終末の唄 (OH‐)
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序章.1

お読みいただきありがとうございます
初めまして、OH-という者です

前々から書いてみたかったということもありゴジラの二次創作をやってみましたって感じです
皆様どうかよろしくお願いします

それでは、序章から、どうぞ


 豪雪が降りしきる極寒の大地。

 

 辺りは夕暮れの如く薄暗い。

 

 静寂が似合いそうな銀世界。

 

 だが、そこは現在、阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。

 

 

 

「誰か!!誰か生き残った者はいないのかぁ───!!!」

「衛生兵───!!!」

 壊れた戦車の一輌から、何人かの兵士が這い出てきた。

 その隊のものだろう。辺り一面に何輌もの戦車が横転し、破壊され、寒さにも関わらず業々と燃え上がっていた。

「───うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 まだ若い青年兵士の悲鳴が響いた。

「誰かぁぁぁ助けてぇぇぇぇぇ」

 先端部が蛇の頭の様に口となっていた、濃緑色の触手に咥えられた青年がそのまま触手に攫われていった。

「嫌だぁぁぁぁぁぁ!!!」

 また、誰かの叫びが砕け散ってゆく。

 

 

「くっそぉ……このままでは……!!」

 

 壮年間近の士官は、目の前の怨敵を睨む。

 

───キョェェェァァァァァァ───

 

 やたら甲高い凄まじい咆哮を上げたそれは、全身を濃い緑色の蔓で覆い鰐の様な巨大な咢を掲げた、文字通りの異形。

 目測でも全高220mはある巨大な怪獣。

 バラ科の植物を連想させる全身を覆ったその茨は、どこか咎人の背負った鎖を連想させた。

 

 ビオランテ

 

 その巨大怪獣は、そう名付けられていた。

 

 本来ならこんな地にくるはずはない、そいつが。

 

 巨木の様に長い、それでいて鞭の様に撓るその触手が振るわれ、戦車中隊が蹴散らされたのだ。

 

 増援に来た戦車中隊が一斉砲火を浴びせるも、まるで効果がないどころか、彼らもまた仕返しとばかりに触手により蹂躙されてゆく。

 

 

 そこへ、である

「───ッ!!?」

 新たな影が飛来したのは。

 

───Pgggeeeeeaaaaaaaaahhh!!!───

 

 ビオランテのものよりも甲高く耳障りな、だがそれ以上に強烈な咆哮がその戦場に響き渡る。その影響か、ビオランテが怯んだ様にも見えた。

 

───Pgggeeeeeaaaaaaaaahhh!!!───

 

 その咆哮が上がったのは一度だけではない。

 

───Pgggeeeeeaaaaaaaaahhh!!!───

 

 何体もいるのか、そう思っていた時に、それは姿を現した。

 いつの間にか空を覆っていたらしい分厚い雲を裂き現れたのは、神々しいまでに黄金色に輝くさらに巨大な一体の怪獣。

 悪魔的な印象の角が生えた西洋の竜の様な顔付きをしている、三本の長い首。その獰猛な眼差しが、ビオランテとそれに必死に抵抗する人類を睥睨した。

 

 

 その者の名は───グランドギドラ

 

 

 ギドラ族と呼ばれる竜型の怪獣の、最上位に位置する個体だった。

 

 それが、ビオランテに向けて雷撃にも似たブレス───引力光線を立て続けに放つ。

 これがビオランテがここに姿を現した理由だ。

 ビオランテはここにある国連軍基地を襲いに来たのではない。グランドギドラから敗走してきたのだった。

 

───イ″ェ″ェ″ェ″ァ″ァ″ァ″ァ″ァ″ァ″───

 

 膨大なエネルギーの奔流を受け絶叫を上げるビオランテ。さらにその流れ弾で蹂躙される戦車大隊。

 

「ぐわぁぁぁっ!!!」

「ぎゃぁぁぁっ!!?」

 

 悲鳴が爆音と共に響く。

 

 今や虫の息も同然に消耗したビオランテ。

 

 あくまでビオランテを狙わんとするグランドギドラ。だが圧倒的過ぎるその力の前に、人類は成す術も無く巻き込まれることしかできなかった。

 

「……く、しょぉ……」

 

 辛うじて生きていた壮年兵士の耳に、届く。

 

「……ちく、しょぉ……っ───!!」

 

 声音からしてまだ若いらしい誰かが、そう呻いた───

 

 

 

 ───その時だった。

 

 

 あいつが現れたのは。

 

 

───ゴォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!───

 

 

 青白い強烈なる光の奔流が貫通した氷山を一瞬にして蒸発させ、そのままグランドギドラを捉える。

 

 ビオランテへの攻撃を中断し、グランドギドラは慌てることもなく自身の斜め後方へと飛び退く───同時に、その右翼と紙一重で避け飛び退いたことで飛んできた光の奔流はビオランテに直撃し、その身を一瞬にして爆散させた。

 

───Pggeeaaahhh!!!Pggeeeaahhh!!!Pggeeaaahhh!!!───

 

 獲物を奪われて憤ったか、あるいはさらなる敵と認識したのか。最早残党と言っていいまで甚振られていたとはいえ未だ生存者がいた国連軍戦車部隊に背を向けてまで、グランドギドラの三つ頭は新たに現れたそいつを睨み咆哮する。

 

 

 視線の先にいた、その存在。

 

 

 それが、跡となった氷山を踏み砕きながらその御姿を現す。

 

 

 かつてある地にて、神と崇められていたその者。

 

 

 体表を漆黒(くろ)く染めたその者は───

 

 

 

───Gha↑ahh↑ahh↑ahhhhhh↓ooounnnm!!!───

 

 

 

 ───地鳴りを起こす程の、膨大なる音の奔流を轟咆として迸らせた。

 

 

 





ちなみに世界観については後に解説回を設ける予定です


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序章.2

1月に一話を更新してから待ってくれてた皆様、

大変お待たせしてしまってすまない……(某CV諏訪部並感)

というわけで、序章.2公開です、どうぞ


───Gha↑ahh↑ahh↑ahhhhhh↓ooounnnm!!!───

 

 強烈なる轟咆が辺りに響き渡る。

「あれは……!!」

 戦車隊にいた青年士官がその姿を捉える。

 

 薄暗い中でもなお、否、逆にその漆黒色の巨体は目立っていた。

 

 鈍い白色の背鰭が僅に青みがかった光を、また纏い始める。

 

 その全高も、目測だが100mはあるんじゃないだろうか。

 

「【大和】……!!」

 

 その名が、士官の口から零れ落ちた。

 

 それと共に、さらなる影が飛翔する。

 

「あれは……!!!」

 

「轟天号だ……ッ!!!」

 

 その姿に気付く、辛うじて生き残った者達。

 

「総員、撤退準備ッ!!!

生き残った者達だけでも撤退するッ!!!

散った者達の為にも生き残れッ!!!」

 

「「「了解ッ!!!」」」

 

 

 

 その場に現れた、一隻の()()

 

 全領域対応型多目的航空機動戦艦【轟天】。

 

 葉巻型潜水艦と戦艦を足して割った様な姿と、艦首部に備わった巨大なドリルが特徴と言える()()だ。

 

 ()()、と言ったが、()()()()()()()

 

 暫く前に地球を訪れた異星人【ビルサルド】並びに【エクシフ】の技術を以て、元々『海底軍艦』として開発され途中で放棄されていた艦艇の()()()()を元に建造された飛行が可能な戦艦だった。

 

 

「新たに現れた怪獣は100m級の【ゴジラ】───」

 

 【轟天】オペレーターが艦長に報告する。

 

「───コードネーム【大和】とされます!」

 

「【大和】、だと……!!?」

 

 それは今よりもずっと昔。その同類が世界で初めて確認された時の事だ。

 

 それは日本 大戸島に伝わる海神【呉爾羅(ゴジラ)】に因み、ゴジラと名付けられた。

 

 だが、時が経つにつれてゴジラは複数体───それも著しい個体差があるもの達が立て続けに現れた為に、日本はそれぞれの個体を旧日本海軍の戦艦級の命名式と同じ『旧国号』のコードネームで呼称することとなった。

 

 【大和】は、その内日本に現れた七番目の個体。

 特一級最重要機密資料に記されているその生い立ちが影響しているのか。【大和】は、ゴジラの中で最も人類に対して友好的な個体とされていた。

 

 だが、それでもその力は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 戦車隊とグランドギドラの間に割り込み、【大和】はグランドギドラへと向き直る。戦車隊を気遣っているのか尻尾を地面より余裕のある高さまで振るい、しかし上手く重心のバランスを保っている。

 

 巨大な翼を羽撃たかせホバリングする様に宙に浮いていたグランドギドラも、後退しながらも【大和】へ睨み付ける。

 

 睨み合う両者。

 

 縦五列に並んだ雄々しい背鰭がストロボの様に連続で点滅を始め、大きく開かれた顎《アギト》から、臨界の様な蒼白い光が漏れる。───直後

 

───ゴォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!───

 

 グランドギドラへと襲いかかる熱と光の奔流。

 

───Pggggggeeeeeerrrrrr!!!───

 

 引力光線で応戦するグランドギドラ。

 

 互いの熱線・光線が正面からぶつかり合う。激しくスパークが迸り、削れる様に飛び散ったエネルギーの塊が流れ弾となって周囲に降り注いだ。

 

 【大和】の影に重なったことで、戦車隊に火の粉が降りかかることはなかった。だが安心できる状況なわけではない。

 

「轟天砲、砲撃開始ッ!!」

 

 撃ち合いが中断されたのを見計らった艦長の号令により【轟天】が砲撃を始める。

 

 標的はグランドギドラ。射線に【大和】が入り誤射せぬ様、両者の側面に回り込む様に陣取った【轟天】。左舷に向けた三連装砲二基、連装砲二基により砲撃を放った。

 

 一発でも大規模の城壁を穿ち破砕する大口径砲の連射。だがそんな攻撃も、グランドギドラほどの怪獣には水鉄砲の足し程度にしかならなかった。

 

 三つある内の左側の首が、【轟天】に向け引力光線を放つ。

 

「左舷に被弾!」

 

 中腹部に被弾し、船体が激しい震動に見舞われる。その首はさらに横に薙いだ。

 

「艦尾に被弾!」

 

「艦長!!船体、高度を維持出来ませんッ!!!」

 

 浮力を失い落下していく船体。

 

「総員!!衝撃に備えよ!!!」

 

 

 落ちていく【轟天】を見やるグランドギドラ。そこへ【大和】が熱線を放つ。

 

 首の片割れが引力光線で迎撃。撃ち合った光が空中で爆ぜる。

 

 立て続けにあと二つの首も引力光線を撃ち出した。

 

 戦車隊を庇うように屈んだ【大和】に、集束した電光が襲いかかる。

 

 

───Goaaaaaaaahhhhhhhhh!!!───

 

 

 苦悶する様な声を上げる【大和】。何発も立て続けに浴びせられる。

 

 今のうちにとばかりに、撤退していく戦車隊。辛うじて動ける四、五輌に入れるだけ生存者が入り、散った者たちの形見を最低限だけ詰め後退していった。

 

 そうしてそのうち……十一、十二、十三と電光の濁流を浴びせられ、ついに【大和】が───倒れた。

 

 

 戦車隊を庇い振り上げていた尻尾が垂れ落ち、残された碑達に降り下ろされ、沈黙する。

 

 

 緋色の瞳が。光を失う様に、閉じられる。

 

 

 

───Pggeeaaahhh!!Gggeeeaahhh!!!Gggeeaaahhh!!!───

 

 

 

 勝利を確信したのか、雄叫びを上げるグランドギドラ。それはうつ伏せで横たわる【大和】に近づいていく。

 

 

 蹴りでもいれようとしたのか。目の前まで迫る。

 

 

 その次の瞬間───

 

 

 

───Gaaahhhhhh↑↑↑!!!───

 

 

 

 短い咆哮と共に突然起き上がった【大和】が、グランドギドラの中央の首に噛み付いた。

 

 突然の予期せぬ事態───倒したはずと信じ切っていたが故の事態に、混乱するグランドギドラ。両腕でがっちりと胴体に組み付き、噛み付いたまま【大和】は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 体内放射───熱線として使うべくチャージしたエネルギーをそのまま溜め続け、体内で暴発させるという荒業だ。

 自身の身体をボロボロにするかわりに放つ一撃も、ゴジラ種特有の強靭な生命力・再生能力があるからこそ()()()()()()で済むのだった。

 

 胸部に無数に開いた穴が修復されていく。一方のグランドギドラは皮膚が焼け爛れ鱗が捲れ剥がれていた。

 

 治りきる前にケリを───そう思考したことであろう。だが、次の瞬間───

 

 

───!?!?!?!?!?!?───

 

 

 グランドギドラは宙を舞っていた。

 

 

 自らの意思で飛んだのではない。

 

 

 背負い投げの要領で投げ飛ばされたのだ───あろうことか【大和】に!

 

 さらにグランドギドラに衝撃が走る。投げられた先で尻尾で打ち上げられ、そのまま放り投げられたのだ。

 

 立て続けに喰らった反撃、一転攻勢した戦況に激昂と混乱でどうにかなってしまっていた。

 

 【大和】も、引導を渡す準備が整っていた。

 

 体内放射で開いた傷が塞がったのだ。

 

 

 背鰭が一層強い光を放つ。あまりの出力からか、電気の描写にも似たスパークすら迸っていた。

 

 

 溜まりきったのであろう、その莫大なるエネルギーを───

 

 

───ゴォォォォォォォォォァァァァァァァァッ!!!───

 

 

 ───先程よりも一際激しく輝く熱線として、開口した顎から放った。その形相は正しく、燃え盛り穿ち貫く(バーンスパイラル)熱線。

 

 

───キュゥゥゥァァァァァァァァァッ!!!───

 

 

 グランドギドラも負けじと引力光線を放った。

 

 三条の光線が集束し、三連の螺旋(トリプルトルネード)となり熱線とぶつかり合う

 

 どちらが耐えられなくなるか。

 

 

 

 耐えられなかったのは───

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───どちらでもない、地盤だった。

 

 

 

 溢れ出る膨大なエネルギーの量に耐えられなくなった地盤が沈下と隆起を始める。

 

 

───Ghaaaaaaaahhh!!?───

 

 

 真下で起きた【大和】も例外なく巻き込まれることとなる。

 

 直前でグランドギドラが飛び立ち逃げようとする───だが!

 

 

 

 そこに全く意識の外だった背後───それも自分より上から幾筋もの光線が降り注ぎ、その全てが直撃しとことによりバランスを崩したことで、さらに下から迫った熱線に片翼を撃ち抜かれた。

 

 墜落し(おち)ゆく最中、どれかの首がそいつを睨んだ。

 

 自分を哀れに見やる、()()()を。そいつが羽撃たかせる()()()()()()()()()()()()()()()()を。

 

 そのまま【大和】と共に、落下していくグランドギドラ。

 

 片翼でも飛び立とうとするが、掴まる者まで引き上げることなど叶わない。

 

 畜生が、と言わんばかりに虚しく鳴きながら、黄金の冠位は【轟天】が放ったミサイルにより崩された地形に【大和】と共に沈められることとなった。

 

 

 直後、大地に浮かび上がった光の陣。

 

 

 遅れてやってきた()()()()()による、特殊な力により『封印』という形で、この戦いは終わりを告げた。

 

 

 共に落ちていった【大和】を気遣う艦長を余所に、戦いが終わり【轟天】の乗組員達も少しは和らいだであろうか。

 

 

 これが、まもなくして訪れる───後に第二次怪獣大戦と呼ばれることになる、戦乱の幕開けになってしまったとは知らずに。

 

 

 

2037.11/17

 

南極 南緯77度19分01秒 東経39度42分12秒

旧ドームふじ基地跡

 

以降、この地点を【エリアG】と呼称することとする

 




第一次なんだよ、って話かもしれませんが

次回、第一章は1954年からお送りします(←)

追記(2/19 21:06)
ごめんねさっきっから年が2038→2041→2037って
計算ミスってたから


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第一章:扶桑 -the First King of Monster-
第一話:初の邂逅


 超絶遅くなってすみません!許して下さい!何でもしますから!(何でもするとは言ってない)

 どうも、みなさん
 お久し振りです、OH-です

 前書きからいきなり汚くてすみません

 ちょっとねスランプが酷かったので……あと初代見たい……

 そんなこんなで久しぶりの更新です
 では、どうぞ


 その頃はまだ【怪獣】なんて言葉は無かった。

 

 いや、早速だが訂正しよう。「無かった」というと語弊だ。

 だが、少なくとも今の様な「単体が移動するだけでも災害級の被害を被る巨大な生命体」という定義ではなかった、というのは確かだ。

 

 1953年に、アメリカで太古の恐竜の一種とされるリドサウルスが出現した際にも、「CREATURE(生物)」とは称されたが「MONSTER(怪獣)」とは、ついぞ呼ばれることがなかったのだ。

 

 

 そう、()()()

 

 

 

───1954年 11月3日───

 

 

 

 リドサウルス出現から一年しか経っていないその年に、それは現れた。

 

 

 

日本・小笠原諸島 大戸島

 

 公式的な記録上では、初めて出現が確認された場所はそこであった。

 

 海底火山の噴火或いはそれに類いする何らかの高熱源体の活動が確認され、その調査団が派遣されていた。その内の一人、本島周辺海域・島々の生態調査を行っていた生物学者、山根恭平博士がその瞬間に立ち会うこととなった。

 

 彼らの眼前に現れたのは、想像をも絶する()()

 

 全高 約50mという、超巨大な正体不明の生物。

 

 二足で直立歩行するその存在は、見る者達を圧倒していた。

 

 

   【呉爾羅(ゴジラ)

 

 

 海を統べ、陸を侵し、空統べる悉くを地へと落とす、荒ぶる龍神。

 

 島に伝わる神の名を、その姿を目の当たりにした島民は叫んでいたそうだ。

 

 

 

 この巨大生物はそれに因み【ゴジラ】───英語表記では【GODZILLA】───と名付けられた。

 

 この時、山根教授を始めとする各学会、牽いては世界中から様々な学者達が集まり、研究するべく調査が始まり様々な考察が成された。

 学者団によると【ゴジラ】は───後に違うと判明するが、太古の恐竜が地下深くで生き延び、長い時を経て独自に進化していたものが戦争や核実験などによって地上に進出したものだろう、と推測される。

 厳密にはそれは外れるのだが、その話はまた後にしよう。

 だが、生き延びていた【ゴジラ】はこの個体だけではないだろう、ということも推測された。

 その為、後に国防軍となる前身───防衛隊の司令部がいずれ現れるであろう各個体に識別名を付ける、ということとした。

 

 

 呼称した個体識別名(コードネーム)は───【扶桑】

 

 

 戦艦を思わせる黒光りした巨体とその力、その圧倒的な存在感から、その名は付けられた。

 

 

 

 その【扶桑】だが、どういう訳か同年11月17日───大戸島での発見からわずか二週間後に東京へ上陸することとなるが。

 

 




 本当は【扶桑】さんの出番は一話で終わらせたかった(というか一話で終わる予定だった)のですが

 一話だけだと味気ねぇな……と思ったので
 もうちょっと続けたいと思ったので、あと二話(中編・後編)ある予定です


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