ロストワールドのなく頃に (ゆるポメラ)
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第0話 再会と新たな旅の始まり

ゆるポメラです。
書きたいという欲に負けてしまいました……
本来でしたら『艦これ』の小説が終わってからの予定だったのですが……
今回はプロローグになります。

それではどうぞ。


ここはカケラの海。

分かりやすく言うと宇宙空間的な場所である。

…あ、自己紹介が遅れました。

僕の名前は、柚深月穹(ゆみつきそら)と言います。

 

「だから穹? 誰に向かってお辞儀してるの……?」

 

そう僕に言ってきたのは親友の緋未月羅奈(ひみつきラナ)

 

「なんとなくだよ。別に僕の意志じゃないし……」

「先輩、それだと……ある種の電波ですよ?」

 

苦笑いしながら言ったのは、

青みがかった黒色の髪をツインテールに纏めてて

個性的な制服を着ているのが特徴の少女、水無月涼香(みなづきすずか)

 

「私は、そんなマスターも好きですよ♡」

 

そう言いながら僕の背中に抱きつきいているのは、

自称、僕の家具のクイナ。

一見すると17歳くらいにしか見えない少女で綺麗な長い紅い髪が特徴である。

 

「きゃ♡ そんな……綺麗だなんて……マスターのエッチ♡」

「さり気なく人の心を読まないでくれない? 後どの辺にそう言う発言があったの?」

「マスターの言葉全てです!」

 

ドヤ顔で言い切ったクイナ。

 

「穹、いつもの事でしょ? "艦これの世界(カケラ)"でもそうだったじゃない」

「…それもそうだね。クイナの性格がアレ以上にならない事を願いたいよ」

 

羅奈が溜息を吐きながら僕に同情する。

実は僕達4人は"艦これの世界"……正確には"艦隊これくしょん"の世界(カケラ)から帰還したばかりなのだ。

そこで何をしていたかというと絶海の孤島で艦娘達や妖精さん達とのんびり過ごしていた。

 

「…ほんとに何だったんだろうね。あの"艦これの世界"……」

「私達、のんびりと満喫してただけだものね? まともな事したのってブラック鎮守府を潰したくらい?」

「ぐらい……だね」

 

振り返るとそれしかまともな事してない。

まぁ…その世界(カケラ)に行けた事で僕達4人は自分達の艦娘を手に入れたけどね?

ちなみに、艦娘のみんなは特殊なカードに封印している。

艦娘達の絵が描かれてるのが特徴だ。

 

「マスター、あちらに誰かがいらっしゃいますよ?」

 

するとクイナが声をかけてきた。

彼女が指を差した方を見ると意外な人物の姿が……

 

「は、羽入ちゃん!?」

「羽入!?」

「あう?」

 

そこにいたのは『オヤシロ様』と呼ばれる雛見沢の守り神、羽入ちゃんがいた……

 

「そ…穹なのですうー!」

 

羽入ちゃんは、もの凄い速さで僕に抱き付いてきた。

今一瞬、残像みたいなものが視えたよ!?

すると同時に突如1つのカケラが輝きだし、辺りは光に包まれた……

 

「穹!? 羽入!?」

「マスター!?」

「先輩!?」

 

 

羅奈、クイナ、涼香の声が最後に聞こえた……

 

 

 

 

(ぅ……)

 

なんだろう……?

なんか顔の辺りが柔らかく気持ちの良い感触が、それに何だか懐かしくていい匂い………

 

「んぁ…んん、そ、穹…そんな風に動かれたら……あん♡」

 

羽入ちゃんの声?

しかも凄く色っぽい声……

ま、まさか……

 

(この柔らかい感触って……羽入ちゃんの、むむむ、胸ぇぇ!?)

 

すぐ気づいた僕は慌てて離れた。

そこには恍惚な表情をしたオヤシロ様がおりました……

 

「は、はぅ……///」

「あ、あのさ……こんな事してなんだけど……起きれる?」

「な、なのですぅ……///」

 

 

 

ーー10分後ーー

 

 

 

なんとか落ち着いた僕達2人(主に羽入ちゃん)は、

ここが今何処なのかを見渡していた。

 

「どこかの船内なのかな……?」

「船内というのは合ってるみたいです。アレを見てください」

 

羽入ちゃんの言う通り、

窓らしきものを覗くと絶海の海だった……

 

(とりあえず艦娘のみんなに様子を軽く見て来てもらおうかな……)

 

そう思った僕は、

カードを取り出し艦娘を召喚しようとしたが……

 

「あう? このカード……名前は書いてあるのに()()()()()()()()()()()

 

羽入ちゃんが言ったように()()()()()()()()()()()()()

何かの冗談だと思い……

 

(暁!? 天津風!? 嘘……みんな消えちゃってる……)

 

7枚のカードを全て確認したが全て描かれていなかった……

カケラの海で確認した時は、ちゃんとみんな居た筈なのに……

 

『マスター!! 聴こえますか!?』

 

そんな時、クイナから念話が送られてきた。

すぐさま魔法を起動させ目の前に画面を表示させる……

 

『マスタ~!!! ぐぇ!?』

『何画面に向かって突撃してんのよ!! この淫乱悪魔!!』

「「…………」」

 

画面からはクイナと羅奈が言い争うといういつもの光景だった。

しばらくして……

 

『こほん! マスターお怪我とかはありませんか?』

「怪我はないから大丈夫。それよりクイナ……」

 

艦娘が召喚出来なくなってしまった事を話す。

するとクイナは恐らく、僕と羽入ちゃんが飛ばされたこの世界(カケラ)が関係してるのではと推測。

確かにその可能性も否定できなくはないけど……

 

「あうあう……それでこの世界(カケラ)は何処なんでしょうか?」

『何か特徴みたいなものってありますか?』

「僕と穹が見た限りですが、今いる場所が船内だという事と……」

『羽入さん? どうかなさいました?』

「あっ、ちょっと待ってください!」

 

すると羽入ちゃんは何かを見つけたのか、

窓をもう一度よく目を凝らして見渡していた。

 

「あっ! 何かゴリラのような顔をした島が視えるのですう!」

『ゴリラのような顔をした島? ちょっと待っててください……』

 

何か心当たりがあるのか、

クイナは一旦画面から消え、しばらくすると再び戻ってきた。

 

『マスター、船内に何か落ちてませんか?』

 

そう言われ、

もう一度辺りを見渡すと海賊旗や宝箱を発見した。

更に何かの肖像画らしきものも見つけたが壊れているようだ……

その事をクイナに伝えると……

 

 

 

 

『マスター、羽入さん。お二人がいる場所は"スーパードンキーコング2"の世界です』

 

 

 

 

 

 

 

 

衝撃的な答えが返ってきました……

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
基本的に文章がかなり短い内容ですので、
ご了承ください。
こんな作者ですが頑張りますのでよろしくお願いします。


※登場人物については『奇跡のなく頃に』と同じ人物になります。


柚深月穹(ゆみつきそら)

容姿イメージ:『涼宮ハルヒの憂鬱』の長門有希

誕生日:12月2日、いて座

血液型:A型

一人称:僕



次回から第1章が始まります。
本日はありがとうございました。


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第1章 海賊船 バッドクルール
第1話 パイレーツパニック


ゆるポメラです。
第1章『海賊船バッドクルール』始まります。
拙い内容ですが楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。



クイナから情報を得た僕と羽入ちゃんは、

ひとまず船内の外に出て見る事に……

 

「…ほんとに海賊船だね」

「あうあう……しかも人の気配が全くしないのです」

 

聴こえてくるのは海の音くらい。

クイナによると僕達2人がいる場所は"クレムリン(とう)"の湾岸辺りに繋いである海賊船、"バッドクルール"という船だそうだ……

 

「そういえば羽入ちゃん、雛見沢の方はどうなの?」

 

鼠やワニをなぎ倒したりしながら最近の雛見沢について訊いてみた。

 

「今はちょうど7月の後半辺りなのです。梨花が夏休みの宿題を忘れたりで大変だったのです! 今もですが……」

 

そういえば梨花ちゃん、

運命の惨劇に打ち勝ってから夏休みの予定とか気が早いのに立ててたもんね……

あはは……

 

「それに穹も穹なのです! 僕に内緒で梨花と2人で花火大会に行くなんてズルいのです!」

「いや……あれは梨花ちゃんが2人で行きたいって言うから……」

 

あの時は確か梨花ちゃんの上目遣いに負けて、

2人きりで花火を見に行く事になって……その後は……

 

(梨花ちゃんに押し倒されたんだよね……///)

 

そこから先は……お察しください。

そんな事を考えてたら……

 

「むっ。梨花と色々したのですね?」

 

頬を膨らませた羽入ちゃんが背中に抱き付いてきた。

む、胸が当たってる……

 

「ズルいのです。僕だって穹の彼女なのに……

(拗ねる羽入ちゃん、可愛い……)

 

本人は小声で聞こえないように言ってるつもりだが、

僕には丸聞こえだ……

そんなこんなで先に進んでると何やらデカい箱を見つけた。

よく見るとサイの絵が描かれている……

 

 

ーーバコンッ!!ーー

 

 

すると触れてもないのに箱が勝手に開いた。

出てきたのはサイだった。

そのまんまじゃん!!

 

「…………」

 

背中に乗れとでも言いたいのだろうか?

僕と羽入ちゃんをジッと見ている。

せっかくなので…………

 

「…よいしょっと。羽入ちゃん後ろに乗って?」

「あうあう、でもなんか怖いのです………」

 

僕達が乗ったのを確認したサイは、

とてつもない速さで走り出した。

もしかすると島風といい勝負ができるんじゃないかな?

 

「あ、あうあうあう~!?」

 

羽入ちゃんはあまりの速さで目を回していた。

それでも僕の腰辺りをガッチリと掴むという器用さ。

流石オヤシロ様だなー

すると目の前に看板が視えてきた…………

 

(…何か書いてある)

 

そこに書かれていたのは、

『ここから先、アニマル禁止!!』と表示されていた。

仕方がないのでサイに降ろしてもらった。

 

「ガウ」

 

するとサイはおにぎりとバナナを僕に渡すと、

その場から消えてしまった。

 

「「…………」」

 

 

とりあえず一言だけ言わせてもらいたい…………

 

 

 

 

 

 

 

 

どうせなら飲み物も一緒に欲しかったよ!?

 

 




読んでいただきありがとうございます。
このようにかなり短い文章になっております。
本日はありがとうございました。


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第2話 メインマストクライシス

ゆるポメラです。
続けて投稿します。
ロープアクションの基本って言ったらここだよね?

それではどうぞ。


サイ(後で知ったが名前はランビ)から貰った食べ物を

食べ終わった僕達は今、船のマストに来ています。

 

「た、高いのです………」

「羽入ちゃんは浮いてるから平気じゃないの?」

「で、でも怖いのです!」

 

ちなみに彼女は僕に憑依してる状態なので問題ない筈なんだが………

でもやっぱり神とはいえ、そこは女の子。

怖いものは怖いらしい………

 

(それにしても晴天だなぁ……)

 

ロープを使い登りながら思う。

ただ風が強い……

綱渡りしてるオレンジ色のワニを踏み倒しながら次のロープに飛び乗る。

 

「…よいしょっと」

「あうあう、穹、少し休みませんか?」

「そうだね。僕も疲れたし……」

 

ここまで登ってくるまで黒いクワガタとか、

オレンジ色のワニに遭遇してたからねぇ……

 

(…というか何でマストに大砲があるんだろ?)

 

魔法で紅茶の用意をして思ったが、

やたらとデカい大砲がマストにポツンと鎮座していたのだ。

まぁ…別に弄らないから関係ないけど……

 

「お茶請け…シュークリームでもいい?」

「シュークリーム!?」

 

シュークリームと聞いた羽入ちゃんがキラキラした目で詰め寄ってきた。

昔から大好きだもんねぇ……

ちなみに梨花ちゃんは甘いものはそこまで好きじゃない方。

 

「はい。どうぞ。」

「いただきますなのです♪」

 

美味しそうに頬張る羽入ちゃん。

あぁ……口の周りにクリームがついちゃってるよ。

 

「あう? どうかしましたか?」

「…いや、何でもないよ」

 

小首を傾げる彼女。

その動作に見惚れてしまっていたのは内緒である。

 

 

 

 

休憩を終えた僕達は、

再びロープを使い上へと登って行く……

 

(結構ロープの作りが凝ってるなぁ……ほんと)

 

今更気づいたけど、

ロープ自体の作りが結構頑丈だった。

他のロープも同じく多少乱暴に扱ってもいいように繊維も細かかった……

オレンジ色のワニがロープを登っては降りるという、ふざけた行動をしていたのか……

何のためにやってたのかは理解しがたいけど。

 

(…ロープ、ロープ……縛りプレイ?)

 

心が汚れているのか、

ロープであらぬ事を考えてしまった……

いや別にね? そういう趣味はないよ?

ただ単純に、どういう感じなのかなーって思っただけだし。

いや、それ以前にそんな事を考えた時点でアウトじゃん……

 

「あうあう、そろそろ頂上みたいなのです」

「…あれ? もう?」

「なのです♪」

 

なんかその言葉を聞くと電を思い出すよ。

特にカレーとシチューが……

そんなこんなでマストに飛び乗る。

 

「羽入ちゃんって視力は良い方だっけ?」

「はい♪ 僕の視力は…………………………秘密です♪」

 

これは俗に言う乙女の秘密とやらだろう。

よく羅奈と如月、クイナが使っていた単語だった気がする。

 

「ところで、こっからだと何が視える?」

「あう……そうですね…… ここからだと大きな鳥の巣しか視えないのですよ」

「…ほんとだ。ちょっとしか視えないけど鳥の巣があるね」

 

目を凝らして見ると、

羽入ちゃんが言ってた通り大きな鳥の巣がチラッと視えた。

どうやら船の先端付近のマストにあるようだ……

 

「…とりあえずここから下まで降りれるみたいだから行こっか?」

「あう!? 今度は飛び降りる気ですか!?」

「…それしかないからね」

「じゃあ僕は穹にしがみ付いているのです!」

「それは構わないけど……」

 

 

彼女の色んなところが体に当たるので、

どっちかっていうと怖さより理性が持つかどうか心配だった。

 




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。


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第3話 アスレチックデッキ

ゆるポメラです。
青い……というより水色のアニキが初登場したステージです。

それではどうぞ。


マストから飛び降りた僕達2人は、

甲板近くに来ていた……

大きな樽が積み木みたいに詰まれてる場所だった。

 

「いやー……スカイダイビングしてるみたいだったね?」

「ぼ、僕はそれどころじゃないのです………」

 

軽く感想を述べたところ、

ちょっとだけ涙目になりながら僕を見てきた羽入ちゃん。

飛び降りてる間、案の定、僕にしがみ付いてきた………

しかも………

 

『あうあうあうあうあうあうあうあうあう!?』

『羽入ちゃん!? あんま叫ぶと舌噛むから!!』

『怖いのです!! 怖いのですぅ~!!』

 

っていうやり取りが空中で行われていたのがほんの数秒前。

…で、彼女を慰めてるという状況に至ります。はい。

 

「うぅ…穹ぁ……」

 

しまいには泣き始めてしまった。

こうなってしまったら彼女は中々泣き止まない……

なので僕は手を繋いであげる事にした。

こうすると大抵の確率で泣き止んでくれるのだ。

 

「…落ち着いた?」

「はい…なのです……うぅ、最悪なのです…また穹に…こんな…

 

泣き止んだのはいいが、

顔を俯いていた。しかも気のせいか真っ赤な気がする……

証拠に耳辺りから蒸気が出ていた。

 

(とりあえず先に進むか……)

 

立ち止まっても埒が明かないので、

手を繋いだまま先に進む事にした……

 

(なんか水色のワニが親切なんだけど……)

 

ある程度進んだ時に思ったのだが、

水色の二足歩行で更に筋肉がガチムチなワニが僕と羽入ちゃんが通ると、親切に道を開けてくれたのだ……

しかもホッピングをしてるワニが邪魔しにくると、空気を読めと言わんばかりに拳骨をかましてズルズルと引き摺って立ち去って行った。

 

(…あれ? もしかしてワニにも良い奴と悪い奴がいるのかな?)

 

一瞬そう思ったが、

もしかすると偶然なのかもしれないので保留という事にする。

 

「…あっ、道が断絶されてる」

 

先に進もうとしたが、

道が断絶されていて通れなくなってしまっていた……

遠回りをしようにも通れる場所がない。

 

「僕が先に行って何か使えないか見て来るので穹はここで待っててください」

「…1人で大丈夫?」

「あう♪ 大丈夫なのです♪」

 

そう言うと羽入ちゃんは、

断絶された道の先に飛んで行った。

しばらくすると……

 

「穹~、ロープを見つけたのです~」

 

羽入ちゃんがロープを僕に見せてきた。

結構な長さだな……

何かに使えないかと思い上空を見ると、フックがぶら下がっていた。

あ、これは使えるかも♪

 

「羽入ちゃんー、そのロープをそこのフック目掛けて投げてくれなーい?」

「分かったのです~」

 

フックに狙いを定めロープを投げる羽入ちゃん。

するとどうだろうか?

ロープは見事にフックに引っかかった。

 

(これなら……)

 

ロープに向かって飛び乗り、

それを伝いながら羽入ちゃんが待つ向こう岸まで移動する。

結構スイスイ行けるな……

 

「よいしょっと。羽入ちゃん、手伝ってくれてありがとね?」

「僕にかかればちょちょいのちょい、なのです♪」

「あはは、そうだね?」

 

気づけば夕方になっていた。

あ! あんなところに小屋がある。

今日は遅いしあそこで休もうと僕が提案すると……

 

「あ、あうあう……/// な、なんか意味深なのですよ……///

 

 

顔を真っ赤にしながら、

コクコクと頷く彼女が居ました。

…僕、何か変な事でも言っちゃったのかな……?

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。


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第4話 ふなぞこダイビング

ゆるポメラです。
今回は羽入ちゃん視点にしてみました。

それではどうぞ。


あうあうあう。

おはようございますなのです。

昨夜は穹と激しい夜を明かしたのですよ♪

 

「羽入ちゃん、今何か危ない単語とか言わなかった?」

「あう? 僕は何も言ってないのですよ?」

「ならいいけど……」

 

今日は甲板近くの床……というか船底に穴が空いていたので、

そこを調査する事になったのです。

 

「…これもしかすると泳ぐ破目になるかもしれない」

「息継ぎとかは大丈夫なのですか?」

「…魔法とかでなんとかするけど、羽入ちゃんは大丈夫なの?」

「僕は神ですから平気なのですよ♪」

 

仮にも雛見沢の守り神なのです!

実体化してた状態なら普通の人と変わりないのですが、

今はいつもの特定の人しか視えない(神の状態)ですので問題ないのですぅ♪

 

「…シュノーケルの装備完了。じゃあ行きますか」

 

なんかシュノーケルだけを装備した穹は、

凄くシュールなのです……

よく見たら雛見沢の駄菓子屋で当てたヤツです。

もしかしてずっと持っていたのでしょうか……?

 

「水中だと動くのが難しいんだけど……」

 

泳ぎながら穹が愚痴る。

そりゃそうなのですよ、地上と違って水中では、

また違った運動エネルギーが必要ですからね。

 

(あう? あの箱は一体なんでしょうか?)

 

少し気になった僕は、

穹を呼び、箱の近くまで向かいました。

これは……カジキか何かの絵が描かれているのですよ。

 

 

ーーバコンッ!!ーー

 

 

 

すると触れてもないのに箱から現れたのは、

青いカジキだったのです!

あうあう…… 近くで見ると大きいのです……

 

「…これって背中に乗れって事なのかな?」

「ジッと見ているという事は乗っても問題ないかと思いますよ?」

 

背中に乗った僕と穹を確認し終えたカジキは、

スイスイと泳ぎ始めたのです。

やっぱり海の生き物の泳ぐ速さは凄いと思いますです……

 

「ふと思ったんだけど、ここの生き物って食べれるのかな?」

 

穹が呟く。

ここの水中にいたのは、

赤いピラニア、ヒトデ、クラゲのような何かでした。

 

「食べれない事はないと思いますよ? クラゲは調理が難しいだけなのです」

「一応……ヒトデは食べれるんだよね?」

「あう。ウニやナマコと同じ棘皮系なんで食べれますですよ」

 

…ただ、食には向かないので一般的には食べないのですが、

一部地域では卵を食すところもあるので、ヒトデは食べれるのです!

 

「よし! 今日のお昼ご飯は魚料理だー」

「あうあう。それなら僕は魚のあら汁とお刺身が食べたいのです」

「覚悟しろ! 魚どもー!!」

「なのですー!!」

 

カジキに頼んで、

そこら辺のピラニアとヒトデ達を捕獲しまくりました。

もちろん僕も手伝ったのですよ!(ドヤァ)

 

 




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。



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第5話 ラトリー登場

ゆるポメラです。
ラトリーが初登場したステージです。
スーパージャンプの操作に慣れるまで大変だったなぁ……

それではどうぞ。


僕達は再びマストに来ていた。

なのだが……

 

「「なんで雨!?」」

 

そうなのだ。

このマストに登った途端、

雨がザーザーと降ってきたのだ……

 

「羽入ちゃん、大丈b……」

「あうあう……びしょびしょなのです……」

 

どうしよう……

羽入ちゃんの巫女服が…その……雨で透けてる……

水も滴るいい女……この場合はオヤシロ様だけど。

 

「と、とりあえず先に行こっか……」

「あう? 穹、なんで顔が赤いのですか?」

「気のせい! 100%気のせいだから!」

 

絶対に言えない……

巫女服が透けてて色っぽいよだなんて……///

 

「あ! また大きな箱があるのです!」

 

良かった……気づかれなくて……

彼女が指を差した方を見ると蛇の絵が描かれた箱があった。

もしかしてランビとカジキ(名前を訊いたらエンガード)と同じなんだろうか?

 

 

ーーバコンッ!!ーー

 

 

すると箱から現れたのは、

目をパチクリとした大きな蛇だった。

なんか可愛いかも……

 

「♪」

 

背中に乗れとでも言ってるのだろうか?

蛇は僕と羽入ちゃんが乗るのを待っている……

 

(意外と狭いな…… あと羽入ちゃんの胸が背中に当たってる///)

 

雨が降ってるせいか、

ふくよかな感触がいつも以上に直に伝わってくる……

いけない……邪な考えをしないようにしないと……

そう思っていたら蛇がピョンピョンと跳ねながら動き出した。

 

「ちょっと待って!? バランスとか取りにくいんだけど!?」

「んぁ♡ はぁん♡ そんなに激しく揺らさないでくださいなのですぅ♡」

「羽入ちゃん、変な声出さないでよ!?」

「んぁ♡ だって僕のが穹に当たって…… はにゅん♡」

 

 

 

────自主規制なやり取りから10分経過……

 

 

 

 

「「はぁ……はぁ……」」

 

蛇のおかげで、

なんとかのマストの頂上付近まで着いた僕達2人だが、

ちょっとそれどころじゃない……

何故なら、ここに辿り着くまで羽入ちゃんが艶めかしい声を出していて僕の精神と理性が削られそうだったのだ……

 

(…ここから例の鳥の巣とか見えないかな?)

 

以前のマストの頂上で薄っすら視えた鳥の巣が視えるか確認する。

…がしかし、雨粒で中々視えない。

どうにかして視えないかなーと思った時、何かが足元に当たった……

 

「……弓?」

 

その正体は弓だった。

しかも見た事がある弓だった。他に何かないか探すと、

折れた矢が3本程落ちていた……

 

(…もしかして、迎撃しようとしたら攫われた?)

 

実はこの弓は、

艦娘の物である。何故なら僕と羅奈が作ってあげた物だからだ。

製作に携わった僕には分かる……

間違いなく、あの子のだ……

 

「あう!? 何か視えるのです!!」

「ビックリした……」

 

ていうか復活早いね……流石オヤシロ様。

 

「ねぇ!! 前に見つけた鳥の巣って視える!?」

「視えますです!! あう!? 誰かが巣に倒れているのです!!」

「それって人?」

「少なくとも人のようです! ただ嫌な予感がしますです!」

「それは同感。早く鳥の巣があるマストに行かないと!」

「なのです!」

 

 

僕達2人は、

鳥の巣がある最後のマストに向かう為、

急いで今いる場所から飛び降りた……

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。




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第6話 対戦! ボス・ゾッキー

ゆるポメラです。
第1章最後になります。

それではどうぞ。


最後のマストに到達すると、

確かに巨大な鳥の巣があった。

 

「…何あれ? 卵かな?」

「あうあう…… 普通の鳥の卵の割には大きいのです」

 

鳥の巣には巨大な卵が置かれていた。

それにしても……

 

「あれ1個でどのくらいのたんぱく源が摂れるんだろうね?」

「きっと充分過ぎるくらいありますですよ♪」

「だよねー♪」

 

羽入ちゃんと話してた時だった……

 

「ギャーオー!!」

「「…………え?」」

 

何やら上空から鳴き声したので、

視線を向けると海賊ハットを被った巨大な鷹が佇んでいた………

いやいや、デカ過ぎでしょ!?

 

「ま、まさか…この卵って……」

「あうあうあう……ここここ………この鷹だったのですか!?」

 

あまりのデカさに驚く僕達。

すると鷹が襲いかかってきた……

咄嗟に僕達は避ける。

 

『羽入ちゃん、危ないから僕に憑依してて?』

「は、はいなのです!」

 

羽入ちゃんに念話を送り自分の身体に憑依させる。

これはオヤシロ様の血統を持つ者か、それに(ゆかり)ある者しか行えない方法で僕の場合は少し特殊で()()()()の転生体なのだ……

まぁ、この話は別の機会に話そう。

 

「…オヤシロモード起動」

 

次に発動させたのは一種の戦闘モード。

これは常に雛見沢症候群のレベルを5にする事で身体能力を限界まで引き出す事ができる僕と羅奈しかできない魔法のような物………

 

『あうあう! 穹、あの鷹何かやらかそうとしてるのです!』

 

警告を聞いた僕が上空を見上げると、

卵を足で掴みこっちに落とそうとしてきた……

おい!! 自分の卵を落とすんかい!!

 

(もしかして………)

 

まさかと思い、卵が着地したのを狙い卵を踏み、

落ちる衝撃を和らげ卵を手に持ち、鷹に思い切り投げ返す……

 

「ギャーオッー!?」

 

投げた卵は鷹の腹に直撃し、

苦痛の悲鳴を上げ始めた………

すると今度は柱に激突し、その衝撃から巣から卵が落下してきた。

 

『あうあう!? たんぱく源がもったいないのです!』

「全くだよ!」

 

避けながら愚痴る僕達。

恐らく下の甲板では卵の中身がぶちまけられてるに違いない……

全く! あの卵1個で、どれだけの目玉焼きが作れると……

 

『っ!? 穹!! アレを!!!』

 

羽入ちゃんの声で上空を見上げる。

するととんでもない光景を目にした。

鷹が何かを落とそうとしていた。卵ではなく、銀髪のロングヘアーの女性を落とそうとしている……

 

(っ!? 翔鶴!?)

 

その女性の正体は艦娘の1人、翔鶴だった。

気絶しているのか分からないが、ぐったりしていた……

すると鷹はニヤリと笑い彼女を掴んでいた足を放した。

 

(くそ…… 間に合え!!)

 

いくら艦娘いえども、

この高さから落ちたらひとたまりもないと思った僕は、

思い切りジャンプし、翔鶴を抱える。

 

「…お前は消えろ!! ハゲ鷹!!!」

 

ちょうど着地した場所に卵が落ちていたので、

鷹に向かって思い切り投げ飛ばす。

 

「ギャーオー!? ギャ……オー……ギャオー……

 

さっきより加速力が付いた卵を直撃した鷹は、

その場に倒れ込み絶命した……

それを確認した僕は憑依状態とオヤシロモードを解除した。

 

「あうあう…… この子、目を覚ましませんが大丈夫なのですか?」

「気絶してるだけだと思うけど……」

 

羽入ちゃんが心配そうに言う。

もし死んでた場合、僕の持ってる艦娘カードが消滅する筈なのだ……

そう思ってた時……

 

「ぅ……」

 

翔鶴が目を覚ました。

 

「…良かったぁ。翔鶴、大丈夫?」

「穹? あっ、そうでした…… 私、あの大きな鷹に攫われて…… 痛ッ!?」

「無理しないで。怪我とかしてるんだから……」

 

よく見たら、

あのハゲ鷹にやられたであろう切り傷が少し残ってたので回復魔法をかける。

治療中、少し疑問に浮かんだ事があった。

 

「…ねぇ翔鶴? 他の艦娘のみんなは知らない?」

「分かりません…… ただ、何か光る物体があそこの洞窟でいいのかしら? うっすらと視えた気がしたわ」

 

ここからだと確かに、ワニの形をした洞窟が確認できた。

もしかするとあそこに何か手掛かりがあるのかもしれない……

 

「…あ、そうだ。はい、翔鶴の弓。拾っておいたよ?」

「あ、ありがとう……///」

僕の知らない間に穹に女が増えているのです……

 

 

羽入ちゃんが何か言ってる気がしたが、

僕には聞こえなかった……




読んでいただきありがとうございます。
次回から第2章になります。
本日はありがとうございました。



取り戻した穹の艦娘

翔鶴、???、???、???、???、???、???


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第2章 マグマの洞窟 クロコドーム
第7話 溶岩クロコジャンプ


ゆるポメラです。
第2章『マグマの洞窟クロコドーム』始まります。
2でスクイッターが初登場したステージになります。

それではどうぞ。


翔鶴を助け出した僕達は、

ワニの形をした洞窟内にいます……

 

「あ、熱い……」

「な、なのです……」

 

いやー……熱い、熱い。

とにかく熱い!!

洞窟に入った時点で熱気が凄いと思ったけど、

まさかここまでとは思わなかったよ……

 

(ほんとに何か手掛かりがあればいいんだけど……)

 

翔鶴が言うには、

この洞窟に何か光る物体が視えたらしい。

表現が曖昧だが奥まで進んで捜すしかないだろうなぁ……

 

「あう…… 熱いので服を脱ぎたいのですよ……」

「お願いだから脱ぐのは止めてね?」

 

割と本気で巫女服を脱ごうとした羽入ちゃんを止める。

せめて半袖版の巫女服にしたらと提案すると……

 

「…水着じゃダメなのですか?」

 

上目遣いでお願いされたが却下した。

そんな事されたら僕の理性が持たないよ……

こんな暑い場所で水着になられたら、羽入ちゃんの汗ばんだ姿や、

言いにくいが…その… お胸様を直視してしまいそうだからである……

 

「………………別に僕は見られても気にしないのですよ

「何か言った?」

「なんでもないのです。とりあえず半袖で我慢するのです」

 

その場で一回転すると、

あら不思議! 半袖版の巫女服を着用した羽入ちゃんの姿が。

 

「提案した僕が言うのもなんだけど、久しぶりに見たかも」

「そうですね、梨花達とプールに行った時以来ですね」

 

そういえばあの時は、

圭一兄とソウルブラザーズの皆さんがはっちゃけてたっけ……

しょうもない事で機動隊の皆さんが動いたり、富竹さんが胸板で弾丸を防いだりと何とも言えない休日だったのは今でも覚えてる。

 

「あ! また大きな箱があるのですよ」

 

羽入ちゃんが指を差した方に目をやると、

そこには蜘蛛の絵が描かれている大きな箱があった。

…えっ? まさか今度は蜘蛛が入ってるの……?

 

 

ーーバコンッ!!ーー

 

 

箱から現れたのは、靴を履いた蜘蛛だった。

なんかオシャレさんだな……

ここまでくると背中に乗れって事なのだろう……

 

「あうあう♪ 意外と座り心地が良いのですよ♪」

「確かに。…なんかクッションみたい」

 

蜘蛛の背中は、

ふかふかのクッションみたいで座り心地が良い……

蜘蛛の背中に乗れるというのは普通は体験できないと思うんだけどね……

 

「それにしても、溶岩に浸かっているワニは熱くないのでしょうか?」

 

羽入ちゃんが呟く。

実は蜘蛛に会うまで溶岩に浸かっているワニの頭を踏んできたのだ。

踏んでもワニは何ともいわずボーっとしていた……

 

「さしずめ……ジャンプ台?」

「その言い方だと……なんか踏み台みたいに聞こえるのです」

「…まぁ、要は言い方だよ。うん……」

 

そんな話をしながら先に進むと、

断絶した場所を発見した。

下手に進めば溶岩に落ちてシャレにならない……

 

「グプッ!!」

 

 

すると蜘蛛が自分の蜘蛛の巣を吐き出し足場を作ったではないか!

 

「…そっか。これを利用して向こうに行けば……」

「奥まで行けるのです!」

 

 

もしかして、

この蜘蛛って天才!?

その後も僕達2人は蜘蛛の助けで奥まで進む事ができた。

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。



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第8話 タルタル鉱山

ゆるポメラです。
このステージは樽の発射調整が難しかったですね……

それではどうぞ。


「…涼しい」

「なのです~♪」

 

クソ熱い溶岩地帯から一変、

僕達2人は鉱山に来ていた。

さっきとは打って変わって気温が涼しい……

 

「それにしても高いね……」

「ですね。それにしてもどうやって上まで登りましょうか……」

「うーん……」

 

そうなのだ。

上に登ろうにもハシゴや階段といった物がないのだ……

なので登る手段が見つからないのである。

 

「…羽入ちゃんの神通力でなんとかならない?」

「弾丸を止めるといった事ならできますけど、そういった事は無理なのです……」

「だよね……」

 

ちょうどそんな時だった。

少し先のところに1個の樽があった……

近くまで行き、調べて見ると導火線を発見した。

 

「あう♪ いい事を思いついたのです♪ これを使って上まで登ればいいんじゃないでしょうか?」

「…そんなに上手くいくかな?」

「あうあう、物は試しなのです!」

 

まぁ…一理あるかもしれないので、

早速、樽の中に入り導火線に火を点ける……

すると……

 

 

ーードッカーン!!!ーー

 

 

自動的に発射され見事に上の足場まで到達できた。

 

 

「……やってみるもんだね?」

「あうあう…… 僕もまさか行けるとは思わなかったのですよ」

 

普通、樽を大砲の要領で使って上に登るという発想はできない……

しかも使ってみて分かったのが、樽の中で発射したい方向を調整できるという点だ。

これを考えた人は天才だと思う……

 

「あうあう! この調子でドッカンドッカン進むのです」

「ドッカンドッカンって……」

 

しかも今いる場所から上を見上げると、

至る所にさっきと同じ樽が置いてあった……

あー……これだとホントに羽入ちゃんの言う通り、

ドッカンドッカン進んで行くしかないみたいだなぁ……

 

「さあ穹! 次の樽の中に入るのです!」

「えっ…? ちょっ……そんなに急かさないで……」

 

次の樽の中に入ると、

羽入ちゃんがえいや!っと言いながら入ってきた。

それにしても……

 

(羽入ちゃんの顔が近い……///)

 

樽の中は、

そんなに狭くはないが2人分で精一杯だ。

その為、羽入ちゃんとの密着度がヤバい……

現に今も……

 

「ひゃん♡」

「あ…… ご、ごめん……」

 

彼女の胸とかが僕の腕に当たってしまう為、

変な声を上げているのです……

しかも彼女の吐息が直に伝わってくる。

 

「なんだったらこの樽の中でシますか?」

「魅力的な提案だけど、とりあえず危ない発言を自重しようか?」

 

気のせいだと思いたいが、

この世界(カケラ)に来てから彼女が危ない発言をしてると思うのは、

僕だけなんだろうか……?

 

「あうあう♡ そういう事を言われると余計に……」

「発射!! 発射!! 樽大砲っ!! 今すぐ発射だー!?」

 

 

この先の記憶は覚えてない。

ただ、必死だったのだけは覚えてる……

頂上に着いてからも羽入ちゃんが僕の腕を絡ませながら、

上機嫌で鼻歌をしてたのしか分からなかった……

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。


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第9話 灼熱ダイビング

ゆるポメラです。
このステージは、アザラシのクラッパーの活躍ですね。
GBA版だと冷却した後、熱湯に戻るまでの時間が速くなってるんですよね……

それではどうぞ。


「ねぇ、羽入ちゃん……」

「なんですか?」

「このまま海に飛び込んだらどうなる?」

「死にますね。確実に」

 

鉱山から降りた僕達2人は、

壊れた船の地下に来たんだけど……

泳がなきゃ先に進めない場所なんだけど()()()()()です。

 

「…しかもボコボコいってるよ」

「それ以前に海というよりは溶岩なのですよ」

 

海が真っ赤な理由。

それは羽入ちゃんが今言った通り、溶岩もといマグマだから……

しかも熱気がするので暑い……

 

「このマグマを何とかできればいいんだけど……」

「グワッ♪ グワッァ♪」

 

なにか鳴き声がしたので、

声の主を捜すとアザラシがいた……

何故こんなところにいるのだろうか……?

 

「グワッ♪ グワッァ♪」

 

するとアザラシは口から何かを吐き出した。

吐き出されたモノは溶岩に入ると色が赤から青に変化した。

見た感じだと海みたいだけど……

 

「あうあう、触ってみると全然熱くないのですよ」

「…ほんとだ。全然熱くない」

「グワッ♪ グワッァ♪」

 

もしかして冷却されたのかな?

それなら好都合だと思った僕はシュノーケルを装備し、

海に飛び込み泳いで先に進む事にした。

 

「あうあう。穹、どうしてそんなに速く泳いでいるのですか?」

「…いくら冷却されたとはいえ、時間が経ったらまた戻っちゃう可能性があるから」

「あう!? それは流石に嫌なのです!!」

 

今はまだ冷たいけど……

更に先に進んで下辺りに泳ぐとカジキの絵が描かれている箱を見つけた。

 

 

 

ーーバコンッ!!ーー

 

 

 

箱から現れたのは、

カジキのエンガード。

相変わらず鋭い鼻を持ってるね……

 

「悪いんだけど、また乗せてもらってもいい?」

「あうあう、僕達溶けたくないのです~」

 

事情を察してくれたのか

エンガードは快く僕達2人を背中に乗せてくれた。

しばらくそのまま泳いでいたのだが……

 

(…暑くなってきたな。水温が戻ってきた)

 

冷たかった水が徐々にぬるくなってきたのが分かる。

しかも気温も暑くなってきたのだ……

このままだと元のマグマの海に戻ってしまうのは明白だった……

 

「あうあう! 水がうっすらと赤くなってきてるのですー!」

 

エンガードのお陰で、

なんとか早めに進んではいるが時間の問題だった。

すると……

 

「グワッ♪ グワッァ♪」

 

先程のアザラシが陸に上がっていた。

ちょうどギリギリ真っ赤になりそうなところで、

口から冷却する水?のようなモノを吐き出してくれた……

なんとか助かったよ……

 

「グワッ グワッ……」

 

今度はアザラシが困った表情をしながら、

目の前にある壁を首で示した。

 

「もしかしてここが出口なのかな?」

「あう……でもなかなか強固な壁みたいですよ?」

 

するとエンガードが任せろと言わんばかりに、

アザラシを背中に乗せ、自身の体をくねらせ壁に向かって……

 

 

ーーボカンッ!!ーー

 

 

 

加速力を付けた突進で見事に壁を粉砕した。

そういえばカジキって、あの尖った鼻で獲物とかを仕留めるんだよね……

あんなのを人間に使われたらたまったもんじゃないなぁと、

カジキの危険性を改めて知った僕だった。

 




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。


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第10話 熱気球ライド

ゆるポメラです。
1月もそろそろ終わりですね……

それではどうぞ。


「眺めがいいね……」

「ですぅ…… これで景色が溶岩じゃなければ最高なんですが」

「…まぁ…そうだけど……」

 

僕達は気球に乗っています。

気球といっても溶岩の熱気を利用した物で、別の気球に

乗り継いだりと移動してるので移動する際は大変だけど……

 

 

ぐぐぅ~……

 

何やら隣からすごい音がしたので、

チラッと視線を向けると羽入ちゃんが顔を赤くしながら俯いていた。

どうやら彼女のお腹の音のようだ……

 

「あ、あうあう……///」

「お腹……空いたの?」

「あう!? そ、そんな事は……」

 

 

ぐぎゅるる~……

 

口では否定してるが、

お腹は正直なようだ。それにしてもさっきより凄い音だね……

 

(…何かなかったかぁ?)

 

腰に付けてあるポーチの中から何か食べ物はないか探す。

するとちょうどいい物を発見した。

 

「ここに来る途中で作った蒸しパンがあるけど……食べる?」

 

そう。蒸しパンである。

実は海賊船にいた、あの馬鹿デカい海賊ハットを被った鷹が所持していた卵を材料に作った僕の手作りである……

 

「食べるのです♪」

「…はい。こぼさないようにね?」

「いただきますなのです♪」

 

蒸しパンを口に運びハムハムと食べる彼女。

その姿はまるでハムスターのようだった。

証拠に両頬が膨らんでいる……

 

「? 穹、どうかしましたか?」

「んー? 美味しそうに食べる羽入ちゃんが可愛いなぁーって……」

「っ!? い、いきなりなんですか!?」

「…あれ? 声に出してた?」

あうあう……そういう不意打ちはズルいのです……///

 

どうやら声に出してしまったらしい……

当の彼女は顔を真っ赤にしながら何かを呟いていた。

 

「あ、あの……/// 穹!」

 

すると食べかけ……というか、

一口サイズにちぎった蒸しパンを僕に向けている羽入ちゃんがいらっしゃった……

Why……?

 

「あ、あ~ん……」

「は、羽入ちゃん? これは一体……?」

「ぼ、僕だけ食べるなんて不公平なのです。それとも…こういう事をされるのは嫌でしたか……?」

 

…あのさ?

上目遣いは反則だと思うんだよ僕。

一部の人しか視認できない美人な女の子(オヤシロ様)から、あ~んなんてされるなんて

思ってもなかったし……っていうか、よくよく考えたら僕の彼女じゃん……

 

「い、嫌じゃないよ!? そういう訳じゃないっていうか……」

「そ、それならいいですよね? だって僕達……夫婦なんですから///

 

後半辺り何て言ったのか聞こえなかったけど、

されるがままになりました……

 

「あ、あ~ん……」

「あー…ん、むぐ……」

「お、美味しいですか?」

「…う、うん。我ながら良い出来だと思う……」

「「…………///」」

 

 

出口に着くまで、

僕達2人はお互いの顔が見れなかった……

は、恥ずかしい……///

 




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。


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第11話 スコークス鉱山

ゆるポメラです。
こちらの小説投稿も久しぶりになります。
今回は口からタマゴを吐き出し、オタケさんの愛称で慕われてる
スコークスが出てきたステージです。

それではどうぞ。


クソ熱かった溶岩から再び、

鉱山に来た僕と羽入ちゃんは中間地点で休憩を取っていた。

 

「だいぶ登ってきたっぽいね……」

「あうあう、でもまだ半分もあるのです」

「…あと半分かぁ、はぁ……怠い」

 

実を言うと、

ここに来るまですら大変だった。

何故なら、かぎ爪を投げてくるワニを避けたりしたからだ。

ほんとは攻撃してもよかったのだが、そんな事をすると足場が無くなってしまうのだ。

現に今、こうやって休憩してるのである。

 

「さて、そろそろ行こっか……ってあれ?」

「あう? どうかしたのですか?」

「…今気づいたんだけどさ、あの箱……なんだろね?」

「あっ! ほんとなのです。僕も今気づきましたのです」

 

羽入ちゃんのちょうど後ろ辺りに、

鳥の絵が描かれている大きな箱がポツンと置いてあった。

この流れだと……多分……

 

 

ーーバコンッ!!ーー

 

 

 

 

 

箱から現れたのは、緑色の鳥だった。

訂正。正確にはオウムだった。くえ~と鳴いている。

足に捕まればいいのだろうか?

 

「…この子に手伝ってもらうとしても……僕達2人運べるのかな?」

「クエ~?」

 

ちょっとした問題が発生した。

それは僕と羽入ちゃんを運んで移動できるのかだった……

1人ならなんとかなりそうだが、2人となると明らかにオウムに負担がかかるのは目に見えていた……

その事を羽入ちゃんに伝えると……

 

「あうあう♪ それなら僕にいい考えがあるのです♪」

「…例えば?」

「こうするのです♪ へ~ん~し~ん♪」

 

そう言った瞬間、

光が現れ彼女を包み込んだ……

うわっ!? 眩しい……!?

そして光が収まると、そこにいたのは……

 

「…えっと、羽入ちゃん?」

「はいなのです♪」

 

身長が約30cm程まで縮んだ羽入ちゃんがいた。

 

「実を言うとですね? とあるカケラで手に入れた力なのです(ドヤァ!)」

「そういえばそんなカケラがあったような気が……」

 

思考を巡らせると確かにあった。

梨花ちゃんと沙都子ちゃんが魔法少女の格好をしてたアレかな?

……うん。絶対にそのカケラだわ。

 

「どうですか穹? 可愛いですか?」

 

僕の手のひらでクルリと一回転する羽入ちゃん。

うん、これは……

 

「えっと…その……可愛いよ? すっごく……」

 

それ以外に言葉が見つかりませんでした。はい。

 

「あ、ありがとうなのです……その表情でその言葉はズルいのです さ、さぁ! これで準備完了なのです!」

 

途中、何を言ってるか分からなかったけど……ま、いっか。

羽入ちゃんを肩に乗せた僕は緑色のオウムの足に掴まった……

 

「じゃあよろしくね? えっと……」

「クア~♪」

「スコークスね? それじゃあ頂上までよろしくね?」

「クア~♪」

 

緑色のオウム改め、スコークスは、

任せろと言わんばかりの鳴き声を上げると翼を大きく羽ばたかせ、

鉱山の頂上を目指して飛んで行った……

 

「あうあう♪ まるで気球に乗って飛んでいるみたいなのです♪」

「羽入ちゃん? お願いだから落ちないようにね?」

 

 

道中、はしゃいでいる羽入ちゃんを落ちつかせるのが大変だった。

 




読んでいただきありがとうございます。
17.9のタグを後で追加をしときます(薄々思った)
次回はボス戦と艦娘の登場です。
本日はありがとうございました。


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第12話 激突! ボス・クリーバー

ゆるポメラです。
第2章最後になります。

それではどうぞ。


「ここが頂上?」

「みたい……ですね、暑いですが」

 

スコークスの助けを借りて、

鉱山の頂上まで来た僕と羽入ちゃん。

 

「あの洞窟みたいな入口が怪しいね」

「なのです。それになんか人の気配がするのです……」

 

羽入ちゃん曰く、

目の前にある洞窟の奥から人の気配がするとの事。

上を見上げると、洞窟というよりは火山の中に進む通路のようだ……

 

(()、ねぇ……)

 

少し疑問に思いつつも、

僕達は洞窟の中に足を踏み入れた……

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「あうあう、完全に火山の中なのです」

「そうだね……落ちたら溶けちゃうのは確定だね」

 

辺りは溶岩一帯になっていた。

火山の火口……そして、この洞窟の中心といってもいいだろう……

 

「…ん?」

「あう? 穹、どうかしましたか?」

「いや、一瞬……殺気みたいなの感じた……」

 

そういえば、ついさっき羽入ちゃんが言ってたな……

人の気配がするって……

ちょうどその時、上空から凄まじい殺気が近づいてきた。

 

「「っ!?」」

 

すぐさま背後に避ける。

襲ってきた正体は煙でよく見えない……

 

(人……?)

 

薄っすらだが、セーラー服と

サイドテールのような髪型が視認できた。

そして煙が晴れ、そこに佇んでいたのは……

 

「は、春雨……?」

「………………」

 

ピンク髪を左側頭部で黒紐を片括りしたサイドテール。

そして毛先に水色のグラデーション……

見間違う筈がない。艦娘の春雨だった。

しかし紅色の瞳にハイライトが無く、凄まじい殺気を放っていた……

 

「この子……よ、様子がおかしくないですか?」

 

羽入ちゃんが言った通り、

明らかに様子がおかしい……

その答えは春雨が右手に持っていた髑髏のような剣だった。

 

(まさか……あの剣に操られてる?)

 

そう思った瞬間、

再び春雨が襲いかかってきた。

すぐさま羽入ちゃんを抱えて上空に跳びあがり……

 

「……オヤシロモード起動」

 

羽入ちゃんを僕の身体に憑依させた。

狙いを外した春雨は持っていた髑髏の剣を振るう。

すると、剣先から火球が飛んできた。

 

『あうあう!! 穹!! あんなのに当たったら火傷じゃ済まないのですう!?』

「分かってる!」

 

急いで辺りを見回すと、

どういう原理か分からないが上空にフックを発見した。

袖に隠してあるペンデュラムを取り出し、フックに引っかけて向こう岸にロープアクションの要領で移動する……

 

「あの剣自体を破壊できればいいんだけど……」

『幸い、アレ自体は()()()()を刃に当てれば破壊できるみたいなのです』

「硬い物体っていっても……」

 

春雨を操ってる剣を倒す方法は分かった。

だが、肝心の硬い物体が見当たらない……

 

 

ゴトッ────

 

 

何やら足元に鈍い音がしたので目を向けると、

一回り大きい鉄球が落ちていた。

もしかしたら、これを使えば…………

 

「……………」

『あうあう!! また近づいてきましたのですう!!』

 

チャンスは1度だけ……

深呼吸をし、狙いを定める。

 

「────っ!?」

「よし、狙い通り突っ込んで来てくれた」

 

今やった事は、

春雨を僕がいる位置にギリギリまで引きつけ、

ペンデュラムと魔法を組み合わせ四肢を縛り上げた。

すると剣が暴れ出した。その瞬間を狙い僕は鉄球を思い切り投げた。

 

「グギュウ……………グギュ……………ウ……………」

 

鉄球は剣の刃に当たり見事に砕け散り、

剣の化け物は唸り声を上げ、溶岩の中に沈んでいった。

 

「ぅ……あ、あれ? 春雨はなんで縛られているんでしょうか………?」

 

すると春雨が意識を取り戻した。

やば…拘束を解いてなかった。

僕は慌てて魔法を解除する……

 

「春雨、どこか痛いところとかない?」

「えっと…強いて言うなら縛られていたところが……」

「ごめんなさい」

 

その言葉を聞いた僕は、

すぐさま春雨に土下座をした。

 

「え、えっ!? どうして穹が謝るの?」

「いや……助ける為とはいえ、春雨にあんな事しちゃったから……」

「ううん。気にしてないから顔を上げて?」

 

春雨の許し?がでたようなので、

顔を上げる僕。

 

「……ほんとにゴメン」

「ほんとに気にしてないから平気だよ♪ それにちょっと気持ち良かったし……///

「えっ? 何か言った?」

「ううん♪ なんでもないの♪」

 

なんで春雨は顔を赤らめてるんだろう?

そう思っていると……

 

『穹? 後で僕にちゃんと説明してくださいね?』

『とりあえずここを出てからでもいい?』

『それもそうですね。』

 

羽入ちゃんがドスの効いた低い念話を送ってきた。

とりあえず春雨を連れて先に進む事にした……

その前に羽入ちゃんに色々と説明しなきゃいけないけどね?

 

『穹? 今夜は寝かしませんよ?』

 

……えっ!?




読んでいただきありがとうございます。
次回から第3章になります。
本日はありがとうございました。


取り戻した穹の艦娘

翔鶴、春雨、???、???、???、???、???


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第3章 船の墓場 クレムクエイ
第13話 回転タルさんばし


ゆるポメラです。
第3章『船の墓場クレムクエイ』始まります。
このワールドから難易度が上がったのは今でも覚えてます……
尚、今回の話では肝心のタルが出てません。
いや、出るには出るんですが……(苦笑)

それではどうぞ。


春雨を助けた僕達は、

マグマの洞窟を抜け出し、湿地帯を歩いてた……

 

「どこもかしこも沼なのです!」

「向こう側に船の残骸とかも視えるしね」

「あうあう、薄気味悪いのですう……」

 

周りを見渡すと、

あるのは船の残骸や樽等が殆どだった。

それにしても沼臭い……

そう思っていると、前方に樽を見つけた。

 

「…これってもしかして鉱山で見た樽かな?」

「みたいですね。でも導火線が湿ってるみたいなのです」

 

これはちょっと参った。

念の為に導火線に触ってみたが羽入ちゃんの言う通り、

湿っていた。

これでは火を点けても直ぐに消えてしまう……

 

「もしかして、この先に視える樽も同じなのかな……」

「あうあう、なんかそうっぽいのです……」

 

嫌な予想というのは、

大抵の確率でよく当たる。

さてさて、どうしたものか……

 

「ここから飛べればいいんだけど……」

 

要は飛べればいいのだ。

しかし生憎、僕は飛行魔法は持ってない。

海面を走ったりならできるんだけどね……

 

「あの……穹?」

「ん? なに?」

「僕から1つ、提案があるのですが……」

「…えっ? あるの?」

「は、はい……///」

 

羽入ちゃんが何やら提案をしてきた。

しかし何故か顔を赤くしていた……

何か言いにくい事なのかな?

そう思った時……

 

「ぼ、僕がその……穹を運んで……あ、あげるのです!!」

 

恥ずかしがりながらも言い切った。

羽入ちゃんが僕を運ぶだって?

まさかと思いつつも彼女に確認してみる。

 

「…それってまさか、僕を抱えて運ぶとかじゃないよね?」

「それ以上は女の子に言わせないので欲しいのです……///」

「やだよー、それ……」

「あう!? 何故なのですか!!」

「…常識的に考えておかしいじゃん……」

 

何が悲しくて女の子に運ばれなきゃいけないのさ……

 

「それなら穹は何か他に打開策があるというのですか?」

「……ごめんなさい。ないです」

「あうあう、なら僕の案で良いですよね?」

「…寧ろ、羽入ちゃんは嫌じゃないの?」

「全然嫌じゃないのです。寧ろ頼って欲しいのですよ♪」

 

…そんな笑顔で言われたら何も言えないじゃんか……

諦めた僕は大人しく彼女に運んでもらう事になった。

 

「……あのさ、重くない?」

「穹は軽いですから平気なのですよ♪」

「そのセリフってさ、僕が言う系じゃない?」

 

羽入ちゃんに両手を繋いでもらいながら運んでもらってる僕。

移動音を付けるなら"ふよふよ~"という表現がピッタリだろう。

 

「そういえばさ?」

「あう?」

「羽入ちゃんは、あの時どうしてカケラの海に居たの?」

 

この世界(カケラ)に来てから今まで訊きそびれたので、

せっかくだから彼女に尋ねてみる事にした。

 

「そうですね…… あの時僕が居たのは、ほんと偶然ですよ?」

「…えっ? そうなの?」

「でも強いて言うならそうですね…… 穹に逢えたら嬉しいなぁと考えたくらいです♪」

「そ、そうなんだ……」

「あうあう♪ ですから僕は巻き込まれたとか微塵も思ってないですよ?」

「……僕まだ何も言ってないけど?」

「そういう顔をしてたのです」

 

しばらく逢わない内に、羽入ちゃんは読心術でも得たのだろうか?

いやまぁでも……この場合は、幼馴染みの勘みたいなやつだろう。

 

「……これじゃ君の前だと隠し事できないね、()()?」

「ふふ♪ ()の事を呼び捨てで呼んでくれるなんて何千振りかしらね、()?」

「……その真名(まな)で呼ぶのは止めてよ。恥ずかしい……」

「いいじゃない♪ 夫婦なんだし♪」

 

彼女が僕を"陸"と呼んだのは、

僕自身が古手陸(ふるでりく)()()()だからだ。

どうしてそうなったかは、僕と羅奈を誕生させた創造主しか分からない……

その創造主は、僕と羅奈にとっては親みたいなものだ。

雛見沢の最後の戦いの世界(カケラ)で僕は目覚める……正確には僕と羅奈の覚醒の為に創造主が住む世界(カケラ)で手助けをしなければいけなかった……

そうでもしないと僕と羅奈は本当の意味で生まれてこなかったんだけどね?

 

(この世界(カケラ)の旅も創造主が何かを思って構築したのかな……)

 

もし無事にカケラの海に戻れたら、

その事について羅奈と話してみようと思った。

僕と羅奈にとっては親であり………………同時にお兄ちゃん。

()()()()()にも幾つもの分岐点がある。なんか偉そうだな僕……

 

 

 

だけど本当に辛いのは創造主の方だ……

 

 

 

 

 

 

今はどんな運命を辿ってるのかも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

僕と羅奈に心配をかけまいと……………

 

 

 

 

 

でも恐らく一番辛いのは、唯一の身内である涼香かもしれない。

 

 

 

 

 

 

それに比べれば自分の運命なんて辛くも何ともない。

 

 

 

 

 

きっと羅奈もそう思ってる。考えてる事は一緒だから。

 

 

 

 

 

この旅が終わったらまた羅奈と2人で顔をだしに行くね?

 

 

 

 

 

その時は、羽入ちゃんも一緒に連れて行くよ。

 

 

 

 

 

そしたらまた、いつもの笑顔で僕達を出迎えてくれるんだよね。

 

 

 

 

 

そうでしょ? 悠里兄(ゆうりにい)────

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
ちょっとシリアス系になっちゃった……
本日はありがとうございました。


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第14話 暗闇ダイビング

ゆるポメラです。
今回はアンコウのグリマーの登場ステージです。
このステージはGBA版だとそんなに暗くないんですよね……
更にゲームボーイプレイヤーを使用すると、
全く暗くないんです。グリマー君の出番が……(汗)

それではどうぞ。


羽入ちゃんに運んでもらい船の残骸に到着。

ここから先は潜っていかなければならないので、

僕はシュノーケルを装着し水に潜ったが……

 

「暗っ!?」

「あうあう、薄暗いのです」

 

水の中がこれでもかってくらい薄暗い。

これには何か灯りが無いと先に進むのは厳しそうだ……

 

「穹、どうします?」

「……とにかく先に進めるだけ進んで灯りを探そう」

「あう、何か見つかればいいんですけどね……」

 

羽入ちゃんがそう言った時だった。

何か光る物体がこちらに接近してくる……

もしや敵かと思った僕は注意深く構えていた。

するとその光っていた正体はアンコウだった。

 

「なんか小さいアンコウだね?」

「アンコウというよりはチョウチンアンコウっぽいです」

 

アンコウは物珍しいそうに僕達を見た後、

後ろにくっついていった……

ん? 待てよ。もしかしたら……

 

「とりあえずこのまま先に進もう」

「あう? このアンコウは放置してもいいのですか?」

「……まぁ見てて」

 

前に向かって泳ぐと、

先程のアンコウがついてきた。

しかも頭にあるチョウチンで周りを照らしてくれた。

どうやら懐かれたらしい……

 

「そういえばアンコウって深海の生き物だっけ?」

「あう。基本的にはそうだと聞きます。でもこういう船の中にいるのは珍しいのです」

 

まぁ…普通は海の底とかに住んでるのが一般的だけど……

それにしてもこのアンコウは視力とかは平気なのだろうか?

深海に住む生き物って嗅覚等がかなり発達してる代わりに視力が失われてるのが殆どだって聞いた事があるんだけど……

少し疑問に思ったので、後ろにいるアンコウと視線を合わせると……

 

「?」

「視力は平気っぽいね……」

 

目をパチクリしながら体を横に傾げた。

まるで何か気になる事でもあったのかい?と言いたげだった。

 

「単なる疑問だよ。そういえば君って名前あるの?」

 

アンコウって言い続けるのもアレな気がするので、

何気なしに名前とかあるのかを訊ねてみると、何も持ってない筈なのに何処から出したのか、小さい板と鉛筆のような形をした尖った棒を取り出した。

そして器用に何かを書き、僕と羽入ちゃんに見せてみた。

 

「…グリマーね。というか君って器用なんだね?」

「…………」

「えーっと、"こういう事も必要かなと思いまして"って言ってるのです」

 

どんだけ器用なお魚さんなんだよ君は……

それと羽入ちゃん?

魚の翻訳ができる事に僕……軽くビックリなんだけど。

 

「穹、どうやら出口っぽいのです」

「ほんとだ。上に小さい光がある……」

 

近くに箱があったので、

一旦そこに上がりシュノーケルを外す。

どうやらここから登れば先に進めそうな感じだ……

 

「あうあう、このアンコウさんはどうするのですか?」

「……どうするって、グリマーも一緒に連れてくよ?」

「Σ(・□・;)」

「……グリマー、君そこは驚くところなの?」

 

そう訊くと頷いた。

まるで"まさかの連れてくパターン?"みたいな感じだった。

うん、そう言ってる気がする……

だって目が訴えてるんだもん。

そんなこんなで僕達を助けてくれたアンコウのグリマーを仲間にし、

僕と羽入ちゃんは先に進む事にした。

 




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。


※グリマーが仲間になった。


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第15話 どろどろクロコジャンプ

ゆるポメラです。
続けての投稿になります。
このステージはトンボのフリッターを踏み台に
しつつ、ワニの頭を踏んでいくステージです。
慌て過ぎてジンガーに当たってミスしたのが懐かしいなぁ……

それではどうぞ。


グリマーを仲間にし暗闇の船底から抜け出した

僕と羽入ちゃんは沼地に来ていた。

 

「ここは完全に沼地みたいですね」

「そうだね。落ちたら抜け出すのは難しそう……」

 

桟橋を渡りながら、

池……というよりは沼を見ながら思う。

うっかり落ちてしまったら抜け出せないような気がする……

 

「……あ、蔦がある」

「これに使えば向こう側まで行けそうですね」

「そうみたいだね。それじゃ早速……」

 

羽入ちゃんを抱えながら空いてる手で蔦を掴むと……

 

「ちょ、ちょっと待つのです!!」

「……えっ? どしたの?」

「どしたの?じゃないのです!! ま、まさか……この態勢で行くのですか!?///」

 

顔を真っ赤にしながら僕に抗議するオヤシロ様がいた。

 

「そうだけど……」

「せめておんぶにして欲しいのですう!!」

「ダメ」

「あう!? 何故なのですか!?」

「……羽入ちゃんをおんぶしたら、僕の理性が持たない」

 

いやさ、別にね?

彼女をおんぶしてもいいんだよ?

でもそんな事をしたらさ、彼女のふくよかなお胸様が背中に当たっちゃうじゃない?

だからさ、お姫様抱っこみたいな感じの方が僕的には楽なんだよ。はい。

 

「……それは僕が重いからなのですか?」

 

何やら勘違いをしてしまったようだ。

彼女からしてみれば僕の理性が持たない=自分の体重と思い込んでる。

 

「いや、違うから」

「じゃあなんなのですか……ちゃんと言ってくれないと僕も拗ねるのです」

「……別に羽入ちゃんが重いからって理由でおんぶが嫌な訳じゃないよ? た、ただ……」

「…………?」

「そ、その……羽入ちゃんの……む、胸が背中に当たるからで……///」

 

これなんていう羞恥プレイ?

すっごい恥ずかしいんだけど……

 

「あ、あうあうあう~……///」

「だからまぁ…落ちないように掴まっててね? お姫様?」

「~~~っ!?///(コクコク)」

 

……すっごい身悶えてるんだけど。

耳の辺りから蒸気が噴き出てるし……

そういうところも可愛いんだけどさ……

気を取り直して蔦を掴み、振り子のように体重をかけて揺らす。

そして次の蔦へと渡っていく……

 

(この調子なら、なんとか向こうまで渡れそうだな……)

 

そして最後の蔦に差し掛かろうとした瞬間だった。

 

(な、なんか首筋がヌメってするんだけど……)

 

なんていうかこうゾワってする……

恐る恐る視線を首筋付近に向けるとそこには……

 

「はむ……んちゅ……」

 

何度も僕の首筋を舐め続ける羽入ちゃんがいた。

 

「ちょっ!? 羽入ちゃん!? なにやってんの!?」

「何って……? 穹の首筋を舐め続けてるのです♡」

「うん今しがた見たからね!? 問題はなんで舐めてるの!?」

「…穹は僕を抱えて気づかなかったかもしれませんが、さっき僕の胸を揉みましたのです。その仕返しなのです♡」

 

揉んだ!? 羽入ちゃんの胸を!? いつ!?

……ま、まさか……さっき蔦を伝って渡った時!?

 

「それにあんなに情熱的に揉まれたら……僕だって興奮しちゃうのですよ♡」

「……オッケー。とりあえず落ち着こう? ちょっと待とうか?」

「あう♡ 軽い放置プレイなんて……穹もマニアックですね♡」

 

目をトローンとさせながら、

ぎゅ~っと僕に抱きつく彼女。

あの……首がすごく強く締まってるんですが……

しかも羽入ちゃんって意外にも力が強いし……

 

「という訳で向こう岸に着くまで頑張ってくださいなのです♡」

「…まぁ頑張るけどさ? その間、羽入ちゃんは何してるの?」

「あうあう♡ 穹に抱えられたまま色々と堪能させてもらうのですよ♡」

「……ちなみに色々ってまさか……さっきみたいな?」

「ひ・み・つ♡ なのです♡」

 

そして案の定、

向こう岸に着くまでの間、羽入ちゃんに色々された。

何をされたのかは……ご想像にお任せします……

 




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。


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第16話 ラトリーに大変身

ゆるポメラです。
2年振りの投稿になります。
楽しんでいただけると幸いです。
このステージは、ラトリーの操作に慣れているか慣れていないかでゴールまでの難易度が変わった気がします。

それではどうぞ。


沼地の森を抜けた穹と羽入は壊れてる船の甲板に辿り着いた。

 

「こんなところに壊れてる船があったって事は……元々この沼地って海だったのかな?」

「あう。かもしれないのです。僕の推測ですが、もしくは沼地でも船が動かせるかの実験だったり……」

「それどんな酔狂なの? まぁ……羽入ちゃんの考えも無くはなさそう……」

 

船の中に入り、何か手掛かりが無いか探しながら、自分達が今居る船について考える2人。

 

「? 穹、あそこに何か大きな樽があるのですよ」

 

羽入が穹の肩をポンポンと叩きながら言う。

近づくと確かに一際大きめの樽があった。よく見ると蛇の絵柄が描いてあった……

 

「これって……ラトリーの絵柄だよね?」

「ですよね。あう? でもあの時は()()()()()()()ではありませんでしたか?」

「そうだよね……」

 

そう。あの時は箱の中にラトリーが入っていたのだ。

しかし目の前にある樽は明らかにラトリーが入れそう大きさではないのは明白だった……

 

「…とりあえず樽に触ってみる?」

「あうあう。それじゃあ僕は念の為、穹に憑依してるのですよ」

「…ん。分かった」

 

羽入が憑依したのを確認した穹は樽に触れる。

次の瞬間、()()が憑りついた違和感を感じた……

 

「……?」

 

しかしそれも束の間、違和感は消えた。

その代わり、平衡感覚がいつもとは違った感じがした。

 

「『えっ……』」

 

近くに偶々ひび割れた鏡があったので、その姿を見た穹と羽入は驚いた。

何故なら……

 

「『僕達、ラトリーになってるー!?(のですう~!?)』」

 

そう。姿が完全にラトリーになっていたのだ。

つまりさっきの樽はどうやら()()()()()()()()()()()だったようだ……

 

「…とりあえず外に出てみよう」

『それもそうですね。ここに居続けて考えても埒が明かないのです』

 

とりあえず外に出て移動しながら考える事にした2人。

普通に歩くような感じをイメージしながら足を動かすと、平衡感覚の違和感はなくなった……

 

「これはまた……」

『あうあう。道が所々、断絶されてるのですよ……』

 

外に出てみると新たな問題が発生した。

穹と羽入がいるのは壊れてる船の上。なので当然、行く先々が断絶されていた……

 

「…あ。そうだ。その手があった」

 

どうやって進めばいいか考えてた時、意外な事を思いついた穹。

 

『あう? 何かいい案でもあるのですか?』

「うん。僕達ラトリーに変身してるでしょ? 変身したって事は能力とかもそのまま使えるんじゃないかと思って……」

『あう! なるほどなのです!』

 

穹が説明してくれた事を理解した羽入。

なるほど、確かにそれが本当だったらこの断絶されてる道を攻略できるかもしれない。

 

「そうと決まれば物は試し。あそこで飛んでるワニとか蜂を踏み台にしながら進もっか」

『あうあう♪ 善は急げなのです♪』

 

ラトリーの跳躍力の凄さは2人も身に染みてる為、この案で先に進む事にしたのであった………




読んでいただきありがとうございます。
これからは、この作品もちょいちょい投稿しようと思っています。
他の作品と並行しながら書いてるので、投稿が遅い時もありますが……(苦笑)
次回からも頑張りますので、よろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。


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第17話 沈む難破船

ゆるポメラです。
このステージは、無敵バレルを使って無敵状態でも倒せない最強のピラニア、
スナップジョーが登場した場所です。
…水位が上がって焦らされた感が懐かしいです……(苦笑)

それではどうぞ。


壊れてる船の甲板を進み、穹と羽入はマストに辿り着いたのだが……

 

「あのさ。僕の勘違いかもしれないけど……この船、沈んでない?」

「あうあう。穹もそう思いますか? 僕もそんな感じがするのです……」

 

そう。自分達がいるマストが沈んでる感じがしたのだ。

最初は気のせいなんじゃないかと思った穹と羽入だが、足場を見ると、ちょっとずつだが水位が上がってきていた……

 

「とりあえず、上まで登ろっか……」

「ですね。早く登りましょう。なんか嫌な予感がするのです」

 

羽入の言葉に、それは同感と言いながら穹はマストのロープを使いながら上に登る。

ちなみに羽入は約30cm程の妖精サイズに変身して、穹の肩に座っている。

 

「…やっぱりこの船、壊れてるよね」

「場所が場所ですからね。強いて言うなら、難破船でしょうか?」

 

その表現もあながち間違ってないかもねと穹が言った時だった……

 

「「っ!?」」

 

どこからか強い殺気を感じた2人。

何やら下から向けられた気がした2人は、視線を向ける……

その先には、紫色……マゼンタ色に近いピラニアが水中から睨んでいた。

 

「殺気の正体は、あの魚かな?」

「ですね。というか、確実にあの魚だと思うのです……」

 

殺気の正体が分かったところで、ほんとにただのピラニアか?と思った穹は魔法で水中でも使用可能なスピアガンを構築する。

狙いを定めながら、トリガーを引き、矢がピラニアに向かうが貫通するどころか、噛み砕かれてしまったではないか!

 

「はい?」

 

何かの見間違いかと思った穹は、もう一度トリガーを引くが、今度は矢を上手く口に銜え、穹と羽入がいる方向に飛ばしてきた。

返された矢は船の柱に当たり風穴を作っていた……

 

「逃げるよ!」

「な、なのです!」

 

これは逃げなきゃマズい。逃げなきゃ喰われる。

そう思った2人は、とにかく上へ、上へと登る。水位が上がっていくごとにピラニアが追ってきていた。

 

「あうあう。穹、あの魚はなんとか仕留められないのですか!?」

「羽入ちゃん、それは絶対無理。なんか分からないけど、それだけは断言はできる」

 

羽入が言うが、穹は無理だと言い切った。

さっき魔法で構築したスピアガンは、貫通能力を付与したのだ。それをあのピラニアは簡単に噛み砕き、2回目はこちらに打ち返してきた……

なので、穹は逃げるを選択したのだ。

多分……というか絶対、水中生物の生態を壊す部類に入るだろう。間違いなく。

 

「うわ、道が途切れてるし……」

「穹、あの青いトンボを踏み台にすれば、向こう岸まで行けそうなのです」

「……水位もどんどん上がってきてるから、文句は言えないね。羽入ちゃん、飛び移るからしっかり掴まってて」

「あうあう。落ちないように穹に引っ付いているのです!」

 

穹は青いトンボを器用に踏み台にしながら、向こう岸のマストに飛び移った。

 

「…うわ、見てよ。あの魚、まだこっちを見てるよ……」

「本当なのです。今は水位は上がる様子は無いみたいですが、とりあえず先に進みましょうなのです」

「そうだね。万が一っていうのもあるし。あそこから先に行けるみたい」

 

ひとまず2人は、この沈む難破船を抜ける事を先決し、先に進むのであった。

余談だが、あの魚……というかピラニアは、肉食魚という事がその日の夜に分かった……




読んでいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。


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第18話 とげとげタル迷路

ゆるポメラです。
2年振りの投稿になります。
楽しんでいただけると幸いです。
このステージは、BGMが神曲だったのと、DKコインやボーナスバレルを見つけるのが苦労したのを今でも覚えてます。

それではどうぞ。


難破船を無事に越えた穹と羽入は棘の迷路に着ていた。

 

「見渡す限り、棘、棘、棘だらけだね……」

「なのですう……」

 

四方八方、見渡す限り全てが茨の棘で囲まれており、まさに天然の迷路だった。しかも危険極まりない。

 

「……他に入口はないのかな?」

「あうあう、でも僕達が来た入口はここだけみたいなのです」

「そうだよね……」

 

溜息を吐く穹。

 

「あうあう。でも、この迷路を越えないと先に進めないのです!」

 

そうなのだ。

実際、羽入の言う通り、この棘の迷路を越えないと、先に進めないのも事実なのだ。

 

「でも……どうやって進めばいいのさ? 普通に進んだら、全身がサボテンになっちゃうよ?」

「穹、あそこに鉱山にもあった樽があるのです」

「…あ、ほんとだ……」

 

羽入が指をさした方に目を向けると、そこにはマグマの洞窟の鉱山にもあった樽があった。

 

「まさかまたこの樽の中に入って、ドッカンドッカン進んで行くの?」

「どうやらそうみたいです。あそこにある足場を見ていただくと……」

「? うわー……あんな場所に足場があるって事は、樽を使って進んでくださいって事か……」

 

中間地点と思われる板でできた足場の近くには、樽が無数に配置されており、穹と羽入が居る場所にも同じ樽が配置してあった。ご丁寧にあの場所まで進む看板も配置してある。

 

「とりあえず羽入ちゃん、鉱山の時みたいに小さくなってくれない?」

「分かったのです。へ~ん~し~ん♪」

 

鉱山の時と同じように、身長を約30cm程まで縮ませた羽入。

 

「肩に乗せてあげたいけど……僕の()()()に入ってて?」

「ふ、服の中ですか!?」

 

申し訳なさそうに言う穹の言葉に、羽入は顔を赤くしながら、目を見開く。

 

「正確には、内ポケットの中にだけど……」

「へ? あ……内ポケットの中ですか……そうですよね、冷静に考えて、服の中と言ったらそこですよね。期待した僕がバカだったのです……」

「えと、あの……は、羽入ちゃん?」

 

何故か急にがっかりした表情になる羽入。あまりの落ち込みようになんて声をかけていいか分からなくなる穹。

 

「…この棘の迷路の中間地点に着いたら、魔法でシュークリームを作ってあげるから、元気出してよ」

「シュークリーム!?」

 

穹がそう言うと、今度は先程から一変して目を輝かせる羽入。ひとまず彼女の機嫌がなんとかとれそうなので、羽入が内ポケットに入ったのを確認した穹は、樽の中に入り、導火線に火を点けた後、この先何があるのかなと考えるのであった。




読んでいただきありがとうございます。
これからは、この作品もちょいちょい投稿できたらなと思っています。
他の作品と並行しながら書いてるので、相変わらずこちらの投稿が遅い時もありますが……(苦笑)
次回からも頑張りますので、よろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。


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