古代の戦士と9人の女神達 (クウガに心奪われた男)
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第1話 復活

今回初めて小説を書いた素人の人間ですが、
仮面ライダークウガとラブライブが大好きで書きました。
設定としては、主人公は、オリジナル主人公(高校生)
ラブライブのキャラクターは、アニメの設定で一部違うのが、女子高では、ありません。
けいおんのキャラクターは、ごく一部だけだします。
グロンギの設定は、古代後が難しいので、グロンギの言葉は、日本語のカタカナで略しますご了承ください。
これから連載小説として、書くのでどうかよろしく
お願いします。


今から800万年前2つの種族が争っていた。片方の種族は、争いを好む者達もう片方は、争いを好まない者達、

争いを好む者達は、奇妙な姿に変わりどんどん人々を殺していった。

このままでは、1つの種族が滅んでしまう。

そう思った1人の青年がある決断をする。奴等に対抗するためにその身に霊石を埋め込み青年の身が姿を変え、そこには1人の戦士が生まれた。

その戦士が生まれた事により次々とその種族を倒していった。

そして最後には、その種族の長をも倒し戦士は、彼らを封印するために身を犠牲にし深い眠りについた。

 

 

 

そして現代1人の少年が深~い眠りから目が覚めた。

 

「ふあ~ぁよく寝た。今何時だ?」

 

時計を見ようとした瞬間扉を勢いよく開ける音が

 

「ちょっとお兄ちゃん!今何時だと思ってるの!」

 

「どぉわ!びっくりしたぁ、いきなり大声だすなよ梓」

 

「お兄ちゃんが寝坊するからいけないんでしょ!早くしないとことりちゃん迎えに来るよ!」

 

「やっべ!早く支度しないと!」

 

「早く下きてね。ご飯出来てるから」

 

そう言って朝から寝坊の兄を起こしにきた妹中野梓

そして今でも遅れそうで大慌てしている中野雄介この

少年がこの物語の主人公である。

ドタドタと階段から降りてくる音が

 

「ハァハァやっと支度終わった。梓わりぃご飯ちょっとだけでいいや」

 

そう言って皿にあるパンを口に入れ込み

 

「モゴモゴ(行ってきまーす)」

 

勢いよく雄介は、外に飛び出した。

 

「あっお兄ちゃんのバカ。帰って来たら説教してやるんだから」

 

梓は、そう言ってテーブルにある食器を片付け自分も

学校に行く準備を始める。

雄介は、走りながらもうすぐ着く目的地に向かって行った。

 

「ハァハァあっぶねーギリセーフ」

 

雄介がたどり着いた場所から扉が開く音が聞こえた。

 

「あっ今日は、遅刻しなかったね。おはようゆーくん」

 

そう言って挨拶した少女の名前は、南ことり

おっとりした口調で頭の上には、とさかのような物が

はえていてとてもかわいらしい女の子。

 

雄介とことりは、家が近くて小さい頃からの幼なじみである。

 

「おはようことりちゃん。今日は、寝坊せずに余裕で着いたぜ」

 

雄介は、自信満々に親指を立てサムズアップを決めた。

 

「そういうわりにわぁ~ここに寝癖がぴょこんってたってるよぉ~」

 

ことりに指摘され雄介は、慌てて寝癖を押さえる。

 

「うぉ!マジか慌ててセットしたからかな~」

 

「まぁたお寝坊さんだったんだねゆーくん。学校に着いたらことりが寝癖直してあげるね」

 

「面目ないです」

 

雄介は、ことりにお願いをして学校に向かうであった。

2人が学校について自分の教室に入ると2人に気づいたのかこちらに向けて大きく手を振る女の子が大きな声で挨拶をした。

 

「あっおっはよーことりちゃん!雄介!」

 

大きく挨拶をしたとても元気で太陽な女の子高坂穂乃果。

 

「おはようございます。ことり、雄介」

 

と礼儀ただしく挨拶する大和撫子を思わせるような女の子園田海未。

 

「おはよう2人とも」

 

「おはよう穂乃果ちゃん海未ちゃん」

 

2人も挨拶を交わし自分の席に着けた。

 

「あれ~雄介どうしたのその頭?」

 

「あっこれは、」

 

と穂乃果に寝癖の所に指を指し

 

「どうせ寝坊したのでしょう。全く穂乃果と同じで困ったものです」

 

と海未に指摘されてしまった。

 

「ちょっ私もぉ!?」

 

と穂乃果もとばっちりを受けてしまった。

 

「あのぉこれには、色々訳がありまして」

 

雄介がチラチラと海未方を見て

 

「どうせまた夜更かしでもしたのでしょう。いいですかあなた達は」

 

と海未の説教が始まってしまった。2人は、助けを求めようとことりの方を向きSOSを目で送っていた。

それに気づいたことりが

 

「まぁまぁ海未ちゃんその辺で2人とも反省してるから」

 

と2人に助け舟を出し海未の説教から開放してくれた。

 

「「ありがとうことりちゃん!!」」

 

そう2人は、ことりに感謝をし深々と頭を下げた。

 

「全くことりは、2人に甘いんですから」

 

海未が発した言葉と同時に学校のチャイムが鳴った。

 

「やべ寝癖なおしてね」

 

授業は、進みあっという間に放課後の時間になり

 

「よぉーし授業終わった!3人とも部室行こ!」

 

穂乃果は、そう言い準備をし始めた。

 

「そうだね。もう皆も向かってる頃かなぁ」

 

ことりも、準備をし始めて立ち上がった。

 

「すみません私は、弓道部に用があるので先に行っててください。」

 

海未は、準備を済ませ

 

「わかったじゃあ先にいってるよ」

 

雄介達は、海未にそう言い教室を後にした。

廊下を進んでいると雄介達の前には、よく知る人物が3人いた。

雄介は、ニヤリと笑い忍び足で真ん中の子に近づき背後まできた瞬間おもいっきりその子の胸をわしづかんだ。

 

「だあ~れだ?」

 

「にゃあぁ!」

 

と同時にその子は、一気に後ろを振り向きものすごい勢いでビンタを炸裂させた。

 

「ぶへぇ」

 

と雄介は、変な声を出しながらすっ転んでしまった。

 

「また雄介かにゃ!いい加減にするにゃ!この変態」

 

と涙目で訴えてくるショートヘアーで語尾ににゃあとつけるかわいらしい女の子星空凛。

 

「あなた本当にいつか訴えられるわよ」

 

と髪の毛をくるくると回すいかにもお嬢様育ちの女の子西木野真姫。

 

「だっ大丈夫?凛ちゃん!と・・・雄介君」

 

そう2人の心配をしてくれる。とても優しい女の子

小泉花陽。

 

「ごめんごめん凛ちゃんが可愛かったからつい」

 

叩かれた頬をさすりながら謝る雄介に

 

「そんな言い訳通じる訳ないにゃ!」

 

「そーだよゆーくん女の子にいじわるしちゃメ!」

 

凛とことりにも怒られながら深々と頭を下げる雄介

 

「ごめんごめん極力控えるから、ね?」

 

雄介は、手を合わせ謝るとこれは、懲りてないなと全員が思い部室に向かった。

 

部室に着いてドアを開けると。

 

「あんた達遅いわよ」

 

ツインテールが特徴で少し小さな女の子矢澤にこ。

 

「雄介君すんごい頬に手形がついてるね。だいたい予想はつくんやけど」

 

関西弁を使うこの学校の副生徒会長をやっている女の子東條希。

 

「また雄介がセクハラな事をやったんでしょ全く」

 

この学校の生徒会長をやっていてロシア人の血を引くクォーター綾瀬絵里。

 

「そうにゃ!絵里ちゃんビシッと言ってやってにゃ!」

 

凛の怒りは、まだ収まりそうになく

 

「ハァ雄介あんまりいたずらがすぎると停学にするわよ」

 

「それだけは、マジで勘弁してくださいエリーチカ様」

 

絵里にそう言われ即座に土下座をする雄介

 

「それはそうと海未は、どうしたの?」

 

「弓道部の所に用事があるみたいだよ」

 

にこがことりに海未の事を聞き

 

「じゃあ先に屋上に行って準備する?」

 

「うん!そうしよ!」

 

穂乃果がそう言い皆が屋上に向かって行った。

 

「じゃあ頼んだわよマネージャーさん」

 

絵里がそう言い雄介は、ビシッと敬礼し

 

「任せて下さいエリーチカ様!」

 

彼女達は、この音乃木坂学院のスクールアイドルμ's

1回は、廃校に追い込まれた学院をμ'sの皆のおかげで廃校は、免れ今は、スクールアイドルの頂点をめざす

ラブライブに優勝するために彼女達は、活動している。

ちなみに雄介は、μ'sが結成し穂乃果に任命されマネージャーになった。

 

「じゃあ海未がくる前に昨日の振り付けの予習をしておくわよ」

 

「「「はい!」」」

 

絵里の指示により皆自分の配置につく。

 

皆が練習し始め雄介は、彼女達を眺め

 

「(あぁやっぱすげぇな)」

 

と思っていると扉からノックのする音が聞こえた。

 

「すいませ~ん雄介君いますか?」

 

そう訪ねて来たのは雄介と同じクラスのオカルトマニア名は近藤集

 

「どうした集なんかあったのか?」

 

雄介は、集に近づき聞きに行くと

 

「あぁちょっとだけ付き合ってくれ」

 

少し焦っているように雄介を連れて行こうとする。

 

「わかったわかった。ごめん皆ちょっとだけ抜けるな?」

「わかったわ。また後で」

 

絵里が答え雄介は、集と屋上を後にした。

 

集についてきて着いたのは、パソコン室

 

「今ここに桜子先生待たせてるから」

 

そう集が言いパソコン室に入った

 

「失礼しまーす。桜子先生雄介君連れて来ました!」

 

雄介も続いて入るとそこには、1人の先生がいた。

 

「待ってたわよ。さぁ2人とも早くこっちに来て」

 

と手招きするこの先生は、沢渡桜子歴史の先生をやっている。

 

「どうしたんですか?」

 

と雄介が聞き

 

「ちょっとパソコンを見て」

 

桜子は、パソコンを操作しながら

 

「昨日この東京に古代遺跡が見つかったんだよ」

 

「えっマジで?」

 

「そうなの。だから今日私の知り合いの調査隊が向かったの」

 

そう桜子がパソコンを操作しながら答えると

 

「これよ。この遺跡の入り口には、古代文字みたいなのがあったのよ」

 

パソコンに写しだされた画像には、大きな遺跡の入り口とその上には確かに文字みたいなのが刻まれていた。

 

「桜子先生確かにすごいんですけど俺あまりこういうの

興味ないんですよ」

 

と雄介は、桜子にそう言い教室を後にしようとすると

 

「なにを言うかこれは、すごい発見なんだぞ!もしかしたら遺跡の中にはとんでもないお宝があるかもしれないだ!」

 

「そうよ。だから調査結果だけでも聞いていかない?」

 

集の発言と桜子のお願いで雄介も諦め

 

「わかりました。じゃあ結果だけ聞いていきます集もそれでいいよな?」

 

「おうそれでこそ我が永遠のマイフレンド!」

 

集が誇らしげにいい雄介は、ハァとため息をつくしかなかった。

 

 

 

ー同時刻ー

 

古代遺跡に到着した調査隊は、遺跡の中に大きな棺を発見し調べていた。

 

「夏目さんこの棺開けたら呪われるぞとか書いてないですよね?」

 

1人の調査員が口にすると

 

「バカな言ってないで開けるぞ」

 

と棺を開ける準備にとりかかり調査員の操作により棺の扉は、開かれた。

そこには、1人のミイラが眠っていた。

 

「これは、すごい発見だ。このミイラの事をもっと調べて」

 

そう言った瞬間棺の奥から黒い影出てきて調査員全員を覆い始めた。

 

 

 

学校では、桜子がそろそろ結果が出たかなと思い知り合いに電話を掛ける。

 

「あっもしもし今そっちは」

 

「「お願い助けて!助けて!いや、いやあぁぁーーーーー!!」」

 

「もしもし!もしもし!どうしたの!?」

 

ブチッと電話が切られた。

 

「先生どうしたんですか?何かあったんですか?」

 

「わからない。ただ助けを求めていてそれで電話が切れた。とりあえず警察に連絡するわ。あなた達は、もう帰りなさい」

 

そう言い桜子は、教室を後にした。

 

「なんかやばい事になってるな」

 

「あぁとりあえず俺も皆の所に戻るよ。集言っとくが絶対に遺跡の所に行くなよ」

 

雄介は、集に念を押し

 

「わかってるよ、さすがに警察沙汰になるとな」

 

そう言い2人は、教室を後にした。

 

 

 

遺跡から出て来た黒い影は、その奥の森にいた。

 

そこには、多数の墓のような物があったりその影は、力を溜めその墓に放った。

 

そこから無数の手が生えこの世の者とは、思えない者達が次々と蘇っていった。

 

 

 

「ただいまー」

 

と練習を終え帰宅した雄介に気づいたのか奥の方からパタパタとスリッパの音が近づいてきて

 

「おかえりなさいお兄ちゃん」

 

と梓が出迎えてくれた。

 

「ふぃ~今日も疲れた~」

 

雄介テーブルの椅子に座りテレビのリモコンを取り電源ボタンを押した。

 

「お兄ちゃんどうしたのその顔。すごい手形ついてるよ?」

 

「あぁこれちょっとね」

 

ポリポリと頬かく雄介に梓は、すごいジト目になり

 

「まただれかにエッチな事したんでしょ。お兄ちゃんの

変態」

 

ほとんど毎日の出来事なので梓もわかっおり

 

「いやこれは、ただのスキンシップで」

 

雄介は、言い訳をしようとし

 

「全くお兄ちゃんは、それに今日の朝だって」

 

そう梓が言おうした時テレビから緊急通報が流れた

 

「「今入ったニュースによりますと東京駅の近くで殺人が起きたとの通報が流れてきました。近くの歩行者が襲われている所を見た人の発言によると、人間ではないと仰っていました。皆さんもくれぐれも外に出ないよう気をつけてください。」」

 

「なにこれ」

 

梓がテレビを見ていて雄介は、

 

「梓明日学校行くとき気をつけていけよ。何かあったらすぐ警察か兄ちゃんに連絡しろ」

 

雄介が梓にそう言い

 

「うんわかった。お兄ちゃんも気をつけてね」

 

そう言い2人は、食事を済ませ雄介は、シャワーを浴び

今は、自分のベッドに横たわっていた。

 

「今日は、もう寝ようそして明日は、練習も無しにさせよう」

 

雄介は、そう言い眠りについた。

 

 

 

ー翌日ー

 

学校では、昨日の事件で話題が持ちきりである。当然だここの近くとなると皆不安である。

 

「やっぱり昨日の事件でとんでもない事になっているな」

 

「そうだね、なぁ雄介ちょっと見てもらいたい物があるんだ」

 

「なんだよ?」

 

雄介が首を傾げ集が

 

「これだよ」

 

と鞄の中から取りだしたのは、大きなベルトのような物が出てきた。

 

「なんだこれ?」

 

「これは、昨日の遺跡の近く見つけた物だよ」

 

集がそう言い雄介は、驚いた顔になり

 

「お前!昨日行くなって言ったろ!」

 

雄介は、少し声を上げ集を叱り

 

「ごめん。でもどうなったか知りたかったんだ。調査隊の人達もどうなったかわからなかったし」

 

集は、申し訳なさそうに話た。

 

「それで、どうなったんだよ調査隊の人達は?」

 

雄介は、集に訪ね集は、暗い顔し昨日の事を話始めた。

 

「昨日の遺跡の近くに行ったら警察の人達がたくさん居たんだ。さすがに中には入れなかったから、森の近くを歩いていたらこのベルトのような物が落ちてたんだ。それに今日調査隊の人達がどうなったか桜子先生に聞いたら全員遺跡の中で亡くなっていたらしい。」

 

集は、震えながら話雄介ももし間違っていたら集もと思い

 

「そうか。とりあえずお前が無事でよかったよ。とりあえずこのベルトは、桜子先生に預けた方がいいんじゃないか?」

 

そう雄介が言いベルトに触れた瞬間雄介の頭の中に当然映像のような物が流れた

 

「うあ!なんだこれ!」

 

雄介の頭の中には、誰かが姿を変えて大勢の中で戦っているようなものが見えた。

 

「何なんだよ今の」

 

「どうかしたの?」

 

雄介は、頭を抱え集がどうしたのかと心配する。

 

「わりぃ何でもない」

 

「とりあえず1時間目の授業終わったら桜子先生の所に行ってくるよ」

 

「あぁわかった」

 

雄介は、集との会話を終え自分の席についた。

 

「なんだったんださっきのは?」

 

雄介は、さっきのビジョンが気になりながら授業の準備を始めた。

そして今彼らは、知らなかった今から起きる悲劇と恐怖が刻々と近づいていると。

 

 

 

ビルの上に1つの影が立っていた。

 

「ツギハアソコニスルカ」

 

そう言い狙いを定めた影は、異様な姿に変え標的の所まで飛んでいった。

 

 

雄介達は、一時間目の授業を終え次の教室に行く準備をしていた。

 

「うぅ、さっきの所よくわからなかったよ」

 

「いつも真面目に授業を受けないからですよ」

 

穂乃果と海未が会話をし

 

「雄介ー、一緒に桜子先生の所着いて来てくれ」

 

集から声を掛けられ

 

「1人でいけるだろ」

 

「頼むよあそこに1人で行った事言ったら怖いから、ね?」

 

「ハァ、たっくしょうがねぇな。ことりちゃんごめん先に行ってて」

 

と集についていく事にし

 

「うんわかった」

 

ことりが了承した時1人の生徒が窓の方に指を指し

 

「おい!なんかこっちに飛んでくるぞ!」

 

と言った同時に白い糸みたいな物がこちらに目掛け飛んで来たその糸が窓のガラスを突き破り教室のドアに張り付いた。

 

「きゃあ!」

 

「何!?」

 

と他の生徒の悲鳴と共に降りたった。蜘蛛のような姿をしこの世の物とは、思えない外見をしこちらを見てくる。

 

「何なのあれ!?」

 

「わかりませんがとにかくここから逃げましょう!」

 

そう海未が言い穂乃果とことりの手を掴み逃げ出そうとすると1人の生徒がドアから出ようとした瞬間その怪物が近づき手から爪のような物が生えその生徒の腹部に刺した

 

「えっ?ゲホうえぇ!」

 

その怪物は、生徒の腹部から爪を抜いたと同時にそこから大量の血が溢れ出ていた。

その光景を目の当たりにし一斉に生徒達は、逃げだした。

 

「嫌あぁぁ!!」

 

「どけ!邪魔だ!」

 

「殺される!」

 

それをあざ笑うかのように怪物は、口から糸を吐き出し生徒達を捕まえ次々と爪で刺していった。

次々と殺される生徒達を見てことり達は、恐怖で動けなくなっており雄介は、ことり達に近づき

 

「早く逃げろ!このままじゃ!」

 

その声に気づいたのか怪物がこちらを見て近づいてくる

 

「(くそ!どうする!どうすればいい!)」

 

雄介もほとんど恐怖で動けなくなっておりこのままじゃ全員殺されると思い後ろにいる3人を見て

 

「(俺が何とかしなくちゃ!この子達でも逃がさないと)」

 

と雄介は、海未の方を向き

 

「海未ちゃん、俺が奴を引き付ける。だからその間ことりちゃんと穂乃果ちゃんを連れて逃げて!」

 

そう雄介が提案して

 

「何を言っているのですかあなたは!それじゃあ雄介が」

 

「そうだよ!ゆーくんを置いてくなんてできないよ!」

「そんなの絶対に許さないよ!」

 

3人からの反対をくらいながらも

 

「このままじゃ絶対殺される!だから俺が時間稼ぎをするから海未ちゃん達は逃げて警察に連絡をして!」

 

と雄介が言ったと同時に怪物の方に向かっていった。

 

「雄介!!」

 

「ゆーくん!!」

 

雄介は、怪物に体当たりをし3人の方を向き

「今のうちに逃げろぉ!」

 

そう雄介が言葉を放った瞬間怪物に胸ぐらを捕まれ勢いよく黒板のある方に投げられた。

 

「ガハッ!」

 

黒板がヘコムほど勢いよく叩きつけられ口からは、大量の血を吐き出した。

 

「(嘘だろマジで死ぬのかよこんな所で)」

 

雄介の意識は、朦朧としている中で彼女達は、こちらを見て涙で訴えてくるがもうほとんど聞こえない

雄介は、ほとんど死を覚悟した瞬間、集の席の方に目がいった。集は、ずっと机の下に隠れておりその集の鞄からは、あのベルトが出ていたと同時にまた雄介の頭の中にあの映像が流れた誰かが変身して戦う姿に変わるのを

その映像をみて雄介は、集に

 

「シュウ、集!そのベルトこっちにくれ!」

 

と雄介に呼ばれ驚く集は、

 

「えっ!雄介?」

 

「早くこっちによこせ!」

 

「う、うん!」

 

集は、雄介の手を伸ばしている方向にベルトを投げた。

雄介は、それを受け取り自分の腹部に着けてみると

ベルトは、雄介のお腹の中に吸い込まれかのように入っていった。

 

「うぐぅぅうあぁ!!」

 

「嘘だろ、雄介のお腹の中に入っていった」

 

さっきの叩きつけられた激痛とベルトを着けた激痛が、

同時に雄介の意識が遠のいていく感じだが、今でも大切な人達が殺されそうになっている瞬間雄介は、立ち上がり怪物の方に走って行き怪物の背後からパンチを入れた。

 

「うあぁぁぁ!!!」

 

「グォ!?」

 

怪物は、少し怯み後ろの方を見ると

 

「ハァハァハァ」

 

雄介の腕の辺りが変化していた。

 

「か、変わった!?」

 

と同時に雄介は、怪物にパンチと蹴りを入れ続け体がどんどん変化していき最後の蹴りで怪物を吹き飛ばし完全に姿を変えた。

 

「嘘でしょ」

 

「ゆーくんの体が」

 

「変わった」

 

ことり達3人が驚き雄介も自分の体を見て

 

「ハァハァこれ本当に俺?」

 

そこには、白い戦士が立っていたこの戦士の名は、

クウガだがその名を雄介が知るのは、もう少し先だ。

 

「クウガ、ツノガチイサイナ」

 

怪物がそう言いクウガに向かっていった。

怪物がラリアットをしてきて咄嗟にガードをするが、勢いが強く吹き飛ばされ窓のガラスが割れ下に落ちてしまった。

 

「ぐぁ!」

 

落ちてしまい下に叩きつけられたが、強化された体なのか、そこまでダメージは、なかった。

怪物が下に降りてきて口から糸を吐き出しクウガの腕に巻き付け上の方に吹き飛ばした。

 

「うあぁぁぁ!」

 

吹き飛ばされたクウガは、フェンスを突き破り学校の

屋上まで飛ばされた。

 

「くっくそ!」

 

怪物は、学校の壁をよじ登りこちらに向かってきた。

 

「ねぇ!どうするの!このままじゃゆーくんが!」

 

「落ち着いて下さいことり今は、姿が変わった雄介を信じるしかありません!とりあえず私達は、避難をして、助けを呼びましょう!」

 

そう海未がことりに言い穂乃果にも声を掛けようとしたら、

 

「ねぇ海未ちゃんこの人達皆死んでるのかな?本当にこれは、現実なのかな?夢じゃないかな?」

 

そう穂乃果は、辺りをさまよう血の海としたこの教室を

 

「穂乃果確かにこれを、現実とは思いたくありません私だってそうですだけど、今は生存者をいる事を信じ私達が助けを呼ばないと!」

 

そう海未は、穂乃果を但しことりを連れ教室を出た。

 

「あれ僕の事忘れてる?」

 

寂しく集も続いて教室を出た。

海未達が走って他の教室を見てみると皆が避難していることがわかった。

 

「やはりあの騒ぎで皆すぐに避難しましたか」

 

「どこにいったんだろう?」

 

海未とことりが会話している中穂乃果の携帯が鳴り出した。絵里からの着信だ。

 

「「もしもし穂乃果今どこにいるの?」」

 

「まだ学校だよ今から出る所」

 

「「まだ学校にいるの!?海未とことり雄介は、無事?」」

 

「うん、海未ちゃんとことりちゃんは、大丈夫でも、でも!」

 

「「穂乃果?」」

 

「他の皆は、殺されたし!雄介は!!」

 

穂乃果は、涙ながらに訴え電話越しで絵里が困惑する。

 

「「えっ皆が殺されたってどういう事?」」

 

絵里が返事をし涙でほとんど答えられない穂乃果に海未は、穂乃果の携帯を奪うように取り

 

「絵里詳しい話は、後でします今は、何処に向かえばいいか教えていただけませんか」

 

「「えっえぇ」」

 

絵里は、海未に居場所を教えそこに向かった。

数十分後海未達は、絵里達が避難した場所に着いた。

 

「穂乃果!ことり!海未!」

 

絵里と他のμ'sの皆が外で待っていてくれた。

 

「絵里ちゃん、絵里ちゃん!!」

 

穂乃果は、絵里に抱きつき絵里の胸の中で泣いていた。

 

「どうやら怪我はないようねとりあえずあなた達が無事で良かった」

 

絵里がほっとしたつかの間凛が雄介がいない事に気づく

 

「ねぇことりちゃん雄介、雄介はどこにいるにゃ?」

 

凛がことりに雄介の事を聞き

 

「ゆーくんは・・・」

 

ことりは、うつむき答えられずにいた。

 

「そう言えばさっき電話で穂乃果が雄介は!って一体なにがあったの?」

 

絵里が海未の方に向きさっきの事を聞いた。

 

「皆さんどうか落ち着いて聞いて下さい」

 

海未は、先ほどの出来事をすべて話した教室に怪物が来た事、教室内にいるほとんどの生徒が殺された事、雄介が謎のベルトを付けその怪物と今も戦っている事すべて話終えた後、皆は、驚愕の顔をしていた。

 

「嘘でしょ私達は、ただ避難しろとしか言われてないからまさかそんな事に」

 

花陽が顔を手で覆いただ驚きしかなかった。

と、凛が歩きだし始めた。

 

「凛、どこに行くつもりですか?」

 

海未が凛を制止し凛は、後ろを向き

 

「雄介を助けに行く」

 

「みすみすあなたは、殺されにいくつもりですか?」

 

と海未が言い放ち凛は、怒りの込もった声を出した。

 

「その雄介が今殺されそうになっているんでしょ!だから凛達が助けに行かないと!」

 

「あなたは、あの怪物を見て、まともに立っている自信はありますか!」

 

海未の怒りに凛もたじろぐが、凛は、それでも反発した

「じゃあ海未ちゃんは雄介を見殺しにするだね!見損なったよ!」

 

「あなたは!!」

 

「やめなさいあんた達!」

 

海未と凛の口論ににこが制止した。

 

「今は私達が言い争いをしている場合じゃないでしょ!」

 

「にこちゃんの言うとおりよ2人とも落ち着きなさい」

 

真姫がそう言い海未も凛も落ち着きを取り戻し

 

「すみません」

 

「ごめんなさい」

 

と2人とも謝罪をした。

真姫が海未の方を向き

 

「雄介は、姿を変えたのよね?その・・・雄介も怪物になったの?」

 

「いえ、雄介は怪物になったのではありませんでもどう言葉にしたらいいか・・・」

 

「そう、なら私達は雄介を信じて待っているしかないわね」

 

「真姫ちゃん、そうやね今私達の出来る事は雄介君を信じ無事帰ってくることを祈るしかないね」

 

希がそう言い皆雄介の無事と帰りを待った。

 

 

ー同時刻ー

 

クウガと怪物は、より激しい攻防が続いた。

 

「ハァハァ」

 

クウガは、一気に相手の間合いを取り怪物に蹴りを放ったが、怪物は、ギリギリで避け逆にクウガの体にパンチを入れた。

 

「ぐあぁ!!」

 

クウガは、吹き飛ばされフェンスに激突した。

 

「ソノテイドカクウガ!」

 

怪物は、近づき自身の腕から爪を生やしクウガに目掛けて突き刺してきた。

 

「くっ!」

 

それを、ギリギリで避け怪物の腕を抑えたが怪物に顔を殴られそのまま倒れ怪物がクウガを足で押さえつけ

 

「ウオオォォ!!」

 

怪物が叫んでいる隙にクウガは、足で怪物の尻を蹴り怪物が怯むその隙に立ち上がったが怪物は、口から糸を

吐き出しクウガの首に巻き付けこのまま首を締め付けようとする。

 

「ぐっが(このままじゃやられる!)」

 

クウガが膝を付き意識が遠のいていく。

クウガが見えるのは、周りの風景それは、いつもここでμ'sの皆が練習している所

笑いあったり時には、ふざけあったりこの場所には、たくさんの思い出がμ'sとある。

クウガは、これ以上皆の思い出の場所を傷つけたくないその思いが爆発し巻き付けられている糸をこちらに勢いよく引っ張り怪物は、バランスを崩した。

その隙にクウガは、怪物の顔に拳を入れ怪物は、勢いよく吹っ飛びフェンスに激突した。

 

「これ以上皆の大切な場所を傷つけさせはしない!」

 

クウガは、助走を付け一気に怪物に目掛けてキックを

炸裂させた。

 

「グオォォアァ!!」

 

キックが決まりフェンスを突き破り怪物は、下に落ちていった。

クウガは、下を覗きこみ確認するが怪物が居なくなっていた。

死んだのか逃げたのかわからないが今この戦いが終わり

ほっとしたと同時にクウガから雄介の姿に戻る。

 

「俺、勝ったんだよな」

 

と同時に体の激痛と眠気に襲われそのまま眠りについた

ー第1話復活endー

 

 




初めて小説を書いて思ったのがこんなに大変だとは、おもいませんでした。
でも、書いてると止めらないほど面白かったので、
これからも頑張って書いていきたいと思います。


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第2話 変身

第2話 先に謝ります。凛ちゃん推しの方ごめんなさい


怪物の襲撃のあった翌日の朝太陽の光が灯り雄介は、眼を覚ました。

 

「んっここは?」

 

辺りを見渡すと見知らぬ部屋それにベッドここが、病院だとすぐにわかった。

 

「そうか俺・・・」

 

雄介は、自分の腹をさすり自分が違う姿に変わって怪物と戦った事を思いだす。

 

「あの後俺は・・・」

 

そう言いった時ドアの開ける音が聞こえた。

 

「ゆーくん!目が覚めたの!?」

 

ことりが花瓶を持っておりどうやら花の水を替えに行ってたらしい。

 

「あぁことりちゃんおはようあの聞きたいことが」

 

そう言いかけたがことりは、無言で雄介に近づきそのまま抱きしめた。

 

「こ、こ、ことりちゃん!?ど、どうしたの///!?」

 

雄介は、驚き+嬉しさでテンパっていた。

 

「ゆーくんどうして、あんな無茶したの?」

 

ことりの声からすすり泣く声が聞こえ

 

「ごめん」

 

雄介は、ただ謝るしかなかった。

 

「本当に、本当に心配したんだよ!ゆーくんが私達を庇って血だらけになるしそのうえ姿も変わっちゃうし!

ねぇ本当に大丈夫なの?」

 

ことりがこちらを見上げ心配しそうに見てくる。

 

「本当にごめん・・・でもああやるしか助かる方法は、なかったと思ったから」

 

雄介は、そっとことりを抱きしめた。

 

「ことりちゃん聞いていい?あの後どうなったか教えてもらっていいかな?」

 

「うん・・・わかった」

 

ことりは、あの後の出来事を1つ1つ話始めた。

あの後学校の先生の通報で警察が来て学校を捜査した所雄介達がいた教室だけ被害があり怪物に襲われた半分以上のクラスメイトが亡くなっていて、屋上で重症だった雄介を見つけ保護されたらしい。

 

「そうか・・・じゃあ偶然に俺達の教室だけが襲われたくさんの人達があいつに」

 

雄介は、悔しさに拳を強く握りしめた。

 

「あの後ゆーくんがこの病院に運ばれた事を知って、皆が駆けつけた頃ゆーくんは、治療室にいたけど、すぐに治療は終わったらしいんだどこにも異常は、ないって」

 

と言い雄介は、驚いた確かに大怪我をしていたはずのにと思っていたところことりは、雄介をじっと見て

 

「ねぇゆーくん、あの姿は何?」

 

と言い雄介の返事を待った。

 

「正直俺にもわからないあのベルトを付ける前頭の中に流れてきたんだベルトを付けて姿を変えて戦っている人を実際に付けてみたら本当に姿が変わったんだ」

 

雄介は、そう言い自分の腹の辺りを擦る。

 

「ねぇゆーくんもうあんなあぶない事絶対にしないで!

もしもの事があったら私!」

 

ことりは、そう言い雄介の手を握る。

 

「ことりちゃん・・そうだよねそれにあの感触は、なれないし」

 

「あの感触って?」

 

そう言い雄介は、空いてる方の拳を握る。

するとドアのノックの音が聞こえた

 

「ことりちゃーんお兄ちゃんの様子はどうって、目が覚めたの!?」

 

お見舞いに来た梓が驚き雄介の方に近づく

 

「あぁ今さっきなごめんな梓心配かけて」

 

と雄介は、誤り梓は、少し怒った様子だ

 

「本当だよ全くことりちゃん達を守る為とはいえ自分が犠牲になったら意味ないよ・・・でも本当に無事で良かった本当に」

 

梓は、少し涙目になり自分の目元を擦る。

 

「でもどうしてあんな未確認生命体がいきなり出現したんだろう?」

 

梓は、そう言い雄介は、疑問に思った。

 

「未確認生命体って?」

 

「今回お兄ちゃん達を襲った奴の事だよそれに今話題になってるよ人を襲う怪物があちこち現れてるってそれが未確認生命体ってネットやニュースに流れてる」

 

梓の説明に雄介は、驚愕したこの前戦った奴以外にもまだあんな奴らいるって事を

 

「嘘だろあいつ以外にもまだ」

 

「でも今回お兄ちゃん達の学校にもう一体現れたんでしょその未確認が仲間同士で争ってその一体が撃退したとか」

 

と言い梓が携帯を雄介の方に見せるそこには、あの怪物とクウガが戦っている画像が載せられていた。

誰かがあの時撮ったのだろうかと雄介が思い画像を見つめる。

 

「でもこのおかげでお兄ちゃん助かったんだよね」

 

と梓の言葉に雄介がへっ?となり

 

「だってそうでしょもう一体の未確認がこなきゃお兄ちゃんこの怪物に殺されてたんだからそれにことりちゃんもそう言ってたし」

 

と梓は、言い雄介は、ことりの方を見てことりは、目で合図をし雄介は、なるほどと思い

 

「そうだよな~もう一体こなきゃ俺あのまま怪物に殺されてたかもな」

 

と言い雄介は、梓の話に合わせた。

 

「そう言う事あっ私お兄ちゃんが起きたことお父さんとお母さんに連絡してくるね」

 

そう言い梓は、病室をでた。

 

「ごめん、ことりちゃん気を使わせちゃって」

 

雄介は、ことりを向き謝った。

 

「ううんだってゆーくんがまさかこの未確認にって梓ちゃんが知っちゃうとたぶんショック受けると思うから」

 

それに・・・とことりは、言葉を続け

 

「梓ちゃんにとって、ゆーくんは本当に特別だから」

 

と言う。

ことりの言葉の意味とは、雄介と梓の両親は、海外赴任で日本には、滞在していないのである。

梓が中学校を上がる頃両親の海外に転勤する事が決まり最初は、一緒についていくという話もでたが梓が日本に残りたいという思いに家族の皆が頭を悩ませた。

一晩中話し合い雄介が梓と一緒に残ると名乗り出て最初は、反対されたものの雄介の強い意思で両親を納得させた。

両親が海外に転勤をしてからは両親のいない寂しさに最初は、梓も後悔していたやっぱり着いていくべきだと思った時もあったが、雄介の支えにより少しずつ元気を取り戻していった。

雄介は、梓にとって兄であり親代わりでもあり本当に心から信頼している。

 

「だから梓ちゃんの為にもゆーくんはもう二度とあの姿にはならないで」

 

ことりに念を押され雄介は頷くしかなかった。

 

「わかったもう二度とあの姿にはならない」

 

雄介はことりと約束しことり椅子から立ち上がり

 

「じゃあ私はそろそろ行くね」

 

と病室のドアの方に向かった。

 

「うんまた学校で」

 

雄介は、そうことりに言ったがことりは、暗い顔をし

 

「学校は今回の事があって当分休校になるよ」

 

ことりがそう告げ雄介は、えっ?となり

 

「じゃあμ'sは、μ'sの活動は?」

 

雄介がそう言いったがことりは、雄介の方を向かず

 

「μ'sの活動の事もこれから穂乃果ちゃん達と話合う事になったから今は何とも言えないんだ」

 

「そう・・・なのか」

 

あの事件が原因で学校が休校μ'sの活動も極力控えるよう理事長(ことりの母)に言われたらしい。

 

「それじゃあ私行くね」

 

ことりは、そう言い病室を出た。

雄介は、大切な場所を守れなかった悔しさに涙を流すことしかできなかった。

 

 

ー翌日ー

 

昨日雄介の身体検査が終わりどこも異常がみられなかったので、すぐに退院となった。

 

「じゃあこれから俺穂むらの所に行ってくるから」

 

「うん気をつけてねお兄ちゃん」

 

病院を出て雄介は、穂乃果の家穂むらに向かう

昨日のやりとりで、雄介は、μ'sの皆と連絡を取り

今後の事を皆と話し合いをしたいと皆それを了承し

穂乃果の家穂むらに集合する事になった。

歩いて30分くらいで穂むらに着きドアを開けた。

 

「お邪魔しまーす」

 

と雄介が中に入ると奥の方から女性が1人出迎えてくれた。

 

「あぁいらっしゃい雄介君皆待ってるわよ」

 

出迎えてくれたのは、穂乃果の母で雄介が小さい頃からお世話になっている。

 

「それにしても、体大丈夫?穂乃果から聞いたけど重症だった見たいじゃない」

 

「えぇまぁ体の方は、何ともなかったみたいなので、

大丈夫です」

 

「そう、なら良かった」

 

穂乃果の母は、安心したように微笑んだ

 

「じゃあお邪魔しますね」

 

「えぇゆっくりしていってね」

 

穂乃果の母にそう告げ雄介は、穂乃香の部屋に向かった

穂乃果の部屋の前に立ちノックをし奥の方から

 

「どうぞー」

 

 

という返事が聞こえたので、ドアを開けた瞬間

 

「雄介ー!」

 

と凛が飛び出してきた。

 

「おわっ!凛ちゃんびっくりしたー」

 

凛が雄介に抱きつき驚く雄介

 

「ちょっと凛!いきなり飛び出したら危ないでしょ!」

 

真姫が凛に注意すると花陽が「まぁまぁ」と言い

 

「凛ちゃんも雄介君の事心配してたから」

 

と真姫に言い真姫も「それもそうね」と納得する。

 

雄介は、皆に心配かけたと凛の頭を撫でながら

 

「ごめん、皆心配かけて」

 

「そうにゃ!本当に皆心配したんだよ」

 

凛が雄介に言い皆同じ思いだった。

と海未がそっと立ち上がり

 

「雄介あの時は、私達を助けていただきありがとうございます。あの時雄介が助けていただけなけれはば、私達もあの怪物に」

 

と海未が言い雄介が海未に近づき肩に手を置いて

 

「3人とも無事で良かった」

 

と雄介が言い海未は、もう一度「ありがとうございます。」と深々と頭を下げた。

すると絵里が雄介の方に近づき

 

「雄介大体の事情は海未から聞いたわ怪物が襲って来たことそれと、あなたがこの画像に写っている姿に変わったこと」

 

絵里は、ポケットから携帯を取り出し画像を雄介に見せるそれは、梓に見せてもらった画像と同じだ。

 

「あなたがベルトを着けこの姿に変わったそうよね?」

 

と絵里が雄介に質問してきた。

 

「あぁそうだ」

 

「そのベルトは、何だったの?どこから持って来たの?あなたは、なぜそんな軽率な事したの!」

 

絵里は、どんどん声を張り上げ怒りをあらわにした。

 

「えりち落ち着いて」

 

希が絵里をなだめるが、雄介は、「いいんだ」と希に言い自分が知っている事をすべて話した。

 

「あのベルトは友達の集って奴が持って来たものだ

あのベルトは東京にある古代遺跡の近くに落ちていたらしい最初は、桜子先生に預けるつもりだったが怪物が襲ってきてなまぁ後は海未ちゃんから聞いたとおりだ」

 

「じゃああなたは、何故ベルトを着けようって思ったのなぜあの姿に変われると思ったの?」

 

絵里の質問に雄介は、

 

「求められた気がしたんだあのベルトにあのベルトに触れるとあの姿に変わる映像が見えたから着けてみたらそのとおりになった」

 

絵里は呆れながら

 

「ハァあなたは、本当にバカねでもあなたが穂乃果達を助けた勇気は、本当にすごいと思う」

 

絵里がそう言い雄介は、照れながら

 

「へへ、なんか絵里にそう言われと照れるな」

 

と頬をかくと雄介は、もう一度皆の前に立ち

 

「今回の事で皆に心配をかけた本当にごめん!それと

ことりちゃんと約束をして二度とあの姿にはならないと決めたから」

 

と雄介は、言い深々と頭を下げた。

と皆納得したように頷いた。

雄介が頭をあげ本題に入ろうとする

 

「皆話は変わるけどこれかりのμ'sの活動の事で話がしたい」

 

雄介の言葉で皆真剣な顔つきになる最初に声をだしたのは、穂乃果だった。

 

「μ'sの事だけど、今学校では練習は出来ないし未確認生命体がいて、極力外には出れないけど私は続けたい!」

 

穂乃果の言葉に皆が賛同した。

 

「確かに今とても危険な状態だけど私達の最後の思い出をこんな形で終わらせたくない!」

 

そう絵里達3年生は、来年の春で学校を卒業だからラブライブで最高の結果を残し卒業したいというμ's皆の思いだった。

 

「なら続けよう」

 

雄介が立ち上がり

 

「μ's皆の努力をこんなところで終わらせたくない皆でラブライブを優勝して最高の結果を残そう!」

 

皆が強く頷きにこが立ち上がり

 

「あったりまえじゃない!ラブライブに出場して必ず優勝するんだからこんな所で止まってなんてられないわよ!」

 

とにこが渾身のにっこにっこにーをする。

 

それを見た凛が「にこちゃんは相変わらずにゃ」と言い皆を笑顔にさせた。

夕方まで穂乃果の家にいた皆が帰りの支度をし始める。

 

「じゃあ穂乃香私達はこれで」

 

「うんまた今度ね」

 

皆が穂乃果に別れを告げ穂乃果の家を出る凛達一年生

絵里達3年生とも別れ別々の道を行く。

凛がご機嫌よく鼻歌を歌いながら歩いていく。

 

「ご機嫌いいね凛ちゃん」

 

「うん!だってこれからもμ'sの活動が決まってテンションあがるにゃー!」

 

と凛が勢いよくジャンプをした。

 

「本当に凛ってわかりやすいわね~」

 

「そういう真姫ちゃんも嬉しいくせに~」

 

「わ、私は別に・・・まぁその通りだけど!」

 

真姫は照れながら答えるナイスツンデレ

凛達が楽しく談笑しながら帰って行くはるか上空の所に

凛達を狙う黒い影が強く羽を羽ばたかせ狙いを定めていた。

 

「ツギハアイツラダ」

 

と猛スピードで向かって真ん中にいる凛を狙った

と黒い影は凛を捕らえる突然の事で何が起きたかわらからない凛が顔を上の方にあげたらコウモリみたいな外見をしている未確認に捕らえられていた。

突然真ん中から凛が消え唖然としている花陽と真姫の先には、未確認に捕らえられている凛が見えた。

 

「凛!」

 

「凛ちゃん!」

 

と同時に2人は走り出し凛を助けようとする

 

「う、あ」

 

凛は目の前の恐怖にただ怯える事しか出来なかった。

以前海未に言われた通り怪物を見てまともに立っていることが出来ないその意味がわかった。

未確認が大きな口を開け凛の首筋に噛みつき血を吸いはじめた。

 

「うあぁぁぁー!!」

 

凛は首筋から通る激痛に叫ぶ事しかできなかった。

 

「りんちゃーん!!」

 

花陽は叫びながら未確認に向かっていき凛を捕らえている腕をほどこうとしたが力が強く振りほどく事が出来ない同時に真姫も試みるが同様に振りほどくが出来なく

ただ未確認に襲われている凛を見る事しかできなかった

うっとおしいと思ったのか未確認は大きな羽で花陽達を吹き飛ばした

 

「きゃ!」

 

「痛!!」

 

花陽と真姫がしりもちを着き未確認は花陽達の方見ながら

 

「ツギハオマエタチノバンダ」

 

と言い凛の血を吸い続けどんどん顔が青白くなっていくのがわかるこのままじゃ凛が殺されると思った時偶然か車が通りかかった。

そのライトで未確認は怯み凛を離すその隙に真姫が凛を担ぎ上げダッシュでその場から逃げた。

 

「凛ちゃん!凛ちゃん!ねぇ!大丈夫!?」

 

花陽が凛に話しかけるが凛は応答しない

 

「花陽今すぐ雄介に電話しなさい!」

 

花陽は「えっ?」と真姫の方を向く

 

「どうして雄介君なの!?警察に連絡しないと!」

 

「今ここで警察を呼んでもあいつに捕まるのが先よ!

だったらまだ近くにいる雄介の方が早いわ!」

 

「でもさっき雄介君はもう戦わないって!」

 

「あなたは今ここで死にたいの!?悠長にしている暇はないんだから早く!」

 

真姫の言葉に圧倒された花陽がしぶしぶ携帯を取りだし雄介に連絡をする。

車のライトで視界を奪われた未確認がだんだん回復していき

 

「アノリントドモゼッタイニニガサン」

 

と言い大きく羽を広げ飛だした。

雄介がことりと海未と一緒に帰っている最中雄介の携帯が鳴り出した。

 

「ん?かよちゃんからだ何だろ?」

 

雄介が携帯に出ると

 

「「雄介君助けて!凛ちゃんが未確認に襲われた!」」

 

花陽の言葉に驚愕する。

 

「えっ!?凛ちゃんが!わかったすぐに行く!」

 

雄介は携帯をしまい走り出そうとする。

 

「ゆーくん!なにかあったの!?」

 

「凛ちゃんが未確認に襲われた今からそこに向かう!」

 

「凛が襲われたって凛は大丈夫なのですか!?」

 

「わからないだから今から合流する」

 

「わかりました私も行きます!」

 

「わ、私も行くよ!」

 

雄介は頷き3人とも走り出す。

この時ことりは嫌な予感をしていたまた雄介が戦うんじゃないかと

 

 

真姫と花陽は今は誰も使ってない廃工場に身を細めていた凛の様子を伺いながら警戒している。

 

「真姫ちゃんどう?凛ちゃんの様子は」

 

「かなりの血が抜かれているわね早く輸血しないと」

 

「凛ちゃん」

 

と花陽の携帯が鳴り出す。

 

「「かよちゃん!今どこにいる!?」」

 

「今使ってない廃工場がこの近くにあったでしょ今そこに隠れてる」

 

「「わかったもうちょっと待ってて!」」

 

と花陽は携帯を切りポケットにしまう

 

「雄介君今向かってるって」

 

「そう、わかったわ」

 

「ねぇ真姫ちゃん早く凛ちゃんを病院に連れていかないと」

 

「わかってるわよでも今動いたらたぶん見つかっちゃう」

 

花陽は凛を膝枕をし雄介の到着を待つ。

数分後こちらに向かってくる足音が聞こえた

 

「凛ちゃん!かよちゃん!真姫ちゃん!」

 

雄介は花陽達を見つけ走り出す。

 

「2人とも大丈夫か!?凛ちゃんは!」

 

「私と花陽は大丈夫でも凛は未確認に血を吸われて」

 

と雄介は凛の様子を伺う

 

「ひどい」

 

「なぜ凛が」

 

ことりと海未も凛の様子を見て言葉を失う

 

「早く病院に!」

 

「今はダメ!あいつに見つかっちゃう!」

 

雄介は早く凛を病院に連れて行こうとするが未確認がまだ近くにいると真姫に止められた。

と同時にガラスが割れる音が聞こえ皆が驚愕する

 

「ミツケタゾリントドモ」

 

現代では理解できない言葉を放ちこちらに向かってくる

 

「どうしてここが?」

 

花陽が怯え凛を抱きしめる。

 

「前とは別の未確認」

 

雄介は立ち上がり身構える。

 

「皆おれがあいつを引き付けるからその間に」

 

と雄介が言った時ことりに袖をつかまれ

 

「ゆーくんもしかして戦うつもり!?」

 

「今はそれしかない!」

 

雄介はことりの手を放し未確認に向かって行く。

 

「ゆーくん!」

 

雄介は未確認の体にパンチを入れその腕が変わっていくと同時に蹴りも入れ雄介の体はクウガに変わっていった

 

「うそ本当に変わった」

 

真姫と花陽が驚いている内に海未が凛を抱え

 

「ほら2人とも今の内に逃げますよ!ことりも!」

 

海未が3人を逃げるよう指示をする。

真姫と花陽は頷き海未と一緒に走っていくが、ことりだけはその場から動かない。ただ雄介と未確認の戦いを見ていた。

クウガは連続で攻撃を繰り返すもたいしたダメージを与えていかなった未確認はクウガのパンチを素手で受け止め

 

「ホンウノパンチハコウヤッテヤルンダヨ」

 

とクウガの顔面を殴りその攻撃でクウガは怯み未確認はクウガを蹴りその勢いでガラス窓を突き破り外に吹き飛ばされた。

 

「ぐあ!」

 

クウガは立ち上がると同時に未確認が飛んできてそのまま突っ込む

 

「うあぁぁ!」

 

その衝撃で電信柱に激突しそのダメージで雄介の姿に戻ってしまう。

 

「ぐっくっそ!」

 

雄介は立ち上がろうとするが体に力が入らなくそのまま地面に倒れる。

未確認が雄介に止めを指そうとした瞬間パトカーのサイレンが鳴りこちらに向かってくる。

そのライトの光で未確認は怯みその場から立ち去った。警察が車から降り雄介の方に向かう。

 

「大丈夫か君!怪我は?」

 

「俺は・・・大丈夫ですそれよりも今建物の中にも人がいますそっちを先に」

 

雄介は無理矢理体を立たせ警察官の人に凛達の保護を頼む

「わかった」と警察は中に入り花陽達を保護する。

警察の保護により皆の安全を確かめ凛が重症だと伝えパトカーに乗せ病院まで連れて行ってくれた。

どうやら事前に花陽が警察に連絡していたらしい。

真姫の父が経営する病院に着くと凛を緊急搬送しすぐに集中治療室に運ばれた。

皆は、治療室の前で凛の無事を祈る。

数十分後凛が襲われた事を知らされた残りのμ'sメンバーが到着する。

 

「皆!凛は大丈夫なの?」

 

「まだわからないわ」

 

絵里の質問に真姫が答える。

 

「雄介君も怪我を」

 

雄介の腕や額に包帯が巻かれている所を見て希が心配する。

 

「俺は大丈夫だ」

 

と雄介は座っていた椅子から立ち上がり

 

「皆俺ちょっと外に出てくる」

 

そう言い雄介は歩き出す。

雄介が見えなくなる所まで歩いて行ったらにこが口にする。

 

「雄介また戦ったの?」

 

「えぇ私達を逃がす為に」

 

と海未が頷き答える。

 

「でも、もう戦わないって」

 

穂乃果が疑問に思った事を言ったがもしあの場に居て同じだ立場だったらいたらと思うと雄介を頼ってたかもしれないと皆がそう思い口を開かなかった。

すると、ことりは立ち上がりさっき雄介が歩いて行った方に歩き出す。

 

「ことりどちらに?」

 

「ゆーくんの所に」

 

海未はことりを方を見て頷き「わかりました」と言い

 

「凛の事は私達が見ていますだからことりは雄介を頼みます」

 

ことりは大きく頷き雄介の所に向かう。

 

 

雄介は自販機の近くにあるベンチに座っていた外は暗く空には、たくさんの星が輝いていた。

 

「ここにいたんだねゆーくん」

 

ことりは、雄介を見つけ隣に座る

 

「空、綺麗だね」

 

「うん・・・でも、この空は綺麗でも今の街は危険に

満ちているあんなに平和だった街が」

 

雄介は、空を見上げ悔しそうな表情をする

 

「・・・俺、本当にこのままでいいのかな?このままあんな奴らに好き勝手やらせて」

 

「ゆーくん」

 

「今回の事だって、皆を守りたい一心で未確認に向かって行ったけどダメだった・・・あいつの強さには歯が立たなかった、このままじゃ本当にダメだ」

 

「ゆーくんは、戦いたいの?」

 

ことりは、雄介の顔を見て答える真剣な表情がものがったっていた。

ことりやμ'sの皆の前でもう戦わないと宣言したのにいざ目の前で大切な人達が襲われている所を見るといてもたってもいられない。

 

「・・・俺は」

 

すると救急車のサイレンが聞こえこちらに向かってくる音が聞こえた。

病院に着くと救急車を止め後ろのドアが開き担架が降りてくるのが見えた。

そこには、女性が1人運ばれてもう1人は、その娘だろうか必死にその女性に叫んでいた。

 

「おかーさん!おかーさん!死んじゃ嫌だよ!」

 

娘の叫びに返事がなく救急隊に担架を押され病院に入った。

雄介は、一瞬だが見えた凛と同じくあの女性の首筋には噛ませれたような跡があった。

 

「まさかさっきの未確認がまた」

 

雄介は、怒りと共に強く拳を握り締める。

ことりは、雄介の拳をそっと自分の手で包み込む。

 

「ゆーくん皆の所に戻ろうそして伝えよ今ゆーくんが

どうしたいのか」

 

「ことりちゃん・・・」

 

雄介は、大きく頷きことりと共に皆がいた所へ戻る。

雄介とことりが走って皆の所へ戻ったら皆が気づいたのか花陽がこちらに向かって来てことりに抱きつく。

 

「さっき凛ちゃんの治療が終わったの先生に聞いたら

たくさんの血が吸われていたけど命には別状ないって」

 

花陽は、「良かった、良かったよ凛ちゃん」と呟きながらことりの腕の中で泣いていた。

ことりは花陽を抱きしめ安心させるかのように背中を擦る。

他の皆も安堵したのか疲れたようにその場に座っている。

 

「さっき凛の親御さんが来て今中で凛の輸血をしているわ」

 

絵里がさっき先生に聞いたらもう少し吸われていたら命が危なかったらしい。

もう少し助けるのが遅かったら凛は、死んでいた

そんな恐ろしい事が起こってたかもしれない大切な友達がいなくなっていたかもしれない。

さっきの女性だってそうだまだ助かるかわからない

助からなかったらさっきの女の子は、ずっと悲しみを

背負いながら生きていくかもしれない。

これ以上未確認生命体の好きにさせたらもっと被害が

大きくなりこれ以上の悲しみが増えるかもしれない。

雄介は、覚悟を決め皆に伝えた。

 

「皆、俺やっぱり戦う事を選ぶよ」

 

雄介の発言にことり以外の皆が驚愕する

 

「ちょっ、ちょっと待ってよ!戦うって」

 

穂乃果が雄介の方に歩み肩を掴む

 

「言葉の通りだ、俺はこれ以上あいつらの好きにはさせたくない」

 

「それって!死んじゃうかもしれないんだよ!今回の事だって、雄介ももうちょとで」

 

穂乃香が最後まで言おうとしたが海未が穂乃果の肩に手を置き雄介の方を向く。

 

「雄介・・・確かに穂乃果の言うとおり貴方が戦うのであればそれは、死と隣合わせかもしれません」

 

ですが・・・と海未は、続け

 

「今、現状未確認生命体と戦えるのは、貴方しかいません

ですから私は貴方の力を信じたいと思います」

 

海未がそう言い穂乃果が海未の肩を掴み大きく揺さぶる

 

「それって!雄介に犠牲になれって事!?そんなのダメだよ!」

 

「じゃあ貴女は、このままでいいと思っているのですか!?

また凛が襲われたように他のメンバーや家族が襲われ

それを黙って見ていろと言うのですか!?」

 

海未の怒りに穂乃果は、何も言えなかった

前回穂乃果達が襲われた事今回凛が襲われた事

このまま何もしなかったらまた誰かが襲われるかもしれない下手をすれば死ぬかもしれないその恐怖が皆の頭をよぎる。

 

「変われるものなら変わりたいです、ですがその力が今雄介にある以上雄介に頼るしかないんです」

 

海未は、泣きながら答える。

 

「ことりちゃんは?ことりちゃんはどうなの?」

 

穂乃果は、ことりの方を向きことりの答えを求めている小さい頃からずっと一緒だった雄介とことり

穂乃果や海未も保育園からの友達だがことりほど長くは一緒にいない。

幼なじみの答えを聞きたい穂乃果は、その答えで全てが決まると思った。

 

「私は・・・ゆーくんの気持ちに賛成するよ」

 

以外だった、誰もがそう思った。

一番反対しそうなことりが雄介の戦いを望むとは、おもわなかった。

 

「確かに嫌だよゆーくんが戦うのは、でも海未ちゃんの言うとおりゆーくんには戦う力がある

私だってこれ以上大切な友達が傷つくのは嫌だもん

だから私もゆーくんの力を信じたい!」

 

でも・・・と、ことりは雄介の方を向き

 

「これだけは、約束して必ず私、私達の所に帰って来ること」

 

約束だよ、とことりは小指を立てる。

 

「あぁ約束する必ず皆の所に帰ってくる!」

 

雄介は、ことりの小指と自分の小指を絡ませ指切りをする。

他の皆もきてことり同様に小指を皆一ヶ所に絡ませる

 

「後は、穂乃果ちゃんだけだよ!」

 

ことりが穂乃果を呼び穂乃果も皆の所に歩み小指を立て

 

「雄介・・・約束だよ絶対私達の所に帰ってくる事!」

 

穂乃果も指を絡ませ皆で一緒に指切りをする。

 

「雄介、必ず私達の元へ帰って来て下さい信じてますから」

 

「雄介君絶対に負けないでね!」

 

「必ず帰ってくるのよ」

 

「雄介・・・辛い選択をさせたかもしれないけど、私達があなたを支えるから」

 

「辛い事があったらいつでも言いなさいにこがいつでも聞いてあげるから」

 

「雄介君ウチは、いつでも無事でいられるよう

祈ってるから」

 

皆からの言葉を聞き雄介は、より一層覚悟を決め皆と

約束を交わした。

 

「ゆーくん、ことりはいつでもゆーくんの事見守っているからね」

 

ことりは、ぎゅっと雄介の手を握る。

 

「うん!皆ありがとう!絶対に約束は守るよ必ず皆の所に帰って来る!」

 

雄介の言葉に皆笑顔になる。

ふと雄介は、思った雄介が守りたい想いそれは・・・

と病院の奥の方から悲鳴が聞こえた。

何事かと皆がその場所に向かうと

コウモリの未確認生命体が看護婦やここにいる入院患者を襲っていた。

 

「ココニサッキタベノコシタメスノリントガイルハズダドコダ」

 

この未確認は、凛を探しここまで来たらしい

凛の吸った血の匂いをたどりここに着き凛をさがしていた。

雄介は、未確認に向かって未確認の両手を抑え襲われいる人を助ける

 

「早く逃げて!」

 

雄介が抑えている間に看護婦が入院患者をつれ

その場から逃げる

 

「キサマ!」

 

腕を振りほどかれ顔を殴られる。

 

「ぶっ!」

 

雄介は倒れるもすぐたち上がり向かっていく。

 

「こんな奴らの為に誰かの涙は見たくない!」

 

雄介は未確認に蹴られ後退りするが耐える。

 

「皆に笑顔でいてほしいから!」

 

雄介は、後ろで見守っているμ'sの皆に覚悟の言葉を

告げる。

 

「だから見ててくれ俺の・・・''変身''!!」

 

雄介は手を自分の腹の中央にかざし集中するするとそこから赤い水晶を宿したベルトが出現する

雄介は自分の見たイメージ通りそのポーズを取り右手を前に出し左から右にスライドしていく左手をベルトの上の方に置き右から左にスライドしていく左手が左腰の方にあるベルトのボタンにたどり着きと同時に右手も左手と重ね合わせボタンを力強く押す。

と同時に雄介は走り出し未確認に攻撃していく

 

「うおーりぃや!」

 

攻撃していくたび体が変わり以前のように白ではなく

体が赤く変わっていく。

おもいっきり拳を当て完全に姿を変わった後、未確認を持ち上げ投げ飛ばした。

 

「あれは、この前見た雄介が変身した姿じゃない」

 

「えぇ、まるで別人です」

 

「あれがゆーくんの戦う姿」

 

未確認が立ち上がり目の前の人物に驚愕する

 

「ナゼオマエガクウガニ!?」

 

未確認は、クウガに指を指し答える。

以前の未確認もクウガと言っていた雄介は、その言葉の意味がわかったこの姿の名前の事を。

 

「クウガ・・・そうかクウガか!」

 

未確認がクウガに向かい攻撃してくるそれをしゃがみ

未確認のパンチをかわし未確認の体におもいっきり

拳を突きつけた。

未確認は、その攻撃で怯みクウガは、回し蹴りをし

未確認の頭部に当てダメージを与える。

 

「グアァ!!」

 

未確認は、頭部を抑えクウガを睨むクウガは、さらに

攻撃を仕掛けようとするが、未確認は、羽を広げ

大きく羽ばたきその場から逃走する。

 

「くっ待て!」

 

クウガは、飛んだ未確認を追いかけ走って行く。

未確認を追いかけた先には、誰も使ってない建物の中に入って行った。

クウガもその中に入り辺りを見渡すが隠れたのか姿が

見当たらない。

 

「くそっどこに隠れた」

 

クウガが探している最中後ろから未確認が飛び出してきてクウガに攻撃を仕掛ける。

 

「キシャアァ!」

 

「しまっぐぁ!」

 

一瞬反応が遅れクウガの体に爪をひっかけられる。

 

「クウガァ!」

 

「くっ」

 

未確認は、さらに攻撃をするが、クウガは、攻撃してきた腕をとり未確認の胸中央にエルボーを喰らわす。

 

「ギャ!」

 

その攻撃で転倒しそこらにかけられていた鉄棒等が散らばりクウガは、障害物を避けるため飛んで空中で1回転をし着地した瞬間未確認の頭を蹴りあげる。

 

「グギャアァ!」

 

未確認は、壁に激突しクウガは、そのまま拳を握りしめ攻撃をしようとするが、突然蜘蛛の糸のようなものが

腕に巻き付かれ引っ張られる。

 

「な、これは!」

 

巻き付かれている腕の先には、以前戦った蜘蛛の未確認が窓から侵入しクウガに向かってくる。

 

「くそっこいつやっぱり生きてて!」

 

向かって来た未確認に攻撃しようとするが、コウモリの未確認にもう片方の腕を抑えられ蜘蛛が飛び空中蹴りをしクウガの体に当たりクウガは、その衝撃で倒れる。

 

「はぁはぁっくっ!」

 

立ち上がろうとするが未確認達が一足先にクウガの首を掴み壁に追いやる。

 

「ぐっくっ・・・そっ!」

 

ギチギチとクウガの首を締め付けるクウガは、コウモリの中央腹に蹴りを入れコウモリは、そのまま転がり回る。

クウガは、蜘蛛の腕を払いのけそのまま顔面にパンチを

入れ蜘蛛も地面に倒れる。

コウモリは、体制を立てなをしクウガに向かおうと走り出したが、さっき蜘蛛が入って来た窓から光が照らされ辺りが明るくなる。

夜が明け太陽が登り始めてきた。

コウモリは、その光で逃げるように飛び出し逃げていった。

クウガは、蜘蛛に攻撃を集中し追い詰めていたが、

蜘蛛は、咄嗟に口から糸を吐き出しクウガの体に巻き付け縛る。

蜘蛛は、糸を持ちクウガを引き寄せる

 

「うあぁ!」

 

腕を縛られ身動きができず蜘蛛は、腕から爪を生やし

クウガに止めを刺そうとする。

クウガは、おもいっきり腕に力を入れ蜘蛛の糸が破れ

間一髪の所で爪をかわし蜘蛛の腕を掴む

そのまま回転し蜘蛛を投げ飛ばすそして、立ち上がろうとした瞬間蜘蛛の体に左足で蹴りをいれたが、抑えられ今度は、少し飛び右足で蜘蛛の体にキックを放つ。

 

「ふっ!おりやあぁ!」

 

蜘蛛に直撃し倒れる。

クウガは、着地し様子をうかがうと

蜘蛛は、立ち上がった瞬間体にマークが浮かび上がる

 

「グアァ!ゼッタイニコロス!グアァ!ゼッタイニユルサン!クウガアァァーーーー!!」

 

蜘蛛は、苦しみだしそのマークから体に亀裂が入り

未確認が着けているベルトまで亀裂が入ると未確認は、

叫びながら爆発し体が破裂する。

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

蜘蛛の未確認を倒しクウガの右足から熱くなり煙が出てくる。

 

「ふぅ・・・終わった」

 

クウガは、空を見上げ雲1つない青空を眺める。

 

「ゆーくーん!」

 

「ゆーすけー!」

 

クウガは、声が聞こえる方を向くとμ's8人が手を振りながら走ってくる。

 

「皆!」

 

と同時に8人一斉に飛びクウガに抱きつく。

 

「うぉあぁ!」

 

バランスを崩しクウガが下敷きになり皆倒れる。

 

「ゆーくん!大丈夫?怪我ない?」

 

「うん、大丈夫!」

 

雄介は、サムズアップをし皆に無事を知らせる。

 

「それにしてもこう見るとマンガでよく見る

ハーレムだなこりゃ」

 

「あぁ!私は、何てハレンチな事を!///」

 

海未は、立ち上がり恥ずかしがる。

そんな海未を見て、皆の笑いが混み上がる。

クウガは、立ち上がり雄介の姿に戻る。

 

「さぁ行こう凛ちゃんが待ってる」

 

「「うん!」」

 

皆も立ち上がり歩き出す大切な仲間の下へ

 

ー第2話変身endー

 

 




終わったーなんとか1話から一週間以内に書けました!
これからも一週間ずつだしていきたいと思うので
頑張ります。


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第3話 兄妹

今回はオリジナルの怪人を出してみました
まぁちょっと名前が変わっただけですけど


あの戦いから一週間が経過し凛の体調も良くなり今日は退院の日だ

 

「う~んひっさびっさに外に出たにゃー」

 

「良かったね凛ちゃんすぐに良くなって」

 

凛と花陽そして、凛の母親と共に病院を出た

 

「わざわざありがとうね花陽ちゃん来てくれて

花陽ちゃんが来たら凛ったらすぐに元気になっちゃて」

 

凛の母親は、お礼をいいながら花陽の頭を撫でる花陽も恥ずかしそうだが嬉しそうだ

 

「いえ、そんな凛ちゃんが元気に退院できて良かったです」

 

「あぁ~なんていい子なの」

 

さらに花陽の頭を撫でるそれを見てる凛が我慢できず

 

「にゃー!お母さん!かよちんをなでなでしていいのは凛だけなんだからね!」

 

「んなわけないでしょ」

 

「''にゃ''!」

 

凛の頭をチョップし凛は頭を抑える

 

「うぅ~お母さん凛は、病み上がりなんだよ」

 

「はいはい、ほらさっさと帰るわよお父さんも家で待ってるんだから」

 

「うん、わかったにゃ!」

 

凛は、母親の手を繋ぎ

 

「もう、甘えん坊なんだから・・・今日はありがとう花陽ちゃんいつでも家に遊びに来てね」

 

「かよちんまた練習の日に会おうね」

 

「うん!また今度ね」

 

凛は、母親と共に家に向かい歩き出す凛は、たびたび後ろを振り返りブンブンと手を振る花陽も手を振り返し見えなくなった所で花陽も自分の家に向かい歩き出す

 

 

場所は、変わり今雄介の家中野宅には、ことほのうみがいて4人でテーブルを囲んで勉強会をしている最中だった頭を悩ませる雄介と穂乃果それを見張る海未完全に逃げられない状態だ

 

「海未ちゃんちょっと休憩しよ?」

 

「さーんせーい」

 

雄介と穂乃果が海未に頼み込むが海未は、それを許してくれない

 

「何を言っているのですか?もともとこの勉強会は、あなた方の為にやっているのですよ」

 

そうこの勉強会は、学校が休校であるため学校側から出された課題をしている最中だった

もちろん海未とことりは、すぐに終わらせていたが、雄介と穂乃果は、全く手をつけておらず雪穂と梓(妹ズ)にチクられこのありさまである

 

「海未ちゃんのケチ~」

 

「そうだケチケチ」

 

雄介と穂乃果の態度に海未がニッコリと微笑む。

 

「ほーうせっかくあなた達が頑張ったら今日ことりが持ってきたマカロンを休憩の時に出そうとしたのですが気が変わりました

あなた達には、休憩なしで勉強をしてもらいます!」

 

「「ひいぃぃ」」

 

海未の堪忍袋の緒を切らせてしまい雄介と穂乃果は、怯えことりに助けを求める

 

「ごめんね、今日は海未ちゃんに甘やかしちゃダメって言われてるから」

 

「「そんなぁ~」」

 

頼みの綱のことりも海未によって、封じられてしまう

 

「さぁ勉強を続けますよ」

 

「「へ~い」」

 

2人は、しぶしぶ勉強に取りかかる

 

 

勉強をして一時間経過し雄介は、席を立つ

 

「わりぃちょっとトイレ」

 

雄介は、そう言い自分の部屋を出るすると穂乃果は、ニンマリと笑い雄介の部屋を捜索し始める。

 

「何をやっているのですか穂乃果サボらないでください」

 

「まぁまぁ海未ちゃん雄介の部屋に来るの久しぶりだし

何かエッチな本ないかな~と思って」

 

「何を言っているのですかいくら雄介とは、いえさすがにそんな物持っていないでしょう」

 

「そうだよ穂乃果ちゃん止めとこ?」

 

海未とことりが止めるが穂乃果は、止めずベッドの下を 捜索する

 

「おっやっぱここは、定番だよね~」

 

穂乃果は、ベッドの下に手を突っ込み何かあるか探してみる

すると何かに触れた感触的に本に近い物でそれを掴み取り出す。

穂乃果が取り出した物に3人が驚愕する それは、妹物の薄いエロ本であった。

 

「いやあぁー!ハレンチですぅー!」

 

海未の叫びにより雄介何事かと思い走って戻ってくる

 

「どうした!?もしかして未確・・・に・・ん?」

 

雄介は、穂乃果の手に持っている本を見て唖然となる

 

「雄介まさかこんな趣味を持っていたなんて・・・もう絶対雪穂に会わせない」

 

「ゆーくんもしかして梓ちゃんをそんな目で見ての?」

 

穂乃果とことりにドン引きされながら痛い目で見られる

 

「あ、あのそれは、ですねなんと言うか」

 

雄介が言い訳を考えている中梓も海未の叫びに気づき雄介の部屋に来た。

 

「なんかさっきすごい声が聞こえたんだけどどうしたの?」

 

「あっあずさ!?」

 

雄介は、驚き必死に隠そうと穂乃果の持っている本を奪おうとするが穂乃果は、華麗に避け梓にその本を見る。

 

「梓ちゃん雄介に何かされたら私達にいいなよ」

 

穂乃果は、本を渡し梓は、じっくりと本の中身を見る本を読み終え閉じるとニッコリ微笑み

 

「お兄ちゃん後でいっぱい''お話''しようね」

 

雄介の背中から沢山の冷や汗が流れ小さい声で・・・はいと答える

これから始まる夜のお話(お説教)に雄介は、ただ恐怖し

怯える

さぁ終わらないパーティー(お説教)はじめよ☆

 

 

ー翌日ー

 

今日は、神田明神というお寺でμ'sの練習がある神田明神とは、いつもμ'sの練習場所で使っている事もあり希のバイト先でもある。

先にμ'sメンバーが集まっており後は、雄介が来るのを待っていた。

 

「みんな~おはよ~」

 

雄介が来たと思ったらゲッソリとした顔であきらに寝不足であり昨日こってりと梓に怒られたのだろうと穂乃果達二年生チームが思っていた。

 

「あっ!妹大好き変態が来たにゃ」

 

「えっ?ちょっみんなにバラしたの!?」

 

凛の発言に驚き雄介は、穂乃果達の方を見る

 

「うんだって危険人物だし」

 

穂乃果は、朝一番に昨日の事を皆に話し、案の定皆がドン引きしていた。

「本当にこいつをこころとここあに会わせたらダメね」

 

「私も亜里沙には、近づかないよう言っとこうかしら」

 

にこも絵里も妹がいるので、雄介に凄く警戒している

 

「ちょっと待ってくれよ俺は、別に変な趣味を持っているわけじゃなく」

 

「あっ雄介この事雪穂にも伝えておいたから」

 

「ノオォォーーーー!!!」

 

穂乃果の止めの一撃により雄介は、膝から崩れ落ちる

 

「皆さんどうか僕の言い訳を聞いてください」

 

雄介は、しぶしぶあの本の事を語り始めた。あれは、雄介が中学校を卒業するちょっと前中学校で仲が良かった友達がいたがその友達は、遠くの高校に進学する事になり当分会えない事になった

中学校卒業の日別れ際に雄介に渡したい物があると言い

渡したのがあの本だ

そうこの友人は、大の妹好き(二次元)であり少しでも雄介と一緒にこの趣味を分かち合いたいと思い渡した物である

雄介も最初は、困惑したがせっかくくれた物なのでもらい家に持ち帰ったが梓に見つかるとまずいと思いずっとベッドの下に隠していたのである。

まぁこの事を梓に話たが結局本は、捨てられた。

 

「これがすべての真相です」

 

雄介は、話終え皆の様子を伺うが、納得している者は、

おらずただ痛い目で見られる。

 

「まぁその本を受けとる時点で雄介は、結局変態に変わりないにゃ」

 

「なにをー!」

 

雄介は、凛の胸にめがけて腕を伸ばすが

 

「甘いにゃ!真姫ちゃんシールド!」

 

「ヴェェ!?」

 

凛は、真姫の後ろに移動し真姫を盾にし雄介の手が真姫の胸をわし掴みする

 

「(あっやわらかい)」

 

「いっやあぁぁぁーーーーーーー!!!」

 

パァンと高い音が空に響き渡る

 

「あなた本当にいい加減にしなさいよ!毎度毎度こんな事をして今度こそ訴えてやるんだら!」

 

すんごい剣幕で睨み今でも殺気だけで殺される勢いを醸し出している

雄介は、ピクピクと倒れ今でも虫の息だ

 

「いや~真姫ちゃんすごいビンタだったにゃ~」

 

「だいたい凛!あんたのせいでもあるのよ!

何が真姫ちゃんシールドよ!イミワカンナイ!」

 

真姫は、凛にチョップを食らわしその痛みに悶える凛

 

「にゃあ~真姫ちゃん痛いにゃ~」

 

「自業自得よ!フン!」

 

真姫は、すごいご立腹なので、希が宥めており絵里が雄介の方へ行きしゃがむと頬をペチペチと叩き雄介が目を覚ます

 

「あれ?俺は、一体?」

 

どうやらさっきまでの記憶がないようだ絵里は、ハァっとため息をつき

 

「未確認と戦った時は、あんなに頼もしかったのにクウガになっても雄介は雄介ね」

 

絵里の発言に雄介は、?になっており

 

「とりあえず罰が必要ね皆の分のジュースを買ってきてもらいましょうか勿論雄介の奢りで」

 

「えぇ!?ちょっと待って!」

 

「お へ ん じは?」

 

「はいぃ!ただいまー!」

 

雄介は、ダッシュで階段を降りて自販機のある所まで走って行った

 

「さぁ雄介が飲み物を買ってきてる内に今日の練習始めましょうか」

 

「「「はい!」」」

 

絵里が手をパンパンと叩き皆に指示をする皆ラブライブの予選に出す曲のフォーメーションの位置につく

 

「凛ちゃん久しぶりだけど大丈夫?」

 

「うん!大丈夫だよかよちん遅れた分取り返さないと」

 

凛が気合いを入れ皆も気合いが入る

 

「じゃあスタート!」

 

絵里の掛け声で練習が始まる

 

 

夕暮れが落ち辺りが暗くなり始めμ'sの練習も終わり皆帰る準備を始める

 

「みんなー忘れ物はない?」

 

「大丈夫ー」

 

「大丈夫でーす」

 

「じゃあ帰りましょうか」

 

皆自分の荷物を持ち神田明神の階段を降りていく皆は、今日の練習の事そして次の曲の衣装などを話ながら歩き帰って行った話ながら歩き別れ道にさしかかるすると海未が皆を見つめ

 

「皆さんここで別れ道となりますがどうか未確認生命体には、気をつけてください」

 

海未の言葉に皆顔が真剣になる以前皆と別れた後凛が襲われたので、十分に警戒して帰ることを海未が皆に伝える

 

「もしも未確認生命体に遭遇し襲われそうになったら警察か雄介に連絡を」

 

「あぁすぐ駆けつけるから」

 

雄介そう言い皆が頷く

皆が別れを告げ自分の家へと歩き出す。

 

「ただいまー」

 

雄介が帰宅し梓が出迎える

 

「お帰りお兄ちゃんご飯出来てるよ」

 

「うん、ありがと」

 

雄介は、手を洗うため洗面台に向かいふと自分の顔を見てみると

 

「あれ?なんかすごい手形がついてる」

 

どうやら本当に真姫のビンタにより記憶が飛んでるようだ手を洗い終え食卓が並んでいるテーブルに着く

 

「うほっ今日カレーか」

 

「お兄ちゃんまた誰かにエッチな事したでしょ

くっきり手形残ってるよ」

 

梓も自分のご飯を並べ席に着く

 

「本のことといい本当に懲りないね」

 

「まぁスキンシップだよ大事でしょ?(今回の事は、覚えてないけど)」

 

「スキンシップとセクハラは、違うと思う」

 

と梓と雄介は手を合わせ

 

「「いただきます」」

 

とご飯を食べ始める雄介は、テレビに電源を付けニュースをつけると

 

「「今日未明2日前から行方不明となっていた高橋ゆきさんと長谷川絵美さんの遺体が発見されました場所は・・」」

 

このニュースを見て梓がある事に気づく

 

「あれっお兄ちゃんここって学校の奥にある森だよね」

 

「あ、そういえばそうかも」

 

梓の通う桜丘中学校には、1㎞離れている所に森がある

その森には、奇妙な噂が沢山ありあまり人も近づかないようになっているが

 

「なんでこんな所で」

 

「私友達に聞いた事があるんだけどあの森には、最近洞窟がある事がわかって、その洞窟に入って願い事を

頼むと願いが叶うパワースポットらしいよ」

 

「マジかよあんな所にねぇ」

 

雄介は、このニュースを見て思った事がある梓から聞いたパワースポットの話その噂を聞き訪れ命を落とした事故かそれとも・・・雄介が考えている中梓が雄介を呼ぶ

 

「お兄ちゃんどうしたの?そんな怖い顔をして」

 

「えっ?あぁ悪い悪いちょっとな」

 

「お兄ちゃん最近少し変だよこういうニュース見ると難しい顔をするしどうしちゃったの?」

 

梓が不安そうに雄介を見る最近は、ニュースを見たり雄介は、自分の部屋にラジオを置き未確認生命体がどこにいつ出現するか欠かさずチェックを行っているそんな兄を心配しそうに見ている梓に

 

「本当に何でもないよただ梓が学校の近くにある所に危険があるかもしんないと心配で」

 

「もう、過保護すぎ」

 

「それぐらいがちょうどいいんじゃないか?」

 

梓は、雄介の発言に少し照れ自分の食器を片付け始める

 

「私お風呂に入ってくるから食べ終わったらお皿水に浸けておいてね」

 

そう言い梓は、自分の食器を水の中に入れそのまま自分の部屋に戻って行った雄介もご飯を食べ終わり食器を片付けていると携帯が鳴り出す集からの電話だ

 

「もしもしどうした?」

 

「「あっ雄介突然なんだけど明日桜子先生の家に来ないか?」」

 

「本当に突然だな」

 

「「桜子先生が今調べてる古代遺跡の文字が少し解読出来たんだとよ」」

 

「えっマジかわかった何時に向かえばいい?」

 

「とりあえず午前の11時くらいに集合で場は・・」」

 

集が明日の集合場所を決め電話を切る以前学校が襲われた後集が桜子に全てを話たらしいだから雄介がクウガである事も知っている雄介は、桜子に古代の事をもっと調べてほしいと頼み桜子は、古代の解析を進めている

 

「なにか奴らの事そしてクウガの事ももっと知らないと」

 

雄介は、明日に備え準備を始める準備を終え梓の部屋の前に立ちドアにノックをする

 

「あずさー明日集と出掛けてくるから」

 

雄介そう言いドアの奥から「わかったー」と返事がくる

 

「おやすみ梓」

 

「おやすみお兄ちゃん」

 

雄介は、自分の部屋に戻りベッドに潜り込む

 

「明日一つでも情報が出てればいいけど・・・」

 

そう呟きだんだん眠気が出てきてそのまま眠りにつく

 

 

ー翌日ー

 

集と待ち合わせ場所に着くと集は、もう到着していた

 

「おーす雄介」

 

「おはよう集早いな」

 

「まぁな楽しみだったし」

 

集は、さぁレッツゴーと言い歩き出すまぁこの手の話になるとテンションが上がりたまに雄介も話についていけなくる時もある15分くらい歩き二階建てのアパートに着く桜子のいる部屋の前に立ちインターホンを鳴らすするとドアが開き

 

「あっ来たわね待ってたわよさぁどうぞ」

 

部屋に招き入れ雄介達をテーブルのある椅子に座らせる飲み物を出し雄介と集に差し出すそして移動し桜子が部屋からノートパソコンを持ってきて雄介達に解読できた古代文字を見せる

 

「以前雄介君が知りたがっていた未確認生命体の事

調べたけどそこまで情報は、載っていなかった」

 

でもね・・・と言葉を続け

 

「名前だけは、わかったの」

 

「名前あいつらのですか?」

 

「えぇ私達が未確認生命体と言われている者の名前はグロンギ」

 

「グロンギ」

 

「で昔そのグロンギが争いを繰り広げ襲われていた種族があったのその種族がリントと呼ばれていたわ」

 

「リントですか?」

 

「えぇそのリントは、争いを好まずそれでグロンギに狙われていたんだと思う」

 

「そんな事が古代に」

 

「でもそんな争い終わらせるためリントの人達は、ある

力を1人のリントに授けたの」

 

雄介は、もしかしてと思い桜子を見つめる

 

「それが戦士''クウガ''」

 

「やっぱりクウガだったんだ」

 

雄介の発言に桜子が疑問に思う

 

「やっぱりって?」

 

「未確認と戦ってる時かならず奴らは、俺を見てクウガと言うんですだから名前なのかなって」

 

「そうね間違いないわ後今雄介君がお腹の中にある霊石まぁベルトの名前もわかったの」

 

「ベルトにも名前があるんですか?」

 

「そうアマダムと呼ばれていたらしいわ」

 

「アマダムか・・・」

 

と桜子がパソコンを畳み

 

「っとわかったのはここまで後は、まだ解析中ってとこかな」

 

と集が目を輝かせ

 

「いやーすごいですよ桜子先生ここまで調べあげるなんて」

 

「まぁねでもまだまだ謎は沢山あるから解析出来たらまた連絡するね」

 

「ありがとうございます桜子先生」

 

と桜子は、雄介の方を見て

 

「雄介君正直先生の立場からするとあなたが戦うのは、

反対しなくちゃいけないんだけど

あなたがその力アマダムに選ばれ未確認生命体と戦って皆を守っている事は、すごいと思う」

 

でもね・・・と続け

 

「辛くなったらその戦いから避けてもいいのよあなたは、まだ子供なんだから」

 

桜子は、雄介を心配してくれている以前μ'sのメンバーにも同じように心配してくれていて雄介は、嬉しい気持ちになり桜子の前でサムズアップをし

 

「先生心配してくれてありがとうございます

でも俺は、大丈夫ですだって皆の笑顔守りたいから」

 

と雄介は、笑顔で答える

 

「雄介お前マジでかっこいいわ」

 

集が、以前の雄介からは信じられないと発言しなにをーとじゃれあい始めるそんな雄介達を見て桜子が微笑みこの平和が少しでも多く過ごせますようにと心から願っていた

 

 

ー夜ー

 

桜子が住むアパートから帰宅し雄介は、テレビを見ながら食器を洗っている梓に問いかける

 

「あずさー明日森の方には、絶対近くなよ」

 

「わかってるって心配しすぎだよお兄ちゃん」

 

梓は、洗い物をふき片付けていく

 

「まぁ念のためだよ」

 

「本当に過保護なんだから」

 

梓は、エプロンを外し自分の部屋に戻ろうとする

「私宿題あるから戻るけどお兄ちゃん休校だからって

夜ふかししないでね」

 

「はーい」

 

と梓は、おやすみと言い部屋に戻る雄介もテレビを消し自分の部屋に戻りゲーム機に電源を点ける

 

「まだこのギャルゲ途中だったから朝までやるぞー」

 

とゲームをし始めその後夜遅くまでプレイしゲームの音で梓に気づかれ怒られたのは、言うまでもない

 

 

ー翌日ー

 

梓の中学校では、あの森の事で話題が持ちきりだった

 

「ねぇ梓知ってる前にニュースで出てた森本当に

パワースポットらしいよ今日の放課後行ってみない?」

 

そう語り告げるのが鈴木 純 梓が中学に入ってできた友達である

 

「あぶないよ純ちゃんこの前ニュースで出てたよ」

 

そう心配しているのが平沢 憂 純同様 梓が中学でできた友達である

 

「そうだよ純それにあそこ立ち入り禁止でしょ」

 

「まぁまぁそこを何とか本当に願いが叶うって友達から聞いたんだ」

 

「本当かなぁ」

 

純は、梓達を連れて行きたいと必死で奥の席に座っている2人のクラスメイトにも声をかける

 

「ねぇ雪穂と亜里沙も行かない?パワースポット」

 

純に呼ばれ2人も純の方に歩み寄る

 

「パワースポット?それってなんですか?」

 

初めて聞く単語に興味を持つこの子は綾瀬亜里沙絵里の妹である

 

「亜里沙パワースポットというのは、まぁ簡単に言えば

自分の願い事を聞いてそれを叶えてくれる場所なんだ」

 

そう説明するのが高坂雪穂 穂乃果の妹である

 

「雪穂それはとてもハラショーな場所なのね」

 

亜里沙は、中学に来る前ロシアに住んでいたので日本の事は、あまり知られていない

今は絵里と2人暮らしで日本の事を勉強中である

 

「でも純本当に危ないよ2人も遺体が出てるのに」

 

そう雪穂が純に言うが純は、どうしてもその森に行きたいらしい

 

「お願い!洞窟の中に入ってすぐ願いを言って帰るからさそれに5人で行けば怖くないでしょ?」

 

「でもお兄ちゃんに行くなって言われてるから」

 

梓がそう言うと純がニンマリと笑い

 

「でた梓のお兄ちゃん大好きタイム」

 

梓がボッと顔を赤くし

 

「ちょっやめてよ純!別に私はお兄ちゃんなんか」

 

「梓お兄さんの事嫌いなの?」

 

亜里沙が不思議そうに尋ね

 

「亜里沙はねお姉ちゃんの事大好きだよ!だからね兄妹仲良くした方がいいと思うんだ」

 

「亜里沙ありがとうでも私お兄ちゃんが嫌いってわけじゃなくてね・・・」

 

「そう言えば前にうちのお姉ちゃんに聞かされたんだけど雄介君エロ本持ってたみたいだねそれも妹物の」

 

雪穂の爆弾発言に純と憂が驚き梓が雪穂の口を抑える

 

「ちょっ雪穂!その話はマジでダメ!」

 

すると純がものすごくニンマリとし

 

「良かったじゃん梓妹好きって事は両思いになれるかもよ」

 

「ちょっ!」

 

「梓ちゃん私どんな事があっても梓ちゃんの事応援するね」

 

「ちょっ憂まで!?」

 

「なんだ梓もお兄さんと仲良しなんだねとってもハラショーだわ」

 

「もういやあぁぁーーーー!!!」

 

梓の叫びが教室中に響く

 

梓が落ち着きあの本の事も一通り説明したところ

 

「ねぇどうする?行こパワースポット」

 

純はこうなると引かず梓も呆れ

 

「わかったでも本当にちょっとだけだよ願い事言ったらすぐ帰る事いいね?」

 

「うんわかった!」

 

純は、嬉しそうに笑い梓もハァっとため息しか出ない

 

「ごめん2人とも連れて行く形になっちゃって」

 

梓が反対していた雪穂と憂に言い困り顔になりながらも

 

「しょうがないよ純ちゃんあぁなっちゃうと聞かなし」

 

「そうだねまぁ5人入れば大丈夫でしょ」

 

雪穂がそう言い亜里沙が雪穂にパワースポットの事を聞いてくる

 

「ねぇ雪穂願いが叶うって事は私もμ'sに入れるって事だよね?」

 

「まぁ願いが叶えばね」

 

「やったー!私もμ'sに入れるんだ!」

 

亜里沙は、ぴょんぴょんと跳ね雪穂は、あはは・・・と苦笑いである

亜里沙は、μ'sが憧れでいつか自分も入りたいと思っていたその願いが叶うかも知れないと大喜びである

 

「ねぇ雪穂は、何を願う?」

 

亜里沙がそう尋ねるが雪穂は、特に決まっておらず

 

「う~んまぁその時考えるよ」

 

そっかと亜里沙が言い純も梓と憂に聞く

 

「ねぇ2人は、何を願う?」

 

「う~ん特にはないかな~」

 

「私も」

 

「無欲だね~2人とも」

 

特に願いがなく2人は頬をかく

 

「梓は、お兄ちゃんのお嫁さんになれますようにって願わないの?」

 

「純!あんたねー!」

 

っと2人のおいかっけっこが始まりそんなやり取りが続きどんどん時間が過ぎ夕日が登り始め放課後になる学校が終わり梓達は、森へと向かい歩み進めていた皆話ながら進みあっという間に森へと着き

 

「着いたねパワースポット」

 

純が奥へと進むと案の定立ち入り禁止の看板がありバリケードもされていた

 

「純ちゃんやっぱりダメだよ引き返そ?」

 

憂が引き返そうとするが純は、諦めておらず

 

「いや、まだ入れる場所は、あるはず探そ」

 

「「えぇ~」」

 

憂達が嫌がるが亜里沙も乗り気で

 

「ここまで来て帰るのは納得できません!絶対に願いを聞いてもらうんだから」

 

純も亜里沙も別の入り口を探すため辺りを捜索し始める

梓達もやれやれ・・・と思いながらも純達をほおっておけず純達の後に続いた周りを探索し辺りを見渡すするとバリケードがされていない場所があった正確には、壊されているような場所が一ヶ所だけあった

 

「おぉ~あったよ皆!」

 

純が皆を呼び集まってくるあきらかにバリケード壊されていて雪穂が純を止めようとする

 

「ねぇ純本当にやめない?ここ普通じゃないよ」

 

「大丈夫だってなんか風とかで倒れて壊れたんでしょ」

 

純は、お構い無しに奥に進んで行った

皆も後に続きついていくと大きな洞窟があった

 

「うそ!ここ当たりだったんだラッキー!」

 

純は、喜び洞窟の中に入って行った

 

「あぁ!純待ってよー」

 

「あっ!亜里沙!」

 

亜里沙も追いかけるように純の後に続くもう2人も中に入ってしまったので梓達も恐る恐る

ついていく中に入ると暗くてじめじめした所薄気味悪くすぐさま帰りたいと梓達は、思い純と亜里沙を呼び掛ける

 

「純!亜里沙ー!あまり遠くにいかないでねー!」

 

携帯のライトで照らし2人の後を追いかける

 

「遅いよーほらここじゃない?」

 

純達を見つけ2人の方へ進んで行くとそこは、一面虹色に輝いていた空間があった

 

「ほぇ~ここだけは、綺麗な場所なんだね」

 

雪穂が感激し辺りを見渡す

 

「さっ!皆願い事を頼もうよ」

 

純がそう言い手を合わせ願い始める

憂も願い事をしようと考えていると奥の方に何かが見えた恐る恐る近づきライトで照らすと引きちぎられた人間の腕がそこに転がり落ちていた

 

「いっいやあぁぁーーーー!!」

 

憂の叫びに皆が気付き憂の方へ向かう

 

「憂どうした・・・の」

 

梓もその腕を見て言葉を失う

 

「や、やばいよ早くここから出よ!」

 

雪穂がそう言い皆が頷き元の道へ戻ろうとすると奥の方から足音のような音が聞こえてきた

 

「ねぇなにか足音のような音が聞こえてくるんだけど」

 

「なんかこっちに近づいてきてるような気がする」

 

皆が足音の音が聞こえる方へ向くと

 

「ホゥ、マタリントドモガヨッテキタノカ」

 

それはイノシシのような外見をした未確認生命体が死体を引きずりこちらに向かってくるさっきの憂の叫びで気づき奥からでてきたようだ

 

「うそでしょあんなのが本当に」

 

純が恐怖で腰を抜かしそこに座りこんでしまった

 

「マダゲゲルハハジマッテイナイガオレハオレデタノシマサセテモラウ」

 

未確認は、持っていた死体を投げ飛ばし梓達に向かってきた

 

「やばいこっちに来る!」

 

「逃げよう!ほら純!立って!」

 

梓が腰を抜かしている純を無理やり立たせ洞窟の出口に

向かう

 

「見えてきた出口だよ!」

 

憂が出口の方に指ををさし光が見える場所へ向かう

出口にでた後、後ろを確認すると近く音が早くなっていてこのままでは捕まってしまうと梓は思い

 

「皆とりあえず奥の方へ逃げて身を細めよう」

 

梓がそう言い皆が頷き奥へと走る

洞窟から出てきた未確認は梓達を見失う

 

「ドコヘイッテモニガサンゾリントドモ」

 

未確認は、辺りを見渡し捜索し始め歩き出す梓達は、奥の方へ進むと小さな小屋があった

 

「皆とりあえずここに隠れよう!」

 

小屋の中に入り内側から鍵を閉める

 

「ハァハァ何だったのあれ」

 

「あれが未確認生命体だよね今ニュースで出てる」

 

「さっき未確認生命体が持ってた死体、腕なかったよね

さっき落ちていた腕って」

 

「やめてよ雪穂」

 

「ご、ごめん」

 

梓と雪穂が会話をしていると亜里沙が震える腕で携帯を取りだし誰かに電話を掛ける

 

「うっうっ早く出てお姉ちゃん」

 

亜里沙は泣きながら姉の絵里に電話を掛ける

 

「ちょっ亜里沙!絵里さんに電話掛けてどおするの?」

 

「いやぁ!怖い!怖いよ!お姉ちゃん!」

 

「亜里沙・・・」

 

雪穂の言葉を聞かず怖がる亜里沙いつも助けてくれている姉が頼りで早く電話に出てほしいと願っている

 

 

ー同時刻ー

 

μ'sは、練習中で雄介が絵里の電話が鳴っている事を気づく

 

「絵里ー携帯なってるよ」

 

「えぇわかったわ」

 

練習を一時中断し携帯の着信を見ると

 

「亜里沙からだわ何かしら、もしもし亜里沙どおしたの?」

 

絵里が携帯に出ると亜里沙切羽詰まった叫びで絵里に助けを求める

 

「「お姉ちゃん!助けて!助けて!!」」

 

「えっ!亜里沙どうしたの!?」

 

絵里の声に皆がただ事じゃないと皆が集まる

 

「「怪物が私達を追いかけてくるのこのままじゃ私達殺される!」」

 

「怪物ってまさか未確認生命体!」

 

絵里の言葉に皆がざわつく

 

「未確認生命体だって!?」

 

「亜里沙あなた今どこにいるの?」

 

「「学校の奥にある森にいるのそこにある小屋に今隠れてる」」

 

「亜里沙あなたさっき私達って言ってたわよね?他に誰がいるの?」

 

「雪穂と梓、憂と純がいるよ」

 

「そんな・・・そんな大勢で」

 

「「ねぇお姉ちゃん私達どおすればいいの!?」」

 

「亜里沙今から私もそこに向かうから絶対にそこから動いちゃダメよいいわね」

 

「うん、わかった」

 

「じゃあ切るわよいい本当に動いちゃ駄目だからね!?」

 

「「うん・・・」」

 

絵里が電話を切り雄介の方へ向く

 

「雄介お願い亜里沙を助けて!このままじゃ!」

 

「わかってるとりあえずどこに向かえばいい?」

 

「桜丘中学の森に入るらしいわそこにある小屋に今は隠れてるって」

 

「あそこニュースで遺体が見つかった場所じゃないか!

なんでそんな所に」

 

「理由はわからいわでもそこに亜里沙や友達も入るって」

 

「友達って」

 

「純ちゃんと憂ちゃんって子がいて後雪穂ちゃんと梓ちゃんが一緒に入るって」

 

絵里の言葉に雄介と穂乃果が驚く

 

「えっ!雪穂もそこにいるの!?」

 

「梓何で・・・あれほど行くなって言ったのに!」

 

雄介は、今でも向かおうと走り出す

 

「待って私も行く!」

 

「私も行くよ!」

 

絵里と穂乃果も付いていこうとするが雄介が止める

 

「駄目だ!危険すぎる!」

 

それでも絵里と穂乃果は付いていこうとする

 

「私の妹が今殺されそうになっているの黙って待ってられないわ!」

 

「そうだよ!絶対に付いて行くからね!」

 

絵里も穂乃果も引かずハァっとため息を漏らし

 

「わかったとりあえずあの子達を見つけたら連れて

すぐさま逃げてくれいいね?」

 

「えぇ」「わかった」

 

2人とも了承し雄介は、頷きことり達の方へ向く

 

「皆今から梓達を助けに行ってくるけど皆は、この事を

警察やあの子達のご両親に伝えてもらっていいかな」

 

皆が頷き了承する

 

「ゆーくん絵里ちゃん穂乃果ちゃん気をつけてね」

 

「うん!行ってくる!」

 

3人は、梓達を助けに走りだす

 

「無事に帰ってきてね皆」

 

 

梓達が小屋に隠れて15分が経過していた皆いつ未確認生命体に見つかるか怯えている

 

「ねぇあの未確認まだここら辺にいるのかな?」

 

雪穂が梓に問いかけるが梓は首を横にふる

 

「わからない、けど今の所ここら辺にはいない見たい」

 

梓が小屋の扉穴から覗きこむが未確認の姿は見えない

 

「ごめんね皆私のせいでこんなことに」

 

ここに逃げてから今までずっとしゃがみ沈黙していた純が皆に謝る

 

「私が言ったとおりここに来なければ!」

 

「・・・純」

 

泣きながら純は皆に謝るそんな純を梓はそっと抱きしめる

 

「どうしたの?いつもの純らしくないじゃん大丈夫だよ絶対助かるって」

 

「あずさぁ」

 

「ほら泣き止んで皆で助かってまた今度皆でパフェでも食べに行こ?もちろん純の奢りでね」

 

「うん、うん、ありがとう梓」

 

梓が純の涙を拭き取り安心させるかのようにサムズアップをする

 

「梓ってすごいねこんな時でも冷静でいられるなんて」

 

雪穂が感心しているが梓は首を横にふる

 

「ううん全然冷静じゃないよだってさっきから震えは止まらないし心臓がバクバクだよ」

 

でもね・・・と梓はさっき純に見せたサムズアップを皆に向ける

 

「こうやってねいつも私が泣いてるときや悲しい時

お兄ちゃんが元気づけてくれるんだ梓は涙は似合わない笑顔が一番だぞ!って」

 

小さい頃いつも雄介に助けられ励まされそんな兄の事を想いだから笑顔でいられるだから信じてる皆で助かってまた皆と笑顔で暮らせる日々を

 

「梓ちゃんって本当にお兄さんの事大好きなんだね」

 

ふふ・・・っと憂が梓に言い顔を赤くする

 

「別に私はお兄ちゃんの事なんか・・・ううん大好きだよ世界で一番ね」

 

おぉ!っと皆が驚きやっと素直になったかと感心するっと外の方からガサッと物音が聞こえた

その音で皆は身を細め梓が穴から外を見ると未確認が周囲をうかがっていた

 

「ドコダリントドモ」

 

皆が一斉に緊張が走る見つかれば殺されるそう思い口に手を抑えただ助けを待つしかなかった

 

雄介達が森に着き立ち入り禁止の看板を見つける

 

「あの子達ここから入ったのかしら」

 

「わかんないけどここから登って入るしかねぇ」

 

雄介はバリケードされたフェンスを登りそのまま中に

入り絵里と穂乃果も続いて中に入る

 

「とりあえず小屋の中に隠れてるんだったよな?」

 

「えぇそこで隠れているらしいわ」

 

「わかった早くそこに向かおう」

 

「場所わかるの?」

 

穂乃果が疑問に思う

 

「あぁ小さい頃何度かこの森に友達と遊んだことがあるから大体の場所は把握してるよ」

 

雄介は心当たりのある小屋の場所へと向かい走り出す穂乃果達も続き皆の救出に向かう

 

 

未確認が辺りを周回しついに梓達が隠れてる小屋にめがけ歩き出す

 

「やばい!こっちに来た!」

 

「このままじゃ見つかる皆!反対のドアから逃げよ!」

 

梓の指示に従い皆一斉に走り出すそれに気づいた

未確認が追いかけてきた

 

「マテ!リントドモツカマエテバラバラニシテヤル」

 

梓達も全力で逃げるが未確認の走る速さが人間を遥かに越えているのでどんどん差が縮まっていく

 

「やばいよ!このままじゃ捕まる!」

 

「あっ!」

 

っと亜里沙が足を躓き転倒する

 

「ありさぁ!」

 

梓が引き返し亜里沙の元へ向かう

 

「マズハオマエカラカ」

 

亜里沙が見上げ目の前恐怖に足がすくんで動けない

 

「あ、あぁぁ」

 

未確認が腕を上げ亜里沙に目掛け振り下ろす

 

「いやぁ!」

 

頭を抑え身を屈めるっと梓が飛び込み亜里沙を抱き抱えギリギリの所で未確認の攻撃を避ける

ゴロゴロと転がり間一髪の所で助かった亜里沙

 

「梓ありがとう」

 

「亜里沙良かった無事で」

 

っと安心しているつかの間未確認が梓の腕を掴む

 

「ジュバンガカワッタガマズハオマエカラダ」

 

未確認が梓の腕を握りしめ腕を潰そうとする

 

「いやあぁぁーーーー!!」

 

「あずさぁ!!」

 

ミシミシと腕が握りしめられ今までにない激痛が走る

 

「うぅ・・・助けて・・助けて!おにいちゃーーん!」

 

「あずさーーー!!」

 

雄介が未確認に目掛け跳び蹴りをしその衝撃で梓の腕を離す

 

「グォ!」

 

未確認は少し怯み一歩下がる

 

「梓!おい梓!大丈夫か!」

 

梓を抱き抱え揺さぶり少しずつ目を開く梓

 

「おにぃ・・・ちゃん?」

 

「あぁ!俺だ!大丈夫か!」

 

目の前に一番会いたかった人がいて目元が熱くなる

 

「お兄ちゃん!怖かった!怖かったよー!」

 

梓が雄介に抱きつき雄介もそっと抱き締める

 

「お姉ちゃん!」

 

亜里沙も絵里を見つけ抱きつき絵里も安心し抱き締める

 

「良かった本当に無事で良かったわ亜里沙」

 

穂乃果も雪穂を見つけ抱き締める

 

「心配させないでよバカ」

 

「ごめん、お姉ちゃん・・・本当にごめんなさい」

 

雪穂も我慢できず穂乃果の腕の中で泣く

 

「クソッリントドモメ」

 

未確認が雄介達に向かい突進してくるが

 

「っ!」

 

雄介は梓を抱え未確認の突進を避ける

 

「絵里!穂乃果ちゃん!この子達を連れて早く逃げるんだ!」

 

梓を穂乃果に預け未確認の方に走り出す

 

「お兄ちゃん!ダメェ!」

 

雄介が未確認の前に立ち両手を腹の中心に構えると同時に以前ことりに言われた事を思い出す

 

「(ゆーくんがこの未確認にって知っちゃうとショック

受けると思うから)」

 

雄介は一瞬変身するのを躊躇する

 

「(俺が変身して梓を怖がらせるかもしれない二度と

兄と呼ばないかもしれない、でも!)」

 

雄介は、変身する構えを取る

 

「大切な妹を守るためなら俺は戦う!''変身''」

 

両手を左側のボタンを覚悟と共に押し両手を広げる雄介から赤い闘志を燃やし覚悟を決めたクウガに変身する

 

「ナニ!?クウガ!」

 

「おにぃ・・・ちゃん?」

 

クウガは未確認に向かい跳び蹴りを喰らわす未確認も

咄嗟に両腕でガードする

 

「グッマサカクウガガフッカツシテイルトハナナラバ

ココデオマエヲタオシテヤルコノ''ズ・ジイノ・ダ''!ガナ!」

 

ジイノはクウガに目掛け突進してくるクウガはジャンプし空中で一回転しジイノの攻撃を避けるっと同時に着地した瞬間ジイノの方を向きパンチをジイノの背中に喰らわす

 

「グォ!」

 

「うおぉ!」

 

さらに追加攻撃を喰らわそうとパンチを繰り出すがジイノがパンチを受け止めそのままエルボーをクウガの体に喰らわす

 

「ぐあ!」

 

「マダダ!」

 

クウガが一瞬怯んだ所を狙い突進してきてクウガに激突させる

 

「うあぁぁ!」

 

ジイノのタックルを喰らい吹き飛ぶクウガ1つの木にぶつかる

 

「ぐあ!」

 

その衝撃で木が折れ崩れていく

 

「なんて威力だ」

 

クウガは立ち上がるがジイノは攻撃を止めず突進してくる

 

「こいつ!突進しか脳がねぇのかよ!」

 

ジイノのタックルを間近で受け止め地面がめり込むほど衝撃があるがなんとか耐えジイノに膝蹴りを喰らわし怯んだ所をパンチを喰らわす

 

「グアァ!」

 

ジイノが転倒しクウガはジイノにまたがる

 

「うおぉぉ!」

 

クウガはジイノの顔にパンチを連続で攻撃していく殴るたびに返り血が顔のあちこちにつくそんな光景を見て梓は今まで見たことのない兄を見て恐怖し目をそらす

 

「(あれが本当にお兄ちゃんなの?いや!信じたくないお兄ちゃんが未確認なんて!)」

 

「梓ちゃん!目をそらしちゃ駄目!」

 

「えっ?」

 

目をそらす梓に穂乃果が梓に雄介の戦いを見るよう伝える

 

「梓ちゃん今あなたのお兄ちゃんは今まで見たことのないかもしらないでもねあの姿も雄介なんだよ!どんなに辛くても苦しくても未確認生命体から皆を、皆の笑顔を守るために戦っているんだよ!だからそんな雄介の勇気を無視しちゃダメだよ!」

 

穂乃果の説得に梓は顔を上げるクウガと未確認の戦いを見てクウガが攻撃される度に胸が苦しくなるいつも元気をくれる兄をこれ以上傷ついてほしくない座りこんでいた梓は立ち上がる

 

「ぐあぁ!」

 

ジイノのタックルを喰らい地面に転がる

 

「ぐっはぁ、はぁ」

 

クウガは立ち上げるがダメージにより膝をつく

 

「(やばいなこのままじゃ)」

 

「お兄ちゃん!」

 

「!梓」

 

突然呼ばれ梓の方に振り向くそこには涙でくしゃくしゃになった梓がクウガに叫ぶ

 

「頑張らなくてもいい無理しなくてもいいからだからこれ以上怪我しないで」

 

「あずさ・・・」

 

これ以上大切な兄が傷ついてほしくないそれは梓の切なる願いだった

 

「トドメダクウガ!」

 

ジイノが勢いよく突進してくるクウガはそれを全力で受け止めとどまる

 

「ったく可愛い妹の頼みじゃあこれ以上やられるわけにはいかないな!」

 

クウガはジイノの顎にアッパーを繰り出しそのまま腹の中心を蹴る

 

「グギャア!」

 

そのまま地面に転がりクウガは助走をつけジイノに目掛け飛びキックを炸裂させる

 

「おりやあぁぁー!」

 

キックがジイノの胸に当たり倒れる

 

「グオォォ!!」

 

胸の辺りからマークが浮き出し体にヒビが入りベルトに到達する

 

「ウオォォ!!クウガァーーーー!!」

 

ジイノの叫びと共に爆発する

 

「はぁ、はぁ」

 

危険が去りクウガは後ろを振り向く

 

「おにぃちゃん」

 

クウガの姿にまだ戸惑いを隠せない梓にクウガはサムズアップを梓に向ける

 

「怪我はないか?あずさ」

 

その仕草でどんなに姿が変わっても雄介であることは代わりないそう思い梓はクウガの元へ駆け寄り抱きつく

 

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

 

「本当に無事で良かった梓」

 

クウガから雄介の姿に戻り頭を撫でる

 

「いやーまさか雄介君が変身して姿が変わるなんて、お姉ちゃんいつから雄介君ああなったの?」

 

「ん~最近かなぁほら音乃木坂が襲われたその時雄介もベルトを着けて姿が変わったんだ」

 

穂乃果が雄介が変わる経緯を話してる隣で亜里沙が雄介の事で興奮していた

 

「梓のお兄さんの姿すごくかっこよくてハラショーだったわ!ねっお姉ちゃん!」

 

「亜里沙興奮するのはいいけど帰ったらお説教だからね」

 

「あうぅ」

 

すると奥の方からパトカーのサイレンが聞こえてきたそこには皆の両親やμ'sのメンバーも来ていた

 

「憂ー!心配したよー」

 

「お姉ちゃん!」

 

「純!全くあんたって子は!」

 

「ごめんお母さん」

 

それぞれの家族が無事を確認し合う

 

「ゆーくん良かったここにいる皆が無事で」

 

「うん知らせてくれてありがとうことりちゃん」

 

「うん」

 

雄介は梓の方を向き手を繋ぐ

 

「お、お兄ちゃん///」

 

「帰ろう梓早く帰って梓の作るご飯食べたいや」

 

「うん楽しみにしててねお兄ちゃん!」

 

梓もぎゅっと手を握りこの満面の星空をたどり歩みだす自分達の大切な我が家へ

 

 

ー第3話兄妹endー

 

 

 

 




正直3話がこんなに長くなるとは思わなかったです
引き続き4話に取りかかりたいと思います


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第4話 疾走

ついにトライチェイサー登場クウガと言えばやっぱ
バイクアクションですよね!


この世の中未確認生命体という怪物が人々を襲う事件が多発してきて警察もそれに対抗するためにある組織が作りだされるそれが「未確認生命体合同捜索本部」が設置されたその1人の若き警部補が捜索本部に選ばれ未確認生命体の調査を行っている今彼がある一室のモニターに映し出されている映像を見ているそれは未確認生命体第3号と呼ばれているコウモリの姿に酷似している未確認と争っているクウガが映ってる警察では未確認生命体第4号と呼ばれている彼は疑問に思ったなぜこの未確認は我々の味方をして別の未確認を倒すのかその真相にせま る若き警部一条薫とクウガ中野雄介この2人が出会う時物語が加速する

 

 

森の戦いから一夜明け雄介はことりの家に来てμ'sの衣装の手伝いをしていた

「ゆーくんここミシンお願いね」

「はいはーい」

ことりの指示どおり作業を行い着々と衣装が完成していく

「それにしてもゆーくん梓ちゃんに正体バレるの早かったね」

雄介に語りながら衣装に針をとうし縫っていく

「まぁ遅かれ早かれバレると思ってたしまぁ受け入れてくれたみたいだけど」

昨夜梓にクウガになった事を問い詰められ説明し納得するまで時間がかかった

「昨日なんて説明したら怒ったり泣いたり大変だったよ」

「あはは・・・でもそれほどゆーくんのことが大事ってことだよ」

ことりの言葉が嬉しくて雄介が微笑む

「そう想ってくれてると嬉しいな」

「きっとそうだよだって私も・・・」

ことりが何か言いかけたが口を閉じる

「ん?ことりちゃん何か言った?」

「ううんなんでもないのよなんでも!」

ことりが焦ってごまかし?のマークを浮かべる雄介ふとことりが時計を見て夕方の3時になっている事に気づき

縫っていた衣装をテーブルに置く

「ゆーくんちょっと下に取ってくる物があるから待っててね」

「えっ?あっうんわかった」

ことりは立ち上がり自室を出ようとドアに近づく

「じゃあいい子で待っててね」

ことりがそう言い自室を出る

「いってらっしゃーい」

ことりが部屋を出る所を確認した所雄介はことりの部屋を捜索し始める

「ことりちゃんの部屋ってTHE女の子の部屋って感じだからどんなのあるか気になるよね~」

雄介がクローゼットを開け中身を調べるとズラーっと洋服がかけられていた

「ことりちゃん一体何着もっているんだ?」

クローゼットを閉め次はタンスの中を調べる

「おぉ!これは!」

そこにはことりの下着がたくさん詰まっていた

「うわ、これちょっと生地が薄くてエロいな」

雄介はまるでお宝を見つけたように一つ一つ確認していき無我夢中になっていたことりが部屋に戻っている事にも気づかず

「・・・ゆーくん何やってるの?」

ビクッと恐る恐る後ろを振り向くと今まで見たことのないニッコリとしたことりが微笑んでいた

「こ、こ、こ、ことりちゃんこれは、その・・・」

「ゆーくん・・・とりあえずことりのおやつにされようか」

「ひいぃぃー!」

ことりに見つかりお説教を喰らう雄介だけどそのお説教が可愛くてお説教かどうかわからない

「だからねゆーくん女の子の物とかを勝手に触っちゃダメなんだよ」

「(ことりちゃんのお説教って可愛いな梓や海未ちゃんとは大違いだ)」

「って聞いてる?ゆーくん」

「うん聞いてる聞いてる」

まったく・・・っとことりが後ろから何かを取り出した

「せっかくゆーくんに焼いたクッキーあげようとおもったけど反省してなさそうだからあーげない」

どうやらさっき下に取りに行く物とは雄介の為に作ったクッキーだったことりが作るお菓子はとても美味しく雄介も大好物だ

「あぁ!ことりちゃんごめん!反省してますからどうかそのクッキーをいただけないでしょうか?」

「じゃあ衣装作りもうちょっと頑張ったらあげる」

ことりの言葉に雄介は即座に作業に取りかかる

「すぐに終わらせてクッキー食べるぞ!」

ことりも自分の作業に取りかかる

「一緒に頑張ろうねゆーくん」

 

 

ー同時刻ー

暗い一本のトンネルそこに集まる黒い影その者達が手を前に出し手のひらの中の物を見せ合うそれは1枚のバラの花びらこの意味とはもうすぐ始まるグロンギのゲーム

を告げる意味であるするとそこに1台のバイクが走ってきた

「おいおいおーい!道のど真ん中に突っ立てんじゃねぇよ!」

そのバイクには2人の若者が乗っていてその後ろ座席に座っていた若者がその者達に近寄る

「なんだテメーら文句あんのか!」

何も反応しない者達が気に食わないのかただ文句を言い放つするとその若者はその中にいる1人の女性に目をつけ近寄る

「へぇ~結構可愛いじゃねぇかしかも足にタトゥーなんかつけちまってよ可愛いね~」

その男がしゃがみその女の足についてるタトゥーを触るそれが気に入らなかったのかその女はしゃがみ一気にその男を蹴りあげる

「ぐぉ!」

ベキッと鈍い音がしてその男は天井まで吹き飛び落下する落ちてきた男は首の骨が折れ即死だった

「うあぁぁ!!」

バイクに乗っていたもう1人の男が恐怖しそのままバイクで逃走するすると女が人間の姿から豹に酷似した姿に代わり逃げた男を追いかける

 

 

「ふぃ~肩こったかな~」

雄介は今日の作業が終わりことりの家を出て自分の家に帰宅中だった

「お土産も貰ったし梓喜ぶぞ~」

ことりから貰ったクッキーを持ち歩いていると雄介は何かを思い出し立ち止まる

「そういえば今日新しいギャルゲーの発売日じゃん買いに行こーっと」

Uターンしゲームが売ってる店に向かい歩き出す

 

 

雄介がだんだん目的地に近づいて行くと突然大きな叫びが聞こえた

「うあぁぁ!」

何か大きな音を立てぶつかる音が聞こえた

「何だ!?」

雄介は気になりその音が聞こえた方へ向かい走り出した

 

 

「はぁはぁ」

バイクは転倒し腰が抜けて逃げられないさっき逃げた男が豹の未確認生命体ズ・メビオ・ダが近づきその男に止めを指そうとした瞬間

「うおぉぉ!」

突然バックが飛んできてメビオに当たると同時に回り込みメビオの両腕を押さえ込む

「逃げて!早く!」

雄介が叫びその男は立ち上がり足をひきづりながら逃げて行った

「ジャマヲシテオマエカラコロシテヤル!」

メビオは雄介の腕を振りほどき回転しキックを放つ

「うわっ!」

メビオの蹴りにより吹き飛ばされごみ捨て場のごみ袋のある所に落下する

「ぐわっ、くっさ!」

蹴られた痛みとごみの臭さで飛び上がりすぐさまその場から離れ相手を見る

「ガンジョウナヤツダナ」

メビオは助走をつけ雄介に向かってくる

「っ!」

雄介はすぐさま腹部中央に手をかざしそこからベルト(アマダム)が出現する

「変身!」

変身の構えを取りすぐさま左のボタンを押すと同時に雄介の体から赤いクウガに変化する

「ナニ!?クウガ!」

メビオが驚きながらも突撃してきてクウガはすぐさまその攻撃を避けた瞬間に蹴りを喰らわせる

「うおりぃやぁ!」

「ギャアァ!」

クウガに蹴られた事により勢いよく転倒し転がり回る

「いくぞ!」

クウガは倒れているメビオにパンチをしかけたがメビオは高い身体能力で勢いよく飛び上がりクウガのパンチを避けると同時にバク転し着地した瞬間跳びキックをクウガに喰らわす

「ぐあっ!」

クウガは転倒するがすぐさま立ち上がり身構える

「なんてやつだ・・・攻撃が速い」

お互いに距離を取り相手の出方を待つ

 

 

ー同時刻ー

「ただいま通達が入りました!新たな未確認生命体が出現と同時に未確認生命体第4号と争っているようです!直ちに現場に向かってください!」

警察本部に通達が入り各班に別れ現場に急行する

「各班に通達する未確認生命体は捕獲よりも射殺が優先になった!気合い入れて行くぞ!」

「「「了解!!」」」

大量のパトカーが街を駆け抜ける

 

 

「ふっ!おりぃやぁ!」

クウガの攻撃を防御し反撃の蹴りをクウガに放つがクウガもギリギリで避けバク転し距離を取る

「くそっ!攻撃が当たらねぇ!」

クウガとメビオの攻防戦が続いていると遠くから大量のパトカーがこちらに向かってきた

「なっ!警察!?」

パトカーはクウガとメビオの近くに止まり続々と警官が降りくる

「桜井班はそっちの未確認を狙え!こっちは4号だ!」

警官達は銃を構え射撃体勢に入る

「撃て!!」

1人の警官の合図により発射される

「うあっ!」

大量の銃弾が放たれメビオも警察の方に向く

「ソンナニシニタイカ!リントドモ!」

「やばい!」

警察に攻撃を仕掛けようとしたメビオをクウガが押さえ込みながらその場から離れ銃弾の雨から遠ざかる

「撃ち方やめ!くそ!どっちも消えやがった探せ!」

警官達は続々とパトカーに乗り込み辺りを探す

 

 

「ぐっ!」

押さえ込んでいたメビオはクウガの腕を引き離し片目を押さえ苦しみながら逃げて行った

「なんて速さだ・・・それにしても警察があんな大量に来るなんて」

とクウガから雄介の姿に戻ろうとした瞬間

「手を挙げろ!」

「はい!」

クウガは両手を挙げ後ろから周り前に立つ若き警部

「そのまま動くな」

一条薫がクウガに銃を突きつけるどうやらさっきメビオと戦って離れた時すぐに移動してきたようだ

「未確認生命体第4号お前に聞きたい事があるなぜ同胞と争い我々人間を守るのか」

「(あ~そういえばテレビで俺4号って呼ばれてたな)」

「答えろ!」

「あっはい!・・・あの~刑事さん俺は別にあいつらと仲間ってわけじゃなくてですね」

「何?」

クウガは雄介の姿に戻る

「このとおり人間です」

「他の未確認生命体も人間の姿にも変えられるそれでは信用できない」

が一条は1つ見落としていた事に気づく

「(確か未確認生命体は我々人間とは別の言語を話していたなだがこいつは・・・)」

一条は銃を降ろし雄介に近づく

「刑事さん?」

「少し君と話がしたい時間いいか?」

「あっはい」

一条は雄介を車に乗せ近くにあるカフェに向かった店に入り注文を済ませ一条は雄介に問う

「君は何者なんだ?見たところまだ子供に見えるが」

「はい高校生です」

「君が人間でなぜあの姿に変われるんだ?」

一条が一番疑問に思っていた事それを雄介は全て話した「まさかあの遺跡にそんな物が」

「はい、それで変身して未確認と戦っています」

「なぜそんな危険な事を」

お待たせしましたーっと注文していた2つのコーヒーが届き雄介はそれを口にし

「求められた気がするんですベルトを着けて戦えってだから今は人々を守るために戦ってます」

「確かに君は戦う力を得たかもしれないだが人々を守るのは警察の仕事だ君のような子供が関わっちゃいけない」

「でも刑事さん」

「いいか!君が戦う力を得たのは勝手だ!だがなそんな簡単に事を決め中途半端に関わるな!」

一条は席を立ちカウンターに向かい支払いを済ませ外に出る雄介も慌てて外にむかう

「刑事さん!俺はこれからも戦います!中途半端に関わったりしません!」

雄介の言葉に一瞬立ち止まったが振り向きもせず自分の車に乗り走り出す

「中野雄介・・・か」

 

 

ー翌日ー

雄介は起床し自室を出て下に降りる

「あっお兄ちゃんおはよー」

「おはよう梓」

雄介は席につき梓は朝食テーブルに並べる

「いただきまーす」

「そういえばお兄ちゃん昨日出たんでしょ?未確認」

梓も席につき朝食を食べ始める

「うんでもその後警官がいっぱい来て銃で撃たれてさーあちこち痒くて」

「ちょっとそれ大丈夫なのそれ」

梓が雄介の方に行き体をあちこち触る

「ちょっくすぐったいよ梓」

「仕方ないでしょどっか怪我とかあったら大変だし」

が雄介の体には異常はなく健康な体そのものだった

「銃で撃たれても平気だなんてどんな体してんのお兄ちゃん」

「まぁクウガになって体が頑丈になったんだろ・・・たぶん」

雄介は朝食を済ませ席を立ち出かける準備をする

「お兄ちゃん今日ことりちゃん達と集まるんだっけ?」

「うん今度のライブの打ち合わせにな」

雄介は準備を済ませ玄関に向かう

「そんじゃ行ってきます」

「うんいってらっしゃい気をつけてね」

うん、と雄介はドアを開け歩き出すμ'sメンバーが集まる穂むらに

 

 

警察本部で一条が未確認生命体の事を調べていたすると

「一条さん!来てください!すごい物が来ましたよ!」

「?」

一条の後輩亀山が慌てて一条を呼び出す何事かと一条が亀山についていくするとそこには

「見てくださいよ一条さんついに完成したんですよあの

TRCSが」

警察本部の地下倉庫に運ばれてきた1台のバイクTRCS(トライチェイサー)2000が警察本部に設置される

「これが現状未確認に対抗できる1つの手段か」

「すごいですよね!並の人には扱えないみたいですよ」

対未確認生命体を追跡するために開発され他のバイクの何百倍の力があり扱うのは困難である

「やっぱ一条さんですかねこれ乗るの」

「さぁな」

一条は後ろ振り向き歩き出す

「えっもう行っちゃうんですか?」

「とにかく逃げた6号を見つけたいんだ」

一条は1つでも情報がないか調べるため車を出し調査に向かう

 

 

暗い路地裏そこに唸り声のような音が聞こえる偶然通りかかった警察官が自転車を止め辺りを見渡す

「誰かいるのか!?」

警察官は持っていたライトを点け辺りを照らすするとそこには血痕がついていた弾丸が落ちていた

「これは!?」

警察官は弾丸を回収し戻ろうとしたら後ろから捕まれ壁に追いやる

「お、お前は!?」

そこには未確認生命体第6号メビオがいてメビオは手をチョキのような形を取り一気に警察官の目を突き潰す

「うあぁぁ!!」

メビオは警察官から目をえぐり取りその場に捨てる

「コンナモノデハスマサンゾリントドモ!」

メビオは一気にその場から離れ走り出す行き着いたのは別のグロンギ達がいる所へと着いた

「ナニヲヤッテイルメビオ!マダオマエノゲゲルハハジマッテイナイノダゾ!」

大柄の体型を持つグロンギがメビオに言うがメビオは止まらない

「リントドモニワタシノメヲキズツケタ!ダカラオナジヨウニリントドモニモアジアワセテヤル!」

メビオはそのまま走り出す

「メビオ!」

「ホオッテオケドウセヤツハクウガニコロサレル」

不気味に下を伸ばすグロンギが大柄のグロンギに言いグロンギ達は密かに歩き出して行った

 

 

時間は夕方になり辺りが暗くなり始める

「う~ん今日もいっぱいアイディアが出たにゃあ~」

「そうだね次の練習に組み込んでやるのが楽しみだね」

穂むらでのライブの打ち合わせをし終え皆が穂むらを出て帰宅する所だ

「ねぇこれからラーメン食べに行かない?」

凛が花陽と真姫を誘う

「うん私はいいよ」

「まぁたまにはいいわね」

真姫と花陽が了承し凛は他のメンバーを誘おうとした瞬間パトカーが雄介達の前を通る

「未確認生命体が出現しました!どうか住民の皆様は外出をひかえるようお願いいたします」

警察の呼び声に凛が震える

「未確認・・・また」

以前襲われた事を思いだしうずくまる

「凛ちゃん大丈夫だよ」

花陽が凛を抱きしめ安心させようとする

「皆もう一度穂むらに戻ってほとぼりが覚めるまでそこにいるんだ」

雄介は皆に指示をし全員が頷く

「ゆーくん・・・気をつけて」

雄介は皆にサムズアップを向け走り出す

 

 

 

「「現在未確認生命体第6号を追跡中!けど全然追い付けません!」」

白バイがメビオを追跡するがメビオの速さにバイクが追いつけないっと突然メビオは急にスピードを落とし警官に蹴りをいれる

「うわあぁぁ!!」

警官はバランスを崩し近くにあった屋台に突っ込む

 

大きな音を聞きたてた雄介はそこに向かい警官が倒れているのを見つける

「大丈夫ですか!?」

警官は雄介の呼び掛けに目を覚ますどうやら無事のようだ

「あぁ大丈夫だ」

「良かったぁあっすいませんがこれ借ります!」

雄介は転倒していたバイクを起き上がらせそのまま走り出す

「お、おい君!」

雄介は逃げたメビオを追いバイクで追跡する

「あっ!いた!」

階段の向こう側にメビオがこちらを見つめていた

「くっ!」

雄介はそのままバイクでかけあがろうとしたがパワーが足りず前に進まない

「フン、クウガオマエハワタシニオイツケナイ」

そう雄介言い放ち再び走り出す

「くそっ!逃げられた」

と後ろからパトカーのサイレンが聞こえ雄介の後ろ側に止まる

「なにをやっているんだ君は!」

パトカーから警官が降りてくる

「すいません追い付けませんでした」

「なにをバカな事を!」

と警官が雄介に言い放っていると突然誰かが雄介の腕を持ち手錠を掛ける

「あっ!」

「この男は私が連行しますあなたはさっきの未確認を」

「ハッ!」

そこには一条がいて警官に指示を出し警官は敬礼しメビオを追い車に乗り追いかける

「行くぞ中野雄介」

「えっあっちょっ待ってください刑事さん!」

一条は雄介を車に乗せ走り出す

「また変身して戦うつもりだったのか」

「はい、だから今度こそあの未確認を・・・」

「なぜそこまで命をかけられるこれは遊びでもヒーローごっこでもないんだぞ!」

一条の怒声に怯むこのもなく雄介は自分の真意を一条に話す

「刑事さん俺は別に正義の為だとかそんなので戦っているつもりはありませんただ・・・」

「ただ・・・なんだ」

「ただ皆が笑顔でいられたら俺はそれでいいんですもう悲しむ顔は見たくないだから皆の笑顔を守るために俺は戦います!」

「っ!」

雄介の嘘偽りのないはっきりとした言葉で一条は心を揺さぶられる

「本気なんだな?」

「はい!」

一条は何かを決心したかのように車を飛ばすそして警察本部に到着し地下駐車場に車を止め外に出る続いて雄介も外に出て一条の方に向かう

「中野雄介・・・俺について来い」

「はい!」

雄介の手錠を外し地下へと向かう2人

「ここだ」

一室のあるドアを開け明かりを点けるするとそこには

「これは!」

雄介の目の前にはトライチェイサーがありもう整備が完了されいつでも動かせる状態だ

「未確認対策に作られたバイクで試作品もあるがコスト上切り捨てられた性能がこのバイクには全て組み込まれている」

「凄いじゃないですか!」

一条はトライチェイサーの隣の机の上にあるアタッシュケースを開け1つのグリップを手に取る

「中野雄介これをお前に託す」

「えっ!?」

「俺はお前がさっき言っていた言葉を信じたい」

一条はグリップを雄介の前に差し出す

「刑事さん・・・いえ一条さん俺頑張ります!」

「頼む!」

雄介は一条からグリップを受け取りバイクにまたがる

「グリップをそこに差し込んであいしょう番号を決めるんだ」

「あいしょう番号ですか」

雄介はトライチェイサーにグリップを差しあいしょう番号を入力する

「じゃあ梓の誕生日の番号でいいかな」

雄介は番号を入力しトライチェイサーが起動する

「うぉ!動いた」

グリップを回しエンジンを吹かせる

「俺も後で追い付く!頼んだぞ中野!」

「はい!」

雄介は腹部中央に手を構えるそこからアマダムが出現し変身の構えを取り

「変身!」

左側のボタンを力強く押し雄介の姿から赤いクウガへと変身を遂げる

「よし!」

クウガはエンジンを吹かせ一条はシャッターを開けるクラッチを踏みアクセルを解き放ち勢いよく走り出すすごいスピードで未確認のいる場所へ向かう

 

 

一方警官達は未確認生命体メビオと交戦していた

「撃て!撃て!」

メビオに銃弾を連射するがメビオには効かず次々と警官達を襲う

「うあぁぁ!」

「ぎゃあぁ!」

メビオは自分がやられた事を警官達にやり返すように次々と目を狙らい潰していく

「くそ!」

次々と殺られていく部下達を助けられず悔しがる1人の刑事杉田守道がメビオに目掛け銃弾を放つ

「フン、リントメ」

メビオは杉田の方に向き一直線に跳び杉田を捕らえ襟元を掴み投げ飛ばす

「ぐぁ!」

杉田はそのまま壁にぶつかり倒れる

「オマエモワタシノクルシミヲアジワエ」

杉田の頭部掲げ目を狙おうと指を突きつける

「やめろー!!」

杉田が叫んだ瞬間後ろからバイクのエンジンの噴き出す音が聞こえメビオが後ろを向いた瞬間クウガがウイリーをしメビオに前輪を直撃させる

「ギャアァ!」

前輪が着いた瞬間後ろ後輪を上げ車体を回しメビオに当てる

「グギャア!」

その勢いで吹き飛び転がり回る

「はぁはぁ」

杉田は状況を確認しようと起き上がりた所クウガがバイクから降りて杉田の所へ立ち寄る

「うあ!」

「大丈夫ですか?刑事さん」

「・・・へ?」

意外な行動に理解てぎない杉田すると後ろからメビオが立ち上がるのが見えた

「クウガ!」

メビオはすかさず一気その場から走り出す

「くっ!」

クウガもバイクに乗り追いかける

「なんで4号が・・・」

杉田はいまだに助けられたことを信じられずいた

 

 

メビオを追いかけクウガはバイクを走らせ段差のある所を一気に飛び越えるするとそこにはもう使われていない3階建ての駐車場があった

「ここに奴が」

クウガは建物の中に入ると階段の上にメビオが待ち構えていた

「クルナラコイ」

メビオはそう言いまた上へとかけ上がるクウガも続いてバイクで階段をかけあがり追いかける

「待て!」

クウガがたどり着いた場所は沢山の車がありその上にメビオがいた

「いくぞ!」

クウガが一気に向かっていきメビオもそれに続き跳び上がるクウガもバイクと共に跳び上がる

「おりゃあ!」

「グァ!」

クウガは前輪でメビオを攻撃しその攻撃でメビオは落下する着地した瞬間メビオの姿が見えず辺り見渡す

「どこ行った?・・・うあ!」

クウガが辺りを見渡していると後ろから足でクウガの首もとを絡めるとそのままバイクから引きずり降ろされる

「っこの!」

クウガは絡めている足を引き剥がしそのまま両腕で挟み回転しメビオを投げ飛ばす

「ックウガ!」

投げ飛ばされ転がり回るがすぐに立ち上がり飛び越えクウガに膝蹴りを喰らわす

「ぐあっ!」

クウガが怯んだ所をメビオは逃さず連打で足蹴りをクウガに喰らわす

「くっくそっ!」

クウガは拳でメビオの足を叩き落とし回し蹴りでメビオを攻撃する

「ギャアァ!」

蹴られた衝撃で近くにあった車にぶつかり窓が割れる

「クウガァ!」

2人は構え間合いを取るするとそこに警官達が潜入してくるそこには一条もいた

「二匹か!」

1人の刑事桜井 剛が銃をを向け発射するするとさっきメビオがぶつかった車に当たり爆発する

「撃つな!」

「何!?離せ!」

「いいから撃つな!」

一条は桜井の手を押さえ銃を下ろそうとするが桜井も銃を下ろそうとしないするとさっきクウガに助けられた杉田が駆けつけ桜井を説得する

「いい撃たなくていい」

「杉田さん!」

杉田の説得により銃を下ろす桜井そして一条はクウガの戦いを見守る

「キシャアァ!」

メビオが跳びクウガを掴み2人同時に転がり回る

「んなろ!」

クウガはメビオの腹部中心を蹴りメビオから離れる

「うおぉぉ!」

クウガはメビオに向け拳を振るうがメビオはそれを受け止める

「くっ!」

メビオはクウガの拳を引っ張り膝蹴りでクウガの腹部を攻撃する

「ぐあっ」

クウガが怯んだ所を狙いクウガの後ろに飛び込み首を締める

「ぐぁぁぁ」

「シネクウガ!」

メビオがクウガの首を締め上げるだがクウガも負けずメビオの腹部にエルボーを2、3回喰らわしそのダメージでメビオが怯んだ所を狙い背負い投げをする

「うおりやぁ!」

「グァ!」

メビオは倒れ立ち上がるがダメージが大きく腹を抑え苦しみ膝をつくクウガは助走をつけ一気に飛び込みキックをメビオに炸裂する

「うおりぃやぁ!」

「ギャアァ!」

クウガはキックをメビオに決め壁に追い込みもう一度キックを当て壁が破壊されメビオが吹き飛ぶ

「ギャアァァァ!」

クウガが着地しメビオが空中で爆発する

「ふぅ」

クウガが立ち一条達の方を向く

「4号」

警官達が身構えるが一条は頷きクウガはバイクの方に向かうそして一条達の方にサムズアップを向けそのままバイクで走り出す

「4号・・・本当に俺達人間の味方なのか?」

杉田が疑問に思うが一条がはっきりと言う

「えぇ彼は我々の味方です」

一条はクウガの走り去った後の方にサムズアップを向けた

 

 

雄介はμ'sメンバーのいる穂むらに着きバイクを止める

「ただいまーみんな!」

雄介は穂乃果の部屋に向かいノックをせずドアを開けた

「あっえっ?」

そこには次のライブ衣装の試着をしていた花陽が着替え中でチラッと下着が見えた

「あっ・・・可愛い緑色のブラg」

「ピヤアァァ!!」

雄介が言う前に花陽が叫び残りのμ'sメンバーが一斉に雄介の頬を叩く

「ぶひやあぁぁ!!」

あまりのダメージに気を失う雄介

「全くどんなタイミングで入るんですかこの変態は」

「本当にラッキースケベやねぇ」

「この罰は重いにゃ今度皆にラーメン奢らせよっと」

雄介が気絶している間に皆があれやこれやと雄介の罰を考え後日罪を償うため皆にサービスをし雄介の財布がすっからかんになり梓に怒られたのは言うまでもない

 

ー第4話 疾走endー

 

 

 

 




3話と比べて4話は短くなりましたが続いて5話に取りかかります!


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第5話 傷心

今回は凛ちゃん回!そしてついにクウガがあの青い姿に


「(あ~星空がスカート履いてきた女の子っぽくないのに~きゃははは!)」

 

「うわぁぁ!」

 

凛は勢いよく飛び起きた凄く息をはき体中汗だくだ

 

「はぁはぁ・・・またあの夢」

 

凛はベッドから出て鏡の前に立つ

 

「すごい寝癖」

 

髪がボサボサで目元には涙の痕跡の跡がついている

 

「なんで見ちゃうかなぁ」

 

凛は時々昔起きた夢を見るそれは凛が小学生の頃花陽と一緒に登校した時凛が珍しくスカートを履いてきた花陽は似合うと言ってくれたが登校中に会った男子達が凛がスカートを履いてきた事をバカにされそれ以来凛はスカートを履かなくなった

 

「もう凛は・・・」

 

凛はスクールアイドルになり衣装でスカート物があるが若干抵抗があるものの皆と一緒に着ていれば大丈夫だがやはり私服ではスカートを履かない

 

「早く着替えて準備しなきゃ」

 

凛は今日の練習の為準備を始める

 

 

 

「おはよー」

 

「あっ凛ちゃん早いねおはようさん」

 

凛が神田明神に着くと希が先に着いていた

 

「希ちゃんも早いねー」

 

「まあねお寺のお手伝いをしてたから」

 

「そんなに朝早くすごいにゃ」

 

凛が驚いていると後ろから声が聞こえ続々とメンバーが到着する

 

「後は雄介だけですね、ことり何か聞いていませんか?」

 

「ううん電話してみたんだけど出なくて」

 

ことりが練習場所に来る前に電話をかけたが出なく困っていた

 

「全くたるんでいますね」

 

集合時間がとうに過ぎ海未は少々お怒りのようだするとバイクの走る音が聞こえ近くに止まり階段を駆け足で昇ってくる音が聞こえた

 

「はぁ!はぁ!ごめんみんなお待たせ」

 

雄介が到着し皆からきつーい視線が刺さる

 

「雄介・・・今日の集合時間覚えてますか?」

 

海未はニッコリと微笑み近づいてくる

 

「えぇ~と9時に集合です」

 

「そうですねじゃあ今何時ですか?」

 

「9時30分です」

 

雄介は背中から冷や汗が止まらず震えて答える

 

「あなたは30分も遅れたちゃんとした理由はあるんですよね?」

 

雄介は正直に答えないと後から怖いので正直に答える

 

「昨日の夜新しく出たゲームをしてましてやめられず朝までかかっちゃって」

 

てへへ・・・とわざとらしく笑う雄介

 

「へぇそんなに面白かったのですか?」

 

「そうなんだよメインヒロインの子のエッチなシーンがなかなか出なくてねそれで朝まで・・・」

 

ハッ!と雄介は口を閉じるが時すでに遅し海未の怒りは頂点まで達した

 

「あなたはそのいかがわしいゲームを朝までやり込みその上遅刻ですかいい度胸していますね!」

 

「ごめんなさい!許してください!海未様!」

 

「いいえ!今日という今日は許しません!罰としてここからランニング10㎞走ってきなさい!」

 

「10㎞ぉ!?それは流石に」

 

「いいえ問答無用です!それとも倍がいいですか!」

 

「いいえ!ランニング10㎞走ってきまーす!」

 

雄介は一目散にダッシュで走って行った

 

「全く雄介には困ったものですライブも近いのに」

 

海未はやれやれと雄介に呆れていた

 

「海未の言うとおりライブも近いわそろそろ仕上げないと間に合わないかもしれない」

 

絵里の発言に皆が頷く

 

「皆には悪いけど練習メニューを増やしてライブに備えて行きたい、いいかしら?」

 

「大丈夫よラブライブを目指すんですものそれぐらいの覚悟はできているわ」

 

ラブライブという大舞台にこは昔からアイドルに憧れ今はそこに行くために闘士を燃やし気合いを入れる

 

「それじゃあ始めるわよ!」

 

「「「はい!!」」」

 

絵里の合図と共に練習が始まる

 

 

ー夕方ー

 

「ふぃ~今日も練習一杯してもうクタクタにゃあ~」

 

「そうだねでもラブライブに優勝する為頑張らなきゃ」

 

「そうね~少しでも上手くなって本番に望みたいわね」

 

一緒に帰宅するにこりんぱな今日は練習の後夕飯を一緒に食べる約束をし凛行きつけのラーメン屋に向かっている

 

「もうお腹ペコペコだよ~」

 

「もうすぐの辛抱だよ凛ちゃん」

 

「そういえば今日真姫は来なかったのね?」

 

「うん誘ったんだけど今日は家族とレストランでお食事があるんだって」

 

「さすがお嬢様ね」

 

皆が話ながら歩いている内に目的地に着く

 

「着いたね」

 

「早く入ろ!」

 

凛が待ちきれんとばかりに店内に入ると''いらっしゃいませー''と高い声が店に響きわたる凛達はテーブルに座りメニューを開く

 

「何にしようかな~」

 

「あっ私これにしよ」

 

凛達がメニューを決めていると店内に3人の男子高校生達が入店してきた奥の方に進み1人の男子が凛達に気づく

 

「あれ?星空?お前星空だよな?」

 

「えっ?」

 

1人男子が凛に気づく

 

「やっぱりそうだおいお前ら懐かしい奴がいたぞ」

 

残り2人の男子も凛に気づく

 

「本当だ懐かしいな小学校以来全然会ってなかったもんな」

 

凛は顔をひきつっていた昔小学校の頃凛がスカートを履いてきてそれをバカにした3人の男子達がまさかまた会うことになるとは想像もしていなかった

 

「おい星空今お前スクールアイドルやってんだろ?」

 

「う、うんそうだよ」

 

「すごいよな~お前でもなれるんだなアイドルに」

 

「でもさ悪いことは言わないからやめとけってお前似合わないんだからそういうの」

 

きゃははは!と男子達が笑い上げているとにこが勢いよく席を立つ

 

「あんた達やめなさい!どこの誰だか知らないけどそれ以上凛の事バカにしたら許さないわよ!」

 

「あっ?なんだお前?」

 

にこと男3人が喧嘩になりそうな所に凛が割ってはいる

 

「ごめんなさい!凛がアイドルとかそういうの似合わないのはわかってるよ・・・あはは」

 

「凛!あんた!」

 

「だから本当にごめんなさい!」

 

凛はそう言い勢いよく外に出た

 

「凛!」

 

「凛ちゃん!」

 

にこと花陽も店を出て追いかけるが凛の速さに追い付けず見失う

 

「速すぎでしょあの子!」

 

「はぁはぁ凛ちゃん」

 

「花陽さっきの奴らの事知ってる?」

 

「うん昔小学生の頃凛ちゃんがスカート履いてきた時があってそれをバカにした人達だよ」

 

「それを今度はアイドルになった事をバカにするなんて最低な奴らね!」

 

「まさかまた会うなんて思ってもみなかったよ」

 

花陽は携帯を取りだし凛に電話をかけてみるが出る気配もない

 

「ダメ?」

 

「うん凛ちゃん昔の事引きずって今度はアイドルを辞めるなんて言わなきゃいいけど」

 

「流石にそれは言わないでしょ」

 

「でも凛ちゃん小学生以来私服でスカート履いてきた事ないんだよ」

 

「確かに見たことないわね・・・でも信じるしかないでしょ凛の事」

 

「うん、そうだね」

 

にこと花陽は明日の練習で凛が来ることを信じ2人は解散し帰宅する

 

 

ー翌日ー

 

今日の練習に8人のμ'sメンバーと雄介が集合したが凛だけはまだ来ていなかった

 

「凛はまだ来てないけどどうしたのかしら?花陽知ってる?」

 

絵里が花陽に凛の事を聞くが返答に困る

 

「り、凛ちゃんは今日風邪を引いて休むって言ってました」

 

花陽は咄嗟に嘘をついた昨日の事でまだ整理がついてなく嘘をつくしかなかった

 

「花陽、あんた」

 

「ごめんにこちゃん今はまだ・・・」

 

「・・・わかったわ」

 

花陽とにこがこそこそ話している所を真姫は見逃さなかった

 

「珍しいね凛ちゃんが風邪を引くなんて今日練習終わったらお見舞いに行こうかな?」

 

穂乃果が凛のお見舞いに行くと言いだし慌てて花陽がそれを阻止しようとする

 

「だ、大丈夫だよ穂乃果ちゃん電話で聞いたけど微熱みたいだしお見舞いは私だけで行くよほらうつちゃうと悪いし」

 

「そ、それは花陽ちゃんも同じなんじゃ?」

 

「大丈夫だよ!ねっ!」

 

「う、うんわかった」

 

花陽のゴリ押しに了承するしかない穂乃果その花陽の態度を見てますます怪しむ真姫

 

「わかったわとりあえず凛の様子を花陽に任せるわ皆それでいい?」

 

絵里がそう言い皆が了承する

 

「じゃあ今日の練習始めましょうか凛が抜けしまってる分はそこは補ってフォーメーションを取るしかないわね皆大丈夫?」

 

「そうですねそこはカバーしあい踊るしかありませんね」

 

「わかった明日凛ちゃんが来ることを信じて今日は皆で全力でやろう!」

 

「「「おぉー!!!」」」

 

「じゃあ雄介音楽スタート!」

 

「了解!」

 

穂乃果の掛け声と共に練習が始まる皆が明日凛が来ることを信じて

 

ー同時刻ー

 

警察本部にて一条は部長室に呼ばれた

 

「失礼します」

 

ノックをし中に入る

 

「一条君なぜ君を呼んだかわかるかね?」

 

未確認生命体合同対策本部の本部部長松倉貞雄が椅子を回し一条の方に向く

 

「4号の件でしょうか?」

 

「その通りだ」

 

松倉は1枚の写真を一条に見せる

 

「4号にトライチェイサーを渡したのはなぜだ?」

 

「彼は我々の味方ですそれにああするしか方法がなかったからです」

 

「結果的にその判断は正しかったかもしれないだが君が4号の情報を拒むのであれば君を対策本部から外す事になるかもしれん」

 

「本部長今は私を信じてください!」

 

「・・・いいだろうだが4号がもし我々の敵になったら ?」

 

「その時は私が射殺します」

 

話を終え一条は部長室を出ると杉田が外で待っていた

 

「どうだった?」

 

「えぇどうやら今回の事は納得してくれたみたいです」

 

「そうかまぁそれで良かったんじゃねぇか」

 

「未確認の動きもだんだん活発になってきていますだから我々も対策を立てなくては」

 

「あぁそうだな」

 

一条達は未確認の行動を探るため合同本部に向かう

 

 

ー夕方ー

 

練習を終え帰りの支度をしていると真姫が花陽の肩を叩く

「?真姫ちゃんどうしたの」

 

「花陽ちょっと時間ある?」

 

皆に先に帰ると伝え花陽と真姫は場所を移す

 

「ねぇ凛どうしたの?」

 

歩きながら花陽に凛の事を聞く

 

「えっ?だから凛ちゃんは風邪を」

 

「あなたが嘘ついてるって事ぐらいわかるわ」

 

真姫の言葉に歩みを止める花陽

 

「やっぱり真姫ちゃんにはわかっちゃうんだ」

 

「当たり前よ私とあなた達は友達なんだからそんなのすぐにわかるわ」

 

真姫は花陽の肩を掴みまっすぐな瞳を向け凛の事を聞き出す

 

「花陽お願い凛がどうしたのかを教えてそれとも私じゃ力になれない?」

 

「ううんそんな事ないありがとう真姫ちゃん話すよ昨日なにがあったのか」

 

花陽は昨日の出来事を全て真姫に話した

 

「なんてひどい事を凛の事何にも知らないくせして!」

 

真姫は怒りにうち震えていた大切な友人が傷つけられ唇を強く噛み締める

 

「花陽今から凛の家に行きましょう今凛を救えるのは私達しかいないわ」

 

「真姫ちゃん・・・うん!行こう凛ちゃんの所に」

 

真姫と花陽は凛の家に向かい走り出した

 

 

 

「ごめんくださーい」

 

凛の家に着いた花陽達はインターホンを鳴らし家の人がいるか確かめるするとドアが開き凛の母親が出てくる

 

「あら、花陽ちゃんと真姫ちゃんいらっしゃい」

 

「こんばんはあの~凛ちゃんいます?」

 

花陽が凛の母に訪ねると困った表情をし答える

 

「えぇでも昨日から部屋に入り浸りで出てこないのよ声をかけても返事しないし」

 

昨日の事で相当ショックを受けたのか部屋から一歩も出ず閉じ籠ってるらしい

 

「上がらせても宜しいでしょうか?凛と話がしたいんです」

 

「えぇお願い」

 

花陽と真姫は家にあがらせてもらい凛の部屋に向かう

 

「凛ちゃん私だよ花陽昨日の事で凛ちゃんの事が心配で来たんだ後真姫ちゃんも来てくれたよ」

 

ノックをし凛を呼び掛けるが返答はない

 

「凛お願い返事をして昨日の事でいっぱい傷ついたかもしれないでもねなにがあっても私達はあなたの味方だからお願い部屋から出てきて」

 

真姫の必死の呼び掛けに奥からボソボソっと聞こえた

 

「花陽聞こえた?」

 

「うんなにか言ってたよね」

 

ドアに耳を当てもう一度凛のに聞く

 

「凛ちゃんお願いもう一度言って」

 

すると凛からの返答が帰ってきた

 

「帰って」

 

「えっ?」

 

凛の返答に戸惑う2人

 

「お願いだから2人とも帰って」

 

「凛、私達はあなたが心配で」

 

「帰ってって言ってるの!」

 

「・・・凛ちゃん」

 

「誰とも話たくない!誰とも会いたくない!凛の事なんかほおっておいてよ」

 

凛の言葉に真姫が激怒する

 

「凛!あなたいい加減にしなさい!ほおっておけるわけないでしょ!私達がこんなに心配しているのに何よ!」

 

「真姫ちゃんダメ!」

 

怒りに呑まれている真姫を花陽が制止させる

 

「真姫ちゃん今日の所は帰ろう?」

 

「花陽あなた!」

 

「無理やり凛ちゃんを出そうとしてもそれは逆効果だよ少し落ち着いたらまた来よう、ねっ?」

 

「・・・わかったわよ」

 

真姫を落ち着かせ花陽は凛にまた来るねっと言いその場を離れる

 

「ごめんなさいねまさかあんなにも深刻だったなんて」

 

凛の母は2人の呼びかけにも答えず困惑していた友人の言葉なら出てくれると思っていたから

 

「いえ、ごめんなさい力になれなくて」

花陽と真姫は凛の母に深々と頭を下げる

 

「大丈夫よ2人とも顔を上げて私からも声をかけてみるしでもまた時より来てくれるとうれしいな」

 

「えぇそれはもちろん」

 

「ありがとうこれからも凛の事よろしくね」

 

「「はい」」

 

凛の母に見送られ2人は凛の家から歩き出す

 

「凛、あの様子だと本当に出てこないわね」

 

「大丈夫だよ真姫ちゃん必ず凛ちゃんはまた皆の所に戻ってくるよだから最後まで諦めず呼びかけよ!」

 

「花陽・・・そうね頑張りましょ」

 

2人は凛を信じ最後まで諦めないと心に誓うのであった

 

 

ー翌日ー

 

朝日の光が凛の顔を照らしその光で目を覚ます

 

「もう、朝か」

 

時計を見れば9時を指していてもう練習に行かないといけない時間だった

 

「もういいんだ、かよちんと真姫ちゃんにもひどい事言っちゃったし会わせる顔がないよ」

 

気がつくと眼から涙がこぼれ落ちる

 

「ぐすっ・・・こんな事だったら最初からμ'sに入んなかったらよかったなぁ」

 

自分自身が傷ついた事それに自分で大切な友人を傷つけた事色々な感情がごちゃごちゃになりただ涙を流す事しか出来なかった

 

「・・・お腹減ったなお母さん達は仕事に行ったと思うしどっか出掛けてこようかな」

 

外に出るとまたあの男子達と会うかもしれないと思いつつ帽子を深々とかぶり凛は支度をし始めた

 

 

ー同時刻ー

 

今は使われてない廃墟とかした水族館そこにタトゥーを施した者達が1人の女性を待つ

 

「オソカッタナバルバ」

 

そこに現れた1人の女性バルバと呼ばれた者はグロンギのゲームを審判をする者

 

「マタセタナコレヨリ''ゲゲル''ヲカイシスル」

 

バルバは1人の男性に目をつけその者を呼ぶ

 

「バヅーサイショノゲゲルハオマエカラダ」

 

その男性はバルバに近づきバッタに酷似した姿に変化する

 

「オマエノゲゲルハフツカデサンジュウニンダ」

 

バルバは指にはめている爪のような物をバヅーのベルトに挿し込み腕輪のような物を渡すこれはグセパといい人間(リント)を殺した数だけ数える腕輪で後バヅーに挿した爪のような物はゲゲルが時間内に成功しなかったら自動で爆発する仕組みになっている

 

「フン、タヤスイゲゲルダ」

 

バヅーは人間の姿に戻りゲゲルを開始するため外へと歩き出した

 

 

凛は買い物を済ませ即座に帰宅しようとする

 

「(早く帰らなきゃまたあの人達に会うかもしれない)」

 

凛は小走りで帰ろうとした瞬間

 

「キャー!!」

 

悲鳴の声と共にゴシャッという音が聞こえ振り向くと辺り一面が血だらけになっておりそこにはビルから落ちてきた女性が死んでいた

 

「っ!」

 

凛は上の方を向くとそこにはバッタの姿に酷似した未確認生命体ズ・バヅー・バがいた

 

「(未確認生命体!)」

 

凛は群がる人達を避け近くにあった店内に入る

 

「雄介に連絡しないと!」

 

携帯を取りだし雄介に連絡しようとしたが手が止まる

 

「(皆と会わせる顔がないのに連絡しちゃっていいのかな)」

 

凛が連絡を躊躇しているとまた悲鳴が聞こえまたあの嫌な音が聞こえた

 

「そんな事気にしている場合じゃない!早く雄介に!」

 

凛は雄介の電話番号を入力し電話を掛ける

 

 

μ'sの練習中雄介のポケットに入ってる電話が震える

 

「んっ?凛ちゃんからだ」

 

凛の名前に反応する真姫と花陽とにこ

 

「凛ちゃんから連絡来たの!?」

 

練習を抜け出し雄介に詰め寄る

 

「う、うんほら」

 

花陽に携帯を見せ着信が凛と表示されていた

 

「早く出てみて!」

 

「うん、もしもし」

 

凛が元気を取り戻したかもしれないそういう報告だと思い願った花陽だったが雄介の言葉にその願いは打ち砕かれた

 

「何!?未確認が!わかったすぐ行く!凛ちゃんは安全な所に隠れてて!」

 

電話を切り雄介はバイクの方に向かうが花陽に手を掴まれる

 

「凛ちゃんどうしたの!?まさかまた未確認に襲われたの!?」

 

「凛ちゃんは大丈夫だ今安全な所に隠れてるから今から助けに行く!」

 

「私も行くよ!」

 

「駄目だ!危険だからここで待ってて!」

 

雄介は花陽の掴んでいる手を離しバイクに向かった

 

「雄介君!」

 

「花陽落ち着きなさいあなたが行っても逆に危険が増えるだけよ」

 

「絵里ちゃん」

 

絵里に制止され落ち着く花陽

 

「必ず凛ちゃんを連れて帰ってくるから!」

 

雄介はヘルメットを被りバイクにグリップを取り付けエンジンが作動する

 

「ゆーくん!きおつけてね!」

 

雄介は皆にサムズアップをし走り出して行った

 

 

「コレダケマトガイレバコンカイノゲゲルハラクショウダナ」

 

バヅーは次の標的を定めビルの屋上から一気に飛び降りた

 

「ひいぃぃ!未確認!」

 

逃げ惑う男性だが未確認の速さになす術もなく捕まり屋上へと一気に飛び上がる

 

「コレデキュウニン」

 

バヅーは男性を軽く手で押し一気にビルから落下する

 

「うあぁぁーーーー!!!」

 

ゴシャッと男性が落ち辺り一面が血だらけとなる

 

「きゃあぁぁ!!」

 

「早く逃げろー!」

 

逃げ惑う人間達を見て次の標的を探すバヅー

 

「サテツギハアイツニスルカ」

 

バヅーは1人の女性を捕まえビルの屋上へと再び飛び上がる

 

「いやあぁぁ!!」

 

女性の悲鳴でわかるまた1人殺されるその恐怖が次は自分にくるんじゃないかと怯える凛

 

「(お願い早く、早く来て雄介!)」

 

外に出れば確実に捕まり殺される凛はずっと店内に隠れ雄介の到着を願うしかなかった

 

「コレデジュウニン」

 

バヅーは捕まえた女性をビルから突き落とす

 

「きゃあぁぁーーーーーー!!!」

 

女性が落下し後少しで地面に着く瞬間目を閉じると痛みはなく誰かに掲げられた感触があった

 

「あっ・・・」

 

目を開けるとそこには今テレビで話題となっていて未確認生命体と戦っている未確認第4号がそこにいた

 

「大丈夫ですか?」

 

クウガは女性を降ろし安否を確認する

 

「え、えぇ」

 

「良かった、さぁ!ここは危ないから早く逃げて!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

女性はクウガにお礼を言いその場から立ち去った

 

「(雄介!来てくれた)」

 

凛はクウガの姿が見え安堵した

 

「クウガ、オレノゲゲルジャマシタコトコウカイサセテヤル」

 

バヅーは屋上から飛び降りクウガの前に立つ

 

「っ今度はバッタの未確認かよ」

 

クウガは身構え辺りを確認し始める

 

「(凛ちゃんどこにいるんだ?)」

 

「ドコヲミテイルクウガ!」

 

バヅーは飛び出しクウガにキックを放ちクウガも咄嗟ににガードする

 

「っ!」

 

ガードはするが敵の威力が強く手が弾かれるがバク転をし助走を着け一気に拳を突きつけたがバヅーは軽く身のこなしパンチを避ける

 

「っくそ!」

 

「アタランゾクウガ!トゥア!」

 

避けた瞬間クウガの肩に蹴りを入れ込む

 

「ぐっ!」

 

その衝撃で転倒し転がり回る

 

「っのやろう!」

 

クウガは飛び上がりバヅーに目掛けてキックを放つがそれもジャンプし屋上まで跳んでいった

 

「嘘だろあんな遠くまで跳べるのか」

 

バヅーは屋上から親指を上げここまでこれるかと挑発する

 

「っ!」

 

クウガも助走をつけ屋上までジャンプするが届かない

「っくそ!クウガの力でもだめなのか」

 

バヅーは屋上から飛び降り途中で足をかけ踏み込み一気にクウガの元へと突撃していきキックを放つ

 

「ぐあぁぁ!」

 

まともに喰らい吹き飛び近くにあった店内のガラスを突き抜け店内の壁にぶつかり倒れるクウガ

 

「ぐっ!はぁ!はぁ!」

 

「ドウシタクウガソノテイドカ」

 

バヅーは再びビルの屋上へと飛び上がっていった

 

「はぁはぁ何とかしないと」

 

クウガは店内から出てバヅーのいる屋上を見上げる

 

「跳ぶんだ奴の所まで!」

 

クウガは無我夢中でバヅーの所までたどり着きたいその思いで足を踏み込みジャンプをする

 

「うおぉぉ!!」

 

するとさっきとは違い高くジャンプし屋上までたどり着くするとクウガの体が赤から青色に変化していた

 

「えっ体が青くなった!?」

 

自分の体を見て驚くクウガ

 

「ソウダソノアオヲマッテイタンダ」

 

バヅーは待ちわびたと身構え一気にクウガに攻撃を仕掛ける

 

「ふっ!」

 

クウガはその攻撃を避けるそしてバヅーに連続でパンチを繰り出す

 

「うおぉぉ!!」

 

だがバヅーには効いておらず反撃を喰らう

 

「ぐあ!」

 

バヅーに蹴りを入れられ転倒するクウガ

 

「どういう事だパンチ力が弱くなってる」

 

クウガはもう一度攻撃を当てるがやはり効かず腕を掴まれ一気に下に落とされる

 

「うあぁぁーーーー!!」

 

落下した衝撃でダメージが大きく立ち上がる事が出来ないクウガすると

 

「ゆーすけー!」

 

凛が我慢出来ずクウガの元へと駆け出す

 

「凛ちゃん!?来ちゃ駄目だ!」

 

バヅーはそれを見逃さず凛に攻撃を仕掛けてきた

 

「いやあぁぁ!!」

 

「っくっそぉー!!」

 

クウガは凛の前に立ちバヅーの攻撃を受ける

 

「がはっ」

 

「雄介!」

 

バヅーのキックをまともに喰らい膝をつくクウガ

 

「フン、オワリダクウガ」

 

バヅーは止めを指そうとした瞬間クウガは赤に戻りバヅーの攻撃をガードしバヅーの足を脇腹で抑えクウガはバヅーに蹴りを入れる

 

「うぉりぃやあーーー!!」

 

「ナニ!?」

 

バヅーは咄嗟にガードするが蹴りの衝撃で吹き飛び倒れる

 

「クウガ!キサマァ!ッ!?」

 

バヅーの腕からマークが現れヒビが入る

 

「ウオォォ!!」

 

バヅーは無理やり自分の腕を引きちぎり爆発を免れた

 

「ハァ!ハァ!オボエテイロクウガ!」

 

バヅーは屋上まで飛びそのまま去って行った

 

「はぁ、はぁ」

 

クウガは雄介の姿に戻り倒れ気を失う

 

「雄介!ねぇ雄介しっかりして!」

 

凛は雄介を揺さぶるが返答はない

 

「雄介ごめんなさい凛のせいで」

 

すると奥の方からパトカーがやって来た

 

「君大丈夫か!」

 

パトカーから降りてきたのは一条

 

「警察?」

 

一条は凛の元へと近づき倒れている雄介を見て驚愕する

 

「中野雄介!?まさか未確認に」

 

「刑事さん雄介の事知ってるの?」

 

「あぁとりあえず話は後だとりあえず中野を病院に運ぶ」

 

一条は病院に連絡を入れ救急車を手配した

 

「君もついてきてもらえるかな?」

 

「えっ?あっはい」

 

一条は凛をパトカーに乗せ救急車の到着を待った

 

 

「ゆーくん!」

 

「雄介!」

 

雄介が病院に運ばれた事を知り雄介のいる病室に駆けつけるμ'sメンバー達

 

「あっみんな」

 

雄介が寝ているベッドの隣に凛が椅子に腰かけていた

 

「凛ちゃん!?良かったぁ無事で」

 

花陽が凛の元へと駆け寄るが凛は後退る

 

「りん・・・ちゃん?」

 

「ごめんみんな雄介は凛のせいでこうなちゃったの」

 

「どういうこと?」

 

「雄介は凛を庇って攻撃を受けて倒れたの凛が雄介を傷つけたのだから凛はここにいる資格はないだからごめんなさいみんな!」

 

「凛ちゃん!」

 

凛は走って病室を出ていった

 

「凛!待ちなさい!」

 

海未が呼び止めるが制止を聞かず走っていく

 

「凛ちゃん一体どうしたの?何か変だよ」

 

ことりが凛の様子に疑問を持ち真姫は凛の事を話そうと決意した

 

「みんな聞いて凛が最近練習を休む理由」

 

「真姫ちゃん待って!」

 

「花陽このまま黙ってるより全員で相談した方がいいだって私達友達でしょ?」

 

「真姫ちゃん」

 

真姫の言葉に花陽が頷き凛がこの数日間何があったのかを皆に話した

 

「そんな事が」

 

「そんなひどい事を言うなんて凛ちゃんが可哀想」

 

「それに今回自分が雄介に怪我をさせてしまった事を思ってより心を閉ざすと思うわ」

 

「だったら」

 

「えっ?」

 

声の主に皆が振り向く

 

「だったら俺が凛ちゃんを救って見せる」

 

「雄介!?」

 

雄介はベッドから起き上がり皆の方に向く

 

「ゆーくん怪我は大丈夫なの!?」

 

「まぁまだちょっと痛むけど大丈夫!」

 

雄介は皆にサムズアップを向け安心させる

 

「もう、心配したんだからね」

 

「ごめん、それより凛ちゃんの事で大体話はわかった今度凛ちゃんを俺が誘ってみるよ」

 

「誘うって?」

 

花陽は疑問に思い首を傾げ雄介はニカッと笑い

 

「デート作戦だ」

 

「「「デート作戦!?」」」

 

雄介の提案に皆が驚く

 

「凛ちゃんの元気そして女の子としての自信を取り戻す為には男の俺がエスコートするしかないかなって」

 

「でも、雄介で大丈夫でしょうか?」

 

「確かに不安だわ」

 

「ちょっ!ひどくね!?」

 

「でもおもしろそうやん!」

 

皆のほとんどが不安で満ちていたが希だけはノリノリだ

 

「雄介君が凛ちゃんとデート中ウチらが2人の後ろで見守っているそれでどお?」

 

「おぉ!いいねそれナイスアイディア希!」

 

雄介と希が意気投合している中絵里だけは呆れていた

 

「希ただあなたが楽しみたいだけでしょそれ」

 

 

ー夕方ー

 

「じゃあまた来るよ」

 

雄介と凛のデート?の作戦を練り終え皆が雄介に手を振り病室を出る

 

「ふぅ、今日は何とかなったかな」

 

「何が何とかなっただやせ我慢して」

 

μ'sメンバーが出た少し後に一条が病室に入ってくる

 

「一条さん」

 

「医師から聞いた君の怪我は全治3ヶ月いや、ここに運ばれる前はもっとひどかったらしい」

 

「へへ、やっぱ一条さんにはバレてましたか」

 

「友達に心配かけまいと無理をして元気を振る舞っていたが頑張りすぎだ君は少し休んだ方がいい」

 

「でも、俺何とかしたいんです未確認も倒したいですしそれに大切な友人の事も心配ですし」

 

「中野・・・」

 

「一条さんお願いします今回逃がした未確認はとても強かったですでも!次こそは奴を倒して見せますだから俺は俺の無理をさせてください」

 

「わかった、また未確認が出現したら君に連絡するだが本当に無理はするなよ」

 

「ありがとうございます!」

 

雄介の熱意を聞き一条は納得したこの男は中途半端はしない最後までやり遂げる男なのだと

 

一条が帰った後雄介は桜子に連絡を入れた青いクウガの事を調べて欲しいと

 

「これでよしっと後は連絡を待つだけ」

 

すると花陽からLINEが届いた

 

「(雄介君が目を覚ました事を知って明日謝りに行きたいって言ってるから明日作戦実行でいい?)」

 

「明日来てくれるのか良し!」

 

花陽にOKの文字を入力し返信した

 

「明日頑張らなきゃな」

 

雄介は凛の笑顔を取り戻す為気合いを入れ明日に備え眠りについた

 

ー翌日ー

 

「雄介起きてる?」

 

凛がドアにノックし雄介が起きてるか確認する

 

「うん起きてるよ凛ちゃん入って来てもいいよ」

 

「うん、お邪魔するね」

 

凛がドアを開け入って来る

 

「おはよう凛ちゃん」

 

「おはよう雄介・・・あの、雄介昨日はごめんなさい凛のせいで怪我させちゃって」

 

「大丈夫だよほらこんなにぴんぴんしてるんだから」

 

雄介はベッドから立ち凛の頭を撫でる

 

「でもこのままじゃ申し訳がたたないよ」

 

凛の言葉に待ってましたと雄介はあの提案を持ち掛ける

 

「じゃあそうだな今日凛ちゃんが俺とデートしてくれるなら昨日の事はさっぱり忘れよ?ねっ」

 

「えっデート!?」

 

「ダメ?」

 

「でも凛はそんな事一回もしたことないし」

 

「俺もしたことないよでも凛ちゃんとどっか遊びに行きたいなーってずっと思ってたんだ」

 

「雄介・・・」

 

雄介の言葉が嬉しかったのかはにかむ凛

 

「わかったいいよデートしよ雄介」

 

「やりー!」

 

凛とのデートが決まりさっそく準備をし出かける雄介達

 

「ところでどこに行くの雄介?」

 

凛が行き先を聞き雄介の行く場所は決まっていた

 

「最初は服屋かな~」

 

「雄介何か買うものでもあるの?」

 

「うん、凛ちゃんのね」

 

「えっ?」

 

「さぁ行こう!凛ちゃん」

 

雄介は凛にヘルメットを渡しトライチェイサーに乗せる

 

「レッツゴー!」

 

「わわ、ちょっと雄介待ってー!」

 

雄介は急発進をし凛が驚き雄介にしがみつき街へと走って行った

 

「ここだ」

 

雄介達が着いた服屋にさっそく入るこの服屋もμ'sメンバーと事前に打ち合わせしていた場所だ

 

「ねぇ雄介凛の服って何買うの?」

 

「う~んそうだな」

 

雄介は店内を回り一つの品を持ってきた

 

「まずはこれかな~」

 

雄介は凛に見せた物はフリフリの白のワンピースだった

 

「ええ!駄目だよ凛には絶対似合わない!」

 

「そんな事ないって絶対似合うよお願いほら試着するのはタダだし」

 

「うぅ~」

 

雄介の強引な後押しにより渋々試着室に入って行く凛

 

「着替え終わったよ」

 

凛が試着室に入って数分後カーテンが開けられる

 

「おぉ!」

 

そこには顔を赤らめワンピースを着た凛が恥ずかしそうに立っていた

 

「どう、かな?」

 

「めっちゃ似合ってるよ可愛い!」

 

「えへへ、ありがとう」

 

「よし!どんどんいってみよう!」

 

「ええ!?」

 

雄介はどんどん服を持ってきて凛に着せる最初は恥ずかしがっていた凛も試着していくにつれ楽しそうに笑っていた

 

「雄介本当にいいの?結構高かったけど」

 

「いいんだよ今日凛ちゃんがデートしてくれたそのお礼だ」

 

雄介は最初に着せたワンピースを購入し1日それを着てデートしてくれと頼みこみ凛は最初恥ずかしがっていたがこれで雄介の恩返しとなるならばと思い了承した

 

「雄介次どこいこっか?」

 

「よ~し次は」

 

雄介と凛は色々な所へデートを満喫した映画、ゲームセンター、ショッピング雄介と凛も一杯楽しみ時間はあっという間に過ぎていった

 

「もうこんな時間か・・・」

 

腕時計の針の指すところを見ると時間は5時に回る直前だった

 

「そろそろ帰ろっか」

 

「うん、今日は楽しかった~」

 

凛も満足し今日のデート作戦は成功だなと思っていたら雄介の電話が鳴り出す

 

「あっ桜子先生からだ凛ちゃんごめんちょっと待ってて」

 

「うん、わかった」

 

雄介は凛から少し離れ桜子の電話に出るすると

 

「あれ~ほしぞらぁまた会ったな」

 

ビクッと凛は後ろを向くとこの間の男子3人が歩いていた

 

「へぇ~おめかしなんかしちゃって似合わないのによ~」

 

ケラケラと笑う男子達その影で見守っていたμ'sメンバーが怒りを灯していた

 

「あいつらまた!」

 

「あの人達が凛を許せません!」

 

海未が出ていこうとする所をことりと穂乃果が抑える

 

「ダメ!海未ちゃん!」

 

「海未ちゃんが行ったらややこしくなっちゃうから!」

 

「ですが凛をほおっておけません!」

 

海未達があーだこーだやり取りしている間凛の前に雄介が立っていた

 

「お前ら凛ちゃんになにか用か?」

 

「雄介」

 

「なんだ星空お前彼氏いたのかよ」

 

「なんか色々とすげぇな」

 

それでもケラケラと笑い続ける男子達を見て怒りを込み上げる雄介

 

「お前ら以前凛ちゃんにひどい事言った奴らだろなんでそんな事をいう?」

 

「だって正論な事言っただけだぜなぁお前ら」

 

あぁ、そうだそうだ、と男子達は面白可笑しく言い笑い上げるその態度に我慢ならなかったのか雄介は1人の男の胸ぐらを掴み持ち上げる

 

「ぐぇ」

 

「お前らいい加減にしろよ何が可笑しいんだ?凛ちゃんを悲しませて泣かせて何が可笑しいんだって聞いてんだよ!!」

 

「おい離せ!」

 

「この野郎!」

 

2人の男子が掴まれている男子を助けようとするが雄介の殺気で立ち止まる

 

「お前ら小学生の時凛ちゃんと会ったんだよな?ならなぜ気づかねぇ?こんなにも可愛くてとっても笑顔が似合う女の子だと」

 

「ゆーすけ」

 

「凛ちゃんがスカート履いて何が悪い?アイドルやって何が悪い?可愛くなろうとして何が悪い!!」

 

「ひいぃぃ」

 

「俺は!・・・俺はいいと思う」

 

雄介は掴んでいる男子を離す

 

「お前ら次また凛ちゃんを泣かせるような事したら次は

覚悟しておけ」

 

「ひいぃぃおい!逃げるぞ!」

 

「お、おう」

 

男子達はそのまま走って逃げって行った

 

「ゆーすけ・・・」

 

「はは、ごめん凛ちゃん嫌な所見せちゃったな」

 

雄介は凛の方を向き謝るが凛は顔を横に振る

 

「ううん、ありがとうゆーすけ」

 

「凛ちゃん」

 

するとトライチェイサーから通信が入る

 

「中野雄介聞こえるか!」

 

「はい!」

 

「未確認生命体第7号が現れたすぐに行けるか?」

 

「大丈夫です!行けます!」

 

「わかった場所はー」

 

一条から未確認が出現した場所を聞きトライチェイサーに股がる

 

「ごめん凛ちゃん行かなきゃ」

 

「ゆーすけ」

 

凛は雄介の袖を掴み顔を見上げるその表情は不安に満ちていた

 

「本当に行っちゃうの?また怪我したら」

 

「凛ちゃん・・・」

 

「ゆーすけは怖くないの!?未確認と戦ったり怪我したり凛は雄介がいなくなっゃうのが怖いよ」

 

凛は自分の本音を雄介にぶつけた今まで何度も未確認に襲われその度に雄介に助けれ傷つきいつか本当に雄介が死んでしまったらと考えると不安でしょうがなかった

 

「怖いさ」

 

「えっ?」

 

「怖いさそりゃ戦うのはだけどね俺は皆が傷つく方がもっと怖い」

 

雄介は凛にサムズアップを向ける

 

「だから皆が笑顔でいられるよう俺は戦うんだ」

 

「ゆーすけ」

 

「あっそういえば凛ちゃんとはまだ約束してなかったな」

 

「約束?」

 

雄介は凛の前に小指を上げ

 

「皆の所に必ず帰ってくる約束」

 

「ゆーすけ・・・わかった必ず帰って来てまたデートしようね!」

 

「うん!」

 

雄介と凛は指切りをし雄介は未確認のいる現場へと走って行った

 

「ゆーすけ、凛にまだ出来ることあるかな?ちょっとだけでもいいゆーすけの力に」

 

「だったら行こう!雄介の力になる所に!」

 

「えっ!?」

 

凛は声の主達が聞こえた方を向く

 

「みんな!」

 

凛の前にはμ'sメンバーが立ちことりが凛の手を握る

 

「凛ちゃんいつも助けてもらってるゆーくんに少しだけでも力になりたいよね?」

 

「ことりちゃん・・・うん!ゆーすけを助けたい!」

 

凛の雄介を助けたい意思に皆が頷く

 

「なら行こう!雄介の力になる所に!」

 

穂乃果が叫び皆は走り出すその場所に向かって

 

 

雄介が未確認が出現した場所に到着する

 

「これは・・・」

 

雄介が見える光景それは未確認生命体に虐殺された警官達だった

 

「一条さん聞こえますか!一条さん!」

 

雄介が一条に通信を入れている中上から何か落ちてくる音が聞こえたそれは血だらけになっている警官だった

 

「っ!未確認!」

 

上を見上げるとそこには未確認生命体第7号ズ・バヅー・バがそこにいた

 

「ツギハオマエダ」

 

バヅーが下に降りてきて雄介もバイクから降りる

 

「っ」

 

雄介は腹中央部に手をかざしそこからアマダムが出現する

 

「変身!」

 

ポーズを構えボタンを押すすると赤のクウガではなく青いクウガへと姿を変えた

 

「えっ!?いきなり青か!」

 

クウガは身構えバヅーもこの間腕をやられた事に怒りを見せていた

 

「クウガ!キサマニヤラレタカリココデカエシテヤル!」

 

バヅーはクウガに飛び掛かりキックを放つがクウガはそれをジャンプし空中で避ける

 

「うおりぃやぁ」

 

クウガも蹴りをバヅーに当てるがやはり効かず肩を掴まれ膝蹴りを喰らい後ずさるクウガ

 

「くっうおぉぉ!」

 

連続パンチをバヅーに喰らわすだがクウガの首を掴み持ち上げる

 

「ぐっしまっ」

 

「フン!」

 

そのまま離しクウガの腹中央部に蹴りを勢いよく放つ

 

「ぐあぁぁ!」

 

クウガは吹き飛び近くにあった手すりにぶつかりその手すりが折れ近くに何本か散らばる

 

「くそ!どうすればいい!?どうすれば!」

 

青いクウガの戦い方がわからずこのままだとバヅーにやられるその時

 

「ゆーすけ!」

 

「えっ?」

 

クウガを呼ぶ声に振り向くするとそこにはμ'sメンバー全員と一条がいた

 

「一条さん!皆!どうして!?」

 

「ゆーすけ!聞いて!水の心の戦士長き物を手にして敵を凪ぎ払え」

 

凛がクウガに伝えるその言葉それこそ青いクウガの戦い方だった

 

「水の心、長き物・・・もしかして」

 

クウガは目の前に散らばる折れた手すりを一つ手にする

 

「これか!」

 

クウガが持った瞬間手すりが変化し青いクウガの専用武器ドラゴンロッドへと変化した

 

「いくぞ!」

 

クウガは勢いよくロッドを回しバヅーに当てていく

 

「グアッ!」

 

先ほどとは違いかなりのダメージを与えている

 

「いけるぞ!」

 

「チョウシニノルナー!」

 

バヅーは蹴りをクウガに放つがロッドでガードしそれを凪ぎ払いロッドをバヅーの顔に当て怯ませ蹴りを入れ距離を取る

 

「うおぉぉ!」

 

勢いよくロッド回し跳ぶ

 

「おりぃやあぁーーー!!」

 

ロッドをバヅーに一気に突きつける

 

「グアァァ!!」

 

その衝撃で吹き飛び倒れるバヅーするとバヅーの胸からマークが浮き出す

 

「ウ、ウ、ウ、ウアァァーーーー」

 

ベルトにヒビが到達し叫びと共に爆発する

 

「はぁはぁ」

 

クウガは皆の方へ向く

 

「「やったーーー!!」」

 

μ'sメンバーが駆け寄りその後に続く一条

 

「皆・・・ありがとうな皆が来てくれなきゃやられてたかもしれない」

 

「ゆーすけ青いクウガの事で悩んでいたから急いで桜子先生の所に行って聞いてきたんだ」

 

「そうだったのか・・・そういえばさっき桜子先生から電話来てたけど途中で切っちゃったんだ」

 

先ほど凛とデート中桜子から電話がきていたが凛が男子達に囲まれていたので急いで向かい電話を切ってしまっていた

 

「それでここに向かう途中一条さんに会ってここまで来させてもらったんだ」

 

「そうだったんですか」

 

「あぁこの子達がこちらに向かって行く所を見て一度は止めたがこの子達のお前を助けたいと言う言葉を聞いてなここまで来させたんだ」

 

「一条さん・・・」

 

さぁ後は任せろと一条は皆を帰らせた帰る途中明日の事を皆と話し合いそれぞれ自分の我が家へと帰って行った

 

 

ー翌日ー

 

凛からLINEが来て今日一緒に行かないかと送られてきて一緒に神田明神に向かっている

 

「じゃあかよちゃん達とは仲直りしたんだ」

 

「うん、もう1人で悩んじゃダメよって真姫ちゃんに怒られたにゃ」

 

「あはは、真姫ちゃんらしいな」

 

「でもデート作戦なんて聞いた時驚いたよ」

 

「まぁ皆凛ちゃんの事思ってのことだからさ」

 

「うん、そうだね」

 

凛は雄介の前に立ち手招きをする

 

「ゆーすけちょっと耳かして」

 

「うん?」

 

雄介は凛の方に耳を傾けると

 

「ありがとう、ゆーすけ」

 

チュッと雄介の頬にキスをした

 

「えっ!?凛ちゃん!」

 

「えへへ、今後またデートしようねゆーすけ」

 

凛はそう言い走っていきぼーぜんと立っていてキスされた頬をさする雄介

 

「凛ちゃんまじえんじぇー」

 

今日も太陽が輝いて青い空が広がっている

 

ー第5話 傷心endー

 




やっと書き終えましたぁ
さて次の話も頑張りますか(^^)d


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第6話 絆

今回の話は真姫ちゃんがメインです!そしてクウガの姿は五感が鋭い緑の姿に


「ふぅ、こんなものかしら」

 

西木野宅にて西木野真姫は今度のライブに合わせ曲作りを作成していたすると

 

「真姫少しいいか?」

 

コンコンッとドアの叩く音が聞こえドアの奥から真姫を呼ぶ声が聞こえる

 

「なぁにパパ」

 

真姫はドアを開け真姫の父を招き入れる

 

「真姫少し大事な話があるんだ下に降りてきてくれないか?」

 

「えっ?」

 

これから真姫が聞かされる話によりμ'sの運命が左右されることになる

 

 

ー翌日ー

 

雄介は集と桜子のアパートにお邪魔していた

 

「へぇこの文字が青いクウガの事が載っていたんですね」

 

「えぇそれにしてもあの時はびっくりしたわよ突然μ'sの皆が家に来て雄介君の事を助けて欲しいって」

 

雄介が未確認生命体第6号と戦っている時μ'sメンバーが桜子の家に押し掛けて雄介が戦っているから自分達も何かしたいそう思い桜子に青いクウガの知っている事を全て話して欲しいとせがんできたらしい

 

「本当に愛されてるわねあの子達に」

 

「へへっそうっすかね?」

 

「普段はセクハラばかりしているお前がなぁ」

 

突然と集が話に入ったやはり集も男だし雄介が羨ましいらしい

 

「うっせーよ、セクハラするのはあの子達限定だ」

 

「それはそれで最低だぞお前」

 

雄介と集が言い合いになっている中桜子が手をパンパンと鳴らし2人に視線を向けさせる

 

「はいはいあなた達そこまで今日来たのは言い合いするためじゃないでしょ」

 

「「はい」」

 

桜子はノートパソコン2人に見せある文字に指をさす

 

「ここ、この文字の意味でわかった事があるの」

 

「なんですか?」

 

「クウガには赤、青の他にまだ違う姿があるかもしれないの」

 

「えっ!?マジっすか!」

 

「えぇ、まだ解析は進んでないけどこの文字には青いクウガと同じ意味のような物が書かれてるの」

 

「どんな文字ですか?」

 

「''その姿を彼方より知りて疾風の如く''・・・っとここまでしかわからなかった」

 

「じゃあここの文字が解読出来たらこのクウガの戦い方がわかるかもしれないんですね?」

 

「えぇ、たぶん」

 

桜子はパソコンを閉じ時間を見ると昼頃になっていた

 

「今日はここまでにしましょうか雄介君解読出来しだいあなたに連絡するね」

 

「わかりました」

 

 

雄介と集は桜子の家を出て雄介はバイクに股がりエンジンを作動させる

 

「雄介、また今度な」

 

「あぁ今度は学校かな」

 

「そうだなもうちょっとで休校もおしまいだ」

 

集が言うようにあの事件から1ヶ月以上がたち学校も元通りに直り学校も再開できるようになった

 

「雄介、いきなりこんなこと言うのもなんだけどよあんまり無茶すんなよ」

 

「なんだよいきなりらしくねぇな」

 

「お前が頑張ってるのは知ってるよだけどそれでもしお前に万が一の事があったら・・・」

 

「集、お前心配してくれてんのか?」

 

「当たり前だろ友達なんだから」

 

「へへっサンキューなでも俺は大丈夫!だって俺クウガだし」

 

雄介は集に向けてサムズアップをする

 

「何だよそれ」

 

雄介の言葉に少し笑いながら集もサムズアップを向ける

 

「俺は俺の頑張れる範囲で頑張るよそれに・・・」

 

「それに?何だよ?」

 

「それにあの子達とも約束してるからな絶対帰ってくるってだからお前の所にもちゃんと帰って来るよ約束だ」

 

「あぁ、わかった」

 

雄介と集はお互いの拳を軽く小突き約束をする

 

「じゃあまたな」

 

「あぁ」

 

雄介はヘルメットを被りバイクを走らせどんどん遠くなっていく雄介を集はずっと見ていた

 

「約束だからな雄介」

 

 

「ん?」

 

雄介がバイクで走行中真姫が歩道に歩いているのが見えバイクを寄せ止まる

 

「真姫ちゃーん」

 

雄介に呼ばれ振り向く真姫

 

「雄介?」

 

「どっか出掛けてたの?」

 

「えぇまぁそんなところ」

 

「帰る途中?だったら送っていくよ」

 

雄介は予備のヘルメットを真姫に渡す

 

「・・・ありがと」

 

真姫は雄介の後ろに乗り雄介の腰の回りに手を回す

 

「じゃあ行くよしっかり掴まってて」

 

「えぇ」

 

雄介はエンジンを作動させバイクを走らせる

 

「そう言えばなんで2つもヘルメットあったの?」

 

「ん~よく梓と乗って出掛けるからな~だから常に2つ持ち歩いてるんだ」

 

「そうだったの」

 

雄介と真姫が話している内に真姫の家の前に到着した

 

「ありがと雄介送ってくれて」

 

真姫はバイクから降りヘルメットを渡す

 

「うん、あっそういえば真姫ちゃん次の曲出来た?」

 

「っ」

 

雄介の言葉に息詰まる真姫

 

「真姫ちゃん?どうした?」

 

「ごめんなさいまだ出来てないの」

 

「そうだったんだわかったまだ日にちはあるから焦らず真姫ちゃんのペースで頑張って」

 

「えぇ、ありがとう」

 

「じゃあ行くね」

 

雄介はヘルメットのバイザーを下げエンジンを吹かす

 

「また明日練習で」

 

「・・・うんまた明日」

 

雄介はグリップ回しバイクを走らせどんどん小さくなっていく

 

「・・・嘘ついちゃったなもう、μ'sの曲は・・・作れないのに」

 

真姫は寂しげに言い瞳から涙が流れていた

 

 

ー翌日ー

 

今日の練習に皆が集まり打ち合わせをしていただが真姫だけはずっと黙ったままだった

 

「真姫ちゃんどうかしたの?」

 

花陽は真姫に話しかけたが応答しなかった

 

「あぁ!ゆーすけまた凛のスカートの中見たにゃ!」

 

「だって凛ちゃんの格好パンツ見えやすいんだもん」

 

あの日以来凛の練習着はズボンの格好からスカートの物となり皆が絶賛して雄介もいつも以上にセクハラ行為が過激になっていた

 

「雄介!また貴方は!恥を知りなさい!」

 

っといつものように海未に怒られるのが日常茶飯事になっている

 

「ご、ごめんなさ~い」

 

雄介とうみりんの追いかけっこが始まるこれも日常茶飯事だ

 

「まぁたやってるわよあいつら」

 

「まぁこれも今は平和ってことやろうねぇ」

 

他のμ'sメンバーも呆れながら今あるこの瞬間の平和を楽しんでいる

 

「はいはいおふざけはそこまでにして練習始まるわよ」

 

「「は~い」」

 

絵里の呼び掛けに皆が集まるが真姫だけはずっと座ったままだ

 

「真姫ちゃんさっきから変だよ?具合でも悪いの?」

 

花陽が真姫の方に駆け寄るそんな真姫が突然と立ち上がり皆の方を向く

 

「みんな突然だけど私μ'sを抜けるわ」

 

突然の真姫の発言に皆が沈黙する

 

「な、何言ってるの真姫ちゃん冗談でしょ?」

 

穂乃果が真姫が嘘をついていると思ってもそんなふいんきではなかった

 

「冗談じゃないわ本当の事よ」

 

「どうして突然何か気に入らない事でもあるんですか」

 

海未の質問に真姫は顔を横に振る

 

「違うわ親の都合よここの街を出て海外に行くわ」

 

「海外って・・・」

 

「そう、もう当分会えないわね」

 

「当分会えないわねじゃないわよ!」

 

今まで黙っていたにこ血相を変えてが真姫に詰めより胸ぐらを掴む

 

「うっ」

 

「何さっきから涼しい顔でいってんのよ!あんたにとってμ'sってそんな物だったの簡単に切り捨てられるの!?あんたの返答しだいじゃ只じゃおかないわよ!」

 

今にでも殴りかかりそうなにこを雄介が抑える

 

「落ち着けってにこ!殴ってもお互いが傷つき合うだけだ!」

 

「離しなさい!バカ雄介!こいつは私達の事をμ'sを何とも思ってないのよ!」

 

「んなわけねぇだろ!何とも思ってないならこんな悲しい顔しないって!」

 

雄介の言葉に顔を真姫の方に向けると真姫の表情は悲しみでいっぱいで目元から涙がたまっていた

 

「わたしだって抜けたくて抜けるわけじゃないわよ!でもパパがこの街は危険だからって、海外には未確認生命体は出現してないから安心だってだから!」

 

「真姫・・・」

 

真姫も本心ではμ'sを抜けたくないまだ皆と一緒に過ごしたいだが一つの障害でその運命は変わっていく

 

「未確認生命体が出現したから・・・確かに家族を守る為なら当然ね」

 

「絵里あんたまで!」

 

「えりち・・・」

 

絵里は真姫に近づきポケットからハンカチを取りだし涙を拭く

 

「私も以前亜里沙が未確認生命体に襲われた時一歩間違えれば亜里沙はもうこの世にいなかったかもしれないそれを考えた時本当に怖かったわ、だから真姫のお父様もそうなんじゃないかしら娘が未確認に襲われたらと考えると正直ここには入られないと考えるんじゃないかしら」

 

絵里は皆の方を振り向く

 

「誰の家族だってそう、大切な家族が襲われたらと考えると誰もがそういう考えが出てもおかしくないわ」

 

「じゃああんたもそれですぐに納得するの?それではい辞めますはい解散って言えるの?ふざけんじゃないわよ!」

 

絵里の言葉もごもっともだ、だがそれでもにこは納得しなかった

 

「確かに未確認は危険よ!家族だって心配当たり前じゃない!でも私達は決めたんじゃないの!?続けたいって!ラブライブに出るために!」

 

「にこ・・・」

 

「それに!未確認が出れば雄介が倒してくれるでしょ!こいつには力があるんだから未確認の事なんか全部こいつに任しとけばい」

 

「ダメ!!」

 

にこの発言をことりの叫びで止める

 

「にこちゃんそれ以上言ったら私にこちゃんの事許せなくなっちゃうから」

 

「ことり・・・」

 

「ゆーくんは未確認と戦う道具じゃないよゆーくんだって皆を守る為に必死で戦っているんだからそんな事言わないで」

 

ことりの発言と自分の言った言葉に自分が雄介にとってとんでもない事を言ったと自ら頭を冷やし落ち着きを取り戻す

 

「ごめん皆ついカッとなっちゃって雄介もごめん」

 

「大丈夫だよ、だから顔上げろって」

 

雄介に深々と頭を下げるにこを雄介が肩を軽く叩き顔を上げさせる

 

「ごめん私のせいで皆を混乱させてそれにラブライブの事も本当に、本当にごめんなさい!」

 

真姫は皆に謝りそのまま走っていってしまった

 

「真姫ちゃん待って!」

 

雄介が追いかけようとするが突然トライチェイサーから通信が入る

 

「「中野雄介聞こえるか!」」

 

「・・・はい」

 

「「未確認生命体第3号が現れた至急現場まで来れるか!?」

 

「っ大丈夫です、すぐ行けます」

 

通信を終え雄介はバイクに股がる

 

「ごめん皆、真姫ちゃんの事・・・頼む」

 

「うん、気をつけてねゆーくん」

 

雄介はヘルメットのバイザーを下げエンジンを吹かし走っていった

 

「・・・真姫ちゃん」

 

 

雄介が走行中前に一条の乗るパトカーを見つけ隣に並ぶ

 

「一条さん!」

 

「中野、第3号はこの先にある工場に襲撃しているという情報が入った!急ぐぞ!」

 

「はい!」

 

雄介と一条は第3号のいる現場へと急行していく

 

 

「うあぁぁ!!」

 

1人の男性が叫びながら逃走するが追いかけてくる怪物に捕まり首筋を噛まれ血を吸われる

 

「やだ!や・・・だ・・・」

 

吸われ続けどんどん干からびるように体がしおれていく

 

「ヤハリオトコノリントノチハマズイナ」

 

吸い終えその男性をその場へ投げ捨てる怪物

 

「サァツギハドコヘイコウカ」

 

次の標的を求め大きな羽を広げ飛びだとうとした時そこに雄介と一条が到着する

 

「いた!」

 

雄介はヘルメットを取り目の前の敵を確認すると以前凛を襲い倒し損ねた未確認生命体第3号ズ・ゴオマ・グがそこにいた

 

「ここにいる全員を襲ったのか」

 

辺り一面には工場の工作員が皆血を抜かれ倒れている

 

「今度こそお前を倒す!変身!」

 

雄介は走りながらポーズを構えクウガに変身する

 

「!?クウガ!」

 

クウガは跳び拳を構えゴオマにパンチを喰らわす

 

「グワッ!」

 

ゴオマが怯んだところを肩を掴み膝蹴りを喰らわし顔面にパンチを当てる

 

「グギャ!」

 

そのパンチで怯み転倒する

 

「まだだ!」

 

クウガは攻撃の手を緩めることなくゴオマに攻撃を喰らわす

 

「おりぃやあ!」

 

蹴りを入れ吹き飛び壁にぶつかりそのまま倒れるゴオマ

 

「ガバッハァハァ」

 

以前戦った時とは比べ物にならないほど強くなっているクウガに恐れゴオマは羽を広げそのまま飛び天井を突き破り飛んでいってしまった

 

「っあの野郎!」

 

「中野!」

 

「はい!」

 

クウガは高く跳びたいと意識し足に力を入れ勢いよくジャンプをする

 

「うおぉぉ!」

 

すると体が赤から青に変化し空高く跳んでいって飛行中のゴオマをそのまま掴んだ

 

「逃がすか!」

 

「ッシツコイ!」

 

ゴオマは空中で暴れるがクウガも離さずそのまま下へと落下していった

 

「ぐあっ!」

 

「ギャッ!」

 

2人とも同時に墜落し転倒する

 

「くっうおぉぉ!」

 

クウガは起き上がりゴオマに飛び掛かるがゴオマもまた羽を広げ飛び出す

 

「っあいつまた!」

 

着地したと同時に辺りを見渡すが完全に見失ってしまった

 

「(どこだ?奴はどこに!)」

 

クウガはゴオマを見つけたいと神経を研ぎ澄まし集中するするとゴオマが突然上から襲いかかったがクウガはギリギリで避ける

 

「っ!あぶね!」

 

攻撃を避けた瞬間クウガの体が青から緑に変化していた

 

「なんだ!?突然色が緑に」

 

クウガが自分の変化に驚いた瞬間辺りが突然遠くまで見えるようになり辺りがより遠くまで聴こえるようになる

 

「な、なんだこれは!?」

 

突然の変化に苦しみ膝をつき耳をふさぐクウガ

 

「ア、アノミドリハマズイ!」

 

ゴオマは羽を広げそのまま飛び去って行ってしまった

 

「う、うあぁぁ!」

 

この街にある人や建物がたくさん見えこの街の音がダイレクトに聴こえ耐えられなくなり緑から白に変化する

 

「あ、あぁぁ」

 

白に戻った事でその現象は止まった

 

「はぁ!はぁ!何だったんだ今の!」

 

クウガから雄介の姿に戻り大量の汗が体から吹き出す

 

「中野雄介!大丈夫か!?」

 

一条が雄介の元へ駆けつける

 

「はい、なんとかでも3号には逃げられました」

 

「そうか、だが本当に大丈夫か?体中汗だくだぞ」

 

「今は何ともないんですけど、クウガの色が今度は緑に変わってそれがこの街中の全体が見えたり聞こえたりそんな現象が起きたんです」

 

「そんな力もあるのかクウガには」

 

一条は雄介を立たせ肩を組む

 

「すいません」

 

「気にするなとりあえず俺の車で休め」

 

 

ゴオマは辺りの暗い路地裏に着地し人間の姿に戻る

 

「どこへいっていたんだ?ゴオマ」

 

ゴオマが振り向くとそこにはバラのタトゥーの女バルバがいた

 

「オレノゲゲルノトチュウデクウガニジャマサレタ!」

 

「私はお前にゲゲルを許可した覚えはないぞそれに」

 

バルバは腕をムチのような物に変化しゴオマを叩きつける

 

「ここではリントの言葉で話せ」

 

「ゴアっ!許してくれバルバ!」

 

勝手にゲゲルを行った罰としてゴオマを痛めつけるバルバ

 

「頼む!チャンスをくれ!俺にもう一度ゲゲルをやるチャンスを!」

 

ゴオマの必死の叫びよりバルバは手を止める

 

「お前がそこまで言うならいいだろう」

 

「バルバ!」

 

「ただしお前のゲゲルは特別にする」

 

「特別?」

 

「お前のゲゲルはクウガを倒すことだ」

 

バルバの出された言葉によりゴオマは驚愕しただがもしここで断ればいずれ他のグロンギに殺される

 

「わかった俺のゲゲルはクウガを倒すこと」

 

「それでいい」

 

ゴオマは再び姿を変え空へと飛び去っていった

 

「せいぜい最後のゲゲルを楽しむといいゴオマ」

 

そう言い残しバルバは暗い闇の中へと歩んで行った

 

 

雄介は一条の車で休んでいると凛から電話が掛かってきた

 

「もしもし」

 

「(もしもしゆーすけ大丈夫?怪我とかない?)」

 

「うん、大丈夫だよ未確認には逃げられちゃったけど」

 

「(そっかゆーすけが無事で良かった)」

 

「凛ちゃんごめん話は変わるけど真姫ちゃんの事どうなった?」

 

「(あれから電話を掛けてみたんだけど出なくて家にも行ったんだけどまだ帰っていないらしくて)」

 

「そっか」

 

「(ねぇゆーすけ凛に出来ることないかな?前に真姫ちゃんが凛が落ち込んでいる時声を掛けてくれた凛を助けようとしてくれただから今度は凛が真姫ちゃんを助けたい)」

 

「凛ちゃん・・・」

 

以前凛が落ち込んでいて家に閉じ籠っていた時真姫は必死に呼び掛けてくれた大切な友達だからとだから今度は凛が大切な友達のために呼び掛けたいと思っていた

 

「凛ちゃん多分μ'sの皆凛ちゃんと同じ気持ちだよ誰だって真姫ちゃんと離れたくないずっと一緒にいたいだから呼び掛けようそして聞こう真姫ちゃんの本当の気持ちを」

 

「ゆーすけ、そうだね!皆で真姫ちゃんを探して呼び掛ければきっと真姫ちゃんは答えてくれる」

 

「うん、これから探そう真姫ちゃんを皆で!」

 

「うん!凛これから皆に連絡して皆と探してみるね」

 

「わかった俺もこれから真姫ちゃんを探すよ真姫ちゃんが行きそうな場所を探ってみる」

 

「わかった!気をつけてねゆーすけ」

 

凛との通話を終え一条の車から降りる

 

「行くのか」

 

「はい、大切な人を迎えに行ってきます」

 

「わかったまた未確認の動きがあったら連絡する」

 

「わかりました後一条さんちょっと頼み事いいですか?」

 

「?何だ」

 

雄介は一条にある事を頼みバイクに乗り真姫を探しに行った

 

凛からLINEで連絡しμ'sの皆が集合した

 

「じゃあこれから真姫ちゃんを探しに行くんだね」

 

「じゃあ3チームで別れましょうか各学年別で行動でどう?」

 

絵里の提案に皆が賛成する

 

「じゃあ真姫ちゃんが見つかったらすぐに皆に連絡するそれでいいよね?」

 

穂乃果が皆に確認して皆が頷く

 

「じゃあ行こう」

 

それぞれ各チームに別れ動き出す大切な友達を見つけるために

 

「はぁ」

 

真姫は今1人海岸線にいて砂浜に座り海を見ていた

 

「この海の向こうに行けばもう皆とは会えないのね」

 

朝の練習の時皆にμ'sを抜けると伝え皆を混乱させ自分は逃げるように走ってここまで来てしまった

 

「最低な別れ方よね皆に嫌われちゃったかな」

 

真姫の眼から涙がこぼれ落ちてくる海を眺めれば今までμ'sの皆と過ごした思い出がよぎってくる

 

「こんな奇跡きっと二度とないのに」

 

ずっと小さい頃からあまり友達ができなかった真姫が高校に入ってスクールアイドルになり大切な仲間に囲まれ

自分の大切な居場所が出来たそう思っていた

 

「自分で手放しちゃったのね親の都合とか関係なく自分の大切な場所を自分自身の手で」

 

真姫は寝転がり空を見る青く広がる大空が涙でボヤける

「ごめんねみんな」

 

真姫は目元を手で覆いずっと考え悩み疲れ眠ってしまった

 

ー夕方ー

 

「私、寝ちゃってたのね」

 

真姫は起き上がり空は夕暮れに満ちていた

 

「お目覚めですか?お嬢様」

 

真姫は驚き声の聞こえた方を見ると雄介が隣に座っていた

 

「雄介!?どうしてここが!?」

 

「真姫ちゃんこの前作曲で悩んだ時海を眺めるって言ってたからもしかしたらと思って」

 

正解だったっと雄介がニシシと笑う

 

「どうして?私はもうμ'sを抜けるのに皆を混乱させて迷惑をかけたのにどうして私を?」

 

「決まってるじゃん俺達にとって真姫ちゃんは大切な友達だからだよ」

 

「でも!私は!」

 

「一回別れを告げたからって縁が切れるわけじゃない俺達の絆はそんなやわじゃないって事真姫ちゃんだって知ってるでしょ?」

 

「雄介・・・」

 

「ねぇ真姫ちゃん本当の気持ちを聞きたいんだ親御さんの事とかなしにして真姫ちゃんの本音を聞きたい」

 

「私の本当の気持ち・・・」

 

「うん」

 

「私は、私の本当の気持ちは・・・」

 

雄介が真姫の答えを待っていただがその2人を邪魔するかのように空からこちらに向かってくる影が迫っていた

 

「ミツケタゾクウガァ!」

 

急速に落下し雄介に迫る

 

「雄介!上!」

 

こちらに向かってくるゴオマを見た真姫が雄介に伝え咄嗟に真姫を抱えゴオマの攻撃を避ける

 

「っ未確認こんな時に!」

 

「オマエヲタオシテオレモゲゲルニ!」

 

雄介は真姫を立たせ後ろにさげさせる

 

「雄介・・・」

 

「大丈夫、下がってて」

 

雄介は手をかざしベルトを出現させる

 

「未確認今大事な話をしているんだ悪いが即効でカタをつけさせてもらうぞ!変身!」

 

掛け声と共に雄介はゴオマに向かって走っていく

 

「うおぉぉ!」

 

雄介は拳を突きつけゴオマの顔に攻撃を当てる

 

「ギャアァ!」

 

その瞬時に雄介の体が赤いクウガへと変身を遂げた

 

「クウガ!オマエヲタオス!」

 

ゴオマは瞬時に立ち上がりクウガに向かって攻撃を仕掛けるがクウガはゴオマの攻撃を避け連続でパンチを繰り出す

 

「グっガッゴッ」

 

クウガの攻撃を受け怯むゴオマに逃げる隙を与えることなく攻撃を緩めないクウガ

 

「はぁ!」

 

「ギャッ!」

 

ゴオマに蹴りを入れ込みそのまま転倒する

 

「コノママデハ」

 

クウガはゴオマに向かいキックを決めようとするがゴオマ瞬時に羽を広げ空へと飛び上がった

 

「っくそ!」

 

「ハァ!ハァ!」

 

間一髪の所でクウガの攻撃を避けたゴオマ

 

「あんな高い所まで!」

 

ゴオマは自分の受けた攻撃を少しでも回復するべく空遠くまで飛んでいったすると

 

「中野雄介!」

 

「一条さん!?」

 

パトカーに乗った一条がクウガの所へとやって来た

 

「調べはついたぞ受けとれ!」

 

一条はクウガにある物を投げ渡す

 

「これは!?」

 

「沢渡さんから聞いて緑のクウガの解読が済んでいた''邪悪なるものあらばその姿を彼方より知りて疾風の如く邪悪を射抜く戦士あり''」

 

一条に渡された物それは拳銃だった

 

「それが緑のクウガの戦い方だ!」

 

「一条さん・・・ありがとうございます!」

 

クウガはベルトに手をかざしあの時見えない敵を見つけたいと念じポーズを構え力強くボタンを押すすると赤い姿から緑の姿へと変身する

 

「すっーふぅー」

 

目と耳を研ぎ澄まし極限に集中するそして敵の気配を素早く察知する

 

「いた!」

 

クウガは銃を構えるとクウガの力で変形し銃からボウガンのような形に変わるこれが緑のクウガ専用武器ペガサスボウガンである

 

「そこだ!」

 

クウガは空の上に向けボウガンの後ろについている尾を引き空気を吸収する

 

「はっ!」

 

トリガーを引き吸収した空気が一気にゴオマへと向かい直撃する

 

「ギャアァーーーー!!」

 

直撃した場所からマークが浮き出し体に亀裂が入りベルトへと到達する

 

「クウガアァァァーーーーーー!!」

 

そのまま宙から落下し海に落ち爆発する

 

「ふぅ」

 

クウガから雄介の姿に戻りそのまま座り込む

 

「つっかれたー」

 

緑のクウガは視覚聴覚が極大元に研ぎ澄まれるので長時間は変身が保てない

 

「中野!」

 

一条が雄介の元へと駆け寄る

 

「大丈夫か?」

 

「はい、一条さんありがとうございます」

 

雄介は持っている銃を一条に返した

 

「君もよくやってくれた」

 

「いえ、そんな」

 

「君もそんな状態だし家に送ろう」

 

「いえ、大丈夫ですこれから大事な話があるのですみませんきをつかわせちゃって」

 

雄介は真姫の方を見て一条も察する

 

「わかった倒した未確認の事はこちらに任せておけ後で我々が調査するまた何かあったら連絡する」

 

「はい、ありがとうございます」

 

一条は雄介に別れを告げパトカーに乗り警察本部へと向かって行った

 

「雄介・・・」

 

「真姫ちゃん」

 

雄介は立ち上がり真姫の方へと歩み寄る

 

「お待たせさぁ聞かせて欲しいな真姫ちゃんの思い」

 

「全くそんな体がふらふらなのにそんなに話の方が大事なの?」

 

「あたりまえじゃん真姫ちゃんの方が大事に決まってるだろ」

 

雄介の言葉に顔を赤くさせる真姫

 

「もう///勘違いな言い方いわないで!」

 

「?」

 

雄介が首をかしげると遠くから声が聞こえてきた

 

「真姫ちゃーん!やっと見つけたにゃー!」

 

「よかったぁやっぱりここだったんだね」

 

こちらに走ってくる凛と花陽が見えた

 

「花陽!凛!」

 

真姫が驚いていると凛が真姫にダイブする

 

「ちょっ!凛!あぶないでしょ!」

 

「真姫ちゃんがいけないんだもーん凛達をおいてどっか行っちゃうんだから」

 

「それは・・・」

 

「でも真姫ちゃんやっぱりここだったんだね悩んだ時は必ずここに来るって前に言ってたもんね」

 

「もう何でもお見通しなのね」

 

雄介と同じ事を言われハァーっとため息をつく真姫

 

「あっそれと今皆呼んだからね」

 

花陽が真姫に警察をかざし皆がここに来るようLINEした画像を見せる

 

「そう、でもちゃんと皆に伝えなきゃね私の気持ちを」

 

しばらくし連絡を受けたメンバー達がやってくる

 

「みんな・・・」

 

「真姫、探したわよ全く心配かけさせないでよね」

 

「ごめん、ありがとうにこちゃん」

 

「素直なあんただと調子狂うわねでも」

 

にこが真姫に近づき抱きしめる

 

「私の方こそごめんね痛かったでしょ?」

 

朝の練習の時頭に血が登り真姫の事を掴みかかってしまい頭が冷えた後ずっとその事を謝りたかったにこ

 

「ううん、私の方こそごめんなさいにこちゃんが、皆が大事なμ'sを簡単に切り捨てるような事言っちゃって本当に本当にごめんなさい!」

 

真姫もにこを抱きしめ自分がμ'sの皆を傷つけてしまったと思い何度も何度も謝った

 

「バカね、あんただってμ'sの事すごく大事に思ってるでしょじゃなかったらこんなに思い詰めたりしないものね」

 

「うわあぁぁぁん」

 

真姫がにこの腕の中で泣き続けそれをにこが優しく頭を撫でる

 

「さすがにこね」

 

にこと真姫のやり取りを見てもらい泣きをする各メンバー達

 

「真姫ちゃん君の気持ちはもう皆分かってると思うだけど真姫ちゃんの言葉で聞かせてくれないかな?真姫ちゃんの気持ちを」

 

雄介が真姫に問い真姫は顔を上げ涙を拭う

 

「私、私は皆と離れたくない!皆と一緒にライブがしたい!これからもずっと、ずっと!皆と一緒に過ごしたい!」

 

真姫は自分の気持ちを皆に伝えるこれからもずっと一緒にいたいという真姫の気持ちが皆にちゃんと伝わった

 

「真姫ちゃんの気持ちよくわかった!なら行こう!真姫ちゃんの気持ちをまだ伝えてない人の所に!」

 

「えっ?それって」

 

「真姫ちゃんの両親の所だ」

 

「でも、パパ許してくれるかな?ここに居ていいって言ってくれるかな?」

 

真姫は不安になるもし真姫がここにいたいと伝え反対さらたらと気持ちが後ろめたくなる

 

「大丈夫だよ真姫ちゃんの言葉はきっと伝わるそれに俺達もついてるからさ」

 

雄介が真姫の手を握る

 

「大丈夫!」

 

雄介の言葉に後押しされ覚悟を決める真姫

 

「うん!わかった私行くわ!」

 

真姫の言葉に皆が頷き真姫の家へと向かった

 

 

「ただいま」

 

真姫が自分の家に着き玄関を開けると奥から真姫の母が出迎えてくれた

 

「真姫ちゃんおかえりなさい、あらお友達も連れてきたの?じゃあ何かおやつでも」

 

「ママ、今日皆が来てくれたのは遊びにきたわけじゃないの」

 

真姫の言葉に察した真姫の母は柔らかく微笑む

 

「そう、なら皆上がってちょうだい居間で待っててねそれと真姫ちゃん今パパを呼んでくるからちょっと待っててね」

 

真姫の母はそう言い奥へと歩いて行った

 

「おじゃまします」

 

皆が家にあがり指示通り居間で待っていたすると

 

「何だ真姫話って?それにお友達まで連れてきて」

 

真姫の父が入ってきた

 

「パパお話の事は私がここから離れる事海外に行くことを取り消してほしいの」

 

「その話か、何度も行ったがもう決めた事だ取り消すことはできない」

 

「お願いしますパパ!私みんなと一緒にいたい!これからもみんなと過ごしたい!離れたくないの!」

 

「皆と一緒にいたいという気持ちはわかるだが、お前のワガママで取り消せる話じゃあないんだよ」

 

真姫の言葉を聞いてもやはりそう簡単にはいかなかったすると座っていた雄介が立ち上がる

 

「俺達からもお願いします俺達にとって真姫ちゃんはかけがえのない存在なんです」

 

「君は?」

 

「真姫ちゃんと同じ学校に通う二年の中野雄介と言います」

 

「そうか君が君の事は真姫から聞いているよμ'sのマネージャーなのだろう?」

 

「はい」

 

「申し訳ないが君達がどうこう言ったところで話は変わらないこの世の中未確認生命体が出現し危険に満ちている私はそんな危険から遠ざける為に海外に行くことを選んだ家族を守る為にね」

 

その言葉はごもっともで誰も返答出来なかったそれでも雄介は諦めず真姫の父の前に立つ

 

「お父さん確かに今は未確認生命体という者が現れ危険ですでもその未確認から娘さんを守れるとしたらどうです?」

 

「どういう意味だ?君があの怪物達から娘を守れるというのか」

 

「はい」

 

「ふざけるな!そんな冗談につきあっ」

 

「冗談なんかじゃありません!確かに100%守れると言いきれませんが必ず娘さんを真姫ちゃんを守って見せます!」

 

「何を根拠にそんな事」

 

「じゃあこれを見て信じてください俺が言った言葉を」

 

雄介は中央腹に手をかざしベルトを出現させる

 

「なっ!?」

 

真姫の父は驚きながらも雄介はポーズを構えボタンを押す

 

「変身」

 

すると雄介から赤いクウガへと変身を遂げた

 

「な、4号!?君が!」

 

目の前の人物が信じられず腰を抜かしてしまう

 

「すいません驚かせてでもこれがその証拠です」

 

「じゃあ今まで4号が未確認と戦っていたのは」

 

「はい未確認から皆を守る為です」

 

「そう、だったのか君が・・・」

 

真姫の父は立ち上がりクウガの前でお辞儀をする

 

「以前娘に聞いた4号が私達を助けてくれたって、ありがとう君がいなかったら娘はどうなっていたか」

 

クウガは雄介の姿に戻る

 

「いえ、俺は当然の事をしたまでです、お父さん娘さんを守りたい気持ちは俺達も一緒ですお父さん真姫ちゃんの笑顔好きですよね?」

 

「それは当然だろう」

 

「俺達もそうです真姫ちゃんと一緒にいてとても楽しいんですだから離れ離れになりたくない!もし離れ離れになったら俺達も真姫ちゃんも必ず悲しみ皆から笑顔が消えてしまいますだから俺達には真姫ちゃんが必要なんです!」

 

「中野君・・・」

 

「お願いしますお父さん!娘さんを僕に守らせてください!」

 

雄介はその場で土下座をする端からみると完全に結婚の許しをもらうシーンだ

 

「中野君・・・君の熱意はわかったとりあえず顔を上げてくれ」

 

雄介は顔を上げ立つ

 

「それとお父さんはやめてくれ、心臓に悪い」

 

「えっ?あっすいません」

 

「中野君いやこの場にいるご友人達も聞いてくれ中野君の言葉そして君達の顔をみればわかる本当に真姫を愛してくれているんだな」

 

真姫の父の言葉に全員が頷き凛と花陽が立ち上がる

 

「そうです!ここにいる皆が真姫ちゃんの事大好きなんです!」

 

「だから凛達も真姫ちゃんとずっと一緒がいいんです!」

 

と同時に絵里、希、にこが立つ

 

「お父様確かに私達のワガママもありますでもそれでも真姫さんと一緒にいたいんです!」

 

「私達は三年生で後どれほどこのグループで一緒に過ごせるかわかりませんだから1分1秒でも長く皆と一緒にいたいんです!」

 

「ここに集まったメンバーこそが奇跡なんです1人でもかけたらその輝きが失ってしまうだからこのメンバーでずっと輝いていたいんです!」

 

最後に海未、ことり、穂乃果が立つ

 

「μ'sの曲はいつも真姫さんが作曲してくれていますその曲がなくなったら本当にμ'sそのものが終わってしまいます」

 

「真姫ちゃんの曲で私達が踊れるんです!その曲がなかったらμ'sとはいえないんです!」

 

「私はリーダーを務めさせてもらっていますがいつも真姫ちゃんや皆に助けて貰ってます真姫ちゃんはいつも私達を思い私達も真姫ちゃんの事を大切に思っていますだからこそこれからも真姫ちゃんと皆と一緒に歩んで行きたいんです!だから」

 

穂乃果の言葉に皆が頭を下げる

 

「「だからお願いします!真姫さんと一緒にいさせてください!!」」

 

「みんな・・・」

 

一つ一つみんなの思いが聴けて涙を流す真姫

 

「真姫、本当にいい友人を持ったな」

 

「パパ・・・うん!私の大切な友達だよ!」

 

真姫は最高の笑顔でそう答えた

 

「そうか、みんな顔を上げてくれ」

 

皆が顔を上げ真姫の父は娘の背中を押す

 

「パパ?」

 

「君達の気持ちはよくわかったこれからも娘とどうか仲良くしてほしい」

 

「パパそれって」

 

「あぁここにいよう真姫の大切な居場所に」

 

真姫の父の言葉に目元が熱くなる

 

「ありがとう、パパ」

 

すると同時に歓声がわき上がる

 

「「やったーーー!!これからもよろしくね真姫ちゃん!!!」」

 

皆が真姫に抱きつき真姫も嬉しさで皆に抱きつく

 

「中野君もし娘やその友人達が危険にさらされたらその時は頼む皆を守ってほしい」

 

「はい、必ず」

 

真姫の父と約束を交わし皆を見守る雄介

 

「絶対に守って見せますあの子達の笑顔を」

 

雄介達が真姫の家を出て少し経った頃真姫が走って追いかけて来た

 

「真姫ちゃん?どうしたの?」

 

「みんな今日は本当にありがとう後雄介」

 

「何?」

 

「パパに言った言葉真姫さんを守らせてくださいって言葉あれ完全に私に対してのプロポーズよね私いつでも待ってるからね」

 

真姫が言った言葉に一同唖然とする

 

「「えぇーーーーー!!!」」

 

皆驚き声を上げことりと凛が雄介の方を向く

 

「ゆーすけ浮気した!絶対ゆるさないにゃ!」

 

「ゆーくん!3股もするなんてゆるさないちゅん!」

 

「ちょっちょっと待って!あれはそういう意味で言った訳じゃ、というか何で俺こんなにモテてんの!?モテ期到来してんの!?」

 

雄介は2人を精一杯宥めるので必死だ

 

「ふふっばーか」

 

真姫はそう言い輪の中に入っていく夕暮れの中にぎやかな声が鳴り響く

 

ー第6話 絆endー

 

 

 




すいません最近リアルの方が忙しくて更新ペースが遅れがちですが引き続き第7話頑張りたいと思います


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第7話 愛情

今回は大銀河宇宙No.1アイドルにこにーの回そしてクウガは鋼の体を持つ紫色の姿に


夕暮れが過ぎ夜に差しかっかった時間にこは我が家へと帰って来た

「ふぅさすがにこの量だと重いわね」

にこは買い物で買った食材をその場に降ろし家の鍵を開ける

「ただいまー」

にこが家に入ると奥から小さな足音が聞こえる

「おかえりなさいお姉さま」

「おかえりーお姉ちゃん」

出迎えてくれたのはにこの妹の次女こころと三女ここあだ

「ただいまいい子にしてた?」

「うん!」

「お姉さまも練習で大変ですのに買い物まですみません荷物お持ちしますね」

「ありがとこころ重いから気をつけてね」

「大丈夫です!」

こころはにこの持っていた買い物袋を持ち台所まで運んで行った

「虎太郎ただいまー」

にこがそう呼び居間から歩いてくる男の子

「にこにーおかえりー」

この子は姉弟の中で1番小さいにこの弟だ

「今から晩御飯作るからちょっと待っててね」

「お姉さま私も手伝います」

「お姉ちゃん私もー」

「にこにーぼくもー」

「はいはいありがとじゃあこころとここあ一緒に作りましょうか虎太郎はまだ危ないからテーブルにお箸並べてくれる?」

「「はい」」

「はーい」

にこの指示通り皆が手を動かし作業を始めるなぜにこ達姉弟が家事全般を行っているかと言うとにこの家族には父親が早く亡くなった為母親が家族を養っているだからいつも姉弟4人で家事を行っているいつも夜遅くまで働いている母を少しでも楽にできるよう力を合わせ頑張っている

「できたー!さぁ皆食べましょ」

「「はーい」」

にこ達が作り上げた料理を並べ席につく

「「いただきまーす」」

手を合わせ皆食べ始める

「おいしい?」

「はい!とっても」

「おいしいよお姉ちゃん」

「おいしー」

「ふふっ良かった」

家族団らんで食べる夕食母親がいないのは寂しいが皆で食べるご飯は賑やかでにこは妹達のおいしそうに食べる顔を見て嬉しそうに微笑むのであった

 

ー翌日ー

ドタドタっと階段を勢いよく駆け昇る音が聞こえ勢いよくバンっと扉を開ける

「お兄ちゃん!朝だよ!起きて!」

中々起きない兄を起こすため梓が起こしに来た

「うぅ~んなぁに?まだ6時だよもうちょい寝かせて」

雄介は1回そばにある時計を確認しまだ早いと再び布団の中へと潜る

「何言ってんの!今日から学校でしょ!」

梓が無理矢理布団を引き剥がし雄介を起こす

「あぁ!そうだった!」

雄介は一気に目が覚めベッドから飛び起きる

「ほら、さっさとご飯食べて支度して」

「はい!」

雄介はすぐに下に降り梓が作ってくれた朝食を食べる

「ごちそうさま!」

朝食を食べ終わり学校に行く支度を始める

「ったく凄い寝癖だなぁ」

雄介は寝癖を直すため葛藤していた

「お兄ちゃん私やってあげるからじっとしてて」

「えっマジありがとー」

雄介は梓にドライヤーやくしを渡し髪型のセットを任せる

「はいできたよ」

梓がやってくれたおかげで寝癖もなくなり髪型もちゃんと整っていた

「おぉ!サンキュー梓」

「どおいたしまして」

雄介は梓にお礼を言い学校のスクール鞄を持ち玄関に置いてあるヘルメットを持つ

「じゃあ行ってきます」

「うん、いってらっしゃい」

梓は雄介に手を振り見送る雄介はバイクに股がり起動させエンジンを吹かし走り出して行った

 

 

「ふぅ到着」

学校に到着しバイクから降り学校に設置してある自転車置き場に停める

「ゆーくんおはよー」

すると後ろからことりが歩いてこちらに向かって来た

「おはよーことりちゃん」

「ゆーくんやっぱりバイクで来たんだね」

「うん、ことりちゃんのお母さんから許可はもらってるからね」

「うん、ここの学校こういうのあまり厳しくないからねでもそうなると一緒に登校できなくなっちゃうね」

「ん?ことりちゃんもしかして寂しい?」

「えっ!///別にそういうわけじゃ・・・」

「えぇ~そうなのぉ今度後ろに乗せて一緒に登校しようと思ってたのに~」

「えっ!そうだったの!?ゆーくんが良ければじゃあ今度一緒に」

「もちろん!約束ね!」

雄介はサムズアップをことりに向け約束を交わす

「うん!」

ことりも満面な笑みで約束を交わす

「あれ?そういえば穂乃果ちゃんと海未ちゃんは?」

そういえばと穂乃果と海未が見当たらない事に気づき辺りを見渡す

「穂乃果ちゃん達は絵里ちゃんに用事があってそっちに向かったよ」

「あっそうだったの」

「ほら、もうすぐチャイム鳴っちゃうよ教室に行こ」

「うん!」

雄介はことりと共に教室に向かった

 

「おはよーっす」

「おはよー」

雄介とことりが教室に入り他のクラスメイトが2人の方に注目する

「何だ?なんかめっちゃ見られてるんだけど」

「そうだねどうしたんだろう?」

雄介とことりが疑問に思っていたら1人の男子が近いてきた

「なぁ中野お前あの惨劇から生き残ったんだろ?南さんも」

「惨劇ってまさか未確認がここで襲って来たことか?」

「そうそうここで生き残ったのお前と近藤それにここにいたμ'sのメンバーだけだって聞いたからさ」

どうやらここにいるクラスメイト大半はあの惨劇の事が気になり生き残った雄介達にどういう事が起こったか聞きたいらしい

「ほらニュースでは4号もここに来たみたいじゃんどういう心境だったか教えてくれよ」

興味本心で聞いてくる男子に困った雄介だが隣を見るとことりが悲しい顔をしていた

「わりぃあの事件の事はあまり触れないでくれ俺達も思い出したくないんだ」

「えっ?」

「今はただここで殺された人達を助けられなかったと後悔してるよ」

雄介はそう言いことりの肩を掴み教室を出た

「ごめんゆーくん私やっぱりまだダメみたい教室に入ると思いだしちゃう」

「ことりちゃん・・・」

「今は綺麗な教室でも私が見た光景は真っ赤な教室だったそれが本当に今でも忘れられなくて」

ことりは震えだす未確認が次々とクラスメイトを刺し辺り一面が血だらけになるのを今でも脳裏から離れなれなかった

「ことりちゃんとりあえず今は保健室に行こう少し休んだ方がいい」

「ありがとゆーくん」

雄介はことりを保健室に連れていき保健室の先生に任せ教室に戻った

「あれ?穂乃果ちゃん海未ちゃん」

雄介が教室に戻る途中穂乃果達と遭遇する

「雄介おはよー」

「おはようございます雄介そういえばことりと一緒じゃないんですか?」

「うん、ちょっとな」

疑問に思っている2人にさっきあった出来事を話した

「そうですか・・・当然ですよね私も今でも忘れられません」

「私もだよ目の前で沢山の人達が殺されるのを見ちゃったんだもん思いだしたくないのに思い出すんだもん辛いよ」

暗くなっている2人を見て雄介は後ろの方に回り込みおもいっきり2人のスカートを捲り上げた

「きゃ!」

「いやぁ!」

「おぉー穂乃果ちゃんはオレンジの色で海未ちゃんは純白の白かーいいねぇー」

雄介が2人のスカートの中身の感想を述べていると両方同時から平手打ちが飛んできた

「ぶふぅー!」

「何を考えているのですかあなたは!この変態!」

「雄介!今日という今日は許さないよ!」

2人は顔を赤くし雄介を睨む

「いてて・・・へへっ2人ともやっぱりこうじゃないと」

「えっ?」

「確かにあの事件は辛いことだらけだあの時は助けられることが出来ず今でも悔しいでもさ」

雄介は手を2人の肩におく

「このまま俺達が暗くなっても仕方がないあの事件の時を乗り越え俺達は強く生きなきゃいけないと思うあの時亡くなった人達の分まで」

「雄介・・・」

雄介は2人にサムズアップを向ける

「だから2人とも元気だそ2人が暗くなったら他の皆も暗くなっちゃうから」

「全くあなたという人は」

「前の真姫ちゃんの事といいたまに格好いい事いうよね雄介は」

穂乃果と海未もサムズアップをし笑顔が戻る

「でも」

海未は雄介の肩を掴みニッコリと微笑む

「さっきやった事とは話は別ですよ?雄介」

「へっ・・・」

雄介は背中から冷や汗を流す

「覚悟は出来てますね?」

「っやばい!」

雄介は危険を察知しおもいっきりダッシュで逃げ出した

「待ちなさい!」

海未も雄介を追いかけ走り出す2人の追いかけっこが始まり後に絵里に怒られたのは言うまでもない

 

1時間目の授業を終え雄介達はことりの様子を見に行った

「ことりちゃーん大丈夫?」

保健室のドアを開けことりの様子を確める

「あっ皆来てくれたのありがとう」

ことりはベッドから立ち上がり雄介達の方へ歩み寄る

「良かった元気そうで」

「うん、ごめんね心配かけて」

「大丈夫だよそういえば先生は?」

「さっきまでいたんだけど、少し用事があるからって席を外したよ」

「そうなんだじゃあ連絡は後にして教室戻ろうか」

「うん、わかった」

「ことり大丈夫なのですか?あまり無理をしなくても」

「大丈夫だよ、だって海未ちゃん達も辛いはずなのに私だけ落ち込んでばかりじゃいられないから」

「ことりは強いのですね」

「そんな事ないよ私は皆に比べたら強くない」

「そんな事ないさ」

雄介はことりの手を握る

「ことりちゃんは凄いよ辛い事でも自分でそれを乗り越えたんだから本当にすごい」

「ゆーくん」

「そうですねことりを見習いといけませんね」

「私も!」

「穂乃果ちゃん、海未ちゃん」

「さぁてそろそろチャイム鳴りそうだし戻りますか」

「うん、そうだね」

「じゃあレッツゴー!」

っと皆で談笑しながら自分達の教室へと戻って行った

 

ー放課後ー

学校の授業が終わり雄介達はμ'sが集まる部室へと向かって行った

「おっ集まってるねー」

雄介がドアを開けると三年生一年生がすでに集合していた

「ゆーすけ!」

凛は席を立ち上がり一目散に雄介に飛び抱きついた

「わぷっ凛ちゃん」

「えへへー待ってたよゆーすけ」

凛は満面の笑みで答え雄介は凛の頭を撫でる

「本当に雄介になついたわよね凛」

「ほんまやねぇ本当に猫ちゃんみたいや」

絵里と希が会話をしていると真姫が席を立ち雄介達の前に立つ

「凛そろそろ離れなさい雄介も困ってるでしょ」

「そんな事ないよ~ねっゆーすけ」

「うんむしろ最高です!」

雄介はそう言いサムズアップを向けた

「もう!雄介ったら」

「あれ~もしかして真姫ちゃん羨ましいのかにゃ~」

「なっ!そんな事あるわけないでしょ!」

「そんな強く否定している所が怪しいにゃ~」

「何言ってんのよ!もう怒った覚悟しなさい凛!」

「うわあぁ真姫ちゃんちょっと待って!」

真姫は凛を捕らえ頭をぐりぐり攻撃をしている

「ははっ真姫ちゃんほどほどにね~」

雄介が凛と真姫のじゃれあいを見てて楽しんでいたそしてその後ろにいることりが羨ましそうに雄介達を見ていた

「いいなぁ~凛ちゃん今度私もゆーくんに・・・」

「ん?何か言いましたことり?」

「えっ?いやっなんでもないのよなんでも!」

「?そうですか」

ことりが変に否定していて首を傾げる海未

「はいはい皆そろそろいいかしら」

絵里が皆を呼び注目を集める

「皆わかっていると思うけどそろそろライブが近いわその本番に向けて歌詞やダンスはほとんど出来ている後はもう一度皆で見直してより制度をあげましょう」

「うん!そうと決まれば練習だね!皆屋上にレッツゴー」

と穂乃果が元気よく言ったがにこが渋々と手を上げる

「ごめん皆私ちょっと用事あるから今日は帰るわね」

にこがそう言い皆の目が点になる

「えっ?にこちゃん?」

「そう言うわけだから、じゃっ!」

そう言いにこは部室を出ていった

「どうしたんだろう?あんなにラブライブに燃えてたにこちゃんが」

「外せない用事があるのでしょう仕方ありません」

海未が穂乃果にそう言い練習の準備に取りかかる

「でもよく考えたらにこちゃんがいないと最終チェックできないよね?」

「それもそうねどうしましょう」

絵里が悩んでいると穂乃果が絵里の肩をちょんちょんっとつつく

「?どうしたの穂乃果」

「ねぇ絵里ちゃん今回の練習にこちゃんも揃ってないと出来ないんだし今日は」

「何?今日は練習なしにするの?」

「うん、それで皆でにこちゃんを尾行して見ようよ」

「何を言ってるのですか穂乃果は」

「まぁまぁ海未ちゃんだって気にならない?あのにこちゃんが練習を休むなんて」

「それはその・・・」

穂乃果の言葉に皆も気になり出していた

「皆もそう思うよね~」

「ですが練習は」

それでも下がらない海未に穂乃果はことりを呼び耳打ちをする

「ねっお願いことりちゃん」

「う~んでもきくかなぁ?」

そう言いことりは海未の方にむく

「ねぇ海未ちゃん」

「どうしたのですか?ことり」

「私もねにこちゃんの事が気になるのだから・・・」

ことりは自分の胸元をキュッと掴み潤んだ瞳で海未に言い放った

「お願い!」

「はぅあ!もうずるいですよことり・・・」

効果は抜群だ

「よーしそうと決まれば出発だー!」

「にゃー!」

穂乃果と凛は元気よく飛び出して行った

「もう本当に元気一杯ねあの子達」

「まぁまぁでもおもしろそうやんなんか探偵みたいで」

「もう希ったら」

皆も穂乃果達に続き追いかける

 

 

穂乃果達が学校を出てにこを探す為に街を歩く

「にこちゃんどこいったんだろう?」

「う~んでも本当に大事な用事で家に帰っちゃたとか?」

皆がさまよい続けると花陽が皆を呼ぶ

「みんな!にこちゃんいたよ!」

そう言いその場所に指を指す

「ん?スーパー?買い物か?」

外で様子を見てみるとにこが買い出しをしていた

「おつかいかな?」

「にこちゃんえらいにゃ~」

「でも買い物だけで練習休む?」

「誰かに食べさせたい人でもいるんじゃない?」

「例えば彼氏とか?」

「えっ!?あのにこちゃんに限って?」

「おやおや~真姫ちゃん慌ててますな~もしかして嫉妬?」

「ちょっと何言ってるのよ希!イミワカンナイ!」

真姫が叫んだ時に皆は慌ててシッーと指を立てるが時すでに遅しにこが皆の方に向いていた

「何で皆ここにいるのよ」

にこはかごをしまい店内の奥の方へと走って行き外に出た

「あっ!逃げた!」

「ますます怪しいですね!」

「追いかけよう!」

皆もにこを追いかけ走り出す

「ぬぁんで追いかけてくるのよ!」

「にこちゃん待つにゃー!」

にこは車と車の間に入り通り抜けて行った

「っにこっち案外足速いなぁ」

希も車の間を通り抜けようとしたがナイスバディなボディーをしているで胸がつっかかる

「もしかして希ちゃん通れない?」

すると希は皆の方へ向きジッーと見つめる

「よし!凛ちゃんゴー!」

「えぇ~何で凛が?」

「この隙間に入れるの凛ちゃんしかおらへん」

「えぇー!何か不本意だにゃー!」

そう言いながら凛は車の間に入って行く

「もうにこちゃ~ん」

車の間を抜け辺りを確認するがにこの姿は見えなかった

「いないにゃ~」

その後皆もにこを探すがどこにもいなかった

「にこちゃん見失っちゃったね」

「そうやねぇ~」

皆が歩いていると遠くからにこらしき人物を目撃する

「あれ?にこちゃんじゃない?」

「でもちょっと小さい気が」

どんどん近づくにつれにこと一回り小さい子が歩いていた

「にこちゃんじゃない」

「でもそっくりじゃない?」

皆がその子を見て話していると視線に気づいたのか皆の方に向く

「あの、なにか?」

「あっいやあの私達は」

穂乃果がどう答えようか悩んでいるとその子がなにか気づいたのか近づいてくる

「あの、もしかして皆さんμ'sの方ですか?」

「はいそうですが」

「やっぱり!皆さんいつも姉がお世話になっております妹の矢澤こころです」

「「えぇー!!」」

皆の驚きの声が街中に響き渡る

 

ほどなくしてにこの妹こころに案内され皆にこが住むアパートにお邪魔した

「へぇ~ここがにこちゃんの家」

「こちらへどうぞ今お飲み物をお出しします」

「あっありがとう」

すると奥の部屋から弟の虎太郎が顔を出した

「みゅーずー」

「うそ弟までいるの」

すると虎太郎は雄介の方に指を指す

「へんたいー」

「えっ俺の事!?」

「他に誰がいるのですか」

「にこめこの子達にどうゆう風に俺達の事いってるんだ」

すると玄関の方からただいまーっと声が聞こえた

「あっお姉さまここあお帰りなさい」

「ただいまここ・・・ろ?」

こころが玄関先まで出迎えに行きにこは中に入った瞬間靴置き場に大量の靴が並べられてあった

「ねぇこころこれは一体?」

にこがこころに聞いてみると奥の方から皆顔を出した

「「お帰りなさいお姉さま」」

「マジか」

 

 

にこが不貞腐れたように椅子に座り皆を睨む

「なんでここがわかったのよ」

「ちょうどこころちゃんとあって家に上がらせてもらったんだ」

「そうなんですお姉さまいつもお姉さまがご指導なさっているバックダンサーの方々を迎え入れお姉さまがお帰りになるのを待っていたんです」

こころが発言し皆がある言葉に引っかかる

「ん?バックダンサー?」

「ちょっ!こころ」

「はい!いつもお姉さまのご指導によりラブライブを目指し一人前のアイドルになるために活動をしているのですよね?」

こころがニッコリと説明し皆がにこに怖い目線を飛ばす

「ふふっバックダンサーですか、そうですね今日はにこに相談したく参りました」

「ねぇこころちゃん私達お姉さんと大事な話があるのぉちょっと席を外してもらっていいかしら?」

「はい!わかりました!皆さんお姉さまのお力で立派なアイドルになってくださいね!」

そう言いこころは部屋を出ていった

「あっこころ」

「さぁてどうゆう事か説明してもらいましょうか」

「バックダンサーってどうゆう意味ですか!」

「説明するにゃー!」

「後俺のこと変態呼ばわりってどゆこと!?」

「それはどうでもいいでしょう」

「ひどい!」

皆にこに詰めよりにこは渋々と頭を下げ土下座し説明しだした

「という訳でございまして本当に申し訳ありませんでした」

にこの話によるとにこは一年生の頃からスクールアイドルをし有名になりその後で入って来たμ'sのメンバーを指導しているという話になっている

「なぜそのような嘘をつくのです?」

「しょうがないでしょあの子達にとって私はスーパーアイドルそれをずっとあの子達は信じてきたんだから」

「にこっち・・・」

「ごめん、悪いけど今日は皆帰って今はあの子達の世話をしなきゃいけないから」

そう言い皆はにこの家を後にした

「大変なんだねにこちゃんの家」

「そうですね親御さんもお母様しかいらっしゃらないですし4人子供を養っていくのは相当大変ですよね」

「にこちゃん本当にえらいにゃ」

「そうだね、とりあえずにこの家の事が落ち着くまで俺達もカバーしていこう!」

「そうだね!」

皆がにこの助けになるのならと助け合いを提案し今日は皆帰宅していった

 

 

 

ー深夜ー

暗い倉庫の中でタトゥーをつけている物がある者の帰りを待っていた

「待たせたな」

「オソイゾバルバ」

そう言いまちくだびれたかのように皆が一斉にバルバの方に向かう

「次のゲゲルはお前だギイガ」

「アァヤットオレノバンカ」

「マテ!バルバオレジャナイノカ!」

すると1人の大柄の男がバルバに詰め寄る

「フッ''ズ''ノジダイハオワッタノダヨ」

「ナンダト!」

すると大柄の男はサイに酷似した姿になりもう1人の男はイカに酷似した姿になる

「ヤメロ!イマハギイガノゲゲルノジカンダ」

とバルバが2人の争いを止める

「クソッ!」

大柄の男は人間態に戻りどこかへ消えてしまった

「フッバカナヤツメ」

「急げギイガお前のゲゲルは始まっている」

そう言いバルバが身に付けている爪のような物をギイガのバックルにさしこみギイガのゲゲルが始まった

 

 

ー翌日ー

とある橋の下には大きな川がある今の時間帯通勤や登校でここを歩く人がたくさんいるするとそこに狙いを定めたのか川の奥から勢いよく飛び出しその橋に着地する

「な、何だ!?」

「み、未確認生命体だ!」

ギイガの姿を見て逃げ惑う人達ギイガは手を口に当てそこから墨らしき物を飛ばす

「うあぁぁ何だこれ!?」

墨が体に付着しそこから一気に爆発した

「きゃー!!」

「おい!爆発したぞ!!」

辺り一面が燃え巻き込まれた人達もいるそれを見てそこから立ち去る人達をギイガは見逃さず次の狙いを定める

「サァゲゲルノハジマリダァタノシマセテクレヨリントドモ」

 

 

今学校では授業の真っ最中すると突然雄介の携帯が鳴り出す

「おわっと!」

着メロが鳴り出し皆が雄介を見る

「中野お前か授業中は携帯切っとけ」

「えへへ、すいません先生」

雄介は席に座り教科書を立て先生に見えないよう携帯に出る

「もしもし」

「「中野俺だ!未確認生命体第7号が現れた今行けるか!?」

「はい、大丈夫です今から向かいます」」

雄介は通話を切り席を立つ

「せんせーい!」

「何だ中野わからない所でもあったか?」

「いえ、ちょっとお腹痛いのでおトイレ行ってきます!」

「我慢できんのか?」

「はい!猛烈に出そうです!」

「わかった早く行ってこい」

「ありがとうございます!」

雄介はことりに合図をし教室を出て行った

「頑張ってねゆーくん」

 

雄介はバイクで走りながら一条に連絡する

「一条さん中野です!今、未確認はどこに?」

「「この近くにある電気工場に未確認が出現しているらしいそこに向かってくれ!」」

「わかりました!」

雄介はスピードを上げ現場へと向かった

 

 

雄介が到着すると辺り一面が火の海と化していた

「なんてひどい事を」

雄介は周りを見ていると倒れている人を見つけそこに駆け寄る

「大丈夫ですか!?」

揺さぶるが返事はない

「遅かったか・・・」

すると火の中から走ってくる足音が聞こえる

「はぁ!はぁ!た、助けて!」

火の中から出てきて雄介を見つけ助けを求める

「大丈夫ですか!?怪我は!?」

すると1台のパトカーがやって来て一条も到着する

「一条さん!」

「中野!」

一条が雄介の元へと駆け寄り逃げてきた作業員に状況を確認する

「じゃあ未確認はもう近くにいないんですか?」

「いえ!まだ近くに!」

と作業員言った瞬間火の中から未確認が姿を現す

「うわぁぁ!こいつです!」

作業員は怯えながらこの災害を起こした張本人に指を指す

「一条さん俺が何とか奴を食い止めますだからその隙にその人を」

「わかった気をつけろ」

一条は作業員の肩を持ち移動し雄介はその前に立ち手を腹中心にかざしベルトを出現させる

「変身!」

ポーズを構えボタンを押し赤いクウガへと変身を遂げる

「ホゥ、クウガカオモシロイ」

ギイガは手を口に当て墨をクウガに目掛け飛ばす

「っ!」

クウガはその墨を避けジャンプしギイガの後ろに着地しギイガが後ろ振り向きと同時にパンチを食らわす

「っ!」

ギイガの腹部辺りにパンチを食らわしたがビクともしなかった

「っこの!」

クウガは何度も攻撃を繰り返すがギイガは後ずさりもせず立っていた

「効いてないのか!?」

するとギイガはクウガのパンチを左手で受け止め右手をクウガの首を掴む

「ぐっ!」

そのままギイガはクウガを押し電線のある壁にぶつける

「ぐわあぁぁ!!」

ぶつけられた事で大量の火花が飛び散りクウガにダメージを与える

「ぐっくっそ」

クウガは立ち上がろうとした瞬間ギイガは口から墨を吐き出す

「っく!」

咄嗟に避けるが肩に墨がつきそこから爆発する

「うわぁぁ!」

爆発の衝撃で倒れクウガによって強化さらた肩のアーマーが黒くへこんでいた

「ぐうぅぅ」

あまりの激痛に起き上がる事が出来ずギイガはそのクウガに止めを指そうと口に手を当てるが突如体から大量の蒸気が吹き出す

「フッイノチビロイシタナクウガ」

そう言いギイガはその場から離れ川に飛び込んだ

「・・・一体どうしたんだ?」

クウガは肩を押さえながら立ち上がりギイガが逃げた川を見てみるが既に姿は消えていた

「中野!大丈夫か!?」

一条はさっきの作業員を避難させクウガの元へとやって来た

「一条さんすいません逃げられました」

クウガは雄介の姿に戻ると肩から血が流れ落ちてくる

「中野お前、怪我を」

「大丈夫ですこれくらい、っいてて」

「大丈夫なわけないだろう今病院へ連れていくここで少し待っていろ」

「すいません」

一条は車を回し雄介を乗せ病院へと向かって行った

 

 

一条が知り合いがいるからと着いた病院で今雄介が検査を受けている

「おいおい一条何でこんな危険な奴連れてきた?」

「お前しか頼れる奴がいなくてな口も固いし」

「ったくお前なぁ」

ハァっとため息をつくこの医師は一条の昔からの友人で椿 秀一という

「危険ですか?俺」

雄介がガラス越しに言い椿が手招きをし雄介を呼ぶ

「色々検査しわかった事があるまずお前の怪我の具合今はもうほとんど痛みがないだろ?」

「そうですねさっきよりは」

「それはお前の腹の中にあるこの石がそうさせてる」

椿がレントゲン写真を貼り雄介に見せる

「この石が神経と繋がりお前の脳に直接つながっている」

「と言うことは?」

「例えばお前が早く傷を治したいと念じれば傷は早く塞がっていくと考えていい」

「じゃあ俺がもっと遠くまで跳びたいと思ったから青いクウガとかになったのか」

「まぁそういうことだな後1つお前に忠告しておく」

「忠告?」

「これだけの体の組織が変わったんだお前が戦うことにつれ体もどんどん変わっていきいずれお前は戦う為だけの生物兵器になる」

「戦う為だけの生物兵器・・・」

「それが嫌なら普通の高校生に戻ることだな」

「いえ俺は大丈夫ですよ」

そう言い雄介はサムズアップを向ける

「たとえ体が変わっていっても俺は俺の意思でこの道を選んだんですそれに・・・」

「それに?」

「それに大切な人達の笑顔守りたいですから、だから俺はクウガの力を信じこれからも戦います」

「中野・・・」

一条は雄介の肩に手を乗せる

「ったく一条お前は本当にとんでもない奴を連れてきたもんだ」

「あぁそうだな」

検査も全て終え病院を出て一条は車を回し雄介を送って行った

「中野俺はこれから本部に戻りさっきの未確認の事を調べる」

「はい、わかりました」

「また未確認が現れたら連絡する」

「了解です」

一条の車は学校の前に着き雄介は降りる

「ありがとうございました」

「あぁじゃあまた」

そう言い一条の車は走って行った

「さてと戻りますか」

雄介は自分の教室に戻って行く途中でさっき授業を受けていた先生に偶然廊下で出会う

「中野ぉずいぶん長いトイレだったなぁ」

「先生!?いやー本当にお腹の調子が悪くて3日前のパンを食べたのあれがまずかったかなー」

えへへっと雄介はごまかすものの先生には通じず

「中野ぉそんな嘘が通じると思っているのか?今日の放課後補習な」

「えっ!?マジっすか!?」

「返事は?」

「ふぁい」

雄介の終わらないパーティー(補習)が確定した

 

 

一条が警察本部に戻りとある場所へと向かった

「失礼します榎田さんはいますか?」

ドアをノックし開けるとそこには1人の女性が座っていた

「あら~一条君どうしたの?」

この女性の名は榎田 ひかり警察本部に設置されている

科学警察研究所の責任者である

「榎田さん今回未確認から排出される墨のような物の件ですが」

「大丈夫それならもうここに届いて研究中よ」

そう言い一条にパソコンの画面を見せる

「今回の未確認から出るこの物質は体内から吐き出しそれを付着させる事で一気に爆発させる仕組みよ」

「それが今回の未確認の能力」

「そっ体内のエネルギーを爆発的に上げそれを的に当てて爆発させるでもねこれをそう何度も出来ないのよ」

「どういう意味ですか?」

「これだけの熱量を作ると体がオーバーヒートして体が壊れてしまうだから時々体を冷やさなきゃいけない」

「なるほどだから4号が戦っている時姿を消したのか」

「まぁそう考えるのが妥当でしょうね」

「わかりましたありがとうございます榎田さん」

「えぇ私は引き続きこの未確認の事を調べるからそっちも頑張って」

「はい!」

そう言い一条は研究所を後にした

 

 

「あぁ~終わんね~」

雄介が補習真っ最中雄介の携帯が鳴り出す

「一条さん?、はいもしもし」

「(中野今大丈夫か?)」

「えぇまぁ大丈夫です」

「(今回の未確認の事が少しだけわかった事がある今から会えるか?)」

「えっーと」

雄介は悩んだ補習を投げ出し一条に会いに行くかそれともこのまま補習を続けるか10秒くらい悩み

「今からそっちに向かいます」

「(わかったじゃあいつもの噴水の公園で)」

「わかりました」

雄介は携帯を切り窓へと向かい左右確認し飛び出して行った

 

ー夕方ー

雄介は噴水公園に着き一条がいるのを確認しバイクから降りる

「お待たせしたました一条さん」

「中野悪いな急に呼び出して」

「いえ、大丈夫です」

一条と雄介は空いているベンチに座り榎田から聞いた未確認の事を話す

「じゃああの時体から蒸気が出たのは」

「おそらく奴の体が限界が来て一度冷やす為川に飛び込んだんだろう」

「なるほど」

一条からの話を聞いても今回の未確認を倒す秘訣を出せず悩む雄介

「やはり今回の未確認は手強いか?」

「はい、奴に攻撃しても体で威力が吸収されてしまうんですだからどうしようかなと」

雄介が悩みに悩んであることを思い出す

「あっそうだ剣!」

「剣?」

「そうなんですよ!前に桜子先生に聞いたんですよクウガの姿には剣を使う姿もあるって」

「そうなのか」

「それなら奴に攻撃を吸収されず倒せるかもしれません」

雄介は立ち上がり一条の方を向き頭を下げる

「一条さんお願いします俺に剣の使い方教えて下さい!」

「いきなりだな」

「はい俺剣に関しては完全にド素人なんで」

「わかったそういう事なら付き合うぞ」

「ありがとうございます!」

「但し生半可ではなく徹底的にやる覚悟しておけ」

「はい!」

そう言い雄介と一条は警察本部にある剣道場へと向かった

 

 

ー翌日、放課後ー

学校の授業を終えμ'sのメンバーは屋上で練習をしていた

「はい!ストップ!ここから10分休憩します」

海未の指示で全員が動きを止め休憩を取る

「そういえばにこちゃん今日は大丈夫なの?妹ちゃん達?」

穂乃果が汗を拭きながらにこに訪ねる

「えぇ今日はママが早く帰ってくるし心配ないわ」

「そっか」

にこと穂乃果が話し合っている中雄介は飲み物を皆に配る

「はい、ことりちゃん」

「ありがとうそういえばゆーくん今日は大丈夫だったの?」

「ん?あぁ補習の事?大丈夫、大丈夫さっき全部片付けてやっとこっちに戻って来たんだから」

「確かに途中から来たよねゆーくん」

昨日補習をすっぽかして一条に会いに行きそれが梓に伝わり学校から大量の課題を出され一日中雄介は課題に奮闘しさっきちょうど終わらせて来た

「さすがにあの量は鬼かと思ったけど集も手伝ってくれたからだいぶ早く終わったんだ」

「そうだったんだでも何で抜け出したの?」

「一条さんに呼ばれたのもあるけど後特訓かな」

「特訓?」

「うん、新しいクウガに慣れるための特訓」

「新しいクウガ?」

そうことりと話ている内に休憩時間が終わり練習再開の合図が鳴る

「じゃあその話は後で」

「うん、わかった」

そう言いことりは自分の位置に着き練習が再開される

 

 

ー商店街ー

街中夕暮れに包まれる中にこの妹こころとここあそして弟の虎太郎が街に出掛けていた

「今日はお母さまも帰ってこられるしお姉さまの分まで私達がお買い物を頑張りましょう」

「はーい」

「おかーさんとにこにーのためにがんばるー」

3人は仲良く手を繋いで目的地へと向かって行った

だが不気味な影がマンホール中顔をだしこの街の人達を覗きこむゲゲルのターゲットとして

「サァゲゲルノサイカイダ」

マンホールの蓋を飛ばし中から勢いよく飛び出し怪人の姿へと変わる

「えっ?あれって未確認」

そう言い指を指した瞬間体に墨が着き突如爆発する

「い、いやあぁぁーーーー!!」

辺りに肉片が飛び散りそれを見た人達が逃げ惑う

「ニガサンゾリントドモ」

ギイガは次の狙いを定め歩き出す

「ねぇお姉ちゃん今の音なに?」

「う~んなんでしょう?」

こころ達も爆発した音に気付き辺りを見渡すとこちらに逃げてくる人達が沢山いた

「お姉ちゃんあれって」

ここあが指を指した場所には人間とは酷似した姿ギイガがこちらに歩いてくるのが見えた

「あれって未確認生命体!?ここあ!虎太郎!逃げますよ!」

「う、うん」

「お姉ちゃん」

こころは2人の手を掴み一目散に逃げる

「お姉ちゃん!どおするの!?」

「とりあえず遠くまで逃げましょう!」

「わかった!」

こころは以前にこに教えてもらっていたもし未確認生命体と遭遇したらまずその場から離れ身を隠し警察かにこに連絡する事その教えを守りどこか隠れる場所を探していた

「(お姉さまが今いない分この子達のお姉ちゃんである私が頑張らないと)」

そして走っている中虎太郎が段差に躓き転んでしまう

「虎太郎!」

こころはすぐさま近づき虎太郎を起きあがせる

「大丈夫?虎太郎」

「お姉ちゃん痛い」

転んだ拍子に膝が擦りむき血が出ていた

「大丈夫?歩ける?」

「うん」

虎太郎を立たせるがどうやら歩けるが走れないらしい

「どうしましょうこのままじゃ」

おんぶして逃げるのを考えたがそれじゃあ直ぐに見つかって追い付かれてしまうと考えていたらここあがこころの肩を叩く

「お姉ちゃん!あそこ隠れるにはちょうどいいんじゃない?」

「えっ?」

ここあが指を指した先には大きな工場があり隠れるにはうってつけだった

「ありがとうここあさぁ虎太郎お姉ちゃんの背中に乗って」

こころは虎太郎をおんぶし隠れそうな場所を見つけそこに下ろす

「ここあ虎太郎の傷の手当てをお願いできますか?」

「うん、わかった」

こころはいつも持ち歩いているバックから絆創膏を取りだしハンカチも渡す

「血が出ている所を吹いて絆創膏を貼るのですよ」

「わかった」

ここあはこころの指示通り傷の手当てを行いこころはバックから携帯を取り出す

「お姉さまにこの事を伝えないと」

こころはにこの携帯に電話を掛け出ることを祈る

 

 

練習が一段落しにこが絵里と話ているとにこの携帯が鳴っているのを花陽が気付く

「にこちゃん携帯鳴ってるよ」

「わかったわ」

にこはすぐさま携帯を持ち着信者を見るとこころの名が表示されていた

「もしもしこころどうしたの?」

「(もしもし!お姉さま!今私達未確認生命体を見つけてそれで隠れててっ)」

「ちょっちょっ落ち着きなさい!未確認!?こころあんた今未確認に追われてるの!?」

「(いえ沢山の人達が避難しているのを見て私達もそれに続き逃げたのです)」

「そう追われている訳じゃないのね良かった」

にこは安堵し状況を聞く

「こころあんた今1人じゃないわよねここあと虎太郎もいるの?」

「(はい皆でおつかいに行ったらこのような状況になったのです)」

「わかったわ、ねぇこころ落ち着いて聞くのよいいわね?」

「(はい)」

「今からそこに迎えに行くからそこを動かずジッとしてるのよ)」

「(わかりましたお姉さま)」

「いい子ねじゃあ電話切るからまた何かあったら連絡していいわね?」

「(はい)」

にこは通話を切り屋上のドアへと向かう

「どこに行くんだにこ?」

「決まってんでしょ妹達を迎えに行くの」

「駄目ださっきの話で大体の話はわかる未確認がその子達の近くにいんだろ?」

「そうよだから私が今から迎えにいって助けないと」

「それは俺がやるだからここで待ってろ」

「待てるわけないでしょ!あの子達の命がかかってる!私の迎えを待ってる!だから早くっ!」

内心すごく焦り落ち着きを取り戻せないにこに希が抱きしめる

「にこっち落ち着いて!妹ちゃん達が心配なのは分かる!だけどもし迎えに行ってにこっちも何かあったらどうするん!?誰が妹ちゃん達を守るん!?」

「の、ぞみわたしは・・・」

「妹ちゃん達の救出は雄介君に任せよ?ねっ?」

「うん、わかった」

そう言い涙を拭うにこに肩に手を置く雄介

「お願い雄介私にとってあの子達は大切な家族なの1人も失っちゃいけないの!だからお願い助けて!」

「あぁ!任せろ!」

そう言い雄介は勢いよくドアを開け飛び出して行った

「にこちゃん大丈夫だよゆーくんは必ずにこちゃんの家族を連れて戻ってくるよ」

「ことり・・・」

「だから信じよ」

「えぇそうね信じるわ雄介を」

 

 

雄介がバイクで走行中一条から連絡が入る

「(中野雄介聞こえるか!?)」

「はい!」

「(未確認生命体第7号が現れた場所は)」

「一条さん大丈夫です場所は把握して今そこに向かってます!」

「(そうなのかどうして?)」

「友達の家族がそこの近くに避難して隠れているみたいなんですだから今から助けに行きます!」

「(何だって!?わかった出来るだけ俺もすぐに追いつく!)」

「わかりました!」

雄介はハンドルのグリップを回しスピードを上げ現場へと急行して行った

 

 

こころ達が隠れていると近くで爆発する音が聞こえた

「お姉ちゃん」

怖がるここあを安心させるよう背中を撫でる

「大丈夫ですよここあ必ず助けが来ますから」

そうここあに言いその言葉は自分に言い聞かせるように

言っている様子でもある

「(大丈夫!大丈夫!絶対お姉さまが助けを呼んでくれる)」

そう思い込んでいるとまた爆発音が聞こえた

「っまた爆発が」

「お姉ちゃん、あれ」

ここあが指を指す先には血まみれの男性が倒れていた

「っ見ちゃいけません!」

ここあの目を塞ぎ見えないようにするが虎太郎が恐怖で我慢出来ず泣き出す

「うあぁぁーん!おかーさん!」

「虎太郎!」

慌てて口を抑えるが虎太郎の泣き声で気づいたのかギイガがこころ達の所へと近づいてきた

「(近づいてくる!逃げないと!)」

そうこころが思った瞬間ギイガがこころ達の前に立つ

「ひっ」

「コレデサンジュウニンメダ」

そう言いギイガは手を口に当てる

「ここあ!虎太郎!」

こころは2人を抱き寄せ庇うように後ろを向き目をつむる

「シネ!」

そう言った瞬間ギイガがバイクに体当たりされ吹き飛ぶ

「グアァァ!」

何事かとこころが目を開けるとバイクに乗った何者かがここあ達を見てヘルメットを取る

「無事か3人とも!」

「中野さん!」

雄介はバイクから降り3人の無事を確認する

「中野さんどうして?」

「君達のお姉ちゃんに頼まれたんだ助けて欲しいってだから安心してもう大丈夫!」

雄介はサムズアップをする

「キサマァ」

するとギイガが立ち上がり雄介はこころ達の前に立つ

「君達は下がってて!」

「は、はい!」

こころ達が少し遠い所に避難した事を確認し雄介は腹の中央に手を構える

「変身!」

ポーズを構え左のボタンを力強く押した瞬間

「ソノマエニシネ!」

ギイガが墨を飛ばし雄介のいる辺りが爆発した

「中野さん!」

こころが叫び爆発の煙の中から銀色の体をし紫のラインが入っているクウガが現れた

「えっ4号?」

爆風と共に姿を現したクウガそして後ろを振り向きトライチェイサーについているグリップを抜く

「はっ!」

と同時にグリップから剣へと代わり紫のクウガ専用武器タイタンソードへと変わった

「いくぞ!」

クウガは歩き出すギイガに向かって

「クッ!アノムラサキハマズイ!」

ギイガは次々と墨を飛ばし爆発させるがクウガは避けることなく歩き続ける

「シネ!シネ!」

何度もクウガに当てるが攻撃が効かない紫のクウガの体は鋼の堅さでギイガの攻撃は通用しなかった後この戦法は一条との特訓で雄介なりの答えを出し避けずに攻めこむという答えを出した

「マズイ!」

墨をはき続けクウガは手でそれをガードし剣を構え

「うおぉぉぉ!!!」

ギイガに一直線で突き刺す

「グギャアァァ!!!!」

するとギイガの体からヒビが入りベルトへと到達し爆発する

「すごい」

遠くから見ていたこころ達の所へと向かい歩きながら雄介の姿へと戻る

「まさか中野さんが4号だったなんて」

「驚かせてごめんなでも、もう大丈夫!怖い奴はいなくなったから」

「はい!ありがとうございます!助けていただいて」

「俺も君達が無事で良かった」

「なんかお姉さまがあなたを信頼している理由がわかった気がします」

「へっ?どゆこと?」

「いつもμ'sの皆様にセクハラ行為をしているとお姉さまから多々聞いておりますが」

「うっにこめだから変態呼ばわりか」

「ですがお姉さまは言っておりました中野さんは信頼できる大切な仲間だって」

「にこがそんなことを」

「はい!」

「へへっなんか照れるな」

と同時にパトカーのサイレンの音が聞こえてきた

「さっ行こっか君達のお姉ちゃんが待ってる」

「はい!」

「うん!」

「おー」

 

 

雄介から連絡があり音乃木坂の校門前で待つμ'sメンバー達すると1台のパトカーとバイクが走ってきて校門前に止まる

「お待たせみんな」

雄介がヘルメットを取りバイクから降りパトカーから3人の子供達が降りてきた

「お姉さま!」

「お姉ちゃん!」

「にこにー!」

「こころ!ここあ!虎太郎!」

にこの元へと走り3人を抱きしめるにこ

「良かった!本当に無事で良かった」

「あのねお姉ちゃん!変態のお兄ちゃんが助けてくれたんだよ!」

「へんたいー」

「えぇ変態のお兄さんにお礼言った?」

「うん!」

にこ達のやりとりを見て頭を掻く雄介

「変態は勘弁してくれよ」

「子供達にも変態呼ばわりってお前は」

ハァっとため息をつく一条

「いや違うんですよ一条さん!これはあの子達がふざけて言ってるだけで」

「わかった、わかった俺は本部に戻るから後は頼むぞ」

そう言って一条は車に乗り走り去って行った

「そんなぁ一条さぁん」

ガクっと肩を落とす雄介するとにこが雄介の肩に手を置き

「ついに警察にも変態が知れ渡ったわね」

「もとはといえばにこがなぁ」

「ありがと」

「へっ?」

「私の家族を助けてくれてありがと」

にこが照れながら言い雄介は後ろを向く

「あの子達の笑顔が守れて良かった」

こころ達がμ'sメンバーとじゃれあいながらそこ光景を見て微笑む雄介

「えぇ本当に」

「次はにこ達の番だな」

「へっ?」

「今度はにこ達がライブであの子達を笑顔にしてやらないとな」

「雄介・・・」

「アイドルは皆を笑顔にさせるんだろ?」

「えぇ必ずあの子達を一番の笑顔にさせて見せるわ!」

そう言いにこ達も皆の輪へと飛び込むのであった

 

ー第7話 愛情endー

 

 

 




本当に更新が遅れがちで申し訳ないです
でも更新をと切らせる事は絶対にせず次の話も頑張ります!


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第8話 望

今回の話は希がメインの回です
希パワーたーっぷり注入はーいプシュ!
始まります。


「はぁ!はぁ!っ!」

 

東條希の目の前で未確認生命体とクウガすなわち中野雄介が戦っている。

 

「ぐっうわあぁぁーー!!!」

 

未確認生命体に攻撃され倒れるクウガ

地面に倒れピクリとも動かず回りには大量の血液が流れている。

 

「ゆーくん!」

 

「ゆーすけー!」

 

クウガの元に駆け寄るμ'sメンバー揺さぶり声を掛けても返答せずただ泣くことしかできなかった。

 

そんなμ'sメンバーの前に未確認生命体がやって来る。

 

「(だめや!みんな!みんな逃げて!)」

 

必死に呼び掛けるもその声が届かず1人1人殺され倒れていく。

 

「(そんなこんなことって)」

 

辺りが血の海と化し未確認はこちらに向かってくる。

 

「(嫌や死にたくない!うちは!私は!)」

 

そんな思いも虚しく未確認は手を構え希の心臓に目掛け突き刺す。

 

「いやあぁぁぁ!!!」

 

ベッドから飛び起き荒い息づかいをする希。

 

「なんだったんや今の夢」

 

目の前で大切な友人達が殺される夢こんな不吉な夢を希は初めて見てただ恐怖しか残らなかった。

 

「あかん、とりあえず顔を洗お」

 

ベッドから出て洗面所に向かう希。

 

「あかんな目がめっちゃ腫れとる」

 

鏡で自分の顔を見ると目が腫れ涙の痕跡があった。

 

「今日も皆と会うんやしゃっきとしなきゃ」

 

希は夢の事を忘れようとして顔を洗い学校に行く準備を始める。

 

ー学校 校門前ー

 

希が学校に到着するとちょうど絵里と校門前で会った。

 

「あっおはよう希」

 

「おはようえりち」

 

一緒に並び歩きながら話してると絵里が希の顔を覗きこむ。

 

「希あなたちょっと目が腫れてない?」

 

「えっ?そうかな」

 

自分の手鏡を取り鏡に写すと朝ほどではないがまだ腫れている事がわかる。

 

「どうしたの?それ」

 

「いや、さっき目が痒くてそれのせいかな」

 

絵里に心配かけまいと嘘をつく希。

 

「そう、でもあまり手で目を掻いちゃ駄目よ目に悪いんだから」

 

「うん、ありがと」

 

小さな事でも気づいてくれた絵里に心から喜ぶ希。

 

「(小さな事でも気づいてくれるなんて本当嬉しいなぁこれ以上心配かけないようあの夢の事は早く忘れよ)」

 

そう思い希は絵里に笑顔を見せ学校の中へと入って行った。

 

希と絵里が廊下を歩いていると雄介が全力で走っていた。

 

「ちょっと雄介!廊下は走らないの!」

 

「うわぁ!絵里ごめん!今日は見逃して」

 

雄介は慌てたように謝り後ろを気にしていた。

 

「雄介君もしかしてまた誰かにちょっかいだしたんやろ?」

 

「いや、今回はちがってもう来た!ごめん2人共それじゃ!」

 

雄介はまた全速力で走り去って行った。

 

「ちょっと!待ちなさい雄介!」

 

「ん?えりち今度は凛ちゃんがきたよ」

 

今度は凛が絵里達の前にやって来た。

 

「絵里ちゃん希ちゃん雄介見なかった?」

 

「雄介君ならさっき会ったけどどないしたん?」

 

凛は少し怒ったかのように話始めた。

 

「雄介が凛のパンツ取ってたの」

 

「・・・え?」

 

「雄介が凛のパンツを取って逃げたの!」

 

「わ、わかったからそんな大声で言うのはやめなさい凛」

 

ふーっふーっと凛が明らかに雄介に対し怒りを燃やしておりそれを宥める絵里。

 

「どうして雄介君がそんな事を?」

 

「それはさっき廊下を歩いていた時にゃ」

 

凛が学校に来て自分の教室に向かっていると雄介を見かけ凛は雄介に手をふった。

 

「ゆーすけーおはよー!」

 

「ん?あっ凛ちゃんおはよー」

 

雄介も凛に気付き凛の元へと小走りで近づき偶然か足を躓き凛を巻き込み転んでしまった。

 

「あぶっ」

 

「にゃ!」

 

そしてこれも偶然か転んだ瞬間凛のスカートを掴みそのままずり下げてしまった。

 

「あっぶねー・・・ん?」

 

「もうゆーすけあぶないにゃー・・・ん?」

 

2人共今の状況に唖然とする。

 

雄介の手には凛のスカートと猫の絵柄が描いてあるパンティーを持っていて凛は下が何も履いてない状態で座っている。

 

「うわあぁぁーーー!!!」

 

「にゃーーーーーー!!!」

 

雄介と凛の叫びでそこら辺にいた生徒も気付き近づいてきた。

 

「凛ちゃんごめん!」

 

「いいから!は、早くそれ返して!」

 

凛が何も履いてない状態で周りから見ると雄介が凛を襲った状況にしか見えない。

 

バッとスカートを雄介から取り素早く履きパンティーも取ろうとした瞬間パシャッとシャッターの音がした。

 

「やばい、やばいスクールアイドルのパンツだ」

 

どこかの野次馬達がシャッターを押し続け顔を赤くする凛。

 

「や、やばいごめん凛ちゃんまた後で!」

 

雄介はこの場を逃れようと走りだす。

 

「ちょっちょっと待ってよゆーすけー!」

 

凛のパンツをそのまま持っていたので返して貰おうと雄介を追いかける。

 

「でっ今の状況になるにゃ」

 

「って事は凛ちゃん今ノーパン?」

 

「・・・うん」

 

凛の説明でピクピクと眉を動かす絵里。

 

「凛、わかったわ後は私に任せてすぐにあのバカを捕まえるから」

 

「でもえりちどうするん?雄介君どこ行ったかわからんで」

 

「大丈夫任せていい方法があるから」

 

そう言い絵里はある場所へと向かう。

 

 

 

雄介が屋上へと逃げ込み疲れ果てそのまま座り込む。

 

「やっちまったなーこれ後で凛ちゃんに返さないと」

 

そう手に持っている凛のパンティを広げる。

 

「何か・・・いけないことマジでしたよな俺」

 

そう言ってると学校からアナウンスが鳴り出す。

 

「「えぇー全生徒の皆さん生徒会長の絢瀬絵里です。

突然ですが皆さんにお願いしたい事があります。

μ'sメンバーの1人星空凛さんがある男性に被害に会いました。

その男性は彼女のスカートと下着を強引に取り何とかスカートは取り返したものの下着はまだその男性が握ってるのです。

お願いです皆さんその男性から彼女の下着を取り返して下さい!

凶悪の変態変質者中野雄介を皆さんと一緒に協力し捕まえてください!

あっ後このお願いは女性限定でお願いします。」」

 

絵里のアナウンスを聞き雄介は口をあんぐり開けながらぼーぜんと聞いていた。

 

「えっ?どゆこと?変態変質者って?」

 

そう言ってると屋上のドアが勢いよく開かれる。

 

「いたわ!みんな変態よ!」

 

そう言いぞろぞろと女子が集まってくる。

 

「えっ!早くね!?ってか皆誤解だ!話を」

 

「問答無用!みんな行くわよ!!!」

 

大勢の女子が一斉に走りだし雄介を捕まえる。

 

「ちょっちょっと待ってくれ!マジで誤解だって!」

 

「言い訳は結構!さぁ観念しなさい!」

 

「いやーーーー!!!」

 

雄介の叫びが屋上に響き渡った。

 

女子生徒達に縄で縛られ部室へと連れて来られた雄介そこにはμ'sの皆が仁王立ちで立っていた。

 

「身柄を確保し連れて来ました!生徒会長!」

 

「ご苦労様後は私達に任せて」

 

「「はい!!」」

 

そう言い女子生徒は敬礼をし自分の持ち場へと帰って行った。

 

「あの~皆さん何か誤解なされてませんか?僕は何もしていないんですよ」

 

「その前にあなたが持っている凛の下着を返してもらいましょうか」

 

絵里がそう言い手を差し出すが雄介は手と足を縛られ身動きが取れなかった。

 

「あぁ~そうだったわね今縛られて動けない状態だからね~しょうがない真姫」

 

「はいはい」

 

絵里は真姫を呼び雄介の前に立つ。

 

「さぁ凛のパンツどこに隠してあるの?」

 

「別に隠してないよ!右のポケットにある」

 

雄介の言った通りに学生服の右ポケットに凛のパンティがあった。

 

「全く変態には困ったものね、はい凛」

 

「ありがと真姫ちゃん」

 

真姫は凛に下着を渡しすぐさま履いた。

 

「ねぇ皆さん今回はマジで事故で狙ってやったわけじゃないんですよ」

 

「まぁ確かに凛の話によると確かにわざとではないわね」

 

「でしょ!だから許してお願い」

 

「でもねあなたがやった事は凛を衆人環視の中でパンツをずり下げたと同じなの凛はどれだけ恥ずかしかった事か」

 

「それは、その・・・」

 

雄介が申し訳なさそうに凛の方を見ると凛は絵里の肩に手を置き。

 

「絵里ちゃん大丈夫だよ」

 

「凛?」

 

「今回は雄介も悪気があってやった訳じゃないし別に凛は怒ってないよ」

 

そう言い凛は雄介を縛っている縄をほどいた。

 

「凛ちゃん」

 

「でもゆーすけ今度から気をつけてよね恥ずかしかったんだから」

 

凛が顔を赤くしもじもじしていて雄介も顔を赤くする。

 

「(えっ凛ちゃん激可愛いんだけど)」

 

「ちょっと聞いてる?」

 

「は、はい!気をつけます」

 

「へへーならいいよ」

 

そう言って皆も仁王立ちを解き。

 

「全く凛に感謝しなさいよ」

 

「本当ですよ私だったら絶対許しませんけどね」

 

「へへっ以後気をつけます」

 

そう言い雄介が頭を下げていると学校の予鈴がなる。

 

「そろそろ時間ね皆また放課後に」

 

「「はーい」」

 

絵里が皆に言い皆部室を出ようと歩いた瞬間雄介は椅子に足を引っかけ。

 

「お、おわ!」

 

雄介の声に気付いたことりが振り向く。

 

「どうしたの?ゆーくn」

 

そう言った瞬間雄介が慌て両腕をバタバタと激しくばたつかせていたら右手がことりの制服のボタンを上から一気に飛ばし制服がはだけ左手がことりのブラジャーを掴みもぎ取ってスッ転んだ。

 

「ぶっ」

 

雄介がいててっと起き上がろうとしたら手に何かある事に気付く。

 

「何だこ・・・れ・・・」

 

雄介が手に持っている物に気付き上の方を恐る恐る見た瞬間。

 

「いやあぁぁぁーー!!」

 

パァンっと頬を叩く音が部室に鳴り響いた。

 

 

時は流れ授業の一時間目を終えると雄介は飲み物を買いに教室を出た。

 

「(おかしい何かおかしい何で今日俺はこんなにラッキースケベ的な事が起こるんだ?)」

 

そう思い自販機に着くと花陽がいて何か買おうか迷っていた。

 

「やっほかよちゃん」

 

「あっ雄介君どうしたの?」

 

「んっ俺も何か飲もうかなーと思ってね」

 

「そうなんだ、あっ私これにしよ」

 

花陽がボタンを押し自販機からジュース缶を取りだし雄介も何か買おうか悩み

 

「じゃあ俺も」

 

雄介も花陽と同じ物を選び一緒に座り飲むことにした。

 

「雄介君今日は何か災難だったね」

 

「う~ん、何故か今日はよく転ける日なんだよな~ラッキースケベのスキルでもついたのかな~?」

 

「ラッキースケベって」

 

雄介の返答に半分呆れ顔の花陽すると時計を見ると次の授業の時間に迫っていた。

 

「雄介君そろそろ行かなきゃ」

 

「おっそうだな」

 

そう言い花陽が先に立ち雄介もその後に続き歩こうとした瞬間誰かが入れ忘れたのだろうか近くにあったペットボトルのキャップを踏んでしまい雄介はバランスを崩す

 

「えっ?おわ!」

 

「えっ?」

 

花陽が振り向いた瞬間雄介が花陽を覆い被さるように倒れる。

 

「うわ!」

 

「ぴゃあ!」

 

ズデンっと2人共倒れ雄介は何かに触れている事に気付く。

 

「(何だこれ?何か柔らかい物を掴んでいるような)」

 

雄介が顔を上げると手には大きな山脈を2つ掴んでおり目の前の花陽は顔を赤くしながら雄介を見ている。

 

「(あっ何か状況掴めてきたぞ)」

 

今の状況によると雄介は花陽を覆い被さっているように倒れており倒れた拍子に顔を花陽の胸にダイブし手をその胸をダイレクトに掴んでいた。

 

「あはは、かよちゃんごm」

 

「きゃあぁぁぁーーーーー!!!」

 

雄介は本日二度目のビンタを貰いました。

 

 

雄介が教室に戻り自分の机に座ると海未と穂乃果が雄介の頬を見て驚いていた。

 

「雄介それどうしたの?」

 

「本日二度目のビンタを貰いました」

 

雄介は涙目になりながら両方の頬を擦る。

 

「はぁ今度は誰に叩かれたのですか?」

 

「・・・かよちゃん」

 

「なぜそんな事に?いつものセクハラですか?」

 

「違うよ今回は転けてかよちゃんにダイブしただけ」

 

「それが本当なら今日何回目ですか転けるの」

 

海未は呆れながら雄介を見ているとことりが教室に戻って来た。

 

「あっことりちゃん制服直った?」

 

穂乃果がことり呼び掛けことりは直した制服を見せる

 

「うん、取れたボタンを取り付ければすぐに直ったよ」

 

ことりは雄介に取られた後直ぐにボタンを回収し修復していたそれで今はジャージ姿である。

 

「こ、ことりちゃんあの~大丈夫だった?」

 

雄介が恐る恐ることりに聞くとことりは顔をプイッとそらし

 

「ふん!ゆーくんなんか知らないんだから!ゆーくんのえっち!」

 

事故とはいえ雄介にことりの胸を見られさすがのことりもカンカンだった。

 

「ごめんなさい!マジでわざとじゃないんです!信じてください!」

 

「ふーんだ!」

 

雄介が必死に謝っても今回のことりは簡単には許してくれないらしい。

すると授業の先生がやって来てことりに許して貰えないまま授業が始まる。

 

ー昼ー

 

「ハァ結局ことりちゃんに許してもらえなかったな~」

 

雄介は昼食を買うため購買に向かうと穂乃果が先にいた。

 

「穂乃果ちゃん今日もパン?」

 

「あっ雄介うん!ここのパン美味しいんだ~」

 

「相変わらずだね~」

 

「雄介は今日購買で買うんだ?いつもお弁当なのに」

 

「あぁ~今日梓が忙しくてな~だから今日は購買」

 

雄介はパンを2つ買い穂乃果と一緒にベンチで食べることにした。

 

「雄介まだことりちゃんに許して貰っていないの?」

 

「う~んことりちゃんすんごい怒ってたからな~」

 

「あんなに怒ったことりちゃん見るの初めてかも」

 

「確かに」

 

雄介と穂乃果は喋りながら昼食を済ませ教室に戻ろうとする。

 

「じゃあそろそろ行こっか?」

 

「そうだな」

 

2人共立ち歩いた瞬間突然突風が流れ雄介の背中を押す。

 

「うわっと!」

 

「え?うわぁ!」

 

雄介は穂乃果を巻き込み転倒する。

 

「あれなんか急に目の前が真っ暗に」

 

そう言ってると急に背景が明るくなり穂乃果がお尻の方を真っ赤な顔で抑え。

 

「ん?あれ?」

 

「雄介のバカー!」

 

パァンと本日三度目の平手打ちを貰いました。

 

 

ー放課後ー

 

雄介は部室に向かうため廊下を歩きながら考えていた。

 

「(おかしいいくらなんでもこんな連続で・・・やっぱ俺ラッキースケベのスキルを会得したんじゃ?)」

 

そう思いながら部室に着きドアを開ける。

 

「やっほー皆揃ってる?」

 

部室に入るとμ'sの皆が警戒な目をし雄介を見る。

 

「あ、あれ?どうしたのみなさん?」

 

「皆今の雄介に近づいちゃ駄目よ」

 

絵里が皆に忠告し皆が頷く。

 

「えっ?皆どうしてそんな警戒するのかな?」

 

雄介が近づくと皆が離れる。

 

「それは貴方が一番よく知っているでしょう」

 

「今日のあんたの出来事を皆に聞いたわ、あんた花陽を押し倒し胸を揉みそして次は穂乃果のスカートの中に顔を突っ込んだらしいわね」

 

にこが今日の出来事を話雄介はそれを否定する。

 

「あ、あれはただの事故だって!かよちゃんの時は何かに躓いて転けてそうなっちゃたし穂乃果ちゃんの時は突然風で押されてそれでスカートの中に顔を」

 

雄介が話していく度にさらに警戒心が強くなっているメンバー達。

 

「凛の事といいことりの事といいあんた本当はわざとやってるんじゃない?」

 

「んなわけねぇだろ!やるならもっと堂々としますわ!」

 

「それはそれで駄目だと思いますが」

 

「とにかく!」

 

パァンと絵里が手を叩き皆に注目を集める。

 

「今の雄介に近づいちゃ駄目みんなOK?」

 

「「はい!!」」

 

「そんな皆で俺を仲間外れにするんだ」

 

しくしくと座り込む雄介にさすがにかわいそうだと希が近づく。

 

「ちょっ希」

 

「大丈夫やよえりちちゃんと距離をとっていれば」

 

希もしゃがみこみ雄介の顔を伺う。

 

「雄介君大丈夫?」

 

「希・・・あまり大丈夫じゃない」

 

「なんや雄介君らしくないなぁどれじゃあこのスピリチュアルの力を持ったうちが占ってあげよう」

 

希はお得意なタロットカードで雄介の事を占う。

希は上のカードを一枚めくりそれを見る。

 

「どれどれ雄介君はどんな・・・」

 

希が引いたカードを見て顔を青くする。

 

「希?どうした?」

 

「えっ?いやなんでもないよただ今日は雄介君ちょっと運が悪いぐらいやなぁ」

 

希は引いたカードをすぐさま隠しごまかすように言う。

 

「運が悪いのかなぁ俺にとってはラッキーなk」

 

そう言いかけた時今日被害にあった子達の目が一層悪くなった。

 

「へぇ~ゆーすけやっぱあれわざとなんだぁ」

 

「へっ?凛ちゃん?」

 

「ゆーくん私の服を破いてそんなにことりの服の中を見たかったんだぁ」

 

「こ、ことりちゃん?」

 

「雄介君転ぶのはわざとで本当に私を押し倒したの?」

 

「かよ・・ちゃん?」

 

「ふーん雄介そんなに私のスカート中に顔を埋めたかったの?」

 

「ほほ、穂乃果ちゃん?」

 

雄介は背中の冷や汗が止まらず被害にあったメンバーは一斉に口を合わせて

 

「「当分私達に近づかないで!!!」」

 

「ガーン」

 

そう言われ雄介は膝から崩れ落ちる。

そんな中希はずっとタロットカードを引いていたが顔が青ざめるばかりである。

 

「どうして絶対にこのカードを引いてしまうの?」

 

希の様子に気付いた絵里が疑問に思い近づく。

 

「希どうしたのさっきから顔色が悪いわよ?」

 

「えりち、いや何でもないよ」

 

「希?」

 

希が手に持っているカードを隠しはぐらかす

すると雄介の携帯が鳴り出す。

 

「はい、もしもし」

 

「「中野雄介未確認生命体第8号が現れた!至急現場に来れるか!?」」

 

「はい!大丈夫です行けます!」

 

「「わかった場所は・・・」」

 

出現した場合を伝え一条から通信を終え雄介はすぐさま立ち上がる。

 

「皆ごめん行ってくる」

 

「ゆーくん」

 

雄介は頷きドアノブに手をかけようとした瞬間希が呼び止める。

 

「待って!」

 

「希?」

 

「雄介君今日はいかんといて何か嫌な予感がする」

 

「希・・・大丈夫だよすぐ戻って来るから」

 

「雄介く」

 

そう言い雄介は部室を出て現場に向かった。

 

「雄介君」

 

「希ちゃんどういう事?嫌な予感って」

 

ことりが心配そうに希に聞くが希も顔を横に振り。

 

「正直うちにもよくわからないけどさっき雄介君を占った時このカードが出たんや」

 

そう言い皆にそのカードを見せる。

 

「これって」

 

「さっきから何度も何度も繰り返してもずっとカードが出るんやだから嫌な予感がして」

 

「で、でも占いなんでしょ?当たるとはかぎらないんでしょ?」

 

ことりがそう言うが希の顔は険しいままだ。

 

「そうやね外れてくれれば嬉しいんやけど」

 

希は思った今日見た夢が現実になるのはないのかとそう思うと背筋の震えが止まらなかった。

 

 

雄介が現場に到着すると辺りには未確認に襲われたのであろう沢山の人達が血を流し倒れ中には警察官もいたが全滅し倒れていた。

 

「ひどい・・・何て事を」

 

雄介が一条に連絡を取ろうと通信を入れた瞬間何かがこっちに突進してきた。

 

「コレデェジュウゴニンメダー!!」

 

「なっ!?」

 

突然突進してきた大男に雄介はすぐさまジャンプしその攻撃を避ける。

 

「っいきなりかよ!」

 

「クソ!リントメ」

 

大男は雄介に目掛けラリアットを仕掛け雄介は咄嗟にガードするが勢いで吹き飛び近くにあった電柱にぶつかる。

 

「がっ!」

 

「ウオオォォ!!」

 

大男の勢いは止まらず雄介の髪を掴み膝蹴りを食らわす。

 

「ぐわっ!」

 

「シネ!リント!」

 

雄介は大男にパンチを食らわされ地面に転がり回る。

 

「くっそ!」

 

大男が突進してきてそれをギリギリにかわす雄介。

そして大男は近くにあった工事現場のフェンスに突っ込んで行った。

 

「っ今だ!」

 

雄介は体からベルトを出現させポーズを取り左側のボタンを力強く押す。

 

「変身!」

 

すると雄介の体から赤いクウガへと変身を遂げた。

大男はフェンスを蹴り飛ばしクウガを見る。

 

「クウガ?ナラオレモダ!」

 

大男は体を変化させサイに酷似した姿に変わる。

 

「クウガオレガオマエヲタオスコノ''ズ・ザイン・ダ''ガナ!」

 

ザインは頭にある大きな角をクウガに向ける。

 

「あれでここの人達を」

 

クウガも身構え迎え撃つ。

 

「ウオオォォ!」

 

ザインが突撃しクウガはその攻撃を避け後ろから蹴りを入れる。

 

「グォ!?」

 

「っ!」

 

クウガはザインが怯んだ所をもう一度パンチを入れようとするがザインが振り向きパンチを凪ぎ払われタックルを食らってしまう。

 

「ぐぁ!」

 

「フン!」

 

クウガに角を向け突進してくるがクウガはザインの角を手で抑え何とか防ぐがザインの勢いが止まらずそのまま押されてしまう。

 

「っこいつ何てパワーだ!」

 

そのまま押され続け近くにあるビルにぶつかる。

 

「ぐあ!」

 

「フン!」

 

ザインはクウガを掴み持ち上げそのまま投げ飛ばす

 

「うわあぁぁ!」

 

高く飛ばされビルの壁にぶつかりそのまま落下する。

 

「がはっ」

 

「トドメダ!」

 

クウガが怯んだ所を狙い突進してくるがクウガはそれを避けザインは壁に角を突き刺した。

 

「はぁっはぁ」

 

クウガは様子を伺っているとザインは壁から角を抜きクウガを睨む。

 

「こいつ、強い」

 

クウガは身構えザインは咆哮と共に突進してくる。

クウガは再び角を掴みザインの突進を耐えるがザインはクウガを掴みまたも持ち上げる。

 

「くっしまっ」

 

上に持ち上げられ足もつかない状態にザインは角をクウガの方に向け

 

「コレデ、トドメダ!」

 

クウガを高く飛ばす落下すれば下に待ち受けるのはザインの鋭い角

 

「うわあぁぁ!」

 

空中では身動き出来ないクウガは落下直後ザインの角を掴み体を反転させザインを投げ飛ばす。

 

「グァ!」

 

「はぁっはぁっ」

 

ザインは直ぐ様立ち角を構えクウガに突進してくる。

 

「くっうおりぃやぁ!」

 

クウガは咄嗟にキックを放ちザインの体に直撃させる。

 

「グアァァ!」

 

ザインは吹き飛び地面に転がり回る。

クウガは着地し様子を伺っているとザインは立ち上がりザインの胸の辺りに紋章が浮き出るが

 

「コンナモノ!」

 

ザインは気合いでクウガの紋章をかき消した。

 

「なっ!?」

 

クウガの必殺技と言っていい攻撃が効かずクウガはこの未確認が今まで戦ってきた中で一番強いと思い焦っていた。

 

「くそ!なんて奴だ!」

 

クウガは再び構えザインの攻撃を警戒しているとザインの後ろ側にあるビルの奥から泣き声が聞こえる。

 

「おかーさんどこ?怖いよおかーさん」

 

「なっ!?まだ人が!」

 

先ほどのザインの襲撃から逃げ遅れたのか小さな女の子が座り込み泣いていた。

 

「ン?」

 

ザインもその声に気付き後ろを向く。

 

「マダリントガイタノカ」

 

ザインは目標を変えその女の子に角を向ける。

 

「お、おいまさか!?」

 

「シネー!」

 

「やめろー!!」

 

 

 

ー放課後 音乃木坂屋上ー

 

μ'sのメンバー達が練習している中希が雄介の事が気になり練習に集中出来ないでいた。

 

「希遅れていますよ」

 

「は、はい!」

 

海未に指摘され練習に集中しようとするが身に入らず海未が一度皆の動きを止める。

 

「はい皆さん一度ストップ」

 

海未は希の方に顔を向け

 

「希どうしたのですか?いつもと動きが」

 

「ごめん海未ちゃん」

 

「さっきの占いの事がきになるのですか?」

 

「・・・うん」

 

すると突然学校からアナウンスが鳴る。

 

「「スクールアイドル研究部μ'sの皆さん理事長がお呼びです

皆さんは理事長室に集まってください」」

 

突然の呼び出しに困惑するμ'sメンバー達。

 

「お母さんどうしたんだろう?」

 

「とにかく理事長室に行ってみよう」

 

穂乃果が皆に言い理事長室に向かった。

 

 

理事長室に着き伝えられた言葉は驚愕するものだった。

 

「えっ!?ゆーくんが病院に運ばれた!?」

 

「えぇさっき病院から連絡が入ったわ」

 

理事長の話によると1人の通行人が道端で少女を抱えながら倒れている雄介を目撃したらしい。

 

「それで今ゆーくんはどこに!?」

 

「関東医大病院という所に運ばれたらしいわ」

 

ことりが走って向かおうとした瞬間真姫に肩を掴まれる。

 

「っ真姫ちゃん!?」

 

「ことり落ち着きなさい今から車を呼ぶから」

 

真姫は携帯を取りだし家の使用人に電話をする。

 

「もしもし突然なんだけど車を出してくれる?9人乗れるやつ、うんお願いね」

 

「やっぱ真姫ちゃんの家すごいにゃ~」

 

 

ー夜ー

 

真姫が頼んだ車で全員雄介のいる病院に着き雄介のいる病室へと向かった。

 

「ゆーくん!」

 

病室に入るとベッドの上で寝ている雄介と椅子に座っている梓がいた。

 

「ことりちゃん!?それにμ'sのみなさんも」

 

「梓ちゃんゆーくんは?」

 

「腹部に何かに刺されたと聞いたんだけど命には別状ないって先生が言ってた。」

 

「ゆーくん良かった」

 

ことりは安堵し胸を撫で下ろす。

 

「やはり未確認にやられたのでしょうか?」

 

海未の問いに梓は顔を横に振る。

 

「さっきまで小さい女の子がいたんですがその子の話によると未確認からその女の子を守るためその子を庇い怪我を負ったそうです」

 

「確かにお母さんが言ってた女の子も一緒にいたって」

 

梓は雄介の頬を撫で

 

「本当に無茶するよお兄ちゃんのバカ」

 

すると病室のドアをノックする音が聞こえた。

 

「失礼するよ~」

 

病室に入って来たのは椿 隆之

今回も一条に連絡を受け雄介の治療を行った。

 

「あっ先生」

 

梓は先生にお辞儀をする。

 

「へぇ~こんなに女の子がこいつモテんだな~」

 

「いえ!私達は雄介の友人で別にそうゆう関係では」

 

海未がキッパリと否定し椿も苦笑いをする。

 

「先生、お兄ちゃんの具合は?」

 

「大丈夫だよさっき話した通りだ、ただ梓ちゃんそれに君達もよく聞いてくれ」

 

急に真剣な表情になった椿に全員息をのむ。

 

「中野が今日から今までずっと怪我をしても無事だったのはこいつの腹の中にある石のお陰だ」

 

「石ってゆーすけがクウガに変身する時のベルト?」

 

「そう今日もこいつが運ばれた時はかなりの重体だった普通の人間なら即死の状態だ、だが石の力のお陰で体の回復力が凄まじく早い」

 

「じゃあ雄介の体は石によって守られている?」

 

絵里の言葉に椿は頷く。

 

「ただこいつの体の中の組織はあらゆる所が変化して人間とは別になってきている。」

 

「ゆーくんはどうなっているんですか?」

 

「こいつがこれからも変身し戦い続けるといずれ戦う為だけの生物兵器になる」

 

椿の言葉に皆がゾッとする。

 

「以前この話を中野本人にも話したがこいつは言ってたよクウガの力を信じるってな」

 

「お兄ちゃんがそんな事を」

 

「だから医者の俺からすればすぐに戦いをやめ普通の学生に戻って欲しいが、だけど心のどっかで信じてるかもしんないな力に支配されずこいつがこいつのままでいられる事を」

 

椿はドアに近づき最後に皆の方を向く。

 

「君達がこいつにどうして欲しいかってまぁ君達の顔を見ればもうわかるな」

 

「はい、私達も椿と同じ気持ちです私達も雄介の事信じてますから」

 

穂乃果の言葉に皆が頷いた。

 

「その言葉いずれ中野に聞かせてやってくれ」

 

椿はそう言い病室を後にした。

 

雄介はまだ眠っている中皆が雄介の事を見守っていた

だが希だけは不安が拭い去れていなかった今朝見た夢と雄介を占った結果を見て心のざわめきが取らなかった。

 

 

ー翌日ー

 

雄介は深い眠りから重たい瞼をゆっくり開けた。

 

「ん・・・ここは?」

 

雄介はベッドから起き見覚えのない部屋を見渡す。

 

「そうか、俺・・・」

 

あの戦いで少女を庇い未確認のあの大角に刺され意識が朦朧としながらも少女を抱え未確認から遠ざかる為青のクウガになり必死に飛び走り途中で意識が途切れそこから記憶がなかった。

 

「あの子、無事だったのかな」

 

するとドアのノック音が聞こえた。

 

「は、はい」

 

「お兄ちゃん?良かった目を覚ましたんだね」

 

梓が病室に入り近くの椅子に座った。

 

「ごめんな、また心配かけて」

 

「本当だよ、刺されたって聞いた時はびっくりしちゃった」

 

「わりぃ」

 

「でも本当に無事で良かった」

 

梓は雄介の手を握りそう言った。

 

「お兄ちゃんまだ体傷む?」

 

「ん?いや、もうほとんど痛みは感じないな」

 

「(やっぱり椿先生の言うとおりお兄ちゃんもう人の体じゃないんだね)」

 

「どうした梓?」

 

「えっいや、ごめんねボーッとしてた」

 

梓は椅子から立ち

 

「私お兄ちゃんが起きたって事、先生に話てくるね」

 

「えっ?あ、あぁ」

 

梓は病室を後にし

 

「ナースコールで呼べばいいんじゃね?」

 

 

数分後椿がやって来て雄介の身体を確認する。

 

「うん、傷はほとんど塞がってるな相変わらずの回復力だ」

 

「良かったじゃあもう退院d」

 

「駄目だお前にはもうちょっとここにいて検査を受けてもらう、まぁ退院は明日だ」

 

「えぇ~そんな~」

 

「まぁそんな落ち込むなここにはいっぱい綺麗なナースがいるぞ~」

 

「えっ!マジっすか!?わかりましたとことん調べて下さい」

 

「(こいつわっかりやすいなぁ~)」

 

椿はそう思い雄介を連れ検査室へと向かった。

 

雄介は検査を終え自分の病室に戻る途中見舞いに来たのか希が病室に入ると所を見かけ

 

「希~」

 

雄介は手を振り希を呼び希が雄介に気付く。

 

「あっ雄介君なぁんだここにはいなかったんやね」

 

「うん、ちょっと検査があってね」

 

「そうだったんやね、大丈夫だったん?」

 

「うん良好、良好、健康そのものだったよ」

 

「そっかぁ良かった」

 

「うん、そういえば今日は希1人?他の皆は?」

 

「うん、今日はウチ1人ちょっと雄介君とお話したくて」

 

「えっ?う、うんわかった」

 

雄介は希と一緒に病院の外へと出て近くにあるベンチへと座る。

 

「でっ話とはなんでしょうか希さん」

 

雄介が希に聞くと希は暗い表情をし

 

「雄介君ウチな最近変な夢見るんよ」

 

「夢?」

 

「うん、雄介君とμ'sの皆が未確認に殺される夢」

 

「えっ?」

 

希の発言に雄介はゾッとし言葉を失う。

 

「その夢を最近ずっと出てきて毎日が怖くてしょうがないんや未確認が出るたび体が震えてしまう」

 

「希、でも」

 

「わかっとるたかが夢って事もでもな前に雄介君を占った事あるやろ」

 

「あの時か」

 

「うん、そん時はごまかして言えんかったけど雄介君を何度占ってもこのカードしかでないんや」

 

希が見せたカードに雄介はゾッとする。

 

「このカードって」

 

「そう死神つまり死や」

 

「それがずっと同じ結果って事なのか?」

 

「そうウチがあの夢を見て以来そして雄介の占いの結果を見てウチは怖かったもし未確認が現れ夢と同じ結果になったらと」

 

「・・・希」

 

希は頭を抱え

 

「今回雄介君が病院に運ばれて最悪の事を考えてしまった今回は助かったけど次はどうなるかそれに夢と同じならμ'sの皆もそう考えるとウチは私は!」

 

「希!」

 

恐怖し混乱する希を雄介は強く抱き締めた。

 

「大丈夫、大丈夫だから!」

 

「雄介・・君」

 

「例えどんな結果が待ち受けていようとも俺は必ず皆の所に帰ってくるそう約束したじゃないか」

 

「でも!」

 

「希が見た夢をそして希が占った結果を俺が自力でその運命をひっくり返して見せる!」

 

「運命をひっくり返す?」

 

「そうだ、そのために俺はこのクウガの力で皆の未来を守って見せる」

 

「雄介君・・・すごいなぁ本当に雄介君は強いよ」

 

「俺なんか全然俺は皆がいるから強くいられるんだ」

 

「皆がいるから?」

 

「あぁだから心配はかけるかもしれないけど俺を信じてくれ」

 

「うん!信じるよ雄介が運命を変えることを」

 

「あぁ!」

 

雄介の誓いに微笑む希、夕日が照らされその微笑みがより美しく見えた。

 

 

夕日が落ちるなか一つのトンネルにグロンギ達が集まる。

 

「ザインはまだ勝手に暴れているらしいな」

 

「しょせん奴は'ズ'だゲゲルの権利はもうない」

 

「そうこれからは俺達'メ'の時代だそうだろ?バルバ」

 

「あぁ始めるぞゲゲルを」

 

そう言いバルバが歩き出し他のグロンギ達も闇の中へと歩いて行った。

 

 

ー翌日ー

 

雄介は病院を退院し帰り道にふと目に入った公園にいた。

公園にある大きな木そこで雄介は特訓をしようとしていた以前ザインに放ったキックそれが奴には通用せず雄介は思ったキックはキックでももっと強いキックじゃないと奴には勝てないと。

 

「よし!昨日夜考えた技をやってみるか!」

 

雄介は気合いを入れ特訓に励んだ。

 

 

 

μ'sのメンバーが練習するため皆屋上に集まる。

 

「そういえばことりちゃん今日ゆーすけ退院するんだよね?」

 

「うん、梓ちゃんの話だと今日の朝退院って言ってたけど」

 

「じゃあ今日の練習に来るのかな?来てくれないかなぁ~ゆーすけ」

 

「ふふっ凛ちゃん本当にゆーくんの事大好きなんだね」

 

「にゃ!?べ、別にそうゆうわけじゃないにゃただゆーすけがいないと盛り上がらないと言うか」

 

「ふふっそういうことにしておくよ」

 

「もうっことりちゃ~ん」

 

ことりと凛のやり取りを見て微笑む希に絵里が声を掛ける。

 

「希、以前より顔が柔らかくなったわねぇ」

 

「うん?そうかな?」

 

「えぇ雄介が入院してからずっと顔が強ばっていたから」

 

「えりちには敵わんなぁけどもう大丈夫や約束してくれたから」

 

「約束?誰と?」

 

「ウチらμ'sを守ってくれるヒーローとね」

 

「あぁなるほどね」

 

希の言葉に絵里が納得していると突然花陽の携帯が鳴る。

 

「えっ街に未確認が出現!?」

 

「花陽?」

 

花陽が突然大きな声を出し真姫が近づく。

 

「は、早く雄介君に連絡しないと」

 

「ちょっと待ってよ雄介って今日退院したばかりじゃないの?病み上がりにいきなり」

 

「そ、そうだよね」

 

花陽は雄介を気遣い連絡を止めようとするが

 

「いや、連絡するべきやで花陽ちゃん」

 

「希ちゃん?」

 

「希?」

 

希の発言に驚く花陽と真姫。

 

「希、聞いてなかった?雄介は病み上がりなのそんないきなり戦わせるなんて」

 

「真姫ちゃんわかっとるでもな今雄介君がいかなかったら被害が拡大するかもしれん」

 

「確かにそうだけど」

 

「ちょっと待って希ちゃん凛は真姫ちゃんの言葉に賛成だよいくら雄介だって無茶して戦わせる訳にはいかないよ」

 

「凛ちゃん」

 

「そうだよ希ちゃんまた無理に戦ってゆーくんが大きな怪我をしたら」

 

「ことりちゃん」

 

「どうしたのですか希?あなたらしくないですよ」

 

希の発言に皆が疑問に思い希は皆にあることを告げる。

 

「皆、聞いて昨日なウチ雄介君に会ってきてん」

 

「そういえば希あなた寄り道していくった言ってたわね」

 

「そう雄介君に相談しようと思ってな」

 

「相談って?」

 

穂乃果が希に聞くと。

 

「ウチ最近変な夢見てたんよその夢はウチら全員が未確認に殺される夢」

 

「「えっ?」」

 

希の発言に驚くμ'sメンバー達。

 

「ちょっと不気味すぎでしょあんたの夢」

 

「ごめんなにこっちでもその夢何回も見てしまうんよ」

 

「それであなた最近様子がおかしかったのね」

 

「そう、その夢の事をそして雄介君の占った事を全て話たんよ」

 

「そういえば前に占っていましたね雄介の事」

 

「そうやね、最初この結果を見て驚き何回繰り返しても雄介君の結果は変わらんかった」

 

「あの時の結果が!?」

 

「不吉すぎるでしょ」

 

「そう、それで相談に乗り雄介君も最初は驚いていたけど雄介君は言ってくれた運命を変えて見せるって」

 

「運命を変える?」

 

「その言葉を信じウチは少し気持ちが楽になったんよ」

 

「希ちゃんはその言葉を雄介から聞きたかったの?」

 

「どうやろねでもその言葉が本当に運命を変えられる気がしてん」

 

「確かにこの先何があるかわからないわ希の夢のとおり私達は未確認に命を取られるかもしれない」

 

「えりち」

 

「でも雄介なら運命を変えてくれるかもね」

 

「でも絵里ちゃん!」

 

「ことりあなたが雄介の事心配なのは本当にわかるわ私達だってそうだもの雄介がいつも戦いに行く度無事に帰って来てと心に強く思う」

 

「だったら今回は休ませるべきだよ!ゆーくんは多分無茶して行こうとするかもしれないけど私達が言えば」

 

「ことり私は絵里や希の言葉なんだかわかる気がします」

 

「海未ちゃん!?」

 

「ことりよく考えて下さい最初に未確認生命体が私達の所にやって来てクラスメイトが襲われてる中雄介は私達を守ろうとベルトを着けクウガに変身した」

 

「う、うんでもそれがなんなの?」

 

「もしあの時雄介がクウガにならなければ私達はあの未確認に殺されていたでしょう、そうあの時から雄介は運命を変えていたのかもしれませんね」

 

「海未ちゃん・・・」

 

希はことりの肩に手を置き

 

「ことりちゃんごめんな、でも雄介君の力が必要なんよこの先の未来は雄介君の力に掛かってるそうカードが告げるんよ」

 

「希ちゃん」

 

「いつも雄介君が言ってるように皆が笑顔でいられるようウチもそう望んでいるだから雄介君が皆の笑顔を守るために戦うならウチらは雄介君の笑顔を守るため支えていこ」

 

「ゆーくんの笑顔を守る」

 

「そうや」

 

するとまた花陽の携帯に通信が入る。

 

「皆!今未確認生命体と雄介君が戦っているって情報が」

 

「ゆーすけもう向かったんだね」

 

「待と雄介君も約束したやろ必ず皆の所に帰ってくるって」

 

「希ちゃんの言うとおりだね」

 

穂乃果か小指を立てる。

 

「あの時指切りしたんだもん帰ってくるよ雄介は必ず」

 

「指切り、そうだね待つよゆーくんの帰りを」

 

ことりは空に顔を上げ

 

「(だから無事に帰ってきてねゆーくん)」

 

 

一方警察の通信を聞き現場に駆けつける雄介

 

「っ!あいつ!」

 

未確認が人々を襲い暴れまわっている。

 

「っ変身!」

 

雄介はバイクからジャンプし空中でポーズを取り赤いクウガへと変身を遂げる。

 

「うぉりぃやぁ!」

 

「グァ!?」

 

ザインを後ろから蹴り掴んでいた人を離す。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「えっ4号?」

 

ザインは立ち上がりクウガを睨む。

 

「クウガァ!」

 

「今のうちに逃げて!」

 

「は、はい!」

 

クウガの呼び掛けにその場にいる人々が逃げていく。

 

「オレノゲゲルヲユルサン!」

 

ザインは角を突きつけクウガに突進してくる。

 

「っ!」

 

クウガは角を避けるがザインの肩に直撃し吹き飛ぶ。

 

「ぐぁ!」

 

停まっていた車に直撃しガラス等が割れる。

 

「相変わらず何てパワーだ」

 

クウガは起き上がろうとするとザインは近くにある車を持ち上げクウガに目掛け投げ飛ばす。

 

「おい嘘だろ!」

 

飛んできた車を避けさっきぶつかった車と車がぶつかり爆発する。

 

「くそっ!」

 

一辺が火に覆われ大切な街が壊されクウガは怒りに燃える。

 

「これ以上お前の好きにさせるか!」

 

クウガはザインに目掛け強烈のパンチを喰らわす。

 

「グァ!」

 

「うおぉぉぉ!!」

 

クウガは攻撃の手を緩まさずザインの体にパンチを連打させ最後に顔におもいっきりパンチを喰らわせザインが吹き飛ぶ。

 

「キサマァ!」

 

ザインは突進してくるがクウガは蹴りで角を弾き回し蹴りでザインの腹部に蹴りを入れる。

 

「グアァァ!」

 

ザインが吹き飛ぶと同時にクウガもザインから距離を取る。

 

「さっき公園で編み出した技をお前にくれてやる!」

 

クウガは構え右足を後ろ側にやり両手を広げるそして右足に力を込め一気に走り出す。

クウガが走っている中右足に炎が宿り地面をおもいっきり踏みつけジャンプし空中で一回転しキックのポーズを取る。

 

「うおりぃやぁーー!!」

 

クウガのキックがザインの角に直撃し角が折れザインが吹き飛ぶ。

 

「はぁ、はぁ」

 

「グッグアァァ」

 

着地しザインの様子をうかがっているとザインの頭から紋章が出てベルトに到達し

 

「ク、クウガアァァァ!!!」

 

叫びと共に爆発する。

 

「ふぅーっ」

 

クウガは一段落を終え空を見上げる。

 

 

ー夕暮れー

 

μ'sのメンバーが練習を終え門の前に出る直前一台のバイクが止まる。

 

「あちゃー間に合わなかったか」

 

「ゆーくん!?」

 

雄介はヘルメットを取りバイクから降りる。

 

「遅くなってごめんな」

 

雄介が申し訳なさそうに頭を掻いているとμ'sメンバーは安堵したような表情になり。

 

「全く遅刻ですよ雄介」

 

「ほんっと私達を待たせるなんていい度胸ねマッタクー」

 

「ははっ手厳しい」

 

っと雄介の前に希が歩いてきて

 

「雄介君おかえり約束守ったね」

 

「希、うんただいま!」

 

雄介はサムズアップを向ける。

 

「そうだ!ゆーすけの退院祝いにどっか食べに行こうよ!」

 

「おぉ!いいねぇ~ちょうどお腹空いてた所なんだ~」

 

「いいわね!もちろん雄介の奢りで」

 

「へっ?そういうのって皆がだしてくれるんじゃないの?」

 

「なーにいってんのよ散々セクハラ事件起こしておいてよく言うわ」

 

「ちょっ!それいま出す!?」

 

「さっ行くわよ雄介!」

 

っと皆ウキウキしながら歩いていく

 

「ちょっちょっと待ってって!うわぁ!」

 

雄介が走ったと同時に足を躓きμ'sの皆を覆い被せるように転ぶ。

 

「いてて、ってうわぁ!」

 

雄介が起き上がろうとした瞬間目の前には色んな柄のお花畑(パンティ)が見えその上には怒気に籠った女神達が睨み付け。

 

「ご、ご馳走さまです」

 

「「「このどへんたーい!!!」」」

 

花火のような高い音が音乃木坂に鳴り響いた。

 

 

ー第8話 望endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




気がつけば1ヶ月過ぎていた・・・だと?
後すいませんが前の話も少し編集していくので
次の話も遅くなると思いますが出来るだけ早く出します


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第9話 約束

さぁついにラブライブ予選の始まり!
だが1つの事件でμ'sと雄介の関係が・・・
第9話始まります。


ついにどのスクールアイドルが目指すラブライブの予選が近づき練習に熱を燃やすμ's今日も放課後に皆が熱心に練習をしていた。

 

「凛!少し動きが早いです!皆に合わせて!」

 

「は、はいにゃ!」

 

「花陽少し動きが遅いですよもう少し早く!」

 

「は、はい!」

 

「穂乃果今の所良いですよ!今の所忘れずに!」

 

「わかった!」

 

「ラストー!」

 

海未の言葉と同時に皆ポーズを決める。

 

「はい!大丈夫ですもうほとんど完璧ですね」

 

「よぉーし!これならいけるね!」

 

「でも油断は禁物よ強豪校は沢山いるしそれにあの

AーRISEがいるんだから」

 

真姫が話したAーRISEとはスクールアイドルの中でもトップといっても過言ではないほどの実力者だった。

 

「そ、そうだよね」

 

「かと言ってここで弱気になっても仕方ないわ私達は私達のパフォーマンスで全力で挑むそうでしょ皆」

 

「そうね絵里の言うとおりだわラブライブを目指すんだもの負けてられないわ」

 

皆大会予選の事でピリピリしている中雄介は、イヤホンを着けて携帯の画面をすごく真剣に見ていた。

 

「雄介どうしたのでしょう?」

 

海未がそう言い雄介の様子を伺おうと近づき雄介の肩を叩いた。

 

「雄介何を調べているのですか?」

 

「へっ?う、海未ちゃん!?」

 

雄介は慌てて携帯をしまおうと焦りイヤホンの線が抜け。

 

『いやんっ///もうお兄ちゃんのえっち///』

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

少しの沈黙が流れ

 

「い、妹とヒミツな内緒ごと(ハート)のPV見てたんだ~いや~発売日が近くて本当たのしm」

 

「今すぐグラウンド50週全力で走ってきなさい話はそれから聞きます」

 

「い、いやそれはさすがに」

 

「今すぐ行く!」

 

「は、はーい!」

 

雄介は屋上を出て全力で駆け抜けて行った。

 

 

「全く何を考えているのですかあなたは!」

 

雄介が50週走り終え海未の説教が始まる。

 

「ご、ゲホっごめん凄く楽しみっゲホっだから」

 

「時と場合を考えなさい!全くあなたはいつもいつも」

 

雄介が正座させられお叱りを受ける。

 

「あ~これは長くなるよ~海未ちゃんあぁなったら止まんないからな~」

 

「穂乃果ちゃんもよく海未ちゃんに叱られるからね」

 

「もう、ことりちゃ~ん」

 

「ふふ、ごめんごめん」

 

と話ている内に夕日が落ち始め辺りが暗くなってきた。

 

「そろそろ時間ね海未今日はその辺にしてあげてもう帰る支度をしましょ」

 

「そうですねいいですか雄介くれぐれもこんなハレンチな物を見ていたら今度は倍で走らせますからね!」

 

「わ、わかったわかった以後気をつけます」

 

皆帰りの支度を済ませ学校を出る。

 

「じゃあ皆また明日学校で」

 

そう絵里が言い皆が歩き出した瞬間

 

「キャー!!」

 

突然悲鳴が聞こえ皆が立ち止まる。

 

「な、何いまの悲鳴?」

 

「近くから聞こえた皆俺ちょっと行ってくる!」

 

「あっゆーくん!」

 

雄介は悲鳴が聞こえた方に走って行った。

 

 

 

雄介が走っているとそこに女の人が倒れていた。

 

「っ大丈夫ですか!?」

 

女の人を抱え声を掛けるが応答がなくすでに亡くなっていた。

 

「ん?」

 

女の人の背中からヌルッとした感触があり雄介は自分の手を見ると手が血だらけになっていた。

 

「ひどい何かに引き裂かれたような傷だやっぱり未確認の」

 

雄介が考え込んでいると

 

「たすけてー!!!」

 

「っ!」

 

今度は学校の方から聞こえ

 

「まさかそっちに!?」

 

雄介は全力で走り向かいに行った。

 

 

ー数分前ー

 

雄介が悲鳴が聞こえた方に走っていきμ'sの皆が不安になっていた。

 

「まさか未確認じゃないよね?」

 

「とりあえず私達はここを動かず雄介を待ちましょう迂闊に動いたら危険ですから」

 

海未の言葉に賛同し雄介の帰りを待っていると

 

「ん?ねぇ皆あれなに?」

 

穂乃果が目を細めそこに指を指し皆がその方向を見ると

家の屋根の上に大きな影を見つけそして辺りがくらいからだろうかその影から目がひかって見えμ'sの皆を見ていた。

 

「ねぇあれって」

 

「人・・・よね」

 

「う、うん」

 

とその影が飛び一気にμ'sの前に降り立ち

 

「さぁてゲゲルの開始だ」

 

そこに降り立った未確認はそう言いライオンに酷似した未確認生命体メ・ガドラ・ダが現れた。

 

「ひっ!」

 

「未確認生命体!?」

 

ガドラは1人に狙いを定め一気に襲いかかる

 

「かよちん危ない!」

 

「きゃっ!」

 

凛は咄嗟に花陽を押し間一髪ガドラの攻撃を避けるがガドラの爪が花陽の腕にかすり血が流れる。

 

「い、いた」

 

「花陽!」

 

「花陽ちゃん!」

 

海未と穂乃果が花陽を抱え

 

「い、いやぁ」

 

「ほぅ運よく避けられたようだが次はどうかな?」

 

ガドラは爪をたて次の獲物を狙う

 

「(ど、どうしよう)」

 

「(足が動かない)」

 

皆が恐怖で足が動けなくなり逃げられないでいた。

 

「(くっ情けないです本当に何もできないなんて)」

 

海未がそう思っているとガドラは狙いを定め

 

「やはりお前だ!」

 

ガドラは花陽に爪を向け一気に突き刺そうとする。

 

「かよちん!」

 

「花陽ちゃん!」

 

花陽は目を瞑り死を覚悟していたが一向に自分に痛みが感じないそう思い恐る恐る目を開けると

 

「ごめん皆お待たせ」

 

そこにはガドラの手を抑えたクウガがおり花陽の胸のギリギリの所で手が止まっていた。

 

「・・・クウガか」

 

「ふっ!」

 

クウガが回し蹴りをするがガドラはそれを避ける。

 

「大丈夫?かよちゃん」

 

「う、うんありがとう雄介君」

 

花陽が立ちさっき傷つけられた手を抑える。

 

「ごめん、皆から離れるべきじゃなかった」

 

クウガはガドラを睨み身構える。

 

「相変わらず弱いリントを守ってるんだなぁクウガ」

 

「(言語?)お前、人の言葉を」

 

「そんな物すぐにわかるさそしてお前が昔とは違うクウガって事もなぁ!」

 

「っ!」

 

ガドラがクウガに飛びつき爪を立て攻撃するがクウガも咄嗟にガードをする。

 

「だが、今も昔も変わらねぇ!弱い者を守りそして結局自分が犠牲となり自ら封印した」

 

「なに!?」

 

「そんな者を守ってなんの得がある?こんな弱い奴らを守ってよぉ!」

 

「黙れ!」

 

クウガはガドラの腕を掴み背負い投げを繰り出した。

 

「うぉっ!?」

 

ガドラは地面に叩きつけられ

 

「きさまぁ」

 

立ち上がろうとした瞬間

 

「うおりぃやぁ!」

 

クウガのキックが炸裂するがガドラも両腕でガードする。

 

「っさすがだなぁ今も昔もこの強さは変わらねぇな」

 

「お前はいやお前達はなぜ人々を襲う!一体何が目的なんだ!」

 

ガドラはゆっくり立ち上がりにやっと笑ったように見えた。

 

「そんな事決まってるゲゲルを楽しむ為さ」

 

「ゲゲルを楽しむ?」

 

「まぁお前達の言葉で話せばゲームって事だな」

 

「なんだと!?」

 

「そうリントを殺しまくりそして昇格しそして最後には最高の舞台が待っているこんな楽しい事ないだろ?」

 

「てめぇ!」

 

「そしてリントを襲った時その恐怖で怯えた顔がまた

たまんねぇのよそこのメスのリント共もいい顔してたぜ」

 

ガドラがμ'sの皆の方に向き高笑いをしながら放った言葉にクウガは拳を握りしめ一気にガドラの顔に直撃させる。

 

「ぐぁ!?」

 

地面に転がり顔を抑える。

 

「てめぇらの目的は大体わかった・・・だったら!こんなふざけたゲームなんて俺がぶち壊してやる!」

 

「はっ!いい顔になってきたじゃねぇかクウガ!俺を殺したいと殺気が伝わってくるぜ!」

 

「あぁ殺してやるよ!」

 

クウガは一気にガドラに突っ込み攻撃を仕掛けるがガドラも対応し攻防が続いていく。

 

「ゆーくん・・・何か怖い」

 

クウガとガドラの戦いを見ながらことりが呟く。

 

「ことり?」

 

「何かいつものゆーくんじゃないみたい」

 

いつも皆に優しい雄介が今では別人に見えるほど変わっているとことりの目から見える。

 

「だぁ!」

 

「ぐっ!」

 

クウガのパンチを腹部に受け後ずさるガドラ。

 

「(何だ奴の拳は?依然のクウガとは比べ物にならないくらい重い)」

 

「だぁ!」

 

クウガの勢いは止まらずガドラに突っ込みガドラは咄嗟にガードするがクウガのパンチでガードが崩され顔面にパンチを喰らわせる。

 

「ぐぉっ!」

 

クウガの攻撃にガドラが倒れ口から血が流れる。

 

「(くそ!このままじゃ)」

 

ガドラは地面に拳を叩き込み割れた地面を抉りクウガの方に投げ飛ばす。

 

「っ!?」

 

クウガは投げられた地面の砂や石が顔の辺りに当たりそれを払うと

 

「なっ!?奴は」

 

目の前にいたガドラは姿を消していた。

 

「くそっ!目眩ましだったのか!」

 

クウガは辺りを見渡すがガドラの気配もなく完全に逃してしまった。

 

「ゆーくん!」

 

ことりがクウガに駆け寄り心配そうな顔でクウガを見つめる。

 

「ことりちゃんどうした?」

 

「えと、ゆーくん大丈夫?」

 

「俺は大丈夫だよそれにそんなに見つめられると照れるな~」

 

いつもの雄介にことりはホッとしていた

 

「(良かったさっきは怖かったけどいつものゆーくんだ)」

 

「それよりかよちゃんは!?腕の傷が」

 

クウガは花陽の方に行き腕を見る。

 

「私は大丈夫だよちょっとかすっただけだから」

 

そう言う花陽だが手からは血が流れ痛みを我慢しているかのように見える。

 

「かよちゃん・・・ごめん俺が側を離れたから」

 

クウガは雄介の姿に戻り持っていたハンカチで花陽の腕に巻く。

 

「ううん雄介君は謝る必要なんてないよそれに雄介君が来てくれなかったら今頃私は」

 

もし雄介がもう少し遅かったら今頃花陽は未確認に胸を貫かれ命を奪われていただろうと考えると花陽は身を震わせていた。

 

「かよちゃん」

 

「とりあえず花陽を病院に連れていくわ今のままじゃ傷がひどくなるだけよ」

 

「真姫ちゃん、頼む」

 

真姫は頷き携帯で使用人に連絡を取る。

 

「それにしても妙ですね未確認生命体がいきなり私達と同じ言葉を」

 

「そうね未確認が出身してからそう何ヵ月も経っていないのに」

 

「未確認生命体が私達に近づいている」

 

「穂乃果?」

 

「未確認が私達人間に近づいているって事だよそう考えるとなんだかちょっと」

 

「なんか怖いね」

 

「姿が変わる前は私達人間の姿と同じで人の言葉が使えるそして殺人を楽しんでいる確かにそう考えると不気味ね」

 

「にこっちの言うとおりやねそしてその殺人をゲームとして行動し次々と人を」

 

「そうならないためにも必ず俺が奴ら倒す!」

 

雄介が意気込みそれを見ていたことりが不安な表情でいた。

 

 

ー翌日ー

 

穂乃果、海未、ことりが朝登校しているとUTXという学校の前を通ると大きなモニターにAーRISEの3人が映っておりインタビューを受けていた。

 

『今年のラブライブの大会予選が近づいております私達は努力を積み上げ最高のパフォーマンスを皆さんに届けたいと思います』

 

AーRISEの1人がそう宣言しモニターを見ていた沢山の人達が歓声を上げていた。

 

「やっぱりAーRISEはすごい人気だね」

 

「もし予選が通過したとしてもその次は必ずAーRISEと当たります私達はこの方達に勝てるでしょうか?」

 

ことりと海未がそう言い目の前にある絶対的な壁に不安に雲っているが穂乃果はことりと海未の肩に手を置き自分に引き寄せる。

 

「大丈夫だよ!私達ならやれる!」

 

「穂乃果!?」

 

「穂乃果ちゃん!?」

 

「私達だって負けないくらいすごいライブが出来るよういっぱい練習してきたんだもんそれに私達にはμ'sの皆がいるだから大丈夫だよ必ず」

 

「穂乃果ちゃん」

 

「穂乃果、そうですね頑張りましょう皆で!」

 

「うん!」

 

穂乃果達は自分達に自信をつけ改めてラブライブという大舞台に望むのであった。

 

穂乃果達が学校に着き自分達の教室に入ると

 

「あれ?ゆーくんもう来てたんだ」

 

ことりが雄介の席を見ると鞄がかけられてあったが雄介の姿は見当たらなかった。

 

「珍しいね雄介がこんなに早く来るなんて」

 

「でもどこいったんだろう?」

 

「どうせいつもの誰かの女の人を追いかけているのでしょう」

 

「海未ちゃん結構辛口だね」

 

 

 

「へっぶし」

 

「うわっきたねぇよバカ」

 

「わりぃわりぃ」

 

雄介が鼻をすすり集がティッシュを持ってくると

 

「雄介君誰かに噂されてるんじゃないの~」

 

「えっ!?そうすっかねやっぱモテる男は違うな~」

 

「いや、絶対に女の子のケツを追いかけ回してるって噂されてる」

 

「はぁ!?失礼な!俺が追いかけ回すのはμ'sの子達だけだっていってんだろ!」

 

「女の子に変わりないだろ」

 

雄介の発言に集が呆れる。

 

「はいはい2人ともここにケンカしにきたんじゃないんでしょ、ねっ雄介君」

 

「は、はい」

 

「雄介君が昨日戦った未確認が私達と同じ人の言葉をしゃべっていた」

 

「そうですね」

 

「つまり未確認生命体は私達に近づいているって事かしら?」

 

「もしそうだとしたらヤバくないですか?未確認生命体って普段は人間の姿でいるんでしょ?もし人間紛れていきなり襲われたらたまったもんじゃないですよ」

 

「長谷川君の言うとおりね人間社会に紛れそれでグロンギが行うゲゲルがより脅威になったら・・・」

 

「その前に止めますよ奴らの事」

 

「中野くん」

 

「昨日の未確認が言っていたゲゲルを行いそしてリントつまり人間を殺し楽しんでる

そんな奴らを俺は絶対に許さない!」

 

「雄介お前」

 

集は、こんな雄介を初めて見たと心に思ったこんな怒りに満ちた雄介を見るのは。

 

「中野くん未確認に対して怒りを向けるのはいいけど、あなた自身を見失わないようにね」

 

「えっ?は、はい先生」

 

雄介の返事を聞き桜子は時計を見る。

 

「さぁそろそろ授業が始まる時間よそろそろ教室に戻りなさい」

 

「「はい」」

 

雄介と集は自分たちの教室に戻って行った。

 

「本当に気をつけね中野くん」

 

 

ー放課後ー

 

μ'sが練習している中雄介は、ずっと携帯を見ていた。

 

「(やっぱ未確認の情報はないか)」

 

雄介は昨日の未確認が気になり一日中携帯に目を通していた。

 

「雄介さっきからずっと携帯見てるわね」

 

雄介の様子を見て絵里が心配をする。

 

「うん、雄介朝からずっとあんな感じだよ」

 

「昨日の未確認の事が気になるのでしょうね」

 

「ゆーくん」

 

皆が雄介を心配している中凛が雄介に近づいた。

 

「ゆーすけ!」

 

「うわっ凛ちゃん!?どうしたの?」

 

突然大きな声で呼ばれたので驚く雄介。

 

「どうしたの?じゃないにゃさっきからずっと携帯見て凛達の事全然見てくれないし」

 

「凛ちゃん」

 

「昨日事・・・気になるのわかるよでも凛達もラブライブ予選を通過するためにいっぱい練習して頑張ってきたんだから、だから」

 

「だから?」

 

「雄介には1番近くで凛達を見ていて欲しい

いままで頑張ってきた凛達を見守ってほしいにゃ」

 

「お、おおおう///」

 

凛の言葉に照れる雄介。

 

「うわーお大胆最近雄介に猛アタックしてるわね凛は」

 

「そうやね~」

 

チラッと希はことりの方を見るとソワソワしているような感じでいた。

 

「ほら~ことりちゃんうかうかしていると雄介君凛ちゃんにとられちゃうよ」

 

突然希に耳打ちをされビクッと驚くことり。

 

「の、希ちゃん!?べ、別に私はゆーくんの事は・・・」

 

「うふふっまぁ雄介君鈍感ぽいし焦ることはないと思うんやけど凛ちゃんは雄介君にゾッコンぽいからな~」

 

「うぅ~やっぱりそうなのかな~?」

 

「だからことりちゃんも頑張ってなことりちゃんも凛ちゃんみたいに大胆にいけばいいと思うんや」

 

「希ちゃん・・・そうだね!よーし!」

 

ことりは気合いを入れ雄介の元へと近づく

 

「ゆ、ゆーくん!」

 

「ん?どったのことりちゃん?」

 

「わ、私もゆーくんの事いつも見守ってるから、だからことりの事も見守ってね」

 

「えっ!?あっはい!」

 

「あーっ!ずるいにゃことりちゃん先に凛が言ったんだからね」

 

「べ、別に後先は関係ないよ凛ちゃん私は本当にゆーくんの事が大事だから」

 

「それなら凛もゆーすけの事とってもとーっても大事に思ってるにゃ!」

 

ことりと凛が雄介の事で言い争っている所を他のμ'sメンバーが見て

 

「あれは、修羅場というものでしょうか?」

 

「凛ちゃんとことりちゃんす、すごい気迫です」

 

「なんか面白い事になってきたわね~」

 

「ん?2人共なんで言い争っているんだろ?」

 

「穂乃果・・・あなたにはまだはやいようね」

 

「え~どういうこと絵里ちゃ~ん?」

 

「真姫ちゃんは混ざらなくていいの?」

 

「だ、誰が!イミワカンナイ!」

 

2人の言い争いが止まらず止めに入ろうとする雄介

 

「2人共どうしたんだ?ちょっと落ちついてって、うわ!」

 

雄介が2人の間に入ろうと立ち上がろうとした瞬間足が躓きことりと凛を押し倒すかのようにすっ転んだ

 

「いたたって、うわ!」

 

雄介は顔を上げるとことりと凛の胸をわしづかみし2人の顔を恐る恐る見ると2人は顔を赤くし

 

「ゆーくんの」

 

「ゆーすけの」

 

「「バカーーー!!!」

 

パァンっと2人から盛大なビンタをもらいました」

 

「あら~雄介君またやっちゃた~」

 

ー夜 中野家ー

 

「ただいま~」

 

「お帰りお兄ちゃんってまたやったの?」

 

帰って来た兄の顔を見て早々ため息をつく梓。

 

「今日はわざとじゃないんだよ~」

 

「はいはいご飯出来てるから早く上がってね」

 

「信じてないな」

 

雄介は自分の部屋へ行き荷物を置き携帯を見る。

 

「やっぱり一条さんからも連絡来てないし未確認の情報もない奴ら動いていないのか?」

 

雄介が未確認の情報がないか調べていると下から梓の声が聞こえた。

 

「お兄ちゃーん早く来ないとご飯冷めちゃうよー」

 

「あぁ今行く」

 

雄介は下へ行き夕食が並べられているテーブルへ行き椅子に座る。

 

「いただきます」

 

「はい、召し上がれ」

 

雄介は箸を取り料理をどんどん口の中へ運んだ。

 

「うん!今日もうまい!」

 

「ありがとそう言えばお兄ちゃんもうそろそろだよね

ラブライブの予選」

 

「ん?あぁそうだな」

 

「μ'sの皆さんどう?お兄ちゃんから見ていけそう?」

 

「うん、ダンスもほとんど完璧だしいけると思う」

 

「そっか~予選の日私も行くからね雪穂と亜里沙も行くって言ってたし」

 

「あいよ了解」

 

「あぁ~楽しみだな~」

 

「梓」

 

雄介は持っていた箸を置く。

 

「ん?何お兄ちゃん?」

 

「来るとき気をつけろよ?」

 

「えっ?あっうんもし何かあったらすぐお兄ちゃんに連絡するよ」

 

「絶対だぞ最近の未確認は俺達に近づいて人の言葉を話すようになったんだ、だからどこぞの知らない人に話しかけられても無視しろよ」

 

「えっ?未確認って言語話せるの?前に襲われた未確認は訳のわからない言葉をしゃべっていたけど」

 

「うん、それほど奴らは人間に近づいているんだ、だから本当に気をつけろよ」

 

「うん、わかった」

 

梓の返事を聞き雄介は置いた箸を持ちご飯を食べ始める。

 

 

ー翌日ー

 

雄介が学校に行こうとバイクに乗った直後通信が入る。

 

『中野雄介聞こえるか!』

 

「はい!未確認ですか!?」

 

『あぁ!今我々が現場にっ!』

 

一条から入った通信が雑音を起こし途中で切れてしまう。

 

「一条さん!?一条さん!くっ!」

 

雄介はバイクのエンジンをかけすぐさま走りだした。

 

「一体何が?まさか一条さん」

 

一条の身に何かおきたのかと思い雄介はバイクのスピードを上げる。

 

『ピーッこちら本部以前未確認生命体は逃走中各自応援に周り対応せよ場所はー』

 

突然警察の本部から通信が入り未確認が逃走している場所を指示していた。

 

「そこらに未確認が」

 

未確認のいる情報通り雄介はそこに向かった。

 

本部が指示していた場所に到着すると辺りにはすでにやられている警察官が多数いた。

 

「くそ!」

 

雄介はバイクから降り生存者がいるか確認する。

 

「大丈夫ですか!?」

 

倒れている警察官達に声を掛けても返答がなかった。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「無駄だ」

 

突然声が聞こえ雄介は顔を上げる。

 

「全員殺したよ確実にな」

 

「お前!」

 

雄介の前には以前戦ったガドラが姿を現した。

 

「ほぉー最初はリントのガキが来たのかと思えば違うなお前が今のクウガだな?」

 

「なぜ、わかった?」

 

「わかるんだよ何せ俺は鼻がいいからな」

 

「なるほどそういう事か!」

 

雄介は変身の構えを取る。

 

「さぁ始めようか!第2ラウンドだ」

 

「ふざけるな!変身!」

 

雄介は咆哮と共に左側のボタンを押しガドラに迫る。

 

「うおぉぉ!」

 

雄介はジャンプしガドラに拳を突き付けた瞬間クウガの姿に変わった。

 

「ふん!相変わらずいい拳だ!」

 

クウガの拳を受け止めガドラは笑う。

 

「っ何が可笑しい!?」

 

「嬉しいんだよ昔のクウガと違ってお前は殺意が籠っている」

 

「んだと!?」

 

ガドラはクウガの腕を引き寄せ腹部に蹴りを入れる。

 

「ぐふっ!」

 

「そして昔のクウガと違い格段に強いって事がなぁ!」

 

「ぐぁっ!」

 

ガドラはクウガの顔面をパンチしクウガは地面に転がる。

 

「これだけの強い拳があれば沢山の獲物をころせるだろぉなぁクウガ」

 

「てめぇと一緒にすんじゃねぇ!」

 

クウガは立ち上がりガドラにパンチを繰り出すが難なく避けられ後ろを取られる。

 

「おらっ!」

 

「ぐあぁっ」

 

ガドラの爪により背中に大きなダメージを受ける。

 

「ハァっハァ」

 

「どうした?もうおしまいか?」

 

「くっそぉ!」

 

クウガの背中の傷から血が流れ激痛を伴うがお構い無しにガドラに攻撃を繰り出す。

 

「いいねぇそれでいいもっと来いよクウガ!」

 

「うおぉぉ!」

 

ガドラはクウガの攻撃をガードしつつ隙を見つけた瞬間クウガの腕を払いのけガドラの爪がクウガを切り裂く。

 

「うあぁぁ!」

 

クウガは地面に倒れ傷つけられた体を腕で押さえる。

 

「ふぅまだだな」

 

「なに!」

 

「前に戦った時の方が強かった」

 

「なんだと!」

 

「何故だ?あの時のお前とは何かが違う」

 

ガドラは前の戦った時の事を思い出すそこにはクウガが必死で守っていたμ'sの姿を思い出す。

 

「そうかあのメスのリント共か」

 

「なにっ!」

 

「お前はあの時あのリント共を守ろうと必死で戦っていただから今とは違う強さがあるのか」

 

「違う!あの子達は関係ない!」

 

「その必死で否定している所が図星なんだよクウガ!」

 

ガドラはクウガに蹴りを入れクウガは地面に転がる。

 

「本来はゲゲルを楽しむ事だが気が変わったお前の底知れぬ強さが見たい」

 

「な、に?」

 

「今からあのリント共の首を持ってくればお前はどうなるのかな?」

 

ガドラの言葉にクウガは怒りと共に無意識にガドラを殴り飛ばしていた。

 

「なっなんだと?」

 

突然の攻撃で何が起こったかわからないガドラにクウガはゆっくり近づく。

 

「っ貴様ぁ!」

 

ガドラはジャンプしクウガに爪を突き付けるがクウガは瞬時に紫のクウガへと変わった。

 

「なっ!?硬い!」

 

ガドラの攻撃が効かず一端下がろうとしたがクウガに腕を捕まれる。

 

「くっ離せ!」

 

「・・・あの子達に」

 

「?」

 

「あの子達に指一本触れさせねぇ!」

 

クウガはガドラの爪を握り爪をへし折る。

 

「ぐあぁぁ!」

 

ガドラは無理矢理クウガから離れ爪が剥がれる。

 

「ハァっハァっこいついきなり強く」

 

クウガはガドラの剥がれた長い爪の一本からタイタンソードへと変わった。

 

「うおぉぉ!」

 

クウガはタイタンソードを振りかざすがガドラはそれをジャンプし避け壁に足を着けバネのように勢いよくクウガに突っ込んで行ったそしてクウガも対抗するかのように剣を構えそして

 

「うおぉぉ!」

 

「ああぁぁ!」

 

同時に攻撃をしクウガは剣を振り払いガドラはもう片方の長い爪で振り払うそして2人はすれ違うかのように攻撃をした後2人の動きが止まり少しの沈黙。

 

「ぐっ」

 

「がっ」

 

クウガの方からは引き裂かれた腕から血が吹き出しガドラは上半身斜めに斬られ血が吹き出す。

 

「ぐっいいぞぉこれでこそ戦いだ」

 

「くっ」

 

クウガは剣を構えるが傷つけられた腕では剣を握れなかった。

 

「(くそっ!片方の腕が!)」

 

ガドラも構えようとするがクウガに斬られた傷から血が止まらず瀕死の状態だ。

 

「(さすがに分が悪いな)」

 

「どうした?来ないのか!」

 

「ふっわりぃな今日は幕引きだ」

 

「なっ!?ふざけんな!自分から攻めといて負けそうになったら逃げんのかよ!」

 

「あぁそうさ!俺はまだ死にたくなんいんでね今日はここで終わらせてもらう」

 

「俺が逃がすと思うか!」

 

「ふっ貴様もガタガタのくせによく言うぜじゃあな!」

 

「なっ!?待て!」

 

ガドラは逃走しクウガは追いかけようとするが足に力が入らず膝を着いてしまう。

 

「くっそ」

 

クウガは悔しさのあまり地面を拳で叩きつける。

 

「今度は必ず!」

 

 

 

数時間が経ち雄介は病院で手当てをしてもらっていた。

一条が連れてきたらしい。

 

「ありがとうございました」

 

病院から出た雄介を確認し一条は椅子から立つ。

 

「大丈夫か?」

 

「はい何とか」

 

「そうか」

 

今朝一条が連絡が途切れたのは仲間がガドラにやられていた人達を救護し雄介の元へ来るのが遅れ来たときには傷だらけの雄介が座っていた状態だった。

 

「一条さんありがとうございました俺学校に戻ります」

 

「あ、あぁ送っていかなくて大丈夫か?」

 

「はい」

 

雄介は振り向きもせず病院の出口へと歩いて行った。

いつもと違う雄介に疑問を抱く一条。

 

「中野お前に一体何があったんだ?」

 

 

ー昼ー

 

今日雄介から連絡がなくことり達が心配して午後の休憩時間が終わった頃。

 

「あっ雄介だ!」

 

穂乃果が教室に入って来た傷だらけの雄介を見てことり達が歩み寄る。

 

「ゆーくん一体どうしてたの!?その怪我!」

 

「まさか未確認と戦っていたのですか?」

 

ことり達が呼び掛けても返答しない雄介に少し様子がおかしいと顔を見合せる。

 

「ちょっと雄介返事してよ!」

 

穂乃果が揺さぶり雄介はハッとなる。

 

「穂乃果ちゃん?一体どうしたの?」

 

雄介は今まで穂乃果達に気付いていなかったのかそんな言葉を口にした。

 

「ゆーくん大丈夫?」

 

「へっ?いや大丈夫だよ」

 

そう言い雄介は自分の机に鞄を置く。

 

「雄介その・・・怪我は大丈夫ですか?」

 

「うん・・・まぁね」

 

「朝から連絡もないので皆心配していたのですよ」

 

「そっか、ごめん」

 

「雄介?」

 

雄介の素っ気ない態度に疑問を持つ海未達。

 

「ゆーくんあの」

 

ことりが雄介に話掛けた瞬間学校のチャイムがなる。

 

「おーい皆席につけー授業を始めるぞー」

 

すぐに先生が教室に入って来てことりは話ないいまま自分達の席に着く。

 

 

ー放課後ー

 

あれからことり達は雄介と話せていなかった授業が終わるたび教室から出て行きどこかへ行ってしまうそうしている内に放課後になってしまった。

 

「皆明日は本番だから今日は最終チェックをし明日に備えるわいいわね?」

 

「「はい!」」

 

絵里の言葉と共に練習が開始される雄介はμ'sの練習を見ず携帯を見ていた。

 

「(あいつは一体どこに逃げた?次はどこに)」

 

雄介は1つでも未確認の情報がないか調べているそんな雄介を見かねて真姫が練習を抜け雄介の方に行く。

 

「ちょっと真姫!勝手に止めないで」

 

絵里の言葉を無視し真姫は雄介の前に立つ。

 

「ちょっと雄介!」

 

「?どうしたの」

 

「あなたさっきから何なの?ずっと携帯ばかり見て私達の練習を見なさいよ明日本番なのよ!?」

 

「悪い今それどころじゃないんだ練習なら皆でやっといてくれ」

 

「っふざけんじゃないわよ!」

 

真姫は雄介の言葉にカッとなったのか雄介から携帯を奪い取る。

 

「ちょっなにすんだ!」

 

「それどころじゃない?私達が今まで頑張ってきた事をそんな簡単にあんたは何とも思わないの!?」

 

「思わないわけないだろ!でも俺は一刻も早く未確認の情報が欲しいんだ奴を倒す為に」

 

「じゃあ今だけは私達を見てよ前に凛に言われた事忘れたの?」

 

「っ悪いが携帯返してくれ俺は奴を止めなくちゃならないこれ以上被害が多くならない為にも」

 

雄介は真姫の手を掴み携帯を取り上げようとするが

 

「いや!」

 

「っいい加減に!」

 

雄介は無理矢理携帯を奪い真姫を突き飛ばした。

 

「きゃっ!」

 

突き飛ばされた拍子に真姫は転び

 

「あっごめ」

 

「真姫!」

 

「真姫ちゃん!」

 

他のμ'sメンバーが真姫に近寄る。

 

「真姫ちゃん大丈夫?」

 

「え、えぇ」

 

花陽が真姫を支え立たせる

 

「雄介いくらなんでもやりすぎです一体どうしたというのですか?」

 

「何でもない」

 

「何でもないわけないでしょう!あなたは大切な友人を突き飛ばすような乱暴な人ではないはずです!」

 

「っしょうがねぇだろ!俺は早く未確認の情報が欲しいんだ!それを邪魔しないでくれよ!」

 

「っ雄介?」

 

「今回の未確認は何人も何人も人を殺しそしてまだどこかに潜んでいるだから早く奴を見つけ俺が倒さなきゃいけないんだよ!」

 

「雄介あなた」

 

「間近で人が死んでいるのがお前達に耐えられるか!?」

 

「それは」

 

「見るたび悔しくてだからこれ以上被害が増えない為にも俺が戦わなくちゃいけなんだよ!奴等を殺す為に!」

 

雄介の言葉にことりは疑問を抱き雄介に近づく。

 

「ゆーくん、1つ聞いていい?」

 

「・・・」

 

「ゆーくんは、一体何の為に戦っているの?」

 

「そんなの・・・奴等を殺す為に決まってるじゃないか」

 

「そっか変わったねゆーくん」

 

ことりの言葉を聞き雄介は屋上のドアへと歩いて行く。

 

「俺これから奴を見つける為探し回る後は頑張ってくれ」

 

そう言い残し雄介は屋上から出て行った。

 

「一体どうしたのって言うのよ雄介の奴」

 

「ゆーすけ何か怖かったよいつものゆーすけじゃないみたい」

 

「多分だけど雄介は限界だったんじゃないかしら」

 

「限界ってどういう意味やえりち」

 

「雄介は未確認と戦う度に沢山の人の死を見ていると思うのそれが辛くて悔しくてそれで雄介の何かが崩れたんだと思う」

 

「いつも明るい雄介君が」

 

「明るく振る舞っていても今回の犠牲者の数それに未確認が私達と同じ言語を話そして未確認のゲームその積み重ねが雄介を焦らせていると私は思う」

 

「いくらクウガの力を得て未確認と戦っているとはいえ雄介もまだ私達と同じ高校生確かに辛い・・・ですよね」

 

「やっぱりゆーくんを戦わせるのは間違っていたのかな?」

 

「ことり」

 

「だってゆーくん泣いていたから」

 

「えっ雄介泣いてた?」

 

「顔には見せてないけど心では泣いてるように見えるの私」

 

「凛は正直ゆーすけに戦って欲しくないだって今のままじゃまたゆーすけが辛くなるだけだよ」

 

「でも雄介が戦わなきゃもっと被害が増えるのよ!?今さら戦うはやめろっていってもあいつは聞かないわよ」

 

「にこの言うとおり雄介が戦わなかったら今以上の被害が増えるでも戦ったら雄介は多分壊れていく」

 

「どっちにしろ最悪は免れないって事やね」

 

「私達がゆーくんを支えるって決めたのに私達何の力にもなれてないのかな?」

 

「私達にできる事って本当なんだったんだろ?」

 

 

 

ー深夜ー

 

ことりが寝ようと自分のベッドに入ろうとした時携帯が鳴る。

 

「梓ちゃんからだ」

 

ことりは携帯に耳をかざす

 

「もしもしどうしたの?梓ちゃん」

 

『ことりちゃん!?お兄ちゃんが帰って来ないの』

 

「えっ!?ゆーくんが!?」

 

『さっきから携帯に掛けても繋がんないしねぇことりちゃん何か知ってる!?』

 

「ゆーくんまだ未確認を」

 

『えっ!?未確認!?』

 

「ゆーくん今日の放課後から未確認を探しに行くってどこか行ってしまったのだから多分まだ未確認を探しているのかも」

 

『こんな夜遅くまでどうしちゃったのよお兄ちゃん』

 

ことりの電話越しから梓のすすり泣き声が聞こえた。

 

「梓ちゃん・・・大丈夫だよゆーくんは必ず帰ってくるよ」

 

『えっ?』

 

「だって約束したもん必ず皆の所に帰ってくるってだから信じよゆーくんを」

 

『・・・うん、ありがとうことりちゃん』

 

そう言って梓との通話を終えた。

 

「梓ちゃんまで悲しませたら駄目だよゆーくん」

 

 

ー翌日ー

 

今日の朝も雄介から連絡がなく学校に着くことり。

 

「おはよーことりちゃん」

 

「おはようございますことり」

 

すると穂乃果と海未も一緒に学校に着いた。

 

「おはよう穂乃果ちゃん海未ちゃん」

 

「ことり雄介から何か連絡は?」

 

「ううん駄目電話にも出ないよ」

 

「そうですか」

 

「雄介何で本当に私達の事」

 

「そんな事はありませんよ今日のライブだって必ず来てくれます」

 

「海未ちゃん」

 

「雄介は普段はだらしなくても必ず約束を守る方ですから」

 

「うん、そうだね!」

 

「(ゆーくん穂乃果ちゃんも海未ちゃんもゆーくんの事を待ってるんだよだから早く帰ってきて)」

 

ことりの想いも届かぬまま夕日が昇りライブの時間へと近づいていった。

 

「結局雄介の奴来なかったわね」

 

「みんなー集まって」

 

絵里が皆を呼び集合させる。

 

「今日はラブライブ予選今日の投票次第で私達は次のステージへ行ける」

 

「そうだねここで勝っても負けても私達は悔いのないライブをしよう!」

 

「でもゆーすけがいなくてそれに昨日の事も」

 

「凛ちゃん」

 

雄介が来ておらず凛や他のメンバーも気持ちがついていけずそれでも穂乃果は皆に気合いを入れる。

 

「雄介は必ずくるよ!もし来てくれなくも私達の歌でおもいっきり歌って雄介を呼ぼうよ」

 

「穂乃果ちゃん」

 

「雄介は今辛い所にいるなら私達のライブで雄介の笑顔を取り戻そう!」

 

「穂乃果ちゃん、うん!そうだね!」

 

穂乃果の言葉で皆気持ちをあらたに込め皆中央にピースの円陣を組む。

 

「いくよ1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

「ミューズ!」

 

「「「ミュージックースタートー!」」」

 

 

屋上でステージを開いたはいいが今日はあいにくの雨だった。

 

「嘘」

 

「最悪ね」

 

だがステージの周りを見てみるとμ'sのライブを見ようと駆けつけてくれたお客さんが一杯だった。

 

「でもここに来てくれた皆の為にも全力でやろう!」

 

「穂乃果・・・そうですね!」

 

「さぁ行こう!」

 

穂乃果の掛け声と共に皆ステージへ走っていき皆整列をする。

 

「皆さん今日はこの雨の中集まっていただきありがとうございます!私達はここにいる皆そしてライブ中継で見ていてくれる皆さんの為にも私達は全力で歌います!

それでは聴いてください!」

 

「「No brand girls」」

 

μ'sのライブが始まりステージは歓声と共に熱気で包まれていた。

だがその奥で邪悪な笑みを浮かべている人物がμ'sを見ていた。

 

「それじゃみんなー私達と一緒に掛け声おねがいしまーす!」

 

ライブが最高潮に盛り上がりラストスパートに降りかかった瞬間

 

「グオォォォー!」

 

大きな雄叫びと共に突然μ'sのステージのど真ん中に勢いよく降り立つ謎の影と共に煙が広がる。

 

「きゃっ!」

 

「なに!?」

 

突然の出来事に会場が静まりかえる。

 

「久しいなメスのリントども」

 

そう言ってゆっくり煙が少しずつ薄くなった所μ'sの皆は驚愕する。

 

「み、未確認生命体」

 

いきなり未確認生命体が現れ会場はパニックに陥る。

 

「きゃー!」

 

「う、嘘だろ何で未確認が!?」

 

「に、逃げろー!」

 

会場の皆が慌てて逃げていく

 

「うるさいリント共が別にお前らが標的じゃねぇってのに」

 

ガドラは耳をほじくりμ'sの方を向く。

 

「標的はお前らだからな」

 

ガドラは皆の方に指を指しμ'sの皆はビクッと恐怖する

 

「わ、私達が標的?」

 

「そう、お前達が俺のゲゲルの標的だ」

 

ガドラは爪を鋭く伸ばし

 

「さぁ先に誰が殺されたい?」

 

「っ」

 

近づくガドラに恐怖し動けなくなるμ'sすると

 

「お姉ちゃん!」

 

突然の叫びに皆がそちらを向く。

 

「亜里沙!?」

 

今日のライブで応援しに来た亜里沙が今でも絵里を助けようと行こうとするが一緒に来ていた梓と雪穂に押さえられていた。

 

「お姉ちゃん早く逃げて!」

 

「亜里沙ダメ!」

 

「亜里沙!」

 

「ほぅ家族か」

 

ガドラは亜里沙達の方に向く。

 

「ま、待って!」

 

絵里がガドラの前に立ちふさがる。

 

「絵里!」

 

「絵里ちゃん!」

 

恐怖で足が震える絵里だが妹を守るため恐怖を乗り越え亜里沙達を庇うように立つ。

 

「何の真似だ?」

 

「あなたの目的は私達なんでしょ?だったらあの子達は関係ない」

 

「お姉ちゃん!」

 

「やるなら私だけにしてちょうだい」

 

「ほぅリントにしてはいい覚悟だ」

 

「えりちなにいってるんや!?」

 

「絵里ちゃん!」

 

「来ないで!」

 

皆が絵里の所へ向かおうとするがそれを止める。

 

「お願いこの子達を殺さないでやるなら私だけをやりなさい」

 

「・・・ならお望み通りにしてやる」

 

ガドラはそう言い爪を絵里に突きつける。

 

「っ」

 

絵里は目を瞑る。

 

「なんてな」

 

「えっ?」

 

そう言いガドラは飛び亜里沙達の方に向かった。

 

「きゃっ!」

 

ガドラは雪穂を捕らえ首筋に爪を突きつける。

 

「お前達は全員殺すさ一匹残らずな」

 

「ゆきほぉ!」

 

「邪魔だ」

 

穂乃果は咄嗟に雪穂に向かうがガドラに弾き飛ばされてしまう。

 

「あぅ!」

 

「お姉ちゃん!」

 

「穂乃果ちゃん!」

 

「穂乃果!」

 

すぐさまことりと海未が穂乃果の方に駆け寄る。

 

「今度はお前の家族かなら見ているといいこいつの首が俺の爪がゆっくり貫通し悶え苦しみ死ぬところを」

 

「や・・めて」

 

穂乃果は手を伸ばすがさっきの衝撃で体が動かなかった。

 

「お姉ちゃん・・・助けて」

 

ガドラはゆっくり雪穂の首筋に爪を当てゆっくり突き刺して行く。

 

「い、いやぁ!」

 

「ゆきほぉ!」

 

「さぁ泣き叫べそして絶望するといい!」

 

ガドラは汚い高笑いを掲げ雪穂の首筋に爪を突き刺して行く。

 

「いや、助けて・・・助けてゆーくん!!!」

 

ことりは泣きながら雄介に助けてと叫ぶすると

 

「ゴッ!?」

 

ガドラの背中に強い衝撃が走り地面に転がる。

 

「雪穂!」

 

解放された雪穂に穂乃果は痛みを耐えながら雪穂の方へと歩み寄る。

 

「大丈夫?」

 

「うん何とか」

 

雪穂の無事を確認し抱き締める穂乃果。

 

「くっようやく現れたかクウガ!」

 

ガドラは立ちか上がり後ろ向くするとそこには赤い姿をしたクウガが立っていた。

 

「ゆーくん!」

 

「ゆーすけ!」

 

クウガが来てくれたと安堵するμ'sの皆

 

「随分遅かったな俺を探すのに手間取ったか?」

 

「・・・あぁ」

 

「ふっ怒っているなクウガ?」

 

「・・・あぁ皆を傷つけたお前とそれを止められなかった俺自身にな!」

 

クウガは一直線にガドラに突っ込みガドラは対応できずクウガの腕がガドラの首を捕らえそのまま壁に押し付ける。

 

「ぐっ」

 

「言えなぜ貴様がここにいる?」

 

「い、言っただろこいつらの首を持ってくればお前は怒りに狂いもっと強くなるとだからここに来たんだよ」

 

「そうか、そんなくだらない事でこの子達を傷つけたのか!」

 

クウガはガドラを押さえたままもう片方の腕でガドラの腹を全力で殴った。

 

「ぐはあぁ!」

 

壁がめり込むほど強く殴りそのまま壁が壊れ崩壊する。

 

「あぁ!ステージが!」

 

そうμ'sの皆そしてこの学校にいる皆で作り上げたステージがクウガとガドラの戦闘で壊れていく。

 

「げほっげほっ」

 

ガドラは立ち上がり身構えるがクウガは立ったままだ。

 

「なんだ?そんな無防備で俺に勝てると思うなよ!」

 

ガドラはジャンプしクウガに爪を突きつけるがクウガはそれをかわしガドラに膝蹴りを食らわし怯んだ瞬間ガドラの腕を掴み顔をおもいっきり殴った。

 

「ぐわあぁ!」

 

ガドラは吹き飛び壁にぶつかりまたもステージが壊れていく。

 

「はぁ!はぁ!くそっ!」

 

ガドラは起き上がろうとした瞬間クウガはガドラの頭を掴み膝蹴りを食らわす。

 

「ぶっ!」

 

ガドラはあまりの激痛に顔を押さえる。

 

「どうした?来ないのか?」

 

クウガはゆっくり近づきガドラはクウガに恐怖を覚える。

 

「くっくっそー!」

 

ガドラはクウガに殴りかかるがそれを手で受け止めクウガは肘でガドラの顔を攻撃する。

 

「ぐぼぁ!」

 

攻撃された拍子に歯が抜けもうボロボロだった。

 

「ハァ!ハァ!ハァ!」

 

ガドラはクウガに恐怖し後ずさる。

 

「どうした?怖じ気づいたのか?」

 

「ハァ!ハァ!」

 

「そっちが来ないならこっちから行くぞ!」

 

「ひっ!」

 

クウガは容赦なくガドラを攻撃する。

 

「どうしちゃったの?ゆーすけ何か変だよ」

 

今までこんな戦いを見た事のない雄介に凛は少し怖がっていた。

 

「雄介怒りで我を忘れているんでしょうか?」

 

「ゆーくん」

 

クウガはボロボロのガドラを持ち上げる。

 

「ぐふっもう許してくれ」

 

「許してくれ?お前は何の罪のない人達を殺しそして俺の大切な人達も傷つけた!許すわけねぇだろ!」

 

クウガはガドラの爪を引き剥がし

 

「ぎゃあぁぁ!」

 

そのまま蹴り飛ばす。

 

「お前はお前だけは!」

 

クウガは紫の姿に変えさっき引き剥がした爪をタイタンソードに変える。

 

「ひっひぃ~!」

 

ガドラは逃げようとするがクウガはソードでガドラの両足を切り裂く。

 

「ぎゃあぁぁーーー!」

 

ガドラは両足を切られ這いつくばるかのように逃げようとするが今度は両腕を切り裂いた。

 

「ぎゃあぁぁ!」

 

「逃がすわけねぇだろ二度とな」

 

クウガの残酷なやり方にμ'sの皆は驚愕していた。

 

「やめて、やめてよ!ゆーくん!」

 

ことりは我慢出来ずクウガの元へと走っていった。

 

「ことり!ダメです!」

 

「ことりちゃん!」

 

海未達の静止も聞かず走りことりはガドラを庇うように立つ。

 

「・・・何の真似だ?」

 

「やめてよゆーくんこんなのゆーくんじゃないよ」

 

「俺じゃない?」

 

「そうだよ!こんなやり方ひどすぎるよ!」

 

「ひどい?・・・ことりちゃんこんな奴に情けをかけるつもりか?」

 

「そういう事じゃない!私はただ」

 

「人を殺す事を楽しむ奴等をなぜ庇う!?こいつらのせいで沢山の人が殺された!だからこんな奴等はこうなって当然だ!」

 

「っゆーくん」

 

「どけ!」

 

「きゃっ」

 

クウガはことりを押し退けクウガは刀をガドラに構え

 

「死ね」

 

そのままガドラの胸の心臓辺りに突き刺した。

 

「ぎゃあぁぁーーー!」

 

突き刺した所からヒビが走りベルトへと到達し爆発する。

 

「きゃあぁ!」

 

爆風でことりは顔を咄嗟に隠すが一瞬だけ見えたクウガの瞳が黒くなっている所を

 

「(あれはなに?)」

 

爆発が収まりクウガは立ったままだった辺りは壊れガドラを傷つけた際に飛び散った血が辺り一面に広がっていた。

 

「そんなステージが」

 

にこは今の現状が理解できずよろよろと歩む。

 

「私達のラブライブが」

 

にこはクウガを睨み一気に駆け寄っていく。

 

「あんた!どうしてくれんのよ!これじゃ、これじゃあもう」

 

「・・・うるせーよ」

 

「えっ?」

 

「命あっただけでも有り難く思えライブなんていくらでも出来んだろ」

 

「あんたそれ本気で言ってる?本気だったら許さないわよ!」

 

「にこちゃんダメ!」

 

殴りかかりそうなにこを真姫が止める。

 

「あんた!私達がこの日の為に頑張って来たこと知ってんでしょ!そんなあんたが何でそんな酷い事言い出すのよ!」

 

「知るかよ」

 

クウガは雄介の姿に戻り屋上の扉へと向かった。

 

「ちょっと待ちなさい雄介!」

 

「・・・なに?」

 

絵里が雄介を呼び止め

 

「今回の事あなたが来てくれなかったら私達は殺されていたわだから助けに来てくれてありがとう」

 

でもっと絵里は続け

 

「あなたがさっきことりを突き飛ばしそれににこに酷い事を言った!まずはそれを謝りなさい!」

 

「何で?」

 

「何でってあなたは」

 

「もしあの時ことりちゃんをどかさなかったら奴に攻撃されてたかもしれない」

 

「それは」

 

「にこの事は人の命を考えずライブを優先するかのような口振りだった」

 

「なっ!?」

 

「だから謝る必要あるか?」

 

雄介はそう言い再び出ていこうとするが

 

「ちょっと待ってよ雄介」

 

「今度はなに?」

 

雄介が振り向いた瞬間穂乃果は雄介の頬を叩いた。

 

「っ」

 

「雄介何で?何で何も気づかないの?」

 

「なに?」

 

「みんな雄介を心配して言ってる事だよ!」

 

「どういう」

 

「ことりちゃんは雄介がおかしかったから勇気を出して雄介を止めに行ったそれににこちゃんの事だってここまで作り上げた私達のライブをお客さんもそうだけど一番に雄介に見てもらいたくて頑張ってきたんだから!」

 

「穂乃果ちゃん」

 

「みんな雄介が来なくて心配してそれで来てくれたと思ったら皆を傷つけてる」

 

「そんな事」

 

「だったら周りを見なよ雄介が守りたかった笑顔がそこにはある?」

 

穂乃果の言うとおり皆悲しみの表情をしことりは泣いていた。

 

「そんな、俺は」

 

「雄介今日は助けに来てくれてありがとうでもあなたがこれ以上μ'sの皆を傷つけるならあなたはもう私達には近づかないで欲しい」

 

穂乃果の言葉に雄介はショックを受け周りが突然暗くなり膝をつく

 

「そんな俺は」

 

自分の過ちに気づき雄介は後悔するすると雨が次第に強くなり今の全員の心を表しているかのようだった。

 

 

ー第9話 約束endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと書き終わりました。もう2ヶ月か随分遅くなりましたが次も頑張ります!


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第10話 笑顔

雄介とμ'sの関係が壊れこのまま時が進んでいくのか
第10話始まります


あの事件から時が進み1週間が経ちそれでも未確認生命体の脅威は去らない。

 

『中野雄介!今どこら辺まで来ている?』

 

「一条さんから聞いた場所までもう少しです!」

 

『わかった!』

 

雄介は一条との通信を終え未確認が出現した現場へと向かう。

 

「ここ・・・だよな?」

 

雄介は現場に到着し辺りを見渡す。

 

「一条さん現場に到達しましたが未確認の姿はないですね」

 

『何!?もう移動したというのか』

 

「もう少し辺りを見てみます」

 

『わかった我々ももう少しで到着するからくれぐれも気をつけていけ』

 

「わかりました」

 

通信を終え雄介はバイクから降り歩いていく。

 

「いないのか?」

 

建物の中を大方周りそれでも未確認の姿はなくバイクの方へと戻ろうとした瞬間

 

「っ!」

 

何かの気配を感じ雄介はその場に留まる。

 

「今何か」

 

雄介が辺りを見渡すと突然天井から鉄パイプが落ちてくる。

 

「なっ!?」

 

雄介はそれをかわし落ちてきたパイプの天井を見るだが

 

「いない?」

 

雄介はその場所に気を取られ背後から突然首を絞められる。

 

「なっ!?ぐっ」

 

突然の事に雄介は対処できず謎の者にされるがままだった。

 

「くっ、そ」

 

雄介は手を腹中心に構えベルトを出現させる。

 

「っ変・・身!」

 

雄介は左のボタンを押し体が変わると同時に抑えられている者にエルボーを喰らわせる。

 

「グホッ!」

 

「はっ!はぁはぁ」

 

その者がよろけ雄介が解放されたと同時にクウガに変わる。

 

「・・・やっぱり駄目か」

 

クウガは自分の姿を見てそう言うなぜなら本来なら赤い姿に変わるはずが今は白いクウガに変わっている。

 

「キシャアァァーーー!!!」

 

突然大きな雄叫びを上げクウガは瞬時に敵を見る。

 

「クウガ!オレノゲゲルヲジャマスルナー!」

 

ネズミに酷似している未確認生命体'ズ・ネズモ・ダ'が

クウガに向けて叫び突進してくる。

 

「っ!」

 

クウガは咄嗟にガードしネズモの攻撃を止めるがネズモは体制を変え一瞬にしてクウガの後ろに回り込む。

 

「なっしまっ」

 

ネズモに蹴りを喰らわされクウガは地面に転がる。

 

「くそっ!」

 

クウガはすぐに立ちネズモに向けパンチを喰らわすが

 

「ナンダ?ナメテイルノカクウガ!」

 

クウガのパンチが効かず腕を払いのけられ逆にパンチを喰らわされられた。

 

「ぐあっ!」

 

ネズモのパンチに怯み片膝を着くクウガ

 

「(やっぱり白じゃ駄目なのか)」

 

そう考えていると同時にネズモにキックされ

 

「うわあぁ!」

 

クウガは吹き飛び建物の壁に当たった瞬間雄介の姿に戻ってしまった。

 

「くっぐぅまずいこのままじゃ」

 

雄介は立とうとするがダメージが大きく立てないでいた。

 

「トドメダクウガ!」

 

ネズモが雄介に攻撃を仕掛けようとした瞬間

 

「中野ぉ!」

 

その叫びと同時に無数の弾丸が発泡された。

 

「ギャッリントドモメ」

 

一条が率いる沢山の警察達がネズモに向け発泡していく

 

「クッメンドウナヤツラメ!」

 

ネズモはそう言い一気に駆け抜け壁に登って天井を突き破り逃走した。

 

「逃げたのか?」

 

「追え!まだ近くにいるかもしれん!」

 

一緒にいた杉田の指示に他の警察達が一斉に向かっていった。

 

「中野!」

 

「っ一条さん」

 

一条は雄介を抱き抱え

 

「大丈夫か?」

 

「はい何とか」

 

「やはりまだ駄目なのか?」

 

「・・・はい」

 

「そうか、立てるか?」

 

「大丈夫です」

 

「中野俺は奴を追わなきゃいけないだから」

 

「はい行って下さい一条さん俺は大丈夫ですから」

 

「・・・わかった」

 

一条はそう言い未確認を追う雄介は壁にもたれ掛かり天井を見上げる。

 

「・・・くそっ」

 

雄介は悔しさに壁を殴る。

 

 

ー放課後ー

 

μ'sのメンバーが練習前に部室に集まり

 

「今日未確認生命体が出現したって話よ」

 

にこが練習前の準備に取りかかっているなかふとそう言った。

 

「そう、なんだ・・・ゆーくんは?」

 

「いたみたいでも報道によると未確認は逃走したみたいね」

 

「そっか大丈夫かなゆーくん」

 

「どうかしらね」

 

「・・・ねぇことりちゃんゆーすけに連絡取れた?」

 

「ううんだめ」

 

「そっか」

 

「取れるわけないでしょもう私達とは縁を切ったんだから」

 

「真姫ちゃん!そんな言い方!」

 

花陽が真姫の肩を掴み

 

「だってそうでしょ!あいつは!雄介は!私達のライブをめちゃくちゃにした!」

 

「きゃっ」

 

真姫は花陽の手を払いのける。

 

「真姫ちゃん!かよちんに何するにゃ!」

 

「うるさいわね大体凛もいい加減に雄介の事は忘れなさいよ!いつまでもいつまでもゆーすけゆーすけってうっとうしいわ」

 

「なんでそんな酷い事が言えるの!?凛がゆーすけの心配しちゃ悪いって言うの!?」

 

「えぇそうよ!あんな奴の心配したって意味ないじゃない!」

 

「意味ないって、ゆーすけは今も命掛けで戦っているのに・・・そんな事を思っている真姫ちゃんは最低だよ!」

 

「うるさいわね!」

 

「あなた達いい加減にしなさい!」

 

真姫と凛の言い合いに海未が止める。

 

「海未」

 

「海未ちゃん」

 

「今あなた達が言い争ってもそれこそ意味がないでしょう」

 

「でも!」

 

「真姫あなたは少し頭を冷やしなさい簡単に縁を切ったなどと簡単に口にしてはいけません」

 

「でも実際そうでしょ!あいつはライブをめちゃくちゃにしてそれに皆を傷つけた!縁を切って当然よ!」

 

「真姫あなたは!」

 

「真姫ちゃん」

 

「何!?」

 

突然真姫の肩を掴み真姫が振り向いた瞬間パァンっと頬を叩く音が部室に広がった。

 

「っこ、とり?」

 

「もうやめてよ真姫ちゃんは何がそんなに気に食わないの?」

 

「それはあいつが皆を傷つけたから」

 

「確かにあの時のゆーくんはおかしかったでも今の真姫ちゃんも大切な友達を傷つけてるんだよ?」

 

「そんな事」

 

花陽達の方を見ると泣いている凛を慰めている花陽を見て真姫は

 

「何よ、何よ何よ何よ!全部雄介が悪いんじゃない!私達の気持ちを裏切った雄介が!」

 

真姫はそう言い走って部室を出ていった。

 

「真姫!待ちなさい!」

 

「いいよ海未ちゃん」

 

「穂乃果!?ですが」

 

「今はそっとしておこう今無理矢理連れ戻したって逆効果だよ」

 

「そう、ですね」

 

「穂乃果これからどうするの?こんな状態で練習なんて正直無理よ」

 

にこはそう言い椅子に座る。

 

「うん今日は解散かなまた明日集まろうよ」

 

「ねぇ穂乃果正直今のままじゃ駄目だと思うの」

 

「絵里ちゃん?」

 

「こんな状態が続いて皆正直参ってると思うのだから真姫もあんな言いたくないことを言ったんだと思う」

 

「私が雄介を突き放したから?」

 

「っ!誰もそんな事!」

 

「いいんだよそれは事実だしでも私は今のままの雄介に帰って来てほしくない」

 

「穂乃果?」

 

「雄介が大変な事はわかってるよでも皆を傷つけるのは別だよ」

 

穂乃果は椅子から立ち。

 

「絵里ちゃんは今の雄介に帰って来て欲しい?」

 

「それは・・・」

 

「私が雄介を突き放した事を恨んでくれてもかまわないでも未確認生命体を殺す事だけしか目にない雄介にはここに居てほしくない」

 

穂乃果はそう言い部室を出ていった。

 

「穂乃果どうしてしまったのよ?」

 

「正直穂乃果の気持ちわからないでもないかな」

 

「にこ?どういう事?」

 

「あいつもショックだったのよ今まで皆の笑顔の為に戦ってきた雄介が突然冷たくなってしまいには私達を傷つけるような行動をとっただから穂乃果もそんな状態の雄介とは距離をとった」

 

「それでも」

 

突然凛が話しかけ

 

「それでも凛はゆーすけを信じるよあの優しかったゆーすけが戻ってそして皆の所に帰って来ることを」

 

「そうねあんたはそう信じてなさいでも私はね穂乃果と同じで今のあいつには帰って来て欲しくないわ」

 

にこはそう言い部室を出ていった。

 

「凛ちゃん」

 

「ことりちゃん?」

 

ことりは突然凛を抱きしめ

 

「ありがとうゆーくんの事そう言ってもらえて嬉しい」

 

「ことりちゃん・・・ことりちゃん!」

 

凛はことりの腕の中で泣く雄介という大切な存在が近くにいなく悲しみが一気に押し寄せてきた。

 

「えりちの言うとおり正直今のままじゃウチらにとってもよくないんよ最悪μ'sの仲もギクシャクし解散って事も」

 

「希!解散なんて」

 

「あくまで例えばの話や!でもえりちもわかるやろ?」

 

「でもそんな事」

 

「雄介君が戻ってくれば話は別やけど」

 

「ゆーくんが?」

 

「雄介君の行動次第でこの運命は変わるそうカードがウチに告げるんや」

 

「ゆーくんの行動次第」

 

ことりは空を見上げるあの日から変わらないどんよりとした雲に空が覆われ雨が降り続くそれは皆の気持ちと同じように見えた。

 

 

ー翌日ー

 

「じゃあ行って来ます」

 

ことりは玄関を出てドアを開ける

 

「・・・まだ雨やまないんだね」

 

そう言いことりは傘をさし歩き始める。

少し歩いた所に見覚えのある後ろ姿が見えその人物に声を掛ける。

 

「おはよう梓ちゃん」

 

突然声を掛けられ咄嗟に後ろを向く梓。

 

「あっおはようことりちゃん」

 

「なんか珍しいね梓ちゃんと登校中に会うなんて」

 

「そうだね本当偶然」

 

「うん・・・ねぇ梓ちゃん今ゆーくんって・・・」

 

ことりの言葉に少しうつむく梓。

 

「・・・あれからお兄ちゃんと全然話してないの顔を会わせるのもご飯を食べる時くらいかな」

 

「そうなんだ」

 

「μ'sの皆さんを傷つけたあの夜私お兄ちゃんに怒鳴ったのなんであんな事言ったの!って」

 

「梓ちゃん」

 

「そしたらお兄ちゃんただ小さな声でごめんって言うだけだったそんなお兄ちゃんを見てたら何も言えなくなっちゃって」

 

梓は少し涙目になり

 

「あの時は未確認にライブをめちゃくちゃにされて雪穂も殺されそうになってステージも戦いで壊されて皆が悲しい思いをしたでもそれはお兄ちゃんも同じだと思う」

 

「ゆーくんも?」

 

「だってお兄ちゃん毎日苦しそうだったから」

 

「っ!?」

 

「毎日毎日携帯を見て未確認の情報を探して少しの手掛かりでもあればすぐそこに向かって行ったそして未確認に負けた時はいつも悔しそうに拳を握りしめていたそんなお兄ちゃんを思いだしたら何も言えなくなって」

 

梓はことりの方を見て

 

「あの時の事は本当にごめんなさいお兄ちゃんが皆の事を傷つけたのは事実だしそれにラブライブの予選もそれで落ちちゃった訳だしでもこれだけは言わせて下さい

お兄ちゃんを許してあげて?」

 

「・・・梓ちゃん」

 

「お兄ちゃんも皆を守る事で必死になって周りが見えなくなって皆を傷つけたんだと思うのだから」

 

最後まで言う前にことりは梓を抱きしめる。

 

「梓ちゃん、梓ちゃんの気持ち伝わったよ梓ちゃんはやっぱり誰よりもゆーくんの事を見ているんだね」

 

「ことりちゃん」

 

「梓ちゃんに言われるまでわかんなかったよゆーくんの気持ちもだからそんな事がわかる梓ちゃんが少し羨ましいな」

 

「だって世界で1番世話が焼けるお兄ちゃんだから」

 

梓はそう答える。

 

「世話が焼けるお兄ちゃんか」

 

「うん、だから今までお兄ちゃんに助けてもらった分今度は私がお兄ちゃんを助けて支える番」

 

「梓ちゃん」

 

「だからもう少し待ってて」

 

梓と話している内に学校に行く別れ道に着いた。

 

「じゃあ私こっちだから」

 

「うん、気をつけてね梓ちゃん」

 

「うん、ありがと!それじゃ」

 

梓は自分の行く学校に向かい歩いていく。

 

「・・・梓ちゃんはゆーくんの気持ちをわかってたでも私は・・・ゆーくんをどんなに想っても気持ちが伝わらなきゃ意味ないよね」

 

ことりは悲しげに呟き学校に向かう。

 

 

 

ことりが学校に着いた途端こちらに必死で向かう花陽と凛が走ってきた。

 

「ことりちゃん!」

 

「ど、どうしたの2人ともそんなに慌てて?」

 

「こ、ここでは言えません!部室に行きましょう!」

 

花陽はことりの腕を掴み強引に引っ張って走り出す。

 

「ちょっちょっと待ってよ~」

 

花陽に連れて行かれることりを見て凛は若干呆れつつ

 

「まぁ凛はこっちのかよちんも好きにゃ~」

 

そう言い後を着いていく。

 

 

花陽と凛と共に部室に来たことり中に入ると真姫以外全員が集まっていた。

 

「あれ?真姫ちゃんは?」

 

「・・・今日はお休みだそうです」

 

「そ、そうなんだ」

 

多分昨日の事が原因だろうとことりは思った。

 

「ところでどうしたの皆集まって」

 

「そ、それは」

 

「待って花陽ここからは私が話すわ」

 

にこが花陽の変わりに話すと席を立つ。

 

「うんわかったよにこちゃん」

 

花陽はそう言いにこに託す。

 

「ありがと」

 

にこはことりに近づき

 

「ことりもうここにいる皆は知ってるけど今から話す事は私達にとって重要な事よいいわね?」

 

いつもにもない真剣なにこの眼差しに息を飲むことり。

 

「う、うん」

 

「じゃあ話すわ以前ラブライブの予選の時に私達は未確認生命体に襲われライブが中断されラブライブの予選に落ちたここまではわかるわよね?」

 

「うん、そうだね」

 

「でもねラブライブの運営側から連絡が来たのもう一度やらないか?って」

 

「えっ?」

 

ことりは驚くなぜ落ちた私達をもう一度チャンスをくれるのかって

 

「そうよね私も驚いたわでも私達のライブ中継を観ていた人達が問い合わせてきたみたいなのよねもう一度μ'sのライブを最後まで観たいって人が沢山」

 

「そんな事って」

 

「そう普通はありえないわでも未確認に襲われた異例もあってそれで運営側も納得しもう一度チャンスをくれたわ」

 

「それって凄い事だよね!もう一度私達がラブライブに出れるチャンスが出来たったて事でしょ?」

 

「そうそれにその観たいって人の中には意外な人達も頼み込んだみたいなの」

 

「えっ?意外な人達って?」

 

「・・・AーRISEよ」

 

「えっ?」

 

にこの言った言葉に言葉を失うことり。

 

「で、でもAーRISEって」

 

「そう、私達と同じラブライブの予選を受けていた人達でも彼女達はランキングトップで通過したらしいわ」

 

「前回のラブライブ優勝者って事もあるからかなだから運営側も納得したって事?」

 

「そう考えるのが打倒でしょうね」

 

「でも何で私達を?」

 

「それはわからないわ、でもねことりこのチャンスどう考える?」

 

「・・・うん私はやりたいもう一度チャンスがあるなら」

 

「そう、じゃあ全員一致ね!」

 

にこの言葉に部室のいる全員が頷く。

 

「ことりちゃん」

 

突然穂乃果がことりを呼びことりは穂乃果の方を向くと真剣な表情で真っ直ぐ見つめていた。

 

「どうしたの穂乃果ちゃん?」

 

「雄介の事だけど」

 

「っ」

 

「ショックからまだ立ち直れてないよね実際」

 

「・・・うん、そうだね」

 

「実質私が雄介を追い出したようなものだから恨んでもおかしくないよね」

 

「っ違うよ!穂乃果ちゃんは!」

 

「ううんだってことりちゃんあの時から全然元気ないもんね」

 

「っ」

 

「だから私達とまた踊ってくれるか正直不安なんだ」

 

ことりは穂乃果に近づき抱きしめる。

 

「私は穂乃果ちゃんの事を恨んでないよ確かにゆーくんと会えなくて寂しいけど私はもう一度皆と踊りたいそしてまた皆と一緒にいたい」

 

「ことりちゃん」

 

「それにねあの時から元気がないのは穂乃果ちゃんや皆もだよ」

 

「・・・そう、だね」

 

「だから私は戻りたい皆と笑顔でいられるこの9人とそして私達を支えてくれる大切なマネージャーさんと」

 

穂乃果は涙目になりことりに抱きつくそんな穂乃果を優しく包みこむ。

 

「皆の気持ちは一緒誰だって皆と一緒にいたい・・・・ですが」

 

「真姫ちゃん・・・だよね?」

 

花陽の言葉に海未は頷く。

 

「それは私に任せなさい」

 

にこは突然立ち

 

「にこ、いいのですか?」

 

「えぇあの子だって皆と一緒の気持ちよ今回はショックで言いたくないことを言ったかもしれないけど真姫だって戻って来たいはず」

 

だからっとにこは自分の胸にドンっと拳を当て。

 

「えぇ今日の放課後真姫の家に行ってガツンっと一言言ってちゃっちゃと連れ戻してくるわ」

 

「にこちゃん!」

 

「ん?どうしたのよ凛」

 

「真姫ちゃんをお願い」

 

「えぇ任せなさい!」

 

にこはそう言い皆が頷く。

 

「まぁ真姫と対面で話し合うのはにこがてきめんかもね」

 

「そうやね、にこっちと真姫ちゃん案外似た者同士やからね」

 

「ちょっとそれどういう意味よ!?」

 

「えぇそうね、だけど1番の問題が」

 

「無視!?」

 

「雄介君やね?」

 

「えぇ今回の事で本当に雄介は私達と会わないかもしれないわ」

 

「絵里ちゃん」

 

ことりは絵里を呼び

 

「ゆーくんの事私に任せてくれないかな?」

 

「ことり」

 

「私がゆーくんを説得して必ず皆の所に連れてくるよ」

 

「でもいいの?あなたあの時雄介に」

 

絵里の言葉にうつむくことりあの時の雄介の前に立ち払いのけられ拒否されたあの日だけどことりは真っ直ぐ前を見て

 

「あの時ゆーくんは本当に怖くて何も出来なかったでも今は違うよ私はゆーくんに戻って来て欲しいから全力でゆーくんに今の私達の気持ちをぶつける!」

 

ことりの意思に絵里は

 

「そう、強くなったのねことり」

 

「絵里ちゃん」

 

「わかったわじゃああのバカをちゃんと連れ戻して来てね!」

 

「うん!」

 

「ことりちゃん!」

 

突然凛がことりを呼び

 

「凛も一緒にゆーすけの所に行っていいかな?」

 

「凛ちゃん・・・勿論だよ!」

 

「ありがとう!ことりちゃん!」

 

凛は笑顔でそう答えた。

 

「凛ちゃん本当に雄介君の事大好きなんやな~」

 

「本当にねことりもそうだけど本当にこの2人を悲しませたんだからちゃんと戻って来て謝りなさいよバカ雄介そうじゃないと許さないんだから」

 

「あはは怖いなぁえりちは」

 

そう話していると学校の予鈴がなる。

 

「時間ね・・・皆やる事は決まった皆の検討を祈るわ」

 

 

 

時間は放課後にこは真姫の家に向かいことりと凛は雄介の家に向かう。

 

「行ったようね」

 

「そうやね・・・最悪の方に転がらなければいいけど」

 

絵里と希が話している中突然花陽の携帯が鳴り出す。

 

「っ皆!未確認が現れたって情報が!」

 

「なんですって!?」

 

「近いんか?」

 

「ううんここから結構離れている場所」

 

「ならここらは安心やね」

 

「・・・ねぇ未確認が出たって事は雄介はそこに向かうわけだよね?」

 

穂乃果が不安そうな顔で皆に問いかける。

 

「えぇそうだと思いますが」

 

「ことりちゃん達そこに向かわないかな?」

 

「っいくらなんでもそんな事は・・・・」

 

だが皆が思った事は一緒だった今のことりと凛なら向かう可能性が高いと。

 

「ねぇ私凛ちゃんに連絡してみるね?」

 

花陽は凛に連絡を取るが一向に繋がらないそしてコール中ブツっと切られた。

 

「駄目!凛ちゃん出ない!」

 

「こちらも同じですことりに掛けたのですがコール中に切られました」

 

「・・・まさかあの2人」

 

「行ったって事やろね」

 

「っ!今すぐ連れ戻さないと!」

 

「待ち!海未ちゃん!このどしゃ降りでしまいには携帯も繋がらんこの状態でどう探すんや!」

 

「ですがこのままでは!」

 

「海未ちゃん一端落ち着こ」

 

「穂乃果!?でも」

 

「確かにことりちゃん達はそこに向かったかもしれないけど進んで危険な事はしないと思うだから信じよことりちゃんと凛ちゃんを」

 

「っわかり、ました」

 

「・・・穂乃果」

 

穂乃果の言葉に絵里は多少とも驚いていただが1つ確信もあった穂乃果はどこかで信じているんだ雄介の事をあの2人を絶対に守ってくれる事をだから穂乃果はあぁ言ったんだと絵里は思った。

 

「穂乃果何だかんだ言って信じてるんじゃない・・・雄介の事」

 

「ん?なーんの事かなーえーりちゃん」

 

ニシシっと笑う穂乃果に少し苦笑いをする絵里。

 

「(雄介、皆あなたの事信じてるのよだからちゃんと無事にことりと凛と帰って来るのよ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し戻りことりと凛は雨の中傘をさし雄介を探していた。

 

「ねぇことりちゃん」

 

「ん?どうしたの凛ちゃん」

 

「ゆーすけ大丈夫かな?」

 

「えっ?」

 

「だって最近のニュースで未確認と白い4号が争っているって聞くけど白い4号ってクウガのあの白い姿だよね?」

 

「うん、そうだと思うけど」

 

「ゆーすけのあの姿になる時って怪我とかした時になる姿だよね?だとしたらゆーすけ怪我しながら戦っているのかな?」

 

雄介が戦いに敗れる度に白い姿になった時を思いだしずっと心配しているようだった。

 

「凛ちゃん・・・大丈夫だよゆーくん怪我したらすぐ治っちゃう体してるでしょ?だから大きな怪我はしてないと思うよ」

 

「でも、じゃあどうして」

 

「多分心の問題かな」

 

「えっ?心の問題?」

 

「・・・うん」

 

ことりはまだ雄介が赤いクウガになれない時雄介の意思がまだ決まってない時だがあの時μ'sの皆と約束を交わし雄介の戦う意思が芽生え覚悟を決め始めて赤いクウガになれただから今回は雄介の意思が揺らいで本来の姿になれないんだとことりは考える。

 

「ゆーくんの戦う気持ちが問題だと思うの」

 

「ゆーすけの気持ち?」

 

凛が疑問に思っているとことりの携帯の通知音が鳴る。

 

「・・・凛ちゃんこの近くに未確認生命体が出現したって今通知が来たんだけど」

 

凛に携帯を見せ

 

「てっ事はゆーすけもそこに?」

 

ことりは頷く。

 

「どうしようでも行くのは危険だし」

 

凛が悩んでいると凛の携帯が鳴り出す。

 

「かよちんからだ」

 

「多分未確認生命体が出た事だと思う」

 

ことりの携帯からも海未から着信が来る。

 

「っごめんかよちん!」

 

凛は着信を拒否し携帯の電源を切る。

 

「凛ちゃん」

 

「ゆーすけに会いたいんだもんここから引き下がる訳にはいかないよ」

 

凛の言葉にことりは頷き

 

「凛ちゃん・・・じゃあ私も」

 

海未からの着信を切り携帯の電源も切る。

 

「ことりちゃんここから近いんだよね未確認が出た所」

 

「うん・・・そうだね」

 

「なら行こうよそこにゆーすけがいるなら凛ゆーすけに会いたい」

 

「うん、私も!」

 

そう言いことりと凛は未確認が出現した場所に走り出して行った。

 

 

 

 

ことり達が未確認生命体の情報が入る少し前橋の下にある工場現場にいる人達が働いている中一人の作業員が何かが近づいてくるのを見つける。

 

「おい、何かいるぞ」

 

「えっなに?」

 

こちらに猛スピードで向かってくる物体が目に見え様子を伺っていると

 

「っうぁ!」

 

一人の作業員が突然声を上げ隣にいた作業員見ると

 

「う、うわあぁぁぁーーー!!!」

 

首から上がなくなったおり腰を抜かす

 

「サァツギハオマエダ」

 

作業員の顔を持ったネズモがそれを投げ捨て作業員に襲いかかる。

 

 

 

通報を受け現場に向かう雄介

 

『中野・・・本当に大丈夫か?』

 

「はい、出来るだけやってみます!」

 

雄介はそう言いアクセルを回しスピードを上げ現場に向かう。

 

「ここだな」

 

雄介が現場に到着しバイクを止めそこの工事現場に向かうすると

 

「っだ、大丈夫ですか!?」

 

そこには未確認にやられたのであろう作業員の全員が倒れ死んでいた。

 

「くっそ!」

 

雄介は一条に連絡を取ろうとバイクの元へと戻ろうとした瞬間

 

「キィエー!」

 

「なっ!」

 

突然現れたネズモにキックされ雄介は吹き飛び川に落ちる。

 

「クウガマタジャマシニキタノカ?」

 

「ってめぇ」

 

雄介は起き上がりベルトを出現させ変身ポーズを取る。

 

「変身!」

 

その言葉と同時に雄介の体は変化しクウガに変わる・・・だが

 

「フッヤッパリシロカ」

 

クウガの姿は前に戦ったまま白色の状態だった。

 

「っこのままでも充分だ!行くぞ!」

 

クウガはネズモに向かってジャンプしそのままネズモにパンチを食らわすが

 

「フン!キカンナクウガ!」

 

ネズモはクウガの腕を払いのけ爪でクウガの体を攻撃する。

 

「うあぁぁ!」

 

ネズモに攻撃された場所から血が吹き出る。

 

「がっくっそ!」

 

「ハハッマダマダイクゾ!」

 

ネズモの攻撃が激しくなりクウガは防戦一方だ。

 

「キィエー!」

 

「ぐぁっ!」

 

ネズモに腹部を蹴られ転がり回るクウガ。

 

「オマエガナゼホンライノチカラガモドランノカソンナノモウドウデモイイ・・・シネ!」

 

ネズモはクウガに向かって腕を一直線に突きクウガの体を貫通させる。

 

「がっ・・・ごふっ」

 

「サラバダクウガ!」

 

腕を引き抜きクウガを川に投げ飛ばす。

 

バッシャーンと音を立ててクウガは川の中へと沈んでいった。

 

「ハハハッモウダレモゲゲルヲジャマスルモノハイナイハーハッハッハッ」

 

ネズモは高笑いをしながらその場から姿を消した。

 

 

 

数分後ことりと凛がその現場に到着し辺りを見渡すと

 

「ひどい・・・沢山の人が」

 

「ゆーくん大丈夫かな?」

 

ことりと凛が雄介を探して辺りを見渡す

 

「ねぇことりちゃんあれ」

 

「えっ?」

 

凛が指を指す方向に柱にもたれかかっている雄介を見つける。

 

「ゆーくん!」

 

「ゆーすけ!」

 

ことり達が雄介の元へと走っていくそしてその呼び掛けに雄介も2人の事を気付き

 

「ことりちゃんと凛ちゃん?」

 

意識が朦朧としている中雄介は2人の姿がだんだんわかるようになる。

 

「2人ともどうして?」

 

「そんな事よりゆーくん怪我が!」

 

雄介の状態を見てみると引き裂かれた傷が数ヶ所あり腹部は貫通され血が流れている。

 

「大丈夫だ・・・よこれくら・・い」

 

「大丈夫じゃないよ!今すぐ病院に!」

 

ことりが病院に連絡を取り凛は雄介の体を冷やさないため傘をさす。

 

「ゆーすけ死なないでよ・・・ねぇ!」

 

「りん・・・ちゃん」

 

雄介はそう言い意識が途切れる。

 

「ゆーすけ!」

 

「ゆーくん!」

 

2人の呼び掛けも聞こえず雄介は目を閉じた。

 

 

 

数時間後病院に運ばれた雄介は集中治療室へ運ばれることりと凛は椅子に座り雄介の無事を祈る。

 

「ことりちゃんゆーすけ・・・大丈夫かな?」

 

「大丈夫だよきっと」

 

そう話していると治療室と書いてあるランプが消えその中から椿が出てくる。

 

「椿先生!」

 

「ゆーすけは無事ですか!?」

 

2人が椿に詰めより驚く椿。

 

「おっおおぉう大丈夫だ奴のベルトの力のお陰で治療がすぐに終わった」

 

「そっか無事なんですね?」

 

「あぁここに運ばれた時にはもう腹部の傷は大胆ふさがっていたからな」

 

「あんなに大きな怪我だったのに」

 

「まぁなんだあいつももう意識が戻ってるし会ってくるか?」

 

「えっもう意識が?」

 

「あぁ治療中に目ぇ覚ましてびっくりしたわ」

 

「ゆーすけすごいにゃ」

 

「とりあえず部屋うつしかえるからちょっと待っててな」

 

そう言い椿は治療室へと戻って行った。

 

「ゆーくんとりあえず無事で良かったよ」

 

「うん本当に」

 

ことりと凛は安堵な表情をし椅子に座る。

 

「あっ君達とりあえず中野を移動させるから」

 

そう椿が言い担架で運ばれる雄介をことりと凛が一緒に向かう。

 

「ことりちゃん凛ちゃん」

 

「ゆーくん良かった」

 

「ゆーすけ」

 

2人の表情を見た雄介は何にも言えず腕で顔を隠す。

 

病室に着き担架からベッドに移動する雄介

 

「ありがとうございます椿さん」

 

「お礼はこの2人に言いな2人がお前を助けたんだからな」

 

そう言い椿は部屋を後にする。

 

「ことりちゃん、凛ちゃんその・・・何て言えばいいかその、ありがとう助けてくれて」

 

雄介はお礼を言ったと同時に

 

「ゆーすけ!」

 

「ゆーくん!」

 

2人に抱きつかれ戸惑う雄介

 

「えっ!?2人とも!?あの」

 

「本当に心配したんだから!バカゆーすけ!」

 

「本当だよゆーくんのバカ!」

 

2人は雄介の中で泣いていた以前の事件の事それに今回の事沢山心配を掛けて雄介は申し訳なさそうな表情になる。

 

「(俺はまたこの子達を・・・)」

 

雄介は2人が落ち着くまで抱きしめていた。

 

 

「2人共ごめんな俺・・・皆に会わせる顔ないのに」

 

ことりと凛が泣き止み雄介が2人の顔を見て謝る。

 

「ゆーくん・・・」

 

「でもゆーすけ凛達の所に戻って来てくれるよね?あの時の事は皆にちゃんと謝ればみんなだって」

 

凛の言葉に雄介は顔を横に振る。

 

「えっ?どうして」

 

「俺・・・戻れないよ皆を傷つけてそれにラブライブの予選も俺のせいで・・・だから」

 

「予選の事は関係ないよ!あれは未確認が来たから、だからあれはゆーすけのせいじゃないよ!」

 

「ううん結局は皆のライブを守れなかった俺の責任だしそれにあの時は本当に未確認を倒す事しか考えてなかったから周りの事はなにも見えなかったんだ」

 

「そんな・・・でもあの時ゆーすけが来なかったら皆未確認に殺されてたのかもしれないんだよ!だから!」

 

「凛ちゃん」

 

「っ」

 

「ごめんな」

 

「どうしても、どうしても凛達の所へ戻って来てくれないの?」

 

凛の言葉に雄介は顔を縦に振る。

 

「そんな・・・そんな事凛は絶対認めないよ!」

 

凛はそう言って勢いよく部屋を出ていった。

 

「ゆーくん」

 

「いいんだ今の俺じゃあ皆の笑顔を守れる自信がないんだ」

 

「ゆーくんどうして・・・どうして何もかも1人でせよいこもうとするの?」

 

「ことりちゃん」

 

「ねぇ私達そんなに頼りないかな確かにゆーくんのように戦う力はないよだけどねゆーくんの笑顔は私達が守りたいと思ってる」

 

「俺の・・・笑顔?」

 

「ゆーくんが私達の笑顔を守ってくれるように私達は私達なりにゆーくんの笑顔を守りたいだからライブで最高のパフォーマンスを見せてゆーくんを元気にしたい」

 

「何で?でもそれは」

 

「私達スクールアイドルはライブ会場にいる人達を喜ばせたいでもね前に穂乃果ちゃんが言ってたしでしょ?一番に見せたかったのはゆーくんだって」

 

「俺の・・・ために」

 

「うん」

 

「でも俺そんな資格あるのかな?皆を傷つけたこんな俺に」

 

「ゆーくん」

 

「いつも戦う時俺はμ'sの皆の笑顔があるから戦ってこれたんだでも今は変身する度に脳裏に浮かぶのは皆の悲しい姿しか写らないんだ」

 

「(やっぱりそれでゆーくん白いクウガにしかなれないんだね)」

 

「皆を傷つけた俺にμ'sの笑顔を守る資格なんてない!」

 

そう言う雄介にことりは雄介の手を取り自分の胸に当てる。

 

「っことりちゃん!?」

 

雄介は手を引っ込めようとするがことりはその手を離さない。

 

「ゆーくんわかる?私の鼓動」

 

「う、うん」

 

「これはねいつもゆーくんが戦う度に鼓動が早くなってでも今は落ち着いてるそれはゆーくんが今ここにいるから」

 

「ことり、ちゃん」

 

「ゆーくんが未確認と戦って大怪我した時いつも心臓が破裂しそうにドキドキするのでもこうやって近くにいて話して触れあってだから安心する」

 

ことりは雄介を抱き締める。

 

「ねぇ私ゆーくんがいないとこんなにも心が脆いんだよ

だから私達のそばにいてよ」

 

「みんなの・・・そばに?」

 

「うん、それとね寂しいのは私だけじゃないんだよ皆ゆーくんの帰りを待ってる」

 

「皆が?」

 

「うん、穂乃果ちゃんも海未ちゃんも凛ちゃん花陽ちゃん真姫ちゃん絵里ちゃん希ちゃんにこちゃんそして私みーんな待ってるだから帰って来てもう一度やり直そう?私達μ'sとそしてそのμ'sを支えてくれるゆーくんと」

 

「俺・・・は」

 

「ねぇゆーくんの気持ちを教えて?責任とかじゃないゆーくんの本音を」

 

ことりの言葉に雄介は涙を流し

 

「戻りたい!戻ってもう一度μ'sの皆と一緒にいたい!」

 

「うん・・・うん」

 

「そしてμ'sのライブを一番近くで見守りたい!」

 

ことりは雄介の頭を撫で

 

「じゃあもう大丈夫だよね?もう私達の前からいなくなったりしないよね?」

 

「うん必ず」

 

「じゃあ指切りしよ」

 

そう言いことりは小指を立てる。

 

「2回目の約束もう絶対に破らないでね」

 

「うん約束するよ」

 

そう言いって雄介はことりの小指を自分の小指を絡ませ約束をする。

 

 

 

病院の外のベンチで座っている凛。

 

「(どうしよ勢いよく飛び出しちゃったけどでも凛はゆーすけを)」

 

1人で悩み頭を掻いていると凛の背後からゆっくり近づく者がいる。

 

「(やっぱりもう一度ゆーすけの所に)」

 

凛は後ろにいる人物に気づかずその者は凛の背後にぴったりと近づきそして

 

「だーれだ?」

 

「にゃあぁぁ!?」

 

後ろから凛の胸をわしづかみし跳び跳ねる凛。

 

「ってゆーすけ!?」

 

後ろを振り向くと雄介がいてさらに驚く凛。

 

「ど、どうして?」

 

「どうしてってさっき凛ちゃんに悪い事したしまだいるかなーと思ったらベンチに座って考え事してたから驚かそうと」

 

「驚かそうとするなら普通胸は揉まないにゃそれにいつまで凛の胸触ってるの?」

 

凛はジト目で雄介を睨み雄介は

 

「っとごめんごめん」

 

雄介はパッと自分の手を凛から放す。

 

「それにしても意外だよなぁ昔の凛ちゃんだったら胸を触った瞬間ビンタが飛んでくるのに今回はそれはなかったから」

 

「それはゆーすけが特別だからだよ」ボソッ

 

「ん?何か言った?凛ちゃん」

 

「な、何でもない!とにかく不用意に凛の胸触るの禁止ね!」

 

「え~俺凛ちゃんのおっぱいさわり心地よくて好きなんだけどな~」

 

「な、な、なにいってるにゃー!」

 

そう言って雄介をポカポカ叩く凛。

 

「わわごめんごめんって」

 

「も~また凛ちゃんを困らせてたのゆーくん?」

 

ことりも雄介達の所に来て2人のやり取りを見て大体予想はできるようだ。

 

「いやいやこれはスキンシップで」

 

「どこがスキンシップにゃ!ゆーすけのエッチ!」

 

「もぅ凛ちゃんを困らせたら駄目だよゆーくん」

 

「ふぇ~い自重します」

 

「絶対嘘にゃ」

 

そう言って凛は雄介の顔を見て

 

「なんだかゆーすけが帰って来たみたいことりちゃんに叱られたの?」

 

「ん~まぁそんな所かなでもことりちゃんもおっぱい触らせてくらたし最高の気分」

 

「もう!ゆーくん台無し!」

 

でもっと雄介は続け

 

「お陰で目が覚めた2人のお陰だ」

 

「帰って来てくれるんだねゆーすけ」

 

「うん」

 

「じゃあ言わせて」

 

「ん?」

 

「あっ凛ちゃん私も」

 

そう言ってことりと凛は雄介の前に立ち

 

「「お帰りなさいゆーくん(ゆーすけ)」」

 

2人で左右の雄介手を握り最高の笑顔を見せる。

 

「うん・・・ただいま!」

 

雄介も今一番の笑顔を見せるそして空は暗い夜から太陽が登り青空が広がった。

 

 

 

翌日の早朝雄介が退院する準備をしている中携帯電話が鳴る。

 

「一条さんからだ・・・はいもしもし」

 

『中野か!未確認生命体が現れた・・・いけるか?』

 

「はい・・・行けます!」

 

雄介の返事に驚く一条。

 

『中野・・・お前』

 

「一条さん場所は!?」

 

『あ、あぁ場所はー』

 

一条から事件の現場を聞き雄介は病院を出る。

 

「あっことりちゃんに凛ちゃん」

 

雄介がバイクに乗り掛かろうとした時ちょうどことりと凛が雄介を迎えに来た。

 

「ゆーくんもしかして・・・未確認?」

 

「・・・うん連絡が来たんだ行かないと」

 

「ゆーすけまた怪我しないでね」

 

雄介は凛の頭を撫で

 

「大丈夫ちゃんと帰ってくるよ」

 

凛は頷き

 

「ゆーくん!約束したからね!絶対に帰ってきてね」

 

雄介はことりにサムズアップをしヘルメットを着けバイクに乗り走って行った。

 

「頑張ってゆーくんここで待ってるから」

 

 

 

一条に聞いた現場まで近くに来た頃銃声が鳴り響く。

 

「もう警察の人達が未確認と」

 

雄介は急いで向かうためバイクのスピードを上げる。

 

 

「射て!射て!」

 

警察達がネズモに向け発泡するが

 

「ソンナモノキクカ!」

 

ネズモは警察達に襲いかかり

 

「うわぁ!」

 

「た、助けて!」

 

次々にネズモの攻撃により倒れる警察達。

 

「オマエラヲコロシオレモモウイチドゲゲルニ!」

 

「い、いやー!」

 

次々と警察達を殺していき最後の1人になろうとした瞬間車を飛び越えネズモにバイクで体当たりをする。

 

「グギャア!?」

 

ネズモは倒れバイクが止まる。

 

「大丈夫ですか!?」

 

雄介はヘルメットを取り生き残った警察に話掛けるがどうやら気絶しているようだった。

 

「キサマァ」

 

ネズモはゆっくり立ち雄介を睨む。

 

「これ以上お前の好きにはさせない!」

 

雄介は自身の体からベルトを出現させ変身のポーズを取る。

 

「フッショセンシロシカナレナイオマエニコノオレガタオセルトオモウカ!?」

 

「なーんか大体予想できる事言ってる気がすんなぁ」

 

「シネェ!」

 

ネズモは雄介に目掛け走り出す。

 

「変身!」

 

雄介は掛け声と共にネズモに向かって行く。

 

「うぉりぃやぁ!」

 

雄介はネズモの攻撃を交わしネズモの顔に目掛け全力のパンチを食らわす。

 

「ギャアァ!」

 

雄介のパンチに吹き飛び壁に激突するネズモ。

 

「(ナッナンナンダヤツノコウゲキハ!?イママデトハクラベモノニ・・・ハッ!」

 

ネズモは顔を上げると目の前には今までの白いクウガではなく赤い姿をしたクウガが立っていた。

 

「アカイ・・・クウガ」

 

クウガは自分の姿を見て

 

「力が戻ってるこれなら・・・行ける!」

 

クウガはネズモに向かってジャンプしパンチを繰り出した。

 

「グッ!」

 

ネズモは咄嗟にガードするがクウガは力を緩めずそのまま押しきる。

 

「うおぉぉぉ!」

 

「ナッバカナ!」

 

ネズモのガードを崩しクウガはネズモの体に強烈の一撃を与える。

 

「ギャアァ!」

 

ネズモは衝撃で倒れ悶え苦しむ。

 

「クッモウスコシデ・・・モウスコシデオレノゲゲルガセイコウスルトコロダッタノニ!」

 

ネズモは血相を変えクウガに迫るだがネズモの攻撃を避けクウガはネズモの手を取り

 

「お前が発した''ゲゲル''って言葉そんなものの為に沢山の命を奪い」

 

クウガはネズモを引っ張りエルボーを食らわし

 

「グホッ!」

 

「その死んだ人達の中に沢山の人達が涙を流した!」

 

クウガはネズモの手を持ちながらぐるぐるとネズモを回し

 

「うおぉぉぉ!」

 

そして勢いよく投げ飛ばし

 

「だから必ず俺がお前達を止めて見せる!」

 

クウガは構え右足に炎が宿りジャンプする。

 

「マ、マテ!」

 

「うぉりぃやぁーーー!!」

 

クウガのマイティキックがネズモに直撃しネズモはさらに飛んでいきクウガは陸に着地し

 

「俺がクウガであるかぎり」

 

ドォーンっと空高くネズモが爆発しクウガはゆっくり立ち上がる。

 

「ふぅ」

 

クウガは爆発した空を見上げ1つの脅威が去り安堵のため息をもらす。

 

 

 

ことりと凛が病院の外のベンチで雄介の帰りを待っている中バイクの走る音が2人の耳に入り

 

「ことりちゃん!ゆーすけ帰って来た!」

 

「うん!」

 

ことりと凛は立ち雄介は2人の前でバイクを止めヘルメットを取りサムズアップを向けた。

 

「お帰りなさいゆーくん」

 

「お帰りゆーすけ」

 

ことりと凛もサムズアップし雄介に笑顔を向ける。

 

「うん、ただいま!」

 

するとことりと凛は雄介の手を持ち

 

「さぁゆーくん行こ」

 

「えっ行くってどこに?」

 

雄介は首を傾げ

 

「決まってんじゃん学校だよ!」

 

凛がニカっと笑い雄介の手を引っ張る

 

「あぁ!ちょちょわかった、わかったから引っ張んないでくれ~」

 

ことりと凛に引っ張られるように連れられ学校に向かうのであった。

 

 

 

雄介一同が学校に着きそのまま屋上へと向かう。

 

「屋上?皆練習してるのか?」

 

雄介がそう思っている内に屋上のドアの前に来ると

 

「みんなー!帰って来たにゃー!」

 

凛は勢いよくドアを開けるとμ'sの7人が並んで待っていた。

 

「みんな」

 

雄介が久しぶりに会うメンバーに少し俯く。

 

「なぁーに俯いてんのよあんたらしくない」

 

「にこ」

 

「ことりと凛が必ず連れ戻してくるって言ったんだから皆ここで待っていたのよ」

 

「そう・・・なのか」

 

「まだ責任を感じているのですね」

 

「まぁ・・・ね」

 

「確かにあの時の行いは目に余る物がありました・・・ですがその後も貴方はこの街を守る為に戦ってくれてただから私は貴方を誇りに思います」

 

「海未ちゃん」

 

「雄介・・・正直あの時の貴方は怖かったわでも最後まで信じている2人を見て私は思ったもう一度雄介を信じてもいいんじゃないかって、だから雄介もう一度私達の元へ来てくれないかしら」

 

「絵里」

 

「今回雄介君の行動次第でμ'sの運命は大きく変わっていたでもちゃんとうちらの元へと来てくれたちゅうことはうちらはもう一度やり直せるそうやろ?」

 

「希」

 

「雄介君が皆を傷つけた事は多分一生忘れられないと思う・・・でもそれ以上に私達は雄介君に助けられてきただから辛い事を一緒に乗り越えて行きたいと私は思う」

 

「かよちゃん」

 

「私は・・・今でもあなたを許せないわ大切な友達を傷つけたあなたを・・・でもそのせいで私は皆に八つ当たりをしてしまっただから一緒に謝りましょ雄介」

 

「真姫ちゃん」

 

「それに今ここに居られるのは貴方のお陰でもあるから本当は私も貴方には帰って来てほしいと思っていたわ」

 

「ちょっと真姫ここでツンデレかまさなくてもいいから」

 

「ちょっとにこちゃん!」

 

「聞いてよ雄介この子ここに連れてくるためにどんだけ時間かかったか」

 

「ちょっそれ言わなくてもいいから!」

 

にこと真姫があーだこーだ言って埒があかない状態で

 

「はいはい夫婦喧嘩はまた今度な」

 

「「誰が夫婦喧嘩よ!」」

 

2人の言葉がはもり一同が笑う。

 

「ねぇ雄介・・・一度すれ違ったらわかった事が1つだけあるんだ」

 

「穂乃果ちゃん?」

 

穂乃果は雄介の前に立ち。

 

「やっぱり私達雄介がいないと寂しいや」

 

穂乃果がニカッと笑い雄介も

 

「あぁ・・・俺も」

 

雄介は皆の顔を見て

 

「皆この間の事は本当にごめん!皆を傷つけライブも台無しにして・・・でも俺頑張るから!もう一度皆の居場所・・・そして皆の笑顔を守る為に!だからもう一度皆の側に居てくれる事を許して欲しい!」

 

雄介は頭を深々と下げると

 

「そんなの決まってんじゃん」

 

穂乃果が皆の顔を見て

 

「「お帰り雄介ゆーくん!ゆーすけ!雄介君!」」

 

皆は一斉に雄介に抱きつく

 

「うわぁっと・・・へへっただいま」

 

皆の笑顔と共に帰って来た雄介空も雨が上がり青空が広がっていく。

 

 

ー第10話 笑顔endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回も超遅くなっちゃいましたがまだまだこれからも続き頑張って行きます!


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第11話 強敵?

これまで暗い話とは違い今回はスーパーギャグ回を書きます。
雄介達は海に合宿に向かいそこでも色んな事件が勃発する。
それでは第11話始まります。



空は晴れ太陽が輝きそして辺り1面は

 

「うーみだー!!」

 

そう海に叫ぶ1人の男の名前は中野雄介

スクールアイドルμ'sのマネージャーで彼にはもう1つの姿があり世間では未確認生命体第4号と呼ばれ未確認生命体と戦う戦士クウガである。

 

「まだかなまだかなぁ」

 

雄介は辺りをキョロキョロし見渡す辺りには海水浴で来た人達がいっぱいでそこには溢れんばかりの水着!水着!である。

 

「ゆーすけお待たせにゃー」

 

「ごめんねー結構混んでてさー」

 

雄介は自分の名前を呼ばれ瞬時に振り向く。

 

「お、おおおおぅ」

 

そこにいたのは9人の女神達そして雄介の目に写るのは女神達の水着姿だぁ!

 

「あぁ来てよかった夏の海そして皆の水着姿いやー眼福眼福」

 

「なにか視線がいやらしいのですが」

 

「えっ!いやいやいや気のせいだよ気のせい」

 

雄介はそう言いバックから何かを取り出す。

 

「さぁ!皆海といえば紫外線みんなの肌がやけちゃわないようにちゃーんと持ってきたよ」

 

雄介が皆に見せたの日焼け止めだった。

 

「これでみんなの肌を俺がn」

 

「お断りします!」

 

「雄介の事だしぜーたいっ持ってきてると思った」

 

「それを見越して皆もう塗ってあるし」

 

「そ、そんなこの時の為に高い奴買ったのに」

 

雄介はガクンっと膝を着きただただ涙を流すしかなかった。

 

「はいはいほら、私達は遊びに来たんじゃないからそろそろいくわよ」

 

絵里が言うよう今回μ's達が海に来た理由は遊びに来たわけじゃなく合宿に来ていた。

 

そして時は3日前に戻る。

 

「みんな!合宿よー!」

 

絵里が突然叫びみんなが唖然とする。

 

「合宿っていきなりどうしたのよ絵里?」

 

「私達がもう一度ライブやれるって事でこの夏休みみっちり行こうと思うの」

 

「あ、あのそれはわかるんだけどどうして合宿?」

 

「よく聞いたわ花陽、皆もわかると思うけど私達はチャンスをもらって今があるわそれで今回の合宿でみんなともう一度新曲でラブライブに挑もうと思うの」

 

「新曲かぁ私はいいと思う!」

 

穂乃果が食い付き

 

「でも合宿先はどうするの?正直今回は私の別荘無理よ」

 

真姫が髪をくるくる回し言う。

 

「大丈夫よ今回は理事長に頼んでいい所を選んでもらったわ」

 

「いつのまに・・・」

 

ことりが少し呆れ。

 

「場所は海そして海の家でお手伝いありの住み込み合宿よ」

 

「「えぇー!!??」」

 

「お手伝いありって!?」

 

「どういう事よ絵里!?」

 

「どういう事って泊めてもらう代わりにお手伝いありって事よ」

 

絵里がしれっと言い皆がポカーンと口を開けていた。

 

「みんな納得してないって顔してるけどお手伝いしているついでにお客さんの人達に私達スクールアイドルをもっと知ってもらう為に宣伝するのもありだと思うのよ」

 

「それもあり・・・かもね」

 

「さすが絵里と言ったところでしょうか」

 

皆が徐々に納得していく中これまでなにも言わなかった雄介が挙手をする。

 

「絵里!質問があります!」

 

「なにかしら?」

 

「海だよね!」

 

「え、えぇ」

 

「よし!わかった皆行こうμ'sのライブを成功させる為に」

 

1人燃えている雄介が皆別の意味で燃えている事は簡単にわかった。

 

「ま、まぁ皆とりあえずどうかしら今回の合宿?」

 

「うん、いいんじゃないかな最高のライブを作る為にやろう!みんな」

 

穂乃果の言葉に皆が頷いた

 

と、今の時間に戻り。

 

「ほら雄介もへこたれてないで行くわよ厨房係さん」

 

「ふぁ~い」

 

絵里が言うよう今回の手伝いは海の家でμ's達が接客し雄介が厨房の人と調理係だ。

 

最初雄介はこの係に納得していなかったものの皆の説得+梓に''お話''をされ渋々納得した。

 

「すみませーん予約した音乃木坂からきたものですがー」

 

海の家に着いたμ's達は店の中に入り訪ねるすると

 

「やぁ君達が音乃木坂の待ってたよ」

 

店の奥から出てきたおばあさんに皆お辞儀する。

 

「今日はよろしくお願いします!」

 

「えぇ皆にはがんばってもらうよ後それと厨房に立って手伝ってくれる子は?」

 

「あっはい俺です」

 

「あぁ君ねちょっと待っててねおーいあんた!」

 

おばあさんが店の奥に叫ぶと

 

「あいよー」

 

すると奥からおじさんが出てきて

 

「この子があんたと一緒に手伝ってくれる子よ」

 

「おぉ兄ちゃんが今日は1日よろしくな!」

 

「あっはいよろしくお願いします」

 

雄介とおじさんが握手し

 

「さぁもう店を開ける時間だ行くぞ兄ちゃん」

 

「えっちょちょ力つよ!?」

 

雄介は引っ張られるように厨房の中へと消え

 

「さぁ君達そろそろ開店の時間だ皆頼むよ~」

 

おばさんが皆に店のエプロンを渡し

 

「「はいよろしくお願いします!!」」

 

そしてμ's+雄介の海の家のお手伝いが始まった。

 

「はい!焼きそばとかき氷ですね少々お待ちください」

 

「9番テーブル焼きそばと生ビールおふたつずつ入りましたー!」

 

「はいよ!焼きそばとビール上がり!」

 

「こっちも注文入りましたー!」

 

「あいよ!兄ちゃん急いで!」

 

「は、はい!焼きそば一丁上がりです!」

 

「ゆーすけかき氷2つよろしく!」

 

「お、おう!かき氷2つね!」

 

店の中は大盛況で次々とお客が入ってくる。

 

それはμ'sが働いていると情報が入りそれを嗅ぎ付けどんどんお客が押し寄せてくる。

 

「誰だよ!μ's働いてるって情報流した奴!」

 

「兄ちゃんぐちぐち言ってないで手ぇ動かせ!」

 

「す、すいません!」

 

「ほらオーダー入ったぞラーメン2つだ!」

 

「了解っす!」

 

雄介はがむしゃらに働きμ'sも注文に追われていた。

 

「は、はい生ビール3つですね少々お待ちください」

 

「え、えぇ!?サインですか?今はちょっと」

 

別の意味でも追われていた。

 

お客の勢いが少なくなっていた頃

 

「君花陽ちゃんだよね?俺ファンなんだよね~ねぇサインちょうだいよ」

 

「あ、あの今はすみませんお仕事中なので」

 

「はぁ!?俺は客だぞ!サインの1つや2つ書いてくれたっていいじゃねぇか!」

 

その男は花陽の肩を掴み

 

「きゃっ!」

 

「かよちん!」

 

凛が止めに行こうとした瞬間厨房から割り箸が飛んで来て男の額に当たる。

 

「ぐぁっ!?」

 

「お客さんそういうのは止めてもらえませんか怖がってるでしょ?」

 

「なんだてめぇ!お客様に楯突こうってのかあぁぁん!?」

 

男が迫ってきて雄介も厨房から飛び出し

 

「あぁ!客だろうがなんだろうが大切な友達を怖がらせる奴はぜってぇ許さねぇ!」

 

「うるせぇよただ俺はサインを貰おうとしただけじゃねぇか!」

 

「はぁ!?かよちゃんのおっぱいガン見しながら言ってたじゃねぇか下心丸出しなんだよバーカ!」

 

「な、ち、ちげぇよ別に見てねぇし」

 

「嘘こけエプロンから見えるかよちゃんの谷間見てたじゃねぇか!この変態が!」

 

「う、うるせぇよ見えちまうんだからしょうがねぇだろうが!」

 

「ほら見てた見てたどーせ他の子も見てたんだろ?」

 

「別に見てねぇよ!俺は花陽ちゃんのファンで他のおっぱいなんか興味ねぇよ!」

 

「はぁ!?何言ってんだお前μ'sにはな巨乳美乳貧乳が揃ってるんだそれで他のおっぱいには興味ない?馬鹿かお前」

 

「っそれでも俺は花陽ちゃんのおっぱいが好きだ!」

 

「へっ見てるだけじゃあそれしか言えないわな」

 

「なんだと!?」

 

「俺なんかあの子達のおっぱい触った事あるもんねー」

 

「な、なにぃー!」

 

「特に揉んでいるのはことりちゃんと凛ちゃn」

 

とボカッという音と同時に雄介の言葉が止みゆっくり倒れるとすんごいにっこりした園田さんが木刀を持って立っていました。

 

「ふふっさぁ貴方に選択肢を与えます今ここにいる男と同じようになるかそれともここから立ち去るかどっちかお選び下さい」

 

「す、すいませんでしたー!」

 

男は恐怖のあまりすぐさま店を飛び出すように出ていった。

 

「全くハレンチにも程がありますなんで胸の事で言い争っているんですか!」

 

「海未ちゃん助けてくれたのはありがたいんだけど雄介君気絶してる」

 

「え、えぇまぁ本気で叩いちゃいましたからね」

 

「ゆーくん本当にえっちでバカなんだから」

 

となんだかんだ時間が過ぎて行き夕方になり今日は店は閉店の時間となりこれからμ'sの練習が始まる。

 

「みんな疲れてると思うけどこれからが本番よ」

 

夕暮れの中海水浴のお客がいなくなりμ'sのメンバーが砂浜に並ぶ。

 

「これから練習なんてどんだけハードよ」

 

「まぁまぁ合宿なんやしがんばろうなにこっち」

 

「わかったわよ」

 

μ'sの練習が始まり夜まで続いた雄介はまだ気を失ったままだ。

 

 

練習が終わり海の家のおばさんに用意された部屋に皆荷物を置きにいく。

 

ただμ'sメンバー達は1つだけ不満がある。

 

「ぬぁんで雄介と一緒の部屋なのよー!」

 

そうμ's達に用意された部屋はただ1つ理由は他にも泊まりにくる客人が多数いて部屋があいてないらしい。

 

「まぁまぁ一番でかい部屋なんだからいいじゃないの」

 

へらへらと気絶から復活した雄介が言うと皆睨みつく。

 

「私達に何かしたらわかってるんでしょうね?」

 

「下着1つだけでもなくなったら即疑うから」

 

皆にあーだこーだ言われ雄介はムッとする。

 

「皆そんなに俺が信用できないの?」

 

「当たり前です昼間あれだけ変な会話をした人なんて信用できません!」

 

「それは・・・その」

 

「とにかく!私達これからお風呂入ってくるからぜっったい覗きとか考えないでよ!」

 

真姫からすごい眼力で言われ

 

「・・・はい」

 

雄介は正座で返事をするのでした。

 

 

μ'sの皆が銭湯に行ってから数十分

 

「さてと・・・行きますか」

 

雄介が立ち上がり手には自分の着替えとなぜか望遠鏡

 

「覗くなとか言われると覗きたくなっちゃうのが男の性さ」

 

くくくっと雄介は邪悪な笑みを浮かべ銭湯へと向かう。

 

「よしっ!」

 

雄介はタオルに望遠鏡を隠し男湯へと入るがなんと幸運か入っているお客が誰もいなかった。

 

「なんてラッキーなんだ遅い時間ってものあるけど誰1人いないなんて」

 

雄介はうっきうっきに体を洗い覗ける場所を探す。

 

「んっ?あれ」

 

雄介は男湯と女湯をふさいでいる大きな壁だが木材で出来ているのか小さな隙間を見つける。

 

「おおお!」

 

雄介は即座にそこに向かいゆっくりそこから覗く・・・すると

 

「あばばばばっ見えるっ!見えるぞ!」

 

そこにはお湯に浸かっていたり体を洗うμ's達の姿が!

 

「良い所だねー」

 

「えぇこんなにいい温泉だとは思いませんでした」

 

「それにしても1日目からハードだったわねぇ~」

 

「そうやねぇお店の手伝いそれに練習にこっちもお疲れやろ?」

 

「そうねぇ~」

 

「そんなにこっちにうちからのスピリチュアルなマッサージをしてあげよう」

 

「えっマッサージってっひゃっ///」

 

「ほれほれ効くやろ?うちのマッサージ」

 

「ちょっこれいつものわしわしじゃない!」

 

にこと希がそんなやり取りをしている中ことりと凛も湯船に浸かる。

 

「希ちゃんやりすぎにゃ」

 

「なんや凛ちゃんもやりたいか?」

 

「にゃっ!?遠慮します」

 

「そんな事言わずにいつも雄介君に揉まれてるからなぁ少しは大きくなったかな?」

 

「ちょっ!なにいってんの希ちゃっにゃっ///」

 

凛が最後まで言おうとしたが希が凛の後ろに回りわしわしMAXを凛に喰らわす。

 

「どうや凛ちゃんうちと雄介君どっちが上手や?」

 

「そんなっんっ///事いわれたってぇ///あっ///」

 

それを見ていた皆が思った事

 

「「「(凛(ちゃん)なんかエロい///)」」」

 

希も自分でやっておきながら急に恥ずかしくなる。

 

「と、とりあえず凛ちゃんはここまで」

 

希から解放され肩で息をする凛。

 

「さてと、ことりちゃんもどうや?うちのマッサージ」

 

「い、いや私は遠慮しておこうかな~」

 

「そんな事言わずに衣装係ってものあるし相当お疲れやろ?だ・か・らどやっ!」

 

「希ちゃん!?やっ///」

 

「おぉ前からおもっとたけどやっぱりでかいなぁ~」

 

「希ちゃあんっ///ちょと待ってあっ///」

 

ことり以外の皆が思いました。

 

「「「(ことり(ちゃん)エロい///)」」」

 

「でもことりちゃんも雄介君に揉またれ事あるんやろ~どやうちのわしわしMAXは?」

 

「どうってあっ///いわれてもぉ///」

 

凛とは違い反応を楽しんでいる希に上からザバッとお湯がふり注ぐ。

 

「そこまでよ希」

 

「なんやえりちもう少し楽しみかたっかたのに」

 

桶でお湯をかけられ希のわしわしMAXが止まる。

 

「あっ!ちょっなんで止めんの!」

 

隙間から覗いている雄介の声に一同がざわつく。

 

「ねぇ・・・今雄介の声聞こえなかった?」

 

「えぇ私も聞こえました」

 

雄介はしまったとその場から遠ざかる。

 

「雄介・・・いるの?」

 

雄介は押し黙るここでバレたら確実に殺られる!

 

「まぁ普通は返事しないわね」

 

「今から出て待ち伏せしましょうか?」

 

雄介は即座に銭湯から出ようと忍び足で行こうとした瞬間

 

「きゃあ!」

 

花陽の声に皆そちらに向く。

 

「どうしたの花陽?」

 

「な、なんかニュルって私のお尻に」

 

花陽の言葉に雄介はすぐに隙間を覗く。

 

「気のせいでは?」

 

「ううんそんな事ないと思う」

 

今度は湯船に浸かっていたことりが。

 

「きゃっ///」

 

「ことりちゃん!?」

 

「希またあなたなの?」

 

「いやうちはなにもしとらんよ」

 

「な、なんか私もニュルって」

 

「とりあえずここから出た方がいいわね」

 

湯船に入っているメンバーがでようとすると

 

「にゃあ!?」

 

「凛ちゃん!?」

 

凛が声を上げると凛は身体中に触手のような物が巻きつかれ

 

「何よあれタコみたいな足が!」

 

「まさか未確認生命体!?」

 

その触手は凛の体をズリュズリュと滑り込ませ

 

「んっ///なんか変な感じにゃ///あっ///」

 

そんな光景に

 

「何かエロいわね///」

 

「ちょっとにこちゃんそんな事言ってる場合じゃないでしょ!」

 

そんな中女湯の扉が勢いよく開けられる。

 

「みんな!大丈夫か!?」

 

「きゃあ!ゆーくん!?」

 

「なに堂々と入って来ているのですかあなたは!?」

 

「今そんな事言ってる場合じゃないだろ!凛ちゃんが」

 

雄介は凛の方を見て

 

「あっ///ゆーすけ///みな・・・いで///」

 

「・・・えっろ」

 

「なにまじまじ見てんのよ早く凛を!」

 

「あっあぁ!」

 

雄介は手をかざしベルトを出現させ

 

「変身!」

 

その掛け声と共に雄介の体からクウガへの姿へと変化する。

 

「(クウガ!?)」

 

すると凛に巻き付いていた触手は離れ凛は落下していく。

 

「凛ちゃん!」

 

クウガは走り凛をキャッチする。

 

「ゆう・・・すけ?」

 

「凛ちゃん大丈夫?」

 

「うん、なんとか」

 

「そうか、良かった」

 

先ほど突如現れた触手のような物は水面を覗いても姿形なくいなくなっていた。

 

「なんだったんだあれは?」

 

「あの、ゆーすけ」

 

「うん?」

 

「そろそろおろしてほしいかなって///」

 

「えっ?あっ!」

 

今の状況を見るとお姫様抱っこされている凛が素っ裸で何もかも見えている状態だ。

 

「ご、ごごごごごめん!」

 

クウガは凛を即座におろし後ろを振り向くが

 

「きゃあ!」

 

「ちょっとこっち見ないでよ!」

 

他のメンバーも同じ状態なので

 

「あっご、ごめん!」

 

「謝る暇があったら早く出ていってください!」

 

「は、はい!」

 

クウガは女湯からすぐ出ていくと

 

「きゃあ!何でここに4号が!?」

 

「いやーっ!」

 

別のお客が脱衣場で脱衣中なので

 

「す、すみませんでしたーっ!」

 

クウガはUターンし再び銭湯へ

 

「ちょっ何で戻ってくるの!?」

 

「ゆーくん!さすがに」

 

「ごめん!他の人も入ってくるから」

 

クウガは1つの窓ガラスを見つけ

 

「良しあそこから」

 

クウガは青のクウガに代わり窓を開け

 

「ごめん後で閉めといて」

 

そう言いそこからジャンプし飛び降りた。

 

「ふぅ」

 

クウガから雄介の姿に戻り

 

「寒!そういやぁタオル1枚で来ちゃった」

 

雄介はこのままではまずいと思いもう一度変身しそこから男湯までジャンプし

 

「ふぅここ露天風呂あって良かったぁ~」

 

雄介の姿に再び戻り少し体を温めるため湯船に浸かる。

 

 

雄介が部屋に戻ってくるのや否やすぐにメンバーに捕まり正座させられる。

 

「さぁ!この状況自分で説明できますよね!」

 

凛以外皆怒っている状態で雄介に詰め寄る。

 

「あ、あれは悲鳴が聞こえたから!」

 

「その時男湯にいたの!?」

 

「い、いやぁいなかったよ」

 

「じゃあ何で悲鳴がわかったの!?」

 

「そ、それはちょうど俺も入ろうかなーって時に聞こえたから」

 

「そんな嘘通じるとおもっt」

 

「みんな!もうやめようよ」

 

みんながあれやこれやと雄介に詰め寄る中凛が止めに入る。

 

「凛?どうして」

 

「ゆーすけは凛達を助ける為に来てくれたんだよだからゆーすけを責めるのは凛違うと思う」

 

「凛ちゃん!」

 

うううっと嬉し涙を流す雄介。

 

「で、でも見られたんですよ!私達のはだ、はだ・・・あぁハレンチですぅ///」

 

「それはまぁ///」

 

「まぁ今回は緊急事態って事でこれ以上雄介を責めるのはやめましょ」

 

「えっ!マジで!?」

 

「えぇ雄介が来たことで誰も怪我がないことは事実だし今回は特別ね」

 

「ありがとぉ絵里ぃ」

 

雄介が絵里にお礼を言うとずいっと人差し指が雄介の顔の前に止まり。

 

「た だ し本当にエッチな目的で私達の近くにいた事がわかったらその時は・・・わかってるでしょうね?」

 

「は、はい」

 

「うんよろしい」

 

絵里の威圧で冷や汗を流す雄介

 

「(絶対にバレたら殺される)」

 

雄介がそう思っていると皆布団を敷き始める。

 

「あれ?もう皆寝るの?」

 

「まぁ明日も早いからね」

 

「まぁそれもそうか」

 

雄介も布団を出そうと押し入れに近づき布団を掴もうとしたら海未に手を掴まれ

 

「ん?どうしたの海未ちゃん?あっもしかして一緒に寝たいとか?」

 

「いえ貴方の寝る場所に案内しようと思って」

 

そう言って柱のある場所に座らされどからか出してきた縄を雄介に見せ

 

「雄介少し我慢してくださいね」

 

「へっ?」

 

海未は雄介の体を柱にくっつけ縄をぐるぐると回して最後にはがっしりと縛る。

 

「よしこれでいいですね」

 

「良くない!これなに!?」

 

「貴方には朝までそのままでいてもらいます」

 

「どういう事!?」

 

「当然でしょう殿方ましては貴方のような変態と一緒に寝て誰か襲われたらどうするんですか?」

 

「そんな事するわけないっしょ!ねっみんな?」

 

みんなの方に顔を向けるが誰も顔を合わせてくれない。

 

「みな意見は一致しているので雄介我慢してくださいね」

 

「そんなぁ~」

 

そう言って皆布団に入り電気が消える。

 

30分くらいたった後

 

「ねぇみんな寝た?」

 

穂乃果が皆に訪ねると

 

「もう明日早いのよ~早く寝なさい」

 

「いやぁ~何か皆一緒にお泊まりってなんかテンション上がっちゃって」

 

「その気持ちわかるにゃ~」

 

「ねぇ何かお喋りしない?」

 

「そんな事してると海未が怒るわよ~」

 

「大丈夫だよぉ海未ちゃんもう寝てるし」

 

「さすが早いわね」

 

「じゃあ何の話題出そうか?」

 

「なに希まで張り切ってんのよ」

 

「まぁまぁいいやんかじゃあここは女の子らしく恋ばなでもしてみる?」

 

「恋ばなか~いいねいいねぇ」

 

「じゃあ今好きな人いる人~」

 

この希の質問に皆沈黙する。

 

「あら~真姫ちゃんはいると思ったんやけどな~」

 

「ちょっいないわよそんなの」

 

「えぇ~いるんやないの~なぁにこっち?」

 

「何で私に振るのよ!」

 

「いやぁいつもお二人さん一緒にいるから怪しいなぁ~と思って」

 

「あーっやっぱり真姫ちゃんにこちゃんといつも一緒にいるから2人は両おm」

 

「なにバカの事いってんのよ凛!」

 

「そうよ!そんな事言ったら凛だっているんじゃないの!?好きな人」

 

「えっ凛は別に///」

 

「どうだか~あんた雄介といるといっつも甘えてるじやない」

 

「えっそんな事ないにゃ!」

 

「そうね~最近だと例えばゆーすけ一緒に帰ろうーとかゆーすけ一緒にご飯食べよーとかゆーすけ大好きにゃーとか?」

 

「そ、そんな事言ってないにゃー!」

 

「り、凛ちゃんそんな大声出すと海未ちゃん起きちゃうよ~」

 

「ご、ごめんかよちん」

 

「まぁ凛はずーと雄介にベッタリなわけよ」

 

「うぅにこちゃん意地悪にゃ~」

 

「にこちゃん凛ちゃん泣きそうだからそこまで ねっ?」

 

「ぬぁーに言ってんのよことりあんただって凛と同じで雄介にベッタリじゃない」

 

「そ、そんな事ないよ!」

 

「う~ん確かに雄介とことりちゃんって保育園の頃からずーと一緒だよねー」

 

「穂乃果ちゃんまで!?でも穂乃果ちゃんもゆーくんと保育園の頃から一緒だったよね!?」

 

「いやぁそう言い意味じゃなくてことりちゃんいつもお昼の時間だと一緒にご飯食べてたしお昼寝の時間だといつも隣にいたよね?」

 

「そ、それはぁうぅ///」

 

「あっ!ことりちゃんの好きな人って雄介って事!?」

 

「ちょっと穂乃果ちゃん!」

 

「て言うかそう言い話をずっとしてたんじゃないの?私達」

 

「まぁ穂乃果にはまだ早いってことね」

 

「もう!今思ったんだけどこの話ゆーくんに聞かれたら」

 

「大丈夫よことり当の本人はぐっすりだから」

 

にこが雄介の方に指を指すと雄介はぐっすり寝ていた。

 

「というかよくこんな状態で寝れるわね」

 

「はいはい皆明日も早いんだからお喋りはここまでもう寝るわよー」

 

「えーっえりちもう寝るのー?」

 

「言うこと聞かないなら希だけ明日倍の練習量をプレゼントするわよ?」

 

「はい寝かせていただきます」

 

「はいよろしい」

 

そして皆寝静まり新たな朝を迎える。

 

 

「はぁ~今日も厨房かー」

 

雄介が店に行く前に準備していると

 

「ゆーすけ?今大丈夫?」

 

「ん?凛ちゃんどったの?」

 

肩にちょんちょんとつつかられ

 

「ちょっと頼み事聞いてくれるかにゃ?///」

 

もじもじとしている凛に首を傾げる雄介。

 

 

その後凛と雄介はそれぞれ水着に着替え雄介はパーカーを羽織り店が始まる前に凛に手を引かれ

 

「どこ行くの凛ちゃん?」

 

「うんここでいいかにゃ」

 

回りは人通りが少ない岩影に隠れ凛は持って来たバックからシートを広げそこに寝そべり

 

「ゆーすけ凛に日焼け止め塗ってくれる?///」

 

「えっ!?マジで!?」

 

「うん///」

 

「本当に俺でいいの?他の誰かに」

 

「凛はゆーすけに塗ってもらいたいの」

 

「わ、わかった」

 

「じゃあ水着の紐といていいよ///」

 

凛は赤面し雄介に言い

 

「りょ、了解でございます」

 

雄介はゴクッと唾を呑み込み凛の水着の紐をゆっくり解く。

 

「じゃ、じゃあ塗るよ?」

 

「うん///」

 

雄介はオイルを手に伸ばし凛の背中にゆっくり塗っていく。

 

「あっ///なんか変な感じにゃ///」

 

凛の背中に塗る度に色っぽい声を出す凛に

 

「(やばっ日焼け止め塗りたいって思ってたけどこんなにエロいもんなんだ)」

 

「ん///」

 

「(このままおっぱい触ってもいいかな?手がすべたーって事で)」

 

雄介がそんな事考えながら塗っていると海の底から魔の手が忍び寄る。

 

「り、凛ちゃん」

 

「なぁにゆーすけ?」

 

「ど、どう俺のテクニック?」

 

「うんとってもいい感じにゃ」

 

「そっか良し!もっときもちyっ!」

 

そう言い欠けると触手のような物が雄介の顔をおもいっきり叩きぶっ飛ぶ。

 

「ぐわぁ!」

 

「ゆ、ゆーすけ!?」

 

突然の事に凛はすぐに飛び上がり

 

「ご、ごめん海未ちゃんこれには訳が」

 

海未に見つかったと勘違いし見上げると海から出てきたであろうタコに酷似した未確認生命体が立っていた。

 

「えっ未確認!?」

 

「ゆーすけ大丈夫?」

 

「う、うんって凛ちゃん前前!おっぱい丸見え!」

 

「わわっ!」

 

すかさず自分の手で胸を隠す凛。

 

「凛ちゃんこれ」

 

雄介は凛にパーカーを渡し凛の前に立つ。

 

「こいつは昨日の未確認か?」

 

「ガァ!」

 

未確認は触手を雄介に目掛け伸ばしそれを雄介は凛を抱え避ける。

 

「凛ちゃんここから離れてこの事を皆に伝えてくれる?」

 

「ゆーすけ」

 

雄介は凛にサムズアップをし

 

「大丈夫店が始まる前にちゃんと戻るから」

 

雄介は未確認に視線を戻し

 

「それにあそこに落ちてる凛ちゃんのビキニ回収してくるから」

 

「もう!それはいいけど気をつけてねゆーすけ」

 

「了解!」

 

雄介は未確認に目掛け走っていく

 

「シネェ!」

 

未確認は再び触手を伸ばし雄介に攻撃を仕掛けるが雄介はそれを避け前転し落ちている木の棒を取り

 

「''変身!''」

 

青いクウガに代わり木の棒からドラゴンロッドへと代わりそれを未確認に打ち付ける。

 

「グァッ!?」

 

未確認は倒れドラゴンロッドは左右に伸びる。

 

「クックウガァ!」

 

未確認は2本の触手をクウガに目掛けるがクウガはジャンプしそれを避け前中し未確認の顔にロッドを当てる。

 

「グァッ!」

 

「まだまだ!」

 

クウガは攻撃の手は緩めずロッドを確実に未確認の体を打ち付ける。

 

「ギャッ!グァッ!」

 

「おりぃやぁ!」

 

ロッドの先を未確認の胸に打ち付け未確認は吹き飛び海の中へ倒れる。

 

「これで・・・」

 

クウガはロッド勢いよく回しロッドを構え直し

 

「終わりだ!」

 

ジャンプしロッドを未確認に目掛け打ち付ける。

 

「グギャア!?」

 

未確認は咄嗟に腕の触手でガードするがその威力により吹き飛び海の底へと投げ飛ばされた。

 

「はぁはぁやったか?」

 

クウガは辺りを見渡すが未確認が出る気配がなかった。

 

「倒したのか?いつもは爆発するんだけど」

 

クウガは警戒し辺りを散策する

 

「ん?」

 

すると岩の影からすすり泣く声が聞こえる。

 

「えっ子供!?」

 

そこには座り込みすすり泣く男の子がいた。

 

「おい!大丈夫か?」

 

クウガは変身を解き男の子に近づく

 

「お兄ちゃんだぁれ?」

 

「俺?俺は・・・ここの近くでお店で働いている人だ君お父さんかお母さんは?」

 

「ううん家が近いからここに1人で来たんだそしたら遠い所まで来て道がわかんなくなっちゃて」

 

「そうか・・・とりあえずここにいたら危ないから立てるか?」

 

「うん」

 

「ってお前怪我してるじゃないか!?」

 

男の子の腕から血が流れていて

 

「・・・うんさっき転んじゃって」

 

「ちょっと待ってろえっーと」

 

ここに手当てできるものがなく

 

「あっ!」

 

雄介はあるものを見つけ

 

「とりあえず応急処置だ」

 

それを男の子の手に巻きキュッとしばる。

 

「とりあえずオーケーどっーすっかなーとりあえず店の方に行くか君名前は?」

 

「メ・・・めい、上野めいって言うんだ」

 

「俺は中野雄介宜しくなめい君」

 

「うんよろしくね雄介さん」

 

そう言って雄介はめいの手を取りお店の方へ向かう。

 

 

雄介が店の近くまできたら

 

「ゆーくん!」

 

「ゆーすけ大丈夫?」

 

メンバー達が気付き近づく。

 

「うん俺は何ともそれよりこの子が手を怪我しててな手当てしないと」

 

「うん任せて・・・ってこの子の腕に何巻いてるの?」

 

ことりがめいの腕に巻いてる物を見るとそこには

 

「あぁこれ?これは凛ちゃんのビキ」

 

「ゆーすけのバカーッ!」

 

そのまま雄介は正座させられ只今お説教中

 

「しんっじられない普通これで巻く?」

 

「いやだってさ応急処置出来るもの近くになくて」

 

「それでも凛の気持ちを少しは考えなさいよ」

 

「いやそれは・・・」

 

雄介はチラッと凛の方を向くと少し血で汚れたビキニを持って少し涙目だ。

 

「ごめん」

 

「雄介君あのね今回凛ちゃんの水着雄介君に見せ」

 

「わーっ!かよちんそれ以上は駄目にゃー!」

 

「えっ?俺がなに?」

 

「何でもないよ!それにゆーすけ近くに手当て出来るものがなかったんでしょ?だったら仕方ないよ」

 

「凛ちゃん・・・それでもごめんなこんなに可愛い水着俺弁償するよ」

 

「い、いいよいいよゆーすけは当然の事をしたまでなんだから」

 

「それにしてもなぜ凛の水着が上の方だけ落ちてたのでしょう?それに未確認が現れたって事も」

 

「そ、それは当然現れた未確認に声を上げたらゆーすけが来てくれてそれに未確認が攻撃した時ゆーすけが助けてくれたその時水着が取れちゃって」

 

「取れた?という事はまた凛の裸を見たというのですか!?貴方は!」

 

「え、それは~その」

 

「みたのですね!」

 

「まぁまぁ海未ちゃん雄介も凛ちゃんを助ける為に必死だったから今回は大目に見ようよ」

 

「穂乃果、ですが」

 

「そうだよ海未ちゃんゆーすけは凛を助ける為に必死だったからそれに凛は怒ってないから大丈夫だよ」

 

「凛がそういうならこれ以上何もいいませんが」

 

「それよりあの子ね」

 

厨房のおばさんとおじさんが話を聞いても家の場所を教えてくれなった。

 

「駄目だ怖かったんだろうか口を開いてくんねぇ」

 

「そうですか」

 

すると店からめいが出て来て

 

「僕雄介君と一緒にいたい雄介君なら僕を守ってくれるよね?4号なんだから」

 

その言葉にそこにいた全員が驚く。

 

「えっ兄ちゃんが4号?」

 

「本当かい!?」

 

「えとあの~」

 

「いやーっそんな事ある訳ないじゃないですか~ねぇ海未?」

 

「えっ!?そ、そうですね!雄介が4号なんて断じてそんな事ないですはい!そうですよね雄介?」

 

雄介の顔を見てニッコリ微笑む海未。

 

「えっ?いやそんな事は」

 

雄介がそう言おうとした瞬間海未は皆が見えない所で雄介の足をおもいっきり踏む。

 

「いっ!?は、はい僕が4号なんてありえないです」

 

「で、でもこの子が」

 

「多分見間違いじゃあないですかね~」

 

「まぁそう言うならこの子の見間違いかね~?」

 

「そうですよほらそれよりそろそろお店開かないと」

 

「おぉそうだねじゃ皆今日も頼むよ」

 

「「はーい」」

 

皆が準備をし始める中雄介は海未に耳打ちをし

 

「海未ちゃんちょっとひどいんじゃないの」ヒソヒソ

 

「しょうがないじゃないですか貴方が4号て知ったら混乱するでしょう」ヒソヒソ

 

「そんなもんかね~」ヒソヒソ

 

「とにかくこの事は黙っておく事いいですね?」ヒソヒソ

 

「へーい」ヒソヒソ

 

そう雄介は了承し店が開かれる。

 

店の手伝いが終わり練習も済ませ皆旅館に戻る。

 

「今日も疲れたね~」

 

「そうね~早くお風呂入りたーい」

 

そう言って皆銭湯に行く準備をする。

 

「あ、あのお姉ちゃん達」

 

「ん?なぁにめい君」

 

「僕も一緒に入っちゃ駄目かな?」

 

「えっ?」

 

その言葉にメンバーが見合わせる。

 

「駄目に決まってんだろ?ここに泊まれんのもおばさんやおじさんに許してもらったんだから」

 

雄介が言うようにめいの親に連絡がつかないから警察に連絡をしようとしたがめいが泣き出すため親に連絡がつくまで今回は雄介達と一緒に泊まる事になった。

 

「それに入るなら俺と一緒に入ればいいじゃないか?」

 

そう雄介がいうとめいは涙目になり花陽にしがみ着く。

 

「いやだ!お姉ちゃん達と一緒がいい!」

 

「お前なぁいくらお姉ちゃん達の裸見たいからってそれはだm」

 

そう言い掛けた雄介に真姫の手刀が飛んできて

 

「小さい子になにいってんのよ」

 

「大丈夫だよ雄介君この子きっと寂しいんだよだから私達と一緒にいたいんだよね?」

 

「うんお姉ちゃん達の側にいると落ち着く」

 

そう言って満面な笑みをμ's達に向ける。

 

「「(か、かわいい~!!!)」」

 

μ'sのメンバー達はめいの笑顔にメロメロになり

 

「じゃあ早速行こうか」

 

「お姉ちゃんが髪洗ってあげるね」

 

そう言い皆銭湯へ向かう。

 

「お、おーいみなさーん?」

 

雄介の声も届かず1人ぼっちになる。

 

 

その後雄介は銭湯に入り

 

「なんでいなんでい皆してデレデレしちゃってさ」

 

雄介はぶつぶつと言いながら体を洗っていると

 

「きゃっめい君だめだよ~」

 

「花陽お姉ちゃんのおっぱい大きくてやわらか~い」

 

そんな会話が聞こえ雄介は以前見つけた穴から覗く。

 

「こら~だめだよめい君しっかり洗わないと」

 

「えへへごめんなさい」

 

そう言って花陽がめいの頭を洗っていた。

 

「お姉ちゃん次僕の番ね」

 

めいは髪を洗い終わった後花陽の後ろに回り手にボディソープをつけ

 

「えいっ」

 

「ピャッ!?」

 

「NOーーーー!!」

 

なんと素手で花陽の体を洗い始めたのだ。

 

「どうお姉ちゃん?」

 

「めい君だめぇ~」

 

そんな光景を見ていた雄介がワナワナと拳を握りしめ

 

「あの野郎何てうらやまじゃなかったいかがわしいことを!」

 

めいが花陽の体を洗っているとひょいっと体を持ち上げられ

 

「こらっ駄目でしょ花陽嫌がってるじゃない」

 

「あっ真姫お姉ちゃん」

 

そう言ってめいは真姫の胸をガン見し

 

「真姫お姉ちゃん」

 

「なに?」

 

そう言った瞬間めいは真姫の胸を持ち

 

「ちゅぱ」

 

「いっ!?」

 

「なっ!?」

 

何とめいは真姫の胸の先っぽを口に含み出したのだ。

 

「いやーっ!」

 

真姫は咄嗟にめいを引き剥がしその間にちゅっぽんと音がした。

 

「な、なに考えてんのよ!」

 

「ご、ごめんなさいいつもお母さんにやってるから」

 

「もうそれやる歳じゃないでしょ!」

 

そう真姫が言うとめいが泣きそうになり

 

「まぁまぁ真姫ちゃん落ち着いてきっとお母さんにやってもらってるから癖になってるじゃないかなぁ?」

 

「ことりそれでもねぇ」

 

「ことりお姉ちゃん!」

 

めいはことりに抱きつき

 

「ふふっめい君よしよし」

 

そう言ってめいはことりの胸に顔を埋め

 

「ことりお姉ちゃんお母さんと同じ匂いがする」

 

「そぉ?」

 

「うんねぇことりお姉ちゃん今日一緒に寝ていい?」

 

「ふふっめい君は甘えん坊だねぇいいよ一緒に寝よっか」

 

「うん!」

 

そう言ってもっとぎゅっと抱きつくめい。

 

「ぐぬぬあんにゃろうめぇ~ 」

 

隙間の穴から見ている雄介は我慢出来ず今すぐにでも行って引き剥がしたい所だがそんな事したらどんなめに会うかわからないので我慢するしかなかった。

 

 

μ's達が銭湯から出て雄介も少しした後に出たら布団が敷いてありことりが寝ている布団には枕が2つある。

 

「・・・何でことりちゃんの布団に枕が2つあるの?」

 

「それはめい君が一緒に寝たいってねっめい君」

 

「うん!」

 

「駄目だーっ!」

 

雄介の発せられた言葉に皆が驚く。

 

「どうしたの雄介?」

 

「そいつは危険だ!そいつはことりちゃんの寝ている間に何かしでかすかもしれん!」

 

「例えば?」

 

「例えば?・・・それはおっぱい揉んだりことりちゃんにチューしたりとかっ!」

 

「それは貴方です雄介」

 

そう言いっていつの間にか柱に体を縛られており

 

「ちょっ海未ちゃん!?」

 

「貴方とこの子は天と地ほど違いますだから安心です」

 

「んなわけねぇだろ!さっきだってかよちゃんや真姫ちゃんのおっぱいを揉んだ・・・」

 

そう言い掛けた時雄介は黙る。

 

「・・・なぜ貴方がその事を知ってるんですか?」

 

「怪しいわねそれ銭湯であった事なんだけど?」

 

「それは・・・そう!声!声が聞こえたんだ!かよちゃんと真姫ちゃんがそんなような事がきこえてさぁ~あはは」

 

「ふ~んそうなんだそれで昨日直ぐに私達が未確認に襲われている事知ったんだ?」

 

「そう!それもそれ!」

 

「そういえば昨日の希のマッサージ凄かったわね~ことりも凛も凄い気持ち良かったらしいわよ~」

 

「いやぁあれはマッサージと言うよりいつものワシワシ・・・」

 

その言葉を放った瞬間何もかもが凍りついたμ's全員の冷ややかな目そして雄介からは冷や汗が溢れ出す。

 

「なぜその事まで知ってるんですか?」

 

「それは」

 

「それも声だけで何て言いませんよね?」

 

「うっ・・・」

 

そう言って雄介はニッコリ笑い

 

「覗きました☆」

 

そう言って今日雄介を見るものは誰もいなかった。

 

 

ー翌日ー

 

あれから皆にボコボコにされ外に放り投げられ早朝の朝日の光で目を覚ます雄介

 

「あぁ朝か・・・て言うか俺生きてたんだな」

 

雄介は立ち上がり旅館まで足を引きずりながら戻る。

 

「まぁ鍵閉められてるからはいれないよな」

 

そう言って雄介は窓からこっそり皆が寝ている部屋を見ると

 

「あっ!あいつ!」

 

雄介が見た光景はパジャマをはだけさせられたことりがめいにおっぱい枕をさせられていた。

 

「あの野郎!ぜってぇ許さねぇ!」

 

雄介は両腕を縛られているので頭でガンガン叩く。

 

「んっなぁに?」

 

その音に起きた穂乃果が窓を見ると

 

「なにやってんの雄介?」

 

穂乃果は窓を開け

 

「穂乃果ちゃん!そいつ!ことりちゃんからそいつを引き剥がして!」

 

「ん?あぁ~ねぼけてたのかなぁ」

 

そう言ってめいを持ち上げる穂乃果

 

「そんな生優しい奴じゃないって!そいつはぁ!」

 

「そんな事言って昨日の雄介の方がよっぽど危険だよ」

 

「穂乃果ちゃん!あっ!」

 

シャッとカーテンが閉められ中の様子を伺う事ができず

 

「そんなぁ~」

 

雄介は立ち尽くす事しかできず時間が過ぎて行く。

 

 

店の手伝いをしている中でも

 

「兄ちゃん何かあの子達お前を見る目が怖いんだが」

 

「え、えぇまぁ色々ありまして」

 

「そうかい深くは聞かねぇけど女の子を怒らせると怖ぇぞ」

 

「えぇ重々承知しております」

 

会話をしながら作業を進め店が落ち着いた頃

 

「良し兄ちゃん少し休憩してきていいぞ」

 

「あっすいませんありがとうございます」

 

そう言って雄介は外に出て空いているベンチに座り買ったラムネを飲んでいた。

 

「やぁお兄ちゃん」

 

「お前海で遊んでたんじゃないのか?」

 

めいがひょいっと現れ雄介の隣に座る。

 

「うんもう飽きちゃったから」

 

「へぇそうかい」

 

「うん・・・こんな子芝居もね」

 

「えっ何か言ったか?」

 

するとめいは突如と立ち上がり

 

「楽しかったよ女の子共色々触れあえたしだからもう再開していいかな僕のゲゲル」

 

「ゲゲルってお前まさか!?」

 

そう言って突如とめいはタコの酷似した未確認に変化し

 

「うあぁぁっ!」

 

雄介の声に皆が気付く

 

「ゆーくんどうしたの!?」

 

 

雄介が倒れており皆が駆け寄るとそこには未確認が立っていた。

 

「この未確認って前に会った未確認!?」

 

「こいつの手って見たことあると思ったら前に銭湯に出た未確認じゃない!」

 

「こいつはめいだ」

 

「嘘めい君なの?」

 

雄介は立ち上がり

 

「皆ここにいる人達を避難させるんだ」

 

「でもゆーくん」

 

「早く!」

 

雄介の言葉に皆頷き

 

「皆さんここから早く避難してください!」

 

海水浴に来ていた客やら店に来ていた客が一斉に逃げていきμ'sも避難する。

 

「っまさか前倒してたと思ったんだかな」

 

「子供の姿って便利だなぁすぐリントに漬け込める」

 

「一体何が狙いだ?」

 

「別にリントを刈る事が僕のゲゲルじゃない僕のゲゲルは」

 

未確認は雄介に指を指し

 

「お前を倒す事だクウガ」

 

「俺が狙いか」

 

「そう僕はグロンギの中じゃあ''メ''の中で一番下っぱでね今回失敗したら僕は殺される」

 

「なるほどな」

 

「そしてお前を倒した暁にはあの子達は僕の玩具にする」

 

「なんだと!」

 

「だって最高だったんだもんあの子達の感触」

 

「っこの!」

 

雄介は飛び出しアークルを出現させ

 

「''変身!''」

 

その叫びと共に赤いクウガへと姿を変える。

 

「さぁ来いクウガ!お前を倒せばゲゲルは完了だ!この

メ・ダーゴ・ギがな!」

 

ダーゴも姿を変えクウガのパンチをガードする。

 

「あの子達をお前の玩具だと!?そんな事させっかよ!」

 

「じゃあ僕を倒してみなよ!」

 

ダーゴは触手でクウガの体を巻きつけ

 

「しまっ!」

 

「はぁっ!」

 

クウガは投げ飛ばされ岩に激突する。

 

「がっ」

 

「それっ!」

 

ダーゴは触手を一直線に伸ばす

 

「くっ」

 

クウガはそれを青のクウガに変化しかわす。

 

「やっぱ厄介だなその青は!」

 

クウガはジャンプしダーゴに近づきキックを繰り出すがそれをギリギリ交わし

 

「やぁっ!」

 

ダーゴは触手で攻撃するがクウガは屈みそのまま踏み出しエルボーを喰らわす。

 

「がふっ!」

 

ダーゴはよろけながらも口から墨のような物を吐く

 

「うわっ」

 

クウガはそれを喰らうが

 

「あれ?何ともない」

 

「ちぃっ!」

 

ダーゴは後ろに飛びもう一度墨を吐く

 

「ふっ」

 

クウガはそれを避けるが

 

「うわぁ!」

 

遠くまで飛ばされた墨は遠くで様子を見ていた穂乃果にかかった。

 

「穂乃果!大丈夫ですか!?」

 

「うん、てっあれ水着が・・・」

 

穂乃果の体に何ともないが水着がどんどん溶けていく。

 

「な、なにこれ!?」

 

穂乃果の声に気付いたクウガが

 

「どうした穂乃果ちゃんって・・・えぇ!?」

 

「ちょっこっち見ないで雄介!」

 

なんと穂乃果は胸と下半身を隠し赤面中

 

「何で裸?お前一体何をした!」

 

「僕の墨は体に害はないがリントの着ている服を溶かす力を持っている!」

 

「な、何て変態な力なんだ」

 

「黙れ!僕もこの力で色んな奴にバカにされたが今なら」

 

ダーゴは背中から触手を増やし

 

「こんなふうに使える!」

 

ダーゴの触手はμ's全員を捕らえた。

 

「みんな!」

 

「ふふっ」

 

μ'sの皆はダーゴに捕まり宙に晒されている。

 

「ちょっ離して!」

 

「駄目!解けない!」

 

μ'sも抵抗するがダーゴの力が強く触手を解けない。

 

「一体なんのつもりだ?お前はこの子達を欲しいんじゃないのか?」

 

「ふふっ別に危害は加えたりはしないただ・・・はぁっ!」

 

ダーゴはμ'sの皆に墨を浴びさせる。

 

「きゃっ!」

 

「やっ!」

 

その墨にかかったμ's全員の水着が溶けていき

 

「「「きゃっーーー!!!」」」

 

「あっ・・・」

 

まぁ全員が素っ裸になりました。

 

「ひゃっほう!最高!」

 

「な、なんて奴だまるでTo◯◯VEるじゃねぇか!」

 

「いやーっ丸見え!」

 

「雄介早く何とかしてぇー!」

 

「アイドルが素っ裸って最悪よぉー!」

 

皆が叫び目のやり場に困るクウガ。

 

「と、とりあえず皆は離して貰うぞ!」

 

クウガは落ちていた木の棒を足で飛ばしそれを取りドラゴンロッドへと変える。

 

クウガは攻撃しようとするが

 

「おっとさせないよ!」

 

ダーゴはことりをクウガの前にだし

 

「わぷっ」

 

そのまま胸をクウガの顔に押しつける。

 

「いやぁゆーくんのえっちぃー!」

 

「ご、ごめん」

 

「それぇまだまだぁ!」

 

「きゃっ!」

 

「にゃあ!」

 

「やっ!」

 

ダーゴはμ's全員をクウガに押しつける。

 

「む、むぐ」

 

「どうだクウガ!」

 

クウガは何とか脱出しようと試みるが

 

「んっ///雄介動かないで!」

 

「ちょっどこ触ってんの!?」

 

もぞもぞと動くがさらに強く押しつける。

 

「どうだクウガこの子達に挟まれ窒息死するがいいお前もそれで本望だろう?」

 

「(くっ確かに最高だけどここでやられたら)」

 

とクウガが考えていたらコツっと足に何か当たる。

 

「(これは!?)」

 

「ふはははっ!さぁこれでフニッシュだ!」

 

クウガの顔に皆の胸がどんどん強く押しつけ

 

「これで僕のゲゲルは完了だ!ハハハっ・・・は?」

 

ダーゴの笑い声が止まり皆を縛っていた触手は突然解かれ困惑するμ's。

 

「えっ?」

 

「一体何が?」

 

するとダーゴからピシピシと体から亀裂が入り

 

「お前いつの間に」

 

「知ってるか油断大敵って言葉」

 

ダーゴはクウガに視線を向けると緑の姿をし手にはペガサスボウガンを持っていた。

 

「お前が高笑いして上の方向いていた時丁度足元に水鉄砲があってなそれで緑のクウガの矢で撃ったんだよ」

 

「そんな僕はゲゲルを!」

 

「俺の勝ちだ」

 

「うわぁああああ!!!」

 

亀裂がベルトに到達しダーゴは爆発する。

 

「ふぅ」

 

クウガから雄介の姿に戻り

 

「大丈夫みんなってうわぁ!」

 

突然砂をかけられ

 

「こっち見ないでよ皆裸なんだから!」

 

「ごめんごめん」

 

雄介は両手で目を隠し

 

「じゃあ部屋から皆の服持ってくるよ」

 

そう言って行こうとした瞬間雄介の水着に黒い墨がつき

 

「ゆ、雄介それ」

 

「ん?どうした」

 

雄介が振り向いた瞬間には雄介の水着が溶かされていて

雄介のあれが皆の目の前でさらけだされ

 

「「「いやぁああああーーー!!!」」」

 

パァンと高い音が海に響き渡る。

 

「(クウガ敗れたはしたが最後に恥をかくといい)」

 

そう言って顔だけになったダーゴはぶくぶくと海に沈んでいった。

 

 

ー2日後ー

 

「ん~色々あったけど何とか乗り切ったわねぇ~」

 

「そうねぇあの時誰もいなかったからいいけど私達海で裸にされた時はもう最悪だったわ」

 

「まぁ皆無事で何よりだしそれにライブの為の曲も出来た事だしいいじゃないかな」

 

「全く穂乃果は能天気ですねぇ」

 

「なにさ海未ちゃん」

 

「だって私達見られたんですよ雄介に」

 

「まぁそれは事故だった事で」

 

「それで片付けていいんですか?」

 

「まぁまぁ海未ちゃんそれくらいで」

 

ことりが穂乃果と海未の中に入り宥める。

 

「それにしても遅いわね雄介の奴電車来ちゃうわよ」

 

「・・・あっ来たよ!」

 

花陽の指指す方向に雄介はぜぇぜぇと9人分の荷物を持って来ている。

 

「遅いわよ~」

 

「鬼か!」

 

雄介はまだ10メートル離れている所で一端皆の荷物を下ろす。

 

「仕方ないでしょあんたへの罰なんだから」

 

「くぅまぁそれはそうだけど」

 

そうこう言っている内に電車が来て

 

「あっ来た」

 

「乗りましょ乗りましょ」

 

「ちょっ待った!」

 

雄介は再び荷物を持ち走るが間に合わず

 

「あぁ!ちょっと!」

 

電車はそのまま走っていき

 

「ゆーすけー荷物頼んだわよー」

 

皆が顔出し手を降る

 

「ちょっ次の電車2時間後なんですけどぉー!」

 

そのまま電車が走って行くのを見る事しか出来ない雄介であった。

 

 

第11話 強敵?end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと11話終わりましたーさぁ次に取り掛かるぞー


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第12話 希望

人は何かを失った時絶望し立ち上がれない時もあるだろう・・・だが忘れないで欲しいどんなに絶望でも希望に変えてくれる人は必ずいる事を
第12話始まります。



今は潰れ廃墟となった水族館そこにバルバは手にはめている指輪を眺めていたそこに1人の男が現れ

 

「バルバつぎは・・・オレの、ばん、だな?」

 

「あぁ」

 

バルバは椅子から立ち

 

「お前のゲゲルは3日で90人だビラン」

 

「タヤスイ」

 

バルバはビランという男の腹部のベルトに指輪に着いている爪を挿し込み

 

「行け」

 

そう言ってビランは颯爽と飛び出して行った。

 

「随分減ったな''メ''も」

 

そう言ってバルバはヒールをカツンカツンと鳴らし暗闇へと消えた。

 

 

ー音乃木坂学院ー

 

「ねぇ見た前の新聞銭湯の女子風呂に4号が現れたって載ってたよね」

 

「そうそう怖いよね~」

 

「っと噂されてますよ4号さん?」

 

机に頭を乗せ耳を塞ぐ雄介。

 

「まぁ事実ですよねしっかり覗いてたんですから」

 

「んもう!海未ちゃんまでお説教は勘弁してよ~この事で一条さんには叱られるわ梓には殺されかけるわ」

 

「自業自得です!」

 

「て言うかあそこに未確認が現れたのは事実だからね!」

 

「それはそれこれはこれです」

 

「おーい海未ちゃーんゆーすけー」

 

すると穂乃果が雄介達の前に現れ

 

「どうしたのですか穂乃果?」

 

「これ見てよ」

 

「ん?何々ラブライブ予選の会場案内?」

 

「うん!今運営から連絡が来たんだ~」

 

「へぇ~ってここ秋葉のど真ん中じゃん!」

 

「そうなんだよね~まさかここで踊れるなんて思わなかったよ」

 

「う、嘘でしょこんな所で踊るなんて一杯注目をあびてしまいます」

 

「それがいいんじゃん!」

 

「て言うかなぜ私達は一回予選で落ちたのにこんな大舞台な所に?」

 

「それは、わからないけど・・・でも!にこちゃんも前言ってたようにこんなチャンス2度とないと思うから私はここでやりたい!」

 

「それは・・・そうですが」

 

「いいんじゃんやってみようよ」

 

「雄介!?」

 

「ここに立って踊れるならμ'sの注目も一杯集まっていいと思うしそれにラブライブを目指すならここを通らないとどの道先には進めない」

 

雄介は穂乃果を見て

 

「それにもうみんな了承済みでしょ?」

 

「うん!もっちろん!」

 

穂乃果はブイっとピースを向ける。

 

「だってさ海未ちゃん」

 

「もう、わかりましたよ雄介の言うとおりここを通らなきゃラブライブもまた夢のまた夢だったら私も精一杯頑張ります!」

 

「よし!オーケー!」

 

そう言ってたら学校のチャイムが鳴り

 

「って次移動教室じゃないですか!」

 

「うわわっ急がないと!」

 

3人は準備し授業へと向かう。

 

 

ー翌日ー

 

「ワン!ツー!ワン!ツー!」

 

今日は休日で学校の屋上で練習中。

 

「うぉーいお昼持ってきたよー」

 

雄介が9人+自分の弁当を部室から持ってきて

 

「はーいじゃあお昼にしますか」

 

ランチタイムが始まる。

 

「大分形になってきたわね~」

 

「そうだね予選には間に合いそうだね!」

 

皆が弁当を食べながら話合っていると

 

「あっ真姫ちゃんその肉美味しそう」

 

「ん!なに希欲しいの?」

 

はいっと希の弁当箱に乗せる。

 

「えっ?いいの?」

 

「いいわよ」

 

「ありがとぉ真姫ちゃん」

 

その様子を見ていた雄介は

 

「真姫ちゅあ~ん俺も欲しいなぁ~」

 

「何よ気持ち悪いわねまぁ別にいいけど」

 

真姫は雄介の弁当箱に乗せようとするが

 

「ノンノンあーんして食べさせて欲しいなぁ~」

 

「はぁ!?何言ってのよイミワカンナイ!」

 

雄介の顔をぐいぐいと押し退ける真姫。

 

「ゆーくん」

 

そんなやり取りを見ていたことりが来て

 

「ん?どったのことりちゃん?」

 

ことりは自分の弁当箱からお肉を1つ箸で摘まみ

 

「私のならいいよ?食べる?」

 

「えっいいの?あっもちろんアーンで」

 

「うん!」

 

するとことりは雄介の口に運ぶ

 

「どう、かな?」

 

「うん、ことりちゃんの味がする」

 

そんなやり取りを見ていた真姫が

 

「あんた達ほーんと夫婦みたいね」

 

「えっ!そうかな?」

 

「うーんことりちゃんが嫁なら毎日美味しいご飯食べれるし毎日楽しいだろうな~それに奥さんならどんな事しても許されるもんね~」

 

そう言って手をわきわきする雄介に

 

「もうっゆーくんのえっち」

 

「よーしことりちゃん結婚しよう!」

 

「えっ!えっ!わ、私でよk」

 

「ちょっと待つにゃー!」

 

すると凛が雄介とことりの間に入ってくる。

 

「凛ちゃん!?どったの?」

 

「ゆーすけ!凛の弁当も食べるにゃ!」

 

凛は弁当に入っているウインナーを1つ取り雄介の口に入れる。

 

「むぐっ」

 

「どう?美味しい?ゆーすけ」

 

「お、美味しいです」

 

「良かったぁ~これね今日お弁当お母さんと一緒に作ったんだぁ~」

 

「へ~凛ちゃん料理出来るんだ凄いね」

 

「うん!だから今度1人で作ってみるからゆーすけ食べてくれる?」

 

「えっいいの?」

 

「うん!いいよ!」

 

「ありがとぉ~楽しみだなぁ」

 

「ちょっと待って!それなら私も今度ゆーくんにお弁当作ってあげる!」

 

「うぇ!?あははっありがとそれならことりちゃんのもたのもうかな」

 

「じゃあ凛とことりちゃんのお弁当どっちが美味しいかゆーすけに判定してもらおうよ」

 

「うんいいよ!凛ちゃん勝負だね!」

 

バチバチと火花を鳴らすことりと凛に

 

「えっ同時に食べるの?」

 

「「もちろん!!」」

 

そんなこんなでことりと凛の料理対決が決まった。

 

「なんか凄い事になったわね」

 

「そうやね~それにしても凛ちゃん1人で料理作るなんて女子力上げたなぁ」

 

「まっこれも雄介のお陰かもね」

 

すると雄介の携帯が鳴り出し。

 

「ん?一条さんからだ」

 

雄介は携帯を耳にかざし

 

「はいもしもし?」

 

『中野今大丈夫か!?』

 

「はい、もしかして未確認ですか!?」

 

『あぁ今船の中で被害があると通報があった!行けるか!?』

 

「はい!場所は!?」

 

一条は雄介に場所を指示し即座にバイクに乗って現場へと向かった。

 

「一時の平和もほんと残酷やね現実は」

 

「それも未確認がいなくなるまで続くでしょうね正直

・・・きついわね」

 

「それでも今は雄介を信じて待つしかないよね」

 

「うん、ゆーくん気をつけて」

 

 

雄介が一条に連絡を受ける20分前

 

「旅行楽しみだね!お父さん」

 

「あぁコヨミも晴人もきっと喜ぶぞぉ」

 

「お父さんあっちに着いたらいっぱい写真撮ろうね」

 

「あぁ」

 

「ふふっこの子達ったらこんなにはしゃいじゃって」

 

「それもそうさなんてたって初めての家族旅行なんだから」

 

旅行に来ていた四人の家族楽しみにしている家族旅行だがこの数分後この船は絶望の恐怖へと変わる。

 

 

ガコンっと船が何かに当たる音が聞こえ

 

「おい何かに当たったか?」

 

「そうですねぇ僕ちょっと見てきます」

 

船の操縦士が物音に気付き1人の助手が外の様子を見に行き

 

「ん~何もないなぁ」

 

助手は船から海の中に何かあったか見渡す

 

「大丈夫かぁ」

 

助手が操縦席へと戻ろうとした瞬間

 

バッシャーン!!!

 

「な、なんだ!?」

 

操縦士は海に何か落ちた音が聞こえ船を止め外へと出る

 

「な、なんだこれは!?」

 

海の1面が赤くなっており

 

「一体何が?」

 

「ツギハオマエダ」

 

その声に操縦士が後ろを振り向いた瞬間目の前には怪物がいた。

 

 

「なぁなんか船止まってないか?」

 

「そうねなんかあったのかしら?」

 

数分後船が止まり観客の全員が不思議に思っていると扉がゆっくり開けられ

 

「ひっひぃいい!!」

 

「な、なんだあいつは!?」

 

そこに操縦士の顔を持ったビランが観客全員の前に立つ。

 

「ツギハオマエラダ」

 

ビランは操縦士の顔を丸呑みし観客に襲いかかった。

 

「いやぁあ!」

 

「ああああぁぁ!」

 

次々と観客を殺しそして殺したものは食べていった。

 

「お、お父さん!」

 

「コヨミと晴人は外へ!母さんも早く!」

 

「え、えぇ!」

 

その一家と共に次々と人が船の外へと逃げるが場所は船の上逃げる場所など何処にもなかった。

 

「ニゲラレルトオモウナヨ」

 

中にいた全員を殺し上に上がってきたビランその口にはクチャクチャと音を鳴らし中の人間を食べたのであろう口の周りには血でいっぱいだった。

 

「た、たすけっ!」

 

1人の男が捕まり襟元を捕まれそのまま首を噛みちぎる

その後にも次々と襲われ

 

「お父さん!お母さん!このままじゃ!」

 

「・・・いいか合図をしたらお前達は海に飛び込め」

 

「ちょっとなに言ってるのあなた!」

 

「それしか方法がない!このままじゃ全員あいつに殺されるんだぞ!」

 

「でもそれじゃあお父さんが!」

 

「・・・家族を守るのがお父さんの役目だいいか俺にとってお前達は希望なんだ!だから生きてくれ!」

 

「お父さん」

 

「後は頼んだぞ」

 

父親は母親にそう言いビランに飛びかかって行った。

 

「逃げろぉ!」

 

父親がビランにしがみつき家族を逃がそうとするが

 

「ジャマダ」

 

ビランは父親を持ち上げ腕についているするどい刃で父親の体を半分に引き裂いた。

 

「「お父さん!!」」

 

「あなたぁ!!」

 

ビランは父親の上半身を投げ捨てその家族に向かってくる。

 

「・・・いいコヨミ晴人お父さんが言ってたようにあなた達は生きなさい」

 

「お母さん!」

 

「ごめんね」

 

母親は父親同様ビランに飛びかかって行っただが

 

「ああああぁぁ」

 

ビランは母親の体を心臓ごと貫きそのまま倒れ息を引き取った。

 

「お母さん!」

 

「いやぁ!いやぁあ!」

 

晴人とコヨミは抱き合いただ殺されるのを待つしかないのかとただ絶望していた。

 

 

雄介が一条に聞いた海岸辺りまで走っていたら船が海の真ん中に停まっていて

 

「まさかあれか?」

 

海の1面は赤く染まっておりそれを物語っていた。

 

「くそっマジかよ!」

 

バイクから降りアマダムを出現させ

 

「''変身''!!」

 

雄介の姿から青いクウガの姿に代わり船の上へ目掛けジャンプし向かって行く。

 

 

コヨミと晴人が抱き合いながら後ずさる中ビランは徐々に近づいていき

 

「シネ」

 

ビランの腕が上げられ振り下ろされた瞬間コヨミ達は顔を伏せたその瞬間

 

「おりぃやぁ!」

 

「ガッ!?」

 

ドタンっと音がし徐々に顔を上げるとそこには未確認生命体4号がいた。

 

「クウガ!」

 

「ふっ」

 

ビランは立ち上がりクウガを切り裂こうとしたがクウガは屈みビランの腹部にパンチを喰らわす。

 

「グッ」

 

その隙にクウガはビランの腕を抑え

 

「君達は中へ!」

 

「えっ?」

 

「早く!」

 

クウガにそう言われコヨミが頷き

 

「晴人立って!」

 

「でもお姉ちゃん」

 

「いいから早く!」

 

「う、うん」

 

コヨミと晴人は船の中へと走っていき避難するクウガは抑えていた腕をほどき回し蹴りを喰らわす。

 

「っクウガ」

 

「はっ!」

 

クウガは青い姿から赤い姿に変えビランに立ち向かう。

 

「ふっ」

 

クウガはパンチを繰り出すがビランはそれを受け流し腕の刃でクウガを切り裂く。

 

「ぐっ」

 

「ガァ!」

 

ビランは腕を上げそのまま振り下ろそうとするがクウガは両腕でガードしビランにドロップキックを喰らわす。

 

「グァッ!」

 

「おりぃやぁ!」

 

クウガ立て続けビランの顔にパンチしビランは吹き飛び地面に転がる。

 

「す、すごいあれが4号ニュースでしか見たことないけど本当に私達を助けてくれるなんて」

 

「・・・」

 

船の中の窓ガラスからクウガとビランの戦いを見ていたコヨミと晴人

 

クウガはマイティキックの構えを取る

 

「ク、クウガキサマハカナラズコロシテヤル!」

 

ビランはそう言い海に飛び逃げてしまった。

 

「なっ!?くそっ!」

 

クウガは海1面を見るがビランの姿はもう何処にもいなかった。

 

「逃げたのか」

 

クウガは雄介の姿に戻る。

 

それを見ていたコヨミと晴人が驚き

 

「に、人間?人なの?」

 

「お姉ちゃん」

 

雄介はコヨミと晴人の元へとやって来て

 

「大丈夫?二人とも怪我ない?」

 

「は、はい私達は大丈夫です」

 

「そっかそれは良かった」

 

雄介は携帯を取りだし一条に連絡を取り現状の事を話した。

 

 

その後警察が集まりコヨミと晴人は保護され雄介も一条と話していた。

 

「惨劇で生き残ったのはあの姉弟2人だけか」

 

「そうですね俺が来たときにはもう・・・」

 

「わかった後は俺があの2人に事情聴衆してみる君は後休んでてくれ」

 

「はい・・・」

 

雄介はちらっと2人の様子を遠目で見るとその弟がずっと下を向いたままで雄介は気になっていた。

 

 

 

事件から2日後雄介は梓と一緒に昼食を食べていたら家のインターホンが鳴り

 

「はーい」

 

梓は玄関のドアを開けると

 

「あっ一条さん」

 

「ご無沙汰してます中野君は?」

 

「お兄ちゃんなら中に、今日は?」

 

「えぇ以前中野君に助けられた2人がどうしても中野君に会いたいとそれで」

 

一条の後ろからコヨミと晴人が出て来てお辞儀をする。

 

「そうだったんですか、どうぞ上がって下さい」

 

一条達を家に招き入れ梓が案内する。

 

「あれっ?一条さんそれにこの子達は」

 

「中野この子達がどうしても君と話がしたいと言ってな」

 

「そうだったんですか」

 

コヨミはお辞儀し晴人は顔を伏せたままだった。

 

「あの、中野さんあの時助けていただいて本当にありがとうございました」

 

「いや、君達が無事でよかったよ」

 

「ほら、晴人もお礼言って」

 

コヨミが晴人を前に差し出すが以前顔は伏せたまま

 

「晴人君だっけ?本当に無事でよかったよ」

 

雄介がしゃがみ話掛けた時晴人は雄介を睨み

 

「どうして」ボゾッ

 

「えっ?」

 

「どうして!お父さんとお母さんを助けてくれなかったの!」

 

「っ」

 

「晴人!?」

 

晴人は雄介の胸ぐらを掴み

 

「4号ならどうしてお父さんとお母さんを!」

 

「晴人止めなさい!」

 

「お姉ちゃんは黙ってて!」

 

「未確認生命体を倒せるんでしょ?ならなんで早く来てくれなかったの?そうしたらお父さんとお母さんも助かったのに!」

 

晴人は涙を流し雄介にそう訴えた。

 

「・・・ごめんな」

 

「っ」

 

「君の言うとおりだもう少し早く来ていたなら君のお父さんとお母さんも助けられたかもしれない」

 

雄介は晴人の肩を掴み

 

「でも助けられなかったそれだけはどうしようもない事実だ」

 

「~~~っこの!」

 

晴人は拳を握り雄介を殴る。

 

「晴人!」

 

「お兄ちゃん!?」

 

コヨミは晴人を抑え梓は雄介に駆け寄る。

 

「・・・満足したか?」

 

「・・・えっ?」

 

「俺を殴って満足したか?」

 

雄介の口が少し切れ血が滲む。

 

「殴って満足したならそれでいい・・・だが、俺を殴ってどんな気持ちだ?」

 

「~~~っうるさい!お前のせいだ!お前のせいでお父さんとお母さんは死んだんだ!」

 

「晴人!いい加減にしなさい!」

 

コヨミは晴人の頬を叩く。

 

「中野さんのせいにして八つ当たりしてもお父さんとお母さんはもう帰って来ないの!どんなに辛くても悲しくてもお父さんとお母さんはもう・・・」

 

「っうるさい!俺は許せないんだお父さんとお母さんを殺した未確認が!それにそれを逃がした4号が!」

 

「っ晴人」

 

「俺がその未確認を殺してやるお父さんとお母さんの仇を打つんだ!」

 

晴人はそう言い家を飛び出して行った。

 

「晴人!」

 

「追いかけようまだ遠くへ行ってないはずだ」

 

「中野さん」

 

雄介はコヨミに向けサムズアップをする。

 

「大丈夫今混乱してるだけだと思うからそれに分かるんだ晴人君の気持ち」

 

「えっ?」

 

「とにかく探そう」

 

「お兄ちゃん私も」

 

皆が探しに行く中一条は雄介を止める。

 

「中野すまないまさかこんなことに」

 

「一条さん・・・大丈夫です誰だって晴人君の気持ちにもなりますよ」

 

「中野・・・」

 

「だからこそ誰かが支えてあげなきゃそうしないと晴人君ずっと笑顔を取り戻せない」

 

「・・・あぁ!行こう!」

 

雄介達も晴人を探しに家を出た。

 

 

 

「はぁ!はぁ!はぁ!くそっ!何なんだよ!何でなんだよ!」

 

晴人は足を止め手に膝をつき肩で息をする。

 

「お姉ちゃんは何であいつの味方なんか!4号はお父さんとお母さんを助けてくれなかったじゃないか!」

 

晴人はまたがむしゃらに走り出す目を瞑り前に人がいる事が気付かず

 

ドンッ!

 

「わっ!?」

 

「うわっ!」

 

晴人が尻餅をつき相手の方も尻餅をつく。

 

「ごめんなさい!前見てなくて」

 

「ううんこっちこそごめんね私もぼーっとしちゃって」

 

そこには買い物の帰りだろうか袋を持った穂乃果がいた。

 

「ほんとごめんね」

 

穂乃果は手を差し出し晴人を立たせる。

 

「ほんとごめんなさいお姉さん」

 

「私は大丈夫・・・でもどうしたの?泣いてるみたいだけど」

 

「あのっこれは」

 

晴人は腕でぐしぐしと涙を拭く。

 

「ねっ私の家この近くなんだちょっと寄ってかない?」

 

「えっ?」

 

穂乃果はにこにことそう晴人を誘う。

 

「で、でも」

 

「私の家和菓子屋でね新しいお饅頭が出来てね君に少し試食してほしいんだ」

 

「えっお饅頭さんなんですか?」

 

「うん」

 

穂乃果はそれにと言葉を続け

 

「君何か悲しい事があったみたいだから放っておけなくて」

 

「そ、それは」

 

穂乃果は手を差し出し

 

「私、高坂穂乃果君は?」

 

「俺は晴人・・・操真晴人」

 

「晴人君かぁじゃあ行こっか」

 

「あの、本当に良いんですか?」

 

「いいのいいのじゃあレッツゴー!」

 

穂乃果は晴人の手を握り穂むらへと向かった。

 

 

 

晴人は穂むらに着き穂乃果の部屋へと案内され少し待つよう言われ晴人は座って待ってる事にした。

 

「(初めて女の人の部屋に来たけどコヨミお姉ちゃんとは全然ちがうんだなぁ)」

 

晴人はそう思っていると穂乃果が部屋に戻って来た。

 

「お待たせー穂乃果特性お饅頭だよ食べてみて」

 

穂乃果はテーブルに置きそれを差し出す。

 

「あの、それじゃあいただきます」

 

「うん!召し上がれ」

 

1つ饅頭を摘まみそれを食べる。

 

「どうかな?」

 

「・・・美味しいです」

 

「よかったぁこれならお店に出しても大丈夫だね」

 

晴人が少しずつ饅頭を食べていると穂乃果が晴人の顔を見て

 

「ねっ何があったか教えてくれないかな?本当に話たくないならいいけど晴人君すごく悲しい顔してたからさ」

 

「それは」

 

晴人は饅頭を食べ穂乃果の顔を見る。

 

「・・・穂乃果さんは未確認生命体って知ってます?」

 

「えっ?それはまぁ」

 

「じゃあ見たことあります?近くで」

 

「・・・あるよ」

 

「!本当ですか!?」

 

「うん見たことあるし襲われたこともあるそれで今通ってる学校が襲われて沢山の人が亡くなった」

 

「襲われた?じゃあ穂乃果さんは何で?」

 

「無事かって?それは助けてもらったんだ晴人君もわかると思うけど未確認生命体4号に」

 

「やっぱり4号に」

 

「やっぱりって?」

 

「俺も襲われたんです未確認にそれで4号に助けられた」

 

「晴人君も!?」

 

「でも4号はお父さんとお母さんを助けてくれなかった

俺とお姉ちゃんを助けてお父さんとお母さんはっ!」

 

「えっちょちょっと待って!お父さんとお母さんはたすけなかったってどういう事!?」

 

「4号はお父さんとお母さんが未確認に殺された後やっと来たんだもう少し早ければお父さんとお母さんも生きてたのに!」

 

「そ、そういう事だったの」

 

穂乃果は晴人の手を握り

 

「ねぇ晴人君4号の事どう思う?」

 

「最低な奴だよ!」

 

「そうかなぁ私はそうは思わないなぁ」

 

「どうして!?」

 

「ねぇ晴人君4号は未確認生命体と戦ってくれるけど何もかも救ってくれる神様でもなんでもないんだよ」

 

「えっ?」

 

「4号だって必死に頑張ってるみんなの命を守る為そしてみんなの笑顔を守るために」

 

「みんなの笑顔を?」

 

「うん、私の知ってる友達はそんな人だよ自分の体が人じゃなくなってるのにもかかわらず1つでも多くの命を守るために頑張る私の尊敬できる人」

 

「穂乃果さん中野雄介を知ってるんですか?」

 

「うん、言ったでしょ友達だって」

 

「・・・そっか穂乃果さんは友達だからそんな事が言えるんだ」

 

「えっ?」

 

「でも俺は違う!穂乃果さんがあいつをどう思をと俺はあいつを絶対許さない!」

 

晴人は穂乃果の手を払い部屋を出ていく。

 

「晴人君!?」

 

晴人は走るただ雄介に対する怒りをぶつけ

 

「みんな!みんな!4号の中野雄介の味方なんだ!でも俺はっ!」

 

「晴人君待って!」

 

走って行く晴人を追いかける穂乃果

 

「はぁっ!はぁっ!くそっ!」

 

どれだけの距離を走ったかわからない晴人走り疲れ橋の上を歩いていると

 

「ぎゃあ!」

 

小さなボートから声が聞こえそこを見ると2人の釣り人が晴人達を襲った未確認に襲われていた。

 

「あ、あれは!」

 

晴人はその一部始終を見ていてふと思った。

 

「(俺があの未確認を殺せばお姉ちゃんも喜んでくれるかな・・・死んだお父さんやお母さんも)」

 

晴人はその場所へとどんどん近づき

 

「お姉ちゃんに仇はとるって言ったんだだから俺があいつを!」

 

晴人は落ちていた木の棒を取り落ちている石をその未確認に目掛け投げる。

 

「ッ!」

 

襲った釣り人を食べているとビランの頭に石が当たる。

 

「マダエモノガイタカ」

 

ビランは川に飛び込み一気に晴人の前へと飛び出して来た。

 

「うわっ!?」

 

突然現れた未確認に尻餅を着き後ずさる。

 

「っこ、来い!俺がお前を殺してやる!」

 

晴人は震えながらも立ち木の棒を構える。

 

「お父さんとお母さんの仇だぁっー!」

 

晴人はビランに目掛け棒を振り下ろすが無惨に棒は折れビランに払いのけられる。

 

「あうっ!」

 

晴人は弾き飛ばされ横転する。

 

「イセイノイイリントダ」

 

「あ、あぁぁ」

 

近づいてくるビランに恐怖する晴人

 

「(殺される!嫌だ死にたくない!)」

 

晴人は逃げようとするが足がすくんで立てないでいた。

 

「嫌だ、誰か助けて!」

 

ビランが腕についている刃を晴人に目掛け振り下ろそうとした瞬間

 

「晴人君!」

 

ビランの刃が当たる寸前に穂乃果が晴人を抱きしめ勢いよく地面に転がる。

 

「ほのか・・・さん?」

 

何が起こったかわからない晴人穂乃果は顔を上げ

 

「だい、じょ・・・ぶ?」

 

穂乃果は苦し紛れに晴人に言う。

 

「穂乃果さんあのっ」

「と、とにかく今は逃げるよ!」

 

穂乃果は晴人を起こしそのまま走って行く。

 

「ニゲラレルトオモウナヨリントドモ」

 

ビランは刃に付いた血を舐めとり穂乃果達を追いかける。

 

 

 

「はっ!はっ!はっ!」

 

「穂乃果さん・・・」

 

「だいじょうぶだからね」

 

穂乃果は微笑みポケットから携帯を取りだし雄介に電話を掛ける。

 

『もしもし穂乃果ちゃんどうした?』

 

「雄介ごめん・・・未確認に追われててさ・・・っぅ!

来てくれないかな?」

 

『未確認!?今どこにいる?』

 

「場所は・・・」

 

穂乃果は雄介に場所を伝える。

 

『わかったすぐに向かうからどこかに隠れてて』

 

「あり、がとう・・・ね」

 

『穂乃果ちゃん何か変じゃないか?どうした?』

 

「なんでもないから・・・じゃあおねがい」

 

穂乃果は通信を切り橋の下にある壁にもたれかかる。

 

「あんまり遠くへ逃げられなかったね、ごめんね晴人君」

 

「あ、ほ、穂乃果さん俺」

 

「だい、じょうぶだから」

 

「大丈夫じゃないですよ!穂乃果さんすごい血が出てるじゃないですか!」

 

穂乃果はずずすっともたれかかった背中を段々下げていきその壁に血がべっとりと付いていた。

 

「はぁっはぁっ大丈夫だから」

 

穂乃果は意識が朦朧としながらもただただ大丈夫と言うだけだった。

 

「穂乃果さんっ」

 

晴人が自分のせいだとそして何も出来ない自分にただ立っているしか出来なかった。

 

「ミツケタゾリントドモ」

 

その声に晴人は瞬時に振り向くとビランが数メートル先に晴人達を見据えていた。

 

「あ、あぁぁ」

 

晴人は腰を抜かし穂乃果はもう動けないでいた。

 

「シネェ!」

 

ビランは一直線に向かってくる。

 

「うわあぁぁぁーーー!!!」

 

もう終わりだと思った刹那ドンッという銃声が聞こえ目を開けるとビランの動きが止まっていた。

 

「ナンダコレハ!?」

 

ビランの体からは煙が吹き出し苦しんでいた。

 

「無事か!」

 

涙で霞むが一条と雄介が走ってくるのが晴人には見えた。

 

「一条さん2人を!」

 

「わかった!」

 

一条は穂乃果を抱え込み晴人と一緒に避難する。

 

「キサマラァ!」

 

ビランは苦しみから解放し雄介を睨む。

 

「ふっ!」

 

雄介は体からアマダムを出現させ変身の構えを取る。

 

「''変身''!」

 

その掛け声と共に雄介の体が変化し赤いクウガへと変身を遂げる。

 

「クウガァ!」

 

ビランは刃をクウガに目掛け振り下ろされるがクウガはビランの肘を抑えビランの腹部にパンチする。

 

「グォッ!」

 

「おりぃやぁ!」

 

クウガはそのままビランを蹴り上げ吹き飛ばす。

 

「グックソガァ!」

 

「うおぉぉぉっ!」

 

クウガは落ちている木の棒を取り青いクウガに変わりビランの頭に打ち付ける。

 

「ギャッ!」

 

「だぁっ!」

 

ロッドを体に打ち付けビランは吹き飛び川に落ちる。

 

「グックソ」

 

クウガはロッドを振り回し構えジャンプする。

 

「ふっ・・・うぉりいゃあー!」

 

ビランはまずいと思い川に潜りクウガの攻撃をかわした。

 

「なっ!?」

 

クウガは辺りを見渡すがビランはいなく逃がしてしまった。

 

「また逃げたのか・・・くそっ」

 

クウガはすぐさまバイクのある所へ戻りそのまま走って行く。

 

 

ー関東医大病院ー

 

穂乃果が運ばれすぐさま集中治療室のランプが付く。

 

「今彼女のご家族に連絡がついてすぐ向かうそうです」

 

一条がそう言いコヨミと梓が頭を下げる。

 

「まさかこんな事になるなんて穂乃果ちゃん大丈夫かな?」

 

「本当に申し訳ありません弟のせいで」

 

コヨミはただ頭を下げる事しか出来なかった。

 

「そんな」

 

「一条さん!」

 

廊下から声が聞こえこちらに向かってくる雄介。

 

「中野、未確認生命体は?」

 

「すいませんまた逃がしてしまいました」

 

「・・・そうか」

 

「穂乃果ちゃんの様子は?」

 

「あぁ今集中治療室に運ばれてなまだ何とも言えない」

 

「そうですか・・・穂乃果ちゃんの家族には?」

 

「もう連絡がついたすぐここに向かうらしい」

 

「そうですかありがとうございます」

 

「あのっ中野さん!」

 

コヨミが雄介の前に立ち

 

「弟が本当にご迷惑をお掛けしました!本当にすみません!」

 

謝りただ涙を流すコヨミに雄介は肩に手を置き。

 

「コヨミちゃん大丈夫」

 

雄介はコヨミにサムズアップをし

 

「今ここで君が泣いてたら亡くなったお父さんもお母さんも悲しむそれに晴人君だって」

 

「でも!今回の事は晴人が!」

 

「晴人君だってこうなる事を望んでなかっただから今あの子は苦しんでるお父さんとお母さんが亡くなってそれに穂乃果ちゃんが傷ついて」

 

「中野さん」

 

「だから晴人君の事は任して貰えないかな?俺が何とかやってみるよ」

 

「中野さん」

 

「ねっ!」

 

雄介はもう一度コヨミにサムズアップをする。

 

「・・・はい、よろしくお願いします」

 

「うんじゃあ行ってくる」

 

雄介が歩いて行こうとした瞬間

 

「あっ中野さん晴人の居場所!」

 

「あっそうだった」

 

コヨミから晴人の居場所を聞き雄介はそこに向かう。

 

 

 

「はぁ」

 

晴人は体育座りをし外を眺めていた。

 

「俺のせいで穂乃果さんが」

 

そう言っているとドアが開く音が聞こえ

 

「よっ晴人君」

 

「中野・・・さん」

 

「隣いいかな?」

 

「・・・」

 

雄介は晴人の隣に座り込む。

 

「コヨミちゃんから場所聞いたんだ屋上にいるってそれと君が色々やってしまった事も一条さんから」

 

「・・・怒らないんですか?俺がした事」

 

「・・・あぁ怒らない」

 

「どうして!?中野さんの友達を穂乃果さんを俺のせいで死ぬかもしれないんですよ!?」

 

「・・・確かに君がやった事は間違ってる復讐の為に未確認に近づきそれで穂乃果ちゃんを危険に晒した事も・・・でも俺は君を怒らない」

 

「どうして?」

 

「俺も同じような事があったから」

 

「えっ?」

 

「前にね未確認が憎くてどうしようもなくて周りが見えなくてそれで俺の大切な人達を傷つけた事があるんだ」

 

「中野さんが?」

 

「うんその時かな力でねじ伏せ未確認を倒した後みんなの大切な場所をボロボロにしちゃったんだ俺」

 

「大切な場所?」

 

「うん穂乃果ちゃん達は今スクールアイドルをやっていてねそのステージを俺が戦いで壊しちゃたんだ」

 

「スクールアイドル聞いた事がある」

 

「それで皆の所から一度去ってそれでも未確認と戦ってボロボロになって倒れた時助けられたんだあの子達に」

 

「中野さん」

 

「傷つけた俺をそれでも一緒にいたいと言われた時は本当に嬉しかったなぁだから今の俺がある」

 

雄介は晴人にサムズアップをし

 

「晴人君確かに今悲しいかもしれないでも君にはいるんじゃないか?君の側にいて一緒に居てくれている人が」

 

「・・・お姉ちゃん」

 

「晴人君お姉ちゃんも今晴人君と同じ気持ちだと思うんだ・・・だからさ晴人君が側にいてあげないと」

 

「・・・中野さん俺」

 

晴人が立ち上がると雄介の携帯がなり

 

『中野!未確認生命体が目撃され今警官達が応戦している君も現場へ急げるか!?』

 

「わかりました!俺もすぐに向かいます!」

 

雄介は通信を切り

 

「晴人君」

 

「中野さん行ってください俺大丈夫ですから」

 

晴人は雄介にサムズアップをし

 

「行って皆を救ってあげてください俺も頑張りますから」

 

「・・・わかった!」

 

雄介はそう言い走って行った。

 

 

晴人はコヨミ達のいる所に戻り

 

「お姉ちゃん!」

 

「晴人!?」

 

「穂乃果さんは?」

 

「今手術を受けている所よ傷が深かったみたいですぐにオペが必要だって」

 

「!?そんな」

 

晴人は顔を伏せる。

 

「(俺のせいで穂乃果さんが!?でもっ!)」

 

晴人は顔を上げ

 

「俺は・・・穂乃果さんが帰ってくる事を信じる」

 

「晴人?」

 

「穂乃果さんは俺を救ってくれたその穂乃果さんにまだ何も言えてないだから俺は穂乃果さんが帰ってくる事を信じる!だから絶対に希望は捨てない!」

 

晴人の言葉に梓とコヨミは驚くこの数十分で何が彼をここまで変えたのかわからないが

 

「そうだね晴人君私も希望は捨てないだから信じよ穂乃果ちゃんが戻ってくる事を」

 

「はいっ!」

 

「晴人(中野さん一体何をしてここまで晴人を変えたのかわからないけどでも貴方のお陰なんですよね?ありがとうございます中野さん)」

 

 

 

「こちら一条!状況は!」

 

『未確認生命体が暴れもう被害が拡大していく一方です!早く応援を!』

 

「くそっ!間に合ってくれ!」

 

一条はパトカーを飛ばし現場へと急行する。

 

 

「ぎゃあ!」

 

「うわぁ!」

 

警察官達はビランと応戦するがまるで歯が立たず次々とビランの餌食となっていく。

 

「サァツギハドイツダ?」

 

「ひぃ!」

 

すると1台のパトカーが到着し一条はライフルを構えビランに発砲する。

 

「っ」

 

前回同様ビランの体から煙が出ているが物ともせず歩いている。

 

「ソンナモノモウキクカ」

 

「っもう耐性が出来たのか!?」

 

一条は続けて発砲するがビランには効かずビランはそのまま一条の方へと飛びライフルを蹴り上げる。

 

「くっ!」

 

着地したビランは一条を蹴り一条はそのまま横転する。

 

「ぐっあっ!」

 

「おわりだ」

 

ビランは人間の言葉でそう言い手に着いている刃を一条へと向けた瞬間勢いよく突っ込んできたバイクにビランは跳ねられ吹き飛ぶ。

 

「一条さん!」

 

「っう中野」

 

「大丈夫ですか!?」

 

バイクから降り一条の元へと駆け寄る。

 

「俺の事はいい来るぞ!」

 

一条の言葉に雄介は振り返るとビランは口から血を吐きながらも雄介達を睨む。

 

「後は俺が」

 

雄介はアマダムを出現させ変身の構えを取る。

 

「''変身''!!」

 

雄介の掛け声と共に赤いクウガへと変身を遂げる。

 

「ガアァァァァ!」

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

クウガとビランが雄叫びを上げ2人の戦いが始まる。

 

 

 

一方関東医大病院では穂乃果の手術中で無事を祈る3人すると穂乃果の家族そして他にも8人の少女達が歩いてくるのがわかる。

 

「雪穂!それにμ'sの皆さんも!」

 

「梓!お姉ちゃんは?」

 

「まだわからないよあれから30分くらい経つけど」

 

「お姉ちゃん・・・」

 

「あの・・・穂乃果さんのご家族の方達ですか」

 

コヨミと晴人が穂乃果の家族に近づき

 

「本当に申し訳ありません!穂乃果さんを危険な目に遭わせてしまい!」

 

「穂乃果さんは俺を守ろうとして怪我をしたんですだから本当にごめんなさい!」

 

コヨミと晴人が深々と謝り穂乃果の母が2人の肩に手を置き

 

「2人共顔を上げて大丈夫よ穂乃果は絶対」

 

「どうして・・・」

 

「母ですもの娘の事ぐらいなんでもわかるわよねっあなた雪穂」

 

雪穂と穂乃果の父がサムズアップをする。

 

「穂乃果が私達を置いてどこにもいったりしないだから私達は信じられるあの子を」

 

すると1人のベージュ色の髪した女性が晴人に近づき

 

「きっと大丈夫!だから顔を上げて!穂乃果ちゃんは戻ってくるいつも笑顔を絶やさない元気な穂乃果ちゃんが」

 

その子の言葉に皆が賛同する。

 

「ありがとうございます皆さん」

 

晴人はもう一度皆に頭を下げる。

 

「そういえば雄介いないわね?」

 

「お兄ちゃんなら今未確認生命体が出現したからそこに向かってますよ」

 

「そう・・・戦ってるのね雄介」

 

「それなら雄介も無事に帰ってくる事を祈りましょう」

 

「皆さんも中野さんが4号だって事知ってるんですね?」

 

「ん?まぁここにいる全員はね」

 

「穂乃果さんも中野さんの事・・・一度話たからわかるんですとても優しい人だってだからこそ心配とかあるんじゃないですか?いくら4号だって」

 

「それはまぁ心配よ命を張ってるんだものいつも心配」

 

「でもね凛達は約束したから雄介と」

 

「約束?」

 

「そう必ず凛達の所に帰ってくる約束だから大丈夫雄介も穂乃果ちゃんも必ず帰ってくる」

 

「中野さんは皆さんにとって希望なんですね」

 

「お姉ちゃん」

 

「これだけ信頼され想われているだから中野さんは皆さんの希望なのかなって」

 

「ゆーくんが希望・・・そうだね私達の最後の希望」

 

「(希望か・・・だからあなたは強いんですね中野さん)」

 

 

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

クウガはパンチをするが手を抑えられビランに噛まれる。

 

「っう!このっ!」

 

クウガはビランの腹部に膝蹴りをしビランを怯ませそのままビランの顔にパンチを入れる。

 

「グァッ!」

 

ビランは横転し顔を抑えもがいているその内にクウガはトライチェイサーからグリップを取り赤のクウガから紫のクウガに代わる。

 

「行くぞ!」

 

グリップをタイタンソードに変えゆっくりビランに近づく。

 

「ク、クウガァ!」

 

ビランは飛び出しクウガに目掛け刃を振るうがクウガはソードを持ち替えソードを横に振る。

 

「ガッナニ!?」

 

その一撃でビランの刃は折れビランは武器を失う。

 

「ふっ!」

 

クウガはビランの隙をつき横一閃にソードを振りビランに攻撃を与え

 

「グアァァ!」

 

そしてソードを持ち替えビランにソードを一気にビランの腹部に刺す。

 

「ギィヤァァァァ!」

 

「あぁぁぁぁぁぁ!」

 

ビランの腹部から封印エネルギーが流れベルトに到達するそして

 

「クウガアァァァァ!」

 

その叫びと共にビラン爆発した。

 

「ふぅ」

 

クウガは1つの戦いを終え安堵のため息をつく。

 

 

ー数日後ー

 

穂乃果の手術は無事成功し今は入院中そんな穂乃果は空を見ているとドアのノックする音が聞こえる。

 

「どうぞー」

 

「失礼します穂乃果さん」

 

「晴人君来てくれたんだ今日は1人?」

 

「はい穂乃果さんに伝えたい事がありまして」

 

「えっ?」

 

晴人の話によると数日後親戚の家に行くと伝え穂乃果は

 

「そうなんだ」

 

「はい・・・多分当分会えないと思います」

 

「そっか寂しくなるね」

 

「だから行く前に穂乃果さんに会いたくて」

 

「なんか照れるなぁ」

 

「穂乃果さん」

 

晴人は穂乃果に近づき穂乃果の左手をそっと持ち上げ

 

「今はこんなお礼しか出来ないけど」

 

そう言って穂乃果の中指に赤いダイヤの入った指輪を穂乃果にはめる。

 

「えっ!?どうしたのこれ?」

 

「俺なりのお礼です」

 

「でもこれって」

 

「はいお母さんの形見です」

 

「いやいやいや!これは受け取れないよ晴人君にとっても大事な物」

 

「だからこそです穂乃果さんには一杯お世話になったしそれに俺にとって穂乃果さんはもう1人のお姉ちゃんみたいな人だから」

 

「晴人君」

 

「穂乃果さん俺これから人の役に立つ事を一杯しようと思います将来もそんな仕事に」

 

「どうしたの急に」

 

「俺は雄介さんのように戦う事は出来ないけど皆の希望になれるように生きたいと思いました雄介さんや穂乃果さんを見て」

 

「希望か・・・晴人君になら絶対なれるよ皆の希望に」

 

「へへっありがとうございます」

 

「ファイトだよ!」

 

「はい!」

 

晴人は病室のドアへと歩いていき

 

「穂乃果さん本当にお世話になりましたまた機会があったら必ず会いに来ます」

 

「晴人君・・・うん!必ず」

 

「じゃあ」

 

そう言って晴人は病室を出ていった。

 

「晴人君なら必ずなれる皆の希望に」

 

 

数日後晴人とコヨミが東京駅に見送りに来た雄介。

 

「雄介さん本当にお世話になりました」

 

晴人とコヨミは深々と頭を下げる。

 

「俺は別に何もしてないよ2人が頑張って立ちあがれたんじゃないか」

 

「いえ、それでも雄介さんや穂乃果さん達がいたからです皆さんがいなかったら俺どうなっていたか・・・だから俺にとって皆さんは希望なんです」

 

「希望・・・か」

 

「はいお父さんとお母さんが俺やお姉ちゃんの事を希望と言ってくれたように俺にとっては雄介さん達が希望です」

 

「そっか・・・ありがとう晴人君」

 

「はい、だからこそ今度は俺も皆さんのような希望になれるような人になりたいです!」

 

「晴人君・・・大丈夫!君なら必ず皆の希望になれる今もこれからもな」

 

雄介はサムズアップをしコヨミにウインクをする。

 

「中野さん・・・ふふっそうですね」

 

コヨミはそう言い晴人は首を傾げていた。

 

「さっもう時間だそろそろ行った方がいいな」

 

「はい、中野さんこれから遠くに行っちゃうけど応援してますから」

 

「くれぐれもお体には気をつけて」

 

「ありがとう2人共」

 

そう言い2人は手を振り新幹線へと乗り込んで行った。

 

「頑張れよ操真晴人」

 

雄介はそう言いトライチェイサーに乗り走って去って行った。

 

ー第12話 希望endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




随分遅くなりましたがやっとこ完成です
第13話はなるべく早く出せるよう頑張ります。


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第13話 装甲

ラブライブ予選が近づく中穂乃果が出場出来ない状態でどう乗り切るかそして雄介にも異変が
第13話始まります。



「ふっおりぃやぁ!!」

 

広いスクラップ工場の中で未確認生命体と戦う戦士クウガ。

 

「ギッ!」

 

その未確認は素早い動きでクウガの攻撃を避けクウガの後ろに回り足を掴みクウガを投げ飛ばす。

 

「うわぁ!」

 

クウガは壁に激突し横転する。

 

「いってぇ~っ!?」

するとクウガは突然頭を抱え込み

 

「(またこの感覚?何なんだこれは!?)」

 

クウガが向かって来ないと隙をつき未確認は攻撃に仕掛ける。

 

「やべっ!」

 

クウガは青いクウガに代わりジャンプし未確認の攻撃をかわす。

 

「ニゲルナクウガァー!」

 

未確認は走って向かってくるクウガは工事楊のバーを掴みドラゴンロッドに変え未確認を受け流す。

 

「ッコシャクナクウガァ!」

 

未確認は腕を振るうがクウガはロッドでガードし腕を弾き蹴りを入れる。

 

「ギッ!?」

 

シャンシャン音を鳴らしとロッドを振り回し構えジャンプし未確認に目掛けロッドを横から打ち付ける。

 

「ギャア!?」

 

未確認はその攻撃で弾き飛ばされ廃車にぶつかり導線が切れ火花が出て流れ込んでいた油に引火し一気に爆発する。

 

「うぉっ!」

 

突如の爆発にクウガは驚くが未確認の生死を確認する為に近づく。

 

「いないなぁあれで倒したのか?」

 

辺りを見渡すが未確認の姿がなくクウガはトライチェイサーに戻り一条に連絡する。

 

『そうかわかった俺も直ぐに向かう』

 

「わかりました」

 

クウガは雄介の姿に戻りトライチェイサーに股がる。

 

「なんだったんだあれは?」

 

雄介は戦いの最中頭に流れ込んできたビジョンそれは大きなクワガタのような物だった。

 

 

ー翌日ー

 

「おはよー」

 

「あっゆーくんおはよう」

 

「おはようございます」

 

雄介が教室に入りことりと海未が挨拶を交わす。

 

「ゆーくん昨日大丈夫だった?」

 

「えっ?あっうん大丈夫だよ」

 

雄介は自分の席に座りことりに返答する。

 

「(昨日頭に流れたあれは未だに謎なんだよなぁ)」

 

「雄介どうしたのですか?何か考え事ですか?」

 

「えっ?いやぁ大丈夫大丈夫」

 

そうこうしていると学校の予鈴がなりHRが始まる。

 

時は放課後授業が終わり雄介はことりと海未に桜子の所に寄ると伝え雄介は桜子のいる教室に向かう。

 

「失礼しまーす」

 

「あっ中野君」

 

「すいません忙しい中」

 

「大丈夫だよ今日はどうしたの?」

 

「ちょっと聞きたい事がありまして」

 

雄介は桜子に自分が見た幻影を話す。

 

「大きなクワガタ・・・でもそんなの碑文には載ってなかったかなぁ」

 

「そうですか」

 

「最近の事なの?その・・・幻影を見るのって?」

 

「はい、戦っている中突然ブワッとなんか始めて変身した時と似てる感覚で」

 

「じゃあ中野君のお腹の中にある石アマダムが見せた幻影って事なのかも」

 

「じゃあ何かの前触れとか?」

 

「そういう事に捉えておきましょう私ももう少し調べて見るね」

 

「ありがとうございます宜しくお願いします」

 

雄介はお辞儀し教室を出て部室に向かう。

 

「皆ごめん遅くなった・・・ってどうした?」

 

雄介が入って来るや否やμ'sのメンバーは重い空気を漂わせていた。

 

「どうしたのみんな?」

 

「雄介単刀直入に言うわ今の現状どう思う?」

 

「現状って?」

 

にこに突然振られ頭を傾げる雄介。

 

「わからない?ラブライブ予選が近づいている中リーダーが不在の事よ」

 

「それは、まぁでもしょうがないだろ穂乃果ちゃんは怪我で入院しているんだし」

 

「その穂乃果が出れない以上今まで練習してきたパフォーマンスを練りなさなきゃいけないのよ」

 

「それはこれからみんなで」

 

「その時間が惜しいって言ってんのよ私は!」

 

「っ」

 

「今からフォーメーションを変えても逆に変になるだけだわそれに今から新しい曲を作るって言っても時間がない!だから!」

 

「ちょっと落ち着けって」

 

「落ち着けるわけないでしょ!ラブライブなのよ!せっかくチャンスを貰ったのにこれじゃあまたっ・・・!」

 

「確かにラブライブは大事だよだけどここで穂乃果ちゃんをいない事を嘆いてもしょうがないだろ」

 

「じゃあどうしろって言うのよ!穂乃果さえ怪我しなければこんな事にならなかったのに!」

 

「っ穂乃果ちゃんだって好きで怪我した訳じゃないだろ!そんな言い方すんな!」

 

「っ・・・」

 

「・・・悪ぃ怒鳴って」

 

「私もごめん色々あせちゃって少し頭冷やしてくるわ」

 

そう言ってにこは部室を出ていく。

 

「みんなもごめん嫌な気分にさせちゃったな」

 

「いえ雄介が言わなかったら私がにこに怒鳴ってたかもしれません」

 

「にこの気持ちもわかる私達3年生とってこれは最後のラブライブだし必ず出たいっでもここで穂乃果を責めたら絶対に間違ってるわ」

 

「だとしてもどうするんにこっちの言うとおりこのままじゃ・・・」

 

「それでもやるしかないにゃ」

 

「凛・・・あなた」

 

「確かに時間はないよだけどやれるだけやってみようよ穂乃果ちゃんの分まで凛頑張るから!」

 

「・・・凛ちゃん」

 

「ふふっまさか凛がこんな事言うなんて思ってもみなかったわ」

 

「えぇ~?どういう意味にゃ絵里ちゃーん」

 

「誉めてるのよ」

 

「でもどうするの?今から新しい曲でも考える?」

 

「そうねぇ・・・それもこれも踏まえて穂乃果とも相談してみるわ」

 

μ'sの皆はこれからの事を話今日は解散となった。

 

「ほいっことりちゃん」

 

「うん、ありがとうゆーくん」

 

ことりはヘルメットを受け取りトライチェイサーに股がる。

 

「しっかり掴まっててね」

 

「うん」

 

ぎゅっと雄介の腰に手を回し密着する。

 

「うっ///」

 

「どうしたのゆーくん?」

 

「何でもないです///(ことりちゃんの胸が背中に)」

 

そう言ってエンジンをつけゆっくり走行する。

 

「ねぇゆーくん」

 

「うん?」

 

「これからどうなっちゃうのかなぁ私達」

 

「・・・大丈夫だよ絶対」

 

「どうして?」

 

「だってμ'sだよ?皆が力を合わせればどんな事だって乗り越えられるさ」

 

「・・・そうだね私達はどんな事があっても乗り越えてきたもんね」

 

「うんだから絶対大丈夫!」

 

雄介はそう言うがことりは気付いていた雄介も不安なんだと。

 

「ゆーくん・・・私達頑張るから」

 

「えっ?うん!俺も全力でサポートするからさ」

 

ことりは雄介の背中にぎゅっとしがみつくことりも不安で少しでも不安を和らぎたいから。

 

「うっことりちゃん///」

 

「えっ?」

 

「凄く柔らかいです///」

 

「・・・ゆーくんのえっち///」

 

 

ー夜ー

 

穂乃果が病室でマンガを読んでいると携帯が鳴り出す。

 

「ん?絵里ちゃんからだ」

 

ピッと通話をONにし

 

「もしもーし」

 

『もしもし穂乃果今大丈夫かしら?』

 

「うん全然大丈夫だよー凄く暇してたし」

 

『そうやっぱ入院生活は辛い?』

 

「まぁねぇあっでも授業受けなくていいしそこはいいかも」

 

『もうっちゃんと勉強もしなくちゃ駄目よ』

 

「はーい」

 

『所で話は変わるんだけど』

 

「うん?」

 

『ラブライブ予選のことなんだけど』

 

「うん・・・ごめんね私のせいで混乱しちゃってるよね?」

 

『いえ、穂乃果は自分を責めないであなたは勇敢な行動を取ったんだから』

 

「でも」

 

『確かに穂乃果の抜けた穴は大きいわだから私達は新しい曲を作ろうと思うのどうかしら?』

 

「新しい曲・・・うん良いんじゃないかな」

 

『それでその曲での事なんだけど・・・』

 

 

ー翌日ー

 

「えぇーーー!!凛が!りんがぁ!?」

 

教室の中凛が絵里の発言に驚き他のクラスメイトに注目を浴びる。

 

「えぇ今回のライブは凛が前に出てもらうわ」

 

「昨日絵里が穂乃果と話決定したそうです」

 

「で、でもいいの?凛なんかで」

 

「こらっ凛自分なんかなんて言っちゃ駄目でしょ?あなたはもう昔の凛じゃないんでしょ?」

 

「真姫ちゃん・・・でも」

 

「穂乃果と絵里が決めて皆が納得したんなら頑張ってみなさいよ凛」

 

「にこちゃん」

 

「凛確かにいきなり言われて困惑すると思うわあなたが本当にしたくないなら考えるけど、どうする?」

 

「えっと・・・ゆーすけはどう思う?」

 

「俺も皆と同じだよ凛ちゃんなら大丈夫!」

 

「ゆーすけ・・・うん!絵里ちゃん凛やってみるにゃ!」

 

「良かったなら今日の放課後から取り掛かるわ真姫と海未は作詞と曲を他の皆はダンスの練習よ」

 

「わかりました」

 

「了解よ」

 

「凛ちゃん!頑張ろうね!」

 

「かよちん・・・うん!凛頑張るにゃ!」

 

 

ー夕方 未確認生命体対策本部ー

 

「一条!」

 

「杉田さん?どうしたんですか?」

 

「この間の4号と13号が争いで倒されたはずの13号が生きている可能性が出てきたんだ」

 

「なんですって!?」

 

杉田は一条に書類を渡し

 

「現場検証によれば13号の遺体の破片は一部とも見つからなかったそれが不明点だったんだ」

 

「確かに4号が撃破した未確認はいずれも遺体一部は必ずありましたね」

 

「あぁだからこの写真を見る限り奴はここから逃げたんじゃないかと思われる」

 

杉田が指を指した所そこは

 

「マンホール・・・奴は爆発の寸前にここから逃げたのか」

 

「一条さん!」

 

「どうした笹山君」

 

「都内の各所にトラックで轢き逃げしている事件が多発しています多分13号の仕業かと」

 

「以前も奴は大型トラックを使い同じ犯行を繰り返していた」

 

「やっぱり奴は生きてやがったんた!」

 

「行きましょう!」

 

「おう!」

 

一条と杉田は現場に向かう為走っていく。

 

 

 

ー音乃木坂学園屋上ー

 

「ワン!ツー!ワン!ツー!凛遅れてるわよ!」

 

「は、はい!」

 

「はい!ストップ!」

 

絵里の掛け声で皆一度止まる。

 

「凛あなたのテンポだけ少し違うのよいつものあなたらしくないわね?」

 

「そ、そうかな?今度は大丈夫もう一回!」

 

「わかったわ皆もう一度行くわよ!」

 

「「はい!!」」

 

すると雄介の携帯が鳴り

 

「はいもしもし・・・はい、はい!わかりました!すぐ行きます!」

 

雄介は通信を切り

 

「ごめん皆未確認が出たから俺行くな」

 

「わかったわ気をつけてね雄介」

 

「あぁ!」

 

「えっ?ゆーすけ行っちゃうの?」

 

「凛ちゃん?」

 

「あっごめん何でもない!」

 

「・・・なるべくすぐ戻ってくるから」

 

雄介はそう言い走って屋上を出ていった。

 

「凛あなた・・・」

 

「ごめん絵里ちゃん続けよ練習!」

 

「え、えぇわかったわじゃあ行くわよ!」

 

 

 

雄介が現場に向かっている途中通信が入る。

 

『中野雄介聞こえるか?』

 

「はい!」

 

『未確認は君が以前倒したと思われていた未確認生命体13号がまた大型トラックで犯行を繰り返している』

 

「生きてたんですか!?」

 

『あぁだから以前のように姿を変え襲っているに違いない』

 

「わかりました!直ぐに向かいます!」

 

雄介はアマダムを出現させ変身の構えを取る。

 

「''変身''!」

 

その掛け声と共に赤いクウガに代わりそしてトライチェイサーも色を代える。

 

「っう!?」

 

クウガに変身したと同時にまた頭の中にあのビジョンが流れる。

 

「またこの感覚!?一体何なんだ」

 

するとクウガの上から大きな飛行物体が飛んでくる。

 

「うぉっ!?何だ?」

 

『お待たせしました』

 

飛行物体はそう発言し体を分裂しクウガの乗っているトライチェイサーに合体した。

 

「えっ?合体した!?」

 

『さぁ行きましょう』

 

「えぇと何が何だかわかんないけどとりあえず行くか!」

 

クウガは突然な事に戸惑いながらも飛行物体と合体したトライチェイサーと共に現場へと急ぐ。

 

 

未確認生命体が現れた現場へと到着するとすでに襲われていた人達の亡骸があった。

 

「そんな」

 

すると1台の大型トラックがクウガのいる所に目掛け猛スピードで走ってくる。

 

「コロシテヤルクウガァー!」

 

「くっ」

 

クウガはグリップを回しトライチェイサーを動かしそれを回避する。

 

「チィ」

 

「っの野郎!」

 

クウガは再びトライチェイサーを走らせようとするが突然動かなくなってしまった。

 

「えっ一体どうしたんだ!?」

 

何をしても動かず未確認はもう一度クウガを目掛け突進してくる。

 

「くそっ」

 

クウガはバイクから飛び降りトラックの突進を避けたがトライチェイサーは大型トラックにそのまま押し付けられる。

 

「あぁ!俺のバイク」

 

未確認はバックし再びクウガに突進してくる。

 

「っこの!」

 

クウガは青いクウガに代わり未確認の運転席側まで飛びそのまま運転席のドアを開け未確認を引きずり出す。

 

「ギャア!」

 

引きずだされた未確認はトラックから投げ飛ばされ横転する。

 

「キサマァ」

 

クウガは着地し身構える。

 

「クウガァ!」

 

未確認は攻撃を仕掛けるがクウガは受け流し未確認にエルボーを喰らわす。

 

「ギッ!」

 

「おりぃやぁ!」

 

そのままパンチを未確認に放つが未確認は受け止め

 

「コンドコソオマエヲコロシテヤルコノ''メ・ギャリド・ギ''ガナ!」

 

ヤドカリに酷似した未確認はそう言いクウガに膝蹴りを喰らわそうとするがクウガは片手でガードし

 

「何を怒っているのか知らねぇけどな・・・怒りたいのはこっちもなんだよ!」

 

クウガは赤いクウガに代わり蹴りを入れギャリドを怯ませパンチを喰らわす。

 

「グックソクウガァ」

 

ギャリドは顔を抑えクウガを睨む。

 

「うぉおおお!」

 

クウガは再び攻撃を仕掛けるがギャリドは隙を見つけクウガにドロップキックを喰らわす。

 

「うあっ」

 

クウガは横転するが直ぐ様立ち身構えるとギャリドの姿はなかった。

 

「なっあいつどこ行った!?」

 

クウガは辺りを見渡すがギャリドの姿はどこにも居なかった。

 

「逃げたのか?でもあんな素早く」

 

クウガは雄介の姿に戻りトライチェイサーの元へ

 

「うぅ~どこか壊れてなければいいけど」

 

雄介は押し付けられた際にそこらのビニールシートや看板等がトライチェイサーに覆い被されそれをどかす作業に

 

「あれっ?全然傷がない?」

 

雄介が見る限りではトライチェイサーは傷1つ付いてなかった。

 

「あれだけ派手にやられたのに傷1つないとは」

 

雄介がもう一度エンジンをつけようとするがやはり動かない。

 

「ふぅしょうがない一条さんに連絡するか」

 

雄介が一条に連絡を取りそのままトライチェイサーは榎田ひかりのいる科学警察研究所に運搬された。

 

「まさかその未確認飛行物体がTRCSと合体するとは」

 

「はい俺も驚きましたいきなり頭の上に来てそのままバイクと合体しましたからねぇ」

 

「あれは何なんだ?クウガと何か関係があるのか?」

 

「それが俺もよく分かんないんですよ頭の中に流れて来たのはその未確認飛行物体?だったんですけどまさか合体するとは」

 

「とにかく榎田さんに頼んで調べてもらう君はどうする?」

 

「俺も行ってもいいですか?気になりますし」

 

「あぁわかった」

 

雄介は一条の車に乗せてもらい科学警察研究所に向かった。

 

 

ー科学警察研究所ー

 

雄介と一条は科学警察研究所(科警研)に着き榎田に会う。

 

「あっ一条君」

 

「榎田さんこの間はどうもありがとうございました」

 

「12号の時に渡したあれどうだった?」

 

「えぇ最初は効力を発揮したのですが奴に体制がついたのかそれ以降は・・・」

 

「そう・・・あれだけ詰め込んだ弾薬も最初だけか・・・もっと改良が必要ね」

 

「はい・・・申し訳ないんですが」

 

「いいのいいのそれが仕事なんだしそういえばそちらの彼は?」

 

「えぇ彼の事は歩きながらでも話しましょう」

 

雄介達は運び込まれたトライチェイサーの所に向かいながら雄介の事を榎田に話した。

 

「そう・・・君が」

 

「はい宜しくお願いします」

 

「うんこちらこそ宜しくね・・・辛いでしょまだ子供なのに1人で未確認と」

 

「いえ俺は大丈夫です一条さんもいるしそれに大切な人達も一緒に居てくれてますから」

 

「そっか私もこれからあなたの事をサポートしていくね」

 

「ありがとうございます!」

 

そう話いる内に雄介達は研究所の所に着き榎田がドアを開ける。

 

「どう?TRCSは」

 

「どうもこうもないですねぇ~分からない事だらけですよ」

 

1人の研究員が頭を抱え榎田にそう答える。

 

「一条君が言ったようにもし4号の物なら古代から来たものそれがバイクとねぇ」

 

「えぇどうしてこうなったのか当の本人も分からないみたいで」

 

「ほんと謎ですよねぇ~まぁ良い奴だとは思うんですよねクウガのマークも付いてるし」

 

「まったく君は軽率すぎる」

 

「へへっあっとすいません電話が」

 

雄介が画面を見るとことりから着信が来ていた。

 

「もしもしことりちゃんどうした?」

 

『ゆーくん今すぐ学校に来て!大変なの!』

 

「えっ一体どうした?」

 

『いいから早く!』

 

「は、はい!」

 

雄介は一条に事情を話走って学校に向かった。

 

「はぁはぁつっかれた」

 

雄介は息を整え屋上の扉を開くと

 

「ちょっと離しなさいよ!まだ言いたい事があんのよこの分からず屋には!」

 

「凛の気持ちも知らないくせに変な事言わないでよ!」

 

「えっと・・・どういう状況?」

 

にこが海未に抑えられ凛が真姫に抑えられている状態。

 

「あっゆーくん!」

 

「ことりちゃんこれは一体?」

 

「うん実は・・・」

 

遡る事数時間前雄介が未確認の通報受け出ていって数分後凛の失敗により練習がうまくいかず苛立ちを見せるにこ。

 

「ちょっと凛あんたやる気あんの?」

 

「えっ?もちろんあるけど」

 

「私から見たらねあんた全然いつもと動きが違うのよ」

 

「そんな事は・・・」

 

「そんな事があるから言ってるんじゃない!ラブライブの予選が近づいている中こんな所で躓いてられないのよ!もっと集中しなさい!」

 

「にこ少し落ち着いて」

 

「絵里!あんたも分かるでしょ!凛の動きが全然違うって!なのになんで何も言わないのよ!」

 

「それは・・・」

 

「甘やかしてる場合じゃないのよ私達にはラブライブに出なきゃいけないんだから凛あんたがやる気がないなら他の誰かに代わってもらうわ」

 

「にこちゃん!」

 

「ちょっと言いすぎよにこっち」

 

「あんたが前に出るって話になった時少し元気がなかった多分緊張もあるそれはしょうがないわでもね雄介が居なくなった瞬間もっと動きが悪くなったあんた雄介がいないと何も出来ないの?」

 

「にこちゃん!」

 

「にこ!いい加減に!」

 

「いつまでも雄介に甘えてんじゃないわよ!」

 

「っうるさい!凛の気持ちも知らないくせに!」

 

「ふんっ何よいっつも雄介にべったりで見ているこっちが鬱陶しくてやんなっちゃうわ」

 

「っこの!」

 

「なによ!やろうっての!?」

 

凛がにこに飛びかかろうとした瞬間

 

「凛!駄目!」

 

「にこもいい加減にしなさい!」

 

真姫と海未に抑えられ今の状況にいたる。

 

「なるほどねぇ」

 

雄介は睨み合っている2人の間に入り

 

「はーいストップ」

 

「ちょっと雄介!」

 

「邪魔しないでよ!」

 

「いい加減にしろ!2人共!」

 

「っ」

 

「ゆーすけ?」

 

「2人が喧嘩して傷つきあったら2人も痛いしここにいる皆も痛い!そんなの嫌だろ!?」

 

「それは・・・」

 

「・・・」

 

「にこ!ラブライブの予選が近づいて焦っているのもわかる!だけどちゃんと仲間を信じて1つ1つ積み上げていくしかないじゃないか」

 

「・・・」

 

「凛ちゃん今回の事で緊張していつも通りいかないんだよな?」

 

「ゆーすけ凛は・・・」

 

「大丈夫焦んなくていいからいつも通りの凛ちゃんでいけばいい」

 

「いつも通りの凛?」

 

「うん、だから自分を信じて?」

 

「う・・・ん・・・」

 

凛は雄介に抱きつき小さくすすり泣き雄介はそんな凛を優しく頭を撫でる。

 

「にこ凛ちゃんだって凛ちゃんなりに頑張ってんだだからもう少し時間をやってくんないか?そうしなきゃライブだってうまくいかないしラブライブだって夢のまた夢だろ?」

 

「それは・・・」

 

「だから頼むもう一度皆と力を合わせて凄い曲を作ろうぜ」

 

「っわかったわよ」

 

にこは凛の方に向かい。

 

「ごめん凛私が焦っているせいで傷つけて本当にごめん」

 

「にこちゃん・・・ううん凛こそごめん」

 

「よっしじゃあ仲直りの握手だ!」

 

雄介は凛とにこの手を取り2人に握手をさせる。

 

「全く一時はどうなるかと思ったわよ」

 

「雄介君のおかげでなんとかなったね真姫ちゃん」

 

絵里が凛の所へ行き

 

「凛、今回の事で凛には1番負担がかかるかもしれないけど大丈夫?やれそう?今ならまだ・・・」

 

凛は目元の涙を拭き取り

 

「大丈夫だよ絵里ちゃん凛頑張るよ皆の為にそして穂乃果ちゃんの為に!」

 

「凛・・・えぇそうね!」

 

そんな絵里と凛を見て雄介はサムズアップをする。

 

 

ー翌日ー

 

雄介は桜子に呼ばれ教室に

 

「失礼しまーす」

 

「あっ雄介君いらっしゃい」

 

「どうしたんですか?呼び出しで?」

 

「うん雄介君が見るその飛行物体の正体がわかったかも」

 

「本当ですか!?」

 

「昨日君が送ってくれたバイクにくっついた状態の写真に写っている文字を調べたらね」

 

桜子はパソコンの画面に写っている碑文を見せる。

 

「ここにはね''来たれ甲虫をかたどりし馬の鎧となるしもべよ''と書かれてあるの」

 

「馬の鎧かぁあのくっついた状態が馬なのかなぁ?」

 

「さぁねぇ」

 

「でもしもべって事はやっぱりあいつはクウガの仲間って事なんですかねぇ?」

 

「まぁ今のところ何ともいえないなぁ」

 

 

雄介は桜子のいる教室を出て雄介は一条に連絡を取る。

 

『もしもしどうした?』

 

「一条さんどうですか?トライチェイサー」

 

『あぁ榎田さんの情報だとあれから変化が見られないらしい」

 

「そうですか」

 

『君の方はどうなんだ?何かわかったか?』

 

「えっと一応碑文には書いてあったんですけど馬の鎧でクウガのしもべって書いてあったので良い奴だと思うんですけど」

 

『まだ確定の情報は出てないって訳か』

 

「そうですねぇ」

 

『わかった何か分かり次第君の方に連絡する』

 

「わかりましたお願いします」

 

雄介は通信を切ってμ'sの皆がいる被服室へ。

 

「お待たせー」

 

「あっゆーくんいい所に!」

 

「お、おぉどうした?」

 

「今ね凛ちゃんが着るライブの衣装を試着している所なのもうすぐ着替え終わると思うんだぁ」

 

「えっ?ゆーすけ来たの!?は、恥ずかしいにゃ!」

 

「何恥ずかしいとか言ってんのよどうせライブで見られるんだし今見られても同じよ」

 

「そうだよ凛ちゃん勇気だして!」

 

真姫と花陽に言われ渋々と試着室から出てくる凛。

 

「ゆーすけどう?にあ・・・ってるかな?」

 

そこにはウェディングドレスのような衣装を着た凛が雄介に問いかける。

 

「お、おぉに、似合ってるよ・・・すごく」

 

「あ、ありがとう///」

 

本当に凄く似合っていて他のメンバーも絶賛の嵐だ。

 

「凄く似合っていますよ凛」

 

「衣装も可愛いなぁさすがことりちゃんやね」

 

「えへへっありがとう」

 

すると絵里が手をパンパンと鳴らし

 

「皆衣装も完成して後はダンスだけよ凛いけるわね?」

 

「うん大丈夫にゃ」

 

「よし!これからがラストスパートよ!」

 

それから日にちを追うごとに練習を続けラブライブ予選前日へと近づいた。

 

その夜。

 

「ついに明日なんだね」

 

『えぇ皆本当に頑張ってくれたわ後は本番にぶつけるだけ』

 

「絵里ちゃん」

 

『なぁに穂乃果?』

 

「ありがとう」

 

『どうしたのよ急に?』

 

「ううんなんか言いたくなって」

 

『ふふっ変な穂乃果ね』

 

「明日頑張ってね」

 

『えぇあなたの分まで必ず予選を突破してみせるわ!』

 

「うん!ファイトだよ!」

 

ー翌日ー

 

待機している中カーテンから外を覗く花陽。

 

「うぅすごいお客さんだよぉ」

 

「でもこれだけ私達が注目されてるって事かしらね」

 

「や、やってみせるにゃ」

 

そう言った凛は体を小刻みに震えていた。

 

「凛、落ち着いてあんまり緊張しちゃ駄目よ」

 

「う、うんわかってる」

 

「みんなー本番10分前だ準備は大丈夫?」

 

「私達は大丈夫だけど凛が」

 

「凛ちゃん」

 

雄介が凛に近づこうとすると携帯が鳴り出す。

 

「もしもし・・・はい、はい!わかりました!すぐ向かいます!」

 

「ゆーくんもしかして?」

 

「・・・うん、ごめん行かなきゃ」

 

「えっ!ゆーすけ行っちゃうの!?」

 

「何てタイミングが悪いの」

 

「最悪・・・やな」

 

「とりあえず後の事は任せた行ってくる!」

 

行こうとした瞬間凛に腕を掴まれる。

 

「ゆーすけ行っちゃやだよぉ」

 

「り、凛ちゃん!?」

 

突然の事に皆が驚愕する。

 

「凛何言ってるの!未確認が出たんだから雄介は行かなきゃ!」

 

「そうだけど・・・そうだけど!凛緊張でおかしくなりそうなの!」

 

「凛ちゃん・・・」

 

「もし失敗したらだとか凛のせいで予選落ちたらどうしようだとかそう考えたら怖くて雄介が居なきゃ凛怖いよぉ」

 

そう言いう凛を雄介は背中を擦り

 

「凛ちゃんごめんな傍で見守ってやれないけど必ずすぐに帰ってくるから!」

 

「ゆーすけぇ」

 

「約束するよ凛ちゃん達のライブは絶対に見るから!」

 

そう言って雄介は凛の腕を優しくほどき走って行ってしまった。

 

「凛、立てる?」

 

「・・・うん、ごめんね真姫ちゃん」

 

「凛、雄介も言ってたでしょう必ず帰って私達のライブを見るとだから勇気を出して行きましょう!」

 

凛はゆっくりと立つがまだ体が震えたままだ。

 

「どうするんえりち今のままステージに立ったら」

 

「それでも凛を信じるしかないでしょ」

 

凛が緊張で皆がどうしようかと困っていた所

 

「凛ちゃん、みんな」

 

突然声を掛けられたメンバーが振り向くとそこには・・・

 

 

一方雄介は一条から連絡を受け走っていた所を一条に見つけられ車に乗り込んだ。

 

「中野奴はまたトラックで犯行を及んでいるらしい」

 

「じゃあまたあいつをトラックから引きずり出してっ!?」

 

と突然雄介は頭を抱え

 

「どうした中野!?」

 

「な、なんか突然頭に何か・・・」

 

雄介の頭の中に流れてくる声それは

 

「一条さん今から科警研に向かってもらっていいですか!?」

 

「何!?どうしたんだ突然?」

 

「呼ばれているような気がするんですあいつに」

 

「まさか未確認飛行物体が」

 

一条はハンドルを切り経路を変え科学警察研究所に向かう。

 

 

 

「ほ、穂乃果ちゃん?」

 

皆が振り向いたそこには車椅子に乗った穂乃果と雪穂がいた。

 

「うん、我慢出来なくて来ちゃった」

 

舌をペロッと出しそう言う穂乃果を皆呆れながらも嬉しそうで

 

「まったく穂乃果らしいですね」

 

「体大丈夫なの穂乃果ちゃん?」

 

「うん車椅子に乗ってるから全然大丈夫だよ雪穂には迷惑かけちゃうけど」

 

「まったくだよお姉ちゃんが駄々こねて無理矢理来たんだから退院したら店番当分お姉ちゃんにやってもらうからね」

 

「はーい」

 

そう言って穂乃果は凛の方を見る。

 

「凛ちゃん」

 

「ほ、穂乃果ちゃん」

 

「ごめんね私のせいで凛ちゃんに一杯負担かけちゃったね」

 

「そんな事!」

 

「ううんそんな事ある凛ちゃんだけじゃない他の皆にも迷惑かけちゃったし」

 

「穂乃果」

 

「穂乃果ちゃん」

 

「でもね私このライブすごい楽しみでもあるんだ!」

 

「えっ?」

 

「いつもね絵里ちゃんに曲の事や衣装の事そして練習の事を聞かされて皆が頑張っているって聞いて凄く嬉しかった」

 

穂乃果は凛の手を取り

 

「凛ちゃんも勇気を出して前で歌ってくれるって聞いて嬉しかったよ」

 

「穂乃果ちゃんでも凛は・・・」

 

「大丈夫だよ凛ちゃんは1人じゃないでしょ?花陽ちゃん真姫ちゃんことりちゃんに海未ちゃんそれに絵里ちゃん希ちゃんにこちゃんそして私と雄介皆が傍にいるから」

 

「うん、うん!」

 

「何も怖くないでしょ?」

 

「うん!」

 

「今は私一緒に踊れないけど皆の事見守ってるから」

 

「凛」

 

「凛ちゃん」

 

花陽と真姫がピースを作り他の皆も同じように凛の前にピースを作り

 

「後は凛ちゃんだけだよ」

 

穂乃果もピースを皆に合わせ

 

「みんな、うん!」

 

凛が加わりピースのわっかが出来

 

「いくよ!1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

「「ミューズミュージックぅスタぁートぉ!!!」」

 

凛達がステージに立つと大勢のお客さんが

 

「きゃあぁぁぁぁ!」

 

「かわいいー!」

 

大勢の歓声も聞こえてくる。

 

「あ、ありがとうございます///あの、今回の曲は本来9人で歌うはずだったんですが誠の事情により8人で歌う事となりました、ですが私達はいつでも繋がっていますだからそのメンバーの想いも乗せて歌っていきたいと思います!」

 

凛は今日一番の笑顔をみんなに向け

 

「それでは1番可愛い私達を見ていってください!」

 

 

 

 

 

雄介達が科学警察研究所に着き榎田達のいる研究所へ走って行き

 

「榎田さん!」

 

「一条君に中野君どうしたの?」

 

「TRCSがどうなったか気になりまして」

 

「いつもと変わらないよ動かないま」

 

「榎田さん!」

 

突如現れた研究員に

 

「どうしたの!?」

 

「み、未確認飛行物体が」

 

それを聞き雄介と一条はトライチェイサーのある所まで走る。

 

バタンっとドアを開くとトライチェイサーに付いていたケーブルが全て弾かれておりエンジンも作動している状態だ。

 

「TRCSが」

 

「一条さんこれなら行けるかもしれません」

 

一条は頷き雄介はトライチェイサーに股がり

 

「中野俺もすぐ追い付く」

 

「はい!」

 

雄介はそのままエンジンを吹かせ走っていき一条は後から来た榎田に一礼をし走っていった。

 

機材が散乱しあちこちケーブルが弾き飛んだ現状を見て榎田は

 

「ちょっと高いんだぞこれ!」

 

 

『中野どうだ?』

 

「はい何とか行けそうです!」

 

雄介はアマダムを出現させ変身の構えを取り

 

「''変身!''」

 

赤いクウガへと変わり現場へと急ぐ。

 

クウガが走行している中1台のトラックを見つけ

 

「あれか!」

 

クウガはスピードを上げトラックを追い抜くそれに気づいたギャリドは

 

「クウガ!?コンドコソオマエヲコロシテヤル!」

 

ギャリドもスピードを上げ突っ込んでくるクウガはUターンしそのままクウガも突っ込む。

 

一条がちょうど現場に到着し

 

「中野まさか突っ込むつもりか!?」

 

「うおぉぉぉぉ!!!!」

 

バイクとトラックが正面衝突しトラックが衝撃で半回転しそのままガリガリガリっとトラックが弾かれていくように横転しバァンっと壁にぶつかり止まる。

 

「グック、クウガコロシテヤルオマエヲ」

 

ギャリドがドアから出てきたと同時にトラックにでかでかとクウガの紋章が浮き出しておりギャリドもその紋章の放電を浴び体に着いているベルトへと到達し

 

「クウガアァァァァァ!!!!!!」

 

ドォーン!!っとトラックごと爆発する。

 

「ふぅ」

 

クウガはバイクから降り手を見るとそこから煙が出ていた。

 

「まったくとんでもないことするなぁ君は」

 

「正直俺も怖かったです」

 

一条と雄介が話していると未確認飛行物体の色が変色し茶色くなりバラバラっと崩れさってしまった。

 

「えっ?一体どうしたんだ?」

 

「これはまだ色々調べないとだな」

 

「はぃ」

 

雄介がバラバラになった未確認飛行物体を見て落ち込んでいると

 

「あっ!一条さんすいません俺これで失礼してもいいですか!?」

 

「あ、あぁ構わないが」

 

「ほんとすいません後の事宜しくお願いします!」

 

雄介はそう言いバイクで走り去っていく。

 

「ほんと変な奴だなぁ」

 

 

雄介がライブ会場へと到着するとライブはおおいに盛り上がっていた。

 

「凛ちゃん、みんな」

 

そこには本当に楽しそうに歌っている凛とメンバー達

 

「良かった凛ちゃん立てたんだなステージに」

 

「皆のお陰だよ」

 

突然話し掛けられ振り向くと

 

「穂乃果ちゃん!?」

 

「やっほー雄介」

 

「来てたんだ?」

 

「うん結構無理矢理ね」

 

「そっか、でも」

 

「うん本当に来て良かっただって皆楽しそうだもん」

 

雄介は穂乃果の頭を撫で

 

「大丈夫立てるよ穂乃果ちゃんだって次は必ず」

 

「うん・・・うん!」

 

いつの間にか泣いていた穂乃果やはり自分もあのステージに立ちたかったのだろう。

 

「ほら、穂乃果ちゃん皆手を降ってるよ」

 

ライブを終え会場皆に手を降るμ'sメンバー達。

 

「雄介本当に今さらなんだけどすごいねμ'sって」

 

「うん俺も皆に自慢したくなるよ最高のスクールアイドルだって」

 

雄介と穂乃果が話しているとμ'sのメンバーが雄介達の元へと走ってくる最高の笑顔を向けながら。

 

 

 

 

ー第13話 装甲 endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は案外短く終わってしまいましたが次の話は長いかもしれません。
第14話も頑張ります。


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第14話 喪失

ラブライブ予選が終わり予選を突破しているか否かそしてその中で起こる1つの事件が・・・それでは第14話始まります。


1つの病室の中でμ'sメンバーが集まりことりと凛が1つのベッドにしがみついている誰かがそこで眠っており2人は決して離れようとはしない。

 

「ことり、凛そろそろ行きますよ」

 

「嫌だ!絶対に嫌!」

 

「凛ちゃん」

 

「嫌だ!絶対に離れない!」

 

巌なに凛はそこを離れようとせずそこにしがみついておりその上ことりはずっと黙ったままだ。

 

「ことりちゃんほら立たんと」

 

「い、い・・・やだ」

 

「こんな事したって雄介君はもう・・・」

 

「っゆーくんは死んでない!生きてる!生きてるよ!」

 

「ことりあなたっ」

 

「ゆーくんが私を・・・私達を置いて・・・っう、うわあぁぁぁぁ!!!」

 

「ぐすっひっぐ、うわぁぁぁぁん!!」

 

ことりも凛も膝をつき感情が抑えられず泣いてしまう。

 

「どうして?どうしてなの雄介ぇどうして眠ってるの?」

 

「ほ、穂乃果ちゃん?」

 

穂乃果はゆっくり雄介が眠っているベッドへと近づき

 

「どうして死んじゃったの!?ねぇ!雄介ぇ!」

 

誰もがこんな事態にはなるとは想像出来なかった皆の支えだった中野雄介はベッドの上で眠ったままで決してその瞼を開くことはなかった。

 

ー数日前ー

 

ラブライブ予選が終わり結果を待つμ'sメンバー達。

 

「そろそろよね?」

 

「うん、き、緊張するよぉ」

 

「大丈夫よ私達は背一杯やったもの必ず突破してるわ」

 

「絵里の言うとおりよ絶対に大丈夫!」

 

「真姫ちゃん・・・うん、そうやね」

 

「き、来ました!」

 

パソコンの画面が予選の合否を表す。

 

「け、結果は?」

 

マウスを操作し下にスクロールする。

 

「音乃木坂学院スクールアイドルμ's・・・とっ・・・ぱっ」

 

「突破?と言うことは?」

 

「凛達合格したんだにゃ!」

 

「「「いやったぁーーーーー!!!」」」

 

μ'sのメンバーは喜びと共にそれぞれ伝えたい人達の元へと走るクラスメイト家族そして・・・

 

「やったわよ穂乃果」

 

『うん見たよおめでとう・・・そして、ありがとう』

 

μ'sのリーダー穂乃果にも伝わった。

 

それは音乃木坂学院全てに伝わり皆歓喜の声をあげた。

 

「おめでとう!」

 

「これからも応援するねラブライブ頑張って!」

 

背一杯やってきた努力が実りμ'sの新たなステージが幕を上げる。

 

「いやぁすごいわね今日の学校の盛り上がり」

 

「スクールアイドルの一大イベントやからね」

 

「ほんと感激です!」

 

「でも・・・ここからが難題よ」

 

「そうですね予選を勝ち上がったと言うことは・・・」

 

「私達AーRISEと」

 

その言葉に皆が黙り混んでしまうすると部室のドアが開き

 

「お待たせーみんな」

 

「ゆーすけ!」

 

凛はいち早く雄介の元へと駆け寄る。

 

「どこ行ってたのですか?学校サボって」

 

「サボってないよ!前バイクにくっついた未確認飛行物体の事を調べてたの」

 

「それで、どうだったのゆーくん?」

 

「いやぁあれからバラバラになっちゃってどうしようもないんだこれが」

 

雄介は困ったように頭を掻く。

 

「ねっねっゆーすけ凛達合格したんだよラブライブ予選」

 

「うん見たよごめんね一緒に見れなくて、でもおめでとう」

 

そう言って凛の頭を撫でていると

 

「それで次の事で悩んでいたのよ」

 

「次の事?」

 

「次のライブにはAーRISEとぶつかる」

 

「そっかAーRISEと・・・でもさ皆のリーダーは何て言うと思う?」

 

「穂乃果ですか?うーん」

 

「''大丈夫だよ必ずだって皆がいるから''って俺は言うと思う」

 

雄介が言うように穂乃果が居たら言いそうな言葉だ。

 

「確かに穂乃果なら言いそうね」

 

「そうだよね今回だって皆が居てくれたから突破したんだもん次のライブだって皆と一緒なら絶対に負けないにゃ!」

 

「その意気だ!」

 

雄介はサムズアップをする。

 

「それに次のライブまでには時間があるしその間には穂乃果も退院すると思うから」

 

「今度こそ全員で挑めるって訳ね」

 

「そういう事ね」

 

「よぉーし次のライブに向けて頑張るにゃー!」

 

「「「おー!!!」」」

 

 

ー夜 中野家ー

 

「ただいまー」

 

「お帰りお兄ちゃん」

 

梓が玄関まで迎えにくる。

 

「先、お風呂にするそれともご飯?」

 

「んー梓!」

 

パァンとスリッパで頭を叩かれ

 

「もう!何言ってんのお兄ちゃん!」

 

雄介は叩かれた頭を抑え悶絶し

 

「イテテじょ、冗談だよ」

 

「バカっ!」

 

そう言って梓はリビングへと戻って行ってしまった。

 

「もぅ本気で叩かなくても」

 

雄介もリビングへと行きテレビの電源を付ける。

 

「お兄ちゃんがバカな事言うからでしょ!」

 

「そこまで怒んなくても・・・まったく昔はおにいちゃ~んって甘えん坊だったのに最近は怖くなったなぁ」

 

「お に い ちゃ ん何て?」

 

梓はフライパンを持ちジリジリと雄介に近づいてくる。

 

「ご、ごごごごごごめんなさい!今でもラブリーキュートな可愛い妹ですはい!」

 

「もう!バカな事言ってるとご飯抜きにするからね!」

 

「うぅ~怒るとほんと怖いんだから~」

 

雄介はテレビのリモコンを操作しチャンネルを変えていると

 

『えぇ今入った情報ですと襲われた被害者は数十名病院に運ばれたものの運ばれた直後には亡くなれていたそうです』

 

「まさか未確認か?」

 

「どうしたのお兄ちゃん?」

 

「いや、今のニュース多分未確認の仕業だと思うんだけど」

 

「また出たんだ未確認生命体」

 

 

 

深夜暗い路地裏を通るOLの女性社員帰りが遅くなり近道でも考えたのであろうだがそんな女性を1人の男性が道を阻み

 

「これで19人」

 

その男は女性の肩を掴み無理矢理女性の唇を自身の唇を合わせる。

 

「うぐっげほっ!げほっ!」

 

女性は突然苦しみだし倒れ男性はその女性を見て微笑み暗い路地裏を歩いていった。

 

 

ー翌日ー

 

『これで被害が19名・・・だがまだ奴の足取りを掴めていない』

 

「やっぱり未確認の仕業ですかね?」

 

『あぁ椿に聞いたんだが運ばれた被害者はもうすでに体がボロボロになり崩れ去った例もあるらしい間違いなく未確認の仕業だろう』

 

「体がボロボロに・・・奴の能力でしょうか?」

 

『おそらくな・・・もし君が未確認と対峙する時は用心した方がいいだろう』

 

「わかりました、ありがとうございます」

 

『あぁまた何かわかり次第連絡する』

 

「はい!」

 

雄介は通信を切り部室へと向かう。

 

「おっまったせー」

 

「あら雄介」

 

雄介は部室に入ると真姫しかおらず

 

「あれ?他の皆は?」

 

「ことりと花陽なら衣装の素材を買いに行って海未は作詞を後のメンバーは上で練習」

 

「んで真姫ちゃんは曲作りと」

 

「そういう事ね」

 

「わかった邪魔しちゃあ悪いし俺も屋上に行くよ」

 

「りょーかい」

 

雄介は部室を出て屋上へと向かって行った。

 

一方ことぱなチームは買い出しを終え学校に戻り途中。

 

「大丈夫花陽ちゃん?重くない?」

 

「だ、大丈夫です!」

 

大きな袋を2つほど持つことりと花陽9人分の衣装の材料を持っているので結構重い。

 

「花陽ちゃんちょっとあそこのベンチで休もっか?」

 

「う、うんわかった」

 

2人はベンチに着き荷物を下ろし座る。

 

「ふぅやっぱり重いねぇ」

 

「うん、手に袋の跡ついちゃった」

 

「あ、ほんとだ!ふふっ」

 

「あ、ことりちゃん笑ったぁ」

 

「ふふっごめんごめんほら私もついてるし」

 

「ほんとだ」

 

2人は互いに笑いあい

 

「なんか変な感じだねほんと平和って感じなのに未確認生命体は存在して今でも・・・」

 

「・・・でも、この平和が少しでも続いてるのってやっぱり雄介君が頑張ってるお陰だよね!」

 

「そうだね、ゆーくんが皆を守ってくれてる事で今の私達があるんだよね」

 

「うん、でも今でも信じられないなぁあの雄介君が変身して戦うなんて・・・もう何回も見てるのに」

 

「ほんとだね、いつもは皆と遊んだりちょっかい出してえっちな事もするけど戦いの時になると皆の事を必死に守って戦ってくれる皆の笑顔を守る為に」

 

ことりはベンチから立ち

 

「行こっか花陽ちゃん!なんだか皆に会いたくなっちゃった」

 

「うん!私も」

 

そう言って学校に戻ろうと歩き出す2人すると1人の会社員が歩きながら電話をしていてもう1人の大きな帽子をかぶった男性がすれ違い際に

 

「なっ!何をするんだ!」

 

その大声にことりと花陽は気付きそちらを向く。

 

「やめろっ!」

 

会社員の男性は帽子をかぶった男に両肩掴まれ振りほどこうとするが力が強くそのまま会社員の男性の口をその男がふさぐ。

 

「うっげほっうえぇぇぇ!!!」

 

男性は悶え苦しみ口から泡をふき倒れる。

 

「これで25人」

 

男は自身に付けているブレスレットのような物をカチャっと動かす

 

「ねぇことりちゃんあれって」

 

「う、うんゆーくんに」

 

ことりと花陽はすぐにその場から離れ物陰に隠れ

 

「ゆーくんお願い出て」

 

ことりは雄介に電話を掛ける・・・だがその電話をした事がこれから起こる事にことりは後悔してしまうことになるとは想像もつかなかった。

 

雄介の携帯が成りことりから着信が来ており

 

「もしもしことりちゃんどうした?」

 

『もしもしゆーくん今さっき男の人が襲われて倒れちゃったの!多分未確認生命体だと思う』

 

『何っ!?ことりちゃん達は大丈夫?」

 

『うんすぐに離れたから大丈夫私達は無事だよ』

 

「良かった、とりあえずすぐに向かうから待ってて!』

 

『うん、わかった』

 

雄介は通信を切り

 

「ごめん皆ちょっと行ってくる」

 

「聞こえたわ会話からしてことり達は無事なのね?」

 

「あぁ」

 

「わかった気をつけて雄介」

 

「あぁ!」

 

「ゆーすけ!」

 

「うん?どうした凛ちゃん?」

 

「無事に帰って来てよね約束だよ?」

 

「大丈夫!すぐに帰ってくるから」

 

雄介はサムズアップをし走っていった。

 

「大丈夫よ凛、雄介はちゃんと帰ってくるわ」

 

「・・・うん、そうだね!」

 

「大丈夫やよ凛ちゃんが大好きな雄介君は負けないって」

 

「うん・・・って希ちゃんさらっと何言ってるにゃ!」

 

「うちは間違えたこと言ってないよ~」

 

「もう希ちゃん!」

 

っと希と凛の追いかけっこが始まり

 

「始まっちゃったわよ」

 

「まぁまぁ希も凛を元気付けたいんでしょ」

 

「まぁ不安だからね雄介の事となると」

 

「そうねぇ・・・」

 

 

ことりの電話を受け聞いた場所に着いた雄介。

 

「あっ!」

 

雄介は倒れている人がいることに気付き近寄る。

 

「大丈夫ですか!?」

 

雄介が男の人の上半身を起こそうとするがボロボロと男の体は崩れ去った。

 

「くそっ一条さんに聞いた通り未確認の能力か何かか?」

 

雄介は辺りを見渡すが未確認らしい人物は居らずとりあえずことりに連絡を取る。

 

「もしもしことりちゃん?」

 

『ゆーくん?今どこ?』

 

「今さっきことりちゃんから聞いた現場に着いたけど未確認らしい奴はいないな」

 

『わかった、とりあえずそんなに遠くないし私達もそこに向かうね』

 

「いや、俺の方から行くよまだ未確認もうろついてると思うし」

 

『ん、わかった気をつけて来てね』

 

「りょーかい」

 

雄介はバイクに股がりエンジンを掛け走行し一条に通信を入れる。

 

「一条さん、聞こえますか?俺です」

 

『どうした?』

 

「さっき未確認が出たと連絡があってそこに向かったんですが1人亡くなってて未確認の姿はなかったです」

 

『なんだって・・・まさか今回の』

 

「はい、一条さんが言ってたように体がボロボロになって崩れ去る現象が」

 

『・・・わかった俺もすぐに向って調べてみる君も何かあったら連絡してくれ』

 

「わかりました」

 

雄介は通信を切りことり達のいる所に向かう。

 

 

 

数分後ことり達のいる所に雄介が到着する。

 

「ゆーくん!」

 

「お待たせ、2人共」

 

雄介はバイクから降り2人に近づく。

 

「とりあえず一条さんに連絡して調べてもらう事になったから俺達は学校に戻ろう」

 

「うん」

 

「・・・っ!?」

 

ことりと雄介が話している中花陽が急に怯えだしそれに気付く雄介。

 

「どうしたかよちゃん?」

 

花陽は震える手で指を差し

 

「雄介君!うしろぉ!」

 

大声で言い咄嗟に雄介は後ろを向くと大きな帽子をかぶった男が3人に近づいてくる。

 

「あ、あの人さっき男の人を襲った・・・」

 

「何っ!?」

 

雄介はことりと花陽を後ろに下げる。

 

「次の獲物は・・・君たちだよ」

 

そう言ってニヤっと薄気味笑う男は自分の唇を撫でゆっくりと歩いてくる。

 

「2人共下がってて!」

 

「う、うん」

 

「わかった!」

 

ことりと花陽は咄嗟に走り物影へと隠れ雄介の様子を見る。

 

「・・・っ!」

 

雄介はアマダムを出現させ変身の構えを取る。

 

「''変身''!」

 

そしてその掛け声と共に雄介の姿から赤いクウガへと変身を遂げる。

 

「クウガ!?」

 

クウガは構え一気にその男へと詰めより強烈のパンチをその男の腹部に叩きつける。

 

「ぐふっ!!」

 

男は近くのフェンスにぶつかりその衝撃で姿を変える。

 

「ク、クウガ」

 

男はキノコに酷似した未確認生命体メ・ギノガ・デに変化し身構えクウガも構える。

 

「ふっ!」

 

先に攻めたのはクウガでパンチを繰り出すがギノガはそれを避ける反撃しようと近づくがクウガはジャンプし後ろに着々した瞬間ギノガの背中にキックをする。

 

「ぐぁっ!」

 

「うぉりぃやぁ!」

 

怯んだ所をギノガの顔にパンチを入れる。

 

「くっあっ」

 

ギノガは痛みで顔を抑えよろけながら立つ。

 

「ふっ!」

 

クウガは構えギノガに迫る。

 

「くっ!」

 

「はっ!」

 

クウガのパンチをガードするがクウガはギノガの手を抑え背負い投げし地面に叩きつける。

 

「ぎゃあ!」

 

クウガは倒れているギノガをキックしギノガは吹き飛び壁に激突する。

 

「ゆ、許さないクウガァ」

 

ギノガはずるずると立ちクウガを睨む。

 

「く、・・・?」

 

ギノガは気付く物陰に隠れていることり達を見て変身しているから分からないであろうが口が歪むほど微笑んでいた。

 

「コウカイシナヨクウガ」

 

「なに?」

 

ギノガはそう言いことり達の方へと飛ぶ。

 

「きゃあ!?」

 

「っあいつことりちゃん達を!」

 

クウガも直ぐ様追いかけるだがそれこそ奴の狙い

 

「ヒッカカッタネクウガ!」

 

ギノガは直ぐ様振り向きクウガの体を全力で抑え

 

「なにっ!?」

 

そしてそのままギノガの口から霧のような物を出しクウガの口を覆う。

 

「ぐっぐわぁぁぁぁぁ!!??」

 

ギノガはクウガを離しギノガもダメージが大きく膝をつく。

 

「あ、あぁぁぁぁ!!!!」

 

「ゆーくん!?」

 

「雄介君!?」

 

苦しむクウガに2人は近付き

 

「はぁはぁこれでクウガは・・・」

 

ギノガはそう言いよろよろと立ちそこから離れていく。

 

「ぐぁぁぁぁ!!!」

 

クウガは自分の喉を抑え苦しみ赤いクウガから白いクウガへと変化する。

 

「ゆーくん!ゆーくんしっかりしてぇ!」

 

「雄介君!」

 

そしてクウガの変身が解かれ雄介の姿に戻る雄介は苦しみ唇が変色し口から泡を吹く。

 

「は、早く病院に!」

 

すると黒いパトカーがその場に止まり

 

「中野雄介?・・・一体何があったんですか!?」

 

一条が車から降り雄介達の所へと走ってくる。

 

「一条さん!雄介君が!雄介君がぁ」

 

「中野!?おいしっかりしろ!おい!」

 

一条の呼び掛けも反応せず雄介はただ苦しむ。

 

「くっ」

 

一条は椿に連絡を取り

 

『もしもし』

 

「椿か!今病院か!?」

 

『そうだが一体どうした?』

 

「中野雄介が未確認との戦いで倒れた至急救急車を」

 

『何だって!?わかったすぐに手配する!』

 

「頼む」

 

一条は通信を切り雄介の方へと向く。

 

「ゆーくん・・・ねぇゆーくん!」

 

苦しむ雄介をことりはただ抱きしめ呼び掛ける事しか出来なかった。

 

 

 

μ'sのメンバーが練習中絵里の電話が鳴り

 

「っと皆ごめんね」

 

絵里は携帯を取り花陽から通信が来ており。

 

「もしもし花陽?」

 

『絵里ちゃん!今すぐ!今すぐ病院に来て!』

 

「ちょっちょっと落ち着いて花陽一体どうしたのよ?」

 

『雄介君が・・・倒れたの』

 

「えっ・・・雄介が?」

 

『すごく苦しそうにしてて反応もしてくれないの!このままじゃ雄介君が死・・・』

 

「縁起でもないこと言わないの!ねぇ花陽今どのような状況か教えて」

 

『う、うん今ことりちゃんと救急車に乗って関東医大病院に向かってるのだから皆にも伝えようと』

 

「わかったわ今から私達もそこに向かうわ・・・いい花陽絶対に希望を捨てちゃダメよ雄介絶対大丈夫だから」

 

『うん・・・ありがと』

 

「じゃあ切るわね」

 

絵里は花陽との通話を切り皆の方へ向く。

 

「皆いいかしら」

 

「どうしたんえりち?」

 

「誰からの電話にゃ?」

 

「花陽から連絡が来て雄介が・・・雄介が未確認生命体との戦いで倒れたらしいのだから今病院に向かってる」

 

「えっ?ゆーすけが倒れたって・・・」

 

「雄介の奴は大丈夫なの?」

 

「今の所わからないわだから海未と真姫にも声を掛けて今から皆で病院に向かいましょう」

 

「わかったうちが真姫ちゃんと海未ちゃんに声掛けてくるわ」

 

「お願い」

 

そう言って希は走って2人の元へと向かう。

 

「ちょっちょっと凛!」

 

そんな中倒れそうになる凛をにこが支える。

 

「ゆーすけが・・・た、おれ・・・」

 

「凛!しっかりしなさい雄介がそんな簡単にくたばるわけないでしょ!あいつは皆を悲しませる事は絶対にしないはずよ!」

 

「にこの言うとおりよ!雄介は私達の所に帰ってくるそう約束しただから絶対に大丈夫よ!だからしっかりして!」

 

「うん、ごめん絵里ちゃんにこちゃん」

 

「んっじゃあ準備して私達も病院に向かいましょう」

 

 

一方救急車に運ばれた雄介達は関東医大病院に着く。

 

ガラガラガっと担架で運ばれる雄介そこに椿が現れ

 

「容態は!?」

 

「例の毒物の物と思われますのでどのような症状が起こるかわかりません!」

 

「っ・・・とにかく部屋に運ぶぞ!急いで!」

 

そう言って雄介は集中治療室へ運ばれた。

 

「ことりちゃん」

 

花陽はことりを支え椅子に座らせる。

 

「ゆーくん・・・ゆーくん」

 

ことりはずっとうつむき小声で雄介の名を呼んでいた。

 

「雄介君なら大丈夫だよ!ねっ!ことりちゃん」

 

花陽が励ましても今のことりには何も聞こえていなかった。

 

 

数十分後絵里達が到着し花陽に連絡を入れ雄介のいる集中治療室の前に集合する。

 

「ことり!花陽!雄介は!?」

 

「まだ治療中だよ」

 

「そう・・・」

 

「ことり?どうしたのですか?」

 

ずっとうつむいていることりに海未が気付き肩を擦る。

 

「ゆーくん・・・ゆーくん」

 

「・・・ことり」

 

「雄介君が倒れてからずっとこの状態で・・・返事もしてくれないの」

 

「ことり、雄介は絶対に大丈夫ですよだから信じてまちましょう」

 

すると病室のランプが消え椿が現れる。

 

「椿先生!ゆーすけは!?」

 

「皆・・・とりあえず落ち着いて聞いてくれ今中野の状態を話すと未確認にやられた毒素に対抗する為に人間の数倍の白血球を増やし毒素に対抗しているおそらく中野の中にある石がそうさせてるんだろう」

 

「助かるんですか?雄介は?」

 

「正直何とも言えないさっき奴のレントゲン写真も撮ったが奴の中にある石が今まで見たことのない状態をしている」

 

「そんな・・・ゆーすけが・・・」

 

「だが、希望は捨てないで欲しい君たちを悲しませるような男じゃない事は皆が一番知ってるだろ?」

 

そう言って渋々頷くμ's達。

 

「・・・すまないが少し席を外すよ」

 

そう言って椿は場所を移動し一条に連絡を取る。

 

「・・・一条か」

 

『どうだった検査の方は?』

 

「中野の友達にも話したが正直どうなるか解らん中野の中にある石が毒素に抵抗しているが奴の石が今までにない変化をしていてな・・・」

 

『そうか・・・また何か分かり次第連絡をくれ』

 

そう言って一条との通話を終え調査に戻りある物を見つ調査員に渡す。

 

「これを科警研の榎田さんに調べて貰ってくれ」

 

「どうした一条?」

 

杉田が一条の持っている物に気付く。

 

「えぇここにくる前に第14号に襲われた被害者の物です」

 

そう言いって見せたのは眼鏡そこにはすこしだが粒子のような物が付着していた。

 

「よし、俺が榎田の所に届けてくる」

 

「すみませんよろしくお願いします」

 

そう言い杉田は物を受け取り車で科警研へと向かって行った。

 

 

 

雄介が病室の中に入って2時間が立つここに入院している穂乃果にも伝え海未に車椅子を押してもらいやって来る。

 

「雄介・・・大丈夫だよね?」

 

「えぇ雄介の事ですものすぐに元気になるでしょう」

 

「うん・・・そうだよね」

 

穂乃果達が病室の前にやって来る雄介が寝ている病室の前で他の皆がずっと祈りながら見ている。

 

だが雄介は苦しそうに表情を歪めその姿を見るたびに皆の心を締め付けていく。

 

「雄介・・・すごく苦しそう」

 

穂乃果が病室の外から雄介の事を伺っていると

 

「私の・・・せいなんだ」

 

「えっ?」

 

突然のことりの発言に皆が驚く。

 

「私を庇ってゆーくんは未確認に」

 

「・・・ことりちゃん・・・」

 

「そ、そんなことりちゃんのせいだけじゃないよ!私のせいだってある!」

 

花陽もそう言い立ち上がる。

 

「ちょっと落ち着きなさい!今自分を責めてもしょうがないでしょ!」

 

「絵里ちゃん」

 

「今は雄介が無事に戻ってくる事を祈りましょ?大丈夫よ雄介は絶対に戻ってくるわ」

 

「ありがと絵里ちゃん」

 

「ことりもねっ?」

 

「・・・うん、ありがとう」

 

そう言って2人を落ち着かせる。

 

一方一条達警察官は雄介とギノガが戦っていた現場を調査し榎田から連絡を受け取りギノガの毒を調べ上げギノガの体組織も分かり一条はその事を踏まえギノガの犯行現場を割り出していた。

 

「(榎田さんの情報からすれば奴の行動範囲は絞られる)」

 

一条が見渡していたのは町中にあるエアコンの室外機。

 

「桜井さん少しいいですか?」

 

「はい?」

 

一条は同じ未確認生命体対策本部の警察官である桜井に今回の未確認生命体の犯行を伝えある箇所にいくつかの接点がある。

 

「という事は奴は熱い場所でしか犯行を行ってないない事になりますね」

 

「えぇだからエアコンの室外機が多い場所から徹底的に警戒を強めましょう」

 

「わかりました!」

 

そう言い一条達は未確認対策の為動き出す。

 

一方暗い路地裏そこでは痛みに耐えているかのように自分の体を抑え座り込んでいるギノガそこにバルバが現れる。

 

「時間がないぞ・・・やはり''メ''ではクウガに勝てないか」

 

そう言われギノガは不敵に笑う。

 

「ふふっそのクウガが僕の力でもうすぐ死ぬんだよ

そうすればもっとリントを楽に殺せるしもっと楽しくなるはずだよ」

 

そう言いギノガはずるずると歩き出していった。

 

 

 

「ぐっ!」

 

ギノガの言うとおり雄介の体は毒に蝕まれ苦痛の声をあげる。

 

「ゆうすけぇ」

 

そんな苦しそうな雄介を見ているμ'sメンバーそして病院の廊下を走ってくる足音が聞こえる。

 

「・・・梓」

 

「はぁ!はぁ!う、海未ちゃんお兄ちゃんは?」

 

海未から連絡を受け梓も急いで病院に向かっていたのである。

 

「今治療中です、ですが・・・」

 

梓はドアの窓から雄介を見る。

 

「お兄ちゃん」

 

「椿先生から聞いた話ですが未確認生命体にやられた毒が雄介の体に回り今雄介のお腹の中にあるアマダムが抵抗しているようです」

 

「じゃあお兄ちゃんは助かるの!?」

 

「それはまだ・・・わかりません」

 

「そんな・・・お兄ちゃん」

 

梓も祈るかのように手をぎゅっと掴み目もぎゅっと閉じる。

 

 

「ここにも被害者が」

 

一条達警察官が外の警備を強め辺りを捜査しているがギノガに先を越され被害者が多くなっている。

 

「どの場所も室外機がある場所では犯行しているんですがこの無数の場所では」

 

「確かにそうですね・・・ですが次の犠牲者が出るのを抑える為行きましょう」

 

「一条さん・・・了解です!」

 

桜井はそう言い自分が乗っているパトカーに乗り次の犯行が行われそうな場所に向かった。

 

一条も後に続こうとした時近くの警察官達が

 

「そう言いえば4号も現れないよな」

 

「あぁ確かにそうだな」

 

その会話が聞こえ一瞬立ち止まる。

 

「・・・中野・・・」

 

 

「ぐっ!ぐぁっ!」

 

「!」

 

突然の雄介の急変に気付いた看護師が心電計を見て直ぐ様椿に連絡を取る。

 

「椿先生!患者が急変です!」

 

直ぐ様椿が来て雄介の容態を見ようとした瞬間

 

ピー・・・

 

っと心電計の音が聞こえそれは雄介の心臓が止まった事を示してしまった。

 

「!?皆準備して!例の毒物による物だ!」

 

椿はそう言い他の看護師達を集め雄介の蘇生術に掛かる。

 

「馬鹿野郎!お前絶対死なせねぇぞ!」

 

椿は雄介に心臓マッサージをし看護師達に電気心臓マッサージの準備を進めてもらっていた。

 

「椿先生!準備出来ました!」

 

「よし!皆離れて!」

 

雄介の心臓に電気を与えるが効果はなく

 

「駄目だもう一度準備して!」

 

「はい!」

 

「なぁお前が死んだらどうなる?お前を想ってくれているあの子達を残して・・・なぁ!なかのぉ!」

 

椿の必死の呼び掛けにも雄介の瞳は閉じたままだった。

 

 

 

「ふっ!ふっ!ふっ!」

 

あれから何度も繰り返し繰り返し心臓マッサージを続けそれでも雄介の心臓は動かず他の看護師達は椿を見て

 

「先生・・・」

 

そう呼び掛けるだが椿は心臓マッサージを止めず続ける雄介が目を覚ます事を信じて・・・だが

 

「先生・・・もう」

 

「・・・っ」

 

椿は手を止めライトで雄介の目を開け見る。

 

そして・・・

 

「皆ありがとう後の事は俺がやる」

 

そう言って看護師達は頭を下げ集中治療室から出ていった。

 

「・・・」

 

椿も何も言わず雄介を見る変わり果てた中野雄介を・・・

 

 

 

椿が集中治療室から出て一目散に梓が駆け寄る。

 

「椿先生!お兄ちゃん、お兄ちゃんは!?」

 

「・・・」

 

「椿先生!」

 

「・・・午後20時45分死亡を確認した」

 

「そん・・・な・・・」

 

梓は膝をガクッと落とし倒れそうになる。

 

「梓!」

 

海未は咄嗟に駆け寄り梓を支える。

 

「梓!大丈夫ですか!?」

 

何も返答がなく梓は気を失っていた。

 

「皆すまない俺の力不足で中野を助ける事が出来なかった・・・」

 

「そんな椿先生のせいじゃ」

 

花陽がそういいかけた時凛が走って集中治療室の中へ入る。

 

「凛ちゃん!」

 

「凛!」

 

突然の事に皆驚き後を追いかける。

 

「ゆーすけぇねぇゆーすけぇ」

 

皆が見た光景は凛が泣きながら雄介を揺さぶっている所だった。

 

「ねぇ起きてよいつもみたいに笑ってよぉ何で寝てるのぉ?」

 

「・・・」

 

「ゆーすけぇ約束したじゃんまたデートするってその時にはさ一杯遊んでたまにはえっちな事もしても許すからさだから目ぇ覚ましてよぉゆーすけぇ!」

 

凛の必死の呼び掛けも反応せず皆雄介の死を理解できずただ何も言えなかった。

 

「ゆー・・・くん」

 

ことりがゆっくり雄介の元へ近づき

 

「ゆーくん起きてよぉ」

 

雄介の肩を揺すり

 

「ゆーくん嫌だよぉ死んじゃやだよぉ・・・ことりをおいてかないでよぉ!!!」

 

うわぁぁぁぁ!!!っとことりも涙を流し膝をつく。

 

 

 

・・・それから2時間経ち

 

「ことり、凛そろそろいきますよ」

 

「嫌だ!絶対に嫌!」

 

「凛ちゃん」

 

「嫌だ!絶対に離れない!」

 

凛は雄介から離れようとせず

 

「ことりちゃんもほら立たんと」

 

「い、い・・・やだ」

 

「そんな事したって雄介君はもう・・・」

 

「っゆーくんは死んでない!生きてる!生きてるよ!」

 

「ことりあなたっ」

 

「ゆーくんが私を・・・私達を置いて・・・っう、うわあぁぁぁぁ!!!」

 

「ぐすっひっぐ、うわぁぁぁぁん!!」

 

2人が雄介にしがみつき穂乃果も

 

「どうして?どうしてなの雄介ぇどうして眠ってるの?」

 

「ほ、穂乃果ちゃん?」

 

穂乃果は車椅子を自分で動かし雄介に近づき

 

「どうして死んじゃったの!?ねぇ!雄介ぇ!」

 

その穂乃果の声も雄介に届かず雄介は眠り続けたままであった・・・。

 

 

中野 雄介16歳 戦士クウガここに永眠る・・・。

 

 

ー第14話 喪失endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第14話がこういう結末だけどまだまだ続きますよ!


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第15話 戦士

未確認生命体の毒により倒れた戦士クウガ事中野雄介
彼が亡き今未確認生命体の脅威に立ち向かえるのは・・・第15話始まります。


中野雄介が亡くなり1日が過ぎた翌日。

 

「そうですか、わかりました」

 

海未は携帯の通話を切りふぅと息を漏らす。

 

「海未ちゃんどう?」

 

「えぇやはりことりは部屋から出てこず返事もしてくれないそうです」

 

「じゃあ今日はお休みなんだね・・・」

 

「そうなりますね・・・花陽、凛の方は?」

 

「・・・凛ちゃんも同じだよ部屋から出てこないって」

 

「そうですか・・・」

 

雄介が亡くなり2人は一向に雄介から離れようとせず2人を連れて帰るのにかなりの時間が掛かった。

 

「他の皆はどうかな?」

 

花陽と一緒に廊下を歩き部室に向かう海未。

 

「どうでしょうか?」

 

部室にの前に着き扉を開ける。

 

「あら、海未、花陽おはよう」

 

「絵里おはようございます」

 

「おはよう皆」

 

部室にはことり、凛、穂乃果、意外の全員が来ていた。

 

「絵里達は大丈夫なのですか?」

 

「大丈夫・・・って言いたいけど正直きついわ」

 

「そうね私も」

 

絵里に続き真姫もそう言い

 

「そう・・・ですよね」

 

「ねぇ海未ちゃんことりちゃんと凛ちゃんは?」

 

「ことりと凛は今日はお休みです」

 

「・・・やっぱりあの2人はショックでかいやろなうちらもそうやけどあの2人は特に」

 

「・・・ずっと泣いてましたからね」

 

部室に沈黙が訪れ皆俯く。

 

「・・・嫌な事起きなきゃいいけど」

 

「どういう意味です?」

 

絵里の発言に疑問を抱く海未。

 

「ほら、ことりと凛あの子達言葉には出さないけど雄介の事好きでしょ?だから雄介を追いかけるって事になったら」

 

「・・・っ!縁起でもない事言わないでください!ことりと凛に限って」

 

「でもっ!その可能性だってあるわけでしょ!最悪の場合を考えたら」

 

「絵里!あなたは!」

 

「やめなさいあんた達!」

 

バンっ!と机を叩き2人の言い合いを止めるにこ。

 

「雄介が死んで考えが最悪の方に向かうのはわかるわでもことりと凛は自殺なんてしないし私達が絶対にさせない!」

 

「・・・にこ」

 

「そんな事したら雄介が悲しむでしょ?今まで私達の笑顔を守ってきてくれたのはあいつなのよ?だから雄介を悲しませる事はあの子達は絶対にしないはずよ」

 

「・・・ごめんなさい私が変な事言って」

 

「大丈夫よ、あっそうだわ今日の放課後あの子達の家に寄って行きましょ私達で元気付けてやりましょうよ」

 

「にこちゃん」

 

「真姫もいいわよね?」

 

にこの表情に気付き頷く真姫。

 

「・・・えぇ大丈夫よ(にこちゃんもすごくつらそうそれでも皆の為に無理に元気付けて)」

 

「さっもうすぐ授業だし私は先に教室に戻るわね」

 

そう言ってにこは部室を出て少し歩き

 

「・・・なんで死んじゃったのよ・・・バカ雄介!」

 

ドンっと壁を殴り唇を噛み締めていた。

 

 

海未達も教室に戻りHRが始まりまず最初に告げられたのは

 

「授業を始める前に皆さんに残念なお知らせがあります

中野雄介さんが・・・」

 

先生が雄介の事を話し初め教室がざわつきそれでも海未の頭の中には入って来なかった。

 

「(雄介・・・あなたは・・・)」

 

後の事は覚えてないそれでもちゃんと授業を受けチャイムが鳴り海未はお手洗いの為教室を出て少しして戻って来た頃。

 

「・・・」

 

海未の目に写っていたのは今まで雄介が使っていた机の上に花が添えられていた。

 

「こ、・・・れは?」

 

「あぁこれ?さっき皆で中野君の机の上に添えようって

皆で選んで持ってきたんだ」

 

クラスメイトの子が説明するが海未の頭の中は真っ白で

海未は無意識に雄介の机に近づき。

 

「・・・っ!」

 

その花を花瓶ごと持ち地面に叩きつける。

 

「ちょ!?園田さん!?」

 

「なにやってるの!?」

 

突然の海未の行動に皆が驚く。

 

「雄介は・・・雄介は死んでいません!私達を置いて雄介はぁ!!!」

 

 

 

ーーー

 

ーーーーーー

 

「・・・ここは?」

 

「目が覚めたのね海未」

 

海未が目を開けた先には絵里が居て海未は寝込んでいる状態だった。

 

「私は・・・」

 

「あなた教室で暴れてそのまま気を失ったのよ」

 

「そう、・・・だったのですね」

 

「一体どうしたって言うのよ?何かあったの?」

 

「・・・雄介の机の上に花が添えられていてそれでそれを見た瞬間頭が真っ白になって」

 

「・・・海未は今でも雄介の死を受け入れられない?」

 

「・・・当たり前じゃないですか!小さい頃から一緒にいてこれからも一緒に居るんだと思ったら突然死んだって私はとても受け入れられない」

 

「そうよね」

 

「雄介がクウガになりいつも心配してました、それはことりや穂乃果みんなだって同じ気持ちだったと思いますでも、心のどこかで安心してたんです雄介なら大丈夫だろうって」

 

「そう・・・よね私も心のどこかでは安心していたわ雄介なら」

 

「でも!その雄介が居なくなるなんてとても信じられません!」

 

「私も信じたくないわ・・・でもね海未、私達は雄介の死を乗り越えらなきゃいけないの・・・わかるでしょ?」

 

絵里の言葉に海未は何も言えないでいた。

 

「海未や私だけじゃないμ'sの皆も乗り越えなきゃじゃなきゃ一生私達は立ち直れない」

 

「・・・絵里、すみませんあなたの言うとおりです・・・ですが今の私は立ち直れそうにありません」

 

「海未!」

 

海未はベッドから立ちゆっくりとドアに近づき。

 

「私はあなたが思ってるほど強くないんですよ・・・私は絵里のように強くない・・・」

 

そう言い残し海未は保健室から出ていった。

 

「・・・何、言ってるのよ・・・私だって、私だって!強くも何ともないわよ!」

 

絵里は膝を着き両手を上げ床を叩くその強く握りしめた拳にパタパタと滴が落ちる。

 

「私だってこんなにも弱いのよ・・・でも、でも!誰かが立ち直らなきゃこのままずっと私達は前に進めないじゃない・・・そうでしょ?・・・雄介」

 

ーーー

 

ーーーーーー

 

ー関東医大病院ー

 

学校を終えた雪穂は穂乃果のお見舞いに来て穂乃果のいる病室にノックする。

 

「お姉ちゃんいる?」

 

「・・・うん」

 

「入るよー」

 

雪穂が中へ入ると穂乃果はガラス越しの窓から夕日を眺めていた。

 

「お姉ちゃん?大丈夫?具合どお?」

 

「ん、大丈夫だよ」

 

雪穂は部屋に飾られている花を取り替え穂乃果の様子を伺う。

 

「・・・ねぇお姉ちゃん、雄介君の、事・・・なんだけど」

 

「っ!」

 

雪穂の言葉にビクッと肩を震わす穂乃果。

 

「今日ね亜里沙に聞いたんだ梓がさ学校休んだからどうしたんだろうって思ってそしたらさ・・・亡くなったって聞いて・・・」

 

「・・・」

 

「雄介君、未確認生命体との戦いで・・・」

 

「やめて!」

 

突然の穂乃果の叫びに雪穂は押し黙る。

 

「お、お姉ちゃん?」

 

「雄介の事は聞きたくない」

 

「・・・ごめんお姉ちゃん」

 

雪穂はお見舞い用に持ってきた果物やアイスを冷蔵庫に入れ。

 

「・・・私、もう行くね?また来るから」

 

雪穂はそう言い部屋を出た。

 

穂乃果は枕に顔を埋めシーツを握り締める。

 

「うぐっ・・・ひっぐ・・・うぅ雄介ぇ」

 

穂乃果は噛み締めるように声を殺し涙する雄介の死を受け入れられない、でもその雄介はもうこの世にはいないその現実を突きつけられ穂乃果はただ涙を流すしかなかった。

 

ーーー

 

ーーーーー

 

ーことり宅ー

 

「・・・ん」

 

ことりは目を擦り上半身を起き上がせる。

 

「・・・もう、夕方なんだ」

 

今日、学校を休み1日中ことりはベッドの中で眠っていた。

 

「顔洗ってこよ」

 

ことりは自室を出て洗面所へ向かう。

 

ことりは自身の顔を見て目元を指で擦り。

 

「凄い目が腫れてる・・・そっか、昨日」

 

昨日の事を思い出す雄介がベッドの上で眠っていてもうその瞳が開かない事をことりは思いだし。

 

「うぐっ!う、うえぇぇぇぇ!!!」

 

ことりはそのまま吐いてしまう感情がぐちゃぐちゃになり雄介の死に思考が追い付かずことりは吐いた後地面に座り込み枯れ果てた目から涙が零れ出す。

 

「ゆーくん・・・本物に死んじゃったの?」

 

ことりはゆっくり立ち上がり水で顔を洗いリビングへと足を運ぶ。

 

ことりは、テレビをつけニュースを見る。

 

すると、内容は未確認生命体関連がやっていて。

 

『未確認生命体第14号の被害は拡大し被害者は50名ほど確認されています。』

 

ことりはテレビを消しリモコンをそのまま地面へと落とす。

 

「・・・私も、未確認生命体に殺されちゃうのかな?

でも死んだら私・・・ゆーくんに会えるかな?」

 

ことりは台所に向かい置かれている包丁を手に取る。

 

「それなら今死んでも同じだよね」

 

ことりは包丁を手首の所へと近づける。

 

「ゆーくん今から私もそっちに・・・」

 

ことりは包丁を手首に当てそのまま手首を切ろうとした瞬間。

 

「!?ことり!あんた何やってんのよ!?」

 

突然入って来たにこに手首を押さえつけられ。

 

「真姫!ことりからそれ取って!」

 

「う、うん!」

 

真姫は素早くことりから包丁を奪う。

 

「離して!私もゆーくんの所に!」

 

「ここであんたが死んだって雄介の所に行けるわけないでしょ!」

 

「いやっ!ゆーくんの所に行くの!」

 

「ことり!」

 

パァンとリビングにその音が鳴り響く。

 

「うっ・・・まき・・・ちゃん?」

 

「いい加減にしなさいよ・・・そんな事して雄介を悲しませたいの!?」

 

「っ!?」

 

「雄介は絶対にこんな事望んでない!雄介が今まで私達の一番大切な物を守ってきてくれた!それをあなたが一番よく知ってるでしょ!?そんな雄介の気持ちと覚悟をあなたは裏切るの!?ことり!」

 

ことりは床に座り込みにこもことりを離す。

 

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい」

 

「大丈夫よ・・・大丈夫だから」

 

にこはことりの背中を擦り落ち着くまで続けた。

 

ことりが落ち着きを取り戻しなぜ2人がここに来たのかを問う。

 

「今日、皆と話してあなた達の家に行こうって話しになったのよ

それで私と真姫でことりの家、希と花陽で凛の家に行くことになって」

 

「そしたらさっきの場面に出くわしたってわけ」

 

「・・・そうだったんだ」

 

「それにしても絵里の言うとおりになるなんてね」

 

「・・・どういう事?」

 

「今日、あなたと凛が学校休んで雄介の事で落ち込んでるって話しになって最悪の場合自殺するじゃないかって絵里がね」

 

「・・・ごめんなさい」

 

「もういいわよ、もうこんな事しないって約束してくれるなら」

 

「うん」

 

真姫は携帯を取りだしにこの顔を見て。

 

「にこちゃん私、希の方に連絡してみるわ凛の様子も気になるし」

 

「そうね、わかったわ」

 

真姫はそのまま希に連絡を取ることりと同様、凛も同じ過ちをしかねないそう思い真姫はいてもたってもいられなかった。

 

『もしもし真姫ちゃん?』

 

「希?凛の様子はどお?」

 

『何とか大丈夫や昨日と違って落ち着いてるし今、花陽ちゃんとお話してるよ』

 

「そう・・・良かったら凛に変わってもらえる?」

 

『うん、ちょっと待って・・・凛ちゃんー真姫ちゃんから』

 

『もしもし?真姫ちゃん?』

 

「凛、大丈夫?」

 

『大丈夫・・・とは言えないかな正直今もすごく苦しいよ』

 

「そう、・・・よね」

 

凛も昨日の事で落ち込んであまり話せる状態じゃないと思っていたが案外元気なようで真姫も安堵をつく。

 

『でもね凛、まだゆーすけの事諦めていないんだ』

 

「・・・どういう事?」

 

凛の発言に真姫は疑問を持つ。

 

『だって・・・ゆーすけは絶対に約束を破らないから』

 

「・・・凛」

 

昨日の椿の治療を受けても雄介は助からなかった。

 

昨日、椿が見せてくれた診断書に書かれている通り医者の娘でもある真姫が見ても十分に分かるほどに雄介の体はひどい状態であった。

 

普通死んだ人間は生き返らないそれでも凛は雄介が帰ってくる事を信じているそれを、真姫は現実をつきつけるのではなく。

 

「・・・そうね、雄介は絶対に帰ってくるわ」

 

真姫は初めて友達に嘘をついた。

 

『真姫ちゃん・・・ありがとう』

 

「うん・・・だから凛も早く学校に来なさいよ皆や私それに・・・雄介が待ってるんだから」

 

『うん・・・うん・・・ありがとう真姫ちゃん』

 

凛のすすり泣き声に真姫もつられ涙を流す。

 

「(ごめんね凛・・・今は、こんな事しか言えないのよ)」

 

真姫は凛との通話を終え涙を手で拭うが溢れでる涙は止まらない。

 

「よく頑張ったわね真姫」

 

「にこちゃん・・・にこちゃん!」

 

真姫はにこに抱きつきにこの肩で泣くそれをあやすようにゆっくりと頭を撫でるにこ。

 

「皆つらい・・・誰だって辛いのよ・・・ねぇことり、もう死のうなんて絶対にしないでお願いだからこれ以上皆を悲しませる事はしないで」

 

「にこちゃん」

 

自分の過ちでもっと皆を辛い目に合わせてたかもしれないことりは深く心の中で反省をしていた。

 

ーー

 

ーーーーー

 

ー深夜ー

 

ことりは家を出てある場所へと向かう。

 

「ゆーくん」

 

ことりは見上げる徒歩数分で着く雄介の家その玄関に立ちインターホンを鳴らす。

 

「・・・?いないのかな?」

 

中から返答はなくことりはドアノブに手を掛ける。

 

「?空いてる」

 

ガチャっとドアを開け中を覗く。

 

「梓ちゃーん?」

 

暗い廊下の中いるであろう梓に問いかけても返事はなく

ことりは玄関に立つ。

 

「お、お邪魔します」

 

薄暗い中ギ、ギ、と廊下を歩く音が響くことりはリビングを覗き確認してみるが梓の姿はない。

 

「上かな?」

 

ことりは階段を上り雄介の部屋の前に立つ。

 

「梓ちゃんいるの?」

 

ゆっくりとドアを開け中を覗く。

 

すると中は雄介のベッドの所で梓が座りながら寝ていた。

 

「梓ちゃん」

 

梓の所へと近づきことりはベッドを見るそこには雄介が眠っており梓は雄介の手を握りながら寝ていた。

 

「梓ちゃん起きて?風邪ひいちゃうよ」

 

ことりは梓を揺すり目を覚まさそうとする。

 

「ん?・・・誰?」

 

梓は目を覚まし手で目を擦り声を掛けられた人物を見る。

 

「ことり・・・ちゃん?」

 

「うん、ことりだよ」

 

「どうしてここに?」

 

「うん、ちょっとねゆーくんにね会いに来たの」

 

「そうなんだ」

 

ことりも梓と同じ所に手を握る。

 

「・・・冷たい・・・ね」

 

「うん、お兄ちゃんの手すごく冷たいよ前までは暖かったのに」

 

梓はポロポロと涙を流し雄介の手をぎゅっと強く握る。

 

「今まで私を繋いでくれたこの手がずっと冷たいの・・・なんで?なんで!?お兄ちゃんが死ななくちゃいけないの!?なんで!?お兄ちゃんは妹の私を残していなくなっちゃったの!?どうして!?お兄ちゃん!」

 

「梓ちゃん!」

 

ことりは梓を抱きしめる兄の死により梓の心は不安定だったそれをことりは強く抱きしめ。

 

「辛いよね?苦しいよね?私もだよ梓ちゃん私も苦しくてだから・・・一回死のうとした」

 

「えっ?」

 

ことりの発言に梓は驚く。

 

「ゆーくんの後を追いかけようとしたのでもね私の大切な友達に止められたの」

 

ことりは苦笑気味に言いその時の自分を深く反省していた。

 

「私がゆーくんの後を追いかける、って言った時そんな事をして悲しむのは他の皆やゆーくんだって言ってくれたの。

だから私は気付いたのなんてバカな事をしようとしたのかなって」

 

「でも、ことりちゃんの気持ちもわかるよ私だって今でも」

 

「でも、死ぬなんて考えちゃ駄目だよ私が言えた義理じゃないけど死んだら本当に大切な物を失っちゃう」

 

「大切な物?」

 

「ゆーくんが守ってきたもの・・・''笑顔''だよ」

 

ことりは梓からゆっくり離れ顔を見てにっこりと笑う。

 

「梓ちゃん今は辛いけど少しずつでいい一緒に乗り越えて行こ?私も頑張るから」

 

「うん、そうだね・・・ありがとうことりちゃん」

 

 

 

ーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

 

 

未確認生命体対策本部は朝から会議が開かれ第14号の対策を練っていた。

 

未確認生命体対策本部の本部長である松倉本部長は手元にある資料を見て。

 

「以前作られた対未確認生命体用特殊ガス弾が14号に効果がなくなっていると報告があった」

 

「えぇ奴らにも撃たれる度抗体ができ効果も薄まっていくのだと思います」

 

榎田は一通り説明し松倉本部長は掛けていた眼鏡を外し

 

「その弾の強化は可能か?」

 

「現段階ではまだ・・・ですが出来るだけ急がせるつもりです」

 

「頼む・・・ここにきて第14号の被害は拡大している皆危険なのは重々承知だが頑張ってくれ!」

 

「「はい!!!」」

 

会議は終わり対策本部で次に14号がどこに現れるか一条達は対策を練っていた。

 

「にしても奴が暑い場所に現れるって言ってもこの広い場所じゃなぁ」

 

「そうっすねエアコンの室外機に関わらずここ最近の奴の行動は広がっていますからね」

 

杉田と桜井が話している間1人の警察官が口にする。

 

「そう言えばなんで4号は姿を現さないんでしょうか?」

 

その言葉に一条の肩は震える。

 

「まぁ確かになぁ」

 

「突然ですよね4号が来なくなったの」

 

「4号が来てくれれば未確認を倒してくれて被害が少なくなるかもしれないのに」

 

一条はその警察官の言葉に頭に血が昇る。

 

それではまるで4号が来ないせいで被害が大きくなっていると言っているように聞こえたからだ。

 

一条はその警察官に一言言おうとした瞬間。

 

「なに考えてんだお前!何でもかんでも4号が助けてくれると思ってんのか!?あいつだっていつも俺達人間の為に戦ってくれてるそれだけでも感謝だろ!

それにいつまでも4号だけに頼らず1人でも街の市民を守るそれが俺達警察官だろうが!」

 

杉田の怒号にたじろぐ警察官。

 

「す、すみません杉田さん・・・俺、無神経な事を・・・少し頭冷やしてきます」

 

そう言って警察官は会議室を後にし一条は杉田にお礼を言う。

 

「杉田さん、ありがとうございます。杉田さんが言わなければ私が彼に言おうとしてました」

 

「あ、あぁ別にいんだよ本物の事を言ったまでだしな。それに4号にだって色々あるんだろうしとりあえず俺達は俺達なりに頑張ろうぜ」

 

「はい!(中野、君を想ってくれる人は沢山いる・・・本物に凄い奴だよ君は・・・だがそんな君でも・・・もう」

 

 

ーーー

 

ーーーーーー

 

ー翌日ー

 

ことりは制服に着替え鞄を持ち玄関のドアを開ける。

 

「・・・よし!」

 

気合いを入れ学校に向かう途中登校中の海未の姿を見つけ側に駆け寄る。

 

「海未ちゃん!」

 

「!ことり!?もう大丈夫なのですか!?」

 

「うん、ごめんね心配かけて」

 

「いえ、ことりが来てくれたのならそれで・・・ですが昨日にこから話しを聞いてあなたは・・・」

 

「・・・うん、死のうとしたよ・・・ゆーくんの後を追いかけるつもりだった」

 

「ことり・・・」

 

「でも、にこちゃんや真姫ちゃんに説得されて私自身も気付いたのゆーくんの守りたかった物を私は手放そうとした事を」

 

「雄介が守りたかった物・・・笑顔ですね?」

 

「うん、だってゆーくんいっつも言ってたもん皆の笑顔が大好きだって」

 

「ことり・・・残酷な事をいいますがあなたは雄介がいなくなってそれでも笑顔でいられますか?」

 

「っそれは・・・」

 

「私だって雄介の死に混乱し昨日頭がおかしくなり倒れました。それに絵里に言われ雄介の死を乗り越えなければいけないそう言われたのですが、私は正直乗り越えられそうにありません」

 

「・・・私だってそうだよゆーくんがいなくなって今でもここがずっと苦しいよ」

 

ことりは自分の胸元をぎゅっと掴む。

 

「それでも私は決めたんだ・・・この辛さを乗り越えて必ずゆーくんが大好きだった笑顔を取り戻す今は無理だけど何年、何十年掛かったっていい私はそう決めたから」

 

「・・・ことりは強いのですね」

 

「ううん、強くなんてないよ皆に言われなきゃ気付けなかったもん」

 

「いえ、それだけの意思を持っただけでもあなたは立派です」

 

2人は会話をしている内に学校に着き門をくぐると。

 

「海未!ことり!」

 

2人の名前を呼び走って駆け寄る絵里と希。

 

「良かった2人共大丈夫やったんやね」

 

「ことり昨日にこから聞いたわよ!自殺なんて・・・何バカな事しようとしてるのよ!」

 

「ごめんなさい絵里ちゃん」

 

「まぁまぁえりちここじゃ何だし部室に行こ?っな」

 

希の発言により4人は部室に向かう。

 

「あっにこっち早かったんやね」

 

部室に入るとにこがもう来ていた。

 

「あら、おはよう皆・・・ことり、もう大丈夫なの?」

 

「うん、昨日はごめんねにこちゃん」

 

「いいのよ、ことり自身ももうわかってるみたいだしね」

 

「うん」

 

「・・・どうやらにこが話をつけてくれたみたいね、でもことりお願いだからもう死のうなんて考えないで」

 

「大丈夫だよ絶対にそんな事二度としないから」

 

「そう・・・ならあなたを信じるわよ」

 

海未が辺りを見渡しにこに訪ねる。

 

「にこ、真姫達はまだ・・・?」

 

「えぇまだ来てないみたいね?」

 

「そう言えば希、昨日あなたと花陽で凛の家に行ったのよね?凛は大丈夫だったの?」

 

「うん、すごく落ち込んでいたけど話せるくらいには元気があったよ」

 

「そう、なら大丈夫そうね」

 

絵里は、安堵し胸を撫で下ろす。

 

「にしてもおそいわねぇ1年生ズ」

 

「確かに・・・本当に凛に何かあったのでしょうか?」

 

そうこう思ってる内に部室のドアが開き1年生3人が入ってくる。

 

「おはようみんな」

 

「おはよう、遅かったじゃない」

 

「うん、ちょっとね・・・」

 

歯切れの悪い花陽に希は首を傾げ。

 

「何かあったん花陽ちゃん?」

 

「それが・・・」

 

「かよちん、ここからは凛が話すよ」

 

凛の真剣な眼差しに皆が唾を飲む。

 

「みんな、驚かないで聞いてほしい・・・ゆーすけが生き返るかもしれない」

 

「「「!!!???」」」

 

凛の爆弾発言に皆が驚き沈黙する。

 

「凛、なぜそのような冗談を?」

 

先に口を開いたのは海未そんな海未の言葉に凛は続ける。

 

「冗談なんかじゃない・・・本当だよ」

 

「でも・・・どうしてそんな事を?」

 

ことりも凛の言葉に信じられずだが凛が嘘をついてるようにも見えない。

 

「みんな、桜子先生がゆーすけ・・・クウガの事や昔の言葉の事を調べてるのは知ってるでしょ?」

 

「まぁ・・・そうやねぇ」

 

「それで今日、桜子先生の所に行って調べて貰ったんだゆーすけの石のこと」

 

「ゆーくんの石?・・・アマダムの事?」

 

「どうしてアマダムの事を調べたのですか?」

 

「ゆーすけが亡くなる直前まで最後まで抵抗していたアマダムそれに何かヒントがあるんじゃないかって真姫ちゃんが言ってね」

 

そう、提案したのは真姫その事に他のメンバーは驚いた。

 

「そう、今まで雄介の体を治してきたアマダムがなぜその毒には、耐えられなかったのかそれが疑問だったのよだから調べたの貰ったのアマダムの事」

 

「それで何かわかったのですか?」

 

「''戦士の瞼の下大いなる瞳現れても汝涙する事勿れ''」

 

真姫の突然の言葉に皆が首を傾げる。

 

「今言った言葉が桜子先生から得たアマダムに関する情報よ」

 

「どういう意味ですそれは?」

 

「さっき椿先生にもこの事を話して桜子先生はこう言ったわ例え戦士が倒れても涙するなって」

 

「涙するな・・・悲しむなって事?」

 

「そうね・・・そして椿先生が瞼の下大いなる瞳って意味これは瞳孔のさんだい、これは人が亡くなる時に確認する為に行うものそれを涙するなって事は・・・」

 

「まさか!?・・・まさか生き返るっていうの?・・・雄介が」

 

絵里の言葉に皆が驚き真姫は頭を縦にふる。

 

「正直信じられない事だけどね、1度死んだ人間はどうやったって生き返らないわ、だけど雄介の中にあるアマダムなら・・・」

 

「ゆーくんが生き返る?・・・」

 

「でも!確定じゃないわ!1つの可能性が出てきただけよ・・・あまりにも常識はずれだから大きな希望は持たない方がいい」

 

「それでも雄介は生き返る可能性はあるのよね?」

 

「にこちゃん?・・・そうよ、確率的には低いと思うけど」

 

「いいのよ、例え1%の確率でも掛けてみるしかないじゃない私達にはあいつが必要なのよ」

 

にこは部室に飾っている写真を手に取り。

 

「あいつが帰ってこなきゃ皆、こんなふうに笑えないじゃない」

 

写真を見るにこは涙を流しながら写真を抱きしめる。

 

「アイドルは皆を笑顔にする、でも今の私達にはその笑顔を届ける事は出来ないそうでしょ?」

 

にこの言葉に皆が沈黙する。そう、にこの言うとおり今の状態じゃあμ'sとしてステージには立てない笑顔を届ける事が出来ない今のままじゃ。

 

「・・・凛は信じるよゆーすけが凛達の所に帰って来てくれる事」

 

「凛ちゃん・・・」

 

「だってこのままお別れなんてやだもん!もっと、もっと!ゆーすけといたいよ!ゆーすけとずっと一緒にいたいよ!」

 

「そうね、この中にいる全員が凛と同じ気持ちよ」

 

うん、っと皆が頷く雄介が生き返る可能性それを信じ皆が祈る雄介の帰りを。

 

 

 

放課後になり、ことりは雄介の家に向かう。

 

雄介が生き返るかもしれないと梓に直接話したかったからだ。

 

「梓ちゃーんいる?」

 

家のインターホンを鳴らし梓が入ることを確かめる。

 

「・・・返事がない、居ないのかなぁ?」

 

ドアノブを捻ると鍵が開いていた。

 

「もしかして昨日と同じで梓ちゃん、ゆーくんの所に」

 

玄関に入り中を確かめる。

 

「梓ちゃんの靴がある」

 

梓の靴がある事を確認し。

 

「お邪魔するね」

 

ことりは中に入り雄介の部屋へと向かう。

 

「梓ちゃーん・・・やっぱりここにいた」

 

雄介の部屋のドアを開け中を確かめると昨日と同じく雄介に寄り添うように梓は寝ていた。

 

「梓ちゃん起きてもう夕方だよ?」

 

ことりは梓を揺すり梓を起こす。

 

「ん?・・・ことりちゃん」

 

「うん、ごめんねまた勝手にお邪魔しちゃって」

 

「ううん、いいよ」

 

梓は目を擦りゆっくりと立つ。

 

「今日もお兄ちゃんに会いに来たの?」

 

「うん、それと梓ちゃんとお話したかったの」

 

「私と?」

 

「うん、梓ちゃんにとって大事な話」

 

ことりは今日、真姫が話した事をすべて梓に告げた。

 

「うそ・・・でしょ?」

 

「本当だよ、でもこれは、あくまで可能性の話だから絶対じゃない、これを忘れないで欲しいの」

 

「う、うん・・・でも変だと思ってたの昨日あんなに冷たかったお兄ちゃんの手が今日はずっと暖かったの」

 

「えっ!?」

 

ことりは直ぐ様雄介の手を握る。

 

「・・・本当だ昨日と全然違う」

 

「気のせいかと思ってたけど、もしかして本当に?」

 

「ゆーくんが、生き返る?」

 

ことりと梓は雄介の部屋を後にしリビングに向かいことりに飲み物を、出す。

 

「ありがとう梓ちゃん」

 

「ううん、それにしても本当に・・・今でも信じられない」

 

「そうだよね・・・でも、ゆーくんのクウガの力なら可能性はある。

現に今も体温が温かくなってるし」

 

「うん、夢じゃないんだね?」

 

「現実だよ、ねぇ梓ちゃん、ゆーくんが帰ってきたら一緒に言お?おかえりなさいって」

 

「うん・・・うん!」

 

梓は感極まり涙を流すそんな梓をことりはゆっくり優しく抱きしめる。

 

時間が18時を指した頃、ことりは中野家を後にしようとするが。

 

「ごめん、梓ちゃん最後にゆーくんの顔見ていっていいかな?」

 

「うん、いいよ私は下で待ってるね」

 

「ありがとう!」

 

ことりは二階へと登り雄介の部屋に入る。

 

「ゆーくん」

 

ことりは雄介の横に立ち腰を下ろす。

 

「皆、待ってるよ・・・だから早く帰ってきてね」

 

雄介から当然返事はない、ことりは、雄介の顔を覗くように近づき。

 

「ゆーくんに伝えたい事たくさんあるから・・・でも、

1番伝えたい気持ち、それは・・・」

 

ことりは雄介の唇とことり自身の唇を重ねる。

 

「あなたの側で笑顔で伝いたいから、だから、ことり待ってるね」

 

ことりは今日1番の笑顔を雄介に向け伝えた。

 

 

 

ー翌日ー

 

ことり達は学校に登校し途中で海未と合流する。

 

「おはよー海未ちゃん」

 

「おはようございます。ことり」

 

2人は雑談しながら学校へと向かい。

 

「そう言えば昨日穂むらに寄り雪穂に会ったんですよ、そしたらもう少しで穂乃果退院ですって」

 

「そうなの!?じゃあまた皆、揃うねμ'sのみんなとゆーくんが」

 

「・・・えぇ!そうですね!」

 

海未はまだ、半信半疑だった雄介が生き返る事を。

でも、ことりの笑顔を見て賛同するしかなかった。

 

「(ことりは、信じているのですね・・・私はまだ・・・)」

 

その気持ちをうやむやにし学校にたどり着く。

 

ことり達は、授業を受け時が進み放課後へ。

 

 

「じゃあ昨日、雄介の家に行ったら体温が高くなっていたのね?」

 

昨日、ことりが雄介の家に行って昨日の事をありのままに話真姫は腕を組み考える。

 

「・・・雄介が生き返る可能性0じゃないって事ね」

 

「真姫ちゃんそれって?」

 

「えぇ普通死んだ人間の体温は戻らないわでも、ことりが雄介の手を触れて体温があったって事は・・・」

 

真姫の言葉を待たずとも皆予想がついた。

 

「・・・信じられませんね・・・でもこれで本当に雄介が生き返るなら」

 

「生き返るよ!」

 

「凛?」

 

「ゆーすけは、絶対に帰ってくる!凛は信じてるから!」

 

「・・・えぇ、そうですね!私も雄介が帰ってくる事楽しみになってきました!」

 

海未の言葉に絵里が微笑む。

 

「どうしたんえりち?」

 

「いえ、前の海未はすごく落ち込んでいたから、でもあんな嬉しそうな海未を見たらね」

 

「そうやね、心が温かくなるなぁ」

 

「えぇ」

 

雄介の話に皆、喜んでいる中、学校の外では大変な事が起きていた・・・。

 

そう、それは初めて未確認生命体が学校に来たときと同じあの絶望がまた彼女達に襲いかかろうとは誰も予想出来なかった。

 

ー学校、校門内ー

 

学校の授業が終わりこれから部活、それと帰宅する学生が多い中ひたすら走り回ってこの学校にたどり着き倒れる中年男性。

 

「な、なに!?」

 

突然な事に大勢の学生が驚くそんな中男性は顔を上げ苦し紛れに。

 

「た、たすけ・・・」

 

男性はそう言い倒れそのまま息を引き取った。

 

「え、どうしたの!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「だ、誰か先生呼んできて!」

 

学生達は少しパニックになり慌てていた。

 

そんな中大きい帽子を被った男性が校門の前に立ち。

 

「ヅビザ、ボボビギジョグババ」

 

そう言って男は校門を潜り抜ける。

 

 

「なんかすごく大きい声が響くね?」

 

校庭が騒がしいほどことり達の耳にも届いていた。

 

「部活・・・にしては、おかしいですね」

 

疑問を、持っているとバンっとドアが荒々しく開く。

 

「みんな!ここから早く逃げるんだ!」

 

そこにいたのは集、息を切らしながら伝える。

 

「集君?何かあったの?」

 

「み、未確認生命体が学校に現れた!」

 

「「!!!???」」

 

「どうして、またこの学校に!?」

 

「考えるのは後だ!今は先生達が対処してるから俺達は早く避難しないと!」

 

「え、えぇわかったわ!皆!行きましょ!」

 

集に続くようにμ'sの皆も走って避難する。

 

「未確認はいまどこに?」

 

「さっきの情報じゃあグラウンドの場所だ部活をしていた大半の生徒が未確認に襲われた」

 

「そんな・・・また沢山の人が」

 

ことり達が学校を抜け外に出ると倒れている生徒や先生が沢山いた。

 

「そんな・・・皆、未確認に?」

 

「見るな!今は避難する事だけを考えろ!」

 

ことり達は再び走り出し校門の前までたどり着いた所に。

 

「ビガガバギジョリント」

 

怪人態となったギノガが校門の前をふさぐ。

 

「き、きゃあぁぁぁ!」

 

「くそがぁ!」

 

ことり達は振り向き逃げようとするがギノガはジャンプし逃げ場をふさぐ。

 

「・・・くそっ!お前が雄介を!」

 

集は殺された野球部員のであろうバットを拾い上げ構える。

 

「待って!集くん!」

 

「お前が雄介を殺した奴だな!?ぜってぇに許さねぇ!」

 

集は、ギノガにバットを振りかざし勢いよくギノガの頭に命中させる。

 

「ぐっ!」

 

「・・・威勢のいいリントだね・・・でも」

 

ギノガは集の腕を掴み力を入れる。

 

そして・・・

 

ボキボキボキ!っと嫌な音が鳴り響く。

 

「!?ぎぃやあぁぁぁぁぁ!!!」

 

集は腕を折られそのまま投げ飛ばされる。

 

「集くん!」

 

「いや、いやぁああ!」

 

集は気を失い返事をしない。

 

ギノガはμ's達を見て歩き出す。

 

「ヅビバ、ビリダヂボダンザジョ」

 

絶体絶命のその時!

 

ダァン!っと銃声が鳴り響く。

 

「くっ・・・バビ?」

 

ことり達が振り向いた先には一条達警察官が銃を構えていた。

 

「無事か!?」

 

「一条さん!」

 

一条達は、ことり達の前に立ちギノガに銃を構える。

 

「君達は後ろへ」

 

「ありがとうございます、一条さん」

 

「いや、君達が無事で良かった、後は我々に任せて君達は逃げるんだ」

 

一条はことりにサムズアップをし。

 

「大丈夫・・・中野の守ってきた物は必ず我々が守る」

 

「えっ?」

 

「さぁ君達は避難を!」

 

「・・・はい!」

 

一条はライフルを構え他の警察官達も構える。

 

「榎田が改良してくれた弾で今度こそ仕留めるぞ!」

 

「「はい!!」」

 

「・・・打て!!!」

 

杉田の合図で一斉に発射させる。

 

無数の弾がギノガに的中しあたかも効いたように見えたが・・・。

 

「ボンバロボ・・・ドブビザビババギジョ」

 

「っバケモノめ!」

 

ギノガは弾の雨の中走り2人の警察官の顔を掴み地面に叩きつける。

 

「がっ!」

 

「ぶっ!」

 

そのままゴキッと首を折り。

 

「ひぃいい!」

 

恐怖のあまり警察官達の攻撃の手が止まる。

 

「っ!止めるな!撃ち続けろ!」

 

杉田の言葉でまた一斉に弾を乱射するがギノガには効かない。

 

「そんな・・・あれだけ撃っても効かないの?」

 

ことり達から見ても警察官が劣勢だった。

 

ある者は、毒でやられ。

 

ある者は、 そのまま首の骨を折られ殺される。

 

「いや・・・いや、いやぁ!」

 

「ことり!これ以上見てはいけません!私達は避難を!」

 

ことりはわかっていた。

 

このまま逃げても後から殺される。

 

一条達警察官が殺され次はここにいるμ'sの皆。

 

そんな、恐怖にことりは願うしかなかった。

 

「たす、けて」

 

「ことり?」

 

「助けて!!ゆーくん!!!」

 

 

「ぐあっ!」

 

警察官が投げ飛ばされ一条達の前に転げ落ちる。

 

「くそっ!」

 

ギノガは近づき自身の手に口をつける。

 

この動作は毒の霧をまくしぐさ。

 

絶体絶命のその時!

 

「助けて!!ゆーくん!!!」

 

その言葉が一条の耳に入った。

 

それと同時にバイクの音が聞こえブゥン!っと音を鳴らしギノガの体に直撃するその瞬間を!

 

「ぐあっ!?」

 

一同騒然そして警察官の前に立つ白い戦士。

 

「ゴラゲ・・・ギビデダボバ!クウガ!」

 

ギノガの前に立ちはだかる戦士クウガ。

 

バイクから降りギノガの向けて構える。

 

「ふっ!」

 

クウガが真っ向から攻めギノガにパンチを喰らわす。

 

「ぶふっ!?」

 

怯んだ所をクウガは連続でパンチを繰り出しギノガにダメージを与える。

 

「あれは、4号なのか?」

 

「でも、色が違うし以前報告にあった2号じゃ?」

 

警察官達が白いクウガに疑問を持っていると一条は振り向き。

 

「あれは、白い4号です!色は違いますが間違いなく!」

 

そして、クウガはギノガの後ろに回りギノガの体をがっちり抑え。

 

「刑事さん!俺がこいつを抑えている内にみんなの避難を!」

 

一条達警察官に向けてクウガが叫ぶ。

 

「(中野!?)わかった!杉田さん!まだ学校にいる生徒達を避難させましょう!」

 

「!わかった!おい!今から学校の中に入り避難誘導させる全員続けぇ!」

 

「「はい!!」」

 

杉田の号令で警察官はすみやかに学校に入っていった。

 

「(頼んだぞ中野)!」

 

一条も杉田達に続き中に入る。

 

クウガは中に入っていった一条達を見て頷く。

 

「良し!これで」

 

「クウガ!」

 

クウガは油断しギノガのエルボーを喰らい怯んだ所を体を持ち上げられグラウンドの方に投げ飛ばされる。

 

「ゆーくん!」

 

「ことり!今は避難を!」

 

「っお願い海未ちゃん!ゆーくんを見ていたいの今は目を離したくない!」

 

「ことり・・・」

 

「ことりに賛成ね、今は雄介の近くまで行きましょ!」

 

「にこまで・・・もう、わかりましたよ」

 

全員が、頷きクウガの所まで走る。

 

「くっ・・・」

 

「ボンゾボゴ、ドゾレゾガギデガゲスジョクウガ!」

 

ギノガが走ってクウガに詰め寄る。

 

だが、クウガは咄嗟にギノガにキックを仕掛ける。

 

「おりぃやあ!」

 

「グッ!!!」

 

クウガは着地しギノガを見るがギノガは、立ち上がる。

 

「ボンバロボ、ビババギジョ」

 

「くっ!」

 

クウガは再びギノガにキックを炸裂させる。

 

「ぐぁぁぁ!!」

 

だが・・・。

 

「ズズ、ラザラザ」

 

「くそっ!やっぱり白じゃ駄目なのか!」

 

クウガは本来の力が出せず決定打に掛けていた。

 

焦るクウガに。

 

「ゆーくん!」

 

「えっ?」

 

声が聞こえた方にクウガは向くと。

 

「ゆーくん!」「(ことりちゃん)」

 

「ゆーすけ!」「(凛ちゃん)」

 

「雄介君!」「(かよちゃん)」

 

「雄介!」「(真姫ちゃん)」

 

「雄介!」「(海未ちゃん)」

 

「雄介!」「(絵里)」

 

「雄介君!」「(希)」

 

「雄介!」「(にこ)」

 

「「「がんばれぇーーー!!!」」」

 

「・・・あぁ!!」

 

クウガは、混める全集中を足にそして構え足に炎を宿す。

 

「バビ!?」

 

クウガは走りジャンプし1回転そして! !!

 

「うぉーりぃやあーーー!!!!」

 

「グギャアァ!?」

 

クウガのキックがギノガに直撃そして・・・。

 

「くっ・・・ジュスガバギクウガーーー!!」

 

ギノガのベルトに亀裂が到達しギノガは爆発し跡形もなく消える。

 

「ふぅ」

 

クウガは立ちμ'sの皆を見てこう答える。

 

「ごめん、お待たせみんな」

 

「・・・もう、大遅刻だよ、ゆーくんのバカ!」

 

皆が雄介に駆け寄り抱きしめる。

 

本当に戻ってきたと実感し皆の涙が頬に伝わる。

 

 

 

事件から数時間後、一条達警察官が事件の後処理をし雄介は、救急車に乗っている集の近くに寄る。

 

「ごめんな、集、俺が早く来ていればお前がこんな事にならなかったのに」

 

「へへっ何言ってんだよお前が守ってきた物、少しでも守れて良かったよ」

 

「・・・お前のお陰であの子達は無事だったよ、ありがとな」

 

「あぁ、」

 

「じゃあまた」

 

「あぁ、また」

 

そう言って集は、病院へと搬送された。

 

「ゆーくん」

 

「ことりちゃん?」

 

声を掛けられ振り向く雄介。

 

「ゆーくんの大切な人、連れてきたよ」

 

「ん?」

 

ことりの後ろからスッと出てきた人物。

 

「おにぃ・・・ちゃん?」

 

「・・・梓」

 

「おにぃ・・・お兄ちゃん!」

 

梓は雄介に抱きつき泣き出す。

 

そんな、梓を雄介はぎゅっと抱きしめる。

 

「ごめんな、心配かけて」

 

「本当だよ!お兄ちゃんのバカ!」

 

「あぁ本当にバカな兄貴だ俺」

 

梓が落ち着いた頃、ことりが駆け寄り。

 

「梓ちゃん!ゆーくんが帰ってきたら言いたい事あるよね?」

 

「うん!そうだね!」

 

「言いたい事?」

 

「ちょっと待ちなさいよ」

 

「凛達も、それ言いたいにゃ」

 

他の皆も、わかっているようで雄介は頭をこんがらせる。

 

「えっなになに?」

 

「「せーの!!」」

 

「「おかえりなさい!!バカ雄介!!」」

 

「・・・あぁ、ただいま皆」

 

 

 

ー第15話 戦士endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




随分遅く生りましたーf(^^;
とりあえず無事、雄介が復活した事で次の話も頑張ります。


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第16話 決意

前回の戦いで復活を遂げた雄介。
大切な人達の所へと戻り再びみんなの笑顔が戻る。
だが、雄介の戦いは終わっていない。
激化する未確認生命体の新たな脅威に雄介は戦士クウガとなり立ち向かう!
※前回の15話からグロンギのセリフが古代の言葉に代わり今後もそれで進めて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。


雄介が目覚めてから2日が経ち椿の所で診察を受けている。

 

「あ~~~」

 

「よし、いいぞ」

 

「どうですか?」

 

「あぁ、どこも異常はない健康体そのものだ」

 

椿は雄介の体を診断し終わり看護婦から預かったレントゲン写真を貼る。

 

「これが、以前お前が未確認生命体にやられた時の写真そしてこっちが今のお前の中のアマダムの写真だ」

 

「へぇ~こんなにも違うんですね」

 

雄介の診断を一緒に見ていた一条が腕を組みながら雄介のレントゲン写真を交互に見る。

 

「それにしても、一体何なんだ?中野が倒れ亡くなったと思ったら生き返るなんて・・・それもアマダムの力なのか?」

 

「あぁ、今回の毒でこいつの中にあるアマダムが毒素に対抗するために白血球を増やし抵抗していたが、人間の体温で増える毒素を感知し逆に中野を仮死状態にし体温を下げ毒素を消しまた体温を上げ復活という流れだろうな」

 

「そんな事が可能なのかこの石は」

 

「あぁ、今の医学では到底考えられないケースだ」

 

「...昔の人はどうやってこんな凄い物作ったんすかねぇ?」

 

「さぁな古代の事に関しては俺の専門じゃないからな」

 

「そうっすよねぇ…とりあえず桜子先生に調べてもらうしかないか」

 

検査を終え一条と雄介は病院を出て雄介はバイクに股がり。

 

「じゃあ一条さん、俺は皆の所に戻るんでまた何かあったら連絡を下さい」

 

「あぁ、わかった」

 

「それじゃあ」

 

雄介はヘルメットのバイザーを下げトライチェイサーで走り去っていく。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「とうちゃーくっと」

 

雄介は、ヘルメットを取りバイクから降りる。

 

「みんなは、もう来てるかな?」

 

雄介がその家の扉を開く。

 

「いらっしゃいませーっ…って雄介!?」

 

「おっす、穂乃果ちゃん」

 

そう、雄介が入った家もとい店そこは、穂乃果の実家である穂むらであった。

 

「もう、来るなら連絡してよぉー」

 

「ごめんごめん、皆は?」

 

「もう皆いるよ、私の部屋で待ってる」

 

「りょーかい、じゃあお邪魔します」

 

雄介は、家に入り穂乃果の部屋に向かおうとするが、

穂乃果の方に振り向き。

 

「穂乃果ちゃん」

 

「ん?」

 

「…元気になって良かった」

 

「…うん、雄介もね!」

 

そう言って穂乃果は、笑顔で返した。

 

ーーーーーーー

 

穂乃果の部屋に着き雄介は、ドアを開ける。

 

「やっほーお待たせ皆」

 

「ゆーくん!」

 

ことりが1番に反応し続いて皆も雄介の方を見て。

 

「雄介、検査の方は、どうだったのですか?」

 

「ん~大丈夫大丈夫!健康そのものだったよ」

 

「そうですか、良かった」

 

ホッと海未が胸を撫で下ろしていると。

 

「ゆーすけー!」

 

「ぐふっ!?」

 

凛が勢いよく雄介に抱きつき雄介の溝にクリーンヒット。

 

「ゆーすけ!もう、ほんっとうに大丈夫なの!?」

 

「う、うん大丈夫です」

 

「良かった!良かったよぉ!」

 

今度は、雄介の首に手を回しぎゅーっと抱きしめる。

胸元に押し寄せ幸せな感じもあるがもちろん雄介の首も絞まるわけで。

 

「り、凛ちゃん、ぎ、ギブギブ」

 

「ゆーすけぇ!」

 

ギリギリと雄介の首が締まっていき。

 

「凛、そこまでにしておきなさい・・・雄介また死んじゃうわよ」

 

「えっ?」

 

にこが凛に呆れがちにいい雄介の顔に指を指す。

 

凛が雄介の顔を見ると。

 

「ぶくぶくぶくぶく」

 

っと口から泡を吹いており白目の状態であった。

 

「うわぁぁぁ!?ゆーすけぇ!」

 

凛は、雄介の肩を激しく揺らし最後のトドメをさしにいった。

 

ーーーーーーー

 

「ふぅ、助かった...」

 

「うぅ、ごめんねぇゆーすけぇ」

 

凛から解放され雄介は、苦笑いをし。

 

「大丈夫だよ、凛ちゃんの柔らかいおっぱいが顔にダイレクトしてある意味幸せだったから」

 

「ゆ、ゆーすけ///」

 

「凛、そこは照れる所じゃないですよ」

 

「生き返ってもセクハラ魔人には変わりはないのね」

 

「いやぁそれほどでも」

 

「誉めてませんが」

 

「まぁまぁ凛ちゃんが雄介君の事をラブラブ大好きにゃーって事はいつも通りって事で」

 

「希ちゃん!」

 

「これからの事や、そうやろみんな?」

 

希の言葉にみんなが息を飲む。

 

「そうね、学校がまた大変な事になっちゃってまた休校になったから」

 

「沢山の人も亡くなったから当然よね...」

 

「...でも、お母さんに聞いたら学校以外でならスクールアイドル活動は、続けていいって」

 

ことりがそう言い絵里が顎に手を当て。

 

「なら、前と同じって事ね」

 

「でも、いいのかしら?」

 

真姫が、不安そうな顔で言い。

 

「不謹慎だと…思わないかしら?」

 

真姫の言葉に皆が同意件だ。

 

学校の生徒それに先生、沢山の人達が亡くなり自分達スクールアイドルだけが歌って踊って楽しそうにしてて世間から見たらと思うと皆が不安である。

 

「...それでも、やりたいんだろ?」

 

雄介の言葉に皆が反応する。

 

「確かに、沢山の人達が亡くなってこんな状態で続けていいのか?皆はそう思ってるんだろ?」

 

雄介の言葉に皆が沈黙するが、雄介の言葉は、当たっていた。

 

「確かに不謹慎かもしれない、でもさ、会場にいる時μ'sの皆は、笑顔で踊ってそして会場いる皆を笑顔にさせた・・・だから、今まで頑張ってここまで来たんじゃないか」

 

「でも現実は、そう甘くはありません。今回の騒動がきっかけで、私達がスクールアイドルを続け踊って悪く思う人は多分沢山いると思います。」

 

「海未の言うとおり、私達の学校は、2度も襲われた・・・それでもスクールアイドルを続けて学校のイメージを悪するなら私は、正直耐えられないわ」

 

「えりち...」

 

「...絵里の言うとおり、かもな...でも逆に考えないか?被害にあった学校、それでも私達は、どんな困難でも乗り越えこうして踊り続け私達は、大丈夫だと!そう皆に伝えるってのは?」

 

「...正直、うまくいくとは限らないわね」

 

「でも、このまま私達がラブライブの予選に出場しなかったら学校は...」

 

「っわかってる!わかってるけど、...でも」

 

絵里が頭を抱え悩んでいた。

 

「だったら、出るべきだよ!」

 

バンっと勢いよくドアを開け皆が驚いてそこに目線を集中すると穂乃果が仁王立ちしていた。

 

「皆が言うように嫌な事言われるのは、辛いけど…それでも、私はやりたい!皆とラブライブ一緒に出たい!このまま終わらせるなんて嫌だもん」

 

「穂乃果...ですが」

 

「私は諦めて後悔するより、最後までやり遂げて後悔した方がずっといいと思う!」

 

それに…。と穂乃果は、続け皆の顔を見て。

 

「また、一緒に皆とステージで踊りたいから・・・だから、これは私のワガママ...。」

 

「・・・」

 

皆が沈黙し雄介がゆっくりと立ち。

 

「...皆も、同じなんじゃないか?穂乃果ちゃんと」

 

「・・・」

 

「皆、言ってたじゃないか今度は、必ず全員でステージに立とうって」

 

「・・・」

 

「...皆、もう一度考えて欲しい世間の言葉とかじゃなく、自分達の心に」

 

雄介は、ギュっと手を胸元に持ってきて握りしめる。

 

「自分達の本心を聞かせて欲しい!」

 

ーーーーーーー

 

結局、結論は出ず今日はお開きになった。

 

帰り途中、雄介とことりが一緒に歩き共に自分の家へと向かう。

 

「...ことりちゃんは、どう思う…今回の事?」

 

「・・・正直、答えは出てないんだ絵里ちゃんの言ってる事もわかるし、でも、ゆーくんや穂乃果ちゃんの言うようにラブライブに出たいって気持ちは、変わらないから...」

 

「...そっか」

 

「ごめんね、ゆーくん」

 

「いや、良いんだ...多分気持ちは、皆同じだと思うし...ただ、最後の踏ん切りが出来ないんだと思う」

 

「...うん、ここまでやって来て、でもここまでやってきた私達が悪く言われて皆が傷つくのは、耐えられないの」

 

「...そうだよな、あんな事言った手前だけど正直俺も皆が悪く言われるのは、耐えられねぇ」

 

雄介は、立ち止まりことりの方を向く。

 

「でも、俺は諦めたくない…この気持ちだけは、絶対に変わらない」

 

ことりと会話をしている内にことりの家に着き。

 

「...ゆーくん、私も変わらないよ絶対に」

 

「ことりちゃん」

 

「これだけは、伝えておきたいから」

 

「そっか...その気持ちだけでもありがたいよ」

 

「うん、それじゃあ、また明日」

 

「うん、また明日」

 

そう言ってことりは、自分の家に帰って行った。

 

「...何とかしなきゃな」

 

雄介も、歩き出し自分の家へと向かう。

 

ーーーーーーー

 

同時刻、今は廃墟となり誰も立ち寄らない病院に女性1人がもう1人いる金髪の男性に問う。

 

「...バルバは、どこだ?」

 

「どうやら、''ゴ''の奴らに呼ばれたらしい」

 

「''ゴ''か...と言うことは、ゲリザキバズゲゲルの開始も近いと言うことか」

 

「ギノガが倒され俺達''メ''も随分減り頃合いなんだろう」

 

「ギノガか…最初は、クウガを倒したとほざいていたが、所詮奴の力では、クウガに敵わなかった・・・まぁクウガと戦うのは、このガリマ以外いないのだからな!」

 

「ふっ、まぁそう言ってればいいさ、俺は、ゲゲルを成功させゲリザキバズゲゲルにいくんだからな」

 

「ゲゲルを成功させられればな」

 

「なんだと?」

 

「お前もクウガに倒されないよう気をつけることだな」

 

そう言って女性は、その病気から出ていった。

 

「ふん!」

 

ーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

雄介は、今日μ'sの練習場所に向かいバイクで走行中。

 

今日の練習、μ'sのメンバーが来ないんじゃないかと不安を持ち目的の場所へと到着。

 

「皆は、来てるかな?」

 

雄介は、ヘルメットを取りバイクに掛けμ'sメンバーがいるかもしれない練習場へと向かい。

 

野原が一面広がっている所にμ'sのメンバーは、...居た。

 

雄介は、安堵し皆の所に駆け寄る。

 

「みんなー!おはよう!」

 

雄介の挨拶に皆が振り向き。

 

「おはよう!雄介!」

 

1番に穂乃果が元気に挨拶を返した。

 

「おっす、良かった皆来てくれて」

 

「うん!やっぱりみんな気持ちは、一緒なんだよ!」

 

穂乃果の言葉に皆が顔を合わせ。

 

「不安はあるけど、ここで終わるのは勿体ないじゃない?」

 

「えりちの言うとおりやね!うちも終わるのなんてやだったし」

 

「この、スーパーアイドルにこにーにこちゃんが世間の声なんかで怖じ気づいたりするもんですか」

 

「にこちゃんったら・・・でも同意件よ世間の声なんかでビビってる暇なんかないわ!」

 

「真姫ちゃん凄い気迫…うん!私も頑張ります!」

 

「凛は、ゆーすけや皆といるなら何処へでも突っ走ってやるにゃ!」

 

「そうですね私も皆さんと同意件です!それに・・・約束しましたもんね?今度は、必ず皆とステージに立つと!」

 

「海未ちゃん…うん!」

 

皆の意思を聞きことりは、雄介の前に立ち。

 

「...昨日は迷った…でも私も頑張りたい!

皆と一緒にステージに立って、そして私達のライブを1番近くでゆーくんに見ていて欲しいから」

 

「ことりちゃん…うん!また、全員が揃ったμ'sのライブを1番近くで見てるから!」

 

雄介は、皆にサムズアップを向ける。

 

「よぉーし!皆の気持ちが1つになった事で!練習頑張ろー!」

 

「全く穂乃果は、元気ですねぇ」

 

「でも、これが穂乃果ちゃんらしさだよね」

 

「えぇ、そうですね」

 

海未とことりは、互いに顔を合わせ笑い合う。

 

「じゃあ皆、位置について穂乃果は久しぶりだからあまり無茶しちゃ駄目よ?」

 

絵里の合図で皆が指定の位置につく。

 

「大丈夫だよ絵里ちゃん!いつも通りで体がなまってるから全力でやって感覚を取り戻したいんだ」

 

「穂乃果…わかったわ!じゃあいつも通りハードに行くわよ!」

 

「「「「はい!!!」」」」

 

こうして、μ'sの練習が始まった。

 

 

一時間後、練習を一旦ストップし数分の休憩を取る。

 

「穂乃果、久しぶりにしては悪くない動きだったわ」

 

「そう?良かったぁ絵里ちゃんにそう言って貰えると嬉しいよ」

 

皆が座りながら休みを取り雄介は、皆に飲み物を配る。

 

「それにしても良い風ねぇ~」

 

「うん、川も近いし風通りが良いのかな?」

 

「そう言えば、凛と真姫は?」

 

「凛ちゃん達なら近くにあるトイレに行ったよ?」

 

「そう、花陽これ後で凛と真姫に配ってちょうだい?」

 

「うん、わかったよにこちゃん」

 

さっき雄介から配られた飲み物をにこが花陽に渡し。

 

「私も行ってくるわ」

 

そう言ってにこもトイレへと向かった。

 

ーーーーーーー

 

凛と真姫がトイレに向かい数分。

 

「真姫ちゃーん、まだかにゃ~?」

 

コンコンっとノックする凛。

 

「ちょっと焦らせないでよ!」

 

「もう、ちょっと遅いにゃ~」

 

そう言ってるとにこが来て。

 

「あっにこちゃん」

 

「あら、まだいたのね」

 

「うん、真姫ちゃんが時間掛かちゃって」

 

「何?大きい方なの?」

 

そのやり取りが聞こえた真姫は。

 

「ちょっとにこちゃん!変なこと言うんじゃないわよ!」

 

「!?びっくりしたじゃない!いきなり大きい声出すんじゃないわよ!」

 

「しょうがないでしょ!にこちゃんが変なこと言うから」

 

「ったく、でも何でこんなに長いの?本当に大きいほうじゃ?」

 

少しの沈黙に。

 

「...今日は、女の子の日なのよ」

 

小さい声で帰って来た言葉に凛とにこは。

 

「...なんか、ごめん」

 

「真姫ちゃん、ゆっくりでいいからね?」

 

「もう!言いたくなかったのにぃー!!!」

 

真姫の絶叫がトイレから響いた。

 

ーーーーーーー

 

事を終え凛達3人は、練習場所へと戻っている最中ふとにこが川の方を見る。

 

「うわっ!」

 

「!?何よ、にこちゃん突然変な声だして?」

 

「いや、あれ一瞬手のように見えて」

 

にこが指差す方に凛と真姫が目を細め遠くを見ると。

 

「うわ、本当だ」

 

「手袋か何かだと思うけど気味悪いわね」

 

にこがその手袋のような物をジーっと見て。

 

「...ねぇ何かあれ膨らんできてない?」

 

その手袋のような物がだんだん膨らみ始めてるように見える。

 

「...本当にゃ」

 

「本当に気味が悪いわ、早くいきましょ」

 

「え、えぇ…そうね」

 

にこは、何か嫌な予感をしその場をすばやく離れようとした時。

 

「にこちゃん!あれどんどん大きくなってるよ!?」

 

「あんた達!ここから早く離れましょ!嫌な予感がするわ!」

 

にこが2人に指示し急いで離れようとするがパァン!っと突然大きな音がし3人とも立ち止まってしまう。

 

「...割れた?」

 

「でも、中から何も出てきてないよ?」

 

3人が破裂したその手を見ていると。

 

バシャーン!!!っといきなり川の中から飛び出して来た者に。

 

「「「きゃーーー!!!」」」

 

ーーーーーーー

 

「ん?」

 

「どうしたの?ゆーくん」

「何か聞こえたような気がして」

 

「あれ?にこっち達や」

 

「何か全速力でこっちに向かって来てるわね」

 

遠目から全速力で向かってくるにこ達を見て。

 

「おいかけっこでもしてるのでしょうか?」

 

「...そういう風には見えないけど」

 

するとにこが大声で。

 

「あんた達!にげなさーい!!」

 

その言葉と共ににこ達の後ろから追いかけるように走ってくる影を見て。

 

「まさか...未確認か!?」

 

にこ達を追いかける物それは、禍々しくドロドロした未確認生命体であった。

 

「っ!皆は、ここから早く逃げて!」

 

雄介は、そう言い駆け出す。

 

「ふっ!」

 

腹部からアマダムを出現させ変身の構えを取り。

 

「変身!」

 

その掛け声と共に雄介の体は赤いクウガへと変身を遂げる。

 

「うぉりぃやぁ!」

 

クウガは、ジャンプし未確認の顔を目掛けキックを仕掛け。

 

ドゴッ!っと未確認の顔にヒットする。

 

「大丈夫か!?3人とも」

 

「ゆーすけ!」

 

「えぇ何とか大丈夫よ」

 

すると未確認が起き上がり。

 

「グオォォォァァ!!!」

 

雄叫びを上げクウガに目掛け突進してくる。

 

「っ!」

 

クウガは、3人を庇うように立ち未確認の突進を押さえる。

 

「今のうちに逃げるんだ!」

 

その隙に未確認は、クウガを持ち上げ投げ飛ばす。

 

「ぐぁっ!」

 

「グオォォォォ!!」

 

未確認は、クウガを掴み上げ拳を振り上げ攻撃をする。

 

「ぐぁ!がっ!」

 

ドゴッ!ドゴッ!っとクウガの腹部を攻撃し最後にクウガの顔を殴りクウガは、地面に転がる。

 

「っこの!」

 

再び突進してくる未確認をクウガは、それを受け流し未確認を転倒させ起き上がる瞬間にクウガのパンチが未確認の顔を殴り飛ばす。

 

「グギャア!」

 

未確認は、地面に転がりクウガは、キックの構えを取り足に炎を宿し助走をつけジャンプする。

 

「ふっ!」

 

未確認が起き上がった瞬間クウガは、空中で一回転し。

 

「うぉりぃやぁー!!!」

 

クウガのマイティキックが未確認に直撃する。

 

ドゴッと未確認は、クウガの攻撃を受けそのまま吹き飛ばされ地面に転倒する。

 

「グオォォォ」

 

未確認は、起き上がる事が出来ず力尽き体からヒビが入りそのままドロドロと溶けだしていった。

 

「(爆発しない?しかもこいつは...)」

 

「ゆーすけ!」

 

突然呼ばれ我にかえる。

 

「おっと、どうしたの凛ちゃん?」

 

「どうしたの?じゃないにゃ!さっきからずっと呼んでるのに」

 

「あはははっごめんごめん」

 

クウガは、雄介の姿に戻り今一度、未確認の方を見る。

 

「雄介、気になった事言っていい?」

 

「...あぁ」

 

にこと真姫もさっき未確認だった者を見て。

 

「この未確認前にあんたが''倒した未確認''よね?」

 

「...あぁ、未確認生命体第14号…音乃木坂を襲った未確認がなぜまた?」

 

雄介が疑問を持つ確かにあの時、白のクウガだったとは言え確実に爆発し倒した筈だった。

 

「...生きてたのかしら?」

 

「でも、あの時ゆーすけが倒したよね?」

 

「そのはず何だけど、後気になるのが今回は、爆発せず溶けていった事なんだ。今までの未確認は、俺が技を決めた時には必ず爆発するから」

 

「分からないことだらけね」

 

「うん…とりあえず一条さんに連絡してみるよ」

 

雄介は、携帯を取りだし一条に連絡を取る。

 

少しのコールが続いた後。

 

「あっ一条さん俺です」

 

『中野か!?今、君に連絡する所だったんだ!」

 

「!?何かあったんですか!?」

 

一条の返事にただごとではないと思った雄介。

 

『未確認生命体第14号が生きていた!』

 

一条の言葉に驚愕する雄介。

 

「そんな!?俺も今、生きていた14号を倒して一条さんに連絡を!」

 

『!?何だって!14号は、複数存在するというのか?』

 

「っとにかく向かいます!場所は!?」

 

『あぁ場所は...』

 

一条から未確認が目撃された現場を聞き。

 

「凛ちゃん、真姫ちゃん、にこ、ごめん行ってくる」

 

「私達は、大丈夫よ穂乃果達にも伝えとく」

 

「頑張って」

 

「ゆーすけ、気をつけてね?」

 

「うん、行ってくる」

 

そう言って雄介は、駆け出していった。

 

ーーーーーーー

 

雄介が現場に向かい数十分、拳銃の発泡音が聞こえる。

 

「近い!」

 

雄介は、速度を上げ現場へと急ぐ。

 

 

「くっ!」

 

一条達警察官達がギノガに似た未確認を応戦している中拳銃を物ともせずギノガは、警察官達に攻撃してくる。

 

「グオォォォァァ!!」

 

「うわっ!」

 

「ひぃっ!」

 

ギノガの猛進により次々と倒れていく警察官達。

 

「くそっなんで生きていやがんだこいつは!」

 

杉田が銃を乱射するがギノガには通じずギノガは、杉田に向かって突進してくる。

 

「ぐおっ!」

 

ドンッ!っと杉田にタックルしその反動で杉田は、地面に転がる。

 

「杉田さん!」

 

「くっ…そっ」

 

一条は、杉田を助けようとライフルで応戦するがギノガには効かずギノガは、再び杉田に攻撃を仕掛けようとし杉田は目をつむった瞬間。

 

ブゥンっ!

 

っとエンジンをが聞こえ目を開けたらギノガは地面に転がっていた。

 

「...4号!」

 

そこにはトライチェイサーに乗っているクウガがいた。

 

クウガはバイクから降り構え。

 

「皆さんは安全な場所に後は俺が!」

 

そう言いクウガはギノガに向かい走って行った。

 

「杉田さん!大丈夫ですか!?」

 

「あぁ、すまない」

 

「ここは、4号に任せ私達は救助と避難を」

 

「あぁ、わかった!」

 

ーーーーーーー

 

クウガは、ギノガの顔を腕で抑え膝蹴りを何度も繰り返す。

 

ドゴッ!ドゴッ!っとギノガは、痛みに耐え兼ね。

 

「ぐ、グオォォォァァ!!」

 

ギノガはクウガの腰に腕を回しそのまま走り出す。

 

「な、なに!?」

 

急な事に対象しきれずギノガはクウガをそのまま壁に激突させる。

 

「ぐわっ!っこの!」

 

クウガは肘でギノガを攻撃し離れようとするがギノガは抑えたままクウガを持ち上げ投げ飛ばす。

 

「うわっ!」

 

ドシャッっと地面に叩きつけられるが瞬時にクウガは立ち上がる。

 

「ウオォォォォォ!」

 

ギノガは雄叫びを上げクウガに突進してくる。

 

「くっ!」

 

クウガは身構えギノガの突進を回避するがギノガは瞬時に止まりそのまま腰を回しバシッと裏拳でクウガの顔を殴り。

 

「うっ!」

 

「グオォォォァァ!!」

 

もう一度クウガを持ち上げ投げ飛ばす。

 

「うわぁ!」

 

投げ飛ばされたクウガは、瞬時に体を捻り壁に足をつけ

足裏に炎を宿す。

 

「っ!」

 

クウガは、グッと足に力を入れバンっと飛び回転しギノガに目掛けマイティキックを放つ。

 

「うぉりぃやぁー!!」

 

「ギャア!」

 

ドンッ!っとマイティキックが直撃しギノガは吹き飛ぶ。

 

クウガは着地し足裏から煙が出ている。

 

「グ、グオォォォァァ!!!」

 

ギノガの体から亀裂が入り雄叫びをあげドロドロと溶けていった。

 

「ふぅ」

 

クウガは立ち上がった瞬間、足からバリバリっと電流の用な物がはしっているような感じがして。

 

「?」

 

様子をみるが何ともなかったのでこの時は気にはかけなかった。

 

「中野!」

 

「一条さん」

 

一条が救助と避難を完了し雄介の元へと戻ってきた。

 

「第14号は!?」

 

「大丈夫です何とか倒しました」

 

「そうか…なぜ、また14号が?」

 

「そうですね…それに今回倒した時いつも見たいに爆発しなかったんです、ドロドロと溶けだして」

 

「しかも君がここに来る前にもう一体の14号を倒したんだろう?」

 

「はい、皆が練習中に襲ってきて」

 

「そうか…1つわかってる事は今回の未確認はゲームを行ってない事だ」

 

「?どうして」

 

「むさかいなく人々を襲い、それに今回の未確認には理性と言うものがないように見えたからな」

 

「なるほど、それに14号に似てるってのも気になりますね」

 

「あぁ、それを踏まえて榎田さんに報告しようと思う」

 

「わかりました、何かわかったら連絡下さい」

 

「あぁ、わかった」

 

ーーーーーーー

 

雄介は現場を後にしμ's達のいる練習場所へと戻る。

 

「あっゆーくん!お帰りなさい」

 

雄介を見つけ走ってくることり。

 

「ただいま、ことりちゃんここで待っててくれたんだ?」

 

雄介はヘルメットを取りバイクから降りる。

 

「うん、心配だったからゆーくん大丈夫だった?怪我とかない?」

 

「うん、何とか大丈夫だよ」

 

「そっか、良かったぁ」

 

「うん…ありがと、ことりちゃん」

 

ことりは満面な笑みを浮かべ雄介の手を取り皆の場所へと戻っていく。

 

戻って行くと皆お昼休憩をとっていた。

 

「あっゆーすけ!」

 

「お帰りなさい雄介」

 

「ただいま皆」

 

ことりと手を繋ぎ戻ってきた雄介に。

 

「あっことりちゃんずるいにゃ!トイレ行くって言ってたのに!ゆーすけが帰ってくるの待ってたんだね!?」

 

「と、トイレは本当だよ!でもゆーくんが心配であそこで待ってようって思って」

 

「あぁ~それなら凛もそうすればよかったにゃ~」

 

「あははっありがと2人共」

 

雄介は2人が心配してくれてると思い嬉しく笑っているが。

 

「雄介の奴って何であんなに鈍感なのかしら?」

 

「う~ん、雄介君女の子にちょっかい出すのは好きなのに恋という話になると鈍感やからなぁ~」

 

「みんなー!早く食べないとお昼休憩なくなるわよー」

 

絵里の合図により皆、シートを広げ各自持ってきた弁当を取り出す。

 

「はい!ゆーくん約束のお弁当作ってきたよ」

 

「凛もゆーすけの為に作ってきたにゃ」

 

2人に挟まれ2つの弁当を差し出される雄介。

 

「あ、ありがとう2人共・・・」

 

雄介は2人の弁当を受け取り両方同時に開ける。

 

「わぁ、どっちも美味しそうだなぁ」

 

2人が作ってきた弁当を見て雄介は手を合わせ。

 

「じゃあ、いただきます」

 

「「どうぞ召し上がれ」」

 

雄介は2人の弁当を同時に食べ始める。

 

数十分後。

 

ごくんっと飲み込み雄介は、箸を置き。

 

「ご、ご馳走さま」

 

「お粗末様です、ねぇゆーくん」

 

「どっちのお弁当が美味しかった?」

 

「えっ?どっちもだけど?」

 

「えぇ~それじゃあ意味ないにゃー」

 

「ゆーくんがどっちのお弁当が美味しいか決めてもらおうって前に言ったよね?」

 

「あぁ~そう言えば…いやぁ正直戦いの後だったから腹減って無我夢中で食ってたからなぁ・・・味は最高だったけど正直どっちがどっちの弁当を食ってるか途中でわかんなくなっちゃって」

 

雄介の返答にジト目のことりと凛。

 

2人の機嫌が悪くなったと思い雄介は慌てて。

 

「で、でも本当に美味しかったよ!いやぁ2人共料理が上手で将来いいお嫁さんになるよ!うん!」

 

っと雄介は弁解し様子を伺うと2人の顔がパァっと明るくなり。

 

「本当!?私、将来ゆーくんのいいお嫁さんになれるかな!?」

 

「う、うん?」

 

「ゆーすけのいいお嫁さんになるために凛もっと頑張るね!」

 

「う、うん…あれ?」

 

雄介は何か違うようなっと首をかじげるがまぁ2人が笑顔になったからまぁいいかと思い2人にサムズアップを向ける。

 

「凄いなぁ雄介君一夫多妻にでもするつもりなんやろか?」

 

「何を言ってるのですか希!そんな事許されるわけ・・・あぁもう!破廉恥です!」

 

「ねぇ海未ちゃん一夫多妻ってなに?」

 

「・・・穂乃果はもっと勉強して下さい」

 

ことりと凛が雄介に詰め寄っていると雄介のバイクを駐車している所に2人ほど人が集まっている所を雄介が見つける。

 

「ちょっ、ちょっとごめん2人共」

 

雄介は気になり走ってそこに向かい。

 

「あのーっ何をしているんですか?」

 

雄介が後ろから声を掛けると2人の男性が振り向く。

 

その2人の顔に雄介は。

 

「えっ?お前達同じクラスの?」

 

「おう、久しぶりだな中野」

 

「俺達の学校に未確認が襲って来た以来か?」

 

身の覚えのある顔それは雄介と同じクラスの高橋と鮫島というクラスメイトだった。

 

「どうしてここに?…というか何やってんだ?」

 

「あぁ、これお前のバイクだろ?何か似てるなぁと思ってな」

 

高橋がそう言いスマホを取りだし雄介に画面を見せる。

 

「っ!」

 

「明らかに形が似てんだよお前のバイクと4号のバイクがな」

 

そこに写し出されてたのはクウガがバイクに乗っている画像だった。

 

「・・・一体何が言いてぇんだ?」

 

「言わなくても分かるだろ?お前が・・・この未確認生命体4号だって事がよ!」

 

「さらにお前が4号だと決定付けるのがこれだ!」

 

そこに写し出された動画それは以前雄介が14号と戦った時の映像。

 

『『がんばれぇー!ゆぅすけぇー!!』』

 

それは雄介が苦戦してる時、μ'sの皆が声援を送っていた時の映像。

 

「明らかに4号に向かって雄介と言っている…これ以上にお前が4号だと決定付ける物はない!」

 

「...もし、俺が4号だとしてお前達は一体何がしたいんだ?」

 

「俺達が通っている学校に未確認生命体と同じ化け物がいてそれにそれを匿うスクールアイドルそんな事が世間にバレたら一体どうなるかなぁ?」

 

高橋が雄介に挑発するように言い雄介は拳を握りしめる。

 

「言ったはずだ、お前達は一体何がしたいんだ!」

 

雄介が大きな声を出しことりや皆が気づく。

 

「俺達の目的はスクールアイドルμ'sを潰す事だ」

 

鮫島の言葉に雄介が驚愕する。

 

「なん…だと?」

 

「知ってるだろ?スクールアイドルはラブライブを目指すため他のスクールアイドルと競わなければならないそこで俺達のいる学校にスクールアイドルが出来て邪魔だったんだよ」

 

「んだと!」

 

「俺達が今他の学校にいるスクールアイドルを支え活動している。

そこで名前が大きくなったμ'sが邪魔になってなぁ!」

 

「お前!」

 

雄介は鮫島の胸ぐらを掴み。

 

「ゆーくん!一体どうしたの!?」

 

ただ事じゃないとμ'sの皆が集まってくる。

 

「おやおや、μ'sの皆が集まって」

 

高橋が皆に近づき。

 

「化け物を匿うスクールアイドルのお出ましか」

 

「「!?」」

 

「ちょっとあんた…今なんて?」

 

「言った通りだよ中野雄介イコール4号って事はもう知ってるんだよ」

 

「それを匿うスクールアイドルμ'sって事でいいんだろ?」

 

「あなた達なぜそんな事!?」

 

「そう焦んなくていいよ生徒会長さん…ほら」

 

高橋が絵里にさっき雄介に見せた動画を見せる。

 

「っ!それは」

 

「これが4号の正体そしてそれを知ってて匿うμ'sこんな事を世間にバレたら一大事だろうなぁ!」

 

「っ目的は何?」

 

「μ'sを潰す事、だけど」

 

高橋がことりに近づき。

 

「今、俺達のスクールアイドルがちょっと人数不足でなぁ」

 

ことりの頬を手でなぞり。

 

「お前なら入れてやってもいいぜ南ことり!」

 

「っ触らないで!」

 

パシッと高橋の手を払いのける。

 

「ゆーくんの事を悪く言う人達の所になんか絶対にいきません!」

 

「おうおう、強気なこってぇ」

 

「でも、この事を世間にバラせばお前達μ'sは確実に終わる」

 

鮫島が雄介の手を払いのけ。

 

「お前なら大歓迎なんだけどなぁ南ぃ」

 

「俺達が丁寧にお前のその体にイロンナコト教えてあげるんだけどなぁ」

 

2人がことりの事を卑襟な目で見てくる。

 

「い、いや」

 

「やめろ」

 

そんな2人の前に雄介がことりを庇うように立つ。

 

「俺が4号だって世間にバラしたければすればいい・・・だけどなぁもしこの子達を傷つけるような事があれば俺は容赦なくお前達を殺す!」

 

雄介の殺気に2人が後退り。

 

「ふ、ふんネタは上がってるんだ」

 

「せいぜい足掻いてみせるんだな!」

 

男達はそう言い走って行ってしまった。

 

「...大変な事になったわね」

 

「どうするの?絵里」

 

「あの人達の言うとおり雄介の事が世間にバレてそれを私達が隠していたなんてネットとかに書かれたら...」

 

「終わり…なのね?」

 

「で、でも雄介君はここの街の人達を沢山守ってきたんだよ!なんで雄介君が未確認生命体と同じように見られなきゃいけないの!?」

 

「花陽あんたもわかるでしょ世間がそんなに甘くないって事」

 

「雄介がなぜか人々を守る未確認…でも、なぜ守っているのか誰もが疑問だと思うのです」

 

「海未の言うとおり今は4号がいて良かったと思っている人も沢山いるでしょ、でも素性も何もかもわからない人達にとっては恐怖なのかもね…なんせ人からみたら未確認生命体なんだから」

 

にこの言葉に皆が黙ってしまう。

 

「何で?」

 

「穂乃果?」

 

「何でこんな事になってるの?雄介の正体をバラすとかμ'sを潰すとか!本当に意味わかんないよ!」

 

「穂乃果、少し落ち着いて下さい」

 

「私達が何をしたの!?皆と一緒に作り上げたこのμ'sを私達の居場所を!何で!何で!壊そうとするの!?」

 

穂乃果は泣き崩れるμ'sという大切な場所を引き裂こうとする者に怒り悲しみが込み上げ穂乃果は涙を流すしかなかった。

 

「穂乃果」

 

そんな穂乃果に海未はそっと抱きしめる。

 

雄介はずっと黙っていた...μ'sの皆が悲しみ涙を流しそんな彼女達を見て雄介は拳を握り締める事しか出来なかった。

 

拳から血が滲むほどに。

 

そんな中、雄介の携帯が鳴り響く。

 

「...もしもし?」

 

『中野、第14号の事でわかった事がある今から科警研に来れるか?』

 

「...はい、大丈夫です今から向かいます」

 

雄介は通話を切り黙ってそのままバイクに股がる。

 

「ゆーくん!どこに行くの!?」

 

「一条さんから呼ばれて、そっちにちょっとね」

 

「...大丈夫なの?」

 

「えっ?」

 

「だって、ゆーくんの顔すごく怖いから」

 

怒りが隠しきれていないのであろう。

 

ことりにはすぐにわかった。

 

「大丈夫だよ一条さんに呼ばれただけだしちょっと行ってくる」

 

「うん、わかった」

 

「ことりちゃん、ごめんこんな時なにも出来なくて」

 

「ゆーくん」

 

「マネージャー失格だな俺」

 

「そんな事ないよ」

 

「でも」

 

「そんな事ない、だってゆーくんはずっと私達を支えてきてくれた。

たとえゆーくんの事を悪く言ってる人達がいても私は・・・私達はゆーくんの味方だから」

 

「そっか…ありがとうことりちゃん」

 

雄介はそう言いバイクにエンジンを掛け走って行った。

 

「...雄介も辛いでしょ化け物だなんてあんな事言われて」

 

「凛は絶対にあの人達を許さない!ゆーすけの事を何もわかってないくせに!」

 

「どんな想いで雄介君が戦っているのかも分からないし伝わらないそれが悲しい事やね」

 

「だからこそ私達がゆーくんを支えて行こうって決めたよね?」

 

「ことりちゃん?」

 

「こんな時もどんな時もゆーくんの笑顔は私達が守る!そうでしょ?みんな」

 

「...ことりの言うとおりね私達で雄介を支えていかないと」

 

ーーーーーーー

 

雄介が一条から呼ばれてから数十分科警研へと着き一条の元へと向かう。

 

「一条さん、来ました」

 

「あぁ、中野すまないな突然」

 

「いえ、大丈夫です14号の事ですよね?」

 

「あぁ今、榎田さんが来る」

 

そして廊下の方から足音が聞こえドアが開く。

 

「ごめんねぇ遅れて資料を纏めるのに手間取っちゃって」

 

「いえ、お忙しい中すみません」

 

「いいの、いいの取り敢えずこれ見て」

 

榎田が一条達に見せた資料の一部。

 

「以前中野君が倒した14号その一部を持って帰ってバイオ実験をした画像」

 

その画像には大きく膨れ上がった球体が写っていた。

 

「あまりにも危険だから実験は中止すぐに処分に至ったわ」

 

「奴は生命力が凄いのでしょうか?」

 

「えぇだからごく小さな一部でもクローンとして蘇った今回の事件がそれだと思う」

 

「という事は俺が倒して爆発させた時奴の体がバラバラになってそれでまた蘇って襲うようになったと」

 

「えぇでも今回のクローンを倒せばもう甦る事はない」

 

「そうなんですか?」

 

「うん、クローンは本体と違って生命力がないからね」

 

「なるほど…でもまだ見つかってない第14号の死体の一部がまたクローンを作り出す可能性はあるって事ですよね」

 

「そう言い事になるね」

 

「1つ疑問なのがあって、なんで学校で倒したはずの未確認の一部が川から流れて来たのか不思議で」

 

「確かにあそこに川はないからな」

 

そう話していると雄介の携帯が鳴り出す。

 

「すいません、ちょっと出てきます」

 

雄介は部屋を出て電話に出る。

 

「海未ちゃんから?はい、もしもし」

 

出た瞬間背筋が凍るような内容だった。

 

『雄介大変です!ことりが!...』

 

ーーーーーーー

 

雄介が一条の所に向かい数分後、μ'sはこのまま練習とはいかず今日は解散し全員家へと帰宅した。

 

ことりが帰りの途中、携帯が鳴り取り出す。

 

「非通知?」

 

ことりはそのまま電話に出てしまう。

 

「もしもし?」

 

『・・・南ことり、俺だ高橋だ』

 

その相手はさっき雄介達を脅迫した高橋からだった。

 

「っあなた!何で私の番号を!?」

 

『そんな事はどうでもいい…お前に1つチャンスをやろうって思ってな』

 

「チャンス?」

 

突然の事に疑問を抱くことり。

 

『お前の行動次第で中野雄介とμ'sの未来は変わる』

 

「どういう事?」

 

『詳しい事は後ほど話すまずは俺が指定する場所に来てもらおう』

 

高橋はことりに指定した場所を話。

 

『来るか、来ないかはお前の自由だ…だがもし来なかったらお前達の未来はないと思え』

 

そう言って通話が切れる。

 

「...あの人達が何を企んでいるかわからないけど私がいって今の状況が変わるなら!」

 

ことりは意を決しその場所へと向かう。

 

ーーーーーーー

 

ことりが指定された場所に着く。

 

そこは、今は使われていない廃工場だった。

 

ことりは意を決しその扉を開く。

 

「本当に来たんだな南」

 

「高橋…君だっけ?私が来たら状況が変わるってどういう意味?」

 

「そのまんまの意味さお前がおれの言うことを聞いてくれればな」

 

「...私は何をすればいいの?」

 

高橋は不敵な笑みを浮かべ。

 

「お前が俺の女になるんだよ南ぃ」

 

「っ!?」

 

「お前が俺の女になれば中野の事やμ'sの事も黙ってやる、どうだ?」

 

「っそんなの卑怯だよ」

 

「あっ?」

 

「そんな脅しで人の心を掴もうなんて卑怯だよ!」

 

「ふっ卑怯も何もお前が俺の女になればあいつらは救われる、でっ答えは?」

 

ことりは高橋を睨み付け。

 

「あなたとは付き合えません…私には大切に想っている人がいるから」

 

「はぁ、だろうなぁだったら力強くでお前を俺の物にしてやる!」

 

高橋はことりに迫り走ってくる。

 

ことりは高橋から背を向け携帯を取りだし。

 

「(お願い繋がって!)」

 

ことりは海未に電話を掛け。

 

『もしもし?ことりどうしたのですか?』

 

「海未ちゃん!助けて!」

 

『!?』

 

ことりが走りながら海未に状況を伝えようとすると前から突然人が現れ。

 

「捕まえーた」

 

ことりの腕を掴みそのまんま腕を背中に回され。

 

「痛っ!」

 

その拍子に携帯を落としてしまう。

 

『ことり!どうしたのですか!?ことり!』

 

そして高橋がことりに近づき。

 

「俺が1人でいると思ったのか?」

 

ニヤっと笑いそのまんまことりの携帯を踏みつける。

 

バキッと携帯が割れ海未との通信も切れる。

 

「さぁこれからどうしようか?なぁ鮫島」

 

「取り敢えず腕を縛り付けるか」

 

待ち伏せしていた鮫島に気付かずことりは捕らわれてしまい。

 

「嫌!やめて!」

 

ことりは暴れるが。

 

「黙ってろ!」

 

パァンっと高橋がことりの頬を叩く。

 

「っ」

 

ことりの唇が切れ血が流れる。

 

「鮫島、あそこに縛りつけろ腕だけでいい」

 

「わかった」

 

鮫島に連れ出され鉄骨にことりは腕を縛られる。

 

「はぁやっとお前を俺の物に出来る」

 

高橋はナイフを取りだしことりの頬に当てる。

 

「っ」

 

「大丈夫だよお前の体には傷をつけたりするもんか」

 

「私をどうするつもりなの?」

 

高橋はニヤッと笑い。

 

「お前の体を俺色に染め上げてやる」

 

高橋はことりの胸を揉み始め。

 

「いや!やめて!」

 

「ずっとこうするのが夢だった!お前を犯せる日をどれだけ待ちわびたか!」

 

「触らないで!いやっ!」

 

「たまんねぇな!他の女ともヤってきたがお前は特別だぜ南ぃ!」

 

高橋はことりの制服に手を掛けビリビリ!っと制服を破いていしまう。

 

上半身が下着だけになってしまい。

 

「下も楽しみだなぁ」

 

高橋はスカートに手を掛けナイフで一気に引き裂いてしまう。

 

「いやぁ!」

 

スカートも引き裂かれ下着姿になってしまうことり。

 

「ふふっいいね!いいねぇ!」

 

高橋はことりのブラジャーを引き剥がしことりの乳房があらわになってしまう。

 

「いや、やめて」

 

「ハァ!ハァ!」

 

「いやぁ!やだぁ!」

 

ことりは恐怖に耐えきらず涙を流し。

 

「...助けて」

 

「あっ?」

 

「...助けてゆーくん」

 

ことりは涙を流し最愛の人に助けを求め。

 

「ははっ奴は来ねぇよ第一場所も...」

 

ドォン!っと高橋が最後まで言いきる前に大きな音が聞こえ。

 

そこには吹っ飛ばされたドアが横に倒れていた。

 

「な、何だ!?」

 

高橋と鮫島が同時に振り向き出口の方を見る。

 

そこには静かに立ち尽くしていた雄介の姿があった。

 

「中野・・・雄介?」

 

「どうしてここが?」

 

雄介はゆっくりと歩き出す。

 

「鮫島ぁ!そいつを何とかしろぉ!」

 

鮫島は鉄パイプを持ち雄介に目掛け走りだす。

 

「死ねぇ!」

 

鮫島は鉄パイプを振り下ろすが雄介は片手で止め。

 

「なっ!?ぶふっ!!??」

 

高橋の目には一瞬の事で分からず雄介の足元で膝を着き倒れる鮫島の姿があった。

 

「なっ!?おい!鮫島!」

 

鮫島は返答せずゆっくり近づく雄介。

 

「な、何なんだお前は?」

 

「...おい」

 

「えっ?」

 

「ことりちゃんに何をした?」

 

雄介は立ち止まり高橋に向け。

 

「ことりちゃんに何をしたのかって聞いてんだよ!」

 

雄介は一気に高橋に詰め寄りその首を掴み地面に叩きつける。

 

「ぐぇ、ごほっ!」

 

「いや...やっぱ喋らなくていい...何をしてもお前は殺すから」

 

さっき鮫島から奪った鉄パイプを持ち直し。

 

「''変...身''」

 

雄介の姿から紫のクウガへと姿を変え同時に鉄パイプもタイタンソードへと変わる。

 

タイタンソードを首もとに突き付け。

 

「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」

 

「・・・」

 

そのまんま少し持ち上げ一気に首を突き刺そうとした瞬間。

 

「う、うわぁぁぁぁ!!!!」

 

「ゆーくん!ダメ!」

 

その言葉が聞こえ瞬時に位置を変え首ギリギリの横にソードが地面に突き刺さる。

 

「はぁ!はぁ!はぁ!」

 

「...命拾いしたな」

 

クウガはソードを引き抜き立ち上がり高橋は恐怖に怯え後退り。

 

「な、何なんだよお前!人を襲うって...お前は人間を守る為に戦ってるんじゃねぇのかよ!」

 

「...なに言ってんだお前?」

 

「未確認を倒す為に戦ってる未確認生命体4号正義のヒーローじゃねぇのか!?」

 

「...何か勘違いしてるようだが」

 

クウガはソードを高橋に突き付け。

 

「別に俺は正義だの何だので戦ってるんじゃねぇ皆が笑顔でいてほしいから未確認に立ち向かってるんだ。

だから今回お前達がことりちゃんを悲しませ傷つけたから本気でお前を殺そうとした」

 

クウガはソードを高橋から引き。

 

「俺の大切な人達を傷つけるような奴は俺は容赦しねぇそれが未確認だろうと人間だろうとな」

 

クウガは高橋に背を向け。

 

「だから俺の気が変わらない内にさっさとここから消えろ」

 

クウガはことりを縛っている縄を切り解放させる。

 

「っお前の事やμ'sの事!全部世間に公表するからな!覚悟しとけ!」

 

高橋は鮫島を置いて走って逃げてしまった。

 

「仲間も置いて逃げんのか本当に最低な野郎だな」

 

クウガから雄介の姿に戻り上着をことりに着させる。

 

「ゆーくん...ありがとう助けに来てくれて」

 

「いや、間に合って・・・いや間に合ってないな、ごめん」

 

「!?ゆーくんが謝る事ないよ!私が勝手に!」

 

「それでも俺はことりちゃんを守れなかった君の体や心に深い傷を負わせてしまった」

 

「そんなの大したこと事...ないよ」

 

ことりはぎゅっと雄介の上着を掴み泣くのを我慢する。

 

「ことりちゃん我慢しなくていい...泣きたい時は泣いてもいいんだよ」

 

雄介の言葉にことりは雄介に抱きつき。

 

「う、うわぁぁぁん!怖かった!怖かったよぉ!」

 

雄介はことりを抱きしめ背中を擦る。

 

すると...。

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

突然の悲鳴に雄介は反応し。

 

「高橋の声?」

 

その悲鳴に異常ではない事を察し。

 

「...ゆーくん行って?」

 

「!?でもことりちゃん」

 

「私は...大丈夫だから」

 

ことりがニコッと笑い雄介は。

 

「っすぐに戻って来るから」

 

そう言って雄介は走り出す。

 

ーーーーーーー

 

「はぁ!はぁ!はぁ!」

 

高橋は偶然居合わせたクローンのギノガに追われていた。

 

「何なんだよ!ちくしょう!」

 

するとギノガは高橋の襟元を掴み。

 

「うっ!くそ!」

 

人間のスピードでは未確認には敵わず追い付かれ高橋の首を掴み持ち上げ。

 

「ぐ、ぐえぇぇ」

 

どんどん締め上げ高橋の意識が遠退き始めると。

 

ドスッ!と音がし同時に捕まれていた手が離された。

 

「げほっ!げほっ!げほっ!な、何だ?」

 

すると高橋の前には青い姿をしたクウガが立っていた。

 

「お前・・・どうして?」

 

「・・・少し黙ってろ」

 

クウガはロッドを構えギノガに立ち向かう。

 

クウガは懸命に戦う異様な者から命を張り臆せず一生懸命戦っていた。

 

その姿を目にし高橋は。

 

「すげぇ」

 

クウガの戦う姿に心を打たれていた。

 

「っ」

 

クウガはロッドを回し足に力を入れジャンプし。

 

「うぉりぃやぁー!!」

 

ロッドを突き付けギノガの体に命中する。

 

「グオォォォォァ!!」

 

クウガの攻撃によりギノガの体からヒビが入りドロドロと溶けていった。

 

「・・・」

 

クウガは倒した事を確認しスッと高橋を横切る。

 

「どうしてだ?」

 

その言葉にもクウガは歩みを止めない。

 

「どうして俺を助けたんだ!?お前は俺が殺したいほど憎いんじゃないのか!?」

 

クウガは歩みを止めそれでも振り返らず。

 

「...ことりちゃんが言ったんだ...行ってくれって」

 

クウガは振り返り。

 

「お前に襲われたにも関わらずお前を助けるよう言ったんだ」

 

「そんな…バカな」

 

「それがお前とことりちゃんの人としての差だ」

 

そう言ってクウガは振り帰り歩き出す。

 

高橋は何も言えずただクウガの歩いていく姿を見ることしかできなかった。

 

ーーーーーーー

 

「ことりちゃんお待たせ」

 

「ゆーくん!大丈夫だった!?怪我とかない?」

 

「大丈夫だよ」

 

心配してくれることりに雄介は微笑み。

 

「そう言えばことりちゃんこそ大丈夫か?何か変な事されなかった?」

 

そう言われことりはぎゅっと自分の体を掴み。

 

「...大丈夫だよゆーくんのお陰で」

 

ことりは苦笑いをしさっきの事を思い出す。

 

そう、もし雄介が来てくれなかったらと思うとことりは恐怖し。

 

ぎゅっと雄介に抱きつく。

 

「うおっ!?ことりちゃん!ことりちゃん!むむむむむ胸が!」

 

「ごめんゆーくん今はもう少しこうさせて」

 

ことりの言葉に雄介は察し。

 

「わかった」

 

そう言い雄介もことりを抱きしめ優しく頭を撫でる。

 

「(よっぽど怖かったんだろ...今でも震えてるもんな)」

 

ーーーーーーー

 

ことりが落ち着いて顔をあげる。

 

「ゆーくん1つ聞いていい?」

 

「ん?」

 

「どうしてこの場所がわかったの?」

 

「あぁ...海未ちゃんから連絡があってすぐにでも助けに行こうと思ったんだけど海未ちゃんも場所は分からないって言うから緑のクウガの力で探したんだ。

そしたらことりちゃんの悲鳴が聞こえてすぐに向かったんだ」

 

「そうだったんだ...ありがとうゆーくん」

 

その後、雄介は警察に連絡し気を失っている鮫島を保護し後に事情聴収を受けるらしい未確認に襲われた高橋は行方を眩ましていた。

 

...後日。

 

練習の為μ'sのメンバーは神田明神に集まる。

 

「昨日ことりから聞いたわその高橋って子。行方を眩ましてるそうじゃない」

 

「あぁそうだな」

 

「大丈夫なの?」

 

「...まぁ俺やμ'sの事が世間にバレてないって事は奴はまだ何もしてないんだろ」

 

絵里の不安をよそに雄介は続ける。

 

「あいつはことりちゃんに酷い事をした...だから俺は奴に手を掛けようとした。だけど...」

 

雄介はことりのいる方を見て。

 

「ことりちゃんが止めたんだ。自分を傷つけた相手なのにそれでも助けたんだ奴を」

 

「それがことりの優しさなのかもね」

 

「あぁ本当にいい子だよ」

 

「それと強い子よねことりって」

 

「あぁ、そうだな」

 

雄介と絵里が話していると。

 

「おーい絵里ちゃーん!雄介くーん!練習始まるってー」

 

「わかったわ花陽今いく」

 

絵里が雄介の方に振り向き。

 

「雄介行きましょ?」

 

「りょーかい」

 

皆の輪に絵里が合流しμ'sの練習が始まる。

 

30分後少しの休憩を取る。

 

穂乃果が水飲み場で水を飲んでいると。

 

ふと掛けてある絵馬の方に目に入り。

 

「...これ」

 

穂乃果は1つの絵馬を見て立ち尽くしていた。

 

疑問に思った海未は気になり。

 

「どうしたのですか?穂乃果」

 

穂乃果の顔を見ると穂乃果は涙を流しており。

 

「海未ちゃん...私達って皆に応援されてるんだね」

 

「えっ?」

 

穂乃果の持っている絵馬には同じ学校にいるクラスメイトが書いてくれた絵馬そこには。

 

『μ'sの皆がとっても大好きです!どうかラブライブに優勝しますように!』

 

「これは?」

 

海未は他の絵馬も見る。そこにはμ'sの事を書いてくれた絵馬が沢山あった。

 

学校の皆や家族そしてこの街にいる沢山の人達がμ'sを応援した絵馬が書かれてあった。

 

「学校の事も知って心配してくれてる人もいる」

 

「それでも凛達を応援してくれる人も沢山」

 

絵馬に書かれているのを皆が見て雄介は。

 

「μ'sってさこの9人は勿論だけど他の人達の支えもあってここまで来てたんだな」

 

「...うん、そうだね」

 

穂乃果は涙を拭き皆の顔を見る。

 

「ねぇ皆、私達まだ頑張れるよね?」

 

皆が穂乃果を見る。

「学校の事それに今回の事件の事沢山あって傷ついた...でも!ここに書かれているように私達は応援されてる支えられてる。だから!」

 

穂乃果は力強く。

 

「私は頑張れるそして皆の期待に応えたい!だから!」

 

穂乃果が言う前に皆がサムズアップをし穂乃果もサムズアップを向け。

 

「目指そう!ラブライブを!」

 

皆が力強く頷く。

 

「これがμ'sの絆そしてμ'sを支えてくれてる人達の絆この9人だけじゃないμ'sは''みんなで叶える物語''なんだ」

 

皆の気持ちが1つとなり改めてラブライブ優勝という決意を固めμ's達は走り出すこの目標に向かってどこまでも。

 

ー第16話 決意 endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっとできたぁ。
もう少し早く書けるようがんばルビぃしないと。


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第17話 百合

第14号事件から少し経った頃μ'sの皆はラブライブを目指す為練習が忙しくなっていた。
その頃、雄介は...。


第14号の事件一条達警察官それと未確認生命体第4号もといクウガの活躍により事件は解決に至った。

その数日後、今日はμ'sの練習も休みで雄介はある物を探しに街に出ていた。

 

「あった、あったぁ~」

 

雄介は書店を巡りある物を買っていた。

それは...。

 

「百合娘!たのしみだったんだよなぁ早く帰って読もーっと」

 

百合娘...それは女の子と女の子が恋を描くストーリーが凝縮している言わば百合雑誌である。

なぜ雄介が百合というジャンルにはまったかと言うと。

ネットにある小説を見てそのストーリーに感動しそれで爆発的に興味を持ってしまったのである。

 

「ただいまぁ!」

 

店から出て速攻で帰って来た雄介。

 

家の中はシンとしており。

 

「とまぁ今日は梓が友達の家に行ってるからっと」

 

そう言い自分の部屋に戻り買ってきた本を袋から出す。

 

「おほほほっさぁ読むぞぉ!」

 

これから雄介の百合読書ターイムが始まったのである。

 

ーーーーーーー

 

翌日

 

以前襲われた校舎が大方復旧し今日から学校再開である。

 

雄介はバイクに股がりエンジンを作動させる。

 

「お兄ちゃん気をつけてね?」

 

「うん、じゃあ行ってくる」

 

梓に見送られ雄介は学校へと向かう。

 

ーーーーーーー

 

学校に到着しバイクを止め降りると。

 

「ゆーくん!おはよう!」

 

「おはよ!雄介!」

 

「お早うございます雄介、今日は寝坊せずちゃんとこれましたね」

 

ことほのうみの3人がちょうど登校してきた。

 

「おはよう3人とも」

 

雄介も挨拶を返し一緒に教室に向かう。

 

「・・・」

 

雄介は3人の後を追うように歩き考え込む。

 

「(この3人の中で女の子同士で付き合ってる子はいないのであろうか?)」

 

「...どうしたのですか?雄介さっきからジッーと私達を見て」

 

視線に気付いた海未がそう言い。

 

「ん?いや!今日も3人とも可愛いなぁって」

 

雄介の発言に3人とも顔を染め。

 

「いきなり何を言い出すのですか!?恥ずかしい

!」

 

「ほんと、いきなりだよ///」

 

「もう、ゆーくんったら///」

 

「はははっ(まぁさすがにないかぁ)」

 

雄介達は教室に着き自分達の席に座り。

 

先生が来るまで話し込んでいた。

 

チャイムが鳴り先生が入って来て授業を始める前に以前起こったの事件の事そして亡くなった人達の事を話す。

 

先生が話を終え授業が再開する。

 

ーーーーーーー

 

放課後

 

μ'sの皆は練習の為部室に集まり今日の練習メニューを組んでいた。

 

一方雄介は。

 

「(おぉこのSS面白そう!)」

 

雄介は携帯で小説(百合)を読んでいて。

 

「雄介?何を読んでいるのですか?」

 

そんな雄介に気付きひょいっと顔を覗かせる海未。

 

「い、いやぁちょっとね」

 

雄介は咄嗟に携帯を隠し海未は不審な目で雄介を見て。

 

「また、破廉恥な物を見ているのですね?」

 

「ち、違うよ!」

 

「まったくちゃんと雄介も参加してくださいよ」

 

「へーい」

 

そんなこんなでμ'sの練習が始まり雄介も彼女達の練習を見ていた。

 

「はい!少し休憩ね、しっかり水分を補給してね?」

 

「「はーい」」

 

小休憩が入り皆が座り水分を取る。

 

「ん~」

 

「どうしたの?ゆーくん」

 

「いや、いつも思うんだけど真姫ちゃんとにこって絶対休憩取るとき2人になるよね」

 

「うん、とっても仲良しなんだね!」

 

「(これは、もしかして...よし!)」

 

雄介は2人に近づき。

 

「まーきちゃん」

 

「どうしたのよ雄介?」

 

「ねぇ真姫ちゃんってにこと付き合ってるの?」

 

雄介の発言に周りは凍りつき、にこは飲んでいた飲み物をブフッと吹き出した。

 

「な、な、な、何を言い出すのよ!いきなり!」

 

「そうよ!ぬぁんで真姫なんかと!」

 

「ちゃんとそれどういう意味よ!」

 

「ふん!このにこにーが真姫なんかと釣り合う訳ないって意味よ」

 

「それだったら私だってにこちゃん何かと付き合うなんてごめんよ!」

 

「ちょっとにこ何かとはどういう意味よ!」

 

2人がヒートアップし雄介がおさめようと2人の輪に入るが。

 

「ちょっと落ち着こ2人とも」

 

「元はと言えば雄介が変な事言うから!」

 

「そうよ!一体どういうつもり!」

 

「い、いやぁ~2人ともいつも仲良いから」

 

「それで付き合ってるって見えるなら希と絵里だってそうでしょ!」

 

「そうよ!花陽と凛だって!」

 

2人がどんどんヒートアップし手に負えない雄介。

 

「なんかうちらにも飛び火が飛んできたなぁ」

 

「ハラショー...」

 

「り、凛はかよちんの事大好きだけど凛が好きなのは...」

 

「凛ちゃん大丈夫わかってるから」

 

すると雄介の携帯が鳴り出し。

 

「ちょ、ちょっとごめん!」

 

雄介は携帯に出て。

 

「はい、もしもし?」

 

『中野!未確認生命体が出現した!』

 

「はい、はい、分かりました!直ぐに向かいます!」

 

雄介は通話を終え。

 

「ごめん、ちょっと行ってくる!」

 

「わかったわ...けど帰ってきたら話の続きだからね?」

 

「だから無事に帰ってきなさいよ?」

 

「りょーかい!」

 

雄介はそう言い未確認のいる現場へと急行していった。

 

ーーーーーーー

 

未確認が出る数十分前。

 

午後16時、小学生が下校する時間帯。

 

その1つである学校。私立聖 大附属小学校の校門に寄り添い待っている小学生が1人。

 

「お待たせーっ!なのは!」

 

すると学校の玄関から出て走って向かってくる金髪でツインテールの女の子。

 

「フェイトちゃん!」

 

フェイトと呼ばれたその女の子は校門で待っていた女の子の手を握り。

 

「ごめんね、なのは少し遅くなって」

 

なのはと呼ばれたクルミ色で短めなツインテールをしている女の子。

 

「ううんフェイトちゃん人気者だから仕方ないよ」

 

「そんな事ないと思うんだけどなぁ...はやて達は?」

 

「アリサちゃんとすずかちゃんはお稽古。はやてちゃんは用事だって」

 

「そっか...なら今日は、なのはを独り占めして良いって事だね?」

 

「もう!フェイトちゃん!///」

 

「あははっごめんごめん、さぁ帰ろっか?」

 

「うん!」

 

2人は手を繋いで歩き始めて行った。

 

「ねぇなのは今度のお休みの日空いてる?」

 

「えっ?うん特に用事はないよ」

 

「じゃあさどこか出掛けない?」

 

「うん!いいよ」

 

「やった!なのはとデートだ!」

 

「もう、フェイトちゃん大袈裟だよ」

 

なのはが苦笑いをしフェイトは照れ隠しに頭を掻く。

 

なのはとフェイトが歩いている途中。何人かが慌てふてめいてこちらに走ってくる。

 

「どうしたんだろう?」

 

なのはが不思議がりフェイトは、なのはを抱き寄せ人が走ってきた奥の方を見る。するとフェイトが見えたその先には...。

 

「ゲゲルゾバギギグス」

 

そう言ってこちらに向かってくるゴキブリに酷似した未確認生命体メ・ゴリギ・バが人々を襲っていた。

 

「未確認生命体!?」

 

「フェ、フェイトちゃん」

 

「なのは!とりあえず安全な場所に逃げよう!」

 

フェイトはなのはの手を取りその場から遠ざかる。

 

「(未確認生命体...ニュースでしか見たことないけどあれが...)」

 

フェイトは考えてながら走り込みなのはが疲れている事に気づかなかった。

 

「はぁ!はぁ!ふぇ、フェイトちゃん!」

 

「あっ!ごめんなのは!」

 

フェイトは走るのを止めなのはが膝を着き息を整える。

 

「ごめんなのは...無理させちゃって」

 

「ううん、私が運動苦手なのが悪いから」

 

フェイトはなのはを休ませるよう座らせ辺りを見渡す。

 

「とりあえず大丈夫かな?」

 

「フェイトちゃんもしかしてあれが未確認生命体?」

 

「うん、初めて見るけど多分そうだと思う」

 

「私もだよ」

 

フェイトはなのはの額の汗をハンカチで拭き取り。

 

「なのはもう少ししたらここから離れるけど大丈夫?」

 

「うん大丈夫だよ...ごめんね迷惑かけて」

 

「大丈夫だよ...なのはが気にする必要はない」

 

フェイトがなのはの頭を撫で。

 

「私が必ずなのはを守るから」

 

「フェイトちゃん...ありがとう///」

 

なのはは立ちフェイトも立ち上がりこの場を離れようとする。

 

「なのはもしまたキツくなったら言ってね?」

 

「うん、わかった」

 

フェイトはなのはの手を取りなのはのペースに合わせるようゆっくり走って行った。

 

「(大丈夫、大丈夫、今の所未確認生命体の姿はない)」

 

「フェイトちゃんもう未確認生命体いなくなったのかな?」

 

「どうだろう?別の場所に移動したとか?」

 

フェイトは少し安心し走るのを止め歩きに変えた。

 

「このまま家の方に向かえばきっと安全だよ」

 

「うん!」

 

フェイトはなのはの笑顔を見て安堵しそのまま進んで行くと...。

 

「がっあぁぁぁぁ」

 

フェイトが見えたその先には首が絞められた男性そして。

 

「これで...10人め」

 

ボキッ!と音を鳴らし男性の首を絞めていた者は離しその男性はそのまま崩れ落ちるかのように倒れる。

 

「き、きゃあぁぁぁぁ!!!」

 

「っなのは!こっちに!」

 

フェイトは直ぐ様振り向き走り出そうとした瞬間。

 

「ボセゼジュグビビレザ」

 

フェイトの目の前にはゴリギが立っていた。

 

「いつの間に!?」

 

ゴリギはフェイトを弾き飛ばす。

 

「うあっ!」

 

「フェイトちゃん!」

 

フェイトが地面に転がりなのはが駆け寄ろうとした瞬間。

 

「ラズザゴラガバサザ」

 

ゴリギがなのはの手を取り首に手を掛ける。

 

「うっ!」

 

「なのはぁ!」

 

フェイトは咄嗟に立ち上がりゴリギの手をつかむ。

 

「離せ!離せ!離せぇ!」

 

叩いても噛んでもビクともしないゴリギそして...。

 

「じゃ、まだ」

 

ゴリギはフェイトの頭を掴みそのまま投げ飛ばす。

 

「うっあっ!」

 

ゴツッ!と頭から地面に激突し頭から血を流し意識が朦朧とするフェイト。

 

「(駄目だここで意識を失ったら...なのはは絶対に私が守らないと)」

 

フェイトは意識が朦朧とする中手を伸ばし。

 

「(なのはを絶対に失っちゃいけないんだ...私の大切な人を)」

 

「あっ...フェ...イト...ちゃん」

 

「なの..は」

 

フェイトは立ち上がろうとする...だが...。

 

「(立て!立て!立て!なのはが殺されてしまう!)」

 

体の力が入らず立ち上がる事は出来なかった。

 

「くっ...そっ...」

 

「(お願いだ神様でも誰でもいい...私はどうなってもいいからなのはを...なのはを...)」

 

「なの...はを助け...て下さ...い」

 

フェイトの願いその想いが通じたのかブゥン!と音が聞こえそして!

 

「うぉりぃやぁ!」

 

その叫びと共にドカッ!と音が聞こえ。

 

「グァッ!」

 

ゴリギは倒れなのはは解放される。

 

「げほっ!げほっ!げほっ!」

 

ゴリギは立ち上がり。

 

「ビイガラ!」

 

ゴリギは身構える。

 

「ったく小学生の女の子狙うなんてとんでもねぇ未確認だな」

 

フェイトは朦朧とする中誰かが目の前立っていて誰かが助けに来てくれたと認識した。

 

「2人とも大丈夫か?」

 

「はい、私は大丈夫だけどフェイトちゃんが」

 

「...わかった君はあの子の側に」

 

なのはの声も聞こえ安堵するフェイト。

 

「後は俺が!」

 

その人は腹部に手をかざしそこからベルトのような物が現れ。

 

「''変身!''」

 

その掛け声と共にその人の体は赤い姿に変わっていった。

 

それの姿はニュースでよく見る未確認生命体と戦う未確認生命体第4号だと知りフェイトの意識はそこで途切れてしまう。

 

「クウガ!?」

 

「いくぞ!」

 

クウガはゴリギに突っ込み腰を屈めエルボーを喰らわし怯んだ瞬間を回し蹴りで吹き飛ばす。

 

「グァッ!」

 

「うおぉぉぉぉ!!」

 

クウガはゴリギにパンチを仕掛けるがゴリギは交わし空振りクウガの手を抑え蹴りを数回喰らわす。

 

「ぐっくそっ!」

 

クウガはゴリギの蹴りをガードしそのまま抑えられていた手を逆にゴリギの腕を掴み背負い投げを喰らわす。

 

「ギャッ!」

 

地面に叩きつけクウガはパンチを喰らわそうとするが。

 

ゴツッ!っと地面に拳が当たり。

 

「何!?」

 

瞬時にゴリギはクウガの背後に回る。

 

「くっ!いつの間に!?」

 

ゴリギはそのままクウガをホールドし締め付ける。

 

「ぐあぁぁっ!!」

 

ギチギチと音がし締め付けられるクウガ。

 

「このっ!」

 

クウガは頭部を振りゴリギの頭に当て。

 

「ガッ!?」

 

怯んだ瞬間肘で数度攻撃しホールドが解かれた瞬時クウガはゴリギを蹴り飛ばす。

 

「グァッ!」

 

ゴリギとの距離ができクウガはキックの構えを取った瞬時。

 

バチバチバチ!っと電流のような物が足に流れ。

 

「な、なんだ!?」

 

突然の事にクウガは驚きそちらに意識が行き。

 

「クッ...」

 

ゴリギはその隙にその場から逃走した。

 

「おい!ちょっと待て!」

 

ゴリギの速さに追い付けず見失ってしまうクウガ。

 

「くそっ!一体何だったんだ?」

 

原因が分からずクウガはさっき襲われた2人の方を向く。

 

「2人とも大丈夫か!?」

 

「フェイトちゃん!フェイトちゃん!」

 

なのはがフェイトの事を呼び掛けるが頭から血を流し反応しないでいた。

 

「頭から血が...直ぐに救急車を」

 

なのは目から涙が流れ。

 

「私のせいでフェイトちゃんが...」

 

クウガは雄介の姿に戻り。

 

「大丈夫だよ直ぐに救急車が来るから」

 

雄介はなのはの頭を撫で。

 

「...はい」

 

そう言ってなのははフェイトの頭を自分の膝に乗せハンカチで出血場所を抑える。

 

「(...この子達もしかして...って!そんな事考えてる場合じゃなかった!早く救急車を!)」

 

雄介が病院に連絡し救急車を手配する。

 

 

 

「.....あれが今のクウガか...楽しめそうだな」

 

ーーーーーーー

 

数十分後、関東医大病院に到着した雄介達。

 

フェイトは集中治療室に運ばれ雄介達はフェイトが無事である事を祈っていた。

 

「フェイトちゃんお願い無事でいて!」

 

なのははぎゅっと手を合わせフェイトの治療を待っている。

 

雄介はなのはの隣に座り。

 

「大丈夫だよ絶対に」

 

「えっ?」

 

「君がそう信じれば必ず帰ってくる...だから絶対に大丈夫」

 

「...はい、ありがとう、ございます」

 

それから1時間後治療室のランプが消え。

 

ガチャっと医師がドアから出てくる。

 

「あのっ!フェイトちゃんは!?」

 

「大丈夫ですよ脳に異常は見られませんでしたし切れた傷口は縫ったのでもう少ししたら目が覚めると思います」

 

「そうですか...良かったぁ」

 

「良かったね」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

なのはは頭を下げ雄介に礼をする。

 

それからフェイトは病室に移動されなのはと雄介もフェイトが目を覚ますのを待つ。

 

「あの...先ほどは助けて頂いてありがとうございます」

 

「えっいやいやいや君達が無事で良かったよ」

 

「まさかあなたが4号だったなんて...宜しければお名前聞いてもいいですか?」

 

「えっ?あぁ俺は中野雄介」

 

「私は高町なのはっていいます雄介さん私とフェイトちゃんを助けて頂いて本当にありがとうございます」

 

「いやぁ当然の事をしたまでだから」

 

すると突然、雄介の携帯が鳴り確認すると海未からの着信が来てた。

 

「やっべ!海未ちゃんからだ!ごめんなのはちゃんちょと外に出るね」

 

「あっはい、大丈夫です」

 

雄介はそう言い病室から出ていった。

 

なのははフェイトの方に向き手を握る。

 

「フェイトちゃん...」

 

 

「(ここは...どこだろ?何か暖かい...なのは...なのはは?そうだ!未確認生命体がなのはを!なのはを助けなきゃ!なのはは私にとって大切な!...)」

 

するとフェイトの瞼が薄く開くと天井が見え。

 

「(天井が白いここは?...どこなんだろ?あれ?なのは?)」

 

目を積むってフェイトの手を握るなのは。

 

「なの...は」

 

フェイトの声が聞こえなのはは瞬時に反応し。

 

「フェイト...ちゃん?」

 

「うん、なのは」

 

フェイトが目を覚ましなのはは大粒の涙を流し。

 

「フェイトちゃん!」

 

ぎゅっとフェイトに抱きつく。

 

「フェイトちゃん!フェイトちゃん!フェイトちゃん!」

 

「なのは...無事だったんだね...本当に良かった」

 

「それはこっちのセリフだよ!本当に良かった!」

 

フェイトは優しくなのはの頭を撫で。

 

「なのは...1つ聞いていい?私達はどうやって助かったの?」

 

「うん...雄介さ...第4号がね助けてくれたの」

 

「第4号ってあの未確認生命体の?」

 

「うん、そうなの!」

 

「(じゃああの時見えた赤い姿をした人って4号だったんだ)」

 

記憶はおぼろ気だが微かにフェイトの記憶にはクウガの姿があった。

 

「でも本当になのはが無事で良かったよ」

 

「だからそれはこっちのセリっんっ!?///」

 

なのはが言い掛ける前にフェイトはなのはの唇を塞ぐ。

 

「ちょっフェイトちゃ!...だめ!...ん!///」

 

「ごめん、なのは我慢出来なくて」

 

なのはの静止を聞かず続けるフェイト。

 

すると...。

 

「いやぁ参ったよ海未ちゃんったらすんごいガミガミ言うんだからオカンじゃあるまい...し」

 

タイミング悪く雄介が戻って来てその光景を目の当たりにし。

 

「ん!?ぷはっ!フェイトちゃん!ストップ!ストップ!」

 

「えっ?ちょっ!って...えっ!?あなたは?」

 

突然入って来た人物に驚くフェイト。

 

「えっ?いやぁそのぉ...あっ!すいません部屋間違えまして...どうぞ!どうぞ!続けて続けて」

 

「もう!雄介さん!」

 

なのはが雄介の事を呼びフェイトは首を傾げる。

 

「なのは?この人の事知ってるの?」

「う、うんこの人が私達を助けてくれた4号さん...」

 

「えっ!?4号!?この人が!?」

 

「ど、どうも」

 

雄介がへこへこと頭を下げる。

 

「えっ...と、よく状況がつかめないんだけど...」

 

「うん、最初から話すね」

 

なのはが今まで起きた事をフェイトに話し。

 

「そうだったんだ...中野さんなのはを助けてくれてありがとうございます」

 

「いや、俺だけじゃない君の頑張りもあったよ君が粘っていたからなのはちゃんを助け出せたんだ」

 

「うん!フェイトちゃんありがとう」

 

「うん...なのは本当に良かった」

 

フェイトはなのはの頭を撫でる。

 

「...ちょっといいかな?」

 

「はい?」

 

「君達は付き合ってるの?」

 

ボンっとなのはが耳まで顔が真っ赤になり。

 

「えと!その!私とフェイトちゃんは!」

 

「いえ私となのはは付き合っていませんよ」

 

「えっそうなの?」

 

「だってもうなのはは私のお嫁さんだしその域を越えてますよ」

 

「あっなるほどぉ」

 

フェイトの発言にもっと顔が赤くなり。

 

「もう!フェイトちゃんのバカァ!///」

 

ーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

昨日の事件から1日が経ち雄介は授業が終わるとそそくさ荷物を片付ける。

 

「雄介?どうしたの?そんな急いで」

 

「うん、これから用事あってさ穂乃果ちゃん!海未ちゃんに今日部活に行けないって言っといてー!」

 

雄介はそう言ってダッシュで教室を出ていった。

 

「うん、いいけどまた海未ちゃんに怒られるよー」

 

ダダダダっと廊下走り曲がり角を曲がった瞬間。

 

「ちょっと雄介!廊下は走らないの!」

 

「ごめん絵里!急いでるから!」

 

「もう!雄介!」

 

「ごめん!百合の花達が俺を待ってるから!」

 

雄介はそう言い学校を出ていった。

 

「百合?何訳のわからない事言ってるのよあの子は」

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

 

雄介はダッシュでバイクに乗りそのままなのはがいる学校にまでかっ飛ばして行った。

 

ーーーーーーー

 

ー小学校校門前ー

 

なのはは校門の前に立ちある人物を待っていた。

 

「なのはちゃんこんな所でどないしたん?」

 

「はやてちゃん...うん、ちょっと待ち合わせしてて」

 

なのはの友人であるはやては首を傾げているとバイクの走ってくる音が近づいてくるのがわかる。

 

するとそのバイクはキキーッとブレーキを踏みなのは達の前に止まる。

 

「お待たせなのはちゃん」

 

ヘルメットのバイザーを上げなのはを呼ぶ雄介。

 

「えっ!?なのはちゃんの知り合い!?」

 

いきなりなのはの名を呼び驚くはやて。

 

「うん、雄介さんっていうの私を迎えに来てくれたんだ」

 

なのはは雄介からヘルメットを受け取り後ろに乗る。

 

「えっと...なのはちゃんの従兄とか?」

 

はやての発言になのはは。

 

「違うよ、この人は」

 

「初めまして中野雄介っていいます。なのはちゃんとは昨日知り合って友達になったんだ」

 

「八神はやてです。そうだったんですか...でもなんで迎えに?」

 

「これからフェイトちゃんのお見舞いに行くから」

 

「あっそうやったんですね?ってかフェイトちゃんの事も知ってはるんですね?」

 

「昨日、雄介さんが未確認生命体から私達を救ってくれたんだ」

 

「えっ!?そうなんか!?」

 

「うん、おっとそろそろ時間がなのはちゃん」

 

「あっ!そうやった!ごめんなのはちゃん私とした事が」

 

「べ、別に謝らなくてもいいよ、それじゃあ雄介さん」

 

「オーケーじゃあそろそろ行こうか?」

 

「はい、はやてちゃんそれじゃあ」

 

「うん、フェイトちゃんに宜しく私も明日にはお見舞いに行くよ」

 

「わかったフェイトちゃんに言っとく」

 

「うん、あっなのはちゃんフェイトちゃんとイチャイチャするのはええけどくれぐれもチュー止まりな?」

 

「もう!はやてちゃんのバカ!///」

 

そう言ってはやてとは別れフェイトのいる病院に向かった。

 

ーーーーーーー

 

ー関東医大病院ー

 

日が夕暮れになる頃フェイトはベッドに腰を掛け本を読んでいた。

 

コンコンっと控えめな音がドアから聞こえ。

 

「フェイトちゃんなのはだよ入っていい?」

 

「なのは、うん大丈夫だよ」

 

するとドアが開かれなのはと雄介が病室に入る。

 

「なのは今日もお見舞いに来てくれてありがとう雄介さんも」

 

「うん、フェイトちゃん元気そうで良かったよ」

 

「もう何ともないし退院してもいいんだけどね」

 

「駄目だよちゃんと検査して先生のお許しを貰えるまで入院してなきゃ」

 

「ふふっごめんごめん」

 

フェイトとなのはの会話を見て雄介は。

 

「2人とも本当に夫婦みたいなだなぁフェイトちゃんが夫でなのはちゃんが妻かな?」

 

「ゆ、雄介さん///」

 

「ふふっそう言って貰えると嬉しいです」

 

「もう、フェイトちゃんまで///...私お花の水変えてくるね」

 

なのはは照れ隠しに花瓶を持ち病室を出た。

 

「可愛いなぁあんなに照れちゃって」

 

「そうですね...本当になのはが無事で良かったですあの子の笑顔が見れて本当に良かった」

 

「本当に大好きなんだねなのはちゃんの事」

 

「...えぇなのはは私を救ってくれた恩人なんです」

 

「えっ?」

 

「私には昔、母と姉がいたんです。とても仲がよくて自慢の家族でした...でもある日2人共交通事故にあって亡くなったんです。私を残して...」

 

「そんな事が...」

 

「それから親戚の人に預けられ今でもそこに暮らしてるんですけど、あの頃の私は心を閉ざし誰とも触れ合おうとしなかった」

 

「...」

 

「でもそんなある日なのはが私に声を掛けてくれたんです私と友達になろうって...最初は彼女にも心を閉ざし話さなかったんですけど彼女が積極的に私と関わりあいそんな彼女と一緒にいると私もだんだん楽しくなってそれから彼女と友達になり新しい私を始められたんです」

 

「そうだったのか」

 

「なのはが私を救ってくれた。なら私もなのはを守れるよう強くなろうと今は空手や合気道を習い始めたんです」

 

「マジか...すごいな」

 

「でも昨日の事で痛感しました。未確認生命体の前では私は無力でなのはを守れなかった」

 

フェイトはぎゅっと拳を握り。

 

「私も力が欲しい...なのはを守る為の力が」

 

「...フェイトちゃん俺も誰かを守りたいその一心で力を得た。でもね大切なのはその力だけじゃないよ」

 

「えっ?」

 

「君はちゃんと持ってるじゃないかなのはちゃんを笑顔に出来るその力が」

 

「それって!?」

 

「君の笑顔だよ...君の笑顔があるからなのはちゃんも今心から笑っていられるんだ」

 

雄介はニコッとフェイトに微笑む。

 

「フェイトちゃんが苦しければなのはちゃんも苦しいフェイトちゃんが笑顔でいればなのはちゃんも笑顔でいられるんだ」

 

雄介はサムズアップを向け。

 

「だってなのはちゃんもフェイトちゃんが大好きだから」

 

「雄介さん...」

 

フェイトも微笑み。

 

「はい...ありがとうございます」

 

「うん!...それにしてもなのはちゃん遅いなぁどうしたんだろ?」

 

「そうですねぇ」

 

雄介とフェイトが疑問に思っていた頃なのははドア越しに聞いてて耳まで顔が真っ赤になってたとか...。

 

ーーーーーーー

 

数日後

 

フェイトは退院し今日は休日。とある噴水公園でフェイトは椅子に座り飲み物を飲んでいた。

 

「フェイトちゃーん!」

 

すると奥から手を振りながら走ってくるなのはが見えて。

 

「ごめんね、待たせちゃったかな?」

 

「ううん、私も今来たところだから」

 

「もう、フェイトちゃんはいつもそう言うんだから」

 

「ふふっほんとだよ」

 

フェイトはむくれるなのはの頬をつつき。

 

「さぁ行こっかなのは」

 

フェイトはなのはに手を差し出し。

 

「うん!フェイトちゃん!」

 

なのはも満面な笑顔でその手を握った。

 

一方その頃...。

 

「なのはちゃんとフェイトちゃん今頃どうしてんだろうなぁ?」

 

雄介はなのは達のデートを妄想しつつにやけている。

 

「ちょっとどうしたのよ雄介?ずっとニヤニヤしてるんだけど?」

 

「何かいい事でもあったんやない?」

 

にこと希がひそひそと話していてそんな雄介が気になりことりが尋ねる。

 

「ゆーくんどうしたの?何かいいことあった?」

 

「う~ん、ちょっとねぇ~」

 

「ことりが話し掛けてもあの反応...何かあるわね」

 

「真姫ちゃんどういうこと?」

 

「あの浮かれよう...もしかして彼女が出来たとか?」

 

「えぇ!?ゆーすけに彼女ぉ!?」

 

「ちょ、ちょっと凛ちゃん声がでかいよぉ」

 

「だ、だってぇ」

 

その会話を聞いていた穂乃果が雄介の元へ行き。

 

「ねぇ雄介、雄介って彼女いるの?」

 

穂乃果の発言に皆が驚き。

 

「いやぁ違うよぉでへっでへ」

 

不敵な笑みを浮かべる雄介。

 

「なぁんだ」

 

「「ほっ」」

 

その返答にメンバーの2人が胸を撫で下ろす。

 

「まぁ雄介が変な事になってるけどとりあえずラストスパート行くわよみんな!」

 

「「「はい!!」」」

 

絵里の号令で皆が位置に着き練習が始まる。

 

「でへっでへっ」

 

ーーーーーーー

 

その頃なのはとフェイトはデートを楽しんでいた。

映画館、ショッピングそしてゲームセンター一通り回って今は商店街を歩いていた。

 

「なのはお腹空かない?」

 

「うん、お腹ぺこぺこだよ」

 

「わかったじゃあどこかのお店に入ろうか」

 

そう話ているとフェイトとなのはが歩いているその横にぶつぶつと小さな声で喋っている人物が横切った。

 

「や...つのいうと...おりここでゲゲルをさい...かいする」

 

そしてその男は立ち止まり。

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

 

雄叫びを上げそこにいる人達に視線を向けさせ。

 

そしてその男は異様な姿に変化する。

 

「!?あいつはこの間の!?」

 

そうフェイト達を襲った未確認生命体ゴリギが再びフェイト達の前に現れたのだ。

 

「きゃあぁぁぁぁ!!!」

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

突然の未確認生命体の出現に皆がパニックになり逃げまどう。

 

「くっ!なのは!」

 

フェイトはなのはの手を握り駆け出す。

 

「雄介さんに連絡を!」

 

ーーーーーーー

 

「はぁ...気になるなぁ」

 

雄介がバイクで走行中突然電話が鳴り。

 

「うぉっ!」

 

キキーッとブレーキを踏み。

 

「ん?フェイトちゃんからだ...はいもしもし」

 

『雄介さん!未確認が!未確認生命体が現れました!』

 

「何だって!?フェイトちゃん今何処に!?」

 

「東京駅近くの商店街です!今そこになのはと」

 

「わかった!今からすぐに向かうから!」

 

雄介はそう言いアクセルを全開にしなのは達の元へと向かった。

 

 

「なのは!こっちに!」

 

フェイトは商店街を出ようと走るが。

 

「うっ!」

 

ゴリギに殺られたのであろう男性の死体がフェイト達の前に転がり回る。

 

「っ!」

 

フェイトはなのはを抱き寄せ死体から目を離させる。

 

「フェイトちゃん...私」

 

「大丈夫...絶対になのはを守るから」

 

フェイトはゴリギを睨む未だに逃げ惑う人達を無差別に殺し辺りは血の海だった。

 

そしてゴリギはフェイト達を目につけ。

 

「これ...で50人...め」

 

ゴリギはフェイト達を目掛け迫ってくる。

 

「くっ!」

 

「きゃっ!」

 

フェイトはなのはを引き寄せゴリギの攻撃をギリギリかわす。

 

「バビ?」

 

「ふーっふーっ」

 

一撃目を交わしフェイトはなのはを後ろに下げる。

 

「フェイトちゃん」

 

「大丈夫だからねなのは」

 

ゴリギは身構え足に力を入れる。

 

「キシャア!」

 

「(来る!)」

 

ゴリギはフェイトに目掛けパンチを繰り出すがフェイトはギリギリにその攻撃を避け頬がかすり血が流れる。

 

「(危ない所だった...あんなの一撃でも喰らったら...)」

 

フェイトはゴリギから距離を取り身構える。

 

「(とにかく雄介さんが来るまで時間稼ぎをしないと)」

 

「こざか...しいリントだ」

 

ゴリギはグンッ!とフェイトとの距離をつめる。

 

「なっ!?はやっ!」

 

ゴリギはブンッ!と手を降りかざしフェイトは咄嗟にガードをするが...。

 

ボキッ!

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

「フェイトちゃん!?」

 

ゴリギの攻撃に耐えきれずフェイトはガードをした左腕を折られてしまった。

 

「あぐぅぅぅぅぅ」

 

フェイトは激痛に耐えきれず地面に倒れてしまう。

 

「ドゾレザ」

 

「フェイトちゃん!」

 

なのはは走ってフェイトの所に駆け寄ろうとする。

 

「駄目だ!なのは!」

 

ゴリギはなのはの方を見てグンッ!となのはの方へ突っ込みなのはに攻撃を仕掛けようとする。

 

「きゃあぁぁぁぁ!!」

 

「なのはぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

なのはは咄嗟に目を閉じる。だがいつまでたっても痛みを感じない恐る恐る目を開けると。

 

「ぐっ...きさま」

 

「よく頑張ったな2人共もう大丈夫だ」

 

なのはの目の前には赤い姿をしたクウガがゴリギを抑えていた。

 

「おりぃやぁ!」

 

「ゴアっ!」

 

ドスッとゴリギにキックを当てゴリギを吹き飛ばし店の中まで飛んでいった。

 

「雄介さん!フェイトちゃんが!」

 

「えっ!?」

 

フェイトの方を見るとフェイトは腕を抑え痛みに耐えていた。

 

「私は大丈夫です...それよりなのはを」

 

クウガはフェイトの所へと行き。

 

「フェイトちゃん無理しなくてもいい...君は頑張りすぎだ」

 

クウガはフェイトを抱えなのはの所まで戻る。

 

「なのはちゃん、フェイトちゃんの事を見ててくれないか?」

 

クウガはフェイトをそっと降ろしなのはの膝に頭を乗せる。

 

「待っててすぐ終わらせてくるから」

 

「はい、雄介さん頑張って下さい」

 

クウガはサムズアップをしゴリギの所へと走っていく。

 

店の奥からヨロヨロとゴリギが出来て。

 

「ぐっ...クウガ」

 

「待たせたなゴキブリ野郎あの子達を傷つけ傷つけさせようとしたお前の罪は重いぜ」

 

「ボソグ!」

 

ゴリギはクウガに突っ込むがクウガはジャンプして1回転し避ける。

 

「ふっ!」

 

着地した瞬間クウガはゴリギの顔面に回し蹴りをし着地した瞬時に体を捻らせもう一度ゴリギの顔面に回し蹴りを喰らわす。

 

「ゴアっ!」

 

ドサッとゴリギが倒れる。

 

「がぁっ!」

 

ゴリギは瞬時に立ちクウガにパンチを当てようとするがクウガはゴリギのパンチを受け止め。

 

「バビ!?」

 

「あの子達のデートを邪魔するお邪魔虫はここで退場させてもらうぜ!」

 

クウガはゴリギの腕を引っ張り自分に引き寄せクウガはゴリギの顔面に強烈な一撃を与える。

 

「ゴバァっ!」

 

クウガのパンチに吹き飛びゴリギはダウンする。

 

クウガはその隙にキックの構えを取り。

 

「ふっ!」

 

クウガはゴリギに目掛け走っていく。

 

ダンッと地面を蹴りクウガは飛び空中で1回転をし。

 

「うおりぃやぁーー!!!」

 

ゴリギはヨロヨロと立ち逃げようとするがクウガのマイティキックがゴリギの背中を捉える。

 

「ゴバァ!!!」

 

クウガのキックが直撃しゴリギは倒れクウガは着地する。

 

「グ...ゴセパ...ゴセパァ!アァァァァァァ!!!」

 

ゴリギは雄叫びを上げると同時にベルトにヒビが到達しドオーン!!と音を立て爆発する。

 

「ふぅ」

 

クウガは立ちなのはの所へと向かう。

 

「終わったよ...なのはちゃん、フェイトちゃん」

 

「雄介さん...ありがとうございます」

 

「うん、フェイトちゃん本当によく頑張った」

 

クウガはフェイトを抱えよう腕を伸ばし。

 

「とりあえず病院に...」

 

そういい掛けた瞬間ドォーン!と地響きがクウガ達の後ろから鳴った。

 

「な、なんだ?」

 

クウガは後ろを向き煙が舞いその中からパチパチと拍手のような音がした。

 

「いやぁ流石だよクウガ」

 

煙が晴れその中からバンダナを巻いた大柄な男が立っていた。

 

「''メ''の者を意図も容易く殺せるなんて昔のクウガより強いんじゃないか?」

 

「(何者なんだ奴は?...それにクウガを知ってる?)」

 

クウガは身構え。

 

「お前...未確認生命体か!?」

 

「あぁ...この時代では俺達はそう呼ばれているらしいな」

 

「...ずいぶん日本語がペラペラだな勉強でもしてきたか?」

 

クウガはなのはとフェイトに目を向けここから逃げるよう合図を図る。

 

「この国の言葉なんて簡単さ...それよりもクウガ俺はお前と戦いにここに来た」

 

「なに?」

 

「だからこんな大舞台をセットしてやったんじゃないか」

 

そう言ってその男は一気にクウガ達の後ろに行き。

 

「なに!?」

 

立てられている建物をキックしその一撃で建物が崩壊し商店街の出口を塞ぐ。

 

「通路が!」

 

「むん!」

 

その男は飛び反対側も同じように建物を壊し通路を塞いだ。

 

「くっ...こんなことをして一体何が目的だ!」

 

「言っただろう俺はお前と戦いたいと...だがそれだけじゃつまらんだから1つゲゲルをしようと思ってな」

 

「なんだと?」

 

「ここにいるリント達を賭け俺と勝負しろ」

 

「なに!?」

 

「簡単な話さお前が勝てばリント達は解放されるがお前が負けたら...ここにいるリント達は皆殺しにする」

 

この言葉にここにいる人達全員がどよめきを起こす。

 

「くそっ!人質って事かよ!」

 

「そう言い事だ」

 

クウガはなのはとフェイトの方に向き。

 

「なのはちゃん、フェイトちゃんもう一度戦わなきゃいけなくなった」

 

「雄介さん...」

 

「フェイトちゃん...腕痛むかもしれないけど今ここにいる人達の中でなのはちゃんを守れるのは君だけだ」

 

「...はい」

 

「俺は...君達2人を...それにここにいる人達を絶対に守る!だからなのはちゃんの事は頼んだよ?」

 

クウガは2人にサムズアップをする。

 

「必ず...命に変えてもなのはを守ります!」

 

「うん」

 

クウガは一歩踏み出し。

 

「雄介さん!...私は何も出来ないけど...あなたを応援する事しか出来ないけど...でも頑張って下さい!」

 

なのはの言葉に大きく頷きクウガは前えと進んでいく。

 

「気をつけてください雄介さん」

 

クウガは立ち止まりその男を睨む。

 

「絶対に負けらんねぇ!」

 

「いい目だ...殺気が満ち溢れている。それでこそこの戦いにふさわしい」

 

その男は態勢を変え自身に力を入れる。

 

「むん!」

 

その声と共に男は姿を変えバファッローに酷似した姿に変わった。

 

「さぁ...見せてくれクウガ!このゴ・バベル・ダにお前の強さを!」

 

「いくぞ!」

 

クウガは駆け出しダンッと足に力を込めバベルに強烈のパンチを当てる。

 

「ぐっ...」

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

クウガは攻撃の手を休める事なくバベルにパンチの連打を喰らわす。

 

「うおりぃやぁー!」

 

ドコッ!と最後にバベルの腹部にパンチを入れバベルは二歩ほど下がる。

 

「はぁ、はぁ」

 

「いいパンチだ...これなら沢山の獲物を殺せるだろう」

 

「なにぃ!」

 

クウガは駆け出しもう一度攻撃を仕掛けようとする。

 

「だが...本当のパンチは」

 

クウガの拳が当たる寸前バベルはクウガの拳を払いのけ。

 

「こうするんだ!」

 

ドコッ!とバベルのパンチがクウガの腹部に直撃し。

 

「がっ!?」

 

その攻撃でクウガは吹き飛び地面に倒れてしまう。

 

「ぐっ...がっ」

 

クウガは腹部を抑えるがそこから血が流れていた。

 

「(なんてパンチだ!たった一撃でこんな)」

 

クウガは立とうとするがガクッと膝をつく。

 

「くっ...そっ!」

 

「終わりか?」

 

「まだだ!」

 

クウガは立ち上がりみたび攻撃を仕掛ける。

 

「そうこなくては!」

 

なのはとフェイトはクウガ達の戦いを見て思っていたあまりにも絶望な状況であると。

 

「ぐわっ!」

 

「むん!」

 

「ごはっ!」

 

一撃、一撃喰らうたびにクウガから血が流れ彼女達には刺激が強すぎた。

 

「フェイトちゃん...雄介さんが」

 

「大丈夫...雄介さんなら」

 

「でも!」

 

「あの人は大丈夫」

 

なのはの事を抱きしめ落ち着かせる。だがなのはも気付いていたフェイトも震えていると。

 

「ぐわっ!」

 

ドシャっと地面に倒れさらなる追い討ちを仕掛けるべく迫るバベル。

 

「まずい!」

 

クウガは咄嗟に赤いクウガから紫のクウガに変わりその体で防御に入るが。

 

「むん!」

 

「がっ!?」

 

その鋼の体を持ってしてもバベルには無意味だった。

 

「そんな...紫のクウガでも」

 

「むん!」

 

「ぐわっ!」

 

クウガはバベルに蹴られ地面に転がる。

 

「つ...ぅ」

 

クウガの体にはバベルの拳の跡がついておりへこんでいた。

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

「(っ!このままじゃやられる!)」

 

クウガは赤い姿に戻り。

 

「うおりぃやぁー!」

 

クウガは咄嗟にマイティキックをバベルに決め着地する。

 

「はぁ!はぁ!はぁ!」

 

クウガは地面に両手を着く。

 

「これで決まらなかったら」

 

クウガはゆっくりと顔を上げバベルの様子を見る。

 

「...今のはいいキックだった」

 

クウガの着けた紋章がみるみる消えバベルは何事もなかったように歩いてくる。

 

「くっ...そっ!」

 

「ではこちらからもいくぞ!」

 

バベルは迫ってくる。クウガは咄嗟にガード態勢に入るが。

 

「むん!」

 

バベルの強烈な一撃によりクウガのガードが敗れクウガは吹き飛び店のガラス窓を突き破り店の奥底へまで飛ばされた。

 

「雄介さぁん!」

 

なのはが雄介の元へと駆け寄ろうとする。

 

「駄目だなのは!」

 

「離してフェイトちゃん!雄介さんが!」

 

「危険すぎる!近くに未確認生命体がいるだよ!?」

 

「でも雄介さんが!」

 

「君は雄介さんに迷惑をかけたいのか!?」

 

フェイトの怒号によりビクッとなりなのはは押し黙ってしまう。

 

「もし雄介さんに所に行きなのはが未確認にでも捕まったら雄介さんはもっと振りな状況になってしまう。君はそれでもいいのか?」

 

「...ごめんなさいフェイトちゃん」

 

「...私もごめん大声だして...私はなのはを絶対に守るって雄介さんと約束したから、だから君を危険な目に合わせたくないんだ」

 

フェイトはぎゅっとなのはを抱きしめる。

 

バベルはゆっくりとクウガの方に近づき歩いてくる。すると店の奥から物音が聞こえ。

 

「ぐっ...はぁ!はぁ!」

 

クウガがヨロヨロと歩いてきて。

 

「限界だな」

 

「だ、誰が」

 

クウガは拳を握り立ち向かおうとするがガクッと膝をつく。

 

「まだ立ち向かう気力はあるのかクウガ?」

 

「っ...当たり前だ!」

 

クウガはバベルに向かっていく。だが...。

 

「ぐわっ!」

 

「がっ!」

 

あまりにも力の差があり周囲の人からみたら悲惨だった。

 

殴られる度に血が吹き出し辺りはクウガの血で覆われていた。

 

「もう、私見てられない」

 

「お、俺も」

 

他の人達もクウガの戦いに目をそらす。

 

すると空の方からヘリコプターのような音が。

 

『こちら空の上空から中継しています。商店街の出口が何者かに閉ざされその中の状況を見てみると未確認生命体が争っている状況です。警察官達も商店街の周囲を囲み均衡状況です。』

 

「ぐはっ!」

 

クウガは倒れ仰向けになる。バベルは空にいるヘリコプターに気付き。

 

「あれは?...そうかあれで俺達を写しているのか」

 

バベルはヘリコプターの方を向き。

 

「聞けリント共!今俺達は決闘をしている!もし邪魔をする事があればここにいるリント全員を皆殺しにする。」

 

バベルの発言に中継を見ていた一条警察官達。

 

「な、なんだって!?」

 

「決闘だと!?ふざけやがって!」

 

「杉田さん、あの未確認と戦ってるの4号ですよね?もし4号が負けてしまったら」

 

「...あそこにいる人達全員が殺されるってことだろ」

 

「そんな!今すぐにでも突入を!」

 

「馬鹿野郎!いいか桜井もし俺達が突入なんかしたらあそこにいる人達は直ぐに殺されるだろう...言わば人質って事だ」

 

「そんな...じゃあ俺達何も出来ないんすか?」

 

「...4号を信じるしかないだろ」

 

杉田が壁を叩き一条も拳を握り締める。

 

「...中野!」

 

一方練習を終え帰宅したことりは衣装作りをしていた頃。

 

「ん?あっ海未ちゃんから電話だ」

 

ことりはスマホを手に取り通話ボタンを押す。

 

「もしもし海未ちゃんどうしたの?」

 

『ことり!大変です!雄介が!』

 

「えっ?」

 

『今すぐテレビを付けて下さい!』

 

ことりは直ぐ様下に行き居間のテレビのある場所へ。

 

「ことり大変な事になってるわよ」

 

居間にはことりの母が居てテレビを見ていた。そこに映っていたのは。

 

「...ゆーくん」

 

そこに映っていたのはボロボロになりながらも戦い続けていたクウガが映っていた。

 

「うわっ!」

 

バベルに攻撃を受け後ずさるクウガ。

 

「ぐうぅぅぅ!」

 

クウガは倒れる事なくバベルに立ち向かう。だが一歩一歩歩く度に血がボタボタと流れている。

 

「もう、終わりだクウガ」

 

「まだ...終わっちゃいねぇ!俺は...負ける訳にはいかねぇんだよ!」

 

「ならば...この一撃で終わりにしてやろう」

 

バベルは拳を握り構える。

 

「くっ...うおぉぉぉぉ!」

 

クウガは走りバベルに突っ込む。

 

「悔やむがいい自分の力の無さに」

 

クウガはバベルにパンチをしようとするがそれを避けられクウガの懐に入り。

 

「むぅん!」

 

バベルの拳がクウガの腹部に直撃しパァンっとクウガの体から血が弾き飛ぶ。

 

「がっ.......はっ」

 

クウガはその一撃で膝を着きゆっくりと倒れていく。

 

「眠れ...現代のクウガよ」

 

ドシャッと倒れクウガから雄介の姿に戻ってしまう。

 

「雄介さ...ん?」

 

雄介の腹部から血が流れピクリとも動かなかった。

 

「いやあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

テレビに映し出された映像それは血だらけの雄介その映像を見たことりが脳裏に浮かんで来たのが以前ギノガによって死に追いやられた雄介の姿だった。

 

「おい、あれ」

 

「4号ってまだ子供じゃないか」

 

テレビを見ていた大半の人達が雄介の姿に驚き。

 

「どうして中野君が...」

 

ことりの母も驚きその後ろでガタンッと物音がし。

 

「ことり?...ことり!?しっかりしなさい!ことり!」

 

ことりはショックに耐えきれず倒れてしまう。

 

それは...他の場所にも起きていた。

 

「おにぃ...ちゃん?」

 

梓もテレビを見ていて居てもたってもいられなく。

 

「っ!」

 

気付けば家を飛び出していた。

 

「お姉ちゃん雄介君が...」

 

「...大丈夫だよ」

 

「でも!あの血の量!」

 

「大丈夫...雄介は絶対大丈夫だから」

 

穂乃果の唇は震えている。今でも叫びだしたい気持ちを抑え我慢する雄介の事を信じて。

 

ーーーーーーー

 

「雄介さん!雄介さぁん!」

 

なのはが必死に呼び掛けるも雄介は目を閉じたまま動かなかった。

 

「クウガ...少しは楽しめたぞ。だがお前の負けを意味しこれからゲゲルを開始する」

 

バベルはなのはや他の人達の方を向き歩き出す。

 

「こ、殺される」

 

「いやあぁぁぁぁぁぁ死にたくないぃぃぃ!!!」

 

そこには今にも殺されそうな人達がテレビに映し出され警察官達にも緊張が走る。

 

「くそっ!あいつあそこにいる人達も手を掛けるつもりだ!」

 

「杉田さん!早く突入を!」

 

「だが、この閉ざされた道を通るには上しか」

 

すると杉田達の後ろから大きな声が聞こえる。

 

「お兄ちゃん!」

 

1人走ってくる少女その女の子は涙を浮かべそう呼んでいた。

 

「梓さん!?」

 

梓を2人の警察官が止める。

 

「君何を考えているんだ!あそこには未確認生命体がいるんだぞ!」

 

「あそこには私のお兄ちゃんがいます!もう...もう!お兄ちゃんを私から奪わないで」

 

「お兄さんって...あそこにいる民間人の誰か?」

 

「梓さん」

 

梓はその声にハッと顔をあげ一条が2人の警察官に手を離してあげるよう指示する。

 

「一条さん知り合いなんですか?」

 

「...あそこにいる4号の...妹さんなんだ」

 

「「「「!?」」」」

 

「まさか...4号の?」

 

「一条さん!行かして下さい!お兄ちゃんを!お兄ちゃんを!助けないと!」

 

「わかっています...だからその役目は我々に任せてくれませんか?」

 

「一条さん」

 

「必ず助けます!」

 

すると1人の警察官が一条の元にやって来て。

 

「一条さん大変です!現場に動きが!」

 

一条はすぐに映像を見る。

 

『ぐっ...くっ』

 

そこにはボロボロになりながらも立とうとする雄介の姿が映し出されていた。

 

「...中野」

 

「お兄ちゃん!」

 

ーーーーーー

 

「...雄介さん」

 

バベルが雄介の気配に気付き振り向く。

 

「ほぅ...まだ立てる力が残っているのか?」

 

雄介は立ち上がるがすでにもう限界が来ていた。

 

「...負ける訳にはいかねぇんだ」

 

ゴフッ!と血を吐き雄介は膝をつく。

 

「貴様を動かすその執念は何だ?なぜそこまでして立ち上がる?」

 

「約束...したから」

 

雄介はなのはとフェイトの方を見る。

 

「あの子達を守るって約束したから」

 

雄介は立ちおぼつかない足取りでバベルに向かう。

 

「雄介さん...もういい...もうやめて」

 

「なのは」

 

「もうこれ以上無理しないで下さい!これ以上戦ったら雄介さん本当に...」

 

なのはは涙を流し雄介に訴える。だが雄介は立ち止まる事なく。

 

「なのはちゃん...大丈夫だよ」

 

雄介は立ち止まりなのはに微笑む。

 

「今は君を悲しませてしまってるけど...必ず君の...君達の笑顔を守ってみせる」

 

雄介の目は真っ直ぐバベルを捉え戦意が満ちていた。

 

「約束したんだ...この子達の笑顔...妹の笑顔...そして9人の女の子達の笑顔を!」

 

雄介はバッ!と変身の構えを取り。

 

「俺には帰りを待ってくれている子達がいる...その約束を...その笑顔を守る為に!俺は何度でも立ち上がる!だから見ててくれ俺の...''変身''!」

 

雄介の叫びと共に雄介の体は赤いクウガへと変身を遂げた。

 

「ふん...貴様が何度立ち上がろうと同じ事だ次の一撃で終わりにしてやる」

 

バベルは先ほどと同じ構えを取りクウガもキックの構えを取る。

 

「(これが最後の一撃...みんな俺に力を貸してくれ)」

 

クウガは足裏に炎を宿す。

 

「俺の全てをこの一撃に!」

 

するとクウガの体からビリビリッ!と稲妻のような物が走りクウガの右足に全て収束する。

 

「行くぞ!クウガァ!」

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

 

両者全力で向かっていく。

 

「むぅん!!!」

 

「おりぃやぁぁぁぁぁ!!!」

 

両者のパンチとキックがぶつかり合う。

 

「おおぉぉぉ!!!」

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

両者一歩も譲らず。

 

「(な、何だこの力は!?さっきまでとはまるで別人!?)」

 

「うおぉぉぉぉあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「くっ!バカな!?この俺が押されっ!」

 

僅かにクウガの力がバベルを押し始め。

 

「うぉりぃやぁぁぁっっっ!!」

 

クウガのキックがバベルの拳を弾きバベルの体にクウガのキックが炸裂する。

 

「ぐっぐわぁぁぁぁ!!!」

 

バベルは吹き飛びドゴォッ!と壁にめり込む。

 

ダンッ!とクウガは着地し。

 

「はぁ!はぁ!はぁ!」

 

そのまま膝をつく。

 

バベルはめり込んだ壁から出てきて。

 

「はぁ!はぁ!...むぅん!」

 

バベルはクウガが付けた紋章を力でねじ消した。

 

「あれでも駄目なの?」

 

「...いや」

 

バベルは膝を着き息が上がる。

 

「まさか...これ程とは...流石だクウガ」

 

バベルにも相当なダメージを与えており喋るのがやっとだった。

 

「さっきの力...まだ未完成と見た。ふっ...また楽しみが増えたよクウガ」

 

バベルはヨロヨロと立ち。

 

「今日は俺の負けにしといてやる。だが次会うときはその力を我が物にし全力で殺し合うぞ!」

 

バベルはそう言い残しジャンプし去って行った。

 

「...」

 

クウガはバベルが去った後。糸が切れたように倒れ雄介の姿に戻る。

 

「雄介さん!」

 

なのはとフェイトが駆け寄り雄介の頭をなのはは膝に乗せる。

 

「雄介さん...こんなに傷だらけなのに」

 

「雄介さんゆっくり休んで下さい...私達が側にいますから」

 

なのはは雄介の頭を優しく撫でる。

 

雄介は心地良さそうに穏やかな笑みを浮かべ眠っていた。

 

ーーーーーー

 

数日後。

 

「あの~そろそろ俺退院してもいいんじゃ...」

 

「ダメ!あんなに酷い怪我してたんだよ!もう少しここで安静してなさい!」

 

梓がリンゴの皮を剥きながら怒鳴りつける。

 

「うぅ~こわっ」

 

「何か言った?」

 

「いえ!何も!」

 

「もう!私そろそろ行くけどちゃんと安静にしてご飯食べてちゃんと寝ててね!いい!?」

 

「わかりますた」

 

「じゃあまた明日来るからじゃあねお兄ちゃん」

 

梓が雄介の病室から出て雄介は梓が剥いてくれたリンゴを食べる。

 

「はぁ、段々母さんに似てきたなぁ梓」

 

すると控えめなノックがドア越しに聞こえる。

 

「どうぞー」

 

「「失礼しまぁす」」

 

「やぁなのはちゃん、フェイトちゃん」

 

なのはとフェイトが雄介のお見舞い来た。

 

「どうですか?体の方は」

 

「うん、もう退院してもいいくらいなんだけど梓が許してくれなくてねぇ」

 

「あれだけの怪我したんです。心配もしますよ」

 

「まぁ梓や他の子達にも心配かけたからなぁ」

 

雄介はフェイトの手を見て。

 

「フェイトちゃんは大丈夫か?腕の方は」

 

「はい、少し時間は掛かるけど順調に回復に向かってます」

 

「そっか、良かった」

 

雄介が微笑むと。

 

「雄介さん今回の事本当にありがとうございました。何度も私達を救ってくれて感謝してもしきれないです。だから私に何か出来る事はありませんか?お礼がしたいんです何でも言ってください」

 

「いやっ別にお礼なんてっ...いやっじゃあ1つだけお願いしてもいいかな?」

 

「はい!なんでしょうか?」

 

雄介が視線をある場所に向ける。

 

「これからもずっとその手を離さず笑顔でいられるそんな未来を2人で歩んでほしい」

 

雄介は2人にそう言いサムズアップをしフェイトとなのはは目を合わせ。

 

「「はい!」」

 

満面な笑顔で2人はそう答える。

 

そこには2人が繋がれた手から綺麗な百合の花が咲いてるように見えた。

 

 

ー第17話 百合endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回の話はなのフェイが大好きなのでコラボレーションしました。


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第18話 遊戯

''ゴ''との戦いで力の変革を見始めるクウガ。
一方、μ'sメンバー内である事件が...。


「どうするの…これ?」

 

梓が映し出された画面に指を指す。

 

「いやーっどうするのって言われてもねぇ」

 

そこに映し出されてたのは。

 

『見ててくれ...俺の変身!』

 

雄介がクウガに変わる瞬間がバッチリと映し出された映像だった。

 

「まさかテレビに映ってるとは思ってなくて」

 

「思ってなくてじゃないよぉ!色んな人がお兄ちゃんの事クウガってわかって色々大変だったんだからぁ!」

 

そう、あの戦いの後。梓の周りは大変だった。

 

「お母さんとお父さんには説明しなきゃだし学校の友達も質問三昧だったし!」

 

もぉ!色々大変だったんだからぁ!っと梓は涙目で雄介に訴える。

 

「ごめんごめん、ちゃんと母さん達にも説明したしそれに俺も大変だったんだよ?学校にいけば質問三昧だったよ俺も」

 

雄介は頭を掻き。

 

「まぁでも梓には迷惑かけたなぁ...ごめん」

 

「...別にいいよ、もう過ぎた事だし」

 

「そっか、なら良かった」

 

そう言って雄介は梓の頭を撫でる。

 

「もう、そうやってすぐ子供扱いするんだから」

 

「何歳になっても梓は俺のかわいい妹だからな」

 

「...バカ///」

 

ーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

よく朝。雄介が学校に着きバイクから降りるとことりが校門の前に寄りかかっていた。

 

「ことりちゃん」

 

「ゆーくん、おはよ」

 

雄介とことりは一緒に教室に向かうがことりは顔を伏せており元気がなかった。

 

「えっと...ことりちゃんどうした?元気ないみたいだけど」

 

「ごめんね、何でもないから」

 

そう言ってことりは教室へと入って行った。

 

「どうしたんだろう?ことりちゃん」

 

雄介も続いて教室に入ると共にワッ!とクラスメイト達が雄介を囲む。

 

「中野!やっと来たか!」

 

「ねぇ変身してよ!変身!」

 

クラスメイト達にそそのかされるが。

 

「っ前にも言ったが見せ物じゃないんだから!ほら、散った散った」

 

雄介がそう言うと、えぇ〜ケチ〜など愚痴をきかされるが雄介

はそれを無視し自分の席に座る。

 

「ったく!何度言ったらわかるんだか!困ったもんだ」

 

「おはようございます。雄介」

 

「あっおはよう海未ちゃん」

 

「大変ですね毎日」

 

「まぁね〜まぁ結構慣れたかな、慣れたくないけど」

 

「そうですか...あの雄介、後で少しお時間いいですか?」

 

「えっ?いいけど...どうしたの?」

 

海未はことりの方をチラッと見て。

 

「ここでは少し話辛いので」

 

「?うん、わかった」

 

雄介が承諾すると同時に穂乃果が教室に入ってきた。

 

「おっはよー!」

 

「全く遅刻ですよ穂乃果」

 

海未の様子が気になるがそれと同時にチャイムがなり朝のHRが始まった。

 

 

1時間目を終え海未が雄介の肩を軽く触れ。

 

「雄介」

 

「あぁ」

 

雄介は海未と一緒に教室を出ていった。

 

その様子をことりが不安な表情で見ていた。

 

屋上。普段μ'sのメンバー達が練習で使われている場所。

 

そこに海未と雄介が入る。

 

「海未ちゃん話って?」

 

「...えぇあなたも気付いているでしょうがことりの事です」

 

「あぁ最近元気ないみたいだけど海未ちゃん知ってるの?」

 

「...多分あの時からでしょうね」

 

「あの時?」

 

「あなたがテレビに映って未確認生命体と対峙していたその後の事です」

 

「俺があの未確認と戦った後?」

 

「あなたは知らされていないでしょうがあの放送が流れていた時ことりは倒れたのです」

 

「なっ!?そんな事が!?」

 

「えぇあなたがあの未確認の前で倒れクウガから雄介の姿に戻った時それと同時にことりも気を失い倒れたそうです」

 

「俺があの未確認にやられた時か」

 

「すぐに理事長...ことりのお母様に連絡を頂き私と穂乃果が連絡を受けた病院に向かいました」

 

「どうだったんだ?ことりちゃんは」

 

「ショックが原因で気を失ったとの事なので大事には至らなかったのですが雄介...ことりが倒れたのはあなたの責任でもあるのですよ」

 

海未の言葉にたじろぐ雄介。

 

「第14号の時もあなたが倒れ今回も...雄介あなたが戦う以上傷つくのは仕方のない事ですがことりもその分傷ついているのです」

 

「そ、それは」

 

「もう少し自分を大事にしてください。だってことりはあなたの事が...」

 

「海未ちゃん!」

 

突然の声に雄介と海未が振り向く。

 

そこには怒り悲しい表情をしたことりが立っていた。

 

「ことり...なぜここに?」

 

「ゆーくんと海未ちゃんが教室を一緒に出ていったから気になってついてきたんだよ」

 

ことりは海未の方へと向かい。

 

「海未ちゃん...私の事を心配してくれるのは嬉しいけどゆーくんに負担をかけるような事は言わないで欲しいの」

 

「ですが」

 

「私は!私のせいでゆーくんに重荷を乗せたくないの!心配かけさせたくないの!ゆーくんの足を引っ張りたくないの!」

 

ことりの怒声に海未は目を開く。

 

「私の想いで...ゆーくんを惑わせたくないの」

 

ことりの悲しげな表情が物語っていた。

 

「ことりちゃん俺は!」

 

「ゆーくん私は大丈夫だから...だから心配しないで?」

 

「ことりちゃん…」

 

そう言いことりは屋上から出ていった。

 

「…あんな怒ったことり初めて見ました…余計なお世話だったのかもしれませんね」

 

「…いや、海未ちゃんは間違ってないよ」

 

雄介は自分の手を握りしめ。

 

「俺が…ことりちゃんを悲しませてしまってるから」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー放課後ー

 

皆が部室に集まり練習の段取りを始める。ちゃんとことりも練習に参加していたが元気がなく浮かない表情だった。

 

「ことりちゃん…」

 

皆が着替え終わり屋上に向かって練習を始める。

 

「ワン!ツー!ワン!ツー!」

 

海未の掛け声で皆が躍りに集中する。ことりも普段通り練習に励んでいた。

 

 

「みんなーっ!お疲れさまー!」

 

今日の練習が終わり凛が花陽と真姫元へと行き。

 

「真姫ちゃーん!かよちーん!帰るにゃー」

 

「えぇ」

 

真姫が承諾するも。

 

「…凛ちゃんごめんね、私用事あるから今日は2人で帰ってて」

 

花陽は申し訳なさそうに断った。

 

「えっ?かよちん珍しいね」

 

「うん、ごめんね」

 

花陽はそう言い自分の荷物をまとめあげそそくさ部室から出ていった。

 

「じゃあ凛達も準備出来たらいくにゃ真姫ちゃん」

 

「わかったわ」

 

その後、凛達も支度が終わり下校する。

 

「今日も大変だったねぇ~」

 

「そうねぇ…大変と言えば雄介も大変よね?テレビで正体バレちゃったんだし」

 

「うん…ゆーすけも毎日クラスや他の人達から質問攻めで大変って言ってるにゃ」

 

「あまり大事にならなきゃいんだけど」

 

「そうだよね…ってあれ?」

 

「どうしたのよ?」

 

「あそこにいるのかよちんじゃない?」

 

凛が指を指した方角に花陽らしき人物がいた。

 

「確かに…でも隣にいるのって」

 

もう1人花陽と一緒に歩いている人物それは男の人で花陽と親しげに話しているように見えた。

 

「ねぇ真姫ちゃんあれって…」

 

「えぇ…まさか…まさか!」

 

 

 

「「「花陽に彼氏ぃ!?」」」

 

翌日、昼休み花陽に内緒で凛が絵里達を集めその事を話した。

 

「本当なの凛?」

 

「うん…間違いないよ…あんな楽しそうに一緒に歩いていたから。ねぇ真姫ちゃん?」

 

「そうね、間違いないわ」

 

「2人がそういうなら間違いないと思うけど花陽がねぇ」

 

「でも、いてもおかしくないんやない?花陽ちゃん可愛いし」

 

それまで黙っていたにこがバンッ!と机を叩き。

 

「おかしいに決まってるでしょ!?あの花陽が彼氏を作るなんて!」

 

「にこっち?」

 

「私達はアイドルなのよ!?それはあの子も十分理解してるはず!その花陽が…」

 

「まぁにこの言うこともわかりますが…」

 

「まぁでもいてもいいんじゃないかな?私達はスクールアイドルだから本当のアイドルって訳じゃないんだし」

 

穂乃果の発言ににこは穂乃果の肩をがしりと掴み。

 

「こぉんのあほのか!私達はスクールアイドルの中でも注目されてるのよ!?そんな中でμ's内で彼氏がいるってわかったらスキャンダルになって大事になり、ヘタすればラブライブにも出れなくなるのよ!?」

 

「えぇ!?そんな大変な事に!?」

 

「そうよ!今の所ここにいるあの‘‘2人‘‘がいつあのバカに手を出すかヒヤヒヤもんだったけど」

 

ビシッ!とことりと凛に指を指す。

 

「あの2人って」

 

「誰の事かにゃー?」

 

「とにかく!真実を知る為に今日の放課後。花陽の跡をつけるわよ!」

 

 

一方、雄介は屋上である2人とテレビ電話で話していた。

 

「という事なんだよぉ梓からは怒られるし友達は落ち込んでるしどうしよぉ」

 

『大丈夫ですよ!雄介さんなら!』

 

『きっと雄介さんが元気を分けてあげればお二人とも笑顔になりますよ!』

 

「う~ん、なのはちゃんとフェイトちゃんが言うなら俺頑張ってみるよ」

 

『はい!その意気ですよ!雄介さん!』

 

「ありがと2人とも…そう言えばもう1つ相談があるんだけど」

 

『はい?何ですか?』

 

「いやぁあのね他のクウガの姿に変わるとき何か掛け声とか欲しいなぁと思うんだよね何かないかな?」

 

『う~ん掛け声かぁ?』

 

悩んでいるとフェイトが何か思いついたように手をパンッ!と鳴らし。

 

『‘‘超変身‘‘!何てどうでしょうか?』

 

『あっ!それカッコいい!』

 

「超変身かぁ…うん!いいかも!フェイトちゃんそれ貰うね!」

 

『ありがとうございます』

 

「さっすがフェイトちゃん!なのはちゃんの未来の旦那さんはセンスあるねぇ」

 

『えっ!ちょっ!雄介さん!またそうやって///』

 

「あははっ真っ赤になったなのはちゃんは可愛いなぁ」

 

『雄介さん、なのはは可愛いのは当たり前ですけど私のなのはを取らないで下さいよ?』

 

「あははっ大丈夫だよフェイトちゃんの大切な嫁さんは取らないさ」

 

『もう!フェイトちゃんも雄介さんもバカ///』

 

そう話していると屋上の扉がバンッ!と勢いよく開けられ。

 

「ゆーすけ!いたにゃー!」

 

「げっ!凛ちゃん!ごめん、なのはちゃんフェイトちゃん後でかけ直すね」

 

雄介はテレビ電話を切りポケットに携帯を隠す。

 

「...ゆーすけ何隠したの?」

 

「えっ?何も...」

 

「いーや、隠してたにゃそれになのはちゃんとフェイトちゃんって聞こえたにゃ」

 

「何の事かなぁー?」

 

「とぼけても無駄にゃー!」

 

凛が飛び込み雄介とじゃれあっていると雄介の携帯が鳴り出す。

 

「うぉっとと」

 

「また、なのはちゃんとフェイトちゃんかにゃ?」

 

「いや、違う一条さんからだ」

 

雄介は通話ボタンを押し。

 

「はい、もしもし」

 

『中野か...少し君に報告しておきたいことがあってな』

 

「何か事件ですか?」

 

『あぁ、ここ最近妙な事件が多発していて。ある証言では事件が起きた場所に姿が見えないが謎の声が聞こえたと報告があったんだ』

 

「謎の声?」

 

『あぁ、次は何処どこの場所で殺害するとの声が聞こえたらしい』

 

「...殺人予告」

 

『姿が見えない上に謎の声それに巧妙な手口...間違いなく未確認生命体の仕業だろう』

 

「そうですね...姿がわからないってのもまた厄介ですね」

 

『あぁ...とにかくまた何か分かり次第君に連絡をする』

 

「わかりました、とりあえず待機してます」

 

『あぁ』

 

雄介は一条との通話を終え携帯をしまう。

 

「ゆーすけ、また未確認なの?」

 

「うん、とりあえず一条さんの連絡を待つよ」

 

凛は顔を伏せ表情が暗くなる。

 

「凛ちゃんどうした?」

 

「ゆーすけ、また怪我しちゃうの?」

 

「う〜ん、多分ね」

 

「嫌だよ!前もテレビで見たときもゆーすけあんなに傷だらけで凛あんなゆーすけ見るのもう嫌だよ」

 

雄介は凛の頭を撫で。

 

「ごめんな、いっつも心配かけて。でも俺クウガだから」

 

「えっ?」

 

「皆の事守りたいから俺にしか出来ない事をやりたいんだ」

 

「ゆーすけ」

 

「心配かけるけど俺の事信じて待っててくれるか?」

 

「...うん」

 

「ありがと」

 

雄介は再び凛の頭を撫でる。

 

「あっそーだ、ゆーすけ今日の練習の帰り集まれないか?って」

 

「ん?何かあるの?」

 

「うん、実はー。」

 

 

ー放課後 練習後ー

 

「お疲れさま!後は帰ってゆっくり休んでね」

 

練習が終わり皆が帰る準備を行う。

 

「かーよちん今日は一緒に帰れる?」

 

「う〜ん、ごめんね今日も用事があって」

 

「そっかーわかったにゃ」

 

凛はにこに目で合図をしにこは頷く。

 

「じゃあ、お先に失礼します」

 

花陽は皆にそう言い部室を後にした。

 

「...マジか」

 

「ねっ?凛の言った通りでしょ?」

 

「まさかあのかよちゃんがねぇ〜」

 

「とにかく追うわよ真相を掴んでやるわ」

 

 

 

花陽の帰り道を皆で尾行する。

 

「ねぇこれバレたらさすがに花陽も怒るんじゃ?」

 

「なに今更怖じ気づいてんのよ!」

 

「なっ!?別に怖じ気づいてなんかいないわよ!にこちゃんのバカ!」

 

「バカとはなによ!バカとは!」

 

「しっ!痴話喧嘩もほどほどにしないと花陽ちゃんにバレるよ?」

 

「「誰が痴話喧嘩よ!!」」

 

すると花陽は壁に寄りかかっていた男性に手を振り走っていく。

 

「ほ、本当に花陽が」

 

「ハラショー...」

 

花陽は少し談笑し男性と歩いて行く。

 

「あっ!追いかけるわよ!」

 

にこ達は花陽を追いかけ後を追う。

 

「スーパーに入って行ったわよ」

 

花陽達はスーパー入り雄介達もこっそり入る。

 

「夕食の買い出しかしら?」

 

「あっ海未ちゃん!このパンおいしそう!」

 

「穂乃果!そんな大声でバレちゃいますよ!」

 

「海未ちゃんも声大きいにゃ〜」

 

その後も花陽達の後を追いかけ。

 

「それにしても一緒に夕食の買い物なんて一緒に住んでるんやろか?」

 

「まさかっ...いや、でも」

 

「と、とりあえず後を追うわよ」

 

花陽達は買い出しを終え店から出る。

 

「ほんと仲いいわねぇ〜」

 

「まるで兄妹みたいな」

 

道を歩いてる中突然花陽達は歩みを止める。

 

「皆!隠れるわよ!」

 

ササッとにこ達は物影に隠れる。

 

「どうしたのでしょうか?」

 

花陽達は道にボーッと立っている人がいて様子が変だと話し掛ける。

 

「何か様子が変だぞ?」

 

すると話しかけた人が突然倒れ出す。

 

「っおい!」

 

すると花陽達の前に突然未確認生命体が姿を表す。

 

「きゃーっ!!!」

 

「まずい!」

 

花陽の悲鳴と共に雄介が駆け出す。

 

「ヅギボゲロボゼ...」

 

「おりぃやぁ!」

 

未確認が話始めたと同時に雄介が未確認にキックを入れようとするが。

 

「っ!」

 

それを避けられる。

 

「ゆ、雄介君!?」

 

「かよちゃん!大丈夫か!?」

 

「う、うん大丈夫だけどなんでここに?」

 

「話は後だ!その人と一緒に早く避難を!」

 

「う、うん!」

 

花陽はその男性と共に避難する。

 

「バンザゴラゲザ?」

 

雄介は腹部からアークルを出現させ。

 

「''変身''!」

 

雄介はその掛け声と共に赤いクウガへと変身を遂げる。

 

「クウガ!?」

 

「ふっ!」

 

クウガは攻撃を仕掛けるも未確認はクウガのパンチを躱し。

 

「ゴセパ、ギダバサ・グラセダ。メ・ガレメ・レザ」

 

カメレオンに酷似したその未確認は舌でクウガに攻撃を仕掛ける。

 

クウガはそれを避けジャンプしガレメにエルボーを喰らわす。

 

「グッ!」

 

ガレメはクウガの腹部にパンチを喰らわしクウガは後退る。

 

ガレメは再び舌を伸ばしクウガに仕掛けるも。

 

「超変身!」

 

クウガは青い姿に変わりそれを躱し。

 

ジャンプしたその場所に木の枝を折りドラゴンロッドへと変える。

 

「おりぃやぁ!」

 

振り下ろしたロッドがガレメの頭に直撃しクウガは着地したその瞬間ガレメが怯んでる隙にロッドをガレメの腹部に打ち込む。

 

「ゴホッ!」

 

「ふっ!」

 

ガレメが倒れクウガはロッドを持ち直しジャンプする。

 

「おりぃやぁー!」

 

止めとロッドをガレメ打ち込もうとするが。

 

「グッ...!」

 

クウガのロッドがガレメの体をすり抜け空振りする。

 

「何!?消えた?」

 

突然ガレメの姿が消えクウガは周囲を見渡す。

 

「くそっ!逃げたのか!」

 

クウガは構え周囲を見渡すが。

 

「...奴の気配が...ない」

 

クウガは雄介の姿へと戻る。

 

「奴の能力か...厄介だな」

 

「雄介君!」

 

花陽が雄介の元へと走ってくる。

 

「かよちゃん」

 

「た、助けに来てくれてありがとう」

 

「いいって、いいって当然の事をしたまでだし」

 

「う、うん...後さっきも聞いたんだけどなんでここに?それに...」

 

花陽がチラッと後ろを向き。

 

ササッと隠れる物影8人。

 

「なんで皆がここにいるのかなぁ?」

 

「あーっ...ははっ」

 

この後、皆はあらいざらい全てを話した。

 

「ふーん、じゃあ私に彼氏が出来たと思ってみんな私の後を付けてきたんだ?」

 

「えーっと、かよちんもしかして怒ってる?」

 

「凛ちゃん今は私が質問してるんだよ?」

 

「ご、ごめんなさいにゃ!」

 

「まぁまぁかよちゃん皆も反省してるんだし」

 

「雄介君も同伴だよね?」

 

「はい、まったくもってその通りでございます」

 

花陽の笑顔に顔が上がらない一同。

 

「ハァーっ花陽、後を付けて来たのは悪かったわ」

 

しびれを切らしたにこが花陽に謝り。

 

「でもあんたもあんたよμ'sのメンバーがこんな場面目撃されたらあんたもわかるでしょ?」

 

「にこちゃん、別に隠してるわけじゃないから言うけどこの人は私の彼氏じゃないよ?」

 

「じゃあ何なのよ?」

 

「私の親戚のお兄ちゃんです」

 

「「(うわぁありきたりなパターンきたー)」」

 

「は、初めまして花陽の親戚の小泉優作です花陽がいつもお世話になってます。」

 

ーーーーーーーー

花陽の事情を聞き安堵したμ's達が解散し自分たちの家に帰っている最中の三年生ズ。

 

「はーっ本当に一時はびっくりしたわね」

 

「東京の大学を受験して受かったら来年から花陽ちゃんの家に居候するって事だったなんてまぁうちらの早とちりやな」

 

「まぁ彼氏じゃなくって良かったわ」

 

にこと希が話している中、絵里だけが顔をふせていた。

 

「どうしたんえりち?元気ないみたいやけど?」

 

「...私達来年はどうなってるのかなーってね」

 

「えっ?」

 

「私達も来年の春卒業でしょ?その頃この街は平和になってるのかなーって」

 

「えりち...」

 

「雄介も警察の人達も頑張ってる、けど以前雄介が未確認生命体にあそこまで追い詰められてギリギリなんとかなったけど...もし最悪な事が起こったら雄介も私達も」

 

「やめなさい!」

 

「っ!?にこ」

 

「なに弱気になってんのよあんたらしくない雄介が負ける?確かに何度もあったじゃないあいつが負ける事なんて。でもあいつは諦めず何度も立ち上がり私達をこの街を守ってきたじゃない」

 

「にこ」

 

「確かに何が起きるかわからない...でもあいつが諦めない限り私達も絶対に諦めない、そうでしょ?」

 

「えぇそうね、ごめんなさい少し弱気になってたわ」

 

「不安になるよねえりちでも、にこっちの言う通り諦めたら来年も未来もないやん?だから頑張っていこうちらが雄介君や皆を支えんと」

 

「えぇありがとう希」

 

ーーーーーーーー

 

「はい、報告の通り奴は姿を消して犯行を行っていました」

 

「そうか...そういえば君の方はどうだ?体から放電のような物が流れている感じは?」

 

「ビリビリですか?まぁ悪い気はしないんですよ。それに以前戦った未確認にこの力は未完成と言ってたからこの力が完全に使えるようになればこれから強い未確認にも対抗出来ると思います」

 

「そうか、まぁあまり無理せず君は君なりのペースでいけばいい」

 

「はい、ありとうございます」

 

「じゃあまた何かわかり次第連絡する」

 

「わかりました。それじゃあ」

 

雄介は通話を終え携帯を置く。

 

「お兄ちゃん電話終わった?」

 

「うん、今終わったところ」

 

「じゃあ夕飯の支度するから手伝って?」

 

「ん、わかった」

 

梓が食材を切っているその隣にいき雄介がフライパンの準備をする。

 

鼻歌で歌いながら調理している梓を横目で見る雄介。

 

「なぁ梓」

 

「なに?」

 

「梓は中学卒業したらどの高校に受けるんだ?」

 

「もちろん音乃木坂だよ雪穂も亜里沙も一緒だよ」

 

「そっか…」

 

雄介は梓の顔を見て思う。

 

「(最近の未確認の動きは活発だ…それにどんどん強くなってきている。この騒動に巻き込まれて梓にもしもの事なんてあったら俺は…)」

 

「なぁ梓」

 

「ん?」

 

「海外に…母さん達の所に行くのはどうだ?」

 

「…えっ?」

 

梓が手を止め雄介の顔を見る。

 

「なに...それ?」

 

「ほら海外なら未確認はいないしそれに母さん達もいる。ここよりずっと安全だ」

 

「なんでお兄ちゃんそんな事言うの?」

 

「...お前が心配なんだよ」

 

だから...っと雄介は続け。

 

「あっちにいけば安全だし母さん達も喜ぶ」

 

梓は顔を伏せ雄介に近づく。

 

「お兄ちゃんは?」

 

「えっ?」

 

「お兄ちゃんはどうするの?」

 

「俺はここに残って奴らと戦わなきゃ」

 

「…なら、いやだ」

 

「梓?」

 

「私はここに残る」

 

「梓お前」

 

「勝手に決めないでよ!私の行く場所は私自身が決める…お兄ちゃんの言うことは聞かない!」

 

「俺はお前の安全を思って」

 

「安全?…私だけ海外に行って私だけ助かればお兄ちゃんはそれでいいの?後の事はどうでもいいの?」

 

「どうでもよくねぇよとりあえずお前だけでもって」

 

「嫌だよ!雪穂達とは離れたくないしここの家からも絶対に離れたくない!」

 

「梓お前そんな我が儘っ!」

 

「なによりお兄ちゃんから離れたくないの!」

 

「っ!?」

 

梓の意外な言葉に雄介の言葉が積もる。

 

「お兄ちゃんが心配なの、あんなにボロボロになってもいつも笑顔で大丈夫って…私がどれだけいつもお兄ちゃんの事思ってるかわかってないでしょ!?」

 

「…」

 

「お兄ちゃんが心配…お兄ちゃんの側にいたい…ねぇ私お兄ちゃんの側にいちゃ駄目なの?」

 

梓が雄介に近づき。

 

「お兄ちゃんの側にいたいよぉ私を側にいさせてよぉ」

 

梓は雄介に抱きつき涙を流す。

 

「あず…さ…」

 

泣き出した妹をそっと抱きしめる雄介。

 

「ごめん…ごめんな」

 

雄介は梓の頭を優しく撫でる…謝罪と感謝の気持ちを込めて。

 

ーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

今日は学校が休みで雄介は1人街に出る。

 

「昨日は梓を悲しませちゃったからなぁ何かお詫びに買っていくか」

 

雄介はそう言い商店街をウロウロしていると。

 

「あれ?あなたは」

 

っと雄介に声を掛け近寄る人物。

 

「えっ?あっあなたはかよちゃんのお兄さんの…優作さん!」

 

「はい、そうです昨日はありがとうございました。中野さんですよね?」

 

「はい、中野雄介です」

 

「今日は買い物ですか?」

 

「はい、そんな感じで優作さんも?」

 

「はい、ここに引っ越す時に必要な物を少し…あの中野さん良かったら一緒に回りませんか?僕ここに来るのは久しぶりで場所もよくわかっていなくて」

 

「えっ?はい全然いいですよ」

 

「ありがとうございます!」

 

そう言い雄介と優作は街を歩いていく。

 

 

「そうだったんですか妹さんと」

 

「えぇ少し言い合いになっちゃって…それでお詫びにって事で」

 

「いいお兄さんじゃないですか中野さん」

 

「いやぁ全然、優作さんの方が良いお兄さんしてるんじゃないですか?かよちゃんあんなににこにこして一緒に歩いていたから」

 

「花陽は昔から懐いてくれて今でも慕ってくれる本当にいい子なんですよ、でもあんなに恥ずかしがりやなのに今はスクールアイドルをやってるなんて聞いてびっくりしました」

 

「えぇ今では立派なアイドルですよ」

 

「それに中野さん、あなたがあの未確認生命体第4号なのが一番の驚きです」

 

「まぁ最近テレビにデカデカと映っちゃいましたからねぇ」

 

「この東京に未確認生命体が殺人を起こしていてずっと花陽や叔母さん達が心配でしたが身近にあなたがいてくれるのなら安心です」

 

優作は雄介の方を向き頭を下げ。

 

「中野さんこれからも花陽を守って下さい僕にとって花陽は妹のような存在なんです。だからどうか花陽を」

 

「優作さん…わかりました力の限り守ってみせます」

 

「ありがとうございます中野さん」

 

その後、雄介と優作は買い物を終え。

 

「中野さん今日はありがとうございました」

 

「いえいえ、お役に立ててなによりです」

 

「それじゃあ僕はこの辺で」

 

「はい、それじゃあ」

 

優作が少し歩いてふと何か思ったのか雄介の方を向き。

 

「中野さん」

 

「はい?」

 

「これからも花陽の事よろしくお願いします」

 

そう言いペコリと頭を下げ優作は歩いて行った。

 

「えぇもちろん」

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ー深夜0時ー

 

 

「はっ!はっ!はっ!」

 

雄介は息を切らしながら長い通路を走る。

 

…そして。

 

バンッ!と一枚の扉を荒々しく開けそこに飛び込んだ光景は。

 

「…」

 

昼間に会った時はあんなに元気だった優作が変わり果てたようにベッドに横たわっていた。

 

「優作…さん」

 

雄介は恐る恐る近づく。

 

花陽は椅子に座っており顔を伏せたまま動かず心配してきたμ'sメンバー達も押し黙っていた。

 

「さっき警察の人から聞いて発見された時にはもう…」

 

真姫がそう言い雄介は優作の近くに行く。そこには今回の犯行と同じ手口のように首の回りに締め付け死にいたらめた後が残っていた。

 

「…今回の未確認の仕業か」

 

雄介は花陽の所に近づき肩に触れようとした瞬間。

 

「なんで…お兄ちゃんが死ななきゃいけないの?」

 

「かよちゃん」

 

「なんで!?ねぇ!なんで!?」

 

花陽は雄介に飛びかかるように肩を掴み激しく揺らす。雄介は何も言わずされるがままだった。

 

「かよちん落ち着いて!」

 

凛の呼び掛けでピタリと花陽は動きを止めたが顔は伏せたままだった。

 

「…ねぇ雄介君…私、未確認生命体が憎いの…」

 

花陽はバッ!と顔を上げ雄介に訴えかけるように大声で。

 

「だから!未確認生命体を殺して!お兄ちゃんの仇をとって!」

 

花陽の目には怒りと悲しみがいれ混じったような瞳をしていた。

 

「かよ…ちん?」

 

ーーーーーーーー

 

「…」

 

雄介は病院にあるベンチに腰を掛け空を見上げていた。

 

「ゆーくん?」

 

「ことりちゃんか」

 

「大丈夫?…その…さっきの事」

 

「あぁ…さすがに驚いたよなぁまさかあのかよちゃんがあんな事言うなんて」

 

「そう…だね」

 

「でも、あんな顔をされて俺も黙っちゃいられねぇな」

 

雄介は自分の拳をギュッと握りしめ。

 

「あんな辛く悲しい顔をされたら」

 

「ゆーくん…あの」

 

「大丈夫、仇や憎しみなんかで戦うんじゃない…俺はあの子の笑顔を少しでも取り戻せるなら俺はこの拳を振るうよ」

 

「でも、それでも花陽ちゃんの笑顔を取り戻せなかったら?」

 

雄介はことりに近づき頭をそっと撫で。 

 

「取り戻せるさ…だってあの子にはμ'sの皆がいるじゃないか」

 

大丈夫っと雄介はサムズアップをする。

 

「μ'sの皆だけじゃないでしょ?」

 

ことりもサムズアップをし。

 

「ゆーくんもでしょ?」

 

「…あぁ、そうだね」

 

ーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

花陽を落ち着かせ皆が一緒に花陽を送りに行った頃。雄介は一条に会いに行っていた。

 

雄介が指定した場所に行くとすでに一条が到着していた。

 

「おはようございます一条さん、すいません呼んだ俺が後に来るなんて」

 

「いや、気にするな。所で話とは?」

 

「はい…今回の未確認の事で」

 

「…あぁ、君が以前報告した通り今回の未確認は姿を消し犯行を及んで。その被害者の数はもう20を超えている」

 

「もう、そんなに」

 

「以前、我々も交戦しそのまま姿を消し見失ったが奴に放った拳銃の弾が奴の体組織が付着していてそれを今、榎田さんの協力を得てなにか奴の弱点に繋がらないか調べている」

 

「…一条さん、今度奴と戦う時また銃を貸してもらっていいですか?」

 

「あぁ、構わないがなぜ?」

 

「奴がまたもし消える事があっても緑のクウガでなら」

 

「そうか、緑のクウガなら見えない敵でもとらえられる」

 

「はい」

 

「わかった、その時は頼むぞ中野」

 

「はい!」

 

 

 

その後、雄介は一条と別れ花陽の家へと向かう。

 

花陽の家に付きインターホンを鳴らす。

 

しばらくするとガチャッとドアが開くと。

 

「あの、どちら様でしょか?」

 

花陽のお母さんが出てきて。

 

「あっ初めまして俺、かよっ…花陽ちゃんの友達の中野雄介っていいます」

 

「あっあなたが中野君、初めまして花陽の母です」

 

「あの、花陽ちゃんいますか?」

 

「ごめんなさい、さっき何も言わず出掛けて行ったみたいで」

 

「そうだったんですか」

 

「昨日…あの子の親戚の子が未確認生命体に襲われて亡くなってからすごく落ち込んでいたんだけど」

 

「そう…ですね」

 

「同時にあの子のあんなに怒った顔は初めて見たわ」

 

「…お母さん、とりあえず俺、探してみます。それで見つかったら必ず連れて帰りますので少し待ってて下さい」

 

「えっ?でも」

 

「大丈夫です。すぐ見つけますから」

 

雄介はそう言いお辞儀をしバイクに乗り去って行った。

 

「…なんか、変わった子ね。ふふっ花陽も良い友達を持ったものだわ」

 

 

 

雄介は、昨日優作が運ばれた病院へと戻りその病室へと行く。

 

ガラッとドアを開けると。

 

「…やっぱり戻ってたんだね。かよちゃん」

 

「…雄介君」

 

振り向いた花陽の顔は涙の跡がくっきり残っており少しクマが出来ていた。

 

「戻ろうかよちゃん、お母さんが心配してる」

 

雄介がそう言いったが花陽は優作の方へと向き直り。

 

「未確認はどうしたの?」

 

「えっ?」

 

「未確認は倒したの?」

 

「いや…まだだ」

 

「じゃあこんな所にいないで早く未確認生命体をやっつけてよ!早くお兄ちゃんの仇をとってよ!じゃないと私ここから離れない!」

 

「…かよちゃん悪いが俺は優作さんの仇を取るために敵を倒すとかそんな理由では戦わない」

 

「…は?」

 

花陽は椅子から立ち雄介の方へと向かい。

 

「どういう事?」

 

「言った通りだかよちゃんの言うことは俺は聞けない」

 

「どうしてよ!?いつもみたいに未確認生命体を倒してくれればいいの!殺してくれればいいの!そうしたらお兄ちゃんは報われるから!」

 

「…はぁ」

 

雄介はため息をつき。

 

「ごめん、かよちゃん最初に謝っとくわ」

 

「えっ?」

 

その言葉の直後にパァン!っと病室に甲高い音が鳴り響いた。

 

「…っ!…ゆうすけ…くん?」

 

「少し頭を冷やせ…誰が望んで仇を討てって言った?少なくとも優作さんはそんな事絶対に望んでいない。それはかよちゃんの自己満足だ」

 

「でもっ!」

 

「でもじゃない!確かに大切な人が殺されて悲しく怒りが満ちてくるだろうが優作さんの気持ちも考えろ!あの人は今のかよちゃんを見て喜ぶか?違うだろ!今、君自信が優作さんを悲しませているんだ!」

 

「あっ…う」

 

「…俺、優作さんが亡くなる前に一緒に出かけてたんだよ。そして最後の別れ際彼はこう言ってた」

 

雄介は花陽の目を真っ直ぐ見て。

 

「これからも花陽の事よろしくお願いしますってな」

 

「っ…お兄ちゃんが?」

 

「あぁ…彼はいつも君の事を想い慕ってくれていたんだろう…大切な家族として大切な妹として!」

 

「っ、あ…おに、お兄ちゃん」

 

花陽の眼から涙が溢れ出す。大切な兄は最後まで自分の事を想ってくれていることに対して自分が言ってた事に花陽は…。

 

「ごめんなさい…ごめんなさい私」

 

「かよちゃん、優作さんの想いは俺がしっかり受け止める。かよちゃんの笑顔の為に俺は戦う」

 

「ゆうすけ…くん」

 

「だから今は帰ろう?心配してるよ君の大切な家族が」

 

「うん…うん!」

 

雄介は花陽の頭を撫で微笑む。

 

 

ーーーーー

 

花陽を乗せ家の玄関前にバイクを止める。

 

「雄介君、ありがとう」

 

「ん?いやいや、いいよお礼なんて」

 

「あの…雄介君」

 

花陽が言葉を発しようとした瞬間、雄介のバイクから通信が流れる。

 

『ーー地区で第18号による犯行が行われました各班は直ちに現場に急行しー。』

 

「…未確認か、悪いかよちゃん俺行くね」

 

「ま、待って!雄介君!」

 

「お?どうした?」

 

「…必ず帰って来てね?みんなと待ってるから」

 

花陽はそう言い雄介にサムズアップをする。

 

「あぁ…必ず!」

 

雄介もサムズアップをしバイクを走らせ現場に急行する。

 

「必ずだよ、雄介君」

 

 

犯行が行われた場所そこに一条が到着する。

 

「杉田さん!」

 

先に来ていた杉田が辺りをくまなく探っている。

 

「気をつけろ一条!奴はまだ近くにいる!奴の予告通りここで何人かの犠牲者が出ている!」

 

杉田の言葉に一条も拳銃を取り出す。

 

「それにしても桜井はまだか?」

 

「さっき榎田さんから連絡がありこちらに向かっていると」

 

「くっ…その榎田が作った特殊ガス弾が要なんだがな」

 

そう話していると突然一条達の前にガメレが姿を現す。

 

「まだこんなにも集まってくれるなんていい獲物達だ」

 

その姿に一条達は直ぐ様拳銃を向け。

 

「撃てぇ!」

 

杉田の言葉と共に拳銃の射撃音が鳴り響く。

 

「無駄だ」

 

杉田達が放った球はガメレには効かず足元に落ちていく。

 

「くっお前達の目的はなんだ!?なぜ人間を襲う!」

 

「なぁにただのゲームさ」

 

「だからそのゲームとは一体何なんだ!」

 

「だからゲームさ獲物を追い込み狩りをするそれが俺達のゲームだ」

 

「ふざけやがって…そんな理由で…そんな理由で!」

 

杉田の怒号と共に発泡を続けるが。

 

「ふふっゲームを続けよう」

 

それを嘲笑うかのようにガメレはまた姿を消した。

 

「くそっ!また消えやがった!」

 

それと同時に1台のパトカーが現場に到着し。

 

「一条さん!杉田さん!」

 

桜井がアタッシュケースを持ってきてパトカーから出る。

 

「これを!」

 

アタッシュケースを開きガス弾を3人同時に投げ煙が広がる…すると。

 

「なに?」

 

その煙の中からガメレの姿が確認できた。

 

「撃てぇ!」

 

ガメレに向け数十人の拳銃が発泡される。

 

「っリント共め全員生きては帰さんぞ」

 

ガメレはそう言いその場から遠ざかる。

 

「追え!追うんだ!」

 

杉田達は後を追うがガメレを見失ってしまう。

 

 

「くっリント共め!」

 

杉田達を撒いたガメレはまた姿が消えるまで姿を眩まそうとするが1台のバイクが目の前に止まる。

 

「くっなんだ?」

 

そのバイクから降りヘルメットを取る。そこに雄介が立ちはだかり。

 

「貴様は!?」

 

「ふっ!」

 

腹部からアークルを出現させ。

 

「‘‘変身‘‘!!」

 

その掛け声と共に赤いクウガへと変身を遂げた。

 

「クウガ!」

 

「うぉらぁ!!」

 

クウガはガメレに攻撃を仕掛ける。

 

「くっ!」

 

ガメレはクウガのパンチを避けクウガから距離を取りガメレは自分の舌を伸ばしクウガに攻撃しようとするがクウガはそれを避けガメレの舌を掴み自分の方向に引っ張る。

 

「!?」

 

「おりぃやぁ!」

 

グンッと引っ張られクウガのパンチがガメレの顔を直撃する。

 

「ぐあぁぁ!」

 

ガメレが怯んでいる所にクウガはガメレの腹部にパンチを喰らわしそして顔にもう一度パンチを喰らわす。

 

「があぁぁっ!」

 

ガメレは吹き飛び地面に転がる。

 

そしてクウガはキックの構えを取るが。

 

「くっ…」

 

ガメレは姿を消した。

 

「なに!?」

 

ガメレが消えたと同時に一条がやって来る。

 

「ガスの効果が切れたのか…中野!」

 

「一条さん!はい!」

 

一条は持っている拳銃をクウガに投げ渡す。

 

ガシッ!と拳銃を受け取りクウガは構えを取り。

 

「‘‘超変身‘‘!!」

 

青いクウガへと変わり助走をつけそのまま高く飛ぶ。

 

「っ!」

 

ビルの屋上までたどり着き。

 

「逃がすか!‘‘超変身‘‘!!」

 

今度は青いクウガから緑のクウガへと変わる。そして拳銃もペガサスボウガンへと変化しボウガンの尾を引っ張る。

 

「…」

 

クウガは周囲全体を集中し音と気配全ての五感を研ぎ澄ます。そして!

 

「はっ!はっ!はっ!」

 

走っているガメレを見つけ。

 

「そこか!」

 

クウガはボウガンを構えガメレに向ける。

 

「はっ!」

 

クウガがボウガンの矢を放ち。

 

ドスッ!とガメレに矢が直撃する。 

 

「があぁっ!!」

 

そしてガメレの体にヒビが入りベルトに到達した瞬間。

 

「ぐわあぁぁぁぁぁ!!!」

 

ガメレの雄叫びと共にドォーン!!と爆発が起きる。

 

「ふぅ…」

 

クウガは緑のクウガから赤いクウガに姿を戻す。そして…。

 

バリバリッ!と腕の辺りから放電が流れ出す。

 

 

ー翌日ー

 

今日は学校が休みでμ'sの練習場所は神田明神に集まる事になっていた。

 

一緒に神田明神の階段を歩く凛と真姫。花陽の家に寄り花陽とも一緒に誘おうとしたがすでに出掛けているらしい。

 

「かよちんいなかったね」

 

「しょうがないわよ。まだそっとしといてあげましょ?」

 

そう言い凛と真姫が階段を登り終わると。

 

「あっ凛ちゃん、真姫ちゃん、おはよう!」

 

そこにはストレッチをする花陽が立っていた。

 

「かよちん!?」

 

「あなた!大丈夫なの!?」

 

「うん!心配掛けてごめんね?後みんなにもいっぱい迷惑掛けて」

 

「そんな迷惑なんて」

 

「そうよ、大切な人を失ったんだから辛いのは当然でしょ?」

 

「うん、確かに辛いよ今でも…でも私には雄介君、そして凛ちゃんや真姫ちゃんそれにμ'sの皆が私の側に居てくれるから、私は笑顔でいられるの」

 

「かよちん」

 

「花陽…バカね私達も花陽や皆が居てくれるから笑顔でいられるのよ」

 

「真姫ちゃん」

 

「そうにゃ!皆が居てくれるから凛達は無敵にゃ!」

 

「凛ちゃん…うん、ありがとう二人とも」

 

花陽は嬉し涙を流し凛も真姫もつられ一緒に泣き一緒に抱きしめる。

 

「(お兄ちゃん花陽は幸せ者です。お兄ちゃんが居なくなってすごく寂しいけど、こうして笑いあい泣きあい共に心を通じあってくれる大切な人達が側にいてくれます。だからお兄ちゃん花陽は大丈夫です。花陽は大切な人達と笑顔でいられます。だからお兄ちゃん空の向こう側で見守って下さい花陽の事を)」

 

 

3人が抱きしめ合う所を後からやって来たμ'sメンバーに見られ恥ずかしがり希やにこにおちょくられながらも皆が笑い合っていた。

 

そこには満面な笑顔の花陽が皆と一緒に笑い合っていた。

 

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「…ちょっと、何なの…これ?」

 

古代文字を解読していた沢渡桜子が偶然解読を経た文章が彼女は直ぐ様席を立ち走って行ってしまった。

 

そこに書かれていた文章は。

 

『聖なる泉涸れ果てし時 凄まじき戦士雷の如く出で 太陽は闇に葬られん』

 

 

ー第18話 遊戯ーend 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本ッッ当に遅くなりました!去年の目標は20話まで作ろうとしたんですがいつの間にか年が明けちゃいました。
ですが、今年もこの作品を頑張って書き続けるのでどうか今年もよろしくお願いいたします。


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第19話 強化

未確認生命体の行動がどんどん激化し雄介はもっと強くならないと心に思う。だがその思いも裏腹に桜子からμ'sに告げられた言葉は思いもよらない自体に...。


時間は放課後。

 

μ'sの練習が始まろうとした時ドアからノック音が響く。

 

「?どうぞ」

 

ガチャッとドアが開けられ桜子が皆に顔を覗かせる。

 

「桜子先生?どうしたのですか?」

 

海未が尋ねると。

 

「雄介君いる?」

 

「いえ、雄介は病院に用事があってそちらに行っていますが」

 

「...そう」

 

「雄介に何かあったのですか?」

 

「うん...それにここにいる皆にも話さなきゃいけない事があって」

 

「「えっ?」」

 

「皆ついて来てくれる?」

 

桜子にそう言われμ'sメンバーは皆、桜子について行く。

 

教室に入り桜子はパソコンの画面を彼女達に見せる。

 

「私が古代の文字を調べてるのはわかってると思うけど調べていくうちにとても奇妙な碑文が書いてあってね」

 

パソコンを操作しそれを彼女達に見せる。

 

「これなんだけど」

 

そこに映し出された画面の文字は奇妙な碑文それに嫌な予感をさせるような言葉が書かれたあった。

 

「...なんですかこれ?」

 

「雄介君...クウガに関連する事で書かれてあった碑文。だけど今までとは何か違うような気がしてね」

 

「聖なる泉涸れ果てし時 凄まじき戦士雷の如く出で 太陽は闇に葬られん...どういう事かしら?」

 

「凄まじき戦士ってクウガの事ですよね?」

 

「うん」

 

「でも、太陽は闇に葬られるって...」

 

「あの、この聖なる泉涸れ果てし時とはどういう意味ですか?」

 

「...聖なる泉って言うのはリントの人達が優しい心想いやる心を表したんだと思う」

 

「じゃあ、それが涸れるって事は...」

 

「ゆーくんが悪いクウガになるって事?」

 

ことりの言葉に皆が押し黙る。

 

「...そんなの間違いにゃ!ゆーすけはこれまでだって凛達や他の人達の為にクウガの力で守って来たんだよ!?それが悪の戦士になるなんて」

 

「でも、この碑文からすると雄介君の心次第で悪の戦士になりかねないって事やろ?」

 

「っ!?」

 

「雄介が優しい心を失えばこの戦士になってしまう...凄まじき戦士に」

 

皆が押し黙り沈黙が続く。

 

そこで思い出したかのように真姫が口にする。

 

「そう言えば雄介って今、体からビリビリするような感覚があるって…もしかしてこれと関係あるのかしら?」

 

「そうだとしたら雄介君は凄まじき戦士になりかけてるって事やろか?」

 

「雄介が未確認に抱いている感情が怒りと憎しみならこの姿になってもおかしくないわね」

 

「…絵里ちゃん、それは違うよ」

 

絵里の発言に穂乃果は顔を横に振る。

 

「穂乃果…どうして?」

 

「雄介は怒りや憎しみなんかで戦ってるんじゃない、確かに怒る時もあったけどそれ以上に雄介は私達の笑顔の為に戦ってくれてるんだよ」

 

穂乃果は皆を見て。

 

「そうでしょ?みんな」

 

穂乃果の言葉に皆が顔を合わせあい頷く。

 

「確かにそうですね穂乃果の言うとおりです」

 

「雄介君は憎しみの心なんかに負けたりなんてしません!」

 

「…だけど油断は出来ないわよ雄介も戦いの場にいるんだしいつその感情に押し負けてもおかしくないわ」

 

「にこの言うとおり…だからこそこの事を雄介に伝えましょ?」

 

皆が頷き合う中ことりだけが不安のままでいた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

今は使われていない廃墟その中に未確認生命体グロンギ達が集まっていた。

 

「‘‘メ‘‘だけで残ったのはガリマだけになったな」

 

バルバがそう言い。

 

「もうすぐゲリ・ザギバス・ゲゲルが始まる。俺達‘‘ゴ‘‘だけのゲゲルが」

 

一人の男がそう言いガリマを挑発する。

 

「私もすぐに加わる…それに」

 

ガリマはその男に刃を突き付け。

 

「今回は‘‘ゴ‘‘のやり方で楽しませてもらう」

 

そう言ってガリマは姿を消した。

 

「ふっ…せいぜい頑張る事だ」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー関東医大病院ー

 

椿秀一が書類の整理をしている所コンコンッと控えめなノック音がドア越しから聞こえる。

 

「どうぞ」

 

「失礼します」

 

ドアを開けその人物が中に入る。

 

「待ってたよ、えっーと…南ことりちゃんだっけ?」

 

「はい、すいませんお忙しい中」

 

「いや、大丈夫だよ。それより電話の用件の事だよね?」

 

「はい、ゆーくんの事で」

 

ことりは椅子に座り用件を話す。

 

「椿さんもゆーくんから聞いてると思うんですけど最近体からビリビリするような感覚があるって」

 

「あぁ、聞いてるよあいつは何か強くなる前触れのような感じがするって言ってたね」

 

「…強くなるだけで済むんでしょうか?」

 

「えっ?」

 

「強くなってそれでクウガの力に翻弄されてゆーくんがゆーくん自身を見失ったりする事ってありませんよね?」

 

「…どうしてそんな事を?」

 

「っ!?それは…」

 

不安な様子のことりを椿は安心させるかのように微笑み。

 

「大丈夫、アマダムには変化は見られないしそれにどんな事があってもあいつはあいつ君達がよく知る中野雄介でしょ?」

 

「…はい」

 

 

ことりは病院を出て駅に向かう。

 

「(椿さんはあぁ言ってたけど、やっぱり不安だよ)」

 

ことりがそう思い込んでいると電車が来るアナウンスが鳴る。

 

『御茶ノ水駅ー御茶ノ水駅到着です。』

 

ことりはその電車に乗り空いてる席に座り少しした後、電車は動き次の駅に向かって行った。

 

ー数十分後ー

 

目的地に着きことりが電車を降り自分の家に向かって行った頃。

 

「ん?あれっことりちゃんか?」

 

ちょうど雄介も自分の家に向かう所だった。

 

「気付いてないな…よ~し」

 

雄介は忍び足でことりに近づき。

 

「こーっとっりちゃん!」

 

雄介はそう言いことりの胸をわしっと後ろから掴む。

 

「ぴっ!?」

 

「おっ可愛い反応d」

 

そう言い掛けた瞬間パァン!っと甲高い音が鳴り響いた。

 

 

「ふんっ!」

 

「いやーっほんとごめんね、ほらことりちゃん最近元気なかったからさ」

 

「それでゆーくんは胸を揉むんだ?本当にエッチな人だね」

 

そう言ってことりはずんずんと雄介から距離を置く。

 

「(やっべぇな相当怒ってるなこりゃ)」

 

「まったく心配して損だよ」

 

ことりがボソッとそう言い雄介は首を傾げる。

 

「ん?ことりちゃん何か言った?」

 

そう言いうとことりは雄介の方に向き‼️

 

「ゆーくん、最近体の調子はどう?」

 

「えっ体の調子?まぁいつも通り普通だけど」

 

「クウガになってビリビリするって現象まだあるんでしょ?」

 

「うん、ここ最近ずっとかな…どうして?」

 

「本当に何ともないの?」

 

「うん…あのビリビリはよく分からないけど、なんか強くなるような感じがするんだよね」

 

「そう…なんだ」

 

「ことりちゃんどうしてビリビリの事そんなに気になってんだ?…もしかして桜子先生がその事で解読出来たとか?」

 

「っ!?」

 

雄介の言葉にことりは言葉を詰まらせる。

 

「ことりちゃん?」

 

「ううん!何でもないよ!ただゆーくんの体大丈夫かなぁって思っただけだから」

 

「…そっか、それなら俺は大丈夫だから」

 

雄介はそう言いサムズアップをする。

 

「うん…じゃあ、ゆーくんまた明日ね」

 

「えっ?あっもう家に着いたのか」

 

話してる間にことりの家に着いていた。

 

「じゃあ、また明日」

 

雄介もそう言い歩いていった。

 

ことりは家のドアを開け中に入る。

 

「…言えるわけないよ…ゆーくんがゆーくんじゃなくなるなんて」

 

ことりは思い出していた。あの屋上でライブをした時ことりは、はっきりと見ていたクウガが未確認生命体を倒した時、明らかに目の色が黒かったことに。

 

「ゆーくん…嫌だよ…ゆーくん」

 

ことりはしゃがみ込みただ雄介の事を想っていた。

 

 

ー翌日ー

 

「おはよーっす」

 

教室に入り挨拶をすると。

 

「あっ…おはようございます雄介」

 

「おはよう…雄介」

 

明らかに元気のない穂乃果と海未が返事をした。

 

「あれっ?どうした2人とも元気ないぞ?」

 

雄介の言葉に2人は顔を合わせ。

 

「大丈夫ですよ」

 

「うん、いつも通りだよ私達」

 

「そう?ならいいんだけど」

 

雄介は2人に疑問を抱きながらも席に着く。

 

その後、ことりは勿論、凛達一年生、三年生の絵里達も様子が変で雄介は首を傾げる。

 

そして放課後になり。

 

「なーんか元気ないんだよなぁ皆…どうしたんだろ?」

 

雄介は疑問を抱きつつも部室に入る。

 

「おわっつ」

 

中に入るとさらに重たい空気が流れ出していた。

 

「おーい皆大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫よ…さぁ雄介も来たことだし練習しましょうか?」

 

「そうやね」

 

そう言うと皆が練習の支度を始める。

 

「ねぇ雄介にあの事言わないの?」

 

「私は嫌よあんたが聞きなさいよ」

 

にこと真姫がこそこそと話しているのを雄介が見て。

 

「ん?何、デートのプランでも立ててるのお二人さん」

 

突然の雄介の発言に。

 

「んな!?バカな事いってんじゃないわよ!」

 

「そうよ!これだけ皆が心配してるなかっ!…。」

 

真姫がハッ!と途中で口を閉じる。

 

「えっ?心配って…」

 

そう雄介が訪ねようとすると。

 

~♪♪~

 

雄介の携帯が鳴り出す。

 

「ん?一条さんから…はい、もしもし?」

 

『中野、事件だ!第19号が人間態から姿を変え大きな武器なような物で次々と人を切り殺してるらしい!』

 

「はい、はい!わかりました!すぐに向かいます!」

 

雄介が通話を終え。

 

「ごめん皆、行ってくる!」

 

そう言って雄介が部室から出ようとすると。

 

「っ!」

 

ガシッ!と雄介の腕をことりが掴む。

 

「こ、ことりちゃん?」

 

何かに怯えた表情…そんな風に雄介は見えた。

 

「ことりちゃん大丈夫か?」

 

ハッ!とことりは雄介の腕を離し一歩下がる。

 

「ごめんね、ゆーくん…気をつけてね?」

 

「う、うん…じゃあ行ってくるよ」

 

そう言いって雄介は走って行ってしまった。

 

「ことり…大丈夫ですか?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「でも、あの事はちゃんと雄介に話さないと駄目よね」

 

「気がすすまないけどね…」

 

「…ゆーくん」

 

ーーーーーーーーーー

 

数十分後、一条から報告を受けた通りの場所に着いた雄介。

 

「ここらへんだよな?」

 

雄介は地下駐車場の場所へと入り中を見渡す。

 

すると…。

 

ドサッ!と音が聞こえ雄介はバイクから降りその音の方へと向かう。

 

「っ!?あれは!」

 

雄介の目線その先には倒れている親子であろう大人と子供…だが。

 

「くっ!…何て酷いことを」

 

その親子には切断されたかのように首から上が繋がっていなかった。

 

雄介は直ぐ様一条に連絡を取る。

 

「一条さん、俺です現場の近くに来たら被害者がいてその…亡くなっていました。救急車の手配をお願いします」

 

『わかった、こっちも現場の調査が終わり次第そちらに向かう』

 

「わかりました、とりあえず俺はもう少しこの付近を調べてみます」

 

雄介は一条との通話を終え辺りを探っていると、ヒールで歩く音が辺りに響き雄介はその音を頼りに近づいていくすると。

 

「あ、あれは!?」

 

一条から報告があった武器を持っている女、今は人間態だが明らかに未確認生命体だと雄介は確信し。

 

「待て!」

 

雄介が大声でその方向に叫ぶとその女は振り向く。

 

「っ!」

 

雄介は腹部からアークルを出現させ。

 

「‘‘変身!!‘‘」

 

その叫びと共に赤いクウガへと変身を遂げた。

 

「クウガ!…お前を倒すのはこのゴ・ガリマ・バだ」

 

そう言いガリマも人間態から怪人態に姿を変えクウガに襲いかかる。

 

ガリマの斬撃をクウガは紙一重で避け反撃の隙を伺うが。

 

「くっ!攻撃が早すぎて反撃ができねぇ!」

 

ガリマが横斬りをしクウガは避けるが壁に追い込まれる。

 

「しまっ!?」

 

「ふん!」

 

ガリマは持ち手でクウガの首を捉える。」

 

「ぐっ、あっ」

 

クウガはそのガリマの手を凪ぎ払いガリマにパンチを喰らわす。

 

「くっ…はぁっ!」

 

ガリマはよろけながらも咄嗟に反撃に出るが。

 

「おりぃやあ!」

 

クウガは咄嗟にキックを決めガリマの腹部に直撃した。

 

「が、はっ!」

 

ガリマはよろけクウガはその隙に青いクウガへとなりジャンプをしバイクの元へと着地する。

 

「ふっ!」

 

バイクからグリップを抜き。

 

「‘‘超変身!!‘‘」

 

クウガは紫のクウガへと変わった。

 

「いくぞ!」

 

グリップはタイタンソードへと変化しガリマに斬りかかるが。

 

ガキィィン!!っとガリマも武器で対抗し鍔合いが起きる。

 

「くっ!」

 

クウガはガリマの武器をはね除けブンッ!と攻撃しようとするがガリマは一歩引きそれを避けガリマも攻撃しようとするがクウガはソードでガードする。

 

2人の攻防が続きガキィィン!っと2人の武器がぶつかる音が鳴り響きクウガとガリマは両者間合いを取る。

 

クウガはソードを持ち直した瞬間。

 

バリバリッ!と突然腕から放電が流れる。

 

「!?」

 

突然の放電に驚いたクウガ、その隙を見てガリマは一気にクウガに迫る。

 

「しまっ!」

 

クウガは咄嗟にソードで受けようとするがガキィィン!っとガリマの攻撃によりソードが手から弾き跳ばされてしまった。

 

「はぁっ!」

 

ガリマは武器を振りかざしクウガに攻撃しようとするがクウガは咄嗟に両腕でガードする。

 

「くっ…!」

 

ガリマの力によりクウガは押し負け膝を着いてしまう。

 

その時!

 

駐車場の入り口からゴウラムが飛んできてガリマに体当たりをする。

 

「くっ!」

 

その攻撃によりガリマは吹き飛び地面に転がる。

 

『大丈夫ですか?』

 

「ゴウラム…よし!」

 

クウガはグリップを拾いトライチェイサーに挿し込みそれと同時にゴウラムはトライチェイサーと合体する。

 

「なに!?」

 

ガリマが起き上がり身構える。

 

ブゥン!ブゥン!とグリップをひねりクウガは一気に駆け出しガリマに突っ込む。

 

ドォンッ!っとゴウラムの角がガリマに直撃しガリマは再び吹き飛ぶ。

 

「くっ!あっ」

 

ガリマはよろけながらも立ち上がり。

 

「はぁっ!」

 

トライゴウラムで出来た紋章をかき消した。

 

「なにっ!?くっ!」

 

クウガは再度攻撃しようと試みるが。

 

「これは!?」

 

ゴウラムの色が変化しまたバラバラに石化してしまった。

 

「なっ!?くっ!」

 

クウガは石化したゴウラムに気を取られ気付いた頃にはすでにガリマは逃走していた。

 

「中野!」

 

突然名前を呼ばれクウガは振り向く。

 

「一条さん」

 

クウガは雄介の姿に戻る。

 

「第19号は!?」

 

「すいません、逃がしてしまいました」

 

一条はトライチェイサーの周りの破片に気付く。

 

「ゴウラムでも駄目だったのか」

 

「はい、すごく強くて…でも、あのビリビリの出るタイミングが段々わかってきたんで何とかそれを上手く使えるようになれば大きな力になると思うんです」

 

「そうか…とりあえずゴウラムの事は榎田さんに頼んでおく」

 

「はい…よろしくお願いします」

 

雄介はバイクに股がりエンジンをかける。

 

「じゃあ俺、学校に戻るので何かあったら連絡下さい」

 

「あぁ、わかった」

 

「それじゃあ」

 

雄介はヘルメットのバイザーを下げ走って行った。。

 

ーーーーーーーーーー

 

ーμ's練習中ー

 

休憩時間、ことりはフェンスの近くに寄りかかり雄介の帰りを待つ。

 

すると。

 

「あっゆーくん!」

 

学校の校門をバイクで通りかかる雄介を見つけ。

 

「皆、ごめんね!」

 

ことりはそう言い屋上から駆け足で出ていった。

 

「あっ!ことり!」

 

ーーーーー

 

雄介がバイクから降り屋上へ向かう為歩き出すと。

 

「ゆーくん!」

 

大きな声で雄介の名前を呼び走ってくることり。

 

「ことりちゃん?どうしたってっ!うわぁっ!?」

 

突然ことりに抱きつかれ驚く雄介。

 

「どどどどど、どうしたのことりちゃん!?何かあったか!?」

 

「・・・」

 

「ことりちゃん?」

 

ことりから返事はなくただ雄介を抱きしめていた。

 

「ことりちゃん!」

 

すると奥から大きな声で凛が走ってくる。

 

「抜け駆けはずるいにゃ!凛も凛も!」

 

そう言って凛も雄介に抱きついた。

 

「おおおぅ!…俺、モテ期到来してんの?」

 

雄介はそう言いことりと凛の頭を撫でる。

 

「全く、2人して…雄介、今すぐそのいやらしい手をどきなさい」

 

後からやって来たμ'sメンバー達。

 

「えぇ!?俺が悪いのぉ?」

 

「ふぅ…とりあえず2人が…特にことりがそんな状態の理由話すから部室に行くわよ」

 

にこの言葉にことりは振り向き。

 

「にこちゃん!?それは…」

 

「遅かれ早かれいずれ雄介に話さなきゃいけないでしょ?だったら早めに言った方がいいでしょ?…雄介の為にもね」

 

にこの言葉にことりは渋々雄介から離れる。

 

「一体なんのこと話してんだ?」

 

ーーーーーーーーーー

 

雄介とμ'sメンバーが部室に入りにこがパソコンを起動する。

 

「雄介、今からあんたに見せるもの…それは、あんた自身が一番知らなきゃいけないことそしてこれからどう自分自身に向き合うかちゃんと考えなさいよ」

 

「さっきからなんの話してんだ?」

 

にこはパソコンの画面を開き桜子に見せてもらったあの碑文を雄介に見せた。

 

「これは、桜子先生にコピーしてもらったもの…クウガ…あんたの事が書かれているわ」

 

雄介はその碑文を一通り見る。

 

「…どういう意味だ?これ」

 

「簡単に説明するとあんたは憎しみに心を委ねるとクウガが闇に支配される…つまり」

 

次の言葉を絵里が続ける。

 

「雄介が雄介じゃなくなるって事よ」

 

「俺が俺じゃなくなる?」

 

雄介はその碑文をまじまじと見る。

 

「その聖なる泉が涸れ果てるって所、そこはあなたの心を表しているわそれが涸れるって事は…」

 

「…憎しみに心を委ね今までとは違うクウガになるって事なのか?」

 

「ねぇ雄介あなた今、体から放電のような物が流れてるんでしょ?それと何か関係あるの?」

 

「えっ?いやぁそれは体から出てる物でこれに書かれているのとは違うと思うけど」

 

どう言えばいいかなーなんて雄介が悩んでいると。

 

「…ねぇゆーくん、ゆーくんはどんな想いで戦ってるの?」

 

突然のことりの質問に雄介はことりの方向を見る。

 

「えっ?どんな想いでって…」

 

「お願い…答えて」

 

ことりは雄介の目を真っ直ぐ捉え話す。

 

「…みんなが笑顔でいられる毎日になるように想って戦ってるよ」

 

「未確認生命体が憎いって思わない?」

 

「それは、思うさ…だけどそれ以上に俺は皆の笑顔を見たいから」

 

雄介はそう言いサムズアップをする。

 

「そっか…なら大丈夫だね」

 

「ことり!?」

 

海未はまだ納得してない様子だが、ことりの返答に。

 

「海未ちゃん、ゆーくん自身が言うんだから大丈夫だよ」

 

ことりは雄介の事を見て。

 

「憎しみなんかに負けたりしない」

 

ことりの言葉に皆がことりを見て。

 

「…ふぅまぁ幼馴染みが言うんだから間違いないわね」

 

「ふふっそうやね」

 

穂乃果が雄介の前に立ち。

 

「雄介…みんな信じてる、だから」

 

トンッと雄介の胸に拳を置き。

 

「負けないでね」

 

「おう!」

 

雄介は新たな誓いをμ'sと立てる皆の笑顔を守る為に。

 

ーーーーー

 

ー未確認対策本部ー

 

今回の未確認に襲われた被害者達の遺品を一条は調べていた。

 

「…これは」

 

杉田も部屋に入ってきて一条が何かに気付いたかのように見え。

 

「どうかしたのか?」

 

「えぇ、被害者の内、御茶ノ水駅の切符と大半の人がこれを所持していまして」

 

「ポケットティッシュ…しかも同じ店の?」

 

「えぇ、その近くに何か奴らの殺人の糸口が見えるかもしれません」

 

「よし!行ってみるか」

 

「はい!」

 

一条と杉田はその店の場所に向かった。

 

ーーーーーーーー

 

ー科警研ー

 

雄介はある事を試そうと科警研に来ていた。

 

「う〜ん、そういう事に使うとなると…あっ!あの部屋!」

 

「お!いい部屋あります?」

 

「うん!ばっちし!ついて来て」

 

榎田に付いていき雄介はガラス張りの部屋に入らされる。

 

「ここなら、多少の事なら壊れないから思う存分やっていいよ」

 

「ありがとうございます!」

 

雄介はそう言い腹部からアークルを出現させる。

 

「''変身!''」

 

雄介は紫のクウガに変身しトライアクセラーをタイタンソードに変える。

 

「ふぅ、よし!」

 

ーーーーーーーーーー

 

一条達はポケットティッシュを配られていた店に到着し事情聴取を掛けていた。

 

「すいませんが、このポケットティッシュここで配られていたと思われるのですが」

 

「あっはい、そうですねバイトを雇って」

 

「時間はどれくらいかわかりますか?」

 

「えーっと、午前は10時から12時、午後からは13時から15時あたりですかね?」

 

「わかりました、ありがとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

一条達は聴き込みを終え歩きだす。

 

「どういう事だ?」

 

「この時間帯でこの御茶ノ水駅の電車に乗っている乗客が殺されている…だがどうやって未確認はそれを追跡しているのか」

 

「奴らのゲームと何か関係があるのか?」

 

「おそらくそうでしょう…とりあえず本庁に連絡し昨日と今日、御茶ノ水駅に乗った人達に呼び掛けましょう」

 

ーーーーー

 

ー科警研ー

 

榎田はガラス越しの部屋からクウガの姿を見ていた。今まで見たことのない姿をしたクウガを。

 

「これが…中野くんの新しい姿」

 

そしてクウガから雄介の姿に戻り。

 

「榎田さん!やりました!どうもありがとうございました!」

 

「うん、頑張ってきて」

 

ーーーーーーーーーー

 

雄介が科警研に行ってから数時間、μ'sの練習が終わり皆帰りの支度をする。

 

一年生、二年生、三年生と別れ別々の道を歩く。

 

「そう言えば、ことりちゃん昨日の夕方、早くに帰って行ったけど一体どうしたの?」

 

「あっうん、ゆーくんのビリビリの事が気になってね」

 

「そうだったんだ」

 

「そう言えば雄介も慌ててどこに行ったのでしょう?」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー関東医大病院ー

 

椿が病院の中を歩いてる中、テレビが置かれている所にふと目がいく。

 

『えーっお伝えした通り昨日と今日、御茶ノ水駅を乗車した人達はなるべく外出を控え未確認生命体から身を守るよう徹底してください』

 

「御茶ノ水駅…まずい!」

 

ーーーーーーーーーー

 

雄介がトライチェイサーにグリップを付け科警研から出ようとした瞬間携帯が鳴り出す。

 

「椿さん?…はい、もしもし」

 

『中野!お前の友達に南ちゃんっていたろ!?』

 

「ことりちゃんの事ですか?」

 

『その子に今、連絡できるか!?」

 

「大丈夫ですけど…一体どうしたんですか?」

 

『その子が今、未確認に狙われている可能性が高いんだ!』

 

「えっ…?」

 

ーーーーーーーーーー

 

ことり達が帰宅中、ことりの携帯が鳴り出す。

 

「ん?ゆーくんからだ」

 

「何かあったのでしょうか?」

 

画面をタッチし耳元に当てる。

 

「もしもし?ゆーくんどうしたの?」

 

『ことりちゃん!今どこにいる!?』

 

「えっ?今、外で家に帰る途中なんだけど?」

 

『なんだって…ことりちゃん今すぐ居場所を教えてくれ!直ぐに向かうから!』

 

「えっ?どうしたの?ゆーくん」

 

するとことり達の前に武器を持ったガリマが姿を現す。

 

「ねぇあの人なんか持ってるよ?」

 

海未は一瞬に背中から冷や汗が流れ瞬時に穂乃果とことりの手を取り。

 

「2人とも走りますよ!」

 

引っ張るように走り出していった。

 

「はっ!はっ!う、海未ちゃん一体どうしたの!?」

 

穂乃果の言葉を無視しことりから携帯を取り。

 

「雄介!未確認生命体が!」  

 

『なんだって!?もうそこに!』

 

「さっきの会話から少し聞こえました…ことりが狙われているって事ですか?」

 

『あぁ、今回の未確認は昨日、今日、御茶ノ水駅の電車に乗った人達が標的にされている』

 

「御茶ノ水駅…ことり昨日御茶ノ水駅の電車に乗りましたか?」

 

「う、うん昨日、関東医大病院に行ったとき」

 

「…雄介!今すぐ居場所を!」

 

海未は後ろを見て。

 

「このままじゃ追い付かれる!」

 

海未達は道の角を曲がり広場に出る。

 

「隠れる場所が」

 

海未は階段がある場所を見つけ直ぐ様そこに昇る。そして柱の物陰に隠れ様子を伺う。

 

「今のところは大丈夫そうですね」

 

「海未ちゃん何でことりちゃんが狙われてるの?」

 

「さっき話した通り御茶ノ水駅に乗った電車に乗りその標的が殺害されている。偶然ことりも乗ってしまったのですよ」

 

「そんな…でも、何でことりちゃんの居場所が」

 

「…あくまで推測ですが、その電車に乗った人達を何かしらのマーキングをしことりの居場所突き止めたのだと思います」

 

様子を伺いながら海未が説明してると。

 

「…2人共、私を置いて逃げて」

 

「ことりちゃん!?」

 

「何をバカな事を言ってるのですか!ことり!」

 

「でも、このままじゃ見つかって殺されちゃう…だから穂乃果ちゃん達だけでも」

 

海未はガシッとことりの肩を掴む。

 

「いいですか?よく聞いて下さいことり。私達はあなたを見捨てて逃げたりなんか絶対にしません!」

 

「でも!」

 

「仮に私や穂乃果が狙われていたらあなたは見捨てますか?」

 

「そんな事しないよ!」

 

その言葉にハッとなることり。

 

「皆、同じ気持ちなんだよことりちゃん。誰も見捨てたりなんかしないだから私達が絶対に守るよ!」

 

穂乃果の言葉に海未も頷く。

 

「穂乃果ちゃん、海未ちゃん…ありがとう」

 

そう話しているとガシャン!っと音を立てて海未達の前にガリマが現れる。

 

「見つけたぞ」

 

「くっ!穂乃果!ことり!」

 

直ぐ様2人を連れて逃げようとするが。 

 

「ハッ!」

 

ガリマは回り込み

 

平手で海未を叩き。

 

「うっ」

 

ゴツッ!と海未は柱に頭を打ち気を失う。

 

「海未ちゃん!」

 

海未に駆け寄ろうとするがガリマがその場をふさぎ2人の目の前に立つ。

 

「あ、あぁぁぁぁ」

 

2人は恐怖で声が出ずガリマは武器をことりに目掛け突き付け。

 

「これで…50人目!」

 

ガリマは武器を持ち上げ振り下ろそうとした瞬間。

 

「きゃあぁぁぁ!!!」

 

「ことりちゃん!」

 

穂乃果はことりに覆い被さるように自分を盾にし目をつぶるが。

 

ガキィィン!っと金属と金属がぶつかり合った音がし恐る恐る目を開けると。

 

ガリマの武器を紫のクウガがタイタンソードで受け止めていた。

 

「ゆーくん!」

 

「雄介!」

 

クウガはソードでガリマの釜をなぎ払いガリマ一歩下がり間合いを取る。

 

「2人共、大丈夫か?」

 

「う、うん大丈夫でも海未ちゃんが」

 

クウガは海未の方を見る。

 

「う、う…ん」

 

「(良かった、気を失ってるだけみたいだ)」

 

クウガは穂乃果達の方を見て。

 

「穂乃果ちゃん、ことりちゃん俺が奴を引き付けている内に海未ちゃんを連れてここから離れるんだ」

 

クウガはそう言いソードを持ち直しガリマに迫り一気に斬りかかる。

 

「く!」

 

クウガの攻撃をガリマは釜で受け止め。

 

「今だ!2人共!」

 

「う、うん、ことりちゃん!」

 

「う、うん!」

 

穂乃果とことりは海未を持ち上げ海未の腕を肩に回しその場から離れる。

 

クウガが3人がその場を離れるのを確認し。

 

「よしっ」

 

ガキィィン!と金属音が鳴り響きクウガとガリマは両者下がる。

 

穂乃果達は物影に隠れクウガの戦闘を伺う。

 

「すごい戦いだね」

 

「あの未確認生命体、強そうだよね…ゆーくん大丈夫かな?」

 

「雄介なら大丈夫だよきっと!」

 

「う、うん!そうだよね」

 

クウガとガリマの武器と武器がぶつかり合い火花が飛び散る。

 

「ハァ!」

 

「くっ!」

 

ガリマは釜を振り下ろしクウガはソードで受け止めるが。

 

ガードしたその隙にガリマはクウガに蹴りをいれクウガはよろけ。

 

「ハァ!」

 

「うあっ!」

 

ガリマの釜がクウガの首筋を狙うがクウガはギリギリに避けるがクウガの肩のアーマーが切り落とされる。

 

「ぐっ…」

 

「ハァ!」

 

ガリマの攻撃は休めることなくクウガに襲いかかる。

 

「ゆーくん!」

 

「ことりちゃん!駄目だよ!」

 

クウガが劣勢になりつつあり心配になったことりはクウガに駆け寄ろうとする。

 

「穂乃果ちゃん!でも!」

 

「辛いけど、苦しいけど、でも私達が雄介を信じないと!」

 

「ゆーくん…」

 

「ぐあっ!」

 

クウガは壁に追い込まれガリマは釜をクウガに目掛け振り下ろすがクウガもソードで受け止め鍔づりあいが起きる。

 

「終わりだクウガ!」

 

「くっ…まだだ!」

 

クウガは叫んだと同時に腕から放電が流れ出す。

 

「!?」

 

ガリマはそれに驚き一瞬の隙を突きクウガはガリマにパンチを喰らわす。

 

「ぐあっ!」

 

ガリマは吹き飛び倒れる。

 

クウガの放電は続き体全体に流れ出す。

 

「いける…はあっ!」

 

クウガの叫びと共に放電が強くなり紫のクウガの体が銀色から紫に変わりラインが金色に変わり手の甲に地割れの古代文字が浮かび出しタイタンソードも放電の力により長く鋭い形に変化した。

 

「な、何なんだその姿は?」

 

ガリマの目の前にいるのは今まで見たことのないクウガ、金の紫のクウガが誕生した。

 

クウガは強化したタイタンソードを構える。

 

「くっ…はぁーっ!」

 

ガリマも釜を構えクウガに向かい斬りかかるが。

 

「おりぃやあ!」

 

クウガがソードを振るいガリマの釜が真っ二つに斬れる。

 

「!バカな!?」

 

「ふっ…」

 

クウガはソードを持ち直し。

 

「おりぃやあーーー!!!」

 

ガリマに突き刺した。

 

「ぐっ!?ぐうぅぅぅぅ!!あぁぁぁぁ!!!」

 

ガリマに封印エネルギーが流れベルトに到達し盛大に爆発する。

 

「…ふぅ」

 

クウガは強化した自分の体を見る。

 

「これが新しいクウガの力」

 

戦いを終え穂乃果とことりはクウガに近づく。

 

「ゆーくん、その…大丈夫?」

 

「えっ?うん、大丈夫だよ」

 

「それにしても凄い変わったねぇ?本当に紫一色だよ」

 

「ほんとほんと剣なんてほらこんなに長く」

 

クウガがソードを見せると突然アークルがバチバチといいだし。

 

「おっ?あれっ?」

 

突然、通常の紫のクウガに戻ってしまった。

 

「いきなり戻った…この力長くは続かないのかなぁ?」

 

クウガが疑問に思っていると。

 

「でも、ゆーくんが無事で良かったよ」

 

「あっうん」

 

「あっ!」

 

すると突然、穂乃果が大きな声を出し。

 

「どうした穂乃果ちゃん?」

 

「海未ちゃん!気絶したままだった」

 

「あぁ!そうだ早く病院に!」

 

「うん!雄介もことりちゃんも手伝って」

 

慌てふためく2人を見てクスッと微笑むことり。

 

「(ゆーくんがゆーくんのままで良かった。いつも通りのゆーくんで)」

 

 

ーーーーーー

 

翌日、病院までお姫様抱っこで運んで行った所を色んな人に見られ噂になり海未の機嫌が直るまで数時間かかったとか。

 

 

ー第19話 強化endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




大変遅くなり申し訳ありませんでした。何だかんだでやっと金の力までいけたのでこれからも頑張って書き続けます。


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第20話 選択

クウガの新しい力を手に入れた雄介。そしてμ'sメンバーはこの先に進む為の選択が余儀なくされる。


季節は秋。そろそろ冬になりそうな時期に学生達も進路を決める時期が近くなってくる。

 

そしてここに今、希望校の表紙とにらめっこしてる女の子。高坂穂乃果の妹、高坂雪穂が悩んでいた。

 

「はぁどうしようかなぁ」

 

「雪穂ーそろそろ移動しないと先生に怒られちゃうよー」

 

なかなか来ない雪穂を亜里沙が迎えに来て。

 

「亜里沙…うん、ちょっと待って」

 

雪穂が悩んでいるその紙を亜里沙が覗き。

 

「雪穂まだ出してなかったの?」

 

「うん」

 

「私や梓達はもう出し終わったよ?」

 

「だって亜里沙と梓って第一志望って音乃木坂でしょ?」

 

「うん!」

 

「梓は、まぁ理由はわかるけど亜里沙は何で?」

 

「私?私ね…μ'sに入りたいの!」

 

「えっ?μ'sに…」

 

「うん!だから絶対に音乃木坂に行くんだ!」

 

「亜里沙…」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

一方、音乃木坂では。

 

「雄介!あなたって人は!今日という今日は許しませんよ!」

 

「だからぁ!わざとじゃないっていってるでしょ!」

 

「問答無用です!覚悟しなさい!」

 

そして雄介と海未のおいかけっこが始まった。

 

「ゆーくんまた何かやっちゃったの?」

 

「うん、さっき真姫ちゃんから聞いたんだけど…」

 

それは雄介達が学校につく前の話に遡る。

 

「はぁ、サイアク」

 

今日、真姫が登校中最初は青空だったがどんどん雲が暗くなりどしゃ降りの雨が降ってきた。

 

「こんなことならちゃんと天気予報みればよかったわ」

 

真姫はまだ誰も来ていない部室で制服を脱ぎ。少しでも乾かそうと干していた。

 

「とりあえず、着替えなくちゃ」

 

っと真姫が鞄から体操服に着替えようとした瞬間。

 

「いやぁ参った参った昨日部室に百合姫(雑誌)を置いていくなんて俺のうっかりさん☆」

 

ガチャっとドアを開け雄介が入ってくると。

 

「…」

 

「…」

 

二人とも目が合い沈黙。

 

そして…。

 

「あっ真姫ちゃんおはよう、今日‘‘は‘‘赤くてエロい下着なんだね」

 

「………はぁっ!?//////////////////////」

 

そして今の状況となる。

 

「今日‘‘は‘‘!ってどういう意味ですか!?返答次第ではあなたを警察に突き出します!」

 

「だからそれは言葉の綾だってぇ!」

 

「信じられません!正直に答えなさい!」

 

「ヒイィィィィ!!!」

 

っとずっと雄介と海未のおいかけっこが続いており。

 

「まぁこんな状況かな」

 

「あ~それは、ゆーくんが悪いねぇ」

 

ーーーーーーーーー

 

場所は変わりそこは薄暗い地下の底そこに奇妙な集団が集まる。

 

「集まったな」

 

口を開いたのがバラのタトゥの女バルバ。

 

「始めるぞ。ゲリザギバスゲゲルを」

 

バルバの言葉に眼鏡を掛けた男がバルバに近づきある物を渡す。

 

「30時間で300人…か」

 

バルバは指に着いている指輪でベルトに挿し込む。

 

そして男は頷き飛びだって行った。

 

ーーーーーー

 

音乃木坂学院 放課後

 

「みんな集まったわね。じゃあ練習…といきたいんだけど」

 

「生憎の雨やね」

 

窓の外を見る限り朝と変わらずどしゃ降りの雨だ。

 

「あっそうだ真姫ちゃん制服乾いたよ」

 

「ありがとう花陽」

 

花陽から制服を受け取る真姫。

 

「今日はどうする?こんな天気じゃ屋上は使えないし」

 

「それなら私は作詞を進めたいのですが、よろしいですか?」

 

「私も衣装の方を進めたいな」

 

「そうね…ことりと海未は衣装と作詞、後の皆は歌の練習でどうかしら穂乃果?」

 

「うん!それでいいと思うよ!」

 

「決まりね。それじゃあ真姫任せていいかしら?」

 

「えぇ、行きましょ」

 

ことりと海未は別に後の皆は音楽室に向かった。

 

「じゃあ俺も音楽室に」

 

雄介が椅子から立とうとすると。

 

~♪~

 

「もしもし?」

 

『中野か今、大丈夫か?』

 

「はい、大丈夫ですけど…まさか事件ですか?」

 

『いや、まだ確定ではないんだが街に設置している監視カメラに奇妙な物が写り混んでいてな』

 

「奇妙な物?」

 

『あぁ、その事で一度会いたいんだが大丈夫か?』

 

「わかりました。場所は…噴水公園の…はい、はい、わかりました。じゃあこれから向かいます」

 

雄介は通話を終え絵里の元へと駆け寄る。

 

「ごめん絵里、一条さんから連絡でこれから行かなきゃならなくなった」

 

「一条さんからって…未確認生命体?」

 

「まだ確定じゃないけど、これからそれを調べてくるよ」

 

「そう…ここ一ヶ月、未確認生命体が現れなかったけど。まさかまた」

 

「多分な…とりあえず行ってくる。皆もまた」

 

雄介はそう言い部室を出ていった。

 

「…未確認生命体が急に姿を見せなくなったらまた急に現れるの?…勘弁してほしいわ」

 

「そうやねぇ…もし本当に未確認生命体絡みやったらまた雄介君の負担を増やしてしまう」

 

「大丈夫かなぁ?ビリビリの力を自分の物にした!って雄介君言ってたけど正直まだ心配だよ」

 

「心配にゃ…」

 

暗い雰囲気の中、にこは凛の頭にポンッ!と手を置き。

 

「なーに辛気くさい顔してんのよあんた達、もし未確認生命体が現れたらそりゃあ雄介は戦うわよ。でもそれを支えるって決めたのが私達でしょ?なら私達は私達なりに頑張らなくちゃそうでしょ?」

 

「にこ…そうよね、私達が支えるって決めたんだもの私達も頑張らなきゃ」

 

「にこちゃんのくせにいいこと言うじゃない」

 

「くせには余計よ!」

 

ーーーーーー

 

雄介は一条と待ち合わせの噴水公園のある場所に到着した。

 

「すまんな急に呼び出して」

 

「いえ、大丈夫です。それで一条さん見せたいものって?」

 

「あぁこれなんだが」

 

一条はスマホを雄介に見せある映像が映し出される。

 

そこには黒い影が一瞬で通り過ぎる映像だった。

 

「ほんの一瞬だったけど、でもあまりにも」

 

「あぁでか過ぎる推定2mはあるだろう」

 

「鳥にしては不自然だしやっぱり…」

 

「あぁ…未確認生命体に間違いないだろう」

 

「でも、何で一ヶ月も姿を現さなかったのに急に出てきたんだろう?」

 

「あぁそれにまだ被害は出ていないがこの映像を見る限り奴らが仕掛けてくるのは時間の問題だろう…我々警察も強化を固めるが君もいつでも動けるよう待機しててくれ」

 

「わかりました。じゃあその時にまた連絡下さい」

 

ーーーーーーーーー

 

μ'sの練習を終え穂乃果達は校門を出ようとした時。

 

「お姉ちゃん♪」

 

校門前からひょっこっと出てきた亜里沙がいた。

 

「亜里沙!?どうしたの?」

 

「お姉ちゃんを待ってたの今日はお買い物に行く日でしょ?」

 

「あっそうだったわね…ごめんね亜里沙、お姉ちゃん忘れてたわ」

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

「ごめんね皆、そういうわけだからここでお別れね」

 

「ううん、大丈夫だよ。絵里ちゃんまた明日ね」

 

「えぇまた明日」

 

そう言い絵里は亜里沙と手を繋ぎ歩いて行った。

 

「本当に仲いいわね、絵里達」

 

「でも、にこちゃん家の妹達とも仲いいでしょ?」

 

「うちはまだチビ達だからねぇ~いつ反抗期が来るかわからないわ」

 

「にこちゃん家は大丈夫だと思うなぁ家の雪穂なんて反抗期まっしぐらだし」

 

「それは、あなたがだらしないからですよ穂乃果」

 

「あぁ!海未ちゃんがいじわるな事言うー!」

 

「本当の事を言ったまでです」

 

「まぁまぁふたりとも」

 

「そろそろウチらも帰ろうか?日がくれる前に」

 

「そうね」

 

そう言い他のメンバー達も自分の家へと向かう。

 

 

絵里達も買い物を終え家に帰宅している途中で亜里沙が絵里に今日、進路希望の用紙を提出した事を伝えた。

 

「あら、亜里沙は音乃木坂を受けてくれるなんて…嬉しいわ」

 

「うん!私ね音乃木坂に受かって絶対μ'sに入るんだ!」

 

「えっ?」

 

亜里沙の言葉に絵里は硬直する。

 

「お姉ちゃん?どうしたの?」

 

「えっあっごめんね大丈夫よ?そっか…なら一杯勉強頑張らなくちゃね?」

 

「うん!」

 

亜里沙は満面な笑みで答える。

 

そんな中、絵里は思う卒業した後のμ'sは一体どうするのか?と。

 

「卒業…か」

 

ーーーーーーーーー

 

ー翌日 放課後ー

 

普段通りμ'sのメンバー達が練習をしている中、絵里はずっと考えていた。

 

μ'sの今後を。

 

「えりちどうしたん?今日なんか上の空やで?」

 

休憩中、希が絵里に話しかけ絵里は希に打ち明ける。

 

「卒業の後のμ'sか…確かに気になるね」

 

「そう…普通のアイドルならメンバーを変え歌い続けると思うけど…あの子達はどうするかしらね?」

 

「…なら、聞いてみようか?穂乃果ちゃん達に」

 

希はそう言い。

 

「はーい皆、少し集まってくれるかなー」

 

「ちょっ希!?」

 

「遅かれ早かれこの壁はぶち当たるものや…なら早めに聞いてもバチは当たらんよ」

 

にしし、と希はいたずらっぽい顔で絵里に言う。

 

「全く…希には敵わないわ」

 

「どうしたの希ちゃん?」

 

穂乃果達が集まり希は絵里に顔を向け。

 

「ほら、えりち」

 

「もう、わかったわよ」

 

絵里が立ち皆に視線を向ける。

 

「ごめんね、休憩中に…少し聞きたい事があって」

 

「聞きたい事?」

 

穂乃果が返答し絵里は少し間を置き。

 

「私達3年生は来年で卒業する…それでその後のμ'sをどうするのか気になってね」

 

「絵里ちゃん達が卒業した後のμ's…正直考えてなかったな」

 

「今がすごく楽しいから凛も正直…」

 

皆が言葉に詰まらせていると。

 

「続けなさいよ」

 

そう言ったのは、にこだった。

 

「卒業するのは当たり前、でも新しいメンバーが加わってμ'sという名を残していくの…その方が卒業した私達も嬉しいから」

 

にこの言葉に賛同する者もいるだろう…だが。

 

「それで…いいのかな?」

 

「花陽?」

 

「確かにアイドルは先輩からそのグループの名を継いで活動していくけど私達は」

 

「花陽の言いたいことわかるわ…この9人だからこそμ'sなんだもの私達だけのものにしたい」

 

「真姫…あんた」

 

「ごめん、にこちゃん…にこちゃんの言うこともわかるけど私は」

 

「そう…なら穂乃果達はどう?…続けるか?それとも私達が卒業したと同時に…μ'sを終わりにするか?」

 

にこは穂乃果達に問いかける。

 

「そう、だね正直まだわからないよ」

 

「私もですね」

 

「正直、私も…ゆーくんはどう思う?」

 

今まで黙っていた雄介がことりに問いかけられる。

 

「…俺は答えられない…μ'sを続けるか否かは残っている穂乃果ちゃん達が答えを出さないと意味がないと思うから」

 

「ゆーくん」

 

「ごめんね、でもこれが今、俺が出せる精一杯の答えだ」

 

ーーーーーーーーー

 

下校時間が来て皆、帰る準備をする。

 

「…」

 

「…」

 

皆、練習を終えた辺りから考えていた。このまま続けるか否か。

 

支度を終えそれぞれの家に向かう。

 

家が近い雄介とことりは一緒に帰り今日の事を話す。

 

「やっぱり難しいよな…大事なことだし」

 

「うん…にこちゃんの言うことも大事だと思うけど真姫ちゃんの言うこともわかるの」

 

「違うメンバーを入れ続けるとなればそれが本当にμ'sと言えるのか…か」

 

「私は今のメンバーが大好き、だけど終わりにしてμ'sが無くなるのも嫌だな」

 

雄介とことりが話している中。

 

「うっ!?」

 

っと目の前の歩行者が糸が切れたように倒れる。

 

「…?大丈夫ですか?」

 

雄介はその人を揺するが返答がなく。そして。

 

ドサッ!ドサッ!と続けて歩行者が次々と倒れていった。

 

「(何だ…これ一体…まさか!?)」

 

雄介は咄嗟にことりの手を掴み建物のある場所に隠れる。

 

「ゆーくん!これって!」

 

「多分、未確認だ、それに多分上から攻撃している!」

 

雄介はスマホを取り出し一条に連絡を取る。

 

「一条さん!中野です!未確認生命体が現れました!」

 

『何だって!?場所は!』

 

「まだ姿は確認出来てませんが多分上から攻撃しているだと思われます!」

 

『わかった!我々も直ちに出動する!』

 

「俺もできる限りやってみます!」

 

雄介は通話を終えことりの肩を掴み。

 

「ことりちゃん俺、今から外に出て様子を見てくるけどことりちゃんは警察の人達がくるまでここで避難してて」

 

「う、うん!気をつけてね!ゆーくん」

 

雄介は頷き即座に立ち腹部に手をかざし構えを取り。

 

「‘‘変身‘‘!!」

 

その掛け声と共に雄介の体は青いクウガへと変身を遂げ高く飛び上がる。

 

屋上に着地しクウガは辺りを確認するが姿は見当たらず。

 

「やっぱり空の上から…なら!」

 

クウガは構えを取り姿を変えようとするが。

 

ガキンッ!と突然空の上から攻撃され超変身を妨害される。

 

「くっ!」

 

さして次々と上から攻撃されクウガは走り回る。

 

「駄目だ緑のクウガになれない!」

 

クウガが攻撃を避けている中、パトカーの音が聞こえ始める。

 

「一条さん達が到着したのか…」

 

クウガは一旦、下まで降り一条のパトカーを目で探す。

 

黒いパトカーを見つけ、そして一条もクウガの存在に気付く。

 

「中野、一体どうしたんだ?」

 

「一条さん!上から攻撃されています!車から出ず俺に銃を貸してください!」

 

「何!?わかった!」

 

一条は車の窓を開け銃をクウガの方に投げる。

 

クウガはそれを受け取り再び屋上までジャンプする。

 

一条は杉田に通信を掛ける。

 

「杉田さん!一条です!今、上空で未確認生命体の攻撃を受けている状態です!ですので車から出ず他の班にも待機命令を!」

 

『なにぃ!?わかった!他の班にも伝えておく!』

 

クウガは再び屋上に戻りもう一度構えを取り。

 

「‘‘超変身!‘‘」

 

その掛け声と共に青いクウガから緑のクウガへと変身を遂げた。

 

「っ!」

 

緑のクウガへとなり銃からペガサスボウガンに変わりその尾を引き辺りを見回す。

 

そして…。

 

バサッバサッバサッ!

 

羽の音が聞こえクウガはその方向へとボウガンを向ける。

 

だが…。

 

バシュッ!っと空から攻撃が来てクウガはそれを避ける。

 

「くっ!このままじゃ」

 

クウガはもう一度ボウガンを向け、そして体に放電が流れ金の緑のクウガへと変わる。

 

より一層、耳と目が強化されボウガンも変形する。

 

「そこか!」

 

クウガが敵の位置を確認しいざ放とうとした瞬間。

 

ブシュッ!っとクウガの腕に未確認の攻撃が貫通する。

 

「うっ!?ぐぅ」

 

クウガはその攻撃で膝を突き腕からボウガンを落とす。

 

「くっそっ!」

 

クウガはもう一度ボウガンを握るが未確認の攻撃が何回も続き撃てない状態でいる。

 

そんな中でもクウガは未確認の方向へとボウガンを向け。

 

「うおぉぉぉぉぉ!!!」

 

力を振り絞りボウガンを放つ。

 

「!?」

 

未確認もその攻撃に気付き一回目の攻撃を避けるが強化されたペガサスボウガンの矢からは三発撃っていてその後の二発がその未確認の翼へと直撃する。

 

「ぐぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

翼から紋章が現れてその未確認は自ら自分の翼をもぎ取り爆発を免れた。

 

 

「はぁはぁはぁ」

 

クウガは緑の限界を超え白いクウガへと変わっていたが敵の攻撃が来ない事を確認し安堵のため息をついた。

 

戦闘後、一条が駆けつけ雄介の元へと近づく。

 

「大丈夫か中野?怪我が」

 

「いえ、大丈夫です。段々治ってきてますし…でも」

 

「?どうした」

 

「一条さん、すいません…多分、奴を倒してないと思います」

 

「確かに爆発はしてなかったが…」

 

「撃ち落としたとは思うんですが…多分、まだ生きていると思います」

 

「…わかった。とりあえず未確認の事は我々に任せ君は少し休むといい」

 

「…わかりました」

 

雄介は一条の指示を受けエレベーターで下まで降り外に出る。

 

「ゆーくん!」

 

ことりは雄介を見つけ駆け寄る。

 

「大丈夫!?腕抑えているけど?」

 

腕を抑えている雄介を見て心配する。

 

「大丈夫だよ、ほら段々治ってきてるし」

 

雄介はことりに傷口を見せことりは怪訝な顔をし。

 

「ゆーくん、こっち来て」

 

「えっ?何で?」

 

「早く!」

 

「は、はい!」

 

ことりは雄介を近くのベンチに座らせ鞄から包帯等を取り出す。

 

「ゆーくん、じっとしててね」

 

「う、うん」

 

ことりは雄介の傷口を消毒し包帯を腕に巻く。

 

「ことりちゃん、俺の体は直ぐに治るから別にやらなくても」

 

雄介の言葉にことりは包帯を巻く手を止める。

 

「…ないで」

 

「えっ?」

 

「そんな事言わないでよ」

 

雄介は怒った顔をしたことりに驚く。

 

「ゆーくんだって私達と同じ人間なんだよ?確かにクウガの力で体は変化してると思うけど、それでもゆーくんは人間なの!だからもっと自分を大切にしてよ…」

 

「ことりちゃん」

 

そう言って、ことりは包帯を巻いていく。

 

「(ことりちゃんはまだ俺の事を人間って思ってくれてるんだな…)」

 

雄介は微笑み。

 

「ありがとう…ことりちゃん」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

皆はHRが始まる前に一度、部室に集まっていた。

 

「そう…やっぱり未確認生命体は出現したのね」

 

昨日の事を皆に話、一同がざわつく。

 

「あぁ…それも上から攻撃してくるから正直今回の奴はかなり厄介なんだ」

 

「でも、まぁことりも雄介も無事で良かったわ」

 

「でも、未確認が活動した事がわかった以上、みんな外に出る事は控えてくれ。それにいつ攻撃してくるかわからないから当分の間は屋上での練習は控えるようにしてほしい」

 

「そうね…雄介の言うとおりそうしましょうか」

 

学校の鐘が鳴り皆がそれぞれの教室に戻っている中。

 

「…これから、また未確認生命体が人々を襲い始めるのかな?」

 

「花陽…多分、いえ確実にそうでしょうね」

 

「それで、ゆーすけの負担もまた増えていくんだよね…」

 

凛が立ち止まり花陽と真姫が振り向く。

 

「凛、嫌だな…また辛い事が沢山起きるんだよね?」

 

「凛ちゃん」

 

「…そうね、雄介の新しい力だって正直まだ不安だし」

 

「これから、どうなっちゃうんだろ?」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー昼休みー

 

昼休みになり絵里達は一緒に昼食を取る。

 

「…えりち」

 

「ん?どうしたの希?」

 

「今、話す事やないんやろうけど、μ'sの事でな」

 

「μ'sの事…以前、私達が卒業したら続けるか否かって事?」

 

「うん、前はうやむやになったけど正直、穂乃果ちゃん達だけに答えを出させるのはちょっときついかもしれないんや」

 

「どういう事?」

 

「今、未確認生命体の出現でさらに雄介君のあの碑文の事だって一応はみんな納得はしてるけど正直不安やし皆、相当参ってると思う…それでμ'sの今後について考えていくのはちょっと負担が多いかもしれん」

 

「確かに希の言うとおりね…でも、どうしたら…」

 

キーンコーンカーンコーン

 

そうこう話していると昼休みの終わるチャイムが鳴り。

 

「この事は、また放課後話しましょ?」

 

「うん…わかった」

 

希はそう言い自分の席へと戻って行った。

 

 

ー放課後ー

 

放課後になり皆、部室へと集まる。

 

「みんな、練習を始める前に以前話したμ'sを続けるか否かをやっぱり皆で決めたいと思うの」

 

絵里の発言に皆が顔を見合わせる。

 

「どうして突然そのような事を?」

 

海未が質問し希が答える。

 

「今回の未確認生命体の出現、それに…」

 

希は雄介を見て。

 

「雄介君の事も」

 

「へっ?」

 

雄介はなんの事か分からず変な声を出す。

 

「一度、皆で話合うべきやと思うんや…これからのμ'sの事も」

 

皆が顔を見合せ沈黙する。

 

だが、最初に口を開いたのはにこだった。

 

「以前、真姫や花陽が言ってたわよね?私達が抜けたμ'sはμ'sと呼べるのかって…」

 

「…えぇ」

 

「う、うん」

 

「…正直、私も思うわアイドルには必ず卒業がある、そして次の子達に継いでもらいグループを継続していく…それが普通だと思っていた」

 

にこは皆を見て。

 

「気持ちはすごくわかる…だけどμ'sというグループが無くなるのはもっと苦しい」

 

「にこちゃん」

 

「ごめん、これが私の答えよ」

 

にこの答えに皆も同じ気持ちだ。誰もμ'sを失いたくない思いは皆の心の中にある。

 

「にこちゃんの気持ちすごく分かるよ」

 

花陽が口を開け答える。

 

「だけど、ごめんね…これは私のワガママなんだけどμ'sは私達だけの物にしたい」

 

「私達だけの?」

 

「うん、誰のものでもないこの9人だけの物にしたいの」

 

花陽の答えに希が涙を流す。

 

「ふふっ…花陽ちゃんの言うとおりや」

 

「希?」

 

「うちがどんな思いでこのグループにこの名をつけたのか自分自身が忘れてるなんてほんとサイテーやな」

 

希が顔を上げ答える。

 

「この9人だからこそなんよ…この9人だからこそこの名をつけた」

 

希が涙をふく。

 

「それ以上それ以下でもないんよ」

 

希の言葉に皆は微笑む。

 

「決まりだな…μ'sはこの9人」

 

雄介の言葉に穂乃果は頷き。

 

「うん、絵里ちゃん達の卒業と同時にμ'sは…おしまいにするよ」

 

ーーーーーーーーーー

 

その後、これからの目標そして雄介の事も話そうとしたが雄介自身が大丈夫の一点張りで今日は解散となっなりそれぞれの自宅へと帰宅し絵里も自分の家へと着きドアを開けたら亜里沙が出迎えに来てくれた。

 

「お帰りなさい!お姉ちゃん」

 

「ただいま、亜里沙」

 

絵里は自室へと入り着替えを済ませ夕食の準備に取り掛かかる。

 

「お姉ちゃん!私も手伝うよ」

 

「えぇありがとう」

 

2人で夕食を作っている中、亜里沙が今日の出来事を話そうとする。

 

「お姉ちゃん!私ね今日μ'sの歌たくさん練習したんだよ!」

 

「えっ?」

 

「今度ね雪穂とダンスの練習もするの!」

 

亜里沙が楽しそうに話している中、絵里は迷っていた。今日みんなと決めた事それを亜里沙に話すかどうかを。

 

「お姉ちゃん?…どうしたのボーッとしてるみたいだけど」

 

亜里沙の言葉にハッとなり我に帰る絵里。

 

「お姉ちゃん?」

 

絵里は悩んだ…今日の事を言ってしまえば必ず悲しむだろう…だけど絵里は覚悟を決める。

 

「亜里沙…お姉ちゃん今から亜里沙に大事な話があるの…聞いてくれる?」

 

「う、うん」

 

「じつわね…」

 

絵里は全てを話した。μ'sが自分達9人だけにしたい事、卒業と同時にμ'sは終わりにする事を。

 

「だから…ごめんね亜里沙」

 

絵里の言葉に返事をしない亜里沙。

 

「……ぃ、ゃ」

 

「えっ?」

 

「そんなの嫌だ!」

 

「あ、ありさ?」

 

亜里沙の突然の怒声に驚く絵里。

 

「私は!μ'sに憧れて!μ'sに入りたくて!音の木坂に受かる為にいっぱい勉強して!ダンスや歌もいっぱい練習して!それなのに!…それなのに」

 

「亜里沙…」

 

「お姉ちゃんだって応援してくれたのに!」

 

「そ、それは…」

 

「お姉ちゃんの嘘つき!お姉ちゃんなんて大ッッ嫌い!」

 

「亜里沙!」

 

亜里沙はそう言い走りだし家を飛び出した。

 

「亜里沙!待ちなさい!」

 

絵里も家を出て辺りを見渡すが、もう夜なので辺りは真っ暗だ。

 

「亜里沙!」

 

絵里はそれでも辺りを探し続ける。

 

「亜里沙ー!一体どこに行ったの?」

 

かれこれ30分ほど探したが亜里沙は見つけられず絵里は焦り始める。

 

「まずいわ…もし誰かに連れ去られたり最悪、未確認生命体に襲われたりしたら…」

 

絵里は急いで雄介に電話を掛ける。

 

『もしもし、どうした?』

 

「雄介!ごめん!いきなりだけど!」

 

絵里は雄介に全てを話す。

 

『…わかった、警察には?』

 

「まだ話してないわ」

 

『そうか…なら俺が探してみるよ。絵里はもう暗いし家に戻った方がいい』

 

「いえ!私も!」

 

『いや、いつ未確認生命体が現れるかわからないし、今回の未確認は空から襲ってくるから逃げようがない…もし襲われたりしたら本当に終わりだ』

 

「っ…でも」

 

『絵里、俺を信じてくれ必ず亜里沙ちゃんを見つけるから』

 

「わかったわ…雄介いきなりのお願いでごめんなさい。亜里沙をお願いします」

 

『了解!』

 

そう言い絵里達は通話を終える。

 

「亜里沙、無事でいて!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里からの連絡を受け雄介はバイクを走らせながら辺りを見渡す。

 

「どこにいるんだ?亜里沙ちゃん」

 

雄介が神田明神付近にバイクを停め階段を掛け昇る。

 

「やっぱり、そう簡単に見つからないか」

 

神田明神の辺りを見渡すが亜里沙はおらずバイクの元へと戻ろうとしたら。

 

「ぅっ…ぐすっ」

 

微かだが泣いてるような声が聞こえた。

 

「まさか…」

 

雄介は裏の方へと走ると亜里沙がしゃがみ込んで泣いていた。

 

「亜里沙ちゃん」

 

雄介の声に亜里沙が気付く。

 

「雄介…さん?」

 

雄介が亜里沙の近くに行きその隣にしゃがむ。

 

「良かった無事で。絵里が心配してたよ?」

 

「ごめんなさい」

 

亜里沙は涙を拭き答える。

 

「お姉ちゃんから聞きましたよね?」

 

「…うん」

 

「わかっています。μ'sの皆さんが決めた事なのに、お姉ちゃんに当たって家を飛び出して」

 

「うん」

 

「それでも私、μ'sが大好きだから…μ'sと一緒に歌いたかった」

 

「…寂しくなるよね。μ'sが終わっちゃうのは」

 

「はい」

 

「俺も寂しいよ。俺だけじゃないμ'sの皆も寂しいんだ。でも彼女達が決めた事なんだ」

 

雄介は立ち上がり。

 

「μ'sはこの9人だからこそμ'sだと。それを大事にしたい…それが彼女達の答えなんだ」

 

「…はい」

 

「でも、スクールアイドルはμ'sだけじゃない無限にあるんだ。亜里沙ちゃん他の道もあるんじゃないか?」

 

雄介は亜里沙の手を取りゆっくり立ち上がせる。

 

「その答えを君自身で見つけてほしい」

 

「雄介さん」

 

雄介は亜里沙にサムズアップをする。

 

ーーーーーーーーーー

 

雄介達が階段を降りバイクの元へと向かうと通信が入る。

 

『中野雄介、聞こえるか!』

 

「俺です!」

 

『たった今、情報が入り監視カメラの一部に奴の姿を捉えた。その場所にすぐ向かえるか!』

 

「わかりました!すぐに向かいます!それと一条さん、また銃を貸して貰えませんか!?」

 

『わかった!』

 

通信を終え雄介はバイクに乗る。

 

「亜里沙ちゃん、ちょっと待っててね直ぐに戻ってくるから」

 

「はい、気をつけて下さいね」

 

雄介は頷きバイクを走らせ現場に急行する。

 

ーーーーーーーーーー

 

知らさせた場所に雄介は向かい反対車線に一条がやって来る。

 

「一条さん!」

 

「中野!」

 

一条は胸元から拳銃を取り窓から腕を出し雄介はその銃を受け取る。

 

「‘変身‘!」

 

雄介はその掛け声と共に緑のクウガへと変身を遂げる。

 

「聞こえる…奴の翼の音が!」

 

その音と同時に上から攻撃が降ってくる。

 

「くっ!」

 

クウガはギリギリにかわしバイクからジャンプし一気に金の力を解放する。

 

「今度こそ息の根を止めてやるぞクウガ!」

 

ブウロはそう言い再びクウガに攻撃を仕掛ける。

 

「はっ!」

 

クウガは強化された超感覚でローリングしてその攻撃をかわしライジングペガサスボウガンの尾を引っ張る。

 

「ふっ!」

 

そしてボウガンを解き放つ。

 

バシュン!バシュン!バシュン!

 

「なっ!?」

 

三発の矢がブウロの体に命中した。

 

「ぐぅぅぅぅぅあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

封印の紋章がブウロのベルトに到達し空中で大爆発を起こした。

 

「ふぅ」

 

クウガは空を見上げる中ボウガンを下ろした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

事件が解決し雄介は絵里の自宅へと向かい玄関のチャイムを鳴らす。

 

「雄介!?亜里沙は!?」

 

勢いよく扉を開け雄介に問いただす。

 

「大丈夫だよ、ほら」

 

雄介の後ろから亜里沙が姿を現す。

 

「お姉ちゃん?」

 

「亜里沙!良かった!無事で本当に!」

 

「ごめんなさいお姉ちゃん迷惑かけて」

 

「いいの私も悪かったわ」

 

絵里と亜里沙が抱きしめ合う中。亜里沙は心に決めた事を絵里に話す。

 

「お姉ちゃん私ねスクールアイドルやりたい」

 

「亜里沙?」

 

「でも、私がやるスクールアイドルはμ'sじゃない大好きなμ'sには私はいない」

 

「亜里沙…」

 

「だから、私は私なりのハラショーなスクールアイドルを作っていきたいと思う。だからお姉ちゃん…私の事応援してくれる?」

 

「えぇ…えぇ!勿論よ!応援するわ!これからもずっとね!」

 

「ありがとう!お姉ちゃん!」

 

2人の笑顔が戻り雄介は微笑みそっとその場なら離れる。

 

「良かったな絵里。頑張れよ亜里沙ちゃん」

 

雄介はそう言いバイクに乗り走りだして行った。

 

ー第20話 選択endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




気がつけば7ヶ月以上放置状態。…本当に申し訳ないです。
不定期てすが、これからも頑張って書き続けますのでどうかよろしくお願いします。


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第21話 異変

第20号を倒した矢先、ある場所で奇妙な事件が起こっていた。
その事件がきっかけに雄介の戦いが激化していく。


第20号を倒した数日後。雄介は一条から連絡が入りある県に調査に向かってくれないかと言われた。

 

その調査とは、そう県である学校の生徒が謎の失踪事件が複数起きているという内容だった。

雄介は最初なぜ自分が?と思っていたが。ある証言によると謎の巨大生物が人をさらって空を飛んでいると言う情報が流れ未確認生命体の仕業なんじゃないかと推測された。

 

雄介は了承したが一条はある調査で一緒に同行できず以前、長野で勤めていた部下である亀山という警察官が同行するという話らしい。

 

雄介は最後にどこに向かえばいいのかと尋ね。一条は答えた。

 

静岡県 沼津市 浦の星女学院。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雄介は一条から連絡を受けたその県に向かいバイクを走らせること数時間。待ち合わせの場所に到着しバイクを停めると。1台のパトカーが停まっていた。

 

そしてパトカーのドアから1人の警察官が出てくる。

 

「始めまして。未確認対策本部から命を受け今回の調査に加わる長野県警の亀山鶴丸と申します。あなたが中野雄介さんですか?」

 

「はい、中野雄介です。今回はよろしくお願いします」

 

「こちらこそよろしくお願いします。突然ですが中野さん今回の事件の事一条さんからどれくらい聞いてますか?」

 

「えーっと、浦の星っていう女子校の生徒が次々と行方不明になっているって事ぐらいですね」

 

「やはり、僕と同じですね…じゃあ巨大な生物が人をさらっているって事とかも?」

 

「はい、聞いてます。それが未確認生命体の仕業なんじゃないかと一条さんが言っていました」

 

「そうですね。それじゃあ今から聴き込みに行きましょうか」

 

「浦の星にですか?」

 

「えぇどんな些細な事でも分かれば少しでも有力になるはずです」

 

「わかりました。行きましょう!」

 

雄介と亀山はバイクとパトカーにエンジンを掛け浦の星に向かう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー浦の星女学院ー

 

学校は放課後の時間になり部活に向かう生徒やそのまま帰る生徒もいる。そして1人の少女が学校の門を出ようとした瞬間。

 

「おーい!千歌ちゃーん!」

 

「あっ…よーちゃん」

 

千歌ちゃんと呼ばれたその少女は振り向き手を振りながら走ってくる少女に同じく手を振り替えした。

 

「千歌ちゃん、今日もお家の手伝い?」

 

「…うん、そうなんだ」

 

「そっかぁ…千歌ちゃんに水泳部の練習見てもらいたかったんだけどなぁ」

 

「ごめんね、今度見に行くから」

 

「ほんと!?約束だよ!」

 

「うん…約束」

 

「あっそれとね千歌ちゃん」

 

曜が千歌に何か言うおうとした時。

 

「おーい渡辺さーん!練習始まるよぉー!」

 

水泳部の部員が曜を呼びに来ていた。

 

「よーちゃん呼ばれてるよ?」

 

「あっうん、千歌ちゃんごめんね行ってくるね」

 

「うん、いってらっしゃい頑張ってね」

 

曜はニコッと笑い水泳部の方へと向かって行った。

 

千歌は振り向き帰ろうとしたら学校に1台パトカーがある事に気付いた。

 

「警察?行方不明事件の事かな?」

 

千歌は疑問に思うも特に気にする事なく学校を出ていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

千歌が自分の家の近くある海辺に来て砂浜に座る。

 

「また、よーちゃんに嘘ついちゃったな」

 

さっき曜に言われた家の手伝いがある。そう答えたがそれは嘘で曜から離れる口実に過ぎなかった。

 

「こんなんじゃ駄目だよね私」

 

千歌と曜は幼馴染みで小さい頃からの大親友な関係だが、曜は器用で何でもそつなくこなす言わゆる天才で水泳部のエースとまで言われている。千歌はそんな曜を後ろから見る事しか出来ず最初、曜に水泳部に来ないかと誘われたが断った。

 

「でも普通怪獣の私に何か出来る事なんてあるのかな?」

 

千歌はそう言い自分の家へと戻って行った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー夜ー

 

雄介と亀山が調査を終え今日泊まる宿へと到着した。

 

「やっぱり、情報はあまり得られませんでしたね」

 

「ですね…巨大生物も噂なんじゃないかと言われてますし」

 

「そうですね、とりあえず中に入りましょうか?」

 

「あっはい、ここが今日から泊まる十千万って所なんですね?」

 

「はい、とても有名な所なんですよ」

 

「へぇ~」

 

雄介と亀山は入り口を通りると。

 

「いらっしゃいませー、ご予約の方でしょうか?」

 

カウンターにいた女性が亀山に尋ねる。

 

「はい、予約した亀山です」

 

「亀山さん…亀山さん…あっ2名で予約されてますね。それではお部屋にご案内いたしますのでお荷物をお待ち下さい」

 

雄介と亀山は女性の指示通り荷物を持ち部屋に案内された。

 

「ここが、お二人のお部屋でございます」

 

案内された部屋の中は2人には十分大きすぎるほどの広さだった。

 

「それでは、お時間になったらお食事をお持ちいたしますので、それではごゆっくり」

 

女性はそう言い襖をゆっくり閉めた。

 

「ふぅ中野さん、僕はさっそくお風呂に行きますが中野さんはどうします?」

 

「あっじゃあ俺もっ」

 

そう言い掛けた時、雄介の携帯が鳴りスマホを取り出す。

 

「あー俺は後で入ります」

 

「そうですか、じゃあお先に」

 

亀山はそう言い部屋を後にし雄介はスマホの画面をスライドさせる。

 

「はい、もしもし」

 

『あっ!お兄ちゃん、もうそっちに着いたの?』

 

電話の相手は梓からだった。

 

「うん、もう旅館に着いた所だよ」

 

『そっか、どれくらいで帰ってこれそう?』

 

「えっ?(もう、そんな話?いくらなんでも早いな)」

 

『お兄ちゃん?』

 

「えっ?あっあぁ梓はそんなにお兄ちゃんに早く帰って来て欲しいのかぁ本当にかわいんだからぁ」

 

『…』

 

「ん?梓?」

 

『お兄ちゃん、帰って来たら覚えててね』

 

そしてブツッ!と電話切られてしまった。

 

「…これは、怒らせちゃったかなぁ」

 

雄介は頭をかきながらスマホを置き銭湯に向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

入浴を終え食事が運ばれる時間になり雄介と亀山は今回の事件で話し合っていた所、襖の向こうから声が聞こえた。

 

「失礼します」

 

襖が開けられ。

 

「お食事をお持ちいたしました」

 

そこに入ってきた女の子、さっきの女性とは違い雄介と年は近く見えた。

 

「(高校生か?…いや待てこの制服!)」

 

エプロンの隙間から見えた制服…それは。

 

「すみません、ひょっとして浦の星女学院の生徒ですか?」

 

雄介がそう尋ねると。

 

「あっはい浦の星の2年生、高海千歌といいます」

 

彼女がそう答えると。雄介と亀山が顔を見合わせ。

 

「すみません、突然なんですが我々は今、浦の星女学院で起こっている事件でここに調査で来たのですが」

 

亀山は警察手帳を見せ。

 

「なにかお気付きな事はございませんか?些細な事でもいいんです」

 

千歌は考えるが。

 

「すみません、私は失踪事件としか…学校の噂では神隠しとか聞いてないです」

 

「そっか…今日、聞き込みした時と同じ感じだな」

 

「すみません、お役に立てず」

 

「いや、いいんです。こっちこそお仕事の最中にすみません」

 

千歌は頭を下げ部屋を後にした。

 

「やっぱり、張り込みで学校の様子をみるしかないんじゃないんですか?」

 

「そうですね…明日から張り込み調査に行きましょうか」

 

雄介と亀山が明日の事を話し合い時間が過ぎていった。

 

ー深夜ー

 

雄介は眠りから目を覚まし部屋を出る。

 

「うぅ〜トイレ、トイレ」

 

すると、どこからか聞いたような音楽が聞こえる。

 

「この歌…」

 

雄介はその音楽が聞こえる方へと足を運ぶ。

 

雄介はその音楽が流れている部屋に着き襖を開け。

 

「やっぱりμ'sの曲だ」

 

「わっ!?」

 

突然の声にビクンッ!と飛び跳ねる千歌がいた。

 

「あっごめんね、驚かせて」

 

「ほんとですよ…びっくりしちゃいました」

 

たどり着いた場所そこは千歌の部屋だった。

 

「それと中野さんですよね?…女の子の部屋にノックもせず開けるなんてちょっとひじょーしきですよ?」

 

「あはは、ごめんごめん。μ'sの歌が聞こえたからさ」

 

「えっ?中野さんμ'sの事、知ってるんですか」

 

「まぁね、俺そのμ'sの子達と一緒の学校通ってるし」

 

雄介がそう答えると千歌は目を輝かせて。

 

「中野さん!その話もっと詳しく!」

 

「お、おおぉぅ」

 

雄介はμ'sの事それと自分がマネージャーである事を千歌に話した。

 

「ほぇ〜中野さんって高坂穂乃果ちゃん達と幼なじみなんですね」

 

「うん、それで幼なじみトリオで最初のμ'sを結成したんだ」

 

「それがあのSTARTDash3人verなんですね!?」

 

「そうそう!高海さん詳しいねぇ」

 

「もっちろん!μ'sの大ファンですから!」

 

「嬉しいな遠い県でもファンがいてくれて」

 

「えへへ、あっもっともっと聞かせて下さい!」

 

「いいよ…そう言えばさ高海さんって高校2年だよね?」

 

「ほぇ?そうですけど?」

 

「そっか、じゃあ俺と同い年だからさ敬語はなしにしない?」

 

「えっ?中野さんがよければ」

 

「よし!じゃあ名前もさ下の名前で呼ぼうよ、俺は中野雄介。雄介って呼んでくれ千歌ちゃん!」

 

千歌は嬉しそうな顔になり。

 

「うん!よろしくね!ゆうすけ君!」

 

ーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

「中野さん…中野さん!」

 

「ふぁ…」

 

亀山に揺さぶられ起きる雄介。

 

「おはようございます。亀山さん」

 

「おはようございますじゃないですよぉ。もうとっくに起きる時間ですよ」

 

亀山にそう言われ雄介は時計を見る。

 

「…8時50分、す、すいません!完全に寝坊しました!」

 

「とりあえず、支度をして学校に向かいましょう。朝食なら途中のコンビニで買って行きましょう」

 

「はぃ…ほんとすいません」

 

雄介は支度を始め。準備が整い旅館を後にする。

 

ー浦の星女学院ー

 

授業の一時間目が終わった頃、千歌は同じクラスメイトで友達の桜内梨子と昨日、雄介との会話で盛り上がっていた。

 

「それでね!それでね!」

 

話している途中、トイレから戻ってきた曜が千歌と梨子が会話している所を見て曜も駆け寄る。

 

「千歌ちゃん!梨子ちゃん!何の話しているの?」

 

「あっ!よーちゃん!昨日ね家に泊まりに来た人が面白い人で!」

 

千歌が話そうとすると。

 

「渡辺さーん!」

 

廊下から曜を呼ぶ人が。

 

「あっ水泳部の先輩だ。ごめん千歌ちゃん!ちょっと行ってくるね!」

 

「あっよーちゃん」

 

そう言って曜はその先輩の所へと行ってしまった。

 

「曜ちゃん相変わらず忙しそうね」

 

「うん…そうだね」

 

「水泳部のエースだもんね」

 

梨子がそう言うと千歌は悲しそうな顔をしていた。

 

「大丈夫よ。曜ちゃんすぐに戻ってくるから、そんな悲しそうな顔しないで?」

 

「…うん」

 

ーーーーーーーーーーー

 

一方その頃。雄介と亀山が学校に着き張り込みを開始していた。

 

「それにしても、こんな真っ昼間から現れますかねぇ?」

 

「油断は出来ません。中野さん!しっかり見張っててくださいね!」

 

「了解です」

 

雄介は買ってきたサンドイッチを食べながら学校を見張る。

 

ーーーーーーーーーーー

 

もうすぐ二時間目が始まる頃、教室に戻る一年生。黒澤ルビィと国木田花丸そして津島善子。

 

「よしこちゃんがおトイレ長いからもうすぐ二時間目が始まっちゃうずら!」

 

「だってしょうがないでしょ!昨日アイス食べすぎたのよ!それによしこ言うなー!」

 

「えへへ、よしこちゃんルビィもアイス好きだから食べすぎちゃうんだよねぇ」

 

「そうよ!アレは人を惑わす危険な食べ物よ!この堕天使ヨハネもその魅惑には勝てなかったわ!」

 

「はいはい、そんな事言ってないで急ぐずらよー」

 

「ずら丸が冷たい!」

 

3人が教室に向かう中、ルビィは足元になにか引っかかるような感じがした。

 

「ん?なんだろ?」

 

「どうしたのルビィちゃん?」

 

花丸が振り向いたその瞬間。ルビィの姿はなかった。

 

「…え?」

 

その直後上の階からバリーン!!!とガラスが割れる強烈な音が鳴り響く。

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

その悲鳴は学校の外から聞こえ。花丸と善子が窓の外を見ると。

 

「ルビィちゃん!?」

 

「ルビィ!?」

 

ルビィは何かに巻きつかれているかのような状態であり、その横には人ではない者がルビィを捕らえていた。

 

「助けて!おねーちゃあぁぁぁーーー!!!」

 

その悲鳴が雄介達にも聞こえ上を見上げた瞬間。その生物とルビィが連れ去られている瞬間を目撃した。

 

「亀山さん!」

 

「まさかさっきのが!?本当に未確認生命体なのか!?」

 

「とにかく奴を追いましょう!」

 

雄介はバイクにエンジンをかけ一気に発進する。亀山も雄介に続き未確認を追いかける。

 

その生物は建物を転々と掛け飛び回るかのように移動している。

 

「くっ!奴のスピードが早い!」

 

『どうします?』

 

無線で亀山からの声が聞こえ雄介はある提案をする。

 

「亀山さん、俺に銃を貸して下さい」

 

『銃ですか!?』

 

「はい、緑のクウガの矢で奴とあの子を引き剥がします!」

 

『!?そんな事したらあの子がそのまま落下しちゃいますよ!』

 

「大丈夫です!とにかく今は俺を信じてください!」

 

『…わかりました!』

 

雄介はスピードを緩め、亀山は車の窓を開け雄介に拳銃を渡す。

 

受け取った雄介はスピードを上げ。変身の構えをとる。

 

「‘‘変身‘‘!」

 

雄介は青いクウガへと変身を遂げ、高い建物へとジャンプする。

 

「っ!」

 

着地しクウガは拳銃を構え。

 

「‘‘超変身‘‘!」

 

青いクウガから緑のクウガへと変わる。

 

「…」

 

クウガは五感を研ぎ澄ませペガサスボウガンの尾を引っ張り、狙いを定めルビィを縛っているその糸を持っているその未確認の手をクウガは狙う。

 

そして…。

 

「っ!そこだ!」

 

クウガはボウガンを発射させ見事に未確認の手にボウガンの矢が直撃する。

 

「!?」

 

未確認の手が弾け飛びルビィもそのまま落下してしまう。

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「くっ!‘‘超変身‘‘!!!」

 

クウガは青いクウガへと変わり、そのまま一気にジャンプし落下しているルビィをキャッチする。

 

「ピギィ!?」

 

ルビィは何が起きたか分からない内に地上へと着地していた。

 

「大丈夫?」

 

「へ?…あの、もしかして4号さん?」

 

クウガはルビィを降ろし、そのまま頭を撫でる。

 

「無事で良かった」

 

そして亀山も到着し。

 

「中野さん!」

 

「亀山さん!この子をよろしくお願いします!」

 

「は、はい!」

 

亀山はルビィをパトカーに乗せる。

 

「後は俺が!」

 

「はい、気をつけて!」

 

そう言い亀山はパトカーを走らせて行った。

 

「よし」

 

クウガが振り返ると糸状な物が飛んで来たがクウガはそれを避ける。

 

そして、その未確認は糸をつたって降りてくる。

 

「貴様、よくも俺の食事を…何者だ!」

 

その未確認は顔を上げると驚いたような表情をしていた。

 

「!?な、なんで、なんでこの世界に仮面ライダーがいるんだ!?」

 

未確認の意味不明な言葉にクウガは疑問を抱く。

 

「仮面ライダー?」

 

「この世界にも現れたのか!ライダーめ!」

 

「さっきから意味わかんねぇ事いいやがって!お前の目的は何だ!?あの学校にいる生徒達を狙う事が今回のゲームのルールなのか!」

 

「ゲーム?何の事だ?」

 

「なに?」

 

「あそこにいる女どもは俺の食事になる者と俺の子を増やす為の道具にすぎない」

 

「子を増やす…?どういう事だ?」

 

「女どもに俺の種を植え付け産ませる。あの年頃の女がちょうどいいからな」

 

ニヤッとその未確認は笑い。それを見たクウガは拳を握る。

 

「じゃあ、お前が攫った女の子達は…?」

 

「あぁ俺の子が今頃、元気に育ってるよ女の腹の中でっ」

 

未確認が言い切る前にクウガは赤いクウガに変わりその未確認を殴り飛ばす。

 

「ぐはっ!!!」

 

その勢いに未確認は弾け飛び壁に激突する。

 

「(な、何だ!?色が変わった!?こんなライダー見たことないぞ!?)」

 

未確認が驚いているとクウガはゆっくり近づく。

 

「今まで、色んな未確認と戦ってきたが、お前みたいな胸糞わりぃ奴は初めてだ」

 

クウガは拳を握りしめ。

 

「お前だけは…お前だけは絶対に許さねぇ!」

 

クウガはさらに追撃をしようとしたが未確認が糸を吐きクウガのパンチを避ける。

 

「貴様さっきから、未確認未確認と…俺は偉大なるショッカーの怪人蜘蛛男だ!」

 

蜘蛛男は口から毒針をクウガに目掛け放つがクウガはそれを避ける。

 

「ショッカー?何だそれは?」

 

「貴様、ライダーのくせにショッカーも知らないのか?」

 

「くっ!ショッカーだのライダーだの意味不明な事ばっか言いやがって!」

 

クウガは駆け出し蜘蛛男目掛け攻撃を仕掛けるが紙一重の所で蜘蛛男は躱わす。

 

「くっ!おりぃやぁ!」

 

ブンッ!とキックをするが蜘蛛男はジャンプして躱し逆にキックを喰らわせられる。

 

「ぐわっ!」

 

ズサッ!とクウガは攻撃を耐えきるが蜘蛛男は口から糸を吐きクウガの体を巻き付ける。

 

「くっ!しまっ!」

 

巻き付けた糸を持ち蜘蛛男は勢いよく回し。

 

「おらぁ!」

 

そのままクウガを投げ飛ばした。

 

「うわぁぁぁぁーーーーー!!!!!」

 

クウガは建物中のガラスを突き破り中に激突してしまった。

 

「ふっ…その程度がライダー!」

 

蜘蛛男がそう叫ぶと建物中からクウガは助走をつけ。

 

「おりぃやぁぁぁぁーーーーー!!!!!」

 

蜘蛛男目掛けマイティキックを炸裂した。

 

「まずい!」

 

蜘蛛男は口から糸を出し周りを糸で囲い防御を固めるが。

 

「だぁぁぁぁーーーーー!!!」

 

クウガのマイティキックがその糸を貫通し蜘蛛男の体に直撃する。

 

「ぐわぁぁぁぁーーーーー!!!!!」

 

蜘蛛男は吹き飛び壁に激突する。クウガは着地し蜘蛛男の様子を伺う。

 

「ガハッ!」

 

蜘蛛男が口から血を吐き出すが決定打にはならなかった。

 

「くそっ!駄目だったか!」

 

クウガは構えると。

 

「くそっ!こいつは予想以上だ!」

 

蜘蛛男はそう言い口から大量の糸を出す。

 

「くそっ何だ!?」

 

クウガは糸を払いのけるが目の前にいた蜘蛛男の姿が消えていた。

 

「まさか…逃げたのか?」

 

クウガは辺り一面を見渡すが蜘蛛男の姿はなかった。

 

「奴は他の未確認とは違う…一体何者なんだ?」

 

ーーーーーーーーーーー

 

雄介が学校に戻り亀山と合流する。

 

「亀山さん!」

 

「中野さん!未確認生命体はどうなりましたか?」

 

「すみません、逃してしまいました」

 

「そうですか…」

 

「ですが、今回の未確認…何か変なんです」

 

「変?…とは」

 

「今までの未確認はゲームのルールで人を襲っていたんですが、今回の未確認はここにいる学校の生徒を攫い自分の食事、もしくは子を増やす道具と言っていたんです」

 

「子を増やす道具とは?」

 

「彼女達に自分の子供を産ませ増やす意味だそうです」

 

「何ですって!?」

 

「後、その未確認、意味不明な言葉を口にしたんです」

 

「どんな事ですか?」

 

「その未確認、自分の事は偉大なるショッカーだとか。後、俺の事は仮面ライダーだとか言ってましたね」

 

「ショッカー…仮面ライダーですか」

 

「はい」

 

「確かにそれは謎ですね」

 

亀山は少し考え。

 

「とにかく今は捕まった生徒達を救出するのが先ですね。これ以上被害が大きくならない内にそのショッカーの未確認を見つけなくては」

 

「そうですね」

 

ー浦の星女学院ー

 

「ねぇさっきの騒ぎうちの1年生が未確認生命体に捕まって連れて行かれたらしいよ」

 

「えぇ!?それ本当!?」

 

さっきの騒動がクラスの噂になっており千歌達の所にも耳に入る。

 

「やっぱり未確認生命体の仕業だったんだね」

 

「東京に限らずここにも現れるなんて」

 

千歌と梨子が話している中、曜が携帯で何かを見ている。

 

「よーちゃん何見てるの?」

 

「んー?その事、もうネットに載ってるよ。捕まった子は無事だったみたい」

 

「えっ?もうネットに載ってるの!?」

 

「でも、どうやって助かったのかしら?」

 

「どうやら未確認生命体第4号が助けてくれたらしいよ」

 

「4号って、あの4号!?」

 

「まさか、東京から来てくれたのかしら?」

 

「どうだろ?」

 

千歌達が話していると突然、担任の先生が入ってくる。

 

「皆さん、突然ですが今から学校は休校になる事になりました」

 

先生の言葉にクラスメイト全員がざわつく。

 

「皆さんも知っている通り、未確認生命体が現れ生徒を襲う事件が先程あったので、皆さんにはこれから下校して頂き自宅待機としていただきます」

 

それから先生の言われた通りに支度し準備を済ませ学校にいる生徒全員が一斉下校となった。

 

千歌達が歩いていると所々に警察官が各場所に配置している所によると本当に只事ではないと千歌は思った。

 

「本当に警戒しているんだね」

 

「そうね実感わかないよ」

 

千歌と梨子が話している中、曜はずっと黙ったままだった。

 

「よーちゃんどうかした?」

 

曜の様子が気になり千歌は話し掛ける。

 

「えっ?あっ何でもないよ」

 

「そう?」

 

ーーーーーーーー

 

ー十千万ー

 

「ただいまー」

 

千歌が帰宅するとこの家の長女で千歌の姉である志麻が出迎えてくれた。

 

「おかえり千歌ちゃん…学校の方は大丈夫だった?」

 

「うん、何とか…攫われた子も無事みたいだし」

 

「そう、良かった。あっそれとね千歌ちゃん昨日から泊まっている亀山さんという方が千歌ちゃんにお話あるみたいなの」

 

「(亀山さん…という事は、ゆうすけ君も一緒の所か)」

 

「うん、わかった。着替えたら行くよ」

 

千歌はそう言い自分の部屋へと戻り着替えを済ませ雄介達のいる部屋へと向かう。

 

「すみません高海千歌です。今、入っても大丈夫でしょうか?」

 

「どうぞ」

 

部屋の奥から声が聞こえ千歌は襖を開ける。

 

「失礼します」

 

「高海さんすみません。突然お呼び出ししてしまって」

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

「おかえり千歌ちゃん」

 

「ただいま、ゆうすけ君」

 

千歌と雄介のやりとりに亀山が目をパチクリさせ。

 

「えと…お二人はもう仲良しに?」

 

「はい、昨日夜から」

 

「昨日の夜?…はっ!中野さん!今日寝坊したのは昨日、高海さんといかがわしい事を!?」

 

「えっ!?いやっ!千歌ちゃんとは俺の通っている学校のアイドルの事で話が盛り上がって仲良くなっただけで、いやらしい事は何も!」

 

「そうですよ!何もありません!」

 

「そうですか?ならいいのですが…とっすみません話がそれてしまいましたね。高海さんをお呼びした訳なんですが、今回の未確認生命体の目的、どうやら浦の星女学院の生徒全員が標的だとわかりました」

 

「えっ全員なんですか?」

 

雄介が頷き。

 

「うん、全員…奴は学校に通っている生徒全員を食事または子を増やす道具として見てる」

 

「子を増やすって?」

 

「…言いにくいんだけど、奴は捕まえた子達に奴の子供を産ませるらしい」

 

「なに…それ」

 

「今回、捕まりそうになった黒澤さんは食事だと中野さんから聞きました」

 

「って言うことはもし助からなかったら、あの1年生の子は食べられてたって事?」

 

「そういう事になるな」

 

千歌は苦虫を噛み潰したような表情になり。

 

「最低だよ、その未確認」

 

「だから千歌ちゃんも用心して、できるだけ外には出ないでほしい」

 

「学校も当分は休校になると思われますので」

 

「…わかりました」

 

千歌は話を聞いた後、部屋を出ていき雄介と亀山の2人となる。

 

「…亀山さん」

 

「なんですか?」

 

「正直、俺このまま奴が大人しくするとは思えないんですよ」

 

「そうですね…より警戒も強めた方がいいでしょう」

 

「はい」

 

ーーーーーーーーーーー

 

ー夜ー

 

千歌は自室のベッドに横たわりスマホのラインを開く。

 

ー千歌ー

 

∠∠∠よーちゃん今、大丈夫?

 

千歌は曜にラインを送る。

 

しばらくして。

 

ー曜ー

 

∠∠∠大丈夫だよ。どうしたの?

 

ー千歌ー

 

∠∠∠この間話したと思うけどさっき家に泊まりに来ている警察の人が言ってたの当分学校休校になるかもだって。

 

ー曜ー

 

∠∠∠そうなんだ…。まぁあんな事があったからね。

 

ー千歌ー

 

∠∠∠よーちゃんも当分部活休みなのかな?

 

ー曜ー

 

∠∠∠学校が休校ってなると、そうなるかもね。

 

ー千歌ー

 

∠∠∠そっか…あのね、よーちゃん…よければなんだけど、明日会えたりしないかな?

 

ー曜ー

 

∠∠∠えっ?でも、大丈夫かな?

 

ー千歌ー

 

∠∠∠ちょっとだけ!ちょっとだけでいいから!お願い!

 

ー曜ー

 

∠∠∠…わかった。他ならぬ千歌ちゃんの頼みだもんね。

 

ー千歌ー

 

∠∠∠ありがとう!よーちゃん!

 

ー曜ー

 

∠∠∠でも、どうする?どっちかの家に集まるとか?

 

ー千歌ー

 

∠∠∠海に行こうよ!久々によーちゃんと海に行きたい!

 

ー曜ー

 

∠∠∠えっ?海!?でも外は…。

 

ー千歌ー

 

∠∠∠ほんのちょっとだけだから…お願い!

 

ー曜ー

 

∠∠∠…わかった。海、行こっか。

 

ー千歌ー

 

∠∠∠ありがとう!よーちゃん!時間はまた後で知らせるから。

 

ー曜ー

 

∠∠∠了解であります!

 

ー千歌ー

 

∠∠∠それじゃあ、また明日。おやすみよーちゃん。

 

ー曜ー

 

∠∠∠うん、また明日。おやすみ千歌ちゃん

 

千歌は曜とのやり取りを終えスマホを充電器に挿す。

 

「たのしみだなぁ〜久々によーちゃんと遊べるもんね」

 

千歌はそう言い自分の部屋を出てトイレへと向かう。

 

「ふぅ」

 

千歌はトイレから出て自室に戻ろうとしたら偶然、雄介と出くわす。

 

「あっ千歌ちゃん」

 

「ゆうすけ君、もう寝るとこ?」

 

「もうちょっとしたらね」

 

「そうだ!ゆうすけ君!昨日のお話の続きしようよ!」

 

「えっ続き?…まぁいいけど」

 

「ありがと!じゃあさっそく行こ!」

 

「りょーかい」

 

雄介は千歌に連れられ千歌の自室へと向かう。

 

ーーーーーーーーーー 

 

一通り千歌と話した後、雄介は飾られているコルクボードに目が行った。

 

「千歌ちゃん、あそこに貼っている写真。千歌ちゃんともう1人の子が沢山写ってる写真があるね」

 

「あっうん、幼なじみの渡辺よーちゃんって言うんだ」

 

「へぇ〜今でも同じ学校に通っているの?」

 

「うん、一緒だよ」

 

「そうなんだ」

 

「よーちゃんはね、学年問わず人気者なんだ。部活の水泳ではいつも大会で優勝しちゃうし、勉強も出来るし皆のヒーローって感じ」

 

「すごいな、千歌ちゃんにとっても嬉しいんじゃない?曜ちゃんが人気者って」

 

「…あはは、そうだね」

 

「千歌ちゃん?」

 

「あっごめん、ゆうすけ君そろそろ時間だし寝よっか」

 

「あっあぁわかった。おやすみ千歌ちゃん」

 

「おやすみ、ゆうすけ君」

 

雄介は部屋を出た後、疑問に思った。

 

「(千歌ちゃん、あの時一瞬寂しそうな顔してたな)」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

今日は土曜日。元々学校が休みな為、千歌はひと目も気にせず出掛ける準備を済ませすぐに家を出て曜との待ち合わせの場所へと向かった。

 

千歌は、今日電話で待ち合わせした場所まで向かうと、そこには曜がすでに到着していた。

 

「よーちゃん、お待たせ早いね」

 

「うん、千歌ちゃんと会うのが楽しみだから早く来ちゃった」

 

曜の言葉に千歌はドキンッ!と胸を打つ。

 

「千歌ちゃん?」

 

「あっあはは!ごめん!ごめん!ちょっとぼーっとしちゃってた」

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫だよ、ほらよーちゃん行こ!」

 

千歌は曜の手を握り一緒に歩きだす。

 

約束した海へと着き曜と千歌は砂浜に座り2人で話し合った。

 

千歌にとっては久々の2人での会話。とても小さな事でもすごく楽しく会話が弾んだ。

 

会話が一区切りつき曜は千歌の顔を見る。

 

「よーちゃん?どうしたの?」

 

「千歌ちゃん私ね…高校卒業したら東京の大学に行くんだ」

 

「…え?」

 

「私さ小さい頃からパパに憧れて船の船長になるのが夢だったでしょ?それを叶えたくって」

 

それに…。っと続けて言うとした時、千歌は頭を下げていて表情が見えなかった。

 

「千歌ちゃん?」

 

「…して」

 

「えっ?」

 

「どうして、よーちゃんは私を一人にするの?」

 

千歌の思い掛けない言葉に曜は言葉つまる。

 

「ずっと…ずっとよーちゃんの側にいたいのに!」

 

「ち、千歌ちゃん?」

 

「どうしてよーちゃんは私をいつも置いて行くの!?」

 

「千歌ちゃん、私は千歌ちゃんを置いていったりなんか…」

 

「してるよ!学校の時も部活でいつも私の側にいてくれない!一緒に話している時も他の子が呼んだらすぐにそっちに向かっていく…私が!私がどれだけ寂しかったかよーちゃんにはわからないでしょ!」

 

「っ!」

 

「それに今度は東京の大学?…もう、わけわかんないよ…よーちゃんは私の事なんてなにも見てくれない」

 

「そんな事っ!」

 

「なにも聞きたくない!もう何処にでも行けばいいじゃん!私はもう我慢したくない…寂しい思いなんてしたくない…それなら私は!私は!よーちゃんの事なんて…もう知らないんだから!」

 

「ちかちゃっ…」

 

曜がそう言い掛けたと同時に千歌は走り去って行った。

 

ーーーーーーーーーー

 

千歌は走る涙を流しながら。

 

「(バカ!私のバカ!何で、よーちゃんを傷つけるような事!…サイテーだよ)」

 

千歌は走り疲れその場に座る。

 

「ただ本当に寂しい…だけどよーちゃんを傷つけるような事言うなんて…ほんとバカチカだよ」

 

千歌が頭を伏せ泣いていると。

 

「見つけた」

 

「えっ?」

 

そこには人間とは程遠い生き物が千歌の前に立っていた。

 

「お前はどっちにしようかなぁ?」

 

ーーーーーーーーーー

 

「…千歌ちゃん」

 

千歌が走り去った後、追いかける気力もなく落ち込みながら歩いている曜。

 

「私は千歌ちゃんを悲しませていたなんて…なんで気づいてあげられなかったんだろう」

 

曜の目から涙が溢れ出してくる。

 

「千歌ちゃんの笑顔が私の元気の源なのにその千歌ちゃんを悲しませていたなんて…ほんとバカ曜だ」

 

曜がそう言っていると。

 

きゃあぁぁぁぁぁ!!!!!

 

「!!!?」

 

突然の叫び声…けど確かにその声は聞き覚えがある。

 

「千歌ちゃん?」

 

曜はとっさに声が聞こえ方に全力で走って行った。

 

「まさか!千歌ちゃんが!?」

 

そうでない事を祈りつつ全力で走る曜。

 

だが、その祈う事なく曜は残酷な現実に打ちのめされる。

 

「助けて!!誰かぁ!!!」

 

その叫びと共に千歌は怪物に連れ去られて行ってしまった。

 

「ちかゃっ…ちかちゃーーーーーん!!!!!」

 

ーーーーーーーーーー

 

亀山がパトロール中、一本の無線が入る。

 

「なんですって!?了解しました!すぐに向います!」

 

ほどなくして、別のルートを走っている雄介にも亀山から無線が入った。

 

「そんな!?千歌ちゃんが!?」

 

『えぇ、捕まったのはつい先程らしいのですが』

 

「先程…て言う事はまだ間に合う可能性があるって事ですね!?」

 

『えっ中野さん!?』

 

「捕まった場所、近い場所ならまだ間に合うはずです!亀山さん何か情報はありませんか!?」

 

『えっえぇ高海さんは友人と海に行き別れた際に捕まったと聞きましたが』

 

「海…なら、そこをたどれば!」

 

『中野さん!私も行きます!無茶だけは…って中野さん!?』

 

亀山が全て言う前に雄介は通信を切っていた。

 

ーーーーーーーーーー

 

雄介が亀山から聞いた海の近くへと着き辺りを見渡すが千歌の姿はない。

 

「この近くにはいないか…なら!」

 

雄介はアークルを出現させ。

 

「‘‘変身‘‘!」

 

その掛け声と共に雄介は緑のクウガへと変身を遂げた。

 

クウガは耳をすませ辺りを集中する。

 

ーって!…ーすけて!

 

「(声…しかも、この声は!)」

 

助けて!

 

「千歌ちゃん!」

 

クウガは赤い姿へと変わりバイクを走らせる。

 

「まだ近くにいる!今、助けにいくから千歌ちゃん!」

 

千歌はずっと助けを叫んでいる中、蜘蛛男は千歌の口を抑え。

 

「いい加減黙ってもらおうか」

 

蜘蛛男は口から針のような物を出し千歌の首元にそれを突き刺す。

 

「うっ!?…」

 

千歌は刺された途端気絶してしまう。

 

「お前が気がついた時には餌かそれとも道具か…たのしみだなぁ」

 

蜘蛛男がそう言うと。

 

「見つけたぞ!」

 

その声に反応し下を見る。

 

「またか!仮面ライダー!」

 

クウガは蜘蛛男に追いつきさらにバイクのスピードを上げる。

 

「その子を返してもらう!」

 

クウガは青いクウガへと変わりジャンプし蜘蛛男の足にしがみつく。

 

「くっ!貴様ぁ!」

 

糸を出して移動していた蜘蛛男はバランスを崩しそのまま地面へと急降下していく。

 

「くっ千歌ちゃん!」

 

クウガは千歌を蜘蛛男から奪いクウガは自分のを方に抱き寄せ地面の方に背を向け落下に備えた。

 

「ぐあっ!」

 

「ぐっ!」

 

2人同時に落ち蜘蛛男はすぐに立ち上がりクウガは自らクッション代わりになり千歌を落下から守った。

 

「千歌ちゃん無事か!?千歌ちゃん!」

 

クウガはすぐさま千歌の様子を伺うが反応はなかった。

 

「反応がない…お前、千歌ちゃんに何をした!!」

 

「ただ眠らせただけさ、俺の巣に帰ったらどう利用するかはまだ考えてないんだがね」

 

クウガはそっと千歌を寝かせ。

 

「俺がさせると思うか?」

 

クウガは身構え蜘蛛男も身構える。

 

そして…。

 

「うおぉぉぉぉぉ!!!」

 

「があぁぁぁぁぁ!!!」

 

2人同時に飛び出し攻撃を仕掛ける。

 

クウガは蜘蛛男にキックを入れようとするが蜘蛛男はそれを躱しクウガに蜘蛛の糸を体に縛り付ける。

 

「くっ!」

 

「うおぉぉぉぉぉ!!!」

 

蜘蛛男は糸を持ちグルグルと回し。

 

「死ねぇ!」

 

そのまま投げ飛ばし。

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

ガッシャアァァァァァァァン!!!

 

大きなガラスの音と共にクウガは建物の奥へと投げ飛ばされてしまった。

 

「くっ」

 

クウガはすぐさま立ち上がるが蜘蛛男の糸の針がクウガに目掛け投げ飛ばしてくる。

 

「まずい!」

 

クウガはその針を走りながら避け建物の中に落ちていた棒を拾い上げドラゴンロッドへと変化させる。

 

「っ!」

 

クウガは目掛けてくる針をドラゴンロッドで払い除けジャンプし蜘蛛男へと目掛けロッドを叩きつける。

 

「ぐおっ!?」

 

「っ!」

 

クウガはすぐさまロッドを持ち直し蜘蛛男にロッドの攻撃を繰り返す。

 

「ぐっ…貴様ぁ!」

 

蜘蛛男はクウガの腕に糸を飛ばし腕を巻き着ける。

 

「なっ!?」

 

「ふん!」

 

一瞬の隙に蜘蛛男はクウガの腹部に蹴りを入れた。

 

「ぐあっ!」

 

クウガは倒れ蜘蛛男は再度針を投げ飛ばすがクウガはギリギリに避けジャンプし距離を取る。

 

「はぁはぁ」

 

「っ!(危なかった…だけど奴も結構ダメージがあるみたいだ…なら!)」

 

クウガは腕に力を入れ。

 

「‘‘超変身‘‘!」

 

その叫びと共に巻き付いている糸を引きちぎり赤いクウガへと変わった。

 

「(赤いクウガの金の力で!)」

 

クウガはマイティキックの体制に入り力を入れるが一瞬ゾクッ!とクウガの背筋が凍った。

 

「(なんだ!?…一瞬)」

 

そう思い込んでいると。

 

「がら空きだ!」

 

蜘蛛男は口から糸を出し高密度の針を作り剣のように持つ。

 

「なっしまっ!?」

 

クウガの一瞬の隙により蜘蛛男の斬撃を喰らってしまう。

 

「ぐあっ!!!」

 

体を切りつけられ怯んでしまったその瞬間。

 

「死ねぇ!!!」

 

蜘蛛男はその針を投げ。 

 

「っ!」

 

クウガの肩に突き刺さってしまった。

 

「うわぁぁぁぁーーー!!!」

 

投げ飛ばされた衝撃により針が建物に刺さり吊るされている状態になってしまった。

 

「ふん…運良く急所は避けたようだがその出血じゃあ時間の問題だなぁ」

 

蜘蛛男は寝ている千歌を持ち上げ。

 

「そのまま苦しみながら死ぬがいい」

 

そう言い蜘蛛男は千歌を連れ去って行ってしまった。

 

「くっくっそぉ…」

 

クウガは苦しみながら刺さった針を掴み。

 

「ぐっぐわぁぁぁぁ!!!」

 

力を入れ刺さった針を抜き始める。

 

「ぐっぐうぅぅぅぅ!!!」

 

肩から流れる血が溢れて。

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

最後まで抜き取るとブシュッ!!!っと血が溢れ出しクウガはその場で倒れるが。

 

「ち、ちかちゃ…」

 

最後の力を振り絞るが赤いクウガから白い姿へと変わりそこで意識が途切れた。

 

ーーーーーーーーー

 

「…っん」

 

雄介は目を覚まし目の前には白い天井が見える。

 

「ここは…」

 

雄介がそう言うとドアが開き誰かが入ってくる。

 

「中野さん!目が覚めましたか!」

 

亀山が雄介の元へと駆け寄る。

 

「亀山さん…おれ」

 

「僕が現場に着いた頃には中野さんが倒れていてすごい焦りましたよ!中野さんすごい出血で倒れていたんですから」

 

「そうか…おれ」

 

そして雄介はハッ!と気付き。

 

「亀山さん!俺が倒れてからどれくらい経ちました!?」

 

「丸一日です。でも、もう起き上がれるくらい回復したんですね」

 

「丸一日…」

 

「中野さん?」

 

雄介は勢いよくベッドから立ち上がろうとする。

 

「中野さん何をしようとしてるんですか!?」

 

「千歌ちゃんが奴に捕まったままなんです!早く助けに!?っ!」

 

ズキン!っと痛む肩に雄介は顔を歪ませる。

 

「中野さん!いくら回復が早いとは言えまだ完全には治っていないんです。だから安静に」 

 

「でも千歌ちゃんが!」

 

そう雄介が答えると同時にドアからノック音が聞こえ。

 

「すみません今、大丈夫でしょうか?」

 

おそるおそるドアを開けそう答える人物。

 

「君は確か…」

 

雄介には見覚えがあった。千歌の部屋に飾られている写真に写っている子とそっくりだったから。

 

「渡辺曜といいます」

 

「彼女が通報してくれた方です。そして高海さんの幼なじみだとか」

 

「あの…千歌ちゃんは?」

 

曜が恐る恐る尋ねると。

 

「ごめん…千歌ちゃんは未確認に」

 

雄介がそう答えると。

 

「私のせいだ」

 

「えっ?」

 

「私が千歌ちゃんと離れたばっかりに!」

 

「それは!」

 

「それは違う…千歌ちゃんが連れ去られてしまったのは俺のせいだ」

 

「中野さん!?」

 

「でも!」

 

「俺が負けてしまったから!…千歌ちゃんは奴に」

 

雄介が答えると曜が疑問に持つ。

 

「負けてしまったってどういう事ですか?」

 

曜がそう尋ねると亀山が頭を抱え。

 

「もう、この際ですから答えますね。今ここにいる方が未確認生命体と戦っている人物、未確認生命体第4号なんです」

 

亀山がそう答えると曜が驚いたような表情になり。

 

「えっ!?じゃあこの街に4号がいたって言う話も」

 

「今回の事件を追い僕と中野さんが来たんです」

 

「そう、だったんですか」

 

曜が全てを把握し雄介が答える。

 

「曜ちゃんだったかな?今回君の大事な友達を助けられなくてごめん!だけど必ずもう一度、奴と戦って今度は必ず千歌ちゃんを助ける!」

 

雄介の言葉に曜が下を向き。

 

「私も…千歌ちゃんに会って伝えたい事があるんです…だからお願いです私も千歌ちゃんを助けるお手伝いをさせて下さい!」

 

「曜ちゃん」

 

「そんな一般人の方を巻き込ませられません!」

 

亀山はそう言うが曜の表情は覚悟に満ちた表情だった。

 

「亀山さん…俺は賛成です」

 

「中野さん!?何を!」

 

「彼女は本気です。大切な人を助けたい…その意思が強い以上彼女の気持ちを大事にしたいんです」

 

「中野さん」

 

「もし何かあったら俺が全力で守ります!」

 

「わかりました…でも、一条さんには秘密ですよ?」

 

「了解!」

 

雄介はそう言い曜にサムズアップをした。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「それじゃあママ行ってきます」

 

曜はそう言って家を出た。

 

「うん、間に合いそう」

 

曜はある方角へと向かい走り出す。

 

しばらくし目的地についた曜。

 

「よぉし!じゃあ練習しますか!」

 

曜はそう言い学校のプールへと向かう。

 

「…あの女1人か…くくっ」

 

そう不気味に笑う影が曜の元へと猛スピードで向かって行く。

 

ドンッ!っと曜の前に勢いよく着地し。

 

「えっ!?ば、バケモノ!?」

 

「さぁお前はどっちにしようかな?」

 

蜘蛛男は口から糸を出し曜の体に巻き付ける。

 

「い、いやぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

グルグルに巻かれた曜は蜘蛛男に攫われてしまった。

 

「ふっあのライダーがいなければ容易いもんだな」

 

蜘蛛男はそう言い去って行った。

 

ーーーーーーーーー

 

「中野さん、渡辺さんのGPSに動きがありました」

 

「了解です。すぐさま奴を追いかけましょう!」

 

そして曜のGPSを頼りに後を追跡する雄介達。

 

そしてしばらくし通信を頼りに追ってきた雄介達。そして…。 

 

「渡辺さんの動きが止まった!」

 

「って事は奴のアジトに着いたってことか」

 

「あっ中野さん!あれ!」

 

亀山が指を指す方向に目をやると移動する蜘蛛男の姿が見えた。

 

「奴は次の人を攫いにまた移動したのか」

 

「中野さんチャンスですよ今なら未確認のアジトに奴はいません」

 

「ですね、急ぎましょう!」

 

目的地近くに到着し雄介と亀山は歩きながら移動する。

 

「中野さん、どうやらここみたいですね」

 

「はい…立派な家に住んでるんだな奴は」

 

雄介達が目にした物とは人が住んでいるような見た目をしている一軒家だった。

 

「…行きますか」

 

「はい」

 

雄介はその家のドアノブを回し中に入る。

 

「カギつけてないんか」

 

「それにしても外見とは裏腹に中はすごく汚いですね」

 

「確かに…亀山さんGPSの方は?」

 

「はい、このまま真っ直ぐです」

 

雄介達はGPSが反応する所まで歩いて行くが。

 

「ここのようですけど」

 

「一体どういう事だ?」

 

GPSは確かに反応している。だがそこには曜の姿はなかった。

 

「…まさか」

 

亀山が突然、床を叩いて回る。

 

「亀山さん?どうしたんですか」

 

「テレビで見たことあるんです。こうやって床を叩くとその1枚が浮かびあがって地下の階段が出てくるとか」

 

「まっさかぁそんなうまくは」

 

ガコンッと1枚の床が開く。

 

「…」

 

「…」

 

「うそーん」

 

亀山はその床を開き。

 

「本当に地下に続けているようですよ」

 

「本当にありましたね」

 

雄介達はその階段を下りていき下までたどり着く。

 

「これは」

 

「一体何でしょう?」

 

雄介の目の前には大きな繭で作られた物が何十個かあった。

 

「!まさか」

 

雄介はその繭を手で思いっきり破る。すると…。

 

「曜ちゃん!?」

 

繭の中から曜が現れ雄介は直ぐに引き出す。

 

「曜ちゃん!しっかりするんだ!曜ちゃん!」

 

雄介の呼び掛けにより曜はゆっくり目を開ける。

 

「あれ?私」

 

「曜ちゃん、良かった」

 

「中野君、私…はっ!」

 

曜は完全に覚醒し辺りを見渡す。

 

「私、未確認に捕まってそれから記憶が」

 

「曜ちゃんのおかけだ。曜ちゃんが持っているGPSのおかけで奴のいるここにたどり着けた」

 

「そっか…そうだ!千歌ちゃん!千歌ちゃんは!?」

 

「いや、まだだ。とりあえずこの繭の中にいる人達を助け出すそこに千歌ちゃんもいるかもしれない」

 

「わ、わかった」

 

雄介達は一つ一つの繭を破り捕まった人達を開放するが千歌の姿はなかった。

 

「なんで千歌ちゃんがいないんだ」

 

「千歌ちゃん」

 

雄介は亀山の方を向き。

 

「亀山さん、とりあえず応援をお願いします。今、ここに眠っている人達をここから出しましょう」

 

「わかりました」

 

亀山は応援を要求する為一旦外に出て行った。

 

「曜ちゃん、まだ見ていない所もあるから隈なく探そう」

 

「う、うん。わかった」

 

雄介達は移動を始め辺りを隈なく探す。

 

「くっ一体どこに」

 

雄介は一瞬最悪の場合を考えていた。

 

「(奴は食べるか子を産ませるか、どちらかだったなら最悪の場合は)」

 

すると奥から曜の声が聞こえる。

 

「中野君!ここに扉が!」

 

「何!?」

 

雄介は急いで向かい大きな扉を目の前にする。

 

「これは普通じゃないな」

 

「でも行かなきゃだよね?」

 

「あぁ」

 

雄介はその扉を開け中を確かめる。すると。

 

「千歌ちゃん!」

 

「えっ千歌ちゃん!?」

 

曜は直ぐに走り出し千歌の元へと急ぐ。

 

ブチッ!

 

「?」

 

一瞬何かが切れた音がしたが曜は構うことなく千歌の元へと急ぐ。

 

「千歌ちゃん」

 

「なんだ、これは」

 

千歌は大きなカプセルに入れられていた。それはさっきの繭と同様、何十個もあった。

 

「ねぇ中野君、あの子」

 

「えっ?」

 

曜が指差す方向には千歌同様カプセルに入れられた子。だが明らかに腹部が大きく膨れ上がっていた。

 

「まさか、ここは!?」

 

そう蜘蛛男が保管している自分の子を増殖させる為の部屋だった。

 

「千歌ちゃんは!?」

 

雄介はすぐに千歌の方を見るが腹部は膨れてはいなかった。

 

「とりあえず大丈夫そうだけど、早くここから出してあげないと」

 

雄介は辺りを見渡しカプセルの近くにボタンがあった。

 

「開に閉…わかりやすいな」

 

雄介は閉のボタンを押すとカプセルの中の水がなくなりドアが開く。

 

「千歌ちゃん!?」

 

曜は直ぐに千歌を抱き寄せ呼び掛ける。

 

「千歌ちゃん!目を覚まして!千歌ちゃん!」

 

曜の呼び掛けに千歌はゆっくりと目を開ける。

 

「んぅ…よー…ちゃん?」

 

「千歌ちゃん!?千歌ちゃん!」

 

曜は千歌を抱きしめる。

 

「わたし…何があったんだっけ?」

 

「千歌ちゃんは未確認に連れ去られたけど私達が助けにきたからもう大丈夫だよ」

 

「そっか…わたし」

 

千歌は雄介にも気付き。

 

「ゆうすけ君も助けに来てくれたの?」

 

「あぁ…もう大丈夫だからね」

 

「うん、ありがとう…よーちゃん、ゆうすけ君」

 

千歌は安堵すると、ある事に気づいてしまう。

 

「………あれ?わたし何で裸…って!?ゆうすけ君!こっち見ないで!///」

 

「あっ!ごめん!」

 

そう言って雄介は自分の羽織っている上着を曜に渡し。

 

「とりあえずこれで」

 

曜が千歌に渡す。

 

「あっありがと///」

 

「いえいえ」

 

そして雄介は辺りを見渡し。

 

「とりあえずここにいる人達を全員このカプセルから出して亀山さんに連絡しよう」

 

「うん、わかった千歌ちゃんはここで休んでて」

 

「うん、ありがと」

 

そして雄介と曜は次々とカプセルの中にいる人達を出し。

 

「とりあえずこれで全員だな」

 

「うん、そうだね」

 

「良し、それじゃあ亀山さんに連絡を」

 

雄介が亀山に連絡をしようとした瞬間。背後から針のような物が雄介に目掛け飛んでくるのを曜が見つけ。

 

「中野君!後ろ!」

 

「っ!」

 

曜の呼び掛けに雄介はとっさに後ろを振り向き。飛んでくる針を足で蹴飛ばした。

 

「これは、まさか」

 

雄介が上を見上げると。

 

「貴様ぁよくも俺の巣を荒らしてくれたなぁ!!!」

 

蜘蛛男の姿がそこにあった。

 

「もう戻って来やがったのか!」

 

蜘蛛男は壁から地面に着地し。

 

「ここには俺の糸が無数に張り巡らせている。侵入者が入れば直ぐにわかるんだよ!」

 

その言葉に曜が気付いた。

 

「まさか、さっき切れた音がしたのは糸だったの?」

 

「それで奴は戻って来たのか」

 

蜘蛛男は口から糸を出し鋭く鋭利のような物に変えていく。

 

「ここまで荒らしたんだ…貴様にはここで死んでもらうぞ!仮面ライダー!」

 

蜘蛛男は飛びかかり雄介に斬りかかるが雄介はそれを避け蜘蛛男の腕を掴む。

 

「くっ…曜ちゃん!今のうちにここから逃げるんだ!」

 

雄介はそう言い曜の方を見て。

 

「中野君!?」

 

「今、ここにいる人達を助けられるのは曜ちゃんだけだ!上に行って亀山さんに連絡を!」

 

「っわかった!」

 

「頼んだぞ…‘‘変身‘‘!」

 

雄介は叫び赤いクウガへと変身を遂げる。

 

「えっ!?へっ!?ゆうすけ君が4号!?」

 

「千歌ちゃん今はここから出よう。そして亀山さんに今の状況を伝えなきゃ」

 

「う、うん…わかった!」

 

曜はクウガに頷き。千歌をお姫様抱っこし走っていく。

 

「曜ちゃん恥ずかしっ///じゃなかった…ゆうすけ君頑張って!」

 

「あぁ!」

 

クウガは蜘蛛男を蹴り間合いを取る。

 

「貴様を殺し、さっきのガキ共をもう一度捕え今度こそ我らショッカーの道具として扱ってやる」

 

「そんな事させるかよ!」

 

クウガは一気に詰めよりパンチを繰り出すが蜘蛛男は糸の剣でガードし腕を弾き剣を振り下ろすがクウガはギリギリの所で躱す。

 

「(くっここだと捕まった人達に巻き添えを喰うかもしれない何とか奴を地上に出さないと)」

 

クウガはさっきカプセルから出した人達を気にしていると。

 

「何をよそ見している!」

 

「くそっ!‘‘超変身‘‘!」

 

蜘蛛男は剣を振り下ろすがクウガは紫の姿に変わり咄嗟に両腕でガードし。

 

「うぉりぃやぁ!」

 

クウガは蜘蛛男の腹部にパンチを入れる。

 

「ぐふっ!」

 

殴られた衝撃により蜘蛛男は剣を手放しクウガはそれを取りタイタンソードへと変える。

 

「(くそっ!どうする!?)」

 

クウガが考えている中、突然クウガを呼ぶ声が聞こえた。

 

「中野さん!」

 

それは亀山が応援を呼び駆けつけてくれた警察官が来てくれた。

 

「亀山さん!」

 

「渡辺さんから今の状況を聞き応援に駆けつけました!」

 

「亀山さん!そこに倒れている行方不明者の人達を救助して下さい!」

 

「ここにいる全員…わかりました!」

 

蜘蛛男は血相を変え亀山達、警察官に襲いかかる。

 

「させるか!人間がぁ!」

 

クウガは蜘蛛男をタイタンソードで斬り伏せる。

 

「ぐあぁ!」

 

「亀山さん!今です!」

 

「わかりました!全員!退避!」

 

警察官は行方不明者の人達を次々と担ぎ現場から遠ざかる。

 

「くそぉ人間如きがぁ!」

 

「これがお前にはない人間の力だ!」

 

「ふざけるなぁ!」

 

蜘蛛男はクウガに飛びかかるがタイタンソードでガードし腕を払いのけタイタンソードで斬り伏せる。

 

「ぐあぁぁぁ!!!」

 

「お前の野暮もここまでだ!」

 

クウガは構え。

 

「‘‘超変身‘‘!」

 

紫から赤のクウガへと変わり。キックの構えを取る。

 

「ふっ!」

 

足に炎が宿り全速力で掛けぬけジャンプし。

 

「うぉりぃやぁーーーーー!!!」

 

マイティキックを繰り出すも。

 

「があぁぁぁぁぁ!!!」

 

蜘蛛男は咄嗟に飛び上がりキックを避ける。

 

「残念だったなぁ!」

 

「っ!まだだ!」

 

クウガは体を回し壁に寄りかかり壁を蹴るそして…。

 

バリバリバリ!!!

 

体に放電がかかり赤い金のクウガ。ライジングマイティへと覚醒を遂げた。

 

右足にアンクレットが付き蜘蛛男に目掛け。

 

「うぉりぃやぁーーーーーーーーーー!!!」

 

「なっ!?」

 

ライジングマイティキックが蜘蛛男に直撃する。

 

「うおぉぉぉぉぉ!!!」

 

「ぐあぁぁぁーーーーーーーーーー!!!」

 

壁をめり込み貫通しそして…。

 

「うぉりぃやぁーーーーー!!!」

 

「くっ!このままでは済まさんぞ!この記録はショッカーへと通じている!必ずやショッカーの手がお前にふりかかるだろう!」

 

地上まで貫通し蜘蛛男は遥か雲の上まで飛ばされた。

 

「っ!」

 

クウガは着地し上を見上げる。

 

そして数秒後、空に大きな爆発が鳴り響き蜘蛛男は散った。

 

「…」

 

クウガは赤いクウガへと戻る。

 

「(この力は…)」

 

「ゆうすけくーん!」

 

クウガを呼ぶ声に反応し振り向く。

 

「千歌ちゃん」

 

「ゆうすけ君、大丈夫?どっか怪我とかしてない?」

 

「うん…大丈夫だよ」

 

そして亀山と曜も駆け寄り。

 

「中野君、良かった無事みたいだね」

 

「ようやく終わりましたね。この事件も」

 

「いや…この事件が解決してもまだ奴らの魔の手がおさまるとは思えない」

 

「え?」

 

「ショッカー…一体何者なんだ?」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

今回の事件を解決し雄介と亀山が宿を出る為、荷物を整理していた所。

 

「ゆうすけ君」

 

「千歌ちゃん?どうした?」

 

「ちょっといい?」

 

千歌に手招きされ雄介は千歌の方に向かう。

 

「どったの?」

 

「う、うん今回の事で改めてお礼がしたくって」

 

「いや、お礼なんて…千歌ちゃんが無事で良かったよ病院に行って何も異常がなかったし」

 

「ううん、今この命があるのもゆうすけ君のおかげだし感謝してもしきれないよ」

 

「それは、俺だけじゃないよ亀山さんや、曜ちゃんだって千歌ちゃんを助ける為に勇気をふり絞って未確認に立ち向かったんだから」

 

「うん、みんなにはすごい感謝してる」

 

「なら、千歌ちゃんの笑顔を見れるだけで俺は満足だよ」

 

雄介はそう言いサムズアップをする。

 

「うん、ありがとうゆうすけ君」

 

ーーーーーーーーーー

 

そして雄介と亀山が支度を終え宿を出ると。

 

「ゆうすけ君!本当にありがとう今度は事件とかじゃなくて普通に友達としてこっちに遊びに来てね!」

 

「…うん、必ずまた来るよ」

 

「約束だよ!」

 

雄介はサムズアップをし、ヘルメットのバイザーを下げバイクで走り去って行った。

 

「ばいばい、ゆうすけ君」

 

「行っちゃったね」

 

「えっ!?よーちゃんいつの間に!?」

 

「今、ちょうど来たところ。私も改めてお礼したかったなぁ」

 

「大丈夫、必ずまた会えるよ」

 

「…ねぇ千歌ちゃん。前話した大学の件だけど」

 

「あっ…あの時はごめんね!わたし一方的に」

 

「違うんだ、最後まで言わなかった私が悪いんだ」

 

「最後まで?」

 

「千歌ちゃん…一緒に東京で暮らしませんか?」

 

「…えっ?えぇ!?」

 

「私のワガママだけど私、千歌ちゃんとずっといたい!だけど船の船長も諦められないんだ。だから私は両方を選びたい」

 

「えと、あの」

 

「ごめんね、いきなりこんな事言って…だけど私は本気だよ」

 

「…クスッよーちゃんってばこれじゃあプロポーズみたいだよ」

 

「ウェ!?私そういう意味じゃ!?…いやそういう意味にもなるか。千歌ちゃんとずっと一緒にいたいから」

 

「ふふっワガママだなぁ…良いよ」

 

「えっ!?良いの!?」

 

「その変わりちゃんと幸せにしてね?よーちゃん」

 

「うん必ず幸せにするよ」

 

そう言って千歌と曜はぎゅっと手を握った。

 

ーーーーーーーーーー

 

雄介が走行中ふと頭をよぎる。

 

「(そういえば千歌ちゃんと曜ちゃんって付き合ってるのかなぁ?なのはちゃんとフェイトちゃんみたいないい感じだったし)」

 

雄介がそう考えていると通信が入る。

 

「あれ?ことりちゃんからだ」

 

『あっやっと繋がった。ゆーくんいつ帰ってこれる?』

 

「今、帰ってる途中だよ」

 

『良かった。みんな寂しいって言ってるから早く帰ってきてね』

 

「りょーかい」

 

『じゃあ、また後で』

 

ことりとの通信を終え。

 

「じゃあ可愛いスクールアイドル達の元へ中野雄介いざ参りますか!」  

 

雄介はそう言い走り去って行く。

 

「中野さん!制限速度守ってくださぁーい!」

 

ーーーーーーーー

 

ー???ー

 

『蜘蛛男が殺されたらしい』

 

『誰に?』

 

『奴の脳内のデータを調べると戦っている者は仮面ライダーと似ている』

 

『仮面ライダー?まだ実在していたの?』

 

『あぁまた計画を練り直さないとな』

 

『仮面ライダー…まだ我々に驚異をもたらす存在がいるとはね』

 

『仮面ライダー…クウガか』

 

ー第21話 異変endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第20話から7ヶ月…。遅くなって申し訳ありません。
どんどん更新が遅くなっているのですが。
この物語は必ず完結まで書くのでこれからもよろしくお願いします。


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第22話 家族

謎の怪人ショッカーとの戦いに勝利した雄介。東京へと戻りまたもや謎な事が起きてしまう。


静岡県から帰ってきた雄介。今日もμ'sの練習で屋上で彼女達の練習風景を見ながらドリンクを用意していた。

 

「よし、9人分あるな。休憩になるまでってっ…おっ?」

 

すると雄介の携帯が鳴り出し画面を見る。

 

「フェイトちゃんから?…はい、もしもし」

 

『あっ雄介さん今、大丈夫でしょうか?』

 

「うん大丈夫だよ、何かあった?」

 

『はい、すみません雄介さん直接話したいので今日会えますか?』

 

「えっ?うん、大丈夫だけど」

 

『ありがとうございます。では駅のカフェの近くで待っていますね』

 

「了解、じゃあまた後で」

 

『はい、失礼します』

 

そうして通話を終え携帯をしまうと同時に目の前に凛が顔を覗き込んでいた。

 

「うおっ!?凛ちゃん!どったの?」

 

「ゆーすけ、誰からの電話にゃ?」

 

「えっと…友だちだよ」

 

「ふーん、ゆーすけ静岡から帰ってきてからオトモダチ沢山できてるよね」

 

「えーっと、何のことかにゃ?」

 

「とぼけても無駄にゃ!前、廊下で電話してた時、千歌ちゃんって言葉が聞こえたし、この前は、なのはちゃんやフェイトちゃんって聞こえたにゃ!」

 

「…凛ちゃん、もしかして妬いてる?」

 

「にゃ!?」

 

「あーそっかそっか凛ちゃん妬いてくれてるのか〜可愛いなぁ」

 

雄介は凛の頭を撫でると。

 

「にゃっ///にゃっ///ゆ、ゆーすけのばかぁ!」

 

パァン!っと甲高い音が屋上に鳴り響く。

 

凛は走って屋上から出ていき。雄介は左頬を抑え。

 

「なんか…この感じ懐かしい気がする」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

フェイトからの連絡を受け雄介は待ち合わせた場所へとたどり着く。

 

「フェイトちゃん」

 

雄介が呼び。フェイトは気づき頭を下げる。

 

「すみません、突然お呼び立てして」

 

「ううん、大丈夫だよ。とりあえず寒いし中に入ろうか?」

 

「はい」

 

雄介とフェイトは店に入り席に座る。

 

「とりあえず何か飲もうか…フェイトちゃん何がいい?」

 

「えっと、じゃあココアで」

 

「りょーかい、じゃあ俺も」

 

雄介は店員に注文し終えると。

 

「んで、どったの?なのはちゃんと何かあった?」

 

「いえ、なのはとは別に…いや、あったと言うべきでしょうか」

 

雄介が頭を傾げると注文したココアが届きテーブルに置かれる。

 

「その様子だとケンカとかじゃなさそうだね」

 

雄介がココアを一口飲むと。

 

「あの、非常に言い難いのですが…。」

 

「うん」

 

「えっと…子供ができまして」

 

「うん、子供ね」

 

一瞬の静寂そして…。

 

「…ブフッ!」

 

フェイトの爆弾発言に雄介はココアを吹いてしまう。

 

「ゲホッ!ゲホっ!」

 

「あぁ!大丈夫ですか!?」

 

「こ、こ、こどもぉ!?」

 

「ゆ、雄介さん!声が大きいです!」

 

「いや、でもフェイトちゃんもなのはちゃんもまだ小学生だし…いや待てよ今、時代が進んでるから女の子同士でも子供を産むのは可能なのか?…」

 

「雄介さんストップ!ストップです!」

 

「あぁ!ごめん、でももう子供を産んだなんてフェイトちゃん頑張ったね。なのはちゃんも出産して今は赤ちゃんのお世話かな」

 

「…雄介さん、セクハラですよそれ」

 

「ごめんごめん、冗談だけど。ほんとに?」

 

「はい…実際は、なのはが産んだ訳じゃなく突然現れたんです」

 

「現れた?」

 

「はい、先日なんですが私となのはが学校の帰宅中になのはの家の前で女の子が立っていて私達を見た瞬間。なのはママ、フェイトママって駆け寄って来たのです」

 

「お、おおおぅそれは突然だなぁその子に見覚えは?」

 

「ありません。最初はなのはの親戚の子かな?とか思ってたんですが、なのはも見覚えはないと言っていたので」

 

「その子が冗談で言ってる可能性もあるし…でも見覚えはないとなると…う〜んわからん」

 

雄介が考えていると。フェイトの携帯から着信音が鳴る。

 

「あっなのはから、すみません雄介さんちょっと出てきますね」

 

「わかった」

 

そう言いフェイトは店を出る。

 

「にしても子供かぁ…なのはママ、フェイトママか」

 

雄介が考え混んでいると。

 

「お待たせしました」

 

「ん、なのはちゃん何だって?」

 

「いや、その子が私に会いたがってグズってるから来てほしいってハハッ」

 

「そっか…なら行かなきゃだね」

 

雄介は立ち注文票を取る。

 

「あぁ!雄介さんいいですよ!私が払います!」

 

「な〜に言ってんの。高校生が小学生に奢られる訳にはいかないっしょここは俺が払うよ」

 

「うぅ〜ありがとうございます。ごちそうさまです」

 

雄介は会計を終え店を出る。

 

「あっそう言えばまだその子の名前聞いてなかったね。それに歳も」

 

「はい、名前は高町ヴィヴィオ4歳です」

 

「高町ヴィヴィオか…ますます謎だなぁ」

 

「そうだ雄介さん、今週の土曜日空いてますか?」

 

「えっ?うん、μ'sの練習を終えてからだから午後からなら」

 

「わかりました。ならまたここで待ち合わせしませんか?なのはとヴィヴィオを連れてくるので」

 

「わかった。じゃあ今週の土曜日で」

 

「はい、それではまた」

 

そう言いフェイトと別れ雄介は自分の家へと向かった。

 

ーーーーーーーーーー

 

ー土曜日ー

 

雄介はμ'sの練習を見ていながらフェイトとなのはの子供の事を考えていた。

 

「(突然現れたって言ってたけど一体どこから来たんだ?その子はフェイトちゃんとなのはちゃんを知ってたみたいだけど)」

 

雄介が考えている内にμ'sの皆は休憩に入った。

 

「はい、真姫ちゃん」

 

「ありがと」

 

雄介は皆に飲み物を渡し真姫に渡した所で雄介は真姫の隣に座り。

 

「なによ?」

 

「なぁ真姫ちゃん聞きたい事があるんだけど」

 

「なぁに?変な事聞いたら引っぱたくわよ」

 

「女の子同士って子供産める?」

 

「…正直、真面目なのかふざけてるのか微妙だから困るわね」

 

「真面目だよ〜」

 

「はぁ…産めるわよ。まぁ色々大変だけどね」

 

「やっぱそうだよなぁ」

 

「どうしたのよ?いきなりこんな質問して」

 

「いやぁ俺の知り合いの子達がね色々あって」

 

「はぁ…あなたまた変な事に首突っ込んだんじゃないでしょうね?」

 

「いんや大丈夫だよ」

 

「ほんとかしら?」

 

雄介と真姫が話している内に絵里が声を掛け練習を再開する。

 

ーーーーーーーーー

 

ー午後ー

 

μ'sの練習を終え雄介は待ち合わせをした店に向かう。

 

「っとさすがに早ずきたかな?」

 

雄介はバイクを停め店に入ろうとすると。

 

「雄介さん!お待たせしました」

 

フェイトとなのはの姿が見え雄介は手を振る。

 

「やぁフェイトちゃん、なのはちゃんも久しぶり」

 

「お久しぶりです雄介さん」

 

「所で例の子は?」

 

雄介が辺りを見渡すが2人しかおらずなのはが後ろを向き。

 

「ほら、ヴィヴィオ出て来て雄介さんに挨拶しなきゃ」

 

するとなのはの後ろからひょっこりと顔を覗かせ雄介を見る。

 

「こ、こんにちわ…た、たかまちヴィヴィオです」

 

顔を覗かせたその子は金色の髪にリボンを着けそして目の色が左右対象で右目は青で左目は赤色になっていた。

 

「(この子がヴィヴィオ…目の色が左右違くてそれにどことなくフェイトちゃんとなのはちゃんの雰囲気を感じる)」

 

「こんにちわ、とりあえず寒いし中に入ろうか?」

 

店の中に入りそれぞれ頼みたい物を注文し料理を待つ中、雄介はヴィヴィオを見て。

 

「ヴィヴィオちゃん」

 

「は、はい」

 

「ごめんねいきなり、少しヴィヴィオちゃんに聞きたい事があるんだ」

 

「ききたいこと?」

 

「うん、突然だけどヴィヴィオちゃんはどこから来たのかな?」

 

「えと…気付いたらなのはママのお家にいてママ達が帰ってきたらママ達小さくなっていたの」

 

「小さくなっていた…ならヴィヴィオちゃんの知っているママ達は大人なのかな?」

 

「うん」

 

ヴィヴィオの返答にフェイトとなのはを見る。

 

「雄介さん少しいいですか?」

 

フェイトが席を立ち雄介は頷く。

 

「フェイトママ?」

 

「ごめんね、ヴィヴィオちょっとなのはママと待っててね」

 

そう言って雄介とフェイトは店を出る。

 

「…フェイトちゃん、もしかしてだけどヴィヴィオちゃんは未来からきた子なのかな?」

 

「信じ難いですけど私達が聞いた時も同じ事を言っていました」

 

「要するに未来から来たフェイトちゃんとなのはちゃんの本当の子供なのか」

 

「でも未来なんて…話がすごく飛んでます」

 

「だよなぁ…未確認生命体が現れる今の時代でもある意味結構非現実だけど未来はなぁ」

 

「とにかくもう少しヴィヴィオと一緒にいて様子を見てみます」

 

「わかった。とりあえず戻ろうか」

 

「はい」

 

店に戻りその後、運ばれた料理を食べ終え雄介達は店を出た。

 

その後、色んな店へと周り買い物を終え今は街を歩いている。

 

「ふぅいっぱい買ったなぁ」

 

「そうですね。ほとんどヴィヴィオのですけど」

 

手に持っているのはヴィヴィオの服。何着か買って雄介はその荷物持ちである。

 

「それにしてもなのはちゃん凄く嬉しそうだねヴィヴィオちゃんとあんなにはしゃいじゃって」

 

「そうですね…ヴィヴィオが来てからすごい喜んでます」

 

「それは、フェイトちゃんとの子供だからじゃないかな?」

 

「えっ?」

 

「嬉しいんだよ。未来でちゃんとフェイトちゃんとなのはちゃんの間に子供を授かっているのは」

 

「そうですね…私にとっても1つの夢でしたから」

 

「夢?」

 

「なのはと一緒に幸せな家庭を作る…それがもし子供がいたならもっと幸せになるだろうなぁって」

 

「そっか…良かったねフェイトちゃん」

 

「はい」

 

雄介達が歩いていると。

 

「ようやく見つけましたよ…ヴィヴィオ」

 

なのはとヴィヴィオの前に謎の男が現れる。

 

「なのはママ」

 

ヴィヴィオは怯えだしなのはの後ろに隠れる。

 

「(ヴィヴィオちゃんの名前を!?あいつは)」

 

雄介は咄嗟になのは達の前に出てその男を睨む。

 

「あんた何者だ…なぜヴィヴィオちゃんの名前を」

 

「さぁ帰ろうヴィヴィオ…君のママ達が待ってるよ」

 

「おい!質問に答えっ!」

 

雄介がその男の肩を掴んだ瞬間その男の口から衝撃波のような物が出て雄介に直撃する。

 

「がっ!?」

 

雄介はそのまま吹き飛び店のガラスを突き破り倒れる。

 

「雄介さぁん!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 

この騒動に街はパニック状態になり辺りの人達は逃げ惑う。

 

「くっなのは!ヴィヴィオ!」

 

フェイトがなのは達の前に出て守るように手を広げる。

 

「ん?どこかで見た顔かと思いきやなるほど幼い頃のあなた達でしたか」

 

「なっ!?お前は何を言っているんだ?」

 

「いえ、すみませんこちらの話です。だがわかりませんねぇなぜここにこの子を送り込んだのか」

 

「だから…一体なんの話をしているんだ!」

 

「何って…君達の話をしているんですよ。フェイト・テスタロッサ・ハラオウン」

 

「なっ!?私の名前を」

 

「もちろん知っていますよ。高町なのはもね」

 

「わ、私の名前も?」

 

「えぇだって君達はすごく有名な人達ですから」

 

男は笑みを浮かべなのは達に近寄より手を伸ばそうとした瞬間。

 

「その話…俺にも詳しく聞かせてもらいたいな」

 

そこに現れたのはすでに変身を遂げていたクウガだった。クウガはその男の手を取り力を込める。

 

「な、貴様は!?」

 

ガッ!っと手を振り払い男は後退る。

 

「悪いがこの子達には指一本触れさせねぇぞ」

 

クウガは身構える。

 

「なぜだ…なぜ仮面ライダーが存在する!?」

 

仮面ライダーの発言にクウガは引っかかる。

 

「その言葉は以前ショッカーって奴から聞いた…もしかしてお前もショッカーか?」

 

「ここに仮面ライダーがいる事も驚きだが、まさかショッカーの事もご存知とはね」

 

男はクウガを睨み。

 

「そうか…彼女達がヴィヴィオをここに送り込んだのは君という存在がいるからか」

 

「?どういう意味だ」

 

「すまないが、こちらも時間がなくてね…すぐにヴィヴィオを回収させてもらう!」

 

男は勢いよく飛び身体を変化させ虎に酷似した怪人へと変身し薙刀のような武器を持ちクウガに目掛け振り下ろした。

 

「ぐっ!」

 

クウガは両手をクロスしてガードし。

 

「フェイトちゃん!2人を連れて逃げるんだ!」

 

クウガは手で薙刀を弾きフェイトに呼び掛ける。

 

「わかりました!なのは!ヴィヴィオ!」

 

フェイトは2人の手を取りすかさずその場を離れる。

 

「よし」

 

「変わりませんねぇ!」

 

「なに?」

 

虎の怪人は薙刀で斬りかかろうとするが。

 

「‘‘超変身‘‘!」

 

クウガは青い姿へと変えその攻撃をジャンプし避ける。

 

「姿を変える事もできるのか」

 

クウガは着地し落っていた木の枝を取り振り向く。

 

「聞かせろお前らの事、ヴィヴィオちゃんの事…それにあの子達の事もだ」

 

木の枝からドラゴンロッドに変わり構える。

 

「ふっ…まぁいいでしょう」

 

虎の怪人は薙刀を持ち直しクウガに迫る。

 

「くっ!」

 

虎の怪人は薙刀を振り降ろしクウガはロッドでガードする。

 

「私の名はジャガー…そして人間でありながら人間達を裏切り、追放された哀れな2人の物語を!」

 

「なに!?」

 

ジャガーの攻撃は続く。

 

「人間を裏切るだと!?」

 

「そう!彼女達はショッカーに加担し我々に協力したんだ!」

 

「そんなはず…ねぇだろ!」

 

受け流していた攻撃をクウガはロッドで弾きジャガーに目掛けロッドを振り降ろすがジャガーは避けクウガから間を開ける。

 

「あの子達がお前らなんかに!」

 

「ヴィヴィオの存在だよ!」

 

「なに?」

 

ジャガーは薙刀を肩に置き。

 

「彼女達はヴィヴィオという存在を守る為に我々ショッカーに協力しているんだ」

 

「なんなんだ…ヴィヴィオちゃんは一体何者なんだ!」

 

「ショッカーが生み出した最高傑作さ」

 

「なん…だと?」

 

「君から見てどことなくヴィヴィオはあの2人に似ている所があるだろぅ?」

 

「(確かに…似ている所はあるが)」

 

「そう…ヴィヴィオはあの2人の細胞から生み出された成長する改造人間なのさ」

 

「な…に?」

 

「普通の人間のように成長するが…ヴィヴィオは改造人間、成長するたび力を増しそして!…最高の怪人へと姿を変えるのさ」

 

「怪人にだと?」

 

「そうだ!怪人へと変わったヴィヴィオは人を襲い沢山の獲物を殺しまくるだろう!そんなヴィヴィオを匿っているのは、あの2人だ!だから追放されたのさ」

 

「そんな…バカな」

 

「お前も仮面ライダーならばその意味がわかるだろぅ?」

 

ジャガーが話している間にジャガーの体が透けていき。

 

「おっと、どうやら時間みたいだ…じゃあまた来るから待っててねヴィヴィオ」

 

ジャガーはそう言い残し姿が消えた。

 

「ヴィヴィオちゃんがショッカーの改造人間だと?」

 

「雄介さん」

 

突然呼ばれクウガはすぐに振り向く。

 

「フェイト…ちゃん」

 

「今の話、全て聞きました…ヴィヴィオの事、私達の事」

 

「なのはちゃんとヴィヴィオちゃんは?」

 

「先に家に帰るよう言っていたので、なのは達には聞かれてません」

 

「そうか」

 

フェイトはずっと顔を伏せたまま表情がわからず雄介もどのように言葉を掛けたらいいかわからなかった。

 

「フェイトちゃ」

 

「雄介さん今日はありがとうございました…それでは」

 

声を掛けようとしたがフェイトは歩いていき去って行ってしまった。

 

「どうすればいいんだ…俺は」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

「フェイトちゃんおはよう!」

 

いつもの待ち合わせでなのはを待っていたフェイト。

 

「おはよう。なのは」

 

「?フェイトちゃん何か元気ないね?何かあった?」

 

「いや、大丈夫だよ」

 

「そっか良かった。昨日は大変だったよね私達の事知ってる未確認生命体が出るしヴィヴィオの事も」

 

ヴィヴィオの名前にドクンッ!と胸を打つフェイト。

 

「でも雄介さんが追い払ってくれて良かった」

 

「ねぇ、なのは。ヴィヴィオはあれからどんな感じ?」

 

「えっ?うん少し怯えてたけどお家に帰ってきて少し経ったらいつも通り元気になったよ」

 

「…そう」

 

「フェイトちゃんにも会いたいって言ってたよ」

 

「…うん、そうだね私も会いたいな」

 

そして、なのは達は学校に着き。同時刻に雄介も学校に着いていた。

 

「フェイトちゃんどうするんだろう…やっぱり、なのはちゃんに話すのかな?」

 

連絡するか迷うも雄介はスマホを閉じる。

 

「ショッカーの改造人間…それもフェイトちゃん達が協力し生み出されたか…正直言えるわけねぇよな」

 

雄介が悩んでいると。穂乃果達も教室に入ってきた。

 

「雄介おっはよー!」

 

「おはようございます」

 

「おはよーゆーくん」

 

雄介は手を振り。

 

「おーす3人とも。今日も可愛いね」

 

「雄介に褒められても何も出ないよー」

 

「どうしたのですか雄介?何か元気がないような」

 

「いや、昨日エロゲーを夜までやっててね、それで寝不足気味ってとこかな」

 

「…ゆーくん、今から梓ちゃんに電話するね」

 

「やめてください。お願いします本当に」

 

「もう!本当にえっちなんだからゆーくんは!」

 

「えへへへ、ごめんごめん」

 

雄介は窓の外を見て。

 

「(さて、どうしたものかな)」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー私立聖祥大附属小学校ー

 

授業中、黒板に目をやりながらもフェイトはヴィヴィオの事を考えていた。

 

「(やっぱり、なのはに…いや、本当の事を言ったらなのはが悲しむ。だけど、どうしたら)」

 

フェイトは頭を抱え悩んでいる所をなのはは見逃さなかった。

 

「(やっぱりフェイトちゃん、朝からおかしい…すごく悩んでいるみたい)」

 

なのはがフェイトに目を向けていると。

 

ドォォン!!!

 

「な、なに!?」

 

「爆発!?」

 

突然、校舎の下から爆発音が聞こえクラスの皆が窓から顔を覗く。

 

下から黒い煙が漂い火が覆われていた。

 

「皆さん!落ち着いて下さい!今から避難を!」

 

クラスの担任が避難誘導をしようとした矢先に。

 

ドォォン!!!

 

2回目の爆発音が聞こえた。

 

「今度は2階の方から」

 

爆発に気を取られていると後ろの方から。

 

「イーッ!」

 

全身黒タイツを着ている人物が教室に入ってきた。

 

「な、なんですか!?あなた達は!」

 

クラスの担任がそう言うと。

 

「イーッ!」

 

黒タイツは担任の腹部にナイフのような物を刺した。

 

「ぐ、ぐふっ」

 

ドサッと倒れこんでしまった先生。

 

「き、きゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 

クラスは大パニックになり逃げようとするが黒タイツに囲まれてしまっていた。

 

ーーーーーーーーーーー

 

休憩時間。雄介が穂乃果達と話していると。携帯が鳴り出す。

 

「一条さんから?」

 

電話に出ると。

 

『中野雄介!事件だ!』

 

「どこですか!?」

 

『私立聖祥大附属小学校に未確認生命体とは異なる新たな謎の敵が現れた!』

 

「そこって、なのはちゃん達が通ってる学校…まさか!」

 

『お、おい!中野!』

 

強引に通話を切り席を立つ雄介。

 

「悪い!敵が現れた。海未ちゃん先生には適当に話しておいてくれ!」

 

「わかりました気をつけて!」

 

「無事に帰って来てね!ゆーくん!」

 

「約束だよ雄介!」

 

「あぁ!」

 

雄介はすぐに飛び出しバイクに股がる。

 

「(まさかまたヴィヴィオちゃんを…いや考えるのは後だ!)」

 

雄介は直ぐさま学校に向かった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「なのは!こっちへ!」

 

フェイトはなのはの手を掴み黒タイツから逃げていく。

 

「(あの人達、昨日現れた人と同じベルトのマークをしていた。と言う事は、この人達もショッカー)」

 

フェイトが考えながら走っていると。

 

「フェイトちゃん!前!」

 

なのはの呼び掛けにハッ!となり前を見ると昨日現れた男が立っていた。

 

「あなたは!」

 

「いやぁ昨日ぶりだねテスタロッサ君」

 

「やっぱり、これはショッカーの仕業」

 

「ご名答。そろそろヴィヴィオを連れて行かなくちゃいけなくてね。まぁ強行手段ってとこかな」

 

「ヴィヴィオを連れていくなら、他の人達は関係ないはずだ…なぜこんな酷い事を!」

 

「君達の通うここを襲えば手っ取り早くヴィヴィオを差し出すと思ってね。ほら、今きみが言った関係のない人達が襲われたらさすがに渡すと思ってね」

 

「ふざけないでください!」

 

「なのは?」

 

フェイトの前に出て、なのははジャガーに言う。

 

「関係のない人達を巻き込んで…ヴィヴィオを差し出すって…あなたの目的は一体なんなんですか!?」

 

「おや?テスタロッサ君に聞いてないのかい?」

 

「えっ?」

 

ジャガーはフェイトを見て嘲笑うかのように。

 

「やれやれなら教えてあげようヴィヴィオは我々の」

 

まさか…。

 

「言うな…」

 

なのはの前で…。

 

「ショッカーが作り出した…」

 

やめてくれ…。

 

「言うな!」

 

なのはの笑顔が…。

 

「れっきとした改造人間なんだよ!!!」

 

消えてしまう…。

 

「…えっ?」

 

ジャガーの言葉にガクンッ!と膝から付きなのはは倒れそうになる。

 

「なのは!?」

 

フェイトはなのはの肩を掴み支える。

 

「あ、それともう一つ…ヴィヴィオは」

 

「…やめろ」

 

「君達の」

 

「やめろーーーーー!!!」

 

バリィィィン!!!

 

フェイトの叫びと共にガラスからショッカー戦闘員が吹き飛んできた。

 

「なっ!?」

 

ジャガーは後退りボロボロのショッカー戦闘員が倒れていた。

 

「ったく変な格好の奴がいきなり突然襲って来てびっくりしたぜ」

 

その声にフェイトは目を大きく開く。

 

バッ!と窓からその人物が現れフェイト達の前に立つ。

 

「遅れてごめん、フェイトちゃんなのはちゃん」

 

「雄介さん」

 

フェイトは安堵の笑みを浮かべる。

 

「ちっ!またお前か…」

 

「そのセリフそっくりそのまま返してやる。くそ野郎が」

 

雄介はなのはの方に目を向ける。

 

「フェイトちゃん…なのはちゃんは?」

 

「…ヴィヴィオの事を聞いてショックを受けたみたいで」

 

「…そうか」

 

雄介はジャガーを睨み。

 

「学校にいる人達を襲い…彼女達を傷つけたおまえ達は、絶対に許さねぇ!」

 

雄介は腹部からアークルを出現させ変身の構えを取り。

 

「‘‘変身‘‘!」

 

その掛け声と共に赤いクウガへと変身を遂げた。

 

「やはりその姿。お前があの英雄様か」

 

「なに!?」

 

ジャガーは怪人態へと変化し。

 

「うぉらぁ!」

 

薙刀でクウガに目掛け振り降ろす。

 

「くっ!」

 

クウガは咄嗟に青いクウガへと変わりフェイトとなのはを抱えその攻撃を避ける。

 

「なんの事だ!?英雄って」

 

「お前と戦った後調べたのさ。お前の事を!」

 

ジャガーは薙刀を横に振るいクウガは落ちていたほうきをドラゴンロッドに変えガードする。

 

「ぐっ…」

 

「今、我らが君臨している世界に仮面ライダーは存在しない。だが数十年前、未確認生命体グロンギから世界を守った英雄がいた…それがお前だクウガ!」

 

ガキンッ!と武器がぶつかり合い反動でクウガとジャガーは後退る。

 

「調べるまでお前の存在は認識されていなかった。だが複数のショッカーがお前と接触した事がある。そして最初に接触したのが蜘蛛男だった」

 

「(蜘蛛男…静岡にいたあいつか)」

 

「そいつ戦闘や複数のデータが残っておりお前という存在を調べあげたのさ!」

 

ジャガーはジャンプし薙刀を振るう。クウガはロッドでガードするがジャガーの力が強く膝をついてしまう。

 

「ぐっ…く…そっ」

 

「だからテスタロッサ達は過去のお前に頼り助けを乞うている…哀れなもんだなぁ!仮に過去のお前に助けられても裏切り者は裏切り者なんだからよぉ!」

 

ハハハハッ!っと笑うジャガーに。

 

「笑うな」

 

「なに?」

 

「彼女達を笑うんじゃねぇ!」

 

クウガは紫のクウガに超変身し。

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

 

ジャガーの薙刀を振り払い。

 

「未来の彼女達の想いはまだわからない…だがな!ここにいる彼女達を悲しませてんじゃねぇよ!」

 

クウガは金の力を開放しライジングタイタンへと姿を変えジャガーにソードを斬りつける。

 

「ぐっ…ぐわぁぁぁぁぁ!!!」

 

ジャガーは横転し変身解除され人間態の姿に戻る。

 

「くっくそっ!」

 

「終わりだ!」

 

クウガは再び斬りかかろうとしたがジャガーの体が透けていく。

 

「なに!?」

 

「ふぅ…時間だ。ヴィヴィオは回収出来なかったが成果はあった」

 

ジャガーはなのは達を見て笑い。

 

「待て!逃げんのか!」

 

「テスタロッサ達がどんな答えを出すか…楽しみだ」

 

ジャガーはそう言い残し消えていった。

 

「待て!待てよ!逃げんな…逃げんなーーーーーー!!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー数時間後ー

 

警察や救急隊員達が駆けつけ学校の悲惨な状況を目の当たりし救助している中。雄介はフェイトとなのはを学校の近くにある公園に来ていた。

 

「俺の知り合いの刑事さんには事情を話したからとりあえずは時間は取れるよ」

 

雄介はフェイトとなのはには話し合いが必要だろうと一時だけだが事情聴取を一条に頼んで抜けさせてもらった。

 

「…フェイトちゃんは知ってたの?ヴィヴィオの事」

 

「…うん」

 

「…なんで言わなかったの?」

 

「それは…」

 

なのはの表情を伺おうとするがなのははフェイトと目を合わせようとしなかった。

 

「…それは、なのはが悲しむと思って」

 

「そうだね…悲しいよ。だけどね」

 

今度は目を合わせてくれた。だがなのはの目には怒りに満ちていて。

 

「フェイトちゃんが何も話してくれなかった事がすごく悲しいよ!」

 

「っ!」

 

「フェイトちゃんはヴィヴィオがショッカーの改造人間だから!?敵が作った改造人間だから黙ってたの!?」

 

「違う!未来の私達はヴィヴィオという存在の為にショッカーに加担して人間を裏切っている…その事をなのは知られたくなかったんだ」

 

「なに…それ?」

 

「私達は子供が欲しい為だけにショッカーに入り人類を裏切った…そんな事知られたくないに決まってるじゃないか!」

 

「…」

 

「私は何言われてもいい…だけどなのはは、なのはが傷つけられるのは耐えられない」

 

「フェイトちゃんそれ本気で言ってるの?」

 

「…」

 

「私だけ助かればフェイトちゃんは幸せなの?…ヴィヴィオはどうでもいいの?」

 

「…正直、ヴィヴィオを未来に帰すのが私は…いいと思う」

 

フェイトの言葉になのはは無言でフェイトに近づき。

 

パァン!

 

「…っ」

 

叩かれた?…なのはに?。

 

「ヴィヴィオがショッカーの改造人間だから何?私達がショッカーに加担してるからって何?。それでも私はヴィヴィオのママだから!」

 

「っ!?」

 

「フェイトちゃんとできた大切な命だから私は絶対にあの子を守りたい!ショッカーだからって!改造人間だからって!そんなの関係ないよ!」

 

「でも!それで人類の敵になるなんて」

 

「私達の娘を守る為なら!…私は…人類の敵になったていい…。」

 

「なのは!」

 

「フェイトちゃん、確かにフェイトちゃんの言うことが正しいと思う…でもね私はあの子を絶対に見捨てない。フェイトちゃんがあの子を敵と見ているなら…」

 

なのはは悲しみに満ちている顔を向け。

 

「私達…お別れしよう?」

 

「な、なのは?…な、何を?」

 

「フェイトちゃんの事は大好きだし愛してる…だけど大切な娘を見捨てる事は出来ないから…だから…ごめんね」

 

なのははそう言い残し立ち去ろうとする。

 

「な、なのっ」

 

手を伸ばそうとするがフェイトは立ち止まり伸ばしていた手を下げてしまう。

 

「なのはちゃん」

 

なのはの前に雄介が立ち。

 

「ごめんなさい雄介…」

 

「…他の道はないのか?」

 

「はい…これが私が選んだ道です」

 

雄介は道を開け。

 

「わかった…でもヴィヴィオちゃんの事は警察に全てを話すよ?それでいい?」

 

「はい…大丈夫です」

 

なのはは頭を下げお礼をしその場を後にした。

 

「…フェイトちゃん」

 

雄介はフェイトの所に駆け寄る。

 

「…雄介さんはどう思います?…私、間違ってますか?」

 

「正直わからない、どっちが正しくてどっちが正しくないのか…ごめん頼りなくて」

 

「いえ…なのはは未来と言えど私達の娘を守るって言ってたんです。なのはらしいと言えばなのはらしいのですが」

 

フェイトはギュッと拳を握りしめ。

 

「私にはそんな覚悟なんてない!」

 

「…フェイトちゃん」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

雄介は事件の全てを一条に話し。

 

「そうか…信じ難い事だが現に起こっている事だからな…それで君はどうしたい?」

 

「俺は…なのはちゃんと同じ気持ちです。ヴィヴィオちゃんを守りたい」

 

「ショッカーという組織が作り出した改造人間でもか?」

 

「それでもあの子は誰も傷つけていない…とてもいい子なんです」

 

「だが、成長するにつれあの子は巨悪な怪人へと成り果てるんだろう?」

 

「…もし、もしあの子が怪人へとなり人類の敵と成り果てたなら…その時は俺がこの手で倒します」

 

雄介はギュッと拳を握りしめ。

 

「たとえあの子達に恨まれようとも」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー高町家ー

 

なのはの部屋でヴィヴィオは遊んでいると。

 

「ねぇなのはママ」

 

突然、なのはに声を掛け。

 

「ん?どうしたのヴィヴィオ」

 

「フェイトママとはいつ会えるの?」

 

「っ!」

 

「…なのはママ?」

 

「う、うん!そうだね近いうちに」

 

「やったぁ!はやくフェイトママに会いたいなぁ」

 

すると家のインターホンが鳴り。

 

「ん?もしかしてフェイトママかな?」

 

ヴィヴィオは立ち上がりなのはの部屋を出て玄関へと向かった。

 

「ま、待って!ヴィヴィオ!」

 

なのはの静止を聞かずに玄関のドアを開ける。

 

「フェイトママ!」

 

だが、そこにいたのは。

 

「やっなのはちゃん、ヴィヴィオちゃん」

 

雄介だった。

 

「雄介さん」

 

「この間のお兄さん?」

 

「そうだよーごめんねフェイトママじゃなくって」

 

そう言いヴィヴィオの頭を撫でる雄介。

 

「雄介さん何か?」

 

「そんな怖い顔しないでよ。大丈夫なのはちゃんと少し話したいだけだから」

 

なのははヴィヴィオに近寄り。

 

「ねぇヴィヴィオ。ママ達ちょっとお話しなきゃいけないからお部屋で待っててくれる?」

 

「え?うん!わかった!」

 

そう言ってヴィヴィオは部屋に戻って行った。

 

「素直でいい子だなぁ」

 

「雄介さんここじゃなんですし上がってください」

 

「ん、わかった。お邪魔します」

 

なのは達はリビングへと向かい。

 

「ここに座って待ってて下さい。今、お茶淹れますから」

 

「ありがとう」

 

なのはに言われた通り雄介は席に着き。

 

「なのはちゃん。お母さん達は?」

 

「今、喫茶店のお仕事で全員いないですよ」

 

「そっか」

 

なのはが飲み物とお菓子を用意し。

 

「どうぞ」

 

雄介に差し出した。

 

「ありがとう。ごめんね何か気を遣わせちゃって」

 

「気にしないで下さい」

 

なのはも雄介の向かい座り。

 

「それで…お話というのは?」

 

「直球だなぁ…まぁなのはちゃんが思っている通りヴィヴィオちゃんの事だ」

 

雄介は一口お茶啜り。

 

「ヴィヴィオちゃんの事だけどごく一部と言っても俺の知り合いの刑事にしか話していないんだが」

 

雄介は真剣な表情になり。

 

「単刀直入に言う…ヴィヴィオちゃんの身柄を俺に預けてほしい」

 

「警察にじゃなく雄介さんにですか?」

 

「あぁ」

 

「なぜ?」

 

「俺もヴィヴィオちゃんを守りたいからだ」

 

雄介の言葉に無言の間が続き。

 

「…雄介さんが嘘をつくとは思えないですけど。どうして?」

 

「俺はあの子が人を傷つけるなんてどうしても思えないんだ勝手な憶測だけどな…でも、それでも俺はあの子の笑顔を信じたい」

 

「でもあの子はショッカーの改造人間何ですよ?いつか暴れ出すかもしれない」

 

「それを覚悟でなのはちゃんはヴィヴィオちゃんと一緒にいるんだろ?」

 

「っ」

 

「それに、またヴィヴィオちゃんを狙いに奴らが攻めてくるかもしれない。その時にまた他の人達が襲われるかもしれない」

 

「だから雄介さんの近くにヴィヴィオを?」

 

「そうだ、いつでも守れるようにな」

 

「…雄介さんのご厚意には感謝します。だけどお断りさせていただきます」

 

「…なぜ?」

 

「雄介さんを皆の敵にさせたくないからです」

 

雄介は何も言わずなのはの言葉を待った。

 

「雄介さんはここにいる人達を守っているヒーローそれを私のワガママで皆の敵にしたくないんです」

 

「…ヒーローか」

 

「フェイトちゃんが言うように敵にヴィヴィオを帰せばここは安全になる。だけど未来に帰って行ったヴィヴィオは人類の敵に見られ必ず軽蔑される」

 

なのはは涙を流し。

 

「そんなの…そんなの私は耐えられない!私自身が産んだ訳じゃないけどそれでも私とフェイトちゃんの娘だから!だから!私はあの子のそばに居てあげたい」

 

雄介はなのはの話を聞き。

 

「なのはちゃん…俺は別にヒーローでも何でもないよ…ただ身近の大切な人達を守りたいと思ってるから俺は戦っているんだ」

 

雄介はなのはの頭を撫で。

 

「だから、なのはちゃんやフェイトちゃんそれにヴィヴィオちゃんを守りたいんだ」

 

「ゆうすけ…さん」

 

「なのはちゃん、俺を信じてくれないか?例え皆がヴィヴィオちゃんを敵と言っても俺はそれでも守る」

 

「ほんとうに?」

 

「もちろん!」

 

雄介はサムズアップをする。

 

「わたしとフェイトちゃんの子を守ってくれる?」

 

「…必ず…約束だ」

 

「ありがとう…雄介さん」

 

なのはの顔に少し笑顔が戻った。

 

「だけど…もう1つだけ約束いいかな?」

 

「え?」

 

「もし、ヴィヴィオちゃんが完全に怪人化し人を襲う事があれば、その時は…俺はヴィヴィオちゃんを倒す」

 

「…」

 

「ごめん、だけどそれだけは避けられない。その時は俺を恨んでくれても構わない」

 

「いえ…それで大丈夫です。その時は雄介さんにお任せします」

 

「…わかった」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

雄介は玄関の前に立ち。

 

「じゃあ…明日の17時くらいに来るから」

 

「はい、わかりました」

 

「あっそれともう1つ。フェイトちゃんともう一度話して欲しいんだ」

 

「…フェイトちゃんと」

 

「フェイトちゃんだって本当はヴィヴィオちゃんの事大切に思ってるはずだし、それに…なのはちゃんだって本当は納得してないんだろ」

 

「…はい」

 

「なら、ヴィヴィオちゃんを迎えにくる前にもう一度3人で会ってみればいいんじゃない?ヴィヴィオちゃんだってフェイトちゃんに会いたがってたみたいだし」

 

「そう…ですね」

 

「お互いもう一度話会ってそれで二人の本当の気持ちを聞いたらいいんじゃないかな?」

 

「はい…ありがとうございます雄介さん」

 

雄介は手を振り高町家を後にする。

 

なのはは、雄介を見送った後。携帯を取り出し。

 

電話を掛ける。少しのコールの後。

 

ガチャ。

 

『…なのは?』

 

「フェイトちゃん突然ごめんね…今、大丈夫?」

 

『…大丈夫だよ。どうしたの?』

 

「明日、会えるかな?…ヴィヴィオと一緒に」

 

少しの無言の後。

 

『…会って…いいの?私は…ヴィヴィオにひどい事を』

 

「会って欲しい。大切なお話があるから」

 

『…わかった』

 

「ありがとう…フェイトちゃん」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

土曜日だったので学校は休み。フェイトはなのは達に会う2時間前に目を覚ました。

 

「ふぅ…あまり眠れなかったな」

 

クシャッと髪を掻きフェイトは起き洗面台へと向かった。

 

「…ひどいな…目に隈が出来てる」

 

歯ブラシを取り歯を磨き顔を洗う。

 

「何でだろう…なのはとヴィヴィオに会うのにすごい緊張してる」

 

フェイトは自分の部屋に戻り髪をブラシでとかし服装を整え。

 

「ふぅ…」

 

パァン!っと両手で自分の頬を叩き。

 

「…行こう」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

待ち合わせの公園。フェイトは待ち合わせ時間の20分前に来た。

 

「少し早かったかな」

 

フェイトはベンチに座り。なのは達を待つ。

 

『正直、ヴィヴィオを未来に帰すのが私は…いいと思う』

 

フェイトは以前、自分が言った言葉に後悔をしていた。

 

「…最低だ、ヴィヴィオを未来に帰したとしてヴィヴィオの安全はどこにある?なんで自分の事しか考えられなかったんだ私は!?」

 

フェイトは以前、なのはに叩かれた頬を擦り。

 

「これじゃあ、なのはに叩かれるのも当然だな」

 

すると…。

 

「フェイトママー!」

 

フェイトを呼ぶ声にハッ!となり。

 

「…ヴィヴィオ」

 

嬉しそうに走って来るヴィヴィオに目元が熱くなるフェイト。

 

フェイトにたどり着きギュッと抱きつくヴィヴィオ。

 

「…もう、走ってきたらあぶないよヴィヴィオ」

 

「だってフェイトママに会うの久しぶりなんだもん!」

 

嬉しそうにヴィヴィオは言いフェイトもギュッと抱きしめる。

 

「…フェイトちゃん」

 

そしてフェイトを呼ぶ声に顔を上げそこには最愛の人がいた。

 

「…なのは」

 

昨日の事があってかお互い中々話せない状況でいた。

 

「どうしたの?なのはママ?フェイトママ?」

 

ヴィヴィオはお互いの顔を見てニコって笑い。

 

「はい!なのはママもギュー!」

 

フェイトの手を引っ張りヴィヴィオを挟み込むようにフェイトとなのはを抱きしめるようにした。

 

「わわっ!ヴィヴィオ!?」

 

「ほら!わたし達、仲良し家族だよ!」

 

「「…ヴィヴィオ」」

 

「あのね!大きいママ達もねやってくれるの!ギューッて!そしてね最後にフェイトママが言ってくれるの!」

 

「私?」

 

「うん!何があっても私達は絶対に離れないずっと一緒だよって」

 

ヴィヴィオの言葉にフェイトの目元が熱くなり。

 

「ごめん…ヴィヴィオ…なのは…私が間違ってた…必ず…必ず!君達を守る!どんな事が待ち受けようとも絶対に!私の家族は私が守る!」

 

フェイトはより強くヴィヴィオとなのはを抱きしめる。

 

「うぅ〜痛いよ~フェイトママ」

 

「ふふっヴィヴィオ。もうちょっとだけこうさせてあげよう?フェイトママ寂しがり屋だから」

 

「うん!わかった!」

 

泣いているフェイトによしよしと頭を撫でるヴィヴィオ。

 

数分後。落ち着いたフェイトはベンチに座りヴィヴィオが公園で遊んでいる所をなのはと一緒に見ている。

 

「あんなにはしゃいじゃって…かわいい」

 

「ふふ…フェイトちゃんったら親ばか」

 

「娘が可愛いのは当然です」

 

「ふふっ、そうだね」

 

少しの沈黙の後。

 

「…ごめん、なのは。この間は」

 

「ううん、私こそきつく言ってごめんね?」

 

「いや、なのはは謝る必要はないよ。私はヴィヴィオを…見捨てようとしたんだから」

 

「…フェイトちゃん」

 

「でも、もう大丈夫。守るよ必ず」

 

「うん…あ、あのねフェイトちゃん」

 

「うん?」

 

なのはがもじもじしだし首を傾げるフェイト。

 

「この間言った言葉…お別れするって言葉取り消していいかな?」

 

「え?う、うん!それはもちろんだよ!」

 

「私やっぱりフェイトちゃんと一緒じゃないとだめだから」

 

「私もだよ…私もなのは…なのはとヴィヴィオがいないとこんなにも脆いんだから」

 

フェイトはなのはを抱きしめ。

 

「愛してるよ…なのは」

 

「私も、愛してるフェイトちゃん」

 

なのはとフェイトが見つめあいゆっくりと顔が近くなっていき。

 

「あー!フェイトママとなのはママチューするー!」

 

「ほんとだー!ラブラブだねぇ」

 

ビクッ!とフェイトとなのはの顔が離れ真っ赤な顔で振り向くと。

 

ニヤニヤしたヴィヴィオと雄介がいた。

 

「ゆ、ゆうすけさん!?いつからそこに!?」

 

フェイトがあわあわと慌てだし。

 

「いやぁなのはちゃんの家に向かう途中フェイトちゃん達が見えたからさぁ」

 

雄介はニマニマとにやけ。

 

「いやぁ良かったね仲直りできて」

 

「も、もう!からかわないでください!」

 

「うぅ〜すごく恥ずかしい」

 

なのはは顔を真っ赤にし手で顔を隠す。

 

「まぁ本当に良かったよ君達3人が一緒になってくれて」

 

「はい…ありがとうございます雄介さん」

 

雄介はヴィヴィオの方に向き。

 

「ヴィヴィオちゃん」

 

「なぁに?」

 

雄介はしゃがみヴィヴィオと同じ目線になり。

 

「昨日さ、なのはママと話してヴィヴィオちゃんをしばらく俺の家に当分の間お泊まりするよう話したんだ」

 

「え?おにいさんのお家に?どうして?」

 

ヴィヴィオは持っていたウサギのぬいぐるみをギュッと抱きしめる。

 

「うん…今、ヴィヴィオちゃんを狙う悪い奴らがヴィヴィオちゃんを探し回っているんだ…だから」

 

「悪い人って、この前に来たあの悪い人?」

 

「そう…もし、ヴィヴィオちゃんが狙われて近くにいるなのはママやフェイトママが危ない目にあったら大変だから少しでも安全な場所にいようってわけ…駄目かな?」

 

ヴィヴィオはなのはとフェイトを見て。

 

「…うん、わかったママ達が怪我したら嫌だからヴィヴィオおにいさんのお家に行く」

 

雄介はヴィヴィオの頭を撫で。

 

「ありがとう、ヴィヴィオちゃん」

 

雄介はフェイトの方を向き。

 

「ごめん、フェイトちゃん勝手に話を進めて…でも今はこれしかヴィヴィオちゃんを守る方法が思いつかないんだ」

 

「いえ、雄介さんが近くにいるなら安心ですしそれに、なのはと決めた事なんですよね?」

 

「あぁ、そうだ」

 

「なら大丈夫です」

 

フェイトはヴィヴィオに近づき。

 

「ヴィヴィオ…ごめんねそばにいてあげられなくて」

 

「ううん、ヴィヴィオ平気だよ。でも悪い人がいなくなったらヴィヴィオの事迎えに来てくれる?」

 

「もちろん、すぐに迎えに行くよ」

 

「じゃあ約束!」

 

ヴィヴィオは小指を立てる。

 

「うん、約束」

 

フェイトはヴィヴィオの小指と自分の小指を繋ぐ。

 

「待って、私も」

 

なのはも一緒に繋ぎ。

 

「「指切りげんまん嘘ついたらはりせんぼんのーます!指きった!」」

 

フェイト達は約束をかわしフェイトはなのはとヴィヴィオを一緒に抱き寄せ。

 

「必ず平和になったら一緒に暮らそう…私達3人で」

 

「これも、約束だね」

 

フェイト達が微笑みあっている中、雄介は改めて決意を固める。

 

「(この子たち家族は必ず俺が守る…絶対バラバラになんかさせないぞショッカー!)」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

雄介達はなのはの家に向かいヴィヴィオの荷物等をまとめる中。

 

「あの…雄介さん」

 

「ん?どうしたのなのはちゃん?」

 

「未来の私達って本当にショッカーに加担してるんでしょうか?」

 

「…それは」

 

「平気で人を傷つけるような人達の所に私達は…」

 

「ストップ、なのはちゃんよそうその話は」

 

「ごめんなさい…はいヴィヴィオの荷物ここにまとめたので」

 

「うん」

 

雄介はヴィヴィオの荷物を受け取る。

 

「なのはちゃん…未来はどうなっているかわからないけど今のヴィヴィオちゃんを見る限り未来の君達は人を傷つけるような事はしてないと思う」

 

「そう…なんですかね」

 

「じゃなきゃヴィヴィオちゃんはあんなに可愛い笑顔を見せないさ」

 

「っ」

 

「君達がヴィヴィオちゃんを守っているように未来の君達もヴィヴィオちゃんをちゃんと守っているはずだよ」

 

「雄介さん…ありがとうございます」

 

雄介はなのはにサムズアップをする。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

荷物をまとめ終え外に出る。

 

「ヴィヴィオちゃん、ちょいとごめんよ」

 

ひょいっとヴィヴィオを持ち上げバイクの後ろ側に乗せる。

 

「それじゃあ、なのはちゃんフェイトちゃん。ヴィヴィオちゃんをお預かりします」

 

「はい、ヴィヴィオをよろしくお願いします」

 

「りょーかい」

 

「なのはママ、フェイトママいってきます」

 

ヴィヴィオはなのは達に手を振る。

 

「うん、いってらしゃいヴィヴィオ」

 

「体に気をつけるんだよ」

 

「うん!」

 

「それじゃあ、行くね」

 

雄介はヘルメットのバイザーを降ろしエンジンを吹かせそのままゆっくりと走行していく。

 

「いっちゃったね」

 

「大丈夫…すぐに会えるよ」

 

フェイトはなのはの手を握る。

 

「うん、ありがとうフェイトちゃん」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ~」

 

雄介はバイクを停め。

 

「着いたよ。ここが俺の家」

 

「おにいさんのお家?」

 

「そっ」

 

雄介はバイクから降りヴィヴィオを持ち上げ地面に下ろす。

 

「さっ行こっか」

 

雄介はヴィヴィオと手を繋ぎ玄関前に立つ。

 

「ただいま〜」

 

雄介の声に気付いたのか奥から足音が聞こえ。

 

「お兄ちゃんお帰りなさい。あっこの子が昨日言ってた」

 

「た、たかまちヴィヴィオです。おせわになります」

 

ペコッと頭を下げ挨拶をするヴィヴィオ。

 

「はじめまして私は中野梓、そこにいるお兄ちゃんの妹です。よろしくねヴィヴィオちゃん」

 

梓も挨拶を交わし。

 

「さっここじゃなんだし上がって上がって」

 

雄介が但し。

 

「おじゃまします」

 

ヴィヴィオは雄介の家に上がる。

 

雄介はヴィヴィオに案内をしリビングソファに座らせる。

 

「ちょっとここで待っててね。今、飲み物持ってくるから」

 

梓はそう言いヴィヴィオの荷物を預かりキッチンの方へと向かった。

 

ヴィヴィオは辺りをキョロキョロし。

 

「どうしたヴィヴィオちゃん?落ち着かない?」

 

「あの、おにいさんのママ達は?」

 

「ん?あーっここにはいなくて。今はアメリカにいるんだ」

 

「そうなんだ…寂しくないの?」

 

「まぁ時々寂しくはなるけど、ここには梓がいるしそれに俺には沢山の友達がいるから」

 

「そっか、ヴィヴィオも大きくなったら沢山友達できたらうれしいな」

 

ヴィヴィオの大きくなったらという言葉に雄介の心臓はドクンっ!と打つ。

 

『成長すれば凶悪な怪人となる!』

 

ショッカーの言葉が脳裏によぎり険しい顔つきになった雄介。

 

「おにいさんどうしたの?どこかくるしいの?」

 

ヴィヴィオが雄介を心配し。

 

「ん?大丈夫だよ。ヴィヴィオちゃんは大きくなったら必ずお友達がいっぱい出来るさ」

 

雄介はヴィヴィオの頭を撫でサムズアップをする。

 

「うん!すっごく楽しみ!」

 

すると荷物を置いた梓が来て。

 

「ヴィヴィオちゃんお腹すかない?」

 

「うん!おなかすいた!」

 

「じゃあこっちにおいで」

 

ヴィヴィオは梓に連れられテーブルに置いてある料理の数々を見て。

 

「すごぉ〜い!これおねえさんが作ったの?」

 

「そうだよ。いっぱい作ったからじゃんじゃん食べてね」

 

「うわぁーい!」

 

皆が椅子に座り。

 

「それじゃあ」

 

皆が手を合わせて。

 

「「いただきます」」

 

ヴィヴィオがハンバーグを口にし。

 

「おいしい!」

 

「よかった、お口に合って」

 

「うん!なのはママの作ったハンバーグと同じくらいおいしいよ!」

 

雄介は微笑み。

 

「そっか…なのはちゃんも料理が上手なんだね」

 

「うん!ヴィヴィオなのはママの作るお料理だいすき!」

 

その後もヴィヴィオは食べ続け。

 

「ごちそうさまでした!」

 

「はい、お粗末さまでした。そうだヴィヴィオちゃん。お風呂湧いたから一緒に入ろうか?」

 

「うん!はいる〜」

 

「じゃあ俺は食器を片付けておくよ」

 

「ありがとう、お兄ちゃん」

 

「ゆっくり浸かっておいで」

 

「うん、じゃあ行こうかヴィヴィオちゃん」

 

梓はヴィヴィオと手を繋ぎお風呂場へと向かう。

 

ーーーーー

 

雄介は一通り食器を洗い終えると。

 

「よし、洗い物終わり後は」

 

テーブルでも拭こうかとリビングへ向かうと。

 

「あれ?ヴィヴィオちゃんのぬいぐるみ」

 

ソファに置いてあるぬいぐるみを見つけると。

 

「ぬいぐるみのチャックの隙間に何か挟んである?」

 

雄介はぬいぐるみのチャックを降ろすと封筒が出てきた。

 

「これは」

 

裏には雄介宛てと書かれており封筒を開けると中から数枚の手紙が入っていた。

 

「まさか、これは」

 

差出人はフェイトからだった。

 

『雄介さんへ…突然の手紙に驚かれると思いますが私は未来からこの手紙を送ったフェイトです。』

 

「やっぱり…未来のフェイトちゃんから」

 

雄介は続きを見る。

 

『正直、ここで未来の事を書くのはいけないと思うのですが、雄介さんに現状を知って欲しくこの手紙を綴らせていただきます。』

 

雄介はゴクッと唾を飲み込む。

 

『今の私達がいる未来から15年前、雄介さんは全ての未確認生命体との戦いに終止符を打ち平和の世界が訪れました。ですが代償に雄介さんはその未確認生命体との戦いから姿を消し今もなお行方不明のままであります。』

 

「俺は、未確認との戦いに勝ったのか?…でも何で姿を消したんだ?」

 

『雄介さん、いやクウガは皆の英雄となり世界の伝説となりました。…ですが、その3年後ショッカーという組織が現れ私達人間を襲い始めて来たのです。』

 

「ショッカーは俺がいなくなった事を見越して襲いはじめたのか?」

 

『ショッカーに抵抗を試みたものの、到底太刀打ち出来るわけなく、あっという間にショッカーは世界を征服してしまい、ショッカーの手に堕ちたのです。そしてショッカーは複数の人間を捕えショッカーの改造人間の道具となりショッカーは人間達を管理し始めたのです。』

 

雄介は拳をテーブルに叩きつけ。

 

「ふざけんなよ…俺がいない事をいいことに好き放題やりやがって!」

 

『それから7年後、なのはと私が19歳の頃なのはに異変が起き倒れた事を聞いたのです。』

 

「…まさか」

 

『なのはのお腹の中に…赤ちゃんがいました。それはショッカーの技術が進みたとえ同性同士でも赤ちゃんが作れるという事を知り私達はその技術を利用し子を授かりました。私達は喜びました。ですが喜んだ束の間ショッカーがなのはのお腹の赤ちゃんの事を知り私達に脅迫し、もしその赤ん坊を産みたければショッカーに加担し忠義を誓うか、もし断れば赤ん坊諸共私達を殺すと言い最初は私だけが犠牲となり、なのは達を逃がそうとしました。ですが、なのはがそれを拒否し私達はショッカーに加担しました。』

 

「…なのはちゃん」

 

『その後、無事なのはは出産に成功しヴィヴィオという名を付け新たな命を授かりました。』

 

「なのはちゃん…良かった」

 

『ですが、ヴィヴィオが生まれた事を知りすぐにショッカーはヴィヴィオに改造手術を受けさせようと迫り、私となのははヴィヴィオ連れショッカーを抜け出し小さな村へと逃げひっそりと隠れ生活をしていました。最初はショッカーに加担していた私達を白い目でみる人達は沢山いて受け入れてくれる人はいなかったけど4年月日が経ちヴィヴィオは4才になりヴィヴィオが皆に歩み寄り笑顔を届けてくれてヴィヴィオや私達をも村の人達が向かい受けてくれたのです。』

 

「そうか…フェイトちゃん達はちゃんと幸せに暮らせていたんじゃないか」

 

『でも、その生活も長くは続かずショッカーがヴィヴィオを見つけ再びショッカーの改造人間にしようと迫り私達はヴィヴィオ連れショッカーが作った転送装置で今、雄介さん達がいる時代にヴィヴィオを送ったのです。』

 

「じゃあ、この手紙によるとヴィヴィオちゃんは改造手術を受けてなく大きくなっても怪人になる事はないんじゃないか?」

 

『その後、転送装置を使った事が知られそちらにショッカーが現れ雄介さん達に大変ご迷惑をお掛けした事をどうかお許しください。それと、誠に勝手ながら私達の娘、ヴィヴィオを守っていただけませんか!?ショッカーに加担し沢山の人達を傷つけた私ですが、たった一人の大切な娘なんです!どうかお願いします!雄介さんの力が必要なんです。ヴィヴィオとなのはの笑顔を守って下さい…フェイト・テスタロッサ・ハラオウン』

 

そこで手紙に綴らていた文書が終わっており最後には1枚の写真が入っていた。

 

「…守るよ、必ず…君達の笑顔を!」

 

ーーーーー

 

翌朝、雄介は、なのはの家に行きその手紙をなのはとフェイトに見せ写真もなのは達に渡した。

 

「手紙に書いてある通りヴィヴィオちゃんは普通の人間だ…怪人になんかならないよ」

 

「じゃあショッカーがあんなにしつこくヴィヴィオを攫いに来た理由は」

 

「ヴィヴィオちゃんを連れ去り改造手術を施すためだろう」

 

雄介とフェイトが話している中、なのはが涙を流しており。

 

「良かった…良かった…ヴィヴィオはちゃんと幸せに暮らせていたんだね」

 

「…なのは」

 

フェイトはギュッとなのはを抱きしめる。

 

「その写真が証拠だよ」

 

写真にはフェイトとなのは、それにヴィヴィオが笑顔で写っている写真だった。

 

「手紙に書いてある通り必ず君達は俺が守る。未来のフェイトちゃんとの約束だ」

 

フェイトは頭を下げ。

 

「お願いします。雄介さん」

 

雄介はサムズアップをしようとした瞬間、携帯がなり電話に出ると。

 

『中野雄介!事件だ!ショッカーという者達が街で暴れ緊急事態にある!至急現場に来れるか!?』

 

「わかりました、すぐ向かいます」

 

雄介は通話を終え。

 

「じゃあ、フェイトちゃん、なのはちゃん行ってくる」

 

「ショッカー…ですか?」

 

「うん、奴らと決着つけてくるよ」

 

フェイトとなのはは立ち雄介の手を取り。

 

「「お気をつけて」」

 

フェイトとなのはの真っ直ぐな瞳に雄介はこくんと頷き。

 

「いってきます」

 

雄介はそう言い部屋を後にした。

 

ーーーーーー

 

一方その頃、ショッカーの軍勢が街に攻めて警察は防戦一方だった。

 

「くっ!なんて数だ!」

 

杉田は銃に弾を装填し次々とショッカーの戦闘員を銃で倒していくが。

 

「数が多すぎる!弾が持たないぞ!」

 

一条も一緒で弾がもう少しで尽きそうになっていた。

 

「くっ!ショッカーこれほどとは」

 

そして狼怪人のジャガーはメガホンを取り出し。

 

「さっさとヴィヴィオを渡せばぁ!我らショッカーは引く!だからさっさとヴィヴィオを出せぇ!差し出さなければ全員皆殺しだぁ!」

 

ジャガーは薙刀で警察達を切り刻んでいく。

 

「くっ!中野!」

 

するとブォン!っと音が聞こえ次々とショッカーの戦闘員が吹き飛ばされていくのが見える。

 

 

「何だ?」

 

ジャガーは目を凝らし警察達も振り向き。

 

「待ちわびたぜ4号!」

 

「来てくれたか中野」

 

警察達が安堵しジャガーが舌打ちをする。

 

「来たか…英雄!」

 

クウガはゴウラムをトライチェイサーと融合させトライゴウラムに乗り次々とショッカー戦闘員をなぎ倒していった。

 

「4号に続け!このまま押し切るぞ!」

 

杉田の言葉に警察達は次々とショッカー戦闘員を撃ち倒しどんどん数が減っていく。

 

「英雄ぅーーー!!!」

 

ジャガーは薙刀を振り降ろしクウガはトライチェイサーのグリップを抜き青いクウガへと変わり。

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

 

クウガはジャンプしガキン!っとロッドと薙刀がぶつかり響き合う。

 

クウガとジャガーは同時に着地し。

 

「英雄…まだわからないのか。あんな怪物を庇ってなんの意味がある?…お前も人類の敵になるのか?」

 

「怪物を庇うつもりもないし人類の敵になるつもりもねぇよ」

 

「何だと?」

 

「お前の言ってる事はでたらめだ!ヴィヴィオちゃんは手術を受けてないし彼女達も人類を裏切ってねぇ!」

 

「貴様っ!なぜそれを…」

 

「ヴィヴィオちゃんを手に入れたいが為に未来の彼女達に沢山辛い思いをさせ、ここにいる彼女達をお前は泣かせた!」

 

クウガは飛び出しロッド振り降ろす。ジャガーは薙刀でそれを受け切るが。

 

「お前の…お前達のやった事は絶対に許さねぇ!お前らショッカーは俺が1人残らずぶっ潰す!」

 

クウガはそのまま力でゴリ押しジャガーを吹き飛ばした。

 

「ぐあぁぁ!!!」

 

ジャガーは壁に激突しその反動で壁が崩れていく。

 

「(何だ奴の力は…なぜこれほどまで)」

 

クウガは攻撃の手を緩める事なくジャガーにロッドを突きつけるが。ジャガーもそれを躱し薙刀をクウガ方に向け斬ろうとするがクウガもロッドでガードし一気に詰め寄り一回転しロッドをジャガーに打ち込む。

 

「ぐほあぁぁぁ!!!!」

 

ロッドの打ち込みによりジャガーはよろけ口から吐血する。

 

「ふっー!ふっー!」

 

ジャガーは腹を抑えクウガを睨む。

 

「ショッカーの行為が許されないならフェイト達も同じだろぅ!奴らもショッカーに加担し人間を殺してきたんだろうが!」

 

「…確かに一時は裏切ったかもしんねぇだけどなそんな彼女達を受け入れてくれる人達はいる!それを実現させたのがヴィヴィオちゃんだ!」

 

「クソがっ!おめでたい奴らだ人類を裏切った裏切者のくせによぉ!」

 

ジャガーは飛び出しクウガに斬りかからうとする。

 

「その裏切った行為も全ては大切な娘を守る意志だ!そんな彼女達の覚悟をお前がとやかく言うじゃねぇ!」

 

クウガは力を込め金の力を解放し青い金のクウガ、ライジングドラゴンへと変わりロッドに刃先が伸びそのままジャガーの腹部を突き刺し。

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

 

クウガはそのまま回転し突き刺しているジャガーをなぎ飛ばし。

 

「おりぃやぁぁぁぁぁーーーーー!!!」

 

ジャンプしロッドを振り降ろしジャガーに一撃を加えた。

 

「がっがはっ!!!」

 

クウガの攻撃を喰らいそのまま地面に落下する。

 

「ぐっぐふっ!」

 

クウガは着地しゆっくりとジャガーに近寄り。

 

「ヴィッ…ヴィヴィオはショッカーの科学で作り出した物…それをショッカーの道具として扱って何が悪い」

 

「…なのはちゃんがお腹を痛めて産んだ大切な娘なんだ。道具なんかじゃない…正真正銘フェイトちゃんとなのはちゃんの子供だ!」

 

「ふっ…家族か、くだらん」

 

「くだらなくなんかねぇよ…お前達にはない大切な絆だ」

 

「ふっ…戯言を俺が死んでもショッカーはヴィヴィオを狙い続けるだろう…ヴィヴィオが未来に戻った時が楽しみだ」

 

ピシピシッとジャガーのベルトがヒビ割れ…ドォーン!!!っと爆発しジャガーは跡形もなく消えた。

 

「させねぇよ…俺が絶対に」

 

ーーーーー

 

ショッカーの驚異が去り雄介は、なのはとフェイトに連絡を取りフェイト達は雄介の家に向かった。

 

玄関前に待っていたフェイト達。

 

「お待たせ」

 

雄介はヴィヴィオと一緒に玄関に出て。

 

「行っておいでママ達が待ってる」

 

「うん、ありがとうおにいさん!」

 

ヴィヴィオは小走りでフェイトとなのはの元へと駆け寄り。

 

「「お帰りヴィヴィオ」」

 

「ただいま!ママ!」

 

フェイトとなのはに抱きつくヴィヴィオ。そしてしっかりと抱きしめるフェイトとなのは。

 

「雄介さん、この度は本当にありがとうございました」

 

深々とフェイトは頭を下げ。

 

「本当に…何とお礼をしたらいいか」

 

なのはも頭を下げ何かお礼へと考えていたら。

 

「いや、お礼ならもう貰ったよ」

 

「え?」

 

「君達、家族の笑顔だよ」

 

なのはとフェイトは顔を見合わせ。

 

「「はい!」」

 

満面の笑顔で返事をした。

 

「そうだヴィヴィオこれ」

 

「なぁに?」

 

フェイトはヴィヴィオに写真を渡し。

 

「大きいママ達とヴィヴィオの写真これをヴィヴィオに返すね」

 

「…これ」

 

ヴィヴィオは写真を受け取り。

 

「ママ…会いたい」

 

ギュッと写真を抱きしめる。

 

するとヴィヴィオの体が光だした。

 

「な、何だ!?」

 

「まさか…ヴィヴィオ」

 

「未来に?」

 

「けど何で?急に」

 

慌てる雄介。だけどフェイトとなのはは分かるような気がしていた。

 

「多分、ヴィヴィオが大きい私達に会いたいと願ったからだと思います」

 

「でも!…いいの?急な別れで」

 

「はい…寂しくないと言ったら嘘になりますけど私達は繋がってますから」

 

どんどんヴィヴィオの体が透けていき。

 

「ママ、ヴィヴィオ何だか怖いよ」

 

怖がるヴィヴィオをフェイトとなのはが抱きしめ。

 

「大丈夫、ヴィヴィオは大きいママ達の所に帰るんだよ」

 

「うん、だから心配ないよ」

 

「そうなの?…でも小さいママ達とはもう会えないの?」

 

「うーん、どうだろ…でもねいつか必ず会えるよ」

 

「ふふっそうだね、じゃあ約束」

 

フェイトとなのははヴィヴィオの両手に小指を絡め。

 

「フェイトママとなのはママは絶対にヴィヴィオに会いに行く…だから待っててくれるヴィヴィオ?」

 

ヴィヴィオは交互の顔を見て。

 

「うん、ヴィヴィオまってる!」

 

雄介はヴィヴィオの前に立ち。

 

「ヴィヴィオちゃん、もし怖い人達が現れたら俺を呼んでくれ…必ず君たちを守るから」

 

「うん!わかった!約束ねおにいさん!」

 

「うん、約束」

 

ヴィヴィオは満面な笑顔で。

 

「なのはママ、フェイトママ、大きいママ達も小さいママ達もどっちもヴィヴィオの大切なママ…私を守ってくれてありがとう、大好きだよ!」

 

「バイバイ、ヴィヴィオ」

 

「必ずまた会えるからね!」

 

「うん!ヴィヴィオずっと待ってるからね!」

 

ヴィヴィオの最後の言葉と共にヴィヴィオの体は完全に消えヴィヴィオは未来に帰って行った。

 

「…いっちゃったな」

 

「はい…なんか、夢でも見てた感じでした」

 

「うん、本当に夢のよう」

 

フェイトとなのはは涙を流しお互いを抱きしめる。

 

「フェイトちゃん、なのはちゃん未来はどうなるかわからないこれからどうなるかは俺達次第になるかもね。ひょっとしたら未来が大きく変わるかもしれない」

 

「そうですね…でも」

 

「私達の未来は1つだけ変わりませんよ」

 

「ん?」

 

「「必ずヴィヴィオと家族になること!」」

 

「あぁ…そうだね」

 

ーーーーー

 

スゥーッと体の感覚が戻ったヴィヴィオはゆっくりと目を開ける。

 

「ここは?」

 

「ヴィヴィオ!」

 

「ヴィヴィオ!」

 

ヴィヴィオの呼ぶ声に反応し振り向くと。

 

「なのはママ!フェイトママ!」

 

ヴィヴィオはすぐにフェイト達に駆け寄り抱きしめる。

 

「お帰りなさいヴィヴィオ」

 

「ごめんね、ヴィヴィオを一人にさせて」

 

「ううん!一人じゃないよ!小さいなのはママとフェイトママに会えたよ!ここにいるママ達と一緒ですごく優しかった!」

 

「じゃあ無事に過去へ行けたんだね」

 

「良かった無事で」

 

「うん!後、怖い人達が現れたけど変身するおにいさんがヴィヴィオ達を助けてくれたんだよ」

 

「変身するおにいさん…雄介さんの事だね」

 

「雄介さん…守ってくれたんだね私達家族を」

 

すると突然爆発音がなり警報が鳴り響く。

 

「ショッカーがまた攻めてきたんだ!なのは!ヴィヴィオ!行こう!」

 

「うん!ヴィヴィオしっかりつかまって!」

 

なのははヴィヴィオを持ち上げフェイトは辺りを見渡す。

 

「ママ?おにいさんが助けに来てくれないの?」

 

ヴィヴィオの言葉になのはは言葉が詰まる。

 

「ここにはおにいさんはいないんだ」

 

「でも約束してくれたよ?ヴィヴィオ達を絶対に守るって」

 

「ヴィヴィオ…」

 

すると。

 

イーッ!イーッ!

 

「見つかった!」

 

「そんな!」

 

「くっ!私が囮になる!だからなのははヴィヴィオと一緒に逃げるんだ!」

 

「だめだよフェイトちゃん!」

 

「でも!」

 

ショッカーの手がフェイト達に迫る。

 

「ヴィヴィオは信じてる!おにいさんは絶対に助けに来てくれる!」

 

ヴィヴィオは祈るように手をギュッと握る。

 

「きて…ゆうすけおにいさぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

するとブォンッ!とバイクの音が鳴り響き謎の男がショッカーの戦闘員達を振り払う。

 

「…まさか」

 

「ゆう…すけさん?」

 

その男はヘルメットで顔が見えないがヴィヴィオにはわかった。

 

「来てくれたんだね、おにいさん」

 

その男は腹部からアークルを出現させ。

 

「15年前の約束を果たしに来た」

 

男はバイクから降り。

 

「‘‘変身‘‘!」

 

そこにいたのは15年前と同じ。いつも私達を優しく笑顔を守ってくれた戦士…クウガだった。

 

 

ー第22話 家族endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




大変長らくお待たせして申し訳ありませんでした!


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第23話 運命

未確認生命体とショッカー…2つの脅威が迫る中、雄介自身にも…。


ー未確認対策本部ー

 

一条は新聞を広げ以前ショッカーと交戦した事が書かれている記事を見つけ。

 

「(奴らは何者なんだ?…一体どこから)」

 

すると杉田も会議室に入ってきた。

 

「おはよう」

 

「おはようございます」

 

杉田は一条の見ている新聞を見て。

 

「それか…ショッカーって言ったけ?」

 

「はい」

 

「ショッカー…それに未確認生命体。これが同時に来たとなると正直手に負えないぜ」

 

「2つの脅威が重なると被害が増えるのは確実ですね」

 

「俺達もそうだが…4号にも負担をかけさせてしまうな」

 

「…えぇ」

 

ーーーーー

 

ー音ノ木坂学院 屋上ー

 

雄介は皆の準備を待っている中、自分の手を見て。

 

「(クウガの金の力…全ての色で使ってみたけどやはり…。)」

 

雄介は思い返していた突然現れた金の力その強大の力が雄介を悩ませていた。

 

「やっぱり、赤いクウガで金の力は強大過ぎたな」

 

そう、雄介は静岡との戦いで一度、赤いクウガの金の力でショッカーを倒し改めて認識していた。

 

「(あの時は、空中で爆発したからいいけど地面だと多分大変なことになるよな)」

 

雄介はため息をもらしていると。

 

「おまたせーって雄介どうしたの元気ない?」

 

練習の準備を済ましてきた穂乃果達が来て穂乃果が雄介の顔を覗き込む。

 

「ん〜穂乃果ちゃんは相変わらずエッチな体だなぁと思ってさ」

 

そう言い雄介は穂乃果の胸を鷲掴みし。

 

パァンッ!と高い音が屋上に鳴り響き。

 

「雄介…穂乃果のあつ〜いパンチ貰いたい?」

 

すっごい笑顔で拳を握り締める穂乃果。

 

「いえ、すみませんでした穂乃果様。それにもうあつ〜いビンタは貰ってますんで」

 

雄介は頬を抑え即座に土下座する。

 

「もう!雄介のバカ!エッチ!」

 

穂乃果がプンスカ怒っていると。

 

「もう、バカやってないで練習始めますよ?」

 

「ごめんごめんじゃあ絵里、頼んます」

 

「えぇ、みんな!本番近いからさっそく始めるわよ」

 

皆が位置に付き練習を始め雄介はそれを見ながらやはり考えてしまうクウガの力の事を。

 

「(ゆーくん…やっぱり何か考え込んでる)」

 

ーーーーーーー

 

練習を終え各自帰り支度をしていると。

 

「さてと、じゃあお先に」

 

「「帰るノリで女子更衣室を開けるなぁ!!!」」

 

雄介に色々な物を投げ込まれる雄介。

 

「イデッイデデ」

 

雄介は一見楽しそうに見えても。

 

「(ゆーくん…やっぱり何か変)」

 

ことりは心配そうな表情で見ていた。

 

ーーーーーーー

 

雄介がバイクに跨り。

 

「じゃあ行きますか」

 

バイクにエンジンを掛けようとした瞬間。

 

「ゆーくん!待って!」

 

「ことりちゃん?」

 

「ごめんね呼び止めて。だけどゆーくんとお話したくて」

 

「俺と?穂乃果ちゃん達は?」

 

「穂乃果ちゃん達にはちゃんと話してるから大丈夫だよ」

 

「…わかった。じゃあ一緒に帰ろうか」

 

雄介はもう一つのヘルメットをことりに渡し。

 

「ありがと」

 

ことりはヘルメットを被り雄介の後ろに乗る。

 

「しっかり掴まっててね」

 

「うん」

 

雄介はバイクにエンジンを掛けゆっくりと走行していった。

 

ーーーーーーー

 

「ゆーくん…最近なにか悩んでる?」

 

バイクの走行中、ことりから話し掛けられ。

 

「…やっぱり、ことりちゃんには隠せないよなぁ」

 

「ゆーくんとは小さい頃からの幼馴染みですから何でも知ってますよ」

 

「それもそうか…実はクウガの金の力の事でね」

 

「クウガの金の力?」

 

「うん」

 

ことりは以前に未確認生命体に襲われた時にクウガの紫の金の力を実際に見ていた。

 

「あの力…特に赤いクウガであの力を使う事がちょっと怖くてね」

 

「ゆーくん…その赤いクウガで使ったの?」

 

「うん…一回だけ、その時は空中で爆発したから良かったけど地面だと周りが大変な事になるんじゃないかって」

 

「そう、なんだ」

 

ことりはギュッと雄介を抱きしめ。

 

「ゆーくん…これからどんな事があっても私はゆーくんのそばにいるから」

 

「ことりちゃん」

 

そしていつの間にかことりの家の前に着き。

 

「ありがとう、ことりちゃん。ことりちゃんと話せて少し楽になったよ」

 

「そっか、なら良かった」

 

ことりは雄介にヘルメットを渡し。

 

「それじゃあ」

 

雄介が行こうとすると。

 

「ゆーくん!」

 

ことりは雄介を呼び止め。

 

「辛くなったらいつでもそばにいるからね!」

 

「ことりちゃん…うん、ありがとう」

 

雄介はサムズアップをし走り去って行った。

 

「ゆーくん」

 

ーーーーーーー

 

とあるビルの屋上。3人の人影が集まりある人物を待っていた。

 

「来たか、バルバ」

 

そこにバルバが到着し。

 

「これよりゲリザギバズゲゲルを開始する」

 

「その前に最近妙な連中がリント達を狩っていると耳にするのだが?」

 

「ショッカー…と名乗る者達がリントを狩りそしてクウガとも接触したそうだ」

 

「どうする?そいつからが邪魔をするならばまずそいつらを潰すか?」

 

バルバは少し考え込み。

 

「構うな…もし奴等が動けばクウガもまた動くだろう」

 

「クウガに奴等を潰させると?」

 

「実際、クウガがショッカーを倒していると耳にしている」

 

「なるほど、ならゲゲルに支障はないな?」

 

「あぁもしショッカーがゲゲルの邪魔立てをするのであればその時は…殺せ」

 

3人は納得し。

 

「話が纏まったならばなら今回は俺がいかせてもらおう」

 

帽子を被った男はバルバの前に立ち。

 

「始めるぞ」

 

バルバはそう言い爪の付いた指輪を男のベルトに挿し込み。

 

「ゲリザキバスゲゲルを」

 

ーーーーーーー

 

ー音ノ木坂学院ー

 

昼の休憩時間。雄介は屋上でいちごジュースを飲みながら空を見上げている。

 

「…はぁ〜っねむ」

 

雄介は寝転がり目を閉じると。

 

「あっ!ここにいた!」

 

声が聞こえ目を開けるとそこには穂乃果がいた。

 

「雄介なにしてんの?ことりちゃん探してたよ?」

 

「穂乃果ちゃん?…今日はオレンジなんだね」

 

「オレンジ?…って!パンツ見ないでよ!エッチ!」

 

穂乃果はスカートで隠し雄介から離れる。

 

「ごめんごめんって、ことりちゃん何か用事だったのかな?」

 

「ん?何かお弁当持ってて雄介の事探してたよ?」

 

穂乃果の言葉に雄介はサーッと顔が青くなり。

 

「そうだった!今日ことりちゃん弁当作って持ってくるって言ってたっけ!?」

 

「あ〜っやっちゃったね雄介」

 

「今からでも間に合うか!穂乃果ちゃん!ことりちゃんどこ?」

 

「う〜ん多分教室じゃないかな?」

 

「サンキューじゃっ!」

 

雄介は屋上から出ようとすると携帯が鳴り出す。

 

「もしもし?」

 

『中野か!?事件だ!』

 

「未確認ですか!?」

 

『あぁ、敵はビルの屋上から鉄球のような物を投げ犯行を行っている至急来れるか!?』

 

「わかりました!」

 

雄介は一条から場所を聞きすぐに屋上から出ていこうとすると。

 

「雄介!」

 

「ごめん穂乃果ちゃん!行ってくる!」

 

雄介はそう言い屋上から出て走っていると。

 

「あっゆーくん!」

 

「ことりちゃん!?」

 

「そんなに急いで…もしかして未確認?」

 

「うん、ごめん行ってくるね!」

 

雄介はそう言い走って行った。

 

「あっちょっ!ゆーくん…。」

 

ことりはギュッと持っていた弁当箱を抱き寄せる。

 

ーーーーーーー

 

雄介が現場に着き辺りを見渡すと。

 

「…ひどい」

 

辺りは鉄球で地面が抉られ。そして鉄球に当たり倒れている人も見つける。

 

「中野!」

 

「一条さん」

 

続いて一条が車から降り雄介の元へとたどり着く。

 

「…中野、すぐに救急車を手配する。君は辺りを捜索してくれ」

 

「わかりました」

 

雄介は辺りを捜索し始めた瞬間。

 

「!?一条さん!」

 

雄介は指差した所に。

 

「まさか…第21号」

 

ビルの屋上に今にでも鉄球を飛ばそうと回している未確認がいた。

 

「我々を狙っているのか」

 

「一条さん!俺行きます!」

 

雄介は駆け出し。

 

「"変身!"」

 

雄介は青いクウガに変身しビルの屋上に向かってジャンプする。

 

未確認は鉄球を投げようとした瞬間目の前にクウガが現れ。

 

「クウガ!?」

 

未確認は驚いてる隙きにクウガは赤いクウガへと変わり鉄球を蹴飛ばした。

 

「くっ!」

 

クウガは着地し身構える。

 

「クウガ…予定は狂うがいいだろう」

 

未確認は手の甲から小さな鉄球を取りそして鉄球が変化し巨大なものへと変わった。

 

「俺を楽しませてくれ、このゴ・ガメゴ・レをな」

 

そう言い鉄球を勢いよくなげクウガは瞬時に避ける。

 

「くっ」

 

クウガは咄嗟にガメゴに近づきパンチを繰り出すが鉄球でガードされ弾かれる。

 

「くっかたっ!」

 

「むん!」

 

ガメゴは鉄球を振り回しクウガに当てようとするがクウガはかがみガメゴの腕を取り手刀でガメゴの手首を攻撃し鉄球を落とさせる。

 

「ぬっ!」

 

クウガは瞬時にガメゴの腹部にエルボーを喰らわしよろけているガメゴにクウガは数発のパンチを喰らわせ。

 

「おりぃやぁ!」

 

クウガはキックでガメゴを屋上から落とした。

 

ドォーン!!!

 

すごい落下音と共に落下したガメゴは地面がめり込んでいた。

 

「っ」

 

クウガは青いクウガになり屋上から降りガメゴの様子を見る。

 

「ぬん!」

 

様子を見ていたクウガの足を掴み。

 

「しまっ!」

 

ガメゴはそのままクウガを振り回し。

 

「ふん!」

 

クウガを投げ飛ばした。

 

「ぐはっ!」

 

壁に当たりクウガは倒れ。

 

「くそっ!」

 

立ち上がろうとすると。

 

目の前に鉄球があり。

 

「うわっ!」

 

ギリギリの所でクウガは避けた。

 

「あっぶね」

 

再びガメゴは鉄球を投げるがクウガは高く跳び鉄球を避けトライチェイサーの目の前に着地しグリップを取り。

 

「"超変身!"」

 

掛け声とともに青いクウガから紫のクウガへと変わった。

 

「その姿で防げるつもりか?」

 

ガメゴはそう言い鉄球をクウガに目掛け投げる。

 

クウガはそのまま避けず紫のクウガの鎧でガードしようとするが。

 

ドスッ!

 

「っ!?」

 

紫のクウガでもガメゴの鉄球は防げなかった。

 

「なんてパワーだ」

 

クウガが膝をついた瞬間再びガメゴの鉄球がクウガに直撃する。

 

「うわっ!」

 

クウガは倒れガメゴは再び鉄球を持ち直し。

 

「止めだ!」

 

クウガに目掛け鉄球を投げると。

 

「まだだ!」

 

クウガは金の力を開放し金の紫のクウガへと変わった。

 

ガキンッ!

 

クウガに直撃しても微動だにせずクウガは立ち上がり。

 

「なんだと!?」

 

ガメゴは驚きながらもクウガに何度も鉄球を当てるが攻撃が効かず。

 

「くっ!」

 

ガメゴの目の前にクウガはソードを構え。

 

「おりぃやぁああ!!!」

 

ガメゴの腹部にソードが突き刺ささる。

 

「ぐっうおぉぉぉぉ!!!」

 

「なっ!?なに!?」

 

金の力で刺したソードでもガメゴは耐えきり。

 

「俺を他の奴と一緒にするなよ」

 

ガメゴはソードを抜き。

 

「くっ…そっ!!!」

 

クウガは再び刺そうとするが。

 

「無駄だ!」

 

ガメゴは力でソードを抑え。そして。

 

「くそっ!」

 

クウガの金の力が限界を超え通常の紫のクウガに戻り。

 

「終わりだ!」

 

ガメゴはクウガを引き寄せそのまま顔にパンチを喰らわし。

 

「うわぁあああ!!!」

 

クウガはその勢いで倒れ白いクウガへと変わってしまった。

 

「うっ…くっ…そっ」

 

クウガは立ち上がろうとするが倒れてしまいそこで意識が途切れた。

 

「ハァ…ハァ…次は違う色で来い!」

 

ガメゴもダメージが大きくよろけながらその場をあとにする。

 

ーーーーーーー

 

ー音ノ木坂学院ー

 

5時間目の授業を終えことりはすぐに携帯を開きネットのニュースを見る。

 

「まだ情報出てない」

 

「ことりちゃん」

 

「あっ!穂乃果ちゃん」

 

「雄介の事?」

 

「うん、交戦中って書かれてるだけでどうなっているかはまだ」

 

すると奥の方から声が聞こえ。

 

「4号負けたらしいぜ」

 

「マジか…じゃあ未確認まだうろうろしてんじゃん、こぇ〜」

 

奥の男子達の声が聞こえ。

 

「(ゆーくんが負けた!?じゃあ今どうなって…。)」

 

「てかさぁ〜4号が倒してくれないとマジ安心出来なくね?」

 

「そうそう、頑張ってくれなきゃ〜」

 

男子達の発言にことりは拳を震わせた。

 

「(なに?…なんなの!ゆーくんがどんな想いで戦ってるかもわからないくせに勝手な事言わないでよ!)」

 

ことりは席を立ち男子達に近づこうとした瞬間。

 

「ことりちゃんダメ」

 

「穂乃果ちゃん…でも」

 

「我慢して…今は病院に行こう多分、関東医大だよね?」

 

「そうだと思う」

 

「なら行こう。絵里ちゃんには私が言っとくから」

 

「うん、わかった」

 

ふと、ことりは穂乃果の拳に目が入った。穂乃果の拳が強く震えながら握り締めるのを。

 

ーーーーーーー

 

「…っここは」

 

白い天井、そして。

 

「目、覚めた?」

 

声の主に雄介は気付き。

 

「ことりちゃん…それに穂乃果ちゃんと海未ちゃんも」

 

心配そうに覗き込む3人に。

 

「そうか、俺…そうだ!未確認はどうなった!?」

 

海未がスマホを取り出し。

 

「あなたと戦った後、行方をくらまし捜索中だとニュースになっていましたよ」

 

海未がそう言いスマホを雄介に見せる。

 

「そうか…なら奴はまたどこかで事件を起こす前に何とかしないと」

 

雄介はベッドから出ようとすると。

 

「ゆーくん!?何やってるの!?」

 

ことりは雄介を抑える。

 

「奴は危険なんだ。俺の金の紫のクウガでも倒せなかった。なら今度は…。」

 

雄介の言葉にことりは辛そうな表情をし。

 

「今度は…赤いクウガで金の力を使うの?」

 

ことりの言葉に雄介は頷く。

 

「…だめだよ…ゆーくん自身が言ってたじゃん。その力は怖いって」

 

「それでも、奴を倒す為にもその力を」

 

「なんで!もっと自分を大切にしないの!?」

 

ことりの怒声に周りがシンッとなる。

 

「ことりちゃん?」

 

「いつも!いつも!自分を犠牲にしてボロボロになるまで戦って、私達の笑顔の為でもゆーくんが辛かったら私、笑顔になれないよ」

 

「ことりちゃん…でも俺は皆の為にも戦わなきゃ」

 

雄介の言葉にことりは。

 

「もう…知らない」

 

「えっ?」

 

「ゆーくんなんてもう知らないんだから!バカ!」

 

ことりはそう言い病室を飛び出した。

 

「ことり!?」

 

「ことりちゃん!?」

 

穂乃果と海未が驚き。

 

「穂乃果、私はことりを追いかけます」

 

「うん、わかったお願いね」

 

「海未ちゃん、俺も一緒に」

 

雄介も行こうとしたが。

 

「あなたが行くとややこしくなるのでここでちゃんと寝ててください」

 

「海未ちゃん」

 

「…雄介、あなたや警察の方々が戦って今は何とか私達は生活をしている。それは紛れもない事実でとても感謝しています」

 

海未は雄介の方へ振り向き。

 

「でも、あなたも一人の人間。クウガの力があっても不安はあるのです。それにあなたは一度命を落としかけている」

 

「…それは」

 

「雄介、あなたが戦わなくちゃいけないのはわかっています…ですが、ことりの気持ちもわかってあげてください」

 

海未は病室のドアノブに手を掛け。

 

「それじゃあ私は行きます。穂乃果、雄介を見張ってて下さい」

 

「うん、わかった」

 

そう言い海未は病室を出ていった。

 

「という事だからおとなしくしててね雄介」

 

「…薄々はわかってたつもりなんだ…ことりちゃんやみんなが俺の事心配してくれて俺が負ける度にこうして病院まで駆けつけてくれる。それじゃあ迷惑ばっかかけて皆を笑顔になんて出来ないよな」

 

穂乃果は雄介の話を聞き。

 

「…雄介はさ頑張り過ぎてると思う…みんなの為でも雄介が傷ついたらそれは私達は笑顔になれないよ」

 

「それでも未確認が沢山の犠牲を出す前に俺がなんとかしなくちゃ」

 

「…そうだよね。未確認が出る度に雄介の戦いは続く…内心では雄介に戦ってほしくない。でも未確認と遭遇するたびに雄介の助けが必要になる…正直矛盾してるよね」

 

穂乃果は病室の窓を開け。

 

「結局、私達が雄介を傷つけてるのかもしれないね」

 

「っ!?違う!そんな事はっ!」

 

「あるよ!…あるんだよ。あの日、雄介がベルトを付けてからずっと雄介は傷ついてる」

 

「…穂乃果ちゃん」

 

「ごめん…こんな話するつもりなかったのに」

 

「いや、いいんだ」

 

「私も海未ちゃん達の所へ行くね。雄介はゆっくり休んでてね」

 

「…あぁ、わかった」

 

「それじゃ」

 

穂乃果は病室を出ていき雄介は窓から見える空を見て。

 

「ごめん、みんな…それでも俺は」

 

ーーーーー

 

「ここにいましたか。ことり」

 

「海未ちゃん」

 

海未はことりを見つけ座っているベンチに腰掛ける。

 

「ごめんね勝手に飛び出して」

 

「いえ、ことりの気持ちもわかりますから」

 

「…ゆーくん、怒ってるよね。勝手に怒鳴って勝手に出ていって。最低だよ私」

 

「…ことりは、雄介にどうして欲しいですか?」

 

「えっ?」

 

海未の突然の言葉にことりは戸惑う。

 

「ことりは雄介にこれ以上戦って欲しくはないですか?」

 

「…正直、ゆーくんには戦ってほしくないよ。あんなに傷ついてまでゆーくんそれでも立ち上がるし」

 

でもっと、ことりは続け。

 

「ゆーくんが戦わなきゃ沢山の命が失われる。誰もがゆーくんの力を必要としている!」

 

ことりは海未を見て。

 

「私だってそう!ゆーくんがいなきゃとっくにこの命は無くなってる!私が危なくなった時すぐにゆーくんを頼ってしまう」

 

「そうですね…雄介がいなきゃ私もここにはいません。あの時雄介がクウガにならなければ全員あの時この世にはもういなかったでょう」

 

「そうだけど…そうなんだけどっ」

 

ことりは頭を抱え。

 

「辛いですよね…それでも」

 

海未はことりを見つめ。

 

「私は雄介がクウガじゃなければもっと沢山の命が失われたと私は思います」

 

「…海未ちゃんはゆーくんがクウガになって良かったって思ってるの?」

 

「…昔は雄介がクウガになる事は正直反対でした。でも今は雄介がクウガで良かったって私は思います」

 

「…あんなに傷ついたゆーくんを見ても?」

 

「雄介が傷つくのは確かに心が痛みますが。それでも私は雄介が立派だと、それに尊敬します」

 

「尊敬って…。」

 

「私達や他の皆を守る為にあんなに怖い未確認生命体に立ち向かう雄介をいつも見て私は雄介がかっこいいと思うのです」

 

「…海未ちゃん」

 

「あっ今の言葉、雄介にはないしょですよ?」

 

海未はベンチから立ち。

 

「ことり、雄介が傷ついて心が痛むのはわかります…ですがそんな雄介を支えるのは私達ではありませんか?」

 

「っ」

 

「雄介が辛くても私達が寄り添い支え雄介の笑顔を守る。雄介が私達にしてくれるように」

 

「…そうだよね。辛い時はそばにいるって決めたのに」

 

ことりは頭を上げ。

 

「ごめんね海未ちゃん私、最近ゆーくんが辛い思いしてるからゆーくんが無理しないよう強く言っちゃったけどそれは違う」

 

ことりもベンチから腰を上げ。

 

「ゆーくんが辛いならその分私達の笑顔でゆーくんを笑顔にしなくちゃ」

 

「えぇ」

 

「海未ちゃん戻ろ?ゆーくんに謝らなきゃ」

 

「わかりました。行きましょうことり」

 

ことり達は再び雄介の病室に向かい歩いて行った。

 

ーーーーーーーー

 

ことり達は雄介の病室に向かってる途中、穂乃果を見つけ。

 

「穂乃果」

 

「海未ちゃん、ことりちゃん」

 

「どうしたのです?雄介を見張るよう言ったじゃないですか」

 

「うん、ちょっとね気まずい雰囲気になっちゃって」

 

「ふぅ全く穂乃果もことりも」

 

海未は穂乃果の手を掴み。

 

「ほら!病室に戻りますよ」

 

「ちょっ海未ちゃん!?」

 

「気まずいなら謝る!穂乃果もシャキッとしてください」

 

「ちょっ強引だよぉ」

 

「穂乃果達が元気がないと雄介がさらに落ち込むじゃないですか!それくらい私達幼馴染ならわかるでしょう!」

 

「海未ちゃん」

 

「雄介を支えるのは私達です。辛い時も悲しい時もそれを寄り添えるのは私達しかいません」

 

海未は立ち止まり。

 

「そして雄介を笑顔にするのも私達です」

 

海未達は雄介の病室の前に立ち。

 

「それをあのバカにちゃんと教えてきなさい2人とも」

 

穂乃果とことりは顔を見合わせ。

 

「ふふっなんか海未ちゃんお母さんみたい」

 

「ほんとほんと」

 

「何ですか?全く2人そろって、さぁ行きますよ」

 

海未は照れくさそうに病室のドアを開ける。

 

ーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

音ノ木坂の部室にてμ’sの皆が集まっていた。

 

「みんな、わかってると思うけど、今回のライブはラブライブ予選とは特に関係はないけれど大事なライブよ」

 

絵里が言ったように今回のライブはハロウィンで披露するライブにμ’sがエントリーしていた。

 

「今回のライブを成功させ私達の事をもっとよく知ってもらう…そうでしょ絵里ちゃん」

 

「えぇそうよ穂乃果。私達の事をより多く知ってもらう為にも今回のライブを引き受けたわ」

 

にこが腕を組み。

 

「それにしても思い切ったわねぇまさかエントリーするなんて」

 

「時期が時期だけど、同じ地区予選にいるA‐RISEの存在が大きいわ」

 

「確かに今のままじゃ私達はA‐RISEには及ばないわね…悔しいけど」

 

「えぇ知名度も何よりライブの完成度もあちらの方が上ですものね」

 

「海未の言う通りライブの完成度は圧倒的に上。でも私達は私達のライブで予選を通過してみせる。そうでしょ穂乃果」

 

「うん、頑張ろう皆!まずはハロウィンのライブを大成功させよう!」

 

「がんばるにゃ!」

 

皆が気合いを入れている中。

 

「あのぉ~」

 

「どうしたんことりちゃん?」

 

「少し相談が」

 

「相談?」

 

「衣装の事で」

 

「衣装?」

 

皆が頭を傾げる。

 

ことりが今回の衣装を持ってきて。

 

「今回の衣装ハロウィンって事で少し派手に考えたんだけど」

 

ことりが衣装の後ろ側を見せ。

 

「この衣装、背中が結構見えちゃうんだけど」

 

「な、なんてハレンチな!」

 

「海未ちゃんごめんね。そこじゃなくて」

 

希が穂乃果の方を見て。

 

「穂乃果ちゃんの背中の傷が見える…そうやろ?ことりちゃん」

 

「…うん」

 

以前、穂乃果は未確認生命体から少年を助ける為、大怪我をしそれで出来た傷が背中に残っている。

 

「色々考えたんだけど、今回のライブでこの衣装でライブしたいって思ってたんだけどもし穂乃果ちゃんが嫌ならもう一度考え直して」

 

「ううん、いいよその衣装で」

 

「穂乃果ちゃん」

 

「ことりちゃんが皆の為に一生懸命考えて作った衣装なんだもん。嫌なわけないよ」

 

「でも穂乃果、今回のハロウィンライブ全国でネット中継よ…あなたの背中の傷が全国で見られるの。それでも平気?」

 

「大丈夫だよ真姫ちゃん、それにこの背中の傷は恥ずかしい物でも何でもないの」

 

「穂乃果」

 

「傷があろうと無かろうと私は私、高坂穂乃果だから」

 

穂乃果の言葉に皆が納得し。

 

「さすが…穂乃果ね」

 

絵里は皆を見渡し。

 

「それじゃあ練習始めましょうか」

 

皆が頷き。準備をしようと立ち上がり凛がある事に気付く。

 

「そう言えば今日ゆーすけは?もう退院したんだよね?」

 

「雄介なら今日お休みさせていただきました」

 

「え?まだどこか悪いの?」

 

「いいえ、たまには休ませようと思いまして部活もクウガも」

 

「どういう事?」

 

ふふっと海未は笑い練習の準備を始める。

 

ーーーーー

 

「ふぅ」

 

雄介はコンビニで立ち読みをしている中。

 

「あれ?雄介」

 

「集か?」

 

偶然、集と出会い。

 

「どうした?今日部活じゃなかったのか?」

 

「いや、海未ちゃんに今日は休めって言われてさ…怖い顔で」

 

「あーっなるほどね」

 

「でっ今暇でここで立ち読みしてるってわけ」

 

「じゃあ空いてるって事?」

 

「まぁ、そうなるな」

 

「じゃあ、どっか行かね?久々に遊ぼうぜ」

 

「遊びにか…オーケー行こうか」

 

「おっし!決まり!」

 

雄介達はコンビニを出て街を歩きだした。

 

ーーーーー

 

「雄介!敵!来てる!来てる!」

 

「ちょっと待って!こっちも来てる!」

 

「まずい!囲まれた!」

 

「集!今行く!って何だこいつ!?」

 

「で、デカすぎる」

 

「こいつ!全然攻撃が効かねえ!?」

 

「雄介!避けろ!」

 

「駄目だ!避けきれねぇ!」

 

「雄介!」

 

「駄目だやられる」

 

「雄介…ゆうすけー!」

 

集の叫びと共に雄介達の画面には大きくゲームオーバーと表示されていた。

 

「これ難くね!?さっきのデカい奴全然攻撃きかねぇし!」

 

「ボスだったんかなぁ、そりゃあ強いわけだ」

 

「ったく、クリアした人どうやったか教えてほしいぜ」

 

「お前がクウガになれば楽勝かもな」

 

「茶化すなっつの」

 

「ハハッとりあえずどっかで飯でも食うか」

 

「だな」

 

ーーーーー

 

雄介達はゲームセンターを出た後近くにあったラーメン屋に向かった。

 

「にしてもお前と遊ぶの何ヶ月ぶりだろうな?」

 

「確かに…ずっとμ’sの練習に付きっきりだったしなぁ」

 

「それに未確認生命体も現れてお前は戦いに身を投じた」

 

「…あぁ、そうだな」

 

話している間に注文していたラーメンが2人に届く。

 

「…なぁ雄介、辛くないか?」

 

「どうした急に?」

 

「いや、俺が古代の事で興味津々であの発掘現場に行ってあのベルトを見つけて持って来たことから全てが始まっただろ?」

 

「あぁ…そういやぁお前が持ってきたんだったなぁ」

 

「あの時、俺がベルトを持って来なきゃお前はクウガにならずに済んだかもしれない…普通の人間のまま暮らせたかもしれないのにな」

 

「…集、違ぇよ…あの時、お前がベルトを持って来なきゃあの時全員未確認に殺されていた」

 

「…雄介」

 

「だからお前には感謝してるよ」

 

「でもよ、辛いだろ?あんな怖い奴らと戦って、それにいっぱい傷ついて…それでも平気なのかよ」

 

「平気って訳じゃないさ…未確認だって怖い…でも一番怖いのは皆が悲しむ顔を見る時が一番辛い」

 

雄介は水を飲み。

 

「集がベルトを持って来て俺がクウガになったのが運命だったなら俺はその運命に感謝する」

 

「運命か…これからもそのクウガという運命を一生背負っていくつもりか?」

 

「あぁ…それに辛い事だけじゃない俺の帰りを待ってくれている人達がいる、だから俺は頑張れるんだ」

 

「…そうか」

 

ーーーーー

 

雄介達は店を出て集は腕時計を見る。

 

「そろそろ時間だ。雄介、今日は付き合ってくれてありがとな」

 

「あぁ、今日は楽しかったよサンキューな集。また今度遊ぼうぜ」

 

「そうだな…なんか久しぶりだなこういう約束するの」

 

「…集」

 

「こういう日がいつまでも続けばいいのにな」

 

「そうだな…俺もそう思う」

 

「じゃあ、行くよ」

 

「あぁ、じゃあな集」

 

手を振り集は歩いて行った。

 

「さて、俺も帰るか」

 

ーーーーー

 

ー翌日ー

 

雄介が支度を終え玄関を出ようとすると。

 

「お兄ちゃん」

 

突然、梓に呼び止められる。

 

「ん?どうした」

 

「お兄ちゃんが倒れた後から未確認出て来ないけど、なんか不気味でだから気をつけてね」

 

「あぁ、サンキューな…じゃあ行ってくる」

 

雄介はそう言い家を出てバイクに乗り学校に向かった。

 

ーーーーー

 

学校に着き雄介は教室に向かい歩いていると。

 

「ゆーすけ!おっはっよーにゃー!」

 

凛が後ろから雄介に抱きつく。

 

「おっ!おはよー凛ちゃん」

 

その後から真姫と花陽も来て。

 

「全く凛ったら雄介を見つけた途端走って行くんだから」

 

「まぁまぁ真姫ちゃん昨日、雄介君と会えなかったから」

 

「おはよー真姫ちゃん、かよちゃん」

 

「おはよう雄介、今日は部活に来れるの?」

 

「うん、そのつもり」

 

「そう、よかった」

 

「おやおや?あのツンデレ真姫ちゃんがデレましたぞ凛殿」

 

「これは珍しいですなぁ雄介殿」

 

真姫は雄介達に茶化され。

 

「誰がツンデレよ!」

 

顔を赤くし。

 

「きゃーにーげーろー」

 

「にげるにゃー」

 

雄介達は走っていき。

 

「ちょっ!待ちなさい!あんた達絶対許さないわよ!」

 

真姫は雄介達を追いかけていき。一人の残された花陽はポツンっと立ち尽くし。

 

「元気だなぁみんな」

 

少々苦笑いをし後を追いかけていった。

 

ーーーーー

 

ー放課後ー

 

穂乃果達は練習前に部室に入りライブへ向けてミーティングをする。

 

「ダンス、そして歌、練習通りにいけば来週のライブは大丈夫そうね」

 

絵里がそういい皆が頷く。

 

「雄介、あなたも大丈夫?最近悩んでたみたいだけど」

 

「あぁ、大丈夫だよ」

 

「ならいいわ雄介も来週のライブ頼むわよ」

 

「了解だ」

 

「よし、それじゃあ練習始めましょうか」

 

絵里の言葉に皆が席を立ち屋上へ向かう。

 

屋上へ向かう途中、雄介はことりに肩を叩かれ。

 

「ゆーくん、なんかスッキリした顔してるね何かあった?」

 

「うん?まぁ昨日久々にエンジョイしたからかな体スッキリした感じ」

 

「そっか…ゆーくん今度休みの日どこか行かない?」

 

「ん?あぁいいよ。皆誘ってどっか遊びに行くか」

 

雄介の返事にことりは頬膨らます。

 

「もう…たまには2人きりでどこか行こうよ」

 

「へっ?2人きり?まぁことりちゃんがいいならそれで」

 

「うん♪約束だよ」

 

ことりは笑顔になり屋上へと向かった。

 

「う〜ん、なんで2人きりなんだろ?何か特別な日でもあったかかな」

 

雄介が考え混んでいると。

 

「ふふっ雄介君ちゃんとことりちゃんをリードしなきゃあかんよ」

 

突然耳元で声を掛けられ。

 

「どわっ!?びっくりしたぁどうしたんだよ希。それにリードって」

 

「まぁ雄介君が頑張ってことりちゃんをめーいっぱい喜ばせる事や」

 

「そりゃあ、まぁ」

 

「ふふっ頑張りや」

 

希はふふっと笑いながら屋上へと向かい。それでも首を傾げる雄介。

 

ーーーーー

 

ー休日ー

 

ことりと遊ぶ約束をした日になり雄介は先に待ち合わせ場所へと向かっていた。

 

「待ち合わせ場所10分前、これなら大丈夫でしょ」

 

待ち合わせ場所に着いた雄介は余裕な気持ちでいると。

 

「…えっ?」

 

雄介は即座に近くの壁に隠れる。

 

「こ、ことりちゃんもういるんだけど」

 

雄介の目の前には手鏡で髪を整えていることりがいた。

 

「(いやいやいやいやさすがにことりちゃん早すぎでしょ!?これじゃあ男の威厳が)」

 

雄介があたふた考えていると。ことりは腕時計を見て。

 

「もうすぐだね。楽しみ」

 

ことりの言葉に雄介は冷静になり。

 

「(さすがにこれ以上待たせる訳にはいかないよな…よし!)」

 

雄介は意を決して。

 

「ことりちゃん」

 

雄介に呼ばれことりはパァッと微笑み。

 

「ゆーくん!」

 

雄介の元へと駆け寄る。

 

「お待たせ。ことりちゃん早いね」

 

「うん!楽しみで結構早く着いちゃった」

 

「そ、そっか嬉しいよ」

 

「じゃあ行こ!ゆーくん!」

 

ことりは雄介の手を取り。

 

「う、うん!」

 

雄介もことりの手をつなぎ歩いて行った。

 

「それにしても珍しいねことりちゃん水族館に行きたいなんて」

 

雄介達が向かったのは水族館。ことりの提案である。

 

「…ゆーくん覚えてないの?」

 

「えっ?何が?」

 

雄介達は水族館の目の前に着きことりは不満そうな顔をする。

 

「ここ」

 

「う〜ん、どこだっけ?」

 

「もう、小さい頃いっぱい来たでしょ?私達」

 

ことりにそう言われ雄介は記憶の中を探り懸命思い出し。

 

「あ、あぁ~そうそう!昔ことりちゃんと一緒に来たことある!」

 

「もう、やっと思い出した?」

 

「うん、うちの母さんやことりちゃんのお母さんと一緒に来てたなぁ」

 

「そう、久しぶりに来たくなっちゃって」

 

「そっか、なら入ろうか」

 

「うん!」

 

雄介達は水族館に入り中を見て回る。

 

「すごいなぁ小さい頃とあまり変わってない」

 

「ゆーくん見て見て!ペンギンさんだよ!」

 

ことりはすごくはしゃぎペンギンがいる方へと向かって行った。

 

「ことりちゃんも昔すごくはしゃいでたなぁ今と変わらず」

 

「ゆーくん早く早く!」

 

「うん、今行く」

 

雄介達は沢山の海の生き物達を見て回りあっという間に昼間の時間へと差し掛かっていた。

 

「ことりちゃんもう昼だし何か食べに行こうか?」

 

「あっそれなんだけど」

 

ことりは恥ずかしそうに鞄から何か取り出し。

 

「今日為に作ってきたのお弁当…その、ゆーくんに食べて欲しくて///」

 

「えっ?ありがとう!ことりちゃんの弁当美味いかならなぁ早速どこかで食べようか」

 

雄介は喜び休憩スペースへと向かった。

 

休憩スペースに着きちょうど空いていた席に雄介達は座る。

 

「じゃあ、どうぞゆーくん」

 

ことりかは弁当を受け取り。

 

「ありがとう」

 

雄介は蓋を開けると。

 

「ことりちゃん…これ」

 

弁当の中身は全て雄介の好物だった。

 

「ゆーくんが大好きな物をギュッと集めたスペシャルバージョンだよ!」

 

「すごいな…じゃあさっそくいただきます」

 

雄介は手を合わせ。

 

「どうぞ召し上がれ」

 

雄介は黙々と弁当を食べ。

 

「ゆーくん、どう、かな?」

 

「うん!すっごく美味しいよ!」

 

「そっか、よかったぁ」

 

「それにしてもことりちゃん俺の好物よくわかったね?」

 

「それは…ずっとゆーくんの側にいるからだよ」

 

ことりは雄介に聞こえないように小さな声で答えた。

 

「えっ?ことりちゃん?」

 

「う、うん!この前ね梓ちゃんに聞いてそれでわかったんだ」

 

「そっか!納得納得」

 

雄介はどんどん平らげ。

 

「ふぃ~ごちそうさま」

 

全て完食し。

 

「美味しかったよ。ことりちゃん」

 

「喜んでもらえて良かった」

 

ことりは笑顔でそう答え。

 

「ことりちゃん…この前、弁当作ってくれたのに食べれなくてごめん」

 

「えっ?し、仕方ないよあの時は未確認生命体が出たんだから」

 

「それでも、ことりちゃんとの約束を破った事に変わりはないからさ」

 

雄介は申し訳無さそうにそう言い。

 

「じゃあ…今日ゆーくんがめーいっぱい、ことりと一緒に居てくれたら前の約束の事、許してあげる」

 

「う、うん!もちろん今日はどんな事でもことりちゃんと付き合うよ!」

 

「じゃあ、行こ!もうすぐイルカショー始まるよ」

 

「お、そっかもうこんな時間!行こうかことりちゃん」

 

雄介が歩きだそうとした瞬間。ことりに袖を掴まれ。

 

「ことりちゃん?」

 

「ゆーくん、手…繋いでいこ?」

 

「う、うぇ?オーケーでございます」

 

雄介とことりはギュッと手を繋ぎ歩いていく。

 

「なんか小さい頃思い出すなぁ…ことりちゃんとずっと手繋いだまま散歩した時あったっけ?」

 

「うん、そうだね」

 

「なんか懐かしいなぁ」

 

雄介が昔を思い出しながら歩いている中、ことりは顔を赤くしながら顔を伏せていた。

 

ーーーーー

 

雄介達はイルカショーの席に着き。雄介達は空いている席に座る。

 

「よいしょっと、ん?ことりちゃん?」

 

席に座っても手を離さないことりに。

 

「あっごめんね!」

 

パッ!と手を離すことりに。

 

「…ことりちゃんが良ければずっと繋いだままでいいよ?」

 

「えっ?…いいの?」

 

「うん!」

 

雄介はことりの手をもう一度繋ぎ。

 

「今日はちょっと寒いからね。これであったかあったか」

 

雄介はそう言うと。ことりはクスッと笑い。

 

「ふふっゆーくんの鈍感さん」

 

ことりが小さく言い。

 

「えっ?何か言った?」

 

「ううん、これであったかあったか、だね」

 

ことりは満面の笑みでそう答え。

 

「あっゆーくん始まるみたいだよ」

 

「うん!」

 

イルカショーが始まり雄介はイルカ達に夢中でそんな雄介をことりは微笑みながら雄介を見ていた。

 

ーーーーー

 

ー夕方ー

 

雄介達は水族館を出て自分達の家へと向かい歩いていた。

 

「くぅ~今日は楽しかったなぁ」

 

「うん、私も!」

 

「また来ようか、今度はみんなで!」

 

雄介の言葉にことりは少し頬を膨らませ。

 

「もう、ゆーくんのバカ」

 

「ことりちゃん?」

 

「ううん、そうだね今度はみんなで来ようか」

 

「うん!」

 

話いる内にことりの家の前に着き。

 

「じゃあ、今日はありがとうゆーくん。すごく楽しかった」

 

「俺もだよ、それにことりちゃんが作ってくれた弁当すごく美味しかった」

 

「私で良ければいつでも作るよ?」

 

「うん、毎日お願いしたいくらいだ」

 

「じゃあ…これからゆーくんのお弁当私がずっと作ってもいいのかな?」

 

「もちろん!ことりちゃんが作ってくれるならずっとお願いしますだよ!」

 

「じゃあ、今度の月曜日持っていくからね」

 

「マジ!?ありがとーことりちゃん!大好き!」

 

雄介の何気ない言葉にことりはドキンッ!となり。

 

「う、うん!それじゃあまたね」

 

ことりは顔を隠しそそくさと家に入って行った。

 

「またねー」

 

バタンッ!扉を閉めヘタヘタと座り込むことり。

 

「もう、ゆーくんったら!///」

 

ことりはドキドキと鳴り響く鼓動を抑え。

 

「私も大好きだよ、ゆーくん」

 

顔を真っ赤にしながらことりは満足そうに言った。

 

ーーーーー

 

ー翌日ー

 

久しぶりの休日を得たμ’sのメンバー達。

 

「さぁ明日の夜にはライブ。今日は最終仕上げよ!」

 

絵里はそう言い皆配置に着く。

 

「じゃあ、始めよう!」

 

穂乃果の号令でμ’sの練習が始まる。

 

一方、大きなビルにてカジノを楽しむ男にドレスを着たバルバが近付く。

 

「いつまで遊んでいるつもりだ…ガメゴ」

 

「…バルバか」

 

ガメゴは席を立ち。

 

「俺のゲゲルは後、数百人殺せばクリアだ明日あれば十分可能だ」

 

「リントにはクウガがいるぞ」

 

「フッ…あの強化したクウガも退けたんだ。どんな手で来ようが俺には勝てん」

 

そう言いガメゴは店を出る。

 

「ゲリザギバスゲゲルは必ず成功させる」

 

ーーーーー

 

μ’s達は練習を終え一息つく。

 

「これなら明日の本番も大丈夫そうやね」

 

「えぇ、今日の練習はここまでにしといて体を休ませて明日に備えましょう」

 

絵里の言葉に皆が帰りの支度を始める。

 

「それじゃあみんな!また明日ね!」

 

1年生、2年生、3年生、と別れそれぞれ帰宅する。

 

「ついに明日本番かぁ…久々で緊張するよ」

 

「穂乃果なら大丈夫です。ダンスも歌も完璧でした」

 

「えへへ、海未ちゃんがそう言ってくれるなら自信がつくよ」

 

穂乃果はことりの方へと向き。

 

「ことりちゃんも明日頑張ろうね!」

 

「うん!穂乃果ちゃんと一緒のライブ楽しみ!」

 

穂乃果達の会話を後ろから聞き微笑む雄介。

 

「(3人とも明日ライブで緊張してるかなって思ってたけど楽しみでしょうがないみたいだ…俺もちゃんと皆をサポートしないと)」

 

「雄介!」

 

突然、穂乃果に声を掛けられ雄介はハッとなり。

 

「ん?どうした?」

 

「明日、雄介も頼んだよ!」

 

「あなたのサポートもそうですが何より」

 

「私達の側で見守ってて欲しいの」

 

3人の願いに。

 

「あぁ見守ってるよ…ずっとね」

 

ーーーーー

 

ーライブ当日ー

 

ライブ会場の控室にμ’sメンバーが既に集まって曲のおさらいをしている。

 

「すごい…ここからでもお客さんの声が聞こえるよ」

 

「凛、最後のおさらいよ。集中」

 

「ごめん真姫ちゃん」

 

皆が話し合っている中。

 

「本番10分前でーす」

 

会場のスタッフが控室に入り声をかける。

 

「よし、やることは全部やった…後は本番で全力で行こう!」

 

皆は円陣を作り穂乃果はピースを前に出す。そして他のメンバーも同じように出し。

 

「1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

「ミューズ!」

 

「「ミュージックスタァートォ!!!」」

 

その掛け声と共に穂乃果達はステージへと向かう。

 

ステージの手前に来たとき雄介の携帯が鳴る。

 

「…一条さん」

 

雄介は電話に出て。

 

「はい、俺です」

 

『中野、第21号が姿を現し以前同様、鉄球を投げ被害が拡大している…行けるか?』

 

「…大丈夫です。すぐに向かいます」

 

『…頼む』

 

一条からの通話を終え雄介は皆の方へと向く。

 

「…ごめん、みんな」

 

「未確認生命体が現れてたんだね」

 

穂乃果の言葉に雄介は頷き。

 

「…どうして」

 

「凛ちゃん?」

 

「どうしていつも、未確認は凛達の邪魔ばかりしてくるの?」

 

「凛」

 

真姫は凛の肩を支え。

 

「凛は、ゆーすけにも凛達が踊ってる所見てほしいのに」

 

「っ!」

 

雄介は唇を噛み締め。

 

「誰だってそうよ。お客さんに見せるのもそうだけど…一番近くで見てほしいのはあなたよ雄介」

 

「真姫ちゃん」

 

雄介は拳を握り。

 

「俺もみんなのライブが見たい…だけど未確認を放ってはおけない」

 

雄介は後ろを振り向き。

 

「必ず戻って君達のライブをみる」

 

雄介はそう言い走り出そうとした瞬間。

 

「ゆーくん!」

 

ことりの声に雄介は立ち止まり。

 

「約束…だよ?」

 

雄介は振り向かず走って行った。

 

「…行こう、みんなが待ってる」

 

穂乃果の言葉に皆が振り向き。

 

「雄介がみんなの為に戦ってるなら、私達はこのライブでみんなを笑顔にしよう!」

 

「穂乃果あんた良いこと言うじゃない」

 

にこはそう言い。

 

「穂乃果の言う通りよ!私達が今くよくよしてもしょうがない。あいつはあいつの場所で私達は私達の場所で頑張りましょう!」

 

「全く…さすがにこね!」

 

「たまには良いこというやん!にこっち」

 

「たまにはは余計よ!」

 

「行こう凛ちゃん!会場に来てくれた人達の為にも雄介君の為にも」

 

「かよちん…うん!」

 

「ことり…行けますか?」

 

「大丈夫、ゆーくんが私達を見守ってくれるって約束したから」

 

「じゃあ、行こう!」

 

穂乃果の掛け声と共にμ’sはステージに立つ。

 

ーーーーー

 

雄介は一条に指示された場所に着く。

 

「ここのはずだけど」

 

雄介はバイクから降り辺りを捜索すると。

 

「!?あれは!」

 

そこには倒れている人達が沢山いた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

倒れている人に肩を揺するが反応がない。

 

「っ!一条さんはまだ到着しないのか?」

 

雄介は一条に連絡を取ろうとすると。

 

「むん!」

 

背後から声が聞こえ雄介は振り向くと目の前に鉄球が飛んできた。

 

「っ!?」

 

雄介はギリギリの所で躱し体制を立て直した。

 

「まだ生き残りがいたとは…全部仕留めたはずだが」

 

「っ!お前!」

 

雄介は腹部からアークルを出現させ。

 

「変身!」

 

赤いクウガへと変身を遂げた。

 

「クウガ…そうか貴様だったか」

 

ガメゴは手の甲から小さい鉄球を取り出し。

 

「ならばここでお前を倒すこのゴ・ガメゴ・レがな」

 

「っ!」

 

クウガは構えガメゴに向かっていく。

 

ーーーーー

 

μ’sのメンバー達は一曲目を終え一旦控室に戻る。

 

「雄介は!?」

 

穂乃果が絵里に確認を取るが。

 

「駄目…ニュースでは交戦中としか」

 

「じゃあ、ライブには間に合わないの?」

 

「…穂乃果」

 

皆が落ち込んでる中。

 

「くよくよしない!あいつはあいつの場所!私達は私達の場所で頑張るってさっき決めたじゃない!」

 

「にこちゃん」

 

「やりきるわよ…最後まで私達はアイドルなんだから!」

 

「…うん!行こう!」

 

「穂乃果、次の曲の衣装です」

 

海未が次の曲に使う衣装を持って来て。

 

「…ありがとう海未ちゃん」

 

穂乃果はそれを受け取る。

 

「…本当にいいのですか?」

 

「大丈夫。前にも言ったでしょ?私は私、高坂穂乃果だって」

 

「…えぇ、そうですね」

 

「みんなも次の衣装に着替えて行こう!お客さんが待ってる!」

 

「「はい!!!」」

 

穂乃果の言葉に皆が返事をし次の衣装に着替え始める。

 

「(雄介…私達も頑張る…だから!)」

 

ーーーーー

 

「くっ!」

 

クウガはガメゴの鉄球を避け何とか体勢を立て直す。

 

「どうしたクウガ…新しい力は使わないのか?」

 

「なんだと?」

 

「それじゃあすぐに死んでしまうぞ?」

 

「っ!このっ!」

 

クウガはガメゴの挑発に乗り向かって行くがそれが狙いでガメゴは鉄球に着いている鎖をクウガの首に巻きつける。

 

「なっ!?」

 

「終わりだクウガ」

 

ぐぐぐッと力を込めクウガの首を確実に締めていく。

 

「ぐっ…がっ…」

 

「ドドレザ!」

 

ガメゴがそう言いった瞬間。

 

ダァンッ!と音が鳴り響き。

 

「なに!?」

 

ガメゴの鎖を破壊しクウガは解放された。

 

「はぁっはぁっ一体…何が?」

 

遠くからライフルを構えた一条が立っていた。

 

「中野!」

 

「一条さん!?助かりました!」

 

鎖を破壊した者に気付くガメゴ。

 

「リントの仕業か…小癪な真似を」

 

ガメゴは再び手の甲から鉄球を取り出そうとすると。

 

「させるか!」

 

クウガはガメゴを抑え。

 

「貴様!」

 

「一条さん!」

 

クウガが叫び一条はライフルを構え。

 

ダァンッ!ダァンッ!とガメゴの手の甲に着いている鉄球を全て撃ち落とした。

 

「よし!」

 

クウガはガメゴを離しキックを喰らわす。

 

「ぐっ!…貴様らぁ!」

 

ガメゴはクウガに突進してくるがクウガは突進してくるガメゴを抑え。

 

「ふっ!」

 

ガメゴに膝蹴りを喰らわし怯んでいる所にパンチを喰らわす。

 

「ぐわっ!」

 

ガメゴは吹き飛び転がる。クウガはその隙にバイクに乗りゴウラムを呼びバイクと合体させトライゴウラムへと変形させる。

 

「行くぞ!」

 

クウガはそのまま発進させガメゴをトライゴウラムの前側に突進させ乗せるようにそのまま走り出していった。

 

「なにをするつもりだ中野!?」

 

一条は直ぐ様パトカーに戻り無線でクウガに連絡を取る。

 

「中野どういうつもりだ!?」

 

『勝手な行動してすみません!ですけどここで奴を倒したら街が大変な事になると思って』

 

「どういう意味だ?」

 

『赤いクウガで金の力を使おうと思うんですけど周りが巻き込まれないよう人気が無い所まで奴を運びます』

 

「…一人で大丈夫なのか?」

 

『はい…一条さん、もし俺が街に被害をもたらしたらその時は…すみません』

 

「…気にするな今は君の判断に任せる」

 

『ありがとうございます』

 

「頼んだぞ中野」

 

そこで通話を終えクウガはスピードを上げ走っていった。

 

クウガは今、誰も使われていない廃工場までガメゴを運び急ブレーキを掛けその勢いでガメゴを吹き飛ばす。

 

「ごわっ!」

 

ガメゴはそのまま横転しクウガはバイクから降りゆっくりと近づく。

 

「クウガァ!」

 

ガメゴは飛び掛かるよう立ち上がりクウガは身構え応戦する。

 

「むんっ!」

 

ガメゴはクウガにパンチを繰り出すがクウガはそれを手で跳ね返しガメゴの腹部にパンチを連続に喰らわし。

 

「おりぃやぁ!」

 

最後にガメゴの顔にパンチを喰らわしガメゴは吹き飛び。

 

「ふっ!」

 

クウガは構えキックの体勢を取り走り出す。

 

「おりぃやぁーっ!!!」

 

ガメゴにマイティキックを喰らわすがガメゴはクウガの足を抑え

 

「ふんっ!」

 

勢いよく回しクウガを投げる。

 

「うわっ!」

 

クウガは横転し。

 

「くっ!」

 

クウガはガメゴを見据え。

 

「どうした?新しい力を使わなければ俺には勝てんぞ」

 

ガメゴの言葉にクウガは立ち上がり。

 

「(やっぱり、やるしかないか)」

 

ーーーーー

 

「「ありがとうございましたっーーーー!!!」」

 

μ’sのメンバー達は全ての曲を終え全員控室へと戻る。

 

「ゆーくん!」

 

控室に戻ったメンバー達だったが雄介の姿はなく。

 

「間に合わなかったんやね…雄介君」

 

「…こればっかりは仕方ないわ…私達は帰りの支度をして雄介を待ちましょう」

 

「ライブ…見てほしかったなぁ…大成功だったのに」

 

「凛ちゃん、次があるよ!次の予選大会で雄介君に見てもらお!」

 

「大成功で収めたそれを雄介に伝えましょう…雄介の無事を祈って」

 

「穂乃果も、今日はお疲れ様でした…その傷の事も会場の皆が受け入れ私はあなたを誇らしく思います」

 

「ありがとう、海未ちゃん。私も私で自信が持てたよ。それにみんなのおかげ…ここにいるメンバーや会場にいたみんながいたから私は最後までやり遂げたと思う」

 

穂乃果は皆の前に立ち。

 

「ありがとう!」

 

深々とお辞儀をした。

 

「こちらこそありがとうだよ穂乃果ちゃん!」

 

「今日は大成功で皆が笑顔になった…後は雄介を待つだけです」

 

「うん、雄介…待ってるからね」

 

ーーーーー

 

クウガは一歩さらに一歩さがり構えを取る。そして…。

 

バリバリッ!と体に放電が流れ金の力を解放する。

 

「ふっ…その色での新しい力か」

 

ガメゴはそう言い受けの姿勢で迎え撃つ。

 

クウガの右足にアンクレットが着き。

 

「…行くぞ!」

 

クウガは一気に走り出し。

 

「ふっ…!」

 

跳んで空中で一回転し。

 

「おりぃやぁーーーー!!!」

 

「来いっ!」

 

クウガのライジングマイティキックがガメゴに直撃する。

 

「ぐわぁあぁぁぁぁ!!!!!」

 

その攻撃によりガメゴは吹き飛び横転し。

 

クウガが着地した瞬間。

 

ドォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

 

大爆発を起こす。

 

ーーーーー

 

μ’sのメンバー達は支度を終え外で雄介の帰りを待っていた時。

 

爆発の地響きが聞こえ。

 

「きゃっ!」

 

「な、なに!?」

 

それと同時に爆風が流れ。

 

「な、何なのよ!」

 

皆が驚いてる中、穂乃果が指を指し。

 

「なに…あれ?」

 

穂乃果が指を指す方向にはここからでもわかる爆発の光がみんなに見えていた。

 

「ゆ、ゆーくん?」

 

この爆発と共にこれから起きる悲劇を彼女達はまだ知る由もない。

 

ー第23話 運命endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




圧倒的に遅くなりました。本当に申し訳ありません。


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第24話 信頼

赤いクウガの金の力を使い強敵ゴ・ガメゴ・レを倒した雄介。だがその力の代償はあまりにも大きかった。



「ワン!ツー!スリー!みんなここでフニッシュ!」

 

μ'sのメンバー達は最後の決めポーズを決めダンスが終わる。

 

「うん!いいんじゃないかしら大方完成に近づいているわ」

 

絵里の言葉に皆が顔を合わせあい微笑む。

 

「これなら1ヶ月後の予選大会には間に合いそうだね!」

 

「曲も振り付けも出来てますし少しの微調整をすれば完成ですね!」

 

皆が盛り上がってる中、凛だけは表情を曇らせていた。

 

「どうしたの?凛ちゃん」

 

「かよちん…うん、今日もゆーすけ来なかったなぁって」

 

凛の言葉に皆が気まずい雰囲気になる。

 

「あっ!ごめん!みんな凛のせいで」

 

「ううん、いいのよ誰しもが思ってる事だから」

 

「まさか、マネージャーをやめるなんて言うとは誰も思わなかったですからね」

 

「本当だよ…バカ雄介」

 

遡る事一週間前。

 

「みんな…話があるんだ」

 

雄介の呼び掛けに皆が振り向く。

 

「どうしたの?ゆーくん」

 

雄介はみんなから少し目線をそらし。

 

「俺…みんなのマネージャーを辞めようと思う」

 

雄介の発言に少しの沈黙が流れ。

 

「なに…いってるの?」

 

穂乃果がゆっくりと雄介に近づき。

 

「答えてよ雄介…辞めるってどうゆう事?」

 

「言葉の通りだ…俺はみんなの…μ'sのマネージャーを辞める」

 

穂乃果がギュッと拳を握り。

 

「どうして…最初にみんなでやり遂げるって言ったじゃんそれは嘘だったの?」

 

「嘘じゃない、でもこのままじゃ俺はみんなに迷惑を掛ける…いや、もう掛けてるかもしれないけど」

 

雄介はギュッと目を閉じ。

 

「俺が戦っている以上みんなに迷惑が掛かる。だから俺はみんなから離れた方がいいなっ」

 

「ふざけないでよ!」

 

雄介が言う終わる前に真姫が雄介に掴みかかり。

 

「迷惑が掛かる?だから離れる?自分勝手なのも大概にしなさいよ!」

 

「…現に俺はこの前の戦いでこの街を破壊寸前まで追い込んでしまった…それでマスコミやニュースとかで今はパニック状態」

 

それに…と雄介は続け。

 

「こんな事になって俺がクウガって事がバレるのは時間の問題…つっても前にテレビで映っちゃったから大方バレてるだろうけど」

 

雄介はため息を吐き。

 

「それでマスコミが嗅ぎ付け家族やそれに…みんなにも迷惑がかかっちまう。それをネタにしμ'sの事も悪く言われる可能性がある。以前それと同じようなネタに迫ってみんなや…特にことりちゃんを危険な目に遭わせてしまった」

 

そう、ことりは以前2人の男に脅され捕まり危険な状態まで追い込まれてしまった事がある。

 

「違うよゆーくん!あれは私が勝手にっ!」

 

「違わないさ…それも俺がクウガでそれにみんなと一緒にいるからだと思って…それにまた同じ事があってもおかしくないと思ったから、だから俺は」

 

「それで、私達の側から離れると…そういう事かしら?」

 

「…あぁ、そうだ」

 

絵里は雄介を睨み。

 

「雄介、確かに以前の戦いで街に大きな被害が出たのは間違いないわ…でもそれは貴方自身がしたわけじゃないんでしょ?」

 

「経緯はどうあれ俺があそこにいた時点で俺にも責任がある。それはどうしても避けられない」

 

それに…と雄介は続け。

 

「それが原因で君達にも影響しラブライブの出演で影響が出たら俺は耐えられない…だから俺はみんなから離れなきゃいけないんだ」

 

「雄介君、その選択がウチ達から離れる事で解決出来ると思っとるんか?」

 

「…あぁ、思ってる」

 

穂乃果は雄介の顔をじっと見つめ。

 

「私達じゃ雄介を支えられないの?」

 

「…ごめん」

 

雄介はそう言い残し屋上を去って行った。

 

ーーーーー

 

今日の練習を終え、ことりは雄介の家へと向かった。

 

ことりは雄介の家の前に立つとインターホンを押し。

 

少し経つと。

 

「あっことりちゃん」

 

「こんばんわ梓ちゃん」

 

そう言いことりは鞄からプリントを取り出し。

 

「これ今日の分」

 

そう言って梓にプリントを渡した。

 

「いつもごめんね、ことりちゃん」

 

「ううん、梓ちゃんやっぱりまだゆーくんは」

 

「うん、今日も帰ってきてないよ」

 

梓が寂しそうな顔をし雄介がまだ帰ってきていない事を告げた。

 

「そう…なんだ」

 

ーーーーー

 

これもまた一週間前。

 

「梓、話があるんだ」

 

食事を終え梓が皿洗いをしている中。

 

「なに?お兄ちゃん」

 

梓が聞き返すと少しの間があき。

 

「梓…父さんと母さんの所へ行くきはないか?」

 

雄介の言葉に梓は手を止め。

 

「なに…言ってるの?」

 

「最近、未確認の動きが活発で被害がさらに酷くなってる…正直外に出るのも危険だ、だけどアメリカにいる父さん達の所へ行けば安心だ。そこなら未確認の脅威はないし安全に暮らせる」

 

「…お兄ちゃんはどうするの?」

 

「…俺は、ここに残るよ」

 

「…お兄ちゃんが行かないなら私は行かない」

 

「頼む、本当にこのままじゃ危険なんだ梓を想っての事なんだ…ほら、アメリカに行けば父さん達とも会えるじゃないか」

 

「…嘘でしょ?」

 

「…えっ?」

 

梓は振り向き雄介の顔をじっと見つめる。その瞳には涙が流れていた。

 

「お兄ちゃん、最近テレビや新聞ですごい批判な事ばかり言われてそれで私を巻き込まないよう、お父さん達の所へ行けって言うんでしょ?」

 

「…」

 

「お兄ちゃんがどんな事言おうと私は行かないよ私はお兄ちゃんの側にいる!」

 

「…ワガママ言わないでくれ」

 

雄介は梓から目線を逸らし。

 

「俺のせいで梓を困らせたくないんだ。頼む梓、俺の言う事を聞いてくれないか」

 

「だから嫌だって言ってるでしょ!」

 

「いい加減にしろ!」

 

雄介の怒声にビクッ!と梓は押し黙る。

 

「今回の事で俺やそして梓の事を知ったら世間は黙っていられない色んな人に酷い事を言われるかもしれない…俺は梓がそんな事言われたら耐えられない」

 

「…お兄ちゃんはいいの?お兄ちゃんは色んな人から酷い事言われて苦しくないの?」

 

「苦しいさ…だけど俺だけならまだいい…でも大切な人が言われたらもっと苦しいんだ」

 

「その言葉そっくりそのまま返すよ」

 

「えっ?」

 

「私だってお兄ちゃんが沢山の人に酷い事言われて苦しいんだよ!だって大切な家族だよ!?苦しいに決まってるじゃん!」

 

梓は涙を流し。

 

「今、傷ついてるお兄ちゃんを私はほおって置けないだから私はお兄ちゃんの側にいるよ。なんて言われようともね」

 

「…優しいな梓は」

 

雄介は微笑み。

 

「ごめん、兄ちゃんが悪かった…だからもう泣かないでくれ」

 

「お兄ちゃん」

 

「今日は疲れたしもう寝るよ。きつい事ばっかり言って本当にごめん」

 

雄介はそう言い残しリビングを出ていった。

 

ーーーーー

 

ー翌日ー

 

「お兄ちゃんまだ起きてこないなぁ」

 

朝の朝食を並べ雄介を待っているが中々降りてこない。

 

「…昨日の事、気にしてるのかな?」

 

梓は2階に上り雄介の部屋の前に立つ。

 

「お兄ちゃん、朝だよ早く起きないとご飯冷めちゃうよ」

 

ノックをして声を掛けても返答はなかった。

 

「昨日の事もう気にしてないから、だから起きてお兄ちゃん」

 

それでも返答がない梓は。

 

「もう、入るよ」

 

梓はそう言い扉を開けると。

 

「おにい…ちゃん?」

 

部屋の中には雄介の姿がなくベッドの上に一枚の紙が置いてあり。

 

梓がその紙を拾いそこに書いてあった言葉それはたった一言。

 

『ごめん』

 

ーーーーー

 

その紙を見てから一週間が経ち学校にも姿を現さず行方を眩ませていた。

 

「ゆーくん本当にどこに行ったんだろう?」

 

「あの戦いから未確認生命体も姿を現さないから、お兄ちゃんも姿を現さないし」

 

「未確認が出てこないのは幸いだけど、このままじゃ本当にゆーくんの居場所がわからないよ」

 

ーーーーー

 

「おーい、起きろー朝だぞー」

 

雄介の友人、集がフライパンと小玉を持ってカンカン!っと鳴らす。

 

「うるせぇ〜もう少し寝かせろぉ」

 

その人物は布団から起き上がり文句を垂れる。

 

「ったく今日も学校行かないつもりかよ」

 

「あたりめーだろ合わせる顔がないっつの」

 

「お前、そう言うけどさこのままだと単位やばいぞ」

 

「うぐっ!それはそうだけど」

 

「…留年するきか?」

 

「それだけは絶対に嫌だぁ!」

 

「な〜ら、覚悟を決めて学校に顔出すんだなバカ雄介」

 

頭を抱えうなだれる雄介をよそに集は学校に行く準備をする。

 

「まぁお前の気持ちを考えたら行きたくない気持ちもわかるけど、そろそろ帰った方がいいんじゃねぇか?…梓ちゃんの為にもさ」

 

「わかってっけど…つか梓の名前だすなよ!正直黙って出ていった事、罪悪感ハンパねぁんだから」

 

「まぁ家は1人暮らし出しいくら居ても構わねぇけど、ちゃんとお前には待ってる人がいるんだから。あんま待たせんじゃねぇぞ?」

 

「…わかってるよ」

 

集は微笑み。

 

「じゃあ学校行ってくるわ」

 

集はそう言い部屋を出ていった。

 

「わかってるけど…そう簡単にいかねぇよ」

 

雄介は寝転がり目を瞑る。

 

「(あの戦いから結構経ったけど未確認が全く現れなくなった…でも奴らの事だからまた何かしてくるかもしれない)」

 

雄介はスッと目を開き。

 

「俺が何とかしないと」

 

ーーーーー

 

暗闇のトンネルの中、赤いマフラーを着けた男がコインを投げ立っていると。

 

「お前の出番だバダー」

 

赤いワンピースを着たバルバがバダーという男の前に現れる。

 

「やっと俺の出番か」

 

「お前のゲゲルは鉄の馬から引きずり降ろし殺すだったな?」

 

「…いや、少しゲゲルを変えようと思ってな」

 

バダーは小さく丸い玉をバルバに見せる。

 

「それは?」

 

「最近、リントの奴等がこういう玩具で遊んでいるのを見てね。だから俺のゲゲルもこいつでリントを狩ろうっと思ってな」

 

バダーはそう言いその黒い玉を投げる。

 

すると…。

 

ドォォオン!!!という大きな音がなり爆発した。

 

「…爆弾か」

 

「あぁこいつでリントが群がってる所に投げると大量のリントを殺せるだろう」

 

「ゲゲルのやり方を変えるという事は不利になる事だぞ?」

 

「なに心配ないさこのゲゲルを成功させザギバスゲゲルに俺は進む」

 

「リントにはクウガがいるぞ?」

 

「確かにクウガは強い。あのガメゴを倒した事には確かに驚いたが心配ない…俺はもっと強い」

 

ーーーーー

 

ー音ノ木坂学院ー

 

「やっぱ今日も雄介は来ないかぁ」

 

朝のHRが終わり雄介の座っている机を見て穂乃果は言う。

 

「どうしてるんでしょう?まさか野宿って事はないですよね?」

 

穂乃果と海未が話している中、ことりは席を立ち集の方へと向かった。

 

「ねぇ集くん」

 

「えっ?どうしたの南さん」

 

「えっと…ゆーくんの居場所って知らない?」

 

「ごめん…俺も連絡してるんだけどあいつ携帯の電源切ってるのか全然出てくれないんだよねぇ」

 

「そっか…ありがとう」

 

ことりはそう言い穂乃果達の方へと戻る。

 

「(ったく雄介の奴こんな嘘つかせやがってこれじゃあ本当に南さん達がかわいそうだぜ)」

 

集が雄介に悪態ついていると雄介からLINEが来た。

 

「雄介から…って未確認!?」

 

集の大声に周りが集を見る。もちろん穂乃果達にも聞こえた。

 

「未確認が出たって事は」

 

「…ゆーくん!」

 

ことりはすぐに飛び出し。

 

「海未ちゃん私達も行こう!」

 

「ちょっ授業はどうするんですか!?もう!穂乃果!ことり!」

 

海未も穂乃果に続いて走っていった。

 

ーーーーー

 

ー数分前ー

 

「さて…こいつを試す時が来たか」

 

バダーは爆弾をビルの屋上から隣のビルに目掛け投げる。

 

「さぁ…ゲゲルの始まりだ」

 

その数秒後。

 

ドォォオン!!!!!

 

ビルの半分が消し飛ぶ程の威力があり街中は大パニックになるには数秒と掛からなかった。

 

ーーーーー

 

雄介がバイクを洗っている中、スマホが鳴り出し。

 

「一条さんから」

 

雄介は電話に出る。

 

「はい、もしもし」

 

『中野!事件だ!』

 

「未確認ですか!?」

 

『あぁ、今さっき連絡が入りビルが爆発し半分以上が消し飛ばされたと通報が入った!』

 

「爆発!?という事は爆弾か何かですか!?」

 

『恐らくそうだろう、街の監視カメラにはその爆弾を投げた者が映っていたらしい』

 

「爆弾を使う未確認…とりあえず現場に向かいます!場所を教えて下さい!」

 

『あぁ、わかった!』

 

雄介は一条に事件が起きた場所を聞き直ぐにバイクに跨がる。

 

「そうだ、集に連絡しておこう」

 

雄介は集にLINEを送る。

 

『未確認が現れた。多分それでことりちゃん達も気づくと思うから足止めしてといてくれ』

 

「よし、オーケー」

 

雄介はバイクにエンジンを掛け走って行った。

 

ーーーーー

 

雄介が現場に到着し第一声の言葉が。

 

「なんだよ…これ」

 

雄介が見たものとはビルの半分が消し飛び倒壊していく所を目撃した。

 

「中野!」

 

「一条さん!状況は!?」

 

「あの爆発でビルの中にいた人達は全員亡くなった…それに外にも被害が及び死者多数それに重症者もかなりの数だ」

 

「…早くその未確認を止めないとさらに状況がひどくなる」

 

「あぁ、防犯カメラに捉えたその男を今追跡中だ君にもその画像を送る」

 

「わかりました。俺も確認しだい周りを見てきます」

 

「あぁ、頼む!」

 

雄介は一条との通話を終え辺りを捜索し始める。

 

ーーーーー

 

雄介がバイクで走行中の中、赤いマフラーをした男バダーがバイクに跨がりコインを投げていた。

 

「(あの格好…防犯カメラに映っていた奴と同じだ)」

 

雄介がその男の前にバイクを止めヘルメットを取ると。

 

「待っていたぞ、クウガ」

 

「なに?」

 

突然クウガの名が出て驚く雄介。

 

「何で俺がクウガだってわかった?」

 

バダーはバイクから降り雄介に近づく。

 

「近くで見てきたからなお前の戦いを」

 

「なんだと?」

 

バダーはコインを投げながら雄介の周りを回り始める。

 

「お前はズの者からメの者そしてゴすらも倒した」

 

「一体何の話をしているんだ?」

 

「以前お前が戦った者ガメゴ…まさかあいつまで倒すとは正直驚きだった」

 

「以前…あの亀みたいな未確認か」

 

雄介は腹部からアークルを出現させ。

 

「今度はお前の番だ…これ以上被害を増やす訳にはいかない!」

 

「少し落ち着けよ、せっかく楽しいゲゲルの時間だ。もっと遊ぼうぜ」

 

「楽しいだと?…あんな事をして何が楽しいんだ!?」

 

雄介はバイクから跳び。

 

「"変身"!」

 

雄介は赤いクウガに変身を遂げ。バダーに攻撃をしようとするがバダーはクウガのパンチを避ける。

 

「くっ!」

 

「どうやらお話しはここまでみたいだな」

 

バダーは自分のバイクに跨り。

 

「それじゃあゲゲルを始めようかリントの命を賭けた最高のゲゲルを!」

 

バダーは怪人体に変身し自身が乗っているバイクも変化した。

 

「何だ?バイクも変わった?」

 

バダーは思い切りエンジンを吹かせ。

 

「さぁ俺のバギブソンについてこれるかな?ついてこれなかったら沢山死ぬぜリントがよ」

 

バダーはそう言い残し急スピードで走って行った。

 

「くっ!あの野郎!」

 

クウガも直ぐ様バイクに乗りバダーを追いかける。

 

「くっ!速ぇ!」

 

クウガはバダーに追いつこうとスピードを上げるがバダーに追いつけないでいた。

 

「お前のマシンはそんなもんか!」

 

バダーは手元の爆弾を通りかかったビルに投げる。

 

「なっ!?やめろ!」

 

クウガは手を伸ばすが届かず爆弾は起爆し。

 

ドォォオン!!!っと大きな音を立てビルが崩壊していった。

 

「うわっ!」

 

クウガも爆風に巻き込まれバイクが横転し倒れる。

 

「くそっ!」

 

クウガは直ぐ様立ち上がるが。そこにはバダーの姿はなかった。

 

「くっ!中の人達は!」

 

クウガは青のクウガになり崩壊したビルに向かうが被害が大きく中にいた人達は誰一人生存者はいなかった。

 

「…何で、何でだよ!何でこんな簡単に人の命を奪えるんだあいつらは!」

 

クウガは悔しさと怒りと共に地面を殴る。

 

「俺は…誰も救えないのかよ」 

 

「中野!」

 

突然、雄介を呼ぶ声にハッとなり辺りを見渡す。

 

「一条さん」

 

クウガは窓から跳び一条の前に着地する。

 

「これは一体」

 

「…さっき防犯カメラに映っていた奴に会いました。奴は未確認でそれにバイクも乗っています」

 

「その未確認はどうした?」

 

「…すみません。奴のバイクに追いつけずこのビルに爆弾が投げられ中の人達は全員亡くなっていました…止められなかった俺のせいです」

 

「…そうか」

 

一条はクウガの方に手を置き。

 

「あまり自分を責めるな」

 

「…はい」

 

「この状況を本部に連絡する。君は少し休め」

 

「…失礼します」

 

クウガはバイクに乗りそのまま去って行った。

 

「それにしてもバイクを乗る未確認か…TRCSで追いつけないとなるとやはりあのマシンが必要か」

 

ーーーーー

 

走行中、雄介の目の前によく知る3人が目に入る。

 

「…みんな」

 

そこにいたのは穂乃果達だった。

 

「やっぱりここら辺に来るのは正解だったね」

 

「事件の事か…集のやつ止めなかったな」

 

雄介はバイクから降りヘルメットを取る。

 

「それで、どうしたんだ?」

 

「どうしたって?それはこっちのセリフだよ…最近、学校にも来ないし家にも帰ってないみたいじゃん…私達が心配してるってわからないの?」

 

「それは本当にごめん、だけど俺は皆を巻き込みたくないから」

 

「巻き込みたくない?あれだけ皆の笑顔を守るって言ってたのに今は皆を不安にして悲しませてる。それが本当に巻き込みたくないって言い切れるの?」

 

「皆の笑顔を守りたいから俺は皆から離れるんだ。これ以上危険な目に合わせないために」

 

「それじゃあ!私達は笑顔になれないってどうしてわからないの!雄介がいなきゃみんなと一緒にいなきゃ私は笑顔になれないよ」

 

穂乃果は涙を流し雄介に訴えるが。

 

「ごめん穂乃果ちゃん、でも俺自身が危険だから」

 

雄介は悲しそうな顔で微笑み。

 

「だから俺は…」

 

雄介が言葉を言いかけた瞬間。

 

パァン!

 

「…あなたは最低です」

 

「海未ちゃん」

 

叩かれた頬を抑える雄介。

 

「あなたを想ってくれる人達の気持ちを知らないあなたじゃないでしょう…それでもあなたはその気持ちを受け入れず拒否をする。あなたは!何で1人で抱え込もうとするのですか!?穂乃果もことりもμ’sのみんなだってあなたの支えになりたいと思っているのですよ!?こんな状況だからこそあなたを皆で支えたいのです!その気持ちをわかって下さい!」

 

「っ」

 

海未の怒号にたじろぐ雄介。

 

「ゆーくん」

 

今まで黙っていたことりが雄介に話し掛ける。

 

「ゆーくんは嘘つきだよ」

 

「えっ?」

 

ことりは怒っているようなそして悲しそうな顔をしていた。

 

「私達の笑顔を守る…私達を見守ってるそう言ったのにゆーくんは何一つ守ってない」

 

「それは…。」

 

「今ゆーくんは色んな人から酷い事を言われてる。それで私達を巻き込みたくない。でも私前に言ったでしょ?何があってもゆーくんの味方だって」

 

「でも俺は皆が酷い事を言われるのは耐えられない!だから俺は」

 

「じゃあゆーくんが酷い事を言われているのを私が耐えられると思ってるの?」

 

「それは…」

 

「大切で大好きな人が酷い事言われて耐えられる訳ないよ!ゆーくんは私達から離れれば幸せになるとでも思ってるの!?ちがうでしょ!」

 

「っでも!」

 

「私達はゆーくんがいて幸せなんだよ!?ゆーくんがいて笑顔になれるんだよ!?こんなにもみんながゆーくんの事大好きなんだよ!?それでも私達から離れるって言うんなら私、私は…」

 

ことりは雄介から目線を外し。

 

「ゆーくんと縁を切るから」

 

「っ!」

 

ことりの言葉に雄介は押し黙ってしまう。

 

「お、れは」

 

雄介は膝をつき地面に手をつく。

 

「わからないんだ…俺のせいで皆が傷つくそれが怖くて皆から離れようとした…でもこんなにも俺を必要としてくれる皆がいてくれて俺はどうすればいいかわからないんだ」

 

「なら」

 

穂乃果は雄介に手を差し伸ばす。

 

「なら、戻って来てよ悩んでるなら私達には雄介が必要なんだから」

 

「穂乃果ちゃん」

 

雄介は穂乃果の手を取る。

 

「悩む必要なんてない。雄介のそばには私達がついてる事を忘れないで」

 

「…ありがとう」

 

「私達のマネージャー続けてくれる?」

 

「…あぁ」

 

「約束だよ?」

 

「約束する」

 

雄介と穂乃果は握手をしその間に海未とことりが2人の手を包みこむように手をにぎる。

 

「約束ですよ?雄介」

 

「必ず皆の所に帰ってくる。そう約束してゆーくんは戦いに身を投じたんでしょ?その約束もう絶対に破っちゃだめだよ?」

 

「あぁ、そうだったな」

 

雄介は穂乃果達3人まとめて抱きしめる。

 

「ありがとう!」

 

雄介は涙を流しぎゅっと抱きしめる。そんな雄介を穂乃果とことりは微笑みながら受け入れるが。

 

「ハ、ハ、」

 

「ハ?」

 

「ハレンチですぅ!」

 

海未は大声を上げながら雄介にビンタをしてしまう。

 

ーーーーー

 

ー翌日ー

 

雄介は屋上にμ’sのメンバーを呼び改めて以前の事を謝罪する。

 

みんなは顔を見合わせながら微笑み。

 

「「「おかえり!雄介!」」」

 

みんなから笑顔で言われ。

 

「ありがとう…みんな、それとただいま」

 

みんなと和解し終え雄介は集の家へと向かった。

 

「わりぃな世話になっちまって」

 

「いいさ、あの子達と仲直りできたんだろ?」

 

「あぁ」

 

「じゃあ後はお前の妹の所に帰るだけだ」

 

「…あぁ、わかってる」

 

雄介はリュックを背負い。

 

「サンキューな集」

 

「あぁまた困った時は言えよ?」

 

「あぁ、じゃあまた」

 

雄介はバイクに乗り集の家を後にする。

 

ーーーーー

 

雄介は自分の家に着きヘルメットを取る。

 

「ふぅ一番の難問だなぁ」

 

雄介は玄関の前に立ち。

 

「とりあえず謝ろう。それからえっーと、えっーと?」

 

あれこれ考えてる内に玄関の扉が開く。

 

「あ、あずさ」

 

「…」

 

「あの、えと、ごめん!勝手に家飛び出して!梓にいっぱい迷惑掛けて!許してとは言わないけどまたもう一度梓と一緒にいたいんだ!」

 

「…」

 

梓の顔色を伺う雄介。

 

「…だめ?」

 

梓は振り向き家の中へと戻る。

 

「(やべーっ!超怒ってる!ど、どうすればいいんだぁ!?)」

 

雄介があたふたしてる中、梓がちょっとだけ雄介に振り向き。

 

「何やってるの?早く来ないとご飯さめちゃうよ?」

 

梓はそれだけ言って中に戻って行った。

 

「あ、あずさぁー!大好きだよぉ!」

 

雄介は感極まり梓に抱きつく。

 

「ちょっ!お兄ちゃんのバカぁ!」

 

「ひでぶ!」

 

梓にお玉で頭を殴られ擦ってる雄介。

 

「もう!ほんっとうにお兄ちゃんはバカなんだから!…帰ってくるのずっと待ってたんだよ」

 

梓はそう言い微笑む。

 

「…うん、ただいま梓」

 

ーーーーー

 

ー翌日 とある喫茶店にてー

 

休日。雄介と一条は喫茶店にて落ち合い今回の未確認の対策を練っていた。

 

「中野、今回の件で本部に駆け寄ってみたんだが…すまない、君にBTCSを譲るのは躊躇しているようだ」

 

BTCS密かに造られていたクウガ専用のマシンだ。

 

「…やっぱり、赤い金のクウガの力が凄すぎたせいですね」

 

「とにかくまた本部に駆け寄って頼むつもりだ。今回はあのマシンが無ければ今の未確認に対抗するのは難しいだろう」

 

「すみません。こんな時に一条さんに迷惑掛けて」

 

「気にするな。これが俺の仕事だ」 

 

「ありがとうございます。俺も俺なりに頑張ります」

 

一条は頷き席を立ち。

 

「…中野、世間では今君を酷評する者が多数いるが気にするな君の事をわかってくれる人達も沢山いる。それだけは忘れないで欲しい」

 

「…はい、俺も前に気付かされました。俺を想ってくれる人達が沢山いるって…だから俺は立ち直る事が出来ました。だから俺は皆の笑顔を守る為に戦えます」

 

「…そうか。君は君なりに立ち直ったんだな」

 

「はい」

 

一条は時計を見て席を立つ。

 

「すまないが時間だ。また何かあり次第連絡する」

 

一条はそう言いカウンターに向かい料金を済ませ喫茶店を後にした。

 

「ありがとうございます。一条さん」

 

ーーーーー

 

雄介がバイクに跨りヘルメットを被ろうとすると。

 

「三玖ぅ〜そろそろ行くわよぉ〜」

 

「ごめん、二乃、五月お待たせ」

 

「大丈夫ですよ。それにしても三玖遅かったですね?何かあったのですか?」

 

女子高生3人が話しているのを見かける。

 

「(あの子達三つ子か?みんな顔がそっくりだ)」

 

雄介がそう思っていると。

 

「うん、さっきニュースの映像が流れててそれで夢中になっちゃって」

 

三玖は建物にある大きなモニターを指差す。

 

「まさかあんた、また4号関連のニュースで釘付けになってたの?」

 

「う、うん」

 

「ふふっ三玖は本当に4号が好きなんですね」

 

「うん、大好き」

 

「でも、4号って以前あった爆発の事があって世間から批判の嵐よ?それでよくまだ好きって言えるわね」

 

「むぅ、あの爆発は4号が起こしたとは限らないでしょ。それに4号はこの街を守ってくれるヒーローなんだよ?私達を悲しませる事なんて絶対にしない」

 

三玖の力説に二乃は降参と手を上げ。

 

「わかった、わかった。あんたの言うとおり今までこの街を守ってきた4号があの爆発で批難されるなんて私もどうかとは思ってたのよ」

 

「えぇ私もそう思います」

 

「だから私は4号を信じるよ。どんな事があっても」

 

「はいはい、わかったわよ。ほらそろそろ行かないと一花達を待たせちゃうわ」

 

「うぅそうです。早く帰りましょうお腹が空きましたぁ〜」

 

その三つ子?達が帰るのを見届け雄介は微笑む。

 

「信じてくれてる人達がいる。その人達の為にも頑張らなくちゃな」

 

ーーーーー

 

薄暗いトンネルの中、バダーはバイクに寄りかかりコインを飛ばす。

 

「バダー」

 

突然呼ばれコインをキャッチするバダー。

 

「バルバか」

 

「ゲゲルは順調のようだが…あまり余裕はないぞ」

 

「わかっている次で終わらせるさ」

 

「そうか…クウガはどうだった?」

 

「…悪くない。最後に狩る最高の獲物だ」

 

「そうか」

 

バダーはバイクに跨り。

 

「街諸共クウガを葬り必ずザギバスゲゲルに行く」

 

バダーはそう言いヘルメットを被りバイクを走らせその場を後にした。

 

ーーーーー

 

ー未確認生命体対策本部ー

 

「やはり駄目ですか…わかりました。ありがとうございます」

 

一条はそう言い携帯の通話を切った。

 

「一条、どうだった?」

 

「駄目ですね…やはり上からの許可はおりません」

 

「くそっ!何でわかんないですかね上は!」

 

怒りの声を上げる桜井に杉田は桜井の肩に手を置く。

 

「4号は俺達の味方なのに。これは悔しいよな」

 

杉田の言葉に笹山が納得し。

 

「そうですよね…最初は4号がいて良かったって言ってたのに今さら体裁取り繕うとしても駄目ですよね」

 

皆が4号の事を支持してくれている。その光景を見て一条はある事を決断する。

 

「みなさん…折り入ってお願いがあります」

 

ーーーーー

 

バダーはビルを眺めコインを投げ。

 

「さて、始めるか」

 

バダーはコインをキャッチし怪人態へと変化する。

 

ーーーーー

 

雄介がバイクで走行中、信号が赤となり止まる。すると隣にシルバーの車が止まり窓を開け。

 

「君が中野君か」 

 

「へ?はい、そうですけど」

 

「俺は一条と同僚の杉田だ」

 

「一条さんの?あっ!そういえば見たことあります」

 

「君とは事件では何度か会ってたな。いつもありがとうな助かってる」

 

「いえ、俺の方こそ警察の方々にはいつも助けられてますから」

 

杉田と話していると。

 

『中野さん。初めまして笹山といいます』

 

「あっ初めまして」

 

『これからあなたのサポートをさせていただきますのでこれからよろしくお願いします』

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

信号が青となり杉田と雄介は頷き走行を始める。

 

「中野君、一条の事だが例の件で少し外してるだから俺が一条の変わりだ」

 

「例の件ってビートチェイサーの事ですか?」

 

「あぁ君も知ってる通りまだ上からの許可は下りていない。だがもう少し待ってくれ必ず君にあのマシンを届ける」

 

「ありがとうございます」

 

杉田と雄介が会話している中、笹山から通信が入る。

 

『中野さん!杉田さん!たった今、桜井さんから連絡が入り未確認生命体第22号が姿を現したそうです!』

 

「なにぃ!?」

 

『現場の状況によると大きな規模の爆発によりビルが倒壊甚大な被害が出ています』

 

「わかった!今すぐ現場に向かう!中野君!」

 

「はい!」

 

雄介達はスピードを上げ現場に向かった。

 

ーーーーー

 

「ここも終わりか」

 

バダーはそう言い次の標的に向かい走行する。

 

すると先回りしていた桜井達警察官がライフルを構え。

 

「来た…全員撃てぇ!」

 

桜井の号令で一斉にバダーに向かって発砲される。

 

「リント共が…」

 

バダーは爆弾を投げようとするが。

 

「な、何だこれは?」

 

撃ち込まれた玉から煙のような物が出てきてバダーは仕方なく進路を変更する。

 

「よし、榎田さんが開発した特性の弾丸が効いたぞ。これで時間稼ぎ出来る」

 

桜井達が移動を試みようとすると。

 

「桜井!」

 

「杉田さん!」

 

到着した杉田達が桜井と合流する。

 

「未確認は!?」

 

「奴は今、進路を変更し当周りで次の場所へと向かうはずです」

 

「そうか…一条の推測通りだな奴が次狙うビルなら当周りしかない」

 

杉田達が話していると。

 

「杉田さんなら俺は奴の先に回ってそこで奴を倒します!」

 

「あぁ頼む!」

 

「はい!」

 

雄介が頷きアクセルを回し走行していった。

 

「杉田さん、今のが」

 

「あぁ」

 

ーーーーー

 

ー街内ー

 

「えっと、お買い物はこれで全部かな?」

 

あの三つ子?の三玖がデパートで買い物を終えエスカレータで降りようとした時。

 

ドォォオン!!!

 

っと下の階から大きな音が鳴り響いた。

 

「な、なに!?」

 

三玖は咄嗟にエスカレータから離れる。

 

『緊急事態です!未確認生命体が現れました!皆様!速やかに建物から避難してください!』

 

突然のアナウンスが流れ。

 

「未確認生命体って…この近くにいるの?」

 

ぐらぐらと建物が揺れ三玖は近くにあった柱にしがみつく。

 

「だめ、建物が揺れて走れない」

 

大勢の人のパニックそして下の階が爆発の影響で火の海と化していた。

 

「どうしよう!どうしよう!!!」

 

すると警備員が走ってきて。

 

「皆さん!非常用階段から降りられます!速やかに避難を!」

 

警備員の掛け声と共に大勢の人達が走っていく。

 

「走らず!落ち着いて!」

 

警備員の掛け声も無視に大勢の人達が走る。

 

「わ、私も急がなきゃ!」

 

三玖も避難しようとした時、天井の破片が落ち三玖の頭に当たってしまう。

 

「あっ!」

 

三玖はその場で倒れてしまい気を失ってしまう。

 

ーーーーー

 

ー中野家ー

 

「ねぇ三玖、買い物行ってから2時間くらい経つわよね?さすがに遅いんじゃない?」

 

「そうだねぇここから15分くらいの所だからさすがに遅いよね」

 

「全くどっか寄り道でもしてるのかしら?」

 

二乃と四女の四葉が話していると。ドタバタ!と玄関から走ってくる音が聞こえた。

 

「二乃!四葉!大変です!」

 

「なに?どうしたのよ五月」

 

「さっきニュースが流れたのですがここの近くにあるデパートが爆発したって」

 

五月が2人に携帯を見せると。

 

「ちょっと待ちなさいよ…このデパート三玖が行ってるところじゃない!」

 

「えっ?…嘘でしょ?」

 

「三玖が爆発に巻き込まれた?」

 

3人の少しの沈黙…そして二乃が血相を変え。

 

「は、早く行くわよ!」

 

「行くって、未確認が!」

 

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!五月は一花に連絡して!」

 

「は、はい!」

 

二乃達はすぐに玄関を飛び出し爆発のあったデパートへと向かう。

 

二乃は携帯を取り出し三玖に連絡を入れる。

 

「出なさい、出なさいよ三玖!」

 

焦る気持ちが大きくなり震える二乃。

 

「お願い出て!」

 

少しのコールが鳴りコールが鳴り止まる。

 

「三玖!」

 

『お掛けになった電話は電源が入ってないか電波の届かない所にいるか掛かりません』

 

「三玖…三玖ぅ!!!」

 

二乃は涙目になり転びそうになる。

 

「二乃!大丈夫!?」

 

四葉は二乃を支え。

 

「三玖が、三玖が電話に出ないのよぉ!」

 

「い、急ぎましょう!」

 

ーーーーー

 

雄介が走行中、笹山から通信が入る。

 

『中野さん!』

 

「どうしました?」

 

『第22号が別の行動を取った模様です。22号は進路を変えた後、その付近にある大きなデパートを爆破したそうです!』

 

「な、何だって…奴はビルしか狙わないはずじゃ」

 

『今回の未確認は大きな建物ならそれが全部対象になるって事でしょうか?』

 

「そんな…くっ!そのデパートに向かいます!」

 

雄介は進路を変えそのデパートに向かった。

 

ーーーーー

 

デパートに着いた二乃達。そこには大勢の人達がいた。

 

「危ないですから離れて下さい!」

 

警察官達が写真や動画を撮る人達を抑えながら必死に呼び掛けている。

 

デパートの中から避難して来た人達を見つけ二乃達3人は三玖を見つけようするが三玖の姿はどこにもいなかった。

 

「ねぇ三玖見つかった!?」

 

「いえ、どこにも姿はありませんでした」

 

「私も見つからなかったよ」

 

「嘘でょ?まさかまだ中に?」

 

野次馬達が沢山いる。そんな人達の輪をくぐり二乃達は警察官の元へと辿り着く。

 

「すみません!すみません!あの中に妹が家族がいるんです!」

 

二乃の声に警察官が気付き。

 

「何ですって!?全員避難が完了しているはずじゃあ!」

 

「救助…救助隊は!?」

 

「今から救助隊を呼んでヘリできてもここからだと15分は掛かる」

 

「そんな…そんなの間に合わないよ!」

 

「なら私が行く!」

 

「二乃!何を!?」

 

二乃が警察官達から掻い潜ろうとするが。

 

「何をやっているんだ君!?」

 

警察官が二乃を抑える。

 

「私が、私が三玖を助ける!」

 

「駄目だ!見てわからないか!1階はもう火の海だ!」

 

「駄目よ、私達5人は常に一緒…ずっと一緒だから私達五つ子が1人でも欠けたら絶対に駄目なんだからぁ!」

 

二乃は警察官の手を振り外そうとしても力では敵わない。

 

「お願い…誰でもいい。私の家族を助けて…助けて!!!」

 

二乃の願いと共にブォン!っと鳴り響いた音に二乃は振り向いた。

 

そこには…。

 

「4…号…?」

 

突然現れたクウガに野次馬達がザワつく。そんな野次馬達をお構いなしに二乃はクウガに近づき。

 

「お願い!お願い4号!助けて!私の…私達の家族を助けて!」

 

二乃の願いにクウガは頷き。

 

「必ず助ける」

 

クウガはそう言いバイクのエンジンを吹かせる。それを察した警察官達は。

 

「道を、道を開けてください!」

 

警察官の言葉により野次馬達は道を開け。クウガはその道を一直線へと走って行った。

 

ーーーーー

 

「ケホッ!ケホッ!」

 

1階の火の煙が2階まで登ってきて2階に取り残されている三玖は限界に近い状態だった。

 

「(ま…ずい、本当にこのままじゃ私)」

 

三玖は床に横たわる。

 

「(こんな最後になるなんて…最後に姉妹達と会いたかったなぁ)」

 

三玖は姉妹達を思い出し涙する。

 

「(嫌だ死にたくない…死にたくないよ。助けて)」

 

三玖は心の中で願い。

 

「たす…けて…4…号」

 

意識が取り切れていく中、ガラスが割れる大きな音が鳴り響いた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

誰かに呼び掛けられる声。三玖はゆっくりと目を開ける。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「4…号?」

 

「良かった。もう大丈夫すぐに出ましょう」

 

クウガが三玖を担ぎ上げようとすると。

 

「やはり来たなクウガ」

 

突然呼び掛けられる声にクウガは振り向く。

 

「お前…なぜここに!?」

 

「お前ならここに来るとわかって待っていたんだよ」

 

「何だと?」

 

「お前らリントの考えている事なんてお見通しだ。次の標的であるあの大きな建物を狙うと踏んでお前を先回りさせる事で決着をつけるつもりだったんだろうがな」

 

バダーは爆弾を取り出し。

 

「この標的と共にお前を爆破し俺のゲゲルは完了する」

 

バダーは爆弾で開けたであろう壁の穴に向かってバイクに乗りそのまま走っていく。

 

「あばよクウガ」

 

「あいつ!まさか!」

 

バダーは穴から出た瞬間、爆弾を投げた。

 

「まずい!このままじゃ間に合わない!」

 

クウガは三玖をそっと床に寝かし。

 

「イチかバチかだ!」

 

クウガはアクセルを思いっ切り捻り。バイクを加速させ。

 

「ごめん、トライチェイサー」

 

クウガはバイクから飛び降り爆弾がトライチェイサーのライト辺りに挟まりそのままバダーが空けた穴へと走っていき。

 

数秒後。

 

ドォォオン!と大きな音と共に爆発した。

 

「な、何!?今の爆発音!」

 

「中から!?」

 

二乃達が外で待っている中、大きな爆発音に大勢の人達がパニックになる。

 

「まさか今ので」

 

「嫌…駄目よ…そんなの駄目よ…三玖…みくぅーーーーー!!!」

 

二乃の叫びと同時に建物が崩壊していく。

 

「皆さん離れて!」

 

倒壊していくデパートから逃げ惑う人達。

 

「嘘ですよね?三玖が…三玖が」

 

「嫌、嫌だよ…こんなお別れなんて嫌だよ三玖ぅ!!!」

 

3人が涙を流し膝をつく。誰しもが絶望したその時。

 

「あ、あれは」

 

警察官が指差す。二乃達は警察官の指差す方向に目を向けると。

 

そこにはクウガが三玖を抱え歩いてくる姿が見えた。

 

「三玖…三玖!」

 

3人がクウガの方へと向かい走っていく。

 

「三玖!大丈夫なの!?」

 

二乃の言葉にクウガは頷き。

 

「大丈夫。少し煙を吸ったみたいだけど意識はちゃんとしてるよ」

 

クウガの言葉に三玖はゆっくりと目を開き。

 

「二乃、四葉、五月…ごめんね。心配掛けて」

 

三玖はクウガの方へと向き。

 

「ありがとう4号。助けにきてくれて」

 

三玖はそう言い微笑む。

 

「無事で良かった」

 

クウガはゆっくりと三玖を降ろした。

 

「大丈夫?立てる?」

 

「何とか大丈夫」

 

「良かった…警察官の皆さんこの子達をお願いします」

 

クウガはそう言い走っていこうとした時。1台のバイクがクウガの前に止まった。

 

「待たせたな中野」

 

「一条さん、それって?」

 

一条はバイクから降りバイクに付いてあるナンバーを押しバイクの色を変える。

 

「君のマシンだ」

 

一条の言葉にクウガは頷き。

 

「はい!」

 

クウガはバイクに跨りサムズアップをする。

 

「頼んだぞ」

 

クウガは頷きエンジンを吹かせアクセルを全開にし走っていった。

 

ーーーーー

 

『中野さん!突然通信が切れたんですけど大丈夫ですか!?』

 

「はい、大丈夫です!今はビートチェイサーで未確認を追っています!」

 

『ビートチェイサー…一条さんやったんですね!』

 

「はい!笹山さん、街中の監視カメラに奴の姿は映りませんでしたか!?少しでもわかればすぐに追いつきます!」

 

『わかりました。少しお待ち下さい』

 

笹山に街中の監視カメラの情報を託しクウガは辺りを捜索する。

 

ーーーーー

 

「これで俺はザギバスゲゲルに」

 

バダーがそう言い浮かれていると。後ろからもうスピードでこっちに向かってくるバイクが見えた。

 

「何だあれは?…まさかクウガ!?」

 

どんどん距離詰めてくるクウガにバダーは爆弾を取り出し。

 

「お前が最後だクウガ。ここで死ねぇ!」

 

バダーがどんどんと爆弾を投げていくがクウガはそれを躱しバダーの隣まで追いつく。

 

「何だと!?俺のマシンより速い!?」

 

「このマシンには大勢の人達の想いが積もってるんだお前のマシンより速いに決まってんだろ!」

 

クウガはそう言い一気に駆け抜けって行った。

 

「クウガ!」

 

バダーは怒りアクセルを捻りスピードを上げる。

 

クウガはバダーから遠くまで突き放しスピードを緩めバイクを止める。

 

クウガはバイクから降りバダーが来るのを待つ。

 

「一条さんの言ってた辺りはここだな」

 

あらかじめ一条から爆破ポイントを伝えられここまでバダーを誘導に成功した。

 

「後は」

 

クウガは赤い金の力を解放しライジングマイティへと変わった。

 

するとバダーの姿が見えてきてクウガは構え。

 

「行くぞ!」

 

クウガ走り出しそして…。

 

「ふっ!」

 

ジャンプし一回転そしてキックの構えを取り。

 

「おりぃやぁあああーーー!!!」

 

クウガのキックがバダーに直撃し。

 

「ぐぉあぁぁぁぁぁ!!!」

 

バダーは吹き飛び転がる。

 

クウガは着地し。

 

「ハァ!ハァ!ハァ!うっ!うぅ!」

 

バダーが苦しみだしベルトまでヒビが入り。

 

「う、う、う、うわぁああああ!!!!!」

 

バダーの叫びにより大きな爆発が起こり森全体が爆発に覆われた。

 

ーーーーー

 

数十分後。一条達警察官が待っている場所にクウガが現れた。

 

「やったんだな」

 

一条の言葉にクウガはサムズアップを向ける。

 

「みなさんのおかげです。本当にありがとうございました」

 

クウガがそう言うと皆がサムズアップをする。

 

「あの」

 

突然呼ばれクウガは振り向く。

 

「君はさっきの」

 

三玖が四姉妹から背中を押され。

 

「ほら三玖」

 

一花にトンッと肩を押され。

 

「う、うん」

 

三玖は少し照れながら。

 

「あの、本当にありがとうございます。この御恩は一生忘れません」

 

三玖に続いて他の姉妹達もクウガの方へと向き。

 

「4号、本当にありがとう。家族を助けてくれてあなたは本当に私達のヒーローだよ」

 

一花がそう言い。

 

「ヒーローか…今まであんまり意識してなかったけど皆が俺の事をヒーローとして見てくれるなら悪くないかな」

 

クウガはそう言い。

 

「君達の笑顔が見れて良かった…それじゃ」

 

クウガはそう言いバイクにエンジンを掛け走り去って行った。

 

「みんなのヒーローか…何か4号の事を4号って言うの何か変に感じてきましたね。未確認生命体と同じ扱いに感じて」

 

桜井がそう言いと。

 

「そうだなぁ…一条何かないか?4号の代わりに別の呼び名は?」

 

「別な呼び名ですか…そうですねぇ」

 

クウガ…そして、ライダー。

 

「仮面ライダー…クウガ何てどうでしょうか?」

 

「仮面ライダークウガか。いいんじゃねぇか」

 

「はい!とてもいいと思います!」

 

皆が賛同し。

 

「彼はもう未確認生命体第4号ではなく、我々のヒーロー仮面ライダークウガ」

 

仮面ライダークウガ。この日新たな名前が誕生した。

 

ー第24話 信頼endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本当に毎度遅くてすみません。出来るだけ早く上げるようこれからも努力します。
それと今回の話でわかる方もいると思いますが五等分の花嫁の五姉妹達もこれからレギュラー化していきますのでこれからもよろしくお願いします。(ただ単に五等分の花嫁が好き過ぎて出したい気持ちが抑えきれず登場させましたwちなみに三玖推しです)


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第25話 恋

クウガの活躍により強敵ゴ・バダー・バを撃破し少しの平和が戻っていた頃。雄介達の学校に五人の転校生がやって来た。


「みんな準備は出来ましたか?」

 

「ちょっちょっと待って!一花がまだ起きてない!」

 

「ちょっと!早く起きなさいよ!学校遅れるわよ!」

 

「う〜んあと、ごふ〜ん」

 

「一花ぁはやくはやく」

 

「はぁ、朝からドタバタです」

 

ーーーーー

 

 

以前の事件で大きな爆発と共に建物が崩壊し取り残された人を懸命に救助を行い。未確認生命体対策本部との活躍により未確認生命体第22号を撃破しクウガは今回の事件で世間からも認められ未確認生命体4号という名を新たに仮面ライダークウガへとその名が世間に広がった。

 

ーーーーー

 

「すごいじゃないですか雄介こんなにも大きくニュースに取り上げられてますよ」

 

海未が雄介に携帯を見せる。

 

「ん、まぁね…みんなのお陰だよ」

 

「世間からも認められ4号の名からクウガって名乗られるじゃありませんか」

 

「ねぇ海未ちゃん、この仮面ライダーってどういう意味?」

 

「これは、雄介がバイクに乗ってクウガの姿で戦うのですから仮面を被って戦うライダーだから仮面ライダーじゃないでしょうか?」

 

「ほぇ~海未ちゃんすごい」

 

海未と穂乃果が話し合ってる中、雄介はあまり会話には入って来なかった。それを見たことりが雄介に寄り。

 

「ゆーくん、どうしたの?浮かない顔して」

 

「ん?いや、仮面ライダーって名にちょっとね」

 

「気になるの?」

 

「いやまぁ一条さん達がこの名を付けてくたのは嬉しいんだけどこの名前、最初はショッカーって奴らから呼ばれた名前だからさちょっと複雑で」

 

「それ、前に話してくれた未確認生命体とは違う怪物達だよね?」

 

「あぁその奴らと戦う度に言われるんだ何でここに仮面ライダーが存在するのかって」

 

「そのショッカーって人達はゆーくんを見る度に言うんだよね?なら他にゆーくんと同じような人達がいるかもしれないね」

 

「…確かに」

 

雄介が考え込んでいるとHRの鐘がなる。

 

「おーし、お前達席につけー」

 

担任の先生が入って来る。

 

「まずHRを始める前にお前達に良い知らせがあるぞぉ。特に男性諸君」

 

先生がそう言いクラスがザワつく。

 

「よーし、入って来てー」

 

そう言い教室のドアが開き一人の女の子が入って来た。そして黒板の前に立ち。

 

「今日から転校してきた子だ自己紹介よろしくね」

 

「は、はい中野三玖と申します。よろしくお願いします」

 

紹介したと同時に雄介は席を立ち。

 

「あぁー!!!君は!」

 

雄介がそう言うと三玖は顔を傾げ。

 

「えっと、どこかで会いましたっけ?」

 

「えっ?ほらこの間デパートでっ!?」

 

そう言いった瞬間、海未に足を踏まれ雄介の耳に近づき。

 

「い"っ!?」

 

「あなたは何をしてるのですか!?」

 

「だってこの間の事件であの子に会ったんだ」

 

「それはあなたがクウガの姿の時でしょう!?彼女はあなたを知るはずがありません!」

 

「あ、そうだった」

 

コソコソと雄介と海未は話、雄介は申し訳なそうに頭をペコリと下げ。

 

「ごめんなさい。人違いでした」

 

「おいおい中野ぉナンパにしては早すぎるぞぉ〜」

 

先生の言葉にクラスの全員に笑われ雄介はそっと席に座る。

 

ーーーーー

 

1時間目の授業が終わりクラスのほとんど(男子)が三玖の所へと集まり質問攻めにあっていた。

 

「やっぱ、転校生って珍しいよね今の時期」

 

穂乃果がそう言うと雄介は頷き。

 

「確かになぁ〜顔も可愛いしおっぱいでかいし男子共が夢中になるのもわかるぜ」

 

うんうんっと頷いている雄介に海未は雄介の耳を引っ張り。

 

「ゆ・う・す・け!あの方にセクハラ行為は絶対にしないで下さいね!」

 

「いでっ!いでででで!わ、わかってるよ」

 

「全く信用できません」

 

「えぇ〜」

 

耳を擦り雄介は席を立ち。

 

「ゆーくんどうしたの?」

 

「ん?ちょっとトイレにね」

 

そう言って雄介はトイレに向かおうとすると。

 

「ご、ごめん!ちょっとトイレ!」

 

そう言って三玖は慌てて教室を出ていった。

 

「う〜ん、あんなに急ぐって事はよっぽど我慢してたって事か」

 

「デリカシーはないのですかあなたは。ほら次の授業が始まる前に行ってきて下さい」

 

「へ〜い」

 

雄介も教室を出てトイレに行こうとしたら。

 

「あっ」

 

三玖が壁に背をつけ座っていた。

 

「大丈夫?」

 

「ひゃっ!?」

 

いきなり声を掛けられ驚く三玖。

 

「ご、ごめん!驚かせちゃったかな?」

 

「い、いえ…あなたは朝の」

 

「あっあぁ!あの時はごめんね?怖らがせちゃったよね?」

 

「平気…人違いはよくある事だから」

 

「そっか…というか平気だった?すごい質問攻めだったけど」

 

「うん、それも平気。一度にいっぱい来られて驚いちゃったけど」

 

三玖は立ち上がり。

 

「心配してくれてありがとう。もうすぐ授業始まるから私、行くね?」

 

そう言って三玖は歩こうとした瞬間、足が躓き。

 

「きゃっ!」

 

「あぶない!」

 

雄介は咄嗟に三玖を支え何とか転倒は免れたが。

 

「あっ」

 

「っ///」

 

雄介の手が完全に三玖の胸を掴んでおり。

 

「あっと、ごめっ!」

 

離そうとした瞬間反動で三玖のポケットから携帯が落ち画面が開く。そこに写っていたのは。

 

「あれ?俺の写真?」

 

クウガの待ち受けだった。

 

「えっ?どういうっ」

 

三玖が言おうとした瞬間。

 

「あんた!そこで何してんのよ!」

 

そこには三玖とそっくりでツインテールの髪型をした女の子立っていて。

 

「えっ?おれっ!?」

 

「離れなさい!この変態!」

 

パァンッ!と鳴り響く音が廊下に広がった。

 

ーーーーー

 

「なるほど。その赤い手形はそう言う訳ですか」

 

頬擦る雄介にジト目で見る海未。

 

「言っとくけどわざとじゃないからね」

 

「はいはいわかりました」

 

「絶対信じてねぇ」

 

「それにしても驚いたよねぇ」

 

穂乃果がパンを食べながら答える。

 

「まさか五つ子だったとは」

 

そう今日、転校してきたのは三玖だけではなく他に四人の女の子が転校していたのだ。

 

「それにみんな顔が一緒」

 

「あぁ俺も驚いたよ最初見た時えっ?似てる子がいるって」

 

「私、五つ子って初めてみたよ」

 

「まぁほとんどの人が見たことないでしょ。それにしても全員可愛いし最高か!って」

 

「ゆーくん?」

 

ことりの怖い顔に雄介がたじろぐ。

 

「あ、あははぁことりちゃん顔が怖いちゅん」

 

雄介がそう言ってると携帯が鳴り出し。

 

「あーっと一条さんからだ。みんなごめんよぉー」

 

雄介はピューンっと逃げるように教室を出ていった。

 

「ゆーくんのバカ」

 

ーーーーー

 

「もしもし俺です」

 

『いきなりすまない。君に伝えたい事があってな』

 

「事件ですか?」

 

『あぁ最近、変異死体が続出していてな』

 

「変異死体?」

 

『あぁどうやら生きたまま血を吸われ絶命しまるで干からびたような状態で発見されているんだ』

 

「干からびてる…吸血鬼とかそんな未確認ですかね?」

 

「断定は出来ないがそれに近いだろう」

 

「…俺が昔、戦った未確認にも血を吸う奴はいましたけど」

 

『未確認生命体か…それともショッカーの可能性もあるかもしれない』

 

「…ですね」

 

『中野、まだ情報は少ないがまた何かあり次第連絡する』

 

「わかりました」

 

『それじゃあ』

 

一条との通話を終え雄介は教室に戻ろうとすると。

 

「今の会話、どういう意味?」

 

「えっ?」

 

突然声が聞こえ雄介は直ぐ様振り向く。そこには三玖がいた。

 

「えっ三玖ちゃん?」

 

「ごめん、盗み聞きするつもりはなかったんだけど聞こえちゃって」

 

「そ、そっかそっかまぁゲームの話だよゲームの話!さぁ教室に戻ろーっと」

 

雄介はそう言い教室に戻ろうとするが。

 

「待って!」

 

「うぇ?」

 

「あなたに聞きたい事があるの」

 

三玖はそう言って携帯の画面を見せる。

 

「さっきこの画像を見た時。俺の写真って言ってたよね?それどういう意味?」

 

「えっ?(つい咄嗟で言っちゃたかぁ俺のバカ)あぁ、えっと俺に似てかっこいいなぁって」

 

雄介は誤魔化そうとするが三玖はじっと雄介をみつめる。

 

「…うそ」

 

「えっ?」

 

三玖は後ろを向き。

 

「あなたが答えないならそれでいい…だけど絶対にあなたの正体暴いてみせるから」

 

三玖はそう言って教室に戻って行った。

 

ーーーーー

 

「でっ中野さんに疑われていると」

 

「…へい」

 

「バカですかあなたはもうちょっと周りを警戒しながら話しなさい」

 

「うわぁーん!海未ちゃんが怖いよぉことりちゃ〜ん」

 

雄介はことりに抱きつき。

 

「ゆ、ゆーくん///」

 

「どさくさに紛れてことりに抱きつかないで下さい」

 

ベシッと雄介の頭にチョップをする海未。

 

「とにかく!あなたはもう少し慎重に動いて下さい!」

 

「うぅ〜わかりました」

 

ーーーーー

 

ー放課後ー

 

今日はμ’sの練習は無くそれぞれ解散となり雄介も梓に頼まれた買い物へとスーパーに向かっていた。

 

「それにしても血を吸う未確認か。梓にも用心させないと」

 

雄介はそう言って走行していると急に目の前から女の人が現れた。

 

「うわっ!あぶねぇ!」

 

雄介は急ブレーキを掛けギリギリ手前の辺りで止められた。

 

「ちょっと!あぶないですよ!」

 

雄介がヘルメットを取りバイクから降りるとその女性は急に倒れた。

 

「うわっちょっと!」

 

雄介は女性を抱え。

 

「大丈夫ですか!?今、救急車を」

 

雄介が電話を掛けようとすると。

 

「ん?首筋の辺りに何か」

 

その女性の首筋には何か噛まれたような跡があった。

 

「まさか…一条さんが言ってた事件と同じ被害者か?」

 

雄介がそう言うと。

 

「あぁ、いたいた」

 

突然後ろから声が聞こえ振り向く。

 

「急に逃げたからびっくりしちゃったよ」

 

そこにはスーツを着た男性が杖を突きながら歩いてくる。

 

「坊やその女性は私の知り合いだ。こっちに寄越しなさい」

 

雄介は抱えている女性を見る。あきらかに顔色が悪いし血色もよくない。

 

「い、いやすぐに救急車を呼ばないと」

 

「いいから寄越しなさい」

 

「いや、だから」

 

「よこせと言ってるのがわらないのか!」

 

男性は声を荒げ雄介を殴り飛ばす。

 

「ぐわっ!」

 

雄介は転がり。男は女性を抱え。

 

「やっと食事の続きができる」

 

「な、なに?」

 

男は女性の首筋に口を近づけグワッと噛みついた。

 

「あ、あぁ」

 

すると女性はみるみる痩せ細っていく。

 

「っ!やめろ!」

 

雄介はそう言い男に飛びかかり男の顔を殴る。

 

「ぐはっ!」

 

男は横転し。雄介は女性の前に立つ。

 

「貴様ぁ俺の食事の邪魔をして生きて帰れると思うなよ」

 

「ここ最近、多くの女の人達が事件に巻き込まれているのはお前の仕業だったのか」

 

雄介は腹部からアークルを出現させ。

 

「正体を現せ!」

 

雄介は変身の構えを取り。

 

「"変身"!」

 

雄介は赤いクウガへと変身を遂げた。

 

「なにっ!?貴様は!」

 

男は驚き。

 

「そうか…貴様が噂の仮面ライダーか」

 

男はそう言い杖を投げ。

 

「ならばここで倒しておかないと厄介な事になるな!」

 

すると男は背中から大きな羽が生え体もみるみる変わっていく。

 

「それがお前の正体か」

 

「そうだ!私は偉大なるショッカーの改造人間!コウモリ男だ!」

 

コウモリ男は羽を広げクウガに突撃してくる。

 

「っ!」

 

クウガはそれを避け、体制を立て直しコウモリ男に向かってパンチを繰り出そうとするが。

 

「ふっ」

 

コウモリ男は飛びクウガのパンチを躱す。

 

「くそっ!」

 

「無駄だ私が空にいる限り君の攻撃は当たらない」

 

「っのやろう!」

 

クウガはバイクからグリップを取り出し助走をつけ。

 

「"超変身"!」

 

クウガは勢いよく飛び出し赤いクウガから青いクウガへと変わった。

 

「なに!?色が変わった!?」

 

コウモリ男は驚きクウガはその隙を付きロッドをコウモリ男の羽に当てる。

 

「ぐわぁああ!!!」

 

その攻撃によりコウモリ男は落下し地面に激突する。

 

「良し!これなら!」

 

クウガは着地した瞬間にもう一度ジャンプしロッドをコウモリ男に目掛け当てようするがコウモリ男はギリギリの所でクウガの攻撃を飛んで躱す。

 

「くそっ!あいつまだ飛べんのかよ」

 

「っ…今のは危なかった。こいつは予想以上に危険だ…くそっ!」

 

「っ!今度こそ!」

 

クウガはもう一度構え直す。

 

「くそっ!こうなったら!」

 

コウモリ男はそう言いって口を大きく開け。

 

「くらえ!」

 

コウモリ男の口から超音波が流れる。

 

「な、何だこれは!?」

 

凄まじい超音波にクウガは耳を抑える。

 

「ここは一時撤退だ。さらばだ仮面ライダー!」

 

コウモリ男はそう言い飛びだって行った。

 

「っ!くそっ!逃げたのかよ!」

 

まだ鳴り響く超音波にクウガは耳を抑え追い掛けようとするが体に力が入らない。

 

「くそっ!力が入らねぇ」

 

ようやく落ち着きクウガは立ち上げる。

 

「っう〜まだ耳鳴りがする。これ緑のクウガで喰らってたらもっとやばかったなぁ」

 

クウガはそう言い雄介の姿へと戻る。

 

「あいつ…ショッカーて言ってたな。まずは一条さんに報告をっ」

 

そう言いった瞬間。

 

カッシャ!っとシャッター音が聞こえた。

 

「えっ?」

 

音がした方に目線を送ると。

 

「やっぱり君だったんだね…中野雄介」

 

そこには三玖が立っていた。

 

ーーーーー

 

ー喫茶店ー

 

「えーっと三玖ちゃんはいつからあそこに?」

 

雄介が恐る恐る三玖に質問をすると。

 

「これ」

 

三玖はスマホを雄介に見せる。

 

『未確認生命体出現、場所✕✕✕』

 

「最近はネットで情報が流れるようになったから未確認の出現地とか」

 

三玖は雄介の顔を見て。

 

「クウガの居場所とかね」

 

「うっ」

 

雄介は頼んだ飲み物をガブ飲みし。

 

「えっと、三玖ちゃんはなんでクウガ…俺の事を知りたかったのかな?」

 

「その前にお礼を言わせて」

 

「お礼?」

 

「うん、以前デパートで助けてくれたでしょ?改めてあなたにお礼をしたかったの本当にありがとう」

 

「そ、そっか!そっか!いやぁ三玖ちゃんが無事で良かったよ、それに転校先が俺と同じ学校になるなんて運命かなぁ…ははっなんつって」

 

雄介は冗談交じりで言うが三玖は真剣な表情で雄介を見る。

 

「あの三玖ちゃん?」

 

「運命なら…本当に嬉しい」

 

「えっ?」

 

そう言いって三玖は雄介の手を握る。

 

「やっと会えた…私のヒーロー」

 

「…へっ?」

 

ーーーーー

 

ーその夜ー

 

雄介は机の上に携帯を置き正座をしていた。

 

ピロン♪

 

その音ともにドキッ!とする雄介。そして…。

 

ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪

 

鳴り止まない音に頭を抱える。

 

「えっ?なに…あの子なに!?こわっ!」

 

そうさっきから鳴り止まない音は三玖からのLINEで雄介はずっと質問攻めになっていた。

 

「えっ?アイドルとかってこんな感じなの?なんか凄いわー」

 

他人事のように独り言を言っていると電話が鳴り始める。

 

「あっ…やべ」

 

雄介は即座に電話に出る。

 

「はい!もしもし」

 

『ねぇ…何で返事返してくれないの?』

 

「えと、ちょっと忙しくてねぇ〜」

 

『そっか、ごめん忙しいならすぐ切るけどちょっと聞きたい事があって』

 

「えっ?なに?」

 

『好きな食べ物教えて欲しい』

 

「…へっ?」

 

ーーーーー

 

ー翌日ー

 

雄介は学校に着き自分の教室に入ってると。

 

「おはよう、ゆーくん」

 

「おはよーことりちゃん」

 

互いに挨拶を返すとことりは鞄から弁当箱を取り出し。

 

「はい、ゆーくんこれ」

 

「えっ?いいの?」

 

「うん、自信作なんだ。ゆーくんに食べて欲しくて」

 

「おぉーサンキューことりちゃん。昼休みにいただくよ」

 

「うん♪」

 

すると三玖が教室に入って来ると雄介を見つけ一目散に雄介の元へと駆け寄り。

 

「おはよう。ユースケ」

 

「おはよー三玖ちゃん」

 

挨拶を交わすと三玖は鞄から包み箱のような物を取り出し。

 

「はい、ユースケ」

 

「えと…これは?」

 

「お弁当だよ?昨日聞いたでしょ?ユースケの好きな物」

 

「えっ俺のために?」

 

「う、うん///」

 

三玖は照れくさそうに返事をする。

 

「あっ、ありがとう大事に頂くよ」

 

雄介も照れくさそうに返事をすると。

 

「ゆーくん、ちょっと来て」

 

「えっことりちゃん?」

 

っとことりに腕を引っ張られ教室を出ていく2人。

 

「ちょっちょっと、どうしたのことりちゃん?」

 

雄介の言葉に返事をしないままことりは部室へとたどり着き中に入り鍵を閉める。

 

「えっーと…ことりちゃん?」

 

ことりは顔を伏せていて表情がわからない。

 

「ねぇ」

 

ことりの低い声色にビクッ!となる雄介。

 

「は、はい」

 

「ゆーくんはいつの間にあの子…中野さんと仲良くなったの?」

 

「そ、それはーまぁ色々あってね」

 

「色々って?」

 

「それは、お茶したり、連絡交換したりしたとかで仲良くなりまして」

 

「…へぇ」

 

「(こっっっわ!!!ことりちゃんどうしてこんなに怒ってるんだぁ?俺何かやっちゃったかなぁ)」

 

「ねぇ…ゆーくん」

 

「は、はひ!?」

 

ことりはゆっくりと雄介に近づき。

 

「私ね…ゆーくんが誰とでも仲良くなれるの凄いなぁって思うよ」

 

「あ、ありがとう」

 

「でもね」

 

ことりは雄介の目をジッと見つめ。

 

「ことりが”一番”じゃなきゃ嫌だからね」

 

ことりはそう言い部室を出ていった。

 

「…へっ?どうこと?」

 

雄介は意味がわからず頭に?マークを浮かべていた。

 

ーーーーー

 

ー昼休みー

 

雄介は屋上で隠れながら弁当(3つ)を食べていた。

 

「ふぅ流石に弁当3つは腹にくるなぁ」

 

雄介はお腹を擦りながら寝転がる。

 

「まぁ梓やことりちゃんの弁当は毎度の事ながら美味しいとして三玖ちゃんの弁当も美味かったなぁ…最近女子の間では料理が流行ってるのかなぁ?」

 

すると携帯が鳴り出し。

 

「あっ三玖ちゃんからだ」

 

雄介は恐る恐る着信に出る。

 

「もしもし」

 

『ユースケ今どこ?』

 

「えっーとトイレにいます(嘘)」

 

『えっと、ごめん後でまた掛け直すね』

 

そう言って電話を終え。

 

「ふぅー三玖ちゃんやことりちゃんには悪いけど今は隠れさせてもらうよ」

 

雄介は2人から迫られるのが怖くて隠れていた。

 

「とりあえず次の授業が始まるまで寝よーっと」

 

ーーーーー

 

お昼休みの中、2人の五つ子がコンビニの前に立っていた。

 

「二乃、四葉お待たせしました」

 

「いいけど、あんたそれ1人で食べるつもり?」

 

「えっ?そうですけど」

 

「…太るわよ」

 

「ふとっ!?」

 

「まぁまぁ五月は食べ盛りなんだよ」

 

「そうです!秋はお腹が空くんです!」

 

「はいはい、それじゃあ学校に戻るわよ」

 

3人は歩きながら話をする。

 

「それにしてもあの学校、学食早く込みすぎじゃない?すぐ席がうまるわ」

 

「それほど美味しいって事だよ」

 

「はぁ…まぁ何人か学校からさっきのコンビニまで歩いてくる学生は沢山いるけどここ毎日はきついかも、いっそのことお弁当でも作ろうかしら」

 

「あっお弁当と言えば朝、三玖がお弁当作ってたよ」

 

「へぇ〜あの子が珍しいわね」

 

「自分のお弁当でしょうか?」

 

「…まぁそれもあるかもだけど、ひょっとしたら好きな人に渡したとかあるかもしれないわ」

 

「えぇ!?あの三玖が!?」

 

「最近、なんか妙にそわそわしながら携帯いじってたりたまに嬉しそうに誰かと電話してたりしてたから可能性はあるわね」

 

「でも、転校したばかりなのですよ?そう簡単に好きな人できますかね?それもあの三玖がですよ?」

 

「まぁ確かにね…でもあの学校にもしクウガがいたらって考えると可能性はあるんじゃない?」

 

「いやいやそれは1番ありえないですよ」

 

「まっそれもそうね」

 

3人が話ながら学校に戻っていると。

 

「次はあの3人か」

 

っと謎の黒い影が不気味にそう言いい勢いよく3人に目掛け飛び出した。

 

ーーーーー

 

「ふぁ〜もうすぐ昼休み終わりかぁ〜はっや」

 

雄介がのびのびしていると携帯が鳴り出し。

 

「穂乃果ちゃんからだ」

 

雄介は電話に出る。

 

「もしも〜し」

 

『雄介!?今どこ!?』

 

「えっ?屋上だけど、どうしたの?」

 

『学校の近くにあるコンビニで未確認が出たの!しかも生徒が襲われてるって!』

 

「なに!?」

 

ーーーーー

 

「ほぅ人間のくせによく逃げるなぁ」

 

そう言い手についている血を舐め取る男。

 

「っ!」

 

「二乃!大丈夫ですか!?」

 

「二乃!」

 

四葉と五月は二乃を支え二乃は腕から血を流し痛みに耐えていた。

 

「だが、もう終わりだお前らの血を頂く」

 

そう言いって男は二乃達に近づく。

 

「…四葉、五月あんた達は逃げなさい」

 

「何を言ってるのですか!?」

 

「そうだよ!二乃を置いていけないよ!」

 

「3人ともここにいればあいつに殺されるわ…だから私が囮になるから早くあんた達は逃げて警察に連絡しなさい」

 

「でも、二乃」

 

「たまにはお姉ちゃんらしくしないとね…あんた達はかわいい妹なんだから」

 

二乃はそう言い立ち上がり。

 

「さぁ行きなさい!」

 

二乃の言葉と同時に男は飛び出した。

 

「二乃!」

 

「だめです!」

 

二乃はギュッと目を瞑るが痛みはなかった。恐る恐る目を開けると。

 

「大丈夫?」

 

二乃の前には男の体を抑えているクウガが立っていた。

 

「ク、クウガ?」

 

「君達は安全な場所へ直に警察も来る」

 

クウガはそう言い男を蹴り飛ばす。

 

「ぐっ!」

 

男はよろめき。

 

「さぁ今のうちに!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「二乃、私に掴まって」

 

四葉は二乃をおんぶし3人はその場を立ち去った。

 

「これで大丈夫か」

 

「貴様ぁまた俺の邪魔を」

 

男は姿を変えコウモリ男となる。

 

「これ以上、被害を出すわけにはいかない…ここでお前を倒す!」

 

クウガとコウモリ男は身構えると同時にどちらも駆け出しお互いのパンチがぶつかり合った。

 

ーーーーー

 

「二乃、大丈夫?」

 

「えぇ大丈夫よ何とかね」

 

「でも出血がひどいです。早く保健室に」

 

五月達が学校に着くと一花と三玖が走ってくるのが見えた。

 

「二乃!大丈夫なの!?」

 

「怪我の具合は!?」

 

「大丈夫よ。大袈裟ね」

 

「とりあえず、保健室に急ぐよ」

 

5人が学校に入ると。

 

「三玖、あんたがクウガを好きになるのわかるわ」

 

「えっ?どうしたの突然」

 

「あんなの…ずるいわよ」

 

「…二乃(そっか二乃達を助けてくれたのユースケなんだ)」

 

三玖は後ろを向き。

 

「頑張ってユースケ」

 

ーーーーー

 

「(な、何なんだ…?何でこいつはこんなにも…)」

 

「おりぃやあ!」

 

ドスッ!

 

「(強いんだ!?)」

 

クウガのパンチにより吹き飛ぶコウモリ男。

 

「ガハッ!ハァハァ」

 

コウモリ男はよろめきながらも立ち上がり。

 

「(こいつの戦闘能力は以上だ…並大抵のショッカーでは勝てんぞ)」

 

クウガの圧倒的な強さによりたじろぐコウモリ男。

 

「終わりにしてやる」

 

クウガは構え。

 

「っ!」

 

コウモリ男は危険を察知し翼を広げ羽ばたいた。

 

「くそっ一時撤退だ!何か、何か打開策を!」

 

コウモリ男は飛び出そうとした瞬間。

 

「逃さないぞ」

 

クウガは青いクウガに変わりロッドをコウモリ男の羽に打ち付ける。

 

「なっ!?」

 

打ち付けられた所が勢いによりコウモリ男の翼は引きちぎられた。

 

「ぐきゃあぁぁぁぁ!!!」

 

翼からは大量の血が流れ悶え苦しむコウモリ男。

 

「その状態じゃあうまく飛べないだろ」

 

クウガはロッドを構え直し。

 

「止めだ」

 

クウガはジャンプしロッドをコウモリ男に目掛け突きつける。

 

「おりぃやあぁぁぁ!!!」

 

「く、くそっ!」

 

コウモリ男は寸前に口から超音波を発した。

 

「な、しまっ!?」

 

その超音波によりクウガはギリギリの所でコウモリ男に攻撃を避けられてしまう。

 

「くそっ!またかよ!」

 

クウガは耳を抑え何とか耐えきろうとするが。

 

「ぐっ…くっそ」

 

クウガは耐えきれず膝をついてしまう。

 

「い、今だ!」

 

コウモリ男は超音波を発しながら走って逃走した。

 

「まてっ…にが…すか」

 

クウガは追い掛けようとするが超音波により立ち上がる事が出来ないでいた。

 

ーーーーー

 

数分後。一条が現場に着きクウガの元へと駆け寄る。

 

「中野、大丈夫か」

 

「はい、何とか…あと一歩の所だったんですけど。奴の攻撃で逃がしてしまいました」

 

「そうか…とりあえず、君は休め後の事は俺に任せろ」

 

「すみません」

 

雄介はバイクに乗り学校へと戻って行った。

 

ーーーーー

 

雄介が学校に着きバイクから降りる。

 

「っまだ耳がキーンってするな」

 

雄介が学校の中に入り教室に入ると。

 

「雄介、大丈夫だった?」

 

穂乃果が雄介に駆け寄る。

 

「うん、まぁ俺は大丈夫なんだけど未確認逃がしちゃってさ…」

 

「そっか…でも雄介が無事で良かったよ」

 

「ありがとう」

 

雄介は1つ気になる事があり。

 

「ごめん、穂乃果ちゃん。ちょっと席外すよ」

 

「う、うん」

 

そう言って雄介は教室を出て保健室に向かう。

 

雄介が保健室の前に行くと三玖達、5姉妹が廊下を歩いていた。

 

雄介は慌てて身を隠す。

 

「とりあえず、二乃の怪我が軽症で良かったです」

 

「うん、あんなに血が出てたから私びっくりしちゃったよ」

 

「だから、言ったでしょ大した事ないって。全く四葉と五月は大袈裟なのよ」

 

「まぁでも3人共無事で良かったよ。学校の近くで未確認が襲われてる。それが二乃達って聞いてほんと心臓止まるかと思ったよ」

 

一花がそう言うと。

 

「…ほんとよね。正直、未確認生命体を目の当たりにして正直怖かったわ」

 

「えぇ私も」

 

「私もだよ」

 

「四葉、五月。助けてくれてありがとうね。あんた達がいなかったらと思うと正直あの未確認に殺されてたと思うわ」

 

「それはお互いさまですよ。二乃」

 

「そうだよ」

 

お互いがお互いを助け合い姉妹の絆を感じ取り雄介はそんな姉妹達を見て微笑んでいた。

 

「(とりあえず、あの子が大きな怪我じゃなくて安心だな)」

 

雄介はそう思い教室に戻って行った。

 

ーーーーー

 

ー放課後ー

 

雄介は部室に向かう為、廊下を歩いていると。

 

「ユースケ」

 

突然呼ばれ振り返る。

 

「おっ三玖ちゃん。どうしたの?」

 

「う、うん。一緒に帰ろうかなって思って」

 

「あっ…えっーと、これから部活があって…そのっごめんね」

 

雄介の返答に三玖は悲しそうな顔をして。

 

「そうなんだ…部活なら仕方ないよね。わかった…じゃあまた明日ね」

 

三玖は雄介に手を振り歩いて行った。

 

「う、うん…また明日」

 

雄介も手を振るがさっきの三玖の悲しそうな顔を見て。

 

「…っ〜〜〜みんなごめん!」

 

雄介は携帯を取り出し穂乃果に電話する。

 

『もしも〜し雄介どうしたの?』

 

「穂乃果ちゃんごめん!腹の調子が悪くてうんこが止まらないんだ!悪いけど今日の部活休むね!」

 

『えっ!ちょっ!雄介!?』

 

雄介は強引に通話を切り三玖の元へと走り。

 

「三玖ちゃん!」

 

雄介に呼ばれ三玖は振り返る。

 

「えっどうしたのユースケ?」

 

「えと…今日部活休みになったんだ…だから一緒に帰る?」

 

雄介の言葉に三玖は満面の笑顔をになり。

 

「うん!一緒に帰ろうユースケ!」

 

ーーーーー

 

「ほい、三玖ちゃん」

 

雄介は三玖にヘルメットを渡す。

 

「えっと、ユースケってバイクに乗って学校に来てるんだ」

 

「そうだよ。未確認が出た時いつでも現場に行けるようにね。まぁ先生には違う理由でバイク通学にしてもらってるけど」

 

雄介はバイクに跨る。

 

「ごめん、ユースケ。私バイクに乗った事がなくて」

 

どう乗ればいいかわらない三玖に。

 

「あっと、ごめんごめん。手を出して」

 

三玖が雄介の言う通り手を出すと雄介は三玖の手を取り。

 

「よっと」

 

雄介に引っ張られ三玖もバイクに跨る。

 

「これで大丈夫かな?」

 

「う、うん…ありがとう」

 

「よしっじゃあ、しっかり掴まってて」

 

三玖は雄介の言う通り。しっかりと雄介にしがみつく。

 

「おふっ」

 

「どうしたの?」

 

「い、いや、なんでもない」

 

今まで感じたことのない壮大な柔らかさに雄介はするが冷静を保つ。

 

「じゃ、じゃあ行こうか」

 

「うん」

 

バイクにエンジンを掛けゆっくりと走行して学校を後にする。

 

ーーーーー

 

バイクを走行中。三玖は雄介に語りかける。

 

「ねぇユースケ聞きたい事があるんだけど」

 

「んー?」

 

「ユースケの周りに沢山の女の子がいるけど。ユースケって彼女いるの?」

 

「彼女?いやっあの子達は幼馴染みで、それに俺、スクールアイドルのマネジャーやってるんだ。それが俺の部活かな」

 

「そうなんだ。彼女いないんだね」

 

「うん、残念ながらね。まぁ恋愛とか俺まだよくわからなくて。それに今は未確認生命体から皆を守るのが優先だから恋愛は当分お預けかな。まぁ彼女出来るかも怪しいけどねぇ」

 

「大丈夫だよユースケなら」

 

「えっ?」

 

「私が側にいるから」

 

「そっか。ありがとう三玖ちゃん」

 

嬉しそうに雄介は返すも三玖は頬膨らませる。

 

「絶対意味わかってない」

 

ーーーーー

 

三玖の住んでいるマンションに着いた雄介達。

 

「ほぇ〜三玖ちゃんの住んでいる所すごいなぁ」

 

そこは、お金持ちが住んでいるような凄く大きなマンションだった。

 

「うん、お父さんがお医者さんで私達ように買ってくれたんだ」

 

「す、すごいな」

 

三玖は雄介にヘルメットを渡し。

 

「今日はありがとうユースケ。また明日、学校でね」

 

「うん、また明日」

 

雄介は三玖からヘルメットを受け取り三玖に手を振りその場を後にした。

 

「また明日か」

 

三玖は嬉しそうに微笑み家に入ろうとした時。

 

「もし?」

 

「えっ?」

 

突然呼ばれ三玖は振り向いた瞬間。目の前が真っ黒に染まった。

 

ーーーーー

 

ー翌日ー

 

「おはよー」

 

雄介が今日に入り。いつものように幼馴染み3人の所へ寄る。

 

「おはよー雄介。お腹の調子はどう?」

 

「へっ?お腹?何のこと?」

 

「…」

 

雄介の返答に3人はジトッーっと雄介を見る。

 

「えっと…どうしたのかな?」

 

「やっぱりね」

 

「へっ?」

 

「ねぇゆーくん昨日お腹痛かったんだよね?」

 

「あっ…あっ!あぁ!そうそう!昨日ねマジでうんこ止まんなくて参っちゃたよハハッ」

 

「へぇそうなんですか。でも昨日偶然バイクで中野さんと2人で帰ってる所を見たって真姫が教えてくれましたよ」

 

「…あっお腹の調子が僕、早退しまーす」

 

雄介が一目散に教室から出ようとしたが3人に肩を掴まれ。

 

「どういう事かゆっくり聞かせてもらうからね…ゆーくん」

 

「ひっひっひぃーーーーー!!!」

 

ーーーーー

 

3人から”お話"をくらい机に項垂れる雄介。

 

「そういえば中野さんと言えばまだ今日来てないよね?」

 

穂乃果がそう言い雄介は顔を上げる。

 

「(そう言いえばそうだ…もうチャイムは鳴るし。遅刻?いや、三玖ちゃんに限ってそれはないか)」

 

そう考えているとチャイムが鳴り教室に先生が入って来る。

 

「みなさん、おはようございます。えぇ突然なのですが皆さんに悲しいお知らせがあります。中野三玖さんなのですが昨日から行方不明になり今も捜索中との事です」

 

先生の説明により教室がざわめき雄介は勢いよく立つ。

 

「先生、三玖ちゃんが行方不明になったのって何時からですか?」

 

「えっ…詳しい時間はわかりませんが警察の方からだと夕方からだと」

 

先生が話し終わると同時に雄介は教室を飛び出して行った。

 

「ちょっと中野さん!?」

 

雄介は廊下を走り一直線に他の姉妹がいる所へと走る。

 

「昨日の夕方だと俺と別れてすぐのはずだ…まさか!?」

 

雄介は携帯を取り出し一条に連絡を取る。

 

『中野か?どうした?』

 

「一条さん!昨日の夕方、女子高生が行方不明になっている事件って知ってますか!?」

 

『あぁ署からは聞いているが?』

 

「その後の事は!?」

 

『いや、まだ行方を調査中としか聞いてないが』

 

「そうですか…その女子高生俺の友達なんです」

 

『何だと!?確かに君の通っている学校の制服だったと聞いたが』

 

「俺、その子と一緒に帰ったんです。だから別れた後、その子は多分…」

 

『誘拐…か?』

 

「その可能性が高いかもしれないです。最悪未確認の可能性もあるかもしれません」

 

『今回の未確認は、女性ばかり狙う未確認だったな。確かに可能性は無くもないが』

 

「とりあえず俺その子の姉妹達に会ってきます。一条さんも何か分かり次第連絡をお願いできますか?」

 

『わかった』

 

雄介は通話を切り。他の姉妹達がいる教室に向かう。

 

その教室にたどり着き中に入る。

 

「…いない」

 

「ちょっと授業中ですよ?」

 

ここにいた先生にそう言われ。

 

「すみません。今日、中野五月さんは来てないですか?」

 

「えっえぇ今日はお休みだと聞きましたけど?」

 

「そうですか…ありがとうございます」

 

雄介はそう言い教室を後にし学校を出てバイクの所へと向かう。

 

「他の姉妹がいないとなると多分全員いない…あの子達の家に直接行ってみるしかないか」

 

ーーーーー

 

雄介は三玖の住んでいるマンションに着く。

 

「ここか」

 

雄介はバイクから降りそのマンションに向かおうとすると。マンションの中から五月が外に出てきた。

 

「あの子は確か…五月ちゃんだ」

 

雄介は即座に向かう。

 

「君!」

 

「えっ?えぇ私ですか?」

 

「君、中野五月さんだよね?」

 

「そうですけどあなたは?」

 

「俺は三玖ちゃんと同じクラスの中野雄介って言うんだ」

 

「中野雄介…あなたが」

 

「えっ?俺を知ってる?」

 

「えぇ最近、三玖が親しげにしている方がいると聞いていたので、それがあなたですね」

 

「あっあぁ多分ね」

 

「それで、何か御用ですか?」

 

「御用って…三玖ちゃんが行方不明になってるって聞いてここに来たんだ」

 

「…あなたに何の関係が?」

 

「昨日、三玖ちゃんと一緒に帰ったんだ。それでここに送ってそれから別れた後、三玖ちゃんは」

 

雄介の発言で五月は表情を変える。

 

「三玖!?あなた昨日三玖と一緒にいたのですか!?」

 

グイッと押し寄せる五月。その目元には赤く腫れた跡があった。

 

「…うん、ごめん。俺が最後まで家に送っていれば」

 

「…いえ、あなたのせいではありません。だから自分を責めないで下さい」

 

「何か…何か手掛かりとかは?三玖ちゃんが何か残していったとか?」

 

「…いえ、何も…電話も繋がらなければ三玖の痕跡すらも何もありません」

 

「…そうか」

 

「雄介さん…でしたっけ?三玖がいつも話している通り優しい方なんですね。こんなにも三玖を心配してくれてありがとうございます」

 

「いや、俺は…とりあえず俺、探してみるよ警察にも知り合いがいるから何かあり次第君達にも連絡する」

 

雄介はバイクに跨り。

 

「三玖ちゃんは必ず見つけ出して見せる。君達にもう悲しい思いはさせないから」

 

雄介はそう言いバイクにエンジンを掛け走っていった。

 

「何か…変わった子だね」

 

「…一花」

 

後ろから歩いてきて五月の隣に並ぶ。

 

「あんなにも必死でさ…私達が転校して間もないのに三玖だけじゃなく私達の事も心配してくれてる」

 

「…三玖が大事に想っている友人です。三玖が親しくなるのがわかります」

 

「…本当にそれだけかな?」

 

「えっ?」

 

「いや、何でもない。五月ちゃん中で待とう?必ず三玖は返ってくるから」

 

「一花、でも」

 

「大丈夫…だってほら、ここの街にはいるじゃん。三玖が大好きなヒーローがさ」

 

「…それって」

 

ーーーーー

 

雄介が三玖といった場所を頼りに街中走り回るがこれといって成果はなかった。

 

「くそっ!一体どうすればいいんだっ!」

 

雄介がヘルメットを取り焦りが見え始める。

 

「このままじゃ本当に見つからねぇ」

 

雄介がもう一度探そうとヘルメットを着けようとした時。

 

「何かお探しかな?」

 

突然声を掛けられ振り向く雄介。そこには以前戦ったコウモリ男の人間態がいた。

 

「おまえはっ!?」

 

雄介は即座にバイクから降り腹部からアークルを出現させる。

 

「おっと、いいのかなそのまま戦って」

 

「…どういう意味だ?」

 

「お探しの女の子の居場所…知りたくないのかい?」

 

「っ!?貴様が三玖ちゃんを!」

 

「ふふっ正攻法では君に勝てないと踏んでね。君の弱点を探していたんだよ…そしたら見つけたんだ君と一緒にいるあの子をね!」

 

「きさまぁ!」

 

雄介は赤いクウガに変身しコウモリ男に殴り掛かろうとするが。

 

「いいのかな?私を傷つけて!」

 

コウモリ男の言葉に寸止めでクウガは攻撃を止める。

 

「…おりこうだ。今からその三玖ちゃんに会わせてやる。だがわかるな?私を傷つようとしたら彼女の居場所を一切言わないと」

 

「…わかった」

 

クウガは変身を解き雄介の姿に戻る。

 

「ふふっこっちだ」

 

ーーーーー

 

コウモリ男に付いてきて着いた場所が今は使われていない廃工場だった。

 

「ここにいるよ…君の愛しき彼女は」

 

コウモリ男は電気を付けるとそこには縛られている三玖がいた。

 

「〜〜〜〜〜!!!」

 

口をテープで貼られ涙目で三玖は雄介に訴えかけていた。

 

「三玖ちゃん!」

 

雄介が駆け寄ろうとすると。

 

「おっと!」

 

コウモリ男は雄介に静止を促す。

 

「これ以上彼女に近づくな」

 

コウモリ男は雄介を止め三玖に近づく。そして三玖に付いているテープを取る。

 

「っ!ユースケ!逃げて!」

 

「三玖ちゃん、何を言って?」

 

「罠なのユースケを誘き寄せる…それで私は」

 

「彼女の言う通り。これは罠さ君を確実に倒せる為のね」

 

「何だと」

 

雄介は腹部からアークルを出現させ構えを取るが。

 

「…もし、変身したらこの女の喉元を切り裂く」

 

コウモリ男は三玖の喉元に指を当てる。

 

「っ!」

 

雄介は変身の動作を止める。

 

「懸命な判断だ」

 

コウモリ男は怪人態に変身し。

 

「戦ってもいいぞ。だがその状態でだ!」

 

コウモリ男は雄介に飛びかかり鋭い爪で雄介を攻撃する。

 

「ぐあっ!」

 

ブシュ!っと雄介の肩から血が吹き出す。

 

「まだだ」

 

コウモリ男は飛び回り雄介に近づく事にその爪で雄介に攻撃する。

 

「ぐあっ!」

 

「ユースケっ!!!」

 

コウモリ男は何度も何度も雄介を攻撃し攻撃する度に雄介の体から血が流れる。

 

コウモリ男の攻撃により雄介は倒れるがコウモリ男は雄介の胸ぐらを掴み。

 

「まだだよ仮面ライダー」

 

ボロボロの雄介に再度攻撃しようとした瞬間。

 

「やめて!私はどうなってもいい!だからこれ以上ユースケを傷つけないで」

 

三玖は涙を流し懸命に訴えるがコウモリ男には届かず。

 

「無駄だよ。私はこいつを殺す為に君を利用したんだ」

 

「そ、んな」

 

コウモリ男は雄介を掲げ。

 

「やめて」

 

「さぁ止めだ」

 

「やめてぇ!」

 

コウモリ男は雄介の間近で超音波を発する。

 

「うあぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!」

 

雄介の断末魔で三玖は涙を流すしかなかった。

 

ドサッと雄介は倒れ耳から血が流れピクリとも動かない雄介。

 

「終わりか…呆気なかったなぁ!」

 

コウモリ男は雄介を蹴り飛ばし雄介は壁にぶつかり積まれていた鉄パイプの下敷きになる。

 

「いや…いやあぁぁぁぁぁーーーーー!!!」

 

コウモリ男は人間態になり三玖に近づく。

 

「さて、邪魔者はいなくなったし。食事でも頂こうかな」

 

コウモリ男は三玖を拘束していた縄を取り抱き寄せる。

 

「いやっ!やめて!」

 

「いい体をしている。楽しめそうだ」

 

コウモリ男は口元をペロリと舐め。

 

コウモリ男は三玖の肩に勢いよく噛みつく。

 

「あっ!あぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「良い!良いよ!久々に聞いたなぁ女の断末魔!」

 

ゴクゴクと三玖は激痛に襲われながら血を吸われ意識が朦朧となる。

 

「プハッ」

 

コウモリ男はある程度吸い三玖から離れ。

 

「あ、あぁぁ」

 

朦朧としている意識の中、三玖はもう声を上げる力さえ残っていなかった。

 

「ふっこのまま血を吸い尽くすのもいいが」

 

コウモリ男は三玖の体を全身舐め回すように見て。

 

「こいつの体で遊ぶのも悪くないだろう」

 

そう言いコウモリ男はもう一度三玖を抱き寄せ。

 

「さぁ俺を楽しませてくれ」

 

三玖の口元に近づこうとした瞬間。

 

「おい」

 

「えっ?」

 

コウモリ男が振り向いた瞬間ガッ!とコウモリ男の頭を鷲掴みにし持ち上げる。

 

「これ以上…この子に触れるな」

 

何が起こったかわからないコウモリ男。そこには紫のクウガが怒りと共にギチギチとコウモリ男の頭を握り潰していく。

 

「そ、そんなお前まだ生きてっ!?」

 

コウモリ男が三玖を離した瞬間クウガは地面にコウモリ男の頭を叩きつけた。

 

「ぐあぁぁぁぁぁ!!!」

 

地面に叩きつけられ頭から血が吹き出しそしてクウガの握力により目から鼻から血が吹き出すコウモリ男。

 

「こ…れ…以上この子に…ちか…づく…な」

 

クウガは意識を朦朧としている中、しっかりとコウモリ男に殺意を向けていて。それはコウモリ男も感じ取っていた。

 

「ひっ!や、やめて!殺さないで!」

 

クウガの殺気に怯え恐怖しジタバタと暴れるコウモリ男。

 

クウガはタイタンソードをコウモリ男の顔を突きつけ。

 

「悪ぃな…何にも…聞こえねぇわ」

 

その瞬間コウモリ男の顔にタイタンソードを突き刺す。

 

ーーーーーーーーーー

 

「んっ」

 

あれから何時間がたったんだろう…。三玖は重い瞼を開け周りを見るそこには知らない部屋そして四人の姉妹達が涙を流していた。

 

「三玖!みくぅ!」

 

勢いよく抱きつく四葉。

 

「四葉、痛い」

 

「あぁっとごめん!」

 

バッと離れる四葉。

 

「ここは?」

 

「病院だよ。三玖が見つかって運ばれたって連絡が入ってすぐにみんなでここに来たんだよ」

 

「そっか…私」

 

スッと三玖は自分の肩に触れる。

 

「傷は大した事はないそうです。少し貧血で…先生の方はすぐに元気になるとおっしゃってましたよ」

 

「そっか」

 

三玖は襲われた事を思い出しそして目から涙がこぼれる。

 

「三玖!?どうしたのよ?まだどこか痛いの?」

 

二乃は三玖の肩に触れ心配する。

 

「違う…違うの」

 

「えっ?」

 

三玖は思い出す自分が捕まったせいで雄介が傷つきそして…。

 

「私のせいで…私のせいでユースケは!」

 

三玖は泣き崩れ。

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!ユースケ!本当にごめんなさい!」

 

三玖の様子を見て姉妹達は顔を見合わせ。

 

「三玖。大丈夫だよ」

 

「えっ?」

 

一花がニコッと微笑み。

 

「何で三玖が無事なのか疑問に思わない?」

 

確かにそうだ。あの時ユースケは未確認にやられて私は未確認に襲われてから記憶がない。

 

「まさか」

 

「うん、助けてくれたんだよ。雄介君もといクウガがね」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー数時間前ー

 

雄介から連絡があり一条達、警察官達が現場に着いた頃にはコウモリ男は既に倒され破片があちこちに散らばり。そして雄介は三玖を抱き抱え壁にもたれていた。

 

ーーーーーーーーーー

 

三玖は事情を聞き居ても立っても居られずベッドから降り。

 

「三玖!?駄目だよ!まだ安静に」

 

四葉の静止を二乃が止める。

 

「行かしてあげなさい」

 

「ありがとう」

 

三玖は微笑み。

 

「三玖、雄介君の病室303号室ですよ」

 

五月は三玖に病室番号を教え三玖は頷き病室を出る。

 

「ユースケ、ユースケ」

 

まだふらつく体を必死に動かし雄介の病室に向かう三玖。

 

「ここだ」

 

303号室。ここに雄介がいる。

 

「(…でもどうする会って…大丈夫?ごめんね?怪我大丈夫?助けてくれてありがとう?)」

 

三玖は思考を巡り出し病室のドアを開けるのを戸惑っている。

 

「だめ…ユースケに合わせる顔がない」

 

自分のせいであんなにも傷つけて合わす顔がないと三玖は思いドアの取っ手を離す。

 

「でも、ここで会わなきゃ絶対後悔する!」

 

三玖は意を決しドアの取っ手を取りドアを開ける。

 

「ユースケ!」

 

ドアを開けた三玖の光景にはあまりに絶句し声をだす事が出来なかった。

 

「あ〜ん、もぐもぐ…あっ〜美味しい看護婦さんもう一口!」

 

「もう、仕方ないですね」

 

そこには看護婦さんにご飯を食べさせてもらっている雄介の姿があった。

 

「ゆ、ユースケ?」

 

「えっあっ三玖ちゃん!?あっとこれは」

 

「あら彼女さん?なら後は彼女さんにお願いしますね」

 

看護婦さんはそそくさと病室を出て行くと同時に。

 

「ごゆっくり〜」

 

っと捨て台詞を言い去っていった。

 

「あっ看護婦さ〜ん」

 

雄介が手を伸ばし残念そうに項垂れる。

 

「…楽しそうだったねユースケ」

 

少し怒り気味の三玖に雄介はあたふたと焦り。

 

「違うんだ!決して看護婦さんが可愛くてそれであ〜んなんて要求とかした訳じゃなくて!」

 

雄介が言い訳していると三玖はふふっと笑い。

 

「三玖ちゃん?」

 

そして三玖は雄介に抱きついた。

 

「み、みくちゃん!?」

 

「ユースケごめんなさい。私のせいで酷い目にあわせて」

 

「…いや、元はと言えば俺が悪いんだ。俺があの未確認をすぐに倒していれば三玖ちゃんを危険な目に合わせずに済んだのに」

 

「そんな事!」

 

「でもっ三玖ちゃんが無事で良かった。それが1番だよ」

 

この人は何を言ってるんだろう?あんなに傷ついてあんなにも苦しい思いをさせて。それでも私の事を第一に思ってくれて。

 

「いや〜一時はどうなるかと思ったけど三玖ちゃんが元気になって良かった」

 

おかしいよ…普通は怒ってもいいのに。何でこんなにも優しいの?…おかしいよ…本当に…本当に…。

 

「それにしてもあれだよなぁ〜三玖ちゃんも入院なんでしょ?それならずっと一緒にいられるね」

 

それにこの溢れ出す気持ちは何だろう?もともとユースケの事は好きだった。でもそれはユースケがクウガであってヒーローだったから。でも今の気持ちは違う。

 

「ん?三玖ちゃん?」

 

この気持ちはクウガでもヒーローでもない。この人自身が…ユースケがすごく愛おしく思えてくる。

 

「そっか、そうなんだ。これが」

 

これが恋なんだ。

 

ーーーーーーーーーー

 

ー数日後ー

 

「ゆーくん、もう大丈夫なの?」

 

「うん!耳も全開に治ったし今日は部活に出られるよ」

 

「もう、あまり心配させないで下さいよ」

 

いつも通り3人の幼馴染みと登校中。学校の門の前に着くと。

 

「おはよっユースケ!」

 

三玖が校門の前に待っていた。

 

「あっおはよー三玖ちゃん」

 

雄介が手を振ると三玖は雄介に近づき。

 

「んっ」

 

チュッと三玖は雄介の唇と重ねる。

 

「…」

 

少しの沈黙。そして。

 

「えっえぇぇぇ!!!ゆーくん!!!!????」

 

「これはどういうことですかぁ!!!!????」

 

「わぉ!大胆!」

 

3人の幼馴染みが驚いてる中、雄介はずっと固まっている。

 

「ふふっこんなにも好きなんだもん…責任取ってよね」

 

三玖はそう言い学校の方へと走っていった。

 

固まる雄介の肩を揺さぶり3人の幼馴染みに質問攻めに会う雄介。この出来事は学校中にも広まり1日中(男子から)質問攻めにあった雄介がいたとか。

 

ー第25話 恋endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いつもいつも遅れて本当に申し訳ありませんでした!


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第26話 愛憎

矢澤にこの妹達が通う少学校に奇妙な怪死事件が起きていた。
雄介達が調べていく内に解き放たれる謎が雄介の力の片鱗が開花する。


ー関東医大病院ー

 

「あいつが来る…あいつが来る…あいつがっ!」

 

病院のベッドで蹲る一人の少年が携帯を震えて持ち画面の時刻を見ていた。

 

「おいっ!一体何が来るっていうんだ。たかし!」

 

その少年の父が問いただしてもただただ。あいつが来るという言葉で一点張りであった。

 

「落ち着いて何も来ないわよ!」

 

「そうだよお兄ちゃん!」

 

その母親と妹が心配するも、その少年は携帯を見続けている。

 

「あいつが言ってたんだ…今日の0時4分に迎えに来るって」

 

「そんなものは来ない!落ち着いくんだ!たかし!」

 

そして、その時刻に到達すると。少年の鼻から血が流れ。

 

「あいつが来た…あいつが…あっあ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!!」

 

その瞬間、少年から目から鼻から口から耳からも血が流れ息を引き取った。

 

「たかし?…たかしぃーーーーー!!!!!」

 

「いやあぁぁぁぁぁーーーーー!!!」

 

その病室からは悲痛な叫びが聞こえ留まることはなかった。

 

ーーーーーーーーーー

 

ー未確認生命体対策本部ー

 

一条が資料をまとめ確認していると杉田が入って来る。

 

「一条」

 

「あっおはようございます」

 

「どうだ今回の事件は?」

 

「えぇ未確認生命体の仕業だと間違いないでしょう」

 

「…今回で被害者は19人目。それも同じ小学校で同じクラス」

 

「えぇ、それに被害者は亡くなる前に必ずあいつが来ると言葉を発し亡くなるという」

 

「…あいつが来る…か」

 

「それに被害者は必ず0時4分に亡くなるという事です」

 

「…不吉だな」

 

「…ですね。今回の未確認は姿もまだ特定されてませんし情報も少ない」

 

「っどうやってそんな奴さがせってんだ」

 

「正直、困難ですね…ですが放おってはおけません」

 

「…だな。とにかくその小学校に聞き込みに行こう」

 

「わかりました」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー音ノ木坂学院ー

 

雄介も今回の事件を一条から聞いて考え込んでいた。

 

「今回の事件…その小学校のクラスだけを狙ってる。それに学校を休んでも関係なしに被害が出てる。しかも未確認の姿も特定されていない…か」

 

雄介が机に座って考え込んでいる中。そっーと近づく人物がいた。

 

「ユーっスケ」

 

後ろからぎゅっと抱きしめられる雄介。それと肩に大きなプリンが乗り顔に挟まる。

 

「ぶっ!」

 

「わっユースケ!鼻血が」

 

「み、みくちゃん…それは俺に刺激が強すぎるってばよ」

 

鼻血をティシュで拭き取る三玖。

 

「ごめん。何か険しい顔してたから」

 

「んんっまぁ今回の事件でね」

 

「…小学生が襲われてる事件?」

 

「うん」

 

「無理…しないでね?」

 

「んっありがと」

 

鼻血を拭き取ると同時に教室に入って来る幼馴染み3人。

 

「あぁーーーーー!!!ゆーくんまたっ!」

 

ダッシュでことりは雄介に駆け寄り。

 

「三玖ちゃん!ゆーくんにまた何かしたの!?」

 

「うん、後ろから抱きついた」

 

「っ!だめっ!ゆーくんに抱きついたら」

 

「それは無理…ユースケの事、大好きだから」

 

「えぇっ!?」

 

「あははー参ったなぁ」

 

「ゆーくんもデレデレしない!」

 

「はい!すみません!」

 

ことりと三玖が言い合いしてると海未が雄介に手招きをする。

 

雄介はそっーと2人から離れ海未達の所へと向かう。

 

「どうした?」

 

「雄介、にこが雄介に用事があると」

 

「えっ?にこが?」

 

「うん、何か真剣そうな顔だったよ」

 

「部室で待ってるだそうです」

 

ーーーーーーーーーー

 

雄介は海未達に言われた通り部室に向かう。

 

「にこ。来たよ」

 

雄介は部室に入るとイスに座ってるにこがいた。

 

「ごめん、呼び付けて。直接話したかったから」

 

「…いや、全然いいんだけど一体どうした?」

 

雄介もイスに座りにこと向き合う。

 

「うん…あの、今、雄介が追ってる事件って小学生が襲われてる事件よね」

 

「うん、そうだけど」

 

にこは深妙な顔になりゆっくりと口を開ける。

 

「その小学校、それに襲われてるクラスそこに私の妹がいるの」

 

「妹って…こころちゃん達か」

 

「そう、そのこころなんだけど同じクラスの子達がどんどん亡くなっている事をニュースや学校からも連絡が来て正直いてもたってもいられなくて」

 

にこは震えだし自分の肩を抑える。そんなにこに雄介はそっとにこの肩に手を置き。

 

「大丈夫、にこの妹は俺が絶対に守る。約束だ!」

 

雄介はニッ!と微笑みサムズアップをする。

 

「ありがとう。雄介」

 

にこも少し微笑み雄介に感謝の言葉を送る。

 

「ところで、そのこころちゃんは?」

 

「今は家に居させてるわ。さすがに不安だから」

 

「わかった。俺も警察の人達に連絡を取って対策を建ててみるよ」

 

「ありがとう。本当に」

 

「いいって、とりあえず連絡してまた後でにこにも伝えるよ」

 

「わかったわ。ありがとう」

 

雄介はにこに手を振り部室を出てすぐに一条に連絡を取る。

 

『中野か?どうした?』

 

「一条さん、少し相談が」

 

『今回の事件の事か?』

 

「はい、実は…」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

雄介の計らいでにこの家に警察官一人護衛を付ける事になった。

 

「とりあえず、にこの家に交代で警察官の人達が護衛をする事になったから」

 

雄介はそうにこに説明しにこも少し安堵した表情になり。

 

「ありがとう。雄介」

 

「ん、にこのお母さんにも一条さん達が説明してくれるから大丈夫だと思う」

 

「色々としてくれたみたいで安心したわ。これなら」

 

そう続けようとしたにこに雄介は割って言葉を付け加える。

 

「だけど、相手は未確認だ…正直油断できない」

 

「…そうよね」

 

「正直これも、言い方悪いけど気休め程度だ…万全とは程遠い」

 

雄介は深妙な表情をしにこに告げる。

 

「だから、こころちゃんに何か一つでも、小さな事でもいい…危険な事があったらすぐに俺を呼んでくれ」

 

「うん、わかったわ」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー音ノ木坂学院 部室ー

 

雄介はにこと別れた後、学校に戻って来て部室に入ると。

 

「お帰り雄介」

 

μ'sのメンバーが全員揃っていた。全員が深妙な顔つきで座っていたので。

 

「みんな…なぁんだ俺の事待ってたの?みんな俺の事がだいすきなんだからぁ」

 

雄介が少しふざけて場を和ませようかとしたのだが真姫が席を立ち雄介に近づき。

 

「ねぇ今回の事件…にこちゃんの妹が巻き込まれてるって本当?」

 

「っ」

 

突然の事に言葉を発する事が出来なかった雄介にさらに真姫は詰め寄り。

 

「ねぇどうなの?」

 

「…う、うん」

 

「やっぱりそうなのね」

 

「でも、どうしてそれを」

 

雄介が返答すると今度は絵里がスマホを出し雄介に見せる。

 

「この小学校、こころちゃんが通ってる学校よね?それに最近のにこの表情を見ればすぐわかるわ」

 

雄介は観念したかのように手を上げ。

 

「みんなが思ってる通り、こころちゃんは未確認に狙われてる可能性が高い」

 

「やっぱり昨日にこに呼ばれたのは」

 

「うん、この事で相談に乗ってたんだ」

 

「それで、どうしたの?」

 

真姫が不安な顔で雄介に聞き。

 

「とりあえずは、にこの家に警護を付けた。だけど、正直気休めだ…未確認は何をしてくるか分からない」

 

それでもっと雄介は顔を上げ。

 

「必ず守る。そうにこと約束したから」

 

雄介の言葉にみんなが頷く。

 

ーーーーーーーーーー

 

ー関東医大病院 解剖室ー

 

一条は椿に呼ばれ病院に訪れる。

 

「それで、何かわかったか?」

 

「あぁ今朝亡くなった患者の遺体から見つかったのがこれだ」

 

椿から渡されたのが大きな釣り針の形に酷使していた物だった。

 

「これは…?」

 

「患者の頭部に埋め込まれていたのを摘出した物だ」

 

「頭部?こんな大きな物が?」

 

「これは憶測だが最初は小さな針が埋め込まれ何かしらの条件で針は大きくなりやがて脳を傷つけ死に至らしめる。それが今回の奴らの手口だろう」

 

「…外科的な方法で針を取り除く事は可能なのか?」

 

「この針はごく小さな針で摘出は難しいだろう。仮に手術をしても患者の脳が持たず亡くなる可能性が高い」

 

「…そうか」

 

「しかも、この針は刺された事事態被害者が気付いてない可能性が高い。脳の痛みもなくただその宣告された時間になった瞬間、被害者の脳を傷つけ殺めているんだろう」

 

「これをどうやって防げば」

 

すると一条の携帯が鳴りすぐに出る。

 

「一条です」

 

『桜井です。一条さん、以前亡くなった被害者の葬儀に立寄ったのですが。突然参列してた子が大声を上げ謎の男を見たと』

 

「謎の男?」

 

『えぇ、それも何人もその男を見たと。それは被害にあった同じクラスの子が全員同じ男を見たと証言してました』

 

「なんですって!?」

 

『一条さん、これは』

 

「確実に未確認は様子を伺い楽しでいる」

 

一条は拳を握り締め。

 

「桜井さん、私も直ぐにそちらに向かいます」

 

『わかりました』

 

一条は通話を終え椿の方に向き。

 

「すまんが、戻るぞ」

 

「あぁ、こっちも何かわかり次第連絡する」

 

一条は頷き病院を後にした。

 

病院を出て直ぐに一条はパトカーに乗り雄介に連絡を取る。

 

『もしもし中野です』

 

「一条だ。中野、今回の事件の被害者が全員、未確認と接触した可能性が高い!」

 

『なんですって!?』

 

「襲われた被害者は全員、頭の中に針が埋め込まれていた。これから襲われる児童も針を埋め込まれている可能性高い」

 

『針…そんなものが』

 

「中野、昨日護衛を付けた矢澤さんのお宅にもう一度行ってくれないか。その子に謎の男を見かけたと聞いて貰えないだろうか?」

 

『謎の男…それが今回の未確認ですか?』

 

「おそらくな」

 

『わかりました。直ぐに向かいます!』

 

「頼む!こちらも何かわかりしだいっ」

 

ピー!っと一条に通信が入り笹山から連絡が入る。

 

『一条さん、桜井さんから連絡が入り病院に入院していた児童が先程亡くなったと…』

 

「なんだって」

 

一条は時刻を見ると昼の0時4分だった。

 

『これで緑川小学校の被害者は24名になります』

 

「そのクラスの人数は確か」

 

『26名です』

 

「後、2人」

 

一条が拳を握りしめガンッ!とハンドルを叩く。

 

『一条さん!俺は、こころちゃんの所へ向かいます!』

 

「頼む…こちらも何かあり次第連絡する!」

 

『わかりました!』

 

ーーーーーーーーーー

 

雄介は通話を終え、バイクに乗りにこの家に向かう。

 

「にこ出てくれっ!」

 

雄介はにこに連絡を入れる。

 

少しのコール。そして。

 

『もしもし?』

 

「にこか!?こころちゃんは無事かっ!?」

 

『え?えぇ大丈夫だけど一体どうしたのよ?』

 

「良かった…にこ、一つこころちゃんに聞いてもらいたい事があるんだ」

 

『聞いてもらいたい事?』

 

「あぁ、謎の男を見なかったかって…そいつが未確認かもしれないんだ!」

 

『謎の男』

 

「あぁ頼む!」

 

『わかったわ、すぐに聞いてみる』

 

少しの間の沈黙…それが何十秒にも思えて雄介は焦っていた。

 

『…もしもし雄介?』

 

「にこっ!?どうだった!?」

 

雄介の返答に少しの沈黙。そして。

 

『見たこと…あるって』

 

絶望…その言葉が雄介の頭をよぎる。

 

「にこ!今すぐに警備の人の所に行ってこころちゃんと一緒に警察署まで行くんだ!」

 

『警察署!?』

 

「未確認はいつどこに現れるかわからない!今すぐ家を出てっ」

 

『きゃあぁぁぁぁぁーーーーー!!!』

 

電話越しからの悲鳴。それはこころの物だった。

 

『こころ!?どうしたの!?こころっ!?』

 

そこでにことの通話が切れる。

 

「にこっ!?にこっ!くそっ!」

 

雄介はグリップを回しスピードを上げにこの家に向かう。

 

ーーーーーーーーーー

 

こころの悲鳴と同時ににこは携帯を落としすぐにこころの所へと向かった。

 

「こころ!」

 

すぐにこころの方へと駆け寄ると警備をしていた警察官がすでに亡くなっていた。

 

「っ!?こころ!大丈夫!?」

 

「は、はい、大丈夫です」

 

「すぐに家を出るわよ!」

 

にこはこころを連れ家を出る。

 

「雄介に連絡を」

 

にこはポケットをあらゆる所を探るが携帯が見つからず。

 

「っあの時、落としたまんまだった」

 

ゆういつの連絡手段が無くなり、にこは焦りが深まりとにかくこころをここから逃がそうと手を握り走る。

 

「こころ!未確認だけど見てないのよね!?」

 

「はい、倒れた音がしたから見に行ったら警備さんが倒れてたので」

 

「わかったわ。とにかく走るわよ!もうすぐ雄介も到着するだろうから」

 

「わかりました」

 

にこはただただ走る。すぐに雄介が来ると信じて。

 

「逃さないよ」

 

ゾクッ!っと突然背中の冷汗が流れ出し走りを止めるにこ。

 

「おねぇさま?」

 

突然止まった姉を心配し見上げるこころ。にこは恐怖のあまり立ち止まったままだった。

 

「おねぇさま!大丈夫ですか!?おねぇさま!」

 

こころの言葉によりハッと我に帰りにこは辺りを見渡す。

 

「何もいない」

 

「どうしたのですか?」

 

「い、いえ何でもないわ。行きましょう」

 

にこは再び走ろうとするが。

 

「逃さないって言ったよね?」

 

今度は真後ろから聞こえすぐに振り返る。

 

そこにはごく普通の青年が立っていてポケットから手を出しこころに指を指す。

 

「君で、25人目だ」

 

「な、何なのよ!あんたは!」

 

にこは直ぐにこころを庇うように前に出る。

 

「君には用はないよ…邪魔をするなら…殺すよ?」

 

「っ!こころ逃げるわよ!」

 

にこはこころに声を掛けるがこころは恐怖のあまり腰を抜かし立てなかった。

 

「こころ!」

 

「この人だ…この人がみんなを…私の友達をころ…した」

 

「っ」

 

涙を流し恐怖のあまり立てないこころをにこは担ぎ走る。

 

「無駄だよ」

 

男は小さな針のような物を投げにこの足に刺す。

 

「あうっ!」

 

その同時ににこは転倒しこころを離してしまう。

 

「こころっ…逃げなさい!こころっ!」

 

姉の呼び掛けにも答えられずこころは転倒したままだった。

 

男はこころに近づき。

 

「これで後1人」

 

男はこころの頭に小さな針を刺した。

 

「あっあぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!」

 

刺されたと同時にこころは悲鳴を上げ苦しみだす。

 

「こころーーーーーっ!!!」

 

「今日の0時4分が楽しみだね」

 

男はにこを見て笑っていた。

 

「何で」

 

「ん?」

 

「何であんた達はこんな事をするの!?」

 

「君達の苦しい顔を見るのが楽しいから」

 

男はふふっと笑いそう答えた瞬間。

 

ブォンッ!と鳴り響いた音が聞こえたと同時に男はバイクに吹き飛ばされる。

 

「ぐっ!?」

 

男は横転したと同時に怪人態ゴ・ジャラジ・ダへと変身した。

 

「にこっ!」

 

「ゆー…すけぇ」

 

にこは涙を流し。そして近くにはこころが苦しむ姿を見つける。

 

「っ…お前…お前っ!この子達に何したんだ!」

 

雄介は叫びと同時に変身し赤いクウガへと成る。

 

ジャラジはクウガのパンチを受け止め。

 

「クウガか…もう針は打ち込んだ。後は時間の問題さ」

 

「何だと!」

 

「もうすぐだ…もうすぐで僕のゲゲルは達成する」

 

くくっと笑いジャラジはクウガを蹴飛ばし。

 

「ぐっ!」

 

横転し直ぐに立ち上がるがジャラジの姿はなかった。

 

「っあいつっ!」

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

こころの悲鳴によりクウガは直ぐに一条に連絡を取る。

 

「一条さん!」

 

『中野か!?状況は!』

 

「こころちゃんが苦しそうで今すぐにでも病院に!」

 

『まさか針が…とにかく椿に連絡する!』

 

一条との通信を終えクウガが振り向くとにこがこころを抱きしめ泣いていた。

 

「ごめんね…こころ…ごめんね守れなくて」

 

涙を流し謝罪の言葉をずっと囁いていた。

 

ーーーーーーーーーー

 

ー関東医大病院ー

 

それから数十分後救急車が到着しこころは運ばれ集中治療室に入り今も検査中だった。

 

事情を聞きつけ、にこの母それに姉弟が駆けつけ今は椿と話をしている。

 

雄介は一条と合流しベンチに座っていた。

 

「一条さん…すみません。俺がもう少し早く着いていれば」

 

「君のせいじゃない…それにどこに現れるかも分からない未確認だこちらも対処が用意ではなかった」

 

「…一条さん。あの子…こころちゃんはもう助からないんでしょうか?」

 

「…残念ながらな」

 

「…約束したのに。俺が守るって…俺はまた守れないのかよ」

 

雄介は強く拳を握り締める。

 

「中野」

 

一条は雄介の肩に手を置き。

 

「何もかも自分でせよいこもうとするな。君だってまだ子供なんだ」

 

「…はい」

 

雄介は立ち。

 

「俺、次は絶対に倒します」

 

ーーーーーーーーーー

 

椿に宣告を受けにこの家族は皆こころの近くに寄り添う。

 

「こころ…こころ」

 

ずっと苦しむこころに何も出来ずただ手を握りしめるにこ。

 

「おねぇちゃん」

 

「おねーちゃん」

 

ここあと虎太郎そしてにこの母もずっとこころの手を握る。

 

「大丈夫…大丈夫だからね!お母さんがずっと付いてるから」

 

母の言葉も届かずこころは苦しむ。

 

病室の外から聞こえる声に雄介はずっと立ち拳を握っていた。

 

「ゆーくん!」

 

突然呼ばれそこにいたのはμ'sのみんなだった。

 

「…みんな」

 

「椿さんから連絡あったの。こころちゃんは!?」

 

真姫の言葉に雄介は顔を横に振る。

 

「そ、んな」

 

病室から聞こえる悲鳴にメンバーみんなが聞こえ真姫がドアに近づこうとした瞬間。

 

「行くな!」

 

雄介の叫びに真姫が立ち止まる。

 

「ゆーくん?」

 

「今は…家族だけにしてやってくれないか?」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー0時00分ー

 

その時刻に近づき苦しみ悶えるこころだったが家族の顔を見て。

 

「お、お母さん」

 

「こころ!」

 

ずっと苦しむこころが突然、母を呼びそして。

 

「ここあ…虎太郎」

 

下の妹弟にも声を掛ける。

 

「おねーちゃん!」

 

「しんじゃやだよぉー!」

 

虎太郎はこころに抱きつきこころは虎太郎の頭を撫でる。

 

「おねぇ…さま」

 

「こころ!」

 

バッとこころの手を握り。

 

「大丈夫だから!絶対助かるから!だから最後まで諦めてないで!」

 

にこの言葉にこころは微笑み。

 

「わたし…この家族に生まれてほんとうにしあわせ…でした」

 

ー0時3分ー

 

「おかあさんや…ここあ…虎太郎…そして」

 

こころは精一杯に微笑み。

 

「アイドルのおねぇさまを持ち…わたし、はしあわせ…でした」

 

「こころ…こころぉーーーーー!!!」

 

「あり…がと…ぅ」

 

ー0時4分ー

 

ピーッと心電図が鳴りこころはゆっくりと瞼を閉じた。

 

「いや…いやあぁぁぁぁぉーーーーー!!!!!」

 

にこ、そして家族全員の叫びが悲しく病室に鳴り響いた。

 

ーーーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

ー音ノ木坂学院ー

 

にこを除いたμ'sのメンバーは全員、部室に集まり席に座っていた。

 

「…」

 

「…」

 

昨日の事もあり誰も口を開けようとせずただ沈黙が流れていた。

 

「…ねぇ」

 

最初に口を開いたのは穂乃果だった。

 

「みんな…私達に出来る事はないかな?」

 

穂乃果の提案に。

 

「出来る事?」

 

「うん…にこちゃんを支えてあげたいんだ」

 

穂乃果の言葉に絵里は顔を横に振る。

 

「穂乃果…今はやめときましょう、私達がにこを励まそうとしても今は逆効果よ」

 

「そうだけど!…そうだけど」

 

「悲しいけど、今はにこにも時間が必要だから」

 

「穂乃果ちゃんの気持ちもわかる。ウチだってにこっちに今すぐ会いたいけど今は…今だけはダメや」

 

希の言葉に穂乃果は顔を伏せ。

 

「ごめん…不謹慎だったね」

 

そんな穂乃果を海未は頭を撫でる。

 

「そういえば、雄介は?」

 

この場に雄介がいない事に疑問を持つ海未。

 

「ゆーくんなら、一条さん達と一緒に護衛に行くって」

 

ことりはスマホをみんなに見せる。

 

「ゆーすけ、大丈夫かな?昨日、帰る時すごい怖い顔してたけど」

 

「大丈夫だよ凛ちゃん。雄介君なら」

 

花陽が凛を励まし。

 

「(ゆーくん大丈夫…だよね?)」

 

ーーーーーーーーーー

 

その頃、雄介は一条達と一緒に最後に狙われるであろう児童の病室にいた。

 

「みんな!みんな!殺された!今度は、今度は僕の番なんだ!」

 

恐怖のあまり暴れだす児童に病院の医師達は困惑していた。

 

「なんで、なんで僕達殺されなきゃいけないんだよぉ」

 

泣き出す児童に雄介はその児童の前に立ち。

 

「理由なんてないよね…だから殺させない」

 

「えっ?」

 

「ここにいる刑事さんみんなが君を守ってくれる。だから絶対殺させない」

 

「我々を信じてくれ」

 

雄介の言葉と一条の言葉に児童は大人しくなり医師の鎮静剤により児童は眠る。

 

雄介と一条は病室を出て。

 

「すまない中野。昨日辛いことがあったのに」

 

「いえ…大丈夫です」

 

一条は雄介の顔を伺い。

 

「さっきの子はまだ針は打たれていない。奇襲を掛けてくるなら確実にここを襲ってくるだろう」

 

「ですね」

 

「病室の中には警護はいるが中野、君もここを頼む」

 

「わかりました」

 

「俺は下に戻り桜井さん達と合流する何かあったら連絡してくれ」

 

一条はそう言いその場を後にする。

 

その数分後、雄介の携帯が鳴りスマホを取り出す。

 

「ことりちゃん」

 

雄介は一体離れ電話に出る。

 

「もしもし?」

 

『あっゆーくん今、大丈夫?』

 

「大丈夫だよ、何かあった?」

 

『ううん、ただ、ゆーくんが心配で』

 

「俺なら大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」

 

『ならいいんだけど…ねぇゆーくん』

 

「ん?」

 

『う、ううん何でもない!気を付けてねゆーくん』

 

「うん、ありがとうことりちゃん」

 

ピッと通話を終え雄介は病室の前に戻ろうとした時、ふとテレビが目に入りそこには未確認に殺された被害者達の事がニュースに報じられており次々と犠牲になった子達の写真が映り最後にはこころが映り雄介は血が滲むほど拳をにぎっていた。

 

ーーーーーーーーーー

 

桜井達、警察官が警護している中。突然指がなる音が聞こえた。

 

「!?」

 

桜井が振り向くと誰もいなく他の警察官達も気付かない。

 

頭を傾げもう一度見回りをしていると。

 

「ここに最後の獲物がいるんだね」

 

その言葉を聞いた瞬間。桜井の目の前にジャラジが現れる。

 

ーーーーーーーーーー

 

一条が院内を見回してる中、桜井から連絡が入る。

 

『一条さん!未確認が!』

 

「えっ?」

 

『突然、現れたと思ったら姿を消して今、総動員で奴の行方を追っています!もう院内に入ってる可能性が高いので一条さんも気を付けて!』

 

「わかりました!私もすぐに側索します!」

 

一条は雄介に連絡を取り。

 

「中野、未確認が姿を現した」

 

『奴はどこに?』

 

「今、捜索中だ。君は引き続き病室の前で待機しててくれ」

 

『わかりました』

 

一条は雄介との通話を終え駆け出す。

 

所々から指を鳴らす音が聞こえ姿を見つけたと思ったら姿が消えていて翻弄されていた。

 

「くそっ奴はどこに」

 

そこに杉田が駆けつけ。

 

「現れたのか?」

 

「はい、ですが奴に翻弄されています」

 

「とにかく追うぞ」

 

「はい!」

 

一条達は駆け出し辺りを捜索する。

 

雄介も指の鳴らす音が聞こえ辺りを見渡していた。

 

「どこだ?…どこにいる?」

 

パチンッパチンッと指を鳴らし倒れている警護をしていた警察官を手に掛け。

 

「さぁこれでゲゲル達成だ」

 

ジャラジは寝ている児童に針を挿そうとすると。

 

バンッ!と大きな音を立て扉が開かれる。

 

「!?」

 

「”変身”!」

 

バリーンッ!と音を立て窓からクウガとジャラジが出てきて横転し即座にクウガはジャラジに馬乗りになり。

 

「うぉあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ジャラジをひたすら殴る。

 

騒ぎに駆けつけた一条達。銃を構える警察官達に。

 

「撃つな!それは4号だっ!」

 

杉田の指示により警察官達は銃を下ろす。

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

クウガは殴りを繰り返しジャラジの口から血を吹き出しながらもお構いなしに殴り続ける。

 

「はぁ!はぁ!はぁ!」

 

ジャラジはクウガの拳を受け止め何とか攻撃を止めるがクウガはジャラジの手を払い除け。

 

「うあぁぁぁぁ!!!」

 

ジャラジの顔を殴り続ける。憎しみを抱いてただただ目の前にいる敵が憎くて憎くて仕方なかった。

 

「うぉりぃやぁーーーーー!!!」

 

クウガはパンチでジャラジを吹き飛ばし倒れている間にバイクに乗りゴウラムと融合させる。

 

ブォンッ!とクウガはビートゴウラムを発進させジャラジを突進させバイクのスピードでジャラジを拘束する。

 

「ぐっ…くっ!」

 

クウガはそのまま爆破ポイントに誘導し向かうジャラジは手から針を取り出しクウガに挿そうとした瞬間。

 

「”超変身”!」

 

紫のクウガになりジャラジの攻撃を防ぎ。

 

「おりぃやあ!!!」

 

ジャラジにパンチをし怯ませる。

 

爆破ポイントに到着し急ブレーキを掛けジャラジを吹き飛ばし河原の方まで飛んでいった。

 

クウガは即座に降りバイクからグリップを取りタイタンソードへと変化させる。

 

「くっ!くそっ!」

 

ジャラジは針を取り出しクウガに目掛け投げる。

 

キィン!キィン!キィン!

 

だが紫のクウガのボディには傷一つ付けられず全て弾かれる。

 

そして飛んできた針を取りバキッと折り投げる。

 

「う、あぁぁ」

 

ジャラジは怯え後退りをし。

 

クウガはゆっくり歩いて近づき先ほどテレビに映った犠牲になった小学生達、そして…。

 

『こころぉぉぉぉぉーーーーー!!!!!』

 

大切な友人の家族を守れなかった自分への怒り。

 

クウガは金の力を解放し紫の金のクウガへと変わった。

 

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。

 

「ぶっ殺してやる!!!」

 

クウガはジャラジの前に立ちソードを振り上げる。

 

「ひっひいぃぃぃぃ!!!」

 

ジャラジは逃げようとするがクウガはソードでジャラジの足を刺し貫き。

 

「ぎぃやあぁぁぁぁ!!!」

 

ジャラジは痛みでその場で倒れた。

 

「うおぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

クウガはソードでジャラジの体を何度も何度も何度も何度も何度も切り刻み。腕、足おも切り落とし。

 

「おりぃやあぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!」

 

ジャラジの体にソードを上から刺貫く。

 

「ぎぃやあぁぁぁぁーーーーー!!!」

 

ジャラジは悲鳴を上げベルトに亀裂が起こり。

 

ドオォォォォォォン!!!!!

 

大爆発を起こしジャラジは爆破し跡形もなく散った。

 

「はぁ!はぁ!はぁ!…うっ!」

 

突如、クウガの頭の中にビジョンが流れ出した。

 

そう…。先程、ジャラジを自分の手で倒したビジョン。だが映し出されたのは紫の金のクウガではなく。黒く角が4本あるクウガの姿だった。

 

 

 

「ゆーくん…大丈夫…だよね?」

 

ー第26話 愛憎endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




何とか早めに書き終えました。このペースで何とかいきたいですね 


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