ポケットモンスター・幻の姫 (金糸蝶)
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1話:目覚め

初めまして、金糸蝶です。
興味を持ってクリックしてくれた方、本当に有難う御座います。
初めての作品なので、長続きさせようと思います。
私はポケモンをエメラルド~ソウルシルバーまでしかやってませんが、
ポケモンの知識はそれなりにあります。
何か意見や質問等がありましたら、お気軽に送ってください。

※ この作品は二次創作です。苦手な方は退避お願いします。
 ハーメルン自体二次創作の小説なので関係無いですけどね。

また、誤字等がありましたら、報告お願いします。



「亡くなったら私達は何処に行くの?」

 

「それはね、新しい命を貰って、新しい人生を歩むんだよ。」

 

「ふ~ん。」

 

「でもね、もう一度同じ姿って事は無いんだよ。」

 

「なんで?」

 

「それは、その内分かるさ」

 

次の瞬間、体は光に包まれていた。

 

「次の命を大切にね。」

 

最後に声を掛けられ、私の意識は一時的に停止した。

 

 

 

 

 

 

 

意識が戻った私が最初に感じたのは、痛みと、ふわふわした心地良さ。

だが、少し医療品の匂いがする。

目を少し開くと、薄い桃色の体の至る所に包帯が巻かれていた。

 

(変な体の色・・・尻尾まであるじゃん・・・)

 

完全に目を開くと、白い部屋に、ベッドとバイタルを測定する機器が一定間隔で音を出していた。

 

(ちょっと状況を整理しよう。)

 

まず体が薄い桃色で、尻尾が生えている。

次にケガをしたのか分からないけど、痛みはあって、包帯が巻いてある。

とりあえず日本語は覚えているから喋ってみる。

 

「ミュー」(あー)

 

・・・え?変な鳴き声・・・

 

ピピッ

電子音が鳴って、ドアが開き、白衣を着た女性と小学生くらいの女の子が入ってきた。

 

「サラ!あのポケモン起きたよ!」

 

「薬の効果が有った様ですね。(幻のポケモンにも効果が有るのか…)」

 

ポケモン?

周りを見渡してもポケモンはいなかった。

という事は私か?

 

「サラ、この子は何て名前なの?見た事無いけど。」

 

「このポケモンは、ポケモンの先祖と考えられているポケモンで、

 とても希少で、珍しいポケモンです。名前はミュウと言います。」

 

「ミュウ?本にも載ってた幻のポケモン?」

 

「はい。研究者に渡すだけでも、億は超える額で引き取られる位でしょうね。」

 

え?私ってそんなに凄い存在なの?

というか、研究者はやめてください・・・

 

「なら、渡さない。私が面倒を見る!」

 

「なら大丈夫ですね。安心です。」

 

・・・へ?

私は飼われるの?

 

「それにしても、何でミュウは傷だらけなの?」

 

「多分、強いポケモンと交戦したか、何処かの組織が捕まえようとして攻撃をしたかのどちらかですね。

 最近は、ロケット団、アクア団、マグマ団の動きが少し怪しいですので。」

 

「ならミュウは表に出さない方がいいね。また狙われたら困っちゃうし…」

 

「そうですね。それと、知っているのは私とユズリハ様だけのみにしましょう。」

 

成る程・・・確かにここに居た方が安心ですね。

 

「サラ、ミュウの怪我が治るまで旅に出るのを止めましょうか。」

 

「了解しました。」

 

え?私はミュウなの?本当にポケモンの世界?

ミュウって強かったかな・・・?

それと、私が治るまで面倒見てくださるのはとても有難いです。

 

「ミュウを私の部屋に連れて行きたい!良いでしょ?」

 

え?

 

「大丈夫ですが、くれぐれもバレずにして怪我をさせないように運んでくださいね。」

 

「はーい!じゃあ、抱っこするね~!」

 

私は軽々とユズリハという少女に抱き抱えられて医療室を後にした。

サラという女性が後ろで何をしているのかは分からなかった。

 

1分間程、誰にも会わずに歩き、扉の前で止まり、そしてドアを開けた。

家というより、屋敷というのが正しい。むしろ、お城なのかと思う位広い家であった。

ユズリハさんの部屋は前世の私の部屋より3、4倍広かった。

 

「そういえば、自己紹介をまだしてなかったね!私の名前は、ユズリハ。よろしくね。」

 

眩しい程の可愛さで、ピカピカのエフェクトが出そうな笑顔で言われた。

私は女なのに、ちょっと『ドキッ』ときてしまった・・・。

そして、私はクッションの上に降ろしてもらった。

抱っこされている時も暖かったけど、クッションも良い心地だった。

 

「私はお父様に伝える事があるから、少し待っていてね!」

 

そう言ってユズリハは部屋を出て行った。

先程目が覚めた私は、寝てるのも良かったけど、暇だから自分の動作を確かめる。

まず、ミュウは普通浮いて移動するポケモンだ。

どうやって浮くかだが、自分で『浮け』と思ったら自然と体が浮いていた。

ただ、今は怪我をしている身なので、痛みで落ちてしまう。

周りを見渡すと、デジタル時計があり、3月14日と書いてあった。

私が最後に覚えていた景色は冬だったので、違和感を覚えた。

クッションは窓の少し近くだったので、外を見ることが出来た。

どうやらここは2階で、庭があり奥には柵、森があった。

3月の中旬でも、まだ少しは冷たい風が吹くだろう。桜はもう時期に咲くだろう。

部屋の中はエアコンで温度が調節されおり、暖かい。

 

(それでも、やる事がない。)

 

この体になる前の人生は、学校やら、仕事やら、家事などで忙しかったけど、

今は、とてもやる事がない。技も試したいけど、ここは部屋だから出来ない。

病院で入院している人の気持ちが少し分かった気がする。

 

 

 

トントン

 

扉を叩く音、ノックだ。

ユズリハかと思ったけど、彼女は自分の部屋だからノックはしなかった。

なら、この屋敷の使用人だろう。入られると面倒事になりそうだ。

せめて、入られる前に鍵を掛けたい。

 

私は頭の中でサイコキネシスと唱えた。

すると、視線を送っていたドアのロックが光り、そのままロックした。

 

(私はサイコキネシスが使えるのか・・・)

 

ロックの音に気が付いたのか、部屋の外から声が聞こえた。

 

「サラです。」

 

サラさんですか・・・驚かせないでください・・・

 

相手の声と顔は知っているので、私はサイコキネシスで鍵を開けた。

そして、入ってきたサラさんの姿にちょっと驚いた。

さっきの白衣とは違い、執事っぽい服を身に纏っていたのだ。

 

「ミュウ、貴方がロックをしたの?」

 

「ミュー」(うん)と言って頷いた。

 

サラは執事服も似合っているが、

見た感じスタイルが良いので、メイド服の方が似合うだろうと思った。

 

「成る程・・・ミュウは賢いのね。」

 

「ミュ~」(どや~)と顔ではしたが、言葉では流石に伝わらなかった。

 

「ユズリハ様が部屋にいないという事は、御当主様に報告に行ったのでしょうね。」

 

理解が早くて助かりますわ・・・

 

 

ガチャ

 

「ただいま!ミュウ!あれ?どうしたのサラ?」

 

「おかえりなさいませ、ユズリハ様。」

 

「サラ、お父様から一週間だけ旅を遅らせる許可を取ったよ!」

 

「了解しました。それと、ユズリハ様、ちょっとこちらに・・・」

 

そう言ってユズリハとサラは部屋を出て行った。

私はやる事が無いので、体を癒す為に眠る事にした。




一話目でしたが、如何でしたでしょうか?
一週間に1、2くらい出すつもりですので、よろしくお願い致します。


キャラ設定

主人公:ミュウ
前世は成人女性。
ポケモンの知識あり。


メインヒロイン:ユズリハ
     年齢:10
     性別:女性(幼女)
      髪:金髪ストレートロング
     詳細:お金持ちのお嬢様


ヒロイン:サラ
  年齢:18
  性別:女性
   髪:銀髪セミロング
  詳細:ユズリハの専属執事


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2話:誤解

ミュウだけ図鑑通りの説明をそのまま使います。

内容

赤・緑、ファイアレッド
南アメリカに 生息する 絶滅したはずの ポケモン。知能が高く、なんでも、覚える。

青、リーフグリーン
今でも 幻の ポケモンと いわれる。その姿を 見たものは 全国でも ほとんどいない。

銀、ソウルシルバー、Y
遺伝子には 全ての ポケモンの情報が含まれているので、あらゆる技が 使えるという。

ルビー、サファイヤ、エメラルド
自由自在に姿を消す事が出来るので人に近づかれてもまったく気づかれない。


眩しい・・・

こんなに長く寝たのは初めてですね・・・

痛みは・・・無いですね。

 

私は目を開けて、伸びをした。

周りを見るとユズリハはまだ寝ていた。

 

(起こすのも悪いので、技を確かめますか・・・)

 

今の所、知っている技はサイコキネシスだけだ。

だから自分がどんな技を覚えていて、どんな攻撃が出来るのかを確かめなくてはならない。

私は部屋の窓を開け、外に出た。そして、窓をサイコキネシスで閉め、鍵までした。

外には庭もあったが、ここでやると荒らしてしまうと思ったので、その奥の森に入った。

森の中のポケモンは最終進化したポケモンが多かった。レベルが高いのだろう。

スピアー、リングマ、ヘラクロス等、色々なポケモンがいた。

 

 

まずは頭の中で思い浮かんだポケモンの技。

『はどうだん』

青い弾が私の手に現れ、物凄い勢いで回転している。

そして、試しに木にぶつけると、木は粉々になった。

 

(こんな強かったかな…まぁいいか。)

 

色々と思い浮かんだ技を試した。

2時間程技の練習や、新しい技を色々と覚えた。

 

(それにしても、沢山覚えるんだな…)

 

技は確認したので、戻る事にした。

先程と同じようにサイコキネシスで鍵を開け、窓を開けて手動で窓を閉めた。

 

ベッドの方を見るとユズリハは居らず、ドアは開けっ放しになっていた。

廊下に出ると、下の方から話し声が聞こえた。

階段の方に向かい、気付かれない様に見てみると、

白色の髪をした男性と、黒髪の男性が話していた。

 

「クロノ、僕は妹の所に行くから、来るなよ?お前は世話好きのロリコンだからな。」

 

「ですが、シルハ様、僕はシルハ様の専属の執事です。貴方の命を守る為にいるのです。

 あと、ロリコンじゃないです。可愛い子がいたらテンションが上がるだけです。」

 

(白色の髪がシルハで黒色の髪がクロノねー・・・)

 

「だから専属は要らんと言ったのだ・・・」

 

「当主様には逆らえませんよ。例え、シルハ財閥のトップでもです。」

 

成る程、妹思いの財閥トップなイケメンな兄と、残念なイケメン執事ですか。

妹とは誰だ?ユズリハの事かな?兄が居るとは聞いてなかったけどな?

 

「ユズリハは多分、庭にいるだろう。久々に会いたいな。」

 

そう言って、兄と執事は庭の方へ向かった。

私は気付かれぬ様に部屋に戻った。

 

窓を開け、庭の方を見ると、ユズリハとサラ、シルハとクロノがいた。

話している内容は分からないけど、ユズリハがとても喜んでいるのなら良かった。

 

クッションに座ってすぐ、違和感に気付いた。

私は一日寝たと思っていた。しかし、デジタル時計には、3月17日と映っていた。

私が最後に見たのは3月14日。3日も寝ていた事になる。

我ながら、今までにこんな寝た事は無かった。人間とポケモンは、寝る時間が違うのか。

人間が7、8時間?ポケモンは1日~3日?そんな訳無いか。

長時間寝ると、怪我も治るのか~。丈夫だな~ポケモンって・・・

 

そう思っていたら、扉が開いた。

ユズリハかと思ったら違った。正確にはユズリハも一緒だ。

ユズリハの隣にいるのは、クロノとシルハだった。

 

 

・・・はい?

内緒にするのでは?

というか明らかにクロノさんとシルハさんが驚いているのだが・・・

 

「ユズリハ、何故このポケモンが・・・」

 

「ミュウですね~!これは売ったら高いでしょうね!」

 

「ミュウは誰にも渡さないよ!」

 

いや、そうじゃないんですよ・・・何故この様な状況になっているの?

ユズリハさん!知っておくのは2人だけなのでは!?

そうか・・・この2人の記憶を消せば問題ないですね・・・

私は、決めたら即動くタイプだ。

 

 

私は手を光らせ、『メガトンパンチ』を繰り出そうとした。

 

「!?行け!エルレイド!『まもる』だ!」

 

クロノは、エルレイドを繰り出し、シルハ達の前で『まもる』を繰り出した。

シルハとクロノ、ユズリハは無傷で済んだ。

 

「ミュウ!やめて!」

 

私はユズリハの言葉を無視して、『はどうだん』を使おうとした。

だが、エルレイドの後ろから黒色の弾が飛んできて、私は一瞬、黒い球に包まれた。

黒い弾が消えた直後、痛みは無かったが、急に眠気に襲われた。

そして私は、床に落ち、眠らされた。




今回は少し短くてごめんなさい。
次も頑張るので、お願いします。


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3話:和解

遅れてごめんなさいです。

色々とあって遅れました(なんだそりゃ)

次は早めに投稿したいです(願望)

それと、今日誕生日です。
一つ歳を取るのは嬉しいが、その分死期が早くなるのが辛いです。


~side ユズリハ~

 

 

私が悪いのです・・・こんな事が起きるとは思ってもいなかった。

私がシルハ兄様に「私の部屋で話しましょう」と言わなければ、

戦闘が起きずに済んだはずなのです・・・。

戦っている時のミュウの顔は少し怒っていて、私の言葉も届かなかった・・・

 

戦闘時にミュウに当たった黒い弾はサラのポケモンの技の一つだ。

『ダークホール』という怪我をさせずに、相手を眠らせる技らしい。

そのおかげで、怪我せず、すぐに戦闘が終わった。

 

「ユズリハ、そんな顔をするな。これは、お前が悪い訳ではない。悪いのは僕だ。」

 

「そんな!シルハ兄様は何も悪くないのです!

 私がシルハ兄様を危ない目に合わせてしまったのです・・・。」

 

「・・・ユズリハ、少し僕の部屋で待っていてくれ。」

 

「・・・はい。」

 

私は頷いて、サラと一緒に部屋を出た。

 

 

~side end~

 

 

 

 

~side シルハ~

 

 

危ないところだった。

クロノがエルレイドで守ってくれなかったら、大怪我か死んでいただろう。

僕は『ダークホール』で床に眠ったミュウをクッションの上に置いた。

 

それにしても・・・やっぱりサラさんのポケモンは出鱈目な技を持っているな。

それと、ミュウにも感情があるのか。

 

「クロノ、ここ最近ロケット団やアクア団、マグマ団の動きが変だと言ってたな。」

 

「はい。サラさんから入手した情報によると、

 街では特に目立った動きはありませんが、山や森などに部下を送っているのだとか。」

 

・・・ふむ。

この屋敷付近は、街と森と山くらいしか無いから、ミュウは森か山から来たのだろう。

でも、ここにずっと居座る訳は何だ?

 

「サラさんに、このミュウの事を色々聞かないといけないな。」

 

「そうですね。」

 

「クロノ、お前はこの部屋の前で待機だ。絶対に誰も入れるな。これは命令だ。」

 

「かしこまりました。」

 

僕は、クロノに命令してから、自分の部屋に向かった。

 

 

一分程歩いて、自分の部屋の前に着いた。

そして、扉を開けて、サラさんを廊下に呼び出した。

 

「サラさん、ミュウの事で、4つ程聞きたい事があるんだが。」

 

「・・・分かりました。」

 

「まず1つ目、何処でミュウを見つけた?」

 

「ミュウは、庭で倒れていたのをユズリハ様が発見しました。」

 

「成る程、2つ目の質問。ミュウはその時どんな状態だった?」

 

「ミュウは、傷だらけでした。今にも死にそうな位ダメージを受けたのだと思います。」

 

傷だらけ?何故だ?野生のポケモンの攻撃を受けた?

でも、ミュウならこの付近のポケモンには負けない程の強さだろう・・・。

ならトレーナーか?でも最近は組織の人間の動きが怪しいと聞いている・・・。

組織がミュウを狙う理由が分からない・・・でも、考えられる。

 

「3つ目、この家で僕とクロノ以外でミュウが居る事を知っている人物は?」

 

「ユズリハ様と私だけです。他の者に知れ渡ると問題が起きそうなので。」

 

「成る程・・・良い判断です。」

 

成る程、ユズリハとサラさんは命の恩人で、ミュウが心を許したのだろう。

そして、自分の存在を2人だけの秘密にする為にミュウは僕とクロノを直接攻撃しようとしたんだろう。もし頭に当たれば記憶が飛ぶかも知れない、殺せばバレない。

そう考えたのだろう。ミュウは人間らしい程の頭脳があるらしい。

 

「質問は4つ程と言ったが、大体分かったから止めよう。」

 

僕は部屋に入りユズリハに声を掛けた。

 

「ユズリハ、少しは落ち着いたか?」

 

「はい・・・見苦しい姿を見せてしまい、申し訳ございませんでした。」

 

「構わないよ。ユズリハなら許す。さて、ミュウの件だが、僕は許そうと思っている。

 サラさん、ミュウが言う事を聞くのは、サラさんとユズリハだけなのですよね?」

 

「はい。」

 

「なら、僕とクロノもミュウと仲良くしたいんだ。許可を取ってくれるか?」

 

「分かりました・・・」

 

 

~side end~

 

 

どれだけ眠っていたのか?

気が付けば、部屋は明るく、外は暗かった。

目の前にはサラさんが椅子に座り、こちらを見ていた。

 

「ミュウ、先程はごめんなさい。戦闘を終わらせる為には眠らせる必要があったの。」

 

戦闘?昼の事かな?

 

「ミュウ、貴方に色々と教えなくてはいけない事があります。」

 

教えないといけない事?

 

「まず朝です。ユズリハ様が起きた時に貴方はいなかったの。だから、屋敷中探したの。

 2時間近く探してもいなかったから、もう自力で帰ったのだろうと思われていたの。

 その時に、ユズリハ様の兄妹であるシルハ様がこの屋敷に来ました。

 ユズリハ様はシルハ様と庭で合流し、10分位お話をしてましたの。

 『ミュウはもういないから部屋に入れても問題ない』とユズリハ様は思ったのです。

 そして、部屋にシルハ様を連れて行くと貴方がいたという訳です。」

 

私が技を確認している間にそんな事があったのですか・・・。

私がいなくなったと思われて、ユズリハは兄であるシルハを部屋に入れたのね・・・。

何も言わずに出て行った私の失態かな・・・。

 

「最初に会った時に、私はユズリハと私だけがミュウがここにいると内緒にしたのですが

 この様にシルハ様とクロノにバレてしまったので、お二人も知っているという事にした いのですが、良いですか?」

 

「ミュウミュウ」(分かった)

 

私はサイコキネシスで扉を開けた。

扉の前にはやっぱりユズリハとシルハとクロノが待っていた。

私は3人に向かって入ってくるように手招きをし、3人が入ったら扉を閉めた。

シルハとユズリハが何か言いた気な顔をしていたが、私はシルハとクロノに近づき、

床に立った。そして、日本人らしく、謝罪の為に土下座をした。

 

5秒程、頭を下げていたら、頭に手が乗せられ、撫でられていた。

 

「頭を上げてください。僕は何も怒ってませんよ。」

 

予想外の反応だった。私はてっきり「許すと思ったか?」と言われる覚悟だったのに。

 

「それにしても、まるで人間みたいな感じだな。」

 

え?

 

「人は悪い事をしたら頭を下げる。ミュウは僕に頭を下げた。元人間みたいだ。

 それと、人の言葉を理解している。行動もね。僕は人間を相手しているみたいだ。」

 

はい。元人間です。

というかシルハさん察しが良すぎて怖い・・・

 

「ミュウ、ごめんなさい・・・」

 

ユズリハが私に言ってきた。

だから私はユズリハに抱きついた。

 

「ミュ・・・ミュウ!?」

 

ユズリハは驚いていた。

この娘は笑った顔が一番可愛いからね。悲しい顔はさせたくない。

 

その後、和解したので解散となった。



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4話:文字

朝5:00

これは、転生前の私がいつも起きていた時間だ。

朝5:00に起きないと、通勤ラッシュに遭い、会社に遅れてしまう。

逆に4:00に起きると早過ぎて始発の電車が一時間以上来ず、駅で待つ事になる。

更に、私が働いていた会社は、始業時間が7:30で、就業時間が21:00だ。

給料は高い、業績も良い。だが、社員の気持ちは後回しにされる。所謂、ブラック企業だ。

そんな会社で働いていると、自然とこんな生活習慣になってしまう。

今は、ミュウとして転生し、仕事は無いが、起きる時間は変わらない。

横を見ると、ユズリハという美少女がベッドで寝ていた。

ユズリハは、私を救ってくれた大恩人だ。

更に、私が今住まわせてもらっている屋敷のお嬢様だ。

彼女には、専属の執事である、サラという女執事がほぼ付いている。

サラは、とてもクールで、トレーナーとしても、とても強いだろう。

 

朝5:00に起きたから、何もやる事が無く、暇だったので、

窓から外に出て、ある人物の部屋を探し始める。

そして、その人物を見つけ出し、窓を開け、侵入する。

 

その人物は綺麗な白い髪で、背丈は167cm程で、痩せ型の男性。

名はシルハ。ユズリハの兄だ。

彼は財閥のトップであり、頭の回転も早く、運動神経もそこそこ良い。

彼にも専属の執事が付く。名をクロノと言う。

クロノは女性好きで、女性が近くにいると、態度が変わり、テンションが上がる。

信用は出来るが、謎が多い人物でもある。

 

 

窓から侵入した私はシルハの部屋を探索してみるが、

本棚、TV、机、椅子、ベッド、PC、エアコン、箪笥くらいしか無く、

最低限生活出来そうな物ばかりの部屋だった。

 

ベッドをよく見ると、目覚まし時計があり、針は5:05を指していた。

余りにも暇だったので、シルハに悪戯してやろうと考えた。

私は思い付いたら、すぐに行動するタイプだから、さっそく目覚まし時計を弄る。

アラームの時間を1分後にセットし、その時間まで目覚まし時計をシルハに近づける。

そして、1分が経ち、目覚まし時計は勢いよく部屋に鳴り響く。

 

(!?)

 

余りにも音が大きいので、目覚まし時計を落としてしまい、シルハに直撃してしまう。

 

「・・・ッ!痛いです・・・。」

 

シルハが起き、私に向かって言ってきた。

 

(こっちだって耳が痛いんですよ!自業自得ですけどね!)

 

シルハは欠伸をして、目が覚めた様だ。

 

「ミュウは何故ここに?」

 

そう聞かれて、返答しようと思ったけど、私は理解はできるが、日本語を話せない。

とりあえず、窓を開けて庭を指差した。

 

「庭に行きたいのかい?」

 

「ミュー」(うん)と言って頷く。

 

「分かった。少し準備する。」

 

そう言うと、シルハは1分30秒以内に着替えた。

 

「ミュウは窓から出た方がいい。僕はクロノと一緒に行く。」

 

私は窓から外に出て、庭に向かい、数分庭を見て周り、シルハを待った。

 

 

 

「ミュウ、待たせたね。」

 

「おはようございます。ミュウ。」

 

声が聞こえ、振り返ると、シルハとクロノがいた。

私はニコッと笑顔を作り、手を振った。

すると、クロノが口を開いた。

 

「ミュウ、君は、怪我をする前に何かに追われたりしていたかい?」

 

追われる?私が?特に心当たりは無いけどなぁ・・・

取り敢えず、首を傾げる。

 

「?」

 

「そうか。記憶が無いのなら仕方無いですね。」

 

「シルハ様が、ミュウは人間みたいだと言っていましたが、元人間なのですか?」

 

「お前・・・僕も気になっていたが、その質問は無いだろ・・・」

 

「そうですか?では質問を変えましょうか。」

 

クロノは少し考えてすぐ質問をしてきた。

 

「ミュウは何処から来たんですか?」

 

私は何処から来たのか・・・日本と言うのが一番だが、ここは国では無く地方で

分けられているので、ここが日本なのかも分からない。形は同じなのに・・・。

でも、言葉は通じるし、普通に日本語で話していますよね・・・。

私はクロノの胸ポケットからペンを取り出した。

そして、紙を要求する様に空中に書く真似をする。

 

「書くのですか。紙を用意しますね。少々お待ちを・・・」

 

クロノはそう言うと、一瞬にして消え、一瞬にして現れた。

 

「お待たせしました。」

 

手には、バインダーと紙が3枚程挟んであった。

 

「お前、いつもそんな動きするけど、お前は本当に人間か?」

 

「私は人間ですよ。スーパーマサラ人と言う様な者です。」

 

「スーパーマサラ・・・何だそれ・・・」

 

「何でもないです。気にしない方が良いですよ。」

 

「あぁ・・・うん・・・。ミュウ、先程の質問の答えを書いてくれ。」

 

私はバインダーをサイコキネシスで浮かばせて、文字を書き始めた。

だが、私が書いた文字は日本語でも無く、変な文字だった。

何故か日本語を書いたはずなのだが、違う文字に変換されていた。

 

「これは・・・アンノーン文字・・・!?」

 

アンノーン文字。その名の通り、アンノーンの形で出来た文字だ。

私は困惑していた。自分が書いた文字が日本語で無く、アンノーン文字。

日本の事を忘れてしまったのかと思う程に、頭が可笑しくなったかと思う程だ。

 

「アンノーン文字なら、解読出来る装置があったはずです。」

 

「それは良かった。早速解読しようか。」

 

 

 

 

私は再びシルハの部屋に来た。

クロノとシルハは私が書いたアンノーン文字を解読しようとしている。

本当なら口で伝えたいのに、出る言葉は全て「ミュウ」だ。

こんなのは会話ですら無い。

数分待っていると、装置が鳴る。

 

『エラーが発生しました。解読を終了します。』

 

「エラーだと?今までこんな事は無かった筈だぞ。」

 

「故障にしては、傷一つ無し。データは安定しています。」

 

「新しいアンノーン文字という事か?」

 

「その可能性が高いかと・・・。」

 

え・・・。私は新しい文字を作り出してしまった・・・?

脳では日本語を、手ではアンノーン文字をという謎な操作かな?

取り敢えず、人との会話は無理な様だ。

 

「そういえば・・・。」

 

「どうした?クロノ、何か良い案があるのか?」

 

「はい。何処かにいると思われる、

 人間とポケモンの言葉を理解出来るニャースがいるそうですよ。」

 

あれ・・・?それってロケット団のニャースしか思い浮かばないのですが・・・。

というか、何故クロノさんがそれを知っているんだ・・・?

まさか転生者?でも、何故執事をやっているの・・・?

でも、ただ情報が入ってきたりとか・・・ありそうですね・・・。

クロノさんを転生者と決め付けるのは良くないですね・・・。

 

「そのニャースは人の言葉を話せるのか?」

 

「はい。知能は、人間並みのニャースです。」

 

「成る程、それは良い事を聞いた。早速そのニャースを連れてこようか。」

 

「お待ちください。今は止めましょうか。」

 

「何故だ?」

 

「せっかくの休日で実家に帰り、ユズリハ様に会えたのに、

 一日で出るのは私的な意見ですが、失礼かと思われます。」

 

「ふむ・・・仕方ないですね。」

 

クロノさんはロケット団のムサシ、コジロウ、ニャースの

2人と1匹のグルを知ってるのかな?

なら、サトシというアニメの主人公もいるのかな?

まぁ、いても会いたくは無いですね~・・・。



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5話:旅立

投稿遅れて申し訳御座いません。
仕事やら家の都合で、パソコンに触れる暇が無く、
やっと触れて書いたと思ったら、データが消え、
色々と問題が起こり、遅れてしました。

まだ一息つけそうに無いくらいやる事があるので、
遅れてしまうかもしれませんが、決して失踪はしません。
ですので、こんな調子ですが、応援してくださると、とても有り難いです。

いつも通り、誤字等がありましたら、報告お願いします。


3月20日 旅立ちの前日(昼)

 

「ミュウ、貴方は明日の旅には連れていけないの。」

 

え・・・?

 

突然掛けられた言葉に、私は戸惑った。

 

「ミュウ、連れて行きたいのは山々だけど、貴方は連れては行けないわ。」

 

何故・・・

そうは思ったが、考えてみれば簡単な事だ。

私が一緒にいると、ユズリハ達を危険な目に合わせてしまう。

私は、他の組織に狙われている身だと思われているからだ。

そんなのは理解はしていた。

でも、いきなり言われたので、ショックであった。

 

「私は明日の明け方にヘリコプターでホウエン地方のミシロタウンへ向かうわ。

 それまでに、ミュウ、貴方は安全な場所へ逃げなさい。」

 

ユズリハは悲しい顔をしていた。

悲しい顔は見たくない。

ユズリハを1分抱きしめてから、手を離し、窓から庭に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

~庭~

 

 

「やはり、庭に居ると心地良い気分になる。」

 

庭から知っている声が聞こえた。

 

「そうですね。ですが、風邪を引かないように早めに戻りましょう。」

 

この声も知っている。

ユズリハの兄であるシルハとその専属執事であるクロノだ。

 

「ん?ミュウ、どうしました?」

 

名前を呼ばれてビクッとする。

気付かれていたらしい。

仕方ないので、シルハとクロノの前に来た。

だが、いつもの調子ではいられない。

先程の事で、私は頭を冷やしたいのだ。

 

「ミュウどうした?いつもより調子が悪いぞ?」

 

「そうですね…。いつもより落ち込んでいる様ですね。」

 

そうですよ…。

いつもの調子は出せません…。

 

「ん…?そういう事か…。

 とうとう聞いてしまったのか。あの話を。」

 

「あの話とは…?」

 

「明日の旅立ちの事だ。」

 

ビクッ…

相変わらず鋭いですね…

 

「明日の明け方にユズリハはホウエン地方に行くんだ。

 向こうは、アクア団のアジトがあるからミュウは連れて行けない。

 ミュウは組織に狙われている可能性が高いからね。」

 

「成る程。ミュウは連れて行けないと言われて、落ち込んでいるのですね。

 確かに分かります。親に『お前は入れない場所だから』と言われて、

 車で待っているか、家で待っているみたいな感じですね。行けなくて悔しいですよね」

 

私は、涙は流さないと決めていたけど、耐え切れず涙を流してしまう。

 

「やはり、ミュウにも感情があるようだ。

 人間も悲しい時には泣くものだ。しかし、困ったものだな…。」

 

「ミュウ、こちらを使ってください。」

 

そうクロノは言ってこっちに向かってハンカチを渡してくれた。

私はそのハンカチで涙を拭い、ペコリと頭を下げる。

 

「良いですよ。ポケモンにハンカチを渡すの自体初めての事ですので。」

 

そして数分後。

 

「ミュウ、お前はユズリハとホウエン地方へ行きなさい。

 ユズリハの護衛としてならミュウが一番適役だ。」

 

でも、ユズリハの護衛ってサラさんじゃないですか…

そう思っていると、

 

「それとだ。クロノ、お前もついて行け。」

 

「どういう事ですか?僕はシルハ様の専属執事ですよ?

 僕が離れたら、誰が身を守るのですか?誰が身支度をするのですか?」

 

「そんなのはいくらでも用意出来る。

 お前程有能な奴は居ないが、仕えている者は全て訓練された者だ。」

 

「はぁ…。」

 

「何だ?不満か?」

 

「不満ではなく、不安なのです。

 何処の馬の骨か分からん奴に地位をくれてやるなど…、失礼言葉が過ぎました。」

 

「では、クロノ、これは命令だ。

 ユズリハとサラさんをミュウと一緒に警護し、怪我を負わせるな。」

 

「それはっ…!」

 

「お前に拒否権は無い。これは命令だ。逆らうな。

 次断るような言葉を吐くのであれば…分かるな?」

 

「はい…。」

 

「僕は今から父上に事情を説明しに行く。

 クロノ、付いて来てくれ。僕は父上とは1対1で話すのは苦手だ。」

 

「畏まりました。お供いたします。」

 

そうして、クロノとシルハは屋敷に戻って行った。

 

 

 

数時間後 20:30

 

 

私とクロノはシルハの部屋に呼ばれた。

そして、明日の予定を立てた。

 

 

 

 

 

次の日 旅立の日 4時30分 ヘリポートにて

 

 

 

「あれ?クロノさんも行くの?私とサラさんだけで良いのに。」

 

「すみません、ユズリハお嬢様。シルハ様の命令により一緒に旅をさせて頂きます。

 安心してください。不届き者には指一本触れさせないくらいな警護しますので。」

 

「分かりました。ところで、そのバッグは?」

 

「こちらは、お金と料理を作る為の物等です。

 すぐ出発らしいので、そろそろ乗りましょうか。」

 

「はーい。ではシルハ兄様行ってきます!」

 

「あぁ。気を付けろよ。何かあったら僕に電話しなさい。

 サラさんもユズリハの護衛任せましたよ。クロノもな。」

 

「「はい!」」(サラ&クロノ)

 

 

そしてヘリコプターは飛んでいく。

 

 

 

 

ヘリコプターに乗って数分後

 

 

「ねぇ、クロノさん?そのバッグ少し動いてませんか?」(ユズリハ)

 

「へ…ヘリコプターが少し揺れたのでしょう。」(クロノ)

 

「いえ、ヘリコプターは安定していますよ。」(サラ)

 

「気になるっ!開けちゃえ!」(ユズリハ)

 

「待って!待ってくださいいい!!」(クロノ)

 

バッグのファスナーが完全に開いた。

 

「何で…何で此処にいるの…貴方は来ない筈なのに…」(ユズリハ)

 

「あー…見られてしまった…」(クロノ)

 

「どういう事ですか!?クロノさん!」(ユズリハ)

 

「分かりました。事情を説明しますので、少し冷静になってください。」(クロノ)

 

クロノは全ての事情をユズリハとサラにだけに伝えた。

ミュウはバッグの中でまだ寝ていた。

 

「…そういう事なら早く言ってくださいよ…。」(ユズリハ)

 

「申し訳御座いません。ですが、これはミュウ自身も決めた事です。」(クロノ)

 

「分かりました…。連れて行くしかないですね。」(サラ)

 

 

そうして、このままホウエン地方へ向かうのであった。



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6話:研究所

投稿遅れてごめんなさい。
予定が色々ありまして、遅れてます。
今後もまた遅れるかもしれませんので、
ご理解賜りますようお願い申し上げます。


3月21日 朝

 

 

 

私が眠っている間に、ユズリハ達に僕が付いて行くことがバレてしまった。

最初は、ユズリハに少し怒られてしまいましたが、同行する事を許してくれた。

そして、ホウエン地方の、ミシロタウン付近でヘリコプターから降りて、研究所に向かう。

流石に、4時間くらいヘリコプターの中だったから、少し疲れてしまった。

 

「さて、ポケモンを貰う為に研究所に向かいましょうか。」

 

「御三家と呼ばれる3匹のポケモンの中から1匹を選ぶのです。

 選んだポケモンは一生のパートナーとも言える程、強くなりますよ。」

 

「そうなのですか?どんなポケモンが貰えるか楽しみですね!」

 

私はこの街を知っている。

ここは、私が一番最初にやったポケモンのゲームである。

ルビー、サファイア、エメラルドの最初の街。

ミシロタウン。

私は画面越しでしか見えなかった景色が、今はリアルで見えている。

不思議な感覚だ。

私は透明化して、ユズリハの肩に乗った。

 

 

 

 

研究所

 

 

 

 

「いらっしゃい。少し待ってな。」

 

研究所の奥から男性の声が聞こえた。

よく見ると、容姿は、小太りで、顎鬚をたくわえている。

服装は白衣に短パン、サンダルといかにも南の地方の人物であるような恰好をしている。

 

「お久しぶりです。博士。」

 

「あぁ、君はサラさんだったね。久しぶりだ。」

 

「ご無沙汰しております。博士。」

 

「クロノ君も一緒だったか。」

 

どうやら、クロノとサラは、この人物と知り合いのようだ。

 

「ん?」

 

どうやら、ユズリハの存在に気付いたようだ。

 

「君はサラさんの娘さんかい?もしかして君たち結婚したのかい?」

 

『それは無いです。』(サラ&クロノ)

 

「そうか…。自己紹介がまだだったね。

 僕は、オダマキ。オダマキ博士と呼んでくれ。」

 

「は、はい。」

 

「君達が連絡をくれた、ユズリハちゃんで合ってるかな?」

 

「はい!ユズリハです!宜しくお願いします!」

 

ユズリハは挨拶をして、お辞儀をした。

そのお辞儀で、私は床に落ちそうになった。

 

「さて、今日は、もう1人、男の子が来るんだ。」

 

「では、少し待ちましょうか。」

 

 

 

5分後

 

バタン!

「うおおおおおおおおおおおおお!!!間に合ったぜええええ!!」

 

勢いよく扉が開き、ユズリハと同い年くらいの少年が大声を上げて入ってきた。

 

「ポケモンよこせええええええええええええええええ!!!」

 

「待て待て、少し待つんだ。」

 

オダマキ博士が騒がしい少年を止める。

横を見ると、頭を抱えて、ブツブツと独り言を喋っているクロノの姿があった。

何があったんだ?煩くて頭が痛くなった?

 

「さて、ポケモンだが、それぞれ1匹ずつ…」

 

「全部俺のだああああああああ!!!!」

 

少年は、机の上にあったモンスターボールを奪い取り、ユズリハの目の間に来た。

 

「俺と勝負だ!お前ポケモン持ってるだろ!?」

 

「あ、うん…一応持ってはいる…。」

 

「なら勝負だ!手加減はしねぇからな!覚悟しろよ!」

 

「おい、少年、そこまでにしておけ…俺がブチギレるぞ…。」

 

クロノが少年の肩を掴み、笑顔で、眉をピクピクしている。

クロノ完全に怒ってるじゃないですか…

 

「クロノ、手を離しなさい。」

 

ユズリハが命令口調でクロノに言う。

 

「しかし!この者はユズリハ様に対して無礼な事を…」

 

「分かっています。ですが、まずは落ち着いてください。

 勝負はしてあげます。ですが、何があっても文句は無しでお願いしますね。」

 

「あぁ、良いぜ!」

 

 

 

 

3分後

 

 

 

 

勝負の準備が整った様です。

 

「では両者、モンスターボールを持ちなさい。」

 

「ふんっ、絶対に負けねぇさ。」

 

「始め!」

 

合図が出て、少年はモンスターボールを投げる。

 

「行け!キモリ!」

 

キモリですか…最初の方では早いポケモンですね…

ユズリハも一応ポケモンを持ってきてはいるんですか…。

もしかして私か?

 

ユズリハはポケットからモンスターボールを持ち投げる。

 

「行ってきなさい。ジュカイン。」

 

「!?ジュカインだと!?」

 

少年は驚いていた。

そう、この少年、一応転生者である。

ポケモンの知識はあるが、これが初めての実戦である。

 

「あーあ…ユズリハ様は手加減が無い様ですね…」

 

「良いんじゃないでしょうか?あの少年には早過ぎた相手と思えば。」

 

「そうですね…」

 

クロノとサラはお茶を飲みながら見ている。

 

「ジュカイン、『つばめがえし』。」

 

ジュカインはキモリより早いので先制で『つばめがえし』を繰り出す。

草は飛行に弱いのでキモリには効果抜群だ。

 

「キモリ、戦闘不能。」

 

審判であるオダマキ博士がキモリは戦闘不能だと判断した。

その後の二体も、ジュカインの方が速く、強いので、すぐに負けた。

 

「よくやったジュカイン。戻れ。」

 

「…燃え尽きたよ。完敗だ。」

 

少年は負けを認めた。

 

「まぁ、相手が悪かった。その3体はまだ強くはない。

 だが、君が強く育てたら、もしかするとユズリハちゃんに勝てるかも知れない。」

 

「うん…。次は勝つからな!お前は俺のライバルとする!」

 

「いきなりライバル宣言されても困るのですが…。」

 

「ふっ。トレーナーなんだから、ライバルがいても可笑しくはない!」

 

ライバルねぇ…。私はエメラルド結構やってたから圧勝した覚えしかないな…。

 

「旅に出る前に、ポケモン図鑑を渡しておこう。」

 

ユズリハと少年にポケモン図鑑が渡された。

 

「そのポケモン図鑑は君が出会ったポケモンを、

 自動的に記録してくれるハイテクな道具なんだ!

 僕の息子のユウキもそのポケモン図鑑を持って、あちこちに遊びに行ってる。

 この街にいたハルカちゃんもホウエン地方で殿堂入りして、何処か旅出ちゃったさ。

 もしかしたら、会えるかもね。」

 

「そうか。じゃあな!また勝負しようぜユズリハ!」

 

少年は走って研究所を出て行った。

 

「ユズリハちゃんも、もしユウキに会ったら、仲良くしてやって頂戴ね。」

 

「はい!では行って参ります。」

 

「うん、行ってらっしゃい!」

 

 

 

研究所を出た。

 

 

 

「久々に博士に会ったけど、あまり変わり様が無いな。」

 

「そうですね。元気そうで良かったです。」

 

「最初、サラとクロノは何のポケモンを選んだの?」

 

「私はアチャモを選んで、今はバシャーモですよ。」

 

「僕は、キモリを選んで、今はユズリハ様と同じでジュカインですよ。」

 

「そうなんだ。じゃあ。行こうか。」

 

私はミズゴロウが最初だったなぁ…。

後々でも使えるタイプだからねぇ…。

あの少年は3体持っていくなんて異例な事があったのに…ちょっとずるいですね…。




最近エメラルドも買いなおして、今少しやってます。
最初は物語通りに、キモリを選んでやってます。
キモリは正直な話、結構難しいです。
1ジムは良くても2ジムは少し苦戦しました。
2ジムの時にはもうジュプトルにしてましたが、スバメがいなかったら負けてました。
3ジムは電気で1回負けてます。キノガッサにしてから、勝ちました。
4ジムはまだ試してません。今ギャラドスを育ててます。

こう考えると、ミズゴロウを最初に選んだ人は楽でしょうね。


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