ペットと一緒にスパロボに参戦してみた。 (小狗丸)
しおりを挟む

No.1

 ☆月★日

 

 今日から俺カヤマリュウトはこの、近くのコンビニで灼熱麻婆豆腐丼と獄甘イチゴオレと一緒に買ったメモ用の手帳に日記をつけることにした。日記をつけることにしたのは、今自分に起きている出来事を冷静に整理するためだ。

 

 まずこれは俺も今日まで忘れていた事なのだが、俺はどうやら「神隠しに遭いやすい特異体質」らしい。

 

 両親が言うには物心がつく前は、いきなり親の目の前で消えて二、三日もしたら何やら正体不明な道具を持って帰ってくることがしょっちゅうあったそうだ。ちなみに家で飼っているペットのブラッキーも、五歳ぐらいの頃の神隠しの時に俺が連れてきたと親が言っていた。

 

 初めて体質の話を聞いたときは両親が俺をからかっているんだと思ったが、考えてみればこの広い世の中には名前からしてヤバそうなエネルギーから生まれる怪獣とか、宇宙とか異次元からやって来る金属生命体とか、浮遊する大陸に住む魔法使いとかがいるわけだし、神隠しに遭いやすい特異体質も珍しくはあってもあり得ない訳じゃないと納得した。

 

 そしてブラッキーを拾った日から今日まで起こる気配がなかった為、神隠しの事をすっかり忘れていたのが、俺は今現在進行形で神隠しに遭って見たこともない土地をさ迷っている。

 

 今日は仕事も非番なので散歩がてらペットのブラッキーと一緒にコンビニで昼飯の灼熱麻婆豆腐丼と獄甘イチゴオレとこの手帳を買って家に帰ろうとしたら、いきなり目の前が荒野に変わって今に至るという訳だ。

 

 ここにいるのは俺とブラッキーだけ。

 

 辺り一面荒野で人が住んでそうな場所は見当たらない。

 

 携帯はもちろんつながらない。

 

 取り敢えず今日の昼飯と夕飯はこの灼熱麻婆豆腐丼と獄甘イチゴオレでしのぐしかないようだ。

 

 

 ☆月○日

 

 今日俺は軍艦の中の一室でこの日記をつけている。

 

 今日は本当に大変だった。厄日と言うのは今日のような日のことだろう。

 

 昨日、神隠しによってこの土地にやって来た俺は、ブラッキーと共に昨日同様あてもなく荒野をさ迷っていた。

 

 ブラッキーは俺と一緒にいる限りエネルギー切れになることはないが俺はそうはいかない。コンビニで買った灼熱麻婆豆腐丼はすでに昨日の夜に食べ尽くしてしまい、太陽が空高く上がった頃には腹の虫が食料というエネルギー、と言うかカロリーを要求するアラームを何度となく鳴らす。

 

 何とか人里を見つけなければ近いうちに餓死してしまうと内心で焦り始めたその時、俺はついに人が住んでいそうな建物と一人の人影を見つけたのだ。

 

 ようやく人間を見つけたことを嬉しく思った俺は早速ブラッキーと一緒にその人影の元に行こうとしたのだが、その時いきなり空から見たこともない戦闘機が数機現れて俺とブラッキーを攻撃してきたのだ。

 

 時折無線から聞こえてくる戦闘機のパイロット達と思われる声は「何だあの凶悪な兵器は!? テロン人の新兵器か?」と言ってくるのだが、凶悪な兵器ってブラッキーのことか? 全く失礼な話である。

 

 確かにブラッキーはマシンザウルス級ガーディアン(※1)(※2)で外見は○ンスターハンターのブラキディオ○をメカにしたような外見で少し恐いかもだけど、

 

 口からは破壊光線(※3)を放つし、額にある角はハイエンドバズーカ(※4)の砲身で前腕部は中型ミサイルポッド(※5)と一体化していて、両脚と尻尾にはメタルダガー(※6)並みに鋭い爪と棘があってかなりの戦闘力を持っているけど、

 

 ブラッキーの種族は「爆撃龍」なんて物騒な異名をつけられているけど、

 

 うん。こうして冷静に考えてみたら凶悪な兵器と言われても仕方がないな、ブラッキー。なんというか納得した。

 

 だがしかしブラッキーは拾ってきた日から十数年も苦楽を共にしてきたパートナーなのだ。それを悪く言われるのはやはりいい気分ではない。

 

 だから俺はブラッキーを悪く言われた怒りと空腹の苛立ちを砲弾とミサイルに込めて放ち、正体不明の戦闘機と応戦する事にした。

 

 そうしていると先程見つけた建物の中から重武装をしたカバリエ級(※7)とも推進力を強化したディザスター級(※8)とも見えるガーディアンが現れて加勢してくれた。

 

 加勢してくれたガーディアンと一緒に襲ってくる戦闘機を全て撃墜すると、今度は地面から空を飛ぶ戦艦が現れたんだけど何あれ? 変型機能をオミットしたエンタープライズ級(※9)?

 

 次から次へと起こる急展開に俺とブラッキーは頭がついていけず立ち尽くしていると、突然今現れた戦艦に乗り込むようにと通信が入ってきた。戦艦の方を見るとこちらを受け入れるようにハッチが開いており、ここにいてもどうしようもない俺とブラッキーは取り敢えず通信の指示に従って戦艦に乗り込むことにした。

 

 しかし戦艦の格納庫で俺がブラッキーのコックピットから降りると、十数人の戦艦の保安部と思われる船員達に囲まれて銃を向けられることに。すると俺の危機だと考えたブラッキーが格納庫で暴れだして、このままだと今乗っている戦艦が墜落しかねないと思った俺はブラッキーを何とか落ち着かせたのだが、狭い格納庫でブラッキーが暴れて人死がでなかったのは幸いであった。

 

 だが格納庫でブラッキーが暴れたのは俺にとって悪いことばかりではなかった。格納庫での騒ぎのお陰で、戦艦の船員達は俺に何かがあればブラッキーが暴れて非常に危険だと思ってくれたらしく、本来ならば俺みたいな得体の知れない人物は営倉に一直線でも可笑しくないのに、今はこの士官が使いそうな結構イイ部屋に軟禁ですんでいる。

 

 さて、流れでこの戦艦に乗ってしまった訳だが俺はこれからどうなるのだろうか?

 

 

 

☆解説

(※1)ガーディアン

 古代遺跡から発掘された自律金属細胞「ALTIMA」によって駆動する人型超兵器。機体に使われている「ALTIMA」によって複数のクラスに分類される。

 ガーディアンを操縦できるパイロットの事を「リンケージ」と言い、ガーディアンは普通その機体の「ALTIMA」と親和性が高いリンケージにしか操縦出来ない。

 また「人型」超兵器と言っても実際には様々な姿をしたガーディアンが存在する。

(※2)マシンザウルス級ガーディアン

 ガーディアンのクラスの一つ。

 恐竜や古代生物、野生の獣の姿をしていて自我を持つ珍しいクラス。

 ◯イド。

(※3)破壊光線

 マシンザウルス用武装。

 主に目や口から放たれる。

(※4)ハイエンドバズーカ

 汎用武装。

 軽量化と動作の最適化プログラムを組み合わせたバズーカ。

(※5)中型ミサイルポット

 汎用武装。

 複数のミサイルを一気に撃ち込む中型のミサイルポッド。

(※6)メタルダガー

 汎用武装。

 ガーディアン用の格闘戦用ナイフ。

(※7)カバリエ級ガーディアン

 ガーディアンのクラスの一つ。

 汎用性に優れたクラス。

 ガ○ダム。

(※8)ディザスター級ガーディアン

 ガーディアンのクラスの一つ。

 火力重視の砲撃戦用のクラス。

 アーマ○ドコア

(※9)エンタープライズ級ガーディアン

 ガーディアンのクラスの一つ。

 戦艦としての機能の他に様々な特殊な機能や装備を持つクラス。

 マクロ○。

 

 

 

【カヤマリュウト、経験点一点獲得。次ノれべるマデアト二点】



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

主人公、ペット紹介

☆カヤマリュウト(火山竜人)

 この作品の主人公。

 

 二十二歳、男。

 

 地球連邦直属の民兵組織「フォーチューン」の隊員。

 

 神隠しに遭いやすいという特異体質で、神隠しに遭うことでスパロボの世界に迷い混んでしまう。(実際は潜在的な■■■■■■■兼■■■■■で神隠しの正体は制御どころか認識すら出来ていない自身の能力の暴走)

 

 五歳の頃に遭った神隠しでマシンザウルス級ガーディアンのブラッキーを拾いペットにするが、拾ってきた当初は仔犬くらいの大きさのブラッキーはすぐに一般住宅では買えないサイズにと成長し、ブラッキーが大きくなると親戚が支部長を勤めているフォーチューン支部の格納庫で飼うことになる。それがきっかけで学生時代はフォーチューンの準隊員として活動して、高校を卒業すると同時に正隊員となった。

 

 ブラッキーと一緒に楽しく日々をすごせればそれ以外何も望んでおらず、その点だけならペットを溺愛する飼い主と言えるかもだが、色々と一般人とは感性がズレている点がある。本人も一般人と感性がズレている点を認識しているが特に気にした様子はないらしい。

 

「戦場で戦う為にガーディアンに乗る」のではなく、「ガーディアンに乗る為に戦場で戦う」パイロット。

 

 またかなりのアニメと漫画のオタクでもあり、とあるアニメと漫画の影響でブラッキーに搭乗する時は防弾繊維を編み込んだ特注スーツを着て「ガーディアンで戦う時はスーツ姿」という戦闘スタイルを貫いている。

 

 

 

☆ブラッキー

 リュウトのペットであり彼が乗るマシンザウルス級ガーディアン。

 

 種族名(機体名?)は「MZ-054 ブランレックス」。○ンスターハンターの○ラキディオスをメカにしたような外見をしている。

 

 ブランレックスは体内にナノマシンによって砲弾やミサイルを造り出して貯蔵する機能があり、この機能によって造り出された砲弾やミサイルを額の角のバズーカや両腕部のミサイルポットから発射する。そしてそのバズーカとミサイルの威力は非常に強力でブランレックス一頭で戦艦並みの戦闘力を有することから人々はブランレックスの事を「爆撃龍」と呼んで恐れている。

 

 だが普段のブランレックスはとても好奇心が強くて人懐っこい性格で、敵対しない限りそれほど危険はない。……それでもブランレックスのブラッキーをペット扱いするリュウトは色々と頭がおかしいことをここに記しておく。

 

 コックピットの位置は胸部。

 

 モデルはモ◯スターハンターのブ◯キディオスとゾ◯ドのジ◯ノザウラー。

 

 

 

☆戦闘データ

・クラス

 スイーパーLv.1

 マシンザウルスLv.2

 合計Lv.3

 

・武装

 (ガーディアン)素体:ディノニクス型

 (主武装近)メタルダガー

 (副武装近)破壊光線

 (主武装遠)中型ミサイルポッド

 (副武装遠)ハイエンドバズーカ

 (オプション)広域レーダー

 (その他1)なし

 (その他2)なし

 

・アイテム

 携帯端末、フォーチューン徽章、自動脱出装置、拳銃、改造服、予備弾倉(中型ミサイルポッド)×5、予備弾倉(ハイエンドバズーカ)×5

 

・特技

 エイミング

 ロケットブースター

 スターゲイザー

 アサルトバズーカ

 サイドステップ

 突進砲撃

 野獣の本能

 機獣との親和



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

No.2

 ☆月●日

 

 この世界に来て三日目の朝。俺はこの戦艦(ヤマトと言うらしい)の沖田艦長を初めとする数人が集まった部屋に連れてこられ事情聴取を受けた。

 

 そこで分かった事なのだが、どうやらこの世界は俺がいた世界とは全く別の世界のようだ。

 

 何しろ俺も向こうもお互いの一般的な常識やら世界の地理やら歴史にあった大きな事件を知らないと言うのだ。多少は似ている点はあったが、それでもここが別世界であるのは間違いないだろう。

 

 部屋に集まった人達のほとんどは俺の話を信じられないといった顔で聞いていたが、ヤマトの艦長である沖田艦長と真田副長は俺の話を信じてくれて、俺の件はこれでひとまず一段階ついた。

 

 次にこのヤマトの事情を聴くことになったのだが……正直予想していたよりも重い案件だった。

 

 なんでもこの世界の地球はガミラス星人という異星人からの攻撃で滅亡する一歩手前なんだとか。

 

 そして滅びつつある地球を救うには、地球から十六万八千光年離れた惑星イスカンダルにあるコスモリヴァースという装置を取りに行く必要があり、そのコスモリヴァースを取りに行くのがこの宇宙戦艦ヤマト。つまりこの戦艦は文字通り地球の命運を背負った最後の希望と言える。

 

 ……何でそんな艦によく俺とブラッキーみたいな身元不明者を乗せたんだ?

 

 その点について聞いてみると昨日の戦闘機、ガミラスの航空部隊との戦闘の直後に俺達をヤマトに乗せるようにと指令に出たらしい。指令の発行者は不明で十中八九偽の指令だと分かっていたが、様々な理由からすぐに発進しなければならないヤマトは指令の真偽を確かめる時間もなく、とりあえず俺達を乗せる事にしたそうだ。

 

 なるほど。だから昨日格納庫でいきなり取り囲まれたのか。

 

 確かにそんな怪しさ満点の乗艦をすれば皆も警戒するよな。俺とブラッキーみたいな人畜無害なペットとその飼い主があそこまで警戒されるなんておかしいと思っていたんだ。

 

 そう俺が頷いていると真田副長が「いや、君の機体、ブラッキーだったか? あれも充分脅威なんだが……? 額にあるバズーカの威力は戦艦の主砲並みだし、ミサイルだって空中で爆発した衝撃波で地面にクレーターができたんだぞ? 一体どんな火力をしているんだ?」と冷や汗を流しながら言っていた気もするが大げさすぎませんか?

 

 昨日の戦闘では初めて見る敵だったから確実に堕とせるように「野獣の本能」(※10)を使っただけですよ?

 

 

 

 ☆月◎日

 

 ガミラスの攻撃により滅亡の危機に瀕した地球に残された時間は僅か一年。

 

 その為ヤマトには俺とブラッキーを降ろすためにもう一度地球に戻る時間なんてなく、俺とブラッキーはそのままヤマトに乗ることになって、ヤマトの戦闘指揮を担当する古代戦術長の預かりとなる。

 

 沖田艦長と古代戦術長が言うにはいつまたガミラスの攻撃が来るか分からないから、俺とブラッキーにはガミラスと戦う為に力を貸してほしいということ。俺とブラッキーには戦うことしか手伝えることがなさそうなのでこれには異論がなかった。

 

 こうしてヤマトの防衛部隊の一員となった俺は「一緒に戦う仲間を紹介する」と言う古代戦術長に格納庫へと連れらて、そこにはブラッキーの他に先日の戦闘で一緒に戦ってくれた機体、ヴァングレイとそのパイロットのソウジさんがいた。ソウジさんは自己紹介を終えると「この間は助かったぜ。これからよろしくな」と言って握手をしてくれた中々に親しみ易い人で仲良くなれそうな気がした。

 

 そんな事を考えていたら格納庫の隅でヴァングレイにじゃれついているブラッキーの姿が見えた。俺からすれば和む光景なのだが、他の人達からはブラッキーがヴァングレイに襲いかかっているように見えているようで、大慌てのソウジさんと古代戦術長からブラッキーを止めるように言われた。解せぬ。

 

 あとそれと、メカで表情なんてあるはずの無いヴァングレイが何故か困っている表情をしていたように見えた気がしたのだが俺の気のせいだろうか?

 

 

 

 ☆月◇日

 

 今日はソウジさんと一緒にヤマトに乗艦したチトセさんという女性にこの世界の一般的な常識と大まかな歴史を教えてもらった。

 

 この世界で行動する以上、知っておいた方がいいと思ったのだが、これが思った以上にややっこしい。何せこの世界の出来事と俺の世界の出来事にはよく似た点がいくつもあって、どうしても頭の中で二つの世界の歴史が混ざってしまうのだ。

 

 その中で気になったのが「モビルスーツ」という存在だ。

 

 このモビルスーツは俺の世界のガーディアンと同じ様な存在なのだが、機体にALTIMAを使っていない為に誰でも乗る事が出来るらしい。

 

 それだけならミーレス(※11)と同じなのだが、先日のヴァングレイの戦いぶりやチトセさんの話からするとモビルスーツはミーレス以上の、ガーディアンと同等の戦闘力を持っているという事になる。

 

 乗り手を選ばないガーディアン、モビルスーツ。

 

 俺はそんな物があるこの世界を凄いと思うのと同時に、もし俺の世界にモビルスーツなんて物があれば戦争は更に激しさを増すだろうなと想像し、少しだけ怖くなった。

 

 俺の世界にも戦争はある。それこそ地球のいたるところで戦争が起こっている。

 

 しかし戦争の中心であるガーディアンが乗り手を選んで数が中々増えないお陰で俺の世界の地球はギリギリのところで壊れずにすんでいるのだ。

 

 

 

 

 

☆解説

(※10)野獣の本能

 マシンザウルス級ガーディアンの特技。

 武装の攻撃力をその機体の野生値の分だけ強化する。

(※11)ミーレス級ガーディアン

 ガーディアンのクラスの一つ。

 ALTIMAを使っていないのでリンケージでもない人間でも乗れるが、その性能は他のクラスのガーディアンに比べて大きく劣る。

 量産機。

 

 

 

 

 

【カヤマリュウト、経験点零点獲得。次ノれべるマデアト二点】



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

No.3

 ☆月◆日

 

 地球からイスカンダルまでの道程は片道十六万八千光年。往復で三十三万六千光年。

 

 ヤマトはその道程を一年以内に行き来する為に特別なワープ装置を備えているのだが、現在ヤマトには充分なワープをする為の資材が足りないそうで、ヤマトは一度火星にある基地にワープに必要な資材を取りに行くことになった。

 

 それにしても昨日のモビルスーツの話を聞いたときも思ったけど、この世界の技術力は本当に凄いな。

 

 まさかワープ装置の開発だけでなく地球以外の惑星を居住可能な状態に出来るだなんて。俺の世界なんてまだ地球周辺の宇宙にコロニーを造って暮らすくらいしか実現出来ていないのに。

 

 感心しているとガミラスの戦闘部隊がやって来てヤマトに襲い掛かってきた。これは俺も予想していたが、敵の中にガミラスの戦闘機に混じって人型の機体、モビルスーツの姿があったのは予想外だった。

 

 聞いた話ではガミラスの戦力にモビルスーツは無いはずなのにどうして? と、俺が首を傾げているとソウジさんが「あれは木星帝国の生き残りだ」と教えてくれた。

 

 木星帝国。地球から木星に移住した宇宙移民が作り上げた国家で、何年か前に地球と大きな戦争を行って今は戦争に負けてその戦力のほとんどを失っているらしい。

 

 木星帝国は前の戦争で戦死した総統の影響で地球に強い憎しみを懐いていて、だからあの木星帝国の生き残りはガミラスと手を組んだんじゃないかと、ソウジさんは言う。

 

 俺の世界も地球と宇宙に住む人達の全体的な仲は決して良くないがこの世界でもか……。正直、こんな嫌な共通点はいらないんだけどな。

 

 俺がそんな事を思いながらガミラスと戦っていると、今度は額と胸にドクロのマークをいれた特徴的なモビルスーツが現れて手助けをしてくれた。

 

 ヤマトの人達の言葉によるとあのモビルスーツは、地球と木星帝国での戦いで大きな戦果を出した宇宙海賊「クロスボーン・バンガード」の代表的なモビルスーツなんだとか。

 

 ガミラスの戦闘部隊を撃退した後、手助けをしてくれたドクロのモビルスーツ、クロスボーンガンダムのパイロットであるトビア君が木星帝国の残党を追うためにヤマトに乗ることになったのだが、初めてトビア君の顔を見た瞬間に頭の中で奇妙な共鳴みたいなものが起こった気がした。それはトビア君も同じだったようで、トビア君は俺に「もしかして貴方も『ニュータイプ』なんですか?」と聞いてきた。

 

 ニュータイプって昨日チトセさんから聞いたあれだろ? 感受性とかに優れた超能力者みたいなものだろ?

 

 そしてトビア君の予想は惜しいけど間違い。俺はニュータイプではなく「スターゲイザー」(※12)なのである。

 

 ……うん。分かってる。自分でもスターゲイザーなんてキャラじゃないのは分かっている。

 

 でも仕方ないだろう? フォーチューンでの検査でスターゲイザーとしての適性があるって言われたんだから。

 

 トビア君に俺が別の世界から来た事とスターゲイザーである事を説明するとトビア君は一度驚いてから「ニュータイプとスターゲイザーってなんだか似ていますね」と言った。俺も同意見だ。

 

 今日は俺の世界とこの世界の似ている点を色々と実感した日だった。

 

 

 

 ☆月□日

 

 木星帝国残党の秘密基地があるという宙域をソウジさんとトビア君と一緒に偵察した。

 

 するとそこで木星帝国残党のモビルスーツを発見。これで秘密基地があるという情報が正しいという事が分かったのだが、捕まえて詳しい秘密基地の場所を聞き出そうとすると、その木星帝国残党は「お前達はアムロ・レイに殺される」意味深な言葉を残して自爆してしまった。

 

 アムロ・レイとはこの世界で百年前に活躍した伝説的なエースパイロットで、同時に連邦軍で初めてのニュータイプらしい。

 

 木星帝国残党の言葉にソウジさんは「嫌な予感がしやがるぜ」と言ったが、彼の予感は後で的中する事になる。

 

 その後、宙域を詳しく調べた俺達は小衛星に造られた木星帝国残党の秘密基地を発見したのだが、そこから出て来た迎撃部隊のモビルスーツの一体がアムロ・レイだったのだ。正確にはアムロ・レイの戦闘データを再現出来るバイオ脳を搭載した機体なのだが、その戦闘能力は連邦軍の伝説になるにふさわしいものであった。

 

 アムロ・レイの戦闘データを再現する機体に出鼻をくじかれた俺達は最初苦戦を強いられたのだが、そこにトビア君と同じクロスボーン・バンガードに所属していてクロスボーンガンダムの前のパイロットであったキンケドゥさんが加勢してくれた。

 

 戦闘はキンケドゥさん参戦で仕切り直しとなり、俺もこれから反撃開始だと張り切って攻撃を再開しようとしたのだが……ブラッキーの奴が中型ミサイルポッドを発射しようとした時に戦闘の爆発音に気を取られて照準が狂ってしまったのだ。

 

 おい、頼むよブラッキー。ここでファンブル(※13)はやめてくれ。

 

 発射直前に照準が狂ったミサイルは当然狙いとは全然違う所に飛んでいき、木星帝国残党の秘密基地がある小衛星にと着弾して爆発した。

 

 するとどうやらミサイルが着弾した所が偶然にもカモフラージュしてあった秘密基地の中でも重要な箇所だったらしく、それを見た木星帝国残党は大混乱、アムロ・レイのバイオ脳を搭載したモビルスーツも友軍が受けた大きな被害に対処が追いつかず動きを止めてしまう。その隙を逃さずソウジさんとトビア君とキンケドゥさんは敵の全てを撃破するのであった。

 

 戦闘が終わった後ソウジさんは俺に「凄いな、リュウト。あのミサイル、外したものだと思っていたが最初から基地を狙っていたんだな。あれがニュータイプ、いやスターゲイザーってヤツの実力なんだな」と言ってきたが俺は曖昧な笑みを浮かべることしかできなかった。

 

 結果オーライって事にしておこう……。

 

 

 

 

 

☆解説

(※12)スターゲイザー

「宇宙の意志」に接触したとされる直感力と空間把握能力に優れた新人類。

 ニュータイプ。

(※13)ファンブル

 行動の成功判定で二つのダイスを振った時、二つのダイスの合計値が「2」となった状態。

 ファンブルになるとその行動は無条件で失敗に終わる。

 またマシンザウルス級ガーディアンは、その機体の野性値によってファンブルとされる合計値が増える場合がある。

 

 

 

 

 

【カヤマリュウト、経験点二点獲得。れべるあっぷニ成功!】



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

No.4【カヤマリュウト、LVUP!】

 ☆月■日

 

 今日、ブラッキーの整備をした後コックピットで戦闘シミュレーションをしてみたら、なんだか中型ミサイルポットがいつもより遠くの敵に当たるようになっていた。

 

 ついでにハイエンドバズーカと中型ミサイルポットの次弾もスムーズに装填できるようになっていたし、これってこの数日の戦いで俺とブラッキーも成長できたって事なのかな?

 

 元の世界にいた時もフォーチューンで戦っていたけれど、俺とブラッキーがいたのは比較的平和な所で激しい戦闘もそんなになかったし、やっぱり戦いの質が成長に影響を与えるのかもしれないな。

 

 この調子でブラッキーと一緒に頑張っていこうと思う。

 

 

 

☆戦闘データ変更

・クラス

 スイーパーLv.1→Lv.2

 マシンザウルスLv.2

 合計Lv.3→Lv.4

 

・特技

 エイミング

 ロケットブースター

 スターゲイザー

 アサルトバズーカ

 サイドステップ

 突進砲撃

 野獣の本能

 機獣との親和

 スナイパー(中型ミサイルポット)←NEW!

 マガジンチェンジ←NEW!

 

 

 

 ☆月△日

 

 今日、木星付近にあるガミラスの基地を攻撃する作戦に参加した。

 

 木星。そう木星。

 

 実はヤマトはすでに木星の近くの宙域までワープで来ていたのである。具体的にはキンケドゥさんと合流した戦いの時にはすでに木星近くの宙域だったそうだ。

 

 その事実に俺が一体いつワープしたんだと驚いていると、ソウジさんを初めとする格納庫にいた人達に「ここが一体何処だと思っていたんだ?」と笑われた。

 

 ……気のせいか、ブラッキーだけでなくヴァングレイにも笑われた気がした。

 

 まあ、それは置いといて今回の作戦はヤマトだけでなく地球にとっても重要な一戦らしい。

 

 この世界の地球はガミラスからの攻撃によって海が干上がり、生態系も破壊されて死の星となりつつあるのだが、その攻撃をしているのがこのガミラスの基地なんだとか。だから今回の作戦でガミラスの基地を破壊することが出来れば地球への攻撃はなくなり、地球の人々も少しは安心して暮らせるようになるだろう。

 

 そう思うと俺とブラッキーも今回の作戦を成功させようと自然にやる気が出てきた。確かに俺とブラッキーはこの世界の住人ではないが、それでも異星人からの攻撃に苦しめられている人々を助けてあげたいという気持ちくらいはある。

 

 木星付近にあるガミラスの基地は大陸そのものを宇宙に持ってきたというもので、初めてガミラスの基地を見たときはそのスケールの大きさに驚いた。

 

 今回の作戦は俺のブラッキー、ソウジさんのヴァングレイ、トビア君のクロスボーンガンダム、キンケドゥさんのF91といった小回りがきいて火力のある機体で敵の陣形を崩し、そこをヤマトで叩くというものである。

 

 作戦は見事成功して俺達はガミラスの基地の防衛部隊を全て撃破したのだが、その時俺はある事を思いついた。

 

 このガミラスの基地、今ここで徹底的に破壊した方がいいんじゃないか、と。

 

 作戦前のブリーフィングで聞いた説明では、地球への攻撃とはガミラスの基地である大陸の原生植物を送り込む事らしい。

 

 つまりこの大陸は地球を攻撃するための基地であると同時に弾薬庫でもあり、例えガミラスの部隊を全滅させて地球を攻撃する施設を破壊しても、大陸をそのままにしておけばまた地球が攻撃される可能性が高いのだ。

 

 そう考えた俺は早速ヤマトに連絡を入れると「野獣の本能」と「加護:ネルガル」(※14)(※15)でハイエンドバズーカの威力と射程を強化してガミラスの基地を攻撃した。

 

 ガミラスの基地である大陸は巨大ではあるが、それでも言ってみれば単なる岩の塊でしかない。特技と加護で強化されたハイエンドバズーカの砲撃は大陸の中央に全体の三分の二程の穴を空けて、残った部分も砲撃の衝撃によって崩壊していった。

 

 こうしてガミラスの基地を完全に破壊することが出来て地球が攻撃を受ける恐れはなくなったのだが、何故かヤマトに戻ると皆からドン引きされた目で見られることになった。解せぬ。

 

 

 

 

 

☆解説

(※14)加護

 リンケージの精神エネルギーとガーディアンのーALTIMAが呼応する事によって物理現象を変容させる異常現象。

 加護はリンケージ一人につき一種類から三種類までしか用いられず、それぞれの加護は一シナリオ(スパロボ風に言うと一マップ)につき一回しか使用できない。

(※15)加護:ネルガル

 加護の一つ。

 選択した武装の射程と効果範囲を大幅に強化する事が出来る。

 

 

 

 

【カヤマリュウト、経験点一点獲得。次ノれべるマデアト三点】



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

No.5

 ☆月▲日

 

 最近激しい戦いが続いたので労いの意味もかねてブラッキーの機体を洗ってやろうと格納庫に行くと、ヴァングレイの前にソウジさんや真田副長、ヤマトの全システムを担当しているロボットのアナライザーが何やら難しい顔をして集まっていた。いや、アナライザーには表情はないんだけど雰囲気的に。

 

 何事かと思ってソウジさんに事情を聞くと、ヴァングレイには正体不明の自律型のAIが積まれているようで、それが何だか怪しいので詳しい正体を確かめるのだとか。

 

 ソウジさんが正体不明のAIの存在に気づいたのは昨日の木星での戦闘の時。一隻のガミラスの戦艦がヤマトに特攻しようとしてソウジさんがそれを何とか止めようとした時、それまで沈黙を守っていたAIがソウジさんのサポートをしたのだとか。

 

 そういえば昨日の戦闘、途中からソウジさんの動きが急に良くなってかなり高度な戦術機動をしていたような……?

 

 本当は昨日にAIの正体を確かめるつもりだったらしいが、俺とブラッキーのインパクトが強すぎて忘れていたとソウジさんに言われた。俺とブラッキーのインパクトが強すぎるって、何だよ? 解せぬ。

 

 その後ソウジさんの説得によりようやくヴァングレイのAI、システム99が俺達と会話をしてくれた。それで分かった事なのだが、俺とブラッキー、そしてソウジさんとチトセさんがヤマトに乗る事になったのはこのシステム99の仕業らしい。

 

 システム99はヤマトやブラッキーの戦闘データを初めとする様々なデータを欲していて、より詳しいデータを得る為に地球での戦いの後、偽の指令書をヤマトに発行して俺達をヤマトに乗せたそうだ。しかし何故そこまでしてヤマトとブラッキーのデータを欲しがるかはシステム99自身にもよく分からないらしい。

 

 色々と納得いかない点もあるが、ソウジさんが言うにはシステム99は女の子らしいから優しくしてやってほしいとのこと。それについては俺も異論はない。

 

 思い返してみればヤマトに乗ったばかりの頃、ブラッキーがヴァングレイにじゃれついていたが、あれはヴァングレイの中のシステム99に気づいていたからだろう。俺もいつも格納庫にいられるわけじゃないからシステム99には是非ともブラッキーの話し相手になってほしい。

 

 だからシステム99に挨拶をすると同時にブラッキーの事を頼むと「こちらこそよろしくお願いします。リュウトさん、ブラッキー」と挨拶を返してくれた。結構気のいいAIみたいだ。

 

 ちなみに俺とブラッキーに挨拶を返すシステム99を見てソウジさんが「何で俺の時より愛想がいいんだよ」と愚痴を言っていたが気にしないでおこう。

 

 

 

 ☆月▽日

 

 ヤマトは徐々にワープ距離を増やして未だに太陽系内だがそれでも順調に外宇宙に向けて航海を続けている。

 

 そんな時、土星の近くにきた所で地球の艦の救命信号を受信したという知らせが入った。ヤマトはワープに必要な資材を土星にある今は放棄された基地跡から回収すると同時に、その救命信号を発信した艦を調べる事を決定。

 

 俺とブラッキーは艦の調査をする古代戦術長の護衛、ソウジさん達モビルスーツ三機は資材を回収するヤマトの護衛となった。またこの決定がされた時、システム99が俺とブラッキーと一緒じゃない事を残念がっていた。昨日も言っていたがシステム99にとってブラッキーはとても興味深い存在のようで出来るだけ多くのデータを間近で採りたかったそうだ。

 

 そして土星の大地に船体の半分を埋もれさせていた艦の中を古代戦術長達が調査して俺とブラッキーが外で護衛をしていると、ガミラスの戦闘部隊が襲ってきた。

 

 古代戦術長達をヤマトに戻らせてから俺とブラッキーはガミラスの戦闘部隊と交戦した。幸いにもガミラスの戦闘部隊は数が少なく苦戦することなく勝てたのだが、大変だったのはその後。

 

 ガミラスの戦闘部隊を全て倒すと次は機械と生物が一つなったような怪物が何匹も現れて、それを何とか全滅させると今度は全身が黒でマントを羽織ったスーパー級ガーディアン(※16)みたいなロボットが現れて「新手のインベーダーか! くたばりやがれ!」という怒声とととに切りつけられた。

 

 幸い後から現れた別の翼を持ったロボットが黒のロボットを止めてくれて、その直後にヤマトが合流して黒のロボットの誤解を解いてくれたのだが、黒のロボットから発せられていた殺気は凄まじく本当に怖かった。

 

 黒のロボットのパイロットは流竜馬、翼を持ったロボットのパイロットは剣鉄也という名前らしい。

 

 戦闘が終わった後、竜馬さんと鉄也さんにヤマトに乗船してもらって話を聞いてみると、どうやら二人はこの世界とも俺の世界とも違う世界の地球からやって来たみたいで、鉄也さんにいたってはその上更に記憶喪失で名前以外何も思い出せないそうだ。

 

 元の世界に帰る方法は勿論、行くあてもない竜馬さんと鉄也さんは俺やソウジさん達と同じ様にヤマトの防衛部隊の一員となってヤマトと行動を共にする事になったのだが……なんかあの鉄也さんって怪しいんだよな。何か嘘をついているというか秘密を隠している感じがするのだが俺の気のせいだろうか?

 

 

 

 

 

☆解説

(※16)スーパー級ガーディアン

 ガーディアンのクラスの一つ。

 一種一体の完全に独立したメカニックを持つスーパーロボット。

 スーパーロボット大戦の特機。

 

 

 

 

 

【カヤマリュウト、経験点一点獲得。次ノれべるマデアト二点】



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

No.6

 ☆月▼日

 

 ワープを繰り返しついに太陽系最後の星、冥王星に辿り着いたヤマト。

 

 冥王星にもガミラスの基地があり、ヤマトは外宇宙に旅立つ前にこの冥王星基地を攻撃する事に決めたのだが、ヤマトのクルーのほとんどのやる気が非常に高かった。

 

 あの、よく言えば常にマイペース、悪く言えば覇気がないソウジさんですらやる気が高く、どうしたのかと聞けば冥王星はこの世界の地球連邦軍にとって因縁がある地らしい。

 

 冥王星で行われたガミラスとの戦いで連邦軍は多くの戦死者を出してしまった。その戦死した兵士達のお陰で連邦軍はガミラスと戦う最低限の戦力を残すことができたのだが、ヤマトのクルーのほとんどが冥王星の戦いで家族や友人を亡くしたのだとか。

 

 ソウジさんが以前所属していた部隊も冥王星の戦いでソウジさんただ一人を残して全滅。ソウジさんが今回いつも以上のやる気をみせているのは死んだ仲間達への弔いも兼ねているからのようだ。

 

 正直俺には今のヤマトのクルー達の気持ちをあまり理解できない。俺はペットのブラッキーと共にいたいという理由だけで戦場に出てるだけにすぎず、ブラッキーは俺の命令に従っているだけだ。

 

 大切な人を守るために戦うという気持ちはあるが、今のヤマトのクルー達のような確固たる意志があるかと聞かれたら断言はできない。

 

 その事に疎外感を感じた俺はこれからはもっと皆に協力をしようと思った。

 

 ……………すると早速、皆に協力できる機会がやって来ました。

 

 冥王星での戦い。最初は超高出力ビームを反射衛星で反射させて死角から砲撃をするガミラスの兵器によって苦戦を強いられたが、沖田艦長の作戦によってガミラスの兵器は破壊されて冥王星基地も攻略することができた。

 

 そしてこの戦いで俺とブラッキーは「囮」として大きく作戦に貢献した。

 

 俺とブラッキーがどうやって囮として活躍できたかと言うと、冥王星基地を防衛するガミラスの戦闘部隊、戦闘機から戦艦まで、そのほとんどが俺とブラッキーに攻撃を集中してきたのだ。

 

 ときおり無線から聞こえてくるガミラスの戦闘員のものと思われる音声は「堕とせ! 何としてもあのテロンの兵器を破壊するんだ!」とか「木星であの兵器が放ったあの砲撃……決してここで撃たせるな!」とか強い敵意と恐れに満ちていた。どうやら木星での戦いでブラッキーが放った加護を用いたハイエンドバズーカの砲撃は、ガミラスの軍人達にかなりの衝撃を与えたみたいだ。

 

 俺とブラッキーはガミラスの戦闘部隊から放たれるビームとミサイルの雨(反撃をしようとハイエンドバズーカや中型ミサイルポットを構えるとそこに神風特攻を仕掛けてくる戦闘機がダース単位で追加)をそれこそ必死で、文字通り命がけで避けて逃げ回り、その隙をついてソウジさん達は予想よりも少ない被害でガミラスの戦闘部隊を全滅させて冥王星基地を攻略したのであった。

 

 戦闘終了後にヤマトに戻るとソウジさんに「お前とブラッキーが囮になってくれたお陰で作戦が上手くいったぜ。それにしてもガミラスに集中的に狙われるなんてモテる男は辛いな?」と言われたが余計なお世話である。

 

 こんな形で皆に協力できても、あんな敵にモテても全く嬉しくないYO!

 

 

 

 ☆月※日

 

 ガミラスの冥王星基地も攻略できたしヤマトはいよいよ外宇宙に旅立つ事になる。

 

 そこで今日は沖田艦長の発案で昔の船乗りの祝い事にちなんだ赤道祭が行われた。

 

 また地球と連絡がとれる最後の機会というのことで、ヤマトのクルーは五分間だけだが地球にいる家族や友人と連絡をとることが許可されたのだが、この世界に家族も友人もいない俺は料理と飲み物を持って格納庫へと向かった。格納庫にはブラッキーとヴァングレイがいて、あいつらが格納庫にいて自分だけがパーティー会場にいるのが少しばかり気になったからだ。

 

 俺が格納庫に行くとブラッキーが嬉しそうに鳴いて、ヴァングレイが「物好きな人ですね」と言ってきた。この時のヴァングレイはどこか笑っているような気がしたが、それは俺の気のせいじゃないと思いたい。

 

 格納庫で俺が持ち込んだ料理を食べながらブラッキーとヴァングレイにパーティーの様子を話していると、そこにソウジさんに龍馬さんに鉄也さん、加藤さんを初めとする航空隊の面々と整備スタッフの皆が俺と同じように料理と飲み物を持ってやって来た。

 

 俺が一体どうしたんですかと聞くとソウジさんが「お前さんと同じさ。自分のパートナーである機体と親睦を深めようと思ってね」と答えて格納庫にてパーティーの二次会スタート。

 

 格納庫でパーティーをする俺達を見てブラッキーもヴァングレイも表情は見えないが確かに笑っていたのを俺は感じた。

 

 

 

 ☆月〒日

 

 先日の赤道祭でわずかなりに浮かれていた俺達だったが、今日はそんな俺達の気を引き締めてあまりある危機がヤマトに襲いかかった。

 

 巨大な恒星がある宙域に来たところで、この間の冥王星基地を防衛していたガミラスの戦闘部隊の生き残りがヤマトに戦いを挑んできたのだ。しかもガミラスの戦闘部隊は何やら特殊な兵器を使い、それによって辺りは恒星の炎と超高温ガスに囲まれた灼熱地獄と化した。

 

 そんな中で戦えばガミラスの戦闘部隊もただではすまないはずなのに、ガミラスの戦闘部隊は刺し違えてもヤマトを沈めるつもりらしく引く様子を全くみせなかった。

 

 恒星の炎と超高温ガスに気をつけながら戦っていると、何処からかトビア君のクロスボーンガンダムとキンケドゥさんのF91によく似たモビルスーツが二機現れて加勢をしてくれて、最後はヤマトの最大の武器である波動砲によって恒星の炎に穴を空けてそこを通り俺達を乗せたヤマトは灼熱地獄の宙域から離脱する事ができた。

 

 加勢をしてくれた二機のモビルスーツのパイロットは刹那さんとティエリアさんという名前で、話を聞いてみると彼らもこの世界とは違う異世界の人間らしくワープ装置の実験中にこの世界に迷いこんでしまったらしい。

 

 この世界の地球の事情を聞いた刹那さんとティエリアさんは、元の世界に戻る方法を探すのと同時にヤマトの旅に同行して協力をしてくれる事を約束してくれた。

 

 こうして頼りになる仲間が増えたのは良いことなのだが、刹那さんを初めて見た時何かを感じた気がしたのは何なのだろう?

 

 

 

 

 

【カヤマリュウト、経験点二点獲得。れべるあっぷ二成功!】



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

No.7【カヤマリュウト、LVUP!】

 ☆月→日

 

 今日、格納庫でブラッキーのメンテナンスをしているといつの間にか新しい機能とシステムが発生しているのを発見した。

 

 マシンザウルス級ガーディアンであるブラッキーは戦闘経験によって自己進化をする可能性があるのは知っていたが、最近その自己進化が起こりやすい気がする。やはりこの世界に来てからの戦いの影響だろうか?

 

 それでまず新しい機能の説明なのだが、ブラッキーの額には三本の角が生えている。その内の一本、前方に向かっている角はハイエンドバズーカの砲身で、残りの二本の横に伸びている左右の角にバリアーを発生させる機能が新しく出来たのだ。

 

 バリアーを発生させる機能は正直嬉しい。これでブラッキーの防御力も上がるし、移動砲台から移動要塞にレベルアップした気分だ。

 

 そして新しいシステムはブラッキーが使える加護の一つ「加護:ニョルド」(※17)に更なる効果を与えるというシステムだった。「加護:ニョルド」は非常に強力な攻撃であるが新しいシステムによって、もし「加護:ニョルド」の攻撃を受けて生き延びても機体の動きが鈍くなるという効果が発生するらしい。

 

 この新しいシステムの効果を得た「加護:ニョルド」の攻撃は俺から見てもかなり凶悪だと思う。実際、隣でヴァングレイの整備をしていたソウジさんにこのシステムと「加護:ニョルド」の説明をしたらドン引きされたし。……もうこの反応には慣れたけどやっぱり解せぬ。

 

 

 

☆戦闘データ変更

・クラス

 スイーパーLv.2

 マシンザウルスLv.2→Lv.3

 合計Lv.4→Lv.5

 

・特技

 エイミング

 ロケットブースター

 スターゲイザー

 アサルトバズーカ

 サイドステップ

 突進砲撃

 野獣の本能

 機獣との親和

 スナイパー(中型ミサイルポット)

 マガジンチェンジ

 仮想質量障壁←NEW!

 灼熱の牙(重圧)←NEW!

 

 

 

 ☆月↑日

 

 今日は本当に色々な事があった。

 

 ソウジさん達の世界にやって来て二日目、ヤマトを守る戦いをした日と同じぐらい……あるいはそれ以上に色々な事があって疲れた。

 

 まずヤマトがワープを行ったら何故か「宇宙の墓場」って感じの異空間に迷いこんでしまい、同じく異空間に迷いこんだガミラスの戦艦と一緒に異空間から脱出しようとしたら、正体不明の無人機に襲われてやむを得ず迎撃することに。

 

 正体不明の無人機を全て破壊した後、何とかガミラスの戦艦と一緒に異空間を脱出すると、今度は一緒に異空間から脱出したガミラスの戦艦とは別口のガミラスの艦隊と正体不明の無人機の増援に挟み撃ちにされてしまったのだ。

 

 あまりにも絶体絶命な状況に俺が覚悟を決めようとしたその時、何処からか何かがひび割れるような音がしたかと思ったら視界が急に歪み、その後すぐに気を失ってしまった。

 

 次に気がつくと俺とブラッキーは緑が生い茂る森の中にいた。ソウジさん達の地球ではまずありえない光景に、俺は最初自分達が元いた世界に帰ってきたのかと思ったが、すぐに何となくだけど違うような気がした。

 

 森の中には俺とブラッキー以外ヤマトのメンバーは誰もおらず、とりあえずブラッキーに乗って辺りを調べようとした時に、いかにも仕事が出来る美人秘書って感じの女性が俺達の前に現れて、俺とブラッキーを保護するからついて来てほしいと言ってきた。特に断る理由も無く、今自分達がどこにいるのか知りたかった俺はその女性について行く事に決めた。

 

 森で出会った秘書らしい女性について行ってから数時間後、俺は金持ちの豪邸の一室に案内されて今日のところはこの部屋で休んでほしいと言われた。ちなみにブラッキーは豪邸の地下にある巨大な格納庫へと連れていかれた。

 

 地下にマシンザウルス級ガーディアンを格納できる格納庫がある豪邸ってなんだよ?

 

 何と言うか、今日は本当に色々な事があった。

 

 

 

☆解説

(※17)加護:ニョルド

 加護の一つ。

 対象を構成する分子そのものを分解し、あらゆる敵も粉砕する非常に強力な攻撃を行う。

 

 

 

 

【カヤマリュウト、経験点一点獲得。次ノれべるマデアト四点】



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。