地獄の女神のヒロアカ (荊軻)
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転生

また始めました。


「なに、ここ?」

 

 目が覚めるとそこは、ギリシャにある神殿の様に一面大理石のような空間だった。

 たしか私さっきまで、東方Projectの「東方紺珠伝」の全ステージクリアを記念して、一人パーティーしようとしてコンビニに出かけて、大きいサイズのポテチと大きいボトルのコーラを買って家に帰っていたら、突然後ろに衝撃があって、謎の浮遊感があって気を失った。

 

 ・・・あれ?

 

 私、死んでね?

 

 という事は、これって最近小説で流行っている神様転生?

 でもさっきから一向に神様が出てこないんだけど、どうゆうこと?

 周りを見渡しても居ないし、あるのは椅子と机と、机の上にあるノートパソコンだけ。

 

 ・・・もしかして、パソコンで転生の受付するの?え、なに?今の時代転生もネットとかで受付できるの?まあ、やるけどさ。

 

 そうして椅子に座り、パソコンに目を向けるとそこには

 

《  転生ガチャを引いてください  ↓↓ ここをクリック ↓↓  》

 

 と、随分と派手な画面に書かれていた。

 

「怪しいどうこう以前に、いろんな個人情報盗られそうでやだな。まあ、やるけどさ」

 

 ガチャを引くと画面に

 

《  大当たり!!!  お望みの転生特典五つと転生先のご希望の名前を記入した上で送信してください  》

 

 と、やはり随分と派手な画面に書かれていた。

 

「・・・本当にこれ、随分と大掛(おおが)かりな詐欺とかじゃないよね?」

 

 疑いつつもパソコンに向かい続けた。

 

《 転生特典1:東方のへカーティア・ラピスラズリの容姿と能力

      2:「海と山を繋ぐ程度の能力」

      3:「永遠と須臾を操る程度の能力」

      4:家族構成で妹にクラウンピース

      5:Fateの黄金律A

 

     名前:紺珠(かんじゅ) へカーティア         》

 

 これで良いだろう。

 我ながら中々のチートだと思う。

 まず最初のやつは、私がへカーティアが好きだから。まずへカーティアの能力は「三つの身体を持つ程度の能力」。地球、月、異界のそれぞれの地獄を司る女神なので体を三つ持っている。それに体の核、人間でいう心臓の部分が地獄にあるため基本的に倒すことは出来ても、殺すことは出来ない。まあそれでも、本人はめちゃくちゃ強いけどね。

 二つ目の「海と山を繋ぐ程度の能力」は、簡単にいうと制限の無い瞬間移動である。自分はもちろん、他の人や物も移動することが出来る。

 三つ目は「永遠と須臾を操る程度の能力」。永遠は「穢れ」による変化を拒み、「穢れ無き永遠」を作り出す能力。須臾はほんの少しの数を操ることが出来る。原作での蓬莱山輝夜は少しの時間をかき集めて自分の時間を増やしていた。「永遠と須臾を操る程度の能力」はこの二つを操れる。

 四つ目はただの私の好み。あんな可愛い()にお姉ちゃんと呼ばれるなんて最高な事だよ。

 五つ目はお金に困らないようにね。転生先がどんな世界か知らないし、あるに超したことは無いしね。

 名前は、思いつかなかったから原作のタイトルとへカーティアの名前をそのまま使った。

 

「あとは送信するだけか」

 

 送信ボタンをクリックすると、意識が薄くなってきた。

 

「転生する・・感・覚て、・・・・こんなん・・なんだ・・・」

 

 

 

 

 



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雄英受験編
紺珠ヘカーティア:オリジン



 主人公とクラウンピースの年齢の部分編集しました。

 十五歳→十四歳
 六つ→七つ

 今後の物語の都合上ポケモンの伏せ字を消します。





 事の始まりは中国、軽慶市。『発光する赤児が産まれた』というニュースだった。

以降各地で「超常」は発見され、いつしか「超常」は「日常」に、「架空(ゆめ)」は「現実」となった。

世界総人口の約八割が何らかの「特異体質」である現在、個性を悪用する(ヴィラン)により混乱渦巻く世の中で、かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が、脚光を浴びていた。そう、「ヒーロー」と呼ばれる職業である!

 

 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 

 ハロー、みんな。

 無事に転生することの出来て無事に十四歳まで成長できた紺珠(かんじゅ)へカーティアだよ~。

 名前が名前だから日本人かどうか分からなかったけど、父親が日本人で母親がギリシャ人のハーフだった。凄いね今世の父親は~、ヨーロッパの美人さんを射止めたのだからね。

 

 それはそうと、どうやらこの世界は、「僕のヒーローアカデミア」略してヒロアカの世界らしい。前世で私の友達が読んでいたけど、私は名前と設定ぐらいしか知らないんだよね。

 たしか「個性」ていう超能力が当たり前のようにあって、それを犯罪に使う(ヴィラン)と、人を助けるヒーローが存在するだったかな。

 

 そう考えると私の個性って、結構やばいね。だって三つの世界の地獄を司る女神だよ。ちゃんと周りに地球と月と異界があって、それが鎖で私の首のチョーカーと繋がってるし、外せないし、三つの程度の能力も完璧に使えるから私の個性登録するとき、お医者さんと両親がすごく悩んでいたし。

 そりゃ、地獄を司っているから地獄の力が使えるし、体を入れ替えたり三つに増やせるし、「海と山を繋ぐ程度の能力」で人や物の瞬間移動が出来るし、「永遠と須臾を操る程度の能力」で物を変化させなくしたり、自分だけの時間を増やしたり、仕舞いには空も飛べるし。

 この世界では移動系、飛行系、回復系の個性は希少でどんな仕事でも役に立つそうだ。もちろんヒーローでもね。

 ちなみに個性の名前は「地獄の女神」になりました。大人が悩んでいたのでポロッと言ったら採用されたんだよね~。

 

 ちなみに、特典で妹にしたクラウンピースこと、歳が七つ離れた私の可愛い可愛い妹の紺珠(かんじゅ)クラウンピース(通称ピース)は

 

「ティアお姉ちゃん見て見て!!ディアルガをモンスターボールでゲットできたよ!!」

 

 携帯ゲーム機でポケモンにどハマりしてる。伝説のポケモンを捕まえるという誰しもがやろうとして失敗するようなことをやってのけるほどに。

 

「すごいな~、私もやった事あるけど出来なかったぞ」

 

「へへ~ん、すごいでしょ~」

 

 ピースはどや顔で胸を張った。

 

 なにこの可愛い生き物、つい頭をなでたくなるよ。もうなでてるけどね~。

 

「えへへ~、くすぐったいよティアお姉ちゃん」

 

 紺珠クラウンピース

 私の可愛い可愛い妹で、原作の「東方紺珠伝」の5面ボスとして登場した。能力は「人を狂わす程度の能力」で、クラウンピースの持つ松明の光で人を狂わす事が出来る。

 この世界では個性として発現していて名前は「狂化」。能力は原作と同じだけど、手に持った松明の光じゃなくても、懐中電灯の光や近くにある光でも同じ事が出来る。

 

 個性は発動型、変形型、異形型の三つがありうちのピースは発動型の個性。私の個性はどうやら異形型と発動型の複合型の個性らしい。

 父の個性は人の感覚を鈍らせる「鈍化」、母の個性は光の強弱を操れる「光源操作」で、二人の個性が混じり遺伝して特殊変化したのがピースの個性だ。個性は遺伝するらしいけど私のような親の個性に関係なく発現するのもごくたまにいるらしい。

 まぁ、どうでも良いけど。

 

「ティアお姉ちゃんいつまで撫でるの~?」

 

「う~ん?嫌だった?」

 

「ううん、気持ちいいから好き」

 

 可愛いな~も~

 

 ちなみに私とピースの着ている服は原作と同じ服で、私が「Welcome Hell」と書かれた黒いTシャツに赤、緑、青のチェック柄のスカート。ピースは私が作ったピエロのような青地に白い星柄と赤白のストライプ柄に分かれた長袖のワンピースに、服と同じ柄が逆になったタイツをはいている。

 

 良いと思って作ったら学校の友達には変と言われたが、家族からは良いと言われピースも気に入ってくれた。

 そのことを友達に話したら、私を含め(うち)の人たちのセンスは独特だと言われた。なぜだ?

 

「そういえばティアお姉ちゃん」

 

 ピースを膝の上にのせて頭を撫でていると話しかけてきた。

 

「どうしたの?ピース」

 

「お母さんが志望校とか何とか言っていたけどどうするの?」

 

 あ~志望校か~

 ん~少し格好つけるか~

 

「志望校は雄英のヒーロー科にしようかな~」

 

「お姉ちゃん雄英受けるの?凄ーい!」

 

「ふふん、どうだ」

 

 私がそう胸を張ると

 

「そう、じゃあ頑張らないとね~」

 

 後ろから私の母親、紺珠アーニャが現れた。

 

「雄英のヒーロー科目指すのでしょう、頑張らなくっちゃね」

 

「いや、今のは言葉の綾で~」

 

「あら、可愛い妹の前で嘘をつくの?」

 

 そう言われピースの方を見ると、

 

「わあぁぁ~」

 

 もの凄く純粋で無垢な笑顔で私を見ていた。

 駄目だ!!この子の前で嘘なんてつけない!ずるいぞ母よ!こんな眼を向けられたらどうなるか分かってるくせに!

 

「・・・わかりました、雄英受けます」

 

「よろしい」

 

 私、日本最難関の高校目指すことになりました。

 

 

 



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お使いついでの

 まったくもーお母さんめー

 

 何が、「雄英受験を頑張るついでに商店街にお使いお願いね~」だ。

 ピースと一緒に行って良いと言われたからいくけどさ。

 

 あ、原作での へカーティアは裸足だったけど私はちゃんと靴履いているよ。

 

「ねえティアお姉ちゃん何買うの?」

 

「ハンバーグって言っていたから豚の挽肉(ひきにく)買わないとね~」

 

「ハンバーグ!?やったー!」

 

「もちろん野菜もちゃんと入っているよ」

 

「うっ、野菜苦手」

 

「だ~め、ちゃんと野菜食べないと大きくなれないよ~」

 

「うぅ~、分かった、野菜ちゃんと食べる」

 

「よしよし、偉い偉い」

 

 あ~も~可愛いな~も~

 

 そんな幸せな時間を楽しんでいたら目的の商店街に着いてしまった。

 

「いらっしゃい。おや、ティアちゃんとピースちゃんじゃないか。相変わらずおかしな格好しているね」

 

「おばさんこんにちわ~」

 

「こんにちわ。そんなにおかしいですかこの服?」

 

 この服装前世の時から良いと思っているんだけどな~

 

「誰が見ても変わっているよ、その服は」

 

「え~、あたいは気に入ってるよ。だってティアお姉ちゃんが作ってくれて、パパとママも可愛いって言ってくれたよ」

 

「相も変わらず特殊な感性を持っているわね」

 

 何故か知らないけど皆から言われるな。うちの中学は私服OKだからいつもの服で行くと変だと言われる。解せぬ。

 

 そんなこんなでお使いの買い物を済ませて商店街を出ようとしたら、

 

「逃げろ!(ヴィラン)が出たぞ!」

 

 私はその声を聞くとすぐにピースを抱き、人が避難している所に瞬間移動した。

 

「また、面倒な時に来るね~、あいつら」

 

 そう思い、ピースが大丈夫かどうか確認するためにピースの方に眼を向けると

 

「ティアお姉ちゃん、怖い」

 

 怯えた顔を私に向けた。

 

 

 

 

 

 

        ブチッ

 

 

 

 

 

 ふ~ん

 

 へ~

 

 そうかそうか、(あいつら)面倒な時に現れて私とピースの時間を邪魔するだけじゃ無くて、妹を、私の可愛い可愛いピースを怖がらせるんだ~

 

 なるほどね~

 

 よ~し、お説教()しちゃお。

 

 

 

 === 緑谷 出久 side ===

 

 

 あいつ何で!!!?

 

 オールマイト!?

 逃げられたのか!?

 ・・・落とした・・・!?

 だとしたら・・・

 

「・・・・・・・・・!」

「僕の・・・せい・・・・・・・・!」

 

「ヒーロー何で棒立ちィ?」

 

「中学生が捕まってんだと」

 

 捕まってるって・・・

 あんな苦しいのを耐えているのか!!?

 

「(すごい・・・!)」

 

「つーかあの敵ヴィランさっきオールマイトが追いかけてたやつじゃね?」

 

「オールマイト!!?うそぉ!!?来てんの!?」

 

「何かちょっと前見たよ」

 

「じゃあ何してんだオールマイトは!!?」

 

 周りの人たちが話していることが聞こえてしまった。

 

「(僕のせいだ・・・!!彼は動けない!!)」

 

「(あいつは掴めない!有利な"個性"のヒーローを待つしかない!!)」

 

 頑張って・・・!!!ごめん!!

 ごめんなさい・・・!!

 すぐに救たすけが来てくれるから・・・

 

 誰か・・・ヒーローがすぐ・・・・・・

 

 

 その時、見た。

 見えてしまった。誰よりも強い爆豪勝己(かっちゃん)の救たすけを求める顔が見えた。

 気付いたら飛び出していた。

 

「馬鹿ヤロー!!止まれ!!止まれ!!!」

 

 何で出た

 何してんだ!?何で!!

 

「爆死だ」

 

「ひっ・・・」

 

 どうしようどうしよう

 こういう時は~~!!

 ノートの25Pページ!!

 

 そう思い、僕は背負っていたリュックサックを(ヴィラン)の顔に投げつけた。

 

「ぬ゙っ」

 

 (ヴィラン)がひるみ、出久はその隙に取り込まれそうになっている勝己に駆け寄った。

 

「かっちゃん!!」

 

「何で!!てめェが!!」

 

「足が勝手に!!何でって・・・わかんないけど!!!」

 

 色々理屈はあったと思う

 ただ、けどその時は

 

「君が救たすけを求める顔してた」

 

 かっちゃんに言うと、その声は聞こえてきた

 

「よく言った。あと私も敵そいつに一つ言わせてもらうよ」

 

「えっ?」

 

 声のした方に顔を向けると、そこには変わった格好をした女の子がいた。

 その女の子は人差し指をこちらに向けて

 

「『貴方は私の可愛い可愛い妹を怖がらせた』。それだけの理由で貴方を地獄へ堕とす」

 

 そう言い放った。



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個性使用

「『貴方は私の可愛い可愛い妹を怖がらせた』。それだけの理由で貴方を地獄へ堕とす」

 

 この台詞は私の中では、前々から言ってみたかった台詞のトップ3に入る台詞だけど、今はそんなどうだっていい。

 この(ゴミムシ)は私の可愛くて無邪気で無垢なピースを怯えさせた。それこそがこの(ゴミムシ)が犯した地獄に堕ちるほどの大罪。

 

 絶対に容赦なんかしない。

 

 死んだ方が良いと思えるほど苦しめてやる。

 

「あ?地獄に堕とすだァ?」

 

「そうだよ~、なんせあんたは」

 

「俺は、何だ?言ってみろクソガキ」

 

「私の大事な妹を怖がらせた。だから地獄に堕とす」

 

 その言葉を聞いた(ヴィラン)

 

「ガハハハッ!!!おいガキ!テメェ今俺を地獄に堕とすって言ったなァ」

 

「言ったけど?」

 

「そいつぁ無理だな!なんてったって・・・」

 

 (ヴィラン)はそう言うと

 

「先にオメェが死ぬんだからなァ!!!」

 

 ヘカーティアに襲いかかった。

 

 

 === 緑谷 出久 side ===

 

 

 出久は目の前で(ヴィラン)が突然現れた少女に襲いかかろうとしているのをただ見ることしか出来なかった。

 

 ダメだ!

 動こうとしてもさっきので完全に足がすくんでいる。

 

「(このままだとあの子が!!)」

 

 動け!動け!動け!動け!動け!

 動かないと、このままだとあの子が・・・

 

 そう考えても(ヴィラン)は少女に向かうのを止めない。

 そして(ヴィラン)はとうとう少女の目の前まで迫っていた。

 

「(もう・・・ダメだ・・・・!)」

 

 そう思うと突然、謎の浮遊感が体を襲い、背中に衝撃が走った。

 

「アダッ!!」

 

「ガッ!!」

 

 突然の衝撃に思わず声を漏らすと隣からよく聞き慣れた声が聞こえたので、声がした方に目を向けると

 

「かっちゃん!?」

 

「あっ?デク!!?テメェ何でここにいやがる!!!」

 

「ぼ、僕もよく分からなくて・・・、ていうかかっちゃん何でここに?さっきまであのヘドロに・・・」

 

「あ゙あ゙ッ!?てっほんとだ、何でだ?」

 

「それは私が移動させたからだよ」

 

 移動?

 どうゆうことだ?

 ッ!!まさか・・・

 

「もしかして瞬間移動・・・」

 

「大正解だよ。ついでに言うと他にも色々出来るけどね」

 

 他にも色々!?

 瞬間移動だけでも凄い個性なのに他にも出来るのか!?

 

「例えば、周りの火を消したり」バチンッ

 

 少女はそう言うと指を鳴らした。

 すると商店街の建物に燃え移っていた炎が突然消えた。

 

「・・・すごい」

 

「見るのは良いけど、ジャマだから離れててね」

 

 そう言うと少女は(ヴィラン)に向かって歩いて行った。

 

 

 === 緑谷 出久 side out ===

 

 

 まずは「海と山を繋ぐ程度の能力」で(ヴィラン)の近くに居たのと、取り込まれそうになっている少年達を私ごと後ろの方に転移した。

 

「もしかして瞬間移動・・・」

 

 お、このモジャモジャ頭の少年は中々勘が鋭いね。

 

「大正解だよ。ついでに言うと他にも色々出来るけどね」

 

 そう言うと、モジャモジャ頭の少年はとても驚いたような顔をした。

 

 まあ、色々じゃなくて大体のことが出来るけどね。

 少しだけ教えるか。

 

「例えば、周りの火を消したり」バチンッ

 

 私は少年にそう言い指を鳴らした。

 すると周りの炎が消滅するように消えていった。

 これは、地獄の力で周りの炎を地獄の業火に置き換えて操り消した。

 後は、「永遠と須臾を操る程度の能力」の永遠の能力で周りが後で放つ私の能力(ちから)の影響を受けないようにしてっと。

 

「・・・すごい」

 

 感心するのは良いけどね・・・

 

「見るのは良いけど、ジャマだから離れててね」

 

 さ~て

 さっさと始末して帰ってピースを慰めないとな~

 と言うわけで

 

「すぐに終わらせるよ~」

 

「何がすぐに終わらせるだァ!!テメェの個性は大方、何かしらの操作とかだろォ!!」

 

「あ~、ある意味正解だよそれ」

 

「ならすぐに殺してやらァ!!!」

 

 普通の人から見たら結構速く向かって来るけど、私から見たら凄く遅いんだよね~

 この体になってから身体能力も凄いくらい上がってるから個性なんて使わなくても人間なんか、簡単に殺せたりするから普段色々気を使って過ごしてるんだよね~。

 

 ま、それはともかくすぐに終わらせるか。

 さっきから後ろのヒーロー達がうるさいからね。

 

「死になァ!!!」

 

「あんたがね」

 

 ヘカーティアは(ヴィラン)の突進を上に飛び避けると"個性"の能力(ちから)を使った。

 

 

 

 

 

 

「顕現 八寒"嗢鉢羅(うらば)地獄"」

 

 

 

 

 するとヘドロの(ヴィラン)だけが凍り付いた。

 

 今私が使ったのは、地獄を司る能力で地獄の力を使った。

 その地獄は地獄の八寒地獄の嗢鉢羅(うらば)地獄。そもそも地獄は暑いってイメージがあるけどそれは八大地獄とか辺りだけで、超寒い地獄もある。それが八寒地獄。

 今回使った嗢鉢羅(うらば)地獄で、その地獄では全身が凍傷のようにひび割れるそうだ。怖いね~。

 

 さ~て、ピースを連れてとっとと逃げ()るか~

 きっと、ヒーロー達がうるさいからね。

 

 

 

 



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発見

 久しぶりの更新、遅れてすいません。


 あのヘドロ事件から数日がたったある日、私は家から少し離れた「市営多古場海浜公園」付近を散歩していた。

 

 本当は、本当は、本当はピースと一緒に遊びたかったのにー‼

 学校の友達と遊ぶと言って出ていったんだよ。強引に遊ぼうとすると嫌われるからちゃんと笑顔でおくりだしましたよ。

 あ~、ピースと一緒にゲームでもしたかったな~

 

「それにしても、ここに来るの何時振りかな」

 

 ここは小さい頃によく瞬間移動で遊びに来ていた海浜公園だった。

 だったけれど、今では……

 

「うわっ、すごいゴミ山が出来上がってる」

 

 物凄い数のゴミによって物凄く汚い。

 恐らく、漂流物か不法投棄とかでゴミがたまったんでしょ。

 ほんと、こういうの地球の(わたし)が頭の中で愚痴るからうるさくて迷惑なんだよね~

 月の(わたし)地球の(わたし)の愚痴がうるさいと言っていたし。

 

 ん?あれは……

 

「さぁさぁ、もっと強く引っ張るんだ!緑谷少年‼」

 

「はっ、はい~~!!!」

 

 この前、ヘドロの時に見かけた少年と、ラフな格好をしたNo.1ヒーロー「オールマイト」だった。

 

 二人を見つけた瞬間私の口角が上がった。

 

 そして、浮いている月と地球が私から離れ、人の形が出来上がった。

 

「暇潰し見ーつけた」

 

「こんな退屈な時にナイスタイミングだね。異界の、地球の」

 

「ほんと、ほんと。面白いものが見れそうだね、月の、異界の」

 

「じゃあ、どうやって驚かそうか、地球の、月の」

 

 三人(わたし)は二人のいる方に向かって飛んでいった。

 

 

 === 緑谷 出久 side ===

 

 

「ホラホラホラホラ、初日に運んだ業務用冷蔵庫より軽い一般用冷蔵庫だぞ!しっかり腰を入れて運びたまえ!」

 

「わかり、ました~~‼」

 

 この「アメリカンドリームプラン」を初めて何日かたったけど中々ゴミが片付かない。

 それもそうだ。何年もの間そのまま放置され続けたゴミの山なんだ。簡単に終わったらトレーニングにならない。

 

 トレーニングだから、絶対に雄英に受かって、絶対にヒーローになって、オールマイトのような最高のヒーローになるんだ‼

 

 でも、なんか、急に重さが………

 

「オールマイト、なんか急に重く、なっているんですけどぉ…」

 

「どうした緑谷少年、出来ない言い訳かい?急に重くなるわけがないだろ!疲れてきたかい?休むのかい?」

 

「そうだぞ~、休むのか~?」

 

「それに今の言葉けっこう失礼だぞ」

 

「そうだぞ、女の子に向かって重いは無いだろ」

 

 そうだ、女の子に重いは失礼だ、それに休んでなんかいられない。僕は人の何倍も頑張らない…と…いけ…ないん…だ……?

 

「「ッ!!!!」」

 

 僕が運んでいる冷蔵庫の方から声が聞こえた。

 いつだ?いつ現れた?そして、プロヒーローであるオールマイトに、どうやって気付かれずに近付いた?

 

 そして、僕とオールマイトが振り替えるとそこには……

 

「やっほー、久しぶり少年」

 

「頑張ってるね~、修行かい?」

 

「それとも、オールマイトとボランティアかい?」

 

 ヘドロ事件の時に助けてくれた少女と、その少女に似た少女が二人、合わせて三人の少女が冷蔵庫の上に乗っていた。

 

 

 === 緑谷 出久 side out ===

 

 

「き、君は…」

 

「ヘドロのをやっつけたあの時の少女か!」

 

「紺珠ヘカーティアだよ~、よろしくね少年、オールマイト」

 

「オールマイト、サインもらえますか?」

 

 月のがオールマイトにサインをねだった。ピースに自慢するつもりだな~

 

「あ、あぁいいとも!名前はどうするかい?」

 

「二枚お願いします。紺珠ヘカーティア【月】と紺珠クラウンピースでお願いします」

 

「え、【月】?」

 

 あはははははは!困ってる、困ってる。

 わかっててやっているな月の。

 

「こらこら月の、ちゃんと説明しなさい。あ、私にもお願いします。紺珠ヘカーティア【地球】でお願いします」

 

「え?どういう事?」

 

 あははは、少年の方も困惑しているよ。

 というか地球のもちゃっかり便乗しているよ。私も便乗しちゃお~。

 

「私にもお願いします。後で私の事について説明しますから」

 

「あ、あぁ、所で君は…」

 

「あ、私は紺珠ヘカーティア【異界】」

 

「あ、あぁ分かったよ」

 

 あ、慣れたねオールマイト。

 少年、み、みど…緑谷?君はまだあたふたしている。何かブツブツ聞こえるけどどうでもいいや。

 なんか気持ち悪いし。

 

 

 

 

 




 感想お待ちしています。


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個性の説明

 今回は主人公達の台詞の前にそれぞれ異、地、月と表示します。





「それで、君達?はいったい何者なんだい」

 

異「ただの雄英志望の女子中学生ですよ」

 

地「ただし、少~し特殊な"個性"を持っているけど」

 

月「それ以外は普通ですよ」

 

「いや、服装が普通じゃないんだけど…」

 

 うんうん、聞こえないな~

 私の服の何処が普通じゃないのかな?

 けっこうイケていると思うけど。

 

地「所でどこから聞きたいですか?」

 

「全部とは言わないが、主要な部分だけで結構だよ、紺珠少女」

 

 へ~

 全部は聞かないのか。でも緑谷君は物凄く詳細まで聞きたそうにしているな。

 でも、主要な部分だけならこっちも楽でいいや。

 

 それじゃあ説明のために冷蔵庫から降りるか。

 

月「よっ、それじゃあ説明しますね。」

 

地「まず、私達の名前はさっきも言ったとうり紺珠ヘカーティアといいます。」

 

月「名前が一つなのは私達が同じ存在だからです」

 

異「まぁ、その時の気分によって一つになったり、それぞれ体を変えているけどね」

 

「じ、じゃあその体も個性という事なの?」

 

月「その通りだよ緑谷君」

 

異「私の個性は"地獄の女神"。名前の通り地獄の力を自由自在に操れる」

 

地「ヘドロの時にあいつを氷漬けにしたのもそれだよ」

 

 そういえばあのヘドロどうしたのかな?

 あのまま放置して帰ったけど。

 ま、いいや。

 

月「まぁ、それだけじゃなくて人外じみた身体能力とかね。例えばこんな風に」

 

  ガコッ

 

「く、車を片手でももも持ち上げた!?」

 

地「あはははは、驚いた?私達はこれぐらいの力を持っているのさ。他にも君とあの爆発君に使った瞬間移動」

 

異「まだ細かい部分は有るけれど、取り敢えずこれぐらいで良いですかオールマイト」

 

「あぁ、話してくれてありがとう紺珠少女」

 

地「いいですよオールマイト。どうせ暇潰しのために来ましたし」

 

 本当にいい暇潰しになったしね。

 オールマイトのサイン、私達とピースの分貰えたし、それをピースに見せたら絶対に喜ぶだろうな~。月のがそれ(オールマイトのサイン)を取ったのがちょっと気にくわないけど。

 

 うん、もうそろそろピースがお昼御飯を食べに帰ってくる頃かな。

 

異「じゃあ私達はこれで帰りますね」

 

「え、なんで?」

 

地「そろそろ私の可愛い可愛い妹がお昼御飯を食べに帰ってくる頃だから」

 

月「それとももう少し私の個性について知りたいのかな?ヒーローオタク君」

 

「え、えっとそ、そそそうゆうわけでは…」

 

 あははははは、緑谷君は弄ると面白いな。

 

「ははははははは!そうか、それじゃあ気を付けて帰りたまえ紺珠少女!」

 

 本当にオールマイトはプライベートの時でもヒーローなんだね。

 それじゃあ体を一つに戻してっと。

 

「ッ‼」

 

 あははは、驚いてる驚いてる。

 

「じゃあ、さよなら。緑谷君、オールマイト」

 

 

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 

「わあぁ~、オールマイトのサインだ~!ありがとうお姉ちゃん!」

 

「散歩していたら偶々会ったから貰えたんだよ」

 

 はあぁぁ~

 可愛いっ‼

 この娘が生まれた時から確定している事実だけれども、改めて確信した‼

 

 クラウンピースはとても可愛いっ!!!

 

「所でティア」

 

「ん?何お母さん」

 

「私と正臣さんのは無いの?」

 

 あっ、忘れてた!

 

「忘れたのね」

 

「ご、こめんない…」

 

「ま、いいわよ。許してあげても」

 

 お、珍しいな、直ぐに許してくれた。

 いつも笑顔で迫ってくるから本当に怖いんだよね。

 

「お詫びは雄英合格ね」

 

「えっ?」

 

 ま、まさかお母さん、これを狙って直ぐに許したのか?

 

「頑張れば出来るでしょ?」

 

「えっでも…」

 

「出来るでしょ?」

 

 有無も言わせない気だ!

 

「でもs「出来るでしょ」……はい、出来ます」

 

「よろしい」

 

 やっぱり反則レベルの能力があってもお母さんには勝てない。

 

 あっ、ピース口元にご飯粒付いているよ~

 

 

 

 

 




 ちょっと短めでした。
 次は受験の予定です。


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女神無双


 タイトルでわかると思います。





 ハローみんな。

 とうとうこの日が来たよ。どんな日かって?

 それはね~

 

『今日は俺のライヴにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!』

 

HEY(ヘイ)‼」

 

 雄英受験の日だ。

 壇上ではボイスヒーローの「プレゼントマイク」が叫んでいる。

 

 ちなみに今叫んだのは私だ。

 こういうのはノリにのって楽しんだ方がいい。残念ながら、私以外は誰一人として叫んでない。

 

『センキュー‼そこの女子リスナー‼』

 

『実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ‼アーユーレディ!?』

 

「イエスアイムレディ‼」

 

 うん、ここまでできたらちゃんと叫ばないとね。

 それにしても周りからスゲー見られてるわね。

 

『入試要項通り!リスナーにはこの後!10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ‼』

 

『持ち込みは自由!プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな‼』

 

『O.K!?』

 

「O.K‼」

 

『演習場には"仮想敵(かそうヴィラン)"を三種(・・)・多数配置してあり、それぞれの「攻略難易度」に応じてポイントを設けてある‼』

 

『各々なりの"個性"で"仮想敵を"行動不能(・・・・)にし、ポイントを稼ぐのが君達(リスナー)の目的だ‼』

 

 要は無双ゲーとゆう訳ね。

 それにしても、このプリントには四つの仮想敵が載っているけど…

 

「質問よろしいでしょうか!?」

 

 ん?

 

「プリントには四種(・・)の敵が記載されております!誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥じすべき痴態‼我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです‼」

 

 うわーあのメガネ君、超真面目タイプだ。私ああゆうタイプの奴苦手なんだよね。

 中二の時にあんな奴がいて一々私の服にケチつけてきたからちょっとだけ脅したんだよね。

 その後は何も言わなくなったけど。

 

「ついでにそこの君」

 

「!?」

 

 あっ、あれは緑…谷君?だったかな?

 

 それにしても、久しぶりに見かけたな。

 ん?よく見ると筋肉が付いてるね。あれからずっと特訓続けてたのか。

 

「先程からボソボソと…気が散る‼物見遊山のつもりなら即刻雄英(ここ)から去りたまえ!」

 

「すみません…」

 

 あはははは、注意せれてやんの。

 

「そしてそこの女子」

 

「何かな」

 

 もしかして私何かしたかな?

 

「この神聖なる受験に…なんだその変な格好は!」

 

「え!?この服変!?」

 

 ウソ⁉受験だからってちゃんと選んで来たんだけど‼

 したから普通の革靴に黒の生地に赤いラインが入ったスカートと黒のタイツに、「I love sister!」という文字が前の左側に書かれ、ちっちゃいピースが描かれている白シャツにピースと同じ星条旗柄のネクタイ、その上に黒のブレザー。

 変なのかねこれ⁉

 

「どう見ても変だろその格好は!」

 

「変なのかな?半年前に一ヶ月かけてこしらえたのに」

 

「手作りなのか⁉」

 

 うちの学校制服が無い私服中学だから自分でこしらえたんだよ。

 それに服は買うのより自分で作るのが好きなんだよね。私とピースの普段の服も、ピースのパジャマも私が作ってるんだよね。

 

「じゃあ面接の時にはちゃんとしたのにするよ」

 

「そうか、分かってくれればいいんだ」

 

 あら、意外とあっさり引いてくれるのね。

 

『オーケーオーケー、受験番号7111くん。ナイスなお便りサンキューな!』

 

『四種目の敵は0P!そいつは言わばお邪魔虫(・・・・)!スーパーマリオブラザーズやったことあるか⁉』

 

『あれのドッスンみたいなものさ!各会場に一体!所狭しと大暴れしている「ギミック」よ!』

 

「有難う御座います、失礼致しました!」

 

 マリオのドッスンか、随分と分かりやすいね。

 

『俺からは以上だ‼最後にリスナーへ我が校の"校訓"をプレゼントしよう!かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!』

 

『「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と‼』

 

『"Plus Ultra(更に向こうへ‼)"‼』

 

『それでは皆、良い受難を‼』

 

 それじゃあ、実技試験頑張るか。

 

 

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 

「あの女、さっきメガネに注意されていた奴だよな」

 

「また変な格好していわよ」

 

「ふざけてるのか?」

 

「でもああゆう奴から落ちるからラッキーだな」

 

 う~ん、周りがザワザワしているな。ちゃんと準備運動とかちゃんとしたらどうなのかね。

 動きやすい格好て聞いたからいつも着ているヘカーティアの東方衣装に身を包んでいるけど、なんか周りの視線がいつも以上に多い気がするな。

 

『ハイスタート!』

 

 始まったので音速を越えない程度に飛行。

 プレゼントマイクが何か言ってるけど試験に集中したいので、無視無視♪

 

『ひょ「グシャッ!」』

 

『ブッ「バギャッ!」』

 

 なんか喋った気がするけどどうでもいいや。

 

 ッ‼

 

「あらよっと!」

 

「うわっ!」

 

「大丈夫?」

 

 危ない危ない、この耳がイヤホンジャックみたいになっている女の子、もう少しで仮想敵にやられるところだったので。

 

「あ、ありがとう」

 

「そう、じゃあ頑張ってね」

 

「あんたこそ頑張れよ」

 

 こっちが手を振ると振り替えして反対側に走っていった。

 さて、続き続き。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そろそろ100P位いったかな?

 途中で何人か助けたけど、多分これもP(ポイント)に入ってるかな。

 

 ドッオオォォォン!!!

 

 何⁉

 

 私が振り替えるとそこには30m強はありそうなロボットが移動していた。

 

 え!?あれがもしかして0Pの仮想敵⁉

 マジかー、全員逃げているよ。

 

 ……!

 そうだ、あれを試そう。

 

 そのために邪魔な連中を転移で離して。

 

「な、何だ⁉」

 

「き、急に移動してる⁉」

 

 なんかビックリしているけど今はどうでもいい。

 私は今、珍しくピース以外の事で昂っている。

 

「ぶっ飛べ、鉄屑」

 

 

 

 

「スペルカード、異界「逢魔ガ刻」‼」

 

 

 

 

 私がそう叫ぶと、ロボットに向かって紫色の光の球体が帯状に並んで幾つも突っ込んで行った。

 

 ドオオオォォォン

 

 そして、0Pの仮想敵に穴が空いたり抉れたりして地面に倒れた。

 

『終了~!!!!』

 

 これで実技は終わり、後は筆記と面接だけかな。

 

 

 

 





 感想お待ちしています。




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今世の家族について、ついでに合格発表

 今回も長いと思います。

 ついでにようやく東方神霊廟のEasyステージをノーコンテニューでクリアしました。






 雄英受験から一週間がたつ。

 そろそろ結果が届くころかな。

 

ガチャッ

 

「ただいまー」

 

「あっお父さんお帰りなさい」

 

「ただいま、ピース」

 

 いま帰ってきたのは私の今世の父親、紺珠(かんじゅ)正臣。見た目は黒髪黒目のイケメンで、二十代半ばにしか見えないが、実はもう四十手前なのだ。

 それに私のお母さん、紺珠アーニャも薄い金髪に緑色の瞳の二十代の白人美女に見えるが、こちらも三十代後半だ。

 

「おかえりお父さん。昼間なのに帰るの早いね。会社はどうしたの?」

 

「仕事が早く片付いたからな」

 

「ふ~ん珍しいね、社長職なのに」

 

 最初は私のお父さんは会社勤めのサラリーマンだと思っていた。だけどその割には普通の民家の七倍の敷地に、地上二階地下一階の超良い家に住んでいたので不思議に思い、五歳の時にお父さんの会社の名前をネットで調べたら、その会社のは年間業績何千億単位稼ぐ大企業だった。

 しかも社長の欄になんと、私のお父さんの名前があるじゃないか!

 

 さらにその会社が入っているグループの名前にもっと驚いた。

 そのグループ名は「KANNJU GROUP」という名前だった。完璧に私の家系はその関係者だと思い両親に聞いたら、そのグループの会長の名前は紺珠正嗣(まさつぐ)。私の祖父だという。

 御年六十五歳で現役バリバリだという。五、六歳の時に初めて会って今では、毎年私とピースとお母さんの誕生日にはプレゼントを持ってお祖母ちゃんと一緒に遊びに来る。

 お父さんの誕生日にはお祖母ちゃんに「息子の誕生日に顔を出さなくてどうしますか」と言われ、引きずられながら来る。

 お祖父ちゃん曰く「もう、立派な男だから顔を出さなくても良いだろう・・・」と言っているらしい。

 他にもお父さんの兄姉の叔父さんと叔母さんがいて、同じグループの他の会社を経営している。たまに会ったりするけど。

 

 それぞれの親族の家にはお手伝いさんとか居たけど、家はお父さんが「将来ちゃんと自立出来るように自分のことは自分でやる」と言ってお手伝いさんは居ない。

 

 そんなお父さんやお祖父ちゃんのおかげで、私の家は結構なお金持ちだ。なんかやらしいね。

 

「それにしてもティアは何をしてるんだ?」

 

「お姉ちゃんまた自分で作ったゲームやってるよ」

 

「ゲームと言っても、最終チェックのテストプレイだけどね」

 

「ゲーム?あぁ、東方てゆう弾幕ゲームだっけ?」

 

「そう。今はそれの四本目の東方花映塚ってやつ」

 

 なぜ東方のゲームを作っているかというと、この世界には東方のゲームがないからだ。

 なぜ、なぜ東方のゲームが無いんだ!!

 ポケモンやマリオはあるのになんで東方が無いんだ!

 そうだ、無いなら作れば良い。幸い私は記憶力が良いから東方のスペカは全て覚えているから、後はゲームの作り方だな。お父さんに相談してみよう。

 

 

 そんな感じの中学一年の春の私でした。

 

「どうして今頃やってるんだ。即売会はもう終わっただろ」

 

「受験のおかげで色んな作業が出来なかったんだよ。だから今度の夏コミに合わせてやってるんだよ。それに、このゲームのBGMに歌詞を付けて動画サイトに投稿するのもまだ残っているし」

 

 

「たしか東方ボーカルだっけか?ティアが作った曲中々良いものだぞ。前に俺の秘書の関に聞かせてみたら凄いって言っていたぞ」

 

「関さんがか、それは嬉しいね」

 

 関さんはお父さんの秘書で、お父さんの同級生だったらしい。それで言いたいことは普通に言うことが出来るし、他人みたいに媚びへつらわないから仕事がやりやすいと聞いた。

 それに関さんは音楽には結構詳しいからそうゆう評価はちゃんとする人だ。

 

 ちなみに東方ボーカルは私がよく聞いていた岸田教団のやつを、某動画投稿サイトでバンド名と同じ名前で投稿している。

 ちゃんと調べているから著作権とかには問題ない。

 音源や楽器も揃えて演奏して、歌も自分でやって編集している。地下の方に防音室があったので親にちゃんと相談して使わせてもらっている。

 

 そろそろお母さんが来るからヘットフォンを付けとくか。

 

「あら、正臣さん。帰っていたのね。お帰りなさい」

 

「あぁ、ただいまアーニャ」

 

「ごめんなさいね、気づかなかったわ」

 

「良いんだよ、君はいつも家の家事をやってくれているんだから。感謝はすれど謝られる筋合いは無いさ」

 

「正臣さん・・・」

 

「アーニャ・・・」

 

「「愛してる」」

 

 また始まったよ。

 うちの両親は結婚してから十何年もの間ずっとラブラブだ。それにお祖父ちゃんやお祖母ちゃんの話を聞くとお母さんは、ヨーロッパの企業の取引先の社長の娘で、お父さんと叔父さんとお祖父ちゃん、そしてその部下の人達が仕事でその企業の所に行ったときに会い、二人とも一目惚れの両思いだったと聞く。

 その後向こうの親、つまり私の母方の祖父母と父方の祖父母が結婚に賛成して今に至る。今でも両親は私たち娘二人連れて、外国のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんに年に二回ほど会い行っている。

 おかげで私もピースも日本語以外にも二ヶ国語くらいはペラペラになった。

 

「あっ、そうだティア」

 

 どうやら二人のラブラブタイムは終わったようである。

 

「何?」

 

「これ届いていたぞ」

 

 そう言ってお父さんが私に差し出したのは・・・・・・

 

「雄英から届いていたぞ」

 

 受験結果だった。

 

 

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 

 ここは家の二階にある私の部屋。

 他の皆は一階のリビングに居る。

 

「さてと、開けますか」

 

 開ける。

 開けてみるが、入っていたのはお父さんの会社でも扱っている映像を記録し、空間に投影する事が出来る機械が入っていた。

 

 すると映像が映り始めた。

 

『私が投影された!!!』

 

 ん?

 オールマイト?

 

『なぜ私がここにいるかって?それはね・・・』

 

 それは・・・って、大方雄英に勤めますとかでしょ。

 

『雄英に勤めることになったからだ!』

 

 やっぱり。

 

『さて次に気になる結果を伝えよう。紺珠少女、君の結果は・・・』

 

 きたきた、一番気になっていたやつ。

 

『見事に文句なしの合格だ!!』

 

「やったああぁぁぁ!!」

 

 ヤバい、思わず叫んでしまった。

 

『筆記試験もトップレベル!実技試験も敵P(ヴィランポイント)は120Pで堂々の一位だ!』

 

 やった、何でも一位というのは嬉しいね。

 

『だがしかし、先の入試!!!見ていたのは敵Pのみにあらず!!!』

 

 やっぱり他にもポイントがあったか。

 

救助活動P(レスキューポイント)!!しかも審査制!!』

 

『我々雄英が見ていたもう一つの基礎能力!!』

 

『紺珠ヘカーティア75P!!合計で195P!!歴代の記録を塗り替え、入試でも歴代でもぶっちぎりトップの成績だ!!!』

 

 マジで!?

 私ダブルスコアで一位!?やった!

 

『来いよ紺珠少女!雄英(ここ)が君のヒーローアカデミアだ!』

 

「もちろん、行くに決まってる」

 

 さーて、前世とはちょっと違う高校生活、思う存分楽しんでやる。

 

 

 

 

 

 




 はい、ヒロアカで主人公は東方作って東方ボーカルを某動画投稿サイトに岸田教団の名前で投稿してます。ついで金持ちです。

 東方ボーカルは皆さん何が好きですか?
 個人的には岸田教団の「月時計ールナ・ダイヤルー」と「芥川龍之介の河童」が好きです。

 感想お待ちしております。




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入学編
入学、そして再会


「これが雄英の制服。制服って着たこと無いからなんかなぁ・・・」

 

 前世では着たことあるけど、今世では着たことが無いからね。お家事情でドレスとか何回か着たことあるけど、制服は着たことが無い。

 私の中学は都内でも有数のエリート校だけど制服が無くて、服装が自由なんだよ。

 なんでも理事長が「若いうちから服装について自分で考えられるようにする」と言う理由から、私服中学になっているんだよね。

 しかもその理事長、正嗣お祖父ちゃんの昔の同級生らしい。他にも世界でも有名なホテルのシェフや映画監督に、劇作家、政治家なども同級生にいるらしい。シェフ以外は会ったことが無いから分からないけど。

 

「ティア~、早く降りてきなさい。ご飯冷めるわよ」

 

「わかった、今行く!」

 

 さてと、朝ご飯♪朝ご飯♪

 

 

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 

「忘れ物は無いかちゃんと確認した?」

 

「確認した?」

 

「大丈夫だよお母さん、ピース」

 

 心配性だなもう。

 

「それじゃあ二人とも、行ってらっしゃい」

 

「「行ってきます」」

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあピース気をつけて行ってね」

 

「うん、お姉ちゃん雄英頑張ってね」

 

「分かってる、お姉ちゃん頑張るよ」

 

 はぁ~

 やっぱり可愛い!今日もこれで頑張れる!

 それにしても雄英、か。

 たしかあそこのセキュリティ装置、正美(まさみ)叔母さんの会社のシステムを使っていたな。

 叔母さんの会社って警備システムとか防犯グッズにサイバーセキュリティとか取り扱ってたっけ。

 

 

 そう考えている内に雄英に到着した。

 

 

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 

 私の教室は確か1-Aだったかな。

 

「うわ、大きいドアだね」

 

 教室の後ろ側のドア開けてみるともう何人か来ているみたい。

 

 ん?あのポニーテールの後ろ姿どこかで見たことがあるような・・・

 

 ・・・・・・・・・あっ、もしかして!

 

 近づいてみると、やっぱり!

 

「ねえ、もしかして(もも)ちゃん?」

 

「え?」

 

 相手がこちらを振り向いた。

 

「もしかして、ティアさん?」

 

「そうだよ久しぶり百ちゃん!」

 

「久しぶりですわティアさん!」

 

 やっぱり百ちゃん、小学生の時の友達の八百万(やおよろず)百。

 お父さんの会社の取引先の社長の娘で、その社長の家に招待されたときに会って、中学生になってから百ちゃんが寮生の学校に行ってしまったので三年間会えずにいたので、今日三年振りに会うことが出来た。

 

「まさかティアさんも雄英のヒーロー科を受けていたとわ思いませんでしたわ」

 

「まぁ、成り行きでね」

 

 私は雄英を受けることになった経由を説明すると苦笑いをして呆れたように息を吐いた。

 

「それは、ただの自業自得ですわね」

 

「えぇ~なんで?」

 

「相変わらずのシスコンのおかげでそうなったからそうでしょう」

 

「仕方ないよ~、だってピースがもの凄く可愛いんだもん!」

 

「ホント、三年たっても変わることありませんわね」

 

 その後は会っていなかった三年間の事について話し合った。

 私が東方の事につて話すと驚いていた。どうやら動画サイトで見つけて親に頼んで買うことが許されたゲームが、私が作った東方のゲームだったらしい。

 その後も新しいのが出る度に買ってくれているらしい。嬉しいもんだね。

 

「机に脚をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」

 

「思わねーよ、てめーどこ中だ端役が!」

 

 おやおや、入学初日から喧嘩かな?

 とゆうかあの二人、ヤンキーみたいのは一年前のヘドロの時に、メガネ君は受験の時に会っているな。

 

「野蛮ですわね、あの方」

 

「まぁ慣れれば愉快なもんだと思うよ」

 

 多分あの調子じゃ先生が来るまで言い争いそうだな。

 

「あれ、あんたは!」

 

「ん?」

 

 後ろから声がしたので振り向いてみると、入試の実技試験の時に助けた耳たぶがイヤホンジャックになっている女の子が居た。

 

「ああ、あの時の!」

 

「あの時助けてくれてありがとね」

 

「いいっていいって、困ったとk「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け」・・・なに?」

 

 声がしたのでその方向に目を向けると、メガネ君と知らない女の子と緑谷君、そして・・・

 

「ここは・・・、ヒーロー科だぞ」

 

 蓑虫みたいな人が居た。

 

 

 

 

 

 





 八百万と知り合いといゆう設定にしました。同じ金持ちと言うことなので。

 受験の時の女の子は次名前が分かります。



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個性把握テスト 1


 UAが10000を超えました。
 これも皆さんのおかげです。





何か急に蓑虫みたいな人が現れたんだけど。

 

「ハイ静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね」

 

(先生!!?)

 

 マジで先生なのかな?

 だとしたらあの人もプロヒーローか。

 

「担任の相澤消太だ、よろしくね」

 

(担任!!?)

 

 担任だった!

 雄英(ここ)ヒーローも本名で教師をやるのかな?それとも個人の自由にしているのかな?

 それにしても首に巻いてるあの布、たしか叔母さんの会社にあった気がするんだよね。叔母さんが言うには「ヒーローからの注文で前に作って、今ではちょっと改良を加えて異形型の個性の人間でも拘束出来るようにして警察に売っている」とのことだ。

 多分叔母さんが言っていたのはあおの人だな。

 

「早速だが、体操服(これ)着てグラウンドに出ろ」

 

 ホント早速だな。

 

 

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 

『個性把握・・・テストォ!?』

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間はないよ」

 

「・・・・・・!?」

 

 まぁヒーロー科だから、遅かれ早かれこんな事があると思っていたけど予想より早かったな。

 

「雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り」

 

 なるほど、だからこうゆう事も先生個人の自由てわけか。

 

「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。中学の頃からやってるだろ?"個性"禁止の体力テスト」

 

「国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けてる。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だよ」

 

 相澤先生って思った通り、いや思ったより辛口だね。政府にまでケチを付ける先生なんて見たこと無いよ。

 

「紺珠、中学の時ソフトボール投げ何mだった」

 

 えっ私!?何で私なんだ?何か皆に見られているし、聞いてみるか。

 

「先生、何で私なんですか?」

 

「紺珠が入試一位だからだ」

 

 なるほどね、入試一位の奴がどれ位なのか確かめるためにね。納得。でも・・・

 

「私一応異形型でもありますから普通に三桁超えますけど」

 

「そうなのか、じゃあ爆豪」

 

「チッ、67m」

 

 へぇ~、あのヤンキーみたいなの爆豪てゆう名前なんだ。

 でもなんか私の後に呼ばれたせいなのか、明らかに不機嫌だな。

 

「じゃあ"個性"を使ってやってみろ。円から出なければ何してもいい早よ」

 

「んじゃまぁ」

 

 爆豪君は足を上げて構えると思いっきり振りかぶった。

 

「死ねぇ!!!」

 

(死ね?)

 

 なるほど、投げるときに個性で爆発させて球速を上げて飛距離を伸ばしたのか。結構やるねぇ。

 

    ピピッ

 

『705.2m』

 

「まず自分の「最大限」を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

 まず自分を鍛え上げるには、自分を知ることから先ってわけね。

 

「なんだこれ!!すげー面白そう(・・・・)!」

 

「705mってマジかよ」

 

「"個性"思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」

 

 皆はしゃいじゃってるね。

 でも面白そう、ね。そんなこと言ってるとあの先生のことだから・・・

 

「面白そう・・・か」

 

「ヒーローになる為の三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

 

『はあああ!?』

 

 ほらね、こんなこったろうと思ったよ。

 でも除籍にするのは見込み無しと判断した者。つまり最下位だけじゃ無いよね、きっと。

 

 

「生徒の如何は先生(おれたち)の"自由"」

 

「ようこそ。これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

 思ったより中々クレイジーな学校だね。今後がホント楽しみだよ。

 

 それはそうとして、先生の台詞が出たときに隣の黄色ブドウ球菌みたいなチビから随分と(よこしま)な感情が伝わってきたのは気のせいかな?

 

 

 

 

 





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個性把握テスト 2

 テスト二回目です。

 間違いがあったので編集しました。





「最下位除籍って・・・!入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても・・・理不尽すぎる!!」

 

 理不尽だね、ホント。

 

「自然災害・・・大事故・・・身勝手な敵たち・・・」

 

「いつどこから来るかわからない厄災。日本には理不尽にまみれている」

 

「そういう理不尽(ピンチ)を覆していくのがヒーロー」

 

 だからヒーローになるためには普段から理不尽にあてられる事で、どういった風に対処するか学生のうちから身につけると言う訳ね。

 

「放課後マックで談笑したかったならお生憎、これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける」

 

「"Plus Ultra(更に向こうへ)"さ、全力で乗り越えて来い」

 

「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ」

 

 じゃあ、簡単に乗り越えてやろうじゃないの。

 

 

 === 第1種目:50m走 ===

 

 

『3秒04!』

 

 へぇ~

 あのメガネ君、足がエンジンになっている個性なんだ。

 

 私もはやく誰かと組まないと。

 おっ、あのピンク色の肌の子、まだ誰とも組んでいないのか。ちょうどいいや。

 

「ねぇ、まだ組んでいないのなら私と組まない?」

 

「いいよ!あたしの名前は芦戸(あしど)三奈(みな)。三奈って呼んで良いよ。あなたは?」

 

「私の名前は紺珠(かんじゅ)ヘカーティア。好きなように呼んで良いよ。よろしく」

 

「珍しい名前だね。外国人なの?」

 

「うん、お母さんがギリシャ人なの」

 

「へ~そうなんだ!」

 

 その後三奈ちゃんと色々話していたら順番が回ってきた。

 

「次、位置に付け」

 

「「はーい!」」

 

 さーて、どんな感じでやろうかな。

 制限をちょっとだけ外してから走ろうかな。普段は制限を付けているけど、全部外したら人間位すぐに潰せちゃうから大変なんだよね。

 ピースを抱きしめたら殺してしまった、なんて事にならないために制限を付けている。

 制限と言うより枷だね。夜桜四重奏の鬼の兄妹の枷と同じ感じかな。それを何重かに付けている。

 受験の時にも少しだけ外したし、付け直すのってちょっとだけ面倒くさいんだよね。

 

「頑張ろうねヘカちゃん」

 

「うん、三奈ちゃん」

 

 やっぱり普通に転移にしよう。

 

『START!』

 

『測定不能!』

 

 あら、まさかの測定不能?

 まぁ50m位ならタイムラグ無しで移動出来るしね。

 

「紺珠、今のは受験の時にやった瞬間移動か?」

 

「そうですけど」

 

 瞬間移動というより空間の跳躍なんだけど。

 使って初めて分かったけど「海と山を繋ぐ程度の能力」は空間を曲げたりして場所と場所を繋いでいるんだよ。

 

「それは何処まで行ける?」

 

「前何処まで行けるか試してみたら月の裏側まで転移したので止めました」

 

「っ!そうか」

 

(月ッ!!?)

 

 皆驚いてるね~

 早く次の種目始まらないかな。

 

 

 === 第2種目:握力 ===

 

 

 握力か・・・

 これは枷全部外すか。

 

「540キロて!!あんたゴリラ!?タコか!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

「タコって、エロイよね・・・・・・・・・」

 

 540か、結構強いんだねあの腕が多い男子。

 

   バキッ!!!

 

「あっ、壊れた・・・」

 

 制限無しで力を入れたらどんな物でもすぐ壊れる。

 枷を全部外すとすぐこれなんだよな。

 

「先生、もっと強い力、何トンとか測れる物ありますか?」

 

「残念だが、それが何トン単位まで測れる物だ」

 

「マジですか・・・」

 

「・・・測定不能って記録しとくからな」

 

 一番なのは嬉しいけど、女の子としてはこれは喜んだらダメな気がする。

 

 

 === 第3種目:立ち幅跳び ===

 

 

 これは普通に飛んだけど・・・

 

「紺珠、いつまで飛行することが出来る?」

 

「これも前に試したら一日中飛んでいましたよ」

 

「じゃあ測定不能な」

 

 また、測定不能。

 これで三種目連続で測定不能だよ。いい加減数字のある記録とか無いかな。

 

 

 === 第4種目:反復横跳び ===

 

 

「計ろうか?」

 

 この種目はどうしようか悩んでいると、受験の時の女の子が話しかけてきた。

 

「あぁ、ありがとう。え~と・・・」

 

「あたしの名前は耳郎(じろう)響香(きょうか)。よろしくね紺珠」

 

「よろしく。名前言ったけ?」

 

「個性のおかげか耳が良いんだよ」

 

「そうなの。私のことはヘカとかティアって呼んで良いよ」

 

「じゃあわたしも響香って呼んでよ」

 

「わかった。そろそろ計ろうか」

 

「オーケー」

 

 反復横跳びなら枷を少しだけ外してやる方が良いかな。

 

「じゃあヘカ、初めていいよ」

 

「ふっ」

 

 これ、結構なスピード出てると思うけどちゃんと計測出来ているかな?

 

 そろそろ終わる頃かな。

 

「何回だった響香ちゃん」

 

「・・・ごめん、わかんない」

 

「えっ?」

 

「・・・見えなかった」

 

 結果は四種目連続の測定不能。

 

 

 === 第五種目:ボール投げ ===

 

 

「先生、転移と素の力でやっても良いですか?」

 

「ああ、いいぞ」

 

 それじゃあ、本日二度目になる制限の全部外し。

 ボールを握り潰さないように細心の注意を心がけながら、思いっきり空に向かって投げるっ!!

 

「そりゃっ!!」

 

 すこし時間がたつと・・・

 

    ピピッ

 

『測定不能』

 

「また測定不能?」

 

「多分学校の敷地内から出たんだろう。二回目は転移でやるんだろう?早くしろ」

 

 なんか納得いかないな。

 さっきから記録を出す度に皆から注目されるし、爆豪君にもの凄いくらいにらまれているんだよ。

 早く二回目を終わらせるか。

 

「ホイッ」

 

「今度は何処に飛ばした?」

 

「とりあえず月の向こう側に」

 

「物の転移も人と同じくらいか?」

 

「そうですけど」

 

「じゃあ∞な」

 

 まさかの測定不能越の∞ですか。

 なんか今日ずっと注目されっぱなしで疲れるよ。昔から注目されるのが苦手でお家事情でパーティーに出たときにも壁の飾り物になっていたからね。

 それでも紺珠の娘ってだけで注目されるから人に注目されるのが嫌なんだよ。

 

「さすがですわねティアさん」

 

「ほんと凄いねヘカは」

 

「人に注目されるのっていやなんだよね」

 

「昔からそうですわよね」

 

「昔からって二人とも、知り合いなの?」

 

「小学生の時に親の仕事でね」

 

「そうなんだ」

 

 そのように話していたら響香ちゃんの番がきて終わり、未だ良い記録の出ていない緑谷君の番になった。

 

「あいつ、まだ個性を使っている様子がないんだけど」

 

「このようなものに向いていないとかでは?」

 

「まぁこの後の結果次第でどうにかなるんじゃない?」

 

 さて、今後どうなるのかな?

 あの時の修行が無意味にならないように頑張ってね。緑谷君。

 

 

 

 

 




 とりあず今回はここまでにしておきます。
 次回で終わらせるつもりです。



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個性把握テスト 3

 遅くなりました。
 FGOが楽しいんです!





「緑谷くんはこのままだとマズいぞ…?」

 

「ったりめーだ、無個性のザコだぞ!」

 

「無個性!?彼が入試時に何を成したか知らんのか!?」

 

「は?」

 

 何を成したか、ねぇ…

 あの眼鏡君にそう言わせるとは、オールマイトとの修行はどうやら唯の修行じゃなさそうだね。

 私は原作の事を全然知らないからよく分からないけど、今の彼の様子を見たら何かしらあったことは間違いないようだね。

 

「さて、どうなるかな?(ボソッ」

 

「?、どうかしましたかティアさん」

 

「いや、何でも無いよ」

 

 

 === 緑谷 出久 side ===

 

 

 まずい…

 このままだと…僕が最下位。

 

 オールマイト…!!

 

(君はヒーローになれる)

 

 母さん…!!

 

(出久、超カッコいいよ)

 

 絶対になるんだ!!!

 

 出久はボールを握り、個性を……

 

「46m」

 

 使えなかった。

 

「な…、今確かに使おうって…」

 

「"個性"を消した。つくづくあの入試は…、合理性に欠くよ。おまえのような奴も入学出来てしまう」

 

「消した…!あのゴーグル…、そうか…!」

 

 視ただけで人の"個性"を抹消する"個性"!!

 

「抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!!!」

 

 

 === 緑谷 出久 side out ===

 

 

 出久の言葉を聞いた皆の頭には、クエスチョンマークが浮かんでいた。

 

「イレイザー?俺…知らない」

 

「名前だけは見たことある!アングラ系のヒーローだよ!」

 

 あ~、イレイザーヘッドか。

 道理で見たことがあると思ったよ。

 

「ティアさんは相澤先生の事知っていますか?」

 

「知ってるというか、あの布は伯母さんの会社のだよ」

 

「マジで!?」

 

 響香ちゃん驚いてるね~

 伯母さんの会社(ところ)って警備システムとか防犯グッズにサイバーセキュリティだけじゃなくて、色々な道具作ったりしてるから、ヒーロー達からも武器やらサポートアイテムとかの注文きてるんだよね。

 

「ねぇちょっと、ヘカの伯母さんの会社ってどうゆうこと!?」

 

「その辺の説明は後々ね」

 

「あの方2回目投げるそうですわよ」

 

 ん~?

 相澤先生になんか言われて落ち込んでるように見えるけど、またなにかブツブツ言ってる。

 どうやらまだ諦めていない様子だね。

 

 出久は円の中に入り、2回目の投擲を行おうとして個性を……

 

「SMASH!!!」

 

 人差し指だけ使った。

 

『705.3m』

 

「やっとヒーローらしい記録出したよ」

 

「指が腫れているぞ。入試の件といい…、おかしな個性だ……」

 

 なるほど、爆発的なパワーを得るけれど使った部分がボロボロになる諸刃の剣以下の力。だれど、結果を得るための手段のコストを必要最低限にするため、人差し指を犠牲をすることで今回の試練を乗り越えた。

 いや~、彼は面白いね~

 このヒーロー科皆は彼を含めて全員面白いから飽きることがないよ。

 

「どーいうことだこら!ワケを言えデクてめぇ!!」

 

「うわあぁ!!!」

 

 そう思っていたらボンバーマンみたいな男子が緑谷君に突っ込んで行った。

 

「何?乱闘騒ぎ?」

 

「乱闘じゃなくて、最初にボールを投げた爆発の個性の男子が、今投げた奴に突っ掛かってるだけ」

 

 あー、あのボンバーヤンキー君か。

 

「でもあの二人、お知り合いのようですわよ」

 

 へ~

 私や百ちゃんみたいに幼馴染とかなのかな?

 あっ、ボンバーヤンキー君相澤先生に捕まった。

 

「俺はドライアイなんだ」

 

("個性"すごいのにもったいない!!)

 

「うわ~、目を使うのにドライアイは致命的だね」

 

「まるでティアさんの様ですわね」

 

「ん?なんでヘカが致命的なんだ百?」

 

 そうだぞ~、私の何処が致命的だというんだい百ちゃん。

 

「ティアさんは"個性"も強力で勉学も優秀ですけれど、物凄い位妹LOVEなシスコンなんですの」

 

「えっ、そうなのヘカ?」

 

「いやウチのピースが可愛いのは当たり前だもの~」

 

「マジか」

 

 仕方ないよ、たってピースは本当に可愛くて愛らしい可愛い私の妹だもの♪

 え?可愛いを2回目言ってる?

 そりゃ大事な事だからね。

 

 

 =========

 

 

 時間が経ちテストの全項目が終了した。

 

「んじゃ、パパっと結果発表」

 

 1 紺珠ヘカーティア

 2 八百万百

 3 轟焦凍

 4 爆豪勝己

 5 飯田天哉

 6 常闇踏陰

 7 障子目蔵

 8 尾白猿夫

 9 切島鋭児郎

 10 芦戸三奈

 11 麗日お茶子

 12 口田甲司

 13 砂藤力道

 14 蛙吹梅雨

 15 瀬呂範太

 16 上鳴電気

 17 耳郎響香

 18 葉隠透

 19 峰田実

 20 緑谷出久

 

「ちなみに除籍はウソ、君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

「はーーー!!!!??」

 

「あんなのウソに決まってるじゃない、ちょっと考えればわかりますわ」

 

 その言葉を聞いたヘカーティアはすかさず百にこう言った。

 

「いやいや百ちゃんそれは違うよ」

 

「何が違うんですの?ティアさん」

 

「相澤先生が最初に言ったこと、思い出してみなよ」

 

「先生が最初に言ったこと……」

 

 ヘカーティアにそう言われ百はテストが始まった時の相澤先生の言葉を思い返してみた。

 

『トータル成績最下位の者は見込み無し(・・・・・)と判断し、除籍処分』

 

「もしかして見込み無し(・・・・・)と判断したら順位関係なく……」

 

「その通り。ただ今回は誰一人として除籍にならなかったとおう事は……」

 

「皆見込み有りと判断されたということかヘカ?」

 

「その通りだよ響香ちゃん」

 

「なるほど、ヒーローは成るべくして成るという理由ですか」

 

「こりゃ3年間気が抜けないね」

 

「それは響香ちゃんに同意だね」

 

 さて、テストも終わったことだし着替えるか!

 

 

 =========

 

 

「私葉隠透って言うの!凄かったね紺珠さん!」

 

「私は蛙吹梅雨。梅雨ちゃんって呼んで」

 

「改めて私は芦戸三奈!よろしくね!」

 

「俺は切島鋭児郎、よろしくな」

 

「俺は上鳴電気」

 

「轟焦凍だ。よろしく。」

 

 うわ~、ガンガン来るな皆。

 

「私の名前は紺珠ヘカーティア。主にヘカとかティアって呼ばれているよ。好きなように呼んでね」

 

「じゃあさっそく紺珠さ…」

 

 ~~♪~~♪~~♪

 

 あっ、私の携帯だ。誰からの電話かな?

 ちなみに着メロはネクロファンタジアにしてある。

 

「あっ、グランお祖父ちゃんからだ」

 

 また珍しい、お祖父ちゃんは仕事であまり電話を掛けないのに。メイリアお祖母ちゃんから来るけど

 

「なんだ?電話か?」

 

「うん、ちょっとごめんね」

 

 ピッ

 

「Bonjour grand arrière grand père?《

もしもし、グランお祖父ちゃん?》」

 

 電話でよく分からないけど周りがザワついてきたな。

 

『Bonjour Tia, Félicitations à l'entrée de l'école secondaire Yu Ueh《やあティア、雄英高校入学おめでとう》』

 

 なんだ、唯の祝辞の為の電話か。

 

「Oh, merci. Il est rare que vous m'appeliez de cela《ああ、ありがとう。珍しいねそっちから電話してくるなんて》」

 

『Haha, il n'y a pas de familles célébrant l'entrée du lycée de sa petite-fille《ハハハ、そりゃ孫娘の高校入学を祝わない家族はいないよ》』

 

 ま~嬉しいこと言ってくれちゃって。

 

『Alors maintenant, je suis au Japon.《それで今、日本に居るんだ》』

 

 へ~

 日本に居るのか。

 

 

 

 …………ん!?

 

 

 

「Le Japon!? Pas moyen que ce soit à la maison!?《日本!?まさか家に居るの!?》」

 

『C'est ça. Parce qu'Anya et Mary préparent le dîner, rentrez tôt Tier《そのまさかだよ。アーニャとメイリアが夕飯の準備をしているから、早く帰ってきなよティア》』

 

 ブツッ

 

 切れた。

 こっちはまだ混乱してるの切れた。

 取り敢えず早く帰ろう。

 

「ごめん皆!急用が出来たからもう帰るね。バイバイまた明日!」

 

 あーもー、来るなら私に連絡したっていいじゃないのもー!

 

 

 === ヘカーティアが帰った後の教室 ===

 

 

「……紺珠の奴、何語を喋ってたんだ?」

 

「あれはフランス語ですわ」

 

(フランス語!?)

 

 百以外の頭の中にはビックリマークが多く並んだ。

 

 

 

 

 




 主人公の母方の祖父母はフランスに住んでいるのでフランス語にしました。

 話は変わりますがFGO民の皆さんはギル祭楽しんでますか?
 私の知り合いはガチャでミドキャス三体出してます。
 因みに私は王様が来ました!!現在はレベマ済みです!!




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