ハイスクールD✕D 白銀の姉を持つ世界を変える男 (ニャン吉)
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1話

「姉さん」

「どうしたの」

「なんで俺たちのお父さん達は昔殺されたんだ?」

「それはルキフグスの姓を持つ私達が一族から出て現魔王派にぞくしているからよ。」

「ならなんでそんな俺達姉弟をグレモリー家とシトリー家は迎え入れてくれたんだ?」

「私は現ルシファーの女王としてグレモリーへクロスはソーナ・シトリー様の婚約者としてよ。」

「はっきり言うと俺はあいつが苦手だ。」

「本当にはっきり言うわね。でもね、貴方も立派な1人の上級悪魔としていずれ結婚しなくてはならないのよ。」

「それは分かってろよ。」

「それとクロス。貴方にサーゼクス・ルシファー様から依頼よ。」

「本命はこっちか」

「そうよ」

「内容は?」

「貴方の眷属達を連れて人間界の学校。駒王学園での学生生活をソーナ様とリアス様と一緒に謳歌して来なさいとの事よ。」

「学校に通うのか?」

「そうよ。クロスは2人と同い歳。ある意味護衛も兼ねてるわ。」

「俺がわがままお嬢様と婚約者の護衛ね。」

「ただ基本は自由に過ごしていいとの事よ。眷属もまだ元はぐれ悪魔の黒歌しかいないのでしょう。」

「今は違うぜ。楪いのりに四条桃花、ソフィア・ブレイブの合わせて4人だ。」

「そうでしたね。・・・クロスの能力の元となった3人。罪の王冠を渡した自己表現の苦手な楪いのり、武器と固有能力の適正を身につけさせたロリっ子の四条桃花、武器生成と能力作成の力を使いクロスを高みへと登らさたソフィア・ブレイブ、最後に元々SS級のはぐれ悪魔で貴方に仙術を身に付けさせた黒歌。・・・クロスの将来が心配でならないわ。」

「どういう意味だ?俺の眷属達を馬鹿にしているのか?」

「違うわ。力をつけ過ぎたと言っているのよ。だからこそ上から婚約を急がされる。貴方の兄で私の弟から狙われる。でも貴方はそれでも負ける事を知らない。それと貴方が密かに作り上げた組織の葬儀社。世界を変えるための・・・今の時代では淘汰されるこの世界の為になる理想を実現するための組織。純血悪魔ではたった3人のみ。殆どが他の種族の者たちなのに上層部は我々悪魔の組織と言うほどまでに力を付けたわ。ホントに心配よ。私にとっての最愛の弟なのだから。」

「そこまで言ってくれるならのは有難いが俺は俺の理想の世界を作る為に・・・その為だけにこれからも生きていく。それとはっきりと言っておくよ姉さん。俺にとって姉さんは大切な人だ。だからこそ姉さんがこの葬儀社に入るのは絶対に反対する。あと1つ。上層部に伝えるかは任せるが葬儀社は悪魔の為の組織では無い。・・・俺の・・・イヤ。俺達の理想の世界を作る為の組織だ。だからこそこれから先も種族という枠組みはこれから邪魔な物になっていくからもし上層部が俺達のことを邪魔だと、消したいと思うなら・・・かかってこい! 相手になってやる!。これは俺達組織全員の意思であり例外は無い。」

こうして色々と内容のあるようで無いようである会話は終わるのであった。



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原作入り

駒王学園のお兄様

 

駒王学園の裁判長

 

駒王学園の誇り

 

この3つの呼び名を持つ人が駒王学園に存在する。

驚きなのは全てが1人の人を指していること。

そして普段から一緒にいる女の子達も有名で

 

駒王学園の無口な歌姫

 

駒王学園の三大お姉様の1人

 

駒王学園の元気印

 

駒王学園のロリ姉様

 

そして婚約者として知られる

 

駒王学園の生徒会長

 

そんな勝ち組トップにいるクロス・ルキフグス先輩

 

俺、兵藤一誠からすると嫉妬の的であり憧れの目標でもある。

なぜなら毎日のように

 

無口な歌姫

楪いのりさん

 

三大お姉様

猫神黒歌先輩

 

元気印

ソフィア・ブレイブちゃん

 

ロリ姉様

四条桃花先輩

達と朝登校。

途中で黒歌先輩の妹でマスコットとして有名な

猫神白音ちゃんと合流。普段は白音ちゃんと黒歌先輩は一緒に登校してから合流だが今日は黒歌先輩はクロス先輩の家から出て来た。

 

それを見ていた俺達は

「おい。イッセー。クロス先輩だけこんなにいい想いをしていいのか?」

「何を言うんだ。言い訳ないだろ。」

「そうだぜイッセー。俺達三人でかかれば今日こそ勝てる。」

「そうだな。・・・松田・・・元浜。戦う覚悟は出来ているか?」

「何を今更。」

「当たり前だ!」

「校門を通った瞬間に突撃だ!」

「「おう。」」

後にしっかりと考えるとこれ以上無いくらい無謀な突撃作戦が開始されようとしていた。

 

三人同時に飛び出るものの多少の差は出る。

最初は松田の攻撃

「クロス先輩!覚悟!」

そう言って松田が殴り掛かるがそれを横から流すように拳を避けて足を掛けられて地面とアツアツなキス

次に少し遅れて元浜が

「一人で終わると思うな!クロス先輩!」

蹴りにかかる。が飛び蹴りなので上からたたき落とされて背中から地面に落ちて目を回す。

最後に俺が

「二人の敵ー!」

と言って突撃をしたつもりだがクロス先輩が手を伸ばしその掌で顔面をキャッチされアイアンクローで身体を持ち上げられギチギチいいながら叩き付けられる。

 

「クロスwin」

と楪いのりさんの抑揚の少ない声で勝者のコールをされて俺たち3人の挑戦が終わり遅刻が確定するのだった。

・・・痛くて動けない。

 

そんないつも通りの日の放課後

俺は綺麗な黒髪ロングの他校の女の子に告白されていた。校門の前でおそらくクロス先輩達の所属する軽音部の唯一のバンドEGOISTに所属するクロス先輩達の演奏の中で。

俺は多分人生の絶頂を迎えようとしてるんだと思う。

 

sideクロス

「まったく。いつも通り練習していたら堕天使の気配かよ。リアスは何をしてるのやら。」

「兄様。それは言ったら終わりのような気がするのですが。」

「そうだな。・・・それにしても白音は1ヶ月でギターがだいぶ弾けるようになったな。これを元にベースのコードも覚えていこうな。」

「はい!兄様のおかげでギターは何とかなりそうです。黒歌姉様は何も教えてくれなかったので。」

「私はキーボードにゃ!ギターやドラム、ベースは専門外にゃ!」

「そうかな!私はドラムやってるけどキーボードもギターもベースもできるよ!」

「僕も出来るわ。黒歌が出来ないだけ。クロスも出来るしね。」

「にゃ!・・・そんにゃー!」

「そろそろ白音がボーカルをやる曲でも作るか。」

「それは私に任せて欲しいにゃ!」

「私は賛成。黒歌は白音のお姉さん。いい曲が出来ると思うよクロス。」

「いのりは賛成か。」

「僕も賛成かな。姉妹だからいい曲が出来ると思うよ。」

「私もさんせー!」

「そうか。ならまずはメロディーを作って1度白音に聴かせてやれよ黒歌。」

「分かってるにゃ!」

 



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3話

「クロス先輩!」

そう言って変態3人組の1人

兵藤一誠が3年の廊下から俺に声を掛けてきた。

「どうした兵藤。」

「昨日!彼女が出来て日曜日にデートへ行く事になったんですがいいコースってないですか?」

「脅したのか?」

「違います。」

「弱みを握ったのか?」

「違います。」

「ゲームの話か!「違い」ゲームの中なら納得だ。」

「昨日の放課後校門で告白されたんです。」

「今から紙に脳の事で有名な病院の住所と電話番号を書くから早速行ってこい。」

「どうすれば信じてもらえますか?」

「どう考えればお前のあの行動から信じられるんだ?」

「確かに。・・・でもホントに告白されたんです。彼女が出来たんです!信じて下さい!」

「分かった。信じてやるよ。それで、デートプランでいいのか?」

「はい。」

「お前の場合は無難に行くべきだ。取り敢えず鎌倉の水族館へ行って夕方にここに着くようにして公園で二人でゆっくり話すんだな。」

「水族館・・・公園。・・・ありがとうございます先輩!」

と兵藤が言って走って教室出て行くのだった。

「相変わらずうるさいヤツだ。」

「クロス君。あの子変態3人組って呼ばれてる2年生の子だよね?どうしたの?」

「桃か。なんか彼女が出来たらしい。」

「それでデートコースを聞きに来たんだ。」

「そういう事。察しがいいな。」

「実は聴こえてたからね。」

「そうかよ。」

「そうよ。あの子は声が大きいからね。・・・今日依頼頼んでもいい?」

「内容は?」

「神器の確認よ。」

「飛梅。それは神器じゃないぞ。前から教えてるだろ。斬魄刀だ。」

「そうだった。えへへー。」

「まぁ確認はいいが何を確認したいんだ?」

「飛梅を使わなくても攻撃できるようになったのが飛梅の影響なのかなって思って。」

「それはお前本来の能力だぞ?」

「そうだったの!」

「鬼道の類の技だろ?そもそも斬魄刀は桃の飛梅を参考にソフィアに作ってもらったものだ。・・・違うな。」

「え?」

「飛梅の能力は桃の力が具現化した際に出来たもう一人のお前だよ。」

「もう一人の私・・・うん。」

「それが俺は二人いた。千本桜と斬月。桃は1人。飛梅。他にも持ってる奴らもいるだろ?」

「うん。」

「まぁ桃がどうなっても俺はお前達の味方だよ。敵になったら俺が斬るけどな。」

「それは嫌かな。クロス君に斬られるのわ。」

「桃の事は心配してないよ。・・・どうする?今日でも鍛錬を付けてやろうか?」

「大丈夫だよクロス君。私も貴方に頼ってばかりじゃいられないもん。頑張ってみる!」

と言って笑顔で俺に「クロス君。私頑張るから!」と言って隣の教室に走って行くのだった。

 

少しして放課後。

俺が皆と部室にいると白音が

「兄様。稽古をつけて欲しいです。」

「それはいいんだが・・・一応白音はリアスの眷属だよな?」

「リアス先輩の眷属である前に私はクロス先輩の妹です!」

「黒歌の妹な。」

「気持ちの問題です。気にしないでください。」

「まぁいいか。何を鍛えて欲しいんだ?」

「日本刀を使う戦闘術を教えて欲しいです。」

「日本刀か。教えるのは構わないが白音は「徒手格闘に向いている。ですよね。」分かってるならいいんだ。」

「私もソフィアさんに斬魄刀の元を貰ったのにまだ私の魂が宿っていません。1人だけ半端なままは嫌です。」

と白音は下を向いてシュンとしながら俺に言ってきたので頭を撫でて

「分かった。先ずは素振りを1000回からだな。基本だそ。」

「はい!兄様。」

「私が教えるにゃー」

「タイプが違いすぎて参考にならないぞ。」

「基礎なら出来るにゃ!それに私はクロスの眷属なのにゃ!」

「分かってるよ。白音に聞いてくれ。」

「兄様。・・・お願いしたいです。」

「そんにゃー!」

「姉様には仙術と妖術の使い方を教わりたいので。」

「白音!」

黒歌がキラキラしているのがわかるほど輝いているのだった。



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4話

あれから1週間

俺は白音に日本刀の戦い方を教えた。

毎日振り続けた結果ついに白音の斬魄刀に魂が宿る。

いや・・・正確には座禅を組み集中する事で魂と対話をすることが出来た。

 

雷拳(らいけん)

実に白音らしい斬魄刀だ。

 

ちなみにこの間にあった事を説明すると

 

兵藤一誠がデートをする

公園で光の槍に刺されて死ぬ

リアスの眷属になる

白音が斬魄刀との対話に成功

白音の始解状態での修行開始

相手は俺の斬魄刀の斬月

そして今に至る

 

兵藤一誠は常に何かを抱えなければならないらしい。

堕天使にまた狙われリアスに助けられ悪魔になった事を知る。

簡単に言うようだがかなり大きな出来事だ。

なぜなら

 

 

あいつが今何故かシスターと一緒にいるからだ。

「はぁー・・・あいつは何がしたいんだ。」

「クロス。兵藤はおバカ。だから仕方が無い?」

「いのり。いくら馬鹿とはいえ悪魔になったのにシスターと一緒にいるのは殺してくれと言ってるようなものだ。」

「確かに。・・・なんで使い魔のクロスケに追跡させたの?」

「死ぬ程馬鹿だから。」

「それってどの位馬鹿なの?」

「死んでも治らない。現に治ってないだろ。」

「うん。」

「まぁいいや。俺の眷属なら助けに行くがリアスの眷属だ。そこまでする義理はない。」

「うん。」

「それに俺にとってはいのり達の方が大事だ。行くつもりもない。」

 

と話しているうちに昼休みも終わろうとしていた。

 

放課後。

軽音部の部室に行くと

白音がいた。

「白音。オカ研はいいのか?」

「こっちの方が大事です兄様。曲は完成したので練習を。」

「分かった。」

こうして軽音部としての練習を開始するのだった。

練習を開始して少し経ち白音の音が少しずつズレ始めたところで1度休憩。

していると

 

いきなりドアが強く開かれ

「クロス!白音はいるかしら!」

「どうした。騒がしいぞ。」

「どうしましたか部長。」

「今から部室に来てくれないかしら。イッセーがシスターを助ける為に教会へ行こうとするのを止める、又は状況によっては助けて欲しいのだけど。」

「ごめんなさい。私はあの人に関わりたくありません。」

「二人とも私の眷属じゃない。仲良くしなさい。」

「絶対に嫌です。あの人が同じ眷属でいる間は部室に行きませんしクロス兄様の眷属として生きていきます。」

「まぁそこまで言うなら俺は・・・俺達は白音の意志を尊重するぜ。そもそもあの兵藤とか言う奴を眷属にした時点で・・・いやする前に眷属崩壊の可能性を考えておくんだったな。」

「何が言いたいのよ。」

「白音だけじゃないってことだ。お前の眷属で兵藤が仲間になった事に嫌悪感を抱いているのはな。」

 

今のセリフを聞いたリアスは少しずつ後ろへ下がりまるで「信じられない!」という顔をして背をドアにぶつけてしまう。

そしてすぐにドアを開きオカ研に向かって行くのだった。



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5話

sideリアス

 

オカ研の部室に戻ると朱乃もやはり来ていなかった。

「やっぱりあの子を眷属にしたから考えとけ。

と呟いていると私の騎士の祐斗が部室に帰ってきた。

「朱乃はどうかしら?」

「兵藤君がどうも原因の様で今日も休むそうです。依頼には出るからとも言っていました。・・・どうしますか部長。」

「・・・イッセーのこと。お願いできないかしら。あの子1人で堕天使4人は厳しいわ。」

と私が伝えると窓から消えていった。

「まぁ気付いただけマシか。」

「クロス。」

「今回は俺達で対処してやる。リアスはどうするか考えとけ。」

そう言ってクロスは消えていった。

 

sideクロス

俺は朱乃のいるところへ行くと朱乃はまたいつもの様に屋上いたのだった。

「やっぱりここにいたか朱乃。」

「クロス君。・・・私はどうするべきなのかなと思いまして。」

「クイーンとしてならリアスの手助けが正解だな。でも姫島朱乃としては何が正解なのか分かっているんだろ?」

「それは・・・わかっていますわ。」

「ならもう1つ選択肢をやろう。俺の仲間としてリアスを助けてやれ。どうするかはお前の自由だがな。」

「わかりました。貴方の仲間としてリアスのクイーンとして兵藤君を助けに行きますわ。」

と言う答えを聞いて俺は朱乃に近付き頭を撫でる。

「クロス君?」

「お前みたいなやつはやっぱりなかなかいねえよ。」

そう言って俺は朱乃と共に教会へ飛んだ。

 

「クロス君はやっぱり速いですね。」

「そりゃそうだ。転移を使ったんだからな。」

「そうですわね。でもここに跳ぶ必要は無かった気がするのですが?」

「敵のド真ん中にってことか?」

「わかってるんなら何も言いません。」

とそっぽ向く朱乃に俺は頭に手を載せて

「なに。朱乃は観てればいいさ。」

俺はそう言って右手を上に上げて掌を空へ向ける。

 

 

すると空には大きな魔方陣が表れる。

 

side朱乃

クロス君が私の頭の上に手を載せたあとに

「なに。朱乃は観てればいいさ。」

の言葉の後に手を上へ丸で空を掴むように掌を空に向けた。

真っ直ぐ空へと延ばされた手を観てみると上から魔力を感知したので空の方へと顔を上げる。

するとそこにあるのはクロス君特有の魔方陣がこれでもかと大きく展開されていた。

 

私はその魔方陣を見ているとクロス君は左手で愛用の拳銃を異空間から取り出して右手に持ち替える。

 

その持ち替えた拳銃に魔力を集めて一言

「リベレイト」

解放を意味する言葉を出すと拳銃に魔力が多く集まるようになりさらに拳銃の側面に上空にある魔方陣と同じ物か印された。

銀色の力強い魔力を空目掛けて放つ!

 

放たれた魔力弾は上空の魔方陣に当たり散開・・・したように見えた。

・・・が突如として周りにいる大量の隠れている敵や逃げ始めていた敵に全てが命中。

そう。

最低100人はいるような敵をたった一撃で倒して見せたのだ。

 

100人を倒した後にクロス君は技名を呟いていた。

そう。

「シルバーハンドレッドハント」と

 

sideback

「シルバーハンドレッドハント」

俺はそう言って右手を下ろして右手に握った拳銃・・・アーサーと名付けた俺の愛銃をそっと異空間へしまった。

 

「言っただろ朱乃。観ていればいいと。」

俺がそう言って歩きだそうとすると突然、四条桃花が転移でやってくる。

「驚いたなクロス。あたし達の技術をここまでもう使いこなせるなんて。」

「なに。誰でも出来るさ。」

「私にも出来ますか?」く

と突然朱乃が会話に入って来た。

「朱乃もかる・・・なんかあるか?」



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6話

「そうだね。・・・確か朱乃は雷使いだだったな。」

「はい。」

「ならまずはアスペクトになるものはあるかな?」

「アスペクトとは何ですか?」

「愛用の武器または身に付ける物の事だな。」

「俺はこのアサルトライフルだな。」

「僕はこのコンパスだよ。」

「ほんとに何でもいいんですね。」

「そう言ってたよね。取り敢えず何か普段から身に付けていたり戦闘の際には必ず持っているものは無いかい?」

「いつも身に付けている物ですか」

「そうだ何でもいいんだよ」

「探してみますはわ。」

「そうしとけ」

そう言って俺は桃花と家へと飛んだ。

 

ちなみに俺達が教会を立ち去った後にリアスに木場、兵藤の3人が教会にやって来てシスターを救出しビショップの駒を渡していたそうだ。

 

side朱乃

私の普段身に付けている物。

昔、私たちを助けてくれた人が置いていったこの名前のわからないハンドガン。

今も私は普段から身に付けている。

これがあると安心出来るから。

もう弾は入っていないし使えるかも怪しい。でも時々私の中にある光力と魔力が吸収させる感覚がある。

でも使い方が分からないもの。

明日はクロス君に聞いてみようかしら。

 

翌日の放課後

私はクロス君と一緒に屋上にいた。

「クロス君。・・・このハンドガンの使い方って分かりますか?」

と私が見せると

クロス君から驚きの言葉が発せられる。

 

「随分と懐かしい物を持ってるな。

これは昔俺が使っていた補助用のアスペクトと同型の物だな。・・・魔力を吸収する機関も付いてるし失くしたと思っていたものと同じだ。

・・・確か朱乃を昔助けた時もこれを使っていたな。」

 

私を助けた時。

クロス君は今、間違いなくそう言った。

「あの時、仮面を被った私を助けてくれた人はクロス君。貴方だったんですね。」

「いっけね。口が滑っちまった。

ここまで言ったら最後まで言わないとだな。

そうだ。神社で襲われたお前とお前の母親を助けたのは俺だ。

俺の組織を大きくする為に事件になる物は全て助けるなり始末するなりしてたからな。あの時は。」

「クロス君はあの時からもう戦い始めていましたのね。」

「俺の夢だからな。おそらく最も悪魔らしくない俺の悪魔らしい欲望に満ちた夢。

全ての勢力の争いを断絶する。

各勢力内での争いを無くす。

その為には力が。

実績が

仲間が必要だったからな。」

 

sideクロス

そう

俺の夢

 

姉のグレイフィアから聞いた

 

3大勢力の戦争

 

現魔王派と旧魔王派の争い

 

 

俺の見た

 

猫姉妹の分断

 

純潔でないがゆえの殺害

 

これを全て無くすことが俺の夢。



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7話

side朱乃

私は彼の・・・クロス君の夢を聞いてそんな世界があれば幸せだなと思いましたわ。

 

争いの無い

 

血を流すことの無い

 

種族ごとのいざこざの無い

 

そんな世界が。

クロス君はまず悪魔側の上層部から変えようとしているらしい。

なんでも全ての元凶は古い時代を生きた老害なんだとか。

上層部の悪魔のよく使う言葉が

「偉大なる悪魔である」

「~~~如きに」

「~~~風情が」

 

と言った他の種族を明らかに見下す言葉の数々。

 

悪魔が3大勢力の中で強い訳では無い。

 

かと言って弱い訳でもない。

 

だが悪魔の上層部の強すぎる選民意識が今も根強く生きている事も確かである。

 

だからクロス君はそんな3大勢力の秩序を変える為に必要な物はと幼い時に考えた。

 

その結果が

 

同じ志を持った多くの仲間達であり

 

協力する事によって出来上がるチームの力であり

 

1対1でも勝ち抜く事の出来る戦闘においての個の戦闘力であり

 

世界の秩序を壊す為の様々な知識と頭の回転速度であり

 

そして恐らく最も大切なのが

 

カリスマである

 

とクロス君ははっきりと言っていた。

 

そんなクロス君の話を聞いて私ははっきりと思ったことがある。

 

私に今、クロス君の組織に入れるだけの力は無い

 

秩序を壊す為の知識も回転速度も無い

 

そして仲間として足を引っ張らないレベルの戦闘力も圧倒的に足りていない

 

私には彼の・・・クロス君の作り上げた組織である葬儀社に入るには何もかもが足りていない。

 

でも私は彼のこの話を聞いてこら思う事がある。

 

彼の都合のいい駒でいい

 

彼にとっての捨て駒でもいい

 

どんな形でもいいから彼の力になりたいと

 

 

数日が経ちリアスから連絡が入った。

 

「婚約の話を無しにしたいから助けて欲しい。」と

 

これと同じような事を確かソーナさんも言っていましたわね。

・・・クロス君に。

ソーナさんはクロス君の婚約者ですもの。

お互い仲が悪いと言う話でしたが今までお互いに婚約を解消しようという話を1度も聞きませんでしたわ。

 

と思っているとまたソーナさんとクロス君が2人て昼食を屋上で取っているのを見かけました。

 

ソーナさんはクロス君に何かを訴える様な感じですわね。

 

と思っていると私は少し耳を傾けていました。

 

「私はライザー何かと結婚なんてしたくないわよ。

はっきりと今、ここでクロスに言います。私はあなたの事が好きなんです。

だから今までクロスとの婚約を解消しようと思ったことも無いし葬儀社でも貴方とペアでの仕事を積極的にやって来たわ。

それに私への婚約変更の話なのにクロス!貴方にレーティングゲームをする様に話が言ってます。

私は今までもそしてこれからも貴方の隣にいたいの。

だから・・・お願い・・・ライザーなんかに負けないで」

 

とソーナさんは泣きながら訴えていました。

 

そしてそんなソーナさんの頭を優しくクロス君は撫でて

ソーナさんの耳元で何かを呟いていました。

 

そしてクロス君が少し離れるとソーナさんは

 

「ありがとう。私は貴方に何も返せないけど本当にいいの?」

 

と聞いてクロス君は

 

「何年俺がソーナの婚約者でいると思ってる。

嫌ならとっくに解消しようと動いてるし拒絶もしてる。

俺が行動しないのは了承と同義だからな。」

 

と答えて2人は顔を近づけて

 

まるで何かを確かめ合うようにキスをしていました。

 

 

それを見ていた私は胸が痛みましたがクロス君の1番になれないということを再確認すると同時に

 

それでもクロス君の隣にいたい。

 

はっきりとそう思うのだった



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8話

sideクロス

 

ある日

 

リアスからオカ研の部室に来て欲しいと連絡が来た。

 

ソーナと一緒にと付け加えて。

 

恐らくそういうことだろう。

 

その為、俺は生徒会室へ行きソーナを呼んで2人で向かうのだった。

 

部室に近づくと姉さんの気配がした。

 

「やっぱりな。」

「やっぱり?」

「婚約の件だ。」

「・・・そう。」

 

 

と会話をしている間に部室の前の扉に辿り着く。

 

中に入ると

 

・・・ちょうどライザーが来たようだ。

 

 

「さぁ。リアス、ソーナ。

冥界へ帰るぞ。

ここの汚い空気と炎はフェニックスの俺には少し辛い。」

 

「俺のソーナに何のようだライザー。」

「貴様は・・・クロス・ルキフグスか。

お前とソーナの婚約は解消されこの2人が俺の婚約者になる事が決まったんだ。

葬儀社だがなんだかのリーダーだかなんだか知らんが2人を渡せ。

これは上層部から決定だ。」

「葬儀社のリーダーだと分かっていて俺が上層部如きの決めた事に頷くと思うか?」

「貴様も仮にも悪魔だ。

上層部の命令ぐらい聞いておかないと冥界に貴様の住む場所は無くなるぞ。」

「それがどうした。

命令しか出来ない老害達が今更動いたところで

葬儀社のリーダーである俺が怯むとでも思っているのか」

 

俺はそう言って殺気と魔力を少しだしライザーにぶつけた。

 

するとそれを受けたライザーは怯むが殺気と魔力を俺に同じ様にぶつけてきた。

 

「この程度でフェニックス。

笑わせるな。これならまだそこにいる雑魚龍帝の方がマシだぞ。」

 

「クロスさん!雑魚龍帝ってなんですか!」

 

と兵藤が反応すると俺とライザーが

 

「雑魚は黙ってろ!」

「下級は黙ってろ!」

 

とぶつけ合っていた殺気と魔力を兵藤にぶつけた。

 

すると兵藤が足を震わせ後ろへ下がり転けて立ち上がれないくらい足が笑うようになっていた。

 

 

それを見て俺とライザーはまたお互いにぶつけ合う。

 

するとここでライザーが

 

「やはり貴様は冥界の・・・偉大なる悪魔の汚点だ。今すぐ消し炭にしてやる。」

 

そう言ってライザーが火の玉を俺にぶつけてきた。

 

それを正面からくらっている俺だが

 

この程度では火傷もしないため無視した。

 

「俺のフェニックスの炎だ。

貴様では焼き消されるだろうよ。」

と言っていたのが聞こえて

俺は炎の中で笑っていた。

「何がおかしい」

「笑わせるな。この程度でフェニックスの炎だと。

貴様は本物の聖獣フェニックスの炎をくらったことがあるのか?」

「無いがたかが聖獣だ。

偉大なる悪魔の72柱であるフェニックス家の炎に勝てるはずも無い。」

「この程度で偉大なる悪魔か。

笑えない冗談だな。

本物の炎を見せてやる。」

 

そう言って俺は右手に黒炎を出してライザーに向かって投げようとすると俺の右手首を掴む手があった。

 

姉さんの手だった。

 

「その技を使ってはなりません。

相手は仮にも72柱の1つ。フェニックスの三男です。焼き消すつもりですか。」

「そうだったな。ボンボンを危うく焼き殺す所だったよ。

止めてくれて助かる。

ありがと姉さん。」

 

と答えるとライザーが

「このフェニックス家の三男である俺を焼き尽くすだと!

そんな事出来るわけ「無いと力を過信しているライザー。お前は言うよな。」無いっな!

俺が力を過信しているだと!」

「そうですね。ライザー様。この際にはっきりと言わせていただきます。

私の弟のクロスは恐らく私でも勝てないのです。貴方に勝てるはずがありません。」

「最強の女王である貴方様がそこまで言う相手とは思えませんが。」

「そうですか。

本来であればこの手段は取りたくなかったのですが仕方が無いですね。

上からの許可は取ってあります。

明日の深夜。あなた達2人にはレーティングゲームをしていただきます。」

「姉さん。そんな事をしたらこいつの眷属含めて全員が死んじゃうぞ。」

「貴様は!さっきからどれだけ俺の怒りを刺激すれば気が済むんだ!

死ぬのは貴様だ!後悔するなよ。」

「わかりました。ではソーナ様の婚約をこの2人のレーティングゲームで本格的に決めることとします。明日。深夜にまたこちらに」

「グレイフィア。」

「なんですか?リアスお嬢様。」

「私もライザーとの婚約は嫌だからレーティングゲームで勝負を仕掛けたいのだけど。」

「リアスお嬢様では確実に負けますよ。」

「そうだ。リアス。お前では力不足だ。」

と俺と姉さんの言葉を聞いたライザーがリアスに提案する。

「グレイフィア様。」

「どうされましたか?」

「リアスもと言う話でしたら10日。

リアスに猶予を与えてからレーティングゲームで。

と言うのはどうでしょうか。

負ければ諦めもつくでしょう。

その間に修行しようが何をしようが構いません。

俺とクロスの戦いから10日後。」

 

と言うライザーの提案を聞き姉さんは悩んでいた。

 

少しすると姉さんが

 

「わかりました。確かにライザー様とお嬢様の間では力の差がありすぎます。このぐらいのハンデは上も許す事でしょう。」

 

「だそうだ。リアス。せいぜいクロス・ルキフグスの負ける姿を見てから負けるイメージをしながら修行でもしてるんだな。」

「私も随分と舐められたものね。

いいわ。貴方とのレーティングゲーム。

覚悟していなさい!

私の消滅の魔力で跡形もなく消してあげるわ。」

「楽しみにしているぞ。

まぁいい。それまで無駄に足掻く事だな。」

と言った後ライザーは帰って行くのだった。

 

ライザーが帰った後に姉さんと少し話した。

「クロス。」

「なんだ姉さん。」

「本気を出す事は絶対にしないでよ。

特にさっきの黒炎。

見た事は無いけどあの魔力の質と密度はどう考えても私の知っている攻撃の中で圧倒的に1番強い。

二天龍のブレスすら上回る技よ。

空間が耐えられなくなるから。」

「なら最も強い空間を作れば。」

「貴方が強くなりすぎたからそんな物は作れないわ。

明らかに格が違う。

圧倒的身体能力に魔力保有量、技術に知識。

他にも仙術に妖力、科学的に作られた変身して戦う為のバックル。確かあなた達は仮面ライダーシステムと呼んでいた物。

でも1番の脅威は貴方の眷属達と貴方自身。

要は生身の貴方達が1番の脅威なのよ。

黒歌が貴方の眷属の中で1番弱いという現状が恐ろしいことなのよ。あの4人の中ではという意味ではね。

本当にどこから見つけて来たのかしら。」

「大体察しはつくだろ。」

「待ってくれるかしらクロス。」

「どうしたリアス。」

「貴方の眷属の中で黒歌が1番弱いと言うのはホントなの?」

「そんな訳ないだろ。でも確かに強い方ではないのは確かだな。

聞きたいことがそれだけなら俺は帰るぞ。

姉さん。眷属達に話さないといけないから俺は帰る。明日またここに来る。」

 

俺はそう言ってソーナを連れて家へと転移したのだ



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9話

ソーナを連れて家へ帰った俺は眷属達を会議室に集めた。

「済まないな。今日集まってもらったのは俺の婚約者で葬儀社のメンバーであるソーナとの話だ。」

と俺が言うとライザーの実の妹であるレイヴェルが

「話は知っています。私の兄がご迷惑を。認めるのも嫌ですがあの男の妹である私がクロス様に謝罪をします。

もうしわけありません。」

とレイヴェルが俺に頭を下げて謝罪してくる。

「気にするな。レイヴェル。おまえのせいではない。」

「そうです。レイヴェル。貴方のせいではありません。」

とソーナが答えた後に顔を頬を少し紅くして

「そのおかげで私はクロスの気持ちを知れましたし私の本心もクロスに伝えられました。」

「まぁそうだな。」

「それならよかったです。

それでどうする事になったのでしょうか。」

とレイヴェルが俺に聴くと他の眷属達も俺の方を向いた。

「明日の深夜に俺とライザーがレーティングゲームでソーナの婚約をかけて戦う事が決まった。それに出てもらいたい。」

と俺が言うと眷属の1人である黒歌が反応した。

「私達が参加するまでもない気がするのだけどにゃ?」

の声に四条桃花も

「それは僕も思うんだけどどうなんだいクロス?」

「ああ。ライザーにその眷属達程度なら俺一人でも過剰戦力と言えるだろうな。」

と答えると今度はテンテンが反応する。

「ならなんで私達を集める必要があったの?1人でも十分なのはクロスが1番理解しているんでしょ?」

「なに。俺の眷属のお前達のお披露目も兼ねて参加するだけしてもらいたい。何もしなくていいさ。」

と言うとレイヴェルが

「クロス様。ライザーは私に殺らせて欲しいのですがよろしいですか?」

「それは何故だ?」

「簡単な話です。6年振りの再開の手土産に妹に敗北したという事実をぶつけたいのです。」

「そうか。レイヴェルの好きにするといい。」

「ありがとうございます。」

 

こうして俺たちの話し合いを終えて

翌日の深夜に備えた。

 

翌日 深夜

 

俺達はリアス達がいる中でオカルト研究部の部室に来ていた。

俺の眷属として公になっている黒歌達以外は葬儀社のローブを被った状態で。

 

するとリアスが

 

「クロス。少しいいかしら?」

「なんだリアス?」

「なぜほとんどがローブを被っているのかしら?」

「眷属のお披露目も兼ねているからだ。どうせ上層部の老害達も映像を見ている。丁度いいだろう。」

と答えているとライザーとその眷属達がやって来てその後すぐに姉さんもやって来た。

 

そしてライザーから一言。

「クロス。貴様もフルメンバーで参加するのだな。大した心がけだ。いい勝負を期待しているぞ。まぁ俺とお前達では勝負にすらならんと思うがな。」

という言葉に俺が反応しようとするとレイヴェルがいち早く反応してローブを脱いだ。

「そうですね。結果は分かりきっていますわ。ライザー。あなたの負けですわ。」

と答えていた。

普段のライザーであれば違う回答が来ていたはずだが答えたのが実の妹であるレイヴェルだった為別の回答が帰ってきた。

「なぜレイヴェルが貴様の様な悪魔の汚点の横にいる!それにレイヴェル!なぜ家に帰ってこない。お父様達も心配しているぞ。」

「それは悪いことしましたわね。でも帰るつもりはありません。私はクロス様に救って頂いたこの命。そして気付いてしまった悪魔の最大の汚点である上層部の老害達。全てを精算するまでは帰るつもりも組織を抜けるつもりもありませんわ。」

「何故だレイヴェル。俺はお前の兄だぞ。兄の言うことが聞けないのか!」

「私は貴方ごときを兄などと思った事は今まで1度もありませんわ。それに私の帰る場所はフェニックス家では無くクロス様のいるところです。貴方如きに色々と言われる筋合いはありませんわ。」

そう言ってレイヴェルは昨日俺がライザーに見せた黒炎を右手の掌に作り出した。

俺の黒炎よりも小規模だがライザーを殺すのには強すぎるものだ。

 

確か昨日姉さんに止められたな。

と俺は思い出しレイヴェル右手首を捕まえた。

 

「あいつ如きにその黒炎を使うのは勿体ないぞ。レーティングでも使うのは認めない。使うのは『炎帝』ランクの技までにしとけ。」

「申し訳ありません。クロス様のお顔に泥を塗るとのろでしたわ。」

とレイヴェルが俺に謝罪すると姉さんが

「確か昨日はクロスがその黒炎を作っていたわよね。」

「本当ですかクロス様。」

「本当だ。」

「なら私の事は言えませんわね。」

「そうだな。まぁこの程度の技で崩壊する結界で俺達がレーティングゲームを行う。それだけ理解してくれレイヴェル。」

「話を流しましたわ。でもわかりましたわ。手加減しながら戦う事にしますわ。」

とレイヴェルが言うとライザーが

「妹の分際で兄の俺に手加減だと。調子に乗るのもいい加減にしろ!レイヴェル。お前が俺に勝てるはずが無いだろうが!調子に乗るな!」

「調子に乗っているのはそちらではなくて?」

「どういう事だ?」

「実力差が理解出来ずクロス様に勝負を挑む事から始まり今までの無礼の数々。クロス様の心が広いから殺されていないという事を理解していないのですか?

理解していないからわざわざ負ける戦いを挑むのですね。愚かにも程がありますわ。」

「俺がクロスに負けるだと。何を言っているんだ。負ける訳無いだろ。」

そう言ってライザーがレイヴェルに対して我慢の限界値を超えてレイヴェルに多少大きいが中身の無い炎の攻撃を投げてくる。

 

それに反応したレイヴェルが水の力を持ったメモリを取り出し1人で変身する準備を終えて

 

「変身」

そう言ってメモリを、腰に出現したバックルにセットして変身した。

 

青いフルアーマーの装備

 

それを身に付けたレイヴェルが右手を前に伸ばしライザーの放った炎を消し去った。

 

「この程度で私の兄を語るなど我慢なりませんわ。グレイフィア様。早く始めましょう。」

 

「わかりました。ではレーティングゲームの空間に飛ばさせていただきます。」

 

グレイフィアはそう言って俺達とライザー達をゲーム会場へ転移させるのだった。



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10話

会場に飛んだ

会場は駒王学園を模倣した空間みたいだな。

会場を確認してから俺達はレイヴェルにどんな作戦で行きたいか尋ねた。

 

レイヴェルは

 

「ライザーは私に殺らせてください。確実に仕留めます。」

 

「それでいいぜ。それと皆もローブを脱いでくれ。お披露目も兼ねているんだ。」

 

俺がそう言うと全員がローブを外した。

 

これでやっと俺の眷属達が公になる。

 

キング

クロス・ルキフグス

 

クイーン

サイト・ヒメア

(ヒメア)

 

ヴィショップ

四条桃花

(桃花)

ソフィア・ブレイブ

(ソフィア)

 

ナイト

楪いのり

(いのり)

沖田総司

(総ちゃん)

 

ルーク

アリサ・イリーニチ・アミエーラ

(アリサ)

リズベット

(リズ)

 

ポーん

黒歌

(黒歌)

テンテン

(テンテン)

相羽六

(むい)

シノン

(シノン)

レイヴェル

(レイヴェル)

レイン

(レイン)

ユウキ

(ユウキ)

校条祭

(ハレ)

このメンバーがやっと揃った。

俺以外が皆女の周りから見たらハーレムな眷属達だが遠近攻撃に回復、サポートとレベルが高い仲間達だ。

 

戦いが嫌いでほとんど戦わないハレでさえ戦えばSSランク相当のはぐれ悪魔を軽く倒せる位だ。

 

と考えているとレイヴェルが

「では作戦を伝えますわ。クロス様。範囲攻撃でライザーの眷属達だけを倒して下さい。あとの方達はここでお休み頂いてもいいですわ。ライザーは妹である私が責任をもって殺ってきます。」

「わかった。レイヴェルのその作戦で行こうか。皆もいいか?」

と俺が聞くと皆は了承してくれた。

それを俺は確認してから異空間に手を入れてアスペクトであるアサルトライフルを取り出す。

そして前へと銃口を窓の外へと突き出す。

「リベレイト」

そう言って俺はアサルトライフルのリミッターを解除をして大きな魔力弾を作る。

そしてその魔力弾からレーザー状の攻撃を複数同時に放出。

「ライザー様眷属の全滅を確認しました。」

と姉さんが敵眷属の全滅を放送で流した

「シルバーブレスはやっぱり使い勝手がいいな。ホーミングを付けたかいがあったな。」

 

それを見たレイヴェルが

「流石ですわクロス様。では私はライザーを屠ってきますわ。」

「わかった。無理はするなよ。」

「無理をするまでも無いですわ。」

そう言ってレイヴェルは窓を開けて学校の屋上へと飛んで行った。

「レイヴェルも成長したねクロス。」

「そうだな桃花。」

「クロス君。」

「どうしたハレ?」

「なんでレイヴェルちゃんは1人でライザーを倒しに行ったのかな?確実に勝てるとは言っても皆でやった方が確実だよ。」

「レイヴェルなりの決別を示しに行ったんだろ。」

「そうなんだ。」

とハレが俯いて答えたので俺は頭を撫でながらレイヴェルの戦いが・・・一方的な暴力になるであろう戦いが終わるのを待つのだった。

 

sideレイヴェル

 

学校の屋上に着くとライザーが立っていた。

「レイヴェル!貴様は妹の分際で兄である俺に逆らうのか!」

ライザーは昔から何も変わっていない

寧ろ悪化している

 

昔から

「兄の言うことが聞けないのか」

「俺はお前の兄だぞ」

「妹なら大人しく兄の言うことを聞いていろ」

といつも「兄だから」と上から目線で私にいろいろ言ってきますわ。

クロス様はこんな愚かな兄とは違い私を対等な1人として見てくれる。

同じ組織のトップと部下の1人では無く、常に対等な1個人として。

そんな彼こそ・・・クロス様こそ私が尊敬し慕う人。

そしてライザーはそんなクロス様を侮辱した私の明確な敵で倒す理由はあっても負ける理由は何処にもありませんわ。

あの時にクロス様がいなければ今頃私ははぐれ悪魔に殺され生きていないだろうと思いますわ。

命の恩人であるクロス様に全てを捧げて何がいけないのでしょうか。

 

「貴方は・・・いえ。ライザー・・・貴方は判断を間違えましたわ。あの時、もしクロス様に挑むのを辞めていれば・・・認めるのも嫌ですが妹の私に負ける事も無かったでしょうに。」

「貴様は俺の妹であるお前如きが俺に勝つだと!調子に乗るのもいい加減にしろ!ずっと俺の目の前で泣いていれば良かったものを!」

「そうですわね。あの時は1日1日が辛かったですもの。あの家を出て行けてせいせいしていますわ。」

「なら力ずくでも貴様を家へと連れて帰ってやる!お前はあの装備が無いと俺の攻撃を受けられない。それはさっき証明された。」

そう言ってライザーは・・・クロス様の言う中身の無い攻撃を作り私に投げてきましたわ。

 

本当にがっかりしましたわ。兄がこの程度の存在なのだから。

「ハンデをあげます。その一撃だけ何もせずに正面から喰らってあげます。恐らく貴方が私に勝つ最初で最後のチャンスですもの。喰らってあげないと可哀想というものですわ。」

「レイヴェル!調子に乗るのもいい加減にしろと言ったはずだ!これを喰らってただで済むと思うなよ!」

そう言ってライザーは作り上げた炎を私に投げてきた。

「この紅蓮の炎を喰らえ!」

そう言ってその私にとっては弱火でしか無い攻撃を当ててきた。

 

この程度で紅蓮の炎

恥ずかしい事です。

見せてあげましょう。

貴方の紅蓮の炎という弱火より強い強火の焔を

 

そう思って私は手を横に薙ぎ払いライザーの炎(笑)を消し飛ばした。

「ライザーのこれが紅蓮の炎。ただの弱火では無いですか。恥ずかしいです。強火の焔を見せてあげましょう。有難く思いなさい。」

私はそう言って右手を銃の形にしてライザーに向けた。

指先に圧縮した魔力を溜めて放つ。簡単な技。

そうですわね。これに敢えて名前を付けるのであれば

「ファイアバレット」

この名前が丁度いいですわね。

 

私から放たれた小さくも圧縮された焔がライザーに無理はって一直線に飛んで行く。

 

「この程度で俺を倒すつもりなら調子に乗るな!」

そう言ってライザーは私と同じ様に右手を前に出し受け止めようとした。

でもそれは無駄な事。

なぜなら

 

手のひらに留まることは何のだから

 

そう。

私の放った小さく圧縮した焔はライザーを貫通した。

そして焔の通った所からライザーは全身が燃え始めた。

それに対してライザーはフェニックス家の回復を使うも私の焔の燃える速さに間に合わずただただ無駄に魔力を消費するだけ。

 

その燃える姿を見て私は同じ物を何十何百とライザーの身体の至る所に撃ち続けた。

それはまるで私の指先と言うマシンガンから銃弾が撃ち込まれるように。

 

暫くして撃つのを辞めると回復を終えて魔力が枯渇したライザーは怯えたような目で私を見てきた

 

その目

見覚えがある

様々な悪行を行って来たはぐれ悪魔やはぐれエクソシスト達がクロス様に向ける目そのものだった。

 

目の前で見る価値も無いほど無様な姿を晒しているライザー

私はそんなライザーの眉間に最後の1発を打ち込み

 

「ライザー様の敗北が確定いたしました。これより転移を開始致します。」

 

グレイフィア様のこの放送が入り私達の・・・クロス様の眷属である私達の勝利と私とライザーの決別が決まった瞬間だった。



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11話

ライザーを倒した翌朝リアスが俺に

「クロス。頼みがあるのだけど。」

「大体わかるが一応言ってみろリアス。」

「貴方に・・・貴方達に修行を付けてもらいたいのだけどいいかしら?」

「今更修行した所で付け焼き刃でしかないぞ。」

「付け焼き刃でも何でも今は力が必要なの。」

「そうか。なら白音と朱乃に修行でも付けてもらえばいい。本当の目的は別の所にあるんじゃないのか?」

と俺がリアスに言うと下を向いてから意少ししてを決したように顔を上げて俺を見た。

「確かに・・・それと貴方は今、朱乃と白音に修行を付けてもらえばいいと言ったのかしら。何の間違いかしら?」

「何の間違いでもねえよ。2人は俺の下で修行しているしライザーに勝つだけの力を持っている。木場も少し修行を付けてやったからこの3人はリアスよりも強い筈だな。」

「なぜ貴方は私の眷属達に勝手に修行を付けているのかしら?」

「ダメかよ?朱乃と白音から俺に頼んできた事だぜ。」

それを聞いてリアスは信じられないという顔をして

「そ・・・それでも修行を付けるなら2人の主である私に一言入れるのが普通だと思うのだけど?」

「お前に一言入れてお前はどうする?2人の希望を知らない癖してよく2人の主と言えるな。それと俺達に修行を付けてもらいたい本当の目的はなんだ?」

「あの武器を貸してもらいたいのよ。あの強力な技を放てる武器は私の・・・私達の戦いの鍵になるから。」

という言葉を聞いて俺はかなりイラついたのだ

「お前はふざけているのか?」

と怒気を込めてリアスに言うと少し怯みながらも

「な・・・何よ。貸してくれてもイイじゃない!私達に力が無いのは分かっているの!なら武器を手にいれて勝ちに行ってもイイじゃない!」

「お前はアスペクトと斬魄刀の事を何もわかっていない。あの2つは武器の形をしているが武器じゃないんだよ。」

「どういう事かしら?」

「簡単か話だ。魂が宿っているからな。」

「魂が宿っている?」

「例え俺がお前に俺のアスペクトを貸したとしてもお前にとってはただの銃としての機能も無いよ。」

「なんでよ!朱乃はアスペクトを!白音は斬魄刀を使っているじゃないの!2人が使えるのに私達が使えない訳がないじゃない!」

「言っただろ。2人は俺の下で修行をして強くなり手に入れたんだ。自分の方が強いと思うのは自信過剰という奴だぞ。」

「ならなんであの2人に修行を付けてたのよ。」

「2人に頼まれたからだ。白音は黒歌の妹だから頼まれなくともいづれ修行を付けるつもりだったがな。」

「2人と私達の違いはなんなのよ。」

「人生の闇があるか、無いかだな。2人の事を理解せずによく主と言い切れるものだな。これ以上お前を呆れさせないでくれ。バカバカしくなる。」

「なんなのよ。貴方はいいわよ!運命を変えるだけの力があるのだから!才能がある貴方は」

とリアスが言った瞬間に俺は怒りリアスの胸ぐらを掴み近くの壁に叩き付けた。

「お前は俺に才能があると本気で言っているのか!」

「な・・・なんなのよ。」

「俺の質問に答えろ。本気で言っているのか?」

「当たり前じゃない!現に貴方はライザーに勝てるだけの才能がある事を証明したじゃない!」

とリアスは言い切った。

「はっきり言うぞ!俺に・・・俺達葬儀社に本当に才能があると言われるヤツは誰一人としていない!」

「そんなわけないわ!レイヴェルだってライザーに勝てた。恐らく他のみんなだって」

「勝てる!はっきり言おう。俺たちは才能の差を努力で埋めてアイディアで突き放し経験で圧倒する。お前みたいに・・・お前達みたいな純血悪魔の嫌う努力と根性を全開で使ってな!」

「私だって努力はしているわ!魔力を使いこなせる様に貴族として恥ずかしくない様に!」

「そんなのは努力とは言わないな。当たり前の事だからな。お前の魔力量も質もただ才能の分しか開花していない。俺の俺達の目には相手の魔力量から質、修行したことによって起こる魔力の上昇まで読み取れる。その程度で修行したという事は俺達やお前の従兄弟のサイラオーグを侮辱する行為だ!生半可な覚悟では本物の修行は出来ないし本物の力は手に入らない。・・・ちっ。」

「生半可な覚悟の修行では本物の力が手に入らない。」

「俺はお前と兵藤に修行を付けるつもりは無い。2人で勝手にやれ。だが安心しろ。役立たずが二人いても勝てるように朱乃に白音、木場にアーシアを鍛えておいてやる。お前達は足でまといにならないように逃げ続けられるようにしていろ。」

と俺が言うとリアスが

「私に本物の覚悟があれば修行を付けてくれるかしら。」

「お前の本物の覚悟とはなんだ?このレーティングゲーム、この修行で何を賭ける?」

「私のこれからの生涯全てを賭けるわ。」

「と言うと。」

「貴方の修行に耐えられないと辛いと1度でも言葉にしたら貴方の・・・クロスの下僕として生涯を貴方に捧げるわ。忠実な犬として。貴方との修行に耐え抜いた後のレーティングゲームでライザーに負けたのなら全身全霊をかけてライザーの事を愛し愛奴隷として生き続けるわ。これが私の覚悟よ。」

「いいだろう。だが俺の修行だが俺がお前の近くにいることは無い。俺がやる事は時間制限とその時間内にやる事を与えてそれをやらせる。1秒の遅れも許さん。それでいいならいいぜ。上手くこなせば五日目から俺がお前の戦闘訓練を付けてやれる。この五日目以降の修行に1秒の遅れも無くやって来れたら少し認めてやる。・・・それでどうだ。」

「それでいいわ。私はどうすればいいのかしら?」

「そうだな。・・・今から葬儀社で隔離している山へ行く。そこは別名死の森。3時間後までに2匹の超危険級大型モンスターを倒して真ん中の建物までやって来い。それまで俺は朱乃と白音、木場にアーシアに修行を付けている。リアスの覚悟は聞いたから鍛えてやるが兵藤は鍛える以前の問題だ。俺は手を付けない。これが終わったらお前に3時間やる。早めに終わらせたらその分の時間を追加しても構わない。兵藤にやる事なり伝えて来い。いいな。」

「ありがとう。そうするわ。・・・それとこの森の地図はあるかしら?」

「分かっている。入口にいるやつがお前に渡す。死の森の管理人だ。」

こうして俺とリアスは死の森の入口へと向かうのだった。



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12話

sideリアス

森の入口へ行き受付の人に地図を貰い私は森の中へ入る。

 

2匹の超危険級大型モンスターを倒して3時間以内に中央の建物に入らないとならない。

超危険級大型モンスターと言っても防御力はそこまで無いらしく攻撃さえ当たれば簡単に倒せるとの事らしい

 

やる事は1つ。

 

とにかくモンスターを倒す事。

 

と思って森の中を進んでいくとすぐに大きな蛇と当たった。

 

「随分早いお出ましね。地図を見た限り中央の建物までは普通に行って15分程度で着くかしら。」

と私が独り言を呟いていると突然蛇が尾で襲って来た。

 

がその攻撃の思わぬ速さに私は交わしきれず体に当たってしまう。

 

何メートル飛ばされただろうか。

攻撃が当たった時に私も攻撃はしたけどどれだけダメージを与えられたか。

 

何とか地面に着地して私は再び魔力を溜め始める。

私の魔力は消滅の特性を持つ。

直撃させれば倒せる自信はある。

そう思いながら私は近付いてくる蛇に一撃を喰らわせようと近づくもなかなか一撃を入れられずにいた。

 

 

あの長い尾は厄介ね。

時間をかけると他のモンスターも集まって来そうだし早く決めたいのだけど。

何とかして飛ばした魔力を速いスピードで当てられないかしら。

 

と考えながら魔力を溜めているとまた蛇が突っ込んできた。

 

その時に考えた何とかこの蛇の動きを交わしながら当てられないかという事。

 

槍のように鋭く早い速度で近づく蛇のタイミングは何度も飛ばされて掴んだ。後はこの魔力を当てるのみ。

私に当てられるのかわからないけどやるしか無いわ。

 

そう意気込んで再び蛇が私に突っ込んでくるのを待つ。

「本当に私は今まで甘えていたのね。身体がこういう時に思ったように動かないなんて。」

口に出して自覚していると蛇が突っ込んできた。

 

タイミングを合わせて飛ぶ!

 

3

 

まだよ!

 

2

 

あと少し!

 

1

 

今よ!

 

このタイミングで飛び上がり魔力を出来る限り私の掌に集めて蛇にぶつける!

 

私の消滅の魔力が蛇の背中に直撃!

クロスの出した黒炎をイメージして作り出した私の消滅の魔力がやっと・・・やっと当たったわ。

クロスが言っていたわね。

才能は努力で超えてアイディアで突き放して経験で圧倒する。

 

今のでわかったわ。

私には何もかもが足りなかった。

本当に何もかも。

 

と思っていると蛇が私の魔力で消滅していた。

 

「私はやっと私の1歩を進める。これからもっと色々と見つめていかないといけないわ。」

そう言って私は時計を確認すると1時間が経っていた。

「早く進んでもう1匹を倒さないと行けないわね。・・・すごく疲れたわ。少し休みたいけどそう上手くは行かないわね。」

 

疲労している私の背後に今度は巨大なカマキリがやって来た。

 

「恐らくあの鎌で切り付けるのが攻撃手段だと思うけど交わしながら様子見かしら。」

と独り言を呟くとカマキリが私を切り裂こうと近付いてくる。

 

何度かギリギリで交わしていると分かってくることがある。それは言うのは簡単でも交わしながらの攻撃は難しいわね。

「毎回リズムが違うなんて遠距離で攻撃するしか無いわね。」

そう考えて距離を取る。

未完成のアレを使うしかないわね。

昔ソーナと少しだけ練習をして未だに未完成の技を

そして今までの私の技の中で最高威力の技を

 

やるしか無いね。

 

私は目の前に私の体と同等の大きさ位の魔力の玉を両手から魔力を放出する事で作り出した後右手の拳を魔力で覆って思いっきり魔力玉を叩き付ける!

 

すると魔力玉が飛んで行きカマキリに直撃!

 

「上手く言ったわ!」

 

そう言うとカマキリが最後に抗おうと片腕の鎌を投げ飛ばして来る。

 

それは私にとって予想外の事で魔力も殆ど尽きている私はすぐに反応出来ずに動けなかったのだが私に刺さる直前で地面に刺さり私は左腕の皮膚を少し切るだけで済み安堵のあまり腰が抜けて少し立てなくなってしまった。

 

「このカマキリが見せたのか最後の足掻きというものなのかしら。・・・そうよね。ここの生物達も生きるのに・・・生き抜くのに必死のはずだものね。」

 

その後少ししてから立ち上がり残り5分のところで建物に辿り着いたのだった。



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13話

sideクロス

 

リアスが森の中に入ったのを確認してから俺も森の中へ

「リアスにこの森をクリアするように言ったからな。俺も中を進んでいくかな。」

 

俺はそう言って森の中を進んでいく

真っ直ぐ中心の塔まで。

 

「白音はだいぶ前にここをクリアして朱乃も森の中をクリアしているからな。白音と朱乃の主と名乗る以上クリアしてもらわないと困るな。」

 

そう言って俺は真っ直ぐ・・・本当に真っ直ぐ塔を目指して歩いていく。

 

暫くしてモンスターもチラホラ出てくるが今の俺にとっては無いも同然。

30分もすれば・・・と考えている間に塔に到着した。

 

「さて、白音と朱乃に修行を付けるか。」

と言って中に入ると

「兄様。待ちました。」

「クロス君にしては遅い到着ですね。」

と先に転移で飛んでいた白音と朱乃が俺を出迎えた。

「すまないな。あいつにこの修行を課した以上俺もやらないといけない。これが俺なりの礼儀だからな。俺の組織。葬儀社の掟の1つ。」

「「『礼儀をなして誇りをかけろ』です。/ですわね。」」

と俺が言う前に白音と朱乃が答える。

「わかってるなら何も言わない。それと2人は修行中に儀式を終えて組織に入りたいんだったな。」

と俺が2人に確認すると、2人は迷いの無い目で俺を見て頷いた。

2人を見て自然と笑顔になり

「なら組織入りして得る力の恐ろしさを教えてやる。」

俺はそう言って目に魔力を集め組織の紋章を出し更にもう1段階魔力を込めて強化された目に姿を変える。

 

「この目は葬儀社の紋章を体に刻むことで手に入る能力。日本神話の最高神『天照』と聖獣『不死鳥(フェニックス)』の2人に授けられた力だ。この意味の真なる力をその身に刻め。」

俺はそう言って2人にこの眼の瞳術の1つ悪魔には『白銀の矢』天使には『聖なる矢』堕天使には『混沌の矢』と呼ばれている技の『シルファング』と呼ばれる矢の様な形をした西洋剣を右手に顕現させる。

 

side白音

兄様が矢のような形をした剣を右手に出したのを見て私は途端に兄様が怖くなった。

 

1度見たことのある兄様の斬魄刀やアスペクトとは違った本物の武器。あれでも魔力を込めたら怖いのにそれを軽く凌ぐような

 

圧倒的な

 

存在感を放つ多分敵には死の匂いが強烈な白銀の剣。

 

兄様のこの剣は本当に凄く濃い魔力を持っている事がわかる。

 

今は味方だから殺意は全く無いのにこの恐怖。

 

本当に恐ろしいものなんだと多分誰でも理解出来るものだった。

 

side朱乃

 

アスペクト・・・いや違いますわ。

 

存在感が桁違いに濃くて強い。

 

恐怖がこの剣からは溢れている気がしますわ。

 

その剣は確かにクロス君の力なのに身体が本能的に恐怖しているのも理解出来る。

 

この人が長を務める組織なら3代勢力も手を出せないわけですわ。

 

sideクロス

 

2人の顔を見るとこのシルファングの存在感に恐怖しているのが手に取るようにわかる。

2人には組織に入るものとして説明しておかないとな。

 

「白音。朱乃。この剣の名は『シルファング』簡単に言うと俺の心の形で意志の強さを表している。

まずは二人同時にかかって来い。相手をしてやる。」

 

そう言って俺はコインを親指で弾く。



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14話

弾いたコインが地に落ちた瞬間に白音が俺に接近して仙術を混ぜた拳を俺に向けてくる。

その拳を右手で受ける。

「いい拳だ。だが本当の拳はこう使う!」

俺はそう言って右手に同じく仙術を混ぜた拳を白音の腹部に6割の力で当てる。

 

すると俺の拳をガードしながら受けた白音は止め切れず吹き飛ばされて反対側の壁に少しめり込む。

 

「白音の拳は元の体重が軽いが為にまだ重さが足りない。」

 

と言っていると朱乃の雷が俺の上から落ちてくる。

 

がいくら経っても俺に当たることは無い。

 

「何故当たらないのですか!」

「俺の吸収。能力の1つだ。何故この手合わせの前に俺の能力を聞かなかった。・・・お仕置きだ。自分の技を喰らえ。」

そう言って俺は吸収した朱乃の雷を放出した。

少し威力を上げたがな。

「2人でこんなものか。お前達はもっと強いだろう。白音。何故斬魄刀を使わない。朱乃。何故アスペクトを使わない。」

と俺が聞くと壁から何とか出てきて一言。

「自分自身の力で兄様に一矢報いたかったからです。」

その言葉に朱乃も

「アスペクトは確かに強力ですが私達自身が強くならないとアスペクトを使っても大した底上げになりませんもの。」

なる程な。2人なりの考えがあっての行動か。

「なら朱乃!アスペクトと会話をしろ。」

「アスペクトと会話ですか。」

「アスペクトの人格と話せ。その中には俺の残留思念とお前の思念が入っている。だから使い手としてではなく真なる使い手として認めさせろ。」

「わかりましたわ。」

「座禅を組み足の上にアスペクトを置け。置いたら瞑想をしお前自身の深層世界に入れ。認められているのならばそこにいる奴と話せ。認められる為の条件はそいつ次第だ。」

「はい。」

「よし。白音。」

「はい。」

「お前には卍解を修得してもらう。」

「卍解・・・ですか。」

「そうだ。お前も深層世界へ入り雷拳と話すなりして条件を聞き出せ。そしてそれを乗り越えろ。そうするだけで強くなれる。それと2人はこれを達成出来たら組織の仲間として紋章を体に刻む。これが出来るまでは刻まないからな。」

そう言って俺は塔の入口へ向かう。

そこには服がボロボロになり着ているのかいないのか解らない状態になったリアスがいた。

 

「ギリギリクリアだな。」

そう言って俺はリアスに回復を促す仙術をかける。

 

5分後

 

「やっと目を覚ましたか。合格だ。おめでとう。」

と俺が言うとリアスは何とか立ち上がろうとするも力が入らないらしく上体を起き上がらせるので精一杯だった。

「リアスが近接格闘の1部を使うなんてな。少しはやる様になった。」

「私の・・・魔力じゃぁ・・・今まで・・・通りの・・・遠距離・・・攻撃は・・・あの分厚い皮膚を超えられなかったわ。だから・・・距離をゼロにして直接当てる必要があったのよ。」

「そうか。なら、今日一日は休みにしてやる。今から兵藤の所へ転移するからどうするかはお前が指示を出せ。俺は・・・俺達葬儀社はあいつに修行を付けるつもりも気も全くないのでな。」

「なんでなのかしら・・・私は良くてイッセーがダメなのかしら?」

「アイツの力は不純物が混じっている。」

「不純物?」

「学校でのアイツを含めた3人組をなんと言うか知っているよな。」

「変態3人組。」

「生きていく上で性欲は確かに付いてくるからどうしようも無いのも事実だ。・・・本来は性欲は隠すもの。表に出すものではないのだ。がアイツの場合はモチベーションや力の源が性欲から来ている。だからアイツには何も期待はしないし期待していない奴に付ける修行もない。だから兵藤は勝手にしろと言っているんだ。俺からすればどうでもいいからな。俺達葬儀社にとっては救う価値のない淘汰されるべき存在の1つだ。」

 

sideリアス

イッセーが彼等からしたら淘汰されるべき存在。

確かに彼の性欲は以上かも知れないけど私にとっては大切な下僕。

「クロス。例え貴方にとっては・・・貴女達葬儀社にとって救う価値のない淘汰されるべき存在の1つだとしても私にとっては大切で可愛い眷属で下僕なの。私の前でイッセーの事を侮辱するのは許さないわ。」

と私がクロスに向かって言うとクロスは私に対して大きな溜息を付いた。

何なのかしら。

「お前は兵藤の神器ブーステッド・ギアの持つ赤龍帝のオーラに勝てなかったようだな。確かにお前の前で言うことでは無かった。お前の底が見えたよ。まぁ約束は守ろう。修行を付けてやる。明日はここに転移してこい。朝5時にだ。自主的な修行は絶対にするなよ。十日後に身体が動くギリギリを攻めるからな。」

そう言ってクロスは扉の向こうの部屋へと消えて行った・・・いや違う。

私がクロスの魔術によって強制転移させられたのだった。



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15話

sideリアス

転移させられて着いたのはイッセーのいる私の別荘だった。

「部長!なんでこんなにボロボロなんですか?それに他の皆は何処なんですか?修行をしないんですか?」

「イッセー。よく聴いて。」

「はい部長。」

「朱乃と小猫はクロスの所で修行を付けてもらっていてアーシアと佑斗もクロスの眷属に修行を付けてもらっているの。そして私もクロスにこれから修行を付けてもらうことになっているわ。」

「なら俺も修行をクロス先輩に付けてもらうんですか?」

「最後まで私の話を聞きなさい。」

「はい。」

「クロスはイッセーに修行を付けるつもりは無いと言っていたわ。」

「なんでですか?なんで他の皆は良くて俺だけダメなんですか!」

「貴方のモチベーションに不純物が混じっているから。ってクロスが言っていたわ。」

「なんですか!俺のモチベーションの不純物って!」

「性欲。クロスはそう言っていたわ。」

「性欲の何がいけないんですか!おっぱいの為に頑張って何が悪いんですか!」

「・・・分かっていないようだから教えるわね。・・・イッセー。あなたが私の眷属に入ってから朱乃と小猫はどうしてる?」

「クロス先輩と一緒にいます。」

「アーシアと佑斗も何をしているか知ってる?」

「分かりません。」

「はっきりと言うわよ。朱乃と小猫は貴方が居なくなるまで部室にも私の眷属にも戻らないと言っているの。理由は分かる?」

と私が聞くとイッセーは横に首を振る。

わからないようだ。

「理由は貴方がいるからなのよイッセー。」

「なんで俺なんですか?」

「貴方の変態性が許容出来ないみたいなの。だから貴方はその変態を治しなさい。少なくともそうしないと朱乃達は帰って来てくれないの。」

「なんでですか!朱乃さん達は部長の眷属なんですよね!」

やっぱり突っかかってくるのね。

「そうよ。はっきり言うわよイッセー。朱乃達は貴方の変態性があるのに何故私の眷属を続けていてくれるのか。」

「はい。」

「クロスにリアス眷属としての役割を果たす様に言われたそうよ。そしてイッセーがいることに耐えられなくなったらクロスの組織にある技術で悪魔の駒を抜く事を約束したそうよ。これが何を意味するかわかる?」

「わかりません。」

「イッセー。貴方が変態なお陰で私の眷属が半壊状態になっているの。だからこれは命令よイッセー。変態をやめて理性的な悪魔になりなさい。」

「おっぱいを追いかけられなくなったら俺が俺じゃなくなります。」

「貴方は私の眷属をやめていこうとする朱乃達を止められるの?」

「・・・そんなの分からないっすけど。・・・なら、クロス先輩に俺の駒を抜いてもらえば」

「人間に戻った途端にイッセーは死ぬわよ。」

「そんな。・・・おっぱいを追い掛けられなくなったら俺は死んだも同然ですよ。」

「ならどうするの?本当に死ぬの?」

「・・・でもやっぱりおかしいです。朱乃さん達はきっとクロス先輩に洗脳されているんです!」

「本当にそう思うの?小猫はクロスを兄と呼び、朱乃は幼少期に母親と共にクロスに救われている。母親はクロスの組織に所属しているそうよ。佑斗はまだ私の所にいてくれるけどアーシアはクロスの家に住み小猫と同じ様に兄として接しているわ。そんな相手に洗脳を掛けるような外道でない事は私も知っているしソーナがそんな相手を好きになる筈がないもの。」

「なら・・・俺が原因なんですか。・・・なんでですか?何がいけないんですか!人なんて・・・生き物なんて子孫を残す為に性欲があるんですよ!その性欲を生きていく上で必要な欲を真っ向から否定するなんてクロス先輩は生き物としてどうかしてる!」

とイッセーが言うと突然この場が凍り付いた。

「それは私達の主のクロスを否定してあるのかしら兵藤一誠。」

「誰だよあんた!」

「クロスの眷属の1人のシノンよ。それよりさっきの言葉は私達の恩人で主を批判する言葉は何事なの。説明しなさい。」

とクロスの眷属と言っていたシノンがイッセーに聞いてきた。

「批判も何も本当の「シノン・・・氷のスナイパー!イッセー!謝りなさい。死ぬわよ。」部長!どういう事ですか!」

「彼女は冥界でも有名な氷のスナイパー。狙った獲物は確実に頭を撃ち抜いてしまうと言う最強の遠距離攻撃の持ち主よ。死にたくなかったら全身全霊で謝りなさい!」

と私は焦りながらもイッセーに伝えるが全ては伝わらなかったようだ。

「そんな変態は殺す価値がないわよ。そもそも撃ち抜いたらへカートⅡが穢れそうだもの。それよりリアス。さっきのそこの変態の言葉はクロスに対する侮辱と受け取っていいのかしら?答えなさい。」

「ごめんなさい。イッセーは治すように言われていることに納得がいってないみたいで」

「そうだ!生きていく上で性欲は子孫を残す為に必要なものだ!」

「でもその行為に宿る本当に必要な心を貴方は持たない。よって貴方に生き物の3大欲求を語る資格は無い。」

「なんだと!来い!ブーステッド・ギア!」

そう言ってイッセーはブーステッド・ギアを出した。

「イッセー!何をやっているの!シノンを攻撃する気なの!」

「悪いのはあの人なんです!適当な事ばかり言うから!」

そう言ってイッセーは氷のスナイパーシノンに攻撃を仕掛けようとするのだった。



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16話

sideシノン

変態がまさか攻撃してくるとはね。

一応修行を三日間だけつけるように言われてきたのに。

「仕方が無いわね。」

私はそう言って腰にかけてあるフォトンソードを取り出しカートリッジに貯めてある魔力の刃を出した。

「まあいいわ。クロス眷属では近接格闘最弱の私だけどへカートⅡを使うのは嫌だしこのままこれで相手をしてあげる。」

と言うとブーステッド・ギアで私を殴ろうとしてくる。

それを1歩横にずれて交わして魔力の刃に私の氷を纏わせて変態にかすらせるように横薙にする。

そして魔力に纏わせた氷をナノサイズの薄さで変態を凍らせる。

 

side変態・・・イッセー

氷のスナイパーシノンが攻撃を避けて俺に切りかかろうとしたけど掠っただけ!

「こんな攻撃!」

と言うと俺の体が足から動かなくなっていく。

すると中の相棒のドライグが

『相棒。とてつもなく薄く頑丈な氷で動きを止められている。早く倍加しろ。』

「言われなくても!こんな薄い氷なんて!」

そう言って倍加して氷を砕こうとするも

「砕けない!」

そう言っている間にも徐々に氷は俺を覆っていく。

もう腰まで凍り付いているのに

「ドライグ!もっとだ!もっともっと俺に力を貸せ!」

「そんな事をすれば身体が耐えられるかどうか。」

「やるしかないんだよ!俺が行かないと部長があんなクソ野郎に負けちまう!俺が行かないと!」

「変態が行った所で何が出来るのかしら?」

「どういう事だよ!」

「イッセー!」

「なんでですか!部長!」

「シノンの言うことを素直に聞いて。」

「だって!」

「主の言うことを聞けないなんて本当にダメな眷属ねリアス。」

「今は気が動転しているだけなの。お願いイッセーにチャンスを頂戴!」

「私は心まで未熟な相手に優しく出来るほど優しくないわ。クロスのようには私には出来ない。だから私なりのやり方で強くするわ。」

シノンがそう言うと俺を覆っている氷の覆う速さが少し速くなった。

「ドライグ!頼む!」

「相棒にここで死なれても困る!任せろ!」

とドライグの返事お合図に5回の倍加を確認して少ない魔力を使って力を込める!

『相棒!この氷はやはり恐ろしく頑丈だ。罅も入らない。これ以上の倍加は相棒の身体が耐えられない。・・・』

「そうね。変態が限界まで倍加しても割れないように氷の強度を調整したわ。ようわ」

と俺が聞こえたのはここまで

音は聴こえないけど視界は良好なままだ。

すると目の前に紙に書かれた事を読み上げる

 

頭の上に

フォトンソードの

カートリッジを

置いておく

このカートリッジは

私の魔力の近くに無いと

5日で爆発する

早くしないと

死ぬわよ。

安心して

その氷の中は

1週間で外の1日だから

魔力の運用・変換・増加なら何とかなるわ

ヒントはイメージ

変な事をイメージしてレーティングゲームで使ったら眉間に穴を開けるわ

ゲームに参加したくば生きなさい

 

と俺の目の前に紙を残してシノンは消えていった。



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17話

side変態・・・イッセー

全身が薄すぎる氷に覆われて動けなくなってから俺は相棒のドライグに話しかける。

「この状況は・・・一体俺にどうしろって言うんだよ。」

「相棒。さっきの女が残した紙に書いてあった言葉を思い出せ。氷の中の1週間が外での1日だと書いてあっただろ。だから俺達にとって猶予はは5週間あるんだ。氷の中で身体が動かせないとはいえ魔力は動く。魔力を使ってこの氷を破壊するしかない。」

「分かってるよ!」

そう言って俺は魔力を動かそうとする。

体が動かないせいか今まで以上に体内の魔力を感じる。

・・・それにしてもなんでこの氷は冷たくないんだ。

「相棒!なんでこの氷が冷たくないんだ?」

「氷と魔力の間に薄い魔力で張ってある。そのおかげだろう。そんなことより相棒。魔力を出来るだけ圧縮しろ!相棒の少ない魔力でも出来るだけ圧縮して一点に纏めて俺の倍加を限界まであげれば何とかなるかもしれん。」

「圧縮しろってどうするんだよ!」

「お前の思う最強の攻撃はなんだ。」

「最強の攻撃は・・・ドラ・ク・ソボールの空孫・悟のドラゴン波だ。」

「その技をイメージしろ。俺がやり方を説明する。」

ドライグが俺にそう言ってきたから俺はイメージする。

少ししてドライグが俺に技の出し方を説明する。

最後にひとこと

「暫くは俺が魔力の圧縮の仕方を伝える。やるんだ。」

「やってやるさ。」

こうして俺達の長い魔力運用の修行が始まったのだった。

 

sideリアス

翌朝5時に私は転移でクロスに指定された塔へと飛んだ。

「時間通りだなリアス」

「修行を付けてもらうんだもの。弱音は吐けないわ。」

「そうか。」

とクロスが言った途端に小猫がいきなり私に殴りかかって来た。

私が交わせる位のスピードで。

「部長。今日は私が相手をする事になりました。私も修行の確認をしながらなのでよろしくお願いします。」

「小猫。斬魄刀を始解しろ。」

「はい。」

と小猫が答えると腰から日本刀を抜き出し形状を変えた。

なんなのあの形は・・・まるで刃はあるのに斬るためじゃなくて殴るのに特化している形だった。

「雷拳・・・部長。構えて下さい。」

「ええ・・・分かっているわ。」

どんな攻撃が来るのかしら?

名前からして雷で私を突く攻撃かしら?

それとも雷を飛ばすのかしら?

と私が考えていると雷を纏い出した。

「白音。」

「はい。兄様。」

「まずはスピード重視の状態でだ。リアス。白音は速いから気を付けろ。」

「分かったわ。」

小猫が速い。

スピードは確かに速い。

さっきだって昨日のカマキリと蛇がいなかったら反応出来なかったもの。

と考えていると小猫が

「部長。今の私のスピードは」

ここまで小猫が言うと私の目の前からいなくなった。

この塔の両端にお互いいたのに見失うなんて

と思っていると

私は背中を殴り飛ばされていた。

「さっきのものとは格が違います。」

このセリフを聞き終えて私はさっきまで小猫のいた所まで飛ばされて気を失ったのだった。

 

side白音

兄様達は反応出来るこの私の斬魄刀のスピード。

部長は反応出来ません。

私の斬魄刀の能力は名前の通り雷を纏って重い拳の一撃を相手に与えるというシンプルなもの。

兄様が言うには修行していけば私の仙術を併用出来るとのこと。

「部長。まだ始まったばかりですよ。」

私がそう言って近づくも部長は気絶している。

兄様に修行を付けてもらうことになる前だったらあの遠距離攻撃で私は手も足も出ませんでした。

強くなった事を改めて実感出来て良かったです。

でもそれと同時に思う事もあります。

「なんか・・・悲しくなります。」



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18話

白音の一撃をくらい気絶してから少し経ちリアスは目を覚ました。

リアスが周りを見てから状況を理解するまで時間はあまりかからなかった。

「リアス。白音の一撃を交わせずに喰らうなんて情けないぞ。白音も修行を始めてからそんなに経っていない。まだ卍解にも達していない。そんな状態の白音にやられてよく自分が主だと言えるな。」

 

「小猫があんなに速いなんて聞いていないわ。」

「そんな言い訳がレーティングゲームで通用するのか?」

と俺がリアスに問い掛けると下を向き

「・・・しないわ。」

「そうだ。反応出来ないリアス。お前が悪い。それと白音。動きに無駄があったぞ。気を付けろ。ゲームの間にその無駄があるとやられるぞ。」

「はい兄様。気を付けます。」

「そうしろ。リアスももっと反応を良くしろ。白音はまだ無駄が多い。今のうちは交わせないと今後余計に交わせなくなるぞ。」

「分かってるわ。」

とリアスが反応してから修行を再開した。

 

修行を始めて3時間。

リアスの魔力が底につき始め肩で大きく息を吸っている。

それに対して白音も汗はかいているもののリアスに比べるとまだ余裕がありそうだ。

 

「リアス。その程度のスタミナでやって行けると思っているのか?」

「まだまだよ!」

「白音。あれを試してみろ。」

「はい兄様。試して見ます。部長。加減がまだ出来ないので出来れば交わしてください。」

「・・・わかったわ。」

「行きます。」

そう言って白音は全身にさっきよりも高密度な雷を纏わせる。

髪の毛も重力に逆らうように全て上を向く。

リアスも何かを感じたようで警戒心を強める。

が・・・時すでに遅しだぜリアス。

でもあれを喰らうとリアスは暫くは修行どころじゃ無いだろうな。

そう考えて俺はリアスの背後に回って白音の雷を纏った拳を片手で受け止める。

俺は溜息をひとつ吐いて

「リアス。反応くらいしろ。白音はもう少し制御出来るようにしような。」

「いつの間に白音が後に!」

「気付いてすらいなかったのか。」

「兄様。私は最近部長がなんか可哀想な人に見えてきました。」

「それは何でかしら?」

「やっぱり以前の様な強さも凛々しさも感じられなくなりました。

なんと言いますか。朱乃さんは勿論ですがアーシア先輩の方が闘いにくいとすら思えますからね。」

「アーシアの方が闘いにくい。・・・それは何故かしら?」

「常に防御魔法を張ってあるからだ。アーシアはそれを維持出来る魔力と才能、根性に集中力があるからな。リアスも魔力量はあるんだ。でも根性も集中力も無いからな。アーシアの様な芸当は出来ないだろうな。」

と俺がリアスにはっきりと伝えるとリアスは下を向き始めた。

こいつはこうなると長い。その間に白音の修行を付けるかな。

「白音。全開で俺と模擬戦だ。リアスは少しだけ模擬戦を見てろ。白音は俺に一撃を入れられるように頑張れよ。」

「はい兄様。今日こそは絶対に一撃を入れてみせます。・・・これが卍解の為に斬魄刀が私に課した課題ですので。」

そう。白音の斬魄刀は俺を課題に使いやがった。

力を3割に抑えると言っても経験と技術が違いすぎてまだ相手にはならないが少しずついい相手になりつつある。

と考えていくと白音が上に飛んで行くのが見えた。

 

白音を視界に捉え続けると魔力の反応が地面の中にも弱いながらも1つあり、俺に確実に近づいてくる。

そろそろだな。

出てくる瞬間に同程度の力で俺の拳を白音の拳にぶつけた。

「白音。力をつけたな。まさかここまで力を上げているとは思わなかったぞ。」

「部長と違って日頃から修行してますから。それに雷拳にも毎晩戦い方の修行を付けてもらっていますから。」

それを聞いて俺は嬉しくなった。

「よし!なら、この技を受け止めたら俺はお前を認めよう!確かおれに認められたら斬魄刀の課題をクリアだったな。」

「はい。」

「そうか。なら、全力で防御しろ。卍解を2つ同時に使うからな。」

と俺の言葉を聞いた途端に白音は驚いたような顔をするもすぐに気を引き締めて防御の体制をとる。

 

1つ目は大きな出刃包丁の様な斬魄刀の斬月

 

2つ目は柄だけで刃のない・・・刃を散らしている日本刀の千本桜

 

「白音。見ていろよ。これが卍解だ。・・・一応リアス。お前も防御魔法を張っていろ。」

 

俺がリアスにそう伝えた直後に片手で斬魄刀を持つ。

 

side白音

 

右手に斬月で左手に千本桜

 

左手を前に出し千本桜を逆手に持ち

「卍解・・・千本桜景厳」

右手を真っ直ぐに前に伸ばし

「卍解・・・天鎖斬月」

結果として左手には何も無く

右手にもさっきの様な巨大な出刃包丁は無く細長い真っ黒な日本刀がそこにある。

服装も変わり

真っ黒な死覇装を来ている姿になったのだ。

「白音。行くぞ。」

兄様の攻撃が来る!

纏っている雷の密度と量を増やして

「わかりました。絶対に受け止めて見せます。」

その言葉を聞いて兄様は嬉しそうに微笑み

「その意気だ。」

そう言って私に攻撃を入れてきました。

 

「月牙天衝!」

真っ黒な剣圧に載せられた重い魔力。

ここまでならいつも通りの月牙天衝です。

でもこれはいつもと違う。

千本桜景厳の桜のように細かい刃が剣圧の周りを竜巻のように同時に私に迫ってくる。何とか相殺しないとまずい!

と思っていると私の体の周りに以前姉様に教えて貰った体の周りに螺旋状の球体を作り自分を包み込む方法を教えて貰ったのでそこに雷も合わせて使い攻撃に備える。

 

ぶつかった瞬間にやはり私に直撃はしなくとも防御に当たっただけで大量の魔力を持っていかれる。

力を圧縮で込めると押される力がなくなった。

なぜなのでしょう。

 

sideクロス

白音は黒歌にあの防御魔法を教えて貰っていたか。

という事は反撃も同時に来るな。

と思っていると俺の攻撃は打ち消されさらに反撃まで来た。

俺はそれを確認して全身の魔力穴から魔力を放出して回転をする事で白音の反撃を無力化した。

「掌回天」



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19話

あれから5日が経ち

私ことシノンは変態を放置した場所に来ていた。

 

氷は割れてカートリッジは遠くで爆発した跡がある。

 

気配を探ると変態の気配がある。

生きてはいるみたいね。

「私の服を隠れてジロジロ見るのをやめなさい。風穴を開けるわよ。」

「ごめんなさい!男の欲望に従うのがモットーなので!」

「決めたわ。もう一度氷に閉じ込めましょう。全力の氷に。」

私がそう言うと変態は土下座をして

「ごめんなさい!」

と言ってからまた私の下着を覗こうとした。

見せてもいいと思えるのはクロスだけよ。

・・・勘違いしないでよ!私は痴女じゃないわ!・・・って誰に言ってるのかしら。

 

「で。」

「でとは?」

「成果を見せなさいと言ってるの。」

「わかりました。」

と言って変態は敬礼をして立ち上がる。

やっぱりもう一度氷に閉じ込めようかしら。

とりあえずは成果を見てからでも遅くわないわね。

と考えていると変態が

「ドライグ行くぞ!」

と言って魔力を突き出した右手の拳の前に圧縮して作り出した。

そして

「ドラゴンショット!」

・・・クロスの魔力弾の作り方をドライグが理解して補助しているわね。

 

とりあえず私は手を前に出し変態のドラゴンショットを受け止めて

魔力総量の確認と操作性の確認をした。

 

物理的に。

 

気絶している変態は能力の確認

 

「私の氷から出てきたからもっとあるかと思ったけど予定より3割少ないわね。練るのにもドライグの補助が無いと何も出来ないし。どうするのかしら?」

 

かなり期待外れなのはもちろんなのだけど

ドライグには利用価値がありそうだとクロスに伝えておかないとね。

 

そう思った私は携帯を取り出してクロスに電話をかけるのだった。

 

 

sideクロス

 

電話だ。

画面を見るとシノンだった。

 

「どうしたシノン?」

「一応予定よりもだいぶ弱いけど現段階での変態の才能の限界点を見つけたわ。今はこれ以上やっても伸びないわね。」

「そうか。でもそれだけじゃないだろ?」

「そうよ。以前にあったブーステッドギアの複製計画。あれはオリジナルを遥かに下回るものよ。」

「そうだな。」

「オーラをさらに採取しておいたわ。このまま持っていくわね。

それと変態のドラゴンとの相性がいいせいか放出されるチャームが異様に多いわ。心に決めた相手がいない人なら変態の人格に関係無し、本人の人格関係無しに惚れさせるレベルの影響があるわ。」

「そうか。リアスからもチャームの残留魔力を確認した。しかもかなり濃い物だ。修行をしながら剥がしているが早い段階で変態に会ってしまうと取り返しが付かなくなる。少しずつ耐性も取り込ませてるんだ。何とかしてみるぜ。

なんせチャームとはやられた側からしてみると才能の扉を無理矢理閉じてくる百害あって一利無しな不要な物だ。・・・リアスの方は後3日で終わらせる。それまでの間は変態がここに戻って来る事を禁ずる。でもシノンは戻って来いよ。心配だ。」

「私は弱くないわよ。」

「そこは心配していない。俺が心配しているのは変態が近くにいる事だよ。特にチャームを撒き散らしているんだ。シノンが修行の末に身に付けた扉を無理矢理閉じてくる可能性がある。出来るだけ変態には近づくなよ。」



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20話

あれから少したち今日はリアスのレーティングゲーム本番の日。

朱乃に白音はだいぶ強くなった。

木場とアーシアも合格点。

リアスはまあまあだな。

変態はいらん。

それに結果は見えている。

そう思いながら俺はソーナと観客席に向かう。

「クロス。リアスは勝てそうなの?」

「朱乃と白音がいれば問題無い。あの二人は卍解とアスペクトを使いこなせる様になった。及第点だけどな。木場とアーシアも2人で当たればライザーに勝てるよ。」

と言うとソーナは少し安心した顔になり

「良かった。クロスが見たの?」

「一応な。分身体がメインで見ていたけど。」

「そう。でもこれでリアスも好きな人と結婚出来るようになって欲しいわ。」

とソーナが言った言葉に反応して俺はソーナを後ろから抱き締め

「それはソーナが俺との気持ちをしっかりと確認出来たからか?」

と聞くとソーナは

「それもあるけど・・・女として産まれたからにはやっぱり好きな男の人に守られてその守られた分を支えたいの。そんな風に考える弱い私はクロスは嫌いですか?」

と聞いてきた。

こいつも性格悪いな。答えは分かりきっているだろうに。

「そんな訳あるか。俺はこれからソーナを含めた多くの仲間達と共に世界を変えようとしてるんだ。そんな時に俺を支えてくれる人がいなかったら俺は潰れるだろうな。」

と言うとソーナは安心した顔になり、2人で試合開始を待った。

 

試合が始まるとやっぱり変態が足を引っ張った。

戦力としては圧倒的に役不足。

シノンが見たとはいえ殆ど何もさせていない。まあ多少魔力運用が上手くなったぐらいだな。

 

他を見るとアーシアはリアスを魔力の盾で守る事に徹していた。

木場はソードバースを上手く使い魔剣に相手と相性の悪い属性を付与して戦っている。

朱乃はライザーのクイーンと戦っているが魔力はほぼ減っていないようだ。アスペクトを上手く有効活用している証拠だ。

白音に関しては1人でライザーと戦っている。

斬魄刀の能力の雷を上手く使えているようだ。それに仙術に魔力も使い方が格段に上手くなった。

そろそろ始解するかもな・・・と思っていると白音は一気にケリをつけるようだ。

 

白音の卍解は

雷豪拳

要は見た目がスーパーサイヤ人の様に雷で見えている

そういう事だ。

ライザーに勝ち目は消えたな・・・と思っていると

ライザーが

「き、貴様!わかっているのか!この婚約は悪魔の将来の為に必要な事なんだ!貴様の様な転生の下級悪魔が手を出していい事では無いのだぞ!それに俺はクロスがいるソーナを我慢してリアスで我慢してやってるんだ!」

と言っているな。でもここで反論するのが俺が修行を付けたヤツらのする事だ!

さぁ!白音!思いっきり言ってやれ!

と思っていると

「確かに今の腐敗した悪魔の将来の為にこの婚約は必要かも知れません。でもクロス兄様の作る理想的なこの世界にはこのような「自分の種族は絶対」と言う意見は邪魔です。それに今はそんな事はどうでもいいです。この戦いに勝って私はクロス兄様の作る理想的な世界を見ているだけじゃなくて一緒に作りたい。だから・・・貴方はそんな腐敗した考えを持つから妹のレイヴェルに穴だらけにされる程拒絶される。そして私からも」

と言うと白音は右拳に卍解状態の雷に魔力、仙術をフル稼働させて集め

「ライザーを再起不能にする!男としても悪魔としても!」

そう言って白音は思いっきり股間部を殴る。

そこにはかなりの大きさのクレーターが出来てライザーは泡を吹いている。

ありゃあ男として復帰出来ねえな。

そう思いながら俺はソーナとリアス達の待機室まで歩いて行った。



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