東方外来訪 交わりの刻 ~繋ぎの糸は新たな合流点~ (プレインズウォーカー)
しおりを挟む

東方外来訪 4の刻 力の嫉妬のパチュリー

力、技術を得る、それにかかる時間は異なってくるものだ。

それが長い時間をかけて得られなかったら、挫折を味わう、これが短い時間で得られたらどんなにいいことか。


特定の何かを得るのにあっけなく得たのに対して長い時間をかけても得られなかった、そういった時間の嫉妬は誰だってある、今回はそんな話。


 地霊殿でホルスがさとりの思考と精神の読み合いと勝負してさとりが敗れてさとりは精神崩壊で倒れてしまう。

 

その現場に偶然居合わせたこいしだが、倒れたさとりを見てホルスを見るが、『そうやってにらんでいる間があるならお姉さんの事が大事だと思うが? ベッドで少し休ませておけば目も覚ます。』と言ってホルスは煙を立てて姿を消す。

 

 

~地霊殿~

 

こいし「燐、お空~~~!!」

燐「こいし様、どうかいたしましたか!?」

お空「何事ですか、こいし様?」

こいし「お姉ちゃんが倒れた、横に落ち着けるところに移動させて! 私は肌が冷えないもの持ってくるから。」

燐、空《わかりました、こいし様!!》

 

こいしは倒れたさとりを見て燐と空をよんで、客人が落ち着ける横の幅が長い椅子にさとりを寝かせて、その間に毛布を持ってくる、体が冷えるとろくなことがないから。

 

 

~三つ目の少女気絶から回復~

 

少したってからさとりは目を覚ました、精神と思考の読み合いを思い出しながら。

 

さとり「心が読めなかったとは・・・。サードアイがありながら不覚でしたね。」

燐、空《さとり様、お目覚めになりましたか!?》

こいし「お姉ちゃん、一体何があったの!? 心が読めなかったってどういうこと!?」

 

 

 さとりは頭を抱えながらゆっくり起きた、記憶の断片を探すのと同時に。

さとりの心中:(何といえばいいのかしら、外来者を【私の迷路に迷わせるつもりが逆に迷路に迷わされた】というか、使う言葉が難しくてこいしにはどういえば・・・。

こういえばこいしも理解してくれるでしょう。

燐とお空には席を外してもらいましょうかね、こういった分野は専門外だから。)

 

 

さとり「迷惑をかけてすまないわね、こいしに燐にお空、私は大丈夫だから・・・こいしはここに残って燐とお空はそれぞれの場所(仕事)に戻りなさい。」

燐、空《わかりました、さとり様。》

 

 燐とお空はそれぞれの仕事に戻っていく、気になるところではあるが【好奇心】は【地の毒】と【蝕み】がある、さとりの前には隠し事はできないのだ。

 

 目の前にいる夢遊病に似て非なる無意識の妹をのぞいては。

 

 

さとり「私は外からの訪問者の相手をしてきたのよ。」

こいし「それってホルスさんのこと?」

さとり「そう名乗っていたわね、彼は、こいしには私の説明が難しくて理解は遠く及ばないでしょう。」

こいし「何ていえばいいのかな、お姉ちゃんがそのホルスさんって人と心理の読みあいをして歩く道を迷わされて、お姉ちゃんが【出口と思った場所が足がつけるところがなくて落ちちゃった】って感じかな?」

さとり「大体そんな感じよ、こいし。

私が【精神壊しの罠】にはまるとは、姉として合わせる顔がないわ。」

こいし「お姉ちゃん、気を落とさないで・・・。」

 

姉妹は慰めあっていた、そこに天狗がおかしく脚色化していることまでは気づかず。

 

~外~

文「姉妹同士で傷をなめあう道化芝居、いい記事になりそうですね、あやや~。」

 

記者は真相、好奇心を追うことが仕事の一つ、だがそれは意図的に真実の中に嘘を入れて【嘘か真か】ぐしゃぐしゃにさせる、あやふやにする。

見たものの反応を楽しむ、視点を変えれば悪趣味だ。

 

文「さて、人里に配りに行きましょうかね~♪」

 

ニヤニヤとした顔をしながら文は地麗殿から飛び出した、その紙切れには『さとり、外から来たものの謎の能力にて敗れたり、外から来たものは何者か!?』との記事が・・・。

 

ヤマメ「軽はずみな事は部族同士の争いになるから、漏れ出しはやめてほしいな。」

文「あやや~~~!?」

キスメ「・・・。」

 

ヤマメはたまたまだが文の姿を見ていたため、その姿を見逃さなかった、無数の蜘蛛の糸を張って身動きが取れないようにして文は包帯のように巻かれて動きが封じられて、キスメは口にチャックをしたかのように無言を貫き、井戸を文の頭の上に落として気絶させる。

 

ヤマメ「地霊殿の主に変な噂が流れては、すんでいるこちらも恥をかくんだよ。」

そういいながら、キスメに見張りを頼み、勇儀のところまでいって文を黙らせるのであった。

 

 

~同じ頃・ホルスは~

 

ホルス「ここなら大丈夫かな・・・プレインズ。」

ホルスは裂け目を作って出てきた、そこは広い平地だった。

 

地図を出して、次の行動を考えた。

さてどうしたものか。

ひまわり殿と鏡花殿と落ち合う事も考えなければ・・・。

 

 

 

一方、アリスは自分の家をでて紅魔館に向かっていた、パチュリーに借りた本を返すために。

 

アリス「借りていた本の期限は明日までだったわね、パチュリーの気が悪くならないうちに返しに行きましょうか・・・。」

上海人形、蓬莱人形「しゃんは~い!ほうら~い!」

アリス「全くどこかの白黒さんも返す事を考えてほしいわよ、パチュリーの機嫌が悪くなったらどうするんだか、借りている私の立場にもなってほしいわ、全く。」

 

白黒と言うのは霧雨魔理沙、とんがり帽子で魔法使いだ。

女の子なのに口調はなぜかぜをつける癖がある、アリスが白黒とたまにいうのも納得である。

いずれは【キランの真意号】に搭乗させる事は、いやいや、とうじょうの意味が違う。

魔理沙を登場させることは保証しておこう。

 

 

~紅魔館(門)~

 

アリス「・・・。頭が痛いわね、門番は目を覚ましていないと意味がないでしょうが・・・。」

 門番は寝ていては意味がないでしょうがと軽くツッコミを入れるが・・・。

明鈴「聞こえていないと思っているんですか、失礼ですよ、アリスさん。」

アリス「アラ、ごめんなさい。気分を害させて、パチュリーに本を返しに来たのだけど、通してもらえるかしら?」

明鈴「いいですよ、どうぞ。」

アリス「ありがとう。」

 

 寝ているのか狸寝入りなのか、首をつっこむのはやめておこう。

明鈴は寝ている時はなぜか、力が強い、それは全くの謎酔拳をやっているわけではないのに、どこをどうすればそうなるんだか。

 

~紅魔館(中)~

 

アリス「咲夜、パチュリーから借りた本を返しにきたんだけど、案内頼めるかしら?」

 アリスが中に入ると【時間のねじれ】が入るかのように咲夜がやってきた、咲夜はレミリアに仕えるメイドでメイドの中では鏡の中の鏡、どこかの懲りないでさぼりまくる鎌を持った少女は見習ってほしいものだ。

咲夜「いらっしゃい、アリス。パチュリー様ならこちらよ。」

アリス「恩にきるわ。それと手ぶらじゃ悪いから、手作りのお菓子よ、みんなで食べてね。」

咲夜「ありがとう、アリス。 全く、パチュリー様の好敵手(魔理沙)はアリスを見習ってほしいわ。」

アリス「それは難しいんじゃないかしら?

魔理沙にそれを言っても無理な話よ。」

 

 案内しながら軽く話しをするアリスと咲夜、そうこうしている間に図書館についた。

 

~図書館~

 

咲夜「パチュリー様失礼いたします、アリスが本の返却にまいりました。」

パチュリー「ありがとう、咲夜。下がっていいわよ。」

咲夜「かしこまりました。 私はレミリアお嬢様のところに戻りますね。」

 

 咲夜は姿を消した。アリスが何か違う感じをしたが咲夜は後々の事を考えて口には出さなかった。

パチュリーとアリスは同じ魔法使いという事ですごく仲がいい、たまに魔理沙がその中に入ることもあり時々、魔理沙が二人の【綱引き】、【やじろべえ】になって振り回されることもあるが、魔理沙自身にとって【繰り返す悪夢】同然だ、その話はまたあとで語ろう。

 

パチュリー「アリスはちゃんと返してくれるからいいわ、それにくらべて魔理沙は・・・。」

アリス「私も同じく思っていることよ、借りるのなら最低限の事は守ってほしいって思うわよ。」

パチュリー「アリス、あなた私に何か隠していないかしら?」

 

え?パチュリーに隠し事って一体何の話よ、心当たりはないわよ、本は返しているし、何かの間違いなんじゃ?あれこれ考えているアリスにパチュリーは続ける。

 

パチュリー「私の目は節穴と思っているのかしら、アリス?

あなたが膨大な魔力を持っているのはお見通しなのよ?  違う魔力を感じとれるわ・・・。

この力はプレインズウォーカーの力・・・。」

 

アリスが何でパチュリーがプレインズウォーカーについて知っているんだ!?って驚きの表情をしながらパチュリーは・・・。

 

パチュリー「私は書物でプレインズウォーカーの存在を知っているのよ、私は何度も何度もその灯火(ともしび)を宿らせようとしているのに失敗ばかり、ねえアリス、どうやって身につけたのよあなたは、このプレインズウォーカーの力を!?」

 

がくがくゆさゆさ、苛立ちが隠せないパチュリーを見てアリスは冷静に・・・

 

アリス「パチュリー、落ち着いて頂戴!! 私は外の世界で迷い込んだものを助けてその人がたまたまプレインズウォーカーだったのよ、プレインズウォーカーの灯火(ともしび)を正しいほうに使っていこうと灯火を受け継いだ、それだけよ。」

パチュリー「そんな作り話信じられると思うのかしら?」

 

 パチュリーは長く時間がかかってもプレインズウォーカーの灯火を宿らせるのに何度も失敗して、一方のアリスは成り行きとはいえあっけなく身に着けてしまったことにより、時間による嫉妬だった。

 

 

 同じ技の習得でも取り組み方によっては個人差はある、【黄金の願い】、【狡猾な願い】、【燃え立つ願い】、【生ける願い】願いをかけて望むものが手に入ったからといってそれをこなせる技量まで願うものはいるだろうか?

 

それはいない、望むものが手にはいった事とそれをこなせる技量は別々だからである。

 

野球で同じ番号を受け継いだとしてもチームのメンバーは同じく見るだろうか、それもないといっていい。

 

 

レミリア「パチェ、アリスが言っていることはパチェにとっては受け入れがたい事だけど真実よ。」

 話に収拾がつかないためレミリアは翼をばさばさ広げてアリスとパチュリーの間に下りる。

パチュリー「どうしてあなたが入ってくるのよ、レミィ?」

レミリア「紅魔館の主と同時に親友として心配して来たのよ、私は。」

アリス「レミリア、パチュリーがなぜプレインズウォーカーについてそんなにこだわるのよ?」

レミリア「話すと長くなるからね・・・見過ごせない事があってね・・・。」

 

 

レミリアはゆっくりと話すのであった。

 

 

 




この話を思いついたのはほんの一握りの人しか入れない生徒会を舞台にしたアニメ極上生徒会からの1話から2話の間です。

ポジションを狙う事は長く時間がかかり、得たものは次に狙うものに対して隙間、付け込む余地を与えずその場を守っていく、そういった競争はどこだってあります。


生徒会の一席を争うのに力を蓄えていたのに、その一席を何の経験もない上京したばかりの生徒にあっけなくとられてしまったら、その一席を狙っていたものはどう思いますかね?

1年かけて狙っていたのに上京したばかりで何の経験もないものがあっけなく一席の確保はおかしい、長い時間をかけてきたのにこんなのはない!!って憤りが隠せないと思います。
(極上生徒会の2話でそういったやりとりがあります。)


時間による嫉妬は誰でも生じる、私はそう思っています。

目の前にあるものがもうすぐ手に入ると思ったところで、横から掠め取られた事があっても怒りに身を任せてはいけませんよ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

東方外来訪 5の刻 間違いは時が過ぎれば正しさの砂

間違いを起こさないものはいない、正しいと間違い、これらは常にぶつかり合い、時間が過ぎることで正しかった事が間違っていた事、間違っていた事が正しかった事になりうる。

 だが間違いを主張する事が許されない、そういった事が長引いたらどうなるのだろうか?

 そばにいる友達が間違いを教えてそれが後に正しかった事となる、今回はそういうお話である。


パチュリー「その話はしないで、レミィ。」

 

パチュリーはアリスには知られたくないことだから話さないでほしいと言い出すがそのとたん、レミリアは態度が変わり愛用の槍グングニルを構えて、パチュリーの首元に突きつけて、にらむように話す、その瞳は反論のはの字も異の声のいの字も許さないくらいすさまじいものであった。

 

レミリア「力の研究にのめりこみすぎて、後先の時、周囲を考えないで振り回したのは誰なのかしら? これ以上言うなら、首と体がわかれる事になるわよ?」

 

レミリアとパチュリーの会話を見ててアリスには話さないという事に関しては首を縦にふれない、【反論】したら肉体と精神の【断絶】があなたをねじ切りにするわよ? それでもいいのかしら?っと言わんばかりの空気を読み取る。

 

アリス「レミリア、上海がおびえているから温厚な態度をお願いできないかしら?」

 

上海人形はアリスの後に隠れてがくがく震えておびえていた、凍りついた雰囲気はドン引きそのものだ。

 

レミリア「少し大人気なかったわね、アリス。」

アリス「理解が早くて助かるわ、パチュリーに何があったの、どうしてプレインズウォーカーをパチュリーが知っているのよ?」

 

アリスはなぜ、何でと問いかけるがレミリアは・・・。

 

レミリア「あわてないの、ちゃんと話すから。

研究にのめりこんだパチェはとても見ていられたものじゃなかったよ、アリス。 小悪魔が指摘したくても指摘しにくい、そういった空気が蔓延(はびこ)っていたのさ・・・。

話す前に・・・咲夜~~!!」

咲夜「およびでしょうか、レミリアお嬢様?」

レミリア「話すとのどがかわくから紅茶をお願いね、アリスとパチェも一緒で。」

咲夜「かしこまりました。」

 

レミリアは咲夜をよび出して紅茶を持ってくるように頼んだ、話が長くなるとのどのかわきも生じる、水分の補給は欠かせないのだ。

メイド長が紅茶の準備をしている間にレミリアは話し始めた。

 

 

~回想・紅魔館(図書館の中)~

 

小悪魔「パチュリー様、必要なものを買ってきました、ここに置いときますね。」

パチュリー「ありがとう、小悪魔。助かるわ。」

 

小悪魔はパチュリーに必要なものを買ってきてって言われて【それ】を机に置いた。

小悪魔「何なんですか、パチュリー様、それは?」

パチュリー「それを聞いてどうするのかしら? 聞いて自分の心を満足させたいの?

二束三文の新聞記者(文の事)のような事はどうかと思われるわよ?」

 

小悪魔は聞かれたくないことだと察知してパチュリーに謝る。

小悪魔「立場を考えないで先走った行動をお許しください、パチュリー様!!」

パチュリー「わきまえを心がければいいのよ。

それとこのことはレミィには話さないででね。」

 

小悪魔はほっとしたが、同時に不安も感じた、レミリアには話さないでほしいというのがひっかかったからである。

 

 

パチュリーが小悪魔には知られたくない【それ】は【外の世界のプレインズウォーカーの書物】であった、パチュリーは図書館の中から退屈をしのぐ本がないか探していたら

【強大な魔力を持った者】の本だった、これを応用すれば、今より強い力を持てる、そういった認識があった、だが、確信となるものがあればと思いパチュリーは子悪魔に頼んで香霖堂に行かせたのである。

 

 

香霖堂はさまざまなマジックアイテムを扱う店だが、その店の主はその使い方までは理解できない。

おまけに整理は苦手、おいおい、どこかの白黒のとんがり帽子のお譲ちゃんか。

 

 

・香霖堂・

霖之助「これは全く理解できない書物だな、誰か興味を持ってくれるものは咲夜さんの身内あたりかな?」

小悪魔「ごめんください、霖之助さん、何か珍しいものはありますか?

パチュリー様のお使いできたんですけど・・・。」

霖之助「あ、紅魔館の・・・。パチュリー・・・ああ、なるほど。

咲夜さんのところならこれを生かしてくれるだろうな。」

小悪魔「お金はこちらに置いときますね。」

霖之助「しっかりとしたお使いの方だ、僕も助かる。」

小悪魔「何かあったら頼りになりますからね。」

 

 

小悪魔は頼まれたものを受け取って紅魔館に帰っていった。

その書物が【パチュリーに研究をのめりこませる】とは思ってもいなかったのである。

 

 

~~紅魔館・図書館の中~~

 

パチュリー「灯火がうまく宿らない! なんでよ!! 大抵の魔術はうまくこなせるのに!!」

小悪魔「パチュリー様、体を休ませたほうがいいですよ。」

パチュリー「黙っていなさい、小悪魔。

これは私の問題よ、はあ、はあはあ。」

 

パチュリーはプレインズウォーカーの力を得ようと研究にのめりこみすぎていた。

うまくいかない事に苛立ちが隠せず、時には小悪魔にあたってしまうこともあった。

 

 

【言いたい事を言う事】と【言わなければいけない事を言う事】は全く違う。

ホントに言ったらアグ二シャインで焼かれることを考えると怖くて言い出せなかった。

 

 

小悪魔「パチュリー様が危ない、でものめりこみすぎて聞く耳を持ってくれない、どうしたら・・・。」

レミリア「何追い詰めたような表情をしているの、小悪魔は?らしくないわよ。」

小悪魔「レミリアお嬢様!! レミリアお嬢様と咲夜さんにはお伝えしたほうがいいかなと思っていたんですが私の身が危うくなることを考えると・・・。」

レミリア「お話を聞きましょうか?」

 

 

~従者、主とほうれんそう中~(報告(ほう)連絡(れん)相談(そう)

 

レミリア「パチェは研究にのめりこみすぎて我を見失っているわけね。」

小悪魔「はい、そういうことです。私はどうすればいいんでしょうか?」

レミリア「咲夜には伝えておくわ、小悪魔、あなたはパチェの動きを見ていて、何かあったら、私が【間違いを教えておく】わ。」

小悪魔「わかりました、パチュリー様のことをお願いします。」

 

 

しばらくのち、諦めが悪いパチュリーは我を見失うかのように研究に没頭していた。

自分の体には喘息があることを忘れて・・・。

 

 

そして、小悪魔が予想していた事が起きてしまう。

 

パチュリー「げ・・・は・・・。」

 

パチュリーは研究にのめりこみすぎて横になっていて意識を失っていたのである、子悪魔がパチュリーを見つけた時は小悪魔は急いで咲夜のところに行き、パチュリーを部屋に寝かせ、永琳に力を貸してもらったのである。

 

 

永琳「研究によるのめりこみ過ぎね、喘息もあるから薬を出しておきます。

それと、今後はこういった事がないように。」

咲夜「ご迷惑をおかけしました。」

 

 

数日後・・・。

 

パチュリー「ここは、私の部屋・・・?」

目を開けてその場にはレミリアがいた、レミリアはパチュリーの間違いを正そうと・・・。

ぱし!! 右手でレミリアはパチュリーを平手打ちした。

 

パチュリー「!?」

レミリア「研究ののめりこみもいい加減にしろ!!

いくらやっても届かないものは届かないんだ!!

のめりこみで周囲にいるものがどれだけ振り回された事がどういう意味か、よく考えろ!!」

 

レミリアは平手打ちをしながらないていた、その手には【間違いを正すという意味も込めて】。

 

レミリア「小悪魔がいなかったらどうなっていたか分からなかった、それを忘れるな。」

 

レミリアはパチュリーの部屋から出る。

 

レミリア「悪役はつらいな・・・。」

咲夜「そんなことはありませんよ、レミリアお嬢様、パチュリー様はわかっていただけますよ、長い友達なのですから。」

レミリア「間違いを正す事がホントの友達っていうものさ、咲夜・・・。」

 

パチュリーはレミリアが言っていた事を理解して研究を諦めた。

どこで始めてどこで終わりにするかの線引きと考えて。

 

 

~レミリア、過去語終了~

 

レミリア「そういう事があったのよ、アリス。」

アリス「なるほどね、過去に自分が手に入れたいと思っていたものに手が届かなくて、届いたものに嫉妬を抱くのも無理はないわね。」

レミリア「パチェ、落ち着きは戻したかしら?」

パチュリー「冷静さは取り戻したわよ、あの時は悪かったわ、レミィ。」

レミリア「分かってくれればいいのよ、それと謝る相手がもう一人いるんじゃなかった?」

パチュリー「分かっているわよ、レミィ。

アリス、さっきはごめんね、過去がフラッシュバックして煩わせの【衝動】に走って・・・。」

アリス「気にしないでパチュリー、そういった衝動は誰だってあるんだから。」

咲夜「ちょうどいいところでしたね、紅茶をお持ちいたしました。」

レミリア「話を終えてのどがからからだよ、ゆっくり紅茶を飲もうか。」

 

少女達は紅茶の時間を楽しんでいた。

 




どうも、東方とドミナリアのプレインズウォーカーです。

自分が正しいと思えば思うほど、意固地になればなるほど幸は遠のいていくものです。

私は間違いは恥ではなく学習するものと考えています、最初は理解してもらう事は難しいけど、時間がたてばそれが正しかったって解ることもあります。

私としては間違いが許されない事が続くと後々大変な事になるという事を、忘れないでほしいですね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

東方外来訪 6の刻 巫女と妖精の戯れ

紅魔館でアリスはパチュリーの過去をレミリアから聞かされるが、そういった事はだれにもあるから気にすることはないとパチュリーを許すアリス、話を終えたレミリアは紅茶を飲んで一息つく。

 巫女のプレインズウォーカー鏡花は人里にいた、氷の妖精チルノが二代目霊夢だ、霊夢が弟子をとったとか勝手に騒ぎ、鏡花は困惑して妖精の戯れに巻き込まれていくのであった。


~紅魔館~

 

アリス「紅茶のおまけと言っては何だけど私が作ったお菓子は一緒にどうかしら? お口に合うといいけど・・・。」

パチュリー「アリスが作るお菓子はうまいわよ、アリスのお菓子と咲夜の紅茶、踊りと舞いの共演は水の上に足をつく白鳥よ。」

レミリア「パチェ、それ、私が言おうとしていた事よ、先に言わないでくれるかしら?」(ぷう)

パチュリー「紅魔館の主様がそういった事でつとまるのかしらね?

先行き不安だわ。」

レミリア「パチェ~~話をはぐらかすんじゃな~~~い!!」

パチュリー「はい、はい。

私が悪かったわ、ごめんなさいレミィ。」

 

やれやれと苦笑いしながらもその様子を楽しんでいるアリスだった。

アリス達は紅茶とお菓子の時間に嗜んで、このタイミングなら切り出してもいいかなと思いパチュリーは話を切り出す。

 

 

パチュリー「アリス、少し話があるけどいいかしら?」

アリス「どういったお話かしら、パチュリー?」

レミリア「おやおや、嫉妬は抑えられないのかい、大図書館の賢者様は?」

パチュリー「真面目な時に、茶化さないでレミィ!」

 

パチュリーを茶化すレミリアだが、それがパチュリーには悪ふざけと見られてしまったようだ、パチュリーは遠距離操作で本を操作して本の角をレミリアの頭にぶつけて、レミリアを黙らせる。(ごん!)

 

 

パチュリー「真面目な時に茶化すからよ、全く。」

アリス「まあまあ、落ち着いたパチュリー?」

パチュリー「醜態さらして悪かったわね、アリス。

話というのは、私はあなたに力を貸したいの。私が手に届かなかったものをあなたはもっている、少し嫉妬したけど、あなたの力は本物よ。」

アリス「いいけど、ちゃんと体の事は考えなさいよ。

それと線引きも忘れないで頂戴。」

パチュリー「?」

アリス「パチュリーは本を読むことに没頭していて時間を忘れてしまうじゃない。

どこで初めてどの辺で終えるか、そういった【線引き】も大切なのよ。

私は《ぬるま湯》というものは好きじゃないから。」

 

アリスのいうぬるま湯という意味はそのままのぬるま湯の意味ではない、中立の意味である、中立は線引きの意味もあわせもつからだ。

パチュリーはアリスが言いたい事を理解して続ける。

パチュリー「アリスって霊夢に似ているわね、中立とはっちゃけなところ、私はそういったのは嫌いじゃないわよ。」

 

アリス「話は分かったわ、どうして霊夢がそこに出てくるのかは別にいいけどね。

紅茶うまかったわよ、借りたい本があるけど、いいかしら?」

パチュリー「こちらもお菓子ごちそうさまだったわ、新しい本は見方を変えれば【蓄積した知識】と【知識の渇望】そのものよ。

借りる本があるなら、そこにあるメモにちゃんと名前を書いておいてね。名前を書いておかないと・・・。」

レミリア「本に憑依した幽霊がアリスを宝箱に化けたミミックみたいにばっく!!って食べてしまうわよ~。目をさめた後は・・・。」

パチュリー「はい、ストップ!! 悪ふざけはそこまでよ!!」

 

ぺし!!

レミリアの悪ふざけには本角アタックでレミリアのおなかに深いツッコミを入れるパチュリーだった。

本角アタックでおなかを抱えながらレミリアは・・・。

 

レミリア「ちょっと、痛いわよ、パチェ!!」

パチュリー「悪ふざけをしたレミィが悪いのよ。」

レミリア「パチェなら本の扱いを粗末にするものには紙切れに怨霊を宿らせて本の中に封じ込めるようなことやるわよ!!」

パチュリー「踏み倒しを許さない【封じ込めた僧侶】じゃないでしょうが。」

レミリア「今、僧侶って言ったわね、吸血鬼にとって聖なる物は苦手な事分かっているでしょうが!!」

パチュリー「ええ、言ったわよ。

でも目の前には僧侶はいないでしょう。

本を大事にする私でも紙切れに怨霊をつかせるようなことはしないわよ。」

 

 

パチュリーとレミリアのやり取りを聞いていてパチュリーは本を大事にするからやりかねない、いや絶対やるって思いつつそれは言わないでおこうと思ったアリス、こほんと一息入れて。

 

アリス「あの、パチュリー。少し落ち着きましょうよ?

熱くなるなら置いてけぼりにされている立場を考えてもらえないかしら?」

パチュリー「あら、ごめんなさい。アリス、待たせてしまって。

ふむふむこの本ね、小悪魔、この本とこの本を引き出して頂戴。」

小悪魔「かしこまりました、パチュリー様。」

 

我に返ったパチュリーはアリスに本を貸してアリスは紅魔館から出て行くのであった。

 

アリスは少しパチュリーとレミリアの話のやり取りを見ていて上海と蓬莱に似たような事をやらせてみようかなとは思いつつ・・・やっぱりやめておこう。

 

魔理沙「この成果を試すには館がいいな、お宝入手のためにレッツラゴーのぜ!」

 

紅魔館の外には魔理沙がいた、魔理沙は侵入がばれない外套を作って【不可視】で誰からも感知できないようにしていた。

 

アリス「・・・?」

上海人形「??」

アリス「何か聞こえたような・・・気のせいね。行きましょう、我が家に。」

 

 

アリスは外に誰かいるような雰囲気を感じたが、気のせいと思い込んだ。

魔理沙「危ない、危ない、アリスがいたとは。

気づかれるところだったのぜ、さてさて侵入、侵入。

冒険はロマンと勇気がいるのぜ。」

 

さてさて、白黒のとんがり帽子のお譲ちゃんが待ち受ける結果は何か?

 

それは新たな刻で・・・。

 

 

 

 

~人里・寺小屋~

 

チルノ「あいつら弱すぎ、最強のあたいにかなうものはいないんだよ!!」

慧音「まったく、はっちゃけは困ったものだな、チルノ。

最強の意味を間違えている・・・。」

 

光の三妖精はチルノにおびえていた、慧音は目に余るチルノの行動には手を焼いていたのである。

 

何かを育てる、改める、これは誰かの力がなければ出来ないものだ、強ければ何をしてもいいことにはならない、逆に【精神的つまづき】から学ぶ事から逃げている。

 

チルノ「あいつらは弱すぎ!!かくれんぼしても鬼ごっこしても骨がない。

最強のあたいの気持ちは慧音先生にはわからないものなんだよ!!」

慧音「もてあそんでいる力は理解するが、逆におびえさせてどうするんだ?

最強、最強・・・お前の目指す最強はおびえさせることなのか、それは違うだろ?」

 

慧音はチルノの心情をくみつつ、話を続ける。

 

慧音「チルノ・・・せめてまとめ役は考えられないか?

まとめ役があってこそ、導く標だと思うんだが・・・。」

チルノ「いやだね!!」

慧音「チルノ!!」

慧音の考えは伝わらず、チルノは寺小屋から飛んで出て行く、それを心配するかのように緑髪の妖精はチルノの後を追いかけていく。

 

大妖精「チルノちゃん!!」

慧音「全く、どうすればわかってくれるのか・・・。

私は教える事には向いていないのかもしれないな・・・。」

 

 

 

 

 

鏡花「ここが人が集まるところ、【交易所】が一部あってもおかしくないところですね。どういった場所であれ人との繋がりは大切・・・。」

 

鏡花は巫女服の袖を入れながら歩いていた、【繁栄】は繋がりがあってこそあるものであって、【袖の下】による繋がりは邪と考えるのが鏡花の考えである。

それもそうだ、【袖の下】がもたらすものは負の鎖だからだ。

 

鏡花「お二人は無事なのでしょうかね、面晶体で連絡をとってみましょうか・・・。

ひまわりさん、ホルスさん私の声が届いていれば返事をお願いします。」

 

ホルス「私は聞こえているぞ、鏡花殿? 私は平地にいる。」

ひまわり「その声は鏡花じゃな? 私は桜が舞うところを探しているところじゃ。」

鏡花「無事ならいいのです、お二方どこかで落ち合いましょう♪」

 

無事でほっとする鏡花だが、そう思ったのは束の間寺小屋から飛び出してきたチルノと頭をぶつけてしまう。

 

大妖精「チルノちゃん!!」

 

お互いの頭がごっち~ん!!

 

そのはずみで鏡花は面晶体を落としてしまう、何とか拾おうとするが、拾おうと思った時、運悪くそれはチルノの方にあった。

 

チルノ「ん?何だこの四角いのは?」

鏡花「それ、返していただけませんかね、妖精さん。 私の物なんですけど。」

チルノ「これはあたいがひろったものだよ。こういうのは先に拾ったもの勝ちなのさ!!」

 

チルノから見て面晶体は宝物のように見えた、手放したくないというのも無理はあるまい。

チルノは鏡花の格好を見て(巫女衣装が赤と白の組み合わせで【聖なる鍛冶場】)、ありえない事を言い出す、そのことが予想もしない事になっていく。

 

チルノ「あんた、二代目霊夢?」

鏡花「霊夢? 私はそのような名前の方は存じない・・・。」

チルノ「じゃあ、霊夢は弟子をとったんだね?」

 

 

二代目霊夢に弟子入り?一体何の話だ、一方的な主張ばかりで話が読めない、困惑する鏡花。

 

 

チルノ「霊夢に弟子入りしたっていうならあたいが腕を試してやる!!

取れるものなら着いてこい!!」

 

チルノはそういって鏡花が持っていた面晶体を持って人里から飛び出してしまう。

 

鏡花「返しなさい!!こうなったら術を・・・!!」

大妖精「ダメです、外の世界の巫女さん、ここで騒ぎを起こすのはダメなんです!!

騒ぎを起こしたら霊夢さんが黙っていませんよ、チルノちゃんの行動は私が謝ります、ごめんなさい。」

 

術で捕まえようとするが大妖精にとめられる、騒ぎを起こしたら後々の事が大変なのは明らかだからだ。

ぶつけるつもりがなかったと主張しても、騒動の巻き添えを受けた立場だったらどう思うのだろうか?

意図がなくても悪い意味で受け止められてしまうだろう。

 

鏡花「私は返してもらえればいいだけなんですけどね、緑髪の妖精さん、私は鏡花とかいてきょうかと申します、水色の妖精はチルノで、あなたは・・・?」

大妖精「私は大妖精です、鏡花さん。チルノちゃんの友達です。」

鏡花「行き先に心当たりはありますか?」

大妖精「チルノちゃんの行くところには心当たりがあります、それとお花畑の管理人さんには気をつけてください、私が道案内をします。」

 

チルノの行く先には心当たりがあると聞いてほっとする鏡花、大妖精が道案内をすることでほっとするが、妖精の戯れには勘弁してほしいと思いつつ、それを口にせず、次の行動に移ろうとする鏡花。

 

 

戦場では反省している時間はない、ぼやぼやして戸惑っている時間があったら、糸をつかんで正しい標を見つけないと、そう思っていたのであった。




レミリアの扱いが少しひどかったかな・・・。

それとMTGのカードの説明をアリスとパチュリーがやる補語、東方魔札語(とうほうまふだかたり)も面白いかも。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

東方外来訪 7の刻 言葉は嘘をつくが自然に嘘偽りはない

チルノに面晶体を奪われてしまった鏡花、奪い返そうと術をかけようとするが、大妖精に止められる。

 チルノは独占したいためにある場所に逃げるが、そこは花を踏みにじられたら理由関係なく情け容赦ない大激怒を下す管理人の場所であった!!

戯れな妖精とそれに巻き込まれた巫女はどうなるか?


~人里から離れたところまで妖精と巫女お話とおいかけ中(巫女は歩み妖精は飛び)~

大妖精「こっちです、鏡花さん、私が飛んで案内しますからついてきてください!!」

鏡花「気配り感謝しますよ。大妖精さん。」

 

大妖精はチルノの事を鏡花にわびると同時にチルノが行くところに心当たりがあるというのを聞いて道案内を名乗り出た、鏡花は信用して大丈夫と思いうなづいた。

 

早く取り戻さないと、悪用されたら大変な事になる、鏡花は焦りを感じていたがその焦りを大妖精には悟られないようにした。

 

悪用される事は正しく使うものが間違った使い方で時にはそれが取り返しにならない事になりかねない、あれこれ疑っていれば音も凶器に食器も凶器、道具も凶器で着る物も凶器に木の枝も凶器・・・【平和な心】を保っているように装って近づいて言葉巧みにだまして大量の霧散兵器(悪く言えば多くの灯火を消す)を作らされた事がきっかけで

物作りに興味を持たなくなることがあってもおかしくはないし、ふしぎじゃない。

 

鏡花「私は外の世界から来たものですが、チルノという妖精はいつもああいった性格なんですか?」

 

鏡花は飛んでいる大妖精をついていきながら、気になったことを話す。

 

大妖精「チルノちゃんは悪い子じゃないんです・・・でも。」

鏡花「でも、何ですか?  私は大妖精さんとチルノさんの間のことはわかりませんけど、溜め込んでいたものは話したほうがいいですよ?

そのほうが後々よいと思いますよ?」

大妖精「チルノちゃんはいっつも最強にこだわって、それが悪い方向に行ってしまったんです、寺小屋に通う光の三妖精はおびえてしまって、慧音先生が何とか正そうとしてもチルノちゃんは聞く耳を持たなくて、私はただ見ているしかできませんでした。」

鏡花「なるほど、そういうことがあったのですね・・・。

あれは・・・?チルノさん?」

大妖精「あ、本当だ、チルノちゃん待って~~!!」

チルノ「げ!!二代目霊夢に大妖精、あたいにおいかけっこで勝とうなんざ、まだまだ早いよ!  これでも食らえ!!」

 

チルノは手から氷のビームを放ち鏡花をけん制する、妖精は戯れがすきなのは分かるが氷のビームを放つのは見たことがない、鏡花はすれすれでよけて次の一手を放つ。

 

鏡花「危ない、おいたが過ぎますよ、チルノさん。少し大人げなく行きますかよ・・・。」

 

鏡花はそういって印を結び始めた、鏡花は自然の魔術に長けているのだ。

チルノは何にもできることはないと思っていたが・・・。

 

鏡花「草!世!木!  自然術【葉の矢】!!」

チルノ「え!?葉っぱが矢みたいに飛んでくる!!」

大妖精「!?」

 

よけなきゃよけなきゃあたいがやられるよ!!

チルノは少しパニックになって【葉の矢】を避けるのに精一杯だった、飛行生物にとって翼、羽に攻撃を受ける事は致命傷になるからだ。

それで飛べなくなって川、湖、滝に落ちてしまうことがあってもおかしくはない。

 

チルノは体勢を立て直して、どうしたらいいか考える、よし!これで行こう。

だが所詮は妖精でバカで考える事は浅はかだ。

 

 

チルノ「この考えなら、いける!!」

 

チルノは無数の向日葵があるところまで飛んでいった、その手には絶対に手放したくない物を抱えたまま、外の世界で言うなら新作ほやほやのゲームソフトといったところか。

 

大妖精「鏡花さん、今のは・・・?」

鏡花「今のは私が生み出した術ですよ、さて、取り返しに行きましょうか・・・。

いつまでも戯れに付き合っているわけには行きませんからね。」

大妖精「チルノちゃんが、向日葵畑の方に・・・鏡花さん、気をつけてください!!」

鏡花「といいますと?」

大妖精「向日葵畑には幻想郷で一番怖い妖怪がいるんです!!」

鏡花「それなら最悪の事にはならないように振る舞いを考えないといけませんね、取り繕いによって悪者扱いは誰だって嫌ですからね。」

 

冷静な鏡花と大妖精はチルノのあとを追った、そこは無数の向日葵があり傘を持った管理人がいるところだ、大事な花を折られたり木の枝を勝手に折られたりしたら、どんな気持ちになる事か、怒りは誰の中にもありそれは道理の檻を超えていく事があるものだ。

 

 

~太陽の畑~

 

がさ、がさささ。 チルノは無数の数え切れないくらいの向日葵がある畑にもぐりこんだ、ここでやり過ごして時間を稼ごうと・・・。

 

チルノ「今は幽香がいないからしばらくはここでやりすごそう・・・。」

幽香「勝手に畑に入るとはいい度胸ね、チルノ?」

 

一難去ってまた一難、いないと思い込んでいたものがいた・・・自分が完璧だと思う事は時として致命的な欠陥だ、それは後先考えない計画に共通しているものがある。

幽香の顔は笑っていた、それには怒りもあわせもって。

 

 

幽香「私が花を土足で踏みにじられることを嫌がる事をわかってていながらの嫌がらせ? それだったらお仕置きが必要ね・・・。」

チルノ「幽香、あたいの話を聞いてくれよ・・・。」

幽香「その場をしのぐための時間稼ぎの嘘だったら私の傘があなたの口を防ぐわよ?」

 

がくがくぶるぶる、かぐかぐぷるぷる・・・。

 

チルノがドン引きしている間に鏡花と大妖精は太陽の畑に入っていた、鏡花と大妖精はおびえるチルノと傘で【締め付け】な幽香を見つけて。

 

鏡花「大事な面晶体を返してほしいですけど、チルノさん?」

大妖精「チルノちゃん、返してあげて、お願い!!」

 

幽香「あら、見かけない顔ね。

どういう理由があろうと私は情け容赦ないわよ?」

 

チルノはこの間に【ジェラードの知恵】ならぬ子供の浅知恵を思いついた、このタイミングなら絶好のチャンスといわんばかりに。

 

チルノ「あ、幽香! そいつは二代目霊夢を名乗る悪いやつなんだ!!」

鏡花「ちょっと、なんでそうなるんですか!?」

幽香「霊夢の名前をかたるですって?

霊夢には二代目はいないはずよ、幻想郷の多くの異変解決に関わったものの名前を悪く使うとはいい度胸ね、あなた。」

鏡花「私はその霊夢とおっしゃる方は存じません!!

ホントに何も知らないんです、信じてください。」

幽香「信じる、信じないは私が決める事であなたが決める事じゃないわ。」

鏡花「何でも白黒を一方的に決めるのは間違っています!!」

幽香「聞く耳は持たないわ、消えなさい!!」

 

鏡花は私は嘘はついていないといっても幽香は聞く耳もたずの一方通行の主張ばかり、きりがないので幽香は愛用の傘で攻撃してきた、傘は刺さったところによっては光を失う事になりかねない。

 

鏡花はすれすれでかわしたがこのままじゃ埒が明かない、こうなったら・・・。

 

鏡花「やむを得ませんね、人の足に踏まれた草よ、復讐の自我を【復讐蔦】!!」

 

鏡花は向日葵畑の一部の草に復讐の自我を持たせて【復讐蔦】を作り出して、幽香は今まで見たことがないかのように衝撃を受ける、草、蔦は宿らせる事によって意思を持つことがあるからだ。

 

幽香「あなたは一体、何者よ?自然の一部に意志を宿らせるなんて・・・。」

幽香は復讐蔦をあっけにとられていたため攻撃しようと思っていたが蔦が動きを封じていた。

鏡花「私は鏡花、異世界の渡り人です。

言葉は嘘はつきますけど、自然に嘘偽りはありませんよ。

私のこと信じてくれますか?」

 

幽香「すごく変わった子ね、気に入ったわ。

それと蔦を解いてもらえない?

私が悪かったわ。」

 

鏡花「分かっていただければいいんですよ。」

 

 

その間にチルノはそ~~~っと逃げようとしていたが・・・。

大妖精「チルノちゃん、どこにいくのかな? うそつきと盗みはよくないよ。」

大妖精はにっこりと微笑んでいた、少し黒くてチルノの肩をつかんで。

大妖精につかまってしまい、幽香にぼこぼこにされるのであった、面晶体を大妖精が鏡花に返して。

 

事が落ち着いたので、鏡花は霊夢の事は知らないし二代目霊夢といわれていた事はチルノの嘘と言う事を話した。

 

幽香「バカ(チルノ)の考えそうな事ね、霊夢の衣装は赤と白だから二代目霊夢といわれるのも迷惑だったでしょう。」

鏡花「迷惑でしたよ、あ、大事な蔦や草に傷がついてしまいましたね。」

幽香「その辺は気にしないで、お互い様だから。

外から来たもの同士、気があいそうね、霊夢の事は私が教えてあげるから。」

鏡花「お手数をおかけします。」

 

幽香は鏡花の怖いもの知らずなところを見て気に入ったらしい。

 

幽香「チルノ~?ちゃんと手入れをしておくのよ、少しでも手抜きがあったらお仕置きだからね?

大妖精、しっかりとチルノを見張っているのよ。」

 

幽香は大激怒の罰としてチルノに向日葵畑の手入れをさせていた、鏡花も手伝おうとしたが、幽香からは「「あなたが助けるのでは意味がないのよ、自分でまいた種は自分で刈り取れというじゃない。 違う?」」といわれて助けなかった。

 

チルノ「最強のあたいはこんなんじゃ・・・。」

 

 

チルノの嘘をついた代償は大きかった。




緑と言う事で幽香さんも登場!!

チルノ許してね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

東方外来訪 8の刻 向日葵畑の絆に巫女の涙

鏡花は大事な面晶体をチルノに奪われて取り返そうと大妖精と一緒に向日葵畑に向かい、そこに向日葵畑の主風見幽香と遭遇する。

傘で攻撃する幽香に対して鏡花は自然術の復讐蔦を呼び出し、幽香はチルノにだまされていたことに気づき鏡花に頭を下げて謝る、鏡花がチルノの勘違いで困惑していたため霊夢について、幻想郷という次元について幽香は話し始めるのであった。




~太陽の畑・幽香と巫女一緒~

 

幽香「あなたは私と同じく外の世界から来たのね、だったらこの幻想郷という世界と霊夢について知っておく、いえ知らなくてはいけないことよ、外の世界の巫女さん?」

鏡花「気にしないでください、お花畑の管理人さん。

私もいけなかったのです、妖精の戯れに巻き込んだ原因は私ですから。」

幽香「チルノのことは気にしないで頂戴、妖精はおバカがほとんどだから。

それと私はお花畑の管理人って呼ばれるのは好きじゃないわ、私はこれでも妖怪よ、私には風見幽香って名前があるの、呼び捨てなり、敬意を込めてあなたの好きなようによびなさい。」

鏡花「妖怪とは信じられませんね・・・私は呼び捨てなんてできません、幽香さんとよばせていただきますね、それと外の世界の巫女っていうなら、私は鏡花(きょうか)という名前がありますよ。

私のことは鏡花とおよびください。」

幽香「あなたのような物分りがいいのは嫌いじゃないわ、うふふ。

家でもてなしてあげるわ、鏡花。」

 

そういってお互いの事を紹介して、幽香は自分の家に鏡花を招きいれて客人としてもてなすのであった。

 

 

 幽香は外見は人だがアリスと同じく妖怪である、人、妖怪、種族、部族を関係なく見るまっすぐな瞳を持つ鏡花のことが気になった、怖いもの知らずなのか、無自覚なのか・・・。

 

 幽香は紳士的な態度をとるが、時々外見が怖く見られたり、怖い顔を見てドン引きされるのをすごく気にしている、外見で私を判断しないで、違った視点で見てほしいと思うが、その行動は時として【謝った指図】と見られてしまうこともある、自分には悪意の意図がないのに、外見が怖い、肌の色が違う、顔を見ただけで関わりを避ける、力が違いすぎる、根も葉もない噂が悪い風に流れてしまう事、真実という【思い起こし】というピースの中に1つか2つの嘘が交わるとどれが真実で偽りか冷静な判断ができなくなってしまう、5の山から2つの束を分けてどちらのグループに真の山と嘘の山に分けるかはまさに【嘘か真か】。

 

真(まこと)と思わせたいのにそれがかえって裏目に出てしまうのは皮肉で違う意味で悲しいものだ、外見だけで判断されてはたまったものじゃない。

 

 

 

幽香「霊夢からもらった緑茶よ。鏡花、あなたは私のこと怖いと思っている?」

鏡花「緑茶をいただきますね・・・。怖いと思ったのは最初だけですよ、幽香さん。

はじめは怖いと思うのも長く見ていけば怖いとは感じませんよ、個人差はありますが。

ところでここの向日葵畑は夜中大丈夫なんですか?」

 

 

幽香はあなたには怖いものがないのかしら、ある意味でうらやましいものだわって思いつつ夜中は大丈夫なのかというのがひっかかった。

 

幽香「夜中が大丈夫なのか?何でそう思ったのかしら?」

鏡花「この幻想郷は何でもありの世界ですよね、向日葵畑の真夜中、鬼火(ウィルオーウィスプ)の類に火が宿った輪が道中を通ってここら辺が火事になったら大変な事になるのではないのかと・・・。」

 

幽香は鏡花の考えにコケっとする、コケはコケでも《鶏のコケコッコー》ではないし、苔だらけの【苔男】でもない。

 

幽香「あなたって発想がぶっ飛んでいるわね、なんでもアリの世界だけど、そういった事は起きないわよ。本題を話しましょうか、鏡花、霊夢と幻想郷についてをね。」

鏡花「わかりました、幽香さん。ご指導のほどよろしくお願いします。」

幽香「私は寺小屋の先生じゃないわ、別にいいけど。」

 

 

鏡花のぶっ飛んだ発想と少し天然なところに苦笑をする幽香、さて知っておくべき事を教えてあげないと・・・緑髪の向日葵畑の管理人(管理妖怪?)は本題に入って話し始めた。

 

 

 

~その頃のチルノ~

 

チルノ「あたいはどこまでやればいいんだよ・・・大ちゃん、助けてよ。」

大妖精「それは出来ないよ、チルノちゃん。

慧音先生が自分でまいた種は自分で刈り取れって言っていたよ。」

チルノ「自分で刈り取るなんてめんどうだよ、こんなのは凍りつかせればいいんだい!!」

 

チルノは、幽香に嘘をついた罰として向日葵畑の修復を行っていた、大妖精がいるのはチルノの監視のためだ。

 

大妖精「大事にしているものを傷つけられたらチルノちゃん悪化するよ?

凍りつかせたら幽香さんが黙っていないよ?」

チルノ「最強のあたいはなにをしようと勝手だろう。」

大妖精「そんなことしたら私の立場もどうなるか、踏み止まって考えたほうがいいよ、チルノちゃん?」

 

大妖精は関係悪化を避けたいためチルノを説得させようとするが最強、最強のバカの一つ覚えみたいでチルノは聞く耳を持とうとしない、そこにとある姉妹とこうもりの翼の少女と鎌を持った少女四人組(夢月館のメンバー)がやってきた・・・。

 

夢月「最強、最強ってわめくけど向日葵を傷つけようとするなんていい度胸しているね、バカ妖精。向日葵を傷つけることが主の侮辱、そう考えていいよね、幻月姉さん?」

幻月「ええ、同じ気持ちよ、夢月。」

くるみ「さっきから一部始終を見ていたけど友達が考えを改めさせようとしているのに、何で向き合おうとしないのかな?」

エリー「幽香様に変わって、首を跳ね飛ばしたい・・・そういう気持ちを表に出さずにはいられませんわ・・・。」

 

 

チルノは四人組の威圧に負けて言葉が出ない、エリーが愛用の鎌をチルノの首に当てたいくらいだった。

 

大妖精「あの、すみません。

皆さんの怒りがおさえられない気持ちはわかりますが、冷静になってください。

幽香さんが目の前にいたらどう思うか・・・。」

 

くるみ「幻想郷の中の妖精は大抵はバカだけど、頭脳が高い妖精もいるんだね。」

エリー「本来なら首を切り落としたいところですが、向日葵畑が血まみれになるのは幽香様の怒りを買うことになりますから、それは勘弁しますわ。」

 

チルノは大妖精の説得で首をはねられることは免れたが、大妖精からはこっぴどく怒られる、チルノは同じことはやらかさないように手入れを続ける。

 

 

~幽香・鏡花にお話中~

 

幽香「いい鏡花、幻想郷は異変というものがあるわよ。」

鏡花「異変ですか? それは天変地異が起こるくらい【大変動】と考えていいのでしょうか?」

幽香「異変だからって大きい変動が起きるわけではないのよ。」

鏡花「それでは、普通では今まであったことが何かしらのきっかけで起きなくなることですか?」

幽香「そうね、ある時は季節の移ろいが滞ったり、または空の塗り替え、実りがなかったりそんなところかしらね。」

鏡花「異変なくして幻想郷あらずですか?

それだったら解決者の存在が不可欠なのでは?

異変が続いたらこの世界の灯火もつきてしまいますよ?」

幽香「その解決者が霊夢よ。」

鏡花「霊夢さんですか?」

幽香「そう、博麗霊夢、楽園の素敵な巫女さんよ。

異変の解決者であり妖怪退治のスペシャリストよ、霊夢は。

霊夢は人で誰からも愛されて、人、妖怪問わず魅力があるのよ。」

鏡花「妖怪に愛される巫女・・・時として人と妖怪の対立はありますね。」

幽香「今の一言ぐさってきたわよ?」

鏡花「あ、ごめんなさい。私はそういうつもりではなくて。」

 

 

 幽香は鏡花が話を聞いてくれるのがうれしかったのか機嫌がいい、幻想郷には異変と呼ばれる現象があり、起きていたことが何かしらの事で起きなくなる事だ。

首謀者とは言い方が悪いが異変を起こす者はそれなりの理由がある、行動あるならそこには理あり、一定の現象をそのままにしておきたい、季節の変動なしで自分にあった季節を独り占め、秋を邪魔されたくない、夜明けを許さない月、退屈しのぎのために天空から岩石を落とす、扱いの不満、空から船、霧による蝕みそういったものだ。

 

これを外の世界で言うなら飛行機が飛ぶところの滑走路、【真に暗き時間】、多くの飛行機が飛んでいる最中に滑走路の光が消えてしまったら、大変な事になるのは容易な想像がつくからだ。

 

 

コン、コン。

幽香の家の玄関からトビラを叩き、幽香が出る。

 

幽香「一体誰かしらね?少し様子を見てくるわ、鏡花。」

鏡花「はあ・・・。」

 

~少女達【新緑の合流点】~

 

エリー「幽香様、お久しぶりですわ。顔出しのついでに向日葵にちょっかいを出そうと考えておいた妖精に【威圧】をかけておきましたわ。」

幽香「懲りないわね、チルノは学習というものがないのかしら?」

くるみ「最強、最強って言うけど簡単に倒されるくらい甘くはないわよ、あの妖精は自覚を促すべきよ、幽香の力で懲らしめる事も考えるべきじゃないの?」

幽香「そういった力の解放をすると私が霊夢と紫に幻想郷を破滅させる気!?って怒られるからできないわよ。」

夢月「でも、ああいった妖精は付け上がらせる隙を与えないのが普通じゃないの?」

幻月「私も同じ考えよ、少しでも付け上がらせたらいい気になって仕返しに来るのが見えてくるわよ。」

幽香「みんなの言いたい事はわかるけど力加減ができない私の立場を考えて頂戴。」

 

夢月館のメンバーが久しぶりに訪ねてきた、付け上がらせる隙は与えないほうがいいというのに対して少し困惑する幽香だった。

 

このタイミングなら話しかけても大丈夫だなと思い鏡花は声を出す。

 

鏡花「あの、幽香さんこの方々は・・・?」

幽香「あら、浮かせてしまってごめんなさい、鏡花。

この子達は夢月館にすむものよ、敵意はないから安心して。」

くるみ「見かけない顔ね、外の世界から来たの?」

 

くるみはあまり見ない顔だなと思い、好奇心を満たすかのように鏡花を見る。

 

幽香「ちょうどいいから軽く自己紹介をすませておきなさい。

おろおろ戸惑いが出てるわよ」

エリー「私はエリーと申します。」

夢月「メイドの夢月よ。」

幻月「天使(嘘)の幻月です。」

くるみ「私はくるみ、あなたは?外の世界の巫女さん?」

 

鏡花「私は鏡花(きょうか)と申します、よろしくお願いします。

皆さん、すごく仲がいいんですね・・・。」

幽香「そんなにうらやましいものかしらね?」

鏡花「すごく・・・いい・・・です。

私は・・・私はお二人(ひまわりとホルス)と出会うまでは一人で・・・つらいのが・・・。」

 

ぐす・・・鏡花は泣き出す、その姿を見て幽香は困惑する。

 

幽香「そんなにないて、何があったの、鏡花、あなたの過去に・・・?」

くるみ「何があったのかは知らないけど吐き出したほうが楽になるよ。」

 

そういわれて肩の荷が下りたのかのように鏡花は語りだす。

 

鏡花「話します・・・。

私は巫女の修行をしていて、みんなに認めてもらえるように修行の繰り返しでした・・・。

ようやく認めてもらえて【木霊】の力を使えるようになったんです・・・。

 

みんなに認めてもらえた、これで自分の存在価値が見出せるって思った時に・・・私が修行を受けていたところは襲撃を受けてしまいました、その光景は残酷すぎてショックが隠せなくて、私は別の用事でその場から離れていたので難を逃れたのですが・・・襲撃で私は唯一の生き残り・・・生き残っている事がわかったらいつ刃を向けられるか、わからない。

自分の安全が精一杯でした、私は誰でもいいから認めてもらいたかった、自分の存在価値を見出せるって矢先に・・・。」

 

鏡花の話を聞いて幽香はやさしく抱きしめて鏡花は今まで経験した事がない暖かさを感じた。

鏡花「・・・幽香さん!?」

 

幽香「そういうつらい過去があったのね・・・私と夢月たちと話しているのを見てうらやましいって思うのは無理もないわ、よほどつらかったでしょうね。」

鏡花「つらかったです、ホントに・・・自分が無価値なものと思うこともあったものです・・・。幽香さん、少しの間このままでいてもらえますか?」

幽香「いいわよ、鏡花あなたは無価値じゃないわ。

助けられなかったからって自分を攻めても後で疲れるだけよ、自分を大切にするのよ。」

鏡花「ありがとうございます!!」

 

鏡花の涙は【永遠あふれの杯】にこぼれるくらいもののだった。

 

くるみたちは空気をよんで2人きりにしてその場を去る。

幽香は心中の中でつぶやく・・・。

 

くるみたち、空気をよんでくれてありがとう。

鏡花を霊夢のところに案内してあげなくちゃ・・・。

 

 

 

~~紅魔館・屋敷の外~~

 

魔理沙「さて、パチュリーの反応を試してみようかな?」

 

魔理沙は姿が見えない状態で屋敷の外にいた、アリスに気づかれそうだったが、気づかれずにすんだ。

 

屋敷の探検はどうなるか!?




~次の刻語~

魔理沙は新しい魔法を試そうとパチュリーがいるところに侵入する、白黒紫のやりとりは紅魔館の日常茶飯事。


次の交わりの刻はどうなるか!?

9の刻 白黒に晒し台と戒め冠と上海の槍


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

東方外来訪 9の刻 白黒に晒し台と戒め冠

鏡花は幽香から幻想郷と霊夢についていろいろ聞かされていた、その途中で夢月館メンバーが家にやってきてそのやり取りを楽しく思っていた鏡花は突然泣き出してしまう。

鏡花は襲撃にあったグループの唯一の生き残りであることを告白する、鏡花の姿を見て幽香は鏡花を優しく抱きしめる、その抱きしめに特別な温もりを鏡花は感じるのであった。

一方魔理沙は紅魔館の近くにいた、知識という本を狙って・・・。





~紅魔館・外から屋敷の中~~少女透明中~~

 

魔理沙「この粉は大成功なものだな、私としては最高の傑作のぜ。」

 

にししししっと魔理沙は満面の笑みだった、あらゆるものを調合して出来た粉をふりかけて透明のように見えるからだ。

 

透明、それは【不可視】で目に見えるものが見えず、はっきりとした認識ができない。

 

認識が出来なければ目標の確認もままならない、なぜなら【その場にいないかのように】誤った認識に誘(いざな)われてしまうからだ。

 

誤った認識は予想もしないことを生み出す、特に何かを編みこむ作業の場合は。

 

外の世界ではパラシュートというものがありそれは着用していたものが空から地上に着地する時、【空から地上に落ちるまでの間に閉じていた傘が広がっていき、着地した時の衝撃を和らげる】。

 

これはスペースシャトルも同じである、大気圏から地球に落ちる時、パラシュートが搭載されているからだ、ただし、それは正しい編みこみをしていたらの話。

 

何かを編みこむ作業、それもパラシュートの類の物は作業を担当するに際し【利き腕じゃないものが混ざっていてはならないし、絶対にあってはいけない。】

 

折り込む作業の担当者は全員同じ利き腕でなければならない、その中に1人か2人が利き腕じゃないのが混ざっていたらどうなると思うか?

 

折り込みが逆になりパラシュートが正しく動かない上に直撃落下の衝撃が大きくなってしまうのだ。

喜劇の帰還が悲劇の帰還になってしまったらたまったものじゃない。

黒歴史を刻み込む事になったら目も当てられない。

 

 

魔理沙のほうに戻ろう、魔理沙はパチュリーのいる図書館から本を盗もうと(同時に作ったある魔法を試すのも含めて)たくらんでいた、だが、パチュリーは何も対策を考えていないわけではない、一時は【稲妻】がほとばしる網を館の外に張る事を考えていたが、これはいくらなんでもやりすぎで建物の負担が大きすぎると思い、断念した。

 

だが、電磁バリアが不可能でもアラームのような類【侵入警報】ならその限りではない。

 

 

魔理沙「パチュリーのことだから私が入ってきたらすぐに対応できるような罠を仕掛けているのは目に見えるように分かるな・・・さて、どうやって警報を封じたほうがいいかな・・・。

警報はアリスの人形で言えば無数の糸で出来ているものだからな、物理的な攻撃はバレバレだし、う~んどうしたものかな、実験と入手の一石二鳥は難しいのぜ。」

 

魔理沙は少々つぶやきながらぺんぺかぺんぺんぺんっと頭に電球マークがついたかのように【天才のひらめき】。

 

魔理沙「警報の音を掻き消すこの、飛んだ魚にクリーンヒットをさせるこの方法があれば、一石二鳥も夢じゃないのぜ!!

 

さ~て、私が開発した【対抗呪文】の切り刻みで・・・。

見えざる鬼火ご~~~!!」

 

 

魔理沙が開発した見えざる鬼火は特定の警報だけを無力化させるように切り刻む、警報は違う意味で結界、だがその一部が錯乱したらどうなるだろうか?

信号を送れなくなってしまい、伝達ができなくなってしまう。

だが、パチュリーはそういった事は予測していた。

 

 

~紅魔館・図書館~

 

小悪魔「パチュリー様、警報の音が出ませんよ、どうしましょうか?」

パチュリー「落ち着きなさい、あまりおろおろしないの。

警報の無力化に便乗するかのように・・・なるほどそういうことね。」

 

パチュリーがはった侵入警報は魔理沙が作った魔法の効果で一部が弱く感じていた、魔理沙はこれぞよいところといわんばかりに同時に侵入して姿が見えないまま宝の山を物色して【強欲】を満たそうとしていた、だが満たそうとする前に・・・。

 

パチュリー「私が作った侵入警報の結界を破るなんてどういった魔術を開発したのかしら?

あなたがそこにいるのは分かっているのよ、魔理沙?」

 

 

げげって魔理沙は動揺を隠せない、それと同時に不可視の効果が切れてしまう。

不可視といえど所詮は時間制限あり、魔法も所詮は幻だ。

 

魔理沙「しまった、術が切れた!!」

パチュリー「動揺は隠せないようね、魔理沙。

目に見えなくする方法は付け焼き刃よ、私が簡単なテクニックでだませるほど私はバカじゃないのよ?

でも、侵入警報をいかに無力化させたのかは気になるわね、一体どうやって無力化させたのかしら、研究として聞いてみたいところね。」

 

パチュリーはか、か、かっと歩きながら魔理沙を袋小路に追い詰めようとする、無論愛用の八卦路を取り出して逃げ道に走る事を考えているのは計算ずみだ。

 

紅魔館の図書館はものすごく広く、時に少女達の弾幕ごっこの舞台になる事もある。

パチュリーは知識と魔術は長けているが喘息に悩みを抱えているため外に出ることは少ない、だが喘息の調子が良い時はアリスに匹敵するくらいはっちゃっける事もありそうなったら誰も止められない、無論、それは長く続くものではない。

 

パチュリー「黙っていないで口をあけなさい、あけないとウンディーネで溺れさせるわよ?」

魔理沙「そこまで言うなら仕掛けを教えておくのぜ、侵入警報なんて一部の不具合をわざと起こさせれば、機能不全は時間の問題、警報の繋がりを無力化させる小さい鬼火を仕込ませておいたのさ、警報の音は【耳障りの反応】をまねくのぜ。

その耳障りな反応を無力化させるように考えたのぜ、私なりにな。」

パチュリー「侮れないわね、侵入警報を作った私がうぬぼれていたわ。

それと、ここからどうやって抜け出そうとするのかしら?

本は返してもらうわよ!!」

魔理沙「おいおい図書館の大賢者さんよ、知識がいくつあってもその知識は外で発揮されなきゃ何の意味も持たないのぜ。

この白黒の魔理沙さんが一部生かしてあげようと思っているのにな。」

パチュリー「何ですって!?」

魔理沙「そんなわけでいただいていくのぜ~~!!」

パチュリー「あ、しまった!!」

魔理沙「これは借りていくのぜ~~~。」

 

なんてこった、まだ読んでいない本があるのに・・・。

魔理沙は八卦路からシュートを放ち図書館から大きい穴を作って逃げ出す、子悪魔は追いかけようとするが、パチュリーが喘息を起こしたため子悪魔は追跡中止を余儀なくされる。

 

 

~少女図書館から脱出~魔理沙・空、ホルス・地上~

 

魔理沙「今日の収穫はそれなりだったのぜ、さて自宅に向かうのぜ。」

 

魔理沙はほうきに乗って図書館から盗んだもの(魔理沙に言わせれば戦利品)を担いで自宅に向かう途中だった、その姿をホルスは偶然見かける。

 

 

ホルス「空を飛ぶ魔術師か・・・少し試してみるか・・・【目くらましの呪文】!!」

 

 

ホルスは目がくらんでまぶしい光を放つ、魔理沙はそのまぶしい光を見てパチュリーが追いかけてきたものと勘違いしてよける。

 

魔理沙「パチュリーのやつ今日は絶好調なのかな、まさかな・・・。」

 

ホルス「目くらましを避けてもこれはどうかな・・・。

【呪文詰まりのスプライト】!!妖精よ、無数のこうもりのように戯れを【妖精の計略】!!」

 

魔理沙が勘違いしてしている間にホルスは無数の妖精が悪戯を仕掛けて考えている事に邪魔をする妖精の計略をかける、無数の妖精が魔理沙の目や耳にちょっかいを出す、ローウィン次元の妖精は頭の中を覗き込む【強迫】、【思考囲い】といった戯れが好きなのだ。

 

魔理沙「このままじゃ落ちる・・・しまった!!」

 

妖精の戯れに邪魔をされて魔理沙はほうきのコントロールを失い魔法の森の落ちてしまう、その後をホルスが追うように・・・そこをたまたまアリスが通り落下の様子を見ている。

 

アリス「魔法の森に落ちるなんて、らしくないわね。

もう片方の男は誰かしら、少し様子を見たほうがいいようね・・・。」

 

 

魔理沙は頭の直撃は受けなかったが、少し目を覚ました後には身動きが取れなくなっていた。

 

魔理沙「いたいのぜ・・・。

妖精が出てきて錯乱になるわ、落ちるわで・・・。

何だよ、これ身動きが取れない!?」

 

ホルス「身動きが取れない間に【不眠の晒し台】をかけさせてもらった、満足に動く事はできないうえに眠る事が苦痛になる呪文だ。」

 

魔理沙「一体何者なんだぜ、あんたは?この晒し台を解いてもらいたいのぜ。」

 

ホルス「そういうことを言える立場かな、人の物を盗むとはよくないな、テレパスでわかる。」

 

魔理沙「あんた、なぜ私が物を盗んだってことがわかったのぜ?」

 

ホルス「私には【テレパスの才能】があるからな。

他の人の情報が勝手に流れてくる事があるのだ・・・。」

 

魔理沙「めちゃくちゃのぜ、心を読み取る覚り妖怪か・・・のぜ?」

 

ホルス「少し頭に戒め冠を刻み込ませて反射神経でわからせないといけないようだな・・・。」

 

ホルスはしてはいけない事をすると頭に頭痛が出る戒め冠を魔理沙の頭の上に出す、それを埋め込ませようとする・・・。

 

魔理沙「その光っているものを私の頭にはめようとしてどうするんだ!?」

 

ホルス「この戒め冠はしてはいけない事をすると頭痛が起きて体を蝕む、よからぬ行動をしなければ頭痛は起きない。」

 

魔理沙「やめろのぜ!!」

 

ホルス「はい、そうですかといわれて首を縦にはふらない。

自分の行動を恨むんだな・・・。」

 

 

そういってホルスは魔理沙の頭に戒め冠を刻ませようとするが、【突然のショック】が入り込むかのように戒め冠を刻ませようとするホルスの手はアリスが操る上海人形の糸で封じられていた。

 

 

アリス「待ちなさい!!」

魔理沙「アリス~~~!?た・助かったのぜ・・・。」

アリス「これはいくらなんでもやりすぎよ!!

見ていて耐えられるものではないわ。

今すぐその冠の魔法をやめなさい、魔理沙にその冠をはめ込もうとするなら、私と上海が黙ってはいないわよ?」

 

 

 

アリスの魔法糸は応用すれば鋼糸のようにすることも出来なくはないが、そういった場面は魔理沙には見せたくない。

 

 

アリス「さあ、どうするのかしら?

その晒し台と奇妙な冠を解すのかしら、逆の行動をとるのなら人形のようにしてもいいのよ?」

 

ホルス「気の強いお嬢さんだな、術は解除するから封じ糸は解除してもらえないかな?」

 

アリス「あら、あなたずいぶんあっさりね。諦めの悪さと強情と思っていたけど・・・。

封じ糸は解除するけど、奇妙な事を起こそうとしたら上海人形の槍があなたを貫くわよ?」

 

ホルスは不眠の晒し台と戒め冠の術を解除した、解除した後で魔理沙はたまっていた恨みを爆発させるかのように八卦路を使おうとするがアリスに止められる。

 

 

魔理沙「よくも奇妙な術で私の体の動きを封じたな、マスタースパークで逆の戒めを教えてやるのぜ!!」

アリス「八卦ロを解放しようとするのはやめなさい、魔理沙。

戒めのきっかけはあなたの方よ?

どうせ、パチュリーの図書館からでしょ、違うかしら?」

魔理沙「・・・。」

アリス「黙っているとは図星ね、パチュリーから本を借りている私の立場にもなって頂戴。」

 

ホルス「先ほどはすまなかった、盗みはよくないと思っての行動だったのだがね。」

 

アリス「そういった行動が裏目に出るということも頭に入れておくべきよ、あなた。

それと【これ】(魔理沙)には何を言っても無駄よ。」

 

アリスが魔理沙のことをこれっていった事に魔理沙はぷっつん。

 

魔理沙「私のことをこれとよぶなのぜ~~~!!」

 

アリス「それにしてもあなたは見かけない顔ね、外来人かしら?」

 

ホルス「私は外来人だ、【人形使いのプレインズウォーカー】アリスさん。」

 

アリス「あなたなぜ、私がプレインズウォーカーだって知っているの!?」

 

ホルス「【プレインズウォーカーの灯火】が宿っている事を感じ取る事ができるからだ。こういう私もプレインズウォーカーだ。」

 

魔理沙「アリス、一体プレインズウォーカーとはなんなのぜ?

この魔理沙さん、話についていけないのぜ。」

 

アリス「あら、ごめんなさい。説明すると長くなるから、理解には遠く及ばないでしょうね、私と・・・。」

 

ホルス「私の名前はホルス。

神聖と精神と邪術を操るプレインズウォーカーだ、少しでも理解できるように教える努力はしよう、白黒とんがり帽子のお嬢さん?」

 

魔理沙「私には霧雨魔理沙って名前があるんだぜ。」

ホルス「では、魔理沙さん。」

魔理沙「私は呼び捨てでいいのぜ。」

ホルス「では、マリソン。」

魔理沙「私は走るのに強い体力はないのぜ。却下のぜ。」

ホルス「では、マーキュリーさん。」

魔理沙「私は水星ではないのぜ、退きのぜ。」

ホルス「では、マッハマリサ。」

魔理沙「私は高速スピードで飛べるわけじゃないのぜ。下げるのぜ。」

ホルス「それならまりちゃん。」

魔理沙「私をバカにするな、下にのぜ。」

ホルス「そういうなら・・・。」

魔理沙「私のあだ名を考えるようなやりとりはやめろのぜ!!

いい加減にしないと八卦路をかますのぜ?」

ホルス「悪かった、悪かった魔理沙。」

魔理沙「そういえばいいのぜ。」

 

 

アリス「あなた達は一体何をやっているのよ。ある意味でいいコンビね・・・。

私の家で紅茶を入れるから落ち着きなさい。」

 

 

ホルスと魔理沙のやりとりは漫才のように見えてアリスは苦笑いだった。

 

白黒魔法使いとプレインズウォーカー2人は人形使いの家で紅茶を飲んでお互いのしこりをなくすかのように紅茶を楽しんでいた。

 

 

 

 

ひまわり「この神社が幻想郷を支える場所・・・。【根縛りの岩山】みたいじゃな、長い階段が面倒じゃが上ってみようかの・・・。」




少し悪ふざけで魔理沙のあだ名を考えるのを入れてみました。

別の名前を考えるのは頭の中にとどめておきましょう、幽香さんが聞いたら大変な事になるな。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

東方外来訪 10の刻 無限ループは焚き付けの大激怒

魔理沙を懲らしめようとするホルスだが、アリスがやりすぎな行動を見て上海人形と一緒にホルスの動きを止める、魔理沙の呼び方にホルスが悪ふざけをするので魔理沙は八卦路で黙らせようとするがアリスになだめられて止められる。

魔理沙はプレインズウォーカーとはなんなのぜ?っと首をかしげながら聞くので3人はアリスの家で落ち着く。

そのころひまわりは神社の階段にいた、長い階段の先を歩んでいこうとするのであった。


~博麗神社・長い階段の下~

 

ひまわり「この神社が幻想郷の中核と言っても過言ではないのじゃな、罰当たりな事は避けて行かねばならぬの。長いのが面倒じゃが、そうも言っておれぬ。

同じ外から来たものとはいえ、無限ループの【メビウスの輪】を何度も歩むのは勘弁じゃ・・・。

しつこい勧誘は心が折れるわ。」

 

 

数字の8を横にすると∞のマークになる、無限それは限りがない、聞こえはいいが悪く言えばしつこい勧誘の繰り返しでうんざりするものだ。

 

しつこい勧誘の繰り返しはたちが悪く、断っても断っても勧誘を繰り返す者は自分の事しか考えられないと受け止められてもおかしくない。

 

結果ばかり優先して周囲をよく考えない、そういった考えは【対立】、【反発】を生み出し、自己満足を優先してかつ自分にとってよい結果を求めるのと同じようなもの、もし絶対に答えたくないとわかっていながら何度も同じ質問をされて腹は立たないだろうか?

 

腹が立つに決まっている。

答えたくない事になんで答えなければいけないのか?

それを聞いてどうする? 

聞かないと自分の結果に自信が持てないのか?

一歩二歩先の事しか考えられないのは愚か以外の何者でもない、一方的に【失敗の宣告】を下して終わらせられればなあって何度も思うことか。

 

 

こうなったのには理由があった、ひまわりが早苗と会ったからだ。

 

ひまわり「あの緑髪の女子(おなご)巻くのにはしつこいものじゃったからな。」

 

ひまわりがつぶやきながら少し回想に・・・。

 

 

~博麗神社の階段に行くまでのひまわりの回想~

 

早苗「さて、今日も奇跡を見せて森矢をひろめていかないといけませんね・・・。

ひろめないと神奈子様と諏訪子様に怒られてしまいます、その辺に異変が転がっていて私が解決すれば信者もうなぎのぼりなんですがね・・・。

霊夢さんみたいに異変を解決したいな~~。」

 

む~~~っとほほをうめぼしみたいにプウっと膨らませる東風矢早苗。

その姿にメガネをかけてみると天然が入ったように見えるのはおいておこう。

 

ひまわりが博麗神社に行こうとするのを早苗が偶然見て・・・。

 

早苗「見慣れない方ですね、私と同じく外から来たものなんでしょうか?

ひろめるのとついでに調べる必要がありますね・・・。」

 

早苗はそろ~~~っと平然を装ってひまわりに近寄ろうとする。

 

ひまわり「博麗神社はこの辺じゃな、さて、もう少しの辛抱じゃ。」

 

??:(おい、ひまわり・・・?)

ひまわり(何じゃ??よ、不用意に私の精神に接触はやめぬかといったはずじゃが?)

??:(誰かが近寄ってくるぞ、どうするんだ、ひまわり?)

ひまわり:(少し様子を見る、以上じゃ。)

 

??はひまわりと一緒に行動をするもので正体は別の機会で明かそう。

 

??とひまわりのやりとりは早苗から見て独自の瞑想に見えたようだ、??とひまわりのやりとりは周辺には聞こえない。

 

早苗がひまわりに近寄ってきて開口。

 

早苗「あの、少し時間よろしいでしょうか?」

ひまわり「お主は何者じゃ?そろりと近寄ってきて、何が狙いじゃ?」

早苗「名乗るのが遅れてしまいましたね、私は東風矢早苗と申します。」

ひまわり「その格好からして、神社の巫女かの?」

早苗「はい、私は森矢神社の巫女です。あなたは外の世界から来たのですか?」

ひまわり「いかにもじゃが?」

早苗「それじゃあ、私の仲間ですね。」

ひまわり「私がいつおぬしの仲間となった?

外から来たものだからって考えが一緒と思うのはどうかと思うが?」

 

早苗(む~~~)「そんな言い方はないと思いますが?」

ひまわり「私は思ったことを話しただけに過ぎぬ、お主がどう思うと勝手じゃがその勝手に私を巻き込むのはやめてもらえぬかの?」

早苗「少し言葉が過ぎませんか?」

ひまわり「お主の都合に合わせるほど私は暇ではないんじゃ、失礼する。」

早苗「はいそうですかと言われて首は縦にはふれませんよ?」

ひまわり「お主の3の方角(右の意味)に対して私は9の方角(左の意味)に首を向けろというのか? あざとい点稼ぎじゃな。」

早苗(かっちん)「点稼ぎは言い過ぎでは?」

ひまわり「悪い意味を含めればそういった考えにもなろう?

【好奇心】を満たしてどうするのじゃ?

それがお主の何のメリットになる?

あれこれ聞いて【時間の破壊】というのが分からぬのか?

もう少し踏み止まって考えるべきじゃぞ?」

早苗「仰っている意味が分かりませんね、森矢に入ることをおススメしますよ?」

ひまわり「しつこい勧誘はお断りじゃ!!」

早苗「これは勧誘ではありません。」

ひまわり「お主がそういう考えでも私はそういう考えではないわ!!

混沌魔術《炊きつけ》!!」

早苗「きゃああ!?」

 

ひまわりはしつこい勧誘に腹が立っていたので《炊きつけ》を放った、焚き付けは炎の魔術、早苗はしりもちをつきその間にひまわりは逃げる。

 

 

~ひまわり回想終了~

 

ひまわり「しつこい女子じゃったな、ここまでくれば追ってもこまい。

さて、階段を上らねば・・・。

神社を通ることは神様の下を通ることと同じ、一つ・・・二つ・・・三つ・・・。」

 

ひまわりはリラックスして1,2,3と数えて博麗神社の階段を上がっていく。

 

早苗が追いかけてきているのはひまわりは知らない。

 

早苗「霊夢さんのところとは・・・霊夢さんを味方につけられれば・・・。」

早苗はよからぬ事をたくらんでいた、だがそれが思わぬ事になるとは早苗は知るよしもない。

 

 

~博麗神社~

 

ひまわり「ここが博麗神社か、予想していたがすごい場所じゃな・・・。

【知られざる楽園】・・・。ここには巫女さんはいないのかの?」

 

ひまわりはあたりをキョロキョロ見回す、その姿を掃除を終えた霊夢が見つける。

 

霊夢「今日の掃除終わりっと・・・。

あら、あなた見慣れないわね神社に何か御用かしら? 冷やかしなら帰って頂戴。」

ひまわり「私は冷やかしにきたのではない、それより私はここの巫女さんを探しておるのじゃが?」

霊夢「失礼しちゃうわね、私がこの博麗神社の巫女よ?」

ひまわり「そうじゃったのか、神社の巫女あいすまぬ、私の名前はひまわりじゃ。」

霊夢「物分かりがいい人は嫌いじゃないわ、私は博麗霊夢。

口調が古いわね、その格好からして外来人?」

ひまわり「外来人?緑髪の女子(おなご)も自らそういっておったの。お主の呼び名は・・・私は呼び捨てでかまわぬぞ?」

霊夢「霊夢でいいわ、緑髪の女子(おなご)? ひまわり、それって早苗の事?」

ひまわり「そうじゃ、しつこい勧誘に絡まれてここに駆け込んだのじゃ。」

霊夢「それは大変だったわね・・・。」

 

ご愁傷様と悟る霊夢に早苗は割って入ってくる。

 

早苗「見つけましたよ!!

同じ巫女でも私と霊夢さんとは扱いが違うようですね?」

ひまわり「しつこい勧誘を繰り返せば、温度も違ってくると思うが?

それが自然じゃぞ?」

 

早苗は霊夢を味方につけるかのように話を続ける。

 

早苗「霊夢さん、私はこの外来人から炎を浴びました。

霊夢さんなら話を分かってくれますよね?」

ひまわり「自分がやった事を棚上げにしてよく言うの、その場は私とお主しかおらぬのに、誰かを味方につけるアピールか?

そういった手段は感心せぬの・・・。」

霊夢「早苗・・・これはあなたが悪いわよ?

結果ばかり優先した行動じゃ反感を買うのも当然よ。」

早苗「霊夢さんはどちらに肩を持つんですか!?」

霊夢「ひまわりよ。」

早苗「そちらを信用するんですか!?」

 

 

早苗は怒りに身を任せて聞く耳を持たない。

ひまわりは我慢が限界だった。

 

ひまわりは大激怒(激しいお仕置き)を下そうと【衝動】にかられるがそこは何とかこらえる。

 

??・「見ていられませんね、少し説教が必要ですね。森矢の巫女?」

早苗「げ・・・。」

ひまわり「・・・なんじゃ今の声は?」

霊夢「映姫よ、この声は。」

ひまわり「・・・???」

 

ひまわりが困惑するのも無理はない。

 

映姫「鏡で行いを見させてもらったわ、無限ループというのが頭になかったのかしら?森矢の巫女、そこに座りなさい!!」

早苗「ひいいいいいい!!」

霊夢「映姫、私は無関係だからね?」

映姫「分かっていますよ、霊夢。」

 

映姫の説教タイムが始まった。

 

ひまわり「霊夢、ほうっておいてかまわぬのか? 超地獄耳じゃが・・・?」

霊夢「早苗がまいた種よ。」

ひまわり「いつ大激怒を起こしても私はおかしくなかったと思う、大激怒をおこしていたらおそらく・・・。」

霊夢「まあ、巻き添えでしょうね。」

 

 

ひまわりは大激怒を起こさなくてほっとしていた、起こしていたら説教を受けていた可能性が高かったからだ。

 

霊夢「外来人よね、ひまわりは。

答えられる範囲でいいから答えられるかしら?」

ひまわり「許せる範囲の中での・・・。」

早苗「ちょっと助けてくださいよ!?」

ひまわり「それは虫がよすぎぬか?

利益だけ考えて行動に入ったのはお主のほうじゃ。」

霊夢「私もひまわりと同じ考えよ。」

 

映姫「森矢の巫女、説教は終わっていませんよ。」

早苗「いやあああああ!!」

 

 

映姫の説教タイムは長く及んだのであった。




霊夢やっと登場、さてどうやって交わっていこうかな。

早苗がギャグキャラになっているな・・・。(すみません)


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。