ハイスクールH×K×S〜兄妹の約束〜 (沖田玉藻)
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プロローグ
チュンッチュンッ……チュンッチュンッ…
カーテンを引いた窓の外から小鳥たちのさえずりが部屋に響き渡る
カーテンの隙間から朝日が差し込みその先には一台の大きなベッドがありそこでは仲の良い夫婦とその娘が寝ていた
娘は夫婦の間で服の袖をつまみながらすやすやと眠っている。夫婦はと言うと娘を挟んでいるにも関わらず娘の握っていない方の手を繋ぎながら寝ていた
こうしてみると川の字になって寝ているが夫婦が如何にも仲睦まじくそれでいてラブラブな恋人の様に映る
朝日は娘の顔にあたり眩しくて目を覚ます。まだ両親が寝ていたので娘はまず父親の肩に両手を乗せて激しく揺らしながら起こす
「おとうしゃん!!起きて!!朝だよ!!おしゃんぽいこうよ!!」
その後母親の肩にも乗せてまた激しく揺らす。
「おかあしゃんも起きて!!おなかすいた!!」
夫婦は朝から元気な娘に起こされゆっくりと目を覚ます。
「おはよう。咲雪(さゆき)、潤《じゅん》。」
「おはようさん。咲雪、あ・な・た♡」
「うん!!おはよう!!おとうしゃん!!おかあしゃん!!」
親子は朝の挨拶を交わすと夫である灰詩《はいじ》は心の中で「咲雪の舌ったらずがかわいいよぉぉぉ」と叫びつつも父としての威厳を保つために平然を装っていた。
夫が娘とじゃれ合っている内に妻の潤は方は寝室を出て朝食の支度をするために台所へと向かう。実は妻の潤の方も娘の呼び方に少し心揺さぶられたが何よりも愛しの夫の灰詩が娘の咲雪にデレデレなのがつまらなく感じていた。潤はハッとなり心の中で(うちは娘に何故嫉妬してるんや…)と気持ちを切り替えて朝食の準備に取りかかった
時間は少し遡り、寝室の灰詩と咲雪はというと……
灰詩は咲雪を抱き抱えると「たかいたか~い」と娘とじゃれあいをしていたが妻が台所へ行くときに少し寂しそうで、それでいて少し嫉妬をしているような顔をしていたのをしっかりと見ていた。灰詩は娘とじゃれあいながらも「あとで、フォローしとくか……全く自分の娘に嫉妬とは困った嫁さんだな……私の中ではいつでもいつまでの潤が一番なのにな……」と心の中でつぶやいた
咲雪はそんなことをつゆとも知らずに「たかいたかい」をされてキャッキャっと満面の笑みで喜んでいた
咲雪としばらくじゃれあっていた灰詩は咲雪に「お着替えしておいで」と声をかけて部屋へと行かせると自分も動きやすい服に着替え朝食の準備をしているであろう妻のいる台所に向かう
台所に近づくとトントントンと包丁で何かを刻んでいる音が響いていた。灰詩はイタズラ心が出て仙術で気配を消して妻の背後から腕を腹部に回す様に抱きついた
突然背後から抱きつかれた潤はビックリしてビクッと肩を上げながら「きゃっ!!」と可愛らしい声を出す。潤が背後を確認しようと首を向けようとすると首すじに誰かの顔が入り向くことができないまま首すじに口づけをされてビクッとまた肩を上げる。潤はこんな事をする犯人に…最初から気づいていたが…灰詩に向けて声をかける
「ちょっとあなた…仙術で気配を消して近づかないで下さいな…」
「ゴメン…ゴメン…潤が咲雪に嫉妬なんてするから意地悪したくなったんだよ。あと何となくこうした方が潤は喜ぶかな〜って思ってね?」
灰詩はまったくもって詫びれた様子なくそう答える。潤はそんな灰詩の様子に呆れながらも自分に構ってくれた嬉しさの方が勝り上機嫌になる。そして灰詩が左手の親指と人指し指を潤顎に当て顔を自分の方に向ける。潤は灰詩になされるがままに顔を向けると唇が触れるだけの口づけをする。しかし潤は満足しなかったのか灰詩の方に向き直り両腕を首に回すと今度は潤から灰詩に口づけをする。2人の周りにピンク色のオーラがまとっている様に思えるほど甘い空間が台所にあったのだった
しばらくその甘い空間を2人で共有すると満足したのか潤は何時ものおしとやかな優しい「母」の顔に戻り朝食の支度に戻った。そして灰詩は咲雪の様子を見に部屋へと向かう
咲雪の部屋の前に行くと丁度着替え終えた咲雪が部屋のドアを開けて出てきた。咲雪の服装は春らしい明るい色をした長袖の上着に淡い水色の膝丈のスカートをはいていた。灰詩は咲雪の服装は妻のーと感性がいていると思いつつも咲雪に声をかける
「咲雪、よく似合ってるぞ。じゃあ朝のお散歩に一緒に行こうな?」
「うん!!さゆき、おとうしゃんとおしゃんぽいく!!」
咲雪は満面の笑みで両腕を上に挙げてそういう。灰詩はそんな咲雪の姿に可愛いと思いながらも手を差し伸べて咲雪と手を繋ぎながら玄関へと向かった。
玄関で靴を履き咲雪と灰詩は玄関から「行ってきま〜す!!」と声を掛けると奥の方から潤がエプロンで手を拭きながら出てきて「行ってらっしゃい」と2人に向けて手を振る。灰詩は手を振り替えしながら潤に声をかける
「帰ってきたら朝食楽しみにしてるよ」
「うふふ…じゃあ飛びっきりおいしいご飯作らないとね!!」
潤は小さく両腕でガッツポーズをしながら満面の笑みで返す。灰詩は潤に少づつ近づき二人の距離がゼロになりかけたときに灰詩の服の裾が引っ張られた。灰詩が振り向くと咲雪が服の裾を引っ張りながら頬を膨らませていた。
「おとうしゃん!!早くおしゃんぽ行こうよ!!」
「「……」」
灰詩と潤はとっさに離れて頬を赤くしながら灰詩は頭をかき、潤は来ていた着物の袖で口元を隠しながら「うふふ…\\\」と笑って誤魔化し灰詩は咲雪の手を引きながら散歩へと出掛けた。
外は春の陽気で暖かくときどき吹く風が心地よいいい天気だった。灰詩は咲雪と手を繋ぎながらゆっくりと森の中を歩く。咲雪は周りをきょろきょろしながら楽しそうに歩く。時々咲雪が灰詩の手を離して走りしゃがんで花の臭いを嗅いだり、飛んでいる虫を追いかけ回したりしながら数十分かけて散歩をして自宅へと戻った。
自宅近くになるといい臭いがしてきた。灰詩と咲雪は顔を会わせると笑顔になり自宅へと早足で戻る。玄関の扉を開け、家に上がり手洗い・うがいを済ませてリビングへと行くと机の上には湯気をたてたおいしそうな朝食が用意されていた。しかしそこには灰詩の妹である白音と黒歌がいなかった。灰詩は疑問に思いーに訪ねると「そう言えば今朝はまだ顔を見いひんなぁ」と言ったため「起こしてくると」声をかけると咲雪が「さゆきもいくーー!!」と元気一杯に言ったので一緒に起こしに行く。
灰詩と咲雪は廊下を歩いて白音と黒歌の部屋へと向かう。まずは白音の部屋の前へと行きドアをノックする。しかし部屋からの返事が返ってこないためゆっくりとドアを開けると白音はまだベッドの上で寝息をたてていた。灰詩は咲雪の方に顔を向けると丁度咲雪もこちらに顔を向けたところだった。灰詩は咲雪に向けて小さくうなずくと咲雪はぱぁっと笑顔になりゆっくりと白音が寝ているベッドへと近づきジャンプして白音の上に飛び乗る。
「ふにゃ!!!!?」
白音は突然の腹部の衝撃に情けない声と反射的に思わず手が出る…が寸前で誰かに腕を捕まれた。不思議に思い目を開けると自分のお腹の上には咲雪が乗っており反射的に出た手は兄の灰詩によって止められていた。白音は少しずつ意識が覚醒してきて驚いたように目を見開きそして自分がしてしまったことに青ざめあわあわとしだしたが灰詩は白音の頭に手を置きポンポンと優しく叩き落ち着かせると声をかける
「おはよう、白音。今朝は随分と寝坊助だな」
「しろねぇね、おはよう!!」
「おはようございます灰詩兄さん、雪ちゃん」
白音は2人に挨拶をしてベッドから降りキョロキョロと周りを見る。いつも朝起こしに来る姉がいない事に気づく。その様子に灰詩は気がつき話しかける
「黒歌はまだ寝てるよ。これから起こそうと思ってたとこだよ」
「そうですか。……あれ?雪ちゃんはどこにいっちゃったのかな?」
「……そう言えば見当たらないなぁ」
2人は白音の部屋をキョロキョロと見渡すが白音を起こした咲雪の姿が見当たらなかった。どこへ行ったのかと探そうとすると向かいの部屋から「ドンッガラガラガッシャーン!!」と大きな音がした。2人は慌てて向かいの部屋に行くと咲雪と黒歌がクッションやぬいぐるみを投げ合っていた。咲雪は笑顔で「にゃあ、にゃあ!!」と言いながら向かってくるクッションやぬいぐるみを避けていた。対する黒歌はクッションやぬいぐるみを投げながら「私のマネするにゃあぁぁ!!」と言いながら怒り心頭だといった様子でプンプンと怒っていた。慌ててきた2人は「「あぁ…何時ものヤツかぁ」」と苦笑しながら見ていた。それに気がついた黒歌は灰詩に助けを求めるためにじり寄る。
「灰詩兄〜〜さっちゃんが、さっちゃんがぁ」
「どうした黒歌?咲雪がどうした?」
「さっちゃんが私のことを「おばちゃん」って言ってくるよぉ〜。なんで白音は「ねぇね」なのに私は「おばちゃん」なのよぉ」
「……」
灰詩は黒歌のこの訴えに何も言えずに顔を背ける。咲雪はと言うと白音に頭を撫でられながら「しろねぇね」と言いながら抱きついていた。そこへなかなか戻らない2人を呼びにーが来るとまた投げ合いを始めていた咲雪と黒歌を見て「あぁ…またいつものねぇ」っと微笑みながら見守る。しばらく3人でいつもの光景を見ていると潤がハッとなって皆んなに声をかける
「みんな早くしないと朝食冷めちゃうけん。はよしんさい」
「「「「はぁ〜い」」」」
こうしていつもの賑やかで平和な日常が過ぎていくのだった
to.be.contiued…
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プロローグ2
カーーーンッ、カーーーンッ
深く暗い森の中、何かがぶつかり合う音が森中に響き渡る
カーーーンッ、カーーーンッ
暗い森の中を音が響いている方に向かうと少しずつ辺りが明るくなってきた
深く暗い森を抜けるとそこには自然に切り開かれた草原が広がっていた
その草原の中心には大きめの平屋の一軒家が建っているがその周りには幻術が張られており家主に認められネックレスを持ったものにしか潜ることが許されていなかった
今はその家の家主とその妹が木刀を使った修行をしていた。そしてその近くでは今修行している妹の姉であり家主の妹である女性がタオルを首にかけ汗を拭いながら二人を見守っていた
「兄様いきます!!」
「来い!!白音!!」
兄は妹の名を呼ぶが上手く聞き取れないが妹は木刀を構えると兄に打ちかかる!!
兄はその打ち込みを木刀で受けるが弾き返す妹は諦めずに何度も打ち込みを繰り返すがその尽くは弾く返される
兄は打ちこまれるばかりだったが隙を見て打ち込まれた木刀を自分の木刀で受けた時に手首を返して振った!!
ブンッ!!
木刀は妹の目の前で寸止めされたが妹はビックリして後ろへと尻餅をついてしまう
兄は尻餅をついてしまった妹にすぐさま近寄りあたふたとする
「ご、ゴメン…白音。ケガはないか!?」
妹は過保護な兄の行動に手を口元に当てながらクスックスッと可笑しそうに笑った
「兄様過保護すぎです。ただビックリして尻餅をついてしまっただけですよ?」
そう言うと妹は膝に手を当てながらゆっくりと立ち上がりお尻についた砂埃をパンッパンッと払う
「……」
「?……どうしました兄様?」
「…いや……白音は可愛いなぁって思って」
「!!\\\……」
白音は顔をうつ向かせ頬を染める。そしてそれを見ていた黒歌は兄に向けてからかうように声をかける
「にゃははは、灰詩兄は白音を落としにきてるにゃん」
「?何か可笑しなこと言ったか?」
「………これだからシスコンは困るにゃ…」
「ちなみに黒歌も可愛いと思うぞ?」
「にゃ、にゃにゃぁ!!ふ、不意打ちは卑怯にゃ!!」
黒歌は灰詩からの一言にあわてふためくと灰詩はハハハッと笑いながら黒歌の頭をポンポンと叩く
「そういうとこが可愛いんだよなぁ黒歌は。如何にも誉め慣れてなくて誉めるといちいち反応するとこがね」
黒歌は灰詩のその様子に頬を染めながらも「はぁぁぁ」とため息を吐きながらやれやれと頭を振る
「灰詩兄には敵わないにゃ…コノチョウゼツシスコンアニキ」
白音は二人の掛け合いに少し嫉妬し頬を少し膨らませながら灰詩の服の袖をつまみ引っ張る
「兄様……私も頭を撫でてください」
白音のこの発言に灰詩はグフッと体を前かがみにし黒歌はブハッと言いながら後ろへと倒れる。黒歌のその顔は惚けており時おり「グヘヘ…白音は可愛いにゃん………」とつぶやいていた。灰詩は白音のお願いどおり頭を撫でてあげると幸せそうに「ふにゃぁぁ」と声を出していた。
「…やはり兄様のなでなでは格別です…」
灰詩は白音の頭から手を離すと白音は満足そうにすると満遍の笑みで指を猫の様に曲げて「ありがとにゃん♪」と灰詩に向けて言うと耐えきれなかったのか灰詩もグハッと言いつつ後ろへと倒れたのであった
そんな茶番劇を繰り広げながらも平和な日常が送られるはずだったのだが彼らはまだ知らない
途中休憩を挟みつつ修行が進み今は仙術と妖術の修行に入りしばらく時間がたっていた時だっだ
ブワッン………
次元の狭間から何かが飛んできた。それは仙術の上級者をもってしても察知するのが難しいものだった
灰詩たち兄妹は仙術の修行のため目をつむり精神を統一をしていた
次元の狭間からきた何かは少しずつ兄妹へと近づく
灰詩たち兄妹の身体の周りに白い光が集まっていく
灰詩たち兄妹に何かが直撃するまで残り2メートル
集まった光はやがてオーラの様にゆらゆらと揺れ始める
残り1メートル
そこで灰詩は何かに気づき斜め上を見上げた
残り…3
灰詩は妹たちに妖術による障壁を張る
…2
妹たちの前に立ち両腕を広げる
…1
痛みに耐えるために目をつむり、歯をくいしばる
…0
灰詩は何かによるダメージを受けるはずだったのだが……
身体のどこにも痛みを感じなかった。そして目を開けると目の前には今までいたはずの妹たちがおらず家もなかったがそこはさっきまでいた場所だった
不思議に思い仙術で気配を探る………すると
「……ん?…何か懐かしいオーラを感じる……それとそのさらに奥に大きな二体の龍のオーラもあるな……」
ここからそう遠くないところに凄く懐かしくそして二度と感じることのできないオーラが感じられ、奥には封印される前のある二体の龍のオーラも感じとることができた。
「とりあえずそちらに向かってみるか…」
そう言って灰詩は気配のする方に転移した。
転移すると目の前には灰詩と歳が変わらないであろう若かりし頃の両親がいた。
そして二人はそろって上空を見上げそこで繰り広げられている二天龍と三大勢力の戦闘を見守っていた
灰詩は転移を使い、遥か上空に転移し二天龍に向けて仙術と妖術を織り混ぜた攻撃を放つ
その攻撃は赤と黄色の螺旋を描きながら赤い龍へと直撃する。周りに凄まじい爆発音を轟かせ赤い龍へとダメージを与える
突然の攻撃に二天龍と三大勢力の戦士たちは騒然とする。攻撃をした者を探すために首を回して探す
灰詩は攻撃を放った後転移し両親の近くに移動し声をかける
「二天龍を倒すためにチカラを貸してはくれないか?」
突然後ろから声がして驚いた両親は振り向き灰詩と対面する
「!!ビックリした…貴方は一体…何者だ?」
「それとさっきのあの攻撃は貴方が?」
両親は疑う様に返事を返す。灰詩は驚くのも無理はないか思い返事を返す
「私の名は灰詩。種族は猫又の猫魈。つまりは貴方たちと同じだな」
「「ッ!!」」
「何故それを…イヤ…当たり前か。貴方の気の流れを見ればすぐに分かる…。相当の仙術の使い手であることが」
「私にも分かるは…多分だけれども妖術も多彩であると思うの」
「よく分かりましたね…確かにどちらとも私は得意としています。それで貴方方の名前は何と言うのですか?」
「「あっ………」」
「これは失敬…俺の名玖白《こはく》よろしくな」
「私の名は彩歌《さいか》。彩る歌と書いて彩歌よ。よろしくね」
灰詩は2人の名を聴くと小さく「やはりか…」とつぶやく。そして灰詩は小さく頭を振り気持ちを切り替る
「あの二天龍を共に倒さないか?同じ種族の仲間として」
この提案に若かりし頃の両親は二つ返事で了承する
「あぁ!!共にあの二天龍と戦おう!!」
「えぇ!!貴方がいればとても心強いわ!!」
そして3人は二天龍へと向き直り灰詩の声に対して気合いのこもった返事をする
「行くぞっ!!!!!!」
「「オウッ!!!!/ハイッ!!!!」」
そして3人は二天龍へと走り出した
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プロローグ3
灰「お主何をしていた?」
作「引きこもってたり仕事探してて投稿出来ませんでした」
灰「(冷たい視線)まぁ仕方ないな…一旦締めとくか」
灰詩は手に魔術を展開して作者に放つ
作「フハハハハ…キャラクターが作者に勝てると思っているのか……ギャァーーーーー」
灰「制裁完了」
作「本編…DO…U…ZO…」
バタンッ…作者は床へと倒れこむと血で本編ど、と書き力つきる
灰詩はその作者へと近づき頭にチョップを入れる
灰「作者がキャラクターより弱くてどうする…」
作「き、気を取り直して本編どうぞ!!」
走り出した灰詩たち3人はそれぞれの得物に手を伸ばす。灰詩(はいじ)と玖白(こはく)は日本刀を彩歌(さいか)は自分の回りに仙術と妖術を展開する。
灰詩は鞘の鍔元に左手を添え親指で鍔を押す。チャキッと音を立て柄を握ると砂埃を立てながら止まり居合斬りを三大勢力と二天龍に向けて放つ
「…黒蝉」
そう呟くと同時に鞘走りの音とともに複数の呪いを纏った鎌鼬が向かっていく。鎌鼬は二天龍に当たり傷をつけると同時にその場所を少しずつ腐敗していく。腐敗した箇所からは血が流れ、毒が体内に回り出す。
二天龍は突然身体が重くなったことに一瞬動揺するがそれでも毒など気にせず攻撃が来た方へ首を向ける。
そこには3人の…いや2人の妖怪がこちらに向かって走り、もう一人は抜刀した状態でこちらを睨みつけていた。二天龍…ドライグとアルビオンはこちらに向かって来る2人…玖白と彩歌には目もくれずに灰詩に向けて2匹の龍はブレスを吐く。
ドライグとアルビオンの吐いたブレスは灰詩がいた場所に狙い違わずに当たり爆発が起こった。
走っていた玖白と彩歌はすでに爆風の影響を受けない距離まで走ってはいたが灰詩か心配になり立ち止まり振り返ってしまう。
が、しかし灰詩はすでにそこにはおらず2頭の龍の目の前に転移していた。
「捕縛の檻…」
灰詩は抜刀したままだった日本刀でドライグとアルビオンを囲うように周りの空間を斬りつけるとドライグとアルビオンは突然身体が縛り付けられたように動かなくなりそのまま地面へと落下して
ズドーーーーン!!
ドライグとアルビオンは大きな音と大量の砂埃をたてて地面へと落ちてきた丁度そこに玖白と彩歌が近付いて来ており玖白は日本刀を抜きはなちながら駆け寄り攻撃を放つ。
「フンッ!!」
玖白はその掛け声と共に抜き放った日本刀を目にも留まらぬ速さで赤い竜を斬りつけて行く。
玖白が赤い竜を日本刀で斬りつけている時と同じくして彩歌は白い竜に妖術と仙術を織り交ぜた遠距離攻撃を雨あられのように浴びせかける。
二天竜はこの攻撃にたまらず悲鳴を上げる。灰詩は二人が攻撃に集中している間に日本刀を左脇に構えて妖術を刀身に纏わせていた。二人は後ろからの強大な気配を感じ攻撃をやめ離れると同時に灰詩は刀身に込めた妖術を振り放つ
「妖牙天衝!!」
そう叫ぶと左脇から袈裟斬りのように日本刀を振り抜くと刀身の妖術が地面を割りながら二天竜に迫る。二天竜はその攻撃を避ける方ができず直撃する。二天竜は直撃を受けボロボロの体で立ち上がり怒りを表す。
「オイ、白いのこのままやられぱなしは俺たちのプライドに関わるからここは2人で共闘しないか?」
「そうだ、赤いのここは一旦共闘してあの雑魚3人を消しとばしてから決着をつけるとしようか」
二天竜はそういうと二頭の竜は灰詩たちを睨むと口に今までにないくらいのエネルギーを貯めて灰詩たちに放つ。灰詩たちは上空へ避難するとそちらに向けて二天竜はブレスを放つが灰詩は玖白と彩歌を守るために仙術を練り目の前に障壁を展開した。
「蒼盾《せいじゅん》!!」
灰詩がそういうと3人の前に蒼く重厚な盾が現れ3人を二天竜のブレス攻撃から守る。盾に当たったブレス攻撃は拡散して三大勢力の兵士たちの方へ向かう。しかし3人の後ろは攻撃が弾かれていたためたまたまいたカテレア・レヴィアタンたち四大魔王の娘、息子たちを守っていた。のちに幼少期の灰詩を影から守っていたとこにこの時は知るよしもなかった。
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