艦これにスターデストロイヤーが来た (S300)
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Ⅰ出会い

こんにちはS300ともうします。初投稿作品で読みぐるしい文章かもしれませんが温かい目で見守ってください。わたしもアップデート(文章力)していきます。


----------2017年 冬 太平洋

 

 海の上に浮く豪華客船、その甲板に乗っているカップルらしき二人が見ている星空の右端に光る点が現れた。

「あれなんだろ。」

「ん、どれだ?」

「ほら、あの光ってるあれだよ。」

「ああ、あれか。」

「なんだろうね。」

「さあ?」

 その点は次第に大きくなってゆきついにその正体を現した。

 部品をまき散らしながら落ちてきたくさび型の巨大な建造物は二つに折れ、轟音と巨大な波を起こして着水した。

 

------------翌日 舞鶴鎮守府

 

 廊下を歩きながら初霜はおやと思ったいつもはうるさいほどのおしゃべりが響いているここに今日は誰もいない。いつもといっても彼女がこの鎮守府にきてからまだ一月しかたっていないのだが。

 彼女が放送で呼ばれたのは5分ほど前だ、この鎮守府は広いから駆逐艦寮から提督の執務室まではかなりかかる。

「失礼します」

「どうぞ」

 返事が返ってきたので扉を開けた。

「初霜か、急に呼びつけて悪かったな。」

「いいえ、特にやっていることもなかったので。」

「そうか、ここにも慣れてくれたみたいだし、これからに期待しているよ。」

「はい、よろしくお願いしますね。」

「それでここに呼んだ理由だが、まずこれをみてくれないか」

 そういって提督は写真を三枚出して机においた。燃えながら落下している何かが写されていた。

「沈没していく艦に見えますね。」

「これは昨日落下した隕石を宇宙空間で撮ったものだ、たまたま隕石の進行方向にあった人工衛星が撮影していた。」

「昨日隕石が落ちたんですか。」

「君はテレビ見ないのか?」

「はい、テレビは性に合わないので、新聞だったら読むんですが。」

「新聞好きという駆逐艦は珍しいんだが・・・ まあそれはいい一から説明するか。」

 提督によるとこの事件はこのようなものだった。

 昨日の夜10時ごろ突然宇宙空間に現れた隕石が太平洋上に落下、その際に発生した波で付近を航行していた客船が転覆、その後沈没したらしい。その隕石は海に沈んだから引き揚げられないとのことだ。

「それがどうかしたんでしょうか。」

「この写真だと隕石は艦のようにみえるだろ。」

「ええ。」

「もしもこれが本当に軍艦だとしたらこの艦は艦娘として水上に出てくるはずだ。」

 いっていることは正しいのだがなぜ自分がこの話を聞いているのか初霜には分からなかった。

「だから、君にその艦娘の捜索をしてほしい。」

「え?」

 思わず声が漏れた

「君にとっては初めての任務だろうけど頑張ってくれ。」

「ちょちょちょっと待ってください。」

「どうした?」

「わ、私一人でするんですか?」

「ああ、そのことなら心配ない、と言いたいんだが残念ながら今ここにいる艦娘は別の任務で全員出てしまっている。 まああれが着水したのはすでに制圧済みの海域だから心配はないだろう。」

「そうですか・・・。」

 ついてこれる人がいないなら仕方がない。先ほども廊下に人はいなかったからおそらく全員出ているのだろう。

「まあわからないことが起きたら無線で連絡を入れてくれればいい。」

「わかりました。」

「よし。じゃあすぐに出発してくれ。」

「はい。」

 

----------数時間後 再び太平洋

 

「はぁぁ」

 ため息が思わず漏れた。

 なぜ提督は私に仕事を任せたのだろう。確かに頼りにされることはうれしいけど、まだ着任して間もない駆逐艦を全面的に信頼してくれているのだ。

「逆にプレッシャーですね・・・。」

 そんなことを思いながらまだあまり様になっていない操船を行っていると提督から無線が入った

『よし、そのあたりから捜索を始めてくれ』

「はい。」

捜索と言っても目視しかできないから慎重に進んでいく。

「いないなぁ。」

初霜がことをつぶやいたのは始めてから2時間ほどたったころだ。

『確かに考えすぎだったかもな。』

「そろそろ戻りますね。」

『ああ、そうしてくれ。』

はい、と言おうとしたその時初霜の目の前で水柱が上がった。

「きゃあああ!」

その勢いで転倒してしまった初霜にどちらかと言えば機械的な声が降ってきた。

「大丈夫ですか?」

見上げると見たこともない形の艤装を付けた艦娘がそこに立っていた、背丈は初霜と変わらないくらいだろうか。グレーの服を着用している。

「あ、あの 貴方は?」

「自律式インペリアルI級スターデストロイヤーのRoarです。」

「ろあーさんですか。」

「ええ。」

「探していました、これから私たちの鎮守府に向かっていただけますか?」

「はい、ところで鎮守府とは・・・?」

そんなことも知らないのかと一瞬思ったが、相手はこの星(地球)の外から来た艦娘だから知らないということもあり得る。

「私たちの基地のようなものです。」

「そうですか。では連れて行ってもらいましょう。」

Roarがそういうと同時にゆっくりとその体が浮かび上がった。

「え?え?」

この人と会ってからずっと驚きっぱなしだ。

「?何か変ですか?」

「いや、飛ぶんだなーと思って。」

「?飛ばないんですか?」

「いえ、私達は飛べないんです。」

「そうなんですか。」

「ええ、とにかく向かいましょう。」

その前に提督に無線連絡だ。

「提督、探していた艦娘を見つけました。」

『おお、やったな。その艦娘を連れて戻ってくれ。」

 

----------数時間後 舞鶴鎮守府内提督執務室

 

「自律式インペリアルI級スターデストロイヤーRoarです。これからよろしくお願いします、提督。」

「俺がここの提督だ。よろしくな。」

ひとしきり挨拶が済むと今度は書類づくりだ。

「装備品は?」

「かなり多いですけど一気に言ってもいいですか?」

「構わない。」

どうせ多いといってもたかだか4つぐらい聞き漏らすわけがない。

「では言いますね。

 

シールド

KDY社製ISD-72xシールド発生ドーム 2基

 

照準システム

レグランジ社製照準コンピューター

 

武装

デュアル・ヘヴィ・ターボレーザー・タレット 6基

デュアル・ヘヴィ・イオン・キャノン・タレット 2基

クワッド・ヘヴィ・ターボレーザー 2基

トリプル・ミディアム・ターボレーザー 3基

ミディアム・ターボレーザー 2基

テイム&バック社製XX-9ヘヴィ・ターボレーザー 60基

ボーステル社製NK-7イオン・キャノン 60基

ファイロン社製Q7トラクター・ビーム発生装置 10基

 

補助装備

TIE/LNスターファイター 48機

TIE/saボマー (12機

TIEボーディング・クラフト (12機

ラムダ級シャトル 8機

デルタ級ストームトルーパー輸送艇 15機

アサルト・ガンボート 5機

スキップレイ・ブラストボート 多数

ガンマ級アサルト・シャトル 1機以上

修理用車両

シータ級AT-ATバージ

センチネル級上陸艇 12機

AT-ATウォーカー 20機

AT-STウォーカー 30機

組み立て式駐屯基地 1基

です。」

何とか全部書き取れた。

次は演習室で火力測定だ。




どうでしたでしょうか。自分としてはいい出来だと思ったのですがそうでもないかもですね。年明けぐらいに2話を出す予定ですのでそちらもお楽しみに。

参考にさせていただいたサイト

・スターウォーズの鉄人!(wiki版) 
インペリアルI級スター・デストロイヤー
http://www.starwars.jp/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%ABI%E7%B4%9A%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC


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Ⅱ火力測定

遅くなってすみません!
ただでさえ駄文なのに遅くなってはいけませんね・・・。
(今回は前回の直後から始まるので前話を見てからこちらを見ると良いと思います。)


---------舞鶴鎮守府 提督執務室

 

うん?ちょっと待てよ。

提督はとてつもない違和感を感じた。

「なんだこの装備達、SFからもってきたみたいだな。」

「そうですか?わたしはSFというものが何かを知らないので・・・。」

「SFを知らないのか?」

「ええ、この星に来てまだ間もないのでそういう事はちょっと。」

「そうなのか。しかし日本語はペラペラだな。よその星ともなると言葉も違うだろうに。」

「私は普通にしゃべっているだけなんですがね。」

「まあ話を戻そう、SFというのはサイエンスフィクションの略で科学的な空想に基づいたフィクションのことだ。」

「そういうことですか。また一つ賢くなりました。」

「うん、まあ遠いところから来たんだ、化学が進んでいても不思議じゃない。」

「まあここよりは進んでいるでしょうね。」

SFのような話を自分が引き起こしているのにその本人はSFという単語を知らないとは少し面白い。

「これからの予定だが君の装備の火力測定を演習室でやった後、帰って来たほかのメンバーと夕食会を食堂で行う予定ということでいいか?」

「分かりました。しかし今回の火力測定では『私が対艦戦闘でよく使う装備』のみとしてよいでしょうか。」

「疲れているだろうからな。」

「ええ、申し訳ありません。」

「それじゃあ移動しようか。」

 

----------数分後 演習室前

 

移動してきた私たちの前に大きな鉄扉があった。初霜は一度だけここに来たことがある。その前で提督は言った。

「ここが演習する場になっているんだ。」

「ここが?」

彼女が疑問に思うのも無理はない。私だって頭の中が疑問符だった。

そういえば私執務室入ってから全然発言してない。それどころかここに移動してくる途中も会話ができていないかった。

「あの、提督。」

初霜は口を開いた

「どうしたんだ初霜。」

「わたしが来る意味ってあったんでしょうか。」

「忘れたのか?火力測定はほかの艦との演習形式で命中率などを測るんだ。相手になる艦が必要だろ。」

「わたしがやるんですか。」

どこから来たかよくわからない相手と戦闘するのはきつそうだ。

「そういうことだ。」

提督はRoarに向き直った。

「話を戻そう。この中にはこの世界と全く同じいわゆる並行世界がある。まあ演習向けに時間帯と天候は変えられるようになってるがな。」

「そういうことですか。」

「わかってくれたなら始めようか。」

それだけの説明で納得するってどういうことなのだろうか。初霜は同じ説明を数分かけてしてもらっていた自分を思い出した。

そう言って提督は扉の横にある操作盤を少し操作した後、その下にある「開」ボタンを押した。

その奥には大きな海が広がっていた。

「これはすごい。」

Roarもこれには驚いたようだ。

「だろ、この設備のおかげでいつでも演習ができるし、あってはならないことだが鎮守府が攻め込まれたときはシェルターになる。」

鎮守府が敵に攻め込まれたら・・・。まああり得ないだろう。

「じゃあ始めようか、そこの建物が艤装置き場だ、自分のを取って来てくれ。」

「はい。」

「はいっ。」

返事も若干差がある、見た目は似ているのに、この差は何で起きるんだろうな。

走っていく初霜とそれをやや速足で追うRoarを見ながら提督は思った。

 

----------演習空間内 艤装置き場

 

「Roarさんってなんでここに来たんですか。」

前から思っていた疑問を初霜は聞いてみた。

「覚えていません。」

「覚えて・・・ないんですか?」

「はい、私が覚えているのは惰性で動いていた自分を急停止させたところからです。どこから来たか、自分が何のために開発されたのかなどは覚えていますがここまでの移動はあまり覚えていません。」

「どこから来たんですか。」

初霜はRoarと話してみたかった。

「遠いところです。宇宙の果てではありませんが。」

「そうなんですか。」

そこまで話したところで二人がほぼ同時に自分の艤装を見つけた。

「これですね。」

「あったあったこれです。」

 

----------演習空間内 波止場

 

「じゃあ始めようか。」

提督の言葉で初霜は海に降りた。艦娘は艤装を付けていれば水に浮くことが出来る。初霜は水に浮くことが好きだった。

「Roarもいったらどうだ。」

まさか水が苦手なのだろうか。艦娘に限ってそれはないと思うがRoarは想定外が多すぎる。

「すみません。ふつうの出撃と同じようにやればいいんですよね。」

「あ、ああ。」

「じゃあ。」

そういうと同時にRoarは音もなく浮かび上がった。初霜は二回目だが提督がみるのは初めてだ。

「浮かぶのか、まあ元が宇宙で戦ってたんだから当然だな。」

あれ、あまり驚いてない。そういえば提督が慌てたりする所を私は見たことがない。

「よし、どちらかが大破したら演習終了だ。それじゃあはじめ!」

初霜はすぐに対空射撃を始めた。何発かは当たったようだが他は外れてしまった。

少し落胆しながら次弾装填を急いでいると空から緑色の光線が弾幕のごとく襲いかかってきた。Roarのターボレーザー砲塔六十基の内のいくつかが火を噴いたのだ回避する間もなく着弾した。その一発だけで初霜は行動不能に陥ってしまった。

「やめっ。」

提督の声が響く。

するとすぐにRoarがこちらにやって来た。

「すみません、やり過ぎました。」

やり過ぎたと言ってはいるが疲労感は全くなさそうだ。

「陸まで行けますか。」

Roarが聞いた。

「はい、その程度なら。」

「初霜、大丈夫か。」

提督が声をかけて来た。

「ええ、何とか。」

「ここで受けた損傷はここを出れば元に戻る。」

「あ、そうそう理論上は消費した資材も元に戻るから補給はなしな。」

「そんなあ~。」

「夕食が近いからいいだろ。」

二人がそこまで話したとき横から声がした。

「あのーそろそろ戻りませんか?」

「そうだな、艤装置き場に艤装おいてきてくれ。」

「了解です。初霜さんのも持っていきますよ。」

「ありがとうございます。」

Roarが行った後、二人は会話を再開した。

「どうだった。」

「よける暇が全くありませんでした。」

「そうだろうな、あいつから雨のように光弾(たま)が降っていた。」

「そうだったんですか。」

「よく考えたらお前は初損傷じゃないかな。」

「そうですね、演習の時も暁さんがなんか自滅してましたし。」

初霜の演習の時は暁がなぜか自分の発射した魚雷の前にいったのだ。

「戻りました。」

「お、Roarか。」

「はい、そろそろ出ましょう。」

「そうだな。」

 

----------数分後 提督執務室

 

「まだ時間があるからここでの生活の話をしよう。」

提督が言った。

「ここでは非番の時以外は六時起床、就寝時間は自由だ。

二人一部屋にしている。お前のルームメートは初霜だ。

後、洗濯して欲しいもの、普段だと制服とかだな、そういうのがあったら風呂の脱衣所にあるかごに入れておけ、洗濯されて戻って来る。

その風呂は各自暇な時間にはいってくれ。」

「質問はあるか?」

「いいえ。」

「よし、ここで渡すことが出来るのは寝間着と替えの制服と必要最低限の生活用品、工廠に頼めば自分の艦だった頃の模型をくれる。」

「ほかに欲しいものがあったら酒保に買いに行ってくれ。」

「はい。」

「初霜、Roarを部屋に案内してやってくれ。」

「はいっ。」

 

----------廊下

 

初霜がRoarを連れていく途中は彼女はRoarとの会話を試みた。

「よかったら、ここの中についてご説明しましょうか?」

「ええ、お願いします。」

良かった、何とか会話の糸口をつかんだ。

「この鎮守府は本館、工廠、艤装置き場、戦艦寮、巡洋艦寮、駆逐艦寮、潜水艦寮があります。私たちが向かっているのは駆逐艦寮です。」

Roarの艦種を何にするかは提督も悩んだらしい、戦艦級の装備をしているが、容姿を見ればそれは駆逐艦、さらに初霜にルームメートを探せると言ってしまっていたのでとりあえず駆逐艦に振り分けたのだ。

「よろしくお願いします。」

Roarが言った。

何を考えているのかよくわからない人だけど上手くやっていけそうだ。

初霜はそう思った。




いかがでしょうか?
初めての戦闘描写でしたがかなり一方的なものになってしまいました。
そりゃあスターデストロイヤーと駆逐艦が戦ったらそうなりますよね。
しばらくしたら三話も出します。(今月中には出したい。)


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Ⅲ夕食

ご無沙汰しています。
イベント前準備、イベントでなかなか書くことが出来ませんでした。

今回は前回のストーリーとはあまり関連はないので特に前話を見返す必要もないかと思います。
誤字脱字チェックは一応していますが、抜けていた部分などありましたらお知らせくださると幸いです。


----同日夜 食堂

今日こなすべき任務をすべて終わらせ、鎮守府に活気が戻ってきたころ。Roarは初霜に連れられて廊下を歩いていた。館内放送で夕食の開始が告げられたのは数分前、すべての艦がそろった後に提督がRoarを伴って食堂に入って来た。

見慣れない艦娘と提督が一緒に入って来た。それは新艦娘の着任を意味する。

この場にいるほとんどの艦娘がこの食堂で鎮守府の仲間入りを果たした。

今入ってきた艦娘はおそらく駆逐艦、今後の自分たちにはおそらく影響を与えることはない。ここに居る全員がそう結論を出した。

事実、この舞鶴鎮守府は十分な戦力があり、これ以上の駆逐艦は必要としていなかった。

「これより新規着任艦娘の紹介を始める。」

提督の声が響いた。

「今回ここに着任した駆逐艦のRoarだ。特にどこかの艦隊に所属させる予定はない。」

勿論Roarは駆逐艦どころか戦艦をも凌駕する全長、重量、火力をそろえている。

しかし、深海側への情報漏洩を恐れ駆逐艦と登録した。

それに部屋割りで初霜と同部屋にしてしまった以上、駆逐艦とするしかなかった。

「Roar、お前の席はそこだから。」

そう言って食堂の一角を指して席に向かわせ、自身も自分の定位置についた。

この鎮守府の食堂は着任順で並んでいる。一時自由だったこともあるのだが所属艦の数が増えたため混乱が生じやすくなりこの状態に戻った。

つまりRoarの席は一番隅となる、まあ友人(?)の初霜がいるから大丈夫だろう。

----初霜の席

騒がしい、騒がしくてご飯がすすまない。

たしかにRoarちゃんは少し変わっているようにみえるでも自分がかかわった中では異常な火力と空を飛ぶということ以外、つまり人柄はあまり変ではない。

出自を訊く声や困った時は自分を頼れと言うこえがほとんどだが、何より騒ぎを大きくしているのは一切反応することのないRoarちゃんのせいだろう。

お願いだから何かしら反応を示してあげてくれ、と目で懇願しても気づかないのか全く動かない。

今日の食事はいつものように穏やかとはいかなさそうだ。初霜は少しため息をついた。

----夕食後 Roar、初霜の部屋

「なんでみんなに反応ナシなんですかっ。」

食堂から帰ってすぐ初霜は聞いた。

「あまり答える必要がありそうな質問もなかったですから。」

なにかおかしいことをしたのかといいそうな顔つきでRoarが答えた。

「いや、そういう問題じゃなくてですね・・・。」

「どういう問題なんでしょうか。」

「皆さんとの仲を深めなければいけないでしょう。」

「なぜ。」

「なぜって・・・これから艦隊行動とったりするわけですから。」

少し時間を置いてRoarが口を開いた。

「いま一瞬悩みませんでした?」

「な、悩んでないですっ。」

----暁、響の部屋

「ねえねえねえねえ響。」

「ねえが二つほど多いのは気にしないでおくとしてどうしたんだい暁。」

「あの子ってどんな子なんでしょうね。」

「暁よりもレディーなんじゃないかな?」

とりあえず適当に流しておこう。

「そういうんじゃなくって、ほら少し変わってたじゃない。」

「ああ、服装とか。」

たしかに彼女の服装は変わっていた。

オリーブ色がかったグレーの上着とズボン、同色の帽子、黒のベルトと銀色のバックル、左胸には階級章のようなものもつけていた。

それに机の上には手袋も置いてあった。

「確かに、少し変わった子だね。」




どうでしたか、相変わらずの酷い文ですがこれからも執筆スピードを上げつつ頑張っていきますのでどうかよろしくお願いします。

追記 Roarの制服の参考サイト貼るのを忘れていました http://www.starwars.jp/wiki/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E8%BB%8D%E3%81%AE%E5%88%B6%E6%9C%8D


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Ⅳ 初陣

こんにちはS300です。
前話までよりRoarがアクティブになっていて違和感があるかもですがお付き合いください。


----ウラジオストク港 午後二時ごろ

Roarが鎮守府に来て一週間ほどたった。初霜は第十一遠征艦隊の一員に任命され、毎日小規模な遠征の往復を行っていた。

つまらなさそうに思われることもあるが、彼女にとってはやりがいのある仕事だ。

ウラジオストクと鎮守府を往復し燃料を輸送するタンカーの護衛を行うのだが、日本海は既に制圧済みのため、かなり気が楽だ。

向こうの港の人とも仲良くなることが出来た。

一方、Roarの方はそこまで充実した毎日を送っているわけではなかった。

なんでも日々をのんびりと過ごしているだけらしい。

以前の火力測定のデータから彼女が膨大な燃料を消費することが判明したからだった。

積み荷を船に運ぶのを待っている間、初霜はいつも座っている木箱に腰を掛け、そんなことを思い返していた。

強さのせいで戦え(出られ)ないこともあるんだな。

ぼんやりしている内に運び込みは終わったようだ。

自分を呼ぶ声に気付き我に返った初霜は声の聞こえた方にかけて行った。

 

----同じ頃 舞鶴鎮守府 提督執務室

提督業はそう簡単なものではない。

一日の仕事の8割を書類整理に費やす日々は単調でつまらない。

本当ならば秘書艦をつけて手伝ってもらうのだがまだ提督は秘書官を定めていない。

どの艦娘もどうでもいい話をして全く手を動かさないのだ。

この間まで秘書艦だった加賀は良かったがいまは朝出て夜帰る超規模の作戦に従事しているため業務をこなすのは不可能だ。

今暇な艦娘で真面目に動きそうなやつ・・・。

一人しかいなかった。

 

----数分後

やはり提督の期待は外れていなかった。

完璧な仕事ぶりだ。

口を一つも動かさない。

全員が全員こんなやつだといいんだが。

 

----数時間後

しばらくたって完全に仕事が終わった。

「よし、少し休憩だ。」

「はい。」

そういえばRoarには話が出来るんだろうか。

全自動で動く無人の巨大戦艦。どれほどの会話スキルを身に着けているのだろう。

実証してみたくなった。

「お前はどんな目的を持って開発されたんだ?」

「私が開発された理由ですか?わざわざそんなこと聞かなくても。」

「まあリラックスのついでだ、よろしく頼む。」

「まあ行って問題になることはありませんからね。

私が開発される少し前に帝国軍が作った宇宙要塞が破壊されました。

その時に取り残されていた兵士や士官が死にました。

これから先の人員不足を懸念して帝国軍は戦艦を自動操縦化することを決めました。そのためのプロトタイプとして私は開発されました。

ほぼすべての機能を自動化することが出来ましたがただ一つ、ハイパードライブの起動です。ハイパードライブはほぼすべてが自動化されていましたがなぜかこれだけは出来なかったんです。

この機能の実装が出来上がり初めてテストで起動したまでは覚えているのですが・・・ハイパードライブ起動したときから記憶がないんです。」

「そうか、宇宙の様子とか聞いてみたかったんだがな。ところでお前の機能はそのまま受け継がれているのか?その、艦娘になっても。」

「ええ、この間艤装を付けた際にスキャンしましたが全く問題はありませんでした。」

「そうなのか。」

そこまで言ったとき机の上の電話が鳴りだした。

即座に反応したRoarが受話器を取る。

「はい、そうですか、はい、伝えておきます。」

「なんだった。」

「南西諸島方面の偵察を行っていた第六駆逐隊が日本列島方面に移動していた戦艦水鬼を旗艦とする敵艦隊と会敵状態となりました。」

「なっ、付近にいる艦隊は?」

「現在付近にはいません。」

完全に詰みだ。

短時間の内に増援を送ることはできない。

「あの。」

声が聞こえた。

「私ならいつでも行けるんですが。」

「は?」

「私ならいつでも行けるんですが。」

流石に宇宙戦艦と言ってもそれは無理だろう。

戦艦水鬼がいるだけで普通の戦艦でも太刀打ちは難しい。まして単独で出撃するのは危険だ。もし倒せるのだとしても四人が無事である保証はどこにもない。

そのことをRoarに話した。

「いいですから、私を行かせてください。」

「そこまで言うのだったらいいが。」

「ありがとうございます。では」

 

---- 南西諸島

勝てる気がしない。

当然だ、話で聞いたことがあるだけの深海棲艦がたくさんいる。

弾をよけるのだって精一杯。

自分以外は全員損傷している。

皮肉だ、こんな時まで不死鳥の名を被りたくない。

提督は増援を送ると言っていたがきっと間に合わないだろう。

遠くの空から轟音が聞こえて来た。

空母までいるのか。この世で一番の絶望だ。

音は少しずつ大きくなってくる。

後ろからか、せめて一機ぐらいは撃ち落とそうと振り向いた。

信じられない光景が視界に飛び込んできた。

空を飛ぶ艦娘。見る者に恐怖を感じさせるために作られたかのようなシルエット。

そして何よりその冷徹な瞳。

「危険です。後ろに下がって下さい。後は私が。」

聞く人によっては不快な機械音で話しかけてきた。

「あなたが・・・増援・・・提督が言ってた・・・増援なの?」

暁が驚きに見開いた眼でその声に話しかけた。

馬鹿な、轟沈寸前なのになんて。

声が言った。

「あなた轟沈寸前ですね、なおさら危険です。そこで見ていてください。沈みますよ。」

そういった直後に緑色の光線が彼女の艤装の表面から飛び出した。

かなり離れているはずの水鬼に正確に当たった。

水鬼の艤装を光線が貫通するのを目視できた。続いて爆炎。

それが始まりだった。

艤装から緑や青の光弾が噴き出した。外すことなく着弾し相手を一発で葬り去る。

時折敵の弾が彼女に当たる。しかし彼女はまるで気づいていないかのように砲撃を続ける。いや、よく見ると当たっていないようだ、空中ではじき返しているように見える。

敵はさぞかし慌てているだろう。突如空に艦娘が現れ一発で一体沈めていくのだ。

いや、もしかしたら慌てる暇もなく沈んで行っているのかもしれない。

相手は駆逐艦四隻だと思っていたところにRoarがきた。

慌てるだけの思考力を維持できたのだろうか。

「これで済みました。」

「あ、うん、ありがとう。お礼は、ちゃんと・・・」

暁は最後までいうことが出来なかった。安心して意識が遠のいたのだろうか。倒れ込んでしまったのだ。

「暁!」

雷が暁に駆け寄る。

「これはまずいですね。」

Roarは少し思案していたが口を開いて言った。

「暁さんは私が連れ帰りますので。響さんは電さんをお願いします。

「ああ、わかった。」

お礼を言うべきなんだろうな。

「その、ありがとう。」

「問題ありません。仕事ですから。」

 

----舞鶴鎮守府 ドック

何とか帰って来れた。

電は比較的損傷が軽微だった雷と響が連れ帰った。

暁はRoarが連れ帰ってくれたのだがなにせ空を飛ぶのが初めてだったから自慢話が止まらない。

「それでね、目を覚ましたら空を飛んでたの。最高の経験じゃない?」

「まあ、暁が眠った原因は回避をミスした挙句直撃弾くらって大破したからだけどね。」

「そういう事には触れたらだめよ雷。」

「はいはい。いい加減に話し変えたら。」

まあこんな会話が出来ているのが幸せなんだろうな。

響はすこし微笑んだ。




戦闘描写は苦手なんです、、
次話は来週くらいになると思います。


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Ⅴ 仕事

遅くなり申し訳ございません。

決して失踪とかじゃないんでご安心を。


----舞鶴鎮守府 初霜とRoarの部屋

この人はなんて暇そうなんだろうか。

勿論実際は暇ではなく、秘書艦というかなり重要な役割がある。しかし彼女は、「用があったら内線で呼んでください。」

と提督に言い放ち。普段は自身の部屋でのんびりゴロゴロしている。

秘書艦は鎮守府で一人しかなれないばかりか、一日中提督と接することができる。いわば艦娘のあこがれの役職なのだが。

「Roarさーん。」

「おーい」

「聞こえてますかー」

三度目の呼びかけで、閉じていた瞼がゆっくり開く。

「なんですか。」

相変わらず無機質な声で答える。

Roarの声はかなり特徴的だ。

まず、感情を感じさせない。よって怒っているのか喜んでいるのかがよくわからない。

そして抑揚がない。自分がまるでロボットと話しているような気分になってくる。

だからRoarの着任から一か月たった今でもなれない者は多い。

「内線で提督がすぐ来てくれと。」

「わかりました。」

あの声にもいい所はあるんだろうな。初霜は思った。

直前まで寝ていても眠そうな声にならないもの。

 

----提督執務室

戸を叩く音が聞こえた。

「はいっていいぞ。」

戸を開いて中に入って来たのはRoar。この間の第六駆逐隊遭難の時からずっと秘書艦にしている艦娘だ。

「御用でしょうか。」

用がないならさっさと帰ると言わんばかりのまなざしで聞いてきた。

「ああ、次の作戦について大本営から資料が送られてきてな。」

「見せてもらってかまいませんか。」

「おう。」

そう言って資料を手渡した。

一瞬でRoarの顔が曇った。

「これは・・・かなりきつい内容ですね。」

ああ、提督は答えた。

「お前なら行間をどう読む。」

数秒悩んだのちRoarは答えた。

「この破格の任務報酬を見るに、私を出撃させろ。ということでしょうか。」

「その通り。しかも敵に察知されぬよう戦艦の利用を控えろ。これはもうきまりだろう。」

Roarがはぁ、とため息をつく。

「私の存在を報告したのですか。」

「正式には上げていないが。」

「それとなく伝えはした。ということですか。」

「ああ、そうなるとこの間新規で船籍にはいった駆逐艦だろうと感づいたわけだ。」

そこまで話したところで戸を叩く音がした。

手早く資料をしまったRoarが戸を開ける。

「失礼します。」

吹雪が入って来た。

「提督、演習の報告に上がりました。」

「ご苦労さん。そこに書類置いといて。」

「はい、あの・・・。」

「どうした、まだ何かあるのか。」

「よろしかったらRoarさんとも演習してみたいんですが。」

「他の鎮守府とでは物足りんのか。」

少し困らせることを言ってみる。

「い、いえそういうわけでは。」

「冗談だ、ちょうど用も終わったし。Roarも久々に動きたいだろう。」

Roarが答える。

「まあ、動きたいですけど。」

「よし演習を認める。ただし記録は作るな。」

「え、なんでですか。」

「何でもだ。分かったな。」

 




次回はRoarと吹雪の演習と、新作戦の冒頭を書かせていただきます。
いつになるか分かんないですが、よろしくお願いします。


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