特典を奪う怪盗団 (ボルメテウスさん)
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死神様のキャラクターファイル

この話は本編のネタバレになるので注意してください。
また、ほとんどが死神様の言葉だけで、地の文は出て来ないので注意してください


「どうもぉ、画面の皆、こんにちは!

作者が最近驚いた事はこのSSよりも人気がある自分の18禁作品のお気に入り数の多さだと聞いた、この世界の神様、死神様だよ」

 

死神様

元ネタ ソウルイーターの死神様

ルパンレンジャー達を担当している神。

ノリが軽いが、仕事はきっちりとこなすので、人格的にも仕事でもルパンレンジャーから信用されている。

また、命を粗末に扱う者に対しては怒りを隠さない。

ルパンレンジャーのメンバー各々は自分の子供のような大切な存在だと考えており、彼らの成長を楽しみにしている。

死神としての考えは、転生者がその世界に転生した時点では、その世界の住人と同じ存在だと考えており、神の都合によって、再び殺すのは可笑しいと考えている。

なので、転生者が世界のバランスを崩す原因である特典を無くす事により、秩序を取り戻そうと考え、ルパンレンジャーを作り出した。

その為、転生自体は石堂だけ行っており、それ以外は転生は行っておらず、回収した転生特典も危険度が高い特典は破壊、世界に必要な特典は封印を行っている。

 

「いやぁ、いきなり僕のプロフィールから紹介なんて、嬉し恥ずかしいなぁ」

 

「という事で今日はこの数少ないお気に入りに入れてくれた皆、それに見てくれた皆様に対して、お礼と作者的にも纏めるという意味も称して今回は総集編を行うよぉ!!」

 

「えっ、総集編よりも18禁のSSを書けって?

作者の妄想力はそこまで強くないし、あれ書くの結構苦労しているよ、作者童貞だし」

 

「まぁそんな作者と友人であるガンダムラザーニャとの合同SSを纏める意味も込めて、この総集編を行うよぉ」

 

「まずは、このSSについて改めて紹介するよ」

 

「このSSは皆も知っているように怪盗戦隊ルパンレンジャーの力を得た三人の主人公が、転生特典を使い悪行を行っている転生者と戦い、転生特典によって人生が狂われそうになっている転生者を救う物語だ」

 

「まぁ転生者と戦うのを思いついたのは、先人達の作品を見て憧れたのがきっかけだけどね」

 

「さて、そんなくだらない話は置いておいて、まずはルパンレッドの事について説明しよう」

 

「雨宮連、この作品の主人公にて、元ネタは皆も知っているペルソナ5の主人公が変身する人物だよ」

 

雨宮連

本編の主人公。

正義感が強く、誰かを助けるのに積極的な性格。

ただし過去に両親を殺された犯人を捜し続けており、その道中で出会った石堂にスカウトされ、ルパンレンジャーになった。

命に対して、失ったら取り返しが付かないと考えており、メンバーの中でも不殺の誓いを立てているが、両親の敵を目にすると我を忘れて暴れる事が多い。

ルパンレンジャーのルパンレッドに変身する事ができ、ルパンレンジャーの中では戦闘力は一番低いが、ダイヤルファイターの応用力はメンバーの中で一番高く、状況に合わせて使いこなす。

また、雨宮が元から所有している能力【ペルソナ】により、もう一人の自分を呼び出す事ができ、主にアルセーヌとのコンビ攻撃を主に使っている。

そしてペルソナ使いの中でも稀な存在であるワイルドにより、様々なペルソナを使う事ができる。

そしてワイルドの力を利用し、グットストライカーが本来はパトレンジャーしか使えない融合能力を使う事ができる。

それにより、本来は存在しない形態に変身する事ができ、合体する相手によって、その姿は多く変わる。

 

「作者がルパンレンジャーを見て、絶対にしようと思っていたのはルパンレッドは絶対にペルソナ5の主人公にしようと決めていたから」

 

「まぁ、そんな主人公だけど、実は結構謎が多いんだよね」

 

「だけど、それを話したらネタバレになるし、作者はよく設定を変える事があるから、ここでは話さないでおこう」

 

「あえて言うならば、主人公は怪盗団を結成するのは2回目という事だけかな?」

 

「おっと、これ以上は言えないなぁ。

これだけでもネタバレになってしまうからね」

 

「次にルパンブルーこと、ソーマ・シックザール君」

 

ソーマ・シックザール

ルパンブルーに変身する若者。

不愛想でつれない態度を持ち、勘違いされがちだが、優しい心の持ち主であり、雨宮の事について心配する場面が多くある。

優れた五感と身体能力を持ち、特に人よりも巨大な相手との戦闘が得意であり、メンバーの中でも大きなパワーを持っている。

その出生は、自身の両親の実験によって誕生したというもので、元の世界では様々な生物との戦いに明け暮れていた。

そんな中で出会った少女と奇妙な関係を持ったが、ある日少女が攫われてしまい、次元融合により、元の世界とは違う現在の世界へと飛ばされた。

その後、両親の元から離れ、少女を探している所を石堂にスカウトされ、ルパンブルーになっている。

本来の武器である神器を組み合わせてのパワーファイトを得意としており、神器にはない遠距離攻撃を可能にしているVSチェンジャーとの連携により、攻撃の幅を広げる事ができる。

 

「ルパンレッドと違って、ブルーはかなり迷ったけど、クールで青が似合う男と言ったら、作者の中ではソーマで決まっていたよ。

だって1の主人公だもん」

 

「えっ、1の主人公は違う?

でもストーリー的にも絶対に主人公よりも目立っていたよね、彼」

 

「そんなソーマ君の過去が明らかになり、彼の今後はどうなるのか、はらはらわくわくだよね」

 

「さらにルパンイエローこと、忍野忍ちゃん!」

 

忍野忍

ルパンイエローに変身する吸血鬼。

幼い少女の見た目だが、その見た目と反して老人口調で話す。

元はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという吸血鬼だが、ある人物によって心臓を奪われ、元の力を発揮する事ができなくなった所で石堂にスカウトされ、自身の心臓を取り戻す為にルパンレンジャーになった。

現在は雨宮に取りつく事で存在を保っており、命の価値観はルパンレンジャーの中でも軽く、殺せるならば殺しても良いと考えている。

だが、本人は雨宮の事を気に入っている為、しばらくは彼の不殺の誓いに付き合う為、基本は不殺を心掛けている。

最近の悩みは雨宮が別の意味での才能に目覚めかけているので、その対処について考えていること。

 

「強さも経験もおそらくはルパンレンジャーの中で最強なのは間違いないよね。

まぁ西尾維新の強さランキングでは5位だったけど、それでも強いよ」

 

「だけど、僕はね気づいたんだ、そんな忍ちゃんが主役の話、1話だけだよね」

 

「強すぎると、色々と出番を奪われるのかな?」

 

「そしてルパンエックスこと、石堂愁一!」

 

石堂修一

ルパンエックスに変身する、ルパンレンジャーの誕生するきっかけを与えた人物。

元は仮面ライダービルドにいる石動惣一だったが、エボルトとの最終決戦にて、身体の負担を無視した変身をし、戦った結果、死亡した、

その後は、エボルトが転生した事を知り、エボルトを追う為にルパンエックスになり、変身できる事を明かすまで、エボルトを追っていた。

ルパンエックスの性能の他に、エボルトに取りついていた間の経験もあり、高い戦闘能力を誇っている。

ただし、ルパンエックスへの変身以外はルパンレンジャーのような特殊能力はない。

だが本来は宇宙飛行士に選ばれるだけはあり、その身体能力は高い。

またシンフォギアとの融合の影響かOTONAになる可能性もある?

 

 

「まぁネタバレになるけど、彼は作者の妄想の仮面ライダービルドの最終回で死んだ事になっているんだよね」

 

「だって、彼、エボルドから解放された後、本人が登場するシーン無いもん!

残り3話で活躍する可能性かなり低いもん!

だったら、俺がやるしかないっと!!」

 

「作者的には石動さんがエボルドライバーを使って、変身する展開に燃えて、見たかったんだよね。

エグゼイドで大河がクロノスになったみたいな展開に期待していたんだよ」

 

「それにラビットエボル、出番むっちゃ少ないし、完全にかませ扱いだもん。

だからね、そういう期待も込めた意味だよ」

 

「まぁ作者の言葉を無視して、新メンバーも考えていたけど、作者の中で一番盛り上がるのはやはりこれしかないと思って、書いた結果、石堂に決まった訳だよ」

 

「そして最後はルパンレンジャーの敵でもあるギャングラーの紹介だよ。

だけど、未だに不明な部分もあり、詳細は未だに分かっていないよ」

 

ギャングラー

ルパンレンジャーと敵対する悪の組織。

400年以上にわたり活動しており数多くの世界を滅ぼしていると言われている。

頂点に君臨する神が様々なルートで数多くの転生者を生み出しているので、ルパンレンジャー達が解決した事件の多くはギャングラーに関わっている。

 

クロウ

ギャングラーの幹部の一人。

ルパンレッド、雨宮と同じペルソナ能力を持っており、本人の怪人体ザミーゴ・デルマに変身しており、戦闘能力はルパンレッドと互角かそれ以上である。

目的は現在まで不明だが、主人公に対して執着にも似た何かを持っている。

 

赤嶺友奈

ギャングラーの幹部の一人。

結城友奈達と同じく勇者の力を持っており、未だに直接な戦闘は行っていないが、バーテックスを操る能力を持っている。

クロウと同様に目的は不明だが、雨宮には何かを期待しており、成長の先にある何かを使う事は確実である。

 

エボルト

石堂とは生前からの因縁の相手である。

現在は本来の力であるエボルの変身能力は失っており、ブラッドスタークに変身して、戦っている。

ギャングラーに所属している目的はかつての戦いによって石化したエボルドライバーを転生者の魂を使い、復元させることである。

 

「未だに謎の多いギャングラー。

現在分かっているだけでも、ギャングラーは強く、ルパンレンジャーだけでは勝てないだろう」

 

「だが、彼らは世界が融合した事によって、多くの仲間を得る事ができた」

 

「今後も戦いは激しくなるが、それでも彼らの行く先を見守ってもらいたい」

 

「それでは、僕からは以上!

これからも特典を盗む怪盗団、そして彼らのライバルであるパトレンジャー達が活躍する作品、転生者を更正する警察集団をよろしくねぇ」



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特別予告状 大決戦!ルパンカイザーVS二大怪獣 

今回の話は戦姫絶唱シンフォギアAXZ PROJECT Gとのコラボの前日談となります。


「てめぇ待ちやがれ!」

 

俺達は現在、転生者を追って走っているのだが、今回の転生者の持つ特典が実に厄介だ

 

「このっ寄り付くな」

 

「どこを触っているんじゃ!」

 

転生者の能力は自身のフェロモンを倍増させ、相手に浴びさせる事で様々な人物を魅了するという厄介な能力を持っている。

 

俺達はルパンレンジャーに変身した時にマスクによって防がれているので、フェロモンを防ぐ事ができたが、道中にはフェロモンを浴びた人間が俺達を転生者から守ろうと飛び掛かってくる。

 

「まったく、ルパンレンジャーが来るとはな」

 

「厄介な事ばかり起こすとはな」

 

そう言っていると共に転生者は逃げ出していると、手に持った何かを地面に落とすと、地面から出てきたのは

 

「あれは別世界への転移装置!?」

 

そんな物がなんであいつが持っているのか分からないが

 

「今は追っていくしか、手はなさそうだな」

 

「まったく、危機感がないな」

 

「だが、追うしかないがな」

 

俺達はそのまま転生者を追う為にその先に向かって走り出した。

 

走った先には、これまでの都会とは打って変わって、どこかの島なのか、周りは樹しかなかった。

 

「厄介な所に来たようじゃな」

 

「あぁ」

 

ソーマと忍の言葉通り、周りを見渡すと、そこには樹々を遥かに超える大きさの怪物が立っており、怪獣が二匹いた。

 

一匹目は四足歩行の怪獣で背中に多くの棘を背負っている怪獣と、もう一匹はまるでティラノサウルスのような見た目をしている怪獣がいた。

 

「見た感じでは、この前の特典の奴と同類だと思うが」

 

「どうやら、この世界は特典の原点とも言える世界だろうな」

 

この世界にいる生物で向こうはテリトリーに無理矢理入った事に対して怒りを燃やしているようでこちらを睨み付けている。

 

「下手に傷つける訳にはいかないよな」

 

悪意がある奴ならば良かったが、悪意がない相手を倒す訳にはいかないからな。

 

「ははっ本当に運が良いな、私は!!」

 

その言葉と共に奴は狂ったように笑い出すと、奴は現れた二体の怪獣に向けてフェロモンを放つと、怪獣達は先程の様子からさらに凶暴な目付きになって、こちらを睨んだ。

 

「ちっ、またフェロモンか」

 

フェロモンを浴びた事によって先程まで奴を狙っていた怪獣は、俺達にだけ襲い掛かり、奴を守ろうとしていた。

 

「まったく、あんまり他の世界の生き物を殺す訳にはいかないからな。

手早く終わらせるか」

 

「まったくじゃ、という事で」

 

そう言い忍が取り出したのは

 

「おいらの出番かい?」

 

「グットストライカー!?」

 

「ここに来る前に儂の所に来たんじゃよ」

 

「怪獣と戦うなんて、なかなかグッとくるじゃないかよ」

 

「あくまでも、転生者を捕まえる為にだ。

殺すつもりは毛頭ない」

 

「話は終わったか。

だったら、行くぞ」

 

「あぁ」

 

【【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】】

 

【レ・レ・レ・レーッド!】

 

【ブ・ブ・ブ・ブルー!】

 

【イ・イ・イ・イエロー!】

 

その音声と共に俺のVSチェンジャーから各々のダイヤルファイターが飛び出ると同時に俺は忍から受け取ったグットストライカーをVSチェンジャーにセットすると、グットストライカーを巨大化させる。

 

「さぁ盛り上がってきたぜ!

勝利を奪い取ろうぜ、怪盗ガッタイム!!」

 

その言葉と共に、各々のダイヤルファイターが変形していき、グットストライカーへと合体していく。

 

「完成、ルパンカイザー」

 

「さて、これからどう戦うかだよな」

 

その言葉と共にルパンカイザーを操作し、空中へと飛び、怪獣二体の場所を確認しようとしたが

 

「マジかよ」

 

下に見下ろしていると、背中に棘がある怪獣は身体を丸めると、もう一匹の怪獣に蹴られる事により、サッカーボールように飛んでいき、こちらに接近してくる。

 

「ぐっ!!」

 

突然の攻撃に驚き、ルパンカイザーは態勢を崩してしまい、地面へと落ちていき、上空では身体を元に戻した怪獣と下にいた怪獣もこちらに向けて口を開いて襲い掛かろうとしていた。

 

「まぁ、ここはこうだぜ!!」

 

その言葉に応える様にルパンカイザーは背中のジェットを噴射し、襲おうとしていた怪獣を蹴って、地面へと叩き落す。

 

「それじゃあ、後は任せたぞ」

 

「あぁ、無茶をさせて貰うぜぇ!」

 

その言葉を叫ぶと共に目の前の画面が開くと共に俺は飛び出し、ルパンカイザーはその俺を転生者へと向かって投げ飛ばす。

 

怪獣の一体はそれに気づくと、俺を噛み殺そうと襲い掛かってくるが、俺はすぐに腰にあるバックルを手に取り、ワイヤーを伸ばし怪獣の牙に向けてワイヤーを飛ばす。

 

俺はそのまま怪獣の噛みつきから逃れると、その怪獣の牙を軸に回転していき、痺れを切らした怪獣の腕がこちらに襲い掛かってくる手を踏み台にして、そのまま転生者の元へと飛んでいく。

 

「なっ」

 

「お宝、貰ったぜ!」

 

俺はそう言うと共に手元にあるダイヤルファイターを転生者に押し当てると共に特典を奪い取る。

 

「なっしまった!?」

 

「さて、とりあえずは逃げるぞ」

 

「誰が逃げるか!?」

 

「そうか、だったら、このまま怪獣の餌になるか?」

 

俺はそう言うとやっと状況が理解できたのか、顔を青ざめており、その先には先程以上に怒りを燃やした様子でこちらを見つめている怪獣がこちらを睨み付けていた。

 

「たっ助けてくれぇ!」

 

「さっさと行くぞ」

 

俺はそう叫ぶと共に奴を抱え込むと同時に地上に降り立ったルパンカイザーが怪獣達に威嚇代わりに空中に向けてマシンガンを放つと、それに一瞬驚き、後ろへと下がる。

 

「待たせたな」

 

「まったく、出張費用が出ると良いがな」

 

そう言うと共にルパンカイザーは空へと飛んでいくと、その先に世界を繋げる穴を開くと共に、そこへと入っていく。

 

「がう?」

 

その光景を見ていた少年に気づかなかった。



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妄想予告状 痛さを知った者だけが強く優しくなれる

エイプリルフール、それは嘘をついても良い日。
と言う事で、スーパー戦隊の中でも異色な彼に活躍してもらいました、どうぞ!!


俺は現在、とんでもないピンチに陥っている。

 

先程まで寝ていたはずのだが、目を覚めると、いつの間にか変身していたのかルパンレッドの姿でおり、横にはなぜかパトレン1号がいた。

 

俺を見るなりパトレン1号はこちらに向けてVSチェンジャーを構えて撃ってきたので、俺はすぐに後ろにバク転をしながら、周りを見渡す。

 

周りの景色は電気街だと思われるが、人っ子一人おらず、目の前にいるパトレン1号のみだ。

 

「奇妙な状況な事だ」

 

俺はそう言いながら、近くの店の物陰に隠れ、VSチェンジャーを取り出し、パトレン1号に構えていると

 

「ここで消えるが良い、スーパー戦隊!!」

 

どこからともなく聞こえてきた声に驚き、振り向くと、そこにいたのは青いボディスーツに白い鎧を身につけた戦士が現れた。

 

「ウルトラマン?

でもあんなの見たことないが」

 

「私の名はプリズムA、かつて地球を守る為にやってきた戦士。

だがお前達スーパー戦隊によって、倒され、死んでしまった為、天から復讐の為に舞い戻ってきた。」

 

「スーパー戦隊に?」

 

目の前にいる奴が正義の味方だと言うが、言っている事や、こちらに対する攻撃がまるで正義の味方に見えないのだが?

 

「そう、かつてスーパー戦隊を兄さんのように慕っていたのだが、なぜかVSシリーズの企画が来て、来てみると、その相手のスーパー戦隊によく分からない法則によって、いつの間にか倒されてしまったのだ」

 

「それって、ようするにお前が弱すぎたんじゃないのか?」

 

というよりも気になるワードとして、企画って、番組じゃないんだから。

 

「そいつの話に騙されてはいけない!!

とぉ!!」

 

そんなプリズムAの声を遮るように現れたのは赤い服を身に纏った白いマフラーを身につけた男が現れた。

 

「お前は」

 

「ふっ4月1日という事でエイプリルフールだからと言って、嘘はいけないぜ、プリズムA!!」

 

「嘘?」

 

「というよりも、まだ4月じゃないはずだが」

 

「それは画面の外にいる視聴者が知っているから良いんだ!

それよりも、あいつはプリズムA、かつてのスーパー戦隊の放送時間である朝7時30分の枠を奪おうとした、チガウヨーコーポレーションのヒーローだ!!」

 

「一応はヒーローなのか」

 

「だが、俺達の活躍によって、それは阻止された。

行くぜ、銃妄想!」

 

その言葉と共に男の姿は変わり、そこに立っていたのはスーパー戦隊のレッドともいえる赤い鎧を身に纏った戦士だった。

 

「VSシリーズならカーレンVSオーレン推し!

アキバレッド!!」

 

「「・・・」」

 

「ほら、ほら、スーパー戦隊だったら、名乗って、名乗って」

 

「いや、その前に、聞きたいのだけど、どういう感じ?」

 

「ふむ、よく疑問に思った。

そもそもこの空間はかつて俺達アキバレンジャーが戦っていた妄想の世界が、チガウヨーコーポレーションの妄想によって作られたあのプリズマAによって支配された世界なんだ!!」

 

「妄想の世界」

 

「あぁ妄想だからって、馬鹿にしたか!!」

 

「いや、別に」

 

そう言いながら俺達は目を逸らしたが、アキバレッドは怒りながら、こちらに迫ってきた。

 

「いいか、妄想の世界は現実にリンクしている。

もしもプリズマAがこの世界で無茶苦茶にしたら、現実世界にも影響がある」

 

「そっそれは、そうかもしれない」

 

「ふっ既に遅い。

私は既にスーパー戦隊の放送枠である7時30分へと手を伸ばした。

これで今日からは私が活躍する「非公認巨人プリズマA」が放送するのだ!!」

 

「ぎゃ!」

 

そんな事を言っていると、どこからともなく飛んできた新聞に顔を包まれ、あわてて新聞を剥がすとそこには

 

「・・・・」

 

「栄光の放送時間、これで私のグッズはばんばん「売れないな」えっ?」

 

「だって、そこもうスーパー戦隊、放送していないから

 

「なんだって?」

 

そうプリズマAに俺は新聞を向けると、プリズマAは新聞を見つめると

 

「さゅサンデーL○VEだとぉ!!」

 

「ええぇぇーーー!!」

 

プリズマAの声に反応するようにアキバレッドも叫んでいる間に、今度はパトレン1号は何かのポスターを拾っていた。

 

「どうやら去年から放送時間が変わったらしいな。

今は9時30分で放送しているから2時間違いだな」

 

「なっなんだとっ!!」

 

「その時間は他のチャンネルでも多くの人気番組があるじゃないか!

せっかくのスーパーヒーロータイムがぁ」

 

「あなたは知らなかったのか」

 

「あぁ、最後の戦いで死んでしまって!

それからシーズン3も放送されないし!!」

 

「死んだっていう事は転生者か?」

 

その言葉と共に俺はダイヤルファイターを、パトレン1号は手錠を取り出した。

 

「いやいや、死んだスーパー戦隊が助けにだって来るよ!

ほら、アバレキラーさんもそうだし、ビートバスターさんだって、VSシリーズでは一時的に蘇っていたじゃないか。

ゴーカイジャーのレジェンド大戦なんて、とんでもない事になっているし

 

そう言いながらこちらに向けて必死に説得するアキバレッドの姿を見ていると、悪い奴ではなさそうだし、死んだというのに人の為に立ち上がれるのは本当に尊敬できる人物だと思える。

 

「まぁそこまで言うんだったら、力を貸してくれよ、アキバ先輩」

 

「先輩?

今、先輩って言った?」

 

「えっあぁ」

 

その言葉に反応して、アキバレッドは立ち上がり、俺の手を握りしめた。

 

「非公認の俺を先輩だなんて!

燃えてきたぜ、力を貸すぜ、後輩!!」

 

そう言うとアキバレッドは少し離れるとと共にポーズを決めると

 

「受け取れ、ルパンレンジャー、パトレンジャー!

これが俺達アキバレンジャーの大それた力だ!」

 

そう言うとアキバレッドの身体は二つの光に分かれると、俺とパトレン一号の手元にはそれぞれアキバレンジャーの力だと思われるダイヤルファイターだった。

 

「こうなったら使うしかないか」

 

俺はそう言いながら、アキバファイターをVSファイターにセットし、ダイヤルを回す。

 

【1・9・8!マスカレイド】

 

【怪盗ブースト!】

 

その音声と共に、俺の手元には青髪の少女のフィギュアが現れた。

 

アキバ先輩、もうちょっとマシな力はなかったのか?

 

「あぁもう、どうにもなれ!!」

 

俺はそう言い、俺の言葉に反応するようにフィギュアから【ズッバァーン】という音声が鳴り響き、俺の手元にあったフィギュアは小さな短剣へと変化した。

 

そして俺の横には先程まで戦っていたアキバレッドがパワーアップしたのか、謎の装甲を身に纏って、同じ短剣を持っていた。

 

それはパトレン1号も同じで、パトレン1号の横にはアキバレッドとは別にブルーとイエローが立って、同じ構えを取っていた。

 

「なるほど、そういう力か。

だったら、力を貸してくれ!」

 

「任せてくれ!!」

 

「喋れるんだ!」

 

「そりゃあ、バスコが出した公認様じゃないからな。

非公認だからこそ、出来た技だぜ!!」

 

そう言っていると、パトレン1号の方にはレッドとブルーがなぜか二人とイエローの反応に驚いている。

 

「さぁ、行くぜ、後輩!」

 

「あぁ」

 

俺はその言葉と共に、アキバレッドと共に走り出し、背後からはパトレン1号と他のアキバレンジャーが放ったと思われるエネルギー弾が5つ迫ってくるが、俺達を通り抜け、プリズマAへと当たる。

 

「がぁ!!

 

「「合体ムニュスラッシュ!!」」

 

その言葉と同時に俺達は左右から短剣を振り下ろし、プリズマAを斬りつけた。

 

「こっこんなに短い戦いがあるか!!」

 

「馬鹿を言うな、こういうのはテレビくんの付録DVDならば当たり前だぜ!!」

 

「最後まで言っている意味が分からない!!」

 

その言葉と同時にプリズマAは倒れ、同時に爆発した。

 

「プリズマA、もしも純粋な放送番組だったら、見ていたかもしれない。

全ては商品の売り上げしか興味を持たなかったチガウヨーコーポレーションが引き起こした惨劇だったんだ」

 

「そもそも、どうやって放送枠奪ったんだ?

もしかして買収か?」

 

「・・・それを言うと、このSS自体消されるから、言えない」

 

「???」

 

「それじゃあ、皆、今度はシーズン3(仮)で会おうぜぇ!!」

 

「放送は決まっていないけどぉ!!」

 

俺はそんなアキバレッドの言葉に叫んでいると、目が覚めるといつの間にかアジトで寝ていた。

 

「・・・夢か」

 

俺はそんな言葉と共に手を上げると、そこにはアキバファイターを持っていた。

 

「・・・・」

 

俺は無言で仕舞い、階段で下に降りていった。




シーズン痛の歌は恰好良いはずなのに、なぜか別の意味に聞こえてしまうのは私だけでしょうか?
感想にアンケート、お待ちしています。


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大晦日特別予告編

新しいアンケートを開始しました。
興味のある方はぜひ参加してください。
皆様の参加、お待ちしています。


それは大晦日に起きた出来事だった。

 

[本日ハ]

 

そこはどこかの映画館で起こった出来事

 

[当映画館にお越シ頂き]

 

大晦日の準備をしていた響達が目の前にあったのは

 

[誠にアリがとうござイまス。]

 

古めかしい映画館の中だった

 

[タダいマヨリ上映ヲ開始しまス]

 

「ここは一体?」

 

戸惑う響達を他所に映画は始まろうとしていた。

 

「この映画って、もしかして」

 

「雨宮君達の事!?」

 

突然始まった映画が語りだした物語、それは響達と出会う1年前、雨宮、ソーマ、忍の三人が初めて出会い、戦った時の物語であった。

 

そこで語られたのは、響達にとっては知らない、彼らの過去だった

 

「俺は復讐の為に生きる!!」

 

「邪魔をするなら、お前らを斬る」

 

「貴様らは儂の道具にすぎんのじゃよ」

 

互いに利用し合い、仲間を道具としか考えなかった彼らの前に立ちはだかるのは

 

「お前達はここで消えるのだよ」

 

【オーバーフロー!ウェイクアップ クローズ!ゲット グレートドラゴン!ブラブラブラブラブラッド!ヤベーイ!】

 

ギャングラー最強幹部、仮面ライダーブラッドが立ちはだかる。

 

最強の敵を前にして、彼らが手にする勝利とは

 

「予告する!

あんたのお宝頂戴するぜ!!」

 

【怪盗戦隊ルパンレンジャー en film episode Begins Night】

 

12月31日、大晦日特別予告編として公開予定!!

 

そして

 

「ここはもしかして」

 

響達が映画館にいるのと同時期、雨宮達三人のルパンレンジャー達も同じ映画館にいた。

 

「知っているのか、雨宮」

 

「あぁというよりも、今思い出した」

 

1月1日より公開予定

 

「ここは俺とあの子が出会った場所だ」

 

「久しぶりだね」

 

「ひかり」

 

そこで再会した少女ひかりによって語られる物語。

 

それは雨宮の中に宿るワイルドの秘密だった。

 

「君がルパンレンジャーになった後に気づいたはずだよね。

君の中にあるペルソナの謎を」

 

「ペルソナか、確かに他の奴らを見ても分からないが」

 

「それは他のペルソナに変えられるという事じゃないのか?」

 

「ううん、確かにそれはワイルドの特徴だよ。

でもね、彼のワイルドは少し違うの」

 

「彼のワイルドはワイルドであって、ワイルドじゃない。

この場所から始まったの」

 

「それがここに関係しているのか」

 

雨宮の持つワイルドの謎が明らかになる。

 

【怪盗戦隊ルパンレンジャー en film episode wailds】

 

11月29日より発売予定、ペルソナQ2 ニューシネマラビリンスを元に作成予定のエピソード、大晦日予告編

 

 

 



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予告状 始まりの盗み

今年は二つの戦隊が活躍するという事で、今回はガンダムラザーニャさんと合同でそれぞれ違う視点で行う物語という企画で今回のSSを書かせてもらいました。
こちらはルパレンジャーの活躍を描かせてもらいますので、ガンダムラザーニャさんの転生者を更正する警察集団もよろしくお願いします。


これはどこかの町にあるとある家で起こった事件の記録である。

 

被害者の名前は王月宝という。少年は天から与えられたと思われるような優れた容姿と身体能力を持っているが、それ故に傲慢な性格で学校にいる女性に言い寄る事の多い少年である。

 

彼の家には既に両親はおらず、金によって雇われている家政婦が時折家の掃除しに来る程度だが、その家政婦が置いたとは思えないような派手な赤い色をした手紙が彼の机の上に置かれていた。

 

「なんだ、これは?」

 

彼はそのまま手紙の中身を確かめる為に封を開けて、中身を確認した。

 

【予告状 宝月宝

〇月●日、20時、貴様が持つ転生特典《王の財宝》を貰いに参上する。

怪盗戦隊 ルパレンジャー】

 

「なんだこのふざけた手紙は?」

 

彼はその手紙の内容に対して怒りで顔を歪めて、近くにあったゴミ箱に投げ捨てて、既に用意していた食事に口を運ぶ事にした。

 

そうして、風呂や日常生活を続けていく内で、時計を見ると既に時刻は先程の予告状に書かれている予告時間である20時に迫っているのに気づくと、目を細めて周りの警戒をし始めるが

 

「ふっくだらない」

その一言と共に視線を自分が持っているスマホに視線を戻そうとした瞬間、部屋の中の電気が消えてしまい、そこには眺めていたスマホの画面だけであった。

 

「なっなにが起こったんだ!!」

 

その声と共にスマホ画面を見ると、そこには予告状に書かれていた予告時間である20時を指しており、その意味が予告状に書かれていた事が事実だと分かった瞬間に自身の特典である王の財宝を周りに展開すると、彼の周りに黄金の波紋が浮かび上がると共に波紋から剣、槍、斧と言った様々な種類の武器が囲み始めた。

 

「くっどこから来やがる!!」

 

そんな彼の警戒を他所に一つの疑問を浮かぶと、周りに展開していた武器の一つが消えているのが見えた。

 

「なに?」

 

疑問に思い、消えた武器の変わりに新しい武器を召喚するが、一つ、また一つと武器が消えていくのを見ると共に予告状に書かれていた怪盗の仕業だと分かると同時に武器を奪われない為に、彼は黄金の波紋から一つの武器を手元に召喚し、動き始めたが

 

「悪いが、これは奪わせてもらうぞ」

 

「そういう事じゃな」

 

そんな行動を止めるように青と黄色の二つの影が展開されていた黄金の波紋に手を入れると、王の財宝の中にあった武器を奪い取っていった。

 

「きっ貴様らはぁ!!」

 

その動きを見て、彼らを攻撃をしようと思い、青と黄色の影に手元に持っていた武器を奪い返そうと動くが、そんな彼の前に赤い影が出てくると、彼の顔面に向けて銃を構えると同時に打ち始めた。

 

「くっ」

 

反射的に攻撃を防ぐ為に盾を召喚するも、その動きさえ見破っていたように赤い影は盾を手に取り、後ろへと他の人影と共に揃うと顔には笑みを浮かびながら盾を眺めて、着ていた服のマントに盾を入れると

 

「ふっお前が持っている転生特典である王の財宝の9割は盗ませてもらった。

あとはお前が持っている最後の武器であるエアと天の鎖も奪わせてもらうぜ」

 

そう言うと共に出てきたのは赤い派手なコートを着飾り、赤いドミノマスクで顔を隠した青年だった。

 

「恰好を付ける前にさっさと片付けるぞ。

こいつの持つ特典はそれだけで危険だからな」

 

「まったくもって、もうすぐ好きな番組が始まるんじゃ、さっさと仕事を終わらせるぞ」

 

その言葉に従うように、青いフードを被り青いドミノマスクで顔を隠している青年と、彼らよりも背が低く黄色のドミノマスクをした金髪の少女が出てきた。

 

「お前らは一体なんだよ!!」

 

「お前の特典を奪いに来た、まぁ特典泥棒だな」

 

「なっなんだと、これは俺の力だぞ」

 

「違う、神様から貰った力だろ。

まったく、特典だからって、裏で悪い事ばっかりしているのがばれないとでも思ったのか?

俺達はそういうのはあっちの奴らとは違って甘くないんだから」

 

「ふっ何の事だが、さっぱりだな」

 

「◆月、貴様は転生特典を使い、同級生を脅し交際を迫った」

 

「ぐっ」

 

「□月、転生特典を使い、建物の崩壊を起こした。

その際の被害者は多く、現在も入院している人がいる」

 

「よって、お前の転生特典、俺達が頂く事にするぜ」

 

「何を言っているんだ!?」

 

「これから名前は大きくなるからな。

特典を奪われた後、懺悔する人生の中で覚えておけ」

 

その言葉と共に三人はそれぞれが持っている白い銃を手に、それぞれに合った色の飛行機型の模型を銃にセットする。

 

「「「怪盗チェンジ!!!」」」

 

【レッド】【ブルー】【イエロー】

 

模型が銃にセットされると共に模型にあるダイヤルを回し始める。

 

【【【0・1・0! 怪盗チェンジ!!】】】

 

その言葉と共に銃を上空に向けると、銃から光が溢れ彼ら三人を包み込み、それぞれをイメージさせた色のスーツとマント、そしてその顔にはシルクハットを思わせるマスクを着けていた。

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗戦隊 ルパンレンジャー!!」」」

 

各々の掛け声を言うと共に、ルパンレッドは王月に銃を構えて

 

「お前のお宝頂くぜ」

 

「とっ取れる物だったら、取ってみやがれぇ!!!」

 

その言葉と共に王月は財宝の残りである天の鎖を出し始めると、黄金の波紋から次々と天の鎖を出し拘束をする為に動き始めた。

 

「へっ面白くなってきたぜ」

 

その声と共に鎖はまるで生きているようにルパレンジャー達に襲い掛かってきたが、その天の鎖の攻撃を縦横無尽に避けていき、手に持っていた銃を撃ちながら宝月に接近していった。

 

「ぐぅ」

 

ルパンレッドは宝月に近づくと、手に持っていた剣を使い、攻撃を行うと、それを防御するように手に持っていた最後の武器であるエアで防御を行う。

 

「その程度の武器などすぐに潰してやる」

 

「まぁ普通の武器だったらな」

 

ルパンレッドはそう言うと剣を離し、宙を飛ばすと剣の先にあるグリップを持ち替えるとそのままエアに向けて持ち手の下にあったマジックハンドを掴むとエアを奪い取った。

 

「そんな武器があるのかよ!!」

 

「これが怪盗の武器っていう訳だよ」

 

その言葉と共にルパンレッドは身体を回転して、振り返ると後ろにいたルパンブルーとルパンイエローもまた襲い掛かっていた天の鎖の回収を終えていた。

 

「さて、それではとどめと行きますか」

 

そう言うとルパレンジャー達は一か所に集まり、手に持っていた銃を宝月に狙いを澄ませると同時に放った。

 

「なっなんだ、これはっ!?」

 

その銃弾に当たると同時に宝月にあった髪の色は輝く金色から一般にある黒髪になっていく。

 

「お前の特典は確かに頂いた」

 

「あくまで特典だけだからな。

この世界で得た自身の力はそのままにしてある

 

「まぁ自身の力で自身の人生を乗り越える事じゃな」

 

「それじゃあな」

 

その言葉と共にルパレンジャー達は音もなく消えていき、その場に残されたのは転生者としての宝月ではなく、一般人へと変わってしまった宝月だった

 

「くっくそぉ、俺が俺の力がああぁぁ!!」

 

その叫び声は家の中で響き渡った。

 

そして家から遠く離れた廃墟にて、ルパレンジャーは先程奪い取った王の財宝を空に向けると共に王の財宝は光となって消えていった。

 

「さて、これで今回の任務は終わったな」

 

そう言うと共に変身は解除され、その姿は変身前の怪盗姿に戻っており、被っていたマスクも外し、素顔を出した。

 

「さて、焼き肉でも食べに行くか」

 

そう言い、黒髪の少年が腕を伸ばしていた。

 

「はぁ、どうでも良い。

俺は食べれば、どちらでも」

 

そう言い、同じく褐色の少年はフードを外し、呆れたように言った。

 

「何を言う!

肉などよりもドーナツじゃ、ドーナツを要求する!!」

 

そんな二人の会話に対して、不満を感じて、金髪の少女は文句を言うように黒髪の少年に抱き着きながらも、とある店に入った。

 

「んっここで良いんじゃないか?」

 

「むぅ、ドーナツはあるかのぅ?」

 

「どうでも良いから、さっさと食うぞ」

 

そう言い、三人はその店に入り、席に着いた。

 

「にしても、派手な奴らだな」

 

そう彼はそう言いながら、背後にいる白髪の少年に緑髪の少女にピンク色の少女達が騒いでいる光景を眺めながらつぶやいた。



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予告状2 俺達の日常

朝、仕事から帰ってきた夜の道を覚えておらず、最後に残っていた記憶を元に俺は起き上がると、そこは俺達が寝床にしている廃墟同然である謎の喫茶店の屋根裏だった。

 

屋根裏の広さ的には人が5,6人は集まって喋るには余裕がある広さがあり、俺達はここで共同生活を送っているのだが

 

「こいつ、また俺に噛みつきやがって」

 

俺はそう言いながら、布団から出ると、俺の腕に噛みついている金髪幼女に対してため息をつきながら近くに何かないかを探している。

 

この金髪幼女の名前は忍野忍と言い、この世界でも有名な吸血鬼の一人にして、上位に位置する強さを持つ存在だったが、とある事件をきっかけに身体は幼女同然の姿になり、現在はその事件の犯人に復讐する為にルパンレンジャーをやっている。

 

だが厄介な事に、この忍は力を失った事により、太陽の元でも調査できるようにと俺の影に住み込んだのだが、寝ている間に俺の腕に噛みついて、血を吸う事が多く、痛みを感じているよりも、こうして忍を引き剥がすのが日課になっている。

 

「さっさと起こせ、飯が覚めちまう」

 

そんな俺に声を掛けて、俺に化粧水を渡したのは白髪で褐色の青年の名前はソーマ・シックザール。

 

ある研究者の一人息子だったらしいが、その研究者の研究結果である子供が何者かに攫われた為、その子供を取り戻す為にルパンレンジャーになった。

 

「サンキュー」

 

俺は化粧水を受け取ると、さっそく俺は腕周辺に化粧水を振りかけると

 

「くさぁ!!

何をするんじゃ、主!!」

 

「お前が噛みついていたからだろうが」

 

「まったく、その化粧水は辞めてくれと言ったじゃろ。

儂の苦手なニンニクの匂いが詰まっているから、いくら薄くなっているとはいえ、嗅覚が鋭いわしには毒なんじゃから」

 

「だったら、噛みつき癖をなんとかしろ」

 

俺はそう言いながら、ソーマについていくように階段を下りて行き、用意された料理の前に座ると、各々の食事を食べ始めた。

 

「おっやっと起きたか。

にしても相変わらずバラバラな食事だな。

忍ちゃんはドーナツに、ソーマはトースト。

お前に至ってはご飯って、こうもバラバラとはな」

 

「黙ってろ、似合ってない眼鏡かけ機」

 

「口を閉じろ、まずいコーヒー製造機」

 

「こっち見るな、ロリコン」

 

「おいおい、三人ともバラバラなのに、コンビネーションは抜群だな」

 

そう言いながらこの廃墟同然の喫茶店の店長である石堂愁一は愉快そうにこちらを見ていた。

 

「まぁ、そんなお前らには特別プレゼントだ」

 

そう言い、愁一が指パッチンを行うと同時に店の電気は消え去り、愁一の後ろには画面が現れ、何かのロボットが映し出された。

 

「今回のターゲットである特典、ストライクフリーダム。

ある神が転生させた自殺者が持っていたらしいが、そいつがこれから起こす事件によって世界を揺るがす程の被害が出ると予知された。

よって、至急にこの特典を盗むように上からのお達しだ」

 

そしてこれがこの廃墟同然の喫茶店の店長であり、ターゲットを伝える役割を持っている奴だ。

 

その正体も謎だが、とりあえずは仕事を紹介してくれる謎のおっさんという印象しか今のところはない。

 

「情報は」

 

「ふっそれが分からないんだよな。

なんでも、融合された世界の一部に関係されているらしく、大きさは人並みだから楽に戦えるらしいけど、それ以外は謎が多すぎるぜ」

 

「最初に行うのは情報収集という訳か。

分かっている情報は」

 

「転生者の狙いは分からないが、性別は男」

 

「情報が少ないが、やってみるか」

 

俺はそう言い、飯を全て食べ終えると共に画面に映し出された関係のありそうな場所のピックアップを眺めながら、立ち上がった。

 

「ふっやはりお前は面白い男だ。

それこそが、雨宮」

 

そう微笑みかける愁一に笑みを浮かべながら、答える。

 

「俺はただ単に見逃せないだけだよ。

転生者で傷つく人を見ているのが」

 

それが俺の、雨宮連の覚悟だ。

 

 




キャラクター設定

雨宮連
元ネタ:ペルソナ5 主人公
今作の主人公にて、ルパンレッドの変身者。
かつて転生者によって起きた事件に巻き込まれたのをきっかけに、ルパンレンジャーとなって、転生者から人々を守る決意をした。
メンバーの中ではただ一人の一般人だが、集中力と手先の器用は異常に高く、どんなピンチでも驚きの方法で解決する。
ルパンレッドとしての戦い方はVSチェンジャーとルパンソードを交互に使うトリッキーな戦い方を得意にしている。

ソーマ・シックザール
元ネタ:GOD EATERシリーズ ソーマ・シックザール
ルパンブルーに変身する男。
研究者の両親がおり、彼らの実験体を追うのを目的にルパンレンジャーになった。
自身の事はあまり語らず、一人で行動しようとする事は多い。
ルパンブルーとしての戦い方はVSチェンジャーを使った近接戦を得意としており、囮役を引き受ける事が多い。

忍野忍
元ネタ:物語シリーズ 忍野忍
ルパンイエローに変身する吸血鬼。
かつては最強の吸血鬼と呼ばれたが、ある事件をきっかけに雨宮に取りつく事になった。
本人は現在でもその事件の犯人を追っており、ルパンレンジャーになった理由もその一つだと語っている。
ルパンイエローとしての戦い方はルパンソードを使ったパワーファイトを得意としており、一撃必殺で戦う。

石堂愁一
元ネタ:仮面ライダービルド 石動惣一
ルパンレンジャーに指令を渡す謎の男。
その目的も、どのように神に関係しているのか、全てが謎に包まれている。
いつもは陽気に接しているが、三人の行動の先に自身の望む何かがあると語っている。
状況に合わせて、アイテムを渡しているが、失敗作も多くある。



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予告状3 出会う警察

多重クロスという事で、現在決まっている原作以外にも多くのアイディアを募集したいと思います。
私とガンダムラザーニャさんの所でそれぞれでアンケートを行っております。
それぞれのアンケート内容は違いがありますが、ぜひ投票お願いします。


そこはどこかのスタジアムの中で、俺は空を飛びながら目の前の奴に向けて突っ込む。

 

先程まで一緒にいた他の機体は突然現れた奴によって地面に叩き込まれた。その姿を見て、俺はそのまま飛んで奴に向かって突っ込む。

 

だが、その攻撃に対して奴が避けると同時に翼から分裂したと思われる砲台が俺に向けて放たれると俺の身体と機体を共に貫いた。

 

「これで俺の理想の国家の実現にまた一歩近づいた」

 

そう笑みを浮かべながら、周りを見ている気味の悪い笑い声を放つ奴を見て

 

「満足したか?」

 

そう、俺は目の前で笑みを浮かべている転生者に向けて、嘲笑うようにして質問し、俺は先程叩き落された感覚から立ち直ると共に肩を回しながら訪ねた。

 

「なに?

まだ立ち上がれるとはな、一夏」

 

「悪いが、俺は一夏じゃないんでな」

 

そう俺は返答すると共に、俺の身体は風船のように膨れ上がり、元の姿に戻ると共に装着していたEOSを脱いだ。

 

「なっなにが起きているんだ」

 

「お前は最初から騙されていたんだよ。

俺達の罠にな」

 

その声と共に周りの景色は変化していき、先程まで青空が広がっていた空は暗い夜になっており、周りのアリーナは既に潰れかけているアリーナに変わっていた。

 

「こっこれは一体」

 

「ここにあるEOSを盗むのは案外簡単じゃったしな。

プログラミングも見た目だけだったらイメージガムで十分じゃったしな」

 

それと共に倒れていたISも風船のように膨らみ、そこに現れたのは無人のEOSだけだった。

 

「空を飛ぶ機能の追加ぐらいは簡単じゃったしな。

難しかったのは、お主をここまで誘導する事ぐらいじゃしな」

 

「それじゃあっ!?

あの時から」

 

「まぁそういう事」

 

こいつの情報を見つけるのはなかなか難しく、女性しか入れないIS学園に潜入するも、男性操縦者というのは現在の所は一人だけの事から、転生者は学園におらず、どこか別の場所にいると予想した俺達が行ったのは、まずはトリックを作る事だった。

 

奴の目的がこの男性操縦者ならば、網を張っていれば見つけるのは簡単だった。

 

ならばそこからは奴が本性を現すまでの芝居を作る事だった。

 

まず行ったのは、ISに変わるパワードスーツを見つける事だが、これは案外警備がそれ程難しくないEOSを盗む事にした。

 

そこからは怪盗アイテムの一つであるイメージガムを使って、奴が狙っていると思われる人物に変装する。

 

そしてそこからは二人のプログラミングにより、改造されたEOSを操作して、奴の本性を暴いた。

 

「まったく面倒な事をさせて」

 

「そうでもしないと、どこから来るか分からない奴をあぶりだすにはこれしかないからな」

 

俺達はそのまま軽くなった身体で飛ぶと、他の二人と合流すると同時に予告状を奴へと向けて投げた。

 

「なんだ?」

 

「予告する。

お前の特典、ストライクフリーダムは俺達が頂く」

 

「何?」

 

そのまま俺達はVSチェンジャーとそれぞれ変身する為のダイヤルファイターを持ち、VSチェンジャーにセットし。

 

【レッド】【ブルー】【イエロー】

 

【【【0・1・0! 怪盗チェンジ!!】】】

 

その音声と共にダイヤルを回し、、VSチェンジャーを変形させて、宙に向けて構えると同時に打ち抜く。

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

それと同時に宙に俺達を象徴する怪盗マークが出てくると共に、マークは俺達を通り過ぎると、そこから俺達の姿はルパンレンジャーへと変身していた。

 

「せっ戦隊!?」

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗戦隊 ルパンレンジャー!!」」」

 

その声に応えるように、俺達はそれぞれの名前を名乗り、最後にキメ台詞を言う。

 

無駄に見えるような行動だけど、実際にこれは俺達にはこれから戦闘を行うというスイッチに入る為の行動でもあるから、行う事には大きな意味がある。

 

「お前のお宝頂くぜ」

 

「うっ奪える物ならば、奪ってみやがれ!!」

 

俺のその言葉と同時に俺達は左右に分かれると、奴はこちらに憤怒の顔で襲い掛かると共に、背中にあるドラグーンを使い、俺達を襲い掛かってくる。

 

こちらの死角を狙った攻撃で、それぞれ狙ってきたようだが

 

「怪盗の俺達に、それは悪手だぜ」

 

俺達がその場で飛び跳ねると同時にVSチェンジャーでドラグーンを打ち抜いていくと、装甲はそれ程ないのか次々と打ち抜く事ができた。

 

「そんな簡単に打ち抜けるはずがないのに」

 

「お前、あまり実戦経験ないだろ」

 

それを聞いて、なぜか奴は驚いた顔で見てたが、こちらからしたらバレバレな事が多すぎるだろ。

 

「それはどういう事だ」

 

「こっちの死角を狙っているのがバレバレなんだよ」

 

俺達は武器をルパンソードに変えると共に、ソーマに近づき、俺と忍はそのままソーマを踏み台にして、奴の懐まで一気に飛び込むと、同時に左右からルパンソードによるマジックハンドで動きを抑えた。

 

「ぐっ」

 

「狙いは定まったな」

 

下にいたソーマはそのままこちらに狙いを定めるように、次々と奴が飛行する為に必要と思われるパーツを打ち抜いていき、俺と忍はそのまま奴を地面に叩きつけた。

 

一気に地面に叩きつけられた事によって、奴のストライクフリーダムのシールドエネルギーは切れたのか、動けなくなった。

 

「そっそんなぁ!!」

 

「それじゃあ、お前のお宝、頂くか」

 

そのまま俺達は奴狙いを澄ませるようにVSチェンジャーを定めたが

 

「そこまでだ」

 

突然声が聞こえ、振り向くとそこには見た事のない警察のような服装をした奴らが三人いた。

 

それぞれが銀髪の男に、緑髪の少女にピンク髪の女かと思ったが、俺はそれよりも驚いた事が一つあった。

 

こちらに向けていた武器は俺達が使っているVSチェンジャーだと言う事だ。




イメージガム
原作:怪盗ジョーカー
人間はもちろん動物や物品にも変装が可能な万能アイテム。
変装用はピンク色、空を飛ぶ時は青色の『バルーンガム』になっている。


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予告状4 逃走する怪盗達

VSチェンジャー。

 

俺があの男、石堂愁一から貰った謎の変身アイテム。

 

転生者から転生特典を奪う為の姿、ルパンレンジャーに変身する事ができる万能型アイテムで現在の所、これは俺達三人しか持っておらず、ルパンレンジャーになれるのはこの三人だけだと聞いていたんだが。

 

「どうやら、そうではなかったみたいだな」

 

突然現れた三人組が持っているのは、間違いなく俺達の持っているVSチェンジャーだ。

 

だが問題なのは、その後だった。

 

奴らが取り出したのは俺達が変身に使っているダイヤルチェンジャーではなく、どちらかというと車に似た模型で、それをVSチェンジャーにセットする。

 

「「「ケーサツチェンジ!!!」」」

 

【1号!】 【2号!】 【3号!】

 

『パトレイズ!ケーサツチェンジ!

パトレンジャー』

 

その音声と共に、奴らの上に警察マークが出てくると、それは奴らが通り過ぎ、その姿は赤、緑、ピンクというこちらにはない色になっており、こちらとは違いまるで警察を思わせるような姿になった。

 

さて、ここで奴らと戦っても得はなさそうだな。

 

「てめぇらは何者だ!」

 

そのセリフであちらもこちらの正体は分からないようだし、ここは一時的に逃げた方がよさそうだな。

 

だったら取る道は一つだけ

 

「これから有名になる怪盗だよ」

 

俺はそう言うと共に手元に残っていた予告状を奴に向けて投げ、それをあちらが受け止めて読んでいる間に俺達は倒れていた転生者の特典を盗み出すと、三人で一斉にVSチェンジャーを奴らに狙い定め

 

「じゃあな」

 

そう言いながら奴らの足元に向けて放つと、奴らは少し怯んだ内に近くにあった出入り口に向けて素早く駆け込み近くにある自動販売機やごみ箱に寄りかかった。変身を解除すると共に口の中にあったイメージガムを膨らませると、それにそっくりに化けた。

 

「待て!」

 

そこから出入り口に入ってきたのは先程変身していた緑とピンクの二人が来た。

 

二人はそのまままっすぐに走っていき、俺達を探しに行ったようだ。

 

「ふぅ、さて逃げますか」

 

「そうだな」

 

その言葉と同時に近くにあるダフトから入り、奴らにばれないように抜け出した。

 

「さてと」

 

俺達は廃墟の喫茶店に入ると同時にコーヒーを入れている奴を睨み付けた。

 

「質問に答えろ、愁一。

このVSチェンジャーを持っている奴が他にいたぞ」

 

「おぉ、怖い怖い。

まさかここに入って、いきなり物騒な事を言う奴らだ。

帰ったら、きちんとただいまだろ?」

 

「こちらは聞きたい事があるからな。

このVSチェンジャーは俺達三人しかないと聞いたが?」

 

「それは少し違うな。

俺が三人しかなれないと言ったのは、ルパンレンジャーになれるのが現在はお前達だけだとな。

あいつらはルパンレンジャーではないだろ」

 

「確かにな、だがその口ぶりからすると、奴らの事を知っているようだな」

 

「あぁ勿論。

彼らは警察戦隊パトレンジャー。

お前達とは別に転生者達から人々を守る為の存在だ」

 

「ふぅん、だからと言って儂らの味方という訳ではないようじゃな」

 

「その通り。

彼らの担当する神、そして俺達の上司にあたる神はまったく別々の存在、というのもあるが、奴らは転生者を捕まえ、強制的に転生させる。

つまりはお前達の言う懺悔は行えない訳だ」

 

それを聞く限りは確かにこれからは力を失った生活を送るよりはマシだと考える奴もいるかもしれないが、俺達の場合は自己満足に近い。

 

「自身の罪と向き合わないといけない。

その為に俺達は奴らから特典を奪う」

 

「まぁ悪役は慣れたもんじゃからな」

 

そう笑みを浮かべながらも、俺達は特典を返却する。



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予告状5 大決戦!空を飛ぶ怪盗

その日は久しぶりに俺達は三人一緒にデパートで買い物を行う為に来ていた。

 

というのも、このデパートには忍のお気に入りのドーナツが売っている店の付き合いとして俺達は無理矢理連れていかれた。

 

「はぁ、なんでこんな事に」

 

「文句言うな。

俺だって、面倒なんだから」

 

「ほれっさっさと行くぞ!!」

 

そう言いながら、俺達は目的地へと向かうと

 

「なんだ、客がなぜか少ないな?」

 

そう言いながら周りを見ていると、なぜか一階には人影はおらず、二階でも少しずつ人が少なくなっていき、なぜかデパートにいる人が三階に全員集まっている状態だった。

 

「奇妙だな」

 

「あぁ確かに」

 

その言葉と共に周りにいる客達も、それに気づき、騒ぎだすと、一人の白コートの男が出てくると、その不気味な雰囲気に気づいて全員が注目した。

 

それを見て、満足そうな笑みを浮かべると共に叫んだ。

 

「貴様らにはレギオンの餌になってもらう。

さぁ食事の時間だぁ!!」

 

男がそう言うと地面が割れると体は黒く、巨大な目玉を持つ生物が現れた。

 

「かっ怪物だあぁぁ!!」

 

そう一人の市民が叫びだすと共にデパートはすぐにパニックになってしまう。

 

「どうやら、願ってもない所で転生者が出てくるとはな」

 

「仕事の勤務外だが、それでも戦わない訳にはいかないよな」

 

「まったく、怪盗も大変じゃな」

 

その言葉と共に、懐から取り出した煙玉を服の袖から出し、誰にも気づかれないように煙玉を地面に叩き落して、レギオンが走り出している方向の前に立ち、それぞれの怪盗衣装に変装し、デパートの客達の前に立つ。

 

「なっなんだ!!」

 

やがて煙が晴れると同時に俺達は同時にVSチェンジャーでレギオン達の目玉に向けて銃撃を放っていった。

 

「きっ貴様達は」

 

「これから有名になる怪盗だよ。

そんで、予告する。

お前の転生特典、レギオンは俺達が貰う」

 

その言葉と同時に俺は懐から予告状をレギオンの近くにいた転生者に向けて投げつけた。

 

「かっ怪盗だとっ?」

 

「そっ怪盗戦隊ルパンレンジャー、それが俺達だ」

 

そのまま俺達はVSチェンジャーとそれぞれ変身する為のダイヤルチェンジャーを持ち、VSチェンジャーにセットする。

 

【レッド】【ブルー】【イエロー】

 

【【【0・1・0! 怪盗チェンジ!!】】】

 

その音声と共にダイヤルを回し、、VSチェンジャーを変形させて、宙に向けて構えると同時に打ち抜く。

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

その言葉と同時に俺達はルパンレンジャーに変身した。

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「怪盗戦隊 ルパンレンジャー」

 

「ヒーローごっこをするなら、さっさと死にやがれ」

 

「残念ながら、こっちだって遊びじゃないんだよ。

お前のお宝頂くぜ!!」

 

その言葉と同時に再度動き出したレギオン達は俺達や後ろにいる客達に向かって襲い掛かてくるが、俺達は自身の持つVSチェンジャーを使い、レギオンの目玉を潰し、ルパンソードで切り裂いたり、マジックハンドでレギオンを投げ飛ばしを行ったり、集団で襲い掛かってくるレギオンに対して、俺達は互い背中と客達を守りながら、進んでいった。

 

「なっ、こんなに簡単にレギオンを」

 

「くぐってきた修羅場が違うんだよ」

 

俺はそう叫びながら、ルパンソードのマジックハンドを使い、持ち主だと思われる転生者を拘束し、壁まで叩きつけた。

 

「さぁって、お前の特典頂くとするか」

 

そう言い、俺は転生者に向けて、VSチェンジャーを打ち抜くと、奴の身体から力が消えていく。

 

「ふっふふっ!!

お前、何をしたか分かっているのか?

お前がどうしたのか、分からないけど、俺からレギオンを奪うなんて無理なんだよ!!」

 

「何っ!?」

 

その言葉の意味を聞く前にデパート全体に強烈な揺れが起き、見てみると下の階からこちらを睨み付ける大量のレギオンが溢れ出ようとしていた。

 

「ちっ、特典の暴走か。

おい、ブルー、イエロー!!

客達と一緒に脱出するぞ」

 

「仕方ないか」

 

「正直、儂に運転を期待するなよ」

 

「おい、皆!!

死にたくなければ、落ち着いて、屋上を目指せ!!」

 

その叫びを聞くと客は一斉にエスカレーターを使い次々と屋上へと上がっていき、俺達はすぐにレギオンが出てきた穴に向かい、VSチェンジャーを使い、レギオンの進行を少しでも遅らせようとする。

 

「結構な数がいるな」

 

「これでは数分がやっとじゃな」

 

「それでも、やらないだけ、マシだ」

 

俺達はそう言い、なんとか時間稼ぎを終え、近くのエレベーターに向かって、走りだすと、近くのコーナーで鳴き声が聞こえ、振り替えると反対方向に幼い兄弟が二人座り込んでいた。

 

「はぁ、子供を放っておけないよな」

 

俺はそのまま子供達の元へ走り出すと同時に迫りくるレギオン達の攻撃を避けながら、スライディングを行い、一気に二人の兄弟を抱える。

 

「えっ!」

 

「なに!」

 

「しっかりと捕まっていな。

これから、一回限りの怪盗アトラクションの始まりだぜ」

 

俺はそう言い、二人の兄弟を抱えると共にレギオンの群れに再度飛び込み、次々と攻撃してくる奴らの動きを避けながら、目的地であるエレベーターまでたどり着く。

 

そこではエレベーターのドアをこじ開けていた二人がそこで待っていた。

 

「まったく無茶ばかりしおって」

 

「へへっ、悪いな」

 

「とっと、行くぞ」

 

俺達はその言葉と同時にエレベーターの中に入ると同時に壁ジャンプを行いながら、屋上へと向かって飛んでいく。

 

「すっ凄いよ、お兄ちゃん」

 

「へっだろ、一回限りだから思いっきり楽しめ」

 

俺はそう言っていると、先行していたブルーは屋上のドアをこじ開けると同時に俺達もそれに続くように屋上へと飛び込んだ。

 

「おい、屋上で何があるんだよ!!」

 

飛び込むと同時にこちらに気づいた男が文句を言うように近づくが、俺は二人を下すと同時にVSチェンジャーを再度動かす。

 

【【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】】

 

【レ・レ・レ・レーッド!】

 

【ブ・ブ・ブ・ブルー!】

 

【イ・イ・イ・イエロー!】

 

その音声と共に、俺達のVSチェンジャーからそれぞれ赤い戦闘機、青いプロペラ機、黄色いジャイロ型の飛行機が巨大化した。

 

「さて、怪盗特製の飛行機だ。

さっさと搭乗して、脱出するぞ!」

 

その言葉を聞き、客達はすぐにイエローとブルーの飛行機に乗っていき、俺は自身の飛行機に乗ろうとした。

 

「んっ?」

 

すると俺のマントを掴んでいる先程の兄弟がいた。

 

「おいおい、俺のは結構やばいぞ。

ここはあそこの二人の所に行くんだぞ」

 

「嫌っ!

だって赤の人が一番カッコいいもん!!」

 

「一緒に乗せて!!」

 

「参ったな。

怖い思いをしたくないけど」

 

そう言いながら、見ると既にレギオンが迫って来た為、既に二人は出発していた。

 

「はぁしゃあない。

乗った船だ、最後まで面倒見てやるよ」

 

「わぁ」

 

俺はそう言い、俺は二人と一緒に俺専用機、レッドダイヤルファイターに乗った。

 

「さぁショータイムだ」

 

俺はその言葉と同時にレッドダイヤルファイターを発進、先程まで俺達がいたデパートの周りには既に警察によって退避された人々と、ブルーとイエローの攻撃によってバラバラにされているレギオンの大群がいた。

 

だが、それよりも目を引くのはビルから現れた巨大な白い生き物だった。

 

おそらくはレギオン達のボスのような存在だと思うので、奴を倒さないと問題は解決しないようだな。

 

「とにかく、どっか安全な所にっ」

 

すると奴は角を開いて、こちらに向けて青い電撃を放ち、襲い掛かってきた。

 

「慌てん坊な、カブトムシだぜ!!」

 

俺はそのまま操作を行い、奴の電撃を避けていくが、一緒に座っている子供達の安全を考慮しながら避けているので、それ程長時間は危険だ。

 

「良いねぇ、正義のアウトロー!

ぐっと来たよぉ」

 

「なんだ?」

 

どこからか聞こえてきた声の方を見ると、そこには巨大な顔が付いた謎の飛行機がこちらに近づきながらレギオンに攻撃を始めた。

 

「なんだ?」

 

「俺の名前はグッドストライカー。

今はお前達の味方だから、早く降ろしたらどうだい?」

 

怪しげな奴の言葉は正直に信用できないが、今はこの子達の安全を考え、俺は近くの警察達がいる所まで降りると、子供達を抱えて降りた。

 

「動くな!!」

 

そう言い、警察達はこちらに向けて銃を構えた。

 

まぁこちらが怪盗だから当たり前の反応だから、別に文句を言うつもりはないけどな。

 

「えっ違うよ、おまわりさん!!

この人達は僕達を助けてくれたんだよ!!」

 

「そぅだよ!」

 

その事で困惑したのか、二人は必至に警察に話しかけた。

 

「ははっ大丈夫だよ。

おまわりさんはとっても正しい事をしているから。

まぁ怪盗の前にして、とっても正しいんだよ」

 

「でも」

 

「お前達、そこをどけ」

 

その声と共に警察の中心にいたコートを着た人物が現れると、俺の前に対峙した。

 

「ルパンレンジャー。

今回はお前達のおかげで市民が助かったのは礼を言うだ。

だが、お前達を逮捕するのも俺達の仕事だ」

 

「分かっているよ。

だけど、俺達は怪盗だから、そう簡単に捕まらないぜ」

 

「はぁ、そうかよ」

 

そのままその人はこちらに背中を向けた。

 

「行くぞ、お前達。

まだ市民の避難は終わっていない」

 

「でも、怪盗と名乗ったあいつらを放っておいても「馬鹿野郎!今はそれよりも市民の方が第一だろうが!!」はっはい!!」

 

そのまま警察官は子供達を抱えると、その場から離れていった。

 

「借りは返したぞ」

 

「ふっ誰だが分からないけど、サンキュー」

 

俺はそのままレッドダイヤルファイターに乗り込むと懐に残っていた予告状を子供達に投げた。

 

「えっ?」

 

「予告する。

君達の怖い思いは俺達が頂く。

だから安心して」

 

俺はそのままレッドダイヤルファイターを飛ばし、一気にレギオンの元まで飛んだ。

 

「どうやら、準備ができたようだねぇ」

 

「それよりも、お前はなんなんだ?」

 

「謎のお助けロボさ。

それに、こいつを倒すには俺の力が必要だしね」

 

「なに?」

 

「怪盗ガッタイム」

 

その言葉と共に俺達が乗っているダイヤルファイターは変形し、グッドストライカーに合体していき、そして、その形は飛行機から巨大な怪盗ロボットとも言える姿になった。

 

「完成!!ルパンカイザー!!」

 

「ルパンカイザー?」

 

「なんだと」

 

「コックピットが一つに?」

 

何が起こっているのか分からないが、どうやらこれまで合体できなかったダイヤルファイターが、この謎のダイヤルチェンジャーによって、合体ロボになるようだ。

 

「まぁいいぜ、お前のお宝頂くぜ」

 

俺達はそのままブルーが乗っていたブルーダイヤルファイターが変形したバルカン砲をレギオンに向けて銃弾を放っていくと、レギオンの装甲に少しずつ凹んでいく。

 

たまらず、レギオンは再度小さなレギオンを召喚し襲い来るが、ルパンカイザーが元は飛行機が変形したロボットなのか、簡単に空を飛ぶ事ができ、自動的にロックオンし次々と消し飛ばしていく。

 

そしてイエローダイヤルファイターも変形し、腕の部分の回転カッターが回り始め、一気にレギオンに接近すると、頭部の角をまっすぐと切り裂き、再度バルカン砲を頭部に押し付けると、連続に放たれとどめを刺した。

 

レギオンは最後の悲鳴をあげると同時に光の球へと変わり、ルパンカイザーの腕に収まった。

 

「回収完了」

 

俺達はその確認を終えると、その場から飛び立つ。

 

なんとかルパンカイザーは解除され、空を見ると既にグッドストライカーが「じゃあなぁ!!」とどこかへ去っていった後だった。

 

「さてっと、にしても今後はこういうのが増えそうだな」

 

「そうだな、もうさっさと寝るとするか」

 

「そうじゃな」

 

俺達はそう言い、喫茶店でさっさとベットで寝落ちしてしまった。

 

「おいおい、お前達、何をやったんだい?」

 

寝ているところに突然声をかけてきた愁一に俺達は疑問に思っていると

 

「なんの事だ?」

 

「これこれ」

 

そう言い見せてきた新聞の一面を見てみると

 

【正義のアウトロー参上 怪盗戦隊ルパンレンジャー!!】

 

「「「はっ?」」」

 

新聞にはデパートの中で行われていた俺達の事についてや、子供達を助けたといったエピソードと共にレギオンとの戦いも書かれていた。

 

「「「なっなんじゃ、こりゃああ!!!」」」

 

俺達は、思わぬ形で有名になってしまう。



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予告状6 失意の怪盗

「なんだ?

お前、こんな所で何をしているんだ?」

 

道の真ん中になぜかうずくまっている少女がいた。

 

「っ、来ないで!!

あいつらが、こっちに来る!!」

 

「あいつら?」

 

その言葉に疑問に思うよりも先に後ろから何かが落ちた音が聞こえ、振り替えるとそこには人間を遥かに超える大きさの不気味な人形が武器と思える掃除機をこちらに向けていた。

 

「こいつは転生特典!?」

 

その人形から転生特典特有の気配を感じ、俺はすぐにVSチェンジャーを奴の顔面に向けて何発か放ち、貫通させると、人形はすぐに地面へと倒れてしまう。

 

「なんで、なんであんなのが」

 

「お前」

 

その反応は人形に対しての恐怖なのか、蹲っているが、それは自身に向けている恐怖というよりも他を巻き込んでしまったという罪悪感という感じがした。

 

この反応からして、こいつが先程の特典の持ち主という感じだが、どちらかというと

 

「暴走した感じだな」

 

転生特典は多くは転生者の意思に従う力が大半だが、それでもその力自体を否定したり、制御できなくなり、特典が暴走している奴を何度か見た事がある。

 

「落ち着け。

一応聞くが、お前がこいつらの持ち主なんだな」

 

「っ、はい。

私、なんか神様と名乗る人にこの世界に転生させると言われて、それで特典と言われて、最初は不気味な人形を渡されたんです。

この世界ではその、いじめとか無くて、楽しかったんですけど、さっき変な人に襲われた時になぜか人形が動き出して、それで気づけば、どんどん増えて」

 

「分かった、もう話さなくて良い」

 

この子の話を聞く限り、特典を渡した神が説明をせずに渡した事によって起きた事故だと思う。

 

「安心しろ、お前のその力は絶対に取り除いてやる」

 

「取り除く?

そんな事「できる!!」っ!」

 

「なんだって、俺は怪盗だ。

君の不安だって、盗んで見せるさ」

 

「怪盗」

 

「あぁ」

 

「本当に、私の不安を」

 

「絶対にだ。

俺達にできるのは確かに特典を奪えるから、これからその力の不安を無くす事はできる。

ただし、その先の人生で、この事に対しての罪を背負って、生きていけるか?」

 

「…私、生きます。

この世界で生きたい、もっと皆と一緒に!!」

 

「その言葉が聞きたかった!!」

 

この子ならば大丈夫。

 

これまでも力を無くして、後悔している奴らはいたけど、確かに生きている奴らもいる。

 

「予告する。

君の特典と不安は俺達が頂く」

 

そう言い、俺はVSチェンジャーを取り出し。ダイヤルチェンジャーをVSチェンジャーにセットした。

 

【レッド】

 

【0・1・0! 怪盗チェンジ!!】

 

その音声と共にダイヤルを回し、、VSチェンジャーを変形させて、宙に向けて構えると同時に打ち抜く。

 

「怪盗チェンジ」

 

その声と共に俺はルパンレッドに変身する。

 

「本当に噂のルパンレンジャー」

 

「それじゃあ、目をつぶって「きゃあ!!」」

 

「なっ」

 

俺は彼女の特典を奪おうとした瞬間、先程まで暴れていた人形がこちらに近づき、攻撃すると共に人形の一体が彼女を奪い逃げ始めた。

 

そしてその彼女の間を阻むように幾つもの人形が立ちはだかった。

 

「てめぇら、邪魔するな!!」

 

俺はそう叫ぶと同時にVSチェンジャーを操作する。

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!

レ・レ・レ・レーッド!!】

 

それと同時に目の前にレッドダイヤルファイターを巨大化させ、人形共を纏めて蹴散らし、すぐに元に戻すと同時に俺は先程の人形の元へと走っていった。

 

「おいおい、なんじゃこの騒ぎは」

 

「不気味なぐらいにいやがるな」

 

そうしているとソーマと忍が合流し、俺達は互いの背中を守るように人形共と対峙した。

 

「それで、今回の転生者は」

 

「攫われた」

 

「という事はこいつらは暴走した特典か」

 

「ならばすぐにいかなければな」

 

そう言うと、何かの気配を感じ、その方向を見てみると、ストライクフリーダムの一件の時に出会ったパトレンジャーがいた。

 

「またか、儂らの偽物」

 

「おいおい、よりにもよってあんたらが来るのかよ」

 

そう挑発をするように忍が言うと、向こうの赤い奴はそれに合わせるように言った。

 

「まぁいいや。

俺達はこいつの特典を盗ませてもらう」

 

これ以上、あの子に罪を重ねさせない為にも

 

「させるもんか!」

 

その言葉と同時にピンクのパトレンジャーがこちらに銃を向けた。

 

「邪魔をさせるか」

 

そう言い忍は近くにいた人形に近づくと、人形をルパンソードのマジックハンドで勢いよくパトレンジャーに向けて投げた。

 

「ここから先に貴方達を進めません!」

 

そう言い緑色のパトレンジャーがその人形を撃つと

 

「それはこちらのセリフだ」

 

その後ろに隠れていたソーマがルパンソードで不意打ちをかけた。

 

そんなソーマの肩を借り、飛ぶと同時に

 

「それじゃ、お先に」

 

そのまま転生者の元へと行こうとするが

 

「てめぇらなんかに、あいつを懺悔させてたまるか!

あいつは好きでドリィを動かしているんじゃねだぞ!!」

 

そう言い、手に持っていた武器でこちらに襲い掛かってきたが、俺はすぐにルパンソードでその攻撃を受け止めた。

 

それにしてもこいつは分かっていない、あいつはそんな奴じゃない事ぐらい、目の前にいた俺が分かっているよ

 

「それで、勝手に記憶を消して、どこか知らない世界に送れって言うのか?」

 

そんな事をして、あの子の幸せだった記憶まで消すのか

 

「逆に聞くが、転生者をただの人間にして、懺悔させるってのはどうなんだよ!

記憶があるまま特典を奪われ、無力感と罪悪感に押しつぶされて、破滅するかもしれないんだぞ!!」

 

あぁそうだな、確かにお前の言う通りになった奴もいるかもしれない。

 

「だったら記憶と特典を消して別の世界で普通の人間として生きるのは間違ってないだろ!!」

 

だけどな、それじゃあ駄目なんだよ

 

「あぁそうだな。

人間は誰だって間違って、人を傷つける事がある。

だけどな、人間ってのはな、そんな所もあるから変わって、人を守れる存在になれるかもしれない」

 

最初から完璧な人間はいない。

 

万能ではない。

 

奪われて、絶望するかもしれない。

 

「生きている限り、人間は何度でも変われる。

それがどんなに苦しくても、どんなに険しくても、まだ生きているから幾らでも変われる。」

 

だけど、それでも諦めず、進んでいけば、少しはマシになるかもしれない。

 

「あいつの顔は自ら変わりたいと願っている。

だったら、俺達はあいつを苦しめる特典を盗んでやる。

それが怪盗だ!」

 

あいつは特典のせいで不幸になって、罪を犯したかもしれない。

 

だけど、それでも生きようとしているあいつを俺は助けたい。

 

「確かにそうかもしれねぇな。

あんたの言う事も一理あるって思っちまうよ。

けどな、もうこれ以上あいつを苦しませる訳にはいかない!

だからあいつを俺達は更生させる!

それが俺達警察の仕事だ!」

 

「そうかよっと、だけどこっちは引くつもりは元からないけどな」

 

そう言い、奴から離れると、あいつの後ろにいた人形を打ち抜き、走り出す。

 

「どうやっても、あんたらは引く気はねぇんだな?」

 

そう言うと近寄ってきた人形を持っていた武器で殴り倒し、俺の近くにいた人形を打ち抜いた。

 

だが、同時に俺の後ろから何か引っ張られ、後ろを振り向くと掃除機を持った人形がこちらを吸っていた。

 

「邪魔だぁ!!」

 

VSチェンジャーで掃除機を打ち抜くと、掃除機は爆発し、人形を巻き込んだ。

 

だがそれに合わせるように周りには大量の人形が俺を襲い掛かろうとしていた。

 

「ちぃ、このまんまじゃあ」

 

そう言っていると、何か音が聞こえ、見ると、先程までいた人形よりも巨大な人形が現れ、それに対峙するようにグッドストライカーが現れ、変形した。

 

「なんだ、あれは」

 

「おい、とっと逃げるぞ」

 

「逃げるって、まだ特典が残っているから「捕まった」えっ」

 

「転生者は捕まって、消えた。

ここにいるのは暴走した特典だ」

 

「何を言って」

 

そう言うと周りにいた人形共は残っているが、そこからは転生者の気配は感じられず、本当に特典だけが動いていた。

 

「それじゃあ、あの子は」

 

「とにかく逃げるぞ!

あいつらは今は特典の相手をしているから、逃げるならば今しかないぞ」

 

「さすがにあれ相手には不利になるからな」

 

そう言い、俺は目の前が真っ白になっている間、ソーマと忍はそんな無気力な状態になっていた俺を喫茶店に連れてきた。

 

それから、俺はただ席に座って、救えなかったあの子の事を考えていた。

 

「どうしたんだ、あいつは」

 

「特典が暴走した奴の特典を盗めず、その転生者はパトレンジャーによって転生させられた」

 

「ふぅん、なぁ、雨宮、お前はあいつらに復讐したいのか?」

 

そう愁一はこちらに声をかけてきた。

 

「復讐?

そんな事をして何になる?」

 

「ほぅ、ここは復讐をすると言う所だろ?」

 

その反応が面白かったのか、奴は笑っていた。

 

普段は殴り飛ばしたかったが、そんな気力も湧かなかった。

 

「俺はただ単に、俺自身が情けないだけだ!

もしも俺に力があれば「手に入るとしたらどうする?」なに?」

 

そう俺の言葉に反応するように、俺が机に置いていたVSチェンジャーをいじり始めた。

 

「お前達のVSチェンジャーには実は秘密があるんだよ。

そのVSチェンジャーにはルパンレンジャーは勿論の事だが、別のスーパー戦隊の力を得る事もできる。

だけど、それには、そのスーパー戦隊に認められなければならない」

 

そんな事ができるのか。

 

今まではそういうのはなかったし、十分なぐらいあると思っていたけど

 

「どうすれば良い?」

 

俺は思わず、愁一に掴みかかったが

 

「さぁな。

何時、どこで、手に入るか分からないけど、彼らは常にお前らを見ているからな」

 

「そうかよ」

 

その返答で、手に入るか分からなくなり、俺はそんな不確かな存在に頼る事はできない。

 

「俺はこれからもただ転生者から特典を奪う。

それが、この世界に生きる人々の為だと信じてな」

 

そんな力なんて、なくても、俺は



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予告状7 豪快な先輩

「はぁ」

 

俺は現在は、気分転換という事でこれまで来た事のない海の近くに来て過ごしていた

 

あの転生者の子の一件以来、あまり転生者が出てこないが、訓練の為にルパンレンジャーになるも、上手く動く事ができず、どうすればよいのか悩む日々が続いた。

 

あの時の失敗が今でも引きづっていた。

 

「どうすれば良いんだろうな」

 

目の前の光景はどこまでも広がっており、あの時の話を思い出す。

 

元々はこの世界は平和な世界だったみたいだが、ある日、何が原因が分からないが複数の世界が混ざり合わさってしまい、その結果できた多次元世界という奇妙な世界に変わった。

 

その結果なのか、様々な文化が入り混じった不思議な世界になっており、人食いな化け物やSFに出て来るロボットなどが数多くいる世界になってしまった。

 

そしてその世界に目を付けた上級から下級まで様々な神がこの世界に転生者を送り込む事を繰り返した。

 

「それで、俺の両親も」

 

そんな転生者の一人によって、俺の両親は殺され、さらには無実の罪で捕まりそうになった。

 

だけど、そんな俺の復讐を果たす為に、愁一からの誘いであるVSチェンジャーを受け取り、俺は戦いが始まった。

 

「だけど、あの時からなんも変わっていない」

 

両親のような人々を、そして何より俺のような思いをする人を救う為に戦っていたのに、結局は何もできなかった。

 

「けけっ、こんな所に面白い奴がいたもんだな」

 

その声が聞こえ、振り替えると、そこには細長い変な男がおり、その手には巨大な鋏を持った男がいた。

 

「てめぇは?」

 

「俺様はてめぇのような奴をゾンビにする為に来た奴だ」

 

「何を言って」

 

そう言い、奴の周りには何時の間にか大量のゾンビが現れた。

 

「転生者という訳か。

だったらお前の転生特典を奪わせてもらう!!」

 

俺はそう言い、手に持ったVSチェンジャーにレッドダイヤルファイターをセットした。

 

【レッド】

 

【0・1・0! 怪盗チェンジ!!】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

それと同時に俺はルパンレッドに変身し、奴のゾンビを蹴散らしていくが、ゾンビ共はあまりダメージがないのか、簡単に反撃してきた。

 

「だったら、転生者を」

 

俺はそう言い、奴に向けてVSチェンジャーで攻撃したが、それを待っていたのか笑みを浮かべると同時に奴の前に影が現れ、その攻撃を防いだ。

 

「なにっ!!」

 

「戦闘能力はまぁまぁだな。

だけど、まだまだあぁぁ!!」

 

そう言うと奴はその手から蝙蝠を思わせる影を放ち、攻撃してきた。

 

実体化している為か、俺の身体を簡単に噛みついてきた。

 

「ぐぅ!!」

 

それに対して避ける事もできず、膝を付いてしまう。

 

「なかなか良い素材が出たし、そろそろ殺すとするか」

 

そのまま奴はゾンビを引かせると、その手に持っていた巨大な鋏をこちらに向けていた。

 

(こんな所で終わっちまうのか)

 

そんな無気力な思いが俺の中で広がっていき、ただ目の前の光景を見ながら、これまでの人生を思い出してしまう。

 

幸せだった家族がある日、壊されてしまう。

 

そして復讐する為の力を得て、人を守れると思ったが、それすらできなかった。

 

結局はこれまで、成功した事などなかった。

 

「まったく、見ていられないぜ」

 

そんな声が聞こえると共に突然銃声が聞こえると、俺は周りを見ると、後ろに引いている転生者と俺の横に何時の間にかいた赤い服を着た男がいた。

 

その恰好は現代では余り見ない赤いコートを羽織っており、思わず海賊だと思わせてしまう。

 

「お前は」

 

「通りすがりだ。

それよりも、さっきまでの戦いはなんだ?

やる気がないにも程があるぞ」

 

「やる気と言っても、俺はこれまで成功した事なんて、なかったのに、このまま続けても良いのか」

 

「へぇその程度だったのか。

お前の戦う理由は」

 

「戦う理由?」

 

「あぁ、そうだ。

世間を騒がす怪盗は成功できなかったからという理由で戦わないのか。

お前の戦う理由は成功の為なのか?

 

「俺の戦う理由」

 

その言葉で、ふとそれまでの戦いを思い出す。

 

復讐、人助け、それらも多くは戦ってきた理由は多くあるけど、本当にそれが俺の戦いたい理由なのか。

 

幾つものの言葉が消え、そして現れるの繰り返しの中で、俺は一つの結論が出た。

 

「俺はただ俺の為に戦うだけだ」

 

「それはどういう事だ?」

 

「あぁ、所詮は自己満足だよ。

それでも目の前にいる人だけでも救いたい、その為に俺は特典を盗む」

 

そう、復讐は自分の怒りを晴らす為に。

 

人助けも困っているのを見逃せないから助けた。

 

それがこれからも続けれるかどうか分からないけど、あの子の事を救えなかった事で泊まれるか。

 

「あの子の分まで俺は沢山の人々を救う。

あの子の救えなかった事をずっと引きづっていく。

それが、俺のルパンレンジャーとしての戦いだ!!」

 

その叫び声は満足するように満足したのか、男は笑みを浮かべた。

 

「まぁいいぜ。

とりあえずはお前もスーパー戦隊としてはひよっこという訳だな」

 

「ひよっこ?」

 

確か、愁一が言っていたスーパー戦隊かもしれない。

 

「あぁ、だけど期待はできる後輩だな」

 

男はそのまま何時の間にか手に持っていた銃で周りにいたゾンビを打ち抜いていった。

 

「えっ」

 

「立てよ後輩!

戦いはこれからだろうが」

 

「あんたは一体」

 

「ふっただの海賊だぜ!!」

 

その声と共に男は手に持った携帯に鍵を差し込むと、その姿はすぐに変わり、まるで海賊を思わせる赤い戦士に変身していた。

 

「ゴーカイチェンジ」

 

【ゴーカイジャー!】

 

「まさか」

 

「海賊戦隊ゴーカイジャー、ゴーカイレッド!

それが俺達だ」

 

まさか、この人が愁一が言っていたスーパー戦隊の一人だったとは。

 

「面白いぜ!

力を借りるぜ、先輩!!」

 

「足を引っ張るなよ、後輩!!」

 

俺達はその叫び声と共に手に持ち、隣にいるゴーカイジャーを真似るようにVSチェンジャーとルパンソードを構えると同時に奴に向かって走り出す。

 

「馬鹿めが、この不死のゾンビに立ち向かうとは」

 

「別にお前を仕留めれば良いだけだぜ」

 

「あぁ」

 

俺はルパンソードで周りを切り裂きながら、近くにいる敵の頭部を狙う。

 

「へぇなるほどな。

だったら」

 

「んっ」

 

何かに気づいたのかゴーカイレッドは手に持った鍵を変身に使ったアイテムをセットする。

 

【ニィンニンジャー】

 

その音声と共にゴーカイレッドの姿は海賊の姿ではなく、まるで忍者のような姿へと変身していた。

 

【ザ・技!

なんじゃなんじゃ、なんじゃなんじゃ?

水の術 じゃぶじゃぶじゃー!】

 

「ふっシュリケン忍法 波乗り斬り!!」

 

その音声と共にゴーカイレッドはそのまま手に持っていた刀から水が溢れ出ると共に大量の水が周りを囲んでいたゾンビ達を巻き込み、壁際まで追い込んだ。

 

「ふっその程度で何が」

 

「よく見な」

 

「なっなに!!」

 

そこには倒れていたゾンビ達の口から影が出てきた。

 

「あれは、まさかゾンビ共の本体!!」

 

「なっなぜ俺のゾンビの弱点が水だと」

 

「さっきのゾンビが吹っ飛んだ所に丁度水を浴びていた奴がいたからな。

それで試してみただけだ」

 

「そっそんな曖昧なので」

 

「だけど十分に効いたみたいだな」

 

「へっさすがは先輩だな、なかなか面白いぜ。

だったら俺も」

 

俺はそのまま奴がいなくなったゾンビ達の合間を潜り抜け、手に持ったルパンソードを奴に向けて投げた。

 

「ふっ無駄な事を」

 

そう言うと影の盾を出し、その攻撃を防ぐが

 

「いいや、これでいいんだよ」

 

俺はそう叫ぶと盾によって挟まれたルパンソードを蹴ると、挟まっていたルパンソードはそのまままっすぐと盾に食い込んでいった。

 

それを何度も、連続で蹴り上げ、VSチェンジャーを構えると同時に蹴り上げると影はひび割れた。

 

「なっ」

 

「こいつを喰らいな」

 

俺はその言葉と同時にVSチェンジャーを奴に向けて連続で放った。

 

「ぐぅ馬鹿な」

 

「一度で無理だったら、何度だってやれば良かったんだよ」

 

「馬鹿な真似をするな」

 

「それは先輩もでしょ」

 

「違いねぇ」

 

俺はそのまま動かなくなった奴に向けて、VSチェンジャーを構えた。

 

「さぁお前のお宝頂くぜ」

 

「なっ舐めるなよ!!」

 

その声と同時に地面から突然のひび割れと同時に奴は巨大な腕に捕まれ、徐々にその姿を現した。

 

「おいおい、こんなのを隠していたのかよ」

 

「まだまだ楽しみは終わらないようだな。

だったらこれを使え」

 

そう言い、ゴーカイレッドはこちらに赤い船の模型を渡した。

 

「俺らの力、上手く使えよ」

 

その言葉と共に、ゴーカイレッドは光の粒子となって消えていき、光はVSチェンジャーの中へと納まった。

 

「…、力を借ります!!」

 

俺はセットしていたレッドダイヤルファイターを取り出し、代わりにゴーカイレッドから貰ったアイテムをセットした。

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!

ゴ・ゴ・ゴ・ゴーカイ!!】

 

その音声と共に俺の前には巨大な赤い海賊船が現れた。

 

「はっ」

 

俺はそのまま海賊船に乗り込むと、その海賊船に触れると、自然とその名前が分かった。

 

「あぁ行くぜ、ゴーカイファイター!!」

 

その声と共にゴーカイファイターは動き出し、巨大な怪物に乗っている奴に近づくと共に

 

「撃てえぇ!!!」

 

ゴーカイファイターに備わっていた大砲は一気に奴に放たれ、後ろへと後退していく。

 

「おいおい、これは一体なんじゃ!!」

 

すると後ろからソーマと忍がそれぞれのファイターに乗って来た。

 

「おう、お前ら、遅かったな」

 

「その声、まさか連!!」

 

「なんじゃ、その海賊船は」

 

「話はあとだ。

今は」

 

そう言っていると、俺達に合わせるようにグッドストライカーが出てきた。

 

「いやぁ面白い事になっているな」

 

「グッドストライカー」

 

「そう怖い顔するなよ。

今回はお前達の味方なんだからよ」

 

「前回は私達の盗みを邪魔したくせに?」

 

「俺はぐっと来た奴らの味方するだけだ。

前回は初回サービスだったからね

 

「…そうかよ、だったらさっさと手伝えやがれ」

 

「強引な奴だな。

でも良いぜ、怪盗ガッタイム」」

 

その言葉と共にダイヤルファイターは変形し、合体した。

 

だが、その姿は前のルパンカイザーとは違い、真ん中の部分がゴーカイガレオンになっている為か、頭部には海賊帽子になっており、肩には大砲、両手には剣が装着されていた。

 

「完成!!ゴーカイルパンカイザー!!」

 

「これは一体」

 

「ふっ先輩からの粋な計らいだぜ」

 

俺はそう答えると同時に肩の大砲から銃弾が放たれ、奴の巨体に次々とダメージを与えていった。

 

「ぐぅ、この野郎!!」

 

奴はそれに対して反撃するように腕を伸ばして攻撃してきたが、両腕に備わっていた剣を器用に動かし、その腕を切り裂いていった。

 

「おっ俺の腕がぁ」

 

「これでとどめだ!」

 

その言葉と共にゴーカイルパンカイザーの肩の大砲にエネルギーが溜まるように光始め

 

「「「ゴーカイイタダキストライク!!」」」

 

その声と共に大砲からビームが放たれ、奴に当たると同時に奴の身体から光が溢れ、その光はゴーカイルパンカイザーの手に収まった。

 

「お宝は頂いたぜ」

 

その声と共にゴーカイルパンカイザーは変身を解除し、そのまま逃げた。

 

喫茶店に戻ると、俺は先程のゴーカイファイターを机の上に置いた。

 

「ほぅ、まさかいきなりゴーカイジャーに認められるとはな。

やっぱりお前は面白い奴だぜ

 

「それはどうも。

それにしても、凄かったぜ、ゴーカイ先輩は」

 

「ゴーカイ先輩?」

 

「俺達の先輩でゴーカイジャーだからゴーカイ先輩だ」

 

「おいおい、そんな呼び方で良いのか?」

 

「まぁ良いじゃろう、辛気臭くなっているよりはマシだ」

 

「にしても、まさかVSチェンジャーの中から出てくるとはな

 

「えっマジで」

 

その事を話すと、愁一は驚いた顔で言った。

 

「お前、まさか本当に知らなかったのか」

 

「あぁ、俺はただ、どこかで見ているとしか聞かされてなかったからな

 

「はぁ、少しは見直したのに、がっかりだぜ」

 

「なんだとぉ!

もうちょっと、俺を尊敬しやがれ!」

 

そんな言葉に俺はため息をつきながらも

 

「まぁとりあえずはサンキューな」

 

「おっ今までツンデレだったお前が、ここでデレが出たのか」

 

「うるさい、すぐに調子になるなよ」

 

俺はそう怒りながら、愁一をとりあえず殴る事にした。



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予告状8 怪盗入学

ルパンレンジャーVSパトレンジャーもいよいよ始まり
、盛り上がり、なんとか今日中に投稿できました。
これからもよろしくお願いします。


その日、俺は風を操る特典を持つという転生者を追って、レッドダイヤルファイターに乗り、探していた。

 

レッドダイヤルファイターには、転生特典を探す為のレーダー機能など、怪盗活動には欠かせない能力が数多く積んでいる。

 

「どうやら、ここのようだな」

 

レッドダイヤルファイターにての探索中に転生者がいると思われる場所に降り立ち、周りを歩いていると

 

「なっ、今度は何だ!!」

 

「んっ?」

 

何か声が聞こえ、振り返るとそこには青髪の学生とポニーテールをしている少女が一緒にいるのが見えた。

 

二人の持ち物からして、どうやらデート中であり、俺はそのデート中に出てきた赤いスーツを着た男という感じだな。両者共、普通の人間とは思えない力を持っており、特にポニーテールの子は人間ではない別の存在だと思われるが見た感じだと人に害を与える訳でもないし、なにより転生者ではなさそうだが

 

 

「嫌ぁ、悪いね、カップルさん達。

少し捜し物をしていてね」

 

「探し物?」

 

「あぁ、そうだよ。

ちょっと人間ではない奴をね」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーを構えると、男の方は何か思ってか、ポニーテールの子を庇ったが、俺はそれを無視して、銃を放った。

 

それと同時に背後からの殺気に気づき、俺は飛び出すと、地面が抉れていた。

 

「なっシロー大丈夫か!!」

 

「あっあぁ、それよりも十香は大丈っ!!」

 

シローという子はすぐにポニーテールの女の子である十香ちゃんの方を向くが、そこには十香ちゃんの他には、地面が突然血を流し始めた事に驚き、急いで十香ちゃんを抱えて後ろに下がった。

 

「さて、ようやく見つけたぜ、転生者無さんよ。

透明になれる術は勿論の事だけど、探すのに苦労したぜ」

 

それに合わせるように地面から立ち上がったのは全身が包帯に巻かれている男が腕を押さえながら立ち上がった。

 

「なぜ、俺の居場所が分かった。

俺の術は感知されないはずだが」

 

「いやぁカップルさんが動いた影の動きに妙なのが見えたからな。

もしかしてと思って、撃ってみたら、当たりだったぜ」

 

俺はそう言いながら、VSチェンジャーを片手で回しながら、無に近づいた。

 

「おい、これって一体何なんだ?」

 

「悪いなカップルさん。

今からは少し過激なショーになるから離れておきな。

そう、まさに怪盗VS忍者のな」

 

「怪盗?」

 

「忍者?

忍者とは一体なんなんだ、シロー!」

 

「はぁ、まったく、一人で飛び出すな」

 

「そうじゃ、合流するのに苦労したんじゃぞ」

 

その言葉と共に、上からブルーダイヤルファイターとイエローダイヤルファイターが出てくると、そこからソーマと忍が現れた。

 

「まぁそう言うな。

さてっと、本業の時間だ」

 

俺がそう合図すると小さくなったダイヤルファイターを手に持ち、VSチェンジャーに持った。

 

【レッド】【ブルー】【イエロー】

 

【【【0・1・0! 怪盗チェンジ!!】】】

 

その音声と共にダイヤルを回し、、VSチェンジャーを変形させて、宙に向けて構えると同時に打ち抜く。

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

その言葉と同時に俺達はルパンレンジャーに変身した。

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「怪盗戦隊 ルパンレンジャー」

 

そう、変身すると近くにいたカップルは口を開けながら驚いた様子だった。

 

「えっええぇ!!

まさか噂の怪盗だったのかっ!?」

 

「おおぉぉ!!

なんだシロー、あの信号機のようななのは」

 

「さぁお前のお宝頂くぜ!!」

 

その声と共に二人は無に一気に接近し、それぞれVSチェンジャーとルパンソードで攻撃を始める。

 

「えぇっと、これはどうすれば」

 

「ほらほら、お二人さん。

こんな所にいると、危ないから離れて、離れて」

 

「おぉ、お前は赤帽子」

 

「赤って、とにかくほらほら、危ないから。

それにここにいるのはどうやら俺達の他にも邪魔者がいそうだしね」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーを彼らの後ろを打ち抜くとそこから機械の鎧を身に纏った少女が持っていた狙撃銃を捨てて、現れた。

 

「場所がばれた!!」

 

「えっ折紙」

 

「ほらほら、さっさと行きな。

デートの邪魔をしたお詫びだ。

ここは俺達が足止めしてやるよ」

 

「えっでもっ!!

分かった、行こう十香」

 

「むぅ、せっかく面白そうだったが、仕方ない」

 

そう言い、カップルはどこかへと走っていった。

 

「ふぅ」

 

「ふぅじゃない、なにを余計な仕事を増やしている」

 

「だって、仕方ないじゃないか。

邪魔したのは仕方ないし、さて問題はどうやって、これを切り抜けるか」

 

俺はそう言いながら、周りを見渡すと、先程の無は勿論の事だが、狙撃を行おうとした子を始めとした似たような恰好をした子が現れて、こちらを狙っている。

 

見た感じだと、転生者がいないのですぐに終わらせたいのだが。

 

「試しにやってみるか」

 

俺はそう言い、ゴーカイファイターを取り出し、VSチェンジャーにセットし、上にあるマットを動かしてみる。

 

【0・5・5!

ゴーゴー・ゴーカイジャー】

 

その音声と共にVSチェンジャーから光が出ると、そこに出てきたのはゴーカイレッドが使っていた武器である剣と銃が出てきた。

 

「へへっなるほど。

それじゃあ、さっそく、派手に行くぜ!!」

 

俺はその言葉と同時に現れた銃を手に取り、近くにある木を蹴り上げると、VSチェンジャーの二拳銃で空を飛んでいた子の武器を狙いながらも、飛行に使っている道具を少しだけ壊しながら、無に近づく。

 

「くっ塵遁・現界剥離の術」

 

その言葉と共に手から光る立方体を作り出し、こちらに向けて放ってきた。

 

ただ、真っすぐな攻撃の為、すぐに避ける事ができたが、その威力の高さは俺が避ける前にいた地面を見れば一目瞭然だった。

 

「くっもう一度「させるかっ!」がぁ」

 

俺はすぐに手に剣を持つと共に投げると、無に当たり、剣にはワイヤーが繋がっており、様々な方向での斬撃が無を襲い掛かる。

 

「ほぅ、これはなかなか応用できるな」

 

「まったくいつ手に入れたんだが」

 

そう言いながらも、二人はそのワイヤーを足場にして、無に攻撃を仕掛けていき、次第に怯みだし、俺は最後の一撃をする為に剣と銃を両手に持つと、それぞれにVSチェンジャーのようなセットする所が出てきた為、俺は試しにそれぞれにレッドダイヤルファイターとゴーカイファイターをセットしてみた。

 

【【ファーイナル・ウェーブ!!】】

 

「はああぁぁ」

 

その音声と共に俺は剣を肩に担ぎ、銃を奴の方へ向け引き金を引いた。

 

銃から出てきたのはゴーカイファイター型のエネルギー弾が現れ、そのまま剣を振り下げると、そのままレッドダイヤルファイターが現れ、無に向かって行った。

 

「そっそんな馬鹿なあぁぁ!!」

 

その叫び声と共に無は爆発に巻き込まれ、そこに残っていた無に近づき、俺はレッドダイヤルファイターを翳した。

 

「さて、これにて盗みは完了だな」

 

俺はそう言い、レッドダイヤルファイターを手にした。

 

これまでのような方法では、奴らが更生させようと転生者の元に行く可能性があるので、これからは転生者自身にはこのようにダイヤルファイターで鍵を掛け、強制的な転生を不可能にする。

 

「これまでは必要ないと思うけどな」

 

あの子のような犠牲を増やさない為の念の押しは必要だ。

 

盗んだ後のアフターケアもな。

 

「とっと行くぞ、奴らの増員が来ると面倒だからな」

 

「はいはい」

 

俺はそう言い、レッドダイヤルファイターを巨大化させ、その場から撤退する事にしたが

 

「ヒュー、熱いねぇ」

 

飛び立つ直前に見たのは先程のカップルがキスをしている場面だった。

 

そんな光景を見ながらも、俺達は無事に喫茶店にたどり着くと愁一が座って待っていた。

 

「おぉ、おかえり。

今日も無事に盗めたようだな」

 

「当たり前だ。

それよりも、情報はどうなんだ」

 

「それが、さっぱり。

やっぱりパトレンジャーには謎が多いからな。

代わりに面白い情報はあったがな」

 

「面白い情報?」

 

「あぁ。

お前達も知っての通り、この世界は様々な世界が合わさった奇妙な世界だ。

その中でも一番目立つのがある学校だ」

 

「学校?」

 

なぜ、それが奇妙な事になっているんだ。

 

「あぁ、特異点というべきなのかな?

その学園を中心に転生者は勿論の事だが、特殊な能力や人外が数多く集まっている」

 

「原因は」

 

「さっぱり、だけどお前達にはこの学園にこれから入学してもらうぞ」

 

「何を言っているんだ、お前は」

 

「ほら、ここに転入届が3つだ。

まぁ順当に言えば「そういう事じゃない」んっ?」

 

「俺の事情を知って、そんな事を言っているのか?」

 

「雨宮、お前の気持ちも分かる。

だけどな、お前達の目的の達成にはこれは避けて通れない道だ

それにここで通らなければ、お前はいつまでも過去に捕らわれたままだ」

 

「っ」

 

「はぁ心配するな。

お前には俺達がついている」

 

「各々の目的の為に手を組んでいる。

そして、信頼だけは絶対になっている」

 

「お前ら」

 

俺の過去を知って、なお信用してくれる二人。

 

「あぁそうだな。

やってやるよ、それでその学園の名前は」

 

「学園の名前は多次元学園」

 

「・・・なんだそれは」

 

「様々な分野で活躍を目的にしている学園らしいな。

確かに面白そうだな」

 

「はぁ、頭が痛くなってきた」

 

俺は愁一の面白そうな笑みを無視しながら、寝る事にした。

 

「ついでに登校日は明日だからな」

 

「「「それを早く言え!!」」」

 

その突っ込みを入れ、俺達は次の日に備えて早くから準備を行い、気づけば既に登校日になり、俺達は必死に走りながら職員室に辿り着く。

 

そして先生に案内されるままに教室に向かった。

 

「それでは、転校生を紹介する。

入って来なさい」

 

「はぁい」

 

俺はそうやる気のない返事をしながら、教室に入ると、そこにいるクラスメイトはどいつもこいつも個性的な奴が多く、その中には先日の確かシドーという奴もいる。

 

「今日から入った、雨宮連だ。

よろしく頼むぜ」




今回から多重クロスの要望の一つであるデート・ア・ライブを入れさせてもらいました。
まだまだ活動報告で募集していますので、皆様の要望&感想、本当にお待ちしています。


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予告状9 ライブ乱入な怪盗

「なんだが、見た事のある顔だな?」

 

俺達は無事に仕事を終え、レッドダイヤルファイターに乗りながら、下を眺めてみるとそこには何かのライブが行われいるのか、巨大なライブ会場が見えていた。

 

だが、そこから見えるのはライブ会場から出る大量の人込みが走っており、とてもではないがステージには奇妙な色をした何かがステージの周りを囲んでおり、その中心には見た事のない鎧を身に纏っていた少女が6人いた。

 

その6人は敵対するように2つに別れていた。

 

そしてその中には見覚えのある顔があったが、上手く思い出せない。

 

「ソーマ、忍、少し寄るぞ」

 

「何を言っている、ここでわざわざ巻き込まれる奴がいるか?」

 

「ふむ、儂は別に反対せぬがな、何か理由があるのか?」

 

「理由はな、単純に気になるからだ」

 

「そんな理由でか」

 

理由は不明だが、どうしても気になるという感情があり、それを察したのかソーマはため息を吐きながらも賛同してくれ、俺達はそのまま会場の真上から飛び降りた。

 

「今度は一体何だっ!?」

 

「悪いが、この戦いは俺達も参加させてもらうぜ」

 

「えっ一体誰なの」

 

突然の乱入に驚いたのか6人の視線は一気にこちらを向き、俺達の手元に先程まで飛んでいたダイヤルファイターを手に持ち、セットする。

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

その音声が鳴り響き、終わると同時に俺達はマントを翻して、指パッチンを行いながら、それぞれが名乗り始めた。

 

「なっまさかっ!!」

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー」」」

 

「るっルパンレンジャーだとぉ!?」

 

「そっ噂の怪盗だ。

という事で、お前達の戦いに介入させてもらうぜ

 

俺達はそう言うと共にVSチェンジャーを彼女達に構え、打ち始めると同時に走り始めて視界を奪うと同時にそれそれの背後に経ち、辺り落ちているであろう鎧の武器の破片だと思われる物を拾う。

 

「いっいつの間に後ろに!?」

 

「おっと、見つかってしまったか。

まぁ良いけど」

 

「何をするつもりかは知らないけど、邪魔するなら」

 

その言葉と共にピンク色の鎧を身に着けているツインテールの子は髪の先にある円形の鋸で攻撃を行うも、俺は手元に持っていたルパンソードで攻撃を受け流すとそのままVSチェンジャーで攻撃する。

 

その攻撃はすぐに鋸によって防がれてしまうが、周りを見る限りでは転生者という訳ではなさそうだが、この子の攻撃からは転生者特有の何かを感じ取れた。

 

魂の底の底ぐらいに別の魂が住み着いているような感じの憑依という感じの転生だと思わう。

 

「どうやら、思っていたよりも厄介な案件に突っ込んだようだな」

 

「こんな戦いをしたって、何の意味もないよ」

 

「まぁそう言われれば、そうだけどな。

でもな、それでも俺にも怪盗のやり方があるからな」

 

「やり方?」

 

「そんな怪盗なんていうお遊びなんかに「遊んでいるだとっ、ふざけるなよ」っ!!」

 

その一言を聞いた瞬間、俺は先程までの余裕な声ではなく、怒りによる声を叫び、それに怯んだツインテールの子は後ろまで後退し、その様子を見たソーマと忍以外の全員がその声に驚き、振り向いていた。

 

「俺達の目的はそれぞれ違うが、それでも半端な気持ちで怪盗はやっていない。

俺達は遊びで怪盗をやっている訳じゃなんだよ!!」

 

俺はその言葉と共にルパンソードを構え、振り下げると、ツインテールの先にある刃でその攻撃を防ぐが、俺は無防備になっている武器の接触部分を狙うようにVSチェンジャーを放った。

 

それによりルパンソードから手を放し、ツインテールの子をマジックハンドで押さえつける。

 

「ぐっ」

 

「という事であとは大人しくっ!!」

 

その言葉を言う前に背後から攻撃に気づき、避けると忍が相手しているはずの緑の鎧の子が鎌の先が分裂し、こちらに襲い掛かってきた。

 

すぐにVSチェンジャーで打ち落とすが、その隙を狙ったツインテールの子は自身の武器で攻撃してきたので、俺は仕方なく、マジックハンドを離し、その場から離脱した。

 

「怒りすぎだ、レッド」

 

「そうじゃ、寄り道をしたぐらいで何を怒っている」

 

「別に」

 

そう会話していると、突然地面から揺れ、見てみるとそこには緑色の奇妙な奴が生えてきた。

 

それを見たマリアは持っていた武器を奇妙な奴に向けてビームを放つと、緑色の奴の身体はただ分裂しただけとなり、余計に被害が出るだけだった。

 

「ちっこのままじゃあ、やべぇな」

 

俺はそう言いながら、周りを見渡す。

 

先程の行動から分かったが、下手な攻撃は被害を増やすだけだ。

 

残念ながら、こちらには一撃必殺はなく、スピーディーな攻撃を得意とする奴ばかりだ。

 

そう困っていると、先程の黄色い鎧の子はこちらに近づいてきた。

 

「お願いします。

一緒にノイズを止めるのを手伝ってください」

 

「お前、何を言っている?

俺はさっきまでお前にも銃を向けていた怪盗だぜ、そんな奴相手にわざわざ強力を頼むか?」

 

「はい、だってさっきからノイズからすぐに逃げられるのに、ずっとノイズを攻撃している。

それって、ライブ会場にいる人達を守りたいからじゃないんですか?」

 

「ただの自己満足だったら、どうする?」

 

「それでも、今は協力してください!!

私は皆を助けたいんです!!」

 

その一言はまったくの嘘は感じられず、まっすぐと見るその瞳に嘘はなかった。

 

「手はあるのか?」

 

「奥の手が。

でも発動には時間が」

 

「その時間は稼いでやるよ」

 

「良いんですか?」

 

「なかなか面白そうだからな。

偽善でも、実際に人を助けようとする気持ちがあるんだったら、俺はそれを信用しているぜ」

 

「っありがとうございます」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーを持つ。

 

「おい、ブルー、イエロー。

あの気持ち悪い奴を止めるぞ、すぐにダイヤルファイターを出すぞ」

 

「本気か?」

 

「あぁ本気だ。

ああいう真っすぐな奴、見ていて協力したくなったからな

 

「お前はまったく。

いいだろう、乗ってやろう」

 

そう言い、VSチェンジャーを操作する。

 

【【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】】

 

【レ・レ・レ・レーッド!】

 

【ブ・ブ・ブ・ブルー!】

 

【イ・イ・イ・イエロー!】

 

その音声はVSチェンジャーを押すと、VSチェンジャーからそれぞれのファイターが巨大化し、俺達はそれに乗り、空へに飛び、様々な方向から奇妙な奴に向けて攻撃を行っていく。

 

なるべく威力の低い攻撃を中心に時間稼ぎを行い、会場にいる一般人への被害を最小限にして、先程の子達の様子を見てみると

 

「あれって、さっきまで空を飛んでいた飛行機っ!!」

 

「一体何者なんだ、彼らは」

 

「そんな事よりもさっさとやるぞ」

 

そんな会話をする三人を見ていると、三人は手を繋いぐと、三人を中心にして光の柱が現れ、大量にいた奴らを一気に消滅させた。

 

やがてそれは先程の子の拳に光が集まり、先程の奴らの中心部だと思われる奴に向けて拳を放った。

 

俺はその光景を眺めながら、俺と黄色い子の視線が交わり、その目の奥から見えたのは、何か不安な様子が見えた。

 

「今はまだな」

 

それでも、これからが期待できるような気がして、俺はそのままレッドダイヤルファイターをそこから飛び去った。

 

「さて、面倒な事になったな」

 

俺はそう言いながら、欠片を見つめながら飛ばす。

 

そうして、戦いを終え、俺は学校に教室へと入っていくと

 

「はぁ、本当に呪われているかなぁ」

 

その言葉が聞こえ、見てみると、そこにいたのは先日の黄色い鎧の子がいた。

 

「あっクラスメイトだったのか」

 

以外な繋がりに驚くが、愁一が言っていた意味はこれなのかもしれない。」



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予告状10 潜入の潜水艦

「雪音クリスに風鳴 翼、そして立花響」

 

あのライブの事件から数日が経ち、俺達はあの場で戦った人物について詳しく知る為に調査を続け、それらの情報を整理する為に目の前に広がっている資料をあさっていた。

 

彼女達が身に纏っていたのは世界各地の伝説に登場する武器の欠片が歌に反応し、鎧として彼女達が身に纏うのをシンフォギアと呼ぶらしい。

 

シンフォギアは主に人を灰に変える災害であるノイズと戦うのを目的にしているが、俺達はこの世界に住んでいる間にはノイズという情報は一切なかったはずだが、クラスメイトは勿論の事、世間はノイズを一般常識のように知っている為、彼女達は最近融合された世界の一部だと分かる。

 

「とりあえずは知りたい事はなんとかできたな」

 

俺はそう言い、目の前の資料を基に戻したが、それと同時に周りから聞こえる警報音から、こちらの存在が気づかれたと思ったのだが

 

「そこまでです」

 

後ろのドアが開き、振り向くと銃をこちらに向けている男性がいた。

 

見た感じ、普通のスーツを着ている人物でイケメンだが、その身に感じるのは常人を超えた能力を持っているが、特典を持っていない事から転生者ではない事が分かる。

 

「おいおい、少し知りたい事があったから、立ち寄っただけだよ。

すぐに出ていくからよ」

 

「それを言って、わざわざ通すとでも」

 

「まぁそうだよな」

 

そう言いながら俺はとりあえずはVSチェンジャーをくるくると回しながら考えていると、それと同時にVSチェンジャーを見て、彼はこちらに銃を撃ったが、銃弾は俺の横を通りぬけた

 

「おい、いきなり撃つなんて、ひどくっ!!」

 

俺はそう言い、走ろうと思ったが身体はまったく動かず、振り替えるとそこには銃弾によって打ち抜かれた跡しかない。

 

「悪いですが、ここで大人しくしてもらいますよ」

 

「いきなり人外かよ。

面白い技を使うな」

 

「まったくじゃ、見ていて、驚いたぞ」

 

「っ!!!」

 

その言葉と共に影の中に潜んでいた忍は銃弾を弾き飛ばしながら、出てくる。その様子を見て驚いた表情が見えた。

 

「あやつ影の中に銃弾を撃ち込んで、動きを止めよった。

わし外さなかったら、動く事ができなじかったぞ」

 

「そうか、種は分かったけど、油断はできそうにないしな」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーで打ち、その場から避けると同時に俺は壁走りを行いながら逃げていくが、後ろから迫ってくる青年はある意味恐ろしいな。

 

そう逃げている内に出口の近くに逃げ込んだと思ったが

 

「なるほど、君が噂の怪盗か」

 

出口前に立っていたのは赤毛の人がいたが

 

「おいおい、シンフォギア以外にも確かめたが、ここには化け物揃いかよ」

 

これまでも転生者相手に戦ってきたが、目の前にいる奴は特典もないのに上位に位置する程の実力を持っているのが丸わかりだ。

 

「さて、君達には聞きたい事があるのだが」

 

「いやぁ、それはそれは人気者でつらい所だけど、俺達って秘密主義だからね。

正体隠してというのは無理だろ」

 

「そうだな。

俺達自身も君達がフィーネに関係している可能性があるからな」

 

「フィーネか」

 

確か会場にいたマリアが名乗った組織の名前だが、それ以上の意味を秘めていると判断できる。

 

「まぁそれは君を捕まえたから決めさせてもらう」

 

「悪いな、俺達も掴まる訳にはいかないからな」

 

俺はその一言と共に懐からダイヤルファイターを取り出し、VSチェンジャーにセットする。

 

「ふっ!!」

 

その様子を見ると同時にこちらに向けて接近してきたが、その動きは俺達よりも早く、変身を行っていたら危なかった。

 

「ほぅ、そんな物があるとはな」

 

接近と同時に俺は懐からバックルを取り出し、近くの壁にワイヤーを張り付けさせ、一気にそこまで移動すると同時に外へのドアを無理矢理に開かせると同時に俺はゴーカイファイターをセットし、

 

【0・5・5】

 

「それでは、アドゥー」

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!

ゴ・ゴ・ゴ・ゴーカイ!!】

 

俺はその音声と同時にゴーカイファイターを召喚し、俺は潜水艦からゴーカイファイターに乗り込み、潜水艦から離れ、海の中から出てくる。

 

「さてっと、これで終わりという訳ではないよな」

 

そう思っている内にゴーカイファイターのレーダーには潜水艦からミサイルが一つ、こちらに接近しているのが確認できたが、そこにはなぜか人が乗っていた。

 

「えぇ、ミサイルに乗ってかよ」

 

「つぐづく面白い相手じゃな。

どれ、お前様が相手してやれよ」

 

「やれやれ、本当に」

 

俺はそう言い、忍に操縦を任せると同時に俺はゴーカイファイターの上に乗り、目の前に降り立った、シンフォギアを身に纏う一人である雪音クリスと対峙する。

 

「よぉ追い付いたぜ!!」

 

「いやぁ、こんな可愛い子に追いかけられるとは光栄だな。

だけど、俺も予定があるから、すぐに行かなきゃいけないんだよなぁ」

 

「つれねぇ事を言うなよ。

こっちは興味深々なんだからよぉ!!」

 

そう言うと共にこちらに向けて、イチイバルであるボーガンをこちらに向けるが、俺もそれに合わせるようにVSチェンジャーにレッドダイヤルファイターをセットし

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ!】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

「ふっさて、行きますか!!」

 

俺はその一言でVSチェンジャーを手に持ちながら、接近すると、それを見越したように次々と矢がこちら襲ってくるが、それでも避けるのは容易な大きさだ。

 

「これは取り上げるぜ」

 

俺はそのままルパンソードのマジックハンドの部分でイチイバルの武器を奪おうとしたが

 

「それで収まるかなぁ!!」

 

「えっ」

 

その一言と共にボーガンだったはずの武器は、変形し、先程とはまったく別物と思えるようなガトリング砲へと変わり、思わず落としてしまう。

 

「まっマジでっ!!」

 

それに驚きながらも、俺はルパンソードを手に放し、その場から離れて、ガトリング砲から火花が放ち、俺を追うように銃弾が襲い掛かってくる。

 

「おいおい、駄目だろ。

そんな危険な物を持っていたら」

 

「お前らが言うか、こんなのを持っていて」

 

「まぁ確かに」

 

それを言われたら言い返せないが、とにかくはガトリング砲から出る銃弾は厄介な為に、俺はなんとか避けていたが、これ以上は限界だ。

 

「「へっ?」」

 

そんな戦闘の最中、突然床が動いたと思い、地面を見ると、そこにはゴーカイファイターはなく、代わりに海が広がっていた。

 

「おい、これはどういう事だ」

 

俺はその返答ができず、ゴーカイファイターの操縦席を向くと目を回している忍の姿がいた。

 

「ちっ、こうなったら!!」

 

俺達はそのまま海へと落ちていき、俺はすぐにVSチェンジャーを操作を行う。

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】

 

「おい、海に落ちたくないんだったら、捕まれ!!」

 

「くっ分かったよ」

 

【レ・レ・レ・レーッド!】

 

その音声と共にレッドダイヤルファイターを召喚し、近くにいたクリスを捕まえ、飛ぶ。

 

だがその際に、コックピット内は揺れる為に俺の方に寄りかかったクリスの胸が押し付けらえてしまう。

 

「っ!!!」

 

俺はそれに驚くが、まずは攻撃をされないように近くの浜辺により、彼女を降ろして、すぐにその場から離れる。

 

「・・・・あっしまった!!」

 

そのような声が後ろから聞こえたが、その頃には俺は遠く離れていた。

 

 



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予告状11 吹雪の決戦

この世界の現在の状況について、重要な事として、シンフォギア、精霊と言った内容を集める事ができ、それ以外にも多くの情報を集める事ができ、おそらくどれも世界を揺るがすだけの情報が多く集まっている。

 

「おい、少しやばい事になっているぞ」

 

「うわぁ寒っ!!

なにが起こっているんだ!!」

 

俺はいきなり入ってきたソーマに反応しながらも、外に出てみると、外の景色は異常な程の雪景色になっていた。

 

「まさか転生特典の暴走か?」

 

「そうではなさそうだ」

 

ソーマはそう言うと手元にあるパッドを操作すると、パッドに表示された情報は何かが移動していた。

 

「これは?」

 

「フラクシスという所にハッキングした所、この現象は精霊の仕業らしい。

だけど気になるのは、この映像だ」

 

そう言い、操作していくと、精霊と戦っている隊員の一人が精霊によって壁に叩きつけられたが、同時に纏っていた機械の鎧が膨張していき、その姿はまるで恐竜へと変わっていた。

 

「まさか、転生特典か!!」

 

「あぁ、どうやら記憶を無くしているようだからな、特典が命の危機を察知して、暴走したんだろうな」

 

「だったら、早く止めないとな」

 

「まったく寒いのは苦手なのに」

 

そう言い、忍はかなりの量のコートを着ている状態で降りてきたが

 

「いや、ルパンレンジャーに変身したら、あまり意味はなくない」

 

「解除した瞬間地獄じゃろ!!」

 

「はぁ」

 

俺はそう言いながらも、ルパンレンジャーに変身し、現場に向かって走っていくと、現場では暴走していた転生特典の前になぜか士道が立っていた。

 

転生特典は士道に襲い掛かろうと、その手を振り下ろそうとしていた。

 

「まったく、放っておけないぜ!!」

 

俺はその一言と共に、バックルを取り出し士道に向けると、バックルのワイヤーは士道を捕らえ、こちらまでに引き寄せた。

 

「なっ、一体」

 

「よう、少年。

また会ったな」

 

「えっお前は確かルパンレッド!!」

 

こちらの顔を見ると、驚いたのかすぐに離れたが、俺達も士道に構っている暇はなく、VSチェンジャーを暴走した転生特典に狙いを澄ませた。

 

「ここは危ないから、さっさと避難しろ。

こいつは俺達の獲物だ」

 

「そんな事を言われても、この先には四糸乃が」

 

「四糸乃?」

 

既にこの場にいる住人はあの吹雪によって避難しているはずだが、そのような人物がいるとは思えない。

 

「その子はあとで俺達が探すから、お前は「無理だ」なに?」

 

「四糸乃はあそこにいる。

助ける為にも、俺が行かなきゃ」

 

「現実から言って、なんの力も持たないお前何をしたって無駄だ」

 

「だからって、えっ?」

 

そう反論しようとすると、突然耳元を抑えると、何かうなずき始め、士道は耳に付けていたインカムをこちらに渡した。

 

「なんだ?」

 

「いや、分からないけど、琴里が渡せって」

 

「誰だ、それ?」

 

俺は疑問に思いながらも、インカムを受け取り、耳元に付けた。

 

『初めまして、怪盗戦隊ルパンレンジャーさん。

私ラタトスク所属の司令官、五河 琴里よ』

 

「へぇ、それで何の話をしたいんだ?」

 

『単刀直入に言うと私達に協力してくれないかしら?』

 

「いきなり何を言うかと思えば、なんで俺達がそんな事をしなくちゃいけない」

 

『この事態において、協力する事が一番被害を少なくする方法だからよ』

 

「それで、ここにいる少年一人で、何ができる?」

 

『吹雪を止める事ができる』

 

「冗談もいい加減にしろよ」

 

『本気よ。

でもこの状況をどうにかするには、目の前にいる奴をどうにかしないといけないわ』

 

「それで、俺達がどうにかして欲しいという訳か」

 

『えぇ、あなたの目的はあの寅ならばね』

 

「悪いが断る。

俺達はわざわざ自殺しようとする奴の手助けなんか「自殺なんてしねぇよ」へぇ」

 

俺と向こうの司令官の話を聞いていたのか、士道は大きく声をあげて言った。

 

「俺は絶対に四糸乃を助ける。

だけど死ぬつもりなんてねぇよ」

 

「だったら、ここで俺に殺されてみるか?」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーを士道の額に押さえつけた。

 

「俺は引かねぇよ!」

 

「それは死んでも良いって事か?」

 

「そんな事は言っていない!!

だけど、ここで引き下がる気もない!!」

 

「我儘な奴だな」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーを離し、くるくると手元で回しながら考える。

 

士道があれをどうにかできるとは考えにくいが、ここまで大きな組織が自殺を支援するとは思えないし、彼の目の奥にある決意は確かに本物なので、嘘をついているとは思えない、

 

だとすれば、賭けてみるのも悪くない。

 

「分かったよ、お前をあの吹雪まで送る。

ただし、その後は俺達はあいつを倒す事しかしない」

 

「あぁ、それだけで良い」

 

「はぁ面倒な事を引き受けてしまったな」

 

俺はそう言いながらも、隣にいるソーマはそれに対しては賛成なのか頷き、忍もあくびをしながら了承した。

 

「それじゃあ、さっさと仕事を終わらせるか」

 

俺達はその言葉と共にVSチェンジャーを操作を行う。

 

【【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】】

 

【レ・レ・レ・レーッド!】

 

【ブ・ブ・ブ・ブルー!】

 

【イ・イ・イ・イエロー!】

 

その音声はVSチェンジャーを押すと、VSチェンジャーからそれぞれのファイターが巨大化する。

 

「ほら、乗れ」

 

「あぁ、サンキュー!!」

 

それと同時に士道も俺のレッドダイヤルファイターに乗り込んだ。

 

「飛ばすぜ、捕まれ!!」

 

「おう!!」

 

ルパンカイザーに乗り込んだ俺達は目の前にいる暴走した転生特典に対峙しながらも、直接戦うのではなく、まずは士道を送り届ける事を目的に飛び始めた。

 

こちらを掴もうと巨大な手をこちらを狙うが、ソーマが狙いを合わせてガトリング砲を撃ち、忍がバズソーを奴の目元を狙った攻撃で、こちらから注意を離れた瞬間を狙い、俺は奴の足元を通り抜け、一気に吹雪の前まで接近した。

 

「こっからはお前の仕事だ」

 

「ありがとうな」

 

「礼はまた今度の機会だ」

 

俺はそのまま士道を降ろした後、再度転生特典へと向かうと途中、背後から近づくのを見ると

 

「グッドストライカー」

 

「グッドストライカー、ぶらっと参上!

なかなか面白そうな事をしているじゃないかよ」

 

「そうだな、いいから手伝え」

 

「機械使い荒いねぇ、まぁそこを気に入っているからな。

怪盗ガッタイム」

 

その音と共に俺達のダイヤルファイターは変形し、グッドストライカーと合体していく。

 

「完成、ルパンカイザー」

 

ルパンカイザーへと変身完了すると同時に改めて見た特典の姿は、身体のほとんどが機械でできていたが、黒い恐竜のようになって、立ちはだかっていた。

 

「さぁ行くぜ!!

お前のお宝、頂くぜ!!」

 

それと同時にレバーを操作し、ルパンカイザーは空を飛び、奴に向けて飛び、左腕に装備されているバズソーを回しながら、接近戦を挑むも、奴の纏っている装甲は想像以上の装甲でダメージを与えられない。

 

「くっ」

 

奴はそのまま左腕を掴もうとするが、スピードはそれ程ないので、俺は右腕のガトリング砲で牽制しながら、離れていくが、変わらずダメージを与える事ができずにいた。

 

そして奴はこちらが離れるのを見計らったように口にエネルギーを溜め始めた。

 

ここからでは攻撃が間に合わないと思い、俺はそのまま地上に滑るように降り立つと同時に宙へと舞うと奴はそのまま空に向け、口を開くと、口から巨大ビームが放たれ、俺達に襲い掛かる。

 

「ぐぅ!!」

 

レーザーの威力は凄まじく、少しでも近づこうと思えば焼かれてしまう程の高熱を放っており、避けるだけでも一苦労だった。

 

やがてレーザーを撃ち終えたのか、口を閉じたが、再度打つ為にエネルギーを溜め始めた。

 

「奴め、暴走したから自身の限界を超えた攻撃を簡単に行えるのか」

 

「このままだと危険じゃな」

 

「だとしても、俺達の武器が通じなきゃ「武器だったらあるぜ」なっ!!」

 

俺達が話していると、俺の前がいきなり開くとそこから出てきたのはまるでグッドストライカーを模した人形がそこから現れた。

 

「お前達には話していなかったけど、このルパンカイザーには必殺武器があるぜ」

 

「本当なのか?」

 

「こんな時に嘘はつかないさ」

 

「はぁ信用してやるか」

 

「OK、それじゃあ、セットされているVSチェンジャーを出しな」

 

俺達はそのまま指示に従い、VSチェンジャーを構えると、ルパンカイザーの上に巨大なVSチェンジャーが現れた。

 

「へぇこんなのがあるとはな」

 

そう驚いていると、こちらに向けて再度転生特典がこちらに攻撃を仕掛けようとしたが、こちらもそれに合わせてVSチェンジャーを構えた。

 

「「「「はぁっ!!」」」」

 

その声と同時VSチェンジャーからエネルギー弾を発射し、敵もそれを消すようにビームを出した。

 

エネルギー球は容易にビームの中へと消えていったが

 

「まだまだ弾は残っているぜ!!」

 

俺達は再度引き金を引くと続々エネルギー弾が連射されていき、そのビームは徐々にだが押されていき、ついにはビームは分散された。

 

「グッドストライカー連射 倒れちまえショット」

 

その技名を叫ぶと共に転生特典は次々にエネルギー弾が当たっていき、ついには限界を迎えた転生特典は最後の叫び声と共に、地に倒れ爆散する。

 

そして転生特典を回収すると共に、地面には気絶して転生者だけが残っていた。

 

「さて、それじゃあ、アドゥー」

 

その一言と共にその場から去ると、背後には吹雪は止んでいた。

 

「どうやら成功したらしいな」



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予告状12 手を繋ぐ怪盗

その日の食事はソーマや忍とは別に近くにある店に入った。

 

「兄ちゃん、ここら辺では見ない顔だね?」

 

「最近越してきたので」

 

「へぇ、だったら少しサービスしちゃうよ」

 

「ありがとうございます」

 

そう言い、おばちゃんはお好み焼きの上に肉を追加してくれた。

 

この店はなかなか当たりだったかもしれない、そう思っていると

 

「おばちゃん!

お好み焼きを一つ」

 

「あら、今日は一人かい?」

 

「うん、未来は少し用事があってね。

あれ、もしかして雨宮君?」

 

「君は、立花さん?」

 

店に入ってきたのはシンフォギアを持っている一人である立花響がここにいた。

 

「そうだよ、あぁ私の事は響で良いよ!

それにしても偶然だよね」

 

「あぁ、本当に偶然だな」

 

俺はそう言いながらも響は隣の席に座った。

 

「どうした、なんだか疲れた様子だけど」

 

「そっそんな事ないよ!」

 

「そうなのか?」

 

そう疑問に思いながらも、表情を見る限りは無理矢理笑顔にしている感じが見え、何か悩んでいる事でもあるだろうか。

 

というよりも心当たりとしては例のフィーネ関係だろうが。

 

「ねぇ雨宮君はさ、怪盗戦隊って知っている」

 

なぜ、その話題が出てくるんだ?

 

「また、急になんで」

 

「あっいや、少し前にたまたま見かけたの。

その時に人助けをしていたのを見てね、何を盗んでいるのも分からないし、本当に悪い人なのかなと思って」

 

どうやら、フィーネもそうだが、俺達の事についても悩んでいたらしい。

 

本人の前だからと言っているのかと、思ったがこの感じは違う。

 

「さぁな、怪盗だから、何か盗んでいるんじゃない?」

 

「確かにそうかもしれなけど、話合えば分かり合えるかもしれないし

 

「それは本人達に言わないと分からないからな。

もしかしたら、誰にも話せない秘密があるんじゃないかな」

 

そう、俺達の正体を知るという事は、転生者の戦いに巻き込むことだ。

 

そんな事に彼女達を巻き込みたくない。

 

「どうすれば」

 

そんな響の悩み声とは別に何か落とす音が聞こえ、見ると、お好み焼きを焼いていた人が道具を落としていた。

 

「おばちゃん、どうしたの?」

 

様子が可笑しかったのか、響は声をかけようとしたが

 

「危ない!」

 

俺はその人から感じた殺気に気づき、俺は急いで響を抱えて避けると、そこには人とは思えない程の怪力によってひび割れていた机だった。

 

「おばちゃん?」

 

「とにかく逃げるぞ!!」

 

俺は呆けている響の手を繋ぎ、走り出すと、その後を追ってきた。

 

「一体どうして、あんな事するはずがないのに」

 

「一瞬だけ見たけど、あの人の目、とても正気じゃなかったからな。

何かに操られているんだろうな」

 

「操られているって」

 

「分からない、とりあえずは俺達には何もできないから逃げるしかないな」

 

周りを見渡すが、この時間では当たり前の人影すらない。

 

なんとか近くの建物に隠れるが、状況は悪化するばかりだった。

 

「響、ここは俺が囮になる」

 

「何を言っているの!!」

 

「誰かがこの事を知らせないと、もっと被害が広がるし、あの人を助ける事もできない」

 

そう言うと、後ろから大きな音がして、振り替えると既にこちらまでに迫っていた。

 

「とにかく頼むぞ!!」

 

そう言い、俺は響を押して、そのままおばちゃんの元へと走った。

 

「おぉーい、こっちだ。

こっちに来やがれ!!」

 

その言葉に反応し、おばちゃんはこちらに視線を向けると、そのまま襲い掛かってきた。

 

そして視線から外れ、響から隠れる位置に走りこむと同時に俺はあらためておばちゃんの様子を伺った。

 

見ている限りではおばちゃんの目は正気というよりも気を失っているのに近い感じだ。

 

「だったら、どこかに本体があるはず」

 

俺はそう言いながら、おばちゃんから逃げていき、周りに人影もないのを確認すると共にVSチェンジャーを取り出し、おばちゃんの近くにあるごみ箱などを狙い撃つ。

 

「ぐぅ」

 

それに怯んだのを見ると共に即座にダイヤルファイターを取り出し、VSチェンジャーにセットする。

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ!】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

俺はその言葉と共に、腰にあるバックルを取り出し、おばちゃんの近くに跳び、ワイヤーを使い、おばちゃんの動きを止めた。

 

「さて、おばちゃんから特典の欠片は感じるから、近くにいるのは確実だがっ!」

 

そう予想している間に背後から感じる殺気に気づき、俺は後ろを振り返るとそこには

 

「動くな」

 

振り替えると、そこに立っていたのはパトレンジャーの三人に加えて、新しく入ったのか青色の髪の女の子がいた。

 

「こんな時に」

 

「そこにいるのが転生者だな。

怪盗に転生特典を奪われる前に確保するぞ」

 

「なっ」

 

転生特典を盗み行動を行っていたら、確実にパトレンジャーに捕まってしまう。

 

「行くぞ」

 

その言葉と共にパトレンジャーの二人はVSチェンジャーで牽制を行い、赤い奴はその手に持っている武器で、青い髪の子はその手でこちらに攻撃してきた。

 

「おいおい、危ないだろうが!!」

 

俺はそう言い、おばちゃんをワイヤーで縛ったままで片手で抱えて、その攻撃から避けた。

 

数での圧倒的な不利が多いが、その場から逃げ出したくとも、その攻撃から逃げるのにも困難な状況になってしまう。

 

「大人しく掴まれ!!」

 

「嫌だね!

俺は決めたんだよ、最後まで生きるのも助けるのも辞めないってな」

 

「何を言ってんだ!

俺達はただ転生者達を更生させているだけだっつうの!!」

 

「そんな事はお前達がやりたい事だろ。

生きるのを無駄にしたくないんだよ!!」

 

俺はそう言うが、おばちゃんは暴れ続けていた為、VSチェンジャーの攻撃がおばちゃんに当たりそうになった。

 

「ぐぅ!!」

 

俺はなんとか身を翻して、攻撃を受け止めるが、ダメージは大きく、壁に叩きつけられる。

 

「そこまでだ、怪盗」

 

そのまま赤いパトレンジャーはこちらにVSチェンジャーを構えた。

 

絶体絶命だと思った、次の瞬間

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

どこからか歌声が聞こえると共に俺の目の前に迫っていたパトレンジャーの攻撃がぶれたと思った次の瞬間、俺は何時の間にか別の場所に立っていた。

 

「えっ?」

 

「大丈夫ですか、怪盗さん」

 

その言葉が聞こえ、振り向くと、そこにはシンフォギアを纏った響がいた。

 

「大丈夫って、お前、なんで俺を助けた?」

 

「えぇっと、なんていうか、助けたいと思ったから」

 

「はぁ」

 

「それにおばちゃんを必死に助けよとしていたあなたを信じたいと思ったからです」

 

「そんな事で」

 

「そんな事でです」

 

そう言い、俺は頭を掻きながらも、目の前にいるのは確実に馬鹿だという事を、そして何よりも

 

「俺と同じような奴か」

 

「?」

 

「なんでもない、それよりも、あいつらはこの人の事を転生者と勘違いして襲ったんだろうな」

 

俺はそう言いながら、おばちゃんの身体にダイヤルファイターを取り付けて、特典の排出を試みた。

 

「転生者?」

 

「説明はあとだ。

とりあえずはこの人を操っている大元の特典を奪ないと、危険だしな」

 

「えっ?」

 

そう言うとダイヤルファイターは特典の居場所が分かったのか、動き始めた。

 

「こっちか」

 

俺はそう言い見ると、そこにはこちらの様子を伺っている人影がいた。

 

「えっ」

 

「さて、俺はこれから盗みに行く。

お前は「関わります」だから、俺と協力する意味が分かっているのか?

あいつらはおそらくは別の世界から来た組織の警察だ、そいつらに敵対するっていう事は世界を敵に回すという意味だぞ」

 

「えぇ、だけど人を簡単に傷つけようとした警察の人よりも、誰かの為に動く、あなたの方がずっと信用できます」

 

「お前」

 

「良いんじゃないの?」

 

「「えっ」」

 

突然人の声が聞こえ、振り向くとそこには何時の間にか赤い忍者服を着た青年がいた。

 

「誰?」

 

「おぉ、俺の名前は伊賀崎 天晴だ。

よろしくな」

 

「はっはぁ」

 

「それよりも、お前ら熱いなぁ!!

二人共、人を助けたいと思っている気持ちは同じだからな」

 

「そっそうなのか」

 

「そうですよ!!」

 

「そうか」

 

そう二人の気迫に押されて、思わず空返事してしまうが、確かにな。

 

「そうだよな、人を助けれるんだったら、それで良いか」

 

「怪盗さん!!」

 

この子だったら、信用できるかもしれない。

 

「怪盗じゃない」

 

そう言い、俺はVSチェンジャーの変身機能を解除する。

 

「雨宮だ」

 

「えっ、えぇぇ!!

雨宮君」

 

「おぉ正体ばらしても良いのか?」

 

「どうせいつかばれると思ったしな。

だけど、他の奴らには余り言いふらすなよ」

 

「えっと、でも」

 

「まぁ響さんの周りは信用できるけど、その上が信用できないからな。

しばらくは秘密で頼むよ」

 

「はっはい」

 

「それじゃあ、あいつらもばれそうだし、いっちょ派手に行くぜ」

 

「あぁ」

 

俺はそう言い、再びVSチェンジャーにレッドダイヤルファイターをセットした。

 

すると隣にいる伊賀埼さんもその手に武器を持っていた。

 

【アカニンジャーシュリケン!!】 【ザ・変化!】【ニンニンニン、ニンニンニニン!】

 

【レッド】 【0・1・0】 【マスカレイズ!】

 

「怪盗チェンジ!!」「手裏剣変化!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

【アカジャー、ニンジャー!】

 

その音声と共に俺の姿は再びルパンレッドに、伊賀埼さんはゴーカイ先輩が変身していた姿の一つであるニンニンジャーの姿だった。

 

「へっ変身した!!」

 

「ニン先輩でしたか」

 

「ニン先輩、なんだか、熱いなぁ!!

行くぜ、後輩!!」

 

「はい!!」

 

俺達はそれと同時にビルの下にいるパトレンジャー達がいるのを眺めながら、それぞれの自己紹介し始めた。

 

「ルパンレッド」

 

「暴れてアッパレ!アカニンジャ!」

 

「えっと、立花響!!」

 

「それじゃあ、お宝頂くぜ!!」

 

「忍どころか、暴れるぜ!!」

 

俺達はその言葉と共に壁走りをしながら、パトレンジャー達に接近すると同時に響は青い髪の子に、ニン先輩は緑とピンク色のパトレンジャーに、俺は再び赤いパトレンジャーと激突した。

 

「お前、まだ諦めていなかったのか」

 

「残念ながら、俺は諦めが悪いからな」

 

そう言い、ルパンソードを取り出し、攻撃を仕掛けていき、向こうも同じように接近戦で応戦していきながら、周りの状況を確認していくと、再びこちらの様子を伺っている転生者の影が見えた。

 

「見つけたぜ」

 

「見つけた?」

 

「なるほど、そういう事か」

 

その言葉に気づいたのか、ニン先輩は身体を二人の攻撃を受け止めながらも懐から何かを取り出すと

 

「手裏剣忍法!

霧隠れの術」

 

【ザ・技!じゃぶじゃぶじゃー!めらめらじゃー!ニンジャー!】

 

そう鳴り響くと共にニン先輩の刀から、水が溢れると共に、炎を纏った刀で水を切り裂くと、そこから霧となる。

 

「そこだ!!」

 

俺はその隙に転生者の近くまで接近すると

 

「なっ」

 

「あんたのお宝、頂くぜ!!」

 

その言葉と共にレッドダイヤルファイターを転生者に付けると、転生者の身体から光が出てきて、そのまま俺の手に転生特典が収まった。

 

「おっお前!!

俺の特典を」

 

「それじゃあ、お宝を貰ったぜ」

 

「へっやったな。

それじゃあ、これも受け取れ!!」

 

そう言うとニン先輩の身体は光り輝き、そのまま俺の手元に行くと、そこには鳳凰を思わせるファイターがあった。

 

「あぁ使わせてもらうぜ」

 

俺はそのままVSチェンジャーに新たなファイターをセットし、ダイヤルを回した。

 

【2・1・0】

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】

 

【二・二・二・ニンジャー】

 

その音声と共にVSチェンジャーから鳳凰のような飛行機が現れると、俺はそのままそのファイターに乗ると

 

「乗れ」

 

「はっはい!!」

 

俺の言葉に従い、響はファイターに乗った。

 

「追うぞ!!」

 

その声が聞こえ、振り向くと、あちらも対抗してか、車に既に乗っていた。

 

「行くぜ、怪盗忍法、分身の術」

 

「えっできるの」

 

「なんとなく」

 

そう言うと共にファイターが少し揺れると共に左右にはまるで分身したようなファイターが現れた。

 

「えっ本当にした」

 

「さすがニン先輩だぜ!

飛ばすぜ!!!」

 

俺はそのまま引き金を引くと既に音速を超えたスピードで飛び、背後には分身を追っているパトレンジャーの姿だけだった。

 

しばらくファイターを動かし、追いかけてこないであろう森の中に入ると共に再び響と向かい合った。

 

「えっと、雨宮君がその、ルパンレッドなの」

 

「あぁ、そうだ」

 

「それじゃあ、転生者や特典ってなんなの?」

 

「そうだな、道中でそこらへんの説明するわ」

 

俺はそう言い、響と共に町へと戻る際中に転生者について、そして特典の事についての説明を行った。

 

「それだったら、さっきは戦ったけど、パトレンジャーの人達は一体」

 

「あいつらは更生と言って、転生者を再び転生させる」

 

「それって、この世界から」

 

「あぁ存在自体がなくなる。

あいつらが言うには無力感と罪悪感に押しつぶされて、破滅よりはましだってよ」

 

「そんな事ないよ」

 

そう言うと響の様子は一段と変わった。

 

「ねぇ、やっぱり協力する事は「悪いが少し待ってくれ」えっ?」

 

「俺はともかく、ブルーもイエローも完全に信用できていないからな。

おっさんはどうか分からないけど、とりあえずは響達と一緒に戦うのは本当に今は」

 

「そうだよね」

 

そう言い、少し落ち込んでいたが、少しして顔をあげて、こちらに手を差し出した。

 

「んっ」

 

「えっ」

 

「でも、一緒に手を取り合える事はできるよね」

 

「ははっ、さあな。

俺達の邪魔をしなければな」

 

「人助けだったら、思いっきり手伝うから」

 

「そうだな」

 

そう言い、俺は響と握手した。

 

この時の選択肢は決して間違いではないと信じて。



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予告状13 二つの青

その日、俺はとある場所に向かっていた。

 

多くの奴らが死んだというライブ会場において、俺が探している奴の目撃情報があると聞いたが、それはどうやら外れだったらしい。

 

だが、ライブ会場には既に俺以外に誰かいたようだ。

 

「君は」

 

「・・・」

 

目の前にいる青い髪の奴は確かシンフォギアを纏う奴の一人である風鳴翼だったか。

 

なぜこのような場所にいるのか疑問に思ったが、俺はそのような事を気にするつもりはないので、会場にある椅子の一つに座った。

 

そんな俺を見つめてか、風鳴は近くにあった椅子に座った。

 

「君も、ここで大切な人を無くしたのか?」

 

「なぜそんな事を聞く」

 

「君の目からそんな感じがしたからだ」

 

「いや、俺はただ探しているだけだ」

 

「そうか」

 

ただ少しだけの会話で、初めて会っての会話とは思えないが、俺は周りにある会場の様子を眺めた。

 

2年前に起こったノイズによる厄災により、ライブに来ていた客の大半は死亡してしまったという事件、それは風鳴にも大きく関わりがあるだろう。

 

そのような悲惨的なライブ会場で俺達はただ静寂な場所で、共にその場で眺めているだけだった。

 

だが、そのような静寂な時間はすぐに去った。

 

「がアァァァぁ!!」

 

「「っ!!」」

 

突然鳴り響く獣の声に俺達は上を見ると、そこにはおよそ人とは違う赤い獅子のような巨大な獣の姿で、尾は無数の蛇を持つ怪物がいた。

 

「なっ、まさかあれは鵺か」

 

「知っているのか?」

 

「あぁ、妖怪の一種で様々な動物の特徴を持っているが、まさか存在したとは」

 

そう言っているが、実際には鵺ではなく、妖怪のような特典を得た転生者が暴走したと考えれば良いだろう。

 

「君はここから逃げたまえ」

 

「何を言っているんだ?」

 

「人を守るのが私の役目だからな、とにかく走るんだ!!」

 

そう言うと共に風鳴は走り出した。

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

その声と共に、その姿はシンフォギアを纏い、鵺と立ち向かった。

 

ここでは変身も難しいと思い、俺は風鳴の言うように立ち去ろうとしたが

 

「くっ!!」

 

鵺の風鳴の死角を多く狙い、さらには俺への被害を考えてか、風鳴の動きは余り良くなかった。

 

「はぁ」

 

俺はそんな姿を見て、一緒に戦っている馬鹿の事を思い出す。

 

奴はルパンレンジャーになった事で知り合ったのだが、自身がルパンレンジャーになった目的である復讐をも忘れ、目の前にいる人を助ける事に命を賭けるようになっていた。

 

そんな行動が多く、俺はある日、あいつに復讐を忘れたのか尋ねたが

 

「忘れた訳ではない。

だけど、それ以上に俺と同じ思いをさせたくないというのが本音だ」

 

そんな、自身の痛みを他人に受けたくないという思いで動ける奴に俺は

 

「俺も馬鹿が移ったようだな」

 

俺はそう言いながら、懐からVSチェンジャーを取り出し、ブルーダイヤルファイターをセットする。

 

【ブルー】

 

【2・6・0】

 

【マスカレイズ】

 

「それは」

 

「怪盗チェンジ」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

その音声と共に俺はルパンブルーに変身し、目の前にいた鵺に攻撃を仕掛ける。

 

「君がルパンレンジャーだとは」

 

「さあな、俺はただ単に目の前にいる奴から宝を奪うだけだからな」

 

「宝だと?」

 

「あいつは人間だよ」

 

「なにっ!!」

 

そう言い、鵺をあらためて見つめた。

 

「見た目もそうだが、現在はあいつが持っている物が暴走を引き起こしている。

それを止めるには、あいつから宝を盗むしかない」

 

「その話には嘘はなさそうだな」

 

「なぜ、嘘じゃないと思った?」

 

「ふっ直感だ」

 

「変わった直感だな」

 

俺はそう言いながらも、VSチェンジャーを構えた。

 

「私が隙を作る。

その間に回収はできるか」

 

「ふっ」

 

俺はそう言いながらも風鳴の言葉に従うように俺は鵺に向けてVSチェンジャーを撃っていき、牽制していき、狙いをこちらに向けた所で俺は様々な方向を動きながら攻撃を続けた。

 

幾つにも別れた蛇がこちらに襲い掛かってくるが、その前に風鳴が宙に舞うと同時に青いエネルギー剣を鵺に向けて放った。

 

「千ノ落涙」

 

それにより蛇は切り裂かれ、俺は直接叩き込むように鵺の頭に打ち込んでいき、さらには片手に持ったルパンソードに自身のオラクル細胞を籠めると同時にルパンソードの刀身に溜めると同時に放った。

 

「チャージクラッシュ」

 

その言葉と共に振り下ろした一撃は鵺に効き、巨体は倒れた。

 

「今だ、影縫い!」

 

その言葉と共に、鵺の影に風鳴の懐から取り出した小刀を出し、鵺の影に投げると、先程まで動き回っていた鵺はピタリっと動きを止めた。

 

「なるほど、動きを止めるとは、そういう意味だったか。

ならば」

 

俺はその間にブルーダイヤルファイターを鵺に触れさせると、鵺の身体は光始め、その身体から転生特典である光が出てきた。

 

そして特典を無くし、代わりに小さな子供が寝ていた。

 

「子供が」

 

「おそらくは特典を制御できなかったんだろう」

 

「お前達が集めているのは、まさかそれの事だったか」

 

「あぁ、ならば俺と戦うか」

 

その一言と共にVSチェンジャーを風鳴に向けるが

 

「いや、辞めておこう。

君と戦う理由は特になさそうだからな」

 

「なに?」

 

「君はこの子や私を助ける為に戦ったんだろ。

ならば、私はそんな君を信じたくなってきた」

 

「後悔する事になるぞ」

 

「後悔ならば何度もした。

だが、それでも信じてみたいんだ、立花のようにな」

 

「お前も、誰かに影響されたのか」

 

そう言い、俺はVSチェンジャーを下した。

 

「ソーマ・シックザール」

 

「えっ?」

 

「俺の名前だ」

 

それだけ言うとその場でブルーダイヤルファイターを呼び出し、その場から去った。



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予告状14 吸血鬼の悪態

儂はその日、大好物であるドーナツの食べ放題ができる店からの帰り道だった。

 

「ふむ、あやつは確か」

 

帰り道で見かけたのは、何かを見つめているシンフォギア装者の一人である雪音クリスだった。

 

「何をしておる?」

 

「わぁっ!!」

 

儂が話しかけると、驚いたのか、飛び上がったが、儂はそんな雪音を怪しく思い、見つめていた。

 

「いや、別に、なんもねぇよ」

 

「ふぅん」

 

そう言いながら、儂は雪音の後ろを見ると何やら人形が大量に置かれている店だった。

 

「なるほどのぅ、可愛い奴が好きがばれたくないという感じじゃな」

 

「なっ別にそんな訳ないだろ!

というよりも、お前こそどうしたんだ、まさか迷子か」

 

そう雪音は先程よりも慌てた様子だったが、すぐに落ち着いたのかこちらを心配そうに見つめたが

 

「はっ」

 

「なっ!!」

 

それに対して儂は鼻で笑うと、雪音の表情はさらに驚きの顔をしていたが

 

「儂はそんな年ではないからな。

それに赤面していたお主に言われたくないからな」

 

「こっこのガキぃ、言わしておけば」

「ほぅやるのか、乳だけでかい、チビが」

 

どうもこやつの事はこの前の連に抱き着かれたのを見て以来、なぜだがむかつくからな。

 

そう思っていると、後ろの店から何が近づくのが見えたので、儂はとりあえずは雪音を足払いし、儂もしゃがみ込んだ。

 

「なっなにをしやがっ」

 

そう言ったが、その後ろには店のレンガが壊れる音がし、振り返り驚いた表情をしていた。

 

「なるほど、こやつを狙った転生者か」

 

そう言い、儂は立ち上がり、見てみるとそこに立っていたのはマフィアを思わせる恰好をした男だった。

 

「ちっ餓鬼の始末にはそれほどかかりそうにないと思ったんだがな」

 

「ほぅという事はお主は始めから雪音クリスを狙ったという事か?」

 

「いいや、俺の狙いは貴様だ、吸血鬼」

 

「ほぅ儂の正体を知っているとはな、まぁ良い、相手になってやる」

 

「なにをやっている、さっさと逃げろ!!」

 

そう言い、雪音は儂を守るように前に出ようとしたが

 

「逃げる?

あいにく、儂が獲物を逃すとでも」

 

「獲物?」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に儂は懐からVSチェンジャーを取り出し、イエローダイヤルファイターを取り出した。

 

「それは」

 

「ふっサービスタイムじゃよ。

怪盗チェンジ」

 

【イエロー】

 

【1・1・6】

 

【マスカレイズ】

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!】

 

その音声と共に儂の姿はルパンレンジャーに変身し、目の前にいる奴を見つめる。

 

「まさか、お前が」

 

「ルパンイエローじゃよ。

お前は下がっていろ、シンフォギア装者」

 

「私の事を知っているのかよ!?」

 

「あの時にレッドに抱えられた赤面の顔が印象的だったからな」

 

「お前、あの時に船を操っていた奴か!!」

 

「そういう事じゃ、お前程度では私の手助けにもならないからな」

 

その言葉と共に、儂は目の前にいる転生者に向かって走った。

 

奴の武器は見た限りでは手に持つ拳銃だが、その威力を見る限りはこちらのVSチェンジャーを大きく上回っている。

 

だが

 

「儂には特に問題ようだがな」

 

そう言いながら、儂はこちらに向けて放つ攻撃を避け、その手にルパンソードを持ち構え、切り裂く。

 

「ふっ!」

 

「なっ」

 

だが奴は手に持っていた武器を手放し、素手でルパンソードを受け止めたが、その手は先程まで放たれた銃と同じ色をしており、こちらの攻撃をいとも簡単に受け止めていた。

 

それにより動きを止められ、儂の腹を蹴り飛ばした。

 

「ぐっ!!」

 

「所詮はその程度か。

貴様を殺して、さっさと金を受け取るか」

 

儂は先程の攻撃のダメージが回復されず、動けない状態で再びこちらに向けて攻撃を放とうとしていた。

 

「Killiter Ichaival tron」

 

「ちぃ」

 

その声が聞こえると共に、奴は後ろへと飛び、儂が見えたのは赤いシンフォギアを纏った雪音クリスがいた。

 

「何を邪魔をしている、儂の邪魔をして」

 

「うるせぇな。

別にてめぇの為じゃないよ。

あいつがいたら、ここにいる人達に被害がでるから出てきただけだ。

それに」

 

「お前の所の赤い奴には借りがあるからな」

 

「ふっそうかよ。

ではさっさと終わらせるとするか」

 

「ちぃ、調子に乗るなよ、屑がぁ!!」

 

その言葉と共に奴は銃を手に持ち、先程よりも巨大なエネルギーが銃へと集まっていき、銃から巨大なエネルギーが集まっていた。

 

「ふっならばこちらもな」

 

そう言い、VSチェンジャーを取り出すと、雨宮から借りたゴーカイファイターを取り出し、VSチェンジャーにセットする。

 

【0・5・5!

ゴーゴー・ゴーカイジャー】

 

その音声と共にVSチェンジャーからゴーカイファイターを模したバズーカ砲が出てきた。

 

儂はそのバズーカ砲の上に、丁度ダイヤルファイターをセットする事ができるのに気づいた。

 

「ダイヤルファイターセット」

 

【イエローチャージ】

 

その音声と共にバズーカ砲にエネルギーが溜まり始めた。

 

「なっなんだよ、そのでっかいのは」

 

「何、巨大なエネルギーには巨大なエネルギーをな」

 

「そういう事じゃない!!

周りの被害を考えろって「残念ながら、儂はそういうのは昔から苦手なんじゃよ」あぁもう、面倒な奴だな!!」

 

その言葉と共に雪音は手に持ったボウガンで奴に向けて放ち始めた。

 

「はぁ、なんだそのノロい攻撃は!!」

 

そう馬鹿にすると共に奴は跳びながら攻撃を避けていき、空中へと飛んだ。

 

「お前も案外、頭が良いんだな」

 

空中ならば被害を考えずに放てるという訳か。

 

儂はすぐに走り抜け、奴の真下に行くと同時にバズーカを奴に向けて、引き金を引いた。

 

 

「喰らえ!!」

 

【ライジングストライク】

 

それと同時にバズーカ砲からゴーカイファイター型のエネルギー弾を奴に向けて放った。

 

「くそぉ!!」

 

それに対抗するように奴も巨大なエネルギーをこちらに向けて放ったが、先程までの行動で集中力を削がれていたのか、威力はそれ程大きくなく、決着はすぐについた。

 

「があぁ!!」

 

エネルギー弾が当たり、奴はそのまま地面へと叩き落ちそうになったが、儂は片手を突き出し、奴を受け止める。

 

「がはぁ」

 

最も、ダメージは意外と高かったようだがな。

 

「さて、貰うとするか」

 

そう言い、儂はイエローダイヤルファイターを奴に付けると、特典が身体が抜け出し、手には特典がある。

 

「なんだ、それは」

 

「ふっお前に教える道理はない」

 

「なっ待てよ!!」

 

「なんじゃ、まだ用があるのか?」

 

「お前達は一体何を目的にしているんだ?」

 

「さぁ」

 

「はぁ!!」

 

「なんだって、儂は儂の目的の為に動いているからな」

 

「目的って」

 

「それこそお前に教える道理はない、それじゃあな」

 

そう言い、儂はダイヤルファイターを召喚し、そのまま飛び去って行った。



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予告状15 特典を使いし英雄

響との出会いから数日の時が経った。

 

あれから二人に話したが、なんと二人とも、同じくシンフォギア奏者に出会っており、正体がばれてしまったらしい。

 

そして俺達が出た答えと言えば、保留となってしまった。

 

協力を行うのは良いが、現在の特典の回収を優先しなければならない為、それらを解決した後に交渉する事になった。

 

そして、それらが無事に終わり、休日という事もあって、俺は響を探す為に町の中を歩いていた時に

 

「ノイズだとっ!!」

 

その警報が鳴り響き、俺は近くにノイズがあると分かると同時に走り出し、その手にVSチェンジャーとダイヤルファイターをセットした。

 

【レッド!】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイド!】

 

「この音は!!」

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】

 

その音声と共に俺は走り抜けて、目の前にあったのは響と同じくシンフォギアを纏った緑とピンクのシンフォギアを纏った子達だった。

 

「ルパンレッド!!」

 

「この状況で、ルパンレンジャー!」

 

「状況が一気に不利になりすぎるデス!!」

 

俺の登場によって、周りは様々な反応をしていく中で、一人だけ異様な雰囲気を出している白衣の男に注意を向けてしまう。

 

「情報は聞いている。

お前らがノイズを操っているんだったら、その手段を奪わせてもらう」

 

「どうやら、状況はこちらが不利ですね。

2対2とはいえ、こちらが圧倒的に不利。

だが、英雄になる為に行う事はただ一つ!!」

 

その言葉と共に、後ろにいた白衣の男は懐から何かを取り出した。

 

「調ぇ!!」

 

「えっ」

 

その言葉と共に緑色の子はピンク色の子を吹き飛ばすと、ウィル博士は手元にあった何かを押し付けると、緑色の子は突然苦しみだすと共に、その姿は大きく変わっていく。

 

その身に纏っていたシンフォギアはより禍々しく変化していき、顔には白い仮面が付けられて、その姿はまるでケンタウロスのようになっていた。

 

「きりちゃん」

 

「このような結果になりましたか、なかなか興味深い事ですね」

 

「ドクター、きりちゃんに何をした!!」

 

「何をとは、ただ力を与えただけですよ」

 

そう言い、ドクターと呼ばれる人物が手に取ったのは

 

「特典!!」

 

「それって、確か雨宮君が集めていたという」

 

「ほぅ、君もこれを集めていたのですか。

なかなかに興味深いのが多いですよこれは。

そうですか、なるほど、これからは特典と呼ばせてもらいましょうか」

 

「いいから、答えろ!!

それをどうやって、手に入れた!!」

 

「そうだよ、特典って、確か転生者が持っていて、魂に定着して取れないはず」

 

「えっそんなの、簡単な事じゃないですか。

別に魂があれば問題ないのですから」

 

「てめぇまさか」

 

「そんな事よりも良いのですか、彼女を放っておいて」

 

「「っ!!」」

 

その言葉と同時に俺達はその場から離れると、緑の子が持っている巨大な槍がこちらに襲い掛かってきた為、俺達はその場から離れたが、槍が地面に当たった瞬間、地面は巨大な亀裂を作り出した。

 

「これは素晴らしい!!

特典一つでこれ程とは、これならば」

 

「きりちゃん?」

 

そう言い、ピンク色の子は暴走している子の元へと向かうが、それを敵と認識したのか、ピンク色の子を襲い掛かる

 

「調ちゃん、危ない!!」

 

「あぁ、もう!!

 

響はすぐにピンク色の子を助ける為に近づき、俺はVSチェンジャーで牽制を行いながら、ルパンソードで槍の方向を変えた。

 

完全に威力を消す事ができず、腕が痺れてしまったが、直撃を避ける事ができた。

 

「きりちゃんが、私の事が分からないなんて」

 

「特典の暴走だな。

あの野郎、無理矢理関係もない特典を付けさせるから、暴走してしまったんだな」

 

「きりちゃんを元に戻す方法があるの!!」

 

「あると言って、どうする。

さっきまで敵対していて、すぐに協力できるのか?」

 

「雨宮君!!」

 

「俺は最初からあいつを止めるつもりだが、お前はどうする?

これから行うのは、お前にとってはお前の組織に対する裏切りみたいな事だぞ?」

 

「大切な親友を助けられないで、世界は救えない」

 

「へぇ、面白い答えだな。

気に入った」

 

俺はそう言うと、その場を立ち止まり、懐から予告状のカードを博士に向けて投げた。

 

「なんですか、これは?」

 

「予告する、お前らの組織からこの子達を盗んで見せるってな」

 

「雨宮君」

 

「そういうブレイブ、なかなか良さそうじゃな」

 

そんな声が聞こえ、見てみると

 

「このパターンはまさかって、お爺ちゃん!!」

 

「儂の名前はドクター・ウルシェードじゃ。

よろしくね」

 

そう言ったのはこれまで力を貸してくれた先輩達よりも年上と思われる老人が親指を立てていた。

 

恰好からして研究者だと思うが、なんというか、目の前にいる奴とはほとんど正反対なドクターだな。

 

「さっきまで、人の気配なんて、なかったのに」

 

「なんだか、テンションが高そうなお爺ちゃんだね」

 

「それよりも、若者よ。

君は英雄になりたいと言ったが、今の行為が英雄と呼べるのか?」

 

「なに?」

 

「見せてもらったぞ。

町の破壊に、他人頼りの行動、さらには自意識過剰。

それではまるで悪者じゃないか」

 

「なっなんだとっ!!」

 

「貴様のような奴は、儂が懲らしめてやる!!

これが、儂の華麗なる変身を、ブレイブイン!!」

 

【ガブリンチョ!プレズオーン!!】

 

「海の勇者、キョウリュウバイオレット!!」

 

「まさか、すごい先輩だったのか!!」

 

「うむ、だが、困った」

 

「どうした?」

 

その雰囲気に思わず周りは固まってしまう。

 

「腰が動かない」

 

その瞬間、場にいた全員が一斉にこけたような気がした。

 

「そっそんなぁ!!」

 

「はぁ、なんですか、この茶番は。

良いから、さっさと終わらせてもらいます」

 

そう言うときりちゃんはこちらに襲い掛かってきた。

 

「あぁ、ちょっと、腰が無理だから、ダイゴっち、よろしく」

 

「ダイゴっち?」

 

「まったくしょうがないなぁ。

ガブティラ岩烈パンチ!!」

 

その言葉と共に、こちらに襲い掛かってきた所を背後から来た別の人影が現れ、きりちゃんを吹き飛ばした。

 

「こっ今度はなんだぁ!!」

 

「牙の勇者!

キョウリュウレッド!!」

 

「今度は赤いのが来た」

 

「おいおい、ドクター、無理するなよ」

 

「すっすまんな!

とりあえず、儂は先に戻っておくわ、すっすまんが、VSチェンジャーをこっちに近づけてくれないか」

 

「あっはい」

 

俺はそのまま近づけると、キョウリュウバイオレットはそのまま粒子となって、VSチェンジャーの中へと吸い込まれていった。

 

「さてっと、ドクターの代わりに俺が戦ってやるよ」

 

「お願いします。

キョウリュウ先輩!」

 

「おう、だったら、戦隊が揃ったら、あれをやるか!!」

 

「あれですね!!」

 

「よし、今度は準備してきました」

 

「あれ?」

 

「ルパンレッド!」

 

「牙の勇者!キョウリュウレッド!!」

 

「全力全開、立花響!」

 

「えっ、これは」

 

「ほら、調ちゃんも早く」

 

「えっ」

 

「「・・・」」

 

「・・・調」

 

「怪盗戦隊ルパンレンジャー!!」

 

「獣電戦隊キョウリュウジャー!!」

 

「これ、なに?」

 

「なんだか、お約束らしいよ」

 

「さぁお前のお宝、頂くぜ!」

 

「荒れるぜ!止めてみな!!」

 

その言葉と共に俺達は走り出すと、向こうもこちらに向けて槍を突き出してきた。

 

「はぁ!

ガブティラ岩烈パンチ!!」

 

「はああぁぁ!!」

 

その槍に対応するようにキョウリュウレッドと響はその槍を受け止めるように殴る。

 

パワーとパワーのぶつかりにより、地面は大きく割れ、互いを押し合っている状況を作り出した。

 

「きりちゃん、ごめん!!」

 

その言葉と共に調ちゃんの持つシンフォギアから出る小型の鋸が動きを封じ込めるように周りを囲み、それを逃げるように宙を飛んだ。

 

「今だ、行けぇ!」

 

その言葉と共に俺は走り出し、キョウリュウ先輩が俺の足に向けて殴ると、その分大きく宙に舞い、目の前にまで迫った。

 

「さぁ頂くぜ!」

 

俺はその一言と共にレッドダイヤルファイターをその子に翳すと共に身体は徐々に変化していき、その大きさが変わり、元の状態へと戻り、なんとか抱きかかえると共に地上へと降り立つ。

 

「きりちゃん!!」

 

俺が無事に降り立つと、調ちゃんはそのまま近づき、様子を伺った。

 

「ふむ、なるほど、なかなかに面白い状況になりましたね」

 

「そんなに余裕そうだが、俺が逃がすとでも?」

 

「逃げさせてもらいますよ。

私も英雄になる為にね」

 

その一言と共にドクターが取り出したのは

 

「まだ持っていたのかよ!!」

 

「えぇ、そしてこれが私自身で行う実験です!! 」

 

その一言と共に特典は無理矢理、その身に押しつけると共に、その姿は先程のドクターとはまったく違った姿へと変わっていた。

 

その姿はモスグリーンのタキシードを着ており、その表情は先程までとは違う穏やかな姿だった。

 

だが、そこから滲み出す狂気は先程よりも強烈な物へと変わっていた。

 

「なるほど、この特典と僕の相性はなかなか良いと見える。

特にこの知識は、なるほど、面白い。

これならば英雄など、簡単な事ですね」

 

そう言い、ドクターはどこかへと行こうとする。

 

「それでは、これで失礼するよ、ルパンレンジャー、そしてシンフォギア奏者の諸君。

次に会うのを楽しみにしているよ」

 

その言葉と共に、どこかへと消えていった。

 

「さっきのはなに?」

 

「さぁな、だが、これからどうなるのか、さっぱり分からない」

 

この世界の住人と転生特典の融合。

 

それが、これからの戦い何を起こすのか、俺達はまだ知らなかった。



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予告状16 もう一人の自分

あの戦いにおいて、俺はとりあえずは疲れ果てている調ちゃんと倒れているきりちゃんを連れて、喫茶店に戻る事にした。本当の所は響の所の基地に行きたかったが、調ちゃんはそれでは連いて行く事は不可能だと分かった。

 

その為、俺は彼女達が安心してもらう為に、二人を連れて、その場から離脱した。

 

それから数日の時が経ち、ドクターの行動だと思われる船の上でのテロを察知し、俺達はすぐにその場に向かった。

 

そこでは既に戦闘が行われていたのか、軍艦の上には

 

「お前はルパンレッド!!」

 

「よう、雪音さん。

遅くなってすまないな」

 

俺はそう言い、降り立つと共に周りを囲んできたノイズを打ち落としていきながら、挨拶する。

 

「別にそれは良いがよ、こいつらはもしかして」

 

「あぁ特典の力だよ。

どういう仕組みか分からないが、ネフィリムに特典を食わせたせいでとんでもない事になっているな」

 

そう周りを見渡すと、どういう仕組みか分からないが、体中が目玉で覆われている不気味な生物がノイズと共におり、こちらの動きに合わせて攻撃を仕掛けてくる。

 

「あいつらどうも、私達の攻撃を食っていやがるが、そちらの考えは」

 

「聞いた話ではネフィリムは確か聖遺物を食べて成長するんでしたよね。

だからドクターは特典をネフィリムに食べさせる事によって、分裂した個体を生み出す事ができたと思います」

 

「それじゃあ、こっちは私達を含めて合計5人で、どうにかなるのかよ」

 

そう返答すると共に

 

「Zeios igalima raizen tron」「Various shul shagana tron」

 

その歌声が聞こえ、雪音さんは驚いたのか、周りを見渡すと

 

「5人じゃない」

 

「7人デス!!」

 

その言葉と共に、こちらに迫っていたノイズは無数の鋸と鎌が襲い掛かり、その後に切歌ちゃんと調ちゃんが降り立った。

 

「お前ら、フィーネの」

 

「説得して、協力してもらっています」

 

「別に私達は私達の為に協力するだけ」

 

「その通りデス!」

 

「本当に大丈夫なのかよ」

 

「まぁそれでも、今の状況では、頼もしいですがっ!!」

 

そう言っていると何か降り注ぐと共に、見てみると、そこに現れたのは見た事のない紫色のシンフォギアを身に纏った誰かがいた。

 

「まさか新手?」

 

「でも、私達も知らない人デス」

 

「それじゃあ、一体」

 

「あの子は」

 

「知っているのか?」

 

「あのバカの親友の未来っていう子だ。

でも、なんでこんな所に」

 

そう会話している間にも、こちらに向けて顔は無表情で、そこには意思というのを感じられなかった。

 

「洗脳かよ」

 

「どこまで酷い事を」

 

「自分達が起こした後始末ぐらい、やる!!」

 

その言葉と共に調ちゃんと切歌ちゃんは一斉に未来ちゃんに攻撃を始めた。

 

二人の攻撃はこれまで見た中でもとても良い連携だが、未来ちゃんはその攻撃を軽く避けていき、その度に確実に攻撃を当てている。

 

「敵の動きを読み、勝手に身体を動くタイプか。

これは厄介だが、なんだ、それ以上に何か可笑しい?」

 

その疑問は少しずつだが、苦しい表情をしている二人を見ているが

 

「まさか、そういう事かよ!!」

 

その事に気づくと俺は二人の前に出て、ルパンソードを盾にして、攻撃を受け流した。

 

「二人共、さっさと離れろ。

これは思ったよりも厄介な攻撃だ」

 

「どういう事?」

 

「あの攻撃、どうやら俺達の持っている武器などに対して大きなダメージを与えてくる。

現に数発当たっただけでも、既に疲れ切っているじゃないか」

 

「それは」

 

「だからと言って、どうやった戦うんデスか!!

このまま見過ごせと言うのデスか!!」

 

「そうは言っていないよ、だけどなぁ」

 

あの子の雰囲気からしても操られているのは確定だ。

 

しかも身に纏っているシンフォギアを破壊するのはおそらくはNGだ。

 

対策を思いつく為にも

 

「時間稼ぎしかないか」

 

その言葉と共に俺はルパンレンジャーの変身を解除し、自身の顔につけている仮面に触れる。

 

「ぺ」

 

「何をしても無駄」

 

未来ちゃんはそのままこちらに迫り続けた。

 

「ル」

 

「雨宮君!!」

 

それと同時に潜水艦から出てきた響は俺の元に走ってきた。

 

「ソ」

 

「あれはまさか!!」

 

「ナ!!」

 

「久々に見る事になるとはな」

 

その言葉と同時に俺は仮面を外すと同時にこちらに迫ってきた紫色の光線は、俺を中心に現れた黒い炎によって、焼き尽くされ、背後からは黒い翼を身に纏ったタキシードを纏った人の形をした何かが現れた。

 

突然現れたそれに対して、正体を知っているソーマと忍以外の全員は突然現れた、それに対して驚いていた。

 

「それは一体」

 

「さぁ盗ませてもらう、アルセーヌ!!」

 

俺の言葉と共に俺の分身であるアルセーヌは飛び立つと、未来ちゃんはすぐにアルセーヌに向けて攻撃していくが、その攻撃は全てが無意味に終わった。

 

「あれは一体」

 

「ペルソナ、人の中にあるもう一人の自分が形となって現れた姿じゃ」

 

「ペルソナ?」

 

「雨宮はこの世界では数少ないペルソナ使い、その中でもさらに希少な存在であるワイルドを持つ存在だ」

 

「よくは分からないが、なぜあのペルソナは攻撃に当たらないんだ?」

 

「おそらくは、あのシンフォギアは魔を払う能力により、シンフォギアを始めとして、儂らの力に対しても天敵なんじゃろ。

だがペルソナは本来は誰にでも宿る、もう一人の自分じゃ」

 

「つまりは誰でも宿る可能性がある力は、あのシンフォギアには効かない訳だ」

 

「そんな理屈で良いのかよ」

 

「そんなの、儂が知る訳ないだろ」

 

そんな会話が続く中で、俺はアルセーヌを操りながら、未来ちゃんと戦っているが、そんな中で横で心臓に痛みがあるのか、座り込んでいる響がいた。

 

「未来」

 

「行け」

 

「えっ」

 

「あの子のやり方は合っているかどうかは分からないけど、お前を救おうと戦っているんだ。

だったら、あの子を救えるのは、響だけだ」

 

「雨宮君」

 

俺のアルセーヌは確かに未来ちゃんに対して戦って、倒せるが、彼女を助けるのが目的な以上、それはできない。

 

「雨宮君」

 

「なんだ?」

 

「後で絶対に助けてね」

 

その言葉が何を意味するのか、分からないが、その目は確実に覚悟した目だと分かる。

 

「・・・分かった」

 

「それじゃあ、行くよ!!」

 

その言葉と共に響は飛び立つと未来ちゃんに向かって行き、未来ちゃんはそれを打ち落とそうと攻撃を仕掛けるが、アルセーヌを使い、攻撃を無効化していきながら、響の援護に徹した。

 

「シンフォギアを壊す事ができるんだったら、この方法だって行けるはずだああぁぁ!!!」

 

その言葉と共に響は未来に体当たりし、方向転換すると、その先には未来ちゃんが放った攻撃を増大化する機械があり、響は未来と一緒に突っ込んだ。

 

「まったく、無茶をしやがる!!」

 

俺はその言葉と共に、VSチェンジャーを動かし、レッドダイヤルファイターを呼び出す。

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】

 

【レ・レ・レ・レーッド!】

 

その音声と共にレッドダイヤルファイターを飛ばし、俺は響達を受け止める。

 

二人共、先程の光線により気絶しているようだが、無事な様子だった。

 

「だけど、これはまずいな」

 

俺はそう言いながら、先程から海中から現れる巨大な遺跡を目にしながら、その場から飛び去った。




アルセーヌ
雨宮が持つペルソナ。
本来ならばパレスの中でしか実体化する事ができないが、様々な世界が融合した事により召喚が可能になった。
戦闘時には連携攻撃など様々な事が行えるが、体力を奪われやすい為、雨宮にとってアルセーヌは切り札の一つと数えている。
アルセーヌ以外にも様々なペルソナを所持している。


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予告状17 地球最後の歌

現在、新しく活動報告で転生者とゲストで出して欲しいスーパー戦隊のアンケートを行っています。
皆様の応募、心からお待ちしています。


緑色のスーツを着たドクターは目の前の光景に驚きを隠せなかった。

 

フロンティアの浮上から、ネフィリムの強化に成功し、自身も完全な英雄になる為の強化を終えて、あとは計画を着実に進められたはずだった。

 

だが目の前に起きているのは、自身の勢力のはずのシンフォギア達が敵となっており、シンフォギアを無くしたはずの少女がシンフォギアを纏い、ネフィリムを圧倒している光景だった。

 

「だがぁ!

そのネフィリムには僕の想定以上の力を備わっている。

そこに僕も加われれば!!」

 

「そんな事、させるかよ」

 

「っ!!」

 

誰もいないはずの空間に聞こえた声に、驚き、ドクターは振り返ると、そこに立っていたのはドクターが計画を進める上でシンフォギア以上の脅威になる存在だった

 

「お前達はっ!!」

 

その叫び声に対して、ルパンレッドは指を鳴らし、それに応える。

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!!」」」

 

そう名乗り、ドクターの怒りはさらに上りあがる。

 

自身の計画において、必要なネフィリムはシンフォギア達に、そして自身の目の前では邪魔な存在であるルパンレンジャーが立ちはだかっている。

 

「貴様らは、なぜそこまで僕の邪魔をする!!」

 

「そんなの簡単な理由じゃ、儂は貴様が気に入らない」

 

「はぁ」

 

「俺は人を探すのに、お前が邪魔だ」

 

「なっ」

 

「俺は響達を信じてるから、お前を止める為にここに来ている」

 

「なっなんだよ、それは、全員理由がバラバラじゃないか!!」

 

「当たり前じゃないか。

俺達は自分勝手にお宝を頂き、自分勝手に人助けをしている、ただの自己満足野郎だよ!!」

 

「そんな奴らが、僕に勝てるとでも!!」

 

「あぁ勝てるさ。

予告する、あんたのお宝、頂くぜ!!」

 

その言葉と同時にルパンレンジャーは走り出す。

 

「お前らのような奴は、英雄である僕に倒されるんだよぉ!!」

 

その一言と共に、ドクターの身体は徐々に変化し始め、そこには人の形を保っていながらも、全身の赤い目玉の怪物となって、襲い掛かってくる。

 

「死に晒せ!!」

その一言と共に、全身から煙を吐き出し、その煙はルパンレンジャーに近づくと共に爆発を起こし、襲い掛かってくる。

 

「へっ、厄介な能力な事だ」

 

その攻撃を見て、ルパンレンジャーは各々が取り出したのはルパンレッドがスーパー戦隊達から受け取ったダイヤルファイターがあり、各々がVSチェンジャーにセットする。

 

「さぁ、ここからはスーパー怪盗タイムだ!!」

 

「なんだか、長いな」

 

「だが、面白くて良いじゃないか」

 

「何を言っているんだぁ」

 

そう言い、再び煙を使い、襲い掛かろうとするが、ルパンブルーが先頭に立ち、その手に持っているニンニンジャーから受け取ったニンニンファイターをVSチェンジャーにセットし、引き金を引く。

 

その瞬間、VSチェンジャーから飛び出たのはスターニンジャーが使っていた武器であるギター型武器、スターソードガンが現れる。

 

ルパンブルーはそれを手に取ると同時にまるでギターを弾くように、スターソードガンに付いている手裏剣を回す。

 

その瞬間、ルパンブルーの周りから風が舞い、襲い掛かろうとしてきた煙を次々と吹き飛ばしていく。

 

「なぁ、悪魔の煙を飛ばしただと!!」

 

「油断大敵じゃ!!」

 

その一言と共にドクターが見上げた先にはルパンイエローは新たに取り出していた武器を地面に向けて突き刺した。

 

その瞬間、地面を通してドクターに向かって稲妻が走り、雷がドクターを襲い掛かる。

 

「がぁああああぁ!!」

 

「へっ、どうじゃ、なかなか効くじゃろ」

 

そう言い、ルパンイエローの持っている武器はキョウリュウゴールドが使う武器であるザンダーサンダーであった。

 

「さぁとどめは任せたぞ、レッド!!」

 

「ぐぅ!!」

 

その一言でドクターは全ての目玉をレッドの方向へと向くとレッドの手には虹色に輝いているゴーカイシルバーの武器であるゴーカイスピアを回していた。

 

「さぁ、最後だ、ど派手に決めるぜ!!」

 

その一言と共にレッドはゴーカイスピアを宙に飛ばし、片方の手に持っていたVSチェンジャーをドクターに向けて放つと同時に跳び、ゴーカイスピアを掴む。

 

「ルパンコンビネーション・ラッシュ!!」

 

その言葉と共にルパンレッドはVSチェンジャーの銃弾と一体になるようにドクターに突っ込み、一瞬の動きでドクターの背後に立つ。

 

最後の一撃を受けたドクターの姿は徐々に元の人の姿へと戻っていき、緑のタクシードではなく、白衣へと戻っていた。

 

「そっそんなぁ、僕の、僕の伝説がぁ!!」

 

叫ぶドクターは空しく、地面に膝を付き、ルパンレッドはゴーカイスピアの先にある特典を盗み出す。

 

「どうやら、響達は無事に終えたらしいな」

 

俺は画面の向こうにいる響達の活躍を見て、一安心する。

 

「こうなったら、僕が英雄にならない世界なんてぇ!!」

 

そう叫びながら、近くの機械を操作したドクター。

 

「貴様、何をした!!」

 

「なに、簡単な命令を出しただけですよ。

僕はネフィリムにフロンティアのエネルギーを吸収し、爆発しろってね。

そうすれば、この世界はあっという間に消滅するさ」

 

そう言い終えるとドクターは狂ったように笑い出した。

 

だが、そんなドクターの横を通り過ぎ、機械を破壊する男がいた。

 

「なっ!!」

 

「これで、もう命令する事はできないな」

 

その男は風鳴源十郎、シンフォギア奏者達の所属している二課の司令官であり、現在のルパンレンジャーにおいて、最大の協力者でもある。

 

「ここは俺に任せて、君達は響君達を頼めるか?

俺もすぐにドクターを連れて、脱出する」

 

「何を言ってぐぅ!!」

 

ドクターがそれ以上反論しようとするが、源十郎はすぐに気絶し、ドクターを抱え込んだ。

 

「どうやら、もう一仕事だな」

 

「できるのか?」

 

「俺達に盗めない物はない。

世界の危機だって、盗んでやるぜ!!」

 

「ふっ頼むぞ、ルパンレンジャー」

 

「あぁ」

 

ルパンレッドはそれに応えると共に宙に向けてVSチェンジャーを放つと、そこから徐々に巨大になるゴーカイファイター、ニンニンファイター、そしてキョウリュウジャーから受け取った、ガブティラに似せて作られたキョウリュウファイターが空を飛ぶ。

 

「グッドストライカー、ぶらっと参上!

今日は結構スペシャルだから、上げていくぜ怪盗ガッタイム」

 

その一言と共にグッドストライカーの姿は大きく変わり、中央にはゴーカイファイターが装着され、右手には赤い忍者を思わせる巨大な刀を持ち、左手にはガブティラの口は大きく開き銃口になる。

 

「完成!スーパールパンカイザー!!」

 

その言葉と共にスーパールパンカイザーは銃口を暴走したネフィリムに向けた放った。

 

「なっなんデスかぁ!

あの巨大ロボットはぁ!!」

 

「待たせたな、皆!」

 

「えっ雨宮君!」

 

「おいおい、怪盗って、どんだけ隠し玉を持っていやがるんだよ」

 

「それよりも、こいつをどうする?

正直、倒すと呼ばそうだが」

 

「既に手は打ってある。

あそこに」

 

そうマリアが指を指した方には、こことは別の空間に繋がっている穴が開いていた。

 

「なるほど、あそこに飛ばせば良いんだな!!」

 

その一言と共に理解するとスーパールパンカイザーの肩にシンフォギア達は乗ると一気にネフィリムに接近する。

 

襲い掛かるネフィリムの触手はスーパールパンカイザーの持つ手裏剣とシンフォギア奏者達の武器が切り裂いていく。

 

そして一気に接近した所で、スーパールパンカイザーはネフィリムを蹴り続き、空間近くまで行くと一気には離れる。

 

「とどめだ」

 

その一言と共にスーパールパンカイザーの胸部が大砲に変形し、それに合わせシンフォギア奏者達の装甲が大砲に装着し、狙いはネフィリムに向ける。

 

「「「「「「「「「行けえぇぇぇ!!!」」」」」」」」

 

そして、その場にいた全員が叫ぶと同時に大砲からは虹色のエネルギーがネフィリムへと打ち込まれ、強烈な攻撃はネフィリムをすぐに空間へと叩きつけられる。

 

「っ早く入れ!!」

 

ルパンレッドは危機を感じたのか、すぐに叫ぶと、シンフォギア奏者達の近くに入り口が開かれ、全員がその中へと入るとスーパールパンカイザーは一気に急降下し、その場から離れる。

 

次の瞬間、閉じられた空間が響く程の爆発が起こる。

 

スーパールパンカイザーの内部に入っていた事により、全員が無事だったが、彼らが目撃したのはそれ以上の光景だった。

 

「あれって、何!?」

 

スーパールパンカイザーのカメラから映し出されたのは確かに地球があったが、無数の地球が近づく光景だった。

 

「まさか、多次元融合!?」

 



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予告状18 変化した地球は

あの戦いから数日の時が経った。

 

あれから響達が所属している二課では、あの次元融合によって起きた変化の調査に協力してくれた。

 

次元融合は通常ならば、融合した世界の常識が無理矢理塗り変わるはずだったが、あの時は7億人の絶唱によるエネルギーを受けたスーパールパンカイザーの影響なのか、響達を初めとしたシンフォギア奏者の他にも潜水艦にいた職員達にはその影響が出ていなかった。

 

そのおかげで、世界での変化についてが素早く対応する事ができ、前回の世界には存在しなかった事も多くが判明した。

 

例えば四国にはこれまで聞いた事のない神樹というのを信仰する文化が根深くあり、裏の社会では二課に所属している緒川さんのような忍が盛んに存在しているなど、前の世界では考えられないような出来事が多くあった。

 

その中でも最も影響が大きかったのはこれまで発見されていなかった聖遺物が、今回の次元融合の影響で、別の世界からか、それともエネルギーに反応したのか、データベースに数多く出現していた。

 

「それが、ここなのか」

 

現在の俺達はあくまでも響を初めとしてシンフォギア奏者達や弦十郎さんを初めとした信頼できる二課とは協力体制にある為、聖遺物の発見を手伝う事にしたが

 

「まさか、ここまで厄介な事になっているとは」

 

俺達は近くにある物陰に隠れて、相手の様子を伺う。

 

相手はパトレンジャー達は勿論の事だが、前回にはいなかった管理局の魔導士達5人が周囲の探索を行っていた。

 

その中でも一人は群を抜いた力を感じ、冷や汗が止まらない。

 

「あれがお前らの言っていたパトレンジャーか、結構お前達に似ているな」

 

「まぁ、俺達の使っている、VSチェンジャーを使っているからな。

にしてもあいつら、本格的に管理局と手を組んだな」

 

「にしても、いきなり別世界に来て、聖遺物を狙うとはね」

 

「あいつらにとっては危険だと考えての行動だろうな。

それに、融合した世界ってのも危険だからと言って、手を出そうとはな考えないと思うけど」

 

「向こうが勝手にルールを押しつけるんだったら、こっちのルールも押し通すとするかのう」

 

そう言い、二課から渡されたインカムからオペレーターである藤尭さんや、友里さんからの連絡が来る。

 

「皆、聞こえる?

今から作戦について、もう一度確認するけど、目的はターゲットである自律型完全聖遺物、ゴライアスの確保および破壊。

道中では管理局から派遣された魔導士5人にパトレンジャーの3人が妨害してくる可能性があると思われます」

 

あらためて聞くが、なかなかハードな作成だな。

 

「皆と力を合わせれば、平気へっちゃら!!」

 

その言葉に俺達は頷くと、差し出された手を重ねると同時に走り出し、俺は懐から取り出した道具をクリスに渡す。

 

「怪盗、それにロストギア所持者が接近してきた!!」

 

こちらの接近に気づき、全員が一斉にこちらを向いたが、全員はこちらを見た瞬間、驚いた表情で見ていた。

 

「パーティ開始は盛り上がって行くぜ!!」

 

なぜならば背後には巨大なミサイルを幾つも召喚していいるクリスがおり、その言葉と同時にクリスはミサイルを一気に放つ。

 

「打ち落とすしかなさそうだな!!

その間に接近するパトレンジャー達を頼む!!」

 

その言葉と共に、パトレンジャーを含め、遠距離攻撃が可能な戦闘員は全員がミサイルに向けて攻撃を仕掛けてきた。

 

そして残った接近戦を得意とする二人はルパンレンジャーに攻撃を仕掛けるが

 

「残念ながら、外れだ!!!」

 

俺がその言葉を言うと同時に、ミサイルに姿を変えていた俺達は変装を解除し、飛び上がると同時に攻撃を避けた。

 

「ルパンレンジャーが増えただとっ!!」

 

そう思っていると、接近していたルパンレンジャーは膨れ上がり、そこに現れたのはクリスが放ったミサイルと同型の物だった。

 

「こっちが偽物、きゃあぁ!!」

 

ミサイルが爆発すると同時に攻撃してしまった魔導士は爆発に巻き込まれ、近くの壁に叩き込まれる。

 

「やっぱり、便利だな、イメージガムは」

 

怪盗としては変装道具としては便利だが、ルパンレンジャーの時は口が開かないから膨らませる事はできないが、響達ならば、ガムを噛む事ができるので、こうした作戦も簡単に行う事ができる。

 

「だとしたら、このシンフォギアも」

 

「残念ながら、こちらは偽物ではない!!」

 

その言葉と共に翼さんは通り過ぎ様に刀を振り上げると、オレンジ色の髪の魔導士は急ぎ銃に魔力刃を生やし、対応する。

 

「ぐぅ、さすがに接近戦は苦手ね!」

 

「ティアナさん!!」

 

その言葉と共にピンク色の髪の子が叫ぶと同時に背後にいた竜が翼さん達に向けてはなっていった。

 

「まさか、このような手があるとはな」

 

「だが、狙い通りだ!!」

 

その言葉の通り、俺達は4人を通り過ぎると同時にパトレンジャーと最後の一人の魔導士の近くまで接近していた。

 

「だけど、まだ甘い!」

 

その言葉と共に魔導士が放ったのは30発ぐらいはある魔弾がこちらに襲い掛かってくる。

 

「はああぁぁ!!」

 

だが、その前に響が自身に巻き付いているマフラーを回転させると、それは巨大なドリルとなり、俺達を覆うと共に走り出す。

 

マフラーは高速に回転し、魔弾を打ち落とした。

 

「けど、隙を見せたなぁ」

 

その声が聞こえ、見ると、響の姿は何時の間にかシンフォギアが解除されていた。

 

「えっ?」

 

「残念、俺の奥の手があるんだよ」

 

おそらくはパトレンジャーも転生者だとは思っていたが、こんな力だとはな。

 

「まるで泥棒だな。

だけど、それがどうした」

 

俺はその一言と共に俺は自身の仮面を引き剥がすような動作と共に、背後から分身が現れる。

 

「ジャックフロスト!!」

 

その声と共に青い帽子を被った雪達磨が現れると、吹雪を出すと、パトレンジャー達の目隠しに成功する。

 

「返してもらうぜ、それは響のだ!」

 

俺は同時にパトレン一号の懐に近づくと、VSチェンジャーで撃つ。

 

「ぐぅ!!」

 

余りの衝撃で、ガングニールを手から離し、その隙に俺はガングニールを手に取ると

 

「響!」

 

「ありがとう、レッド!!」

 

その言葉と共に再びガングニールを纏う響。

 

ここで転生者だと確かめる為にも、この手を使ってみるか。

 

「ついでだ、貰うぜ、お前の特典」

 

その一言と共に俺はパトレン一号にダイヤルファイターを近づかせると、ダイヤルファイターの力によってパトレン一号の特典を奪い取った。

 

それに心配し、他のパトレンジャーがこちらに近づいてきたので、俺達は急いでその場から離れる。

 

奴の変身は未だに解除されていないので、VSチェンジャーは転生特典として認識されていないのか、それとも別の理由があるのか

 

「バン隊長、大丈夫ですか!!」

 

「身体は、大丈夫だ!

それよりも、反撃だ!」

 

そう言い、パトレン一号は再び響のシンフォギアを奪おうとしたが、

 

「何も取れない?」

 

「あんたのお宝、頂いたぜ」

 

俺はその一言と共に手の中にある特典を見せると、全員が驚いた顔で見ていた。

 

「まさか、あの一瞬で!!」

 

「怪盗だったら、一瞬あれば十分だ。

お巡りさんが泥棒のような能力を持っていたんじゃあ、駄目じゃないかよ」

 

「黙れ!

お前に、その能力を馬鹿にする権利はない、転生者!!」

 

「はぁ?」

 

「お前がさっき出したのはペルソナ。

そんな力を持っているのは転生者だろ」

 

「何を言うかと思えば、勘違いも良い加減にしろよ。

俺達と同じVSチェンジャーを使っているから、転生者の判断もできるかと思ったけど、とんだ期待外れだぜ」

 

「まさか」

 

「俺達は、正真正銘、転生していない人間だ」

 

「という事はまさか」

 

「そんな事はどうでも良いぜ。

とりあえずは、まずは一人目のお宝を頂いたし、本命はまだ、この先にっ!?」

 

そう言おうとしたが、突然地面が揺れ、何が起きているのか確認しようと思った瞬間、地面から何かがこちらに向けて攻撃してきたので、急いで避けると、そこに立っていたのは紫色の肌をしている恐竜のような奴が現れた。

 

「まさか、これがゴライアスなのか!!」

 

「ゴライアス?

まさかこれがロストギアなのか」

 

「なるほど、戦いに惹かれて来たか」

 

そう言っている間にもこちらに近づく、ゴライアス。

 

「今日もぶらっと参上、グットストライカー!

今日の気分は、怪盗だぜ」

 

「へぇ丁度良い、あれも手に入れるぜ!!」

 

俺はこちらの手に収まった、グッドストライカーを手に取ると、VSチェンジャーにセットする。

 

「ついでだ、恐竜にはキョウリュウ先輩の力だ!!」

 

【0・3・8】

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】

 

【キョ・キョ・キョウリュウジャー】

 

その音声と共に、キョウリュウファイターが現れ、上空に飛ぶ。

 

「さぁ盛り上がってきました、怪盗ガッタイム」

 

その一言と共に俺が召喚したキョウリュウファイターを左手に装着し、残りはレッドダイヤルファイターとブルーダイヤルファイターが合体する。

 

「完成、キョウリュウルパンカイザー!」

 

「あれ、なんで響達も!!」

 

「いやぁ、一回こういう巨大ロボットに乗ってみたくて」

 

「それに、地上に残っていたら、あいつらに狙われるだろ」

 

「まぁ良いか!

さぁ荒れるぜ、止めて見な!!」

 

その一言と共にゴライアスに接近し、殴るが、ゴライアスは見た目以上に硬く、容易く反撃してくる。

 

「だったら、こっちは砲台だ!!」

 

そう言い、キョウリュウファイターの口が開くと、そこから砲台が現れ、攻撃するも、ダメージを与えている様子はない。

 

「ちっどうすれば」

 

「翼さん、クリスちゃん。

なんだか聞こえない?」

 

「何を言っているんだ、お前ら、今は戦闘の音しか」

 

「いや、立花の言う通りだ。

これは音楽、なのか?」

 

「聞いた事のない歌だ。

だけど、自然と歌えるような気がする」

 

そう言い始めると共に響達は口を揃えて歌い始めた。

 

その歌声は、まるで地球に対する祈るような歌であり、聞いていると自然と落ち着く。

 

「キョウリュウファイターの目が変わった!?」

 

そのまま、キョウリュウファイターは先程よりも力強い叫びと共に放ったエネルギー弾は先程とは比べものにならない程、強力な物で、ゴライアスを吹き飛ばす。

 

「これは一体」

 

「さぁな、おそらくはキョウリュウジャーは意外にもシンフォギアと似て、歌の力で戦う戦士かもしれない。

だからこそ、響達にその歌を教えたんじゃろ」

 

「そうか、だったら、借りるぜ、響、翼さん、クリス!!」

 

それに答えるように歌声はさらに強くなり、キョウリュウファイターに赤いエネルギーが集い始めた。

 

彼女達の歌声に釣られるように、俺達も歌い始め、声が大きくなる度にエネルギーは大きくなり、ついには巨大なエネルギー球が完成する。

 

「行くぜ、とどめだ!!」

 

「ダイノソウル・フラッシュ!!」

 

それと共にゴライアスに向けて、狙い撃ちを行うと、ゴライアスはそのエネルギーに当たると、徐々にだが、その姿は小さくなっていく。

 

「これは?」

 

そうしていく内にゴライアスは身体を丸めて小さくなってしまう。

 

「はぁ、倒したと思ったら、なんか小さくなりやがった」

 

「まぁとりあえずは回収するか」

 

その一言と共にゴライアスを回収し、俺達はその場から飛び去った。

 

飛び去った後の後ろを見ると、パトレンジャー達と魔導士がこちらを見ていた。

 



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予告状19 四国での出会い

四国

 

今回の多次元融合において、大きい影響を与えた地の一つである。

 

調査に向かった職員の話によると、基本的な地理などは大きな変化は見られず、文化も現代にと変わらないのだが、気になる情報あ幾つも上がっている。

 

それは時代の数え方だが、ここでは西暦ではなく神歴と呼ばれる時代で今年で300年という年号である。

 

「だけど、やっぱり、街並みはそんなに変わりないようだけど」

 

俺は現在は調査の為に四国の中にある香川県の街並みを眺めているが、変わっている様子はなかった。

 

「なんだこの違和感は」

 

周りを見渡してもなんというか人の優しさが溢れているようが、何か感じる違和感がぬぐえなかった。

 

そう思っていると道の真ん中ではなぜか倒れた人が見えた。

 

「どうしたんだ!?」

 

俺は急いで駆け寄ると、声を出すのがやっとなのか、なんとか聞き取ったが

 

「おっお腹が減って、動けない」

 

「はい?」

 

その一言に俺は思わず呆れるように声を出してしまう。

 

「それだったら、近くの店に行って」

 

俺はそう言って、近くの店を探したが、違和感があった。

 

先程までは簡単に動けるはずだった足が重く感じて、一歩でも簡単に動く事ができない。

 

「身体に力が入らない」

 

俺はそう思っていると、懐から飴を出すが、その飴が地面に落ちると共に潰れ、その隙間からはなぜか灰が出てきた。

 

「空腹は恐ろしい。

身体に必要な栄養がなくなる状態を知らせるのが空腹であり、そしてついには栄養が無くなり、動かなくなる状態を飢餓と呼ぶ」

 

「誰だ?」

 

俺はどこからともなく聞こえてきた声に、俺は叫ぶと、そこに出てきたのは身の丈に合わないスーツを着ている少年がいた。

 

「あんたは?」

 

「ほら、これをやるよ。

ただし、10万円だがな」

 

「なっ」

 

そこから出したのはコンビニで売られているだろう安いパンだが

 

「おっ俺にくれっ!!

俺だったらもっと出す」

 

「いいや、私もだ」

 

「儂が」

 

そう言っていると、周りはそのパンの存在に気づいたのか、四つん這いになりながらも近づいてきた。

 

「まさか、てめぇ」

 

「ここまで気づくとはな、だが、それで何ができる?」

 

その言葉と共に奴を俺を蹴り飛ばす。

 

力はそれ程でもないが、身体に力が入らず、壁際まで吹き飛ばされた。

 

「情けない声を出すな。

別に構わないが、お前の持っているそれを頂くとするか」

 

「ぐぅ」

 

その言葉と共に俺の懐にあるVSチェンジャーを奪い取り、銃口をこちらに向けた。

 

「まぁ楽しませてもらったよ、偽善者」

 

そう言い、引き金を引こうとした瞬間だった。

 

「とりゃああ!!」

 

どこからともなく声が聞こえ、見ると赤色の髪の子が自分の持っている鞄を勢いよく投げた。

 

「くっ」

 

それによりVSチェンジャーを落とし、さらには俺の身体に覆うように倒れこんだ。

 

「これだったら」

 

俺は最後の力を振り絞り、懐から取り出したレッドダイヤルファイターを転生者に押し付けると、転生特典を盗む事に成功し、特典を懐に仕舞った。

 

「だっ大丈夫ですか!」

 

「あぁ、俺はなんとかな。

それよりも何か食べ物ないか?

ここら辺の人は全員餓死寸前だから」

 

「そっそんな事に!」

 

その子は急いで鞄から手作りなのかおにぎりを持って、近づいたが次の瞬間、何かが空間全体を包みこんだ。

 

「これは一体?」

 

突然起きた出来事に最初は別の転生者の仕業かと疑ったが、周りにはそんな気配もなく、結界が展開された感じがした。

 

「これって、樹海化現象!

でもなんで」

 

その現象に心当たりがあるのか、女の子は声を出して驚いているが、その前に俺は現状の確認を優先した。

 

先程の現象によって、どういう訳か周りにいた人はいなくなり、いるのは俺に襲ってきた転生者、そして彼女の三人だけとなっている。

 

その空間の周りには樹だけがあり、海の先には蠍のような何かと二つの人を腰の部分で合体させた形をした怪物がこちらに近づいてきた。

 

「へっ所詮はここで終わるのか」

 

そう言い奴は当たり前のように寝ころび、目の前の光景を見ていた。

 

「どうしたんですか?」

 

「お前のような能天気な奴では分からないだろうけどな。

人は所詮は一人なんだよ」

 

「そうかよ」

 

その言葉から、前世はあまり報われない人生を送っているようだが

 

「とりあえずは俺はお前の八つ当たりに付き合うつもりはない」

 

「八つ当たりだと、お前の何が分かる!!」

 

「知らん!」

 

「なっ」

 

「今日始めて会ったお前がどんな奴かなんて知らない。

だけどな過去を引きづって前に進まないといつまでも変わらない」

 

「何を言っているんだ、お前は」

 

「よく分かりませんが、とりあえずはこれを」

 

そう言い赤髪の子は転生者におにぎりを渡した。

 

「なんのつもりだ?」

 

「お腹を空いていたら、動く事もできません。

とりあえずは食べて、一緒に進みましょう」

 

「・・・」

 

その言葉に驚きを隠せなかったようだが、少しずつおにぎりを食べていると、目元は涙が溢れていた。

 

その少しの優しさは意外だが、少しだが転生者の心を動かしたようだ。

 

「どうやら、借りを返す時が来たみたいだな」

 

俺は赤い髪の子からもらったおにぎりを食べ、共に目の前にいる奴らを見る。

 

周りには人よりも遥かに大きな敵が3体いる。

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ!】

 

「丁度良いぜ、怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

「ルパンレッド」

 

「えっルパンレッドって、テレビで出ていた」

 

「ここは任せな。

まぁ後で聞きたい事はあるがな」

 

そう言い俺はまずはニンニンファイターを取り出し、VSチェンジャーをセットする。

 

【2・1・0】

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】

 

【二・二・二・ニンジャー】

 

その音声と共にVSチェンジャーから出てくるニンニンファイターを取り出し、とりあえずは転生者と友奈ちゃんを乗せる。

 

「わわっ、これってなんですか!!」

 

「揺れるぜ!!」

 

その一言と共に俺が近づいている事に気づいたのか、蠍のような奴がこちらに向けて尾で襲い掛かってくるが

 

「怪盗忍法 分身の術!!」

 

その一言と共にニンニンファイターは分身し、攻撃を避けると共に分身体がそれぞれ尾などの防御が薄い所を狙っていき

 

「まずは一体!!」

 

俺は奴の胴体目掛けて突っ込むと、それと同時に蠍の身体は破裂するように爆発した。

 

「すごい、バーテックスを倒した」

 

「とりあえずは、君はここで待っていてくれ」

 

「えっ」

 

俺はその一言と共にニンニンファイターにある自動操作モードを行うと共に、俺は懐からキョウリュウファイターを取り出す。

 

「強さはまぁまぁだけど、先輩達の方が強いぜ!」

 

【0・3・8】

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】

 

【キョ・キョ・キョウリュウジャー!】

 

その音声と共に、VSチェンジャーからキョウリュウファイターが現れると、ファイターは空中に飛ぶと同時に

 

「バトル開始だ!」

 

俺は目の前に出てきた【READY】の文字が現れ、俺はその画面をスライドさせると【OK】の画面が出ると共に、キョウリュウファイターは変形を行い、手足が生えると共に今度はかなり人型に近い奴がこちらに猛スピードで襲い掛かってきた。

 

「だけど、怪盗の俺よりも遅いぜ」

 

俺の言葉と共にキョウリュウファイターは雄たけびをあげると同時にこちらに向けて振るった手を噛みつきを行う。

 

もう一体はこちらに攻撃を仕掛けるがキョウリュウファイターの尻尾部分でその攻撃をはじき、上空へと飛び、二体の頭を狙い、蹴りを放った。

 

二体はキョウリュウファイターの上空からの攻撃に対応できず、地面で破裂した。

 

「勝利は頂いたぜ」




今回はMr.エメトさんの転生者を採用させてもらいました。
今後も募集していますので、皆様の応募、お待ちしています。


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予告状20 重なった三人の力

俺は先程出会った少女、友奈ちゃんから事情を聴く為にも近くに話ができる場所へと向かっていたのだが

 

「あっ」

 

「あっ」

 

話ができる落ち着ける所という事で紹介されたのがうどん屋だったが、丁度腹が減っていたという事もあって、そこで食事をしようと思ったのだが、そこには既に何杯目かのうどんに手を伸ばしている響がいた。

 

「響、ここにいたのか。

それにしても、よく食べるな」

 

「いやぁ、情報収集しているとお腹が空いてしまいまして、

それにここのうどん、とっても美味しいから、ついつい食べすぎちゃって!!」

 

「まぁ良いけど。

丁度良い、俺の方にも詳しい話ができる子がいるから、一緒に聞くぞ」

 

「あっ本当ですか!!」

 

そう言い、振り替えると、友奈ちゃんは驚いた表情で見ていた。

 

「もしかして、あなたって響さんですか!!

 

「えっ私の事、知っているの?」

 

「はい!

だって、テレビでも出ていたし、驚きっぱなしで」

 

「テレビ?」

 

俺はそこで疑問に思い始めた

 

「それは何時の話だ?」

 

「えっはい、確か一週間前なんですが、可笑しい事ですが、見た記憶はあるんですが、実感というのがなくて」

 

「まぁそれが合っているな」

 

「えっ?」

 

俺はそこから多次元融合についてと、こちらが四国についての調査を行う為に訪れた事を説明した。

 

最初はただ驚いた顔しかしていない友奈ちゃんだったけど、何か納得したのか落ちつき始めた。

 

「それじゃあ、もしかして、四国以外が存在しているのも、その多次元融合のおかげなんですね!!」

 

「四国以外が」

 

「存在している?」

 

その一言は驚きしかない、この子はまるで四国しか生き残っていないという言葉で

 

「いや、他の世界だから、その可能性もあるのか」

 

パラレルワールドならば、その可能性も大きくあった。

 

「といっても、戦いはもう終わったんですけど」

 

「終わった?」

 

そこから聞かされる彼女の話はまるで神話のような出来事であり、彼女が変身したという勇者、そして世界を滅ぼした天の神との戦い、そしてその結末に勇者の戦いはは終わり、人類が守っていた神樹は元の存在へと帰っていった。

 

「正直、未だに分からない事だらけですが、色々な人と会える機会ができたんですね」

 

「なんていうか、ポジティブな考えだな」

 

「はい、それに色々な所を勇者部の皆と一緒に行きたいですし」

 

「そうか」

 

話を聞いている限りだと、乗り越えた場数はある意味俺達以上だが、それでも信用できる人物だと思える。

 

「これはまたっ!」

 

突然友奈ちゃんは叫ぶと、俺も気づき、周りを見渡すと、そこには先程の戦闘のように周りは樹海になっていたが

 

「先程の話ではバーテックスは全滅したはずだが」

 

「はい、それに神樹様も、もう」

 

「これが結界?」

 

先程までとは変わった事に対して響も驚いていたが、俺はふと遠くを見つめると、そこには確かに何かがいた。

 

「大丈夫!!」

 

響が突然叫びながら、どこかに走り、俺と友奈ちゃんも一緒に向かうとそこには倒れている少年がいた。

 

「どうした、何があった!?」

 

「僕はぁ」

 

俺達の声に気づき、僅かに意識を取り戻したようだが、周りを見渡すと必死に周りを見渡していた。

 

「ぽっポチはどこに!!」

 

「ぽっポチ?」

 

「はい、僕の大切な家族で一緒に散歩していたんですが、周りの景色が突然こんな風に変わって、その後は突然意識が無くなって」

 

「そうなの」

 

それは本当に心配している様子で嘘は付いておらず、感情も嘘をついている訳ではない。

 

「なぁ一つ質問だが、お前は転生者か?」

 

「えっ」

 

「転生者って」

 

「はっはい。

その通りです、もしかしてあなたも!!」

 

「残念ながら違う。

だけど聞くが、お前が転生者だと僅かだが分かったが、なんで特典がないんだ?」

 

「奪われました」

 

「奪われた?」

 

まさか、俺達のように他人の特典を盗み出す事ができる奴がいるとは。

 

パトレンジャーか?

 

でもあいつらの場合は強制転生させるし、見た感じだと悪行は行っていないし、暴走もしていない。

 

「そんな存在が」

 

「雨宮君、友奈ちゃん!

あれを!!」

 

響のその声で見つめると、そこにはまるで蛇を身体に纏わせているような人型の化け物がおり、その特徴は明らかに友奈ちゃんが言っていたバーテックスだ。

 

「何、あれ?」

 

「えっ?」

 

「私が知っている、バーテックスじゃない」

 

その言葉が意味をしているのは

 

「多次元融合で誕生した新種か?」

 

「見たところ、蛇だから、スネークバーテックスっていう所かな?」

 

俺達はそう言いながらも構えていると、スネークバーテックスの傍らにはなにやら巨大な狼がいるようだが

 

「ポチ!!」

 

「あれがっ!!」

 

まさか、特典を奪った犯人だとは思っていなかったが、それよりも、まさかバーテックスが特典を奪う事ができるとは

 

「これはなんとかしないとな」

 

この状況を打開しなければいけないが、何よりも目の前にいるあのポチはある意味、転生者にとっては心を支える為に必要な存在であり、決して奪われてはいけない存在である。

 

転生者にとって、心の支えでもある、あのポチを救わなければならない。

 

「大丈夫!!」

 

友奈ちゃんはそんな事を考えている間にも転生者に話に目線を合わせて話し始めた。

 

「君の家族は絶対に君と一緒にいたいはずだから、絶対に取り戻せるよ」

 

「だけど僕にはもう特典が「モンスターを手なずけられる能力」はもう」

 

「そんな事ないよ、力なんて関係ない、君とあの子の間にはもうそんなのいらないだけ仲良くなっているんじゃない!」

 

「なんにも知らないのに」

 

「知っているよ!

君、○○小学校に通っているよね」

 

「そっそうだけど」

 

「私もあそこでよくボランティアで行くから見た事あるんだよ。

君とポチの様子、本当に家族のようだったよ。

それは無理矢理じゃないって」

 

「・・・・」

 

「なせば大抵なんとかなる!

大丈夫、絶対になんとかしてみせるから!!」

 

友奈ちゃんの叫び共に地面が光り輝くと共に、その光は俺と一緒にいた友奈ちゃんのスマホへと注がれた。

 

「これはもしかして、勇者システム!?

でも神樹様はもう」

 

「分からないけど、多分だけど、今まで人を守ってきた神様だから、一緒に戦いたいと思ったんじゃないのかな?」

 

「響さん」

 

「なるほどな」

 

もしも神から渡される力というのは、こういう子が人を助ける為に与えられるのかもしれない。

 

この子は前の転生者の心を変える事ができたし、今も彼の為に励まし、確かに勇気づける事ができている。

 

「下がっていな、ここから戦いは激しくなるぜ」

 

「・・・ポチを、僕の友達を助けてください!!」

 

「任せな」

 

俺はVSチェンジャーを構えながら、友奈ちゃんに尋ねる。

 

「行けるか?」

 

「っはい!」

 

勢いよく返事をし、俺は響と目を合わせ頷くと同時に、俺はVSチェンジャーを、響の手にはガングニールを、そして友奈ちゃんの手にはスマホを翳し、それぞれの動きをする。

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ!】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

その音声と共に俺の姿はルパンレンジャーに

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

歌声が鳴り響き、響はガングニールを身に纏う。

 

「はぁ!!」

 

友奈ちゃんの方も桜吹雪が舞い広がり、その姿は赤色の髪からピンク色の髪へと変わり、ピンク色の軽装な恰好へと変わった。

 

「ルパンレッド」

 

「ガングニール、立花響!」

 

「勇者部所属、結城 友奈」

 

俺達がそう名乗りをあげると共にスネークバーテックスに指を指し

 

「お前のお宝、頂くぜ!!」

 

その言葉と共にVSチェンジャーを構えて、スネークバーテックスが指をこちらに差すと狼がこちらに襲い掛かってくるが、その前に響がその手を掴み取り、狼を転げさせ、響の各々のパーツで地面を無理矢理に繋ぎとめる。

 

「ここは私が」

 

「分かった!!」

 

「お願いします!!」

 

響が狼を怪我させない為に拘束している間に俺と友奈ちゃんはすぐにスネークバーテックスの元へと走ると、スネークバーテックスはこちらに狙いをつけて巨大な蛇をこちらに襲わせる。

 

巨大な蛇の攻撃を受ける訳にはいかず、俺達はすぐに蛇を踏み台にして、本体の人型に向かって走り出し、俺はVSチェンジャーを打ち続ける。

 

攻撃は効いているのか、後ろに下がった瞬間、追い打ちをかけるのように友奈ちゃんがバーテックスを殴り、後へと仰け反った。

 

「今だ!!」

 

俺はすぐにバーテックスへと乗るとレッドダイヤルファイターをセットすると共に特典を奪い返す事ができた。

 

「お宝、頂くぜ!!」

 

その一言と共にスネークバーテックスを蹴り上げ、後ろに下がる。

 

「やったんですね」

 

「あぁ、あとは奴を倒すだけだ」

 

そう言うと共に周りの地面から巨大な揺れが起きる。

 

「なんだ!?」

 

突然の揺れで驚く中で、地面を見つめると、それは先程友奈ちゃんを勇者にした光が現れ、俺の前に現れる。

 

「これは?」

 

疑問に思いながらも、俺は掴み取ると、その光は形を変え、現れたのは俺の持つダイヤルファイターとも、先輩達の力が宿っているダイヤルファイターとも違う、まったく新しいダイヤルファイターだった。

 

「これは、まさか神樹様が作り出したの!」

 

「よく分からないが、ありがたく使わせてもらうぜ」

 

それと共に俺はVSチェンジャーに新しいダイヤルファイターを入れ、ダイヤルを回す。

 

【3・1・9 マスカレイド!】

 

【怪盗ブースト!!】

 

その音声が鳴り響くと、VSチェンジャーにセットされたダイヤルファイターを中心に風が巻き起こり、まるで台風の真ん中にいるような感覚に襲われる。

 

「これでとどめだ!!」

 

俺はそのままVSチェンジャー構え、スネークバーテックスに狙いを澄ませると同時に引き金を引くと、余りの威力に俺は後ろに吹き飛ばされ、スネークバーテックスに巨大な台風が襲い掛かり、身体を完全にバラバラにする。

 

「なっなんつう威力だぁ!!」

 

俺は威力にも驚きつつもスネークバーテックスの様子を見ると、先程の一撃により、既に塵となり、その場から無くなった。

 

「やっ」

 

「やっ」

 

「「「やったあぁ!!」」」

 

それはこちらの勝利を意味をし、俺達は立ち上がり、喜び合った。

 

「本当に勝てて良かった」

 

俺はそう言い、後ろにいる狼を見ると、既に敵意を無くしたのか、大型から小型へと変身していた。

 

「よかった、元に戻って」

 

「うん!

あっでも」

 

そう言うと響は少し悲しそうな表情で見ていた。

 

「あの、雨宮君はやっぱりこの子を盗むの」

 

「えっ」

 

「だって、今回の事は明らかに危険だったし、もしもパトレンジャーが来たら」

 

「その心配はないぜ」

 

「えっ」

 

そんな不安そうな声を出す響に安心してもらうように、俺は説明する事にした。

 

「確かに特典を盗む怪盗だが、それはあくまでも特典によって苦しむ人の為であって、こいつのような奴を奪う事じゃない。

それに特典だって、既に貰っているからあいつらも手を出さないよ」

 

それに、警察を名乗るからな、市民を守る為に手を出す事は少ないだろ。

 

「それじゃあ、この子を送り届けましょう!

きっと、彼も心配しているしね」

 

「あぁ、そうだな」

 

そう言うと周りの景色はやがて樹海ではなくなり、先程の街並みへと変わった。

 

「あんたは本当に人が好きなんだな」

 

俺はそう呟きながらも、先程の戦いで助けてくれた神樹様の事を思い出す。

 

友奈ちゃんに戦う為の力を与え、俺にも新しい力を渡してくれた神、それはダイヤルファイターを通して、その温かさを確かに感じる事ができた。

 

「何時か、あんたと直接会って、話してみたいな」




今回はいりごま塩さんの転生者を採用させてもらいました。
今後も募集していますので、皆様の応募、お待ちしています。


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予告状21 派遣怪盗

飛鳥Side

 

今日は私達はじっちゃんと今日来るある組織からの協力者の歓迎会に買い物をしていた所で謎の女の子に襲われていました。

 

斑鳩さんもやられてしまい、絶体絶命だと思われた、その時

 

「まったく、人がせっかく買い物をしている時に面倒な事をするな」

 

【0・1・0 マスカレイド!!】

 

誰もいない忍結界の中で突然聞こえた声に周りを見渡すと、私達の後ろから黒いコートを着た赤いマスクを付けた人が手に銃を持ちながら歩いていた。

 

「あなた何者なんですの?」

 

「巷で噂の怪盗だよ、怪盗チェンジ!!」

 

その声と共にその人は手に持った銃を上に翳すと、共に引き金を引くと、その姿は

 

「ルパンレッド!!」

 

現れたのはテレビでも月を押し返したり、何を取っているのか不明な怪盗として有名な怪盗戦隊ルパンレンジャーの一人であるルパンレッドだった。

 

「まさか噂の怪盗まで現れるとは驚きですわ」

 

「まったくだ、今日の晩飯を買いに来たのに面倒な事をしてくれて」

 

「あら、それはごめんなさい。

ですが、せっかくですから、遊ばせてもらいますわよ!!」

 

その言葉と共に相手の子はその手に持った巨大な剣でルパンレッドに襲い掛かる為に走り出す。

 

「本当に面倒だな、悪いが速攻で終わらせるぞ」

 

そのように首を回しながら、歩きながらに手には何やら鳥のような模型を銃にセットした。

 

【2・1・0】

 

【怪盗ブースト!二・二・二ニンジャー】

 

その音声と共に現れたのはなんと、忍者刀が現れ、【忍者一閃!】その音声と共にルパンレッドは姿が消えていた。

 

「どこにっ!」

 

姿を消えたルパンレッドの姿を捕らえられなかった私達は驚く中で周りを見渡すと、ルパンレッドは遠く離れた場所で立っていた。

 

「何時の間に「遅い」っ!!」

 

ルパンレッドの声と共に女の子は驚きの声を出すと共に忍装束が消えていた。

 

「まさか、あの一瞬でっ!

ここは引かせてもらいますわ」

 

その声と共に女の子はどこかへと消えていきました。

 

「はぁ、疲れた」

 

そう言いながらルパンレッドは私達の方を向く。

 

「・・・聞くけどあんたら半藏学園の忍?」

 

「危ない所を助けてもらい、感謝しますが、部外者にそれを話す事はできません。」

 

「あぁ少し違うな。

確か、これだな」

 

そう言いルパンレッドは懐から何かを取り出し、こちらに投げる。

 

「これは」

 

それを受け取ると斑鳩さんは、それを読むと驚いていた。

 

「えっと、一体どういう事なの?」

 

「飛鳥さん。

どうやらお客様は既に来られたようです」

 

「えっそれって、確かある組織の、もしかして」

 

「はぁ何時の間にかS・O・N・Gに所属になった隠密部隊ルパンレッドだ。

まぁよろしく」

 

「えええぇぇぇ!!」

 

まさかのお客様が噂のルパンレッドだったとは

 

雨宮Side

 

事の始まりは友奈ちゃんとの共闘してから数日後の事だった。

 

「どういう事だ、石動」

 

「話の通りだ。

厄介な事にある組織に特典が奪われてしまった」

 

電話してきた石動からの情報によると、多次元融合した事で誕生した巨大組織が関係しており、その組織によって確保された特典の力により、現状特典の力を分け与えられた者達が続々誕生しているらしい。

 

「正体は不明だが、そいつは次々と機械の人形を生み出し、何かを行おうとしているらしい」

 

「それで、詳細は」

 

「おいおい、俺がそこまで情報得られる訳ないだろ。

現状、これぐらいしかできないぜ。

特典の力ならばなんとかなるが、組織の正体までは」

 

「はぁ、厄介だ」

 

俺達の情報というのは言ってしまえば、特典専門にしているのばかりで、多少表に出ても大丈夫な組織の情報は大丈夫だが、裏の大きな組織はそれだけ情報が集まりにくい。

 

「なんとかできないか?」

 

「それならば、良い手があるぞ」

 

「んっ弦さん!」

 

俺との会話を聞いていたのか弦十郎さんが何時の間にか後ろにいた。

 

「どういう事だ?」

 

「この世界が融合した影響か、こちらとの交流が多くなった。

その中で、緒川経緯で忍の協力を得られる」

 

「だけど、忍者で集められるか」

 

「先程の会話を盗み聞きさせてもらったのだが、機械の人形で一つ気になるのがあってな」

 

「本当か?」

 

「あぁ、最近になってとある組織に謎の人形を使った兵士が大量に現れているという情報を得た。

その人形の対処を我々にも来ていたのだが」

 

「対処が難しいと」

 

「あぁ、だから我々とは別に隠密に活動できる忍に協力を要請する事になった。

そこで対転生者に特化している君達にぜひ行ってもらいたい」

 

「それは大丈夫なのか」

 

「あぁ、響君もそうだが、今は友奈君達が協力してくれている。

複雑な気持ちだがな」

 

そう言って苦い顔している弦十郎さんだが、実際子供を戦場に送り出すような真似はしたくないだろう。

 

「分かった、だったら俺達がその忍者と協力して、響達の出番を無くしてやるよ」

 

「すまないな」

 

「謝る事はない。

これは俺達が選んだ道だ、それで、どこに向かえば良いんだ?」

 

「あぁその場所は国立半藏学園」

 

「まさか、学生か?」

 

「そうらしい」

 

多次元融合は俺の予想を斜め上に行く融合をどんどん果たしていくらしい。



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予告状22 新たなる疑問

その日の内に俺は半藏学院の生徒と合流する事ができ、彼女達と合流した後に彼女達の教室で自己紹介する事になった。

 

「それでは改めて自自己紹介させてもらうぜ、俺は世間で言う所のルパンレンジャーのルパンレッドだ」

 

「ルパンブルーだ」

 

「ルパンイエローじゃ」

 

「なんていうか、個性的な奴らだな」

 

「貴様に言われたくないぞ、痴女」

 

「この幼女、言葉がきつい!!」

 

「まぁまぁイエローもなんだか想像していたよりも可愛い子でびっくりだよ!!

でもこんな小さい子が」

 

「んっ何を言っておる、儂は貴様らなんかよりは年上だぞ」

 

「えっ?

それってどういう意味?」

 

「貴様らに話す義理はない。

儂らは儂らの目的を遂行するだけじゃからな」

 

それだけ言うと忍はその場から離れ、どこかへと行った。

 

「なんだか、偉そうな餓鬼だったね」

 

「まぁイエローは慣れていない所では緊張するからな。

そうだろ、ブルー」

 

俺はそうソーマに話しかけようと思ったが、既にソーマの姿はいなくなっていた。

 

「奴だったら、もう用はないと言って出ていったぞ」

 

「はぁまったく、こういうのは俺ばっかりかよ」

 

俺はそう言いながら頭を掻きながら、今後の事について考える。

 

「それで、ルパンレンジャーさん達は一体何が目的で?」

 

「俺達の目的か?

まぁ簡単に言うと、こういうのを探しているが、心当たりはないか」

 

そう言い、俺は源十郎さんから渡された写真を渡すと全員何か心当たりがある顔をしていた。

 

「これって、確か絡繰だよね。

忍者が操るのだけど、これが何か」

 

「いや、別に」

 

その言動から、元からこの世界にあった物だと推察する事ができた為、転生特典ではない事が分かった。

 

だが、問題は特典についてだけだが

 

「これは侵入者」

 

そんな話をしている内に侵入者を知らせる音が鳴り、同時に俺は走り出した。

 

「おい、レッドは行けるってもういねぇ!!」

 

「さすが怪盗と言った所だな」

 

「関心している場合ではありません、私達も行きますよ!!」

 

背後から声が聞こえてきたが、俺はそれを無視し、敵の居場所まで走り、手にはVSチェンジャーで変身できるように備える

 

「早速仕事か、難儀な事だな」

 

「まったくじゃ、ドーナツを食べる時間もない」

 

「お前らな、全部俺に任せて行くなよ、こっちは大変だったんだぞ」

 

そうしている間にも合流した二人に文句を言いながら、感じる殺気の元へとたどり着くと

 

「これは結構な事で」

 

辿り着いた先には先日戦った悪忍の他にも4人の悪忍がいるが、問題はその中で異様に目立つフードを被った男には人質だと思われる男子生徒がいた事だ。

 

「おい、お前、何をしやがる」

 

油断できない状況の中で行動について疑問に思ったのか、悪忍の一人がフードの男に質問した。

 

どうやら状況はあの悪忍達にとっても予想外の状況だったらしい。

 

「何をとは簡単な事だ。

奴らの弱点を突いただけだ」

 

「それでなぜそいつの首を絞める事になっているんだ?」

 

「ふっ奴らの弱点は大体の所はこういう人質だからら」

 

奴はなぜかこちらの弱点を始めから知っている様子だ。

 

確かにこれまでの戦いでは人命を優先していたが、そこまで目だった動きをした覚えはなかったはずだが

 

「さぁどうする?

お前らが動いたら、この女の命はないぞ」

 

「ちっ」

 

俺達はその言葉に従うようにVSチェンジャーを下に置いた。

 

「ふっやはりな。

では始末しろ」

 

フードの男は俺がVSチェンジャーを下したのを見ると、満足そうな様子だけ見えた。

 

「・・・」

 

「どうした?」

 

「別に、あんたの命令を聞く気にはなれないだけですわ」

 

「ふっ忘れるな、こいつはお前らに対する人質でもある。

そしてなによりも任務遂行には奴らが邪魔だから、代わりないだろ」

 

「そりゃあ、そうやけどな」

 

「あんたのやり方が気に入らないだけよ」

 

「ならば、任務も失敗するか?」

 

そう言い、奴は男子生徒の首に刃を突きつけた。

 

「ちっ、恨まないでくださいね」

 

その言葉で悪忍達は武器を構えてきたが

 

「誰が恨むかよ」

 

「なんやて?」

 

「俺達は俺達の意思でこうしているし、あんた達は脅されて、手を汚すだけだ。

恨む理由はないぜ」

 

俺はそう言って、悪忍達は戸惑いながらも、その手には戸惑っている様子だった。

 

「これは一体」

 

そんなやり取りをしている間にも、飛鳥ちゃん達も合流する事ができ、後ろに立っていたが人質がいる状況では下手に手を出せないのか武器を構える事もできない。

 

「丁度良い、目的の物を手に入れられるチャンスが増えたな。

お前達、一気に始末しろ」

 

「そうだな、だが元々人質などいないのだからな」

 

そう呟いた男子生徒は、先程までの怯えていた演技から一変、奴の持つ刀を蹴り上げ、なんとそのままこちらの前まで一瞬で来る。

 

「えっ」

 

「一体何が?」

 

「ふっ、天空忍チェンジ!!」

 

その言葉と共に男子生徒は何時の間にか持っていたのか、緑色のボールを前に掲げると、次の瞬間に現れたのは緑色のボディスーツと黄色のジャケットを身に纏った戦士へと変わった。

 

「なっ!

貴様は」

 

「まさか、先輩だったとは」

 

「イエス、ルパンレンジャー、ユーの覚悟見せてもらった。

そして彼女達の事もね」

 

「そりゃあ、どういう意味だよ」

 

「様々な違いがあっても、根本的な事が近い。

それを確認できたからね」

 

「なんじゃ、そりゃ。

まったく訳が分からねぇ」

 

「今は分からなくても良い。

だけど、いずれそれは君達にもわかるからね」

 

「いや、それよりもなんで変装を?」

 

「そうしなければ、奴が尻尾を出さなかったからな。

そうだろ、バット・ゼ・ルンバ!!」

 

「ふっ、どうやら最初から踊らされていたようだな」

 

その言葉と共に男の姿は変わり、そこに現れたのは蝙蝠が怪物になったような姿だった。

 

「我は暗黒七本槍にして、七本槍にあらず!

零の槍 バット・ゼ・ルンバ!!」

 

「バット」

 

「ゼ」

 

「ルンバ?」

 

「奴はミー達の世界でハリケンジャー、ゴウライジャー、そして二代目シュリケンジャーによって倒されたが、ある神によって蘇った転生者だ」

 

「その通りだ、我の目的は始めから、我が主の求める力を手に入れる事だけだ。

だがシュリケンジャーが現れた以上、ここにいる奴らは全員始末させてもらう」

 

その言葉と共にバット・ゼ・ルンバの周りには髷を付けたような黒い忍者が現れた。

 

「邪魔者は全員始末か?

だったら、私達もそうさせてもらうよ」

 

そう言い、悪忍達はなんと俺達の元へと来ると共に武器を構えた。

 

「私達の味方に?」

 

「勘違いするなよ。

私達の目的は変わらない、だけど達成する為にはあいつが邪魔だから協力するだけだ」

 

「それでもいいんじゃないのか」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーを手に取り、ダイヤルファイターをセットする。

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

「ルパンレッド!」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗ルパンレンジャー」」」

 

「アイアムニンジャ・オブ・ニンジャ!

緑の光弾・シュリケンジャー、参上!!」

 

「さぁお前のお宝、頂くぜ!!」

 

俺達はその言葉と同時に俺達は走り出すと、俺や他の数人と共にバット・ゼ・ルンバの元に他の皆はマゲラッパに向かって走り出す。

 

「合わせられるか、悪忍!」

 

「あたしの名前は焔だ!」

 

「そうか、それじゃあ、行くぜ飛鳥ちゃん、焔、それに先輩!!」

 

「ふっ貴様ら程度に何ができる」

 

俺はルパンソードで飛鳥ちゃんはその手に持った刀で切り上げると、バット・ゼ・ルンバはその手に持っている刀でその攻撃を防ぐ。

 

「甘いわ!!」

 

「そうだな、背中ががら空きだぜ!!」

 

その言葉と共にバット・ゼ・ルンバの背後にいた焔はその手に持った6つの刀で攻撃を仕掛ける。

 

「なんだと」

 

「こちらもだぜ プラズマ剣!!」

 

さらには追い打ちをかけるようにシュリケンジャーが持っていた武器で切り上げ、バット・ゼ・ルンバを追い込む。

 

「馬鹿な!

幾らスーパー戦隊とはいえ、なぜここまで!!

まさかっ!?」

 

「行くぞ、ルパンレンジャー、それにニンジャガール達。

ミーについてきたまえ!!

 

「なんだか分からないけど乗るぜ!!」

 

俺はそれに答えると共に飛鳥ちゃんも焔もシュリケンジャーを追うように走り出すと、

 

「流派超越 影の舞!!」

 

その言葉と同時に彰子が閉まると、俺達は各々がバット・ゼ・ルンバに攻撃を仕掛け、最後に4人同時の切り落としを行った。

 

同時に彰子が開かれ、バット・ゼ・ルンバは地面へと倒れた。

 

「ぐっ!!」

 

「さぁ観念しな」

 

俺はそう言い、レッドダイヤルファイターを取り出すが

 

「貴様らにくれてやる物などあるものか!!

宇宙忍法・巨大身の術!!」

 

そう言い、バット・ゼ・ルンバの身体は徐々に巨大化していく。

 

「えっええぇ!

あれも忍術なのっ!!」

 

「なるほど、ではこれを受け取れ」

 

そう言い渡されたのは、ヘリコプター型のダイヤルファイターだが、そのヘリコプターのプロペラは巨大な手裏剣になっていた。

 

「これは」

 

「これはハリケンジャー、ゴウライジャー、そしてミーのシュリケンジャーの力が入ったダイヤルファイターだ」

 

「三人のスーパー戦隊の力がっ!?」

 

「まぁ少し事情があるがね。

だが分かるだろ、この力の意味が」

 

そう言って、振り替えると役目が終わったのか焔達の姿はなく、それを見つめている飛鳥ちゃんはそれを見つめていた。

 

「例え流派の違いがあっても、繋がりがあれば、協力しあえる」

 

「そうだ、敵対するだけではない。

力を合わせる事で困難に立ち向かえる、ユー達ならばきっと」

 

「・・・受け取ったぜ、先輩!」

 

俺はその言葉と共にダイヤルファイターをセットする。

 

【8・6・9・0!】

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】

 

【ハ・ハ・ハ・ハリケンジャー!!】

 

その音声と共にハリケンダイヤルファイターとブルーダイヤルファイター、イエローダイヤルファイターが現れる。

 

「イエーイ!

今回はなかなかに面白そうだなぁ!

それじゃあ、さっそく行くぜ、怪盗ガッタイム!!」

 

それに合わせるようにグットストライカーが現れる。

 

「まったくタイミングが良いぜ!

行くぜ!」

 

その声と共に変形を行っていき、ハリケンダイヤルファイターも変形していき、プロペラが胸に収まる事によって新たな形態が誕生した。

 

「ハリケーン・ルパンカイザー!」

 

「なっなんだと、その姿はまさか天雷旋風神だと!?」

 

「長い名前だな、だけど、行けるぜ!!」

 

その言葉に従うようにハリケーン・ルパンカイザーは胸にあるプロペラを手に取ると、それはそのまま巨大な手裏剣になり、バット・ゼ・ルンバに向けて投げる。

 

「当たらなければどうという事はない!!」

 

そう言うと共にバット・ゼ・ルンバはその身を蝙蝠に変え、手裏剣を避け、こちらに近づいて来る。

 

だが背後に投げられた手裏剣は軌道を変え、こちらに戻ってくるとバット・ゼ・ルンバに攻撃を仕掛ける。

 

「だから甘い!」

 

「そうかな」

 

再び避けたバット・ゼ・ルンバに向けて、すぐにマシンガンで攻撃を仕掛けるが、再び避ける。

 

「お前らの力もその程度か!」

 

「まだまだぁ!!」

 

再び手裏剣が手元に戻ってくると、手裏剣は小型に変形していった。

 

「なるほど、面白い使い方ができるぜ!!」

 

その言葉で再び投げると、手裏剣の数は先程よりもさらに増え、バット・ゼ・ルンバに襲い掛かる。

 

「くっなんという数、これでは」

 

軌道が読みにくい手裏剣に苦戦させられたバット・ゼ・ルンバを見る中、一枚だけ戻ってきた手裏剣を、イエローダイヤルファイターの回転カッターが外れ、代わりに手裏剣が装着されると共に手裏剣は回転を急速に回転し始める。

 

「グッドストライカー連射 細切りになっちまぇスラッシュ」

 

その言葉に合わせるように宙を飛び、バット・ゼ・ルンバに一撃を与えると、それに怯んでいる内に空中に飛んでいた手裏剣が一気にバット・ゼ・ルンバに襲い掛かる。

 

「こっこんな事でやられるとはぁ!!」

 

その言葉と共にバット・ゼ・ルンバは倒れ、同時に爆発を起こした。

 

「お宝は確かに頂いたぜ」

 

その言葉通り、俺の手元には転生特典だと思われるバット・ゼ・ルンバの力があった。

 

そしてすぐにバット・ゼ・ルンバが爆発した付近を調べると

 

「お前がバット・ゼ・ルンバか?」

 

森の中に倒れていたスーツを着た男に俺は脅すように尋ねると

 

「えっるっルパンレンジャー!!

なんでこんな所に、それよりもここは」

 

「ふざけているのか?」

 

「なっ何の話をしているんだ!!

俺は、盗まれるような物は持っていないし、何もしてないぞぉ!」

 

その態度は明らかにバット・ゼ・ルンバの時とは別物で、演技とは思えないような怯え方だった。

 

「なぁ、あんたは一体」

 

「おっ俺はただの会社員だよ。

でもなんでこんな所に」

 

「・・・なぁあんたの最後の記憶は?」

 

「そっそれが、普通に家に帰っている途中で、なんだかよく分からないけど、変な奴に光の球を押し付けられた以降の記憶が」

 

「転生特典の無理矢理な譲渡、いやこの場合は支配なのか」

 

おそらくは先程の戦闘で言っていた主と呼ばれる存在が渡したと思われるが

 

「謎は深まるだけだったか」

 

俺達は予想以上に厄介な敵が目の前にいる事を知る事になってしまった。



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予告状23 守れない約束

その日、俺達は飛鳥ちゃんの修行場所である忍者屋敷がある島に向けた船の中で休んでいた。

 

その中でトランプでのババ抜きに俺は混ざって遊んでいたが、それ以降でも様々な事で時間潰しを行っていた。

 

「そういえば、君達に聞きたいのだが良いか?」

 

「なんだ?」

 

そんなゲームをしている最中、飛鳥ちゃんの共感である霧夜先生から話が聞いてきた。

 

「君達が盗んでいるという特典はこの世界の概念とは越えた別の力の事なのか?」

 

「まぁそうだな。

中には例外もあるけどな」

 

「それでは、暴走するのもあるのか?

 

「何かあるのか?」

 

「実は私の知り合いに一人、転生特典に苦しんでいる人物がいる」

 

「どういう事だ」

 

そう言い、渡した資料には

 

「これは」

 

「私の恩人がいる場所だ。

その力を使い、数々の偉業を達成した人物だが、本人は現役を引退して以来、とある島で過ごしている」

 

「それで、俺達には何を?」

 

「彼はその力故に人との関係を絶っている。

だから、もしも彼から力を取る事ができれば」

 

「だいたい分かった。

なら、俺達に任せろ」

 

「すまない」

 

「それも俺達の仕事だからな」

 

そう言い渡された資料から目的地は、これから向かう島からそれ程遠く離れていない隣の島だった。

 

「それじゃあ、バカンス前に一仕事するか」

 

「えっ仕事ですか?」

 

俺はそう言いながら準備体操していたら、ババ抜きを終えた飛鳥ちゃんがこちらに来ていた。

 

「おう、ちょっと依頼されてな。

これから盗みにね」

 

「そうなんですか、なんというか」

 

「盗みはいけない事ってか?」

 

「わっ分かってしまいますか?」

 

「まぁな。

俺達もそれを分かっている。

だけど、なんとかできる手段があると知っているんだったら、俺はこれをするだけだ」

 

そう言い目的地に辿り着いた。

 

「あっ、それと飛鳥ちゃんに一つアドバイス」

 

「アドバイスですか?」

 

「とりあえず、じっとしない」

 

「えっ?」

 

「何かを悩んでいた時に立ち止まらずに、とりあえず行動してみれば何か分かるかもしれないっていう事。

まぁ俺が言わなくても、分かっていると思うから大丈夫だと思うけど」

 

「そっそんな事ないですよっ!

ありがとう、ルパンレッド!!」

 

「まぁな」

 

俺はそう言いながら船から降りると、こちらを見送っている飛鳥ちゃんを見ながら離れるのを見ていく。

 

「なんじゃ、あの小娘が気になるのか?」

 

そんな様子を見ていたのか、忍が話しかけてきた。

 

「別に、ただ真っ直ぐだな」

 

「あぁ、危ない程にな。

立花響や友樹友那もそうじゃが、真っ直ぐな奴らが多い世界じゃ」

 

「だからこそ、俺は戦えるんだろうな」

 

最初の目的は復讐だった。

 

今でもそれを忘れておらず、叶う事ならば、絶対に達成する。

 

だけど今は彼女達を通して、守りたい物が多く見つかった。

 

「特典を奪い、人を守る。

それは俺達が行える事だ」

 

「ふっまったく、本当に面白いな。

真っ直ぐによって、どこか歪で」

 

「まぁな」

 

俺はそれを隠す事なく島へと入っていった。

 

「おい、何を時間を無駄にしている」

 

「悪い悪い。

それでソーマ、何か手掛かりは?」

 

「これを見ろ」

 

そこにはボロボロな状態になっている奴らが数多くあり、戦闘の激しさを物語っているが、それよりも注目すべきなのは

 

「この死体って、まさか」

 

「あぁ、悪忍だ」

 

ソーマは奴らのポケットから探ると、そこには悪忍の証である様々な物が発見でき、よく見ると身体の各部には異形になっている跡がある。

 

「これはバット・ゼ・ルンバと似たような特典だな」

 

異形の部分から出てきたのは、バット・ゼ・ルンバのように怪人化する特典ばかりだった。

 

だがどれも下級、良くても中級と言った所の強さだ。

 

「狙いは、この島にいる転生者か」

 

その瞬間、別の場所から聞こえてきた樹が倒れる音がした。

 

「だとしたら、やばい!!」

 

事態の把握を確認し、俺は急いでその場所へと向かうと、そこにはムカデの異形の怪物青いロボットが戦いを行っていた。

 

ムカデの異形はその身体でロボットを押さえ込もうとするが、まるで予知したかのように攻撃を避け、そのまま一撃でムカデを切り裂いた。

 

「はぁはぁはぁ」

 

やがてムカデはその姿は悪忍へと戻り、青いロボットはその場で倒れ込んだ。

 

だがこちらに気づくと、再び立ち上がる。

 

「今日は客が多いな。

まったく、老人を少しは休ませてもらえぬかの?」

 

「あぁ休ませる為に来た。

俺はそいつらの仲間じゃないがな」

 

俺はそう言い、ここに来る前に事前に預かっていた物をロボットに投げ、それを受け止めると

 

「貴様、霧坊の知り合いか」

 

「俺達は巷ではルパンレンジャーって呼ばれている」

 

「そうか、貴様らが噂のルパンレンジャーか」

 

「まぁ爺さんの特典を奪いに来たんだけど、その前に教えてくれ。

この場に何が起こったんだ?」

 

「そうじゃな、少し長いが付き合ってくれぬか?」

 

そう言いロボットを解除した爺さんはその場で座った。

 

「まず、儂の持つ特典だがブルーディスティニーはどうも不器用な奴でな。

敵の殺意に反応して、避けてくれたりする優れ物だが、殺人マシーンにもなりやすい恐ろしい力だ。

儂はどうにか抑えて、なるべく平和に使おうと思ったのだが」

 

「上手くいかなかった」

 

「あぁ、人を殺さないようにしているが、こいつを抑えるのが年々できなくなって、今回の戦いではついには」

 

確かに、見ている限りだと爺さんの身体は普通の老人よりも鍛えている感じだが、疲れが見え、長時間戦えるとは思えない。

 

そういう意味では限界に近いとも言える。

 

「そして先程の戦いの時にこいつらを率いていた奴が言っていた。

我が主の為に、その特典を寄こせとな」

 

「やっぱり、特典を奪える奴が俺達以外にも」

 

「勿論、こんな人殺しの道具渡す訳にはいかなかった。

抵抗していた時に「俺達に会ったと」そういう訳じゃ」

 

「そうか、だったら安心しな。

俺達が特典を盗んでやるから」

 

「ふっやる気満々じゃな」

 

「当たり前だ。

ここまで戦ったあんたをこれ以上苦しませるかよ。

それにあんたにも会いたい奴がいるだろ」

 

「さぁな。

もう遠い思い出じゃよ、だけどそうじゃな。

もう一度、霧坊や他の仲間にも会いたいな」

 

「任せろ、絶対に叶えてやる!」

 

俺はそう言い、レッドダイヤルファイターを取り出したが

 

「っ!!」

 

突然何かを感じたのか、爺さんは急に倒れる。

 

「爺さん!!」

 

「ぐぅ、また敵かっ!!

儂を狙う敵なのかっ!!」

 

「何を言って」

 

周りには殺気を飛ばしている奴なんて、俺達は爺さんに近づこうとするが

 

「儂は、もうこいつを止められないっ!?

頼む、止めてぇ」

 

その声と共に爺ちゃんの声は途切れ、変わりに特典であるブルーディスティニーが動き出し、爺ちゃんを包み込む。

 

「分かったよ。

あんたの頼み確かに聞いた!!

行くぜ、!!」

 

「あぁ」

 

「さっさとけりをつけるかの

 

そう言いながら、俺達はVSチェンジャーを手に取り、それぞれのダイヤルファイターをセットする。

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!!」」」

 

その声と同時にブルーディスティニーはその手には武器であるビームサーベルを持ち、こちらに急接近してきた。

 

「爺ちゃん、あんたの思い頂くぜ!!」

 

その言葉と同時に俺達は走りだそうとした時だった。

 

「そこまでだっ!

…!?」

 

「あれは!」

 

「ルパンレンジャー!?」

 

「またお前らかよ!」

 

「こんな時に…」

 

「今はお主らの相手をしている暇はないのじゃ」

 

これから戦闘が始まる、その瞬間、本来ならばいないはずのパトレンジャーの奴らが現れていた。

 

その間にもこちらの動きに合わせて、攻撃を仕掛けてくるブルーディスティニー

 

「そいつ、暴走してるんだろ!

だったら、俺達が更生する!

行くぞ!」

 

「「了解!」」

 

その言葉と同時にこちらに向かって各々の手には武器を持ち、俺達に襲いかかってくる。

 

「なっ!?

邪魔をしないでよ!」

 

「邪魔はお前らだ。

あいつの特典は俺たちがもらう」

 

爺ちゃんが最後まで抗って戦い続けているんだ、せめて最後の願いを叶えさせないと

 

「うっ!」

 

「お主らの相手は、儂らじゃ!」

 

「そこをどけ!

今はお前らと戦ってる場合じゃねえんだよ!」

 

「それはこっちのセリフだ!

あの爺さんは、特典に振り回されてる状態なんでな!」

 

「爺さん!?

だとしたら、負担かかりすぎで死んじまうじゃねぇか!」

 

「だからその前に、俺たちが特典を奪う!」

 

それが爺さんの願いでもあるんだ!!

 

「いいや!

それよりも早く、俺たちが更生するんだよ!」

 

そう言って、あいつはこちらの攻撃を緩める事なく、取り出したのはこちらが見た事のない奴だが

 

『キュウレンジャー!パトライズ!

セイザ、ゴー!』

 

その音声と共に現れたのは青い刀身をした機械的な武器で、それは俺達の武器ともましてやパトレンジャー達専用の武器とも思えない。

 

だとしたら、さっきの音声からして

 

「それはキュウレンジャーの!?

なら、こっちはどうだ!?」

 

相手もこちらと同じく他のスーパー戦隊の先輩の力を借りているのならば、こちらも対抗するには

 

「力を借ります、先輩!!」

 

【キョウリュウ!】

 

【0・3・8!】

 

【マスカレイズ!】

 

その音声と共に、俺の手元にはキョウリュウ先輩の武器であるガブリボルバーとガブリカリバーを手に持つ。

 

「うおっ!?」

 

その間にもパトレンジャーに襲いかかっていた爺ちゃんを相手に再び攻撃をしていたが、上手く避けたのか、後方に下がっていた。

 

今の状況なら、爺ちゃんを抑える事ができるはず!!

 

「はあ!!」

 

俺はそのままブルーディスティニーの背後に回り攻撃を仕掛けようとするが、ブルーディスティニーはそれを察知し、無理な身体を動かせる。

 

「やらせるか!」

 

けど、それは同時に攻撃を抑えられるのも意味をしている。

 

俺は手持ちの武器を上手く蹴り上げると、そのままワイヤーでブルーディスティニーの身体を押さえつけ

 

「くらえ!」

 

そのままガブリボルバーで装甲の厚い部分に攻撃を加え、近くの木に叩きつける。

 

「どんだけタフなんだよ。

だけど、これを使って大人しくさせてやるよ」

 

俺はそのまま最後の攻撃の為にサイクラーを取り出す。

 

接近を許せない以上、ダイヤルファイターで直接の盗みはできないなら、一瞬で尾原競れるこの方法が一番だ。

 

「待て!

その転生者は俺が更生する!」

 

「…しつこいな。

だったら、どっちがやるか、決着つけてようじゃねえか」

 

こいつに構っている間にも爺ちゃんは苦しんでいるし、ワイヤーが解けてしまう方が早い。

 

ならば、一瞬でも良いから隙を作るしかない。

 

そうした挑発に乗ったのか、奴が取り出したのは普段使っている奴とは違うバイク型のマシンだった。

 

【バイカー!

パトライズ!

ケイサツブースト!!】

 

その音声から聞こえる限りでは、今度は他のスーパー戦隊の力ではないらしい。

 

ならば

 

【サイクラー!】

 

【3・1・9!】

 

【マスカレイズ!】

 

【怪盗ブースト!!】

 

互いにエネルギーが溜まった状態で銃身を構える。

 

狙うはエネルギーがぶつかり合った一瞬、その衝撃はブルーディスティニーにも当たるはずだから、その混乱に乗じれば奪えるはずだ。

 

そして打ち出された弾丸は互いにぶつかり合った瞬間

 

「がっ!?

くうぅ!!」

 

「ぐっ!!」

 

銃身を一瞬で変えたせいで、エネルギーの衝撃に上手く耐える事ができず、俺は防御が上手くいかず、膝をついてしまう。

 

「がはっ、ごほ!

…やるな」

 

「ちぃ、なんて威力なんだよ…」

 

そんな様子を見たパトレンジャーは俺の姿を見て、すぐにブルーディスティニーの元へと向かう。

 

「…悪いが、今回は俺たちが更生させてもらうぜ」

 

まずい、そう思った瞬間だった。

 

ブルーディスティニーの様子が明らかにおかしかった。

 

その身体に纏っているオーラは赤くなり、そのオーラはそのまま爺ちゃんを追い出し、徐々に巨大になっていく。

 

それが意味をしているのは

 

「まだ暴走してんのか!?」

 

そう言いながらパトレンジャーは手錠を爺ちゃんにかけるが無駄に終わる。

 

「…は?」

 

爺ちゃんは、さっきの衝撃で死んでしまったのだから。

 

なんで、もっと早く考えなかったんだ。

 

特典を抑えられたのも限界だったはずなのに、あんな無茶な攻撃をしていたら、身体の方が限界に来るに決まっているだろう!!

 

「まさか、寿命で死んだってのか…?」

 

あいつは、それをっ!!

 

「あんな奴、相手していられるかよっ!!」

 

俺はすぐにサイクラーを再度動かせ、ブルーディスティニーを追う為に巨大化させる。

 

「おい、雨宮!!」

 

「爺さんは」

 

「悪い、俺がもっとしっかりしていれば」

 

その言葉に察したのか、ソーマはそれ以上何も言わなかった。

 

「・・・後悔していても仕方ない。

今はあれを止めるぞ」

 

「あぁ」

 

忍の言葉を聞き、俺は再び決意を固め、ブルーディスティニーの元へと飛んだ。

 

「悪いが、お前に邪魔はさせない」

 

そんなソーマの言葉と共に崖に攻撃を仕掛けた。

 

「ソーマっ!」

 

「安心しろ、命は取らない。

だが、それでもっ!!」

 

「悔やんでいる暇があったら、止めるぞ!!」

 

そんな言葉を出しながらも飛んでいくと

 

「グッドストライカー、ぶらっと参上!

今日はシリアスな怪盗に味方するぜ、怪盗ガッタイム!!

勝利を奪い取ろうぜ!!」

 

その言葉と共にグッドストライカーは変形し、

 

「完成、ルパンカイザー」

 

「さっさと決めるぞっ!!」

 

その言葉と同時にルパンカイザーは接近と同時にガトリングによる攻撃で徐々に距離を測りながら、同時にカッターで攻撃を仕掛ける。

 

だが、ブルーディスティニーは攻撃を読んだように全ての攻撃を防ぎ、そして反撃を仕掛けてくる。

 

「くっ爺ちゃんというリミッターが無くなって好き放題暴れているのかよっ」

 

「だったら、こいつもだっ!!」

 

そう言い、俺はサイクラーを再度こちらに呼び出すと、ルパンカイザーに接近する。

 

「左腕、替わります!

完成ルパンカイザーサイクロン」

 

変形が完了すると共に、サイクラーのプロペラが超回転し初め、竜巻を生み出すと同時にブルーディスティニーの周りを覆った。

 

「幾ら予測できても、竜巻の中で動き回れるかぁ?」

 

そうしてブルーディスティニーは明らかに不足の事態なのか、動きが鈍くなっていた。

 

「グットストライカー連射! 吹き飛んでしまえショット!!」

 

その言葉と同時に右腕のガトリング砲で狙い、同時に放つ。

 

竜巻の中で縦横無尽に走る弾丸に耐えきれずにいた。

 

だが、油断していた。

 

「なっ!」

 

ブルーディスティニーのバックパックが爆発し、その爆風に巻き込まれ台風は消え去り、こちらに掴みかかってきた。

 

「まさか、こいつ自爆する気かっ!?」

 

既に限界に近いブルーディスティニーから火花を散りながら決して離そうとせず、その光は徐々に強くなり

 

「くっ」

 

一瞬で、目の前の光景が真っ白になる。

 

それが俺の見た最後の光景だった。



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予告状24 忍怪盗

ルパンレンジャー達が行方不明になってから、一ヶ月。

 

彼らの無事を確認する為にS・O・N・Gを始めとした機関が調査を行ったが、ルパンレンジャーの行方を見つける事ができなかった。

 

そんな中で飛鳥達は悪忍達のボスである道元が超秘伝忍法帳を取り戻す為に私立蛇女子学園に潜入していた。

 

様々な戦いを経て、悪忍である焔達との共闘を行える事になり、ついに道元との戦いに挑む。

 

だが道元の持つその圧倒的な力の前にやられそうになっていた。

 

その時だった。

 

「ショータイムはまだ終わっていないだろ」

 

どこからともなく聞こえてきた声に、飛鳥達は驚き周りを探り始め、それは今回の一件の黒幕である道元も同様だった。

 

「まったく、儂らが寝ている間にここまで進んでいるとはな」

 

「だが、ようやく目的の物も手に入れるようだな」

 

そして、先程の言葉に続くように二人の男女の声が響き渡り、ついにはその姿を現した。

 

「ルパンレンジャー!」

 

「よぉ久しぶり」

 

そこに現れたのは一ヶ月前の戦いにおいて行方不明にはずのルパンレンジャーの三人だった。

 

「なぜだ、貴様達はあの時、確かに特典の自爆によって死んだはずでは!?」

 

「あの程度の爆発では死ぬかよ。

まぁレッドの場合はぎりぎりじゃったがな」

 

「あれ?」

 

「どうしたひばり?」

 

「なんだが、ルパンイエローさんってあんなに大きかったけ?」

 

「いいえ、私の記憶にある限りではルパンイエローさんの体系は小学生ぐらいのはず。

ですが」

 

「今は私達よりも年上の女性?」

 

「その金髪、まさか貴様は」

 

「ほぅ、儂の正体に気づいたか。

ならば、レッドが無事な訳も貴様は分かっているようだな」

 

そう言い、ルパンイエローは仮面を外し、そこに現れたのは金色の瞳をした美女だが、その姿を見て道元は恐れるように言う。

 

「まっまさか、貴様は伝説の」

 

「あぁ儂の名はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。

鉄血にして、熱血にして、冷血の吸血鬼じゃよ」

 

「なっ」

 

「知っているの?」

 

「噂程度ですが、規格外の強さを持つ最強の吸血鬼。

ですが」

 

「だがある日、突然姿を消して、消息不明になっていたが、まさかルパンレンジャーになっていたとはな」

 

飛鳥達はルパンイエローの正体が分かると共に警戒を高めた。

 

味方だと思っていた人物は、実は敵に、それも自分達では倒せるかどうか分からない程の強さを持っていると余計に

 

「なっならば、貴様の目的は力か!」

 

「はぁ?」

 

「貴様がどのような目的で特典を集めているのか分からないが、力が欲しければ私に着け!

そうすれば「勘違いするなよ、下種」っ?」

 

キスショットはその一言で道元は口を閉じてしまい、その瞳は絶対零度と言える程の冷たさで道元を睨む。

 

「儂が望む事が貴様程度で叶えれる訳がないじゃろう。

叶えられるとしたら、それはルパンレッドだけだ」

 

「なっ、そいつに何ができるというんだ!

そんな犯罪者に「犯罪者だと」っ!!」

 

今度、質問したのはルパンブルーだった。

 

ルパンブルーの発言に疑問に思った道元だが、すぐに自身のミスに気づく。

 

「犯罪者、それはまるで貴様、こいつの過去を知っているようだな」

 

「どうやら、確定じゃな。

ルパンレッド」

 

「あぁ、俺の目的の奴は転生者。

そして裏に関わっている事がな

 

「ルパンレッドの目的?」

 

突然復活したルパンレンジャーもだが、同時に数々の謎が解き明かされ、そして深まるこの瞬間だった。

 

そんな中、道元は狂ったように笑いだす。

 

「確かに驚いたよ。

伝説の吸血鬼が怪盗戦隊だとはな。

だがそれがどうしたと言う!!」

 

その言葉と共に、道元の身体に黒い煙が周りを囲み始め、その姿は異形の姿へと変えていった。

 

その姿は黄金の戦国武将を思わせる鎧を身に纏った百足の怪人が現れた。

 

「これこそが俺の力だ!!」

 

「なるほど、だから?」

 

「なに?」

 

「貴様程度を倒すのにはそれ程かからない」

 

「なにより、俺達は一度狙った獲物は絶対に奪って見せる」

 

「予告する、お前のお宝、頂くぜ」

 

その一言と共にルパンレンジャーの三人は各々のVSチェンジャーとダイヤルファイターを手に持ち、セットする。

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー」

 

VSチェンジャーによって、変身したルパンレンジャー達は各々の名乗りを終えると共に走り出すとルパンイエローが手に持っていたのは、これまで見た事のないダイヤルファイターだった。

 

「最初の一手はこれじゃ!」

 

【カクレ】

 

【5・9・0】

 

【マスカレイズ】

 

「カクレンジャー、力を借りるぜ」

 

その一言と共にルパンイエローのVSチェンジャーから現れた光を受け止めると、ルパンレッドの手には赤い巨大な手裏剣、ルパンブルーの両手にはそれぞれ水色の銃と黒い弓矢、ルパンイエローの手には白い苦無に黄色のかぎ爪だった。

 

「なんだ、その力は」

 

「死にかけた時に出会った先輩の力だ。

まぁ見ていろ」

 

その一言でルパンブルーは両手を構えると、そこから無数の水色と黒色のエネルギーが発射される。

 

圧倒的な数の攻撃に対して、道元はすぐに自身の持つ槍でその攻撃を防ぐ。

 

だがルパンレッドの持っている巨大な手裏剣が直撃し、槍を手放してしまう。

 

その隙を突くようにルパンイエローのかぎ爪は伸び、道元の動きを封じると共に片手に持っていた苦無で連続で攻撃を仕掛ける。

 

「ぐぅ!」

 

「次はこれだ」

 

そう言ったのはルパンブルー。

 

ルパンブルーが手に持っているのはハリケンダイヤルファイターを手にVSチェンジャーにセットする。

 

【ハリケンジャー】

 

【8・6・9・0】

 

【マスカレイズ!】

 

その音声と共にルパンレンジャーの手元にあった武器の形状は変わると同時にルパンイエローは両手に持っていた武器が変形した大槌を手に、道元を殴り飛ばす。

 

「ぐっ」

 

苦渋の声を出しながらも、体制を取りなおそうとした瞬間、道元の下に潜り込んでいてたルパンレッドがその手に持っていた銃を狙いを澄ませると共に引き金を引く。

 

その衝撃により、道元は遥か空中へと吹き飛ばされる。

 

「地面に叩きつけろ」

 

そして最後にルパンブルーの放った一言が道元ににも反映され、地面へと落下する。

 

「ぐぅ」

 

苦渋の表情を浮かべている間にもルパンレンジャー達は集まっており、各々武器を組み合わせると同時にルパンブルーがその武器を構える。

 

「ソニックガジェット、ロールアップ!!」

 

ルパンブルーの叫び声が響き渡り、道元の身体にはさらなる衝撃波が襲い掛かり、地面へと叩きつける。

 

「とどめはこれだ」

 

そうルパンレッドが取り出したのはニンニンファイターだった。

 

【ニンニンジャー】

 

【2・1・0】

 

【マスカレイド】

 

その音声と共にルパンレッドの手に持っているのは一本の忍者刀だった。

 

それだけではなく、ルパンブルー、イエローも同じく忍者刀に変わっているが、その刀の形は各々違いがあった。

 

「怪盗流忍術 ルパン二十閃」

 

その一言と共にルパンレンジャーの周りにはルパンレンジャー以外にも様々な人物が現れる。

 

それは先程までのルパンレンジャーの使っていたカクレンジャー、ハリケンジャー、ニンニンジャーの17人が現れる。

 

そして同時に走り出し、カクレンジャーによる必殺剣を行っていき、続くようにハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャー達6人による影の舞を行う。

 

そしてニンニンジャー6人による連続の斬撃を行う。

 

最後にはルパンイエローは居合切り、ルパンブルーは刀身にエネルギーを溜め、一気に

放ち、ルパンレッドは巨大な炎の刀の三人が一気に切り裂く。

 

そうした必殺の一撃の数々を受け、限界を迎えた道元は倒れると共に爆発する。

 

「確かにお宝、頂いたぜ」

 

その言葉はルパンレッドの手には道元の持っていた特典は勿論の事だが、善忍と悪忍の超忍法秘伝書を手に持っていた。

 

「だが、まだ終わっておらぬようじゃよ」

 

その言葉と同時に道元の身体は先程とは違う煙が現れ、道元の身体は変化すると、そこに現れたのは様々な傷を背負っている凶悪な蛇の怪物が現れる。

 

「まったく、久々に会ったと思ったら、またとんでもない奴と戦っているな、お前らは」

 

「グッドストライカー、お前無事だったのかよ」

 

「当たり前だ、俺はそんな簡単にくたばらないぜぇ。

さっさと片付けようぜぇ!!」

 

「まったく、調子の良い奴だぜ。

だったら、今回はスペシャル版で行くぜ!!」

 

その言葉と同時にルパンレンジャー達は各々がニンニンファイター、ハリケーンファイター、カクレファイターを起動させる。

 

「行くぜ、忍者怪盗ガッタイム!

忍んで、勝利を奪い取ろうぜぇ!!」

 

その言葉と同時に各々ダイヤルファイターが変形し、その姿は怪盗の姿を模したルパンカイザーとは違い、赤色の忍者を思わせる赤い頭巾を身に纏い、右腕は右手には赤い忍者等刀、左腕には青い手裏剣を三個を持って現れる。

 

「シュシュっと、参上!

ニンジャルパンカイザー!!」

 

完成と共に、ニンジャルパンカイザーが飛ぶと、こちらに向けて無数の蛇が襲ってくる。

 

だが瞬時に左腕を蛇に向けると、次々と手裏剣が発射していき、蛇はその手裏剣で切り裂かれていく。

 

「なかなかピーキーな機体だな」

 

「だけど」

 

「儂ら好みじゃな!」

 

その言葉と同時にニンジャルパンカイザーの高速な動きで、瞬間的に2体、3体とその数は増えていき、上下左右様々な方向にニンジャルパンカイザーの分身が現れる。

 

分身は各々から忍者刀や手裏剣による物量戦法での攻撃を行っていき、次々と蛇の首を切り裂いていく。

 

「さぁ一気に決めるぜぇ!!」

 

その言葉と同時にニンジャルパンカイザーは上に掲げると、そこには巨大な手裏剣を作り出す。

 

「必殺!グッドストライカー連発 シュリケン乱舞」

 

それにより巨大な手裏剣を次々と放っていき、手裏剣は蛇に攻撃を行っていき、最後の巨大な手裏剣が真っ二つに切り裂く。

 

「お宝、頂いたぜ!」

 

その言葉と同時に戦いの舞台である私立蛇女子学園が崩壊し始め、ニンジャルパンカイザーの物量的な分身により、内部にいた生徒を救出し、その闘いは終わりを迎えた。




飛鳥「それにしても、本当にどうやって助かったの?」

雨宮「いやぁ、爆発の直前キスショットが俺の血を吸って、元の状態に戻ったおかげでなんとか爆発に耐えられたんだけど、ダイヤルファイターは故障して、場所が海の底だったから動こうにも動けなかったんだよね」

柳生「普通は無理だと思うが」

雨宮「まぁな。
だけど、そこでカクレ先輩達が現れて助けてくれたんだよ」

雲雀「カクレ先輩?」

雨宮「まぁ忍者戦隊の元祖だな。
それでなんとか助けてもらった後、急いでここに来た訳だよ」

葛城「それじゃあ、本当にさっき戻ってきたばっかりだったのか?」

雨宮「だが、それではルパンレッドも吸血鬼なのか?」

忍「ルパンレッドは吸血鬼だが、まぁ儂が弱体化している間は多少傷の治りが早い程度の人間じゃよ」

飛鳥「あれ、キスショットさんが元に?」

忍「儂は今は全開で力を出せないからな。
こうしてないと、身体が保てないんじゃよ。
それで儂を退治するか?」

斑鳩「いいえ、キスショットさんが良い人だっていうのは、さっきの戦いで知りましたから」

忍「ふっお人よしが。
まぁそれよりもさっさとドーナツを食べに行くぞ!
儂はも我慢の限界じゃ」

雨宮「おい!
引っ張るなよ!!」

葛城「おぉいいねぇ。
そういえばブルーは?」

飛鳥「あれ本当だ、何時の間に」

雲雀「ブルーさんだったら、眠いから帰るって」

飛鳥「なんていか、結構マイペースな人達が多いね」


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予告状25 イグナイト

ルパンレンジャー達が行方不明になってから一ヶ月、その間にシンフォギア奏者達は大きな危機を迎えていた。

 

錬金術師キャロルとそれか率いる4体のオールスコアラー達によって、響達のシンフォギアが破壊されてしまう。

 

シンフォギアを破壊された響達は、キャロルの元から逃げてきたエルフナインによる、強化型シンフォギアの開発計画「プロジェクト・イグナイト」を実施する事になる。

 

だがプロジェクト・イグナイト完成直前、再びキャロル達による襲撃に合い、絶体絶命の危機を迎える。

 

そしてキャロルは戦闘中の翼とクリスを追いつめる為にアルカノイズを放った。

 

巨大なアルカノイズが大量展開する中

 

「高エネルギー反応!

アルカノイズに向かっていきます。

これは」

 

「ダイヤルファイターレッド、ブルー、イエローです!!」

 

「と言うことは!!」

 

その報告と同時に上空にいるアルカノイズはダイヤルファイターによって次々と落とされていき、レッドはやがてアルカノイズから離れると翼達の近づき、そこに降り立ったのは

 

「タイミングばっちりだな」

 

「雨宮っ!!」

 

行方不明になっていたはずのルパンレッドこと、雨宮連だった

 

雨宮Side

 

「貴様はルパンレンジャー」

 

「さて、こっちはさっき復活したばかりで疲れているんだが、その前に聞きたい事が大量にあるんだが、どういう状況?」

 

「まったく、変わらずマイペースだな」

 

「ふっそう言うな。

これで少しは戦いやすくなる」

 

「いやぁそう言われると、照れるな」

 

「なるほど、転生特典を盗んでいるのか、犯罪者、いやこの場合は冤罪を受けたというべきだな」

 

「どこから聞いた、その事を」

 

「そうだな、まぁ紹介しても良いぞ。

奴も、お前に会いたがっていたぞ」

 

その言葉と共に彼女の背後から気味の悪い寒気がすると共に現れたのは薄い茶髪をして、赤い瞳の少年が現れた。

 

「まったく、こうして直接会う事はないと思っていたけど、こうやって会えて嬉しいよ。

雨宮君」

 

「お前は?」

 

「そうだね、君と同じ存在と言うべきかな。

まぁ僕の場合、ルパンレンジャーではないけどね」

 

その言葉と共に奴は手を前に出すと、そこから徐々に氷が現れ、その氷は銃の形に変わり引き金を引くと、その氷は奴を包み込むと、その姿は変わった。

 

「なっ」

 

その容姿はまるで氷山のような帽子を被っており、髑髏のような顔をした怪人へと姿に変わった。

 

「てめぇは」

 

「さぁ君の力、見せて貰うよ」

 

その言葉と共に再び作り出した氷の銃でこちらに襲いかかってくる。

 

「まったく、厄介な事に」

 

俺は同時に二人を抱きかかえると同時に避けると、先程まで立っていた場所は氷ができた。

 

「ちぃ、当たったら一発でアウトだな」

 

俺はそう言いながらも攻撃を避けていくが

 

「厄介すぎるだろ」

 

「ふふっ踊れ踊れっ!!」

 

そんな戦闘を続けていると、氷野郎を吹き飛ばした黄色の影見えた。

 

「助かったぜ、響!」

 

「お待たせしました、立花響、ただいま復帰しました」

 

「まったく、お前と良い、雨宮と良い、もうちょっと早くこれないのかよ」

 

「そう言うなよ、雪音。

こうして無事なのは、二人のおかげだからな」

 

「えぇ、まだ、まだ終わっていないのだから」

 

そう言い、響は胸にあるペンダントに手を掴んだ。

 

「やるのか?」

 

「はい、イグナイトを」

 

「イグナイト?」

 

「イグナイトは、これにあるダインスレイフを使って、暴走を無理矢理に起こさせる奴だ。

これを制御できれば、力をあげる事ができるはずなんだが」

 

どうやら、暴走を無理に引き起こし、制御できればなんとかなるかもしれないが

 

「まぁ大丈夫だろ」

 

「あのなぁ、私達はさっきやったけど、実際は」

 

「まぁ二人で無理かもしれない。

けどな、今は響、それに俺もいる。

二人よりも三人、三人よりも四人だぜ」

 

「はぁ、当事者じゃないからと言って、まぁでも確かにな」

 

「あぁ今ならば、私達が力を合わせれば」

 

彼女達の手を繋いでいると、彼女達の胸や地下から小さな石の礫が現り、一つの小石へと

変わり、俺の手元へと来た。

 

「これは、ダイヤルファイターに似ている?」

 

「それはダインスレイフの欠片が変化したのか?」

 

「もしかして香川の時と同じ現象!?」

 

「だとしたら!」

 

俺はそのダレンスレイフの欠片をVSチェンジャーに付けると、その形は黒い大型と小型の二つのステルス機を摸したダイヤルファイターへと変わった。

 

「そんなので何ができる?」

 

その言葉と共に氷野郎はこちらに向けて、氷の弾丸を放ってきた。

 

「使わせてもらうぜ」

 

【シザー!】

 

「「「抜剣」」」

 

【怪盗ブースト!】

 

その音声と共にダイヤルファイターはVSチェンジャーから鳴り響く音声と共に俺の目の前に先程の大型のダイヤルファイターを摸した盾が現れ、それを防ぐ。

 

そして、その背景から黒いエネルギーが溢れ、そのエネルギーが収まる頃、そこには黒いシンフォギアを纏った響達がいた。

 

「これがダレンスレイフの欠片の力なのか?」

 

「あいつの攻撃を防いだのか!?」

 

「それだけではなさそうだ」

 

「なに?」

 

その言葉と共に氷野郎とキャロルは何かに気づくと、その場を避けるとそこには巨大な黒い刃が現れ、横を通り過ぎ、俺の手元に来る。

 

「これは、さっきの小型のダイヤルファイターに似ている?

へぇなるほど、面白い!」

 

「まさか絶対的な防御の盾」

 

「変幻自在の攻撃を可能にする剣」

 

「二つで一つのダイヤルファイターができたというのか」

 

「面白い、面白いぜ、怪盗!!」

 

その言葉と共に氷野郎はこちらに向けて、再び銃弾を放ってきた。

 

「あいつは俺に任せな!!」

 

「だったら私達は」

 

「あぁキャロルを止める」

 

「任せたぜ、雨宮!!」

 

その言葉を背にして、俺は目の前にいる氷野郎へ向かって走っていく。

 

防御が可能になって、先程よりも安全に行えるが、その反面、両手が巨大な武器で塞がっているからいつものような戦い方はできない。

 

けど…

 

「だけど、任された以上は、やるしかない!!」

 

その言葉と共に手にしたブーメランを背中に担ぐ事はできるようで盾を両手で構えながら、氷野郎を狙う。

 

「そらそらぁ!!」

 

奴はそれでも攻撃の手を納める事なく続ける。

 

「おらぁ!!」

 

「まさか、そうするとはねぇ」

 

シールドを持ったまま。そのまま攻撃を仕掛けると銃は続いている。

 

「だけど、こうすればどうだぁ!!

 

俺はそのまま氷野郎の氷を打ち砕き、片手に持ったVSチェンジャーで奴の懐に向けて銃弾を放つ。

 

「どうしたぁ?」

 

「ちっ」

 

だが銃弾は奴に当たる直前に張られた氷によって地面に落ち無効化される。

 

「やっぱり効かないか、でもなっ!!」

 

そのまま盾を使い、体当たりを行うと同時に盾を踏み台にすると同時に背中に背負っているブーメランを投げる。

 

「似た攻撃が効くとでも」

 

「さぁな、俺もこれを全部知らないからなぁ」

 

その言葉と同時に奴に向かって襲うブーメランは奴の攻撃が当たる直前、二つに分裂し、左右から攻撃する。

 

「なに?」

 

「はあぁぁ!!」

 

攻撃が当たり、氷野郎は後ろに下がりると同時に手元に戻ってきた二つのブーメランを手に持ち、両手のブーメランを使った攻撃を行う。

 

「行くぜえぇ!!」

 

両手に持つ攻撃で連続で切り上げるように、休むこと無い攻撃を氷野郎に浴びさせ続ける。

 

「ぐっ防御がっ」

 

先程の銃弾と同じく攻撃を凍らせて防ごうとするがブーメランの強度と威力はそれ以上の為、防ぐ事ができずにいる。

 

「はあぁぁ!!」

 

そして最後の一撃を放つように、二つのブーメランを一体化する事により、より威力が高くなったブーメランを振り上げて、攻撃を喰らわせる。

 

「ふ、ふふっ!!

はぁはははっ!!!」

 

「なんだ?」

 

「いやぁ、面白いよ。

面白いぜ、お前」

 

「なに?」

 

「元の世界においても、お前は怪盗になる運命だった。

しかし世界が変わったとしても、お前は怪盗になる運命は変わらずにいる」

 

「なんだと?」

 

「それどころか、お前は新たな怪盗の力を得て、力を広げる。

本当にお前は俺をとことん楽しませる」

 

「まさかっ!」

 

「まぁそんなつまらない事は終わりだ。

俺もこの程度で終わるのも面白くないからな、それでは」

 

言葉を終えると共に奴は自身に氷を身に纏い、砕けちると同時にその場から姿が無くなる。

 

「まさか、ここに来て過去からの刺客が来るとはな」

 

俺はそう言いながら、新たな戦いの幕が開こうとしていた。



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予告状26 5色の怪盗

今回はNCドラゴンさん、鳴神ソラさん、じぇんがさんの転生者が登場します。
応募してくれた三名に本当に感謝です。
そして転生者アンケートはまだまだ受け付けておりますので、皆様の応募お待ちしています。


「見学がしたいデースッ!」

 

俺達が喫茶店で朝飯を食べていると、いきなり入ってきたのはシンフォギア奏者の一人である暁切歌と月読調だった。

 

「また、いきなりどうしたんだ?」

 

「私達、これまでルパンレンジャーの仕事を新聞などしか見てなかったけど、実際にどんな風に仕事をしているのか気になったから見に来たんデス!!」

 

「切ちゃん、さすがにそれは通らないと「別に良いよ」えっ?」

 

「だから見学は別に問題ないよ。

邪魔さえしなければ」

 

仲間のような関係だったら、活動が知りたいのは当たり前だし、特に断る理由もない。

 

「大丈夫だったんだ」

 

「別に面白い事はないけどな」

 

俺はそう言いながら、今回のターゲットの資料と一緒に探索を開始する事になった。

 

そう言いながら、俺は目的地である商店街に来た。

 

「ここは商店街、ここに転生者が」

 

「あぁ多分そろそろだ」

 

俺はそう言うと、二人は緊張した雰囲気で周りを見渡しているが。俺は持っていたワイヤーを釣りの要領で紐を投げ、引っ掛かると同時に引っ張る。

 

「っっぎゃああぁぁぁぁあ!!!」

 

「なんですか、いきなり空から金髪イケメンがぁ!!」

 

次の瞬間、地面に叩き落ちたイケメンを俺は

 

「おぉい、起きろ。

ナンパで得た情報をよこせ」

 

「お前はいつも無理矢理乱暴な方法で呼び出しや・・。

やあぁ、君達は確か暁切歌ちゃんに月読調ちゃんじゃないかい」

 

「ひぃ、なんで私達の名前を」

 

「こいつの名前は早乙女 龍也。

女性限定だったら、的確な情報を得る事できる特典を持っている恐ろしい奴だ。

まぁ脅してナンパをしている訳でもないし、悪事は特に働いていないから情報屋として活用している」

 

「まったく、レッドの旦那はいつも人使いが荒いぜ。

それで、今回はなんの情報だ?」

 

「あぁ今回はとある転生者に関わった人物についてを知りたい」

 

「誰なんだ?」

 

「この子だ」

 

そう言い渡したのは一人の女の子の写真だった。

 

「この子は」

 

「マジックを自由自在に使いこなす事ができる特典を持っていた子だ。

だけどある日、何者かに特典を奪われてしまったんだが」

 

「ふむ、なるほど。

旦那も人が悪いぜ、それだったら、怪しい奴を一人ピックアップしています」

 

そう言い、奴は持っていたスマホを取り出し、こちらに画像を出した。

 

「男の情報は集めるのは難しかったが、そいつ賢いふりをした馬鹿でした。

加西 鹿威、特典の詳細は分かりませんが、交渉した相手に渡したものを期限以内に返されなければ、能力を奪うという能力です」

 

「なるほど、特典を奪うのにうってつけという訳か」

 

「でも気を付けてください。

相手側には既に一方通行の特典とバルムンクの特典を持つ転生者をボディガードにつけています」

 

「一方通行?」

 

「バルムンクって、シンフォギア?」

 

「いつも言うが、俺はそういうのには詳しくないんだよ」

 

一斉に俺達が?マークを出すと、早乙女は困ったように頬を掻く。

 

「まぁ旦那は違いますからね。

一方通行は簡単に言えば、向きを変える事ができる能力ですが、これは力の流れなども簡単に変える事ができて、応用力が高い強力な力です。

そしてバルムンクは英雄ジークフリードと同じ不死身の龍殺しです」

 

「なるほど、確かに厄介だな。

まぁ対策はできた」

 

「さすが旦那、それじゃあ、俺はこれからこの子に会ってきます!

もしかしたら、成功かもっ!!

それじゃあ今度ナンパに付き合ってくださいよ!!」

 

「気が向いたらな」

 

俺はそう言い、早乙女と別れた後、電話で先程の情報を忍やソーマに伝えた。

 

「あの、さっきの子は大丈夫なんデスか?」

 

そう心配そうに尋ねる暁だが、俺はふと指をさした。

 

そこを見ると、不器用ながらもマジックを子供達に見せている先程の写真の子だった。

 

「別にあの子自身はマジックが嫌いな訳ではない。

特典だって、あったから使っていただけだ。

でもな、特典を奪われてもなお、あの子は誰の為にマジックをやり続けているんだ」

 

「・・・凄く強いね」

 

「あぁ、あの子にとっては特典はもういらないかもしれない。

だけどな、あの子の思いがある特典を悪事に使われる事は絶対に許さない

 

「さっそく盗みに行くデス!!」

 

そう言いながら暁はダッシュで走り出す。

 

そんな暁を見て、ふと思ったのか月読はこちらに向いた。

 

「ねぇ、本当に対策はできたの?」

 

「まぁな、俺達はこれまでもこういう奴と会った事があるからな」

 

「そう」

 

そう言いながら、俺達は目的地に向かいながら、懐からガムを取り出す。

 

「ほら、お前達も」

 

「これは?」

 

「イメージガム。

俺達が怪盗衣装に使う時に便利なアイテムだ。

こうやってガムを噛んで、膨らませると」

 

そう言い、膨らませると、すぐに俺はいつもの怪盗衣装になる。

 

「この通り」

 

「あの衣装はガムだったんデスか!!」

 

「まぁ今回はお前達に合わせてな」

 

「なんと摩訶不思議」

 

そう言いながら、二人共興味津々ガムを噛み、膨らませると、そこには俺を真似てか緑色とピンク色の怪盗衣装を身に着けた二人がいた。

 

「おぉ、これぞ怪盗デス!!」

 

「ガムなのに、特にべたべたしない」

 

「まぁな、さてっと」

 

その言葉と共に俺達はターゲットである三人を見つける。

 

「よぉルパンレンジャー。

噂で聞いたよ、まさか俺の特典を盗みに来たのか?」

 

「あぁ、そうだと言ったら?」

 

「勘弁してくれよ。

俺とお前らは同業者みたいなもんじゃないかよ。

特典を頂く、それに関してはまさに同じじゃないかよ」

 

「まぁその通りじゃな」

 

そう言い、建物の上から降りてきたのは忍とソーマだった。

 

「確かに俺達はお前達転生者から特典を奪う。

それに関しては同業者だ」

 

「だろ、それに俺の特典を盗んで何の意味がある?

同じような特典を盗んで、何があるんだ?」

 

「そんなの簡単だよ。

一人の笑顔を取り戻せるかもしれない」

 

「なんだと?」

 

「お前の行いで、一人の少女が涙したんだ。

だから、お前が特典を盗んだように、俺達も盗むんだよ」

 

「おいおい、クールな怪盗かと思ったら、熱血系けよ。

勘弁してくれよ」

 

「まぁな、俺はどうも人を助けるのが辞められない怪盗なんだよ」

 

「はぁ辞め辞め!

仲間にするのは無理だな、だったら、俺の加西の特典集めの駒にしてやるぜ」

 

「あぁできるもんなら、やってみな」

 

そう言い、VSチェンジャーを構えようとすると

 

「グッドストライカー、ぶらっと参上!!」

 

「なんだ、グッドストライカー?」

 

「いやぁ実はな俺に面白いアイディアがあるんだぜ!!」

 

「アイディア?」

 

「その嬢ちゃん達はシンフォギアを纏うのは難しいんだろ。

だったら、簡単な事だ、シンフォギアを纏わずに戦えば良いだけの話だぜ」

 

「なっ何を言っているんデスか、このとんでも飛行機は」

 

「いや、もしかして、なるほど!

面白いぜ!!」

 

【MAKE A GAME!】

 

【アクション!】

 

俺はすぐにグッドストライカーをVSチェンジャーにセットし、引き金を引く。

 

するとすぐに現れたのはグッドストライカーが乗っていないVSチェンジャーが二個現れた。

 

「えぇ!!」

 

「へぇ、グッドストライカーにこんな力があるとはな」

 

「俺様にかかればこんなの朝飯前だぜ!

それよりも嬢ちゃん達、すぐにシンフォギアをVSチェンジャーにセットして、怪盗チェンジだぜぇ!」

 

「おぉ、なんだが分からないけど、ノリノリで行くデス!!」

 

「なんだか、凄い事になった」

 

「へっだったら行くぜ!!」

 

その言葉と共に俺達はダイヤルファイターを、暁達はシンフォギアをVSチェンジャーにセットする。

 

【レッド】【ブルー】【イエロー】【グリーン】【ピンク】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】【0・9・6】【0・1・9】

 

【【【【【マスカレイズ】】】】】

 

【【【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】】】

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「ルパングリーンデスっ!!」

 

「ルパンピンク」

 

「「「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!!」」」」」

 

「なっルパンレンジャーは3人だったはずだが」

 

「お試し期間だ。

さぁ「お宝を頂くデスっ!!」あっセリフを被るな。

まったく」

 

その言葉と共に俺達は同時にVSチェンジャーを奴らに向けて放つと、奴らもそれに応戦するように能力を使う。

 

「凄い、始めてなのに、シンフォギアと同じように使いこなせる」

 

「VSチェンジャーは転生者の特典は勿論の事だが様々な力を引き出して戦う事ができる。

だからお前達のシンフォギアを使えば、それに合ったルパンレンジャーになれる訳だぜ!!」

 

「それだったら、戦いやすいデス!!」

 

その言葉と共に白い髪の転生者に走っていく二人

 

「馬鹿め!

俺の反射を見ていなかったのか!!」

 

「勿論デス!

だけども」

 

そう言いながらも、二人は攻撃を続けるが、なんと二人は反射してきた攻撃が当たらず、互いがフォローするように見事な連携で攻撃を行っていく。

 

「なっなんだと!!」

 

「切ちゃんとのコンビネーションは絶対の自信がある。

それにVSチェンジャーを通して、切ちゃんの次の動きが分かる」

 

「だから、どこに攻撃が来ようと二人ならばいけるデス!!」

 

そう言っている間にも、暁は一瞬の隙を奪い、転生者の背中に俺から渡したサイクラーを張り付けると、そのまま特典を奪い取った。

 

「特典は頂いたデス!!」

 

「やったね!」

 

「やれやれ、後輩ばかりに活躍はさせられないな」

 

「まったくだ」

 

そう言っている間に俺達はもう一人の転生者が呆気に取っている間に特典を奪い取る。

 

「ばっ馬鹿な!

一瞬で、二人を」

 

「さぁとどめはこれだ」

 

そう言い、俺達は最後に残った加西に狙いを定める。

 

「まっ待てよ!

俺の特典の有能性は分かっているはずだ!

この能力を使えば、お前達だって、力を得る事ができるんだぞ!!」」

 

「知るか、そんなの」

 

「儂達はただ」

 

「お前から特典を盗む」

 

「誰かの笑顔を奪う」

 

「悪党は絶対に許さない!」

 

「こっこんな奴らのせいで、俺は俺はあああぁぁ!!」

 

その叫ぶ声と共に引き金を引く、奴に向けて5つの銃弾が走り、加西を貫くと、加西から出てきた特典はそのまま俺の元に来る。

 

「確かに頂いた」

 

「結構楽しかったぜ!

機会があったら、またやろうぜ、それじゃあアデュー」

 

そうグッドストライカーから離れた瞬間、二人のVSチェンジャーはまるで幻のように消えてしまった。

 

だがしかし、それでも二人は満足そうだった。

 

「先輩達は本当に私達が思っていた通りの人達でした」

 

「そうか?」

 

「うん、確かに信用できる人だった」

 

「そう言われると、少しは頑張ったかいがあったぜ」

 

そう言い、俺達は帰り道を歩いていると

 

「き~り~か~!!あなた、町中で盗むって叫んでいたのは本当なのかしら!!」

 

「まっマリア!!」

 

「心配して連絡してもできないから、探していたら、こんな所で!!」

 

「こっこれは、そう、先輩達と一緒にってあれ!

先輩、それに調はぁ!!」

 

そう驚いている間に暁は何か気づいたのか、ポケットの中を見ると

 

【店の手伝いがあるから帰る 雨宮】

 

【ドーナツを食べに行く 忍】

 

【寝てくる ソーマ】

 

【バーゲンセールに行ってくる 調】

 

「4人共、私を置いていきやがったデスっ!!」

 

「待ちなさい!

 

「うええぇえん!!!」

 

そう言いながら、マリアから逃げていく暁の姿を見ながら、俺と調はお茶を飲んでいた。

 

「・・・V」

 

「なんのVだ?」



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予告状26 弱さを抱いた強さ

今回はパインさんの転生者アイディアを採用させてもらいました。
まだまだ転生者は募集していますので、皆様の応募、お待ちしています。
始めての方も、もう一度書きたい方も遠慮なく、書いてください。
また他にも追加して欲しい作品、スーパー戦隊のアンケートも募集していますので、そちらの方もぜひお願いします。


雨宮Side

 

「珍しい客だな、まさかあんたが来るとはな」

 

その日は近くの公園で店で入れといたコーヒーを片手に散歩していると、サングラスをかけているシンフォギア奏者の一人であるマリアが入ってきた。

 

「えぇ、あなたとは話をした事がなかったのでね」

 

「まぁ確かにな」

 

響は共闘する回数が多くあり、翼さんやクリスとも多くあり、暁と月読の二人とも一緒にルパンレンジャーとなって戦ったりと、繋がりは多くあったが、目の前にいるマリアとはあのネフィリムとの戦い以外ではこれといった接点は特にない。

 

「そうね、では聞かせてほしい事があるからね」

 

「聞きたい事?」

 

「少しね、あなたはなんで、それ程強いのかと」

 

「強い?」

 

突然聞いてきた内容は驚きのものだった。

 

「そう言われてもな」

 

実際にこれまでの戦いの内容を思い出していく。

 

「そんなに俺は強くもない。

実際にっ!!」

 

そんな話をしていると、何かを感じ、VSチェンジャーを取り出し撃ちだす。

 

それに反応し、マリアもその手にシンフォギアを手に持つ。

 

「これは」

 

「転生者だ」

 

俺はそのまま手にVSチェンジャーにレッドダイヤルファイターをセットする。

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ!】

 

「怪盗チェンジ!」

 

【Seilien coffin airget-lamh tron】

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】

 

変身が完了すると同時に俺達は互いの背中を守るように合わせ、周りを見渡す。

 

この公園の周りには公園の器具以外怪しい物はなく、全てが光り輝いているぐらいしかない。

 

その光がこちらの視界の邪魔になっているので、気が抜けない状態が続いている。

 

「ここまで何か気づいたか」

 

「さっきの攻撃まで、まるで殺気を感じなかったわ。

こういう能力もあるの?」

 

「殺気を隠すだけならばな。

でも、さっきの攻撃を受けて、服が焦げていた」

 

「ならば、何か光線を放つ」

 

そう言っている間にも殺気を感じるが、どこから来ているのかまるで分からない。

 

「複数?

いや、だとしてもあまりにも同じすぎる?」

 

「一人だとしても、私達をを囲むように感じるのは」

 

「「超スピードかっ!!」」

 

「ありったけの弾幕を!!」

 

その言葉と共に俺達は互いに持っている遠距離攻撃を放っていく。

 

だが攻撃を当たる気配はまるでない。

 

「さぁ、死んじゃえ」

 

「危ないっ!!」

 

どこからともなく聞こえた声と共にマリアは俺を突き飛ばすと、マリアはその直後、光が襲い掛かる。

 

マリアSide

 

その光景は私とっては何度も見てきた後悔の光景だった。

 

あの時、私は妹のセレナを助ける事ができずにおり、さらにはフィーネと名乗り世界を滅ぼしかけていた。

 

そんな私の前に出てきたのは響達、そして謎に包まれていたルパンレンジャーだった。

 

最初から世界を救う為に戦う覚悟があったが、そんな戦いの中でも響達とは違い、最後まで圧倒的な強さを誇っていたルパンレンジャー。

 

あの戦いの後、仲間となった彼らを見ている中で、私は次第に一つの疑問があった。

 

ルパンレンジャーはなぜ、あんなに強いんだろうか。

 

転生者に対抗する為の装備というのは知っていた、だがそれでも彼らが見せたのはそんな力以上の何かがある。

 

そんあ気がして、私は彼に会った。

 

だけども

 

「私は、また、守れないのっ!!」

 

転生者の戦いの中で私は襲い掛かってきた転生者の攻撃から雨宮を守る為にその身を盾にしたが、敵の正体は予想以上だった。

 

「まさか、その身を光にするとはなっ!!」

 

敵の能力の正体、それは自身を光に変える事ができる

 

「こうして、君を、追い詰めるには、一人の、時を、狙っていた、んだけど、まさか、こんな、おまけが、いるとはね」

 

「区切りながら、喋るなあぁ!!」

 

鏡から鏡に高速移動しながら、襲い掛かってくる敵に対して反撃を行おうにも攻撃は安宅る気配もなく、追い詰められていく。

 

「私が、もっと強ければっ!!」

 

自身の弱さのせいで、今も目の前にいる雨宮を守る事すらできない。

 

「マリア!

こんな時だけど、さっきの話の続きだ!

俺ははっきり言う、ルパンレンジャーの中では最弱だっ!!」

 

「えっ」

 

その時に言った彼の一言は私にとっては衝撃的だった。

 

ルパンレッドでもある雨宮は誰よりも経っており、確かな強さを持っていたはずだ。

 

そんな彼がなぜ」

 

「俺は確かに弱いぜ。

力ではソーマには勝てないし、技術では忍には勝てない。

だけどな、そんな俺にも二人は力を貸してくれる、皆が力を貸してくれる!

仲間がいるから、俺は今の俺よりも強くなれる!!」

 

「何を無駄な事をっ!!」

 

そう言い奴は彼の身体を光の速さでの一撃を貫く。

 

だけど

 

「おらぁ!!」

 

「っ!!」

 

その攻撃に合わせて、VSチェンジャーで攻撃を仕掛ける。

 

その攻撃は転生者にとっては予想していなかったのか、頬に傷をつけ、引かせる。

 

「誰かの為の強さ」

 

「あれが、あいつの強さだ」

 

そう言い私の横には、見知らぬ誰かが立っていた。

 

「何時の間に」

 

「俺が出るかどうか迷っていたけどな。

でもあいつの言う通り、仲間がいたからこそ強くありたいと思えた。

弱い自分も含めて、それを強さに変える事がな」

 

何時の間にか現れた男が敵なのか味方なのか、そんな混乱の中でも私は自然と男の言葉を胸の中で思う。

 

「弱い自分」

 

私はそれまでは弱い自分を殺す事で、強くなれると思っていた。

 

だけど、雨宮はそんな所も含めて仲間の為に、強く前に進もうとしていた。

 

「自分の弱さを含めて、強くなれば良い。

何時も頼りになる相棒がいれば、人は尚更強くなれる、お前にも今は遠く離れているけど、しっかりと隣にいる相棒がいるだろ」

 

その言葉に、ふと私はアガートラームに目を向けた。

 

セレナの形見とも言えるシンフォギア、このシンフォギアは今の私にとっては確かに形見でもあるけど、一緒に強くなってくれる大切な相棒だ。

 

「えぇ私は私の弱さを含めて強くなる!!」

 

「へっそうでなくちゃな!

それじゃあ、行くぜ!!」

 

そう言い彼が取り出したのは時代遅れのガラケーだと思われたが、そのガラケーの上の部分が開かれると共に持っていた何かをガラケーに入れた。

 

「チェンジソウルセット!

レッツ、ゴーオン!!」

 

その言葉と共にケータイから光が溢れ出ると、その光が収まった時に、そこに立っていたのは赤い車のようなスーツを着た戦士がいた。

 

「まさかルパンレンジャーと同じような存在!!」

 

「あぁ、マッハで助けるぜ!!」

 

その言葉と共に彼は凄まじい速さと共に走り出すと、その先にいた雨宮に攻撃を仕掛けようとしていた転生者の攻撃を受け止めると共に蹴り上げる。

 

転生者も瞬時に光に変わって、避けるも、彼はその隙を逃さず、一瞬で雨宮を連れて、その場から離れた。

 

「あなたは?」

 

「へっ自己紹介は今回の主役の活躍の後にするぜ」

 

そう言われ、私に向けられた。

 

「えぇ、そうね。

期待された以上、答えなくてはね!」

 

そう言い、アガートラームを手に持ち、ゆっくりと歌い始める。

 

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 

その言葉と共に纏ったアガートラームの姿は先までにはなかった左腕から下腕を覆う大きな篭手が現れ、新たな姿へと変わっていた。

 

「これは?」

 

「アガートラームがセレナに応えたのか」

 

少しでも前に進もうと思っている私にアガートラームが答えてくれた。

 

ならば私もそれに相応しい答えを出さなければならない。

 

「へっそれじゃあ行くぜ後輩!」

 

「OK、先輩!!」

 

そう言うと敵を前にしながらも雨宮と謎の男はハイタッチを交わすと少し離れると

 

「マッハ全開!ゴーオンレッド!」

 

「ルパンレッド!」

 

そこでやっているのはルパンレンジャーが登場する度に行っていたポーズだが、まさかゴーオンレッドと名乗った男まで言うとは

 

「はぁ、それは毎回やらないといけないのかしら?」

 

「へっ俺達の拘りだぜ!」

 

「あぁ、さて盛り上がってきた所で、悪いけど!

あんたのお宝頂くぜ!

 

「別に良いけどさ?

戦闘機と車ごときで、光の速さに敵うとでも?」

 

その言葉と共に目の前にいた転生者は再び光となり、周りにある鏡の中へと移りながら移動する。

 

「別に追い付かなくても良いわ!

あなたの方から来るのだから!!」

 

私は瞬時にアガートラームの特性が分かると、左手の籠手から短剣を取り出し、私達の周りに設置すると同時に鏡がある場所に向けて次々と短剣を投げつける。

 

「見た限り、あなたは自身を光にする能力。

絶対的な速さにより簡単に攻撃を避けられ、高い攻撃力を誇り、近距離も遠距離も対応できる応用力、確かに絶対的に見える能力だけど、弱点もある」

 

鏡が割れると、割れた鏡は次の鏡へと移るように移動する。

 

「あなたは光になった時にダメージを受けないと考えた。

だけどその仮説は間違っていたわ。

光になるからと言って攻撃を無効化されたんじゃない、光という僅かな線になる事で攻撃を避ける事になれた。

つまりは」

 

その言葉に従うようにやがて転生者はこちらに向けて攻撃を仕掛けてくるが、私は仕掛けていた短剣からシールドを作り出すと、そこには転生者がシールドに張り付いた姿があった。

 

「こうして多方面で避けられない攻撃だったら、当てるのは容易という事よ」

 

「カンカンマンタンガン、炎神ソウルセット!!」

 

【怪盗ブースト!!】

 

「そして、一瞬だけ姿を見せたあなたにとどめを指すなんて、この二人ならば余裕でしょ」

 

その言葉に答えるように、雨宮とゴーオンレッドは各々の武器から必殺技を放つ準備を行っており、私自身も籠手に再び短剣を入れ、エネルギーを溜めたのをアガートラームからエネルギーを放つ準備を終えていた。

 

「カンカンエクスプレス、ゴーオン!!」

 

【HORIZON†CANNON】

 

左右前の三方向からの攻撃で再び光となって逃げようとするも、間に合わず、瞬時に攻撃に当たり、地面へと倒れこむ。

 

「ふっ確かにお宝頂いたぜ」

 

そう言い、雨宮の手元には特典の証である光があった。

 

「どうやら、俺の心配はなさろうだな。

遠くからでも見守っているぜ!!」

 

その言葉だけ言って、ゴーオンジャーは光となって消えたけど、そのゴーオンジャーは雨宮の手元に来た。

 

「ありがとう」

 

その言葉だけで一杯になっていた。

 

「あぁ、やっぱり失敗したか。

まぁ、想定内だったけどね」

 

そう思っている間に聞き覚えのある声で私達は声の主を見ると、そこには先日、基地を襲撃した謎の敵がいた。

 

「まさか、この転生者を差し向けたのは」

 

「そう見事に正解だ。

正解のご褒美に君達に見せてあげよう、僕のもう一つの力を」

 

その言葉と共に奴の姿が一瞬暗くなったと思ったら、次の瞬間現れたのは白い巨人が弓を携えて現れる。

 

「あれは、ペルソナ!?」

 

「何ですって!!」

 

雨宮は一瞬驚いた顔をするが、目の前の人物はそんな彼を見て笑みを浮かべた。

 

「そうだ、君と同じ力だ。

その力の強さも、勿論知っているだろ」

 

そう言いながら、奴のペルソナは弓を弾くと、その矢は私達を通り過ぎて背後へと飛んでいく。

 

私達はすぐに後ろへと向くが、そこには痛ましい姿で息絶えていた転生者がいた。

 

「てめぇ!!

なんで殺したぁ!!」

 

「君も可笑しなことを言う。

昔は犯罪者を殺せば英雄になれるように、この行為はただ単に大量殺人犯を殺しただけの事だよ。

確かパトレンジャーだったけ、彼らも似たような事をしているじゃないか?

違いは死んだ後のアフターケアをしているか、していないかだけだ」

 

「だとしても、殺す必要がないだろうがぁ!!」

 

その言葉と共にルパンレッドは走り出し、彼の持つペルソナも同時に召喚し、目の前にいる奴へと走る。

 

「ふっ」

 

そして奴もそれに対峙するようにあの怪物の姿へと変わり、距離を詰める。

 

怪盗と怪人、怪盗と狩人。

 

そんな似たような存在での対峙は長くは続かず、奴のペルソナを中心に大きな衝撃が来る。

 

「ぐっ!!」

 

「覚えておきたまえ、僕のコードネームはクロウ、そしてこの姿の名はザミーゴ・デルマ。

覚えといて損はないよ」

 

それだけ言うと奴の姿は消えていた。

 

「クロウっ!!」

 

ルパンレッドはその名前を覚えるように拳を握り締める。

 

「うろたえるな!!」

 

「っ!!」

 

「敵の正体も少しだが判明した。

これからも錬金術師とクロウとの戦いがある。

お前がその調子で、奴に勝てるとでも思うのか!!」

 

「はぁ、まったく、これまでほとんど会話した事ないのによく言えるね。

だけど、心に響いたよ」

 

「分かれば良いわ。

それよりも私達ができるのは」

 

「あぁ」

 

私達は自然と先程殺された転生者の元へと行く。

 

せめて、最後は安らかに休んでほしいのを込めて。

 

その手に触れると生気は感じられず、ただ冷たい死体となっていた。

 

彼は死体の手を重ねている間も、ずっと震えており、口から出てくるのは守れなかった事への謝罪を繰り返していた。

 

彼は人の死に対して恐怖を感じているのかもしれない。

 

誰かが死ぬが怖くてしょうがないのだろう。

 

だからこそ、彼は誰も死なせたくないという思いを持って、弱さを強さに変えているんだろう。

 

「弱さは決して罪ではない」

 

私はそんな彼を見て、決して曲げない意思が一つできた。



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予告状27 裏技合体!

クロウとの戦いが終わり、俺達はある奴から仕事を引き受けていた。

 

「それで、探し物ってのは?」

 

「簡単に言うと、そいつの転生特典の研究成果だ。

サンプルで実際の奴とは違うけどな」

 

俺はそう言いながら、たまたま一緒にいた立花に悦明をしながら、俺は資料を読み直していた。

 

奴は錬金術に関する特典を所持しており、その研究の一つとしてある物を開発した。

 

「その探しているのって」

 

「賢者の石だ」

 

「けっ賢者の石って、もしかしてあの賢者の石!?」

 

「まぁ似たような物だけどな」

 

そんな話を行っている間にも、改めて今回の依頼を思い出す。

 

奴は転生特典は様々な事に応用ができ、特に悪事を働いていないのもあり、様々な解析をしてくれる。

 

そんな奴が作り出した研究成果である疑似的な賢者の石の作成に成功したのだが、ある日盗まれたらしい。

 

危険性は高い為、俺達はその捜索をしていたのだが

 

「奇妙な事もあるしな」

 

「奇妙な事?」

 

「別件で特典が何者に襲われて奪われたっていう報告があってな」

 

俺達以外にそんな活動をしている奴はいないし、VSチェンジャー以外でそれを可能な力はほんの僅かだろう。

 

(これがおそらくはクロウ、もしくはその背後にいる奴に関係していると思うが)

 

そんな考えをしていると、探索を終えたソーマに忍は勿論だが

 

「まさか、ここまで揃うとはな」

 

「というか、お前も合流していたのか」

 

そこにはシンフォギアメンバーが全員揃っていた。

 

「にしても、本当に厄介な事が多いな。

キャロルの事もそうだけど、転生者と」

 

「まぁな、元からこんな世界になる前から似たような事があるからな」

 

「まぁ確かにな、俺もそれで世話になったしな」

 

どこから聞こえた声に気づき、俺達はその声の方向に振り向くと

 

「まさか転生者!!」

 

「あぁ、正しくは元のはずだが?」

 

「元?」

 

その言葉に疑問に思っているが、目の前にいる男には多少なりとも見覚えがある。

 

金髪で派手な恰好をしており、特徴がまる分かりだ。

 

「まさかお前が特典を取る力を持っていたとはな、王月」

 

「誰?」

 

「かつて儂らに特典を盗まれた転生者じゃよ。

特典で散々甘い思いをしておったのじゃが、どうやら犯人はお前のようじゃな」

 

「あぁ随分前に面白い奴がいてな、そいつから面白い道具を頂いたからなぁ!!」

 

そう言い奴が取り出したのは

 

「特典か」

 

「あぁ、そしてこれと組み合わせれば!!」

 

そう言い奴は取り出した赤い石を胸に着けると、徐々にその姿は変わっていき、未の頭を持った灰色の怪物へと姿を変わった。

 

「なっ怪物に変わったデス!」

 

「さっき、転生者から奪い取った特典、そしてさっきの赤い石は賢者の石」

 

「賢者の石って、確か錬金術の!?」

 

「俺の知り合いの錬金術を持つ転生者に持っている奴がいたけど、盗まれたという話を聞いていたけど、まさかそれらを組み合わせてか」

 

「その通りだ。

本来ならば一つでもチートである賢者の石。

さらにはその転生者が持っている特典のティアマトの膨大な魔力を身に纏えば強大な力を身に着くのは当たり前だ」

 

「これは思っていたよりもやばい。

なにより、奴から溢れている水、あれが一番やばそうだ」

 

そう言い奴の下を見ると、足から溢れる水は黒く、触れただけでも危険な事が分かる。

 

「だったら、速攻で特典を盗むだけ!!

響達はこれらを頼む、だけど」

 

「絶対に触れるなという事でしょ」

 

「だから、お前らはさっさと奴をぶっ潰せ!!」

 

「あぁ任せろ!!」

 

俺達はそう言い、VSチェンジャーを取り出し、ダイヤルファイターをセットする。

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「怪盗戦隊ルパンレンジャー」

 

「あんたのお宝頂くぜ!!」

 

その言葉と共に俺達は走り出し、近くにある瓦礫を足場にしながら地面にある黒い水の接触を避けながら、攻撃を仕掛ける。

 

「生ぬるいわぁ!!」

 

奴はこちらを嘲笑うように身体にある目玉模様から次々と光の光線を放ってくる。

 

「なっ、危なっ!!」

 

光線一つ一つが致命的なダメージになりかねない為、必死に避けるが奴の追撃は光線のみではなく、俺に一気に接近し、拳を叩きつけた。

 

「がはぁ!」

 

「遅い」

 

俺はそのまま近くのビルまで吹き飛ばされる。

 

「なんつう力だ」

 

これまで戦ってきたどの転生者よりも厄介な奴だと分かる。

 

基本的な身体能力は賢者の石によって大きく上昇し、ティアマトの特殊能力も見る限りでは厄介な事に強化さてている。

 

「本当に厄介な相手だな」

 

「大丈夫、雨宮君!!」

 

「なんとか、だけど」

 

このまま戦っても勝機があるのか。

 

ペルソナなどを使えばなんとかなるかもしれないが、水の正体が分からない以上、反対にピンチになる可能性もある。

 

「グットストライカー、ぶらっと参上。

なにやらピンチそうだが、ルパンレンジャーも増やすか」

 

「グットストライカー」

 

危機的な状況において、こいつの力は確かに心強いが、ルパンレンジャー5人では奴の攻撃に対応できるのか。

 

せめて、奴と同等の

 

「おいおい、どうしたんだよ?

さっさとやらないのかよ?」

 

「一つ聞く、このままお前を使ったら、分身するんだよな。

だったら逆方向にしたら、どうなるんだ?」

 

「えっそりゃあ、合体するぜ」

 

「へぇ、だったら」

 

「雨宮君?」

 

俺はそのままグットストライカーを普段のように上の方向にするのではなく、パトレンジャー達のように下の方向に向ける。

 

【突撃用意!】

 

「おい、そっちは違うぞ!」

 

「さぁ実験開始だぜ」

 

【怪盗ブースト!一致団結!!】

 

「んっ?」

 

「なっ!」

 

その音声と同時に王月の攻撃に当たりそうになったソーマと忍は俺に吸い込まれるように近づき

 

「「「なっ」」」

 

「えっえぇ!

三人が一人になっちゃた!!」

 

俺達の姿を真ん中は赤く、右は青、左は黄色という三色揃ったルパンレンジャーへと変身した。

 

「おい、雨宮、これはどういう事だ」

 

「いやあぁ、こんな力があるとはな」

 

「しかし狭っくるしいのぅ」

 

「あわわぁ、これってどうしたら良いのぉ!」

 

「何をごちゃごちゃと喚いているんだよ!!」

 

そう言い、王月はこちらに向かって高速で接近し、その腕で攻撃を仕掛けてきた。

 

「「「んっ?」」」

 

俺達は思わず、その攻撃を受け止めたのだが、それは先程まで大きくダメージを与えていた攻撃とは思えない程軽かった。

 

「なっなんだとっ!

くっついただけでこんなに」

 

「「「なるほど、そういう事か!!」」」

 

俺はそのまま掴んだ腕を上に投げる。

 

同時に俺達は身体に強烈な痛みを感じる.

 

「この姿、あんまり保てなさそうだな」

 

俺達はその言葉と共に俺はVSチェンジャーを腰に付け

 

「悪いが」

 

その言葉と共に俺の身体の主導権はソーマへと変わると、その手には分厚い金属の剣を出すと、剣を叩きつけるように降り降ろし

 

「一瞬で」

 

忍へと変わると、剣を手放すと王月の腹を殴りつけ、黒い水が溜まった場所に落ちていく。

 

同時に腰に付けていたVSチェンジャーを取り出すと

 

「終わらせるぞ」

 

その言葉に合わせるように俺の背後からアルセーヌが現れ、そのその手元には黒いVSチェンジャーを持っており、俺に合わせるように引き金を引く。

 

「なっそんな、馬鹿なぁ!!」

 

その叫び声と共に王月は地面に叩きつけられる。

 

「凄い」

 

「特典を二つ持った転生者を相手に圧倒するとは」

 

「凄いデス、先輩達!」

 

そう言い俺達に近づくが、次の瞬間、俺達は膝から崩れ落ちる。

 

「えっ!!」

 

「雨宮君、ソーマさん、忍ちゃん!!

 

俺達が倒れたのに心配で抱きかかえてくれる響達。

 

「そんな、事よりも、これで特典を」

 

「分かった、皆は雨宮達を」

 

俺からレッドダイヤルファイターを受け取ったマリアはそのまま王月に近づき、特典を取ってくれる。

 

「ああぁ、やっぱりこうなったか」

 

「どういう事」

 

「こいつらが行ったのは本来はパトレンジャーの奴らしかできない方法だけど、それを無理矢理使った。

それだけだったら問題なかったけど、合体のせいで、こいつらの力が暴走しかけたんだよ」

 

「力、ルパンレンジャーではなく?」

 

「人造の神殺しの力を持つ男、ソーマ。

地上最強の吸血鬼であった少女、忍。

そして己の分身とも呼べる存在ペルソナを呼び出す事ができるペルソナ使い、その中でも異質な存在であるワイルドである雨宮」

 

「ルパンレンジャー以外にもなんかあると思っていたけど、シンフォギアとは違った力を持っていたんだな」

 

「そんなどれもこれも異質な力を持っている奴らが一つの身体になったら、そりゃあこうなるよ。

いや、むしろ雨宮の力でここまで済んだようなもんだぜ」

 

「雨宮君の」

 

「雨宮の持つワイルドはさらに特殊だが、ソーマと忍の力を上手く合わせるように調整する事ができたんだろうな、

まぁこんなになるとは」

 

そんなグットストライカーが皮肉めいた言葉を聞きながらも俺は立ち上がる力もなく、ただ気絶するだけだった。



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予告状28 戦い後の出来事

三人称Side

 

転生者との戦いを終え、三人は二課に設置されている施設にて搬送される。

 

搬送先で様子を確認する為に精密検査を行っており、やっと状態を確認を終えたエルフナインが出てきた。

 

「三人共、身体に特に問題なく、ただの疲労による睡眠だと思われます」

 

「よっよかったぁ、本当にどうにかなるかと思ったよ」

 

三人の無事を確認でき、響は安心したようにため息を吐いた。

 

だが、それに対してエルフナインの表情は優れなかった。

 

「ただ、忍さんとソーマさんの身体からは普通の人間では考えられないようなのが検出されました」

 

「確かグットストライカーが言っていたわね」

 

そこで出てきたのは三人が合体する際に現れたグットストライカーが最後に放った言葉について疑問が出てくる。

 

「神殺しと吸血鬼」

 

「謎が謎を呼ぶデース」

 

その答えは全員の顔を曇らせていく。

 

「その答え、俺が答えてやろうか」

 

どこからか聞こえてきた声に全員は周りを見始めると、自然とその声の持ち主を見つける。

 

「何時の間に!」

 

「そう慌てるなよ。

俺はお前さん達の敵じゃないから」

 

そう言いながら、帽子を被った男は笑みを浮かべながら、周りを見渡した。

 

「まずは自己紹介からだな、二課の皆さん。

俺の名前は石堂愁一、あいつらの家の管理人みたいな感じだな」

 

「その石堂さんが、なんでここに?」

 

「あいつらが無茶をしたと聞いたのでな。

見舞いついでに、皆さんにも色々とね」

 

「色々って」

 

「そりゃあ、皆が知りたがっている事だよ。

例えば、ソーマの出身、忍ちゃんの正体、そして雨宮の目的」

 

「えっ」

 

「ははっそんなに慌てない、慌てない。

面白い話は、ゆっくりと、コーヒーでも飲みながら」

 

全員はそのまま警戒を崩さないまま、目の前で笑う石道の話を聞く事にした。

 

雨宮Side

 

「ここは」

 

記憶の端にある最後の戦いにおいて、俺と忍とソーマの三人による合体後、戦いの疲労で倒れた所までは覚えているのだけど、目を覚めるとそこはまるで牢獄の中にいるような部屋の中だった。

 

「ようこそ、我がベルベットルームへ」

 

そんな疑問を他所に、俺を出迎えるような声が聞こえ、見るとそこにいたのは

「イゴールなのか」

 

「お久しぶりですね、雨宮様 」

 

目の前に広い机に座っているのは長い鼻が特徴的な人物であるイゴールが座っていた。

 

イゴールは俺がペルソナに目覚めてから、知り合い、度々ペルソナの合体など行ってくれたのだが

 

「珍しいな、お前から来るなんて」

 

「実は今回の戦いにおいても、世界の危機を感じましてな。

それにはペルソナだけでは対応しきれないと感じましてな、今回はそれに関するお知らせをしに来ました」

 

「それは一体「そこからは私から話すは」っ!?」

 

俺とイゴール以外に入ってきた声に俺は警戒しながら向けると暗闇の中でやや見えにくいが女性と思われる人物がいた。

 

「本当はゆっくりと休みたかったのだけど、どうやら私のせいで色々と大変そうだから、ここから手伝う事になったわ」

 

そう言い出てきたのは金髪の髪を床まで伸ばした科学者が着る白衣を着た女性だった。

 

「あんたは」

 

「私はそうね、あえて言うならば櫻井了子。

ここであなたの力を貸す科学者とでも思ってくれたらいいわ」

 

「はぁ」

 

「何者かなんて、そんなの調べれば簡単に分かるわ。

その前にこのベルベットルームでの私の役割についてを説明するわ」

 

そう言い櫻井さんが取り出したのは、シザー&ブレードダイヤルファイターだった。

 

「何時の間にっ!?」

 

「別にここはそれを可能にする空間よ。

まぁ、これは説明の良い例として出しただけよ。

貴方の持つ力、ペルソナとは人の絆によって強くなる存在。

その影響かしらね、あなたと強い絆で結ばれた人々の力をこういう形で出す事が可能になったのよ。」

 

「そういえば、確かに」

 

このシザー&ブレードもそうだが、サイクロンもどちらも誰かとの絆でできたような気がする。

 

「だからこそ、あなたの場合は絆の数だけ力を変える事ができる。

それはペルソナも、そしてこのダイヤルファイターもまた同じよ」

 

「そうか、確かにな」

 

これまでの戦いにおいても、俺は一人だけで勝てる戦いは決してなかった。

 

他の奴らからしたら、一人だけでは戦えない腑抜けと言うかもしれないけど

 

「俺は誰かに守っているのと同様に、俺は誰かを守りたい」

 

「本当に、あの子とそっくりね。

さぁ、説明はこれぐらいにするわ、次はどんなのを見せるのか、楽しみにしているわ」

 

そう言い、櫻井さんはそのまま近くにあった椅子に座った。

 

「さぁ行きなさい。

あなたを待っている子達がいるわ」

 

その言葉共に俺の意識は自然と落ちていくような感覚が襲ってくる。




今回から新しいアンケートを行いたいと思います。
それに伴い、最初のアンケートの方は絞め決めりたいと思います。
皆様の応募、お待ちしています。


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予告状29 信頼の先には

「ここは」

 

俺が目を覚めると、その場の周りを見ているとどこかの病室なのか、服装も病院で見られる白衣へと着替えられており、近くにはVSチェンジャーも置いているので、おそらくは二課の関連施設だろ。

 

「というよりも、お前はまた噛んでいるんだよ!!」

 

俺は腕を見ると、また寝ぼけているのか俺の腕を噛みついているが、今はソーマは寝ているから、あれを受け取る事ができない。

 

「はぁさて、どうするか」

 

「雨宮君、起きたって!?」

 

どうやら響達が来たのか、ドアを開いて入ってくると、全員の視線が俺から俺の腕で血を吸っている忍を見て驚いているようだ。

 

「雨宮君、その、忍ちゃんは」

 

「んっ、あぁ。

そういえば話していなかったけど、忍は吸血鬼だぞ」

 

「あっさりと言ってしまったデス!!」

 

「そういえば、話していなかったな」

 

俺は今更ながら話していない事を思い出す。

 

何かと忙しく、彼女達と出会ってから落ち着いて話をする事も少なかったからな。

 

「いや、でもあいつが話していた感じは、もっと深刻そうな感じだけど」

 

「おい、それってもしかして、おっさんの事か」

 

全員が俺の腕を見ての反応から見てもそうだし、暁の「あっさりと」という意味からも、俺達の秘密を話したのは間違いないだろ。

 

「すぐに分かったの」

 

「まぁな、あのおっさんがどういう行動しているのかは大体予想できるからな。

大体は忍が吸血鬼の事とソーマの出身、あとはそうだな、俺の目的か?」

 

「どうやら、全部知っているようね」

 

それらは全員知っているのか答える。

 

まぁ実際に俺の目的は復讐だからな

 

「まぁね。

まぁ大体は合っているし、俺は今でも目的を変えるつもりはないよ」

 

そう言いながら、俺はVSチェンジャーを近くに置いていきながら答える。

 

「あの、雨宮君はその、殺す気?」

 

「殺す?」

 

「その復讐すべき相手を」

 

「いいや、殺す気はない」

 

「そうか、だったら私は信じるよ」

 

「はい?」

 

それを言ったら、全員は安心しきった表情で、俺は思わず呆れて言ってしまう。

 

「ふむ、まぁそれでこの一件は解決だな」

 

「とりあえず、退院祝いデース!!」

 

「いやいや、普通はそこはなんか違うだろ」

 

「だって、私は短い間だけど雨宮君の事は大切な仲間だと思っているよ。

忍ちゃんもソーマさんもどんな人なのかは関係ない。

今まで、雨宮君達が人を守ろうとした姿を私は信じたいの」

 

「まったく、この馬鹿は一度言い出したら聞かないからな。

まぁ私もその意見には賛成だがな」

 

「酷いよ、クリスちゃん、馬鹿なんて!!」

 

「だから、引っ付くなよ」

 

「・・・そうか」

 

「それじゃあ、私達は先に出ているからね」

 

「ご馳走があるから早く来てね」

 

「おぉ分かったよ」

 

そう言い、彼女達は部屋から出ていった。

 

「まったく、あんたは本当にどこまで喋ったんだ。

石堂」

 

俺はそう言い、彼女達とは反対の方向を向くと、そこにはコーヒーを飲んでいる石堂が座っていた。

 

「別に俺の目的の為に彼女達に話しただけだ。

信頼を産む、それも計画の一部だからな」

 

「あんたがどんな計画を立てようが知らないが、俺はてめぇが誰かを傷つけようとしたら止めるだけだ」

 

「それはそれで面白い。

だがな、勘違いするな、俺は別に敵対をしたい訳でもましてや世界を滅ぼす気もさらさらないぜ」

 

「それを信じるとでも」

 

そう言い、石堂の背後に立っていたソーマはVSチェンジャーで石堂の頭をいつでも打ち抜けるようにする。

 

「まったく、ここまで信用されないとは悲しいね」

 

「儂らとしては、あんたみたいな奴が使者なのが不思議で仕方ないんじゃがな」

 

「噛みながら喋るな」

 

忍も起きたのか、睨み付けるように喋るが、俺の腕に噛みついたままだった。

 

「それもそうだな。

だけど俺の履歴など関係ない、今、お前達をサポートしたいのは本当だぜ」

 

そう言いながら笑みを変わらず続ける石堂。

 

「まぁ良い、今はあんたを少しは信じる」

 

「おぉ嬉しいね。

雨宮の信頼ポイントゲットか?」

 

「だけど勘違いするなよ、何かしたら、絶対に止めるからな」

 

「分かっている、分かっている。

それよりも早く行かないとやばいぜ。

奏者の皆と再会する前に一仕事だ」

 

そう言い渡してきた資料に書かれていたのは

 

「オートスコアラーだとっ!?」

 

響達と戦っていたという人形で、確か人間の思い出を吸って戦うと言っていた。

 

「そっ、この世界に来てから、なぜかこの世界の住民が特典を持つのが増えたんだよな。

そして、今の奴の居場所はここだ」

 

「なるほど、確かに放っておけないな。

行くぜ、忍、ソーマ!!」

 

「まったく、血が足りないのに、無茶をさせる」

 

「はぁ、面倒な事だ」

 

そう言いながら、俺は病室へと出ていった。

 

「果たして、俺は今度は成し遂げれるのかねぇ」

 

そんな、病室から抜け出す際に僅かだが聞こえた石堂の言葉に疑問を覚えるよりも前に俺達は走った。

 

走り抜けた先にある施設からそう遠くないビルにたどり着くと、そこには踊っているオートスコアラーがいた。

 

「あれぇ、なんでシンフォギアではなく、お前らが来ているんだ?」

 

「さぁな、だけど響達が来る前にてめぇを始末する」

 

「人形相手だからな、今までのように容赦なく始末できる」

 

「酷い、ガリィちゃんが人形だから倒すの。

人形には心がないとでも」

 

「あぁそうだな。

まぁ人形とか関係なく、てめぇを動けなくするだけボコボコにするつもりはあるがな」

 

「ふぅ情け深いルパンレンジャーとは思えないですね。

まぁ別に良いけど、あんたらの死体を見たら、シンフォギア達の顔が楽しみだけどね」

 

「やれる物ならば、やってみろ!!」

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗戦隊 ルパンレンジャー」」」

 

「今頃、出てきて何をするつもりなの?」

 

「少し用事があったからな。

まぁ覚悟しろよ、今からの俺達は容赦はしないぜ」

 

その言葉と同時に走り出した。

 

目の前にいるガリィは余裕の表情は変わらず、俺達が放ったVSチェンジャーによる銃弾を水で作り出した盾で防ぐ。

 

水の盾を作り出している間にもソーマは一気に横へと飛び、その手に持ったルパンソードで薙ぎ払うが、その攻撃を見ても余裕の笑みを崩さずにその手は巨大な氷の剣に変えて、受け止める。

 

忍も同様にルパンソードでの攻撃を行うも、今度は足から氷の剣を作り出し、それを出鱈目な動きで対応していく。

 

「本当に、人形でよかったぜ!!」

 

「あらぁ、ガリィちゃん、そんな事を言われてショックですよ。

人じゃないから、消しても良いんですか?」

 

「別に俺は人間だとかそんなので、分けるつもりはないよ」

 

そう言いながらもVSチェンジャーでの攻撃の手を緩めず、ルパンソードで近接攻撃を行っていく。

 

「キャハハッ!

そんなに攻められたら、ガリィちゃんも本気を出しちゃいますよぉ!!」

 

その言葉と共にガリィの口から飛び出たのは小さな光だったが、その光がガリィを包み込んだ瞬間、俺達はその場から離れて、その姿を見ると驚くべき姿へと変わっていた。

 

着ていた服は着物へと変わっており、四本の腕と四本の脚になっていたが、その笑みは不気味な物に変わりなかった。

 

「転生特典」

 

「そう、マスターがガリィ専用に手に入れたそうなんですよ」

 

「興味深い話だが」

 

「今の儂らには関係ない話じゃ」

 

その言葉に答えるように俺達はルパンソードで攻撃を仕掛けるが、先程でも苦戦していたのに、その数が倍になり、こちらが完全に不利となっていた。

 

「だったら、これはどうかな?」

 

そう言い、俺はVSチェンジャーにシザー&ブレードダイヤルファイターをセットする。

 

【シザー】

 

【怪盗ブースト】

 

その音声が鳴ると、こちらに迫ってきた刀が直前になって現れたシザーダイヤルファイターが現れて、その攻撃を防ぐ。

 

「それは」

 

「さぁこれからが本番だぜ!!」

 

その言葉と共に俺はそのままガリィの攻撃を防ぐと、手に持っていたブレードダイヤルファイターも一緒に現れ、巨大なブーメランを投げる。

 

「例えイグナイトの欠片で何ができるんだよぉ!!」

 

「まぁ一人だけだったら」

 

その言葉に答えるようにソーマは巨大なブーメランを両手に持ち力の限り切り裂き、ガリィを支えていた脚を次々と切り裂いていく。

 

「何を「反撃に決まっておるじゃろが」がはぁ」

 

投げられたブーメランを軽々と受け取った忍もまた小型のブーメランを居合の要領で手を次々と切り裂き、もう一度投げる。

 

「馬鹿な、なんでここまでの強さを!

大体、お前らがなぜシンフォギア奏者達の為に!?」

 

「あいつらが信じてくれたからな」

 

「信じた?」

 

「あの時、俺達の事を聞いても信じてくれた。

それだけでも戦う理由を加えるには十分なんだよ」

 

俺はそのままVSチェンジャーを腹に合わせ、サイクロンダイヤルファイターを動かせた。

 

「こっこんな奴らに負け」

 

【サイクロン】

 

【シザー】

 

【ブレード】

 

【【【怪盗ブースト】】】

 

その言葉を終える前に俺達は各々の手に収まったVSダイヤルファイターをVSチェンジャーに装填し、狙いを定めた。

 

「「「永遠にアドゥー」」」

 

その一言と共に各々から放たれたエネルギー弾がガリィを襲い掛かる。

 

俺のサイクロンによる風がガリィを空中まで吹き飛ばすと同時に二人のVSチェンジャーから飛び出たブーメラン型の二つのエネルギー弾がガリィを切り刻みながら、最後にはサイクロンの風と一体になった巨大なブーメランがガリィを切り裂く。

 

「どうやら、上手くいったかな」

 

そう言いながら、俺の手元にはガリィが使っていたと思われる転生特典が手の中に納まっている。

 

「さて、飯に行くとするか」

 

俺はそう言い、響達の元へと向かった。



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予告状30 勇者と奏者と怪盗

本日はキャロルに続き、オートスコアラーの一人を倒した記念という事で、久しぶりに香川にいる勇者部と会う為に俺達は香川へと来ていた。

 

「にしても、本当にルパンレンジャーと知り合いだったとは、驚きしかないわぁ」

 

そう言ったのは勇者部の元部長という犬吠埼 風は俺達を関心するように見ながら、うなずいていた。

 

「別にそれ程変わっている訳なのかというか、よく見たら色々と個性的だけど」

 

「金髪のお姫様に褐色のフード少年、そして眼鏡リーダー!!」

 

「こっちもこっちで個性的だな」

 

そう言い、冷静に俺を見ている三好 夏凜と個性的な名前を付けてくる乃木 園子も一緒に俺達を眺めていた。

 

「樹さん!

しっかりと」

 

「だっだって!

ルパンレンジャーに会いに行くとは聞いていたけど、まさか風鳴さんとマリアさんがいるなんてぇ!!」

 

そんな俺達を他所に別に意味でパニックになっている犬吠埼 樹とそれを宥めている東郷 美森が話し合っていた。

 

「それにしても、まさか雨宮さんと響さんとは会っていたけど、本当に凄いですね」

 

「うん、そうだね!

こうやって勇者部に会えて、本当に良かったよ!」

 

そう言いながらもわいわいと雑談をしているが、ふと周りを見渡すと

 

「・・・」

 

俺は懐からVSチェンジャーを取り出し、それに気づいたソーマと忍も同時にVSチェンジャーを持ち、周りを見始める。

 

「えっ何を」

 

「落ち着け、転生者だ」

 

「転生者?」

 

「嘘だろ、まさかここにも」

 

「どこにいようと可笑しくないが、まさかこんなに唐突に殺気を出すとはな」

 

周りを見渡す限りだが姿を見えないが、透明化なのか、瞬間移動などの類かもしれない。

 

「っ!」

 

ふとした視線の先で鏡から飛び出た奴に向けて銃弾を放ったが当たる事なかった。

 

「あれはハングドマン!!」

 

「はっはんぐどまん?」

 

「昔、似た奴と戦ったからな。

だから、弱点も分かるけど」

 

俺達は周りを見渡すが本体がここから遠くにいると思うが

 

「それだったら、私の出番だな」

 

「私も狙撃は少し得意なので、お手伝いします」

 

そう言い、クリスはシンフォギアを纏い、東郷さんは同じく勇者へと変身し、周りを見渡した。

 

「怪しい動きをしている奴がいるぜ、ここからそう遠くないぜ」

 

「それじゃあ、行ってくるぜ」

 

そう言い、俺はVSチェンジャーにレッドダイヤルファイターを取り出す。

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

「すっ凄い!

あれがルパンレンジャーの変身!!」

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「怪盗戦隊ルパンレンジャー」

 

「あれは一体なんの意味が?」

 

「本人達はなぜか言っちゃうようだよ」

 

「なんだか、別の意味で衝撃的な事の連続だけど」

 

「さてっと、行くか」

 

そう言いながら俺達は一斉にクリス達が言った場所に向かって走り出すと

 

「というか、響達、なんで着いて来るんだ!」

 

そこにいるのは響は勿論事だが、なぜか友奈ちゃん達の勇者の何名かも着いてきていた。

 

「だって、目の前で困っている人がいたら放っておけないから」

 

「まったく、色々と調子が狂う」

 

そうは言っているが、こうして仲間が増えるのは何かと嬉しくももある。

 

「迷っている暇はないぞ。

既に転生者が目の前にいるのだからな」

 

そう言って、俺は目の前の男を見た。

 

そこにいたのは黒いコートを身に纏っており、充血した目で俺達を睨んでいた。

 

「時崎を守った奴らか」

 

「時崎?

誰の事を言っている、俺達にそんな知り合いはいないぞ?」

 

「何を言っている、あそこには、そんな奴はいないぞ」

 

「嘘だ!

あそこにいた黒髪で、しかも銃を持っていた!!

姿は違ったが間違いない!!」

 

「まさか東郷さんの事?」

 

「東郷だと、精霊がそんな事を言うのかぁ?」

 

「なるほど、そういう事か」

 

「えっ分かったの!?」

 

「この世界が次元融合によって融合は勿論だが、分離された世界がある。

その中に精霊がいたという世界があるんだが、多分だが」

 

「人間違いなの!

でも」

 

「止める事はできないだろうな。

復讐ってのは、そんだけ感情が荒れるんだよな」

 

「雨宮さん」

 

「・・・なぁ、お前の名前は?」

 

「呪木、なんだ?」

 

「そうか。

だったら、お前をここで止める」

 

「何?」

 

復讐とは、ある意味、俺の原動力でもある。

 

だからこそ

 

「同じ復讐者としてな」

 

「何を言っているのか、分からないが!

貴様らを殺すだけだあぁ!!」

 

そう叫ぶと同時に奴が取り出したのは剣だった。

 

何の飾りもない剣だったが

 

「あれも特典か」

 

「えっ特典って、一つじゃないんですか?」

 

「たまに複数を持っている奴がいる。

見ている限りでは、あいつは3つ持っているな」

 

「3つ?

なんで分かるの?」

 

「周りを見て見な」

 

俺がそう言うと周りを見渡すと、そこは霧で囲まれており、よく見てみると周りにはなぜかゾンビが囲んでいた。

 

「これは」

 

「霧を操っているんだろうな。

まったく、転生者のスタンド使いで三体かよ、厄介な奴だぜ」

 

「とにかく、周りには気を付けろ」

 

俺はその一言と共にVSチェンジャーで呪木に向かって行きながら攻撃を仕掛けていくが、その攻撃は簡単に切り裂き、こちらに攻撃を仕掛けてきた。

 

その隙を見てソーマも合間を縫って攻撃を仕掛けるが、その攻撃を簡単に切り裂く。

 

そして背後に移動していた忍も攻撃を仕掛けようとしていたが、ハングドマンによって攻撃を防がれる。

 

「本当に厄介だぜ。

これまで戦った事のある奴だが、それを組み合わせたら、本当に厄介だぜ」

 

俺はそう言いながら後ろに下がると丁度響と友奈が背後にいた。

 

「はぁはぁ」

 

「っ」

 

その顔を見ていると、血が引いており、精神的にきついようだ。

 

「響、それに友奈ちゃん。

お前達は下がれ」

 

「なっなにを言っているの!」

 

「ここでなんとかしないと」

 

「人を殴るのに抵抗があるんだ。

下がれ」

 

「でも」

 

「その感覚に慣れちゃ駄目だ」

 

何度も転生者との戦いで、最初は撃つのにも抵抗があったが戦いを続けていく内に、それは慣れていき、今では当たり前のようになっている。

 

だからこそ、人を傷つけるのに慣れるのに決して慣れてはいけない

 

「それでも、誰かが傷つくのを見ていられないよ」

 

「今、逃げたら後悔する。

だからこそ、私達は逃げない」

 

「まったく」

 

状況的には本当に不利としか良いようがない。

 

スタンド使いというのは特典の中でも数多く存在し、その応用力も高く、その種類も豊富だが一番に厄介なのは奴自身だ。

 

スタンドは精神力の具現化の為、その応用力は高いが、反対に言えば精神が弱ければ、その分弱くなる。

 

だが奴は一つの目標の為に突き進んでおり、それに比例してスタンドも強力になっている。

 

正直、この場で響達がいるのは危険だ。

 

「それにあの人を止めないと。

あの人、ずっと悲しい目をしているから」

 

「友奈ちゃん」

 

「確かに他の人も心配だよ。

でも、それと一緒であの人を助けたい気持ちも確かだよ」

 

「響」

 

そう言った彼女達の瞳を見て

 

「あぁそうだな、絶対に救うぜ」

 

その一言がきっかけなのか、俺達は目の前の空間が突然青く光りだした。

 

「ここは?」

 

「ようこそベルベットルームへ。

今宵のお客様は三名ですか」

 

そう言い挨拶してきたのはイゴールだった。

 

「えっここは一体!!」

 

「俺が世話になっている所だ。

でもなんで」

 

「今回、あなたを呼び出したのは私ではありません。

出てきなさい」

 

そう言い奥から出てきたのは

 

「まったく、随分と無茶しているじゃない」

 

「えっ了子さん!!」

 

「だっ誰?」

 

「櫻井了子っていう人らしいけど、それ以外はあんまり知らないんだ」

 

「へぇ」

 

「なんで、ここに了子さんが?」

 

「その話は後よ。

それにしても、記念すべき最初のお仕事が響ちゃんとはね。

結構嬉しいわ」

 

その様子を見る限りだと、二人は何か関係があるようだが、俺と友奈ちゃんは頭を傾げるしかできなかった。

 

「まず、私から言える事は、あなたが行った合体についてよ」

 

「知っているのか!!」

 

「えぇ、この部屋の特性でな。

そしてはっきり言うわ、無茶な合体を行えば、あなたは死んでしまうわ」

 

「でも、今やらないと、奴には」

 

呪木はこれまで戦った事のない部類の人間だ。

 

俺と同じように復讐を目的にして、特典を極限まで使いこなせるようになっている、強敵だ。

 

「それでもよ。

相性を考えずに行ったら、自滅と同じよ」

 

「相性?」

 

「えぇ相性。

合体で必要な事、それは戦い方もそうだけど、様々な要素が噛み合って初めてできるのよ。

戦闘タイプもまるで違う三人では無茶も良い所よ」

 

「それで、警告する為に?」

 

「いいえ、丁度良い例が現在いるじゃない」

 

そう言い櫻井さんは二人を見つめた。

 

「雨宮、この状況を打開する事ができる合体はこの三人しかいないわ」

 

「えっ私達が」

 

「合体を!!」

 

「いや、それはできるのか?」

 

俺達は互いに目を配ったが、確かに仲が悪くはないし、むしろ良い方だと思うが

 

「信じなさい。

貴方達、思っていたよりもそっくりな所があるのよ。

それに救いたいのでしょ、彼を」

 

「「「っ!!」」」

 

そこで思い出すのは呪木のあの顔だった。

 

彼は復讐の為に何もかも犠牲にした。

 

皮肉にも、その対象はこの世におらず、あいつ自身止めたくても止まらない状態だった。

 

「やろう!

あの人を救えるのが私達だけだったら」

 

「そうだね、なんにもやらないで諦めたくないし」

 

「まぁな、どうせ辞めるつもりはないしな」

 

そう言い、互いに目を見て、決意を固める。

 

「やっぱり似たもの同士ね。

まぁ本題はこっちだけどね」

 

そう言い了子さんが投げたのは

 

「これはピンク色?」

 

「マゼンダよ。

まぁ間違いやすいけど、でもマゼンダという色よ」

 

「これは?」

 

「あなたの新しい力よ。

まったく、さっそく作るとは、恐ろしいわね」

 

「あぁ、ありがとう!!」

 

「皮肉が効かない子ね」

 

「それじゃあ、行こう響さん!雨宮さん!」

 

「そうだな」

 

俺達はそう言い、手を重ねると同時に光景は現実へと戻る。

 

「よぅ、大ピンチのようだな!

力を貸そうか」

 

「グットタイミングだ!!」

 

俺はVSチェンジャーにグットストライカーをセットする。

 

「させる「「もんかぁ!!」」ぐはぁ!!」

 

俺に近づいていてきた呪木の攻撃は一瞬で近くに来た響と友奈ちゃんの拳によって、防がれる。

 

二人の攻撃に反応できなかった呪木が怯んだ内に俺はすぐにグットストライカーを操作する。

 

【怪盗ブースト!一致団結!!】

 

三人称Side

 

【怪盗合体!】

 

その音声が鳴り響くと同時に光は晴れ、そこに現れたのは桜色のローブの上に黄色の機械の鎧を身に纏い、その籠手は左右それぞれが響と友奈を思わせる籠手を身に纏うルパンレッドの姿がいた。

 

「これは響さんのガングニールを通して分かるデータですが、数値は既にエクスドライブに近い程のデータを表示しています」

 

戦闘のデータを逐一確認していたエルフナインはその言葉と共に過去のエクスドライブ時のデータと現在のルパンレッドのデータを見比べるが、エクスドライブのデータよりも少し下がった程度の数値が

 

「まさかこれ程とは」

 

「三人の心が一つになった姿」

 

「だからどうしたと言うんだっ!!」

 

その言葉共に呪木は叫ぶと、ハングドマンを呼び出す。

 

「おい、あれはまさかまた厄介な奴が出てきたか!!」

 

ハングドマンは登場と同時に近くにある鏡から飛び出すとルパンレッドへと向かって走り出した。

 

「ぐへぇ!!」

 

その声を出したのはルパンレッドではなく、ハングドマンの本体であった呪木だった。

 

見ると呪木の顔には明らかに殴られた後があり、その形はルパンレッドの右手にある桜色の籠手と同じ形へとなっていた。

 

「何が起こったんだ」

 

「まさか、光の速さで動くハングドマンに対応したというの!?」

 

「そんな、馬鹿な事があるかよ!!」

 

呪木はその叫びと共に再びルパンレッドにハングドマンを襲わせるように指示を出した。

 

だがハングドマンが現れる度に、ルパンレッドは殴り、蹴りと周りからしたら何も見えない所に向けて攻撃を仕掛けたが、その攻撃の度に確実に呪木の身体を傷つけていた。

 

「間違いない。

まさかとは思っていたが、あの姿では光をも簡単に捕らえられる程の反射神経を持っている」

 

「とんでもないパワーデス!!」

 

「だったら、これでどうだぁ!!!」

 

その言葉と共に呪木の周りには霧が現れる。

 

「まさか、他にも特典があるのか」

 

「もうこの際、出し惜しみはしないぜぇ。

俺のアヌビス神、そして正義の組み合わせによってできる最強の戦略でお前を倒す」

 

その言葉と共に呪木の周りに一人、また一人と呪木にそっくりの存在が次々と現れる。

 

「・・・」

 

「まさか分身だとっ!?」

 

「これは儂らを囲んでいた霧が晴れている」

 

「どうやら霧を操る力を使っているようだな。

その分コントロールの為に、周りに散っていた分も分身に回したのか」

 

「だとしても、なんだよあの数はっ!!」

 

そこに現れたのは50を超える呪木の分身達だった。

 

全員が同じ武器である剣を持ち、こちらに構えている。

 

「この技はとっておきだったんだぜ。

あいつの分身に対抗する為のな、だけど出し惜しみはなしだぜ。

既に先程の攻撃でお前の攻撃パターンも学習した。

後は、数の暴力と学習で一気に片付ける」

 

「まさかそういう能力か!!」

 

「敵の動きを一度見ただけで見破る事ができる!

だから我々の攻撃が二度目には通じなかったのか」

 

「だったら、友奈ちゃんも、響さん、それに雨宮さんが」

 

そう言い一斉に呪木は襲い掛かってくるが、ルパンレッドが手に持っているのは

 

「あれって、見た事のないダイヤルファイター!?」

 

【ジャンボ】

 

【2・8・4】

 

【怪盗ブースト】

 

ルパンレッドは一瞬で取り出したダイヤルファイターを取り出し、グットストライカーと入れ替えると同時に引き金を引くと、そこから現れたのはマゼンダ色の飛行機が現れると、そのままルパンレッドはグットストライカーを再びセットすると共に走り出す。

 

飛行機はその形を変形させ、ルパンレッドの背中と一体化すると共に、そのスピードを上げる。

 

「なっ!!」

 

ルパンレッドはそのまま軍勢となっていた呪木の元へと突撃すると共に、その拳を次々と当てていく。

 

攻撃を学習して、様々な方向で襲い掛かってくるが、ルパンレッドが向上している格闘能力と共に背中にあるジェット機によって、高速なヒット&ウェイを可能にしていた。

 

「くっそ」

 

それでも諦めずに遠距離から刀を投げての攻撃を仕掛けた呪木だが、全てを銃弾により打ち落としていく。

 

それでも諦めずに仕掛けてくる。

 

「・・・・」

 

やがて、攻撃の手を止めたルパンレッドは背中のジェット機で周りにいた呪木を吹き飛ばすと、そのまま遥か上空へと飛ぶと同時に構えを取る。

 

【怪盗ブースト!!】

 

その音声が鳴り響くと同時にルパンレッドの周りに桜色の光が囲むと同時にルパンレッドの右腕には巨大な籠手が現れる。

 

「ぐっやばっ」

 

そして呪木は周りを見渡すと、攻撃ばかり考えて分身を全て一ヶ所へと集めており、逃げるまでの時間を少なくしていた。

 

それと同時にその巨大な拳と共にルパンレッドは突進していった。

 

その衝撃によって、大地は大きく割れ、分身体である呪木は次々と消えていく。

 

そして本体である呪木はその衝撃によって空高く吹き飛ばされ、その胸からは特典が飛び出る。

 

それを回収すると共にルパンレッドはすぐに呪木を抱えると共に地上へと戻った。

 

雨宮Side

 

「「「意識が全然なかった」」」

 

「えええぇぇ!!」

 

気が付けば、戦闘は終わっており、周りを見渡すと凄い光景になっていた。

 

だが、周りの皆は無事だったし、呪木も無傷の状態だった。

 

「お前ら、本当に覚えていないのか」

 

「はっきり言うと、ここまで高かったとは思わなかったわ」

 

「あぁ今度は相性が良すぎかよ」

 

そう言ったのはぐっとストライカーだった。

 

「どういう事?」

 

「お前ら、力の種類に違いがあったけど、人を助けたい思いが人一倍な所とか共通点がありすぎて、変身している時には全く別の人格になっていたぜ」

 

「相性が良すぎるのも問題ありか」

 

「「「まぁでも、皆が無事だったから良かったけど」」」

 

「確かに似ていると言えば似ているな」

 

「馬鹿な所とかな」

 

「なんだか、酷い言われようね」

 

「まぁ、確かに」

 

そう言いながら、ふと俺は呪木へと視線を向けた。

 

復讐という目的以上、俺はあいつの感情を知っているし、それを行う気持ちも分からなくない。

 

だからこそ、あの光景に対して、心が痛み、俺も同じ道に行くかもしれない

 

「だけど、やっぱり変えられないな」

 

だからと言って、復讐を辞める気はない。

 

それでも

 

「雨宮さん!!

せっかくだからうどんを食べましょうよ!!」

 

「向こうでここ限定のうどんがあるらしいよ!!」

 

先程の戦闘でお腹を空かせたのか二人は俺の手を引っ張っていく。

 

「あぁそうだな」

 

俺は復讐を行いながらも、絶対に守り続ける誓い胸に刻み込んだ。



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予告状31 後輩と

特典を盗む怪盗を書いている内に、最近ではシンフォギアを中心にした話が多くありましたので、原作の方をシンフォギアに変更したいと思います。

アンケートも引き続き行っていますので、興味がある方はぜひ、お願いします。


香川へと遊びに来た俺達はそれぞれの目的の為に分かれて行動する事になった。

 

響達は友奈達が所属している勇者部の活動が気になり、見学しに行き、ソーマ達は香川での神樹に興味を持ち観光しており、俺はと言うと

 

「これがかの有名な桃太郎デスか!」

 

「なんだか新鮮!!」

 

後輩二人の観光に付き合っていた。

 

なんでも香川に来たらぜひ見ておきたかったという桃太郎の石像を見に来ていた。

 

にしても

 

「これって桃太郎なのか?」

 

そこにいたのは桃太郎だと思われるが、なぜかスーツを着ている桃太郎が立っており、その横にはほとんど裸の男が立っていた。

 

「まさかこんなのがあるとは、今まで住んでいたけど、全然知らなかったぜ」

 

「そっそうなのか」

 

そして勇者部の一人である三好さんも一緒に着いてきていた。

 

理由としては後輩二人と一緒に観光に行く前に勇者部の一人である風が

 

「だったら、この子に案内してもらったら。

案外面白い所、知っているからねぇ」

 

そう言い、しばらく言い争いになっていたが、仕方ない感じで俺達の案内をしてくれるようになった。

 

「それにしても、本当に年上なのかしら?

月読さんは分かるけど暁さんは」

 

「まぁ二人も色々あったんだよ。

ほとんど施設で育ったから、こういう事は本当になかったんだよ」

 

「そうかもね。

私も実際に」

 

「・・・」

 

どうやら思ったよりも勇者部にも闇は深いのかもしれない。

 

それでも見ている限りでは幸せそうに見える。

 

「ようやく見つけたぜ、プリキュア達」

 

「「「「ぷりきゅあ?」」」」

 

聞き覚えのない言葉を聞き、振り向くとそこには赤と青が入り混じったイケメンとフードを被った男がいた。

 

「ふっさっそく俺の魅力にまいったか。

何故って?俺がカッコいいからさ!

 

「いっ痛いデス!

あの人、なんデスか!!」

 

「知らないわよ!

こんな変人がいるなんて、聞いていないわよ」

 

そう言い切歌と三好さんは余りの行動に驚き、話し合っているが

 

「・・・転生者だな」

 

「むしろ転生者じゃなかったら、痛すぎる」

 

俺と調はすぐに正体が分かり、ジト目で見つめていた。

 

「まったく、安い仕事を受けたとはいえ、またあんたと戦うとはな」

 

「あぁお前かよ。

これで何回目だ、数多」

 

俺はそう言いながら、フードの男である数多に睨み付けると、あっさりと正体を暴いた。

 

「俺も仕事でな。

こいつの護衛で来たんだが、どうやらさっそく仕事のようだ」

 

「何をしている?

既にプリキュアは僕の魅力にメロメロなのに?」

 

「先輩!!

VSチェンジャーを、今すぐ特典を盗んで欲しいデス!!」

 

「これ以上は」

 

「まぁそうしたいのは山々だけど、厄介なのは数多なんだよな」

 

「それって、さっきのフードの?」

 

「まぁやるだけやってみるか」

 

そう言い、俺は再び見つめると数多はその姿を二人へと増えていた。

 

「人数が増えた?」

 

「あいつの特典は応用力が高くてな。

覇気と二倍でな、一人でやるのは結構面倒だからな」

 

「こっこれは確かに厄介!」

 

「だったらぁいたぁ!」

 

切歌も一緒に戦おうとした時、突然何かにぶつかったのか、頭を回した。

 

「グットストライカー、ぶつかって参上だぜぇ!

最近怪盗合体に嵌っちまった俺様、さぁ今日はどんな合体が見れるのかねぇ」

 

「おぉグットタイミングデス!

先輩、やりましょう!」

 

「組み合わせ的には私と切ちゃん?」

 

「あぁ、私は一応見学させてもらうわ

 

「なっなんか、悪いな三好さん。

それじゃあ、決めるぜ!!」

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ!】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

変身を終えた俺はさらに合体する為にグットストライカーをVSチェンジャーにセットする。

 

【怪盗ブースト!一致団結!!】

 

三人称Side

 

【怪盗合体!】

 

その場に現れたのはルパンレッドと共に切歌と調の三人が合体した姿だった。

 

その姿はイガリマとシャルシャガナのパーツが邪魔にならないように合体しており、シャルシャガナの一番に特徴的なパーツはルパンレッドのマントと一体化していた。

 

「「「悪いが、数多。

ここからの俺達は絶対無敵の強さを誇るデス!!」」」

 

「おい、三人の声が重なっているのは良いけど、一人の特徴が強すぎてないか!!」

 

「「「安心してデス!

これこそ、合体した証拠なんデスから!!」」」

 

「全然安心できないんだけど!」

 

「まったく、お前はしばらく見ない内に子守りをするようになったのか?

加減をするつもりはないがな」

 

その言葉と共に数多はその腕を黒くさせると共に襲い掛かってきた。

 

それを予め予測していたようにルパンレッドは背後に展開していたシャルシャガナから出てきたパーツを作り出したヨーヨを作り出した。

 

「あれはシャルシャガナの武器じゃないかよ」

 

その言葉に答えるようにルパンレッドはヨーヨを投げると、数多はその軌道を呼んで、地面を蹴りながら避けていた。

 

そんな中、ルパンレッドは片手にヨーヨを持ちながら、次に取り出したのはイガリマの武器である鎌を取り出す。

 

「ふっ幾ら武器を持っていたとしても!!」

 

「「「それはどうかなデス!!」」」

 

言葉に答えるようにルパンレッドの足から鋸が出てくると共に一気に数多に接近すると共に近接戦闘に持ち込んだ。

 

拳による攻撃を持ちながら、特典である個性によって二人に増えた数多のコンビネーションを受けている中、ルパンレッドは鎌を軸にした動きで踊るように避けて、攻撃を仕掛ける。

 

「素早い動きだが」

 

「何時まで持つかな?」

 

「「「残念ながら、そっちがコンビネーションを行うように、こっちも既にコンビネーションを行っているいんデスよ!!」」」

 

「「なに?」」

 

それと同時にルパンレッドは片手を引くと、先程まで展開されていたヨーヨから次々と小型の鋸が現れ襲い掛かり、それと同様にルパンレッドは鎌を構えて、振り下ろすと刃部分が投げられる。

 

「「なっなにぃ!?」」

 

明らかに物量を超えた攻撃に対して、数多が行った行動は回避ではなく、防御に徹する事だった。

 

既に鋸と刃によって逃げ道の少ない状態の中で、下手な回避は敵に次の攻撃のチャンスを与えるのと同じことだった。

 

よって二人は互いに身体を合わせ、ダメージを最小限に留める為に全身を武装色で固めて攻撃に耐える。

 

数秒という斬撃の雨に耐え抜いた二人は再び攻撃を行う為に武装色を解除しようとしたその瞬間だった。

 

【怪盗ブースト!】

 

音声が鳴り響く方向を見つめると、二つのギアが合体したような巨大な鎌をルパンレッドが持っていた。

 

「「「これでとどめデス!!」」」

 

その一言と共にルパンレッドは足についてある鎌を振り回す。

 

巨大すぎる鎌の攻撃によって、避ける手段を持たない数多は再び防御へと選択を戻し、攻撃に耐えようとするが、巨大な鎌による攻撃力により、その攻撃に耐えきれず、吹き飛ばされる。

 

「まっ待てよ、こっちに来るがはぁ!!」

 

数多が吹き飛ばされた先にいた万国は数多に巻き込まれて、倒れる。

 

「「「確かにお宝」」」

 

「頂いた」

 

「頂いたデス!」

 

「もらった」

 

攻撃を終えると共に合体はは解除され、雨宮の手元にある特典を持つと共に切歌と調も一緒にポーズを取った。

 

「いっ一応聞くけど、お前達、変な口癖は」

 

「何を言っているデスか!

変な口癖って」

 

「大丈夫」

 

「今回は意識もあったし、うん。

大丈夫だな」

 

そう言いながらも、雨宮は頷く。

 

「やれやれ、それでこれで良かったのか?」

 

そう言い尋ねたのは数多だった。

 

数多が気絶から起き上がったのに気づき、三人は戦闘態勢を取ろうとするが

 

「無駄だ、あいつは分身だ。

本体は未だ健在だ」

 

「本当にあんたと戦う度にいなくなるのは勘弁して欲しいぜ。

何度戦っても、なぜ勝てないのか分からないが、とりあえずは依頼は達成したから別に良いが」

 

「どういう関係で?」

 

「あいつは傭兵で様々な転生者や組織に雇われる事がある。

その時に何回が戦ったが、捕まらないからな。

本当に面倒だぜ」

 

「まぁ俺としては依頼主が抵抗できないから、好きなの取れるから万歳だけどな。

それじゃ、俺はここで失礼するぜ」

 

その言葉と共に数多の分身は消えていった。

 

 



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予告状32 正解のない正しさ

その日、勇者部はシンフォギア奏者と一緒に幼稚園でうどん作りを行っていたのだが、うどんに必要な薬味が足りなくなったので、数人の子供達と一緒に買いに行った。

 

幼稚園児も少し見た事のない光景を楽しんでいたが

 

「あれは」

 

薬味を買いに行く途中で何か不吉な予感に子供達を守ろうと、子供達を後ろに下がらせて、見つめた先にいたのは、ここら辺に有名な不良達がいたが、その姿は傷だらけの状態だった。

 

「あれって、カレウス君?」

 

「知っているの?」

 

「うん、学校では物静かな子だけど」

 

「あぁ、なんだ、お前達は?」

 

その中心にいるのはカレウスは血塗れになった姿をしながらも、風達を睨み付ける。

 

「あんたが、こんな事をしたの!?」

 

「だとしたら?

それにしても、なんで怖がるんだよぉ?」

 

そこで見つめたのは風達の背後にいた幼稚園児が自身を恐れている姿を見て、苛立ちを覚えて睨み付ける。

 

「そんなの、当たり前でしょ!

あんたがこんな事をしたら、誰だって怖がるわよ!

人をこんなに傷つけて!!」

 

「ふざけるな、僕は正しいんだよ!!」

 

そう叫びながら、カレウスは目の前で自身の正義を否定した風達を殺そうとして、転生特典を発動する為に地面を強く踏みつけると、そこから地面が亀裂が走り、友奈達に襲い掛かろうとした瞬間

 

「よく言った、少女!

後は俺達に任せな!!」

 

どこからか響いた声と共に地面の亀裂が突然爆発が起こり、地面は亀裂を作るのを辞め、代わりにそこに立っていたのは各々が赤と緑とピンクの怪盗衣装を着ている雨宮、切歌、調の三人の姿がいた。

 

「貴様らも邪魔するのか!!」

 

「あぁ、てめぇのような奴から特典を奪う為に来た、怪盗団だよ」

 

その言葉と共に各々が持っているVSチェンジャーを持ち、ダイヤルファイターダイヤルファイターとシンフォギアをセットする。

 

【レッド】【グリーン】【ピンク】

 

【0・1・0】【0・9・6】【0・1・9】

 

【【【【マスカレイズ】】】】

 

【【【怪盗チェンジ!!ルパンレンジャー!!】】】

 

その音声が鳴り響くと同時に現れたのは赤、緑、ピンクの三色のルパンレンジャーが現れる。

 

「ルパンレッド」

 

「ルパングリーンデス」

 

「ルパンピンク」

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー」」」

 

三人が変身を完了すると共に名乗りを上げると、カレウスはおどろいた表情でルパンレンジャーを見つめていた。

 

「ほら、さっさと、ここから離れるわよ」

 

「えっ夏凛!

何時の間に」

 

「さっきまで、飛行機の中だったわよ。

それよりも良かったわ」

 

「これは一体?」

 

「さぁ。

私も詳細は分からないけど、雨宮が電話に出たら、急いだ様子で飛行機に乗ったから私達は勢いで一緒に乗っただけだから」

 

そう状況の説明を終えた夏凛はそのまま風達と一緒に避難する為、その場から少し離れる。

 

「まさか、噂の奴が出てくるとはな。

だが、それで俺を倒せるのかぁ!!」

 

そう叫ぶとカレウスは走り出すと、凄まじい勢いをつけてルパンレンジャーに襲い掛かる。

 

「行くデスよ、ピンク!」

 

「了解、グリーン」

 

二人のルパンレンジャーも同時に走り出し、雨宮に向けてワイヤーを伸ばすと、そのままレッドをカレウスに向けて投げつける。

 

雨宮はそのままカレウスに突っ込むと同時にマントを翻すと

 

「ゲンブ!!」

 

その言葉と同時に雨宮の目の前には人と同じぐらいの大きさの亀の形をしたペルソナ、ゲンブが現れ、カレウスの攻撃を防ぐと、甲羅から出ている一匹の龍がカレウスに向けて氷の息を吐く。

 

「ぐっ」

 

余りの冷たさにカレウスはその場から離れるが、雨宮はその場で足を止めると、そのまま自身に繋がっているワイヤーを手に取り、そのまま手を前に出す。

 

「なっ」

 

「「はああぁぁ!!」」

 

雨宮の力によって、飛んできた切歌と調はそのまま手に持っていたルパンソードを使い、接近戦を仕掛ける。

 

互いから見て死角になっている所を正確に狙った攻撃に対応が難しく、カレウスが取った行動は

 

「重くなっちまえぇ!!」

 

その叫び声と共に二人は突然何かに押しつぶされるような感覚で地面に膝を付いてしまう。

 

「ははっ、どうだ、これでお前らは」

 

カレウスはそのまま押しつぶそうとして、二人に手を伸ばすが、グリーンとピンクはワイヤーのスイッチを押し、無理矢理カレウスから離れる。

 

「ちっ、逃がすか!!」

 

「それはこっちの話だぜ」

 

そう雨宮の声が聞こえ、見ると、雨宮の手にはVSチェンジャーがあり、その狙いはカレウスを狙っていた。

 

【コズミック!】

 

【怪盗ブースト】

 

「まさかっ!!」

 

カレウスはここまで来て、ようやく理解したのか、その顔は歪んだ。

 

ルパンレンジャーの連携は互いを囮にするような動きをして、真の目的であるこの一撃を与える為に動いていた事に理解した。

 

(だけど、無駄だ!

僕の能力は重力を操るんだ、だから敵の攻撃だって、途中で落とす事ができるはずだ!!)

 

「喰らえ」

 

その言葉と共に雨宮は引き金を引くと、VSチェンジャーからは水色のエネルギー弾となったダイヤルファイターが発射され、カレウスへと向かっていく。

 

カレウスはすぐに攻撃を落とす為に腕を前に出し、エネルギー弾を落とそうとするが、エネルギー弾は勢いを無くす事なく、カレウスに真っすぐ向かっていく。

 

「なっなんだとっ!!?」

 

攻撃を打ち落とす事ができず、攻撃はカレウスに直撃すると、そのまま壁にまで飛ばされ、めり込んでしまう。

 

「お宝、頂くぜ」

 

そう言い、雨宮の手元にはカレウスの転生特典があった。

 

「一体、なぜ」

 

辛うじて意識が残っていたカレウスは疑問をそのまま叫ぶと、雨宮はセットされていたダイヤルファイターを抜き、見せる。

 

「これはコズミックダイヤルファイター、宇宙へ行く事ができるダイヤルファイターだからな。

重力に逆らって当てるのなんて、簡単なんだよ」

 

そう言うと、どこか納得したのか、カレウスは顔を下に向いていた。

 

「なぁ、なんで俺は正しい事をしていたのに、こんな目に合っているんだ?

不良を倒して、何が悪いんだ?」

 

「悪いです!!」

 

その言葉に対して、一番に叫んだのは樹だった。

 

「そんな事をしても、誰かが痛い思いをするだけです!

誰かを守ろうとしているのとは全然違います!!」

 

「守るか」

 

そう言われて、カレウスはさらに混乱をしそうな頭を落ち着かせようと、頭に手を伸ばす。

 

「あんたはさ、少し間違った方へ考えていただけなんだよ。

誰かを倒すのが正義っていう考えもあるかもしれないけどさ、それよりも誰かを守った方が正しいんじゃない?」

 

そう言って、カレウスは改めてルパンレンジャーを見ていた。

 

「本物のルパンレンジャーだぁ!

凄い凄いぃ!!!」

 

「ぐへぇ!!」

 

「緑のルパンレンジャー見た事ないよ!」

 

「ピンクのルパンレンジャーも可愛いよぉ!!」

 

「えへへぇ、照れるデス」

 

「もぅ、少しは落ち着いて」

 

先程の戦いが終わると、ルパンレンジャーに触れていく子供達に対してルパンレンジャーは逃げようとしていた。

 

その姿はカレウスにとっては生前に夢見ていたヒーローの姿であり、自分がなりたかったのを思い出す。

 

「そうか、俺はなんでも勝てばよいと考えていたけど、間違っていたみたいだな」

 

「まぁ、何かしたい時にはうちの学校に来なよ。

ボランティアぐらいだったら、紹介させてやるから」

 

「ふっそうだな、考えておく」

 

そう言い、カレウスは少し落ち着いて、見つめていた。

 

「そういえば、なんで、この場所に転生者がいたって分かったの?」

 

「ブルー達が教えてくれた。

あいつらが手が離せない状況からな」

 

「ブルー達が?」

 

「あぁちょっと厄介な事が分かったからな」

 



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予告状33 赤い禰の少女

「ソーマ、無事か!!」

 

俺は急いでソーマ達の元へと駆け付けたが、そこにいたのは傷だらけになっているソーマとダウンして寝ている忍がいた。

 

「来たか、雨宮。

今は施設で厄介な奴が襲われている」

 

「施設って、確かフォトンスフィアとかいう」

 

ソーマ達は転生者の情報をより正確に掴める手段として、地球上のエネルギーの流れを確認する事ができるナスターシャ教授の形見ともいえるシステムだ。

 

小さな反応ならば見つけにくいが、地形を利用した隠れた転生者を見つける際には通常よりも乱れた場所を見つけやすいので、今後にに約に立つ為、ソーマ達は来ていたのだが

 

「誰にやられたんだ」

 

戦闘能力の高さでは俺よりも高いはずの二人が、ここまでの状態になっているとは

 

「気をつけろ、敵はお前だ」

 

「俺?」

 

謎かけのような事を言うと共に俺は後ろを振り向くと、研究所の奥から感じた事のない気配を感じる。

 

俺はすぐに走り出し、研究所の中へと入っていくと、そこにいたのはかつての高校の制服を着ている俺がいた。

 

「これはなんだ?」

 

「別に難しく考えなくても良い。

俺はお前、雨宮連なんだから」

 

「そうかよ、それでなんで俺の仲間を傷つけた?」

 

「仲間?

利用しあっているだけだろ、お前の目的はただ一つ、復讐なんだから」

 

そう言うと目の前の俺は気味の悪い笑みを浮かべながら近づく。

 

「何を善人ぶっているんだ?

お前の目的は復讐だろ、なんで人を生かす事だけを考える?」

 

「殺したら、終わり、そんな簡単な事、分からない訳ないだろ?」

 

「所詮は復讐者だろうが、どんなに人を救おうと、お前が地獄に落ちるのは変わりない!」

 

「罪から目を背けて、何をしたいんだ?」

 

そう言い、目の前にいる俺は叫んでいた。

 

「そんなの決まっているだろ、俺が助けたいから助けた。

それ以上も、以下もないよ」

 

俺はそのまま目の前にいる俺に向けてVSチェンジャーを構えると同時に引き金を引く。

 

「てめぇは結局は自分の為に「だからさっきからそう言っているだろうが」」

 

その最後の言葉を言い終える前に目の前の俺は驚いた表情でこちらを見ながら、背中から倒れていった。

 

「誰かが助けを求めていたら、助けたいと思う。

それが俺だ」

 

「わぁ、凄いなぁ。

やっぱり赤い怪盗は他の怪盗とは違うねぇ」

 

俺はそのまま背後から聞こえてきた声に振り返り、VSチェンジャーを構えるが、そこに立っていたのは友奈ちゃんがいたが

 

「友奈、いや、誰だてめぇは」

 

まず見た目だが、顔は確かに友奈ちゃんにそっくりだが、髪型はポニーテールな上に褐色という見間違いようのない見た目をしており、着ている服も友奈ちゃんよりもより攻撃的になっている。

 

何より雰囲気が友奈ちゃんのようなほんわかしている感じではなく、まるで小悪魔のような雰囲気をしている。

 

「一発で見抜くとはね。

まぁ今日は自己紹介で来たようなもんだからね」

 

その言葉と共に友奈にそっくりの少女はそのまま飛び上がり、距離を離す。

 

「私の名前は赤嶺友奈、君を助ける為にこの世界にやってきた存在だよ」

 

「俺を助ける?」

 

「うん、君には期待しているからね。

でも今はまだ駄目、だから今は」

 

そう言い、赤嶺が手を伸ばすと、そこに現れたのは不気味な白い奴が現れ、研究所の屋根を突き破り、空へと飛んでいく。

 

「あれはバーテックス?」

 

「まぁ疑似バーテックスだね、この子はサジタリウス・バーテックス。

早く倒さないと、街に被害が出ちゃうよ

 

「嫌な性格をしているぜ」

 

「今度はぜひ、ゆっくりとお話をしようね、じゃあねぇ」

 

そう言うと赤禰の姿はなくなったが、今はそれよりもあのバーテックスを倒すのが先決だ。

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】

 

【レ・レ・レ・レーッド!】

 

その音声が鳴り響くと共に、俺はレッドダイヤルファイターへと乗り込む。

 

三人称Side

 

ダイヤルファイターの三機が飛び出すと共にサジタリウス・バーテックスはその口から次々と光の矢を放っていき、ダイヤルファイターを襲い掛かる。

 

だがダイヤルファイターはそれを避けると同時に攻撃を仕掛けるが、サジタリウス・バーテックスには傷一つつかない状態だった。

 

「弾幕はあんまり効かないか。

だったら、ソーマ、忍、これに乗れ!」

 

雨宮はそう言うと取り出したのはシザー&ブレードダイヤルファイターだった。

 

「なるほど、方法を変える訳じゃな」

 

「やってみる価値はありそうだ」

 

「だろ、では「そういう事ならば、おいらも人肌脱ぐぜ!」グットストライカー!?」

 

「久しぶりの巨大戦、おいらがいないと始まらないだろ?」

 

「はぁ、まったく、だったらさっさと力を貸せよ」

 

「あいあいさー!」

 

その言葉と共に雨宮は手に持っているシザー&ブレードダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする。

 

【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】

 

【ブ・ブ・ブレード!!】

 

【シ・シ・シザー!!】

 

その音声が鳴り響くと、シザー&ブレードダイヤルファイターは巨大化すると、そのままグットストライカーを中心にレッドダイヤルファイター、ブルーダイヤルファイター、シザー&ブレードダイヤルファイターが合体していく。

 

「怪盗ガッタイム!勝利を奪い取ろうぜ!!」

 

「「「完成、ルパンカイザーナイト!」」」

 

その完成と同時にサジタリウス・バーテックスはルパンカイザーナイトに向けて光の矢を放っていくが、ルパンカイザーナイトは装備しているシザーダイヤルファイターを前に出すと、サジタリウス・バーテックスから放たれる矢を受け止めていった。

 

物量で攻めてくるサジタリウス・バーテックスだが、シザーダイヤルファイターには傷一つつかない状態で、そのまま背中のジェットを噴射させる事で一気にサジタリウス・バーテックスに接近する。

 

「はぁ!」

 

サジタリウス・バーテックスが矢を発射している口に向けて、ブレードダイヤルファイターで塞ぐと同時に上へと切り裂き、宙に飛ばすように蹴り上げる。

 

そのまま空中で制御を失ったサジタリウス・バーテックスはそのまま地上へと落ちてくるのを狙い、ルパンカイザーナイトは狙いを澄ませる為に構えを取る。

 

「グットストライカーぶった斬っちまえスラッシュ!!」

 

その言葉と同時にルパンカイザーナイトはブレードダイヤルファイターのブーストで空を飛び横を一閃し、そのまま落下する勢いでサジタリウス・バーテックスを縦に一閃に切り裂く。

 

十字に斬られたサジタリウス・バーテックスはそのまま十字に分かれ、消滅する。

 

「今日は久しぶりの巨大戦でグッときたぜ。

それじゃあ、また合体か巨大戦でなぁ」

 

勝利を掴み取ったルパンカイザーナイトはそのまま構えを解くと、各々のダイヤルファイターが分離し、そのまま空へと飛んでいった。

 

そんな闘いの光景を眺めていたのは先程まで雨宮と戦っていた赤嶺だった。

 

「あぁやっぱり倒されちゃったね。

まぁそうしないと、私が困るんだからね」

 

そんなサジタリウス・バーテックスが倒された光景を見ながらも、赤嶺は笑ってみていた。

 

「まったく、君がちょっかいを出すなんて珍しいな」

 

そんな赤瀬に話しかけたのは、ザミーゴ・デルマに変身していたクロウだった。

 

「別にぃ。

ただ私にとってはレッドが興味深かっただけだよ、他の二人とは違って、特別でもなんでもない彼がなんであそこまで強いのか」

 

「彼は僕のライバルだ。

消すようならば」

 

「何、私と戦う気?」

 

クロウは赤禰に敵意を向けると同時に、赤嶺もそれに対抗するようにクロウを睨み付ける。

 

「おいおい、何をしているんだよ。

お前らは、こんな事で敵対するなよ」

 

そんな二人を止める声が聞こえ、振り向くと、そこに立っていたのは蛇を思わせる赤い鎧を身に着けた謎の怪人が立っていた。

 

「あんたには関係ないだろ」

 

「いいや、大いにある。

俺にとっては、お前達は大切な存在だ、ここで消えたら、俺は本当に悲しむからな」

 

「どうせ、レッドを育てる材料としてでしょ」

 

「ビンゴ、さすがは元名探偵、冴えているねぇ」

 

「あんたのような奴に言われたくないよ」

 

「まぁ私としてはどっちでも良いわ。

とにかく、レッドは私が狙うんだから、邪魔だけはしないでよ」

 

赤嶺はその言葉だけ言うと、その場から消えていった。

 

「まったく、チームワークの欠片もない。

少しはルパンレンジャーを見習って欲しいぜ」

 

「あなたのような存在と手を組んでいるのですから、警戒をするのは当たり前でしょ」

 

「本当に酷い奴だな。

まっ俺は別にどちらでも良いけどな。

奴には強くなってもらわないと、困るのだから」

 

そう言いながら、歪な笑みを浮かべる人物に対して、クロウはため息を尽きながら睨み付ける。

 

「今は利害が一致していますか、いずれあなたは倒させてもらいますよ」

 

「倒せるもんだったら、倒してみなよ、クロウ」

 

「そうですか、それでは、せいぜい寝首をかかれないように気を付けてくださいよ。

ブラッド・スターク」

 

その言葉と共にクロウもまた、氷に身を包んで、その姿を消した。

 

「本当に可愛げのない奴らだぜ」

 

そう言いながら、赤い蛇の男、ブラッドスタークは高笑いをしながら、雨宮達を見つめていた。



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予告状34 友情の空は

最近まで転生者の捜索の為に響達とは別行動していたが、何やら事件があったのか基地内の空気が悪かった。

 

原因は分からないが、響はいつもの調子ではないし、翼さんもどこか上の空、クリスに至っては何かを焦っているようだ。

 

「本当にどうしたもんか」

 

「でっできたー!!」

 

そんな考え事をしていたら、急に大きな声が聞こえ、何が起きたの知る為に声の元に向かって走り出したが

 

「なっなんだ、これは!?」

 

そこにはあちらこちらに機械の部品が散らばっており、その中央にはエルフナインが大の字で寝転がっており、その横で何やら満足そうに笑っている石堂がいた。

 

「おい、これはなんだ?」

 

「丁度良かったぜ。

受け取れ、雨宮」

 

そう言い投げてきたのは見た事のある物だった。

 

「これは?」

 

「ちょっとした秘密兵器さ。

といっても、お前達専用ではないけどな」

 

「そうなのか?」

 

「とりあえず、切歌ちゃんと調ちゃんに渡してきな」

 

「別に良いが、あの二人は?」

 

「そうだな、多分だが神社じゃないか?

あそこには面白いのもあるしな」

 

「また意味深な事を言うな」

 

俺はそんな石堂の意味深な言葉を聞きながらも基地から出ていき、この近くにある神社を歩いていると

 

「あっ」

 

「いた」

 

神社で座り込んでいたのは切歌もなにか落ち込んでいる様子で項垂れていた。

 

「隣、良いか?」

 

「はっはい、どうぞデス」

 

そんな様子の切歌に許可をもらって、俺は座ると、まずは状況を知る為にも

 

「まぁなんだ、悩みがあるなら聞くぞ

 

「なっなんの事でしょうか!!」

 

「別に、なんか落ち込んでいたからな。

俺ができる事なら解決しようと思っただけだよ」

 

そんな言葉に対して、少し呆けた様子の切歌は戸惑った様子だったが、その内、自然と口から悩んでいる事を話してきた。

 

そう言い、切歌から聞いた話によれば、俺達が転生者を追っている時にオートスコアラーの一人であるミカが地下へと潜入している事が分かり、響と切歌と調は調査する為に向かった。

 

だがそこでいつもとは違った様子の響が無茶な行動をしてしまう。

 

その時は調の身を挺した行動でなんとか窮地を脱したが、その行動を受け入れなかった切歌は喧嘩をしてしまう。

 

そうした行動で飛び出していった所で俺と出会った。

 

「なるほどね」

 

「私はどうしたらいいんデスか」

 

普段は仲良しな二人の喧嘩は珍しく、互いを思っての喧嘩だからこその出来事だ。

 

「俺も分からねぇ」

 

「先輩もデスか?」

 

「おいおい、俺は万能でもなんでもないぞ。

それ所か、人の力を借りないと戦えないような臆病者だぜ」

 

「そうなんデスか?」

 

「なぁ切歌はさ、調の事を頼りないとでも思っているの?」

 

「そんな事ないデス!

調と一緒だったら、どんな敵でも戦えると思えるデス!

だけど「無茶している所は見たくないってか?」分かるんデスか!!」

 

「さぁ?

でもさ、相棒を心配している奴だったら、誰だって考える事じゃないか?

それは本当に互いに信用しているからこそじゃない?」

 

「先輩」

 

「おうおう、尻が痒い事を言ってくれるな」

 

そんな話をしていると、黒い服を着ている男が俺達に話しかけた。

 

その後ろには調がいるが、その顔は先程まで話を聞いていたようだけど

 

「切ちゃん」

 

「しっ調!」

 

二人は少し顔を合わせると先程の事を思ってか、顔を背けてしまう。

 

「なんだ、切ちゃんってのは、そっちの嬢ちゃんだったのか。

まぁそれならば、ナンパが失敗する可能性は減ったと思ったが、なんだ男がいるじゃないかよ」

 

「あんたは」

 

先程から調の近くにいる男性、その男性からは転生者の反応に近い何かがあるが

 

「まぁ女同士の友情も大切だからな。

ナンパはその後でも良いか。

それよりもお前、ちょっと俺に付き合えよ」

 

「付き合うって何にだよ?」

 

「何、友情を修復するにも時間が必要だ。

だから、少し時間を作るのを手伝って欲しいだけだよ」

 

そう言うと男が調を掴み、切歌の元まで投げる。

 

「わっわわぁ!!

調ぇ、大丈夫ですか」

 

「うっうん、大丈夫」

 

いきなりの出来事で驚いた二人だが、俺はそれよりも気になるのは

 

「あんた一体何者だ。

この気配を感じ取るとは」

 

「なに、似たような奴らは知っているからな。

感じ取るのは得意なんだよ」

 

俺はそう言いながら、VSチェンジャーを取り出し、男性に構える。

 

「先輩!!」

 

「お前らは、少し話をしとけ」

 

「まさか転生者っ!!」

 

「いいや、戦うのは俺じゃない」

 

その言葉と共に男性の背後に現れたのは赤いロール髪の少女がいたが、その腕は普通の人間ではあり得ない爪を持っていた。

 

「オートスコアラー!!」

 

「なるほど、こいつの相手をすれば良い訳か」

 

「先輩、私達も」

 

「おっと、お嬢ちゃん達は仲直りが先だぜ。

ここは俺とこいつだけで十分だ」

 

「無茶デス!

相手は普通の人間では無理デス!」

 

「なに、俺も似たような奴らと戦ったから、問題はない」

 

そう言い男性は腕を掲げる。

 

「行くぜ、ここから見せ場を作るぞ、後輩」

 

「そういう事か!!

分かった、力を借ります、先輩!!」

 

「先輩?」

 

「後輩?」

 

俺はその言葉と共にVSチェンジャーにレッドダイヤルファイターをセットする。

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ】

 

「怪盗チェンジ!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】

 

その音声が鳴り響くと共に、俺の姿はルパンレンジャーへと変わり、男性の方は腕についているブレスレットに手を伸ばす。

 

「クロスチェンジャー!!」

 

その声と共に男性の身体はデジタルの線を囲まれると、その姿はやがて黒いコンドルを思わせる姿へと変わる。

 

「なんだ?

見た事のない奴がいるゾ!」

 

「ルパンレッド」

 

「ブラックコンドル!」

 

「せっ先輩に似てる姿になったデス!」

 

「あれって、キョウリュウジャーの人に似ている?」

 

「お前何者なんだゾ!」

 

「どうやら、ここでもモテモテらしいな。

俺はジェットマンのブラックコンドル、まぁ簡単に言うと、このルパンレッドの先輩だ」

 

「よろしくお願いします、先輩」

 

「はぁ、男に敬語を言われても、尻が痒いだけだ。

とにかく、着いてこい」

 

その言葉と共にブラックコンドルは背中から隠されていた翼を広げると、そのまま空を飛びながらオートスコアラーに攻撃を仕掛ける。

 

「なんだ、飛んでいるだけかゾ?」

 

「へっ、まだまだ分かっていないようだな」

 

オートスコアラーはそのままブラックコンドルに攻撃を仕掛けるが、オートスコアラーの攻撃である水晶に当たる前に軽々と避けながら、その手に持っていた銃をオートスコアラーに攻撃を仕掛ける。

 

銃の威力はオートスコアラーにダメージは少ないが確実に当たっており、反対にオートスコアラーの攻撃は威力は高い物の、ブラックコンドルには当たる気配すらしていない。

 

「凄い、さっき会った時はただのナンパをしてくる人だと思ったけど」

 

「あんなに苦戦していたオートスコアラーを軽々と」

 

「あぁ、あれは俺の先輩にあたる人だからな」

 

「おい、後輩!

俺ばっかりに仕事をさせてないで、お前も仕事をしろ!!」

 

「分かっていますよ!!」

 

その言葉に従うように俺もすぐにVSチェンジャーを構えながら、片手にワイヤーを伸ばしオートスコアラーにワイヤーを絡ませて、攻撃を仕掛ける。

 

「ぐぅ、面倒だゾ!」

 

「そりゃあ、それが目的だからな」

 

俺はそのままオートスコアラーをワイヤーを使って、接近と遠距離の二つをこなしながら戦っていく。

 

「凄い、二人共」

 

「初めて会ったはずなのに、息がぴったり」

 

そんな中でオートスコアラーがワイヤーを掴み、俺を無理矢理引き寄せて攻撃を仕掛けるが、ブラックコンドルが銃から剣に持ち替えて接近戦に切り替える。

 

すぐに対応して、もう片方で攻撃を仕掛けるが、俺は手にルパンソードを持ち替えてオートスコアラーの腕を掴み攻撃を防ぐ。

 

「信頼ってのは、相手を心配する事もそうだけど、相手を信用して戦う」

 

「相手の事を思って、戦う。

それは相手を守るだけではなく、相手の為に行動する事もあるんだね」

 

「行こう切ちゃん!」

 

「がってんの招致デス!」

 

「どうやら仲直りできたようだな。

だったら、受け取れ!」

 

俺はそう言い、石堂から渡されたアイテムを投げる。

 

「これは」

 

「VSチェンジャー!!」

 

「ちょっと違うぜ。

お前達がルパンレンジャーに変身する為のアイテム、ルパンチェンジャーだ」

 

「ルパンチェンジャー?」

 

「まぁルパンレンジャーにしか変身できないVSチェンジャーらしいけど」

 

石堂が言うには、グットストライカーが分裂してできたVSチェンジャーのデータを元にシンフォギアなどのダイヤルファイター以外のアイテムの変身を前提した変身アイテムらしい。

 

「ここからは」

 

「私達のショータイム」

 

その言葉と共にルパンチェンジャーにシンフォギアをセットする。

 

【0・9・6】 【0・1・9】

 

【【マスカレイズ】】

 

「「怪盗チェンジ」デス」

 

【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】

 

その音声と共に、二人の姿はルパンレンジャーへと変わっていたが、二人の手元にあったルパンチェンジャーの形は二人のギアを元にした形へと変わっていた。

 

「むかつくゾ!

だったら、これでどうだゾ!!」

 

そう言い、オートスコアラーが取り出した光の球を自身の胸元に押し付けると、その姿は大きく変わり、その腕はより大きな爪へと変わった。

 

「これは少しやばそうだな!!」

 

「砕け散れゾ!!」

 

その言葉と共に腕を振り下ろして、地面に叩きつけると、地面は巨大な亀裂ができる。

 

「やっぱり持っていたか、特典は!!」

 

「だけど」

 

「ルパンレンジャーには通じないデス!」

 

その言葉と共に調のルパンチェンジャーが変形し、引き金を引くと、そこからヨーヨ型のエネルギー弾が放たれる。

 

そのエネルギー弾の間には幾つもピンク色のエネルギーワイヤーが出る。

 

「行くデスよ!!」

 

その言葉と共に切歌は自身が持っているルパンチェンジャーを変形させ、ルパンソードと合体させて巨大な鎌型武器に手を持つ。

 

「切り刻むデス!」

 

そう言い、切歌はオートスコアラーの右腕を切り裂き、吹き飛ばす。

 

「ゾゾゾッッ!!

こんなすぐに」

 

「先輩っ!」

 

「とどめいきます」

 

「あぁ」

 

「決めるとするか」

 

攻撃に成功すると共に俺達はVSチェンジャーを、ブラックコンドルは二つの銃を合体させて、狙いを澄ませる。

 

「「「お宝、頂く(デス)」」」

 

「シュート」

 

その言葉と共に4人の攻撃が一斉に放たれ、オートスコアラーも同時に残った左腕を構えると赤い衝撃波のシールドができる。

 

次第に俺達の4つのエネルギー弾が合わさり、赤い衝撃波を打ち抜いた。

 

「こんな事になるなんてぇ!!」

 

攻撃を打ち抜かれたオートスコアラーはそのまま叫び声を上げながら、爆発する。

 

「やっやったデス、調!!」

 

「うん、切ちゃん」

 

二人は勝利を分かち合うように抱き合っており、俺はそのままブラックコンドルへと視線を向けると、空を眺めていた。

 

「先輩」

 

「俺の知っているレッドと俺は最初から仲間という訳ではなかった。

けどな、戦っている中で衝突しながら、次第に仲間と言える関係へとなっていった」

 

「その為に来たんですか?」

 

「俺は男は大嫌いだがな、あいつみたいな奴は放っておけないんだよ。

だから、見せてみろよ、俺達が守った空を守れるかどうか」

 

そんな言葉を呟くと、ブラックコンドルは消え、俺の手には何時の間にか新しいダイヤルファイターがあった。

 

「空をか」

 

俺はそんな言葉を呟き、夕焼けになる景色を、ただ見つめた。



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予告状35 僅かな勝ち筋

戦いが激化していく中でも俺達の仕事は続いている。

 

転生者を追うのもそうだが、生活資金の大元である喫茶店の営業も無視できない大きな課題だ。

 

俺達の住む喫茶店は普段は隠れ家的な場所として有名だが、ここ最近転生者の事もそうだが、しばらくは石堂に任せっぱなしな所もあったのか「しばらく旅行行ってくるぜ。チャオ」という置手紙があった。

 

とりあえずは返ってきた石堂に普段の礼として、ソーマの知り合いが作ったという初恋ジュースを渡す事に決定した、

 

その為の準備はばっちりだ。

 

なので現在は俺は店の買い出しに出かけているのだが

 

「クリス?」

 

「なんだ、雨宮、ってなんだその恰好は」

 

「見ての通り、買い出しだ。

生活費を稼ぐのも大変なんだぜ」

 

「お前ら、おっさんから給料を貰っていないのかよ?」

 

「俺らはあくまでも転生特典を盗むのと、お前達の協力したいからやっているだけ。

それに移動する時や、情報を教えてくれているんだから、これ以上世話にはなれないぜ」

 

「そうなのか、お前らも凄いな」

 

そう言いながらも、クリスはどこか上の空だった。

 

「なぁクリス、悩みがあるんだったら、聞くぜ?」

 

「何を急に?」

 

「いやぁ、なんとなく」

 

「なんとなくで聞くなよ。

私は別に、悩みなんて」

 

そう言いながらも少し落ち込んでいるようで、声が落ちていく。

 

「正直、後輩達が遠くへ行っているような気がしている」

 

「そうか?」

 

「あいつらを守らなきゃって思っているけど、あいつらはどんどん強くなっている。

イグナイトに頼らなくても、お前達と同じルパンレンジャーになれて。

だけど、私はあれから何も」

 

そう言うクリスの言葉をただただ聞く事にした。

 

ある意味、大切な物ができたからこその悩みで、自分が必死にならないといけない気持ちが前に出ている。

 

「なぁクリス。

別に一人でやらなくても良いんじゃないのか?」

 

「はぁ、誰がそんな事を言っているんだ!!」

 

「だってよ、さっきから後輩を守るって言っているけど、それってクリスだけの力か?」

 

「別にそんなつもりはないよ。

だけど、誰かが傷つくんだったら、自分が「そこだよ」えっ?」

 

「俺も人の事を言えないけど、俺はもっと頼ってほしいと思っているぜ。

後輩もそうだけど、響や風鳴さん、それに俺達も」

 

そんな事を話して、少し戸惑っているようだけど、クリスは何をするべきなのか迷っていた。

 

「雪音クリスとルパンレッドだな」

 

そんな話をしていると、背後から声が聞こえ、俺達は振り返るとそこに立っている男が身に纏っているのは、驚く事にクリス達が身に纏っているシンフォギアと同じ物だった。

 

だが、その纏っているシンフォギアの正体は

 

「これはエクスカリバー。

伝説としては有名だと思うけどね」

 

「それで、何の用だよ、転生者?」

 

こいつの見た目から判断できないが、目の色もそうだが、雰囲気だけで奴がこの世界の人間ではなく、転生者だと判断できた。

 

「彼女を殺しに来た」

 

「はっ?」

 

目の前にいる奴は表情を変えずに放った一言に俺は疑問に思ってしまった。

 

「彼女は自分が行った罪と碌に向き合わずに、世界を救おうとしている。

そんなのふざけているとは思わないか?」

 

「何を言っている!

私は、自分が行った事は「いいや、してないね」なっ」

 

「君は罪を償うと言いながらも、行っているのは戦いだ。

戦いを無くす為に戦っていた君が、反省しているんだったら、戦わないはずだ。

ふざけているよ」

 

「それは」

 

「言いたい事はそれだけかよ?」

 

「はぁ、君もそうだよ。

他人の物を奪って、正義の味方気取りならば、辞めた方が良い」

 

「そういうお前は何者だよ」

 

「僕かい?

僕の名はジョン・ドゥ、ただの英雄さ」

 

「ふぅん、知らん」

 

「まったく、常識を知らないようだね」

 

「悪いが、俺は頭はそんなに良くないからなっ!!」

 

そう言うと俺はVSチェンジャーを持ち、ダイヤルファイターをセットしようとするが、ジョンは何時の間にか、俺の懐に入り込むと、勢いよく殴った。

 

「がはぁ!!」

 

「雨宮!!」

 

「無駄だよ。

僕はね、君とは格が違うんだよ」

 

そう言いながら、ジョンは空を向けると、そこには巨大な画面が描かれていた。

 

「なんだよ、あれは」

 

「僕の特典だよ。

君達にも分かりやすいようにね」

 

そう言い、俺は目に向けると、そこにはあらゆる物を作れるクリエイト能力や、アカシックコードと言った一つでもチート染みた能力があった。

 

「これも僕が英雄である証拠だ」

 

「それで」

 

「無駄な抵抗は辞めたまえという事だよ」

 

ジョンはこちらを見定めるように見つめる。

 

「君の目的は復讐だって?

そんなヒーローらしからぬ目的を続けたら、世界に平和は訪れない。

だから、僕は君を殺して、代わりにヒーローになる」

 

「おい、てめぇふざけるなよ!」

 

「はぁ、言っているだろ。

僕は英雄だって」

 

「まったく、力を持ちすぎた奴はこれだから嫌になるぜ」

 

俺はそう言いながら、立ち上がる。

 

身体はさっきの一撃で、既にボロボロになっているが、それでも、あいつを呼び出す事はできそうだ。

 

「辞めたまえ、君のペルソナ、アルセーヌにその進化系でも僕を倒す事はできない」

 

「それは、どうかな?」

 

俺はそう言いながらも、あいつを呼び出す為に身体を構える。

 

「てめぇがわざわざ教えてくれたおかげで、てめぇを倒す方法はできたぜ」

 

「なに?」

 

「確かに万能だろうな。

だけど、その万能が仇になったようだな」

 

「何を言って「ペルソナ」っ!!」

 

その言葉と同時に俺の背後に現れたのは無数の棺桶を背負った動物の頭蓋骨を模した仮面をつけたペルソナが現れる。

 

「なっなんだよあれは」

 

「タナトス・賊神」

 

タナトス・賊神は俺の持つペルソナの中でも強力な部類に入っているが、余りの力の強さにルパンレンジャーになって戦うよりも、ペルソナ使いとしての戦いに集中しないとコントロールできない程の強さだ。

 

そして

 

「なるほど、確かに強力だな!

だけど、それがっ!?」

 

そう言って、ジョンは身構えようとしているが、足から崩れ落ち、震え始めた。

 

「おい、どうしたんだ?

震えているぜ」

 

「なっ何を言っている!

俺が、震えているだと!?」

 

「まぁ無理はないよな。

俺をこいつを使いこなす為には相当無理したからな」

 

「タナトスは確かに通常のペルソナとは違うが、こんな能力なかったはずだ!!」

 

「こいつの能力はな、単純だよ。

死を思い出させるだけだよ」

 

ペルソナとは心の現身。

 

ならばこそ、賊神となっているペルソナ達にはそれぞれ固有の能力がある。

 

「死だとっ!!」

 

そう言いながら、俺は一歩歩くが、タナトスの制御だけではなく、身体のダメージがあるので、激痛に耐えながらも、奴の元へと歩いていく。

 

「馬鹿な、俺には状態異常を無効化する能力があるはずだ!!」

 

「状態異常ってのはなんなのか分からないがな、毒や麻痺とかそういう類じゃないぜ。

これはただ単に死んだ時の記憶を思い出させるだけだ。

お前は無意識に自分の死、いやこの場合は全ての死を思い浮かべているが正解だな」

 

タナトスは元は死の神として有名な存在であり、俺の心に反映された結果、相手の死を思い浮かべさせるという能力を得た。

 

「何を言っているっ!?」

 

「お前の能力だよ」

 

「俺の能力にそんなの「アカシックレコード」えっ」

 

ふと、俺の言っている事が理解できたクリスが呟いた。

 

「てめぇの所にしっかりと書かれているだろうが!

アニメや漫画や小説やゲームや映画等の全並列世界&全平行世界の全技術・全知識・才全能を得る事ができるって!!」

 

そうクリスがジョンが出した掲示板の一つに指を指すと、確かに書かれていた。

 

この一見無敵に見える能力は、案外弱点だらけでもある。

 

なぜならば、全てという事は+にになる能力だけではなく、-になる能力も得るという事になる。

 

今回の場合は、+に能力よりも精神的に-になる能力がタナトスによって無理矢理引き出されてしまい、奴の身体は動けなくなってしまう。

 

クリスは俺の元へと行くと、血で濡れているのを気にせず、ダイヤルファイターを取る。

 

「あいつから奪い取れば良いんだな」

 

「頼む」

 

そう言い、クリスは奴の元へと歩いていく。

 

おかげでタナトスの制御に集中できる。

 

「アカシックレコードがどうしたって言うんだ!!」

 

「てめぇは確かにそれら全てを得ているかもしれないがよ、それってつまりは死んだ時の記憶もあるんだろ。

しかも必ずしも味方になる能力だけじゃないだろ」

 

「それじゃあ、お前は」

 

「これはお前の傲慢が生んだ罪だ。

てめぇが生前どんな事をしたかは知らない」

 

「だけどな、生きている奴らをてめぇの価値観で決めつけるんじゃねぇ」

 

そう言い、クリスはダイヤルファイターでジョン殴りつけると共に、特典を奪い取り、身に纏っていたシンフォギアも消えいてた。

 

「そんな、俺は英雄なはずっ!?」

 

「まずは一からやり直しやがれ!!」

 

そう言い、クリスが奴を殴った。

 

そうすると、あっさりと言う程、奴は倒れてしまった。

 

「なんだか、あっけないな」

 

「力に頼りすぎた末路だ。

強すぎる力は無意識に頼ってしまうからな」

 

そう言い残すと、俺も限界に近づいたのか、倒れそうになったが

 

「まったく無茶しやがって」

 

そんな俺をクリスが抱き寄せてくれる。

 

「ありがとう、クリス。

本当になんとかなったよ」

 

「お前は傷だらけじゃないかよ」

 

「まぁな。

でも信じていたから、クリスと一緒だったから」

 

「・・・ありがとうな」

 

そう言うとクリスはゆっくりと俺を抱き寄せた。

 

「?」

 

「怖かったかもしれない。

過去の罪もそうだけど、何より、一人でなんとかしようと思っていた。

けど、違ったんだ」

 

「別に、大した事はしていないよ」

 

そのまま、俺はゆっくりと目を閉じていく。

 

「守ろうぜ、一緒に。」

 

「あぁ、一緒にな」

 

その言葉と共に、俺の意識は深く落ちていく。



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予告状36 夢への翼

???Side

 

夜の歓楽街の中で一人の男が走っていた。

 

男の名前はジョン・ドゥ。

 

転生者の中でも異様な多さの特典を持っており、アカシックレコードを始めとした理不尽な強さを誇る特典を数多く持っていた転生者だった。

 

だが、雨宮との戦いにおいて、自身の能力の裏をかかれてしまい、特典を全て無くして、現在はルパンレンジャーに関係している二課からの追跡を追い払うように逃げていた。

 

「くっそ、くっそ、くっそぉ!

なんで、俺がこんな目に合わなくちゃいけないんだよぉ!!」

 

「だったら、助けてやろうか?」

 

ジョンのそんな叫び声に反応したのか、どこからか不気味な声にジョンを思わず周りを見渡すと、何時の間にか目の前に赤い蛇の男、ブラッドスタークが立っていた。

 

「ブラッドスターク!

おい、どういう事だよ、あいつがあんなのを持っているなんて聞いていなかったぞ!!」

 

「雨宮のペルソナ能力は日々変化している。

賊神はその中で特に強力な能力を持っているようだからな」

 

「だとしても、俺は全てを超越した存在のはずだ!

なのに」

 

「ふっ、そんなお前に特別サービスだ。

3つだけ、お前に特典を返してやろう」

 

「なんだって!!」

 

ブラッドスタークから出た申し出に思わず、声を出してしまい、喜んでいるが、その様子を眺めているブラッドスタークの表情は仮面で隠れていたが、確かに笑っていた。

 

「それで、何を望んでいる?」

 

「どんな能力をも作り出す【設定】にどんな武器も作れる【クリエイト能力】、それにどんな能力をも無効にする【無効化】だ!!」

 

「良いのか、それで」

 

「あぁ、無効化があれば、奴らから特典を盗まれる事もないからな」

 

「そうかよ、ほら受け取れ」

 

そう言うとブラッドスタークは手にある触手をジョンに貫き、ジョンの目は不気味な赤色へと変わった。

 

「戻った、戻ったぞぉ!!」

 

「あぁ、戻ったな」

 

それだけ言うと、ブラッドスタークは手をジョンへと伸びようとした時だった。

 

突然、彼らの間に銀色の影が通り過ぎた。

 

「なっ」

 

「なんだ」

 

そこに現れたのは見た目はルパンレンジャーだった。

 

だが、その見た目はルパンレンジャーとは違い、マントは着けておらず、代わりに銀色のジャケットを身に纏っている銀色のルパンレンジャーがいた。

 

「ちっ、まさかルパンレンジャーか」

 

「ふっ」

 

「貴様、まずは貴様から実験台だ!!」

 

そう言い、ジョンは手をルパンレンジャーに向けるが

 

「何も起きないだと!!」

 

そのままルパンレンジャーは手に持っていた金と銀が交わった銃でジョンを打ち抜くと、その手には特典が手に収まっていた。

 

「なっなんでだよ!!」

 

「ちっ、あとちょっとだったのに」

 

「全てを無効にされたんだ。

お前の能力自体も全て無力化されたんだろ」

 

「なっ、そんなバカな事が」

 

「都合の良い話に浮かれている場合か?」

 

「・・・まったく、本当にお前は邪魔をするなぁ!!!」

 

ルパンレンジャーの姿を見ると、あまりの怒りで周りが震え始める。

 

「そこの馬鹿の魂をもう少しで頂けた所をなぁ!!」

 

「てめぇの復活を阻止するのが、俺の仕事だからな」

 

「ふっ」

 

ルパンレンジャーはブラッドスタークを見つめると、手に持っているのはオレンジ色の電車型のアイテムを手に取ると、ルパンレンジャーがオレンジ色の光に包まれる。

 

その手に持っているのは誘導灯を模した武器だった。

 

「ちぃ、トッキュウジャーの力を持っているとはな!」

 

そう言いながらもブラッドスタークの手にはパイプを模した武器、スチームブレードを手に持ち、激突する。

 

ソーマSide

 

その日、二課にはいつものメンバーが集まっている中で、ルパンレンジャーのメンバーはただ一人という状態だった。

 

「今日から数日、雨宮と忍は来ない」

 

「来ないって、もしかして、別の転生者?」

 

「いいや、雨宮が瀕死の重傷を負った」

 

そう言うと、基地の中にいた全員は驚いたのか声も出せなかった。

 

「そういえば、今日はクリス先輩がいないのですが?」

 

「あいつは今は喫茶店の手伝いをしている。

別にあいつが原因ではないんだけどな」

 

「一体何が起きたんデスか!!」

 

「そうだな、とりあえずは最初から説明するか」

 

そう言うと共にソーマが語りだしたのは先日、ジョンとの戦いについてを語った

 

「そんな転生者がいたなんて!!」

 

「まぁ今後は出る事はないだろう」

 

「えっ、どういう事?」

 

「転生者にも特典の限度がある。

今回の奴はバグったのか分からないが、無茶苦茶な特典だからな、普通だったら、頭がパンクして、転生した瞬間、死ぬ」

 

「そういう事なんですか?」

 

「まあな」

 

言いながらもソーマはそれ以上は喋らなかった。

 

「確かに現状で戦力が減るのは苦しいが、それでも戦わなければならない。

そして敵の狙いも少しは分かってきた」

 

「狙いだと?」

 

「あぁ、実は今朝から翼とマリア君にはとある場所にに行ってもらっている。

ソーマ君は二人のサポートを行ってもらいたいのだが」

 

「俺は別に構わないけど、その場所は」

 

「風鳴邸、翼の実家だ」

 

「場所は?」

 

そう言われると共に場所の詳細を聞くと共にソーマはそのまま基地から離れた。

 

基地から離れたソーマは、そのままブルーダイヤルファイターに乗り込み、地図に表示されていた場所へと向かっていたが

 

「なにっ!!」

 

そこでは既に戦闘が始まっていたのか、翼とマリアの二人がオートスコアラーの一体であるファラと戦いを繰り広げていた。

 

そしてファラの攻撃が翼に襲い掛かろうとしていた。

 

「くっそ、これじゃあ、防御できない。

だったら」

 

そう言うとソーマはブルーダイヤルファイターのハンドルを操作すると、背後から巨大な武器が現れる。

 

その武器を手に持つと、ソーマはそのまま生身のまま地面へと落ちていく。

 

「くっ!!」

 

ファラの一撃が翼に襲い掛かろうとした、その瞬間。

 

ギンッとした鈍い音が翼の前で響いた。

 

何が起こったのか、確認する為に目を開くと、そこに立っていたのはソーマだった。

 

「ソーマ」

 

「戦場で目を背けるな。

死ぬぞ」

 

そう言い、ソーマは巨大な武器を振り上げると、武器の刀身から黒い生き物と思わせる口が飛び出てファラを襲い掛かるが、空中で態勢を整えながら離れる。

 

「ソーマ、それは」

 

「俺の本来の武器だ。

使うには、結構久しぶりだがな」

 

そう言い、ソーマは地面にその武器を突き刺す。

 

「その武器、まさかゴットイーターなのか!!」

 

武器を見て、驚きの声を出したのは、翼の父である八紘だった。

 

「ゴッドイーター、日本語では神食いだけど」

 

「君はまさか、ソーマ・シックザール君なのか」

 

そう言いながらも、ソーマは着ているフードを外す。

 

「親父を知っているのか」

 

「あぁ、私のかつての友だ」

 

「お父様、ソーマを知っているのですか!」

 

その事については、この場にいた全員の疑問であった。

 

その事について話すべきか迷っている八紘だった。

 

「別に話しても構わない。

話をする時間ぐらいならば、稼いでやる」

 

それだけ言い残すと、ソーマは目の前にいるファラへと戦いを挑んだ。

 

「・・・彼の父親、ヨハネスは私の古い友だった。

昔から世界を正しく導く事、何よりも誰かの為に研究を行っていた。

だがヨハネスはとある細胞の研究で人生が変わった」

 

「細胞?」

 

「オラクル細胞と呼ばれるその細胞は細胞一つ一つが高度な学習能力を備えており、喰らった物の特徴を得る事ができる」

 

「まさか、先程の剣から出てきたのは」

 

「あれはヨハネスが私に見せてくれたオラクル細胞を応用した兵器、神器。

今では封印されており、この世にはないはずだったが」

 

「ソーマはそれを持っていたのか」

 

「あぁ、その後は、ヨハネスは実験の中で死んだと聞いた。

だが死ぬ直前に、彼からある事を聞いていた」

 

「ある事?」

 

「二人の子供ができると」

 

「まさか、その子供が」

 

「おそらくはソーマ君だろ。

どのような理由で彼が戦っているのか分からない」

 

「そのような、過去を持っていたのか。

だが、私は」

 

そう言うと翼は、ソーマの過去を知ると、自身の不甲斐なさで膝を尽きそうになるが

 

「私から言える事は少ない。

だが、お前は、彼を放っておくのか」

 

「ですが、私は風鳴の道具にも「そんな物にならなくても良い!!」えっ?」

 

「お前は、己自身の使命を果たせば良い」

 

「己の使命」

 

そう言い、翼は己の中にある何かに語りかけるように、眼を閉じる。

 

「ふっ、そのような物で、どうにかならないわよ!!」

 

「ちぃ」

 

戦闘の中で、ファラは手の中に収めていた特典を自身に押し付けると、その見た目は大きな変化はなかったが、その背後には不気味な髑髏のグローブを付けた猫型の獣人が現る。

 

「まさかスタンド!!」

 

「この子の能力、私とは結構合っていますのよ

 

そう言い、スタンドが生み出したシャボン玉をファラは周りに飛ばすと近くにあった木に触れると、爆発する。

 

「お父様!!」

 

翼はすぐに八紘を救おうと動くが、既に八紘の周りには大量のシャボン玉があり、同時に爆発する。

 

「そんな」

 

自身の答えが見つけかけた時、その答えを聞いてもらう前に父が死んでしまう。

 

そんな悲しみで涙を浮かべそうになるが

 

「ここが、俺の死に場所か」

 

突然聞こえた声にその場にいた全員が見ると、そこに立っていたのは八紘とは別に黒いタンクトップを着ている男がその場に立っていた。

 

「誰?」

 

「ふっ、俺は虹野明。

虹を守って、人知れずに消える。」

 

「虹を?」

 

「なんだか色々な意味でとんでもない人が来たわね」

 

「そういう事だ、今回は力を渡せないが、協力する事はできる」

 

「一体何を」

 

そう言っている間にも明と名乗る青年はスマホを取り出すと、手にはオレンジ色の小型の列車を納めていた。

 

「トッキュウチェンジ」

 

その言葉と共にスマホに列車を通すと、同時にその姿はオレンジ色の光に包まれ、現れたのはオレンジ色の戦士だった。

 

「トッキュウ6号」

 

「まさか、戦隊だったのか」

 

「どうやら、味方だと考えても大丈夫そうね」

 

「あぁ」

 

その姿を見て、少し安心したようで、トッキュウ6号は降りる。

 

「お前達がどんな所で過ごしたかは知らん。

だがイマジネーション、想像する力があれば、自分がやるべき姿、そうしている自分の姿がはっきりと見えるはずだ」

 

「想像する力」

 

その言葉と共に翼の思い出の中で、これまでの歌を通して得てきた思い、それらが集まり、その先にある大きな夢を思い浮かべる事ができた。

 

「私が目指したのは夢!

世界に届ける歌を歌う!!」

 

「どうやら、問題ないようだな」

 

そう言うとトッキュウ6号はファラに向きなおすと、ソーマも同時に合流した。

 

「お前も見えているはずだろ。

お前が行きたい、その先に」

 

「さぁな。

だが、そうだな、少しは想像しておく」

 

そう言っておくと、神器を地面に置くと、手にはVSチェンジャーを持ち、ブルーダイヤルファイターをセットする。

 

【ブルー】

 

【2・6・0】

 

【マスカレイズ】

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!】

 

「今の俺は、ルパンレンジャーとして、人々を守るのが合っている」

 

「問題はなさそうだな」

 

それだけ言うとルパンブルー、トッキュウ6号、そして翼の三人は各々の武器を構える。

 

「今こそ、私が私を超える時!

イグナイトモジュール、抜剣!」

 

その言葉に従うように、胸の赤い石が光、翼に埋め込まれると、その姿は先程の青い姿から全身が黒を思わせる姿へと変わっていた。

 

「幾ら数がいたとしても、これだけの爆弾をどうするつもりかしら?

後ろの建物も壊されるのに?」

 

「あら、その心配はないわよ

 

その言葉と共に、屋敷の前には巨大な白い三角形の光の壁が形成される。

 

「さぁ、翼、あなたのショー、見せて見なさい」

 

「心得た!

頼む、ルパンブルー、トッキュウ6号」

 

「あぁ」

 

「任せろ」

 

その言葉と共にルパンブルーの手には神器を、トッキュウ6号の手には誘導機に似た武器を構えると共に振り上げる。

 

それによって各々から青とオレンジの光の剣が飛び、翼はそれを受け止めるように手に持つ。

 

それと同時に姿はやがて炎の鳥へと変わる。

 

「そんなので、私の攻撃を防げるとでも!?」

 

「防ぐのではない、お前を倒す為に進むのだ!」

 

「なに?」

 

「私には既に見えている!

お前達を倒し、世界へと羽ばたく自身の姿を!!」

 

そう魂の叫びを出しながらも、翼はファラが放つシャボン玉を全て割りながらも勢いを止める事なく、ついにはファラを切り裂く。

 

「ぐぅ、だが」

 

ファラはそのまま自身の胸に手を伸ばすも、手と胸は同時に貫通され、その先を見つめるとVSチェンジャーを手に持つ、ルパンブルーがおり、その手には特典と思われる光を掴んでいた。

 

「ふっ完敗ですわね」

 

その言葉と共にファラは爆発を起こした。

 

「どうやら、俺の仕事は終わったらしいな」

 

それだけ呟くと、トッキュウ6号はその場から立ち去ろうとする。

 

「今回はなしのようだな」

 

「悪いな、お前達にやる予定だったのは別に奴にやった」

 

「そうか、パトレンジャー達にか」

 

「違うぜ」

 

パトレンジャーに力が渡ったと考えていたソーマに対して、トッキュウ6号はその答えを否定した。

 

「誰に渡したか、秘密だが、お前達の味方にもなる奴だ」

 

「なんだと?」

 

「おっと、こっからは本人に会って確かめな」

 

それだけ言うと、トッキュウ6号は光に包まれて、消える。

 

「何者なんだ」

 

ふとした疑問だけが、ソーマの胸の中に残っていた。



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予告状37 真理を得た者

あの戦いの 翌日、俺は忍のおかげで治ったばかりの身体を動かしながら、俺は今は町の中で歩いていた。

 

本当なら、もう少し安静した方が良いが、店の中でもやる事がないので、少し抜け出して散歩していた。

 

していたのだが

 

「なんだか、やばいの見ちゃったな」

 

散歩の時に通り過ぎようとしていた店から飛び出した響と丁度目が合ってしまった。

 

普通ならば挨拶しても良かったのだが、今の響の目からは普段の明るさが感じられず、どちらかと言うと何かに怒っているという感じで暗い感じだった。

 

「響?」

 

「雨宮君」

 

そんな俺を見た響は今でも涙が溢れそうな声をしていたが、そんな事とは裏腹に町は突然地面が揺れ始める。

 

「なっ」

 

「響っ!!」

 

目の前には見たことのない模様が現れ、謎の光と共に現れたのはキャロルと残ったオートスコアラーの一人が出てきた。

 

「なっキャロル!!」

 

「久しいな、雨宮連、それに立花響」

 

こちらを見つめるキャロルは笑みを浮かべながらこちらを見つめており、キャロルは手に炎を点すと同時に近くにある建物に向けて放った。

 

突然の爆発で、町の住民は一気に悲鳴を出し、我先にと逃げ出していた。

 

「響、逃げるぞ!!」

 

そんな市民の中で一人の男性が響の手を掴み逃げようとした。

 

だが

 

「放っておいてよ!!

お父さんには、関係ない事だよ」

 

「何を言っているんだ!

早く逃げないと、死んでしまうんだぞっ!!」

 

「あの時、私を放って逃げたお父さんとなんて行けないよ!!」

 

それだけ言うと響は男性を突き飛ばした。

 

「行こう、雨宮君!

キャロルちゃんを止めないと」

 

「やだ」

 

響はそのまま戦おうと前に出るが、俺はそんな響との共闘を断った。

 

「えっ」

 

「まずは市民の安全が最優先だ。

あいつら二人との戦いは周りに気を配る程に戦えないしな。

それに」

 

俺はそう言うと先程突き飛ばされた男性の目を見た。

 

彼の目には未だに逃げたいという恐怖が分かりやすかったが、同時に娘を守らなければいけない心が見える。

 

「今、この時を逃したら、お前は絶対に後悔する」

 

「後悔?」

 

「あぁ後悔だ。

俺は家族を失い、もう手を伸ばせない。

でもお前はまだ、届くだろ、家族に」

 

「でも、私は」

 

「繋いだ手は離さない」

 

「っ!!」

 

「お前だったら、変えられるはずさ。

お父さんも、お前自身も」

 

それだけ言うと周りを見渡す。

 

変わらずこちらを観察を続けるキャロルにその側を離れないオートスコアラー。

 

状況はいつ動き出すか分からない緊迫状況で、俺は構える。

 

「必ず、戻ってくるから」

 

「頼んだぜ」

 

それだけのやり取りを行うと、響はそれだけ言うと突き飛ばした響のお父さんと一緒に走り出す。

 

「話は終わったか?」

 

「まぁな、それよりもあんた結構待ってくれるんだな?」

 

「なに、私も少し準備をしていたからな」

 

「へぇ?」

 

その言葉に従うようにキャロルの周りには何時の間にか3つの欠片が集まっており、キャロルのそばにいたオートスコアラーもそれを見ると笑みを浮かべると、自身の胸に手を突っ込み何かを取り出す。

 

「計画は大きく外れた

だが、貴様達との戦いで私の別の計画が動き出す事ができた」

 

「なに?」

 

「世界を分解するにはどうすれば良いのか分からなかった。

だが、お前達が話してくれた多次元融合の原理が分かれば、容易く分解も可能になった」

 

「どういう事だ?」

 

「お前達のおかげだよ、ルパンレンジャー!

お前達のおかげで、私は真理を手に入れた」

 

その言葉に従うように周りにいたオートスコアラーだった欠片はやがて一つの武器へと変わり、武器はキャロルの鎧へと変わった。

 

「さぁ、戦うとするか」

 

「なんだか、見た事はあるが、盗ませて貰うぜ」

 

俺はそう言い、俺はVSチェンジャーにレッドダイヤルファイターを取り出す。

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ】

 

「怪盗チェンジ!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】

 

俺はルパンレンジャーへと変身し、同時に手に持ったVSチェンジャーでキャロルに向けると、キャロルは笑みを浮かべて、手をこちらに向けるとキャロルの周りにはいつの間にか数え切れない程の赤いクリスタルに剣などと言った武器が出てくる。

 

「なっ、これって、錬金術!?」

 

「ほぅ、すぐに気づくとは、やはり数々の転生者と戦っただけはあるな」

 

そう言うと同時に全ての武器をこちらに向けて放ってくる。

 

「くっそ!!」

 

俺はすぐに手に持った新たなダイヤルファイターを手に持ち、VSチェンジャーをセットする。

 

【ソーラー】

 

【怪盗ブースト】

 

その音声が鳴り響くと共に俺の手にはレドーム型の盾を手に持つと、俺はそのまま盾を地面に固定させると、レドームから幾つもの光が飛び出ると、それは巨大な光の盾へと変わり、全ての攻撃を受け止める。

 

「なんとか受け止められたが「まだ終わっていないぞ」おいおい」

 

その先に見ると、キャロルの後ろには巨大な土の腕ができており、こちらに向けて殴ってくる。

 

「くっ」

 

俺はなんとか受け止める事ができたが、腕の痺れが酷い。

 

「ルパンレッド、これで分かるはずだ?」

 

「何がだ?」

 

「私が手にした力の強さをな」

 

「あぁ、確かにそうだな」

 

俺の知り合いでも錬金術を使う奴は知っているが、別の世界の錬金術だったはずだ。

 

「にしても、本当にとんでもないな」

 

「お前のおかげで手に入れた力だ」

 

「なんだと?」

 

「貴様達が倒したオートスコアラーには、相手の記憶を読み取る機能がついていた。

元は別の事に使うつもりだったが、お前達の言う転生特典で少し考えを変えたのだよ」

 

「何?」

 

「とある世界では真理が見る事ができると聞いてな」

 

「確か奴が言っていたな。

真理を見るには代償が必要だと」

 

「あぁ、だからこそのオートスコアラーだ。

お前達と戦った事により、巨大なエネルギーのコアとなったこれらと記憶を差し出す事によって、私は真理を見る事ができた」

 

「まさかっ!?」

 

「世界が一つの状況ならば思いつかなかっただろう。

だが、多次元世界において、私が手に入れた真理、つまりはこれもできる訳だ」

 

そう言うとキャロルの目の前にカードが現れると、キャロルはそれを握りつぶすと

 

「ダグザ」

 

その言葉と共にキャロルの背後には渦巻き模様のような仮面を付けた存在が現れ、こちらに向けて殴りかかってくる。

 

「アルセーヌ!!」

 

俺はその攻撃に対して、アルセーヌを呼び出し応戦するも、ダグザの力は予想以上に高く、俺を軽々と吹き飛ばす。

 

「くっ」

 

「貴様の世界であるペルソナも私は手に入れた。

多次元宇宙の真理だからこそ、手に入れた力だ」

 

「本当にやばいな。

でも、そんだけの力を得るという事は」

 

「当然、代償は高いな。

この身体も持って1日だと運が良いな。

だが、それでも良い!!」

 

そう言い、キャロルは手を上に広げながら叫ぶ。

 

「私は父の無念である世界を知る事を果たせれば、それで良い!

真理を得ても、得られない、この世の全てを、私は知ってみせる!!」

 

そんな事を言いながらもキャロルは狂気の笑みを浮かべながらも、先程とは比べものにならない程のビルと同じ大きさの巨大な腕を空中に召還し、こちらに向ける。

 

「だが、その前に邪魔なお前を倒す。

お前にはこの可能性を気づかせてくれた事に対して、感謝があるからな。

楽に殺してやる」

 

「くっ」

 

手を振り下ろすと同時に隕石のように腕はこちらに向けて、降りてくる。

 

ソーラーダイヤルファイターの防御力でも、これ以上は防げれない。

 

「諦めない!!」

 

「えっ」

 

膝が折れそうな状況の中で後ろから聞こえてきたのは響の声だった。

 

その目は先程のように折れそうな目ではなく、覚悟を決めた目だった。

 

「遅れてごめん。

でも私、やっと気づけた。

私はずっとお父さんに支えられた事を」

 

「・・・やれるか」

 

「うん」

 

そう言い、響は俺の隣に立つ。

 

「ふん、たかがシンフォギア一人、増えた所で」

 

「それはどうかな?」

 

俺はそう言うと手に取ったのはゴーオンダイヤルファイターを手に取り、VSチェンジャーにセットする。

 

それと同時に現れたのは遮断機を思わせる剣だった。

 

「カンカンバー!

ゴーオンダイヤルファイター、ジェットダイヤルファイターセット!!」

 

俺はそのままカンカンバーにレジェンドダイヤルファイターをセットし、VSチェンジャーと合体させる。

 

俺は巨大な腕に向けて狙いを定めると、響はVSチェンジャーに手を重ねる。

 

「ガングニール、セット!

S2CA・レジェンドバースト!」

 

その言葉と共にカンカンバーの先端にはこれまで感じた事のない程のエネルギー量が集まっており、俺はその狙いを目の前にある拳に向けた。

 

「レッツ、ゴーオン!!」

 

その叫びと共に引き金を引くと、カンカンバーから、巨大な槍が現れ、槍を中心に巨大な車と炎の鳥が一緒に飛び、やがて一体化すると同時に巨大な炎の槍とやり、拳を貫き、拳は破片も残さない程の爆発を起こす。

 

「まだ、このような力を。

だが、貴様達二人に何ができる?」

 

「できるさ」

 

「私達、9人なら!!」

 

「9人、まさかっ!!」

 

キャロルは周りを見渡すと、既に合流していたソーマや忍は勿論の事、風鳴さん達も一緒に到着していた。

 

「既にここまでか」

 

「あんだけ派手だからな、集合するのは難しくなかったぜ」

 

「それにしても、また厄介な事になったのぅ」

 

「だけど、止めなきゃな」

 

そう言い俺達はキャロルに向き合う。

 

「くっ、くくく!!

良いだろう、最後の戦いに良いだろう!

ここで、お前達も分解してやる!!」

 

その叫び声と共に、キャロルとの最後の戦いが始まった。



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予告状38 奇跡の連発 引き寄せるのは

現在、ルパンレンジャー三人とシンフォギアの6人は錬金術師キャロルとの最終決戦に挑んでいた。

 

「ちぃ、本当にやばいな」

 

雨宮はそう言いながら、手に持っている武器、カンカンバーを構えながら、目の前にいる敵を切り裂いていきながら戦況を見る。

 

錬金術師キャロルの力は現在、オートスコアラーに溜まったエネルギーを代償にして得た真理。

 

真理は未だ人類が到達していない高度な知識も含めたあらゆる知識だが、キャロルが得た知識はこの多次元世界での知識全てである。

 

通常ならば、一つの世界でも脅威となる知識だが、この世界ではシンフォギアを始めとした様々な世界の知識を得た結果、その力は

 

「ぐぅ!!」

 

雨宮はその手に持ったカンカンバーで目の前に迫ってきた拳を防ぎ切った。

 

「さすがにガングニールを模しただけあるなぁ!!」

 

雨宮の目の前には響のガングニールを模した黄色い機械の鎧だけが動いており、雨宮に攻撃していた。

 

「ISというのも、なかなか便利だな」

 

「ちぃ、本当に常識外れな能力だ!!」

 

そう言いながら、カンカンバーにゴーカイダイヤルファイター、キョウリュウダイヤルファイターの二つをセットし、目の前のISを切り裂く。

 

必殺の刃を受けたISはすぐにその場で爆発するが、遠くにいたキャロルはその様子を見て、手を翳すと、そこから現れたのは雨宮が先程倒したISを作り出した。

 

「はぁはぁ」

 

キャロルの元の錬金術と、元の計画にあったレイラインの応用で、無限に近いISを作りだしており、その能力も響達のシンフォギアを模したという厄介この上ない。

 

「このままじゃあ、こっちの体力が切れてしまうぜ」

 

そう言いながら雨宮の後ろにきたクリスの目の前にいるイチイバルを模したISが攻撃を仕掛けてきたが、雨宮はカンカンバーを変形させ、VSチェンジャーを装着させ迎撃する。

 

「どうやって、この状況を打開するかだな」

 

キャロルが得た真理は特典ではなく、特典を得て高めたオートスコアラーを代償に得たこの世界の力。

 

なので雨宮達の持つダイヤルファイターではキャロルの力を奪う事ができない。

 

「だからって、諦められるかよ」

 

「まったく、変わらず諦めは悪いようだな」

 

その言葉と共に彼らに接近していたISを攻撃したのは、かつての戦いで敵対した悪忍の一人である焔だった。

 

「焔、お前なんで?」

 

「香川にいる奴から伝言でな。

この状況を打開するのに、力を使ってくれって伝言を預かった」

 

「香川、なるほどな!」

 

「どうやら、それで十分のようだな。

それじゃあ、私はこれで失礼するぜ、どうも今の相手には分が悪いからな!!」

 

そう言うと煙玉を出し、その場で姿を消した焔を見ると、雨宮はすぐに行動を移した。

 

その言葉の意味が分かると、雨宮が手に持ったのはサイクロンダイヤルファイターだった。

 

【サイクロン】

 

サイクロンダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットすると共に、その狙いはキャロルを狙った。

 

【怪盗ブースト!】

 

「無駄な事だ!!」

 

サイクロンダイヤルファイターによる一撃がキャロルへと向かうが、その攻撃を防ぐ為にキャロルがその前に巨大な障壁を出すが

 

「狙いは、そこじゃないんだよな」

 

その言葉の通り、その攻撃はキャロルの背後を通り抜け、背後の地面へと当たる。

 

「あの場所は、まさか!!」

 

その言葉を言うと同時に地面から緑色の風が辺りに広がり、その中心には巨大な樹が生え、東京を森へと変わる。

 

「結界だとっ!」

 

「なるほど、これが神樹様の力ね」

 

そう言うと共に目の前にいたISはキャロルの元へと戻り、雨宮達も合流した。

 

「まさか、このような事ができるとはな。

だが、レイラインが無くても、私は負けないがな」

 

「あぁ、だけど諦める気はさらさらないけどな」

 

「その言葉、グッと来たぜ!」

 

「グットストライカー」

 

「この空間だったら、まさにとんでもない奇跡だって起こせるぜ!

おいレジェンドダイヤルファイターを全部出しやがれ!」

 

「もしかして、これの事か?」

 

その言葉に従うように雨宮はスーパー戦隊の力が集まったレジェンドダイヤルファイターを取り出すと、グットストライカーはそのまま雨宮のVSチェンジャーにセットする。

 

【MAKE A GAME】

 

「へぇ分身か、まぁ増援は別に良いけどな」

 

【3・2・1 ,Action! フハハハハハハ…… 】

 

そして雨宮はそのまま操作を行い、分身したが、その分身はこれまでの雨宮達の想像を遙かに超えていた。

 

現れた分身の数はなんと7人に増えており、各々の姿はルパンレッドとは似ていなかった。

 

だが、その姿に見覚えのあった雨宮達は驚きの声を出してしまう。

 

「えっせっ先輩達!!」

 

「よぉ、久しぶりだな。

元気でやっていたようだな」

 

「どういう事じゃ!!」

 

「本来、お前らの力は分身で持ち主を分身する事ができるんだ。

だけど、この結界のおかげで力を高められ、分身の数も増やせるうえにレジェンドダイヤルファイターの力を借りて、あいつらを呼び出す事ができるんだぜ」

 

「本来だったら3人だけだったが、今日は特別だぜ」

 

「へぇ、それじゃあ今回は特別バージョンという訳か」

 

その言葉に従うように雨宮を始めとするレッド達はキャロルに向き合う。

 

「ルパンレッド!」

 

「ゴーカイレッド」

 

「暴れて天晴れ!アカニンジャー」

 

「牙の勇者!キョウリュウレッド」

 

「風が哭き、空が怒る。空忍・ハリケンレッド!!」

 

「ニンジャレッド」

 

「マッハ全快!ゴーオンレッド」

 

「レッドホーク」

 

「みっ見事に赤ばっかりデス!」

 

一通り名乗りを上げたレッド達に対して、思わず切歌は叫んでしまう。

 

だがそんな様子を見逃すはずなかったキャロルは既に新たな武器として、先程までのISを全て合わさった巨大なISに乗り込んでいた。

 

その形は彼女達シンフォギアの鎧を身に纏っているようで、目の前の全てを破壊する復讐の炎が燃えさかっていた。

 

「貴様達が幾らパワーアップしようが、私には関係ない事だああぁ!!」

 

そう言い、その手には巨大な剣を持ち、攻撃を始めようとする。

 

「ここは」

 

「任せて貰うわ」

 

そう言い先に攻撃を始めたのは翼とマリアだった。

 

翼はその手に持っている剣から巨大なレーザーを作り出し、マリアは幾つもの槍を作り出し、マリアはその槍を操り、剣の動きを止めると同時に翼はその手に持った剣を大きく振り上げると共に切り裂く。

 

連携による攻撃で見事剣を壊す事に成功すると同時に現れる煙の中から現れるのは切歌と調は前に出ると、切歌はその手に持った巨大な剣を出していた。

 

「おっとと、この剣は扱うのが初めてで困るデス!」

 

「私は普段と似ていて、使いやすい」

 

調はその手に持っていたワイヤーを切歌の剣に絡ませ、切歌の手を繋ぐ。

 

「ありがとうデス!」

 

「うん、行こう切ちゃん」

 

「この程度の攻撃が効くかよぉ!」

 

そう言うとワイヤーによって操作が行いやすくなった剣の攻撃の縦横無尽な攻撃に対してキャロルは鎌や短剣などで防いでいく。

 

「あぁ、だけどこれは防げるかぁ?」

 

その言葉を聞き、声の元を向くと、そこには切歌と同じ大きさの剣を矢のように構えいていたクリスがいた。

 

クリスはキャロルが向いた瞬間、その剣を放った。

 

「確かに強力だが、この程度ぉ!」

 

そう言うとキャロルは銃を剣に向け放つ。

 

爆風と共に剣は弾かれ、地面へと大きく抉れるも、剣から飛び出した複数の影が現れる。

 

「まさか、剣に乗ってきたとでも言うのか」

 

「なんとまぁ、奇抜な作戦じゃ」

 

「付き合わされるこっちの身にもなって欲しい」

 

その言葉を聞き取ると同時にソーマは神器を、忍は見たことのない日本刀と手にキャロルの残りの武器を破壊する。

 

そう言うと共に現れた歴代レッド達の手には各々の武器を手に取り、各々の武器から赤いエネルギーを一斉に放つ。

 

そのエネルギーを受け止めた雨宮と響。

 

その直前、響を中心に巨大な拳が現れ、その背後には赤いアルセーヌが現れ、それを装備する。

 

「そのような奇跡、あってたまるかぁ!!」

 

「「はああぁぁぁぁ!!」」

 

アルセーヌは拳と共にキャロルは最後の武器である拳を同じく赤色のエネルギーで巨大にさせると共に激突する。

 

「こんな呪われた世界で奇跡に頼り切ったお前達に、負ける訳にはいかないんだよ!!」

 

「奇跡なんて、この世界にはない!!」

 

「何を言っている、貴様は」

 

「奇跡ってのは、誰かが行動して、その先にあった結果に過ぎない!」

 

「キャロルちゃんが言っていた奇跡も、私や雨宮君、そして皆が諦めずに進んだからこそできた事だから」

 

「だからこそ、お前の父親は、世界を知ってほしかったんじゃないのか?

奇跡なんてなくても人間は戦えるって!!」

 

言葉と言葉がぶつかり合い、やがてキャロルの拳に亀裂が入り始め、アルセーヌは叫び声を出すように口を開いた。

 

「「だから、絶対に助ける!!」」

 

その言葉と共に互いの拳が割れると同時に拳の中にいた雨宮と響はキャロルへと触れると同時に雨宮はダイヤルファイターをキャロルの身体を触れると、キャロルの身体から4つの光が飛び出る。

 

「なぜっ!?」

 

「キャロル自身は無理でも、特典となっているオートスコアラーなら取り出せる。

だから、オートスコアラーを盗み出した」

 

「だからこそ、今はキャロルちゃんを助けるだけ!!」

 

その言葉に従うように雨宮と響は互いに抱き着くようにキャロルを囲む。

 

同時にキャロルの記憶の中に既に燃え尽きたはずの遠くの記憶が呼び起こされ、既に亡くなっているはずの父とそれよりももっと前に亡くなった母との思い出が蘇ると共に、涙を流した。

 

「私は、私はああぁ!!」

 

キャロルは、思い出に涙を流しながら、乗っていたISはやがて爆発し、爆風から守るように響の姿はイグナイトになり、黒い翼で二人を囲み、爆風から守る。

 

爆発が終わると同時に役目を終えた結界は消え去り、街は何一つ変わりない様子だった。

 

だが、そんな様子を見ていた者が一人いた。

 

「なるほど、なかなか面白い成長をしているじゃないか」

 

そう言いながらも激闘を繰り広げているルパンレンジャーとシンフォギアの戦いを見つめる青年はその戦いの感想を言っていた。

 

「だけど、これ以上は必要ない。

さっさとキャロルの魂を回収しなければ」

 

そう言い、立ち上がろうとした瞬間、青年の元に謎の銃弾が飛び込んでくる。

 

急ぎ躱して、銃弾が放たれた場所を見た。

 

「これ以上、あいつらの邪魔をするんじゃねぇ。

あいつら自身の戦いを」

 

そこにいたのは喫茶店のエプロンを付けており、茶色の帽子で目元が隠れている青年がいた。

 

「何が勝利だ、俺の計画に乗せられた奴らがか?」

 

「例えそうだとしても、お前の計画を阻止するのが、俺の役目だ。

それに、今日は運が良いからな、邪魔させてもらう」

 

その言葉に従うように、青年の手元には銀色の銃が握られていた。

 

「行くぜ、エボルド」

 

「来いよ、石動ぃ!!」

 

その言葉と同時に、風は吹き抜けて帽子がめくれると現れる素顔を現す石堂、そして石堂と同じ顔をするエボルドは叫びながら近づく。

 

互いにぶつかり合った時、そこに現れたのは赤い蛇を模したブラッドスタークと銀色の怪盗であるルパンエックスとなり、その戦いは始まる。



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予告状39 狂気を抱いて

キャロルとの戦い、世に言う魔法少女事変を無事に解決する事ができ、俺達はその事後処理に各地を回っていた。

 

キャロルはその後は記憶の大半はあの戦いによって無くなっており、真理による記憶もごくわずかしか残っていない。

 

だけど、それでも確かに生きており、今はS.O.N.Gの基地で集中治療室で眠っていた。

 

それでも得られた成果は確かにあった。

 

「ギャングラーねぇ」

 

キャロルがこれまで得ていた転生特典の大半は、この謎の組織から提供されていていた事が分かった。

 

キャロルも奴らの事を怪しんでいたのか、詳細のデータも多くあり、特典がどのように手に入れているのか分からないが、その活動は既に400年を越えており、数多くの世界を滅ぼしているらしい。

 

その幹部の名前も分かったが、その大半は

 

「クロウ、赤嶺友奈」

 

それは何度も俺達の前に現れた奴らだけど、それよりも気になるのは

 

「エボルド」

 

ギャングラーの中で最も地位の高い奴の名前でエボルドと書かれた奴がいるが、こいつに関する情報が名前以外まったく分からないが、地位が高い分、この二人よりも力が強い事が分かる。

 

「本当に、こっちは転生者だけでも手いっぱいだってのに」

 

風鳴指令からの指令を受け取ると共に駆け付けた場所は既に被害が出ており、周りには車や信号機など、様々な物がまるで人みたいになっている奴らが町で人々に襲っていた。

 

「なんだか、変な奴らが多いな。

というよりも、なんだこいつらは」

 

俺はそう言いながら、人々を襲っていた謎の奴らをVSチェンジャーで打ち抜いていき、同時に手に持っていたレッドダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする。

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ】

 

「怪盗チェンジ!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】

 

その言葉と共にルパンレンジャーへと変身し、周りにいる奴らを蹴散らしていくが、人々を襲っている個体から倒していくが、その数は減っていかず、むしろ増えていく一方だった。

 

「増えているのか?

でもなぜだ?」

 

「きゃああああーー!!」

 

どこからか聞こえてきた悲鳴に目を向けると、そこでは泡を吹いている女性の口から何かが出てくると、奴らの中心にいた男の元へと飛んでいく。

 

「にひぃ」

 

奴はそれを手に取ると、近くにあったポストに何かはやがて、街で人々を襲っていた怪物と同じ姿へと変わった。

 

「奴の力だったのか!!」

 

正体が分かると共に俺は奴に狙いを澄ませようと

 

「怪盗、および転生者、そこまでだ!!」

 

その思いとは裏腹に、一番聞きたくない奴らの声が聞こえる。

 

振り向くとそこにはパトレンジャーの奴らがいた。

 

「にひぃ、にひにひ、獲物が増えてラッキー」

 

「あれはソルソルの実か!」

 

「だとしたら厄介だよ」

 

「あぁ、急いで更生っ!!

 

そうパトレンジャー達が言うと同時に転生者の奴はこちらに一気に近づき、フードを外した。

 

「DEADORLIFE!!」

 

「おっお前は」

 

「嫌っ」

 

「なんで」

 

パトレンジャーの三人は何かに怯えたのか、一瞬固まるが、同時に奴らの身体から何かが出てきた。

 

「何が起こった?」

 

「へぇ、まだいるまだいる!

俺の奴隷がなぁ!!」

 

そう言うと奴は今度はこちらに狙いを澄ませると一気に近づき、フードを脱いだ

 

そこに映っていたのは

 

「DEADORLI「おらぁ!!」ぶふぅ!!」

 

俺は思わず殴ってしまった。

 

「おっお前、なんで俺の顔を見て恐怖を感じなかったんだ!?」

 

「まさか、ここで会うとはな。

本当に嬉しいぜぇ!!」

 

「ルパンレンジャーは恐怖していないのか」

 

「だけど、あの雰囲気、まるで」

 

「狂気染みている」

 

「ちぃ、こんな奴がいるとはな!

でもな、それでもこれを作り出すには十分だあぁ!!」

 

そう言うと奴は手元にあった銃にパトレンジャーの奴らから奪い取った何かを詰めると、そこにいたのは鷹の頭、本の帽子を被った奇妙な奴が誕生した。

 

「こいつは俺の命と、こいつらの命を組み合わせて作り出した最強のホーミーズ!

お前一人で叶うかよ」

 

「邪魔」

 

その一言と共に、俺の背後から現れたペルソナの手が奴が作り出したホーミーズを握り締めると、共に俺の手の動きに合わせるように締め付け、ついには破裂した。

 

「なっ」

 

「ここで会えるとは思わなかったぜ。

殺しはしねぇ、だけどな四肢全ては無くなるだけの覚悟はしろよ

 

そう言いながら、俺は呼び出したペルソナ・アステリオスを従えながら奴に近づく。

 

だがその一歩歩く前に、目の前でソーマが現れ、手にもった神器でアステリオスを殴り、忍は俺を殴った。

 

「なにしやがる」

 

殴りつけた瞬間、俺は必死に食らいつくように睨み付ける。

 

「人を殺しそうな馬鹿を止めに来た。

あいつはお主の復讐相手ではない」

 

「奴は相手の恐怖の対象を映し出す事ができる。

奴はお前の追っている奴ではない」

 

「・・・・」

 

その言葉だけ聞くと俺はすぐに身体の力を緩めると共に、背後に呼び出したアステリオスを抑え込んだ。

 

「悪い、頭に血が上っていた」

 

「まぁそのおかげで楽にこいつの特典を盗れたから良いがな」

 

そう言うとソーマの手元には何時の間にか転生特典があった。

 

「本当に手際が良い事で」

 

そう言い、俺はその場から離れようとしたが背後から来た攻撃を感じると共にアルセーヌを呼び出し、攻撃を翼で受け止める。

 

「まだやる気か?」

 

「当たり前だぁ 

お前らを逃がせば、犠牲者が増えるからな」

 

「犠牲者ねぇ」

 

その言葉を聞き、こいつらが言いそうな事が大体予想つく。

 

「どうせ、転生特典を奪われた奴らの事件による被害者とでも言うつもりだろ」

 

「それが分かっているなら、どうしてこんな事を」

 

「お前らだって、人を悲しませる事をしているのを自覚しているのか?」

 

「なに?」

 

「人に注意する前に、てめぇらの罪を数えろ」

 

それだけ伝えると、俺達はその場から立ち去った。

 

「んっ?」

 

しばらく歩いていくと、ポケットの中に入っていたスマホが鳴り響き、気になり出てみる。

 

「もしもし」

 

「お久しぶりだね、雨宮君」

 

「その声は、死神様?」

 

電話から掛かってきた相手は、俺達をルパンレンジャーへと任命した神である死神様だが、普段は魂の管理もあって、連絡や特典の管理等、俺達のサポートや自身の仕事で手が一杯な状態な為、石堂が中間役を行ってくれているのだが

 

「なんで死神様が直接?」

 

「石堂君は、今は少し大変な事に巻き込まれていてね。

合流するのも時間がかかりそうだから、僕から用件を言うね」

 

「用件?」

 

「実は、とある特典が暴走を起こしたんだよ」

 

「とある特典ですか?」

 

「あぁデビルガンダム、かつて君達とパトレンジャー、さらには異世界の住人の協力で倒したのは覚えているかい?」

 

「それは確か、少し前の戦いの時に起きたあれですか?」

 

「それだよ。

だけど厄介な事に、デビルガンダムは転生者の意志とは関係なく、君達のダイヤルファイターの力を通して、スーパー戦隊の力をコピーしちゃったんだよね」

 

「「「なにいぃぃ!!!」」」

 

その意味は聞いた通りなら、デビルガンダムはスーパー戦隊の力を持って暴走する可能性がある。

 

「そっそれで、デビルガンダムは今はどこに!?」

 

「デビルガンダムは、本能に従って、この世界よりも巨大な生命体を喰らう為にとある世界に向かっているよ。

そして、その世界はねぇ」

 

そう言って、死神様が指定した世界へ行く為に、俺達は走り出した。



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予告状40 異世界での再会

今回は「戦姫絶唱シンフォギアAXZ PROJECT G」とのコラボを書かせてもらいました。
話の内容は向こうのコラボから続いていますので、気になる人はそちらをぜひ見てください!



 

 

ここは雨宮達が活動している多次元世界とは違う世界。

 

その世界で現在、世界が滅ぶかもしれない戦いが行われていた。

 

戦いの舞台となっている街は現在、幾つもの火事が起きており、煙は上がっていた。

 

そして町の中で一つの建物にぶつかったのは、この世界の中心の存在であり、かつてルパンレンジャー達と一緒に戦ってくれた存在、ゴジラだった。

 

「グルルルルル!!」

 

そんなゴジラは目の前の存在にうねり声を上げながらも困惑を隠せない様子だった。

 

そして煙が晴れると共に現れたのは全身が黒一色になっている事を除けば、姿は瓜二つのキョウリュウジャーの相棒であったキョウリュウジンだった。

 

「なんで、キョウリュウジャーの皆さんが」

 

そんな戦いの様子を近くにいたのは、この世界の響達だった。

 

「分からない、だが、今の彼らは敵だと言う事しか分からない」

 

「おまけにまだいるからな」

 

その言葉と共に現れたのはキョウリュウジャーと同じくスーパー戦隊のロボットであるアバレンオーと大獣神の二体だった。

 

その二体も、キョウリュウジンと同じく、黒一色だった。

 

「ガウ君!

逃げて!!」

 

そう叫ぶも、街を守る為にゴジラは立ち上がり、攻撃を仕掛けようとするが、かつて共に戦ったキョウリュウジンと同じ姿で攻撃の手を緩めてしまう。

 

その隙を突き、キョウリュウジンの剣が再びゴジラに襲い掛かる。

 

「えっ」

 

だがその攻撃はゴジラに当たる事はなく、突然キョウリュウジンに火花が散り、後ろへと下がってしまう。

 

その変化はなおも続き、背後にいたアバレンオー、大獣神達も火花を散りながらゴジラから離れていく。

 

「一体何が」

 

「なんだあれは」

 

そうクリスが呟くと、全員がその方向を見ると、そこにはレッドダイヤルファイター、ブルーダイヤルファイター、イエローダイヤルファイターが飛んでいた。

 

「なんだ、あれはっ!」

 

「とんでもメカデス!」

 

ダイヤルファイターはそのままキョウリュウジン達を通り過ぎると、空高く飛ぶと、そこにはグットストライカーが合流するように下降していた。

 

「行くぜ、怪盗ガッタイム!

勝利を奪い取ろうぜぇ!!」

 

同時にダイヤルファイター達は変形し、グットストライカーも変形を完了する。

 

「「「「完成!ルパンカイザー!」」」」

 

「まさか、あれってキョウリュウジャーの人達と同じ、スーパー戦隊!?」

 

完成と同時にルパンカイザーは地面に降り立つと、背後でにいたゴジラに目を向けると

 

「大丈夫か、ガウ」

 

「グワワァン!」

 

声を掛けられた瞬間、正体が分かったのか、ゴジラは尻尾を地面に叩き、安心させるように雄たけびを上げながら、大きく頷く。

 

「えっガウ君と知り合い?」

 

『響君、聞こえるか?

今、未来君から聞いた話から、彼らの正体が分かった』

 

困惑する響達の元に風鳴指令からの通信に耳を傾けた。

 

「本当かよ!?」

 

『彼らの正体はルパンレンジャー。

未来君とガウが向かった世界において、協力してくれたスーパー戦隊の一人だ』

 

「だから、ガウ君も嬉しそうだったんだね!!」

 

納得すると同時に心強い味方が現れ、安心した響達。

 

「さぁ勝利を勝ち取ろうぜ!!」

 

その言葉と共にルパンカイザーは右腕のガトリング砲をキョウリュウジン達に狙いを付けて放った。

 

すると、キョウリュウジンは意図も簡単に穴だらけになってしまう。

 

「容赦なく、やったのか」

 

「でっでも、あれは」

 

キョウリュウジンの無残な姿を見て、驚く響達だが、その無残な姿は徐々に塞がっていtった。

 

「なんだ、あれは」

 

「奴らは本物の先輩方の相棒ではなく、デビルガンダムによって作られた偽物だ」

 

「偽物、だったら、ガウ君!!」

 

「ガアアァァァ!!!」

 

その言葉を聞くとゴジラは雄たけびと共に近くまで来ていたアバレンオーに向かって尻尾で叩きつけると、怯んだ隙に口から放射線を放ち、上半身を焼き尽くす。

 

「なかなかやるな。

だったらこっちも見せるぜ、先輩達の力を」

 

【キョ・キョ・キョウリュウジャー】

 

その音声と共にルパンカイザーから現れたのはガブティラによく似た飛行機が現れ、そのままルパンカイザーと合体する。

 

「完成、キョウリュウルパンカイザー!

さぁ、決めるぜ!!」

 

その瞬間、キョウリュウルパンカイザーは左右それぞれにキョウリュウジンと大獣神に狙う。

 

「ルパンカイザー 白亜紀まで吹き飛んでしまえショット」

 

その声が響くと同時にルパンカイザーの左右からエネルギー弾が次々と飛んでいき、二体のロボットを僅かなパーツだけ残して、消し去る。

 

「とんでもない、威力だ」

 

「でも、これでっ!?」

 

無事に倒す事ができたと思った次の瞬間だった。

 

倒したはずのキョウリュウジン達のパーツが一ヶ所に集まりだし、そこに現れたのは様々な恐竜の要素が合わさったロボットがそこにいた。

 

「なんだ、あれは!!」

 

「やばい感じがするなっ!?」

 

その会話の間にロボットの身体の各部の恐竜の目が光ると共に、紫色の光線が次々と放っていき、キョウリュウルパンカイザーとゴジラに襲い掛かる。

 

「とんでもない威力をしやがる!!」

 

「ガウ君とルパンレンジャーは!!」

 

急いでゴジラとルパンレンジャーを探し、見つけるも、瓦礫に埋め込まれている状態で動けない状態だった。

 

「危ない!!」

 

絶体絶命のその瞬間だった

 

「ゲラララァ」

 

「ガアアアァァ」

 

空から突然、巨大な白い翼竜と緑色の恐竜が現れ、ロボットに攻撃を仕掛ける。。

 

「どうやら間に合ったようだな」

 

「無事のようだな」

 

その声と共に各々の恐竜の肩から、その恐竜をモデルにした戦士達が現れた。

 

「あなた達は!!」 



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予告状41 恐竜から受け継ぎし怪盗

戦いの中で突然現れた二人の戦士は、そのまま俺達の方へ向くと各々が叫び始める。

 

「アバレキラー」

 

「ドラゴンレンジャー・ブライ!」

 

その言葉と共に二人が乗っていた恐竜は咆哮し、近くにいた奴は後ろへと下がり、睨み付けた。

 

「あなた達が、なんでここに?」

 

「俺達は死神から言われて、こいつの回収しにきた」

 

「こいつ?」

 

そう言い、俺達は再度デビルガンダムを見る。

 

その姿は前に戦ったデビルガンダムの姿よりも凶暴な姿になっており、様々な恐竜が合わさったような気味の悪い巨人だった。

 

「こいつの正体。

それは君達ルパンレンジャーによって特典を奪われた転生者、そしてパトレンジャー達によって更生させられ、この世を去った転生者達の無念が合わさった存在だ」

 

「それが、デビルガンダムに取り付いて、こうなったのか」

 

「そうだ、そしてこいつを倒す事は今のお前達だけでは無理だ

 

「だが俺達の力があれば、話は変わる」

 

そう二人は言ったが、俺にはそんな簡単に力を渡してくれるとは思えない。

 

「お前に力を渡すには、俺達が納得する答えを出せ」

 

「それはどういう事だ?」

 

「お前はこれまで多くのスーパー戦隊に認められた。

だが、同時に俺達は一つの疑問がある」

 

「疑問?」

 

「なぜ転生者を殺さない」

 

「なに?」

 

その言葉に一瞬、俺は固まってしまう。

 

「転生者が生きていても、誰かを傷つける。

そんな事、戦ったお前達ならば知っているはずだ、なのになぜパトレンジャーのように殺さない?」

 

その質問が来た瞬間、俺の中ですぐに答えが出た。

 

「そんなの、分からないからに決まっているじゃないですか?」

 

「なに?」

 

「確かに戦った時は悪人だったかもしれない。

善人だった転生者もその後は悪人になるかもしれない。

だけど、その反対だってある」

 

「つまり、お前はその不確定だから手を出さなかったと?」

 

「えぇ、でも俺は馬鹿だからな。

もっと単純に言えば、人は生きていたら、きっと変われる。

悪から善に変わる事なんて、山程ありますからね。

だから俺は人の可能性を信じてみたい、それは転生者でも変わりません」

 

そう俺は不適に答えると、二人の先輩は何を思ったのか、突然笑い出した。

 

「なっなんですか?」

 

「別に本当、あの馬鹿にそっくりな奴だ」

 

「俺も久しぶりに弟の事を思い出したよ」

 

そう言うと二人の先輩は何か納得したのか、二人はこちらに向けて何かを投げた。

 

「これは?」

 

「俺達アバレンジャーの力」

 

「そして俺達ジュウレンジャーの力が籠もったダイヤルファイターだ。

そして、お前達はある意味、試練を一つ乗り越えた」

 

「えっ?」

 

俺はそう呆けていると、受け取ったダイヤルファイターは次第に形を変えていき、その形はさっきまで二つだったダイヤルファイターは赤い機械のプテラノドンを摸したダイヤルファイターへと変わっていた。

 

「これは!?」

 

「俺達、恐竜の力を持つスーパー戦隊の力が合わさったダイヤルファイター、ダイノファイターだ」

 

「その力を使えば、さらなる力を得る。

だけど忘れるな、お前がさっき言った言葉を」

 

その言葉と共に二人は光となって消えていった。

 

「・・・はい!!」

 

俺はその言葉と共にダイノファイターをVSチェンジャーにセットする。

 

【ダイノホープ!3・1・2・0!スーパーマスカレイド!】

 

【恐竜チェンジ!!】

 

「恐竜チェンジ!」

 

【ダイノルパンレンジャー!!ガオォ!!】

 

その音声と同時にVSチェンジャーにセットされていたダイノファイターの幻影が現れ、俺が身に纏うと、身体の各部に恐竜の牙を摸した籠手が現れ、マントはまるでプテラノドンの翼を思わせる物へと変わる。

 

「力が漲るぜぇ!!」

 

俺はそう叫ぶと、目の前にいる奴は大きく後ろへと下がる。

 

「叫び声だけで、怯ませただと!」

 

「ガアアアァァ!!」

 

それと同時にガウもそれに合わせるように叫ぶと、ガウの身体から溢れるばかりの叫び、俺とガウは共鳴するように叫ぶ。

 

「行くぜ、ガウ!

 

「ガアア!!」

 

俺はそう叫ぶとVSチェンジャーを操作し、引き金を引くと、ダイノファイターは巨大化し、俺はそれに乗り込み、操作するとダイノファイターは大きく変形する。

 

ダイノファイターの中心部が前に出るとガウに装着し、翼の部分が変形しゴジラの腕に覆われる。

 

そして最後に俺がダイノファイターが操縦している部分がガウの頭に重なり、姿を変えた。

 

「ガアォ」 「キイイィィィーール!!」

 

俺達は同時に叫ぶと目の前にいる奴を睨み付けると、こちらに恐れてか後ろへと下がるが俺達は奴に一歩ずつ近づいていく。

 

「お前達が俺達に恨みを抱くのも分かる。

俺に向けて恨み言を言っても良いだろう。

だけどなぁ!!」

 

俺の叫び声に反応するように、右手を前に翳し、掴み取る。

 

「関係ない奴らを巻き込むな!」

 

それと同時に背中の翼から炎が出ると、目の前にいる奴は宇宙の彼方へ共に飛ぶと同時に目の前にいる奴を睨み付ける。

 

「だからこそ、お前達は俺が止める!!」

 

それだけ言うと、俺はここまで一緒に戦ってくれたガウに目を向ける。

 

「悪いな、ここまで付き合って貰って」

 

「キィィル!!」

 

そんな俺に答えるようにガウは答えてくれ、俺はその答えを聞くと同時に目の前にいる奴を見つめる。

 

「これで最後だ、ゴジラ!!」

 

「キイイィィィル!!」

 

その言葉と同時にゴジラの身に纏っている鎧にある角の部分が白い光が集まり始め、その光は次第にゴジラの口の中へと集まっていく。

 

「ガアアアァァァ!!!」 「キイイイィィィ!!!」

 

全ての光が集まり、放つとその光は奴の身体へと当たり、火花を散る。

 

その最中、火花の中には転生者の後悔の念がこちらに注がれていく。

 

(お前が特典を奪ったせいで、俺の人生は無茶苦茶だ)

 

(特典のおかげで上手くいっていたのに、なんで奪いやがって)

 

(大切な物をなんで取り上げるんだぁ!!)

 

そんな声が頭の中で聞こえてくる。

 

だが

 

「確かにお前達の人生を無茶苦茶にした。

だけどな、俺はその特典のせいで誰かが傷つくんだったら、俺はそれを奪い取る。

その罪だって、俺はその罪を引き摺って生きてみせる!!」

 

そして残る怨念が俺の中に入ってくる。

 

(俺はあの世界で生きたかった、うまくやっていたんだ)

 

(前の人生ではいなかった家族がいたのに、なんで家族から離したんだ!!)

 

(死にたくない、記憶を無くしたくないよぉ!!)

 

その叫びからパトレンジャー達が更生させた転生者だろう。

 

「お前達を救えずにすまなかった。

だから、今は眠ってくれ」

 

そう言うと共に、鎧から流れ出るのは、かつて聞いた事のある祈り歌だった。

 

祈り歌が聞こえる度に一つまた一つと怨念が浄化していき、最後の怨念が消えた。

 

「ガウゥ」

 

そんな怨念の最後を見届けると、ゴジラは悲しそうに叫ぶ。

 

「これで終わりじゃないんだよな」

 

「なんというか、迷惑をかけてしまったな」

 

戦いが終わり、俺達は地上へと降り立つと共に変身を解除し、この世界の響達とガウに別れの挨拶していた。

 

「そんな、気にしないでくださいよ。

それに未来達を助けてくれたお礼もしていませんでしたし」

 

「別に気にする程じゃない。

元はと言えば、俺達が原因だしな」

 

「それでも危ない所を助けてくれたのは本当の事ですから!!」

 

それだけ言われると、俺は本当に来た意味があったように思える。

 

「まぁなんだ。

ピンチの時は呼んでくれ、絶対に助けに行くからな」

 

「がう!!」

 

「またな」

 

俺はその言葉と同時に再び元の世界へ戻る為に歩き始めた。



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嘘予告状 オーディナル・スケール

最近になって、録画で溜めていたGGOと買っていてやる時間を確保できなかったSAOFBをやっていたら、気づいたら、思わず書いてしまいました。
あくまでも予告で、番外編なので、過度な期待はしないでください。



そいつは突然現れた。

 

その日、キリトはアスナに誘われるがままに、オーディル・スケールのボス戦に参加していた。

 

最近になって急激に増えたハードであるオーディル・スケールに対して、キリトは余り乗り気ではなかなったが、アスナの言葉もあって参加する事にした。

 

そして、ボス戦が始まり、いよいよゲームが始まる、その直前だった。

 

現れたボスであるカガチ・ザ・サムライロードはプレイヤーに向けて襲い掛かろとした時、上空から幾つもの光がボスに当たっていく。

 

最初は困惑していくが、ボスはその攻撃を避けられず、最後には先程とは比べものにならない程の巨大な緑の刃がボスの身体を引き裂き、すぐに結晶化し、その姿を無くした。

 

余りの出来事に周りにいたプレイヤー達の反応は困惑や終わってしまった事への不満、ドロップが落ちていないのか確認するなど、プレイヤーそれぞれで反応は違った。

 

その中で一人だけ、キリトは気づいていた。

 

(なんだ、今のは!?

ゲームの演出で、こんなのが出るのか?)

 

あまりオーディナル・スケールを使っていない事もあり、疑問を思い浮かんでいる間に先程のボスを倒した場所には何時の間にか見た事のない人物が立っていた。

 

そこには赤を中心に、怪盗を思わせる衣装を身に纏い、顔はシルクハットを思わせる仮面を付いている人物だった。

 

 

「なんだ、あのキャラクターは?」

 

「告知でこんなキャラクターいたか?」

 

「プレイヤーにこんな装備もなかったし」

 

周りが騒ぐ中で、キリトは少し疑問に思い、ゲームを一時的に停止し、目の前にいる光景を目にした。

 

「なっ!?」

 

キリトがそこにはVRの中で確かに存在していた赤い怪盗が目の前にいたからだ。

 

「馬鹿な、現実に干渉した!

やばい、皆、そいつは本物の「予告する」っ!!」

 

キリトが急いで周りにこの事を伝えようとした、次の瞬間、目の前にいる怪盗はまるで周りに宣言するように手に持っていた腰に付けると、その手には赤いカードがあった。

 

「へぇ、面白い」

 

怪盗はオーディナル・スケールを外しているキリトに目をつけると、手元にあったカードを一枚キリトに投げる。

 

その行動に驚き、すぐに受け取ると、怪盗はそれを確認すると同時にもう一枚のカードを上空に投げると、カードは赤く光ると同時に周りにあった建物にカードの内容が次々と表示されていった。

 

【オーディナ・スケールの歌姫、ユナをライブ当日に頂戴する】

 

その予告状が大きく予告されると、同時に赤い怪盗は手元にある道具を使い、ワイヤーを近くの建物の屋上に結ぶと同時に飛び移ると周りを見渡す。

 

「私の名はルパンレッド。

怪盗戦隊ルパンレンジャー、以後お見知りおきを」

 

それだけ宣言すると、手元にあった銃を操作し、銃を撃ちだすと、出てきたのはなんと巨大な赤い飛行機が現れ、飛び立つ。

 

「それでは、オ・ルポワール」

 

その一言と共に怪盗はその場からいなくなってしまう。

 

「あれ、キリト君、何時の間にVRを外していたの?」

 

「アスナ、今、現れたのは」

 

「凄かったよね、まさかいきなりあんなイベントが起きるなんて。

本当にびっくりしちゃったよ」

 

「違う、あれは現実で起きていたんだ」

 

「もう、キリト君ったら、何を冗談を」

 

そう言おうとしたアスナだったが、キリトが取り出したのは先程怪盗が投げた赤い予告状のカードだった。

 

「嘘でしょ。

でも、さっきは建物に飛んだし、それに飛行機も」

 

「信じられないけど、俺はオーディナル・スケールを外した時には現実で起きていた。

奴は、俺が外したのは予想外だったと思う」

 

むしろこのカードは現実で起きたのを証明する為の証拠として渡された。

 

そんな気がする。

 

「だったら、本当に危ないよ。

早く、連絡を「待ってください」えっ?」

 

アスナはすぐに対処の方法を考えようとするとオーディナル・スケールから聞こえてきたユイの声で、すぐに止めた。

 

「この予告状、何かパパのオーディナル・スケールに反応しています。

少し付けてみてください」

 

「分かった」

 

謎の事態に対しての対処を考える為にキリトは今一度オーディナル・スケールを付けて、予告状のカードを見つめる。

 

そこには

 

【俺の目的を知りたければ、○○公園で一人で来い。

来なくても良いし、安全も保障する。

だけど警戒しろ、お前達を狙っている奴らはすぐ近くにいる】

 

そこには怪盗側からの情報だった。

 

予想外の情報もそうだが、それ以上に謎も大きくなった。

 

「アスナ、この事はまだ他の皆には伝えないでくれ」

 

「何を言っているの!

相手は本当に銃や飛行機を持っている人達なのよ、ゲームの中の世界じゃないから、キリト君じゃあ」

 

「それでも俺は行かなくちゃいけないんだ」

 

(怪盗の目的もそうだけど、それ以上にお前ではなくお前達という言葉だ。

もしもそれが本当だったら、アスナ達も危険だ)

 

「悪い、俺は行くよ」

 

それだけ言うとキリトは走り出した。

 

公園の場所はすぐにユイのナビゲーションで教えてくれたので、すぐに辿り着く事ができ、公園で周りを見渡す。

 

「本当にいるのか」

 

「いるともさ、怪盗は予告を守るからな」

 

「っ!!」

 

声に気づき、後ろを振り向くと、そこには先程まで大騒ぎを起こしていたルパンレッドが余裕な表情でこちらを見つめていた。

 

「本当に、この世界は珍しいよな。

大体の事はゲームだけど、まさか厄介ごともゲームだとはな」

 

「何を言っているんだ」

 

「あぁこっちの話だ。

それじゃあ、早速で悪いけど、お前に聞く。

俺達と協力して、このゲームをぶっ壊して欲しい」

 

その話を聞き、キリトは目を見開いた。

 

「何を言っているんだ、お前は」

 

「本気だよ。

俺の目的はゲームを壊す事。だけど勘違いするな。

本当の目的はゲームを作った奴の協力者からある物を盗む為だ」

 

「そんな事に俺が協力するとでも思っているのか?」

 

「協力する、なんたって良い奴だからな。

それに、はっきり言う、命はゲームよりも価値があるからな」

 

「命、それってどういう事だ」

 

「そうだな、まずは改めて自己紹介からだ」

 

そう言うと共にルパンレッドの身体は赤く光、その場で現れたのは赤いスーツを着ていたキリトと同じぐらいの年齢の男の子だった。

 

「俺の名前は雨宮連。

他の世界から来た、怪盗だ」



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予告状42 銀色の怪盗

異世界での戦いを終えた俺達はソーマは二課への報告、忍はドーナツを食べに、俺は店が無事かどうか確認する為に向かった。

 

本当ならばすぐにでも休みたかったが、生活するのに必要な店に泥棒が入ったら困るので、少し急いでいた。

 

「見つけた」

 

俺はその時、店の事ばかり考えていて、背後から迫っていた奴の攻撃を辛うじて避ける事しかできなかった。

 

「今の攻撃を避けるとはさすがだな、ルパンレッド」

 

そう言い、目の前の男は気味の悪い笑みを浮かべながら、剣をこちらに向けていた。

 

「てめぇ、転生者か」

 

「当たり、まぁ俺は快楽主義者だからな、斬れる奴はすぐにでも斬らせてもらうけどな」

 

「それを聞いて、放っておくとでも思っているのか」

 

奴が俺の正体を知っていると分かった以上、放っておく訳にはいかず、俺はすぐにでも立ち上がろとするが、なぜか身体は動かず、全身が痛みで支配されてしまう。

 

「俺の剣はな、痛覚以外の感覚を全て消す事ができるんだよなぁ。

お前、そうとう無理していたみたいだな、顔が歪んでいるぜ」

 

そう言い、奴はそのまま剣をぶら下げてこちら近づく。

 

「ルパンレッド、最後に何か言い残す事があるか?」

 

「俺は諦めないぜ」

 

痛覚だけとは言え、まだ微妙に身体が動ける。

 

ならば、戦う手段はあるはずだ

 

「あぁつまんないなぁ。

まっ別に殺すから関係ないけどね」

 

そう言い、奴はその手に持った剣を俺に向ける。

 

俺は急いでVSチェンジャーを持とうとするが、手に力が入らず、引き金すら引けなかったが、奴の手に持っていた剣は別の方向から放たれた銀色の閃光によって軌道を変えられてしまう。

 

「何だっ!?」

 

突然の事で奴は驚き、その方向を見ると、そこには銀色のスーツを身に着けた石堂が立っていた。

 

「石堂」

 

「よく我慢した。

ここからは俺に任せろ」

 

死神様から、どこに行ったか分からないはずの石堂が目の前にいる事に対して疑問に思い、声を出そうとするが、石堂はこれまでにない迫力を出しながら奴を睨み付ける

 

「てめぇ、よくも雨宮を殺そうとしたな」

 

「なんだ、おっさん。

そいつとなんか関係があるのか?」

 

「俺の大切な子供のような存在だ。

覚悟しろ、俺は大切な物を傷つけた奴は許さないんだよ」

 

石堂の手には先程の攻撃を放った銃を持っていたが、その形は新幹線を思われる銀色の銃だったが、石堂はそのまま銃を回転させる。

 

『エクスナイズ!』

 

「怪盗チェンジ」

 

『快盗Xチェンジ!』

 

その音声が鳴り響くと共に、石堂の身体は変化し、そこに現れたのは銀色のルパンレンジャーだった。

 

「ルパンエックス」

 

「ルパンエックス?」

 

石堂は自身の変身した名前を宣言すると同時にゆっくりと転生者に向かって歩いていった。

 

「幾らルパンレンジャーだろうと、俺の剣で傷がつければすぐに終わるんだよぉ!」

 

そう言い転生者は一気に石堂に近づくと同時に切り上げるが、石堂の身体には傷一つついていなかった。

 

「なんだと、そんな事あり得るかよ」

そう叫んだ転生者はそのまま連続で石堂を切り裂いていくが、石堂には傷一つつかず、石堂はそのまま殴り飛ばした。

 

「なっなんだよ、これは!?」

 

「俺のルパンエックスはルパンレンジャーよりも防御力を遥かに超えている。

そして、これでとどめだ」

 

そう宣言すると、手には何時の間にか剣を持っており、石堂はそのまま剣にあるレバーを操作する。

 

【3・2・1・0】

 

「スペリオルX」

 

【イタダキエックスストライク】

 

その声と共に石堂が転生者を十字に切り裂くと、転生者の身体にはXの傷がつけられ、石堂の手には転生特典があった。

 

「確かに頂いた」

 

そう呟くと共に、石堂は俺の元へと歩いていく。

 

「お前、それは一体なんなんだ?」

 

「一から説明するには少し長いな。

でも安心しろ、ルパンエックスは確実にお前の味方だ」

 

「なんか怪しいな」

 

「いやぁ実はな、これは少し厄介な奴でな」

 

そう言っていると、ルパンエックスの変身が解除されると同時に石堂の手にあった変身アイテムの形は電車へと変わり、空へと飛んでいく。

 

「・・・一応聞くが、あれはなんだ?」

 

「Xチェンジャーと言ってな、エックスに変身する為のアイテムだ。

だけど、厄介な事にな、グットストライカーと同じように俺ともう一人の所持者に行ったり来たりするという厄介な特性を持っているんだ」

 

「その話が本当なら、パトレンエックスも存在するという訳だな」

 

それだけ聞くと、敵か味方のどちらか分からない奴が増えた訳だ。

 

「それじゃあ、色々と聞きたい事があるけど、今はこれだけ答えろ」

 

「なんだ?」

 

「石堂、お前は俺達の味方か?」

 

「何をいまさら。

俺はお前達の味方であり続ける。

それはお前達と会った時から変わらない」

 

「そうか」

 

それだけ言うと、心の中にある不安が少し消え、目を閉じる。

 

「今度こそ、俺は子供達を守って見せるからな、戦兎、美空」



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予告状43 ギャングラーの謎

石堂に連れられ、俺は喫茶店に戻ると、不機嫌そうな忍と疲れた様子のソーマがソファに座っていた。

 

「おぉ二人共丁度良かったな」

 

「石堂愁一、それは俺のこの世界の名前だ。

俺がこの世界に来る前の名前は石動惣一、元宇宙飛行士だった」

 

「儂達が聞きたいのはそういう事ではない」

 

「あぁ分かっている。

だけど、これも重要な事だ。

まぁ聞いてくれ」

 

そう言いながら、石堂の話は続いた。

 

「俺はその中で火星での探索の中、パンドラボックスを発見した。

だが、それが全ての悪夢の始まりだったんだ。

俺がそれを手に入れたのと同時にかつて火星を滅ぼしたエボルトによって、身体を乗っ取られた」

 

「エボルトだとっ!!」

 

その名前を聞いた瞬間、立ち上がってしまう。

 

ギャングラーの中で、ボスと同じくらいに謎の存在であるエボルト、その名前がここで出てくるとは。

 

「という事は、そいつも転生者なのか」

 

「あぁ、その後、エボルトに2年間、操られた俺は様々な悪事に手を染めて、多くの人々を苦しめてしまった。

だけど、そんな俺をあいつは……戦兎は救ってくれた」

 

「戦兎?」

 

「お前達のルパンレンジャーやスーパー戦隊と同じく、ある意味特異点となっている事が多い仮面ライダー、その中でも特別な存在であるビルドに変身している。

まぁ俺も死んだ後で知ったんだがな」

 

「それでどうなったんだ?」

 

「あぁそうだな。

命を救われた俺はその後、病院に搬送され、意識不明だったけど、ある日意識を取り戻したんだ。

そこで待ち受けていたのは、まさに最終決戦だった」

 

「最終決戦」

 

「あぁ、エボルトは世界を滅ぼそうとしていて、戦兎達はそれを阻止しようとしていた。

そして俺は傷だらけの身体で無茶して、戦いに入った」

 

「だが、お前にはその時にはまだルパンレンジャーに変身する力はなかったはずだが」

 

「まぁな、でもこれがあった」

 

そう言い取り出したのは赤い金属のボトルだった。

 

「これは兎?」

 

「ラビットエボルボトル。

エボルトが戦兎の力を抜き取った事で作り出されたボトルだ。

俺はそのボトルとエボルトの仲間から奪ったドライバーを奪って、変身した」

 

「まさか前世で仮面ライダーになったのか」

 

「まぁな。

俺の身体には皮肉にもエボルトに2年間乗っ取られた事によって、変身する条件が揃っていたんだ。

そして、俺達はエボルトと戦った。

だけど、奴は強かった」

 

「そんなにか?」

 

「俺はあいつ以上に強い奴は知らない。

それでも、俺達は勝った。けどな、俺の身体は限界だったようでな。そこで死んでしまった」

 

「病院から抜け出して、そんな相手と戦ったからな」

 

「それだけじゃない、俺の身体はエボルトによって、ボロボロだった。

だから、例え戦って無くても、余命は僅かだったと思う」

 

「石堂」

 

その表情は未だに後悔が続いており、拳は強く握りしめていた。

 

「だけど、エボルトは転生していた。

ギャングラーによってな」

 

「ギャングラー、奴らの詳細は知っているのか?」

 

「まぁな。

奴らはとある神をボスにして、様々な世界の魂を回収し、転生を行っている。

本来、転生は神が厳重に管理しており、その世界の危機を救うのに必要な人材を派遣を行うシステムだ」

 

「そうだったのか?」

 

「あぁ、ギャングラーの目的は未だに不明だが、その影響はお前達も知っているだろ」

 

「まさか、この多次元融合は」

 

「いや、実は多次元融合自体は本当に偶然に起きた事だ。

だが、そうしなければ危なかった世界も数多くあったのは否定できないがな」

 

「だけど、実際に未だに多くの謎は残っているぞ」

 

石堂の正体は確かに分かったし、聞いている限り本当だと判断できる。

 

それでも未だに分からないのはギャングラーだ。

 

「俺はそこで死後、死神様に出会い、その事を教えて貰った後、ギャングラーに潜んでいるエボルトを倒す為に俺はこの世界に転生した。

ルパンエックスは、本来はエボルトに戦う為に渡されたんだがな」

 

そう言うとなにやら苦笑いしていた。

 

「死神様が作ったルパンエックスの変身アイテムであるエックストレインシルバーと、もう一人の神が作ったエックストレインゴールドをうっかりくっつけてしまって、その二つが意志を持っていたらしくてな。死神様曰く「愛の逃避行だったねぇ」らしい」

 

「そんな理由でっ!?」

 

変身アイテム誕生がそんなあっさり良いのか?

 

「まぁ元々登録されていて、変身者が念じれば来てくれるらしいけど、ゴールドの方の変身者と重なった時はまさに運次第だがな」

 

「なんというか、本当に厄介じゃな」

 

そう言っている間にも俺達の頭の中で、なぜか死神様が「めんごめんご」と言っている所が想像できた。

 

あの人、普段から軽い態度だけど、結構頼りになるけど、いざという時とんでもない失敗をするからな。

 

「でも未だに謎なのは、ギャングラーは一体なぜ多くの転生者を作り出しているんだ?」

 

「魂食い、それが一つの目的だ」

 

「魂食い?」

 

「ファンタジーなどではよく人の魂を喰らう化け物がいるだろ。

エボルトの目的としては、悪人を転生され、強靱に育てた魂で力の復活を目論んでいる」

 

「まさか、でもそれだったら、なぜクロウは邪魔を」

 

「ギャングラーも考えは様々だ。

俺がこれまで追ってきたエボルトのように魂食いの奴や、仲間を増やす奴もな。

だが俺を見る限り、クロウと赤禰の目的はお前だ」

 

そう言い、石堂は俺の方へ指を指した。

 

「俺?」

 

「お前はこの多次元融合によって、歪められてしまったが、お前は融合前の世界ではある可能性があった。

それは神殺しだ」

 

「神殺し?

ソーマみたいな感じなのか」

 

「分からない、俺もそこまではな。

だが、お前はギャングラーにとってお前は何か重要な存在かもしれない」

 

「俺がか?

なんだか変な気分だな」

 

そう言いながら考え込んでいると、俺の膝の上に忍が乗りかかった。

 

「なぁに、別に一人で背負う事はない。

この世界で出会った者達に案外頼りになる石堂「案外って」に便利なソーマ「一言余計だ」それに無敵の儂がおるんじゃからな」

 

「そうだな」

 

俺が融合する前の世界において、何ができたのか分からないが、今の世界で俺がやるべき事は、ギャングラーを潰し、転生者の暴走を止め、復讐を果たす。

 

「やる事は考えれば、本当に大量だな」

 

「かかっ、その調子じゃよ」

 

「ふぅ、どうやら心配は無用だったな。

まぁここまでの話ともう一つ、お前達にはやってもらいたい事があるがな」

 

「やってもらいたい事?」

 

そう言い石堂は近くにあるキーボードを操作すると、そこに映し出されていたのは奇妙なオブジェクトだった。

 

「これは?」

 

「ギャラルホルン。

異世界に繋がる事ができる聖遺物だ。

エルフナインちゃんやSONGの職員達の協力もあって、今後の方針が決まった」

 

「目的?」

 

「雨宮、お前の本来の仲間、怪盗団の再結集だ」

 

「怪盗団?」

 

そう言い、次に出たのは一枚の画像だった。

 

そこには俺がペルソナを使う時に出てくる衣装もそうだが、他にも6人の人影と小さな猫のような影があった。

 

「これは」

 

「お前の本来あったかもしれない未来の一つだ。

おそらくは、この怪盗団にお前の力の秘密があると考えている」

 

「それと、ギャラルホルンに何の関係が?」

 

「世界の融合と分離を行っている内に怪盗団のメンバー達は様々な世界に飛ばされた。

お前と同様に記憶を無くしてな、本来ならば無限に近いパラレルワールドから探し出す事は不可能だが、ギャラルホルンの力で、お前のペルソナと最も近い存在を感知する事ができた」

 

「つまり、俺達のこれからの目的は」

 

「あぁ怪盗団の探し出す事だ。

反応自体は見つける事が困難で今も探索中だがな」

 

「怪盗団か」

 

本来の世界の仲間、それは不思議と無かったはずの懐かしさがこみ上げて来たが同時に不安も感じた。

 

現在のルパンレンジャーの仲間も確かに大切な存在で、怪盗団の結成は、それを崩してしまうのではないかと

 

「別にお前が不安になる必要はない。

俺も本来はゴットイーターとしての責務もある。

この世界では記憶にないが、確かに合ったと思う仲間がな」

 

「儂もじゃよ。

けどな、だからと言ってお前を見捨てる訳はない。

絆は決して薄れないからな」

 

「ソーマ、忍、そうだよな」

 

怪盗団の仲間も、ルパンレンジャーの仲間も、仲間が増えたからと言って、その絆が無くなる事はない。

 

だからこそ、俺は見つけないといけない、失ってしまった絆を取り戻す為にも

 

「どうやら、決意は固まったらしいな」

 

「あぁ、俺は絶対に怪盗団を取り戻す」

 

 



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予告状44 ギャングラーの闇

ギャラルホルンの稼働までのメンテナンスがあるという事で、しばらくの間はギャングラーの目的を探る為に俺達は夜の街を歩いていた。

 

裏の情報は夜の街に出やすいと聞くが、ギャングラーに関しての収穫はさっぱりで、白井の転生者にも情報を聞くが、それらしい情報は未だに見つからない。

 

「どうしたものかねぇ」

 

俺はそう悩みながらも、ギャングラーのこれまでの行動等を思い浮かぶも、奴らの目的が多数ある為、最終的な目的まで読む事ができない。

 

「何やら面白い事を考えているようだが、少年。

よければ私が聞こうではないか」

 

そんな俺の考えを読んでいるかのように、背後から声が聞こえ、見てみるとそこには銀髪の白衣の男が立っていた。

 

「別に、何もないけど」

 

「嘘はいけないぜ少年。

私の長年の経験で少年が何か悩みを持っているのかぐらいすぐに分かるのさ」

 

「別に悩みぐらい、人は誰だってあるよ。

今の俺の悩みは、お前をどう対処するかだよ」

 

「それは手厳しい。

ならば、少し興味がある話を聞かせよう、そう例えばギャングラーなどはどうかね?」

 

俺はギャングラーという単語を聞いた瞬間、腰に付けていたVSチェンジャーを手に取り、奴に狙いを定めた。

 

「なぜ、ギャングラーの名前を?」

 

「おっと、これは失礼。

まずは自己紹介からだ、私の名前は狛従 宗誠。

ギャングラーの下っ端さ」

 

「へぇ、科学者っぽいけどな」

 

「これは私の趣味でね。

本業は彼らを使って、君達を殺す事だけど、折角の機会だ。

ルパンレンジャーの話を聞かせてもらいたいな」

 

「そうだな、俺もギャングラーの話を聞ければ、話すけど」

 

「これは最初から実力行使を行った方が速そうだね」

 

そう言うと、奴の背後から突然4本の手を持つ男と全身が灰色のローブを着た男だった。

 

「まさか、サーヴァント」

 

「その通り、我々と似たような存在だ。

だけど、その戦闘経験は本物だ、ならば勝てるのかな?」

 

「俺一人では無理かもしれないけど、仲間とだったら」

 

そう言うと同時に店の中にソーマ、忍、石堂が次々と集い、目の前にいる狛従に向ける。

 

「ふむ、これがルパンレンジャーか。

なるほど、実に興味深い、ぜひとも戦ってみて欲しいねぇ」

 

「お前の言う通りにしているようで、癪に障るが、すぐに終わらせてやる。

行くぜ、皆!!」

 

俺のその言葉に合わせるように、忍とソーマは手に持ったダイヤルファイターを手に取り、石堂はXチェンジャーを手に取り、俺はダイノホープをVSチェンジャーをセットする。

 

【ダイノホープ!3・1・2・0!スーパーマスカレイド!】

 

【ブルー! 2・6・0 マスカレイズ!】

 

【イエロー! 1・1・6 マスカレイズ!】

 

【エックスナイズ!怪盗エックスチェンジ】

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

「恐竜チェンジ!!」

 

【ダイノルパンレンジャー!!ガオォ!!】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!】】】

 

その音声が鳴り響くと同時に俺は足を大きく上げ、地面に思いきり踏みつけ、地面に亀裂を入る程に力を入れ、声を出す。

 

「ダイノルパンレッド!!」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「ルパンエックス」

 

「「「「怪盗戦隊!ルパンレンジャー」」」」

 

「てめぇの宝、喰らわせてもらう!!」

 

「やれるものなら、やってみろ!

行け、アーチャー、フォーリナー!!」

 

その声と共に戦い始まり、俺はアーチャーが激突し、ソーマ達はフォーリナーと激突して、戦いが始まる。

 

「ふむ、私と腕力がここまで互角とは、なかなか」

 

「そりゃあ、どうもぉ!!」

 

俺はそのままアーチャーは互いに殴り合っており、俺はダイノルパンレンジャーになった事で極限までに上げられた腕力でなんとかアーチャーと互角に戦えているが、相手は流石に歴史を残した伝説の人物だけある。

 

「それに4本腕は本当に厄介だな」

 

こちらの力を上手く受け流す腕はなかなかで、このままではこちらが負けるのは明白だ。

 

「だったら、戦い方を変えるだけだ」

 

その言葉と共に俺はアーチャーに向けて、蹴り、後ろへと大きく飛ぶと同時に装着しているダイノホープを上に飛ばすと、ダイノホープは銃へと変わり左腕に装着する。

 

「キョウリュウモード」

 

「形が変わっただと!!」

 

「まぁ喰らいな!!」

 

その一言でキョウリュウモードになったダイノホープか5体の恐竜型のエネルギーが放たれる。

 

「ほぅ、これはなかなか」

 

「だろ、先輩達の力は」

 

そう言いながら、ダイノホープの力を改めて実感する。

 

このダイノホープは恐竜戦隊の力を全力で使うだけではなく、鎧形態で攻守のバランスが整い、様々な技ができるジュウレンジャー先輩の力が使えるジュウレンモード。

 

様々な恐竜を模した銃弾を放つ事ができるキョウリュウモードは、一対多数の戦いに向いている。

 

何よりも先程のような牽制にも使える。

 

そう言うとアーチャーはその手に持った弓矢で次々とエネルギーを打ち落としていくが、一瞬で動きを止める事ができたので、俺は再びダイノホープを身に着ける。

 

「ジュウレンモード」

 

音声と同時に鎧を身に着けると一気に距離を詰めると同時に響が使う技をイメージさせると同時にアーチャーを打ち抜く。

 

「なるほど、二つの姿になる事ができる訳ですか。

だが、その程度では私には勝てませんよ」

 

アーチャーはなんと、俺が放つ技を二つの腕で防ぐと、残った手でこちらに向けて放とうしていた。

 

「確かにピンチだな。

でも、これだったらどうだ!!

 

その言葉と共にダイノホープを再び外すと、今度は右腕に装着されると、その形は巨大なドリルへと変わる。

 

「まさか、そんな姿まであるとは」

 

「アバレモード」

 

俺はそのまま右腕で薙ぎ払うようにアーチャーに向けると、アーチャーはそのまま後退する。

 

このアバレモードは他の形態とは違い、ドリルによる接近戦しか行えないが

 

「これは、私も本気でなければいけないようですね」

 

「それは、今の状態でか、それとも生前でか?」

 

「私はいつでも今できる事をベストを尽くすだけです」

 

「皮肉だな」

 

そう言うと、俺はアーチャーに向けて視線を向けながら、ドリルを回しながら、狙いをアーチャーに向ける。

 

「我が真名は両面宿儺、怪盗よ。

我が宝具を受けてみろ、我賜之宝弓宝箭」

 

「あぁ、受けてやるよ!!

行くぜ、必殺!」

 

その言葉と共に手を上に向けると、ドリルはさらに巨大化する。

 

これがアバレモード最大の特徴だ。

 

一撃必殺の技を数々持っており、威力は他の形態では再現はできない。

 

「恐竜ドリル!」

 

その言葉と共にドリルには無数の恐竜の牙が生える。

 

「電撃スピン!!」

 

その言葉と共に俺は奴の放つ矢に向けて一直線でぶつかり、激突する。

 

威力は高く、その先で本当の能力を発動しそうになるが、俺はそれらを食いつぶすように回転をどんどんと早くし、ついには矢を打ち抜くと同時にアーチャーの身体を貫く。

 

「見事」

 

「あんたこそ」

 

その言葉と同時にアーチャーは地面に倒れ、霊体化する。

 

「ほぅ、アーチャーを倒すとはな。

だが、フォーリナーを倒す事は不可能だぞ」

 

「なんでだ?」

 

「奴はナラトゥース等の使い魔を召喚が可能な最強の存在。

そいつに勝てるとでも?」

 

「あぁ、それはやばいな。

すぐに終わるわ」

 

「何を言って」

 

そう言い、背後を見ると、そこには刀を持ったルパンイエローがフォーリナーを始めとした様々な物を一瞬で切り裂いていた。

 

「なっなんだと!?」

 

「イエローが持つのは怪異殺し。

あらゆる怪異、つまりは伝説に関係する者だったらなんでも切り裂く事ができる刀だ。

まぁ普段の転生者相手には威力が高すぎるからあまり使わないけど、相手が転生者じゃなければ遠慮なく使えるんだな」

 

「実に強かった。

儂も久々に抜いてしまったわ」

 

「ふむ、どうやら私もここで終わりらしいな」

 

「偉い素直に認めるんだな」

 

「何、私自身の力は大した事ないからね。

この勝負が決まった瞬間、負けを認めるのは仕方ない事だ」

 

「あっそ」

 

そう言い、俺は奴から特典を奪い取ると共に立ち去ろうとする。

 

「その前に一つだけ面白い話をしよう。

雨宮君、なぜギャングラーはお前の神殺しの力を狙うのか分かるかね?」

 

「さぁな興味はない」

 

「そう言わないでくれたまえ。

僕にとっては、最後なんだから。

ギャングラーには様々な思考がある、その中には君を取り入れようとする部分もある。

実に面白いではないか、君の敵は君を欲しがる奴らで溢れているのだから」

 

「そうかよ」

 

「では、ここで最後に嫌がらせだ、なぜ彼らは君を知っているのだろうか?」

 

「なに?」

 

「答えは君自身が見つけたまえ」

 

その言葉を言い終えるのと同時に狛従は何かが襲い掛かり、その姿を無くした。

 

残っていたのは奴の血の跡だけしか残っていなかった。

 

「まさか、最初からこの戦い見られていたのか!!」

 

すぐに周りの気配を探るも、既にその場を去っているのかギャングラー達はいなくなっていた。

 

「まったく、厄介な事になったぜ」

 

「だけどこれまで謎だった転生者も全て分かった。

これまでの暴走する可能性があった転生特典や問題ある転生者は何らかの形でギャングラーに集まっている事がな」

 



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予告状45 手を組む時

今回の話は少し見苦しい所があります。
またアンケートに関してもルールを追加させてもらったので、そちらを参考にしてください。
疑問に思った事はメッセージの方で送ってもらえれば答えますので、ぜひ送ってください。皆様の応募、お待ちしています。



ギャングラーの謎を追う事もそうだが、今日は俺と石堂は死神様から何か重要な知らせがあると聞き、店の中で死神様からの電話を待っていた。

 

「遅すぎる、幾ら何でも」

 

だが、約束の時間になっても死神様からの連絡は来ず、何時まで経っても電話はかかってこない。

 

「あの人はノリは軽いけど、仕事は石堂よりもしっかりとしているし、余程の事がない限り遅れる事はないはずだ」

 

「あぁ、だから俺も信頼している。

だとしたら、何かあったのか?」

 

その疑問に思うと同時に電話がかかってきて、石堂は電話を取る。

 

「もしもし、死神様ですか?

・・・誰だお前は」

 

石堂が電話に取ると、これまでに出した事のない声を出した為、俺も気になり、耳を傾ける。

 

「そう怒らないでくれたまえ。

私は君達の味方だ、今日はとある転生者の紹介をして欲しくてね」

 

「転生者だと?」

 

「あぁ、彼は私が転生させた転生者でね。

能力もクリエイト等を破格な能力を持っているがね?」

 

「なっ何を言っているんだ!

それらの能力は禁止されているはずだ!!」

 

「はて、何の事かね?」

 

「とぼけるな!!

過剰な力は暴走を起こす、かつてそれらと同じような特典を使った為に世界のバランスを崩したのをあなたは知らないのですか」

 

「それも人の可能性という事だね」

 

「馬鹿げているぞ」

 

そう、石堂は電話を投げ捨てそうになったが、俺はその手を止めた。

 

「雨宮」

 

「だったら、俺はその特典を奪うだけだ。

そいつが善人だったら、きっと分かってくれるはずだ」

 

「あぁそれは無理だよ」

 

「なに?」

 

「君達の事はよく知っている。

だから特典は盗まれないように特典はロックしている」

 

「お前、どこまで「何か問題でも?」なに?」

 

「私はただ人間の可能性を知りたいだけだ。

君達の示したルールなど私には関係ないのだからね」

 

「そうかよ、だったら俺達もお前のルールに従う必要はないな」

 

俺はそう言い、店から出ようとする。

 

「どうするんだ、雨宮」

 

「その転生者を捕まえる。

あとは死神様と相談すれば、なんとかなるだろ」

 

「おい、貴様!!

私の言葉を無視するのか!?」

 

「知るか!

俺達は怪盗で、俺達は信じる奴らの為に戦うだけだ」

 

「まったく馬鹿な奴だ。

そのような事は不可能なのに」

 

「さぁどうだろう。

俺はあいつらだったらできると思いますよ」

 

「なに?」

 

「例えあなたがどんなチート能力を持たせようと、彼らは決して負けない。

そんな理不尽、真っ向からぶっ壊すのが、あいつらのやり方ですからね」

 

石堂のその言葉を聞き、俺も覚悟を決めると共に店から出ていく。

 

転生者を探す為に俺は隠密行動が行いやすい怪盗衣装に着替えていると、巨大な爆発音がした為、そこに向かうと、既に全てが終わった後なのか、その場所はボロボロになっていた。

 

そこには怪盗の衣装に身を纏っている忍とソーマが倒れており、その向こう側にはパトレンジャーの奴らも倒れていた。

 

「おい、忍、ソーマ無事かよ!!」

 

俺は忍を抱き上げ、ソーマの方へ走った。

 

「へっ、なんじゃ、その面は。

まぁここまでやられてしまってしまってはな」

 

「何を言っているんだよ」

 

「俺達は奴の挑発に乗ってしまったからな」

 

「別に大した事ないさ、ただ俺の方がルパンレンジャーにふさわしいといっただけだ。

まさかここまでだらしないとはね」

 

「てめゃが二人をやったのか」

 

「まぁね、ついでにパトレンジャーもやっておいたぜ。

ここまでやれば、俺の強さ分かってくれたか?」

 

「あぁ、よく分かったぜ」

 

「お前が外道なのがな」

 

「パトレンジャーに言われたくないなぁ。

まぁ、俺がなりたいのはルパンレンジャーな訳だから関係な「はぁ何を言っているんだ?」えっ?」

 

「てめぇのような奴をルパンレンジャーにするつもりはさらさらない。

お前は、ここで片付ける」

 

「良いのかな?

僕の特典は凄いよ、なんだって創造でなんでも作り出せるから」

 

「またその能力かよ。

どうでも良いから、さっさと片付けるか」

 

そう言い俺はあるダイヤルファイターを取り出す。

 

「待て、俺も奴に用がある」

 

「だったら、どうする、奴をやる前に俺をやるか?」

 

「いいや、奴の実力ははっきり言うと未知数だ。

仲間もあの状態で勝てるのか」

 

「さぁな、でもな残念ながら本当に残念ながら勝てる可能性が一つあるぜ」

 

「俺も丁度、それを思いついた所だ。

この状況、これしかなさそうだしな」

 

そう言うと俺達は互いのVSチェンジャーを奴へと狙いを定める。

 

「おいおい、まさかお前達、手を組むつもりなのかよ?」

 

「だとしたら、どうなんだ」

 

「それが、俺達が選んだ道だからな」

 

「はぁ、本当に、お前にはがっかりだよ、ルパンレンジャー!!!」

 

そう言い奴は特典の力を発動させようとするが、俺達は冷静にVSチェンジャーを構える。

 

迷いもあったし、正直言って、こいつと手を組むのは本意ではない。

 

だけど、それ以上に仲間や人々を平気で傷つける奴をこれ以上放っておく訳にはいかない。

 

「行くぞ」

 

「あぁ」

 

その一言と共に俺はダイノホープを、奴の手には巨大なロケットのようなトリガーマシンを手に取り、各々のVSチェンジャーにセットする。

 

【ダイノホープ!3・1・2・0!スーパーマスカレイド!】

 

【スペーススクワッド!パトライズ!スーパー警察チェンジ】

 

「恐竜チェンジ!」

 

「宇宙チェンジ!」

 

【ダイノルパンレンジャー!!ガオォ!!】

 

【スペースパトレンジャー!!】

 

その音声が鳴り響くと同時に俺は新たな姿であるルパンレッド・ダイノホープへと変身し、唸り声を上げながら叫び、同時にパトレン1号もその音声が鳴り響くと同時に俺のように姿が変わり、パトレン1号には飛行機と重火器が一体化した姿へと変わり、俺達は奴へと狙いを定める。

 

「ダイノルパンレッド!!」

 

「スペースパトレン1号!!」

 

「やれやれ、君達程度では僕には勝てないと思うけど?」

 

「ほざけ」

 

「今に分かる」

 

その言葉を合図にパトレン1号は背中に背負っているマシンガンを構えると何万という銃弾が四ノ宮へと向かって襲う。

 

だが四ノ宮は余裕の表情で目の前に盾を召喚し、攻撃を受け止める。

 

「そんな弾では、僕には傷一つ「傷がなんだって」がはぁ!」

 

パトレン1号の陽動に気を取られている間に俺は奴の背後を取ると同時に殴りつけると今度は俺の方へと狙いを付けたのかその手には巨大な拳を装備して、俺に戦いを挑んできた。

 

先程の不意打ちと違い、バリアを張らずに行っている為か、接近戦は僅かにこちらが不利な状態なっており、殴り合っている内に俺は後ろへと大きく下がっている。

 

「これで、どうだぁ!!」

 

「あぁそうだな」

 

俺はそう言うと共に地面を殴りつけると、同時に穴が開き、その中へと入り込むと、背後に回っていたパトレン1号が巨大なレーザーを打ち出す。

 

「がぁ、馬鹿な!?」

 

「本当にあの二人は初めての共闘なのか」

 

「別の世界では一度だけ行ったが、二人だけというのは今回が始めてだ」

 

「なのに、あの連携」

 

「がはぁ、確かに厄介だな。

だが無駄だ、俺の特典は、貴様達の力では「「ごちゃごちゃ五月蠅ぇよ!!」」がはぁ」

 

奴が立ち上がり、再び何かを言おうとしたが、俺とパトレン1号は同時に殴りつけると同時に、ダイノホープをアバレモードに切り替える。

 

「アバレモード」

 

そしてパトレン1号の武器も先程までの銃が一体化し、巨大なライフルへと変わる。

 

「必殺!!」

 

俺は叫ぶと上空へと飛ぶと、そのまま巨大化したドリルを回転させ、奴へと狙いを付ける。

 

「恐竜ドリル電撃スピン!!」

 

その声と共に俺の必殺技とパトレン1号の必殺技が同時に奴を貫き、元の鎧形態へと戻ると共に、転生者は爆発した。

 

「・・・やったか」

 

俺はそう言い、特典を探そうとしても見つからず、代わりに何かの破片が手の中へと納まっていた。

 

「これは、もしかして」

 

俺は疑問と共に振り返ると、そこには確かに転生者がおり、気絶している状態で立っていた。

 

「まさか転生者を生かす為の攻撃と、転生者を殺す為の攻撃が重なって、特典を破壊したのか」

 

これまでは破壊不可能だと思われていた特典が容易く破壊する事に驚いたが、向こうもそれに驚いた様子だった。

 

だが

 

「俺とお前の共闘はここまでだ」

 

「あぁ、分かっている

今度会った時は再び敵同士だ」

 

その言葉と共に俺は背を向け、奴も同時に動き出す。

 

今は身体が動かない仲間の為にも

 

???Side

 

先程まで行われていたルパンレンジャーとパトレンジャーの二人が組んだ戦いを見て、

 

「そんな馬鹿な、あれは創生神が直接渡した特典だ。

決して奪われず、更生も許さないはずなのに、このような結果など、あり得ない!!」

 

「それはどうかなぁ?」

 

その言葉と共に現れたのは死神様とパトレンジャー達に力を貸している女神エリスがその姿を現した。

 

「貴様、なぜ奴を殺した!

奴は私と人間は何処まで成長等するのか確かめる為の存在をっ!?」

 

その言葉と共に、死神様が取り出したのは一枚の書類だった。

 

「彼の事は調べさせてもらったよ。

死ぬはずの無いイレギュラーの女性を助けて死亡だとね。

正直言って、彼の性格でなぜこんな事をしたのか疑問だったけど、それは今は関係ないよね」

 

「私達はそれよりも、本来の目的であるはずの転生を無視し、規定を破った数々の特典を渡した事に対して問いただしに来たのです」

 

「なっ、何を言って」

 

「調べは既についたと言ったよね。

この前の普通の転生ではあり得ない特典、さらには不可思議な現象、それらは全てあなたがしていたのも調べているよ」

 

「さらには創造神には、まったく別の説明をしての力の譲渡、これは既に掟を破っています」

 

「なっだからなんだと言うんだ!!

より人間の可能性を知る為には、これぐらいは「あんまり人間をおもちゃにすんじゃねぇぞぉ!!!」ひっ!!」

 

目の前にいた神は死神様の突然の声に驚き、地面に手をついてしまう。

 

「掟を破り、それでもなおやるとしたら。

俺達もこれ以上、話すつもりはない。

お前がどれだけ大層な事を言っても、結局は人の命を弄んだのは変わりない」

 

「私達は互いに敵対はしておりますが、目的は一緒。

世界の秩序を守る為にと」

 

「だから、これ以上世界を壊す行為を続ける貴様を許すつもりはない!!」

 

「まっ待ってくれ!

俺はただ、ただ頼まれっ!?」

 

そこで何かを言おうとした瞬間、神は一瞬で光へと変わり、存在自体が消滅してしまった。

 

「どうやら、我々の想像以上にギャングラーの手は伸びているようだな」

 

「えぇ、そのようですね。

ですが我々にできるのはほんの僅かの支援のみ、それが掟ですから」

 

「だとしても、俺は信じている。

ルパンレンジャーならば、必ず奴らを止めてくれると」

 

「私のパトレンジャーならば、すぐに止められますけどね」

 

「言うね、エリスちゃん」

 

そう言いながら、二人の神もまたその場からいなくなった。

 




オリジナルキャラクターファイル

ダイノルパンレッド
ルパンレッドが三大恐竜戦隊に力を認められた事によって得た姿。
これまでのスピードを生かした戦いの他にも、恐竜ならではのパワーも持っており、攻守においても大きく力を上げている。
中でも3つの姿を使い分ける事によって様々な戦いを可能にしている。

ジュウレンモード
恐竜戦隊ジュウレンジャーの力を主に発揮する。
ドラゴンレンジャーのドラゴンアーマーを参考にしており、背中から生えた翼により空中戦も可能になっており、攻守共にバランスの良い。

キョウリュウモード
獣電戦隊キョウリュウジャーの力を主に発揮する。
ダイノホープを巨大な銃に変え、様々な恐竜を模したエネルギー弾を放つ事ができ、自動追尾や人民の救助などの時に使用する事ができる万能な攻撃が可能になっている。

アバレモード
爆龍戦隊アバレンジャーの力を主に発揮する。
他のモードに比べて応用性がない代わりに、巨大なドリルは破壊力は抜群である。
さらには全パワーを使った必殺技【恐竜ドリル電撃スピン】は現在のルパンレンジャーの必殺技の中でも最強の威力を誇っている。


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予告状46 異世界の出会い

皆様、ルパンレンジャーVSパトレンジャーの映画見に行きましたか?
私はなるべく前情報なしで見に行きましたが、まさかルパントリコロールの姿を見た時には声が出そうなぐらい驚きました。
皆様もぜひ、劇場でその驚きを体験してくださいね。



ギャラルホルンの調整は終わったという報告を受け、俺達はさっそく向かった。

 

「今回の反応からして、おそらくは坂本竜二がいると思われる」

 

「坂本さん?」

 

そう言われても疑問に思っている響を中心に、石堂は画面を操作すると、映し出されたのは金髪の高校生が出てきた。

 

「坂本竜二、怪盗団結成当初からのメンバーで切り込み隊長だ。

問題行動が見られる人物だと書かれているが」

 

「竜二は、本当に人の為に怒れる奴なんだ。

自分の事は我慢できても、他人を馬鹿にされると、感情的になってしまう、そういう奴なんだ」

 

「雨宮さん」

 

「なんだろうな、知らないはずなのに俺は知っているんだ」

 

不思議な感覚で顔や名前も始めて見たはずなのに、ここまで言えるなんて。

 

「きっと、雨宮さんにとっては本当に大切な存在だからこそ言えるんですよ」

 

「そういうもんか」

 

それを言われて、俺は改めて覚悟ができたかもしれない、

 

俺はもう一度、仲間と再会したい。

 

「先に行け、雨宮」

 

「えっ」

 

「嬢ちゃん達のメンバー選出もあるし、こっちは準備が必要なんだ。

だったら、すぐにでもいけるお前達だけでも行った方が良いんじゃないか?」

 

「でも「心配するなよ」クリス」

 

「すぐに決まる事だし、そんなウズウズしていたら、こっちも気になってしょうがないだろ。

だったら、さっさと行って、仲間を探して来い」

 

「・・・悪いな、それじゃあ、言葉に甘えさせてもらうぜ」

 

「まったく、面倒な事を押し付ける」

 

「まぁ、世話役だからな、面倒を見てやるもんじゃよ」

 

そう言うと俺達はすぐに外へと飛び出し、ダイヤルファイターに乗り、異世界へと向かった。

 

「ここが竜二がいる世界か」

 

「見た目は俺達とは変わりないようだが」

 

「様々な所に違うがあるようだな」

 

見てみると、空にある月は欠けておらず、街にはなぜか巨大な学園があると言った違う特徴がある。

 

「それに、この町でも転生者はいるようだな」

 

その言葉に従うように見てみると、そこにはシンフォギアを纏った赤い髪の少女と茶色の髪の少女がおり、さらには赤い勇者の服を着た少女に盾を呼び出している転生者の少女とその傷を癒している少女といった、ある意味混合チームがそこで戦いを繰り広げていた。

 

そしてその先にいる相手は黒い服を身に纏っている小さな少年がいるが、子供とは思えないパワーとスピードで追い詰めており、手からは氷の矢を幾つも出している。

 

「ギャングラーに逆らう奴には死あるのみだぜ、お嬢さん方。

さっさと降伏したらどうだ?」

 

「誰がするかよ!!」

 

「貴方達が行った事で信用できるとは思えないからな」

 

そう言い、戦いは続いているようだが、明らかに疲れが見えて、戦える状況には見えない。

 

「どうする?

ここで放っておくのも一つの手だぞ」

 

「そんなの決まっているだろ、助けを求める声を放っておけるかよ」

 

それこそ、放っておいたら竜二に会わせる顔がないぜ。

 

「相変わらずのようで、何よりじゃ!!」

 

「本当にいきなり来て、こんな事に遭遇するとはな」

 

そう言いながらも、俺達は建物から飛び降りると、先程まで戦っていた彼女達の前に立ち、ギャングラーに目を向ける。

 

「如月、あいつらの事を知っているのか?」

 

「いえ、私も初めて見る転生者です。

でも敵ではないようですが」

 

「んっ転生者ね。

特に問題ない様子だから、大丈夫か」

 

「貴方達は一体」

 

「この世界では、始めての名乗りだから、気合入れて行かせてもらうぜ」

 

そう言い、俺達はVSチェンジャーを手に取り、ダイヤルファイターをセットする。

 

「あれはもしかしてっ!?」

 

「弓原?」

 

「前に神様から聞いた事がある。

こことは別の世界で転生者の特典を奪う怪盗がいるって」

 

「まさか」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

俺達は変身を終えると共にマントを翻し、名乗りを上げる。

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー」」」

 

その名乗りを終えると共に目の前にいるギャングラーに目を向ける。

 

「お前のお宝、頂くぜ」

 

その言葉と同時に俺達はVSチェンジャーで打ち始め、奴はそれに対応するように自身の前に氷の楯を召喚し、防御した。

 

「へぇ、ルパンレンジャーの噂は聞いていたけど、それ程大した事なさそうだね」

 

そう言うと奴の姿が消えた。

 

「へぇ、なるほどね」

 

すぐに俺達は後ろにVSチェンジャーを打ち込むと、氷の砕ける音がした。

 

「なんでバレたのかな?」

 

「さぁな。

お前から聞こえてくる機械音じゃないのかなっ!!」

 

すぐに奴を殴りつけると、奴は地面に叩き込まれるが、余裕の表情で立ち上がった。

 

「機械の音?」

 

「奴の特典の詳細は分からないが、サイボーグと言った所だな」

 

「へぇ、さすがはルパンレンジャー。

でもね、僕の力はまだまだ分かっていないよねぇ」

 

「まぁな、だけど、そんなの関係ねぇよ」

 

俺はそう言うとダイノホープを手に取り、VSチェンジャーにセットする。

 

「恐竜チェンジ!!」

 

【ダイノホープ】

 

「へぇ、恐竜ねぇ。

でも知っているか、恐竜はね、氷河期で死んだ。

つまりは、すぐに死んじゃうという訳だよ」

 

そう言うと奴は自身を中心に強大な氷を作り出し、こちらに向けて雪崩れを起こしてきた。

 

「やばい、如月すぐに楯を」

 

「無理だよ。

幾らなんでも質量が違いすぎるよ」

 

「安心しろ。

すぐに終わる」

 

「すぐにって」

 

俺は雄たけびを上げると同時に走り出し、右手に呼び出したのはジュウレンジャーの武器である龍撃剣を構える。

 

するとダイノホープから溢れ出るエネルギーが龍撃剣に集まりだし、そこには巨大な光の剣が出来上がる。

 

「なっ」

 

「ティラノスラッシュ」

 

俺は雪崩に向けて、剣を一振りすると、こちらに迫っていた雪崩は横一閃で切り裂かれ、エネルギーの熱で一瞬で蒸発した。

 

そして雪崩の後ろにいた奴はティラノスラッシュを受けて、地面に倒れ込んでいた。

 

「なんだよ、それチートじゃないかよぉ!!」

 

「一体何が」

 

「説明は追々にする。

それよりも奴の特典を「それは確保されたら、困る」っちぃ」

 

その言葉が聞こえ、その場を離れると、そこに立っていたのはこれまで見た事のない奴が立っていた。

 

「自己紹介をさせて貰おう。

俺の名前はブラッドスターク、まぁ本名はお前達も知っているエボルトだがな」

 

「お前が、エボルト!?」

 

これまで謎に包まれていた幹部がまさかここで姿を現すとは思っていなかったので、警戒を高めていると、奴はパイプ菅を思わせる武器を転生者に向けて、放った。

 

「ぐがぁああああぁ!!」

 

次の瞬間、奴の身体は煙から晴れると、そこに現れたのは巨大な機械が全身氷の鎧を身に纏ったロボットへと変わった。

 

「なっ」

 

「お前達の活躍は見させてもらっている。

でも、盛り上がるにはこれぐらいが必要だろ、それじゃあ、チャオ」

 

それだけ言い残すと、エボルトはその場からいなくなったが、それよりも今は目の前にいる奴からだ。

 

「どうする、グットストライカーは来てないようだが」

 

「ダイヤルファイターでなんとかするしかないだろ」

 

そう言い、俺達はダイヤルファイターを取り出そうとすると、空から何かが降ってきた。

 

慌てて、掴むと、そこには見た事のないダイヤルファイターとトリガーマシンだった。

 

「これは」

 

「待たせたな、お前達」

 

その言葉が聞こえ、見てみると、巨大な銀色の新幹線が現れ、ギャングラーに攻撃していた。

 

「まさか、石堂」

 

「あぁ、やっと開通したからな。

それより、頼む、その二つを巨大化させてくれないか

 

「なんだか分からんがやるしかなさそうだな」

 

そう言うとソーマと忍はそれぞれをVSチェンジャーにセットする。

 

【ファ・ファ・ファ・ファイヤー!!】

 

【疾・風・迅・雷】

 

その音声が鳴り響くと同時に、二人の元から二つのマシンが巨大化すると共に、石堂の元へと走りだす。

 

「見せてやるよ、エックストレインの合体を」

 

「合体?」

 

「エックス合体」

 

その合図がきっかけとなり、石堂が乗っていたエックストレインは分離し、ソーマ達が召喚したエックストレインに各々が合体する。

 

そしてその二つが交差し、起き上がった。

 

「完成!エックスエンペラースラッシュ!」

 

そこに現れたのは身体の中心は金色になっていたが、腕や頭は銀色のロボットへと変わっており、なによりも右腕から見える刃が印象的だった。

 

「さぁ行かせてもらうよ」

 

その言葉と共にエックスエンペラーは動き出すと、転生者はその拳から先程のような氷の矢を幾つも使い襲い掛かってくるが、エックスエンペラーはその矢を軽々と切り裂き、進んでいく。

 

「あんなに身軽に動けるのか」

 

これまでルパンカイザーを動かしてきたが、石堂はそれ以上に軽々と操る姿を見て驚きながらも、瞬く間に転生者に近づくと同時に蹴り上げる。

 

転生者も応戦するように攻撃を仕掛けるが、すぐにその場から離れ、切り裂く。

 

「エボルトが無茶な事をしたから、体力はそれ程ないみたいだな。

ならば、ここでとどめを刺させてもらうぜ」

 

その言葉と共にエックスエンペラーは右腕を構え、走り出す。

 

「エックスエンペラーストライク」

 

一気に接近すると同時にX字で切り裂き、転生者を瞬く間に倒す。

 

「それでは永遠にチャオ」

 

転生者の元へと向かうと、既に特典は消えており、俺達は無事なのを確認した。

 

「死んだのか」

 

「生きているよ。

まぁ意識は何時取り戻すか、分からないがな」

 

「そうか、それよりも助かった。

礼を言わせてくれ」

 

「別に礼を言われる程じゃない。

俺達はある奴を探しに来ただけだから」

 

「ある奴って、世界を超える程なのか」

 

「あぁ、この世界にいると聞いたからな。

俺の仲間、坂本竜二が」

 

「なっ坂本だと」

 

名前を言うと驚いたのか、目の前の女性は大きく声を出した。

 

「知っているも何も、この騒動を起こした元凶だよ」

 

「げん、どういう事だよ、説明してくれ!!!

 

元々仲間だった坂本がそんな悪事をしたとは、俺は信じられず、問い詰めると、彼女は取り出したのはスマホだったが、そこに映し出されたのはある動画だった。

 

そこに映っていたのは紅い衣装を身に纏った金髪の男が一人立っていた。

 

「よぉ、俺の名前は坂本竜二、簡単に言うとバルバンという海賊の船長を務めている。

俺の目的はただ一つ、この世界を支配する事だ。

別に邪魔をしても良いが、邪魔をした奴の命はないぜ、じゃあな」

 

それだけ言い残し、スマホの動画は終了した。

 

「この動画が終わった後、奴はさっきみたいな転生者を次々と送り込んできた。

最初は私達でもなんとかできたけど、さっきの奴は本当に危険だった」

 

「竜二が、本当に」

 

俺はそう言いながらも目の前が真っ暗になるような感覚に襲われ、地面に倒れてしまう。



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予告状47 友情は何処に

暗闇の中で俺が最初に目に見えた光景は、俺と竜二が一緒にいる所だった。

 

「けど、次は俺の番だ」

 

「これから先、何かあったら言えよ。

今度は俺がお前を、何があっても助けてやる」

 

どこにでもあるラーメン屋で俺達は確かに硬い絆で結ばれていた。

 

竜二の陸上部で起きた問題がきっかけで、様々な事が起き、落ち着きを見せた後の事だ。

 

あの時から竜二はかけがえのない仲間となっていた。

 

「なんで、こんな夢を」

 

「夢ではありません、あなたの中のイメージです、トリックスター」

 

その言葉で見てみると、そこにいたのは青いドレスを身に纏っている少女がいた。

 

「ラヴェンツェ」

 

俺が怪盗団を結成した時から聞こえた声で、俺を導いた人物だ。

 

「あなたが見た映像はかつて見た確かな記憶です。

それに嘘はありません」

 

「だったら、なんでだよ。

ギャングラーが操っていた目ではなかった」

 

俺はこれまで数多くの人間を見てきたが、あれは嘘をついているとは思えなかった。

 

「見えている事だけが真実ではありません。

あなたの記憶の中に、きっとこの状況を抜け出すきっかけがあります」

 

「きっかけ」

 

そう言われ、俺はありとあらゆる事が記憶の中で駆け巡る。

 

僅かに残されえたかつての怪盗団の記憶、そしてルパンレンジャーとして記憶。

 

「俺は仲間を信じたい。

けど、洗脳されているとは」

 

「では、されていませんね」

 

「だからと言って、竜二の意思でやっているとも思えない」

 

「えぇ、だからこそ、答えは既に出ているじゃないですか」

 

「どういう事だ」

 

俺が出した答えに対して、全て肯定したラヴェンチェに疑問の目を向ける。

 

「既に答えが出ています。

彼は洗脳されておらず、彼自身の意思で行っていない。

けど、あれを行っているのは本音でしょう」

 

「本音って、待てよ」

 

その言葉を聞いて、俺はとある奴の事を思い出した。

 

「バルバン、なんで気づかなかったんだ!!」

 

「どうやら、分かったようですね。

時間がありません。行ってください、マイトリックスター」

 

言葉を終えると同時に俺の目の前にある光が覆われ、眼を覚めると、そこは火花を散った場所だった。

 

「ここは」

 

「やっと目を覚めたか、ルパンレッド」

 

「お前は、確か如月?」

 

「あぁ、私の名前は如月 限護!

こっちは私の幼馴染の」

 

「弓原文香です」

 

「ありがとう、助かった」

 

「良いって事だよ。

それよりも、早くあいつらをなんとかしないとな」

 

そう言われ、周りを見渡すと、ソーマと忍に石堂、さらにはこの世界のシンフォギア奏者と勇者が戦っているが、数で押し付けられている。

 

「奏先輩とセレナも体力がやばいし、銀も危ないよ」

 

「今はなんとかなっているけど、早くしないと」

 

「・・・竜二は、どこにいる」

 

「あの野郎はお前が目覚めるのを待って、あそこで余裕で仁王立ちしてやがるぜ」

 

そう言われ、指を指した場所では赤い服を身に纏った竜二が不敵な笑みを浮かべていた。

 

「そうか、だったらやる事は決まっている」

 

そう言い、俺は立ち上がるも、如月が俺の手を掴む。

 

「おい、無茶するなよ!!

あいつはお前の仲間だろ!!」

 

「だけど、止めないといけない」

 

「でもよぉ」

 

「あいつを止める。

その覚悟はとっくに決まっている」

 

そう言った後、ふと弓原は如月の手を握った。

 

「文香」

 

「大丈夫だよ、限護君。

あの人だったら、この状況をなんとかしてくれる」

 

「文香、あぁそうだな!

だったら、頼んだぜ、ルパンレッド!!

道は私が作ってやる!!」

 

そう言い、如月は楯を地面に差すと、こちらに向かっていたギャングラー達の行く手を塞いで、俺の道を作ってくれた。

 

「ありがとうな!!

二人共可愛い顔して、なかなかやるじゃないか」

 

「おい、私は男だぞ」

 

「・・・・」

 

「おい、無言で行くな、てめぇ!!」

 

「あははっ」

 

驚いた、まさかあの顔で女とは。

 

ともあれ、行く手は如月が、他の奴らは皆が引き受けてくれたから俺はすぐに竜二の元へと辿り着いた。

 

「よぅ、久しぶりだなジョーカー」

 

俺が来るなり、いつものように軽く挨拶する竜二だが、俺は無言で睨み付ける。

 

「やっぱりクロウの言う通り、ルパンレンジャーになっていたとはな。

なぁ雨宮、お前も一緒にギャングラーをやろうぜ、ムカつく奴をぶっ飛ばして、有名になるのは俺達がいつもやっていた事じゃないかよ」

 

「俺達は人を助ける為に怪盗団になったんだ。

有名になったのは結果にすぎない」

 

「かぁ、まったく、本当にお前はそういう所は変わってないよな」

 

そう言うと竜二が取り出したカットラスをこちらに向け、挑発するように笑みを浮かべる。

 

「だったら、ここで死んでくれよ、ジョーカー」

 

「死ぬ気はない、ただ今はお前と戦うだけだ」

 

俺はそう言い、俺はVSチェンジャーにゴーカイファイターをセットし、ゴーカイサーベルを手に持ち、竜二に対峙する。

 

「かかってきな」

 

「へっ後悔するなよ」

 

互いにその言葉を言い出すと同時に俺達は距離を詰め、戦い始める。

 

竜二は力任せな攻撃をしてきて、一回でも当たればこちらの負けが決まる攻撃を縦横無尽に放ってくる。

 

こちらはそれに対して、上手く攻撃を躱しながら、勝負を決める手を待っている。

 

「そんなので、勝てるのかよ、ジョーカー!!」

 

竜二はそう言うと地面を蹴り、砂煙をこちらに向けて放ってきた。

 

たまらず目を瞑った瞬間、前方からくる殺気を避けるように俺はバク転をしながら避け、眼を開くとそこにはショットガンをこちらに向けている竜二がいた。

 

「へっ」

 

「やばっ」

 

俺も慌ててVSチェンジャーを使い、ショットガンの弾をなんとか消し去っていくが、その間に竜二は一気に接近し、カットラスを押し付けてくる。

 

カットラスの攻撃はこちらの防御を容易く避け、俺の手にあったゴーカイサーベルを遠くに飛ばす。

 

「諦めな、ジョーカー!

てめぇの負けだよ」

 

「それはどうかな!!」

 

俺はそう言うとゴーカイサーベルについていたワイヤーを回し、竜二の身体を拘束する。

 

「しまった」

 

「よし、これで竜二を倒せる」

 

「勘違いするな、俺は竜二を仲間を取り戻しに来ただけだ」

 

「どんなに言おうと、俺はお前の仲間になる気はないぜ」

 

「あぁ、俺もそのつもりだ」

 

「えっ?」

 

俺はすぐにVSチェンジャーに付けていたゴーカイファイターを竜二に押し付ける。

 

するとゴーカイファイターから音声が鳴ると同時に竜二が二つに分離し、俺の所で倒れ込んだ学生服の竜二と、もう一つ竜二がいた場所には先程まで竜二が来ていた服を身に纏った男が一人いた。

 

「てってめぇ、何時から俺の事を知っていたっ!?」

 

「あれは」

 

突然現れた男に対して、周りが騒いでいる中で石堂は静かに呟く。

 

「グレゴリ、かつてギンガマンと戦った宇宙海賊バルバンの船長ゼイバブの義兄弟。

だが、なぜ奴が」

 

「大方、先輩達に倒されたバルバンの復讐の為にギャングラーに入ったんだろ」

 

「あぁ、その通りだ。

俺の兄弟ゼイバブは俺が封印されている間にギンガマン達に倒された。

復讐する為、俺はギャングラーと手を組み、そいつを頂いた」

 

「狙いはペルソナか」

 

先程まで戦っていた大半のギャングラーの戦闘員は何時の間にかその姿を消しており、残っているのは極僅かだった。

 

「どこまで見通しているか分からないが、そうだよ。

ペルソナ能力はもう一人の自分、つまりは船を作り出す事もできる。

だが、なぜ俺の正体が分かった」

 

ペルソナは人の心の象徴、だからこそ、応用すれば無限の軍団を作り出す事ができるのか

 

「過去にバット・ゼ・ルンバという奴と戦った時、特典が人を支配する例を見ていた。

もしもギャングラーが俺を倒すとしたら、それと同じように仲間達に特典で支配させようと考えるとね。

それになによりも、竜二がこんな事を絶対にしないと信じていたからな」

 

「信じていた?

そんなので、俺の正体が分かったのか!!」

 

「分かったかよ、赤髭野郎。お前程度じゃ、俺達のリーダーには到底倒せないってよ」

 

「竜二」

 

その言葉と共に竜二は勢いよく立ち上がり、グレゴリに向かって叫んだ。

 

「悪いな、こんなへまをしてしまって」

 

「今は休んでいる暇はない。

戦えるか?」

 

「あぁ勿論だぜ、暴れたくてうずうずしていた所だぜ」

 

そう言い、竜二は立ち上がると、その姿は俺と同じように怪盗の姿、スカルへと姿を変える。

 

「調子に乗るなよ、小僧共!

てめぇらの力は都合が良かったから、利用しただけだ。

俺様にかかれば、一握りで倒してやる」

 

「やれるもんなら、やってみやがれ!!

俺達は、そんなに簡単にやられるかよ!!」

 

その言葉と同時だった、空から光が何かが竜二の手元に降り、竜二はその光に触れると、それは剣へと変わった。

 

「なっなんだぁ、これはぁ!?」

 

「なっそいつはっ!?」

 

『この場だけ、お前に力を貸そう。

お前の覚悟、見させてもらう』

 

どこからともなく聞こえてくる声、それは力強く、なぜだか分からないが竜二も笑顔になっていた

 

「なんだか、分からないが、ようするにお前みたいに戦える訳だな」

 

どうやら、グレゴリに取り込まれている間の記憶があるのか、俺の戦いも見ていたらしい。

 

ならば、答えるしかないだろう。

 

「まぁ、そういう事だな」

 

そう言い、俺はVSチェンジャーにレッドダイヤルファイターをセットし、竜二は剣を構えた。

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ!】

 

「怪盗チェンジ」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

「騎士転生!!」

 

その言葉と共に俺の姿はルパンレンジャーに、竜二の姿は全身が黒い鎧を身に纏った戦士へと変わる。

 

「ルパンレンジャーに黒騎士だとっ!?」

 

「ルパンレッド」

 

「へぇ、黒騎士、参上!!」

 

「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!!」」

 

「竜二も名乗るのか」

 

「いいじゃないかよ!

なんだか新生怪盗団みたいで、恰好良いじゃないか」

 

「そうだな、じゃあ」

 

「行くぜぇ!!」

 

その言葉と共に竜二は走り出し、手に持った剣でグレゴリに斬りかかる。

 

「だが、所詮は小僧!

てめぇの戦い方は熟知しているんだよ」

 

「そりゃあ、俺の戦い方じゃあ勝てないけど」

 

「俺達の戦いだったら」

 

そう言うと共に俺は竜二の背後から飛び、グレゴリに向けて銃弾を放つ。

 

「ぐっ」

 

火花を散りながら、後退した所で竜二はその手にある剣を鞘に納めて、グレゴリに再び狙いを付けて、銃弾を放った。

 

「なんだとぉ」

 

「意外と、俺の戦い方に合っているな」

 

「調子に乗るなよ!!」

 

そう言い、グレゴリはこちらに向けて斬撃を飛ばそうとしたが、同時に俺達も仮面を外す動作をする。

 

「アルセーヌ」

 

「キャプテン・キッド!!」

 

その声に合わせて、俺の背後にはアルセーヌが、竜二の後ろには海賊を思わせるペルソナ、キャプテン・キッドが現れ、各々の手から出てきた闇と雷が合わさり、グレゴリの斬撃を消し飛び、後ろへと吹き飛ばす。

 

「がはぁ」

 

「今がチャンス」

 

「合わせろ」

 

その言葉と同時に俺の手にはゴーカイサーベルを持ち、ダイヤルファイターをセットし、竜二は空を舞いながら、グレゴリに狙いを付ける。

 

「黒の一撃!」

 

「ゴーカイスラッシュ!!」

 

竜二が切り裂いた後に続くように俺も続き、切り裂き、同時にグレゴリに振り返る。

 

「ばっ馬鹿な、この俺様がぁ!!」

 

その声と共にグレゴリは倒れ込み、爆発した。

 

「やったぜ、ジョーカー」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に俺達はハイタッチし、戦いは終わりを迎えた。



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予告状48 友よ、また会う日まで

雨宮Side

 

「すまなかった!!!」

 

戦いを終えて、竜二はこの世界の二課に行くと同時に土下座を行った。

 

それに対して、全員が全員どうすれば良いのか、迷ってしまい、一番の大人である風鳴指令が前に出てくれた。

 

「君がそこまでする必要はない。

話を聞いた限りでは君は奴らに操られ、むしろ被害者ではないか」

 

「それでも、俺は人を傷つけた!

だったら、土下座をするのは当たり前だ」

 

「竜二」

 

そんな様子を見ていた奏さんはため息を吐きながら、竜二に近づき、肩を叩いた。

 

「もういいって。

それに反省の気持ちがあるんだったら、今度は私達の事を手伝ってくれよ」

 

「はい、私達もたった5人だけでしたので、竜二さんがいてくれたら助かります」

 

「それにそこまでやって、あんたが良い人だっていうのは分かったしな」

 

「・・・本当にすまなかった。

でも約束するぜ、絶対に皆を助けるってな」

 

「良かったな、竜二」

 

そう言い、竜二の事はひと段落着いた所で、改めて話す事にした。

 

「それじゃあ、一応は自己紹介だな。

俺は雨宮連、今はルパンレッドとして活動していて、竜二とは怪盗団を結成してから一緒に行動していた」

 

「ソーマだ、ルパンブルーだ」

 

「忍野忍、ルパンイエローじゃ」

 

「なんだか相変わらず個性豊かな面々が揃うな」

 

「それじゃあ、次は私達だな。

私は天羽奏、ガングニールを使っているぜ」

 

「私はセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。

同じくシンフォギアのアガートラームを使っています」

 

「ガングニールに」

 

「アガートラームだとっ!?」

 

「うわぁ、なんだ知っているのか?」

 

「いや、すまない」

 

「びっくりしたなぁ。

まぁ次は私だな、私の名前は三ノ輪 銀、ミノさんとでも呼んでくれ」

 

「・・・なぁ、ソーマ、忍。

一応確認だが、三人は転生者ではないな」

 

「あぁ、それは間違いない」

 

「だとしたら、この世界はそういう事か」

 

「一体何の話をしているんだ?」

 

「なぁ一応聞くが、風鳴翼、マリア・カデンツァヴナ・イブ、乃木 園子という名前に聞き覚えは」

 

「えっなんでその名前を!!

確かに私の相棒だったけど」

 

「私の死んだ姉です」

 

「私の大切な友達だった。

でも」

 

「なるほどな、この世界はそういう世界だったのか」

 

「えっと、どういう事ですか?」

 

「この世界は反対の世界という事だ」

 

「反対?

意味が分からないです」

 

「先程言った三人だが、俺達の世界では三人共生きている」

 

「「「えっ」」」

 

「そんな事ってあるの!?」

 

「パラレルワールドだからな。

可能性としてはある」

 

まさかこの世界は俺達が死んでいる人が生きており、生きている人が死んでいるというあべこべの世界だとは。

 

「さて、目的も果たした事だし、儂らは元の世界に戻るとするか」

 

「あぁ、もしも翼達も遊びに来るんだったら、教えてくれ。

別の世界だけど、翼とはもう一度会いたいから」

 

「分かった、そう伝えておく」

 

そう言い、ソーマと忍は歩き始め、俺は竜二の方へ向くと、手元にあったソニックダイヤルファイターを竜二に渡す。

 

「竜二、これを預かってもらっても良いか?」

 

「これは?」

 

「ダイヤルファイター、転生者の特典を奪う事ができる俺の大切な奴だ」

 

「えっ良いのか!?」

 

「竜二だったら、正しく使えるからね。

それに、これがあった方が良いだろ」

 

「分かったぜ、お前の信用、確かに預かったぜ」

 

「それじゃ、またな」

 

「あぁ、また会おうぜ」

 

その会話を最後に、俺達は元の世界へと戻った。

 

三人称

 

その空間はどこかのパーティ会場なのか、どこまであるのか分からない程に長く高級感のある机にそこには赤禰とクロウの二人がルパンレンジャーと竜二の戦いを見ていた。

 

「あぁ、あっさりと見破られちゃったね。

これからどうするつもりなの?」

 

そう言いながら、赤禰は向かいに座っているクロウに挑発するように笑みを向けるが、クロウは涼しい顔でそれを聞き流した。

 

「別に問題はないよ。

残りの奴らでも精神的に追い詰めるには十分だよ。

でも厄介なのは彼の周りにいる奴らだね、彼らの存在のせいで、心を折れる事はないだろ」」

 

「それはそれで厄介なんだよね。

最終的には分断させるつもりだけど、力を上手く取り戻してもらう為にも奴らは必要だからね」

 

「君とは目的の一致という事で手を組んでいるけど、分かっていると思うが、君の目的を達成したら、彼は僕の物だ」

 

「そうね、私の目的には絶対に彼が必要。

でもどうだろう、私ってば案外欲張りだから、そのまま彼を頂くかもね」

 

その言葉から互いの空気は一触即発な雰囲気になっていた。

 

そんな空気の中で二つの足音がし、二人はその方向を見ると、そこにいたのはブラッドスタークともう一人は全身が影に隠れており、上手く姿を現していなかった。

 

「そこまでだ」

 

「エボルト、貴様がいながら、なぜ殺し合いをさせようとした?」

 

「別に良いだろ。

適度なガス抜きは必要だからよ、それよりもボスの方はどうなんだ?」

 

「ふっ問題ない、私としても、彼らには楽しませてもらっているからね」

 

「死神の奴がどのような手を使っても、計画に支障はない」

 

「おぉ、怖い怖い。

それで憑依は上手くいっているのか?」

 

「まぁな。

しかし貴様の言うように悪の存在を特典に入れたせいで、とんでもない失敗をしてしまった」

 

「失敗?

あんたがか、もしかして特典の失敗か?」

 

「いいや、特典を入れるのには問題ない。

だがな、その存在が問題だった」

 

「女の一人に憑依させた奴は憑依後、すぐに基地から脱走しやがった」

 

「あぁ、そうかそうか。

そう言えば、あいつは元々は悪の組織だったが、最後に改心したんだったな。

すっかり忘れていたぜ」

 

「そして、あの猫擬きにいれた奴。

奴はかなりの危険があったぞ、おかげでこの世界に既にいない」

 

「おいおい、猫にいれた奴は問題ないだろ。

俺自身も最後は確認したが、奴はれっきとした悪だぜ?」

 

「さぁな、だがどういう訳か「キラキラ」なる物を探しに行った」

 

「あぁ、そうか。

なるほどな、どうやら記憶が曖昧な状態だったから、その状態になっていたが」

 

「だが残りの奴らは問題ない。

こちらに従っているのでな」

 

「やっぱり、ボスは凄いねぇ。

それで、次は何時仕掛けるんだ?」

 

「慌てるな、まだゲームは楽しまないといけないからな」

 

「さてっと、あの野郎のご機嫌取りも大変だぜ。

まっ俺はこういうのも楽しむからな」

 

「あんたは本当に厄介だよ。

俺が知る中でもあんたとは敵対したくないよ」

 

「そうだね、でも邪魔をするなら容赦はしない」

 

「おぉ怖い、怖い。

だったら、俺もすぐに準備しないとな、さってと」

 

「次の世界はこいつで決まりだな」

 

ブラッドスタークはそう言うと、手元にあった資料を取り出し、笑みを浮かべながら部屋から出て行った。

 



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予告状49 見知らぬ姉

「ここに来るのも久しぶりだな」

 

先日の戦いからしばらくして、夏休みに入る為、俺は久しぶりに自分の家へと戻ってきた。

 

両親が亡くなって以来、石堂の店でずっと暮らしいていたが、夏のお盆の季節でもあったので、久しぶりに両親に挨拶と一緒に懐かしい思い出を思い出す為に来た。

 

「あれ、雨宮君かいな!!」

 

俺が家の前で立っていると、誰かに声を掛けられ、振り替えるとそこには茶髪のスーツを着ている女性が手を振っていた。

 

「えっと、誰ですか?」

 

「あぁ仕事着で会うのは初めてやったかいな?

私や、隣に住んでいたはやて姉さんやで!」

 

そう言われるも、俺の隣には、このような女性がいた記憶はない。

 

だとしたら次元融合の影響かもしれない。

 

パラレルワールドにいる俺が重なった結果、本来ならばないはずの関係がいつの間にか築かれていたのだったら、彼女の言葉にも説明になる。

 

「えっと、すいません。

ここしばらく忙しかったから、覚えてなくて」

 

「それは酷いでぇ。

そんなに簡単に忘れられるなんて。

でも元気そうで何よりや!」

 

「ありがとうございます」

 

そう言いながらも八神さんは俺に近づいて、顔に触れてきた。

 

「本当、私の方がお姉さんだったのに、あっという間に背を抜かれてしまったな」

 

「まぁ成長期ですから」

 

俺はそう言いながらも、この場から離れたい気持ちでいっぱいだった。

 

「あの、そういえば八神さんは今は何の仕事を?」

 

「えっ、あぁ、ちょっとな。

色々と事務的な事で部長になっているんやけどな」

 

そう言いながら、空を眺めていたが、彼女は少し乾いた笑みを浮かべていた。

 

「少し辞めたい気持ちがあるんや」

 

「辞めたい気持ち?」

 

「まぁな、上に逆らう事ができなくってな、危うく友人を危険な目に合わせる所やったんや。

だから、少し考えて見たくてな」

 

「そうですか」

 

俺はそんな八神さんの言葉に俺は自然と耳を傾けていた。

 

「それは、悩みますよね。

自分がやりたい事、だけど、その為に友達を傷つくのは」

 

実際に俺は戦いの中で俺の復讐心でソーマと忍を傷つけさせてしまった。

 

「だけど、だからこそ止まっちゃいけない時もあるかもしれません。

八神さんのやりたい事を止める為に友達は力を貸したんですか?」

 

「いいや、皆、私の夢を応援してくれた」

 

「だったら、もう答えは出ているじゃないですか」

 

「ぷっ」

 

そう言うと、八神さんはなぜか急に笑い始めた。

 

「えっ」

 

「いや、別に。

ただ見ない間に雨宮君は成長したなと、思って。

高校に入る前なんて、そんな事を言わなかったのに」

 

「確かにそうですね」

 

思えば、俺がこんなに変わったのは高校生になってからだ。

 

そう考えると、八神さんの言葉に嘘偽りないと思う。

 

「本当に、何時の間にこんなに頼もしくなったんやろうね」

 

「彼は頼もしいさ。

僕としてもね」

 

そういつの間にか聞こえてきた声に俺は振り返ると、そこにはクロウがいた。

 

「っ!!!」

 

「あれ、君は一体?」

 

「えぇ初めまして、俺のコードネームはクロウ。

八神はやてさん、あなた達管理局の敵ですね」

 

「あんた、何もんや」

 

クロウがそう呟くと同時に先程まで和んでいた八神さんから考えられない程のプレッシャーが放たれており、八神さんは何時の間にか俺を守るように前に出ていた。

 

それよりも管理局、確かパトレンジャー達と一緒に戦っていた奴らだったはず。

 

「こんな場所でウチに用かいな?

悪いけど、デートはこの子が先約やけどなぁ?」

 

「それは困りましたね。

僕としては、あなたにはとっておきの見せ物があるのに」

 

そう言うと、クロウは手に持っていた光を地面に落とすと、そこから黒い影が溢れだし、現れたのは銀髪の女性だが、その肌の色は紫色で人間とは思えないパーツが幾つもついていた。

 

「リインフォース!!」

 

その人物を見ると、反応したのか、はやてさんは叫んだ。

 

「あんた、一体何をしたんや!!」

 

「この地にある恨みの力を集めさせてもらい、再構成させてもらった。

それにしてもここまで強い存在を誕生させるとは、僕も予想外だったけどね」

 

「てめぇ」

 

「それよりも、放っておいても良いのかい?

彼女を」

 

「っ!!」

 

そう言っていると、リインフォースはその場から飛び去っていく。

 

「それでは、僕はこれで」

 

そう言い、クロウはその場から消えた。

 

「雨宮君はすぐにここから逃げて!!」

 

「はやてさん!!」

 

そう言うとはやてさんはその場で姿が変わり、リインフォースを追っていった。

 

「やれやれ、少しやりすぎたかね」

 

「答えろ、クロウ、てめぇは何をした」

 

俺はそう言うと同時にアルセーヌを呼び出し、VSチェンジャーで後ろを振り向くと、そこには氷の銃をこちらに構え、同じくペルソナを呼び出して、こちらを見ているクロウがいた。

 

「組織の方針さ。

これまでの巨大な存在の蘇生を中心に活動していたけど、彼女は駄目だね。

こちらのコントロールをまるで受け付けないからね」

 

「それだけで、あんな事をしたのか」

 

「そうだね、彼女には申し訳ない事をしたよ。

できれば、意思を持った状態で蘇生したかったけど、本人は拒んだからね」

 

「てめぇ!!」

 

俺はその言葉と共にVSチェンジャーの引き金を引き、牽制を行い、後ろにバク転をすると同時にレッドダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする。

 

【レッド!】

 

【0・1・0!マスカレイド!】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

「そんなに怒らなくても大丈夫だよ。

それに、君にも見せたい姿があるからね」

 

そう言い、懐から取り出したのは俺達の使っているダイヤルファイターとも、パトレンジャー達が使っていたトリガーマシンとも違う奇妙な形の物だった。

 

「ふっ、さぁ行くよ。

怪物チェンジ」

 

その言葉と共にクロウは二つを懐にある金庫に入れると、クロウの姿は変わった。

 

「なんだと」

 

「君達だけがこの力の特権ではないという事さ。

そうだね、あえて言うならば、この姿の名前はザミーゴ・バスコ・レオーネかな?」

 

「なんだか、分からないが、てめぇを倒すのに変わりはない!

恐竜チェンジ」

 

俺はすぐにダイノホープで変身し、拳をクロウに叩き込むが、クロウはそれを軽々と受け取る。

 

「なっ」

 

「ふふっ」

 

クロウはそのまま俺の拳を流れるように上に持ち上げると、目にも止まらない斬撃の嵐を俺に与えた。

 

「がはぁ!!」

 

「あまり舐めない方が良い。

今の僕の力は数あるスーパー戦隊の敵の中でもゲキレッドの永遠のライバルである黒獅子リオとゴーカイレッドの宿敵であるバスコの二人の力を得ているからね」

 

「くっそ」

 

予想以上のパワーアップに俺は思わず地面を叩いてしまう。

 

「行くよ、氷結獅子弾!!」

 

その言葉と共に奴は拳をこちらに突き出すと、そこから小さな氷の獅子が次々と現れ、俺を襲い掛かってくる。

 

一体一体を相手している内に身体に縛り着いてきて、徐々に身体を凍らさせていく。

 

「ぐぅ」

 

「少し期待したのだが、残念だね。

この程度だったら、仕方ない」

 

そう言い、クロウはこちらに手を伸ばそうとした時だった。

 

上空から幾つもの光がクロウへと向かてきた。

 

「まさか、君が戻ってくるとは予想外だったよ、八神はやて」

 

「はぁはぁ、あまり舐めないでや」

 

そこにはボロボロになりながらも、立っている八神さんがいた。

 

「なるほど、リミッターが付いているから拘束できると思ったが、予想を覆したか」

 

「それは違うで、私が倒したんやない。

あの子が、リインフォースが救ってくれたんや」

 

「なんだと?」

 

「私と戦っている時、ずっと苦しがっていた。

だけど、あの子が一瞬だけ動きを止めてくれたから、私は」

 

「家族を殺したのか、再びその手で!

やはり管理局も所詮その程度か、組織への貢献しか頭にはないのか」

 

「それは違うぜ」

 

「んっ」

 

俺はなんとか氷を振りほどいて、八神さんの横に立ち、クロウを睨み付ける。

 

「お前は分かっていない。

この人とお前が復活させた人との絆を。

例えお前が手を加えたとしても、この人達の絆がそれを超えただけだ」

 

「絆?

そんなので何ができる!!」

 

「せめて、俺はこうやって、助かる事ができた」

 

「あいつに対して、私だけでは倒せないかと思っただけや。

救援も難しい中、市民の安全を考えれば、怪盗と手を組むしかなかっただけや」

 

「それでも助かった。

だから、俺はあんたを守る事にした」

 

そう言い、俺は八神さんの肩に手を置いた。

 

「今の言葉」

 

「行こう、あんたの大切な家族の為にも」

 

「分かったで」

 

「例え二人だとして、何がっ!?」

 

そう思っていると、上空が光りだしたと思うと、そこに現れたのはなんと先程八神さんが倒したと聞いたリインフォースだった。

 

「どうやら、まだ倒しきれなかったようだな。

これで2対2、条件は一緒だな」

 

「そんな、リインフォース」

 

「・・・まだ手はある。

八神さん、少しの間だけで良い、時間を稼いでくれ」

 

「どうするつもりや?」

 

「あいつがクロウによって作り出された転生者だったら、奪いとる事ができるはず」

 

「奪う、でもそんなの許してくれる相手かいな?」

 

「難しいかも、でもやらないよりはやった方が良いでしょ」

 

「なんだかウチのイメージと違うな。

以外にも熱血漢なんやな」

 

「そりゃあ、どうも、それで乗るの?」

 

「乗らせてもらうわ!!」

 

そう言い、八神さんは杖にこれまで感じた事のない魔力が集まり始めた。

 

「いきなりそんな大技か、でもそんなの」

 

「残念、これは攻撃やないんや」

 

その言葉と同時に杖の先に集まった魔力は強烈な光を放ち、周りを一瞬だけ白に包まれた。

 

「今や」

 

「まったく、末恐ろしいぜ!!」

 

あの一瞬で魔力を使ったフラッシュバンを放つとは。

 

しかも魔力が桁違いに高かったのか、あのクロウですら怯ませる事ができた。

 

「あんたを取り戻させてもらう!!」

 

その言葉と同時に俺はリインフォースにダイヤルファイターを付けると、リインフォースの身体は光始めた。

 

『主を頼むぞ』

 

その言葉と共にリインフォースの姿は代わり、そこには白いダイヤルファイターだけが残った。

 

「上手くいったのか!!」

 

「あぁ」

 

俺はそう言い、白いダイヤルファイターを八神さんに渡した。

 

「これは」

 

「リインフォースさんが残してくれた力だ。

これは俺よりもあなたが持つべきだ」

 

「なんや、怪盗だから物を取らないのか?」

 

「誰かを傷つけた時はな。

でもあんただったら、正しい力を持てると思ったからな」

 

「・・・」

 

そう言い、八神さんは少し手に取ったが、すぐに俺に返した。

 

「今のウチにこれを持つ資格はない。

だけど、あんたらを捕まえる時には少しはマシになっていると思うわ」

 

「分かった、それじゃあ、預かっておく。

だけど、捕まる日はないと思うけどな」

 

「ふっ、茶番は終わったか!!」

 

そう言い、クロウの後ろには巨大な氷の剣が現れていた。

 

「ならば、消えろ」

 

そう言い、クロウはこちらに向けて放ってきたが、俺はすぐに八神さんから受け取ったダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする。

 

「力を借りるぜ」

 

【0・2・9】

 

【怪盗ブースト】

 

その音声が鳴り響く、俺の右手は巨大な赤い弓矢へと変わり、俺は弓矢を引く構えを取る。

 

「一緒に戦うよリイン!」

 

八神さんはそう言い、俺の手に重ねると、弓矢に集まっていたエネルギーは八神さんの魔力が流れ込み、矢は先程よりも巨大な光の矢へと変わる。

 

「「ラグナロク・ブースト」」

 

その言葉と共に俺が指を離すと、弓矢から巨大な光の矢がクロウへと向かって行く。

 

「レオーネ・カリブ」

 

それに対して、クロウもすぐに腕を振り下ろした。

 

そうする事により、光の矢と氷の剣がぶつかり合ったが、氷の剣は一瞬で砕け散る。

 

「へぇ、なるほど、面白いねぇ

 

その言葉と共にクロウの姿は消え去り、それだけで戦いを終えた事が分かった。

 

「逃げられた!!」

 

「どちらにしても、奴はいずれまた現れるだろ」

 

俺はそれだけ言うと八神さんから離れるように逃げていった。

 

「あっ」

 

そんな声を無視して、すぐに見えない所で変身を解除し、しばらくしてから八神さんに合流した。

 

「雨宮君、無事やったんか」

 

「まぁね。

にしても八神さんの仕事って、もしかしてさっきのですか?」

 

「えっまぁ、そうやな。

ウチもちょっと珍しいのにスカウトされたんやで」

 

「それは凄いな」

 

「雨宮君も、その」

 

「んっ」

 

「なんもないで、それよりも今日はウチが昼飯を作ってやるわ。

久しぶりに雨宮君にも食べて貰いたいからな」

 

「それだったら、頂きます」

 

「それじゃあ、すぐに買ってくるから家で少し準備してくれるか?」

 

「分かりました」

 

そう言い、俺はすぐに家から離れた。

 

「君がそれを選んだのなら、ウチは止める権利はないからな。

君が間違えた時には、止めるからな」

 

そんな言葉が聞こえず、俺はただ家に戻っていった。



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予告状50 潜入、謎の研究所

50話突破記念で、コラボを募集させてもらいます。
現在まで、連載を続けられた記念に現在特典を盗む怪盗団とのコラボを募集しております。
興味がある方は、ぜひメッセージを送ってください。
皆様の応募、お待ちしています。



「この研究所だな」

 

クロウの奴の襲撃の次の日、奴らの手掛かりを探る為に目撃情報を探っていると、奴らしい影を見たという情報を元に俺はある森の奥へと進んでいくと、怪しい雰囲気をしている研究所を発見した。

 

敵の内部を知る為にも、ここへ潜入するのと同時に今回は僅かな情報を知る為にも、情報の解析の為にもSONGの職員に応援を求めた後に研究所の探索を進めた。

 

「それにしても、警戒も何もないな。

まるで興味ないのか、それとも俺を誘い込んでいるのか」

 

研究所に入ると、監視カメラを発見して、それらを避けて行動しているが、それ以外には警備システムはまるで見られず、無警戒と言っても良い程の警備だ。

 

「さて、調べられるのはこの部屋だけとなっているが、何が出るやらかっ!!」

 

そう思っていると、部屋の先から感じた殺気に俺は後ろへと飛ぶと、先程まで俺がいた場所には巨大な赤い剛腕のガンダムが立っており、こちらを睨み付けていた。

 

「こいつと再戦かよ、さっさと片付けるか」

 

俺はそう言うと手に持ったVSチェンジャーを手に持ち、レッドダイヤルファイターをセットする。

 

 

【レッド!】

 

【0・1・0!マスカレイド!】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

「ルパンレッっとと!

自己紹介に襲い掛かってくるなよ!!」

 

俺が名乗ろうとした瞬間、奴の腕から幾つもの触手が現れ、それらは俺の動きを封じ込めるように縦横無尽に動き回って終わり、触手の先からビームが来る。

 

ビームは自由自在に形を変えていき、俺の動きを先読みするように、避けた先にビームを当て、俺の逃げ道を次々と防いでいく。

 

「なっ、なんで、さっきから、俺の動きを!!

 

「それはそうだよ、対君達用に開発したのだから」

 

その声が響くと同時にこちらに向けていた攻撃が止み、部屋の奥から足音が聞こえ、見てみるとそこには白衣を着た男が一人いた。

 

「ようこそ、ルパンレッド!

我が実験所へ」

 

「実験所?

それって、こいつの研究か」

 

「まぁおおむね合っている。

こいつは私が作成した、対ルパンレンジャーロボット、デビルガンダム・Rだ!」

 

「デビルガンダムって、まさか!!」

 

「そう、君がかつてこことは別の世界のゴジラと戦った特典を応用した作品さ。

あの特典は面白くてね、ルパンレンジャーとパトレンジャーそれぞれに恨みが膨れ上がっていてね、対抗策がどんどん出てくるから、面白くて面白くて」

 

「一気に話しすぎだ。

それよりも、こいつらが俺達専用という事は」

 

「あぁ、パトレンジャー用はもう外へと放った。

予定ではそろそろ到着予定だが」

 

俺はその言葉を聞いた瞬間、走り出した。

 

パトレンジャーを狙ったという事は無関係な人々が襲われる可能性がある。

 

それだけでも急がなければならないが、デビルガンダム・Rは俺の動きを封じてきた。

 

「あぁ、だから言っただろ、君の動きは全ては把握済みだと

ここでグットストライカーが来ても、既に合体パターンも検出済み、ダイノホープも無意味だぁ!!」

 

「んっ?」

 

奴の単語の中でこちらの持つ手札の一つが欠けているのに気づき、俺は少し芝居をして、様子を見る事にする。」

 

「そんな、それじゃあ」

 

「そうだ、お前達に希望などない」

 

「だが、まだ可能性はある!

ダイノホープと他の怪盗ブーストがあれば」

 

「無駄無駄、ダイヤルファイターによる戦闘は全て観測済みだ。

どんな技を使おうと無駄だ。

あぁ残念だが、君のダイノホープと合体形態がなくてな」

 

やはりだ、奴はこれの存在を知らない。

 

例え芝居だとしても、やる手はあるようだな。

 

「それじゃあ、これを出すしかないな」

 

そう言い、俺は取り出すと、先程まで笑みを浮かべていた顔は驚愕の物へと変わっていた。

 

「えっ、なっなんだそれは!!」

 

「カラクリニンジャ、知らないのか?」

 

俺はそう言いながら、巨大な手裏剣や刀で作られた絡繰り型のダイヤルファイター、ニンジャストライカーを見せた。

 

「馬鹿な、確かに貴様の手にはカクレンジャー、ハリケンジャー、ニンニンジャーのデータがあるのは知っているが、カラクリニンジャだと!?」

 

「なんだって、これを使ったのは一回だけだからな」

 

「一回だと?」

 

このカラクリニンジャはそもそもダイノホープよりも先に手に入れたのだが、当時修行をつけてくれたカクレン先輩から「情報を簡単に流してはならない、その為にこれは余り使うな」という忠告を受けたが、まさかそれがここで役に立つとはな。

 

「カクレン先輩の言う通りだ、いざという時に使わせてもらうぜ!!」

 

【カラクリニンジャ!5・6・9・6!スーパーマスカレイド】

 

【ニンジャチェンジ!】

 

「忍者チェンジ!」

 

【ルパンレンジャー!ドロォン!」

 

音声と同時に巨大な手裏剣が背中で一体化となり、マントはマフラーへと変化し、鳳凰の顔は左腕で巨大な籠手へと変わり、新たな姿になる。

 

「ニンジャルパンレッド、推参!!」

 

「たっ例えデータになくても、未知の形態を使いこなせるはずがない!

行け、デビルガンダム・R」

 

ニンジャルパンレッドの存在に驚いたのか、声を出していたが、冷静な判断ができていないのは一目で分かった。

 

そして、その言葉と共にデビルガンダム・Rは背中から何百という触手を生やし、こちらに向けて銃口を向けていた。

 

「怪盗流忍法 霧隠れの術」

 

その言葉と共にカラクリニンジャの右腕から溢れるばかりの煙が出てくると同時に俺は走り出すと、両手をこちらに向けていた触手に向けると、次々と小型手裏剣が現れ、何百という触手を全て切り裂く。

 

「一瞬で、だがDG細胞の再生力ならば」

 

「怪盗流忍法 滅菌の術」

 

その言葉と同時にデビルガンダム・Rから生えてきた触手は消えていき、デビルガンダム・Rは苦しみ始めた。

 

「なっなにが起きた!!」

 

「DG細胞は確かに厄介だけど、ようするに細胞自体を殺せば再生はしないんだろ。

だったら、再生の前に滅菌すれば良いだけの話だよ」

 

「まさか、この煙は」

 

「その通り、目暗ましと再生の妨害の一石二鳥の煙だよ」

 

そう言い、俺はルパンソードを片手にデビルガンダム・Rに接近すると、剛腕による攻撃を防ぎながらも、隙間にルパンソードを食い込ませると同時に煙を忍び込ませる。

 

「デビルガンダム・R、腕を外せ!!」

 

命令に従い、デビルガンダム・Rはすぐに腕を外したが、俺はすぐに反対側に回り込み、回し蹴りを食らわせ、重心のバランスが崩れたデビルガンダム・Rは倒れ込んでしまう。

 

「馬鹿な、完璧だったはずだ!!

怨念もデータも、全てルパンレンジャーとパトレンジャーに対しての対策はできていたはずだ!!

なのに」

 

「悪いが、お前の知っている俺達はもういないぜ」

 

「なに」

 

「ある男が言っていた!

俺達は一分前の俺達よりも進化している、だからこそ過去に縛られているお前達に負けるつもりはない!!」

 

「なんだと!」

 

「過去ってのはな、未来に進む為の力なんだよ。

支えてくれた人々を心に刻む為に、忘れてはいけない事を刻んで、今を、そして未来を進む為の力だ!」

 

「貴様ぁ!!」

 

その言葉を最後に奴はデビルガンダム・Rは巨大な口を開き、エネルギーを集め始めるが、俺はカラクリニンジャを分解させ、巨大な手裏剣へと変形させる。

 

「怪盗流忍術奥義 巨大螺旋手裏剣」

 

その言葉と共にニンジャストライカーは凄い勢いで回転を起こし、同時にデビルガンダム・Rに向けて投げると、デビルガンダム・Rのビームを一閃に切り裂き、ついにはデビルガンダム・Rを真っ二つに切り裂く。

 

「ははっ、俺の最高傑作が」

 

奴はデビルガンダム・Rが倒された姿を見て、放心し、膝から地面へと倒れ込んだ。

 

「でもまだだ、デビルガンダム・Rが倒され、お前達ルパンレンジャーが倒せなくても

パトレンジャーの奴らは殺せる」

 

「そうか、だったら助けないとな」

 

「はぁ、貴様は、なんで助けるんだ!!

あいつはお前達の目的の邪魔をする存在なんだぞ、あいつらがいなくなって、得をするのはお前達なんだぞ」

 

「俺達は誰一人の命も見捨てない、敵だという目的で命を見捨てるつもりはない。

パトレンジャーもそうだし、お前もだ」

 

「えっ」

 

俺はそう言い、奴を掴み取ると、そのまま走り出す。

 

「お前が何を思って、こんな事をしたのかは知らない。

でも、過去に固執する奴はそれしかない奴ばかりだ」

 

「そうだよ、俺はもう一度」

 

「だったら、それを手に入れる為に今度は真っ当な努力をしろよ。

それが案外近道かもしれないぜ」

 

「怪盗に説教されるとはな」

 

そう言い俺はなんとか基地を脱出する。



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予告状51 向き合うべきは

研究所から抜けて、捕まえた奴は応援に来てくれた緒川さんに任せて、俺はすぐに走り出した。

 

 

 

カラクリニンジャは全体的にパワータイプのダイノホープと比べて、スピードに優れているので、近くの距離だとダイヤルファイターを出すよりもこっちの方が早い。

 

 

 

「緒川さんから聞いた話だと、あそこか!!」

 

 

 

俺は急いで現場へと向かうと、そこでは既に戦闘が行っているのか、先程のデビルガンダムRとは違い、四本の脚の間に上半身が逆さにぶら下がっている奇妙な奴が合体しているパトレンジャーを追い詰めていた。

 

 

 

周りには響達も戦っていたが、デビルガンダムPと同じ色をした戦闘ユニットによって、足止めを喰らっていた。

 

 

 

そしてデビルガンダムPがパトレンジャーにとどめをさそうとしていた。

 

 

 

「させるかよ!!」

 

 

 

俺はカラクリニンジャを巨大刀モードへと変形させ、パトレンジャー達の前へと立ち、攻撃を真っ二つに切り裂いた。

 

 

 

「怪盗!!」

 

 

 

「レッド!!」

 

 

 

「遅かったな」

 

 

 

「悪いな、少し手間取っていた」

 

 

 

俺はそう伝えると、目の前にいるデビルガンダムPによって起こった惨劇を目の当たりにする。

 

 

 

建物は崩れているが、死人は出ていない様子で、響達やパトレンジャーのおかげでいないようだ。

 

 

 

「どけ、お前の手はもう借りない」

 

 

 

「てめぇじゃ、あいつには勝てないよ」

 

 

 

「なんだと!!」

 

 

 

「あいつはデビルガンダムP、対お前達用に開発された機体だ」

 

 

 

「なんで、それを知っている。

 

まさか、お前が」

 

 

 

「あいつを作った奴と戦ったからだよ。

 

あっちには俺達の対策されていたデビルガンダムRってのがいたけど、まぁ倒せたがな」

 

 

 

「そういえば、その恰好はなんデスか?」

 

 

 

「カラクリニンジャ、ダイノホープと同じく装着できるダイヤルファイターだ」

 

 

 

「なっなんだと!

 

どういう事だ」

 

 

 

「いや、だから俺に力を貸してくれている先輩達だよ」

 

 

 

「なんだと」

 

 

 

「という事で、さっさと下がれ。

 

お前達では勝てないからな」

 

 

 

「そう言われて、下がれるか!!」

 

 

 

そう言い、奴は前に出ようとしたが、その瞬間、パトレンジャーのVSチェンジャーに合体していたグットストライカーが飛び出た。

 

 

 

「なっグットストライカー、なんのつもりだ!!」

 

 

 

「いやぁ、華麗な活躍をした怪盗にグッと来たから、あっちに行くだけだよ。

 

それに今のてめぇ達じゃあ、勝てないのは事実だろ?」

 

 

 

「そんな訳ないだろ、奴らだって倒せた。

 

ならば俺達だって」

 

 

 

それ以上何か言おうとしたが、俺は無視して、グットストライカーを手に取る。

 

 

 

「悪いが、お前達に構っている暇はない!

 

行くぜ、グットストライカー!!」

 

 

 

「OK、さぁ盛り上がってきたぜ!!」

 

 

 

俺はそう言うとグットストライカーをVSチェンジャーにセットし、走り出す。

 

 

 

「マリア、クリス、頼む」

 

 

 

「準備はできているようね」

 

 

 

「まったく、遅いぜ!!」

 

 

 

「あぁ、怪盗合体!!

 

 

 

その言葉と共に俺はVSチェンジャーの引き金を引くと同時に、近くにいたマリアとクリスと合体する事により、赤と銀色の装甲を身に纏う。

 

 

 

「「「行かせてもらうぜ」」」

 

 

 

「俺達のような合体じゃないだとっ!!」

 

 

 

その言葉と同時に腰から現れた銀色のハンドガンを召喚すると同時に、こちらに狙っていたデビルガンダムPに向けて撃っていく。

 

 

 

奴はそれに対して無傷で余裕の様子で、こちらに向かってくる。

 

 

 

「粛清する!!」

 

 

 

そう言い、デビルガンダムPは胸に光が集まり始めたが、その瞬間、俺はハンドガンを捨てて、走り出し、手に持った剣を前に出し、背中から出るウィングとブースターを作り出し、飛ぶ。

 

 

 

「「「これでも喰らってな!!!!」」」

 

 

 

俺達がその言葉を言うと共にデビルガンダムPを貫く。

 

 

 

だが、同時にデビルガンダムはその身体から幾つもの飛行ユニットを飛ばしこちらに向けてきたが、俺達はその先で待っていた風鳴さんと調を見つけた。

 

 

 

「「タッチ、後は任せた」」

 

 

 

「「任された!!」」

 

 

 

その言葉と同時にクリスとマリアとの合体が解除されると、同時に新たに風鳴さんと調と合体。それと同時に俺が持っていた剣は一つのバイクへと変形し、そのままデビルガンダムPに向かって走り出す。

 

 

 

デビルガンダムPはこちらに向かって来るが、腰のパーツから巨大な車輪が二つ現れ、バイクの前には先程と同じように巨大な剣が出て、飛行ユニットを巻き込みながら、突き進み、デビルガンダムPを上空高くに飛ばす。

 

 

 

「「とどめは任せた」」

 

 

 

「「任せて」デス!!」

 

 

 

その言葉と共にこちらに来た響と切歌と合体すると同時に先程の腰のパーツが鎌が俺達の右腕に集まり、巨大な拳へと変わるのと同時にデビルガンダムPへと飛ぶ。

 

 

 

デビルガンダムPもそれに対抗するように腕に黒い光を集めて、俺達の拳にぶつけてくる。

 

 

 

『女神エリス様ノ権限ニオイテ実力ヲ行使スル』

 

 

 

「「「知るか、そんなもん!!!」」」

 

 

 

その言葉と同時に腰から炎があふれ出し、俺達は身体を回転させて、奴の拳ごと、身体を突き抜き、同時に爆発した。

 

 

 

地面へと着地すると同時に俺達は戦いを終えた事に安心する。それと同時にパトレンジャー達に目を向ける。

 

 

 

「お前達は自分の罪を数えた事があるのか?」

 

 

 

「なんで、いきなりそんな事を聞く」

 

 

 

「デビルガンダムはな、俺達が人生を狂わせた転生者の怨念とお前達によって人生を奪われた恨みからできた存在なんだよ」

 

 

 

「そんなの、分かっている!!

 

だからこそ俺達のような犠牲者を出さない為には」

 

 

 

「笑わせるぜ、まったく」

 

 

 

「なんだと!!」

 

 

 

「まさか世界中の人間が同じような考えだと思っているのか!!」

 

 

 

「なに」

 

 

 

「てめぇらが転生して幸せかもしれない。

 

だけど他の奴らからしたら、会えるかどうか分からない大切な人との繋がりを無理矢理奪う行為だ」

 

 

 

「そんなの分からないだろう!」

 

 

 

「あぁ、それが幸せかどうか分からないかもしれないがな、記憶を持ったまま転生したお前達に記憶を奪われた奴らの気持ちなんて分かるかよ」

 

 

 

それだけ言うと、俺はそのままVSチェンジャーでレッドダイヤルファイターを呼び出し、その場から離れる。

 

 

 

下を見ると、クリス達はその場からいなくなっているのを確認し、少しほっとした所で、グットストライカーは何を思ったのが急に合体を解除し、響と切歌が出てきた為、コックピットの中は結構きつい状態になってしまった。

 

 

 

「気分は最高、それじゃあ、アドゥ!!」

 

 

 

「うわぁ、吹き飛ばされちゃう!!」

 

 

 

「先輩、こっちに捕まるデス!!」

 

 

 

「あの野郎、よりにもよって、最悪のタイミングで!!」

 

 

 

俺達はなんとか不時着させないようにして、コックピットの中へと戻った。

 

 

 

そして、シンフォギアを纏ったままだと壊すかもしれないので、シンフォギアは解除してもらった。

 

 

 

「ふぅ、危なかった!!

 

それにしても、質問だけど」

 

 

 

「なんだ?」

 

 

 

「なんで記憶があるのが分かったの?

 

パトレンジャーの人達とは何回か会ったけど、そんな事は言っていなかったよ?」

 

 

 

「簡単だよ、あいつら、俺達のような犠牲者って言っていたからな。

 

前世で殺されて、転生したと思っただけだよ」

 

 

 

「先輩、なんだが探偵みたいデスね!」

 

 

 

「簡単な事だよ。

 

怪盗ってのは色々と気づかないといけないから」

 

 

 

そう言いながらも、俺はレッドダイヤルファイターを飛ばした。



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予告状52 喫茶店の日常

この話は本編とは特に関係がありませんので飛ばしても大丈夫です。


喫茶店ルフラン、そこはルパンレンジャー達が普段生活を行う拠点であると同時に、ルパンレンジャー達が普段の生活費を稼ぐ為の施設でもある。

 

ルパンレンジャーの活動において、死神から送られる資金はあくまでもルパンレンジャーとしての活動のみに限定されており、それ以外の衣食住、さらには趣味においては自分達で稼がなければならないのだ。

 

「という事で、今日はルパンレンジャーの皆がどんな風に働いているのか、見に来ました!!!」

 

「なんかテンションが高いな、立花」

 

「だって、普段はルパンレンジャーの皆は知っているけど、普段はどんな風に経営しているのかまったく知らないもん」

 

「まぁ確かにそうだけど、実際にどんな店なんだ?」

 

「私達は前に見に行ったけど、落ち着いた感じの店でした」

 

「うん、コーヒーの良い香りがした」

 

「それは楽しみね」

 

「という事で店の前にもう着きました」

 

「準備が早い事だな、とりあえず、店先のメニューは」

 

【メニュー コーヒー カレー サラダ】

 

「メニューが雑すぎる!!」

 

「いや、雪音、よく見てみろ!!」

 

「とりあえずは入ってみよう」

 

そう言うと共にシンフォギア奏者達は全員が店の中に入ってきた。

 

「あむ、いりゃひゃいまへ、おぎゃくさまぁ」

 

「おい、大丈夫なのかこの店は」

 

入ってみると、そこには忍がメイドの恰好をして、ドーナツを食べていた。

 

その姿に思わずクリスは突っ込んでしまうが、ドーナツを飲み込むと同時に仁王立ちをして忍は笑みを浮かべる。

 

「ふっ問題ない。

儂のこの姿を見て、大体の爺に婆は騙されるからな。

孫を見ているようで喜んで金を出してくれる」

 

「おい、こいつ最低だぞ!!」

 

「まぁ時々、気持ちの悪い男が金を出してくるがな、軽く追い出したら喜ぶがな」

 

「店の客の方もやばかった!!」

 

忍の接客態度について聞くはずだったが、それ以上に凶悪な事を言われて、思わず突っ込みを言ってしまうクリス。

 

「本当に大丈夫なのかしら、この店は」

 

「大丈夫じゃ、儂がサボっていても、大体は連とソーマが稼いでくれるからな。

儂は好きにドーナツを食えるからな」

 

「あのぉ、聞きたいのですが、忍って確か吸血鬼だったデスよね?」

 

ドーナツばかり食べている忍について、思わず切歌は質問するが

 

「最近の奴らの血は濁っていてまずいからな。

そんなのよりもドーナツの方が良いに決まっているだろ」

 

「まさか現代の問題がここに来るとは」

 

「まぁ連の奴の血は別格じゃがな」

 

「何か言ったか?」

 

「別に、それよりもさっさと席に座れ、注文は適当にカレー6つにコーヒー6つで良いな」

 

「よく潰れないな、この店」

 

忍はそれだけ言うとカウンターの向こうにいた雨宮に声をかけると、そのままドーナツを食べ始めていた。

 

「まぁ店の雰囲気も良いし、清潔だから良いけど、なんていうか店員の態度が問題だな」

 

「まっまぁ忍ちゃんの個性という事で」

 

「へっどうせ、あんな子供の身体だから、それぐらいしかできないんだろ」

 

クリスがその言葉を言うと同時にブチっという音が聞こえると同時に「ギャー!!」という叫び声が店の奥から聞こえてきた。

 

「えっ今の、雨宮君の声!!」

 

「一体何が!!」

 

「待たせたな、お客様!!」

 

突然聞こえた声に驚いている間に店の奥から出てきたのは響達と同年代と思われる少女がカレーとコーヒーをテーブルの上に置き、不適な笑みを浮かべて現れる。

 

「えっと、あなたは」

 

「もう忘れたのか、年長者だからもっとしっかりしなければならないぞ

 

「なっ忘れたって、あなたね」

 

「・・・もしかして忍?」

 

「えっ嘘、だって忍ちゃんはさっきまで子供だったのに」

 

そう言い、先程まで忍がいた席を見ると、そこには先程カレーを持ってきていた女性がおり、ドーナツを食べていたが、その恰好は明らかに忍が来ていた恰好だった。

 

「えっえぇぇ!!」

 

「言い忘れていたな、儂は連の血を吸う事で全盛期に近づく事ができる。

これはまぁ少しだけ近づいた結果で、大体高校生ぐらいじゃな」

 

「吸血鬼って、そんなシステムだったけ?」

 

「というか、あの悲鳴気のせいじゃなかったのか」

 

そう言い、カウンターの奥を見ると、そこには雨宮が立っていた。

 

ただし、その表情は読み取れず、眼鏡の奥が見えない状態だった。

 

「ふっ、それよりもどうじゃ、この時点でも儂はお前達よりもナイスボディを誇っているからな、お子様お前達では無理あるがな」

 

「そうか、だったら少し反省だな」

 

「へっ、あっ」

 

そう言い、連が取り出したのは化粧水に使われる容器があり、それを忍にかけると

 

「ぎゃああああ!!」

 

忍は凄い勢いで床を転がりだした。

 

「えっ、一体何が!!」

 

「雨宮、お前何を、まさか聖水を」

 

「にんにくの香りがする水」

 

「思っていたのとは全然違った」

 

「吸血鬼になると嗅覚も恐ろしく高くなるからな、忍が何かをした時にはこうしたお仕置きをしている」

 

「なんていうか、お前はお前でなんか恐ろしい事をしていたんだな」

 

「くぎゅうぅ、連、これはひどすぎるぞ」

 

「五月蠅い、カレーを作っている途中で邪魔をした罰だ。

今回のカレーの代金、忍の小遣いからな」

 

「なっそんな殺生な!!

儂は最近嵌っているドラキュラの城シリーズが買えなくなってしまうではないか!!」

 

「吸血鬼が吸血鬼を倒すゲームに嵌るって」

 

「おいしい!!」

 

そんな一連の騒動を無視していた響は一足先にカレーを食べていたが、手を止まらないようなのか、どんどん口の中にカレーを入れていく。

 

「おい、バカ!

そんなに食うなよ」

 

「だぁってぇ、こんなにおいしいカレー初めてだもん!!」

 

「そうでひゅよ!!

早く食べないと、カレーがおいしくなくなちゃうデスよ!!」

 

そう言い、響と切歌の二人は同時にカレーを食べており、そのスピードは尋常じゃない。

 

「二人がここまで食べるとはな、では私もんっ!!」

 

「なにこのカレー、肉がほとんど入っていないのに、この味は」

 

「全部野菜なのに、上手い!!」

 

そう言って、全員があっという間にカレーを全部食べ終え、一緒に運ばれたコーヒーを味わう。

 

「凄いよ、私、コーヒーあんまり飲んでいないけど、これだったら好きかも」

 

「ルフランは豆に拘っているからな。

子供から大人まで、好みに合わせたコーヒーを作れるぜ」

 

「これが職人の味デス!!」

 

「少し違うみたいけど、まぁ切ちゃんの言いたい事は分かるよ」

 

「それにしても、この野菜カレーの材料は何かしら?

なんだが、普通とは違うようだけど」

 

「まぁ、裏の畑で採れたてを使っているからな」

 

「採れたての野菜カレーですが、なんだかまた涎が」

 

「あっ丁度ソーマが帰ってきたか」

 

その言葉と共にドアから入ってきたソーマの片手にはバッグがあり、全員がそれに注目していた。

 

「ねぇ、どんな野菜があるのか見せてくれたりしない?」

 

「別に良いぜ、そんなに変わった奴はないしな」

 

「やったデス!!」

 

そう言い、響達数名は喜んでいるが、そんな様子を眺めているソーマはため息をついた。

 

「お疲れ様、疲れたのかしら?

 

「別に俺はただ野菜を取っているだけだ。

だけど、それでも分からない事が多いがな」

 

「分からない事?

それは一体」

 

「おぉ、このナスは人の形をしているデス!!」

 

「人の形!!」

 

その言葉を聞き、マリアとクリスはすぐに野菜を見ると、そこにはなぜか人の形をしたナスを始め、鍵の形をした麦、人魂の形をしたミニトマト、さらには宝玉のような輝きを放つメロンまでもがある。

 

「なっ、あれは本当に野菜なのか!!!」

 

「残念ながら、しかも普通にデパートに売られているのを、雨宮が買ってきた奴だ」

 

「いや、ありえないだろ!

何か使ったのか!」

 

「いや、普通の奴だった。

しかも、野菜の成長は驚く程に早く、あれは全部5日前に植えた奴ばかりだ」

 

「「えっ」」

 

それだけ聞くと、野菜を見てみると、なぜか分からないが黒いオーラを出しており、雨宮の顔がマッドサイエンティストのように見えた。

 

「だっ大丈夫なのか」

 

「あぁ、しかも食べたらなぜか元気になったり、死にかけの状態から復活したりと、不思議な現象のおまけつきだ」

 

「それって、絶対に野菜じゃないだろ!!」

 

「よしっ、今日はメロンが取れたし、今から切ってくるよ」

 

「「やったー」デス」

 

「・・・本当に大丈夫なんだよな」

 

「まぁな」

 

そんな喜ぶ4人の姿を見ながら、クリスとマリアは微妙な気持ちになりながらも、出てきたメロンを食べていた。

 

後日、雨宮が育てた野菜を調べてもらったが、不思議な力をまったく使っておらず、どこにでもある普通の野菜である事がエルフナインを初めとした優秀なスタッフによって解明された。



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予告状53 再会は世界を超えて

「うっうぅ」

 

「そろそろ、覚悟は決めろよ」

 

「だって、今会っても、どう話したら良いのか」

 

「一緒に行きたいと行ったのはお主じゃろ」

 

「それは、そうだけど!!

分かっていても、なかなかできないのよ」

 

俺達はそう言いながら、近くの木に隠れているマリアに対して文句を、ベンチで座ってそわそわしているセレナを見つめている。

 

今回は竜二の世界に再び反応があったので、俺達はそこに向かう時にマリアが一目セレナに会いたいと言って、同行してきたのだが、セレナを目の前にした途端に何か恥ずかしかったのか、近くの木から出ようとしない。

 

「面倒くさい女じゃな」

 

「まぁまぁ。

でも今回は少し大きな問題だからな

 

そう言っているとこちらに気づいた竜二はこちらにジェスチャーしてきた。

 

『そこに隠れているのがもしかして』

 

『あぁマリアだ。

ただ行く直前でヘタレになってしまってな』

 

『こっちのセレナはさっきからソワソワしていて、早く会わしてやりたいんだが』

 

「なぁ、マリア、さすがにそろそろって何をしているの」

 

「タッパーに仕舞っていた高級クッキーよ」

 

「どうやら、高級品を食べると、何かと気が強くなるらしい」

 

「なんか変な気質だな」

 

そう言っている間にも、むくりと起き上がったマリアは先程の弱気な様子とは思えない程にきりっとした顔でこちらを見た。

 

「行きましょ、雨宮、ソーマ、忍」

 

「凄いな、高級品」

 

「というよりもそれで気分が変わるこいつがな」

 

「気にくわないのぉ」

 

そう言っている間にも俺達はマリアの後ろへと歩いていき、こちらに気づいた竜二はセレナの肩を叩くと、セレナはマリアに気づいて走ってくる。

 

「マリア姉さん!!」

 

「セレナッ!!」

 

そう言い再開をしようとした瞬間、不穏な気配を感じ、急いで俺達はVSチェンジャーを持ち、マリアを、竜二はセレナを抱えて、その場から離れる。

 

「何者だぁ!!!」

 

「へぇあれを避けるとはねぇ」

 

その言葉に従って出てきたのは緑色の古代民族の着そうな恰好をした金髪の子が、というよりも

 

「杏!!」

 

「やっぱりか」

 

僅かだが身に覚えのある人物だと思ったら、怪盗団の一人である高巻杏だったとはな。

 

そう思っていると、わなわなと何か震えているマリアに気づく。

 

「よくもセレナとの再会を邪魔してくれたわね」

 

「マリア姉さん」

 

「セレナ、少し下がっていて。

雨宮、皆、一緒に行くわよ」

 

「やる気のようだね、だったらこれを使え」

 

そう言い俺はエルフナインから預かっていたルパンチェンジャーをマリアに渡すと、それを手慣れた動きでシンフォギアをルパンチェンジャーにセットする。

 

【ホワイト】

 

【0・4・6】

 

「さて、俺達も行くか」

 

「「あぁ」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【【マスカレイズ!】】】】

 

「「「「怪盗チェンジ!!」」」」

 

【【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】】

 

「マリア姉さん、恰好良い!!」

 

「あれが、雨宮達のルパンレンジャーか!

初めて変身する所が見れるのは興奮するぜ!!」

 

竜二とセレナは各々が反応すると共に俺達はすぐに杏を見る。

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「ルパンホワイト」

 

「「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー」」」」

 

俺達がいつものセリフを言うと共に、怪盗衣装へと変わった竜二が現れ、俺の横に来ると同時に杏に向けて、指を指す

 

「「俺達の宝、返させてもらうぜ!!」」

 

「奪えるものならば、奪って見せなさいよ!!」

 

それと同時に俺達はVSチェンジャーとルパンチェンジャーで杏に向けて牽制を行うと杏は手に持ったかぎ爪と鞭を両手に持ち、俺達の攻撃を打ち落とした。

 

「はぁ!!」

 

鞭の攻撃の合間を擦り抜けると、マリアは手に持っていた新たなダイヤルファイター、スピアダイヤルファイターをセットする。

 

【怪盗ブースト!】

 

その音声が鳴り響くと、マリアの手には黒い槍が現れ、一気に接近すると同時に攻撃を突き刺す。

 

「あれは奏さんの」

 

「マリアはシンフォギアであるガングニールとアガートラームの二つと適合できる人物だからな」

 

「ダイヤルファイターはそれに答えた訳だ」

 

「だが、この程度、何ができる!!」

 

杏はその言葉と共にかぎ爪と鞭を使い、全方位の攻撃をマリアに集中で行うが、マリアは手に持っている槍を使い、防御を行うと共に、もう片方に持っているルパンソードで攻撃を受け流す。

 

「セレナの前だからね、少しは恰好付けないといけないのよ」

 

「なんだ、そんな理由でか」

 

「えぇ、それに、これだけやれば十分でしょ」

 

「なに、ルパンレンジャーの奴らは「キャプテンキッド!!」なっ!!」

 

「あいつらだけじゃないって事だぜ!!」

 

俺達に集中している間に竜二は自身で呼び出したキャプテンキッドに乗り、上空から急降下すると同時に手にはソニックダイヤルファイターを持ち、杏に押し付けようとする。

 

「くっ」

 

「鞭をこっちに集中しすぎたわね」

 

急いで鞭を引き戻そうとするが槍を使い、全てを絡み取ったマリアを睨み付けている間に竜二は杏にダイヤルファイターを押し付け、特典と切り離す。

 

「ぷはぁ!!」

 

「よぉ、無事だったか」

 

「なんとかね」

 

「くっそ、貴様らぁ!!」

 

「これでも喰らってな!!」

 

杏と特典との切り離しに成功した時、竜二は手に持っていた銃を特典に向けて放つと、僅かに後ろに下がった。

 

「あとは」

 

「任せたわ」

 

「なっ」

 

【マジック】

 

【シザー】

 

【カラクリニンジャ】

 

「「「任された」」」

 

その言葉に同意するように俺はカラクリニンジャを装着し、巨大刀モードを持ち一気に接近すると同時に後ろから二つに分かれたブレードとマジックの二つのエネルギーを覆った刀を振り下ろした。

 

「くっそ、まさか、こんな形でやられるとは」

 

「あんまり人間を舐めない事だな、特典!!」

 

「こうなったら、この世界ごと凍らせてやる!!」

 

奴はそう言うと手にはアバレン先輩達の武器であるアバレイザーにそっくりな武器が現れ、それを地面に突き刺すとそこから現れたのは

 

「あれは、爆竜!!」

 

「そうだ、こいつらは爆竜カルノリュータス、カスモシールドン!!

この二体を使い、この世界を氷の世界に変えてやる、爆竜合体!!」

 

その言葉と共に奴は二体の爆竜に合体すると、そこに現れたのはアバレンオーにそっくりな奴だった。

 

「完成、バクレンオー!」

 

「おいおい、ロボット対決かよ、だったら俺様の出番だな」

 

「グットストライカー、丁度良かったぜ!

今日は特別バージョンだぜ!」

 

そう言うと俺はダイノホープを、ソーマは竜二から受け取ったソニック、忍はスピア、マリアにグットストライカーを各々のVSチェンジャーとルパンチェンジャーにセットする。

 

「えっ何をするの!!」

 

「まぁ一緒に来るか、竜二、杏!」

 

「面白そうじゃない!」

 

「やってやるぜ!!」

 

【【【【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】】】】

 

【ダ・ダ・ダ・ダイノホープ!!】

 

【シ・シ・シ・シザー!!】

 

【ソ・ソ・ソ・ソニック!!】

 

【GO!ダイヤルファイター!!】

 

その音声と共にダイヤルファイターが巨大化すると、俺と竜二と杏とマリアはダイノホープに、ソーマはソニックに、ソーマはスピアに乗り込む。

 

『怪盗ガッタイム!

勝利を掴み取ろうぜ!』

 

その声と同時にグットストライカーは変形し、ダイノホープを中心に、ソニックダイヤルファイターは左腕に、右腕にはスピアダイヤルファイターが装着される。

 

「完成!ダイノルパンカイザー スピアナイト!!」

 

「その姿、あの忌々しい爆竜共を思い出させる!!」

 

その言葉と同時にハクレンオーは右腕のドリルを攻撃してきたが、すぐにソニックの盾で防ぎ、スピアで突く。

 

だが奴も盾になっている爆竜で攻撃を防ぎ、互いの攻防を繰り返し行う。

 

「うわぁ、結構迫力があるわね!!」

 

「少しは集中して、槍の動きを見て」

 

「そう言えば、マリアはガングニールを見に待っていたから槍の使い方は分かるんだよな」

 

「えぇ、というよりもまさか」

 

「俺、実は槍を使った事なくて」

 

「俺もだ」

 

「儂もじゃな」

 

「だったら、なんでこれを使ったのよ、もう!!」

 

そう言って、マリアが操縦してくれたおかげでなんとか互角で戦う事ができたが、決定打を与える事ができない。

 

「このまま潰してくれるわ!!」

 

「だが、俺達は槍の使い方は無理でも」

 

「こういうのは得意なんだよな」

 

それと同時に盾になっていたソニックに新しく刀が生え、バクレンオーが仕掛けようとしていた攻撃を上空へと飛ばし、怯んだ姿をマリアは逃さなかった。

 

「これならば!!」

 

その言葉と共にスピアで一気に攻め込み、後ろへと倒す。

 

「ぐぅ!!」

 

「とどめだ」

 

その言葉と共に俺達は立ち上がり、VSチェンジャーを取り出し、バクレンオーに狙いを付ける。

 

「グットストライカー 炎のドリルで削っちまうぜポーク」

 

その言葉と共にダイノホープから溢れるばかりの炎がスピアダイヤルファイターに纏うと、それが巨大な螺旋となり、バクレンオーを一直線に貫く。

 

「そっ、そんな、この俺が、また負けるなんて!!

 

「永遠にアドゥ」

 

その言葉と共にバクレンオーの中にいたガルヴィディは爆発した。

 

「いや、まだのようじゃな」

 

「っ!!」

 

その言葉の通り、驚く事に目の前にいるバクレンオーは未だに残っており、膝を付き、こちらを見ていた。

 

「これは、どういう事かしら?」

 

「あれ、これって?」

 

困惑している間にも杏の目の前にはガルヴィディが使っていた武器が浮かんでいた。

 

「特典が、なぜ?」

 

「分からない、でも」

 

恐る恐る、それを掴むも杏の様子は変わる事なかった。

 

「あの、一応聞くけど、これってもしかして」

 

「あぁ特典が杏を選んだ、という訳だな」

 

「そんな事があるのか?」

 

「さぁな、こればっかりはな」

 

神様によって渡される特典はそもそも未知が多すぎる。

 

軽々と渡している神は多いが、それが想定を超えた現象が起きる可能性も考えていない。

 

「でも、このまま特典を持っていても」

 

そう杏は悩んでいるようだが、マリアは前に出た。

 

「私も詳しくは分からないわ。

でも、もしもバクレンオーがあなたを選ぶなら、それを正しく使えれば良いじゃないかしら?」

 

「マリア」

 

「私もこの力を、妹や雨宮からもらった。

それを正しく使いたいと思っていのだから」

 

「・・・そうだね、私も皆の役に立ちたいし、この子達だって、きっとそうかもしれない」

 

そう言うと先程まで敵対していたとは思えない程、大人しかったバクレンオーは叫び声と共に光の球に変わり、杏の武器の中に納まった。



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予告状54 死者への手向け

「ここのようだな」

 

セレナとマリアの再会、そして杏が無事に仲間に戻ってきて、一安心した所に俺の元に一つの手紙が来た。

 

別の世界から来た俺の存在を知っている人物は極僅かなはずなので、疑問に思い手紙を開くとそこには場所と時間の指定だけがあった。

 

罠の可能性もあったが、あえて乗る事にした俺は一人その場所へ向かった。

 

「なるほど、貴様がルパンレッドか」

 

「祐介」

 

そこに立っているのは白くボロボロの着物を着た青年がおり、それが怪盗団の一人である喜多川祐介だと分かるのは容易だった。

 

「ならば、これで心置きなく戦える。

さぁ武器を出せ」

 

「ちっ」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーを取り出し、奴を睨み付ける。

 

だが、そんな俺を見ていると、ふと奴は何か呆けた顔をした。

 

「おい、貴様、なぜ殺気を出さない?」

 

「てめぇから祐介を取り戻す為だよ。

仲間を取り戻すのが、俺の目的だからな」

 

「なるほど、そういう意味か。

だったら」

 

そう言うと奴は手に持っていた刀を地面に突き刺すと、手を広げてきた。

 

「どういうつもりだ」

 

「さっさと俺とこいつを分離させろ。

そうすれば心置きなく斬り合いができるだろう」

 

「そんな言葉を信じるとでも?」

 

「俺の望みはこの裏正に血を吸わせる事。

それを行うには、むしろこの身体は邪魔でしかない」

 

「ちっ」

 

例え罠だとしても、祐介の無事が望める可能性があるならば、やるしかない。

 

俺は警戒を高めながらも手に持ったダイヤルファイターを祐介に近づき、押し付けた。

 

そうする事で祐介から特典は離れ、先程まで祐介を支配していた特典が姿を現した。

 

「はぁ、これで心置きなく殺し合える。

さぁ貴様も姿を変えるが良い」

 

「分かったよ」

 

俺は祐介を近くに寝かせると、すぐにレッドダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする。

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイド】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

「やはり貴様はシンケンレッドと同じか。

ならば、心置きなく楽しめるな!!」

 

その言葉と共に奴の姿が変わり、現れたのは赤い骸骨の頭が特徴的な白い怪物だった。

 

俺はそれと同時にVSチェンジャーを構え、奴を見つめる。

 

「我が名は十臓」

 

「俺は連、ルパンレッドだ」

 

「ならば行くぞ、ルパンレッド!!!」

 

その言葉とほぼ同時に奴は一瞬で俺との距離を零にして、こちらに向けて刀を向けてきた。

 

俺はすぐにVSチェンジャーでその攻撃を防ぐが、奴はそのまま刀を後ろに下げて攻撃を再開してくる。

 

十臓の攻撃の一つ一つに確かな殺意を感じており、これまでの戦ってきた奴らの中でも純粋な剣術で追い込まれたのはおそらくは十臓が初めてだろう。

 

「面白い、シンケンレッドとは違う速さ!

これ程、血を沸騰させる戦いがあるとはな、なぁ裏正!!」

 

そう言いながら、攻撃の手を緩める事なく襲い掛かってきており、全ての攻撃が切り裂かれていく。

 

だが、攻撃が当たりそうになる度に、十臓はなぜか裏正へと話しかける事が多かった。

 

「十臓、なんで戦うんだ?」

 

「そんなの、戦いの中にある快楽を求めるだけだ」

 

「だったら、なんでさっきから裏正に話しかけるんだ?」

 

俺はふとした疑問をぶつけると、十臓は動きを止めた。

 

それだけで、俺の中にある疑問がさらに広がっていく。

 

「なぁ、十造。

あんたは本当にそれだけなのか?」

 

「どういうつもりだ」

 

「あんた、さっきから快楽しかないと言っているけど、俺にはそうは思わない」

 

「何をふざけた事を」

 

「ふざけてなんてないさ。

だってさ、あんた裏正の事、ずっと大切にしていたじゃないか」

 

「それがどうした?」

 

「本当の人斬りだったら、刀なんて大事にしないと思ったんだ。

だけど、あんたはその裏正じゃないといけない理由があるんじゃないのか?」

 

「裏正でなければ」

 

そう言い、裏正は見つめる十臓を見つめていた。

 

「がぁっ!!」

 

そんな話をしている間に後ろから何かに打ち抜かれた。

 

「何をやっている。

そいつを始末するのが俺達の使命だろ」

 

「貴様らは」

 

なんとか後ろを振り向くと、そこには俺達、スーパー戦隊のように同じ形をした6人の奴らがいた。

 

「ふっルパンレッド、最後だから名乗っておこう。

ネジレッド」

 

「ネジブルー」

 

「ネジイエロー」

 

「ネジブラック」

 

「ネジピンク」

 

「ネジシルバー」

 

「「「「「「邪電戦隊ネジレンジャー」」」」」」

 

「おいおい、ここでまさかの追加かよ」

 

「あぁ、我らはメガレンジャー達に復讐する為にこの世に蘇った。

その為には、こいつが必要だからな」

 

そう言い、ネジレッドはネジシルバーの肩を叩くと、変身は解除され、そこに出てきたのは

 

「双葉!!」

 

そこにいたのは双葉だったが、その目は明らかに死んでおり、生気がまったく感じられない。

 

「俺達5人の意識の再現はさすがに難しかったがな。

だがこうやって、戦わせる事はできるようになんとかした」

 

「てめぇら!!」

 

「おっと、ターゲットはそのまま大人しくしてなよ。

今、楽にしてやるから」

 

そう言い、ネジブルーは手に持ったトマホークを持ちながら近づいて来る。

 

「てめぇを倒したら、次はメガレンジャーだ!!」

 

その一言共に俺にトマホークが襲い掛かり、もう終わりかと思った。

 

だが、何時までも衝撃が来ず、眼を開けてみるとそこには

 

「なっ貴様、何をする!!」

 

そこにはトマホークを裏正で受け止めていた十造がそこにいた。

 

「なぜ我々の邪魔をする」

 

「俺はこいつとの斬り合いを楽しんでいた。

だが、貴様らが邪魔をするからな、邪魔な奴を切り捨てるのは同然だろ」

 

十造はそれだけ言うと、ネジブルーを切り裂き、吹き飛ばした。

 

「だが、我らは6人に対して、ルパンレッドと既に消滅しかけている貴様に何ができる」

 

「それはどうかな」

 

「祐介!!」

 

「俺の身体に再び十臓が使えば、せめてなんとかなるだろ」

 

「祐介、何を言っているんだ!!

そんな事をしたら」

 

「いいだろう。

こいつらを始末した後、再びはなれば良いだけだから」

 

「信じているぞ、連」

 

その一言で、祐介と十臓は手を握ると、そこに赤い光が包まれ、祐介は先程まで戦っていた姿へと変わった。

 

「貴様っ!!

ギャングラーを裏切るつもりか!!」

 

「俺はもともとははぐれ外道だ。

貴様達との戦いも楽しめるからな」

 

「ふっいけるか、ルパンレッド」

 

「あぁ、すぐに終わらせる」

 

「だが所詮は数はこちらが上、ならば「「それはどうかな!」」」

 

その言葉と共に現れたのは二人の影だった。

 

「あなた達は」

 

「ここではシンケンレッドと言わせてもらおう」

 

「俺はメガレッド、まぁネジレンジャーに狙っていた奴だと言えば良いな」

 

「メガレッド!!」

 

「よう、久しぶりだなネジレッド。

よくも俺の可愛い後輩を虐めてくれたな、たっぷりと仕返しさせてもらうぜ」

 

そう言い、メガ先輩は構えており、対して、シンケン先輩は何を思ったのか十臓を見つめていた。

 

「あの時以来か。

こうしてお前と再会するとはな」

 

「あぁ、本当ならば、あの時の続きをここで果たしたい所だが。

今は奴らが邪魔だ、この場は協力しろ」

 

「お前の口からそんな言葉が出るとはな」

 

そう言い、苦笑しながら改めてネジレンジャーに向き合った。

 

「グットストライカー、ぶらっと参上!

おうおう、なかなか面白い事になっているじゃないかよ」

 

「丁度良かった、これで」

 

俺はそう言い、グットストライカーをVSチェンジャーにセットする。

 

【3・2・1】

 

【MAKE A GAME!】

 

【アクション!】

 

その音声と共に俺は分身をし、先輩達と十臓が並ぶ。

 

「これで6対6、十分に勝機はあるようだな」

 

「なら、やるとするか」

 

「あぁ」

 

「「「ルパンレッド」」」

 

「メガレッド」

 

「シンケンレッド 志葉丈瑠」

 

「ふっ不破十臓」

 

「ふっ数が揃った所で、良い気になるな!!」

 

「それはこちらのセリフだ。

行くぜ、お前達のお宝、頂くぜ!!」

 

その言葉と同時に俺達は走り出し、ネジレンジャーもそれに合わせるように走り出す。

 

俺は先輩達に任せながら進み、ネジシルバーの前に行くと、ネジシルバーは武器を構え、襲い掛かる。

 

「双葉!!」

 

俺はすぐに攻撃を避け、ルパンソードで動きを封じると共に手に持っていたレッドダイヤルファイターをセットする。

 

だが、まったく解除されず、ネジシルバーの攻撃によって、吹き飛ばされる。

 

「ぐはぁ」

 

「馬鹿め、俺達を奪う事など不可能」

 

そう言いながらネジレッドはメガレッドを追い詰めながら

 

「これまでの特典とは、俺達は格が違う」

 

ネジブルーは十臓にトマホークで切り裂き

 

「貴様一人で解放するなど」

 

ネジブラックはシンケン先輩にエネルギー弾を浴びさせ

 

「「既に負けているのさ!!」」

 

ネジイエローとネジピンクによって俺の分身体が吹き飛ばされる。

 

「ぐっ」

 

「諦めるのか」

 

俺はどうにかしようと考えている時に十臓がこちらに叫んだ。

 

「貴様は俺との戦いでそのような腑抜けな気持ちで戦っていたのか!!

たった一度の失敗で、それ程に落ち込むのか」

 

「そんな訳ないだろ!!」

 

「ならば、見せてやれ」

 

「お前の覚悟を」

 

そう言いながら、メガ先輩とシンケン先輩は立ち上がり、言ってくれる。

 

「お前のこれまでの戦いを否定しない為にも」

 

「今、ここで倒れるんじゃない」

 

「はいっ!」

 

俺はそう言い、ネジシルバーを見つめる。

 

「一度で無理なら、二度!

二度無理なら、三度!

何度失敗したって、乗り越えてやるぜ!!」

 

俺はそう言い、ネジシルバーに向かい、走り、ネジシルバーがこちらに向けて放ってきた攻撃を避けると、同時にレッドダイヤルファイターを押し込み、さらにサイクロン、シザー&ブレード、マジックを押し付け、バックルのワイヤーでそれら全てを固定させる。

 

「なっしまった!!」

 

それと同時に全てのダイヤルファイターが鳴り始め、終わるのと同時にネジシルバーは後ろへと倒れ、代わりに双葉が現れる。

 

「双葉!!」

 

俺は急いで双葉を受け止めると、気絶しているようだが、無事な様子だ。

 

「ばっ馬鹿な!

そんな馬鹿な行動をするのか!!」

 

「へっお前達にとっては理解不能な考えでも、試したら上手くいったんだ」

 

「お前達は少し人間を舐めすぎだ」

 

そう言うとシンケン先輩はその刀に付いてるディスクを回した。

 

「烈火大斬刀」

 

「「「「「があぁぁ!!!」」」」」

 

その言葉と共にシンケン先輩の巨大な一撃によって、全てのネジレンジャーが吹き飛ばされ、それに合わせるように俺達はネジレンジャーに各々の武器を構える。

 

「大筒モード」

 

「ドリルスナイパーカスタム」

 

「なぜだ、ルパンレッドはなぜ」

 

「俺じゃないよ。

一緒に戦ってくれると決意してくれた祐介、力を貸してくれた先輩達。

そして十臓、そんな人達が協力してくれたから、ここまで来れただけだよ」

 

その一言を最後に必殺の一撃を与え、ネジレンジャーを倒した。

 

「このような最後なんて」

 

俺はそれと同時に十臓へ振り向く。

 

「続きをするか」

 

俺はそれだけ言うと、VSチェンジャーを構えた。

 

「その必要はない」

 

「えっ」

 

そう言うと十臓の身体から光が溢れていた。

 

「なっ」

 

「二度目の憑依など、どのよう物かと思ったが、このような結果になるとはな」

 

「確かにそうだけど」

 

「だが、このような最後も悪くはない。

人の時は外道に落ちる事で終わり、外道の時は裏正によって、終わった。

だが物としての最後は人を守る為に散る、落ちた者としてはなかなかだったがな」

 

そう言い、裏正を地面に突き刺すと、祐介の身体から出てきた十臓、そして見た事のない女性だった。

 

「ルパンレッド、感謝する。

俺が求める空白を見つけさせてもらって」

 

その一言を最後に十臓はこの世を去った。

 

「どうやら、俺達の役目はここまでのようだな」

 

「ルパンレッド、これからの道はお前が決めろよ」

 

そう言い、先輩達は新たなダイヤルファイターを渡し、姿を消した。

 

「未だに信じられない顔をしているようだな」

 

「祐介。

まぁ確かにそうかもしれない」

 

俺はそう言い、地面にへたり込むように座り、眠っている双葉に膝枕をしながら、空を眺める。

 

ふと、近くには祐介も座っており、俺は自然と口を開いた。

 

「俺はこれまで人々を助ける為に特典を盗んできた。

けど、やっぱり特典にも誰かの思いがあるかもしれないって、この戦いで実感したよ」

 

「どのような人間でも一つの心ではない。

かつてお前と共に絵を描いた時を思い出す」

 

「あぁ、そうだな」

 

もしかしたら、俺にとっては、あの出来事があったからこそ、無意識の内に考えたのかもしれない。

 

人は決して悪だけではない、善へと変わるかもしれない。

 

その事を知っていたからこそ

 

「俺はこれからもこの考えを曲げたくない」

 

「ふっどうやら、この世界でも創作意欲は欠きそうにないな」

 

「頼むぜ」

 

そう言い、俺達は握手を交わした。



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予告状55 吸血鬼反抗期

現在、活動報告で新しいアンケートを行っています。
皆様の応募、お待ちしております。


ルパンレンジャー、本来の仕事である転生者から特典を盗む仕事。

 

ギャングラーを中心に戦ってきたが、今回は早乙女から詳しい情報を聞いて、俺は転生者を探す為に路地裏を走り回っていた。

 

奴の情報は少なく、このような場にいる事が多いと聞くが

 

「にしても臭い場所じゃな。

とっと、終わらせたい所じゃ」

 

「そう言ってもな、転生者を探さない事にはな」

 

「分かっておるわ。

それよりも、雨宮、帰ったら儂にちゃんと付き合えよ!!

最近は怪盗団ばっかりで、儂に構っていないのだから」

 

「はぁ、分かったよ。

忍は時々子供っぽいからな」

 

そう言いながら、探索を進めていると、何やら周りから変な気配がし、振り替えるとそこには虚ろな目をした女性がまるでゾンビのようにこちらに近づいていた。

 

「どうやら、情報通りのようだな。

だったら、ここら辺にいるはずだ」

 

「あぁ油断はっ!!」

 

俺はそう言おうとした瞬間、急いで飛ぶと、そこには先程の女性と同じく虚ろな目をした忍が目の前に立っており、、忍はその手に持った刀をこちらに振り上げて、襲い掛かっていた。

 

それだけで何が起きたのか分かり、俺達は互いを見つめる。

 

「ソーマ」

 

「死ぬなよ」

 

その一言と共に、ソーマは近くにある壁を神器で壊し、俺達の間に壁を作り出し、俺は目の前にいる忍を見る。

 

先程まで異常がなかったが、このまま忍と戦うのでは女性達を巻き込む可能性があるので、俺は忍、ソーマは女性達を相手にする為に壁を作った。

 

「ふむ、ここまで上手くいくとはな」

 

「洗脳系統だな」

 

「正解だ、まぁ女性限定だがな。

それでも、これで十分だがな」

 

そうして出てきたのはチャラい印象を受ける男が出てきており、早乙女の情報通りならば、ターゲットで間違いないようだ。

 

「とりあえず、てめぇから倒させてもらうぜ」

 

そう言い、奴は忍に近づこうとしたが、俺はVSチェンジャーで撃つと忍はそれに反応して攻撃を防いだ。

 

「さて、てめぇは後だ。

まずは忍からだ」

 

「へぇ、仲間を殺す訳か?」

 

「さぁな、それはどうだろうな」

 

俺はそう言い、懐からシンケンダイヤルファイターを取り出し、VSチェンジャーにセットし、シンケン先輩の武器であるシンケンマルを取り出し、秘伝ディスクをセットする。

 

本当ならば変身を行いたい所だが、今の忍相手に変身できる時間があるかどうかも疑わしい。

 

幸い、ペルソナによって、身体能力は強化されているので、ある程度は戦えると思う。

 

そう考えている間にも忍はルパンソードを取り出し、構えると同時に走り出し、互いに刀による斬り合いが始まる。

 

だが忍が僅かに刀が重なった所で力を籠める事で俺は後ろにある瓦礫まで吹き飛ばし、一瞬で距離を詰めてくる。

 

「くっ」

 

俺はすぐにVSチェンジャーによる牽制を行うも、忍は容易く攻撃を避け、VSチェンジャーを持っていた左腕を吹き飛ばす。

 

「はぁ!」

 

痛みに耐えながらも俺はすぐにシンケンマルで斬りにかかるが、忍は俺の懐を蹴り上げ、上空高く吹き飛ばす。

 

そして、俺に向けてVSチェンジャーによる攻撃を行い、俺はなんとかシンケンマルで急所を外すが、大きなダメージを受けてしまう。

 

「ははぁ!!

これ程圧倒的とはな、まさに俺は最強の駒を手に入れた訳だ!!」

 

「っ!!」

 

奴の油断を見ると同時に俺はダイヤルファイターを奴に向けて投げるも、すぐに忍がそれを受け止める。

 

だが、チャンスはある。

 

「はぁ!!」

 

俺は同時に秘伝ディスクを回しながら、忍をすれ違うと同時に斬る。

 

「どうやら、弱っているようだがな」

 

そう言うと同時に俺は忍に首を掴まれる。

 

「ふったったそれだけの攻撃しかできないとはな。

まぁこれで邪魔なのは、あの青い奴だけだな」

 

奴は勝利を確信すると同時に笑いだし、それに合わせるように忍は俺の首元を噛みつく。

 

「ほぅ、まさに吸血鬼らしい奴だ。

吸うならば、全て吸い取れよ」

 

「そうじゃな、ついでにてめぇの特典もいただく」

 

「へっ」

 

その言葉と同時に俺を抱きかかえた忍は手に持ったダイヤルファイターを奴に押し付け、特典を奪い取る。

 

「ちぃ、厄介な奴あ取れたが、戦えるだけの特典は残ってしまったか」

 

「どっどういう事だ!!

なぜ俺の特典を奪った」

 

「ギャーギャー五月蠅いのぉ。

まったく、ほれ、立てるか」

 

「なんとかな、にしても変わらず痛いなぁ」

 

俺はそう言いながら、立ち上がり、シンケンマルをしっかりと構える。

 

「なっどういう事だ!

なぜ、貴様は腕があるんだ!!」

 

「ネタバレをするとな、この勝負は最初から忍に攻撃を当てた時点で勝っていたんだよ」

 

そう言うとシンケンマルに付いていた秘伝ディスクを奴に見せる。

 

「この秘伝ディスクには【反】の文字の力が刻まれている。

これは相手の力を跳ね返す力があるんだが、これは斬った奴の中にある力も跳ね返す事ができるんだよ」

 

「そして、吸血鬼化させて、腕を再生させた訳じゃよ」

 

「ふっふざけるなよ!!

よくも、俺の大事な特典を奪い取ってくれたなぁ!!」

 

その言葉と共に奴は空に手を翳し、叫んだ。

 

「生産属 特権 気象権 天候あられ!!」

 

その言葉と共に周りはあられが吹き荒れ、奴が指を指すと、俺達の身体は意図も容易く貫く。

 

「熱血馬鹿と音楽馬鹿から奪い取った力が二つ合わされば、貴様達を殺す事など容易い」

 

「ほぅ面白い事を言ってくれるな。

確かに俺達はお前を殺すつもりはないぜ」

 

「だけどな、例え殺す気がなくとも

 

「「てめぇに地獄を見せられる事はできるぜ!!」」

 

「へっ」

 

その言葉と同時に俺達はVSチェンジャーにレッドダイヤルファイター、イエローダイヤルファイターをセットする。

 

【レッド】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【1・1・6】

 

【【マスカレイズ!】】

 

「「怪盗チェンジ」」

 

【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンイエロー」

 

「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!!」」

 

俺達は名乗りを上げると同時にシンケンマルに別の秘伝ディスクを、忍の元にシンケンダイヤルファイターを投げ渡し、忍がセットすると、VSチェンジャーから新たな武器が出てくる。

 

「キョウリュウマル」

 

キュリュウマルが現れると共に、雄たけびを上げるキョウリュウマルから現れる赤い羽織を着る。

 

「モウギュウバズーカ」

 

そう言い、忍は片手でモウギュウバズーカを抱えながらも、VSチェンジャーをモウギュウバズーカにセットする。

 

「へっ」

 

奴がそれを見た瞬間、呆けている間に俺はキョウリュウマルを構え、降り注ぐあられを全てキョウリュウマルで切り裂き、その間にモウギュウバズーカを構えた忍が引き金を引く。

 

その瞬間、奴は簡単に宙に飛び、壁に打ち付ける。

 

「まっまだだ!!

俺には「傷を治す力があるんだろ」へっ」

 

「早乙女から聞いているよ。

てめぇが今までの被害者から訴えられないように、その力を使っている事もな」

 

「だから儂らは遠慮なくやらせてもらう。

あいにく、今の儂らは殺さないという以外に今は情けも容赦もない」

 

「だから、再生しろ。

その瞬間、痛みを与えてやるよ」

 

「やっ辞めてくれ、さっきみたいのをもぅ!!」

 

その言葉と共に奴は白目を向きながら、気絶した。

 

「この程度か。

あの程度の脅しで気絶するとは、小物のようじゃな」

 

「とにかく、回収するか」

 

そう言い、俺は奴から特典を盗み、その場で倒れる。

 

「にしても、今回は酷いやられようじゃな」

 

「そりゃあ、忍相手だから仕方ないだろ。

お前、俺達の中で一番強いのに」

 

「カカカッ、当たり前じゃ。

若造程度に遅れる程、儂は弱いつもりはないぞ。

まぁ少しは休んでおけ」

 

「分かった」

 

俺はそう言うと、その場でぶっ倒れ、寝る。

 

忍Side

 

儂の返答を聞くと共に雨宮は地面に吸い込まれるように倒れ込み、儂はそれを受け止める。

 

「まさかここまでになるまで戦うとはな」

 

そう言いながら、身体を見ると、吸血鬼の再生力を持っているとはいえ、それでも身体的な疲れは残っており、こうして泥のように眠っているのはその証拠だ。

 

「出会った頃から変わらぬな、この馬鹿は」

 

そう言いながら、儂は姿が幼女へと戻っていく中で雨宮を膝の上に乗せながら思い出す。

 

ルパンレンジャー、当初は自分の心臓を取り戻す為に入ったが、雨宮と出会ってからは大きく変わった。

 

無意識に出しているが、こいつは様々な物を引き寄せる。

 

それこそ、ルパンレンジャーになるという運命も、ソーマや儂のような仲間も、響達なども全てはこいつに引き寄せられているかもしれない。

 

「だからこそ、一緒にいても飽きないんじゃな」

 

これまで吸血鬼としての生きていた中で、これ程生きたという実感はなく、今の日々を手放すのは余りにも惜しい。

 

だからこそ、儂は自然と本来の目的である心臓についても考えなくなっているかもしれない。

 

「儂は、どちらが欲しいのかな」

 

本来の吸血鬼としての自分か、雨宮と共にルパンレンジャーとして戦う自分か。

 

それともまったく違う答えなのか。

 

「今は答えは出ぬな」

 

そう言いながら、儂は、そっと雨宮の頭を撫でていた・



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予告状56 翼のままに

「本当にここにいるのか?」

 

「情報によれば、間違いないのだが」

 

俺達はそう話し合いながらも、目の前にある焼き肉屋に目を向ける。

 

様々な情報から、俺の仲間の一人である新島真がこの店に出入りしているという情報を得て、ここに来たのだが、これまでのような雰囲気はないようだが

 

「とにかく入ってみるか」

 

そう言い、忍は店の中へと入る。

 

「いらっしゃいませ!!

何名様でしょうか」

 

そう言い、出てきた店員は

 

「真」

 

「雨宮君!!」

 

そこに出てきたのは間違いなく、真だった。

 

「どうしたんや、真ちゃん?」

 

そう言っていると、ひょこっと出てきたのは明らかに怪人の姿が出てきたが

 

「これは一体どういう事なんだ?」

 

「とにかく、店に入って。

彼の事も含めて話すから」

 

そう言い、罠ではないと確信し、俺達は店の中に入っていった。

 

「そうか、君達が噂に聞くルパンレンジャーだったか。

俺はもとボーゾックの元総統をしていたダイナモだ」

 

「それで、なんで真と離れているんだ?」

 

「そりゃあ、このままじゃ窮屈だったからな。

特典扱いはまだ終わっていないけど、それでもかなりマシだがな」

 

「その前になぜ、ギャングラーから抜け出したんじゃ?」

 

「俺はもうそういうのはやりたくなかったからな。

だから抜け出しただけだ」

 

「そうか、んじゃあ一安心だな」

 

そう言い俺はゆっくりと席に座り込んだ。

 

「真の安全も確認できたし、残る仲間もあと二人」

 

「えぇ、あとはモルガナと春ね」

 

それだけ言うと、俺は残りの二人の事を思い出す。

 

「そういえば、さっきのお客さんからなんか渡したい物があるって、これが」

 

「なんだって?」

 

ダイナモが何やら取り出し、疑問に思い、見ると何かのケースのようだが、忍はすぐに取り出した刀でケースを真っ二つに切り裂いた。

 

「なっなんじゃ!!」

 

「爆弾じゃ」

 

「いや、それよりもその刀よ」

 

「なに、爆発の衝撃を与える前に斬った。

それよりも、置いていった客というのは」

 

「あっあそこにいるコートだ!!」

 

ダイナモが指を指すと、こちらに気づいたのか、その場から消え去り、俺達は急いで後を追った。

 

「待て」

 

そこで俺だけが何かに引っ張られ、後ろを振り向くと、そこには先程のフードとは別の男だが

 

「悪いが何か用があるんだったら、後にしてくれ。

俺はあいつを追わないといけないんだ」

 

「その前に聞きたい。

お前はなぜあの特典を放っておく」

 

「何の話だ?」

 

「見た目は人間ではない、敵の可能性もある。

なのに、なぜ貴様はあそこまで信じられる?」

 

「別に大した理由はない。

真が信じていたから」

 

「彼女が?」

 

「俺は確かにダイナモの事については知らないけど、あの真は操られた様子もない。

だからこそ、本当に心から信用している、だから俺は信用した」

 

「それが偽りでもか?」

 

「偽りと考え疑うのも大切だが、信じる為に踏み込む事も必要だと思う。

姿形だけでは分からないしな」

 

「そうか、時間を取らせたな」

 

そう言い、目の前の男はフードを脱ぐと、そこにいたのは人間の顔ではなく鷹の顔であり、その手に握られていたのはダイヤルファイターだった。

 

「これは」

 

「俺達の力が込められたダイヤルファイターだ。

これをどう使うか、見せてみろ」

 

それだけ呟くと、その顔は白髪の男性へと変わり姿を消した。

 

俺はそのままダイヤルファイターを見つめると、他のダイヤルファイターにも反応があり、それを合わせると、新たなダイヤルファイターへと姿が変わった。

 

「もしかして、先輩の一人だったのか」

 

俺は突然の事で驚いたが、それよりも忍達の元へ急がないといけない。

 

「どこへ行っていた!」

 

「悪い、少し野暮用でな」

 

そう言い、なんとか追いつき、見ると何やら目の前にいる奴は余裕な表情でこちらを見ていた。

 

「予想よりも簡単に上手くいったようだな」

 

「どうやら、最初から俺達をここに追い詰めるつもりだったようだが、何のつもりだ?」

 

「なに、俺の憎い相手への復讐の為にまずは同じ力を持っているお前達を実験台にするつもりだからな」

 

そう言い、奴はこちらに構えた。

 

「俺達を練習相手にねぇ」

 

「そうだ、この私をデリートしたあいつらの力を使う奴らにな。

それにこの身体の力の実験にも最適だからな」

 

「身体、まさか」

 

「そう、この身体はお前達の仲間の一人である奥村春の身体だ」

 

どうやら、負けられない訳が一つ増えたな。

 

「二人共、これを使ってくれ」

 

そう言い、俺はダイノホープとカラクリニンジャを忍とソーマにそれぞれ渡した。

 

「おい、これは」

 

「さっきの野暮用でな。

少し本気で行くぞ」

 

そう言い、俺は先程手に入れた新たなダイヤルファイターを見せると、忍は不適な笑みを浮かべる。

 

「まったく、いつも予想外の事をするな」

 

「まぁ、それはそれで面白いがな」

 

そう言い、俺達は各々のダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする。

 

【フェニックス!1・0・6!スーパーマスカレイド】 【ダイノホープ!3・1・2・0!スーパーマスカレイド!】 【カラクリニンジャ!5・6・9・6!スーパーマスカレイド】

 

【フェニックスチェンジ!】【ダイノチェンジ!】【ニンジャチェンジ!】

 

【ルパンレンジャー!キエェェ!】【ルパンレンジャー!ガオォォォ!】【ルパンレンジャー!ドロン!!】

 

その音声と共に俺の背中のマントはまるで鳥を思わせる羽のマントへと変わり、左腕には赤い鳥の盾、足には車輪が付いた新たなルパンレッドの姿になる。

 

そしてソーマ、忍の色に合わせて、ダイノホープの色は青く変わり、カラクリニンジャも黄色へと変化する。

 

「なっなんだ、その姿は」

 

「ダイノルパンブルー」

 

「シノビルパンイエロー」

 

「フェニックスルパンレッド」

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー」」」

 

「えっどういう事なの?」

 

「俺は恐竜戦隊の力を使っている」

 

「儂は忍者のスーパー戦隊」

 

「そして俺は鳥に関係するスーパー戦隊の中でゴーオンジャー、ジェットマン、そしてさっき受け取ったジュウオウジャーの三大戦隊から力を受け取った姿だ」

 

「でも、ゴーオンジャーって確か車じゃなかったの?」

 

「俺が知っているカーレンジャーと同じだと聞いたが?」

 

「ゴーオン先輩のレッドの相棒のスピードルは空を飛べる鳥のような炎神だったから、それに関係しているかもな」

 

実際にゴーオン先輩の力を使わせてもらった時に、見た姿はまさに鳥だったからな。

 

「敵の前で易々と情報を開示して、馬鹿ではないのか?」

 

「別に得意気になっているお前を倒すのには十分だ」

 

「ふっ、ならばすぐに倒してやる」

 

そう言うと奴は懐から取り出したのは無数の機械の塊を投げると、そこから現れるのは何百という機械の兵士が現れ、俺達を囲んでいた。

 

「これ程の敵だとはな」

 

「反対にこれぐらいじゃないと盛り上がらないからな」

 

「あぁ、行くぜ!!

 

そう言うと俺達は走り出し、ソーマはすぐにドリルモードに変えると、周りの敵を全て巻き込む薙ぎ払う。

 

「なるほど、神器とは使い方は似ているから、使い勝手は良いな」

 

「そうじゃな、儂もこの刀は使い勝手が良いな」

 

そう言うと忍もカラクリニンジャを刀モードに変えると、一瞬の移動を行いながら攻撃を行っていき、一瞬で切り裂いていく。

 

「ぐっ」

 

「おらぁ!!」

 

奴がそれにより動揺している間に俺は一気に奴に接近すると、手に持ったルパンソードで接近戦を仕掛ける。

 

「ふむ、確かに未知数だがっ!!

これを使えれば、問題ないな!!」

 

そう言うと奴は全身から稲妻を出しながら、俺に攻撃を仕掛け、その姿を現した。

 

「あっあぁ、思い出した!!」

 

「何を思い出したの?」

 

「どこか聞き覚えがあるかと思えば、あいつ死の商人と言われているエージェント・アブレラだ!!

確かデカレンジャーにやられたと聞いたけど」

 

「ボーゾックの元総統ダイナモ。

私も貴様の噂を聞いて、驚いたぞ」

 

「そんなに有名じゃったのか、こいつは」

 

「あぁそいつは平和な星を遊び半分で襲い、滅ぼしてきたが、地球の侵略してカーレンジャーとの戦いによって、解散したと聞いたがな」

 

「そんなやばい事を」

 

「いっ今では焼き肉屋として真面目に働いているんだぞ!!

なのに、いきなり変な奴らに誘拐されて、この子の中に閉じ込められた」

 

「まぁ利害を一致して、逃げ出した訳」

 

「なるほど、それじゃあ、守る理由には十分だな」

 

「はっ何を言い出すかと思えば、私の言葉が嘘でも?」

 

「嘘かどうかは分からない。

でも、今のこいつは改心して、働いている、それを襲うんだったら、守るのが俺達だ」

 

「減らず口を。

だが、貴様らにこのアルティメットマッスルギアを着たアブレラ様に勝てるかな?」

 

「あんまり俺達を舐めるなよ!!」

 

その言葉と共に俺は再び空を飛ぶと、アブレラはこちらに向けて銃を放ってきたが、こちらの動きを予測するように当て、さらには予想以上の速さで接近し、強烈な一撃を与えてきた。

 

「貴様こそ、舐めるなよ。

このアルティメットマッスルギアにはハイパーマッスルギアに備えられていた全機能は勿論の事、それらの持ち主のデータによるアシストも加える事でその力は幾万にも倍増される、まさに究極のマッスルギアだ。

ただ飛ぶだけのお前の装備では勝てんぞ」

 

「そうかな?」

 

そう言い俺は周りにある煙を吹き飛ばし、一気に接近すると、奴の急所に向けてVSチェンジャーを放っていく。

 

「無駄な事っ!!」

 

そう言い、奴はこちらに向けて剣で斬りかかってくるが、俺はその剣の勢いに乗るように宙で避け、蹴り上げる。

 

「ぐぅ」

 

さらに攻撃を続けるが、俺は避けて、攻撃を続ける。

 

「えぇい!

どういう事だ、なぜ攻撃が」

 

「だから舐めるなって言っただろ。

てめぇの動きはもう見切ったぜ」

 

そう言うと俺は懐から取り出したダイヤルファイターを押し付け、春を救出すると同時に現れたアブレラを蹴り、真の所まで下がる。

 

「なっなぜだ!!

さっきまで攻撃が容易に当たっていたはず」

 

「空の飛び方がやっと慣れたからな。

高性能すぎると、なかなかに難しいぜ」

 

「まさか、先程からの俊敏性!!

それがその力の正体か!!」

 

「まぁネタバレするとな、このフェニックスはあらゆる速さを司るダイヤルファイターだ。

鳥のような速さも加え、速さに必要な要素のあらゆる事がな」

 

「そんな馬鹿な」

 

「どうやら、これで片付けられるようじゃな」

 

「まったくてこずらせる」

 

そう言った忍とソーマの後ろには既に大量の機械の残骸ができており、武器を構えている。

 

「くそ、こんな事では、これでは計画がパァーだ!!」

 

「そうか、だったら」

 

「さっさと」

 

「回収する」

 

「このままオメオメとあの時のようにやられてたまるか!!」

 

そう言い、奴が何かのスイッチを押すと、地面から何かの音がすると同時に出てきたのは巨大な機械の化け物だった。

 

「アルティメットマッスルギアと同時進行で開発した怪獣機で貴様達を踏み殺してくれるわ!!」

 

「何やら面白そうな予感につられてやってきたぜ!!

 

「丁度良かったぜ、行くぜグットストライカー」

 

「行くぜ」

 

そう言い俺はグットストライカーを、忍はマジックストライカー、ソーマはブルーダイヤルファイターともう一つ、新たなダイヤルファイターを取り出す。

 

【【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】】

 

【グ・グ・グ・グーッド!】

 

【マ・マ・マ・マジック!】

 

【ブ・ブ・ブ・ブルー!】

 

【ア・ア・ア・アックス!】

 

「怪盗ガッタイム!

勝利を掴み取ろうぜ」

 

その声と共にルパンカイザーへと姿を変え、これまでの姿とは異なる白と青のルパンカイザーへと姿を変わる。

 

「完成!ルパンカイザーマジック・アックス」

 

その声と共に腕に抱えた斧を抱えながら、グットストライカーが宣言した。

 

「奴らのロボとは随分違うようだが、俺がこの怪獣機だけだと思ったか?」

 

そう言うと周辺には戦車のようなロボが現れ、こちらに囲むように銃口を向けてきた。

 

「この人数、どう倒す!!」

 

「別に動かずとも、倒す方法は既にできている」

 

そう言うとルパンカイザーは右手を出すと、そこからカードが無数に現れると、それをロボの周りや周辺の建物に張り付ける。

 

それと同時に張り付けられた一枚のカードに向けて、アックスストライカーを投げると、カードに吸い込まれると、アックストライカーは別の場所にいた怪獣機を貫く。

 

「なに!!」

 

そして貫いたアックストライカーは別の建物に飛び出し、それがどんどんと続いていく。

 

「なっ何が」

 

「このマジックの能力によって、カードは別のカードへと瞬間移動させる能力がある。

さて、問題です。

全てのカードが移動する場所を一ヶ所に選びます。

さて、それはどこでしょう」

 

「まっまさか!!」

 

そう言い、奴は下を見るとそこには一枚のカードがあり、同時に周りの怪獣機が爆発し、その爆風はカードに吸い込まれ、奴の怪獣機にぶつかる。

 

「ばっ馬鹿な!!」

 

「グットストライカー ドミノ爆発ショー!!」

 

「「「永遠にアドゥ」」」

 

「こっこんなはずではっ!!」

 

その言葉と共に、奴は爆炎の中へと消えていき、ルパンカイザーの手元にアックスストライカーが戻ってくる。



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予告状57 この世界で

皆様、アンケート協力ありがとうございます!



クロウSide

 

巨大な画面に映し出されているのは先程まで戦っていたアブレラがやられる場面であり、それをこの場にいる僕とエボルト、そして僕達のボスはそれを見つめていた

 

「もう既に大半がやられたな」

 

「どうした、昔の仲間がやられて、寂しくなったのか?」

 

「別に、今の俺は人々が望む世界を作り出す、その為に行動しているだけだ」

 

そう言った彼は心底興味がないように言い、手に持った聖杯から一つ取り出すと、人の魂に入れて飛ばした。

 

これまで行われてきた光景とはいえ、未だに慣れない。

 

「そろそろ本腰を入れないと、あの世界は手に入れられないぜ?

といっても、お前の役目は変わっていないようだな?」

 

「俺は元より、世界の人々が望むようにするだけ。

大衆とは一致しない願いもある」

 

「ははぁ、これは怖いね。

大半が望んだ通りやって、外れてもどうでも良いように捨てる。

お前は狂っているよ」

 

「さて、それはどうかな。

明智、お前はどうするんだ?」

 

「僕としては彼らの活動は良いと思うよ。

彼らのおかげで魂の選別もやりやすくなっているからね」

 

「俺もだがな」

 

「そうか、ならば俺は少し寝る」

 

そう言い、彼はその場から離れていった。

 

「それじゃあ、俺も離れるとするか。

明智君も、そんなに詰め込まないようにな」

 

そう言い、エボルトもふらっと、その場から消えていった。

 

「彼は本当に変わっていないな」

 

僕はそう言いながら、画面の向こうで勝利を飾ったルパンレッドを見つめながら、言う。

 

「本当になんでこの世界になってしまったんだろうね。

不思議で仕方ないけど」

 

「それが運命という奴じゃないですかね?」

 

そう言っていると入ってきた友奈はそのまま窓の方へと向かった。

 

「私達のようなちっぽけな存在がどうこうできない巨大な物に操られ、全ての人間が望んでやっている。

どんなに生き返ろうともね」

 

「それでも彼らは抗った。

だからこそ、彼らは辿り着いたんだ」

 

「やっぱりあなたも望むんだね」

 

「あぁ、彼が神殺しの力を得る時をね」

 

雨宮Side

 

春に取りついていたアンブレラをなんとか倒す事ができた俺達はすぐに基地へと戻る事にした。

 

「んっ電話?」

 

そんな中、俺の電話が鳴った事に気になり、出てみると

 

「あっ連か!!」

 

「双葉、もう大丈夫なのか!!」

 

電話に出たのはなんと今は基地で休んでいるはずの双葉からだった。

 

「うん、今は休んでいて、さっきまで戦いを見ていた。

それよりも、さっき戦った場所の近くでモルガナがいた!!」

 

「モルガナ!!」

 

その言葉を聞き、俺は改めてモルガナの事を思い出した。

 

怪盗団を結成したきっかけでもあり、俺達を導いてくれた大切な仲間。

 

いつもは猫じゃないと言っており、竜二とは違う意味で相棒だったモルガナがすぐ近くにいる!!

 

俺はその言葉を聞き、急いで辺りを見回した。

 

すると、小さい黒い何かが動いているのが確かに見えた。

 

「急いで追いかける!!」

 

「気を付けて!!」

 

俺はそう言うと走り出した。

 

「どうしたんじゃ!!」

 

「怪盗団最後のメンバーが見つかった!!」

 

「マジでか!!」

 

「それってもしかしてモルガナ!!」

 

「あぁ」

 

モルガナの事を聞き、驚いた真は驚いており、俺も急いで走り出す。

 

「とにかく、見失ったらやばいから、俺は急いで向かう。

皆は春の事を頼む」

 

俺はそれだけ言うと、すぐに走り出し、モルガナがいたであろう場所を探る。

 

「確かに痕跡は残っているな。

だったら」

 

俺はそう言い、よく視線を凝らして、周りを見て、証拠を見つけると、その後を追っていった。

 

すると、そこにはこちらを振り返らず走っている黒猫がいた。

 

ビルの合間を入って、こちらの追跡を逃れようとしているが、俺は懐からボールを取り出すと、モルガナの行く先に向かって投げる。

 

「にゃぁ!!」

 

「スパイダーボール。

本来だったら、足止めや警備員を縛っておく為に使うけど、こうして道を防ぐ事に使えるようだな」

 

「連」

 

「久しぶりだな、モルガナ。

それとも、その身体を乗っ取っている奴か?」

 

「どちらも正解だ」

 

そう言うとモルガナは立つと、そのまま黒い瘴気が出てくると、モルガナの背後に出てきたのは銀色のスーツを着た男がいた。

 

「俺がこいつに憑いている特典、まぁお前達で言うと闇の皇帝Zだ」

 

「Z」

 

聞いた事のない名前だ、だが奴から感じるのは、これまで戦った中でも一番やばい気配している。

 

だが気になるのはモルガナは見た感じだと、真のように和解しているようだが、なぜ逃げるんだ?

 

「久しぶりだな。

お前の活躍はいつも遠くで見ていたぜ。

あの時の怪盗団とは違って、凄い活躍をしているのは関心したし、仲間を救っているのも知っている」

 

「そこまで見ていたのか、だったら」

 

「だけどな、悪いな、連。

吾輩はこのままZと一緒に戦う」

 

「どういう事だ?」

 

「お前も気づいているだろ、ギャングラーの力の巨大さを。

だからこそ、お前達を巻き込まない為に俺達だけで蹴りを付ける」

 

「何を言っている!

皆で力を合わせれば「無理なんだよ!!」っ!」

 

「お前は絶対に勝てない。

ギャングラーのボスは、吾輩が見た中でも最強の存在だ」

 

そう言って、身体を震わせているモルガナは見た事なく、自分の存在が分からなかった時の恐怖とまた別の事だと分かる。

 

「だからモルガナ、お前だけ戦わせるのか?」

 

「吾輩は本来は人々を導く為に作られたシャドーのような存在だ。

Zは世界を闇へと包もうとするが光を求めた存在、吾輩達は他の怪盗団に比べて、相性は良く巨大な力を得た」

 

「だからこそ、俺達は奴を封印する。

恐らくは敵わないが、それでもお前達の世界にこれ以上転生者を送る事を阻止する事はできるだろ」

 

「だから頼む。

連、吾輩はお前達の元には「そんな事知るか」連!」

 

「モルガナ、お前が俺達の為に犠牲になろうとしている気持ちも分かるし、Zも良い奴だってなんとなく分かる。

だけどな、俺達はお前が犠牲になった未来なんて望んでいない!

俺達は今もそして前の心の怪盗団の時だって、一緒に望んだ未来の為に戦っただろ!!」

 

「だが、ギャングラーのボスはお前が想像以上にやばいんだ!」

 

「俺達はもう心の怪盗団だけじゃない。

ルパンレンジャーの仲間、響や友奈に飛鳥、他にも沢山の人々と協力すれば、不可能だって可能になるさ!!」

 

「だけど、俺達はもう止められない!!」

 

「吾輩達はすでに覚悟を決めているんだ!!」

 

「だったら、止めてやるよ!

モルガナも、Zも、一緒に進める為にな!!」

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイズ!】

 

「怪盗チェンジ」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

変身が完了すると同時に俺はVSチェンジャーとルパンソードを構え、モルガナもその姿を怪人としての姿へと変わる。

 

「行くぜ!!」

 

俺はその言葉と共にVSチェンジャーで牽制を行いながら、接近するが、モルガナは軽々とそれを切り裂き、接近した所で放ったルパンソードの一撃も軽々と受け止める。

 

「はぁ!!」

 

「がああぁ!!

くっアルセーヌ!!」

 

受け止めると同時にモルガナの声と共に俺は吹き飛ばされ、近くの壁に押し付けれるが俺は急ぎペルソナを召喚する。

 

「メルクリウス!!」

 

だがアルセーヌの前に立ちはだかったのは青い身体をしたペルソナが現れ、アルセーヌが吹き飛ばされる。

 

「ぐぅ」

 

「やっぱり、今のお前じゃあ勝てない。

そのペルソナだって、前の姿に戻っている」

 

「確かに、アルセーヌの姿を見ている時、何か足りないと思った。

だけどな、モルガナ、それでも良いんだよ」

 

「何を言っているんだ!」

 

「もしも、今のこのアルセーヌが俺の真実なら、それを受け入れる。

だけど、それでも前に進んで、俺はもっと強くなってみせるから」

 

「そんなの「よく言った」この声は」

 

気が付き、振り向くと、そこには壁に埋もれていたアルセーヌがこちらを見つめていた。

 

「我は汝、汝は我。

汝が成長をするように、我もまた、汝と同じくして、成長する」

 

その言葉と共に、アルセーヌの身体が赤い炎に包まれ、そこに立っていたのは赤い機械となったアルセーヌがおり、こちらを見つめていた。

 

「我が名はルパンマグナム。

ルパンレンジャーとして戦った日々により誕生した新たな姿、使いこなす事ができるか?」

 

「へっ面白いじゃないか、来いルパンマグナム!!」

 

「良かろう!!」

 

その言葉と共にルパンマグナムはその形が変形し、こちらの手に収まる銃へと変わる。

 

「ペルソナが武器になった」

 

「ほぅ、なかなかに面白そうじゃないか」

 

その言葉と共に俺はVSチェンジャーで再び打つが、モルガナはそれを軽々と受け流す。

 

「そんなので、吾輩達を倒せるか」

 

「まぁな、でもこれはどうかな?」

 

俺は素早くルパンマグナムをモルガナ達に向けて、放つと、先程とは違い、モルガナは吹き飛ばされる。

 

「なっなんだ、さっきの一撃は!!」

 

「あれをまともに受けたらやばいな」

 

「これは凄いな!!」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーでの素早く攻撃を行っていき、隙が見えた瞬間、ルパンマグナムで一撃で確実にダメージを与えていく。

 

「くっそ、回復が追い付かねぇ!!」

 

「思った以上にやるな。

これ以上長引くのはこちらが不利だな」

 

そう言うとモルガナは剣を構えると、モルガナのペルソナから巨大な風が剣に集まりだす。

 

「フィナーレか、だったらこちらもだ」

 

俺はそう言うとルパンマグナムをVSチェンジャーにセットし、ダイヤルを回す。

 

【イタダキドストライク!】

 

「はあぁぁ!!」

 

俺達は互いに銃と剣を構え、全てが溜まり切った瞬間に攻撃した。

 

赤い光と黒い風がぶつかり合い、周りに被害が出ている中でも俺達は互いに引かずに放ち続ける。

 

やがて、光は風を貫き、モルガナ達に一撃を与えた。

 

「がぁ!!

 

モルガナ達はそのまま地面へと倒れ込み、俺はすぐにモルガナ達の元へと行き、ルパンマグナムを構える。

 

「勝負あったな」

 

「・・・そうだな、吾輩の負けだ」

 

その言葉で勝負が終わる事を悟り、俺はルパンマグナムを引く。

 

「正直、吾輩は負けないと思っていた。

前の世界で最後まで戦った時の強さを持っている吾輩なら、記憶を無くしていた連だったら勝てると。

けど違った、お前はこの世界でも成長し、今はもう前のお前なんかよりも強くなっているよ」

 

「モルガナ」

 

「悪いな、ここまで付き合わせて」

 

「別に良いぜ、俺も久しぶりに良いキラキラを見せてもらったからな。

しばらくは寝るとするよ」

 

そう言うと怪人の姿はなくなり、猫としてモルガナへと戻った。

 

「Zは」

 

「今は寝ている。

でもいざという時には力を貸してくれるからな」

 

「そうか、それでさっそくだが「ギャングラーのボスだろ?」分かったな」

 

「お前とは付き合いが長いからな。

でも覚悟しろよ、ギャングラーのボスはお前が想像しているよりもずっと厄介だ」

 

「あぁ」

 

「だったら聞け、ギャングラーのボス。

その正体は、お前だ」

 

そう言いモルガナが指したのは俺だった。

 



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予告状58 衝撃の真実

深夜テンションでここまで書きましたが、ぐだぐだな所もありますが、今後ともよろしくお願いいたします


怪盗団のメンバーが集まった頃、俺達は改めて怪盗団のメンバーを全員紹介する為にS.O.N.Gの本部にて自己紹介を始めた。

 

最初はぎこちない雰囲気が出るかと思ったが、ある意味、いつも通りと言うべきトラブルが起きて、それがきっかけでうち解ける事には成功した。

 

そう思った時、懐に仕舞っているVSチェンジャーが光り出すと共に俺達の目の前で謎の人物が現れた。

 

「あんたは」

 

「どうも、初めまして!!

俺の名前は伊狩鎧、またの名をゴーカイシルバー!」

 

「ゴーカイ先輩?」

 

「ゴーカイ先輩って、なんだか語呂が悪いな」

 

「それで、そのゴーカイジャーが何の用じゃ?」

 

「あぁ実は仲代さんから頼まれて、君達の師匠になってくれて頼まれたんだが

 

「師匠?

それに仲代さんって確かアバレ先輩?」

 

ダイノホープの力をくれたきっかけでもあるアバレキラーこと仲代さんが彼に頼んだとは一体?

 

「そうだ、俺の他にももう一人いるようだけど、それは俺が教えるとは別だからな。

まず、俺が教えるのはスーパー戦隊としての教えだ」

 

「あのぉ、聞きたいんだけど、そもそもスーパー戦隊ってなんだ?」

 

「そういえば、私達って、ルパンレンジャーやパトレンジャーは知っているけど、実際スーパー戦隊って知らないかもしれない」

 

「なんとっ!!

では、教えよう、スーパー戦隊とはなんなのか!!」

 

そう言うとゴーカイ先輩は張り切ったのか、USBメモリををパソコンに繋げて貰うと、画面に現れたのは

 

「赤、青、黄、緑にピンク」

 

「おぉ先輩達と私と調デス!!」

 

「そう彼らこそ、全てのスーパー戦隊の原点、その名も秘密戦隊ゴレンジャー!!」

 

「ゴレンジャー?」

 

「えぇ、彼らから41のスーパー戦隊が誕生し、今の君達怪盗戦隊ルパンレンジャーと警察戦隊パトレンジャーに受け継がれたんだ!!」

 

「パトレンジャーも?」

 

それを聞くと少しだけ嫌そうな表情を浮かべたマリアを始め、基地の人達は何名か納得のいかない顔をしていた。

 

「あいつらは、更生と言って人を殺しているのよ。

それなのに」

 

「確かに殺しはよくない。

だけど、彼らも人を救おうとしているのは変わりない。

つらいけど、時には殺す事も救いになる事もある」

 

「そんな訳ないだろ!!

それって、こいつらのやり方を「別にそれはそれで良いんだ」でも」

 

「ゴーカイ先輩は別に間違った事は言っていない。

だけど、俺は人を助ける為に殺さない為に戦いたい」

 

「それで合っている。

数多くのスーパー戦隊も様々な正義を持っていて、ぶつかった事も多くあったから。

というか、俺達ゴーカイジャーなんて、その最も例だけどね」

 

そう言い、パソコンを操作すると出てきた3つの映像にはゴーカイ先輩達と戦う3つのスーパー戦隊の映像が出ていた。

 

「ゴセイジャーは地球を守る力を取り戻す為にマーベラスさんと戦い。

ゴーバスターズは訳あって地球を攻めていた俺達と戦って。

ジュウオウジャーは自分達の大切な物を取り返す為に俺達と戦う。

スーパー戦隊はそれぞれの正義があって、それでぶつかって戦う事なんて多くある」

 

「正義と正義のぶつかり合いか」

 

「それでも手を取り合う事ができる。

それにこれを見てくれ」

 

そう言い、パソコンに出たのはスーパー戦隊達を助ける怪人の姿が見え、彼らと共に戦う姿もあった。

 

「かつて敵と一緒に戦う事だってある。

今は難しいかもしれないけど、いつか一緒に戦う時がきっと来るから」

 

「その時にならなないと、分からないな。

でも、ゴーカイ先輩、あんたの用件はそれだけか?」

 

「いいや、これは俺個人で君達に渡したかった物だ。

ギャングラーは数多くのスーパー戦隊と戦った敵を組織に取り込んでいる。

だから、これにはその多くのデータが入っている」

 

「凄い、これだけあれば対策ができる」

 

「そして、俺がこれから行うのは、ルパンレンジャー。

君達にこれらを渡す為でもある」

 

そう言い取り出したのはダイヤルファイターだったが、その大きさはグットストライカーと同じぐらいの大きさだが

 

「これは?」

 

「俺から手渡す力の一つだ。

この力はずばり怪盗団の皆の力が必要だって、仲代さんが言っていたけど、俺にはよく分からないんだけど」

 

そう言っていたが、俺はどのような使い方をすれば良いのか悩んだ。

 

「こっこれは!!

大変です!!」

 

「どうした!」

 

俺達がそう言っていると、突然藤尭さんが叫び、画面に出たのは

 

「予告状?」

 

「しかも巨大な」

 

上空で巨大な予告状が映し出されており、そこに書かれていたのは

 

『今夜、決着をつけよう。

場所は僕達が最初に出会った場所だ』

 

「あそこか」

 

「場所が分かったのか!!」

 

「あぁ、おそらくはこれがクロウとの最後の戦いになるかもしれない

 

「えっ」

 

俺達はすぐにクロウと最初に出会った場所に向かって飛ぶと、そこは更地になっており、俺達の世界ではテレビ局だった場所だった。

 

「待っていたよ、雨宮。

それに怪盗団にシンフォギアだね」

 

「てめぇ一人とはなかなか舐めてくれるなぁ」

 

そう言い、全員が殺気を出すが未だに余裕の表情を崩していない。

 

「いや、僕としてもなかなか緊張するよ、とは言え、同時に君達との戦いは楽しみでもあるけどね」

 

そう言い、クロウはこちらを挑発するように言ってくる。

 

「悪い、忍、ソーマ。

ここは俺達に任せてくれないか」

 

その言葉と共に、竜二達も前に出ると同時にその格好は心の怪盗団の衣装へと替わる。

 

身勝手かもしれないが、この戦いは前の世界との因縁を断ち切る為にも、俺達だけで戦わなければならない気がする。

 

「分かった、だが早く片付けろ。

儂は気が短いからな」

 

「やるなら、確実にやれ」

 

「あぁ」

 

俺はそう言い、クロウ、いや

 

「決着を着けよう、明智」

 

「なるほど、俺の事も思い出した訳か」

 

そう言い、明智は変装も解くと、そこに立っていたのは記憶で覚えている明智で間違いなかった。

 

「さて、これで僕の目的は達成させられたのは分かるね。

既に条件は揃った、君の力を頂くするか」

 

そう言い、クロウが取り出したのは黒いVSチェンジャーと黒いレッドダイヤルファイターだった。

 

「君と同じ土俵に立つ為に用意したんだ。

ここで決着をつけようか」

 

「良いだろ」

 

俺達はその言葉と共にVSチェンジャーにダイヤルファイターをセットする。

 

【【レッド!!】】

 

その音声が鳴り響くと、明智から鳴り響く音声はこちらの音声よりも不気味に鳴り響き、周りに響いた。

 

【【0・1・0】】

 

【【マスカレイズ!】】

 

「「怪盗チェンジ!!」」

 

【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】】

 

その音声と共に俺達は引き金を引き、変身が終わると、俺の目の前にいるのはルパンレッドの色が全て反転した姿がおり、もう一人のルパンレッドの姿だと思える。

 

「ふぅ、さぁショータイムだ!!」

 

「今度こそは勝ってみせる!!」

 

その言葉と共に俺達は互いに持っているVSチェンジャーで撃ち合いながら接近し、手に持ったルパンソードによる激突で、地面は抉れる。

 

「っ!!」

 

「はぁ!!」

 

互いの攻撃で吹き飛ばされると同時に俺達は互いのペルソナであるアルセーヌとロビンフットを召還し、激突を繰り返していきながら、俺はシザー&ブレードダイヤルファイターを取り出しセットする。

 

「それはさせないよ!!」

 

そう言い、明智の手に持っていたのがダイヤルファイターだと分かった瞬間、俺はマントで姿を隠して、掠ったが、その間に手に持っていたシザー&ブレードダイヤルファイターを奪われる。

 

「はぁ!!」

 

【シザー!怪盗ブースト!

ブレード!怪盗ブースト!】

 

その瞬間、明智の手には武器があり、こちらに向けてブーメランを投げてきた。

 

「だったら」

 

【マジック!怪盗ブースト!】

 

俺は急ぎ、手にマジックアローを放ち、ブーメランの軌道を変える。

 

「だけど、こちらの狙いは既に終わっているよ」

 

そう言い、前を見るとロビンフットがこちらに向けて矢を向けてきた。

 

「終わりだな」

 

「終わらせるかよ!!」

 

「俺達を忘れては困るな」

 

その言葉と共にロビンフットに向かって突っ込んできたのはキャプテンキッドとゴエモンが攻撃を防いだ。

 

「なっどういう事だ」

 

「聞いていなかったの!」

 

「彼は最初から俺達って言ってた」

 

「だから、私達怪盗団全員が相手だよ!!」

 

その言葉と共に杏達三人が、各々の銃を明智に向けて放ち、それを手に持っていたシールドで防ぐが

 

「怪盗から物を取るなんて、なかなかやるじゃないかよ。

でも返させて貰うぜ!」

 

「しまった」

 

その隙を逃さず、モルガナが手に持っていたワイヤーでシザー&ブレードを取り返す。

 

「というか重いなぁ!」

 

「全く無茶をするなよ」

 

「やっぱり、お前には仲間がいるんだな。

だがなぁ、俺ももう引けないんだよぉ!!!」

 

その言葉と共に明智は叫び、ロビンフットの表面が剥がれていき、そこに現れたのは明智のもう一つのペルソナであるロキだった。

 

そして明智のルパンレッドには氷の鎧が身に纏われ、まるでルパンレッドとザミーゴの二つの力が融合したような姿へと変わった。

 

「俺はお前達を倒し、その力を手にする。

そうして、俺の目的が達成するからな!!」

 

「明智、今度こそ、お前を生きて助けてみせる!!」

 

その言葉と共に、手に持っていたゴーカイ先輩から託されたダイヤルファイターが光ると、モルガナがそれを見つめた。

 

「なるほど、これがゴーカイジャーの言っていた怪盗団の力か!!」

 

そう言うとモルガナはダイヤルファイターに触れるとダイヤルファイターの色が赤くなる。

 

「皆、このダイヤルファイターに触れろ!」

 

「なんだか、分からないが、やってやるぜ!!」

 

その言葉と共に皆がダイヤルファイターに触れると、そこに現れたのは真っ赤に黄金の装飾がされたダイヤルファイターへと変わった。

 

「誕生、ジャックポットストライカー!!」

 

その声を聞くと共に俺はジャックポットストライカーをVSチェンジャーにセットする。

 

【7・7・7】

 

ダイヤルを回し、同時に引き金を引くと同時に俺の背のマントは仕舞われ、変わりに赤いコートを着ると同時に俺のマスクにはアルセーヌの目の模様が入る。

 

「決着をつけよう、明智」

 

「そうさせてもらうぜ!!」

 

その言葉と同時にアルセーヌをルパンマグナムへと変形し、明智へと向け、それと同時に周りに怪盗団のペルソナ達が現れ、そのエネルギーがルパンマグナムとVSチェンジャーに集まる。

 

対して、明智もロキを呼び出し、VSチェンジャーに黒いエネルギーを集め、こちらを睨み付ける。

 

「雨宮あぁぁぁ!!」

 

「明智いぃぃ!!!」

 

その言葉と共に俺達は互いの攻撃が火花を散らしながら、地面が割れていく。

 

引き金から手を離す事ができず、互いに睨み合っていた戦いの中、俺達は叫び続け、やがて互いのエネルギーが暴発し、辺り一帯には大きな光で覆われる。

 

「くっ」

 

「宝は」

 

「しまった」

 

「頂いたぜ!!」

 

俺はその言葉と共にダイヤルファイターを押しつけると、明智から特典を奪い取ると、手元へ来ると同時に明智の身体を纏っていた氷は溶け、俺は明智にルパンマグナムを突きつけた。

 

「どうやら、今度も僕の負けらしいな」

 

そう言い、明智はどこか満足げに倒れていた。

 

「それよりも教えろ。

お前達ギャングラーのボスの正体を」

 

「モルガナから聞かなかったのか?」

 

「モナちゃんから?」

 

「あぁ俺も正直びっくりした。

でもどういう事なんだ」

 

「それは普通はな。

でも案外簡単な話だ、ギャングラーのボスの正体。

それは雨宮連だからな」

 

「なっ、何を言ってやがる!!

こいつがそんな事をする訳ないだろ!!」

 

そう言い、竜二は明智の胸ぐらを掴む。

 

「あぁ、だけど彼ではない彼だったらどうだい?」

 

「それって、どういう意味?」

 

「君達はこれまで彼が正しい人間に見えたかい?」

 

「当たり前だ!!

こいつはいつだって誰かの為に動いていた、それは俺達やこの世界の奴らだって知っている事だぞ!!」

 

「そうだね、だけど、それが間違った考えに至る事もある」

 

「間違った考え?」

 

そう言うと明智が取り出したのはカメラだった。

 

「その画像を見れば、君達ならば分かるんじゃないかな?」

 

その言葉の真意が分からず、戸惑いながらも俺達はカメラの画像を見るとそこに映し出されていたのは

 

「なっこれ」

 

カメラの画像が気になり、響達もどんどん見に来るが、そこに映し出された画像は町の全てが暗い何かに覆われており、人々はそれを気にせずに歩いている異様な光景だった。

 

「私達が最後に戦った時の光景にそっくり」

 

「それってどういう事なんだ?」

 

「私達はこの世界に来る前の最終決戦で東京がこの姿になったのを見た。

その時は連が助けくれたけど」

 

「それが分岐点だったのさ。

あの時、彼は奴にこう選択を迫ったんだ。

世界を元に戻すとね」

 

「えっ」

 

「奴は様々な手を使い、誘惑したけど彼はそれを断った。

だけど、あちらの彼はその誘惑に負けた」

 

「それじゃあ、ギャングラーの正体ってまさか!?」

 

「もう一人の雨宮が作り出した世界」

 

その事実に全員が驚いている中で俺は気になる事があった。

 

「それじゃあ、明智お前は」

 

「あぁあちらの世界で消滅した仲間達の代わりに無理矢理蘇生させられた存在さ。

彼はその後の活躍によって、拡大させ、様々な世界で改心という名の侵略を行ってきた」

 

「でもそれで転生者と何の繋がりがあるんだよ?」

 

「怠惰を望んだ人間は、やがて自分中心を願いだした。

彼はその願いを叶える為に転生を行い始めたんだ。

望まない人を巻き込んでね」

 

「それじゃあ、これまでのギャングラーの転生者は全員その世界の住民という事?

それってやばくない!!」

 

「雨宮の世界の住人全員が転生者ならば、いくら何でも無理がありすぎる」

 

「しかしそれに対抗できる手段があります」

 

その言葉と共に現れたのはラヴェンツアが現れた。

 

「彼女は?」

 

「あっ、確か櫻井さんと一緒にいた子?」

 

「お初にお目にかかります。

私はラヴェンツア、トリックスターを導く存在です」

 

「それよりも、さっき言っていた倒せる可能性ってどういう事なんだ!!」

 

「邪悪な意思と共にあるトリックスターを倒す可能性があるのが、我らがトリックスターなのですから」

 

「雨宮君が!」

 

「そうだったぜ!

俺達はあいつを倒したんだ、今度だって」

 

「だけど、今はまだ無理です。

あの時、あなた達は怪盗団として、様々な絆を持ったからこそ発動できた力。

ですが、残念ながらあなた方の世界もまた」

 

「それじゃあ、お姉ちゃんも皆」

 

「ですが、我が主は最後の希望を託す為にこの世界への移動をする事ができました。

ですが、それが原因でこの世界を中心に世界は融合が始まってしまいました」

 

「俺が、次元融合の原因」

 

「だけど、このままじゃあ、ギャングラーにこの世界も取り込まれるんだろ!

だったら、早くギャングラーを」

 

「焦る気持ちも分かります。

ですが、奴らがこの世界に攻め込む事は難しいです」

 

「難しいの?」

 

「この世界は様々な世界が融合した結果、その衝撃波とでも言う存在がギャングラーの世界自体を遠ざけています。

世界の進行は避けられませんが、対抗できるだけの時間は稼げます」

 

「俺達はどうすれば良いんだ?」

 

「力を得る為には様々な試練を越えなければなりません。

そうすれば、いずれ神殺しの力を得られます」

 

ギャングラーの侵略を止める為には、俺が神殺しの力を得なければならない。

 

だからこそ

 

「それじゃあ、さっそく雨宮先輩の特訓開始デス!!」

 

「私達も強くならないとね」

 

その言葉を聞き、切歌と調は張り切りだし、皆も一緒に立ち上がる。

 

「・・・僕はどうやら「何をやっているんだ、明智?」えっ」

 

「一緒に行くぞ」

 

「なんで、僕は君達と敵対し、さらには多くの人を殺してきた、なのに」

 

「だけど、お前は俺を止めようとしてくれたんだろ?

それにお前の罪を償わせるのも俺達の役目だからな」

 

「まったく、君は本当に馬鹿だね。

でも、だからこそ僕は君を」

 

そう言い、何か言おうとしたが、言葉を飲み込んだ。

 

「分かった、僕も彼を倒す為に君達と協力しよう」

 

「という事は本当の意味で怪盗団復活だな!!

けど、竜二、お前だけ何も変わっていないだろ」

 

「なっ何を言っていやがる!!

双葉と春だって変わっていないだろ!!」

 

「いやぁ、私ってばあいつらのおかげで電子系がさらに得意になってね、今後はS.O.N.Gの基地でバックアップする事になったの」

 

「私は取り付いていてた人が残したデータが残っているから、それぐらいしか」

 

「そっそれじゃあ、本当に俺だけかよぉ」

 

そう言い、落ち込んだ竜二を中心に自然と笑みを浮かべながら雑談が始まり、俺達は新たな一歩へと踏み込んだ。



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予告状59 俺達は

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明智が俺達の仲間になった事でギャングラーの情報がより正確に分かるようになったが、幹部と同じ立場だったが、それでも情報は未だに不明な所が多かった。

 

「僕の持つこのVSチェンジャーも奴らが君達との戦いの研究の成果としてなんとか作成できた試作品だからね。

僕としては、僕以外真似事をするのは気に入らなかったし、彼を倒す時にこれがあれば厄介だったからね、研究データも全て消させてもらったから」

 

「なるほどな、だけどこれで他にルパンレンジャーが出てくる心配はない訳か」

 

「まぁね。

けど、奴らがいる世界も分からないけどな」

 

「お前は元々はあの世界にいたんじゃないのか?」

 

「厄介な事に、彼の屋敷に行くには案内人が来ないといけないんだ。

何度か仕掛けてみたけど、失敗に終わったけど」

 

「だが、敵の情報に味方が増えただけでも、現状は喜ばしい事だ」

 

「けど、これからどうするんだ?

怪盗団は全員集まって、神殺しの力をどうやって覚醒させるのか?」

 

「それについては大丈夫だ。

実はゴーカイ先輩がここからいなくなる前に「もう一人の師匠は少し時間がかかるらしい。

奴らとの戦いの前にはなんとかなる」って伝言があった」

 

「結局はそれ待ちか」

 

そう言いながら、これまでとは変わりない活動内容に少し戸惑いを感じながらも、僅かだが希望を持てる状況に全員が少し落ち着いた様子になっていた。

 

「んっこれは?」

 

そう言っていると、双葉がパソコンで何かを見つけたのか、操作を行い始めた。

 

「どうした?」

 

「厄介だ、私が作成したギャングラー探知機で奇妙な反応だ」

 

「何時の間にそんなのを」

 

「奴らに取りつかれているおかげで前以上に化け物スペックになったからな。

それよりも明智、こいつに見覚えは?」

 

そう言い、映し出されたのは女性一人と、明らかに人間とは思えない容姿をした奴にフードの男がいた。

 

「厄介だね。

彼らは単体でも厄介な能力を持っている坂本 龍華、巣手居 令男、それに辞在だ」

 

「どういう風に厄介なんだ?」

 

「龍華は一人でも様々な獣の力を操れるが、恐ろしいのはその頭の速さだ。

それに巣手居は他の人の姿を真似る事ができ、辞在は自由に物を作り出す」

 

「それじゃあ、ある意味どんな事に対処できるとんでもない奴らか!!」

 

「なるほど、奴らも本腰を入れてきた訳か」

 

そう言い、俺達は立ち上がり、VSチェンジャーを取り出す。

 

「行くのか?」

 

「ここでじっとしていても仕方ないからな。

やれる事がだけやってみるさ」

 

「そういう所は変わりないようだね」

 

そう言い、明智もVSチェンジャーを取り出す。

 

「大変です!

周辺で、アルカノイズが現れました!!」

 

「何っ!!」

 

「どうやら、奴らは本格的にかく乱する為に手を打ってきたらしいな」

 

「奴ら相手には最低でもルパンレンジャー全員でやらないといけない。

でも「大丈夫」えっ」

 

「雨宮君達はあの人達をなんとかして。

その間、私と翼さん、クリスちゃんでアルカノイズをなんとかするから」

 

「だけど、相手は相当な数だぞ。

しかも見た事のない奴らもいるようだが」

 

「それならば問題ない。

私達も遅れる訳にはいかないから、鍛錬を積み重ねてきた」

 

「お前達が見せてくれたのを参考にこっちだって面白いのができたんだから」

 

そう言い、響達がシンフォギアを発動させると、翼さんの姿はライダースーツ、クリスは龍に、そして響はなんと怪盗のように変わっていた。

 

「これは一体」

 

「なんか雨宮君達みたいになりたいと思ったら、この姿になっちゃって」

 

「シンフォギアには心象変化によって姿は大きく変わるからな」

 

「お前達を見ていて、強くなりたいと思った訳だからな」

 

「だから、任せておいて」

 

「分かった」

 

そう言い、響達にアルカノイズを任せて俺達は急いでダイヤルファイターに乗り込もうとすると

 

「お邪魔するデス!!」

 

その声が聞こえ、見ると切歌が入っていた。

 

「あれっ切歌に調、それにマリアも!!」

 

よく見ると、他のダイヤルファイターにも調とマリアが入っているが。

 

その答えを出すように明智が言ってくれた。

 

「最初に言ったよね、ルパンレンジャー全員でやらないと危険だって。

できないと諦めていたけど、響君達があそこまで強くなっていたのは正直に関心するよ」

 

「だから、私達も早く片付けて、助けに行く」

 

「・・・そうだよな、だったら早く行くぜ!!」

 

その言葉と同時にダイヤルファイターは加速し飛び、双葉の指示する場所へとたどり着く。

 

辿り着くと、既にこちらを捕らえていたのか、巨大な蛸の足が襲い掛かってくる。

 

「どうやら、さっそく歓迎のようだな、行くぜ皆」

 

「分かったデス!!」

 

後ろから切歌の声だけが聞こえるが、皆同じように言っているのだけが確認できた。

 

その掛け声と共にダイヤルファイターから飛び降りて、衝撃を和らげながら走って行くと、俺達に襲い掛かってくる蛸の足を交わしながら、俺達は各々のVSチェンジャー、Xチェンジャー、ルパンチェンジャーに変身アイテムをセットさせると俺達は各々の敵を相手にする。

 

俺と明智は目の前にいる女性の刀を受け止めながら、ダイヤルを回し、同時に彼女の下へと転がりながら避ける。

 

【【レッド】】

 

【【0・1・0】】

 

【【マスカレイド!】】

 

「「怪盗チェンジ!」」

 

【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】】

 

「ルパンレッド」

 

「ダークルパンレッド」

 

その声を合わせるように俺達は各々の手に持ったルパンソードを使い、女性の剣を絡め盗り、蹴り上げる。

 

一方、カセットデッキのような怪人へと姿を変えた男に対して、ソーマ、忍、石堂は奴の足から放たれた超音波によってできた地面の割れ目を避けながら、進んでいきながらダイヤルを回す。

 

【ブルー】【イエロー】【エクスナイズ】

 

【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【マスカレイド】】

 

「「「怪盗チェンジ!!」」」

 

【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】】【怪盗Xチェンジ】

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「ルパンエックス」

 

3人は変身が完了すると同時に、手に持っていたVSチェンジャー、Xチェンジャーで怪人に向けて銃弾を放つ。

 

そして身近にあった物を次々に鞭へと変えて、マリア達に向けて放っていた男に対して、マリア達は持ち前の身体能力で軽々と避けながら、シンフォギアをルパンチェンジャーにセットする。

 

【グリーン】【ピンク】【ホワイト】

 

【0・9・6】【0・1・9】【0・4・6】

 

【【【マスカレイド!】】】

 

「「「怪盗チェンジ」」デス」

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】】】

 

「ルパングリーンデス」

 

「ルパンピンク」

 

「ルパンホワイト」

 

その宣言と同時に手に持っていたルパンチェンジャーを変形し、専用武器にすると同時に戦い、様々な方向から攻めて吹き飛ばす。

 

全員が変身を完了すると同時に俺達は一ヶ所へと集まり

 

「怪盗戦隊」

 

「「「「「「「「「ルパンレンジャー!!」」」」」」」」」

 

「てめぇらのお宝、纏めて頂くぜ!!」

 

「奪えるのならば、奪って見せろ!!

ステイ、ジザイ!!」

 

「あいよ、姉さん」

 

「準備はできているぜ」

 

その言葉と共にステイは取り出したカセットテープを自分の身体にセットすると、ジザイの背中を触れる。

 

すると、その姿は変わっていき、そこに立っているのは俺の姿だった

 

「なっ何デスか今のは!!」

 

「姿が変わった。辞在はさっきみたいに物の形を自由自在に変える。

そしてステイは自分にセットした能力を完全再現する事ができる」

 

「つまり、目の前にいるのは本物と同等の偽物な訳ね」

 

「聞けば、ルパンレッドはお前達の中でも最強の存在。

ならば、その俺がお前達に倒せる訳ないからな」

 

そう言い、ステイはVSチェンジャーをこちらに向けて放ってくるが、同時に俺の手元にはジャックポットストライカーが来た。

 

「待たせたな!!」

 

「あぁ行くぜ!!」

 

【7・7・7!怪盗ブースト】

 

その音声が鳴ると、俺は光に包まれ

 

「「「まさか、もう一度この姿になれるとはな」」」

 

「なっそれはまさか!!」

 

たった一度だけの変身した姿で、あまりにも強すぎる為に二度と使用できないと思っていたが、ジャックポットストライカーの力により安定した合体が可能になり、二人との合体も可能になった。

 

「「「あえて言うならば、ルパントリコロール参上!!」」」

 

「くっだが、それがどうしたんだ!!」

 

そう言うと向こうのルパンレッドの手は様々なダイヤルファイターを模した武器に変化し、他の転生者も武器を構えてきた。

 

一瞬だけだが

 

「隙がありすぎるぜ」

 

俺は手に持ったルパンソードを抜刀術の応用で作り出した空気の刃で全てを無力化させる。

 

その隙を逃さなかったダークルパンレッドとエックスは俺の刃に隠れるように女性の背後に飛ぶと同時に蹴り上げ、手にはダークルパンレッドはVSチェンジャーを、エックスはエックスロッドソードを構える。

 

「やらせるかっ」

 

「遅すぎるわ」

 

「えっ」

 

ジザイはそう言い周りを見ると、左右には既にグリーン、ピンク、ホワイトがそれぞれ変形させた武器を構えていた。

 

「これは罠だったのか」

 

「そんなもんじゃない!

ただ単に合わせただけだ」

 

その言葉と共に俺達は各々の武器から必殺技を発動する為に光が集まり、構える。

 

「スぺリオンソード」

 

その声と共にエックスは斬撃を放ち、グリーン、ピンク、ホワイトは各々武器が合わさった巨大な刃が放ち、ダークルパンレッドの巨大な黒い弾丸が、そして俺達の3色の巨大なエネルギー波が前後左右全ての方向を襲う。

 

「くっくそおぉ!!」

 

その叫び声と共に奴らの特典は上へと舞い上がり、同時に回収した。

 

だが

 

「まだだぁ!!」

 

爆発の中から現れたのは巨大なラジカセ型の怪人が現れた。

 

「どうやら、まだまだ諦めが悪いようだな!!

だったら、行くぜ!!」

 

そう言うと共にジャックポットストライカーを装着したVSチェンジャーを再度回す。

 

【GET SET READY?】

 

「行くぜ!!」

 

その音声と共にジャックポットストライカーは巨大化し、同時に俺達は自分のダイヤルファイターを巨大化させ、乗り込む。

 

「怪盗ガッタイムだぜ!勝利を奪い取ろうぜ!!」

 

モルガナがそう言うと共に姿が変わり、その姿はルパンカイザーと似ているが、背中から生えた赤い翼と頭にある金色の冠、そして黄金の剣があり、ルパンカイザーとは違う姿へと変わっていた。

 

「完成!ルパンレックス」

 

その宣言と共に周りを見ると

 

「竜二達はこういう感じなのか!!」

 

「まぁな」

 

「なかなか快適だぞ」

 

俺は後ろを見ると、横一列のソファで、各々の怪盗衣装へと着替えている竜二達がおり、おそらくはジャックポットストライカーの合体時にはいつもこんな感じだろうか?

 

「俺達も忘れるなよ!!」

 

「えっ!!」

 

突然聞こえた声で見ると、そこにはエックストレインが走っていた。

 

「それじゃ、手筈通り行くよ」

 

「「「「エックス合体!!」」」」

 

「えっ」

 

その声と共にエックストレインは合体すると

 

「「「「完成!エックスエンペラースラッシュ!」」」」

 

「まさかグリーン達も!!」

 

「そうデス!

せっかくの巨大ロボット、乗らない手はないデスからね」

 

「お前達だけに無理はさせないからね」

 

どうやら、エックスエンペラーには石堂以外にも切歌達も乗っているようで、その様子はは最初に見せた時よりも力強い印象がある。

 

「さぁ、早く行くぜ」

 

「分かった!!」

 

俺はそう言うと共にルパンレックスは宙へと飛び、その手に持っている剣を構えてステイに向かっていく。

 

「があぁあぁぁ!!」

 

だが、ステイは背中から取り出したカセットをセットすると、その姿は全身が黒く、眼と胸が赤く光っている巨人へと変わり、手に召喚したのは漢字が炎、水、岩、嵐と書かれた剣を召喚した。

 

「その姿がなんだか分からないが」

 

「今の俺達は」

 

ルパンレックスの剣を弾くと、エックスエンペラーが胴体を切り裂く。

 

それにより、剣を手放してしまうも、奴はそのままエックスエンペラーに向けて構える。

 

「ぐっぐぅ!!

ダークオリジウム光線!!」

 

エックスエンペラーに向かって放たれた一撃を防ぐ為に、俺達が前に出ると

 

「私の出番ね」

 

「頼むぜ」

 

そう言うと春が前に出てくると、その仮面を外す。

 

「ミラディ!

マトラカーン!!」

 

その言葉と共に翼にピンク色の光が覆われると、こちらに向かっていた攻撃を受け止めると同時に全てを奴に向かて跳ね返る。

 

「はっ跳ね返っただと」

 

「さぁとどめだぜ!!」

 

その言葉と同時に上空と飛ぶと、竜二達は全員が仮面を取る。

 

それによりルパンレックスの背後には竜二達全員のペルソナが現れ、剣を上に向けると、剣に全てのエネルギーが集まり七色に輝き始める。

 

そしてエックスエンペラーもその腕には緑、ピンク、銀、赤黒の4色の光が集まり、同時に向かっていく。

 

「ファントムシーフ・スラッシュ!」

 

「シンフォギア・トリプルスラッシュ!」

 

その言葉と共に俺達は一斉に奴に必殺の一撃を放ち、今度こそとどめを刺した。

 

「確かに特典を頂いたぜ!!」

 

背後の爆発を確認すると共に戦いが終えたのを確認すると、丁度連絡が来た。

 

「おう、双葉、どうしたんだ?」

 

「大変だ!!

今、結構やばい事になっているぞ!!」

 

「えっ」

 

双葉からの連絡が何を意味しているのか、俺は聞くがそれは驚くべき内容だった。



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予告状60 俺達の敵は

「くっ」

 

IS学園にて敵の知らせを受け、バン君達がその世界へ向かったのと同時に、六課本部を始め、周辺にて謎の敵が出現し、その対応をしていた。

 

その数の多さもそうだが、全身が銀のゴーレムのような奴らは魔法攻撃が効きづらく、シグナムやヴィータも対応しているけど、数はなかなか減らない。

 

私もなんとか応戦しているが、予想以上に魔力の消耗が激しく、既に立っているだけでも限界でなんとか杖で立てているが、何時敵が襲いかかってくるか分からない。

 

「けど、敵の目的は一体?」

 

これだけのゴーレムを操る事ができる奴だったら、これまで確認しても可笑しくない。

 

それなのに、なぜバン君達がいなくなった、このタイミングで襲撃を仕掛けてきんや?

 

「まさか戦力の分断が目的でっ!!」

 

バン君達がいなくなったこのタイミングなら、転生者にとっては邪魔なく管理局を制圧できる。

 

「さすがは隊長だけあって、状況を掴むのは早いようですね」

 

「そらぁどうも」

 

私の言葉に拍手を送るように出てきた男に対して、皮肉も交えて言うが、その男の背後には周辺で暴れているゴーレムと同じのが大量におり、今回の事件の犯人だと思われる。

 

「あんたが、この事件の犯人のようやな」

 

「まぁ犯人というのには間違いないがね」

 

「あんたの目的はなんや」

 

「目的か、まぁ簡単な話だよ」

 

そう言うと奴は笑みを浮かべながら手から取り出したのは金があったが

 

「ビジネスだよ」

 

「ビジネス?」

 

襲撃をしてきた転生者は笑みを浮かべながら答えた。

 

「これのどこがビジネスや!!

沢山の人を傷つけてっ!!」

 

「そう、これだけの被害を出すにはそれだけ高い戦闘力が必要になる。

それも世界を管理すると言うだけある管理局の支部を簡単に崩せる戦力が手頃な値段で買えるとすればどうなる?

答えは簡単だ、飛ぶように売れるのさ」

 

そう言い、奴は狂ったように笑い出した。

 

「商品が売れれば、それから守る為に同じのを買う。

そしてそれによって破壊されれば、また守る為に商品は売れる、これ程簡単なビジネスはないがね?」

 

「狂っとる!

あんたは狂っとる!」

 

「金が手に入るならばこの程度狂っても惜しくはないさ。

さて、私はビジネスの為にあなたには死んでもらうとする」

 

そう言い、奴は手を前に出すと、銀色のゴーレムが雄叫びを上げながら、こちらに迫ってくる。

 

「ここまでっ」

 

そう諦めていた時、私に向かっていたゴーレムが突然巨大な穴が開いた。

 

「なにっ!?」

 

何が起こったのか分からず、私は後ろを見ると、そこには赤いコートを身に纏い、マスクで素顔を隠しているけど、手に持っている赤い銃を握り締めている

 

「雨宮君」

 

私にとって、弟のような存在だった彼が来ていた。

 

「貴様、一体何者だっ!!」

 

「世間を騒がす怪盗だ」

 

そう言い、雨宮君は手慣れた動きで一枚のカードを取り出し、奴に向かってカードを投げる。

 

慌てて転生者はそのカードを取り、見つめる。

 

「予告する、あんたのお宝頂くぜ!!」

 

そう言い、先程の銃とは別にバン君達が使っている物と同じ、VSチェンジャーを取り出すと赤い飛行機型のダイヤルファイターをセットする。

 

【レッド!】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイド!】

 

「怪盗チェンジ」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!】

 

その音声が鳴り響くと、彼の姿はルパンレッドへと変わっていた。

 

「くっ、だが貴様一人ならば、なにっ!!」

 

奴は急いでゴーレムを呼び出そうとするが、動きを止めて、驚いていた。

 

何が起きたのか現場を見てみると、そこには各地で暴れていたゴーレムを相手に戦っている他のルパンレンジャーがいた。

 

それを確認すると、雨宮君はゆっくりと歩きながら、指を鳴らす。

 

「ルパンレッド」

 

それに合わせるように、ルパンブルーは手に持った巨大な剣をゴーレムに叩きつけ、同じく指を鳴らす。

 

『ルパンブルー』

 

大量のゴーレム達の中を擦り抜けながら、VSチェンジャーで打ち抜いていき、余裕を現すようにルパンイエローも指を鳴らす。

 

『ルパンイエロー』

 

そしてこれまで見た事のない緑とピンクのルパンレンジャーは互いの武器を合体させると、目の前にいた巨大化したゴーレムを一刀両断に切り裂いた。

 

『ルパングリーンデス!』

 

『ルパンピンク』

 

そして先程まで戦闘ができない程にボロボロになっていた職員達をゴーレムから守るように白いルパンレンジャーが小型のゴーレムを次々と打ち落としていく。

 

『ルパンホワイト』

 

そして私の後ろから雨宮君に続くように背後から近づいてきたのは、Xチェンジャーを使って変身した銀色の怪盗と、雨宮君のルパンレッドの色が反転したようなルパンレンジャーが出てくる。

 

「ルパンX」

 

「ダークルパンレッド」

 

全員が名乗りを終えると、まるで全員の動きが分かるようにマントを翻し、各々がポーズを取った。

 

「「「「「「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!!」」」」」」」」

 

その叫びはこの場にいた全ての人々に伝わっており、驚きで目を見開いた。

 

「なっなぜだ!

ルパンレンジャー、なぜ貴様達は敵をわざわざ助けるんだ!!」

 

「敵?」

 

「あぁ、貴様とパトレンジャーは敵対関係だ。

そしてパトレンジャーは管理局と手を組んでいる、ならば、貴様達にとっては敵のはず!!」

 

そう、私達はパトレンジャーと手を組んでいる。

 

転生者の脅威から人々を守る為に、でもそれは同時にルパンレンジャーと敵対している事になっている。

 

身勝手なのは分かっているけど、私にとって大切な存在を捕まえる事が付きつけられたように私は涙を流しそうになる。

 

「勘違いするな」

 

「なに?」

 

「あいつらは確かに俺達の邪魔をして、少なくとも好感を持てる相手じゃない。

だけど転生者をなんとかしたいという思いは認めている、やり方は気にくわないが」

 

「俺達はこの世界で生まれた彼らを殺す事に反対しているだけだ」

 

「万人に受けいれるやり方ではない事も分かっているし、パトレンジャーはそれを認めないし、僕達も認めるつもりはない」

 

「だけど、あいつらは邪魔者であって、敵じゃない。

俺達の敵はお前達のように何の関係ない人を不幸にする転生者だ。

その罪を生きて償わせる為に俺達は戦うだけだ」

 

「なるほど私には理解できない内容だ」

 

「だから言ったら、理解してもらうつもりはさらさらないとな。

それになによりも」

 

そう言い、雨宮君はこちらを見た。

 

「守りたい人の為に戦うだけだらな」

 

「っ!!」

 

その言葉を聞いて、私の中では確信を持ってしまう。

 

やっぱり、彼は根っこは何も変わっていなかったのだとっ!!

 

「不愉快だ、正論など興味はない。

貴様達はここで死ぬだけだからな」

 

そう言う奴は懐から取り出したのはビーカーだと思われるが、それを地面に垂れ流すと、そこから出てきたのは先程のゴーレムのように銀色の塊だが、ゴーレムのように決まった形ができていない。

 

「私最大の武器だ、特と味わってくれたまえ」

 

その瞬間、塊は形を変えて、無数の針となってこちらに向かっていき、私達を取り囲むように襲い掛かってくる。

 

だが、その攻撃を読んでいたように、雨宮君は私を抱きかかえて跳びながら、攻撃を避けていた。

 

「ちょ、待って雨宮君!!」

 

「えっ」

 

「あっ」

 

思わず恥ずかしくなって言ってしまった言葉に驚いたルパンレッドは呆けてしまったが、動きは止まらず避けていた。

 

「俺の正体を何時」

 

「・・・今はその時やないやろ」

 

「分かった」

 

一瞬だけのやり取りだけ行った後、雨宮君はそっと近くの場所に降ろしてくれた。

 

「あんたは限界だろ、そこで休んでろ」

 

「雨宮君、気をつけて」

 

「・・・行ってくる」

 

それだけのやり取りを終えると、雨宮君は先程の転生者の元へと走り抜けながら、他のルパンレンジャーと合流して戦い始める。

 

敵の攻撃は先程のように針になって襲いかかるだけじゃなく、雨宮君達が放った攻撃の数々を直前で防ぐなど、攻守において隙がなかった。

 

そんな中でも速さでは雨宮君の方が有利で、先程から攻撃が掠りもしていない。

 

「同時攻撃だ、ジョーカー」

 

「分かった、クロウ」

 

雨宮君はダークルパンレッドの声に答えると共に、その動作はまるで顔についている仮面を取り外すような動作に見える。

 

「アルセーヌ!」

 

「ロビンフット!!」

 

同時に雨宮君からデータにあった黒い怪盗のような生命体とダークルパンレッドの後ろから出てきたのは雨宮君のとは正反対の白く騎士のような生命体だった。

 

まったく別のに見えるそれは同時に攻撃を行い、黒い炎と巨大な矢が男の前にある銀にぶつかる。

 

「そんなペルソナごときで何ができる!」

 

その攻撃を軽く受け止めた瞬間、銀色のルパンレンジャーは先程とは比べものにならない程の速さで急接近していた。

 

「なっ」

 

「使える物はなんでも使うのが主義だからな」

 

その言葉と共に手に持っていた武器のレバーを倒すと共に、X字型の斬撃を転生者に浴びさせる。

 

「ぐぅ、よくも私の特典を、だがぁ!!」

 

その言葉共に手を翳すと、外にいた大量のゴーレム達が集まりだし、本部を大きく上回る程の大きさのゴーレムへとなった。

 

「これで、貴様達は終わりだなぁ!!」

 

「終わらせるかよ」

 

そう雨宮君が言うと、先程呼び出したアルセーヌと呼ばれた生命体が現れると、アルセーヌは赤い炎に包まれると、その姿は新しい姿へと変わると、そのまま彼の手元に銃へと変わって、掴む。

 

「馬鹿め、あれに纏われている装甲は私が使っているのよりも強度になっている。

先程まで崩せなかった奴に勝てるものか」

 

「そんなの知るか、俺達は守りたいから守るだけだ」

 

【アン・ドゥ・トロワ!】

 

その瞬間、私の所まで風圧が来るほどのエネルギーが来るけど、私は自然とその先に見える雨宮君の姿を見た。

 

「永遠にアドゥ」

 

そこに立っていた雨宮君の姿は、これまで見てきた誰よりも自由で格好いいと思ってしまった。

 

【イカサマ・ドストライク!】

 

その音と共に引き金が引かれると共に、巨大なエネルギーはゴーレムの胴体を突き破り、そこには既に上半身が無くなったゴーレムしかなかった。

 

「これ程だとっ!?」

 

あまりの出来事で奴も驚きを隠せないようだったが、これで少しは安心できる。

 

「なんだっ!!」

 

そう思っていると、突然地面を揺るがす程の振動が聞こえ、見てみるとそこには巨大な次元の穴が広がっており、その向こうには任務で向かっていたはずのバン君達がいた。

 

「なにがおきている」



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予告状61 協力するのは

アンケートも残り僅かとなっております。
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皆様の応募、お待ちしています。


「これは一体!?」

 

「まさか特典同士の共鳴か?」

 

「えっ」

 

過去に様々な特典を持つ転生者と戦ってきたが、その中には力と力がぶつかり合った結果で暴走するケースもある。

 

だが、見る限りだと

 

「意図的に組み込まれた暴走か?」

 

先程の転生者の反応からして、転生者自身ではなくギャングラーによって組み込まれてしまった暴走だと考えるのが妥当かもしれない。

 

「それに、このままじゃ、やばいな」

 

向こうの世界にいた転生者の特典が、俺達が倒した転生者の特典によって包み込まれ、そこに出てきたのは全身が銀色で巨大な剣やバズーカを持ったロボットが出てきた。

 

「あれを起点にして、この次元振が起きてるんか」

 

「その考えは間違っていないようだな」

 

先程からこの世界の光景ばかりではなく、様々な所が繋がっており、世界が不安定になっているようだ。

 

「とにかく、早く止めないとな」

 

「それやったら、向こうの皆と協力できない?」

 

「協力?」

 

いきなりはやてさんが提案してきた。

 

「さっきも言ったはずだ。

俺はあいつらの仲間じゃないとな」

 

先程の戦いで転生者に言った言葉に偽りはないが、この状況で奴らと協力する理由にはならない。

 

「それでもや、守りたいのはパトレンジャーも雨宮君達も一緒のはずや!」

 

「確かにそうだが、だからと言って共闘する理由はない」

 

「少しでも早く倒す為や。

あのまま次元の穴が開き続けたら」

 

「それでっ」

 

それだけ言って、彼女の不安そうな表情を見られると

 

「・・・はぁ、分かった」

 

助けを求める誰かの為に戦う、その気持ちが痛い程に伝わり、彼女の願いを救いたいという思いが膨れる。

 

だからこそ、俺は

 

「雨宮君!!」

 

「だが、俺の正体をばらさない。

それが条件です」

 

「分かっとる」

 

「だったら良いです」

 

俺はそう言うと、他のメンバー達の元へと走っていると、隣に近づいてきたのは

 

「グットストライカー?」

 

「よぅ、なんだか面白い事になっているじゃないかよ。

お前達との共闘、久しぶりでグッと来たぜ」

 

「だからどうしたんだよ」

 

「少しだけ張り切らせてもらおうと思ってな。

とりあえず、お前とブルーとイエローのダイヤルファイターだけ出してくれ」

 

「なんだか分からないが、聞こえたか」

 

「なんとかな。

気にくわなんがな」

 

「まぁそう言ってられないがな」

 

その言葉に同意するように俺達はダイヤルファイターを取り出し、VSチェンジャーにセットする。

 

【【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】】

 

【レ・レ・レ・レーッド!】

 

【ブ・ブ・ブ・ブルー!】

 

【イ・イ・イ・イエロー!】

 

その音声が鳴り響くと同時にダイヤルファイターが巨大化し、俺達は同時にダイヤルファイターへと乗り込む。

 

俺達が空を跳んでいると、下を見ると同じくトリガーマシンを出していたパトレンジャーとxトレインが二つになって走っており、その中心にグットストライカーがいた。

 

【超絶エックスガッタイム!】

 

その声が鳴り響くと同時にグットストライカーを中心に俺達のダイヤルファイターとパトレンジャー達のトリガーマシン、そして石堂達が乗り込んでいたエックストレインが合体していく。

 

そこにできたのはこれまでとは比べものにならない程の巨大な姿へとなっていき、俺達の操縦席が辿り着くと俺の隣にはパトレン1号が、俺の後ろには石堂がおり、パトレン1号の後ろには金色のパトレンジャーがいた

 

「完成!グットクルカイザーVSX」

 

「まさかこんな力を持っているとはな」

 

これまでは俺達かパトレンジャーのどちらかしか合体できないと思っていたけど、まさかこんな裏技を持っていたとはな。

 

「怪盗っ!」

 

そう言うと、先程も気づいていたが、やはりと言うべきか、隣にはパトレン1号がいた。

 

「今は戦っている場合じゃないのは分かっているよな」

 

「分かっているっ!」

 

俺が静かな声で言うと、パトレン1号は返事すると、それだけ言うと、互いに顔を見ようとせず、目の前にいる巨大な奴を睨む。

 

「やれやれ、仲良くなりそうにないかね?」

 

「あんたがもう一人の」

 

「まっ予想は当たっているよ。

俺はルパンXだ」

 

「あっ俺はパトレンX、亀山です」

 

そう言い、石堂は自己紹介をすると、向こうのパトレンXも自己紹介をしていたが

 

「そんな事をしている場合か、ルパンX」

 

「おいおい、コミュニケーションは大事だぜ。

ここだけかもしれない共闘相手だからな」

 

「ちっ」

 

俺はそれだけ言うと横を見ると、パトレンXと1号の会話内容は聞こえなかったが、俺達と似たような会話だっただろう。

 

「さっさと行くぞ」

 

「言われなくても!!」

 

その言葉と共にグットクルカイザーVSXは動きだすが、その巨体の為か、動きが鈍く、相手がこちらに向けて仕掛けてきた攻撃にすぐに対応する事ができなかった。

 

「これはファング、本当にやばい相手だ」

 

「ファングかなんだか、知らないが、さっさと片付ける!!」

 

そう言い、ソーマは肩のパーツにセットされていたブルーのダイヤルファイターを動かし、動き回っているファングに向かって放つも一向に当たる気配がしない。

 

「何をやっているんですか!

そんなのが当たるとでも思っているんですか!!」

 

パトレン2号はそう言い、足に着いている2号のトリガーマシンで攻撃を仕掛けるも同じく一向に当たる気配がしなかった。

 

「お主だって、同じじゃないかよ!

これだったら、儂達だけでやればよかったぜ!!」

 

「それはこちらの台詞だ!!」

 

互いの失敗を言いながらも、俺達とパトレンジャーは険悪な雰囲気は続いており、互いに睨み付けるように言っている間に目の前にいるロボットはこちらに向かって巨大な剣を振り下ろしてきた。

 

慌てて防御を行うも出力が負けて、大きく後ろに下がってしまい、建物にぶつかってしまう。

 

「くそぉ!!」

 

「こんなのに」

 

俺達は互いにムキになりながら、がむしゃらに操作しようとした時だった。

 

僅かだがビルから声が聞こえ、見るとそこには未だに逃げ遅れていた子供がいた。

 

「あれは桜ちゃん!!」

 

「桜、まさか」

 

俺は急いでそこを見ると、こちらに向かって必死に大きな口を開いて何かを伝えようとしていた。

 

既に安全ではないこの場で、このままいたら

 

そう思っていた時、ファングが桜ちゃんに気づいたのか、桜ちゃんに向かって襲いかかろうとしていた。

 

「「「「「させるかぁぁ!!」」」」」

 

その時、互いに声が重なったよう声を出すと、こちらに迫っていたファングを全て打ち落とし、同時に蹴り上げる。

 

「「「「「お前にこれ以上人々を傷つけさせるか!!」」」」」

 

俺達とパトレンジャー達はそれにより守るべき物を見つけると共に、互いに対する嫌悪は無くなり、今はただ思い出したここにいる人達を守る為に目の前にいる奴を倒すだけだ。

 

「行くぞ!!」

 

「あぁ!!」

 

その言葉と共に俺達が叫び、レバーを操作すると共にグッドクルカイザーVSXは立ち上がると、こちらに襲いかかってきたファングがこちらに襲いかかってくる。

 

だがグッドクルカイザーVSXに装着されていたブルーのダイヤルファイターによるマシンガンでファングを墜落させ、ファングはそのまま一つの巨大な塊に集まっていた剣になり襲いかかってくるが、それに対してはパトレン2号のトリガーマシンで貫く。

 

「はああぁ!!」

 

それを確認すると、グッドクルカイザーVSXは空を跳び、特典に向けて攻撃する為にイエローのダイヤルファイターとパトレン3号のトリガーマシンによる連続攻撃を喰らわせながら、接戦する。

 

「まだまだ、終わらないぜ」

 

「ここからだ!!」

 

そう叫ぶと、俺達は互いに別々のレジェンドダイヤルファイター、レジェンドトリガーマシンを取り出し、召喚する。

 

【シ・シ・シンケン】

 

【メ・メ・メガ】

 

【緊・急・出・動】

 

【時・空・超・越】

 

俺はシンケンダイヤルファイターとメガダイヤルファイターを、1号はゴーゴートリガーマシンとタイムトリガーマシンを召喚し、各々が装備されると、下に装着されたメガダイヤルファイターとタイムトリガーマシンが各々のエネルギーを発動させながら、宙へと跳ぶ。

 

「烈火大斬刀」

 

「ライフバード!」

 

そう言うと共にグッドクルカイザーVSXの右手には烈火大斬刀が握られ、左手にはライフバードが装着されると、目の前にいる特典が持っている巨大な剣とバズーカに各々対処を行いながら戦う。

 

「レジェンドパワー全開だぜ!!

おいら、ますます力がわき上がってくるぜぇ!!」

 

そう言うとグッドクルカイザーVSXは先程とは別のロボットのように的確な動きで全ての攻撃を当てる。

 

「これで」

 

「とどめだぁ!!」

 

そう言った瞬間、俺達全員は手に持ったVSチェンジャーを構え、目の前にいるロボットに向けて狙いを付けた。

 

「グッドクルカイザービークルラッシュストライク」

 

グットカイザーがその言葉を言った瞬間、俺達のダイヤルファイターとパトレンジャー達のトリガーマシンの幻影が現れると、グッドクルカイザーVSXはそれを蹴り上げると、ロボットに次々と当たり、ついにはロボットは地に倒れた。

 

「永遠にアドゥ」

 

「任務完了」

 

「気分は最高!!

これにて一件落着!!」

 

俺達は互いの言葉を言うと同時に全てのビークルが離され、パトレンジャーから遠く離れる。

 

「・・・少し先に帰っていてくれ」

 

「分かった」

 

俺はそのまま他の皆が離脱する中で、少しだけはやてさんに近づく。

 

「雨宮君」

 

「・・・これは一応忠告です。

転生者は既にあなた達が考えているよりも危険です」

 

「そんなの分かっとる。

けど、私らも止めないといけないから」

 

「そうですか。

だったらこれだけ伝えておきます、ギャングラーに気を付けて」

 

「ギャングラー?」

 

「転生者ばかりが集まる組織です、それでは」

 

俺はそれだけ言い残すと、すぐに空へと飛び去った。

 

「なんじゃ、えらいあの管理局員に話すじゃないか」

 

「まぁ、なんでだろうな」

 

その帰り、忍はこちらをからかうように言うが、俺の中でもなぜか疑問に思う。

 

思えば響や友奈達も似たような感じだと考えており、俺は思ったよりもああいう女性が好きなのかもしれない。



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機械仕掛けの奇跡編
予告状62 響と少女と雨宮


警察との共闘も終わり、普段通りの日常が戻ってきた時の出来事だった。

 

指令から何か緊急事態があると聞き、本部に行ってみると、異世界に行く為のギャラルホルンからこれまでにない警告が鳴っている事が知らされる。

 

これまでも俺達が関わったのでは俺達ではなくゴジラがいた世界、本来なら死んでいたはずの人達が生きているという世界がある。

 

これまでは俺達がいない時は響達が行っていたらしいが、今回はこれまでの比ではない為、俺達ルパンレンジャーと響、クリス、翼さんの三人で行く事になった。

 

ギャラルホルンによって別世界へと移動すると、周りは森ばかりで何も変化はないように見えるが

 

「なんか、やばいな」

 

周りの森で視界は塞がっているが、長年の戦いの中の感とでも言えばば良いのか、俺は手に持っているVSチェンジャーを持ちながら走り抜けると、その視界に広がっているのは 一人の少女がノイズの大群に襲われようとしていた。

 

「はあああぁぁぁ!!」

 

「よっと」

 

俺と響は勢いよく飛び込み、響がノイズの大群を吹き飛ばし、俺は少女の周りにいたノイズを銃で打ち抜いていきながら、右手で少女を抱え込むとそのまま後ろえと下がる。

 

「雨宮さん、女の子は大丈夫!!」

 

「あぁ。

怪我はないか?」

 

「……」

 

「あれ、君はさっきの?」

 

「知り合いなのか?」

 

「立花、雨宮!!

まだ残っているぞ!!」

 

その言葉と共に俺達は構えなおすと、周りを見渡すと先程まで倒したノイズより多くの数で溢れだしており、油断ができない状態が続いている。

 

「全く、こんなにいるとはな!!」

 

「異世界から来て早々にこんなにいるとはな」

 

「要救助者が背後にいる以上、戦線を交代させる訳にはいかないが、行けるか?」

 

「あぁ瞬殺で片付けてやる」

 

そう言うと俺達は手に持ったダイヤルファイターを手に持ち、VSチェンジャーにセットして構える。

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

「「「怪盗チェンジ!」」」

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

俺達は変身し、ルパンレンジャーになるとVSチェンジャーを構えながら、走り出しながら叫ぼうとするが

 

「ルパンレッドっと」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー!」

 

「「怪盗戦隊ルパンレンジャー、んっ?」」

 

「えっとぉ」

 

俺達が名乗ろって、走ろうとしたが、先程の少女が俺のマントと響のマフラーを掴んで不安そうな表情をしていた。

 

「うぅん、これは少しまいったな」

 

「そっそうだね」

 

俺はそう言いながら、こちらに近づいてきたノイズを撃っていくが、女の子は離そうとしない。

 

「仕方ないのぅ。

お前様と響はそこの小童を守っとけ」

 

そう忍は言うとノイズの群れの中へと突っ込んでいき、俺達はどうするべきなのか顔を合わせている。

 

「どうする?」

 

「とりあえずは、この子の安全が先っ!!」

 

そう言っている間に周りから集まりだしたのはノイズだけではなく、巨大な機械が現れた。

 

「・・・これは少しきついな。

ごめんだけど、少しの間だけ離れてくれるか?」

 

さっきから感じるこの気配からして、戦うとしてもこの子を傷つける可能性を少しでも下げる為にも隠れて貰えないと。

 

だけど、彼女自身は不安そうな顔で見つめており、そんな彼女に対して響はゆっくりと彼女の頭を撫でた。

 

「怖いのはお姉ちゃんもよく分かるよ。

私も昔、怖い目にあった事があるの。

でもね、どんな時も頑張れるような魔法の言葉を教えてあげる」

 

「『へいき、へっちゃら』って唱えるの。

声に出さなくても、思ってみて、そうしたら、大丈夫」

 

「・・・」

 

そう言い、少女は少し震えながら手を離してくれて、俺はそれを見て自然と彼女の頭を撫でた。

 

「大丈夫だ、不安になったら呼んでくれ。

俺が必ず助けに行くから」

 

「行こう、雨宮君」

 

「あぁ」

 

俺達はそう言うと手にフェニックスダイヤルファイターを取り出し、VSチェンジャーにセットする。

 

【フェニックス!1・0・6!スーパーマスカレイド】

 

【フェニックスチェンジ!】

 

【ルパンレンジャー!キエェェ!】

 

その音声が鳴り響くと同時に俺はフェニックスルパンレッドへと変身し、上空でこちらを睨み付けるロボット達は次々とこちらに向かって殴りかかってくるが、空を飛ぶ分にはこちらの方が有利である。

 

「お前らの攻撃なんて、分かりやすいんだよ、って痛っ!!」

 

奴に向かって蹴り上げると、その装甲は思っていたよりも硬く、反対にこちらまでダメージが来た。

 

「だが、この程度だったら。

ロードサーベル!!」

 

俺はそう言い、手元でロードサーベルを取り出し、目の前のロボットを切り裂くと、予想通り真っ二つで切り裂く事ができた。

 

そうして、空中で飛行を行いながらロボットを次々と切り裂いていき、片手で二つの武器を取り出し、ソーマ達に投げる。

 

「ソーマ、忍!!

一気に決めるぞ!!」

 

「なるほどな」

 

「了解した!!」

 

そう言い、俺はロードサーベルを投げると、下に投げていた二つの武器、ガレージランチャーとレーシングバレットと一つになり、ハイウェイバスターへと変わる。

 

「フェニックスダイヤルファイターセット!!

吹き飛べぇ!!」

 

その言葉と共にハイウェイバスターから巨大な炎の鳥が飛び出すと、空中にいた全てのロボットを薙ぎ払う。

 

「敵は全て倒したかっ!!」

 

そう言い、俺はその言葉と共に先程の子の元へと飛んでいき、同時に響と合流する。

 

「怪我はないようですね」

 

「よかったぁ」

 

俺達はそう、安堵の声を出しながらその子を見ていると、後ろから何か音が聞こえ、見てみるとそこには黒いスーツを着ている男達がいるようだが。

 

「あいつらは、この世界の住人か?」

 

「まさか、君達がノイズとオートマトンを」

 

「おっお父様!!」

 

「・・・」

 

突然現れた人物に対して、驚きの声を出した翼さんだが、相手は一瞬驚いた様子だが、しばらく話を続ける。

 

「どうやら、敵ではないようだな」

 

俺はそう言い、少し肩の力を抜くと先程の子が心配そうにしている。

 

「ありがとうな」

 

俺はそんな心配している少女を心配させないように撫でながら、今後の事について考える事にした。

 

 



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予告状63 少女に秘められた力

忍Side

 

「・・・」

 

あの戦いから終わり、儂らはこの世界におけるS.O.N.G.まぁ二課合流後、この世界の情報を知る事ができた。

 

この世界にはシンフォギアは存在せず、ノイズの対策があまりできていないのと、この世界にしかいないオートマトンと呼ばれる奴らがいる事など、この世界の異変についてを知る事ができた。

 

そうして、ノイズの対策としてしばらくはこの世界に滞在する事になったのだが

 

「あれはなんじゃ」

 

「さぁな」

 

儂はドーナツを食べているが目の前の光景が気に食わずいらいらするように睨んでおり、隣にいるクリスはそんな私に対して呆れるように言葉を言いながら雑誌を読んでいた。

 

そこにいるのは雨宮だが

 

「もうこんなに文字を書けるなんて、すごいぞシャロン」

 

そう言いながらこの世界で知り合ったシャロンとか言う小娘が文字を書けた事が嬉しそうに頭を撫でながら褒めていた。

 

その表情はこれまで見た事のないように緩んでおり、儂の知らない一面が思いっきり出ている。

 

「文字を教える事に対して張り切っていたし、あいつは案外面倒見が良いからな」

 

「別に小娘の世話程度ではどうも思わんよ。

儂が気に食わんのは」

 

「本当だよ!

シャロンちゃんって、本当に天才かもね」

 

「立花響だ」

 

小娘を保護した時に一緒にいた立花響だが、同じく懐かれたのか一緒にいる事が多かったのだが

 

「なんじゃ、あの仲良し親子は」

 

「実際に良いんじゃないのか?

怯えているよりはマシだし」

 

「だからと言ってな、ベットや風呂まで一緒にするか!?」

 

「いや、風呂は違うだろ」

 

だが、実際にここまであの三人はこれまで離れる行動の方が少ない。

 

「そうだ、今日はシャロンちゃんとお買い物だった!!」

 

「たっく、そんなに慌てるなよ、行こうか」

 

「・・・」

 

「買い物じゃとっ!!」

 

二人の言葉に驚き、儂は思わず飛び跳ねて、雨宮の元へと行く!!

 

「どういう事じゃよ!!

儂は聞いていないぞ」

 

「だって、お前面倒だって断ったじゃないか。

今日はシャロンの日常品を買うからって」

 

「あの時かぁ!!

儂も、儂も「はいはい、お前は少し黙っていろ」なあぁ!!」

 

「こいつは私が抑えとくから、お前らはとっと行きな」

 

「えっでも一緒に行きたいんだったら良いんじゃないの?」

 

「お前らが良くても、シャロンがこいつを怖がっているだろ。

いつも睨むから」

 

「そっそれは」

 

「そうか、だったら仕方ないな。

悪いなクリス、今度なんか奢るからな」

 

「期待していとくよ」

 

「それじゃ、行こうか!!」

 

そう言い、立花響と雨宮はシャロンの手を繋いで出かけて行った。

 

「クリス、なぜ止めたんじゃ?」

 

「だから言っているだろ!!

お前の態度があの子が怯えているだろうが」

 

「分かった分かった。

もう追いかけないから離せ」

 

そう言って、儂がこれを辞めない限り離そうとしないので儂はそう言うと諦めて手を離した。

 

「それにしても、お前も雨宮の事が好きなんじゃないのか?」

 

「なっ何を言っているんだお前はぁ!!」

 

私が質問すると、真っ赤なトマトのようになっている所を見ると

 

「自覚なしかよ。

まったくもって、あいつの引き寄せる才能は驚きじゃな」

 

しばらくは暇潰しになりそうな奴が見えたので、儂はクリスを見つめながら笑みを浮かべていた。

 

雨宮Side

 

「さてっと、まずは何を買うかな」

 

「やっぱりお洋服だよ!

シャロンちゃん、こんなに可愛いからね」

 

「まぁ別に良いけど、シャロンはどこか行きたい所はないのか?」

 

「・・・」

 

そう言うとシャロンはふるふると首を横に振っていたので特に無さそうだから、ここはとりあえずは響の提案通り服を身に行く事にするか。

 

「それじゃあ、近くのっ!!」

 

そう言い、目的地を探そうと思った時、何かの殺気を感じて、響とシャロンを抱きかかえて、その場から離れると、そこにいたのはオートマトンだった。

 

「まさか、シャロンちゃんを狙って」

 

「どうやら、そうらしいな」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーを取り出し、レッドダイヤルファイターをセットする。

 

【レッド】

 

「お出かけを邪魔した礼はたっぷりとさせてもらうぜ」

 

【0・1・0】

 

【マスカレイド】

 

「怪盗チェンジ」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】

 

「シャロンちゃんには絶対に指一本触れさせないっ!!」

 

そう言うと響はすぐにシンフォギアを纏うと、俺も同様に走り出し、オートマトンに攻撃を仕掛けるがオートマトンはこちらの攻撃を読んでいたように接近してくると同時に殴りかかってくる。

 

その速さは前回の奴らよりも早く、対応が難しかった。

 

「こいつら、前よりも強い!!

しかも、こんなに近づかれたら、ダイヤルファイターをセットする隙もない!!」

 

常に一定の距離を保ちながらも、俺の腕を重点的に攻撃を仕掛けるせいで他の姿へと変わる事ができずに苦戦を強いられる。

 

「くぁっ!!」

 

「響っ!!くそぉ!!」

 

そうしていると、隣で戦っていた響が吹き飛ばされ、すぐに向かいたかったが、オートマトンがさらに仲間を呼び、近づきたくても近づけない状況ができてしまう。

 

「ッ!!」

 

「駄目っ、近づいちゃ!!」

 

「響、シャロン!!」

 

そんな響を見て、シャロンは走り出し近づき、俺はそれを止める術はなく、ただ叫ぶことしかできなかった。

 

だが、シャロンの身体から眩い光が現れると、そこに立っていた響のシンフォギアは変化していた。

 

響自身は大きな変化はなかったが、その背中から浮かんでいるのは響の身体と同じぐらいの大きさのガントレットが浮かんでいた。

 

「はああぁぁぁ!!!」

 

その言葉と同時にガントレットは響の意思に従うようにオートマトン達を殴り、俺も急いで響達の元へと向かう。

 

「大丈夫か」

 

「うん、でもなんだか力が湧いてきて」

 

「とりあえずは、あいつらを片付ける事が先決だな」

 

そう言い俺は、俺は懐からメガダイヤルファイターを取り出し、セットすると手元にはドリルセイバー、腕にはバトルライザーを装着して構える。

 

「少し待っていてくれよ。

すぐに片付けるから」

 

そう言うとシャロンは力強く頷き、俺と響は互いに見て、オートマトンに向けて構える。

 

【メガ!怪盗ブースト】

 

「行くぜ!!」

 

「分かった」

 

その一言と共に走り出すと、響の後ろから現れた巨大な腕がオートマトンを殴ると、俺はそれに合わせるようにドリルセイバーを突きつける。

 

シャロンの力はオートマトンへ大きくダメージを与える事ができ、ドリルセイバーやVSチェンジャーでも決定的なダメージを与えられる程にダメージを与える事ができる。

 

「一気に決めるぞ」

 

「うん」

 

俺はそう言うとドリルセイバーをVSチェンジャーにセットすると、バトルライザーの03のボタンを押し、構える。

 

「ドリルスナイパーVSカスタム、行くぜ!!」

 

その言葉と共に俺は引き金を引くと巨大な黒い球が上空で飛ぶと、周りにいたオートマトンが次々と黒い球に引き寄せられ、響はそれに向かって後ろから出てきた巨大な拳をオートマトンへと当てる。

 

前後左右からの強烈な一撃により、オートマトンは容易く倒す。

 

「なんとかなったね」

 

「あぁだけど」

 

俺はそのままシャロンへと近づくと、心配そうにおろおろしていた。

 

「ありがとう、シャロン。

本当に助かったよ」

 

「なんだか助けるつもりが助けられちゃったね」

 

「感動だねぇ」

 

「っ!!」

 

「誰っ!!」

 

背後から聞こえた声に俺達は構えると、そこにいたのはブラッドスタークが見つめていた。

 

「面白い物を見つけたと思ったら、そんなのまであるとはな」

 

「何の用だ?」

 

「別に、同僚がどんな様子で働いているのか見に来たんだけど、今日はいないようだからな。

少し面白い物を見せてから帰ろうと思ってな!!」

 

そう言うと、ブラッドスタークは手に持っていた武器で周りを煙で囲むと、煙は徐々に一つの塊になると、そこには巨大化したオートマトンが現れた。

 

「そんなっ」

 

「それじゃあ、楽しませてくれよな」

 

そう言い、ブラッドスタークはその場から離れてしまう。

 

「響、お前はシャロンと一緒に逃げろ」

 

「でも、今は確かあのロボットになる子はいないんじゃないの」

 

「ルパンマグナムを使えば、なんとか倒せるかもしれないからな。

それにこれ以上危険に巻き込む訳には」

 

そう言うとシャロンの身体が再び光ると、俺の背後からルパンマグナムが現れると、そのままオートマトンに向かって蹴り上げると、その大きさは徐々に巨大になり、オートマトンと同等の大きさへと変わる。

 

【ダイヤライズ!怪盗ヘンケイ!】

 

「ルパンマグナムがロボットに!!」

 

「これもシャロンちゃんの力!!」

 

何が起こったのか、俺達は驚いているが、それでも今はシャロンちゃんと響を守る為にも

 

「狙い撃て!ルパンマグナム!!」

 

その言葉に反応するようにルパンマグナムは両手から銃撃を次々と放っていき、一気にオートマトンを殴るとそのまま空中で元の銃形態に変わると、その先で巨大なエネルギーが集まり、放たれる。

 

それによりオートマトンの胴体が吹き飛ばされ、地面へと落ち、そのまま俺の手元へと戻ったルパンマグナムは俺の中へと戻っていった。

 

だが戦闘で終わった事による安心感よりも、俺達はシャロンの元の安全を確認する。

 

「シャロン、大丈夫!!」

 

「身体で痛い所はないの!!」

 

そう言いながら、俺達はシャロンの様子を見ると、特に異常はないようで安心する。

 

「「よっ良かったあぁ!!」」

 

そう言い、俺達は足から力が抜けるように座り込んでしまった。

 

「おい、お前達は大丈夫かって!!

そういう事は家でやれよ!!」

 

「「へっ?」」

 

この時、俺達は気づいていなかったのだが、丁度シャロンを中心に響と抱き着いている事をこの時はまだ気づいていなかった。

 



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予告状64 決心の槍

雨宮Side

 

あれから、俺と響はあの世界で起こった出来事についてを報告する為に一度戻る事になり、報告を終えた後、休憩室で飲み物を飲みながらあの世界の事について考えていた。

 

シャロンの力の判明してから数日が経った後、あれからも俺達はシャロンに文字を教えていたが、その中で分かった事は兄弟が沢山いた事や、米国でお父さんの研究の手伝いをしていた事だけだった。

 

だが、俺は疑問を感じながら、あの世界において最も大きな謎であるオートマトンについて考えた。

 

「ノイズは確か響達の話からして古代の兵器だから、この世界は響達の世界に最も近いんだったら何かしらの原因があるはずだ。

何よりも、あのオートマトンは古代の兵器というには余りにも近代的すぎる」

 

転生者に関わっていれば大抵は見て分かるが、あのオートマトンは転生者の気配は感じないから、他の世界の技術ではなくこの世界にあ技術が原因で作られたのだと考えれば妥当かもしれない。

 

だけど、そんな技術があれば、ノイズに対して大きな対策になるはずなのに、オートマトンについての発表は人類の敵という事以外は発表されておらず、最も厄介なノイズであるカルマノイズを守っている所まで見られる。

 

シンフォギアがないこの世界において、オートマトンは人類の希望にもなる可能性があるはずなのに。

 

響と俺助けたあの力はかつてキャロルが手に入れようした聖遺物ヤントラ・サルヴァスパの力は機械装置を自由自在に操る事ができ、響のギアは勿論の事だが、俺のルパンマグナムも機械と認識したからこそできたパワーアップだ。

 

「機械?」

 

そこでふと、米国での実験という単語とこの聖遺物の関連性を考えて見た。

 

思えば、オートマトンの出現は最近という事は

 

「これは調べてみる必要があるな」

 

俺はそう言い、スマホを取り出し、とある人物に連絡をつける。

 

「どうしたの?」

 

「なんでもない、すまないが俺は少しの間だけ前の世界に戻る」

 

「えっなんで?」

 

「この状況で頼りになる助っ人だ。

準備もあって少しだけ遅れる。

響は先に戻っていてくれ」

 

「分かった、とにかく気を付けて」

 

「あぁ」

 

俺はそう言い、響と別れるとそのまま俺は先程連絡した時に用意して欲しい物を買いに行く。

 

響Side

 

シャロンちゃんが連れていかれた。

 

あの日、シャロンちゃんが身体の中を蝕んでいるヤントラ・サルヴァスパを何とかする事ができずにオズワルドさんに渡す事しかできなかった。

 

それがどうしても納得ができず、私はただどうしたら良いのか分からずに部屋の中にあるシャロンちゃんとの思い出の品を見つめる事しかできなかった。

 

「元気がないな、響」

 

「雨宮君」

 

私の後ろから聞こえた声で振り向くと、そこには雨宮君達がルパンレンジャーの姿になって入っていた。

 

「お前、一体今までどこに」

 

「少し気になる事があってな。

とりあえず俺達がこれからやる事だけでも伝えようと思ってな」

 

「これからやる事?」

 

「あのデカい奴をぶっ壊して、シャロンを助ける」

 

「はあぁ!」

 

雨宮君の言葉を聞き、翼さんもクリスちゃんは驚き、口が開いてしまった。

 

「それは、この世界の人々の希望になるかもしれないんだぞ?」

 

「あんなのが希望だと言い始めたら、人は終わってしまう。

もしもあれによって訪れるのは平和なんかじゃない、ただ人が物に代わってしまうだけの世界になる」

 

「物に?」

 

「シャロンが死んだらきっと別の子が犠牲になる。

奴らはそれを希望だと言ってどんどん子供を殺し行く。

そんなのは希望なんかじゃない」

 

「・・・」

 

私は雨宮君の言葉を聞きながら、シャロンちゃんが残したノートを眺める。

 

そこに書かれたのはシャロンちゃんが私達に対する思い、そしてこれから自分が死ぬ事が分かっていたように書かれた文字。

 

「そうだよ、なんでシャロンちゃんが犠牲にならなくちゃいけないの?」

 

あの時、私は助けてもらう事も諦めていたシャロンちゃんの手をなんで伸ばす事ができなかったのか、私は今までの不安な気持ちを取り払うように、頬を叩く。

 

「立花」

 

「私、シャロンちゃんを助けたい!!

あの子が涙を流して、助けを求めていたような気がする。

だから、私もシャロンちゃんを助けに行きたい!!」

 

私はそう力強く言うと、翼さんもクリスちゃんも笑みを浮かべながら頷く。

 

「そうだな、犠牲の上で成り立つ平和など掴んでも意味がない。

まして子供が兵器の犠牲になど許されるはずがない」

 

「さっさと助けて、戻ろうじゃないかよ!!」

 

その言葉を言うと雨宮君は笑みを浮かべたように見えたが、そのまま携帯を取り出すとどこかに電話をかけた。。

 

「もしもし俺だ、こっちは準備ができた。

やってくれ」

 

「えっ?」

 

そう言うと、雨宮君は携帯のアプリを開くと、そのアプリに表示されているのは地図のようだけど

 

「これは?」

 

「ヴィマーナの現在地だ」

 

「ええぇ!!

 

私達がこれから探そうとしていた場所をなぜ雨宮君がこんなにあっさりと見つけられたの!?

 

「オートマトンについては前々から謎が多かったからな。

今回の響達の話を聞いて確信が付いたからな、佐倉に頼んでハッキングしてもらった」

 

「ハッキングって!!」

 

そう言えば、雨宮君の怪盗団の一人にとんでもなくパソコンが上手な子がいると聞いたけど

 

「ここまでできるとはな」

 

「でもなんでオートマトンからヴィマーナの居場所が分かったんだ?」

 

「俺と響の時もそうだけど、オートマトンは戦闘の時に俺達を窮地に追い詰める事があるけど手加減をされている感覚があったからな。

それがオートスコアラーと似ていると思ってな」

 

「そういえば、そう考えると似ているな」

 

「奴らはその身に記憶を映し出して、記憶を代償に真理を得た。

だとしたら、奴ら自体はそんな機能がないとしたら」

 

「シャロンの力を使わせる事が目的で、今は米国に連れていかれたという事は」

 

「オートマトンを操っているのはシャロンの父親で間違いない」

 

「そんな、シャロンちゃんのお父さんが」

 

「あいつ、きな臭いと思っていたけどやっぱり」

 

「だがあいつもこっちがそこまで読んでいるとは思っていないだろ。

だから、速攻で勝負を付けに行く」

 

そう言い、雨宮君はVSチェンジャーを取り出したのは雨宮君が変身をする時とは別に使うフェニックスダイヤルファイターをセットする。

 

「あっそれと、シンフォギアは今の内に纏ってけよ」

 

「えっ、分かった」

 

どういう意味か分からないけど、私達は一応指示に従ってシンフォギアを纏う事にした。

 

【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】

 

【フェ・フェ・フェ・フェニックス!!】

 

それと同時にマンションの前には赤い機械の鳥、フェニックスダイヤルファイターが現れ、雨宮君達と一緒にそれに乗り込む。

 

「行くぜ!!」

 

その掛け声と共にフェニックスダイヤルファイターは飛び立つと、数分もしない内にヴィマーナが眼前に見えてきた。

 

同時にオートマトンが大量に現れ、ヴィマーナを守るように散らばった。

 

「やはり、仮設は正しかったようだな」

 

「だが、お前達はこれの力を知らないようだからな!

見せてやるぜ!!」

 

そう言うとフェニックスダイヤルファイターはそう言うと、鳴き声と共に余りの速さでオートマトンは風によってできた刃で次々と斬り去られていく。

 

幸い、このフェニックスダイヤルファイターに乗る前に一応シンフォギアを纏うように言われて衝撃をある程度なんとかできたけど

 

「これ程なんて聞いていないよぉ!!」

 

「まぁこのダイヤルファイター、俺達が持っている奴の中でも一番早いからな!!」

 

そう言っている間にも周りにはオートマトンが陣形を組んで、こちらに襲い掛かってきて、ヴィマーナに近づこうとしても壁になって通れない。

 

「やばいな、倒すのは簡単だけど、倒している間に囲まれたら終わりだな」

 

「ここまで来て、諦めらないよ!!」

 

もう目の前にシャロンちゃんがいるのに、そう思っていたら、なんだか身体が光りだして、気が付くと私はシャロンちゃんの力で変わった姿になっていた。

 

「これって」

 

「どうやら、俺達を呼んでいるみたいだな」

 

「そうだね、絶対に助けて見せるから」

 

シャロンちゃんからの助けを求めるように身体から離れた機械の拳が出てくると、私の他にも翼さんの剣やクリスちゃんの銃が現れ、前にいるオートマトンを次々と破壊していく。

 

「行くぜ、フェニックスダイヤルファイターの奥の手を受けてみやがれ!!」

 

そう言うと、フェニックスダイヤルファイターは私達以外の全てが炎に包まれると、そのままヴィマーナに向かって突進していき、激突と同時に私達はヴィマーナの内部へと潜入した。

 

同時に雨宮君はこれまで見た事のない怪盗衣装を身に纏った姿に、ソーマさんと忍ちゃんは雨宮君の使っていた姿に似た姿へと変わっていた。

 

「待っていろ、シャロン!!」

 

その言葉を聞くと全員が頷くと同時に私達はシャロンちゃんを助けに走り出した。



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予告状65 奇跡の歌は

この話を読む時には【KNOCK OUTッ!】を聴きながら読むのを推薦します。


ヴィマーナの潜入に成功した俺達は次々と襲い掛かってくるオートマトンの攻撃を避けながら突き進んでいき、奥までたどり着くと、そこにいたのは黒いスーツを着た外国人が立っていた。

 

「オズワルドさん」

 

「あいつが、シャロンの父親」

 

それを聞いただけでも今すぐにも飛び出したかったが、オズワルドの様子が可笑しかったので見ていると

 

「お前達にこれ以上邪魔はさせない」

 

そう言い、オズワルドが取り出したのは紫色の銃だった。

 

一体なんなのか疑問に思っていると、オズワルドは手に持っていたのは石堂が持っていたフルボトルと同じ物だった。

 

「なっ」

 

【ギアエンジン!ギアリモコン!】

 

【ファンキーマッチ!】

 

「潤動!」

 

【フィーバー!パーフェクト!】

 

その言葉と同時にオズワルドを中心に黒い霧が現れ、彼を中心に赤と青の歯車が出てくると、そのままオズワルドに集まると、そこに現れたのはオズワルドではなかった。

 

そこには機械の鎧を身に纏っており、より目立つのが半身に赤と青の歯車の装甲を纏った姿へと変わっていた。

 

そして何よりも気づいたのは、オズワルドの持っている銃は色などは違うがブラッドスタークが使っている銃にそっくりだった。

 

「まさか、それはブラッドスタークから!?」

 

「あぁ、彼は今回の件での協力者でね。

ここで君達を始末するのも頼まれた事だからね」

 

「だけど、ここで倒れる訳にはいかないからな!!」

 

そう言うとクリスは手に持っていた銃でオズワルドに向けて撃ち、俺達も同時にオズワルドへと接近する。

 

「無駄な事を」

 

そう言い、オズワルドはクリスの攻撃を全て手に持っていた銃で撃ち落とすと、俺達の接近に合わせて対処を行った。

 

その攻撃は俺達の攻撃を全て予知していたように、攻撃を避け、同士討ちをさせていく。

 

「どうなっている!!」

 

「我々の攻撃を全て読んでいるのか!?」

 

「このバイカイザーはヴィマーナと繋がっており、そのスーパーコンピュータにより、貴様達の攻撃を全て読む事ができる。

だから貴様達が幾ら抵抗しても無駄なんだよ」

 

バイカイザー、ブラッドスタークと似た変身システムを使っている事が分かるが、それでも負ける訳にはいかない。

 

「そんなので諦められるかよ!!

ペルソナ、イザナギ!」

 

俺は叫ぶと同時に黒い長ランに赤いハチマキを締めたペルソナ、イザナギを呼び出し、バイカイザーに攻撃を仕掛けるも

 

「行け」

 

左右から現れたオートマトンが盾になり、イザナギの攻撃を防がれ、バイカイザーがこちらへとさらに攻撃を仕掛ける。

 

「ぐぅ!!」

 

「レッド!!」

 

先程の攻撃により、ジャックポットストライカーが外されてしまい、元のルパンレッドへと戻ってしまう。

 

「しまった、変身がっ!!」

 

それにより、モルガナ達も分離されてしまい、オートマトン達がモルガナ達へと近づく。

 

「このままではレッドがっ!!」

 

「雨宮君!!」

 

「これで終わりだ」

 

そう言い、俺に向かって攻撃を行おうとしたバイカイザーだが

 

「はあああぁぁ!!!」

 

「ちっ」

 

バイカイザーは横から来た響の攻撃に舌打ちをしながら避けると、そのまま真横に来た響を蹴る。

 

「があぁ!!」

 

「響!!」

 

俺は慌てて倒れそうになった響を受け止めて、再び受け止めてバイカイザーにVSチェンジャーを構える。

 

「本当に厄介だよ、君達は。

シャロンの成長を促す事ができたのは君達のおかげだが、一番の邪魔な存在でもある」

 

「なんでシャロンちゃんをこんな事に!?」

 

「このヴィマーナを動かす為にはシャロンがヤントラ・サルヴァスパとの融合を進める必要があったからね」

 

「そんな事の為に!!」

 

「君達にはそうだが、私にとっては重要だからね。

だからこそ、この計画を邪魔させる訳にはいかないんだよ」

 

「そうか、よぉく分かった」

 

そう言い、俺は立ち上がる。

 

「だったら、絶対に助けないとな」

 

「君達は本当に馬鹿なのかね?

シャロンを助けたとて、命は残り少ないのだぞ。

ならばこのように利用する事が一番なはずだが?」

 

「それがどうした。

俺達からしてもそんなの大した事ない」

 

「私達はシャロンちゃんを助けたい!

あなたの計画なんて、私達には関係ない!!」

 

「ちっ」

 

そう言い、バイカイザーはこちらに向けて銃口を向ける。

 

「「シャロン(ちゃん)!!

すぐに助けに行くからな待っていろ(いて)!!」

 

その叫んだ時だった、ヴィマーナがこれまでにないぐらい揺れた。

 

「何がっ!?」

 

「まさか、響!

SC2はできるか!!」

 

「えっ無理だよ!

翼さんもクリスちゃんも遠く離れているのに」

 

「俺とだ」

 

「えっえぇ!!」

 

そう言い、俺は手を差し伸べる。

 

「どれだけできるか分からないが、俺のペルソナ能力とお前のシンフォギアの共鳴でシャロンを呼び出す。

これまでやった事ないんだったら、これぐらい試さないとね」

 

「無茶だよ」

 

「無茶でもなんでもやるのが俺達だろ?」

 

「・・・分かった」

 

そう言い、俺達は手を繋ぐと同時に響は歌い始めた。

 

それと同時に俺の中にあったペルソナがまるで弾けるように叫んだ。

 

「オーディン!!」

 

その叫び声と共に、響は歌い続ける。

 

そして、歌に共鳴するように徐々にだが、何かが見えてきた。

 

「あの時、私は連れていかれたシャロンちゃんを助ける事ができなかった」

 

「だが、今度は俺達も一緒にいる。

お前が助ける声があるならば、一緒に助ける」

 

「「だから、一緒に帰ろう!!」」

 

「これはヴィマーナの形が変わっている!!」

その言葉と共に外側の装甲がどんどん変わっていき、俺達は同時に外へと飛ばされてしまう。

 

「そこか!!」

 

その言葉と共にオーディンが一つの場所に向かって飛んでいき、破壊すると同時にそこからシャロンが出てきた。

 

「響お姉ちゃん!連お兄ちゃん」

 

「「シャロン!」ちゃん!」

 

俺達は同時に飛び、落ちているシャロンを受け止めると地面に着地する。

 

「なっ何が起きている!?」

 

「これはまさかっ!!」

 

「忍、何か分かったのか!?」

 

「あぁ、本当に予想外な事ばかりするな、あの二人は!!

急いで外に出るぞ!!」

 

「わっ分かった」

 

その言葉を聞き、俺達も一緒に走り出し、近くにある穴から外へと脱出する。

 

「貴様達を帰らせるか!!」

 

そう言い、バイカイザーもオートマトンに乗り、こちらに着いていくと、外へと飛び出すのと同時に俺達が見たのはなんとヴィマーナの形がどんどん変わっていた所だった。

 

「まさか、これは雨宮と響がやっているのか!!」

 

「雨宮が持っているペルソナ能力、立花響の繋ぐ手。

その二つによってシャロンの負担を二人が受け止めて、シャロンがヴィマーナを新たな姿へと変えた」

 

「そんな事が!?」

 

そう言っている間にもヴィマーナは黒い飛行機へと変わると、俺の元へと飛んで来た。

 

「これは!?」

 

「連お兄ちゃんの飛行機を見て、ヴィマーナがこれだったらと考えていた」

 

「シャロンちゃん」

 

「人を傷つけるんじゃなくて、お兄ちゃんの飛行機みたいに誰かを助けられたらって」

 

「・・・確かに受け取ったぜ!!」

 

そう言うと俺は新しいダイヤルファイターをセットする。

 

【ビクトリーストライカー!】

 

【1・1・1!ミラクルマスカレイズ!】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【スーパー怪盗チェンジ!ルパンレンジャー】

 

その音声が鳴ると同時に俺の身体には銀色の装甲が纏われ、シャロンと響を抱えるように飛ぶ。

 

「誕生、スーパールパンレッド」

 

「それがどうしたというんだ!!」

 

「響、シャロンを頼む」

 

「うん」

 

それと同時に俺は飛び上がると、感覚としてはフェニックスと同じように操れる感覚がすると共に、頭の中には様々なイメージが浮かび上がる。

 

「無駄な事をっ!!」

 

そう言いながらバイカイザーの攻撃を仕掛けるが、俺は頭の中にあるイメージに従うように動くと、簡単に避ける事ができる。

 

「なにっ!!」

 

「行くぜ、バイカイザー!!」

 

そう言いながら、俺はルパンソードとVSチェンジャーを使い、バイカイザーの攻撃を読みながら蹴り上げていく。

 

「これは一体」

 

「ヴィマーナの予知能力がビクトリーストライカーにもあるのか」

 

「それだけじゃないよ」

 

「えっ」

 

「ビクトリーストライカーには私とシャロンちゃん。

そして皆の思いがあるんだ、だから今の雨宮君は」

 

「「最強で無敵なんだから」」

 

二人の声が重なりを感じると共にバイカイザーを殴っていき、空中で打ち上げるとルパンマグナムを取り出し、VSチェンジャーへとセットする。

 

【ルパンフィーバー!】

 

【イタダキドストライク!!】

 

その音声が鳴り響くと、俺はバイカイザーへと向けると、巨大な赤い赤いエネルギーが集まっていき、引き金を引く。

 

「ぐっ、こんな事で終わるとはぁ!!」

 

その叫びと共にバイカイザーが爆発し、バイカイザーの変身は解除され、オズワルドが落ちていくが、俺達はなんとか受け止める。

 

「お父さんは」

 

「大丈夫だ、気絶しているだけだ」

 

「良かった」

 

そう言い、シャロンは安心したように声を出す。



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予告状66 誕生!Wスーパーレッド

あの後、オズワルドはこの世界の米国によって大半の罪をオズワルドに全ての責任を押し付けて、アメリカに送還された。

 

結局、オズワルドがなぜあそこまで、ここまでの事をしたのかという狂気を抱いてこの計画を行ったのかは知らないままに事件は終わってしまった。

 

そして、この世界の危機を終えた後、二課は俺達の戦いを見て、可能性があるシンフォギアシステムの研究を再開する事になった。

 

ヴィマーナもといビクトリーストライカーについては、二課での保管でも危険で米国に渡った場合も考慮して、今後も俺が管理する事になった

 

そして、俺がこの事件で関わりなかったシャロンの姉妹達は無事に保護されて、しばらくは安全が約束され、別れる時が来た。

 

終始、シャロンとの別れを寂しがっていた響だが、そんな響の背中を押してくれたのはシャロンだった。

 

そんなシャロンの姿を見て、響も決意したようで、いよいよ元の世界に帰る時が来た。

 

「本当にありがとう、雨宮兄さん」

 

「俺はあんまりできてなかったと思うぞ」

 

実際にこの事件で俺ができたのは最後の戦いでオズワルドを止める事だけだった。

 

シャロンの命を救う事も運命を変える事ができたのも全部、響がいたからこそだ。

 

「そんな事ないよ、雨宮兄さんがいたから、私、響姉ちゃんの声が聞こえたから」

 

「・・・、そうか、だったら俺が来た意味はあったな」

 

シャロンを助ける為に動いた響の為に、戦って、救う事ができた。

 

誰かの為に戦った先にあった笑顔。

 

それを知る事ができただけでも、俺には十分なぐらいの報酬だった。

 

「またな、また遊びに来る」

 

「っうん!

また、会おうねっ!!」

 

そう言い、笑顔で別れの言葉を言ってくれるシャロンに見送られ、俺達は元の世界へと帰っていった。

 

そして、俺達は元の世界へと帰る為のゲートを通り、抜けた先にあったで見た光景は何かに襲撃されたのか、ボロボロになっている街だった。

 

「これはっ!?」

 

そう言い、俺達は周りを見渡すと街には溢れるばかりのロボットによって街は占拠されており、逃げる人々を捕らえる緑色のロボットが拘束または殺す為に銃を放っていた。

 

「これは一体」

 

『皆、聞こえるか!』

 

「師匠、これは一体!?」

 

『ギャングラーがこちらの世界に攻めてきた。

現在は二課、勇者、忍など各勢力がなんとか反撃しているが、数による戦力の差が大きすぎて、このままでは危険だ』

 

「師匠は今はどこに」

 

そ言っていると、何やら大量のロボットが吹き飛ばされているのが見えたので、俺達はそこに覗き込むと、素手大量のロボットを石堂と一緒に無双している指令の姿が見えた。

 

『この通り、俺も出ないといけない程にやばい状態だ。

ガーディアン一体一体の戦力は一般の兵士以上だが、数だけに油断ができない』

 

「ガーディアン?

なんで名前を」

 

『それは俺が教える』

 

そう言い通信で変わったのは石堂だった。

 

『雨宮、俺が元々ルパンレンジャーになった理由は覚えているか?』

 

「あぁエボルトだったよな」

 

『その通りだ。

そしてガーディアンは元は俺の世界にいた兵器だ。

奴は今、完全に力を取り戻した状態になっている』

 

「完全に?」

 

「それはどのくらいやばいんだ?」

 

『奴の完全な力はブラックホールを作り出し、吸収した力を完全に我が物にする事ができる』

 

「なっ、それじゃあ」

 

「このままだと、この世界は」

 

『エボルトによって、滅ぼされる』

 

状況は思ったよりも最悪だったようだ。

 

『だが、まだ奴を倒せる。

奴はブラックホールを作り出す為にはまだ時間がかかる。

今はパトレンジャー達が相手をしているから、間に合えばなんとかなるかもしれない』

 

「パトレンジャーが」

 

『今は世界の危機だ。

それは分かっているな』

 

「あぁ分かっているよ。

とにかく、手分けして人々からガーディアンを守ろう。

俺はこのままエボルトの元へと行く」

 

『だったら、こちらに来て、これも持っていけ。

おそらくエボルトとの戦いではお前とパトレン1号だけになる』

 

「・・・少しでも勝率を上げる為か」

 

「そんな事をしなくても、俺達が全員でやれば、なんとかなる」

 

「儂らだけでもじゃがな」

 

「けど、ガーディアンを相手するのにも人数が必要だ。

だからこそ、ここは俺に任せてくれ」

 

「・・・分かった、信じるよ」

 

そう言い各々の顔を見た後、頷いた後、俺達は走りながら手に持ったVSチェンジャーにダイヤルファイターをセットする。

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

「怪盗チェンジ!」

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

そう叫ぶと共に街の中を走り出し、道中で襲い掛かってくるガーディアン達を倒しながら進んでいくと

 

「これを持っていけ、雨宮」

 

何かが投げられ、受け止めると、そこには見た事のないダイヤルファイターが渡されたと思ったが

 

「トリガーマシン」

 

パトレンジャー達が使っているトリガーマシンだった。

 

「今のパトレンジャーでは勝てないからな。

力を貸してやれ」

 

「そんあ余裕はないというのにぃ!」

 

「それはエボルト相手でも同じだ。

ならば、少しでも勝率を上げる為にも使うのが得策だろ」

 

「だが見た感じ、力も何もなさそうだが?」

 

「お前のダイヤルファイターの力の一つを押し付けてみろ。

それによって、力が覚醒するはずだ」

 

「そんな無茶を言われても、困るがな」

 

そう言いながらも、俺は石堂に何か考えがあると思い、トリガーマシンを懐に入れ、目的地に向かって走る。

 

しばらく走り抜けると、そこはエボルトが待ち受けている場所へと向かうと、そこにはエボルトが既にベルトを回してパトレンジャー達に攻撃をする所だった。

 

【Leddy GO!ブラックホールフィニッシュ!】

 

その音声と共にパトレンジャーの前に巨大なブラックホールを思わせるエネルギーが飛ぶ込んでいく。

 

「まったく、世話を賭けるぜ!!」

 

このままでは助けに行っても間に合わないが

 

「諦めるかよ」

 

そう言い、俺はワイヤーを伸ばし、奴らの身体に巻き付けると、そのまま力の限り引っ張ると、ぎりぎりブラックホールは避けられ、後ろにあった建物を破壊するだけにとどまった。

 

「どうやら、メインディッシュが来たようだな」

 

「このワイヤーは」

 

それにより、俺の存在を気づいた両名はこちらを見つめており、俺はエボルトを睨む。

 

「よぅ、さっきぶりだな。

この騒ぎでのガーディアンの材料だが、もしかしてあれか?」

 

「まぁな。

オートマトンは実に良い材料だからな、大量に盗ませてもらった。

お前には感謝しているぜ、なんだってあの世界へと案内してくれたからな」

 

「そうか、だったら成仏しな」

 

「そう言うなよ、俺はお前との戦いは結構楽しみにしていたんだぜ」

 

「なに?」

 

そう言いながら、エボルはこちらを笑みを浮かべながら訪ねていく。

 

「だから提案だ。

ルパンレッド、俺と一体化しないか?」

 

「なに?」

 

「お前の目的も知っている。

ルパンレンジャーになったのだって、その目的の為に過ぎないんだろ。

それにお前にとってもこの世界は好ましくないはずだ、纏めて消し去ろうじゃないか?」

 

「本気で乗ると思っているのか?」

 

「どうだろうな、だが俺はお前の敵の行方を知っている」

 

「っ!!」

 

「どうだ、簡単だろ、嫌いな世界を壊すだけでお前は目的を達成できる、これ程素晴らしい提案はないだろ」

 

「騙されるな!!

エボルトはルパンレッド、そのまま乗ったら、お前は後戻りできないぞ」

 

そう言いパトレン1号が騒ぐが、俺は始めから答えが決まっている。

 

「そうだな、まぁ確かにこの世界が嫌いじゃないと言ったら嘘になるからな。

正直言うと壊したいと思っている」

 

「ならば、俺と手を組むのに何の問題もないな」

 

「そうだな」

 

そう言い、エボルトは手を差し伸べながら近づくが、俺はエボルトにVSチェンジャーを構える。

 

「なんの真似だ?」

 

「何って、俺は提案なんて、最初から乗るつもりなんてないぜ」

 

「ほぅ」

 

「俺はこの世界が嫌いだというのは嘘でもない。

だけどな、それ以上にこの世界は大好きなんだよ。

帰る所があると思ってくれる仲間がいる世界を俺は守りたいからな。

だからエボルト、お前はここで倒す」

 

「ふっ、奴と似た感じだと思ったのだが、残念だ。

お前のペルソナ、できれば意思がある状態で取り込みたかったが、手段は変更しないとな」

 

「行っていろ」

 

俺はそう言い手に、ビクトリーストライカーとここに来る前に石堂がパトレン1号に渡せと言っていたトリガーマシンを取り出す。

 

「シャロン、力借りるぜ!」

 

その言葉と共にこの状況を逆転する為にビクトリーストライカーを石堂が持ってきたトリガーマシンを押し付けると、その瞬間真っ白だったトリガーマシンは青が特徴的な戦車型のトリガーマシンが現れる。

 

「これを使え」

 

「ルパンレッドっ!?」

 

別に奴に力を渡したい訳ではないが、忍達がいない現状では、状況を打開する為にはパトレン1号に使ってもらうしかない。

 

「どういうつもりだ?」

 

「この状況で戦えるのは俺とお前だけしかないだろ。

お前に渡さないで意地を張っていたら、エボルトには勝てないからな。

さっさと使え」

 

「くそっ」

 

それだけ言うと各々のVSチェンジャーにビクトリーストライカーと新しく誕生したトリガーマシンをセットする。

 

【ビクトリーストライカー!1・1・1!ミラクルマスカレイズ】

 

【サイレントストライカー!グレイトパトライズ】

 

【スーパー怪盗チェンジ!】 【超警察チェンジ!】】

 

【ルパンレンジャー】【パトレンジャー】

 

俺達が引き金を引くと同時に俺の姿はシャロンから受け取ったスーパールパンレッドへと変身し、パトレン1号の姿は金色の装甲が装着され、2つのキャノン砲が装着された姿へと変わっていた。

 

「スーパールパンレッド」

 

「超パトレン1号」

 

『姿が変わった所で何ができる!』

 

そう言い、エボルはこちらに向けて銃を放ってきており、俺はその攻撃を受けて吹き飛んでしまい、超パトレン1号はまったくダメージを受けていない様子だった。

 

「姿が変わった所で何ができる!」

 

「えっ」

 

先程、吹き飛ばされたはずの俺はなぜか吹き飛ばされており、エボルは先程と同じ言葉を言っていた。

 

「もしかして」

 

俺はそう言い、奴の攻撃が来る前に超パトレン1号を軽く蹴り飛ばして、攻撃を避け、手に持ったVSチェンジャーでエボルが持っていた銃を打ち抜く。

 

「ぐっまさか、ここまで攻撃を読むとはな。

実力は確かに上がっているようだな!!」

 

その一言と共にエボルは姿を消すが、俺はすぐにルパンマグナムを手に持つと後ろへとワープしてきたエボルを打ち抜き、そのまま後ろへと周り、蹴り飛ばす。

 

「さっさと撃て、それは飾りか?」

 

「言われなくても!!」

 

そう言い超パトレン1号は肩についていたキャノン砲の引き金を引くと、俺のルパンマグナムで放つ必殺技と同じぐらいの威力がある攻撃がエボルに当たる。

 

「ぐっなぜ俺が背後に来るのを」

 

「俺の大切な妹から託された力だからな。

お前のよりも強かっただけだ」

 

それだけ言うと俺は度々襲い掛かってくるエボルの攻撃を避けながら、攻撃を仕掛けていき、超パトレン1号のキャノンによりエボルの装甲徐々にだが剥がされていった。

 

「まさかここまでとはな!

下等生物如きがぁ!!」

 

「一気にとどめを刺す!!」

 

俺はそう叫ぶと手に持ったルパンマグナムをVSチェンジャーをセットし、エボルに狙いを定める。

 

【アン・ドゥ・トロワ!

イタダキ・ド・ド・ド・ドストライク!】

 

その音声と共に、俺の目の前にある巨大な赤い光球が集まり始まり、超パトレン1号のキャノン砲のエネルギーが注ぎ込まれ、引き金を引く。

 

「舐めるなよ!!」

 

そう言いエボルもドライバーを回して、こちらに向かって蹴り上げていくが

 

「結末はもう見たんだよ」

 

「なっ」

 

俺はそう言い終わるのと同時にエボルは光球によって打ち抜かれ、宙へと飛び

 

「この俺がまた滅びるだと!!

人間共があぁぁ!!」

 

エボルは最後の叫び声と共に今度こそ完全消滅する。

 

「なんとか勝てたのか」

 

そう言った超パトレン1号は脱力した様子で地面に座り込むが、俺はそんな奴を放っておき、忍達の元へと行く事にする。

 

「怪盗」

 

「それじゃあな、今度はそいつを返させてもらうからな」

 

そう言い、俺は空を飛び、忍達の元へと向かう。

 

「どうやら、解決できたようだな」

 

「なんとかな」

 

そう言い、出迎えてくれたソーマと忍に軽口を言いながら背中を預けて、周りを見る。

 

まだ大半のガーディアンはいる様子で油断はできないようだが、指令系統を失った以上はなんとかなるだろ。

 

「さてっと、あんたらのお宝、頂くぜ!!」



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予告状67 ロボット戦争勃発

エボルトとの戦いを無事に終わり、俺達は残りのオートマトンやガーディアンを倒す為に様々な地で戦っていた。

 

だが、その戦いの中でもダイヤルファイターにも限界が迎えており、メンテナンスを行う為にS.O.N.Gの基地でメンテナンスを行て貰う事になったのだが

 

「暴走!!」

 

「はい、とにかく基地へ急いで来てください!!」

 

俺達が店にいると、当然エルフナインから来た連絡を受けて、基地がある港へと走ったのだが、そこには大量のオートマトンやガーディアン達が皆と戦っていた。

 

「これは一体!?」

 

「雨宮先輩!!」

 

「おっと!?」

 

攻撃が当たる直前、声が聞こえて、その場を飛ぶと、そこにはオートマトンがおり、なんとか手元に残っていたVSチェンジャーで牽制を行いながら、その場から離れる。

 

「くっそ、まさか、こんな事態になるとはな」

 

俺はそう言いながらも俺は怪盗衣装を身に纏いながら、VSチェンジャーを構える。

 

「これこそ、絶体絶命デス!!」

 

「なんとかしないと」

 

そう言いながら、俺達は周りを見渡すと、そこには既に大量のオートマトンとガーディアンがいるが、何よりも俺が驚かしたのは

 

「まさかこうして自分達の力を実感する日が来るとはな」

 

オートマトン達の腕には俺達の力でもあるダイヤルファイターが装着されていた。

 

「一体、なんでこんなにいるんだ?」

 

「それが、私達も詳しい事は聞いていないけど、なんでも不和の林檎が原因としか」

 

「それって、確か政府から依頼されていた奴だったか?」

 

「うん、でもこの状況と、どう繋がっているのか」

 

「とりあえず、奴らからダイヤルファイターを取り戻さないとな」

 

あれには俺達の思いや仲間との絆が詰め込まれた大切な物だから、こんな事に使われる訳にはいかない。

 

「でもオートマトンは通常のシンフォギアではダメージを与えるのは難しい」

 

「策はちゃんとあるぜ。

でも二人共、ちょっと協力しろよ」

 

「協力は別に良いデスけど、何を?」

 

「とりあえずは、逃げる!!」

 

そう言い、俺は二人を持ち上げるとそのまま走り出す。

 

「えっ先輩!!」

 

「逃げるって、どういう事!?」

 

「状況を見ても、一撃で決めないといけないからな。

ここでやっても良いけど、確実にやばいからな」

 

「やばい?」

 

そう言いながらも、俺は二人を抱えながらも追ってくるオートマトンを見ると、数は多くないがダイヤルファイターを持った個体もきちんとおり、こちらへの攻撃を緩む様子もない。

 

「このままじゃ」

 

「ちゃんと策はあるって!

二人共、どっかに俺を支える所ってあるか?」

 

「だったら、あそこは!」

 

「よしっ」

 

二人が指したのは無人の公園で辺りには誰もいない事が分かる。

 

俺はそこに飛び込むと同時にルパンマグナムを呼び出し、VSチェンジャーにセットする。

 

【アン・ドゥ・トロワ!】

 

「しっかりと支えてくれよ」

 

「そういう事」

 

「ばっちり任せるデス!!」

 

その言葉に任せるように、俺はこちらに近づいて来るオートマトン達に狙いを定めると、背中を押して、二人がしっかりと抑えてくれるので、俺は遠慮なく引き金を引く。

 

「返してもらうぜ!!」

 

【イタダキ・ド・ド・ド・ドストライク!!】

 

俺は同時に引き金を引くと、巨大なエネルギーがルパンマグナムから放たれ、オートマトン達を全て巻き込み消えていく。

 

普段はルパンレンジャーに変身している事で、ダメージを抑えているが、生身で行うのはあまりの威力で狙いが正確に行えないので、こうして二人のサポートなしでは使えない手だった。

 

「ダイヤルファイターは」

 

「あそこに」

 

そう言い調が指を向けた場所にはレッドダイヤルファイターとビクトリーストライカーがあり、俺はなんとか掴む。

 

「これで、まだなんとかなるな」

 

他のダイヤルファイターも取り戻したいが

 

「そうも言っていられないな」

 

俺はそう言い、見てみると、他のオートマトンやガーディアンが巨大化して暴れており、このままでは危険だ。

 

「おぉ、凄い祭りじゃないかよ!!

今回は俺を使ってくれるか?」

 

「確かに凄い数で、頼もしいけど」

 

「両手のパーツがないと、ルパンカイザーができないデス!!」

 

他の状況が分からない以上、ルパンカイザーになる事もできない。

 

ルパンマグナムでも、どこまで対応できるか分からないし、ジャックポットストライカーは別の世界にいる怪盗団もいないとできない。

 

「絶体絶命か」

 

そう言いながらも、諦めるつもりは最初からなく、俺はルパンマグナムを巨大化させようと考えていると

 

『調さん、切歌さん!

お待たせしました!!

今から二人専用のダイヤルファイターを送りますので、受け取ってください!!』

 

「えっエルフナイン!?」

 

「専用?」

 

エルフナインが言うのは一体何なのか、疑問に思っていると、二人の元に高速で迫ってくる何かが見え、見てみるとそこには

 

「二人のロボット?」

 

「これは調ロボに」

 

「切歌ロボ!?」

 

何か知っているようだが、一体

 

「これは元々私達がそれぞれ誕生日用に作ったロボットデス!!」

 

「この前エルフナインに貸してもらいたいと言っていたけど、こういう事!!」

 

『この二体のロボットにも変形機能がありますので、ルパンカイザーと戦えるはずです』

 

「だったら」

 

「先輩!!」

 

「やるしかないな!!」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーにレッドダイヤルファイターをセットし、二人もルパンチェンジャーを取り出す。

 

【レッド】【グリーン】【ピンク】

 

【0・1・0】 【0・9・6】【0・1・9】

 

【【【マスカレイズ】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

それと同時にすぐに俺はビクトリーストライカーを、二人は各々のロボットをルパンチェンジャーにセットする。

 

【【【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】】】

 

【ビ・ビ・ビ・ビクトリー】

 

【グ・グ・グ・グッド】

 

【キ・キ・キ・キリロボ】

 

【シ・シ・シ・シラロボ】

 

その音声が鳴り響くと、同時に巨大化すると、グットストライカーも一緒に巨大化する。

 

「それじゃあ、行くぜ、怪盗ガッタイム!

勝利を掴み取ろうぜ!!」

 

その音声と共にビクトリーストライカーが頭部、二体のロボットは各々腕のように変形し切歌ロボは肩に尖った鎌のような装甲、調ロボは肩にピンクの車輪のような盾が装着され、合体は完了する。

 

「完成!ビクトリールパンカイザーザババ!!」

 

ビクトリールパンカイザーザババへと合体完了すると同時に、目の前にある画面から映し出されたのは、オートマトン達が纏っている装甲についてのデータが表示された。

 

「これは、まさか奴らは特典身に纏っているというのか?」

 

「さすがに厄介、でも」

 

「先輩と調と私の三人のビクトリールパンカイザーならば、勝てるデス!」

 

「俺がいるのも忘れるなよ」

 

そう言っている間にオートマトン達が手に持っている銃をこちらに向けて放ってきたが、左腕に装着されていた調ロボの盾が開くと、そこから大量の車輪が現れると、銃弾を次々と打ち落としてく。

 

その間にビクトリールパンカイザーザババは背中のジェットを発動させ、空へと飛ぶと、右腕の切歌ロボが変形した鎌を片手に目の前のオートマトンを一体切り裂く。

 

こちらの所在が分かったオートマトンは手に持った銃でこちらに攻撃を仕掛けてくるが、先程切り裂いたオートマトンを持ち上げ、盾にして、そのまま他のオートマトンの元へと走り出す。

 

接近すると同時に剣や斧などの武器を持ったオートマトンが攻撃を仕掛けるが、調ロボの車輪で武器を受け流しながら、切歌ロボの鎌で次々に切り裂いていく。

 

『皆、この地域にいる全ての敵をロックオンしたよ』

 

『一気に決められるよ』

 

「おぉ、何時の魔に!」

 

「だったら、決めるか!!」

 

「賛成デス!!」

 

「だったらこれだぜ、ビクトリールパンカイザーザババ、飛行モード!!」

 

その言葉と共に空中へとビクトリールパンカイザーが飛ぶのに合わせて両腕の二体のロボが分裂すると、オートマトンを囲むように離れると同時に互いにアンカーを放ち、オートマトン達の身動きを取れないように拘束すると、空中へと再び合体する。

 

「グットストライカー!ザババエクスプレスで引き捲れアタック!!」

 

その言葉と同時に二体の各々の武器が巨大化し、アンカーによって拘束されたオートマトンを切り裂くのと同時に爆発する。

 

「私達の勝利デス!」

 

「うん、なんとかなった」

 

「まだまだ事件は終わっていないけどな」

 

ダイヤルファイターを持ったオートマトン達がまだいる以上油断はできず、敵が持っている不和の林檎についても詳細が分からない以上、油断はできない。

 

『だけど、皆で力を合わせればなんとかなるデス』

 

『うん、頑張ろう』

 

「そうだ・・・」

 

そこまで言って、二人の方を見ていると、なぜか呆然とした表情で見ていた。

 

「あれ、さっき話していたのは二人なのか?」

 

そう言うと二人は勢いよく首を横に振るのでもしかしてと思い見てみると、画面にはデフォルメ化されている二人のロボットが笑顔でいた。

 

「・・・なるほどね」

 

どうやら、味方が二人増えたらしい、ロボだけど。



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予告状68 ロボット大戦終結

「それにしても、本当に喋れるんだな」

 

戦いが終わった俺達は基地に戻って、改めて二人のロボットを見ると、本当に自分の意思を持っているように動いている。

 

「これは僕が皆さんのダイヤルファイターを元に開発した物ですから。

今回のメンテナンスでダイヤルファイターの詳しいデータもより多く取れたので、ルパンレンジャーに変身する事が多いお二人のサポートメカとして改造しましたので」

 

「改造?

という事は元からあったのか?」

 

「うん、元はお互いの誕生日の日に作って、渡したの」

 

「エルフナインが持ってきて欲しいと言ってきたので、連れてきたのデスが、まさかダイヤルファイターになるなんて、すごいデス!!」

 

「喋れるようになったのは、僕も予想外ですけど」

 

そう言われてみると、確かにすごいな。

 

けど、ほとんどのダイヤルファイターが奪われたこの状況では、本当に心強い助っ人だ。

 

「未だにオートマトン達の侵入経路は分かりませんが、このままではオートマトン達が再び活動するのも時間の問題です」

 

「でも、オートマトン達の居場所なんて」

 

『それでしたら、私達がなんとかできます』

 

「えっ本当ですか!!」

 

『オートマトンに残っている残骸からデータを採取すれば、もしかしたらデスけど』

 

「確かに、可能性としてはありますが」

 

「とりあえずは、今はその可能性に賭けるとしかないな。

行くか」

 

そう言い、俺達はすぐに出発し、戦闘があった場所に行くと、僅かに残っていたオートマトン達の頭部があり、二人のロボット達が調べ始めた。

 

『これはどうやらオートマトン達は一ヶ所に集合するようにプログラミングされています』

 

『ここに行けば』

 

「まさかとは思ったが」

 

思った以上に簡単に手掛かりが見つかり、少しは拍子抜けした。

 

だけど、それ以上に簡単すぎてなにか罠があるのではと疑問がある。

 

敵がこちらに対して油断したからという言葉もできるが、ダイヤルファイターを盗み出した奴らがこうも簡単に居場所が分かるような手掛かりを残すのか?

 

「罠の可能性もあるな」

 

「でも、行かないと分からない」

 

「とにかく様子見だけでも行くデス!!」

 

「まぁな」

 

作戦実行するにしても、現場に行って確認するしかない。

 

そう言い、俺達はすぐに現場へと急いで行ってみると、そこには予想通りと言うべきか、大量のオートマトンがおり、その中央にいるのは何か機械を持った奴がいた。

 

「どうやら本当だったみたい」

 

「居場所が分かったからな、ここは響達にも連絡して、見張っておくぞ」

 

「了解デス」

 

そう言い俺達は物陰に隠れていると、一体のオートマトンがこちらに向くと、攻撃を仕掛けてきた。

 

「ええぇ!!

こっちの居場所が分かったデスか!!」

 

『ロボットだから、熱源探知で?』

 

『油断したデス』

 

そう言っている間にも、オートマトン達は次々と現れ、俺達を囲むように武器を構えていた。

 

その中にはダイヤルファイターを模した武器を持つオートマトン達もいる。

 

「どうやら、ただでは帰させてくれそうにはないようだな」

 

「こうなったら行くしかないデス!」

 

「うん!!」

 

その言葉を合図に俺はレッドダイヤルファイター、二人は各々のシンフォギアを取り出すと、VSチェンジャー、ルパンチェンジャーにセットする。

 

【レッド】【グリーン】【ピンク】

 

【0・1・0】 【0・9・6】【0・1・9】

 

「「「怪盗チェンジ!!」」デス!」

 

【【【マスカレイズ】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】 

 

その言葉と共に俺達はルパンレンジャーへと変身すると共に俺は手にはビクトリーストライカーを手に持ち、切歌は調ロボを、調は切歌ロボを持つと、そのままセットする。

 

「さらにパワーアップした私達を」

 

「見て驚けデス!!」

 

【ビクトリーストライカー】【シラロボ】【キリロボ】

 

【【【スーパー怪盗チェンジ!】】】

 

その音声と共に俺はスーパールパンレッドに、二人は各々がロボットの装甲が分解すると、二人は各々のシンフォギアの装甲を交換した姿へと変わる。

 

「スーパールパンレッド」

 

「スーパールパングリーン」

 

「スーパールパンピンク」

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!!」」」

 

「俺達のお宝、返させてもらうぜ!!」

 

その言葉と共に俺達は走り出すと、目の前にいるオートマトン達は俺達から奪い取ったダイヤルファイターを模した武器を取り出して、襲い掛かってくる。

 

だが、ビクトリーストライカーの力により、敵の動きが意図も容易く避ける事ができ、その先にいた切歌はマントから出てきた鎌で切り裂く。

 

「およよっ!!

さっきのは一体!?」

 

「敵の動きが見えた?」

 

『雨宮さんの持っているビクトリーストライカーの力が私達にも影響が出ている』

 

『だから、二人にも雨宮さんが見えている光景が見えます』

 

「ならば、二人共、見えるな!!」

 

「うん、だから、一緒に」

 

「行こう!!」

 

その言葉と共に俺の背中から出てきた二人は、それぞれの装甲から出てきた百を超える武器が一斉にオートマトン達に襲い掛かり、俺はその中に突っ込む。

 

普通ならば避けきれないが、俺はビクトリーストライカーによる予知能力、そして二人が俺の進む先が見えているので、攻撃の軌道を変える事も用意だ。

 

それによりオートマトン達が吹き飛ばされる中で、俺は手に持ったレッドダイヤルファイターを持ち、オートマトン達が奪ったダイヤルファイターを取り返していく。

 

その奪い返したダイヤルファイターの一つであるシザー&ブレードを二人へ向かって投げる。

 

二人はそれを受け取ると、VSチェンジャーにセットする。

 

「「イグナイトモジュール、抜剣」デス!」

 

その言葉と共に、ダイヤルファイターに込められたイグナイトの力が解放され、二人の身体は黒く染まり、イグナイトモジュールを使った状態になっていた。

 

「一気に決める」

 

「了解デス!!」

 

「本当に頼りになる奴らだぜ」

 

俺はそう言うとルパンマグナムを取り出し、各々の武器で大量に集まっているオートマトンに狙いを向けると

 

【ルパンフィーバー!】

 

【イタダキドストライク!!】

 

その言葉と共に二人は手に持ったルパンチェンジャーも構えると、そこから緑とピンクが合わさった黒い弾丸が生成され、俺もルパンマグナムを構えると同時に引き金を引く。

 

そして、弾丸が放たれると、俺達はすぐに移動して、様々な場所で同じように必殺技を放っていき、円を描くように必殺技を放っていく。

 

互いの位置や攻撃が当たる場所も簡単に避ける事ができるので、オートマトン達だけに攻撃は当たり、そして

 

「たっ」

 

「倒せた!!」

 

「よしっ!!」

 

全てのオートマトン達は一斉に倒され、辺りには既にオートマトン達の残骸しか残っていなかった。

 

辺りを確認しても、残ったオートマトン達の影はないようだ。

 

「とりあえずは一安心です」

 

「うん」

 

「あとは、このオートマトン達を操っていた奴をっ!?」

 

俺はそう言おうとした瞬間、胸が急に痛みだした。

 

見てみると、俺の胸から腕が突き抜けており、その先にはどくどくと動く何かがあった。

 

「この時を待っていた」

 

「えっ」

 

「せっ先輩」

 

「離せデス!!」

 

二人は俺の背後にいた何かに向かって攻撃を仕掛けると、奴はすぐに手を放し、その場から離れるが、俺の身体は重力に従うように倒れ

 

「死ぬのか」

 

意識が消えていく。



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予告状69 心の決着

ダイヤルファイター強奪事件から一日経った。

 

あの日、雨宮がオートマトンを操っていた奴を背後から襲われてしまい、現在はこの施設で治療を受けていたのだが、儂が注目しているのは、その襲撃時の映像を睨み付ける。

 

「今の所、回復する手段はない」

 

「というよりも生きている事自体が不思議な訳か」

 

そう言いながら、雨宮の現状は危機的な状態だ。

 

あの戦いにおいて、奴は心臓を突き抜けており、即死にも近い状態だったが、今は儂の血を受け取った事により、仮初だが生き永らえる事ができた。

 

だが、それにも限界があり、死ぬ事はなくても、目覚める事は難しいのが、今の苦しい所だ。

 

「全てはこいつの仕業だが」

 

そう言い、映し出されたのは雨宮を襲撃された時の映像だが、予知する事ができたはずの雨宮を倒した

 

「霧という訳か」

 

雨宮の背後を襲い掛かった奴はまるで瞬間移動のように、霧から実体になって雨宮を倒した。

 

そして、その方法には見覚えがあった。

 

「・・・」

 

「とにかく、雨宮の治療が先決だ。

なんとかしなければ」

 

「悪いが、儂は少し用事があるから出ていく」

 

「なっ、こんな時にどこへ」

 

「本来の目的じゃ」

 

「本来って、まさかあいつが心臓を奪ったという奴なのか」

 

「あぁ」

 

「けど、雨宮がこんな状況で「儂の目的の為にここまで来た、だから邪魔するな」お前」

 

後ろから聞こえる声を無視し、儂は無視し、その場から去った。

 

「とうとう目的の奴が出た訳だな」

 

「あぁ」

 

あの映像に出てきた霧の手は、儂があの時に心臓を奪い取られた状況と一致している。

 

ならば、あいつから心臓を取り戻す。

 

「どうやら、覚悟は決まったようだな」

 

「あぁ」

 

「だったら、これを持っていけ」

 

そう言い渡してきたのはビクトリーストライカーに似た機体だったが、色はまるで違う物だ。

 

「これは?」

 

「タイムストライカー、ビクトリーストライカーを元に作り出されたルパンイエロー専用機体だ」

 

「そうか」

 

その言葉と共に儂は基地から飛び出す。

 

奴の特徴を知った以上、探し出すのはこれまでの怪盗活動において身に着けた技術で容易だ。

 

そして、儂は奴が残した痕跡を見つけて、探し出すと、そこは神社に行くと、そこには黒い鎧を身に纏った巨人がいた。

 

そして、奴から感じる気配だけで、その正体が分かった。

 

「久しぶりだな、死死累」

 

「えぇ、お久しぶりです、キスショット」

 

そう言い、奴の姿は鎧姿から昔と同様の姿へと変わった。

 

「お前が儂を憎むのも分からなくないがな。

だが、それを含んで、儂は貴様から心臓を奪い返させてもらう!!」

 

「憎む、確かにそれが以上にあなたとの復縁を望む」

 

「なに?」

 

復縁、それはつまりは再び死死累を眷属にして欲しいという訳か。

 

「儂の心臓を奪い取ってか?」

 

「えぇ、あの時のあなたは余りの強さで生きる気配もなかったので、生きる為に弱くなってもらわないと」

 

「はぁ?」

 

儂は何を言っているのか分からず、疑問に思って聞いたが、その時死死累は狂ったように笑い出す。

 

「あの時、あなたは強すぎて自殺だけ考えていた。

そんなあなたではなく、生きようとするあなただからこそ、私が求めたキスショットだ」

 

「はぁ、本当に、長い間生きてしまって狂ったそうだな」

 

既に奴の精神は既に壊れかけており、何を話しても無駄な様子だ。

 

「どちらにしても、お前を倒すのに、関係はないがな」

 

その言葉と共に儂はイエローダイヤルファイターとVSチェンジャーを取り出し、セットする。

 

【イエロー】

 

【1・1・6】

 

【マスカレイズ】

 

「怪盗チェンジ」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!】

 

「キスショットとしての姿ではなく、その姿で戦うのですね!!

 

そう儂がこの姿になったのが余程気に入らなかったようだ。

 

「あなたの完全体としての姿が見たかった。

あいつを殺せば、それが見られると思ったのに、なお」

 

「あぁ、だが考えてみれば、これが儂にとっては最も可能性がある姿だからな」

 

儂は取り出したのは石堂から渡された新たなダイヤルファイター。

 

この力は雨宮が使っていたビクトリーストライカーと同様に強力な力を持っているが、使い方を誤れば、こちらが消滅してしまうという強力な力を持っている。

 

だが

 

「だからこそ、儂の目的の為、貴様を倒させてもらうぞ」

 

「なぜ、私との復縁をすれば、良いだけどの話を?」

 

「別にお前とは関係ない。

儂はただ、自分がやりたいようにやっているだけじゃ」

 

人を殺さなかったのも、雨宮に合わせただけど、抵抗など何もない。

 

それに今は目的を果たせるならば、約束を破っても儂には関係ない。

 

確かに奴の言う人殺しをせぬようにしてきたし、それによって多くの事を得られたがな。

 

「だが、儂はお前を殺したいからやるだけだ。

それ以外に理由なんてない」

 

「狂っている!?」

 

「人間以上に生きたんじゃ。

それぐらいの感情は持つさ」

 

それにより、儂の中にある決意は固まった。

 

「だから、お主、儂の為にその心臓を変えさせてもらう」

 

その言葉と共に、そこに現れたのはビクトリーストライカーと似た造形をしているが、その色は儂に合わせたか金色を中心になっており、儂はそれをVSチェンジャーにセットする。

 

【タイムストライカー】

 

【スーパー怪盗チェンジ】

 

「怪盗チェンジ」

 

その言葉と共に儂の姿はルパンイエローに変わったが、それから雨宮と同じような装甲を身に纏う。

 

「スーパールパンイエロー」

 

「その姿になったからと言って、勝てる保証はありませんが」

 

「それは試してみないと分からないじゃろ。

さぁ、お主の命、奪わせてもらう」

 

その言葉と共に儂はゆっくりと歩みながら、この力についてだが、分かった。

 

雨宮の求める物との違いによって、このような違いが出るとはな。

 

「ならば遠慮なく!!」

 

その言葉と共に奴は全身を霧に変えて、周りを囲んでくるが、儂は周りを睨み付けながら攻撃を仕掛けるのを持っていると、後ろから突っ込んで来るのが見える。

 

【STOP】

 

VSチェンジャーからそのような音声が鳴り響くと同時に儂以外の全てが止まり、儂はゆっくりとこちらに攻撃を仕掛けようとした死死累の横へと行くと蹴り上げる。

 

【START】

 

「がはぁ!!」

 

奴は何が起こったのか分からない表情でこちらを見つめるが、その表情は未だに笑みを浮かべる。

 

このタイムストライカーは儂が現在を求める故に、現在の時間を固定する能力を持っている。

 

雨宮の持つビクトリーストライカーが、予知による未来を掴むのならば、儂のは今を止める為の力のようだ。

 

長く生きる儂にとっては皮肉な能力じゃがな。

 

 

「さすがはキスショット、この程度攻撃は避けられるか。

だが、これはどうかな」

 

そう言い、奴が取り出したのは儂が持っている怪異殺しとは違う刀を取り出す。

 

「これは少し卑怯ですが、キスショットに勝てるにはこれしかなさそうですからね」

 

そう言い奴は周りを斬ると、そこから出てきたのは儂達がこれまで戦ってきた転生者や特典だが、そこには意識がないようだ。

 

「さすがに幹部級は出せませんが、これだけの数ならば、十分でしょ」

 

そう言い、死死累は笑みを浮かべたが

 

「無駄なんじゃよ」

 

【STOP】

 

それだけ言うと、一瞬で時が止まると、儂は手に持った怪異殺しを手に、死死累の元まで走り出して、奴の心臓を一刺しする。

 

「今の貴様では儂を殺せないのだから」

 

【START】

 

「へっ?」

 

何が起きたのか分からない表情でこちらを見つめる死死累だが、儂は奴の服の中にあった儂自身の心臓を取り出す。

 

「確かに頂いた」

 

それだけ呟き、儂はゆっくりと歩みだす。

 

「そんな、ここまでして、拙者は」

 

「お主は悪くない。

まぁ地獄に行ったら、また会おう」

 

それだけ言うと、死死累は瞬く間に塵となって、今度こそ、その存在は消え去った。

 

「・・・」

 

そして目の前にあるのは儂がルパンレンジャーになって、探し続けた心臓。

 

だが、今は

 

「行くか」

 

儂はそう言い、S.O.N.Gの基地へと歩みだす。

 

「えっ、忍ちゃん!?」

 

「どういう事だ?」

 

「少し邪魔じゃ、どけ」

 

そう言い儂は雨宮の周りにいる奴らをどかすと、手に持った心臓ごと、雨宮の心臓部分に向けて貫く。

 

「えっ忍ちゃん何をしているの!?」

 

「てめぇ!!

今は大変な時になんで、勝手に」

 

「いや、待てモルガナ!?」

 

そう言っていると、全員が雨宮の心拍を見ていると、先程まで消えかけていた心拍が急に活発し始めた。

 

そこには先程まで死にかけていたとは思えない程の健康状態へと変わっていく。

 

「一体なにが」

 

「儂の心臓をこいつにくれてやった。

こいつは儂と血の交換をしておったから、血液にも問題なかったが、どうやら上手くいったようじゃな」

 

「えっ状況がよく分からないのだけど」

 

「吸血鬼は元から生命力が高い生き物だ。

そのパーツを取り込めば、死にかけでも生き返る事はできる」

 

「そうなの。

でも、それ以上にあなたは確か心臓を取り戻す為にルパンレンジャーになったんじゃないの」

 

「確かにな。

だがな、今はそれ以上に儂はこいつの事が気に入っているんじゃ。

その為ならば、目的を捨てても良い程にな」

 

あの時、ルパンレンジャーになってから、雨宮との日々が今を変えてくれた。

 

「それじゃあ、儂は出ていくとする。

奴にはよろしく頼むと伝えてくれ」

 

「えっ忍ちゃん!?」

 

「儂は約束を破ったからな。

奴に合わせる顔はない」

 

「だけどよ、それはこいつを助ける為に!?」

 

「別に儂がやりたかっただけだ、だからもう構うな」

 

それだけ言うと、儂は

 

「どこに行くつもりだ」

 

そう思っていた儂に声をかけたのは先程まで死にかけていたはずの雨宮だった。

 

「なんじゃ、以外にも早く目が覚めたようじゃな」

 

「まぁな、案外早く起きれたからな」

 

そう言いながら、雨宮は目をこちらに向けていた。

 

「悪いが、儂は抜ける。

お主との約束でもあった人を殺さないを破った。

だから、儂は」

 

「別に良い。

あれは俺自身の決意みたいな物だ。

それに、お前は殺していない、もしも殺したとしたら、俺の責任だ」

 

「だとしても」

 

そう言って、ベットの上から倒れそうになりながらも雨宮は儂に抱き着いてきた。

 

「もしもお前が殺したのが罪だって言うならば、俺も一緒に引きずってやる」

 

それだけで、儂は

 

「ならば、儂はこれからは決して破らないと誓おう」

 

そう誰も聞こえない程の小さな声で、儂は確かに破らない誓いを立てる。



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予告状70 過去を喰らえ

現在、新たにアンケートを行っています。
活動報告で出ていますので、皆様の応募、お待ちしています。


俺はその日は余りにもあっさりと、いや、確実に来るとは思っていた日が来てしまった。

 

「ソーマ君、君宛にあいつからの連絡が来ている」

 

「あいつ?」

 

その日、S.O.N.Gに来たのは風鳴の親父からだった。

 

「あいつとはもしかして」

 

「あぁ」

 

それだけ聞くと、俺はその内容を見ると、なるほど

 

「この事は他の奴らには言わないでくれ」

 

「だが、恐らくはこれは」

 

「分かっている。

けど、これは俺の問題だからな」

 

俺はそれだけ言うと、その場から離れようとすると、そこには石堂が立っていた。

 

「どうやら、これが必要なようだな」

 

「聞いていたのか」

 

「お前の目的を聞いていたからな。

近いうちに、来ると思っていてな」

 

俺はそれだけ聞き、受け取るのと同時に走り出す。

 

目的地にたどり着くと、そこには俺が探していた奴がいた。

 

「どうやら来たようだな、ソーマ」

 

「親父」

 

そこにいたのは、親父と探し求めていた奴、シオがいた。

 

「今まで、なぜシオを攫ったのかなんて聞くつもりはない。

だが、てめぇからシオを取り返させてもらうぜ」

 

「そうか、けど、私にはこの子が必要だからね」

 

それだけ言うと、シオを背後にいる何かを捧げると共に、親父の身体も変わっていく。

 

そこに出てきたのは巨大な男と女が合わさった怪物が現れ、そいつから感じる気配は

 

「アラガミ!?」

 

「この世界における最後のアラガミさ。

その意味は分かるかね」

 

「アラガミ!」

 

元々、アラガミは物質をなんでも捕喰するという特性の細胞の集合体。

 

その特性を利用すれば、特典を喰らえば

 

「アラガミで何をするつもりだ?」

 

「世界平和だが?」

 

「信じられるかよ、糞親父!!」

 

それだけ叫ぶと、俺は手に持ったVSチェンジャーでブルーダイヤルファイターをセットする。

 

【ブルー】

 

【2・6・0】

 

「怪盗チェンジ」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!】

 

俺は親父に向かって走り出すが、親父は手をこちらに翳すと、それだけで衝撃波が襲い掛かり、近くの柱まで飛ばされる。

 

「ぐぅ!!」

 

「ソーマ、君がここまでの道のりで強くなっているのは遠くから見させてもらった。

だがね、それと同じく私も研究を重ね、そしてアラガミの力を極限まで高める事ができた」

 

「があぁ!!」

 

「ただの怪盗と神殺しだけの力を持っているだけで勝てるとは思わないでくれたまえ!!」

 

そう言うと、背中から生えた輪から巨大な光柱が襲い掛かってきたが

 

「はあぁ!」

 

「くっ!!」

 

そう攻撃の衝撃を目にしながら、目の前は巨大な剣と、赤い光線が俺に襲い掛かってきた攻撃を反らした。

 

「お前達」

 

「よぉソーマ、こんな事をしているとはな」

 

「お前達」

 

そこにいたのは翼と雨宮と忍の三人がいた。

 

「一体何時から」

 

「お父様からの話を盗み聴きさせてもらった。

だが、お前だけで終わらせるつもりか」

 

「あぁ、そのつもりだ」

 

「ソーマ、お前は「まぁそう考えすぎるな」雨宮」

 

俺の言葉に戸惑っていたがそれでも何かを言おうとした翼だが、雨宮はそれを止めた。

 

それだけで、雨宮は俺を見ると、互いに頷く。

 

「悪いな、雨宮、ここは俺に任せてくれ」

 

それだけ言うと、俺は手元にあるダイヤルファイターを見つめながら、改めて親父を見る。

 

「ここまでしたのは俺の責任だ」

 

「そうか、だったら、待っている。

けど、絶対に帰ってこいよ」

 

雨宮のその言葉だけで、俺は確かな答えを、行動で見せる。

 

「あぁ」

 

俺はそれだけ言うと、手に持ったパーストダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする。

 

【パーストライカー】

 

「怪盗チェンジ」

 

【スーパー怪盗チェンジ!】

 

「なに?」

 

「スーパールパンブルー」

 

「ふむ、何時の間にそのような力を手に入れたかは分からないが、その力も貰うとする!!」

 

その叫びと共に親父はこちらに向かって走り出すが、俺はそのままVSチェンジャーを親父に向かって撃ち、そのまま手に持った神器で親父にぶつける。

 

「ふっ、無駄だ!」

 

だが、神器による攻撃を軽く受け流し、薙ぎ払う為に腕を振るうが、すぐに俺は神器の盾を展開させ、後ろに下がりながら攻撃を防ぐ。

 

「ルパンレンジャーになっても、その程度しか攻撃はできないのか!!」

 

そう言い、こちらに向けて薙ぎ払いや光柱と言った攻撃を行っていくが、俺は盾での防御とVSチェンジャーによる遠距離の攻撃。

 

そしてチャージクラッシュといった技を行うも、全てが避けられる。

 

「全ての攻撃が、このままではソーマが!!」

 

「これがアラガミ!?」

 

後ろからは俺を心配するように声が出ているが、あの二人はこちらの動きを見ていた。

 

「なぁ忍、気づいたか」

 

「あぁ、もしもあの動きからだとしたら。

面白い能力かもしれないなぁ

 

「なに?」

 

二人の会話が気になったのか、親父は俺の方を見ていたが、その時、既に準備は整っていた。

 

「ソーマ、お前は何をっ!?」

 

そう親父が何か言おうとした瞬間、背後から巨大な柱が現れ、親父の背中を切り裂く。

 

切り裂かれた事によって、親父の身体の一部が裂けており、何が起きたのか確認する為に背後を見ると親父の身体は次々と衝撃が襲い掛かってくる。

 

「ばっ馬鹿な!?

なぜ、ソーマが、こんなにいるんだ!?」

 

「えっえええぇぇ!!」

 

それは親父だけではなく、この場にいた全ての奴らの驚きの声だった。

 

親父を攻撃したのは紛れもなく俺だったが、その数はなんと20人。

 

「これって一体?」

 

「これがあのパーストライカーの力か」

 

「パーとは一体?」

 

「パーではないな。

あのダイヤルファイターはおそらくはパーストだから、ストライカーと繋がって、パーストライカーだ」

 

「どちらにしろ、パーストとは一体?」

 

「英語で過去という意味だ。

見ていた限りでは、過去のソーマを再現する事ができるかな?」

 

「そういえば、あいつ、ずっと囲むように戦っていたけど」

 

「過去の動きを再現して、包囲網を作りやすくする為だろう。

幾ら一撃一撃が決定的ではなく、避けやすいとはいえ」

 

「この数、そして避ける先を見れば攻撃は当たる!!」

 

「ぐぅ!!」

 

その言葉の通りに俺は親父が逃げた場所に攻撃を仕掛け、行動範囲を狭くさせる。

 

こちらに攻撃を仕掛けても、過去に盾を構えた俺の後ろに下がり、攻撃を受け止めさせると同時にVSチェンジャーで攻撃を仕掛ける。

 

そうして、過去の幻影の中に入りながら、次々とダメージを与えていき、神器にVSチェンジャーをセットすると、神器の形は巨大な砲台へと変わる。

 

「ぐぅ!」

 

「じゃあな」

 

その言葉と共にVSチェンジャーの引き金を引くと、そこから螺旋を描きながら、過去の俺が親父へと攻撃を仕掛け、全て攻撃を受けきると同時に、親父は地面へと叩きつけられる。

 

「・・・・」

 

「勝たせてもらった」

 

そう言い、俺はダイヤルファイターを親父に押し付けると、親父から特典が飛び出ると、そこにはずっと探していた奴がいた。

 

「世話をかけさせやがって」

 

そう言いながら、俺はシオを抱えると親父はこちらを見つめる。

 

「・・・分かっているのだろう、ソーマ。

この世界にはそう時間は残っていない事を」

 

「・・・あんたが言いたい事も大体分かった」

 

親父はおそらくはこの力でギャングラーに取り入れようとしていたんだろう。

 

「なぜギャングラーなんかに?」

 

「この世界を守る為には、これしかない。

今は君達が戦った結果で、幹部は一人、だからこそ、幹部になれば、そこに取り入れて、この世界を守れる」

 

「そんな事をしても「変わらないかもな、だが俺は守りたい気持ちは変わらなかった」親父」

 

俺はそう言いながら、親父の元に寄る。

 

「もうそんな事をしなくても良い。

ギャングラーは、俺達が倒す」

 

「ははっ、何時の間にか、こんなに大きくなって。

そうか、それならば、安心した」

 

そう言い、親父は目を閉じた。

 

「だっ大丈夫なの?」

 

「死んではいない。

ただ、偽物とはいえ、神様の力を使ったんだ、しばらくは寝ているかもしれないな」

 

そう言い、俺はもう片方の手で親父を抱える。



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予告状71 クリスマスの奇跡

「まさか、こんな仕事を受ける事になるとはな」

 

「面倒な事になりおって」

 

「良いから、さっさと詰めろ、時間がないぞ」

 

俺達はそう言いながら、目の前にある荷物を袋の中に詰めながら準備を進める。

 

余りの多さで入り口近くになってしまったが、この状態で見つかると確実に面倒な事になる。

 

そうして、注意を配っていたのだが

 

「雨宮先輩!!

コーヒーを「「「あっ」」」えっ?」

 

俺達は、刻一刻と迫る作戦の為の準備を行っている時だった。

 

ドアから勢いよく開かれたドアを見ると、俺達の恰好を見た切歌は驚いた表情でこちらを見つめていた。

 

「どっどうして、サンタさんの衣装を着ているんですか?」

 

「・・・クリスマスパーティの練習さ」

 

俺はなんとか言い訳をするように、俺は目を反らすが、切歌の視線はそのまま俺達から机の上に置かれていたダイヤルファイターを見ていた。

 

「せっ先輩達はもしかして、サンタデスか!!」

 

「「違うぞ」」

 

すぐにソーマと忍は真顔で言うも、キラキラした目でこちらを見ている切歌から逃れるのは難しく、俺達は顔を向き合う。

 

(どうする、この依頼はなるべくばれたくないんだが)

 

(あぁただでさえ、この恰好をしているのをばれたくないんだ)

 

(それにしても厄介な事を)

 

そう、俺達がサンタの恰好をしてるのには訳がある。

 

実は、俺達に力を貸してくれているゴーオン先輩がこちらに来て、とある事を頼んできたのだ。

 

その内容はクリスマスワールドの仕事の手伝ってほしいと。

 

この世界、つまりは融合世界にはクリスマスワールドのサンタクロースは行けないので、代わりに俺達に行って欲しいと言われた。

 

さすがに力を貸してくれている先輩の頼みもあって、受け入れたのだが、そのプレゼントの量は多く、三人で計画的に配る方法を話し合っていたのだが

 

(まさか、ここで切歌が来るとは)

 

(嘘は言っていないし、真似事だと言えば良いだろう)

 

(無理だよ、見てよ、あの目!

無茶キラキラした目でこっちを見ているよ)

 

そう言われ、俺達は再度切歌の目を見ると、これまで見た事ない程に綺麗な目見ており、とてもではないが、違うとは言えない。

 

(こうなったら)

 

やる事を決めた俺は切歌の元へと行くと

 

「サンタの仕事、やってみるか?」

 

「やるデス!!」

 

まさか、ここで後輩である切歌も入って、サンタクロースの仕事を行う事になってしまった。

 

「いやぁ、でもびっくりしたデス!

皆、サンタさんがいないと言ったけど、先輩達がサンタさんだったんですか!!」

 

「俺達はバイトみたいな感じだ。

サンタから依頼で頼まれてな」

 

「という事は本物のサンタさんに会えるデスか!!」

 

「それはちょっとなぁ」

 

実際にこの世界にサンタが訪れるのが難しいから俺達が代わりに仕事を受け持っているから、自身持って会えるとは言えない。

 

「とりあえず、深夜になったら仕事を始める訳だが」

 

「わくわく、わくわく!!」

 

「といっても、サンタの仕事って何をするの?」

 

そう俺は改めて疑問に思い、ソーマと忍に言うが

 

「知らん、侵入して、物を置いていくだけじゃろ」

 

「あとガキを起こさないようにする」

 

「ふむ、という事は、怪盗とそう変わらないな」

 

「いや、違うと思うんデスけど」

 

俺達の総意が一致して言った瞬間、普段は突っ込まないはずの切歌の言葉が出る。

 

「いや、よく考えてみるんじゃ。

サンタクロースは赤い服を着て、家に侵入して、プレゼントを置いていく。

俺達怪盗も怪盗衣装を着て、家に侵入して、物を頂く」

 

「なるほど、俺達の得意分野だな」

 

「違うデス!

サンタクロースは夢と希望を届ける素敵な人なんデス!!」

 

そう言い、サンタクロースの事を絶賛に言うが

 

「うぅん、難しい。

サンタの仕事とは結構簡単だと思ったが、難しいかもしれないとは」

 

「先輩達は色々と硬すぎるデス!」

 

「とりあえず、このサンタのプレゼントリストを見れば、何を送れば良いのか書いてあるはずだ」

 

「よし、見るか」

 

そう言い、俺達は一斉にプレゼントリストを見る。

 

「なになに、彼女が欲しい、金が欲しい、夢と希望が欲しい、永遠の命が欲しい、石仮面、弓と矢、グリッ●マンDVDBOX、ゴブリンを殺す」

 

「なるほど、現代の子供らしい夢ばかりだな」

 

「いやいや、こんなの無理デスよ!

特に最後のなんて、用意できる訳」

 

「「「・・・・」」」

 

俺達はふと、その突っ込みを聞くと、先程の準備中に何やら動いていたのを思い出し、見てみると、そこには袋の中から出てきたのはゴブリンだった。

 

「ふむ、どうやら要望を答えるように頑張ったらしいな。

けど、そのおかげでとんでもない事になったな」

 

「サンタさん!!」

 

ゴブリンはプレゼントから取り出した何かを宙に掲げると、店の天井を突き破って、現れたのは特撮作品に出てくるような悪役ヒーローのような姿の怪物だった。

 

おそらくは変身アイテムか何かを使ったようだが

 

「「「店の天井をよくも壊してくれたな」」」

 

「うぅぅ」

 

もう何が起きているのか制御できない状況だが、とりあえず俺達の頭の中にある単語はただ一つだけだった。

 

ゴブリン殺すべし

 

「行くぞ、忍、ソーマ、切歌!!」

 

「まったく、仕事前に準備運動じゃな」

 

「さっさと終わらせるぞ」

 

「なんだか、想像したのと違うデス」

 

「まぁな」

 

この状況を子供に見せられるのかと言われると、絶対にNOと言える。

 

けど

 

「クリスマスを楽しみにしている人達を守るのもサンタの仕事だからな」

 

「今はそれで納得するデスけど」

 

そう言い、切歌は少しは不満そうだったが、

 

「待たせたな、グットストライカー只今参上だぜ!」

 

「よしっ丁度良い、行くぜ!!」

 

そう言い、俺達は各々のVSチェンジャーとルパンチェンジャーを取り出す。

 

【レッド】【ブルー】【イエロー】【グリーン】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】【0・9・6】

 

【【【【マスカレイズ】】】】

 

【【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】】

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「ルパングリーンデス!」

 

「「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー」」」」

 

「あれっ、この恰好は!?」

 

変身が完了すると、自身のルパンレンジャーの恰好を見てみると、それはいつものルパンレンジャーの恰好だけではなく、サンタの衣装を模した帽子や特徴が出ている。

 

「まぁ今回はこっちが主役だけどな」

 

そう言うと俺達は各々のダイヤルファイターを取り出し、切歌はグットストライカーを掴む。

 

【【【【GET SET READY? 飛べ!飛べ!飛べ!】】】】

 

【ビ・ビ・ビ・ビクトリー!】

 

【タ・タ・タ・タイム!】

 

【パ・パ・パ・パースト!】

 

【グ・グ・グ・グーッド!】

 

それと同時に、全てのダイヤルファイターが巨大化すると、

 

「スーパー怪盗ガッタイム!

勝利を奪い取ろうぜ!!」

 

その音声と共に、グットストライカーを中心にビクトリーストライカーは変形し、パーストとタイムの二つはダイヤルファイターの先端が開くと、そこには手へと変わり、合体が完了する。

 

「完成!スーパービクトリールパンカイザー」

 

その声と共に現れたのは俺と忍とソーマ、三人の最強の姿になる為に必要な3つのダイヤルファイターが合わさった事によって、誕生した最強のルパンカイザーだった。

 

「ギイイイィィ!!」

 

目の前にいるゴブリンはこちらに目を向けると同時に走り出すと、手の甲を刀のように変えて襲い掛かってくる。

 

こちらもそれに対抗するようにパーストからはルパンカイザーと同等の大きさと太さの剣を、こちらに迫る攻撃を受け流す。

 

ゴブリンは、攻撃を受け流されるのを見ると、腹部から巨大な牙を幾つも生やして、そこから無数の棘が襲い掛かってくるが、同時にタイムの先端が砲台へと変わり、一発の砲弾が発射される。

 

発射された弾は一瞬光ると同時に、辺り一面に広がっていた全て棘を破壊する。

 

「グギィ!?」

 

「一瞬が命取りだぜ」

 

そう言うのと同時に俺はルパンマグナムを召喚すると、パーストの剣と繋がる部位に接着されると同時にダイヤルが回る。

 

「行くぜ、グットストライカー「奇跡・賛Taクロー洲!!」切り!!」

あっ被ちまった!!

 

そんな事を言っている間にも、パースとの先端から出てきた光の木はまるでクリスマスツリーのような形になると、目の前にいるゴブリンに向かって振り下ろされる。

 

それにより、ゴブリンはクリスマスツリーによって、潰れてしまうと、同時にクリスマスツリーははじけ飛び、光の雨となって、街に降り注いだ。

 

「うわぁ綺麗デス!!」

 

「今回の騒動はほとんど俺達が原因だけど、どうするかなぁ」

 

「とりあえずは、仕事はなんとか終わったようじゃがな」

 

「えっ?」

 

疑問に思って、見てみると、光の雨は各々が子供達の元へと来ると、光はプレゼントの形へと変わり降り注いでいた。

 

「クリスマスの奇跡と言ったら安直だが、こういうのも悪くないかもな」

 

こうして、俺達の僅か一日だけだったが、サンタクロースとしての活動は終了した。

 

後日談としてだが、あの時の騒ぎは結構大きくなっており、ニュースなどでは巨大サンタロボとして、しばらく世間を騒がせてしまった。



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怪盗戦隊ルパンレンジャー en film episode Begins Night

あけまして、おめでとうございます!
ついに平成が終わり、新たな時代を迎えますが、これからも様々な事を皆様と楽しみたいです。
今年もどうか、よろしくお願いします。


「「これで終わりだ、ルパンレンジャー!!」

 

「がああぁぁぁ!!」

 

聞き覚えのない声と聞き覚えのある声が同時に聞こえ、私は眠気のある目を擦りながら目を覚ます。

 

「何の音?」

 

首を傾げながら、周りを見渡すと、どうやら映画館の中らしく、目の前にはなぜか画面に映し出されている倒れている雨宮君と見た事のない黒い恰好をしている人物が立っていた。

 

「なにこれ」

 

「どうなっている」

 

「つっ翼さん!!」

 

よく見ていると、映画館の席には翼さん以外にもクリスちゃんにマリアさん、それに切歌ちゃんに調ちゃんもいた。

 

「起きたか、おい、お前はここに来るまでの記憶はあるか?」

 

「記憶?

あれ、そういえば」

 

突然目が覚めて、ぼーっとしていたけ、なんで私、ここにいるの!?

 

「確か、未来と一緒にお正月の準備をしていて、それで雨宮君達と会って、買い物をしていたら、急に目の前が真ッ黒になって「お前も」えっという事も皆も!?」

 

「あぁ全員が急に真っ黒になって、気が付くと、この映画館で目の前の映画が公開していた」

 

「それって」

 

そう言われ、見てみると、倒れている雨宮君達が徐々にだが、塵になって消えていき、上映が終了した。

 

「これはなに」

 

「怪盗戦隊ルパンレンジャー ビキンズナイト。

本来だったら、ルパンレンジャーの最初の活躍を描く映画の予定だった」

 

私は思わずつぶやいてしまった声に答えた声に私達は振り向くと、そこには白髪の女の子がいたけど、一体

 

「君は」

 

「私はひかり。

この映画の監督」

 

「監督?

この悪趣味な映画のか?」

 

突然現れたひかりちゃんは自己紹介を終わると、クリスちゃんは少し悪態を付けながら文句を言うとひかりちゃんは少し顔を俯きながら

 

「確かに映画を作ったのは私。

でも、この映画には本来出て来なかった役者のせいで、私の映画は台無しになった」

 

「本来出て来なかった、役者?」

 

「これ」

 

そう言われ、指を指したのは先程、雨宮君達を塵に変えた謎の黒い影の人物だった。

 

「こいつは?」

 

「仮面ライダーブラッド。

ギャングラーの幹部の一人」

 

「なっ!?」

 

その一言で私達は驚きを隠せなかった。

 

ギャングラーの存在については前々から知っていたけど、なぜ幹部の事について、この子が?

 

「おい、どういう事だ!?」

 

そう言っていると、私達が立ち上がろうとしたけど、席に抑え込まれるような感覚で立ち上がる事ができなかった。

 

「また、映画が始まる。

大嫌いなバッドエンドの」

 

「ひかりちゃん」

 

その顔は本当に嫌な物を見るように見つめており、私達は自然と映画を見てしまう。

 

そこには部屋の中が全てが真っ赤になっている所から始まっている。

 

「父さん、母さん」

 

その声には聞き覚えがあり、同時に泣き崩れるように膝から倒れているその姿は私達が知っている雨宮君だった。

 

「儂の心臓はどこへ行った!!」

 

「シオォォ!!!」

 

そして画面は次々と変わり、胸から血を垂れ流しながら歩いている忍ちゃん、そして大声を叫ぶソーマ君が映し出された。

 

三人がそれぞれの悲劇が描かれると共に画面に三人が現れると同時に

 

「敵を討つ」

 

「儂の心臓を奪い返す!!」

 

「シオを取り戻す」

 

「「「絶対に成し遂げてやる!!」」」

 

そう言って、三人は怒りを露にするのと同時に映画のタイトルと思われる「怪盗戦隊ルパンレンジャー ビキンズナイト」と描かれた。

 

そして場面が変わり、現れたのは雨が降っている町中で雨宮君が歩いており、雨宮君は手元にあるカードを見つめながら、睨んだのは私達がよく行く喫茶店であり、今は雨宮君達が住んでいる場所でもあった。

 

「いらっしゃいませ」

 

その陽気な声と共に挨拶していきたのは、石堂さんだった。

 

そんな石堂さんを睨み付けると、手に持っていたカードを石堂さんに叩きつける。

 

「てめぇがこれを差し出したのは」

 

「おぉ、どうやら無事に辿り着いたようだな」

 

それを聞き、嬉しそうに答えるとコーヒーを差し出されるも、雨宮君は睨んだままだった。

 

「お前が俺の父さんと母さんの敵を知っているから来たんだ。

無駄話はあまりするつもりはない」

 

「まったく、順序持って話をさせてくれよな。

まず聞きたいが、お前は輪廻転生は信じるか?」

 

「さぁな、俺は宗教には興味はないからな」

 

「そうかい、まぁこの輪廻転生は実際に存在するけどな、本来ならば記憶を消して転生するはずだった奴らが様々な理由でこの世界に生まれ変わる事があるんだ。

そいつらの事を転生者と呼んでいる」

 

「転生者か、ふざけているつもりならば、帰らせてもらう」

 

「ふざけていないし、根拠もあるぜ。

悪いがお前の両親の遺体を見させてもらったが、あれはこの世界の殺し方じゃない」

 

「なんだと?」

 

そう言うと共に両親の遺体を思い出す描写があり、その映像に私達は思わず口をふさいでしまう。

 

「なんだよ、これ」

 

「これが雨宮君のお父さんとお母さん!?」

 

(それは互いに争うように殺し合っており、仲が良かったとは思えない二人が互いに殺していた)

 

「雨宮君の心の声なのか?」

 

「あぁ、この事が事実ならば、雨宮はずっとこれを抱えて」

 

「どういう事だ」

 

「あれは人の心の中へと侵入して、暴走させる方法だ。

その方法は俺が知る限りない」

 

「心の中だと?」

 

「あぁ信じられないかもしれないが、これと同じ現象を俺は調べた事がある。

そしてその力を持っているのは、この世界にはない力を持つ転生者の可能性がある」

 

「だとしたら、俺の復讐はその転生者を殺す事か。

だが、なんでそんな事を教えた」

 

「それを含めて、教えてやるよ、付いてこい」

 

そう言われ、雨宮君は石堂さんに連れられて店の奥へと入っていく。

 

そこにいたのはフードを深く被っているソーマ君とゴーグル付きの帽子を被って睨み付けている忍ちゃんだった。

 

「こいつらは」

 

「お前と同じ転生者の被害者だよ。

そして、これから一緒に戦う奴らだ」

 

「戦う?」

 

そう言って、石堂さんは近くにあったスーツケースを取り出し、開くとそこにはVSチェンジャーと色が付いていないダイヤルファイターが3機があった。

 

「これを使って、転生者から特典を盗んで欲しい」

 

「盗むだと?」

 

「あぁ、俺の上司がな、転生者から特典を奪い取って欲しいという指令があってな。

それをやるには俺はなにかと忙しい。

そこで高い素質を持つお前達に頼みたいと思ってね

 

「高い素質?」

 

そう疑問を言うと、一人ずつ指を指していく。

 

「全てのゴットイーターの始まりであるソーマ・シックザール

元最強の吸血鬼、キスショット・アセロリア・ハートアンダーブレード

そして、未知の力を持つ雨宮連」

 

「くだらない、そんな事ならば、儂は降りる」

 

そう言って、不機嫌そうだった忍ちゃんは立ち上がり、どこかへと行こうとした。

 

「なんだ、お前の心臓を盗った奴を突き止めたくないのか?」

 

「そんな怪盗ごっこに付き合う程、儂は暇ではない」

 

「俺もだ、そんなくだらない事をしている暇はない」

 

そう言い、部屋を出て行こうとしている。

 

「このままじゃ、皆が」

 

「駄目だよ、3人が離れちゃ駄目!!」

 

「まだ終わっちゃいけない」

 

「可能性があるんデスよ!!」

 

画面の外だと分かっていても、私達は叫ばずにはいられなかった。

 

そこで少し雨宮君の動きを止めた。

 

「・・・俺はやらせてもらう」

 

「ほぅ」

 

「お前は俺達の事を調べていたんだろ。

だったら、少しでも可能性があるんだったら、俺は乗らせてもらう」

 

「ならば、一人目は決まりだ。

お前達はどうする」

 

「「・・・・」」

 

そう言われ、少し立ち止まった二人。

 

「はぁ確かにな。

別に急いで探しても、見つかる訳ではないし、情報の為に少しはやっても良いじゃろ」

 

「俺もそうさせてもらう。

だが、情報が分かったら、すぐに行かせてもらう」

 

そう言い、二人もダイヤルファイターを取り出すと、二人のダイヤルファイターが輝き、それぞれがブルーとイエローに変わった。

 

「色が」

 

「変わった?」

 

「それは最初のダイヤルファイターだ。

力が既に出ているお前達はすぐに引き出せると思った。

雨宮はまぁ、まだ目覚めていないから、今後に期待だな」

 

「好きにしろ、俺は俺の復讐の為にやるだけだ」

 

「それはこちらのセリフだ。

俺の邪魔するならば、お前達を利用する」

 

「そうじゃな、せいぜい儂に利用されろよ」

 

そう言い、険悪な雰囲気のままルパンレンジャーが結成された。

 

「これから一体どうなるの」

 

「そもそも映画館自体も謎すぎる」

 

「どこにも出入口がない」

 

そうして、映画の中ではしばらくは怪盗として活動する為の特訓が行われており、歌が一緒に流れている間に私達は立ち上がり見回すけど、出口らしき所は一つもなかった。

 

そんな様子を見つめるようにひかりちゃんは

 

「まずは一つ目」

 

「んっ?」

 

何かを呟いたのが聞こえたけど、上手く聞き取れなかったのもあり、すぐに席に戻った。

 

席に戻った時、石堂さんの手元には何かがあった。

 

「記念すべき初めての依頼だ。

今回の転生者は組織として動いている転生者だ。

奴は自身を城にする事ができる能力を持っているからな、その特典を盗みだせ」

 

「そうかよ、だったら、さっさと行くぞ」

 

それだけ言い、雨宮君達はその場から飛び出し、転生者の元へと向かっていく。

 

雨の中で周りが見えない程の豪雨だが、傘も持たずに進んでいる雨宮君の前に突然何かが降ってくる。

 

「こいつは?」

 

「ターゲットになっている転生者!?」

 

「しかも死んでおる」

 

「えっ」

 

何が起きているのか、分からず、私達は息を止めている間に豪雨の先から足音が聞こえ、見つめるとそこには黒いスーツを来た男が立っていた。

 

「君達か、怪盗戦隊ルパンレンジャーは」

 

「あんたは?」

 

「なに、気にする事はない。

お前達は、ここで死ぬのだから」

 

「何を言っている?」

 

そう言い取り出したのは何かのベルトを腰に付けると、そのまま手には黒い靄と共に現れたのは機械をベルトに着け、回す。

 

「変身」

 

【オーバーフロー!ウェイクアップ クローズ!ゲット グレートドラゴン!ブラブラブラブラブラッド!ヤベーイ!】

 

「ぐっ!!」

 

その音と共に、男の身体は黒い靄に包まれ、同時に周りの豪雨が吹き飛ばされる程の衝撃と共に現れたのは真っ黒の何かだった。

 

まるでファンタジーに出てくる魔王をイメージさせる黒い鎧を身に纏っており、画面の外側にいるはずなのに、こちらまで迫りくる迫力があった。

 

「貴様は一体」

 

「私の名前は仮面ライダーブラッド。

君達が邪魔になっている転生者だ」

 

「なんじゃ、転生者か。

だったら、さっさとその特典を渡してもらう!!」

 

そう言い、忍ちゃんは手に持っていたダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットし、引き金を引くと、そこに出ていたのはルパンレンジャーだった。

 

けど、その姿はマントがなく中途半端な感じがした。

 

「お前は邪魔になるから、あっちに行け。

変身もできないお前じゃ、邪魔になるだけだ」

 

「黙れ、俺は俺の復讐の為にやるだけだ」

 

それだけ言うと雨宮君はそのままルパンレンジャーになったけど、その色は灰色でどこか力を感じさせない感じがした。

 

続いてソーマ君も変身するけど、同じように色は青かったけど、マントなどないルパンレンジャーだった。

 

そこから戦いが始まったが、ルパンレンジャーは圧倒的に不利だった。

 

仮面ライダーブラッドにはダメージすら与えていない様子で、簡単に薙ぎ払うように戦っており、まるで蜘蛛の巣を払うように戦っていた。

 

そしてその度に雨宮君達は倒れており、勝てる気配がなかった。

 

「たったこの程度だったか。

ならば、死ぬが良い」

 

そう言い、手には巨大な黒いエネルギーが出ており、それを雨宮君達に向けた。

 

「あれはやばい、逃げるぞ」

 

「あぁ」

 

それに気づき、雨宮君は逃げようとしたが、そこで忍ちゃんが動かない事に気づく。

 

「おい!?」

 

それを見ると、仮面の下だが既に放心している事が分かった。

 

「あいつは何をやっているんだ!?」

 

「圧倒的な力の前で怯えているのかもしれない」

 

「確か、忍ちゃんはこれまで自分よりも強い存在にあまり会った事がなかったんだよね」

 

聞いた話でも忍ちゃんの全盛期は最強で、向かう所敵なしだった聞くけど、今は弱体されていて、この実力差だ。

 

無理もないかもしれない。

 

けど

 

「助けないとっ!!」

 

「馬鹿、画面の向こう側には手を出せないんだぞ」

 

「でも、だからって、助けないと、忍ちゃんが死んじゃうよ」

 

そう言い、私は画面の向こう側を見る。

 

「確かに私達では何もする事ができないかもしれない、だからここは信じるしかない」

 

「雨宮はこれまで誰かの為に命がけだった、だから」

 

「先輩を信じます。

助けを求める声に応えるのを」

 

「誰よりも後悔しない為に」

 

「雨宮君」

 

私達は向こうにいる雨宮君に伝えるように叫ぶと共にブラッドはその手を雨宮君達に向けると

 

「さらば、ルパンレンジャーの諸君」

 

エネルギーは雨宮君達の方へと向かった。

 

「くっ!!」

 

「もう」

 

ソーマ君は物陰に隠れ、忍ちゃんが諦めた時、雨宮君は忍ちゃんの前に立った。

 

「お前、何をしている、さっさと逃げろ」

 

「やだね」

 

「なに!?」

 

「もう後悔しない為か。

そうだ、俺は確かに復讐を願っていた」

 

「えっ?」

 

「だけど、同時に俺のような思いをもうさせたくなかった。

そんな考え、今までなかったかもな」

 

「これは一体」

 

そう言い、雨宮君は目を開くと同時に、周りの時が一瞬止まったように静止した。

 

「何が?」

 

そう思っていると、雨宮君の周りに青い炎が舞い上がった。

 

『どうやら、ようやく本当の気持ちに気づけたようだな』

 

「これは一体!?」

 

『その身で奴に挑むには確かに力不足かもしれん。

だが、その無謀な行動もお前の真実だろう』

 

「雨宮先輩と同じ声?」

 

『これは契約だ、我は汝、汝は我。

己が信じた正義の為に、全ての壁を超える者よ!』

 

その言葉と共に雨宮君の周りにあった青い炎はやがて雨宮君の纏っていたルパンレンジャーの衣装を燃やし、一つの仮面が出てきた。

 

それは雨宮君がルパンレンジャーになる時以外に怪盗として活動する時に使っているマスクであり、苦しそうな表情をしながら、雨宮君はそれを抜き取る。

 

それと同時だった。

 

雨宮君の身体は徐々に炎が怪盗衣装へと変わり、その後ろには雨宮君のペルソナであるアルセーヌが現れた。

 

「これはまさか」

 

「石道が言っていた、未知の力」

 

それが現れると共に、雨宮君の背後に現れたアルセーヌはそのまま叫んだ。

 

「ちぃ」

 

「今、ここに再び契約は成された。

我が名は逢魔の略奪者アルセーヌ」

 

「お前達、いけるか」

 

「お主は一体」

 

「これ以上、何かを失いたくない。

それを今、ただ分かっただけなんだ」

 

「先程まで自分が中心だったお前が何を言って「そうじゃな」なに?」

 

「儂らは全員、自分中心、それは変わりないな」

 

「だが、そいつの馬鹿みたいな行動で少しは思い知らされたよ。

俺達は思った以上に、互いをかけがえのない存在になっていたかもしれないな」

 

「ソーマ、キスショット」

 

「ふっまだいけるようじゃが、壊れていないのか?」

 

「あぁまだまだ大丈夫だ」

 

そう言うと雨宮君のダイヤルファイターは光始め、そこには灰色のダイヤルファイターではなく赤く光っているダイヤルファイターだった

 

「ここからが、本当の俺達の戦いだ!!」

 

「あぁ、だったら合わせてやる!!」

 

そう言い、雨宮君達はダイヤルファイターをセットする。

 

【レッド】【ブルー】【イエロー】

 

【【【0・1・0! 怪盗チェンジ!!】】】

 

その音声と共にダイヤルを回し、、VSチェンジャーを変形させて、宙に向けて構えると同時に打ち抜く。

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

その音共に、雨宮君は一瞬だけ灰色のルパンレンジャーへと変わったけど、先程の青い炎が身に纏うとルパンレッドへ、ソーマ君と忍ちゃんはなんとマントが追加され、私達が見慣れたルパンレンジャーへと変わった。

 

「くっ」

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

三人が各々が指パッチンすると共にキメポーズを終えると同時にマントを翻して、雨宮君は手を上に掲げる。

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!!」」」

 

「くそ、だが、まだ終わっていない」

 

「予告する、あんたのお宝頂くぜ!!」

 

その言葉と同時に三人は仮面ライダーブラッドへと走っていく。

 

「しかし、さっきはどうなるかと、ひやひやしたぜ

 

「うん、でも雨宮君が普段の雨宮君で良かった」

 

「でも不可解な事があるわ。

さっきの雨宮は明らかにこちらの声に反応したようだけど、一体」

 

「それはこの映画は過去に直接つながっているから」

 

そう言い、ひかりちゃんは出てくると、映画の方へ見つめながら言った。

 

「つながっているとは一体」

 

「そもそも、これはあなたが作った映画じゃないの?」

 

「確かに映画は私が作った。

それは嘘じゃないけど、それは今、まさに変わり始めようとしている映画なの」

 

「どっどういう事デスか!?」

 

「この映画館は元々は私が逃げ出した先の心の映画館。

そこでは時空が捻じ曲がっていて、歴史を変える事も可能になっているの」

 

「それじゃあ、あの仮面ライダーブラッドは」

 

「今のギャングラーから来た幹部。

あいつは、この映画館を利用して、ルパンレンジャーを歴史から消すつもりだった。

けど、皆のおかげで、事態は上手くいきそう」

 

「事態とは先程の事か?」

 

「うん、この映画は私がもう一度見たかったのを見る為に作った映画だから。

大きく変わってしまったけど、あなた達の声が向こうに聞こえるようにするのが精いっぱいだったから」

 

「そう言えば、何度か雨宮の行動に変な所があったのは」

 

「皆の声が聞こえたから、変わったと思う」

 

「そうだったのか」

 

だとしたら、少しあ役に立てたのかな?

 

「けど、今のままじゃあ、やばいんじゃないのか?

だって、あいつがギャングラーの幹部だったら、今の雨宮達で勝てる」

 

確かにギャングラーの幹部は一筋縄ではいかない人ばかりだ。

 

昔から強かったけど、向こうの雨宮君には今はレジェンドダイヤルファイターも、ビクトリーストライカーもないんだ。

 

「うん、映画館の力で確かに危険な状態になっている。

でも、皆のおかげで正常に戻って、映画館の力を使えば、この危機を脱する為の助っ人も呼べる」

 

「マジかよ、だったら!!」

 

そう言い、私達は再び映画の画面を見ると、そこには雨宮君達に徐々にだが近づいている二人の影がいた。

 

「どうやら苦戦をしているようだね」

 

「ここは手を貸した方が良さそうだね」

 

その言葉と共に二人の影は徐々に形を変えて、出てきたのは見た事のない怪人の姿だった。

 

そこにいたのは縞模様の身体に縦長の頭部を持つ巨体の怪人と両腕が鋏が特徴的な鋭利な怪人が現れた。

 

「あれって、もしかして、ブラッドの仲間!!」

 

「こんな時に!?」

 

ここまで、なんとか三人が仲間として戦えると思った時に新たな敵が現れるなんて、このままじゃ。

 

「大丈夫、貴方達の声のおかげで、未来は繋がったから」

 

「そんな事を言ったって」

 

「あれは?」

 

そう言っていると怪人達が進む先から別の音が聞こえ、怪人達はその音に気づき、そこを見ると、そこには影ができて見えにくかったが5人の人影があった。

 

「おい、リーダー!

本当にこいつらなのかよ、なんだか気味が悪いんだが」

 

「文句を言うな、別にやる事は変わりないから」

 

「なんだと、お前はまたそう言う事を言いやがって!!」

 

「はぁ、落ち着け、俺達がここに来たのは喧嘩する為に来た訳じゃないぞ」

 

突然現れた5人の内、二人は何やら喧嘩を始めようとしたが、その中央にいた人物が喧嘩を止めた。

 

けど、その声はどこか聞き覚えがあるような。

 

「貴様、なぜここにいる!」

 

「別に、俺達もお前達も本来はここにいるべき人間じゃないからよ、止めに来ただけだ」

 

「おうそうだぜ!!

俺達が来たからには、てめぇらの悪事もここまでだぜぇ!!」

 

「まったく、本当に五月蠅い」

 

「良いから、とっと済ませるぞ」

 

そう言い、5人の人影は手元に何かを取り出し、差し込んだ。

 

「「「「「リュウソウチェンジ!!」」」」」

 

その声と共に現れたのは、なんとルパンレンジャー以外のスーパー戦隊だった。

 

「てってめぇらは一体!!」

 

「まぁ聞かれたら、答えてやるよ」

 

その声と共に、目の前にいるスーパー戦隊が名乗り始める。

 

「リュウソウレッド!」

 

「リュウソウブルー!」

 

「リュウソウピンク!」

 

「リュウソウグリーン!!」

 

「リュウソウブラック」

 

「「「「「騎士竜戦隊リュウソウジャー!!」」」」」

 

「きっ騎士」

 

「竜!?」

 

「一体何者なんだよ」

 

「それは今後の楽しみ、それよりも、戦いが始まる」

 

そう言っている間に、彼らは戦闘態勢を整ったのか、各々の武器を構える。

 

「なんや、騎士さんが、こんな所におるとはな、ぶっ潰してやるわ」

 

「悪いが俺達は本物じゃないからな、あんたらの特典、食わせてもらうぜ!!」

 

「食べれる物ならば、食べてみなさい!!」

 

その一言と共に戦いは始まった。

 

戦いはリュウソウレッド、リュウソウグリーン、リュウソウブラックの三人が鋏のような怪人と。

 

リュウソウブルーとリュウソウピンクが縞模様の怪物と戦っていた。

 

ブルーとピンクは戦闘に余裕を持っているのか、互いに見えない所を庇い合って、上手い連携を行っているけど、三人の方は

 

「くっそ、やっぱりこういうのは苦手だぜ」

 

「こういう細いの、苦手だ」

 

グリーンとブラックは何やら苦戦をしているのか、押され気味になっている。

 

「あら、もう苦戦かしら?

だったら、すぐに死になさい!!」

 

「悪いけど、もう二度と死ぬつもりはないぜ!!」

 

「俺もそのつもりだから」

 

その言葉と同時にグリーンとブラックは手に持った剣で怪人の武器を抑え込んだ。

 

「今だぜ!!」

 

「さっさと決めろ」

 

「あぁ、分かった」

 

そう言いリュウソウレッドが取り出したのは

 

「えっルパンマグナム!?」

 

なんと、その手に持っていたのは雨宮君しか使う事ができないはずのルパンマグナムだった。

 

「なっなんだ、それは」

 

「俺の十八番だ」

 

ルパンマグナムを構えると、同時に引き金を引くと、怪人は穴が開かれ、変身が解けると同時に身体から特典が現れる。

 

「くっそぉ」

 

「まだ終わっていないぜ!!」

 

その言葉と同時にリュウソウレッドは手に持っていた剣を特典に構えると、剣に付いていた恐竜を模した顔がなんと特典を食べた。

 

「何が」

 

そう言っている間に、頭から出てきたのは何やら鍵のような物が現れ、リュウソウレッドは再び剣に鍵を差し込む。

 

【フタソウル!リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!】

 

その音声が鳴り響くと同時にリュウソウレッドに新しく銀色の装甲が生えると同時に手には先程の剣が二つになっていた。

 

「なっなにが起きたんや!?」

 

「てめぇに語る事はねぇよ!!」

 

その言葉と共にリュウソウレッドは一気に残りの怪人へと攻撃を仕掛ける。

 

二つに増えた剣による連撃により、苦戦を強いられ、無理矢理攻め込もうとするが、その力を使い、後ろへ跳ぶと、後ろへと控えていたブルーとピンクが攻撃を仕掛ける。

 

「ぐっ」

 

「合わせろよ!!」

 

「言われなくても!!」

 

そこにグリーンとブラックは剣を持っていない手で殴り飛ばし、その先に待っていたリュウソウレッドは手に持った二つの剣を動かす。

 

【【それ!それ!それ!それ!その調子!剣ボーン】】

 

その音と同時にリュウソウレッドはその場で一回転し、怪人を切り裂く。

 

「ばっ馬鹿な!

俺達が、ブラッド族が手も足も出せないなんて!?」

 

「その魂、喰らうぜ!!」

 

その言葉と共に男の元から特典が出てくると、手に持っていた剣にその特典を食わせる。

 

「よっしゃあ!

なぁリーダー、これって幾らになるんだ!!」

 

「五月蠅い」

 

「なんだと、お前なぁ」

 

「別にそれ程騒ぐ程じゃない。

それに倒しても、金になる訳じゃないんだぞ」

 

「いや、分かっているけど、どうしてもなぁ」

 

「とにかく、ここで儂らの役目は終わりじゃ。

さっさと帰るぞ」

 

「あぁ、あいつらも待っているからな」

 

そう言うと全員が変身を解除すると共に道の先に突然光が溢れ、それと共に大きな叫び声が聞こえ、一人一人いなくなっていく。

 

そこで見えたのは片目だけが黒く真ん中が赤になっている人と変身が解けるのと同時に片腕が包帯に巻かれている子、そして見覚えがあったソーマ君と忍ちゃん、そして雨宮君がいた。

 

「どうなっているの」

 

「これは可能性、ブラッド族がこの映画に介入した事で未来の彼らがこの世界にやってきたの」

 

「という事は今のは」

 

「私にはここから先は言えない。

けど、どちらにしても、この映画がちゃんとした結末を迎えないと」

 

「・・・そうだね」

 

その言葉と共に私達は再び画面を見る。

 

そこには仮面ライダーブラッドを相手に戦っていたルパンレンジャーの三人。

 

戦力差は圧倒的ながらも、その戦いは先日の戦いとは違っていた。

 

「たった一日でここまで成長するか、だが甘い!!」

 

「ぐぅ!!」

 

その言葉と共にブラッドの攻撃に倒れ込む雨宮達。

 

「諦めてたまるかよ」

 

「あぁ、てめぇを倒して、特典を盗み続け」

 

「いつか、目的を果たす為に」

 

「まだ利用し合う関係を続けるか、それで勝てるか?」

 

「あぁそうだな、だが、俺達はもう利用するだけじゃない」

 

「なに?」

 

「俺達はただ利用するんじゃない、信じる事にした」

 

「こいつらならば、儂の願いを叶える為に力を貸してくれると」

 

「だからこそ、俺は力を貸す、こいつらの目的を叶える為に」

 

「「「だから、てめぇなんかに負けてたまるかよ!!」」」

 

「ふっ最後の言葉はそれで良いか?」

 

「お前こそ、あんまり他の世界にちょっかい出すなよ」

 

「なに?」

 

その言葉と同時に現れたのは、ブラッドと同じベルトをしている人物だった。

 

「あんたは」

 

「俺は仮面ライダービルド。

作る、形成するという意味のビルド。

ちょっと知り合いに頼まれて、お前らに届け物に来たんだよ」

 

「届け物?」

 

そう言い、ビルドはこちらに向けて何かを投げたので雨宮君はそれを受け取る。

 

「これは?」

 

そこにあったのは赤と青の二色で描かれていたダイヤルファイターがあった

 

「名付けて、クローズビルドダイヤルファイター!

それを使えば、あのブラッドを倒せるかもしれないけど、一回しか使えないけ弱点があるぜ」

 

「逆転できる手があるんだったら、使わせてもらうぜ!!」

 

「あぁ」

「ここで終わる訳にはいかないからな」

 

「そうか、だったら、あとは頼んだぞ」

 

その言葉と共に助けに来てくれた仮面ライダービルドは消え、同時に雨宮君はVSチェンジャーにクローズビルドダイヤルファイターをセットする。

 

【ビルド!1・6・9!Are you redy!】

 

「怪盗チェンジ!」

 

【ラビット!ドラゴン!Be The One!クローズビルド!】

 

その言葉と共に、雨宮君を中心に実験道具で使われるような管が出てくると、ソーマ君と忍ちゃんを同時に押し込んだ。

 

それと同時に現れたのはルパントリロジーとは違い、顔はルパンレッドになっているが、身体の左右の色は青と黄色になっており、マントは腰へと移動する。

 

「「「・・・・なんじゃこりゃあ!!」」」

 

「まぁその反応だよな、やっぱり」

 

「おいおい、これは一体」

 

「映画限定フォーム!

特撮映画やアニメ映画では御馴染み」

 

「ドキドキです!!」

 

「おい、これは本当に大丈夫なのかよ!!」

 

「貴様達はどうやら、すぐに終わらせるしかないようだな」

 

そう言い、仮面ライダーブラッドは走り出すのと同時に新たな姿になった雨宮君達も走り出した。

 

その速さはこれまで見たルパンレンジャーとは違い、一瞬で迫るのと同時に仮面ライダーブラッドを吹き飛ばした。

 

「あれって、一体」

 

「仮面ライダービルドの力、クローズビルドフォームの力を再現した姿。

いわば、ルパンレンジャー・クローズビルド。」

 

「クローズビルド?」

 

「二人の力が一つになった事で誕生した最強の姿。

あのダイヤルファイターはそれを再現する事ができ、今は3人で1人のルパンレンジャーになれたの」

 

「これならば」

 

「くっやられてたまるか!!」

 

そう言い、仮面ライダーブラッドはまだ諦めていないのか、胸に半透明な蛇のエネルギーを召喚し、襲い掛かってくる。

 

それに対して、ルパンレンジャー・クローズビルドは指を銃に見立て、頭に構えて打ち抜くと、そこから新しいく出てきたのは背中に巨大なハープを背負った機械のようなペルソナだった。

 

「オルフェウス」

 

その言葉と共にオルフェウスと呼ばれたペルソナは簡単に蛇を吹き飛ばすと同時に今度は目の前に現れたカードに向かって、雨宮君は握りつぶした。

 

「イザナギ!」

 

その声と共に現れたのはまるで番長を思われる黒いコートを身に纏ったペルソナであるイザナギが現れた。

 

イザナギは吹き飛ばされた蛇に向かって、手に持っていた薙刀で一瞬で切り裂いた。

 

「くぅ」

 

「これで終わりだ、アルセーヌ!!」

 

その叫びと共に、背後には雨宮君のアルセーヌが現れ、雨宮君は同時に空へと飛ぶ。

 

宙に飛ぶと、同時に雨宮君は仮面ライダーブラッドに向かって蹴りを放ち、背後にいたアルセーヌ、イザナギ、オルフェウスは各々の攻撃を雨宮君に放つと全て攻撃が足に集中した

 

「まだだ、まだっ!!」

 

その叫びと共に攻撃は激突した。

 

「なぜだ、なぜだ、あの時点では確実に弱かったはずの貴様たちが」

 

「確かに俺達は結束力はなかったし、互いに信用していなかった

 

「だが、儂らは、この戦いでようやく分かった。

目的を一緒に達成してくれる仲間がどれほどに頼もしいか」

 

「それが分かった俺達は、最強無敵だ!!」

 

「くっそぉ!!」

 

その叫びを最後に仮面ライダーブラッドはついに負け、貫かれるのと同時に爆散する。

 

「なんとか勝てたようだな。

俺の役目もここまでか」

 

そう言うと共に、ルパンレンジャー・クローズビルドの変身は解かれ、雨宮君はその場で倒れた。

 

「「雨宮っ!!」」

 

「何!?」

 

「どうなっている!?」

 

私達は何が起きたのか、すぐに確認するように画面を見ると、雨宮君の胸から溢れ出るように血が出ており、その場所は心臓に近かった。

 

「まさか先程の一撃で」

 

「そんな、こんなのバッドエンドじゃないかよ」

 

そう言っている内に、私達の身体は徐々に透明になっていく。

 

「私の力はここまで、もうこれ以上、映画館は留まる事はできない」

 

「そんな、待って、雨宮君!!」

 

私達は、画面の向こう側で死にかける雨宮君に必死に手を伸ばすが

 

「はっ」

 

目を見開くと、そこは私達が気絶する前の場所であった。

 

「雨宮君!!」

 

私はすぐに安否を確認するように店に入ると

 

「うわぁ!

びっくりした、どうしただよ」

 

そこにはいつも通り、店の準備をしている雨宮君であり、店の中では既に正月の準備なのか飾り付けをしている忍ちゃんにソーマ君もいた

 

「よっよかったぁ。

私、死んでいるかと」

 

「なんだか不吉な事を言うな」

 

「しょうがないじゃろうな。

なんだって、何回も死にかけたからな、お前は」

 

「だとしても落ち着け。

まったく、お前も、雨宮がそんな簡単に死ぬ訳ないだろ」

 

「でも、でも、心臓を貫かれて」

 

「心臓、それって最初の戦いか?

なんで知っているんだ?」

 

「えっ」

 

「なぜお主が心臓の事について知っているのかは後にして、その怪我に関しては儂が治した」

 

「あっそうか、雨宮君は半分吸血鬼みたいだったのか」

 

「おかげで、儂の名前は忍野忍に変わったのだがな、まぁ今はどうでも良いが」

 

そうだったのか、それじゃあ、なんも心配はなかったのか。

 

「よかったよぉ!!」

 

「まぁ落ち着くまで店にいろ。

コーヒーでも「おい、雨宮は無事か!!」「先輩、死なないでデス!」ぐわぁ!!」

 

そこからどんどん流れ込むようにクリスちゃんに切歌ちゃんが入っており、翼さんに調ちゃん、マリアさんもどんどん入っていった。

 

「なんだ、なんだ、今日は本当に騒がしいな」

 

「あはは、本当にそうだよね」

 

そう言いながらも、なんとか騒ぎが収まるまでしばらくかかったのは言うまでもなかった。

 

けど、今回の事で改めて分かった。

 

「やっぱり、3人揃えばなんとかなるね」

 

「んっそうだな」

 

そう言いながら、落ち着きを取り戻した店内で上を見上げる雨宮君に話しかけながら、そう実感する事ができた。




怪盗戦隊ルパンレンジャー en film episode wailds

「なんとか映画、上手くいった」

誰もいなくなった映画館で、ふぅ息を吐いているのは今回の騒動の中心にいたひかりだった。

ひかりは周りをキョロキョロと見回すと、そこにはかつてこの映画館で一緒に閉じ込められた雨宮の姿だった。

「久しぶり、雨宮君」

「んっひかり、なのか!」

ひかりの姿を見つけた雨宮は驚きを隠せなかった。

「なんで、ここに?
というよりも、なんで記憶が?」

「元々はこの世界は時空が様々な所が入れ混じっているからね、記憶も曖昧だと思うかな?」

「そこは曖昧なんだな」

そう言いながら、雨宮の目に映ったのは先程まで響達が見ていた雨宮達の最初の戦いだった。

「これは?」

「立花さん達が頑張ったおかげで危機を脱せた映画。
今は映像だから、過去を変える事はできないけど」

「そうだったのか」

そう言いながら、二人で映画を見ていると、ふと疑問に思えた。

「なぁ、ひかり、これって」

「君も気づいた?」

「あぁ、イザナギにオルフェウス。
これは、俺のペルソナじゃない」

「これは君だけ、というよりもあの映画館で起きた出来事での奇跡だよ」

そう言い、先ほどまでやっていた過去の映像が消え、代わりに出てきたのは映画館に閉じ込められた時の状態だった。

「この映画館に閉じ込められ、時空を超えて様々なペルソナ使いが出会った。
その中で、リーダーを務めたワイルドである君は他のペルソナ使いよりも影響を受けた」

「それがイザナギやオルフェウスなのか?」

「そうだよ。
おかげでワイルドでも本来は獲得できないペルソナ。
つまりはタナトスなどがその例に入るね」

「確かに、俺でも制御は難しかったが、そういう理由なのか」

そう言いながら、これまでの出来事の多くについてが説明されていく。

「ワイルドの力。
そして他のワイルド達の力が合わさった事により、君はまさに様々な可能性を得る事ができた。
これから先、怪盗としての力だけではなく、別の力も必要になる。
その時にもワイルドの力はきっと役に立つ」

「だとしたら、複雑だが、ひかりに感謝しないとな」

「えっ?」

「ひかりがあの時、俺達を呼んでくれなかったら、きっと俺はここまで戦えなかった。
だから、ひかりにとっては悪いかもしれないが、俺は感謝している」

「そんな、元々は私が原因で起きた事だよ。
それに、私も助けて貰わなかったら、まだ、ここで震えていたと思う

「あぁ」

そう言いながら、ひかりはゆっくりと映画を見つめる。

「もう、時間だね」

「そうか、寂しくなる」

「大丈夫、私も皆のおかげで強くなったから。
だから、また会えるよ」

「あぁ、また」

その言葉と共に雨宮は姿を消した。

「また、会おうね」

その言葉と共に、ひかりはそっと、何かを握り締めていた。

そして間もなくして、ひかりもその映画館から姿を消した。


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始まりの物語 黒の覚悟

ルパンレンジャーもいよいよ終盤に入っていき、こちらのSSも少しずつですがルパンレンジャー編盛り上がってきています。
という事で、ここから二回連続でリュウソウジャー関連の話をさせてもらいます。


俺はあの時の出来事を後悔した。

 

正しいと思えた力は、俺を、大切な物を陥れる物だった。

 

だからこそ、俺は

 

「俺はここでお前を殺す!!」

 

「ほぅ、まさかここまで動くとはな」

 

そう言いながら、俺は目の前にいる奴へと斬りかかる。

 

「力を持った貴様ならば救世主だと言って、力を使うと思ったのだがな」

 

「あぁそうだな、かつての俺はそう思っていた」

 

「かつて?

そうか、貴様は」

 

「あぁ、お前の予想通りだ」

 

そう言いながら、俺は手に持った剣を持ちながら、目の前にいる奴を切り裂く。

 

「兄貴!!」

 

「来るなっ!!」

 

「ふっ」

 

その言葉と共に奴は俺の後ろから来た声へと向かって、手を伸ばすが、俺は剣を使い、手を切り裂く。

 

「所詮はその程度だな」

 

そう言い、奴は俺の喉を掴むみかかる。

 

「もう一度生まれ変わったとしても、この結末は変えられない!

お前はそれすらも気づかないのだろう」

 

「それは決まっていないだろう、この方法ならば!!」

 

そう言い、俺は手に持った剣を使い、俺と共に奴の心臓を貫く。

 

「貴様っ!?

 

「確かにお前には勝てないかもしれない。

けど、お前は俺の身体がなければ復活はできないだろ」

 

「そんな事、分からないだろうが」

 

「あぁ、けど、俺にはこれぐらいしか、方法は分からなかったからな!!」

 

そう言いながら、俺は心臓を突き抜けながら、心臓の鼓動が着実に消えていく音が聞こえてきた。

 

「兄貴!?」

 

「そんなっ!?」

 

俺が心臓に貫かれている姿を見て、二人は驚きに隠せない様子だったが、それでも今度は

 

「すまなかった」

 

その一言と共に、俺は今度こそ全てを連れて、こいつごとあの世へと行く為に手に持ったライターから炎を奴と俺の身体ごと燃やし始める。

 

そして、全ての意識が無くなる瞬間に見えたのは、奴の悔しがる姿ではなく、無事に生きてくれた二人の姿だった。

 

最後に見れて、ほっとした次に目が覚めると共に見えたのは

 

「どうやら、上手くいったみたいだね」

 

「あぁ」

 

そこに立っていたのは白い仮面をつけた黒いローブを付けた奴だ。

 

俺とこいつが出会うのはこれで二度目だ。

 

「正直、私としては行いたくなかったが、余りにも深い後悔だったからね。

それにしても本当に良かったのかい、あそこで君自身が一緒に死んで」

 

「俺は余りにも罪を重ねすぎた。

何より、生きている限り、あいつは復活するだろう」

 

そう言いながら、俺は胸の傷を見つめながら、言う。

 

あの場でできたのはあくまでも、俺とあいつの存在をこの世界から消え去る事のみ、それ以上の事はきっと

 

「さぁ、どんな事でもやれ!

俺はどんな罰でも受け入れる!!」

 

「本当に正義感が強いね。

そこは彼に似ているから、君をスカウトした訳だがね」

 

そう言い、奴の手には何かのブレスレットがあった。

 

「これから君に行って欲しいのは、君が本当に行いたかった事だ。

ただし、今度は君だけではなく、仲間達と一緒に人々を守って欲しい」

 

「だが、俺は」

 

「君はかつて言っただろ。

生きていれば、誰だってやり直せる。

あの時の君の優しさを忘れなければ、今度こそ、本当に救えるさ」

 

「優しさ」

 

そうだ、俺がやりたかったのは

 

「分かった。

謹んで受けさせていただく」

 

そう言い、俺は受け取ったブレスレットを手に持つと、後ろから聞こえる鳴き声と共に、その場を振り返った。

 

「君の新たな人生に祝福を」

 

同時に、俺の目の前は真っ黒になった。



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始まりの物語 緑の覚悟

真っ白で、目の前に映る巨大な画像と俺以外何もない空間で俺はじっと画面を見ていた。

 

何度も手汗が出ている中でも、危機に陥る仲間に手を伸ばしそうになりながら、もぐっと堪えた。

 

仲間が間違った道に行きそうになるも、他の仲間が止めてくれた。

 

倒れてしまった仲間はいたが、他の仲間が諦めずに戦い続け、仲間を救い出してくれた。

 

何度も口喧嘩した仲間が、今でも変わらず、仲間を助け、そして目的を達してくれた時は自分のように喜んでしまう。

 

誰よりも仲間思いだった彼は記憶や人格が変わったとしても、周りの人々を助ける事は変わらず、愛する人と結ばれながら、世界を救った時は目を輝かせて見た。

 

そして、何よりも救いたかった妹が仲間達の力のおかげで、助け出され、最後に

 

「これが俺の墓か、もうちょっと派手でも良いじゃないかよ」

 

そう悪態を言いながらも、俺の為に集まってくれた皆の姿を見て、思わず照れてしまう。

 

「よかった、本当に」

 

「これでよかったでちゅか?」

 

俺が満足して言うと、それに合わせるように後ろを見てみると、そこには俺をこの場に連れてきてくれた子供がその場で立っていた。

 

「言っておくが、これを最後に、あの場所にはもう二度と帰れない。

帰す事は私にはありません」

 

「それは最初に来た時から聞いていたよ。

それに、俺も、死んでいるのはとっくに受け入れている」

 

そう、俺はあの時、仲間を助ける為に死んだ。

 

正直、死にたくなかったし、もっと良い方法はなかったのかよと後悔はしているが、それでも助ける事ができたのならば、もう後悔はない。

 

「それで、俺はこの先、どうすれば良いんだ?

やっぱ地獄なのか?」

 

「そう慌てるな。

あなたにやってもらう事はこれです」

 

そう言い映し出されたのは怪盗を思わせる恰好をしている奴らが何やら戦っているようだが、手に持った物を使って、何かを手に入れたようだが?

 

「彼らは怪盗戦隊ルパンレンジャー。

ある世界で転生者から特典を盗む仕事をしています」

 

「なっ俺に盗みをやれというのか!?」

 

「えぇ、でも盗まなければ多くの人々が傷ついてしまいます」

 

「どっどういう事だよ!?」

 

「特典とは、人に与えられる力。

それによって、力を使って人々を襲ったりします。

反対に力が制御できずに暴走してしまう人や、狙われている人を守る為に盗む事もあります」

 

「結構まともな理由だけど、俺なんかで良いのか?

それならば、もっと相応しい奴とか」

 

「えぇ、でも仲間の為に行動したあなたの行動を見たからこそ、選びました。

それをするのもしないのも、あなたの自由です」

 

「自由か」

 

そう言われてみると、俺はあいつを助ける為に必死に戦っていたけど、誰かを助ける事は少なかった。

 

だったら、今度は一人でも多く、助けるならば

 

「分かった、その仕事引き受けるぜ」

 

「了解しました。

ではこれを」

 

そう言い、渡されたのは、何かのブレスレットのようだが?

 

疑問に思いながらも、嵌めて、次に渡されたのは何かの鍵だが?

 

「とりあえず、最初はこの子と仲良くなる事からです。

頑張ってください」

 

「この子?」

 

そう言われ、俺は振り返るが

 

「なっなんじゃ、こりゃあ!!

 

俺はそう叫びながら、走り出す事にした。

 



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予告状72 特典暴走

正月が終わり、いよいよ普段の生活へと戻ろうとしていた。

 

「あっ雨宮君!!」

 

「んっ?

響は帰りか?」

 

「うん!

これからS.O.N.Gに向かっている所だよ」

 

「それじゃあ、俺も行くか」

 

ここの所、転生者に関する事件も報告もなく、まるで正月休みのようにいなくなったのだが

 

「んっ、あの人、どうしたんだろ?」

 

「あの人?」

 

そう言われて、見てみると、どうやら一人の男性が倒れ込んでいるのだが、一体

 

「離れろ、響」

 

「えっ?」

 

その一言がきっかけになったのか、男から溢れ出る闇が出てくると、その姿は変わり現れたのは、まるで悪魔のような奴へと変わっていた。

 

「あれは」

 

「特典か?

だったら」

 

「止めるしかないよな!」

 

その一言と共に、俺はVSチェンジャー、響はペンダントを取り出した。

 

「怪盗チェンジ!」

 

そう叫ぶと同時にルパンレンジャーへと変身し、響はシンフォギアを纏い、悪魔へと接近する。

 

悪魔はこちらに気づいて、炎を次々とこちらに放っていくが、俺はVSチェンジャーでそれを次々と打ち落とし、同時に響が懐へと入り込む。

 

「いっせぇのでぇ!!」

 

「これは一体!?」

 

その言葉と共にこちらへと投げられた悪魔の懐に入り込むと同時に、手に持ったレッドダイヤルファイターを押し込み、特典を奪い取る。

 

「特典っ!!」

 

俺は特典を奪い取ると同時に特典から放たれる邪気に当てられるが、同時に現れたアルセーヌから放たれる闇によって邪気は抑え込まれた。

 

「今のは」

 

「さぁな、だが、思っていた以上に状況は最悪みたいだ」

 

そう言い、周りを見つめると、街のあらゆる所で煙が上がっている。

 

「まさか、こんな事が他にも?」

 

「とりあえずは、解決してから、本部へと行くぞ」

 

「そうだね」

 

そうして、街の中を回っていくと、そこには先程と同じような悪魔へと変わっており、そのほとんどの特典は先ほどと同じく邪気で溢れていた。

 

やがて、街周辺にいた悪魔達を倒した後、急いでS.O.N.Gの基地へと向かった。

 

「師匠、いったい今は何が」

 

「分からない、だが、この事件は日本全土で起こっている事だけだ」

 

その言葉の通り、画面に広がっているのは町には多くの悪魔によって攻め込まれており、それは日本全国でいた。

 

「この数は一体!?

世界中に多くの被害が出ております!?」

 

「何が「特典の暴走」えっ!?」

 

「死神様!?」

 

背後から聞こえた声に、俺達は振り返ると、そこにはいつもはこちらに来ないはずの死神様が真剣な表情で見ていた。

 

「どうやら、ギャングラーも本格的に動き出したみたいだね、この世界支配する為に」

 

「支配って、どういう事だ?」

 

「私もギャングラーの特典を多く調べてみたが、どうやらその中には精神を暴走させ、怪物化させる力があったみたいだね」

 

「まさか、ギャングラーのボスの目的は「この現象を使った侵略だよ」今度はまさか」

 

「やっほぉ、皆元気にしていた?」

 

「赤瀬友奈!?」

 

画面に映し出されていたのは、ギャングラーの最後の幹部であるはずの赤瀬友奈がいた。

 

だが、それよりも

 

「なぜ、こちらに連絡を?」

 

「えっそれは勿論、私は君達の味方だからだよ」

 

「味方?」

 

その言葉の意味が分からなかったが

 

「それで、奴の居場所は?」

 

「うん、現在はギャングラーの世界で本拠地とも言える場所で玉座に座っているよ」

 

「死神様、赤瀬と知り合いなのか?」

 

「随分前にね。

彼女がギャングラーのスパイとして、送ったのは僕だからね」

 

「ええぇ!!」

 

その言葉に基地にいた全員が驚いており、いたずらに成功したように赤瀬も笑っていた。

 

「いやぁ、私も苦労したよ。

なんだって、悪役なんて、私は似合わないから」

 

その一言にはあえて突っ込まないが、これは一体

 

「彼女は僕やエボルトとは違って、最初からルパンレンジャーのスパイとして、ギャングラーに入っていたんだ」

 

「なっ!?」

 

明智から言われた事に驚きながら、友奈本人と出会う事はとても少なかったが、まさかそういう事だったとは。

 

「うん、こっちのギャングラーのボスは何か焦っていた様子だった。

まぁおかげでこっちも厄介な奴らはなんとかできたしね。

けど、まさかここまでの事をするとはな」

 

「そこから、そっちの世界には行けるのか?」

 

「問題ないよ。

ボスはこの騒動で力を使いすぎて、こっちまで気を回していなかったから、簡単に遅れるよ」

 

その言葉を聞き、俺達はすぐに基地から出ていくと、手に持ったVSチェンジャーを持った。

 

「では、作戦は決まったな。

響君達は各地へと向かって、転生者達を抑えてくれ」

 

「その間に連達ルパンレンジャーと心の怪盗団達がギャングラーの世界に突入。

そこでギャングラーのボスを倒す」

 

「ある意味、これまでで大きい作戦だな」

 

これまでとは違い、ギャングラーによって支配された世界を含めて、全ての世界を救う為のこの作戦はまさに世界の命運を掛けた作戦だ。

 

「皆の検討を祈る」

 

その言葉と共に全員が震える程の声で返答すると共に、基地の外へと向かう。

 

「本当に、いよいよ最後なんだね」

 

「あぁ、本当に長かった」

 

本当にルパンレンジャーとして戦って、響と出会って、長い戦いだった。

 

「ねぇ、雨宮君はやっぱり今でも復讐は止めるつもりはないんだよね」

 

「あぁ、それは今でも変わらない。

でもな、それは最初の頃とは意味が全然違うと思う」

 

「意味?」

 

「最初は殺したい程憎かった。

だから殺す気だった、けど響と出会って、色々な人と出会えて、分かったんだ。

俺は響達との日常を守りたいから、それを壊す奴を止める為にかな」

 

「なんだか、歯切れが悪いね」

 

「正直、頭は悪い方だからな。

でも、これだけは言える、俺は響と会えて、良かった」

 

「えへへぇ、なんだかそう言われると嬉しい。

でも、まだ色々と沢山とやりたい事があるから」

 

「あぁ、だからこそ、この戦いを」

 

「乗り切ろう」

 

その言葉と共に基地の外へと出ていくと、俺達の前にはXトレインが走っていた。

 

「雨宮、俺と明智はこのままこの世界に残る。

奴らは巨大化する敵もいるからな、それにXトレインだったら、世界中どこでもすぐに行けるからな」

 

「だったら、そっちの世界は頼んだぜ」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、俺達は各々の変身アイテムを取り出し、引き金を引く。

 

同時にダイヤルファイターは空へ、Xトレインは地上を走り、各々の戦場へと向かった。

 

「もうすぐ異世界への入り口だ。

振り落とされるなよ」

 

「あぁ分かっている」

 

その言葉と共に異世界の入り口へと入り込むと、その先に待ち受けていたのは空間に余す事なく広がっている怪獣の大群がいた。

 

「なんだ、これは」

 

「あれはまさかレギオン!!」

 

「見た事のない鳥みたいな奴もいるな」

 

「データベースで分かったが、あれはギャオスにレギオン、それにイリス!

おそらくは巨大怪獣の特典はここで育てられたんだろう」

 

「突入するにはこいつらを倒せという事か」

 

「あぁ、だが異世界への入り口となる亀裂がどこかにあるはずだ」

 

「そこに向かえば良い訳だな。

だったら、さっさとぶちかますぜ!!」

 

その言葉と共にダイヤルファイターは飛び上がり、同時に掛け声が聞こえる。

 

「怪盗ガッタイム!

勝利を掴み取ろうぜ!」

 

その一言と共に、ジャックポットストライカーとレッドダイヤルファイター、ブルーダイアルファイター、イエローダイヤルファイターは合体する。

 

「完成!ルパンレックス!」

 

その言葉と共に、俺達はルパンレックスを操作して、飛び出し、目の前に迫っているレギオンに向けて、手に持っている剣で切り裂く。

 

だが、周りに集まっている小型のレギオンが一斉に襲いかかってくるが、すぐに手にはサイクロンダイヤルファイターを取り出し、放ち、ブルーダイヤルファイターが分離される。

 

「完成!ルパンレックスサイクロン!」

 

その一言と共に、こちらに迫っていたレギオンはサイクロンダイヤルファイターが作り出した嵐によって吹き飛ばされるのと同時に、新たにシザー&ブレードダイヤルファイターを出現させ、イエローダイヤルファイターを分離させ、合体する。

 

「完成!ルパンレックスサイクロンナイト!」

 

その一言と共に飛び上がり、ブレードダイヤルファイターを弓矢にように構えて、サイクロンダイヤルファイターが発生させた嵐と共に放った。

 

「ルパンレックス!撃ち抜いちまえフラッシュ」

 

その一言と共にレギオンを吹き飛ばし、爆発した。

 

その爆風に紛れ込むようにして、俺は新たに二つのダイヤルファイターを出現する。

 

「行くぜ、ジャンボダイヤルファイター、コズミックダイヤルファイター、コズミックダイヤルファイター!」

 

その一言と共に左腕にジャンボダイヤルファイター、右腕にコズミックダイヤルファイターが合体すると同時にこちらに迫りくるギャオスの軍団に向けて、銃口を向けた。

 

「ルパンレックス!全てを吹き飛ばしバースト!」

 

その一言と共にジャンボダイヤルファイターから溢れ出る4つの炎がギャオスの集団の真ん中で一つの塊になると、その塊に向けてコズミックダイヤルファイターから放たれたエネルギー波がぶつける。

 

それにより、炎のエネルギーがギャオス達を巻き込み、吹き飛ばす。

 

そしてギャオス達を倒した先に待ち構えていたイリスがこちらに向けて触手を伸ばしてきたが、同時に二つのダイヤルファイターを取り出し、発射させる。

 

「まだまだ、マジックダイヤルファイター、スピアダイヤルファイター!」

 

同時に触手を振り払うように二つのダイヤルファイターが切り裂くと、レッドダイヤルファイターを含めた3つのダイヤルファイターが離れ、マジックダイヤルファイターとスピアダイヤルファイターが合体する。

 

「完成!ルパンレックスマジックスピア!」

 

その声と共にイリスがこちらへと伸ばしていく触手をスピアダイヤルファイターで切り裂きながら、マジックダイヤルファイターの腕から出てきたカードをイリスに向けて投げる。

 

そのカードはすぐにイリスの触手を幾つも切り裂くと、カードはイリスの周りに浮かび上がり、ルパンレックスマジックスピアの前に一枚のカードが浮かび上がる。

 

「ルパンレックス!穴付きチーズになっちまえスラッシュ」

 

その言葉と共に目の前のカードにスピアダイヤルファイターで攻撃すると、イリスの周りにあったカードからスピアが現れ、眼にも止まらない動きでカードに向けて攻撃を仕掛けていく。

 

既にスピアダイヤルファイターの動きは残像で見えない程の速さになっており、イリスの身体は既に穴だらけになる。

 

そして全てのカードが一直線になるように並び、同時にスピアダイヤルファイターを突き刺すと、イリスよりも巨大なスピアダイヤルファイターが現れ、イリスを潰した。

 

それにより、爆発すると同時に、俺達は目の前にある奴らの動きが鈍ったのを見ると共に俺達はとどめを刺すようにダイヤルファイターを取り出す。

 

「最後はこれで決めるぜ!!」

 

「「あぁ!!」」

 

その言葉と共に俺達は各々の最強のダイヤルファイターを取り出すと、発射させる。

 

「行くぜ、スーパー怪盗ガッタイム!

完成!スーパービクトリールパンレックス!」

 

その一言と共に、正真正銘、最強のルパンレックスが誕生すると同時に、ルパンレックスは背後にある翼が一斉に離れ、手に持っていた剣に集まる。

 

「行くぜ、ルパンレックス!全てを切り裂けスラッシュ!!」

 

その一言と共に剣から赤と青と黄色の三色がエネルギーになって現れ、長さは数千Km程の大きさになり、ルパンレックスが振り上げると同時に周りにいた多くの敵を光の中へと消えていく。

 

「見えた、あそこだ!!」

 

全てが消え去った時にようやくギャングラーの世界への入り口を見つめると同時に剣からエネルギーが消えるのを確認すると同時にルパンレックスは飛行形態へと変わり、一気に飛び込む。

 

飛び込んだ先にあったのは、かつて、俺達が戦ったメメントスを思わせる赤黒い泥が溢れており、一際目立つ屋敷を中心に多くの町が立ち並んでいた。

 

「これがギャングラーの世界」

 

「なんというか、気味が悪いな」

 

「あぁ、それに、おそらくだが、俺達が戦ってきた多くの転生者達は、ここで生まれたんだろう」

 

そう言っている間に、町を見ていると、虚ろな目でこちらを見る住人がいたが、住人の身体が次の瞬間には膨れ上がり、黒い獣へと変わった。

 

「これは厄介だ。

ここは俺達に任せて、お前はもう一人のお前と決着を付けに行ってこい」

 

「モルガナ、だが、お前達だけでは「その心配はないよ」この声は」

 

「勇者パンチ!!」

 

どこからともなく聞こえてきた声を見てみると、そこにはギャングラー側から連絡していた友奈の姿だった。

 

ここに来るまでの手引きをしてくれた事もあるのと、明智からの言葉で信用できるが、それ以上にこの数を

 

「おい、連。

お前が知っている俺達はそれ程弱いのか?」

 

「・・・あぁ、そうだな!

だったら、後は頼むぜ!!」

 

「任せろ!

行くぜ、お前達、力を存分に使えよ!!」

 

その一言と共に俺達の懐にあったレジェンドダイヤルファイターが動き出し、大きな光を放つと共に現れたのは8体の巨大なロボットだった。

 

「これはもしかして」

 

「あぁ先輩達も力を貸してくれるらしいな!!」

 

「これだったら、なんとかできそうだったな!

連、あとは頼んだぜ!」

 

その一言と共に、ゴーカイ先輩達の力だと思われるロボットを操作している竜司は両手に持った剣で突入していき

 

「あぁまったく!

無茶ばっかりするんだから」

 

「でも、お前ら!

遅れは取れないぜ」

 

「まさか私も乗れるなんてね。

だからこそ、絶対に守って見せるよ」

 

その言葉と共に、皆が巨大化している住人達へと向かっていき、俺達は互いの目を見ると共に走り出す。

 

「これが最後だ!」

 

その一言と共にギャングラーの基地へと攻め込んだ。



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最終予告状 永遠にアドゥー

ルパパト最終回と同時にこちらも地味に最終回です。


雨宮Side

 

屋敷へと潜入すると同時に俺達が辿り着くと屋敷が崩壊し、周りの景色が変わり、まるで太陽の光によって神々がいそうな場所へと変わった。

 

「ここまで作られるとは、なんだこの光景は」

 

「本当に気味が悪いぐらいに綺麗な景色なんだ」

 

「それは酷い話だ。

ここは理想郷、人間が誰しも目指す場所だ」

 

そう言い、コツコツと歩く音が聞こえ、振り替えると、そこに立っていたのは、まさしく俺と瓜二つの姿だった。

 

ただ違う所は、俺が普段からしている怪盗の恰好の色が白く塗りつぶされており、マスクを被っておらず、その目は黄色いシャドウの目だった。

 

「お前が俺だな」

 

「あぁその通りだ。

よくここまでたどり着いたな、さすがは俺と言った所だな」

 

「そうか、どうでも良い。

さっさと、戦うぞ」

 

「おいおい、聴かないのか、俺がこの事を起こした理由を

 

「そうだな、はっきり言うと、お前に対しての質問は何もないという訳はない。

けどな、どんな理由があろうと、てめぇを止めないと、どちらにしろ皆を助けられないんだろ」

 

その言葉と共に俺達はVSチェンジャーを構え、ダイヤルファイターをセットする。

 

「だったら、ここでてめぇを倒すだけの話だ!!」

 

「そうか、さっさと来るが良い!!」

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

その言葉と共に俺達はVSチェンジャーでルパンレンジャーへと変身すると同時に奴の後ろから巨大な影が現れた。

 

「あれは」

 

「ヤルダバオト!!」

 

「ペルソナ」

 

その言葉と共に奴の身体はヤルダバオトが覆うと、そこに出てきたのは背中から4本の腕を生やした真っ白に光り輝くルパンレンジャーが出てきた。

 

「俺達の物真似かよ」

 

「だからと言って、負けるつもりはないよ」

 

「それはどうかな?」

 

その言葉と共に奴は腕の4本共、様々なエネルギー波が離れていき、俺達は各々で離れると同時に忍とソーマが左右から一斉に攻撃する。

 

「無駄」

 

「ぐっ」

 

その内の一本がソーマを掴み取り、もう一本の手に持っている鐘が鳴り響くと、忍はその場で蹲ってしまう。

 

「まだまだぁ!!」

 

その言葉と共に俺はその手にビクトリーストライカーをセットすると、同時にスーパールパンレッドへと変身する・

 

「だから無駄だと言ったはずだ」

 

「そうかよ!!」

 

その言葉と共に俺は手に持ったVSチェンジャーとルパンマグナムで二つの腕を吹き飛ばし、一気に近づくが、奴自身が持っている認知によって作り出された銃と剣で応戦する。

 

「ちっ」

 

「お前の戦い方は知っている」

 

その言葉に従うように、俺と俺がぶつかり合いながら、一瞬の隙を突くと同時に後ろへと吹き飛ばされる。

 

「お前が成長したように、俺もまた成長している」

 

「くっ」

 

「転生者を送り出す時に特に強力な存在である意思の強い転生者達の認知は、俺をさらなる高みへと導く」

 

そう言いながら、俺達は吹き飛ばされる。

 

「ぐっ」

 

「人と人の繋がりが強くする。

ならば、全ての人間達との無意識での繋がりを力にしている俺と、ごく少数の繋がりしか持たないお前達ではな!!」

 

「そうかよ、確かに人の数だったら負けているかもしれないな」

 

そう言いながら、俺は立ち上がる。

 

「でも知っているか、お前。

ソーマは、最近シオの好みを探す為に雑誌を読み込んでいるのを」

 

[はっ?」

 

「忍は最近では、自分で拘りのドーナツを作り始めた事を」

 

「そんなくだらない事をなぜ、ここで話す?」

 

「だったら、お前は俺に勝てないよ!!」

 

その言葉と共に、俺は立ち上がると、俺を中心に黒い炎が燃え上がってくる。

 

「俺達の繋がりは確かにお前の言う無意識の繋がりよりも少ないかもしれない。

けどな、繋がりの力は数じゃないんだよ!!

人と人が互いに守りたいと思った時に、本当に力が湧いて来るんだ」

 

「力だと!?」

 

その言葉に合わせるようにして、ソーマは押さえつけられていた腕を引き剥がしながら叫ぶ。

 

「人が人の為に動く時。

時にはそれが信じられない程の力を作る」

 

そして忍もまた、手に持っていたVSチェンジャーで鳴らしている鐘に向かってVSチェンジャーで打ち抜く。

 

「貴様は、貴様にしか従わないように動いていただけだ。

本当の意味で繋がろうとしていた奴らを無視して、動いた」

 

「そんなてめぇに俺達は負けるつもりはない」

 

その言葉と共に、俺の後ろから現れたのは悪魔の侯爵と呼ぶに相応しい存在が現れ、この存在こそが、俺がヤルダバオトを倒した存在であるサタナエルだ。

 

「だから、どうした!!

このヤルダバオトは、貴様が倒したかつてのヤルダバオトではない!!

様々な世界を飲み込み、成長した存在だ!!」

 

「奇遇だな、このヤルダバオトも、あの時とはまったくもって別の存在だ」

 

その言葉と共に俺は手を前に出すと、そこから光が形成され、現れたのは巨大な金色と銀色の二つの剛腕が装着される。

 

「なっ」

 

「今、俺達は3人で戦っているんじゃない。

あの世界で一緒に戦ってくれている皆の思いを背負って戦っている。

だからこそ、お前に負ける道理はない!!」

 

「ふざけるな!!」

 

その言葉と共に目の前にもう一体のヤルダバオトが現れ、サタナエルと向き合った。

 

互いにペルソナと本体が睨み合う中で走り出し、同時に俺達はぶつかり合った。

 

手に持ったVSチェンジャーとルパンマグナムの銃弾による攻撃を奴は弾きながら迫っていき、ヤルダバオトの腕から様々な魔法が放たれるが、サタナエルもまた剛腕でそれらを吹き飛ばしていく。

 

力と技が激しくぶつかり合いながら、奴が放った魔法が一瞬だけサタナエルを怯ませる。

 

「にひぃ」

 

「俺達を」

 

「忘れるなよ」

 

その隙を突き、攻撃を仕掛けようとするが、各々の背後にいた忍が心渡りを、ソーマが神器を使い、ヤルダバオトの腕を全て切り裂く。

 

「なっ!!」

 

「忘れては困るぜ。

俺達3人、神を殺せる可能性があるのをな!!」

 

それに合わせるようにして、俺はその言葉を合わせるようにして、ルパンマグナムとVSチェンジャーを合わせる。

 

同時にサタナエルの腕に装着された二つの剛腕も変形し、一つの巨大な銃へと変わる。

 

「じゃあな、俺」

 

【イカサマ・ストライク!】

 

その音声が鳴り響くのと同時に、俺達の目の前に巨大な赤と黄金の螺旋が広がり、全てを飲み込んだ。

 

その光はヤルダバオトだけではなく、その後ろにあった世界までも飲み込んでいく。

 

そうして残ったのは、僅かにあった地面と俺達三人だけだった。

 

「・・・なぁ、もう一人の俺、結局、お前は何をしたかったんだ?」

 

「なんだ、聞かないんじゃなかったのか?」

 

そう言い、俺の言葉に応えるように出てきたもう一人の俺。

 

ただし、その姿は既に神と思われたヤルダバオトではなく、普段の俺と同じ姿だった。

 

「戦っている時はな。

でも、戦いは終わった、なら、聞けるだろ?」

 

「理由は後付けか。

けど、良いだろ。

お前も同じ道を辿っているなら知っているだろ、ヤルダバオトの目的を」

 

「まぁな」

 

「俺とお前が違うのはあの時だ。

俺は最後にヤルダバオトの思想が正しいと思えた。

だって、そうだろ、あいつの考えは確かに人間らしい生活はできないが、それでもあいつの世界で不幸になる人間はなくなる」

 

「確かにな、一種の理想郷かもしれない。

それに比べたら確かにあの世界は地獄かもしれない」

 

「差別や生きているだけでも殺そうとする」

 

「手を繋ごうともしない」

 

「けどな、そんな地獄でも人間は生きているんだ。

それは、きっと、生きる事の素晴らしさが分かるかもしれない」

 

「地獄も人が生きる為には必要な事か」

 

「あぁ」

 

「最後の最後で、天国か地獄か。

選択が違った結果か」

 

その言葉と共に、再び地面が崩れ始める。

 

「世界の融合は終わる。

全ての世界はまた元の形へと戻っていく。

どのような未来が待っているか、それはお前達次第だ」

 

その言葉と共に俺達の目の前は真っ白へと変わる。

 

響Side

 

雨宮君、君がいなくなって、もう数ヶ月が過ぎようとしている。

 

年の初めで起きたギャングラーとの最後の戦いから過ぎて、もう春となり新学期が始まろうしています。

 

私達が通っていた学校の名前は何時の間にかリディアン音楽院と変わっていました。

 

それは、この世界と他の世界が融合状態から、元の世界の状況へと変わったのが影響しており、私達の記憶には確かに雨宮君達は残っていますが、世間の人々はルパンレンジャーも転生者が起こした事件について忘れていました。

 

一度、友奈ちゃん達に会いに行ったのですが、そこには彼女達はいませんでした。

 

寂しさが多くあり、勝ち取った平和でありながら、私達は寂しさで埋め尽くされています。

 

「響」

 

「ごめんね、未来。

こんなに泣いちゃ」

 

もう、君達がこの世界にいないかもしれない。

 

けど、また君達がいる世界と繋がる可能性があるギャラルホルンの調査もあり、私達は諦めません。

 

「また何時か、会える時まで」

 

そう言い、私達は手を伸ばした時だった。

 

「これは」

 

突然師匠達からの連絡が入った。

 

「響君。

すぐにそこから離れるんだ。

その近くに未確認の聖遺物が接近している」

 

「えっ!!」

 

その言葉と共に、私は上を見ると、確かに何か赤い星がこちらに向かってきていた。

 

すぐに反応できずに立ち尽くしていると、私の横を見ると空き地だった場所にその流れ星は凄い音を響かせた。

 

「きゃっ!!」

 

「未来!!」

 

舞い上がる煙から未来を守るように私は身体を前に出し、何が起きたのかすぐに確認する為に後ろへ振り向く。

 

そこには真っ赤なボディがあり、ボロボロになった飛行機があった。

 

その形に私は見覚えがあった。

 

「あれって、もしかして「あぁ死ぬかと思った!!」っ!!」

 

飛行機のハッチが開くと、そこから詰め込まれているように出てきたのは見覚えのある三人の姿だった。

 

「本当にやばかった。

融合が解除された途端に世界の狭間で死ぬかと思った」

 

「おかげで元の世界に帰るまで、ここまで時間がかかるとはな」

 

「儂はもうこりごりじゃぞ」

 

そう言い、出てきた三人の姿を見て、眼に涙を溜めながら、私は走り出し、三人に向かって飛び込む。

 

「うわぁ!!」

 

「なんじゃ!?」

 

「がはぁ!!」

 

突然の事で驚き、ソーマ君と忍ちゃんはその場で避け、雨宮君は私を受け止めて、驚いたように声を出す。

 

「んっ、響?」

 

「おかえり、雨宮君!」

 

「あぁ、ただいま」

 

???Side

 

「・・・どうやら、世界は地獄を選んだか」

 

その世界は既に何も存在しない場所だった。

 

そこにただ一つの人影が周りを見渡す。

 

人影の特徴は全身が紫色の鎧を身に纏い、まるで恐竜を思わせるような剣を腰に付けていた。

 

「天国を目指す為に死んだ男か、地獄を生きる為に戦った男。

やはり、人は生きる時にしか強くはなれないようだな」

 

そう言った人影は周りにある何かを集めると、手元にあったのは一本の鍵だった。

 

「ならば、地獄で生きた男こそ、我が宿敵として相応しいだろう。

その為に、分けて、戦う理由を作ったのだから」

 




本日で特典を奪う怪盗団は終了します。
終了と言っても、ルパンレンジャーとしての雨宮達の物語が終わるだけで、雨宮達の物語はまだまだ続いていきます。
連載作品として、なんとか完結までいけた今作品は私だけではなく、一緒に合同作品として連載してくれたガンダムラザーニャさん、そして、ここまで読んでくれた皆様のおかげです。
今書いている次回作でも、まだ考えていない作品でも皆様を楽しめるような作品を楽しく書いていきたいと思います。
これまでの連載、ありがとうございます。
そして、これからも末永くお願いいたします


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新作予告編

次回作品をスーパー戦隊のPV風に作らせてもらいました。


ギャングラーと、自分自身との戦いに勝利した雨宮達だが、彼らの戦いは未だに終わっていないが、そんな彼らの前に立ちはだかるのは

 

「一にして全なるモノが死を灯す。

その目的の為に、死んでもらう」

 

かつての転生者を作り出したシステムを利用し、様々な存在を作り出した存在、パヴァリア光明結社。

 

「雨宮、貴様の力、見せてもらう 」

 

そしてパヴァリア光明結社と手を組む謎の存在、カイゾーク。

 

その脅威の前に、雨宮達は

 

「けどな、俺達はもう戦えないからな」

 

その時、雨宮達には戦う為に必要な力を使えなくなっていた。

 

だが

 

「力を貸してくれるのか?」

 

「緊急事態です!!

この反応は完全聖遺物の反応、反応場所は雨宮君達周辺です」

 

「さぁ行くぜ、ティラミーゴ!!」

 

「あぁ!!」

 

新たな世界にて目を覚ました完全聖遺物、騎士竜達の力を借りた新たな力を得る。

 

その名も騎士竜戦隊リュウソウジャー

 

「さぁ盛り上がっていくぜ!」

 

最大、最強の騎士竜ティラミーゴと共に戦うのは、かつて赤い怪盗であり、ペルソナ使い雨宮連、リュウソウレッド!

 

「まったく、世界の平和は結構遠いな」

 

鋭い剣を宿すトリケーン、雨宮と共に、怪盗として戦っていた神殺しの力を宿す青年、ソーマシックザール、リュウソウブルー。

 

「奇妙な事が起きまくるのは、運命かもしれんの」

 

変幻自在な防御を得意とするプテラールド、雨宮の影に潜む吸血鬼、忍野忍、リュウソウイエロー。

 

「ここが新しい戦いの場か!!」

 

全てを打ち抜くタイガランス、生前、仲間を守る為にその身を犠牲にしたクインクス、不知吟士、リュウソウグリーン。

 

「この世界で、俺の罪を償う」

 

全てを貫くミルニードル、生前の世界で、自身の罪を償う魔戒騎士、御影神牙、リュウソウブラック。

 

「戦いは、まだ慣れていないけど」

 

粉砕するハンマーを持つアンキローゼ、雨宮と同じ世界から来た映画監督志望の少女、ヒカリ、リュウソウピンク。

 

彼ら、リュウソウジャーが持つ力、それは

 

「喰らえ、特典!!」

 

転生者の特典や封印されていた存在をリュウソウケンに食らわせる事で現れる新たな力、リュウソウル。

 

リュウソウルの力を使い、斬って、斬って、斬りまくれ!!

 

怪盗から騎士

 

3人から6人

 

全てが倍に、力は無限大。

 

新たな仲間達と共に、特典を喰らいまくれ!

 

新連載【特典を喰らう騎士】

 

3月、投稿予定。

 

活動報告にて、新作アンケート実施中。

 

そして

 

「んっ?」

 

「その声は」

 

「まさか」

 

合同作品、作者ガンダムラザーニャー【転生者を裁く救世主】連載決定

 

詳細は後日発表予定。



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