俺は原作に絡まないって言ったよね? (白だるま)
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プロローグ1 転生したけどまた死んで再転生します…

他の作品を見てやりたくなった作品です。
取りあえずリザレクションの内容でやります。

それと…あとがきで書きますが一部のある原作ファンに不快になられる方がいるかもしれないので謝罪しておきます。


俺は本当についてない…

 

死んだ理由もそうだが1番ムカつくのは、目の前の神と名乗るロン毛の青年に大爆笑されながら俺が死んだ理由を言っている事だ。

 

俺の死んだ理由は最悪だった…

 

「エロゲー買いに行った帰りに、そのエロゲをひったくりに強奪されて、犯人を追いかけようと走ったら、アキレス腱が切れて動けなくなった時に、暴走車に激突されて病院に搬送されて大したこと怪我じゃなかったけど、入院したのは良いけど動けない事を良い事に、ホモの看護師にアッーな展開になって、それが原因で病気になって通院していたら…病院に行く途中でヤ〇ザの抗争に巻き込まれて死亡って…どんだけついてないんだよ!!」

 

この神様…人の不幸笑い過ぎだろ…マジブチギレそう…

俺は「いい加減にしろ」と言おうとした時…その神は別の事で爆笑していた事に気が付いた。

 

「その前に…完成間際のガン〇ラ作る際に、風呂上がりで着替えるのが面倒で、素っ裸で作っていた時にいつの間にか大量に床に垂らした接着剤が尻について立てなくて、知り合いに助け呼んだらその時の動画を拡散されたエピソードがガチで笑えるわ!!」

 

やめて!!!俺の黒歴史の中でも最悪エピソードを読まないで!!

その事で爆笑していたんかい!!

マジで勘弁してほしい…

神様はやっと笑いのツボが収まったのか謝罪してくれたけど…

 

「いや~すまないね…君の失敗談エピソードは何度見ても面白くてね。このきつねうどんのエピソードも…」

 

「マジで勘弁してください!!お願いします…」

 

土下座して額を床に擦り付けて懇願してどうにかなったけど、俺はこう言ったアホな失敗談のエピソードが多く困っているのだ。

 

「笑って悪かったね。死んだ原因はなんというか…お気の毒としか言えないけどね…ホントついてないね…」

 

神様は結構同情気味に行ってくれたけど、本当に運に見放された人生で純粋に神様に文句言いたかったのもあるしね本当に。

 

「なんで俺があんな目に遭ったか分かってい言ってるんですか?」

 

「いや…私にブチキレても意味無いし…そんなに怒んないでよ」

 

神様も困惑気味でガチで困っているみたいなので、一応なんでこんな所にいて神様と話さなきゃいかんのか説明してほしい所なんだけど…俺の言いたい事が何となく分かった神様は…

 

「単刀直入に言うけど…君はアニオタのゲーマーだよね?」

 

「そうですけど…なんでそんな事聞くんですか?」

 

「実を言うとね…よく聞かないかな?神様転生でアニメやゲームの世界に行けるっていう二次小説みたいな展開…それを君がやるとしたらどうする?」

 

…それって俺が転生して主人公になれって事?

一応興味はあるけど主人公になるつもりはこれっぽっちもない…

 

だって死亡フラグ乱立しそうだし…そっか!!日常系なら平和に暮らせる!!

一応神様に転生した場合の注意事項を聞くけど…

 

「主人公やりたいなら勝手すればいいし…取りあえず禁止事項を守ってくれれば何してもいいよ」

 

何かアバウトだね…一応特典を選べるらしいのでどんだけ選べるのかを聞いた所…

 

「君はBランクだね…特典の申請が通常は4つなんだけど…君は不幸特典の効果で二つ増えて全部で六つの特典を選べるよ」

 

不幸特典の効果で二つに増えるって、何か微妙な感じがするけど六つまでの特典が選べるって結構嬉しいな…

少し気になったのはランクの事だった…

 

「俺はBランクって言いましたけどAランクってそんなやばいんですか」

 

「…あえて言っておくけど君の黒歴史やアホな失敗談が可愛く思えるぐらいだよ…閲覧可能なのは…この二人か…見てみるといい…壮絶な人生を送っているよ」

 

神様に資料を受け取り見た時に…俺は後悔した…

 

「マジですか…コレ…俺がBランクでいいんですか?俺の人生って…こんなに平和だったのですか?」

 

「君がそうゆう反応を出来るからBランクになったと思えばいいと思う…君の書類を見た時に本来であればCランクだったのを、上司の爺さんと相談して今のランクになったのも補足しておくよ」

 

この神様に話を聞くと俺は本来はCランクになる予定だったらしいが、「こんな面白エピソードを持つ者をこのランクだと勿体無いのでBランクに格上げしよう」と神様が上司に相談した所、俺のアホな失敗談がツボったらしく許可が出たらしい…何か複雑な気分なんだけど…

神様は俺に笑顔で理由を言ってくれた

 

「こんだけの不幸な目に遭っても誰も恨まないで生きてきたのは君ぐらいだよ…」

 

そんな気は無かったけど、神様の一言で納得した後に神様が転生する時のルールを説明してくれた。

 

「わかりやすく言えば何でもありみたいに言ったけど、原作崩壊しても、責任は私達は取らないから注意してね…前に何所の世界だったかな?ヒロインの取り合いで主人公とヒロイン殺害しちゃって、その世界が滅茶苦茶になった事あるけど、その事のクレームは受け付けなかったから…ただし一部の違反転生者との戦闘での被害は例外として処理されるから報告お願いね。

言い忘れていたけど転生先に希望はあるかな?無いならクジ引きで決まる…その後に特典を決める事になるけどいいかな?」

 

…何気に恐ろしい事言いましたよこの神様?

 

「ちなみに…禁止の特典ってあります?」

 

「あるけど…分かりやすく言えば『その原作にいらない物』が禁止されるね。例えば『ごちうさ』の世界観に『サイヤ人になりたい』なんて言ったらどうなるか分かる?」

 

「そいつバカですね」

 

「実際にいたから頭が痛い所なんだよね…せめて王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の中身無しぐらいだったら良かったんだけど…今そいつ懲罰転生で地道に生きてるから…性別逆にして男にモテるようにしたんだけど結構効いたみたいで今は専業主婦しながら幸せに暮らしてるよ」

 

それはそれで嫌だな…

 

一応俺は転生先についてはクジ引きにしたが、神様には「指定するかと思ったけど…」不思議がられたけど指定しての転生は特典を使うらしいのでケチってクジ引きにしたけど、どうやらクジ引きした後で指定先世界を選ぶのも可能だと言うのでクジ引きにしたのだけど…

 

「おっ運がいいね!!『ゼロの使い魔』に決定したよ」

 

マジですか!!超大作のラノベ世界じゃありませんか!!

俺は特典を決める為に神様に資料室に連れてってもらって特典を決めてウキウキワクワクで転生したが…

 

俺はやはりついていない…そう思ったのは…他にも転生者がいたという事…

 

その転生者は二人いたのだが、一人はパートナーとして、もう一人は…

 

____________________________________________

 

「君も本当に災難だったね…今回の件は本当にこちらから謝罪しておくよ」

 

「いえ…今回の件は俺も予測できませんでしたから…」

 

俺の担当の神様が本当に申し訳なさそうにいているので、こっちも悪い気がしてくるけど…

 

「まさか、君の他の転生者であんなクズがいるとは思わなかったよ…好き勝手に原作崩壊させて、普通に暮らしていた君を惨殺するとはね…もう一人の方は君の対応で生きているけど…残念だけど…ね…」

 

神様はかなり気を遣って言ってくれるけど本当に最悪の転生生活だったのだ。

 

俺は貴族の息子として転生して原作と絡む事になったのだけど、俺はのんびりした生活がしたかったので普通のモブキャラみたいに過ごしていた…

そんな時に、もう一人の転生者が原作キャラに絡みまくり、最悪な展開へとなった…

 

そのバカが原作展開をことごとく変えた結果は破滅だった。

 

原作にはない進み方のトリステイン王国のクーデター事件により、俺の機転で原作キャラは如何にかなったけど…その騒動で死亡か投獄されていた教師と生徒たちがいた事は少し心が痛かった。

俺は、クーデター事件の前に嫌な予感がしたので、魔法学院に通う前に仲良くなった同じ転生者の少女と全財産を持って国外に逃亡し助かったけど…一緒に逃げる事が出来たが、喧嘩別れみたいになってしまったサイト達とは普通に仲良くなっていたのでこの展開はショックだった…

 

その後は、農場を買い取ってご気楽に一緒に逃げた少女と暮らして数年が経ってトリステイン王国が無くなり…新国家が設立されたが…その国王はあのバカだったのだ…

そこでまた嫌な予感がしたので俺たちは大陸外に逃亡しようとしていた時に、俺たちの居場所が特定され攻め込まれた。

俺は特典をフルに使って応戦したが、結果は惨敗…

 

彼女は逃がす事は出来たけど、悪いことした…

 

その後は、公開拷問され…俺の体は滅茶苦茶になり最後は牢獄に入れられたまま放置され俺の人生は終わった…

 

彼女のその後の話を聞いたら…

 

革命軍の一員となってあのバカを制裁した後、新国家を建国し治安を安定させた後に、誰も告げずに国を立ち去り一人でひっそり暮らしているらしい…

俺と別れ殺された後、復讐鬼となった時に、その時から肌に離さず身に着けていた左手の指輪の話に俺は涙した…

 

彼女には本当に悪い事をしたな…

実は彼女とは恋人と言っても良い仲だったのだが、俺がヘタレで…はぐらかしてしまい彼女に呆れられてしまってその関係が続き発展しなくなってなった…

 

「そんな性格を知っていたからこそ…彼女は君と一緒に居られることが幸せだったんだよ…」

 

その指輪は俺が彼女の為に作ったものだった…

彼女の好意に俺は感謝していたし、国外逃亡した時も有無を言わずに信じてついてきた彼女に、何かできないかと思っていた時に、その時の特典で持っていた王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)で収納していたプラチナや金で指環を作って勢いで告っちゃおうと思っていた時に襲撃され俺は王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を彼女に譲り渡した…

その時に完成していた指輪を見つけたのだろう…手紙も書いて送ろうとしていたのでそれがどんなに残酷な事になったのか…

結果は、彼女は人らしさを全て捨て去り残虐な復讐者となってしまい多くの命を奪った事に責任を感じた。

 

俺は彼女に何も出来なかったのだ…

 

その彼女の幸せをぶち壊したあいつの制裁はとんでもない物だった…

 

「取りあえず人間の出来る事じゃ無いと言っておくよ…憎しみだけで生きて来たような生き方だったし、彼女の担当も『緊急的に違反者として一度戻して再転生した方が彼女の為になる…もう見ていられない』と私に涙流して言ったぐらいだからね…私も同情して再転生させようとしたのだが…彼女は再転生を頑なに拒否したのだよ…そのまま革命が終わるまで見守っていたが…彼女は君を本当に好きだったからあんな復讐をしたんだと思うよ…」

 

神様も良い顔をしていないし、俺も…もう聞きたくなかった…

 

「今回は、他の転生者の身勝手な行動での死亡だから…もう一度転生する権利があるけど、どうする?」

 

俺は正直に迷った…

次もまた同じような目に遭うのではないかと…

そう思っていたのが分かってくれたのか

 

「これは私の独断だけど…私が管理している転生者の世界に行くのはどうだろう?

三人いるけど凄く良い子で、すぐに仲良くなれると思うし…どうかな?」

 

神様は進めてくれたけど…その世界が「魔法少女リリカルなのは」と知りキャンセルしてもらった…

それ以外にも、自分のような特殊な転生者が割り込んでいって良い事は無いだろうと判断したから…その他にも絶対に何かしらのトラブルが起きそうな気がしたのだ…

 

その後、俺の勘は当たり神様も驚きの大事件が起こるのだが…それは別の話。

 

俺は長い間考えた結果、再転生する事を決意した。

彼女を酷い目に遭わせた俺がまた再転生する事は、過去の過ちから逃げた様な意味でとらわれても仕方ないと思っていたが…再転生を決めたのはある世界だったからだ…

 

一応再転生で話を勝手に進められ十本あるクジの内一つを引くと神様は少し困った顔をしていた。

 

「えっと…その…クジ引きの結果だけど…『GOD EATER 』の世界になるけど…いい?」

 

GOD EATER か…

 

実は結構好きなゲームで、かなりはまっていた事を思い出していた…

GOD EATERバーストまでしかシナリオは知らないが、武装もキャラも好きなのでいいかなと思いましたけど、結構ハードな世界観だよね?

〇撃の巨人みたいな戦いしてるような世界観だったよね?

神様から意外な言葉が出た事に気が付く…

 

「やっぱり変更するよね?人気無いしね…」

 

神様はため息つきながら言ったけど…アレ?

確か名作ゲームでリメイクも続編もしかもアニメ化も出たぐらいなのに?

 

ちょっと疑問に思って理由を聞いてみると、予想通りにゲーム感覚で転生して死亡した転生者が多く、かなりのクレームが多発した場合と、特典効果でたくましく過ごした転生者もいたみたいだが…

 

「食事の問題と娯楽が少ない事がクレームで多かったかな?支給品って余り美味しくないからね。大きな支部にいかなければ良いものも食べられないしね。後娯楽…漫画とかアニメとかは余り期待しない方が良いかな…

古いアニメかドラマの再放送みたいな物しかないのと、生きるか死ぬかの世界だし、仲良くなっている人の別れで自暴自棄になって違反者になったのもいるし…これなら自分で選んだ方が良いと思うよ…

只、特典として神機を希望する転生者は多いかな?接近戦と防御と射撃が可能な武器って珍しいし、腕輪とかの縛りもなしに出来るから申請する転生者が多いけどね」

 

何か思ったより深刻だったけど、前のような事にはならないだろうと思いGOD EATERの世界に転生する事にした。

 

なぜなら…俺は再転生を断るつもりだったのが、クジで引かれたとはいえ、転生者から人気もなく危険な世界だという事…

彼女を地獄のような日々に落とした俺にはちょうどいい世界だと思っていた。

それに、逆に人気ないなら原作崩壊起こすバカも居ないはずだ

早速俺は特典を申請した。

 

俺の特典は以下の通り…

 

1・他の転生者の特典の無効

 

2・神機を全て完璧に使える様にして、後に新型神機を使えるようにする

 

3・異能生存体の取得

 

4・王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の中身無し

 

5・直死の魔眼の取得…(オマケで視力強化)

 

6・漫画と小説家の才能

 

 

我ながらチートな特典にしたが、かなり優遇してくれたみたいだ。

 

「君の場合はかなり特殊な例だったか優遇された事を忘れずにね。それにしても最後のは意外だね?」

 

神様は意外そうに言ったけど、実は〈ゼロの使い魔〉世界でも同じ事はしていてが、ただ絵が下手で漫画はアウト…小説の方もアイデアがいいけど文法が幼稚と言われ書かなくなったのだが、GOD EATERの世界で娯楽が無いんであれば自分で作ればいいと思い申請した。

 

問題はこの後だった…

 

「神機を全て完璧に使える様件の事だけど、ブレード型とポール型と射撃のスナイパー、ブラスト、アサルト、ショットガンすべてを自在にこなす為に君には、爺さんの所で修行に出てもらうけど…死なない程度に頑張ってね」

 

ちょっとまって?ポール型とショットガンって何?

その疑問を聴くことは無く、俺は地獄の特訓へ行く事になった…

 

数年後に俺は解放され神機を自在に使いこなす事ができたけどさ…

爺さん少しは手加減してくれ!!本当にやばかったよ。

でも、面白い兄ちゃんと修行出来た事は良かったし、友達になれたのは嬉しかったな。

その兄ちゃんも、この間転生して転生世界で頑張っているらしい。

只、ペナルティ付きだったので苦労していたみたいだけど楽しんでいるみたいなので俺も楽しまないといけない。

 

俺は特典の再確認でとんでもない事を言われた。

 

「君は主人公…つまり神薙ユウのような主人公ではないモブキャラ設定だけど、スペックはかなり高いから下手すると原作に絡む事になるけどいいのかな?」

 

「本当は絡まないようにしたいですけど、そうはいかないですよね?」

 

「君の不運体質はないはずなんだけどね。神機を完璧に扱える事の条件で、本来の設定で『適合しない神機を使うとオラクル細胞に侵食される』事が無いようになっている…つまり君はかなりのレアキャラ設定になってしまっている事に注意してほしいのと、後は直死の魔眼だけど、何時でも発動してると嫌だろうからバースト状態の時に発動するように設定しておくけど、君自身でバーストしていない時でも使える様にも出来るから安心してね。視力の強化は私のおまけ…スナイパーの時便利だろう。

それと…異能生存体についてはツッコまないからね」

 

神様は苦笑気味だったけど、俺は生きなきゃいけない…

 

「彼女の罪悪感で此処を選んだのは少し癪に障るけど、君がそれで満足できるなら文句は言わない…

私は君には幸せになって欲しいと願っているよ」

 

俺は神様に深くお礼を言った後、転生した…

 

__________________________________________

 

「本当についてない転生者だね…」

 

神はさっきまで対応していた転生者の事を心配していた…

 

始めは、人生初の恋人も出来て満足のいく人生を送れると思ったが、なんでこうなったのかはわからなかった。

今回はかなり身勝手と言ってもいい違反転生者の被害だったので再転生を許可したが、彼が愛した女性の事を思っての転生だったのは確かだ。

 

本来であれば変更を無理矢理させた方がよかったのだが、彼が頑なに拒否するのは目に見えていたので渋々了承した事は、神にとっても余り良く思っていなかった…

 

「さて…あの違反者の対応は散々やりたい放題だったから懲罰転生なし消滅処分で満場一致でそうなるかな?全く…上層部の転生ランクを決める女神がクビになって私たちの同僚になってから転生者の事故が多過ぎるよ…彼女が優秀過ぎた結果こうなったんだよな…爺さんもブチギレるのも時間の問題だな…」

 

神は上層部の雑な仕事に愚痴を言いながら仕事に戻った。

 

 

彼が転生した後暫く経った時に、誰かからの連絡を告げる電話があったので通話させた時…

 

「先輩…助けてください!!私じゃもう対応できません!!」

 

耳が痛くなるような大声で泣き言を言ってきた女神に少し困惑していた。

確かこの女神の担当の転生者は…彼の恋人だった事を思い出し、神は女神にはすぐそこに行く事を伝え転生者の元へ向かっていった。

 

その後、彼女も同じ世界に転生する事になったのは神の策略と言ってもいいだろう…

 

「二人とも、今度は楽しい転生生活を送れる事を祈ってるよ」

 

神は二人の幸せを願った。

 

 

_______________________________________________________________________

 

不幸特典

 

不幸特典は理不尽な死を体験したものが得る事が出来る。その他にも病気やけがで暗い人生を、送った者も対象となるが大体は「理不尽な殺人事件の被害者」か「事故死」や「病死」が多い。

A~Bまでが不幸特典として追加される。

 

転生者の不幸特典ランクについて

 

Aランク  特典が3つ増える  家庭環境と身体の状態の安定 他のアニメやラノベの能力の申請の緩和

 

Bランク  特典が2つ増える  家庭環境と身体の状態の安定 他のアニメやラノベの能力の申請の緩和

 

Cランク  家庭環境と身体の状態の安定 他のアニメやラノベの能力の申請の緩和 

 

Dランク  他のアニメやラノベの能力の申請の緩和  ペナルティが付く

 

Eランク  ペナルティが2つに増加 

 

Fランク  ペナルティが3つに増加 

 

Gランク  ペナルティが4つに増加 特典なし(転生者の懲罰用のランク)

 

家族環境はAからCまで選択可能(いる、いない設定や好みの両親など)それ以外は無効(特典で変更可)

 

ペナルティの種類(一部)

 

「天涯孤独で無一文でスタート」

 

「身体の一部に障害あり」

 

「特典能力が一つ消滅」

 

「性別が逆になる」

 

「家庭環境と生活状況が最悪」

 

「転生前の記憶をすべて失う」

 

「特典能力がランダムで変わる」

 

「その転生先のメインキャラやサブキャラと恋仲及び親密になれない」

 

「転生先の固有スキルの習得無効及び武装使用の不可」

 

「特典能力の数回使用の消滅」

 

「寿命があらかじめ設定されている」

 

「転生者とばれたら即死亡か特典のロック」

 

「ランダムに特典能力が使えない時間がある(事前に通達あり)」

 

これらのペナルティは特典で無効化が可能

 

 

 

 




本当にすいません…『ゼロの使い魔』は原作やアニメは一切見ていません…
その為、某ネット辞書で読んだ流れしか知りません…

その為、原作ブレイクさせ最悪の世界にした事謝罪します…
ファンの方申し訳ございません…


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プロローグ2 私はあの人について行く

まず初めに…

このヒロイン…自分の作品の中で最悪の人生の転生者となっています。

残酷描写などのエグイ所は余り書いてはいませんが不快になる方もいると思いますので「それでもいい」という方だけお願いします…


私は…あの人といられれば何もいらなかった。

 

そう思えていたのは、彼が本当に私の事を愛してくれた事…

私も、初めて異性を好きになったのは彼だけだと思っている。

 

私の前世は、最悪だった…

 

本来であれば義務教育を受ける時期であっても、私がやっていた事は強制的な売春だった事だ…

 

まともな愛情なんてなく、ただ自分の性欲を満たすために育てただけで父親から強姦され、その事を知った母親に汚物のように捨てられ、引き取り先の孤児院で裏家業としてやっていた売春宿で、数多の男たちに慰め者となり、本当の意味で家畜同然の人生で、周りには私と同じような女の子が沢山いた…

中には薬漬けにされて精神を病んでしまったり、幼い体での出産に耐え切れずに亡くなる子も多かった。

 

その中でも私は長生きをした方で、二十代ぐらいになった時、多くの出産と無理矢理な性交が仇となり、病気を患い治療はされずに廃棄処分と扱いされ、殺された。

まともに名前を付けられなかった私は(いち)と言う名前だった事にこんな私を救ってくれる人なんていなかったと思いながら死んでいった…

 

こんな人生を送った私だったが、女神と名乗る胡散臭い子供に転生させてもらったが、この時だけは感謝したかった…

 

だって彼に会えたのだから…

この世界の両親は私に優しくしてくれた…ライトなんて名前も気に入っていたけど、それ以上の出会いがあった。

 

幼馴染として仲良くなり、一緒にいて嬉しいと思える人だった事もあったが、欲情の慰め者として前世を過ごし人間不信となった私を普通の女の子として見ていた事に、罪悪感を感じ彼も転生者と知り、私が転生者と明かし過去の事を話した彼のリアクションは意外だった…

 

「そっか…お互い最悪の人生の経験者で似た者同士じゃん。そんなの気にしてたらこの先の人生つまんねえと思うぜ?だったら俺とこの世界を楽しもうぜ!」

 

そう言ったあの人の明るい笑顔が私にとっての救いとなり、共に過ごした事は今でも宝物だ。

 

私と似た者と言ったけど、彼は本当にそう思っていたのかと疑問にだったが…彼の尋常ではない不幸な人生は私と比べれば遥かに私の方が軽蔑の眼で見られてもいいくらいだ…

彼がそんな目で見ていない事が分かったのはもう一人の転生者との喧嘩で言った一言だ。

 

喧嘩の発端は彼が余りにも原作に介入した事に対して嫉妬した事で、転生者の特典の一つの『転生者の過去を知る事が出来る』で彼と私の前世での事を笑いながら侮蔑しく言ったからだ…

そいつは、原作に介入しようとも自己中心的で魔法学院の皆からも嫌われていたが、実力は高く高位貴族だった事もあり厄介者と見ていたからだ。

彼が原作に介入していたのも、この先の展開を壊さないようにする為に動いていただけで、好きでやっていた事ではなかった。

彼と私を空き教室に呼び出し、私の前世でやっていた事を言った後に、自分の女を差し出すから私から手を引けといて来たのだ。

 

「ふざんけんな…アンタが何しようが勝手だが、ライトをなんで差し出さないといけないんだ?」

 

「バカだなお前も、見た目もいいし前世の経験で面白い調教出来そうだからに決まっているだろ?お前だってその女と仲良くしていればその内自分の都合のいい性処理の道具に出来ると思ったんだろ?」

 

私の過去は最悪の人生だ。

私の体にはあの地獄の日々の記憶や経験から男の媚び方も知っている事にアイツは気が付いたのだ

彼に迷惑を掛けたくなかった私は自分を見捨てる様に言おうとした時に…

 

その一言の後の下品なあいつの笑いに耐えきれなかった…彼はブチ切れた。

 

「てめえが何と言うとも…今を生きようとしている女の子にそんな事がよく言えるな!そんな奴にライトは渡さねえ!!…ただじゃ済まさねえぞこのクソ野郎!!」

 

自分の事をいくらでも馬鹿にされようと怒らなかった温厚な彼が、私の事がきっかけで怒りを爆発させた事で殴り合いから校舎の一部を破壊する大喧嘩になった。

 

その後、教師達やサイトやルイズを含めた生徒たちの仲裁で喧嘩は鎮火されたが結果は彼が勝った…

その後、この喧嘩は大問題となったが、お咎めは反省文のみで済んでアイツには校舎の修繕費と無期の停学が言い渡された事は意外だったけど、その理由は後で分かったからだ。

どうやら事情を知ったルイズ達がこの件について圧力をかけたらしく彼に責任は無かった事にされ問題ばかり起こすアイツを制裁する為にやったみたいだった…

それと彼の人望もあったみたいで、私はいつの間にかルイズ達の友人となっていた事に疑問を思った。

 

「過去を忘れろとは言わねえけどさ…俺やサイト達は君を大事に思ってくれている事…なんでか分かるか?」

 

私は分からなかった…こんなにも汚れきった私に優しくしてくれる人なんていないと…

 

「君が優しいからだよ…前世ではあんな目に遭ったから君はそうしない人になろうと思った。

だからサイトやルイズも助けてくれたんだと思う。もう自分を悪く言うのはやめてくれ…俺はそんな君を見たくない」

 

それだけで、彼を好きになるのは十分だった…

その後夏休みに実家に帰った時に、夜這いを仕掛けたけど…彼がこうゆう事に耐性が無い事が分かり、下着姿でベットにもぐりこんだ時に起こった事は…大量の鼻血を出し気絶した事、その後もアプローチしては、はぐらかされ逃走されたりと私にとってはがっかりしたが…

 

「そうゆうお礼はマジで勘弁してくれ…マジで耐えられん…」

 

感情的になって肉体関係を結ぶ事を良しとしない彼の意思は分かるけど…意図的に私が抱き着き胸を押し付けたりしたりした後に、トイレに駆け込んで処理している所を見てしまった事もあり彼の行動を情けなく思った事はかなりあった。

 

我慢しなくていいのに…

 

そんな事もあったけど、学院生活は好調だった…

アイツのせいでこんな事になるなんて…

 

ある日、息を切れせた彼が今すぐに国を出る事を言いだしてきたのには驚いていたけど、只事ではないと判断した私は彼と国外に逃亡した。

本当は私の両親も逃亡しようとしたのだけど…既に手遅れだった…

サイト達にも声を掛けていたので一緒に逃亡できたのは良かったが、この後彼から言った一言で私は一大事になったと判断した。

 

 

「あのバカが何かやったに違いない。…俺は辺境に行って暮らす事にする。サイト…すまんがここまでだ…残酷な言い方だが俺はこの件に関わりたくない…」

 

その後、国を取り戻そうとサイト達に説得されたがもう係わらない事を言った後に、ルイズ達にも侮蔑の声もあったが彼は聞き入れずに立ち去った…私も付いて行った。

 

私はその時に知ったのだ…原作は修復不可能なほどに壊され、この先何が起こるのか分からない為に逃げたのだ。

私はそんな彼を軽蔑する事は無かった。

 

その後、私たちは辺境の町で暮らし始め、果樹園を始め平和に暮らしていた。

私も彼もお互い意識しあっていた為に告白出来ずにいて、その関係がいつ変化するのかを待っていた時に、最悪の事態を私たちを襲った…

 

あのバカが私達を追って戦闘を仕掛けてきたのだ。

 

彼の機転で私は逃げる事は出来たが、彼は「後で合流する…その時に言いたい事があるんだ。楽しみにしてくれ」と言った後に、特典の一つだった王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を私に譲り渡しアイツとの戦闘に向かって行った…

 

合流場所としていた村でずっと待ち続けていたが、一向に来る気配がない事に嫌な予感がした私は彼と暮らしていた町に行った時に…私は知ってしまった。

 

果樹園をしていた時の、取引先の気の良いおじさんと話す事が出来た事で分かった事は…

 

彼は敗北しこの町の広場で公開拷問された事…その際に私の行方も追っている事で、現在私には膨大な賞金がかけられているらしい…

おじさんに「早くここを出た方がいい…彼には借りがある。恩人を突き出したくない」と言われその日のうちに私は町を出て村に戻った…

 

その時に私は確信したのだ。

 

あれが最後の別れになったという事を…

 

隠れ家に戻り無気力状態になっていた時にふと彼の最後の言葉を思い出した…

 

「その時に言いたい事があるんだ。楽しみにしてくれ」

 

その言葉の意味が分かったのはおじさんから貰った鍵だった。

彼に譲渡された王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の中に鍵の付いた箱があったのを思い出し、それを取り出し鍵が合うかどうか見てみると一致したので開けてみると。そこには…指輪があった。

 

箱の中に入っていた手紙を私は手を震わせながら読んだ。

 

「俺は君が傍に居たから自分らしさを失わずに済んだと思って感謝している。俺は女性と付き合った事は無くて、君を友人か妹として見ていた事もあって、自分の気持ちを上手く伝える事は出来なかったが、今はこう言える。

 

俺は君と一緒にいたい。

 

この先もずっと傍に居て欲しいと思った。

だから、口で言って咬んだりしたら気まずいので手紙でこの言葉言います…

 

俺のお嫁さんになってください…

その指輪は俺の気持ちです。

OKならその指輪を付けて返事を下さい」

 

 

手紙を読み終えた時に思った事は……

 

一生を共にしたいと思えた愛した彼を失った喪失と絶望…

 

アイツに対する憎しみによる復讐心だった…

 

殺シテヤル…ワタシノ全テヲ奪ッタ…アノ転生者ニ同ジ事ヲシテヤル…

 

そして…黒い感情が全てを支配した私がやろうとした事は、この世界を救おうとした事ではなく、アイツに対する復讐鬼となった事だった。

 

その後の私は…人を殺しまくった。

 

アイツの先兵を一人残さず、たとえ命乞いをしようとも女性や老人子供であっても無慈悲に殺しまくった。

人の心などもういらない…

あいつに協力するような国も全て虐殺して亡ぼしていった。

女神には「気持ちは分かります…なぜこんな事をするのですか!こんな事を彼が望んでいると本気で思ってやっているのですか…もう見ていられません。違反者としてあなたを処分します」と言われたが…

私を担当してくれた神様には…その時には憎しみしか持っていなかった為に暴言を言っていた。

 

「だったらなんで転生させたの?私はこんな目に遭うのだったら転生なんてしなかった…貴方たち神の都合で勝手に転生させられて…あの人は苦しんで死んでいった!!元凶のアイツも未だにこの世界で好きなようにしていて何も手を出さない神が私に説教なんて都合がよすぎるのよ!!

『原作崩壊しても、責任は神は取らない』…そう言ったわね…だったらアイツに殺された人達はどう思うのかしら?この世界が創作物の世界だからって、何も出来ずにゴミのように捨てられ殺されるのを貴方たち神が見ていて楽しんでいるとしか思えないわ!!

私達が不幸な目に遭う所見て楽しんでいたんでしょ?あの人を拷問されて殺しといて、アイツに何も処罰されていないのが良い証拠よ!

処罰したいんだったらすればいい…話す事は無いわ!もう二度と私に連絡寄こさないで…好きに生きて勝手に死ぬから!!どんな手を使ってもアイツは私が殺す…その邪魔は神でも許さない…」

 

その後、女神の連絡はこなくなった…何故か処分はされず特典もそのままだった…

私はその時、この復讐劇を最後まで娯楽として観て楽しむために違反者としての処分をせず、私を野放しにしたと浅はかに思っていたが…真実は違った。

その陰で女神は転生世界に干渉出来ないルールで私を救う事が出来ない罪悪感と後悔で泣いていた事…そしてせめての何も出来ない償いとして特典のロックは復讐が終わるまで見守る為にしてくれた事を後で知った。

 

 

町の一つを亡ぼしていた時に、数年ぶりにサイト達と再会した時に私の豹変ぶりに困惑していた。

 

昔の私だとは思えなかったと言ったけど、全身血塗れで杖と近接戦闘を兼ね備えた複合武装で人を切り刻んでいたら困惑もする。

サイトは惨殺した兵士の生首を持った私を見てかつての級友がここまで残酷で非道な事が出来たのかを疑っていた。

 

「君みたいな優しい人が…なんで?」

 

「虫唾が走るような事言わないで…アイツに属する人間は全て殺すわ。

サイト…貴方は属していないようだから殺さないで置いてあげる…あの人の友人でもあるしね」

 

「あの人…彼はどうしたんだ?」

 

「死んだわ…アイツに殺された。アイツに同じ目に遭わしてやろうと思っていて今この辺りの町や村を掃除してるの!皆邪魔だったから処分しただけ…早く会いたいな…ただで殺すのは惜しいからどうやって苦しめてやろうか考えているの!!私の全てを奪ったアイツに何が出来るのかを考えるだけで楽しいの!!」

 

その時、瓦礫から抜け出し助けを求めた子供を躊躇なく首を切り落とそうとした私をサイト達は止めた…

 

「なぜ止めるの?此処の町はアイツの支配下に下った町よ…私利私欲で肥やし侵略したゴミどもをなぜ助けたの…サイト?」

 

「ライトこそなんでなんだよ!!子供好きで優しかった君が躊躇なくこんな事するなんて…この子にそんな罪が…」

 

「ゴミ掃除は徹底しないと気が済まないだけよ…邪魔するなら殺すわよ…」

 

この事で私はサイト達を敵と認識し戦った。

 

この時のサイト達は思った事は既に私がもう心が壊れている事に気が付いたのだろう…

全員の総攻撃を掛けられた私は敗れ一時は牢獄に入れられたが、サイトに説得され革命軍に協力する事になった。

何で私を仲間にしようとしたのかを聴くと…

 

「ほっとけない…あんな別れ方したけど彼とは親友だ…俺はそんな彼が大事にしていた恋人を殺す事なんて出来ない」

 

お人好しが過ぎると言い、一部条件を吞み仲間となった…

 

その後、革命軍はついにアイツを追い詰め拘束する事に成功しアンリエッタを女王とした新国家を設立した。

 

私がその頃やっていた事は…

 

アイツに数ヶ月に亘る拷問をしていた事だ。

回復薬を使い何度も指を潰しては再生させる事をしたり、恨みを持つ者による斬り刻みなど…精神が崩壊するまで行った…何度も何度も数ヶ月も…

アイツは、自殺も出来ずただ生きているだけのものとなったのを確認した時、もう一つの目的を果たそうとした。

 

私は彼が亡くなったとされていた牢獄に行ったがそこは本当に寂しい所だった。

光が一切入らない暗闇の中で、骨になるまで放置され死んでいった彼の遺骨をカイト達は丁重に回収して渡してくれた事に感謝し、遺骨のひった箱を愛しく抱きしめた…

 

私の復讐は終わったのだ…

 

そう思った時に、箱が血塗れになっている事に気が付き服で拭きとろうとしても血が拭き取れないのだ…

何度も何度も拭くけど血が拭き取れない…何故かと思った時に私は自身の両手を見た時に確信したのだ…

 

私自身が血で汚れているんだ…

 

その時の私がした行動に全員が言葉を失ったと聞いた…

私がした事は…自分の手を過剰に布で拭きその摩擦で手から流れる血を、サイトが止めるまで拭き取ろうとした事…

止めた後に、泣きながらこう言ったそうだ…

 

「仇ををとったのに…なんでこんな気持ちになるの?サイト…ルイズ?なんでそんな目で私を見るの?なんで私こんな事してるの?あはは…こんな血塗れの汚い女…最低の人殺しなんてあの人はもう愛してくれるなんてないよね…」

 

その後、発狂して涙を流しながら笑っていた私をサイト達は慰めの言葉もかけられずに見ている事しか出来なかったそうだ…

 

サイト達はその時の私をこう言っている…

 

この革命戦争の一番の被害者でもあった…と

 

 

その後の私は……

 

復讐を糧にして生きいた為に、この先の人生を全く考えていなかった…

私が出来る事は彼の遺骨を日当りのいい丘に埋葬した事、後は旧国家を指示していた腐敗貴族の粛清だった…

サイト達はこの役目を私のさせた事に良い感情を持たなかったみたいだが、血で汚れきったこの体にはちょうど良いと思っていた…

政治が安定した頃。私はサイト達に別れを告げずに立ち去った…

置き手紙には「今までありがとう。彼のお墓の管理お願いします…私には彼といる資格なんてないから」と書いて…

 

その後、私はひっそりと誰も訪れない秘境で暮らし、余生を過ごそうとした…

 

あれから数年経った頃に、この隠れ家を着き止めたサイトとルイズが私を訪ねてきた時に、私が生きていた事に喜んでくれた。

黙って出て行った事に少し問い詰められたが、私は大量殺戮者で今でも新国家での間でも、悪い事をすると『鮮血の死神』がお仕置きに来ると子供たちに言い聞かされるほどの重罪人だ。

 

人と過ごす事が無くなった事で、二人と話すのはぎこちなかったが色々な話が聴けたので楽しい時間だった。

 

「君の両手の手袋とそれにそのネックレスは…やっぱりあの事を気にしているのか?」

 

「ええ…私の手は汚いからね。こうして無いと血塗れになっちゃうから…」

 

彼から貰った指輪も今は外してシルバーチェーンを使ってネックレスとして身に着けているが、復讐を決意したあの日から革命戦争時までに数多の血で汚してしまった事をあの人は許してはくれないだろう…

いや…本当は笑って「そんなよりいいの作ってやるよ」と慰めてくれるだろうけど、その指輪付ける資格なんてもうない。

 

サイトは私の言葉に少し悲しそうな顔をするが、それは私の罪だ…「気にしないで私の罪だから」と笑顔で答えると私の笑顔に気に食わなかったのか、ルイズは相変わらずの悪態をついてはいたけど、自殺していたかもしれない私を元気づける様に行ってくれた事と未だに殺人鬼だった私を頬を赤く染めながらも数の少ない友達と言ってくれた事には嬉しくて泣いたぐらいだ。

 

あの人のお墓について聴くと、大切に管理してくれている事と、私の事を知っている人からも「早く帰っておいで」と言われたが、もう私は此処で余生を過ごす事は決定していたの言付けだけ頼んだが、一度だけでいいから会いに来てほしいと言われたのでいつか行くと約束した。

 

別れ際に何か欲しい物は無いかと言われた時に、私はあの人に渡したかった指環のデザインが書かれた紙を渡し作ってくれるように頼んだ時に、サイト達は話せて楽しかったと笑顔で帰って行った…

 

その数年経った時にサイト達迎えに来てくれたけど、いきなり新国家の王城に招待されるとは聞いていなかった。

アンリエッタとは数回しか会っていなかったが顔を隠すためのフードを取った時に、『鮮血の死神』とわかり護衛騎士が警戒された事は仕方がない事だと思っていたが、彼女は友人と接してくれた事は嬉しかった。

その後、タバサやキュルケや他の学院生活で知っていた人たちと話す事になり、あの革命戦争での武勇伝などの話で盛り上がって本当に楽しかった。

私があんな事をしていたのに…皆優しかった…

 

その後、彼の為の指輪を受け取ろうとした時に、行かなければいけない場所があると言われたけど、その場所は分かっていた…

 

彼の眠る墓だ…

 

私は正直行きたくなかった。もう二度と行かないと思っていたのに、サイト達に無理矢理連れて行かれそこで見たのは…

 

「何…これ?なんでこんなに?」

 

彼の眠る場所は無数の花で彩られ、別の世界に来たと思えたほどだった…

私がここで埋葬した時は只の草原のはずだったのに…その理由はすぐにわかった…

 

数少ない知り合いであり、理解者と言えた果樹園をしていた時に取引をしていたおじさんが、ここまで頑張ってくれた事をサイトに聞いた…

 

私との再会を望んでいたみたいだけど…もう亡くなっていた。

彼の指輪もおじさんが作ったもので、今回の指輪も作成に尽力してくれたみたいだったが、指輪完成後の数日後に老衰で亡くなったそうだ…

 

「会えないのは悲しいが、こんな老いぼれの事を慕ってくれたのは感謝しとる…この指輪はその礼じゃ」

 

その一言で泣き崩れたのは…言うまでもないだろう。

 

私は…愛されていたのだ…あの人以外にもたくさんの人に…

 

その後、私は指輪を受け取った後に隠れ家に戻ったが、変化があったとすればその後、彼のお墓の管理を私がする事にした事だろう…

私の罪は消えない…でも優しくしてくれた人たちには恩を返そう。

 

いつの間にか私は彼の眠る丘の近くで暮らしていた…

私がした事は孤児院を作り多くの子供たちの教育をした事だった…こんな事では償えないと思えたが多くの子供たちが成長し旅立ち、それを何十年経った後に孤児院の後任も頼める教え子も出来、もう少ない寿命をどう過ごすかを考えた時に、私がした事は彼の墓まで行きそこで死のうと思った事だ。

 

自分の寿命は分かりきっていた…彼から貰った指輪と私が作ってもらった指輪を、ネックレスとして無くさないようにしっかりと身に着けていたがこの時は外し指にはめた。

彼に渡したかった指輪はネックレスとしての飾りとなってしまったが十分だった…

本当は指輪を付ける資格なんてないだろうと思ったけど、付ければ彼が会いに来てくれると思ったが…

 

「こんな時でも…幻影でもいいから出てきてほしかったな…そんな都合のいい話ないか…」

 

彼の姿を見る事は出来なかった。

でも、それでも良かった…私に会いになんて来ない…私の最大の後悔は…

 

この世界で彼と一生を共に出来なかった事なのだから

 

でも幸せな事はあった…サイトやルイズ達が友達だと言ってくれた事、孤児院の子供達から母さんと慕ってくれた事…その事は私にとっては一番にこの世界で償えた事だと思っている…

 

その優しい友人達と子供たちに「ありがとう」と言い私は〈ゼロの使い魔〉の世界での人生を終えた。

 

 

 

私が死んだと同時に、また見覚えがある部屋にいた。

 

そこには私を担当してくれていた女神がいたが…彼女はその場で土下座をして涙を流し謝っていた。

むしろ謝罪しなければいけないのは自分だった…

再転生の権利もあると言われたが…

 

「再転生は望みません…違反者としての処分でお願いします」

 

この意思は固く私は決定が決まるまで待機となっていたが、女神が急いで電話をかけ、別の神を呼んできたがなんの用だろうと思った時…

 

「実は私は彼の担当の神でね。彼の再転生を知らせに来たのだが…君に頼みたい事があってね…」

 

その神から事情を聴いた時に私は自分のした事に後悔した。

 

彼が私を復讐鬼にさせてしまった事を、負い目を感じてしまい再転生先を過酷な世界での転生を望んだ事知った…

 

「俺に会う資格はないですね。俺のせいで不幸になりましたから…

彼女が再転生を望んだのなら平和な世界で幸せになってくれると嬉しいですよ…

拒むのであれば記憶消してでも再転生させてください。頼みます…神様」

 

 

彼の言葉に少し怒りの感情が感じてしまった。

不幸になったのは彼のせいではなく、あの転生者の原作改ざんのせいだ。

それをまるで「自分が悪い」と言わんばかりに責任を感じて、私の事に関しても幸せになる為に自分の事を忘れろなんて言葉は、まるで私が彼と一緒で不幸だったと言いたいのかと思ったくらいだった。

 

その怒りの感情で私が言った事は意外な言葉だった…

 

「彼の行った世界に転生させてください!!今度は間違えませんから…お願いします」

 

「そのつもりだったから気にしなくていいよ。むしろ私は彼には報われた人生を送って欲しいと思っているぐらいだしね。今から転生しても数年しか歳は変わらないから歳の差カップルになる事は無いだろうし…特典はどうする?君はAランク…特別おまけとして、転生場所の指定には特典を消費する事になっているんだけど、それを除外してあげよう」

 

神様の言葉に少し違和感を持った私だけど、彼の傍に行けるならどんな世界でもいい…

 

私が指定した特典は以下の通り

 

1・他の転生者の特典の無効

 

2・新型神機を使えるようにする

 

3・異能生存体の取得

 

4・王の財宝(ゲート・オブ・バビロン) 前回世界の中身あり

 

5・直死の魔眼の取得

 

6・他の転生者の特典を一時的に使用が可能となる(制限あり)

 

7.七つ目の特典はいつでも変更する事が可能とする。現在は無し(無制限に変更可)

 

 

「彼と同じで欲が無いのが少し残念だよ…王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)にしても本来の財宝ありも適用されるのに『彼と同じ特典にしてください!!』なんて珍しいよ…全く同じにしてしまうと一部損をしているから強力なものにしておこう。」

 

その神様は本来の特典以上にスペックの良い物に変更してくれたみたいだった…

 

6と7番目の特典に関しては、神様からの謝罪としての特典らしいけど、良いのかな?

その事を聞くと神様たちの言った事は…

 

「欲が無さ過ぎるのもいけないからこの対応と思ってくれていいよ。

でも、やり過ぎたかなとは思うけど、君達には酷い転生をさせてしまったからその謝罪としては破格なものにしておいただけだ。彼の事頼むよ」

 

「何も出来なかった私にも責任はあります…謝罪として受け取ってください」

 

この神様達は見た目はともかく優しい神様だった…

 

本来は神機の扱いについての修行もあったのだけど、早く転生したかった事もあり断った。

 

私はあの人に会いたい…

 

二人に深く感謝し彼の転生した世界に行った…

 

「絶対会って一発ひっぱたいてやるんだから!!もう離れないって言って我儘言うんだから…覚悟して待っていなさい」

 

もう後悔はしたくない。その為の再転生なのだから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて…今回の件についてはこれで安泰かな?良かったよ…」

 

ホッとしたように神は笑顔になったが…

 

「先輩…どうしよう…私またミスしてしまいました…」

 

「またかい!!この前の転生者の時だって君のミスでクレームが酷かったんだから…何をミスしたか聞いておくよ」

 

「はい…実は主人公の妹として転生させてしまいました。彼に申し訳ないかな…と思いまして…」

 

神は盛大な溜息をつく…彼はどうやら本当に運が悪い…

女神の今回の件のミスは不問としたが、次は無いと警告したが、彼女は根がかなりの真面目なので重大なミスはこの先しないだろうと思うが心配した…

 

「彼の再転生もかなりのトラブルに巻き込まれそうだね……」

 

「申し訳ありません…先輩」

 

「やれやれ…違反者の事もあって不安だけど彼等なら平気だろうけど…警戒しておこうか」

 

「そうですね…あの違反者は今回の転生の被害者でしたからね…またトラブルが起こったたら私はどうしていいか…」

 

神もその事に関しては警戒していた…

 

あの違反者は違反神に性格を歪められるペナルティを無断で付けられ転生した事で、今回のような結果となった事と、事前に申請した特典も本来と違う物だった事で悪質な改ざんと判断され、その違反神は今拘束され余罪を追及の為上司の神が取り調べ中である。

 

それが分かった理由は二人の特典である〔他の転生者の特典の無効〕が発動していない事だった。

二人は不幸特典のあるBランクとAランクであり、あの違反者が特典を使ったとしても無効になるはずが、二人の過去を知り過ぎていた事に違和感を感じ、神が調査部に連絡し、その後の報告であらゆる部署の不正行為が発覚した。

しかも単独犯ではなく各部署に協力した違反神いるようで、その対応で現在上層部にも混乱が生じ各部署がクレーム対応していたが、尋常じゃない数に違反神や上層部の雑な対応に神は呆れていた。

 

「爺さんが取り調べやってるからすぐ話すだろうけど、他にも被害はあるって聴いているし…しっかりしてくれ…上層部」

 

「上層部も人事異動が多くて対応が出来ないみたいですね…上層部の先輩が『転生課で働いていた方が楽しかったよ!!何?この毎日デスマーチ状態!!これなら話断っておいた方がよかった』って私に泣きついていましたし…何か好くない事でも起こりそうな気がします」

 

「やれやれ…本当にいつ治まってくれるのかな」

 




少しヤンデレみたいになりましたけど…某ゲームのヒロインみたいにしないのでご了承ください…
個人的には過去が重すぎたヒロインにしてしまった事に少しばかり後悔がありますけどね。





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エピソード1 「狙い撃つぜ!!」

一応書けてはいたのですが、あんまり進みません…

亀更新ですけど、よろしくです…


「今日のターゲットはオウガテイルとザイゴートか…楽な仕事大歓迎です」

 

俺は見晴らしのいい丘で見張りをしているが、まだ獲物が見えていないので余裕を見せていると、隣にいる金髪ロングの少女が緊張と不安からか声を震わせて文句を言った。

 

「先輩は楽かもしれませんけど、私はこれが初めての実戦なんですよ!!それに前線の隊長達にそんな軽口言ってるとどんな注意があるか…」

 

新人ちゃん…そんなに緊張しなくてもいいと思い軽く用事を済ますような感じの内容だと安心させる為に…

 

「だから楽なんだって…隊長は経験豊富で最悪堕天種に囲まれるぐらいにならないとピンチにならないさ…

だからこそ、俺がこうしてスナイパーとして警戒してるんだから安心して作戦実行出来るんだし、君も緊張しないでくれ。俺の補佐してくれりゃあいいだけの楽な仕事だしな」

 

アレ?おっかしいな…俺は緊張ほぐしの為に言ったんだが…すっげえ怖い目つきで睨んでるよ。

 

逆効果になったが、言っとくが新人ちゃん…初任務がこんなに楽なのは、君がお偉いさん(フェンリル本部の高官)の一人娘の命令だったりするが、気がついてないよね。

いや、隊長から彼女の事聞いたけど、複雑な事情があるみたいだけど親父さん…苦労してんだね。

本音を言いたい所だけど、面倒くさい抗議がありそうなので黙っていると、隊長達が本当にあっさりとオウガテイルとザイゴートを討伐をしていくのを確認していた。

 

「私は隊長達に付いて行きたかったのに、なんでこんな人と一緒に索敵なんてしなくちゃいけないんですか…」

 

「さあ?隊長決定だから気にしたらいかんよ」俺は気楽に言った時に隊長から討伐完了の通信があったの合流する事になったけど、隊長も意地が悪いな…こりゃまだ()()()()()()()()()()()

 

新人ちゃんも俺の後をついてきながらもぶつぶつ文句言って合流場所に帰還しようとしてるけど…彼女は警戒心がまるでない状態だ。俺は「新人ちゃん…悪いけど不合格だね」と言って俺は何気なく神機を背後に構えて数発撃ったが、何故そんな事をしたのか彼女は分かっていないようだった。

 

「先輩何を!!…って…」

 

「油断大敵だよ…よく言わない?帰還するまでが任務だって、どんな時でも気を抜かない事だよ」

 

確実に弱点を打ち抜いたオウガテイルが、数匹倒れている事に気が付いた新人ちゃんは俺を驚いたように見てるが、俺も数年もこんな事やっていたら簡単出来る。

…神様の爺さんとの訓練と比べればこんなのイージーモードの格ゲーに近い…(因みに爺さんとの訓練はナイトメア?ヘル?そんな所だ)

 

さっきのオウガテイルで任務完了だろうし、いまだに驚きを隠せない新人ちゃんの捕食を頼んでおいた。

 

「捕食の方は君に任せるよ…明日から今よりハードになるかもしれないから頑張っていこうか」

 

新人ちゃんが捕食したのを確認して神機を肩に担いで隊長達との合流ポイントに行く。

その行く時間、彼女の愚痴は無く静かで暇だった…雑談ぐらい振った方が良かったかな?

 

 

 

 

 

「隊長…酷いですよ!あんなミス押し付けるなんて!!」

 

俺はあの任務の後に隊長に直接文句を言いに行ったが、「あんな事で死ぬなんてこと無いだろ?警戒心と戦闘力は俺達より上だろ?」と笑いながら対応されているけど、こっちは彼女のお守りもあるのでやめてほしいと言ったが…

 

「いや…だから安全な場所に待機させたんだろうが、別名オールワークス…奇跡的に全てのタイプの神機を扱え、本来であれば部隊長にふさわしいのに、あらゆる面倒事を俺に押し付けて逃げているのは俺に対する嫌味か?カナタ=トワ少尉殿?」

 

すっげえ怖い顔で本当の事言ってきたから文句は言えんけど…

 

「その点は感謝してますけど…なんか面倒事を押し付けられたような気がしたのは気のせいですよね?」

 

俺が言った傍から目をそらし口笛吹いてるあたり多少本音だろうけどね。

一応あの子の扱いについては聞いておくか…隊長は頭を掻きながら新人ちゃんのクリスの事について話してくれた。

 

「本人の前で話題には出してほしくないのだが…家庭の事情と言うものだ。

この頃の神機使いの死亡率が低くなった事で、戦闘経験のない事務処理担当者の非常事態時の訓練という名目で彼女…クリスが前線での任務に立候補したのはいいんだ…俺も断ろうと思ったが、あの人は上司としては尊敬に値する方なんだが…少々困った癖があってな」

 

「つまり…ふざけた言い方になりますけど…娘大好き暴走オヤジって事ですか?」

 

「その言い方はかなり酷いが、今回の配属に関しては俺に押し付けたのはそうゆう事だろうな。

俺が新米の時に世話になってな…夫婦で前線出て戦っている所は今でも憧れたよ。

クリスもそんな両親みたいな神機使いになりたいと思ったのだろうが、配属先は事務処理で不満もあったのだろう。

…あの人は神機使い最悪の最後を娘にさせたくない為に事務処理に配属したと思うが、気持ちは分かるからな」

 

隊長の表情が悲しそうなので、つまり奥さんが悲惨な死に方をした人がいるという事か?

空気読んだ方がいいかな?

 

「こんな事は言いたくはないが、もうそろそろお前に隊長やってもらいたい…その為の事務処理や前線補佐の副長としてクリスを鍛えて欲しいのも狙いだ…

カナタが来てから最近の神機使いの死亡率が激減した事は評価が高く、普通の扱いとされてるのはおかしいと言ってくる他の部隊長からの苦情も多い…悪いが俺は数回の任務で引退予定だ。いい加減、嫁を安心させたいからな…」

 

「苦情はともかく隊長の家族の事を言われると罪悪感ありますね…」

 

隊長は「すまんな…」と言って表情を曇らせるが、それは俺が責任逃れで逃げていただけだし隊長になる事は抵抗はないが、どんな苦情を言われてたんだろ?確認のために聞いてみるか?

 

「俺に対する苦情って多いんですか?」

 

「…悪い意味じゃないが、教育面や事務処理も分かり易く前線での活躍は本部では名前を知らん奴はいないぞ。

特務でも失敗は少なくテンナイン(99.999999999%の事)の異名も持つお前を出世の道具として欲しがるお偉いさんはかなり多いぞ?

初めて会った時の事は今でも覚えてるよ…」

 

「…あの時は本当にやばかったですからね」

 

俺と隊長の出会いは本当の意味での最悪なものだった。

 

俺は始めは一人で前線に行き任務をこなして、今では息抜きとなっている漫画制作をしながらのんびり生きていたのだが、隊長が担当した新人教育の為の討伐任務で、当初はオウガテイルしかいないとされていたのに関らず、事前調査で確認されていなかったコンゴウやシユウがいたのだ。

しかも、救援に送り込める神機使いがいたのに関わらず本部は人員不足理由に無視をした。

 

俺はその頃近くで別のアラガミを狩って帰還しようとしていた時に、救援要請を受け隊長達を助けたんだけど…どんなに強くともあれは無理だね。

 

例えるならチュートリアルモードでラスボス出てきたみたいな絶望しかない状況で隊長はよく守ったと思うよ。

その場にいた新人は全員ある意味酷かった。(これは察してほしい)

それで救援任務終わって帰還した時に、俺がコンゴウやシユウをほぼ無傷で倒した事が知られた後に、社畜の如く討伐任務をしていた事を知った隊長が俺を拾ってくれたおかげで今は平穏な日々を過ごせている。

だけど、そのせいで隊長は胃薬と頭痛薬が常備薬となったのは言うまでもないよね(俺のせいだけど)

 

「それでも普通なら過労死してもおかしくないような、あの討伐任務をどうやって達成させたんだ

?」

 

…直死の魔眼のおかげです。

俺のうっかりミスだけど、仕事を早くさっさと終われせて趣味の漫画と小説活動をしたかったので使ったけど、それが原因でこんな事になるとはね。

 

…ゲームならともかく毎日18時間以上討伐任務って普通死ぬわ…

フェンリルってこんなにブラック企業なのかね?

その辺りの事を隊長に聞いてみると意外な答えがあった。

 

「お前の異名のオールワークスが関係する事だが、どうやら研究部署であらゆるデータが欲しい事から依頼が殺到したらしい。

それと、あの時、俺達を助けた事に対する嫌がらせもあるだろうな…」

 

…なるほどね。

 

俺も大した事してないと思っていたけど、信頼されていたからの仕事量だったのね。

でも、邪魔したぐらいでこんな事するかね?

もっと、別な意味がありそうで怖いんだけど…

 

まあいいや…それよりも俺が隊長か…

一応どんな事やるのか聞いておくか。

 

この後、俺は隊長となってアラガミを後に副官となるクリスと新人たちと討伐していくのだけど…

俺はまだ知らなかった。

 

新人教育やアラガミ討伐作戦の効率のいい案の作成…前線指揮での活躍で俺は知らない内にフェンリルの中で無くてはならない人材となっていた事…

 

そして、上層部の幹部が俺の存在を疎ましく思っていた事であんな事になるとは…思っていなかった。

 

 



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