勇者は静かに暮らしたい (ひらじ)
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終わりは始まり

信じている者に裏切られた時、人はどんな感情が沸くだろうか?

絶望や怒り、憎しみ・・・・

様々な感情が渦巻くだろう

まぁ、大抵は負の感情に支配される

人は完璧ではないのだから

さて、この物語の主人公が取る選択は?

話は、正にとある異世界で勇者と魔王の最終決戦が行われて

決着がつく所から始まる・・・・


とある異世界

 

勇者「これで・・・・、終わりだぁぁぁっっっっ!!」

 

魔王「おのれぇ、人間ごときにやられるとはぁ・・・・!」

 

正に勇者が魔王に最後の一撃を喰らわした

 

魔王は断末魔と共にその体は消滅していった

 

消滅と共に徐々に青空が見えてきた

 

勇者「はぁはぁ・・・・」

 

戦士「勇者!大丈夫かっ!?」

 

勇者「なんとかね・・・・、でも、これで全てが終わったんだ。さぁ、姫を救出して脱出しよう!」

 

これで、全てが終わった

 

そう思っていた

 

しかし

 

勇者「ヴッ!?」

 

突然、背中から激痛が襲った

 

何が起こったのか分からなかった

 

戦士「悪いな、王様からの命令なんだ・・・・」

 

勇者を襲ったのは仲間のはずの戦士の刃だった

 

背中から腹にかけてグッサリと刺されている

 

徐々に意識が遠ざかって行く

 

勇者は膝から力なく倒れていった

 

何か話しているみたいだが理解は出来ない

 

足音が消えていく

 

何かが崩れていく音がする

 

自分は死ぬのか・・・・

 

勇者として仲間と共に戦ってきた

 

全ては魔王にさらわれた姫を助ける為に

 

この世界を救うために

 

しかし結果はどうだ

 

魔王は倒したが仲間に刺され、その命は正に終わろうとしていた

 

なんだったんだろう、僕の人生は・・・・

 

もし、生まれ変わるのであれば勇者じゃなくて普通の生活をしたいな・・・・

 

勇者の意識はそこで途絶えた

 

 

長年に渡り続いた魔王との戦い

 

公式には『勇者は魔王と相討ちになり死亡』となり

 

仲間達は姫を救い国に戻り英雄として国民から未来永劫語られる事になる

 

はずだった

 

 

 

 

勇者「うぅ・・・・」

 

目の前が眩しい

 

段々と意識がはっきりしてきた

 

勇者「ここは・・・・?」

 

魔王城ではないのは確かだ

 

こんな眩しい場所は無かった

 

だとしたら・・・・

 

あぁ、そうか

 

僕は死んだんだ

 

仲間だった戦士に刺されて

 

勇者「あれ?怪我が無い?」

 

体を見ると怪我の後が無い

 

感覚は・・・・ある

 

霊だったら感覚は無いはずだ

 

?『ようやく、目覚めましたね、勇者』

 

何処からか声が聞こえてきた

 

勇者「だ、誰ですか?」

 

?『私はこの世界の『管理者』です』

 

勇者「管理者?」

 

姿は見えないけど何故か『存在』はハッキリしている

 

勇者「僕はどうなったんですか?」

 

管理者『貴方は仲間に殺され遺体は魔王城と共に消滅したんですよ』

 

やっぱり死んだんだ・・・・

 

管理者『ですが、私が回収しました。余りにも理不尽でしたからね』

 

そうか、だから感覚があるんだ・・・・

 

勇者「僕は何故、仲間に刺されなければならなかったんでしょうか?戦士は『王様の命令』だ、て言ってましたが・・・・」

 

管理者『王は貴方の力を恐れていたのです。ひょっとしたら自分に代わり王の座を奪われるのでは無いか、と。そこで仲間に命令を下したのです。『魔王を倒した時に勇者を殺せ』と」

 

勇者「そんな・・・・」

 

ショックだった

 

僕は何の為に戦ってきたんだろう・・・・

 

管理者『私はこのような行為を見逃す訳にはいきません。彼らには然るべく制裁を受けてもらいます』

 

勇者「制裁?」

 

管理者『この世界に新たな『魔王』を誕生させこの世界を壊滅させます』

 

勇者「えぇっ!?」

 

管理者『そもそも、この世界の王達は自分の事しか考えていなかった。私は彼らの考えを正そうと魔王を誕生させました。しかし、どうやら無駄だった様です・・・・』

 

管理者の言葉のはしはしから人類に対しての失望を感じた

 

管理者『そこで勇者、貴方に選択肢を与えます』

 

勇者「へッ?」

 

選択肢?

 

管理者『1つは再び勇者として人類の為に魔王を倒すか、1つは、今度は魔王として人類の敵となるか、最後はこの世界と縁を切り、別の世界で暮らすか』

 

管理者から提示された選択肢を聞いて正直悩んだ

 

裏切られた怒りは当然ある、だけどもう誰も傷つけたくない

 

勇者「僕は・・・・、別の世界で暮らします」

 

管理者『わかりました。では』

 

そう言うと目の前に扉が現れた

 

管理者『その扉から違う世界に行けます。扉を開けたら最後、二度と元の世界には戻れません、良いですね?』

 

僕は頷いた

 

管理者『貴方の新たな門出に私が新たな名前を授けましょう。貴方の名前は・・・・

 

 

『如月 勇也』、これが貴方の名前です」

 

勇也「ありがとうございます」

 

僕は扉を開いた

 

 

 

 




主人公設定です

名前 如月 勇也

年齢 16才

身長 170センチ

黒髪で短い

年齢よりは幼く見える時があり、本人は気にしている

異世界の元勇者

魔王を倒したが仲間の裏切りにあい、死んでしまうが管理者に助けられ、別の世界(現代の日本)で暮らす事になる

性格は穏やかで温厚だが曲がった事は嫌いで正義感がある

また、勇者だった名残で身体能力は高い


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新たなる1日

魔王討伐直後に仲間の裏切りにあった元勇者

管理者の計らいで違う世界で『如月 勇也』として生活する事になった

その最初の1日は・・・・


扉を開き目に入って来たのは・・・・

 

勇也「此処は・・・・部屋?」

 

どう見ても普通の部屋だった

 

家具は揃えてある

 

見たことの無い物もあるけど、この世界の物かな?

 

机には手紙が置いてある

 

『此処は貴方の部屋です。貴方には学校に通ってもらいい、この世界について学んで下さい。当面の生活資金は用意しておきました。新たなる人生に幸あらん事を 管理者』

 

学校かぁ・・・・

 

前の世界でも通っていたけど途中で召集されたからなぁ・・・・

 

しかし、管理者て結構世話好きなんだなぁ

 

声の感じでは女性みたいだけど・・・・

 

・・・・止めとこ

 

幼なじみの女の子に『女心がわかって無い!』て、何度か怒られた事があった

 

何か変な事思い出した

 

机の上には更に何冊か本が置いてある

 

どうやら、この世界の最低限必要な知識が書いてあるみたいだ

 

この場所は『ニホン』の『トウキョウ』という街らしい

 

本を読みながら外の景色を眺めてみた

 

見たことの無い高い建物がたくさん建っている

 

『ビル』という建物らしいけど、あそこにも人がいるのかな?

 

勇也「さて、とりあえず理解は出来たけど、どうしようかな?」

 

このまま部屋の中にいてもしょうがないし・・・・

 

ギュルル・・・・

 

勇也「あ・・・・」

 

そういえば、何も食べてないな

 

食材はあるかな?

 

レイゾウコというのに入っているはずなんだけど・・・・

 

・・・・無い

 

空だ

 

勇也「買い物行こう」

 

お金は机の引き出しの中にあった

 

それを持って僕は外に出かける事にした

 

 

 

勇也「へぇ~、結構賑やかな街だなぁ」

 

とりあえず出てきたけど、たくさんの人達がいる

 

王都なんて比べ物にはならないぐらいの人の多さだ

 

勇也「さて、食材は・・・・」

 

あぁ、あったあった

 

『スーパーマーケット』、僕のいた世界で言う市場みたいな物か

 

僕は中に入り物色を始めた

 

とりあえず野菜、肉、調味料、その他諸々を購入した

 

肉があらかじめ切ってあるのはありがたいよ

 

一々狩らなくていいし

 

お金を払って買い物は終了

 

さて、帰るとしよう

 

 

 

 

家に帰る途中

 

学生服を着た集団が前から来た

 

お喋りしているのを見て楽しそうだなぁ、て思った

 

僕もああいう友達が出来たら良いなぁ

 

僕の一族は先祖代々勇者の血を引いている

 

だから周りの人達は特別扱いされてきた

 

幼い頃から知ってる人達は関係なく友達付き合いはしてくれた

 

皆とももう会えないのか

 

急に寂しい気分になった

 

早く家に行こう

 

 

 

 

 

勇也「ただいま~、て誰もいないか」

 

部屋に帰ってきた僕は、食材を冷蔵庫に入れて、買ってきたお弁当を食べる事にした

 

流石に疲れたし、料理はこれから覚えよう

 

勇也「いただきます」

 

うん、美味しい!

 

やっぱり食べる、て大事だな

 

傷ついた時には薬草やらポーションを飲んで回復していたけど味気が無いもんな

 

お弁当を食べ終えて風呂に入った

 

風呂から出た後はそのままベッドに横になった

 

色々あったなぁ

 

多分、これからもッといろんな事が起こるだろう

 

あぁ、明日からは学校に通うのか・・・・

 

そのまま眠気が襲って来て僕は眠りに着いた

 




どうも作者です

何も起こらずに終わりました

登場人物は徐々に増やす予定です


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初登校

新生活を始めた元勇者『如月 勇也』

学校に通う事になるのだが・・・・




二日目

 

僕は学生服を着ていた

 

勇也「今日から学校に通うのか・・・・」

 

この世界には『ショウガッコウ』、『チュウガク』、『コウコウ』があり、『ショウガッコウ』と『チュウガク』は必ず通わなければいけないらしい

 

僕が通うのは『コウコウ』という所だそうだ

 

勇也「さて、行こうかな」

 

 

 

A高校

 

勇也「でっかい建物だなぁ・・・・」

 

地図を頼りに僕が通うA高校にやって来た

 

やっぱり僕の世界の学校とは全然違う

 

雰囲気だとお城に似ている

 

 

?「あー、そこの君」

 

勇也「はい?」

 

いきなり声をかけられた

 

?「如月勇也君だね?」

 

勇也「そうですけど・・・・」

 

?「この学校の職員だ。話は聞いているから案内しよう」

 

勇也「あ、よろしくお願いします」

 

職員という男性の後を着いていき、僕は学校の中に入っていった

 

 

 

 

教室に入る前に、この学校の偉い人『コウチョウ』に会った

 

話を聞くとこの人は管理者の事を知っているらしい

 

僕の身辺も聞いているらしく、労いの言葉をかけてくれた

 

少なくとも王様より信頼できる

 

さっき、僕を案内してくれた人は先生で『山本』というそうだ

 

校長「じゃあ、山本君、如月君をクラスの方に案内してくれ」

 

山本「わかりました。じゃあ如月君、行こうか」

 

勇也「はい」

 

山本先生に案内されて、僕は教室へと向かった

 

 

 

 

山本「それじゃあ、此処で待っていてくれ」

 

先に山本先生が教室に入っていった

 

ガヤガヤしていて賑やかな感じがする

 

山本先生が僕の事について話しているみたいだ

 

山本「じゃあ、入ってくれ」

 

先生の声で僕は教室の中に入った

 

驚きの声が聞こえる

 

勇也「は、はじめまして。如月勇也と言います。よろしくお願いします」

 

山本「如月君は、外国生活での暮らしが長いのでちょっと言葉とかがわからない部分があると思うがそこはみんなで協力してほしい。じゃあ、そこの空いてる席へ」

 

勇也「あ、はい」

 

 

 

 

早速、授業が始まったけど、正直、何を言っているのかわからない

 

まだ、こっちの言語についていけない部分がある

 

で、休み時間になると僕の周りに同級生が集まってきた

 

 

『何処から来たの?』とか『趣味は?』とか、色々聞かれた

 

どう返答すれば良いかわからなくて戸惑っていると

 

?「はいはい、矢継ぎ早に質問しないの。戸惑ってるでしょ。徐々に聞いていけば良いでしょ」

 

一人の女の子が納めてくれた

 

?「ごめんね、いきなり聞かれてビックリしたでしょ。悪気は無いから」

 

勇也「あ、大丈夫です。ありがとうございます。え~と・・・・」

 

?「私は『葉月 奈央』て言うの。よろしくね。如月君」

 

勇也「よろしく、葉月さん」

 

これが僕がこの世界で出会った一番最初の友達だ

 

 




どうも、作者です

ヒロインの登場です

軽く紹介を



名前 葉月 奈央

年齢 16才

身長 160センチ

勇也のクラスのリーダー的存在。両親共に警察官で本人も曲がった事が嫌いで勇也とも意気投合する。ただ、この性格のせいで中学の時は色々苦労したらしい

こんなキャラです。よろしくお願いします


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勇也の実力

元勇者『如月勇也』

都内のとある高校に通う事になった

はたして、その生活は?


学校に通うようになって数日が経過した

 

葉月さんを含めたクラスメイトとも徐々に打ち解けられている

 

授業の内容もだいぶわかって来た

 

ただ『国語』が難しい

 

聞くのは大丈夫だけど読み書きが・・・・

 

元の世界は言語は統一されていたんだけど、こっちだと国ごとに言葉があるからややこしい

 

それに文字でも、ひらがな、カタカナ、漢字等・・・・

 

最初、教科書を見た瞬間、頭から湯気が出そうだったよ

 

それでも、クラスメイトが教えてくれるからなんとかなってる

 

で、今は体育の時間だ

 

て、言っても僕の体操着は無いので見学なんだけど・・・・

 

今は『サッカー』というスポーツの授業をやっている

 

ボールを蹴って相手のゴールに入れるチーム戦らしい

 

と、僕の所にボールが転がって来た

 

同級生「勇也、悪いけどこっちに蹴ってくれ」

 

勇也「う、うん・・・・」

 

見よう見まねで蹴ってみる

 

バンッという音ともにボールは天高く飛んでいった

 

あ、ヤバい・・・・

 

力加減が出来てなかった

 

ボールはすぐに落ちてきたけど、若干穴らしき物が空いた

 

みんな、呆然としてる

 

勇也「え、え~と、力加減が出来てなかったみたいで・・・・」

 

同級生「勇也、凄いな!」

 

勇也「へっ?」

 

同級生「あんなに高く飛ぶなんて・・・・、トレーニングしたらすぐにエースになれるよ!」

 

勇也「そ、そうかな?」

 

同級生「そうだよ!」

 

何か恥ずかしい様な気分だ

 

 

 

 

奈央「勇也君てスポーツ万能なんだ」

 

勇也「万能て訳じゃないよ。ルールわかんないし。ただ体力はあるよ」

 

魔族やモンスターと戦ってきたからね

 

僕は葉月さんと一緒にいる事が多い

 

葉月さんが中心となって僕に色々教えてくれる

 

奈央「でも、勇也君はちょっと変わってるよね」

 

勇也「そうかな?」

 

奈央「だって、サッカーのルール知らないんでしょ?普通だったら知ってるよ」

 

勇也「そっか・・・・。僕が住んでた所はそういう文化が無かったからね」

 

奈央「勇也君て、どんな国に住んでたの?」

 

勇也「どんな国、か・・・・」

 

正確に言えば『世界』なんだけどなぁ

 

勇也「まぁ、ちょっと危険な所、かな?常に争い事があったりしていたから」

 

奈央「それって紛争地域、て事?」

 

勇也「まぁ、そんな感じ。だから、こうして学校に通えるのが楽しいんだ」

 

奈央「そうなんだ」

 

本当の事を言っても信じてくれない、と思うからオブラートに包みながら言った

 

嘘は言っていないつもり

 

ただ、後々この話が何故か僕のイメージが『紛争地域から日本に亡命してきた』、『実は戦場で戦っていた』とかになるんだけど・・・・

 

あながち、否定できないのが複雑




どうも、作者です

勇也はレベル99ぐらいの強さを持ってます

元いた世界の能力そのままこっちに来ている訳です

当然、魔力もあるし魔法も使えます


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勇也、ゲームをやってみる

元勇者の勇也がゲームをやってみたら・・・・?


近所のとあるゲーム専門店

 

?「勇也!このゲームなんてどうだ?」

 

勇也「面白いの?」

 

?「やった事無いからわからん!」

 

勇也「いや、やった事無いのを勧めて来ないでよ・・・・」

 

とある休日

 

僕は同級生の『仲山 亨』君に誘われてテレビゲームの専門店に来ていた

 

亨「でも、珍しいよ。全くやった事無いなんて」

 

勇也「そういう環境じゃ無かったから」

 

カゴには家庭用ゲーム機とソフトが2、3本入っている

 

1つはスポーツ系、もう1つはRPG、最後はシミュレーションゲームだ

 

クラスのみんなと話していると大きく話題になるのはテレビの事とかゲームの話

 

でも、僕はやった事がない

 

その話をしたら、仲山君が誘ってくれた

 

 

亨「そういえばセッティングとか出来る?」

 

勇也「ん~・・・・、多分わからない」

 

亨「じゃあ、一緒に行くよ。勇也て独り暮らししてるんだろ?興味あるから」

 

勇也「別に良いよ」

 

見られて困る物は無いしね

 

 

 

 

勇也の家

 

亨「結構広いな」

 

勇也「そう?他の家がどうなのかわからないんだけど」

 

亨「少なくとも独り暮らしには十分な広さだよ、じゃあ、まずはゲーム機を繋げて・・・・」

 

箱からゲーム機を取り出してテレビと繋げた

 

亨「設定も完了と。いつでもソフトを入れれば出来るぞ」

 

勇也「じゃあ、まずはスポーツ系からやってみるよ」

 

ソフトを入れて早速開始した

 

因みにいろんなスポーツが入っていて仲山君曰く『ルールも学べるから一石二鳥』らしい

 

 

 

亨「次はコレ。人気シリーズの最新作!」

 

勇也「魔王を倒す・・・・」

 

RPGゲームをやってみた

 

やってみてわかった

 

僕、実際にやってるよ・・・・

 

絵も似たような雰囲気だし、出てくるモンスターも似ている

 

最初は弱いモンスター相手に苦戦していたなぁ・・・・

 

亨「勇也、どうした?遠い目をしてるけど」

 

勇也「いや、何か心にしっくりする物があって・・・・」

 

亨「でも、こういうのて王道だよな。魔王退治して世界に平和が訪れる、て」

 

勇也「まぁ、魔王退治しても平和になるとは限らない、と思うよ」

 

亨「何で?」

 

勇也「魔王が退治されたら次は何が起こる、と思う?」

 

亨「次?」

 

勇也「次に起こるのは国同士の戦い、領地の奪い合いだよ」

 

亨「現実的な話だなぁ」

 

勇也「多分、そういう事が起こる、と思うんだ・・・・」

 

この話は父さんから聞いた話だ

 

うちは先祖代々勇者の血を受け継いでいるから父さんもかつて国の為に戦った

 

しかし、その先にあったのは国同士の戦い

 

魔王という共通敵がいたからこそ人類は協力出来た

 

でも、魔王がいなくなったら今度は人間同士の戦いが始まる

 

国語の授業で教わったことわざで『昨日の敵は今日の友』とは逆だ

 

父さんはそういう経験をしてるからひっそりと暮らす様になって、ある日姿を消してしまった

 

急にそんな事を思い出した

 

更にシミュレーションゲームの内容が敵を倒して天下統一を目指す物だったから心にグッと来た

 

 

 

亨君が帰った後、一人でやってみた

 

この世界では僕がいた世界は架空の物になっている

 

色々考えてしまった

 

 




どうも、作者です

ファンタジーの世界の住人である勇也がドラクエとかをやってみたらどう思うだろうか?

そんな事を思いながら書いてみました


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どの世界でも平和とは限らない

勇也から見た、この『世界』は・・・・?


ある日、校長先生に呼び出された

 

校長「どうですか?生活には慣れましたか?」

 

勇也「はい、みんな仲良くしてくれてます」

 

校長「そうですか、それは良かった。実は管理者から連絡が来ましてね・・・・」

 

勇也「管理者から?」

 

校長「君がいた世界、大変な状況になっているようです」

 

・・・・へ?

 

 

 

僕がこの世界に来た後、新たな魔王が現れた

 

各国の王は新たな勇者を探しだし、魔王討伐に乗り出した

 

僕以外にも勇者の血筋は他にもいる

 

そして、魔王は退治されたのだが、僕と同じように裏切りにあった

 

管理者は僕と同じように選択肢を与えた

 

彼がとった選択は勇者を捨て魔王となり世界を滅ぼす事だった

 

 

 

校長先生からその話を聞いた

 

校長「今、魔王により多くの国が崩壊しており人間も絶滅寸前だそうです」

 

勇也「そうですか・・・・」

 

校長「まぁ、一般人は管理者により保護されて別の世界で暮らしている様です。残酷な最期を送ったのは王族や兵士達ですから。厳しい言葉ですが自業自得という言葉が大変あっている、と思います」

 

校長先生の言葉にちょっと共感してしまった

 

罪の無い人達が命を落とす必要は無い

 

罪があるのは自分の事しか考えない一部の人達だ

 

でも、魔王になってしまった元勇者の思いを考えると胸が痛い

 

多分、僕と同じ、世界の為に魔王と戦った

 

でも、結果は僕と同じ裏切りにあった

 

彼の心は闇に支配されたんだろう

 

僕も一瞬、そうなったから

 

でも、僕はもう命を奪う事はしたくないからこの世界に来た

 

勇也、僕はもう元の世界には戻る事が出来ない

 

今は僕の人生を生きる事に集中しよう

 

 

 

 

校長先生の話を聞いた後、教室に戻って来た

 

次の授業は社会で世界情勢について学んだ

 

他の国では争いや貧困等、様々な問題が起こっている

 

話し合いで解決できれば良いが上手くいかない時は武力に頼ってしまう

 

まだ、話し合いで解決出来る余地があるだけマシだと思う

 

僕なんか武力オンリーだよ?

 

魔王を退治すれば平和になる、と思っていた

 

でも実際は違っていた

 

世界は思っているより複雑なんだ

 

 

 

 

勇也「何か疲れたなぁ・・・・」

 

肉体的よりも精神的に疲れた

 

テレビをつけるとニュースをやっている

 

勇也「毎日、事件が起こってるよなぁ」

 

しかも似たような事件が起こる

 

何で、こんなに起こるんだろうか?

 

まぁ、元の世界にも盗賊や強盗もいた

 

退治してほしい、と言われて退治した

 

大体、改心するんだけど、この世界ではそう単純では無いらしい

 

勇也「難しいなぁ・・・・」

 

そんな事を思いながらベッドに入った

 

 



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