巨根なグラン君が色んな女の子にいいようにされたりしたりする話 (空使い)
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巨根、お空に発つ。

テキトーにグダグダ書くよー


 

 

 

いまやファータグランデで知らぬものはいないある騎空団。

その団長、グランは、いまだ青年と言っても良い若さでありながら、全空最強の呼び声すら上がる程の凄まじい力を持っていた。

 

辺境の島の片田舎で、棒切れを振り回しながら空に思いを馳せていたようなごくごく平凡な少年が、何故これほどの力を持つに至ったか。

 

その身に流れる伝説の騎空士の血か?

血の滲むような努力の成果か?

類い稀なる才能の成せる業か?

数多潜った死線の先に得たものか?

世界を導く運命か、はたまた数奇な人の縁に恵まれてか?

 

きっとそのどれもが正解なのだろう。

しかし、その真実は誰も、本人すらも知らない所にあるのだ。

 

彼の強さの秘密。

 

それは――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の()()()()にあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファータグランデ(いち)の騎空団、その団長グランの頭の中はエロエロであった。

 

強くて、優しく、頼り甲斐(がい)があるけど時々ちょっと抜けていて。

少年のような夢と希望と正義感を持ち、それでいて大人びた背中と統率力と思考力でもって全空を駆け巡らんとする彼は、その実、超()級のムッツリスケベであった。

 

思春期の少年の如く、風が吹けば感じる程にいつだって脳内ピンク色。

ハシが転がっても前屈みになるお年頃のエロガキなのだ。

 

町に出れば、メスエルーンの背中やメスドラフの凶悪おっぱい、合法ハーヴィンのぽっこりおなかにハアハアしそうになるのは日常茶飯事。

そうでなくとも、どういう訳だか彼の騎空団には高級娼館もかくやというような綺麗所が揃いに揃っている。

 

グランはムラムラしっぱなしだった。

それはもう、日常的に悶々しっぱなしであった。

 

ついついスケベ丸出しの顔になりそうな所を、鋼の意思で押さえ込んで日々を過ごしていたのだ。

団員は、そんなグランにほんの少しの違和感を感じつつも、性欲を押さえるあまり三割増しばかり凛々しい顔のグランにますます信頼と憧れを抱き、惚れ込んでゆくのだった。

そしていっそう緩くなるガード。

増えるラッキースケベ。

 

自分の行き過ぎた(と思っている)エロさを悟られたくないグランにとっては、地獄のような好循環であった。

 

 

 

彼は奥手だった。

 

もんのスゴくシャイだった。

 

べ、別に女の子になんかキョーミねーし! と言っちゃうような、今時めずらしいピュアピュアハートの持ち主だった。

幼きグラン少年はエロい事は恥ずかしいことだと思っていたし、エロい男は絶対モテないと信じて疑わなかった。

モテモテハーレムを夢見る彼がその思い違いに気付くのは、旅に出てかなり経ってから、イングヴェイという伝説の騎空士に会った頃で、その時には既に色々と手遅れだったのだ。

 

『ちょっとエロいくらいの方がモテる』

 

そんな衝撃の事実を知った時の衝撃ははかり知れない程のものであったが、今さら積み上げてきたクールで硬派(と信じている)な印象を崩す勇気がなかったグランは結局ムッツリから抜け出す事が出来ないでいる。

 

そんな彼が己の性欲モンスターを鎮めるために行ってきた事。

それが、修行だ。

 

日々際限なくたまり続けるムラムラを発散するべく、それはもうがむしゃらに修行に打ち込んだ。

中学生が突然夜に筋トレを始めちゃうアレである。

しかしどういう訳だか、どんなに念入りに発散さてみても、疲れはてて眠った次の日には前日以上のムラムラが復活してグランを悩ませるのだ。

またそれをごまかすために、あくる日も、またあくる日も修行に明け暮れる生活。

 

最初の頃は木の棒で大木を叩き続けていた。

ある日木の棒が折れる。

次いで、ある日には大木が倒れる。

鉄の棒で岩を叩きはじめる。

岩が砕けちり、鉄棒が曲がる。

ある年に素手で岩壁を殴り始めると、あくる年にはトンネルが島の端まで開通し、気付けば傷だらけの両拳は鋼のようになっている。

 

マッチがわり程度の火から始まった魔法は、身体中の穴という穴から血が吹き出す程に精神力を酷使した結果、金属を蒸発させるまでの凶悪なナニかに至った。

弓を射れば飛ぶ鳥を落とし、剣を振れば舞い散る木の葉が粉みじんになり、槍を持てば竜巻が起こるほどに武芸を極めていった。

少しでも気をまぎらわせるためにと手を出した錬金術では不老長寿の秘薬まで作り出してしまう。

流石に怖いので封印した。

 

そうやって自身を追い込む姿は正に鬼気迫るもので、雨の日も風の日も、一日も欠かさず常軌を逸した修練に明け暮れた結果、彼は化け物ということすら生ぬるい最強の騎空士になっていたのだった。

 

弱い星晶獸とかならワンパンである。

マジヤバい。

 

そんな彼はある日運命的な出会いを果たし、空から降ってきた(グランは最初とうとう童貞をこじらせすぎて幻覚が見えるようになったのかと思った)青髪でやたら可愛い声の少女に一目惚れして、髭の生えたウザい口調の帝国人のヒドラっぽいペットを話もそこそこにワンパンでミンチにしたあと、一緒にお空に旅立つ事になる。

そうして彼とその騎空団はめきめきと頭角を現し全空に名をとどろかせてゆくのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

……さて、童帝グランには人並み外れた性欲があり、それを発散させていたら強くなった、と簡単に言ったが、実はその馬鹿げた性欲には彼自身も知らないある理由があったのだ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の故郷、辺境の島ザンクティンゼルは田舎である。

テレビもねぇ、ラジオもねぇような弩田舎である。

そんないわゆる、一個の村のようなザンクティンゼルには、当然娯楽というものが少なかった。

 

娯楽の少ない村での数少ない楽しみ。

 

それはセックスだった。

 

男と女さえいればできるセックスは、実に手軽で最高の娯楽だった。

そんなわけで、めったによそ者が訪れないザンクティンゼルは、性に奔放な動物的村社会を形成していたのだ。

 

では、なぜそんな島で育ったはずのグランは奥手なシャイボーイになってしまったのか?

 

その理由は、グラン少年がまだ6才児のショタグランくんだった頃にまでさかのぼる。

島の女たちの間に、ある衝撃的な噂が広がったのだ。

 

『グランという男の子のちんぽがスゴく大きいらしいよ』

 

幼い子供のおちんちんが、大の大人よりも大きく成長しつつあるという近年稀にみるベリーホットなビッグニュースは、またたくまに島中を駆け巡り、若干数百人しかいない島民女性の総てが知ることとなった。

村においては、一人が知っていることはみんなが知っていることだ。

ひどい話である。

 

そして当たり前のように、島の中でも積極的でショタ趣味なタイプの業の深いお姉さま方が中心となり、噂のショタグランくんにこっそり夜這いすっぺという話になった。

いくら大きいといっても所詮噂は尾ひれがつくもの。

まあ小さくてもそれはそれで趣深いし、精通前でも勃たせればそれなりに遊べると中々に中々な事を考えながら哀れ何も知らず眠るショタグランくんの寝床に忍び込むお姉さま方。

何の気まぐれか、今回は睡姦にしようとあらかじめ睡眠薬を盛られていたグランくんは、多少激しくても起きることはないだろう。

まだ子供なんだから優しくしてあげなさいよと、眉をしかめつつも止める気配はまったくない友人達。

まったくもってひどい話である。

 

そして翌朝、広がる噂の続報。

 

『マジで洒落にならんくらいデカイ』

『指が回らない』

『私は中に入りきらなかった』

『間違いなく島で一番』

『気持ちよすぎて気絶した』

『うそうそ、たいしたことなかった。ほんとたいしたことないから。見なくていいと思う……あたし、今夜も使わせてもらおっかな……』

 

前回以上の速度で広がる新たなビッグニュース。

軽くハブられるショタお姉さま。

そして知らぬまに童貞を失ってしまっているグランくん。

 

 

 

そう、全空一の騎空士グランは実は童貞じゃなかったのだ!

 

 

 

本人は未だにそれを知らず、自分は年齢=童貞だと思い込んでいるのが、涙を誘う。

ひどいはn(ry

 

そして、ウワサの天星器を一目見ようと毎晩のように集まってくる島の女性達。

一度試してみようとショタグランくんに挑んでいった女たちは、例外なくデカ・オ・ティンティン(攻刃特大)の前に沈むこととなった。

 

そしてわずか一月後には、島中の女性は老いも若きもショタグランくんのミラクルちんぽの虜になっていた。

グランの双子の妹ジータは、兄と同じく僅か6才児にして才能を発揮。

ファーストインサートによって、それまでそそり勃ち女達を満足させるだけだった兄の分身の精通を果たすと同時に、噴火したザーメンで処女喪失大量中出し失神アクメをキめ、島の少女達の尊敬を集めた。

 

そう、グラン妹であるジータもまた、島の娘達が泣いて喜ぶデカちんぽにジャストフィットする幼女離れした稀代の名器を持ったスーパーロリジータちゃんであったのである!

単にガバマンとも言う。

ひど(ry

 

毎晩のように入れ替わり立ち替わりグランの家を訪れては、うんうんうなされながら眠るショタグランくんのうえで遠慮容赦なく腰を跳ねさせ、乱れまくる女達。

島中に夜毎響き渡るピンクな嬌声。

前屈みになる男達。

 

流石に性に奔放な田舎娘達といえども、

 

「島中の女の子、幼女からお婆ちゃんまでみんなで毎晩あなたを睡眠レイプしてます♡ ゴメンね♡」

 

と、いたいけな6才児に向かって本当のことを言う訳にもいかず、誰もグランに打ち明けることができなくなってしまった。

この頃にはようやく事態の深刻さ気づいた男達も、うっかりグランに話して自覚させたら最後、島中の女を独占されるかもしれないと思うと、とても口を開けない。

 

それでも、島の他の男とは比べることもおこがましい程の超キモチイイ逸物から離れる事もできず、ローテーションまで組んでショタグランくんを睡眠レイプし続ける島娘達。

耳を塞ぎ目を背ける男達。

村社会って怖い。

 

そうして幼いグランくんの新品ちんぽは、本人の預かり知らぬ所で数多の女性の愛液をしとどに浴び、幾多の処女膜を貫いてその純潔を染み込ませ、その形をいっそう凶悪に育てていった。

毎晩、何十人もの穴という穴にしごかれ、一晩に何十回も精を吐き出す中で、より太く、より長く、より固く、よりどす黒く進化してゆく。

竿に太い血管がはい回り、エラは大きく張りだし、金玉はずっしりと重くなっていった。

それだけではあきたらず、性欲旺盛な娘達は幼妹ジータを筆頭にショタグランくんのお口や乳首、果ては後ろの穴まで好き放題にいじり倒し、その性感を開発していったのだ。

 

本人が知らないうちに極エロボディに魔改造されてゆくショタグランくんは、女の子を見るとなんだかムラムラするなあ、と思いながらも、スケベなのがバレて嫌われたくないとがむしゃらに修行に打ち込み、精力増強効果をふんだんに盛り込んだ睡眠薬と媚薬入りの夕飯をたらふく食べて泥のように眠り、夜の間に滅茶苦茶に犯されて性感を開発され、翌日一向に解消されないどころか、むしろ日増しに大きくなってゆくムラムラに戸惑いながらまた修行に明け暮れるという、ある種の拷問のような生活を十年近く続けることになった。

 

そしていつしか何も知らないままに少年と青年のはざまにまで成長したグランは、何百人もの女を貫いた益荒男のオーラと、何百人もの女をアヘアヘ言わせた濃密なフェロモンを漂わせるようになった。

男ならばグランを見れば思わず平伏しそうになり、女ならばグランが視界に入るだけで股をびしょびしょに濡らすようになっていた。

 

その頃には、島の子供の大多数がグランの実子という異常事態になっており、いよいよ島娘達も引き際を見失っていた所で起きたのが、星の遺児、青い少女、ルリアとの出会いであった。

 

島を出ると言ったグランを女達は本気で引き留めようとしたが、グランの決意は固く、空の果てを目指したいという(もはやグラン本人しか覚えていなかった)夢を応援し送り出すことしかできなかった。

実際、いつ秩序の騎空団の手入れが入ってもおかしくなかったので、島の女達は良い機会だったと泣き笑いで見送ったのだった。

 

ちなみに男達は手放しで喜んで送り出していた。

 

ジータはちゃっかり付いていった。

 

存在感を限りなく消していた羽トカゲも、「オイラは何も見てないし、何も聞いてないぜ」と言いながら付いていった。

 

こうして、自分のことを童貞だと思い込んでいる一般最強ムッツリ騎空士は、満を持してザンクティンゼルから蒼穹に解き放たれたのだった。

 

 

 

 

 

なお島の男達はその後、残された女達に、

 

「ねえ、早くイれてぇ……♡」

「あの、もう入ってるんだけど……」

「えっ……コレで?」

 

というやり取りで心をバキバキにへし折られて、特殊な趣味の一部を残して全員インポになった。

 

 

 

 

 



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シェロ、持ちかける。

 

 

 

アウギュステ列島が誇る高級リゾート、ベネーラビーチ。

 

その中でも、ひときわ豪華で真新しい高級コテージの一室で額を付き合わせて談笑する2つの影。

 

「今日はお招きいただき、本当にありがとうございます! 団員達もスゴく喜んでくれてます」

 

一人は言わずと知れた主人公。

身体は淫乱、頭脳は童貞の、我らがムッツリ騎空団長、グランである。

 

「いえいえ~団長さん達にはいつもお世話になっていますから~。ここにお店を出せたのも団長さん達のおかげですし、これくらいのお礼はさせてください~♪」

 

そしてもう一人。

グランの向かいで、ハーヴィン用の高めの椅子に座ってにこにこと機嫌良く笑っているのは、いまやファータグランデで知らぬものはいない大商会、よろず屋シェロちゃんのオーナー、シェロカルテその人であった。

 

「いやいや、シェロさんがスゴいんですよ。行く先々で助けて貰ってるのはウチのほうですし……ここの土地代とか税金、見ましたよ。目玉が飛び出るかと思いました」

 

「うふふ~ありがとうございます~♪ 団長さんだって、いまや騎空艇を何隻も抱えた大騎空団の団長さんじゃないですか~。特Ⅱ型大型艇を個人所有する騎空士なんて、この空域に数人しかいませんよ~? それなのに団長さんは、初めて会ったときとあんまり変わらないんですから凄いですよね~♪」

 

初めはグランサイファー一隻だった彼の騎空団も、団員が増えていくに連れ、フロンティア号、ドラブンスピリット号、エンゼラと次々所有艇を増やし、それでも間に合わなくなって、最近とうとう居住性に特化させた宿舎用の大型艇を購入したのだった。

どうせ買うならと団員の要望を片っ端から叶えていった結果、ちょっとした島並の値段になった請求書を見たとき、カルティラは頬を引き吊らせ、レフィーエはしめやかに気絶した。

どこの国や組織にも属さない一騎空士が、わずか数年の間にここまでの大船団を抱えるまでに急成長するのは、空の歴史にも他に類を見ない偉業であった。

 

さまざまな国や組織からの勧誘も増える一方で、それを断るためだけの部所まで作った程である。

 

一方、そんなグランの騎空団を近くで支え続ける幸運に恵まれたよろず屋シェロちゃんも、当時は知る人ぞ知る良質な個人商人程度だったところから、グランの団の成長に引っ張られてゆくようにどんどんと成長して、今の一大商会の地位を確立させたのだった。

 

もちろんシェロカルテ本人の商才も大きなものであったが、グラン達の活躍なくしてここまで短期間での躍進はなし得なかったことだと自覚しているシェロ当人にしてみれば、これくらいのサービスではまったく恩を返しきれていないと思うのも当然のことだった。

 

「あはは……いや、長年田舎で質素に暮らしてたんで、なかなか変われなくて……」

 

「団長さんはそのままでいてくださいね~? 団長さんのそういうところ、私は好きなので~♪」

 

「か、からかわないでくださいよ!」

 

顔を赤くしてうろたえるグランに、うふふ~と嬉しそうに笑うシェロカルテ。

シェロカルテはこのどこかあか抜けない純朴な青年を非常に好ましく思っていた。

 

そこまでイケメンという訳でもないが、親しみやすく人懐っこい表情や、時おり見せるハッとする程に精悍な顔つき。

最近は出会った頃よりも背が伸びて、鍛え抜かれて引き締まった身体からは、なんだかいつも甘いような、切なくなるような匂いを漂わせて、自分をふいにドキドキさせるのだ。

ピンチを助けられたことも数知れない。

その都度、彼の頼れる大きな背中を見つめては、あのときポート・プリーズ群島で彼に声を掛けて本当に良かったと思うのだった。

 

 

 

ぶっちゃけ、好きだった。

 

 

 

何度か思いの丈を告白しようかと思ったが、商売に人生のすべてを捧げてきた彼女には恋愛の仕方がわからなかったし、彼の回りにいるたくさんの魅力的に過ぎる女性達と自分を比べては、口をつぐんで一人ベッドを濡らすのだった。

 

ヒューマンから見れば子供にしか見えないハーヴィン族。

その中ですら自分は幼児体型だし、しかも決して可愛い顔ではない(とシェロは思っている)自分に告白されても、彼に迷惑を掛けるだけだろう。

それどころか、もしこの思いを打ち明けて振られでもしたら、今の心地よい関係が崩れてしまうかもしれない。

いや、優しいグランのことだ、きっと態度を変えず自分と接してくれるだろう。

しかし、自分には変わらず笑顔でいられる自信がなかった。

 

そう思って、今日も笑顔の下でため息をつくシェロちゃんであった。

 

なお、思春期真っ盛りな精神童貞グランくんにしてみれば、可愛くて愛嬌たっぷりなシェロは余裕でストライクゾーン内であったし、ハーヴィン族のぷにぷに妖精ボディもまた彼のちんぽを興奮させてやまない魅力の塊であったのだが、そんな事実は知るよしもない。

 

今も水着姿のシェロカルテの鎖骨から胸にかけてのラインにさりげなく視線を向けながら、痛いくらいに反り返った股間のグランくんがエーテルブラストをぶっぱしないよう、カリオストロに無理矢理押し付けられた人体製錬指南書の一説を脳内で必死に暗唱し続けているくらいである。

 

(ああ、シェロさんに、「仕方がないですね~、みんなには内緒ですよ~♪」ってイタズラっぽく上目使いで笑い掛けられながら、ちっちゃなお手てでヨダレ手コキしてほしいなぁ……。

つるぷにのハーヴィンおなかにアツアツの特濃ザーメンをたっぷりぶっかけて、「おやおや~、もう出しちゃったんですか~? 団長さんはハーヴィン族に興奮しちゃうロリコンさんなんですね~♪」ってからかわれながら、小さな両手ですくい取ったぷるぷるの精液をズズズッと下品な音をたてながらキレイにすすってほしいっ!

ああっ、ヤバい、集中集中、第六元素の隣接異相体を数えるんだ……)

 

シェロカルテには決して聞かせられないひどい妄想である。

 

今日も寝る前の修行は激しいものになりそうだ。

世の中には知らない方がいいことが多すぎる。

 

「ところでですね~……今日はグランさんに折り入って頼みがありまして~……」

 

当然、根が純なシェロカルテがそんなグランの荒ぶる妄想に気づけるハズもなく、今日グランだけをこのコテージに呼び出した本題に入る。

 

高級リゾートであるベネーラビーチに、三百名を越える彼の団員全員を無料で三日間も招待したのは、普段の感謝もあれど、これから持ちかける話のためというのが大きいのだ。

 

流石のシェロカルテといえども、オンシーズンに他の予約を押し退けてここのコテージを八十棟も押さえる費用は小さくない負担だったが、それも一重にこの後それを取り返せるだけの算段が立っているから出来たコトである。

これから切り出すことをもう一度頭のなかでシュミレートしながら、かわく唇をペロリとひとなめする。

 

(大丈夫、緊張しない、緊張しない……なんてことはないふうに持ちかけなくてはですよ~……)

 

「あっ、はい。なんでしょうか? 今回は大盤振る舞いして貰っちゃいましたし、シェロさんの頼みでしたらなんでも聞いちゃいますよ!」

 

(いま、なんでもって……うふふ~、いざ言うとなるとやっぱり緊張しますね~)

 

「では、遠慮なくお願いさせてもらいますね~♪ 実はですね~……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

団長さんの()()()()()を取らせていただきたいんです~。よろしいでしょうか~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一息に言い切るシェロカルテ。

 

「はいっ、それくらいなら、よろこんっ……えっ?」

 

「あ、ありがとうございます~! では、さっそく奥の個室で――」

 

「ま、ま、ま、待ってください! すみません、ちょっとよく聞こえなくて……ええと、お、俺の何を取るって……」

 

(いったい何を言い出すんだこのヒト!?

き、聞き間違いだよな?)

 

グランは混乱していた。

当然だ、無理もない。

確かに、二人っきりでお願いと言われ、エッチなお願いだったらいいなぁ、と帝都の男子中学生並みのことを考えないでもなかったグランであったが、流石にここまでのことは予想外だ。

 

「ですから、ナニの型をですね~?」

 

「え? ちょ、え? ナニってそれ、えっと」

 

「男性器……お、()()()()()のことですよ~♪」

 

……どうやら聞き間違いではないらしい。

 

あまりの衝撃に二の句がつげないグラン。

どうやら頭が沸いていたのはグランだけではなかったらしい。

彼女もグランのことを思い詰めるあまり、思考のタガが外れてしまったのだろうか?

 

シェロはシェロで、この状況にかなり焦っていた。

早まったかもしれない、しかし今さら冗談ともいえない。

というか、冗談で言うようなことではない。

 

シェロカルテの考えはこうだった。

 

 

 

グランの妹にして彼の騎空団の副団長ジータが言うには、グランのお、おちんちんはそれはもう立派ですんごい逸物らしいのだ。

お空で他に並ぶモノがない程で、たくさんの女性をちんぽだけで虜にしてきたらしい。

ある依頼の打ち上げで酒盛りをした際、誤ってべらぼうに度数の高いカクテルをイッキ飲みしてしまい、ベロベロになったジータからフイにそんな大暴露を聞かされ、グランがやっぱり童貞じゃなかったことにちょっぴり悲しい気分になりながらも、シェロカルテはある事を思いつく。

 

あんな美人な団員に囲まれて女性には不自由していなさそうなグランは、やっぱり自分には見向きもしてくれないだろう。

しかし、それだけ経験豊富ならば、ちょっとくらいエロいことならば抵抗感なく受け入れてくれるかもしれないじゃないか。

そうだ、彼のちんぽの型を取らせてもらって、ディルドを作るのはどうだろうか?

 

……この時点で、シェロカルテの頭はだいぶ良いかんじにゆだってしまっているのだが、不幸にも、ワンマン経営な彼女の周りには彼女の暴走を止められるものが一人もいなかったのだ。

 

ネジが二本も三本も外れた思いつきは、これ以上ない良い考えとして恋するシェロカルテの脳内でどんどん煮詰まっていく。

 

グランはいまやファータグランデ中の女の子の憧れだ。

そのなかには、自分と同じく、自信が持てなくて彼に声すら掛けられない人々が大勢いることだろう。

そんな彼女達に、グランの実物大グランくんを見せたらどうなるだろうか?

これは、毎晩届かぬ思いにパンツとお布団を濡らす同志達にとって、正に砂漠にふる雨がごとく、天からの救い足り得るのではないだろうか?

 

その潜在的需要はバク大であるはずだ。

なんせ全人口の半分、その内未婚者(と一部既婚者)の大半がターゲットである。

 

 

 

売れる。

間違いなく売れる!

 

 

 

しかも自分も楽しめる。

 

それどころか、てずから型を取らせてもらえれば、グランのおちんちんに触れるコトすらかなうかもしれない。

 

いや、型を取るならば、勃起させなくてはならない。

ひょっとしたら、本番は無理でも、手コキとか、ふぇ、ふぇ……ちょっと舐めたり咥えてみたりなんかもできるかもしれない!

 

 

 

全女性に感謝され、大儲けもできて、自分も楽しめる上、憧れのグランとエッチなことができる!

 

 

 

シェロカルテは自分の天才的なひらめきに身震いを抑えられなかった。

恋はヒトを底抜けの馬鹿にするのだ。

 

そして最高の思いつきを実行に移すべく、即日のうちにグランに連絡をとり、今回の会談を取り付けたのであった。

 

 

 

……そして今、あっけに取られたようなグランの顔を見て、シェロカルテは急速に冷えていく頭でようやく正気を取り戻しつつあった。

 

 

 

笑顔のまま、どんどん顔色が悪くなってゆくシェロカルテ。

 

だらだらと汗が流れる。

 

なんだよおちんぽの型を取らせてくださいって。

 

アホか。

 

アホなのか。

 

ええ、良いですよ、アハハっ……てなるわけないだろうがなに考えてたんだ過去の自分殺したいわ死んだ方がいいんじゃないかいや死ねああバカだやってしまった終わった終わったよ私の人生今までのすべてなにもかもこうなったらもうヤケだこのまま彼を閉じ込めて最後に処女だけ卒業させてもらって死――

 

「わ、わかりました……い、いいですよ」

 

いよいよ目のハイライトが消えかけて、捨て身の凶行すら頭に浮かんでいたシェロカルテは、耳に飛び込んできたその言葉に、へっ? と間抜けな声を漏らして思わずグランの顔を見上げた。

 

「あー、えっと、なんでもするって言っちゃいましたし……その、奥の部屋、ですよね?」

 

目をそらしながら、淡々とそれだけ言って立ち上がるグラン。

あわてて、シェロカルテも椅子から飛び降りてよろめきながら立ち上がる。

 

「は、はい~、こちらです~♪」

 

――と、通った。

こんなトンでもな提案が通ってしまった!

 

グランを案内しながら、シェロカルテは自分の顔がだらしなくにやけるのを止められなかった。

心臓は早鐘のように打っている。

 

やっぱり自分の思いつきは間違っていなかった!

ありがとう、過去の自分!

愛してる!

心のなかで華麗に手のひらを返しながら、弾む足取りで先導してゆく。

 

 

 

一方のグランも、降ってわいた謎の大チャンスにドキドキを抑えられずにいた。

 

 

 

(まさかシェロさんの方からこんなエッチな誘いをしてくれるなんて!)

 

今までも、他の団員や依頼主との間で、あとちょっと押せばイけんじゃね? という瞬間は何度かあった。

しかし、そのたびに持ち前の奥手さが悪く出て、あと一歩が踏み出せずにここまで童貞(違うのにね)のまま来てしまっている。

 

(ツいてる! 最高にツいてるっ!)

 

それが、この突然の幸運である。

しかもあの普段何考えてるかイマイチつかめないシェロさんからである。

自分なんかのチンコの型をとっていったい何をするつもりかカイモク見当がつかないが、シェロさんのことだし何か事情があるんだろうが……

 

知ったこっちゃあなかった。

乗るしかない、このビックウェーブに!

 

しかし、がっつく訳にはいかない。

 

シェロさんもこんなこと本当はイヤだろうに、つとめて事務的にエロいお願いをしてくれたのだ。

他ならぬ、自分に!

こんな事を頼むくらいだ、ひょっとしなくても自分は男として意識されていないのだろうが、それでもこれが興奮するシチュエーションなのに間違いはない。

 

(憧れの合法ロリお姉さんに事務的にちんぽの型を取られちゃう……最高かよ)

 

グランは想像しただけで射精しそうになった。

最低である。

しかしここでスケベ丸出しで襲いかかったらきっと引かれる。

そして通報される。

 

騎空団は解散、団員には見放され、妹やルリアには絶交され、一生檻から出られずレイプ魔として蔑まれながら先輩囚人達にケツを掘られて死ぬのだ。

それは避けなければならない。

 

絶対に。

 

二人はそれぞれ絶妙にすれ違いつつ、心の中ではスキップでもしたいような気分になりながら、つとめて冷静を装い奥の個室に入ってゆくのだった。

 

 

 

 



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シェロ、ねぶりたおす。

ベネーラビーチの最高級コテージの一室。

ムーディーでいてどこかエロチックな間接照明がほの暗い部屋を浮かびあげ、壁際のワインセラーがキラキラと光を反射させている。

複雑で甘い香りのアロマが焚かれ、有名な騎空楽団のレコードが幻想的な雰囲気を演出している。

 

間違いなく最高級の部屋だ。

 

シェロカルテは本気だった。

なんせ、あわよくば一発キめる腹積もりだったのだ。

気合い入りまくりである。

……露骨すぎて引かれるレベルだ。

 

「で、では、そこに腰かけて楽にしていてくださいね~♪」

 

シェロカルテに促されるまま、キングサイズの丸い天蓋付きベッドにおっかなびっくり腰かけるグラン。

何故か枕はハート型だ。

予想外の空気に、本質的には童貞のグランは腰が引け気味だった。

 

(え、これってそういうコトなんすか? マジで? 違うよね?)

 

テンパり過ぎて無表情になってしまっているグランに、流石に露骨過ぎたかと内心焦るシェロカルテ。

彼女もまたかなり処女をこじらせているようだった。

 

ちょっと早足になりながら、部屋のすみに置いておいた型取り用の道具を引っ張ってくる。

 

「え~……では、さっそく型を取りたいので~……ふふ、服を脱いでもらって良いでしょうか~?」

 

若干キョドりながら、少し早口に言うシェロカルテ。

頬は真っ赤に上気して、気まずげに内腿を擦り合わせている。

 

しかしグランはグランで大いにテンパっているので、そんなシェロカルテの照れにも気づかないようだ。

 

「はっ、はい!」

 

おもむろにズボンに手を掛け、

 

「……ええと、その、下だけで良いでしょうか?」

 

「えっ?」

 

「えっ?」

 

思わず聞き返すシェロカルテ。

もちろん下だけで……と言いかけて、即座にこれはチャンスじゃないかと思い直す。

 

「は、はい~! その、か、型を取る時に汚れてしまうので、上も脱いで欲しっ……脱いで下さい~」

 

「は、はい」

 

ズボンに掛けていた手を外し、いそいそと上着のボタンを外し始めるグラン。

息を飲んで見守るシェロカルテ。

 

そしてあらわになった彼の上半身に、思わず、ほぅ……とため息を吐く。

 

鍛え抜かれ、引き締まった鋼の様な肉体に、何本も走る傷痕。

盛り上がった大胸筋や、バキバキに割れた腹筋。

そして、服を脱いだ瞬間にふわりと漂ってくる、汗と、何か甘い匂い。

 

シェロカルテはお腹の下がキュンキュンするような気がして、ごくりと生唾を飲み込んだ。

水着などで身体自体は見慣れていたのだが、こうしてエロいことするためだけにあつらえたような部屋のベッドの上で、自分の命令で服を脱がせているという状況に、彼女は鼻血が出そうな気分だった。

 

「で、では、失礼しますっ!」

 

そしていよいよ下を脱ぎ始めるグラン。

その下半身に、穴が開くような目線を向ける。

荒くなる鼻息。

 

(冷静に~冷静に~……あ、あとちょっとで見えっ♡ ――――え?)

 

「い、いきますね……」

 

とうとう残すはパンツ一枚になったグランが、最後の砦に手を掛けるが、シェロカルテはそれどころじゃなかった。

 

(えっ? アレ、え? え?)

 

引き締まった身体にピタッとフィットしたボクサーパンツ一枚になったグラン。

その股間から太腿にかけて、大蛇のような膨らみがもっこりと――

 

(え、う、嘘ですよね~まさか、アレがアレってことは……)

 

「っ!」

 

「……っ♡」

 

ボロンっという音が聞こえたような気がした。

 

一息にふくらはぎまで下ろされたパンツ。

ベッドの端に腰掛け、開いた両腿のあいだにまろびでたソレは、その強烈な迫力をもってシェロカルテの脳髄にガツンと電流を走らせた。

 

「――おっきい……♡」

 

ソレは、あまりにも巨大なちんぽだった。

 

力なくだらりと垂れ下がった状態で、自分の腕よりゆうに太く、長い

髪色と同色の、やや薄目の縮れた陰毛がしげる鼠径部から、黒々とした太い幹が生え、グロテスクな太い血管が根本からカリ首までを覆う包皮に幾筋も走っている。

ちらりと覗く亀頭の先は、赤黒くつやつやとしていた。

 

むわり、と漂ってくる濃厚なフェロモンとイヤらしい臭いに、トロリ、と自分の内腿を雫が垂れるのを感じる。

 

シェロカルテは、正気を失いつつある瞳にぐるぐると渦を巻きながら、ぐちゃぐちゃになりそうな頭の中で高速で思考していた。

 

(こ、こんなに大きいなんて聞いてないですよジータさん~! ヒューマンのおちんちんは他種族より大き目とは聞いてましたし、本で予習もしてましたけど、コレは流石に予想外すぎて……と言うか、なんなんでしょうかこの臭いは~! 臭いハズなのに、なんだかずっと嗅いでいたいような、凄くイヤらしい臭いが……もっと近くでみたい……触ってみたいです……舐めたらどんな味が……いやいや、私は型を取るだけ、型を取るだけですよ~! グランさんに変態だなんて思われたら私ぃ~……♡)

 

荒い息をつきながら、真っ赤な顔でグランのちんぽを見つめて動かないシェロカルテ。

 

一方グランのほうもまた、緊張でどうにかなりそうになっていた。

 

(ど、どうしよう、脱いじゃったよ……っていうか、シェロさん固まっちゃってるし……やっぱり俺のってでかすぎて気持ち悪いのかなぁ? ラカムやオイゲンもデカすぎると嫌われる、お前のは異常だって凄い言ってたし……うっかり着替えを見られたスーテラとかフォルテとか、なんかよそよそしくなっちゃってたし……っていうか、よく考えたら今日まだ身体も洗ってないし、俺って臭いんじゃないか? ああ、くそっ、断っとけば良かったかなぁ……嫌われたかなぁ……)

 

所詮、精神は童貞なグランである。 

過度の緊張で、部屋に入るまでは猛り狂っていたちんぽは、しおしおと垂れ下がってしまっている。

それでなおシェロカルテを混乱させるサイズなのだが。

 

先に復活したのはシェロカルテの方だった。

真っ赤な顔はそのままに、なんとかある程度の冷静さを取り戻した彼女は、コホンと咳払いをしてグランに笑い掛けた。

 

「いや~、ビックリしちゃいました~♡ 流石はグランさん、とても立派なモノをお持ちなんですね~♡ これは型の取りがいがありそうです~♡」

 

そう言って、グランのちんぽにピンクに濁った目をチラチラと向けるシェロカルテ。

口の端からヨダレがこぼれそうになっていることにも気づいていないようだ。

 

グランは、どうやら自分のちんぽには問題がなかったということにほっと胸を撫で下ろした。

そして遅れて、そのちんぽを誉められたことにムクムクと嬉しさが込み上げてきた。

 

(よ、良かった! シェロさんに誉めて貰えた……嬉しい!)

 

シェロカルテは、ムクリ、と首をもたげ始めたちんぽに視線を釘付けにしながらも、うわ言にように口を動かす。

 

「でで、では~……か、型を取るために、お、おちんちんを大きくして下さい~♡」

 

「えっ!?」

 

「あ、すみません、突然言っても無理ですよね~! では、シェロちゃんがお手伝いしますので、じっとしていて下さいね~♡」

 

「え? え!?」

 

グランの足に引っ掛かっていたパンツをむしり取るように剥ぎ取って放り投げると、フラフラと吸い寄せられるように股の間に入ってゆく。

そして、グランが止めるまもなく、シェロカルテはその小さくぷにぷにとした両手でグランのちんぽに触れる。

 

「はうっ!?」

 

とたんに、更にムクムクと鎌首をもたげるリトルグラン。

手の中でドクドクと脈動しながら膨らんでいくちんぽに、シェロカルテは恍惚とした表情を浮かべる。

 

(うわぁ……熱い……それに思ってたより柔らかいのが、どんどん固くなって……まだ大きくなるんですか~……♡ それに、この臭い♡ あ、頭が痺れちゃいますよ~♡)

 

小さいシェロカルテが立ち上がった状態で、ベッドに腰掛けたグランの勃起したおちんぽが丁度鼻先に来ている。

ぐいっと皮を下ろすと、ムワッ、と更に濃い臭いが鼻先をかすめる。

あらわになった赤黒い亀頭ははち切れんばかりに膨らんで先走り汁をにじませ、鈴口をくぱくぱとさせている。

大きく張り出したカリの下の窪みには、一日分の恥垢が白くこびりついていた。

 

自然と、くっつかんばかりに鼻を近づけて大きく息を吸い込むシェロカルテ。

むせかえるようなオス臭さに、目元がとろけ、子宮の辺りがカーっと熱くなる。

ぷしゃっ、ぷしゃっ、と股から熱いものがほとばしって水着のクロッチを濡らす。

 

旅の最初期からなにかと気を掛けてくれていた小さいぷにロリお姉さんが、身長の三分の一はあるちんぽを真っ赤な顔でうっとりと見つめながら、両手でにぎにぎしつつ臭いを嗅いでヨダレを垂らしている。

そんなあまりにも淫靡な光景は、童貞なグランには刺激が強すぎた。

 

型を取るって、勃起した後のことだったのかとか、

 

初めて女の人にちんぽ触って貰っちゃったとか、

 

シェロさんの様子がなんかおかしいとか、そんな色々ごちゃごちゃした考えが吹っ飛ぶくらい――――

 

「―――エッッッッロっ!」

 

ドビュルルルルッ! ドビュッ! ビュルルッ! ブビュッ! ブビュルルゥルルルルッッ!!!

 

グランは、いまだかつてない勢いで射精した。

 

「ふぶっっ!!?」

 

たまらないのはシェロカルテだ。

いつしか鼻を鈴口に擦り付けるようにしながら夢中になって臭いを嗅いでいるところにこの爆発である。

勢いよくほとばしったザーメンが運悪く鼻の穴に命中し、怒濤の勢いで流れ込んでくる。

しかも、射精の瞬間グランが無意識にシェロカルテの頭を押さえ込み逃げられないようにしてしまったので、シェロカルテは顔をそらすこともできず、濁流のように流れ込んでくる熱くプリプリの精液を全て鼻の穴で受け止めることになった。

 

「ごぽぽっ!!? ごぼっ!! がぼぼぼぼっぶぼっっ!!!?」

 

シェロカルテは生まれて初めて受止めた生臭いザーメンで溺れ死にそうになりながら、興奮と酸欠で朦朧とする頭をショートさせていた。

 

(すっ、スゴい♡ スゴい♡ 頭が焼き切れそうです~♡ スゴい臭……ツンとして、生臭くて、どろどろで、エッチ過ぎますよぉ~♡♡ 吐いちゃいそうなのに、勿体なくて吐き出せないです~♡ 粘りけがスゴすぎて、全然飲み込めない……このままじゃ溺れ死んじゃいます~♡♡ グランさんのおちんぽに殺されちゃいますよぉ~っ♡♡♡ のっ、飲み込まないとっ♡ んぐっ♡ んぐっ♡ んぐっ♡)

 

何秒か、何十秒か、はたまた何分もの時間が過ぎただろうか。

最後にビュルルッと、だいぶ勢いの落ちたザーメンをほとばしらせて、長い長い射精が終わった。

 

「~~~~っ………ふぅぅ~……えがったぁ………」

 

グランは、溜まっていた毒を全部吐き出したような、腰が抜けるような気持ちよさに全身を震わせて、風呂上がりのおっさんの様な声を漏らした。

 

出した。

久しぶりに出せた。

 

旅の途中、どうにも我慢できなくなるたびに何度も自分でいたそうとするものの、団員が多いせいかその都度偶然誰かに出会ったり、部屋を襲撃されたり、長々と話し込まれたりしてチャンスがなく、ここしばらく処理できていなかったのだ。

もちろん、それは偶然でもなんでもなく、ルリアの能力を使ってグランの射精するザーメンは全て、ジータやルリア、事情を知る一部団員に分配されるようにしているだけなのだが、当然そんなことは知るよしもないグランは、人生一番の満足感に包まれながらニコニコ顔で目線を下に下ろし、ようやく目の前の大惨事に気づいた。

 

少しだけ小さくなったちんぽを両手ではさみ、真っ赤な顔に虚ろな目で両頬を膨らませ、ムグムグと口を動かしているぷにロリハーヴィン。

プリプリのザーメンを少しずつ飲み込むたびに、小さなのどがコクリ、コクリと動いて、無駄撃ちされた精液が胃袋に流し込まれているのがわかる。

受け止めきれずにあふれた黄みがかった白濁ザーメンで顔はべたべた、さらに首からまっ平らな胸元を通り、ぽっこりと膨らんだ腹の方まで垂れて、精液の染み込んだ水着が湿って変色してしまっている。

最後に残った精液を、味わうように長々とソシャクして、ゴクリ、と大きな音を立てて飲み込むシェロカルテ。

 

そして今度は片手をグランのちんぽから離して、顔や身体に掛かった精液を丁寧に掬い取り始める。

 

そしてそれを、

 

「ズズズッ♡ ズジュルジュルッ♡ ズルルルルゥッッズルッ♡♡」

 

なんのためらいもなくすすり取っていく。

 

ゴクリ、と、グランは喉を鳴らしてそれを見つめる。

ムクムクと再び膨れ上がるリトルグラン。

 

(こ、これがあのシェロさんかよ……エロすぎないか……?)

 

グランに見つめられていることに気づいたのか、ピンクに濁った目でグランを見上げると、ボーっとグランの瞳を見つめた。

 

そしてしばらく。

徐々に正気の色を取り戻していく瞳。

同時に、真っ赤だった顔がどんどん白くなり、今度はもとの色を通り越して真っ青になってゆく。

 

(や、やってしまった!!!)

 

シェロカルテは激しく動揺していた。

右手についたザーメンの残りをペロペロしながら、自分のしでかしたことを思い返して泣きそうになる。

 

グランにはこちらで用意したエロ本(ハーヴィンのお姉さん物多め)で少しエッチな気分になって貰って、あわよくばほんのちょっとだけ手で手伝ったりさせてもらい、勃起した時点で素早く型を取る……というのが当初の予定だった。

 

それがどうだろうか。

実際にはグランのグランが予想を越えた天星器だったからといって、臭いとフェロモンに正気を失い、嫌がるグランのグランを両手でしごいて、下品に鼻を擦り付けて臭いをかぎ倒すのみならず、無理矢理射精までさせて黄金より貴重な精子を下品にすすり取ってしまった。

 

終わった。

終わってしまった。

 

彼の団には秩序の騎空団の団員まで籍を置いているのだ。

自分は間違いなく、みんなの尊敬する団長をヒレツなウソで騙しレイプした性犯罪者として捕らえられ、早晩処刑されるだろう。

自分はただ……ただ憧れのグランのちんぽの型を取りたかっただけなのに!

 

シェロカルテは愚かな自分が許せなかった。

 

例え殺されても……いや、殺されるのはイヤだが、それ以上にグランに軽蔑されるのは耐えられない。

手についたザーメンをきれいになめ取り、小さくけぷっ、とカルキ臭いげっぷをしながら、シェロカルテは目尻にジワっと涙を浮かべた。

正気に戻ったように見えてまだちょっとおかしいなこのエロハーヴィン。

 

「すすっ、すみませんっ!! 俺、お、女の人に触られるの初めてでっ!!」

 

そんなシェロカルテの耳に飛び込んでくる、グランの焦った声。

全く怒りの込もっていないその声に、シェロカルテはまじまじとグランを見つめ直した。

 

 

  

さて、グランは大いに焦っていた。

目の前で自分の精液を丹念になめ取っていたシェロさんが、突然顔色を悪くして、悲しそうに涙を流し始めたのだ。

 

コトここに到ってグランは、自分がしでかした凶行に背筋が凍る思いだった。

 

よくよく考えれば、シェロさんは自分のちんぽの型を取るために、情けなくへたった息子を手でしごいて立たせてくれていた()()だった。

それを自分は興奮しすぎて、シェロさんが自分のちんぽに夢中になっていると思い込んで盛大に暴発してしまい、あろうことかシェロさんの頭を押さえ込んでザーメンを全てシェロさんに流し込んでしまった。

 

シェロさんの顔が赤かったのは、間近でちんぽを見せつけられて照れていたのと、息ができずに苦しかったからだろうし、なめ取っていたのもここに拭くものがなく仕方なかったからだろう。

その証拠に、シェロさんは自分の精液をなめ取りながら、嫌そうに涙まで流しているではないか。

 

どう考えても荒だらけのお粗末な考えだったが、久しぶりに大量に射精して頭がお花畑になっているグランには、思いついたその考えが真実に思えて仕方なかった。

だいたい、シェロさんのような素敵な大人の女性が童貞な自分のちんぽにメロメロになって、夢中になってザーメンを吸い取ろうとしてくるなんて漫画みたいな話がある訳なかった。

 

グランは自分のどこまでも浅はかな童貞的思考に絶望した。

自分のスケベさのせいで、シェロさんにひどく不快な思いをさせてしまったのではないか?

 

そう思い、慌ててシェロさんに謝罪の言葉を口にしたのだが……シェロさんは、怒るでもなく、失望するでもなく、キョトンと自分の顔を見上げてくる。

 

(あれ? ……お、怒って、ない……?)

 

 

 

シェロカルテはこの空気に困惑していた。

 

(グランさん、怒ってないみたいですね~……というか、申し訳なさそうにしてますね~……ひょっとして、射精してしまったのが恥ずかしかったのでしょうか?)

 

続けて、一つの予想が浮かび上がる。

 

(ひょっとして……グランさんは、わ、私の事がすすす、好きなんでしょうか~?)

 

その考えは、精液で酔っぱらってかなりおかしくなっているシェロカルテの頭に、天啓のような光を射した。

 

(だいたい、こんなひどい事をされて怒らないのがおかしいです。それに、色んな団員さんたちを取っ替え引っ替えしてる百戦錬磨のグランさんが、処女の私のお粗末な刺激であっさり精液をびゅーびゅーしちゃうのもおかしいです~! ですがそれも、グランさんが実は私のことを好きだったからと考えると説明がつきますね~!)

 

シェロカルテは、鼻腔内にこびりついたザーメンの生臭い臭いに頭をしびれさせながら、自身の名推理に小さな胸の高鳴りを抑えられなかった。

 

(グランさんとの付き合いの長さは、どの団員さんよりも長いくらいですし、思い返せば、今までも何度か助けて貰ったとき、良い雰囲気になっていたこともあったような~……)

 

鼻の穴をすぴすぴさせるシェロカルテ。

 

方やグランはグランで、自分を見つめて黙り込むシェロに困惑している。

 

「あ、あの……シェロさん……?」

 

(そうです! そう考えれば色々つじつまがあうじゃないですか~! 今日二人きりで会ってくれたのも、おちんぽの型取りなんて馬鹿げたコト(そうだね)に協力してくれたのも、私に触られてすぐにイッちゃったのも、それが恥ずかしくてオロオロしてるのも、全部、シェロちゃんのことが好きだからだったんですね~♪)

 

シェロカルテがイカれた頭で考えたその予想は、驚くべきことに、大筋で正解している。

……ただ、シェロのことも好きだが、グランは可愛い子なら全員好きだ。

そして誰に触られてもあっけなくイッていたコトだろう。

童貞だもの。

最低である。

 

シェロカルテは、確信をもってグランの瞳を妖しい目でのぞき込むと、半勃ち状態のリトルグランに両手をそえて、ゆっくり上下に動かした。

 

「うっ♡ ……しぇ、シェロさん、なにを」

 

更に上下に動かす。

 

グチュッ♡ グチッ♡ グチュッ♡

 

「アッ♡ やめっ……シェロさんっ!?」

 

両手の中で、完全に元気を取り戻したグランちんぽに、シェロカルテは自分の予想が正しかったことに歓喜した。

 

まさか!

あの!

グランが!

 

ずっと憧れていたグランが、自分にゾッコンだったなんてっ!

思わずペロリ、としたなめずりをする。

 

(そうですよね~、私に好きだって告白するのは勇気が要りますよね~♪ ヒューマンのグランさんから見れば、私は子供にしか見えないでしょうし、ハーヴィンを恋人にする他種族はロリコン扱いされがちですからね~。

まあ、私はハーヴィンの中でもかなりデキる女ですし、グランさんから見れば、身近で包容力のある、頼れるお姉さんに見えてしまったのかもしれませんね~♪

私に思いを打ち明けられず、他の女の子に初めてを取られちゃったのは悔しいですが……まあ、男の子はその辺り、仕方ないですよね~。それに、弱みにつけ込んだ団員さんたちでも、グランさんの秘めた想いは変えられなかったみたいですし~♪)

 

そう思うと、自分の小さな手の中でピクピクと震え、あっあっと小さく声をあげるグランがいっそういとおしくなってくる。

このまま勢いにのって自分の初めても捧げてしまいたい!

 

しかしシェロカルテは心の中で首を横に振った。

 

いや、駄目だ。

グランは、自分の余裕あるお姉さんなところに恋をしたのだ。

なし崩しで暴発させてしまったが、今回はおちんぽの型を取るだけの話だったハズ。

ここでこちらからがっついて、自分が余裕のない処女なことがばれたら、幻滅させてしまうかもしれない。

そもそも、グランが自分に恋をしていると分かった以上、なにも焦る必要はないではないか。

 

シェロカルテは無意識に両手をシコシコと上下させグランを無意味にモンゼツさせながら、自身の素晴らしい空想に没頭した。

 

そうだ、どうせならこんななし崩しでなく、ちゃんとグランに告白して貰ってから行為に及びたいではないか。

シャイな彼がちゃんと勇気を出せるように、ちょっとずつ会う機会を増やして、少しずつ仲を深めていって、お姉さんらしく背中を押してあげて、彼に告白という花を持たせるのだ。

そうだ、それしかない!

 

シェロカルテの脳内に、リンドンリンドーンとゼエン教の教会の鐘の音が響き渡った。

 

(まあ、それはそれとして~……)

 

幸せすぎる想像を中断して、グランの顔に焦点を合わせる。

先程からゆるゆるとしごかれ、恍惚とした顔で射精をこらえるグランの可愛らしい顔が目に入った。

 

(私のことが大好きなグランさんに、シェロちゃんからもちょっとだけサービスしてあげましょうかね~♡)

 

「グランさん、駄目じゃないですか~♡ 大きくするだけのつもりだったのに精液をだらしなく漏らしてしまって~……汚れていたら型が取れないので、シェロちゃんが今からきれいにしてあげますね~♡♡♡」

 

そう言うと、ザーメンでベトベトになった自分の顔より大きいちんぽに舌を這わせ、丁寧にねっとりと汚れを舐めとり始めた。

 

響き渡るグランの甘い悲鳴は高級コテージの防音壁に染み込んで、長い夜はただひたすらに更けていった。

 

 

 

 

 

「シェロさんっ! 三日間、どうもありがとうございましたっ!」

 

「美味しいものもい~~っぱい食べれて、みんなとたくさん遊べて、すっごく楽しかったです!」

 

「ありがとよっ!」

 

「いえいえ~、皆さんが喜んでくれたのなら、ご招待したかいがありました~♪」

 

この三日間の休暇に最高の環境を提供してくれたシェロカルテに、満面の笑みでお礼を言うジータとルリア。

と実はずっといたビィ。

 

シェロカルテは、楽しかった休暇を名残惜しそうにしながら騎空艇に次々乗り込む団員一人一人に礼を言われては、律儀に笑顔で返事をしていた。

最後にジータとルリアが乗り込んで、残すところは団長のグランだけだ。

 

「グランさんも、ごゆっくりしていただけましたか~?」

 

「あはは……いや、はい。本当に、その、ありがとうございました」

 

いたずらっぽく問いかけるシェロカルテに、目をそらして頭をかきながら返事を濁すグラン。

 

なにせあれから三日間、ほとんどゆったり過ごす暇がなかったのだ。

 

 

 

あの後、突然色っぽい目付きで見せつけるようにちんぽを舐めだしたシェロカルテ。

その舌使いは、初めてということもあってまったく上手なものではなかったのだが、本当に愛している相手に尽くしているかのように情熱的で、舌の上にザーメンと恥垢を乗せてねっとりと味わうように咀嚼する様を何度も見せられたグランは、我慢のかいもなく二度目の射精。

 

そして今度は二度も無断でお漏らしした事を優しく責められ、これでは型取りどころではないのである程度搾ってからにする、出そうになったら言うようにと言われ、亀頭を口一杯に頬張られたまま竿を激しくしごかれて三回目。

背面座位の形で太腿にちんぽを挟まれ、ヨダレを垂らした亀頭をコスられまくって四度目。

最後にノーハンドでちんぽ全体と玉の裏側まで舐め回され、更に喉まで使ってちんぽの中ほどまでを口にねじ込んで胃袋に直接五発目を撃ち込んでから、ようやく型が取れるくらいに落ち着いたリトルグラン。

 

型取り自体は速乾スライムであっという間に終わり、帰る前に身体を洗ってあげると持ちかけられて何故か一緒にシャワーに入り、シェロカルテ自身の身体を使って念入りに股間を洗われている間に、こすりつけられたつるぺたぷっくり乳首に一発を暴発させ、帰り際にドアの前でちんぽを甘勃起させているのを見つかり、責任を取ると言って柔らかいままのぺニスから最後の一発を吸い取られる。

 

僅かな時間で七発もの射精と、一生分のザーメンを撃ち果たしたような気分になったグランは、思い出してはまた勃起しそうになる自身の性欲の際限なさに自分でもあきれながらあてがわれたコテージに帰り、遅かったグランに詳しく話を聞こうとするジータとルリアを適当にあしらいながら夕飯を食べ、その日は珍しく修練をせずに早めに床についたのだった。

 

しかし翌日目覚めると、やはり前日の無理がたたったのか、いつも以上に腰が重い。

そして、あれだけスッキリさせたハズなのに、もういつものムラムラが復活している。

いや、むしろ以前以上と言っても良かった。

思い出し射精しそうになって慌てて前屈みになったグランは、よっぽど休暇が楽しいのかやたらとツヤツヤした顔で呑気に眠りこけるジータとルリアを恨めしげに睨んだあと、その日一日はとにかくヒト気の無い場所で修練に明け暮れた。

 

そして夕方コテージに帰ると、呆れたことに折角の休暇を丸々寝て過ごしていたらしい二人が丁度目を覚ます所だった。

慌てて夕食を作り出す二人を置いて、なんとなくシェロカルテを探しに出てみるが、やっと捕まえた従業員が言うには、シェロカルテはアウギュステ市街の工房に出掛けて留守だとの事。

 

消沈してスゴスゴとコテージに帰り、モヤモヤを発散するべくいつも以上に夕飯を掻き込んでふて寝する。

夜、シェロカルテが自分の上で嬌声を上げながら自分のちんぽを小さなアソコで飲み込んで躍り狂っている夢を見た。

自分はそんなシェロカルテの中に、何度も何度も煮えたぎる欲望を吐き出すのだ――――。

 

朝起きて、自分が夢精していないことと、同室の二人が相変わらず寝こけているのを確認してため息を吐く。

この二人は休暇をずっと寝て過ごすつもりなのだろうか?

……良く見れば、二人の向こうには同じくツヤツヤした顔で気持ち良さそうに寝息を立てるユエルとソシエに、サーヤの姿が。

自分が眠った後に、女子会でもしていたのだろう。

 

コテージから出てすぐ、シェロカルテの使いを名乗る従業員に言伝てをもらい、喜び勇んでシェロカルテのコテージへ。

もしかしたら、一昨日の続きが! と期待に胸を膨らませながらドアを開けると、無事製品が作れそうなことと、今後新しく取り扱う商品や、グランに優先的に集めてほしい素材についてなどいたって事務的な話と雑談をいくつか交わした後、あっさりと、「では、残り半日ですが、ごゆっくりお過ごし下さいね~♪」とニコニコした顔で言われてしまった。

 

期待がハズレて捨てられた子犬のような顔ですごすごと退室しようと席を立ったところで、シェロカルテに股間が大きく膨らんでいる事を指摘され、「うふふふ~、しょうがないですね~♡ このままでは他の団員さんの目に毒ですし、私の責任でもありますからね~♡」と立て続けに三回搾り取られたのが今日昼前の事だ。

 

そして、なおも満足できない自分を押し留め、「これ以上出されたらお昼が食べられなくなっちゃいます~。それに、グランさんも我慢を覚えなきゃ駄目! ですよ~♡」と追い出されてしまい、やり場の無くなったムラムラを修練にぶつけて、出発直前まで自分を痛めつけていたのだった。

 

ビーチボールを抱えたオイゲンには、団長がそんなじゃ団員が気を使ってゆっくり休めないとやんわり苦言をこぼされてしまった。

 

確かに、思い返せば自分は初日に少し遊んだくらいで、残りは修行してるか、食べて寝るか、シェロのところにいるかだけだった。

 

……結局、シェロがどういうつもりで自分のちんぽの型を取ろうとしていたのかはわからなかったが、少なくとも今回のことで、自分がシェロに嫌われていないということはわかったと思う。

 

シェロカルテは、ファータグランデの酸いも甘いも知り尽くした大商人というだけあって、エロいことも経験豊富なようだった。

自分のような情けない童貞が相手でも、呆れながらも優しくリードしてくれて、自分のスケベさを受け止めてくれたのだ。

ひそかに憧れていたシェロカルテがイイ感じにビッチだったのは少なからずショックではあったが、特別好きでもない自分にあんなに良い経験をさせてくれたことは、一生の思い出になるだろうと思ったアホなグラン君であった。

  

 

 

「それでは、また何かご入り用でしたら、よろず屋シェロちゃんをどうかよろしくお願いしますね~」

 

「はい…………その、シェロさん……」

 

「はい~?」

 

シェロカルテは、思い詰めたような表情で、別れ際に自分の名前を呼んだグランの瞳を真っ直ぐに見つめ返した。

 

来るか?

もう来ちゃうのかっ!?

 

シェロカルテは胸が高鳴るのを感じて、ぎゅっと両手を固く握りしめた。

 

 

 

あの夜の後、『グラン告白させるぞ大戦略』と題したすこぶる頭の悪い作戦群を決行し始めたシェロカルテは、翌日には早速、その第一段として、『焦らして思いを募らせるぞ作戦』を実行した。

参考は、ファータグランデのイケテる女子の教科書、『月刊小悪魔アゲ↑アゲ↑』である。

 

シェロカルテ自身もグランと両思いということがわかり、少しでも長く一緒にいたいという思いもあった。

が、信頼する雑誌に曰く、『臆病な好きピに告白を決心させるには、好きピの恋心を更に大きく膨らませなければいけない』らしいのだ。

 

女シェロカルテ。

心を鬼にして、この休暇中はグランに会わないことを決心した。

 

そして、間違っても出会ってしまわないように、わざわざビーチから離れたほうの工房まで出向いて、前日に取ったばかりの型で早速ディルドの制作を指示した。

シェロカルテが信頼を寄せる工房主の女ドラフは、彼女の持ち込んだスライム型を最初何かの冗談かと疑ったものの、それがあの有名騎空団の団長グランの実物大グラン君の生型だと聞くと、目の色を変えて制作に取りかかった。

聞けばなんと実物を直接見て触って舐めて、手ずから取ってきた型だと言うではないか。

ドラフの工房主は、試作品の触感やディテールに細かい指示を付け足していくシェロカルテを羨望と畏怖の目で見つめた。

 

そして翌日、早くもグランに会いたい気持ちが抑えられなくなったシェロカルテ。

彼女の貧弱な決意はたったの一日しか持たなかった。

 

もう休暇も最終日だから!

ギリギリセーフだから! と色々アウトな思考で朝っぱらから人を使ってグランを呼びつけると、段階をいくつかすっ飛ばして作戦その二、大人の余裕でメロメロ作戦を実行した。

 

期待させるだけさせて、お預けして、しゅんとしたところにすかさずエサを垂らして、しかし満足する前に取り上げてしまう高等テクニックだ。

ちょっと我慢できずに三回もザーメンをゴクゴクしてしまったのはやり過ぎたかもしれないが、その後追い返されたグランの切なげな顔はそれだけでしばらくオカズに困らなくなりそうな極上のモノだった。

 

実際、作戦は功をそうして、今まさにグランが告白の言葉を――――

 

 

 

「その…………ホントにありがとうございましたっ!!」

 

そう言って、ばっと勢い良く振り返ってタラップを駆け上がるグラン。

どうやらまだ彼ピには勇気が足りないらしい。

 

シェロカルテは残念半分、どこかホッとした思いも半分に、ちゃんとグランをリードしてあげなきゃと決意を新たにした。

 

そして、今日の夜には届けられるハズのマイリトルグラン君の試作品に思いを馳せながら、笑顔で手を振り、飛び立つ騎空船団を見送ったのだった。

 

 

  



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ククル、バレる。

グラン君は旅に出てから何年か成長しています。

女の子は何年経っても設定年齢のままです。
設定年齢のままです(威圧)。


 

騎空艇グランサイファー……を先頭に、雲を割り開いて悠々と蒼穹を駆る騎空船団。

 

今ファータグランデで最もアツい、もし騎空士になったら入ってみたい騎空団の堂々第一位、あの有名なムッツリグラン(ムッツリなのはあまり知られていない)の率いる騎空団は、先程小休止として立ち寄った小さな島での荷揚げ荷下ろしを済ませて、残り一週間ほどの航路に戻ったところであった。

 

その船団のうち、ひときわ目を引く最も大きい一隻。

主に休暇を過ごす団員が多く搭乗する、居住用特Ⅱ型大型騎空艇、その船内の広い廊下に一つ、何かを隠すようにこそこそと視線を泳がせながら、早足で歩く影があった。

 

その人影は、マントに隠すように小脇に挟んだ小包を抱え直し、金槌と樽とライフルを組み合わせた意匠の掛札が掛けられた部屋の前で立ち止まると、一度キョロキョロと、頭の両側でくくられた銀髪を揺らして周囲に人影が無いことを確認してから、細く開けたドアの隙間からするりと室内に滑り込んだ。

 

 

 

「ふい~……焦ったぁー」

 

背中でドアを閉め、その場にずるずるとへたり込むように座った一人の少女。

右手で額の冷や汗をぬぐい、左手に細長い小包を抱えて、安心したように赤い頬をほころばせるその少女は、銃工房三姉妹が一人、次女の銃設計士、ククル姉ちゃんにまっかせてーっ! の、ククル(18)であった。

18才だ。

18才である。

 

「アンナはまだ分かるけどさー、まさかリーシャさんまでとはねー……」

 

そう言いながら、大事に運んできた小包を目の前に持ってくる。

なんの変哲もない土色の包装紙に、丁寧に貼り付けられた受け取り伝票の、『騎空艇パーツ』との文字。

それを見つめながら、ククルはなにかイケないことをしているみたいなドキドキした気分になって、頬が熱くなるのを感じた。

 

さて、この細長い小包、もちろん中身は騎空艇の部品などではない。

 

そもそも、騎空艇整備士でもなんでもないククルのような身綺麗な少女が、自分名義でこんな小さな騎空艇のパーツを注文している時点で中身はお察しというものである。

当然、そんな初歩的な偽装工作などとうの昔に見飽きている集積所のおじさんは、ククルに小包を手渡してサインを貰いつつも、訳知り顔で生暖かい視線を送っていたのだが、幸か不幸か純粋なククルはそれに気づくこともなく、緊張と興奮で頬を染めながら停留しているお艇までとっとこ走っていった。

 

偽装はカンペキ(笑)であるし、万に一つも呼び止められるコトはないだろうとは思ったククルだったが、なんとなく、男性団員には絶対会わないようにしようとかなり警戒して回り道を繰り返した。

その途中何度か同じ『騎空艇パーツ』の小包を抱えた団員とすれ違い、挙動不審になる相手に自分自身もバツが悪い思いをしながら無言の会釈を交わしつつやっと自室にたどり着いたのであった。

 

へたり込んだままブーツを脱ぎ捨て、行儀悪くズリズリと這うように三つ並んだベッドの真ん中、自分のベッドに這い上がる。

 

いざ小包を前にすると、ククルは喉がカラカラに渇き、自然と背筋が伸びた。

足は、何故か正座である。

 

(大丈夫大丈夫、深呼吸ぅー、深呼吸……シルヴァ姉はエンゼラで見張りの当直、クム坊は掃除当番であと二時間は帰ってこないっ!)

 

そう自分に言い聞かせて、震える手で包み紙に手を掛ける。

やたらと丁寧な包装をもどかしく思いながら、半ば破るように土色の紙を剥ぎ取ると、緩衝材の中から出てきたのはいかにも高級な雰囲気ただよう桐の箱だった。

 

上蓋には金箔押しで、よろず屋シェロちゃんの文字。

そしてその下に、騎空団……正に今、自分が所属している、この騎空団のエンブレムの焼き印がはっきりと焼き付けられている。

 

小さく刻まれた本人監修の文字に、ゴクリ、と生唾を飲み込む。

 

「お、お姉ちゃんに内緒で、こここ、こんなモノをつくっちゃう団長のが悪いんだからっ! ……ククル姉ちゃんが、ちゃ、ちゃんとチェックしてあげなきゃだよね、うんっ!」

 

まるで言い訳でもするようにそう言うと、恐る恐る蓋に手を掛ける。

心臓がバクバクと跳ね回り、息苦しいほどに緊張が高まる。

 

いやに下腹部が熱い。

じゅんっ、と下着が湿るのがわかる。

 

いいのか?

女の子として、コレを開けちゃっていいのか?

 

脳裏に憧れの男の子の無邪気な笑顔が浮かぶ。

 

(こ、これはお姉ちゃんの使命なんだから……!)

 

最後の良心も見て見ないふりをして、目をぎゅっとつぶる。

 

「あ、あけるよ!」

 

自分自身に言い聞かせるように声に出し、一息にエイっ! と蓋を開け放った。

同時に、目をカッと見開いて箱の中をのぞき込んだククルは、中に横たえられたソレを目の当たりにして、

 

「ぴゃ~~~~っ!!!?」

 

妹そっくりの悲鳴を上げてひっくり返った。

 

 

 

 

 

(えっ!? なに、今の!? ナニ? これが、だ、団長のっ!?)

 

ククルは真っ赤な顔を両手でおおいかくし、頭から湯気をふいて混乱していた。

恐る恐る指の隙間を開けて、箱の中のソレをもう一度確認した。

 

「おっ……きぃ……」

 

黒々とした腕のように太い幹は、わずかに反り返りながら箱一杯にのびて、表面にはたくましい血管がうねうねとのたくっている。

その先には、ぷっくりと大きく傘を開いた赤黒いキノコがテカテカとやらしく光を反射している。

そして根本にはずっしりと重そうないなり寿司が二つ、今にもどくどくと脈動を始めそうな生々しさを持って鎮座ましましていた。

 

そう、これこそ、よろず屋シェロちゃんが絶大な自信をもって世に送り出したこだわりの一品、『一分の1スケール・マイリトルグラン君(ディルドタイプ・玉付き)©️』であった。

とんだグロ映像である。

 

ククルは、いつの間にか顔から外れた手を股の間に挟んで、真っ赤な顔でまじまじと一分の1スケールマイリトル……もういいや、ちんぽを見つめた。

 

(うわーーっ! うわーーっ♡)

 

これはヤバい。

なんだかよく分からないがヤバい。

なんかきっとダメなヤツだ、スゴくダメで……

 

とにかくダメなのだ。

 

「こ、これが、団長の……」

 

無意識に伸びた左手が、リアルちんぽの表面にピタッと触れる。

 

「う、うわぁ……固くて……なんかちょっと柔らかい」

 

 つつつっと竿をなぞり、ぷにっと先端に触れると、陰茎部分より柔らかい素材でできた亀頭がうにうにと形を歪めた。

それに感動しつつ、根本の袋をつまんでみると、ダルダルの皮の中にプリプリした玉が逃げ回る感触がする。

 

ククルは、一分のいt(ry の売り文句の一つだった、最新のスライム配合技術と錬金術を応用した、限りなく本物のおちんちんに近い感触! という、正気のヒトが聞けば気を疑うような文面を思い出して、技術のちん――進歩に貢献した恩人たちに喝采を送りたい気分だった。

やめて差し上げろ。

 

「こ、コレはいけないよっ! はは、ハンザイだよっ!」

 

ククルは夢中になって、鼻息も荒くグランのちんぽをいじくり回した。

同時に、パンツの中に突っ込んだ右手で、ぐちゃぐちゃにとろけた蜜壺を激しくかき混ぜる。

 

(団長ったら、ククル姉ちゃんに内緒で、ここ、こんなエッチなモノを育ててたなんて! お姉ちゃんとお話してる時も、一緒にお仕事してるときも、パンツの中にはこんなのを隠してたんだっ♡ こっ、これはお仕置きが必要なんじゃないかな!? お姉ちゃんには、お、おとーとの成長を確かめるギムがあるからね!)

 

守るべき妹も、尊敬する姉も、ひそかに憧れる弟分も近くにおらず、気を張る必要のない安全な密室の中で、あわれククル姉ちゃんの頭は果てしなくアホな方向へトロけていった。

 

下着は用をなさないくらいにびしょびしょに濡れ、ベッドのシーツにもどんどんシミが広がって行く。

 

(団長ったら、こ、こんなにおち、おちんちんをおっきくしちゃって……こ、こんなスゴいのククル姉ちゃんに入れちゃいたいんだ……もう、こんなのねじ込んだら、女の子は故障しちゃうんだから♡ あ、甘えていいのは、ククル姉ちゃんだけだからね……えへへ、まっかせて~♡)

 

いよいよイイ感じにゆで上がった頭で、頭の悪い妄想に顔をだらしなく崩すククル(18)。

とても類縁には見せられない恥態だ。

 

「こ、コレ……は、入るのかな?」

 

おもむろに、いじり倒したちんぽをじっと見つめ、頭から煙を出しながら口を大きく開く、しっかりもの(笑)の頼れる(失笑)お姉ちゃんククル(18)。

 

顎が外れそうなほど大きな口で、今まさに先端を咥えこもうと――

 

「たっでーまぁーーーっでごぜーますっ!!」

 

がたがたがたがたばさあっっ!!

 

元気はつらつとした可愛らしい大声と共に、バァンっ、と開け放たれたドアを見た瞬間――

ククルは光の速さでディルドとその包みをベッドの下に放り込み、足元の掛け布団を引っ付かんで頭からかぶり、会心の狸寝入りを決め込んだ。

 

この間、わずか半秒の出来事である。

(社会的)死の危険を目前にして、ククルは自身の限界を超えた。

 

「……ぴゃ? ククル姉、そんなに慌ててどうしたですか?」

 

無意味だった。

 

っていうか、見てから反応した時点で既に遅かったのだ。

ククル姉ちゃんの命運は風前の灯火だ!

 

「ん、んんぅ~……ん……クム坊? 部屋に入る前は、ちゃんとノックしなきゃ駄目よ?」

 

そんなククル姉ちゃんが取った行動はまさかのゴリ押しだった。

どうあっても、たった今目を覚ました事にしたいらしい。

普段こんな時間に寝てないだろとか、ノックなんかした事ないじゃんとか、そげな些末ん問題ば、どうでも良かろうもん(アウフスタ弁)。

 

クムユは、そんなククルの有無を言わせぬ空気に内心首をかしげながら、特に反抗する理由も見当たらないのでそれ以上はツっこまない事にした。

末っ子はカシコイのだ。

 

「ごめんなさいです……? くんくん……なんか変なニオイがするよーな――」

 

「あーーーーっ、と、そ、そう言えばクム坊! きょきょ、今日はお掃除早かったじゃない! なんかあったのかなっ!?」

 

「ぴゃっ!? え、えっと、最初にお、おトイレ掃除しようとしたら、ファラさんが残り全部代わってくれたです」

 

「へ、へぇ~、そうだったんだ」

 

(なんで今日にかぎって!)

 

ククルは、気のいいファラの気まぐれなお節介に、理不尽な憤りを――

 

「――あっ…………クム坊?」

 

「? なんでごぜーますか?」

 

「……ファラさん、ナニか持ってた?」

 

「??? えーっと……あ、そう言えば、なんか小包持ってたような……」

 

(ファラさんもかーーっ!! っていうか、トイレでってぇーーーっ!!!)

 

ククルは布団の中で頭を抱え込んだ。

……びしょびしょのシーツが気持ち悪い。

 

 

 

とにかく、一度クムユに外に出てもらわないとと思ったククルは、気分が優れないからなにかスッキリする飲み物を厨房から取ってきて欲しい、とかなんとか理由をつけて素直な妹を外に追い出すと、素早くベッドから跳ね起きた。

 

ドアに耳を当て、クムユが離れていくのをしっかり確認すると、念のためドアに鍵を掛けてから証拠の隠滅をはかる。

ベッドからシーツをひっぺがし、水浸し状態の下着とスカートと一緒に洗濯カゴヘ突っ込む。

困ったコトに、先程はちょっと興が乗りすぎたようで、マットレスにまで大きなシミが出来てしまっている。

 

「…………マズイ」

 

これはヤバい。

干さなければならないが、その前にこのニオイをなんとかしないコトには絶対にバレる。

女の子なら多分……そしてニオイに敏感なメスエルーンならば間違いなく気付いてしまうだろう。

そうなったらもうお外を歩けない。

 

数秒間熟考したククルは、姉のシルヴァの若干少女趣味な鏡台に飛び付くと、慣れた手つきで四桁の暗証番号付きの鍵を取り外し、中からいかにも高級そうなクリスタルガラスの小瓶を一つ取り出した。

 

「ゴメン、シルヴァ姉! これはククル姉ちゃんの名誉のためなの!」

 

そうつぶやいて、瓶の中身をマットレスと洗濯カゴにぶちまけた。

瞬間、辺りに広がるむせかえるほどの極甘~い香り。

 

最近なんだか色気付き始めた姉が密かに使い始めた最高級香水、シャルルの五番である。

怪盗シャルルをイメージした一品で、『狙った獲物は逃がさない・夜の必勝アイテム! ~今宵 、貴方を拐いに伺います~』 ……をうたうこのナンバーは全空の肉食系お姉さま達に大人気で常に品薄状態だった。

こんな小瓶一つで、死人も生き返るという同量のエリクシールより高いのだ。

 

シルヴァが耳まで真っ赤になりながらも、最近仲良くなったヘルエスに頼みこんで手にいれた一品だ。

ちょっと、いや多分、かなりの大目玉をくらうのは間違いないが、背に腹は変えられない。

社会的な死よりはマシである。

 

立ち込める過剰な芳香に吐きそうになりながら、姉への言い訳を考えつつ高速でシャワーを浴び、戻ってきたクムユが鼻を押さえて涙目になっているのを部屋に放置して、マットレスと洗濯カゴを部屋から引きずり出した。

 

そして、マットをズリズリと引きずりながら大型洗浄魔道具のあるクリーニング室に向かおうとすると、ばったりと別の団員に出会ってしまう。

 

「…………えーっと……」

 

「こ、紅茶をこぼしちゃったのです!!」

 

「……こ、香水を……」

 

真っ赤な顔で尻尾飾りを股の間にはさみ、聞かれてもいないのに大声でそう主張するアステールの後ろには、大きなシミのついたマットレス。

 

次の角では、コーヒーをこぼしたクラリスに。

 

その次の角では工業用アルコールをこぼしたアルメイダに出会った。

 

「…………」

 

真っ赤な顔で、何かをこらえるように唇をプルプルと引き結んで歩く、四人の少女。

各々マットレスを引きずりながら、全くの無言で廊下を進む。

 

ようやくクリーニング室にたどり着いて、引き戸を開ける。

室内では、顔の下半分を覆うマスクをした団員、エジェリーが壁に埋め込まれた巨大な魔道具に雑に水の魔力をぶちこみながら、部屋のすみに洗い終わったマットレスを積み上げているところだった。

 

四人に振り返って、すべてを察したようなジト目でこちらをいちべつしたエジェリーの無言の呟きは、何故か言葉より雄弁に全員に伝わった。

 

「…………、…………。(ナニをこぼしたか知りませんが、次はもっと落ちやすいのでお願いします)」

 

四人は只の一度も目を合わせることなく、となりのリネン室から新しいマットレスを引っ張り出して涙目で部屋に戻るのだった。

 

――ちなみにエジェリーの服が朝着ていたものと違っているのには誰も気づかなかった。

 

 

 

 

 

(恥ずかしかった……もうエジェリーさんの顔見れないよ……)

 

とぼとぼとマットレスを引きずりながら部屋への道を歩き、途中何度か悲しみを背負うであろう同志とすれ違いつつ部屋のすぐそばまで来たククルは、大きくため息をはいた。

 

「はぁ……ツいてないなぁ……」

 

「何が?」

 

「何かお姉ちゃん自己嫌悪っていうか――――」

 

ビクッと大きく肩を跳ねさせ、勢い良く振り返った先にいたのは、できれば今一番会いたくない相手筆頭、一分の1グラン君(本人)であった。

 

「――――っ!!??」

 

「え、何、ちょっと、どうしたのククル?」

 

幽霊でも見たかのようにその場でビクッと飛び上がり、口をパクパクさせて青くなったり赤くなったりと百面相しているククルにひたすらはてなマークを浮かべるは、今話ではかなり遅い登場とあいなった我らがグラン君だ。

 

グランは、何故か今日未明から、特型艇で飲み物その他をこぼしてマットレスと服を洗いにくる団員でクリーニング室がパンク状態になっているという噂を聞き、大きな揺れでもあったのかと怪我人や艇の様子を見にグランサイファーから乗り移って来たのだった。

 

「あの、えっと、何てゆーかね?」

 

(どど、どうしてこのタイミングかな!? どうしよう、目が、合わせらんないっ……お姉ちゃんなのにっ……!)

 

別にお姉ちゃんではない。

というかほとんど同い年だ。

 

うつむくククルの視線の先には、グランのズボンの股の部分が……

 

(あ……あの中に、あああ、あんなアブないモノが……!)

 

ゴクリっ……!

ククル姉ちゃんは許しませんよ!(?)

 

グランは瞳をぐるぐるとうずまきにして妖しい気配を漂わせ始めるククルにどこかデジャヴを感じながら、とりあえずは重そうに引きずっているマットレスに目線をやって言う。

 

「まあ、なんだ、良かったら部屋まで手伝おうか? ちょうどククルに話したいこともあったし」

 

そう言って、返事も聞かずにひょいとマットレスを持ち上げた。

そりゃ確かにそこまで重いモノでもないが、重心でもなんでもないところを片手で掴んで持ち上げるのはグランだからできることである。

 

「あっ! あ、待って待って!」

 

ククルは一瞬あっけに取られてから、ズンズンと先に歩いていってしまうグランを慌てて追いかける。

部屋に来てくれるなんて、普段ならば嬉しいのだが、今日ばかりは……!

 

ククルは混乱する頭で今の部屋の状況を思い出す。

脱ぎ捨てた靴、マットレスが外されたベッド、散らかった机、使いっぱなしの浴室、香水の充満する室内、例のブツはベッドの下、奥深く――

 

う、うん、セーフ!

ギリギリセーフ!

 

年頃の女の子的にはアウトだが、最悪やたらリアルなちんぽさえ見つからなければ問題はない。

一番の爆弾から全力で目をそらしつつ、グランに連れだって部屋の前へ。

 

(うんうん、思えば今日はひたすらツいてなかったもの。ちょっとくらい取り返さないとね! クム坊も喜ぶだろうし!)

 

そう思い、ドアに手をかける。

ガチャリ、とノブを下げてドアを大きく開けると、元気良く帰りを告げ――

 

「ククル姉ちゃんのお帰――――!?」

 

「お邪魔し――――」

 

中をのぞき込んで、同時に固まるククルとグラン。

 

「っ!? くくく、クムユはナンにも見てねーですよ、コンチクショーっ!!?」

 

そこにいたのは、ククルのベッドの前にへたり込んで、真っ赤な顔で動転した声を上げるクムユ。

 

ベッドの端からは土色の包み紙と高級そうな桐の箱がはみ出しているのが見える。

自分を抱き込むように回した腕が、ドラフ族特有の大きな胸を歪ませている。

その腕の隙間から、服の下に隠した太くて長いナニかの輪郭がくっきりと浮かび上がり、おまけに押し潰されて強調された胸の谷間から、隠しきれなかったナニの赤黒い先端がピょこりとコンニチハしていた。

 

「ししし、知らねーですっ! 見てねーですっ!!」

 

ククルは、世界がオワる音をはっきりと耳にして、そして―――

 

 

 

 

後ろ手に無言で部屋の鍵を閉めた。

 

 

 

 

 

 

 



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ククルとクムユ、懇願する。

グラン、覚醒。


 

ガチャリ、と、いやに大きな音をたててドアに鍵を掛けるククル。

 

ビクリ、と驚いたようにククルを見る二人。

 

ククルは、ゆらり、と再びベッドの方のクムユに振り返ると、表情の抜け落ちたような顔でツカツカと近づいてゆく。

 

「ぴゃぁぁぁっ………!」

 

クムユは、無言で距離をつめてくる真ん中の姉の謎の威圧感にガタガタと震えながら失禁しそうな思いだった。

うそだ。

ホントは少しチビっていた。

 

クムユはいつもは明るくて優しい大好きなハズのククル姉ちゃんが、今は怖くてしかたがなかった。

さっきは思わず何も見てなかったと言ってしまったが、クムユは見てしまっていたのだ……姉の、恐ろしい行いを!

 

 

 

お掃除当番が優しいファラさんのおかげで早く終わり、思いがけず手にいれた自由時間にちょっとウキウキしながらお部屋に戻ったのがつい先程のことだった。

その時点で、何故か大慌てで布団にくるまるククル姉ちゃんにいつもと違うわずかな違和感を感じていた。

そして一度部屋を追い出されてから戻ると、部屋には最近一番上のシルヴァ姉ちゃんがつけるようになった香水の匂いが充満して大変なことになっていた。

 

部屋を出ていったククル姉ちゃんが、廊下の角を曲がって行くのを確認して、一度部屋の換気魔道具に魔力を入れ、もう一度廊下をうかがって姉が遠くへ行ったことを確認する。

そして、違和感の正体をさぐるべく、クムユは迷いなくククル姉ちゃんのベッドに近づくと、腹這いになってベッドの下に片手を突っ込んだ。

クムユはさっき大慌てで布団にくるまった姉が、直前にベッドの下にナニかを放り込んだのもバッチリ見てしまっていたのだ。

 

ククル姉ちゃんは――シルヴァ姉ちゃんもだが――ナニかヒトに見せられないものをベッドの下に隠そうとすることをクムユは知っていたし、今回もきっと前みたいにルナールせんせーが描いたエッチな絵本(?)でも隠したんだろうと、少しドキドキしながら暗闇をまさぐる指先に当たったのは、予想を裏切って固いハコのようなものだった。

 

「? ……おかしでごぜーますか?」

 

明かりの下に引きずり出したソレは、シェロさんのお店のマークが入った高そうな木のハコだった。

ずっしりとした重さに、クムユは以前アニラ姉ちゃんが少し分けてくれた栗ヨーカンを思い出した。

さてはククル姉ちゃん、さっきの島で買った高いおかしを先につまみ食いしようとしたですね? と、エッチなモノじゃなかったことをちょっと残念に思いながら、何の気なしにひょいと蓋を取ってしまう。

 

「っぴゃあぁぁぁっ!!?」

 

そして、中に入っていたやたらとグロい黒ヨーカンにびっくりして、ハコごと放り投げた。

カタンっ、びたんっ、と転がるハコと黒いブツ。

 

クムユは今自分の見たモノが信じられなかった。

絨毯の上に打ち捨てられた姿が哀愁をさそうソレを、クムユは以前見たことがあったのだった。

 

(あ……あれはだんちょーのおちんぽですっ!)

 

驚くべきことに、このメスドラフの幼女は目の前のエグいオブジェの正体を一目で看破していた。

それも、普通の大人が見ても趣味の悪いジョークグッズのようなフル勃起状態のちんぽを見て、正確にグランのグラン君と言い当てたのだ。

……こんな幼い子が、臨戦体制のグラン君を知っている?

秩序案件か?

 

もちろんそれは濡れ衣で、以前ヤイアとアルドラ、アステール、サラという友人達に誘われて、「いっつもおせわになってるだんちょーちゃんの、おせなかながしてあげよーっ♪」と言う無邪気な殺意に乗っかって団長専用の風呂場に突撃したことがあったからだった。

実のお兄ちゃんやお父さんのようにだんちょーのことが大好きな五人の幼女が前なんか隠すハズもなく。

あわれグランは突然の襲撃に混乱しアワアワしているうちに、「それーっ♪」と身体中を小さなお手てとスポンジでまさぐられるという集団ロリソーププレイを強要され、キャパシティを大きく超えた無垢なエロさでちんぽに血流が集まりすぎて貧血で失神した。

やっぱり有罪だった。

 

その後情けない童貞グラン君は、サラとクムユの悲鳴を聞いて異常な速さですっ飛んで来たナルメアに担ぎ上げられて医務室(たぶん、きっと、おそらく)に運び込まれたのだったが、クムユはその時、ナルメアの救助が入るまでの間、浴室の床にぶっ倒れたグランの股にそびえ立った、何故か目をはなすことのできない、よいニオイがするスゴくカッコいいちんぽ(と、「タイヘンなのです! タイヘンなのです!」と叫びながら真っ赤な顔でそのちんぽにお股を擦り付けるアステール)を見て、その光景が脳裏に焼き付いていたのだった。

アステールの将来が心配だ。

 

そしてそんな姉の恥ずかしすぎる私物、『一分の1スケール・マイリトルグラン君(ディルドタイプ・玉付き)©️』を見たクムユの反応であるが、

 

(ククル姉ちゃんが……ククル姉ちゃんが、だんちょーのおちんぽさんを取っちまいましたっ!!!)

 

どうしようもなくズレていた。

……まあ、しかたがないかもしれない。

マイリトr……このちんぽディルド、シェロカルテと職人の執念とも言えるモノがふんだんにつまっていて、一見すれば、そして実際に触ってみても本物とほとんど遜色がない色・形・ツヤと触り心地なのだ。

もう少しルピをはたくと、体温に近い温度を再現する魔道具を埋め込んだグラン君も購入できる。

そんなんにお金使うなよ……(良心)。

ククルはおこずかいと相談した結果、通販のレビューにしたがってお湯で温めて使用するつもりだった。

現在シェロ達制作チームはグランのちんぽのニオイを再現しようと粉骨砕身している。

もはや閉鎖的空間における一種の狂気だった。

やめとけって。

 

とにかく、おっぱいに対して脳ミソが幼いクムユちゃん(13)は、このちんぽディルドを見て、ククル姉ちゃんがグランのちんぽを切り取ってしまったという猟奇的発想に至ったのだった。

 

クムユは大好きな姉のしでかしたおそろしいコトに涙がこぼれそうな気持ちだったが、同時にお腹の奥から込み上げてくる熱いモノに突き動かされて、その目線はちんぽに釘付けになっていた。

 

「だんちょーさんの、おちんぽ……」

 

おそるおそる、手を伸ばす。

 

「……つめてーです」

 

以前風呂場でちょっとさわったときには、もっとこう、トンカチで叩いた鉄のように熱かったハズだ。

一度さわり始めてしまうと、クムユは姉がそうしたように夢中になってグランのちんぽをいじくり回した。

両手で揉んでみたり、曲げてみたり、頬擦りしてみたり……

クムユはほっぺを上気させ、姉のエッチな絵本を盗み見たときのようにお股の奥がジンジンして、お漏らししたようにパンツがじめじめするのを感じた。

 

両親と姉に過保護に育てられたクムユは、どんどん込み上げてくるイヤらしい気持ちになんだかとっても悪いことをしているような気持ちになりながらも、しびれる頭で無意識に淫猥な行為にふけっていく。

 

真っ赤な顔ではぁはぁと息を漏らし、足をもじもじしながら口のはしにヨダレを垂らして、潤んだ目で鼻をすぴすぴ鳴らしながら良くわからないままにちんぽをいじくりまわすロリドラフ。

頭が童貞なグラン本人が見たら、間違いなく鼻血とザーメンをふいてぶっ倒れるであろう、異常にエッチ極まる光景だった。

 

「はぁ……はぁ……はぷっ」

 

おもむろに、亀頭の先っちょにかぶり付くクムユ(13)。

そのまま、鈴口から中身を吸い出すようにちゅーちゅーと頬をすぼめ、ちゅぽんっ、と音をたてて口をはなす。

唇とちんぽの先に、ヨダレのアーチがかかる。

……それ切り取られた本物のちんぽだと思ってるんだよね? と聞きたくなる光景だ。

ククル姉ちゃんよりよっぽど猟奇的である。

末っ子は天才だった。

 

「なんにも味がしねーです……」

 

さっきから、このちんぽからはあのとき鼻孔をくすぐった、お腹をアツくするフシギなニオイがしないなぁと思っていたが、味見をしてみるとやっぱり完全に無味無臭で、クムユは何故かがっかりした。

 

「だんちょーさんのおちんぽ、死んじゃったです……」

 

カリ首にペロペロと舌を這わせながら、クムユはとっても悲しい気持ちになった。

こうしてずっと気になっていたグランのちんぽをいじくれるのは嬉しいしドキドキするけど、やっぱりこのおちんぽさんはだんちょーのアソコにくっついている方がずっとカッコいいと思うのだ。

 

「ちゃんと謝って、返してあげねーと……」

 

グランはとっても強いが、ソレ以上に優しい。

心の底から謝れば、きっと悪いことをしたククル姉ちゃんでも笑って許してくれるハズだ。

ヘイゼンせんせーのゲンコツは怖いけど、自分も一緒に怒られてあげよう。

そうしたらソフィアさんとかに頼んでおちんぽさんをくっつけてもらおう。

メタノイアはたぶんそんなアビじゃないぞ。

 

クムユは、ずっしりした玉袋を口にほうばり、中でコロコロする玉々をベロとほっぺでモムモムして感触を楽しみながら、竿をおっぱいに挟んで支えてぷにぷにと弾力ある亀頭をモミモミしつつ、もうちょっと遊んだら返しにいこうと固く決心したのだった。

 

そして、そういえば思い出の中のアステールはこのちんぽを股に擦り付けていたなぁと思い出し、ドキドキしながらだんちょーのちんぽをお漏らしで気持ち悪くなったお股に近づけていき――――

 

「ククル姉ちゃんのおかっ――――!?」

 

冒頭のピンチに繋がるのだった。

 

 

 

 

 

「ぴゃぁぁあ……ね、姉ちゃん? くっ、くむ、クムユは、クムユは……」

 

熟れたリンゴのような顔からケムリをだしてアワアワしているクムユを無視して、無言でその後ろに回り込むククル。

そして、スッとベッドとクムユの間に割りいって座り込むと、クムユが振り返るより早く、ギュッ! と両足を妹の腰に回して固定した。

 

「ぴゃっ!?」

 

この間、グランは固まってなにもできないでいた。

 

(え? これ、いったいどんな状況だよ? この部屋スゴい甘ったるいにおい……ってか、クムユのおっぱいのアレ、もしかしなくてもちん――)

 

そして、ククルは驚いてガードが上がったクムユのシャツを素早く引っ張り上げると、服の下からクムユが涙ぐましく隠していた極太ちんぽディルドを、ボロンっ、と引っ張り出した。

 

「ひゃんっ!」

 

そして、クムユの体温でホカホカになり、ヨダレまみれでテカテカしたソレを、なんのためらいもなくクムユの口にぐぼっとねじ込んだ。

 

「ふぶっ!?」

 

小さなお口いっぱいに巨大なちんぽを突っ込まれ、ほっぺたを亀頭の形に膨らませながら、真っ赤な顔でククルとグランを交互に見るクムユ。

目尻には涙が浮かび、鼻水を垂らし、口のはしからだばだばととヨダレがこぼれ落ちてクムユのスカートにシミを作る。

 

グランは目の前で突然繰り広げられた恥態に度肝をぬかれつつ、その現実ばなれしたエロさに股間のグラン君に血液が集まってゆくのを感じた。

 

(うわっ……エッロ! なんだコレ? 姉妹丼なの!? 伝説の姉妹ドンブリなのか!?)

 

やっぱり切り取っちゃていいんじゃないかチンコ。

 

そして、だんだんと顔が赤くなり始めたグランに、ここまで怖いくらいに無言だったククルがようやく口を開いた。

 

「ククル姉ちゃんはおこっています」

 

ビクッ、と震える二人。

その場違いに陽気な声と、短く簡潔な文章に、追い詰められた人間特有の狂気を感じた二人は、ククル姉ちゃんの放つ空気に一瞬で飲み込まれた。

 

なんとかククルの拘束を逃れようともがいていたクムユも、ピタッと抵抗をやめ、されるがままになって涙目でグランに助けを求めている。

 

「……お姉ちゃんは――」

 

「へぶぅ!?」

 

ククルがぐいっとちんぽを捻ると、クムユの反対側のほっぺがボコッと膨らむ。

 

「おこっ! てるんっ! だよっ?」

 

「ぅぶっ! ずっちゅっ! ぶぶっ! ……ぅぢゅる♡」

 

一言づつ区切りながら、同時にクムユのお口にぐいぐいちんぽをねじ込んでいく。

強制的にアゴがあがり、細いのどがちんぽの形をボコッと浮かび上がらせる。

クムユは必死に息をしようとひゅーひゅー鼻を鳴らし、どんどん顔色を悪くしてゆく。

 

(うわ……クムユのちっちゃい口が……いや、くちマンコだな! お姉ちゃんに極太ディルドでおくちマンコをのど奥まで犯されるロリドラフっ……ゴクリ)

 

ズリュリュッ、とちんぽを引き抜くと、上半分がクムユのヨダレでネトネトになったそれを、ずいっ、と前屈みになっているグランの方へかかげて見せる。

 

「これはどーゆうコトかな?」

 

「えっ?」

 

どういうことかと聞かれても、グランにしてみればただのデカいディルドにしか見えない。

 

(…………ん?)

 

よくよく見てみると、このちんぽ、スゴく見覚えがあるような……?

根本から伸びる血管……皮のあまり具合……反り、色、あの亀頭の傘の開き方……親の顔より見たちんぽ……

 

(アレ!? ひょっとして俺のちんぽか!?)

 

グランはようやく、クムユのヨダレでテラテラ光を反射するそれが、自分の分身、生まれたときから苦楽を共にしてきた大事な相棒(棒だけに)、マイリトルグラン君であることに気づいた。

あと良く考えたら親の顔知らなかった。

 

「えっと……お、俺のチンコの形した、ディルド……じゃないかな?」

 

「違うでしょ?」

 

「えっ!?」

 

ククルは、笑顔でちんぽ型ディルドをクムユの頬へ押し付けると、亀頭でグリグリしてクムユをあうあう言わせながら問い直した。

 

「ククル姉ちゃんはね? な~んでお姉ちゃんに内緒で、こんなエッチなモノを作っちゃったのかなっ? て聞いてるの」

 

「えっ?」

 

グランは、まったくいわれのない糾弾に思わず問い返してしまった。

ククルはそんなグランを見て、少し不機嫌そうな顔で、クムユのほっぺをグリグリしつつディルドについた玉の片方を、くにっ、と指でつまんだ。

 

グランは、自分の金玉がつままれた訳でもないのに、思わず股間を押さえ込んだ。

 

そうしながら、ハッと二週間ほど前の休暇のことを思い出した。

 

忘れもしない、ベネーラビーチでのシェロカルテとの一件。

グランは憧れのシェロさんにちんぽをいじめ抜かれ、ハーヴィン族のちっちゃなお口でフェラチオ童貞を卒業させてもらったのだった。

今でも毎日思い出しては猛り狂うちんぽを静めるため、今まで以上の過酷なトレーニングに打ち込むようになったのだ。

 

……そういえばあのとき、シェロさんはちんぽの型を取るって言ってなかったか?

 

(……そういや取ったわ、型。アレか? アレなのか? アレってこのディルドを作るためだったのか!?)

 

グランの中でやっと線が繋がった。

 

「――――いや、待って待って!? 俺、そんなの作るなんて知らなくて!」

 

慌てて否定するグランに、ククルは桐の箱を、ズイっと突きだした。

そこには、見間違えようもない、自身の騎空団のエンブレムと、本人監修の文字。

 

「ウソは良くないとおもうなー?」

 

自分こそ、自分の所属する団の団長のちんぽの形をしたエッチグッズをこっそり取り寄せて、一人で楽しもうとしていたことをごまかそうとしているのを棚にあげて、グランを追及するククル姉ちゃん(18)。

この戦いには乙女の未来がかかっているのだ。

 

だいたいこんなエッチなモノを作ってばらまくなんて、スゴくやらしいコトを考えていたに決まってるのだ。 

 

グランはグランで、そういえば散々ザーメンを搾り取られてふわふわしているときに、シェロカルテが「この契約書にサインして頂けますか~♪」と言って差し出してきた書類に夢見心地で名前を書いた覚えがある。

きっとアレがエンブレムの使用許諾と、監修コメントの掲載許可だったのだ。

グランは、ここでどうやっても言い逃れできそうにないと悟った。

 

契約書はちゃんと読んでからサインしようね!

 

「…………いや、その……っていうか、何でそれをククルがもっ――」

 

「おっ、お姉ちゃんにはキミの成長を確認するギムがあります!」

 

かぶせ気味に言い切るククル。

 

「イヤイヤ、いくらなんでも、ソレ、だってちん――」

 

「お姉ちゃんは! 弟のおちんちんの成長をちゃんと確認しなきゃいけないのっ!」

 

真っ赤な顔で堂々と言い放つククル姉ちゃん。

もはややけっぱちである。

ちんぽでグリグリされているクムユは泣きそうだ。

 

もちろん、世の中のお姉ちゃんにそのような義務も権利も存在しない。

 

「ふぅ……それにだよ? このお、おちんぽの大きさだけどさ、ちょっと見栄を張りすぎじゃないかなって思うんだよね?」

 

「え……」

 

「指なんか全然回んないしさ、長さなんか――」

 

クムユのお腹の前にちんぽディルドを持ってきて、根元を絨毯につけて股に挟ませ、お腹にあてがう。

 

「ほら、おへそ通り過ぎちゃってるよ? こんなの女の子に入るわけないでしょ? 男の子ってそういうのちょっと大きめに見られたいって言うけどさ、限度があるんじゃないかな?」

 

そう言って、赤い顔で指先でちんぽディルドの先っぽをつつくククル。

ちんぽをお腹に押し付けられて、ココまで入るんだよ? と言われたクムユは、『入れる』場所も意味も分からなかったが、何故かお腹の奥の方がグツグツとアツくなって、目がハートマークになっていた。

 

(エロ過ぎだろこの姉妹)

 

グランはそう思いながらも、ホントはチンコちっちゃいんだろアアン? と煽られ、大きいのがコンプレックスのくせに何故かムッとして、ククルの勘違いをただすことにした。

 

しかもこの流れ……。

 

グランの中で最近ひそかに目覚めつつあるデキる男のタマシイが、これはエロいコトに持っていける流れでは? とささやくのだ。

シェロカルテにちんぽ奉仕をさせて気分は非童貞のグランは、その直感にしたがってみることにしたのだ。

 

「……別に見栄なんか張ってないけど?」

 

ベツにそれくらいフツーだし? とスカした思春期の少年のようになんでもないふうを装って言うグラン。

ククルは、そんなグランの思わぬ反攻に、ちょっと動揺しながら、でも引くに引けずに言い返す。

 

「…………ウソでしょ? お姉ちゃんウソはキライだよ?」

 

「いや、普通にそれくらいだよ」

 

「……でも、だってこんな……」

 

(このカンジ……もう、一押し!)

 

「いやいや、そんな恥ずかしい見栄なんか張らないよ」

 

「…………ホント?」

 

「ホントホント」

 

じっ……と、赤い顔でグランの股間を凝視するククル。

つられて、同じくとろけた目でグランのズボンの盛り上がりを見つめてくるクムユ。 

二人ともこの異常な状況に、自分がどれだけヤらしいコトをしているか気づかないらしい。

 

グランは期待にはち切れんばかりになっているリトルグラン君を感じながら、必ず言ってくるハズのククルの次の一言を待った。

 

「じゃ……じゃあさ……」

 

(きたっ!)

 

「…………み……よ」

 

「ん?」

 

「……みせてよ」

 

「ん~?」

 

初めてなのに、釣れちゃった!

と思いながら、ニヤけそうになるのを押さえてわざとらしく聞き返すグラン。

ククルはそんなグランの内心には気づかず、頭から湯気をふきそうになりながら大声で言った。

 

「だ、だから、おお、おちんぽ、見せてっ!」

 

 

 

 

(っ……いいいい、言っちゃった~! だ、団長に、おち、おちんぽ見せてって言っちゃった!? ナニ考えてんのアタシ!? ででででもでもっ、仕方ないよねっ? だって団長がウソつくんだもん……あ、あんな大っきなちんぽ、あるわけないもんね……お、お姉ちゃんとして確認しないと!)

 

ククルは、とうとう言ってしまったその恥ずかしすぎる言葉に自分自身でドキドキしていた。

実はちょっと、ちょ~っとだけ気になっていた男の子に、キミのおちんぽ見せて♪ なんて言うなんて、夢にも思ってなかった。

でも、口から出てしまった言葉はもう戻せない。

それに――――

 

(みみ、見せられちゃうんだ、団長の、おちんぽ……♡)

 

ククルはこれからいよいよ見せてもらえる生おちんぽに、かつてないほどの期待と興奮を覚えていた。

服の下で胸の先っぽがビンビンに尖り、アソコの奥がカーっとアツくなって、さっき変えたばかりの地味目のパンツはすでにぐずぐずになってしまっている。

 

ククルは鼻息が荒くなっているのにも気づかず、瞳の中にピンク色の濁った欲望をぐるぐるさせて、グランがズボンを下ろすのを今か今かと――――

 

 

 

 

 

「えっ? やだよ」

 

 

 

 

 

「――――え???」

 

「見せる訳ないじゃん」

 

「え? え? え?」

 

ククル(18)は混乱した。

いままでの人生で一番混乱していた。

 

え? どうして? おちんぽ見せてくれるんじゃないの? だってそういう流れだったじゃん、っていうか、アタシナニ言って――

 

「自分だけ見せるなんて不公平だろ?」

 

「あっ……」

 

動揺のあまり、危うく正気を取り戻しかけたククルに垂らされた一本の蜘蛛の糸。

いつの間にか追い詰められていたククルは、それが地獄への片道キップだとは気づかない。

 

「まあ、ククルも上くらい脱いでくれたら、考えても――」

 

「そっ、そうだよね! ククル姉ちゃんったら、キミにだけ脱がせて自分だけ服着たままなのはズルいよねっ!」

 

そう言って弾かれたように立ち上がると、慌ててブラウスのボタンに手を掛ける。

ククルは興奮で手が震えて上手くはずせないことをもどかしく思いながら、一枚一枚上着を脱いでゆく。

 

そして、シャツを脱ぎ捨て、とうとう残すところは可愛らしいブラ一枚の姿になった。

羞恥心と興奮で、胸元まで赤く紅潮している。

 

フーっ、フーっ、と荒く息をはきながら、震える手で最後の砦、背中のホックに手を添える。

 

「も、も~……だ、団長ったら、ククル姉ちゃんの、お、お、おっぱいが見たいなんて、ホントエッチなんだから……!」

 

言い訳のように呟きながら、ギュッと目をつぶる。

これを、コレを外したらおちんぽが見れる!

熱で頭がおかしくなったククルは、おちんぽを見てみたい一心で、勇気を振り絞ってブラのホックを外した。

 

パチリ……はらり……。

 

(見られてる……だ、団長に、見られてるっ)

 

ククルは目をつぶったまま、グランの視線が自分のお椀型のお手頃おっぱいをなめまわすのを感じた。

 

(はっ、ハズかしいっ、けど、コレで――)

 

「じゃあ、帰るね」

 

「えっ!!?」

 

耳を疑うその言葉に、思わず目を開けると、グランはすでにドアの方を向いて鍵に手を掛けていた。

 

「えっ? ちょっ? な、なんでっ……!?」

 

ククルは泣きそうだった。

おっぱいを見せたらおちんぽ見せてくれるって言ったのに!

グランはやっぱりウソをついたのだ!

 

「んー、いや、別に考えるって言っただけだし、考えてみたらやっぱり女の子にちんぽ見せるなんておかしいじゃん。ククルだってホントはちんぽなんて見たくないでしょ?」

 

「み、見たいよっ! 見たいから脱いだんじゃん!」

 

「うーん、ククル、無理してない? 別に見たくないならいいって。ほら、ホントは俺のちんぽはちっちゃいんだ。コレでいいでしょ?」

 

ククルは絶望した。

団長は、自分からおちんぽを見る権利を不当に取り上げようとしているのだ。

ココまでさせて、それはあんまりだった。

ちんぽの大きさなんて関係ない、ククルはただ純粋にグランのちんぽを見てみたかっただけなのだ。

 

「み、見たい! キミのちんぽっ、見たいのっ! ねえ、お願い、お姉ちゃんにイジワルしないで……!」

 

ガチャ、という音がする。

グランが鍵を回した音だ。

 

団長が帰っちゃう!

ククルは、いてもたってもいられず、今まさにドアノブに手を掛けたグランに駆け寄って、腕にすがりついた。

 

小ぶりなククルっぱいをぷるぷる揺らしながら、目のはしに涙を浮かべ、恥も外聞もなくまくし立てた。

 

「ごっ、ゴメンっ! ゴメンねっ! あ、アタシ、ホントはグランのちんぽが見たくてっ、そ、それでウワサを聞いてっ……だ、団長のちんぽとおんなじ形のエッチな道具が売ってるって! あた、アタシ最初はウソだって……! で、でも、シェロさんトコの通販で、ホントにあって、アタシ迷ったんだけど……お姉ちゃんなのに、こんなのエッチなのに、キミのおちんぽ勝手に使ったらダメなのに、ガマンできなくて、つい、買っちゃって、それで、いいい、いっぱい、イタズラしちゃったの!!」

 

「……ふ~ん。それで?」

 

「――っ、え……?」

 

ククルが見上げると、エッチな欲望に負けてひどいコトをしてしまったお姉ちゃん失格の自分に対して、グランはまったく怒っていないのかいつもの優しい表情で自分を見下ろしていた。

ククルは、股の間に垂れるイヤらしい汁を感じながら、そんなグランの顔に見とれてしまった。

 

「それで、ククル姉ちゃんは、俺のちんぽを見て、どうしたいの?」

 

「あっ……えっと……」

 

「見るだけでいいの? ククル姉ちゃんはおちんぽ見るだけでいいのかな?」

 

「……さ、さわって、見たい……」

 

「触るだけ? 触るだけで満足できる?」

 

「さ、触って、な、舐めてっ! 咥えたり、ニオイ嗅いだりっ、そ、それから、それから……」

 

「触って、舐めて、金玉の裏まで鼻を擦り付けてニオイを嗅いで、チンカスを味わって、お口でおちんぽしごいて、ザーメンをお口いっぱいに味わって……それで、満足?」

 

耳元で、次々にエッチな言葉をささやくグラン。

大好きなグランの大好きな声で、スゴくエッチな言葉が聞こえてきて、ククル頭がはクラクラして、グランにしがみついたまま足をガクガクさせた。

お腹の、女の子の大切なお部屋の上に、固くて熱いモノが押し付けられて、ドクドク脈打っている。

鼻からグランの汗のニオイが入り込んできて脳髄をトロけさせ、エッチすぎてなにがなんだかわからない。

ククルの足元には大きな水溜まりができて、ポタポタと止めどなくエッチな準備汁が垂れている。

 

ククルは、もう自分がナニを口にしているのかもわからず、ポロポロと涙をこぼしながらうわ言のように口を動かした。

 

「エッチ……エッチしたい……だんちょーとエッチしたいです……」

 

「…………え、エッチってどんなこと? わからないから教えて、お姉ちゃん?」

 

「エッチは……だんちょーのおちんぽを……お姉ちゃんのおマンコに……ずぽずぽするの……♡」

 

「く、ククル姉ちゃんは、俺のちんぽを、ど、どこにズポズポしたいの?」

 

「ココぉっ♡ ……く、ククル姉ちゃんのココにぃ……キミの大っきいちんぽぉ…………入れるのぉ……♡」

 

ククルはトロけきった頭で、聞かれるままにグランの手を引っ張って自分のドロドロになってイヤらしいニオイをまきちらしているおマンコに押し当てると、まだ自分の指しか受け入れたことがないソコにグランの太い指を突っ込んで、グチグチと動かしてオナニーを始めた。

 

おっぱい丸出しで、ガチ勃起したちんぽをズボンの上から子宮のあたりにグリグリ擦り付け、好きな男の指を使って勝手にオナニーしちゃう女の子。

そこに、ククル姉ちゃんにまっかせてー♪ な雰囲気は影もカタチもない。

 

「うっ」

 

「ここにぃ……♡ ちんぽ♡ キミのをぉ……♡」

 

夢中になってグランの手を動かして、指をキュンキュン締め付けるククル。

グランの手は、ククルの本気汁であっという間にベトベトになってゆく。

 

ここでようやくドアノブから手をはなそうとしたグランに、後ろから、ドンッ、と衝撃が走り、次いで、むにょん、と柔らかい感触が押し当てられる。

 

首を回して後ろを見ると、腰の辺りにタックルするような形で、ずっと放置されていたクムユがグランに抱きついている。

 

「くっ、クムユも! クムユもおちんぽさん触りてーです! あとその、お股におちんぽさんをズポズポするのもやってみてーですっ! ククル姉ちゃんばっかり、ヒイキはずりーですっ!」

 

クムユは、グランの腰で胸を押し潰しながら、瞳にハートマークを浮かべて、はなしてなるものかとしがみついた。

クムユはクムユで、二人の意味はよくわからないがなんだかスゴくお腹がアツくなるエッチなやり取りで、すっかり出来上がってしまっていた。

クムユは大きな胸の先端の、痛いくらいに勃起した乳首をグランに擦り付けて、意味もわからないまま興奮とキモチよさでヨダレと鼻水を垂らしている。

 

ガチャ、と、震える手で鍵をかけ直すグラン。

 

グランは鍵から手を外し、ククルのアツアツの蜜壺からも、ちゅぽんっ、と指を引き抜いて、両手をそれぞれ姉妹の頭の上に、ぽんっ(べちゃっ)、と置いた。

 

幼い情欲に溶けた目で、グランを見上げる二人。

 

「…………わかった。そこまで言うなら……エッチしてあげるよ」

 

そう言って優しく笑いかけ、頭をナデナデしてくれるグランに、二人は、パァーッ、と花が咲くような笑顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

グランは、そんな無邪気さとエロさが混じりあってナニか犯罪的なコトになっている姉妹を見下ろして、予想以上に上手くいった作戦に小躍りしそうになりながら、心の中ではヒドくゲスな事をつぶやくのだった。

 

(アホ可愛い強がりお姉ちゃんと無自覚エロい弱虫ロリドラフの姉妹丼、頂きまーす!)

 

グランの中の眠れるゲスが、今まさに目覚めたのだった。

 

 

 



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ククル、ぐちゃぐちゃになる。





グランは、自分のオモワクが思った以上に上手くいったことに、内心驚いていた。

 

正直、最初はククルに「ちんぽ見せて」と言わせることができたらいいな、そして触ってるうちにヤらしい気分になったところで挿入までいけたらラッキー♪ くらいの気持ちだった。

それがフタを開けてみれば、姉妹そろっての下品な挿入おねだりまで成功してしまっている。

 

(自分自身の才能が怖い)

 

グランは自分に秘められた思わぬ才能がおそろしくて、顔がニヤけそうになったが、実際にはグランのミラクルちんぽが放つフェロモンと、実はわずかに催淫効果のあるシャルルの五番が大量に充満した部屋という状況、そしてオナニー途中で絶頂ガマン状態にあったムッツリ淫乱姉妹が勝手に盛り上がっていったおかげである。

 

さらに、グランは先ほどククルにすがりつかれて、スベスベのお腹の子宮の上辺りでズボン越しのちんぽをゴリゴリされていたとき、

 

(『待て!』ができない元気系無自覚淫乱お姉ちゃんのズボン越し受精おねだりキタコレ!)

 

と、最高に頭の悪いことを考えながら、

 

(あ、ダメだコレ――ウッ!!)

 

ドビュルッ!! ビュルッ、ビュブブブッ! ブビュゥビュゥゥ……ビュルッ♡

 

と、あっさりズボンの中に特濃ザーメンを暴発させていた。

実はこのときの精液こそが陥落の決め手だったのだ。

 

ここでグランの過去の話になる。

 

 

 

物語の冒頭で、グランのちんぽは辺境の島ザンクティンゼルで、知らぬ間に肉バイブとして生活していた十年弱の間に行われた、数百人の女性による数万回に及ぶ睡眠レイプによって、常軌を逸した鍛えられ方をした、という話をしたと思う。

 

実は当時、なにも知らないグラン少年のちんぽには、レイプされるのと平行して、全空の性研究の粋を結集した様々な改造が施されていたのだった。

 

なにせ、島民女性数百人に対してちんぽがたった一本では、いかな当時から常人ばなれしたショタグラン君の天星器といえど、射精量も持続力も、全員を十分に満足させるにはまったく足りていなかったのだ。

 

セックスが三度の飯より大好きなエロエロ島民女性達は、一晩で十発程度(十分異常である)しか射精できないグラン君のだらしないちんぽを大いに嘆いた。

 

確かに島の女の子達は、ケツの穴に指を突っ込んでグリグリしたり、スライムローションを使って亀頭をヌリュヌリュとコスり倒すコトによって、水分を摂取させ続ける限り延々と潮を吹かせ続けることができるという恐ろしい技術程度は当然のようにを持っていた。

そしてそれを実践して、水みたいな汁しか出なくなったショタグラン君を子宮口で一生グリグリして、ビクンビクンと陸にあげられた魚のようになったグラン君の疑似射精を楽しんだりもした。

 

しかしすぐに、やっぱりザーメンはコクまろミルクに限る! と思いなおした。

私たちは、グルメなので!

 

そして誰とはなく、古今東西、精力増強に効くと言われる食物や薬品、生薬、民間療法、魔術呪術に錬金術房中術、果ては外科療法や催眠術にアニマルセラピーまで、思いつくものは片っ端から集めてグラン君の天星器の強化改造を施していった。

 

示し合わせることも、相談することもなく、個々人が勝手に、である。

たまったものではない。

 

兄には優しいが兄のちんぽにはやたら厳しい妹ことロリジータちゃんもまた、幼いグラン君の金玉に謎のオリジナル魔法をかけて、ちんぽから間欠泉のようにザーメンが吹き出して止まらない状態にしたことがあった。

 

その時のショタグラン君は、寿命でも削っちゃってるんじゃないかという特濃の精液を天井に向かって勢いよく吹き上げながら、眠ったまま白目を剥いて口からブクブク泡を吹き、弓のように身体をブリッジさせてこわれたブリキ人形のように全身をガクガク痙攣させていた。

 

伝説の騎空団の一員だった近所の婆ちゃんが、血相を変えて飛んできて手当たり次第に中和魔法をかけるのがあとちょっと遅れていたら、幼いグラン君はカサカサの干物になっていただろう。

 

なお、当の殺人未遂犯ロリジータちゃんは、兄のおちんぽミルクを全身に浴びて終始大喜びであった。

たまったものではない。

 

さて、そんなドン引きモノの魔改造を繰り返し、あらゆるアブない要素が複雑に絡み合って混ざりあった結果、天文学的な確率を乗り越えた奇跡によって、グランの天星器は完凸最終上限解放状態に至ったのだった。

 

具体的には、無尽蔵に精液を作り出し、無制限に勃起して、無差別に女性を発情させることができるミラクルちんぽが完成したのだ!

いささかサイコなジータちゃんもご満悦だ!

 

で、話が戻るのだが、そんな無許可改造をほどこされた違法ちんぽのザーメンが放つフェロモンは強烈で、至近距離でそのニオイを吸い込んだククル姉ちゃんは、一発で正気を失ってしまったのであった。

 

ちなみに離れていたクムユにも効果はあったが、彼女は素でエロいのでたぶん関係ない。

 

そんなわけで、童貞のニワカ知識丸出しな駆け引きテクニックなんぞにたいした意味はなかったのだが、グランの中では自分の巧み(笑)な誘導が二人を追いつめたことになっていた。

 

基本的に食われる側のグラン君の涙ぐましい努力は、醤油をかけられてお口の中でウネウネ動く活け作りのイカソーメンくらいの意味しかないのであった。

 

そんな事実を知るよしもないグランは、さっそく良いカンジにできあがっちゃっている姉妹丼を頂くべく、二人に声をかける。

 

「それじゃあ……」

 

ベッドに、と言おうとして、少し考える。

この部屋にはベッドが三つ並んでいるのだが、どれを使うべきか。

 

ククルのベッドに、持ってきたばかりの新しいマットを置いて使うべきか、クムユのなんかいいニオイがしそうなベッドを使うか、それとも――

 

「……こっちに座ろうか」

 

グランはそう言うと、銃工房三姉妹の長女、現在当直中で留守の、シルヴァのものと思われるベッドに向かった。

ベッドの縁に『シルヴァ』と書いてあるので間違いない。

 

(ふふふ、こうして長女の馬鹿真面目系お姉ちゃんなシルヴァさんの匂いがたっぷり染み付いたベッドで、次女の元気系強がりお姉ちゃんのククルと三女の泣き虫ロリドラフを頂く……これはもう三姉妹丼と言っても過言じゃないな!)

 

過言だよ。

そんな最低なコトを考えつつ、以外と可愛らしい色合いのシーツに、ボフッ、と腰かけるグラン。

その瞬間広がる、少しの汗と、火薬と紅茶とミルクが混じったような、ふんわり甘くキケンな匂いに、ビクンとちんぽが反応する。

 

(う~……ん、間違いない! シルヴァさんの匂いだ! タマラン。)

 

気になるお姉さんのベッドの匂いで大いに興奮しつつ、さっそくククルとクムユを呼びつける。

せっかくだから、服を脱がせてちんぽを出すところから二人にやらせようそうしよう。

 

「ククル姉ちゃん、こっち来て……そうそう、じゃあ、ズボンからちん――うおっ!?」

 

グランはまずお姉ちゃんを近くに呼びつけて、恥ずかしがりながらズボンからちんぽを取り出すククル姉ちゃんをじっくり観察しようとそう声を掛けたのだが、フラフラと近づいてきたククルは、グランの目の前でスッと屈み込むと、ガバッと勢いよく彼の両膝を割り開いた。

 

グランは思わず声を上げるが、どこか目の色がおかしくなっているククル姉ちゃんはそれをいっこだにせず、ザーメンお漏らしで染みになっているグランの股間に、ぐいっ! と顔をくっつけた。

 

「ひゃあっ!?」

 

「すぅぅーーーーーー………っ、っはぁ~…………すぅぅーーー……っ!」

 

「えっ!? ナニ、ちょ、やめっ、ハあぁンっ!?」

 

はあんって。

あどけない顔にどこか妖艶な色を滲ませながら、鼻から大きく息を吸い込むククル。

ズボンに染み込んだお漏らし精液の、涙が出るほどツンとした刺激臭が鼻粘膜を刺激して、恋する女の子なククルの脳髄をシビれさせる。

 

「こっ、ココから……っスウウーー……っ、はぁはぁ、すっごくエッチなニオイがするな~……♡ っはぁぁぁぁ………♡ これってさ~、せせ、せーえきってヤツだよねー? スンスン……っはぁ……♡ もー、いつの間に精液お漏らししちゃったの、だ~んちょう?」

 

ちんぽから顔をはなして上気した顔でグランを見上げ、イタズラっぽい表情でそう言うと、再び股間に鼻をうずめて熱心にニオイを嗅ぐ18才処女の、花も恥じらう乙女なククル姉ちゃん。

 

彼女もまた、グランのザーメンのニオイでおかしくなって、変な覚醒を果たしていた。

 

「くっ、クムユもっ! クムユもニオイ嗅ぎますっ!」

 

「あっ、あっ……ぁうっ!」

 

さらに、後ろで両腕を股の間に挟んででもじもじしながらそれを見ていたクムユも、我慢できずにグランのアソコに飛び付いてきた。

グランの両膝をさらに大きく開いて、ククル姉ちゃんの赤い頬と自分のほっぺがくっつくのもかまわず股間の染みに鼻を押し付けると、生臭いカルキ臭に目をしばたかせ顔をしかめつつ、大きく何度もニオイを吸い込む。

 

「すぅぅーーー~……っゴホッ、ゴホッ!? ハァ、はぁ……くっ、くせーです……♡ すぅぅーーっ♪ ケホッ、だんちょーのココ、くせーですよ……♡」

 

まったく嫌そうじゃない顔で何度も臭い臭いと言いながら、鼻水を垂らして瞳にハートマークを浮かべ、パンツ越しにナゼかさっきからアツくなりっぱなしのお股を両手でごしごしとコスるクムユ。

 

ネッチョりとした本気汁でびしょびしょになっているパンツをグチッ、グチッ、と鳴らしながら、精液酔いでフワフワした気分のロリドラフは、強烈に臭くて、スゴくイイニオイのズボン越しザーメンを顔中に塗りたくってゆく。

 

「はぁ、はぁ……あ~~――」

 

そして、おもむろに小さなお口を大きく開き、ビクビクと震えるちんぽの先っちょに、かぷっ、と噛みついた。

そして――

 

「あぅっ、えっ――うっ!?」

 

ズボンに染み付いたザーメンを、チュウウウゥゥゥっ♡ と思い切り吸い取った。

たまらず腰が引けるグランの腰を、クムユとククルの手がぐっと押さえる。

 

「あっ、クム坊ずるいっ!」

 

そう言って、ククルもまた反対側をハムっと口に含み、チュぅチュぅ精液を吸い出し始める。

ズボンに染み込んだ生臭いザーメンを、美味しいものを取り合うように必死にちゅーちゅー吸っている二つの小さな銀の頭。

 

シェロカルテの高い体温と小さな口をいかしたキツキツフェラもかなりのキモチよさだったが、ククルとクムユのズボン越しフェラは、刺激こそ大きくないもののその犯罪的な視覚的エロさでグランの金玉をキュンキュンとフル稼働させる。

グランは、ちんぽに走る甘い刺激に腰を震わせ、ちんぽミルク欲しさに下品なひょっとこ顔に成っている二人を見下ろして、

 

「なんだよコイツらっ!? さ、さっきはハジメテみたいな顔して恥じらってたクセに……! 強がりお姉ちゃんと妹ロリドラフのズボン越しダブルフェラ……こんなんエロ過ぎるだろ……!」

 

二人に聞こえないよう小さく呟いて、たまらず本日二度目のザーメンを暴発させた。

その瞬間、精液吸いに夢中に成っている淫乱姉妹の頭を股間にグッ! と押し付ける。

 

「ふぶっ!?」

 

「んぶっ♡」

 

ビュブルルルルルッ! ビュブッ! ビュブブッ!

 

辺りにムワッと広がる栗の花のニオイ。

レスラーのような体格のグランに力一杯押し付けられて息もできないだろうに、吹き出したそばから新鮮な精液を吸い取ってゆくククルとクムユ。

 

搾りたてのアツアツのザーメンがよっぽど美味しいのか、一滴も漏らすまいとゴクゴク喉を鳴らして飲み干してゆく。

最後に、ビュルッ! と小さく射精してちんぽの脈動が終わったあとも、ズボンがカラカラになるまでちゅうちゅう吸い続ける二人に、グランは魂まで吸いとられそうな気持ちになって、キモチよさに腰が抜けそうだった。

 

「うっ! ……ストップ! 二人ともストップ! もう終わりだから、ちんぽ壊れちゃうからっ!?」

 

無呼吸フェラで真っ赤になった顔で、口の中のドロッとしたザー汁をモムモムしながら、さらに搾り出そうとしているのか、ほっぺたがべちゃべちゃになるのもかまわずに再び股間に頬擦りを始めた姉妹を慌てて押し返すグラン。

グランは自分の予想とは違いすぎる展開に、額を冷や汗が流れるのを感じた。

 

(ククルは……ククル姉ちゃんは絶対処女だと思ったのに! 何がハジメテだよ、とんだインラン姉妹じゃないかっ!)

 

グランは、今度こそ最高に可愛らしい年上(誤差だけど)お姉ちゃんの処女を頂けると思っていたのを裏切られた気分だった。

シェロカルテに続いて、とんでもないびっち姉妹に捕まってしまい、ちんぽは憤りと興奮で最高にビンビンだった。

 

こうなったら、自分の純情をもてあそんだククル姉ちゃんに、長年大切に守ってきた童貞を優しく奪ってもらうしかないな! と鼻息を荒くする。

そんなどうでもいいもの、とっくに奪われてるのにね。

 

へくちっ、と、どこかでジータがくしゃみをした。

 

そんなクッソくだらない勘違いで少し意識がそれていたグランの耳に、カチャカチャという音が聞こえてくる。

んっ? と思い下を見れば、ベルトを外してズボンに手を掛けたククルが、期待と興奮に染まった顔でグランを見上げている。

 

「ほらっ、団長! おしり上げて?」

 

「あ、ハイ……」

 

言われるままにベッドから腰を上げると、ククルが、エイっと一息に足首までズボンを下ろす。

 

「あ~しっ♡」

 

「……うん」

 

片足ずつズボンから抜いて、パンツ一枚の姿になる。

 

グラン君(覚醒)、お姉ちゃんに言われるがままである。

しょせんゲスな魂に目覚めたての、本質的には童貞なグラン君では、性に興味しんしんで活発元気系なお姉ちゃんをリードするなんてどだい無茶な話だった。

頂きまーす(笑)。

 

 

 

 

 

「わあっ……す、スゴいね……♡」

 

ククルは、グランから剥ぎ取ったズボンをノータイムでさりげなくベッドの下に放り込むと、グランの股間に目をやって思わずため息をこぼした。

 

身体にピッチリと張り付くタイプの半ズボン型パンツは、大きく膨らんでグロいちんぽのカタチを浮き上がらせ、腰のゴムが浮き上がっていた。

間違いなく、購入したリトルグラン君くらいのサイズはある。

 

ククルは、興奮と感動で、うるさいくらいに胸がドキドキするのを抑えられなかった。

隣で小さなクムユもまた、目を真ん丸にしてグランのおちんぽを凝視しているのを感じたククルは、ココはお姉ちゃんらしさを見せねばと、少しの恐怖を押し殺してそっとパンツに手を掛けた。

 

ゴクリ、と生唾を飲み込む。

ふと、ククル姉ちゃんの頭にある考えがよぎる。

 

「……あのさ、団長ってさ……」

 

「え?」

 

ここにきて、突然お預けをくらったグランが呆けた声を出す。

そんな、いつからか気になるようになって、悪いと思いつつも何度もオナニーのオカズにしたグランと目を合わせられずに、ククルは勇気を出して続ける。

 

「……よく……するのかな……その、こういうエッチなコト」

 

自分でも、馬鹿なコトを聞いていると思った。

グランはモテモテだ。

団員の女の子で、いや、旅の途中で彼に関わってきた女性の中で、彼のことが気になっていないコは少ないだろう。

 

ルリアちゃんなんかはいつも彼にべったりだし、妹のジータも怪しい。

大人なカンケイに疎いククルから見ても、彼に対して色目を使っていたり、ただならぬ関係を匂わせているコもたくさんいる。

それもみんな、自分よりずっと魅力的な女の子だ。

 

しかもだ。

 

ククルは、寂しく転がる、凶悪でエッチなカタチをしたマイリトルグラン君をちらりと横目に見た。

 

(あ……あんなエッチなモノ作っちゃうくらいだもんね……きっともう色んなコと――) 

 

「どっ、ドーテーじゃないしっ!?」

 

突然飛び込んできた、焦ったようなグランの言葉に、ククルははっと顔を上げた。

グランは、突然の遠回しな童貞チェックに、気が動転して思わず否定の言葉が口をついて出たのだった。

というか、ナゼかそういわねばならぬ気がした。

 

ククルは、うつむいて唇のはしを震わせ、あまりにも予想外な幸運に頭がパンクしそうだった。

喜びに震える声で、

 

「そ、そうなんだ……ふ~ん……へ~っ……ドーテーなんだ……♪」

 

そう言って、心の中でガッツポーズを決めた。

 

(あの焦りかた! そんであのセリフ! まさか……まさかまさかっ! 団長が、ど、ど、童貞だったなんて! 童貞だったなんてっ! じゃあ、アタシがハジメテってことだよねっ!? ククル姉ちゃん、団長のハジメテのヒトになっちゃうよ!?)

 

そんなもんに価値があるとは思えないが、ククル的には、お姉ちゃん的にはものすごく大事なコトだった。

弟分を優しくリードして、新品おちんぽを大人にしてあげるのは、ククルの中で人生で必ずやってみたいお姉ちゃん的なコトのベスト2に入っていた。

ちなみに1位はククル姉ちゃんとケッコンしたいっ! と言われるコト。

3位はククル姉ちゃんに赤ちゃん産んで欲しいと言われるコトだった。

この娘も大概にタイガイである。

 

(ななな、なんでバレてんの!?)

 

グランは、自分の嘘がソッコーで見破られたことに動揺しつつも、ククルの口からでたドーテーという言葉になにか無性にエッチなモノを感じ、ちんぽの先からピュルッとガマン汁を漏らした。

 

とにかく、そうとわかればグランの童貞は自分のモノだと、ククルは喜び勇んでパンツをずらしにかかる。

 

「よい……しょっ、とぉ……」

 

しかし、腕のようにぶ太っとくて長いちんぽが引っ掛かり、なかなかずらせない。

ククルは自分の体重をかけて、思い切りパンツをずり下げた。

 

「出っ――あうっ!?」

 

その瞬間、バネのようにしなったグランの巨チンが、鋭いアッパーのように、ビターンっ、とククルのアゴをかちあげた。

グラン君、無法の開幕ちんぽビンタである。

 

天井を向いたククル姉ちゃんの視界にハートマークが飛び散る。

 

「あっ、ゴメ――ひっ!?」

 

グランに向き直ったククルは、瞳の中にピンク色のモヤをぐるぐる渦巻かせていた。

 

「ぶったね? ククル姉ちゃんのこと、ぶったねよね?」

 

「ち、ちがっ……! ククルが勝手――」

 

「くーくーるっ! 姉ちゃん、でしょ?」

 

「……い、今のはククル姉ちゃんが」

 

「お仕置き」

 

そう言って、グランをベッドに押し倒すククル。

どこかのネジが外れて全身にエロいオーラをまとったククル姉ちゃんに、1ミリも反抗せずに倒れるグラン。

 

ククルはそんなグランの横によじ登り、グランをベッドの真ん中に引っ張ろうと細い腕に力を入れ……。

 

力を入れて引っ張って……、

 

顔を真っ赤にして、力を――

 

「真ん中」

 

「はいっ!」

 

いそいそと素直にベッドの真ん中に横たわる巨漢グラン。

顔を真っ赤にして頑張るククル姉ちゃんに、ちんぽは最大級にビンビンだ。

 

(シルヴァさん……俺は、あなたのベッドの上で、妹さんに犯されます)

 

グランはアホなコトを考えながら、大きく息を吸い込んで、長女シルヴァのセクシーなニオイと、妹ククルの甘酸っぱい性臭が肺で混ざりあうのを味わい、ちんぽをピクピクさせた。

撃ち殺されてしまえ。

 

かやの外なクムユは、落ちていたリトルグラン君を股間に擦り付けながら、ベッドのはしに大きな胸を乗っけたかぶりつきスタイルで見学の構えだ。

ククル姉ちゃんが切り取っちゃったハズのちんぽさんがまた生えてる! だんちょーはやっぱりスゲーですっ! と実に明後日なコトを考えながら、だったらこの古いちんぽはもらっていいハズと、姉のちんぽディルドを幼いマン汁でベトベトにしている。

 

「えへへ~……だ~んちょう、カクゴはいいかな~?」

 

「はいっ! お願いします!」

 

グランの太ももにまたがり、ガチガチにそそりたったちんぽの先をなぞるククルに、グランは恥も外聞もかなぐり捨てて実にイイ声で返事した。

グランの目は、プルンとみずみずしい小ぶりな膨らみと、その頂点でビンビンに勃起している桜色の突起を見て、次いでククルのおへその上をピタピタ叩いている自分の分身、そしてククルのスカートと濡れそぼって湯気を立てるパンツの奥のおまんこに吸い寄せられていく。

 

(こ、こんなぶっといちんぽが、あんなちっちゃいところに……)

 

がに股になって腰を持ち上げ、グイッ、とパンツを横にずらすククル。

角度的によく見えないが、ぷっくりとした恥丘に張り付いた薄い銀の茂みと、そこからのぞく、皮を被った小ぶりな肉芽がグランのちんぽをさらに膨張させる。

 

くぱあ、と、ククルが恥ずかしそうな顔でアソコを広げると、膣からあふれでたアツアツの本気汁が亀頭の上からトロトロとかかる。

 

「え、エッチなドーテーさんの団長は~、女の子のココを何て言うか、わかる?」

 

「……お、おまんこです」

 

「おまんこ……」

 

いっぱいいっぱいな顔で、精一杯お姉ちゃんぶりながらそう問いかけてくるククル姉ちゃんに、射精しそうになるのをこらえてそう答えるグランと、湯だった顔で復唱するクムユ。

手はせわしなく動かしたままだ。

 

「えへへ~、良くできました! じゃあいまから~、ククル姉ちゃんの、お、おまんこで、団長のお行儀の悪いおちんちんに、おお、お仕置きしちゃうからねっ♡」

 

ぐるぐるした目にハートマークを浮かべ、ゆっくりと腰を下ろすククル姉ちゃん。

そして、つぷっ、とそのおまんこにちんぽの先が触れた瞬間、

 

(あ、ムリ)

 

ドッビュブブブビビッ!! ブビュウウーッ!! ビュルリュルルッ! ビューッブビューッ!

 

と、あっさりザーメンを噴火させるグラン。

念願の初セックスを前に精神童貞グラン、挿入をまたず三度目の精液お漏らしである。

 

たまらないのは、鈴口を膣口にくっつけてカクゴを整えていたククル姉ちゃんだ。

処女膜越しに勢いよく流し込まれたプリプリの精液はものすごい勢いでククルの膣内をいっぱいにして、子宮がそれをゴクゴクと飲み込んでしまう。

溢れた分の大量の精液が、ククルの股とグランのちんぽをどろどろに染め上げてゆく。

 

「ひゃっ!? あっ……つぅぃ……♡ あ……」

 

最上級の催淫効果をもったザーメンをこれでもかと子宮で飲み込んだ結果、ククルの足腰から力が抜け、ちんぽの上にどんどん体重がかかっていく。

 

「あっ♡ ま、まって♡ あっ!!」

 

ザーメンの滑りをおびた極太ちんぽは、マン肉を押し開いてどんどんククルの小さい膣穴を広げ、薄い処女膜をあっさり引き千切ってメリメリと肉の裂けるような音をさせながら奥へ入ろうとする。

そして、

 

「お゛お゛っ!?」

 

グポッ!! という音と共に、握りこぶし大の亀頭がククルの股間にめり込んだ。

 

「あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ♡ あ゛~っ♡♡♡」

 

一番太いところが通ってしまうと、後は重力に引かれるまま、脱力した状態のククル姉ちゃんが、ぬぬぬぬぬっ、と降りてきて、メリメリとアツアツに溶けた膣肉をかき分けてちんぽが奥深くまで刺さってゆく。

 

「さ、刺さっちまってるですっ!! だんちょーのおちんぽさんが、ククル姉ちゃんのおまんこに刺さっちまってるですよっ!!」

 

かぶりつきのクムユは大興奮だ。

初めて目の当たりにするセックスを鼻息荒く実況しながら、ディルドを持つ手がせわしなく動く。

 

ようやく下降が止まったときには、腕のようなちんぽは残り握りこぶし一つ分くらいを残して、ほとんどがククル姉ちゃんの処女まんこの中に収まっていた。

あっさり行き止まりの子宮口にたどり着いた亀頭は、未使用で固い子宮口に鈴口をめり込ませて子宮を押し潰し、膣壁を限界まで伸ばして無理やり上まで押し上げていた。

おまんこの入り口は大陰唇までが内側に巻き込まれ、パツパツに引き伸ばされている。

 

痛々しいほどの光景だが、ミラクルな違法改造ちんぽのザーメンを上と下の口から大量に飲んでいたククルは、ハジメテだというのに破瓜の痛みを上回るトンでもない快感に視界をチカチカさせていた。

 

(あ゛~~~っ♡ ナニ、コレっ♡ ハジメテって痛いだけじゃなかったの!? アタマがオカシクなっちゃうくらいキモチいいじゃん♡ スゴい!! せっくすスゴい!!! 弟せっくすスゴい!!!)

 

グランのほうも、ククルの中のあまりのキモチよさに、またもザーメンを暴発させそうになって金玉をギュンギュンさせていた。

つぶつぶした膣壁は火傷しそうなほどアツく、ギュッ♡ ギュッ♡ とひっきりなしにグランのおちんぽを締め付けてくる。

 

ククルの白いおなかは、腕のようなちんぽに押し上げられてぽっこり膨らみ、反り返った胸の二つの小ぶりなおっぱいはキモチよさそうにプルプルと震えている。

亀頭にあたるコリコリはパクっとさきっちょに食いついて、だらだらと壊れたように漏れっぱなしのカウパーをゴクゴクと飲み続けている。

 

(うわっ、なんだコレ! なんだコレ!! キモチよすぎるっ!! お姉ちゃんセックスヤベェ!!)

 

歯をくいしばって射精を我慢しているグランを見たククルは、とろける頭でそれをとてもいとおしく思い、もっとキモチよくさせたい、我慢しないでいっぱいお漏らしして欲しいと思った。

 

そして、ようやく少し言うことを聞くようになってきた両足に頑張って力を入れて前屈みになると、グランのたくましい腹筋の上に両手をついてグランの顔をのぞき込み、いつもの頼れるククル姉ちゃんの声を作って笑い掛けた。

 

「えへへ……我慢しなくてイイんだよ? ……っん♡ キミはぁ……、う、動かなくてイイから……っふぅ♡ ……く、ククル姉ちゃんにっ♡ ぜぇ~んぶ、まっかせてーっ♡」

 

そう言うと、口を引き結んで両手に力を込め、がに股の膝を伸ばして、ずるぅるるるるっ! と抜ける寸前までちんぽを引き抜いた。

お腹の中が寂しくなるような喪失感とともに、膣肉が盛り上がって亀頭に吸い付き、精液と愛液でテラテラになった黒光りするぶっといサオがあらわになる。

 

そして一呼吸おき、目をギュッとつぶって、エイっと勢いよく腰を落とした。

 

「ふう゛っ♡」

 

「うおっ!?」

 

ズリュリュッ! と、そのエグいちんぽのほとんどを再び飲み込むククル。

 

ドチュッ! と子宮を押し潰す音が聞こえる。

ククルは一瞬意識をトばしかけるも、グランがキモチよさそうな顔で、思わずピュルッ、と少量の精液を漏らすのを子宮口で感じると、ニッコリ笑って唇をチロリとなめた。

 

「うふふっ、だ~んちょう♡ ガマンし~な~い~のっ! 今日は……んうぅ♡ ……ククル姉ちゃんにぃ……ゾンブンに甘えちゃっていいんだからねっ♡」

 

そう言うとククルは、最高にキモチいいスクワットを何度も何度も繰り返し始めた。

 

「はっ♡ はっ♡ はっ♡ はっ ♡はっ ♡はあっ♡ はあっ♡ はっ♡ はあっ♡」

 

ブリュリュリュリュッ♡ ズリュリュリュッドチュッ♡

ブリュリュリュリュッ♡ ズリュリュリュッドチュッ♡

ブリュリュリュリュッ♡ ズリュリュリュッドチュッ♡

ブリュリュリュリュッ♡ ズリュリュリュッドチュッ♡

 

ビチャッ! ビチャッ! っと、泡立って白濁したエッチな汁がシーツの上にぱたたっ、ぱたたっと飛び散る。

自分自信もイキながら腰を振っているのか、盛り上がった尿道口からブシュッ、プシャッっとひっきりなしに潮を吹いている。

 

「あっ! あっ! ちょっ! ムリッ! ムリッ……うおっ!!!」

 

そんな、ククル姉ちゃんのがんばり屋なところがイカンなく発揮されたメスイキ本気ピストンに、グランは数秒たりとも我慢できず、今日一番の大量射精をビュービューぶちまけた。

 

「はっ♡ はっ♡ そうそうっ……はっ♡ そのちょうし~、そのちょうし~っ♡」

 

しかし、一度の射精くらいで搾精モードのククル姉ちゃんは止まらない。

瞳をハートマークにしたククル姉ちゃんは、収まりきらない精液を結合部からビュプビュプ吹き出しつつ、どんどんペースを上げてエロピストンを繰り返す。

搾乳器で無理矢理搾り出されるように、金玉で作られたそばからびゅるびゅるとザーメンを吸い上げられる。

 

このコは本当にヒューマンなんだろうか?

サキュバスかナニかにしか見えないが、だいたいグランのちんぽのせいである。

 

「お゛っ! まってっ! ククルっ、壊れるっ! 壊れるからっ!!」

 

悲鳴を上げるグランを嬉しそうに見つめて、さらに数分間は搾精ピストンを続けるが、やがて体力の限界がきてべちゃっと胸に倒れ込むと、グランの胸元に顔をうずめてニオイを嗅ぎながら、なおもカクカクと腰を動かすククル。

 

にへら、とだらしない顔からヨダレをたらして、ほとんど無意識に腰を振るククル姉ちゃんを見て、

 

(くそっ、どこまでエロいんだっ! 負けてられるかっ!)

 

そう思ったグランは、ククルのべちゃべちゃになったスカートの上から、ゴツゴツした両手で小さなおしりをギュッとわしづかみにした。

 

「ぁんっ♡ ど、どうしたの? 姉ちゃんがぜ~んぶヤったげるんだから、キミはナニあ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡」

 

そして力任せにククルの腰を上下して、ものすごいペースでちんぽをしごき上げた。

 

(うおおおっ! 実はびっちだったお姉ちゃんなんかに、オレは負けないっ!!)

 

自分よりも一回りも二回りも小さい女の子に対して、体格差を使った手加減なしの膣コキである。

 

自分のペースを崩されたククルは、ただでさえモウロウとしていたところにがんガンガン極太ちんぽを突き込まれ、連続的な絶頂で何度も意識のオンオフを繰り返した。

 

そして、

 

「うおっ、出るっ!! 今日イチバン濃いヤツっ! 特濃ザーメンっ! 全部飲み込めっ! 孕めっ! 童貞の精液で妊娠しろっ!」

 

そう叫ぶと、グランは限界以上に膨らんではち切れんばかりになったちんぽを、ぐったりしたククルのイチバン奥に全力で叩きつけた。

爆発寸前まで膨らんで固くなった亀頭は、ガン堀りされてグズグズになっていたククルの子宮口をメリメリ広げ、

 

ぼりゅっ!!!

 

と入っちゃいけないトコロに突入した。

 

グランの腰が、とうとうパァンっとククルの腰にくっつく。

 

同時に、

 

「うっ……イっクッ!!」

 

ぶびゅっぶびゅううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!!!!

 

と、グランの人生の中で最大級の大射精を解き放った。

 

「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ♡♡♡」

 

子宮の中に直接、大量に発射された特濃のザーメンが、逃げ場をなくしてどんどん子宮を膨らませてゆく。

ドクンッ! ドクンッ! とちんぽが震える度に、ククルもまたびくんびくんと痙攣して潮を吹いている。

 

何分間も続いたような射精がようやく終わると、グランは荒く息を吐きながら、時折ビクッと腰を震わせるククル姉ちゃんを、ぎゅうっ、と抱き締めた。

 

(あ゛~~~~っ…………さいっこう)

 

すると、

 

チョロチョロチョロ……

 

下半身に生ぬるいものが流れてくる感覚。

そして、広がるアンモニア臭。

うん? と思ってクタっとしてうんともすんとも言わなくなったククル姉ちゃんをグイッと持ち上げてみると、お腹を精液でボテッと膨らませ、顔を涙やら鼻水やらでぐちゃぐちゃにして、虚ろな目にハートマークをゆらゆらさせながら舌をデロンと出していた。

 

「……やり過ぎたかな?」

 

 

 



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クムユ、やっつけ、られる。

 

グランはキモチ良さそうな表情で気絶しているククルを抱えて、よいしょ、と体勢を入れ替え、正常位の形になった。

そして、大量に射精していくぶんスッキリした頭で、瞳の中をぐるぐるさせ、「えへへ~……だんちょ~……えへ……♡」とうわごとを言いながら時折ビクンビクンしている幸せそうなククル姉ちゃんを満足げに見やり、

 

「うむ、えがった。」

 

そう言って、最後にククルっぱいを一揉みしてから、ククルのおまんこから少しだけ萎びたちんぽを引き抜いた。

最後、名残惜しそうにカリ首に吸い付いた膣口がぐぐぐっと引き出され、とうとう、チュポンッ、と瓶の栓を抜いたような音をさせてちんぽが抜けると、中に大量に出されたザーメンがドプドプと溢れだしてきて、すでにびちゃびちゃなシルヴァさんのシーツに大きな池を作り出す。

 

「おおぅ……我ながらすげぇ出したなぁ……」

 

両手足をカエルのように投げ出して、ビクンっ、ビクンっと震える度に、ドピュッ♡ ドピュッ♡ と自分の愛液とブレンドされた黄みがかったプリプリのザーメンを吹き出すククル姉ちゃん。

だんだんとしぼんでいくぽっこりと膨らんだおなか。

 

それを見て、グランはなんとなくククルの精液ボテ状態のおなかに手を乗せると、フンッ! と押し潰してみた。

 

「お゛お゛ぅ゛っ!!?♡♡♡」

 

すると、普段の可愛らしい声からは想像もつかないような野太い悲鳴を上げたククル姉ちゃんの膣口から、ものすごい勢いでザーメンが吹き出した。

 

ビュブリュリュリュリュッブリュッブピュゥプピュゥウゥゥッ!!!

 

「おおっ!?」

 

グランの余計なイタズラ心で強制おまんこ射精させられた大量のザーメンは、ベッドの縁を大きく飛び越えて絨毯を濡らし、さらには反対側の壁にまで届いてビチャビチャと飛び散った。

部屋中に広がる、イカ臭いザーメン臭。

掃除が大変そうだ。

 

とりあえず後のコトを考えるのを放棄したグランは、元の平らでフニフニした状態に戻ったククルのおなかから手をはなし、白目を剥いてピクピクしているククルの髪をいとおしそうに撫でた。

 

「……ありがとう、ククル姉ちゃん」

 

そうして自分の童貞を奪ってくれた(と思い込んでいる)ククルに感謝していると、横からグイグイと服を引っ張られる。

 

「つっ、次はクムユのばんですっ? だんちょーは小さいクムユのコトもククル姉ちゃんみたいにずぽずぽしちまうですねっ!? トンでもねーヤローです! トンでもねーヤローですっ!!」

 

おお、そうだった。

グランはうっかり忘れかけていたが、今回はククルとクムユを同時に頂いてしまう予定だったのだった。

 

しかしこのロリドラフ、こんなコトを言いながらも逃げる様子を見せるどころか、ヤル気満々である。

 

……結構、いやかなりアレな光景を見せられたと思うのだが、ちょっとおかしいんじゃないかこの姉妹。

 

「あー、ソウダネ……そうね……」

 

グランとしては、すでにククル姉ちゃんで大量に射精してそこそこ満足していたので、クムユはまた機会を改めてもイイかな? どうかなオレのムスコよ? という気分であった。

 

姉のククルですら、自分のデカちんぽを飲み込むのはギリギリだった。

ずっと身体のサイズが小さいクムユでは、きっと挿入は難しいだろうし、どうせ頂くなら空腹なときの方がずっと――

 

ふと、服を片手でグイグイ引っ張って、コンチクショーっと騒いでいるクムユの下の方から、グチッ! グプッ! という水っぽい音が聞こえることに気づいた。

スッ、と視線を下に下げると、グランサイズのちんぽディルドを持って、グイッ、グイッ! と激しく動く手が。

 

(えっ? マジで?) 

 

恐る恐る、クムユのスカートを持ち上げてみる。

 

スカートの下では、腕のようなエグいちんぽの先端がずらしたパンツの間からクムユの幼いロリまんこに突き刺さって、グポッ! グポッ! っと激しく上下していた。

まだ毛も生えていないプニプニのアソコが、黒光りする凶悪なサイズのちんぽでギチギチに拡張されて、しっかりと一番太い亀頭部分を内部に飲み込んで、ドプドピ溢れる準備汁でディルドをびちょびちょにしている。

 

「ウッソだろ……メスドラフ、恐るべし……!」

 

グランは、この幼さにしてすでにメスとしての身体が完成されつつあるドラフ族というものに畏怖の念を禁じ得なかった。

クムユの恥態を見て、若干ヘタっていたグランのグラン君もしっかりビンビンである。

 

考えてみれば、ドラフ族の男は例外なく、平均的なヒューマンを大きく上回る巨体の持ち主だ。

当然、そのブキもそれ相応のサイズのハズだ。

 

と、いうことはだ。

 

男性の半分程度の身長しかないドラフ族の女性の身体は、華奢に見えてもそんな凶悪なブツを納められるようにできていると考えるのが自然だ!

 

ナチュラルボーンおちんぽケースなのだ。

 

ヒューマンの中ではちょっと大きい、くらいの自分のちんぽくらい、余裕で飲み込めて当然なのだろう。

グランは大いに納得した。

 

……ちなみに実際は全く逆で、ドラフ族の男性のちんぽは、女性の体格に合わせてとても細長くできている。

当たり前といえば当たり前だ、進化論的に考えて。

 

普段は陰茎のほとんどが体内に収納されており、勃起時のみ、ニョロッ、と細長い本体を露出させるのだ。

長さは10~20センチ、太さはだいたいヒューマンの親指くらいで、柔らかく尖った先端を子宮口に挿入したら、ピストン等はせず直ぐに射精するのが一般的だ。

女性の負担が非常に少ない、優しい交尾をする種族なのだ。

グラン君とは大違いである。

 

ただし、陰嚢だけは大きく発達していて射精量だけは他種族よりはるかに多く、一度の射精で500cc程度の大量の精液を放出する。

これは、ドラフ族の繁殖力の低さを補うためと考えられている。

グラン君は上手に搾ればガロン単位で射精できるので、比べてはいけない。

 

これくらいの種族間の性差や発達差に関してはまさしく常識レベルのコトで、普通思春期の性教育で教えられる一般教養なのだが、そこは辺境の島で村ぐるみの肉バイブ扱いを受けていたグラン君である。

 

当時、村の女達は勿論、男達ですら、意図的にグランに性的な知識を与えないようにしていた。

ど田舎なザンクティンゼルにおいて、性教育といえば筆下ろしと水揚げがセットだったからだ。

 

男女共に、グラン君にセックスを教えてしまったらヤバいだろうなぁ、という共通認識があったし、娘達の大部分から、「性的なコトをナニも知らないオトコノコをこっそり開発してる感じがたまらない」という意見が上がり、またグラン君の『心のハジメテ』を奪う権利をめぐって凄惨な争いが起こるコトを全島民が危惧したこともあり、なんやかんやで結局誰一人グラン君に性教育することなく旅立ちの日を迎えてしまったのだった。

 

そんなエロ本や聞きかじりでつちかった、だいぶ偏ったエロ知識しか持たないグランは、クムユとの連戦に高鳴る期待で、ちんぽの先からピュルッと我慢汁を漏らした。

 

(そうと決まれば)

 

「ぴゃっ!?」

 

グランは興奮状態のクムユをひょいっと持ち上げ、キモチ良さそうな表情で気絶しているククルの上に仰向けで寝かせた。

ちょうど小柄なクムユがククルのお手頃おっぱいを枕にしている状態だ。

似ていないようでよく似ているエロ可愛い姉妹の顔が同時に見えるこの体勢に、グランの巨大なちんぽが更に反り返る。

 

「ずっ、ずぽずぽしちまうですか!?」

 

言いながらも、サッと腕をたたみ脚を広げるエロリドラフなクムユ。

全く抵抗の意志が感じられない。

なんなんだこのコ。

間違いなくお姉ちゃんよりエロい。

ふと、グランはこのすでに天然スケベな才能を開花させつつあるロリドラフを、更にエロくする方法を思い付いた。

 

「……クムユ、さっきのずぽずぽはね、セックスって言うんだ」

 

「せ、せっ、くす?」

 

「そう、なまハメセックスだ!」

 

「なまはめせっくす……!」

 

こともあろうにこのゲス男は、性的な知識がほとんど無さそうな幼い少女に、淫語教育を植え付けようと考えた。

自分も良く知らないクセにとんでもない奴だ。

 

クムユは初めて耳にしたその言葉が、なんだかものすごくエッチな感じがして、大事なところ……先ほどおまんこと言っていた所の奥が、カーッ、とアツくなるような気がした。

 

「今から――」

 

グランは、破裂しそうなほどにギンギンになった自分のちんぽを、クムユのおなか、ちょうど子宮の上辺りに、服の上からグリッ、と押し付けた。

 

「ぴゃうっ!?」

 

「――クムユのココを、俺のおちんぽでズコズコいじめて、なまハメセックスしちゃうんだよ?」

 

言いながらグリグリとおなかをこすり続けると、クムユはピンクににじんだ丸い目を大きく見開いて、ククル姉ちゃんとお揃いなお気に入りの服のおなか部分を透明な汁で汚すグランのおちんぽを見つめ、赤ちゃん部屋を押し込まれる度に、ハッ♡ ハッ♡ ハッ♡ ハッ♡ と短く息を吐いている。

 

服の上からもわかるほどにビンビンに勃起した桃色の乳首がブラウスを押し上げ、鼻息も荒く口のはしからヨダレをたらすその姿は、とても13才の女の子がしていいモノではなかった。

 

(くっそ、このエロメスドラフめ! ナンにも知らないような顔して、スケベな身体はしっかり開発されてるなんて……! きっとシルヴァさんやククルだけじゃ満足できなくなった工房の荒くれ達に、それがエッチなコトともわからず夜な夜な開発されてたんだ! くそっ、くそっ! エロ過ぎるだろ!)

 

とんだ濡れ衣である。 

グランは勝手に背徳的な妄想を膨らませて、ちんぽを興奮でいきり立たせた。

あと、シレッとシルヴァまで巻き込んでいる。

 

工房の気のいい男達はクムユ達姉妹を本当に可愛がっていたし、口の中に飴玉を放り込むことはあっても、おまんこにちんぽをぶち込むなんてゲスなコトを考えるのはグラン君くらいである。

 

ついでに言うなら夜な夜な開発されているのもグラン君である。

 

おなかに擦り付けられているフル勃起状態のちんぽから、辺りにひときわ濃いフェロモンが広がり、そのイヤらしい匂いにクムユが鼻の穴を広げてスピスピさせる。

 

「な、なまはめせっくしゅ……クムユ、なまはめせっくすされちまうです……♡」

 

うわごとのようにそう言いながら、潤んだ瞳はおなかを擦り付けるグランのちんぽの上からはなれない。

 

グランはそのエロ過ぎるクムユの姿に、このまま一発目を暴発させそうになるのをこらえて、いそいそとスカートを抜き取りに掛かる。

 

(……クムユはカンナ派か)

 

スカートを脱いだクムユのアソコを包み込むお子さまパンツには、デフォルメされたショチトル島の巫女の一人、カンナの顔が魔導プリントされていた。

女児向け公式ファングッズの一つで、なりきり巫女セットと並ぶ定番にして人気商品の一つだ。

 

なぜか、そうナゼか購入者の半数近くが男性であるが、きっと娘へのプレゼントかナニかなので深く考えてはいけない。

ちなみにグランは全種三枚ずつ所持しているが、理由を深く考えてはいけないのだ。

 

グランはクムユの幼さをより強調するプリントパンツに大いに興奮しつつ、グズグズに湿ったクロッチの下に両手の親指を差し込んで、くぱぁ、と大きく広げてみた。

変色もなく、シワ一つないプニプニの大陰唇が、ぐにっとパンツから左右にはみ出て、クロッチ真ん中からは、ゴポッ、とアツアツの愛液を染み出させる。

 

グランは思わずそこに吸い付いた。

 

「ぴゃっ♡ だだ、だんちょーさん、そ、そんなトコ、きたねーです! おなか痛くなっち――まぁっ♡ あっ♡ あっ♡」

 

自分はさんざんチンカスだらけのちんぽをなめ回しておいて、自分のアソコをなめられるのは抵抗があるのか、クムユは小さな両手を弱々しくグランの頭において引きはなそうとするも、グランが、ずぞぞぞっ! と激しくおまんこをすするととたんにキモチ良さそうな顔で足先をピクピクさせた。

 

(うわっ、ナニこれ! ロリドラフの準備汁すげぇ!)

 

口の中に広がる幼い淫水は、ほのかに甘しょっぱく、ミルクとおしっこの臭いがほんの少し混じったひどく淫靡な香りがして、グランの脳内をスパークさせた。

まだ幼いクムユの愛液はまだ独特の臭気やエグみも少ないとはいえ、絶対に美味しくはないはずだったが、異様な雰囲気やエロさもあってか、頭が童貞のグランにはそれが無上の甘露にも感じられた。

 

ズズズッ! っと下品に音をたててすする度に、「ぴゃっ♡ ぅひゃぅ♡」と可愛らしく嬌声をあげて、しとどに愛液を垂れ流すクムユ。

グランは夢中になってクムユのプリントパンツのクロッチにむしゃぶりついた。

 

全空の男達のほとんどがどんなに望んでも味わうことができない13才の美少女ロリドラフの本気汁を好き放題にすすり倒していることに、グランは興奮で頭が沸騰しそうになっていた。

 

「――っ、ぷは」

 

ようやくグランが口を離しヨダレとクムユの愛液でベトベトになった口元を袖で拭ったのは、パンツ越しクンニを初めてから丸々十分程度はたってからだった。

 

「ふやぁ……♡」

 

厚い綿のパンツ越しのもどかしい舌使いで、未使用まんこを散々念入りにねぶられたクムユは、真っ赤にとろけきって全身をぐったり弛緩させていた。

カエルみたいに手足を広げて、涙と鼻水まみれの顔で口のはしから舌をたらし、瞳にハートマークを浮かべるクムユに気づいたグランは、今更ながらなんだか自分がとんでもないコトをしようとしているいることにゴクリと唾を飲み込んだ。

 

「俺、ロリコンに目覚めたかもしれない……!」

 

グランは今まで自分はどちらかというとお姉さん好きだと思っていたが、幼いクムユの恥態を見て張り裂けんばかりにギンギンになったちんぽは、自分のお腹にくっつくぐらいに猛々しく反り返り、溢れ出る我慢汁でテカテカになっている。

 

(今からこのコにおちんぽを突っ込んでしまうのか……! い、いいんだよな! な!)

 

よくないよくない。

ファータグランデでも犯罪である。

一発秩序はまぬがれ得ないぞ!

 

ここにきて一瞬の躊躇にちんぽをさ迷わせる変態グラン君の耳に、「うぅん……」という小さな声が飛び込んできた。

 

ハッと顔をあげると、ようやっと意識を取り戻して、自分にのしかかる柔らかな重さに顔をしかめながら目線をさ迷わせるククルとグランの驚いた視線が、ピタッと重なった。

 

「あれ……?」

 

「あっ……いや、これは……」

 

キョドるグラン、自分の胸の上の小さな角の生えた銀の頭、そこから聞こえるあうあうという蕩けた妹の声……あとこの期におよんでフル勃起状態でピクピク揺れるちんぽ。

 

ククルは一瞬で状況を理解した。

グラン君、ピンチである。

ざまぁ(笑)。

 

「……もう、だんちょーってば、ククル姉ちゃんだけじゃ満足できないって顔してるよ? しかたないなぁ……」

 

そう言って、いまだ上気したままの顔でにっこりと微笑むククル姉ちゃん。

汗と我慢汁をダラダラと流すグラン君。

ククルは、連続絶頂の余韻でまだ重たい両腕をおもむろに持ち上げると、片手をグランのちんぽに、そしてもう片方の手を、クムユの股間に持っていった。

そして、

 

「はいっ♡」

 

グイッ、とベチョベチョになったクムユのプリントパンツのクロッチをずらし、妹のおまんこを露出させた。

アレだけいじられた後にもかかわらず、クムユのそこは肉厚のマン肉にピッチリ閉じられて一本線になり、ぷっくり膨らんだ恥丘に幼い陰核だけをちょこっと覗かせているだけだった。

どこからどう見てもお手本のようなロリまんこである――ゴプゴプと愛液を溢れさせている以外は。

 

「えっ?」

 

「ほらっ♪」

 

更に、グランのいきり立ったエグいイチモツをクムユの割れ目にピトっとあてがい、

 

「だんちょーはクム坊ともエッチしたいんでしょ? もう……お姉ちゃん、クム坊にはまだ早いかなって思うけど、女の子にココまでヤっちゃったら最後までするしかないよね? クム坊もだんちょーのコト結構好きみたいだし、いいよっ」

 

実にイイ笑顔でそう言って、自分の妹の膣口にあてがったちんぽを、シコシコとしごくククル姉ちゃん。

……意識は戻っても正気はお留守のようだ。

 

グランは、ちんぽの先で感じる柔らかいマン肉の熱さと、ククルの手の柔らかい刺激に背筋を痺れさせながら、あまりの展開に目頭がアツくなった。

 

(ククル姉ちゃんからの、13才の妹ロリドラフへの挿入許可! マジでなんなんだこのエロ姉妹最高かよお父さんお母さんあと工房の荒くれさん達ありがとういただきますっ!)

 

グランはそう心のなかで180度頭を下げてから、ククル姉ちゃんのお言葉に甘えて、目の前でノビているクムユのおまんこに腰をグイッと突き出した。

 

「おおぅっ!?」

 

「――っぴゃあああああぁぁぁっ!!!?」

 

ブリュリュリュリュッ♡ という卑猥な音と共に、その凶悪なちんぽの三分の二までもがクムユの中に吸い込まれ、最奥のコリコリしたリングに先端がドチュッと突き刺さった。

同時に、腕のような巨根をねじ込まれてギチギチに広がった入口から、ピュプッ! っとマン汁が吹き出す。

 

「ぅぁ……あ……♡」

 

「……うわぁ……すごーい……♡ こんなトコまで入っちゃってるよ……♡」

 

そう言って服をまくり上げ、グランのちんぽの形にぽっこりと膨らんだ、赤みの差したクムユのおなかを優しく撫でるククル。

クムユは突然の挿入の衝撃に口をパクパクしている。

 

グランは、ククルとの初セックスに続いてのクムユまんこのあまりのキモチ良さに、思わず一瞬で暴発しそうになり、あわててケツの穴をキュッと締めて射精をこらえた。

我慢できずに少しだけ漏れた分のマグマがピュルッと奥を叩いて、そのアツさと感触にクムユは「ぴゃぅっ♡」と身体を震わせた。

 

「ヤバッ……! ロリドラフまんこ、すげぇ……! なんだこの……プリっプリじゃん……!?」

 

小声でそう呟いて、快感に悶えるグラン。

 

クムユのまんこは、あんなに幼い見た目とは裏腹に、ククルよりもずっと楽にグランのちんぽを飲み込んでしまった。

子供の高い体温でアツアツのトロトロになった膣肉は、プリプリと弾力ある肉ヒダを柔軟に伸ばしてちんぽを包み込み、その若くみずみずしい弾力でぎゅうぎゅうと締め付けてくるのだ。

奥へ奥へとちんぽを吸い上げ、コリッとした子宮口がちゅぅぅぅっと亀頭の先端に吸い付いて離れないその感触は、ドスケベの一言だった。

 

ククルのちんぽを外に押し出すような締め付けも、狭い所を無理矢理拡げているような感触もかなりのキモチ良さだったが、クムユのアソコもまた最高のキモチ良さでグランの脳髄をとろけさせる。

 

(まんこの形ってこんなに違うモンなのか……セックスってヤバい! くそっ、俺は今までどれだけの時間を無駄にしてきたんだ……!)

 

そんな最低の後悔をしながら、亀頭に熱烈なキスをし続ける子宮口から、チュポッ♡ っと音をたてて震える腰をグイッと引き戻した。

 

ズリュリュリュリュッ♡

 

「ふうぅぅぅぅっ♡」

 

膣壁を削るような快感に、切なそうな顔で唇を噛むクムユ。

仮首が膣口に引っ掛かって、大きく盛り上がってめくりかえった膣肉が決して離すまいとちんぽに吸い付く。

 

(くそっ、この淫乱ドラフめ! 散々スケベに開発されやがって、今日からは姉妹共々俺の形を覚えるまでちんぽハメ倒してやるからなっ!!)

 

頭の悪い決心と共に、ふたたび勢いよくちんぽを突き刺す。

 

「ぉうっ♡♡♡」

 

「うあっ!?」

 

すると、ズポンッ♡ と音をたてて、肉のリングを突き抜けて亀頭が子宮口にずっぽりと咥え込まれてしまった。

 

「えっ、ウソだろ?」

 

さっきのククルの時には、散々に突き崩してグズグズになったあとにようやくだったのに、この幼いロリドラフはあっさりと子宮口でグランの巨大な亀頭を飲み込んでしまった。

グランの腰はぴったりとクムユの腰にくっついている。

 

「ぴゃぁぁ……♡ く、クムユのおまんこに、だんちょーのおちんぽさんがぶっささっちまいやがりましたぁ……♡♡ せっくしゅ………クムユ、なまハメせっくしゅしちまいました……♡♡」

 

クムユは、ハジメテのセックスに閃光のような快感を感じ、全身がシビれるようなキモチ良さに死んでしまいそうな思いだった。

団長のちんぽが突き刺さったアソコから灼熱の快感が脳髄にまで伝わって、クムユは嬉しいような恥ずかしいようななにがなんだかわからない感情に涙がポロポロとこぼれ、弛んだおしっこの穴からチョロチョロとお漏らしをしてしまうのを止められなかった。

 

夢見心地のままに、思ったままの言葉がクムユの口をついて出てくる。

 

「だいすきです……だんちょー、すきです、だいすきです……♡」

 

そう言って、ゆるゆると両手を上げて、愛しい団長の顔を挟み込み、自分の顔に引き寄せる。

そして、なにも考えずに、目の前の唇に吸い付いた。

 

「あーーーっ!?」

 

驚きの声をあげるククル姉ちゃん。

それをまったく気にも止めず、むさぼるように唇にチューチューと吸い付くクムユ。

 

キスの仕方なんか知らないクムユには、唇をとがらせてくっ付けるコトしかわからないが、クムユは自分の心のおもむくままにグランの唇を熱烈に吸い続けた。

 

グランは、愛の告白と共に自分に幼いキスをし続けて顔を真っ赤にしている目の前の少女に、興奮といとおしさが爆発しそうだった。

クムユはわからないなりに、ちゅっちゅっとついばむように唇を顔中にくっつけたり、吸い付いたり、ペロペロ舐めたり、あむあむと唇や鼻を甘がみしたりして、ハアハアと息をあらげてどんどん興奮を高めている。

 

身体の大きさが違いすぎて、キスをしようとした時にちんぽは引き抜かれてしまったが、それを上回るような快感と幸福感があった。

グランはたまらずに、酸欠になりかけながらも必死にキスの雨を降らせているクムユの口にかぶりつくと、唇をこじ開けて口内に舌を滑り込ませた。

 

クムユは自分の中に入ってきた舌に一瞬びっくりしたと、すぐにやることを理解して熱烈に舌を絡めだした。

これが自分がやりたかったコトなんだと気づいたように、息をするコトも忘れて唾液交換を続ける二人。

 

「あーーっ!! あーーーっ!! ずるいよっ! 姉ちゃんも! それ、ククル姉ちゃんもしてないのにっ! クム坊、ずーるーいーっ!!」

 

そう言って、グランの頭をつかんでクイクイと催促するククル姉ちゃん。

しかし、グランが顔をあげようとしても、間にサンドイッチにされているクムユはグランの髪の毛をがっちりつかんで離さない。

 

調子に乗ったグランが、クムユの姉より大きい風船のようなおっぱいを服の上から揉み始め、ククル姉ちゃんがさらにうるさくわめいても、クムユはベロを絡めるのをやめられなかった。

 

ナゼかときどき自分のおまたをキュンキュンとアツくさせる、ずっと気になっていた存在なグランとの初ディープキスに夢中になって、他のコトがなにも頭に入らなくなっているのだ。

 

ようやく拘束が解けてグランが頭をあげたときにも、クムユは酸欠で朦朧とした顔をしつつ、舌を突きだして、

 

「も、もっと♡ ……もっとだんちょーと、ちゅー……♡」

 

とエロ可愛い顔で切なそうにおねだりをしていた。

 

グランはそんなエロすぎるロリドラフから無理矢理視線をはがし、クムユの下で泣きそうになりながら両手を伸ばし、「ククル姉ちゃんも! ククル姉ちゃんも!」と言い続けているククルの唇に吸い付いた。

 

「あっ♡ ……んちゅっ……♡」

 

「っぴゃぁっ♡♡♡」

 

グイッと乗り出して、クムユの頭越しにククル姉ちゃんにキスをしようとすると、グランのいきりたったデカちんぽが自然と下敷きとなったクムユのロリまんこの中へと、ズププププッ♡ っと呑み込まれてゆく。

 

小さなメスまんこを太い血管の浮き上がったエグいちんぽに拡張されて、プシャッ♡ っとアツい汁を吹き出すクムユ。

今日の今日まで指一本入れたことのなかったロリまんこを腕より太い肉棒でグランの形に拡げられて、クムユはあまりのキモチよさに気を失いそうになった。

 

グランの背中に突き立てられたクムユの指が、ギュウ、とくい込み、プリプリの膣壁がビクンッ♡ ビクンッ♡ とちんぽ全体を締め付けてくる。

 

(ああっ、くそっ!! エロすぎるっ! エロ姉妹めっ! ドスケベ姉妹っ!! くそっ! ヘンタイめっ!! こんなん反則だろっ! 孕めっ!! 二人まとめて、孕めっ!!!)

 

ビュブルルルルルッ♡ ビュプリュルルッ♡ ビュルルッ♡

 

グランは、これまた拙いながらも、妹以上にねっとりと熱っぽく舌を絡めて、ゴクゴクと自分のツバを嚥下してゆくククル姉ちゃんに感動しつつ、股間から伝わってくる激しい快感に、精液を吹き出しながら腰を猛烈に振りまくった。

 

「んっ……むちゅっ……ずずっ……」

 

「ずちゅぅぅっ……♡ っはぁ……好きぃ……♡ だーんちょ……んー……ちゅぅぅ……♡」

 

「おっ♡ ぴゃうっ♡♡ おぅっ♡ はっ♡ おっ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛ぅっ♡ お゛っ♡♡ お゛ぅっ♡♡」

 

ズチュンッ♡ ズピュッ♡ ブピュッ♡ ズプ♡ ブチュンッ♡ ズチュッ♡ ジュプッ♡ グポッ♡ グチュッ♡ グポッ♡

 

めちゃくちゃに叩き付ける腰の間には、精液と混ざりあって泡立った淫液がブクブクと溢れだし、いく筋も糸を引いてはふたたび叩きつけられて周囲に白く濁った汁を飛び散らせている。

壊れたようなあえぎ声を喉から搾り出し続けているクムユのアソコからは、アツい潮がプシッ! プシッ! と何度も撒き散らしてベッドをさらに水浸しにして、しまいには何も出なくなった尿道からプスッ♡ プスッ♡ と空気だけを吹き出している。

 

クムユは力が全く入らなくなった両手脚をもはや臭いが混ざりすぎてスゴいコトになっている長女のベッドに投げ出して、濁ったハートの浮かんだ瞳をひっくり返しそうになりながらも、鼻をすぴすぴと鳴らしながら貪欲にプリプリまんこを締め付けて愛しいグランの精液を搾り取ろうとしている。

ククル姉ちゃんとだんちょーに挟まれて、ぐにぐにと潰されるドラフっぱいの先端が固くたくましい胸板に擦られて、シビれるような快感がクムユをおそう。

イク、と言うことを知らないクムユは、パンパンパンっとグランに激しく腰を叩きつけられて身体がビクンッとなる度に、キモチよさで自分が死んでしまうんじゃないかと言う恐怖とそれを上回る快感に襲われて、頭が何度もスパークしてどんどん意識が真っ白になっていった。

 

グランはククルとのキスで息が続かなくなったらちんぽを引き抜き、ほとんど酩酊状態のクムユとふたたびキスをして、また息継ぎをしてはちんぽを再導入してククルとキスしながら高速ピストンをする、というコトを繰り返した。

 

「うおっ! 止まんないっ! キモチよすぎるだろっ! ドスケベ姉妹丼の無限ループキモチよすぎるっ!!」

 

ビュルッ♡ ブチュッ♡ ビュププッ♡ ブッチュッ♡ グチュッ♡ ズチュッ♡ ブピュゥッ♡

 

グランはすでに何度も射精していた。

クムユに何度か出したあとには、ふたたびククル姉ちゃんのアソコにもちんぽを突き刺して、姉妹で交互に抜き差しして出したくなったら射精するというような贅沢すぎるコトまでしていた。

 

しかし何度もザーメンを発射させてククルとクムユの小さな子宮をパンパンにしても、全くおねだりををやめない淫乱姉妹に興奮が収まらず、ダルダルに垂れ下がった金玉はギュンギュンと音がするくらいにフル稼働してグランの際限のない生命力を精液に変換していき、種がつきる気配も見せないのだ。

 

銃工房の仲良し三姉妹の部屋には、泡立って溢れ出したザーメンや、ククルとクムユの愛液やおしっこのイヤらしい臭いが充満して、年頃の女の子の部屋の臭いと混じりあってそこを酷く淫猥な空間に染め上げ、部屋中の家具や壁にまで卑猥な臭いを染み込ませていった。

 

仲良し三姉妹が平和で穏やかな日常を過ごしていた部屋で、ひどくイヤらしく、引くほどにハードなエロ行為をしていることに、グランは込み上げる興奮を抑えられない。

 

もう何度目かもわからない大きな絶頂に向けて、ククルとのどエロいキスを中断してパンパンパンっと腰を打ち付けるスピードを早めてゆく。

 

クムユはすでに覚醒と半覚醒をいったり来たりしながらガクガク震えるだけになっているが、そのロリおまんこだけはいまだにグランのエグい黒光りちんぽを締め付けて、とっくに飲みきれなくなっているちんぽミルクを貪欲に搾り取ろうとしていた。

 

「……せっくしゅ……♡ しゅきぃ……♡ ……せっく……♡」

 

いかなドスケベメスドラフなクムユであってもそろそろ限界だろうと、最後の射精を最高にキモチの良いものにしようとするグランが今日一番の容赦ない高速ピストンで快感を高めてゆく。

両手でクムユの大きなおっぱいをわし掴みにして、引きちぎらんばかりにグニグニと揉みしだく。

 

「あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡」

 

「だんちょー……これでラストスパートなんだね♡ クム坊も嬉しそうだし、ククル姉ちゃんも手伝っちゃうよ!」

 

お姉ちゃんの意地であろうか、自分もぐちゃぐちゃにされてほとんど残っていない体力をふりしぼったククル姉ちゃんは、自分の上で幼肉をかき混ぜられてぐでんぐでんに伸びているクムユの両膝裏を抱え込んで、グイッとおまんこを突き出すように両足を高く上に持ち上げた。

俗にいう、まんぐり固めの形である。

 

「おおぅっ!?」

 

「ぴゃお゛っ!!?」

 

感触が変わった膣内にゾリッと擦りあげられて、グランが思わず声をもらす。

姿勢が変わって更に深くまで突き刺さったちんぽが子宮ごと内蔵を押し上げ、そのあまりの衝撃と快感に、ほとんど気絶していたクムユもたまらずカエルの潰れたような悲鳴をあげた。

 

「ほらっ、だーんちょっ♡ ククル姉ちゃんと一緒に、クム坊をキモチよくしてあげてっ♡」

 

そう言って、どこにそんな力が残っていたのか、寝転がってクムユを抱え込んだまま、グッ! とブリッジするように勢い良く腰を浮き上げた。

 

「あ゛っ♡♡」

 

はねあげられたクムユの恥骨が上になっているグランの腰に叩きつけられて、アソコの肉が歪むくらいに深くちんぽが突き刺さる。

そして、高速ピストンするグランと、ベッドの弾みを利用して何度も下から突き上げるククルの間で、クムユがクラッカーのようにびたんびたんと激しく往復し始めた。

 

バチュンッ♡ バチュンッ♡ バチュンッ♡ バチュンッ♡ バチュンッ♡

 

「あ゛あ゛あ゛~~~っ♡♡♡ あ゛あ゛あ゛~~~~~~っ♡♡♡」

 

そのあんまりすぎる連携に、クムユはキモチよすぎるビクビクが限界を越えてしまい、幼い少女が出しているとは思えないような野太い悲鳴を狂ったように漏らし続けることしかできなくなってしまった。

 

「これっ、ヤバいっ!! キモチよすぎっ!! 出るっ!! 漏れちゃうっ!!! ザーメン漏れちゃうっ!!!」

 

グランは、幼いクムユをまるでちんぽをしごくための道具のように扱うこの行為の異常なエロさに、気絶しそうなほどに興奮した。

ククルはグランの間抜けヅラに満足そうに微笑んで、可愛い妹がケモノじみた呻き声しか出せなくなっているのも構わずに、よりいっそうはねあげるペースを上げてゆく。

 

「いいよっ♡ いいよっ♡ 残らず、ぜ~んぶ漏らしちゃっていいからねっ♡ ほらっ、だんちょーもクム坊も、頑張れーっ♡」

 

そう言いながら、ククルの瞳の中でピンクの渦がぐるぐると回っている。

 

……この娘はあとで正気を取り戻したらどう思うのだろうか?

残念ながら、グランのザーメンを摂取しすぎてラリってしまい、正気というものだけが一足先にお空の彼方のイスタルシアだかイスカンダルだかまでカッ飛んでしまっている今のククル姉ちゃんでは、とてもそんなコトには考えが及ばないのであった。

 

自称頼れるお姉ちゃんはひたすら明るい声でクッソエロい射精応援を繰り返している。

 

なんだかおかしなコトになっているククルと、口のはしからブクブクと泡を吹き始めたクムユ。

その現実離れしたエロさと、激しく出し入れしているちんぽから伝わる快感で、グランはとうとう今日一番のキモチいい射精を迎える。

 

「うあっ!! で、出るっ、孕めっ! 元気なお姉ちゃんとドスケベ妹ロリドラフっ!! 二人ともっ、俺の精液で妊娠しろっ!!!」

 

グランは小さな声で叫ぶという妙に器用なことをしつつ、もう入らないくらいに精液でパンパンになったおまんこからちんぽを勢い良く引き抜き、ククルとクムユの顔や身体をめがけて、残りのザーメンをすべて爆発させた。

 

ビュブルルルルルッ! ビュブッ! ブッピュウゥルルゥッ! ビュルゥッ!

 

「わっ♡」

 

「ぴゃあ……♡」

 

脈動にあわせて勢い良く吹き出し続ける大量のザーメンが、二人の少女を真っ白に染め上げてゆく。

 

グランは、まだこんなに残っていたのかと思うほどの大量の精液をちんぽの先からほとばしらせて、特濃のゼリー状のダマがブリュブリュと尿道を通り抜けてゆくキモチよさで、腰が抜けそうだった。

ククルとクムユのキレイな銀髪や、可愛らしい顔、お揃いの可愛らしい服を、自分のイカ臭いザーメンで汚す快感で、ずっしりしていた金玉はどんどん軽くなってゆく。

 

ククルもクムユも、とろけきった真っ赤な顔でその命の噴水を見上げ、そしてほとんど同時に、ここに入れろとでも言うように、あーっと大きく口を開けた。

 

グランは内心でこの隠れビッチどもめっ! と感動しながら、最後のザーメンを二人のおくちめがけて放出した。

 

魂まで射精してしまうんじゃないかという長い射精が終わると、仲良し姉妹二人はぐったりしながらむぐむぐと味わうようにプリプリのザーメンをソシャクし、ものすごく大事そうにゆっくりゆっくりと飲み込んでいった。

 

大きな塊を飲み込む度に、細くて白い首筋がボコボコと膨らむ。

 

そして、喉に酷く引っ掛かる黄ばんだ特濃精液をほとんど同時に飲み込み終わると、二人そろって、けぷっ♡、とカルキ臭いげっぷをして、

 

「……まんぞく♡」

 

「おにゃかいっぱぃれす……♡」

 

そう言って、実に満足そうな顔で仲良く気を失ってしまった。

 

グランは荒い息を落ち着けて、いくぶんか冷静になった頭で自分の精液でどろどろになったククルとクムユを見下ろした。

 

色んな汁でぐちゃぐちゃになって、もう元のよい香りが欠片も残っていないシーツの上に重なった二人は、真っ赤に充血してぽっかり開いた膣口から、ゴポッと白濁したザーメンを溢れさせ、幸せそうに寝息をたてている。

 

口のはしからも精液をたらし、すぴー、と鼻息を鳴らすと同時に鼻から精液ちょうちんを膨らませている。

 

グランはそのあきれ返るほどにエロい光景に目頭をアツくしつつ、自分に最高の筆おろしをしてくれた二人に心からの感謝を込めて深く頭を下げた。

 

「ククル姉ちゃん。クムユ。ビッチでありがとう」

 

そうして、クムユのスカートでちんぽを拭い、名残惜しさを感じつつクムユの大きなおっぱいを二三回揉んだあと、いそいそと部屋中に浄化や消臭の魔法をかけてゆくのであった。

 

 

 



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閑話 ジータとルリア、油断する。

「なんか今日薄なかった?」

 

テカテカした満足げな顔にわずかばかり怪訝な色をにじませてそう言うのは、好奇心旺盛なエルーン族の狐少女、ユエル。

腕のように太い黒光りするブツに指を這わせてグニグニと揉みしだき、もう片方の手でぽっこりと少しふくれたおなかをさすりながら、白濁した液体で汚れた鼻先をヒクヒクさせている。

 

「え? そうだったかなぁ?」

 

「う、ウチもいつも通りやった思うけど……」

 

いそいそと乱れに乱れた服を着直しながらジータがそう言えば、続けて艶やかな白髪に黄ばんだ粘液をこびりつかせたエルーンの少女ソシエもまた、精液がべっちょりと染み込んだ手巾を密封容器に大切にしまいこみながらそう続けて、確かめるように自分の手の臭いをスンスンと嗅いでいる。

 

「うーん、気のせいやろか……どれ、もいっぺんだけ――」

 

「ダメですよっ! そろそろお薬の効果が切れちゃいますし、今日はもうおしまいですっ!」

 

こびりついたヨダレやらナニやらをキレイに拭き取られてピカピカになった少し萎びたちんぽを、そのしなやかな手でムギュっと掴んでふたたび口に含もうと、ア~ンと八重歯を覗かせているユエルに対し、青髪の少女ことルリアが、めっ! と可愛らしくしかりつけた。

ユエルからちんぽを奪い返すと、しごかれたことでまた大きくなり始め、太い血管をボコボコと浮かび上がらせる凶悪なブツを、せっせとズボンの中にしまいこもうとする。

 

一晩中もの間、性的好奇心旺盛な四人の年若い少女に散々搾り取られたあとだと言うのに、呆れかえるほどの絶倫さである。

大きくなったそれを無理矢理ズボンに納めようと四苦八苦するルリアを恨めしそうに見ながら、ちんぽの代わりにと、はぎ取ったパンツの股間部分をチュウチュウしゃぶりつつ疑念を繰り返すユエル。

 

「んー……昼間の内に抜いてたんちゃうのん?」

 

「そんなハズないです! ジータも私もいない間は、ちゃんとミスラに見張っていてもらってますから。しゃせーしてたら分かるハズです」

 

得意気にカルキ臭い鼻息をフスーっと漏らしながらそう言って、なんとか閉じることができたズボンを満足そうに見下ろすルリア。

結局ズボンのウエストから亀頭が完全にはみ出してしまっている。

それでいいのか。

 

時は風すさぶ夜明け前。

ここは、いま話題沸騰中の有名騎空士率いる一大騎空団の騎空船団が一隻、最初の艇ことグランサイファーの団長専用寝室だ。

 

中央にデカデカと設置された王様のようなベッドの上で間抜けな寝顔をさらしている青年こそ、我らがドスケベ団長、主人公のグラン君である。

 

色々なエロい体液でぐっしょりと湿った最高級のシーツの上に大の字で寝そべって、両手に花というどころか、ジータ、ルリア、ユエルにソシエと、両手両足にいずれも劣らぬ四人の美少女をはべらすトンでもないハーレム野郎……に、見えるが――

 

実際には睡眠薬と言うには生ぬるいような特製の昏睡薬を致死量の何倍も盛られてようやく熟睡しているところを、信頼している自分の団員達によってたかって睡眠レイプされているだけである。

 

キングサイズのベッドは、いつの間にかジータによって購入されて、コレまた勝手に防音・拡張改造された寝室のど真ん中に設置されていたモノだ。

この改装にお金がかかりすぎて九界琴の解放が後回しにされ、当時のグランとニオは涙目になった。

 

基本的にグラン君は被害者なのだ。

 

毎晩のように行われるこの犯行を知る団員はごくわずかだ。

船に乗った当初はジータとルリアのみだったが、三年以上にも渡って百人二百人と団員を増やしてゆけば、どこかでアヤシイ匂いを嗅ぎ付けてくる団員が出てくるものである。

 

この夜に参加していたユエルもその一人だ。

 

長年に渡る違法改造によって異常なレベルのフェロモンを放つようになってしまったグランは、全女性にとってネコに対するマタタビに等しい危険物だ。

普段は妹であるジータがこっそり消臭の魔法をかけてごまかしているが、どんなに入念に魔法をかけようとしても、若干量は漏れてしまう。

 

臭いに敏感なエルーン族のユエルは、そんなたまらなくイイニオイのグランの周りを、持ち前の好奇心でもって文字通りの意味で嗅ぎ周った。

そしてある時、ジータとルリアがグランのイイニオイによく似た、なんだかとてもイヤらしい匂いを僅かに漂わせているコトに気付いたのだった。

 

一度は、グランがジータやルリアと、そういう、オトナなカンケイになってしまったんだろうとナゼか残念な気分になったユエルだったが、三人の様子を見ても、また勇気を出して実際に聞いてみても、グランには全くそんな様子が見られなかったのだ。

 

しかし、ジータとルリアは違った。

 

「な、ナンニモシテナイヨー」

 

「ななな、つち、つ、突きあってナンて、そそそんなコトは……!!」

 

二人はトンでもない大根だった。

 

……アヤシイ。

鋭いユエルはそう思った。

たぶん鋭くなくてもそう思った。

 

二人がナニかをしていることはメイハクだった。

ユエルはそのナニかの証拠を抑えるべく、何をどう血迷ったのか、グランのベッドの下に潜り込むという奇策を思いついてしまった。

 

団長寝室周辺は夜間立ち入り禁止になるので、メイドのドロシーが部屋の掃除を終えるのを見計らって昼間の内からこっそりと寝室に忍び込むユエル。

ベッドの下に潜る前に少し枕の匂いを嗅いでみたが、キレイに洗濯したものと交換されてしまったのか残念ながら全くの無臭でひどくガッカリした。

 

……すでにどこかおかしい気もするが、ユエルは真剣だった。

真剣にワクワクドキドキしていた。

 

何か起きれば証拠を抑えられるし、何も起こらなくとも、グランと同じベッド(上下だが)で寝られる。

しかも、

 

(もしかしたら、グランが一人でなな、ナニかするかもしれんし……!)

 

ユエルはエロいコトにも好奇心旺盛だった。

既にグランのフェロモンで若干おかしくなりかけているのかもしれない。

鼻息を抑えつつ、片手をそっと下着の中に入れて準備はバンタンである。

 

しばらくして、ガチャっという音がして、誰かが入ってくる気配がする。

 

いよいよか! と身構えていると、シュルシュルと衣擦れの音がして、パサッと服がカゴに投げ入れられる音が。

いかにも眠そうなあくびの声と、フワッ……とベッドの下にまで漂ってくるイイニオイ……間違いなくグランだ。

 

ユエルは、ほんのすぐそこで生着替えをしている……であろうグランに、

 

(アカン……コレ、思てたよりエッチかも知れへん……どないしょー……)

 

この時点でもう動かしたくてたまらなくなっている手を、流石にヤバいと必死に抑えながら息を潜めていると、ボフッ、とベッドの上から人の倒れこんだような音がした。

よほど疲れていたのか、グランはシャワーも浴びずに横になったらしい。

 

すぐに聞こえてきた、ス~……ス~……という寝息に、ユエルはホッと肩の力を抜いた。

 

あのままグランがシャワーを浴びに行ったら、アブなかったかもしれない。

 

一枚の壁を隔てて、生まれたままの姿で無防備にシャワーを浴びる、気になる男の子。

そして近くにはたった今彼に脱ぎ捨てられたばかりの服。

 

一枚くらい借りちゃおうかな……と思わなかったとは言えなかった。

 

(しっかし、よー寝とるなぁ……な、ナニもせえへんかったし)

 

意外なほどに可愛らしい寝息に若干ドキドキしつつ、今日の目的を思い出す。

少し、そうほんの少しだけ期待はハズれたが、問題はここからなのだ。

もしかしたら、あのアヤシすぎる二人が訪ねてくるかもしれないのだから……

 

ユエルは緊張もあらたに、声を出さないように注意しながら、グランの寝息に大きな耳をすませつつ、大好きな臭いをスンスン嗅ぎながら下着の中でゆっくり手を動かしてその時を待った。

ナニやってんだコイツ。

 

(アカンて……これクセんなるわ……あ)

 

ガチャリ、とドアノブをひねる遠慮のない音の後に、

 

「おじゃましまーす♪」

 

「しまーす♪」

 

と、明るい声で挨拶しながら二人の少女が入ってきた。

ウキウキとした声色を隠そうともしないその二人は、ユエルがニラんだ通り、ジータとルリアで間違いなかった。

 

(ああ~……やっぱりなんや……)

 

ユエルは、自分の予想が当たってしまったことに、思っていた以上の落胆を感じ――そんな自分に、驚いた。

 

グランの態度からも、グランには本当に恋人はいないと思っていたのに……恥ずかしそうに「いないよ」と言った、あの言葉は嘘だったんだと、ユエルはなんだかムショウに悲しくなった。

 

小さな水音を立てていた右手は完全に止まってしまっている。

 

(ウチ……ウチ、こんなにグランのコト好きやってんな……)

 

ここにきて、やっとユエルは自分のキモチの正体を認めたのだった。

 

もう認めざるをえなかった。

 

なんならグランが二人とエッチなコトをしているのを覗いてオカズにしてやろうくらいに思っていたハズなのに、実際に目の当たりにしてしまえばこの有り様だ。

とても耐えられそうにない。

 

手遅れになる前にさっさと出ていって、驚く三人を適当にからかって逃げてしまおう。

 

そう思ったユエルだったが……ベッドから出ようと外の気配を探ると、どうも様子がおかしいコトに気づいた。

 

「よーし……どーこー確認! ……うん! よ~く寝てるね♪ よいしょっ」

 

なんだか妙に高いテンションでそう言って、ボフッ、と、おそらくジータの方がベッドに飛び乗ったようだ。

 

「ルリア、脚の方♪」

 

「はいっ!」

 

ルリアのハキハキとした返事とともに、ルリアも一緒にベッドに乗り込んで、人――グランを持ち上げて運んでいるような気配。

そして、二人のよいしょっという声と、ベッドの中央にグランが移された気配を感じた。

 

(…………あれ、オカシない?)

 

先ほどから、二人はそこそこ大きな声を出している。

物音も普通に出しているし、結構ハデに動いていると思うのだが、ナゼか先ほどから全くグランの声がしないのだ。

それどころか身じろぎひとつしていないような……ひょっとしてまだ寝ているのだろうか?

 

ユエルが外に出てゆく機会を見失っていると、

 

「今日はルリアからでイイよ」

 

「わあ! ホントですか♪」

 

「うんっ、最近私ばっかだったし、今日はまずは見学してよっかな……と、はい」

 

「えへへ~久しぶりの一番搾り、嬉しいですっ……よいしょ……っと」

 

グランからの反応が全く無いままに、ベッドの上からギシギシと動く音と、シュルシュルという衣擦れの音が聞こえてきた。

 

(え? え? どゆこと? グラン、寝てるん? 寝たまま脱がしとるん? ちょちょ、ちょっと待って――)

 

おおいに混乱する狐耳エルーン。

もちろん、十代後半の少女二人組と思わしき、手慣れた様子の実行犯が待ってくれるわけもなく――

 

「っはわあ~……今日もとってもイイ匂いです! えへへ~……えいっ♪ はわっ!? 今日はシャワーにも入ってないみたいです! 睡眠薬の量がちょうど良かったみたいですね♪ 見てくださいっ、ちんかすさんがこんなにいっぱい……!」

 

「あっ、いいなぁ……言わなきゃ良かった……」

 

「え!? う、う~……じ、ジータも、少しだけなら……」

 

「ホントっ!?」

 

(!?!?!?!?)

 

そして、混乱の極みにあるユエルは、もはや出てゆく機会を完全に逸したまま、当初の予想をはるかに上回るドロドロな饗宴を目の当たり……ではなく耳当たりにするのだった。

 

朝日も上る頃になってようやくベッドの下の気配に気付いたジータがあわてて身体をシーツでくるみベッドの下からナゾの人影を引きずり出したときには、ユエルは頭から湯気を吹いて目を回し、鼻血をたらして気絶していた。

 

その後、涙目になって全身を真っ赤に染めるというめったに見られない状態のユエルに厳しく問い詰められた二人があっさりと事情をゲロり、口封じとばかりにユエルを行為に誘ったのだった。

 

初めのうちはそれをかたくなに拒否して、卑劣な犯罪者二人を管轄に引き渡してかわいそうなグランを保護しようと息巻いていた、意外にも驚くほどマトモなユエルだったが、必死になった二人による、グラン君のザーメンなどの体液を利用した巧みな説得により、なんやかんやでユエルもまた共犯関係になってしまうのであった。

あとソシエはなんかある時ユエルが勝手に連れてきた。

 

グラン君かわいそう(ペッ)。

 

そんな訳で、この日の秘密のパーティーに参加していたユエルとソシエは、後ろ髪を引かれたような表情で、「またくるで!」という大胆極まる犯行予告と共にグランの寝室を出て、他の団員にばれないようにこっそりと自室へ戻ってゆくのだった。

 

残されたジータは、部屋中に浄化や消臭の魔法を重ねがけしたり、特製の消臭スプレーを振り撒いたりしながら、ふとルリアに改めて問いかけてみた。

 

「ねえルリア、さっき言ってたミスラのことだけどさ。契約の内容ってどんなだっけ」

 

そう言いながら、グランの足首を引っ掴んでズリズリとひっぱり、昨夜彼が倒れこんだ辺りにそのときとおんなじ姿勢で横たえる。

 

「はいっ。ええっと……『グランは決して一人で射精してはいけない』です!」

 

やたらと可愛い声で元気よく答えるルリア。

あわれグラン君は知らぬまに射精を管理されているのだ。

 

このお話において、グランは旅立ちの日に襲いかかってきたヒドラをワンパンでミンチにしている。

当然命の危機なんてなかったコトになっているので、ルリアと命のリンクを結んだりといったかなり重要な部分がカットされているのだ。

 

したがって、グランがどこでナニをしているかを知るために、ルリアとジータは星晶獣の力を借りるコトにしたのだった。

強大なる星の民の力を、罪もない少年の射精管理の為に無駄遣いする星の遺児。

 

星の民激おこである。

 

「うーん……ってことは、この前のシェロさんみたいに、他の女の子に搾り取られちゃうってこともあるかもだよね……」

 

「……あ」

 

ルリアは、しまったという風に両手を口に当てた。

 

ジータはグランと一緒に旅に出てからこちら、グランの精液をルリアと二人で

ほぼ独占していた。

なにせ、グランは自分と血を分けた実の兄妹であるにも関わらず、ザンクティンゼルでは兄を島民女性全員で共有しなければならず、思う存分にお兄ちゃんセックスできずにずっと不満だったのだ。

この文章おかしい。

 

とにかく、グランのおちんぽを共有する女性をできるだけ少なくしたかった兄(のおちんぽ)思いなジータちゃんは、普段は極力仲の良い兄妹程度の接触にとどめ、兄に近づく女性たちにそれとなく注意を払っていた。

 

さいわい、起きている時のグランはただちょっと人外なだけのヘタレ童貞だったので、彼のフェロモンにさえ気を使ってやればときどき近づいてくる物好きに少しだけ殺気を飛ばす程度でなんとかなっていたのだ。

 

それで油断していたのであろう。

 

先日、シェロカルテが、

 

「コレは特別な新商品なので~……くれぐれも、男性の団員さんたち……特に団長さん本人にはバレないようにしてくださいね~……♪」

 

といって、大判の封筒をこそこそと一部の女性団員に配って回っていた。

とっておきとの言葉に少しワクワクしつつ、自室でそれを開封してみると、中に入っていたのは赤くなめした皮に金箔を押した豪華な装丁に、最近出回り始めた高価な多色刷り魔導プリントを全ページに贅沢に利用した、高級感溢れる商品カタログであった。

しかしジータを心底驚かせたのは、表紙を開いた1ページ目に流麗な書体で金押しされたその文面だった。

 

『憧れの騎空士さんが貴女のベッドに! 一分の1スケール・リアルグラン君シリーズプレミアムカタログ』

 

「な、ナニコレーーーっ!!?」

 

だいたい同時刻、船団のそこかしこで同じような悲鳴が多発したという。

 

その文字の下には、どう見ても自分の実の兄、頼れるみんなの団長さんことグランにしか見えない、どこか冴えない二枚目半の、優しげに微笑んだイラストが描かれている。

ナゼか半裸で。

妙になまめかしく。

 

呆然としつつ、手だけはスイスイとページをめくってゆけば、中に紹介されていたのは女性向け(一部男性向け)のアダルトグッズの数々。

しかもその大半が、

 

「…………コレ、グランだ……」

 

このジータちゃんが決して見間違えるハズもない、親の顔より見たちんぽ(親の顔知らない)、グランのグラン君の形を忠実に再現した激エログッズであったのだ。

 

「うわぁ……うわぁ……」

 

ノーマルなディルドに始まり、玉の有る無し、吸盤付き、振動機能付き、擬似射精機能や体温再現、パンツ型や双頭型に、入門(?)用の小型版に下腹部トルソー型とバリエーション豊かなちんぽのオンパレードだ。

そこかしこにいちいち描かれたデフォルメグランが悩ましげな顔で、

 

『もっとゆっくり……っ!』

 

『で、出ちゃうっ!』

 

『キモチ良すぎるよぅ……♡』

 

と頭の悪すぎる吹き出しを出して、興奮を誘う煽り文句とともにいたいけな少女の購買意欲を掻き立てる本気仕様だ。

シェロカルテと職人たちの本気は、まさしくマジだった。

バカじゃないのか。

 

しかも、リアルの触れ込みがコレまたダテではないのだ。

 

毎晩のようにグランのちんぽをいじり倒しているジータには、そのディルドが、サイズやシルエット、血管の細やかな凹凸から色艶に至るまで、本当に忠実にグランのモノを模していると確信できた。

なにせグランの身体のなかでもっとも触っている部分だ。

グラン本人よりも詳しい自信がある。

コレは予想や伝聞で作成できるようなシロモノじゃなかった。

  

「……いったいいつの間に……ど、どうやって……!」 

 

顔を赤くしたり青くしたりしながら、フンフンと鼻息荒くカタログを隅々まで読み込むジータの部屋に血相(と下着の色)を変えたルリアが駆け込んで来てから、二人で相談して結局本人に聞いてみるしかないと結論づけ、シェロカルテの元へ息巻いて押し掛けると、

 

「はい~、もちろん、グランさんご本人にご許可を頂いて、実物の型を取らせて頂きました~♪」

 

「なあっ!?」 

 

「はわぁっ!?」

 

そう詫びれもせずに言い切られてしまった。

恐る恐る、いったいいつの間にどうやってと聞いてみると、

 

「先日ベネーラビーチにご招待させていただいたときにですね~……方法は……うふふふふ~♪ 団長さんにも悪いですし、企業秘密! とさせて頂きますね~♪」

 

ヤってるわ。

 

コレ完全にヤってるよ。

 

ジータとルリアは絶望した。

自分たちが夜の間好き放題している後ろめたさに一歩踏み出すのをためらっていたら、横からきたワイバーンに油揚げをかっさらわれてしまった気分だった。

もう永遠にグランの心の童貞は手に入らないのだ。

それどころか、はじめてを奪ってくれたシェロカルテにコロッとイカれて、けけ、ケッコンとかしちゃうかもしれない! と、二人は大いに焦ったが、なんとか詳しく聞き出してみると、どうやら本番行為にまでは至っていないようで、なんとか最悪を免れた二人はホッと慎ましやかな胸を撫で下ろしたのだった。

 

そしてふたたび戻った自室で額を付き合わせる二人。

今回は未遂で終わったが、次はどうなるかわからない。

当初はグランが他の女性とどうにかなると思わず、とりあえず精液が薄くならないようにとオナニーだけを制限させたが、今後はそれだけでは不安だ。

しかし改めてミスラに頼もうにも、最初にグランのオナニー制限を手伝わせて以降完全にヘソを曲げてしまい、どうにも協力を得られそうにない。

 

それどころか、旅に協力してくれている星晶獣たちはみな、星の民のような特別な力も持たず自分達を屈服させ、それでいて他者と垣根なく親しみをもって接してくれるグランに対して特別な思いを感じているようで、グランの不利益になるようなお願いには非常に反抗的なのだ。

グランに対してヒドいコト(性の別を持たない星晶獣たちには、なんとなくそうらしいとしかわからないが)をしている二人にはあまり良い印象を抱いていないようで、シブシブでも力を貸してくれているのはほとんどグランのためのようなものだった。

 

結局悩みに悩んで出した結論は、夜の内に搾れるだけ搾って、昼間に変な気を起こさせなくしようという非常にシンプルなモノだった。

そのために、今までたまにしか参加させなかった事情を知る他の団員にも積極的に声をかけて、いつもよりハイペースで搾精していた。

 

団内にはグランに気がありそうな女の子がかなり多い上、比較的積極的なアプローチが多い団員もちらほらみえる。

アナタ他に好きな人がいたんじゃなかったっけ? というコまで、時折悩みを相談するようなそぶりでグランにコナをかけようとしている所をしばしば見かけるほどだ。

 

しかしなんやかんや、この団の女性はみな肝心なところでヘタれるファッションビッチばかりなので、グランの方さえその気にならなければそれでなんとかなるだろうと甘い算段をたてたのだった。

 

睡眠レイプバレで嫌われてしまうのが怖くて、散々好き放題してるくせにグランに告白の一つもできない一番ヘタレな二人がナニをタワケたコトを考えているのだろうか?

 

そんなわけで。

 

ちゃっかりシェロから購入してきたリアルグラン君シリーズも併用して、今まで以上の淫蕩の限りを尽くす饗宴を夜毎に繰り返すジータとルリアは、昼間の大半をマヌケな顔で爆睡を決め込むコトになり、今まで以上に監視が緩くなるのであった。

 

ユエルが言っていたコトは非常に気になる事実だ。

ゆゆしき事態である。

三年以上も何事も無かったのだし、そんな立て続けに勇者が現れるとも思えないが、警戒は必要だろう。

 

しかし、

 

「なにか考え……ふあぁぁ……んん……」

 

「ふあぁ……ええと、今日! 今日の夜に考えましょう……ふあぁ……」

 

今日のところは眠気がひどいので、とりあえず今日の夜に対策を話し合うことにしようそうしよう。

問題を華麗に先送りにした二人は、部屋の片付けを済ますと、グランのほっぺとお尻にお休みのキスをしたあと、ノロノロと自室へと戻ってゆくのだった。

 

どうやら今日もグラン君の昼の平和は守られるようだ。

よかったね!

 

こうして、大好きなグラン君の心の童貞とかいうクソみたいなものがとっくにククル姉ちゃんに奪われてしまっているコトにも気づかず、ジータとルリアはもうしばらく呑気な日々を過ごすのだった。

 

二人の明日はどっちだ。

 

 

 

 




ジータちゃんは天才だけど人外じゃないし、基本アホの子


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ラムレッダ、混乱する。





 

 

「おお~、いい雰囲気だね!」

 

「だろう! 知る人ぞ知る秘湯、とっておきの穴場だぜ!」

 

「こいつぁまた、さすがソリッズの旦那、良い場所知ってるねぇ」

 

「流石にござる」

 

「美味しいお酒とかお料理も出るのかにゃ~?」

 

「おうよ! 味の方も保証するぜ!」

 

力強くウインクするソリッズに、グランたちはそれぞれの歓声を上げる。

 

ガロンゾでの迷い竜討伐の依頼を片付け、汗やら煤汚れやらでドロドロになった身体を休めようとソリッズに連れられてやってきたのは、町からだいぶ離れた山間の老舗温泉宿だった。

 

年期の入った味のある佇まいは、古いながらも隅々まで手入れが行き届いてオモムキ深い雰囲気を漂わせ、漂ってくる料理と硫黄の香りが今回の依頼メンバーみんなの期待をいやおうもなく膨らませる。 

 

「五人で一泊、朝夕メシ付きで、部屋割りは……飲んべえの姉ちゃんは団長のお守りでイイよな?」

 

「んにゃっ!?」

 

「ソリッズ、からかわないでよ……一人部屋と、四人で入れる部屋を一つ、空いてますか?」

 

「はい、空いておりますよ。宿帳はこちらにございます――」

 

一人部屋のラムレッダに宴会場で会おうと手を振って、グラン、オイゲン、ジン、ソリッズの男四人は、落ち着いた雰囲気の老女将に案内された部屋に荷物を下ろす。

四人はおしぼりで汚れた顔をぬぐいながら、口々に今日の依頼の面倒くささや、首尾よく完遂できた喜びを笑いあった。

 

「いやぁーしかし、はぐれのトカゲ自体は大したこと無かったけどよ、地主のジーさんには参ったよなぁ」

 

「うむ。団長殿が居られたからよかったものの、木を一本も傷つけずに捕獲してくれというのはあまりにも……」

 

「あのジジイ、イチャモンつけて報酬金を踏み倒そうってスケベな魂胆が見え見えだったんだよなぁ。だいたいあそこの土地は元々丸裸の更地にする予定だったんだろう?」

 

「ははは。まあお陰で報酬をだいぶ吹っ掛けてやれたし、いいお灸になったんじゃない?」

 

「違ェねぇ!」

 

今日の依頼主は年老いた大地主で、一ルピを惜しむようなセコさで小金を溜め込んできたような小ズルい土地転がしだった。

 

シェロカルテから、高い報酬で騎空士を釣って、理不尽なイチャモンをつけては依頼を失敗扱いにしてタダ働きの上に違約金まで払わせるという悪どい手口を繰り返している不届きなやからを懲らしめてほしいとの密命を受けて挑んだこの依頼。

 

グランがいれば一瞬で片がつくだろうと気楽にしていたら、コトもあろうに依頼主が個飼いのヤクザものに手を回して竜にちょっかいをかけて暴れさせ、森を焼け野原にしようとしたのだ。

無茶苦茶に吐いた火炎のブレスを、グランとラムレッダで防護魔法を重ねがけした身体でもって髪を焦がしつつ全部防いでみれば、最後にはなりふり構わなくなったヤクザものたち自らが木々に火をかけようとし始める始末。

 

グランが八面六臂の活躍で山中に散らばった荒くれを片っ端からひっつかまえてくれなければ、危うく依頼失敗となるところだった。

 

「吹っ掛けまくった報酬金に高い慰謝料、ついでにクソジジイを官警に付きだした礼金とシェロの嬢ちゃんからの依頼完遂料! いやぁ、団長のお陰で笑いがとまンねぇぜ! ……で、だ。フトコロも温まったコトだしよ、今晩あたりは四人で夜の町とシャレ込まねぇか?」

 

「へ?」

 

ソリッズからの心ときめく妖しいお誘いに、思わずマヌケな声を漏らすグラン。

ジンがあわてた様子で腰を浮かせる。

 

「む!? ソリッズ殿、団長殿までそのような……」

 

「おいおい、かったいコト言うなよジン! 団長だってもう子供って年でもねぇだろうよ。ナニもいきなり娼館になんか連れてかねえって……可愛いネエチャンとお喋りしつつウマい酒でもな? それくらいは男のカイショウってヤツだろう、なあオイゲン?」

 

問いかけられたオイゲンは、アゴに手をやり、むうと唸る。

 

「ダメだ! ……と、無下にもできねぇなぁ。確かに、最近じゃあグランもいっぱしの男の風格ってヤツがついてきたコトだし、団長殿が行きたいってんならんなら止める訳にもいかねぇか、な?」

 

オイゲンのまさかのソリッズ擁護に、グランは内心喝采を、ジンは焦燥の声を漏らした。

 

「オイゲン殿までそのような……しかし確かに一理ある、か……? いやいや! やはりこういったコトを某達が教えてしまうのは!」

 

「っかーーーっ! お堅いねぇジンよぅ! こういう男のロマンを正しく教えてヤンのが大人の役目じゃねぇか! で、どうすンだ団長? オメエさん、顔はそれほどワルくねぇし、ガタイもいい。しかも凄腕の騎空団長で金持ちとくりゃあ、色街のネエチャンにもモテモテだぜ?」

 

「も、モテモテ……」

 

グランはゴクリと生唾を飲み込んだ。

最近、シェロにククルにクムユと、ニワカにモテ期が到来してきたグランではあったが、それでもグランの並み並みならぬ性欲を満足させるには至っていなかったようだ。

 

モゲればいいのに。

 

だいたい、団内には美人や美少女が山ほどいて、中には自分に対して思わせ振りな態度や言動をするコまでいる状況であったのに、勘違いが怖くて四年近く手の一つも出せなかったヘタレなグラン君である。

 

何度か意を決して、立ち寄った島の娼館に足を踏み入れようとしたコトもあったが、毎回直前になっては、

 

まず入ったら何て言えば?

俺って挙動不審じゃないか?

そもそもどんなコトしたらいいんだ?

作法とか暗黙の了解とかあるのか?

笑われたり、イヤイヤされたりとか……初めてなのに好みじゃないコとか、お婆ちゃんとか来ちゃったら……

 

などとぐるぐる考えた末に、毎度ヘタれてはスゴスゴとおフネに戻る筋金入りの童貞っぷりであった。

 

そんないまだ心はプロの童貞なグランにとって、この道の大ベテランなソリッズの誘いは一も二もなく飛び付きたいものであったが、

  

「だ、団長殿! 確かに団長殿はもう立派な大人! 某はコレを否と捨てる筋合いにはござらんが、団長殿に夜遊びさせたと知ったら、副団長殿やルリア殿はなんとお思いになるか……!」

 

「うっ!?」

 

「あー……そりゃぁ……」

 

「うぐぅ! た、確かに妹の嬢ちゃんを怒らすのはコエぇかも知れねぇけどよぅ……」

 

ジンの必死の指摘で、一斉に顔色を変えるスケベ三人。

 

グランの妹、鬼の副団長こと我らがジータちゃん。

旅の始めから今に至るまで、バケモノ揃いの騎空団でずっと副団長の座を守り続けているのはダテではない。

ほぼ人外なグランには及ばないにしろ、彼女もまた騎空団最大戦力の一人だ。

 

普段笑顔な彼女を怒らせても何一つ良いことがないと重々承知しているソリッズオイゲン両名は即座に思い直したのだった。

 

こうして、ガロンゾの花街の平和は今日も守られたのであった。

 

 

 

 

(ああ……また挑戦しそびれてしまった……ジータめ、くそぅ)

 

夕食までの間にひとっ風呂浴びてはどうかとソリッズに進められ、名物の露天風呂に入ろうとうなだれながら板張りの廊下を歩いているグラン。

 

オイゲン達は、後から行くと言ってグランを部屋から追い出したのだが、グランはきっと残った三人で夜の相談でもしているんだろうとふてくされていた。

 

「結局ジンさんもあっち側なんじゃん……サラに言いつけてやろうか……っと、ここか」

 

グランが顔を上げると、脱衣所の入り口が二つ、それぞれ男、女と、藍地に白く染め抜かれた暖簾がかかっている。

 

(何年か前に混浴を廃止したって言ってたよな……おのれ、無粋なコトを)

 

主にお前みたいなヤツのせいだよ! なコトを考えつつ、女の一文字の暖簾の先に心惹かれながら男湯の暖簾をくぐるスケベ団長グラン。

 

脱衣所には旅館中にうっすら漂っていた硫黄の匂いが充満していて、グランは思わず鼻をむずむずさせた。

暗い気持ちを切り替えて、名湯と評判の温泉に期待を膨らませながら浴衣を脱ぎつつ棚から空のカゴを引っ張り出す。

帯を解きつつ見回すと、空っぽのカゴが並ぶ中一つだけ浴衣が放り込まれたカゴがある。

 

(先客が一人、か)

 

そう思いながら、素っ裸になったグランは胯間の長剣をブラブラさせつつ備え付けの手拭いを一枚引っ掴んで引き戸を開けた。

 

そのとたんに、むわっ、と真っ白い湯気が熱気とともに顔をなでる。

 

(おおー……これはなかなか)

 

外を見渡せば、背の高い飴色の竹柵と種々こもごもな木々がしげる庭園に囲まれて、石作りの大きな露天風呂が広がっていた。

空を見上げればそよぐ枝葉の間に銀色の月が覗き、洒落人とは言いがたいグランをしてもののミヤビとやらを感じさせる見事な景観だ。

 

(いいなぁココ。今度はビィとか団のみんなも連れて来なきゃ)

 

すっかり気分を良くしたグランは、さっそく掛け湯でもしようと端に積まれた木桶を手に取り、ペタペタと湯船に向かった。

湯船には小柄な先客が一人、こちらに背を向けて浮かせたお盆から手酌でトックリを傾けている。

 

湯気でよく見えないが、頭から伸びた角を見るにきっとドラフのおじさんだろう。

グランはその人影になんとなく違和感を覚えつつ、湯船を揺らしてお盆をひっくり返してしまってもいけないと思い、桶を湯に入れる前に先客に一声掛ける。

 

「失礼します、お湯、揺れるんで気をつけて下さいね」

 

「んにゃぁ? ああ、どーぞどうぞにゃ――あれ?」

 

(あれ、男にしちゃなんか声が高い、というかひどく聞き覚えのある……)

 

湯をすくいながら、ナゼか背筋に冷たいモノを感じつつ顔を上げると、くるりと振り返って笑みを凍らせたドラフのお姉さんとバッチリ目があった。

 

ざばぁ、と肩から湯を掛ける。

 

「…………えーっと」

 

「……だ、だだっ、団長きゅんにゃ? ありゃ? え? こここっココお、おんなゆ……にゃ……!?」

 

お湯とお酒で赤らんだ顔をまじまじとグランの顔に向け、その目をツツツとじょじょに下げてゆくお姉さん……というか、ラムレッダ。

 

そりゃそうだよなードラフの男がこんな小さなシルエットなワケないじゃんなーと現実逃避するグランをよそに、ラムレッダの確かめるような視線が顔、胸、腹と下がってゆき、元々赤かった顔が更に赤くなってゆく。

そして、その視線がとうとうグランの下腹部に達すると、

 

「――きゅぅ」

 

目を見開いて変な声を上げたラムレッダは、目をぐるぐる回してフラッと身体を揺らすと、ザパァン! と仰向けに倒れてお湯に沈んでしまった。

 

「あ! ちょ、ラムレッダさんっ!?」

 

 

 

 

ラムレッダは、熱と酔いでぼんやりとした頭で、自分がいつの間にかまどろんでしまっていたコトに気がついた。

なんだかすごくイケナイ夢を見ていたような気がしたラムレッダは、少しドキドキしながら夢の内容を思い出そうと、角を引っかけないように気をつけつつ寝返りをうって、なんだか柔らかくてゴツゴツした枕に顔を埋めた。

 

ぐにゅっ

 

「あっふっ!?」

 

枕が湿っている。

そして枕カバー越しに顔に感じる、熱くて固くて、なんだかどくどく脈打っているナニかの感触。

いつもの枕と全く違う感触で、しかもなんだかすごく安心するイイ匂いが脳をジンジンさせる。

 

「あのっ、ラムレッダさん、目、覚め、ふぅぅっ!?」

 

確か今日は依頼を片付けて、温泉に入って、のんびり月を見ながら美味しいお酒を飲んで……

 

寝ぼけた頭で少しずつ思い出しながら、イイ臭いの枕にうずめた頭をぐりぐりするラムレッダ。

顔に当たるフニフニの感触とツンとした匂いに、足の付け根の奥がキュンとして、自然と太ももがこすり合わされる。

 

(そうにゃ、そしたら後からお客さんが入ってきて、それが団長きゅんで……団長きゅんで、それで、それ……で……!?)

 

ピタッ、と固まるラムレッダ。

 

顔に感じる濡れた手拭いと、熱く脈うつ太い棒状のナニか。

回した両腕に感じる、ゴツゴツした筋肉と体温――

 

「んに゛ゃああっ!!?」

 

「うわっ!?」

 

勢いよくガバッと顔をはねあげると、ペタンと尻餅をついた団長と目が合う。

 

「えっ、だだだ、団長きゅん!? あ、アらシ、なん、なんで――」

 

のぼせ上がった頭が急速に冷えていくにつれ、状況がどんどん視界のモヤを払ってゆく。

 

そうだ、今日は依頼を片付けたあと、旅館で一泊するコトにして、ソリッズの爺さんにからかわれて、頭をスッキリさせようと露天風呂に入って、月見酒をしながらなんとなく団長きゅんのコトを妄想しつつ幸せな気分に浸ってたらナゼかその団長きゅんが女湯に入ってきて、団長きゅんの団長きゅんが全然団長きゅんじゃなくて、なんかすっごく太っとくて長くて、なんか頭がぐるぐるして、そしたら団長きゅんが膝枕でアタシがソコに顔を、顔を――!?

 

「ふぎゃっ――もがっ!?」

 

「すす、ストップ!! ストップ!! しーーっ!!」

 

ラムレッダが自分のしでかしたコトに思わず絶叫しかけたトコロで、素早く近づいてきたグランがラムレッダの口を塞ぐように手を当てる。

 

(だだだ、団長きゅんっ!? お、おか、犯されるにゃ!? アタシ年下のオトコノコに犯されちゃうにゃ!?)

 

男らしい筋肉質な裸体をさらけ出したまま至近距離で顔を覗き込んでくるグランに、ラムレッダは羞恥やら緊張やら興奮やらでまたもパニックになり掛けるが、

 

「ら、ラムレッダさん、落ち着いて! 落ち着いて下さい! ヒトが! ヒトが来ちゃいますからっ!」

 

そう言いいながら、口もとに指を立ててシーっ、シーっとジェスチャーをしているグランになんとか叫ぶのを抑さえ込んだ。

 

ついで、赤い顔をチラチラと自分の胸元やそのもっと下に向けているグランの視線で、ようやく自分もまた全裸なコトに気がついた。

 

「ふにゃっ!?」

 

胸とアソコを手で押さえて、ペタリ、と座り込む。

あっ……と残念そうな声を上げるグランに、なんだか泣きそうな気分になりながら足元に落ちていた手拭いを手繰り寄せて前を隠す。

 

ラムレッダは、酔いとは違う熱さで自分の顔が真っ赤になっているのが分かった。

いつもは(割と)平気なのに、今は恥ずかしすぎてグランの顔が直視できない。

 

自分の、最近ちょっと、ちょぉ~っとだけ太っただらしない身体を見られてしまった……そして見てしまった。

っていうか触ってしまった。

いや、顔を擦り付けちゃった気がする。

気がするというか絶対頬ズリとかしてた。

匂いとかスゴい嗅いじゃったかも。

思ってたより固かったし、なんかスゴくエッチな匂いで、ビクビクしてた。

あの腕みたいなサイズって絶対普通じゃないよね……?

 

…………じゃなく!

じゃにゃくて!!

 

「な、な、な、なっ……!」

 

「…………な?」

 

すうーっ、と深呼吸する。

 

「……なんで団長きゅんが女湯にいるにゃ!? の、覗きにゃ? いくらなんでも堂々としすぎにゃ!」

 

「えっ!? いや、こっちは男湯で……入り口の暖簾……」

 

「の、暖簾もちゃんと、オ、ン、ナって書いてたにゃ!」

 

「ええっ!? いやっ、確かに男って――」

 

グランが焦ったようにしどろもどろな答えを口にしたところで、柵の向こうから大きな声が聞こえてくる。

 

「おーーい、グラン!! 確かにそっちは女湯だぜぇーーっ!!」

 

ガバッ! と前を隠したまま顔を上げると、露天風呂の真ん中を横断している四五メートルは有りそうな竹柵の上から、白いひげ面をニヤつかせたソリッズがこちらを見下ろしていた。

 

「ナッハッハッ! 今日はご苦労様だった団長にオレからのプレゼントだぜ! なあに、ちょいと先回りして暖簾を掛け替えておいたのよ! まあ飲兵衛のネェチャンしか入ってなかったみてぇだけどよ、ラムレッダもなかなかイイチチとケツ――っグワッ!?」

 

スコーンッ! といい音を立てて木桶を頭に直撃されたソリッズは、頭を大きくのけ反らせて向こう側に落っこち、ドボンと大きなお湯柱を立てた。

 

「セイっバイっにゃっ! 団長きゅんにナニさせてるにゃこンのエロジジイっ!」

 

腕を振り切った体勢で片手と手拭いで器用に前を隠しつつ肩を怒らせるラムレッダ。

そのラムレッダに見えないようにグッと親指を立てるグランは、柵の向こうでもひっくり返ったままのソリッズが同じようにサムズアップしているのを感じた。

 

(ソリッズさん……アンタ最高だよ……!)

 

(フッ……イイってコトよ!)

 

変態と変態が心で通じあった瞬間だった。

お秩序さんコイツらです。

 

「……団長きゅん」

 

「あっ、その――」

 

「あーーー、そういうワケだ! 団長はワルくねぇンだしよ、ひっぱたくくらいで勘弁してやってくれなネェチャン!」

 

再び向こうから聞こえてくる大声に、ラムレッダは肩から力を抜いた。

 

「…………はぁ」

 

「ご、ごめんなさい、俺、気づかなかったとはいえ……」

 

「気にしてないにゃ。……アタシも、な、なんか色々やっちゃったし……」

 

思い返して、むしろ自分の方がマズイコトをしていたような気がしたラムレッダは、ゴニョゴニョと口を濁らせた。

 

一回り下の男の子の股間をガン見してぶっ倒れるという、いつもお姉さんぶっているクセにいい年こいて処女丸出しな体たらく。

しかも寝ぼけて、介抱してくれていたグランの股間に顔を擦り付けて匂いを嗅ぎ倒し、あげく自身のハダカを見せつける。

 

これ通報されたらアタシが捕まっちゃうんじゃないかにゃ? と、今更ながら背筋に冷たいモノを感じたラムレッダは慌ててかぶりを振って、自分が冷たい手錠の上から布をかけられて項垂れながらリーシャにしょっ引かれてゆく恐ろしい妄想を振り払った。

 

「今何か……」

 

「なんでもないにゃ!」

 

「はいっ!?」

 

ピシッ! と気をつけの姿勢になったグランの、大きく手拭いを盛り上げている股間に目をやらないようにしつつ、ラムレッダは口を開けた。

 

「……まあ団長きゅんが悪くないのはわかったけど……お姉ちゃん、そんなにまじまじ見られると恥ずかしいにゃ……ほ、他のお客さんが来る前にさっさと出てった方がいいにゃ!」

 

「は、はいっ! スミマセンでしたっ!」

 

グランは赤い顔を上に向けたままそう謝って、バっと振り返って脱衣所へと走っていった。

 

ピシャン! と閉められた引き戸をしばらく見つめてから、ラムレッダはもう一度、はあぁぁーっ、と大きく溜め息をついた。

 

「今日イチバンのビックリだったにゃ……」

 

湯船のヘリに腰かけて足を湯につけ、プカプカと漂っていたお盆を引き寄せて、トックリをひっ掴む。

 

(団長きゅん……カワイイ顔して、スッゴいオチンチンだったにゃ……)

 

そのままトックリを口許に運び、まだだいぶ残っていた中身をグイッとあおる。

 

(オチンチンってあんにゃに固くてアッツぃんらにゃぁ)

 

続けて、もう一本のトックリに手を伸ばして、こちらも水でも飲むかのようにぐびぐびと飲み干してゆく。

 

(しょれにぃ、スッ……ごく、エッチなひおぃがひたにゃぁ……あんにゃの、らメにゃ……ハンザぃにゃ) 

 

なにやら思考がおかしな方向にそれてゆくのにも気づかず、酔っぱらいの手は三本目のお酒に伸びてゆく。

 

(らんちょぅきゅんのオチンチン、ふ、ふくらんれたにゃ? ぁらしぃのセイかにゃ? らんちょーきゅん……ぉ姉しゃんのハらカれ……しぇきにん……れもぉ、あ、あ、あんにゃのひゃぃらにゃいにゃぁ……れもしぇきにん……むりぃ……しぇきにん……)

 

グビッ、グビッ、グビッ……

 

(…………)

 

 

 

 

 

グランは困っていた。

 

脱衣所に飛び込み、頭二つ分以上は小さいクセにやたらとエロい身体つきをしたメスドラフなお姉さんのハダカを思い出してはニタニタと気色悪い笑みを浮かべつつ身体の水気を拭き取り、浴衣に袖を通し、いざ帯を結ぼうとしたトコロで、

 

「ヤバい、まったくおさまらねぇ……」

 

完全に戦闘準備に入ってしまった股間のブツが、戦わせてもらうまではおさまらんぞと言わんばかりにギンギンにそそりたってしまって、浴衣を大きく押し上げていた。

 

とてもではないが外に出ていける状態ではない。

 

姿見の前で足を肩幅に開き、キリッとした顔で口を引き結び、腰に手をやってグッと胸を張ってみる。

浴衣姿のレスラーグランくんの股間で、いきり立ったチンコがブルンと頭をふる。

 

変態だ。

タイヘンなヘンタイである。

 

「うん、捕まるわコレ。どうしよう、これじゃ外に出れないぞ……」

 

もういっそ捕まっちゃえよ。

 

さっさと出ていかないと、他の女性客がいつ入ってきてもおかしくない。

高い塀の向こうでケツの純潔をつけ狙われながら一生臭い飯を食い続ける未来を想像して、グランは身震いした。

 

「なあ、今日だけはおとなしくしといてくれないか?」

 

ムリダナ、とでも言うように、ビクンと揺れる相棒。

 

しずめようにも、瞳を閉じればマブタの裏にラムレッダの柔らかそうなわがままおっぱいと、その淡い色合いの、大きめでぷっくり盛り上がった美味しそうな乳輪、陥没気味なチクビ、くびれを維持しつつ程よく肉付いた腹部に、アソコに淡く繁った薄い直毛までがありありと――

 

「はぁうっ!? ……うう、くそぅ、ラムレッダさん、ただでさえ普段から陽気な赤ら顔でちょっと可愛いのに、あんなエロいカラダ犯罪だろ……寝てる間に揉んでおけばよかった」

 

思い返したとたん、玉袋が大きくドクン、と脈動してメスを孕ませる気満々の特濃精液を充填し、背筋にシビレるような快感が走る。

 

先程までより更にずっしりと重くなって、だるんだるんに垂れ下がった特大クラッカーにどうしたもんかと途方にくれていると、

 

ガラララっ

 

と、後ろから引き戸を開ける音がして、グランは思わず振り返った。

 

そこには、さっき以上に真っ赤になった顔で、手拭いで前だけをいい加減に隠したラムレッダがフラフラと突っ立っていた。

 

「ヒック……らんちょぅっぷ……きゅん……」

 

トロンとした目でグランの顔を見て、その視線をスッと下に下げるラムレッダ。

 

「え!? なんっ……ご、ごめんなさい、すぐに――」

 

グランは慌てて股間を押さえつつ、その目はラムレッダの身体に釘付けになった。

ナニせ、あれからどれだけ飲んだというのか、ゆらゆらと揺れるラムレッダは裸体の肝心な部分がほとんど隠せていないのに気付いていないようなのだ。

手拭いの端からチラチラと胸の先端やらアソコの茂みやらが見え隠れしている。

 

赤みの差したしっとりとした肌に水滴を纏わせ、上気した頬に濡れた髪を張り付け、ホカホカと湯気を上げる酔っぱらったほぼ全裸のメスドラフお姉さん。

 

(エロすぎるだろっ!? なんで出てきてんだこの酔っぱらいありがとうございますっ!!)

 

グランのグランに身体中の血液が集まり、はち切れんばかりに膨張して貧血で脳がクラクラする。

 

「ら、らんちょぅきゅん……ヒック、や、やっぱりぃ、くるひひょぅらにゃぁ……お、お姉ちゃんのしぇい……しぇぃれ……♡ ……ヒック」

 

しかし、ラムレッダはそんなグランの隠しきれない程に勃起したチンコを見ても悲鳴を上げないどころか、どこか蕩けたような小声を漏らしてグランの股間をチラチラと盗み見ながら、フラフラとおぼつかない足取りで脱衣カゴに近付いてゆく。

 

そして、濡れた身体も拭かずにカゴから浴衣を引っ張り出して肩に掛けると、帯も結ばずにまたフラフラとグランの方へ歩いて来る。

 

「え、ら、ラムレッダさん!?」

 

(え? 何? ナニ? 確変なの!? サービスタイム入っちゃうの!?)

 

突然の嬉しいナゾ状況に、動揺しつつワクワクが込み上げてくるグラン。

 

しかし、そんなグランのスケベな期待をよそに、ラムレッダは相変わらずチラチラとグランの股間を気にしつつ、グランの脇を通り抜けてしまう。

 

あれ? とグランが拍子抜けを感じていると、ラムレッダは鏡台の端に立て掛けてあった立て看板をひっつかみ、

 

「ひょっとまっれれにゃ……ヒック」

 

と言って、千鳥足で出口に向かっていく。

 

そしてその、

 

『清掃中』

 

と書かれた立て看板を女湯の入り口に立てると、今度こそフラフラとグランの目の前まで歩いてきた。

 

真っ赤な顔に、妖しい色気を漂わせて、頭二つ分高いグランを見上げるラムレッダ。

 

(あ、やっぱりコレ絶対エロいヤツだ俺わかるもん神様天使さまありがとう)

 

罪をなすりつけられた天使達はきっと泣いている。

 

ゴクリ、と、どちらともなく生唾を飲み込む。

お互いがお互い顔を見つめる。

 

一瞬の静寂。

 

ラムレッダはおもむろに、赤く上気した顔でグランを見上げたまま手を伸ばし、グランの浴衣のあわせを掴む。

ラムレッダの、肩に掛けただけの浴衣の前が開き、紅潮した裸体があらわになる。

 

むわっ、と広がる湯気とお湯の香りに混じって、甘いような発情の匂いがグランの鼻をくすぐった。

ラムレッダの大きな胸の先端は、すっかり赤く充血して膨らんでいる。

 

(エッッッロ!!)

 

チラリ、と、緊張したようにグランの顔色を伺い、グランに拒絶する様子が無いことを確認するラムレッダ。

何度か逡巡するように口を開け閉めしたあと、思いきったようにグランに訪ねる。

 

「……え、エッチなおねぇひゃん、キライにゃ……?」

 

「大好きですっ!!!」

 

思わず大声で答えるグランに、ラムレッダは赤い顔を一瞬キョトンとさせて、遅れてフニャッとはにかむと、照れたような様子でグランの浴衣の前をゆっくり開きながら口を開いた。

 

「にゃははー……しょえじゃぁ、おねぇひゃんがしぇきにん――」

 

ボロンっ、という音が聞こえそうな勢いで、ラムレッダの目の前に飛び出すオメガウェポン。

 

金色の茂みから伸びる、張り裂けんほどに膨らんだ竿。

黒光りする幹にのたうつ太い血管。

赤黒く充血して、大きくエラを張ったカリ首。

ダルンダルンに垂れ下がり、ピクピクしている拳大の二つの玉。

 

「しぇ、しぇき……」

 

鈴口からダラダラと溢れる透明なカウパー腺液が棹全体をテラテラと光らせ、限界まで集まった血流で湯気を立てる巨大な凶器。

周囲にオスの匂いがムワッと広がり、鼻の奥からラムレッダの脳髄をガツンと貫く。

 

ジュンっ、と、身体の奥が一瞬でアツくなるのを感じる。

気づけばグランの浴衣を掴んだまま、鼻先がくっつくほどにちんぽに顔を近づけていた。

 

すでにラムレッダの中から、当初考えていたお姉ちゃんの責任だとか、一度ヌいてスッキリしてもらうだとかいう考えは吹っ飛んでいた。

 

「…………らんちょうきゅん」

 

「……?」

 

ちんぽ越しにグランの瞳を見つめるラムレッダ。

口の端から一筋のヨダレが垂れてアゴを伝い、大きなおっぱいのうえにパタパタと水滴を落とし、ピンク色のモヤがかかった瞳の中には、ハートマークが浮かんでいる。

 

呼び掛けられたグランがちんぽにかかるアツい吐息にもどかしさを感じながら見下ろすと、発情しきったメスドラフが蕩けきったような顔で蕩けきったようなコトを口走った。

 

「……けっこんしてくらしゃい♡」

 

 

 



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ラムレッダ、幸せ。

超お待たせ。





カポーン……と、いかにも温泉っぽいサウンドが露天風呂の方から聞こえてくる。

唐突な告白で脱衣所の生暖かい空気が硬直する中、先に我に帰ったのはラムレッダの方だった。

 

「――っ!? ま、まちがぇたにゃあ! ひ、ひまのなしにゃ!」

 

慌ててブンブンと首を振りながら、ラムレッダは背筋に酔いがさめるような冷たさを感じた。

 

(あああ、アタシはいったいナニを言ってるにゃあ~!?)

 

無い。

いくらなんでも今のは無かった。

 

確かに、自分はこの年下の団長さんのコトをニクからず思っていはいた。

しっかり者で、頼りになって、大人びているようでどこか子供っぽくて、酔っぱらっては問題ばかりおこすようなだらしない自分なんかにとても優しくしてくれる男の子。 

自分以上の大酒飲みという条件を放り投げても良いくらいの理想的男性だ。

 

しかしそれだけにライバルも多い。

 

イロとかコイとかにそれほど長けていない自分から見ても、グランの回りには団の中からとなく外からとなく、甘酸っぱいオーラが飛び交っているのが感じられる程だ。

しかもその多くが自分が逆立ちしても勝てっこないような美女や美少女なのだ。

 

身の程と言うものをそれなりにわきまえているつもりの自分としては、時々だらしないけど、優しくて憎めないお姉ちゃんポジ辺りで我慢しておくつもりだった。

 

それがまさかの、おちんぽ見てノータイム求婚である。

 

(お、終わったにゃ……おねぇひゃんのイゲンろころじゃないにゃ……よくてかか、KAIKO……さいあく執行猶予なしでCHI・TSU・JOまであるにゃ……!)

 

おちんちんを大きくしてしまった責任を取るために、ちょこっとだけ、ほんのちょおっとだけ、セーエキなる濁り酒を味見させてもらいつつ、大人のお姉ちゃんのヨユウとミリキをアピールするという、自分もうれしい、グランもうれしい完璧(?)な計画のハズだったのに……!

 

グランのおちんぽフェロモンと大量のアルコールで脳ミソが良いカンジにとろけてしまっているコトに気付けるはずもなく、ラムレッダはピンクに濁った頭で状況を打開する策を高速で考えた。

 

「え、えー……っと……にゃ……」

 

フットーした頭を高速回転させつつ、真っ赤な顔で目の前の物欲しそうにピクピクと揺れる極太おちんぽを見つめるラムレッダ。

 

ずっしりと垂れ下がった袋では、ゲンコツのような二つの玉がビクッ、ビクッと脈打っている。

グランの髪の色と同じ小麦色の茂みの中から伸びる自分の腕より太く長い竿に、力強く浮き上がった血管がグネグネとはいまわり、赤黒い先端部分は半分ほど皮の中に隠れながら、大きくエラをはりだしてパンパンに充血しているのがわかる。

 

バキバキに勃起しきったリトルグラン君から立ち上る湯気の熱気とニオイで、ラムレッダは頭がボーッとしてゆくのを感じた。

 

(にゃ、にゃにか言い訳を……言い訳……イイニオイにゃ……)

 

脳ミソがシビれるようなそのニオイをもっと嗅ぎたくて、グランの浴衣を両手で掴んだまま、ラムレッダの顔がどんどんチンポに近付いてゆく。

 

ピトっ、と、鼻先がグランの先端にくっいた。

その瞬間、

 

(に゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~♡)

 

ラムレッダに残っていた最後の理性が吹っ飛んだ。

 

 

 

 

衝撃の告白をしてすぐ、グランの顔を見上げて真っ赤な顔で慌てて首をふるラムレッダに、グランは知らず飲んでいた息を吐き出した。

 

年上なのに陽気で愛嬌があって、酔っている姿も色っぽい、前々からちょっとイイなと思っていたドラフのお姉さんに求婚されたと思ったら、どうやら酔っぱらいの冗談だったようだ。

 

(そ、そりゃそうだよな! いくら普段からなんか距離感の近いラムレッダさんだって、いきなりちんぽに求婚するなんてそんな……)

 

逆にどんな状況ならちんぽに求婚するというのだ。

エロ同人か。

 

そんな混乱したままのグランに向かって、最初はごまかすようにあーとかえーとか言っていたラムレッダだが、しばらくしてふとグランが下を見ると、いつのまにかボーとした顔で自分の股間を見つめたまま固まっているのに気が付いた。

 

「あ、あの……ら、ラムレッダさん……?」

 

ボーッとしたまま、無反応にチンポを見つめるラムレッダ。

よくよく見ると、瞳にハートマークが浮かんでいる。

 

「……?」

 

グランがおもむろにチンポをゆっくりと左右に振る。

 

つー……、と右に振ると、つつつ、と右に。

すー……、と左に振れば、すすすと左にラムレッダの頭がついてくる。

 

視線はグランの分身に釘付けだ。

半開きになった唇から、ハッ、ハッ、ハッ……と荒い息をはき、口の端から覗いた舌先から、たらーっとヨダレが垂れ、ぱたぱたと床に垂れている。

 

(…………おや?)

 

コレなんか最近見たかも。

 

張り詰めたちんぽの先端を温かい鼻息がくすぐる。

 

ピトッ……と、ラムレッダの鼻先が亀頭にくっついた。

 

あっ、来たわ。

おちんぽタイム来たわコレ。

グランは即座に脱衣所内へと防音呪文をかけた。

 

ブルルッ! とカラダを震わすラムレッダ。

プシッ! という音に下を見ると、いつのまにか裾から離した片手を股の間にキツく挟んだラムレッダが、フルフルと震えながら口を大きく開けて、鼻の先を鈴口に押し付けたまま短い舌の先を裏筋に必死に伸ばしている。

 

「…………ラムレッダさん?」

 

なんだかよく分からないが、自分にとって最高に都合のよい風が吹いているコトを確信したグランは、スキだらけの駄目ドラフお姉ちゃんの可愛い反応を見るべく、精一杯に冷静をよそおって、ハッキリとした口調でそう呼び掛けた。

 

「はにゃあっ!?」

 

ビクッ、と面白いように肩を跳ねさせるダメレッダもといラムレッダ。

開ききった口からボタボタとヨダレを垂らす情けない顔のまま、恐る恐る上を見上げるその目と、見下ろすグランの目が合う。

 

グランが溢れる期待を抑えつつ無言で見下ろしていると、ラムレッダがゆっくりと頭をチンポから離してゆく。

 

「………………?」

 

ラムレッダはグランを見上げたまま、ゴクリ、と喉を鳴らすと、

 

「えーっと……あれにゃ! らん、らんちょぅきゅんのおちんちんが大っきくなっひゃっらのはお姉ぇひゃんのせいにゃ? ら、らから、しぇ、せきにんろって、おおお姉ぇひゃんがしゅっきりしゃせるにゃ!」

 

いやその理屈はオカシイ。

 

早口でまくし立ててごまかそうとしているようだが、言っていることが終始メチャクチャな上、鼻とチンポの先に先走り汁のアーチがキラキラと輝いているのが最高にシコ過ぎて内容が頭に入ってこない。

 

至近距離でグランのトンでもチンポフェロモンを大量に吸い込んだ所に、コレでもかと追いアルコールしたラムレッダは、ロレツとオツムの両方が良いカンジにアイマイになってしまったようだった。

 

「しゅ、しゅっきりって、ラムレぇっ―!?」

 

思わず問い返そうとしたグランは、次の瞬間背筋に走ったシビレに声を詰まらせた。

 

おちんぽおあずけに耐えきれなくなったラムレッダが、勢いよくグランの先端に吸い付いたのだ。

 

ズチュチュチュチュゥ~♡

 

「はうあっ!? ちょっ、ちょっ、いきなり――イタッ!」

 

「はぐっ……んにゃぁ……♡ しょっぱい……こ、コレがしぇーぇき……おいしぃにゃぁ♡」

 

口をいっぱいに開いてリトルグランにかぶりついたラムレッダだが、いかんせん口が小さすぎて、パンパンに張り詰めた亀頭の先端しか頬張れず、尖った犬歯がチクチクと亀頭を刺激してグランは小さく悲鳴を上げる。

 

ズチュゥ~~~ッ♡ ジュチュッ♡ チュゥウウ~~~ッ♡

 

「――っぷはっ♡ しぇーえきろんろんれてくりゅにゃぁ♡ らんちょうきゅんスゴいにゃあ♡」

 

一所懸命に亀頭を頬張るラムレッダにはグランの苦悶が聞こえていないようで、ハグハグと思っていた以上に柔らかい亀頭を甘噛みしながらドクドクと止めどなく溢れてくる粘ついた熱燗を啜るのに夢中になっている。

 

いつの間にか両手が共に股の間に挟まれて、くちくちと水っぽい音を立てている。

 

真っ赤な顔で瞳にハートマークを浮かべ、人が来るかもしれない旅館の脱衣所で両手でオナニーしながらチクビをビンビンに勃起させて、年下の団長の巨大なチンポに甘噛みノーハンドバキュームをキメる泥酔メスドラフお姉ちゃん。

 

痛いやら気持ちいいやらで、ひたすらエロいラムレッダの状況も相まってなんだか新しい扉を開きそうなグランは、それ精液じゃなくて先走り汁だから! なんてとても言えるような状態じゃなかった。

 

ズジュッ♡ ズチュッチュッ♡ プチュッ♡ ズチュウゥゥゥゥッ♡♡

 

「はぐっ、はぐっ……ちゅうっ♡  ――んはぁ、くひゃいにゃあ……おいひぃにゃあ……♡」

 

トロけきった表情で、両手をアソコで激しく動かしながらなんとか亀頭を全部口に納めようとグイグイ噛みついたり小さな舌で先端をチロチロとなめ回すラムレッダの、つたなすぎて痛いの方が若干勝る激エロヘタクソご奉仕に、グランはイキたいのに絶妙にイケないもどかしさで口をパクパクさせる。

 

パンパンに膨らんだ金玉は限界までせり上がり爆発寸前なのだが、チャージターンがマックスになる度ラムレッダに甘噛みスロウを打たれ、グランは溜まりに溜まった空撃ちザーメンで頭がくらくらしてきた。

 

だらだらと垂れ流し状態だったカウパーは、どんどん量を増して既に射精のような勢いになり、ビュルッ! ビュルッ! とラムレッダの喉を叩く。

いまだかつてない熱さになった金玉の中で、精液があり得ない濃度に濃縮されているのを感じる。

 

(うっっっわ、なん、イタッ! なんだコレっ、ヤバっぃテッ! エッロいのに、こんな寸止めっっ!? し、死ぬっ!! 金玉爆発するっ!! クソエロドラフに爆殺されるっ!?)

 

もう何度目か分からない寸止めに、グランは思わず腰を引いた。

それを逃がすまいと、ラムレッダがグッと頭を押し付ける。

 

と――

 

「はうっ!?」

 

「んぶぅっ♡」

 

ガポッ!! っと、先走りと我慢汁でヌルヌルになった亀頭の一番太い所が、とうとうラムレッダのお口マンコに滑り込んだ。

 

「――ぁっ、はぁんっ……!」

 

亀頭全体を包む温かい口内の感触に、我慢に我慢を重ねたグランはひどく情けない声を上げながらあっけなく金玉を爆発させた。

 

ブビュルルルルルルルッ♡ ブビュゥッ♡ ブビュッリュルルルッ♡

 

「ふぶうっ!!?」

 

濃縮され過ぎてプルプルのゲル状になった精液は、特大のダマになって何度も尿道に引っ掛かりながら、とんでもない勢いで鈴口から噴き出されてゆく。

 

塊になったザーメンが前立腺をゴリゴリと刺激して、セルフ連続絶頂状態のグランは、止まらない快感に脳を何度もスパークさせ、明滅する視界と意識に身体をプルプルと震わせている。

 

それを受けるラムレッダは、限界まで開いた口に亀頭がすっぽりはまりこんでしまい、逃げ場のない精液でほっぺをパンパンに膨らませた。

 

ドビュッ♡ ブビュルルッ♡ ビュウゥゥブビュッ♡ ビュブブッ♡ ブビュッ♡

 

「んぶうっ!? ブブッ! んーーっ♡ ぅぶぶぶっ!」

 

ラムレッダは、突然口中にぶちまけられたプリプリの何かに驚いて思わず頭を引こうとして、大きく張り出したカリ首が口蓋に引っ掛かって抜けず、鼻を突き抜けるスルメイカみたいな刺激臭に涙目になりながら必死にゴクゴクとそれを飲み込んでゆく。

 

ブリュリュリュッ♡ ビュブリュリュッ♡ ビュルッ♡ ビュブブッ♡

 

しかし、箸でつまめるレベルまで濃ゆくなったプリプリの精液はなかなか喉を通ってゆかず、リスのように膨らんだラムレッダの頬に収まりきらなくなり、どんなに一所懸命に飲み込んでも間に合わず口の端しからボタボタと垂れて、顎、首、胸と垂れてゆき、股に伸ばされた腕の間で押し潰された胸の間に黄ばんだ白い泉を作っている。

 

とうとう顔を真っ赤にしたラムレッダの鼻の穴から、逃げ場をなくしたプリプリザーメンが吹き出した。

 

口と鼻の両方を特濃精液でふさがれ、呼吸すら出来なくなったラムレッダは、頭いっぱいに広がる臭くてイヤらしいニオイにパニックになり、なんとか呼吸しようと頭をチンポから引き離そうとする。

 

「ぁイっっっ!!?」

 

しかしその瞬間、ラムレッダの前歯がグランの充血しきったカリ首をゴリっとかじってしまう。

 

反射的にやめさせようとしたグランの両手が、ラムレッダの頭を押さえ込み、その怪力でグッと腰に押し付け――

 

「っぶっ――――!!?」

 

ブリュリュリュリュっっっ!!!

 

狭いリングをいくつも連続で通り抜けるような感触のあと、びちゃっ、と、ラムレッダの顔が腰に押し付けられ、しっとりとした前髪が下腹部を撫でるのを感じた。

 

「うおっ、アッツっ!! でっ、出るっ!! ドスケベ泥酔メスドラフのお口マンコにっ! 飲めっ! 全部飲み込めっ!! 口から妊娠しろっ!!!」

 

ブビュリュリュリュルルルルリュルリュルリュルルルルルッ♡♡♡

 

喉奥がチンポをコリコリとキツく締め上げる熱い刺激になにがなんだかわからなくなって、ひどく頭の悪い台詞を小声で叫びながら、魂まで引っこ抜かれそうな勢いで大量のザーメンを吹き出してゆく。

 

食道に無理矢理ネジ込まれたおチンポホースから胃袋に直接、一時間くらい我慢したおしっこのような勢いで大量のおちんぽミルクを流し込まれ、ラムレッダの小さなお腹がみるみる膨らんでゆく。

 

喉にはくっきりとグランのエグい剛直が浮き上がり、射精の脈動でドクドクと

波打っている。

両手を挟み込んだ股の間からはぷしゃっ! ぷしゃっ! と何度も勢いよく水音をほとばしらせ、ハートマークが浮かんだ瞳はほとんど裏返って白目を剥いている。

 

既にむせかえるような淫臭と酸欠とでなかば気を失っているラムレッダは、ただただ喉奥を玩具のように犯され、トイレに排泄するかのように胃袋を使われる訳の分からない快感でビクビクとカラダを痙攣させる。

 

びゅるっ♡ ぶびゅるっ……びゅぶっ…………ぶびゅぅぅ……♡

 

「うっ…………ふぅぅぅ~………えがったぁ……」

 

何十秒か、何分か、とにかく長い長い時間がたったあと、ようやくクッソ長い射精が終わり、溜まっていたモノを全部出しきったえも言われ得ぬ快感に背筋を震わせたグランは、自分の茂みに顔を突っ込んで白目を剥き、真っ白な顔で痙攣しているラムレッダに気づいた。

 

「おおおおおおっ!!? ららラム、ラムレッダさんっ!!?」

 

ズリュリュリュゥゥ~ぐぽっ♡ と、満足げに萎びた巨根を気絶したラムレッダの喉マンコから引き抜くと、フラッと倒れそうになったラムレッダの肩を抱え、慌ててバシバシと背中を叩いた。

 

「し、しっかりっ! ラムレッダさんっ! 息っ、イキしてっ!?」

 

「――っ、げぽっ!! げほっ! ゲホッ!!」

 

いよいよ青くなってきた顔で目をぐるぐる回していたラムレッダは、喉に詰まっていた精液の塊を吐き出すと息を吹き返し、ゲホゴホと何度もムせた。

 

口やら鼻やらから精液をボタボタと垂らし、はぁはぁと荒い息を吐きながらトロンとした視線をフラフラとさ迷わせ、時々胃袋から込み上げるカルキ臭にエづいてはケプっ、と青臭いゲップを吐き出している。

 

「はぁ……すみません、あの、キモチよすぎて、つい……」

 

「…………ひぬかとぉもったにゃ」

 

流石にやり過ぎたかと思い謝るグランに、聞いているのかいないのか、赤みを取り戻した顔に熱っぽい色を浮かべる瞳で、テラテラと淫靡に光るグランのリキャスト中チンポを見つめるラムレッダ。

 

「こんなの……クセになっちゃったらろぅしゅりゅにゃ……ゼッタイダメにゃ……ダメなヤツにゃ……♡」

 

ラムレッダはそう言いながらチンポに顔を近付けると、おもむろに竿に舌を這わせ始めた。

うっとりとした顔でスピスピ鼻を鳴らしながら、ペロペロと黒光りする竿にまとわりついた精液や自分の唾液を舐めとってゆく。

 

ココが一番濃い味にゃ、とか言いながら、鈴口に吸い付いてチュウチュウと尿道に残った精液をすすっては、ケホケホとむせて、やっぱり臭いにゃぁとか実にエロい独り言を呟くラムレッダを見下ろし、

 

(うっわ……何も言ってないのに勝手にお掃除フェラ始めたぞこのドラフ……意外にも初めてっぽかったのに、メスドラフってやっぱりスケベな種族なのかな……? ぜんぜん良いけど。ゼンゼンイイけど! グッドだけど!)

 

そう思いながら、何となく手持ち無沙汰になった手をラムレッダの頭に乗せようかどうか迷っていると、興奮でムクムクとリトルグランが鎌首をもたげ始めた辺りでラムレッダはチンポについた汚れを全て舐めとってしまったようだった。

 

「にゃ……なくなっちゃったにゃ……」

 

ピカピカになった半勃ちチンポを悲しそうに眺め、

 

「あ」

 

自分の足元に出来た精液溜まりに気付いた。

 

「もっらぃないにゃあ! しゃ、しゃんびょぅるぅるにゃ!」

 

言い訳するようにそう口走ると、ベチャッ、と顔を脱衣場の床につけ、広がったザーメンを猫のようにペチャペチャと舐めとり始めた。

 

三秒など三分前に過ぎている上、もはやお姉ちゃんのイゲン(笑)どころかヒトとしての尊厳すら怪しくなっているが、当の本人は幸せそうな顔でモムモムと冷めたプリプリザーメンを味わっている。

 

両手は相変わらず股の間で、せわしなく動いてクチクチとヤらしい音をたてている。

膝だちで顔は床にくっついているので、自然とお尻を後ろに突き出す形になっていて、肩に羽織っただけの浴衣がめくり上がって丸出しになったお尻が楽しそうに左右にゆらゆらとゆれている。

 

ピチャピチャと床にこぼれた精液を美味しそうに舐める可愛いお姉さん。

低い身長の割に、ぷりんと大きくみずみずしいお尻。

 

(うん………………エッッッッッッッッッッッッッッロ)

 

グランのチンポはウェポンバースト状態。

今なら軽くダメージ上限突破して、メドューサくらいならチンポでワンパン出来そうな全能感に、グランは頭の奥でナニかが、プッツン♪ と音を立てて切れるのを聞いた気がした。

 

軽くなったハズの玉袋は急速充填された出来たてミルクで再びパンパンになり、だるんだるんに垂れ下がっている。

 

「もう辛抱たまらん」

 

グランはザーメンを舐めとるのに夢中になっているラムレッダの後ろにすすすっと回り込むと、膝だちになってラムレッダの柔らかい尻タブをむんずと掴み、グイッと割り開いた。

 

「ひにゃっ!? ら、らんちょうきゅんっ、な、なにするにゃぁっ!?」

 

やっと後ろに回り込んだグランに気付き、慌てて両手でアソコを隠すラムレッダだが、背中が反ってしまっていて手の届かない後ろの淡いすぼまりはバッチリあらわになって、グランの目の前でヒクヒクとうごめいている。

 

前から垂れた愛液でテラテラと光り、ひどく嫌らしい。

 

「ラムレッダさん、手」

 

「だだ、ダメにゃっ! そん、そんにゃところっ!?」

 

顔を黄ばんだ精液でベトベトにして今更何をと思うが、ラムレッダは本当に恥ずかしいのか、足を必死にバタバタしていやがっている。

 

「ほら、俺は見せてるじゃないですか。片っぽだけ見せるなんて不公平じゃ――」

 

「れっ、れもっ、やっぱりしょこらけは……は、ハズかしいにゃ……アらシのらんて……」

 

そう言って、頑なにアソコを隠し続けるラムレッダ。

とてもさっきまで目の前で精飲オナニーしてたとは思えない。

……ひょっとして無自覚だったんだろうか?

 

「え~……ダメかぁ……。仕方ない、それじゃあ誰か他のコに見せてもらおっかなぁ」

 

「に゛ゃっ!?」

 

そこでグランは搦め手に出た。

押してダメなら引いてみろ作戦だ。

むかし読んだ月刊メンズアッパーに乗ってた。

 

「仕方ないよなぁ、ラムレッダさんが見せてくれないんだもんなぁ……ルリア辺りなら、見せっこって言ったら見せてくれるかもしれないし……あ、あとネモ姉ぇとか、土下座して頼んだら見せてくれるかも――」

 

「だっ、ダメにゃっ!!!」

 

(はい、チョローい)

 

真っ赤な顔で叫ぶラムレッダに、グランは自分の卓越した手練手管が恐ろしくなった。

 

たった一回、経験しただけでコレもんでアレもんよ。

俺、今最高に来ている……!

 

ほぼ全部マジカルちんぽのおかげである。

あと多分ルリアは喜んで見せっこも舐めっこもハメっこもしてくれるし、ネモ姉ぇは鼻血吹いてぶっ倒れるか、真っ赤になって逃げる。

 

「じゃあ、ラムレッダさん、見せてくれる?」

 

「う~……」

 

ワクワクしながらそう言うと、ラムレッダは目をギュッとつむって、そろそろと手をどかしてゆく。

 

「……うぅ~……っ、え、えいっ! にゃあっ!」

 

思いきったように、パッと手をどけるラムレッダ。

 

「おお~~…………」

 

「へっ、へんじゃないかにゃ? き、キモチワルくにゃい?」

 

ラムレッダの秘所は、色素の沈着の全くないぷっくりとした大陰唇がピッタリと合わさり、包皮を被ったクリトリスだけがピョコンと飛び出ている、ひどく幼い印象を受けるものだった。

 

髪と同じ薄い水色の陰毛がほんの少し、恥丘の辺りに薄く繁って、先ほど口マンコを散々に犯されて溢れた愛液でテラテラ光っているのが、幼いアソコと相まって最高に淫靡だった。

 

親指で大陰唇をぐいっと割り開くと、これまた控えめな小陰唇の中に鮮やかなピンクの膣口がパクパクとひくついている。

 

「すっごくキレイですよ、ラムレッダさん」

 

「ほ、ホントにゃ?」

 

「ええ、そりゃもう……っていうか――」

 

入るのかコレ?

 

クムユのときは気付けばズブズブと飲み込まれていたのであまり気にしなかったが、改めてじっくり見るとやっぱりドラフマンコは小さすぎる。

 

どんなにおっぱいとお尻が大きい大人体型だからと言って、そもそもの身長が低すぎるのだ。

 

ラムレッダもメスドラフの例に漏れずグランの鳩尾辺りまでしか身長が無い訳で、こうして膝だちになってみても、グランの股間でそそり勃つちんぽはラムレッダのお尻の上にギリギリ乗るか乗らないかの高さに来てしまっている。

 

入れようと思うと、グランがいっぱいに足を開いたうえ、ラムレッダの膝下にクッションを入れるか、いっそ腰を持って持ち上げるかしかないサイズ差だ。

 

膣口にいたっては、グランの指で一杯、精一杯頑張って指二本といったとことだ。

ゲンコツサイズのリトルグラン君なぞ、間違ってもぶちこんでよい比率じゃなかった。

 

(まぁ入れる訳だけど)

 

当然、既にガマンの限界を越え、頭の線が二三本プッツンしているグランには入れないという選択肢は無かった。

 

(大丈夫大丈夫、こんなに濡れてるんだし、ビッチだったとはいえずっとちっちゃなクムユにだって入ったんだ、イケルイケル)

 

「ら、らんちょうきゅん? ら、らまってたらお姉ちゃんちょっと怖いにゃ……もうじゅうぶんしぇきにんろったにゃ? しょ、そろそろもどら――」

 

ナニか言いかけるラムレッダの腰を両手でがっしりと掴み、自分の腰の高さまで持ち上げるグラン。

 

膝が浮き上がって、爪先が床のスノコをこする浮遊感に、ラムレッダはビックリして振り返ろうとする。

 

ピトッ……と、パンパンに膨らんだ亀頭が膣口に押し付けられ、グチュッとヤらしい水音を立てる。

 

「にゃっ!? らんちょうきゅんっ!? ま、ましゃかっ、しょんな、らめ、りゃめにゃっ!」

 

「ナニがダメなんですか?」

 

チンポの先っちょがメリメリと入り口にめり込み、膣口をじょじょに引き伸ばしてゆく。

 

「ら、らって……しぇしぇ、しぇっく…………え、ぇっちは、しゅきなヒトとするにゃ……赤ちゃんれきちゃうにゃ……」

 

この期に及んで、ラムレッダお姉ちゃんの口から飛び出すピュアっピュアな発言に、グランは背筋に走る快感と共に、精液が勢いよく鈴口から吹き出すのを感じた。

 

(なんだこの酔っぱドラフっ!? 可愛いすぎかっ!!! 狙ってんのかっ!!?)

 

ビュルルルルッ♡ ビュルルッ♡ ビュッ♡ ビュッ♡ ビュルッ♡

 

「――えっ!? アツイ……れっ、れてるにゃっ!? らしちゃったにゃっ!?」

 

キツキツの膣口に無理矢理ねじ込まれた先端から射精されたアツアツザーメンは、あっという間に膣内を満たし、隙間からドクッ、ドクッ、と溢れ出してラムレッダの恥丘を伝い、ぽっこり膨らんだお腹の方まで垂れてゆく。

 

まだ先っちょすら満足に入っていないが、意外に可愛いラムレッダお姉ちゃんの膣内を一番乗り(多分)精液で満タンにしたことに、グランは興奮で鼻血が出そうだった。

 

「ううっ……、ひ、ひろぃにゃぁ……らんちょうきゅん……しゅきでもないアらシのなかにぃ……」

 

「ラムレッダさん」

 

「うう~……! らんちょうきゅんのばか……」

 

「ラムレッダさん、聞いて、聞いて下さい」

 

「……うにゃ?」

 

グランは一度の射精で少しだけ柔らかくなった亀頭をグリグリと擦り付けながら、賢者タイムで多少冷静になった頭でいかにも真面目くさった声色を作ってラムレッダに呼び掛けた。

 

「ラムレッダさん、さっき、結婚してって言いましたよね?」

 

「っ、しょしょ、しょれはアレで、あの、じょ、じょうらんってぃうか――」

 

「結婚してください」

 

 

 

 

 

 

 

「――へ?」

 

突然、あり得ないコトを口走るグランに、足をバタつかせていたラムレッダも思わず固まった。

 

(い、いまなんか、団長きゅんにプロポーズされたような……いや、そんなハズ……)

 

恐る恐る振り替えるラムレッダ。

肩越しに、浴衣をはだけさせ、たくましい上半身をあらわにしたグランが、真面目な顔で自分の目を真っ直ぐに見つめ返してくる。

 

「…………ひ、ひま、にゃんて……」

 

「ラムレッダさん。俺と、結婚してください」

 

「にゃ……にゃ……!?」

 

プロポーズだった。

間違いなくプロポーズだった。

 

ココは女湯の脱衣場で、ラムレッダの腰を掴んで持ち上げ、精液でベトベトになった膣口に亀頭を押し付けながらではあるが、紛れもない愛の告白である。

 

馬鹿じゃないだろうか。

 

困惑しつつ、自分の顔がみるみる熱くなっていくのを感じながら、じわじわとその言葉の意味が脳に染み込んでいき、戸惑いがじょじょに幸福に置き換わってゆく。

 

(ケッコン……け、けっこん……えっ? アタシと? 団長きゅんが? だ、団長きゅんが、アタシのことを――)

 

「……あの……」

 

グランの困ったような声に、ハッとなって顔を上げるラムレッダ。

 

見上げると、淡い憧れだった団長がその優しげな眉をへにゃっと困ったように曲げて、不安そうな声で問い掛けてくる。

 

「お返事が、欲しいかなって……」

 

ラムレッダは、慌てて首をブンブンと縦に振りまくった。

はなの奥からツンとしたモノが込み上げてきて、口はパクパクと動くばかりで声が出てこない。

どんなに酔っぱらっても団長とはちゃんとお話出来たのに、言いたいことが多過ぎて、涙ばかりがボロボロと溢れてきて、しゃくり上げるような嗚咽を漏らしながら首だけを壊れたように振るコトしか出来ない自分が情けなかった。

 

と、涙でぼやけた視界に、ゴツゴツした大きな手が伸びてくる。

団長の――グランの優しい指が、自分の涙をぬぐってくれたようだ。

 

グランは優しげで、どこか晴れやかな表情で泣きじゃくる自分を見つめている。

はい、の一言も言えない情けないお姉ちゃんのキモチは、しかしグランにはちゃんと伝わったようだった。

 

ちゃんと、言わなきゃ……!

自分の本当のキモチを、グランに伝えなきゃ!

 

ラムレッダはその一心で、震える唇をなんとか動かし、小さな声で答えを口にした。

 

「――――――はぃ……!」

 

その瞬間、グランの先端がラムレッダの中にズプリと飲み込まれた。

 

 

 

 

(乗り切ったーーーーーっ!)

 

グランはなんとかラムレッダを言いくるめ、中出し許可を取り付けたコトに内心歓喜した。

 

コイツはこういうヤツである。

 

(なんか結婚の約束しちゃったけど、まあ旅が終わってイルタルシアについたらってコトにして、それまではみんなに内緒ってコトにすればなんとかなるだろ! こんな最高のモテ期が来てるっていうのに早々に身を固めちゃうなんてモッタイないっ! イスタルシアならなんか重婚ハーレム的な夢も叶えてくれるかもしれないし、なんとかなるなる!)

 

……いや、なんか思った以上にサイテーだった。

グランは後のコトは後になってから考えるタイプである。

 

グランが見下ろすと、ラムレッダのアソコが一瞬ユルんだ瞬間に亀頭が全部膣内に飲み込まれ、限界以上に伸びきった膣肉がグロテスクなチンポをギチギチに締め上げているのが分かる。

 

温泉で暖まった後だからか、プロポーズに感動したからか、ラムレッダの中は火傷しそうな熱さと、プリプリと弾力ある肉ひだでグランのデカチンポをグニグニと締め上げてくる。

 

と、スノコの上にぽたぽたとナニかが垂れる音が聞こえる。

よく見ると引き伸ばされた膣口の端から真っ赤な血がじんわりと染み出して、スノコの上に赤い点々を作っていた。

 

(途中からそうだろうなとは思ってたけど、やっぱり処女だったんだ……!)

 

薄々わかっていたとはいえ、やはり自分がこの可愛いお姉ちゃんのハジメテをもらえたと思うと、愛しさと興奮がじわじわと増してくる。

 

興奮で更に固く膨らむチンポに、ラムレッダがたまらず声を上げた。

 

「ふっくぅ……ぐ、ぐらんきゅん……や、やっぱり、ちょ、ちょっとイタイにゃ……」

 

グランのマジカルザーメンによる、催淫、鎮痛効果を上回る痛みで、ラムレッダの目尻に大粒の涙が浮かんでいる。

 

どうやらラムレッダはドラフの中でも特別アソコが小さいようだった。

 

「あっ、はい、ちょっと待ってね――」

 

流石に痛がるのもかまわずズンズン突っ込むほど鬼畜ではないグランは、直ぐにラムレッダのアソコにヒールを掛けて破瓜の痛みを癒してゆく。

破れた膜とかどうなっちゃうんだ? と思わないでも無かったが、突っ込んだまま回復させたおかげか、問題なく出血が止まった。

 

「はあっ……ぅん……な、なんかキモチぃにゃ……♡」

 

ラムレッダはというと、治癒の光がじんわりと傷を癒してゆく感覚と、挿入された亀頭の脈動とが合わさって、背筋が震えるような快感を感じていた。

 

(おっ……? コレは……)

 

それを見て、グランはまた悪いことを考え付いたような顔をする。

 

おもむろにヒールをリジェネに切り替え、回復効果をまとったままの膣内に剛直をズブズブとネジ込んでいった。

 

「あっ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡♡ これっ♡ いたっ♡ いたきもひぃにゃっ♡♡」

 

先っちょだけでもういっぱいいっぱいだった小さなマンコの中に、グランのエグい程に膨らんだ巨根がぐぷぷぷぷっと沈み込んでゆく。

 

巨大すぎる竿は狭い入り口をギチギチに拡張して、周囲のマン肉まで巻き込むようにその縮尺の狂ったような巨体をねじ込ませる。

 

ブチッ! ブチッ! とナニかが裂けるような怖い感触と、デカすぎる異物を締め付けると言うよりはむしろ押し出そうとするプリプリの膣圧を押し退け、ザーメンでヌルヌルになった膣内をグランの形に拡げてゆく。

 

接合部からは、ブビュッ! ブビュッ! とイヤらしい音を立てて精液が吹き出し、とっくに鈴口とキスしていた子宮口をグイグイと無理矢理押し上げる。

 

拡張され、裂けて、治され、また拡張される。

 

人体改造じみた挿入に、ラムレッダは脳に流れ込む快楽でおかしくなりそうだった。

ちょっとストップしてほしいけど、こんな自分なんかと結婚を約束してくれたグランをガッカリさせたくないのと、怖いのと同時にイケナイコトにドキドキしている自分がいるのとで、口を両手で押さえてくぐもった悲鳴を漏らすラムレッダ。

 

「ふっ……♡ ふぐぅっ……♡ う゛っ! っ……ふぅ……♡」

 

「んっ……ふぅ、ココまでか……」

 

ようやくそれ以上ちんぽが進まなくなった時には、グランの黒々とした竿の実に三分の二程度までがラムレッダの小さなお腹に収まっていた。

 

巨大なちんぽがボコッとお腹に浮き上がり、膀胱が圧迫されて尿道からオシッコが吹き出る。

 

「んうっ♡」

 

ビュルルルッ! ビチャチャッ! ビチャッ!

 

辺りに、精液やら愛液やらの臭いに混じって、アンモニアのニオイが広がり、グランのチンポが興奮でビクリと震えた。

 

「あ゛っ♡♡♡」

 

その瞬間、ラムレッダがカラダをビクンと痙攣させ、チンポにキュッ、キュッ、と柔らかい締め付けを感じた。

 

ラムレッダを見ると、瞳にハートマークを浮かべ、幸せそうに舌を出して伸びてしまっている。

 

どうやら今のでイッてしまったようだった。

 

(スッゴいキツキツで狭いけど、締め付ける力はそうでもないな……プリプリで気持ちいいけど特別名器ってカンジでもなさそうだし……)

 

グランは、ククルの強い締め付けやクムユの搾精名器を思い返し、ラムレッダの膣穴を固くてキツくて押し出すようなおマンコだとちんぽで読み取った。

 

(となればっ!)

 

グランはラムレッダの腰をしっかりと持ち直すと、腰を勢いよくいっぱいに引いた。

 

ズッリュリュリュルリュルルルルルルッ♡♡♡

 

「っっっに゛ゃああああああっ♡♡」

 

ラムレッダは、大きく張り出したエラに固い膣肉をこそがれ、パンパンに膨らんでいたお腹が空っぽになる喪失感に、細かく何度も絶頂しながら大きな悲鳴を上げた。

 

抜けるギリギリまで引きずり出された黒光りちんぽは、玉袋まで愛液と精液でイヤらしくヌラヌラとテカらせ、表面に這う太い血管をドクドクと脈動させている。

膣口に引っ掛かったエラが入り口をボコッと盛り上げ、膣壁が裏返って少しだけ外にはみ出している。

 

「あっ、あっ……!」

 

ちんぽが抜けてしまいそうな感覚に、ラムレッダが思わず振り返ろうとした瞬間、

 

ブリュリュリュリュリュリュリュリュズチュッ♡♡♡

 

「に゛ゃぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛ぅ゛っ!!!!?」

 

グランが思い切り腰を突き出し、ラムレッダのチビマンコを一瞬で拡張して子宮口をズドンと突き上げた。

そしてすかさずヒール。

 

ラムレッダは、体内に杭を撃ち込まれるような自分の限界を軽く越えた衝撃と強烈な快感に、女性らしからぬ野太い声を上げて人生最大の大絶頂を迎えた。

 

手足がカエルのようにピンと伸び、背骨が無くなったような浮遊感と、脳に直接電流を流されたような、快感や痛みを飛び越えた衝撃に一瞬で意識を手放した。

 

(あ゛~やっぱりだわ。こう、ねじ込むときが一番気持ちいい! こう、アツくて固い肉ひだをぶりゅぶりゅ押し退けていく感覚がたまんないわ……!)

 

グランは自分の思い付きが正しかったコトと、ラムレッダの膣肉のキモチよさに満足すると、早速最高に気持ちいい射精をすべく、ラムレッダの腰を持ち上げて高速ピストンを始めた。

 

ブリュッ♡ ブチュッ♡ ブリュッ♡ ブチュッ♡ ブリュリュッ♡ ズチュンッ♡

 

「あっ! あっ! いいっ! キモチぃですよラムレッダさんっ♡ 最高っ! サイコーですっ!! ……あれっ?」

 

気付けば、ラムレッダは口の端から泡立ったザーメンをブクブクさせつつ、

 

「あひゃっ……♡ ぐらんきゅっ♡ しゅきぃ……♡ しゅきぃ……♡」

 

とうわ言のように呟くだけになっていた。

こちらの言うことはほとんど聞こえていないように見える。

 

もちろん、意識が曖昧でも、膣穴自体のキツさに変わりはないので、構わずピストンを早めて射精感を高めてゆく。

 

「うおっ! いくっ!! ラムレッダの極小マンコっ! 使い捨てオナホみたいにしごいてっ! メスドラフホールでイクっ!! 出るっ!!!」

 

聞こえてないのをいいコトに、むちゃくちゃなコトを叫びながらガンガンに子宮口を突きまくるグラン。

フィニッシュに向けてどんどんスピードが上がり、それに合わせてラムレッダが、あ゛~っ♡ あ゛~っ♡ と、意味をなさない獣のような声を上げて足先をビクビクさせている。

 

固く閉ざされた子宮口も、グランの違法ザーメンに漬け込まれ、グズグズに突き崩されてグニグニと柔らかくなってゆく。

 

「うっ!! イッ……くっ! 孕めっ!!!」

 

指一本分位にまで広がった子宮口に鈴口を押し付け、腰と腰が引っ付かんばかりにラムレッダのミニマムメスドラフまんこにゴンぶとチンポをねじ込んで、最奥でザーメンを爆発させた。

 

ブッビュッ♡ ブビュルリュッ♡ ブリュッ♡ ビュルルルルッ♡ ブピュリュルルッ♡ ビュルッ♡

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛~~~っ♡♡」

 

未使用の子宮内にアツアツプリっプリの赤ちゃん製造ミルクを直接注ぎ込まれ、一生消えないマーキングをされたような気分になったラムレッダが歓喜の声を上げる。

 

特濃のザー汁がビュルビュルと子宮内に流れ込み、卵子を探して暴れまわる。

みるみるうちに子宮がパンパンになって、受精もしていないのにまるで妊娠したかのようにお腹が膨らんでゆく。

 

「うっ……!! 出るっ……まだ出るっ!! くっそお、ゼッタイ妊娠させてやるっ……!! 初モノマンコ一発で専用に作り替えてやるっ!!!」

 

「お゛っ♡ お゛うっ♡♡ あ゛っ♡ あ゛ーっ♡♡ あ゛っ♡♡ お゛お゛っ♡♡♡」

 

止まらない射精のキモチよさでいつも以上にアホなコトを口走るグラン。

ラムレッダはもう壊れたように口を開きっぱなしにして唸り声をあげ続けている。

 

と、ちんぽがナニか固いリングを突き抜けるような感触と、ブボっ!!! と言う音と共に、パァンっ!  とグランの腰がラムレッダの腰に叩き付けられた。

 

「おうっ!!?」

 

「――――っっっあ゛っ♡♡♡」

 

ブビュルルルウッルウルルルルルルルルルルルルウルルルルルルッ…………ビュルルルッ………………ブビュゥゥゥゥ……ブピッ♡♡♡

 

子宮内に入り込んだ亀頭が、最後のちんぽミルクを盛大に吐き出し、ラムレッダは背中をおもいっきり反り返らせて大きく数回、ビクンっ!!! ビクンっ!!! と痙攣すると、グリンっと白目を剥いて、糸が切れたように全身をぐったりと脱力させた。

 

「おおおぉぉ…………あ、赤玉出るかと思った……」

 

グランは今日一番の射精が終わり、性欲を放ち切った清々しさにブルリと体を震わせた。

 

「うわっ、すげぇ……ラムレッダさん、妊婦みたいになってるよ……気絶してるうちに避妊魔法掛けとかないと……」

 

毎回ノリで孕めだの妊娠しろだの言っているグランだが、本当に今妊娠されても困るのでセコセコと受精を阻害する魔法を掛けて後始末をしてゆく。

 

「さて、名残惜しいけどそろそろちんぽ抜いて部屋に戻らないと客が――――ん?」

 

ぐっちゃぐちゃな周囲に清掃やら脱臭の魔法を掛けつつ、気絶したラムレッダのチビマンコからリトルグランを引き抜こうとするグランだが、

 

「あっ、あれっ? ぬ、抜けなあっ!? いっイテテっ! キッつ!?」

 

海綿体から血液が抜けて柔らかくなったところで、ラムレッダの子宮口が元通り閉じようとしてグランのカリ首をガッチリ咥え込んで締め付け、抜けなくなってしまったのだ。

 

「えっ!? ヤバッ……って言うか痛いっ!!? ホントに抜けなっ……! ら、ラムレッダさんっ、起きてっ!」

 

「ぅにゃぁぁぁぁ…………♡」

 

「うにゃあじゃなくっ!! イッテっ!! ラムレッダさっ……! はっ離してっ!! ちんぽちぎれるっ!? らっ、らめえっ!!?」

 

防音呪文が張られた脱衣所に、グランの哀れな叫びがむなしくこだました。

 

 

 



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アリーザ、挑戦する。

長っがいアリーザ編の始まり。
正直冗長過ぎて面白くないかもなのでそのうち大改稿したいです。

だから読み飛ばしたってイイノヨ。


アリーザは、自分の興味を一ミリたりとも刺激しない ”ルーマシー環境史・第七巻 ~苔植物・地衣類~” の二百三ページから視線を上げると、もう何度目か分からない視線を棚ひとつ隔てた先に見える黒い暖簾にさりげなく走らせた。

 

時々、若い男性がフラッとそこに近づいていっては、チラリと自分の方を見て、一瞬ギョッとしたような顔をしてから何事もなかったように脇にそれてゆく。

 

(つ、次っ……今入ってる一人が出てきたら、今度こそ……!)

 

そわそわしながら視線を本の上に戻し、もはや視力検査目的としか思えない極小の文字の上を一瞬滑らせた後、またチラリと暖簾を気にしながらページをめくった。

 

(――出てきたっ)

 

暖簾をかき分け、だいぶ年かさのエルーン男性が小脇にカラフルな一冊の本を抱えて淀みない歩調で堂々と会計に向かっていくのをみはからい、アリーザはやたら重い本型の鈍器を素早く元の棚に差し込んだ。

 

そのまま、つとめて冷静に、視線を泳がすこともなく、速くも、しかし遅すぎもしない絶妙(と本人が確信する)な歩調で暖簾に近づくと、一切の迷いもよどみもなく、さも馴染みの屋台の暖簾を潜るように颯爽とそこをくぐり抜け――ようとして、ツノに引っ掛かってカターーンッと大きな高い音を立てて落っこちた、

 

”18禁”

 

と書かれた暖簾を、盛大に赤面しながらあたふたとかけ直し、逃げるように奥へと入っていった。

 

 

 

 

 

「――あああ、焦ったーっ! も、もうっ、ナンで固定してないかなー! 信じらんないっ!」

 

アリーザ(17)は完全に八つ当たりな怒りをマスクの中に小声で発散させつつ、狭い通路の両脇に高くそびえる棚にダテ眼鏡越しの視線を向けた。

 

「……うっわー……す、スゴい……」

 

そこに並んでいたのは、肌色、肌色、肌色――

 

全裸で、あるいはより扇情的な半裸で、ひどくエッチなポーズで股を広げたり、自分のアソコを大きく広げたり、大きくなった ”おちんちん” を上や下で咥えたりしている色々な種族の女性が、最新の高画質魔導プリントを惜しげもなく使用して印刷された表紙がズラリと並んでいた。

 

「うっわー……うわー…………うわー……」

 

顔が真っ赤になっているのがわかる。

アリーザはなんだか頭がクラクラした。

ココだけ室温が何度か高いような気がして、羽織っているローブの中でじんわりと全身が汗ばむのを感じる。

 

ある程度予想はしていたが、それがまったく幼稚なモノだったと一瞬で分からされてしまった。

 

ココは、ヤバい。

 

「う、うわー……うわー……こ、こんな……うわ……」

 

完全に語彙が死んでいる。

 

熱に浮かされたようにフラフラと棚に近づき、何となく手に取った、ドラフ族の女性が表紙の本を裏返して、裏表紙の過激な写真の数々に、思わず鼻血が出そうになった。

 

ジュンっ、とアソコがアツく濡れるのが分かる。

あまり長くココにいるのはマズい、そう思いながらも、手がページをめくるのを止められない。

 

「うわー……スゴい……お、おちんちんってこんなになっちゃうんだ……うわっ、くく、口っ!?……きっ、汚くないのかな……」

 

背中を丸めて、鼻息荒くページをめくる。

 

「……ほ、ホントにココに入っちゃうんだ……こんな、太い……指一本くらいしか入んないのに……大人だからかな……? わわわっ、コレっ、この白いのがせーえき……あ、赤ちゃんの……わわっ、わわっ、どっ、どろどろしてる……ウソ……このヒト赤ちゃんできちゃうのかな……? うわ、口の中に……の、飲めるんだ……どんな味がするんだろ……」

 

モジモジと太ももを擦り合わせながら、ブツブツと独り言を呟くドラフ少女。

目深にかぶった帽子、でっかいサングラスは写真を見るために下にずらされ、鼻から下をマスクでおおい、魔法使いみたいなローブを羽織っている。

 

完全に不審者だ。

そして嘆かわしいコトに、精液の味を想像して小ぶりな唇に指先を当て生唾を飲み込んでいるこの不審者は未成年で、しかもどこぞのお姫サマだった。

 

世も末である。

 

しかし待ってほしい。

かのバルツ公国の大公継承権を持った良家の息女であり、武勇に名だたる炎鳴流の継承者であり、花も恥じらううら若き乙女であり、幼なじみに恋をするごく普通のドラフ族の少女でもある彼女が、こんな表通りから一本離れた所にある大型書店のエロコーナーに入り込んでいるのは、ナニも彼女が並外れたドスケベであるからではない。

 

「はあっ……はあっ……うわぁ……うわわ…………」

 

……いや、多少ドスケベであったとしても、それだけが理由な訳ではないのだ。

 

 

 

 

 

 

「ちょっとちょっと、アリーザ……」

 

「うん? マリー?」

 

修行でかいた汗を熱いシャワーで洗い流し、さっぱりとしたキモチで甲板を歩いていたアリーザに物陰から声をかけたのは、団員仲間のトレジャーハンター、マリーだった。

 

年も近く、同じ火の魔力適正持ちということもありよく会話するマリーがイタズラっぽい表情で手招きするのを見て、アリーザはなにか面白いコトでもあるのかと素直に積み荷の陰に入っていった。

 

そこにはマリーだけでなく、同じく最近よくつるむドラフ族の女の子、トレジャーハンターにして重篤なスリル中毒患者でもあるカルバもいた。

彼女もまた物陰に小さな体を隠し、小さめの樽に腰掛けて華やかな笑顔で、やあっと陽気に声をかけてくる。

 

それに返事をして、差し出された空箱にお尻をのせると、さっそくマリーが探るように話しかけてきた。

 

「あのさっ、最近スタンとの仲って進展した?」

 

「なっ、とっ、突然なんなのさっ!?」

 

「いーからっ!」

 

「……別にナニも。進展ナシ」

 

一瞬、こんなトコロにわざわざ呼び出して突然何を聞いて来るのかと驚いたが、同じ船の女性同士、そういった話題は珍しくもないし、スタンとの仲についてはマリーやカルバにも相談したコトがあったので正直にそう答えるアリーザ。

 

「そう、良かった♪」

 

「……ナニ? まさかそれだけ言うために呼んだんじゃないでしょ?」

 

不機嫌そうに膨れるアリーザに、ゴメンゴメンとまったく詫びれた様子もなく言ったマリーは、

 

「いや~、そんな寂しい独り身仲間なアリーザちゃんに、あたしたち二人で発掘してきたトッテオキのお宝を見せてあげよっかなって。ね、カルバ?」

 

「にしししっ……まあ、お姫様なアリーザちゃんにはちょお~っと刺激が強いかもだけど……ぶっつけ本番もスリルがあってイイけどさっ、スタン君との恋の発展のためにも、下調べくらいは必要かなってね♪」

 

そう言って、いぶかしむアリーザの目の前に二人が鞄から取り出したのは――何冊もの古い、くたびれたエロ本達であった。

 

「こっ、ココココこ、コレって……!?」

 

「ふっふっふっ~! 正真正銘、未成年お断りのエッチな本よ!」

 

「この前立ち寄った町。あそこの裏道をマリーと探検してたら今にも崩れそうなスリル満点の古本屋を見つけてねっ! その店のすみっこにこんな本ばっかのコーナーがあってさ、もうビックリしちゃったよ」

 

マリー(15)とカルバ(18)が興奮に頬を赤く上気させながらいかに勇気を出してモウロク気味な爺さん店員からこのエロ本を購入したかを力説しているのを聞きつつ、アリーザは甲板に広げられたその白黒のエッチなイラストが気になってチラチラと視線を泳がせていた。

 

「そ、それは分かったケドさ……カルバは十八だけど、アタシらはまだ未成年じゃん。こ、こーいうのはさぁ……」

 

「……見ないの?」

 

「…………見る」

 

「おやおや~? アリーザもやっぱり興味あるんだ~♪」

 

「べっ!? ……別に、普通だし……マリーだってまだ十五才じゃん! 二個下!」

 

「にへへへ……こういうのもさ、ちょっとスリルあるよね。ドキドキしちゃうぜ……♪」

 

ひとしきりじゃれた後は、三人ともムッツリと黙り込んでそれぞれ気になった雑誌のページをめくっていった。

どれも一昔も二昔も前のモノで、カラーどころか魔導プリントですらなかったが、微に入り細に穿った写実的なイラスト達は、ヒト族のエロに対する情熱の凄まじさというか、どれも奇妙な程に生々しくエロティックで、こういったド直球なエロスに初めて触れる三人は夢中になって読みすすめてゆく。

 

アリーザも、公女として大切に育てられてきただけあって、最低限の性教育こそ受けていたが、こうした直接的な娯楽目的のエロスに触れる機会はなく、新鮮な驚きにドキドキしっぱなしであった。

 

二人もこういったコトには詳しそうに見えるのに、実情はたいして違いもないらしく、時折、むはーっ! とか、うわぁ……とか呟いたり、スゴいページを見せあったりして、少女三人で不健全な楽しみに大いに興奮しつつ盛り上がった。

一通りの雑誌に目を通したあと、ふと、思い付いたようにマリーが言った。

 

「ねぇねぇ、アリーザさ……もしもスタンと付き合うコトになったらさ、最終的にはこういうコトするんだよね……?」

 

「なあっ!? ちょ、ちょっとマリー、やめてよっ! か、考えないようにしてたのにっ」

 

顔の前でパタパタと手を振るアリーザに、カルバがムムムと唸りながら追い討ちをかける。

 

「うーん、でもまあ、普通そうだよね。私達だってそうやって生まれてきたワケだしさ」

 

「うう……で、でも、そーいうのはまだ早いっていうか……」

 

「……もしスタンとそうなったらさ、詳しく教えてよ。参考にするからさ」

 

「ぜっ、ゼッタイイヤっ!!」

 

「ちょっ――シーっ! シーっ!」

 

顔を真っ赤に紅潮させ大声で叫び、すぐにハッとした様子で慌てて口をおさえるアリーザ。

こんなトコロ、リーシャやカタリナなんかには絶対に見せられないし、万が一男性団員なんかに見つかった日には、あまりの恥ずかしさに船を降りるしかなくなってしまう。

 

「……そ、そんなのムリだよ……恥ずいじゃん……」

 

「えー……私達だって勇気出してこんなエッチな本買ってきたんだよー。……じゃあさ、アリーザもどこかでこういう本、仕入れてきてよ」

 

「なっ、なんでそうなるかなっ!?」

 

「だーって、アリーザが自分の体験談は秘密にしたいって言うからさ~。それを期待して見せたげたんだよ? なにかしら代わりのモノをもらわないとさ~、トレジャーハンターとしては♪」

 

「うんうんっ、トレジャーハンターとしてはっ♪」

 

「うう……くそー、ハメられたぁ……」

 

そんなこんなで、いつになるかも分からない初体験を暴露するなんて出来るハズもなく、アリーザは次に寄る島で最新のエロ本を仕入れるコトになってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

はふーっ! と大きく息を吐き、記念すべき一冊目を閉じたアリーザは、オモテで売っているセクシー雑誌がいかに子供だましであったか、白黒イラスト程度で鼻息を荒くしていた過去の自分達がいかに幼稚であったかを思い知り、ナゼかマリーやカルバから一歩先んじたような、優越感にも似た全能感に興奮をおさえられなかった。

 

処女のクセになかなかの童貞力である。

 

今度はいくらか冷静に棚に視線を走らせ、次に手に取る表紙を吟味する。

 

気分は既にベテランだ。

停留した船のタラップを降りている最中は、どうしてこんな約束をしてしまったのかと後悔しかなかったが、今となってはそれも杞憂だったと分かる。

ココに入ったばかりの動揺は既になかった。

 

自分の背の二倍はゆうにありそうな高い棚に沿ってヒト一人分の狭い通路を歩きながら、所々にささった間仕切りのジャンル分けをドキドキしながら見送っていく。

 

(種族毎にも分かれてるんだ……ど、ドラフが一番多い……素人……熟女……アイドル……学生? 学生が出てるのもあるの!? ここは……巨乳……エルーンにもおっきいヒトいるんだ……妹系って……うわわ、ハーヴィンは完全に分けられてる。……企画ものってナニよ)

 

ドラフ女優とエルーン男優がからむモノからめぼしい作品を何冊か見つけ、厳選に厳選を重ねた後、そのうち二冊をキープして小脇に抱え、更にマリーとカルバ用に子供っぽい顔のヒューマンモノと、拘束されてイタズラされるドラフモノを一冊ずつみつくろって小脇に抱えた。

 

その辺りでいいかげんクラクラと酔ったような気分になってきたアリーザは、コレをどう会計に通そうかとシミュレーションしつつ、なんとなく棚に目を走らせながら入り口に向かって歩いた。

 

途中ふと、企画モノコーナーのけして狭くない一角が目に留まった。

 

「うわっ……コレ、騎空士がテーマなんだ……」

 

そこには、いかにも騎空士です! な格好をした女性が、騎空艇の上であられもない姿になって何人ものおちんちんに囲まれているモノや、女騎空士的な姿の女性が縛って吊るされ、おちんちんなんかにはゼッタイ負けない! とデカでかと煽りが書かれている本やらが何冊も並んでいる。

 

自分自身騎空士なだけに、なんとなく興味がそそられるコーナーではあるのだが、アリーザはその中でも、ある一冊の上に視線が吸い寄せられるのを感じた。

 

”スケベ騎空士三本勝負! 格闘娘のエロ下剋上 ~降参禁止のデスマッチ! 許してくださいっ、ホントにもう一滴も出ないんですっ……!!~”

 

アリーザはフラフラと棚に近づくと、平積みの棚の上にキープした四冊を置き、ナゼかひどく緊張しながらその本に震える手を伸ばした。

 

ゴクリ……と生唾を飲み込む。

 

立ち読み防止用なのか、新作らしいこの本には透明なカバーがかけられ中身を見ることが出来ないが、表紙だけでもナニか運命的に強く引かれるモノを感じる。

 

エロ本に運命を感じる17才公女(処女)。

 

女優はドラフ族……キレイな銀髪で、長い髪を頭の後ろで一くくりにして額にサークレットをはめている。

格闘娘をイメージしてか、安っぽくてテカテカした赤い生地の胴着と手甲脚甲を身につけ、男優を大股開きにひっくり返して上からのし掛かり、濡れそぼったアソコに組敷いた男優のおちんちんを挿入して勝ち誇った顔をしている写真だった。

 

下剋上される団長役の男優はヒューマンだ。

やや大柄で筋肉質。

短髪で、髪の色は…………明るいブラウンだった。

 

「……………………」

 

スッ……とその本をキープした四冊の間に挟みこんだ。

 

「…………うん。まあ、こういうのも、一冊くらいはね。……ぜんぶいちゃラブって言うのもさ、飽きちゃうっていうかさ……逆転モノってのもね! 格闘娘とか親近感沸くし……似てないけどね! ぜんっぜん、これっぽっちも似てないケドっ! …………いや似てないっていうかそんなのべべ別にどうでもいいっていうかっ!!」

 

誰にナニを言っているというのか。

 

五冊ものエロ本を大事そうに小脇に抱えたアリーザはそそくさと18禁ブースを退室すると、速足にならないコトを気にするあまり、やたらゆっくりといくつかの無関係な棚を物色しつつ、生まれてこのかたやましいことなどナニひとつして来なかったかのような顔で、年取った無表情なお婆さんの担当する会計に並んだ。

 

隠しようもない程にカラフルでドスケベな表紙をあえて隠しもせず、さもナンテコトないような、こんな本ゼンゼン買いなれてますし? と言わんばかりの涼しい顔をして前に並んだ一人が会計を済ませるのを待つ。

 

内心冷や汗ダラダラだ。

 

この瞬間の為に下調べは十二分にしてきた。

何件かの本屋を巡り、ココの店員が自分より明らかに幼い男の子相手にも、無反応にエロ本を売るのを何度かこの目で確認した。

ゼッタイに大丈夫だ。

 

既に女の子的にアウトである。

 

喉をカラカラにしながら出口近くの棚を眺めつつ待っていると、前のヒトの会計が終わったらしい。

 

コロコロと楽しげな声で、「お待ちのお客様~♪」と言うのを聞き、ほとんど無意識に前に出てカウンターの上に五冊の本を置いて顔をあげ――

 

「え~、こちらの五点でよろしいでしょうか~♪」

 

「――――!!!?」

 

――そこに立って笑顔を浮かべるシェロカルテを見て、愕然とした。

 

(えっ!!? なっ!? えっ、なんっ!? ……なんでっ、シェロカルテさん……ウソっ!? なんでっ!!?)

 

真っ青になって、ブワッと全身の毛穴から冷たい汗を吹き出すアリーザ。

 

(そんなまさか、だってさっきまで確かにお婆ちゃんが……っていうかなんでココにシェロカルテさん……いやっ、じゃない、それよりも見られた!? よりによって知り合いにっ!! こ、こんなエッチな本を!! ごっ、五冊もっ!! ……しかも一冊ちょっと自分似の女優と団長似の男優のヤバいヤツが……いや似てないけどっ!!? たまたまだけどっ!!!)

 

血の気の失せた顔で今にも倒れそうなアリーザをよそに、シェロカルテは楽しそうに本の値札を確かめてソロバンを弾いてゆく。

 

一冊、二冊、三冊目――

 

一瞬、極わずかに目を見開き、チラッとアリーザを盗み見るシェロカルテ。

しかし、人生最大の窮地に心身喪失状態のアリーザは気付かない。

 

シェロカルテは誰にも分からないくらい小さくクスッと笑い、何事もなかったように五冊の合計を出すと、すべてのエロ本を中身が見えない袋に手早くしまって、可愛そうなくらい憔悴したアリーザに小さく耳打ちした。

 

「……あのお婆さんは、ちょぉ~っとだけ若い女の子にイジワルなんです~……安心して下さい~、お客様の秘密はゼッタイに漏らしませんよ~♪」

 

それを聞いて、言葉の意味をゆっくりと理解するにつれてようやく正気を取り戻し、今まさに逆転無罪を勝ち取ったような表情をしたアリーザは、青色から一転して顔を真っ赤にして、小声でボソボソとお礼を言った。

 

なんでココにシェロカルテさんがいるのかさっぱり分からないし、かなり、それはもうかなりの恥ずかしい思いはしたが、どうやら自分はシェロさんに窮地を助けてもらったようだった。

顔から火を吹くような思いとはきっとこういうのを言うのだろう。

 

「……っ、ぁっ……ぁりがとう、ございます……」

 

そう言って、消え去りたいような気分を抱きながら会計を済ませ、大きな代償を払って勝ち取った戦利品――はたしてうら若き乙女の誇りに見合うだけのモノかは分からないが――の入った袋をひっ掴むと、そそくさと出口に向かって歩いてゆこうとして、

 

「それはそれとして~、アリーザさんに少ぉ~しだけお話があるので、ちょっとだけこちらのお部屋に来ていただいてよろしいでしょうか~♪」

 

アリーザは今なら空の底にだって喜んで飛び降りられると思った。

 

 

 

 

「ゴメンナサイ……!」

 

鮮やかな……それはまだ年若い少女がするには、あまりにも鮮やかな土下座であった。

 

ラムレッダ流に言うなら、DO・GE・ZAだ。

 

シェロカルテにスタッフ用の休憩室に通されたアリーザは、シェロカルテがドアを閉めるや否や、流れるような動作でもってドラフ族女性に伝わる最上級の謝罪をキメた。

完全無抵抗、絶対服従、全力謝罪の伝統的ポーズである。

 

それを見たシェロカルテは、一瞬キョトンとした後、慌ててアリーザにかけよって自分の説明不足を詫びた。

 

「すっ、スミマセン~! アリーザさん、この部屋にお通ししたのは、是非ともご紹介したい新商品があるからでして~、その、謝るコトなんかなんにも無いですよ~。 お顔を上げて下さい~」

 

「……えっ?」

 

シェロカルテは、目の端に涙を浮かべたアリーザをなんとか落ち着かせると、椅子をすすめてそこに座らせ、自分はアリーザの向かい側のハーヴィン用に背を高く作られた椅子に座った。

 

「グスッ……あ、あの……」

 

「はい~?」

 

「……シェロさんは、その……どうしてこのお店に……?」

 

「ああ、それはですね~♪ 最近、タイヘン評判の良い新商品が開発できまして~、その儲けで色々な業種に資本業務提携の手を広げていまして、このお店はその一つなんです~♪」

 

「?? は、はぁ……」

 

まだいくらか赤い顔をして椅子の上で小さくなっているアリーザに問いかけられ、笑顔で答えると、まさにその商品がオススメしたいモノなんですけどね~♪ と続けた。

 

「ええ~っと、では、新商品をおすすめする前に、一つ二つ、確認したいコトがあるのですが~……よろしいでしょうか~?」

 

「は、はい」

 

グイッと身を乗り出すシェロカルテに、ハーヴィンとは思えないナゾの圧を感じてやや引き気味に答えるアリーザにニッコリと笑いかけてたずねた。

 

「アリーザさんは、団長さん……グランさんについて、どう思われますか~?」

 

「ふひゃっ!?」

 

「あ、結構です~♪ ただの確認ですので~……うふふ~、今ので大体分かりました~♪」

 

シェロカルテの問いかけに、面白いように肩を跳ねさせたアリーザを見て、シェロカルテは口元に両手を当てて楽しそうに笑った。

 

なんとも隠し事のヘタな少女である。

 

「にゃっ、にゃにをっ、ナニが分かって……っ! その、団長は団長だしっ……!」

 

「先ほど、チラッと目にはいってしまったんですが、あの本の男優さんはどこか団長さんと良く――」

 

「わーーーーっ!? わーーーーーーーーっ!?」

 

顔を茹でダコのように真っ赤にしたアリーザが目をぐるぐる回して腕をブンブン振るのを見て、シェロカルテはとうとうこらえきれずに吹き出した。

 

「うぷぷっ……し、失礼しました~。 いや~、実はあの男優さん、かの有名騎空団の団長さんにソックリ! ……という口コミが広がって、最近かなり売れているそうなんです~。まあ、よくよく見ると確かに全然違うのですが、私も結構儲けさせて頂いてるんですよ~♪」

 

「っ…………!! いやっ……それはっ……その、たまたま……」

 

なんだかこの可愛らしいドラフの少女が焦りまくっているのが微笑ましくて少々からかいすぎてしまったと思ったシェロカルテは、こほんと小さく咳をすると、一言謝ってから続けた。

 

「いえ、すみません~、団長さんのコトが好きかどうかはお聞きしませんよ~♪ ただ、少なくとも嫌いじゃない、好ましく思っているコトが分かればイイので~……団長さんは本当に素敵な方ですから、団員さんみんなに愛されているのは当然かと思います~♪」

 

「いや、まあ……その、嫌いな訳じゃないケド……その、同い年位なのに、スゴいなぁって尊敬してるし……」

 

机の木目に向かってボソボソと呟く声には気付かないふりをした。

尊敬してる同い年の少年ソックリのエロ本買うの? とは聞かない優しいシェロちゃんである。

 

「では、もうひとつ~♪ こちらでご紹介する商品については、出来ればむやみな口外をさけて欲しいんです~……特に団長さんには、くれぐれも~♪」

 

 

 

 

 

自室のベッドの端に腰掛けて枕を胸に抱き締め、アリーザはそわそわと足の指先を絡ませて落ち着かない気分でいた。

思い付いたようにすっと立ち上がると、ドアの所まで歩いていき、確かに防音効果付きの魔法錠がかかっているコトを確認して、ベッドに戻る。

 

こんなコトをもう三回は繰り返している。

 

ココはかの騎空団の船団が一隻、フロンティア号の一室である。

今でこそ復数隻の騎空艇を所持する大騎空団だが、その最初期、天然ヒトタラシな団長のせいか、ブクブクと増え続ける団員の船室を賄うべく初めて購入した記念すべき船がこのフロンティア号だった。

 

より居住性に特化した大型艇を購入した今でも、当時のゴチャゴチャと窮屈で楽しい思い出を懐かしむ古株の何人かは未だこの船に居住スペースをかまえている。

 

そんなロマンチスト達の一人でもあるアリーザは今、重厚でシックな皮製キャリーケースを前に、まったくロマンチックでない悩みで唸り声をあげていた。

 

「うぅ~…………!」

 

床に置かれたケースを穴が開くほどに睨み付け、おもむろにまたすっと立ち上がり、四度目の確認をしようとしてしばらく逡巡したあと、ボスン、とベッドに座り込んだ。

 

「……も、もう買っちゃったワケだし……見るだけなら……うん、見るだけ……!」

 

自分に言い聞かせるようにそう呟くと、枕をベッドの上に放り投げ、ケースの前に正座してゴクリと生唾を飲み込んだ。

 

本屋の18禁暖簾をくぐった時とは比較にならない程の緊張で、伸ばした手にじっとりと汗がにじむ。

 

カチリ。

 

ケースのロックを外し、一度深呼吸をしたアリーザは、一息にえいやっとその皮製ケースの蓋を開け放った。

 

ケースの内側には、滑らかな赤いビロードが張られ、更に中身を隠すように、シェロカルテのお店のエンブレムと見慣れた騎空団のエンブレムが箔押しされ、流麗な細い文字でビューティー&ヘルス・プレミアムと書かれた一枚の赤い布が被さっている。

 

恐る恐る、その柔らかな布を取り払う。

 

「――――ぅ……わぁ……!」

 

その下にあったのは―――引っ張るまでもなく、大方の読者の予想通り、かのリアルグラン君シリーズ・プレミアムであった。

 

アリーザ、お前もか。

 

どうやらシェロカルテにそそのかされて、この狂気のサタとしか言えないようなリアルディルドを買わされてしまったようだった。

 

ただしその本数がスゴい。

 

左から小さい順に、四分の一スケールから始まり、三分の一、二分の一、三分の二と続き一分の一スケールまで、実に八本もの、サイズの違うグロテスクなまでに本物ソックリのリトルグラン君がうやうやしく整列しているのだ。

どうでもいいが玉無しタイプだった。

 

ちょっとしたブラクラレベルである。

 

左上の空きスペースには、ご丁寧に切り傷によく効くポーション配合の軟膏の缶と、あのヒトの精液の味と匂いと触感を高度に再現! リアル精液ローション(食べても害はありません)と書かれたクリスタルの瓶、そしてハーヴィンでも出来る! 完全トレーニングマニュアルと書かれたカードが入っていた。

 

さすがカユいところに手が届くシェロカルテクオリティだ。

愛すべきおバカ具合である。

 

アリーザは、そのあまりにも生々しく、あり得ないほどにイヤらしくて、なんだか意味もわからずお腹の奥をキュンキュンさせるそのオチンポ達をまじまじと見つめた。

 

「これが…………だ、団長の……団長のおちんちん……お、おっきぃ……♡」

 

アリーザは、瞳のなかにうっすらとハートマークを浮かべ、熱に浮かされたように真ん中辺りの一本に手を伸ばしかけ――

 

「っ!? だっダメっ! や、やっぱりこんなのダメだよっ!」

 

弾かれたように引っ込めると、ブンブンと頭をふった。

銀色のポニーテールが一緒になって左右に揺れる。

 

(こっ、こんな、団長に内緒で、こんな覗きみたいなっ……だっ、第一こんなの浮気じゃん! え、エロ本くらいならまだ分かるけど、誰かを想像しながらそのヒトソックリな写真とか使ってシちゃったらもうほとんど浮気だよっ!!)

 

鋼の意思でぎゅっと目をつぶり、重い腕を無理矢理動かしてケースの蓋を閉じる。

既にイロイロと手遅れな気がしないでもないが、少なくともこの瞬間、アリーザはオチンポの誘惑に勝利したのだ。

 

スゴいぞアリーザ!

 

アリーザはケースを持ち上げると、さっさとこの悪魔の誘惑を処分すべく入り口に近づいてドアノブに手をかけた。

 

(……処分しよう。シェロさんには悪いけど、やっぱりこんなのダメだよね……あ、アタシには、その、スタンがいるんだから……アタシはスタンのコトが好きなんだから……別に団長は嫌いじゃないケド……別に好きなワケでもないっていうか…………強いし、優しいし、頼れるし、カッコいいし、あと一緒にいると楽しくてなんかドキドキするし、ちょっとイイ匂いだし、そりゃ好きか嫌いかなら好きだけどそういうんじゃないし…………ホントにたまにしかオカズにしないし……グランは私のコトなんてなんとも思ってないし……!)

 

ゆっくりとドアノブから手を外す。

 

「……何も処分するコトはないよね。た、高かったし、もったいないもん……使わなきゃいいんだから、とりあえず次の島でシェロさんのお店に返品しちゃおう。み、未使用だし、他にほしいヒトがいるかもしれないしねっ!」

 

そう独り言をまくしたて、『四分の1~一分の1スケール豪華八本セット ~ドラフ族もハーヴィン族もあきらめないで!~ 多機能マイリアルグラン君ズ・プレミアム入門セット(ディルドタイプ・玉無し) 本革専用ケース付き©️』のケースをいそいそとベッドの下に滑り込ませるアリーザ。

ちなみにこの商品は安心安全な一年保証付きだ!

 

カッコ悪いぞアリーザ!

 

 

 

 



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アリーザ、思い出す。

よくラノベやアニメなんかで、作中に複数のカップルが成立してるヤツ、あるじゃないですか。


アレ大っ嫌い(正直者)




危険極まるブツを大切にベッド下へ封印したあと、買ったばかりのエロ本を使うような気分も湧かないアリーザは、なんだか迷走気味な頭の中を整理すべく外の風でも浴びようかと甲板へ向かった。

 

港に係留されたフロンティア号の甲板では、夕方の出港を前に団員達がポツポツと荷揚げを行う賑やかな声が飛び交い、あたたかく湿った風が風見鶏の羽をクルクル回していた。

 

欄干に寄りかかり、風に踊る髪を片手で押さえながら、わずかにオレンジのグラデーションがかかってきた空平線を眺める。

 

大きな綿菓子みたいな多層雲をバックにティアマトとメドゥーサが追いかけっこしているのを目で追いながら、アリーザは自分の気持ちというモノに向き合ってみようとした。

 

(アタシは、スタンが好き)

 

いままで、この気持ちを疑ったコトなんてなかったハズだ。

 

ずっと昔、泣き虫だった自分を守ろうとしてくれた時から。

炎鳴流を継ぎ、お互いの立場が逆転したあとも。

 

ヘタれで情けなくて、しょっちゅう自分をヤキモキさせる幼馴染み。

昔はカッコよくて、そんなアイツとずっと一緒にいたくて心身を鍛えたアタシは、あっという間にアイツより強くなっちゃったけど。

自分と同じ思いのハズのアイツなら、すぐに隣に来てくれるって思ってた。

ネフティスに拐われた時だって、自分より弱いスタンが、それでも絶対に助けに来てくれるって信じていた。

 

(アタシは……スタンが、好き)

 

実際、弱虫なアイツは期待通りに自分を助けに来てくれた。

最近は昔よりかは修行に真剣になり始め、段々と腕をあげてきている。

一緒に故郷を訪ねた時なんて、ママに向かって堂々と交際の許可を求めてくれたし、認めてくれないお母さんを納得させるために、危険なタルウィにまで乗り込んでくれた。

今はもっと実力をつけるため、時々騎空団に立ち寄りつつ放浪の武者修行に精を出している。

 

自分は、そんなスタンのコトが大好きなハズだ。

それは間違いないのだ。

 

「団長は……」

 

今度は、自分をモヤモヤさせてやまない、グランについて考えてみる。

 

始めての出会いってどんなだったか……。

 

(そう、確かネフティスに拐われてスタンを待ってた時だった)

 

炎鳴流で鍛えぬいた自慢の脚であっけなく星晶獣の住処の壁を壊した自分は、他に捕まっていたヒト達を逃がしたあと、物語の王子様のようにスタンが颯爽と助けに来てくれるコトを期待してわざと逃げもせずに待っていたのだ。

 

あまりに遅いスタンにいいかげんイライラと不安になっていた所で――――

 

『大丈夫ですか? 助けに来ましたよ、お姫様――』

 

団長――グランが、怯えるスタンの首根っこを掴んでアタシの前に連れてきてくれたのだ。

 

「そうだ……そんなだったっけな……♪」

 

星晶獣の根城を前に怖じ気づいていたスタンと、弟を探すジェシカに頼まれて何の見返りも無しに協力を約束し、即座にネフティスを小突き回してゴメンナサイさせたあと、颯爽と私を助け出してくれたんだった。

 

まるでおとぎ話の王子様のように――

 

「…………んん?」

 

その後、クライス家の継承権を放棄した私と、護衛という仕事を失ったスタンを温かく騎空団に迎え入れてくれた。

バルツから一度も出たことがなかった私達は団員としていろんな島を巡りつつ、星晶獣を素手でおとなしくさせるほどに強かった団長に頼み込んで、自分とスタンに稽古をつけてもらったのだった。

 

(…………すっごく強くて、手も足も出なかった)

 

初めての手合わせ。

スタンや自分と同年代のグランに対抗心を燃やして、手加減無用を申し出たアタシは、ルリアの開始の合図と同時に意識を失った。

 

目が覚めると、甲板に大の字に倒れたアタシの顔を覗き込んだ団長はホッとしたように言ったのだ。

 

『修行、続けようか』

 

(あの時、団長は気迫を飛ばしただけだったっていうんだもんなぁ……アタシ、ゼッタイ殺されたと思ったモン。……手加減すんなっていったのはアタシだけどさ)

 

その後、なんとかグランに追い付きたくてムキになったアタシを、団長は今度はちゃんと手加減して――ボコボコにしてくれた。

心配したルリアやビィが止めようとしても、アタシが参ったっていうまで、本当に真剣に相手をしてくれたのだ。

 

とうとう構えも作れなくなって降参したアタシは、確か……、

 

「バッカみたいだったな、アレは……」

 

治癒魔法を掛けようとしてくれた団長に全力でゴネて、傷をそのままにしてもらったのだ。

 

炎鳴流を継いで初めて、男の子に負けた。

その悔しさを忘れたくなくて、その痛みが自分をもっと強くしてくれるって本気で思って、アタシは身体中についた青アザをそのままにしたかったのだ。

結果、ケガは後でヒールをかけるつもりで身体中に生傷を作ってしまった団長は青い顔をしてアタフタし必死にアタシを説得しようとしていた。

なんせ、途中で露骨に顔や胸なんかへの打撃を避けている様子のグランに、バカにするな! と大声で叫んで顔面、急所攻撃を解禁させ、顔や胸や、女の子の大切なトコロにまで痛々しい内出血の痕をつけさせたのだ。

いくら武闘家とはいえ、自分と同年代くらいの女の子をボロボロのキズモノにしてしまったコトに団長はかなりの動揺を見せ……アタシはそんなグランを見てなんだか最後に一本だけ取れた気がして嬉しかった。

 

「――そんでその日のお風呂でソッコー後悔したんだった」

 

アリーザは心底おかしそうに笑った。

いま思い返しても酷い思い出だ。

 

痛みと疲れに朦朧としながら、なにも考えずにシャワーを身体に浴びた瞬間、アタシは大きな悲鳴を上げてお風呂場でひっくり返ったのだ。

今でも思い出すと身体がブルリとアツくうずく。

 

驚いて覗きにきたアンナが青あざだらけのアタシを見てまた悲鳴を上げ、すっ飛んできたカタリナとイオに有無を言わさず傷を癒されたあと、団長はこってりと締め上げられて船首に逆さまに吊られ、一晩中反省させられるコトになった。

さすがに悪いと思ったアタシは毛布を一枚だけ被って同じく船首に寝転んで、しょげてはいたものの割りと平気そうなグランに付き合って朝までお喋りをしたのだった。

 

以降、修行前には必ず治療を約束させられ、あちらからの急所攻撃も大っぴらには禁止されてしまった。

 

(ま、他の団員がいないトコではマジメにやってくれるケドね)

 

禁じ手無しはゴネにゴネてなんとか飲ませたが、治療だけは断じて譲ってくれない団長に、ちょっとした反抗心も込めて毎回最低一ヶ所だけは申告しない傷を残しているのは未だに誰にもバレていないヒミツだ。

 

「アタシやスタンがこんなに強くなれたのも、団長の……グランのおかげなんだよなぁ……」

 

アリーザは、前回の手合わせでこっそり残しておいたおヘソの下あたりの青アザを服の上からそっと撫でてみた。

 

(イテテ……もうなんか、最近はどこか一ヶ所痛いトコロがないと落ち着かないくらいだもんなぁ……コレのおかげで自分はまだまだだっ! って思えるし、あとちょっとだけキモチ――)

 

少しアツくなった頬を、ブンブンと左右に頭を振って冷ます。

薄く桃色がかった銀髪が、夕方の風に流れてキラキラと光の線になる。

 

ティアマトとメドゥーサの追いかけっこはいつの間にか攻守が逆転して、涙目のメドゥーサを小さな竜巻が追い回している。

 

(……イタいとキモチイイは紙一重だってよく聞くもんね! ひ、ひとりでエッチするトキ、痛いトコロをちょっとだけつついてみるなんてきっと誰でもやってるハズだし! こ、これくらいゼンゼンヘンタイじゃないって! うん!)

 

それは十分にヘンタイだぞ!

 

ほっぺたをグニグニと揉みほぐし、思考を元に戻してゆく。

 

(えっと……そうだ、団長にはスタンとのコトもけっこうイロイロ相談したんだった)

 

稽古でひとしきりコテンパンにされたあと、ゆっくりと治療している間黙っているのもなんだか気まずくて、スタンとの仲について男の子からの意見でも聞こうかとよく相談に乗ってもらったのだ。

 

「そうそう……それで――」

 

グランは煮え切らないスタンのコトについて相談すると、困ったような顔をしつつもけっこう適切なアドバイスをくれるのだ。

二人はゼンゼン似ていないと思うのだが、男の子同士なにか通じるトコロでもあるのか、アタシ達がギクシャクとうまくいってないときには、団長がアタシではゼッタイに気づけないようなスタンのキモチと、どうすればよいかを教えてくれるのだ。

 

『――――確かに、最近のスタンは修行もサボりがちだし、アリーザにもちょっとよそよそしかったかもしれないけどさ、それはなにも諦めとか、嫌いになったとかじゃなくて、自分のコトがイヤになっちゃってるっていうか……男ってこう、ナニよりも自分の弱さが許せなくて、その、そんな情けないトコロを許して欲しいんだけど、でも許さないで叱ってほしい、期待してほしいっていうか…………とにかくその! ……多分明日にはアリーザの所に謝りにくるハズだから、それまでゼッタイにアリーザから謝らないコトと……それから謝るのは前が見えないくらいボコボコにしたコトでも無理矢理古戦場の依頼やパンデモニウムでの修行に連れ出してぼろ雑巾みたいにしたコトでもなくってさ、”見損なった” って言っちゃったコトだけ、その言葉は訂正せずに ”まだ許したわけじゃないけど、少し見直した” って言ってやると良いとおもうよ。……部屋まで来てまだ口ごもってるようだったら、”アンタが謝るまでゼッタイに謝らない” くらい言えば大丈夫……だと思う』

 

『でも……アタシ、スタンにけっこう酷いコト言って……立てないくらいボロボロにしちゃったし……!』

 

『……それでも。先に謝るのはスタンに譲ってやって欲しい』

 

『でもっ、ホントにあの時のスタン、スライムかゴーストかってくらいに生気の欠片もないホドぐっちゃぐちゃにっ!!』

 

『………………そ、それでも、うん』

 

その時も、ゼッタイ悪いのは自分の方で、先にアタシが謝らなくちゃいけないって思っていたけど、本当に次の日にスタンは部屋を訪ねてきて、ドアの前で黙り込んでしまったトコロまでグランの言った通りで、それでアタシはもしかしたらと思って、グランに言われた通りのコトをドアの外に向かって震える声で叫んだのだ。

 

『あ、アンタが謝るまで、アタシ、ゼッタイ謝んないかんねっ!!』

 

結果。

 

本当にアッサリ、スタンは自分がいかに情けなかったかを正直に全部謝り、自分なんか見捨てられて当然だけど、これから本当に頑張るから、どうか見ていて欲しいと泣きながら訴えかけてきたのだった。

そんなスタンに内心驚きながら、グランに言われた通りの、それってホントに許してるの? としか思えないセリフを言ってみると、スタンは本当に、ホントに心底嬉しそうに泣き笑いして、ありがとうとアタシにお礼を言い、その日から生まれ変わったように修行に打ち込んだのだ。

 

信じられないことに、あのスタンが三週間も!

 

魔法でも見せられたのかと思った。

グランには……自分と年も変わらないアイツには、全部お見通しだったのだ。

 

マリーやカルバも、ジェシカやティナやカレンも、勇気を出して相談したメーテラさんでさえ解決できなかったアタシ達の仲違いを、アイツは一瞬で解決してしまった。

 

アタシはそのコトを、手合わせ後の火照りも冷めやらぬ間に興奮気味にグランに報告した。

 

『え゛っ!? ――う、うん、そうか。良かったね。…………うっそだろアイツマジかよ……どんなマゾだよ……』

 

 

 

 

 

 

……もちろん我らがムッツリグラン君が自分のトコのかわいい雌ドラフの恋路なんか本気で応援するワケがなかった。

しかも相手はあのスタンだ。

金髪イケメンエルーンで幼馴染みでヘタレでイケメンで時たま一所懸命でしかもイケメンである。

 

童貞グラン君的にはそんな主人公丸出しなツンツン頭なぞ許されざるよ!

 

しかし根がみみっちぃグラン君、真っ正面から寝取る度胸なんぞないのは皆さんご存じの通りなので、アリーザに絶対うまくなんか行きっこないトンでもアドバイスを吹き込むコトによってなんとか破局までもって行こうと童貞頭をひねり回したのだったが、裏目に裏目った結果はご覧のありさまである。

 

グラン君はスタンの恐るべき主人公ポテンシャルに恐れおののきしめやかに全面降伏した。

 

童貞がイキってサーセンっした!

コレからも読み終わったエロ本回して下さいっ!

 

 

 

 

 

ナニか小声で言っていたコトはよく聞き取れなかったが、グランはアタシの頬の痣に、ほんの少しも痛まないように温かなヒールをゆっくりとかけながら、また少し困ったような、優しい笑顔を返してくれた。

 

(……なんだろ)

 

思い返すと、チクリ、と、ナニかが胸に刺さるような感じがする。

 

(そうだ、確か)

 

当時も、似たような引っ掛かりを覚えたのだ。

なんというか、たいして年も違わないのに、余裕ぶって笑っているアイツが、アタシは気に入らなかったのかもしれない。

 

武術でも、恋愛でもかなわない……そう考えた時、私は確か思わずこう言ったのだ。

 

『……団長にもさ』

 

『ん?』

 

『団長だってさ、その、男の子なわけじゃん。……団長にも、弱いトコロってさ、あるの……?』

 

(……あの時)

 

今でも、思い出せる。

アイツは一瞬、本当に一瞬だけ、それまで一度も見たことないような悲しそうな、寂しそうな――――そう、泣きそうな顔をして、

 

『うん、あるよ(童貞)』

 

それが勘違いだったかと思うようないつも通りの優しい笑顔で、そう答えたのだ。

アタシは、それが何なのか、アイツに、あんなに強くて、悔しいくらいなんでも出来るアイツにあんな顔をさせる ”弱み” ってヤツが無性に知りたくて。

 

『…………ふ、ふーん』

 

でも、聞けなかった。

怖かったのだ。

 

自分のキモチがわからなかった。

聞いて、アタシはどうしたいのか。

それを、取り除いてあげたいのか。

認めてあげたいのか。

はたまた勝ち誇りたいのか。

ただ、知りたいのか。

 

アタシは弱かった。

さんざん助けてもらって、知らなかった色々なコトを教えてもらって、世界を、空の広さをこれだけ自分に感じさせてくれたグラン。

 

ソイツにずっと守ってもらって、いざソイツが助けて欲しそうな顔をした時に、自分は何一つ出来ないでいる。

 

隠しておいた青アザが、ズキリ、と傷んだ。

 

『ほら、全部治せたよ。他に治してないトコロはある?』

 

『……団長ってさ。ルリアのコト、どう思ってるの?』

 

『っ、え?』

 

あたしはすがるように、ナゼかそんな意味のわからない質問をしていた。

 

『いつも……最初から、一緒にいたんでしょ? 団長が旅に出たきっかけってさ、ルリアじゃん』

 

ルリア。

 

星の民の力を持った、不思議な青い少女。

星晶獣と心を通わす特別な力と、透き通るような美しさと可憐さをあわせ持った、謎多き少女。

 

空の子供。

 

グランの、旅立ちのきっかけ。

 

『すっ…………す、好きなの?』

 

『…………』

 

そして、きっと――――

 

『好きだよ』

 

グランの、好きな女の子だった。

 

『……ふーん』

 

その時アタシは、自分で聞いたクセに、薄々分かっていたクセに、ナゼかその答えを聞きたくなくて、”大切な旅の仲間だ” とかそんな玉虫色の返事を期待していて、

 

チクリ

 

と、再び傷んだ胸の痛みに、思わずそっぽを向いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

そのせいで、その時アイツがどんな顔していたか、未だにわからないのだ。

 

『アリーザも好きだよ』

 

 

 

 

 

 

思わずスゴい勢いでアイツに振り向いて、いつも通りの優しい笑顔で立ち上がったアイツに、

 

『ばっ!? えっ!? ちょっ、なっ、ななっ……!!』

 

『ジータもカタリナもイオもロゼッタも、みーんな大好きさ』

 

『な゛あっ』

 

(……思い出しちゃったよ、くっそぉ……)

 

アレは人生最大の失態だった。

面白いくらいに赤面して、ひたすら口をパクパクさせる私を見てアイツはとうとう堪えきれずに吹き出した上、実に楽しそうに笑ってこう追い討ちをかけた。

 

『でも君だけは特別だよ、アリーザ♪』

 

『ばっ――――――!!!』

 

 

 

 

 

『ごめんごめん』

 

『バッッッッッッッッッッッッカじゃないのっ!!?』

 

 

 

 

 

 

(……なんか今思い出してもムカつく)

 

アリーザはせっかく冷ましたばかりの頬がまた真っ赤に熱を持ったのを感じ、グランのコトを思い出せば思い出すほどにおかしくなる自分がなんだか無性に悔しくて、またそれが決してイヤじゃない自分が不思議でしょうがなかった。

 

スタンが相手ならいくらでも言い返せるのに、アイツが相手だといつもやられっぱなしになってしまう。

 

グイっと、お腹の青アザを強く押し込む。

 

(っ……つぅ……! そうだ、そんでなんか悔しくなって、アタシはスタンとちゃんと付き合い初めて、アイツにバルツに行ってもらうように頼んだんだ!)

 

『アタシさぁ』

 

『ん?』

 

『スタンに告白された』

 

『……良かったじゃん』

 

『……そんだけ?』

 

『え? えっと……そういや付き合ってなかったんだ』

 

『まあ、なんかそのヘンなあなあな感じだったし。告白されて初めて、そういやアタシ達ってちゃんと付き合ってなかったかもって……でさ』

 

『次左腕上げて……何?』

 

『んっ』

 

『あっ、ゴメン、染みた?』

 

『んーん、へーき。……なんて答えよっかなって』

 

『はあっ!? 返事してないの!?』

 

『うひぃっ!? 強い強い!』

 

『あっ…………と、ゴメン……いや、迷うことないじゃん』

 

『そうなんだけど…………その、だ、団長はさ、どう思うかなって?』

 

『はぁ……………………』

 

アタシはナゼか、スタンに告白された時以上にドキドキして、アイツが何て言うか、アタシがどうすべきかゼッタイに間違いない、魔法のような答えを言ってくれるんじゃないかと期待して、

 

『好きにしたら?』

 

 

 

 

 

(……スタンにオッケーしたんだ)

 

それからも、当て付けのように何度もスタンとの小さないざこざをアイツに相談して、その都度ビックリするくらい完璧な正解をくれるアイツがなんだか無性に腹立たしかった。

 

そんなに恋愛に詳しいなら、自分だってルリアとか、他の誰か可愛い団員と付き合っちゃえばイイのに、アイツはけして誰か一人を特別にしなかった。

アイツは、みんなに愛されてるのに、ずっと独りぼっちだった。

 

そしてアタシに、ゼンゼン平気そうに笑うのだ。

自分の弱みを、決して誰にも見せずに。

それが無性に、イラついた。

 

何度スタンとの仲(実のところ、手すらほとんど繋いでなかったケド)を自慢しても、ちっとも表情を変えないアイツになんとか一矢報いたくて、アタシはムキになってアイツを実家に誘ったのだ。

 

バルツの懐かしい家で、久しぶりに会ったママに突然スタンが交際の許可を求めた時、アタシは思わずアイツの顔を盗み見た。

 

『……!』

 

そしてほんの一瞬、アイツの顔が無表情になるのを見て、アタシはとうとうアイツからこの表情を引き出せた喜びに舞い上がりそうになり、

 

『……スタン君には悪いのだけれど、認められません』

 

ママの冷たい声に、背筋に氷を落とされたような気分になった。

慌てて視線を戻すと、ママはスタンじゃなく、娘の私にしか分からないような僅かに険しい顔で、咎めるように真っ直ぐ私を見ていた。

 

(そういえば、なんでアタシはあんなにアイツの反応にこだわってたんだろ……?)

 

そのあと、禁じられたタルウィに一人で突っ走って、案の定ピンチに陥ったマヌケなスタンのヤツを助けてくれたのも、やっぱりアイツだったのだ。

 

スタンを見つけ、ドゥルジを説得し、呪いの正体を看破し、スタンを治療してくれた。

アイツがいてくれなかったら、どうなっていたか……きっとスタンは死んで、ママは一生自分を責め続けただろう。

 

結局スタンは自分の不甲斐なさを再確認して、いつかアタシと並び立てるようになるまで修行の旅に出るコトを決心し、大人になって再開するまで、アタシ達の恋人関係は解消されたのだった。

 

いくらか頼もしい顔をするようになったスタンを見送ったあと、アイツは思い出したようにポケットから金色に光る一輪の花を取り出した。

 

『これ、ドゥルジが俺にくれたんだ。伝説の花なんだって……どんな願いでも叶うらしい。スタンはこれをアリーザにとって来たかったんだろ……だから、あげるよ』

 

アタシは、それを見て、ナニも言えなくなってしまった。

アイツは、きっとその花のもつ意味をナニも知らないのだ。

 

アイツはいつもそうやってアタシをヘンなキモチにする。

アタシばっかりヘンに意識して受け取らないというのもシャクで、アイツと目を合わせずにその花を受け取りボソボソとお礼を言う私を見て、ママはナゼか妙に機嫌よくアイツを家に誘い、一晩泊まっていくようにお願いした。

 

ママはアイツにアタシの昔話とか、アタシの好きなものや嫌いなものについて、アタシがどんなに恥ずかしがってもお構い無しに次から次へとなんでもしゃべってしまった。

いつの間にかアイツの隣に椅子を引っ付けて、しまいには自分自身の話までしだしたママをアイツから引き剥がすにはかなり苦労した。

 

久しぶりのお客がよっぽど嬉しいのか、真夜中に起き出して枕をもってアイツの部屋に突撃しようとしていたママにはビックリしたモノだ。

たまたま自分も眠れなくて、アイツとおしゃべりでもしようかと部屋をでなければ、危うくスケスケのベビードール姿のママをアイツに見られるトコロだった。

 

いくらアタシがお世話になってる、よく手紙に書いていた団長に色々言いたいことがあると言っても、うっかりそんな姿で出てこられたらアイツだって困るハズだ。

ママは時々びっくりするくらい抜けている。

 

(……っていうかアイツママにデレデレしすぎ。別にアタシのお母さんなんだからそんなに気を使わなくたっていいのに……)

 

それからも、イロイロなコトがあった。

 

(この前なんて、アイツがアタシとジェシカをプロデュースしてアイドルの真似事までしたっけ)

 

歌って踊る、なんて始めての経験だったけど、アイツはヘタクソなアタシに可愛いって言ってくれた。

 

目を回して伸びているメドゥーサを小脇に抱えて自慢げな表情のティアマトが、フヨフヨとグランサイファーの方へ降りて行くのを見送りながら、アリーザはその時を思い出してニヤニヤとだらしなく笑った。

アイツは私に可愛いって言ったのだ。

 

歌も躍りもあんまり得意じゃ無いけど、アイツがそう言ってくれるんなら、たまにならまたあの衣装を着てやっても良いと思える。

 

「うーん……結局よく分かんないなぁ……」

 

思い返して見たが、やっぱり自分にとって団長がどんな存在なのかさっぱり分からなかった。

なんかすぐそこまで出てきているんだけど、なんかあとちょっとのトコロでしっくり来ないのだ。

 

アリーザは、お腹の青アザをグリグリと擦りながら、このナゾの解決を諦めた。

多分団長は自分の中で、かけがえのない、大切で、ずっと一緒にいて欲しい、いつか並んで立ちたい、守ってあげたい、自分を一番に見て欲しい――――

 

「トモダチ……友達だよね!」

 

しっくりは来ないが、どう考えてもそうとしか思えないのだから、きっとそうなのだ。

 

「っていうか、団長はアタシのコトをどう思ってるのかな?」

 

団長は、おんなじようにアタシを友達と思ってるのだろうか。

 

(……なんだろ、また……)

 

団長が自分を友達と思っているか。

そう考えたら、また胸がチクリと痛み、なんとなくモヤモヤする。

 

(スタンのトコロ行って、ちょっと話そうかな)

 

スタンならちょうど前回の三日間の放浪が終わったトコロで、一週間くらいこの船に滞在しているハズだ。

何度か食堂で見かけた。

 

アリーザは欄干から手をはなし、グッと大きく伸びをした。

もうすっかり夕焼けが空を覆って、幻想的な光が雲間にたなびいている。

 

くるりとキビスを返すと、船内に戻って行く。

スタンと話せば、このモヤモヤも収まるかもしれない。

私が好きなのはスタンなんだって、確認できるかもしれない。

 

そう思って、アリーザは足早に廊下を歩いて行く。

自分が思考に無理矢理蓋をしているコトに、全く気付かないふりをして。

 

最後にはほとんど駆け足でスタンの船室近くまで来たアリーザは、乱れた息を整えつつ、ゆっくりとスタンの部屋のドアの前まで歩いて行く。

 

(さて、と。とりあえず次はいつ頃旅に出るかでも聞いてみよっかな……ん)

 

そこで、アリーザはスタンの船室の扉が細く空いたままなコトに気がついた。

 

「?」

 

なんとなく。

ホントになんとなく、その隙間から中を覗き込んでみた。

 

 

 

 

 

「今っ日~のオカズは~♪」

 

ガサガサ

 

「なっるッなっるッナッルメ~ア♪」

 

ガサガサ、ペラペラ

 

「そーれーと~も~」

 

パラパラ

 

「ルリルリリルリルル~リルリッ♪」

 

ガサっ

 

「かな~~♪」

 

ドサッ

 

「今日はプルプルナ~ルメアっ♪」

 

よいしょっと……

 

「フレッシュバストのビキニ~♪」

 

バーン!

 

「……よし」

 

よしじゃないが。

 

スタンは妙に軽快な正味15秒程度の歌(たしかペンギーちゃんの冷凍食品かなんかのコマーシャルソングの替え歌だ)を歌いながら、ベッドの上に広げたエロ本の山から一冊を取り出し、更に封筒の中から魔導プリント写真の束を取り出し、恐らく盗撮であろうナルメアの水着写真を抜き取って開いたエロ本のページの上にクリップで留めた。

 

「ナルメアさん、今日もよろしくお願いします」

 

正座で深々と頭を下げたと思えば、ポンポーンとあっという間に服を脱ぎ捨てて全裸になった。

 

(…………!?)

 

あらわになる、グランとは比べるべくもない細っ白い身体。

 

スタンは仰向けになると、左手にエロ本を、右手を自らの分身に添え、

 

「……いやっ、今日はあえて左だ!」

 

左右の手を入れ替え、右手でエロ本を支えつつ、左手で息子をしごき始めた。

 

(………………うそ)

 

スタンが、オナニーを。

ナルメアさんの写真を使って。

 

(……スタン……)

 

「あっあっあっ……ナルメアさんっ! ナルメアさん気持ちいいっ! ああっ!」

 

そしてそのペニス。

左手の三本の指で小刻みにしごかれている。

初めて目の当たりにするそれは、一瞬どこにあるか見失うくらい、

 

(ちっちゃい……)

 

ウッ……! というスタンの手の中に、ぴゅるっとシジミの潮吹きくらいの液体が飛ぶ。

アリーザはフラフラとドアの前を離れ、

 

ドンッ!!!

 

と一発廊下の壁を蹴りつけたあと、呆然自失なまま船内をさまよい、気付けば自分の部屋の中だった。

 

鍵をかけ、机の上を見る。

袋に入ったままのエロ本が、無造作に放置されている。

ツカツカと机に近づき、袋から騎空士モノを取り出す。

ブーツを脱ぎ捨て、サークレットを鏡台に放り投げ、着ていた服を乱雑に脱ぎ散らかして下着姿になるアリーザ。

 

鏡を見て、お腹の下の青アザを一撫でしたあと、ベッドの下から革のケースを引っ張り出し、中から疑似精液ローションと一番小さいディルドを取り出すと、エロ本と一緒に引っ付かんで、無言で浴室に向かい、

 

静かに扉を閉めた――――

 

 

 

 

 

「えっ!? ナニ? なんなの!? オレそんな声デカかった!?」

 

スタン君は廊下から首だけ出して左右を見渡し、壁に足の形の陥没跡を発見して戦慄したとかしないとか。

 

強く生きろスタン。

 

 

 

 

 

 

 






古すぎて伝わらないスタンの替え歌元は活動報告へ。


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アリーザ、気付く。

今回もエロ無し。
ホント前置き長くてゴメンなさい。



「アリーザ、ソレどうしたの? スッゴいクマ。寝不足?」

 

「……別に」

 

すべての依頼を片付けてルーマシーを発った夜、マリーとカルバは早速約束のブツを受け取るべく、ワクワクしながらマリーの寝室にアリーザを呼び出した。

呼び出されたアリーザはナゼか疲れきったようなげっそりした顔をしつつ、どこかフワフワとおぼつかない足取りで重そうな袋を持って部屋に入ってきた。

 

コレはお宝を手に入れるため、そうとう厳しい戦いを繰り広げたに違いないと、二人は期待が否応もなく高まるのを感じた。

 

「そっ、それよりさ……お宝、ちゃんと手に入れられたカンジかいっ……?」

 

「あ、そうだ! アリーザ、ビビって無理だったからってセクシーグラビアかなんかでごまかそうなんてしてないでしょーね!?」

 

我慢できないという風に鼻息荒く自分の持った袋をチラチラと盗み見る二人を見て、アリーザはナニか一歩先んじたような優越感を覚えつつ、袋に手を突っ込んだ。

 

「フフ……言っとくケド、スッゴいかんね。カクゴした方がイイよ……超恥ずかしかったんだから……」

 

「ゴクリ……」

 

「にしし……ど、ドキドキししてきた……♪」

 

そう言って袋の中の四冊をまとめて掴むと、たっぷりもったいつけたあと、ドサッと二人の目の前にソレを放り投げた。

 

「っ……ひゃっ!?」

 

「おおぉ…………こ、コイツはヤバいぜ……!」

 

ソレを見た瞬間、二人は目を見開いて恐れおののいたように息を飲んだ。

 

『ナマイキヒューマン娘のお仕置きプレイ大特集~ちっちゃい子っ、だけっ!~』

『thrillfre@ks 淫乱メスドラフ危機百発♡ 三つ穴開発拡大版』

『Skystar☆ メスドラフ×オスエルーンしか見たくないっ! 総集編④』

『月刊素人娘ラブエッチ♡ 最高にキモチイイ膣内射精⑰ リリーナ・ドラフ130cm』

 

胸もアソコもほとんど丸見えで、清々しいホドのどエロい表紙。

最新高画質フルカラー魔導プリントが今だかつてないほどの衝撃を二人に撃ち込む。

 

「うわ……うわー…………うっわぁ……」

 

「……エッチだ……スリルありすぎ……♪」

 

女の子がしちゃいけない顔してるぞ。

アリーザはどこか得意気にそんな二人を見る。

 

「どーよ。言われた通り、ちゃんと買ってきたわよ。こっちはマリーで、コレはカルバね、一応」

 

差し出された本を震える手で受け取り、恐る恐るページをめくる二人。

完全に内股になってモジモジしている。

頭から湯気が出そうになっているのを見て、アリーザはアタシもあんなんだったのかなとちょっと恥ずかしくなった。

 

「うっわぁ……ヤッばいねこれ……ままま、まる、丸見えじゃん……エッロ……」

 

「にへへ…………私たちが見つけたお宝なんか比較になんないね。こりゃあヤバいぜ……アリーザ、見直しちゃったよ!」

 

「ホンットに恥ずかしかったんだからね! ……変装までして、エッチなコーナーん中に入ったんだけど、そっちはもっとスゴかったよ」

 

「そんなに……?」

 

「アタシの身長の二倍以上の棚、三百六十度、全部そんなんバッカ。マリーじゃ気絶するかも」

 

「しっ、しないわよ……! ……タブン」

 

「そっかー……ソイツはいつか挑戦しなきゃね……も、燃えてきたぜ……!」

 

「………………カルバ、そ、そんときはあたしも連れてって……」

 

コレが15才、17才、18才の少女達の会話である。

グランが聞けば鼻血と精液を吹きそうだ。

 

「……ねぇ。そー言えば、ソッチはアリーザのだよね? もう読んだの?」

 

マリーが、モゾモゾしながら残りの二冊をチラリと見て言う。

明らかにスタンを意識したようなラインナップだ。

 

「いや……んーん、ソレもういいや。二人にあげるよ。好きな方持ってって」

 

なんだか奥歯にモノが挟まったような物言いでそう二人に言うアリーザ。

 

「えっ!? いっ、イイの? ……そんな良くなかった……?」

 

「いや……別に、もうイイかなって」

 

そんなアリーザを見て、二人はなんとなくピンときた。

 

コイツはまたスタンとケンカしたな……?

 

「アリーザ、ひょっとしてまたスタン君と――」

 

「別にアイツなんか関係ないわよっ! ……スタンなんか知らないモンあんなヤツぅ……!!」

 

図星だった。

正直あんなヘタレを好きになるアリーザのキモチがイマイチ分からない二人は、こっそり目をあわせて肩をすくめた。

毎度毎度よく飽きもせずケンカするものだ。

 

まあ、二人としてはライバルが少なくなる分には全く困らないので、スタン君にはぜひとも頑張って欲しいモノである。

 

まあそれはそれとして。

 

「じゃあ……」

 

「遠慮なくっ……♪」

 

そそくさとそれぞれ一冊づつ手元に引き寄せるマリーとカルバ。

くれるというなら貰っておく。

スケベな二人であった。

 

「言っとくケド、代金は貰うかんね……けっこう高かったんだからソレ」

 

「分かってる分かってる♪」

 

「……おやっ? アリーザそれ、袋の中。もう一冊入ってないかいっ?」

 

ビクッ! と肩を跳ねさすアリーザ。

ソレを見て、マリーはニヤァと笑って両手をワキワキとして迫った。

 

「おやおやーっ? アリーザったら、このゴにおよんであたし達に隠し事ぉー??」

 

「べっべっ、別にイイじゃん!」

 

「いやいやー、あたしたちの間にそういう隠し事は無しでしょぉーっ? ホラホラ、観念しろーっ!」

 

「やっ、やめっ……! あっ!?」

 

「にっへへ~♪ 油断大敵さっ。どれどれー……♪」

 

顔を真っ赤にしてマリーに抵抗したアリーザだが、どさくさに紛れてカルバに袋を奪取されてしまう。

 

「わーーーっ!? ちょっ、ホントダメっ!」

 

「バーン♪ コレがアリーザちゃんのとって………お、き……!?」

 

「……え?」

 

意気揚々と最後の一冊を取り出したカルバは、ソレを掲げて、固まった。

キャイキャイともみ合っていたマリーもソレを見て目を見開いている。

アリーザは真っ赤な顔で口を開いたり閉じたりしている。

 

『スケベ騎空士三本勝負! 格闘娘のエロ下剋上 ~降参禁止のデスマッチ! 許してくださいっ、ホントにもう一滴も出ないんですっ……!!~』

 

「ソレ……」

 

「……ち、違うの」

 

「いやぁ……ヤ~バ~いねぇ……」

 

アリーザ似の女優と、どっからどう見ても団長――グランを意識してるとしか思えない男優の、絡み合う表紙。

 

「アリーザ、まさか……!」

 

「コイツは、ちょおっと聞かなきゃなんないっかなあ~……!」

 

「ちっ、ちがうんだってばーーーーーっ!!?」

 

 

 

 

 

 

トコロ変わって、グランサイファー。

騎空船団の先頭で、月明かりの中、夜風を切って悠々と空を駆ける一番最初の相棒の甲板の上で、グランは一人剣を振っていた。

 

船首に立って、背筋を伸ばし、剣を正眼に構える。

スッ……と両腕を高く上げ、

 

「ふっ……!」

 

音もなく、ゆっくりと振り下ろす。

切っ先には一分のブレも見えない。

 

再び切っ先を上げる。

ピン――と空気がはりつめる。

そのまま数秒間、時が止まった。

 

カラン、という音とともに、根元から折れた刀身が甲板に転がる。

気付けば、振り下ろされたグランの両拳の中から、砕け散った柄がサラサラと風に流されてゆく。

 

「…………ふぅー……」

 

残身を解いたグランは、月光に淡くキラキラと輝く雲の果てに遠く目をやって、大きく一つ、白い息を吐いた。

 

(セックスしてぇー…………)

 

台無しだよ。

 

グラン君は今日も今日とて、ずっしりと重くなった玉袋をなんとか冷まそうと終わりの見えない修行に精を出していた。

 

精を出せないだけに。

 

ルーマシーでシェロさんを探すも見つけられず、ククルとクムユは依頼の疲れでぐっすりと眠ってしまい、ラムレッダは大量に仕入れた酒樽に抱きついて幸せそうに鼻提灯を作っていた。

要するに、抜いてくれるヒトがいなかったのだ。

 

最近、ナゼか妙にラッキーが続き、立て続けに四人の美少女(?)とスケベな関係を持てたグランは、以前より長年鍛え続けた堪え性を失いつつあった。

先程も辛抱たまらずオナニーの一発でも決めるかとズボンを下ろそうとして、突然部屋に飛び込んできてニコニコと居座るルリア(ナゼか片手に切る前のタクアンを持ってポリポリと齧っていた)に大慌てで誤魔化したり、トイレで処理しようとしたトコロ(無論男子トイレで、鍵もかけていた)で突然トイレのドアを(ドアノブを握りつぶして)開けて入ってきたうっかりもののジータ(あっ、間違えちゃった☆ ゴメンねお兄ちゃん♪)に悲鳴を上げたりとろくに処理も出来ず、仕方なく夜風を浴びながら素振りをしていたのだった。

 

「――見事だな、団長」

 

そんなチンチンイライラ☆状態のグランに、静かに澄んだ声がかけられた。

振り返るグラン。

 

「ああ……シルヴァさん、見てたんですね」

 

「ああ。今日はこの船の夜番でね。すまない……なんとなく、目に入ってしまった」

 

タラップを踏んで船首甲板に上がり、欄干に腕を預けて長い三つ編みを風に遊ばせて微笑むのは、騎空団の頼れる狙撃主、銃工房が三姉妹の長女、シルヴァであった。

青く輝く雲の航路を眺めてクールにキメているようだが、この作品においては、知らぬ間に大好きな妹二人に自分のベッドの上で脱処女の先を越された、ちょっとかわいそうなお姉ちゃんである。

 

27才だ。

27才ってイイよね。

ね。

 

「いやあ、恥ずかしいです」

 

「そんな事はないさ、……その、」

 

頭をかいて照れるグランから目線を外し、船の進路を見つめてシルヴァは小さな声で続けた。

目線の先、グランが先程素振りをした延長線上。

巨大な積乱雲が、真ん中で定規を引かれたように真っ二つになって左右に別れてゆく。

何ともバカげた光景だ。

 

「……君はきっと、一人でなら、あっという間に空の果てにでも行ってしまうのだろうな……」

 

「……? あの、何か言いました?」

 

「いや、何でもないよ。私ももっと精進しなければと思ってね……所で団長」

 

目をつぶって軽く頭を振り、ふと思い出したようにシルヴァが言う。

 

「最近妹達がどこかよそよそしいんだ……何故かちょっと避けられているような……。私が何かしてしまったのだろうか、とも思ったのだけれど……情けない事に、思い当たる事が無くてね。ククルもクムユも、君には良くなついているようだし、団長は何か知らないだろうか?」

 

そう言って、グランの方を見て髪をかき上げるシルヴァに、グランは、

 

「…………さ、さあ、俺はナニもしてな、知らないですねぇ~……」

 

目を反らして、堂々とシラを切った。

アレだけ散々ナニしといてヒドいヤツである。

 

「そうか……いや、すまない。身内の事情だったな。……今度折を見て、ちゃんと本人達に聞いてみるよ」

 

「あー! あー、いや! そういえばっ!!」

 

「? ……なんだい、団長」

 

「あーいやー、その、知ってます。知ってました! ナルホドーアレかー……し、シルヴァさん、その事なんですがね?」

 

ソイツを聞かれるのはマズいっ!

いや、ククルが漏らすとは思えないが、クムユの隠し事に期待は出来ない。

どこでボロが出ても可笑しくない。

 

そう思ったグランは、頭を高速で回転させた。

 

「あ、ああ」

 

「そのー……出来れば、気付いてないふりをして貰えませんか? 二人とも、すっごく張り切ってたんで……シルヴァさんも、きっと驚きますから、期待しててあげて下さい!」

 

「……! ああ……、そうか、フフ……♪」

 

シルヴァはソレを聞いて、何かに気付いたように目を見開くと、嬉しそうに微笑んだ。

 

(あ、あっぶねーっ!?)

 

グランは顔面ににっこりとした笑顔を貼り付けながら内心で冷や汗をぬぐった。

適当に二人の妹がサプライズ的なナニかをシルヴァに用意してる風を装ってみたが、上手くいったようだった。

シルヴァはナニに気付いたというのか。

 

後でククルに上手いことやってもらわないと、と窮地を乗り切った安心で一息ついていたグランに、シルヴァが話しかけてくる。

 

「ありがとう団長。危うく妹達の思いを台無しにするところだったよ」

 

「いやそんな……二人には、俺が漏らしたって言わないで下さいね?」

 

(いやホント何があるんだ!? マジで頼むぞククルねぇちゃん!)

 

「もちろんだとも……と、所でね、団長……?」

 

そう言って、少し口ごもるシルヴァ。

グランは突然目を反らし、モジモジしはじめたシルヴァにいぶかしげな視線を向けた。

 

「その……お礼、と言う訳じゃ無いんだが……ルーマシーで、とても珍しい紅茶を手に入れたんだ」

 

そう言って、スッ……と、一歩だけグランの方に近付くシルヴァ。

フワリ、と、グランの鼻先を甘い香水の香りがくすぐる。

目線は外したまま、少しだけ頬に朱がさしている。

 

「君さえよければ……その、どうだろう、私の部屋で、一緒に紅茶でも飲みながら次の依頼についてでも……く、クッキーも焼いてみたんだ。ヘルエスやソーンにも手伝って貰って……ハーブやオレンジ何かを練り込んだりしてね、我ながら美味しく出来たと思うのだけど――」

 

そう言って、甲板を見つめたまま、もう一歩グランの方に近付く。

……と、

 

「――団長?」

 

顔を上げると、先程までグランが立っていた所には誰もいなくなっている。

慌てて銃を持ち、周囲を見渡すと、

 

「ナニすんだーっ!?」

 

「――、――――」

 

楽しげなティアマトの龍の一匹に服の裾を咥えられて、空に拐われてゆくグランが遠くに見えた。

ジタバタと暴れながら何事かをわめくグランを見て、それぞれの船の見張りが一瞬ギョッとして、すぐにまたかと呆れた顔をしているのが分かる。

 

(しまった……ティアマト殿に見られていたか……迂闊だったな)

 

グランは人気ものだ。

団内ではいつもみんなが牽制しあって、抜け駆けを阻止しようとしたり、少しでもグランのそばに行こうとしたりしている。

 

そしてそれは星晶獣も例外では無かった。

 

惚れた腫れたに疎い星晶獣達は、時にヒト族の団員達よりもストレートに愛情を伝えようと、突拍子も無いことをしようとするのだ。

グランが一人でいたりするとじゃれついたり、燃やしたり水浸しにしようとしたり、殺そうとしたり石にしようとしたりしまっちゃおうとしたりと様々だ。

 

グランじゃなかったら死んでる。

 

ティアマトなんかは割りと人間臭くて、女性団員とグランが仲良くしていると嫉妬するのか、その場からグランを拐ってしまおうとするのだ。

 

普通のヒューマンならあんな拐われ方をしたら生きた心地がしないだろうが――

 

(あっ、落ちたな……)

 

とうとう服がちぎれたグランが、空の底へとまっ逆さまに落下して行く。

…………と、すぐに自力で飛行魔法を使ったグランが戻ってきて、楽しそうに船の間を逃げ回るティアマトを、怒った顔で追いかけ回し始めた。

 

シルヴァは、せっかく用意したお茶の準備が無駄になったコトを残念に思いながら、少しだけ安心したようにため息を吐くと、グランに向かって一度手を振って、見張りに戻って行くのだった。

 

 

 

 

何とかマリーとカルバの追求を逃れ、グラン似のエロ本を三人で回し読みするコトで勘弁してもらったアリーザは、熱くなった顔を冷やそうと再びフロンティア号の甲板に出てきていた。

 

「もうっ……マリーもカルバも、何もあんな必死になんなくたってイイじゃん……」

 

ブツブツと独り言を呟きながら、頬を撫でる夜風に目を細める。

 

『ちょ、ちょっと! あ、アリーザが好きなのってスタンじゃなかったのっ!? こっ、コレっ、まるっきり団長じゃん! 完全に自分と団長意識してんじゃん!!』

 

『いやあ、まいったねえ……まさかアリーザも――いやいやっ、アリーザが団長のコトが好きだったなんてね……コイツぁビックリだぜ……』

 

『い、イヤっ、コレはたまたま……! あ、アタシはアイツのコトなんか別に……』

 

二人も必死だ。

ただでさえライバルが多いところに、恋に積極的なアリーザなんかが参戦してきたら、ちょっと勝てる気がしない。

相手がスタンであったからこそ応援していたのであって、相手がグランとなると話が変わってくる。

 

『!? ホラッ、早速尻尾を出したわねっ! いま団長のコトアイツって! アリーザがアイツって呼ぶのはスタンのヤツだけだったじゃん!』

 

『おやおや~? コイツは言い逃れできないなあ! アリーザ、いつからだい? いつから大好きなアイツがスタン君から団長になったんだい?』

 

『違っ!? だ、だから好きとかじゃなくて――』

 

『じゃなくて!?』

 

アリーザは思い出して、再びボッ、と顔を上気させた。

 

『すっ、好きじゃなくてっ――だ、団長のコトはっ』

 

 

 

 

『性的な目で見てるだけだからっ!!!』

 

 

 

 

「なんであんなコト言っちゃうかなあー! もーーーーーーうっ!!」

 

アリーザは頭を抱えて崩れ落ちた。

盛大な自爆だった。

 

(いくらなんでもアレはないよ……ありえないじゃん……!)

 

たしかに、確かにその場は誤魔化せた。

誤魔化せたけれども!

アリーザの魂の叫びを聞いた二人は、揃って顔を真っ赤にして、

 

『っ!? ……そ、それは……うん』

 

『う、うん。……ナルホド』

 

下を向いて居心地悪そうにモジモジしながら、深く納得したのだった。

その後、やけっぱちになったアリーザと残りの二人は、団長がいかにエッチか、性的な魅力をどれだけ振り撒いているか、普段からどれだけ自分達をムラムラさせているかアツく語り合った。

 

グランが腕を上げる度に、つい脇の下に目がいってしまうコトや、グランが上半身裸になるときには乳首にシールかナニか貼ってくれないととても集中できないコト、グランの水着の写真をこっそりオナニーのネタに使っているコト等で意気投合した三人は固い友情で結ばれた。

 

……かわりにナニか大切なモノは失ったが。

男子中学生か。

 

「…………ぜんぶアイツが……団長が悪い」

 

アリーザはそれをすべてグランのせいにした。

とんだ言いがかりだが、実際グランのせいだから仕方がない。

 

(好きじゃない、か……)

 

こうして一人になって、頭を冷やすと、見えないふりをしていたソレが、ムクムクと湧き上がってくる。

大声でバカなコトを叫んで、三人で馬鹿話に花を咲かせて。

それで誤魔化しきった気になっていたのに、むしろ反対で。

 

アリーザはしゃがみこんだまま、とうとう誤魔化しきれなくなった思いを口に出した。

 

「……そりゃ好きだよ。好きに決まってんじゃん。大好きだよ」

 

ずっと。

 

ずっと、ずぅーっと!

 

ネフティスの棲家に、アタシを助けに来てくれてから。

アタシを空に連れ出して、広い世界を教えてくれたアイツが。

バカみたいに強くて、優しくて、なんでもできるクセにヘンに鈍くて。

アタシがどんなにアピールしてもゼンゼン振り向いてくれなくて。

恥ずかしいくらいに空回るアタシを、ずっと側で見守ってくれるアイツが。

 

グランという男の子が――

 

「――好きだよぅ、バカぁ……!」

 

口に出したとたん、次から次に涙が溢れてくる。

とうとう認めてしまった、自分の偽らざる本心。

 

「なんで、ほっといてくれないかなぁ……!」

 

ずっと、一生知らないふりをしているつもりだったのだ。

 

幼い頃、ただ近くにいた、頼れる幼なじみだったスタンを好きになった。

大きくなるにつれ、スタンが決して頼れるヤツでも、カッコいい男の子でもないと分かっても、幼い頃の思いを裏切りたくなくて、自分はずっとスタンのコトが好きなんだって言い聞かせていた。

 

そんな自分の前に現れた、本当に強くて頼れるカッコいい男の子、グラン。

恋に恋するバカな女の子だったアタシは、アッサリそのコに恋をして――

 

その思いに、重くて固いフタをした。

アタシは怖かったのだ。

 

ずっとスタンのコトが好きだと思い込んでいたのに、こんなに簡単に会ったばかりの男の子を好きになってしまうなんて。

大切にしていた自分の思いが、酷く軽い、薄っぺらいモノになってしまう気がして。

 

だってそうでしょ?

おとぎ話のお姫様は、王子様だけに恋をするんでしょ?

 

自分はスタンに恋をしたんだから。

将来スタンとケッコンするって決めたんだから。

ゼッタイ他のヒトなんて好きになっちゃいけないのだ。

 

バカなアタシは、何年も自分にそう思い込ませていたばっかりに、理想の恋と本当の恋の区別もつかなくなっていた。

恋ってこういうモノなんだ。

そう言い聞かせて、まるでそれが義務であるかのようにスタンへの幼い頃の思いを貫こうとするアタシは、まさしく恋に恋する大バカ女だった。

 

「グスッ…………ハァ…………ズズッ……」

 

溢れて止まらない涙が胸元から服に染み込んでゆく。

肌にグッショリとへばりついて、気持ち悪い。

 

いつでも、アタシを助けて、守ってくれるグラン。

アタシを鍛えて、更なる高みへ連れてってくれるグラン。

みんなに慕われているグラン。

アタシのワガママを笑って許してくれるグラン。

アタシをからかうグラン。

カッコいいグラン。

カッコ悪いグラン。

 

グラン。

 

アタシが本気で、好きになったヒト。

 

「はは……グスッ……、ママが反対するワケだ……」

 

きっとママには、お見通しだったのだろう。

いつの間にか、自分が必死に押さえつけてもあふれでてしまうくらいに膨らんでいた、この想いに。

 

何度も涙をぬぐったリストバンドは、ずっしりと重くなってしまった。

服はもうお腹の所までびしょびしょだ。

 

「ズズッ………………っ、はぁ~~~……スタンに、なんて言おう……今は付き合ってるワケじゃないけど、一応約束しちゃってるしなぁ……っていうか、たった三日で帰ってくるってナニよ! 普通に船に乗ってる方が多いじゃん、バカスタン! もうっ……」

 

アリーザの全身から、ボウッ……と陽炎が立ちのぼる。

一瞬で練り上げられた魔力が炎の力を纏って身体をおおい、服をあっと言う間に乾かした。

 

「ん……ふぅっ……反省、終わりっ! クヨクヨしてても仕方ないっ! アタシはグランが好きっ! 大、大、大、大、大好きっ!! もう自分のキモチにウソはつかないっ、コレからのコトを考えなきゃね!」

 

さしあたって……。

アリーザは考えた。

 

「まずは、マリーからエロ本取り返さなきゃ。あっ! あとアレだっ! シェロさんは内緒って言ってたけど、あのエッチなカタログがどういうコトか聞かないとっ! 内緒ってくらいだから、グランは知らないのかもしれないけど……本人監修とか、団のエンブレムとか、じっ、じっ、実物型どりってどういうコトなのか問い詰めなきゃっ!」

 

 

 

 

 

おー! と、夜空に向かって気合いを入れるアリーザ。

フロンティア号の気球の側面に張り付いて、ひょっこりと首だけを出して下を見下ろすメドゥーサは、そんなアリーザを気味の悪いモノでも見るかのような目で見ていた。

 

「な、ナニよアレ……突然赤くなったり、スッゴい泣いたり笑ったり……やっぱりニンゲンってヘンよね、メドゥシアナ」

 

「シューーッ、シューッ」

 

「? ナニよ、そんなコトより上って? 一番高く飛んでるのはこの船じゃない。上になんてナニも――――」

 

後頭部をガブガブと噛みつくメドゥシアナに促され、めんどくさそうに上を見るメドゥーサ。

 

「ない――――」

 

「――――♪ ――――」

 

「お前ティアマトっ、シルヴァさんとイイ感じの雰囲気だったのにオマエーーーっ!!」

 

「じゃなっ――ちょっ!?」

 

ドスッ!! ドスッ!!!

 

「ぐえ゛っ゛!?」

 

肉を壁に叩きつけたような鈍い音が二回と、カエルを潰したような声。

 

メドゥーサが上を見た瞬間、高速で船の間を飛び交っていたティアマトが狙い済ましたような鋭さでメドゥーサの背中に頭から突っ込み、そのティアマトの背中にグランが両足で追撃を入れた音と、それでメドゥーサが潰された声だ。

 

フロンティア号の気球が、グニュン、と大きくたわみ、ボヨンッ、と跳ね返った。

船がその衝撃に大きく揺れる。

 

「きゃあっ!?」

 

甲板の端に立っていたアリーザは、慌てて欄干に掴まった。

船内への扉がバァンと勢い良く開き、中からライアンとエルモートがそれぞれフライパンとモップを手に飛び出してきて、「敵襲かっ!?」「何事だァ……!?」と、キョロキョロと周囲を見渡す。

 

と、

 

「よっ、と」

 

「――、――♪」

 

「あ゛うっ」

 

スタッ、スイッ、ビターーンッ! と、甲板にグラン、ティアマト、メドゥーサが降りて(墜落して)来た。

 

それ(主にメドゥーサ)を見て目を白黒させるアリーザ達の耳に、魔導放送によるソーンの声が響いてきた。

 

『あっ、あー、テスト、テスト……夜間哨戒より、フロンティア号に連絡です。ただいまの揺れは、団長さんとティアマトさんと、メドゥーサちゃんのイタズラです。何も問題無いので、皆さん、安心してお休み下さい♪ ……三人共、こんな夜中にイタズラしちゃダメよ?』

 

「……あ、あたし、ナニもしてな……」

 

ブツっ、と船内放送が切れる音を聞いて、またか、という顔をしたライアンとエルモートが頭をかきながら船内に戻って行くと、甲板にはグランと星晶獣二人、そして呆けた顔のアリーザだけが残された。

 

「…………」

 

「……メドゥーサ、大丈夫か?」

 

「うっ……うぅっ…………! ぐ、グランのバカァ! あんたなんか大っキライなんだからっ!! メドゥシアナぁーっ!!」

 

そう言って、メドゥーサは泣きながら特型艇の方へと飛び去って行った。

それに続いて、ティアマトもなに食わぬ顔で飛び立とうとして、

 

「逃がすかコイツめ」

 

「――――!?」

 

グランによって、ニア、エル、ゼルの三匹の竜を素早く三つ編みにされて、そこから首だけ出るように本体を編み込まれて転がされた。

この上なく無駄な技術である。

 

ジタバタもがくティアマトをゲシゲシと足で隅まで追いやる(ナゼかティアマトは若干楽しそうだった)と、グランはやっとアリーザに気付いたようで、気さくに手を上げて近寄って行く。

 

「あっ、アリーザ……ゴメンね、揺らしちゃって。見ての通り悪は滅んだから……アリーザはこんな夜中に、修行? 遅めの夕涼み?」

 

そう言って笑うグランに、アリーザはすぐに何かを言い返そうとして、

 

(……! や、ヤバい、なんかあっけにとられちゃって忘れてたけど、いざ意識すると……! っていうか、なんてタイミングで来るのよ!)

 

首から徐々に熱が上がってくるのを感じる。

目線をキョロキョロと落ち着きなく動かして、ようやく口に出来たのは、

 

「……まあ、そんなトコ」

 

(~~~~っ! き、昨日までゼンゼン普通にしゃべれてたのに~! どっ、どうしよう、ええと、何が言いたかったんだっけ……!)

 

「ふうん……じゃあ、俺はまたグランサイファーに――」

 

「あっ、え、えーっと……! 修行のコトとかで、だ、団長に聞きたいコトがあるんだけどっ! ちょっ、ちょっとイイ!?」

 

欄干に足をかけようとするグランに、慌てて声をかけ引き留めるアリーザ。

口に出してしまった以上、もう止められない。

 

ゴクリ、と唾を飲み込む。

 

「へ? ああ、いいけど」

 

「ホントにっ!? ……ここじゃアレだからさっ、とりあえずあた、アタシの部屋に来て欲しいんだけど……」

 

「?? ……! ああ、勿論、いいよ」

 

「! ――――、――!」

 

下を向いてモジモジとするアリーザに、一瞬怪訝な顔をしたあと、何かに気付いたような顔をしたグランが、キリッとした顔でそれを了承した。

甲板の端に転がされた三つ編みティアマトが、またジタバタともがき始めた。

 

「う、うん、アリガト……じゃあ、コッチね……ついてきて」

 

そう言って、足早に船内に入ってゆくアリーザを追いかけながら、グランはコッソリとゲスゥい笑みを浮かべた。

 

(なんだか知らないけど、シルヴァさんのかわりにアリーザフラグが立ったのか……!? 期待してイイんですよね? ね?)

 

バタン、と、船内への扉が閉まる。

 

甲板の端で、ティアマトが焦ったようにジタバタともがいている音が、夜空に延々と響いていた。

 

 

 

 



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アリーザ、イジる。

長くなったので二分割





「とりあえず……その辺、クッションあるからさ、座ってよ」

 

「う、うん」

 

運良く誰とすれ違うこともなくグランを船室に連れ込んだアリーザは、ごく自然にドアに防音魔法錠をかけると、グランにそう座るよううながし、自分はベッドの端にボスっと腰かけた。

 

部屋の中に、一瞬の沈黙が走る。

 

アリーザはソワソワと緊張に髪をいじりながら、余裕そうな表情でリラックスしているグランに若干の苛立ちを感じた。

 

(……なんかアタシばっかり緊張してるみたい……こんな夜に、お、女の子の部屋に呼ばれて二人っきりなんだよ? 確かにアタシはあんまり色っぽくないかもしれないけど、少しくらい照れるとかしてくれたって……)

 

アリーザはそんな理不尽な悔しさに難しそうな顔をしているが、一見涼しそうな顔でニコニコしているように見えるグラン君、内心は期待と興奮でワックワクである。

最近、これまでのモテなさを全部取り返すような幸運の連続で、女性の感情のキビにいつになく鋭くなっているグランには、アリーザの言動の端々からボーナスチャンスの到来を敏感に感じ取っていた。

激アツなシルヴァチャンスを逃したぶん、しっかり取り戻す腹積もりである。

 

そんなコトには気づかないでムッツリだまり込んでしまったアリーザに、グランが問いかけた。

 

「ええと、修業の話だっけ?」

 

それを聞いて、アリーザは自分がグランを部屋に呼んだ理由を思い出した。

そうだ、グランのコトが好きと自覚した自分には、どうしても聞いておかなきゃならないコトがあったのだ。

 

「……その前にさ、ちょっと聞きたいコトがあるんだけど……」

 

「?」

 

笑顔のまま、わずかに首をかしげて続きを促すグランに、アリーザは頬が少し熱を持つのを感じながら思いきってたずねた。

 

「……最近、シェロさんとナンかあった?」

 

ピクリ、と、グランが身じろぎした。

……おや?

 

「ルーマシーでさ、偶然シェロさんに会ったんだけど……そんトキにカタログもらったんだ……コレなんだケド」

 

そう言って、アリーザが枕の下に手を突っ込み、高級そうな皮の装丁の冊子を取り出すと、ドサッとグランの目の前に落とした。

 

「………………」

 

「中、見て」

 

催促されて、グランはゆっくりと表紙をめくった。

 

閉じた。

 

( や べ ぇ )

 

グランは内心に吹き荒れる嵐を鋼の意思の元に抑えつけながら、背中に冷たい汗がダラダラと流れるのを感じた。

 

(そういやククルんトコにあったヤツ、あれシェロさんが作ったんだった……ってか、まさかこんなモン団員にバラまいてんのかあのヒト!? どういうつもりなんだまるで意味がわからんぞ!?)

 

本人型取りて。

どうするんだこの空気。

 

グランはボーナスチャンスから一転して崖っぷちに立たされたこの状況に、ゲスい脳ミソをフル回転させた。

考えろ……考えるのだ俺……!

次の一言に、俺のおちんぽの生死がかかっている……っ!

 

死んじゃえよ。

 

僅か一二秒の沈黙のあと、グランは意を決してゆっくりと口を開いた。

 

「ああ、コレかぁ。この前シェロさんに頼まれて型を取ったんだよ。その時はなんに使うのかさっぱり分からなかったケド、こんなの作ってたんだね。……で、結局コレってなんに使うんだろう? アリーザは知ってる?」

 

そう言って、ニッコリ笑った。

トンでもないシラの切り方だった。

 

アリーザもあっけにとられている。

何か言い訳の一つでもすると思えば、コイツは表情も変えずいったいナニを――

 

「――――え? そ、その……か、型を、取られたんだよね……? シェロさんに……お、お、おちんちん、見せたってコトだよね?」

 

「そうだけど?」

 

そうだけどて。

 

「……ぐ、グランは、恥ずかしくないの!? その……そ、そんなトコロ……!」

 

苛立つアリーザに対し、ナニを言われているか分からないといったふうに淡々と答えるグラン。

 

「そりゃあ、チンポは男の弱点だからね。無防備に晒すのは勇気がいるかもだけど、相手はシェロさんだからね。あの人にはずっとお世話になってるし、俺はシェロさんを信頼してるから……絶対攻撃はされないと思ったから、不安は無かったかな。まあ、確かに俺は弱点が他のヒトより大きいらしくて、それを知られるのはちょっと恥ずかしかったケドね」

 

アリーザは、まるでエロいコトなんて一つも知らないとでも言うような、一点の曇りもない澄んだ瞳でそう言い切るグランを見て、雷に撃たれたかのような衝撃を受けた。

 

(えっ……ま、まさかグラン……!)

 

 

 

――――エッチなコト、知らないの!?

 

 

 

大丈夫かこの姫サマ(笑)。

 

最初は、シェロさんといかがわしいコトをしているらしいグランを追及しようと思っていたが、なにやら事情が変わってきた。

まさかの事態に、アリーザは自然と、ゴクリ……とツバを飲み込んだ。

いや、まだ分からない……!

 

アリーザは若干前のめりになりながら、ドキドキを抑えつつ探りを入れてゆく。

 

「……、しぇ、シェロさんにはナニをされたの……?」

 

「? だから、型を――」

 

「あぁっ! もう、そうじゃなくて、具体的に!」

 

「っ!? えっと、ああ、そうそう、なんか甘い匂いを嗅がされて、マッサージ用のローションってヤツを塗り込みながら俺のチンポをこすったらなんか朝起きたトキみたいに大きくなってさ。その状態で速乾スライムで型を取ったんだよ」

 

「…………」

 

「…………」

 

「……それだけ?」

 

「うん、それだけ。で、なんか紙にサインしたケけど、あんまり読んでなかった。まあシェロさんだし、悪いコトにはならないだろうしね」

 

(騙されてる!! 騙されてるよグラン!!)

 

アリーザは叫び出したい気分だった。

確かに、シェロにカタログを見せられた時、ビックリしてどうやって作ったのかシェロカルテを問い詰めたが、彼女は意味深に微笑むだけだったのを思い出した。

 

思えば、グランは15才で旅立つまで、村が一つしかないような小さな島でずっと暮らしていたと聞く。

そんなド田舎であれば、グランがまともな性教育を受けられなかったとしても納得できる。

グランは男女の区別なく優しく、あんなに可愛い子達に囲まれていながら全くイヤらしい目をしなかった。

誰とも恋人にならなかったのも、そもそも男女の性の違いをなんとなくでしか知らず、エッチな知識も全く無かったのであれば説明がつくではないか!

 

グランは以前、弱点は無いのかの質問に対して、辛そうに、ある、と答えた。

あの時はなにかスゴくツラい心のキズでも持っているモノかと勘違いしてしまったが、単に蹴られると痛い急所がヒトより大きいのを恥ずかしがっていただけだったのか……。

 

よりにもよってあの腹黒小児――じゃなかった、腹黒商人、純粋なグランをだまくらかしてグランのリトルグランにベタベタと手垢をつけまくったのだ!

怪しいおクスリまで使って!!

 

昔からグランを見る目が怪しいと思っていたのだが、まさかこんな凶行に出るとは……!

 

グランの苦しすぎるウソ(シェロカルテがナゾの凶行に及んだのは事実であるが)にまんまと騙されたチョロドラフのアリーザは、憤りと興奮を抑えながら更にグランに探りを入れる。

 

「……ちなみに、グランはあ、赤ちゃんってどうやって出来るか知ってる……?」

 

「それも修業と関係あるの?」

 

「いっ、いいから!」

 

「……流石にそれくらい知ってるって。愛し合う男女がケッコンすると、空から愛の星晶獣がやって来て、赤ちゃんを授けてくれるんでしょ? 俺はそう聞いたけど」

 

いけしゃあしゃあよくもまあ抜かすモノである。

今時そんなコトを信じているのは幼い子供かとびきりの箱入り娘くらいだ。

 

「そ、そう……ふぅん。じゃあ、お、おちんちんはナニに使うモノなのかってのは……」

 

「おしっこするトコロでしょ? あと、男の弱点。ニンゲンは男の方が体が大きくて強いかわりに、弱点が外に出てるって聞いた」

 

マジか。

マジなのかコイツ……!

 

渾身のドヤ顔でそう答えるグランに、アリーザは、やっぱりだーっ!? とグランが幼児並の性知識しか持っていないコトを確信した。

チョロい。

 

まさか、まさかまさか!

あの、何でも知ってると思えた完璧超人のグランが!

ファータグランデ一の、いや全空一の騎空団の、全ての団員の尊敬と憧憬を一身に集めるあの団長が!

 

幼児並の性知識しかないスーパーピュアボーイだったなんてっ!!

 

(ええええ、え、エッチだ……! ナンでか分からないケド、グラン、エッチすぎるでしょ……!!)

 

いかにもその通りである。

あとそれで興奮するアリーザもドスケベだと思うよ。

 

メーテラが処女だったコトに気付いた時以上の衝撃的過ぎる事実で鼻血を吹きそうになっているアリーザに、グランがわざとらしくキラキラした瞳で再度質問を投げ掛けた。

 

「さっきから、なんか色々聞いてるのは修業とカンケイあるんだよね……?」

 

その声に、ハッと我にかえるアリーザ。

慌ててグランを見る。

 

自分が答えるのを、汚れを知らない無垢な笑顔でニコニコと待っている。

 

アリーザの心臓はいまだかつてない速度で脈打ち、身体中が熱くなるのを感じる。

 

(……チャンスだ)

 

目の前には、大好きなグラン。

エッチなコトを何も知らず、馴染みの女性商人に平気でおちんちんを触らせてしまう純真無垢な男の子。

多分、何をしても……ナニをしてもグランはエッチなコトと気付かない。

 

喉がカラカラに渇く。

絶好の据え膳。

いままさに、アリーザの理性が試される!

 

ゴクリ……!

 

「――――そっ、そうよ。カンケイあるわ。じ、実は、団長には弱点を鍛えて克服する修業に付き合ってもらおうと思って」

 

アリーザの理性は、一瞬で決壊した。

スケベだからね、仕方ないね♀

 

グランは、頭の中でスーパービンゴのファンファーレが鳴り響くのを感じ、心の中で会心のガッツポーズをキメた。

 

(勝った……乗り切った……! チャンスだ……ピンチこそ、チャンス……!!  掴んだ…………最高のおちんぽチャンス……!!)

 

どっちもどっちだなぁ。

 

「へ、へえ……そんなのあるんだ」

 

「……、炎鳴流の、秘密の修業法なの。ひ、秘密だから、ゼッタイ誰にも言っちゃダメだから! いい!?」

 

真っ赤な顔で、鼻息荒くそう捲し立てるアリーザに、グランは真面目腐った顔で首を縦にふる。

 

「分かった。アリーザが秘密だって言うなら、そうするよ。それで、俺はどうすればいいの?」

 

「ま、まず服を脱ぎます!」

 

絶対ウソだろ。

 

なんてこのグラン君が指摘するハズもなく、

 

「なるほど、分かった」

 

グランは素直に服を脱いでゆく。

ナニが分かったというのか。

 

アリーザは、もう後には引けなくなった状況に最高潮に興奮しながら、一枚ずつ服を脱いでゆくグランを穴でも空きそうなくらいに凝視している。

 

(うわぁ! うわぁ! ぐ、グランに、服脱がせちゃってる! 上半身なんか、いつもの手合わせでしょっちゅう見てるのに、なんで自分の部屋で脱がせてるってだけでこんなに興奮するんだろ!?)

 

あらわになった、筋肉が逞しく隆起し、ゴツゴツと分厚く、キズだらけの上半身にアソコがジュクジュクとアツくなるのを感じながら、アリーザは自然な風を装って急かす。

 

「ほ、ほらっ! 今日はじゃじゃ、弱点の修業なんだから、下も脱がないと!」

 

そう言われ、ナニも疑わずにズボンを脱ぎ出すグランに、罪悪感で胸がチクチク痛まないでもなかったが、今はそれどころじゃない、重要じゃないのだそんなコトはなのだ。

 

とうとうその手が、最後に残った身体にぴったりとフィットする、丈の長いスパッツのようなタイプのパンツにかかる。

もう隠すことも忘れてそこを凝視するアリーザの目に、股間から右の太ももの真ん中程までにかけてクッキリと盛り上がるデッカイモノの形が焼き付く。

 

(うわ……でぃるどで分かってたけど、ホントにおっき――)

 

そして覚悟する時間も待たず、あっさりとパンツを下ろす。

 

「――――……っ♡」

 

ボロン……

 

と、その凶悪なブツがまろび出た。

 

薄いブラウンの茂みから、腕のように太い幹が、黒々と伸びている。

太い血管が表面に何本も這いまわり、一番下の先端は半分ほどが皮の中から赤黒い頭を出している。

大きな二つの玉が、しわしわの袋に入ってダランと重そうにぶらさがり、チンポと一緒にブラブラと揺れている。

 

その凶悪極まるおちんぽが目に入った瞬間、同時に少し離れたトコロで前のめりになっているアリーザの鼻先に、むわり……と凄まじくイヤらしい臭いと熱気が届き、身体の芯が痺れるようなカンジがして、アリーザは思わず太ももをキツく閉じた。

 

す、スタンのヤツとゼンゼン違う……!

あの小指みたいなのがおちんちんだとしたら、コレはもうおちんちんじゃない。

おちんぽ……おちんぽ様だ!

 

こ、こんなエッチなおちんぽ様をぶら下げたまま、ずっと何食わぬ顔でおしゃべりしてたなんて……!

 

既にだいぶテンパってしまい、ヨダレを垂らさんばかりになっているアリーザに向かって、グランが声をかける。

 

「……あの、アリーザは脱がないの?」

 

「……はっ!? あ、アタシは……」

 

「お互いの弱点を鍛える修業、だよね?」

 

純粋な瞳でそう問いかけるグラン。

あわせて揺れるチンポ。

 

「ぬっ、脱ぐ脱ぐ! モチロンだよっ!」

 

真っ赤な顔で、慌てて服を脱ぎ散らかすアリーザを精神力総動員したポーカーフェイスでニコニコと見守りながら、グランは内心では歓声を上げながらチンポに血液がいかないように集中していた。

 

(うおおおおおおおおっ!!! キタぜコレぇぇぇぇぇぇっ!!!)

 

アリーザが、上の服をすぽっと脱ぐと、小ぶりのメロンサイズのおっぱいが、かわいらしいピンクのブラに支えられて、ばるんっ、と揺れた。

谷間がしっとり汗に蒸れて、最高にエロい。

 

アリーザはブラのホックに手をかけて、一瞬ためらうように身じろぎしたあと、先に下に手をかけた。

 

ブーツを脱ぎ、グランを気にしながら、それを気取られないように淡々とベルトを外し、スカートを脱ぐ。

そのまま、肌にぴったりと吸い付く、伸縮性の高いズボンを抜き取る。

下には、ブラと揃いの、可愛らしいパンツ。

 

桃色の下着姿になったアリーザは、白い肌までほんのりと紅潮させながら、ベッドの端に腰かけて今度はニーソックスを脱いでゆく。

 

グランもグランで、アリーザが必死に恥ずかしいのを隠しながらストリップしていくのを、大興奮しながら全力で瞳に焼き付けていた。

 

(くそっクソッ!! なんで俺は姿写しの水晶板を持ってないんだ! 一生の不覚! あとそのニーソックス欲しい!!)

 

とうとうブラとパンツだけになったアリーザは、今度こそ覚悟を決めてホックに手を伸ばし、パチ……と外す。

パサリ、とブラがひざの上に落ち、アリーザのプルんと張りのある胸があらわになった。

重力に逆らうようにピンとはった大きな乳房には、青白い血管がうっすらと透けて見える。

淡いピンクの乳輪はぷっくりと美味しそうに膨らみ、先端がビンビンに充血して勃起している。

どんなに平静を装っても、身体が期待に満ちているのが丸わかりである。

 

アリーザは、自分の恥ずかしいおっぱいを隠したい気持ちを必死に隠しながら、グランに見られているコトに興奮しつつ、思いきってパンツを抜き取ってゆく。

 

(あ……)

 

アソコとクロッチの間に、キラキラとねばつく糸が一筋、伸びている。

ボンッ! と顔が火を吹くような恥ずかしさに、涙が出そうになるが、渾身の精神力でもって平静を装い、パンツを足から抜き取る。

 

(あ、ムリだわ)

 

グランは、塞き止めていた血液が股間に一気に集まり、チンポが一気に最終上限まで解放されるのを感じた。

 

アリーザは目の前でムクムクと大きくなってゆく凶悪なチンポを見て、脳がビリビリシビれ、お腹の奥からキュンキュンとアツいものが込み上げてくるのを感じて、はあはあと息が荒くなるのを抑えられなかった。

 

「あ、アリーザ……なんかおかしいんだ……アリーザを見てたら、ココがどんどんアツくなってきて……」

 

アタシのハダカを見て、あのグランが興奮している!

初めてのエッチな気分に、戸惑っている!

 

(う、うれしい……!)

 

「ゴクッ……そ、それはアタシの強い気に当てられて、弱点を守るために固くなってるんだよ! あ、アタシのココが濡れてるのも、グランの気に当てられてるからだから! 仕方ないコトだから、気にしなくていいよっ!」

 

「な、ナルホドナー!」

 

ココにはバカしかいない。

 

「……あれ、そのアザ……?」

 

グランはふと、アリーザの下腹部の痛々しい青アザに気が付いた。

 

アリーザは、ビクッと一瞬肩を跳ねさせしまったという顔をしたあと、さも今気付いたと言うように自分のお腹を見て、

 

「あ、ああ、コレね。この前手合わせした時、うっかり治してもらい忘れちゃって……!」

 

「あ、ああ……じゃあ、治そうか?」

 

そう言って、手をアリーザの方に持ち上げたグランを見て、アリーザは思わずお腹を押さえて声を上げた。

 

「いっ、イイのっ、コレはこのままでっ……! ……あ」

 

ポカンとするグランを見て、アリーザはまたもしまった! と自分の失敗に歯噛みした。

幸い、グランはそれほど気にしなかったみたいで、そう? と言いながら手を下ろした。

 

(アリーザってなんか昔っからやたらケガを残したがるよな……アレか? マゾってヤツなのかな?)

 

「そ、そんなコトよりっ! サッソク修業に入るねっ! ま、まずは……」

 

「うん、まずは?」

 

「……キス……こ、呼吸法! まず正しい呼吸法を身に付けるトコロからね! 基本が一番ダイジなんだから、炎鳴流のやり方でしっかり教えて上げるね!」

 

こっちに来てと言うと、グランが立ち上がって近くにくる。

ビンビンに勃起したチンポが、一歩毎にブルンブルン揺れている。

 

アリーザも立ち上がって、グランに近付く。

全裸で見下ろすグラン。

全裸で見上げるアリーザ。

チンポの熱が、お腹に伝わってくる。

 

「…………」

 

「…………?」

 

「…………膝立ち!」

 

 

 

 

 

慌てて膝立ちになるグラン。

130cmしかない自分と、なんとか目の高さが合う。

 

「コホン……じゃあ、ちょ、直接教えるから。目をつぶって?」

 

そう言うと、グランはアタシの方を向いたまま、素直に目を閉じてじっと待っている。

そんな無防備なグランを見て、今更また罪悪感で胸がジクジクと痛んだが、それを無視するように膝立ちのグランの頭を掻き抱くと、その唇に自分の唇を押し付けた。

 

グランが驚きで身じろぎしたのが分かる。

 

(やわらかい……!)

 

アリーザも一瞬その唇の柔らかさと、込み上げる多幸感に舞い上がりそうになりながら、自分の呼吸法を教えるという言い訳を思い出して、グランの口に息を吹き込んでゆく。

 

吐く、吸う、吸う、吐く。

吐く、吸う。

吸う、吐く。

 

吸う。

吐く。

 

何十秒間か、口をつけたままじっくりと呼吸を繰り返すと、アリーザは一生そうしていたい気持ちをこらえてゆっくりと唇を離した。

 

目と鼻の先にあるグランの顔を、潤んだ瞳で見つめて、何とか口を動かす。

 

「はぁ……はぁ……覚えた?」

 

グランが、こくりと頷く。

 

「じゃあ、今度は団長から……アタシがやったようにやってみて。アタシが邪魔しても、ちゃんと呼吸してみてね」

 

そう言って目をつぶって、唇を突き出してグランを見上げ、待つ。

ドキドキしながらしばらく待っていると、おずおずとグランが唇を押し付けてくる。

 

(グランが、グランからキスしてくれたっ! アタシ、グランにキスされてる!)

 

辛抱たまらず、グランの口内に舌を差し入れる。

 

グランは少し驚いたように怯んだあと、すぐアタシが言ったように呼吸を始めた。

アタシはそれを邪魔するように、グランの口の中を蹂躙してゆく。

 

 

 

 

(やだ、めっちゃ来るじゃんアリーザスゲェ)

 

グランは、堰を切ったように夢中になって唇にむさぼりついてくるアリーザに、驚きつつもノリノリで舌を合わせてゆく。

 

下顎、上顎、歯茎の隅々から、歯の一本一本をなぞるように。

口の周りがヨダレでベトベトになるのも構わず、アリーザのはあはあと荒い鼻息を感じながらむさぼるようなキスを続ける。

 

負けじと舌をアリーザの口内に差し込むと、嬉々としてベロに吸い付き、ちゅうちゅうとベロフェラをし始める。

 

(うわぁ、エッロ……のぼせそうだわ)

 

アリーザに頭を抱え込まれ、密着した身体に挟まれて、ギンギンに猛ったチンポがアリーザのすべすべのお腹に擦れ、更にアリーザのコリコリの乳首が胸板に擦れて気持ちいい。

 

実に数分間はそのままメスドラフ擦りオナニーディープキスを続け、ようやく疲れた様子で大人しくなったアリーザから唇を離す。

 

お互いの間に、唾液の橋がかかり、キラキラと光った。

 

アリーザはしばらくトロンとした顔ではぁはぁと自分を見つめたあと、一度ゴクリとツバを飲み込んでベトベトの口を開く。

 

「は、初めての割にはまあまあね……初めてよね?」

 

「ハジメテダヨー」

 

「うん……じゃあ、もう一回ね」

 

「え?」

 

「も、もういっかい! 一度で終わりなワケないじゃん!」

 

真っ赤な顔でそう言って、また身体ごと押し付けるように唇を合わせてくるアリーザと、再び溶けるようなキスを何分間も続ける。

 

びちゃ、ぴちゃ……♡

ちゅっ……れろ……ぷちゅ、くぷ……♡

 

顔を離して、はぁはぁと息を吐いたアリーザは、

 

「……もういっかい」

 

また長々とセックスのようなねっとりキスをして、

 

「もういっかい」

 

酸欠でふらふらしながら、

 

「もういっかい」

 

ほとんどしなだれかかるように、

 

「も、もういっかい」

 

「もういっかい」

 

「もういっかい」

 

……

 

…………

 

………………

 

 

 

 

「ぷはぁ…………もういっかい」

 

(もう一時間はやってるぞ……いい加減ちんこ爆発しそう)

 

もう何度目か分からない『もういっかい』が終わり、アリーザはようやく満足したのか、ふらふらとグランの胸を両手で押して身体を離した。

 

お互いに擦りつけあっていた胸とチンポが離れ、二人の間からむわっと熱気と淫靡な臭いが立ち上る。

 

アリーザのお腹はグランのチンポから溢れた我慢汁でテカテカになり、股の間はドラフまんこからこんこんと涌き出た準備汁でびしょびしょになっている。

 

「…………よし。まあ、呼吸法はオッケーね」

 

アリーザはまだそのテイで行くらしい。

ホンキでイケると思っているあたり、グランに負けず劣らずのおバカ具合である。

 

モチロンそこを茶化して台無しにするワケがないグランは、またいけしゃあしゃあと、「はいっ、ありがとうございます!」等と抜かしている。

 

「えーっと……次、次ね……次は……弱点。いよいよ弱点の鍛練に移るわ!」

 

「よっ! 待ってました!」

 

\炎鳴流っ!/ \全空一っ!/

 

グランの色々おかしい合いの手にも、ツッコむでもなく偉そうに丸出しの胸を張っている。

 

いま炎鳴流の名誉は取り返しのつかないところまで下落していた。

 

「じゃあ、ベッド! ベッドに移るわ! ケガしたら危ないからね!」

 

そう言ってベッドにのそのそと登り、瞳をぐるぐる回しながらボスンボスンとマットレスを叩くアリーザに誘われ、これまたいそいそとベッドに乗ってアリーザの前に座るグラン。

 

「まず、胸……お、おっぱいのトレーニングよ!」

 

「おおー!」

 

自分の胸を持ち上げるようにしてそう言うアリーザに、グランは鼻血が出そうになりながら歓声を上げた。

 

アリーザとしては、ココでシェロカルテと差をつけていきたいトコロだ。

自然と気合いが入る。

 

「い、今から団長がアタシのおっぱいに攻撃して、アタシはそれを一分間耐えます。 いいっ!?」

 

「イイれぇすっ!(^q^)」

 

実に元気の良い返事であった。

 

「じゃあ、今からね……い、いきなり強くしちゃダメだからね! 修業にならないから! 最初はゆっくりねっ……始めっ!」

 

そう言って、目をつぶってグイッと胸を張るアリーザ。

プルン、とゆれるワガママおっぱいの先端で、先ほど散々グランの胸板で擦られて真っ赤に充血した乳首が期待にピクピクしている。

 

(おお…………! アリーザの、お姫様っぱい……ゴクリ)

 

恐る恐る手を伸ばす。

両手で掬い上げるように持ち上げると、たゆん……と、大きなグランの手をしてなおこぼれ落ちそうな豊かなおっぱいが、グニャリと形をかえる。

 

「んっ……ぅ……♡ ……はっ!?」

 

思わず甘い声を出したアリーザの顔を見つめると、アリーザは赤い顔を更に赤くしながら言い訳をまくしたてる。

 

「こ、声は積極的に出していくべきなのっ! コレはホントにカコクな修業なんだから、我慢せずに大きな声を出した方が楽なの! 降参さえしなきゃイイんだからぁっ、あんっ!?」

 

グランはなるほど! というわざとらしい顔でたゆたゆとアリーザの胸を揺らす。

 

(柔らかい……ケド、パンパンに張って、弾力がある……ちょっと固めのクムユとも、沈み込むような柔らかさのラムレッダとも違う……意地っ張りおっぱいだ……! アリーザの強がり意地っ張りおっぱいだ!)

 

他人のおっぱいを勝手に比較してヒドいアダ名をつけたグランは、好奇心に押されるまま、アリーザの弾ける巨乳を揉みしだいてゆく。

 

揉む。

寄せる。

左右に開くと、汗でムレムレになった谷間からむわっと湯気が上り、酸っぱくて甘ったるい女の子の匂いが鼻をくすぐる。

 

「ふっ……う……さ、先っちょも攻撃してイイからね……や、優しくね、優しく!」

 

(はーい♪)

 

言われて、さっそくぷっくりと膨らんだ乳輪を攻めてゆく。

縁にそってなぞり、摘まむように乳輪を潰して、ぐにぐにと弄ぶ。

更に、指の腹でコロコロと勃起した乳首をなで回し、押し込み、指で挟み込む。

 

「どう、アリーザ、こんな感じかな? 修業出来てる?」

 

「あっ♡ いい……イイカンジに気持ち――き、キツいわっ! 平気だから、も、もっと強く引っ張るみたいに……♡」

 

言われて、親指とゴツゴツとした人差し指の第二間接でもってアリーザの痛そうな位に膨らんだ乳首を挟み込む。

そして期待に口を引き結んだアリーザの顔をゾクゾクしながら見つめて――

 

「はい、一分。さすがアリーザ、ゼンゼン攻めきれなかったよ!」

 

パッと手を離した。

プルルン、と赤く朱の差したおっぱいが揺れ、アリーザがビクンと身じろぎする。

そして、切なそうにグランの手を見つめて、直ぐにジトッ……とグランをうらめしそうにニラんだ。

 

「あっ……あと、ちょっと……ゴホンっ、ま、まあね! ええと……じゃあ、次はグランの番ね!」

 

「えっ!? 俺も!?」

 

「当たり前でしょ? おっぱいは男だって弱点(ってエッチな本に書いてあった)なんだからっ!」

 

「いや、俺は――」

 

「はいっ、腕は後ろっ!」

 

「っ、ホントに――」

 

「うーしーろーっ!!」

 

「はいっ! お願いしますっ!」

 

ムキになって両腕を押してくるアリーザの余りの可愛さに、思わずしたがってしまう。

 

「よ、よおし……じゃあ、始めるから……挨拶」

 

「え?」

 

「アリーザ、俺の雄っぱいを好きなだけイジめて下さい。お願いします。はい」

 

「え?」

 

「挨拶っ! 炎鳴流は礼儀を重んじる流派なのっ! 師匠に挨拶っ!」

 

「ええっ!? あ、アリーザ、お、俺の……えっと――」

 

「アリーザ! 俺のどーてー雄っぱいをアリーザの指で好きなだけイジメて下さいお願いしますっ!! 復唱っ!!」

 

「アリーザ! 俺の童貞おっぱいをアリーザの指ですっ、好きなだけイジめて下さいっ! お願いしますっ!!」

 

アリーザは、ゾクゾクゾクぅ~っと、背筋が震えるような興奮を覚えた。

ナニも知らないグランに、トンでもないコトを言わせてる……!

何でも言いなりで、アタシの言うコトを疑わないグラン……!

 

アリーザはもう顔がニヤケるのを抑えられなかった。

 

「ふへへ……よーしっ、イイよっ! じゃあ五分ね、始めっ!」

 

「えっ!? 五分ってちょっ、あふんっ!?」

 

いきなり自分の五倍の時間を宣言したアリーザは、グランが慌てて聞き直すのを無視して素早く両手を伸ばした。

 

(あの本では……こ、ココをこう……)

 

グランの厚く頼もしい胸板に指先を這わせ、乳輪をくすぐる。

男の子は女の子より刺激に慣れてないという記述を頼りに、自分なら物足りないと思うようなソフトタッチでグランの先端を擦ってみる。

 

「あっ、はっ……らめっ♡ くすぐった……あっ♡ 、りーざ、ちょっと……タンマ゛ぁっあっ♡」

 

その瞬間、グランがいつもの凛々しい声からは想像もつかないようなあえぎ声をあげ、ビクンビクンと身体を震えさせた。

 

(エロ本スゴい! あのグランが、アタシの指でこんなに喘いでるっ!)

 

グランは律儀に後ろ手に組んだまま、初めての感覚にヒイヒイ悲鳴を上げていた。

アリーザの指がクリッと乳首を押し込む度に、腰と後頭部にシビれるような甘い刺激が走り抜けて、声を抑えられない。

 

「ほら……ホラホラっ、団長どおっ!? キツい? キツいのっ? どんどん声だしてイイからねっ!? 出てるよっ! 修業の効果スッゴい出てるよっ!」

 

「ひっ、あっ♡ ほ、ホントムリっ! ぎぶっ! ギブギブっ! ストッ……プっ……♡ ぁっはあんっ♡」

 

誰得だよ。

 

アリーザは自分の指使いで悶えるグランに、自分の胸とアソコを最高にキュンキュンさせながら猛然と攻め立てた。

 

(うわっ、スゴい! アタシがグランをヒイヒイ言わせてるっ! アタシってスッゴいテクニシャンなのかもっ!!)

 

いよいよ興が乗ってきたアリーザは、クネクネとよがり倒すグランを見て童貞臭い高揚感に大興奮であった。

 

モチロン、グランが処女ドラフの指でビクンビクンしているのはアリーザが熟練AV女優並みのゴールドフィンガーを持っているから、では断じてなく、全部今は懐かしきザンクティンゼル人達のせいである。

 

グランの肉体はその全身至るところが、ザンクティンゼルの性欲娘達の十年に及ぶ睡眠レイプによって性感帯に開発され尽くしている。

 

当然乳首なんて当たり前のようにいじり倒されていて、乳首だけの刺激で一晩に三回射精させられたコトすらある。

 

むしろアリーザの下手くそな愛撫だからこそ、悶えるくらいですんでいるのであって、コレが例えばジータだったら、グランはとっくにおちんぽミルクを爆発させている。

 

そんなコトに気づけるワケがないアリーザは、憧れのグランをヒイヒイ言わせるのに夢中になって、グリグリと乳首を攻め続けるのであった。

 

「えへへ……ホラッ♡ ホラッ♡ どうだぁっ♡ まだまだ一分位しかたってないよっ! 修業なんだから、もっと頑張ってっ♡」

 

「あ゛っ♡ マジでキツいっ! キツいィっ♡ 降さあ゛っんっ♡ 降参だってばーーーっ!!」

 

結局、ヤバい顔をしたアリーザはその後もきっちり五分間愛撫をやめなかった。

 

「あっ♡ ムリっ♡ 誰も得しないからっ! 誰も得しなあ゛っいからあ゛っ♡♡」

 

 

 

 



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アリーザ、ねぶる。

色々実験した結果三分割。

流石に冗長が過ぎるので今後はコンパクトにまとめます。

なんなら読み飛ばしちゃってもイイよ!
……そのうちアリーザ編全部大改稿してやる。


 

(死ぬかと思った……!)

 

グランは息も絶え絶えにベッドに仰向けに倒れ込んで、胸を大きく上下させていた。

ノリノリになったアリーザに時間一杯イジり倒されて、乳首がまだジンジンと熱い。

 

「ふへへ……まっ、まだまだねっ! まあ、炎鳴流の修業方法は初めてだったんだし、仕方ないかもね!」

 

満足そうなアリーザがヨダレを拭いながらそう言うのを聞いて、グランはまだ少しぼんやりする頭で逆襲を誓った。

 

(おのれ淫乱浮気ドラフめ……絶対ヒイヒイ言わせてやる……!)

 

「じゃあ、も、もういっかいあたしの番ね。今度はアタシが参ったって言うまでね」

 

そう言って、アリーザは膝立ちで大きく胸を張る。

大きなドラフっぱいが、ばるんっ、と揺れる。

 

(……やっぱりスゴいなぁコレ。重くないのか?)

 

まだいくらか顔は赤いが、お互い全裸で乳繰りあって段々なれてきたのか、やや目線はそらしつつも堂々としたものである。

 

身体を起こしたグランは、その余裕を崩してやるべく、汗でしっとりとしたおっぱいを両手でワシ掴みにした。

 

「んっ♡」

 

そして今度は手加減抜きで、激しく揉みしだく。

 

「イッ……ぁ……♡ ぅくぅ……っ♡」

 

アリーザの張りのあるおっぱいはグランのブコツな手でぐにょぐにょと歪められ、乳腺がゴリゴリとけずられるような激しい刺激が走る。

痛みと快感が同時にアリーザの背筋を震わせ、下腹部にシビれたようなムズムズを感じさせた。

 

今までの言動や故意に残されていたっぽい青アザから、アリーザが痛みに興奮するヘンタイかもしれないと考えたグランだったが、自分の荒っぽい愛撫で顔を真っ赤にして声を漏らし、太ももをスリスリと擦りあわせているアリーザを見て、それが正解だったと確信した。

 

(なんだコイツ、前っからやたらホンキの手合わせにこだわると思ったら、まさかマゾドラフだったのかよ……最高だな!)

 

「アリーザ、大丈夫? 痛くないかな?」

 

「んイッ……♡ へっ、イキっ……ゼンゼンヘーキ……っ♡ しゅ、修業なんだから、もっと強くてもイイよっ!」

 

目の端に涙をにじませ、身体中から汗を吹き出しながら、アリーザがさらなる刺激をおねだりしてきた。

 

すでにかなり強く揉んでいるのに、痛がるどころか乳首は完全に勃起して手のひらにコリコリと擦れ、全身からは発情したメスの臭いを立ち上らせている。

 

「わかった……じゃあ――」

 

お望み通り、と、充血しきってぷっくりと膨らんだ乳首を指で挟む。

期待に潤んだ目で、グランを見上げて口を引き結んだアリーザを見つめる。

 

「行くよ、アリー…………ザっ!」

 

グニィッッッ!!

 

「いッ――――!?」

 

プシッ!

 

勃起乳首を思い切り潰すと同時に、アリーザが大きく背中を反らし、ブルッと震えた。

鋭い水音と共に、甘ったるい淫靡なニオイが広がる。

 

「まだまだ行くよ!」

 

グイィィィィィッ!!

 

「―――――――――っ!!?」

 

プシッ♡ プシッ♡ プシシッ♡

 

今度はふくらんだ乳輪ごと乳首を思い切りつねったまま、アリーザの身体を持ち上げるように上に引っ張ると、アリーザはとうとう半分白目をむいて声にならない叫びを漏らした。

 

アリーザのおっぱいはちぎれそうなくらいに伸びきって真っ赤になり、負担を和らげようとお尻が浮き上がる。

ガクガクと痙攣する度に更に乳首が引っ張られ、股の間から連続して水っぽい音が響き、モワァッっと湯気が上がる。

 

(おおっ、公女ドラフの浮気発情汁のニオイが……! クッソ、こんなヘンタイプレイで本気汁吹き出しやがって……ちんぽにクルぜ……!)

 

辺りに充満するメスドラフの子作りフェロモンを肺いっぱいに吸い込みながら、グランは白々しく問いかける。

 

「どう、アリーザ? 修業出来てる? 降参する?」

 

「イ゛ィっ♡ だっ♡ こっ、こうぅっ♡ あ゛っ♡ こうさぁ゛っ♡ ン゛イ゛ィっ♡♡」

 

アリーザが両手を股の間に挟んでビクンビクンと震えながら、焦点の合っていない瞳でなんとか降参と言おうとする度に、そうはさせじと乳首を上に引っ張って妨害する。

 

その度に、「あ゛っ♡ あ゛っ♡」と悲鳴と嬌声が混じったような媚びた声を上げ、股の間から熱い汁をほとばしらせるアリーザを見て、グランは背筋をゾクゾクさせながらチンポがお腹に張り付くくらいビンビンに反り返るのを感じた。

 

(こんな拷問みたいなので興奮すんのかよっ!? どんだけスケベなんだこの姫ドラフ!? エロ過ぎんだろ!)

 

シーツはすでにびしょびしょ、周囲は発情しきったメスドラフのニオイでクラクラするくらいになっている。

 

「よ、よーし、コレでも降参しないなら……こうだっ!」

 

いい加減辛抱がたまらなくなったグランは、つり上げていた乳首から指を離すと、真っ赤に腫れ上がった先端に大口を開けてかぶりついた。

 

(スタン……お先に頂きますっ)

 

乳輪ごと口に含んでねぶり倒し、無理に引っ張られて熱を持った乳首を甘噛みしてなめ回してゆく。

 

(おっほーーーっ、美味しいっ!! ヘンタイマゾ姫ドラフの勃起乳首美味しすぎるっ! なんて……なんて贅沢な味なんだっ……毎朝食べた過ぎる)

 

「はぷっ……んちゅっ……ぷちゅっ……」

 

「ふぃあっ♡ っ、あっ……ぐ、団長っ!?」

 

やっと乳首を解放されて息も絶え絶えなトコロに、突然赤ん坊のように吸い付いて甘く刺激してくるグランに、アリーザは一瞬ブルッと震えたあと、はっ……! と慌てて戸惑いの声を上げた。

 

グランは一度おっぱいから口を離して、真面目な顔で言う。

 

「ぷはっ……これは噛み付き攻撃だよ。アリーザは指じゃゼンゼンこたえてなかったみたいだし、真剣勝負なら反則は無し、だよね?」

 

言いながら、ヨダレまみれの乳首をコリコリと指で転がす。

もうなんかアリーザがあまりにスケベ過ぎてなんでもありな気がしてきたグランには、遠慮の二文字がどこかへ行ってしまっていた。

 

「……! そっ、そうね、その通り! もももちろんゼンゼンありだよっ! 噛み付きオッケー! ……あ、も、もう片っぽもイイよっ! 修業は左右バランスよくやんないとダメだからっ!」

 

この期に及んで、アリーザにはグランが自分の嘘を真に受けて至極マジメに偽の修業に付き合っていると思っているらしい。

真っ赤な顔で反対の乳房を持ち上げて、エロ修業の続きをおねだりしてくる。

 

(次は絶対に事写しの魔道具持ってこよう。撮影して家宝にしよう)

 

そんなコトを考えながら、もう片方にかぶりつき、コリコリコロコロと乳首を舌と歯で弄ぶグラン。

アリーザの顔色をうかがいながら、段々噛む力を強くしていく。

 

「あっ♡ いっ、イイよっ、団長っ♡ まだまだイケるよっ! あィっ……♡ も、もっと強くっ! ンいっひっ……♡ あっ、も、もっとぉっ♡」

 

先端に歯をくい込ませる度に、ビクッ、ビクッと震えて甘い声を上げる。

無意識なのか、股の間に挟まれた片手がクチュクチュと水音を立てている。

 

(とうとうオナニー始めちゃったよこのお姫様どうしようちんちん痛い)

 

ココに来て、エッチなコトを知らないピュア団長を装ったコトが裏目に出始めた。

なまじ自分でシゴくコトも、押し倒すコトもできず、アリーザも自分がキモチ良くなるのに夢中でいっこうにチンポを触ってくれないので、刺激が足りず発射できないのだ。

 

金玉はキュンキュンと精子を生産し続け、すでに爆発寸前だというのに、コレだから処女は……! とグラン君のチンポはイライラ状態である。

コイツにだけは言われたくない。

 

自然と乳首を噛む口に力が入る。

 

ガリッ!

 

(あっ、ヤバッ……!)

 

つい、かなり強めに乳首を噛み締めてしまった。

コリコリに固く尖った乳首に、ヒヤッとするほどグランの歯がくい込み、続けて鉄の味が口内に広がる。

 

「ぁイ゛ッ、くぅ……っ♡♡」

 

プシッ、プシャアアァァ……♡

 

その瞬間、アリーザはピンっ、と背筋を反らし、くいしばった口の端からヨダレを垂らしつつガクガクと身体をケイレンさせた。

ばたたたっばたたっ! と、アリーザの尿道から勢いよくほとばしった潮がシーツに叩きつけられる。

 

プシッ♡ プシシッ♡ プシシッ……♡

 

「ふうっ……♡ ふうぅっ……♡」

 

「うっわ……すげ……」

 

ちょっと焦りつつ自分がかじってしまった乳首の傷をなめ回しながら、ふうふうと荒い息を吐きながらイキ続けるアリーザを眺める。

身体中を真っ赤にして、汗を吹き出しながら必死に堪えてるのがなかなか股間にクる。

 

(よ、よかった、そんなに深い傷じゃなかった……ってかコレで感じんのかよ。アリーザ、まさか修業中もイッてたりしないよな? 今度ちょっと確かめないと)

 

ようやく口の中から血の味を感じなくなり、アリーザの呼吸が落ち着いた辺りで顔を上げ、アリーザを見下ろす。

アリーザはトロンとした顔で瞳にハートマークを浮かべて余韻にひたっているようだったが、自分が見下ろされているコトに気付くと、ナニを思ったのか目を閉じて唇を突き出した。

 

(メス顔キス待ち浮気ドラフ……シコい)

 

場の空気に流されたい感はあったが、それ以上にこのやたらチンポにクる姫ドラフをもっとイジめたい衝動にかられる。

 

「ねぇアリーザ、いま、イクっ、て言ってたけど……どういう意味なの?」

 

ビクッ、と肩を跳ねさせ、唇を突き出したマヌケ面のままサァーっと顔色を悪くするアリーザを内心ニヤニヤしながら眺める。

なんか次はどんな無茶な言い訳をするのかちょっと楽しみになってきた。

 

アリーザは目をつむったまま、すすすと身体をグランから離し、両手を膝の上に置いた。

アリーザが少し動く度に、ぐっしょりと湿ったシーツがぐじゅぐじゅと水音を立てるのが最高にアホっぽい。

 

「……え、えっと」

 

「うん」

 

あ、なんかプルプルしはじめた。

 

「……」

 

「アリーザ?」

 

「…………こ」

 

「こ?」

 

チンコをギンギンに反り返らせながら、白々しく首をかしげて見せる。

 

「こ、降参って意味よ! 悔しいけど、さっきは我慢できずに降参しちゃったのっ!! じゃ、弱点を攻撃され続けると、なんかこう……ムズムズってしてくるでしょ!? それに耐えきれなくなって、身体がビクンってなったら、い、イクって言わなきゃダメなのっ!!」

 

「だ、ダメなの?」

 

「えええ、炎鳴流の正式な作法よっ! あ、アタシがグランになら、って、じきじきに教えてあげてるんだから、ああアタシの前ではちゃんと作法を守らなきゃだめなのっ!!」

 

「ナルホドナー!」

 

うわぁ、スッゴいプルプルしてる。

可愛い。

 

アリーザが真っ赤な顔に涙を浮かべながら必死に捲し立てるのに、したりガオでうなずく。

炎鳴流って便利。

 

「わ、わかったら次はまた団長の番だからねっ! こっ、降参のトキはちゃんとイクって言わなきゃダメだよっ!?」

 

「えっ!? またっ!? いや、俺はもう胸は――」

 

「もも問答無用っ!」

 

「あっ、ちょっ……ア゛ーーーーーーーっ!?」

 

 

 

 

 

歯形だらけになったグランの胸元から口を離す。

ちょっと……いやかなり調子に乗ってやり過ぎちゃった感もあったが、結局グランをイカせるコトはできなかった。

 

「ふぅ、ふぅ……終了ね。結局イカずに堪えきっちゃったね。悔しい……」

 

「死ぬかと……」

 

まあ、男の子はおっぱいはあんまり感じなくて、乳首だけでイカせるにはかなり時間をかけて開発しなきゃいけないってエロ本のコラムにも書いてあったし、仕方ないだろう。

初めてにしてはいい線いってた気がする。

やっぱりアタシはスゴいのかも知れない。

 

汗かなんかでちょっとしょっぱくて、ナニか不思議と安心するようなイイ匂いもするし、グランの胸を責めるのはなかなかに楽しい。

いつか乳首だけでイカせられる位開発しなきゃと心に決める。

 

「……まぁ、男の子はこっちはあんまり弱点じゃないらしいから、胸はこんなモンでいいかな。…………つ、次は――」

 

ゴクリ、と息を飲む。

 

グランに怪しまれないよう、出来るだけ見ないようにしてたけど、そろそろイイだろう。

ここまではなんとかグランに疑われずにこれたし、いよいよだ。

 

「こっ、ココよ! 次は、おちんちんの修業をします!」

 

一息に言い切る。

流れもカンペキだ。

全く不自然じゃなかったハズである。

 

ドキドキを抑えながらこっそりグランの顔色を伺うと、グランは凛々しい顔をやや紅潮させながら、真剣そうに自分のオチンチンを見下ろしていた。

 

「こ、ココか……」

 

「おチンポ」

 

「えっ?」

 

「ちゃんとおチンポって言わなきゃダメ」

 

「……あ、ああ……おチンポ――」

 

「おチンポ修業お願いしますって言えっ!」

 

「おっ、おチンポ修業お願いしますっ!」

 

「ああアリーザに俺のでっかいだけの情けない童貞おチンポ鍛えて欲しいですっ! お願いしますっ! ハイッ!!」

 

「アリーザに俺のデカイだけの童貞おチンポ鍛えて欲しいですお願いしますっ!!」

 

「~~~~っ、よしっ!!」

 

よして。

 

(ああ~~~~っ、ぐ、グランに! あのグランにスッゴいエッチなコト言わせてるぅ~~っ!! グランえっち過ぎるよう! ゴメンねルリアでも早い者勝ちだもんね仕方ないよだってグランってばこんなにえっちなんだもん我慢できるワケないじゃんアタシ悪くないもんザンクティンゼルの人たちありがとう無知ピュアグランの童貞ちんぽこイタダキマスっ!!!)

 

興奮で鼻血が出そうになりながら、膝立ちでピシッときをつけの姿勢になったグランのおチンポを凝視する。

 

すでにディルドで見ていたが、こうして本物を見るとやはり迫力とエッチさが段違いだ。

 

「ゴクリ……」

 

顔の高さにそそりたつグランのおチンポからは、ムワッ……と、熱気まじりの湯気が立ち上り、ものすごくエッチな濃いニオイが漂ってくる。

普段グランから感じるイイニ匂いを何百倍も濃くしたようなフェロモンは、ジンジンと頭をシビれさせ、おまんこの奥がひどくムズムズする。

 

しかもなんか一分の1のヤツより大きい気がする。

血管もスゴいし、先っちょもなんかパンパンだ。

グランも意味はわからないなりに興奮しているのだろう、鈴口から我慢汁がダラダラと溢れ、黒光りする幹をテラテラとぬめらせている。

 

あと玉もスゴい。

普段どうしてるんだろうって位大きくて、ダルんダルんに重そうにぶら下がって、時々ピクピクと動いている。

 

あの中に、グランの大切な赤ちゃんの元が入ってるんだ……

しかもきっと、今まで一度も発射されるコトもなく、アタシの為に濃縮され続けたとびきり濃ゆいヤツが。

 

アリーザは生まれて初めて神に感謝した。

 

そしてちょっとケチって玉無しのディルドを買ったコトを後悔した。

 

(次は絶対玉有りの体温機能付きにしよう……ってか、シェロさんに一回だけ搾られちゃったんだっけか……クッソぉ……アタシがグランに精通させたかったのに……でもシェロさんのおかげでこうなったワケでもあるし……ムムム)

 

アリーザは難しい顔をしているが、グランの精通は五歳の時だし、精液は毎晩妹たちに搾られまくって常に新鮮な状態である。

 

「じゃ、じゃあ、今から団長のおチンポをイジメるから、我慢してね! あ、でも初めてはけっこうキツいかもだし、そんなに無理に我慢しなくてもイイからねっ!」

 

「うん、わかった」

 

可愛いそうに、自分がレイプまがいのコトをされているとも気づかず、自分を信用して素直にうなずくグラン。

押し倒して仕舞いたい衝動にかられるが、ぐっと我慢する。

ココで欲望に負ければ、純粋で汚れを知らないグランに消えないトラウマを作ってしまうコトになりかねない。

そんなコトになれば、自分はきっと彼を慕う団員たちに八つ裂きにされてしまうだろう。

 

まず秩序程度では済まされない。

確実に殺される。

誰だってそーする、アタシだってそーする。

 

あくまでもコレは修業、そう信じさせなければならない。

 

「じゃあ今から10分間ね!」

 

「えっ!? じゅっぷ――」

 

「泣き言言うなっ! 修業なんだからっ、ビシバシイクよっ!」

 

本当は一時間はこの本物を研究してみたいが、時間は有限なのだ。

できればこの後の本番に時間をたくさん残しておきたい。

ここはさらっとクリアして、グランにおチンポをいじられるハードルを下げさせたいトコロだ。

 

あと年頃の女の子としては、一度本物のザーメンを味見しておきたい。

アタシ気になります。

 

「ぐ……団長はこの修業は初めてだし、今回は優しく攻撃するし……痛くはしないようにするから。痛かったら言ってね? あと、ビクビクするトキはちゃんとイクって言わなきゃダメだからね? ビクンっ、ってなったら、イクっ、ね? 炎鳴流はそういう作法を重んじるの」

 

「ハイッ!」

 

良い返事をくれるグランに、心の中で少し謝りつつ、グランににじりよる。

ドラフの自分とグランとではだいぶ身長差があるので、正座の状態で膝立ちのグランのおチンポがちょうど目の前にくる。

 

その、腕のように太い幹に手を伸ばす。

 

「さ、触るね……」

 

ニギっ。

 

「おぉ……」

 

思ったより固い。

そしてスゴくアツい。

太すぎて、指がゼンゼン回らない。

 

(さささ、触っちゃった……! 生で触っちゃった!)

 

思ったよりぬるぬるとした先走り汁で手が滑り、思わずキュッ、と手に力が入った。

その瞬間、

 

ピュルッ!

 

「きゃっ!?」

 

グラン君の先端から勢いよく透明な汁が飛び出し、アリーザの額に直撃した。

 

「えっ、い、イッたの?」

 

「い、いや、イッテナイヨ」

 

(びっくりした……じゃあコレがカウパーってヤツなんだ……けっこう勢いよく出てくるんだ……)

 

「あ、アリーザ、ゴメン……なんか突然おしっこが出ちゃって、汚しちゃって……!」

 

しかし、グランがそんなコトを知るハズがない。

焦った様子で謝るグランをいとおしく思いながら、優しく笑いかける。

 

「ううん、コレはおしっこじゃなくてね、我慢汁って言うんだよ。頑張って堪えてる証拠だから、どんどん出していいんだよっ!」

 

そう言うと、グランは安心したようにホッと息を吐いた。

……可愛い。

 

「……ほらっ、そんな油断しててイイのっ?」

 

なんだかあのグランをこんなに動揺させているのが嬉しくなって、両手でおチンポを握りしめる。

 

「あうっ……!?」

 

「ほらっ、ほらっ! えへへ……どんどんいくよっ」

 

カウパーでべとべとの竿を、両手でズリズリとしごき上げる。

グラン顔色を伺いながら、痛くないような力加減で太い幹をシゴき、重そうにぶら下がる玉をモミモミと揉みしだいた。

 

ズリュッ♡ ズリュッ♡ ネチャッ♡ ズリュリュッ♡

 

モミュッ♡ モミュミュ♡ コリュッ♡

 

太く柔らかい尿道を根元からカリ首まで、ゴリュリュリュッ♡、っとシゴき上げると、プックリ膨らんだ亀頭の先端から透明なアツいカウパーがピゅルルっ♡ と飛び出る。

そして今度は付け根に向かって両手で作った輪っかを下げると、パンパンに張ったエラがバルンッと包皮から出て来て、ムワワッ♡ と特別濃い刺激臭が鼻の奥に突き刺さる。

 

初めて触る金玉は、ダルダルの皮袋の中で自分の細い指から逃げ回り、ぷにゅぷにゅとした触り心地が面白い。

 

「うっ! はぁっ……あっ! ふぅっ! あっ!」

 

グランはアタシが少し手に力を入れる度に、小さく声を上げてビクビクと震える。

溢れた先走り汁で、チンポだけではなくアタシの肘までがべとべとになってきた。

 

ジンジンとお腹の奥が疼く。

このチンポは、いったいどんな味がするんだろうと、口の中にヨダレが溢れてくる。

 

ズリッ、と包皮をむき、膝立ちになって赤黒く膨らんだ亀頭を見る。

 

(ふあぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡)

 

エラの回りには、一日の汚れが白くこびりついて、堪らなくエッチな臭いをプンプンに撒き散らしている。

目がチカチカするくらいに臭いのに、なんだか無性に興奮して、スゴく美味しそうに見える。

 

股の間からダクダクとアツい汁が垂れてきて、太ももを濡らす。

 

「ゴメン、アリーザ……き、汚いよね……」

 

「いっ、イイのっ! 勝負は時と場所を選ばないんだから、こっ、コレくらいで怯んでたら炎鳴流の名折れだからねっ! ここっ、今後も修業の前は身体なんか洗ったらダメだからねっ♡」

 

そう釘をさして、カリ首の下に指を這わせる。

指先についた恥垢をネチャネチャとコネ、恐る恐る鼻先に持ってくる。

 

「くぅ~~~~っ♡」

 

強烈だった。

脳髄がシビれ、子宮がジンジンと疼く。

 

こんなの口に入れたら……!

 

「んちゅっ………………~~っ♡♡♡」

 

衝撃的だ。

しょっぱくて、堪らなくエッチな臭いが口いっぱいに広がる。

バチバチと視界が明滅するような激しい刺激が身体中を駆け抜ける。

プシュっ、と膣口からアツい汁が吹き出した。

 

コレはヤバい。

これ以上口に入れたら頭がおかしくなる。

 

アリーザは冷静に落ちていたグランのパンツを拾いあげると、グランのおチンポの先の汚れをキレイに拭い取った。

そのパンツを枕の下にねじ込む。

 

「……あの、アリーザ……?」

 

「う、うっはりヨゴしちゃっらわ! あ、あらって返しゅ!」

 

一言しゃべる度にグランのエッチ過ぎる臭いが鼻の穴を通り抜けて、声が震える。

恐るべしグラン、こんなエッチなモノを普段からぶら下げてるなんて、犯罪なんじゃないだろうか。

エルーンの娘たちが時々グランのそばで赤い顔をしているのはきっとこのせいだろう。

我慢できずに襲いかかられる前にアタシが気づいてよかった。

明日からは極力アタシがキレイになめとって置かないと女性団員の危険がアブない。

 

改めて、ピカピカになった亀頭に目をうつす。

手の中でドクドクと脈打ち、食べて欲しそうに鈴口から先走りを漏らしている。

ゴクリ、と唾を飲み込み、口を開いた。

 

 

 

 

 

 

「あぐっ♡」

 

「はうっ」

 

アリーザがたまらずグランの先端にかぶり付くと、グランはくぐもった声を上げた。

とうぜん、アリーザの小さな口には亀頭が収まりきらず、柔らかい先端を半分ほど口に含んでモムモムと唇で甘噛みし、短い舌を鈴口にべろべろと押し付けてくる。

尖った八重歯がチクッと亀頭に刺さるたびに、グランの腰が跳ねる。

 

一応気を付けているようで、ラムレッダほど歯が当たってこない。

 

アリーザは反り返るチンポを両手で握りしめて口許に下ろし、夢中になって鈴口に吸い付き、チュウチュウと我慢汁を吸出してゴクゴクと喉を鳴らしている。

その堪らなくもどかしく甘い刺激にグランが腰を震わせていると、今度は舌をカリ首に這わせ、溝に残ったヨゴレをペロペロと舐めとり、亀頭をヨダレまみれにしていく。

 

ベロベロと味がしなくなるくらいになめ回すと、今度は大口を開けて竿にかぶり付き、舌で血管を一本一本なぞり、裏筋をたどって根元と先っちょを何度も往復する。

 

そして、グランの股間に顔を埋めて深呼吸すると、玉袋を両手で広げて隅々までなめ回し、大きな玉を一所懸命口に含むと、モムモムと口内全体でマッサージしだした。

なんとか両方の玉を口に入れたいのか、片玉を無理やり頬袋に納めようと無茶な努力をして、首から胸元を通りすぎ、お腹までを溢れたヨダレでベトベトにして涙目になっている。

 

ようやく諦めたと思ったら、今度はチンポと玉袋を顔中に擦り付けて顔ズリを初め、うっとりした顔で鼻の穴をすぴすぴと鳴らし、陰毛を口に含んでベタベタにして、ゲホゲホとときどきむせては、懲りずにまた頬張ってゆく。

 

(いやいやいやいやいやっ!? 夢中かっ!? チンポに夢中なのかっ!? 修業は? 修業はどこ行ったの? 一っ言もしゃべらないでナニちんぽ遊びに夢中になってんだこのメスドラフどスケベ過ぎるだろ……)

 

十分間を十分前に過ぎて、まだ夢中になってちんぽ遊びをするアリーザに、グランはもどかしさでチンポが爆発寸前だった。

 

アリーザが再び亀頭にかぶり付いた。

今度はだいぶ口がほぐれていたおかげか、ズポッ、と亀頭が全部アリーザの口内に収まる。

 

「はぁうっ!?」

 

グランが情けない声を上げるのを聞き、アリーザは上機嫌そうに瞳にハートマークを浮かべながら、色んな汁でぬるぬるになっった両手で激しく竿をコキ、夢中になって溢れるカウパー腺液を吸出してゆく。

 

グランはこみ上がってくる快感に、歯をくいしばりケツの穴をキュッと締めて堪え、ちょうど手頃な位置にあったアリーザの角を両手で掴んだ。

 

(おいしいっ……グランもスッゴいキモチ良さそう……嬉しい……♡)

 

アリーザは上目使いで歯をくいしばるグランを見上げ、頭の角を掴まれた瞬間には、ナニか不思議な充足感で全身に快感が走り、小さく絶頂してしまった。

 

(うわ……ヤバい……コレヤバいよぅ……♡)

 

自分がグランのチンポを口に咥え、グランが自分の角をハンドルのように握って頭を固定しているこの状況が、アリーザには妙にしっくりきた。

コレが男の子とメスドラフの正しい関係なのだと、不思議な確信で胸に暖かいモノがこみ上げてくる。

 

アリーザは心の命じるままに、グランの極悪チンポを喉の奥にまで飲み込んでゆき、両手を更に激しく動かした。

 

「あっ、アリーザ、もうっ……」

 

「ジュッ♡ ズチュッ……♡ っぷはぁ……イクの? イッちゃうの団長?」

 

アリーザが手を動かす度にビクビクと震え、未知(勘違い)の感覚に腰をガクガクさせるグランを、アリーザはゾクゾクとした思いで見上げる。

 

「イイよっグランっ! イッて! おチンポイクって言って♡」

 

そう言ってまた亀頭を口に深く咥えこみ、激しく竿をシゴく。

グチッ♡ ズチュッ♡ グチュッ♡ っと激しくエロい水音が奏でられ、グランはチンポの先端が膨らんでゆくのを感じた。

 

(ううっ、エロ過ぎるっ! ナニが修業だこぉのどスケベ淫乱姫ドラフめっ! 幼馴染みの恋人がいるくせに人のチンポディルド勝手にオナニーに使いやがって、特濃浮気ザーメンで口から妊娠させてやるっ!!)

 

そして、

 

「イッ、くっ……!! おチンポイク゛っ!! うおっ!!!」

 

ドビュウッッッ!!!

 

「ブブゥッ!!?」

 

グランが溜めに溜めたザーメンを爆発させた瞬間。

ものすごい勢いでほとばしったこくまろチンポミルクは一瞬でアリーザの口内を満タンにして頬を破裂するくらいに膨らませ、行き場を失った分が鼻の穴から勢いよく吹き出した。

 

「ふブブッ……!? ブハッ! ゲホッ、ゲホッ! ゲホッ!」

 

予想を大きく越える勢いに、アリーザは思わずチンポを引き抜き、口やら鼻やらからカルキ臭い黄ばんだ白濁液をゲホゴホと吐き出した。

 

ビュルルルルルルッ! ブビュルルルルッ! ブピュブリュリュリュリュッ! ビュリュルルルルッ! ビュルッブビュルリュルルルルルルッ! ビュルルルルルッ!!

 

「おっ、お゛おっ!! 出るっ! まだ出るっ!!」

 

アリーザが手を離したせいで、制御を失った極太ホースから、壊れたみたいに特濃のぷりぷり精液が吹き散らされ、アリーザの髪、顔、胸、腹……と全身を白く染めてゆく。

 

アリーザは、部屋いっぱいに充満するスルメイカみたいなエッチな臭いに、頭がくらくらするような興奮を感じた。

 

(うわっ、うわっ……! ヤバい、コレヤバいよぉ……♡ あの疑似ザーメンローションなんんか比較になんないじゃん……♡ こんなのニオイで妊娠しちゃうよぉ……♡♡)

 

プシッ♡ プシッ♡ っと、アリーザの股から透明な本気汁が吹き出す。

グランに角を握られたまま、身体にかかるアツいチンポミルクを無意識に救いとっては、モグモグと咀嚼して飲み下してゆく。

 

濃くなりすぎてゲル状になった精液が喉に引っ掛かり、何度もえづきながら胃袋をザーメンでタプタプにしてゆく。

 

ビュブッビュルルゥ……ビュブゥゥ……ブビュッ…………ピュルッ……

 

「おおぅ…………ふぅぅ~……気持ちよ――――じゃない、ま、負けちゃったよ、アリーザ……!」

 

散々焦らされたぶん、大量に出しきって、だいぶ軽くなった金玉に満足しながらグランがそう言ってアリーザの角を離す。

 

あっ……と、アリーザが少し悲しそうな声を出したが、気づかないふりをした。

 

「ふぅ……ゴメンよ、アリーザ、またなんか白いオシッコが出てきちゃって……」

 

ギュッ!

 

「はうっ!?」

 

突然無言でチンポを握られ、グランは思わず腰を引く。

驚いて見下ろせば、精液まみれのアリーザが熱に浮かされたような顔で見上げてくる。

 

「いい、コレはね、毒なの」

 

「え? え?」

 

「男の子のタマタマの中にはね、この白くて臭い毒が入ってるの。炎鳴流おチンポ修業では、おチンポをイカせるコトでこの毒を吸い出すコトもできるのよ! その証拠に、団長はいまスッキリしてるでしょ?」

 

「……な、ナルホド……」

 

「アタシは修業してるから平気だけど、コレはアブないから絶対自分だけで出しちゃダメ。モチロン他の子とこの修業するのもダメだかんね。本当に危険だから。アブないから。アタシんトキだけね」

 

「あ……うん」

 

「今日はコレが出なくなるまでやるから。取り敢えず残ってるの吸い出すね」

 

アリーザはそこまでまくしたてると、グランがナニかを言うのを待たず、カポッ、と亀頭に吸い付いた。

 

チュウウウウウウウッッッ♡♡♡ ズルルッ♡ チュウウッ♡ ズゾッ♡

 

「ふぅぅぅっ!?」

 

尿道に残ったザーメンを吸い出される、なんとも言えない快感に震えるグラン。

アリーザはグランのチンポの根元に親指を押し付け、先端に向かって何度も何度も念入りにチンポをシゴき上げた。

一滴も残さずにすべての精液をすすり取ると、口に含んだそれを幸せそうにモグモグと味わい始める。

 

鼻の穴をすぴすぴと開き、片方の頬を膨らませては、もう反対に送り、クチュクチュと口中をすすぐようにする。

舌にまとわりつくザーメンを何度も口の中でかき混ぜ、更には上を向いてゴロゴロと精液でうがいを始めた。

 

よっぽどグランの精液が気に入ったのだろうか、すっかり夢中になったこの姫サマ、目の前で製造元さんが見ているのも忘れて思い付く限りの方法でくっさいミルクをテイスティングしてしまっている。

 

ドン引きである。

 

口の中で泡立つくらいにカクハンされたザーメンを勿体無さそうにチビチビと飲み込み初めた辺りで、やっと自分を呆然と見つめるグランに気づく。

 

無言で見つめあうヘンタイとヘンタイ。

 

アリーザの見せたあんまりにもあんまりな恥態に、グランの金玉は高速で再稼働し、ややヘタっていたリトルグランくんも再びビンビンにいきり勃っている。

 

グビッ、とザーメンを飲み込むアリーザ。

真顔でムグムグと口の中を舌でキレイにして、残った精子を全て嚥下したあと、やっと口を開く。

 

「けぷっ……中和……そう、中和してたの、毒を」

 

「……あ、そうなん――」

 

「いま大体三分だよね。あと七分、いくよ」

 

「――えっ!? いやいや、だってもう二三十分は――」

 

「過酷な修業だからね、団長がそう思っちゃうのも無理ないけど、まだショウミ三分……二分位しかたってないもん」

 

「もんって、いや、流石に――」

 

「じゃあ続きね、あむっ」

 

どこか据わった目のアリーザは、グランがナニか言いかけたのも聞かず勢いよくリトルグラン君に吸い付き、そして――――

 

ズチュッ♡ ズチュッ♡ ズチュッ♡ ズリュッ♡ グポッ♡

グリュッ♡ グリッ♡ グリッ♡ グリッ♡ グリュッ♡

ベロベロ♡ ガポガポ♡♡ ベロッベロッ♡ グポッグポッ♡♡

 

シコシコシコシコシコシコシコ――――――♡♡♡

 

「あっ、アリーザっ、あっ、あっ、ちょっ……! あっ、あっ、あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ、あ゛りっ、あ゛っ……!!!」

 

ドトウのノーハンド高速フェラだった。

 

もう上手いとか下手とか関係ない、たがの外れたような勢いのアリーザの本気フェラに、グランは一瞬で射精感が高まってゆく。

慌てたグランが再びアリーザの角を掴んでなんとか抑えようとするも、更に勢いを増したアリーザはスッポンのようにチンポに吸い付いて離さない。

 

金玉がキュンキュンとせり上がってくる。

早くも射精寸前だ。

 

(エッロ……なんだこのメスドラフ型チンポ吸い器……! ヤッバいっ……てっ……!!)

 

「あっ、アリーザっ! イッちゃう! またイッちゃうのぉっ!?」

 

へっぴり腰のグランがひどく情けない声を上げ、チンポがぐぐっと膨らんだ瞬間、アリーザは両手で素早くグランの極太チンポを掴むと、尿道の根元を力一杯に締め上げた。

 

「おおおおうっ!!?」

 

すんでのトコロで射精を止められ、全身をビクンビクンさせるグラン。

発射寸前の激流を突然せき止められ、急速充填されたザーメンの送り場所を失ったグランの金天の輝きが、はち切れんばかりにギュンギュンと音を立てて収縮する。

グランは一瞬気絶しかけつつ、この非チン道的な淫行に及んだアホドラフに一言抗議でもせねばと、生まれたての小鹿のようにプルプルしながら、若干涙目になりつつでアリーザを見下ろした。

 

「あ、アリーザっ……何で……」

 

アリーザはグポッ、とチンポを口から出し、シコシコとヨダレまみれのイライラ棒を優しくシゴキながらそんなグラン君を見上げる。

 

「ちゃんと雄おチンポイクって言わなきゃダメ」

 

「な、なんか……あうっ……なんかさっきと変わって……!」

 

「あれはね、そう、略式だったの。正式には、雄おチンポイキますって言うの。ちゃんと言って」

 

「えっ、えっと……」

 

「ほらっ、言うっ!」

 

真っ赤な顔でピンクに濁った瞳の中をぐるぐる回して、チンポをギュッっと握るアリーザのナゾの剣幕に逆らえず、慌てて復唱する。

どうもこのぱっぱら姫ドラフ、エロ本知識のせいで淫語フェチをこじらせてるようだった。

 

もちろん、大抵の性癖はカバーできるグランも興奮するにやぶさかでは無いので、素直に従う。

 

「おっ、雄おチンポイキますっ! イカせて下さいっ!!」

 

「よぉ~しっ! それちゃんとずっと言っててねっ! ずっとだかんね!」

 

アリーザは満足そうに鼻息を漏らしそう言うと、再びガポッとチンポを咥えこんだ。

 

「えっ、ずっとって……お、雄おチンポイキますっ! 雄おチンポイキますっ!!」

 

一瞬意味がわからなくてアリーザを見下ろすと、ジトッとした目で見上げられ、慌ててその頭悪すぎる台詞を連呼するとまた満足そうにグポグポと頭を動かし始めた。

 

「雄おチンポイキますっ! あっ、イイっ、雄おチンポイキますっ!! イキますっ!! あっ!!」

 

なんかよくわからんがアリーザ的にはコレでイイらしい。

ひどく頭の悪い光景である。

 

しかし、もう少し……と言うところで、またアリーザが頭を離し、顔を上げる。

 

「雄おチンポっ……!? あれ……あ、アリーザ、今度は――」

 

「角」

 

「――何っ、え?」

 

「角。掴んで」

 

「あっ、ハイ」

 

「イイ感じだから。その調子ね」

 

「ハイ」

 

ヨダレと精液でベトベトの顔でこの娘はナニを言っているんだろうか。

グランがおずおずと角を掴むと、アリーザはまたムフーっと満足そうに息を吐いた。

 

「うん……よし……あ、もうちょっと荒っぽくね。修業だから。もっとこう無理やり押さえつけてる感出して。道具みたいなつもりで。修業だから」

 

「ハイ」

 

「台詞忘れないでね」

 

「ハイ」

 

「強くね」

 

「ハイ」

 

指示のうるさいAV監督みたいなコトを言い出すアリーザに対し、もうイカせてくれるんならなんでもイイグランは全自動うなずきマシーンと化していた。

 

再三チンポを咥え直したアリーザは、グランに角を荒っぽく掴まれ、ちょうど深く咥え込むタイミングで股間に押し付けるようにグイグイ力を入れられて、なんともご満悦な表情でカポカポと頭を動かしている。

バレていないと思っているのか、いつの間にか片手が自分の股ぐらに持っていかれて、クチュクチュと水っぽい音を立てている。

 

グランが余りに素直に、何も疑わず自分の言いなりになってどスケベなコトをしてくれるので、この姫サマ、だいぶ調子に乗っているようである。

 

(……もうどうでもイイや。 シコいからよし)

 

「……雄おチンポイキますっ! おらっ! おらっ! 雄おチンポっ! イキますっ!! イクっ! おらっ!! 雄おチンポイキますっ!!」

 

何度も叫びながら、ギンギンに張りつめた剛直をアリーザの喉奥までねじ込んで、オナニーするみたいに射精感を高めてゆく。

 

掴んだ角を本当に取っ手のように使い、アリーザの小さな頭を腰に叩きつけるように前後させる。

黄ばんだザーメンで汚されたキレイな銀髪が、自分の股ぐらの濡れた陰毛に何度も叩きつけられている光景は、それだけで背筋がしびれるような興奮を覚える。

 

固いリングを何個も連続で通り抜けるコリコリした感触と同時に、アリーザの白く細い喉がグロテスクなチンポの形にボコッ! ボコッ! と膨らむ。

喉奥を無理やりえぐられているアリーザは、陶酔した様な顔にボロボロと涙を浮かべ、胃袋から込み上げた精液を口から鼻からだらだらと溢れさせて、猛然と股間の両手(いつの間にか増えた)を動かしている。

 

グリュリュリュリュルリュリュッ♡ ブリュルリュルルルルルッ♡

グリュリュリュリュルリュリュッ♡ ブリュルリュルルルルルッ♡

 

凶悪なサイズのチンポを全部使ったストロークを何度も繰り返す。

チンポに当たる歯の刺激や、喉奥の痙攣、咽頭反射の押し戻されるような脈動、全てがキモチよく快感が高まってゆく。

 

アリーザがガクガクと痙攣をはじめ、白目をむいてオシッコを漏らし始めた辺りで、とうとう射精感が限界に達した。

 

(イクっ! ロイヤル口まんこで全部飲み込めっ! このどスケベマゾドラフめっ! 特濃ザーメンで胃袋破裂させてやるっ! 俺の精液で溺れ死んじゃえっ!)

 

「うおっ……イクっ、雄おチンポイキますっ!! 出るっ!!!」

 

ビュルルルルルルルウルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ…………♡♡♡

 

アリーザの頭を腰に思い切り押さえ付け、ありったけの精液を胃袋に直接排泄する。

割りとやんごとなきお姫サマだったハズのアリーザの顔は、涙とヨダレと精液でべちゃべちゃになり、グランの固い下腹部に押し付けられた鼻はブタのように潰れて、陰毛の繁みからフゴフゴと必死に酸素を吸い込んでいる。

 

食道の奥まで挿入されたチンポホースから、じょぼじょぼと大量のザーメンを注ぎこまれ、アリーザのお腹がみるみる膨らんでゆく。

 

「ぅぶ……っ♡ ふぶぶ…………っ♡♡」

 

精液で窒息しそうなアリーザは、だんだん青白くなってゆく顔に抑えきれない喜色をにじませつつ、片方の手(恐るべきコトにまだ片手でオナニーしている)でパンパンと自分の角を握った腕をタップするが、あともうちょっとで全部出せる……! と身体を震わせているグランはいっさい取り合わない。

 

それからしばらく。

 

(ういぃ~~~…………出した出した……もー出ねぇわ。スッキリ! こんな感じのトイレ俺の部屋にもいっこ欲しいなぁ……)

 

ようやく射精が終わって、極めて最低なコトを考えながらブルッ、と一度身震いしたグランは、ようやくアリーザの角から手を離した。

 

支えを失ったアリーザの身体が力なくズルリと崩れ落ち、その喉から萎れてなお巨大なチンポが、ズルルルルルル……と引き出され、亀頭がズポッと吐き出されると同時にベチャリと顔面からシーツに倒れこんだ。

 

(これ最近見た)

 

低い身長の割にはぷりんっと大きい桃尻が後ろに高く突きだされたその姿を見て、グランはちょっとデジャヴを感じた。

が、流石に今回は後ろに回り込んでぶちこむワケにもいかない。

 

溜め込んでいたモノをようやく吐き出せた満足感でいつになく広い心の持ち主となったグラン君は、取り敢えずヒューヒューとちょっとヤバめな呼吸をしているアリーザを介抱してやることにした。

 

いくらリヴァイブできるからって、大事な息子に前科をつける気は流石にないグラン君である。

あとアリーザもこんな死に方はダメだと思うヒトとして。

 

「いやー、さっすがアリーザ、あっという間に二回も降さイッタァーッッッッ!!?」

 

とんでもなく白々しい台詞をニヤニヤとした顔で投げ掛けようとしたグランは、うつ伏せのまま突如として足をグッ! と伸ばしたアリーザに尖った角を突き刺され、太ももを押さえて飛び上がった。

 

「イってぇーっ!? な、ナニ? なんなの?」

 

「……ぜぇ……ぜぇ……まあまあ頑張ったじゃんだんちょー……ちょぉーっと調子乗りすぎ…………げほっ……お腹苦しい……」

 

ぐちゃぐちゃのシーツに沈みこんだままぐるりと仰向けになったアリーザは、少しふてくされたようにそれだけ言うと、まだいくらか青白い顔で大きな胸とお腹を苦しそうに上下させた。

 

大量の精液でぽてっと膨らんだお腹は、青白い血管がうっすらと浮かび上がり、おへそがグニャリと歪んでいる。

汗で濡れた髪を額に張り付け、グシャグシャなシーツの上に手足を投げ出してハアハアと呼吸を落ち着かせながら、時折けぷっ……とカルキ臭いげっぷをしている全裸のアリーザは、普段の格闘技バカっぷりからは想像できないようなイヤらしさだった。

 

(…………俺、10発はイけちゃいそう)

 

将来ロクなおじさんに成れそうもないコトを考えるグラン君。

股間でぶらぶらと揺れながらクールダウンしていた砲身に次弾がゆっくりと装填されてゆく。

 

中に出すまで絶対に諦めないという鋼の意思を感じる。

 

グランが己のチンポに従い、ココからいかに本番行為に持ってゆくか考えていると同時に、アリーザもまた全く同じ事を考えていた。

 

(うぷっ…………スッゴかった……角ってひょっとしてこのためにあるのかも……めっちゃくちゃキモチ良かったぁ~……。口でこれなら、アソコに入れたらどうなっちゃうんだろう……アタシ大丈夫かな? 流石にグランも怪しむかもしれないし……でも、このチャンスにセックス……初エッチはしておきたいし……!)

 

なんだかこちらもぐるぐるとロクでもないコトを考えてはいるが、グラン君相手なら『パコろっ!』の一言で万事解決である。

ヤリに行ける騎空士、それがグラン君なのだ。

 

「……じゃあ、十分休憩したし、次はあたしの番……の、前に」

 

ようやく考えがまとまったのか、アリーザがグランの方に向かって手を伸ばす。

 

「お風呂いきましょ……ベタベタしてキモチ悪いし、それに……」

 

「……それに?」

 

「………………吐きそう」

 

いつの間にか顔色を青くしていたアリーザに驚いたグランは、ぐったりしたアリーザを抱えて大慌てで浴室に連れて行くのだった。

 

 

 

 



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アリーザ、もだえる。

 

 

 

便器に顔を突っ込んでゲーゲーやっていたアリーザが、ようやくやつれた顔を上げる。

生臭いザーメンを吐き出し続けるアリーザの背中をずっとさすり続けていたグランが、気遣わしげに声をかける。

 

「大丈夫? アリーザ。ザー……毒、やっぱり飲み過ぎたんじゃ……」

 

「……げほっ、ふぅ……ダイジョーブ、スッキリしたよ。あたしもちょっとだけ修業不足だったみたい。もうヘーキ」

 

そう言って、ちょっと残念そうにしながら水洗のレバーを下げるアリーザ。

せっかくたくさん出して貰ったのに、毒と言ってしまった手前、捨てないというわけにもいかない。

 

ゴボッ! ゴボッ! と激しくつっかえながら排水口に吸い込まれてゆくグランの精子たちを見て、アリーザは申し訳ないキモチで一杯だった。

排水タンク内に大量のゴミザーメンを流されるフロンティア号もイイ迷惑である。

 

ようやくスックと立ち上がったアリーザは、グランに振り返ると、やや赤い顔でグランの手を掴んで言った。

 

「じゃあ今度こそシャワーね。一緒に入るよっ」

 

「は、ハイっ」

 

ギクシャクしながらグランを空っぽの浴槽に押し込んだアリーザは、ごく自然に隣に滑り込むと、シャワーの蛇口をひねって温度の調節を始めた。

 

ふと、自分がいま『初めて恋人を自分ちのお風呂に連れ込んだ状況』という憧れのシチュエーションにあると気づくアリーザ。

更に『その恋人がとびっきりの箱入りでエロ知識が全く無かった』、『しかもそのコは若くして最強の騎空団の団長で、全空の異性から好意を持たれている』という、ジュブナイル小説家も恥ずかしくってボツにするような奇跡の合わせ技だ。

 

(……改めて考えると鼻血吹きそう)

 

思い返して真っ赤に上気する身体をごまかすように、アツめのシャワーを全身に浴びてこびりついた汚れを落としてゆく。

 

グランもグランで、初めての恋人シャワーに興奮して、自分の胸の中でもくもくとシャワーを浴びるアリーザをただぼうっと見つめていた。

 

すると、髪についている精液がなかなか落ちないのか、シャンプーに伸びたアリーザの手がぴたっ、と止まった。

 

「…………団長、あ、洗って」

 

「えっ?」

 

震える声がシャワーに紛れてよく聞こえず、思わず聞き返すグラン。

 

「だから、髪、グランが洗ってっ! きょ、今日の修業はあたしが師匠なんだから、ちゃんと敬意を持って洗ってねっ!」

 

そう言って、背中を向けたままのアリーザにシャンプーのボトルを押し付けられ、グランは慌てて薬液を手の平に取る。

 

「……そんなんじゃゼンゼン足りないよ」

 

「えっ? け、けっこう多目に取ったんだけど」

 

「もうっ、髪の長さがゼンゼン違うでしょ! 女の子はタイヘンなんだからねっ……♪」

 

そう言いながら、グランに両手を出させて、大量のシャンプーをドプドプと注ぐ。

 

「えっ……こんなに……ど、どうすれば」

 

「髪全体によく馴染ませて。優しくね、ゴシゴシなんてしたらダメだかんね! 髪、痛みやすいんだから」

 

自分の後ろで、冷たい薬液をおっかなびっくり髪に垂らしてゆっくりと馴染ませてゆく大きな団長を正面の鏡越しにこっそり盗み見て、アリーザは殺意が湧くほどに初々しい一連のイチャイチャに絶叫しながら暴れまわりたい衝動に駆られた。

 

(うっわーーーーーーっ!! うっわーーーーーーーーーーーーっ!!! 今のスッゴい恋人みたいだったよねっ!? ムズムズするっ!! なんかスッゴいムズムズしたっ!!?)

 

散々どスケベなコトをしておいて、今更こんなコトで大興奮する元公女アリーザ(17)。

彼女もたいがいズレている。

 

頭にかけるのなんて全部シャンプーだろとしか思わなかったグランは、アリーザがトリートメントだかコンディショナーだか言って指示するのに四苦八苦しながら、実に三十分以上かけて髪のケアをさせられていた。

女の子の可愛さの裏にあった努力に多少は感心しつつ、鏡に写った上気したアリーザが目をつぶって色々と指示を出しながら、時折キモチ良さそうに笑ったり、うでの間で大きなおっぱいがぐにゃんぐにゃんと形が変わるのを眺めたりで、そのやたら無防備な可愛い仕草にちんちんのイライラが最高潮に達していた。

 

表面上は穏やかな顔をして「こう?」「痛くない?」等とのたまいつつ、もう全部ぶち壊して後ろからチンポぶち込んでやろうかという思いと必死に戦っていた。

 

(拷問だ……こんなん拷問だろっ…………!)

 

もうココまで来たら突然ぶち込んだトコロでたいして問題ないような気もしたが、ココまでアリーザの苦しい嘘に乗ってきたからには、このとんでもメスドラフが一体どんな理由をつけてセックスに持っていくのか、ただそれを見てみたい一心である。

グランはエロのためならばどんな我慢もできる男だった。

 

それだけに、次のアリーザの言葉はグランに取ってかなり苦しいモノだった。

 

「……ふぅ、まあ髪はこんなモンね。次はあたしの身体を洗います……す、スポンジとか使っちゃダメだから。ちゃんとグランの手で、マゴコロ込めてスミズミまで洗ってねっ!」

 

依然背中を向けたままだが、正面の鏡でニヤついた顔がモロバレである。

グランは内心血涙を流しながら、大量のボディーソープをアリーザの肩からぶっかけ、両手をその柔肌に這わせていった。

 

「んっ……あっ……♡ だんちょ……くすぐったいよっ……♡ あっ……♡」

 

グラン君、もうやけくそである。

もっちり張りのあるアリーザの肌は最高にキモチイイし、両手の中でグネグネと形を変えるドラフっぱいは確かにいつまでも揉みしだいていたい最高級品ではあるが、今のグラン君はとにかくおちんちんが破裂しそうなのだ。

 

背中からすっぽりと抱え込むようにアリーザの小さい身体をなで回し、おっぱいを根元から搾るように揉みしだき、乳首をコネコネとこねる。

そして、どさくさ紛れにアリーザの背中にチンポをズリズリとコスりつけた。

 

「アひッ……だんちょー、いいカンジだよっ♡ ……そうそう、全身を使って……シショーに敬意を込めて、抱きしめるカンジで……♡ そう、そんなカンジぃ……おっぱいだけじゃなくて、もっと下もぉ……♡」

 

グランが張りつめた裏筋を背中にコスりつけると、アリーザもそれにあわせてくねくねと身体をくねらせて甘い声を上げる。

 

イケる! と思ったグランは、

 

「アリーザ……俺もなんかキモチよくなっちゃって……アリーザの背中にコスれて、チンポからまた毒が出ちゃいそうなんだ……!」

 

と、いかにも戸惑ったような声を出した。

 

「えっ? ……もうっ、仕方ないなぁ……イイよっ。でも髪にはかけないでねっ」

 

アリーザはちょっと怒ったような声でそう言っているが、自分の身体でグランが興奮してくれる堪えきれない嬉しさで、顔がトロけてしまっているのが鏡で丸見えである。

 

グランはそんなどスケベドラフのピンピンに勃起した乳首をつまみ上げ、もう片方の手ですべすべのお腹、その子宮の上の青アザ辺りを撫でさすりながら、ビキビキに膨らんだチンポをアリーザのぬるぬるの背中に擦りつけた。

 

「あっ……イクっ! アリーザっ、出るっ!!」

 

ビュクッ……ビュクッ……ドクッ……ビュルルッ……ビュクッ……!!

 

後のコトも考えて抑え目にした射精だったが、それでもアリーザの背中にはかなりの量のザーメンが吐き出されてベッタリと白く染め上げてゆく。

 

「んっ……く……アツい……♡」

 

アリーザは、背中に感じるアツさと、お腹の青アザから感じる鈍い痛み、石鹸の匂いに混ざっても鼻をツンとさすザーメンの生臭さに、思わず弛みそうになる頬を必死に抑えた。

 

(ほかの団員も乗ってる船のお風呂場でこんな……エッチ過ぎるよぉ……♡)

 

グランのマジカルチンポミルクの匂いで順調に脳ミソがトロけつつあるアリーザを尻目に、多少なりとも猛りが静まって落ち着いたグランは、アリーザの背中に排泄したザーメンとボディーソープを混ぜ合わせて、アリーザの全身にせっせと塗り込んでゆく。

 

(一度はやってみたかったんだよなぁコレ)

 

アリーザがプルプルと震えているのをいいことに、首、肩から脇の下、腕、胸、脇腹にお腹と下がってゆく。

そして今度は狭い浴槽の中でなんとかしゃがみこんで、足の先へ。

 

「アリーザ、足上げて」

 

「う、うん……♡」

 

両足の指の間から足裏まで丹念に泡立ったザーメンソープを塗り伸ばし、足首、ふくらはぎ、膝裏とどんどん上に上がってゆく。

鍛えられてむっちりとボリューミーな太ももをを丹念に揉みしだくと、アリーザが一際甘い声を上げる。

 

「ふぅぅっ、あっ……はぁ♡ そ、そこ、しっかりねっ♡ だっ、大事な脚ぃ……も、もっと、もっとっ♡」

 

「はーいっ♪」

 

長く厳しい鍛練によって太く引き締まった炎鳴流の大事な脚に、グランのきったないザーメンが泡立てた石鹸と一緒にたっぷりと塗り込められてゆく。

アリーザはその冒涜的な所業に、ゾクゾクとした快感でうち震えた。

 

(あたしの大事な脚に、グランの精子が染み込んでく……こんなのゼッタイダメなのに……おじーちゃんに殺されちゃうよ……♡ 身体中が団長専用にされちゃってるよぉ……♡)

 

太ももに十分満足したグランは、すっかり出来上がったアリーザを焦らすように脚の付け根を丹念に揉みほぐし、下腹部の薄く繁る陰毛あたり、恥丘すれすれまでグイグイとマッサージしてゆく。

 

「あっ……♡ あっ、そこっ……♡ はぁ、はぁ……」

 

もどかしそうに身体をくねらすアリーザを鏡で堪能した後、グランは両手をアリーザの尻タブに沈め、グニグニと揉みしだいた。

 

「くひゃぁっ!?」

 

次こそおマンコに……と身構えていたアリーザが、驚きの声を上げる。

 

女性らしくもっちりとしつつも、同じドラフのラムレッダと違いしっかりと引き締まった筋肉を感じるお尻は、グランの両手に感動的な感触を返してくる。

 

(おおっ、コレはなかなかっ……!)

 

グイッと尻タブを割り開けば、淡い桜色のキレイなすぼまりがクパッ、クパッとひくついている。

 

(おっほっ♪ ……ん?)

 

真っ赤な顔でバタバタと暴れてお尻を必死に隠そうとするアリーザを強引に力でねじ伏せつつ芸術的なアナルを至近距離で観察していると、グランはある違和感に気づいた。

 

「ちょっと腫れてる?」

 

ぴたっ、とアリーザが動きを止める。

 

アリーザの子供のようにキレイなケツ穴は、僅かに充血して盛り上がり、よく見れば端の方に赤い切り傷のようなモノが見えるのだ。

 

口をアワアワと開け閉めするアリーザを鏡越しに見て、グランはハッと気づいてしまった。

 

(えっ…………あ、アリーザって、アナニストだったのかっ!?)

 

ズガーン! と雷に打たれたような衝撃がグラン君を駆け巡った。

 

(モノホンのお姫様で、格闘ムスメで、幼なじみNTR属性で、アホの娘でどスケベメスドラフでソフトMでしかもアナニスト?? 属性盛りすぎだろうがっ! もっとチンポに優しくしてぇっ!(?))

 

心底から意味不明な歓喜の叫びを上げつつ、鼻息荒く太くゴツい指にヒールをまとわせ、ヌプヌプとケツメドに抜き差しする。

 

「あっ!? ちょっ、だんちょっ、ソコはっ!?」

 

「アリーザ、ココもちゃんとキレイにしないとっ! 今日は弟子としてスミズミまでご奉仕するからねっ! 団長にまっかせてー!」

 

調子に乗りすぎである。

アリーザも隅々まで丹念になぞと言ってしまったせいで反論もできず、シェロの特製ディルドでもってアナル拡張とアナニーに夢中になって励んでしまったコトを心底後悔していた。

 

流石に前のハジメテを道具で破ってしまうのがなんだかもったいなくて、エロ本に乗っていたお尻イジリに挑戦してしまった挑戦心豊かすぎる過去の自分を蹴り飛ばしたい気分だ。

キレイに、等と言ってはいるが、グランがこっそりとお尻の傷をヒールで治しているのがじんわりとくすぐったいような快感と共に感じ取れた。

 

(ぜ、ゼッタイ痔だって思ってるよぉ……!)

 

優しいグランのコトだ、きっと自分を傷つけないように痔と直接言わずに治そうとしてくれたんだろうが、バレバレの気づかいがかえって恥ずかしい。

 

(ちがうのぉ……それは昨日調子に乗って一分の1まで挑戦した時に切れちゃって、傷薬だけじゃ治しきれなかっただけなのっ……!)

 

グランにズバリ理由を的中されているとはつゆも知らず、アリーザは羞恥心に悶える。

 

(おおっ、スゲェ……コレってスッゴい開発されてるんじゃ!? オイオイオイオイコイツ、ウブなネンネな顔しやがって、毎晩ケツ穴イジりですかどスケベ姫ドラフありがとうございますっ!!)

 

しばらくアリーザのケツ穴をコネ回して、中の腸壁にまでしっかりザーメンソープを塗り込めようやく満足したグランは、ヌプっと指を引き抜いてホカホカと湯気を立てる指を洗い流した。

 

そしてプスプスと頭から湯気を出しているアリーザにニッコリと笑いかけた。

 

「ハイっ、キレイになったよ♪」

 

「………………あぅ……」

 

「さて……あと残るはココだけなんだけど……」

 

そう言って、アリーザのおまんこをすっぽりとおおうように上から武骨な手を当てる。

中指はぷっくりした割れ目に沈み込み、指の付け根がピンと張りつめた肉芽を優しく押し潰す。

女の子の大事な部分を大きな手の中に包まれ、ナゼか跳ね上がる鼓動にどぎまぎしながらアリーザが鏡の中のグランを見つめると、グランは困ったような顔で眉を八の字に歪めていた。

 

「その……男のココがおちんちんって言うのは知ってるんだけど、女の子のココの呼び方を知らなくて……アリーザ、教えてくれる?」

 

そう言って、アソコ全体を押すように、手にギュッ、ギュッと力を込めるグラン。

急所を握られ、ひどく雑に性感帯を刺激されて、アリーザ身体がビクビクと震えるのを抑えられなかった。

 

(そ、そっか……そうだよね、それも知らないんだよね……っ)

 

アリーザは羞恥心をこらえつつ、グランに自分の身体を使って性教育をするのに興奮しながら口を開く。

 

「そ、ソコは……お、おまんこ……おまんこって言うの」

 

「え? もう一回言って貰っていい?」

 

「お、おまんこ! ちゃんと一回で覚えて!」

 

「うん、ココがおまんこね……♪」

 

鏡に腰をつきだして真っ赤な顔でイヤらしい言葉を口にするアリーザに興奮しつつ、更に質問を重ねてゆく。

 

「じゃあ、アリーザ、この尖っているトコロは?」

 

「……くり、クリトリス……」

 

「じゃあ、このぷにぷにしたトコロは?」

 

「だいいんしん……」

 

「じゃあコレは?」

 

「んくっ……しょーいんしん……ちょっと、だんちょー、遊ばないでよっ」

 

一ヶ所ずつ丹念に指でザーメンソープを塗り込みつつ、くぱぁと鏡に向かっておまんこを大きく開き、淡いピンクのヒダヒダを指先でグニグニしだしたグランに怒ったような声を上げるアリーザ。

 

グランはいかにもわざとらしく「ゴメンゴメン、なんだか珍しくて……男とはゼンゼン違うんだね」等と単に好奇心でそうしてる風を装い、アリーザの秘部をイジリ倒す。

 

すると当然、

 

「アリーザ、アリーザのおまんこから透明な汁が溢れてきてなかなかキレイに出来ないんだけど……?」

 

アリーザの膣口から、透き通った準備汁がだらだらと止めどなく溢れてくる。

指の間に出来たアーチを鏡越しに見せつけると、

 

「…………っ、そ、それはおちんちんから出てくる準備汁とおなじようなモノで、えっと……とにかくそういうモノなのっ! あたしの身体も次なる修業に向けて準備してるのっ!」

 

真っ赤な顔でそう言い放つと、シャワーの蛇口をひねってお湯を出し、身体中の泡とザーメンを洗い流してゆくアリーザ。

 

グランはいよいよ支離滅裂な説明に吹き出しそうになりながら、アリーザからシャワーを奪い取って身体を洗い流してやった。

 

 

 

 

「さあっ、いよいよ最後だよっ、最後!」

 

一目で分かる空元気で大声を出しながら、アリーザとグランはベッドに戻ってきた。

流石にグッチャグチャにままでは身体を洗った意味がないので、シーツとマットレスはグランがミスラの力を再現した時魔法で時間を巻き戻し、元のキレイな状態に整え直してある。

もちろん、アリーザの女の子な匂いも元通りだ。

 

ベッドの上で、互いに正座で向き合う二人。

もちろん全裸だ。

 

アリーザがおもむろに口を開き、もったいぶった口調で言う。

 

「団長……いや、グラン。今日は初めての修業なのに、よくついてこられたね。あたしもびっくりだよ」

 

「はいっ、ありがとうございますっ!」

 

まだコレを押し通すコトにびっくりである。

 

「そんなグランには、いやグランだからこそっ! …………最後は応用編に挑戦してもらいます」

 

「応用編……ゴクリ」

 

ゴクリじゃないが。

もうグランのチンポはバッキバキのバッキンガム宮殿である。

 

っていうかもうセッ◯スだろ。

どう考えてもセ◯クスじゃん。

 

「今までは交互にそれぞれの弱点を痛め付けて鍛えてきたけど……この修業では、同時にお互いの弱点を攻撃しあうんだ…………!」

 

「ど、同時に……!」

 

「その危険な修業、炎鳴流の秘奥の秘! その名も――――」

 

 

 

 

 

 

 

「セックスだよっ!」

 

 

 

 

 

 

 

セックスじゃねーか!

 

「せ、セックス……そんな修業方法がっ……!」

 

しかしこのグラン君、ノリノリである。

アリーザが赤い顔でとんでもない単語を堂々と言い放つのを聞き、思わず前屈みになりながら復唱する。

 

「いいっ!? この修業方法は一子相伝の炎鳴流に伝わる由緒正しき修業方法なの。ゼッタイに他人に口外しないコトっ! セックスはホンッッットーに危険な修業なんだからねっ! あたし以外のヒトとはゼッタイにやらないって約束してね?」

 

「はいっ! ダレにも言いませんししません!」

 

グランはアリーザの目を真っ直ぐに見つめて言いきった。

すがすがしいほどのクズだ。

 

「よろしいっ。……セックスの説明をすると、その、グランのおちんちんを……」

 

アリーザはグランの股間からそそりたつ天性器を指差し、

 

「あたしのお、おまんこに何度も出し入れする修業ねっ」

 

続けて自分の下腹部を遠慮がちに指差した。

ちょっと目線を外しつつ太ももをモジモジさせている。

 

「ナルホドッ! じゃあ……っ!」

 

「まま、待って待ってってっ! 危険な修業って言ったでしょ!? その……あ、あたしも実際にやるのはハジメテだし……」

 

グランが我慢できずにグイッと身を乗り出すと、アリーザは慌てて腕を前に出してそれを押し留め、真っ赤な顔でしどろもどろにそう言った。

 

お姫サマ、この状況で処女カミングアウトである。

 

(おおっ、わかっちゃいたケド、実際に目の前で言われるとなんか……感動する。シコい)

 

「それに、セックスには準備が必要なの。その、せーえ……毒がおまんこに入ると、こう……お腹が腫れちゃうの。じゃ、弱点だからね、その……とにかくキケンなんだっ!」

 

そう言いながら、サイドテーブルの引き出しをガサガサと漁り出す。

 

(た、確か前に勢いで買っちゃったヤツがコノへんに……あった!)

 

グランが不思議そうにそれを眺めていると、振り返ったアリーザが手に持った小さな箱を見せてくる。

 

「そこで……コレよっ! セックス修業のトキ、毒がおまんこに入らないようにするおちんちん用の装備っ! ええと……超極薄スライムせいドームがたかばー……ひにんよぅ……こ、コンドームってヤツねっ!」

 

「そ、そんなモノがアルノカー」

 

グランとしてはもう、なんで秘伝の修業方なのにそんな専用の製品があるのかとか、ちょっと古そうなのに封を切った様子も無さそうとか、サラッとエルーン・Lサイズとか書いてあるとか色ツッコミたいコトはあったが、上気した顔で意気揚々とコンドーム! とか言っちゃうアリーザがアホシコくてとにかく突っ込みたかった。

切に。

 

「待ってね、今……あれっ? えっと……」

 

「あ、ソコ、真ん中んとこのシール剥がして……」

 

「あ、ホントだ……し、知ってるよっ!?」

 

慣れない手つきでちょっと箱を歪めながら小分けされたスライムを一枚取り出すと、端の方をピリピリと裂いてコンドームを取り出した。

 

「おぉ……な、なんかエッチだ……じゃなくてっ! さ、早速おちんちんに装備させるよっ! せ、説明書…………うらおもて……こ、こうか……」

 

激しくテンパった様子のアリーザは、もう顔どころか身体中を赤く染めて、はあはあと息も荒くコンドームをグランの亀頭に被せようとしてくる。

 

「うわぁ、エッロ……ってか、それサイズ……イテっ!? イテテ、ちょ、アリーザ!?」

 

しかし、しょせんは妄想力だけの処女。

コンドームに適正サイズと言うものがあるなんて分からず、どう考えたってグランの巨根に対応できようハズもないエルーンサイズのコンドームを必死に亀頭に被せようとして、ガリガリと爪で引っ掻いてしまっている。

 

「ちょ、ちょっと、動かないで……おっかしぃな……説明書だと……あ」

 

結局、無理やり引っ張られたコンドームは被さる前にビリっと裂けてしまった。

それを呆然と見つめるアリーザ。

 

「……あの、アリーザ多分それ、サイズあってないみたい」

 

グランがおずおずと声を掛けると、アリーザはようやく箱に書かれたエルーン・Lサイズの文字に気づいた。

 

(……え? エルって一番大きいんじゃないの!? エルーン用ってちっちゃい? 確かにちらっと見えたスタンは小指くらいだったけど……どうどうしよう、コレじゃセックスできないよ……っ!?)

 

プルプルと無言で震えていたアリーザが、無言でコンドームの箱をクズ箱に放り投げる。

 

「……うん、まあ、ちょっとしたミスね。次はちゃんと用意するよ。今日のトコロは、あー……」

 

アリーザがボソボソと言うのを聞いたグランは、まさかのお預けムードに慌てて何か言おうとしたが、それより早くアリーザがスゴいコトを口走った。

 

「まあでも、おまんこセックスはムリでも……セックスは別のトコロでもできるよっ! ……ぐ、グランはちょっと……ちょっとだけ待ってて、すぐ戻って来るからっ!」

 

アリーザは呆けるグランにそれだけ言い放つと、ベッドから飛び降りて再びお風呂場に飛び込んだ。

 

脱衣所の棚の奥から、一本のクリスタルボトルを引っ張り出す。

ラベルには、『リアル精液ローション』の文字と、セクシーな男の子のイラスト。

アリーザはちょっとだけもったいなく思いつつも、流石にそのまま持っていくワケにもいかないので、そのラベルをビリビリと剥がしてしまった。

 

そして浴室に入り、ユニットバスの便器の蓋を開けると、おもむろにシャワーのホースを引っ付かんでイソイソとシャワーヘッドを取り外し始めた。

 

 

 

 

 

 



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アリーザ、思い切る。

 

 

アリーザの甘い匂いの染み付いたベッドの上に一人残されたグランは、ソワソワと落ち着かない気分でアリーザの準備とやらを待っていた。

 

おまんこ以外でもセックスはできる。

そのための準備。

お風呂場。

 

(完全にアレっすわ)

 

「まっ、待たせちゃったねっ!!」

 

若干上ずった調子のアリーザの声に勢いよく顔を向ける。

 

ソコには、真っ赤な顔で身体中にしっとりと汗をかいたアリーザが立っている。

手には、白っぽい液体の入った謎の瓶。

 

そのままギクシャクとベッドの上まで上がってきたアリーザは、正座のグランの目の前で仁王立ちになった。

 

そしておもむろに後ろを向くと、自分で尻タブをグイッと割り開いて、ピクピクとヒクつく淡い色の菊門をグランに見せつける。

 

「今日は、コンドームがないから……おまんこの代わりにこっちのおしり……炎鳴流ではアナルって言うんだけど、こっちでセックスするよっ! アナルセックスねっ!」

 

グランは鼻血を吹きそうになった。

 

(予想はしてたけど……っ!! このどスケベメスドラフ、どんだけセックスしたいんだよっ!? 処女のクセに毎日アナルほじくって、初セックスも後ろからって! エロ過ぎるだろっ!!)

 

全身の血液が海綿体に殺到し、グランの巨根をいっそう凶悪にビキビキと膨張させる。

グランは貧血で一瞬クラっとしながら、やっとの思いで口を開く。

 

「お、おしりでもできるんだね……」

 

「だ、ダイジョウブッ、今ちゃんと中までキレイにしてきたからっ! アナルなら毒を中に出しちゃっても平気だから、いくらでもセックス出来るよっ! 出し放題だよっ!!」

 

コイツはナニ言ってるかわかっているのだろうか?

アリーザはアリーザで、さんざん焦らされて身体中にザーメンを浴び、脳髄までグランのフェロモンに犯されて頭がゴキゲンになってしまったようだった。

 

「ホントに大丈夫だからっ! 炎鳴流ならフツーだからっ!」

 

「ナルホド……お尻をおまんことして使うんだね。ケツをまんこに……つまりケツまんこってコトかな?」

 

「そうよっ、よく分かったねっ!」

 

「じゃ、じゃあ、アリーザが修業の途中でビクッとなったトキは、『ケツまんこイク』って言うワケだ」

 

「そそ、その通りだよっ!」

 

やめーや。

 

アリーザは真っ赤な顔でグランに向き直ると、グランに向かって持っていた瓶を突き出した。

 

「そのっ、おし、アナルセックスではこのローションをつかうのっ! おまんこと違って我慢汁とかあんまりないから、切れないようにねっ! ぐ、グランのおちんちんはその、む、無駄におっきいから……こ、ココ! ココまでねっ! ココまでしか入れちゃダメだから!」

 

そう言って、蓋を開けた瓶から白濁したローションをドプドプとグランのチンポにぶちまけ、全体にぬるぬると塗り伸ばし、両手で輪っかを作ってず太い竿の真ん中辺りをギュウッと絞った。

 

(おおっ、お姫様ドラフにチンポにローション塗られてる……! アカン漏れそう……アリーザって天才なんじゃないかな)

 

「じゃあ、グランは横になって。仰向けね!」

 

素直にベッドに仰向けになるグラン。

黒光りするデカちんだけが、ローションでヌラヌラとテカりながら高く雄々しくそびえ立っている。

 

アリーザは、その上に慎重にまたがり、がに股になって自分のアナルにも臭いローションを塗りたくってゆく。

 

アリーザの白く細い指が、ヌプヌプとケツ穴を出入りする度、アリーザのキレイな肛門が指に吸い付いて盛り上がったり沈み込んだりする。

それにあわせて、はち切れんばかりに勃起したリトルグラン君もピクピクと揺れる。

 

十分に入り口をほぐしたアリーザは、グランのチンポの先端に両手をそえ、ゆっくりと腰を下ろした。

 

ピト……とグランの先端がアリーザのケツメドとキスをする。

 

ゴクリ……! と、どちらともなく、生唾を飲み込む。

 

「あのさ……グラン」

 

「え?」

 

アリーザが、うつむいたままボソボソと口を開く。

心なし、声が震えているようで、グランはこみ上げる射精感をいったんこらえて首をかしげる。

 

「……シェロさんとも、その、修業……型取りしたんだよね……?」

 

「えっ、あ、うん」

 

「そんときさ、て、手と口だけだった? シェロさんとセックスしてない?」

 

グランの目を見ないまま、震える声でそれを確認するアリーザ。

 

アリーザとしては、自分のハジメテを捧げる相手には同じくハジメテであって欲しかった。

シェロカルテからは手だけと聞いていたが、どうしても本人にちゃんと確認して置きたかったのだ。

 

もしもシェロの言ってたコトが嘘だったら……と、アリーザは胸がキュゥーッと苦しくなった。

 

(ああっ、自分よりちんまいハーヴィンのお姉さんに嫉妬しちゃうアリーザ……! 嫉妬可愛い! 自分はがっつり浮気してるクセにっ!)

 

「……いや、ホントに手と口だけだったよ。セックスはアリーザが初めて」

 

澄んだ目で、さらっと大ウソをかます最低男グラン。

いつか天罰が下ればいいのに。

 

それを聞いて、ガバッと顔を上げたアリーザは、パァッと花のような笑顔を浮かべ、目の端に涙を浮かべながらアハハっと笑った。

 

「そっ、そうだよねっ! ゴメン変なコト聞いてっ……じゃ、じゃあグランは童貞だねっ! え、炎鳴流では、このセックス修業をしたコトない男の子のコトを童貞っていうんだっ!」

 

イイ笑顔でまたもトンでもない台詞を口走るアリーザに、グランは思わず吹き出しそうになった。

 

「そ、そうだね、ど、童貞だ。ちなみに、アリーザもセックスは初めてなんだよね? 炎鳴流では、女の子のほうはなんて言うの?」

 

「え? え、ええっと……しょ、しょ……あ、あたしはイイのっ! それよりっ、さ、早速始めちゃうかんねっ!? ちゃんとアイサツしてっ!」

 

「あ、アイサツって――」

 

「お、俺の童貞チンポ、アリーザのケツまんこで筆下ろしセックスして下さいって言うのっ!」

 

目をギラギラさせ、口の端からヨダレを垂らしながらまたも淫語アイサツを要求するアリーザ。

アリーザはどこまでもアリーザだった。

 

グランのチンポを握る手には力がこもり、鈴口がズブブッ……とアナルにめり込んでもどかしい快感をグランに届けている。

アリーザの全身から熱気が吹き出てグランにの下腹部を撫で、アリーザの汗がパタパタと身体に落ちてきてくすぐったい。

 

「い、言えっ!!」

 

「俺の童貞チンポ、アリーザのケツまんこで筆下ろしセックスして下さいっ!!」

 

グランの大声のイヤらしいおねだりを聞いたアリーザは、背筋をゾクゾクと震わせながら、恍惚とした表情でゆっくりと腰を下ろした。

 

ムリムリムリッ……!

 

グランの巨大な亀頭が、アリーザの肛門周りの肉を巻き込みながらズプズプとアナルに沈み込んでゆく。

一度一分の1グラン君で試したとき以上に感じるその巨大さとアツさに、アリーザは歯をくいしばって更に腰を落とす。

 

一際大きな抵抗感のあと、

 

ずぽんっっっ♡

 

「おっ゛♡」

 

「ふぅっ……!」

 

グランの拳骨大の亀頭部分が、アリーザの柔軟なアナルにカリ首まですっぽりとハマり込んだ。

 

パンパンに膨らんだ亀頭だけでアリーザの直腸はいっぱいになってしまい、凄まじい異物感と圧迫感にアリーザは女の子らしからぬ太い悲鳴を上げた。

 

グランもまた、アリーザの火傷するほどにアツいケツ穴と、グネグネと必死に異物を押し出そうとする腸壁のうごめき、そしてカリ首がちぎれるんじゃないかというほどの力で締め付ける肛門括約筋のキツさに悶えていた。

 

(うおっ……!? メスドラフのケツ穴ヤバい……っ! 流石に鍛えてるだけあってスゲェ締め付けだぜ……!)

 

アリーザはガクガクと笑うヒザに手を当て必死に抑えながら、昨晩一度やったように腰をうねらせた。

ケツ穴に刺さったチンポをぐるぐると回すように腰を動かすと、一瞬の抵抗感の後、ボコボコっ! と二回ほど狭いトコロを通り抜ける凄まじい衝撃と共に、グランのおチンポが更に深いトコロまでめり込んだのを感じた。

 

「あ゛ぅっ……は、入っ、たあああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……♡♡♡」

 

「おおおおおお…………っ!!」

 

そこで安心したのがいけなかった。

難所を越えて気が抜けると同時に、アリーザの身体から力が抜け、重力にのままにお尻がズブズブと下に落ちていってしまう。

グランの巨大なチンポが、ローションのぬめりにも手伝われてアリーザの小さなお尻にみるみる飲み込まれてゆく。

 

ズプププププププププ……………ドチュンッ♡

 

「お゛う゛っ♡」

 

とうとう、アリーザのお尻がグランの下腹部に着地する。

 

アリーザは鍛えようもない身体の内部を、グランの大きく固くアツい肉棒で深くえぐられ、その全身から根こそぎ骨を抜き取られたような感覚に、後ろにぐったりと倒れ込みそうになった。

しかし、ケツ穴に突き刺さったグランの極太チンポが柱のように身体を支え、アリーザを倒れ込ませない。

 

結果お腹の前側をボコッと圧迫されて膣や子宮を腸壁ごしに押し潰されるコトになったアリーザは、その火花が散るような凄まじい快感と衝撃で、弾かれたように身体を起こして両手をグランのお腹についた。

 

全身から汗が吹き出ている。

凄まじい異物感だ。

遅れて、鋭い痛みがズキリと肛門に走るが、すぐにじんわりとした快感にとってかわった。

 

(半分のつもりだったのに……ぜ、全部入っちゃった……♡)

 

下をみれば、お腹の上、左の辺りがぽっこりと膨らみ、グランの形を浮き上がらせている。

 

(うわわ……こんなトコまできちゃってる……)

 

そこを片手で撫でると、鈍い痛みと共に確かな快感を感じた。

体内で、グランのチンポがビクビクと脈動しているのをはっきりと感じて、言い様のない満足感がある。

 

多少思っていたカタチとは違うが、自分はグランとセックスをしているんだというコトを実感し、ジワジワと喜びがこみ上げてきた。

 

「えへへ……ぜ、全部入っちゃった……♡ じゃ、じゃあ、動くからね……グランはそのまま、う、動かないでねっ!」

 

グランは、目の前で放心して、お゛っ♡ お゛っ♡ と悶えているアリーザを眺めてこみ上げる射精感を必死に抑えていた。

固いリングを通り抜け、柔らかくうごめくアツアツヌルヌルの腸壁にチンポ全体をマッサージされ、ハジメテの快感に身悶えする。

 

(おおう、キ、キモチよすぎるっ! ロイヤルケツまんこ、マジでキモチイイよぉ……!!)

 

ブチブチっ、というイヤな感触に慌ててヒールをかけつつ、前の穴とはちがったキツすぎる入り口の締め付けと、まったりとした奥の感触に腰がヘコヘコと浮き上がる。

 

アリーザがゆっくりと腰を持ち上げると、肛門がモリッと盛り上がり、グランの黒光りする太い竿がヌヌヌヌヌっと引き出される。

 

そして、口を引き結んだアリーザがまた腰を下ろしてゆくと、腸液とローションでヌラヌラとイヤらしくテカるチンポが再びケツまんこに飲み込まれてゆく。

 

ひどくイヤらしい光景だった。

 

アリーザは、全身からぽたぽたと汗を垂らしながら、がに股になったヒザに手を置き、徐々にテンポよく腰を上下させてゆく。

 

ズププププププププププッ♡ ブリュリュリュリュリュリュリュリュッ♡

グププププププププププッ♡ ブリュッリュリュリュリュリュリュリュッ♡

ズププププププププププッ♡ ブリュリュリュリュリュリュリュリュッ♡

 

グランはえもいわれぬ快感に身悶えし、アリーザはアナルで感じる未熟な快感以上に、お尻の穴でナニも知らないグランの童貞を奪ってしまった背徳感と、極太のチンポで腸壁ごしにゴリゴリと膣をけずられ、子宮をボコボコと押し潰される激しい快感に身体を震わせていた。

 

「はっ♡ はっ♡ はぁっ♡ んっ♡ はっ♡ はっ♡ あ゛っ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡ あ゛っ♡ はぁっ♡」

 

ズリュッ♡ ブリュッ♡ ズリュッ♡ ブリュッ♡ ズリュッ♡ ブリュッ♡

ズリュッ♡ ブリュッ♡ ズリュッ♡ ブリュッ♡ ズリュッ♡ ブリュッ♡

 

キモチ良いトコロを見つけたのか、アリーザは汗とヨダレをボタボタと垂らしながら十センチくらいの短いストロークで夢中になって何度も腰を上下している。

真っ赤に充血したケツまんこが、盛り上がるのと沈み込むのを何度も繰り返す。

 

「あっ、アリーザっ、出るっ! もうっ!」

 

「ぐっ、グランもイッちゃうのっ? 童貞チンポイッちゃうっ? あっ、あたしもっ!! あたしもいっしょにイクよっ♡ 合わせてっ! グランの童貞チンポとあたしのケツまんこ、同時にイクよっ♡♡♡」

 

もう脳内がピンク一色になっているアリーザは、濁った瞳にハートマークをいくつも浮かべてそう叫ぶと、更にお尻の動きをペースアップした。

 

とても他人には見せられない口をすぼめた真っ赤な間抜け面で、ケツ穴の浅いトコロを何度も往復し、カリ首で膣壁をゴリゴリと刺激し、子宮を亀頭で殴り付けるように腰を上下する。

 

「イクっ♡ イクっ♡ ケツまんこイグっ♡ ケツまんこイグっ♡ ケツまんこでイクグぅっ♡♡」

 

「あっ、アリーザっ! 俺もイクっ! 童貞チンポイクっ!!」

 

色んな体液を撒き散らしながら高まった二人は、むちゃくちゃどスケベなコトを一緒になって叫びながら、無事同時に絶頂を迎えた。

 

ブウッビュッ♡ ビュブブッ♡ ビュルルルウリュッ♡♡ ブビュルルッ♡ ビュブブッ♡ ビュブルリュリュリュリュルルルッ♡♡♡

 

プシュッ♡ プシップシュッ♡♡ プッシャーッ♡♡♡

 

「おお゛お゛お゛お゛お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ入ってぐるう゛っ…………アツぅ゛い………………っ♡」

 

「うおおおおおっ………し、死ぬっ……! 根こそぎ持ってかれるっ!」

 

アリーザは両手をお腹に当て、ビクビクと震えながら潮を吹き、再び腰を抜かしてしまって深くめり込んだチンポから大量のチンポミルクを注がれてうっとりとしている。

グランはビクンビクンと腰を跳ねさせながら、金たまの中身が空っぽになるような射精に頭が真っ白になっていた。

 

それから何分間にもわたる長い絶頂が終わり、アリーザはぐったりとグランの胸に倒れ込んだ。

二人の間で、アリーザの大きな胸と、ザーメンでまあるく膨らんだお腹が潰れ、チンポが刺さったままのアナルから、少量の精液がブピッと吹き出した。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

 

「はぁ……はぁ……アリーザ、凄かったよ……毒、全部出ちゃったみたい」

 

「ふへへっ……グランったら、出しすぎだよっ! もうお腹タプタプだ……あたしもイカされちゃったし、セックス修業は引き分けだね……♡」

 

アリーザはそう言って、照れ臭そうにはにかんだ。

一瞬、その顔に見惚れるグラン。

 

アリーザは、モジモジとしながら続けて口を開く。

 

「さっ、最後にさ……もう一回、呼吸方の修業、しよっ! コレはちゃんと最初と最後にしなきゃだかんねっ!」

 

そう言って、グランの顔を見つめて、首を伸ばすアリーザ。

グランも、最後にキスのおねだりをする乙女などスケベドラフが可愛くて、アリーザの腰を持ってキスできるように上へ引き寄せる。

 

しおれたチンポが、ズルズルと引き抜かれてゆく。

最後にカリ首を残し、腸液とザーメンまみれのリトルグラン君がほぼ全て外に出てきた辺りで、やっとアリーザの唇がグランに届くトコロまで近づいた。

 

しかし――――

 

「…………」

 

「……あれ、アリーザ?」

 

「………………と、トイレ……」

 

アリーザは唇を引き結び、プルプルと震えている。

額には玉の汗が浮かび、キモチ顔も青い。

アリーザのお腹の方から、ゴロゴロという雷鳴が聞こえてくる。

 

「え、なんて――」

 

「とっ、トイレにつれてって! も、漏れそうなのっ……!!」

 

 

 

 

 

 

チンポが刺さったまま、大慌てで浴室に駆け込んだグランは、便器の上でチンポのせんを引き抜いて、アリーザに全てぶちまけさせた。

グランにしーしースタイルでケツ穴大量射精させられる所を観察されたアリーザは、真っ赤な顔を両手で押さえて何度も絶頂していた。

 

ほとんどのザーメンをひりだして放心したアリーザのお腹をグイグイ圧して残った分も全て出しきらせたグランは、アリーザを浴槽に突っ込んでシャワーを浴びさせ、全身をキレイにしてタオルで水気を拭き取っていた。

 

魔法で温風を起こし長い髪を乾かし始めたあたりで、ようやくアリーザが落ち着きを取り戻したようだった。

 

「…………もうちょっと温度低くして。髪、いたんじゃうから」

 

「はいはい」

 

「団長、今日はちょっとナマイキ……」

 

「あれ、もうグランって呼んでくれないの?」

 

「あっ、あれは……修業のトキだけだよ……だんちょーは団長だもん。他の団員に示しがつかないし……」

 

「えー、残念。それじゃあまた次の修業が楽しみだなぁ♪」

 

タオルで身体を隠し、モジモジ毛先をいじりながらぶつぶつと呟くアリーザを見下ろして、グランはニヤニヤしそうになる頬を必死に抑えていた。

 

(いいなぁ、この感じ……ピロートークってヤツ? 初めてかもだけど、なんかすっげぇニヤつくなぁコレ。こんどククルあたりとやってみよ)

 

グランがそんなコトを考えてるとは知らずに、アリーザはチラチラとグランを盗み見ると、意を決したように見上げてきた。

 

「……グラン、さっきの続き。呼吸方の鍛練」

 

そう言って、つま先立ちになって目をつぶるアリーザ。

真っ白いタオルを一枚だけ羽織り、まだあどけない顔にハッとするほどの色気を漂わせるアリーザは、信じられないくらい魅力的で――――

 

(うわぁ、シコいなぁ)

 

……言い方はともかく、限りなく扇情的だった。

キス待ち顔のアリーザを見下ろして、わざとじっと観察してみる。

 

じっと動かず、グランが口づけるのを待っているアリーザ。

少しモジモジとしだすアリーザ。

プルプルと震え初め、顔がどんどん赤くなってゆくアリーザ。

すぼめた唇が、ピクピクと痙攣している。

 

(うーん、可愛い。一生見てられう゛っ!?)

 

顔を真っ赤にして怒ったアリーザの鋭いジャンプ頭突きがグランのアゴを撃ち抜いた。

 

「もうっ、聞こえなかったかなっ!? 呼吸法! 呼吸法の鍛練忘れちゃったの!? 口と口をくっつうむっ……」

 

目に涙を浮かべて怒るアリーザがあまりに可愛くて、グランは口をふさぐようにアリーザに覆い被さり、唇で口をふさいだ。

 

最初だけドンドンとグランの胸を叩いて抵抗したアリーザだったが、グランに頭を抱き込まれると、すぐに大人しくなって夢中で舌を絡めてきた。

 

アリーザの腕もグランの頭に巻き付き、息継ぎの度に「もっと」「もう一回」と何度もとろけるようなキスを繰り返す。

エロいコトをしまくったアリーザだったが、なんだかんだで結局キスが一番気に入ったらしかった。

 

ようやくグランが解放されたときには、最後の鍛練を初めてからかなりの時間がたっていた。

 

グランがコレで今日はおわりかぁ、と満足していると、額をコツンと付き合わせたアリーザが、文字通り目と鼻の先でグランにおずおずと問いかけてくる。

 

「だんちょーはさ……次の修業、ホントに楽しみ……?」

 

「? うん、楽しみだよ」

 

その真面目なトーンに、エロいコトにはことさらビンカンなグランのセンサーが反応して、グランもまた真面目な声色で返した。

 

「その……ね、今日はもう終わりだけどさ……せ、セックスの型だけ、一回だけ練習、してみる?」

 

( キ タ わ コ レ )

 

グランの頭の中で、激アツなリーチ音が鳴り響いた。

 

「……い、イイの?」

 

がっつきたいのを全力で抑えて、アリーザに確かめるグラン。

デキるオトコはがっつかないのだ。

 

「言っとくケド、本当に一回入れるだけ、さきっちょだけだかんねっ! その、こ、コンドームは無いけど、中に出さなきゃだいじょーぶだから……」

 

グランは内心で血の涙を流して歓喜した。

まさか女の子のほうから、先っちょだけだから、中には出さないからを繰り出してくるとは、この空のグランを持ってしても見抜けなんだ……!

 

グラン君の目は基本フシ穴である。

 

「やるっ! ヤリたいですっ!」

 

すでに冷静さも失っているグラン。

出来ないオトコだ。

 

「もうっ、そんなにがっつかないのっ! ……もいっかい、ベッドね」

 

そう言って、ぴったりとくっついてベッドの上に戻る二人。

 

アリーザは、大きな枕を引き寄せると、背中の後ろに差し込んで寝そべり、ゆっくりと脚を開いてM字開脚の姿勢になった。

グランは高まる鼓動にワクワクしながら、アリーザの足の間にヒザを差し込み、半勃ち状態のリトルグラン君を、アリーザのお腹の上にビタンと置いた。

 

そのアツさに、アリーザがビクリと身震いする。

 

「じゃ、じゃぁ……ホントに先っちょだけだからね! 一回入れたら終わりだから!」

 

「ワカッタ」

 

「そ、それと……た、タブンちょっとだけ血とか出るけど、気にしないでね。初めてだとそうなるものらしいから」

 

「ワカッタ」

 

「……聞いてる?」

 

「アリーザ、俺なんかにこんな特別な修業法を教えてくれてありがとう。本当に嬉しいよ」

 

「うっ……うん、ソレホドデモ」

 

突然真剣な顔で真っ直ぐに瞳を見つめてお礼を言ってくるグランに、アリーザは思わず目を反らした。

なんせ純粋なグランをだまくらかしてエッチなコトを教えているのは自分の方なのだ。

あまつさえ、自分の処女膜を破るためだけに、またグランの大切なチンポを使おうとしている。

 

何度もイカされたおかげでいくらかスッキリとしてきた頭に、ようやく罪悪感らしいものがにじみ出てきた。

 

「ゴホン……じゃあ、ココね。ココにグランのおちんちんを入れてみて。ゆっくりね」

 

かといって止まれるハズもなく。

アリーザは先っちょだけだからセーフ! と理解不能な言い訳を脳内で繰り返しながら、おまんこの肉を左右に割り開いてグランに差し出した。

 

小さな膣口から、トロリと透明な汁が垂れる。

 

「分かった、先っちょだけだね」

 

そう言いながら、あわよくば奥まで突っ込んで延長戦の上、逆転中出しホームランをキメる気まんまんのグラン君である。

いきり立ったチンポを握りしめ、亀頭にアリーザのねばついた本気汁を塗り込んで、アリーザのまだオトコを知らない姫まんこにグリグリと鈴口を擦り付ける。

 

「ふぅっ……ん……」

 

アリーザのくぐもった声に興奮しつつ、そのやたら小さい膣口に先端を押し付ける。

 

「じゃあ、行くね?」

 

そう言って、腰をゆっくりと前に押し出す。

縮尺を間違えてるとしか思えないような、到底入りそうもない巨大な亀頭だが、ちゃんと挿入出来るのはクムユやラムレッダで確認済みである。

 

まん肉を巻き込むように、ぷにぷにのドラフまんこにグランの先端が沈み込んでゆく。

 

そして、ナニか薄い抵抗をブチブチッ! と引きちぎると同時に、ズプンっ! とエグい亀頭がアリーザのチビまんこに飲み込まれた。

 

やった! と、甘い快感と満足感にグランがガッツポーズを決めた瞬間、

 

「イッっっっったぁーーーーーーイッっっ!!?」

 

「ぐっフッ!!?」

 

大声を上げたアリーザに胸板を、ドンッ! と蹴飛ばされ、チンポに感じるキモチよさに呆けていたグランは、なすすべもなくベッドの端まで吹っ飛ばされた。

 

「い、痛いっ! ウソっ、めっちゃイタイっ!?」

 

アリーザはと言うと、不幸にもそういう体質だったのか、裂けたアソコから大量に出血し、その想像を絶する痛みに太ももを固く閉じて身悶えしていた。

 

(ひいいぃっ、こ、こんなイタイなんて聞いてないよぉっ!? み、みんなこんなコト我慢してるのっ!? 最初だけ? あたしだけなの?)

 

普段の修業や闘いの中でのケガは平気なアリーザだったが、覚悟していなかったトキに想像していた以上の痛みに襲われ思わず跳び跳ねてしまった。

慌ててチンポを引き抜いたが、まだズキズキと鋭く痛む。

またの間に挟んだ手を恐る恐る見ると、破瓜の血で真っ赤に染まっていた。

 

「ひぃっ……!」

 

「あ、アリーザ、いま、回復魔法を……」

 

「だっ、大丈夫っ! ちょ、ちょっとだけ驚いちゃったけど、ゼンゼンへーきだからっ! あたしもまだまだだねっ! きょ、今日の修業はおしまいっ! 団長もありがとねっ!」

 

なんとか起き上がったグランが手に緑色の光をまとわせたのを見て、慌てて遠慮するアリーザ。

挿入したままならまだしも、今グランの強力なヒールなんかかけたら、破れた処女膜まで完全に再生してしまう。

そうなったら、次もまたこの激痛と戦うはめになてしまうではないか。

 

太ももを固く閉じたままヘコヘコと痛そうに動くアリーザに服を押し付けられたグランは、そんなセッショウなと嘆きながらもなんとか服を身に付けたあと、部屋を追い出されてしまった。

 

「ココで寸止めって……まぁ、いっぱい出せたしいいか。アリーザのケツまんこもキモチよかったし、次に期待しよう……」

 

グランはキモチ肩を落としつつ、昨日までよりはだいぶスッキリした頭で自分の船に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

グランをなんとか追い出したアリーザは真っ赤な手をシーツで拭い、サイドテーブルから回復薬入りの軟膏を引っ張り出して、ヒィヒィ言いながら傷口に塗りつけた。

 

じんわりと傷口が塞がってゆくむず痒さに身震いしつつ、なんとか我慢できるくらいにまで引いた痛みにホッと一息ついた。

 

「はぁ……失敗だったなぁ……でもやっぱり初めてはグランのが良かったし……膜は破ったわけだし、次までに練習しとかないとなぁ」

 

そう一人ごちて、ふとシーツに目をやる。

 

自分の破瓜の血で、真っ赤な花が咲いているのを見て、アリーザはなにか無性に恥ずかしくて赤面した。

 

「やっちゃった……グランと……えへへ」

 

ウソで騙してエロいコトをするカタチになってはしまったが、確かにさっきは二人で愛し合っていた……と、思う。

 

取り敢えず、ほとぼりが覚めた頃に打ち明けようと問題を先送りにして、今のところは――

 

「こ、これ、記念にとっておこうかな……」

 

アリーザはドキドキしながらハサミを取り出すと、グランと自分のハジメテの証をチョキチョキと切り取ってゆく。

そして、それを魔力でさっと乾かして、お守りのなかに大切にしまい込んだ。

 

「ふへへ……あたしとグランのハジメテ……こんどグランにも渡さなきゃ……えへへ……♪」

 

まだジンジンと痛むアソコすらどこかいとおしく思いながら、お守りを胸に抱き締めるお姫サマ。

なんかちょっとヤンデレっぽいぞ。

 

 

 

この鉄臭いお守りが、近い将来、騎空団内に嵐を巻き起こす…………コトになるかどうかは、まだ誰も知らないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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メルゥ、気付いちゃう。

実はメルゥが一番のお気に入り

推しシステムが来て以来、ずっと設定しています





「――ここ半年の収支と貢献割合は以上です。特Ⅱ型の編成以降、やや予想を上回る収入増、ではありますが……最近は一部団員に負担が偏り気味ですね」

 

「うーん……シルヴァさんとかナルメアさんとか、ちょっと頑張りすぎだよね。もうちょっと休むように言っとくよ」

 

渡された紙面の流麗な文字に目を走らせ、特に働きすぎが目立つ二人の名前を口にするグラン。

 

「……ええ、それもお願いします」

 

「コホン。団長さん。アルタイルさんは君のコトを言ってるんじゃないかな?」

 

微笑みを浮かべたノアにそう言われてアルタイルを見ると、眼鏡を指で押し上げつつ、「然り」と頷いた。

 

ここは我らがムッツリグラン君率いる騎空団の船団が一隻、特Ⅱ型居住艇の小会議室。

週一回開催している騎空団定例報告会の前日だ。

 

穏やかな晴天の中、航行する空域の夏の陽気が漂うグランサイファーの甲板で日課の鍛練にいそしんでいたグランは、騎空団の頼れる軍師さん兼人事部部長アルタイルと、舟造りの星晶獣にして永遠の美少年、クセ者揃いの星晶獣の良心にして整備部特別顧問のノアに話があると呼び出され、小さな机を囲んで二人の話に耳を傾けていた。

 

「団長殿の君子(くんし)然たるは正に(うつわ)ならず、その胸襟(きょうきん)秀麗(しゅうれい)たるは大業(たいぎょう)を成すに足る盛徳(せいとく)を思わせます。たゆまぬ修練、あらゆる依頼にその時間の全てを費やそうというあなたの姿勢は騎空士たる者かくやあらんとの思いを禁じえません。ですが我々も、そんなあなたに頼りきりというのは心苦しい。今では団員も随分増えました。帝国の驚異も除き、イルグランデの問題もつつがなく片付きました。あなたにはもう少し……そう、ゆっくりと養生なさる時間が必要です」

 

そっと差し出された貢献度割合と書かれたグラフには、放っておくとどこまでも頑張ってしまうシルヴァやナルメア、出撃機会の多いサラーサやエッセルを大きくぶっちぎり、グランが全体の過半を占める貢献をしている、とある。

 

棒グラフはグランのところだけ波線で省略してあるし、団長:団員がほぼ五分になっている円グラフの横には、団長と他団員が1:9くらいになっているグラフを書いて、『理想』の文字がデカデカと書かれている。

 

ちなみに最近昼間寝てばっかりの副団長ジータちゃんは最下位付近に赤字で書かれていた。

キミはそれでイイのか副団長。

 

「どんなに堅牢な艇でも、疲労というのはどんどん奥の方にたまってゆくものなんだ。そしてある日突然、何の前触れもなく竜骨に大きな亀裂が走る……みんな団長さんが心配なんだよ?」

 

「は、はい」

 

心底自分のコトを思っているような、気遣わしげな二人の視線を浴びて、グランはなんだか居心地悪く身動ぎした。

 

別に高い志があるワケでもなく、ただ単に内なるムラムラを解消するために色々頑張っていたムッツリグランとしては、こういった真っ正面からの称賛や思いやりはどうにも面映ゆいのだ。

 

「明日の報告会でこれを言うと、間違いなくあなたが『休め』の集中砲火を受けてしまいますから……按甲休兵(あんこうきゅうへい)、機先を制して団長殿から一言頂戴したく、こうしてお呼び立てさせて頂きました」

 

「あー……うん、分かった。アルタイルは前々からそう言ってたもんね……これからはちょっとだけ控えめにするよ」

 

「失礼ながら、『ちょっとだけ』では些か以上に不足と――」

 

「分かった分かった! お仕事減らして休みます! あー、ノアも同じ要件かな?」

 

慌ててノアに話を振ると、ノアは柔らかに笑いながら首を振った。

 

「僕は別件。この艇を浮かべてしばらくたったから、そろそろどこかに問題とか、不満とかが出てくる頃かなと思ってね。みんなからの意見を集めて欲しいんだ」

 

 

 

 

 

「なるほど、では記入した用紙は会議室前の箱に入れてもらえば良いのだな?」

 

「そういうことです。この箱は置きっぱなしにするらしいから、思い付いたコトはどんどん書いてって伝えといてね」

 

「了解した。では早速各班長に伝えてくるよ……ところで団長。最近、いや、これまでもずっとだが……キミは少しその、頑張りすぎてはいないか? ラカムやイオも心配――――」

 

「あー、カタリナさん、ストップストップ。それ実はさっきもアルタイルとノアにも怒られちゃって、これからはもう少し……あー、もうだいぶ、休むことにしたんだ」

 

「――――そうか。いや、差し出がましい事を言ってしまったな。すまない」

 

どうやらこのグラン君、団員達にけっこう心配されていたようだ。

 

ノアが用意した目安箱を持って、新しい艇の問題や改善点などの意見を集めて欲しいと伝えにきたグランは、団員総括(と言う名の寮監さん)のカタリナにも心配そうな顔で働きすぎをたしなめられてしまった。

 

最近ロクでもない言動が目立つグラン君だが、外面はべらぼうに良いのであるコイツは。

 

カタリナに手を振って廊下を歩くグランは、

 

「さて、休めって言われちゃったコトだし……せっかく特Ⅱ型に来てるんだ、ちょっくらククル姉ちゃんあたりに一発ヌいて貰おうかな♪」

 

そう小声で独りごちて、小さくスキップしながら銃工房姉妹部屋に向かった。

 

団員はコイツの身体ではなく頭の心配をすべきである。

 

 

 

 

 

「いや~、えがった~♪ 満足マンゾク♪」

 

金玉袋をスッキリさせたグランは、晴れやかな顔で甲板に向かっていた。

 

あの後、部屋に着く前の階段で新しい銃の設計図を両手で抱えたククルとばったり鉢合わせたグランは、コレ幸いと階段の陰でククル姉ちゃんのお口マンコを使わせて貰ったのだった。

 

『あれっ? 団長、どうしたの、こんなトコでっ?』

『実はククル姉ちゃんに会いたくって……』

『ええっ、いや、やっ、やだなーもうっ♪ 団長ったら、寂しがりやさんなんだからっ! ……あっ、でも今はシルヴァ姉ぇが部屋に……』

『そんなっ!? ククル姉ちゃん……俺、ククル姉ちゃんにしてもらいたくって、もうこんなに……』

『わわっ、ほ、ホントだ……もうっ、し、仕方ない、仕方ないなーっ! ククル姉ちゃんにまっかせてーっ……♡』

 

姉と呼んでねだれば大抵なんでもしてくれる銀髪ツインテお姉ちゃんは、グランの情けない懇願にあっさりほだされて、階段の裏の陰であっさり即尺してくれたのだった。

 

おちんちんをスッキリさせる為ならばどんなコトでもして見せるグランもアホだが、ククルはククルで大概である。

 

洗っていない臭っさいちんぽを玉の裏までピカピカになるほど丹念に舐めしゃぶられ、元気かわいいお姉ちゃんのあったかいお口を存分に堪能したグランは、ククルのノド奥に今日の一番搾りを大量に吐き出して心身共に最高の気分であった。

 

一度口に出されて若干デキあがってしまっていたククルは階段下に放置だ。

ククルも物欲しそうにしていたし、グランもそのまま下のお口にお邪魔したいと思わないではなかったが、沢山の団員が搭乗する艇の階段下ではリスクが大きかったし、なによりこうして焦らすと、次に会ったときは普段以上に燃えるのだ。

 

甲板に出たグランは、中天に輝く太陽の光を浴びて大きく伸びをした。

 

「さーて夕方が楽しみだぜ。それまでどうしたもんか……。修業――は、少し控えるって言っちゃったしなぁ」

 

デッキの欄干に手をつき、ぐるっと広い甲板を見渡すグラン。

 

温かな夏の風にひるがえる、大量の洗濯物のシワを伸ばすロジーヌとファラ。

シャルロッテの掛け声にあわせて、整然とした動作で何度も素振りを繰り返すリュミエール聖騎士団の面々。

瀟洒な猫脚テーブルに日除けのパラソルをさして優雅にアイスティーを傾けるアイルスト王族……と見よう見まねの均衡少女。

ティアマトやユグドラシルら星晶獣達は今日も元気に騎空艇の間をぬって悠々と飛び回っている。

 

なんとも平和な光景だ。

 

いつもならば、リュミエール組に混ぜてもらってシャルロッテやブリジールのプニプニボディをこっそり視姦しつつ甘酸っぱい汗の香りを堪能したり、凛々しく精悍ながらときどきハッとするほど可愛らしい仕草を見せるコーデリアさんにストレッチと称したおさわりを仕掛けるトコロだが、ついさっき過度な修業を控えるように言われたばかり。

 

グランはムムムとアゴに手を当てた。

 

『向こうしばらくの航路は風も穏やかで天候にも恵まれています。団長殿も一部の団員等を見習って、(たま)には華胥(かしょ)の国に遊ぶも良いでしょう』

 

アルタイルの言葉を思い出す。

 

「……そうだな、久しぶりに昼寝でもしてみるか」

 

勧めにしたがって、夕方くらいまで日向ぼっこでもしつつお昼寝としゃれ込もう。

 

そう思い立ったグランはさっそく、適度に風通しが良く人通りの少ない静かな物陰を探して甲板を歩き回った。

 

「おっ、このへんいい感じ……っと、先客か」

 

「ん~? おやぁ、このい~い匂いは……団長だね?」

 

船尾の上部甲板の端っこ。

展望台の裏側にちょうどよいお昼寝スポットを見つけたグランは、すでにそこに寝そべって気持ち良さそうにまどろんでいるメルゥ……と相棒のさっちゃんを見つけた。

 

涼しい物陰で風に毛並みをそよがせるさっちゃんを枕にして、スラッとした褐色の手足をだらんと投げ出したエルーン少女のメルゥは、首だけをグランの方に向けて眠たそうな声で言う。

 

「もしかして~……ボクちんに会いに来た? それともさっちゃん? いや~まいったね~さっちゃん」

 

「違う違う、ちょっと昼寝でもしようかと思ってね」

 

「お~イイね~。団長もやぁ~っとお昼寝の良さに目覚めたんだねぇ」

 

そう言って目を細めるメルゥ。

 

グランは平静を装いつつも、メルゥのひどく無防備でリラックスした態度に内心ちょっとドギマギしていた。

 

褐色メスエルーン三姉妹の末っ子、メルゥ。

グランはどうにもこの娘との距離感が掴めない。

 

出会った瞬間、『すごくイイ匂い』『惚れた』『一緒にお昼寝』と、のんびりした口調でグイグイ距離を詰めてきて、ソレっぽい態度をとりつつ気まぐれにグランに近づいたり離れたりする少女。

嫌われてはいないと思うが、態度や口調が飄々としすぎていて精神童貞なグラン君にはどう接するべきか悩ましい女の子だった。

 

褐色で、好戦的な女戦士部族で、元女王で、末っ子で、不思議ちゃんでボクちんでお昼寝なちっパイフサ耳エルーン。

 

てんこ盛りである。

シコい。

汗だくお昼寝ックスしたい感ある。

 

当時の修業にはそれはもう熱が入った。

 

グランがいつものエセスマイルで本心を隠しつつ、股間の星晶獣がオーバードライブしないよう気合いで抑え込んでいると、普段はほとんど動かないさっちゃん――メルゥの相棒で、『だいたいアイツ等のせい』でお馴染みなエルステ帝国の動物実験で作り出された化け物的なサムシング。トラディッショナルな仮面の下の素顔はメルゥんトコのルル姉なる長女も失禁もののマガメンらしい。直飲みしたかった――がおもむろに頭を上げ、フゴフゴと鼻を鳴らして、フスーとケモノ臭い息を吐いて再び頭を下ろした。

 

「んぇ? どしたのさっちゃん……ふん……ふん……………………へぇ~……」

 

どういうわけだか、さっちゃんと唯一コミュニケーションがとれる(らしい)メルゥがしきりにうなずいている。

ゴロンとうつ伏せになって、さっちゃんの上に寝そべる。

褐色の健康的な背中がまぶしい。

そして、

 

「……………………………へぇ~……♪」

 

にやぁ~っと、イヤらしい笑みを浮かべてグランを見つめてきた。

 

「……どうかした?」

 

ナゼかとてつもなくイヤな予感に、思わず一歩後退りするグラン。

 

「いやぁ~……スンスン……団長さぁ――――」

 

「…………」

 

鼻をひくひくと動かすメルゥ。

ゴクリ、と唾を飲み込むグラン。

 

(ヤバい。なんか分からんがヤバい! に、逃げ――)

 

 

 

 

 

「――――誰かとエッチなコトした?」

 

 

 

 

 

「!?」

 

グランは思わず肩を跳ねさせた。

 

「へぇ~、団長がねぇ~。ふ~ん。へ~え♪」

 

それを見て、メルゥは面白いモノを見つけたと言わんばかりにニヨニヨと口をもにょらせた。

 

「いやっ、え、そ、そんなワケっ……!?」

 

「スン……スン……しかも、こりゃあ一人じゃないねぇ。二人……さんにん…………よん……」

 

やってしまった。

グランは絶望した。

 

細心の注意を払っていたハズだった。

さっきだって、事後しっかり消臭魔法はかけたし、今までだって臭いに敏感なエルーンの団員にさえ一度もバレなかったのに!

 

「な、なんで……」

 

「んー? いや~、ニオウんだよね~。団長の生臭~いニオイと、どっっっかで嗅いだよーな女の子達の、ヤらし~ぃニ・オ・イ♪ っがさ~♪」

 

「…………」

 

「――――って、さっちゃんがねー。ボクちんには分かんないケド……ふっふっふー、どーやら図星みたいだねぇ」

 

グランは浮かれた気分から一転、サラーサに出くわしたスライム的なピンチに陥っていた。

 

団長が、複数人の女性団員と関係を持っている。

そんな事実が明るみに出れば団崩壊は待ったなしだ。

それどころか、シェロカルテやクムユなんかにまでおちんちんを突っ込んでいるコトがバレたら――――死よりも恐ろしいコトが待っている。

 

間違いない。

やったぜ。

 

「んいや~、ボクちんショックだな~。まさかキミがね~ぇ? ボクちん、けっこう空気読んでらしくもなくガマンなんかしてたんだけどな~。へぇぇぇぇぇ~~~……♪」

 

…………おや?

 

脳ミソを高速で回転させて言い訳を考えていたグランは、メルゥのこぼした意味深な台詞にはたと意識を奪われた。

 

(もしかしてもしかするのん?)

 

「あ、あの……このことはできれば内緒に……」

 

「ん~? あーそりゃ言わない言わない。ボクちんも団長にはまだまだ生きてて欲しいしね~。こんなの聞いたらネモ姉ぇなんか寝込んじゃうんじゃないかなぁ。……そ・れぇ・よ・り♪」

 

妖しい笑みを浮かべながら、さっちゃんの上にまたがり身体を起こすメルゥ。

 

「団長が何人でもイイならさ~、ボクちんなんかどう? タ・ベ・ゴ・ロ・だよ♪」

 

そう言って、布切れのような上着をずらし、チラッと胸を見せてくる。

一瞬だけ、褐色の小降りなおっぱいの、ピンク色の頂の端っこが見えた。

 

(いよっしょあああああああああああっっっっっっっっっ!!! なんか知らんがキタぜコレうおおおおおおおおおおおおおおおお!!!)

 

グランは心の中で渾身のガッツポーズを決めた。

 

いつもの間延びした調子で続けるメルゥだが、コレでけっこう照れてはいるようだ。

頬にじゃっかん朱がさして、全身にしっとりと薄く汗をかいている。

 

海綿体に血流が殺到しているのを感じながら、グランが問いかける。

 

「……俺はイイけど、メルゥはそれでイイの?」

 

「前からけっこう興味あったんだよね~ボクちん。うちの部族って女ばっかりでしょ? 昔っからそーいう話はよく聞いてたんだ~」

 

そう言って、今度はケモノの手を模したグローブをはめた両手を自分の股にもって行くメルゥ。

 

そして、

 

「っ!?」

 

「どうっかなー、ボクちんハジメテだけどさ~、けっこうキモチイイと思うんだよね~?」

 

ほんのり赤い顔でそう言って、股間に垂らした布の下で、グイッ♡ とマン肉を左右に割り開くメルゥ。

大きく歪んだ大陰唇が左右にはみ出て、布の中心がじんわりと湿って色が濃くなり、メルゥの処女マンコの形を浮き上がらせている。

 

フワッ、と、グランの鼻先に酸っぱい汗の臭いと、花の腐ったようなイヤらしい臭いが届く。

 

(エッッッッッッッッロッ!!? エッッッッッッッッロッ!? なんぞコレ!? ドスケベか!? ドスケベ部族なのか褐色メスエルーン!!?)

 

グランは二転三転して五股バレの窮地から六人目追加の激アツ展開になったこの状況を天に感謝した。

 

きっと最近ピンチっぽかったのを助けてあげたルシフェルあたりが、お礼に気を利かせて俺に幸運的なナニかを送ってくれたに違いない。

根本的にアホなグランはそう思った。

 

「ふっふっふー、団長ヤル気だねー。ボクちんとエッチなお昼寝しようぜ~♪」

 

「するするっ! ヤリますとも!」

 

 

 

 

 

「ほえー、でっかいベッドだねー。いっつもココに女の子連れ込んでるんだぁ」

 

「……いや、そういや初めてだね」

 

「え、ウソ。ホント? やったね、ボクちん一番乗り~♪」

 

そう言って、グランのキングサイズのベッドにぴょーんとダイブするメルゥ。

枕に顔を埋めて、「う~ん、イイ匂い……」とグリグリ頭を動かしている。

自慢のフサ耳が機嫌よくピクピクする。

 

さっそくお昼寝セックスを楽しむべく、グランとメルゥの二人は特型艇にしつらえられたグランの部屋に来ていた。

最初、例によって女の子の部屋のニオイを堪能すべくメルゥの部屋を提案したグランだったが、いつもさっちゃんをベッド代わりにしているメルゥの部屋にはベッドがなかったのだ。

 

結果的に自分の部屋に連れ込んだメスエルーンを自分のベッドの上に放り込んだカタチになったグランは、十代半ばのケモ耳美少女が自分の枕をクンカクンカしている光景に感動しつつちんぽを最高にいきり勃たせていた。

 

「さあて、じゃあさっそくヤっちゃおうぜぇ♪」

 

グランが上を向いて涙と鼻血を飲み込んでいる間に、メルゥは男らしくポンポーンと服を脱ぎ捨てて素っ裸になってしまった。

 

「どお♪」

 

「……………おおぅ、えっと……」

 

「むぅ。ボクちんみたいな美少女が惜しげもなくハダカを見せてあげてるんだよ~? ど~お? 興奮しない?」

 

そう言って、ベッドの上に立ち上がって扇情的なポーズをとるメルゥ。

小さいながら形の良いちっぱいが、ぷるんとみずみずしく揺れる。

褐色の肌色の中にあって鮮やかに映えるピンクの頂は小さくピンと勃起し、下腹部の薄い灰色の茂みはしっとりと湿って照明を反射し、キラキラと光っている。

 

いつも通りの眠そうな顔に少し得意気な色を浮かべ頬を染める姿は、ひどくエッチだ。

 

「する! すっごい興奮するよメルゥ、最高だよ!」

 

若く背徳的な魅力にクラクラしながら、正直にそう言うグラン。

今回は珍しく女の子側からの積極的でドストレートなお誘いだ。

めんどくさいウソをつく必要もなく、メルゥの未成熟なドスケベボディを隅々まで舐め回すように見る。

 

「そーお? 照れるねー……ホラホラぁ、団長もさっさと脱いじゃおうよ」

 

「あ、ああ!」

 

グランは思い出したように、慌てて服を脱ぎ捨てて行く。

徐々にあらわになって行くグランの筋肉質な裸体をしげしげと見つめるメルゥ。

 

「ほぁ~……なんかドキドキするね」

 

「……なんかそんなまじまじと見られると照れるなぁ」

 

「いーからいーから。ボクちんのコトはキニシナーイ、キニシナーイ」

 

「……よし、驚かないでね……!」

 

機嫌よく耳を動かすメルゥの目を見つめて、勢いよく下を下ろすグラン。

その瞬間、いつも細められているメルゥの目がわずかに見開かれ、口がポカーンと開いたのを見て、グランは内心やったぜとガッツポーズをした。

 

「――――ほっへぇ……オオモノだね……♡」

 

窮屈な下着から解放されたリトルグラン君は、そのエグい巨体をぶるんと振り上げてお腹をビタンッと一度打ち付け、メルゥに向かって巨大な鎌首をもたげて威嚇した。

 

「聞いてたよりだいぶおっきいねぇ。上級者向けってヤツだね。ボクちん大丈夫かなぁ?」

 

そう言って、ベッドからピョンと飛び降りて近づいてきたメルゥがグランのちんぽをしげしげと観察する。

 

「え、あの……」

 

「んはぁ♡ すっごいニオイ……ボクちんコレ好きカモだよ。くんくん……ふは♪ たまんないね」

 

遠慮なくグランのちんぽを掴み、真っ赤に充血した亀頭部分をくんくんと嗅いでにへらぁと笑みを浮かべるメルゥに、グランは若干たじたじだった。

 

(すげぇなぁメルゥ……アリーザがあんなんだったから怖がられちゃうかもって思ったけど……エルーンってみんなこんなんなのか? いやでもメルゥだしなぁ)

 

「ほら。団長ぉ、さっそくせっくすするよ」

 

グランが呆けていると、メルゥがちんぽを取ってのようにグイグイ引っ張ってグランをベッドに誘う。

清々しい程に堂々とした処女である。

 

「ほあっ!? ちょ、引っ張ったららめぇ!? め、メルゥ、シャワーとかイイのっ!? 俺けっこう汗臭いと思うんだけど……!」

 

なんかいつもと逆だなぁ。

 

グランが思わず女の子のようなコトを言ってメルゥを留めると、メルゥはいつも通りのシケ顔に若干呆れの色をにじませて言う。

 

「えー、せっかくイイ匂いなんだから、そのままやろうよ」

 

「っ、その、ぜ、ぜんぎとか、ほら、避妊具とかなにも着けてないし……」

 

「そんなのいらないよ。キモチいーコトだけかんがえてればイイと思うなー。ボクちんハジメテだしさー、何にも考えずにキモチーコトしようよー。ホラホラ、団長のシッポもそう言ってるよ?」

 

(   ア カ ン   )

 

グランは頭の中でナニかがプツンと切れる音を聞いた。

 

「んあっ♡」

 

気づけば、グランはメルゥをベッドの上に押し倒していた。

 

小柄なメルゥの身体をすっぽり包み込み、ガチガチに勃起したちんぽがメルゥのお腹の上でドクドクとアツく脈打っている。

 

「ふふふ、クラクラするね……ボクちん今からオトナになっちゃうんだ。姉妹で一番乗り」

 

「もう止めらんなそうだけどイイよね? 今さら待ったとかなしだよメルゥ?」

 

下敷きにしたメルゥは全身が汗ばんでいて、いつも通りのトロンとした顔で身体中が興奮で紅潮していた。

 

立ち上ってくる甘酸っぱいニオイと熱気がグランの興奮を最高潮に高め、二つの金玉をギュンギュンとフル稼働させているのが分かる。

 

「そーいうのイイからさー、ズブッとヤっちゃおぉぉ……っ!?」

 

メルゥが最後まで言い終わるのを待たず、辛抱たまらなくなったグランはちんぽの先端をメルゥの割れ目にあてがい、腰を思い切り前に突き出した。

 

「おおっ、こっ、コレはっ……!!」

 

「……っはぁ……ふぅぅ……っ♡」

 

グランのパンパンに膨らんだ亀頭は、ズプンッ! と勢いよくメルゥの中に飲み込まれると、薄い膜をプチプチと破りながら準備汁でぬるぬるになったザラツブの膣肉をズブズブとかき分け、プリっとしたリング状の抵抗を抜けてやや左に向かってアツい子宮内を突き進み、行き止まりを押し上げながらゴツいちんぽの全身をメルゥの中にねじ込んだ。

 

(すげぇ! ぜ、全部入っちゃったよ!? プリっプリのメスエルーンマンコ、ザラツブ天井にグネグネ蠢いて……最高だな!!)

 

グランの腰はメルゥの腰にぴったりとくっつき、薄い筋肉越しに互いの骨盤をゴリゴリと感じる。

メルゥのまだ幼さを残したマンコの膣口は限界以上に広がって、周囲のマン肉を中にめり込ませながら見事にグランの巨根をすべて体内に納めてしまった。

 

「うはぁ……ボクちん、オトナのオンナになっちゃったねぇ♡ ふぅ……ふぅ……スゴいね、こんなトコまで来ちゃってるよ。……んはぁ……こりゃ右側の子宮に入っちゃってるよ」

 

そう言いながら、汗びっしょりの額に灰色のくせっ毛を張り付けたメルゥが、赤い顔を満足げに歪めてぽっこりしたお腹を撫でる。

 

「スッゴいキモチイイよメルゥ……右?」

 

グランがこみ上げる射精感に荒く息を吐きながら、胸の下のメルゥに向かって首をかしげる。

 

「ふぅ、あー、団長から見たら左だね。はぁ……はぁ……団長って、エルーンの子と交尾するのは……ふぅ、ハジメテじゃないよね?」

 

「え? いや、初めてだけど……」

 

「えー、そなの? はぁ……さっちゃんったら、間違えたのかな? ……でもラッキーだね♪ はぁ……団長のハジメテも、はぁ、もらっちゃった……ふふふ♪」

 

「……かわいい(かわいい)」

 

「ふぅっ!? ……♡」

 

巨大なちんぽを処女マンコで咥え込んでにふぅふぅ言いながらにへらぁと笑うメルゥに、リトルグラン君は思わずビクンと震える。

それに合わせて、グランの下のメルゥも両足を突っ張って腰を浮かせる。

 

メルゥのドロドロの膣内で、バキバキに膨らんだ巨根がグニグニと揉みほぐされる。

 

「あっ……はぁ……♡ えっとねー、はぁ、え、エルーンの赤ちゃんのお部屋はね、二又に分かれてるんだぁ。はぁ……はぁ……♡ 入り口も柔らかくって、ふぅ、中に指とか入るんだよ。スゴいよねー……っふぅ……はぁ……♡」

 

「ナニそれエロい」

 

ちんぽの先端から、ピゅるっと先走りが吹き出す。

「んなぁ♡」と鳴き声を上げるメルゥがかわいくて、グランはグリグリと腰をうねらせてちんぽ全体でメルゥの膣肉を堪能する。

 

グリュッ♡ グリュリュッ♡ グニッ♡ ズリリュッ♡

 

「っっっっっっんあっ♡ あっ♡ あっ♡ それっ♡ ふあっ♡」

 

プシッ♡ プシシッ♡ ピシャッ♡

 

腰をぴったりとくっつけたまま膣内を腕のようなちんぽで蹂躙され、メルゥは口をだらしなく開いてヨダレを垂らしながら、グニッと歪んだ尿道からアツい潮を噴き出した。

 

グランはダルんと垂れ下がった陰嚢にアツアツのラブジュースをかけられて、その甘く温い刺激と未成年メスエルーンをちんぽでヨガらせているという満足感にちんぽが更にいきり勃つのを感じた。

 

「ほぁっ……はぁ……♡ だ、団長、それもきもちーけどさぁ、ボクちんのコトは気にしないで、もっとおもいっっっきり動いてもいいよん♡」

 

全身から汗を吹き出して、涙や鼻水やヨダレでぐちゃぐちゃになった顔で自分を組み敷くグランを見上げ、汗でぬるぬるの両腕をグランの腰に回してそうエッチな懇願をするメルゥに、グランの中にわずかばかり残っていた遠慮の二文字が吹き飛んだ。

 

「っ、こ、後悔すんなよっ!」

 

ズリュリュリュリュリュリュリュッ…………バチュンッッッ♡♡♡

 

「ほあぁっ♡♡♡」

 

グランが浅黒く長い竿を亀頭だけ残して限界までゆっくり引き抜き、勢いよく膣内にぶち込んだ。

今度はさっきと反対側の子宮に亀頭がねじ込まれ、叩き付けられた腰の間で透明な淫液が弾け、お互いのお腹や足に飛び散る。

 

メルゥが普段からは考えられないような大声を上げて、グランの腰に回した腕にギュッと力を込めた。

 

「まさか降参じゃないよねメルゥ?」

 

「…………バチバチってしたよ。さいっこーだね♡」

 

腰をガクガクさせたメルゥが、眠たげな顔を真っ赤に染めて目を細め、グランの胸板に顔を埋めて汗をペロッと舐めとった。

メルゥのフサフサの耳が、胸板や首筋をこしょこしょとくすぐる。

 

(くうっ……生まれてきてよかった……! もうイスタルシアとかどうでもイイかもしんないぜ……!!)

 

グランの中の天秤が、全団員の夢 < セックス になった瞬間である。

親が泣くぞ。

 

ふと思い立ったグランはたたんであったシーツを広げると、自分とメルゥをすっぽりと包み込んだ。

シーツの中に、熱気と淫臭がこもってムンムンと興奮を煽る。

 

「ああっ、もう、メルゥも最高だよっ!! 遠慮なくいくぜっ!!」

 

「よーし、いけー♡」

 

シーツにくるまって、グランは勢いよく腰を動かした。

 

ズパンッ♡ ジュパンッ♡♡ ブリュンッ♡ ブパンッ♡ ズリュッ♡♡ ビュパンッ♡ ズチュッ♡ ズパンッ♡♡ ブチュンッ♡ ブパンッ♡ ジュッパンッ♡♡

 

「ほあっ♡ っほっ♡ んあっ♡ はっ♡♡ んおっ♡♡ ふああっ♡♡」

 

まだ若いメスエルーンの柔軟な柔肉を固くエグいちんぽでぐちゃぐちゃに蹂躙され、初物マンコを元に戻らないくらいに拡張されているメルゥは、開きっぱなしの口から押し出されるような声を漏らして全身をビクビクと痙攣させた。

 

(おおっ、メスエルーンスゲェ!! まだ十代半ばの未成熟マンコなのに、ざらざらのツブツブがキュウキュウちんぽ締め付けてきて……さいっこうじゃねーか!!)

 

夏の熱気がこもった室内で、冷房もつけずにシーツにくるまって激しくセックスする二人は一瞬で汗でびしょびしょのぬるぬるになる。

互いの身体に、噴き出す汗や淫液がピチャピチャと飛び散って頭のクラクラするような臭いが混ざりあう。

 

グランの汗だく胸板に押し潰されるカタチで腰を打ち付けられるメルゥは、左右の子宮を交互に拡張され、充満するグランの汗とフェロモンで頭がボーッとなって、腰から下は行き過ぎた快感で溶けたようになっていた。

 

「おっ!? イクっ!! そろそろイクよっ!! どうするっ、さすがに外にっ……!?」

 

ピストンのペースを早め、自分より一回りも二回りも小さい身体に腕並の巨根をゴリゴリとねじ込みながら最後の確認をするグランの腰を、メルゥの両足がグッと挟み込んだ。

 

「ダメ。……なか」

 

グランの胸板に顔をうずめ、小さな声で、しかしはっきりとそう言うメルゥ。

汗でぐっしょりと濡れた大きな耳がピタピタと胸を叩く。

 

(ああああああああもう、知らないかんなああああかわい過ぎんだよもおおおおおおおおおおっ!!!)

 

パンパンになった金玉がせりあがり、キュルキュルと音を立てて精液を充填している。

グランの根本が一回り膨らんで、メルゥの入り口をメリメリと押し広げた。

 

「でるっ!! 未成年褐色メスエルーンの中にっ!! 特濃ザーメン残らず飲み込めぇぇぇぇっ!!!」

 

「……♡」

 

小声で叫びながら小さな腰に限界まで腰を押し付け、目をキュッとつぶって汗でぬるぬるの全身でグランにしがみつくメルゥの最奥にアツい欲望を爆発させた。

 

ブビュリュルルルルルルルルルルウッルルルッ!!! ビュブブヴブブブリュリュリュッ!! ブリュリュリュリュリュリュルルルルッ!! ビュルルルルッ! ブビュリュルルルルルルッ!! ブビュッ! ビュルルッ! ビュルルルルルルゥ………! ビュルッ! プピュゥ……!

 

特濃のザーメンがダマになって何度も尿道に引っ掛かりながら勢いよく吹き出てメルゥの子宮を叩く。

その度にメルゥの膣肉がキュッ♡ キュッ♡ と痙攣して、潰れたアソコからアツい汁をほとばしらせる。

 

プシャッ♡ プッシャッ♡ プシシシッ♡ プッシャァァァァ…………♡

 

「…………………っぁ♡♡♡ ……っ、んぁっ……♡ んっ……はぁっ♡♡」

 

「~~~~~~~~っ!! ………………っはぁ……! 出したぁ……」

 

くっさい精液をすべて吐き出し、アゴ先からメルゥの頭にポタポタと汗を足らしつつ満足げなため息を漏らすグラン。

 

股間に感じる生暖かい液体と、シーツ内に立ち込める鋭いアンモニア臭も今だけはなんとも心地イイ。

自分の胸板にメルゥのハフハフと荒い息と、ビクビクという肌と膣肉の痙攣を感じながら、グランはそう思った。

 

今やシーツの中は、二人の汗と、愛液やら精液やらおしっこやらのエロい臭いが混ざりあって、のぼせかえる熱気と相まってどエラいコトになっていた。

 

(あ゛~…………何にも考えない無責任セックス最高……なんかこう、疲れるんだけど、逆に身体中の疲れが吹き飛んでくぜ……)

 

気持ちいい射精の余韻でIQが5くらいになっているグランがそんなアホなコトを考えて快感に浸っていると、

 

「すきありだよ」

 

「おあっ!?」

 

ちんぽを引き抜いたメルゥに、シーツの中でグルンとひっくり返された。

さっきとは反対にグランに馬乗りになったメルゥが、ぐちゃぐちゃな顔をぬぐってグランを見下ろし、にやぁ~っと笑みを浮かべた。

 

「ふわー、団長ってばケダモノだね。ボクちんお腹パンパンだよ。こーんなかわいいボクちんをいっぱつで妊娠させちゃうつもりなのかねーキミは」

 

そう言って、右側だけが目に見えてぽっこりと膨らんだお腹をグランに見せつける。

 

「おおう……いや、だってメルゥが……」

 

「なんてね。これなーんだ」

 

グランが汗でヌラヌラと淫靡にテカるぽっこりお腹に見とれていると、メルゥが脱ぎ捨てたヒラヒラな服のポケットから小さな巾着を取り出し、中から丸薬のようなモノをつまみ出した。

 

「へ? いや、何だって――」

 

「ぶー。時間切れー。間違えた団長さんはボクちんを妊娠させるコトができませーん。いやー残念だねー♪」

 

そう言って、丸薬を口に放り込むとゴクンと飲み下してしまった。

目を白黒させるグランにメルゥがいつもの眠たげな顔で得意気に言う。

 

「うへぇ……美味しくない……正解は避妊薬だよん。おー、ぱちぱちー。ウチの部族のたしなみだよ」

 

そう言って、グランの半勃ちちんぽを後ろ手にむんずと掴むメルゥ。

 

「ぁひっ!?」

 

「正直さー、団長の赤ちゃんが欲しくないワケじゃないんだよー? でもさ、ボクちんはもうしばらくはキミとキモチーコトしてたいんだよねー……♡」

 

そう言って、亀頭の先端を痛々しく充血したマンコにあてがうメルゥ。

ブチュッ♡ と、鈴口を押し付けられた恥丘がグニャリと歪み、伝わってくるアツさと膣口の吸い付きに、グランの腰がビクンっと震えた。

 

「お腹ポンポーンってなったらセックスできないでしょ? キミもそう思わない?」

 

ズブブブブブブ…………♡ と、半勃ちグラン君がメルゥのおマンコに飲み込まれてゆく。

精液で膨らんだ方と反対のお腹が、ちんぽのカタチをポコッと浮き上がらせる。

ブチュンッ♡ と、お尻がグランの腰に乗っかり、メルゥが、えいっ、とグランの胸の上にしなだれかかって、汗だくの胸やお腹をぬりぬりとコスり付けてきた。

 

「おっほっ……め、メルゥ……!」

 

プリッとしたおっぱいが身体の間で押し潰され、ピンピンに固く尖った先端がクリクリとお腹に擦れてむず痒い。

 

シーツの中に充満する淫猥な性臭が、グランの興奮を嫌が応もなく高め、グランのちんぽがメルゥの中でムクムクと充血してゆく。

 

「んふふ……キミもヤル気だね。今度はボクちんが好きなよーに動くから、団長はぐでーってしてていーよ」

 

(おいおいおいおい……最高かよ……)

 

メルゥの細められた瞳の中に、ハートマークが浮かんだ。

汗でべっちゃりした自慢のフサ耳が、機嫌良さそうにピクピクと動く。

メルゥのアゴから垂れた汗が、胸板にぱたたっ、と落ちて水溜まりを作る。

 

「いっくよー、だーんちょ……♡」

 

 

 

 

 

そのあとメルゥが疲れはてて眠るまで、メチャクチャお昼寝ックスした。

 

 

 

 



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ニオ、ショック。

難産
息抜き小説にこんな時間かけちゃイカンね

エロシーンは次話から


 

 

 

 

『特Ⅱ型艇についてのアンケート』

 

大きな字でそう書かれた薄っぺらい紙から顔を上げ、ニオは肺に溜まったよどんだ空気を大きく吐き出した。

 

グランサイファーの船尾で夕焼けにたなびく細い積雲を眺めながら、薄紫の長い髪を風に遊ばせて心の耳朶を打つわずかな雑音に目を細める。

 

十天衆が一人、夢幻の魔奏者ことハーヴィン族のニオ。

彼女がグラン君率いる騎空団の戦列に加わってそこそこの月日が流れた。

万象の奏でる旋律を聞き取り操ることさえできるという割とトンでも設定を持つ彼女は、ある伝説的な竪琴をめぐるアレやソレですったもんだあったあげく、旋律が聞こえなくなったり治ったりとなんやかんやあって最終的に元サヤで、ついでにグランにホの字になった。

 

具体的に言えば『……抱っこ』だ。

いわく、『こうしたいの、あなただけなの』。

 

十天衆(ガチ恋勢)。

 

しかし、そんなそこはかとなくポンコツ臭漂うニオたそ(20才)がグランサイファーの船尾で最高にカッチョイイ雰囲気をかもしつつ、ノアの作った子供団員でも分かりやすいイラスト入りアンケート用紙をこれ見よがしに物憂げに眺めているのは、珍しくグランがらみではなかった。

 

 

 

 

 

「――――と、そう言う訳でして~。こちらの依頼をぜひニオさんにお手伝いして頂きたく思うのですが~……」

 

そう言って、お馴染みシェロカルテがグランの騎空団に厄介な依頼を持ち込んだのが、おおよそひと月前だったか。

 

人の心を操るという怪しげな魔術を使う魔術結社による、とある商業国家の乗っ取り疑惑の検証と、黒であれば解決という、なるほどニオにうってつけの依頼であったのだが……。

 

「……団長は」

 

「すみません~、団長さんには、別件で星晶獣同士の喧嘩の仲裁をお願いしていまして~……今回はニオさんと、潜入に長けた団員さんを何人かを選んで頂いて――」

 

「嫌よ」

 

「――チームを……あの~?」

 

「嫌。団長と一緒じゃないなら」

 

「ええとですね~…………本当に、ニオさんだけが頼りで~……」

 

「……無理。その依頼の手紙、酷い不協和音を感じる。……あの旋律が近くにないと不安なの」

 

「そ、そこをなんとか~」

 

「………………」

 

ゴネて殻に閉じこもったニオをグランがなんとか説得して、やっと依頼に送り出したのだった。

抱っこして、胸に耳を当てさせ、髪をすきながらニオだけが頼りなんだと小一時間説得する様を目の前でまざまざと見せつけられたシェロちゃんは、その晩久しぶりにお酒を飲んだ。

 

そしてベアトリクスら仲間たちとの1ヶ月に及ぶ潜入調査の末、見事洗脳魔法を使って国を裏から操っていた首魁を突き止め、操られていた人々を全員解放して黒幕一味を一網打尽。

無事団に帰還したのがつい先日……という訳なのだが。

 

依頼の報告を仲間に任せて騎空艇に帰って来たニオがまず最初に行ったのが団長であるグランの所。

今回の依頼がいかに長く困難であったか、どれだけ嫌な音に耐えて頑張ったかを訴え、わずかに残っている耳鳴りを静めたいとまたもちゃっかり抱っこを要求し、労を目一杯ねぎらってもらった。

ここまでは(ニオ的には)問題無かった。

 

問題は、グランにひとしきり甘えた後、次になにかと一緒にいることが多いハーヴィン仲間の所に帰還の報告がてらお土産を引っ提げて向かった時の事だ。

言葉少なく帰還の報告をするニオに、みんな温かな返事を返してはくれたのだが、その時、ニオは一部の友人達から僅かな違和感を感じ取った。

 

もちろん、そこそこ長い付き合いになる仲間たちだ。

決して悪意や、拒絶のような感情から来るものではない……の、だが――

 

 

 

『ただいま。これ、お土産』

 

『わあ、こんなに! 好きなのを持ってってイイんですか? ミラー! ルナールさーん!』

『何、リャオ、そんな大きな声出さなくても……あら、ニオ。帰ってたのね。お疲れ様……メリッサとアルルメイヤさんはなにしてるの?』

『りゃ、リャオさん、私ちょっと寝不足で頭がガンガンしてるんで大声で呼ばれると響いてぇ……メリッサぁ、アルルメイヤさん……ありがとぅ……』

『ルナール先生がふらふらしてたから支えてるの。ニオ、お帰りなさい』

『まったく、夢中になるのはいいが、夜更かしは程々にしないといけないよ? ニオ、おかえり。キミは元気そうで何よりだ』

『ニオ君、お仕事お疲れ様ですうほ。お土産もどもですうほ。ちょうどシェロ君も来てますうほ』

 

『……うほ? 後、メリッサの髪……』

 

『おや~、ニオさん、先程ユーステスさん達から報告は受けましたが、本当にありがとうございました~♪ 今ちょうど先生に完成品のドリンクをお渡しに来たところだったんですが~……』

『うん。ルナール先生は大丈夫みたいだけど、私とマキラにはまだ副作用が強いみたい』

『う~ん……未成年には向かないのかもしれないですね~。ミラオルさんはいかがですか~?』

『……わ、私は遠慮しておくわ……』

 

『………………』

 

 

 

……なんというか、疎外感、というのだろうか?

 

自分がいない間に、ナゼか友達同士が前より仲良くなっているような、妙な結束感が芽生えているような、そんな旋律を感じるのだ。

 

例えるなら、自分の友達同士が自分抜きの魔導ライングループを作っていて、知らない間にカラオケとかバーベキューとか行って楽しんでるのを魔導フェイスブックで見つけちゃった時の「え、なにそれ聞いてないんだけど?」な感覚に近い。

 

ヘコんだ。

 

コミュ障であるコトを自他共に認めるニオたそ(20)は大層ヘコんだ。

 

なんか自分に対しての態度が前と変わらず温ったかいのが逆にキツい。

 

「…………部屋、替えて貰おうかな……」

 

船団に並走するカー・オン(でっかいクジラ)の背中で夕焼けを観賞しているサテュロスと子供団員達を眺めながら、ニオは割と本気でそう思った。

 

なんか最近、魔導LINEグループ『ハーヴィンっ娘友の会』が過疎り気味だなぁと思っていたのだ。

任務中もヒマを見てはせっせと薄型魔導通信端末(略称・魔導スマホ)で近況を報告しては、既読が付くの遅いなぁと思っていたが、まさか友達だと思っていたみんなに煙たがられていたなんて……!

 

クールキャラって同姓から見たらやっぱりウザいのかなぁ?

二十才でまだ人見知りってイタいよねやっぱり……。

と、夕暮れの生暖かい湿った風を顔に感じながら、欄干にもたれ掛かってグッタリとうなだれるニオたそ。

 

長い髪が風にあおられてチラチラのぞくうなじがまぶしいぞ。

 

「あ、ニオだ」

 

「……団長」

 

そんな絶賛タソガレ中のニオの耳に、今一番聞きたかった声と旋律が流れてくる。

いつも通り、大きくて、優しくて、温かくて――――

 

「やあ、ニオ、なんか今エルモートにチビッ子達がまた危ない遊びしてるって聞いてね……なるほど、ティアマト禁止の次はクジラか(うーんやっぱ髪の長いハーヴィンっていいよなぁ。膝の上に乗っけてちんぽ突っ込みつつ髪のニオイ嗅ぎたい)」

 

――とびきりエッチな旋律だった。

 

 

 

 

 

 

素朴ながら精悍な顔に、いかにも慈愛と余裕が溢れていますと言わんばかりの外行きスマイルを張り付けた、チンコの擬人化ことムッツリグラン君。

 

ニオは、団長のコトを立派な騎空士と思い込んでいる団員ばかりの中にあって、グランの『本当』の姿を知り、知ってなおグランを慕う珍しい団員だった。

 

ニオの、相手の心の内が分かるという能力は、どう考えても性根の芯までスケベでクズなグランの天敵に思える。

 

実際、ニオが初めてグランに出会ったときなど、いかにも人畜無害そうに穏やかに微笑みながら、凄まじくイヤらしい旋律(『おっほ……エロい格好のメスハーヴィンだなぁ……スライムローションまみれのシェロさんと向かい合わせてぽんぽんサンドイッチの間にちんぽ突っ込みてぇなぁ……』)を奏でるグランに一瞬で赤面し、思わず全力攻撃をしかけた程だ。

 

正直残当である。

なまじ無駄に強かったせいで仕留めきれなかったのが悔やまれる。

 

そもそもニオの聴覚は基本的に、相手の感情――楽しいとか、怒っているとかの感情、こうしたい、したくない、といった思考の向きが分かったり、嘘とホントを見抜けたりといった、ざっくりとした旋律しか聞き取れないものだ。

それなのに、思考の内容がこうまでハッキリと聞き取れるのは、それだけ強く、そして詳細に、鮮明に考えているという事で……つまりグランはどうしようもなくヘンタイと言うことだ。

 

知ってた。

 

当然、最初の印象は最悪と言ってよかった。

 

しかし、どういうワケだか伝説の天星器である九界琴に好かれているらしいグランとは、最強を義務付けられる十天衆としてその後も何度も顔を合わせるコトになってしまう。

 

そしてイヤイヤながら何度か顔を合わす内に……

 

(う……また、あのエッチな旋律…………)

 

(また……今度はそんなコトまで……)

 

(また、あの子の旋律……次はどんなエッチなコトを……)

 

……ニオは段々と、グランのどうしようもなくスケベな旋律を聞くのが楽しみになっていった。

 

 

 

そう、ニオもまたムッツリスケベだったのだ!

 

 

 

なんせ、幼い頃から周囲の人々の口に出せないアレやコレを、旋律という形で鮮明に聞き取れてしまったのだから大変だ。

その中には、当然アハン(死語)でウフン(死語)なチョメチョメ(死語)事情も含まれていて、幼いニオちゃんは毎晩そこかしこから聴こえてくるピンクい旋律にモンモンさせられてきたのだ。

 

自然、そういったコトに興味は沸いたし、幸いにもハーヴィンの中ではかなりの美人な部類であったニオは、その気になれば実践相手なぞ幾らでも選べた。

 

しかしそこで障害になるのはやはりニオの特異な聴覚だ。

 

一見誠実そうに見える人の、周囲や内面のドロドロや、自分に向けられた劣情や悪意がはっきりと聞き取れてしまうニオは、どうしても他者を信頼できず、結果特別な誰かを作れなかった。

 

特に、ハーヴィンである自分に対してエロい旋律を奏でている人間は大抵ろくでもない危険人物だった。

 

そうして巡り巡って行き着いた先の十天衆でも、ニオは他の凡百とは一線を画した仲間たちに一定の信頼を寄せつつ、それでも心を開ききれないでいたのだ。

 

そんなニオのもとに颯爽と現れたドを越したヘンタイ。

それがグラン君である。

 

完璧に取り繕った笑顔の下で、思わず引く程のドスケベ妄想を展開するグランは、しかしニオにとってとても興味深い男の子になってゆく。

 

グランは実に不思議な旋律の持ち主だった。

純朴で穏やかながら、まるで何百何千もの女性を抱いてきた性豪のような雄々しく色っぽい旋律を持ち、それなのに異性を知らない童貞としか思えないピュアな音色を感じさせる。

年相応に子供っぽく、相応以上に大人っぽくもあり、そして並外れてエッチながら、強靭極まる理性がそれを律しているのが分かる。

 

なにより、グランにはおよそ悪意と呼べるモノが全くなかった。

ただただ純粋にスケベで、そしてアホだった。

何十、何百、何千万と耳にしてきた様々な音色の中にあって、一際面白い旋律だ。

 

どうしようもなくヘンタイで、またそれを現実に出来るだけの腕力、権力、財力、魅力を備えていて、しかも色んな女の子(や男の子)に心から慕われているというのに、自身のエロさを隠そうと必死になるあまりそれらに全く気づく様子のないちょっと……いやかなりアレな男の子。

 

いつしかニオは、グランのドスケベな旋律を聞くのが楽しみになっていた。

 

ムッツリスケベなニオにとって、凄まじくエロいのに全く無害なグランは、安心してこっそり観賞できる過激なポルノ劇場のようなモノだった。

 

初めこそ驚き真っ赤になってしまったニオだったが、どうやら危険は無さそうだとわかってからはむしろ積極的にグランの旋律に耳を傾けるようになった。

 

自分を対象にしたヘンタイプレイの数々は、まるでほんとうにシているような微にいり細に穿ったねちっこくエロい旋律で、ニオをヒドくドキドキさせた。

向かい合って目を合わせ、全然関係ない話をしながら、頭の中では濃厚な行為にふける。

 

ほとんど疑似セックスだ。

旋律だけでイッたのは初めてだった。

 

その後、催眠旋律ニーに目覚めたニオが普通のオナニーじゃ満足出来なくなり、テキトウな理由をつけてグランの騎空団に転がりこんで来るまでそれほど時間は掛からなかった。

 

そして同じ団でこっそり催眠旋律ニーにふけりつつ、一緒にいくつもの冒険を乗り越えて、グランの意外と頼れる部分を何度も見せつけられ、いつの間にか割とホンキでグランの事が好きになってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

場面は夕暮れの甲板に戻る。

 

カー・オンの背中で仲良く肩を寄せあっている子供団員達に視線をやり、ニオがグランに応える。

 

「……今回は命綱も一緒みたい」

 

「サテュロスね……まあ、調子乗りのティアマトと比べればカー・オンならだいぶ安全か。後は見張りの大人にちゃんと一言断ってからにしてくれれば……ニオは、アンケートでお悩み?」

 

ニオの手で風にはためくアンケート用紙に気づいたグランが、特に何の気なしにそう問いかけると――

 

「……………………団長。私、この団に居て良いのかな?」

 

「いや、何があったのさ!?」

 

 

 

 

 

殻にこもってイジけてしまったニオに詳しい事情を聞いたグランは、なんだそんな事かと胸を撫で下ろした。

 

「…………」

 

「いや、ゴメンって、別に軽んじてるワケじゃなくってね!?」

 

また閉じこもりそうになったニオをなだめて、さてどう説明した物かと思い悩むグラン君。

 

団員の相談に乗るのも団長としての立派なお仕事だ。

その相手が、最近段々仲良くなれてきた可愛いハーヴィンのお姉さんならなおさらだ。

 

ここいらで更に好感度を稼いでおいて、ゆくゆくはベッドの上で濃厚なコミュニケーションを取れるようになりたい。

そう考えるグランは、本気で悩んでいる様子のニオにかける言葉を慎重に吟味する。

 

(要するに自分がいない間に、例の耽美本の見本市の件でルナール達が前より仲良くなっちゃって疎外感を感じてるってコトなんだろうけど……さーて、あのお耽美なゲイポルノ絵物語についてなんて言やあイイんだ……?)

 

「あー、えっとね、ルナール達は、ちょうどニオが依頼でいなかった時にその……なんて言ったらいいのか……」

 

いかにもエロに免疫の無さそう(に見える)なニオを前に、口ごもるグラン。

ニオはそこからぼんやりと、隠し事や後ろめたさを思わせる旋律を感じた。

 

「…………団長もバーベキューしたの?」

 

「ゴメン何の話?」

 

ニオの中では、彼氏のいないハーヴィン仲間とカッコ良くてスケベなグランが根暗な自分を仲間外れにして川原で一緒にバーベキューしたりキャンプで花火してウェーイしたりしてたコトになっているらしい。

 

いつも通り表情には乏しいが、割と本気で泣きそうなニオに慌てて説明を続けるグラン。

 

「いや、そうじゃなくて……ニオは、あー、ルナールがナニ描いてるかは知ってたよね?」

 

「……耽美物」

 

「それがどんなのかは?」

 

「…………言わせないで」

 

少し恥じらいながらそう答えるニオを見て、グランはわかっているなら話が早いと胸を撫で下ろした。

 

「関係あるの?」

 

「え?」

 

「…………耽美物」

 

空の水平線に日が沈みかけ、空が藍と紅のグラデーションを作るころになって、ニオが小さな声でそう訊ねてきた。

 

「もちろん。ニオがいなかった間に、スフィリアで絵物語の見本市って言って、色んな作家がまだ世に出ない色んな絵物語を展示販売するお祭りがあったんだ。ルナールはそれに耽美物を出展して……で、ニオの言うミラ達はそれの手伝いとして1ヶ月程協力してたんだよ」

 

カンヅメする! と意気込んで現地の宿にこもったルナール達を、依頼の合間を縫って何度か訪ねたグランだったが、確かに彼女達からはなにか独特の一体感のようなモノを感じた。

 

宿の部屋の中にぷにロリハーヴィンばっかり五人も詰め込んでるなんて、なんかイイ匂いしそう! とかなりアホなコトを考えて突入したグランだったが、最後の追い込みのピリッとした雰囲気など、見ていて思わず感心してしまった程だ。

 

あととってもイイニオイだった。

インク臭かったけど。

 

「…………やってなかったんだ。バーベキュー」

 

グランの旋律から嘘を言っていないと判断したニオは、ホッと胸を撫で下ろした。

 

自分抜きの魔導LINEグループなんて無かったんや。

よかったね。

 

「……妙にこだわるねバーベキュー。ニオ騒がしいの嫌いじゃん……ミラ達が仲良さげなのは、エロどう……耽美物って言う特別なモノを一緒に作り上げたからだと思うよ。……タブン」

 

「……でも、どうしよう?」

 

一応事情は理解して納得した様子のニオだったが、だからといって自分が仲間外れなのが変わった訳ではない。

 

どうしたらこのつま弾き感を解消出来るのかと困った顔でグランを見る。

 

「ルナール達なら、次はアウギュステの見本市に新刊出すんだー! ってまた絵物語描いてるみたいだし、混ぜてもらえばいいんじゃないかな」

 

「…………」

 

「……そこでこもられても」

 

「……だって無理、そんなの」

 

若干めんどくさくなってきたグランだが、もちろんそんなコトはおくびにも出さずに提案する。

 

「あー、じゃあせめて作った耽美物を見せてもらったら? それだけでもだいぶマシなんじゃ……」

 

「…………エッチなの、無理。……恥ずかしい、し」

 

いったいどうしろと言うのか。

 

これまで自分のムッツリスケベを完璧に隠し通して生きてきたニオ。

突然、エロ本見せて♪ と持ちかけて、積み上げてきた自分のクールなイメージを崩すわけにはいかない。

たとえそのせいで自分抜きの魔導LINEグループが作られちゃったとしてもだ。

 

(……もうシェロさんかリャオに頼んで無理矢理巻き込んで貰えばいいか……)

 

そう思ったグランは、さっさと話を切り上げるべく、ごく自然な調子で冗談を言ってみた。

 

それは今までの童貞グラン君だったらまず言えないようなジョークだったが、最近少しずつデキる男の余裕を持ち始めたグランは、このとき少し気が大きくなっていたのだ。

 

つまりだいぶ調子に乗っていた。

 

 

 

「じゃあ、俺ので予習でもしとく?」

 

 

 

ニオは、一瞬ナニを言われたのかわからなかった。

 

耽美物のエロ絵物語を見る見ないの話から、『俺の』で予習――

 

(え……それって、そういうコトなの?)

 

ニオが条件反射的にグランの内心を読んでみると、

 

(やべ、ちょっと今のは無かったかな? いくらなんでもちんぽ見てみる? はセクハラだろ……どうしよ、なーんてな! って言って誤魔化すか? ニオってそこまでハッキリ思考が読めるワケじゃ無いらしいしバレねぇだろ。 あ~、でもニオにチンポ見せつけたいなぁ……スベスベのお腹の上にチンポ乗っけて『ココまで入っちゃうんだよ』ってやりてぇなぁ俺もなー)

 

……この駄々漏れである。

 

(ちょっとはホンキだったんだ……団長のオチンチン……私に……)

 

一瞬、見せて貰うだけならチャンスかも、と思ったニオだったが、そんなコトを言ってグランにムッツリがバレるのは恥ずかしい。

はしたない女と思われるのは嫌だし、テキトウにちょっとだけ怒ったフリをして誤魔化そうと思った所で、続けて心の声が――

 

(おっといけないいけない、エロいコト考えたらバレるかもだし落ち着こう……そういやシェロさん来てるんだっけか……あのディルドのコトとか一回詳しく聞きがてらまたお口で抜いて貰おうかなぁ。今日こそ上手いコト下のお口にお邪魔出来たらいいんだけど……ダメだったらまた他のコに頼も)

 

「――まって。ちょっと待って」

 

「なーんちゃっ――――え、何?」

 

衝撃に思わず制止の言葉を口走って、グランを遮るニオ。

 

生温い風が二人の間を吹き抜け、子供団員達が甲板に降りてキャイキャイ騒ぐ音が遠くにうっすらと聞こえる。

 

(え? え? 今……シェロカルテ……また? 『また』って? 他のコ? どういう意味……?)

 

「え、えっと……ゴメン、今のはちょっとしたジョークって言うか、その、セクハラっぽかったよね、ゴメンなさ――」

 

「団長」

 

ニオに見上げられて、声をつまらせるグラン。

ナゼかヒドく真剣な顔をしているニオに、思わず頬がピクッとヒクつく。

 

ナゼか首筋に冷たいモノを感じながら、ゆっくりと口を開くニオの唇を見つめる。

 

 

 

「団長って……………………………………童貞?」

 

 

 

「」

 

(読まれてたーーーーーーーーーーーーっっっ!!?)

 

ニオのまさかの童貞審問に、笑顔のまま固まるグラン。

いったいどこまで読まれてしまったのかと、脳内に嵐が吹き荒れる。

 

(え!? どこ!? ドコまで読まれてた!? 単に俺がレベルの低いセクハラかましたから? ムッツリがバレただけ? それとも、最近色んなコとヤりまくって我が世の春を謳歌し始めたコトまでお見通し!? いやでもそんなまさかニオにそこまで具体的な読心能力なんて――)

 

だから駄々漏れだって。

 

グランの荒れ狂う内心を聞いてしまったニオは、ショックでフラッと(器用にも浮かんだままグランの胸元に)倒れこんだ。

 

「………………そんな……いつの間に…………」

 

じわっと目元に涙を浮かべるニオ。

どうやら自分が留守の間に手癖の悪いドロボー猫に油揚げをかっさらわれてしまったようだった。

 

この大きく温かい旋律は自分が独り占め出来るかもと思っていたのに、自分がちょっと目を離した隙に尻と頭の軽い女団員達と毎晩ベッドの上で湿ったロックミュージックを奏でていたなんて……!

 

最近ちょっとずつ仲良くなってきたし、自然(ニオ基準)なボディタッチも増やせてきたから、この調子で一年くらいかけて仲を深めていずれはエッチなコトに挑戦できたら……と気の長いコトを考えていたのに、こんなのってないよと嘆くニオたそ(20)。

傷は深い。

 

グランはグランで、うっかり思考を読まれて陥ってしまったこの窮地に身体が崩れ落ちそうだった。

 

なんせ今まで散々エロいコトを考えてもニオにバレなかった(と本人は思い込んでいる)ので、油断しきっていた所にコレである。

ニオとは最近イイ雰囲気だったし、うまく行けばイケちゃうんじゃね? なんて思っていたら、一転、秩序の危機だ。

 

(コレで俺は団員に手を出しまくったエロ団長として通報、屈強なオスドラフにケツを狙われながらバルツの炭坑で死ぬまで強制労働か……こんなコトならメルゥと二十四時間耐久セックスでもしとくんだった……ハーヴィンにも一度くらい挿入したかったなぁ……)

 

ニオのイイ匂いのするつむじを見下ろしながら、この期に及んで考えるコトがコレである。

イイぞー、捕まってしまえー。

 

しかし、そんなつくづくスケベなグランの旋律、その最後の部分にニオの耳がピクリと動いた。

 

「……ハーヴィンは、まだ……」

 

「ああ、さようなら俺の騎空団――なんか言った?」

 

ニオは遠い目をしたグランのシャツに涙を擦り付けると、腫れぼったい目でグランを見上げてそのとぼけた顔をじっと見つめた。

 

(ハーヴィンとは、まだセックスしたことないんだ……)

 

こんな状況でもスケベな旋律の鳴り止まないグランの顔を見つめながら、ニオは考える。

 

(…………団長の童貞は取られちゃったけど……別に誰かの恋人になったって感じでもないみたい。 それに、ハーヴィンとセックスした事ないってことは、ハーヴィン童貞ってこと、だよね? つまり、実質童貞。団長はまだ童貞。恋人もいない。…………今ならまだ間に合うかもしれない)

 

いやその理屈はどうかと思うよ?

 

頭の中でぐるぐると思考を巡らせながら、死刑宣告でも待ってるみたいな顔でだらだらと汗を流しているグランのシャツを、きゅっ、と握るニオ。

 

グランは、うっすら顔の赤いニオを見下ろして、いよいよかと身構える。

 

ニオがゆっくりと唇を開く。

 

「……あなたが、教えてくれるなら…………その、お願い」

 

「スンマセンやっぱり通報だけはカンベンしてくだっ――――なんて?」

 

プイ、と顔を反らしたニオに思わず聞き返す。

 

「…………耽美物。予習、させてくれるんでしょ? …………あなたので」

 

いつもの平坦な声をわずかに震えさせながらそう言うニオに、思わず面食らうグラン。

 

自分で言っておいて一瞬意味が分からなかったグランだが、遅れてじわじわと脳に情報が流れ込んでくる。

 

耽美物。

エロシーン。

予習――

 

「えっ、イイの?」

 

まさかの展開に、驚きが隠せないグラン。

最近ツイてるツイてるとは思っていたが、こんなにツイててイイんだろうか?

 

間抜け面で自分を見下ろしながら、またスケベなコトを考え始めたグランを見上げて、ニオは頬が熱くなってくるのを感じながら小さくうなずいた。

 

「団長が言ったのよ。…………エッチなのは無理…………だけど、団長ばっかり他のコとエッチなコトして、ズルい。……わ、私も。私にも、教えて………………その、エッチなコト」

 

潤んだ藤色の瞳でグランを見つめ、そう言い切るニオ。

緊張からか、僅かに震えているのが伝わってくる。

 

「え、あ、教えてって……!?」

 

(マジで!? イイの!!? ニオにエッチなコト教えちゃってイイの!!? 教えちゃうよ! めっちゃエロいコト教えこんじゃうよ!!?)

 

スーパー可愛い二十才児ハーヴィンにエッチのレッスンをおねだりされて、チンポに電撃が走ったグランが興奮のあまりにそんなアホなコトを考えて鼻息を荒くしていると、ニオはまた少し頬の朱を濃くして「イイの」と呟き続けた。

 

「男のヒトは、怖いわ。ヒドい事を考えてるのが、聴こえてしまうから……でもあなたは違う。団長はエッチだけど、私にヒドい事なんてしない」

 

だから――、と続ける。

 

 

 

「私とエチュード、しよ?」

 

 

 

 




頭に魔導付けといたら何出したってイイと聞いた


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ニオ、打ち明ける。

身長84cm

メジャーで確かめてみる

\やべぇ/


 

 

 

「――――コレでどう?」

 

「…………うん。大丈夫、静かになったわ」

 

部屋全体を包み込むように念入りに防音魔法を重ねがけしたグランが振り返って確認すると、ニオは目をつぶって少し耳を澄ませた後、小さくうなずいてそう言った。

 

ココはお馴染みグラン君の部屋。

 

キングサイズのベッドに向き直るったグランは、自分のベッドの端にちょこんと腰掛けて、ニーソックスに包まれた短い足をぷらぷらと揺らしながら所在なさげにしているニオを見て、こんな小さなコに今からエロいコトを教え込むんだと、興奮に股間がいきり勃つのを感じた。

 

(うおぉぉぉ……改めて見るとハーヴィンってちっちゃいよなぁ……90cmないとか、身長だけならヒューマン換算2才児かそれ以下ってところか? コレで合法…………チンパコおっけー…………たぎる)

 

グランがそうやっていつもの調子で、こんなエロい種族ばかりをお空に産み出してくれた神的なナニカに心底感謝を捧げていると、ベッドに腰かけていたニオが小さな声でボソッと囁いた。

 

「…………団長」

 

「――ハッ!? あ、ゴメン、つい感動しちゃって……なに?」

 

グランが聞き返すと、ニオは太モモをモジモジと擦り合わせながら、うつむきがちにボソボソと続ける。

 

「その……少し、言いづらいのだけど」

 

「うん?」

 

「……私、分かるの。あなたの考えてる事……その、結構、ハッキリと」

 

「…………うん?」

 

おや?

 

グランは額に冷たいモノが吹き出すのを感じた。

自然と背筋が伸びる。

 

あれれー、お、おかしいぞー?

今からとってもステキなコトが始まると思ってたのに、なんかニオたそがちょっと衝撃的なコト口走ってなかったかなー?

 

グランが冷や汗をだらだらと流しながら、それ以上聞いてはいけないと思っても、ニオは構わず続ける。

 

「ううん、聞いて欲しいの」

 

ニオは上目使いにグランの顔色をうかがいながら、無情にも今まで黙っていた事実をハッキリと告げた。

 

 

 

「……つまり、知ってるの。団長がいつも女の子の事とか、…………その、すごく、え、え………………ぇっちなコト考えてるの」

 

 

 

「うせやん」

 

グランはショックのあまり噛んだ。

どこかの方言のようになっている。

 

「通報なんてしないわ。信じて」

 

グランが今度こそ、通報、秩序、ギロチンポ……と恐ろしい未来を想像して恐れおののいたところで、すかさずそう言うニオ。

 

正確に聴こえていると言うのは本当らしい。

 

「え、あ、え、だって、え――――」

 

「うん……最初はびっくりしたわ。…………最低、って思ったし」

 

「………………ちがうんです」

 

なにがだよ。

 

いっそあわれな程にしどろもどろなグランを見て、ニオはクスッと吹き出した。

 

あの団長が、いつも澄まし顔で自分をドキドキさせるグランがこんなに慌てている。

 

さっきまで自分が感じていた焦りがスーッ……と解けてゆくのを感じて、ニオは自分の感情のまま、素直に口を動かした。

 

「私も団長のコトばかり言えないの」

 

「…………うん?」

 

「私も、同じだから。…………私本当はエッチなの。いつの間にか、あなたのエッチな旋律を聴くの、好きになっちゃったみたい」

 

「なぁ!?」

 

衝撃の告白だった。

 

「あなたに黙って、こっそりあなたの旋律を聞いて、私もイヤらしい気持ちになってたの」

 

固まるグランに対し、モジモジと照れた様子で、しかし淡々と続けるニオ。

 

「あなたのエッチな旋律でオナニーしてたわ」

 

「はぁっ!? あ、え、お、オナッ!?」

 

「催眠旋律ニーしてたわ」

 

( 催 眠 旋 律 ニ ー ! )

 

いったいナニをぶち込んでくるんだこのハーヴィン。

言うに事欠いて、催眠旋律ニーて。

 

ニオのナゾの開幕ソロぶっぱに、頭を三寅斧でぶっ叩かれたような衝撃を受け、思わずよろめくグラン。

 

(えっ、えっ? うそ、うそだろ……ニオが……あ、あのニオに……俺のスケベな妄想が最初っから全部駄々漏れで、しかもニオはそれ聴きながらオナニーしてた??? はぁ?? ゆ、夢? またオケアノスの仕業か? ハハッ、童貞乙。……童貞ちゃうわっ!)

 

鼻の奥がツンとして、鉄の味がこみ上げてくる。

慌てて鼻頭をおさえる。

混乱の極みにあるグランの袖がクイっと引かれる。

 

見下ろせば、ニオがそっぽを向きつつグランの袖口を小さな指先で摘まんでいる。

 

「……さっき、報告した時も、あなたの胸に耳を当ててとってもエッチな気持ちになったわ。久しぶりだったし、団長の旋律も激しかったから、にかい…………三回……ぃ、イッちゃったもの」

 

これまたスゴい告白である。

 

「お、おおう……どういたしまして……」

 

なんだかわからんがとにかくシコい。

アホなグランはそう思った。

 

「……だから、あなたと会う時は、いつも多い日用のナプキンとタンポンを併用してるの。その……そのままだと、溢れちゃうから……」

 

「待って。鼻血出たわ」

 

なんでこの牝ハーヴィンのちんまいお姉さんがオナニー暴露大会を開催し始めたのかはまったくわからないが、エロければなんでもイイや。

一回だけサバ読もうとしちゃうニオたそ可愛い。

絶対意味ないだろそれ。

 

グランが鼻血をたらしながら思考を放棄して突っ立っていると、ニオは大きく息を吐いて目をつぶり、

 

「~~~っ――――――!」

 

ベッドに顔を突っ伏して魔法殻にこもってしまった。

…………あ、恥ずかしかったんだ。

 

 

 

 

 

 

しばらくして、ようやくハッと我にかえったグランは、ギンギンに勃起したチンコがズボンに締め付けられるのを我慢しつつ鼻血をぬぐいとった。

 

殻をコンコンとノックして中で湯気を吹いているニオに呼び掛けると、ニオは枕をギュッと抱き抱えながら、そろそろとグランに振り向いて、結界を解除する。

 

「…………恥ずかしかった」

 

そりゃそうだろう。

 

「あー、う、うん。お、俺もびっくりしたよ、スゴく。……そっかー、バレてたのかー……そっかー…………」

 

思い返して、再び赤い顔でうつむく二人。

 

「……ごめんなさい。ずっと、黙ってたから……コレでおあいこ」

 

「あ、うん……あー、そういう……」

 

乱心でも起こしたのかと思ったが、どうやら一方的にグランの秘密を覗き見ていたコトに対するつぐないというか、ケジメのようなモノだったようだ。

どう考えても言わなくていいコトまで勢いで暴露してしまったように思えるが、そういうコトと言ったらそういうコトなのだ。

 

グランはバクバクと早鐘を打つ心臓を落ちつかせながら、そういうコトかとチンポを(多少)大人しくさせた。

 

(てっきり新手の羞恥プレイでもおっぱじめたのかと……)

 

「…………違うもん」

 

「あ、いや、ゴメンつい」

 

心を読まれるというのはなんともやりづらいものだ。

グランはそう思った。

 

(…………でもコレはコレで興奮するな……)

 

お前いっつも興奮してるなぁ。

 

「…………もう、あなたと私の間には秘密なんてないわ」

 

「うん、そうだね」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………!! あっ! つ、つまり、俺の考えてるコトがわかった上で予習したいってコトは――――」

 

かしこいグラン君は気づいてしまった。

 

自分のムッツリがわかった上での申し出というコトはだ。

 

ニオは自分の暴れん棒で穴という穴をチンポコキ穴にされたりハーヴィンお腹をコンドームみたいなザーメンタンクにされて好き放題落書きされたり二十四時間コートの下でチンポサックとして装備されつつ十種競技で世界を狙われたりしたいという願望が――――

 

 

 

「~~~~っ、だっ、だから、その前に確認。団長、私以外にも、色んな団員に手を出してるでしょ?」

 

 

 

「なあああああぅっ!!?(バレてるんだったーーーーーーー!!?)」

 

ニオの指摘に、思わず変な悲鳴を上げるグラン。

 

そりゃあ、ずっと心を読まれていたんだから、グランが最近女の子たちに手……もといチンポを出しまくっているのもバレバレなのは当然だった。

 

「シェロ……ククル、クム――く、クムユ? ……それにラムレッダ……アリーザ…………おっきい子ばかり……あ、でもメルゥ……」

 

「あぅ、あぅ、あぅ……!」

 

関係を持った女の子たちの名前を次々と言い当てられ、その度に顔色が悪くなって行くグラン。

上がったり下がったり忙しいヤツである。

 

「…………うん、それで全部。あってる?」

 

「ハイ」

 

すっかり観念して素直に認めるグラン。

チンポもすっかり萎れてしまっている。

 

「……正直に言うと、ショック」

 

「ハイ。スミマセン」

 

ニオにスミレ色のジト目でにらまれてデカイカラダを縮こまらせる男がいた。

悲しいコトにコイツがこの団の団長なのである。

世も末だ。

 

「うん……ショックだったわ…………でも、あなたを責める気は無いの」

 

「ハイ、オッシャルトオリデ……はい?」

 

一瞬聞き流しそうになって、思わず聞き返す。

 

「旋律を聴けばわかるわ……あなたは、ちゃんとみんなを愛しているし……先を越されちゃったのは、自分が悪いんだもの。仕方ないわ」

 

「……先?」

 

「…………意地悪。……察して」

 

手を出す。

先を越された。

ショック――――

 

伏し目がちに顔を赤らめるニオにつられて、グランもまた頬が熱くなってくるのを感じた。

 

(え? ウソ? マジで? ニオ、ホントに俺のコト……)

 

いや、最近イイ雰囲気だとは思っていたけど……!

来てる……来てるぜ俺の時代……!!

 

「私、嫉妬してるみたい。……団長、あなたは私の事、どう思ってるのかな?」

 

「っ、お、俺はニオのコトっ、ホントにかわいくて、キレイで、憧れてて(めっちゃシコくて初めて会った時からずっとチンポぶちこみたくてお腹とかほっぺたとか揉みたくて結婚したくて)……!」

 

こんな時でもグラン君はグラン君だった。

欲望が漏れまくっている。

 

「う、うん。ありがとう、嬉しいわ、団長」

 

カラダを震わせて、途切れ途切れにそう応えるニオ。

普段は表情に乏しいニオだが、今は頬が弛んでいるのがハッキリとわかる。

 

というか、ニオ的にはコレでもイイらしい。

たいがい、トンでもフェロモンにヤられてしまっているのだろう多分。

 

「……だから、私もして欲しいの。他のコがして貰ったコト、全部」

 

そう言って、グランの瞳を真っ直ぐに見つめてくるニオ。

良く見ると指先が小刻みに震えているが、そのスミレ色の瞳には強い意思がうかがえた。

 

「……コレ、めっちゃエロいおねだりされてない?」

 

「……言わないで」

 

 

 

 

 

 

 

 

グランはニオの鼻先に腰を突き出した。

 

「じゃあ、まずはこのままさすってもらおうかな?」

 

ウキウキしながらそう言うと、ニオはゴクリとちいさく唾を飲み込んで、その小さな手をグランのズボンの膨らみに伸ばしてきた。

 

――ぴと。

 

と、ニオのたおやかな白い指先が膨らみに触れる。

 

「あふん」

 

「!」

 

その瞬間、ビクンッ! と大きく脈打った膨らみに驚いて、慌てて手を引っ込める。

 

「い、痛かっ「(ニオたそ(20)のちっちゃいゆびハァハァ)」……くは無いのね。……続けるわ」

 

若干頬を膨らませながら、再びズボン越しの剛直に指先を這わせるニオ。

サトラレってイイかもしれない、とグランは胸を熱くした。

 

すでに心を読まれることに順応してしまったムッツリ改めオープンスケベグラン君。

どうしようもないヘンタイである。

 

ニオはグランの旋律に耳を傾けながら、初めて触るチンポの形を確かめるようにペタペタと紅葉のような手で撫でては、竿がビクンッと脈打つ度に肩を跳ねさせている。

 

ベッドの端に腰かけ、床に足先も届かないような小さなカラダを乗り出すようにグランの股間に手を伸ばし、熱に浮かされたようにチンポタッチを繰り返す十天衆ハーヴィン。

 

グランの股ぐらから左モモにかけて大蛇のように膨らんだ形を何度もなぞっては、

 

(おっきい……固い……ゴツゴツして、ビクビクして……ズボン越しなのに、スゴいエッチな匂い……あ、先の所、湿って……)

 

と、初めて触る男の分身に興奮しきりのニオを見下ろし、グランは背筋にゾクゾクするような快感を感じた。

 

「あ゛~、年上の処女お姉さんがおっかなびっくりチンポに触ってくれるの最っ高……!」

 

どうせ読まれてしまうならと、感動をそのまま口に出すグラン。

ニオは頬と耳が熱くなるのを感じながら、黙々とグランのチンポに這わせていた指にグッと力を込めた。

 

「…………からかわないで」

 

「あふっ!? ……ゴメンゴメン……あんまりにも可愛くて。じゃあそろそろお口で味見してみよっか!」

 

「……ん」

 

ニオは、こくっ、とうなずき、グランの先端に恐る恐る首を伸ばし――――

 

「おっほ♪ ニオのフェラ待ち顔エッッッッッロ♪」

 

ニオが口を開いて舌先を出し首を突き出した所でグランが突然腰を引き、ポケットから取り出した魔導スマホでパシャパシャととろけた間抜け顔を激写する。

 

「……………………」

 

「うん、いい絵が撮れたよ! じゃあ改めてお口で……っ、に、ニオ、どうしたの九界琴なんか取り出しちゃって顔怖いよちょっ、やめっ――――」

 

「……意地悪な団長はチューニングしてあげる」

 

ポロン――ポロロン――――♪

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

 

 

 

 

 

「意地悪なのは嫌い」

 

「ハイ、ゴメンナサイ」

 

共振作用で金玉を爆発させられそうになったアホなグランは涙目で謝った。

 

金玉が玉袋の中で縦横無尽にブルブルと高速振動しつつ膨張し、激痛と共にギュンギュンと異音を奏で始めたときには死すら覚悟した。

旅に出てから一番焦った瞬間であった。

 

流石に調子に乗りすぎである。

 

「……じゃあ」

 

グランが大人しく腰を突き出すと、ニオはグランのズボンの膨らみに鼻先を近づけた。

 

スンスンと、鼻をひくつかせると、ツンとした淫靡な匂いが鼻腔を通り抜け、お腹の奥が熱を持つのを感じる。

 

(この中に、団長のが……スゴい匂い。ドクドクって、血液の流れる音が聴こえる……)

 

恐る恐る舌先を伸ばし、色の変わったズボンの膨らみの先端をチロッと舐める。

 

(……!?)

 

パクっ、と先端にかぶり付く。

 

その瞬間、口一杯に広がるしょっぱくてイヤらしい匂い。

ニオは夢中になってズボン越しの亀頭を口に頬張り、ジュッ! ジュッ! と染み込んだ我慢汁を吸い上げてゆく。

 

グランは突然の激しいバキュームに、思わず腰が退けそうになった。

背筋に甘い快感が走り、もどかしさで膝が震える。

 

(団長、喜んでる……それに、この味。なんだろう、美味しくないハズなのに、スゴくエッチで、ずっと味わっていたい不思議な味……)

 

ニオは口の回りをヨダレとカウパーで汚しながら、竿全体をマッサージするようにハミハミと根本に向かって頭を動かしてゆく。

 

「くっ……! に、ニオ、次は……!」

 

「……ぷはっ。うん」

 

ニオはグランの旋律から次の要求を読み取り、グランのベルトをカチャカチャと外し、ズボンを下ろす。

 

すると、窮屈なズボンから解き放たれ、そそり勃ったグランの巨根がパンツを大きく盛り上げた。

 

先走りとヨダレで湿って色が変わったパンツの、大きく張り出した先端。

パンパンに膨らんだ亀頭のカタチをイヤらしく浮き上がらせるそこに、ニオはグランがそうして欲しいと思った通り、大きく口を開けてパクっとかぶり付いた。

 

「あっふぅ……!(メスハーヴィンのパンツ越しフェラっ! 何度見てもヴィジュアルがやべぇ……!!)」

 

ズボン越しよりもハッキリと伝わってくるチンポの感触や熱にドキドキしながら、想像していたよりプニプニした亀頭の先っちょ辺りからから溢れてくるカウパーを夢中になって吸い上げていたニオは、グランが内心で『何度見ても』と思ったコトに少しムッとして、何度かわざと歯を立ててグランの腰を跳ねさせる。

 

「あぃっ!? に、ニオっ!? ちょっと痛っ、ゴメンって! あふっ! イッ……! サトラレックスやべぇ、うかつにナンも考えられん……けど嫉妬するニオかわいい……! 歯ぁ立てられるのもなんか馴れてない感があってコレはコレで……!」

 

無敵かよ。

ニオはなんだかムキになるのが馬鹿らしくなった。

何をやっても、かわいい! 嬉しい! 気持ちイイ! と好意全開の旋律が返ってくるコトに頬が熱くなるのを感じながら、照れ隠しにと一生懸命になってパンツフェラを続けるニオ。

 

「んっ…………ぷちゅっ……ぁぐっ♡ …………ぷちゅっ、はぁ……おっきすぎてアゴが痛い……」

 

パンツ越しの亀頭をなんとか口に収めようと、ハーヴィン族の小さなお口であぐあぐとカリ首と格闘したあと、そう言いながらあきらめて、うらめしげにグランを見上げる。

 

「……俺もう死んでもいい」

 

グランは口の回りをカウパーとヨダレでベトベトにしながら、ほんのりと上気した顔で頬を膨らませるかわいすぎる20才児ハーヴィンを見下ろして、感動のあまりそう呟いた。

 

「…………バカ」

 

ニオは、グランの奏でる幸せの旋律に顔がニヤけそうになるのをなんとか抑え、グランの窮屈そうなパンツのゴムに指をかけてグイッと下ろした。

 

その瞬間、ぶるんっ! と鎌首を振り上げたチンポが暴れ、先端から吹き出した先走り汁が、ぱたたっ、とニオの顔にかかる。

 

「きゃっ………………ぁぅ……」

 

ネバついた汁をぶっかけられ、文句の一つでも言ってやろうかと思ったニオは、しかし次の瞬間固まってしまった。

 

チンポだ。

初めて見る巨大なチンポが、ニオの目の前に堂々とそびえ勃っている。

 

黒々とした長く太い竿は、エグい起伏に太い血管を何本もグネらせ、ヨダレと先走りにまみれてテラテラとスケベに光を反射している。

大きく張り出したエラまでを包皮が包み込み、その先端からパンパンに膨らんだ赤黒い亀頭が顔をのぞかせ、鈴口にはカウパーが玉になってキラキラと輝いている。

根本には淡い色ちじれ毛が茂みを作り、だるんだるんに垂れ下がったシワだらけの袋の中で、握りこぶしのような玉がビクビクとうごめいて精子を増産し続けているのがわかった。

 

「………………これが団長の………………ぁっ! ……す、スゴ……ぁっ……ぃぃっ♡」

 

パンツの上からでも、その大きさはわかっていたが、こうして締め付けから解き放たれたチンポは想像以上の迫力でニオを圧倒した。

 

ジュンッ♡ と、お腹の奥からアツいモノがこみ上げてくる。

 

チンポが奏でる激しくエロい脈動が、ニオの未使用子宮に直接ズンズンと重低音を響かせて、それだけでニオは、腰が砕けるような絶頂に小さなカラダを震わせた。

 

ブシュッ♡ ブシュッ♡ っと、ニオの股から水音がほとばしり、甘くツンとした香りが立ち込める。

 

同時に、グランのイチモツから、モワァッ、と、アツい湯気と共にすさまじくエロい匂いが漂ってきてニオの鼻を貫いた。

 

「ふぅぅぅっ………♡」

 

処女のクセに高度なオナニーで開発され切ったニオは、イヤらしすぎる旋律と匂いのダブルパンチで脳と子宮をシビれさせられ、白目を剥いてベッドに仰向けにぶっ倒れてビクビクとケイレンした。

 

「えっ、な、ナニゴトっ!?」

 

グランはグランで、自分のチンポを見つめて固まったかと思ったら、突然ビクビクと震え出してひっくり返ってしまったニオに動揺を隠せなかった。

 

(え、ナニ? 俺のチンコってそんなに刺激強かった? うわ、なんかカエルみたいになっちゃってるしなんかプシャプシャ音するし……スコブルエロいけどダイジョウブなのかコレ?)

 

そんなコトを考えながら、グランがいよいよヒールの一つでもかけた方がいいかと思いついた所で、ニオのケイレンがようやく収まった。

 

「……っはぁ……はぁ…………はぁ………………っはぁ……」

 

ベッドの上で、くたっ、とノびて、荒く息をついている。

 

「あー……、ニオ、だ、ダイジョウ――――」

 

グランがホッと安心して声をかけようとすると、仰向けのニオがおもむろに上着の肩から腕を抜き、腰を浮かせてボディスーツのような服をずり下げてゆく。

 

グランが息を飲んで見守る前で、両足を上げてヒラヒラしたスカートを脱ぎ捨て下着姿になったニオは、熱に浮かされたような顔で、スミレ色の澄んだ瞳にハートマークを浮かべて、両足を抱え込んだ。

 

俗にいう、マンぐり返しの体勢である。

 

申し訳程度の膨らみをおおい隠す可愛らしいレースのブラの中心は、目に見えて盛り上がって、目の前の牝の興奮を伝えている。

小さいながらもむっちりとした太ももを準備汁がだらだらと這い、星柄の黒いニーソックスにまで染み込んで淫靡な牝のニオイを漂わせている。

 

しとどに濡れそぼって色の変わったショーツのクロッチは、愛液を吸いきれずに膨らんだナプキンでオムツのようにこんもりと膨らみ端から羽根をのぞかせている。

 

自分と会うときにはナプキンをしているというのは本当だったらしい。

嬉イキ前提でサニタリーパンツはいてこっそりオナニーしにくるメスハーヴィン(20)。

 

「うっわ、うっわー……、え、エロ過ぎだろこんなん……!」

 

そのあまりのエロさに頭をガツンと殴られたような衝撃を受け、チンポに電流が走る。

金玉がギュルルッと締め付けられてせりあがり、鈴口から勢いよく我慢汁が噴き出してニオのスベスベのイカ腹にびちゃちゃっ! とかかった。

 

「んっ……♡」

 

マンぐりニオが再びぷるっと震え、小さく声を漏らす。

 

「うっくぅ……に、ニオ、もう俺……」

 

「うん……来て」

 

情けない声で爆発寸前のチンポをビクビクと脈打たせているグランの、激しく切ない旋律に子宮をキュンキュンさせながら、顔中をエロい液体でベトベトにしたニオが優しく声をかけた。

 

 

 

「私も、もう我慢出来ないの…………あなたのおチンポで、チューニング、して?」

 

 

 

そう言って、クロッチの両わきに手をやり、グイッっと拡げる。

ぷにっとした大陰唇が広がり、ショーツの端から鮮やかなピンク色がのぞく。

 

プッツン、という音がした。

 

「っあああ゛あ゛あ゛ーーーっ!! 身長84cmの合法ペドハーヴィン(20)の汁だくマンぐりおねだりぃぃっ!! もう秩序なんか知らん俺はヤるぞぉーーーーっ!!!」

 

あまりにどエッチ極まる状況に、もともと残念な脳ミソがあっさりショートしてナニがナンだかわからなくなってしまったグランは、最高に頭の悪いオタケビを上げながら、凶器じみたチンポをギンギンにいきり勃たせて自分の半分もない大きさの発情メスハーヴィンにダイブした。

 

「んっ♡ ……あ、焦っちゃ、ダメ……」

 

「無理っ! ムリムリムリだからもう今の俺はグランツカモトだからっ!!」

 

もはや意味不明である。

 

ちなみにツカモトとは全空に名をとどろかすサスライのエロビデオ男優である。

射精量が一ガロン(誇張)くらいある、グランが密かに憧れているスゴいヤツだ。

超カッコいい。

 

バカじゃないのか?

 

自分のコトを大物AV男優だと思い込んでいる一般騎空団長グラン君は、目を血走らせて威勢のイイ言葉を吐きつつ、割と繊細な手つきでニオのパンツを抜き取った。

愛液でびちょびちょになったナプキンごとさりげなくサイドテーブルの引き出しに放り込む。

 

「…………あの……か、返し……」

 

「きっ、記念に! 記念にね!!」

 

パンツの下には、ぷっくりとした子供マンコがピッチリとした縦スジを作り、子供らしからぬスケベな液体を垂れ流している。

 

「うっはぁーーーーっ! 犯罪ちっく!!」

 

「………………ばか」

 

ニオが長座ぎみに抱え込んだ両脚をグイッと左右に広げると、興奮で赤らんだ肉厚の大陰唇が左右に割り開かれて、幼い中身がくぱっとのぞく。

 

恥丘の先端に、半分包皮に隠れたかわいらしいピンク色の肉芽がピンピンに勃起して、その下の尿道口はときおりクパクパと開いては盛り上がり、今にも潮を吹き出しそうにうごめいている。

 

そしてその下、指一本も入りそうもない膣口の輪状の薄い処女膜の内側からは、透明な準備汁がコプッ♡ コプッ♡ と次々にあふれ出て、このちっちゃ過ぎる子供マンコがすでにチンポを迎え入れる準備が万端整っているコトを主張している。

 

「Oh……あめいじーんぐ……! ちょっとチンコヤバいわ、そろそろ爆発する」

 

「…………あんまり見ないで」

 

「ヤダ! 見る! ……お?」

 

グランはニオのぷにロリハーヴィンマンコに顔をくっつけんばかりに近づけて観察しようとして、膣口から細いヒモが一本、ちょろんと垂れ下がっているのを見つけた。

 

「!! これがウワサの……!」

 

そのヒモを指でつまみ、グイッと引っ張る。

 

「んぅ♡ ……ゆっくりっ……ぁ……」

 

ニオの甘い声に思わず射精しかけつつヒモを引っ張ると、ニオのおマンコ全体がグイッと盛り上がり、膣口がぐぐっと広がったかと思うと、ニオの中から愛液を一杯に吸ったタンポンがズルンっと滑り出した。

 

「おおおおお…………すげぇ! エロい! エロ過ぎるよニオ!」

 

外に取り出されたタンポンはベットリとネバついた本気汁でパンパンに膨らみ、ヌラヌラとイヤらしく光を照り返した。

どう考えてもニオの膣内に収まっていたとは思えない大きさに膨らんだそれに不安になったグランがニオの膣口に目をやると、そこには変わらず処女膜が確認できる。

 

「……そういうふうにできてるの。……あと、は、恥ずかしいから……」

 

チンコをギンギンにしながら女体の神秘に感動しているアホなグランに、ニオが律儀に両脚を抱え込んだままそう話しかける。

 

「ああ、ゴメンゴメン。じゃあさっそく……!」

 

グランはハッと我にかえると、流れるような動作でタンポンをジップロックにしまってサイドテーブルに放り込み、ナニゴトもなかったかのような顔でニオに向き直った。

 

「…………もういいわ」

 

「ニオ、準備はイイね?」

 

そう言って、ゴツゴツした竿を握って、ゲンコツみたいな亀頭の先端をニオの膣口に押し当てる。

 

小さなマンコを押し潰すようにあてがわれた鈴口に、ニオの膣口がちゅぷっと吸い付いた。

グランの背筋に甘い電流が走る。

 

「うっく……いく、ケド……コレ入るのか……? もうなんか縮尺間違ってるようにしか……」

 

今さら止める気もさらさらないのだが、その赤ちゃんと大人のようなあまりのサイズ感の差に、アリーザとの時を思い出して思わず躊躇を覚えるグラン。

 

(入れた瞬間に中止とかもう出来そうにないぞ……?)

 

「……大丈夫よ。ハーヴィンだって妊娠も出産もするのよ? 身体は小さいけど、生殖器はヒューマンと同じくらいあるの。赤ちゃんが通れるんだから、団長のだってきっとだいぃぃぅ…………っ♡♡」

 

「おおっ、ホントだっ!」

 

ニオが最後まで言うのも聞かず、グランが腰を前にグイッと押し込むと、ゴムのように伸びた膣口に巨大な亀頭がズブブブブ……とめり込んだ。

 

プチプチっ! と軽い音と共に、ニオが今まで大事に守り通してきた処女膜がズタズタに引き裂かれ、グランのベッドシーツに小さな赤い斑点を散らす。

 

「ぁっ……コレっ……スゴっ……♡」

 

「うっは、ナンだコレキッツ! 痛くは――なさそうだね。恐るべしメスハーヴィン……ハーヴィンのぷにあなは全空一ってウワサは本当だったのか……!!」

 

亀頭を握りつぶすくらいに締め上げるアツアツでプニップニの膣肉の気持ちよさに、グランのチンポに尿意にも似た快感が押し寄せる。

 

射精しそうになるのをこらえて、行けるところまで挿れてやろうと腰をさらに前に出す。

 

グニグニとうごめいて巨大な異物を押し戻そうとする膣肉に逆らってズブズブとチンポをねじ込んでゆくと、グランのイチモツのあまりの太さにニオの骨盤がギシギシときしんで、子宮を押し上げながら無理やり産道を押し広げているのがわかる。

 

ニオは、今まで自分の人差し指より太いモノを入れたコトがない膣内を自分の脚のようなエグい巨根でゴリゴリと堀り進められ、その想像を絶する快感に全身から汗を吹き出し、頭がチカチカと何度もスパークするようなキモチよさにどうにかなりそうだった。

 

少しくらいは痛いのを覚悟していたのに、襲ってきた快感の津波で痛いのが完全に麻痺してしまって、ただただ押し寄せてくる『キモチイイ』の旋律に意識が飛びかける。

 

ブチュンっ♡

 

「ふう゛ぅっ……♡」

 

肉と肉がぶつかる水っぽい音に、グランがハッと顔を下ろす。

 

ニオの脚の付け根はいっぱいに広げられ、小さなアソコがギチギチに引き伸ばされている。

回りのマン肉までめり込ませて、フル勃起状態の剛直がすべて、ニオの中にズッポリと収まっていた。

 

「うっわ、マジかよ……!」

 

見れば、ニオは涙や鼻水やヨダレで顔をぐちゃぐちゃにして放心し、ぷにっとしていたイカ腹は内側から押し上げられるようにボコッと膨らんでいる。

チンポ全体をアツアツの膣肉が揉みしだく。

子宮内にズッポリとはまりこんだ亀頭は、固い輪ゴムのような子宮口に張り出したエラを引っかけて、プリプリした子宮壁に、キュッ♡ キュッ♡ と優しく締め上げられおチンポミルクをねだられている。

 

もはやチンポケースである。

ほとんど気絶寸前の状態でもなお無意識のザーメンおねだりをやめない最強の奏者(笑)を見下ろして、グラン君の脆いダムは一瞬で決壊した。

 

「あっ、出る」

 

ブビュッ!!! ブッビュルルルルルルウルルルッ!! ビュルルッ!!

ブビュブブブッ!!! ビュブリュルルルルッ!! ブビュルルルルルッ!!

 

パンパンに膨らんだ金玉が一気に収縮して目一杯にせりあがり、プリっプリに濃縮されたザー汁の塊が尿道に殺到し、前立腺をゴリゴリと削りながら怒濤のように吹き出した。

 

カラダの芯を鈴口から引っこ抜かれるようなすさまじい快感に、グランは精液のダマを断続的に排泄しながらケモノのように野太い叫び声を上げる。

 

「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ゛!! こんのっ……孕めぇぇぇっ!!!」

 

「う゛ぁ゛っ♡♡♡」

 

大きく張り出したカリ首に出口を塞がれている子宮が、逃げ場のない大量のチンポミルクによって、ボンッ!!! と膨らむ。

大切な赤ちゃん部屋を一瞬でコンドームのように膨らまされたニオは、瞳からハートマークを飛び散らせ、普段からは想像もつかないような悲鳴を上げた。

 

「ぁ゛っ♡ ぁ゛っ♡ ぁ゛っ♡ ぁ゛っ♡ ぁ゛っ♡ ぁ゛ぁ……っ♡♡」

 

カエルのように投げ出した短くプニプニした手足をガクガクと跳ねさせ、だらしなく開いた口から壊れたように濁った嬌声とヨダレを垂れ流すニオ。

 

ぴったりとくっついた恥部から、グランの金玉の奏でるすさまじい種付けの旋律が直接ニオの胎内に伝播する。

共鳴したニオの小さな卵巣が狂ったように躍り狂い、まだ未成熟な卵子を次々と排卵しはじめた。

 

(ダメっ……私のタマゴ……団長の旋律で壊れちゃった……♡ まだ完成してないのに……我慢できずに飛び出した子供卵子が、団長の強い精子にズタズタにされちゃってる……♡)

 

グランのゼッタイ孕ま旋律をゼロ距離で打ち込まれたニオは、脳髄を直接犯されるような途方もない快楽と衝撃で意識を激しく明滅させた。

 

男の精子と違って数に限りのある大事な卵子を、グランのクッさい精子で次々と串刺しにされる破滅的な快感。

止まらない絶頂の渦のなかで本気の種付けセックスのキモチよさに脳ミソがとろけそうだった。

 

孕ま旋律ックスヤバい。

旋律ニーなんて所詮オナニーに過ぎなかったのだと、ニオたそは消えかけの意識の片隅で思った。

 

全く衰える気配のない特濃ザーメンをドクドクとそそがれ、ニオの白いお腹がみるみるうちに膨らんでゆく。

 

「うお゛っ……! すげっ、コレっ、グネって……まだっ……出るっ…………!! ぷにあなさいっこぅーーーっ……!!」

 

グランは、ちょっとヤバげなケイレンを始めたメスハーヴィンの、子供妊婦を犯しているような犯罪的な絵面に興奮を抑えきれない。

射精したままガクガクと激しくピストンを始めた。

 

ボリュリュリュリュッ♡♡ ブリュッブブブルリュリュリュッ♡♡

ブボッ♡♡♡ ズブリュブブブブッ♡♡ グボッボリュルルルッ♡♡

ガボッ♡ ブリュリュッ♡ ガボッ♡♡ ズブリュブブッ♡♡

 

「あ゛ぅ゛っ♡♡ だ、団長っ♡ スゴぃ゛っ♡ わっ♡ たしぃ゛っ♡♡ しっ♡ 死んじゃっ♡ ぅ゛っ♡♡♡」

 

エロ旋律と射精のキモチよさですでに連続アクメ状態だったニオ。

焼けた杭のような巨根で柔らかいお腹を耕され、チンポを抜き差しする度に強烈な加減圧でマンコが便所掃除のようなエグい音を立てる。

頭とアソコの両方から伝わってくる、痛い、や、苦しい、の混ざった暴力的な『キモチイイ』で、ニオの頭は爆発しそうだった。

 

「イけっ!! イキ死ねっ!!! くそっ!! どスケベマンコボディで誘惑しやがってっ!!! 歩いてるだけでチンコイライラすんだろうがっ!! このっ、ナチュラルボーンチンポケースがっ!! 孕めっ!!」

 

「ちがっ……ぁ゛っ♡ そんなっ♡♡ 私ぃ゛っ……♡」

 

デカいチンポ全体を抱きしめるように、お腹全部を使って、ギュッ♡ ギュッ♡ と締め付けてくるイキっぱなしニオホールのあまりのキモチよさに、知能がぐんぐん下がってゆくグラン君。

いよいよ言ってるコトが無茶苦茶である。

 

ほとんど気をやりながらも、膣内だけは別の生き物のようにうごめいて射精中のリトルグラン君を一生懸命揉みしだいてくるニオホール。

グランはケツがつりそうなくらいの快楽でヨダレをたらしながら、歯をくいしばってスパートをかける。

 

「うおおっ!!! ニオっ!! イクぞっ!!! またっ!! デカイのっ!!!」

 

「だっ♡ 抱っこっ♡♡ 抱っこっ♡♡ だっ……♡♡♡ だっ……♡ こぉ゛っ♡♡♡」

 

膣内でさらに一回り大きくなったチンポにぐずぐずになった子宮口をグポグポと貫かれ、顔を色んな液体でぐちゃぐちゃにしながら、ニオが必死に短い腕を伸ばす。

 

グランは幼児退行したようになっているニオを抱えあげると、ボテ腹を押しツブすように抱き締めて立ち上がり、ラストスパートをかけた。

 

「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!!!」

 

「ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛♡♡♡」

 

パンパンに膨らんだ子宮を押しツブされ、腕並みのチンポが打ち込まれる度に、ギチギチに引き伸ばされた接合部から黄ばんだ白濁液がブリュッ♡♡ ブリュリュッ♡♡♡ と吹き出してびしょびしょのシーツを汚す。

 

出産時でもないのに産道を無理矢理圧し広げられ、骨盤がギシギシときしんでいる感触がチンポをこそぎ上げる。

 

エンリョ情けのないピストンでニオを突き上げまくるグランは、力の入らない手足を必死にグランの腰に回して、体液まみれのほっぺたを自分の胸板に押し付けてケモノじみた嬌声を上げるニオを見下ろし、その健気なかわいらしさとどエッチさに、とうとう金玉が上限突破するのを感じた。

 

「っっっ!!! ニオぉ゛っ!!!」

 

ッズドンッッッ♡♡♡

 

「っあ――――♡♡♡」

 

目を見開いたニオの最奥に、チンポが破裂するような勢いで最後のザーメンを打ち上げた。

 

ボビュルルルルルウルルウルルウルルルウルルルルルルッ…………♡♡♡

 

(あ………………死…………ぬ……………………♡)

 

ニオはグランのチンポミルクに脳天まで貫かれるような錯覚を感じた。

頭の中が黄ばんだ白濁色の旋律に染まり、ジンジンと甘くシビれるような心地よさに思考が溶けてゆく。

 

ニオは今日一番の快感で、グランのチンポにカラダの中心を貫かれたまま全身を大きく数回ケイレンさせ、とうとう意識を手放した。

 

 

 

グランはようやく長い射精を終えて、ブルルッと大きく身震いした。

 

「おおおお…………ぅ、えがった…………さいっっっっこーにキモチかった…………!」

 

グランは冬場の立ちション後みたいなサイテーの感想を漏らすと、尿道内に残った残ザーを切るように二三度ユサユサとニオを上下した。

 

接合部から、ブリュッ♡ ブリュッ♡ と泡立ったザーメンが漏れる。

 

そこで、抱えたニオたそがくったりとしているコトに気づいた。

 

「んあっ……あー……ヤっちゃったよ……」

 

気絶したニオの顔をのぞきこむと、ちょっとヒトには見せられないコトになっている。

ダレだこんなヒドいコトしたのは。

俺だ。

 

全部出しきって満足そうにしぼんだチンコはまだニオの中に突っ込まれたままだが、ニオマンは脱力しきってしまい、プリプリの肉圧だけで締め付けている状態だ。

 

コレはコレで、射精後のチンポには心地イイ。

一日中入れてたい。

 

「っとと、またデカくなる前に抜かないと……」

 

グランは幸せそうな表情で伸びたニオをぐちゃぐちゃなベッドに横たえると、チンポの根本に手をそえてニオ穴から竿を引きずり出してゆく。

 

「おおお…………冷静になって見るとすげぇなぁ……」

 

泡立ったザーメンでヌルテカと光る竿が、ニオのマン肉を盛り上げてズルズルと膣口から出てくる。

 

子供にしか見えないプニマンがピンク色の中身をはみ出させてどす黒い肉棒に吸い付いている様は、やたらにエロい。

 

「んっ……後、先っちょが…………あっ」

 

ブポッ♡

 

最後に残った亀頭がなかなか抜けず思いきって引き抜いてみると、ニオの真っ赤に充血した小さなマンコから、プリンっ、としたピンクの子宮頸部が飛び出してしまった。

 

「Oh…………」

 

ゆるんだ子宮口からは、ゼリー状の特濃ザーメンがドプドプと流れ出し、尿道からチョロチョロと黄色いおしっこが漏れてシーツに染み込んでゆく。

辺りに広がるアンモニアとカルキ臭。

 

「精液ボテハーヴィン……なんてシコい生き物なんだ……!」

 

妊婦のように膨らんだお腹がどんどんしぼんでゆくのをみまもりながら、グランはチンポに再び血液が集まってゆくのを感じた。

 

 

 

 

 

 

結局その後、気絶したニオをオナホールのように使ったり、起きたニオに怒られたり、お詫びにラブラブセックスしてみたりと散々ヤりまくった。

気づけば時間は翌日の朝頃になっていた。

 

ヤり疲れた二人(主にニオ)は裸でシーツにくるまっていた。

 

グランに抱え上げてもらい、向かい合ったニオが胸に抱きつく形で、耳をグランの胸板に押し付けている。

 

今までよりだいぶ距離の近くなった『抱っこ』だ。

 

「あ゛~……ニオ、そろそろみんな起きてきちゃうから……」

 

「……もう少しだけ」

 

グランにヒールで癒してもらい、ある程度は動けるようになったニオがそう言ってグランの胸に顔をうずめる。

 

「…………チンポケース」

 

「あうっ……ご、ゴメンって……あれは勢いっていうか、その場のノリっていうか……」

 

「へんたい」

 

「あふっ! ……今のちょっとイイかも」

 

「はぁ……」

 

適当な雑魚にグラゼロをぶっぱなしたくなるような甘ったるい空気をかもしながらイチャつく二人。

あんなヘンタイプレイの後にこんな空気を作れるんだからたいしたものである。

 

「……団長」

 

おもむろに顔を上げたニオが、グランの顔を見つめる。

 

「ん?」

 

「あなたの旋律。私、やっぱり好きみたい。……スゴくエッチで、スゴく優しくて……とても、安心するの。…………だから」

 

ふわり、と浮き上がったニオが、グランの耳元に口をそっと近づける。

 

「ずっと大切にしてくれるなら…………チンポケースでも、イイよ」

 

「!!?」

 

グランが思わずニオの顔に振り向こうとすると、ニオはスルッとグランの腕をすり抜けて、床に脱ぎ捨てた服を魔法でテキパキと着こんでしまう。

 

そのまま自身に消臭魔法をかけて、部屋の出口に手をかけてグランに振り返る。

 

そして、あっけにとられた様子で固まりながら、しっかりとエッチな旋律を鳴り響かせるグランにクスッと微笑んで言った。

 

「…………バカ。今の、ウソだから」

 

部屋を出ていくニオに一言も声をかけられず見送ったグランは、しばらくして、ゆっくりとベッドに倒れこんだ。

 

仰向けになって天井を見上げるグラン。

 

込み上げてきた思いのままに、叫んだ。

 

 

 

「エッッッッッロッッッッッッッッッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 



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ルリア、いちゃらぶ!

またも難産。

ずっと平均一万にこだわってましたが、5000~7000位に減らそうか悩んでます。

読みにくいし。


 

 

 

 

「わーい! 今日は私がイチバンですねっ!」

 

「くぅ~、チョキかー……!」

 

「よ、良かったね、ルリアちゃん……」

 

「う~。ウチ、ドンケツや~……みんなちゃんとウチの分も残しといてなー?」

 

喜びはしゃいでぴょんぴょんと跳び跳ねるルリア。

『パー』の形に開いた右手を悔しそうに見つめるジータ。

控えめな声でルリアを祝福するソシエと、しっぽをシュンとしぼませてうなだれるユエル。

 

時は夜半過ぎ。

所は騎空艇団の中央が一隻、特型艇の最奥、お馴染みグラン君の寝室。

キングサイズの特注ベッドの上では、今日も今日とて、可憐な四人の少女がキャッキャと楽しそうにはしゃいでいた。

 

なんとも良い匂いのしそうな空間だ。

 

そしてその四人の中心に横たわるグラン君。

全裸だ。

例によって、怪しげな薬物の混入した夕飯をたらふく食わされ昏睡状態である。

 

たまにうっかり忘れそうになるが、このグラン君は幼少の頃からあまたの女性達に日常的に睡眠レイプされ続け、騎空団を率いるようになった今でも、信頼と親愛を寄せる団員達に夜な夜な昏睡レイプされ続けているかわいそうなヤツなのだ。

しかもその主犯格が血を分けた実の妹と、旅立ちの切っ掛けにもなった一番の想い人なのだからヒドい話である。

 

あーかわいそーかわいそー(棒)。

 

 

 

さて、そんなアワレなグラン君のおチンポをレイプする順番は、エロマンガよろしく無慈悲なジャンケンによって決定したようだった。

 

今日の一番搾りを勝ち取ったのはルリアだ。

 

ベッドに大の字に寝かされたグランのお腹に横からおおい被さり、片手で巨大な竿をしごきながら機嫌よさそうにプレイ内容を考えている。

 

「えへへ……今日はどうしようかなー……♪」

 

「ウチの番まで結構かかりそうやなぁ……それまでコレもーらいっ!」

 

「あっ……じゃ、じゃあウチはコレ、借りるね……♪」

 

しばらくは見学になってしまったユエルは、落ちていたグランのパンツの股間部分に鼻をうずめて片手を秘部に伸ばし、それを見たソシエもまた、グランのシャツを拾って匂いをかぎながら、幸せそうな顔で水音を奏で始めた。

 

グランが見たら卒倒モノの光景だ。

 

「決めましたっ! 今日のテーマは、いちゃらぶせっくすですっ!」

 

「おー」

 

ルリアが瞳を輝かせながらそう宣言する。

眠りこけるグランの耳やほっぺを引っ張って遊んでいたジータも、その謎の勢いにおされてとりあえず小さく拍手している。

 

「いちゃらぶ……ええねぇ。ウチもそうしょうかな……」

 

「スンスン……ふはぁ♡ じゃぁ、今日はみんないちゃらぶせっくすやな!」

 

グランの下着で若干トリップ気味のメスエルーン二人も、赤らんだ顔でそれに乗っかった。

 

……言うまでもないコトだが、『いちゃらぶ』、とか抜かしている彼女らの行為は紛れもない強姦であり、疑う余地もなく犯罪である。

マネしちゃダメだぞっ!

 

「えーっと、それじゃあジータ、手伝ってくれますか?」

 

「うん、いーよー」

 

興奮で鼻息の荒いルリアは、ワンピースのポケットに手を突っ込むと、中から平べったい小箱を取り出した。

 

「じゃじゃーん!」

 

「わっ、それ……!」

 

ルリアが高々と掲げたその箱を見て、ジータは驚きの声を上げ、エルーン二人は顔をサッと赤らめた。

 

「えっへへー。グランサイズの、こむ……こん……こんどぉむ? ですっ!」

 

「おおー……グランのでも大丈夫なヤツなんてあったんだ」

 

「シェロさんの所で売ってました! りありてぃ……とか、いめぇじぷれい? とかのために、でぃるどと一緒に売り出したそうです!」

 

ルリアは自慢げにそう言うと、箱をくるくるとためつすがめつ、開け口を見つけ、たどたどしい手つきでピリピリと封を切った。

 

「す、スゴいね、ルリアちゃん……よく買ってこれたね……!」

 

「うわー、ウチなら恥ずかしゅうて絶対むりやわ。そんなん、コレ使(つこ)てエッチなコトしますーって(ゆぅ)てるよぉなモンやし……」

 

「はわっ!? そ、そう言えばそうです……気づきませんでしたぁ……!」

 

グランの下着をクンカクンカしながら、モジモジと照れつつそう言うソシエとユエルに、ルリアもつられて顔を赤くする。

 

君らテレるトコおかしくない?

 

「とっ、とにかく! 今日はコレを使っていちゃらぶせっくすします!」

 

「おおー、な、なんかエッチやなぁ……でもそれじゃ中出しできひんよ? ウチ、やっぱりお腹ん中いっぱいにしてもろた方が嬉しいしなぁ……」

 

「私もー」

 

「う、ウチも……」

 

三人がそう言うと、ルリアはそれを見て、分かってないなーとでもいう風に、ちっちっちーと指を立てた。

 

「それですっ! 今日はいちゃらぶせっくすですから、グランはとっても優しいんです!」

 

「……んんー? えっと、それとゴム出しにナニか関係あるの?」

 

ジータがグランの口の中に指を突っ込みながら首をかしげる。

特に意味もなく口内をかき混ぜられたグラン君がフガフガとうめくが、誰も気にしない。

 

「はいっ! えーっと、グランは私のコトがだ、だ、大好きじゃないですか?」

 

「わ、私のコトだって好きだよっ!」

 

「ジータちゃん、たぶん、そういう設定ってコトやないかな……」

 

「……はっ!?」

 

ソシエに言われて、顔を赤くするジータ。

少しだけ頬を膨らませたルリアが続ける。

 

「こほん……グランは私のコトが大好きなので、私の身体を大事にしてくれるんです。だから、旅が終わるまでは、赤ちゃんができちゃったりしないようにコンドームをしてくれるんです!」

 

「ほう」

 

「な、なるほど……」

 

「確かに……」

 

ルリアの説明にうなずく三人。

 

「私がいいよって言っても、ルリアの身体が大事だから、って……あと、赤ちゃんができたら、ルリアを独り占めできなくなっちゃうからやだ! とか! らぶらぶですからっ!」

 

ルリアが迫真の身ぶり手振りでそう言うと、三人はセイテンのヘキレキを受けたかのような顔になった。

 

「たっ、確かに……! 言うよ! グランならそう言う! 私のコト大好きだもん!」

 

「ホンマや……ゴムせっくすっていちゃらぶやってんや……!」

 

「ルリアちゃん、スゴいねぇ。ウチもそれは気づけんかったわ……!」

 

ルリアの天才的()発想に恐れおののくバカ三人。

エラそうに無い胸を張って得意がるルリぴっぴ。

 

今夜もツッコミは不在だ。

 

そびえ勃つチンポを囲んで、花も恥じらう乙女たちが実にアホな会話だった。

そして、何度でも言うが睡眠薬を盛って寝込みを襲っている時点で、それはもうただのレイプである。

いちゃらぶ壊れる。

 

「ではさっそく……あっ、色んな匂いがあるみたいです!」

 

「ホンマやね……ええと、独特のスライム臭をおさえ、女の子好みのフレーバーでエッチを彩ります、って書いとるよ?」

 

さすがよろずやシェロカルテ、その辺は無駄に抜かりない。

 

「えーっと……じゃあ私はこの、イチゴ味のにしますね♪ それでぇ……こうして……端っこを…………切って、取り出して……おー……!」

 

「わぁ……そんな感じになってるんだ……初めて見たよ」

 

ルリアが丸まったピンクのコンドームを取り出して、その初めて見るフォルムに何だか不思議なエロスを感じていると、ジータもまた初めて見るコンドームを興味深そうに見つめる。

 

「わ、わ…………! な、なんか、エッチや……」

 

「ウチも、なんかお股がムズムズするわ……」

 

アホな女子中学生みたいな反応である。

すぐ横にエグいチンポの実物がそそり勃ってなければ、だが。

 

「よーし……ではこのこんどぉむを、グランのおチンポにかぶせ…………かぶせ………………かぶ…………」

 

「……手伝おっか?」

 

「だっ、大丈夫ですっ! かぶ……かぶぅ…………せ……、ましたっ!」

 

だいぶ手こずりながら、なんとかリトルグラン君にピンクのゴムが被せられる。

 

「………………おぉー…………♡」

 

極薄のスライムが張り付いたチンポは、テカテカとイヤらしく光り、根本をゴム輪で絞られていつもより太く血管を浮き上がらせる。

うっすらとしたピンク。

無機質なツルテカ。

子作りではなく、快楽だけを目的とした交尾専用の姿。

 

(えっちです……!)

 

(えっちだ……!)

 

(え、えっちぃ……!)

 

(えっちすぎるやろ……!)

 

ビクビクと震えるエロコスチンポを見つめて、ゴクリ、と喉を鳴らす四人のスケベ娘たち。

ゴムちんのエロさに目覚めた瞬間だった。

 

「…………で、こっからどうするの、ルリア?」

 

「じゅるり……はっ!? は、はいっ、えと……まず私がこうします!」

 

ジータにせかされて、垂れていたヨダレをぬぐったルリアは、グランを脇に転がすと、自分も服を脱ぎ捨ててベッドの真ん中に仰向けになった。

 

正常位のお迎え体勢だ。

 

そして、腰の下に枕を入れ、股を開く。

ピッチリと閉じたスジまんが左右に拡がり、色素の薄いピンク色の秘裂がくぱぁっと暗い口を開けた。

 

前戯も無しに期待だけでトロトロの膣口は、色素の沈着のないキレイで幼げな色でありながら、数年に渡るデカチンセックスによってすっかり拡張され、人差し指くらいだったら膣壁に触れずに抜き差しできるほどに拡張され、ヒクヒクとうごめいている。

 

エロい。

 

「ジータ、グランを、私におおい被さるように乗っけてもらえますか?」

 

「はーい」

 

ジータは軽く返事をして、チンポをギンギンにおっ勃ててグースカと寝入っているグランをルリアにのし掛からせる。

 

ヤケドしそうな程にアツくなったゴム越しチンポが白いお腹に押し付けられ、ルリアが小さく、ひゃわっ、と声を漏らす。

 

「もうオチンチン挿れる?」

 

「ま、まだですっ! えっと、腕をこうして……こう……あとおフトンをかけて下さいっ!」

 

「ん、こんなカンジ?」

 

「はいっ……できましたっ!」

 

ルリアの作った体位は、スタンダードな正常位だった。

グランの片腕を背中に、もう片方を頭の後ろに回し、胸にかきいだくようにして密着度を高め、腰を高くして挿入しやすくしている。

 

そしてその上からフトンを被せ、あえて身体を見えなくする事で恥じらいと思いやりをプラス。

いちゃらぶ度も増して、かつお互いのエッチな匂いを中に閉じ込め充満させてエロエロ度もアップ。

 

グランの身体に力が入っていないため、押し潰されるように体重がかかってちょっと苦しいのもポイントだ。

 

「おー……」

 

「ええねぇ……♡」

 

「ええなぁ……♡」

 

普段騎乗位ばかりの三人は、その恋人感あふれるセッティングにお股をキュンとさせた。

手の込んだレイプだなぁ。

 

「えへへ……グラ~ン……♡ 『ルリア、愛してるよ(低い声)』 はいっ、私も、大好きですっ!」

 

なんか小芝居が始まった。

 

ルリアは興奮と熱と息苦しさで上気した顔で、はぁはぁと荒く息づきながらグランの背中に腕を回し、お腹をゴツゴツしたチンポにずりずりとこすりつける。

 

「はぁ……はぁ……『ルリア、もう我慢できない。挿れてもいいかい?(低い声)』 はぁ……う、うん……でも、恥ずかしいので、灯りを消してくれますか? ふぅ……『わかったよ。ルリアは可愛いなぁ(低い声)』 えへぇへぇ……可愛いなんて、そんな……はぁ……ん、……はぁ……♡」

 

だいぶトリップしていらっしゃるようだった。

 

とろけた顔で胸板に頬擦りしつつ、片腕を枕元の魔道具に伸ばしてセルフで光量を落とすルリア。

もう何も言うまい。

 

「すんすん……ルリアちゃん、めっちゃ気持ちよさそうやね……」

 

「すぅーー…………っはぁ……♡ ウチもシてるトキあんな顔してんねやろか? ハズいなぁ……すんすん……」

 

グランの下着に顔を埋めながらそう呟くポンコツメスエルーン共。

いっぺん鏡でも見るべきである。

 

「はぁ……『ほら、これで恥ずかしくないだろ?(低い声)』 はいぃ……はぁ…………♡ はぁ……ふぅ……『いくよ、ルリア(低い声)』 はひっ♡ きてっ、きてくださいっ♡ ……ジータ、キス! グランとちゅーしたいですっ♡ おチンポ挿れる前にちゅーってーっ♡」

 

「はいはい」

 

完全に出来上がった顔で鼻息も荒くそうねだるルリアに、やれやれといったふうにジータが立ち上がる。

 

フトンごとグランの背中を抱え、上背のあるグランが猫背になるように持ち上げてなんとかルリアがキスできる位置に調整する。

 

「えへへ……グラン……♡ んちゅ……ん……ぷちゅっ……はぁ……こ、このまま、そーにゅうううぅぅぅぁぁぁ♡♡」

 

「はーい、挿れるよー♪」

 

ズブブブブブブッ♡♡ っと、巨大な肉棒が膣肉を押し広げて入ってくる感覚に、ルリアはたまらず嬌声を上げた。

 

いいかげん焦れてきたジータちゃんが、ルリアが言い切るのを待たず器用にグランの腰をあやつって、開きっぱなしのルリマンコに剛直をねじ込んだのだ。

 

「ジータちゃん、いけずや……」

 

「うわぁ、ルリア、大丈夫(ダイジョブ)?」

 

「は、はひ…………ダイジョばらいれす……♡」

 

ソシエとユエルがのぞき込むと、ルリアはピンクに濁った目をぐるぐる回してはひはひと息も絶え絶えな様子だった。

 

真っ赤に紅潮した身体は小刻みに震え、布団の中からチョロチョロという音が聞こえる。

 

もわっ……と周囲に広がる淫臭。

エルーン族の鼻に頼るまでもなく、盛大にイッてしまったのがわかる。

 

「はい、じゃあ、一回イッたから交代ね?」

 

それをニヨニヨと愉しそうにながめながら、ジータがいい笑顔で言う。

 

「ええっ!? はぁ、はぁ、そんな、ズルいです! (わらし)ぃ、まだ入れたばっかりらのに……!」

 

「そうやそうや! 一回だけなんてあんまりやん!(そんなんウチ一瞬で終わってまうやんか!)」

 

ルリアが涙目で抗議すると、ユエルも慌ててそれに乗っかった。

 

ナニを隠そうこのユエル、超がつくほどの早漏ギツネなのだ。

 

もう何度もグランと睡眠レイプしてきたユエルだったが、おまんこがすっかりグランの形に拡張された今であっても、

 

グランのチンポの臭いを嗅いではアクメし、

グランとベロちゅーしてもアクメし、

チンポを喉奥に咥えてはアクメし、

ザーメンを飲んでもアクメし、

 

オメコするコトを想像して一回、

先っちょと膣口がくっついただけで一回、

挿入しながら何度も小刻みにアクメして、奥まで挿入してもう一回アクメする程だ。

 

完全に子宮が陥落していた。

ピストン中など、ほぼイキッぱなしである。

 

ユエルはおチンポにめちゃくちゃ弱いエルーンだった。

 

最近では、グランの姿を見ただけでアソコがトロトロになり、名前を呼ばれただけでもたまにアクメりそうになる。

発情臭プンプンだ。

 

鼻のいい一部団員たちには、ユエルがグランに発情してるのがバレバレ状態である。

 

……とにかく、イッたら交代なんてコトになったら一生順番なんて回ってこないコトは明白だ。

必死である。

 

「あはは、冗談だってば。じゃあ、グランが一回イッたら交代ね」

 

目頭に涙を浮かべて懇願するユエルを見て、すぐに降参してヒラヒラと手を振るジータ。

 

改めてルールを告げながら、ジータは内心ユエルのかわいさポテンシャルに危機感を感じた。

 

「ほなら、ユエルちゃんでも大丈夫(ダイジョブ)やんね?」

 

「ソシエぇ……そないな目で見んとってぇ……」

 

(むむむ……かわいいなぁ……)

 

クスクスと笑うソシエを、グランのパンツ越しに涙目でにらむユエル。

 

極上のプロポーション。

下着並みの露出度。

長くてサラサラの髪に、コロコロと表情が変わる人懐っこい顔。

白くてすべすべの肌、大きな狐耳とフッサフサの尻尾。

無駄にかわいい方言。

なにげに王族の血を引くお姫様。

 

なのにどスケベでイキ癖つき。

 

(勝てる要素が無い……!)

 

設定が強すぎて軽く苛立ちすら感じる。

 

こんなチートじみた美少女エルーン(19)が、常時発情フェロモンと好き好きオーラを撒き散らしながら子犬のようにチョロチョロとじゃれつき回った日には、あのニブちんな兄であってもコロッといきかねない。

 

結果的に、早い段階で弱味を握れたのはまったくギョウコウだったんだなぁとジータはこっそり思った。

 

(絶対グランにバレないようにしなきゃ)

 

グランの腰を抱えて、ルリアの腰にズブズブとリズムよくチンポを出し入れさせながら、そうケツイをあらたにするジータ。

 

「はひゃっ♡ あっ♡♡ グランっ♡ 深いっ♡ 深いれすっ♡♡」

 

グポッ♡ グポッ♡ と、ゆるゆるの子宮口を耕す音が響き、ルリアがうっとりと蕩けきった嬌声を上げる。

 

しかし悲しいかな、そうやってグランにバレないようにすればするほど、彼女らの恋は理想から遠退いてゆくのだが、下も上もガバガバなジータがそれに気づくのには、まだちょっと時間がかかりそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

所変わって、騎空艇グランサイファーの見張り台。

 

船団の先頭で、穏やかな夜風に薄手のナイトガウンをたなびかせ、欄干にヒジをついて退屈そうにアクビをする妖艶な美女が一人。

 

風になびき、星明かりでキラキラと輝くヤマモモ色の髪。

口元にキリッと引かれたリップと、胸元を大きく開いた色っぽいドレス。

頭にはふわふわの耳。

脇に無造作に立て掛けられた魔導弓。

 

天稟の射手、セクシーイケイケお姉さん、姉より優れた妹などいない! な、メーテラ(ねえ)様(25)だ。

なにげにケッコウな古株さんである。

あと姉よりシコい妹ならいる。

 

「はぁ~、タイクツぅ~…………イイ男でも飛んでこないかしらぁ……」

 

さて、そんなメーテラだが、今日も今日とて代わり映えのしない夜空を眺めて、あまりのつまらなさに()()()()()()な気分だった。

 

航行中の航路は非常に安定した空域で、大きな気圧の変化もなければ暗礁帯もなく、おまけに秩序の騎空団の定期航路ということもあって治安もすこぶるよろしいのだ。

どうしようもなく安全な夜間哨戒は、ヒマが売れたら一財産できるんじゃないかというくらい退屈なものだった。

 

(だいたい、この辺りの空域でウチの団にケンカ吹っ掛けてくるようなおバカさん、そうそういるわけないじゃないの……あ~あ、つまんない。こーなったらスーテラでも起こしてからかおっかなぁ…………それとも)

 

チラッ、と後ろを振り返るメーテラ。

 

歴戦の艇団の中にあって、ひときわの威容を誇る特Ⅱ型居住艇。

見通せるはずもないその最奥、夜間立ち入り禁止の特注フロアの中をのぞくように目を細める。

 

ひんやりとした夜風が、少しだけほてった頬をふわりとなでる。

 

(…………団長でも連れ出して、ちょっと夜空の散歩でもしようかしら?)

 

そういえば、初めてこの騎空団と、そして団長のグランに出会ったのも、ちょうど今日のように風の静かな夏の日の事だったか――――

 

 

 

 

窮屈で退屈な生活にうんざりして、守り人の役目を放棄して生まれ育った集落を飛び出したメーテラは、行き交う騎空艇に相乗りさせてもらって島々を転々としていた。

 

古くさい村に居たままでは決して味わえないような刺激的で感動的な体験に満ちた旅におおよそ満足したメーテラは、とうとうある決心をする。

 

『恋しよう!』

 

メーテラのいた村は、古臭い慣習やしきたりやらがうるさく、自由恋愛なんて夢のまた夢だった。

 

其々の家の家長の許しを得て、長老の許しも得て、その上で何年も清い交際を経てやっと結婚。

そして初七夜で身体と心を清めた後、初めて神前で愛を交わすコトが許されるのだ。

 

「やってらんないっつーの!」

 

そんなまどろっこしい恋愛なんてゴメンだ。

大事なトコにクモの巣でも張ったらどうしてくれる。

 

時代はフリーセックスだ。

もっとスポーツ感覚でエッチとか恋愛とかしたいのだ。

イケてる女子は経験人数二桁くらいフツーだって雑誌に書いてあったし。

 

自分クラスの激マブ(死語)女子なら三桁……いや四桁はイケる。

 

家出の興奮でテンションが上がっていたメーテラは、割と本気でそう思っていた。

 

「さーて、どっかに手ごろなイケメンでも転がってないかなぁ~…………っと……?」

 

まあ、いくらフリーセックスだからといって、お相手には妥協したくない。

将来的には千人切りするつもりでも、今はピチピチの生娘。

せっかくの脱処女なんだから、それなりのイケメンでなきゃダメだ。

 

あたしのハジメテは安くないのだ。

 

「お♡ アレなんかイイカンジじゃ~ん?」

 

そんなメーテラの視線の先には、オープンカフェのテーブルに肘をつき、飲み物を注文しているそこそこイケメンなエルーンの若者が。

 

(顔は悪くないし、ファッションもまあまあ。乱暴そうには見えないし、最初の相手にはちょうど良さそうかしらぁ?)

 

なんとも安い処女膜だった。

しかも結局同族のエルーン。

どうにも故郷の匂いが抜けきれていないというか、ちょっと都会の高校に入って一斉にビッチ化する田舎娘感がスゴい。

 

もちろん、そんなコトには気づかないメーテラは、意気揚々と青年に声を掛け――――

 

 

 

 

 

「……ちょっとぉ、コレってどういうコトかしらぁ~?」

 

青年に連れ込まれた裏町の一軒家で、複数人のむくつけき男達に囲まれていた。

 

「お~、イイねぇ! 今日はなかなかにマブい姉ちゃんじゃねぇか。良くやったなキー坊!」

 

「はいっ! いつものカフェで手ごろなのを探してたら、コイツの方から声を掛けて来まして!」

 

「ヒュ~! やるねぇ、イロオトコ。 オメェの面ぁホント役にたつわ」

 

キー坊、と呼ばれたエルーンの青年の頭を、ガシガシとなでるドラフの大男。

周りのヒューマンやエルーンの男達も、それを見て下卑た笑い声を上げる。

 

(チッ……ムカつく。そういうコトかよ……)

 

どうやら、自分は田舎からのお上りさんを狙った女狩りに引っ掛かってしまったらしい。

サイアクだ。

 

不細工な男共の目線が自分の胸やお尻を無遠慮になめ回すのを感じて、無性にミジメな気持ちになる。

 

(あーキモチ悪ぅ……ナニタダ見してんのよ……)

 

「さ、て。おう嬢ちゃんよ。逆ナンなんてお前も好きモノじゃねぇか、え? お望み通り、俺たちがたぁ~っぷりカワイがってやるぜ~?」

 

「ケヒヒ……んなぁ、名前ナンてーの? おしえてくだちゃ~い♪」

 

「あっ、そいつ、メーテラ、って言うらしいっす。匂いからして、処女っす」

 

キー坊にバカにするような目で見られ、ギリっ……と奥歯を鳴らす。

経験豊富なエルーンは、異性の性的な匂いを見抜けるようになるという雑誌の記事はどうやら本当だったらしい。

 

「はあ? こんなカッコして()()()かよ? メンドクセ~なぁ」

 

「うっわ~w 田舎娘、都会でイメチェンデビューってか? それでキー坊に捕まってんだからツイてねぇなぁメーテラちゃん?」

 

「よーし。じゃキー坊、確かお()ぇ初モンは初めてだろ? 上玉捕まえたご褒美だ、一発目はくれてやるよ」

 

「マジっすか!? ありゃしゃーーっすっ!!」

 

(……………………)

 

もうガマンの限界だった。

 

キー坊がカチャカチャとベルトを外し、パンツごと下をずり下げる。

ポロン、と、先走りを垂らす小さな(エルーン基準では平均)チンポが反り返る。

 

「へへっ……そう言うワケだからさ……メーテラちゃん、ハジメテ、貰うぜ? 安心しなよ、こん中じゃオレ、ケッコウ優しい方だからさ。抵抗さえしなきゃオレがキモチ良く――――」

 

「――――ぃん――よ」

 

「――あ?」

 

ギラっ……と、目の前で粗末なモノを丸出しにしたキー坊を、真っ赤な顔で睨む。

 

怒りと羞恥心で真っ赤な顔。

引き結んだ唇。

目尻に浮かんだ涙。

小刻みに震える長いまつ毛。

 

「っ……!?」

 

か、かわいい――――

 

一瞬、キー坊はその顔に見とれ、

 

「小っっっちぇーんだよホーケー野郎がっ!!」

 

次の瞬間、魔力を込めた鋭い前蹴りがキー坊のキカン坊にめり込んだ。

 

 

 

 

 

「あ~、クソッ! ツイてない、ツイてない、ツイてなぁ~~~いっ!!」

 

強姦魔達の棲家を飛び出したメーテラは、飛翔の術で商店街を港に向かって疾走していた。

 

先ほど、不意打ちでキー坊の玉を粉砕したメーテラは、あっけに取られたチンピラ達に魔導弓を乱射して、混乱に乗じて逃げてきたのだ。

正直、全員の股間を粉砕でもしないと自分の受けた屈辱は晴らせそうになかったが、あの場では多勢に無勢。

どんな反撃を受けるともわからないとあっては、天才のメーテラでも逃げを打つ他なかった。

 

もっとも、

 

「までやゴラァっ!! 待ちやがれぇっ!!!」

 

「舐めクサりやぁってこンのアバズレがぁっ!! ああ゛っ!?」

 

「オラッ! クソッ、ちょこまかスンなやっ!! ワレぇ、キー坊ん玉ぁツブしやがってコラ、クソアマぁぁっっ!!!」

 

その選択は間違いではなかった。

 

あの乱射をくぐり抜けられるだけの手練れが複数人、その内、逃げながらの狙撃を打ち払って追いかけてこれるようなヤツが三人もいたのだ。

 

両手にイカツいメリケンをはめたエルーンと、魔導師のヒューマン、そしてリーダー格のハルバードを担いだドラフの大男。

悔しいが、マトモにやりあえば自分もタダではすまなさそうだった。

 

相手の棲家の真ん中で怒りに任せて暴れていれば、間違いなくやられて、そしてヤられてしまっていただろう。

エロ同人みたいに。

 

「チッ……っ、テメーらに言われたかないっつーのっ! ……もぉ~、サイアク、コイツらゼ~ンゼン使っかえないんだから……っ!!」

 

口汚い罵倒にイラついて、振り返り様に五六発の矢を放つも、エルーンの男は身をかわし、ヒューマンの魔導師は風を起こして矢をそらす。

 

そしてドラフの大男が残りをハルバードで切り払って、怒号を上げながら悠々と追いかけて来るのだ。

 

メーテラの弓は、そんじょそこらの弓とは一味も二味も違う。

不規則な軌道を描き、決してあやまたず的を穿つ魔法の矢は、速度も威力も普通の矢とは段違いなのだ。

 

いくらメーテラが精神的に不調で、その上周囲の一般人に被害が及ばないように細心の注意を払っているからといって、そこらのチンピラ風情にこうも容易く打ち払えるモノではないハズだ。

ヤツら、ただの変態ヤローかと思ったが、相当の使い手だった。

 

更に腹の立つコトにコイツら、この辺りで名の通った悪党なのか、商店街の人々はおろか、衛兵すらが怯えて道を開け、誰一人メーテラを助けようとしないのだ。

 

「テメェ、オラ、観念しろやっ!! 港に出たってムダだぞ!! アソコにゃオレ達に逆らえるような艇はねぇんだよっ!!!」

 

「メスブタが、思い上がりやがって、タダですむ思うなよああ゛っ!!?」

 

「――――っ!」

 

その言葉に、メーテラは思わず振り返ってまた矢をつがえようとし、

 

「おっ! っと……!」

 

「うきゃっ!?」

 

ドスッッッ!!! っと、ものすごい勢いで誰かに激突してしまった。

 

(ヤバッ、よそ見して……っ、ってか、今のスピードじゃ――――!?)

 

「ちょっと、アンタだいじょ――――」

 

一般人をちょっと洒落にならないレベルのスピードで轢いてしまったメーテラが慌てて顔を上げると、

 

「あー…………スミマセン、大丈夫でした? 空飛ぶトキは前見た方がイイっすよ?」

 

ダークブラウンの瞳が、困ったように自分を見下ろしていた。

 

「……っ、……~~!?」

 

ふわっ……、とナニかスゴくイイ匂いがする。

なんだか良くわからないが、お腹の奥がキュンキュンするニオイだ。

 

メーテラは、自分の顔が熱くなるのを感じた。

というか、この男の子が受け止めてくれたのか?

かなりのスピードだったハズ……ってか、お姫様抱っこ!?

 

「あ、下ろします?」

 

その瞬間、ボォンッ! という轟音と、肌のヒリつくような熱風がメーテラの頬をなでる。

ブワッ、と耳が総毛立つ。

 

「ハアッ、ハアッ……! へっへっへっ……とうとう追い付いたぜクソアマぁ……!!」

 

メーテラが、ハッ、として顔を上げると、三人の強姦魔が肩で息をしながら、血走った目で其々の得物をもてあそんでいた。

 

魔導師が威嚇射撃でもしたのか、目の前の地面が円形にえぐれて、ドロドロに溶け赤熱した地面が焦げ臭い煙を上げている。

 

「ハアッ……ハアッ……どうしたよ、え? ビビって声もでねぇか? 今度はそんなガキ捕まえて、ハァッ……助けて下さいってか? ハッ!」

 

「ふぅ……おう、ガキ。そのアバズレ置いてとっととお家へ帰んな。ヒーローごっこって歳でもねぇだろ」

 

リーダー格の男がハルバードを地面に突き立て呼吸をただし、メリケンサックが少年を睨み付ける。

 

(ヤバい、追い付かれたっ!)

 

「…………言うとおりにすればぁ~? アイツらくらい、あたし一人でどうとでも――――」

 

メーテラは火照る頭でなんとか冷静に状況を分析し、少年に抱かれたまま目を伏せてそう言いかけた。

少なくとも、この状況は自分のまいた種。

いくら――――いくらちょっと腕がたくましくて、ドキッとするくらい胸板が厚くて、ちょっとカワイイ顔で、スゴくイイニオイがするからって、こんな妹くらいの年の子供を巻き込むワケには――――

 

「やべえ、マジでこんな展開あるんだ……出てよかった、旅……!」

 

「……? ちょっと、アンタ今なんか言った?」

 

少年がボソボソと小声でナニかを口走り、そして、

 

「ひゃっ……!?」

 

グッと力強く抱き抱えられた。

カワイイ顔ばかり見ていて気づかなかったが、この少年、帯剣している上、軽装だが皮鎧も身につけている。

一般人じゃない……おそらくは、騎空士だ。

 

まさか戦う気!?

 

ムチャよ――と言いかけたトコロで、間近で顔をのぞき込まれ、ふわっ……、と、オトコのコの香りがメーテラの鼻をくすぐる。

 

(えぅ……ナニよ、このコ……!)

 

澄んだ、力強い瞳で見下ろされ、メーテラはまた身体が熱くなるのを感じた。

 

急に大人びたような顔で、少年が言う。

 

「お困りみたいですね?」

 

トクン……! と、メーテラの胸が高鳴った。

ナゼだかはわからない。

だが、このオスに任せれば、全部大丈夫。

そんな気がしたのだ。

 

「…………ん、……ぅん」

 

気づけば、メーテラは自分の妹くらいの年頃であろう少年の瞳を見つめて、コクリ、とうなずいていた。

乙女か(25)。

 

「…………ああそうかよ。なら死になアっっっ!!!」

 

少年――――まあグランなのだが、彼がそんなメーテラに微笑むと同時に、突如繰り広げられたラブコメ時空にジれた魔導師が二人を巻き込む大火球を放ってきた。

 

着弾すれば、人の一人や二人、間違いなく消し炭にしてしまうだけの熱量。

それを、グランは、

 

「ふっ」

 

軽く、蹴り飛ばした。

 

 

 

 

 

「はっ! バカが――なぁっ!?」

 

おろかにも自分から攻撃に突っ込んできたグランを鼻で笑った魔導師は、次の瞬間目を見開いて後ずさった。

 

ボンッ!! と低い破裂音と共に火球が吹き散らされ、火の粉の中から無傷の少年と女が出てきたのだ。

少年が持ち上げた片脚に、赤い燐片が名残のようにまとわりついている。

 

「チッ、おい、手ぇ抜き過ぎだ。アジトにゃエリクシールだってあるんだ、女の方が死ななきゃどうなってもいい」

 

「あっ、いえっ……今のは……!」

 

大男げ忌々しげに睨むと、魔導師はたじろいで何事かを言いかけた。

 

「おまえが大将か」

 

「っつぁぁ゛ぁ゛っ!!?」

 

振り向いて聞き返そうとした所で、ふいに間近で聞こえた誰何(すいか)

にわかに全身が総毛立つ感覚に、大男は半ば反射的にハルバードを薙ぐ。

 

列泊の気合いの元、ゴウンッ!!! と横一文字に死線が走る。

剣圧に巻き起こされた風が逆巻いて、市場の一角を吹き飛ばした。

 

成り行きを見守っていた観衆が悲鳴を上げて逃げ惑う。

 

少年は見当たらない。

 

「上かっ!?」

 

「下だよ」

 

視界の外。

真下からの声。

 

見下ろすよりも速く、自身の身体が支えを失ったかのように天地を失う。

 

(足を刈られた――――っ!)

 

刹那、大男は土手っ腹を大砲に撃ち抜かれたような衝撃と共に、意識を失った。

 

 

 

 

「ほら、大将は延びちまったみたいだけど、あんたらはどうする?」

 

グラン少年は、そう言ってメーテラを抱き抱え直した。

 

ひぁっ、とかわいらしい悲鳴が聞こえた気がするが、その辺のお楽しみはコイツらをどうにかした後だ。

 

一番腕の立ちそうだったリーダー格のドラフはすでに地面にのびている。

できれば大人しくお縄に――――

 

「テメェ、舐めやがっぽめっ!!?」

 

殴りかかってきた武道家エルーンを蹴りとばして、最後の一人に向き直る。

 

「あんたもノしてから突き出してもいいけど。自首する?」

 

「……お、オーケー、オーケー……負けだ。するよ、自首する! だから勘弁してくれ……な?」

 

慌てて両手を上げて、ミジメなくらいにへコへコするヒューマンの魔導師にため息をついて、グランはゆっくりとメーテラを地面に下ろした。

 

どこかボーっとした様子のメーテラに、笑い掛けるグラン。

 

「……というコトで、一件落着でイイですか? エルーンのお姉さん?」

 

「え、ええ……助かったわ……」

 

メーテラは、そう言われても、ナゼか顔を上げられないでいた。

 

(ナニ……コレ? 顔、アッツイし、胸がドキドキして……目ぇ、合わせらんないんだけど……!)

 

メーテラ姉様(25)は、生まれて初めて感じる胸の高鳴りに戸惑いまくっていた。

 

不覚にも、危ない所を助けられ、力強い腕でお姫様のように抱き抱えられて、守られ、優しく労られている。

これまで、誰よりも強く、何者にも媚びず、気高く生きてきたハズだった自分が、まるでか弱い女の子のように……。

妹達のように、扱われている。

 

(あり得ないわ……! アリエナイ…………!!)

 

だって、そんなのおかしい。

自分の好みは、自分よりも背が高くて、イケメンで、細身でマメで、どっちかっていうと年上で、おしゃれで、耳のツヤが良くて、あたしよりちょっと弱いくらいで、かわいくて――――

 

(少なくとも、こんな、コドモじゃ――――)

 

こんな動揺するなんて、あたしらしくない。

さっさと顔を上げて、この男の子にお礼を言って、余裕たっぷりにからかってサヨウナラと言おう。

 

そう思い、チラッと目線を上げた所で――――

 

「――――っ! っあぶなっ!?」

 

降参したハズの魔導師が、少年の背中に向けて渾身の魔法を放つ、その瞬間を目撃する。

思わず悲鳴を上げる。

 

グランはその声にすぐさま振り返り、再び反対魔法をまとわせた回し蹴りで火球を打ち消した。

ボヒュゥンッ! と空気の抜けるような音。

間一髪だ。

 

(いけないいけない、ちょっと気ぃ抜いてたわ)

 

かわいいエルーンのお姉さんに気を取られ、ちょっと危ない所だった。

服に穴を開けると妹に怒られるのだ。

今度こそきっちり魔導師の意識を刈り取り、マンガみたいな出会いを果たせた運命のエルーンお姉さんに向き直る。

 

正直、今日こそイケるんじゃないかと思うのだ。

このお姉さん、ちょっとビッチっぽいし。

 

妹よ、お兄ちゃんは一足先に今日、男になります――!

(とっくに妹に男にされてるぞ!)

 

「いやー、危ない危ない、ありがとうございます」

 

そう言って笑い掛ける。

 

が、おかしい。

エルーンのお姉さんの反応がない。

 

ここは、素敵! 抱いてっ♡ ってなるトコロじゃないのん?

 

グランはお姉さんの顔を見た。

真っ赤な顔で、口をポカンと開けて、下を見ている。

下……というか、自分の股間の辺りだ。

 

周囲の観衆から、キャーキャーという黄色い声や、おおー……という動揺したような太い声が聞こえて来る。

 

そういえば、なんだか下半身が涼しいような……?

 

グランは恐る恐る自身の下腹部を見下ろした。

 

ボロボロに焼け落ちた服。

素っ裸の下半身。

ブラブラと風にゆれる、浅黒い大蛇。

 

モロ出し、だった。

 

「~~~~~~っっっっいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

その日、商店街に丸出し男の悲鳴が響き渡った。

お前が悲鳴上げんのかよ。

 

 

 

 

 

 

「…………おっきかったわねぇ……」

 

グランサイファーの欄干にアゴをつけ、メーテラは思い返した。

 

(あんなの……反則じゃん。あーあ~…………今思えばあんトキが最大のチャンスだったのになぁ~……)

 

あの事件のあと、駆けつけた秩序の騎空士に勘違いで連れ去られたグランを救いだし、そのまま退屈しなさそうとかナニか理由をつけてこの団に入れてもらったのだ。

 

それ以来、なんとかグランと初体験をすべく、手を変え品を変え、押したり引いたりと一途に恋の駆け引きを頑張ってきた。

 

イケイケ女子を目指していたエルーンの天才家出娘は、あの日、あのとき、自分を助けてくれた強くたくましいグランに――――

 

 

 

そして、この世でもっともカッコいいおチンポに、初めての恋をしたのだった。

 

 

 

ヒドイ話だなぁ。

 

気の多い女の子を装っているのも、経験豊富なフリをしているのも、ただただグラン一人の気を引くためであった。

……結果は、芳しくないが。

 

「あー、セックスした~い。……団長とセックスしたぁ~い」

 

誰も聞いてないのをいいことに、ヒドい独り言だった。

グランが聞いていれば、喜んでズボンを脱いだコトだろう。

世の中世知辛い。

 

「………………あらぁ?」

 

さて、そんな風にメーテラが乙女にあるまじき独り言を漏らしながら特型艇を眺めていると、視界の端に、珍しいモノが映った。

 

「アレは…………シルヴァ、よねぇ?」

 

居住艇の横っ腹。

外廊部を一人、ナニか小箱を抱えて奥の方へ歩く銀色の影を見つけた。

 

遠目だが、アレは確かに銃工房三姉妹の長女、狙撃手のシルヴァだ。

方向から察するに、夜間立ち入り禁止のハズの、団長の部屋のフロアに向かっているように見える。

 

「………………へぇ」

 

……怪しい。

メーテラは思った。

 

シルヴァといえば、団長のグランのコトを特別気に掛けている女性団員の一人として有名だ。

というか、アレはもう間違いなく恋だ。

そう気づいていないのは、本人くらいのモノである。

 

そんなシルヴァが、こんな夜中に、一人でナニかを持ってグランの部屋へ。

 

「…………………………へぇ~~ぇ」

 

ふわり。

 

メーテラは飛翔の術で浮かび上がった。

 

「コレは見張りなんかしてる場合じゃないわねぇ」

 

スー……っと、音もなく空を舞うメーテラ。

向かうは特型艇の外廊。

 

(抜け駆けは許さないわよぉ~!?)

 

 

 

 

 

風の静かな、夏の夜の騎空艇団。

その中心で、ぐっすりと眠りこけるグラン。

いちゃらぶセックス祭り中の、ジータ達。

そこに向かうシルヴァ。

忍び寄るメーテラ。

 

物語は、また少し、進展を見せる。

 

当の本人を、おいてけぼりにして――――。

 

 

 

 

 

 

 

 





続きは反響とやる気次第


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ジータ、ビリビリっ!




明けマンしておめでた。
今年もよろシコおねがいします。

(遅くなってごめんなさい、推敲甘いので修正あるかもです)





 

 

 

 

さて、(主に社会的な)死の足音が間近まで迫っているのにも気づかないのんきな淫乱団員四人組は、相も変わらずかわいそうな昏睡グラン君を囲んでムワムワと発情丸出しなピンクい湯気を立てていた。

 

「よしっ! 次はアタシの番ね!」

 

ウキウキとした声でそう言って、ポンポンと思い切りよく服を脱ぎ捨ててゆくジータ。

床に投げ捨てられたかわいらしい水色の綿ショーツが、べちゃっとかわいくない水音を立てる。

 

「ふへぇ……えへへ…………♡」

 

「うひゃー、アカンわ、引っ掛かってもうてる」

 

「相変わらずスゴいねぇ……♡」

 

その横では、汗でぐっしょりになりながら幸せそうにのびているルリアの股ぐらに顔を寄せ合ったユエルとソシエが、ルリアの膣内に残されたコンドームを取り出そうとしていた。

 

子宮が膨らむくらいに射精されパンパンになったコンドームは、当然のように子宮口に引っ掛かってしまっている。

 

「わわっ、これアカンて! 出て来てもうてる!」

 

「あ゛っ♡ あ゛っ♡♡」

 

「わわ……ゆ、ユエルちゃん、いっぺん戻さんと……!」

 

イキ過ぎてアソコがぐずぐずになってしまったのだろう。

ユエルにグイグイと引っ張られて、弛緩したルリまんこからピンクの子宮頸部が入り口付近まで引きずり出されてしまっている。

 

逆レのし過ぎで経産婦みたいにガバガバになっている子宮口がコンドームに盛り上げられ、気絶中のルリアは電極をぶっ刺されたカエルのようにビクンビクンと手足を痙攣させつつ、ヒロインにあるまじき声を漏らす。

 

ボリュッ♡

 

「お゛…………っ♡」

 

「あ、出た」

 

ちょお~……っとばかりエグい音を立てつつ、ルリアの未成熟な赤ちゃん部屋から精液風船がズルリと抜き取られた。

 

「うひゃー、見てみ! たぷたぷや! グランってば、どんだけ出すねんな」

 

「わ、わ……こぅして見ると、スゴいね…………なんかエッチや……♡」

 

白目を剥いて、子宮口の飛び出たアソコからチョロチョロと黄色いモノを漏らしつつビクビクとケイレンする正ヒロインをよそに、ルリア汁でベトベトのコンドームを赤い顔で凝視するメスエルーン二人。

半開きになったルリアの口元から、赤い舌先がテロンとだらしなくはみ出ている。

 

ユエルの手に乗せられた薄ピンクのコンドームは、白濁したザーメンでパンパンに膨らみ、手のひらからこぼれ落ちそうなくらいにたぷたぷと震えている。

 

ソシエはザーメン風船を細い指で突っつきながら、うっとりとした顔でわぁ、とか、はぁ……とか呟き、ユエルは手のひらに鼻を近づけて、クンクンと鼻を鳴らしては、太ももをこすり合わせながら、プシッ! プシッ! とこもった水音を立てている。

もうイッてるよこのエロギツネ。

 

「むぅ……私だったら、その二倍は搾り取っちゃうもんね! ……そいっ!」

 

実の妹のクセにセリフがエロ同人の種付けおじさん染みているジータは、ぷくぅーっとむくれながら、幸せそうな顔で気絶したままのルリアをベッドの脇にそおいっ! と転がした。

 

勢い余ってベッドから転げ落ちたルリアが、ぐぇっ! とくぐもった声を漏らすが、ベッドの上の三馬鹿は見向きもしない。

 

メインヒロイン(笑)。

 

ジータは、薄ピンクのゴム袋に排泄された赤ちゃんミルクにみっともなく発情しているメスエルーン二匹をベッドの外にシッシッと追い払うと、ルリアの汗やら愛液やらでスゴいコトになっているベッドに手早く洗浄魔法をかける。

 

キラキラと輝きながら、洗濯したての様にまっさらになるシーツ。

キレイになったベッドの中心に、グランを仰向けに放り投げた。

 

鍛え抜かれた大男だ、軽く100kgはありそうなものだが、ジータもジータでどうかしている。

それ以上にオツムの方が相当どうかしているので、些末な問題であった。

 

「えーと……私はこれにしよっかな」

 

そう言って、転がっていた箱から水色(ソーダの香り)のコンドームを取り出し、いきり立ったグラン君にくるくると被せてゆく。

 

グラン専用と言ってもよい特大サイズだが、それでも根本の太い部分が窮屈そうにキュッと絞られ、テカテカの表面にビキビキと血管が浮き上がる。

 

「うわぁ……やっぱりスケベや……」

 

「うん……けっこう好きかも。私も買おっかな……でもシェロさんトコで買うの恥ずかしいしなぁ……」

 

「あ、そしたら、最近シェロはんトコで始めたって言わはる『つうはん』で注文したらどやろか? ウチも欲しいし……ルリアちゃんの名前借りて」

 

「あっ、それエエやん! ウチも! ウチのも頼んどいてな!」

 

「ナルホド、それなら恥ずかしくないね! 私後でまとめて注文しとくよ♪」

 

本人の知らない所で、ルリアの評判がピンチだ。

シェロの中でのルリアの評価が、オナニー用のコンドームをダース単位で定期注文する性欲お化けになった瞬間であった。

 

それほど間違ってなかった。

 

「よーし、ではでは! 二番ジータ、いちゃらぶセックスイッきまーす♪」

 

そう言って、グランの腰をまたいでベッドの上に全裸で仁王立ちになるジータ。

あ、まだその設定活きてたんスね。

年とか跨いだのに。

 

股を開いたコトによって、妹ジータの肉厚の薄い秘裂がくぱぁと開き、トロトロの中身があらわになる。

 

まだ15才(鋼の意志)の少女であるジータの秘部は、幼少の頃から日常的にパコり倒して来たにもかかわらず、年相応に色素が薄い桃色で、小陰唇のビラビラもちんまりと控えめだ。

 

しかし皮を被った肉芽はリトルグラン君による度重なる抽送の摩擦によってエロちっくに肥大し、ピンっピンに勃起して存在を主張し、とうの昔に破れた処女膜の欠片も見当たらない膣口は指で拡げるまでもなくぽっかりと開き、内部のヒダヒダや最奥の子宮口までもがはっきりと見通せる程だ。

 

それだけでなく、ピンク色に盛り上がったお尻の穴は、使いに使い込まれた縦割れアナルである。

全空を探しても、両穴ダブルフィストできる15才はジータくらいだろう。

他にいても困る。

 

ムダ毛一本生えていない未成年美少女ボディ。

エッチなコトなんか知らないような純真無垢そうな美少女顔。

……のクセに、下のお口はエロエロのガバガバ。

両穴ガバガバ系昏睡逆レヒロイン(妹)。

 

そんな新しさいらない。

 

本人には絶対ガバガバとか言っちゃダメだぞ!

 

さておき、いつもと同じような体勢で屈みこみ、そそり勃つゴムちんぽに片手を添えてチンポコキ穴の入り口に照準を合わせるジータに、精液酔いで赤らんだ顔のユエルが疑問の声を上げる。

 

「んえ……? ジータはいつもと一緒のカンジなん?」

 

ぐぷぷぷぷぷぷぷぷ…………ぷちゅっ♡

 

ジータが腰を下ろすと、はち切れんばかりに勃起したグランの巨根がさしたる抵抗もなく小さなジータの中に沈みこんでゆき、ぺたんっ、と、グランの腰の上にジータの小ぶりなお尻がくっついた。

ぷにッとした大陰唇はギッチギチに引き伸ばされ、健康的なすべすべのお腹がおへその上までチンポの形にぽこっと盛り上がる。

ゲンコツサイズの亀頭は小さな子宮内にズッポリとハマり込んでしまっている。

まだ一度も出産したコトがないのに、実の兄の肉棒で遊ばれ過ぎた子宮はすでにちょっと締まりがイイだけの肉リングと化しているのだ。

 

さすがの貫禄だ。

無論、決して褒められたコトではないぞ。

 

「んぅっ……♡ …………はぁ……一日の終わりはやっぱコレだよね♡ んふふ、こっからがいちゃらぶなんだなぁ……ふふっ♪」

 

ドスケベなカタチにぽっこりと膨らんだお腹を満足そうに撫でながら、疑問顔のユエルとソシエに向かって不敵に笑うジータちゃん。

 

「実は前からこっそり練習してたんだぁ……♡」

 

そう言って、右手をスッ……と持ち上げ、親指と人差し指でC(シー)のカタチを作る。

 

「……? なんなん、それ……っ!?」

 

バチッ!

 

ジータの指の間に、青白い閃光が走った。

 

思わずのけ反ったソシエとユエルに、ジータはグランの肉棒をすっぽり咥え込んだ腰を小刻みにグチグチと揺すりながら、火照った顔で無邪気な笑みを浮かべた。

 

「あはっ♡」

 

 

 

@@@@@@@@@@

 

 

 

(団長君は、喜んでくれるだろうか)

 

所変わって、居住艇の外縁部。

 

涼やかな夜風の通り抜ける廊下を足音を殺して歩きながら、小脇に抱えた木箱を揺すりつつそんな事を考えているのは、ご存知長身美脚の狙撃主お姉ちゃん、我らがシルヴァ姉ぇである。

 

背が高いのをちょっぴり気にする、可愛い物好きのしっかりもの(27才)だ。

溢れる性欲のあまり若干以上に頭のネジが緩んだ女性団員の多い中にあって、貴重な常識人枠の一人でもある。

 

(それとも、もう寝てしまっているかな……いや、彼ならまだ熱心に鍛練にでも励んでいるだろうな……まったく、困った団長だな)

 

イタく美化された想像をしながら、無駄にクールに決まった微笑みを浮かべて足を早めるシルヴァは、夜間立ち入り禁止の団長居住区画の扉を前に一つ深呼吸をした。

 

 

 

@@@@@@@@@@

 

 

 

つい先日の団内定例会議での事だ。

 

一通りの定期報告と、今後の旅程、問題や提案の質疑応答が済み、いつもならばそろそろ解散かという所で、アルタイルが一部団員の働きすぎ問題について苦言を呈するという一幕があったのだ。

 

曰く、『団内での労働状況に著しい偏りが目立つ』との事。

 

その場にいたシルヴァやエッセルなどは、名指しで指摘を受けてしまった。

 

シルヴァとしても、確かに働きすぎの自覚はあった。

しかし、他ならぬ団長が誰よりも熱心に働いているのに、自分だけ休むなんて出来ない、そう反論しようと腰を浮かせかけた所で、当の団長――グランが立ち上がって、気まずそうに頭を下げたのだ。

 

「あー……その、ゴメン。俺がちょっと頑張り過ぎたせいで、みんなには随分プレッシャーをかけちゃってたみたいだ。実はさっき、アルタイルとノアと、それからカタリナにも叱られちゃって……」

 

そう言って、人差し指で照れたように頬をかくグラン。

 

会議の参加者がチラっと目を向けると、アルタイルはメガネの位置を直し、ノアは柔らかく微笑み、カタリナは慌てたように「い、いやっ、別に叱ったつもりは……!」とかわいらしくキョドっていた。

 

「あはは……じ、実は俺もけっこう限界だったんだ。なんかみんなの信頼が嬉しくって、無理し過ぎてたみたいだ。これからは俺も仕事とか修業の時間を減らして休みを取るようにするから、アルタイルの資料で働きすぎの評価がついてる団員は意識して休養日を入れるように、みんなからも声かけをして欲しいんだ。……それでも働いてる団員は俺が強制的に休ませるからね」

 

他ならぬグランにそう言われて、否と言える団員はその会議室にはおらず、それぞれが了解の意を示して会議はお開きに。

 

「ったく、何が無理してた~だよ。グランが余裕綽々で冗談みたいに動くモンだからみんな焦ってたんだってーのに、ヘタな嘘つきやがってまあ」

 

「いっ、いや、ウソなんて――」

 

「あー、イイってイイって。お前さんが休んでくれるんなら文句はねぇよ。たまには団員を信頼してゆ~っくり休んでくれよ、団長さん」

 

去り際に、グランの肩を叩きながら言ったラカムの言葉が一同の総意でもあった。

 

あのグランがやっと休みを入れる気になってくれたのだ。

文句などあるハズもなかった。

 

何度も確認するようで悪いが、大多数の団員にとってグラン君は最高に頼れるリーダーで、尊敬と親愛の対象で、愛すべきスーパーマンなのだ。

 

単にムッツリを隠したいがためだけに塗り固めてきたグランの虚像は、彼の人外じみたスペックやつもりに積もった勘違いによって、すでにグランのチンポのように巨大に膨れ上がっていた。

 

破裂するのが楽しみだぜ。

 

ガチャッ!

 

「ゴメンゴメ~ン! 寝坊しちゃったよ~。会議ってもう終わっちゃった?」

 

「…………ジータさんについては丁度今から始まる所です。奥へどうぞ」

 

「あれっ? あれれっ? なに? みんな顔怖いよ? あはは、あは……」

 

……アホの副団長は放っておこう。

 

とにかく、グラン君に対する団員達からの信頼は厚い。

 

シルヴァもまた、(嘆かわしいコトに)グランのそんな幻想に心酔している団員の一人であった。

 

あれ以来、ほぼ毎日のように依頼、哨戒、見張り見回り修練教導と働きづめだったスケジュールを改めて、少なくとも6日に一度は休養を入れるようになった。

 

なんせ、無理に働けばグランに面倒を掛ける事になってしまうのだ。

流石のナルメアやドロシーなども、不承不承ながらお休みを入れているようだった。

 

それぞれ修業とご奉仕を禁止されて、何をしていいか分からずにオロオロしている二人は同姓からみてもかわいらしくて、思わず吹き出してしまったものだ。

 

しかし、そう他人を笑ってもいられない。

 

シルヴァもまた、今日明日明後日と、実に久々の三連休の使い道に頭を悩ませていた。

 

たまには姉妹水入らず、ゆっくりおしゃべりでもしようと自室で過ごしていると、一度倉庫に整備済みの弾薬や図面を置きにいったククルが戻ってくるなり、突然アイディアが沸いたから一人にして欲しいと部屋を追い出されてしまったのだ。

 

『私に手伝える事があったら手伝うよ、ククル?』

 

『うっ、ううん、だ、大丈夫っ! 本当に集中したいからっ……そ、それにシルヴァ姉ぇは久々の連休でしょ!? たっ、たまにはクム坊と一緒にデッキでお茶とか、ソーンさんのトコでお泊まりとかしたらイイんじゃないかなっ!?』

 

『そっ、そうか……それじゃあ、クム――――』

 

『くっ、クムユも手伝うですっ!!』

 

『えっ!? いや、別に――』

 

『手伝う! ですっ!!』

 

『……う、うん。仕方ないかぁ……』

 

『…………では、私も本当に何か――』

 

『ししし、シルヴァ姉ちゃんはちゃんと休まなきゃダメですっ!!』

 

『え? そ――――』

 

『そっ、そうだよっ! シルヴァ姉ぇは働き過ぎなんだからちゃんと休まないとっ!』

 

『…………ああ』

 

思い返すと、ちょっと目頭がアツくなる。

 

なんというか、最近妹達がよそよそしい気がするのだ。

心配している、というのは本当なんだろうが……しばらく仕事ばかりで、姉妹の時間を蔑ろにしていたツケだろうか。

 

ヘルエスに取り寄せてもらった香水をこぼされたくらいで、ちょっと叱りすぎてしまったかもしれない。

それとも、最近買ってきた猫柄でピンクな揃いのパジャマが気に入らなかったのかも……。

 

単にそういう年頃なんだと信じたい。

そうだったらいいな……あのパジャマ、けっこう気に入ってるし……。

 

とにかく、部屋を追い出されたシルヴァは途方に暮れてしまった。

 

(さて、どうしたものか……本当にソーンの所にお邪魔しようか……いや、彼女は今日は依頼に出ていたハズだ。ではアルルメイヤの所でお茶でもしがてら姉妹のコトの相談でも……ああ)

 

そこまで考えた所で、シルヴァは以前、グランに手作りのクッキーを渡しそびれたコトを思い出した。

 

そうだ、たしか今日は団長もお休み。

いつか約束したように、また手作りのクッキーでも持ってお茶でもいっしょにしようか。

 

そう考えて、シルヴァは僅かに頬をほころばせたのだった。

 

 

 

@@@@@@@@@@

 

 

 

「さて……この奥か」

 

『立ち入り禁止!』

 

そう書かれた掛け札を眺めながら、シルヴァは緊張に胸が高鳴るのを感じた。

 

グラン。

 

彼は、自分にとって、ただ所属する団の団長、という以上に特別な存在だった。

 

およそなんでも、文字通り『なんでも』できるグランは、当然のように銃の腕も超一流で、年下ながら随分と多くの刺激を受け、互いに高め合える良き戦友であり、

 

かつての親友であったソーンとの確執の解消に一役かってくれ、仲直りの切っ掛けをくれたばかりか、ソーンの悩みまでも解決してくれた大恩人であり、

 

年の離れた妹二人にもよく慕われ、姉妹ぐるみで仲良くしてくれる大切な弟のようなものでもあり、

 

クセ者揃いの団員300名以上を纏め上げる実力とカリスマをあわせ持った全空一の騎空士であり、

 

そのくせ、ときおり年相応の表情や仕草を覗かせる、年若く魅力的な一人の男性でも――――

 

(いや、何を考えているんだ私は……)

 

慌ててかぶりをふる。

少し、頬がアツいようだ。

 

「全く、どうしたんだろうな私は。確かに疲れが溜まっていたのかもしれないな……一回りも年下だと言うのに……」

 

「本~当に、どうしちゃったのかしらね~ぇ?」

 

不意に後ろから聞こえてきたねっとりとした声。

ビクッ、と肩を跳ねさせたシルヴァが、条件反射のように背中に片手を伸ばしながら振り返る。

 

「はぁ~い☆ シルヴァ、こ・ん・ば・ん・わ♪」

 

そこにいたのは、呆れたような顔で頬杖をつきながら、欄干の外にふわふわと浮かぶエルーンの女性団員、メーテラであった。

 

「あ……ああ。今晩は、メーテラ……」

 

「奇遇ねぇ。こぉんな夜更けにさぁ――」

 

楽しげな声でそう言って、使い手の少ない高度な飛翔魔法でふわりと欄干に腰かけたメーテラが、細い指で自分の後ろを指差して続ける。

 

「こぉ~んなトコで会うなんてさっ☆ マジメなアンタらしくないじゃなぁ~い? ねぇ……?」

 

ちっとも目が笑ってない……!

 

なんでこんな所にメーテラがいるのだ?

シルヴァは混乱する頭で、必死に状況を理解しようとする。

 

ここにくるまで、なんとなく誰にも見つかってはいけないような気がして、細心の注意を払いながら人目を避けてきたはずだ。

 

いや、別に後ろめたいコトなんてないハズなのだから、本来そんな必要はないのだが……そうか、自分がお休みの分、今日の見張りには誰か別の団員が当たっていたハズだが、それがメーテラだったのか。

 

シルヴァはなんとなくイタズラがバレた子供のような心境で、慌てて言い訳を口走る。

 

ククルもこんな気分だったのだろうか?

 

「い、いや……団長君とお茶の約束をしていてね。少し遅い時間にはなってしまったが、彼からは、いつでも訪ねて行って構わないと許可を貰っている」

 

これは本当だった。

 

いつだったか、騎空艇内ですれ違ったときに約束したのは事実だし、こんな時間になってしまったのだって、一度失敗して焼き直したクッキーの焼き上がりを待っていたからだ。

 

それを証明するように、立ち入り禁止区域のドアノブに手を伸ばし、カチャリとひねってみせる。

 

ここのドアは特別製だ。

契約の星晶獣ミスラの力、裁きのアーカルムシリーズ、ジャッジメントの力によって、許可なき者の侵入を阻み、触れたものにそこそこシャレにならない罰が下るようになっている恐ろしい扉なのだ。

 

設置された当初、酒瓶を持ったソリッズや、枕を抱えたナルメア、わざとらしい錬金術指南書(とうの昔に読破済み)を持ったクソ雑魚錬金術師が相次いで黒焦げになる怪事件が発生したが、事情が発覚した後は彼等にポーション以上の温情がかけられる事はなかった。

 

財布にコンドームが一つ入っていたコトが発覚したデカリボンに至っては、「こっ、これは違うのっ!? ただの乙女のたしなみっていうか、普段から入れてるだけでっ! ほほ、ホントに錬金術についてちょっと質問しようかな~☆ って思っただけで別にアタシは――――」という言い訳を最後まで言い切る前に船の穂先から簀巻きにして丸三日間吊るされた。

 

なお、ドアを設置したのはルリアとジータなので、彼女らにとってはただの自動ドアである。

 

そんな訳で、確かにグランから言質を取っていたシルヴァの手は、何事もなくドアを開き、シルヴァはホッと小さく息を吐いた。

視線を戻すと、疑わしげなメーテラの視線が手元のクッキーの袋に留まり、悪いことをしている訳でもないのに思わず手元に力が入る。

 

「ふぅ~ん、そう……」

 

そう言って、手すりからひょいっ、と飛び降りたメーテラが、ツカツカと近づいてくる。

 

「……ま~あ? シルヴァに限って、他のジャリ共みたいに色気付いて、大ぁい好きな団長に夜這いをかける~、なんてコト、ないとは思ってたけどさぁ☆ ホラ、アタシってば一応見張りだしぃ?」

 

……どうにも、このメーテラという同僚は苦手だ。

 

自由奔放で飄々としているのも、扇情的で蠱惑的な言動もそうだが、弓の名手であるということ、そして天才であることを憚らないその態度は、シルヴァにとってかなりナイーヴな所を刺激される部分であった。

 

それに、自分にとって弟のように大切なグランに対して、え、え、エ……せ、性的なアプローチを掛けてからかったりするのも気に食わない。

 

本気というワケでもないだろうに、純真な団長を困らせようなど、少々目に余るのではないか? と思うのだ。

思うのだ。

 

「じゃ、疑いも晴れた所でぇ、アタシもそのお茶、ご一緒しちゃおうかしらぁ?」

 

と、自分の後ろからのそんな声に振り返ると、ちょうどイタズラっぽい顔をしたメーテラが扉を押して廊下に入ってゆく所だった。

呆けていたシルヴァは、一瞬固まった後、慌ててその後を追って立ち入り禁止区域に足を踏み入れる。

 

「…………! ま、待ってくれ! その、私は他に誰を連れてゆくとも……!」

 

「連れてかない、とも言ってないでしょぉ~? 団長だって人数は多い方が楽しいって☆」

 

「っ、ま、まあそれもそうかもしれないが……」

 

……やっぱりこの女は苦手だ。

 

正体のわからないモヤモヤに胸を締め付けられながら、後ろ手にドアを閉める。

 

団長君と話せば、少しは気が晴れるだろうか?

 

グランの部屋は、もうすぐ側まで迫っていた。

 

 

 

@@@@@@@@@@

 

 

 

バチュンッ♡♡ バチュンッ♡♡ ブチュッ♡♡♡ ズチュッッ♡♡♡

 

「アはっ♡♡ ふぅっ♡ イイっ♡ イイよっ! お兄ちゃんっ♡ あっ♡♡ そのっ♡ 調子ぃっっっ♡♡♡」

 

場面は戻ってヤリ部屋――もとい、グラン君'sルーム。

 

その巨大なベッドの上では、びしょびしょの肉と肉を叩きつける凄まじい音と共に、目を覆うような饗艶が繰り広げられていた。

 

「あわわわわわ…………!!」

 

「じ、ジータちゃん……そ、それ、大丈夫なん……?」

 

ブチュンッッッ♡♡♡ バチュッッ♡♡ ズチュッッ♡♡ バチュンッ♡♡♡

 

「ぅふっっっ♡♡ っはっ♡ だっ♡ 大丈夫ダイジョっっっ♡♡♡ ぅぶっ♡♡ お兄ちゃんっ♡♡ 頑丈だからっっ♡♡ あ゛っはっ♡ ハハッ♡♡」

 

真っ赤にとろけた顔で、口からヨダレを垂らしながらジータが切れ切れに答える。

 

そして、その指先からテンポよく迸る蒼白い光。

バチッッッ! バツッッッッッ!

っという、鋭い音。

 

その度に、体をエビ反りに跳ね上げ、腰を高く突き上げてジータを深く貫くグラン。

 

見れば、グランの腰が、ドサッ、とベッドに落ちると、その瞬間にジータの指から紫電が走っている。

閃光がグランの腰に着弾した瞬間、反射的に背中の筋肉を硬直させたグランが体をブリッジ状に跳ねさせ、腰の上にがに股で構えるジータの膣内に剛直を叩き込み、突き上げられたジータが愛液を撒き散らしなが体を浮き上がらせる。

 

なんとこのキ○ガイ妹、電気ショックでグランの身体を無理矢理動かすコトで、昏睡レイプしながらの突き上げ騎乗位を実現したのだった。

正に鬼畜の所業である。

 

思い付いてもやるか、普通?

 

「で、でも、グランが…………」

 

ガクガク震えながらユエルが指を差す。

 

白目を剥き、食いしばった口の端からブクブクと泡を吹きながら、断続的な電気ショックで腰を弓なりに跳ね上げる全裸の青年。

 

控えめに言って拷問である。

現実離れした強靭性を持つグランなればこそ壊れたオモチャみたいにビクンビクンするくらいで済んでいるが、常人ならとうに数回は死んでいてもおかしくないレベルだ。

いったいどんな罪を重ねればこんな目に合うと言うのだろうか?

 

……六股とかかな?

やっぱりかわいそうでもないかもしれない。

いいぞー、もっとやれー。

 

この、ごく一部の特殊性癖持ちしか喜ばないドン引きプレイを躊躇いなく実行したジータちゃん(15才)は、素晴らしくイイ笑顔で実の兄にどギツい電撃をお見舞いし続ける。

 

ザンクティンゼルという閉ざされた環境は、グラン以上の化け物を世に送り出してしまったのかもしれない。

 

ご機嫌な様子なジータちゃん(じゅうごさい)は、下品なガニ股に開いた腰を落とし、ちょうど亀頭の先端部分をオマンコの入り口で咥え込むくらいの位置に構え、プロのお姉さんも泣いて首を振るような巨大な肉棒のストロークを最大に楽しんでいる。

 

「あっははっ♡ んううっ♡♡ お兄ちゃんに動いて貰うの、初めてだよっ♡♡ こんな一生懸命腰振っちゃってっ♡ コレはいちゃラブだよっ♡ 私っ♡♡ いちゃラブ好きかもっ♡♡♡」

 

キミ精神状態おかしいよ。

 

ボリュッッッ♡♡♡ ボップッッッ♡♡♡

 

と、発情してバルーン状になった膣奥の空気が抽出の度に押し出され、白く泡立った本気汁と一緒に吹き出して、イヤらしいマン屁を響かせる。

 

グランの下半身やシーツはジータの汗と妹汁でビチャビチャになって、腐った花のような淫靡な臭いが部屋中に立ち込めてゆく。

 

「しゅっ♡ しゅごいぃっっっ♡♡ お兄ひゃんのっ♡ 初めての種付けピシュトンっっっ♡♡ しゃ、さいっこうぅっー♡♡♡」

 

はち切れんばかりに勃起した自分の腕よりも太い兄チンポで雌穴を突き上げられ、貫いた子宮ごと白いお腹をドスドスと殴り付けられる快感で、ジータはたまらず全身を痙攣させ、ペチャンコに潰れた尿道からプシャッ! プシャシャッ! っと温かい潮を噴き出す。

 

しかし、両ヒザをガクガクと震わせ、瞳にハートマークを浮かべ、歯を固く食いしばって白い肌を真っ赤に紅潮させながらも、断続的に電撃を放ち兄を陸に上がった魚のように跳ねさせ続ける事をやめないジータちゃん。

 

これがいちゃラブだと言い張るならもはや何も言うまい。

 

激しく明滅する視界の中にあって、痛いほどに収縮を繰り返す自分の雌イキマンコにも容赦なく兄マラをぶちこんでゆく。

 

お腹が、ぼこぉっ、と盛り上がり、ベッドから足が浮いてチンポ一本で絶頂に震える身体を支える。

 

こと自分が気持ちよくなるためならば、いくらでも限界を越えていく、それがジータちゃんなのだ。

どうかしてるぜ。

 

あとお兄ちゃんの初ピストンなら、とっくにククル姉ちゃんに取られちゃってるぞ。

初ピストン(笑)。

 

「うわぁ……ジータ、流石やなぁ……」

 

「う、うん、そやね……それに、ジータちゃんを突き上げてる団長はん、なんかスッゴク男らしゅうて……お股の奥、ジンジンする……」

 

「ソシエもなん? ……実はウチもちょっとドキドキしてるわ」

 

みんなどうかしていた。

 

いったいどこに胸をキュンキュンさせる要素があるのか分からないが、普段は動かないグラン君相手にオナニーよろしく腰を振りたくるだけだった彼女らにとって、グラン自ら(?)が腰を振って攻め立ててくる目の前のセックスは、かなりの衝撃であったのだ。

 

逞しい筋肉が隆起し、身体中の血管がビキビキと浮き上がり、女の子の身体のコトなど一顧だにしない本気のピストン。

 

周囲にイヤらしい液体を撒き散らすようまその動物的な激しい交尾は、ケモノの血を色濃く受け継いだ二人のエルーンの少女に鮮烈な『雄』を感じさせ、股ぐらをビショビショにさせる。

 

むせかえるような性臭に敏感な鼻をヒクつかせ、発情しきった子宮が入り口近くまで降りてきてしまっているのがわかる。

 

ユエルにいたっては、ド変態極まる場の空気だけで小さくイクのを繰り返し、股の間から黄色い液体をチョロチョロと漏らしてシーツに大きな染みを作っている。

 

「じ、ジータぁ、そろそろ交代やない? ウチもはよハメたいんやけど……!」

 

「ジータちゃん、ウチもぉ……」

 

発情ギツネ二匹が前屈みになって下着の中に手を伸ばし、我慢できずにクチュクチュと水音を奏でながらみっともなく懇願するが、そんなコトをいちいち気にするジータちゃんではない。

 

バチュッッッッ♡♡♡ ボリュッッッ♡♡♡ バチュッッッ♡♡♡

 

「あ゛っ♡♡♡ しゅぎぃっ♡♡ お兄ちゃっっ♡♡ お兄ちゃんっ♡♡♡ しゅきっっっ♡♡ い゛いっっっ♡♡♡」

 

ひたすらマイペースに、昏睡状態のグランを電動ピストンさせて初めての突き上げを堪能していた。

 

……これで起きないって、いったいどんな劇薬を盛ったんだろうか?

秩序の騎空団はもっと頑張るべきである。

 

グランのガチガチの下腹部を何度も叩きつけられ、ジータのマン肉は腫れ上がり、内腿やお尻まで真っ赤に充血し、水色のコンドームをはち切れんばかりに膨らませたデカチンポは、全体を血の繋がった15才の妹の白濁本気汁でコーティングされ、よりいっそうイヤらしくテラテラと光って湯気を立てている。

 

ジータの極上な肉ヒダに散々擦り上げられて、いつもならばとっくに射精されている頃だが、電気刺激で筋肉が収縮されているせいか、発射寸前の所でぺニスの根本がぎゅっと締まり、延々と射精ガマンが続いているようだ。

 

ダルダルに垂れ下がった金玉はパンパンに腫れ上がり、バキバキに膨張した竿はゴムを引きちぎりそうな程で、グランの顔はちょっとヤバいんじゃないかというくらいに赤黒く変色してブクブクと泡を吹き続けている。

 

「そろそろっ♡ 出しっ♡♡ たいよねっ♡♡ いいよっ♡ いっぱい出してねっ♡♡♡」

 

流石ジータちゃん、限界ギリギリを見極めるセンスには天性のモノがある。

 

いよいよ哀れなグラン君がヤバめの痙攣を始めようかと言うところで、ブボッッ♡ とエグい音を立ててチンポを引き抜き、パンパンに膨らんだ亀頭の先端を、今度は後ろのケツ穴にあてがう。

 

そして、

 

「ふうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ♡♡♡」

 

ブリュリュリュリュリュルルル……っ♡♡♡

 

と、その破裂寸前のリトルグラン君を肛門の中に納めてゆく。

 

腕のような巨根は、直腸を悠々と貫き、S字結腸をボリュボリュを通過して、事前にしっかりキレイに掃除されていた大腸の中にまで侵入し、そして、

 

ブチュッ♡♡

 

「あんっ……♡」

 

妹の紅潮したお腹の左辺りをボコッと盛り上げた所で、ジータの小さなお尻がグランの腰の上にべちゃっとくっついた。

 

その瞬間、

 

ブボッッ♡♡♡ ブボッビュボルリュルルルッッッ♡♡♡

ブビュルルルルルルルゥルリュリュッ♡♡♡ ビュブッッッ♡♡ 

ビュブブッッ♡♡ ビュリュルルルルルッッッ♡♡♡ ブビュブブブッ♡♡

ブボッ♡♡ ブビュウビュゥリュルルルルッルルルルルルル…………ビュリュルッッッ♡♡♡ ビュルッ♡♡

 

「~~~~~~~~っっっ♡♡♡♡」

 

グランが電流を流されたワケでもないのに身体をエビ反りに反らし、ジータのグズグズ妹アナルをえぐり込むように突き上げて大量のザーメンを爆発させた。

 

金玉の中でドロッドロのプリプリになるまで凝縮された特濃チンポミルクが、特大の玉になって狭い尿道をゴリゴリと削りながら薄いコンドーム越しに妹の胎内に排泄されてゆく。

 

パツンッ……という小さな音。

 

ジータのすべすべのお腹は風船のように膨らみ、おへそは飛び出して、引き伸ばされた膣口からはピンクの膣壁が覗く。

 

「おっ♡ お兄ちゃっ……♡♡ っら、ダメっ♡ ぬ、抜いっ♡ 抜かっ……なきゃぁっ……♡♡」

 

あまりの射精量に、お腹が破裂しそうになってジタバタと悶えるジータだが、高く突き上げられて足が浮いてしまい、自身もイキ続けているせいで思うように力が入らず、中出しを止められない。

 

「あっ、アカンアカンっ! 救助や救助!」

 

「うっ、うんっ!」

 

慌てたユエルとソシエに助けられた時には、既に数十秒に渡る射精がほとんど終わってしまっていた。

 

妊婦のようになったお腹に青白い血管をうっすら浮かばせ、幸せそうな顔でぐったりしたジータを持ち上げると、ジータの柔らかな肛門がひょっとこのようにグランのチンポに吸い付き、ズロロロロロ……と中に残ったザーメンを扱き上げながら引き抜かれてゆく。

 

ゴムは射精の勢いで破れてしまったようで、チンポの半程からは赤黒い竿が露になっていた。

 

ブポッ♡

 

と、ワインのコルクでも抜いたかのような音と共にぶっとい亀頭が引き抜かれる。

 

「ふぅっっっ~~~………………♡♡♡」

 

「わっ……♡」

 

「スゴい量やね……♡」

 

巨大な栓が抜かれた瞬間、ジータの盛り上がった肛門から、凄まじい勢いで黄ばんだチンポミルクが破れたコンドームと一緒に噴き出した。

 

ブプッッブピュッブビュリュルルルルルルルルルルウルルルルルッッッ♡♡♡

 

ふうーっ! ふうーっ! を荒く息を吐きながら、全身をビクビクと震わせてケツ穴射精を続けるジータ。

 

パンパンに膨らんだお腹がやっと平になったころには、ベッドの上がザーメンまみれになってしまっていた。

 

「~~~っ、はあぁぁ~~………………っ♡ 気持ちよかったぁ……♡」

 

そりゃよござんしたね。

 

昏睡中のグラン君も、やっと射精ガマンと電撃責めという拷問から解放され、気持ち晴れやかな顔で寝息を立てている。

 

股間のリトルグラン君も満足そうにへたってしまった。

 

しかし、スッキリした顔なのはジータとグラン君だけだ。

 

ユエルとソシエは全身にザーメンを浴びて、火照った身体をプルプルと震わせていた。

 

「ちょ、ちょっとまちぃや! ウチは!? ウチの分も残してって言うたやん!」

 

「次、ウチの番やったのに……」

 

ユエルが、約束が違うやないか! と、ナマコのようにへたったリトルグラン君をつまみ上げる。

 

「えへへぇ~~お兄ちゃ~ん……♡ ちゅっ……ぷちゅ…………ん……♡」

 

「聞けやっ!!」

 

顔に飛び散った精液をさりげなく口に運んでモグモグしながら、グランと事後のイチャイチャをおっ始めるジータにユエルが怒鳴ると、ジータはしぶしぶといったように部屋中に清掃魔法を掛ける。

 

ベタベタのシーツや床が一瞬でキレイになり、手についたザーメンを舐め取ろうとしていたソシエが、「あっ……」と悲しそうな声を漏らす。

 

「ん~……お兄ちゃんならまだまだ出せると思うよ?」

 

「うう…………ホンマ?」

 

「うん。ほら、お尻に指突っ込んでグリグリやったらもう何発かくらい余裕だって♪」

 

「…………ほなやってみる」

 

ひでぇ会話である。

 

ソシエはザーメンをお預けされてちょっと涙ぐんだ目で自分の人差し指をパクっと咥えると、その細くたおやかな指をグランの汚いケツに突き立て、つぷぷぷ……と沈めていった。

 

そのまま指の腹でコリコリした前立腺あたりを揉みほぐし、同時に銀糸のような髪をかき揚げてぐてっとしたチンポを持ち上げ、尖った犬歯が当たらないように大きく口を開けて先端を口に含む。

 

「んちゅ……あ、中にちょっとだけ残とる……♡」

 

実に手慣れた所作だった。

 

「ふわぁ……じゃあ、私は明日も強制労働があるから……端っこで寝てるから終わったら起こしてね?」

 

そう言って、ベッドの下に落ちていたルリアと一緒にキレイになったシーツにくるまって、すぴー……と寝息を立てる鬼畜妹ジータちゃん。

 

最後までマイペースなヤツである。

 

 

 

 

夜はまだ長い。

 

 

 

 

 

 

 



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ソシエ、甘々。




この二人も好き。







 

 

 

「じゅるっ…………ん♡ ……はぁ………ちょっとだけ元気んなってきたかな……?」

 

ぷはっ、と亀頭の先端から口を離して、お尻の穴に突っ込んだ指をぐりぐりしながら赤らんだ顔でソシエが言う。

 

ソシエに優しく丁寧にねぶられて、グランのチンポはまたムクムクと力を取り戻しかけていた。

 

血を分けた兄妹とは思えないハードでキチ○イ染みた責めから一転、雌エルーンの甘々で愛情たっぷりの愛撫を受けて、昏睡状態のグラン君も気持ち心地良さそうに見える。

 

「……なぁ、ソシエぇ……」

 

弱々しい声にソシエが振り返ると、ジャンケンで負けたせいで長らくお預け状態だったユエルが、女の子座りで尻尾を股の間に挟み、大きな耳をへたらせてモジモジしていた。

 

「ウチ……もうガマン出()へんねん……」

 

そう言って、赤い顔に潤んだ上目遣いでソシエの手の中のグロい一物を物欲しそうに見つめてくる。

健康的でハリのある太ももをしきりに擦り合わせては、八重歯の覗く口の端から涎を垂らし、発情丸出しで切なそうに息を吐く。

 

(ユエルちゃん……可愛()いらしいなぁ……)

 

ソシエは親友のそんな姿に胸をキュンとさせ、しゃあないなぁという表情で自分の横をポフポフと叩く。

 

「ええよ……一緒に団長はんを気持ちよぅさせたげよ?」

 

それを聞いたユエルは、とたんに耳をピン、と立て、赤い瞳を輝かせ、シーツにシワを作りながらズリズリと隣までにじり寄ってきた。

 

「え、ええのん?」

 

「うん……ユエルちゃん、辛抱たまらんみたいやし……それに、団長さんの()っきいて……」

 

そう言って、控え目に口を開いて見せるソシエ。

赤くヌラヌラと光る口内には小さくピンクの舌先が覗き、ほのかにカウパー臭い息が漏れる。

 

「ウ()のお(くひ)やと、顎が痛なってしまうんよ」

 

そう言って、頬に手を当ててイタズラっぽく舌を出してはにかんだ。

 

「ソシエぇ……! 大好きやっ!」

 

「きゃっ!? ……もう、ユエルちゃんったら……♪」

 

ユエルは感極まってソシエに抱きつき、ソシエはそんなユエルに驚きながら、聖母のような表情で優しく背中を撫でてあげる。

 

「そしたら……一緒におチンポさんねぶろか?」

 

「ウチ先っちょがええっ!」

 

「もう……ええよ。ほなウチはお稲荷さんにしょかな……♪」

 

デカい尻尾を嬉しそうにブンブンと振りたくりながら図々しい要求をするユエルに対し、ソシエは困ったように微笑みながら一番美味しい亀頭を親友に譲り、自分はちゃっかりと一番匂いの濃い玉裏に顔を埋めた。

 

ああ、美しきかな少女達の友情……これが昏睡レイプでなければ。

 

ザーメンでお腹をチャポチャポさせたジータとルリアがシーツにくるまってスヤスヤと寝息を立てる横で、違法薬物で眠らせた男性のチンポを片手に繰り広げられるキツネ耳少女二匹のイチャイチャ。

 

染み一つないたおやかな人差し指をグランの汚いケツの穴に突っ込んでグリグリやりながらこんな寸劇が出来るのだから大したモノである。

ご先祖様が泣いてるぞ。

 

「ああ……やっとウチの番……!」

 

ユエルはやっと回ってきた自分の番にウキウキしながら、大の字になったグランの脚の間に顔を(うず)めているソシエの邪魔にならないよう、自分は反対向きになってグランの胸の上にペタンと腰を下ろした。

 

溢れでる準備汁で濡れそぼったパンツが、グランの逞しい胸の上でベチャっと音を立てる。

 

半勃ち状態のリトルグラン君に手を伸ばし、顔を近づける淫乱ギツネ。

 

「~~~~っ! っはぁぁぁ~~…………ええ匂いやぁ……♡」

 

ドクドクと脈打つ熱い肉棒を両手で掴み、鈴口に鼻がくっつくぐらいに近づけて深く深呼吸する。

 

途端に頭一杯に広がるエグいオス臭さに、ユエルは(トロ)けた顔でため息を吐いた。

 

離れるチンポの鈴口と鼻先の間に、透明でネバついたアーチが出来る。

ユエルがピクピクと背筋を震わせ、グランの胸から脇腹に掛けてチョロロっ……と熱い液体が零れ、真っ白いシーツにジワっ……と小さく黄色っぽい染みが広がった。

 

「んちゅ♡ ……ちゅ…………? あ、ユエルちゃん……」

 

夢中になって玉裏を舐めていたソシエは、鼻先に漂ってきたツンとする臭いにふと顔を上げる。

 

すると、シーツに広がったシミを足でさりげなく隠したユエルが、恥ずかしそうに目線を泳がせながら言い訳を始めた。

 

「あ……あはは、ゴメンソシエ……イッた拍子に、ち、チビっとだけ漏れてもうたみたいや……」

 

「もう……ユエルちゃん、イキやすいんやから、あんまり団長はんにおしっこ掛けたらアカンよ?」

 

「ほ、ホンマにちょびっとだけやで!?」

 

「はいはい」

 

「うぅ~……!」

 

「ふふ……♪」

 

キャッキャウフフ。

片やチンポの臭いで甘イキ&嬉ション、片や玉舐めで口の回りをヨダレまみれにして陰毛をくっつけながらという状況でのキャッキャウフフ。

 

エロギツネ二匹は順調にぶっ壊れつつあった。

 

 

 

@@@@@@@@@@

 

 

 

キィ……キィ……キィ……。

 

「……………………」

 

「……………………」

 

キィ……キィ……キィ……。

 

メーテラが灯した魔力球を灯りに、グランサイファーの夜間立ち入り禁止区域の廊下を歩く二人。

 

ぼやぁっとほのかに照らされた真夜中の廊下の床板をゆっくりと踏みしめるメーテラとシルヴァの間には、重苦しい沈黙が横たわっていた。

 

団長であるグランの寝室のあるフロア全体が夜間は立ち入り禁止になるため、寝室までの道のりは微妙に長い。

 

なんとも言えない気まずさに、胸元でクッキーの袋を持つシルヴァの手に自然と力がこもる。

 

ガサっ……と小さな音を立てる紙袋。

 

「…………それさぁ」

 

最初に沈黙を破ったのは、メーテラだった。

 

「……?」

 

「甘い臭いねぇ。クッキー?」

 

「ん……ああ」

 

「ふぅ~ん……」

 

「…………」

 

「………………」

 

会話、終了である。

またも二人の間を沈黙が支配し、廊下には単調なリズムの足音だけが静かに響く。

 

(く、ククル……クムユ……助けてくれ……!)

 

 

 

@@@@@@@@@@

 

 

 

じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡

 

キングサイズのベッドの上から、淫らな水音が響く。

 

「んぶっ♡ んぶっ♡ ズズッ……♡ ふぶぶっ♡」

 

グランの胸の上に座り込んだユエルが、しなやかな上半身を屈み込ませてグランの股間に顔を(うず)め、黒々とした陰茎を両手で握り支えながら激しく頭を前後させる。

 

「じゅぶっ♡ んぶっ♡ ……っはぁ、じゅぷぷっ!」

 

口をすぼめ、尿道を強く吸引しつつ、エロい音を立てながらのフェラチオだ。

 

口じゅうに広がるオスの臭いに鼻の穴をスピスピとさせながら、口の回りがヨダレと先走りまみれになるのも厭わず夢中になってチンポに吸い付いている。

 

しとどに溢れる淫汁でべちょべちょになった王族特有の大きな尻尾が、嬉しそうにブンブンと左右に振られて眠りこけるグランの顔を何度も撫で、グランの鼻をむずがらせている。

 

「はぐっ……んっ……んぅ……♡ ぺろ……ちゅっ……♡」

 

そのユエルに向かい合うようにグランの股の間にうつ伏せになったソシエもまた、絹のような肌を朱色に染めて、グランの金玉を丁寧に舐めしゃぶり、交互に口に含んではほっぺを大きく膨らませてモムモムと情熱的にねぶっている。

 

こちらの銀色の尻尾もまた、ソシエの機嫌を表すようにゆっくりと左右に揺られている。

 

セックスを覚えたてのエロ狐エルーン二匹は、断罪の足音が間近まで迫っているのにも気付かずに、愛しい団長のおチンポさんをお口レイプするのに夢中になっていた。

 

「じゅるる……ぷは……ユエルちゃん? 夢中んなるんもええけど、一応ウチの番なんやから、セーエキさんだしたらアカンよ……?」

 

口の中で味が無くなるくらいに玉袋をしゃぶり倒していたソシエは、グランの金玉がピクピクと蠢き出したのを感じて、我慢汁をすするのに夢中になっている幼馴染みに釘を差す。

 

あと、精液に『さん』をつけるのはどうなんだ。

 

「んぶぶっ♡ んば……んぐ……わ、わかっとるよぉ……♡ ちゃんと……じゅぷぷぷ……♡ じゅぶっ♡ れるはへにやめふはりゃ(出る前にやめるから)……ジュズッ♡」

 

完全にチンポの臭いに酔ったようなトロけ顔でそう応えるユエルに、ソシエは口の回りを袖でくしくしと拭いながら心配そうに念をおす。

 

「ほ、ほんまかなぁ……頼むよ? 加減してな……?」

 

ははっへふっへ(わかってるって)♡」

 

「もう……何()うてるか分からんよ……♪」

 

早くも口オメコ奉仕に夢中になってしまった親友に、クスっと小さく吹き出して、自分も玉ねぶりに戻るソシエ。

 

そうこうしている内に、初めフニャッとヘタっていたリトルグラン君は、あっという間にバキバキに固さを取り戻していった。

 

「ふぅ……団長はん、また元気んなったなぁ……何度見てもかっこええわぁ……♡」

 

ふやけた玉袋から顔を上げたソシエが、ユエルのヨダレまみれになったどす黒い竿にそっと指を添えてうっとりと呟く。

 

「ほら、ユエルちゃん、そろそろウチにおチンポさん貸してな」

 

そう言って、未だ夢中で亀頭をねぶっている親友の肩を揺する。

 

「んぶっ……♡ もうひょっひょれれりゅはりゃ(もうちょっとで出るから)……!」

 

「出したらアカン()うてるやん……」

 

すでにザーメンを吸い取る事しか考えていない様子のユエルの頭を、両手でグイッと離す。

 

チュポッ、とユエルの口からパンパンに張った亀頭が飛び出て、唇との間に透明のアーチがかかった。

 

「あ~、ウチのセーエキぃ……!」

 

「ウチのね……ほら、拭いてな」

 

瞳にハートマークを浮かべて、チンポを離そうとしない意地汚い両手を丁寧にはがし、その手にサイドテーブルから引っ張り出したタオルを押し付ける。

 

グランの上半身は、ユエルのおしっこやら準備汁やらでびちょびちょにマーキングされ、ホカホカと湯気を立てていた。

チンポをしゃぶっているだけで一体何回イッたのかとソシエは若干呆れ顔だ。

 

(まあ、そないなトコもカワイイんやケドなぁ……)

 

「うわっ、またやってしもたっ!?」と顔を赤くしながら、慌ててごしごしと自分の粗相を拭き取るユエルを眺め、コンドームの箱を引き寄せながらそう思うソシエ。

 

この娘も大概親友に対する評価が甘い。

 

「……くんくん……ウチはコレにしょかな」

 

そう言って、四角い小袋をピリピリと破り、取り出した黄色いコンドーム(レモンの香り)をバキバキに張りつめたチンポの先に乗っける。

 

「おチンポさんもおめかししよなぁ……♡」

 

たどたどしい手つきで、ピクピクと脈打つ巨根にクルクルとゴムを被せてゆく。

 

「はぁ……♡ やっぱりエッチやなコレ……何やドキドキしてまうよ……」

 

薄いコンドーム越しに、ミミズのようにのたくる血管も逞しくそびえ立つデカチンポをトロんとした顔で見つめ、ツルツルした表面に指を這わせながら呟くソシエ。

 

今から気持ちよくなる為だけのセックスします! と言わんばかりのスケベな姿は、ソシエの成熟した子宮を強烈にキュンキュンさせた。

 

「そしたら、少し動かそか……ユエルちゃん、手伝ってな」

 

「……んえ!? う、うん!」

 

同じくゴムチンポを見つめて半開きの口からヨダレを垂らしていたユエルは、ハッと我にかえってソシエを手伝い、お漏らしでグショグショになった場所からグランを動かす。

 

その最中も、グランの鍛え上げられた腕や脚の逞しさや、ずっしりとした男の重さにドキドキする二人。

この極上の愛しいオスと、今からセックスするのかと思うだけで、雌エルーン二匹の股からトロトロと熱い汁が溢れてくる。

 

「ふぅ……それじゃあ、今日はいちゃらぶやから……ユエルちゃん、ちょっと支えててな」

 

「わ、わかった」

 

そう言って、ぐーすかと呑気に眠りこけるグランの上半身を起こし、崩した()()()のような体勢を作るソシエ。

 

ユエルに後ろから支えさせ、自分はグランの脚をまたいでと向かい合う。

 

「えへへ……なんや緊張するなぁ……団長はん、優しゅうしてな……?」

 

「えっと……うん、おいで、ソシエ!」

 

ユエルのヘタクソな声マネにクスっと微笑みつつ、グランの肩に片手を添えて、下品ながに股でゆっくりと腰を下ろしてゆく。

 

ピンとそびえ立ったゴムチンポの先端に、ソシエの濡れそぼったパンツがくちゅっとくっついた。

 

「んっ♡ ……いくよ、団長はん……♡」

 

そう言って、片手で下着のクロッチをずらし、張りつめた亀頭を膣の入り口にあてがう。

 

「ん……あぅ……あぁ……♡」

 

ミチミチミチ……♡

 

と、控えめなビラビラの中に処女膜の名残の見えるソシエの小さな膣口に亀頭がめり込んでゆく。

そして、

 

ズプッ♡

 

「はぁんっ……♡」

 

メリッ、と充血したマン肉を引き伸ばして、巨根の先端がソシエの中に飲み込まれた。

 

「はぁっ…………はぁ…………ウチ、コレ好きぃ……♡」

 

グランの首に両腕を回し、首筋に顔を埋めながら、真っ赤な顔のソシエがうっとりとした声で言う。

 

ソシエは、最近ようやくグランのデカチンに慣れてきた膣穴を、ぶっとい亀頭でこじ開けられるこの瞬間が大好きだった。

 

大好きなグランの臭いに包まれながら、大好きなグランの逞しいオスに貫かれる瞬間は、凄まじい快感と幸福感で、視界がチカチカするくらいのキモチ良さと満足感をソシエに与えるのだ。

 

この瞬間だけは、想い人の寝込みを襲っている罪悪感や後悔を全部吹っ飛ばすくらいの幸せを感じてしまい、結果この犯罪行為からソシエが手を引けなくしてしまっている。

 

「はぁ……はぁ……も、もう一回……♡」

 

ちゅぽっ♡

 

「んぅっ……♡」

 

ソシエは、自分の脚では無いかのようにプルプルと震える両膝にグッと力を入れて、挿入したばかりの亀頭を引き抜いた。

 

ポッカリと開いた膣口から、コポッ……♡ と本気汁が零れ、亀頭の先端にまぶされる。

 

そして、グランの耳の裏辺りのニオイをスゥ~っと深く吸い込みながら、

 

「ふぅ……んっ…………♡」

 

ジュプンッ♡

 

再び一番キモチイイ挿入に背筋を震わせる。

 

シビれるような快感に額から汗が吹き出し、肛門がヒクヒクと収縮する。

 

そして、

 

「はあっ♡ はあっ♡ はあっ♡」

 

ジュポッ♡ ジュプッ♡ ジュポッ♡ ズプッ♡ ブポッ♡ ジュプッ♡

 

グランの頭を抱き締めながら、何度も何度も小刻みに腰を上下した。

 

グランの巨大なチンポの先端だけが、幾度となくソシエのアツい膣口に飲み込まれ、次の瞬間には引き抜かれる。

 

その度にコルクを抜いたようなエロい音が響き、ソシエの白く泡立った本気汁がコンドームを被せられたチンポ全体にダラダラと流れてゆく。

 

ソシエは、肺一杯に広がるグランのニオイと何度も何度も連続して訪れる最高にキモチイイ瞬間に、頭がどうにかなりそうなくらいの快感を感じていた。

 

「団長はんっ♡ ゴメンなっ……♡ えっちな団員でゴメンなっ♡ でも止められへんのよっ……♡ 好きっ♡ 好きやっ♡♡ 団長はんっ♡ 団長はんっ♡♡」

 

もはや自分でも何を言っているか分からないままに、ただ快楽の赴くままにがに股で腰を振る銀髪雌エルーン。

 

尻尾の毛を逆立たせ、大きな耳をピンと立てて、鈴飾りをチリンチリンと鳴らしながら大好きな団長のチンポの先端を繰り返しレイプし続ける。

 

「うぅ……ええなぁ、ええなぁ……キモチよさようやなぁ……!」

 

それを真正面から眺めさせられているユエルは、夢中になってズポズポとキモチ良さそうな音を立てる親友の姿に、顔を真っ赤にしてフトモモを擦り合わせた。

 

しかし堪らないのは敏感な亀頭部分ばかりをイジメられているグラン君の方だ。

 

トロキツなおキツネまんこで先端だけを繰り返しキツ目にマッサージされ、イけそうでイけないもどかしすぎる快感で、意識が無いながらも腰をガクガクと震わせ、半開きになった口の端からヨダレを垂らし、「あ……あっ……あっ……」と何とも切なそうなうわごとを垂れ流している。

 

コレはコレで、なかなかの拷問だった。

 

グラン君に意識があったら、とっくにソシエのプリンとしたお尻を鷲掴みにして、狂ったように腰を振りたくっていた事だろう。

 

ソシエはそんなグランの頭をいとおしげに掻き抱き、顎に垂れたヨダレをペロペロと舐めとってグランの開いた唇にむしゃぶりついた。

 

「んぷぷっ……ちゅっ……♡ ぷは……カンニンな……♡ チュゥゥッ♡♡ 好きや……♡ ちゅぷっ♡ 団長はん……♡ ん……ちゅ……♡ カンニンな……♡♡」

 

正面から好きと言えず、ジータやルリアの暴走を止める事も出来ず、こうして卑怯にも薬で眠らせて、オナニーのような快楽に走っている。

 

ジュプッ♡ グポッ♡ ズプッ♡ ジュポッ♡ グプッ♡ ズポッ♡

 

そんな後ろめたさがかえって育ちの良いソシエの興奮を煽り、亀頭だけでパンパンに広がっている膣から上ってくる快感で子宮がキュンキュンと震え、頭をボーッとさせる。

 

そんな朦朧とした意識のまま、普段の淑やかな様子からは想像も出来ない程の淫らに惚けきった顔でグランのチンポと口腔内を犯し続ける。

 

「う~っ、う゛ぅ~~~っ……!」

 

そんな様子を見ながら、お預け状態のユエルはもうガマンの限界が近かった。

目の前でこんなキモチ良さそうなセックスを見せられて、ユエルだって負けないくらい大好きな団長を独り占めされ、頭の中が羨ましさや悔しさでモヤモヤとしてきていた。

 

さっきからブツブツと、「ウチだって大好きやし……」「先に好きんなったんウチやし」「団長ウチのコト好きやモン……」「ジャンケンやかて勝ってた言うねん……」と真っ赤な顔に涙を浮かばせて呟き続けている。

 

あと間違いなくジャンケンは負けている。

 

「団長はんっ♡ キモチええっ? ウチのオメコ、キモチええっ? ウチっ♡ ウチっ♡」

 

ズプッ♡ ズポッ♡ ズプッ♡ ジュポッ♡

 

ソシエは、大好きな出し入れを繰り返しながら、グランがイキそうと見るや即座に出し入れを止め、グランのお口にむしゃぶりついてベロを絡めたりヨダレを飲んだり飲ませたりして休憩し、暫くしたらまた出し入れをするという巧妙なプレイで、自分だけ何度も何度も絶頂に白い背筋を震わせながら、グランには決して射精させずに自分の順番を継続させていた。

 

グランのチンポの先端からは止めどなくガマン汁が溢れだし、コンドームの根本からダラダラと溢れる位になっている。

 

淫乱キツネ娘の生殺し寸止め亀頭責めで、昏睡状態のグラン君は哀れ白目を剥いて身体をビクンビクンとケイレンさせている。

 

「団長はんっ♡ 好きやっ♡ 愛してるよっ♡ 団長はんっ♡」

 

グプッ♡ ジュポッ♡ ジュプッ♡ ズポッ♡

 

グランの顔中を舐め回し、ブンブンと嬉しそうに尻尾を振りながら最高に盛り上がっている様子の幼馴染みを見て、とうとうユエルの頭でプツン、とナニかがキレた。

 

「……ほーら、ソシエ~♪ いちゃらぶなんやから、グランに抱き締めて貰おな~……!」

 

そう言って、全然聞いていない様子のソシエの背後に回り込み、だらんと垂れ下がったままピクピクと震えるグランの両腕を掴む。

 

「ちゅっ♡ んぅ~……ちゅぱっ♡ 好きぃ……♡ ……? あれ、ユエルちゃ――――」

 

そして、グランとのベロチューに夢中になっている隙にグランの両腕を持ち上げ、ソシエを抱き締めるように背中に回してがっちりと組ませ、そのままソシエごとグランを抱き締めるように抱きついた。

 

「ほら、いちゃらぶー……ぎゅうぅぅぅ~~~!!」

 

「ふわわっ……あぅぅぅ……♡」

 

ユエルのハリのあるおっぱいとグランの逞しい胸板に挟まれ、ギュウ~ッと押し潰されるソシエ。

 

グランに腕を回されて、汗で湿った胸板に身体を押し付けられ、グランに抱き締められているような幸福感と、胸を押し潰される痛キモチ良さと、全身に感じるグランのニオイとフェロモンに脳髄がシビれる。

 

(これ、めっちゃいちゃらぶや……キモチええなぁ……♡)

 

親友のナイスな心遣いに、胸が一杯になる。

 

次の瞬間――――

 

「ほいでもって~………ぴょ~ん♪」

 

ユエルがソシエの背中に飛び付いた。

 

「え――――」

 

その重みを、イッたばかりで小鹿のように震えるソシエの両膝が支えられるハズもなく――――

 

ずぶぶぶりゅりゅりゅりゅりゅっっっっ♡♡♡

 

グランの両腕に抱き締められたまま、ソシエの身体がグランの怒張の上に沈み込み、

 

ずちゅんっっっっ♡♡♡

 

イライラマックス状態の亀頭がソシエの子宮の奥深くまでめり込んだ。

 

「ありゃ~、一気に入ってもうたね~♪」

 

「~~~~~~~~~~~~~~っっっ!?!?!?♡♡♡」

 

ソシエが声の無い絶叫を上げた。

 

 

 

@@@@@@@@@@

 

 

 

「…………ん、ここか……」

 

気まずい無言が解消される事も無いまま、シルヴァとメーテラの二人は夜間立ち入り禁止フロア突き当たりのドアの前にたどり着いていた。

 

「…………どうしたのかしらぁ? さっさと開ければぁ?」

 

ドアの取っ手に手を掛けたまま固まってしまったシルヴァに、メーテラが怪訝そうに声を掛ける。

 

「ああ、そ、そうだな……」

 

そう答えつつ、シルヴァの手に力の入る様子はない。

 

ここに来て、シルヴァは言い様の無い緊張感に襲われていた。

 

……約束はしたが、今日来るとは言っていなかったな……。

団長君は起きているだろうか?

やはりこんな遅くに訪ねるなど迷惑ではないか?

そういえば、男性は一人の時、その、そういったコトをしたりするコトもあるのでは……?

団長君にかぎってそんなことは……しかし、彼だって男性だ、無いとは言い切れないし、それを悪いコトとも……。

しかしそれなら、せめてノックをすべきだ。

いや、もうちょっと手前から大きめの足音を立てて……?

いや、やはり日を改めて、昼のウチに来るべきかもしれない。

そもそも自分みたいな堅物に訪ねられたら心が休まらないのでは?

団には私より可愛い子がたくさんいるわけだし、団長君としてもどうせお茶をするなら妹達との方が……いやいや、私は何を考えて――――

 

「……っはぁ~~~、メンドクサ。ここでヘタれんのかよ……じゃ、アタシだけイ~っちゃお☆ はぁ~いグラ~ン♪ メーテラお姉さんが来てやったぞ~☆」

 

ここに来て持ち前のヘタレを発揮し、思考のドツボに嵌まってしまったシルヴァを押し退けて、メーテラがドアノブに手を伸ばした。

 

「あ、ちょ、ちょっと待ってくれ、せめてノックを――」

 

慌てて正気に戻ったシルヴァが止めようとするも、

 

「夜が明けるっつ~の☆」

 

メーテラは勢いよくドアを開け放った。

 

 

 

 



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