ハリーポッターと数奇な運命 (やんばるさん)
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第1章動く魔法界
稚拙かつ拙い文章で語彙力もあまりないためお見苦しい点があるかもしれませんが温かい目で見ていただければ幸いです宜しくお願いします
初投稿ですやんばると言うもので宜しくお願いします
それほど長い作品にはなりませんが何作かにわけていこうと考えてます
また、完全にIFストーリーで死の秘宝の数年後設定です
誤字、脱字などあるかも知れませんが生温い目で見て頂けると嬉しいです。表現が下手くそなどのお見苦しい点があるかと思いますが語彙力が拙い者なので御容赦ください
それでは宜しくお願いします
時は2004年7月31日陽射しが肌を焼く季節だが今日は土砂降りであった。
その雨の中を傘もささずに歩く男がいた、ボサボサとした長めの黒髪に細めのスタイルで額に稲妻型の傷があるその男は傘をさしてはいなかったが雨には濡れておらず、その様子はまるで男の周りだけ雨が避けているみたいであった。
ハリーポッターと数奇な運命第一部
ー人生とはなんと面倒なことか…嫌な事ほどよく起きるー
降りしきる雨のなかを気だるそうに歩く男の名はハリーポッターかつて魔法界最大の脅威であり最も恐れられた闇の魔法使いヴォルデモートを倒した英雄である。
「………雨が降るとは聞いていなかった。
朝のニュースでは今日は丸一日晴れると聞いていたのだがな、どうも当てにならないもんだよ…」
溢れんばかりのため息を零しながら、大して当たらないニュースに不満をあらわにした正直な所これほどの大雨の日なので姿現しで家まで帰っても言い訳だが、ハリーはホグワーツを卒業後マグルの世界に身を置いているためいくら大雨の日と言えど迂闊に魔法を使うわけにもいかなかった。
「確か今日は誕生日だったか…何の恨みがあって人の誕生日に雨が降るんだよ、全くろくな日じゃないなぁ」
この日はハリーポッターの23歳の誕生日であったのだが生憎の天候で魔法を使い透明な傘を作ってはいるが足の裾はかなり濡れていた。
ハリーは今現在イギリスはウェールズに住んでいたウェールズは魔法界からそれほど離れている訳ではないため魔法使いが割と住んでいたがハリーは魔法を人前で行使したことがないため魔法使いとバレてはいないだろうと思っていた。
今すぐ横になりたいと言うような表情のハリーはようやく家に帰宅したその時ハリーはポストに新聞が挟まっているのを見つけた。
「新聞か?取っていないのだが、誰か間違えたのか?まぁとりあえず家に入ろうそれが先決だ。」
ハリーはようやく家に入り濡れた服を洗濯機に投げ入れ部屋着に着替えて改めて新聞を広げた
「げっ…これ日刊予言者新聞か…また随分懐かしいものを持ってきたなぁ、もう何年読んでないっけなぁ4年か5年くらい見てないぞ」
懐かしい気持ちにひたりながら新聞を広げた
ハリーが魔法界を一切の関係を経ってから早4年その間の魔法界のことは当然何も知らなかった。
魔法界と決別した理由は幾つかあった1つはヴォルデモートとの戦いのあとの疲労感を癒すためもうひとつは英雄だなんだと騒がれるのが嫌だったためマグルの世界でゆったりと過ごそうと決めていた為であった。
だがそれなのに間近いかもしれないとは言えど日刊予言者新聞がきたのであまりいい気分では無かった。
「まぁいいか、暇つぶし程度にサラサラっと読んで見ようかな…アルバムを読む感覚で見ればいいや」
流し読みをしようとしていたが見出し記事でつまづいた
「ルシウス・マルフォイ投獄か…あいつ6年位もあのあと逃げて居たのかなんだか随分髪の毛が後に行ってしまってるなぁ可哀想に」
ルシウス・マルフォイとは幾度か戦った事もあるためよく覚えていた。性格が悪くその癖器が小さい奴と今でも印象深い人物だった
「誰が捕まえたのだろうか…ええとドラコ・マルフォイか何とまぁ…ってドラコが!?」
ハリーに取っては腹立つくらいによく覚えている男ドラコ・マルフォイ言うまでもなくルシウス・マルフォイの息子であるそのドラコが父親であるルシウスを捕まえたと書かれているので思わず大きな声を上げてしまった。
「あのドラコが闇祓いとはなぁ世の中何が起きるか分からないなぁ、とはいえ人手不足なんだろうないくら平和になったとは言えまだまだ変なやつは多いだろうし相変わらず採用が厳しいだろうし」
魔法省の闇祓い局と言えば昔から人手不足と有名であった危険な仕事で殉職も多々あるためそもそも志願者が少なくそれに加えて採用基準もかなり厳しくおまけに採用されても3年間の修行が待っているため万年人手不足状態だった。
「闇祓いねぇ、ホグワーツ卒業前にキングズリーからしつこいまでの勧誘を受けたなぁ…断るのに2ヶ月もかかったよ全く」
などとボヤくはりーはと言うと現在ウェールズの隅の方で小さいながらも一軒家を構え悠々自適に暮らしていた。
三校対抗試合の残った賞金とノリと勢いで買った宝くじが当たり現在23歳ながらにかなりの貯金があった。
ほかのページに目を移すと懐かしい名前がちらほら出てきた
[魔法ゲーム・スポーツ部のロナルド・ウィーズリー魔法省クィディッチチームのキーパーに]や
[ハーマイオニー・グレンジャー魔法省大臣の秘書に就任]などと嫌がらせの如く昔の親友の名前を出てきた
「全くいつからこの新聞はピンポイントに嫌がらせを仕掛けて来るようになったんだ?今日誕生日って事を分かってて仕掛けてきてるのなら質が悪いよほんとに」
日刊預言者新聞が嫌いなのは在学中からだったが今日改めて嫌いと思った。
軽く思い出にひたりながらそろそろ寝ようかと寝室に向かおうとした時、外から騒がしい音が聴こえてきた。
何が起きているのか確認する気にはならなかったが数名の若者が騒いでいた
「最近多いな、何か祭りごとでもあっただろうか…確かに夏に祭りがあるが8月の中頃のはずだしそもそも今日雨だから何をやっているのやら」
ココ最近時々夜に複数の若者が外で軽くだが騒いでいるのはハリーも知っていた。
見たことはないが街の人の話を小耳に挟む限りハリーと同年代もしくわもう少し若い人達という事は知っていた。
魔法界とは長くマグルの世界からは隠されてきた。だが1度も衝突や事件が起きなかったわけではない。
かつて中世では魔女狩りと言うものが行われ数十年前にはゲラート・グリンデルバルトがマグルの世界に進行しようとしほんの数年前にはヴォルデモートがマグルの世界にまで危機をもたらす程であったが、それでも秘匿され続けてきた。
これは双方の世界のトップ達による取り決めではあるが魔法界においては全員が全員はいそうですかという訳でも無かった。
今どきの若者からすれば魔法界は正直何かと不便でもある特にマグル生まれのものや半純血のものからすれば特に
「もっと人を集めて動けば魔法省も俺達を無視出来なくなるはずさ!いつまで古いままは嫌だという者達は沢山いる、盛大に革命を起こしてやろうじゃないか!」
1人の男の声が建物内に響いた。
近くに集まっていた者達がそれに賛同するかの様に騒ぎ建物内は熱気に包まれ古ぼけた建物から騒ぎ声が漏れ出していた。
時代遅れの魔法界に革命でも起こしてやろうと言うのだろう…
だが懸念点もあった
「だけどどうやって人を集めるの?今私たちは全員集めてもたった20人よ?流石に魔法省にうったえるには数が少なすぎるわ」
そう人数の問題であった、力無きものが権力に立ち向かうには1にも2にも数が必要なのは誰にでも分かることだ。
「それは分かってるけど、何も魔法使いだけでやる必要もない魔法使いが多いに越したことは無いけども数年前の闇の帝王の一件で魔法界の存在を感じ始めているマグルたちもいる。
そっちにも協力を持ちかければ、いいだろうさ」
リーダーと思わしき男はマグルに接触を試みようとしていた。
一応連載ものです。できる限り早く投稿出来ればと思いますが、びっくりするほど中々ネタが浮かばないので、不定期投稿になります
ほんとに申し訳ございません。
頑張って投稿していきたいと思いますのでひとつ宜しくお願いします
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第2話勧誘
マグルの面前で魔法を使うと面倒なことになる
これは魔法使いなら誰もが知っていることである事実ハリーはこれで裁判沙汰になったのだから。
第2話勧誘
「マグルの世界にも魔法を信じている人は大勢いる、その人達に魔法界の存在を教えるだよ。
もっとマグルの世界と交流をとり魔法界も便利にしなくては」
この若者達の言うことも一理あるのだろうしかしそれは大変に危険なものだった。
「でもそれですぐに信じて付いてきてくれるだろうか?だいぶ時間がかかる気もするのだけど」
今まで見たことも無いものを見せ急に信じろと言われてもどだい無理な話である
「だから言ったろ?あくまで協力を持ちかけると本命はやはり魔法使いさ俺達と同じくらいの年齢の奴らなら賛同する人たちも多いさ、それにこういう時は影響力のある人を誘う。
そうすれば、効果も抜群だ」
「だけど影響力のある人って?1体誰を誘うつもりなんだよ、そう近くにホイホイいる訳でもないだろ?」
世界に影響力のある人物を引き入れれば人が集まるのはどの界隈でも同じことであり効果的な方法であることには間違いないが問題は引き入れるまでにあるまずそう易々と会えるわけでもなければ、見ず知らずの人について行く訳でもない
「ところがだ、聞けばこのウェールズにはハリーポッターが住んでいるらしいんだよ偶然手に入れた情報なんだが確かな情報らしい。
ハリーポッターがハリーポッターがきたとなればこっちに傾いたも同然だ魔法省も考えを改めるさ」
自分の知らないところで面倒ごとに巻き込まれようとしているハリーであった。
「詳しい住所まで分かっているのか?」
「そこまではまだだな、でも大まかには把握しているから少し張り込みをしよう家に直接行かなくても道でばったり会う程度でも勧誘はできる」
「なるほど、よし!やるぞ!」
などと言いながら騒ぎは夜中まで続いた
明くる日昨日の雨のせいかかなり蒸し暑かった、そんな中ハリーはというと暑さに項垂れていた。
「暑いなぁしかし、食欲も全くわかないだるいなぁ全く」
所謂夏バテである。
日課の朝ポストの確認をしに行くことだけは行った。
「手紙か、珍しいな…差出人は不明と…よく家に届いたなぁ怪しいにも程があるのだがまぁ読むだけならタダか」
ハリーはその差出人不明の手紙を持って家に戻ったいかにも怪しいが特別魔法がかかっているわけでも無かった。
「よく考えればポストに直接投函すれば差出人不明でも家に届くか…しかしご丁寧にシーリングスタンプまでしてあるな」
封を開け開いて見るともう100年程は関わりたく無い名前が出てきた。
[魔法省魔法法執行部]
「………冗談と言ってくれ、特に何かをした記憶は一切ない新手の嫌がらせか?だとしたら質が悪すぎるぞこれは」
ハリーは魔法省が嫌いなためこれはほんと質の悪い嫌がらせに見えた。
おまけに魔法法執行部と書かれているためなおのこと質が悪い。
5年生の時の面倒くささが蘇って来ていた。
「見なかったことにしよう、質の悪いイタズラだったという事で捨ててしまえば問題無い内容なぞ見たくもない捨ててしまえ」
そう言うとハリーは手紙を見もせずに丸めてゴミ箱へ投げ捨てた。
一方大人というのは抜け目の無いもので、子供の考える事はお見通しであった。
「全くもって世話の焼かせる子供たちだ、さっさとこの件は片付け無いとな」
「しかし情報によるとマグルと接触を計ろうとしているみたいですぞ?あまり悠長にできませんな…」
黒を基調としたお世辞にも素敵な部屋とは言えない1室に座る者達は頭を抱えていた。
いくら若者の駄々のような事案とはいえマグルと接触されては一大事になる早急に手を打たなければならなかったが、相手は未成年者がほとんどなためあまり手荒な真似はできないのである
魔法界にひとつのニュースがと飛び込んできた。
[闇の帝王の血縁者現れる]
関係のないものからすればどうという事のない話だが、まださきの戦争の傷が癒えきらない魔法界には衝撃が走るニュースである。
あるものは暗躍しあるものは怯える、再び魔法界に闇が戻りかねないこの一報は魔法省に重くのしかかるものとなった。
それから1週間程ハリーには平和な日が続いた、先週の景気の良くない誕生日が嘘かのようだった。
「やはり平和な世の中が一番だよ、今日が誕生日だったらなぁ…いい誕生日になったのにさ」
あれから新聞が来ることはなくまた騒ぎも起きていなかった。
まさに良い日である
ピンポーン
まるで幻想を打ち砕くかのように玄関のベルがなった。
「なんだよ全くもう…せっかく平和を謳歌しようとしていたのに、変な用事だったら怒るからな」
ハリーはボヤキながらも玄関のドアを開けた。
するとそこにはあと50年程は見たくもない顔が現れた。
「ポッターだな?少し話があるのだが中に入っても構わんか?」
そこに居たのは見なれたプラチナブロンドのオールバックそうドラコ・マルフォイであった。
「いきなり入ろうとするような失礼な奴を中に招き入れるつもりは無い帰れ」
普段なら居留守を使うのだが、たまにはと思い開けたのが間違いだった。
ここで中に入れると明らかに面倒ごとに巻き込まれると分かっているのですぐにでも帰って貰いたかった。
「まぁそう言うな、長居するつもりは一切無いこちらも仕事の途中だからな。
ただお前に幾つか聞きたい事があるだけだ。」
ハリーは心底面倒くさそうな顔をしたが話を聞くまで帰りそうも無いと感じ渋々中に入れた。
「……………で?話とは一体なんだよ」
「あぁ、お前ここ最近魔法界で何が起きてるか知ってるか?」
「いや、全くだな…先週間違って俺の家に日刊預言者新聞が来たからそれを読んだくらいだな」
いくらウェールズには魔法使いがちらほらいるとは言えど自分から関わろうとはいなかった為最近の魔法界の事情についての知識は皆無であった。
だからといって知ろうとは思いもしなかった。
「今魔法界では色々問題が起きててな…」
「問題ねぇ、お前が父親を捕まえたことか?」
「それは俺自身の問題だ。そうでは無くてだな、近頃未成年の魔法使いの中で色々厄介事を起こしている奴らがいるのだよ」
ドラコからすれば実の父親をアズカバン送りにしたのは大きな問題に違いないのだろうがそれを差し置いて話すのだからかなりの問題になっているのだろうと話半分に聞いていた。
「厄介事とは?かなりの問題なのか?」
「そうだな、ただやんちゃをするくらいならわざわざお前のところには来ない。
その若者達はマグル達と交流を堂々と取るべきだと言う者達でな」
それが大問題なのはハリーにもよく分かっているどちらの世界にも混乱を招くことになると。
「それは分かったが、何のための魔法省なんだよ、さっさと取り締まればいいだけの話じゃないかわざわざ俺の所に来てご丁寧に説明する必要が何処にあるのだよ…」
今初めて最近の魔法界の事を知ったハリーからすればごもっともだ自分とは関係ない話をいちいち聞く必要はどこにも無かった。
「最初はお前とは何ら関係無かったが、近頃お前と接触しようとする動きがあるらしいのでな連絡をしようとは思っていたのだが、どこにいるのか誰も分からないため取りようが無かったのだよ」
それもその筈かつての友人らを避けるかのように姿を消したのだから今回のドラコ・マルフォイの訪問はハリーに取ってかなりの衝撃だった。
「だからといってわざわざ家に来て言うほどの事か?別に誰が来ようとそんな奴らに協力するつもりは一切無い。
住所が分かっているなら手紙か何かでも良かっただろ?」
ハリーの頭に一番の疑問として浮かんでいるのは懇切丁寧に家にまで来たことである。
誰かが家にまできて話さなくてはならない程の内容では無かった。
「まぁそれはそうなのだが、もうひとつ話すことがあってな…こっちはお前にものちのち関わる事になるかもしれない事案でな」
先程よりも真剣な面持ちで話そうとするドラコにハリーも眉間にシワを寄せた。
何とか第2話出来ました。
いや〜ネタが全く浮かばなくて大変ですよほんとに、ほかの作者様は凄いですよくあれほどネタが浮かんできますよほんと、才能を分けて頂きたいです。
さて、2話ですがマルフォイ登場です一応これからちょこちょこ出てくる予定です。
ちゃんとあとからお馴染みのキャラクターも出ます。
オリジナルキャラも出ますしメインはそのオリジナルキャラで行くつもりです。
第1話そしてこの第2話を読んで下さった方々誠にありがとうございます。
これからも頑張って投稿していきますので読んで頂けると幸いです今後とも宜しくお願いします。
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第3話新たな動き
正月休み明けたらペースがかなり落ちると思うので、それと第2話読んで下さった方々ありがとうございます拙い文章で申し訳ありませんが頑張りますので宜しくお願いします
お互いに真剣な面持ちになる中ドラコ・マルフォイは話し始めた。
「実は、ヴォルデモートの血縁者が見つかってな…まだヴォルデモートのように闇の魔法使いと決まったわけでは無いが、既に奴の僕だった奴らが動き出してる。」
ヴォルデモート。ハリーにとって死ぬまで忘れそうに無い魔法使いの名前である。
そのヴォルデモートに血縁者がいたというのだから流石のハリーも驚きを隠せなかった。
「なるほどねぇ、確かに魔法省が頭を抱える位の面倒事だな…俺にも無関係とは言えないし」
「まだ大きな動きでは無いが、放置しておくと何が起きるか分からない第二のヴォルデモートになり兼ねないというのが魔法省大臣の意見だ」
その血縁者が第二のヴォルデモートになってしまえば魔法界は再び闇の到来を許してしまうことになる。
まだ傷が癒えきらない魔法界にとっては大きすぎる板痛手になり、戦争にもなる恐れがあった。
「それで?俺にどうしろと?また戦ってくれとでもいうのか?悪いがそれは却下させて貰うぞまだ大きな動きでは無いのならそいつを先に保護してしまえばいいだろに」
ハリーの言うことは正しかった、いくら闇の魔法使いとはいえこの時勢では目立って動く事は自殺行為に等しかった。
「闇祓いに来いとか何かあった時にはまた戦えとかは流石に言わんよ、それを言ってしまえばこちらの面子は丸つぶれだからな。
だが向こうに動きがあればお前がまた狙われる可能性は大だ相手側からすれば主君の仇だからな、勝てなくても挑む奴は少なく無いだろうさ」
確かにハリーはヴォルデモートを討ったそれによりハリーを恐れるものもいれば仇を取ろうとするものもいるだろうまたも狙われるかもしれないと言うのは百も承知であるが余計なことに巻き込んでくれるなと言うのがハリーの心の底からの願いだった。
「ドラコの言うことはよく分かったがその話も別に直接言わなければならなほどの事でも無いだろ?」
これくらいの事ならば別に手紙でも十分に理解できる話だった。
「俺も正直わざわざ出向いてまで言うことでは無いと思っているが大臣がお前を探してくれと五月蝿くてな…大臣に言われたら動かない訳にもいかないしな、こっちの事情も察してくれ」
くたびれた顔のドラコにハリーも少しばかり同情の目を向けた。
こういう縦社会をハリーはあまり好きにはなれなかった。
「恐らく大臣はお前に闇祓い局に来て欲しいのだらうな…前に魔法法執行部から手紙が来なかったか?」
完全に頭から抜けていたがギリギリ思い出したハリーは不味そうな顔をした。
「あの手紙ほんとに魔法法執行部からの手紙だったのか…イタズラかと思って中身を読まずに捨ててしまったが何か大事な事でも書いてあったのか?」
今更ながらに中身が気になり始めた。
「そこまで重要な事では無いが今の話の事を連絡する為に魔法省に出向いてくれという内容だったのだが何も音沙汰がなかったので、読んで無いのだろうと判断し俺がわざわざ来たのだよ」
これにはハリーも申し訳無さそうな表情をしたがだからといって魔法省に行く気も無かった。
雨の降っていない所があればとうぜん雨の降っている所がある。
アメリカのニューヨークにあるとある孤児院で1人自室にて窓から雨を眺める少女が居た。
ぼんやりとただひたすらに眺めているとドアをノックする音が聞こえた。
「リリー今ちょっといいかしら?あなたにお客様が来たわ。」
リリーと呼ばれたその少女は首を傾げた。
今まで自分に客など来たことはなくましてや今日は雨の日である。
リリーの返事を待たずに職員は部屋の扉を開けてその客人を部屋に通した。
「あなたがリリーですか?話に聞くよりずっと可愛らしい子ですね…」
かなりの高齢ではあるが上品そうな女性はリリーを難しい目で眺めていた。
「あなたは誰?お医者さん?私に訪ねてくるなんて珍しい人」
リリーの目はまるで海のように深い青色をしていた。
そのリリーの目は自分の眼前にいる人を無機質に見ていた。
「私はこう見えても、学校の教師をしています。」
「学校の先生?でも私学校にいくお金なんて無いからあなたの学校に行けないのだけれど…」
リリーは不思議がっていた孤児院に自分がいるという事はお金が無いことも身寄りが無いことも分かっていた、だから自分の所にやってきたこの教師が不思議で仕方が無かった。
「学校に来るかどうかはあなたの自由です。
ですが今日私があなたの所に来たのは別の理由ですリリー」
そう言われるとリリーはますます不思議そうな顔をした。
教師というのに学校に来る来ないの話で無ければ、自分に一体何の用事があるのだろうか。
「リリーあなたは今まで変わった出来事はありませんでしたか?普通では考えられないような出来事が」
リリーには思い当たる節があった今まで誰かにそれを言ったことは無かったが、幾つもあった。
「どうして知ってるの?誰にも言ったこと無いのに、あなたは一体なんなの?」
誰にも言ったことのない秘密を知っている。
リリーにとって驚くべき事だった。
「私はミネルバ・マクゴナガルホグワーツ魔法魔術学校の校長をしています。
あなたと同じ不思議な力を持っているものです。」
リリーの目は驚きの目に変わった、自分と同じ力を持った人が目の前に現れたのだ。
「あなたの持つ力は魔法といいごく一般の人ならば絵本やお伽話の中だけのものと思っているものですが実在するものなのです。」
だがリリーにはひとつ分からないことがあった。
「どうして私は魔法を使う事が出来るの?誰でも使えるようなものなの?」
リリーは生まれてすぐに親に捨てられたらため親の事は全く知らなかった。
「誰でも魔法を扱う事が出来るわけではありません。
基本的には魔法が使えるものこれを魔法族と言いますが、その家系のものもしくわ魔法族と非魔法族のあいだに生まれたものですが稀に非魔法族の家系のものにも扱えるものがいます。
リリーあなたは親族が皆魔法を扱える者達なのです。」
リリーは初めて自分の家系の事を知った。
そして同時に自身が魔法使いであることそして魔法使いの家系であることも。
「ねえあなたは私の家族の事や親戚の人の事を知ってるの?もし知ってたら教えて欲しいの…私は生まれてすぐにここに来たから何も知らないの」
リリーは自身の家族や親族の事について知りたかった、なぜ自分は捨てられたのか知れば分かると思ったのだ。
「私も多くは知りませんが、あなたの家系は元々非魔法族と魔法族の混血でした。
純血の魔法族のものもいますし半純血のものも居ますあなたがそのどちらかまでは分かりませんがその家系に生まれたので魔法が使えるのです。
しかしあなたの家系は闇の魔法使いがほとんどでした。」
「闇の魔法使い?悪い人達なの?」
「そうですね…魔法使いにもいい人と悪い人が居ますその悪い魔法使いの事を闇の魔法使いと言います。
残念ながらあなたの家系はその闇の魔法使いが非常に多い一族なのです。」
その事実にリリーはショックを受けたがマクゴナガルの話はリリーが最も知りたかった事を知ることができなかった。
「ですがリリーあなたまで闇の魔法使いなろうとしなくてもいいのです。
闇の魔法使いの多くは自ら望んで闇の魔法使いになったのです。闇の魔法使いの中には他者に強い憎しみや負の感情を抱き闇の道に走ったものが居ます、心に初めから闇の感情があるものや人を虐げたり痛めつける事を楽しむものもいたのです。
私は出来ればあなたに善良な魔法使いになって頂きたいと思っています」
いくら闇の魔法使いの家系といえどその道を歩むか、それともその反対の道を歩むか、それを選ぶ権利は誰にでもあった。
「あなたの学校に行けば少しは、自分の家族の事が分かるかな?」
リリーはその事がどうしても知りたかった、出来ることならば会って見たかったそしてなぜ自分は捨てられたのか知りたかった。
「そこまでは分かりませんが魔法界ならあなたの家族の事を知るものも居ましょう。
何よりあなたは魔法の力を使いこなす術を身につけなくてはなりません。」
「どうして?何か大きな問題でもあるの?」
「使いこなす術を身につけなくては不容易に人を傷付けてしまいます。
そうなってはあなたはここに居られなくなってしまうのです」
リリーにとってここは唯一の居場所だった、それを失いたくは無かった。
「分かったよ、あなたの学校に行くわ、でもさっきも言ったけど私はお金なんて持ってないけどいいの?」
お金が無ければ学校に行くことはできない。これは誰もが知っている常識だった。
「それについては気にしなくても構いませんよ学校側が特別に免除しますが周りの生徒には内緒にしてください」
嬉しい知らせだった、リリーは喜んで学校に行くことを決めた。
「ではまた後日伺いますので入学した時は宜しくお願いしますよリリー・リドル」
マクゴナガルはそう言い残して帰って行った。
何とか第3話は書き終わりました。
新キャラ出ましたその名もリリー・リドルです。
10歳の女の子ですが11歳ほんのちょっと手前です。ホグワーツに入学が決まりましたがこのあと色々あります。
フォイとマクゴナガル先生も出てきました。
マクゴナガル先生とリリーとの会話でリリーがどういう人かはお気づきとは思いますが何も言わないで下さい。
因みにこの子がハリーと並ぶ二大主人公になります。
ネタが浮かばなくて、気がついたらツベでドリフ見たり河合奈保子さんの歌聞いてます。
すみません
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第4話過激化する動きpart1
お気に入りの追加して下さった方々本当にありがとうございました、こんな下手な文章ですが頑張りますので今後とも宜しくお願いします。
正月休みが終わるとペースが下がりますが月に3回位を目処に投稿しようと思っています。
マクゴナガルが孤児院から帰ったその翌日ニューヨークでひとつの事件が起きた。
[孤児院襲撃。犯人は1人の少女を誘拐]
このニュースはまずマグルの間で広まりその後何故か魔法界にも広まった。
その理由はこの記事の続きが問題だった。
[現場となった孤児院には20人の子供と7人の職員がおり、そのうち5人の子供と3人の職員が負傷し二人の子供と4人の職員が死亡した。
また犯人を目撃した職員の証言によると犯人は3人で全員が黒のフード付きのローブと銀色の仮面を付けていたとのことで犯人達の手先から緑の光のようなものが放たれそれに当たった職員や子供達は動かなくなってしまったとの事]
この記事をみたアメリカ合衆国魔法議会(通称MACUSA)が犯人はかつてヴォルデモートの手下であった死喰い人ではないかと推測し独自に調査を行ったため魔法界にも広まったのである。
この記事を読んでいたマクゴナガルは実に大きな溜息をついた。
「まさかこれ程までに早く動くとは思いませんでした…あの日に私があの子を引き取れれば…」
記事の締めくくりには
[尚誘拐された少女はリリー・リドル(11)と判明ニューヨーク州警察は犯人達との関連調査を急いでいる]
と書かれていた。
「しかし、あの場で彼女を引き取ると言ってもその日に引き取ることは無理だったと思われますぞ?
今は米国魔法議会からの連絡を待つしかありません」
「そうですね…今はあの子の無事を祈るしかありません」
アメリカで起きた事件なだけに魔法省も動きづらく、ましてやマクゴナガルは随分昔に魔法省を辞めているのでどうする事もできずにいた。
しかし自身がホグワーツに誘った子であるためとても心配していた。
「おぉ…今日はよく星が見える日だのぉ…
これ程までに良く見える日はいつ以来だったか…」
狭苦しいまるで石の牢屋のような所に座り込む老人は小さな窓から満天の星空を眺めていた。
酷く痩せこけ今にも倒れてしまいそうな老人は消えてしまいそうな声で呟いた。
だが老人の目だけは存分に光を灯し怪しく輝いていた。
「そう…あれは10年位前かな?トムが戻ってきたと世間が騒いだ日だったな…
あの時の夜空も随分美しいものだったな
ダンブルドア…お前がワシを読んでいるのか?だが…ワシはまだそっちには行かんよ、やっとここから出られそうなのでな…」
老人は静かに呟くとまるで眠るかのように途切れていった。
星は古くから人と繋がりがあった。
星を見て吉凶を占う者
星に願いを込める者
星で方角を探す者
星に運命を見る者
リリーもまた星を眺めていた。
そこは見渡す限り1面の草原、そばには小さなテントと数人の黒のフード付きのローブと銀色の仮面を付けた者達、そしてリリーがいた。
「綺麗だなぁ…広くてなんだか吸い込こまれそうな感じがする」
満天の星空はどこまでも美しくリリーの心を引き込んでいた。
物心がついた時から孤児院で育てられてきたリリーにとってこれ程までに美しい星空を見たことが無かった。
「で?ここまでは何とか逃げきれたがこのあとどうするんだ?」
いかにもがらの悪そうな声の男がリリーのいないテントの中で話し始めた。
「取り敢えず早目にイギリスに戻り1度身を隠すことにしよう、あのガキの事もそれからだ。」
テントの中の机の真ん中に座る男が冷静に返答していた。
「しかし、あの子供はなぜ攫う必要があったのだ?いくらあの方の血族といえど魔法もろくに扱えないただの子供だぞ?」
机の端に座る女の意見はごもっともだった、魔法もろくに使えないようなものを攫った所で役に立つとは誰も思っていなかった。
「あの子の役目はあくまでも人集めのためだ。
あの方の血族者が我々に付いたと聞けば集まる者もいるだろうさ、だがあの子供はあの方にはなれないだろう」
「じゃあやっぱりいらねぇじゃねぇか!俺たちは完全に無駄足踏んでるだけじゃねぇか!」
がらの悪そうな声の男は怒鳴り声をあげた。
ほかの仲間たちは声をあげはしなかったが同じ意見だという顔をしていた。
「肝心なのはまず仲間を集める事だ。
あの子供はあの方にはなれないが仲間を集める効果は少なからずある。
あの方の代わりになる者はほかの奴にするさ、1人適任者がいるのでな」
まとめ役と思しき男は仮面の下に怪しげな笑を浮かべてテントの外で無邪気に星を眺めるリリーを見ていた。
ハリー・ポッター思い切り面倒くさそうな顔をしていた。
それと言うのも、ドラコ・マルフォイの訪問のあと魔法省からの手紙も無く誰かが訪ねて来ることもなく実に平和な日々を過ごせていたのに数名の若い魔法使いが突然訪れ半ば強引に家の中に入ってきたからである。
彼らは「ハリー・ポッターさんですね?ちょっとお話願いませんか?」と言うとこちらの許可なくいきなり侵入してきたのである。
「で?お前らいきなり人の家に許可もなく上がりこむとは何考えてんの?警察でも呼んでやりたい気分なんだけど?」
当然の事ながらハリーはブチ切れていた。
「いきなり家に侵入したのは申し訳ありませんがポッターさんにお願いがあるのです」
「お願い?下らない話だったら即刻追い出すから覚悟しておけよ?」
今にも火を吹き出しそうなハリーの圧に押されながらも若者は話し始めた。
「私の名はロジャーと言います。
現在はホグワーツ魔法魔術学校のグリフィンドールに在籍している6年生です。」
ハリーは思わぬ自己紹介に驚いた。
現在の時期は夏、いくら夏季休暇中とは言え思わぬ形で後輩に遭遇したのだ。
「今我々は魔法界にある古いしきたりや法を変えたいと活動しているのですが、その活動に協力して頂きたいと思い今回ポッターさんを訪ねました」
ハリーの目は実に冷ややかなものだった。
「お前達3人だけで活動しているのか?だったらひとまず諦めた方が早いぞ?」
「いえ、ホグワーツの生徒達で活動しており20人程仲間が居ます」
「なるほどねぇ…それでも少なすぎるな…」
この時ハリーは自身が5年生の時に結成したダンブルドア軍団の事を思い出していた。
少なからずあの時の自分たちに似たものをこのロジャー達に感じていた。
「確かに今は余りにも仲間が少なすぎるのですが、我々は魔法界はもっとマグル達と交流すべきだと考えています。
今のままではマグル達にどんどんと突き放されてしまいます、技術も生活のレベルも」
「分からなくも無いが、それで魔法界に一体どんなメリットがあると?よく考えてみろ、お前達のやっていることは完全に間違ってるとは言わないが下手をすれば両方の世界に悪影響を及ぼす。
最悪戦争すら起きかねないのだぞ?分かっているのか?」
マグルと魔法使いが戦争でも起こしてしまったらどうなるのかなんて誰にも予想が立てられなかった。
「それは百も承知です、だからといって何もしないでは行けないと思っています。
なぜ我々魔法使いはマグル達と同じ世界に住んでいるのにまるでネズミのようにコソコソと隠れて生きなければならないのかとポッターさんは思いませんか?」
この若者達の意見は確かに間違いでは無かったが、例え今日明日にかなりの数の仲間を集めたとしても考えが上手く行くとハリーには思えなかった。
「お前達の意見は良くわかるが、具体的に何をどうしたいんだ?
魔法界の何を変えたい?マグル達とどんな関係になりたいとかんがえている?」
彼等の主張は今のところ随分大まかなもので具体的な行動を言わなかった。
「魔法界とマグルの世界は今完全に隔離されていてお互い自分達の世界の技術が独自に発展しています。
しかしマグル達の技術は発展が早く魔法界育ちの人間には想像もつかない技術があります。」
実のところハリーにはこのロジャー達がどうしたいのかある程度予想がついていた。
part2へ続く
更新がだいぶ遅れてしまいまして大変申し訳ございません。
許してくださいなんでもしますから。
さて今回の第4話なのですが、1月14日に漸く手がつけられました、そして書き始めたら割といい感じになったのではないかと自分の中では思って見たりしています。
しかし書き始めたらハリーと改革派の若者たちの会話が随分と長くなってしまいpartわけをしました。
したがってpart2は彼等の会話の続きからとなります
また文の書き方を変えて見ました。
どう変わったかわひと目で分かるかと思います。
来週の土日辺りにpart2を投稿したいと思ってますので宜しくお願いします。
今回の新しい登場キャラ
フリットウィック先生
一応呪文学と副校長の兼任設定です
死喰い人
相変わらずの怪しさMAXの装い
がらの悪そうな声の男はグレイバックみたいな感じの風貌と思ってください
ロジャー・ロータス
ホグワーツ魔法魔術学校の6年生でグリフィンドール所属
だからといって仲間が全員グリフィンドールではありません。
グリフィンドールが多いですがハッフルパフやレイブンクローもいますし地味にスリザリンも混ざってます。
次回も読んで頂ければ作者は泣いて喜びますので宜しくお願いします。
コメント下さった方誠にありがとうございました。
まだコメントは返せていないのですがアドバイスを参考に文を変えて見ました、アドバイスありがとうございます
それでは第5話でお会いしましょう
追記最近松田聖子さんの天使のウインクにハマってます。
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第5話過激化する動き part2
一応第5話と表記させていただきます
毎度読んで下さる方々ありがとうございますネタが切れてタバコ吸ってたらいつの間にか書いてる途中という事忘れて放置してしまう事もありますが、頑張って投稿していきますので宜しくお願いします。
4話以降は、4話の書き方をしていきます。
もっとキャラ従来のキャラを登場させ新キャラも出したいのですがその度にあのキャラって死の秘宝後も生きてるの?とか調べないとなので正直きつい…
part1の続きより
実のところハリーにはこのロジャー達がどうしたいのかある程度予想がついていた。
「我々は今、マグル達と接触し魔法界の存在を伝えようとしています。
そして魔法界にマグル達の技術や文化を持ち込み魔法界の在り方を変えようとしています。
僕と僕の仲間は皆マグル生まれや半純血の魔法界でマグルとの繋がりが無いわけではありません。
」
マグルの技術や文化を魔法界への導入
この行為は確かに魔法界の存在そのものを一変する事が可能な行為ではある。
しかし魔法界には今もマグル達に対する差別意識が強く残っていた。
「お前達の行動は確かに魔法界を変えてくれるだろうさ…良くも悪くもな。
俺だって半純血だしましてやホグワーツに入学する少し前まで自身が魔法使いであることさえ知らなかった。
魔法界に飛び込んでからは魔法を便利と思うことも不便と思う事も当然あっただからお前達の行動には理解を示すが…」
ハリーはそこで口を閉じてしまった。
さらに言うことも出来たが、それはかなり厳しい意見になるからだ。
彼等はそれを分かっていると感じていたが改めて言う事に躊躇いを持った。
「そこまで理解しているのなら、是非協力をしてもらえませんか?
あなたが我々に協力して頂けたらきっと自分達以外に同じ考えを持っている人達も協力してくれる筈です!」
ロジャーは今にも机を倒しそうな勢いで立ち上がりハリーに協力を仰いだがハリーは渋る顔を崩さなかった。
「ロジャー…取り敢えず落ち着け。
そしてお前達にいくつか聞きたい事がある簡単な質問だ。」
「すみません…ついつい熱くなってしまいました。
それで質問と言うのは?」
ロジャーはハリーの真剣な顔に落ち着きを取り戻しその表情にやや緊張していた。
ロジャーと一緒にハリーの家を訪れていた二人の仲間もハリーの重い表情に緊張感を顕にしていた。
「お前達は今まで誰かにこの話を掛け合ったりしたのか?それとも俺が初めてか?」
「我々は一番最初にホグワーツのマグル学の教授にこの話をしました。
教授は協力こそして頂けませんでしたが、理解を示してくれました。」
ハリーは相槌を打つこともなくただ無言でロジャーの話を聞いていた。
「それと私の右に人はロミリアと言うのですが彼女の父親が魔法省の魔法法執行部に勤めているので彼女の父親に掛け合いました」
するとここまで無言だった付き添い二人内の1人が話始めた。
「正直父は魔法界で生まれ育ったので話には否定的でした。
それと…父がこの事を職場でうっかり滑らせてしまい目を付けられてしまっているのです…」
この話にハリーはやれやれと言いたげな表情を思わずしてしまった。
「お前らなぁ…この段階で魔法省に目を付けられたら駄目だろ…」
「それについては我々も何とかしなくてはならないと思っています。
始めたばかりの段階で失速する訳にはいかないので」
流石にここで抑えられてしまっては元も子も無いことは誰にでも分かることなのだがどうすべきかという具体的な案が出ていない状況だった。
「まぁ過ぎた事はどうでもいい。
それともうひとつ質問だ、こっちの方が肝心な質問だ」
ハリーはロジャー達が行動の出方によっては後々ロジャー達自身の人生が大きく崩壊するだろうと考えていた。
「お前達は今既に魔法省に目を付けられてると言ったが、このまま無闇に活動を広げると恐らく向こうはお前達を犯罪者扱いするだろう…
その覚悟は持っているのか?」
魔法省は保身の為なら割となんでもやる所だとハリーは思っていた。
その為ロジャー達が難癖付けられてホグワーツを退学させられたり、悪くすれば犯罪者扱いになる可能性が大いにあった。
「罪人になる覚悟ですか…」
ー犯罪者になるかもしれない覚悟ー
これにはロジャー達も返す言葉に詰まってしまった、下手をすればアズカバン送りになるわけで一生その汚名が着いて来るのである。
「正直今の時点でははっきりとその覚悟があると言いきれませんし無いとも言いきれません…ですがこのまま活動を続ければいずれはそのような扱いになることは分かってます」
先程までの勢いはなくなってしまったがそれでもロジャー達の目は先を見ているようにハリーには思えた。
「そうか……
なら俺から言えることは、今はとにかく大人しくしてホグワーツをちゃんと卒業しろそれからでも遅くは無いしむしろその方がいいだろう。
それからただ無闇に活動をしても意味が無い、俺がお前なら取り敢えず卒業まで大人しくして魔法省に就職するだろう。
そこから仲間を集め活動をする」
「それではあまりにも遅すぎるのではないでしょうか?」
ハリーの意見は無難なルートではあるがかなり時間を要するルートであった。
幾らロジャー達が6年生であるとはいえ動き出すのに数年はかかるものである。
「落ち着け、魔法省に入れば敵の陣中に入る訳だそうすると魔法省内で魔法省を引いては魔法界を変えようとする者達がいるということを世間に知らせる事が出来る。
これだけでもそれなりに効果がある、この事案をどう対処するかで魔法省の信頼を落とすことも可能だ。
信頼が落ちればお前達の地位を上げられるそうすることで発言力があるポジションを獲得出来るわけだ」
ハリーは魔法省崩しの案をあくまでも自分の意見として発言した。
ロジャー達が実行しようとするかどうかは別としてアドバイス程度に言った
「成程…そうすれば我々の意見も世間に伝えやすくなる。
世間に広まればもっと活動を大きく出来るわけだ」
ロジャーはさっきの静まり具合が吹っ飛び興奮していた。
自分達の活動の幅が広がって行くのを頭の中で想像して熱くなっていた。
「まぁ問題点を挙げるなら分かってるとは思うがかなり時間がかかるということと、魔法省の上の方にいる古い人間達をどうやって引きずり下ろすかだ、このふたつをクリア出来ればお前達に情勢が傾くだろうさ」
時間の方に関してはどうする事も出来ないが人海戦術に関してはそれなりに力を身につけなければならないので大きな課題になる。
「その2つについては自分達で何とかしてみせます、なんでもかんでも誰かに頼るわけにもいきませんから」
「そうか…だがもう1度言っておくが俺はお前達に協力はしない分かったな?」
ハリーの立場はあくまで傍観者の立場である。
それを曲げるつもりは無かった。
「分かってます、残念ではありますが今日我々は大きな道が開けた気がします。
自分達の力で出来るところまでやってみますありがとうございました!」
ロジャー達の顔は尋ねてきた時の険しい表情とは違い澄み渡る顔をしていた。
程なくしてロジャー達は帰って行った、新しい道を歩んでいく後輩達の背中を見ながらハリーはらしくない話をしたかなと心の中で呟いた。
時間とは常に前へと流れているものであるが時に、それに逆らう術を持つものがいる。
かつてハーマイオニー・グレンジャーはホグワーツに在籍中に時の流れに逆らい全ての授業に出ていた時期があった。
どのようにしてそれを可能にしたか、それは彼女がグリフィンドールの寮監であるミネルバ・マクゴナガルから逆転時計[タイム・ターナー]を入手したからである。
これもひとつの時の流れに逆らう為の術である。
ハリーはここ最近物思いにふける事があった、別に歳を食ったという訳では無いが自分の中に渦巻く妙な違和感に対しての答えを求めて考え事をしていた。
「………またか、どうもここ最近おかしいな。
何とも言えない不思議な何かモヤモヤするような感覚がどうも取れない。
だからといって熱が出たりする訳でも無く体調は問題無い…」
この妙な違和感に対してハリーはイライラしていた。
全く持って謎であり一向に改善されるわけでもないのでストレスが溜まる一方だった。
しかし前例が無いわけでも無かった、このような事が自分の身におこった事は前にも何度かあったのである。
死ぬ程遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。
いいネタが思い浮かばず気がついたら1ヶ月…
しかし失踪は致しません!何がなんでも完結に持っていきます。
一応どう締めるかは考えてあります、何故かそこだけは。
なのであとはそこまでをどう埋めようかと言うところですが…上手いこと行けば苦労はしませんよね…
兎にも角にも何とか頑張って行きますので宜しくお願いします、二月は仕事が結構忙しくなってしまいいますのでいつ投稿出来るか未定です
合間を見つけて何とか投稿しますので、読んで頂けると嬉しいです
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第6話 時の流れ
最近洗濯物を干したら急に曇り始めてイライラしてます、嫌がらせとしか思えない…
第6話ではちょこちょこ下手くそなりに伏線的なものを入れてみました
死んでしまった人達や動物達消えてしまった物や建物達はもう二度と帰っては来ない。
ましてや生き返ることもありはしない、しかしその事象自体が無かった事になればどうだろうか?真実を知る者からすれば、生き返った事になり復活したことになる。
もしも過去を変えられるのであれば、歴史を変えることも出来るのかもしれない。
ハリーに起きている妙な違和感に似た何かはホグワーツいた頃よく起こっていたものであった。
つまりそれはあまり良くない事がおきる前触れの様なものでもあった。
「困ったな…あの頃は原因が明確だったけどもその原因が解消されたのに起きるとなると完全にお手上げ状態だ…
さっぱり解らない…」
ハリーは完全に参っていた、ヴォルデモート関連のものならハリーにも関係があるので分からなくも無いがそれ以外の事ならこんなにはた迷惑な事は無い。
仄暗い森の中に小さな一軒家があった、古ぼけていて今にも幽霊でも出そうなその家にリリーとリリーを攫った死喰い人がいた。
「ようやくここまで戻ってきたがすべき事はまだ山のようにある」
リビングと思われる場所で1人のリーダー格と思われる男が話始めた。
「なんとかこの娘をここまで連れてきたがあくまでも我々の最重要課題は我ら闇の魔法使いの復興である。
その為に我々はヴォルデモート卿に変わる主君が必要である、その人物を主君にもう1度我々の地位を取り戻して貰わねばならない。
そして我らが敵ハリーボッターに復讐しさらにマグル共に対して今こそ立場を逆転させる時だ。」
今のご時世闇の魔法使いの勢力は消滅寸前であった。
それは当然魔法省による、警戒の厳重化や闇の魔法使いに対する法整備もさる事ながら先の戦争によりハリー達のファンが増え闇祓いを目指す者の増加や闇の魔法使いの道に走る者の減少が近年の魔法界の動きであった。
「しかし、もうヴォルデモート卿に取って代われるものもヴォルデモート卿もいない。
あの方も大変に力の強い魔法使いではあるが、御自身で仰る通りあまり長くはない。
一体誰に代わりを頼むと?」
ヴォルデモートやダンブルドアやハリーは近年稀に見る力の強い魔法使いではあるが、人物はゴロゴロいる訳ではない。
もし過去に行くことが出来るならば話も変わるだろうがそのような手段はほぼないと言い切っても過言ではない。
「そこが最重要課題なのは馬鹿にでも解るグレイバック、しかしその点についてはあの方が既に解決策を見出しておられる。
我々の仕事はあの娘を無事にあの方の元まで連れていくことだ。」
「みんなは元気かな………どうしてるかな?ここはどこなんだろ……」
リリーはいつも身につけているペンダントを眺めながら、ぼそぼそと呟いた。
リリーは孤児院の他の子供達とある程度仲は良かった、喧嘩をすることも虐められる事も無かったし友達もそこそこいた
それが故に会えない友人達が心配だった。
リリーの身につけているペンダントは彼女が物心ついた時から常に身につけていた、変わった形をしており真ん中に小さな時計のようなものがありその周りに輪っかが三つ着いていた。
1番外側の輪っかには[L.M.R]と彫られていた。
しかしリリーにはこれが何なのかはさっぱりであった。
実はリリーは言葉を話す事と理解することは出来ても読む事が出来なかった。
とは言え別に先天的な障害でも何でもなくただ単純に勉強してこなかっただけであり、孤児院ではその勉強をしていた。
「漸く見つけた…
が、やはり既に死んでいたか…まぁそれは計算済みだこの方生きていた方が計算外な位だ」
古ぼけた牢屋の中1人の男が息絶えた老人の亡骸を前に怪しげな笑を浮かべていた。
死喰い人の様な黒いローブを身につけているその初老の男は痩せ型で口髭と顎髭で多少それを隠しているようにも見えたが、何処と無くシリウス・ブラックに似ているようにも見えた。
「フフフ…もうすぐパーツは揃う、そうすれば再び我等の時が来る。
魔法界の本来のあるべき姿を取り戻さねばなるまい。
もうすぐだ…」
その頃外は深い闇に覆われ、漆黒の雲が空を包んでいた。
その頃魔法省ではアメリカのMACUSAと協力し先の事件に対する緊急の対策部を設け事件の対応に追われていた。
「現在判明している襲撃犯は
バーテミウス・クラウチJr
フェンリール・グレイバック
アルヘナ・ブラック
この3人が孤児院を襲撃した死喰い人と判明しております」
「その3人はイギリスでは名の通った闇の魔法使いなのですか?」
正面に座る女性が険しい表情で食い気味に意見した。
「バーテミウス・クラウチJrはかつて三校魔法対抗試合の際に死亡した国際魔法協力部のバーテミウス・クラウチ氏の息子でかつてアズカバンを脱獄した事もありまた、ヴォルデモートもかなり信頼している部下でした
フェンリール・グレイバックは狼人間で子供であろうと関係無く襲うかなり危険な魔法使いでした
3人目のアルヘナ・ブラックに関してはまだ情報が少ないですが、アルヘナという双子座の星の名前とブラックという名前から間違いなくブラック家の者と断定してもいいと思われます。
ブラック家は純血の家柄の中でも名門の家柄で聖28一族の一つです。
また純血至上主義の者が多くブラック家出身の闇の魔法使い多いと聞きます」
非常に手短にかつ実にわかりやすい回答ではあったが妙に売り言葉に買い言葉な感じであった為に会場はギスギスしていた。
美しいシャンデリアの仄かなオレンジの灯りが包む部屋の奥に黒いローブの男が静かにブランデーを飲みながら不敵な笑みを浮かべていた。
"コンコン"
部屋のドアをノックする音に反応し男はブランデーを飲み干した
「入りたまえ」
黒いローブの男は静かに促すと同じような服装の者が中に入ってきた。
「失礼します。
クラウチ氏一行は現在イギリスまで戻られました、およそ2日後にはこちらに帰還されると思われます。
例の子供も無事に着いてきております。」
「そうか…首尾は順調のようだな、それならば構わん」
男は金色の小さい懐中時計のようなものを眺めながら応えた。
「魔法省並びにMACUSAが合同の調査本部を立ち上げ捜査に乗り出しており既に襲撃犯を特定する所まで来ている模様です。
こちらはどうされますか?」
「ほう…頭のお堅いお役所様にしては実に手早い捜査だ中々優秀だな。
だがしかし、そんな奴らは好きにさせてやればいい、我々の計画に支障はきたさんよ」
全く動じることなく懐中時計の様なものを眺め続けたまま彼は報告に来た部下を下げさせた。
「フフ…魔法省もMACUSAもその程度では私の考えに気づくことも出来まい。
我々の時代が来るまでもう少しその時代の到来まで私が持てばいいだけの事よ…」
険しい表情をしたローブの男は遠くの星を眺めながら静かに眠りについた。
10ヶ月失踪してしまい大変申し訳ございません
ネタが出てこなかったのとバトスピしたりプラモの沼に使ってたら存在を忘れてしまいました…
(許してくださいなんでもしますから)
今回では名前ありと名前なしで何人か新キャラが登場しました、さらにMACUSAも登場し設定が増えました。
アルヘナ・ヴェガ・ブラック
襲撃犯の1人で言うまでもなくブラック家出身の魔法使いです。
かなりの寡黙キャラでブラック家の例に漏れず容姿はいいのですが口数が少ないので何考えてるか分かりづらい人、特殊な創作魔法を得意とし戦闘では支援型また魔法儀式にも知識がありボスからは重宝されています。
年齢は27歳
オリジナルキャラですがホグワーツ在学中は当然スリザリンです
基本キャラ紹介は名前がで次第行いますまたストーリー展開に合わせて追記していきます。
次回の投稿は何としても年内にするのでお待ちください
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第7話集いし歯車
キャラ設定を決める際に一度イラストを描いてみようかなと思ったりするのですが、絵心が無いのとパソコン等の機械が我が家に無いのでシャーペンの手描きなり色が付けれないので結局挫折します。
七話は主に死喰い人サイドで話が進みます
8月20日夕刻クラウチJrの一行は漸く本拠地まで帰還した。
なるべく自分達の形跡を残さないために魔法を殆ど使わず帰った為に、襲撃から10日程かかった。
「ようやく着いたか…随分時間がかかってしまったな。」
くたびれた顔のクラウチは今にもゆっくり休みたいと言いたげに呟いた。
「ここだ入れ、そろそろ魔法に慣れろ鬱陶しい…」
魔法を見る度に一々驚くリリーにクラウチは多少イラついていた。
ただでさえ子守りみたいな面倒な仕事に加え魔法を見たこともないマグル同然の子供だったのでストレス倍増だった。
クラウチ達が帰還した彼らの本拠地は普通には目視する事が出来ずさらに森林地帯に構えており上空からも木が邪魔になり屋根の縁1つ見えないほどに木が生い茂っていた。
当然ながら目視不可能の理由は保護呪文が施されており、保護呪文内に入るための条件を満たしていなければ入る事も不可能となっている。
「そう言えば忘れていたな…
アルヘナ、そのガキに保護呪文を通過する魔法をかけろ」
そう言うとアルヘナは全くリアクションを取らずにリリーに呪文を施した。
「待ちわびたぞ…よく戻ってきた諸君」
例の黒いローブの男がいかにも喜ばしそうな声で出迎えた。
「その子がリリーか、ヴォルデモート卿とは見た目はあまり似ておらぬが何処と無く雰囲気が似ているな…」
彼自身リリーの事はこの瞬間まで1度も目にしたことは無かった。
さらに言うとその存在さえもクラウチが情報を掴み伝えるまで知らなかったほどである。
促されるがままに入った拠点は傍から見れば美しい造りの洋館で入ってすぐに吹き抜けのメインホールがあった。
「すごい大きいし綺麗だな…おとぎ話のお家みたい」
リリーは見たことの無いこの洋館に好奇心を募らせキラキラと目を輝かせていた。
「クラウチよ、そのような顔をするでない無理もないだろう魔法使いに生まれこそしたものの魔法とは無縁の地に生まれ赤ん坊の時からマグルの世界で育ったのだ。
今まで見た事も無いものにはあの位の反応の方が年相応と言うものだ」
「そうなんだろうが俺は子供が嫌いでな…ストレスがたまる一方だ。
第一なんで俺が行く必要がある?他にも手が空いている奴はいただろう」
「クラウチ、お前はかつてアメリカまで逃亡していそうでは無いか…おまけにこの情報もその際に仕入れたとか、ならばクラウチがこの仕事には適任だと私は思うがね」
仕事と言うのはその内容の経験や場所の土地勘があるものが務めるのは当たり前でこの男が言う事は至極当然の事だった。
このやり取りを他の者は黙って聞いていたが、リリーだけは違っていた。
彼女は2人が喧嘩をしているように見え喧嘩を見るのもするのも嫌いな彼女は表情を曇らせた。
「さて、くだらんこぜりあいもこの辺にして中に入りたまえ。」
言われるがままに彼の私室に入るとそこは妙に甘い匂いで満たされていた。
「気分を悪くしたら済まない私はブランデーが好きでね、この部屋の匂いはブランデーの香りだよ」
リリーはブランデーの香りに包まれながらクラウチとローブの男の会話を聞いていた。
しかし彼女には会話の内容が難しく聞いていても内容はさっぱりだった。
ただぼんやりとだが、ローブの男に妙な不安を感じていた。
しばらくしてリリーはアルヘナに連れられ館の2階の一室に来た。
「ここがあなたの部屋、我々に呼ばれた時以外は基本この部屋にいなさい」
不自然な位に機械的に話すアルヘナにリリーは人ではなく魔法で作られた機械か何かなのではないかと思いはじめていた。
案内された部屋はリリーには広すぎる位だった、豪華なシングルベッドに赤の絨毯、煌びやかなシャンデリアが部屋を淡く照らし部屋の中央にはアンティーク調のテーブルと椅子があった。
「この部屋は好きに使って貰って構わない、トイレは部屋に入ってすぐ左の白の扉、浴室はその隣の青の扉、食事に関しては後で持ってくる。
着替えやタオルは正面のタンスに入ってるから適当に着替えて」
本当に無感情な話し方で説明をしたアルヘナはそそくさと部屋から出ていった。
「あの人は何であんなに淡々としてるんだろ?もしかして実はロボットだったりするのかな…
魔法使いならそれ位作れそうだし…」
リリーにとってあれ程に無感情な人を見るのは初めてだった。
孤児院にも感情の起伏が平坦な人はいたが彼女の場合はそんなレベルでは無く近年のマグル達が作るロボットの方が感情があると言いきれるレベルだった。
「ところでクラウチ、あの子はアレを持っていたか?」
いつもの飄々とした気配や目付きではなく真剣そのものの表情でローブの男はクラウチに尋ねた。
「一応持ってはいたな…本物かどうかも使えるかさえ分からないがな。
だが、あんたも同じものを持っているだろ?2個も3個もいるのか?」
クラウチにはこの男の事がいまいち分からなかった、もしもの時の為になんだろうとは分からなくも無いがそれだけでは無かった。
「その考えも分からなくは無いが保険は掛けるに越したことはないとは思わんか?」
クラウチも自身に勝らずとも劣らない程に用心深い人間である事を理解していた。
だからこそしたり顔で問いかけた。
「まあ分からなくは無いがな…
しかし、それならあのガキは要らんだろ?あんたの望む人物とは関係ない筈だが?」
クラウチは自分がそこそこに苦労してあのリリーをここに連れてきたにしては目的が本人ではなくリリーが持っている懐中時計もどきであった為に少々イラついていた。
「まぁそう怒らないでくれたまえクラウチ、あの子にはちゃんと役目があるのだよ。
とはいえ、その時はまだ先だがね」
ローブの男のニヤついた顔を見向きもせずにクラウチは足早に立ち去った。
ハリーは家でリビングの机にマルフォイとその部下と座り随分と長く睨み合いをしていた。
全くの無言の空間にマルフォイの部下は今にも退席したいと言わんばかりの表情をしていた。
「一体何の用だ?まさか部下引き連れて無言の睨み合いをしに来たとは言わないよな?」
ハリーは不機嫌だった、オマケにその不機嫌さをもろに剥き出しにしていた。
ハリーは魔法界とは距離を置きたかった、前回のマルフォイが来た時もホグワーツの在校生が来た時もハリーにとっては迷惑でしかなかった、それにもかかわらずマルフォイは再度やってきたのだからハリーが不機嫌になるのは当然である。
「前に若い魔法使いが色々と厄介事を起こしていると言ったのは覚えてるか?」
「まぁ、ある程度な…
それで、確認してどうするんだ?また何かやらかしたのか?」
ハリーは薄らとだがマルフォイが何を言わんとしているかを理解した気がした。
ハリーは先日ロジャーと名乗るホグワーツの在校生達とまさにこの家で話をしていた、だからこそそれの話だろうという察しがついた。
「ここ最近この辺で彷徨いているのを見かけてしばらく調査していたら、お前の家に入るのを見かけてな」
やはりな。
思った通りの質問だった、とはいえハリーは別に咎められるような事は一切していなかった。
彼等に協力すると言ったわけでもなくただ後輩の話を聞いたに過ぎなかった。
「まぁ、確かにこの前うちに来たが特に何も無かった暴れた訳でも無いただ話をしに来ただけだし聞いただけ、何か問題でもあるか?」
「まぁ、そうだな…基本的には特に問題は無いが場合によっては問題が出てくるだろうな」
あまり回りくどい言い回しが好きではないハリーからすればマルフォイの言い方は面倒くさいものだった。
「回りくどい言い方は結構だ、結局何しに来たんだ?この程度だったら魔法省にクレームでもいれるぞ」
既にマルフォイ達が来てから2、30分程経過しているのにメインの要件を話す訳でもないため完全にハリーはイラついていた。
完全にすっぽかしてました…
本当に申し訳ありません、なんかガンプラに集中して筋トレも始めたら完璧にこっちの事がどっか言ってしまいました。
それでも何とか7話完成させる事が出来ました、一応物語最後のシーンは既に考えてありそこにどう持っていこうかというのが課題になってますが今後ともよろしくお願いします。
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第8話闇の再来
ハリーは無職ではありません、家にいる事が多いのは事実なのですが職には着いています。
あと意外にもギャンブル好きという設定にしており、たまにギャンブルをしにその辺に出かけては快勝して帰宅します魔法をこっそり使用しイカサマする事もあります。
なのでハリーはそこそこお金持ちです。
かつてヨーロッパでは魔法や魔術はありふれており皆がそれを扱えなくともその存在は認識していた。
しかし、15世紀に魔女狩りが横行し16世紀~17世紀に最盛期を迎えると魔法や魔術は一気に姿を消し独自の世界を築き魔法族と非魔法族に別れ非魔法族にとって魔法や魔術はおとぎ話や創作物またはアニメーションの中だけのものとなって行った。
現代では魔法界には法や秩序があり社会が形成されて非魔法族との無闇矢鱈な干渉は禁止されている。
それ故に非魔法族の面前で自身の生命の危機に置ける非常事態以外で魔法を行使すると逮捕される事も多い、しかし魔法界には自分たちの方が非魔法族より優れているという者も少なく無く自分達より下に見て支配を目論む者もいた。
ヴォルデモートもその1人だった、しかしそれはハリーが死をも覚悟して打ち破った。
だが、また新たな闇が現れようとしていたヴォルデモート以上の闇が
「分かっていると思うが、魔法界にとって奴等は危険な存在だマグル達のほぼ全員が魔法界を信じていない、魔法界の存在を知っているのはマグル側の一部の政府高官と首相のみだ。
だからこそ今迄互いの世界はヴォルデモートみたいなのが出てこない限り均衡を保ちながらここまでやってきた」
初めて魔法界に入った時ハリーは衝撃を受けた、それまで自分が見てきたマグルの世界とは全く異なる世界が広がりハリーの心は新鮮な気持ちで満ちていた、だが当然不安や恐れもあった。
ハリーに不安や恐れがあったならば魔法が全く扱えないマグルたちのそれは魔法使いたちの想像を超えるものだろう、だからこそ魔法界と非魔法界のバランスが崩れればどうなるかは誰にも予想がつかない。
「危険な存在だと言うのならばなぜ監視程度で何もしない、どういう事をしているのかある程度把握しているのならばなおのこと何かやらかす前に対処をすべきだろ?それを怠っておいてよく人に説教をたれに来たな」
ハリーの言い分はごもっともだった。
前回マルフォイが家に来た時は、忠告の様な話をしただけで今回も何か行動を起こす様な話は今のところ出ていない。
「まぁ、それを言われるとこっちはぐうの音も出ないが俺は部署の関係であいつらの逮捕とかが出来ないんだよ…
とは言えまだ全く動けていないのも事実だな。」
魔法省としても早急に問題解決に持ち込みたいが職員全てがひとつの問題にかかりきる訳にも行かなかった。
マルフォイも同じである、このまま監視だけにとどめる訳には行かないことくらい百も承知ではあるがこれだけが今のマルフォイの仕事ではない。
「とは言え奴等だけに集中する訳にもいかない。
ポッター、奴等は何をお前に持ちかけた?何をしようとしている?」
「あいつらはただ良くも悪くも自分達が決めた道を進んでいる。
それは確かに両方の世界にとって良くない道かもしれないがドラコ・マルフォイお前にも分かっているはずだ、あいつらの考えはいずれこの魔法界がかかえる事だ。
このままいけば純血の魔法使いは影を潜め半純血やマグル生まれが大多数を占めるそうすればマグル達の技術を持ち込むだろうし魔法界の存在が表に出るのも時間の問題だ、どの道魔法界全体が正面から向き合う必要がある問題だ。」
ハリーはロジャー達が自分の家に来た時の事を思い出した、協力こそしないと言ったが彼らにアドバイスをした、それはその場しのぎものではなく自分がロジャー達の立場だった場合を想像し出した答えだった。
「俺も魔法界もそこまで馬鹿ではないからそんな事くらいは分かってる、だが向き合い方が肝心だ失敗すれば争いになるだろうから慎重になっているだけだ。
あいつらがもし間違ったやり方をしているならば止める必要がある、それは大人としての責務だ。」
ハリーとマルフォイ双方の意見の若干の違いはあるもののどちらの意見も正しかった。
急ぎすぎれば当然何が起こるか分からず争いが起きる事も十分に有り得る事だった。
「まぁ、この話はこんな所だ今のでお前があいつらに何を言ったのか大体の予想はついた。
だが、話はもうひとつある今のハリーポッターにはこっちの方が重要だろう。」
「まだあるのか…もうそろそろ帰って貰えないか」
ハリーはマルフォイ達に早く帰って欲しかった、魔法界と距離を置いている現状では自分以外の魔法使いが家にいるのはあまり好ましい事では無かった。
「あまり長い話にするつもりは無い、ただニューヨークの孤児院で魔法使いによる襲撃があった死者も数名出ている。
で、一人誘拐されている。」
「だからどうしたと言うのだ?関係ないところは掻い摘んで話せよ」
話が無駄に長いのはホグワーツ時代からの特徴だった。
「ここも重要だからだ、襲撃犯は全員が死喰い人だリーダーはバーティークラウチ.Jr誘拐されたのはリリーリドルという少女だ。」
ハリーの目が少し鋭くなった。
リドルという名前はヴォルデモートの本名のトム・リドルと同じだった。
「今はアメリカのMACUSAと連携しながら捜査しているが誘拐された少女はお前の察した通りだ。
このリリーリドルがあのヴォルデモートの親族だ、おまけにその子は襲撃の数十分前にホグワーツの勧誘を受けていた、校長であるマクゴナガル先生直々にな。
その時にリリーリドルが逆転時計の様な物を持っていたとの事だ。」
逆転時計
時を遡る事ができるでありかつてハーマイオニーグレンジャーが使用していたものだが、じつは偽物と本物があり偽物は多数出回っているが本物は三つしか無くひとつはホグワーツにありもう1つは魔法省、最後のひとつは行方不明である。
「恐らくはリリーリドル本人よりもこの逆転時計を狙っての犯行の可能性が高い」
このリリーが持っている物がもし本物の逆転時計ならば無限に時を遡れる為これを狙うのは当たり前である。
「なるほどな…だがその子は逆転時計以外の利用価値なしという訳でも無いだろう、きっと二重三重に策を練った上で本人ごと攫っていると思う。
出なければその場で殺害するか逆転時計だけ奪えばいいからな。」
「それについては前にも言ったが各地に散らばった死喰い人や闇の魔法使い達への宣伝的な要因でもあるのだろう。
恐らくあいつらは大人数って訳でも無いだろうからな」
大人数で活動するのは策の成功率や戦いにおいての勝率に直結するがその分密かに行動するのには向いていない。
ましてや死喰い人や闇の魔法使いは目立ちやすく仲間が増えれば増えるほど感づかれる確率が上がってしまう。
「それもあるだろうがもっと別の要因な気がしてならない、もしクラウチ.Jrが全体的な指揮を取っているなら尚のことだ。
あいつはそれなりに頭のきれるやつだしもし違う者が指揮を取っているならより地方面から考える必要がある。
どの道俺はドラコ達とは身分立場が違うからでかいことをやらかされる前に何とか対処しろよとしか言えないがな…
さて、用が済んだならってとっとと帰れ人の家に無駄に長居してくれるな」
「分かった、もしかしたらまた俺か別のやつが来る必要があるかもしれないがな」
そう言うと何しに連れてきたのかさっぱりな部下2人を引き連れてマルフォイは帰って行った。
ハリーは魔法省の職員が次にやって来るのはそう遠くないとにらんでいた。
今のハリーには幾つかの不安があった、一つはロジャー達のことである。
ロジャー達は人間的に悪いやつらでは無いと思っていたがあまり頭のいいもの達では無さそうだと考えていた、だからこそ何をしでかすか予測が立てれず最悪自分の名前を使いかねないという物。
もう1つは死喰い人達、これに関してはまた自分に厄介事がやって来るのではないかというものと今更ヴォルデモートの様に崇拝するような魔法使いは居ないというのに一体何がしたいのかという点だった。
「ヴォルデモートはもう分霊箱を全て破壊されてあの時消滅した…それは自分自身が1番よく知っている。
なのに今更何をしたい…もうあいつに匹敵するような大きな存在は何処にも居ない例え逆転時計で時間を遡ってこっちに連れてきても分霊箱が無いから無駄だ、そもそもなぜ逆転時計を必要とする…」
ハリーの疑問は尽きることが無かった。
しかし取り敢えず考えるのをやめた、今は全くその答えが見つかりそうにも無くまた深く考えてもかつての友人や魔法界から距離を置いている自分がロジャー達や死喰い人達に関わる必要は今の所無いと判断したからである。
「見つけて来たぞ、グレイバックを連れて行って正解だったあんな何時滑落してもおかしく無いような谷を何時間も探したくないからな…
しかし綺麗に真っ二つに折れてやがるが直せるのか?」
クラウチJrはグレイバックと共にローブの男の前に立っていた、その手には明らかに誰かがへし折ったであろう見事に真っ二つの杖を持っていた。
「構わん既にあてはある、杖の状態より杖そのものが大事だ」
ローブの男はクラウチJrから受け取った杖を眺めて呟いた。
「ひとまずは揃える必要がある最低限の物は揃えた…
これでようやく始められる、あとはあの方を呼び戻す準備をするだけだ」
彼は不敵に笑うと部屋を出ていった。
クラウチJr達は薄々分かっていたローブの男の言う「あの方」とはヴォルデモート卿の事では無いということを、しかしでは誰なのかと言われるとそこまでは分かっていなかった。
しかしヴォルデモート卿よりもとんでもない者を呼ぼうとしている事だけは薄らと察していた、彼よりも強大で知略に長け闇の魔法使い以外のものからすればとてつもなく厄介な魔法使いを目覚めさせようとしていることを
八話終了です。
七話を読んで頂いた皆様本当にありがとうございます、そろそろボス様を登場させたいのですが設定だったりを色々練っているのでまだ先になるかも知れません。
フォイとハリーは仲が良い訳では無いですが学生時代みたいに敵視している訳でもありません。
フォイも今は魔法省でもかなり実力のある魔法使いとして名が通っておりそこそこ良い立場に着いているためまだ若手ではありますが将来有望な職員です。
リリーなのですが秘密の部屋の時のトム・リドル似の将来美形間違いなしの子です、間違っても謎のプリンスの時の小憎たらしいおぼっちゃま顔ではありません。
第九話も何とか書き上げますので読んで頂けたら幸いです今後ともよろしくお願いします。
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