…、俺はそれこそ異例の存在だからな、大赦も黙っていたんだろう。それしか俺にもわからんさ。」

 

「そう…、それで納得してあげる。」

 

夏凛ちゃんはそれだけ言うと椅子に座ってしまう。

 

「あっ、えーっと…。そういえば相馬君は勇者服変わったよね?」

 

「ん?ああ…、赤い服の方は後一回しか使えない特別なもので白い服が俺本来の勇者服ってところだ。」

 

「相馬先輩の赤い服ってなんだか夏凛さんの服に似てましたよね?」

 

樹ちゃんが言ったことは私もなんとなく思っていた。

 

「そういえばそうよねー。武器はおっきな斧だったけど。」

 

「三好の勇者服に似てるんじゃなくて、三好の服が似ているんですよ。」

 

そうつぶやく。

 

「え?」

 

「ちょっと!どういうことよそれ!」

 

「つまり、旧式ってことだな。…まぁ、大赦も作ったのはいいが性能は低かったから改良を重ねて今の三好の装備を作ったってことだ。納得したか?」

 

「そういうことね、でもなんであんたはソレを使ってるのよ?」

 

「大赦が言うには俺の装備は威力に不安があるそうでな。威力のある装備を使うように端末に入れておいたそうだ。」

 

「そう…。」

 

「…」

「…」

 

「ねっ!ねぇ、みんなでうどん食べに行かない?」

 

私はいつの間にかそんなことを口に出していた。

 

「そうねぇ、夏凛も来るでしょ?」

 

風先輩が夏凛ちゃんを誘う。

 

「必要ない。行かないわよ。」

 

夏凛ちゃんはそう言って扉から出て行ってしまった。

 

「相馬先輩は行きますか?」

 

「あぁ、三好でなくて済まないが同伴させてもらうよ。」

 

「よーし!じゃあ相馬の復帰祝いってことで行くわよ!」

 

「「はーい」」

 

今日の部活は早めに終わってうどんを食べに行くことになりました。

 

 

 

———————————————————————

 

 

「おいしいのに…。」

 

そう言って結城はうどんをすする。

 

「頑なな感じの人ですね。」

 

東郷はそう言っているがあれは人付き合いに慣れていないんじゃないかと俺は思う。

(なんだか、生真面目なアイツに似てるかもな)

自然と笑みがこぼれる。

 

「石滅君?」

 

「ん?どうした?」

 

「いえ、なんだか嬉しそうな表情をしていたので…、どうしたんですか?」

 

東郷に不思議に思われてしまった。

少しばかり懐かしい夢を見たせいか昔のことをついつい思い出してしまうのはあまりよくないかもしれない。

 

「いや、うどんが上手いなと思ってな。」

 

誤魔化す。正直うどんの事なんて頭にはなかったが。

 

「そうですか。」

 

「フフフ…。」

 

「お姉ちゃんどしたの?」

 

いきなり笑う犬吠埼先輩を不思議に思って樹が聞く。勇者部の部員の視線が犬吠埼先輩へと向く。

 

「ああいうお堅いタイプは張り合い甲斐があるわね。」

 

「張り合うの…?」

 

 

「うーん…」

 

「「?」」

 

結城が珍しく考えてる様子に俺と東郷はそっちに気がいく。

 

「どうやったら仲良くなれるのかなぁ…?」

 

(そういうことか)

 

結城は三好と仲良くなりたいらしい。

 

「大丈夫だろ。結城が普段通りに接していればすぐに仲良くなれるさ。」

 

「そうよ、友奈ちゃんならすぐに仲良くなれるわ。」

 

俺が言った言葉に乗ってくる東郷。

結城は「そうかなぁ?」と、亀屋を出るまでずっと考えていた。

 




話が全く進まない浮かばないかーっぱえびせん!

…すみません調子乗りました。

話が浮かばず進まないのは本当です亀更新許してください。


感想お待ちしております。


…週一ペースで投稿できればなぁ…


ではではまた次回お会いしましょう


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情報交換

どうも磯山ゲルです。


評価、感想ありがとうございます。
お気に入りも増えてとっても嬉しいです!

ですが残念ながら投稿ペースは早まりませんでしたwゴメンナサイ

個人的に3話は友奈の「嫌?」からの夏凛ちゃんの「…ぁ」が可愛すぎると思ってます!!!!


こほん…まぁとりあえずどうぞ


「仕方ないから情報交換と共有よ。」

 

三好はハムッと袋から煮干しを取り出し食べる。

 

「わかってる?あんたたちがあんまりにも呑気だから今日も来てあげたわよ。」

 

「にぼし?」

「にぼしですね。」

 

「なによ!ビタミン・ミネラル・カルシウム・タウリン・EPA・DHA…にぼしは完全食よ!」

 

呪文のようににぼしに含まれる成分を言って風先輩と俺に指をさす。

 

「ま、まぁ良いけど…」

「指をさすな、指を。」

 

「あっ、あげないわよ!」

 

「いらないわよ。」

「俺も遠慮しておこう。」

 

「じゃあ、私のぼた餅と交換しましょう。」

 

東郷が家庭科の授業で作っていたぼた餅をだす。

 

「…なにそれ?」

 

三好はぼた餅を初めて見るようで少しばかり重箱の中を覗き込む。

 

「さっき家庭科の授業で。」

「東郷さんはお菓子作りの天才なんだよー。」

「いかがですか?」

 

東郷が少しばかり重箱を前に出すが、

 

「い、いらないわよ。」

 

断られた東郷はみんなにぼた餅を配り始めた。俺は今回は遠慮しておくことにした。

 

「いい?バーテックスの出現は周期的なものと考えられていたけど、相当に乱れてる。これは異常事態よ。」

 

勇者部員はぼた餅を頬張りながら三好の話を聞いている。

 

「帳尻を合わせるため今後は相当な混戦が予想されるわ。」

 

「たしかに…一か月前も今回も複数体出現しましたしね。」

 

「私ならどんな事態にも対処できるけど、あなたたちは気をつけなさい。命を落とすわよ!」

 

三好が勇者部に対して注意を促す。

 

「わざわざ注意してくれるなんて優しいな。流石は神樹に選ばれた勇者だな。」

 

「うっ、うるさいわね。別にあんたたちを心配してるわけじゃないし。私の見えるところで死なれたら寝覚めが悪いから言ってるだけよ!」

 

三好が顔を真っ赤にし、大きな声で俺の言葉を否定する。

 

「ほっ、他に勇者は戦闘経験値を溜めることで…」

 

三好が話を強制的に戻した。

 

「どうしてわざわざあんなことを言ったんですか?」

 

隣に座っている東郷が小さい声でそう尋ねてくる。

 

「いや、なんかな…。からかい甲斐があると思ったからかな…?まあ、神樹に選ばれた時点で良い奴ってのはわかるけどな。」

 

「そうですね。友奈ちゃんそれはアプリの説明にも書いてあるよ。」

 

「そうなんだ!」

 

満開の説明に感心する結城に東郷がアプリにも書いてあると言い、その様子を見て三好は肩を落とす。

 

「満開を繰り返すことでより強力になる。これが大赦の勇者システムよ。」

 

「へぇーすごーい。」

 

「因みに聞くが、より強力になるってのはどんな風に強くなるんだ?」

 

俺は三好にそんな問いを投げかけてみた。

 

「そ、そこまでは聞かされていないわ…。」

 

「じゃあ、三好は満開をまだ使ったことがないんだな?」

 

「うっ…そ、そうよ。」

 

三好がそう言って顔を逸らす。

 

「なぁーんだ。あんたもレベル1じゃあたしたちと変わりないじゃない。」

 

「き、基礎戦闘力がけた違いに違うわよ!一緒にしないでもらえる!」

 

「そこはあたしたちの努力次第ってとこね。」

 

犬吠埼先輩が言うと結城が朝練をしようと言い出した。

が、樹と結城が起きられないという理由で無しになる。そんな様子を見ていた三好は、

 

「なんで、こんな連中が神樹様の勇者に…。」

 

溜息をつく。

 

「成せば大抵何とかなる!」

 

「なにそれ?」

 

「勇者部五箇条!大丈夫だよ。みんなで力を合わせれば何とかなるよ。」

 

結城がそう言い勇者部五箇条の書いてある紙を指さす。

(成せば大抵何とかなる。いつ聞いてもいい言葉だがな…)

そんなことを思ってしまった。いつの時代でもどうしようもない理不尽なことはある。もしも勇者部がソレに当たった時どうするんだろうかと考えてしまった。

 

(いや…、その時はきっと…)

 

「『なるべく』とか『何とか』とか、あんたたちらしい見通しの甘いふわっとしたスローガンね。全くもう、私の中であきらめがついたわ。」

 

俺が考え事をしている内に三好の中での諦めが付いたらしい。

 

「あ、あたしらはぁ…現場主義なのよ!」

 

「それ今思いついたでしょう。」

 

「はいはい、考えすぎると禿げる禿げる。」

「そうだぞ三好。禿げるぞ。」

 

「んな!禿げないわよ。」

「石滅君、女の子に禿げるなんて言ってはダメですよ。」

 

メッと東郷に叱られてしまった。

 

「すいません。東郷先生。」

 

「よろしい。今回は許しましょう。」

 

「おーい、二人で夫婦漫才やってないの。次の話題に行くわよー。全員テーブルに移動。」

 

「いや、夫婦漫才って。俺先生って呼んでたでしょうに…。なぁ東郷」

 

「ふ、夫婦…」

 

東郷が下を向いて頬に手を添えて何か呟いた。

 

「東郷?」

 

「はっ、何でもありません!私達も行きましょう。」

 

俺が屈んで東郷の様子を見ようとすると、バッと顔を上げてそのままテーブルの方へと向かった。

 

「なんだ?」

 

少しばかり様子が変だったように見えたが気のせいだったのだろうか。

 

 

「というわけで、今週末は子ども会のレクリエーションをお手伝いします。」

 

「具体的には?」

 

樹が今週末の予定を読み上げ、東郷がそれに質問をする。

 

「えーっと、折り紙の折り方を教えたり、一緒に絵を描いたり、やることはいっぱいあります。」

 

「わー!楽しそう!」

 

「夏凛にはそうねぇ…、暴れたりない子のドッチボールの的になってもらおうかしら。」

 

「はぁ!?ていうかちょっと待って!私もなの!?」

 

そういった三好の目の前に犬吠埼先輩が紙を見せるように出す。

 

「昨日、入部したでしょ?」

 

「け、形式上…」

 

「ここにいる以上部の方針に従ってもらいますからねぇ~。」

 

(犬吠埼先輩、楽しそうだな。ちょっとドヤっているし。)

 

「それも形式上でしょ!それに…、私のスケジュールを勝手に決めないで!」

 

「夏凛ちゃん日曜日用事あるの?」

 

結城が三好に聞く。

 

「いや…。」

 

「じゃあ親睦会も兼ねてやった方がいいよ。楽しいよ!」

 

「なんで私が子供の相手なんか…」

 

「いやぁ?」

 

結城が悲しそうな顔をする。

 

「ぁ…。」

 

三好は、悲しそうな結城の顔を見て、その後に勇者部の顔を不安そうに見てから

 

「わ、分かったわよ。日曜日ね。丁度その日だけ空いてるわ…。」

 

「よかったぁー。」

 

安心したように結城が言う、

 

「あー…、犬吠埼先輩。」

 

「どしたの相馬?」

 

「この空気で言うの申し訳ないんですが日曜は午前中少し用事がありまして…。」

 

「ええー!相馬君こないの?」

 

三好が堕とされた攻撃が俺にも来る。

 

「いっ、いや…。後からは行くから…。」」

 

「そっか~。よかったー。」

 

「よぉーし、これで全員揃うわね!それじゃ、日曜日楽しんでいくわよー!」

 

「「「おー!」」」

 

元祖勇者部たちが盛り上がりその日の部活動は終わった。

 




いかがでしたでしょうか?

自分の中では、「あれ?ヒロインがいつの間にかすみすけに…」ってなってます。話的にヤバい…。
タイトル詐欺になってまう。

…まあ何とかなるか!
と開き直って書いております。

今後もペースは遅いでしょうが定期的に書いていけたらと思ってますので応援よろしくお願いします。

評価、感想お待ちしてます!

次回「夏凛ちゃん誕生!」デュエルスタンバイ!


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特訓

久しぶりの投稿です。

すみません。
バレンタイン編書いてる途中でパソコンがプチューンしてデータがすべて飛んでしまいました。

YMD電気に修理に出して、時間がかかりましたが復活したので投稿しました。
呼んでくださっている皆々様ほんと申し訳ありませんでした。


楽しく読んでいただけると幸いです。ではどうぞ


————6月12日―—―

 

「来てあげたわよ。」

 

三好夏凜は勇者部部室に来ていた。

 

「…誰もいないの?」

 

夏凜はスマホで時間を確認した。

時刻は9時45分。集合時間は10時である。

 

「…早すぎたかしら?」

 

私はしばらく椅子に座って待つことにした。

そして10時になったが誰も来ない。

 

「だらしない…」

 

私はあの四人が遅れていると思って少し待つことにした。

2回しか来ていないけれど、誰もいない勇者部部室はとても静かで本当に勇者部部室なのかと思ってしまう。

 

そしてコツコツと廊下を歩く音がした。

 

「やっと来たのね…。」

 

時刻は10時20分。

 

「ん?部室は扉閉めて帰ったはずなんだけどな?」

 

聞こえてきたのは男の声。

 

「誰かいるのか?」

 

そう言ってきたのは異例の男の勇者である石滅相馬だった。

 

「あっ!あんた今日午前中で休むって言ってなかった!?」

 

私はいつも通りの口調でそう聞く。

足音が聞こえ始めてからロッカーに寄りかかっていた身を起こし椅子に座りなおしていた。

 

「三好か、ここには忘れ物を取りに来たんだ。」

 

「それに他の奴らはどうしたのよ!時間も守れないなんて勇者失格だわ!」

 

私は寂しさを紛らわすため、気取られないために矢継ぎ早に石滅にそう問いを投げる。

 

「ん?…ああ。三好、もらった今日の予定のプリントを確認してみろ。」

 

石滅は一度首を傾げて何かに納得したように私にそう言うと、私の横を通り過ぎ棚を漁り始めた。

 

「何よ…。プリント?」

 

私はポケットにしまっていたプリントを取り出し、見る。

そこには現地集合と書かれていた。

 

「しまった。私が間違えた…。」

 

これは完全に私に落ち度がある。そう思っていると探し物を終えた石滅が私のことを見ていた。

 

「何よ。」

 

「いやなに、自分に非があったことを認められるんだなと思ってな。」

 

「取り繕ってもしょうがないじゃない。」

 

「そうか…。世の中には自分の失敗を認められないやつも大勢いるのにすごいな三好は。」

 

「なっ!こ、このくらいトーゼンよ!」

 

そういったところで私の携帯に電話がかかってきた。

 

「わっ!この番号結城友奈!?ど、どうしようっ。わっ!え!っと…。」

 

つい焦って私は電話を切ってしまった。

微笑まし気に石滅がこちらを見ている。

 

 

 

 

——————

 

 

 

「…なによ。」

 

三好が恥ずかしそうに顔を赤くした。

 

「反応が可愛かったからついな。…で、この後はどうするんだ?もしかけ直しずらいなら俺が電話しようか?」

 

俺がそう言ったら三好の顔がさらに赤くなる。「なっ!」「えっ!」とか言いながら焦っていたがしばらくすると落ち着きを取り戻した。

 

「いいわよ…。別に部活なんてはなから行きたかったわけじゃないし。」

 

「そうか。で、この後お前はどうするんだ?」

 

「帰ってトレーニングするわ。神樹様に選ばれた勇者なんだから」

 

彼女はそう言った。

彼女はきっと頑張り屋なんだろう、そして根は優しい。今の判断は勇者として戦うためのものだろう。そこに三好夏凜の日常は含まれていない。張りつめていた彼女のようになり、いつか壊れてしまいそうな気はするが勇者部にいればきっとそうはならないだろう。

 

「なあ三好。」

 

「何?」

 

「特訓するなら俺としないか?」

 

そう思ったからこんな事を言ったのだろうと思う。

 

「アンタ用事があるって!」

 

「まあ、いいじゃないか。一人で特訓するよりも得るものはあると思うぞ?」

 

「いい加減ね。…まぁいいわ。」

 

そして俺は三好が特訓しているという砂浜に来ていた。

 

「三好はいつもここで剣の特訓をしてるのか?」

 

「そうだけど」

 

「ふむ…。足場の悪い砂浜で特訓とはなかなかいいじゃないか。校庭のような整えられた地面やコンクリートの上での特訓よりかは効率もいいしな。」

 

「よくわかってるじゃない!それで?一緒にトレーニングするって言ってたけど何をするのよ。」

 

三好が両手に木刀を持つ。

 

「まぁ、最初はそうだな…。三好がいつもやってるようにやってくれないか?俺はそれを見ていよう。」

 

「はぁ!?アンタが一緒に特訓するって言ったんじゃない!」

 

「まぁ落ち着けよ。その後にちゃんと相手してやるから。三好がどんな風に特訓してるのかが気になっただけだ。だから見せてくれ。」

 

俺は真剣な目で三好に頼む。三好が大赦で試験を突破し勇者になったことは聞いた。殆どの勇者はなるべくして神樹に選ばれていたためこういった勇者は珍しい。だから少し気になったのだ。

 

「まぁいいわ。」

 

三好は砂浜に立ち剣舞を始めた。流れるような太刀筋、二刀流でここまでできるのは三好の努力があってこそだろうと彼女の剣舞を見ながら思った。

ただ、何か雑念が入っているのか少しばかり粗が目立つ。

 

(今まで勇者部のような人種と会ったことがないからか?)

 

——————————————————

 

 

 

私は今いつものようにトレーニングをしている。

でも、いつもと違うことが二つあった。

 

(いつもみたいに振れてない!)

 

そのことに少しばかり苛立つ。

一つは勇者部のこと。

自分が間違えたのに今私はここにいること、電話をかけてくれたのに切ってしまった、そのことに後悔している。

一つは石滅相馬。

用事があるとか言って断っていたくせにここにいること。自分はただ見ているだけということ。

 

(私はあいつらとは違う!私は勇者なんだから普通じゃなくていいの!そんなこと考えなくても…)

 

「三好!」

 

座ってみていただけの石滅が私の目の前にいて両手で私の木刀をつかんでいた。

 

「お前今心此処にあらずだったぞ。何を考えていた?」

 

そう問いかけてきた。私は木刀を引き抜こうとするがピクリとも動かない。

 

「別に…何でもないわよ。放してくれる?」

 

私がそういうと彼は素直に木刀を手放した。そして肩にかけていたタオルを私に投げる。

 

「それで汗を拭け。雑念が入ってると特訓にも身が入らなくなるからな。少し休憩したら俺が相手をしてやる。雑念まみれの三好じゃ俺には勝てないだろうがな。」

 

「んな!私の方が強いに決まってるじゃない!さあ始めるわよ、得物取りなさい!」

 

「だから休憩してからと…」

 

「私はね、完成型勇者なの!あのぐらい準備運動よ!」

 

正直イライラしていた。私が勝てない?こんな奴に?そんなの許されるわけないじゃないと。

彼はしょうがないと呟き私の予備の木刀を右手に持って歩いてきた。

 

「三好の好きなタイミングで来ていいぞ。」

 

木刀を右手に持ったまま半身を下げ切っ先を私の喉に向けるように構えてそう言った。

 

(強い…)

 

私は別の勇者候補との対人戦闘の訓練もしてきた。だから彼が構えただけで勇者候補の誰よりも勝っていることを知ることができた。

…ただ、知ることができただけで体と頭は熱くなっていて冷静な判断などできていなかった。

 

私は手数で攻めていた。

けれども攻めきれていない。彼は木刀で私の剣を軽々とすべて受け流していた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「攻めが甘いぞ三好。熱くなることは悪いことではないがしっかりと視て立ち回れ。雑念を入れるな、今はただ敵である俺だけを見ろ。」

 

そう言って私に始める前と変わらない位置に切っ先を向ける。

 

「うっさい…わね。」

 

私は息を切らしながらそう答える。

 

「はぁ…」

 

彼がため息をついたと思ったらいつの間にか目の前にいて…

 

「一度頭を冷やせ馬鹿者。」

 

一振りで私の木刀二本とも弾き飛ばされた。

私の後方で砂浜に刺さる音がする。

 

「そんなんじゃ完成型勇者には程遠いぞ。さぁ木刀を拾って息を整え気持ちを切り替えてから来い。」

 

頭をこつんとたたかれる。

それで私は少しばかり焦っていたのだと知った。

 

(私、何してたんだろ…)

 

走って木刀を取りに行った。

 

(認めるわ。石滅相馬、あんたは強い。それに私も熱くなりすぎていたわね…、でも)

 

木刀を取り彼の前に立ち息を整える。

 

「私は完成型勇者!三好夏凜!あんたに一太刀も与えられないやわな勇者じゃないってところ、見せてやるわ!」

 

自分に活を入れるために宣言する。

 

「よし、いい咆哮だ。なら存分に見せてみろ。」

 

彼は口角を少しばかり上げた。

私は踏み込む。

 

「余計なお世話…よ!」

 

左右から挟み込むように木刀をふるう。

 

「んな!」

 

瞬間彼が消え私の視界が上を向こうとしていた。

私は体を大きく沿わせ、バク転を何度かして後方へと下がる。

そして正面を見る。

 

…が砂浜には誰もいない。

後ろを振り向こうとすると首にこつんと木刀が触れる。

 

「これで終わりにするとしようか。」

 

声がかかる。

彼は恐らく私の左右からの攻撃をしゃがんで避け、足払いで転ばそうとした。私がバク転で後方に下がった時にはもう後方に回っていたのだろう。

 

(完全に負けたわね。)

 

「そうね、残念だけどアンタには敵わないみたい。完敗だわ…。」

 

そう言って、私は振り向く。

 

「いやなに、中々に踏み込みもよかったし体制を立て直すのも早かった。それにまだ反撃の気配もあったから俺も攻撃に転じただけであってあのまま続いていたらわからなかったぞ。」

 

「それでも封じてられちゃったじゃない。」

 

「まぁ、俺にそう動かせたのだから誇っていいぞ三好。」

 

彼はそういいながら荷物の方へと歩いていく。

 

「夏凜…」

 

「ん?」

 

私の言葉に反応して彼が振り向く。

 

「私のこと名前で呼ぶことを許すわ!別に他意はないわよ!」

 

彼を指さし告げる。

 

「わかったよ夏凜、ほら」

 

彼はそういってタオルを投げてくる。

私はそれで汗を拭いた。

 

「それで…、その…」

 

「なんだ?言うだけならタダだし言ってみろ。」

 

私が何かを言いよどんでいることを気にしてそう言った。

 

「今後もこうして稽古をしてくれないかしら…?」

 

彼は一瞬、止まる。けれども答えはすぐに帰ってきた。

 

「良いぞ。ただし勇者部の活動優先でな。俺も夏凜も部員なわけだし。」

 

「それでいいわ。それと…」

 

「まだあるのか?」

 

「石滅のこと…師匠って呼んでもいいかしら!」

 

こんなことを頼むのは恥ずかしかったが思い切って頼むことにした。

これもすぐに答えが返ってくる。

 

「駄目だ。」

 

「え…、なんで…。」

 

「悪いがその呼び方は好きじゃない。まぁ、相馬呼びはいいから師匠呼びだけは勘弁してくれ。」

 

彼は少しばかり寂しそうに微笑んだ…気がした。

 

「…わかったわ。じゃあ相馬って呼ぶことにするわね。」

 

「そうしてくれると助かる。それよりも日が落ち始めてきたな。そろそろ帰るか。」

 

「そうね。…その、今日はありがとう。」

 

私がお礼を言うと彼は驚いていた。

 

「どうしたんだ急に。」

 

「私勇者になって少し焦ってたのかもしれない。勇者部の連中は頼りない連中ばっかから。でも相馬と特訓して少しあいつらのことも知ってみようって思えたの。」

 

「そうか。まぁ俺も新参だが、勇者部はいい連中ばかりだ。安心しろ。」

 

彼は荷物を持つ。私も荷物を持つ。

 

「それじゃあね…相馬。」

 

気恥ずかしいけれども、彼に向って手を振った。

 

また後でな(・・・・・)、夏凜。」

 

彼は歩きながら後ろにいる私に対して手を挙げて歩いて行った。

 

「また後で?」

 

彼の返しを疑問に思ったが、その言葉の意味はすぐに知ることとなった。

 




いかがでしたでしょうか?磯山ゲルです。

誕生会に届かなかった…。
バレンタイン編は凍結し、本編を進めることとしました。
かなりキャラ崩壊だったかもしれませんが許してください。

感想とか頂けると嬉しいです。

これからもどうぞよろしくお願いします。

それではアデュー!


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