夏祭りのその後の朝 (シノグ)
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夏祭りのその後の朝

「ふぅ・・・よし」

 

今日の朝の走り込みを終え、家に戻る。そこにはいつものように智花がいた。

 

「昴さん!お帰りなさいです!」

「ああ、智花ただいま」

いつものように一緒に飯食って、一緒に朝練をする。智花とは、もう本当に家族のようになっていた。

 

「昴さん、先にシャワーをどうぞ」

「いや、智花が先に・・・」

朝練の後のこのやりとりも、もう何度繰り返したかわからない。

この前、彗心女バスの皆と夏祭りに行って、皆と絆を深めた。特に智花とは、自意識過剰かもしれないが、本当の

兄妹みたいな関係に近づけたと思う。いっそのこと、本当に家族になってくれないかなぁ・・・」

 

「ふぁっ、ふぁう!?」

「へ?」

え、どうしたんだろ。

「す、昴さん。その・・・家族になりたいって・・・」

「あ、まさか声に出てた!?」

「は、はいぃ・・・」

顔を紅く染めて頷く。うわマジか・・・恥ずいな。

 

「あっあの昴さん!」

「お、おう?」

恥ずかしがってたら智花がいきなり顔をあげて話しかけてきた。

「あ、あのさっきの話ですけど・・・」

「ああシャワーのこと?それは智花が先で・・・」

「いえそうじゃなくて、その・・・家族になるとかの・・・」

「ああ、それは気にしな「私を昴さんのお嫁さんにしてくださいぃ!」

「・・・はい?」

俺の声を遮って智花が叫んだ。いまなんていった?

 

「あの、智花?」

「は、はい」

恥ずかしそうにうつむき、シャツの裾をつかむ智花。かわいい・・・じゃなくて!

「智花!?自分がなに言ってるかわかってる!?」

「ふぁう!」

俺がいきなり叫んだので、智花が驚いてしまったが、今はそれより!

「ご、ご迷惑でしたか?」

「うっ・・・」

智花が目を潤ませ、俺のことを見る。

智花こんな子だっけ!?

 

「そうですよね、私みたいな怪力女、いやですよね、忘れてください」

「いやちょっと待って!?本当にどうしたの!?」

「うう・・・」

智花が本当に泣きそうだ。どうしよう・・・!気軽に『いいよ』とはいえないしどうすればいいんだ!?

 

・・・・・・あれ?このボトルなんだ?

俺たちのいる玄関の下駄箱の上、なんかの液体が入ったペットボトルがある。

・・・まさか、な。

俺はそのボトルを手に取り、においを嗅いだ。そしたらっ・・・!

「酒だこれ!智花これ飲んだのか!?」

「ふぁい、とってもおいしかったれすよ」

その顔の紅さは酒のせいかよ!つーかなぜこんなとこに酒が・・・。

「おう昴。ここにおいてあったボトルしらねーか?」

親父がリビングから出てきて、バカげたことぬかしやがった。

「お前かあああああああああああ!」

「おうどうした我が子よ・・・ってお?智花ちゃんどした?」

「どうしたもこうもあるか!なんで酒をペットボトルにいれて、玄関においてんだよ!」

「さぁ?」

「てめぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 

そんなこんなで智花のお嫁発言事件は幕を閉じた。

犯人は親父で酒で酔っぱらってボトルに酒をいれ(ご都合主義)、玄関に置く(ご都合主義2)という奇行をしやがった。朝からなにのんでんだよ・・・。

そして、智花がそれを俺が置いてくれたスポドリだと思い、飲んだのだ。

まったく、今日もそんなこんなで朝は過ぎていく。それにしても何故、智花は嫁にしてくれなんていったんだろう?俺の家族になれ発言なんてスルーすればいいのに。それも酒のせいか?それとも・・・。永遠の謎だった。




唐突に思いついたので。
深夜テンションで書いたのでグダクダ感はゆるしてね


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