消えた蛙は魔法の世界で… (五月雨☆。.:*・゜)
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転生編
ミーが転生するまで…


初めての投稿なのでよろしくっ(*`・ω・)ゞお願いしますm


*

 

 

沢田綱吉が白蘭を倒した。

 

 

大空のアルコバレーノユニの力もあり…死んだ人たちも死んだという事実が消え今を生きている。

 

 

そしてそれはミーのタイムリミットが迫っているということでもあった。

 

 

ヴァリアー前任であるマーモン先輩が帰って来た今、ミーはお役御免だ。

 

 

それについさっき沢田綱吉がししょーにお礼を言いに来ていた。

 

 

殺されそうになったというか、乗っ取られそうになった相手に礼を言いに来るなんて、ほんと、甘い人ですよねー。

 

 

ししょーも不気味な程笑ってましたしー。

 

 

えっ?ミーは全然楽しそうに見えないって?

…………………気のせいですよー。

 

 

「フラン?どうしました?」

 

 

「なんでもないですー。ししょーは相変わらずパイナップルですねー。」

 

 

「フラン(怒り…待ちなさいー!」

 

 

「嫌ですー!」

 

 

でもこれで独りでゆっくりと消える事が出来ますねー。それにミーが消える事は世界の理。

所詮、ミーは代わりに過ぎないのだから。タイムリミットは…沢田綱吉達が過去に帰るまで。それまでしかミーは此処にはいられない。

 

 

皆さんの記憶からミーは消える。

ミー自体も消えてしまう。

 

 

ミーがこの世界に生まれた記憶

これまでに起こったことが走馬灯のように思い浮かんでは消えていく。

 

師匠に拾われ、スパルタ教育で幻術を教わったこと。

クローム姉さんや犬兄さん、千種兄さんと過ごした穏やかな記憶。

ヴァリアーに入り、任務をした記憶。

幹部になって、スク隊長や、ベル先輩、レヴィ先輩をからかった記憶。

 

 

こうしている内にミーの身体は消えて行く…

 

 

もっと此処で過ごしたかったし居たかった。

楽しかったですー。ヴァリアーの皆と。ししょー達と一緒にいるのは……。

ミーは…もっと…

 

「生きたかった……師匠とクローム姉さんと犬兄さんと千種兄さんとM・M姉さんとボスとスクアーロ隊長とレヴィ先輩とルッス先輩とそしてベル先輩と……!!もっと、もっと過ごしたかった……!!!」

 

 

目頭が熱くなり、涙がとめどなく流れていく。ミーのキャラじゃないんですけどねー。

でも、もう、お別れの時間ですー。

 

 

「師匠ー。ボス、ヴァリアーの幹部の皆さん。ミーは皆さんと出会えて本当によかったですー。今までありがとうございましたー。Ti voglio bene」

 

世界から1人の少年が消えた。

その少年と関わりのあった者は、その彼との記憶を次々と失っていく…

 

 

「さよならですー。」

 

 

 

 

*

 

 

 

 

「っ…此処は...いったい何処…ですかー?」

 

 

フランが目を覚まし周りを見渡したが…そこは辺り一面に広がっている何もない白い空間にミーはいた。

 

 

「それにしてもこの展開は死んだ後の展開ですねー。」

 

 

「へぇ、物分りいいんだね君は」

 

 

「ん?誰ですかー?あんたはー?」

 

 

そこに立っていたのは、いかにも天使だぜーって格好を主張している自称天使さん。

 

 

「ちょっと、自称天使とか言わないでよ!本当に天使だから!」

 

 

「てか、ミーに何の用ですかー?ミー死んだんですからー地獄でも何処でもいいので早く連れてって下さいー。」

 

 

もうどうでもいいんでー。ししょーやヴァリアーの皆さんの所にはもう二度と戻れないのでー。とか思っていると自称天使さんから衝撃的な言葉が出てきたんですよー。

 

 

「いいえ、フランさん。貴方には二つの権利があります。1つは生まれ変わって新たな人生を歩む。もう1つは天国のようなところでおじいちゃんのような暮らしをするかです」

 

 

「何ですかーその選択肢?なんか嫌ですねー。マーモン先輩のように赤ん坊からやり直すなんて絶対に嫌ですよー。ちなみに聞きますけどー天国はどんな所ですかー?」

 

 

「何もないところですよ。ずっと日向ぼっこか他の方とのおしゃべりを楽しむかくらいです。もちろん…幻術も使えませんよ?」

 

 

えぇ…幻術が使えるなら行こうと思ったんですけどー。それなら行きたく無いですねー。

 

 

「絶対嫌ですねー。幻術を使って色々しようと思ったんですけどねー。そんな天国は行きたくありませんー。」

 

 

そこでですね、と自称天使はある提案をフランに持ち掛けてきた。それは肉体と記憶はそのままに、魔法が盛んな異世界に転生するというものだった。

もちろんそのまま行けば無駄死にしてしまうので、特典として何か2っ好きな物を持っていく事が出来ると言う。

 

 

「おお、凄いじゃないですかー。じゃあ早速ミーの特典は……"コレ"でお願いしますねー。」

 

 

フランが選んだ特典については意外な物を選んだ。それは自分が生前に使っていた武器。つまり幻術やリング、ボックスなど。リングはの霧の幹部の証のヴァリアーリングと師匠から貰ったヘルリング。天使も多少驚いたがすぐに了承してくれた。

 

 

「以上ですかねー?あとは転生とかしちゃって下さいー。」

 

 

「えっ、ちょ.ちょっと待って下さい!もう1つの特典は?」

 

 

 

 

*

 

 

 

あぁ…なんかありましたねー。

めんどくさいですねー。あっ、そうですよー。

 

 

 

「自称天使さんが付けて下さいー。」

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

色々決めるのがめんどくさくなって来たので自称天使さんに丸投げしましたー。だってほんとにめんどいんでー。

 

 

 

「私ですか?もしかしたら嫌な特典付けてしまうかも知れませんよ?それでもいいんですか?フランさん?」

 

 

 

 

「それはその時ですからねー。我慢しますよー。てか、まだですかねー?」

 

 

 

もうそろそろ限界ですー。眠いですー。

早くしてくださいよー。自称天使ー。

 

 

 

「わかりました!ではそろそろお別れの時間です。それとフランさん。貴方が転生する世界ですが魔法の世界なので貴方にも魔法を授けます。」

 

 

 

へぇ、魔法の世界ですかー。面白そうですねー。ベル先輩が居たら「絶対に行く」とかいいそうですねー。

 

 

 

「ミーにも魔法ですかー?どんな魔法ですかー?幻術はダメ何ですかー?」

 

 

 

「そうですね。幻術では違和感があるので…そしてフランさんの魔法は幻の滅竜魔法です。この魔法は竜を滅する魔法です。幻の魔法なので幻術を使っても問題ありません」

 

 

 

そうなんですかー。

 

 

 

「ん?竜なんて居るんですねー。いまから行く世界にはー。」

 

 

 

「はい。あと、おまけとしてこの子もプレゼントします」

 

 

 

自称天使さんから受け取った物は小さい羽が生えた猫でしたー。

 

 

 

「何ですかー?これは?」

 

 

 

「その子はエクシードと呼ばれる猫です。言葉も喋れますのでご安心を…では名残惜しいけどお別れですね。フランさん。あちらの世界でもお元気で…」

 

 

 

「色々めんどくさいですけど頑張って来ますよー。(師匠、ヴァリアーの皆さん、沢田綱吉達10代目ファミリー、お元気でー。さよならですー。)」

 

 

 

こうしてボンゴレ最強と謳われた独立暗殺部隊ヴァリアーの元霧の幹部、沢田綱吉の霧の守護者六道骸の弟子の異世界での物語が幕を開ける。

 

 

 

「(師匠達やヴァリアーに幸あれ…)」




ご視聴ありがとうございましたm(*_ _)m


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ミーの設定ですー。

よろしくっ(*`・ω・)ゞm(*_ _)m


*

 

 

名前 フラン

 

 

年齢 16歳←フラン「生前と同じですねー。」

 

 

髪 エメラルドグリーン←フラン「髪の色も同じですねー。」

 

 

瞳 エメラルドグリーン色の瞳だが左眼が六道輪廻になっているので漢数字の六が入っています。左眼は幻覚で普段は隠しています。←フラン「まさかのししょーと同じ能力が使えるとはーめんどくさいですねー。」

 

 

性格

・いろんな人達に毒を吐きまくる毒舌家で気に入った人にはその人にあったニックネームを付ける癖がある。←フラン「まぁ、これは当たり前ですかねー。ヴァリアーでは、スクアーロ隊長をアホのロン毛隊長でルッス先輩は変態クジャクオカマでレヴィ先輩は変態雷親父でベル先輩は墮王子、王子(仮)でしたからー。」

 

 

属性

霧100%、雲100%、嵐95%、大空、雨90%←フラン「霧属性は分かりますけどーなんか4つ属性増えてるんですけどー。めんどいですねー。」

 

 

匣兵器

ベル先輩のびっくり匣

霧フクロウ《グーフォ・ディ・ネッビア》

雲蝶《ファルファッラ・ディ・ヌーヴォラ》

天空嵐ライガー《リグレ・テンペスタ・ディ・チエーリ》

嵐ミンク《ヴィゾーネ・テンペスタ》

暴雨鮫《スクアーロ・グランデ・ピオッジャ》

↳フラン「何ですかー?この匣の数はー?ボンゴレの紋章が1つ、ヴァリアーの紋章はミーのを抜かして3つもありますねー。」

 

 

その他

・服装はそのままヴァリアー隊服、カエル帽はそのまま。

・形態変化カンビオ・フォルマは霧フクロウと雲蝶のロディだけ出来ている。

・翡翠のピアスを両耳に付けている。

・魔法が使える幻竜の滅竜魔法。

・武器は何故か六道骸の三叉の槍。

・化猫の宿の紋章は右手で紫色だがFAIRYTAILの紋章も同じ場所に付ける。

 

 

 

*エクシード設定

 

 

名前 シアン

 

 

見た目 水色の毛で瞳はフランと同じエメラルドグリーンの瞳、青いフード付きパーカーに青いズボンで耳にピアスをしている。

 

 

性格 ちょっとした人見知りだけど人懐っこい性格でフランの事を人一倍考えてる。

甘い物が大好物。

 

 

その他 化猫の宿の紋章は背中で色はフランと同じ色でFAIRYTAILでも同じ場所に紋章を付ける。

 

 

 

フラン『まぁ、気長に頑張るんで皆さん、応援よろしくお願いしますねー。』

 

 

『ししょー達がいない世界ですけど、ミーにいじられる人たちはいるんですかねー?まぁ、暇つぶしなんで楽しく魔法を使いながら行きましょうかねー。』

 

 

『ベスターは毛がモフモフで暖かいですー。寝る時には枕にも出来ますし快適ですから楽ですからー。』



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出会い編
ミーが転生したら森の中でしたー。


*

 

 

「……ん?」

 

 

目が覚めるとミーは…森の中にいるんですよー。ミーは起き上がりながら周りを見渡す事にしましたー。

 

 

「てか、此処は何処ですか?転生は成功しんですかね?」

 

 

誰もいない森の中で独りで唸っていると、その時声が聞こえた

 

 

『フランさん、聞こえますか?』

 

 

「!?貴方は、ミーを此処に転生した自称天使さんですねー。」

 

 

そうこの声はミーを転生させた張本人のものと全く同じなんですよー。てか、何の用ですかねー。

 

 

『えっと、言い忘れてたことがありましたのでその報告をと……』

 

 

「報告ですかー?」

 

 

何でしょうかー?難しい事とめんどくさい事は嫌ですー。

 

 

『いまからフランさんにこの世界で竜と過ごした記憶を与え、その説明をします。』

 

 

前置き見たいな感じですかねー?それがないとこの世界でやって行けないは嫌なので。

 

 

「了解ですー。始めて下さいー!」

 

 

『わかりました…膨大な量の記憶になりますので注意して下さい。では』

 

 

自称天使さんが両手をミーの頭に触れた直後に頭にノイズが掛かるように膨大な量の記憶が流れ込んで来ましたー。

 

 

「か…はっ……う"ぁぁぁぁぁっ……」

 

 

頭が割れるように痛い。

そして膨大な量の記憶。

幼いミーと一緒に暮らした幻竜ルウシェに滅竜魔法を教わった記憶。

 

 

回想

 

 

フラン「見て下さいー!ルウシェー!遂に出来ましたよー。」

 

 

ルウシェ『遂に出来たのか、俺の教えた滅竜奥義が』

 

 

フラン「そうですよー。ミーなりのアレンジを加えて見ましたー!」

 

 

ルウシェ『勝手にアレンジするなー!フラン!』

 

 

フラン「じょーだん…じょーだんですよー。ルウシェ」

 

 

回想終わり

 

 

いまのがミーの親竜…幻竜ルウシェとの記憶。

そしてX777年7月7日にミーの前から消えた。

 

 

記憶は此処で途切れた。

容赦ないですねー。ほんとに痛いじゃないですかー。

 

 

『これで全ての記憶をフランさんに移しました。頭痛大丈夫ですか?』

 

 

すっごく痛いですよー。

過去の先輩達が10年後の記憶来たらいまのミー見たいな感じですかねー。

 

 

「う"…これで大丈夫って思ったあんたは馬鹿ですかー?でも、おかげで助かりましたー。この世界でも上手くやって行けそうですねー。」

 

 

『そうですか…では私はこの辺で失礼しますね…良い人生を歩んで下さい!フランさん!』

 

 

「そうですねー。ありがとうございましたー。自称天使さんー。」

 

 

ミーはそう返事をすると『いえいえ…それから自称天使ではなく!本当に天使ですからー!!!!』といい、それから声が聞こえなくなりましたー。



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ミーが持ち物を調べていたら女の子の声が聞こえましたー。

*

 

 

さて、自称天使さんの声が聞こえなくなりましたー。いまのミーの持ち物を確認しますかー。

 

 

ガチャガチャッ

 

 

「どういうことですかねー。それはー?」

 

 

持ち物の中にあったのはミーが生前に持っていた物はもちろんありますけどー。ミーの持ち物以外の物があるんですよー。

 

 

「えーっと、ボンゴレの匣1つとヴァリアーの匣4つ…リングがヘルリング以外が4つ。そして…」

 

 

フランは1つの武器に眼に入った。

そうそれは…フランの師匠、六道骸の武器。

 

 

「武器は師匠の三叉の槍ですかー。それにしてもこの匣の数は以上ですねー。1つずつ開けるしか無いですねー。まずはボンゴレの匣から開けて見ますかー。」

 

 

フランはヘルリングを手に取り覚悟を炎にして匣を開口したが霧属性で開いた匣はミーのを含めて1つだけでしたー。

 

 

フラン「注意ですー!ミーはヒーローが変身したり、魔法使いが呪文唱えるのに、ポーズってあるじゃないですか ミーもあれが必要なタイプなんですがー。省略しますー。ご了承下さいー。失礼しましたー。」

 

 

ガコッパシュッ

ボンゴレの匣から出て来たのは…

 

 

「なんと言うことでしょうー。これは師匠とクローム姉さんの匣兵器霧フクロウの《ムクロウ》じゃないですかー。って事は他のリングと匣は違う属性ですねー。」

 

 

1回1回何度もやるのめんどいですねー。でもやらないと後で死ぬのは嫌なのでー。4つ全部炎を灯しましょうー。

 

 

ボッ

ガコッガコッガコッガコッ

 

 

「これで全てですねー。1つは元々持っていたベル先輩のびっくり匣。2つ目はベル先輩の匣兵器嵐属性の《ミンク》。3つ目はスクアーロ隊長の匣兵器雨属性の暴雨鮫の《アーロ》。4つ目はボスの天空嵐ライガーの《ベスター》とかマジですかー。それにヴァリアーにはいなかった雲属性のリングと匣で中身が雲蝶ですかー。」

 

 

名前はどうでしょうかー?ロディでどうでしょうかー?理由は特にないですけどー。

 

 

「とりあえず、持ち物はこれで全部ですねー。まさかミーが霧属性以外の属性があるとはびっくりですー。それに匣兵器がボスとヴァリアー幹部と師匠の匣兵器だとは驚き桃の木でしたねー。まぁ、ムクロウ、ミンク、アーロ、ベスター、ロディよろしくですー。」

 

 

ミーが匣兵器に声をかけると匣が動きましたー。

形態変化は多分ムクロウとロディした出来ないですねー。勘ですけどねー。

リングと匣兵器はヴァリアー隊服のポケットに師匠の槍は折り畳み式じゃないので背中に担ぎますー。

さて、そろそろ森の中を抜けますかー。



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ミーは少女を助けて森を抜けますー。

*

 

 

ミーは自称天使さんから貰ったネコ(命名、シアン)。

 

 

 

「よろしくな、フラン」

 

 

 

「生意気なネコですねー。」

 

 

 

「酷いにゃー。噛み付いてやるー。」

 

 

 

(>Д(ω•´ )ガブッ

噛み付かれたのは頭のカエル帽ですー。

全然痛くも痒くもないですよー。

ミーは片手でシアンを持ち上げて目の前に持って来ましたー。

 

 

 

「どうしたの?(コテン」

 

 

 

「何でもないですよー。とりあえずよろしくですー。」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

仲直りしたミーはシアンをヴァリアーの隊服のフードに入れて歩き出そうとした瞬間に…

 

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

フラン「うるさいですねー。…何でしょうかー。無視しましょうー。」

 

 

 

また一歩踏み出そうとするが…

 

 

 

フラン「はぁ、気になりますので行きますかー。」

 

 

 

悲鳴が聞こえた場所に向かった

 

 

 

*?said

ウェンディ「あ…あ…!」

 

 

 

バルガン「ウホッ♪女♪女♪」

 

 

 

シャルル「ウェンディ、逃げて!!」

 

 

 

まさか森バルカンの群れに会うなんて!?

どうしよう、私は攻撃魔法得意じゃないし……

 

 

 

バルガン「ウッホォォォ!!」

 

 

 

ウェンディ「キャアアアアア!!」

 

 

 

怯えているウェンディを拐おうと5体の森バルカンが突っ込んだ瞬間…

 

 

 

?「霧の幻(ネッビア・イッルジオーネ)」

 

 

その背後から突然人影が…槍を回して地面に1回付いたら火柱と蓮の茎が生えて来てそのままふわりと、花が咲いた…えぇ!?

 

 

 

バルガン「ウホォォォ!?」

 

 

 

森バルカンは苦しんでいる。

 

 

 

?「大丈夫ですよー。本人達は火傷したーって思ってますからー。」

 

 

 

?「大丈夫!?」

 

 

 

ウェンディ「あ…あの?」

 

 

 

突然の事に固まる他の森バルカン

ウェンディは助けてくれた黒い服と頭にカエル帽を着て手に槍を持つ男の子にフードの中にはシャルルと同じようなネコが居た。話し掛けるとその子は。

 

 

 

?「怪我はないですかー?」

 

 

 

っと無表情で答えた。

 

 

 

ウェンディsaid終

*数分前

 

 

 

「あれですかねー。」

 

 

 

ゴリラみたいな動物の群れが青いロングの女の子を襲おうとしていますねー。

 

 

「まずいですねー。」

 

 

 

「どうするの?フラン(ポンポン」

 

 

 

「シアン。カエル帽ポンポンしないで下さいー。」

 

 

 

「ごめんなさい…」

 

 

 

「分かればいいんですよー。(ナゼナゼ」

 

 

 

それより幻覚を使った方がいいですねー。

ミーは幻竜のドラゴンスレイヤー何ですからねー。でも練習無しで変な所に行くのは嫌なので幻覚で行きますかー。ミーはヘルリングに炎を灯し三叉の槍に纏い技を放ちたしたー。

 

 

 

「(行きますー。)霧の幻(ネッビア・イッルジオーネ)」

 

 

 

青い髪の女の子に飛び付こうとするゴリラの後ろに火柱と蓮の茎を絡ませた

 

 

 

バルガン「ウホォォォ!?」

 

 

 

あっやりすぎましたー。ごめんなさいー。

 

 

 

?「大丈夫ですよー。本人達は火傷したーって思ってますからー。」

 

 

 

?「大丈夫!?」

 

 

 

?「あ…あの?」

 

 

 

青い髪の女の子が怯えた声で聞いて来ますー。

……怪我はないようですー。

でも一応聞きますかー。

 

 

 

?「怪我はないですかー?」

 

 

 

ミーはいつもと同じくポーカーフェイスと棒読みで聞きましたー。




シアンの魔法はエーラ以外何の魔法にしようか迷っています。


何かアイデアある人は教えて下さい。



フラン「お気に入り登録ありがとうございますー。m(*_ _)m評価もポチッとよろしくお願いしますー。m」


シアン「よろしくな、読者の皆さん
バイバイー。」


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ミーは少女からこの世界の事を聞きますー。

*

 

ウェンディsaid

 

 

 

フラン「大丈夫ですかー。」

 

 

 

いま目の前の男の人は無表情で聞いてきました…

この人は一体……?

 

 

 

バルガン「「「ウッホォォォ!!」」」

 

 

 

陣形を組んで大勢向かってくる!?

 

 

シャルル「ウェンディー!」

 

 

 

ウェンディ「シャルルー!」

 

 

 

フラン「めんどいですねー。匣は使わないつもりだったんですけどねー。下がってて下さいー!ミーがやりますんでー。」

 

 

 

ゾクリ…

男の人がそういった途端、周りの温度が下がった気がしました

 

 

 

フラン「行きますー。はぁー。開口!雲蝶《ファルファッラ・ディ・ヌーヴォラ》ロディ」

 

 

 

か、開口?ヌーヴォラ?

箱から出てきたのは紫色の蝶が出てきました。澄んでいてとてもきれいです……

 

 

 

フラン「ロディいきなりですが行きますよー。形態変化(カンビオ・フォルマ)」

 

 

 

フランの言葉に、ロヴィは1度眩しく輝くと…彼が伸ばしている槍にピタリとくっつく。

その姿は見る見る内に細長く変わっていく。

 

 

 

フラン「これはこれは、ロディが槍と合体してレイピア見たいになるとは…」

 

 

蝶は彼が持っている槍と合体して細い剣?になり綺麗に輝いて見えるます。

そう思っていると彼は細い剣をバルカン達に向けて……

 

 

 

フラン「(技借りますー。スクアーロ隊長。雨属性を使うのは始めてですけど。)鮫の牙(ザンナ・ディ・スクアーロ)」

 

 

 

フランはバルガンに連続で突きを入れてバルガンに対抗した。

 

 

 

バルガン「ウホォォォ!!?」

 

 

 

青色の炎に飲み込まれたバルカンたちは…次々と動きが鈍くなり倒れていった

 

 

 

フラン「弱いですねー。」

 

 

 

貴方が強いんです。

 

 

ウェンディsaid終

フラン「(……ある程度操れますねー。てか、いきなり形態変化(カンピオ・フォルマ))」

 

 

 

元々持っていなかった属性ですからねー。どのぐらい操れるか解らなかったのでいまので大体分かりましたしねー。

後は……

 

 

ウェンディ「あ、あの?」

 

 

 

振り向くと呆然としたようすの1人の女の子とミーが持っているネコと同じネコが1匹……

 

 

 

フラン「あ、すみません、考え事していましたー。大丈夫ですかー。怪我無いですねー。」

 

 

 

ミーは直ぐに頭を切り替えて女の子1人とネコ1匹に聞きましたー。

 

 

 

*

 

 

ウェンディ「は、はい。助けてくれてありがとうございます。(ペコッ」

 

 

フラン「それなら良かったですー。では」

 

 

ミーはまた歩き出そうとしましたー。

 

 

ウェンディ「待って下さい。」

 

 

何故か少女に呼び止められましたー。

何のようでしょうかー?

 

 

 

フラン「何ですかー?」

 

 

 

ウェンディ「これからギルドに帰るのでそこでお礼させて下さい!」

 

 

 

シャルル「ご馳走するわよ?」

 

 

 

シアン「いちごもあるの?」

 

 

 

シャルル「あるわよ!」

 

 

 

シアン「行こうよ!(ポコポコ」

 

 

 

付いて行きますかー。

お腹も好きましたしー。

この世界の事や色々聞きたいのでー。

 

 

 

フラン「いいですよー。こちらとしても色々聞きたい事があるんでいいですかー?お礼は言葉に甘えて付いて行きますー。」

 

 

シアン「やった!!!」

 

 

 

フラン「だから、ポンポンしないで下さいよー。」

 

 

 

ウェンディ「フフッ」

 

 

 

2人の様子を見てウェンディはすっかりバルカンに襲われた恐怖が無くなった。

 

 



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ミーはこの世界の事を色々知りましたー。

*

 

 

バルガンに襲われて居た1人と1匹の名前はウェンディとシャルル名乗りミーたちはウェンディたちが所属している魔道士ギルド『化猫の宿』に向かっていますー。

 

 

 

ウェンディ「そう言えば、貴方のお名前聞いてませんでした!教えて下さい!」

 

 

 

シャルル「そうね…私たちは教えたんだから」

 

 

 

フラン「ミーはフランっていいますー。よろしくですー。」

 

 

 

シアン「シアンだ。よろしくな!」

 

 

 

ウェンディ「よろしくお願いしますね。フランくん、シアン」

 

 

 

シャルル「よろしく。フラン、シアン」

 

 

 

しばらく森の中を歩いているんですけどねー。全然そのギルドって所につかないんですよー。ミーは疲れそうですよー。

 

 

 

ウェンディ「あの、フランくんは何処から来たの?」

 

 

 

シャルル「そうね、ギルドの事知らなかったから少し怪しいわ。それにその頭よね」

 

 

遂に来ましたよー。この手の質問がめんどいんですけど…仕方ないですよねー。それに頭のカエル帽にも注目されましたー。

 

 

 

フラン「此処からずーっとずーっと遠くの国から来ましたー。そこには魔道士は余り居ないんでギルドとかはないんですよー。(元の世界ではマフィアがいますけどね…)それと頭のこれについてはデリケートな部分なんで触れないで下さいー。」

 

 

 

ウェンディ「そうなんですか!魔道士が余り居ないんですか…大変なんですね…」

 

 

 

シャルル「闇ギルドに襲われたらやばいわね…頭の事は聞かなかった事にするわ…」

 

 

 

懸命な判断ですよー。このカエル帽には嫌な思い出やいい思い出がいっぱい詰まっているのでねー。

それにさっきシャルルが言っていた…闇ギルドって何なんでしょうかねー。気になりますねー。

 

 

シアン「ねぇねぇ、シャルル!闇ギルドってなんなの?」

 

 

 

ミーが聞きたかったことがシアンがシャルルに質問した。

 

 

 

シャルル「そんな事も知らないの?アンタ達は…まぁ、ギルドの無い所から来たなら尚更ね…闇ギルドは一言で言えば犯罪組織よ。解散命令を出されたにも拘らず、それを守らずに裏で活動し続けているギルドよ。中でも「悪魔の心臓」「冥府の門」「六魔将軍」の3つのギルドは「バラム同盟」と呼ばれていて闇ギルドを束ねているのよ。」

 

 

 

シアン「なんか、怖いよ…(シュン」

 

 

フラン「なるほど、犯罪組織ですか…(だとすると暗殺とか駄目なんですねー。)」

 

 

 

ウェンディ「それに評議院もあるので安全ですよ。」

 

 

 

フラン「評議院ですかー?何ですかそれはー?」

 

 

 

シャルル「はぁ…」

 

 

 

シャルルはため息を吐き次いでだからと説明してくれた。

 

 

 

シャルル「評議院は、全体の魔導士を統括する自治組織。魔導士ギルドが所属する「地方ギルド連盟」を管理する団体なのよ。罪を犯した魔導士の検挙や問題を起こしたギルドに対する制裁などを加える権限を有しているのよ。覚えて置きなさいよ。」

 

 

 

フラン「いや、勉強になりましたー。ありがとうございますー。(これで少しはこの世界の事が分かりましたねー。まぁ暗殺したら評議院に捕まって牢獄は嫌ですねー。でも復讐者の牢獄よりはいいと思いたいですねー。)」

 

 

 

色々とシャルルから教わっていたらウェンディから声が掛かりましたよー。

 

 

 

ウェンディ「シャルル、フランくん、シアン!付いたよ!此処が私たち2人が所属している魔道士ギルド『化猫の宿』だよ!!!」

 

 

 

フラン「随分と余り何も無いんですね…でも静かな場所ですねー。気に入りましたー。」

 

 

 

シアン「僕もーー。」

 

 

 

ウェンディ「あはは、でも気に入って貰えて良かった!」

 

 

 

シャルル「えぇ、ウェンディ。そろそろ入りましょう。マスターに2人の事を報告しないと…」

 

 

 

ウェンディ「うん!2人とも付いてきて!マスターに会いに行こう!!!」

 

 

 

フラン「引っ張らないで下さいよー。」

 

 

 

シアン「あはは!」

 

 

 

とりあえず、無事に魔道士ギルド『化猫の宿』に着きましたしー。

それにこの一帯に感じる妙な気配。

幻覚の様な嫌な感じですねー。

まぁ、此処のマスターさんに会えば分かると思いますしねー。



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ミーは化猫の宿のマスターに会い真実を知りましたー。

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*

 

 

ウェンディたちが『化猫の宿』に入って行ったのでミーとシアンもウェンディたちの後を追いかけてギルドの中に入った。

そしたら…ウェンディたちがギルドメンバーたちに話しかけられていた。

 

 

 

ペペル「おかえりなさい、ウェンディ。それにようこそ旅人さん『化猫の宿』に入りに来たのかしら?」

 

 

 

マグナ「よろしくな!新入りくん…」

 

 

 

ミーは何故かこのギルドに入るようになっていますー。誰かHelp meー!!!

 

 

 

ウェンディ「ペペル、マグナ!!違うの…フランくんは私たちがバルガンに襲われている所を助けて貰ったからお礼をする為に此処に来てもらったの…」

 

 

 

シャルル「だから、ご馳走の用意をよろしく。ウェンディ、マスターの所に行くわよ。ほら、アンタ達も!」

 

 

 

ペペル「そうだったのね!私の早とちりだったわね…ごめんなさいね。旅人さん!今すぐご馳走を用意するわね。マグナも手伝いお願いね?」

 

 

 

マグナ「おうよ!間違ってすまなかったな!楽しんでくれよ!」

 

 

 

フラン「いえ、大丈夫ですよー。ご馳走楽しみにしてますからー。」

 

 

 

シアン「フラン、ウェンディたち行っちゃうよ…」

 

 

 

ミーはシアンの問に分かったといい、ウェンディたちの後を追いかけた。それにしてもやっぱり変な感じですねー。

そうしているうちに『化猫の宿』のマスターがいる部屋に着いたらしいですよー。

 

 

 

ウェンディ「マスター、ウェンディです!」

 

 

 

?「ウェンディかい。入りなさい。」

 

 

 

ウェンディがドアを開けるとボンゴレ9代目と同じ目をしている優しそうなおじいさんがいましたー。

全てを見透かされてるような瞳ですねー。

 

 

 

?「ふむ、おかえり、ウェンディにシャルルよ。それに君たちは誰かの?」

 

 

 

フラン「ミーはフランっていいますー。そして頭の上にいるのはミーの相棒のシアンですー。」

 

 

 

シアン「よろしくな…」

 

 

 

ウェンディ「クエストの帰りにバルガンに襲われていた時にフランくんに助けて貰ったの。だからお礼をする為に化猫の宿に来てもらったの…」

 

 

 

ローバウル「そうか、ウェンディたちがお世話になったの〜。ワシはローバウル。此処『化猫の宿』のマスターじゃ。フランとシアンよ。」

 

 

 

フラン「そうですかー。よろしくですー。いえいえ大した事はして無いですよー。弱かったので簡単に討伐出来ましたー。」

 

 

 

その時…『化猫の宿』のマスターローバウルがウェンディの方を見て口を開いた。

 

 

 

ローバウル「ウェンディ、シャルルよ。少しの間フランと話がしたいんじゃが…いいかの?」

 

 

 

フラン「シアンはウェンディたちと一緒に行って下さいー。」

 

 

 

シアン「分かったー。」

 

 

 

ウェンディ「分かりました。後でね!フランくん!シアンも行こう!」

 

 

 

シアン「うん!」

 

 

 

こうしてウェンディたちが部屋から出て行き部屋にはミーとマスターローバウルさんだけとなった。

 

 

 

フラン「ミーだけなんで残したんですか?何の話ですかー。」

 

 

 

ローバウル「お主は今まで見てきた人間の中で特別な力を持っている感じがするんじゃよ。」

 

 

 

フラン「おぉっ!凄いですねー。確かにそうならミーをどうするつもりですかー?」

 

 

 

ローバウル「どうにもせんよ。それに特別な力を持っているからこのギルドの事を…」

 

 

 

やっぱり、ミーの思っていた通りでしたねー。これで確信しましたー。此処にいるウェンディ、シャルル、シアン、そしてミー以外の人間たちは全員…

 

 

 

フラン「幻ですよねー。人格を持つ幻。ペペルやマグナたちギルドメンバーたち全員」

 

 

 

ローバウル「やはり、気づいていたのか…お主の言う通りウェンディとシャルル以外は幻じゃよ。2人には伝えていない。」

 

 

 

フラン「なんで、このギルドに来たばっかな人にそんな事伝えるんですかー。」

 

 

 

ローバウル「全て話そう。お主には…。ワシ等はニルビット族の末裔などではないんじゃよ。ワシは、ニルビット族そのもの……400年前、ニルヴァーナと言う兵器を造ったのはこのワシじゃよ。」

 

 

 

ローバウルの告げた事実にフランは目を見開き、驚く。400年長すぎですよー。

 

 

ローバウル「400年前……世界中に広がった戦争を止めようと善悪反転の魔法、ニルヴァーナを造った……ニルヴァーナはワシ等の国となり平和の象徴として一時代を築いたのじゃ。

しかし、強大な力には必ず反する力が生まれる……闇を光に変えた分だけニルヴァーナはその "闇"を纏っていった。」

 

 

 

なるほど、バランスを取るためにニルヴァーナを作ったんですねー。そして闇の人間を光の人間にする為に…

 

 

 

ローバウル「バランスをとっていたのだ……人間の人格を無制限に光に変えることはできなかった。

闇に対して光が生まれ、光に対して必ず闇が生まれる」

 

 

 

フラン「もういいですよー。1つの聞きたいんですけど…生き残りは貴方1人って事は『殺し合い』でもしたんですかー?」

 

 

 

ローバウル「そうじゃ。……あれは、地獄じゃ。ワシ等は共に殺し合い……そして、全滅した。だからの〜フランよ。このギルドに入ってはくれないかの?そうすればニルヴァーナを誰かが破壊した時には…ワシは消える事にしておる。ウェンディたちを1人には出来んのじゃ…頼む」

 

 

 

フラン「はぁ…分かりましたよー。このギルドに入りましょうー。暇だったんでちょうどいい暇つぶしになりますからねー。それにミーの事は内密にお願いしますねー。ウェンディたちにはニルヴァーナを破壊した時に今の事を伝えて下さいねー。失礼しましたー。」

 

 

 

フランはローバウルの部屋から出ていきウェンディたちが待っている居間まで戻った。

 

 

 

フラン「お腹空きましたねー。」

 

 

 

といいなから…

 



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ミーは化猫の宿に入るようですー。

*

 

 

 

ウェンディたちのいる居間に向かう途中何処からか美味しそうな匂いがしてきた。

 

 

 

フラン「あぁ、美味しそうな匂いがしてきましたねー。」

 

 

ウェンディたちが居そうなドアを開けると…先にご飯を食べているシアンと料理を作っているペペルに出来た料理を運んでいるウェンディにマグナが見てた。そしてミーの姿を見たウェンディは…

 

 

 

ウェンディ「おかえりなさい!フランくん!マスターとのお話は終わりました?」

 

 

 

フラン「終わりましたよー。それにミーはこのギルドに入ることにしましたー。」

 

 

 

マグナ「そうか!また仲間が増えたな!!!改めてよろしくな!フラン」

 

 

 

フラン「わかってますよー。よろしくですー。」

 

 

 

シャルル「それより、ご馳走出来たわよ。シアンはもう食べ始めてるわ。」

 

 

 

シアン「フラン、早くしないと僕食べちゃうぞ?」

 

 

 

ミーの分まで食べないで下さいよー。ご馳走にはパンやらシチューなどなどいろんな食べものがありましたー。

 

 

フラン「何から食べましょうかー。まぁいただきますー。」

 

 

ミーは椅子に座りシチューを一口いただ来ましたー。

 

 

 

フラン「ん!」

 

 

 

これはルッス先輩の料理も美味しかったですけどペペルの料理も凄く美味しいですー。

 

 

 

ペペル「お口に合ったかしら?」

 

 

 

とペペルが心配そうに聞いて来ましたー。

 

 

 

フラン「そんな事無いですよー。凄く美味しいですー。」

 

 

 

シアン「僕もフランと同意見だよ!」

 

 

ペペル「良かったわ。そう言ってくれて!」

 

 

 

ペペルはほっとしたように息をつきましたー。そこからはミーは止まりませんー。おいしい分お腹がそれを求めてミーはがつがつ食べますー。「喉に詰まらせますよ」とウェンディに言われたような気がするがお構いなしにミーとシアンは食べすすめて、いつの間にかテーブルの上には空の皿があるだけになった。

 

 

 

シアン「もう食べられないよー。」

 

 

 

フラン「ごちそう様でしたー。」

 

 

 

ペペル「お粗末様です。」

 

 

 

マグナ「よく、食べたな。」

 

 

 

フラン「しばらく食べてなかったんでねー。」

 

 

その時…ローバウルのおじいさんがミーたちの所に来ましたー。

 

 

 

マグナ「マスター、どうして此処に」

 

 

 

ローバウル「いや、フランとシアンに『化猫の宿』の紋章を付けなければならない事を忘れていたからの〜。そしてフランには明日に初めてのクエストに行ってもらおうと思っての。」

 

 

 

ペペル「いきなりね。フラン」

 

 

フラン「別に大丈夫ですよー。紋章は右手に紫色でお願いしますー。シアンはどうしますかー。」

 

 

 

シアン「僕は背中にフランと同じ色がいいー。」

 

 

 

そう言うと、ペペルはミーたちにスタンプ見たいな物で紋章を付けた。

 

 

 

ウェンディ「それじゃ!改めてようこそフランくん!シアン!『化猫の宿』へ!!!」

 

 

 

フラン「皆さん、これからよろしくですー。」

 

 

 

シアン「よろしくなー!」

 

 

 

こうしてフランの転生生活がスタートを切ったのあった。

 



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ミーはマスターからクエストを受けるようですー。

*

 

 

あれからマグナとペペル以外のギルドのメンバーに自己紹介して、ローバウルのおじいさんが用意した家に帰り早速帰りしましたー。

まぁ明日はギルドに行ってからモンスター退治に行くとしましょうかー。そろそろ左眼の幻覚を解きますかねー。

今日1日ずーっと幻覚を欠けていたので疲れてしまいましたからー。

 

 

シアン「フラン、ライオンと遊びたいよ〜。(ジタバタ 」

 

 

布団でじたばたしているシアンが遊びたいと言っているライオンとは天空嵐ライガー《リグレ・テンペスタ・ディ・チエーリ》のベスターの事なんですよー。でも死ぬ気の炎は生命エネルギーなん凄くめんどいんですよねー。

 

 

 

フラン「わかりましたので、暴れないで下さいー。」

 

 

 

ガコッパシュッ

ミーはベスターを匣兵器から出してシアンと遊ぶように指示をしてミーはベットに横になって寝に入りましたー。

 

 

 

*翌日*

 

 

 

フラン「ふわぁー。眠いですー。」

 

 

いまは9時ですかー。

ベスターはシアンと遊び終わり匣兵器に戻っていたがシアンはミーのお腹の上で寝ていたので場所を移して布団を掛けた。

 

 

 

シアン「ん…ふわぁ…おはよう…フラン」

 

 

 

フラン「おはようですー。シアン、もう10時ですよー。そろそろギルドに向かいモンスター退治に行きますよー。」

 

 

シアン「うん!」

 

 

ミーはヴァリアー隊服を着てベル先輩から貰ったウザったいカエル帽を被りシアンはミーのカエル帽の上に乗ってミーたちは部屋を出てギルドに向かった。

 

 

 

ギルドに着き中に入るとマグナにペペルそしてウェンディたちが既にいた。

 

 

 

マグナ「よぅ、遅かったな!フラン!」

 

 

 

フラン「シアンが起きなかったのでこんな時間になりましたー。」

 

 

 

シアン「僕のせいなの?」

 

 

 

フラン「半分はシアンのせいですよー。もう半分はミーにありますからー。」

 

 

 

そうマグナと2人と話しているとウェンディたちが寄ってきた。

 

 

 

ウェンディ「おはようございます!フランくん、シアン。これからクエストですか?」

 

 

 

フラン「そうですよ。東の洞窟で何やらモンスターが住み着いたそうなんで行ってきますー。」

 

 

 

シアン「いってくるよー」

 

 

 

村から出て東へ歩く。さて、ここで問題が発生しましたー。

 

 

 

フラン「それにしてもなんでウェンディいるんですかー?」

 

 

 

ウェンディ「え…えっと……その、フランくんがどうしても心配だったから…」

 

 

 

泣きそうな声で言うウェンディ。

 

 

 

フラン「なるほどー。まぁ付いてくるくらいならいいですよー。それにサポート魔法得意ならミーのサポートよろしくですー。」

 

 

 

ウェンディとシャルルは驚く。

だってフランには昨日あって魔法の話はして無いから…

 

 

 

ウェンディ「どうして私の魔法が分かったんですか?」

 

 

 

シャルル「そうよ!どうしてよ!」

 

 

 

うるさいですよー。頭がキンキンしますよー。

 

 

 

フラン「簡単ですよー。ミーもウェンディと同じ魔法を使いますからねー。でも少し違いますけどー。」

 

 

ミーが言った内容はウェンディたちを驚かせるには充分だった。

 

 

 

シャルル「ウェンディと同じって事はアンタは…」

 

 

 

ウェンディ「私と同じドラコンスレイヤーなんですね」

 

 

 

フラン「そうですー。ちなみに幻の滅竜魔法ですー。初めて会った時に使ったのも幻の滅竜魔法の1種ですよー。」

 

 

 

シャルル「あれも幻なのね…本物かと思ったわよ。あの時は…」

 

 

 

シアン「フランの幻はすごいんだよ!!!それに色々は動物も居るんだ!!!」

 

 

 

ウェンディ「ど、動物?」

 

 

 

シアン。余計な事をいってくれましたねー。どうやって説明しましょうかねー。

 

 

 

フラン「動物は戦闘の時に見せて上げますよー。」

 

 

 

話している内に2時間ほど歩き洞窟に付いた。

…ズドォォンと音がした。

 

 

 

フラン「出て来ましたねー。強そうなモンスターですねー。ウェンディは隠れていて下さい。シアン、振り落とされないで下さいー。」

 

 

 

モンスターの特徴はトラに似ていますねー。

って事はこいつの出番ですがねー。

ミーは槍を手に持ちドラゴンの力を拝見しますー。

 

 

フラン「ふぅ、幻竜の咆哮ー!!!」

 

 

ミーの咆哮の一撃でモンスターは地面に叩き落とされるがまだ倒れない。

 

 

 

フラン「あれー。まだ倒れないんですかー?強いですねー。でも次で終わりですよー。開口!!!嵐ミンク《ヴィゾーネ・テンペスタ》」

 

 

 

シャルル「強い。それにあれはスカンクかしら?でも変ね」

 

 

 

ウェンディ「うん。耳と尻尾に赤い炎が付いてる。フランの故郷の物かな?」

 

 

 

シャルル「終わったら聞いて見なさい」

 

 

 

シアン「フランー!頑張れー。」

 

 

 

ミンクはミーの肩に乗りモンスターはミーたちの方にパンチを繰り出しましたー。

でも甘いですよー。伊達に暗殺部隊に所属してませんでしたからねー。

 

 

 

フラン「ミンク、紅蓮の炎(フィアンマ・スカルラッタ)」

 

 

 

ミーがミンクに指示するとミンクが飛び出して高速で移動しながら 対象に体毛を擦り付けて、摩擦で嵐属性の炎を発火させてモンスターを消滅させましたー。

 

 

 

フラン「お疲れ様でしたー。ゆっくり休んで下さいねー。ミンク」

 

 

 

ミーがそう言うとミンクは素直に匣に戻って行った。

 

 

 

ウェンディ「フランくん、怪我はない?大丈夫?」

 

 

 

フラン「大丈夫ですよー。ではギルドに帰りましょうかー。」

 

 

 

シャルル「アンタ、ドラゴンの力だけじゃなくてあんな力も隠してたのね…あんな小さな匣からスカンクが出てくるなんでびっくりしたわよ。」

 

 

 

ウェンディ「私もびっくりしました。あのスカンクはフランくんの故郷の物何ですか?」

 

 

 

フラン「そうですよー。あっ、炎についてはいまは説明出来ないのでそこら辺はご了承下さいねー。」

 

 

 

ウェンディ「はい!そこまでは検索しません!誰にも知られたくない事はありますから!」

 

 

 

ウェンディはいい子ですねー。ベル先輩とスクアーロ隊長よりはましですよー。ヴァリアーではスクアーロ隊長とルッス先輩だけが唯一の常識人でしたからー。

 

 

 

フラン「ありがとうございますー。では行きましょうかー。」

 

 

 

シアン「おー!!!」

 

 

 

こうしてフランの初めてのクエストは終了した。




次からは六魔将軍編に移ります。

よろしくお願いしますm(*_ _)m


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六魔将軍編
ミーは六魔将軍を倒す為に連合軍に入りましたー。


*

 

 

 

化猫の宿に入り3ヶ月が経ちましたー。この3ヶ月は色々ありましたー。まずはウェンディの親竜天竜グランディーネもミーの親竜幻竜ルウシェと同じX777年7月7日にいなくなったことですー。ミーは記憶があるだけで一緒に過ごして無いので少し羨ましいですかねー。

あとはクエストは討伐系や闇ギルド潰しですかねー?闇ギルドを潰す時は幻術を使って倒してますからねー。

そうミーが心の中で思っていると…

 

 

 

ローバウル「少しいいか、お前たち」

 

 

 

シアン「どうしたんだろね。」

 

 

 

ウェンディ「うん…」

 

 

 

この数日間ローバウルのおじいさんは定例会に行っていたので通りで姿が見えなかったんですねー。

てか、厄介な問題は嫌ですよって思ったミーの期待は裏切られましたー。

 

 

 

ローバウル「実は定例会でバラム同盟の一つ六魔将軍が動いていると議題に上がってな~。そのため我々はギルド同士で連合軍を作り六魔将軍を叩くことに決まった。ギルドは妖精の尻尾、青い天馬、蛇姫の鱗、そしてワシら化猫の宿じゃ」

 

 

 

シャルル「六魔将軍を叩くのね」

 

 

 

ウェンディ「怖いです。フランくん」

 

 

 

フラン「大丈夫ですよー。」

 

 

ギルドメンバー全員が動揺しているが多分、化猫の宿から出るのはミーとシアン、ウェンディとシャルルだけですからねー。

 

 

 

ローバウル「そのため、我々からもメンバーを出すことになり、2人出すことにした」

 

 

 

嫌な予感、当たりましたー。

Help me!!!←

 

 

ローバウル「フラン、ウェンディ。この2人で行く!」

 

 

 

マグナ「頑張れよ!フラン!」

 

 

 

ミーはシアンの頭をながら頷く

 

 

 

フラン「死なない程度で頑張りますよー。」

 

 

 

シアン「いや、死んだからダメだよ。」

 

 

 

その時ウェンディがやって来ましたー。

 

 

 

ウェンディ「フランくん、マスターが部屋に来て欲しいって言ってたよ。それに明日はよ、よろしくね」

 

 

 

ローバウルのおじいさんがミーだけ呼ぶとなると…めんどくさい事になりそうですねー。

 

 

 

フラン「伝言ありがとうございますー。こちらこそよろしくですよー。ウェンディ」

 

 

とウェンディにいいミーはローバウルのおじいさんがいる部屋に向かいましたー。

まぁ大体の話は検討は付いていますけどねー。

コンコンッ

 

 

フラン「入りますよー。」

 

 

ガチャ ||.c( ゚ω゚`|

 

 

 

ローバウル「来たか、フラン。話と言うのはお前さんもなんとなく気づいているんじゃないかの?」

 

 

 

フラン「わかってますよー。"ニルヴァーナ"の事じゃないですかー?」

 

 

 

ローバウル「そうじゃ、六魔将軍は"ニルヴァーナ"を狙っておる。理由は分からんがな。」

 

 

 

フラン「マジですかー。って事は破壊されれば貴方の使命も終わりじゃ無いですかー。」

 

 

 

ローバウル「そうじゃ、破壊されればワシらの使命は終わりじゃ400年前の事も全て終わる。だからのフラン。明日"ニルヴァーナ"を連合軍と一緒に破壊して欲しい。ワシからの願いじゃ」

 

 

ローバウルのおじいさんは頭を下げて来ましたー。

仮にも化猫の宿のマスターが頭を下げていいんですかねー。

 

 

 

フラン「分かりましたー。引き受けますよー。」

 

 

 

ミーはローバウルのおじいさんに引き受ける事をいい部屋を後にして居間にいるウェンディたちに挨拶をしてシアンの首根っこを掴みながら家に帰りましたー。

 



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ミーたちは連合軍と合流しましたー。

ちょっと今回は長いです!


*

 

 

*翌日*

 

 

 

フラン「それでは、行ってきますー。」

 

 

 

マグナ「気おつけな〜!」

 

 

 

ペペル「頑張ってね!!!」

 

 

 

ギルドの皆さんからの応援を受けてミーたちは集合場所である、青い天馬(ブルーペガサス)のマスターの別荘に向かいますー。

 

 

 

ウェンディ「大丈夫でしょうか…?私なんかで…」

 

 

 

フラン「自信持って下さいよー。攻撃出来なくてもサポート魔法で頑張って下さいー。それに、妖精の尻尾にはあの"火竜"がいるんで情報があればいいんですけどねー。」

 

 

 

ウェンディ「う、うん!そうだよね!」

 

 

 

フラン「その意気ですよー。(今回は匣兵器は緊急時に使いますかー。)」

 

 

 

ウェンディの機嫌も直ったので急ぎますかー。

青い天馬の別荘に…

 

 

 

*数分後*

*ブルーペガサスマスターの別荘にて*

 

 

 

ここには今3つのギルドが来ている。妖精の尻尾、青い天馬、蛇姫の鱗、後は化猫の宿のみ

 

 

 

ジュラ「これで3つのギルドがそろった。残るは化猫の宿の連中のみだ」

 

 

 

一夜「連中は2人だけだと聞いてまーす。」

 

 

 

エルザ「2人だけだと!」

 

 

 

グレイ「こんな危ない作戦にたった2人だけをよこすだと!」

 

 

 

ルーシィ「ちょ、ちょっといったいどれだけやばいの!その2人は!」

 

 

 

一夜「1人は闇ギルドの精鋭を1人で倒したとか…」

 

 

 

ハッピー「たった1人で!」

 

 

 

ジュラ「それなら知っておる。頻繁に闇ギルドを襲い姿を見せずに無傷でクエストを終わらせる事から『闇ギルド潰し藍霧の幻術師』と呼ばれいる。ワシが知っているのはこれだけだ…」

 

 

 

ルーシィ「なんか、怖そうなんだけど…」

 

 

 

エルザ「だが、心強いな。その者がいるなら…」

 

 

 

連合軍の皆が話していると…

 

 

 

ウェンディ「うっうわぁ!」

 

 

 

フラン「ちょ、大丈夫ですかー?ウェンディ?」

 

 

 

ドンと音がして皆が振り返るとそこには青髪の少女がこけていて珍しいエメラルドグリーン色の髪の少年が少女に手を貸していた。

 

 

 

ウェンディ「はい~、大丈夫です。ありがとうございます。フランくん」

 

 

 

ナツ・グレイ「「ん?…」」

 

 

 

ウェンディは自分についているごみを払い終わると前を向いて

 

 

 

ウェンディ「あの~。遅れてごめんなさい。化猫の宿から来ましたウェンディ・マーベルと」

 

 

 

ウェンディはミーの方を向いて後はお願いしますと言っているようですねー。

 

 

 

フラン「めんどいんですけどー。ミーはフランっていいますー。」

 

 

 

ウェンディ「よろしくお願いします!!!」

 

 

 

フラン「よろしくする気は無いですー。ミーは1人の方が殺りやすいんで」

 

 

 

ミーたちは挨拶すると…

 

 

 

グレイ「なっ!?」

 

 

 

ルーシィ「子供!」

 

 

 

リオン「女!?それに男!?」

 

 

 

ナツ「ウェンディにフラン?」

 

 

 

皆さんがミーたちを見つめていますー。

視線痛いんですけどー。

 

 

 

一夜「お子ちゃま?」

 

 

 

いまミーの事をお子ちゃま呼ばわりしたあの人にはあとでたっぷりと幻術を欠けて巡らせますー。

 

 

 

エルザ「驚いたな。この子たちが」

 

 

 

青い天馬の人たちはウェンディしか見てませんー。ミーは用無しですかねー。

 

 

 

フラン「悪いんですけどー。ミーは子供でもお子ちゃまでもないんでー。そこんとこお願いしますよー。特に金髪の星霊魔道士さんとカッコ悪い変態さんー。」

 

 

 

ルーシィ「ごめんね…(なにこの子?凄い毒舌…)」

 

 

 

一夜「私はカッコ悪くないー。」

 

 

 

フラン「鏡見る事をおすすめしますよー。」

 

 

 

ウェンディ「フランくん、その辺にした方が…」

 

 

 

ジュラは二人を見た後ここにいる皆を見渡した。

 

 

 

ジュラ「これですべてのギルドがそろった」

 

 

 

グレイ「話進めるのかよ!」

 

 

 

妖精の尻尾の人がツッコミを入れましたー。

 

 

 

リオン「それにしても…」

 

 

 

シェリー「この大がかりな作戦にこんなお子様2人をよこすなんて。化猫の宿はどうゆうおつもりですの?」

 

 

 

だからミーを子供扱いしないで下さいー。

さっきも言ったんですけどねー。

とミーが心の中で思っていると…

 

 

シャルル「あら~、2人じゃないわよ。毛バイお姉さん」

 

 

 

シアン「そうだぞー。僕達も居るんだそー。」

 

 

 

他のギルドの人達が振り返ったら

 

 

 

皆(ミーとウェンディを除く)「ん?…」

 

 

 

ハッピー「うっはっ、うっはっ…」

 

 

 

妖精の尻尾の青猫は雷でも受けたような驚き顔をしていますー。

 

 

 

グレイ「猫!?」

 

 

 

リオン「そうだな」

 

 

 

ナツ「ハッピーと同じだ。」

 

 

 

シェリー「ひどいですは、毛バイだなんで」

 

 

 

ルーシィ「そっちなの!?」

 

 

 

ツッコミご苦労様ですねー。

それより…

 

 

 

フラン「来てたんですかー。シアン、シャルル」

 

 

 

ウェンディ「付いてきたの!?」

 

 

 

シャルル「えぇ、貴方の事が心配だったのよ。フランがいてもね…」

 

 

 

シアン「因みに僕もシャルルと同じでフランと一緒に居たかったからー。」

 

 

 

シアンはそう言うといつもの定位置であるミーのカエル帽の上に乗った。

てか、まだ始まんないですかねー。

 

 

 

フラン「ふわぁー。あくびごめんなさいー。わざとじゃないんでー。」

 

 

 

ウェンディ「あ、あの~。私戦闘は全然できませんけど皆さんのサポートが出来る魔法はたくさん使えます。だから、だから仲間外れにしないでください~」

 

 

 

なんで弱気になるんですかねー。

ウェンディが半泣きで言いましたー。

全くめんどいんですけどー。

 

 

 

フラン「泣かないで下さいよー。」

 

 

 

ミーはいつものポーカーフェイスで話しましたー。

他のギルドの皆さんが少し驚いていますー。

 

 

 

シャルル「そんな弱気だからなめられるの、あんたは。フランを見習いなさいよ」

 

 

 

フラン「なんでミーなんですかー。」

 

 

 

シアン「だって、フランは此処に来てもまったく動揺してないよ」

 

 

 

フラン「それは褒めてるんですかねー。」

 

 

 

シアン「誉めてるよ!」

 

 

 

ウェンディ「うん、頑張ります!」

 

 

 

シャルル「それでいいのよ!」

 

 

 

エルザ「すまんな。少々驚いたがそんなつもりはない。よろしく頼むな、ウェンディ、フラン」

 

 

 

ウェンディが喜びながら

 

 

 

ウェンディ「わぁ~、本物のエルザさんだよシャルル~」

 

 

 

シャルル「思ってたよりいい女ね」

 

 

 

フラン「噂は聞いてますよー。妖精女王さんー。妖精の尻尾最強の女魔道士とかなんとかー。」

 

 

 

エルザ「あぁ、ありがとうな。フラン」

 

 

 

フラン「いえいえ別にー。」

 

 

 

その時、青い天馬の一夜と蛇姫の鱗のジュラが何かを話していましたー。

 

 

 

一夜「あの娘なんというパルファムだ。それにあの少年のパルファムは嗅いだことがない。2人共只者ではないな」

 

 

 

ジュラ「きづいたか、一夜殿。あれはワシらと違う魔力だ。エルザ殿も気付いているようだな」

 

 

 

一夜「さすがはエルザさんー!」

 

 

 

青い天馬の3人が何かをしていましたがミーは気にしないでボーっとしてましたが…

 

 

 

一夜「それでは全員集まったようなので、今から作戦の説明をしよう」

 

 

 

やっと説明が始まるようですねー。

はぁ、長すぎですよー。

 

 



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ミーは六魔将軍の事を説明されましたー。

*

 

 

 

一夜「まずは六魔将軍が集結している場所だが…」

 

 

 

カッコ悪い人がミーたちを見て言いましたー。

そしてそのあと少しの沈黙がありましてー。

 

 

 

一夜「と、その前にトイレのパルファムを…」

 

 

 

とカッコ悪い人がトイレに行きましたー。

 

 

 

フラン「普通に行けないんですかねー。あの人はー。」

 

 

 

ミーがツッコミをしていると妖精女王さんが話し掛けて来ましたー。

 

 

 

エルザ「そういえば、闇ギルドの精鋭を1人で倒した魔導士というのは君か?」

 

 

 

フラン「だったらどうなんですかー。」

 

 

 

ヒビキ「そういえばそうだね、確か情報では男で『闇ギルド潰し藍霧の幻術師』と言われるからね。」

 

 

 

エルザ「確かに魔力が高いな…」

 

 

 

フラン「へぇー、ミーってそう呼ばれてるんですねー。知りませんでしたー。」

 

 

 

シェリー「こんな子供が!」

 

 

 

 

フラン「だからミーを子供扱いしないで下さいー。こう見えてもミーは17歳なんですからー。」

 

 

 

そんなやり取りをミーたちがしているとカッコ悪い人がトイレから帰って来ましたー。

一瞬、カッコ悪い人から変な感じがしましたー。

一応、警戒しときましょうかー。

 

 

 

シアン「どうかした?フラン」

 

 

 

フラン「なんでも無いですよー。」

 

 

 

一夜「ここから北に行くとワース樹海が広がっている。古代人たちはその樹海にある巨大な魔法を封印した。その名はニルヴァーナ!」

 

 

 

ナツ「ニルヴァーナ?」

 

 

 

リオン「聞かぬ魔法だ…」

 

 

 

シェリー「ジュラ様は?」

 

 

 

ジュラ「いや、知らんな」

 

 

 

レン「古代人が封印するほどの破壊魔法、ということだけはわかっているが…」

 

 

 

フラン「どんな魔法かはわかっていないんですねー。(ミーは知ってますけどー。)」

 

 

 

シアン「破壊魔法か…」

 

 

 

シアンが深刻そうな顔で言いましたー。

 

 

 

ルーシィ「なんかいやな予感が…」

 

 

 

ウェンディ「ゴクリッ」

 

 

 

ヒビキ「六魔将軍が樹海に集結したのはおそらくニルヴァーナを手に入れるためなんだと思うんだ。」

 

 

 

はぁ、全くめんどい事をしますよねー。

六魔将軍の皆さんー。

 

 

 

一夜「我々はそれを止める為に…」

 

 

 

一夜、ヒビキ、イヴ、レン「「「「六魔将軍を討つ」」」」

 

 

 

4人がポーズを決めながら言いましたー。

けど、

 

 

 

フラン「いい大人がそんな事して楽しいんですかー。鏡を見る事をおすすめしますよー。」

 

 

 

ルーシィ「やっぱりポーズなのね…」

 

 

 

グレイ「フランが突っ込んくれて俺は言わずに済んだ」

 

 

 

ミーのお陰で裸の変態さんが呆れたように言いましたー。

 

 

 

レン「こっちは13人、敵は6人」

 

 

 

イヴ「だけどあなどっちゃいけない」

 

 

 

ヒビキ「この6人がまたとんでもなく強いんだ」

 

 

 

キラキラの王子風の人(ベル先輩ですかねー。笑)がアーカイブって魔法を出しながら言いましたー。

そして六魔将軍の画像をだしながらキラキラの王子風の人が言いましたー。

 

 

 

ヒビキ「これは最近ようやく手に入れたやつらの映像だ。毒蛇を使う魔導士コブラ、その名からしてスピード系の魔法を使うと思われるレーサー、天眼のホットアイ、心を覗けるという女エンジェル、情報が少ないがミッドナイトとよばれている男、そして奴らの司令塔ブレイン。それぞれがたった1人でギルドの1つくらいは潰せるほどの魔力を持つ。我々は数的有利を利用するんだ。」

 

 

 

フラン「(ふ〜ん、元マフィアのミーから言えば雑魚当然ですねー。大空の調和と雨の沈静と嵐の分解と雲の増殖があれば一瞬で終わりですねー。)」

 

 

 

ヒビキ「1人1人が強いため、我々は数的有利を使うんだ」

 

 

 

フラン「1ついいですかねー?」

 

 

 

皆さんがミーの方を向きましたー。

 

 

 

ヒビキ「何かな?」

 

 

 

フラン「全員で戦うのは分かりましたけど、ミーの魔法は対象者だけじゃなく味方の皆さんにも掛かってしまう魔法なのでよろしくですー。」

 

 

 

エルザ「分かったが、具体にはどういう魔法なのだ?」

 

 

 

フラン「そうですねー。多分、想像を絶する頭痛をすると思いますよー。本番はちゃんとやりますけどー。」

 

 

 

ヒビキ「ありがとう、フランくん」

 

 

 

フラン「いえいえー。」

 

 

 

ミーの話が終わると話が六魔将軍の事に戻りましたー。

 



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ミーは六魔将軍の事を説明されましたー。2

*

 

 

ミーの話が終わるとキラキラの王子風の人が話し出しましたー。その時、妖精の尻尾の金髪の女の人が言うと、便乗してウェンディも同じような事をいい出しましたー。

 

 

 

ルーシィ「あの~、私は頭数に入れないでほしいんだけど~」

 

 

 

ウェンディ「私も戦うのは苦手です…」

 

 

 

シャルル「ウェンディ、弱音吐かないの!」

 

 

 

フラン「そうですよー。」

 

 

 

シアン「うん!」

 

 

 

暑くてミーは頭のカエル帽が蒸れていますー。

なので話してる途中ですけど皆さん見てないので一旦カエル帽を脱ぎましたー。

 

 

 

一夜「安心したまえ、我々の作戦は戦闘だけにあらず。やつらの拠点を見つけてくれればいい」

 

 

 

ナツ「拠点?」

 

 

レン「あー!そうだ。今はまだ捕捉していないがな」

 

 

 

イヴ「樹海にはやつらの仮説拠点があると推測されるんだ」

 

 

 

一夜「もし可能なら、やつら全員をその拠点に集めてほしい」

 

 

 

フラン「めんどくさいですねー。(幻術で狂わせればいいんですけどねー。)」

 

 

 

グレイ「どうやって?」

 

 

 

ナツ「殴ってに決まってんだろ!」

 

 

 

火竜さんがやる気十分の顔で言いましたー。

まるで戦闘狂のあの人見たいですねー。

 

 

 

ルーシィ「結局戦うんじゃないの!!」

 

 

 

シアン「集めてどうするのー。」

 

 

 

するとカッコ悪い人が空を示しましたー。

 

 

 

一夜「我がギルドが大陸に誇る天馬、その名もクリスティーナで拠点もろとも葬り去る。」

 

 

 

エルザ「ほぅ…」

 

 

 

シェリー「それって、魔道爆撃艇の事ですの?」

 

 

 

ルーシィ「とゆうか、人間相手にそこまでする~!」

 

 

 

フラン「バカなんじゃないんですかー。そういう相手なんですよー。」

 

 

 

ルーシィ「は、はい!」

 

 

 

なんで敬語なんですかねー。

ミーは普通に喋っただけなんですけどー。

 

 

 

ジュラ「よいか!戦闘になっても決して1人では戦ってはいかん。必ず2人以上でやるんだ。」

 

 

 

フラン「ミーは、1人で行動しますのでそこんとこよろしくですー。」

 

 

 

その言葉に皆頷きそして驚きましたー。

 

 

 

リオン「1人で大丈夫なのか?」

 

 

 

フラン「ご心配無用ですー。1人の方が戦いやすいのでねー。(前世でも1人で任務してましたしー。)」

 

 

 

ルーシィ「そんな物騒な~」

 

 

 

ウェンディ「うぅ~怖いです~」

 

 

 

2人が泣き泣き言いましたー。

 

 

 

ナツ「よ~し。燃えてきたぞ!」

 

 

火竜が拳に炎をともしながらいい…そして、別荘の扉を突き破り走って行きましたー。

 

 

 

ナツ「6人まとめて相手してやら~!」

 

 

 

ルーシィ「ちょっとナツ!」

 

 

 

金髪の女の人が呼び止めるも、すでに見えなりましたー。

やっぱりバカなんじゃないんですかねー。

ミーは諦めそうですー。

 

 

 

 

 



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ミーは六魔将軍と戦うようですー。

*

 

 

 

ナツ「六人まとめて相手してやら~!」

 

 

 

火竜さんが拳に炎をともしながら言いましたー。

そして、別荘の扉を突き破り走って行きましたねー。

 

 

 

エルザ「まったくあいつは…」

 

 

 

グレイ「つか、作戦聞いてねーだろ」

 

 

 

ハッピー「あい!それがナツです!」

 

 

 

フラン「馬鹿な人ですー。」

 

 

 

シアン「うんうん!」

 

 

 

レン「おいおい…」

 

 

 

イブ「ひどいや…」

 

 

 

ヒビキ「扉、開けてけよ」

 

 

 

キラキラの王子風の人はそう言いますけど、無理だと思いますよー。火竜さんは物を壊す人ですからー。

怒りん坊のボスも色んな物を壊してアホのロン毛隊長に投げつけてましたからねー。

でも、それよりはマシじゃないですかー。

 

 

 

エルザ「仕方ない、行くぞ」

 

 

 

グレイ「あのバカ…」

 

 

 

リオン「妖精の尻尾には負けられんな。行くぞシェリー」

 

 

 

シェリー「はい!」

 

 

 

ジュラ「リオン、シェリー!」

 

 

 

蛇姫の鱗の聖十のさん呼び止めも聞かず2人は走って行きましたー。

 

 

 

レン「俺たちも行くぞ!」

 

 

 

イブ「うん!」

 

 

 

ヒビキ「エンジェルか~!」

 

 

 

キラキラの王子風(仮)さんは、女の人しか頭にないらしいですー。それにウェンディは焦りに焦りまくっていましたー。

 

 

 

フラン「さてさて、ミーたちも行くとしましょうかー。」

 

 

 

シアン「おー!」

 

 

 

ミーはカエル帽にシアンを乗せてウェンディの手を取り走りましたー。もちろん、シャルルもついて来てますよー。

 

 

 

ジュラ「やれやれ。とりあえずは作戦開始だ。我々も行くとしようか。」

 

 

 

一夜「その前にジュラさん。あの聖十大魔道と聞いていますが、その実力はあの妖精の尻尾のマスターマカロフに匹敵するので?」

 

 

 

ジュラ「いや!めっそうもない。同じ称号を持っていても私は仮席、マカロフ殿と比べられたら天と地ほどの差があるよ。」

 

 

 

一夜「それを聞いて安心しました。」

 

 

 

すると一夜がビンの蓋を開けた

 

 

 

一夜「マカロフと同じ強さだったらどうしようと思いましてね。」

 

 

 

一夜(仮)「相手を戦意喪失させる魔法のパルファムです!」

 

 

 

ジュラ「一夜殿、これは、いったい…」

 

 

 

するとまたビンの蓋を開けた。その匂いを嗅いだジュラは体に衝撃が走ったように呻きだす。

 

 

 

一夜(仮)「さらにこれはあらゆる痛覚を刺激して全身に激痛を走らせる香…じゃなくてパルファム!だってさ!」

 

 

 

すると一夜だった体が煙に覆われ二体の星霊が姿を現した。

それと同時になんと六魔将軍のエンジェルと言う女が出てきた。

 

 

 

ジュラ「こ、これは、いったい」

 

 

 

ジュラは苦しみながらもエンジェルに問いかける

 

 

 

エンジェル「あぁ汚い男ね~。コピーさせてもらったゾ。そのおかげであなた達の作戦は全てわかったゾ」

 

 

 

ジュラ「なっ!!!」

 

 

 

エンジェル「は~い。まずは2人仕留めたゾ。光の子はこのエンジェルに裁かれるんだゾ。」

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

フランsaid

 

 

ミーのsaidとかあるんですねー。

はじめて知りましたー。

さて、ミーたちは今火竜さんを追いながら六魔将軍の潜んでいると思われる樹海に向かっていましたー。

そしていま火竜さんが落ちましたー。あ~って声が聞こえたのでねー。

 

 

シャルル「ウェンディ、もたもたしない」

 

 

 

ウェンディ「だってー」

 

 

 

やっと火竜さん達に追いつくと火竜さんと裸の変態さんが喧嘩していましたー。

それを止めたのは、やはり妖精の女王さんでしたー。

 

 

 

エルザ「見ろ!!!」

 

 

 

妖精の女王さんが上を見ていたのでミーも見るとそこにはあの青い天馬のクリスティーナが飛んでいましたー。

 

 

 

シャルル「ちょっとは期待できそうね。」

 

 

 

エルザ「よし、手分けしてやつらの拠点を探すぞ。」

 

 

 

コトコトッ

 

 

 

フラン「!?(いま匣は揺れた…それも揺れたのはベスターの匣ですねー。何かを察知したんですねー。万が一なんで開口して岩陰に隠れて貰いましょうかー。)」

 

 

 

ミーは匣を開口する所を他のギルドの人たちには見せられないので幻覚を掛けてベスターを開口してベスターは岩陰の方に向かいましたー。

 

 

 

ナツ「何の話だ?」

 

 

 

グレイ「お前なー!!!」

 

 

 

裸の変態さんが続きを言おうとすると、青い天馬のクリスティーナが爆発しましたー。

 

 

 

ルーシィ「えっ!」

 

 

 

ヒビキ「クリスティーナが!」

 

 

 

青い天馬のクリスティーナはそのまま落ちて行きましたー。皆が驚いているとミーと多分火竜さんも匂いを察しましたー。

 

 

 

フラン「来ましたねー。」

 

 

 

ナツ「おい!」

 

 

 

グレイ「あ~誰か来たぞ!気を抜くなよ!」

 

 

 

皆さんが身構えましたねー。ミーも一応槍を持ち幻覚で姿を隠しましたー。しばらくは観戦ですかねー。

しかしウェンディは怯えて岩陰に隠れてしまいましたー。すると煙の中から六魔将軍が出て来ましたー。

メンツが濃すぎですー。

 

 

ブレイン「ふん。ウジどもが群がりおって」

 

 

 

エンジェル「君たちの考えはお見通しだゾ」

 

 

 

星霊「ジュラと一夜もやっつけたぞ」

 

 

 

へぇ、やっぱりカッコ悪い人は偽物さんだったんですねー。

 

 

 

リオン「何!?」

 

 

 

ヒビキ「バカな!!」

 

 

 

コブラ「動揺しているな。聞こえるぞ…」

 

 

 

レーサー「仕事は早い方がいい。それにはあんたら邪魔なんだよ」

 

 

 

ホットアイ「お金は人を強くする、ですネ!いいことを教えましょう世の中は金がすべてそして!コブラ・レーサー「「お前は黙ってろ!ホットアイ」」」

 

 

 

ミッドナイト「ぐぅー~~~~」

 

 

 

ルーシィ「なんか1人眠ってるんですけど…」

 

 

 

金髪の人ツッコまなくていいんですよー。

さて、六魔将軍の戦闘力を見せて貰いましょうかー。

ミーが勝つ為に…

 

 



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ミーは六魔将軍と戦いましたー。

遅くなって申し訳ないです。ごめんなさい。


*

 

 

 

グレイ「…まさかそっちから現れるとはな」

 

 

 

ナツ「…おい」

 

 

 

グレイ「あぁ」

 

 

 

火竜さんがゴキッと指を鳴らして、裸の変態さんと共に走り出しましたー。ファイトですよー。

 

 

 

コブラ「…ふ、聞こえるぞ」

 

 

 

ナツ、グレイ「「探す手間が省けたぜー!!」」

 

 

 

フラン「(あの蛇男さんは警戒した方が良さそうですねー。なんか嫌な匂いがしますしー。それにミーは暗殺の感覚が戻って来る感じがしてますしー)」

 

 

 

真っ直ぐ向かってくる2人をブレインは冷めた目で見やり、短くやれ、と六魔将軍に呟いた。

 

 

 

レーサー「OK」

 

 

 

ブレインの命令に答え、一瞬で2人の背後をとったのはレーサー。2人が振り返る時には既に攻撃された後だった。

 

 

 

フラン「速いですねー。」

 

 

 

ルーシィ「「ナツ!グレイ!」」

 

 

 

ルーシィ「…え」

 

 

 

自分の声が重なって聞こえ、隣に目を向けると自分と全く同じ姿をした者がいた。

 

 

 

フラン「おお、面白いですねー。」

 

 

 

ミーは呑気に拍手を送りまた戦いを観戦しますー。

 

 

 

星霊「ばーかー!」

 

 

 

ルーシィ「な、何これー!?」

 

 

 

自分と同じ姿をした者に攻撃され、混乱している金髪の人を妖しい笑みを浮かべながら眺めているエンジェル。

蛇姫の鱗もホットアイの能力に捕まり、身動きが取れない。

 

 

 

ヒビキ「僕はエンジェルを!」

 

 

 

イヴ「ずるいや」

 

 

 

レン「俺は頭をやる!」

 

 

 

そう言って駆けるトライメンズを目にも止まらぬ速さで攻撃するレーサー。

 

 

 

フラン「弱すぎですねー。これならボンゴレ達の方が何倍も強いと思いますねー。」

 

 

 

それからは妖精の女王が毒でやられ残っているのはミーとウェンディだけどなりましたー。

さて、行きましょう。

この戦いに生き残れるのはどっちでしょう?

ミーたち連合軍か又は闇ギルド六魔将軍か?

 

 

 

 

ブレイン「消えろ!常闇回旋曲(ダークロンド)」

 

 

 

その時俺たちの前に出てきたのは…

 

 

 

フラン「情けないですねー。これでもミーたちは連合軍なのに六魔将軍にやられるなんて情けないですー。」

 

 

 

ウェンディ「フランくん…」

 

 

 

ヒビキ「逃げるんだ!フランくん」

 

 

 

フラン「逃げたいならとっくに逃げてますからー。あーあー。最後まで観覧しようとしたのにめんどいですー!」

 

 

 

フランがいろいろ喋っているとブレインの魔法がフランに直撃しようとしたけど

 

 

 

フラン「ベスター!!!」

 

 

 

ベスター「GAHHH!!!」

 

 

 

轟くベスターの咆哮。

 

 

 

ピタ…………

 

 

 

ベスタ―の咆哮によって、その動きを止め徐々にブレインの魔法が石化して粉々になった。

 

 

 

そしてベスターが姿を表した。

 

 

 

ハッピー「ライオン?」

 

 

 

悠々と王者の風格を漂わせ、歩み出るベスタ―。

 

 

 

フラン「ただのライオンじゃ無いですよー。」

 

 

 

天空ライオン《レオネ・デイ・チエーリ》

 

 

 

百獣の王にふさわしい、その風格。

 

 

 

怒りん坊ボスの匣兵器。

 

 

 

エンジェル「ブレインの魔法が粉々になったゾ」

 

 

 

リオン「すごい」

 

 

 

シェリー「私達でも叶わなかったのに…」

 

 

 

フランとベスターは仲間の前に立つように、六魔将軍たちはブレインを守るように着地する。

 

 

 

フラン「さぁ、戦いを始めましょうか?アンタ達は幻覚と拷問どっちが好きですか?好きな方で戦ってあげますからー。」

 

 

 

その時フランの666ヘルリングとムクロウの匣兵器が怪しく光ったのはフランは知らない

 

 



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ミーは六魔将軍と5対1で戦いますー。

*

 

 

 

最初に真っ先に飛び出したのはコブラだった。

 

 

 

「聞こえるぞ!」

 

 

 

「それは、よかったですねー!」

 

 

 

「なっ」

 

 

 

フランの最初の一撃は予測していた通りの場所を狙ってきた。

コブラは易々とそれを避け、フランの隙を突こうと攻撃するが、既に次の攻撃を放っていたフラン。

目を見開くコブラの目前に蹴りが迫る。

 

 

 

「(やっぱり修羅道を使うと戦いやすいですねー。)」

 

 

 

「修羅道?だと」

 

 

 

「あっ、やっぱり聞こえるんですねー。めんどくさい相手ですねー。」

 

 

 

目を見開くコブラの目前に蹴りが迫る。

 

 

 

「甘いぞ…」

 

 

 

「アイスメイク 盾(シールド)!」

 

 

 

「(・ε・`)チェッ…」

 

 

 

後数センチというところで、コブラの目の前に氷の盾が広がり、フランの蹴りを防いだ。

目を向ければ、エンジェルの隣に並ぶように立っている変態裸男の姿。

 

 

 

あの人形星霊の能力ですかー。

一旦、距離を置こうとしましたけど出来ませんねー。

仕方ないですね…奥の手に残しておこうと思ったんですけどねー。

ミーはヴァリアーリングから666のヘルリングに付け替えましたー。

 

 

 

「悪いこと言わないんで…死にたくなかった逃げた方がいいですよー。」

 

 

 

「ふざけんな!!」

 

 

 

レーサーを呼ばれる人がフランの挑発に乗って来て加速で勢いの増した蹴りをフランの背に放つ。

 

 

 

「…あっ?」

 

 

 

しかし、手応えのなさにレーサーは訝しげに眉を寄せる。

確かに背を蹴り上げた。

だが、感触がない。

 

 

 

「上だ!レーサー!」

 

 

 

「何!?」

 

 

 

コブラの言葉にバッと空を仰ぎ見ると、無数の黒い鴉共に空を舞うフランがいた。

先程レーサーが蹴り上げたのは、フランの幻覚。

 

 

 

「ありがとうございましたー。引っ掛かってくれて行って下さいー。舞え鴉ども、現限幻(ゲン)獣 六夢無(ム)骸鴉!!!」

 

 

 

フランの命を受け、鴉達はレーサー目掛け一気に降下する。

 

 

 

「…リキットグラウンド!」

 

 

 

「無駄ですよー。」

 

 

 

ホットアイの声と共に地面が盛り上がり、レーサーを守るように包み込むがそれは無意味だった。

 

 

 

「──────キュベリオス!」

 

 

 

「…ベスター!!!」

 

 

GAHHH!!!

 

 

今度は牙を剥いた大蛇が盛り上がった地面を越えて現れ、口から毒の霧をフランへと噴射したが…ベスターの咆哮で撃破した。

 

 

 

「良くやりました、ベスター!」

 

 

 

「グルルッ」

 

 

 

フランは槍とムクロウの匣を持ちならが仲間の前に立つようにして、六魔たちはブレインを守るように着地する。

 

 

 

睨み合う両者。

未だに動けない仲間たちは、ただただ目の前の闘いに驚くことしかできずにいた。

 

 

 

「な、何なんですの…この闘い…」

 

 

 

「六魔相手にたった一人と1匹で…」

 

 

 

「彼は一体…」

 

 

 

「…くそ」

 

 

一人で闘っているフランを援護しようと、必死に腕に力を込め、起き上がろうとするエルザ。

だが、キュベリオスに噛まれた部分に激痛が走り、崩れ落ちる。

 

 

 

「……ほう…我ら相手にここまでやるか。やはりお前はおしいな」

 

 

「やですー。ミーはあくまでも化猫の宿の魔道士なのでー!」

 



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ミーは頑張りましたー。けどウェンディが連れ去られましたー。

久しぶりの更新かな?


よろしくお願いしますm(*_ _)m


*

 

 

 

ブレインがニヤリと笑みを浮かべ杖を空に翳すと同時に、フランの足元に魔法陣が広がる。

 

 

 

「くっ…(やられましたねー。この重力はシモンの彼以上ですかねー?)」

 

 

「くく、動けまい」

 

 

 

反応する前に発動した魔法陣の効果により、フランの体に大きな圧力がかかり耐えきれずに膝をつく。

魔法陣が広がる地面には亀裂が走ってフランの受けているその圧力の重さが測れる。

 

 

 

「非常におしいなフランとやらよ。我らの邪魔をするのならば貴様もゴミ共と共に消え去るがよい」

 

 

そう言うブレインの翳した杖からは緑を帯びた闇が現れる。

大地が震える程の禍々しく強大な魔力。

 

 

 

「(なんて魔力なんですかねー。ムクロウはウェンディの側にいますね。)」

 

 

「常闇回旋曲(ダークロンド)…──────!?」

 

 

 

自分たちの邪魔になる存在を消し去るためブレインが魔法を発動させようとした。

 

その時、その目に岩陰で震えるウェンディの姿が目に入った。

途端に汗を浮かべ魔法を停止させるブレイン。

 

 

 

「どうしたブレイン?」

 

 

「何故魔法を止める?」

 

 

 

訝しげに眉を寄せているコブラとレーサーの問いにブレインは答えずにただウェンディを見つめていた。

 

 

 

「…、ウェンディ…」

 

 

「、ぇ…え…?」

 

 

「知り合いか?」

 

 

 

目を見開き固まったままのブレインにコブラが首を傾げながら尋ねる。

そのコブラの問いにブレインは静かに頷き妖しい笑みを浮かべた。

 

 

 

「…間違いない。ウェンディ─────天空の巫女でエメラルドグリーンの男は『闇ギルド潰し藍霧の幻術師』だったかな?」

 

 

「「「!!」」」

 

 

 

ブレインの言葉に六魔将軍が目の色を変えた。

 

 

 

「な、に…それ…?」

 

 

「(なるほど、天空の滅竜魔道士からの異名ですねー。)」

 

 

 

六魔将軍の突き刺さる様な視線に耐えきれずに目に涙を浮かべて頭を抱えるウェンディ。

 

 

「こんな所で会えるとはな…これは良いものを拾ったな」

 

 

「…!っ逃げて下さいー!ウェンディー!!」

 

 

「、ぇ…?」

 

 

「─────来い!」

 

 

「きゃぁ…!!」

 

 

 

嫌な予感がしてフランがウェンディに逃げるように言った。

その時、ブレインの杖から実体を持った魔力が溢れ出した。

そしてその魔力は手へと姿を変えウェンディの体を掴み上げた。

 

 

「「ウェンディ!!」」

 

 

「っ何しやがる…この…、っ!?」

 

 

「金に上下の隔てなし!!」

 

 

「ぐ、ぁ…っ!」

 

 

 

助けに入るべく腕に力を込めて立ち上がろうとする火竜さんだが…それをホットアイが許さない。

 

 

 

「っきゃぁ!」

 

 

「待って…!うわぁぁ!」

 

 

「ウェンディ!!」

 

 

「ムクロウ!!頼みましたー!!」

 

 

「ハッピー!!」

 

 

 

ムクロウはウェンディはハッピーと共にブレインの杖に吸収されてしまった。

 

 

 

「…うぬらにもう用はない。…消えよ、常闇回旋曲(ダークロンド)!!」

 

 

 

ブレインの攻撃が放たれたとほぼ同時に動きを封じていた魔法を無理やり破ったフラン。

一瞬反応が遅れたがコブラがキュベリオスに止めるように指示をする。

しかし、キュベリオスの牙はフランの首を掠っただけで突き刺さることはなかった。

 

 

 

「伏せて下さいー!!」

 

 

 

皆が驚く中、フランは大声でそう叫び霧属性の膜を展開する。

間髪入れずブレインの攻撃が容赦なく霧属性で作った膜に降り注ぐ。

 

 

 

「っつ…」

 

 

強大な魔力の重圧で骨が軋む。

フランは歯をギリッと噛み締めブレインの攻撃を何とか耐えきった。

だが、思った以上に死ぬ気の炎を使ったのでフランの額から汗が垂れる。

 

 

「疲れましたー。」

 

 

「、おぉ…!」

 

 

「凄いや…フランくん!!」

 

 

「ありがとう、助かったよ!」

 

 

 

口々に礼を言ってくる人達の無事を確認し、フランはガクッと膝をつく。

 

 

「おい!大丈夫かよフラン?」

 

 

「大丈夫じゃないですねー。」

 

 

「うわ…!首から血が出てるじゃない!」

 

 

「さっき蛇に噛まれましたからねー。」

 

 

 

そう言ってビリビリ痛む首に手を持っていくとドロッとした生暖かいものが手に触れた。

 

 

 

「(この程度の毒は慣れてますしねー。)」

 

 

 

ふと思い出したようにフランはバッと勢いよくブレインたちの方向を向いた。

そこには既に六魔将軍たちの姿はなかった。

想像以上の強さに苦渋の表情を浮かべる仲間たち。

六魔将軍の魔力は集めていた情報を上回っており頼りのクリスティーナまで破壊されてしまった。

攫われたウェンディとムクロウと火竜の相棒ハッピーも救出しなければならないし再び作戦を練り直さなければならない。



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ミーは、スクアーロ作戦隊長の過去を思い出しましたー。

タイトルは、テキトーに付けたそうですよー。

では、本編にどうぞー。ミーの活躍あるかなー?

Byフラン
どろん!! |ω・) |・) |) ※パッ


*

 

 

 

ウェンディ達が連れ去られて重々しい表情でこれからのことについて皆で頭を悩ませていると…

 

 

「─────皆、無事だったか…!」

 

 

「ジュラ様!」

 

 

所々にまだ新しい傷をつくった蛇姫の鱗のジュラが安堵の息を吐きながら近付いてきた。

 

 

「フランくんがいなかったら危なかったよ…」

 

 

「そうか…助かった、フラン殿」

 

 

「いえいえー。でも疲れましたー。」

 

 

笑みを浮かべ、少し頭を下げるジュラをフランはいつもの毒舌で言葉を返した。

 

 

「ジュラさんも無事でよかった…」

 

 

「…いや、危ういところだった。今は一夜殿の痛み止めのパルファムで一時的に抑えられているが…」

 

 

「六魔将軍め、我々が到着した途端に逃げ出すとは…さては恐れをなしたな!」

 

 

「アンタもボロボロじゃねぇか!」

 

 

フランとジュラ同様、全身怪我だらけの一夜。

だが、痛み止めのパルファムの効力で痛みを緩和しているようだ。

 

 

一夜は桃色の液体の入った試験管のコルクを外し、皆にも痛み止めのパルファムを使った。

良い香りが鼻を掠めたと同時に、痛みが引いていく。

 

 

「少し匂いキツいですよー。使わない方がいいんじゃないですかー?」

 

 

「フランくん、一夜さんが落ち込んでるからその辺にしといて…」

 

 

「ぐ、うぅ…」

 

 

呻き声がした方にフランが目を向けると、苦痛に顔を歪ませ、腕を押さえつけた妖精女王の姿が目に入った。

その腕は毒々しい色に変色してしまっている。

 

 

「(あの蛇の毒ですね…ミーは大丈夫ですけど普通の人はああなりますよねー。)」

 

 

「っ…一夜様…!!」

 

 

「うむ!マイハニーのために…痛み止めのパルファム増強!」

 

 

一夜がエルザの受けた毒を浄化しようとパルファムの量を増やすが、何故か効果が見られない。

本来ならば、痛み止めのパルファムは毒を簡単に浄化してしまう筈なのだが…。

 

 

「効いてませんねー。このままじゃマズいですよー。」

 

 

「っぐ…ルーシィ…すまん。ベルトを借りる…!」

 

 

「え!!」

 

 

そう言ってルーシィの腰からベルトを抜き取るエルザ。

そのベルトをエルザは毒が体に回らないようきつく縛り付ける。

 

 

「何するのよ、エルザ?」

 

 

「すまん…このままで闘えんのでな…」

 

 

「(大胆過ぎじゃなんですか?腕を切り落とすって…スクアーロ隊長と同じですけどー。けどFAIRYTAILの皆さんは反対でしょうねー。)」

 

 

 

エルザの意図を理解したフラン。

その剣へと防具を外したエルザが腕を向ける。

 

 

 

「斬り落とせ!!」

 

 

「「!!」」

 

 

「っ…馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ!」

 

 

グレイがカッとエルザに食い掛かる。

 

 

それもその筈。

毒が全身に回る前にエルザは自分の腕を斬り落とせと言うのだ。

 

 

エルザは懇願するように目を閉じる。

治癒魔法が使える者がいない今、毒からエルザを救うには腕を斬り落とす他ない。

 

 

「(ウェンディがいないので治癒魔法使えないんですよねー。ミーは晴れの炎を持って無いですしー。滅竜魔法は使えないですしー。)」

 

 

「っ…頼、む…誰か…!」

 

 

「────…わかった。俺がやろう」

 

 

制止の声を無視し、誰も取ろうとしなかった剣をリオンがゆっくりと引き抜いた。

そしてその切っ先をエルザへと向ける。

 

 

「リオンやめろ!!」

 

「や、れ…!」

 

「よせ!」

 

 

リオンの前にグレイが立ちはだかり、エルザを庇う。

 

 

「リオン…本当にやる気なの?」

 

 

「今俺たちはこの女を失うわけにはいかん」

 

 

「けど!!」

 

 

「もう!!どれだけ甘いんですの、妖精さんは!!このままではエルザさんは死んでしまうんですのよ?」

 

 

「リオンさん、やっちゃって下さいー!」

 

 

全員、フランを見る。

 

 

「フランくん!でも!!」

 

 

ルーシィはフランの言葉を否定しそうだった。

 

 

「腕を切り落としたら人生終了なんですかー?」

 

 

「え!?」

 

 

全員が驚く。

 

 

「ミーの故郷には魔道士は余りにも居なくて半分は武器を持たない人達。もう半分は武器を手に取り戦う人達がいます。その中にミーの大切な人は左手が無いんですよー。その人は少年時代に剣の道を目指してましたー。剣を持ついろんな人に戦いを挑み遂に100人の人間を倒しましたー。」

 

 

「そして14歳の時ある組織のボスであった剣帝と名乗る人からにスカウトされたんですよー。ミーの大切な人はある組織の入隊条件に剣帝に決闘を申し込みましたー。

2人は休まずに二日間の死闘を繰り広げ、ついにミーの大切な人は剣帝を倒しある組織のボス候補となりましたー。」

 

 

「しかし、ミーの大切な人は左手を持たないの剣帝の剣を理解する為に左手をなくしてその後は義手をはめて今も生きていますー。2代目剣帝として…。 ミーの話はここまでですよー。あとは皆さんで相談して下さいー。早くしないと毒回りますよー。」

 

 

フランの言う通り、このまま毒が全身に回ればエルザの命はない。

FAIRYTAILの者だけでなく、トライメンズも腕を斬り落とすことを止めようとするが、エルザの意思を尊重しようとするジュラによって阻まれる。

 

 

「やるんだ…早、く…!」

 

 

エルザは再びギュッと目を瞑り、リオンを急かす。

 

 

「…行くぞ!」

 

 

リオンのその手からは赤い血がボタボタと伝い落ちていた。

 

 

「貴様はこの女の命より腕の方が大事か!?」

 

 

「…悪いな。全部大事なんだ…」

 

 

「…何?」

 

 

「短絡的に考えるな。何か方法があるはずだ。」

 

 

その時、フランはシャルルにアイコンタクトをした。

シャルルはフランの意図が分かったのか頷いた。

 

 

 

 

 

 




(。・ω・)ノ゙ コンチャ♪
お久しぶりです。
間が空いてしまいましたが更新しました。
これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m


ps,
妖怪ウォッチぷにぷにやっている方、お友達になって下さいm(*_ _)m。お願いしますm(*_ _)m。本当によろしくお願いしますm(*_ _)m。


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ミー達は、作戦を立ててウェンディを助けに向かいますー。めんどいですねー。

スランプ状態から復帰しました。
これからもよろしくお願いしますm




勢い良く地面に倒れこむ前に妖精女王の体を受け止める氷魔法の変態さん。

妖精女王のその体はとても熱くて高熱を帯びていましたー。

 

 

「エルザ!!」

 

「エルザ…!!」

 

 

「マズいよ…このままじゃ毒が体中に回って…」

 

 

「────…ウェンディなら助けられるわ」

 

 

「そうですねー。」

 

 

絶望的な状況下、今まで黙視していたシャルルとフランがふいに口を開いた。

 

 

「シャルル、それは本当か…?」

 

 

「えぇ。…今は仲間同士で争ってる場合じゃないでしょ?力を合わせてウェンディを救うの!…ついでに雄猫とフランのムクロウだったかしら?」

 

 

「はいー。そうですよー。」

 

 

そしてシャルルの話では、ウェンディは解毒、解熱、痛み止め、傷の治療もできることを話した。

 

 

「でも治癒の魔法って失われた魔法(ロストマジック)じゃなくて…?」

 

 

「まさか…天空の巫女ってのに関係あるの!?」

 

 

「…それで、ウェンディは一体何者なんだ?」

 

 

気を取り直し氷魔法の変態さんが話す。

シャルルは一度息を吐きゆっくりと口を開きましたー。

 

 

「…あの子は天竜のウェンディ」

 

 

「天空の滅竜魔導士ですよー。火竜さんと同じですー。」

 

 

「「…!!」」

 

 

「滅竜…魔導士…?」

 

 

驚きに目を見開く皆。

中でも、火竜さんが一番驚いたようですねー。

 

 

「…驚くのはそこまで。詳しいことは後。今私たちに必要なのはウェンディよ」

 

 

そう言ってシャルルは、苦しみに耐えている妖精女王に視線を向けましたー。

ミーは妖精女王に近づいて雲のリングに炎を灯しましたー。

皆さん驚いてますねー。

 

 

「フ、フランくん?その炎はなんだい?」

 

 

キラキラの王子様風の人が聞いていたのでミーは答えましたー。

 

 

「ミーの国の魔法ですよー。いちいち驚かないで下さいよー。めんどくさいんですからー。」

 

 

ミーは、雲属性の増殖を使い妖精女王の血液を増やして毒の進行を抑えることに成功したのですー。

 

 

それにシャルルの言う通り、理由はわからないが六魔将軍もウェンディを必要としていますしー。

ムクロウがいますがどうにかなると思いますけどー。

それに、こちらは火竜さんの相棒とウェンディとムクロウを取り戻してからまずは妖精女王の受けた毒を解毒して貰いましょうー。

それから、奴らとの第二回戦はその後ですねー。

 

 

「うぉっし!行くぞー!」

 

 

「「「おぉー!!」」」

 

 

拳を高く上げ気合の声を上げる火竜さんに皆さんも続いていきますー。

 

 

「…よし、そうと決まれば我々を二組に分散しよう」

 

 

「手分けして探した方が早いですしね」

 

 

ジュラさんの提案に皆さんは黙って頷きましたー。

 

 

「リオンとシェリーは儂と来てくれ」

 

「はい」

 

「わかりましたわ」

 

 

「ならば、レン、イヴ、お前たちは私と共に来なさい」

 

 

「はい、一夜様!」

 

 

「ヒビキはどうするんだ?」

 

 

「僕はここに残るよ。こんな状態のエルザさんを残すわけにはいかないからね」

 

 

「あたしもここに残るわ。エルザをおいてはいけないし…」

 

 

「あい、わかった」

 

 

キラキラの王子様風の人と星霊女はの申し出に軽く頷きジュラさんは残っている火竜さんたちに目を向けましたー。

 

 

「ナツ殿はグレイ殿とシャルル殿と行ってくれ」

 

 

「んだよ、グレイとかよ…」

 

 

「チッ、しゃーねぇか」

 

 

「ミーは、どうしますかー?」

 

 

「フラン殿はヒビキ殿とルーシィ殿とここで待っていてくれ」

 

 

ミーの問いに答えるジュラさん。

ミーは首を横に振り、ジュラさんを真っ直ぐ見据えながら口を開きましたー。

1人の方が楽なのでー。

 

 

「ミーもウェンディを探しに行きますー。」

 

 

「…そうか。だが、行くのは構わないが…他に組む者は…」

 

 

「んじゃフラン、俺らと行こうぜ!」

 

 

火竜さんのお誘いがありましたが…ミーは1人がいいんですよー。異世界の人間に殺しを見せる訳には行きませんからー。

 

 

「いえ、一人でいいですよー。火竜さん』

 

 

嬉しそうに提案するナツの言葉を、穏やかで棒読みであっさり切り捨てるミー。

皆さんは驚いたようにミーに視線を向けましたー。

 

 

「っ、んでだよー!」

 

 

「色々ですー。」

 

 

「だがしかし、一人で平気なのか?」

 

 

「大丈夫ですー。仲間がいますからー。」

 

 

「僕のこと?」

 

 

ミーのフードの裏からシャルルと雄猫と同じ猫が出てきましたー。

 

 

「ハッピーと同じ猫がもう1匹!?」

 

 

「そういう訳ですのでー。」

 

 

「…ま、あのグラサン野郎でもフランに速さでは勝てねぇだろうし…確かに心配はねぇな」

 

 

氷魔法の変態さんは言葉に皆さんも確かにと頷きましたー。

六魔全員を相手にしても引けを取らぬ闘いを見せたミー。

有名人になりましたよー。ヘルプミー。

 

 

「そういうことなので、ミーはもう行きますー。シアンお願いしますー。」

 

 

「はーい」

 

 

ミーは、シアンの魔法で空を飛びましたー。

本当はアホのロン毛隊長の匣兵器を使おうと思いましたが質問に答えたくないので我慢しましたー。

ミーを褒めて下さいー。皆さんー。

 

 

「ったく…」

 

 

「んだよ、フランの奴ー…」

 

 

一瞬で目の前から姿を消したミーに氷魔法の変態さんが溜息をつきましたー。

火竜さんは口を尖がらせて不服そうに手を頭の後ろで組んでいましたー。

 

 

「…さ、私たちも行きましょう」

 

「…ん、おう。そうだな」

 

「…っしゃぁー!待ってろ、ウェンディ!ハッピー!とフランの白い鳥ー!!!!」

 

 

気を引き締め、そう叫びながら駆けだす火竜さんの後ろ姿を黙って見つめるシャルル。

 

 

 

 




お久しぶりです。
少しスランプ状態から復帰しました。
少しづつですが更新します。

一年以上?待っててくれた皆さんには感謝致します。
これからもこの『消えた蛙は魔法の世界で…』をよろしくお願いします。

五月雨


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ミーは、闇ギルドに囲まれましたー。

*

 

 

 

暗い森の中を一人風を切って駆け抜けるミー。

時折太い木の枝の上で立ち止まり周りをぐるりと見渡しましたー。

…相変わらず嫌な感じですー。

 

 

それに、少し離れただけなのに仲間の魔力の気配が薄れていて、どこに誰がいるのかよくわからないですしー。

 

 

しかし、幸いなことに滅竜魔導士は鼻が効くそうなのでよかったですー。

微かに残っている奴等の匂いを辿ればウェンディと雄猫に会えることですしねー。

 

 

ミーはスッと目を閉じる。

 

 

「隠れてないで出て来て下さいよー。」

 

 

挑発を含んだミーの声が樹海に響き渡りましたー。

その声をきっかけに大勢の人間が木々の間からゾロゾロと姿を現し出しましたー。

皆が手に何かしらの武器を携えてニヤニヤと下品な笑みを浮かべていましたー。

気持ち悪いですねー。変態雷親父と同類なんじゃないんですかー?

 

 

「ヘヘヘ、気付いてたか」

 

 

「逆に聞きますけどー。気付いてないとでも思って居たんですかー?殺気ダダ漏れでしたよー。」

 

 

「ハッ、おうおう兄ちゃんよォ。自分が置かれてる状況がわからねぇのかぃ?」

 

 

人相の悪い男は馬鹿にした様にそう言い、他の者に何か目配せをしましたー。

目配せを受けた者たちは笑みを浮かべながら頷きぐるりとミーの周りを取り囲み武器を構えだしましたー。

 

 

「俺らは六魔将軍の傘下のギルド、紅い鮫(ブラッディシャーク)だ。連合の奴らは俺たち鮫の餌食になって貰うぜ」

 

 

「…確かに此処は“樹海”ですけどー。、水はないですよー?」

 

 

「フン…生意気な口叩けるのも今のうちだぜ!!」

 

 

紅い鮫と名乗った者たちはフランの安い挑発に乗り、雄叫びを上げて走り出した。

 

 

「「でぇやあぁぁぁ!!」」

 

 

「喰らいやがれぇぇぇ!!」

 

 

「はぁ…終わらせましょうー。」

 

 

魔力を纏った武器が一斉にミーへと振り下ろされましたー。

だけど、振り下ろした先にミーは幻覚で消えて居らず砂煙が立ち上っているだけですー。

 

 

「っ、いねぇ…!?」

 

 

「どこ行きやがった…!!」

 

 

「…こっちですよー。」

 

 

上からの声に、皆さんバッと空を仰ぎましたー。

そこには、藍色の魔力を右目に纏わせたミーの姿。

 

 

「…1、地獄道」

 

 

右目に纏った魔力に六道眼を回して六から一に振り回して皆さんに1番の地獄道を見せましたー。

藍色の魔力は、闇ギルドの連中の周りに蓮の花が付いた火柱が現れ始めましたー。

 

 

「な、何だありゃ…!?」

 

 

「火柱だ…!」

 

 

「ひ…、ヒィ…!」

 

 

「…さぁ、死んで下さいよー。」

 

 

ミーは、大量の火柱を出してから次々に男たちへと襲い掛かりだしましたー。

 

 

「ぎゃ…!」

 

 

「ひ、何だよこれ…!!?」

 

 

「離れ、ろ…オォ!!」

 

 

「無理ですよー。」

 

 

火柱は男たちの身体に火傷をさせて行きますー。

まぁ、幻なのでそう思ってるだけなんですけどねー。

 

 

「っあが…っ」

 

「ヒィィ…ッ!!」

 

 

格の違いを感じて逃げ出す者もいましたが無理に決まってるじゃないですかー。

馬鹿ですねー。

 

 

「っ、んのォォ!!」

 

「ひ…!?」

 

 

一人の男が渾身の力で振り下ろされた刀剣は火柱を斬り落としそのまま霧散する。

してやった、という表情を浮かべて他の火柱同じように落とそうと男が目を放した瞬間に斬られた火柱は再び落とした男の身体を縛り付けましたー。

 

 

「が、あぁぁ…!!」

 

 

「ひィィィ…!」

 

「…さようならですー。」

 

 

ミーの声に火柱は空へと大きくなって行きましたー。

 

 

「あぐぅ…!?」

 

 

「ぐぁ…み…耳、が…っ」

 

 

「、っう…」

 

 

幻覚の代償で幻覚汚染が始まり、周りの男たちの意識を暗い闇へと連れ去りましたー。

糸が切れたようにバタバタと倒れこむ男達。

 

 

「…」

 

 

ミーは無言で地に降り立ち、周りを見渡しましたー。

立っている者は自分以外に誰も居らず紅い鮫の者は一人残らず地に伏したようですー。

 

 

「霧はは鮫をも喰らいますー。アホのロン毛隊長には勝てないですけどー。……少し時間を掛け過ぎたましたー。」

 

 

そう小さく呟き鼻を澄ませましたー。

早くウェンディを探し出し出しますかー。

 

 

ウェンディとブレインの微かな匂いだけを頼りに樹海を只管駆けるミーですが…

 

 

「これは、やばいですねー。」

 

 

前方の木々たちを見ると急にスピードを落として立ち止まりましたー。

 

 

「――――な、何よこれ…!」

 

 

同時刻、ナツ、グレイ、シャルルもフランと同じ反応をしていた。

二方の目の前には、唯でさえ暗かった樹海を更に暗く…いや、どす黒くした木々がたくさん茂っている。

木々からは黒いオーラが洩れ、禍々しい雰囲気が漂う。

 

 

「木が、黒い…!?」

 

 

「気っ持ち悪ぃー…」

 

 

うぇー、という顔をするグレイとナツ。

そして、がら空きのその背後に、何者かが迫っていた。

 

 

「…ん?」

 

 

気配を察知したナツが後ろを振り返ると、奇抜な恰好をした猿…のような男たちがいた。

 

 

「ニルヴァーナの影響だって言ってたよなー、ザトー兄さん」

 

 

「あまりにも凄まじい魔法なんで、大地が死んでいくってなー、ガトー兄さん」

 

 

「ちょ、ちょっと…!囲まれてるわよ…!」

 

 

気が付けば周囲にはたくさんの男たち。

ナツたちは完全に包囲された。

 

 

「やられた…敵は6人だけじゃなかったのね…!」

 

 

「ハッ、こいつは丁度いい」

 

 

「うほほほ!丁度いい!」

 

 

あまりの数に顔を青くするシャルルとは反対に、ナツとグレイは余裕そうな表情を浮かべている。

ナツに至っては、猿の真似をし、囲んでいる男たちを馬鹿にしている。

 

 

「っ、何言ってんのアンタたち!早く突破して逃げないと…!」

 

 

「逃げる?馬鹿言え。せっかく向こうから出てきてくれたのに」

 

 

「はぁ?」

 

 

意味が解らないといった表情を浮かべるシャルルに、グレイはニヤリと口角を上げ、その手に冷気を纏わせる。

 

 

「奴らの拠点の場所を聞き出す!」

 

 

「待ってろよ!ハッピー、ウェンディ!」

 

 

ナツも好戦的な笑みを浮かべ、やる気満々と炎を纏った腕をぶんぶんと振り回す。

 

 

「何なのよ…妖精の尻尾の魔導士は…!」

 

 

――――その頃、イヴにレン、ジュラにリオンにシェリーもまた、六魔将軍の傘下の闇ギルドに囲まれていた。

…そして、イヴとレンと逸れてしまった一夜もやはり闇ギルドに囲まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 



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ミーは、ウェンディを助けに向かいますー。

本日、2話目です!!
よろしくお願いしますm


 

 

 

「…っと、参ったぜ」

 

 

とある洞穴内部に、レーサーの息を吐く声とガシャンという重々しい音が響いた。

 

 

「思ったより時間が掛かっちまった。こんなに重けりゃスピードだって出ねぇってもんだ」

 

 

「何を言うか。主より速い男など存在―――…いや、並ぶ男がいたな」

 

 

「チッ、それを言うなよブレイン。…ってか、『闇ギルド潰し藍霧の幻術師』と比べんなよ」

 

 

はぁ、と頭をかくレーサーを見るとブレインはくっく、と口角を上げレーサーの運んできたものに目を移した。

視線の先には、禍々しい装飾をして厳重に鎖が巻かれた棺桶と思わしき物。

 

 

「ウェンディ、お前にはこの男を治してもらう」

 

 

「わ、私!!そんなの絶対にやりません…!」

 

 

「そうだそうだ!!」

 

 

「……」

 

 

キッと表情を引き締め、ブレインに反論するウェンディとハッピーとムクロウ。

だが、ブレインは面白おかしそうに笑みを浮かべている。

 

 

「いや、お前は治す。治さねばならんのだ」

 

 

ブレインの声を合図に棺桶を封じていた鎖が勝手に解かれていく。

そしてその蓋も溶ける様に消滅していく。

 

 

「…、っ!?」

 

 

棺桶の中に納められていた人物が姿を現した時、ウェンディが驚きに目を見開く。

力なく下を向いた中の人物に従いはらりと垂れ下がった碧い髪。

 

 

「この男はジェラール。…かつて、評議院に潜入していた。……つまり、ニルヴァーナの場所を知る者」

 

 

「、…!」

 

「そんな…そんな…!」

 

 

「(なるほどー。)」

 

 

驚きに声を失い、肩を震わせるウェンディ。

そしてハッピーも、一歩、また一歩と後ずさる。

フランはムクロウに憑依していた。

―――――…そう、棺桶に納められていた人物とは、ジェラール。

楽園の塔事件以来、生死不明となっていたがどうやらブレインに保護されていたようだ。

しかしその体には、楽園の塔での戦闘で負った傷が痛々しく残っておりその肌は今にも崩れそうだった。

また、意識を失った顔には生気が感じられず恐ろしいほど真っ青だ。

 

 

「っ、ジェラールって…、ぇ?えぇ…?どうしてここに…何で生きて…――――」

 

 

「ジェラール…」

 

 

「知り合いなの!?」

 

 

状況が読み込めず、頭を抱えるハッピーは、ウェンディの呟きで更に混乱してしまう。

 

 

「…エーテルナノを浴びてこのような姿になってしまったのだ。…だが、死んでしまったわけではない。元に戻せるのはうぬだけだ」

 

 

そう言ってブレインは茫然としているウェンディに目を向ける。

 

 

「ジェラールが…何故ここに…」

 

 

未だに信じられない、といった表情のまま固まっているウェンディ。

 

 

「ジェラールって…あのジェラール…!?」

 

 

「!!ハッピーもジェラールを知ってるの…?」

 

 

「知ってるも何も…!こいつはエルザを…みんなを殺そうとしたんだよ!!それに評議院を使ってエーテリオンまで落としたんだ!!」

 

 

「(さて、どうしましょうかー。)」

 

 

怒りに顔を歪めるハッピー。

ウェンディは悲しげに俯いてしまう。

ムクロウ(フラン)は考えていた。

ブレインは妖しげな笑みを浮かべる。

 

 

「この男は亡霊に憑りつかれた亡霊。哀れな理想論者。こんな男でも、うぬにとっては恩人だ」

 

 

「…」

 

 

「恩人…?どういうことなの?」

 

 

ハッピーが首を傾げながら問うがウェンディは再び俯き何も答えない。

 

 

「…さぁ、早くこの男を復活させろ」

 

 

「っダメだよ!絶対こんな奴復活させちゃダメだ…!」

 

 

「…」

 

 

「ウェンディ…!」

 

 

「…」

 

 

全く動こうとしないウェンディに痺れを切らしブレインが懐にしまってあった短剣を鞘から引き抜く。

そして、意識のないジェラールの首筋へとその切っ先を向ける。

 

 

「復活させぬのなら…」

 

 

「っやめてぇぇ!!」

 

 

ウェンディの悲鳴と短剣が突き刺さる音が洞穴に響き渡った。

 

 

「お願い…やめて…」

 

 

そう悲痛な呟きを溢し、膝から崩れ落ちるウェンディ。

ブレインが突き刺したのは、ジェラールの首筋から僅か数ミリ横の棺桶の板。

ブレインは黙って短剣を引き抜き別の手をウェンディに翳す。

 

 

「っきゃ…!」

 

「うわぁ!?」

 

 

そしてその手から衝撃波を放ち、ウェンディの真横の地面を抉り取った。

 

 

「治せ。うぬなら簡単だろう」

 

 

「っ、ジェラールは悪い奴なんだよ!?ニルヴァーナだってとられちゃうよ!!」

 

 

「…それでも私…この人に助けられたの…」

 

 

ポタポタと涙を流すウェンディ。

 

 

「大好きだった…、っぅ…」

 

 

「ウェンディ…」

 

 

「ぅ、っ…何か悪いことしたのは噂で聞いたけど…私は信じない…!!」

 

 

ぐっと膝に力を込め、立ち上がるウェンディ。

 

 

「何言ってんだ!現においらたちは…」

 

 

「ジェラールはあんなことするはずない!!」

 

 

ハッピーの声を、ウェンディが涙雑じりの大声で遮る。

 

 

「お願いです…少し考える時間をください…」

 

 

「ダメだよウェンディ!」

 

 

「……よかろう。五分だ」

 

 

ブレインの言葉を聞き、無言でジェラールを見つめるウェンディ。

ハッピーはこの状況をどうすることもできず、ただただナツたちが早く到着することを祈るしかなかった。

 

 

あれから四分が経過し、決断のときまで残り少なくなってきたそのとき、

 

 

「ハッピー!!ウェンディー!!フランの白い鳥ー!!」

 

 

洞穴の外からよく知る声が聞こえてきた。

 

 

「あ!!ナツだ!!」

 

 

「…レーサー、近づけさせるな」

 

 

「オーケー」

 

 

ブレインの命令に短く答え、一瞬で姿を消すレーサー。

 

 

「…」

 

 

「…時間だぞ」

 

 

遂に約束の時間になってしまった。

未だに決断できていないウェンディの頬を冷や汗が静かに伝う。

 

 

「ダメだよウェンディ…!」

 

 

「チッ」

 

 

「うわぁ…っ!?」

 

 

ジェラールを復活させることを反対し続けていたハッピーをブレインが怒りに顔を歪めながら攻撃する。

攻撃を受けたハッピーは呆気なく吹っ飛び壁に激突してしまう。

 

 

「失われた魔法(ロストマジック)、治癒魔法…。今使わずしていつ使う?」

 

 

「…」

 

 

「やれ!」

 

 

「っ」

 

 

ビクッと肩を震わせるウェンディ。

その瞳は、死んだように眠り続けているジェラールただ一人を映していた。




フラン「コメント下さいー!!作者が好きなキャラでコメントを返しますよー。あっ!!お気に入りもよろしくでーす。」


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ミーはウェンディを助けに向かいますー。Part2

 

 

 

「な…」

 

 

「これは…」

 

 

洞穴の入り口で固まるナツとシャルル。

二人の目の前には、フランが憑依している白い鳥、倒れているハッピー、膝をついて震えているウェンディ、妖しい笑みを浮かべたブレイン、――――そして、二人に背を向けている碧い髪の人物。

 

 

「ごめんなさい…っ…私…」

 

 

「…」

 

 

「っ…!」

 

 

ゆっくりとナツを振り返る碧髪の男。

その顔を見てナツの中に親しみ…いや、憎しみが溢れ出した。

 

 

「ジェラール…!!」

 

 

そこにいたのは、楽園の塔で自分が確かに倒したはずの男―――――ジェラール。

ナツは眠っていたはずの怒りに顔を歪める。

 

 

「ごめん…なさい…っ…ごめんなさい…っ」

 

 

零れ落ちてくる涙を拭い誰にもでなくただ謝り続けるウェンディ。

 

 

「この人は…私の…っ…恩人、なの…」

 

 

「っウェンディ!!アンタ、治癒の魔法を使ったの…!?何やってるの!!その力を無暗に使ったら…っウェンディ!!」

 

 

シャルルが全部言い終わる前にその場に倒れこむウェンディ。

そしてフランの憑依を解いたことで倒れるムクロウ。

ジェラールはナツから視線を外し倒れたウェンディを無言で見つめる。

 

 

「何でお前が…こんなところに…、っ!!」

 

 

ナツが勢いよく手に炎を灯し、怒りのままに走り出す。

 

 

「ジェラァァールゥゥゥ!!」

 

 

「…」

 

 

敵意剥き出しで自分に向かってくるナツ。

ジェラールはナツに視線を戻して冷たく見据えたまま無言で攻撃を放つ。

 

 

「どわぁっ…!」

 

 

「ナツー!!」

 

 

その攻撃はあまりにも強いもので、直撃を喰らったナツは壁を破壊しドサッと崩れ落ちる。

 

 

「相変わらず凄まじい魔力だな…」

 

 

ナツをあっさりと吹っ飛ばしたジェラールに近付くブレイン。

これで戦力、ニルヴァーナの場所、全てが揃った。

ブレインは勝ち誇ったような笑みを浮かべる。

――――…がしかし……

 

 

「…」

 

 

「っ何…!?」

 

 

突如ジェラールが背後のブレインを振り返りナツに放ったものと同じ攻撃を仕掛けた。

咄嗟に顔を隠すように腕で庇うがあまりの衝撃の強さに地面が耐え切れず大きな音を立てて洞穴の床が抜け落ちた。

 

 

「…」

 

 

ジェラールはナツや落下したブレインには目もくれず、無言で洞穴を後にする。

その足取りは確かなものでしかし向かう場所がどこなのかは誰も知らない。

 

 

「エルザ――――――…」

 

 

森の中

 

 

ドンッという音がして衝撃で折れた大木が地に倒れる。

 

 

「何て速さだ…ヤロー…!!」

 

 

そう悪態付くグレイの見上げる先には高速で移動し続けるレーサーの姿。

レーサーはグレイを見下ろすように大木のてっぺんに上り口を開く。

 

 

「俺のコードネームはレーサー。誰よりも速く何よりも速くただ走る!!」

 

 

「ハッ、フランには勝てねぇくせに何言ってやがる」

 

 

ニヤリと嘲笑うかのようにレーサーを挑発するグレイ。

その挑発に眉を寄せ駆け出そうとするレーサーだが悠然と上空を飛行する"者"が目に入り動きを止める。

上空を飛行する者。

それは、ウェンディとハッピーとフランの白い鳥を助け出したナツたちだった。

気を失っているウェンディをシャルルが抱えて飛び、その横を険しい顔をしたナツがフランの白い鳥を抱えてハッピーに抱えられ悠々と飛んでいた。

 

 

「助け出したか…!!」

 

 

「っ馬鹿な…!!中にはブレインがいたはずだろ…!?どうやって…」

 

 

「ぶちのめしたに決まってんだろ!!」

 

 

「クソッ…行かせるか!!」

 

「!!」

 

 

グレイが止めに入る前に太い枝を蹴り上げナツたちに向かうレーサー。

 

 

「ナツ!!避けろー!!」

 

 

「!、どわっ!?」

 

 

グレイの声に反応するナツだが時既に遅く。

頭上に現れたレーサーに蹴り落とされてナツたちは地に落下する。

 

 

「っ、うおォぉぉ!!」

 

 

先に落下したナツは打ち付けてガンガンと痛む身体を気合で動かし、遅れて落下してきたウェンディを受け止める。

 

 

「あぶねー…!!っ、ハッピー!!シャルル!!フランの白い鳥!!」

 

 

「「ぅー…」」

 

 

「ホー!!」

 

 

バッと二人に顔を向けるナツだが、ハッピーとシャルルは落下した衝撃で目を回している。

白い鳥改めムクロウは飛んでいる。

 

 

「だぁァぁ!!くそおぉォー!!」

 

 

「行かせねぇって言ってんだろ!!」

 

 

ウェンディ、ハッピー、シャルルを抱え上げ雄叫びを上げて走り出すナツ。

その後追うレーサーだが突然目の前に現れた者によって顎を蹴り上げられる。

 

 

「ぐは…っ」

 

 

「無事ですかー?」

 

 

「「フラン!!」」

 

 

ナツを背に庇うように立つフランは外に連れ出され濃くなったウェンディやハッピーやムクロウ匂いを辿りここに来てようやくウェンディを発見した。

フランは既に助け出されているウェンディをチラッと見やり、安堵の息を吐く。

 

 

「よかったですー。ムクロウも良くやりましたねー。」

 

 

「ホー!!」

 

 

「―――――チッ…またお前か…!!」

 

 

「こっちの台詞だですー。」

 

 

顎を抑え憎々しげに呟くレーサーと槍の先端ををトントンと地に打ち付け苛立たしげに言うフラン。

二人の間でバチバチと火花を散った。

 

 

「…く」

 

 

コイツの速さは次元が違うとは分かっていてもやはりフランとの勝負を望んでしまうレーサー。

足に力を込めフラン目掛けて地を蹴るレーサーだが背後にいたグレイが突然二人の間に割り込み魔法を放つ。

 

 

「アイスメイク 城壁(ランパード)!!」

 

「がっ…」

 

 

目の前に突如現れた氷の壁に、勢いを殺し切れずに激突するレーサー。

 

 

「グレイ!!」

 

 

「…行けよ!!コイツは…ハ、ハァ…俺が…やるって言ったろ…!!」

 

 

苦しげに息を切らすグレイ。

先程氷の造形魔法で巨大な壁を創り出したときに魔力をかなり消費してしまったようだ。

 

 

「けどお前!さっきので魔力を使い過ぎただろ!!」

 

 

「いいから!!フランの動物の力があればエルザのとこまですぐに着く!!」ここは死んでも通さねェ!!行け!!エルザのところに…!!」

 

 

フランは黙ってグレイを見つめると意を決したようにナツとウェンディをしっかりと腕に抱え匣口したベスターに乗った。

 

 

「おわっ…フラン!!」

 

 

「雄猫とシャルルを離さないで下さいー。もっとスピードを上げるのでー。ベスター」

 

 

「っ、わかった!!」

 

 

ナツがギュッと二人を抱きしめたのを確認しフランはベスターに死ぬ気の炎を込めて更にスピードを上げた。

 

 

【―――ナツ君、フランくん、聞こえるかい?】

 

 

「その声は…!!」

 

 

「キラキラの王子様風の人ですねー。」

 

 

頭の中に響くような声が聞こえてきた。

どうやらそれはヒビキの声のようだ。

驚きに困惑しながらもナツがウェンディとハッピーは無事だということを伝えるとホッと息を吐いていた。

 

何でも分かれた時からずっと通信を図っていたのだが何故か今まで誰にも繋がらなかったらしい。

様々な理由が考えられるが取り合えずハッピーはダメージや魔力の低下で繋がらなかったそうだ。

 

 

【でも本当に繋がってよかったよ…それに、まさかフランくんがナツ君たちといるなんてね】

 

 

「成り行きでー。」

 

 

【僕たちのところまでまだまだ距離があるけど、フランくんの動物ならすぐに着くね……よし、これからこの場所までの地図を君たちの頭にアップロードする】

 

 

「あぁ?アップルがどーした?」

 

 

「アップロードですよー。」

 

 

聞き慣れない言葉に首を傾げるナツ。

だが、すぐに驚いたように声を上げた。

 

 

「おおぉぉ!!」

 

 

「これが古代書(アーカイブ)ですかー。」

 

 

ヒビキの魔法、古代書から直接頭に与えられるエルザの位置情報。

 

 

【フランくん、できるだけ急いでくれ!!エルザさんの体はもう限界だ…!!】

 

 

 

「わかりましたー。(これ以上炎を使いたくないんですけどー。)」

 

 

ベスターの地を蹴る足に更に死ぬ気の炎を込めると、一気にぐんっとスピードが上がった。

 

 

【頼んだよ!!】

 

 

 

そう言って、ヒビキの声は途絶えた。

どうやらフランとナツとの通信を解いたらしい。

 

 

「うぉーっし!!エルザのとこまでもう少しだ!!」

 



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ミー達は、総攻撃に掛かるそうですー。

 

 

 

「っ、!?」

 

 

星霊女さんの耳に草木を掻き分け風を切る音が聞こえた。

どうやらそれは、横の草むらの方から聞こえてきているようでその音はどんどん自分たちに近づいて来ている。

ヒビキも目つきを鋭くし黙って横の草むらを睨む。

現れるのは仲間か…

それとも敵か……

 

 

「――――…っと、つきましたー!!」

 

 

ガサッと草むらを揺らし、勢い良く飛び出してきたのは、火竜さんとウェンディとミー。

 

 

「着いたー!!」

 

 

「フランくん!!ナツー!!」

 

 

星霊女は安堵に声を上げ、笑顔を浮かべて駆け寄ってきますー。

ミーは皆をゆっくりとベスターから降ろし寝かされている妖精女王に目を向けましたー。

 

 

「何とか間に合いましたがー。」

 

 

妖精女王の腕は毒々しい色に変色してしまっておりその毒は今や全身にまで回ろうとしている。

あと少し遅ければ命はなかったでしょうー。

 

 

「ナツ君、早くウェンディちゃんを」

 

 

「お、おう…そうだった……!!」

 

 

キラキラの王子様風の人に促され、火竜さんはウェンディの意識を戻そうと肩をガクガクと揺さぶる。

少々荒っぽいが…今は一刻を争いますからねー。

 

 

「起きろウェンディ!!頼む!!エルザを助けてくれ!!」

 

 

「、ん…」

 

 

火竜さんの揺さぶりが効いたのかゆっくりと目を開くウェンディ。

意識が完全に戻りその目が火竜さんの姿を捉えましたー。

―――――だが、

 

 

「っ…、きゃあぁぁ…!!」

 

 

「!!!!」

 

 

ウェンディは何かに怯える様に火竜さんから離れ頭を抱えてしましたー。

その口からは誰に向けてのものか謝罪が何度も呟かましたー。

 

 

「ごめんなさい…っごめんなさいッ…私…」

 

 

 

カタカタと震えるウェンディにフランが近づく。

しかし、今のウェンディはそれにすらビクッと肩を震わせましたー。

 

 

「大丈夫ですよー。」

 

 

ミーはウェンディに視線を合わせる様に膝を折りそして安心させるように藍の髪にポンと手を乗せましたー。

その行動にウェンディは恐る恐る顔を上げ戸惑いながらも小さくコクッと頷きましたー。

 

 

火竜さんはウェンディが落ち着いたのを見計いガバッと地に手をつきウェンディへと土下座をした。

 

 

「エルザが毒蛇にやられたんだ…ッ…助けてくれ!!頼む!!」

 

 

「、毒…?」

 

 

「六魔将軍と闘うには…エルザさんの力が必要なんだ」

 

 

「お願い…!!エルザを助けて…!!」

 

 

いきなり皆に頭を下げられ戸惑いを隠せないウェンディはおろおろと視線を迷わせましたー。

――――と、その視線が横たわっている妖精女王を捉えましたー。

 

 

「頼む…ッ!!」

 

 

「っ、勿論です…!!はい…やります!!」

 

 

ぐっと手を握りやる気を見せるウェンディ。

 

 

「…」

 

 

ウェンディは顔を引き締め、妖精女王に手を翳す。

すると、淡く温かい光が変色した部分を包み混みましたー。

 

 

「毒が抜けていきますねー。」

 

 

初めて見る治癒魔法に思わず呆気にとられましたー。

禍々しい毒がまるでサラサラとした砂の様に消えて行きましたー。

 

 

「…ふぅ…終わりました…エルザさんの体から毒が抜けました…!!」

 

 

「「「おぉー!!」」」

 

 

汗を拭い笑みを浮かべるウェンディに釣られ皆さんの顔もパァと明るくなりましたー。

目を覚ました雄猫とシャルルと共に期待を込めて妖精女王を見ているとー。

 

 

「――――――ん…」

 

 

「「「うおっしゃー!!!」」」

 

 

苦しげな表情ではなく穏やかな表情を見せた妖精女王に皆さんが喜びの色を見せましたー。

 

 

「ルーシィ!!フラン!!ハイタッチだ!!」

 

「うん!!あー…よかったぁー…!!」

 

 

「嫌ですー。」

 

 

パンッと音を立て喜びに手を合わせる火竜さんと星霊女。

ミーはやりませんよー。

 

 

「シャルルー!!」

 

 

「…一回だけよ」

 

 

それを真似るように雄猫とシアンとシャルルも手を合わせましたー。

 

 

「ウェンディ!」

 

「あ…」

 

 

そして最後に、妖精女王を治した本人であるウェンディに火竜さんが人懐っこい笑みを浮かべ掌を向けましたー。

初めてのことにやや戸惑いながらウェンディは火竜さんの手に自分の手を当てましたー。

パシッといういい音が響きましたー。

 

 

「…えっと…しばらくは目を覚まさないかもですけど…もう大丈夫ですよ…」

 

 

「…凄いねー、本当に顔色が良くなってる…これが天空魔法…」

 

 

「…お取込み中悪いけど、これ以上天空魔法をウェンディに使わせないでちょうだい」

 

 

「ん?」

 

 

腕を組みそう言い放つシャルルに皆の視線が集まりましたー。

 

 

「見ての通り、この魔法はウェンディの魔力をたくさん使うの!!フランは別だけどそれに本気出してないでしょ?フラン」

 

 

「出すまでの相手じゃないので全然手応えないですよー。今の所はー。」

 

 

「っ私のことはいいの…!!」

 

 

シャルルの言葉に首を振るウェンディ。

その時……

 

 

「ッ…!!」

 

 

「何…!?」

 

 

 

突如樹海の奥で目も開けられぬ程の光が上がりましたー。

と同時に轟音が地を揺らし辺りから禍々しい魔力が溢れ出しましたー。

ミーは、ムクロウを出して形態変化をしましたー。

 

 

「ムクロウ、形態変化!!」

 

 

『D・スペードの魔レンズ!!』

 

 

「(これが、霧のボンゴレ匣。魔レンズ越しに睨まれた者は呪われると言われていた。D・スペードの魔レンズ!!)さて、あの光の正体を見破れ!!(これは!?)」

 

 

ミーが形態変化をして分析している時、光は太い柱となり天を裂く様に立ち上がりましたー。

その周りに生き物のような黒い光が柱に巻きつくように蠢きだしましたー。

 

 

「黒い光の柱…」

 

「っまさか…!?」

 

「あれは…ニルヴァーナ…ッ!?」

 

 

感じたことのない悍ましい魔力に冷や汗が流れる。

 

 

「あれがニルヴァーナですかー。それに…この感じは嫌な感じですー。」

 

 

「まさかあの光の柱は、六魔将軍の仕業…!?」

 

 

「、…あの光……―――――っジェラールがいる…ッ!」

 

 

「ジェラール…?」

 

 

確信したように、火竜さんは憎々しげな表情を浮かべぐっと拳を握りましたー。

そして血相を変えてそのまま光の柱へと走り出しましたー。

 

 

「、ナツ!?ジェラールって、どういうこと…!?」

 

 

星霊女が声を上げるがその声は既に火竜さんには届きませんー。

 

 

「ぁ…あぁ…私の…私のせいだ…っ」

 

 

口元を押さえ、目を潤ませるウェンディの姿が霞んで見える。

 

 

「不味いですねー。」

 

 

涙を溜めて震えるウェンディをミーは黙って見つめましたー。

 

 

「私がジェラールを治したせいで…ニルヴァーナが見つかっちゃって…エルザさんやナツさん…ッ」

 

 

許してくださいねー。ウェンディ。

ミーは幻覚でウェンディを気絶させましたー。

 

 

「っはぁ!!」

 

 

「、きゃぁ…!!」

 

 

そこで、ミーはウェンディに攻撃を放ちましたー。

皆さんが唖然とする中、宙を舞ったウェンディの体をベスターが拾いましたー。

 

 

「ち、ちょっと…っ!」

 

「フラン!!アンタ!!いきなり何すんのよ…ッ!!」

 

 

「話はあとですー。急いで下さいー。」

 

 

「え、えぇ!?」

 

 

そう言ってミーは、気絶したウェンディをベスターから受け取り抱え上げて走り出しましたー。

ムクロウはまだ形態変化のままですよー。

 

 

「わ、待ってよー!」

 

「っもう…!」

 

 

ミーに置いて行かれまいと、雄猫とシアンとシャルルも翼を広げ後を追ってきましたー。

 

 

「っ驚かしてごめんなさいー。でも、気絶させただけなのでー。」

 

 

「どうして!?」

 

 

「ったく、もう…。…それで?何で走ってんの!?」

 

 

「火竜さんと妖精女王を追うんですよー。ミーたちも光に向かうんですー。」

 

 

「…でも納得できないわね。同じギルドなのに、確かにウェンディはすぐグズるけどあんな荒っぽいやり方…」

 

 

「そうだよー!」

 

 

「…」

 

 

腕を組みムスッとしているシャルルの言葉にミーは一度黙り混みましたー。

そしてミーは、その場に立ち止まり意を決したように口を開きましたー。

 

 

「…仕方、なかったんですよー。……本当のことを言うと、ミーはニルヴァーナという魔法を知っていますー。噂程度ですけどねー。」

 

「「、!」」

 

 

「え、本当に!?」

 

 

驚きをみせる皆さんに、ミー頷く。

 

 

「ただ、その性質上…誰にも言えなかったんですよー。この魔法は意識してしまうと危険なものですー。ですがこの魔レンズで確信しましたー。」

 

 

「…どういうこと?」

 

 

「その魔レンズは『D・スペードの魔レンズ』といいましてこの魔レンズで睨まれた人は翌日には海で死んでいたって伝説があるんですよー。ホントか嘘かわかんないですけどー。」

 

 

「怖いわ!!」

 

 

「それに、とても恐ろしい魔法なんですよー。…光と闇を入れ替える……――――それが、ニルヴァーナなんですからー。」

 

 

「光と…」

 

 

「闇を…」

 

 

「入れ替える…?」

 

 

キラキラの王子様風の人たちは理解できない、という表情を見せるが、ミーは構わず続けましたー。

 

 

「ですが、それは最終段階ですー。まずは封印が解かれると黒い光が上がりますー。まさにあの光ですー。」

 

 

そう言って空を見上げるミー。

その空には、黒い光の柱が天高く上がっていますー。

 

 

「黒い光は手始めに光と闇の狭間にいる者を逆の属性にするんですー。」

 

 

「逆の属性…」

 

 

「…強烈な負の感情を持った者は…―――――闇に落ちますー。」

 

 

ミーの言葉を聞き、そこでシャルルはハッとしましたー。

 

 

「それじゃぁ…ウェンディを気絶させたのは…!!」

 

 

「自責の念は負の感情なので、あのままじゃウェンディは闇に落ちていたかもしれないですよー。間一髪でしたよー。」




評価こ、来ない…。
まぁ、人気ないんだろうな…。


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ミーは、本気を出すか迷っていますー。

フラン「タイトルはテキトーらしいですー。」


 

 

 

Noside

 

 

「…」

 

 

不安げな面持ちのまま、黒い光の柱を目指して黙々と樹海を駆け抜けるエルザ。

 

 

―――――…ジェラールが生きていた。

 

 

スッと目を伏せれば、鮮明に浮かぶジェラールの姿。

 

 

 

「エルザ」

 

 

「エルザ、この世界に自由などない」

 

 

「エルザを放せ!!」

 

 

幼い頃、泣いてばかりの自分に手を差し伸べてくれたジェラール。

冷たく凍りつく様な目でエルザの心に刻み込むようにゆっくりと語ったジェラール。

傷ついた自分を身を挺して守ってくれたジェラール。

 

 

楽園の塔での非道な行い、裏切られた想い。

湧き上がってくるのは、怒り、悲しみ、憎しみ……

しかし、幼いときのジェラールの笑顔が全てを中和する。

 

 

黒い光の柱に近づくにつれ、柱から発生する風が土を巻き上げ、視界を狭める。

 

 

「く…」

 

 

腕を顔の前に持っていき砂が目に入るのを防ぎながらエルザは前進していた。

竜の様に渦巻く風を抜けると、遂に辿り着いた柱の根本。

 

 

「…!」

 

 

驚くエルザの視線の先には、黒いコートと碧の髪をバサバサと靡かせこちらに背を向けている男―――――ジェラールがゆっくりとエルザを振り返る。

 

 

「…」

 

 

「…」

 

 

何を考えているのかわからない目がエルザを捉える。

エルザはただただ驚き見つめ返すしかできなかった。

 

 

 

「ジェラール…」

 

 

やっと言葉を発することが出来たエルザ。

どれくらいそうしていたのだろう。

それは凄く短い時間だったかもしれないがエルザには酷く長く感じられた。

 

 

「…エルザ」

 

 

何の感情も籠っていない声。

エルザは震える拳をグッと握り疑問を投げかける。

 

 

「お、お前…どうしてここに…」

 

 

「……わから、ない…」

 

 

エルザの問いに震えた声で答えるジェラール。

その様子はどこか弱々しく何かを恐れているかのようだ。

 

 

「エルザ……エル、ザ…」

 

 

「、!」

 

 

ジェラールは、まるで譫言のようにエルザの名を何度も呟く。

エルザの頬を冷や汗が伝った。

 

 

「エルザ………その言葉しか、覚えてないんだ…」

 

 

「ぇ、…」

 

 

信じられない、という顔をするエルザを差し置きジェラールは震える腕で頭を抱える。

 

 

「教えてくれないか…ッ…俺は誰なんだ…君は俺を知っているのか…?」

 

 

「…、」

 

 

「エルザとは誰なんだ…?何も、思い出せないんだ…ッ」

 

 

悲痛な表情で訴えてくるジェラールを見、エルザの瞳に涙が溜まる。

覚えていない…思い出せない―――――…

 

 

「…、」

 

 

エルザは必死にジェラールの言葉を整理しようとしていた。

覚えている言葉はエルザの名前。

 

 

「…」

 

 

「…」

 

 

二人は無言で見つめ合う。

…いや、ジェラールは無言になったのではなく話せなくなってしまったのだ。

何も覚えていない今、話せることなどない。

ジェラールは、自分の問いに目の前の人物が答えてくれるのを待つしかないのだ。

 

 

 

「…ジェラール」

 

 

「っ!来るなッ!!」

 

 

エルザはただ問いに答えるのではなく名をゆっくりと呼びながら、ジェラールに近づいた。

だが、その行動にジェラールはビクッと肩を震わせそれ以上近づくなとエルザに向けて光線を放った。

直撃した光線はエルザの肌を傷つけ、つぅと赤を伝わせた。

しかし、それでもエルザは表情を変えずその場に立ち止まってジェラールを見据える。

 

 

「…」

 

 

「く、来るな…」

 

 

弱々しくなっていく語尾。

ジェラールの顔には恐れが浮かんでいた。

そんなジェラールを見てエルザはキッと表情を引き締める。

 

 

「ならば、お前が来い。私がエルザだ。…ここまで来い!!」

 

 

「、…」

 

 

「お前の名はジェラール。…私のかつての仲間だ」

 

 

「…なか、ま……」

 

 

目を見開き、エルザの言葉を復唱するジェラール。

エルザはそんなジェラールに構わず言葉を続ける。

 

 

「乱心したお前は死者を冒涜し、仲間を傷付け、評議院さえも破壊し……シモンを、殺した」

 

 

「っ、…」

 

 

「それを…それを忘れたというつもりならッ!!心に剣を突き立てて刻み込んでやる!!ここに来い!!私の前に来いッ!!」

 

 

「…っ…俺が…仲間、をッ、そんな…ッ…」

 

 

遂に零れ落ちる涙。

ジェラールは己の顔を押さえ嗚咽を上げる。

 

 

「…、ッ俺は…何ということを…ッ…俺は…俺はどうしたらッ……く、ぅ…ッ」

 

 

「…」

 

 

見たことのないジェラールの姿にエルザは眉を寄せ俯く。

 

 

「(これが…あのジェラール……)」

 

 

 

「っ…く……ぅッ…」

 

 

 

人々を裏切り悪逆を尽くしていたジェラールの姿は今や見る影もなくエルザの目の前には、己の犯した罪に怯え弱々しく肩を振るわせるジェラールしかいなかった。

 

 

あれから互いに俯き続け風の音しか聞こえぬ静寂の時が流れた。

しかし、それを唐突に破る者がいた。

 

 

「―――――テメェの記憶がねぇのはよくわかった。道理で心の声が聞こえねぇわけだ」

 

 

「、…!」

 

 

「っ六魔将軍…!」

 

 

エルザの振り返った先にいたのは、キュベリオスを従わせ不機嫌そうな顔をしたコブラ。

 

 

「どうやってここまで来た。…で、何故ニルヴァーナの封印を解いた?」

 

 

「……眠っているときに、誰かの声が聞こえた」

 

 

シャーッと威嚇をするキュベリオスと怒気を含んだコブラの声に、ジェラールは少し躊躇いを見せながらもゆっくりと答える。

 

 

「ニルヴァーナを手に入れると。微かにその魔法と、隠し場所は覚えていた。…これは危険な魔法だ。誰の手にも渡してはいけない…」

 

 

「…」

 

 

「…、」

 

 

「――――――…だから、完全に破壊するために封印を解いた」

 

 

「っな…!?」

 

 

「ニルヴァーナを破壊する、だと…!?」

 

 

驚きに目を見開くエルザとコブラ。

そんな二人をジェラールは静かに見据え淡々と言葉を口にする。

 

 

「自立崩壊魔法陣は既に組み込んである。ニルヴァーナは間も無く自ら消滅するだろう」

 

 

その言葉を合図に黒い光の柱に不思議な形の魔法陣が広がっていく。

自立崩壊魔法陣。

これは魔法陣を組み込んだものを自ら消滅させてしまう破壊魔法だ。

 

 

「くっ…」

 

 

コブラは急いで光の柱に駆け寄り魔法陣の解除を試みる。

だが、ジェラールが組み込んだ魔法陣はあまりにも高度なもので、あの六魔将軍でさえも解けぬものであった。

 

 

「このままじゃ…っニルヴァーナが崩壊するッ!!ジェラール!!解除コードを吐きやがれ!!」

 

 

「……っぐ…」

 

 

「「、!?」」

 

 

焦ったコブラがジェラールに詰め寄り自立崩壊魔法陣の解除コードを聞き出そうとしたときだった。

突然胸を押さえ苦しみだすジェラール。

その顔には汗が吹き出し、頬を伝い落ちている。

エルザとコブラは何が起きたのか理解できず唖然とジェラールを見つめることしかできない。

 

 

 

「エルザ…、その名前からは、優しさを感じる…」

 

 

「…」

 

 

「っ…、明るくて、優しくて……温かさを感じる…」

 

 

苦しげに顔を歪めながら、ジェラールは目の前のエルザに目を向ける。

 

 

「きっと君は俺を憎み続ける…それは仕方ない、当然のことだ…」

 

 

「、…」

 

 

「しかし憎しみは…心の自由を奪い、君自身を蝕む…ッハ、ハ…」

 

 

「お前…、!!」

 

 

そこでエルザはジェラールの胸に広がるものに気が付く。

ニルヴァーナに広がっているものと同じ――――――自立崩壊魔法陣。

 

 

 

「俺はそこまで行けない…君の前には…行け、ない…ッ」

 

 

「こいつ…!!自らの身体にも自立崩壊魔法陣を…ッ!!」

 

 

荒い息をしつつジェラールはふ、と何かを思い出したように苦笑を溢す。

 

 

ぐらりとジェラールの身体が後ろに揺らぐ。

エルザの目の前でジェラールの身体がゆっくりと倒れていく。

 

 

「…ジェラール、から……解放、されるんだッ…」

 

 

「……」

 

 

「君の憎しみも…、悲しみも……俺が、連れて逝く…」

 

 

「……」

 

 

「君は……自由だ…!!」

 




フランの技募集とこの小説のヒロイン募集をしたいと思います。一応はヒロインはウェンディとなっていますが皆さんにも決めて欲しいと思いアンケートにしました。技に関しては作者は余り作れないので皆さんの知恵をお貸しください。お願い致します。


(ヒロイン1ウェンディ
ヒロイン2メルディ
ヒロイン3シェリア


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ミーは、妖精女王とジェラールを見つけましたー。

 

 

 

「っ、ジェラァァール!」

 

 

倒れるジェラールを追いかける様に走り出す妖精女王。

その瞳からは溜まった涙が零れ落ち空に消えましたー。

 

 

「く…っ」

 

 

駆け寄った妖精女王はジェラールの胸倉を掴み上げて揺さぶるが、ジェラールは瞳を閉じたまま反応を示しませんー。

ジェラールの胸元の自立崩壊魔法陣が徐々に喉元へと広がって行きましたー。

 

 

「自立崩壊魔法陣の解除コードを墓場に持って逝く気かよ…!!」

 

 

「っ、許さん…!!このまま死ぬことは私が許さん…ッ!!」

 

 

毒蛇使いの言葉を聞き、妖精女王は先程よりも強くジェラールを揺さぶりましたー。

 

 

「お前には罪がある!!思い出せ…!!何も知らぬまま楽になれると思うな…ッ!!伝えたいことがあるなら自分で伝えろッ!!」

 

 

「、ぅ…」

 

 

妖精女王の声と揺さぶりに、ジェラールの瞼が僅かに開かれましたー。

だが、瞼の隙間から覗く瞳には光がないですよー。

 

 

「生きて足掻け…ッ!!ジェラール!!」

 

 

「…っ」

 

 

力なく、再び閉じられようとした瞼は、妖精女王の悲痛な叫びに反応し大きく見開かれましたー。

ジェラールの瞳に光が戻り、妖精女王の姿を映しましたー。

 

 

「…、…」

 

 

歯を食いしばり、涙を流す妖精女王。

その姿をジェラールは茫と見つめ目を細めて微笑みましたー。

 

 

「エルザ…何故…君が、涙を?」

 

 

「、…ぁ…」

 

 

ジェラールにそう言われ、今初めて気が付いたように己の手を見つめましたー。

鎧で覆われた妖精女王の手には零れ落ちた涙の痕。

 

 

「優しい、んだな……、…」

 

 

「っ、ジェラール!」

 

 

嬉しそうに微笑み、ジェラールが再度目を伏せましたー。

ジェラールが身体から力を抜いたことで、ぐっと妖精女王の腕に重みが掛かりましたー。

 

 

「ジェラール!しっかりしないか!―――――っ!?」

 

 

必死にジェラールを起こそうとしている妖精女王の背後、突然杖が地に打ち付けられ、トンッという音が響来ましたー。

 

 

「―――――…これは一体何事か?」

 

 

「、お前は…!!」

 

 

腕で涙を拭い、音と声のした方に妖精女王が振り返るとそこには六魔将軍のブレインが立っていた。

 

 

「…自立崩壊魔法陣」

 

 

「っジェラールが組み込みやがった!!マズイぜ…このままじゃ、せっかくのニルヴァーナが消滅しちまう…ッ!!」

 

 

ニルヴァーナに広がる魔法陣を見上げ呟きを溢すブレイン。

そんなブレインを見、毒蛇使いは切羽詰まった声で状況を説明しましたー。

 

 

ニルヴァーナは間も無く崩壊する……

しかし、こんな状況だというのにブレインは口角を上げ面白おかしげに笑いましたー。

 

 

「クク…案ずるなコブラよ。私が何故、ブレインというコードネームで呼ばれているか知っておろう?」

 

 

「…、?」

 

 

笑みを浮かべたまま近づいてくるブレインに構えながら、妖精女王は話に耳を傾けましたー。

 

 

「私はかつて、魔法開発局にいた。その間に我が知識をもってして作り出した魔法は数百にも昇る」

 

 

「…」

 

 

「その一つがこれ……、自立崩壊魔法陣。――――――私がうぬに教えたのだ。忘れたか?…ジェラール」

 

 

「…!」

 

 

驚きに目を見開く妖精女王

その傍らに倒れているジェラールも、僅かに瞳を開けますー。

 

 

「フン…自らの身体にも自立崩壊魔法陣だと?解除コード共に死ぬ気だったというのか」

 

 

「エーテルナノの影響で記憶が不安定らしい。どうやら、自分が悪党だったってことも知らねぇみてぇだ」

 

 

「フ、クハハハ…!何と…滑稽な」

 

 

「…ッ」

 

 

自立崩壊魔法陣の影響で苦しむジェラールを見下したように笑うブレイン。

妖精女王がキッと睨み付けるが、ブレインはそれを躱し自立崩壊魔法陣が組み込まれているニルヴァーナへと近づ来ましたー。

 

 

「クク、解除コードなどなくとも…魔法陣そのものを無効化できるのだよ。…私は!!」

 

 

そう言ってブレインは自立崩壊魔法陣に手を翳し、スッと手を振り上げましたー。

すると、広がっていた魔法陣がまるで逆再生されるかのように砕け消えて行きましたー。

 

 

「、…そんなッ…」

 

 

絶望的な表情をするジェラールをブレインが嘲笑いましたー。

 

 

「哀れだなジェラール。――――ニルヴァーナは私が頂いた!!」

 

 

両腕を広げ、そう高らかにブレインが告げた。

…だが…

 

 

「っ!?」

 

 

突如悪寒が背筋を走り、バッと上を仰ぎ見ましたー。

何事だ?と、妖精女王たちもつられる様に上を向く。

すると…―――――

 

 

「気づくの遅いですねー。」

 

 

「な…、貴様…『闇ギルド潰し藍霧の幻術師』ッ!?」

 

 

「てめぇ…!」

 

 

「フラン…!」

 

 

「…、」

 

 

そこには、巨大な魔法陣を展開しているミーの姿。

魔法陣の向く先にはニルヴァーナ。

ミーは、形態変化したままのD・スペードの魔レンズを使いニルヴァーナの弱点を探しそこに嵐属性の"分解"と雲属性の"増殖"を使い大量の魔法陣を作り上げましたー。

 

 

「あれは…なんだ」

 

 

「ニルヴァーナを破壊する気かよ…!?」

 

 

ミーの行動に焦りを見せるブレインと毒蛇使い。

妖精女王とジェラールはただ唖然としていましたー。

 

 

「っさせるか!!キュベリオス!!」

 

 

「、っ待て…!」

 

 

妖精女王が反応するよりも早く、毒蛇使いの声にキュベリオスはシャーッと鳴き体を地に叩きつけてぐんっと宙へと飛びましたー。

毒牙を剥く先には、魔法陣を展開していて身動きが取れないミー。

 

 

 

「ッ…!」

 

 

「フラン!!」

 

 

「何てこと、を…」

 

 

キュベリオスの牙がミーの肩に突き刺さる。

ミーはキュベリオスが喰らい付いてそのまま真下に落ちて行きますー。

しかし、それが本物でしたらねー。

その直後に幻覚のミーはそのまま粉砕しましたー。

 

 

「なっ!!なんだと!!!」

 

 

「ミーは、ここですよー。」

 

 

ミーはすぐに解け掛けた魔法陣を再度発動させようとしましたが…時既に遅しでしたよー。

 

 

「フハハハハッ!!残念だったな!!ニルヴァーナは私のものだ!!」

 

 

一瞬の間に発動してしまうニルヴァーナ。

これではもう破壊のしようがないですねー。

 

 

「ちえ……」

 

 

ミーが舌打ちを付く間もなく、ニルヴァーナの周りが下から順に崩壊し始めましたー。

 

 

「フラン…!ジェラール!、…ッあ…っ」

 

 

二人に駆け寄ろうとする妖精女王だが、崩れる瓦礫に足を取られそのまま崩壊に巻き込まれてしまいましたー。

 

 

「エルザ!…っ!?」

 

 

落下するエルザの手を掴もうと腕を伸ばすジェラールだが自身の下の地も崩壊し始めバランスを崩してしまいましたー。

そんな二人を見てため息をするミーは空を蹴ると幻覚で出来た鷹に乗り2人の元へ向かいますー。

 

 

「妖精女王!!ジェラール!!捕まれ…ッ!!」

 

 

「フラン…!」

 

 

「、…!」

 

 

自分たちを追いかける様に崩壊の中に飛び込んできたミーに、妖精女王とジェラールも腕を伸ばしましたー。

幻覚で出来た鷹は爪で2人を掴みミーは2人を背に乗せましたー。

 



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ミー達は、まだまだ諦めませんー。

 

 

 

―――――…ニルヴァーナの発動は、光の柱をより太くしそして轟音と共に激しく地を揺らし始めましたー。

樹海に散らばっている連合軍は驚きに目を見開きただ揺れに耐えましたー。

すると、光の柱を中心に地面から何かが盛り上がり始めましたー。

それは、所々に苔や蔦が巻き付いた古い石で造られており何本もある"それ"は、何やら昆虫の足のようでしたよー。

 

 

「気持ち悪いですねー。」

 

 

視界を遮断していた砂煙が晴れ、徐々に"それ"の正体が明らかになって来ましたー。

地中から伸びた六本の足に支えられてその中心には巨大な古い都市の様なものが出てきましたー。

―――――これがニルヴァーナの最終形態なんですねー。化猫の宿のマスターー。

 

 

「光を崩す最終兵器、超反転魔法…ニルヴァーナ!!正規ギルド最大の武器である、結束や信頼は今この時をもって無力となる!!」

辺りに響き渡るブレインの勝ち誇った高らかな声を聞きましたー。

 

 

 

「…舞えムクロウ、形態変化!!」

 

ムクロウがVGになり武器も三叉の槍から、イヤリング同様の飾りを持った杖になりましたよー。

鷹に、乗ったエルザに手首を掴まれ同じくぶら下がっているジェラールの姿がありましたー。

 

 

「エルザ…」

 

 

「…っ自分にかけた自立崩壊魔法陣を解け!!お前には、生きる義務がある!!」

 

 

エルザの言葉に、ジェラールは悔しげにしていましたー。

 

 

「俺は…ッ…ニルヴァーナを止められなかった…っ!!」

 

 

「それは、ミーも同じですー。」

 

 

「、!」

 

 

吐き出すようなジェラールの言葉に、ミーは答えましたー。

ジェラールが顔を上げましたー。

 

 

「…きみ、は…」

 

 

「それより、早く行きますよー。」

 

 

ジェラールが何か言おうとするが…口を閉じましたー。

 

 

「っ、揺らしますよー。妖精女王ー。タイミングを見て飛んで下さいー!!」

 

 

「わかった!」

 

 

了承の声を合図に、ミーは妖精女王を前後に揺らすように幻覚を動かし始めましたー。

すると、ミーと妖精女王とジェラールの体は振り子のように揺れ始め、その揺れは徐々に大きなものとなって行きましたー。

 

 

「行きますよー。」

 

 

「っあぁ!」

 

 

後方に大きく揺れ、一度宙で停止するミー達。

そこから一気に幻覚の鷹は、前へと押されましたー。

そして、近づいた瞬間を見計らいミー達は飛びましたー。

 

 

「ふう…」

 

 

「っ、」

 

 

勢いよく飛ばされた妖精女王とジェラールは、ニルヴァーナの足の付け根部分のスペースに打ち付けられましたー。

背中の傷みに顔を歪めながら、妖精女王は端へと移動し下を見下ろしましたー。

 

 

「大丈夫かフラン!」

 

 

「大丈夫ですー。」

 

 

ミーはは妖精女王に手を振りましたー。

 

 

「大丈夫ですかー?」

 

 

「あぁ」

 

 

「…」

 

 

ミーは無事を確認する声に、妖精女王は頷いてくれたがその傍らのジェラールは暗い表情で俯いたままでしたよー。

 

 

「…ジェラール?」

 

 

「…もう…終わりなんだ……」

 

 

肩を震わせ、そう呟くジェラール。

ニルヴァーナを止められなかったことを悔やんでいるようですねー。

 

 

「何が終わるものなんですかー?見て下さいよー。」

 

 

「?」

 

 

「来ましたー。」

 

 

妖精女王が見ろと促す方へ、首を傾げながら視線を向けるジェラール。そしてやや驚きの声を上げましたー。

 

 

 

「―――――うおぉぉおおぉぁぁ!!」

 

 

 

ミー達の視線の先には、雄叫びを上げながら猛スピードでニルヴァーナの足を駆け上がる火竜さん。

その後ろに氷魔法の変態さんと星霊女と続き、他の足にも連合軍の面々の姿が確認できましたー。

まだ、誰も諦めていませんー。

 

 

「…私たちは決して諦めない。希望は常に繋がっている」

 

 

力強い妖精女王の言葉。

風に揺れる緋の髪が美しいですねー。

 

 

「生きて、この先の未来を確かめろ、ジェラール」

 

 

「……行くよ、一緒に」

 

 

ふっ、と微笑むジェラール。

その顔にはもう恐れの色はなかったですー。

 

 

ジェラールは、ゆっくりとした動作で差し出された妖精女王の手を握り向かい合う様に互いに立ち上がりましたー。

暖かな風がミー達の髪を撫でましたー。

 

 

あれからミー達は都市の様な古い遺跡を散策していましたー。

ここはかつて、古代人ニルビット族が住んでいた都市だそうですー。

 

 

今からおよそ四百年前のことでしたー。

世界中でたくさんの戦争があったそうですー。

中立を守っていたニルビット族はそんな世界を嘆き世界のバランスをとるための魔法を作り出しましたー。

 

それが、光と闇を入れ替える超魔法 ニルヴァーナ。

この名は、平和の国を意味して付けられたものだが、皮肉にも、今は邪悪な目的のために使われようとしていましたー。

 

 

ニルヴァーナについては、ジェラールの説明で大体理解しましたー。

あとは止め方だけだが、これに関してはジェラールもお手上げらしいですー。

 

 

取り合えず今は、ニルヴァーナを動かしているであろう。ブレインを目指していましたー。

 

 

「、まただ…」

 

 

「あっちからも闘いの音が聞こえる…」

 

 

「派手ですねー。」

 

 

途中、所々で上がる激しい戦闘の音がミー達の耳に届いていましたー。

誰が闘っているのかを知るべく耳を済ませるミー。

 

 

――――――空を羽ばたく音、威嚇の声、咆哮、酸素が燃える音…

そして感じる、二頭の竜の気配。

 

 

 

「…あれは火竜さんですねー。…、相手は毒蛇使いですねー。』

 

 

「ナツが…」

 

 

六魔将軍のコブラが滅竜魔導士だということは、確信はありましたー。

毒蛇使いは相手の心の声を聞く能力を持っているみたいですー。

 

 

「あっちは…知らない声ですー。…多分六魔将軍ですねー。」

 

 

火竜さんからやや離れたところから聞こえる闘いの音。

どういうことかはわからないがどうやら六魔同士で闘い合っているらしいですねー。

 

 

そして、大地を揺らす"何か"咆哮が辺りに木霊しましたー。

ミー達は声が聞こえてきたに方向に目を向け辺りを窺う。

その咆哮はまるで、本物の竜(ドラゴン)の声の様ですねー。

 

 

「、何だこの声は…?」

 

 

「火竜さんですねー。」

 

 

「…、ナツ……」

 

 

全くアイツは、と苦笑する妖精女王と、眉を寄せて考え込むジェラール。

そしてミーは怒気を含んだ火竜さんの咆哮に鳥肌を立たせいましたー。

これはきっと、ミーの内の竜が、火竜さんという竜を意識したからですかねー。

相変わらず、火竜さんは凄まじいですー。

 



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ミーは、仲間を探しますー。

 

 

 

その頃、毒蛇使いを倒した火竜さんは氷魔法の変態さんやジュラたちと合流して今度は六魔将軍の司令塔である、ブレインと交戦していましたー。

交戦と言っても闘っているのは蛇姫の鱗(ラミアスケイル)のジュラであり乗り物に弱い火竜さんは動くニルヴァーナにただ苦しんでいましたー。

 

 

「常闇奇想曲(ダークカプリチオ)!」

 

 

「岩鉄壁!!」

 

 

目の前では、六魔と聖十の激しい攻防が繰り広げられていましたー。

氷魔法の変態さんと星霊女は唖然とその光景を見つめていましたー。

 

 

「これはリオンが"さん"付けで呼ぶわけだ…」

 

 

「こいつらと一人で闘ってたフランも凄かったけど、ジュラも凄い!!」

 

 

「あい!!」

 

 

「ふんっ!」

 

 

「ぐああぁぁ…ッ!」

 

 

幾度となく訪れるピンチをジュラは冷静に覆してブレインを追いこんでいましたー。

そして激闘の末、遂にジュラは六魔将軍のボスのブレインを倒しましたー。

 

 

 

「ま…まさかこの私が…やられる、とは…ッ…、ミッドナイトよ…あとは頼む…、六魔は…決して倒れてはならぬ…ッ」

 

 

「「「…」」」

 

 

最後の力を振り絞り、懇願するように呟くブレインを氷魔法の変態さん達は黙って見下ろしていましたー。

 

 

「六つの祈りが消えるとき…あの方が…ッ、」

 

 

「あの方…?」

 

 

ジュラの疑問に答える前に意識を失うブレイン。

その間際、ブレインの顔の模様がスッと消えたように氷魔法の変態さんの目に映りましたー。

 

 

「コイツの顔…模様が一個消えたように見えなかったか?」

 

 

「ぶ、不気味なこと言わないでよー!!夢に出ちゃうじゃない…!」

 

 

「うーむ…」

 

 

腑に落ちないがこれでほとんどの六魔は倒しましたー。

残るはブレインの言っていたミッドナイトという男のみらしいですー。

取り合えず、今はニルヴァーナを止めることが先決と、氷魔法の変態さん達がこれからどう動くべきか考えてますー。

すると……

 

 

「―――――皆さーん!!」

 

 

「、?ウェンディ!!」

 

 

遠くから聞き慣れた声が聞こえて来ましたー。

目を向ければ、一生懸命こちらに走ってくるウェンディとシャルルの姿が映りましたー。

 

 

「やっぱりこの騒ぎはアンタたちだったのね…」

 

 

「っこの都市!!私たちのギルドに向かっているかもしれません!」

 

 

「…らしいが、もう大丈夫だ」

 

 

「え?」

 

 

首を傾げるウェンディに氷魔法の変態さんが事の顛末を話すと、パァと顔をほころばせた。

ニルヴァーナを動かしていたのはブレイン。

そのブレインを倒したのだから、ニルヴァーナを止められるはずですー。

 

 

「気になることが多少あるが…これで終わるのだ」

 

 

「っ、まだ終わりじゃねぇーよ…ッ」

 

 

「ん?」

 

 

深刻そうな声を上げる火竜さんに、皆が不安げに目を向けましたー。

 

 

「…早く、…これ、とめてぇ…!おぶぉ…っ!」

 

 

「ナツさん!まさか…毒に…っ!?」

 

 

「「うーん…」」

 

 

ただの乗り物酔いを毒による影響かと心配するウェンディに、氷魔法の変態さんと星霊女が呆れながら首を横に振りましたー。

ジュラも珍しく苦笑いを浮かべている。

 

 

「もう、雄猫もよ!全くだらしないんだから!」

 

 

「あい…」

 

 

 

―――――…僕は、僕は夢を見る

 

 

 

「む!?」

 

 

脳内に響き渡る声にホットアイが目を見開く。

ニルヴァーナの影響で連合軍側についたホットアイは、六魔将軍のミッドナイトと交戦していた。

六魔同士の闘いは激しさを見せたが、それはホットアイの勝利ということで終結したかと思われた。

だがしかし、目の前には傷だらけだというのに、なお、立ち上がるミッドナイトの姿。

それに少し様子がおかしい。

 

 

「君も夢を見る…、……真夜中に」

 

 

不敵な笑みを見せるミッドナイト。

その体には先程まであった傷が跡形もなくなっている。

 

 

「…?、っああぁぁあ゛ぁぁあ…ッ!?」

 

 

そして突然悲鳴を上げるホットアイ。

その悲鳴はまるで体を引き絞るかのような声だ。

 

 

「僕に魔法は、あたらない」

 

 

「ああ゛ぁぁ…っ…ああぁあぁぁっっ…!?」

 

 

「僕は父上をも超える、最強の導士なんだ」

 

 

化粧の施された黒の唇が三日月の様に吊り上る。

それを境に、ホットアイの悲鳴が途絶えた。

―――――…ブレインの顔からまた一つ、謎の模様がスッと消えた。



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ミーは、出番はまだ来ないですー。でもギルドを守りますー。

 

 

 

火竜さん達はジュラの力を借り確かにブレインを倒しましたー。

だが、ニルヴァーナはその六つの足を止めてませんー。

何とか止めようとするナツたちだが、途中ある一つの事に気が付く。

ニルヴァーナは行先から照準まで、全て全自動へと切り替えられていたのですー。

 

 

「そんな…」

 

 

涙を浮かべるウェンディ。

このままでは彼女とミーのギルドがニルヴァーナに攻撃されてしまいますー。

 

 

「大丈夫だ。絶対止める!!」

 

 

そんなウェンディを彼女の魔法で乗り物酔いから復活した火竜さんが力強い言葉で励ましたー。

 

 

「止めるって言っても、どうやって止めたらいいのかわかんないよー」

 

 

「壊すとか?」

 

 

「…はぁ、またそういう考え?」

 

 

「こんなでけぇモノ、どうやってだよ!」

 

 

とんでもないことを言い出す火竜さんに星霊女と氷魔法の変態さんがツッコみを入れましたー。

 

 

「やはり、ブレインに聞くのが早そうだ」

 

 

「簡単に教えてくれるかしら…」

 

 

「…」

 

 

色々な案が上がる中ウェンディは一人あることを考えていましたー。

 

 

「もしかして…ジェラールなら…」

 

 

ブレインたちが必要としていたくらいですー。

もしかするとジェラールはニルヴァーナの止め方を知っているかもしれませんー。

だが、洞穴で火竜さんがジェラールへ向けていた目をウェンディは思い出しましたー。

疑問、怒り、憎しみ……きっとこれは言ってはダメなことだと。

 

 

「、?何か言った?」

 

 

「どうかしたか?」

 

 

「っ、ううん。何でもない……私、ちょっと心当たりがあるから探して来ます!」

 

 

「あ、」

 

 

「ウェンディ!待ちなさーい!」

 

 

「おい!」

 

 

首を傾げる星霊女と氷魔法の変態さんにウェンディは首を横に振りそしてその場から逃げるように走り出しましたー。

その後をシャルルが名前を呼びながら急いで追いかけましたー。

二人の姿はすぐに見えなくなりましたー。

 

 

「…、どうしたんだろう…?」

 

 

「うーむ…」

 

 

ウェンディの突然の行動に困惑する火竜さん達

すると…

 

 

【―――――皆さん、聞こえますか?】

 

 

突然脳内に語りかけるような声が響いた。

…これはホットアイの声でしたー。

驚き、周りを見渡す皆さん。

 

 

「念話!!」

 

 

「リチャード殿!無事なのか!?」

 

 

【残念ながら、無事ではありませんです…ミッドナイトにはやはり敵わなかった…】

 

 

悔しげなホットアイの声に皆さんは眉を寄せ続きを聞こうと念話に耳を傾けましたー。

 

 

【皆さんの力を合わせて、ミッドナイトを倒してください…!!奴を倒せばニルヴァーナへの魔力供給が止まりこの都市は停止するはず…!!】

 

 

「生体リンク魔法で動いてやがったのか…」

 

 

【奴は王の間の真下にいます…!!気を付けてください!!奴はとても…とても強いです…ッ!!】

 

 

「強ぇ奴か!!よーしっ!!燃えてきたぞ!!」

 

 

「ナツ、止めるためだよ!」

 

 

意気込む火竜さんを宥めるハッピー。

途切れ途切れにホットアイは続けましたー。

 

 

【六つの祈りは残り一つとなりました。皆さんを信じます!必ず勝って…ニルヴァーナを止めるのです!!お願い、します…ぐぁ…ッ】

 

 

「リチャード殿!」

 

 

呻き声を最後に、遂に念話が途切れましたー。

ホットアイの話によれば目的の場所は丁度火竜さん達の真下ですー。

火竜さん達は急いで王の間を後にしましたー。

 

 

「――――――あそこか…!」

 

 

走ること数分、火竜さん達の目の前に現れたのは巨大な扉。

 

 

「よーっし!出てこい、居眠りヤローっ!」

 

 

先頭を走っていた火竜さんが勢いよく扉に飛びつきその取っ手をを力一杯引っ張りましたー。

すると、重々しい音を立て徐々に扉が開かれて行きましたー。

扉の奥には眩いほどの光。

 

 

「「「、!」」」

 

 

「ッ!!罠だー!!」

 

 

目を見開き、驚きに固まる火竜さん達。

誰よりも早く状況を理解したジュラが大声で叫ぶが…

次の瞬間、火竜さん達は光に包まれますー。

そして、刹那ほど遅れて爆炎と爆音が同時に上がりましたー。

全てはホットアイを偽ったブレインの罠だったのですー。

 

 

「今の爆発は…」

 

 

「王の間の方ですー。」

 

 

突如響き渡った地をも揺らす爆音に、ミーは足を止めましたー。

微かに漂う焼け焦げた匂いにミーは眉を寄せましたー。

 

 

「(血の匂い…)」

 

 

ミーは、目つきを鋭くさせながらスッと背後を振り返りましたー。

 

 

「父上も人が悪い」

 

 

「「、!」」

 

 

いきなり背後から聞こえてきた声に、妖精女王とジェラールはバッと振り返りましたー。

そこには、既に臨戦態勢をとっているミーと雲属性の蝶のロディと六魔将軍最後の一人であるミッドナイトの姿がありましたー。

 

 

「僕の楽しみを奪ってしまうんだからねェ」

 

 

そう言って妖しい笑みを浮かべながらこちらに近づいてくるミッドナイト。

 

 

「もう、君たちが最後の獲物だ。楽しませて欲しいなァ」

 

 

「…」

 

 

ミーにに習い、妖精女王は構えを取ろうとするがそれをジェラールが庇う様に制しましたー。

 

 

「下がっていてくれ、エルザ」

 

 

「ジェラール…」

 

 

予想外の行動に驚くエルザだが、ジェラールのキッとした表情を見、納得いかなさそうな顔をしながらもスッと体を退く。

 

 

「…」

 

 

「邪魔しないで下さいよー。」

 

 

ジェラールは無言でミーに目配せしてそれに答えるようにミーが頷きましたー。

ミッドナイトの前に、ミーとジェラールが肩を並べましたー。

 

 

「…ハッ…!!」

 

 

まず、ジェラールが攻撃を放ちましたー。

だがその攻撃はミッドナイトに届く寸前で曲がりその背後の地面に当たりましたー。

 

 

「、…あたらな、かった……、っう…!」

 

 

「っよせ、ジェラール!その体では無理だ!私が…」

 

 

「っ!」

 

 

「…(今のは、攻撃が曲がりましたねー。あの男の魔法ですかねー?警戒は必要ですねー。)」

 

 

苦しげに呻くジェラールを気遣い前に出ようとする妖精女王。

だが、ジェラールはそれを頑なに拒み数歩前に出ましたー。

 

 

「おいで」

 

 

「はぁ!!」

 

 

「フンッ!」

 

 

今度はミーはニルヴァーナと同じ魔法陣を展開して無数の攻撃を放ちましたー。

ズドンッという音がして砂煙が立ち上がりましたー。

 

 

「っ、!?うぐ…ッ」

 

 

「(やっぱり、傷がないですー。)」

 

 

歯を食いしばり肩を震わせるジェラールを心配げに見る妖精女王。

だが、すぐに視線をミッドナイトに戻しますー。

砂煙が晴れ、姿を現したミッドナイトには掠り傷一つついていないですよー。

 

 

「はぁ…足でまといなのでそこに居てくださいー。」

 

 

何とか起き上がろうとするジェラールをミーが制しましたー。

ジェラールは自分に掛けた自立崩壊魔法陣の影響で予想以上に魔力を失っていますしー。

ミッドナイトを相手にするのはやはり無理ですー。

 

 

「『闇ギルド潰し藍霧の幻術師』次は君かい?」

 

 

「そうですよー。手加減しませんのでー。」



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ミーは、ミッドナイトと対峙しましたー。

 

 

 

対峙するミーとミッドナイト。

その後ろで妖精女王が静かに剣を換装しましたー。

 

 

「随分と余裕ですねー。」

 

 

「まぁ、ね」

 

 

ミッドナイトが再び腕を振りましたー。

すると、さっきと同じように赤い風圧がミーに目掛けて飛んで行きましたー。

ミーは地を蹴り、杖にの魔力を集めましたー。

集まった魔力が形成するのは―――――鴉

 

 

「…ふう」

 

 

「おっと」

 

 

赤い風圧を杖で弾き、ミーはミッドナイトに回し蹴りを放ちましたー。

 

 

「(格闘は苦手ですー。)」

 

 

ミッドナイトはそれを簡単に避けてみせ、振り返り際に再度赤い風圧を放ちましたー。

が、既にそこにミーの姿はない。

 

 

「ハァァ!」

 

 

「上、」

 

 

鋭い殺気に上を見上げれば、幻覚で出来た剣を突き刺さんとばかりに構えるミー。

その刀がミッドナイトへと押し出されましたー。

―――――しかし

 

 

「フフ」

 

 

「厄介ですねー。」

 

 

剣はミッドナイトに刺さる寸前のところで切っ先を曲げましたー。

ミーの体は勢いを殺し切れずに傾くが、瞬間的に地に手を付き、バク転で体勢を整えると共に距離を取りましたー。

 

 

「はぁ!」

 

 

入れ違いに今度は妖精女王がミッドナイトに斬り掛かりましたー。

だが、エルザの剣も先程同様、切っ先を曲げ、ミッドナイトには届きませんでしたー。

 

 

「もうメインディッシュの時間かい?エルザ・スカーレット」

 

 

「、うあぁぁッ!」

 

 

「エルザ!!」

 

 

更に、ミッドナイトが手を振ると突然に妖精女王の鎧が形状を変えてその体を絞めだした。

 

 

「あぁ、動かない方がいいよ。エルザ・スカーレットが絞殺されるところが見たいなら別だけどね」

 

 

「ぐあぁっくぅ…ッ!」

 

 

形状を変えた鎧はエルザの喉を絞め上げましたー。

剣先が曲がったり、鎧の形状が変わったり…何だこいつの魔法はめんどくさいんですからー。

 

 

 

「、っはあぁぁ!!」

 

 

「!」

 

 

妖精女王は鎧の換装を無理やり解き、己でミッドナイトの呪縛から逃れましたー。

そして新たに天輪の鎧を換装しましたー。

 

 

「成る程、そういう魔法か」

 

 

「…そう、僕の屈折(リフレクター)は全てのものを捻じ曲げて歪ませる」

 

 

「リフレクター…」

 

 

「魔法を跳ね返すことも出来るし、光の屈折を利用して幻だって作れるんだ」

 

 

「ッ…何と言う魔法だ…」

 

 

誇らしげに語るミッドナイト。

これまた随分と面倒くさい魔法ですねー。

 

 

 

「…行くぞ!――――舞え!剣たちよ!」

 

 

妖精女王の声に、無数の剣がミッドナイトへ飛んで行きましたー。

だがミッドナイトは余裕の表情のままその場に立っていましたー。

 

 

「数撃てばあたると思った?」

 

 

そう呟くミッドナイトには、確かに剣は一本もあたらないですねー。

そればかりか、無数の剣をエルザに弾き返してきたのですー。

 

 

「ふっ、くっ!」

 

 

「エルザ!」

 

 

エルザも向かって来た剣全てを両手の剣で弾き返す。

最後の一本をエルザが弾き返した時、ミッドナイトが腕振る。

すると、天輪の鎧までもが形状を変えて妖精女王の体に巻き付いた。

 

 

「もっと…もっと苦しそうな顔をしてくれよ!」

 

 

「うあああぁぁぁッ!」

 

 

「、エルザ!」

 

 

さっきと同じ状況。

これでは動けないですねー。

 

 

「そう…その顔が最高なんだ…」

 

 

舌なめずりをし、興奮した表情で妖精女王を見るミッドナイト。

妖精女王が握っていた剣をミッドナイトへ投げつけましたー。

だがミッドナイトは微笑を浮かべ、首だけで剣を避けましたー。

 

 

「…(そういう訳ですかー。)」

 

 

何故首で避ける必要があった?

さっきみたいに弾き返せばよかっただろう。

優位を見せつけるため?―――――いや、もしかすると…

 

 

ミーは何気なく妖精女王に目を向ける。

すると、妖精女王もミーを見ており、フッと笑みを浮かべましたー。

ミーの口角もニィとつり上がりましたー。

 



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ミーは、敵の弱点を見つけましたー。

 

 

 

「…まだ死なないでよ。化猫の宿(ケットシェルター)に着くまでは遊ばせて欲しいなァ」

 

 

「化猫の宿…?」

 

 

「僕たちの最初の目的地さ」

 

 

「何故…そこを狙う…ッ」

 

 

地に手を付き何とか上半身を起こすジェラール。

ミッドナイトはゆっくりと振り返り、口角を上げましたー。

 

 

「その昔、戦争を止めるためにニルヴァーナを造った一族がいた。…ニルビット族だ。しかし、彼らの想像以上にニルヴァーナは危険な魔法だった。だから自分たちの造った魔法を自らの手で封印した」

 

 

「…(マスター…)」

 

 

饒舌に語るミッドナイト。

 

 

「悪用されるのを恐れ、彼らは何十年も何百年も封印を見守り続けた。そのニルビット族の末裔のみで形成されたギルドこそが、化猫の宿さ」

 

 

彼らは再びニルヴァーナを封印する力を持っている。

だから、滅ぼのだといいましたー。

 

 

「この素晴らしい力を眠らせるなんて惜しいだろ!?この力があれば、世界を混沌へと誘えるのに…!」

 

 

「く…っ」

 

 

「…そしてこれは見せしめでもある。中立を好んだニルビット族に戦争をさせる!」

 

 

ミッドナイトは両腕を広げ、高らかに語りましたー。

 

 

「ニルヴァーナの力で奴らの心を闇に染め、殺し合いをさせてやるんだ!ゾクゾクするだろ!?」

 

 

「っ下劣な…!」

 

 

吐き捨てるように言うジェラールに、ミッドナイトが冷たい目を向け、そしてゆっくりと歩み寄りましたー。

 

 

「正しいことを言うフリはやめなよ、ジェラール」

 

 

「ッ」

 

 

「君こそが闇の塊なんだよ?汚くて、禍々しくて、邪悪な男だ」

 

 

「違うッ!」

 

 

「違わないよ」

 

 

ミッドナイトが幼子に言い聞かせるかのようにゆっくりと語りましたー。

その言葉はジェラールの心を蝕むように浸透して行きましたー。

 

 

「君は子供たちを強制的に働かせて仲間を殺し、妖精女王までも殺そうとした」

 

 

「…、っ」

 

 

「君が不幸にした人間の数はどれくらいいると思う?君に怯え、恐怖し、涙を流した人間はどれくらいいると思う?」

 

 

「、…」

 

 

ジェラールが目を逸らそうとするが、ミッドナイトがそれを許さない。

更に、優しくスッとその手を差し出しましたー。

 

 

「ジェラール、こっちに来なよ」

 

 

「ぁ…」

 

 

「ジェラール、君なら新たな六魔に相応しい…」

 

 

「めんどくさいんですからー。」

 

 

「…、!」

 

「ん?」

 

 

怯えるジェラールの目に、フラフラと立ち上がるミー、そして妖精女王の姿が目に入りましたー。

 

 

「…私は…ジェラールの中の光を知っている」

 

 

妖精女王が今までに見たことのない装備を換装しましたー。

それは異国のものを思わせる衣と薙刀。

 

 

「…へぇ、まだ立てるのか」

 

 

「貴様らのくだらん目的は私達が止めてやる。…必ずな」

 

 

「…噂通りだね、フラン、エルザ…、―――――壊し甲斐がある!おいでエルザ、フラン。…いや、妖精女王、闇ギルド潰し藍霧の幻術師。君たちの本気を見せてくれ」

 

 

ミッドナイトは挑発的な笑みを浮かべましたー。

そして、と言っても、と言葉を続けますー。

 

 

「僕に君たちの攻撃はあたらないけどねェ」

 

 

「…っ!」

 

 

妖精女王がタンッと地を蹴り、薙刀を握る手に力を込めましたー。

 

 

「…はぁ!」

 

 

「速い…!しかし…ッ」

 

 

そのスピードは目にも止まらぬもので幾つもの斬撃がミッドナイトを襲いましたー。

だが、やはり斬撃は全て弾き飛ばされミッドナイトの背後の壁を砕くだけましたー。

 

 

「いくら素早く動けても、僕のリフレクターは破れないよ」

 

 

「……」

 

 

ミーも形態変化した杖で鋭い斬撃を繰り出すが全て弾かれ掠りもしないですねー。

 

 

「ほら?…、…ッぐは…ァ!?」

 

 

余裕の表情を浮かべるミッドナイト。

だが、すぐにその顔は苦しみに歪められましたー。

何故かミーが放った蹴りが弾かれることなくミッドナイトの腹部に減り込んだのですー。

 

 

大きく後方に吹き飛ばされ、壁に激突するミッドナイト。

何が起こったかわからないという顔をしていますー。

 

 

「二つですー。」

 

 

「貴様の魔法には二つの弱点がある」

 

 

「、!?」

 

 

「(二つの弱点…だと…!?この…僅かな時間の中で…?)」

 

 

 

ミーと妖精女王の言葉に、ミッドナイトとジェラールが驚愕の表情を浮かべましたー。

 

 

「一つ目、魔法や武具を曲げられても人間の体を曲げることはできない。ミーの蹴りをわざわざ避けないで弾くなり体を曲げるなりすればいいですよねー?」

 

 

「それとさっきの攻撃。私の鎧ではなく可能なら体を曲げれば手っ取り早いはずだ」

 

 

「、……フン…だったら、何だと言うんだい!?」

 

 

ゆっくりと起き上がりそしてミッドナイトが腕を捩じる様に振るいましたー。

ミーは大きく後方に飛び退いてリフレクターの効果から逃れますー。

――――…が、妖精女王はもろにリフレクターを受けてしまい、ミッドナイトの意思の元衣がその体を絞め上げ始めましたー。

カランッとエルザの手から薙刀が滑り落ち、換装が解けましたー。

 

 

「…そうだとしても、本気を出せば衣服を使って君たちを仕留めることも可能だ!」

 

 

「…二つ目は、これだ」

 

 

ギリギリと衣服を絞め上げるが、当の本人は冷静な顔のままですー。

それが気に食わなかったのか、ミッドナイトは眉を寄せ更に妖精女王を絞め上げようとしましたー。

…だがその時

 

 

「っ、!?」

 

 

ミッドナイトの頭上に幾百もの黒い剣が出現しましたー。

呼び出したのはミッドナイトから距離を取っているミー。

 

 

「攻撃は奴にあたらないというのに…」

 

 

「、く…!」

 

 

ミーの行動を訝しげに見つめるジェラール。

変わって、ミッドナイトは何故か冷や汗を流していましたー。

 

 

「バイバイですー。」

 

 

「、うわあああぁぁあっぁぁ!」

 

 

ミーの声に、幻覚の黒い剣が一気にミッドナイトへと降り注ぎ、その肌を斬り裂きましたー。

ミッドナイトはのた打ち回るように地を転がり悲鳴を上げましたー。

 

 

「っ、うぐ…ぅ…」

 

 

「私の鎧を捻じ曲げている間、貴様は剣を避けてかわした」

 

 

「、…」

 

 

「何故剣の軌道を曲げてかわさなかったのか…。つまりは、曲げられる空間は常に一カ所ということだ」

 

 

「自分の周囲か敵の周囲のどちらか一カ所だけですー。妖精女王に魔法を掛けている間は自分の周囲にリフレクターを展開できないのですー。」

 

 

 

「(、…何という洞察力…!)」

 

 

この短時間の戦闘でミッドナイトの弱点を二つも見つけここまで追い込んだ二人にジェラールが唖然としていましたー。

 

 

「…そして、この悠遠の衣は伸縮自在の鎧…」

 

 

妖精女王が己を絞めつけている衣に手を掛けグッと引っ張りましたー。

すると、衣服の拘束が解け妖精女王の体が自由となりましたー。

 

 

「その魔法は効かん」

 

 

「ッ…!」

 

 

歯を食いしばり、悔しげな顔をするミッドナイト。

妖精女王が再び薙刀を換装しましたー。

 

 

「この鎧を含めると弱点は三つだな」

 

「残念でしたー。」

 

 

「…っ!くそ…ッあと少しだったのに…ィ!」

 

 

まるで今までの分をやり返すかのような嫌味たっぷりのミー。

ミッドナイトは悔しみに地を何度も叩来ましたー。

 

 

「勝負はついた。大人しく降参するんだな」

 

 

「うぅ……、……フフフ…」

 

 

もうミッドナイトに勝ち目はない。

誰もがそう思ったその時、ミッドナイトが突然面白可笑しげに笑い出しましたー。

 

 

「…もう真夜中だ…もう遅い。―――――もう少し早く僕にやられて安らかに眠っておけば、恐怖を見ずに済んだのにねェ…?」

 




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ミーは、真夜中の幻覚を解除する為に頑張りましたー。

 

 

 

「何ですかー?」

 

 

「鐘の音…?」

 

 

ミッドナイトがゆっくりと立ち上るのを合図に、ゴーンと辺りに何度も鐘の音が響き渡る。

 

 

「真夜中を知らせる鐘さ…そして、真夜中に僕の歪みは極限状態になるんだ!っハハハハ…ッ!」

 

 

「……(なるほど…)」

 

 

「何だこれは…ッ」

 

 

三人の目の前でミッドナイトの姿がどんどん変化していく。

そして、見る見るうちに身の丈は元の姿の何倍にもなり、最早人間と呼べる姿ではなくなった。

これはもう怪物だ。

 

 

「もゥどうなっても知らナいよォ?」

 

 

「っ、はあぁぁ!」

 

 

「……フン…」

 

 

「、!?…うあァッ」

 

 

「うああアァ…ッ!」

 

 

薙刀を構え直し、怪物と化したミッドナイトに向かうエルザ。

だが、ミッドナイトが両手に溜めた黒い球体がエルザを、フランを、ジェラールを吹っ飛ばした。

 

 

「ぐ…何だ…この魔法、は…ッ!接収(テイクオーバー)でもない…感じたことのない魔力だ…ッ!」

 

 

「くっ…」

 

 

「ジェらァーるゥゥ?」

 

 

「っ、うわあァアァッ!」

 

 

ジェラールの悲鳴に、エルザとフランは痛む体を起こし、ミッドナイトに目を向ける。

するとそこには巨大な手で鷲掴みにされ、必死にもがくジェラールの姿があった。

 

 

「フフフ…君の支配は偽りだったねェ?楽園の塔に自由はなかった…!」

 

何もできないまま、二人の目の前でジェラールがミッドナイトに呑み込まれる。

 

 

「あの暴動の後も、僕は毎日怖くて眠れなかったよ」

 

 

「何、だと…?――――……、そう…か…!お前たちもあの塔に…!」

 

 

 

ハッとするエルザ。

……そう、ミッドナイトを含む、六魔将軍のほとんどがあの楽園の塔にいたのだ。

そして、エルザやジェラール同様奴隷として働かされていた、

 

 

「コブラが言っていたのはそのことか…!」

 

 

「君も同罪だ!妖精女王…!」

 

 

「ぐっ」

 

 

全体重を乗せたミッドナイトの攻撃がエルザに向けられる。

エルザは薙刀を両手で持ち、必死に攻撃を受け止めるが、あまりの重さにその足がどんどん地面に減り込んでいく。

 

 

「君は八年間も仲間たちの苦しみから目を背け、挙句の果てに君はその苦しみの根源だったはずのジェラールといる!」

 

 

フランの耳にジェラールの苦痛の叫びが届く。

ミッドナイトの体内でどんな苦しみを与えられているのか…

 

 

「君のために命を落とした奴らにとっては、それこそ悪夢だよ!……そう思うだろゥ?」

 

 

「、ぁ…ぁぁ…っ」

 

 

エルザの顔に恐怖が浮かぶ。

その視線の先には、土色をし、空洞の目をした二人の男。

 

 

「ロブおじいちゃん…!シモン…!」

 

 

「ハッハッハ…!それは君の罪だ!彼らの悪夢は君だよ!」

 

 

「っ貴様ぁ!」

 

 

エルザがミッドナイトを斬り付ける。

だが、薙刀が斬り裂いたのはロブとシモン。

 

 

「おっと、」

 

 

驚きに目を見開くフランの目の前にいるのは、ボロボロの服に身を包んだ幼いエルザ。

 

 

「酷いなァ?仲間を手に掛けちゃったねェ?」

 

 

「このォっ!」

 

 

挑発的な物言いに、幼いエルザはキッとし、再度ミッドナイトに斬り掛かる。

 

 

「っうあッ…!」

 

 

「ジェラールさんー。」

 

 

「な、に…?」

 

 

しかし、斬り裂かれたのはミッドナイトではなくジェラール。

 

 

「そう、それでいいんだ。君の手でジェラールを葬れ」

 

 

「っおのれェェ!」

 

 

エルザは再度薙刀を構え、今度は突き刺すようにミッドナイトへ刀身を押し込んだ。

…だが、

 

「、…ぁ…!…そん、な…ッ!」

 

 

ごふっと空気が口から漏れる音。

確かにその刀身は体に突き刺さり、背中へと貫通した。

―――――……ミッドナイトではなく、フランの体に。

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

「そ、そんな…」

 

 

ミッドナイトの笑い声が響き渡る中、エルザの顔が恐怖と絶望に歪む。

 

 

「ぅ…」

 

「、!」

 

 

フランの体がぐらりと揺らぎ、エルザに力なく凭れ掛かった。

ズルッと、薙刀の刀身が更にフランの体に食い込む。

 

 

『「…ェ、…ザ…」

 

 

薙刀を放し、必死に体を支えるエルザの耳元で、フランの血に染まった口が僅かに動く。

そして何かを呟いた後、力尽きたようにフランの体が崩れ落ち、まるで闇に溶ける様に消えて行った。

 

 

「、フラン…?」

 

 

「ハハハッ!そう、そうだよエルザァ!フランにもジェラールと同じ血が流れている!」

 

 

茫然とするエルザにミッドナイトが可笑しそうに語りかける。

これでジェラールも落ち、フランも力尽き、エルザの心が壊れた。

ミッドナイトが完全なる勝利を確信したその時、

 

 

 

「―――――…だから何ですかー。」

 

 

「ッ!」

 

 

突如響いたフランの声にミッドナイトが息を呑む。

周りを見渡してもその姿は確認できない。

"今は自分が優位"のはずだ。なのに、何で…?

 

 

「何でって…知ってるでしょー?ミーは幻竜、闇に住む幻覚な竜。闇を喰らい、強くなりますー。」

 

 

「な、…!」

 

 

心を読まれたことに驚くミッドナイトだが、闇から現れたものに更に驚くことになった。

闇の中からゆっくりと、巨大なミッドナイトにも退け劣らぬ黒い竜が現れたのだ。

その目は赤々と輝き、口からは禍々しい色を帯びた魔力が溢れ出している。

頭を抱え、振り払う様に首を振るミッドナイト。

 

 

 

「幻覚は、真夜中は、…闇は…」

 

 

「っ馬鹿な!そんな馬鹿なあぁァあァ!」

 

 

「…ミーの縄張りですー。」

 

 

黒い竜の咆哮が闇に木霊し、ミッドナイトが耳を塞ぎながら叫び声を上げる。

と同時に、スパンッと空間が斬り裂かれた。

鐘の音が辺りに鳴り響いている。

一瞬、刻(とき)が止まった。

 

 



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ミーは、ギルドを守る為に力を尽くしますー。

お久しぶりです、少しずつですがまた更新して行きますので暖かく見守って欲しいです。


 

 

 

 

火竜さんたちと別れたウェンディは無事、ジェラールに会うことが出来ましたー。

まぁ、その場にミーと妖精女王いたのは驚いたが、とにかくやっとジェラールに会うことができてウェンディは喜んでいましたー。

しかし、ジェラールは記憶を失っていましたー。

だから、ウェンディや妖精女王のことも覚えておらず、ニルヴァーナの止め方も分からないとのことだった。

 

 

途方に暮れていると、火竜さんたちを全滅させたゼロが目の前に見えてきた化猫の宿に向けてニルヴァーナを発射しようとしていましたー。

 

 

「やめて―――――――っ!!!」

 

 

ウェンディの悲痛な絶叫が響いたその時……空から白い光が降ってくる。

それがニルヴァーナの足に当たってニルヴァーナは体勢を崩しましたー。

それによって、ニルヴァーナの魔法が化猫の宿から逸れたそうですー。

 

 

「キラキラさん達でしたかー。お疲れ様でしたー。」

 

 

「なんだ!?」

 

 

「外したわ!!」

 

 

それを見た妖精女王たちは白い光が降ってきた方向を見る。

そこには撃墜されたはずの魔導爆撃艇クリスティーナが空を飛んでいる姿がありましたー。

煙を上げながらも懸命に空を飛ぶ、ボロボロのクリスティーナ。

 

 

それをミー達は呆然と見上げていると、ミー達の頭の中に声が響いてきましたー。念話ですねー。

 

 

『…きこ…聞こえ…る……聞こえるかい!!誰か!!僕の声は聞こえているかい!!?』

 

 

「この声は……ヒビキさん!」

 

 

「生きてたんですねー。いまは再開を喜びましょうー。」

 

 

ウェンディが歓声をあげてミーは少しだけ悪口を口に出した。

 

 

「無事だったか」

 

 

『私も一応無事だぞ、メェーン…』

 

 

『ウェンディちゃんにフランくん!エルザさん!それに、先輩も!』

 

 

変態さんの声が聞こえてくるのを見ると彼も無事なんでしょうねー。

というか存在すら忘れていましたからー。

 

 

「どうなっている? クリスティーナは確か撃墜さたはず」

 

 

「まだ飛べたんですね」

 

 

『ああ、何とかね…僕たちは即席の連合軍だが、重要なのはチームワークだ。

壊れた翼をリオン君の魔法で補い…シェリーさんの人形撃とレンの空気魔法で浮かしているんだ。

さっきの一撃は、イヴの雪魔法にクリスティーナの魔導弾を融合させたんだよ』

 

 

連合軍の力を合わせて起こした奇跡。

それが、ニルヴァーナの砲撃を逸らしたそうですー。

 

 

『だけど、足の一本すら壊せないや…あんなに頑丈だなんて…それに、今ので魔力が…』

 

 

『イヴ!』

 

 

かなり魔力を使ったらしく、疲労していたイヴの声が途切れ力尽きたらしいですねー。

 

 

「ありがとう、みんな…」

 

 

「一応、お礼の言葉を伝えますー。」

 

 

ウェンディは涙ぐんだ。

みんなが一つになってニルヴァーナを止めようとしてくれているので…。

 

 

『聞いての通り、僕達は既に魔力が限界だ。

もう船からの攻撃はできない。

いつまで飛んでいられるのかも分からない』

 

 

それを証明するが如くクリスティーナの一部が爆発し大きく傾いた。

 

 

「み、みなさん!!」

 

 

「あわわわ…危ない危ないですよー。」

 

 

『僕達の事はいい!最後に、これだけ聞いてくれ。

時間がかかったけど、ようやく古文書の中から見つけたんだ!! ニルヴァーナを止める方法を!!』

 

 

それを聞いてウェンディたちの顔が驚愕と歓喜に包まれましたー。

ようやく止める方法が分かるのですからー。

喜ばないはずがないですよー。

 

 

「本当か!!?」

 

 

『ニルヴァーナには、足のような物が6本あるだろ?その足は、大地から魔力を吸収しているパイプのようになっているんだ』

 

 

「なるほど、面倒くさそうですねー。」

 

 

『ニルヴァーナの全機能を停止させるには、全ての魔水晶ラクリマを同時に破壊しなくちゃダメなんだ。

一つでも残ってたらそれが他の魔水晶ラクリマを修復してしまう』

 

 

「6箇所のラクリマを同時にだと!?どうやって!」

 

 

『僕がタイミングを計ってあげたいけど、もう…念話がもちそうにない』

 

 

ヒビキもかなり無理をしているんでしょうねー。

息が荒いのが念話越しでも分かりますからー。

 

 

『君たちの頭に、タイミングをアップロードした』

 

 

その時、ミーの頭の中に情報が付け足されましたー。

まるでカウントダウンみたいなものですねー。

 

 

「20分!?」

 

 

「中々、短いですねー。」

 

 

『次のニルヴァーナが装填完了する時間だよ』

 

 

「これなら、タイミングを合わせられそうね」

 

 

シャルルが納得したように言った。

 

 

『君たちならきっとできる!!信じてるよ』

 

 

『無駄な事を…』

 

 

ヒビキが激励した直後、別の声が割り込んできましたー。

 

 

『誰だ!!?』

 

 

「この声…」

 

 

ウェンディたちの記憶が正しければブレイン。

しかし、随分印象が違って聞こえますねー。

 

 

『僕の念話をジャックしたのか!!?』

 

 

『オレはゼロ。六魔将軍のマスターゼロだ』

 

 

『六魔将軍のマスターだと!!?』

 

 

ここに来てギルドマスターを名乗る者が現れ動揺するミー達、連合軍。

 

 

『まずは褒めてやろう。

まさかブレインと同じ古文書を使える者がいたとはな…聞くがいい! 光の魔導士よ!オレはこれより、全ての物を破壊する!』

 

 

ゼロは高らかに宣言しましたー。

 

 

『手始めに仲間を三人破壊した。滅竜魔導士ドラゴンスレイヤー一人に氷の造形魔導士、星霊魔導士、それと猫を一匹、か』

 

 

火竜さん達のことですねー。

それを聞いたウェンディが悲痛な表情を浮かべてますー。

 

 

「そんなの嘘よ!」

 

 

『テメエら、魔水晶ラクリマを同時に破壊するとか言ったなァ? オレは今その6つの魔水晶ラクリマの内どれか一つの前に居る!オレが居る限り6つ同時に壊す事は不可能だ!』

 

 

そう言い放つとゼロは念話を強引に切りましたー。

 

 

「6つのラクリマを同時に破壊するとなれば、我々全員で手分けして向かうしかないな。

ゼロに会う確率は6分の1。

しかも、エルザとフラン以外は勝負にならんと見た方がいいか…」

 

 

ジェラールはそう言いますけどー。

 

 

「ちょっと!何言ってんのよ!魔水晶を破壊できる魔導士が、6人もいないわ!」

 

 

「あ、わ、私…破壊の…魔法は…使えません!ごめんなさい!」

 

 

ウェンディがダメならばこの場で壊すことができるのはミーと妖精女王とジェラールのみになりますねー。

 

 

「こっちは3人だ…他に動けるものはいないか!」

 

 

『マイハニー…私がいるではないか。縛られているが…』

 

 

また存在忘れてましたー。

だって影が薄いんですからねー。

これで変態さんを含めて四人。

後3人いれば良いんですけどねー。

その時、プライドが高そうな氷の魔道士の声が響きましたー。

 

 

『グレイ…立ち上がれ…お前は誇り高きウルの弟子だ。

こんな奴らに負けるんじゃない』

 

以前は裸の変態さんを憎んでいた彼は、ウルさんの弟子として彼を認め、その力を信じているのでしょうねー。

 

 

『私…ルーシィなんて大嫌い…ちょっと可愛いからって調子に乗っちゃってさ、バカでドジで弱っちいくせに…いつも…いつも一生懸命になっちゃってさ…死んだら嫌いになれませんわ、後味悪いから返事しなさいよ』

 

 

自信過剰な女の弱々しげな声。

なんだかんだ、星霊女のことは認めているのでしょうー。

 

 

 



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ミーは、ニルヴァーナを止めますー。

 

 

 

 

 

仲間達が火竜さん達が立ちあがることを願い信じて呼びかけ続けていますねー。

 

 

「聞こえるだろ。ナツ…さっさと返事をしろ」

 

 

妖精女王の言葉が響いた瞬間でしたねー。

 

 

『…オウ!』

 

 

威勢のいい返事がミーに聞こえて来ましたー。

火竜さん達はフラフラになりながらも必死に身を起こしていますー。

 

 

「6個の魔水晶を、同時に壊す…!」

 

 

「運が良い奴は、ついでにゼロも殴れる…でしょ」

 

 

「あと18分。急がなきゃ…シャルルとウェンディとシアンとフランのギルドを守るんだ!」

 

 

『もうすぐ…念話が切れる…頭の中に、僕が送った地図がある…各ラクリマに番号を付けた。全員がバラけるように…決めてくれ…』

 

 

「1だ!」

 

火竜さんは1番を選択したそうですー。

 

 

「2!」

 

 

「3に行く! ゼロが居ませんように…」

 

 

裸の変態さんは2番で星霊女は3番のようですねー。

 

 

『私は4に行こう…ここから一番近いと香りパルファムが教えている』

 

 

『教えているのは地図だ』

 

 

『地図ですよー。馬鹿なんですかー?』

 

 

『2人共、そんなマジでツッコまなくても…』

 

 

『私は5に行く』

 

 

「エルザ、元気になったのか!」

 

 

『ああ、お陰さまでな…』

 

 

パルファムさんが4番、妖精女王は5番ならミーは…。

 

 

「ミーは、6番に向かいますー。」

 

 

とにかく、全部の魔水晶に人が割り振られたたようですー。

ちょうど念話も切れてクリスティーナが落下してしまった。

 

 

おそらくは火竜さんの所に六魔将軍のマスターがいるのは確かでしょうねー。

まぁ、ミーには関係ないことなので火竜さんが倒してくれることを願いましょうかー。

 

 

 

 

 

ルーシィはふらつきながら魔水晶に向かっていた。

しかし、その息は荒い。

 

 

「ルーシィ、急ごうよ。もう残り時間が10分切っちゃったよ」

 

 

「う、うん…分かってる…うっ」

 

 

ハッピーが励ますがルーシィはふらついて壁に手をついた。

 

 

「ルーシィ!」

 

 

そのままルーシィは膝をついてしまう。

 

 

「ルーシィ大丈夫?」

 

 

「うん、大丈夫…みんなも頑張ってるんだ。アタシも頑張らなくちゃ…!」

 

 

ルーシィは気合を入れて立ちあがった。

残り五分。

ルーシィはなんとか3番の魔水晶ラクリマに辿り着いた。

しかし、彼女の顔は俯いたままだ。

 

 

「…ルーシィ?」

 

 

ハッピーが疑問の声を上げるとルーシィは震える声で悔し涙を流した。

 

 

「見栄とか張ってる場合じゃないのに…『できない』って言えなかった」

 

 

座り込んで泣くルーシィ。

ハッピーは掛ける言葉が見つからなかった。

 

 

「もう…魔力がまったくないの…」

 

 

エンジェル戦の時、大量に魔力を消費してしまってそれがまだ回復していないのだ。

 

 

「だ、だったら!ナツに任せればよかったんじゃ…!」

 

 

「ナツは鼻がいいんでしょ?」

 

 

ルーシィの言葉にハッピーは言葉を止めた。

 

 

「ナツは匂いでゼロがどこにいるか分かってたんだと思う」

 

 

しかし、そこでルーシィはキッと顔を上げた。

 

 

「それでもウェンディとフラン達のギルドを守りたい、俯いていたくない。だからあたしは最後まで諦めない」

 

 

自分は妖精の尻尾の魔導士だから。

絶対に諦めたりしない。

 

 

その覚悟でルーシィは立ちあがり素手ででも壊そうと考えていた時…。

 

 

「「時にはその想いが力になるんだよ」」

 

 

後ろから声が聞こえた。

ルーシィたちがそちらを向くとそこには……。

 

 

「「君の想いは僕たちを動かした」」

 

 

「ジェミニ!?」

 

 

エンジェルの星霊であったジェミニだった。

 

 

「「ピーリッピーリッ」」

 

 

ジェミニはルーシィに変身すると鍵を取り出した。

 

 

「僕たちが君の意志になる。5分後にこれを壊せばいいんだね?タウロスでいい?」

 

 

星霊の中でも怪力であるタウロスが妥当だと踏んだのだろう。

 

 

「…お願いっ!」

 

 

「あい!!壊せるよ!!」

 

 

ハッピーは思わぬ助っ人に喜んだ。

 

 

 

 

ジェラールの魔法によってドラゴンフォースを解放したナツ。

ドラゴンの力が発揮されようとしていた。

 

 

「ドラゴンフォース…粉々にするには惜しい男だが…」

 

 

滅竜魔法というのがどれほど貴重なのかはゼロでも分かる。

その使い手を潰すのはちょっともったいない。

 

 

「もうよい。楽しかったよ…」

 

 

十分楽しめた。

ゼロは手に魔力を纏わせゆっくり回転させた。

 

 

「貴様らに最高の『無』をくれてやろう。我が最大魔法をな!」

 

 

ゼロの魔力も高まった。

宣言通り大技を放つつもりらしい。

 

 

「『滅竜奥義』!!」

 

 

ナツは同時に構えた。

 

 

「『紅蓮爆炎刃』!!」

 

 

残り1分。

 

 

 

 

ジェミニはタウロスを召喚した。

気分的にルーシィも一緒に唱える。

 

 

「「開け!!金牛宮の扉…タウロス!!!」」

 

 

「よーし!!」

 

 

「MOOOOOOO!!!」

 

 

雄叫びを上げながらタウロスが召喚された。

 

 

「「頼んだからね!!タウロス!!」」

 

 

「MOOOO!お任せあれ!二人のナイスバディ!!」

 

 

タウロスは斧を構えた。

 

 

 

 

「我が前にて歴史は終わる…。無の創世記が幕を開ける」

 

 

ゼロは突っ込んでくるナツを見据えた。

そして、カッと目を見開く。

 

 

「『ジェネシス・ゼロ』!!」

 

 

そう叫んだ瞬間、ゼロから怨霊のようなものが溢れだした。

 

 

「開け、鬼哭の門!」

 

 

怨霊がゼロの背後から前から横から下から、大量発生する。

人のなれの果てのようなその姿。

表情は苦痛しかなく、全身が禍々しい紫色に包まれている。

見ただけで感じる、おぞましい感覚に総毛立つ。

その者たちがナツ達に向かって手を伸ばしてきた。

 

 

「無の旅人よ。その者たちの魂を、記憶を、存在を喰い尽せぇ!!」

 

 

限りのない怨霊たちがナツ達をあっという間に覆い尽した。

 

 

「消えろ!!『無』の名の元に!無の彼方へ!!」

 

 

「あああああああああああっ!!!」

 

 

ナツの雄叫びが響くと、同時に…。

ゼロの視界にははっきりと、ナツの後ろで咆哮するドラゴンが見えた気がした。

 

 

ドラゴンを倒すために、ドラゴンと同じ力を身に付けた魔導士!

ナツはグーをゼロの顔面にめり込ませた。

これが本物の、滅竜魔導士!!

ぶっ飛んだゼロに向けて、ナツは構える。

 

 

「全魔力解放…!」

 

 

ボゥ、と炎が燃え広がった。

 

 

「『滅竜奥義「不知火型」』!」

 

 

そして、思いっきり突っ込んでいった。

 

 

「『紅蓮鳳凰劍』!!!」

 

 

炎を纏ったナツがゼロに直撃しそのまま天井を突き破り、上へ上へと進んでいく。

その姿はまるで本物の鳳凰のようで。

残り10秒。

 

 

「うごあああああああああ!!!」

 

 

「うおおおおおおおおおお!!!」

 

 

ナツ一緒に燃えているゼロは既に白目だ。

しかし、ナツはそのまま突き進んで―――――魔水晶のある場所まで到達した。

飛びあがって、ゼロをぶっ飛ばす。

 

 

「ナツ…!」

 

 

ジェラールはそれを見て喜色を浮かべた。

これが、滅竜魔導士の真の力

 

 

「があああああああああああああっ!!!!」

 

 

大きく斬り裂かれたゼロ。

彼は血を撒き散らしながら落下して動かなくなった。

残り3秒。

そのまま魔水晶まで向かう。

 

 

スパッ、と斬撃が魔水晶を通っていった。

直後、魔水晶ラクリマが罅割れ、粉々に砕けた。

 

 

ナツ、1番の魔水晶、破壊!

 

 

 

 

「頼んでぞ!みんな!!『氷雪砲』!!」

 

 

グレイ、2番の魔水晶、破壊!

 

 

 

 

『いっけえええええええええ!!!』

 

 

「MOOOO裂――――!!!」

 

 

ルーシィ、ハッピー、3番の魔水晶、破壊!

 

 

 

 

「キラメキ無限ダーイ!!!」

 

 

一夜、4番の魔水晶、破壊!

 

 

 

 

「この一撃に、残された魔力を全て込める!おおおおおおおおおっ!!!」

 

 

エルザ、5番の魔水晶、破壊!

 

 

 

 

 

「ミーの力はこれだけじゃないんですよ!!幻術と滅竜魔法を組み合わせた魔法を喰らうといいですよー。『幻竜の咆哮!!』!!!」

 

 

「『天竜の咆哮!!』!!」

 

 

フラン、ウェンディ6番の魔水晶、破壊!

 

 

その途端。

ニルヴァーナの6つの足の根元付近から爆発が起きた。

その時、天井が崩れ落ちた。

 

 

「嘘、どうしよう!!フランくん」

 

 

「ウェンディ、捕まって下さい。外に出ますので…」

 

 

「とうやって?」

 

 

「此処に来る前に少しだけ仕掛けて置いたんですよー。」

 

 

「(初めて使うので失敗しなければ良いんですけどねー。)幻竜の羽衣!!」

 

 

フランの幻竜の羽衣は背中に天使の羽根を生やして移動することが出来るらしい。

フランとウェンディとシアンとシャルルは幻竜の羽衣で無事に脱出した。

 

 

崩壊していくニルヴァーナの外にて。

ルーシィたちはホロロギウムのお陰で無事脱出できた。

他の人たちもうまく脱出できたらしい。

ナツ、そしてジェラールを除いてだ。

 

 

「ナツさんは!?ジェラールも!」

 

 

「見当たらないな…」

 

 

「何してやがんだ…クソ炎!!」

 

 

いつまで経っても現れない二人にみんな不安になった。

その時……。

 

 

「ニルヴァーナが!!」

 

 

ニルヴァーナが音を立てて完全に崩壊した。

 

 

「そんな…!」

 

 

遅かったかと絶望した時のことだった。

急に地面が盛り上がり、人が現れる。

 

 

「愛は仲間を救う…デスネ」

 

 

ナツ、そしてジェラールを抱えたリチャードだった。

 

 

「ナツ!!」

 

 

シャルルが警戒したように叫んだ。

 

 

「六魔将軍がなんで!?」

 

 

「色々あってな…大丈夫…味方だ」

 

 

ウェンディたちを助けて、外まで連れ出してくれたジュラが宥める。

そして、ナツが下された途端。

ウェンディはナツに抱きついた。

 

 

「ナツさん!本当にありがとう!ギルドを…守ってくれて…!」

 

 

見るとうっすらと涙が浮かんでいる。

うれし涙らしい。

こうして、ミー達、連合軍と六魔将軍との戦いはミー達の勝利で終わったのでしたー。

 

 

「めでたしめでたしでは無いですよー。此処だけの話、あと一話あるんですよ。見てくださいねー。」

 



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ミーは、出会いと別れを繰り返しましたー。

 

 

 

「…で、あれは誰なんだ?」

 

 

全員で無事を喜び合ったのも束の間、氷の変態さんがジェラールを見て質問しましたー。

彼は直接ジェラールを見ていなかったため、ジェラールだとはわからないのでしょうー。

 

 

「…ジェラールだ」

 

 

「なにっ!?」

 

 

「あの人が!?」

 

 

星霊女は特に怯えた様子を見せていましたー。

 

 

「記憶を失ってるみたいですよー。」

 

 

「いや、そう言われてもよ…」

 

 

まぁ、妖精さんとジェラールに何があったのかは知りませんけどー。

 

 

「信じて下さい!ジェラールは本当いい人です!!」

 

 

ウェンディが言うと、エルザが同意するように頷いた。

 

 

「とりあえず、力を貸してくれた事には感謝せねばな」

 

 

「エルザ…いや…感謝されるような事は何も…」

 

 

「これからどうするつもりだ?」

 

 

妖精女王の質問にジェラールは頭を振った。

 

 

「…わからない」

 

 

「そうだな…私とお前との答えも簡単には出そうにない」

 

 

ジェラールは自分の手の平を見ていますー。

 

 

「怖いんだ…記憶が戻るのが…」

 

 

大罪を犯したという過去の自分。

失くした記憶に一体どれだけのおぞましい罪の記憶があるのかミーは知りませんけどー。

それどころか、ジェラールはまた心を悪に染め上げてしまうかもしれないですー。

 

 

「たとえ憎しみ合う事になろうが…今のお前は放っておけない…私は…」

 

 

妖精女王が何か言いかけたその時…。

ゴチーン!

 

 

「メェーン!」

 

 

「どうしたおっさん!?」

 

 

パルファム変態さんの短い悲鳴が聞こえた。

 

 

「トイレの香りをと思ったら、何かにぶつかった~」

 

 

見るとパルファム変態さんが見えない壁に顔を押しつけているところですねー。

そこで、地面から文字が浮かび上がりましたー。

 

 

「何か地面に文字が…」

 

 

その文字が、ミー達を囲むように浮かんでいた。

 

 

「閉じ込められたー!?」

 

 

「誰だコラァ!!」

 

 

「も、漏れる~!」

 

 

「我慢して下さいー。」

 

 

今一番ピンチなのはパルファム変態さん。

そうしていると、木の陰から多くの人が現れましたー。

 

 

「手荒な事をするつもりはありません。しばらくの間、そこを動かないで頂きたいのです」

 

 

これまた、眼鏡をかけ長髪を束ねた男性。

 

 

「おぉ、スクアーロ隊長に似ていますねー。長髪だけですけどー。」

 

 

「改めて、私は新生評議院第四強行検束部隊隊長、ラハールと申します」

 

 

「新生評議院!?」

 

 

「もう発足してたの!?」

 

 

「我々は法と正義を守るために生まれ変わった。

如何なる悪も決して許さない」

 

 

「相変わらず固そうな人…」

 

 

「おいらたち何も悪いことしてないよ!!」

 

 

「お、おう…」

 

 

「心当たりがありすぎなんですねー。火竜さん…」

 

 

「存じております。我々の目的は六魔将軍の捕縛…そこにいるコードネーム、ホットアイをこちらに渡してください。」

 

 

「え!?そんな!?」

 

 

いや、確かに今は改心したと言っても六魔将軍の一員ではあるし、過去の罪は消えないでしょうー。

 

 

「ま、待ってくれ!!」

 

 

「いいのデスネ、ジュラ」

 

 

「リチャード殿」

 

 

リチャードがジュラを制止したようですー。

 

 

「善意に目覚めても、過去の悪行は消えませんデス。私は一からやり直したい」

 

 

ニルヴァーナの影響ではあるが、心を入れ替えたのはよかったとおもいますよー。

これからは金に執着することを止め、愛を持って人生を歩んでいきたいと思ったのでしょうー。

 

 

「ならばワシが代わりに弟を探そう」

 

 

「本当デスか!?」

 

 

「名を教えてくれ、リチャード殿」

 

 

「名前はウォーリー。ウォーリー・ブキャナン」

 

 

「ウォーリー!!?」

 

 

「その男なら知っている」

 

 

「何と!!?」

 

 

リチャードは驚愕した。

 

 

「私の友だ。今は元気に大陸中を旅している」

 

 

それを聞いてリチャードは安堵と嬉しさで涙をポロポロと流しましたー。

弟の無事を知って安心したのでしょうー。

 

 

「グズ…ズズズ…これが光を信じる者にだけに与えられた奇跡というものデスか。ありがとう、ありがとう…ありがとう!!!」

 

 

リチャードは何度も感謝していましたー。

そんな彼にアミクは声を掛ける

 

 

「ありがとう…!本当にありがとう!!」

 

 

リチャードは何度も礼を言いながら評議員に連行されていきましたー。

 

 

「なんか可哀想だね」

 

 

「もう良いだろ!術式を解いてくれ!漏らすぞ!!」

 

 

「いえ、私たちの本当の目的は六魔将軍如きではありません」

 

 

「え!?」

 

 

如きって、ミー達が倒すのにどんだけ苦労したと思ってると思うんですかー?

ラハールはゆっくりとジェラールを指差した。

 

 

「評議院への潜入…破壊、エーテリオンの投下。もっととんでもない大悪党がそこにいるでしょう」

 

 

そう、憎々しげにジェラールを睨みつけ言い放ったのだー。

 

 

「貴様だジェラール!! 来い!!!抵抗する場合は抹殺の許可もおりている!!!」

 

 

大罪人ならジェラールも同じ。

記憶をなくしても過去は消えず、たとえ洗脳されていたってやってきたことは変わらないでしょうー。

まぁ、ミーも同じですかねー。

 

 

「そんな…!!」

 

ウェンディが青ざめて口を押えた。

 

 

「その男は危険だ。二度とこの世界に放ってはいけない、絶対に!!!」

 

 

悪を許さない。

そう宣言したとおり、見逃すつもりは毛頭ないらしいですー。

ならミーも危ないですよねー?

 

 

「ジェラール・フェルナンデス。連邦反逆罪で貴様を逮捕する」

 

 

「あ、あの!ジェラール記憶喪失で何も覚えていないんですよ!そこを考慮してくれても…」

 

 

しかし、ラハールは頭を振った。

 

 

「刑法第13条により、それは認められません。もう術式を解いていいぞ」

 

 

「で、でも!ジェラールは!!」

 

 

ウェンディは尚も言い募ろうとするがジェラールが首を振りましたー。

 

 

「いいんだ…抵抗する気はない」

 

 

どこか寂しげな声。

 

 

「君のことは最後まで思い出せなかった。本当にすまない、ウェンディ」

 

 

「…ウェンディは昔、貴方に助けられたって…」

 

 

シャルルが言うとジェラールは嬉しそうに笑う。

 

 

「そうか…俺は君たちにどれだけ迷惑をかけたのか知らないが、誰かを助けたことがあったのは嬉しい事だ。…エルザ、色々ありがとう」

 

 

お礼を言われた妖精女王はギュッと拳を握る。

目を伏せて何かに耐えるような仕草。

 

 

「他に言う事はないか?」

 

 

「ああ」

 

 

「死刑か無期懲役はほぼ確定だ。二度と誰かと会う事はできんぞ」

 

 

「(行かせるものか!!!)」

 

 

妖精女王がとうとう耐えきれなくなり、飛びだそうとした瞬間……。

 

 

「(この世界は厳しいですねー。復讐者は死刑はないし…無期懲役ですけど交渉すれば会えますしー。少しだけ意地悪してみますかー!)いでよー。先輩達の幻覚ー。」

 

 

「フラン!?」

 

 

ウェンディの驚く声に全員がミーに注目されていますー。

 

 

「すみませんねー。評議員とやらー。殺しはしませんので気絶して下さいー。」

 

 

紫色の煙が人の形になっていく。

 

 

「どーもー!!ヴァリアーの暴れ鮫、スクアーロでーす!!今日もヴォイヴォイゆうとりますけどね!!誰が天然メガホンボイスやねん!!三枚に下ろしてやろか!!」

 

 

「チャオ、ベルフェゴールだよ!!君たちのやってる事許せないな!!僕のナイフで成敗しちゃうぞ!(きらん」

 

 

「何をポカンと立っている!!かかってこんか!!このルッスーリアが相手になってやる!!」

 

 

「ちょっと、やだー!!レヴィ怖いー!!あっち行って!!こっち来ないで!!んもぉ、スーペル・レヴィ・ボルター!!」

 

 

「おぉ、流石の出来ですー。ほーら、頑張って下さいー。先輩達ー。」

 

 

フランの幻覚で出したスクアーロ達は評議員達を倒して行く。

 

 

「(まぁ、ホントは傷なんてついてないんですけどねー。これで考えが変わると良いんですけどねー。)」



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ミー達は、世話になったギルドをあとにしましたー。

 

 

それを聞いた妖精女王が動こうとした時に火竜さんが評議院数人の頭を掴み暴れ出しましたー。

 

 

「ナツ!」

 

 

「何してるの!?相手は評議院よ!!」

 

 

氷の変態さん星霊女が言いましたー。

 

 

「そいつは仲間だ!!連れて帰るんだぁっ!!」

 

 

「うおおおおぉい!!三枚に下ろしたろうか!?」

 

 

火竜さんと幻覚のスクアーロ先輩はそう叫びながらジェラール評議院を押し退けようとしましたーが…。

 

 

「よ、よせ…」

 

 

ジェラールが呟くが火竜さんは止まることはないですよー。

 

 

「と、取り押さえなさい!!」

 

 

ラハールさんの指示を受けて評議院が火竜さんを取り押さえようとしますけどー。

 

 

「いけ!!ナツ!!」

 

 

「グレイ!?」

 

 

氷の変態さんが評議院たちを体当たりしましたー。

 

 

「こうなったらナツはもう止まらねぇからな。気に入らねぇんだよ。ニルヴァーナ防いだ奴に労いの一言もねぇのかよ!!」

 

 

「それには一理ある、その者の逮捕は不当だ!!」

 

 

「ジュラさんに賛成だな。そいつの解放を求めよう!!」

 

 

氷の変態さんの言葉にジュラさんとリオンさんが賛同して加勢し始めましたー。

 

 

「悔しいけど、その人がいなくなるとエルザさんが悲しむ!!」

 

 

パルファム変態さんも次々と評議院を倒していきましたー。

 

 

「もう、どうなっても知らないわよ!!」

 

 

「あいっ!!」

 

 

星霊女と青猫も参戦し始めましたのでミーは幻覚の先輩達を消しましたー。

 

 

「お願い!!ジェラールをつれていかないで!!」

 

 

ウェンディが泣きながら叫ぶ

 

 

「来い!!ジェラール!!」

 

 

火竜さんは評議院に掴まれながらも懸命にジェラールに向かって手を差し出しましたー。

 

 

「お前はエルザから離れちゃいけねぇっ!!ずっとそばにいるんだ!!エルザのために!!だから来いっ!!俺たちがついてる!!仲間だろ!!」

 

 

火竜さんの言葉にジェラールは震えていた。

 

 

「全員捕らえろぉぉぉ!!公務執行妨害及び逃亡幇助だー!!」

 

 

ラハールさんの言葉で評議院が次々とミー達を捕らえられたのだー。

 

 

「行くなジェラール!!」

 

 

火竜さんはジェラールに向かって力いっぱい叫ぶ。

 

 

「もういい!!そこまでだ!!」

 

 

妖精女王が大声を出すとその場にいた全員が動きを止めたのだしたー。

 

 

「騒がしてすまない。責任は全て私がとる!!ジェラールを、つれて、いけ!!」

 

 

妖精女王がそう言うとジェラールは少し微笑んだようにミーは見えましたー。

 

 

「エルザ!!」

 

 

「座ってろ!!」

 

 

「はい!!」

 

 

火竜さんが妖精女王に突っかかろうとしたが妖精女王の一言で正座したのでしたー。

ジェラールは再び評議院に掴まれ歩いていった。

 

 

「そうだ」

 

 

ジェラールは立ち止まり振り返ったのですー。

 

 

「お前の髪の色だった」

 

 

「!?」

 

 

ジェラールがそう言うと妖精女王は驚いた顔をしていましたー。 ジェラールはそのまま評議院の車へと乗り込むと…。

 

 

「さようなら、エルザ」

 

 

「あぁ…」

 

そうして評議院はジェラールをつれてその場を去っていったのでしたー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めでたしめでたし

 

 

 

 

 

 

 

とは、ならなかったのでしたー。

 

 

いま、ミー達は化猫の宿で休んでいましたー。

皆さん服がものすごいボロボロだったのでミー達のギルドで作った服に着替えてもらっているのですー。

早々に着替えたミーはギルドの中に入りマスターの前に腰かけていましたー。

 

 

「マスター」

 

 

「なぶら。フラン、よくやってくれたな」

 

 

マスターがイスに座ったままミーに言った。ミーは聞きたかったことを聞くことにしたのですー。

 

 

「ミーはマスターがニルビット族だったなんて知らなかったですけどー。」

 

 

「なぶら…隠しておったわけではない。言う機会がなくてな」

 

 

マスターは少々決まりの悪そうな顔をしましたー。いや、別に責めようと思ってるわけじゃないんですけどねー。

 

 

「フラン、ワシは今回の連合軍のことを受けてな。以前から一つ決めておったことがあるんじゃ」

 

 

唐突にマスターがそんなことを言ってきましたー。

 

 

「何を決めたんですかー?」

 

 

「ウェンディに本当のことを話そうと思ってな」

 

 

「!?」

 

 

本当のこと、というとミーには一つしか思いつくことがない。それはつまり……。

 

「ギルドのみんなのことですかー?」

 

 

「そうじゃ」

 

 

マスターは頷いたのですー。まぁ確かにいいタイミングかもしれないですけどー。

 

 

「ウェンディ、泣きますよー?」

 

 

「お前がいてやればウェンディはそこまで悲しむことはない」

 

 

「そうですかー。」

 

 

「フラン~!!どこ~?」

 

 

ミーとマスターが話していると遠くからシアンがミーを呼ぶ声が聞こえできたのでミーは立ち上がりましたー。

 

 

「じゃあマスター。ミーはこれで…」

 

 

「なぶら」

 

 

ミーはその場を後にしようとすると…。

 

 

「フラン!!」

 

 

ミーは不意に名前を呼ばれてその場で振り返ると…。

 

 

「ワシも7年間、お前達といれて楽しかったぞ」

 

 

その時のマスターの笑った顔は今までの中で一番幸せそうな顔をしていたのでしたー。

それから少ししてミー達は化猫の宿の前に集合したのでしたー。

 

 

「妖精の尻尾、青い天馬、蛇姫の鱗ラ、そしてフランにウェンディ、シャルルにシアン。よくぞ六魔将軍を倒しニルヴァーナを止めてくれた。地方ギルド連盟を代表してこのローバウルが礼を言う」

 

 

マスターはそう言って会釈したのでしたー。

 

 

「ありがとう。なぶらありがとう」

 

 

「どういたしましてマスターローバウル!!六魔将軍との激闘に次ぐ激闘!!楽な戦いではありませんでしたがっ!!仲間との絆が我々を勝利に導いたのです!!」

 

 

「「「さすが先生!!」」」

 

パルファム変態さんがかっこよくポーズを決めながら言うと三人衆達がそれに向かって拍手した。

 

 

「ちゃっかりおいしいとこもっていきやがって」

 

 

「あいつ誰かと戦ってたっけ?」

 

 

それを見て氷の変態さんと星霊女があきれていましたー。

 

 

「終わりましたのね」

 

 

「お前たちもよくやったな」

 

 

「ジュラさん」

 

蛇姫の鱗の皆さんも任務成功を喜び合っていたのでしたー。

 

 

「皆さん、ニルビット族のことを隠していて本当に申し訳ない」

 

 

そんな空気の中マスターが話を始めたのでしたー。ついにあのことをウェンディに話すのですかねー。

 

 

「ぜんぜん気にしてねぇのに?」

 

 

「あい!」

 

 

青猫と火竜さんがそう言うけどー。

 

 

「マスター。私も気にしてませんよ」

 

 

ウェンディがマスターにそう言うとマスターは小さくため息をついてしましたー。

 

 

「皆さん、ワシがこれからする話をよく聞いてくだされ」

 

 

ミーはウェンディをチラッっと見るがウェンディは「なんだろう?」といった顔をしていましたー。

 

 

「まずはじめに、ワシ等はニルビット族の末裔などではない」

 

 

「えっ?」

 

 

ウェンディが小さく呟やきましたー。まぁ、ミーもさっきまで知らなかったんですけどねー。

 

 

「ニルビット族そのもの。400年前ニルヴァーナをつくったのはこのワシじゃ」

 

 

「何!?」

 

「うそ…」

 

 

「400年前!?」

 

 

「はぁ…」

 

 

「……」

 

 

マスターの突然のことにみんな驚いたのでしょうねー。

 

 

「400年前、世界中に広がった戦争を止めようと善悪反転の魔法、ニルヴァーナをつくった。

ニルヴァーナはワシ等の国となり平和の象徴として一時代を築いた。しかし強大な力には必ず反する力が生まれる。

闇を光に変えた分だけニルヴァーナはその"闇"をまとっていった。

 

 

バランスをとっていたのだ。人間の人格を無制限に光に変えることはできなかった。闇に対して光が生まれ、光に対して必ず闇が生まれる」

 

「そう言われれば確かに…」

 

 

マスターの話を聞いて氷の変態さんは何か思ったようですねー。

 

 

「人々から失われた闇は我々ニルビット族にまとわりついた」

 

 

「そんな…」

 

 

「地獄じゃ。ワシ等は共に殺し合い全滅した」

 

 

マスターの話を聞いて連合軍は驚愕していますー。

 

 

「生き残ったのはワシ一人だけじゃ。いや、今となってはその表現も少し違うな。我が肉体はとうの昔に滅び今は思念体に近い存在。

ワシはその罪を償うため…また……力なきワシの代わりにニルヴァーナを破壊できるものが現れるまで、400年、見守ってきた。今、ようやく役目が終わった」

 

 

そういうマスターの顔は晴れやかなようにも見えましたー。しかしそれを聞いた俺たちは全員驚きと悲しい気持ちに包まれるていましたー。

 

 

「そ、そんな話…」

 

 

「フランよ…」

 

 

ウェンディが震えながら言う。マスターは頷いたのでミーはマスターの後ろにいるミーの仲間が次々と消し始めた。

 

 

「マグナ!!ペペル!!何これ・・!?」

 

 

「みんな!?どうしたの~!!」

 

 

「アンタ達!!」

 

 

ウェンディが次々と消える仲間を見て驚いていましたー。まぁ、昨日まで…一緒にいた仲間でしたからねー。

 

 

「どうなっているんだ!?人が消えていく!!」

 

 

「フラン!!みんなが……」

 

 

ウェンディがミーの方を向きましたが…しかしミーは真実と幻覚の補助をした事で黙っていた罪悪感から顔をあげることができなったのですー。

 

 

「騙していてすまなかったな、ウェンディ。ギルドのメンバーは皆……ワシとフランのつくりだした幻じゃよ。」

 

 

ウェンディの目から涙がこぼれ始めたのでしたー。

 

 

「何だとぉ!?」

 

「人格を持つ幻だと!?」

 

 

「何という魔力なのだ!!」

 

 

ジュラさん達もその光景に驚いていましたー。

 

 

「ワシはニルヴァーナを見守るためにこの廃村に一人で住んでいた。7年前一人の少年がワシのところに来た」

 

 

「一人の少年」

 

 

妖精女王が呟やいた。

一人の少年、そう、ジェラールでしたー。

 

 

「少年のあまりにまっすぐな眼にワシはつい承諾してしまった。一人でいようと決めていたのにな…」

 

 

「ウェンディのために作られたギルド…」

 

 

「そんな話聞きたくない!!バスクもナオキも消えないで!!」

 

 

ウェンディが耳をふさいでしまいましたー。

 

 

「ウェンディ、フラン、シャルル、シアン……もうお前達に偽りの仲間はいらない」

 

 

マスターそう言って火竜さんたちを指差したのでしたー。

 

 

「本当の仲間がいるではないか」

 

 

マスターはそう言ってニッコリと微笑むと…そしてマスターの体も徐々に消えていったのですー。

 

 

「ウェンディ、フランに心配ばかりかけるなよ。フラン、お前はもっと周りを頼りなさい。一人で抱え込んでいちゃいけない。お前達の未来は始まったばかりじゃ」

 

 

「マスター!!」

 

 

ウェンディがマスターの元へと走るが…。

 

 

「皆さん、本当にありがとう。この子達を頼みますよ。」

 

 

そしてマスターが完全にいなくなってしまうとミー達のギルドマークが消え始めたのでしたー。

 

 

「マスターーー!!」

 

 

マスターがさっきまでいた場所でウェンディは泣き叫ぶ。シャルルとシアンもうっすらと目に涙を浮かべていましたー。

 

 

「今まで黙っててごめんなさいですー。ウェンディ。」

 

 

「ひっく、フラン」

 

 

ウェンディはミーを抱き返し再び泣いてしまったのですー。

 

 

「愛する者との別れの辛さは……仲間が埋めてくれる」

 

 

妖精女王がミーの肩に手を置き言った。ミーとウェンディはそちらを見ると…。

 

「来い、妖精の尻尾へ」



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