未来という名の航海 (たか丸)
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はじまりの物語
僕の幼馴染


初めましての方は初めまして!
ポピパとごちうさ見てくださった方は、こにゃにゃちわ!たか丸です!
新しくラブライブ!サンシャイン!!の話が書きたくなったので、手を出してみました笑
その中でも1番の推しである曜ちゃんが書きたかったので、曜ちゃんと幼馴染くんのラブコメにしました。
もうほんとに自己満足的な内容になると思うんですが、どうか暖かく見守っていただければと、思っています笑

それでは、どうぞお楽しみください!
せーの!ヨーソロー!


?side

 

いつからだろう、あの子のことが気になって仕方がなくなったのは。

いつからだろう、あの子のことが忘れられなくなったのは。

この気持ちに、なんて名前をつけるのが相応しいんだろう……

そうか、これが、"恋"……なんだね、()()()()

 

?side off

 

 

曜side

 

曜「んーっ!今日もいい天気であります!」

私は空に向かって敬礼しながら言った。今日もまた、1日が始まる!千歌ちゃんや梨子ちゃんたちとたくさん話したいな〜。そんな期待を胸に私はバスに乗り込み、最後尾の座席に座った。

?「まっ、まってぇ〜!!!」

曜「むむっ、この声は……」

聞き覚えのある声がしたから後ろを見てみると、パンを咥えて走ってくる男の子がいた。

出発時刻ギリギリで乗車してきた男の子。

?「はぁはぁはぁ、お、おはヨーソロー!曜ちゃん!」

曜「おはヨーソロー!ギリギリじゃん、孝宏くん!」

乗ってきたのは私の幼馴染み秋月孝宏(あきつきたかひろ)くん。

少し赤みがかった綺麗な髪色で、少し長め。優しそうな碧眼と端正な顔立ちで、学校でも指折りのイケメン!

孝「あはは〜、ちょ〜〜〜っと寝坊しちゃって……えへへ……」

曜「ちょっとじゃこんな時間にならないよ!もー、いつもそんなこと言って遅刻するんだから〜……」

孝「あはは……曜ちゃんが起こしてくれたら寝坊なんてしないんだろうな〜、なんて!」

あ〜、孝宏くんそんなこと言うんだ〜。じゃあこっちにも策があるもんね〜だ!

曜「じゃあ、孝宏くんのお嫁さんになればいいのかな?」

孝「えっ?!あ、いやぁ〜……そのぉ〜……///」

へへっ、やっぱり照れた!そんな孝宏くんをもっと照れさせちゃいたいな〜……

曜「毎朝私が起こしに行って、耳元であまーく囁くの!「早く起きて、あ・な・た♡」って!」

孝「よよよ、曜ちゃん!あんまりからかわないでよもー!///」

曜「あははっ、ごめんごめん!」

そんなこと思ってたら千歌ちゃんと梨子ちゃんが乗ってきた。

千「曜ちゃん!孝宏くん!おはよー!」

梨「2人ともおはよう!」

曜「おはよー!」

孝「おはよっ!」

いつもの仲良し4人組しゅーごーう!

千「あれ、今日の一限ってなんだったっけ?」

孝「今日は現国だよ〜」

梨「えっ、今日は授業変更で数Ⅱじゃなかった?」

千&孝「「えっ!?」」

曜「昨日、帰りのHRで言ってたよ〜」

真面目に聞いてたのって梨子ちゃんと私だけだったの……

孝「数IIか〜、どうしても好きになれないんだよな〜」

曜「じゃあ今度一緒に勉強しようよ!」

孝「いいの!?ありがと曜ちゃん!」

なんだかんだ話している間に、バスは学校に着いた。

曜「やっぱり今日はいい日になりそうだね!」

孝「うん、そんな感じがする」

 

曜side off

 

 

天の声side

 

ここは静岡は内浦にある浦の星学院。4年前まで女子校だったが、生徒数が減少傾向にあったため、共学にして生徒数を増やした。つまり、孝宏たちは共学になってから2期生である。今では生徒数も格段に増え、廃校という説は消えてなくなった。

 

孝「ふぃ〜、今日もなんとか乗り切った……さて、部活部活〜」

そういって孝宏が向かったのは体育館。そこにある部屋へと入っていった。その部屋は、"スクールアイドル部"。陪に×印が付いていて、その脇に部と改めて書いてある札が付いている。

そう、この学校が廃校を免れたのも、このスクールアイドル"Aqours"の活躍があったのが1番の要因だった。Aqoursは最初、千歌、曜、梨子の2年生3人だったが、1年生と3年生をそれぞれ3人ずつ迎え、9人で活動している。9人になってからAqoursの快進撃が始まった。まさに、飛ぶ鳥を落とす勢いでファンを集め、ラブライブ!でも優勝し、つい先日行われたAqoursだけのライブでは、会場に収まらないほどのファンが集まった。

孝宏は、そんなAqoursのマネージャーを3人だったころからやっている。

孝「おっ、今日は一番乗りかな?」

鞠「残念デース、今日はマリーが一番乗りデース!」

ダ「まったく、職権乱用ですわ!理事長としての仕事がなんだとか言って、結局ここに来てサボってるんですもの!」

孝「鞠莉ちゃんにダイヤちゃん!……ってダメだよ鞠莉ちゃん、ちゃんと授業を受けなきゃ!」

果「あはは、これじゃあどっちが理事長かわかんないね〜」

孝「果南ちゃんもいたんだ!今日は3年生組が早かったね!」

ダ「そ、その……孝宏さん、ダイヤちゃんって……毎回言いますけど、無理しなくてもいいんですわよ?」

ダイヤが頬を少し紅潮させて孝宏に話しかける。

孝「無理だなんて、俺はダイヤちゃんをダイヤちゃんって呼びたいから呼んでるだよ?だから無理なんてしてないの!」

ダ「そ、そうですの?……ま、まぁ、わたくしはなんでもいいのですけれど……///」

そういってダイヤは口元の黒子を掻く。果南と鞠莉曰く、嘘をつく時は必ずそこを弄るという。

鞠「さぁ〜て!じゃあ私たち3人で先に屋上に行ってるから、後はよろしくね?孝宏!」

孝「おっけー!また後でいろいろ持ってくね〜!」

果「ありがと、孝宏〜」

そう言って3年生が屋上に向かった数秒後に曜がやって来た。

 

でも何故か頬を膨らませている。

 

孝「曜ちゃん、どうしたの?」

曜「……別になんでもないよ……」

孝「???」

曜「私だってもっと早く来て孝宏くんともっと話したいのに……

孝「………」

意外と小さく言ったつもりが、どうやら孝宏には聞こえていたようで……

 

 

 

――ギュッ――

 

 

 

曜「!!!」

孝「ごめんね曜ちゃん……今日部活終わったら手繋いで一緒に帰ろ?」

曜「……うん///」

実はこの2人、付き合っているのである。もちろん、メンバーは知っている。ただ、部活中は私情をいれないと約束した上で付き合っている。

曜「えへへ、孝宏くんとハグ、久しぶりだったね……」

孝「そうだね、最近忙しくて二人きりの時間があんまりなかったし……」

2人は抱擁を解いた。曜は部活の準備に取り掛かる。孝宏はドリンクやタオルなど、このあと必要なものを準備する。そこに、

花「遅くなったずら〜」

ル「孝宏くん、こんにちは!」

善「ククク、光の使者が我を封じ込めんと貼った結界が……」

孝「あ、花丸ちゃん、ルビィちゃん、よs……」

善「ヨ・ハ・ネ!!」

孝「えと、ヨハネちゃん……こんにちは!」

花「大丈夫ずら孝宏さん、善子ちゃんのペースに合わせる必要は無いずら」

善「だからヨハネだってば!」

曜「あはは、相変わらずだね!ヨハネちゃん!」

善「だから善子!……あれ?」

孝「ありがちなミスだね〜」

 

ガラリラッ

 

千「あ〜、遅くなってごめん!ちょーっと先生と()()してて……あはは〜……」

梨「私もちょっとクラスの子と()()してて……」

花「同じ()()でもここまで意味合いが違く聞こえるのはすごいずら……」

孝「いやいや、感心するところじゃないし……それより、みんな早く準備して〜!3年生はみんなもう屋上だよ!」

千「えっ!そうなの!?ぐわぁ〜!先越された……急がなきゃ!」

 

今日もAqoursの練習が始まる。

 

まだ暑い夏の日の屋上で。

 

天の声side off

 

 

 

and to be continued




いかがでしたでしょうか!
アニメ版のラブライブ!サンシャイン!!とは世界観が変わっています。廃校を阻止していたり、9人になってすぐにファンがたくさん出来たり……
オリジナル展開ですので……笑
いや〜、にしても曜ちゃんってほんとに可愛いですよね!スクフェスのバレンタインの曜ちゃんURとかエグくないですか?笑
めっちゃ可愛いですよね!ほんと可愛いですよね!(語彙力の欠如)

では、次回もお楽しみに!
See you next time!


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久しぶりのデートは激甘で……?

はーい、どうも!みなさんこにゃにゃちわ!たか丸です!
いや〜、たか丸惨敗しました笑
何にかって?もちろんUR曜ちゃんです!
20連したけど出なかったんですよ……
でも!変わりにヨハネUR出ました!
また今度曜ちゃんは狙ってみます笑

それでは!今回もお楽しみください!
せーの!ヨーソロー!


曜side

 

次のラブライブ!に向けて絶賛練習中の私たち。今日も練習に熱が入るであります!

果「1.2.3.4.1.2.3.4……はい、じゃあ10分休憩取って〜、ちゃんと水分取らないと倒れるからね〜」

「「「はーーーい」」」

孝「は〜い、みんな〜スポドリだよ〜」

曜「ありがとう!……はい、千歌ちゃん、梨子ちゃん!」

千「ありがと〜」

梨「にしても、ほんとに暑いわね……」

千「"ちきゅうおんだんか"の影響?」

曜「なんか文字に起こしたら、全部ひらがなになってそう……」

7月の中旬。千歌ちゃんの言う通り地球温暖化の影響なのか、普段の夏に比べてとても暑い。

……あれ、それにしてもなんかさっきより暑くなった気が……

曜「……千歌ちゃん、あついよ……」

千歌ちゃんが私に寄りかかってきてた。普段なら嬉しいけど、今はあつい……

でも、それを差し引いても暑い……

千「もー!なんでこんなに暑いのー!!!」

 

――――――――――

 

花「ずらぁ〜……」

ル「ぴぎぃ〜……」

善「よはぁ〜……」

孝「毎回思うけど、その声は何?」

ダ「暑い中、扇風機の前で待ち望んだアイスをやっと食べられた時に出す歓喜の声ですわ」

果「どういう声だか全然わかんないんだけど……」

鞠「見ての通り、聞いての通りの声デース!」

1年生3人は、あれ必ずやるよね……

見ててかわいいからいいんだけどね♪

孝「じゃあこれで今日の練習はおしまい!各自、水分補給やクールダウン忘れずに〜!」

「「「「「「「「「はーい、お疲れさまでしたー!」」」」」」」」」

孝「お疲れさまでした!」

 

――――――――――

 

曜「はぁ、孝宏くんまだかな……」

部活前に一緒に帰る約束をしたけど、孝宏くんは、とある先生に捕まって仕事を手伝わされてる。そのとある先生は孝宏くんのことがお気に入りみたいで、ことある事に手伝いをさせたりしてる。唯一良かったのは、その先生が男の人だったこと。誘惑してくる系の美人女教師だったら、私の存在が……

なんて思ってたら孝宏くんがやってきた。

孝「はぁ、はぁ、はぁ、遅くなってごめん曜ちゃん!」

曜「ううん、平気だよ♪それより早くいこ?」

孝「うん、そうだね……はい」

曜「えっ………もう……」

何かと思ったら孝宏くんが手を差し出てきた。つまり、『手をつなごう』って意味合い。

曜「えへへ、いつもやってるけど、やっぱり照れるね……」

孝「じゃあ……「やめる」?」

曜「やめないっ!……ってこのセリフ千歌ちゃんのものだし〜」

久しぶりの放課後デートってこともあるけど、やっぱり話が尽きないな〜。どこ行くとか決めてないけど、どうしよっかな……

 

曜side off

 

孝宏side

 

……あっ、曜ちゃんのこの顔は……

……どこに行こうか考えてないからどうしよっかなって顔だ。

……ふっふっふっ、そんなこともあろうかと考えておいたのさ!今日のデートについて!

曜「孝宏くん、すごいドヤ顔してるけどどうしたの?」

孝「ドヤ顔してた……?」

曜「してた、かなり」

孝「……///」

き、気を取り直して……

孝「曜ちゃん!今日は俺がデートを仕切るからね!」

曜「えっ、まさか決めてたの?行くところ!部活前に行こうって話して、あの短時間で決めたの?」

孝「えへへー……」

曜「……それであのドヤ顔か〜」

孝「なっ……///」

くそー、勝ったと思ったらすごい反撃喰らった……

曜「それで?どこに行くの?」

孝「着いてからのお楽しみ〜」

曜「むー……」

ほっぺた膨らませてる曜ちゃん。身長的に俺の方が大きいから、自然と上目遣いになる……それは、全男を魅了する姿となって、俺の目に入ってくる。

曜「どうしたの?顔赤いけど……」

孝「えっ、えと……よ、曜ちゃんがすごく可愛かったから……」

曜「!!!……ずるいよ孝宏くん……///」

孝「ごめん……///」

 

バスに乗って数十分、そこから歩いて数分。ある場所に着いた。

曜「……ってここ、孝宏くんの家じゃん」

孝「そうだよ、今日のデートは初のお家デート!」

曜「おお〜!」

高校入学前から付き合っているのに、お家デートは1回もしたことがなかった。

孝「今日はたまたま親も姉貴もいないから、丁度いいと思ったんだよね。みんな旅行だし」

曜「じゃあ、何しても平気だよね……?」

孝「なっ……?!///」

すぐそうやってからかうんだから……

今日はこっちからも仕返しだ!

孝「そうそう、色んなことができるよ?例えば……」

曜「ぐぬ……孝宏くん、そうくるの……///」

やった、今回は勝ったぞ!

……と思ったのも束の間。

曜「じゃあそうしちゃおっかな〜///」

孝「ええっ?!///」

やっぱ曜ちゃんには敵わないや……

 

――――――――――

 

孝「はい、曜ちゃんどーぞ」

曜「ありがとう!」

ジュースを曜ちゃんに渡して、2人でソファーに腰掛けてだらける。

孝「じゃあ曜ちゃん、何やる?」

曜「んー、今はこのままがいいな〜」

そういって曜ちゃんは頭を俺の肩にもたれかけた。

突然の事で俺は驚いて動けなかった。

曜「孝宏くん……」

とびきり甘い声で話しかけてきた。

そんな曜ちゃんに俺の理性はやられかけている。

曜「ねぇ、孝宏くん……」

孝「な、なに……?」

曜「私、してほしいことがあるんだけど……///」

シチュエーションがシチュエーションなだけに、変な考えしか浮かばない……

孝「ど、どんなこと……?」

曜「とっても恥ずかしいんだけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭を撫でて欲しいな……///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はう……

よかった……

よからぬ事を考えていた俺がバカだったよ……

曜「ほら!私って褒められて伸びるタイプでしょ?だから、褒めながら撫でて欲しいな〜って///」

孝「甘え上手だね、曜ちゃんは!……よすよす……」

曜「OH YEAH……」

…………

「「ぷっ……!あははははは!!!」」

曜「……ね、もっと撫でて?孝宏くんに撫でられるの、すごい好きだよ」

孝「うん、曜ちゃんが望むならいくらでも撫でてあげるよ?」

曜「えへへ、ありがと♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――チュッ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孝「!!!」

今日はほんとに不意打ちが多いよ……

曜「えへへ、今日はとことん甘えたいな……」

そう言って笑った曜ちゃんがとってもかわいくて、俺は曜ちゃんを抱きしめた。

曜「えへへ、ぎゅーーー!!!」

今日の曜ちゃんはほんとに激甘だ……

そんな曜ちゃんも久しぶりに見られて嬉しいし、なにより大好きだ。

曜「ねぇ孝宏くん、聞いて?」

孝「?」

曜「大好きだよ♡」

孝「うん、俺も大好きだよ」

久しぶりに甘く過ごせた放課後だった。

 

孝宏side off

 

 

and to be continued




いかがでしたでしょうか!
ほんとに自己満足なお話になってしまいましたね笑
でも後悔はしていません!笑
あと、途中で出てきたPPTPは気にしないのが勝ちです笑
あのシーンの杉田○和さんの演じ方が好きですね
……アドリブですけど笑
えー、次回も甘々にしていきたいと思います!

では次回もお楽しみに!
See you next time!


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Awaken the power of "S-DERE"

みなさんこにゃにゃちわ、たか丸です!
テストが無事(???)に終わりました!
再び執筆活動を始めます!
今回のお話は、曜ちゃんメインのお話です。
サブタイを和訳していただければ多分分かっちゃうんですが笑
英語、文法的に合ってるかな……?笑
では!今回もお楽しみください!
せーのっ!ヨーソロー!


曜side

 

曜「ふむふむ……ほぇ〜……ふーん……」

梨「えっと……曜ちゃん?」

曜「んっ?どうしたの梨子ちゃん?」

梨「えっ、えと……いきなり私の家に来て何も言わずに私の部屋にあるそういう本(百合本)を読み始めて1人で感心した挙句、「どうしたの?」って……こっちが聞きたいんだけど!」

曜「あはは〜……実はね……」

 

――事は数時間前に遡る。

 

孝「なーなー曜ちゃん、一つ質問してもいい?」

曜「うん、どうしたの?」

孝「……人にはそれぞれ性格というものがあって、それを尊重して生きているわけじゃないですか。その中でも特徴的な性格ってあるよね?なんだと思う?」

曜「特徴的……?」

私はぴこっと首をかしげた。特徴的ってなんだろう……?

孝「そう、特徴的。俺の中で1番特徴的なのは……そう、Sデレ!」

曜「え、Sデレ!?……って何?」

聞いたことの無い単語だった。ツンデレって結構聞くけど、Sデレなんて聞いたことないよ!

孝「あー、簡単に説明すると、普段は軽いSでいじめてくるんだけど、ふとした時にデレるって性格……かな」

曜「軽いSとデレ、かぁ……それで、それがどうかしたの?」

孝「ここからは俺のお願い……曜ちゃん、1日だけでいいからSデレやってくんないかな!?」

曜「えええええ?!?!」

 

――そして今に至る。

 

梨「それで、その参考になるかもって私の百合本だったのね……って、なんでこの本持ってるって知ってるの?!」

曜「千歌ちゃんが言ってたから……」

梨「……ホントにバカチカなんだから……!」

曜「目がマジだよ……堕天してる時の善子ちゃん見る目だよ……」

そういって私はまた本を読み始めた。でも、梨子ちゃんはこういうことが好きなのかな……?女の子同士でこういう……

曜「……///」

梨「どうしたの曜ちゃん、顔真っ赤よ?」

曜「……梨子ちゃんのえっち」

梨「えええ?!?!」

曜「この本じゃだめだね、他にはないの?」

梨「え?あ、Sデレかどうかはわかんないけど、それっぽいのに関してだったら、こんな本とかあるけど、どうかな?」

梨子ちゃんの守備範囲が広すぎるよ……

曜「えーと、なになに?『属性喫茶で働く大和撫子JKが、天然ドSとデレを混在させ、可愛すぎて困っている店長のお話』?」

梨「そんな大きな声でタイトル読まないでよ〜!」

私は試しにこの本を読んでみた。

そして、この本のことを実践しようと思った。きっと孝宏くん喜ぶぞ〜!

 

********************

 

孝「ん、おかえり曜ちゃん、どこいってたの?」

曜「えっ、まぁいろいろ……」

孝「ふーん」

よしっ、じゃあやってみようかな!

曜「た、孝宏くん!」

孝「はっ、はい!なんですか!?」

曜「あんまり私の周りにいないでくれない?なんか気分悪いし……」

やばっ、やり過ぎかな……

孝「……は、はい……すいません……///」

え、これでいいの……?なんか孝宏くんの反応が面白すぎるんだけど!

曜「……でも、どうしてもって言うなら、別に構わないけど……///

孝「……!!!」

おおっ、すごい反応!効果は抜群かな?

曜「ど、どうだったかな……?」

孝「……ありがとう曜ちゃん、すごい完成度だよ!なんていうか、この間梨子ちゃんに見せてもらった『属性喫茶で働く大和撫子JKが、天然ドSとデレを混在させ、可愛すぎて困っている店長のお話』って本の女の子に似てる!」

曜「えっ、実は今日その本を読んで実践したの!梨子ちゃん家の、ね」

孝「さすが梨子ちゃん!!!!!!」

孝宏くんはガッツポーズをして喜んだ。これって、大成功ってことだよね?!

 

はぅ〜、よかったぁ〜!

 

曜side off

 

 

孝宏side

 

いや〜、Sデレ曜ちゃんいいなぁ〜……

いいんだよ……けど……

孝「ね、ねぇ曜ちゃん……」

曜「ん、なぁに?」

孝「なんで網タイツに超ショートの黒いテカテカスカートと黒いテカテカ服着てるの?」

もう、絵に描いたような女王様スタイル……

曜「あーこれ?それっぽいでしょ?私のコスプレコレクションのひとつだよ!」

孝「曜ちゃんのコスプレ衣装の多さには驚かされるよ……ってかもうその衣装、SデレじゃなくてただただドSだよね……」

曜「嘘ぉ!?!?」

でもなんて言うんだろ。

曜ちゃんってすごく凹凸のある体つきしてて、出るとこ出てるから、この衣装がすごく似合う……ってかぶっちゃけエロい……

自分で言うのもあれだけど、女性が肌を多く露出してるとこを見るのは気が引けてしまう。特にこんな格好してたら言わずもがな、目のやりどころに困る……

曜「ね、ねぇ、孝宏くん……」

孝「な、なに?」

曜「あの……その……」

孝「???」

どうしたんだろ、すっごい口ごもってる。言い難いことかな?

曜「よしっ……孝宏くん!」

孝「は、はい!」

曜「好きにして……」

孝「……ふぇ?」

曜「だから!私を好きにして!」

孝「……えええええ!?!?」

なんてこった!!!

孝「どっ、どどどどういうことぉぉぉ!?!?」

曜「言葉の通りだよ……今のこの私を、好きにしてほしいの……」

孝「好きにしてって……」

曜「久しぶりにこうして孝宏くんの家で誰がいるわけでもなく二人きりなんだし、付き合ってもう長いから、そろそろ進展があってもいいのかなって……」

驚いた。

まさか曜ちゃんにそんな考えがあっただなんて……

でも、進展ってことは……つまり……()()()()()、なんだよね……

いいのか?まだ俺は高校2年なんだぞ……

っていうか、そもそもであの格好!曜ちゃんの曜ちゃんが見えそうでヤバいんだよ!

孝「あ、あのぅ、曜ちゃん。できれば、そろそろ着替えてほしいんだよね……」

曜「え、どうして?」

孝「そのぉ、なんというか、結構際どい格好だから、曜ちゃんのあらゆる部分が危機にさらされてるっていうか、なにより俺の心の平穏のためにも……」

言葉が上手くまとまらないよ……

曜「……そうなの?見せるために着てるのに……」

孝「………はっ?!」

なんだとぉぉぉ!!!!!

これはあれか!?見なければならないのか!?そして……

いやいやいや、それ以上は曜ちゃんもまだ何も言っていない……

とはいえ、見せるためって言ったよね……

これはあれか?紳士としては見なければならないのか?曜ちゃんの想いを踏みにじらないためにも……

秋月孝宏、漢になります!!!

 

孝宏side off

 

天の声side

 

孝宏は決意を胸に、ゆっくりと振り返った。

そして目に映ったのは……!

 

 

曜「これでいいかな?」

 

 

――浦の星の制服を着た曜の姿がそこにはあった。

途端に孝宏の力は抜け、その場に倒れ込んだ。

孝「ふえぇ……」

曜「ちょっ!?大丈夫?!」

孝「あは、大丈夫大丈夫……」

そのまま乾いた笑いを続ける孝宏。

孝(一瞬だけでも、楽しい思いをさせてもらえたよ……)

 

 

********************

 

 

曜「今日は楽しかったよ!」

孝「あは、それはよかった……」

曜「また今度もやる?」

孝「いや、しばらくはいいかな……今度は水族館にでもデートしに行こうよ?」

曜「うん!そうしよっ!……それじゃあまた明日、いつものバスで!」

孝「うん、また明日!」

 

 

天の声side off

 

 

 

 

To be continued……




いかがだったでしょうか?
なにかをブレンドしそうな本が出てきましたね〜
しかも同人誌です笑
Sデレ成分少なめでしたけど、あくまで今回は目覚めさせるだけだったので、こんな感じです笑
ここで、タグの「R-15は念の為」が生きてきますね笑
今回のある場面、アマガミを元に作ったシーンがあります。気づいてくださるマニアックな読者の方がいらっしゃったら嬉しい限りです笑

さぁ〜て、次回のサザ○さんはぁ?(そうじゃない)笑
次回も甘々にしていきたいです!(していきます!)

では!次回もお楽しみに!
See you next time!


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姉貴、襲来―― ⑴

えー、みなさんこにゃにゃちわ、たか丸です……
お久しぶりです……
本っ当に申し訳ございません!!!!!
いやー、私事ではありますが、リアルもとい現実世界で色んなことがございましてですね、、、
例えば部活のことだったり、部活のことだったり、部活のことだったり……
まー部活ですね笑
弓道部忙しいっス!(適当)

では、気を取り直して、今回もお楽しみください!
せーのっ、ヨーソロー!


孝宏side

 

今日は日曜日。学校の宿題も終わって、部活も今日はお休み。特にすることもないし、ずっとだらだらしてよう……うん、それがいい……

 

?「バァーン!!!」

 

孝「んなあっ?!」

突然部屋のドアが勢いよく開き、()()()は現れた。

?「こーらー!部活もなくて宿題も終わって暇だからって、この貴重な日曜日をだらだら過ごそうとしてるそこの君!将来ニートにでもなる気なのかー!!!」

孝「……五月蝿いなぁ〜、なにさ姉貴?なんか用?」

この人は俺の姉、秋月明日奈(あすな)。俺と同じで少し赤みがかった髪色で、腰のあたりまで髪を伸ばしている。それをいつも凝ったアレンジをして結いているが、今日はポニーテールにしている。20才で、沼津大学の2年生。

明「五月蝿くないですーだ!まったくー、こんな日なんだから彼女とデートしてきなよ♪休日だし、どこもかしこもイベントだらけだよ?だからデートしてきなよ♪かわいいかわいい、よ・う・ちゃ・ん・と♡」

孝「!!!」

瞬間、俺は顔から火が出たかと思った。

付き合って割と時間が経っているから、この手の発言には慣れているつもりだった。けど突然、しかも姉貴から言われるのはなかなかに衝撃的だった。

孝「い、言われなくてもそうするつもりだったし!ほら!着替えるから早く出てってよ!」

照れ隠しであたふたしながら姉貴を追い出そうとしたが、この発言が逆効果だった。

明「んー、じゃあ私が服を選んであげる!」

孝「はぁぁぁぁいぃぃぃぃ!?!?」

明「だってたーくん、ファッションセンスいいとはいえないじゃん?だから、大学でいろんな服を見てる私がコーデしてあげるわ!……なんなら私の彼氏の服を参考にしてみる?」

孝「わーたわーた、勇人(はやと)さんは参考にしなくてもいいからコーデしてください!あと!たーくんって言うな!」

勇人さんとは姉貴の彼氏の柊勇人さんのこと。姉貴と同い年で、中学校から付き合っている。

そして、たーくんとは、姉貴が昔から俺のことを呼ぶ時に使うあだ名。ずっとつかっているからなかなか治らない……

明「んー、じゃーまー、ちゃちゃっとコーデしちゃいますか♪」

孝(まともな服装になりますように……)

心の中で静かに祈った……

 

孝宏side off

 

 

曜side

 

曜「……よし、決めた!」

何を決めたのか。それはもちろん!せっかくの休日だし!デートしなきゃもったいない!ってことで、孝宏くんをデートに誘うこと!

曜(……そういえば、私からデートに誘うのって……初めてかも!)

うわー、やばい!そう考えたらめちゃくちゃ緊張してきた!

孝宏くんはいつもこんな緊張を振りほどいて私をデートに誘ってくれてるのか!

曜「うー……どうしよう……」

なんて言いながら、私は無料トークアプリ「LIME」の孝宏くんのトーク画面をずっと見つめていた。

そんな時、

 

――ピロン――

 

孝宏くんからLIMEが届いた。

曜「なんだろう?」

――おはよ!

――曜ちゃん今日暇かな?

――よかったらデートしてほしいんだけど……

――遊園地、行かない?

 

曜「くぅっ……///」

先を越された……けど嬉しい……///

私は孝宏くんに返信した。

 

――おはヨーソロー!

――もちろん行くであります!

――ってゆーか、私も孝宏をデートに誘おうと思ってた!

――同じ気持ちだったね!♡

 

なんだかとっても恥ずかしくなったよ。

♡は使うべきだったのかな……

カーっと頬が紅潮するのがわかった。

曜(悔しいけど、早く会いたいよ、孝宏くん……)

 

曜side off

 

 

天の声side

 

――同じ気持ちだったね!♡

 

孝「はーと……」

孝宏はLIMEのトーク画面を見つめて呟いた。

半ば強制的に姉貴に行くように言われたデートのため、同じ気持ちというのは少し違うと思われるが、予想外のハートマークを目にして、家を出る前から今に至るまでずっとこの調子である。

孝(まさか曜ちゃんが♡を使ってくるとは!!!デートに誘ってよかった!姉貴ナイス!)

 

というわけで、孝宏は沼津の駅前に来ている。

明日奈に、

――最近できた沼津の遊園地にでも行ってくればいいよ!

なんて勝手にデートコースも決められ、今、駅前で曜を待っているところである。

因みに明日奈がコーデした孝宏の服装は、白地に黒の文字の書いてある半袖Tシャツに黒の薄いコーディガン。黒のスキニーパンツに、白のスニーカーを履いている。胸元にリングのネックレスを付けていて、実に高校生らしい服装になっている。

孝(普通でよかった……)

と、そこに

曜「お、おまたせ……」

曜がやって来た。曜の装いは、孝宏の心を射て殺すのには十分すぎるものだった。所謂、悩殺というやつだ。

白の七分袖のシャツと青いプリーツスカート、頭には青い紐を巻いた少しだけつばの長い麦わら帽子を乗せていた。

孝「曜ちゃん、ロングスカートなんて珍しいね……麦わら帽子も似合ってるし、とっても可愛いよ!」

曜「え、そ、そうかな?……あ、ありがと///」

会うなりすぐに装いを褒められたので、曜は思わず顔を赤くして俯いた。

曜「じゃ、じゃあ、行こっか?///」

孝「う、うん!」

付き合って長い期間が経つのだが、まだまだ初々しさが残る2人。

 

そんな2人を遠くから見つめる2人の黒い影――

 

********************

 

2人はバスに乗り、目的地である遊園地に到着した。

日曜日で、尚且つ新しい施設ということもあり、かなり大勢の人達でごった返していた。

その大勢の人達に目をやると、その殆どが家族連れやカップルだった。

孝「ねぇ曜ちゃん」

曜「ん?どしたの?」

孝「俺達もあの人たちみたいに、その……カップルに見えるのかな……?」

曜「……み、見えると思う……けど……///」

孝宏が唐突にそんなことをいうものだから、曜は恥ずかしくなり、頬を紅く染めた。

孝「そっか……そうだよね!うん!それじゃ、チケット買いに行こうか?」

曜「う、うん……」

曜は変わりゆく孝宏のテンションに振り回されている。

 

「おめでとうございまーす!」

 

孝&曜「「え?」」

 

「当遊園地累計1000組目のカップルの方でーす!」

 

孝&曜「「oh......」」

 

チケット売り場でペアチケットを購入した2人は、入場口に向かったのだが、その入場口で思わぬサプライズが待ち構えていた。

曜「まさかこんなことがあるなんてね……」

孝「びっくりだよ……」

記念品を贈呈され、記念写真を撮られ(2人にとってはいい思い出になったから内心とても喜んでいる)、振り回されているうちに15分が経過していた。

 

?「ふふふっ……面白そうなことになってるねぇ……」

?「そうだね……ってか、何でこんなことしてるの?」

?「決まってるじゃん!面白そうだからだよ!」

?「はぁ、そんな答えが帰ってくることだろうと思ったよ……まったく、ブラコンなんだから……」

 

園内の草陰に隠れて、曜と孝宏の動向を見つめる2つの陰……

 

********************

 

曜「まず、どこからいこっか?孝宏くん決めていいよ!」

孝「えっ、ほんと?……んー、じゃーあー……」

 

********************

 

曜「……ね、ねぇ……ほんとにここがいいの……?」

孝「え、うん……あれぇ?もしかして曜ちゃんは()()()()()が苦手なのかな〜?(ニヤニヤ)」

曜「そっ、そんなことないよ!へ、へーきだもん!」

孝「そーお?んじゃあ、入ろっか?」

曜「お、おう!どんとこいってもんよ!」

 

3分後

 

曜「イヤァァァァァァァァ!!!!!孝宏くーーーん!!!!!」

孝「痛い痛い!腕掴みすぎだよ曜ちゃ……いだだだだだ!!」

曜「ヒィィィィィィィィィ!!!!!」

 

3分後

 

曜「……ハァ……ハァ……ハァ……し、死ぬかと思った……」

孝「……俺はいろんな意味で死ぬかと思った……」

お互い違う理由でグロッキーになっていたが、お化け屋敷の出口から聞こえてきたある言葉に耳を疑った。

?「イヤァァァァァァァァ!!!!!勇人ぉぉぉぉぉ!!!!!」

孝「えっ?この声って……」

瞬間、お化け屋敷の出口から勢いよく出てきた1人の女性が孝宏に激突した。

孝「ゴフッ!?!?」

曜「孝宏くん!?!?……って、上に乗ってる女の人って……明日奈さん!?!?」

明「……え?……あ、曜ちゃん……みつかっちゃった……」

?「あーあ、早速バレちゃったじゃん。だからお化け屋敷に行くなんてよそうって言ったのに……」

孝「……そ、その声は……勇人さん……?」

明日奈の下敷きになって今にも息絶えそうな声を発した孝宏。勇人と呼ばれたその男は返事をした。

勇「せいかーい!勇人だよ〜」

孝「なんで2人がここ……に……バタリ……」

明「ありゃ、のびちゃった……(´>ω∂`)テヘペロ」

曜「孝宏くーーーーーん!!!!!」

 

ここに1人、なんとも悲しい最期を迎えた男がいたそうな……

 

 

 

 

 

To be continued……




えー、いかがだったでしょうか?
割と久々で書く感覚が取り戻せず、拙い文になってしまったと思いますが、楽しんでいただければ幸いです……

ここで少しオリキャラ紹介!

秋月孝宏 ((希望の)CV:前野智昭)
17歳 高校2年生 主人公 身長178cm 体重67kg
この物語のもう1人の主人公である渡辺曜の彼氏。非常に優しそうな面立ちで、性格も見た目そのままにとても優しい。だが、正義感が強く、大切な人のために危険な事も顧みない。特に、曜に対してかなり過保護になる。
趣味は絵を描くことで、その才能は趣味の範囲を超えている。
好きな食べ物は、曜の作るオムライス。嫌いな食べ物はパクチー。
座右の銘は「困難は自らを鍛える好機である」

秋月明日奈 ((希望の)CV:南條愛乃)
20歳 大学2年生 身長171cm 体重ヒ♡ミ♡ツ♡
孝宏の姉。優しい雰囲気を醸し出しているが、どこかおちゃらけている雰囲気も漂わせる。それを象徴するかのように、孝宏を弄ぶ。中学時代に行った東京で、モデルにスカウトされたこともあり(その時は断った)、スタイルは抜群。(スリーサイズはB85 W58 H87)彼氏である勇人は中学時代からの付き合いで、両家公認の関係にある。
趣味はウィンドウショッピング。時には5時間ほどすることも。
好きな食べ物はラーメン。嫌いな食べ物は海鮮系。
座右の銘は「命短し恋せよ乙女」

柊勇人((希望の)CV:中村悠一)
20歳 大学2年生 身長195cm 体重86kg
明日奈の彼氏。この辺りでは小原家と同じくらいの財力があり、何かと小原家と張り合う一家の長男。勇人自身に対抗意識はないため、「親がくだらないことでなにか争っている」程度にしか感じていない。だが、跡取り候補筆頭。因みに、小原鞠莉とは仲がいい。高身長の理由は、中学時代から続けているバスケの影響で、大学でもエースとして活躍している。明日奈と並ぶと、まさに美男美女カップルというやつになる。
趣味は友達とカラオケに行くこと。
好きな食べ物は明日奈の作るハンバーグ。嫌いな食べ物はにんじん。
座右の銘は「諦めない人にのみ道は開かれる」

以上です!
楽しんでいただけたでしょうか?
それでは、また次回お会いしましょー!
See you next time!



あれ、今思ったけど、ワタシもしかして明日奈さんより身長低い……?
oh......サスガスタイルバツグンノオネーサンデスワ……


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姉貴、襲来―― ⑵

みなさんこにゃにゃちわ!たか丸.comでーす!
この間阿澄佳奈さんのラジオ「キミまち!」を聴いてたんですけど、そのCMで流れた曲が気になって調べたんですけど、sumikaさんの「フィクション」という曲でした。オタクに恋は難しいというアニメの曲らしいですね。すごい好きな曲のひとつになりました!

あと、ご報告です。
わたくしたか丸は、今年高校3年生になりまして、大学受験の勉強をするために更新速度が著しく低下します。わたくしの作品の更新を楽しみにして下さっている方々には多大なるご迷惑をおかけすることとなりますが、ご理解の程よろしくお願い致します。
代わりに、受験が終わりましたら頻繁に更新していきたいと思っております。それまでは時間がかかりますが、お待ちいただければ幸いです。

前書きが長くなりましたが、今回もお楽しみください!
せーのっ、ヨーソロー!


前回のあらすじ

孝宏の姉、明日奈の提案で孝宏と曜はデートをすることに。最近出来た沼津の新しい遊園地にやってきたのだが、そこでまさかの姉とその彼氏、柊勇人が尾行していることに気づく。これからどんな展開になっていくのか――

 

曜side

 

曜「……えーっと、まずは説明して明日奈さん……」

明「あはは……実はね……」

そこで私は今日、孝宏くんが私をデートに誘ってくれるまでの経緯を聞いた。

明「……かくかくしかじかってことなの……ごめんね曜ちゃん!ほんとはずーっと眺めてようと思ったんだけど、アトラクション見たらどうしても楽しみたくなっちゃって……」

曜「いや〜、こちらとしては出てきてもらってよかったけどね〜……でもさ、孝宏くん」

孝「ん?」

曜「あ、蘇ってた……でね、私思うんですよ!」

孝「なにを?」

曜「なんで孝宏くんはあんなバレバレの明日奈さんのトラップに引っかかっちゃうのかってこと!」

孝「バッ、バレバレのトラップ?!」

やっぱり気づいてなかった……

明日奈さんがテンション高めに服装選んでくれたのなら気づくべきなのに……

曜「だってほら、明日奈さんが服装選んでくれた時って大体いつもなにかしてくるじゃん?例えば、小学校5年生の林間学校の時だって、中学校が休みだからコソコソ付いてきたりしたし。あとは、中学校2年生の修学旅行の時だって、私と孝宏くんにとんでもないことしたじゃん?」

孝「あ、あー!あれか!あの(ピーーーーー)……」

曜「言わなくていいからぁ〜!!!///」

近くにいた人達が数人こちらをぎょっとした顔で見ているのが分かって、私は顔を赤らめた。

曜「と、とにかく!次からはほんとに気をつけてね!」

孝「は、はい、わかりました……」

曜「それと……明日奈さん、今日は帰ってください!」

明「えぇぇぇぇぇ?!?!なんでぇぇぇ?!?!」

曜「そ、その……見られていると思うと……とてもじゃないけど恥ずかしいので……///」

明「……ッ!!!」

明日奈さんは後ろによろめいて、勇人さんに寄りかかった。

勇「おっと……どうした明日奈?」

明「……ろう……」

勇「ん?なんて?」

明日奈さんは素早い動きで自立し、勇人さんに向かって言った。

明「帰ろう!!!今すぐ!!!」

勇「おっと?どういう風の吹き回しなんだか……まぁ、明日奈がそうしたいなら構わないけど」

あぁ、きっとこの2人が長続きしてる大きな要因はこの絶妙な距離感にあるんだろうなぁ……

引っ張る明日奈さんに、それを包み込む勇人さん。

私たちもこんなふうになれるのかな……?

そう思ったら、胸を何かがチクリと刺した感じがした。

明「それじゃあ!二人とも楽しんで!!!アデュー!!!」

言うなり明日奈さんはすたこら走って行ってしまった。

勇「あ!ちょっ、明日奈待ってくれ〜!……それじゃあな、二人とも!」

孝「あ、はい、さよなら……」

曜「……」

孝「ん?曜ちゃんどうしたの?」

曜「……え?あ、ううん、なんでもない……」

孝「……?」

 

曜side off

 

明日奈side

 

勇「おーい、明日奈!どうしたんだよ、いきなり帰ろうなんて?」

明「なんでって……勇人は何も感じなかった?」

勇「な、何に?」

明「曜ちゃんの顔よ……あの赤らめた顔……あんな顔でお願いされたら断れないわよ……」

勇「ふーん、そんなもんなのか……」

まったくほんとにこの男は鈍いわね……

明「まぁいいわ、何か甘いものでも食べに行こっ!」

勇「ん、そうだな」

私たちは手を繋いで歩き出した。

あの二人のこのあとのことは孝宏に後で問い詰めようかな♡

 

明日奈side off

 

孝宏side

 

………

………………

………………………

どうしたんだろう曜ちゃん。なんか、いつもと違う。

多分気づかない人は気づかないんだろうけど、ずっと一緒にいるからなんとなくわかる。何かがいつもと違う。

孝「ふーーー……よしっ!」

曜「……?どうしたの?」

孝「曜ちゃん、はい!」

曜「え……///」

俺は曜ちゃんに手を差し出した。所謂(いわゆる)「手をつなごう」のサイン。

曜「……もう、ほんとにずるい……全部お見通しなんだもん……

すると曜ちゃんの目尻に光るものが見えた。

孝「えっ、えっ、えっ?!どどど、どうしてななな、泣いてるの?!?!」

曜ちゃんを泣かせてしまったと思って俺は大いに焦った。

曜「ご、ごめんね……平気だから……ただ、私って馬鹿だなぁって思ったから……よかった……私の杞憂で終わって……」

孝「???」

曜「フフッ、なんの事かさっぱりだよね?でも大丈夫、気にしないで!もう元気になったから!」

そういった曜ちゃんの目元は少し濡れていて、頬は紅潮していた。

そしてなにより、笑顔になっていた。

いつもの眩しい、はじける笑顔だった。

曜「……はい!」

曜ちゃんは手を差し出した。俺はその手をとり、俺の口元に持ってきて、

 

 

――チュッ――

 

 

キスをした。

なんでだろう、すごくそうしたくなった。

曜ちゃんはものすごく顔を赤くしていた。そんな曜ちゃんが可愛くって、思わず笑顔になった。

そして手を握った。指を絡ませ、恋人繋ぎというものにした。

孝「じゃあ、デートの続き、しよっか?」

曜「〜〜〜ッ!///」

曜ちゃんは何も言えなかったのか、ただ頷いていた。

 

孝宏side off

 

曜side

 

遊園地デートが終わり、帰路に就いていた。

曜「……ねぇ、ちょっと寄り道してもいい?」

孝「……うん、いいけど……どこに行くの?」

曜「ふふっ、なーいしょ♡」

孝宏くん、喜んでくれるかな……?

 

********************

 

孝「あれ、ここって……公園?」

曜「そ。こっち来て……」

私は孝宏くんをベンチに誘導した。

幸い今日は誰もいない。ものすごいチャンス!

私はベンチに腰掛けて、ももの辺りをポンポンした。

孝「?……はっ、ま、まさか……!!!」

曜「流石に勘がいいね……そう、膝枕!」

孝「うぉぉぉぉぉ!!!まじっかっ!!!」

おーおー、すごい目がキラキラしてる。子供みたい♡

曜「ほらほら、早く来て?」

孝「う、うん……じゃあ……」

 

――ポフッ――

 

孝「う、わぁ……これは……///」

曜「ど、どうかな?」

孝「いや〜、言葉では言い表せないよ……すごい、すごすぎるよ……ダメになりそう……」

孝宏くんの言葉は嘘っぽく聞こえたけど、顔が全てを物語っていた。見たことないくらいへにゃへにゃになった顔。あーあ、もう、だらしないんだから……♡

孝「なぁ曜ちゃん」

曜「うん?」

孝「今日はごめんな。色々迷惑かけた。姉貴のこともあるし、俺自身曜ちゃんに気を使わせちゃったと思う。こんな不甲斐なくて頼りない俺でごめん……。けど、曜ちゃんのこと幸せに出来るのって俺だけだと思ってる。だって、俺たち誰が見てもいいカップルだから」

正直、また涙が零れそうだった。

曜「……ほんと、私ってば、馬鹿曜だ…………ありがとう、孝宏くん!大好き!!!」

私は孝宏くんの体に抱きついた。

孝「もがっ?!もがががっ!!!」

曜「えっ?!」

私が抱きついたことで、私のももに頭を乗せていた孝宏くんの顔に、私の胸が乗っかって、息ができない状況にしてしまった。

曜「あっ!ご、ごめん孝宏くん!大丈夫?!」

孝「だ、大丈夫大丈夫……もー、一瞬で俺のいいセリフ消し飛んだじゃん〜」

曜「あはは!ごめんごめん!」

そうだ、私たちは今が1番いいんだ。この関係が。

明日奈さんたちがどうとか関係ない。私たちは私たちだ。

曜「孝宏くん、ありがとね、大好きだよ!」

孝「ん?えーと、どういたしまして、でいいのかな?」

曜「うんっ!」

こうして私たちのハチャメチャなデートは幕を閉じた。

ハチャメチャの中で見つけた大事なこと。私は絶対忘れない。

そう私は心に誓った。

 

曜side off

 

 

 

 

To be continued……




はい、如何だったでしょうか?
久しぶりすぎて書き方忘れかけてました笑
一応確認はしていますが、誤字などありましたら、ご指摘していただけると嬉しいです。
いや〜、今回も自己満足なものになってしまいました笑
でもやっぱり後悔はしていません!笑
次回は、時期的にもぴったりなお話を書かせていただきたいと思います!
実は、そのお話のアイデアは、活動報告で実施しているアンケートに投稿してくださった方のものなんです!
みなさんもよかったらこのインスピレーション沸かなさすぎてどうにかなっちまいそうなわたくしめにアイデアを分けてくださいませ……笑
では!次回もお楽しみに!
See you next time!


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夏空と海水浴場と水着と……

みなさんこにゃにゃちわ!たか丸でーっす!
先日、文化祭が我が高校で行われました!
私のクラスはコスプレアイス屋さんということで、みんなでコスプレしたのですが、みんなが週刊少年ジャンプのキャラクターのコスプレをする中、私はSAOのキリトのコスプレをしました笑
イキってました笑

さて、今回のお話ですが、前回話した通り季節感満載なお話になります!
……と、思っていたのですが、投稿が遅くなり、季節感的に少しズレてしまいました……
もうほんっとに申し訳ないです!
受験生なんです許してくださいぃ……

さらに今回、あとがきでお知らせがありますので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

それでは!今回も楽しんでいってください!
せーのっ、ヨーソロー!


孝宏side

 

孝「ふい〜〜〜っ、あー、いい天気だなぁ……ほんとに、いい天気だ……」

照り輝く太陽と雲ひとつない青空を見つめ、俺は呟いた。

ここは内浦の海水浴場。俺はいまパラソルの下で暑さを凌いでいる。

視線を下に戻すと、視界いっぱいに広がる海!

そして水着姿のAqours2年生組!

なんと3人ともビキニという素晴らしい状況!

曜ちゃんは水色の水着に白いラインが入ったもの。

千歌ちゃんはみかん色の水着に白い花の模様があしらわれているもの。

梨子ちゃんは黒の水着にピンクの花柄。

ぶっちゃけ梨子ちゃんの水着が刺激強すぎてかなり、困ってる。でも、

孝(いや〜、若いおなごたちが海辺できゃいきゃいはしゃいでいるのを見るのはいいもんだな〜!)

なんて不埒な考えを思い浮かべたところで、曜ちゃんがやって来て隣に腰を下ろした。

曜「よいしょっ……孝宏くん、楽しんでる?」

孝「うん、楽しんでるよ!みんなの水着すがt……楽しんでる姿見てるだけで楽しいよ!」

アブナイ、アヤウクタイヘンナコトヲイッテシマウトコダッタゼ……

曜「……言いかけた何かは気になるけど、楽しめてるならよかった!……でも、孝宏くんも一緒に遊ぼうよ!ビーチボールとか膨らませてくれただけじゃん?」

千「そーだよそーだよ!一緒に遊ぼーよー!」

千歌ちゃんまでやって来た。その後ろにはいかにも一緒に遊んでほしいというふうに、目をキラキラと輝かせている梨子ちゃんもいる。

うぅ〜、こういう状況には弱いな……

孝「わかったわかった、一緒に遊ぼう?」

その瞬間3人はパアッとはじける笑顔になり、顔を見合わせ、大喜びした。

 

********************

 

曜「よーし、じゃあ行くよー!……それっ!」

――ぽーん

千「わぁ、こっちきた!……それー!」

――ぽーん

梨「ええっ、こっち?!ええっと……孝宏くんパスっ!」

――ばしーん

孝「ちょっ!強すぎん?!ブフッ?!」

――ばちーん

――ばしゃーん

梨「えっ、あっ!ごめんなさーい!!」

いてて、まさかトスじゃなくて全力スマッシュがくるとは……

俺たちはビーチボールで遊び始めた。

典型的なスイカ柄のビーチボールだ。

だが俺の眼前には、それよりもたわわに実った大きなおっぱ……ゲフンゲフン

これ以上はいろいろまずいからやめておこう……

曜「孝宏くん、どうかした?……もしかして、梨子ちゃんの強烈スマッシュで頭を強く打ったんじゃ……」

梨「うそ?!ごめんなさい!!」

孝「だ、大丈夫!何ともないよ!色々思いとどまっただけだから……」

曜「ど、どういうこと……?」

孝「き、気にしないで……」

曜ちゃんに心配そうな顔で見られたけど、逆に近づいてきた曜ちゃんの胸が近くてほんとにドキドキして顔から火が出てる感覚だった。

 

?「まぁまぁ、おアツい事で……」

孝「ん……?えっ?あ、姉貴?!」

千「あー!あっちゃん!はやっち!久しぶりー!」

勇「千歌、はやっちはそろそろやめてくれって……」

突然現れた姉貴と勇人さん。

なんだかもう偶然じゃない気しかしないな……

そんなことを考えていたら、梨子ちゃんが小声で尋ねてきた。

梨「ねぇ、孝宏くん。姉貴って……それに勇人さんって?

孝「あぁ、あっちは俺の姉貴の秋月明日奈。大学2年。そんで、あっちが姉貴の彼氏で同い年の柊勇人さん。曜ちゃんと千歌ちゃんは随分前から親交があって、ああやってあだ名で呼び合う仲なんだ

俺は梨子ちゃんにそう説明した。

梨「へぇ、孝宏くんってお姉さんがいたんだね。それでこの孝宏くんが形成されてるってわけね……

孝「?梨子ちゃんどうかした?」

梨「へっ?!あぁ、ううん!なんでもないの!」

何か妙な事を口走ってた気が……気のせいかな?

ってそれより!

孝「なんで姉貴たちもいんのさ?」

明「そりゃあんた、決まってるじゃん。勇人とデートしてるのよ!……っていう建前のもと、海水浴場できゃあきゃあはしゃぐ水着美女たちを拝みに来たのよ!」

梨「なっ?!?!」

曜「り、梨子ちゃん……?もしかして、明日奈さんの趣味、気づいちゃった……?」

すると梨子ちゃんは姉貴にものすごいスピードで近づき、手を両手で握った。

梨「私、あなたと仲良くなれそうな気がします……!」

明「えっ?あ、あなたAqoursの梨子ちゃん!きゃー!本物もものすーっごく可愛いのね!お姉さんがギューってしてあげる!」

梨「わぁ、嬉しいですー!」

「「「初対面の人にこんなアグレッシブな梨子ちゃん、初めて見た……」」」

勇「なあ孝宏、明日奈と趣味が合うってことはつまりあの子は……」

孝「ええ、()()()の腐女子です。しかも百合専門……姉貴と通づるところしかないんです……」

勇「まためんどくさい趣味持った子が現れたもんだ……」

今更ではあるけど、俺の姉、明日奈はかなりの腐女子である。しかもBLにはこれっぽっちも興味がなく、むしろ百合しか好まないという変態なのだ。

そんな性格だから、推しカプが違うということで友人と戦争になりかけたことも……

曜「あはは……明日奈さんの趣味と分かり合える人がこんな身近にいたとはね……」

孝「けど、1番近づけたくなかった2人かもしれない……」

 

********************

 

孝「んーっ!つっかれたぁ〜……」

曜「ほんとにね〜……」

3時頃になって、俺と曜ちゃんは少し休憩をとった。

あのあと結局姉貴たちと一緒に遊ぶことになったのだが……

 

梨『……それで、その時の結花ちゃんの表情がたまらなくてですね……!』

明『わかるわ!あのシーンときたら、ついに美羽が攻めに回って……』

『『きゃーー!!!』』

 

なんて、2人だけの世界にどっぷりと浸かってしまって、正直あの二人は遊ぶという概念を捨てていた。

そんなこんなで、曜ちゃんと俺、勇人さんと千歌ちゃんのチームでビーチバレーをやったのだが……

 

勇『孝宏ォォォ!!!』

孝『勇人さァァァん!!!』

『『うおおおおおおおおお!!!!』』

 

って俺と勇人さんだけで盛り上がって、もう何が何だか……

てなわけで今に至る。

曜「勇人さん強かったね!孝宏くんもあとちょっとだった!いい勝負だったね!」

孝「くそー、あのスマッシュさえ取れていれば……」

曜「かなり落ち込んでるね……じゃあそんな孝宏くんが一気にハッピーになれること、したい?」

孝「え?一気にハッピーになれること?」

いったいなんなのだろう?

曜「それはね……これ!女子達の肌の味方!日焼け止めクリーム〜!」

なっ、なんだってぇ〜!?

日焼け止めクリーム。砂浜でよくあるやつ!カップルがイチャイチャするためのグッズ!女の子がうつぶせになって男が背中とかに塗る、あの日焼け止めクリーム!

曜「やってみたく、ない?」

孝「はい!全力でやらせて頂きます!」

まさか、生きているうちにこんな幸せなことができるとは……

曜「はい!じゃあ、いいよ……///」

孝「う、うん……///」

俺は胸元を覆う水着の紐を解いた曜ちゃんの背中に、適量の日焼け止めクリームを塗り始めた。

孝(う……わぁ……女の子の、曜ちゃんの肌ってこんなにすべすべなのか?なんかとてもじゃないけどやっちゃいけなさそうなことしてる感じ……あぁ、なんだか曜ちゃんの背中がめちゃくちゃ狭く見えてきた……もっと続けていたい……)

だめだ、完全に俺の理性はやられかけてる……

 

――ばちーん!!

 

孝「へぶっ?!」

千「あーっ!孝宏くんごめーん!」

後ろで勇人さんとビーチボールで遊んでいた千歌ちゃんがボールをこっちに飛ばしちゃったみたい。気をつけてよもー……

……ん?なんだこの非常に好ましい感触が両手にある。試しに少し力を加えてみる。

孝(うわっ!なんだこれ!すっごいいい!)

調子に乗ってもう1回力を加えてみると、下からなにやら声が聞こえた。

?「……あんっ!た、孝宏くん……!」

孝「え……あーーーっ!!!!!」

俺が感じた好ましい感触。それの正体は、曜ちゃんのたわわに実った、それはそれは大きなメロン2玉。

水着の紐を結び、ゆっくりと起き上がった曜ちゃん。よく見ると曜ちゃんは羞恥で顔を真っ赤に染め、少し怒ったような表情をしていた。

孝「あー、えっと、その、じ、事故とはいえ起こったことは覆しようのない事実です……ごめんなさいっっっ!!!」

曜「孝宏くんのえっちー!!!

孝「ごめんなさぁーーーーい!!!!」

 

こうしてラッキースケベも含め、はちゃめちゃすぎる一日は幕を閉じた。

 

 

一方、その頃()()()()は……

 

明「梨子ちゃん、あなた最高ね!私のこのレベルまでついてこれるだなんて……!」

梨「私も感動しました!あまり多くないと思っていた私と同じ推しカプの人とこんなに語り合えるだなんて!……師匠とお呼びしても良いでしょうか!?」

明「なんとでも呼んでくれていいわよ!」

梨「し、師匠!!」

 

新たな友情、もとい、師弟関係が生まれた……

 

 

 

To be continued…




如何だったでしょうか?
なかなかにだらだらと書いてしまった感があります笑
ラッキースケベ孝宏くん、ついにここで発動しました笑
いやー!私もそんな経験してみたい!!笑

前書きにも書きましたが、ここでお知らせを1つ。
前回も書いたと思うのですが、わたくしたか丸は高校3年になりまして、本格的に受験シーズンを迎えることとなりました。
そのため、前回は更新速度が低下すると書きましたが、ここで一時休載とさせていただきます。
わたくしの作品を楽しみにして下さっている方々には大変申し訳なく思っております。
しかしながら、わたくしも人生の大きな分かれ道に差し掛かっています。
ここで一時休載することで、受験勉強に専念し、志望校合格を目指す所存です。
皆様に深くお詫びを申し上げると共に、このようなわたくしが受験を無事突破できるように祈っていただけると幸いです。
受験が無事終わり、進学先が決まり次第、随時更新させていただきます。
それまでしばしの間お別れとなりますが、何卒、ご理解していただけますよう、よろしくお願い致します。

それでは、次回の更新はかなり先になってしまうと思うのですが、次回もお楽しみに!
See you next time!


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過去編 ――輝きを求めて――
過去編 其ノ壱 ①


みなさんこにゃにゃちわ、たか丸です
えーと、まずみなさん、
何してんだこの馬鹿野郎?
受験どうしたこのタコ野郎?
ちゃんと説明しろこのカス野郎?
そ、そこまで言わなくたっていいじゃないですか!
でも、なんと言われても受け止める覚悟であります(ほんとに言うと傷つくからやめてくださいね♪)

まぁ世の中受験を1度でも経験した方ならわかるであろう、勉強疲れというやつです(ほんとにお前そんなに勉強したんかと問いただしたくなりますね)
まぁ、なんというか、ちょっとした息抜きで書かせていただきました笑
今回でほんとに受験前最後にします!ほんとです!

そんなこんなで、いかんせん「ネタが無い筆者 たか丸」なんで、ぜひともわたくしの活動報告にネタを送っていただけるとありがたいです!
久しぶりにサイト見たら誰も送ってくれないんだもん(イジイジ)
あとわたくしのツッタカター(ツイッター @L_L_S_0710)もフォローしてくださいね、投稿情報あげるんで!

さて、今回は閑話休題ということで、孝宏くんたちが高校に入る前のお話を書かせていただきました!久しぶりなもんで、ほぼ駄文です笑
すみません笑

前置きが長くなりましたが(いつものこと)、今回もぜひ楽しんでいってください!
せーのっ、ヨーソロー!


孝宏side

 

 

孝「すごい……」

 

俺は気が付くとそう言っていた。

意識的に言ったのではなく、そう言葉にせざるを得なかった。

 

隣にいる曜ちゃんや千歌ちゃんも目を輝かせて、目の前に広がる光の海をただただ見つめていた。

 

曜「眩しい……すごい……」

 

千「これが、ラブライブ!……これが……μ's!」

 

 

********************

 

………………

 

?「……あっれー、ほんとにまだ寝てる……私でさえ起きてるのに……」

 

………………

 

?「……おーい、起きないと食べちゃうぞ〜♪

 

………………

 

?「もー、全然起きないじゃん!甘やかし作戦は失敗か……そもそも起きてなきゃ効かないか……それなら……とりゃっ!」

 

孝「ぐぶはッ?!?!」

 

な、ななななななんだ?!

い、いたい!すごくいたい!

 

働かない頭を無理にフル回転させて状況を把握した。

 

お腹のあたりに何か重みを感じる。

見るとそこには可愛らしい桃が乗っていた。

 

孝(誰かの……お尻?)

 

?「もー!やっと起きた!起きるの遅すぎ!」

 

孝「……な、なんだ……千歌ちゃんか……」

 

俺のお腹に乗っていたお尻……もとい人は、大切な幼なじみ3人のうちの1人、高海千歌ちゃんだった。

 

千「む、なんだ……千歌ちゃんか……じゃないよっ!今何時だと思ってるの!」

 

そう言われたのでおもむろに勉強机の上のデジタル時計を、寝惚け眼をこすりながら見た。

表示されていた時間は

12:45

 

……あれ、何か大事なことを忘れていたような、そんなことも無いような……

 

千「も〜、集合時間になっても来る気配ないし、電話にも出ないからどうしたのかと思ったよ……」

 

集合時間……?

一体なんの……?

 

千「曜ちゃんもずぅ〜〜〜〜〜っと待ってるのに……」

 

曜ちゃん……?

 

曜ちゃんと何か約束してたっけ……?

 

千「ちょっと、まだ寝てるの?ちゃんと「こーるあんどれすぽんす」してくれないと分からないよ〜」

 

孝「えっとさ……今日、何かあったっけ?」

 

そう言うと千歌ちゃんは目をぱちくりさせた後、大袈裟に肩を落とした。

 

千「はぁ……曜ちゃんも苦労するなぁ……まぁ、幼なじみだし、何となくわかってたけどさ……」

 

孝「そんな1人で落胆されても……前に志満さんが東京で買ってきたプリンを美渡さんに食べられちゃった時みたいな……」

 

千「そーなんだよね〜!美渡ねぇったらほんとに酷いんだよ!ちゃんと上蓋に「チカのプリン」って書いておいたのに……ってそうじゃないー!てゆか、東京って言ったよね今!思い出してー!」

 

孝「東京……東京?……あ、東京」

 

瞬間、全てが繋がった。

今日約束していたこと、曜ちゃんと千歌ちゃんとするべきこと、休日なのにこんな時間に起きて怒られること。

 

孝「そうだ……東京旅行の計画立てるんだったっけ……」

 

千「もう!思い出すのが遅いわっ!」

 

孝「あたっ!」

 

千歌ちゃんにデコピンされた……

 

今日は3月23日土曜日。

今日の沼津の天気は晴れ。夕方から所により雨。

最低気温18℃、最高気温24℃。

この時期としては平年より少し暖かいぐらいの気温かな?

 

そんな今日、俺と曜ちゃんと千歌ちゃんは、翌日の中学卒業記念の東京旅行の計画を立てる予定でした。

 

ところが、俺の超絶寝坊により予定は狂いに狂いまくり。

 

全ての支度が終わり、千歌ちゃんの家『旅館 十千万』に着いたのは13:20。

 

千歌ちゃんの家に着き、志満さんと美渡さんに挨拶を済ませ、千歌ちゃんの部屋に入ると……

 

仁王立ちをした、

 

それはそれは可愛らしい、

 

幼なじみが、

 

顔を茹でダコのように真っ赤にさせて、

 

ほっぺたをプクーっと膨らせておりました。

 

 

曜「……孝宏くん、()()()()……」

 

孝「あ、あはは……曜ちゃん、今はお昼だよ?」

 

内心、ちょっとくらいふざけるなら許してくれるだろうと思ってた。

 

……甘かった。

ここから曜ちゃんの猛攻が始まる。

 

曜「ッ?!……むぅ〜〜〜っ、うるさ〜〜〜い!どう寝坊したらこんな時間になるのさ!1時回ってますけど?!私も昨日から旅行が楽しみで、遠足前の小学生みたいになかなか寝付けなくて12時ぐらいまで起きてたけど、今日起きたの7時半だよ!?いつもはあんまり早起きしない千歌ちゃんでさえ8時にはちゃんと起きてたんだよ!?なのに12時半過ぎてから起きるってどういうことなのもーっ!!!」

 

プンスコしてる曜ちゃんが新鮮で、めちゃくちゃ可愛かったんだけど、言ったら怒られそう……

 

孝「……はい、ごめんなさい……松月でみかんどら焼き奢るから許してくれる……?」

 

千「えっ、ほんと?!うんうん、全然許しちゃう!」

 

よっしゃ、まずは1人釣り上げた(笑)

 

曜「千歌ちゃん……」

 

孝「曜ちゃんは……だめ、かな?」

 

曜「……パフェとケーキも……」

 

釣り上げた獲物の代償はでかいなぁ……

 

俺の財布、頑張って少しだけ紐緩めといてくだせぇ……

 

孝「それで許してくれるなら、構わないよ……」

 

すると曜ちゃんは一瞬、パアッと顔を輝かせたが、すぐに平静を保とうと、ジト目+口をぎゅっと結んだ。

 

孝(なんだこのかわいい生き物……連れて帰りたわ……)

 

ちなみに、俺と曜ちゃんは付き合って2週間が経過していた。

 

曜「……よし、じゃあ、()()()()()()()()()()()を取り戻そっか!」

 

千「おーう!」

 

孝「……いや、ほんとすんません……」

 

千「いいっていいって、もう怒ってないよ〜」

 

曜「でも予定は忘れないでよね〜?」

 

ううっ、ほんとに曜ちゃんは痛いとこつくなぁ……

 

孝「は、はい……」

 

曜「んーじゃあまずは、それぞれの行きたい場所と行く順番、それとそれらの効率的な回り方を考えよっか?」

 

千「はいはいはい!まずアキバ行きたい!沼津じゃあんなにたくさんの人見られないし!あとアキバドーム!」

 

孝「千歌ちゃんはほんとに野球好きだね!」

 

千「んー、野球っていうか、スポーツが好きだよ!やっぱり身体動かさないと!」

 

アキバドームといえば、プロ野球の試合が毎日のように行われたり、大物歌手が目指している舞台の一つでもある、それはそれは大きな大きな建物。

静岡の片田舎に住んでいる若者からしたら、あんなに大きくて荘厳な建物には1度は憧れるだろう。特に千歌ちゃんみたいなタイプは。

 

孝「曜ちゃんは?」

 

曜「私もアキバであります!なんと言っても制服!コスプレ専門店とかたくさんあるんだよね?!私じゃ作れないものもあるから、いろいろ参考にしたいしね!」

 

千「今度はどんなのがほしいの?」

 

曜「今回はナース!あの白いミニスカ!可愛いよねぇ〜!頭に乗せてる帽子も可愛いし……はぁ……楽しみだなぁ……」

 

あらら……曜ちゃんの目は既にしいたけになってる……

よっぽど楽しみなんだなぁ……

 

曜「そういう孝宏くんはどこに行きたいの?」

 

孝「俺は……神田明神、かな。μ'sの、所謂聖地ってやつかな……」

 

千&曜「「みゅーず??」」

 

孝「えっ、スクールアイドルμ'sを知らないの?!」

 

そんなバカな……

既に人気は全国区、名実ともにトップクラスで、第2回ラブライブ!では優勝を果たしたトップクラスのスクールアイドルグループ……その名を「μ's」……

 

まさか知らない人がいるとは……

世界は広いなぁ……(in 沼津)

 

千「それで、その「すくーるあいどるみゅーず」っていったい誰なの?」

 

孝「まず、スクールアイドルってのは……」

 

俺は2人にスクールアイドルのこと、μ'sのこと、知り得る情報を包み隠さず全て教えた。

 

孝「まぁ、簡単に言えば「輝きたい」って思ったら、誰でも始められる、言わば部活みたいなもんだね」

 

曜「そんなものが今の世の中にはあるんだね!……「輝きたい」かぁ……素敵だね」

 

千「うんうん、私も見てみたくなったかも、スクールアイドル!」

 

曜「それで孝宏くんはμ'sの聖地、神田明神に行きたいってわけなんだね?」

 

孝「うん、そこだけは外せない、かなぁ……」

 

曜「よーし、じゃあみんなの行きたいところが出たことだし、どう回るか決めよーう!」

 

千&孝「「おー!!」」

 

 

孝宏side off

 

 

 

To be continued…




如何だったでしょうか?
ほんとに書かないと質って落ちるもんですね
Quality下がりますね(勉強やってる風)笑
真面目な話、日本史ピンチっス!!!
まだ全然仕上がってねぇです!!!
江戸の文化史きついんだけどまじで!!!!!!笑
頑張ります笑

みなさん、たか丸の受験をどうぞ応援してください……
合否によってこの話が続くかどうかも関わってきそうなので……
高評価や感想、活動報告をたか丸に送ると、もれなくたか丸のやる気ポイントが、1件につき10回復するので、何卒……(ボソッ)笑
受験がんばれって活動報告に送っていただけたら1件につき100回復します笑

それでは、また受験後にお会いしましょう……

See you next time!


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過去編 其ノ壱 ②

お久しぶりです!受験生なのに毎日センターポジション総選挙に投票しているたか丸です!

あの、文系なんで、一応、その、センター試験が終わったということで、1つ書かせていただきます(終わったって二つの意味をかけてるわけじゃないんだぜ☆)
まぁ、2月の初めに試験は残っているんですが、大目に見てやってください……

実を言うと、ちょくちょく勉強の合間に書いていたんです
やっぱり自分、書くことが好きみたいです!笑

あ!お気に入り登録者様が30人を超えました!
UAも4000件を超えましたです……
語彙も文法も何ひとつとして持ち合わせていない(それはさすがに日本語喋れないけど)私の拙い文章を読んでくださっているみなさんに感謝したいと思います!
謝謝茄子!!(訳:ありがとごぜます!)

読んでくださっているみなさんに、これ以上拙い文章は見せられないので、日々精進していきます!

それでは久しぶりの今回もお楽しみください!
せーのっ、ヨーソロー!


孝宏side

 

 

孝(ん……?この日って……やっぱりそうだ、()()()だ……)

 

明日、日曜日に東京に行くことになった俺たち。

 

千歌ちゃんはアキバドームで野球を見たいと思ってるみたいだけど、残念ながらその希望は叶えられそうにない。

 

なぜなら……

 

その日に「ラブライブ! 決勝大会」が開催されるから。

 

孝(見に行くことはないと思ってたから全然調べてなかったけど、今回は()()()がすごいな……)

 

曜「……くん……ひろくん……たーかひーろくーん!」

 

孝「うわぁ!!!……なっ、ななな、何?!」

 

曜「孝宏くん、今日はほんとに抜けてるなぁ……ぼーっとスマホなんて眺めちゃって……もしかして何も聞いてなかった?」

 

孝「……はい、考え事してました……」

 

千「あはは……さすが孝宏くんだね、いつにも増して変なとこで気が抜けてる♪」

 

孝「千歌ちゃんには言われたくないー!……それで、なんの話をしてたの?」

 

曜ちゃんは、ホントに聞いてなかったんだ……って呟いてから話し始めた。

 

……曜ちゃん、今日はずっとごめんね……

 

あれ、ずっとごめんねって日本語おかしいかも……

アイムジャパニーズ、オーケー。

I can't speak English.(私は英語を話すことができない)

ずっと思ってたけど、これってめちゃくちゃ矛盾してるよね?喋ってんじゃんって……まぁでも今は別にどうでもいいんだけどね……

 

曜「えっと、神田明神→アキバのコスプレショップ→アキバドームの順番で見て回ろうって考えたんだけど、どうかなって。電車賃も時間も1番節約できるルートみたいだよ!」

 

孝「うん、いいと思う!……けど、アキバドームで野球は見られないっぽい……」

 

千「えーっ!なんで?!」

 

孝「実は日曜日は『ラブライブ! 決勝大会』が開かれるんだよね」

 

曜「ラブライブ!ってさっき孝宏くんが言ってたあの?」

 

孝「そ!偶然にも偶然、ちょうど決勝大会の日だったんだ」

 

しょーじき意識してなかったから覚えてなかったのもあるんだけど、偶然すぎる。こんな偶然起こっていいのだろうか?ご都合主義的なお話まっしぐら感が……(ァ!!)

 

千「うーん、なら仕方ないよね!ドームだけでも拝んでこう!」

 

曜「神社じゃないんだから……」

 

 


 

 

何やかんやあったけど、結局曜ちゃんが決めてくれたルートに、野球が見られないということで千歌ちゃん希望のメイドカフェをコスプレショップの前に加えたルートで行くことに。

 

メイドカフェ。メイドかぁ……

 

【少年妄想中……】

 

曜『お帰りにゃさいませ、ご主人さま♡』

 

曜『お食事をお持ち致しました!……美味しくなぁれ♡』

 

曜『ご主人様。お疲れでしたら、私の膝枕などいかがでしょう……♡』

 

曜『ご主人……さまぁ……♡♡♡』

 

【少年現実復帰中……】

 

いかんいかんいかん、けしからんですよ渡辺曜!

なんて破廉恥な!

白と黒のフリフリミニスカートを身につけ、頭にはネコミミですとぉ?!

けしからん!破廉恥だ!連れて帰りたい!!!

 

千「渡辺さんや、彼、何を考えてると思います?

 

曜「高海さんや、彼は先程高海さんが「メイドカフェに行きたい」と言った時に過剰な反応をしていました。恐らくアキバのかわいいメイドさんを妄想して、1人で楽しんでいるのではないでしょうか?私という彼女がいながらけしからん人物ですな

 

千「渡辺さんも苦労されますなぁ……でも千歌はいつまでも応援しておりますぞ……

 

曜「ありがたいお言葉です、高海さん……

 

孝「んー?二人ともコソコソとなんの話してるの?……もしかして恋バナ?!千歌ちゃんもついに?!」

 

千「って、ち、千歌はまだ恋なんてしてない!……曜ちゃんは本当に苦労してるね……」

 

曜「千歌ちゃんだけが救いだよ……」

 

孝「えっ、なになに?なんかまずいこと言った?」

 

うーむ、女の子の心は平凡な男子中学生には理解し難いものだ……

世の中のモテ男はすごいなぁ……

 

曜「ところで、千歌ちゃんってどっか好きな野球チームあるの?野球好きな人は、どっかひとつのチーム応援してるイメージがあるからさ?」

 

孝「あ、俺も気になる〜。静岡ってプロ野球チームないし、近所のおっちゃんおばちゃんたちはみんな「ジャイアンツに決まってるずら!」とか「ジャイアンツしか応援せんぞ!」って言ってるし……」

 

千「あははっ!今どき「ずら」なんて言う人いないでしょ〜!」

 

 

 

?『へくちゅ!』

 

?『マルちゃん、風邪?最近流行ってるから気をつけルビィ!』

 

?『あはっ、大丈夫ずらよ♪……もしかしたら、誰かがマルの噂をしてるかもしれないずら……』

 

 

 

千「うーん、誰がいるから好き〜とか、強いから〜とかはないんだけど、みかんと同じ色のジャイアンツかな!」

 

孝&曜「「あー、わかっちゃいたけどやっぱ単純だった……」」

 

おっ、曜ちゃんとハモった。

千歌ちゃんは読みやすいから曜ちゃんと同じ考えになるのも頷ける、うん。

 

千「えー!なんで声揃えてそんなこと言うのー!」

 

曜「あははっ、ごめんごめん!千歌ちゃんわかりやすいから……」

 

千「む、よーちゃん千歌のこと馬鹿にしたなぁ〜?!……そんな悪い子には……こーだっ!」

 

曜「えっ?!わわっ!!」

 

 

【少年脳内実況中……】

 

孝「えー、ここからは解説に「ようちか評論家」のTAKAMARUさんをお迎えしてお届けしていきたいと思います。実況は私、「全日本ようちか実況協会」会長の秋月孝宏が務めさせていただきます。TAKAMARUさん、どうぞよろしくお願いします」

 

T「よろしくどうぞ」

 

孝「まずTAKAMARUさん、高海選手が渡辺選手を仰向けにしてマウントポジションを取りましたが、どう見えますか?」

 

T「んん゛っ……尊い……あ、いや失礼。いや〜、見事です。高飛び込みで鍛えられている渡辺選手を不意をついたとはいえ、一瞬で押し倒し、マウントを取るなんて、恐らく高海選手ぐらいしかできない芸当ではないでしょうか?」

 

孝「おおっ、鋭い切り口から説明してくださいました。おっとここで、高海選手が動きます!高海選手の両手が渡辺選手の脇腹へ!あーーーっと!くすぐり攻撃だーーーっ!!!なんということでしょう!ようちかでやらせたら可愛くて微笑ましい行為ランキング(TAKAMARUの「全国に住むようちかを推している男女に聞く ようちかの尊いシーンベスト100(仮)」による)の第4位「マウントポジションからのくすぐり攻撃」を使ってきた!この技を使うとは、高海選手はやはり凄腕!幼なじみという間柄でなければそう簡単に使うことの出来ない代物!!この大技をいきなり使ってくるとは……TAKAMARUさん、どう写りますか?!」

 

T「( ゚∀゚)・∵ブフッ!!……………と、ととと尊い…………あ、いえ、すみません、こ、これはすごいの一言です……他に言葉はいりません……ただあの二人が微笑ましい姿でじゃれていて……それだけでもう……ふつくしい……」

 

孝「ああっ!TAKAMARUさん!お気を確かに!TAKAMARUさーーーん!!!」

 

【少年脳内実況終了中……】

 

 

曜「あはははははははははっ!!!ち、ちかちゃ……ふへっ?!……も、もーだめ……おなか……よじれちゃ……あはははははははっ!!!」

 

千「ほれほれ、ここがええのんか〜?曜さんや、言ってくれないとわからんですぞ〜?」

 

あれ?千歌ちゃんってこんな悪代官みたいな子だったっけ?

でも微笑ましいから止めない、止めるわけがない!!

 

曜「ご、ごめんちかちゃ……あははっ!も、もういじったり……しなっ……しないから……あはははっ!ギブギブギブ〜!!孝宏くんも……あはははっ!み、見てないで……た、たすけ……あはははははっ!!!」

 

笑いながら涙を流して顔を真っ赤にしてる曜ちゃんと、曜ちゃんをそんなにしてるマウントを取っている千歌ちゃんと、ただそれを微笑みながら見つめる俺……

 

千「いひひ〜、どうだどうだ?参ったか〜!曜ちゃんが終わったら孝宏くんもだからね!」

 

孝「どぅえぇぇぇ?!?!」

 

え、まって、俺も?!

それはつまり千歌ちゃんにマウントを取られてくすぐり攻撃されるってこと?

千歌ちゃんに馬乗りされるのか……

いかんいかんいかん!なんて不埒な考え思い浮かべてるんだ俺はー!!!俺には曜ちゃんという心に決めた人がいるんだ!それなのに……このっ……馬鹿埒者ーーー!!!(意味不明)

 

ってかあんまり旅館(十千万)で大声出すと……

 

美「ちーーーかーーー!!!うるさっーーーい!!!

 

千「うわあっっ!!!」

 

言わんこっちゃない……美渡さんに怒られるって。

……あ、言ってないや。

 

 


 

 

 

曜「はう……酷い目にあった……」

 

孝「あはは、お疲れ曜ちゃん。はい、これ」

 

曜「あ!みかんアイスゼリー!ありがとっ!」

 

孝「止められなかったお詫び……かな」

 

曜「ほんとだよ、もー!ちゃんと止めてよね〜?笑い死ぬかと思ったよ……ちゅー……んー!甘くて冷たくておいしー!」

 

東京旅行の計画を練り終わった俺達は明日、

1.沼津駅に集合、東海道線に乗る。

2.乗る電車の終点の熱海駅で上野東京ラインとかいう近未来の名前をした路線?で東京へ。

3.そのあと兼ねてより夢だった山手線に乗って2駅で秋葉原まで。

という乗り換え方式で、かの地「東京」に向かうことになった。

 

因みに電車賃は片道2000円ちょい。

バイトのできない中学生にとっては、親のお小遣いを貰うとはいえかなりの出費だ。

往復4000円て……

みかん何個分だよ……

 

てゆか「上野東京ライン」ってなにさ?

名前近未来すぎる!

それともこれが東京の普通……?

 

孝「そういえば、今日どうして家の近い曜ちゃんじゃなくて、千歌ちゃんが起こしに来てくれたの?」

 

普通に考えれば、家が歩いて3分圏内にある曜ちゃんが起こしに来ると思う。

それでも千歌ちゃんが来たのにはなにか理由があったのかな?

 

曜「ん?じゃんけんで千歌ちゃんが勝ったからだよ」

 

孝「あ、じゃんけん?そーなんだ……え?じゃんけん?!」

 

曜「う、うん……それがどうかしたの?」

 

孝「え、あー、だって、家も近くて彼女なんだし、曜ちゃんが来るもんだと思ってたから……」

 

曜「彼女……///」

 

あぁ、この子はほんとにウブすぎる……

そんな単語ひとつで顔を赤くしちゃうところはもうほんとに最&高!!!

この子を彼女にできてほんとによかった……

幼なじみからのレベルアップは、俺にもたらすものが多すぎる!

 

曜「た、孝宏くんっ!」

 

孝「ん?なーに?」

 

まだ若干顔に赤みの残っている曜ちゃんはこちらを向き、俺の手を握りしめた。

 

曜「明日……楽しみだね!」

 

曜ちゃんの目は既にキラキラしてる。プレゼントを貰う前の、ワクワクしてる子供のよう。

曜ちゃんだけにようってか?うるせーやい。

 

孝「うん、今日寝れないかも……なんて、あはは……」

 

曜「寝坊だけはぜっっっっったいにしないでよね?」

 

孝「わ、わかってるってば!もー、心配性だなぁ〜?」

 

とは言ったものの、ちょっと不安。

休みの日は一日中寝ていられる系男子の俺としては、お目覚めの時間が昼の12時なんてザラだ。

今日それがよくわかった。

最悪母さんか姉貴に起こしてもらおう、うん。

 

曜「もし、起きられそうにないなら……私が起こしに行っても……いいよ?」

 

孝「よろしくお願いします」

 

曜「えぇ〜!?即答じゃん!頑張って起きてよ!……まぁ、起こしに行くけどさ……孝宏くんの寝顔とか……見たいし……///」

 

あー、キュンときた。何だこの子は、可愛すぎないかい?

ちょっとおじさん(15)、可愛すぎて今すぐぎゅーしたくなってきちゃったよ。

この可愛さ、全世界の悩める人々みんなに分け与えたいぐらいだわ……

……いや、やっぱり独り占めしよう。うん、それがいい。

 

孝「えへ、ありがと曜ちゃん!……でも、曜ちゃんに起こされるなんて、なんだか……夫婦みたいだね」

 

曜「ふっ、ふふふ夫婦?!それはつまり、孝宏くんが旦那さんってこと……ひゃ〜///」

 

紅潮させた顔を覆う仕草が愛らしい。

この子、素でこれやってるんだから可愛いったらありゃしない……ほんとにお嫁にもらいたいわ!

 

他愛のない会話をしながら二人並んで歩く海岸通り。

地獄の業火のように真っ赤に燃え上がる夕日は、俺たちを優しく照らしてくれる。

いつもより小さい歩幅。

曜ちゃんと帰る道をゆっくり堪能したい。

だがそんな時間も長くは続かない。

この上なく楽しい(大好きな人といられる)時間はすぐに過ぎてしまう。

 

沼津は下河原、見慣れた十字路に差し掛かる。

そこがいつもの分かれ道。

辛いけど、また明日会える。

そう思えば笑顔で「ばいばい、またね」が言える。

そんな今が好きな自分がいる。

 

曜「それじゃ、また明日ね!」

 

曜ちゃんは手を振り、十字路を左に曲がっていく。

 

孝「うん、またあし……あ、曜ちゃん!」

 

曜「ん?どうしたの?」

 

俺は歩いていこうとする曜ちゃんの方に駆け寄り、その身を優しく包み込んだ。

 

曜「!!!///」

 

曜ちゃんは俺との初めてのハグに緊張からか、体が一瞬硬直した。

しかしその硬直は本当に一瞬で、すぐにほぐれて俺を受け入れてくれた。

 

曜ちゃんの体は高飛び込みをして鍛えているとはいえ、やっぱり1人のかわいい女の子。力を入れると壊れてしまいそうなほど脆くて、小さくて、何より柔らかかった。

曜ちゃんの体の火照りが伝わってくる。

 

俺はたまらず曜ちゃんの頭をなでなでした。

女の子特有の甘い香りが鼻腔をくすぐる。

俺の理性、頑張って保ってくれ……!

 

孝「……また明日、ばいばい///」

 

曜「……うん、ばいばい///」

 

曜ちゃんが俺の背中に手を回し、抱擁してくれる。

あったかい。温もりを感じる。

 

15秒ぐらいそうしていた。

抱擁を解いてお互いに顔を見合わせる。

恥ずかしさから、顔を見せまいと笑って俯き、誤魔化す。

心無しか曜ちゃんの顔が少し紅潮しているように見えるのは、今にも水平線に沈みそうな、真っ赤な夕日のせいだろうか。天気予報は外れた。

 

曜「えへへ……あったかかった……また、ぎゅってしてね?///」

 

孝「うん、曜ちゃんが望むならいつでもしてあげるよ!」

 

曜「えへっ、ありがと!……それじゃ今度こそ、ばいばい!」

 

孝「うん、ばいばい!」

 

今ある小さな幸せを、一つ一つ大事にしたい。そう思った。

 

明日は全力で楽しむぞ東京!

都会のオーラにゃあ負けないぜ!!!

 

 

孝宏side off

 

 


 

 

曜side

 

――5時間前

 

千「……孝宏くん来ないね?何かあったのかな?」

 

曜「私の勘だと、恐らく寝坊だね……」

 

千「あー、ありそうだね。今日のこととかも忘れてそう……」

 

曜「大いにありえるね……じゃあ起こしに行こっか?」

 

千「んー、じゃあ千歌が行っちゃおっかな〜!体動かしたいし!」(ニヤニヤ)

 

……んー?もしかして千歌ちゃん、意地悪のつもりかな?

付き合ってることを知ってて、私に「行くっ!」って言わせたいのかな?

そんな挑発に簡単に乗っかる渡辺曜ではないであります!

 

曜「うん!じゃあ千歌ちゃんにお願いするよ!」

 

千「そーっか、そこまで言うなら曜ちゃんにゆず……え」

 

ぷぷぷっ、そんな素っ頓狂な顔しなくてもいいのに♪

 

千「ええええええええ?!どうしてよーちゃん!ここは「私が行くっ!」って言わないとじゃないの?!仮にも孝宏くんの彼女でしょー?!」

 

曜「いや〜、千歌ちゃんが行きたいなら行ってもらっていいんだけど……」

 

千「ぶー!よーちゃんつまんないー!もっとこー、なんというか、こー、ないの?!」

 

ち、千歌ちゃんの語彙力が低下してきてる?!

 

曜「おおお、落ち着いて千歌ちゃん!そーだ、わかった!じゃんけんでどっちが行くか決めよ?ね?」

 

千「えー?……まぁ別に、曜ちゃんがそれでいいなら構わないけど……負けた時、後で文句言わないでよね?」

 

曜「言わないってば!さ、じゃんけんしよ!」

 

曜&千「「さーいしょーはグー!じゃんけん……!!」」

 

曜side off

 

 

千歌side

 

まったくもー、曜ちゃんのバカ……

あと千歌のバカ……なんでチョキ出しちゃうのさ……

 

千歌はチョキのままの手を見つめながら溜息をついた。

変なところで運を発揮する千歌を恨めしく思う。

 

曜ちゃんは、こーゆー時こそなんというか、「彼女力」というような何かを発揮するべきなのに……

孝宏くんのことが大切じゃないんか!……ってそんなんだったら付き合ってないよね……

 

あーあ、千歌も心の底から愛せる素敵な人、ほしいなぁ……

()()()()()()()()()()()()()()、これからは応援するって決めたし……

 

……曜ちゃんにあって、千歌にない。そんな魅力が孝宏くんには見えてたのかな……

千歌もやれることはやったけど、やっぱり普通怪獣ちかちーだったのかな……

 

普通で、取り柄もなくて、地味な千歌。

かわいくて、元気で、誰よりも女の子っぽい曜ちゃん。

 

そりゃあ、孝宏くんも曜ちゃんを選ぶよね!

そりゃそーだ!

 

なら千歌は、曜ちゃんに負けないくらいかわいくなって、元気全開で、女の子っぽくなってやるんだ!

女の子は傷ついて強くなる!……って思う!えへ♡

 

そういえば果南ちゃんは彼氏はおろか、好きな人もいないとかなんだとか……

じゃあ果南ちゃんに好きな人ができる前に、千歌は大好きな人に出会って、素敵な彼女になってやる!

 

よーし、千歌!これから頑張るぞー!

 

千「おーっ!」

 

そんな決意を胸に、千歌は孝宏くんの家へ向かうのであった!o(`・ω´・+o) ドヤチカァ……!

 

********************

 

孝「………………」

 

千「……あっれー、ほんとにまだ寝てる……私でさえ起きてるのに……」

 

孝「………………」

 

千「……おーい、起きないと食べちゃうぞ〜♪

 

孝「………………」

 

千「もー、全然起きないじゃん!甘やかし作戦は失敗か……そもそも起きてなきゃ効かないか……」

 

これは昨日の夜相当遅くまで起きてたな〜?

そんな夜更かし坊やには、千歌がお仕置きをしちゃうのだ☆

 

千「それなら……とりゃっ!」

 

孝「ぐぶはっ?!」

 

千歌は寝ている孝宏くんのお腹に飛び乗った。

これなら流石に起きるよね?って思ってやったけど、想像以上の目覚め方だった。

ふふっ、面白いものを見せてもらえた♪

 

千「もー!やっと起きた!起きるの遅すぎ!」

 

 

ねぇ曜ちゃん。

こんな面白くて、優しくて、かっこよくて、時々ダメな孝宏くんのこと、大事にしなかったら……

 

 

()()()()()()()()()()()

 

 

……なーんて☆

ちょっとだけ思っちゃった。

 

千「ほーら!早く着替えてウチに行くよーっ!」

 

千歌は止まらない!走り続けなきゃ!

十千万の元気印!三人姉妹の末っ子、千歌!

今日も一日、輝こう!

 

孝「……ところで千歌ちゃん、その、部屋から出ていただけると嬉しいんですが……?」

 

千「えっ?」

 

孝宏くんの方に目をやると、鍛え上げられた上半身を晒し、パジャマのズボンだけ履いていた。

あれ?そういえばさっきまではちゃんとパジャマ着てたのに……

 

孝「着替えられないんだけども……」

 

千「へっ、あっ!ご、ごめん!!!///」

 

うう……恥ずかしいのは孝宏くんのはずなのに、千歌の方が恥ずかしくなってきちゃったよ……

 

……孝宏くんの腹筋、すごかったなぁ……

 

 

千歌side off

 

 

 

To be continued…




如何だったでしょうか?

いや〜、多機能フォームって面白いですね!
ただメタァァァ!!のやつはしょーじきやっててめんどくさ(殴
いやもうめっちゃ楽しかったっス!!!(涙目)

さて、今回から少し孝宏くんのボケと言いますか、心のセリフ多めでお届けしました。
ボケすぎたかなと思いますが、その点について感想をお待ちしております。

ちなみにたか丸はそこそこ電車好きなので、上野東京ラインは知ってます笑

あと野球大好きです笑
千歌ちゃんに好きな物合わせてもらいました!
ジャイアンツとライオンズのファンです笑

にしても、千歌ちゃん!ええ子やな!おじさんは千歌ちゃんみたいな子大好きやで!

千「ち、ちょっとおじさんは、千歌、無理かな……」

ぐすん……
千歌っち……無理って……無理ってそんな……


では、次回もお楽しみに!

See you next time!


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過去編 其ノ壱 ③

みなさんこにゃにゃちわ、たか丸です!
前回やらなかった分、この挨拶も久々ですね

にしても、無事入試は終わりました!無事かどうかはわからんけどねッッッ!!!

とりあえず身体がなまりましたね、はい。
駅の階段をマスクしながら1段飛ばしで登るのだけでも少し疲れました笑
みなさんも適度に外に出て、運動した方がいいです!
受験で学校と予備校しか行ってなかったんで、運動能力ダダ下がりしました!
絶対太った!笑
まじ野球やりてー!!!笑
新しいミズノプロのオーダーグラブ使いてぇ!!!笑
とにかく野球がしたいんです!わかってあげてください!笑

それでは今回も楽しんでいってください!
せーのっ、ヨーソロー!


曜side

 

 

曜「ただいま〜。ママー、明日のことなんだけど……って何その顔?」

 

曜ママ「ん〜?別に曜とたかちゃんがあんな所でハグしちゃうなんて、二人ともダ・イ・タ・ン!なんて思ってないわよ?ママ、それを見て「若いっていいわねぇ〜」なんて思ってしみじみなんてしてないわよ?」

 

曜「見てたの?!?!

 

どうしよ……見られてたの……?

うわーーーっ!!!恥ずかしすぎるーーー!!!

孝宏くんとの、は、初めてのハグを、ママに見られた……

 

曜「うぅ……酷いよかみさま……」

 

曜ママ「まぁまぁ、いいじゃないの!曜みたいな時期がパパとママにもあったんだから!はぁ、懐かしいわ……」

 

ああ、なんでだかよく分からないけど、ママが遠い目しちゃってるぅ〜……

 

曜ママ「でもね、曜。あなたは女の子だから男の子、つまり孝宏くんに守られる立場にあると思うけど、それだけじゃダメ。しっかり2人で支えあって、これからの2人の長い生活の一日一日を大事にして生きていかなきゃダメよ?」

 

曜「え、うん、分かってる……っていうか、なんかもう孝宏くんと結婚してるみたいな雰囲気出すのやめて!!!///」

 

曜ママ「あら?ごめんなさいね?つい顔を真っ赤にしてる曜を見たらからかいたくなっちゃって!曜ったら可愛いわね!」

 

曜「もーーー!!!いいから早くご飯にしてーーー!!!///」

 

曜ママ「うふふっ!ごめんごめん、夕飯はハンバーグだから許してね?しかも今日はチーズインなのよ?」

 

バチコーンっとウィンクを決められてしまって、もう何も言い返せなかった……

てゆかとにかく恥ずかしいんですけど……

 

曜「……チーズイン、ハンバーグかぁ……」wktk

 

はぁ、もう……仕方ない。ハンバーグに免じて明日の話は晩御飯の後にでもしよう……

 

好物を引き合いに出されたら逆らえない主義の曜ちゃんなのです!

 

……そういえばうちのママは孝宏くんのこと、たかちゃんって呼んでたっけか……

 

曜「たかちゃん……かぁ……へへ///」

あだ名っていいかもしれないであります!

 

曜ママ「若いって、本当にいいわねぇ……♪」

 

 

曜side off

 

 

 

孝宏side

 

 

孝「…………///」

 

?「……どーしたそんなニヤニヤして……周囲の目も少しは気にした方がいいぞ?」

 

孝「どわーーーっ?!な、なんだ……勇人さんか、ビックリさせないでくださいよ……」

 

いきなり目の前に現れて声をかけてきたのは、姉貴の彼氏、柊勇人さんだった。

 

勇「いやいや、目の前から歩いてきた俺に気づかないくらい自分の世界に入ってたんかい……それで、どんな妄想をしてたんだ?」

 

孝「妄想なんかしてないですよ!ただ曜ちゃんと……あっ」

 

勇「そこまで言ってだんまりとかないよな?な?俺は孝宏をそんなやつだと思ってなかったぞ?俺を兄貴だと思って接してくれっていつも言ってんじゃんか。ぶっちゃけちゃえよ〜」

 

くっ、こうなった勇人さんはもう姉貴でも止められない。いわば恋愛関係の話になると止められない状態(オトメチックモード)とでも呼ぼうか。

 

孝「はぁ……仕方ない、話しますよ……実はですね、曜ちゃんとさっき初のハグをしたんですよ……///」

 

ごめん曜ちゃん……恥ずかしかったけど、言う以外道がなかったんだ……許してヒヤシンス

 

勇「お、おおおおお!!!ついにか!手を繋ぐことさえ出来なかったあのチキンボーイ孝宏がハグを!!!うーむ、これは曜ちゃんと近いうちに(バキューン)する日も近いか?!」

 

近くにいた奥様2人がこちらをみてギョッとした表情を浮かべている。

 

孝「ドデカイ声で何言ってんですか?!ってか、勇人さんってそんなこと言う人でしたっけ?!」

 

勇「……俺がこうなったのは誰のせいだと思って――」

 

孝「ウチの姉貴っス!!!申し訳ねぇっス!!!」

 

あのバカ姉貴……ほんと勇人さんはこんな人じゃなかったのに……

 

勇「そんで?どうだったんだ、初めてのハグは?まぁ感想は聞くまでもないんだが……言うだけ野暮かな?ま、聞かせてくれよ」

 

孝「はい……その……なんていうか……あったかくて――」

 

勇「はいきた「あったかい」!ハグしたら絶対に言う言葉ランキング1位だろそれ!」

 

孝「柔らかくて――」

 

勇「これまた出たよ「柔らかい」!ガチムチな男とは違う何かが女の子にはある的な何かだな!」

 

孝「甘い香りが――」

 

勇「はいはいはい!鉄板きたよ!「甘い香り」!女の子特有の甘い香りね!どういう意味だか知らんけど俺も明日奈のおかげでそれはよくわかr――」

 

孝「だーーーっ!もー!勇人さんさっきからめっちゃうるさいですって!語らせてくださいよ!!!」

 

勇「はははははっ!悪い悪い、ついやりたくなっちまうんだわ!」

 

姉貴もすごい人と付き合ってるなぁ……

普段は真面目で冷静沈着、物怖じしなくてめちゃくちゃかっこいいのに、このモードになると誰にも止められないほどおかしな人になっちゃうから困ったものだ。

黙ってりゃほんとにただのイケメンなんだよな……黙ってりゃ。

 

勇「にしても孝宏がもうハグしちまったか……つーか付き合ってまだ2週間だろ?」

 

孝「そうですけど、幼なじみなんで割とスっと行動出来ましたね。身体が勝手にハグしようとしてて、止められなかったというか……」

 

あの時はほんとに不思議な感覚だった。

誰かに操られているんじゃないかってくらい勝手に曜ちゃんにハグしに行ってた。

これはもしや――

 

勇「お前もしかして、果南に似てきてんのかもしれないな?」

 

孝「めっちゃ同じこと思ってました!あの時、果南ちゃんが俺の身体を乗っ取ったのかもしれないですね!」

 

勇「ただあれは果南がやるからセーフなんだけどな。もしお前がそれをダイヤにやってみろ。殴る蹴るの暴行の後、暴言吐かれて身も心もズタボロだぞ?」

 

孝「ダイヤちゃんにやる勇気はないかな……ってか、曜ちゃん以外やるつもりもないです!」

 

俺は永遠の曜ちゃん推しだからな!

曜ちゃん神推しの称号を与えてくれてもええんやで、神さま!(`・ω・)キリッ

 

勇「よーし、それでこそ孝宏だ。……そんじゃな、これから果南の家に行くんだわ」

 

孝「もしかして、いつものおつかいですか?」

 

勇「そ。早くしないと日が暮れちまうわ」

 

孝「急いでいかないと船もなくなっちゃいますからね、お気をつけて〜」

 

さーて、俺も帰るか。

明日の準備もあるし、何よりも大事なイベントが、「お小遣い交渉」が控えている……

この交渉でうまい具合にお小遣いを貰わないと、明日の旅行の楽しみが減ってしまう!

なんとしてでも、1円でも多く貰わねば!

 

 

********************

 

 

孝ママ「……それはダメよ」

 

孝「頼むよ母さん……この額じゃないとどうしてもダメなんだ……」

 

孝ママ「一体そのお金をどうするのよ……いくら東京だからって持って行きすぎじゃないの?」

 

フッ、その言葉を待ってたぜ母さん!

お小遣い交渉を始めて凡そ30分。粘りに粘った俺はついに母さんからこのセリフを導き出すことが出来た。

これで俺の勝利は9割9分9厘決まった!

 

孝「どうするのって、決まってんじゃんか……いつも頑張ってくれてる母さんに東京土産、買うためだよ……///」

 

孝ママ「あんた……」

 

……あれ?な、なんだこの張りつめた空気は?

これはあれか?!

「そんな見え見えな嘘つくんじゃないわよ!」的なやつか?!

俺の作戦はあえなく散りゆくのか……

 

孝ママ「……まったく言うようになったじゃないの〜!いいわよ!その額用意してあげるわ!」

 

孝「……えっ?」

 

孝ママ「だから、用意してあげるわよ、お小遣い!」

 

う、嘘やろ……?

作戦成功……いや、大成功!!!

やっぱ母さん単純だわ!おだてればすぐ調子に乗ってくれる!だけどそんな母さんが大好きだZE☆

 

孝「ありがとぉーう!母さん最高やー!!!」

 

そして俺は手に入れた。

東京に行くため、遊ぶための大量の資金を!

いやー、中学生にとってこのお金は本当の本当に大金だ!

こんなに貰ったの中2の修学旅行以来だな……

これで()()が買える……!

大きな希望を胸に、俺は自室に戻り準備を始めた。

 

……ん?母さんへのお土産?

か、買うに決まってんじゃん!安心してくれ!(安心院さんだけに)

 

孝「……って、俺今誰に向かってこんなこと思ってたんだ……?」

 

なんかこの間もこんなことがあったような……

 

孝「あと安心院さんって誰だ……?」

 

 

孝宏side off

 

 

 

千歌side

 

 

千「あっ、志満ねぇ!」

 

志「あら?千歌ちゃん。どうしたの、そんなに慌てて?」

 

千「えへへ〜、お小遣いちょうだいっ!」

 

志「あらあら、いつも以上に突拍子もないようなことを唐突に言うわね〜」

 

千「ほら、明日東京いくでしょ?だから日頃お世話になってる志満ねぇ、美渡ねぇ、お母さん、お父さん、あとしいたけにお土産って必要だと思うんだ!だからお願いっ!」

 

ふっふっふ、これであってるよね?

孝宏くんから教わった「秘技・お小遣いおねだりする時、家族にお土産買ってくることを名目にお小遣いアップを狙うの術」はこういう時に使うものなんだろうけど、千歌に出来るか不安……

 

でもなんだかんだ言って志満ねぇ優しいし、きっとお小遣いくれ――

 

志「ん〜、でも私はよく東京行くからお土産はいらないわよ?」

 

へ?

 

志「私より、お母さんにお小遣いのおねだりしたほうがいいんじゃないかしら?」

 

へ??

 

志「そ、れ、に。千歌ちゃんの考えてることなんて、手に取るようにわかるのよ?お姉ちゃんからお小遣いを(たか)ろうだなんて、千歌ちゃんは悪い子ね?」

 

千「えええええ?!?!」

 

し、志満ねぇ、強い……

敢え無く失敗だよぉ……

千歌は単純だから、思考が読まれてたのかもしれない……

 

志「でも、千歌ちゃんがお手伝いしてくれるなら、考えてあげてもいいわね♪」

 

千「ほんとっ?!わーーーい!!!志満ねぇだーいすき!!!」

 

志「ち、千歌ちゃん、話は最後まで聞いて……まず千歌ちゃんにはやってもらうことがあります!まず、お客さんのお夕食運び。それからしいたけの散歩、果南ちゃんの家にみかんと回覧板届け、それが終わったら……そうね、私の肩もみもしてもらおうかしら!それをやってくれたら、お小遣いをあげるわ♪」

 

千「ぬええええええ?!そんなに?!千歌、体持つかなぁ……でも、お小遣いのため!千歌頑張るよ!」

 

こうして千歌の長い長いお手伝いが始まったのであった――

千歌、ほんとにこの量こなせるのかなぁ……?

 

 

千歌side off

 

 

 

 

To be continued…




如何だったでしょうか?

いや〜、戦う時に自分の合計1京2858兆519億6763万3865個のスキルを背景にしちゃう系最強女子みたいな方がいらっしゃいましたねぇ笑

ひゃー、拙すぎる〜笑
文書くの下手くそかって笑
駄文すぎてほんとに申し訳ないです!

ダ「まったくダメすぎてぶっぶーですわ!ダメ作者の代わりに謝罪致しますわ。申し訳ございません……うちのたか丸は本当にダメで……ダメとしか言い様がありませんわ……」

ダイヤちゃん……そんなにダメダメ言わなくても……

ダ「あなたにダイヤちゃんとは呼ばれたくありませんわ!!!気安く話しかけないでください!!!」

うぅ、この作品、前回の千歌ちゃんにドン引きされたみたく、後書きだとみんな私に厳しいですわ……

最近千歌ちゃんとダイヤちゃんと梨子ちゃんが、たか丸のなかで結構キてます!
最推しは曜ちゃんなんだけどねっ!!!

ダ「ところでたか丸さん。わたくしと孝宏さんは、中学時代に出会っているという設定……ゴホン、状態であっているのですか?」

うん、それはもちろん。文脈からも読み取れるように、この時から既にダイヤちゃんは孝宏と出会っていて、「ダイヤちゃん」って呼んでるよ!

ダ「そうなのですね。それより、わたくしの出番増やしてくださるというのは本当ですの?」

それももちろん!これからどんどん出てもらうよ!
ダイヤちゃんにはあんなことやこんなことも……ぐへへ

ダ「出番が増えるのは嬉しいですが……とりあえずまぁ情緒不安定な変態作者ことたか丸は置いておいて、次回もお楽しみにしていてくださいね♪」

変態て……ダイヤちゃん、変態て……

ダ「事実でしょう?あなたに反論する余地なんて無いはずですわ……ではみなさん、また次回お会いしましょう」

お、お会いしましょ……グスッ……
辛くなんてないんだから……辛くなんてないんだからね゛ッッッ!!!

See you next time!


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過去編 其ノ壱 ④

呼ばれて飛び出てこにゃにゃちわ、たか丸です!

最近UNISON SQUARE GARDENさんの曲を結構な頻度で聴きます。たか丸的に「fake town baby」とか「君の瞳に恋してない」とか「天国と地獄」とかお気に入りです。ぜひMVと一緒に聴いてください、YouTubeにアップされてるんで!ベースの人に注目ですよ!笑

あとはもうすぐプロ野球2019シーズン開幕ですね……
FA市場から
[走攻守二重丸 期待の左の長距離砲]丸佳浩選手
[経験豊富 強肩堅守]炭谷銀仁朗選手
自由契約だった
[実績十分 右の大型内野手]中島裕之選手
[元近鉄・楽天のエース 技巧派投手]岩隈久志選手
新外国人の
[破壊力抜群 昨季メジャーで20本]クリスチャン・ビヤヌエバ選手
[長身剛腕 メジャーで抑えも]ライアン・クック選手
といったビッグネームたちを、30億円を超える程の特大補強として巨人に迎え入れ、4年ぶりに復帰した名将、原辰徳監督率いる巨人が5年ぶりの覇権奪還、そして7年ぶりの日本一となるか、楽しみです……

趣味の話が爆発しました、すんません!!!

それでは!今回も楽しんでいってください!
せーのっ、ヨーソロー!


孝宏side

 

 

?「うわぁ、ほんとにまだ寝てる……昨日の夜、早めに寝られなかったんだろうなぁ……」

 

…………

 

?「早めに起きてこっちに来て正解だった……よいしょっと」

 

…………

 

?「にしても……孝宏くんの寝顔、初めて見たけど……すっごく可愛いじゃん!普段ちょっとクールっぽいイメージがあったけど、こうして見るとなんか弟みたい!……って孝宏くんは弟か……」

 

…………

 

?「さーて、起こしますか……すぅーーーー……」

 

孝「どうも天ぷらそばの孝宏でーーーす!!!

 

?「うわぁぁぁぁぁ?!?!

 

大成功大成功!!!

 

孝「はい!というわけでね、「寝たフリをしておいて起こしに来た曜ちゃんをすしらー○ん りく風にどデカい挨拶決めちゃいたいと思っちゃいたい大作戦」見事に大成功!ここまで上手く決まるとは……ってあれ?」

 

ベッドから飛び上がってどデカい挨拶かましたのはいいけど、肝心の曜ちゃんが見当たらない。

 

辺りを見回すと、ベッドの脇でひっくり返ってる曜ちゃんを見つけた。

そ、そんな体勢じゃ、み、見えちゃう……!

まぁ紳士な僕は曜ちゃんの大事なところだから絶対に見ないんだけどね!ほ、ほんとだからね!

 

っていうか今更ながら、「天ぷらそばの孝宏」ってなんだよ、オマージュ下手くそかよ……

 

孝「おーい、曜ちゃーん。そのぉ……あの、スカートの中が見えちゃうぞ〜……?」

 

曜「んなっ?!?!」

 

曜ちゃんは慌てて立ち上がりスカートを抑える。そして真っ赤になった顔をこちらに向ける。

うわぁ、目がマジだ。涙浮かべてこっち睨んでるあの顔は絶対に怒ってるやつや……

 

こういう時はまずおはようを言ってから、状況説明をするのが最適だろうか?

 

思い立ったが吉日!いや、吉日かどうかは知らないけど、とりあえず行動に移そう。

 

孝「えーっと、おはヨーソロー、曜ちゃん。それで、状況を説明するべきか、今すぐ謝るか、どっちをすべきですかね?」

 

あれ?なんか思ったことと違うことしてないかい?

これはあれか?

本音と建前逆になっちゃう系アニメキャラクターか何かかい?

うーむ、俺にもそんな秘められし才能があったとは……

 

曜「……して……てるの……

 

孝「えっ?ごめん曜ちゃん、聞こえなかっ――」

 

曜「どうしてもう起きてるのーっ!!!

 

えっ、えええええ?!?!

もしかして寝てなきゃいけなかったやつかこれ!

俺はそんなお寝坊さんキャラだったのか?!

っていうか、怒るとこそこなのぉ?!

 

曜「明日私が起こしに行くって言ったのに……起きてちゃ意味ないじゃん……お嫁さんみたいなことしたかったのに……」

 

曜ちゃん、もしかして昨日の俺の言葉を覚えてて、本当に寝坊してないか見に来てくれたのか。

しかもやる気満々だったのか……

 

孝「曜ちゃん……そっか、ごめんね?楽しみにしてたんだね……」

 

曜「ううん、いいの……私が1人で盛り上がってただけだか……ら?!」

 

もうなんか可愛すぎて抱きしめちゃいました。

まったく我ながら朝から元気なことですわ、ほんとに。

あ、でも俺の息子♂はぎゅーしたから「オハヨッ!」って挨拶しに来たわけじゃないですよ?ほら!朝ですからね!(威圧)

 

孝「……」

 

曜「た、孝宏くん……恥ずかしいよ……///」

 

耳元で囁かれて少しこそばゆくなったけど、お構い無し。気が済むまでハグすることにしよう。

俺もしかしたらほんとに果南ちゃんになってきてるのかも……?

 

曜「もう……甘えちゃってさ……でも、嬉しいな///」

 

少し機嫌が直ってきたかな?

ハグの効果絶大だなぁ……

 

ちょっとして俺は曜ちゃんの背中で組んでいた手を解き、曜ちゃんと顔を見合わせた。

昨日と同じで頬が紅潮した曜ちゃんは照れ笑いを浮かべて俯いた。

 

曜「えへへ……きっと何回やっても恥ずかしいんだろうなぁ……果南ちゃんにやられるのとはまた違う、恥ずかしいけどあったかいハグ……///」

 

孝「心も体もあったかくなるね……///」

 

よし、曜ちゃんの機嫌は直ったみたい!

ハグ師匠(果南ちゃん)ありがとう!

 

 

果『うむ、よきにはからえ!』

 

 

にしても、今日の曜ちゃんの服装、可愛いなぁ。

 

孝「白のブラウスに桜色のプリーツスカート、腰より高めのサッシュベルト。白のベレー帽も頭に乗せて……春らしいコーデだね!」

 

曜「そ、そうかなぁ……えへへ、ありがと///」

 

あっ、照れてる。かわいいなぁ……

てゆーかサッシュベルト。これのポイントがなかなか高いわぁ。

これ使いこなせるのスタイルいい人だけだって勝手に思ってる。だってあれ、ウエストサイズとか公衆の面前に晒してるようなもんだよね?わかんないけど……

 

ん?なんでそんなに知ってるのかって?

姉貴のファッション見てたらそりゃそうなるよ。

決して女装してるから詳しいみたいなことは無いから安心してくれ!(安心院さんだけに)

それに女装もしてないしね!そこも安心してくれ!(安心院さんだけに)

 

てゆーか昨日から思ってるけど、マジで安心院さんって誰よ……

 

曜「そういう孝宏くんだって、かっこいい服装してるじゃん!似合ってるよ!」

 

孝「そ、そうかな?似合ってるかぁ……ありがと、うれしいよ!」

 

曜「白のカットソーにデニム、グレーのロングカーディガン……なんか高校生っぽい!」

 

何この褒め殺し空間は?!

 

孝「ほ、褒めてもなにも出ないぞう??」

 

曜「あー、俯いちゃって……照れてるの〜?かわいいなぁ……」

 

……言えない

 

……マネキン買いだなんて言えない……

 

俺のファッションセンスのなさは、きっとドン○西さんが見たら泡吹いて倒れるかもしれんくらい壊滅的だって姉貴に言われた記憶がある……

言いすぎじゃね?泣くよ??

 

完全に復活した曜ちゃんはこちらを向いて微笑みかけた。

うん、天使。

 

曜「じゃあそろそろ行こっか?千歌ちゃんはもう沼津駅着いたみたいだよ!」

 

孝「ん、よっしゃ、行くか!魔都「東京」!!」

 

曜「えぇ?ま、魔都??」

 

時刻は6時20分。

電車は6時46分に発車する東海道線。3駅行ったところ、つまり熱海駅がその電車の終点だが、そこで乗り換える。同じく東海道線だけど、何やら近代的な名前をした「上野東京ライン」とやらに乗るらしい。その電車で20駅乗ると東京に着く。そこでの時刻は9時14分。ざっと2時間半かかる。長ぇ……

そして、かの山手線で2駅。時刻は9時21分。

合計で2時間35分の長旅を終えれば、秋葉原に着く。

 

そんな昨日考えたルートを頭の中で思い浮かべながら歩くと、沼津駅に着いた。改札前で手を振る千歌ちゃんを見つけた。

 

千「二人ともおはよっ!孝宏くんちゃんと起きられたね!」

 

曜「そうなの!私が行った時は既に起きてて、逆にドッキリ仕掛けられてほんとに焦ったよ〜……」

 

千「え?!孝宏くん自力で起きたの?!奇跡だよーっ!!!」

 

孝「ちょっと待って、俺ってそんなにねぼすけさんなのかな?!」

 

3人とも朝から元気全開!

これから始まる卒業記念旅行に高鳴る胸の鼓動を抑えきれない!

 

孝「うーっ!!!楽しみすぎて待ちきれない!どデカいビルにたくさんの人!きっと何もかもが輝いてるんだろうなぁ……」

 

曜「内浦の海の輝きとは違う、何か別の輝きなんだろうね!」

 

千「輝き……それを追い求めれば何かが見つけられるのかな?……見つけたいな、輝きを!!」

 

俺たちの想いは一緒みたい。

ずっと楽しみにしてた東京に、今日、ついに足を踏み入れるんだ。

 

我慢できない、なにか叫びたい!

東京に向けての溢れんばかりの情を吐き出すしかない!

 

孝&曜&千「「「待ってろ東京!!!」」」

 

くぅ〜、叫んだ叫んだ!

 

「「「「ヒソヒソヒソ……」」」」

 

「まぁ何かしら……?」

 

「朝から元気ねぇ……」

 

「何……?まさか、あの人たちもかの東京を魔都だと認識している闇の眷属なのかしら?それでさっきから妙な魔力を感じていたのね……クックックッ、ヨハネの闇をも凌駕することができるかしら……?」

 

なんか色々言われてる気がする……

っていうか最後の人明らかに厨学2年生もとい中学2年生だろうなぁ……

くわばらくわばら……←(?)

 

 


 

 

2時間半の旅もそろそろ終わりを迎える。

さっきまで海が見えていて、「ここが横浜か……」なんて思っていたら、すぐに川崎や品川に着いてしまった。

残すは終点の東京駅。そして山手線。

 

千「……ん。ん〜〜〜っ!!!あ……たかひろくんおはよ……」

 

思わず笑みがこぼれた。

寝ぼけ眼を擦りながら、いかにも眠たそうに可愛らしく挨拶をしてきた千歌ちゃん。ぐっすり眠れたみたいで何よりだ。

千歌ちゃんも曜ちゃんも、熱海駅から数駅で夢の世界へと旅立った。

曜ちゃん、俺、千歌ちゃんの並びで座っていたから、2人とも俺の肩にもたれ掛かるっていう、至福でありながら結果的に肩こりに悩まされるという、いいのか悪いのか果たしてよく分からない状況に陥った。

目の前に座っていた優しそうなおばさまから降り注ぐ優しい微笑みだけが救いだった。

 

孝「おはよ、千歌ちゃん……あ、せっかく綺麗に整えてた髪がボサボサになってる……」

 

恐らく俺の肩に乗っかっていた部分だろう、少しボサボサになっていた。

俺の服の素材のせいかもしれないと思ったので、とりあえず整えてあげた。

 

千「あ……///」

 

孝「んー、手ぐしだとこんなもんかなぁ?……ん、よし!これでだいじょーぶ!……千歌ちゃん?」

 

千「あ……!な、なんでもない!ありがと!///」

 

孝「お、おう、どういたしまして……」

 

なんか顔が赤い?気のせいかな?

 

千「そういうとこ、ほんとずるい……///

 

――ビクッ――

 

孝「うおっ!なんじゃい?!」

 

俺の左肩に乗ってるなにかが反応した。

ん?左肩?それってつまり……

 

曜「……んにゃ……あ〜、たかひろくん……おはよぉ〜〜〜う……にゃはは〜〜……」

 

孝「よ、曜さん……?ど、どうしたんです……?」

 

曜「ん〜〜〜?どうもしにゃいよ〜?どうもしにゃい……どう……も……」

 

孝「お、おーい……どした、渡辺さん……渡辺の曜さん……?」

 

もしかして寝ぼけてるのかな?

だとしたらめちゃくちゃ可愛いんですけど……

ご褒美ですか、神様?これはご褒美なんですか?

日ごろから仏壇にお線香をあげて、手を合わせておいてよかったぁ……

 

御先祖の皆さんに手を合わせることは大事なことです。

皆さんも毎日、仏壇の前に座って手を合わせましょう。

お線香は毎日香。

【提供 日〇香堂】

 

千「どうしたんだろ?曜ちゃ〜ん?大丈夫〜?」

 

曜「……はっ!?!?……お、おおおおお、おはようございます!!!///」

 

あ、復活した。

てかなんで敬語なのよ……

 

千「あは、おはよ、曜ちゃん。とはいっても千歌も今起きたばっかりなんだけどね、あはは……って、曜ちゃん顔赤っ!」

 

孝「わ、ほんとだ!大丈夫?熱とかある?」

 

あまりにも真っ赤な顔だったもんだから、熱があるかどうか心配なのでおでことおでこをくっつけてみました。

 

曜「ひゃう?!///……た、たたた、孝宏くん?!は、恥ずかしいよぉ……///」

 

孝「へっ?」

 

何も意識せずただただやった行為が実はとても恥ずかしいことだと気づくのに、それほど時間は必要なかった。

曜ちゃんの顔が、近ぇ……

 

曜&千「そういうところなんだって、早く気付いてくれないと、困るよ……///

 

秋葉原に着くまで、2人は口を聞いてくれませんでしたとさ……

 

グスッ……俺が何したってんだい……

 

 


 

 

千「う〜〜〜っ、つーーーいたーーー!!!」

 

そのまま伸び切ってスカイツリーみたいになりそうな千歌ちゃん。見ててなんだかほわほわする。

ほわほわ……?

 

曜「長かったねぇ〜、でも、悪くはなかったかな……///

 

最後の方はよく分からなかったけど、曜ちゃんもぐーっと伸びをする。

 

ああっ、お客様方困ります!

季節はずれにたわわに実ったスイカ2玉ずつをお体に備え付け、それを強調するかのように伸びをするなんて、困りますッッッ!!!

 

曜「わ、どーしたの孝宏くん、鼻の下なんか伸ばして……はっ、もしかしていきなり都会美女に目を奪われてるの?!もーーー!!!」

 

孝「ち、違うよ!(見てたのは2人のたわわに実ったスイカ計4玉だけだよ!)てゆか、曜ちゃんが彼女なのに都会美女なんか見る必要なんかないよ!!!」

 

曜「あ……///」

 

孝「え、あ……///」

 

千「は〜ぁ、ごちそうさま、おなかいっぱいです。じゃ、千歌はお邪魔みたいだから内浦に帰ってみかんでも食べようかな〜?」

 

曜&孝「「ごめんなさい!!!お願いだから一緒にいてください!!!」」

 

千「は〜…しょうがないなぁ……孝宏くんあとで東京のみかんパフェおごりね☆千歌たん☆ですっ☆」

 

孝「んえぇ?!……まぁ、こればっかりはしょうがないか……ってか千歌ちゃんそれはアウトや……」

 

千「え、だって語尾に☆付けたらやっておかなきゃ!」

 

孝「そ、そうかもしれないけど……」

 

かなりアブナイとこ攻めたけど平気かな……?

まぁきっとこの後も千歌ちゃんには色々と迷惑かけそうだしね……パフェぐらいはおごってあげてもいいかな……ち○たん☆はダメだけどっ!

 

曜「あ、それじゃ私もそれをよろしくお願いするであります☆よ、曜たん☆ですっ☆」

 

孝「なんでぇ?!?!てか曜ちゃんもそれ完全なアウトだから!!!」

 

2人してどうしちゃったんだ……

東京に来たから流行りに乗っておきたい気持ちは分かるけど!!!

俺もやりたいですっ☆たかたん☆ですっ☆

 

……これはやっちまった、かなりアウトだ……

 

にしてもこれは、おかんにたくさんお小遣い貰っておいてよかったって話やな……パフェ2つかぁ……

 

 


 

 

曜「にしても、ほんとに東京はおっきな建物しかないね。圧倒されちゃうよ……あ!あれはこの前テレビで見たエデ○オン!」

 

千「ほんとだ!エ○ィオンだ!エディ○ン!」

 

孝「そんな何回も連呼しなくていいのに……うわぁ、○ディオン……ほんとにエディオ○だ……」

 

流れには乗りたくなるよねっ?よねっ?!

 

千「うわ〜〜〜っ!おっきなゲームセンター!!!これなんて読むの……?セ……セ〜ガ〜、セ〜ガ〜だ!セ〜ガ〜♪」

 

孝「うーわ、それどっかで聞いたことある……」

 

曜「孝宏くん見て見て!メイドさんがいっぱいだよ!はぁぁ〜、メイド服かわいいなぁ〜♡あの服ちょっとだけ貸してもらえないかな……?」

 

孝「コスプレショップ行くからもうちょっとだけ我慢して曜ちゃん!……ってあれ!スクールアイドル専門店!!!やっべ、こんなとこにあったのか!ちょっ、これは行くしかない!千歌ちゃん、曜ちゃん、行くよ!!!」

 

曜&千「「えええええ?!」」

 

想像以上に大きな建物だらけの世界に驚き、ちょっと興奮気味な俺たち。

いや、だって沼津は内浦の片田舎から、日本の中心の最も発達している地域のひとつに来てるわけだから、そりゃこうなるよね?

 

当初予定していた目的地の神田明神やメイド喫茶、コスプレショップなどを回って、2時間ほどこの秋葉原を探索したところで、時刻は12時近くになっていた。

 

千「ねぇ孝宏くん、曜ちゃん。お腹すいてない……?えへへ、千歌ちょっとだけお腹がなりそうだよ〜」

 

曜「私もお腹すいたよ〜……孝宏くんはどう?」

 

孝「実は俺も結構お腹すいてるんだ……それじゃお昼ご飯にしますか?」

 

曜&千「「はーーーい!!」」

 

 


 

 

千「あー、美味しかったぁ〜♡こんな美味しいものをあんな安く食べられるなんて、都会は違うねぇ〜……みかんパフェも美味しかったし♡」

 

曜「内浦のものとはまた違った美味しさだったね!もしかして、東京で食べてるから……なのかな?」

 

孝「あはは、そうかもしれないね?雰囲気によって食べてるものが違って見えることはよくあるみたいだから!」

 

いや〜、まさかあんな所で食べるとは思ってもいなかった……

ガス○やぞ○スト……沼津にもあるやんけ……なんでわざわざ東京に来てそんなとこで食べんの……?

って思っていた時代が俺にもありました。

雰囲気に押されるね、うん。

周りにはきゃぴきゃぴした、いかにも都会って感じの高校生や社会人、ママさんたちがいらっしゃいました。

そんな環境にいて俺達は浮いてないかとても心配で心配で……

たぶんまともにフォーク使えてなかったと思う。

 

そんな思い詰めた状態だった俺に比べて、2人はとても楽観的でした。

 

 

千『わ!なにこれ美味しそう!最近ファミレス行ってなかったから、新メニューとか出てるの知らなかったや!でもやっぱりファミレスって安心するねぇ……♪』

 

曜『だね!やっぱり「沼津にもあるところに行けば気持ちも落ち着く」説は的中だ!』

 

 

なんて言っちゃって……

なれない環境で齷齪(あくせく)してビクビクしてた俺の惨めさよ……

「虚しいヤツ」だなんて口が裂けてもいわないでよねっ!!!

 

千「よーっし、それじゃあアキバドーム行きますか!」

 

曜「ヨーソロー!(*>∀・)ゞ」

 

孝「2つ目の……聖地か……しかも今日は……

 

曜「孝宏くん……?」

 

孝「え、あ、ごめん、なんでもないよ!行こっか!」

 

曜「うんっ!」

 

じゃあ見つけに行こうか、俺達の追い求める輝きを。

そしてこの目に焼き付けよう、μ()' s()の姿を――

 

 

 

 

To be continued…




いかがでしたでしょーか!?

なかなか駄文ですわよ、奥さん。
あらほんと、かなり駄文ね、奥さん。

そんな小説でもいいという方にのみ読んでいただけているのだと勝手に思ってますよ!!!
もっとこんな駄文を読みたいと思い、たか丸を愛してやまないそこのあなた!
こ、今夜は帰さない……ぜ☆

曜「さすがに曜ちゃんドン引きです(真顔)」

グスッ……ヒクッ……・゚・(ノД`)・゚・。ウワァァン。
なんでこんなたか丸は嫌われちゃうのよ……グスッ
最推しの曜ちゃんにまでそんなこと言われたらあたし、立ち直れない……ヒグッ

曜「そこまで泣かれるとなんか悪いなぁ……一緒にいつものしてあげるから泣き止んでよ、ね?」

あ……れ……?聖母が……聖母がいる……

曜「それじゃ、次回もお楽しみに!……ほら、やるよ?」

う、うん!

曜「せーのっ!」

ヨーソロー!

曜「See you next time!」

え、そっちなの?!
あ、え、えーっと、またねー!!!






そして次回……閑話休題最終回……(になったらうれしいと思っちゃいたい)


追記 2019.2.14.2:10
活動報告を載せました。重要なお知らせもあるので、是非ご覧ください。


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過去編 其ノ壱 ⑤

みなさんこにゃにゃちわ、Aqours 5thライブ Day.2当選しました、たか丸です!

はい、初の!初のAqoursのライブ!!!
ずぅ〜っと行きたくて行きたくて、でも諸事情で行けなかったAqoursのライブについに参戦ですよ!!!
嬉しくてたまりません……( ⸝⸝⸝ʚ̴̶̷̆ωʚ̴̶̷̆⸝⸝)

私事で恐縮なんですが、以前書いていた「ポピパと真夏の1週間」という作品が昨年の12月で、連載終了から1年だったんですよ。
今更?って感じですけどね笑
でも、未だにその作品を読んでくださっている方がいることに喜びを感じます。
嬉しいもんですよ、ほんとに。

あと、ひとつご報告です。また私事なんですが……笑
わたくしたか丸、進学できまーす!!!
合格しました!ありがとうございます!
これからはスパン短めにお話を投稿できればなと思っております!

さて、今回で一応長かった閑話休題もおしまい(にしたいとと思っちゃいたい( ´▽`)けど……)ですよ笑
ここまで長かったら閑話休題じゃないだろって思いますけどね笑
ですので、ここらで思い切ってサブタイトルを変えようと思います!!!
「閑話休題 其ノ壱」から「過去編 其ノ壱」に変更します!
このお話の前に書かれたもののサブタイトルも変えますが、内容は一切変わらないよう、なんつってぇ?!?!


……えー、ただ今大変不適切な発言がありましたことを謝罪いたします。大変申し訳ございませんでした。
先程の発言を撤回するのと同時に、今後このような事が起こらないよう再発防止に取り組んで参りたいと思います。
誠に、申し訳ございませんでした……


それでは!(笑)今回も楽しんでいってください!
せーのっ!ヨーソロー!


孝宏side

 

曜「ごめん二人とも、ちょっとお手洗い行ってくるね?」

 

千「うん、いってらっしゃい。ここで待ってるね?」

 

曜「ありがと〜!」

 

孝「ふむ、お花摘みってやつか……

 

千「そうだけど、あんまりそうやって言っちゃダメだよ?恥ずかしいんだから……」

 

孝「あぅ……ごめん、声に出てたか……」

 

曜ちゃんがトイレに行くために、近くの広い公園に立ち寄った。

ちょうどいいベンチを見つけて、そこに千歌ちゃんと2人、腰を下ろした。

 

千「ふぅ〜〜〜、にしてもよく歩いたねぇ?お昼ご飯食べてから歩きっぱなしだったもんね?」

 

孝「ん、そうだね……疲れた?」

 

千「ん〜、ちょっとだけ……でもでも!東京のキラキラに目がいって、疲れとかあんまり感じてないんだ!」

 

孝「あははっ、そうなんだ?んーまぁでも、俺も同じかな〜」

 

眩しいくらいのビルの反射光、色鮮やかな店の電飾、眼前いっぱいに広がる人の群れ……

何から何まで沼津では見ることの出来なかった光景に釘付けになったのは言うまでもない。

まぁ、しつこい客引きにはさすがに焦ったけど、そこは俺も男ですよ。言うことは(しっか)り言って、そそくさと立ち去りました。

どうどう?こういうこと出来る男ってやっぱカッコイイ?

……って、そんなこと思ってる男は既にカッコ悪いか。

アッハハハ……ハハ…………ふぅ。

 

千「ねぇ孝宏くん、ひとつ聞いてもいいかな?」

 

孝「ん?」

 

千「千歌と曜ちゃんって、何がどう違うのかな?」

 

孝「え……?」

 

ど、どういうことだろう?千歌ちゃんがこんなこと聞いてくるなんて……何かあったのかな?

 

千「少し長い話かもしれないけど、聞いて欲しいの……千歌ね、前に好きな人がいたんだ。けど、その人には既に想ってる人がいて、その想われてる人もその人のことが好きだったの。明らかに叶わない恋だって分かってた……けど、諦められなかったの……」

 

孝「……」

 

千「だって、その人は千歌の恩人なんだもん……あの日、海で溺れそうだった千歌を救ってくれた……本当に命の恩人……」

 

孝「えっ……」

 

千歌ちゃんが海で溺れかけた……?

それを助けた人って……もしかして……

 

千「……その人は、すごくかっこよくて、優しくて、強くて、時々アホなことするんだけど、それがまた可愛くて……とっても、素敵な人なの……」

 

そんな……

 

千「今でも千歌は、その人のことを心のどこかで想い続けちゃってるの……あはは、千歌はダメな人だね……」

 

でも千歌ちゃんは……

 

千「けど……もうこんな想いは抱いていちゃいけない……捨てなきゃいけない想いだってわかってる…………けど……出来ないの……」

 

千歌ちゃん……

 

千「だから……諦めさせて…………この想いを伝えられれば……きっと踏ん切りがつくから……」

 

 

 

 

 

千「千歌は……私は、孝宏くんのことが好き……大好きなの……この世の誰よりも、孝宏くんのことが大好き……」

 

 

 

 

 

孝「千歌……ちゃん……」

 

鼓動が速くなる。顔が熱い。

目に涙を浮かべて、頬を紅く染めた千歌ちゃんの真剣な眼差し。

俺は鈍感だから色んなことに気づけないけど、今の千歌ちゃんの気持ちは分かる。

大切で大好きな親友であり、かけがえのない幼なじみという存在である曜ちゃんと俺が好き同士で、付き合っている。

千歌ちゃんは優しすぎるから、きっと何かのきっかけで曜ちゃんを応援する側に回ったんだと思う。

けどそれは千歌ちゃんの心に深い傷を作ってしまった。

自分の気持ちに蓋をして、親友の恋を応援するなんて、簡単にできることじゃない。

きっと、この上ない苦しみと絶望感があったと思う。

 

千「ごめんね……楽しい雰囲気だったのに、こんな風にしちゃって……」

 

孝「っ……!」

 

千歌ちゃんの本気の想いには、俺も本気で向き合わなきゃ。

 

孝「ありがとう千歌ちゃん、凄く嬉しいよ……けど、その想いには応えられない……」

 

千「うん……わかってる……」

 

孝「でもね、俺は千歌ちゃんのことが好きだよ」

 

千「えっ……?」

 

伝えなきゃ、この想いは。

 

孝「自分を犠牲にしてまで、友達の恋を応援するなんて、普通の人じゃなかなか出来ないよ。それをやっちゃう千歌ちゃんはすごいと思う。」

 

千「だめ……だよ……」

 

孝「俺と曜ちゃんの恋が実るように、陰ながら支えてくれていたんだよね……ありがとう」

 

千「だめ……そん……なの……」

 

孝「だから俺、そんな千歌ちゃんが好きだよ」

 

千「なんで……なんでそんなこと……言っちゃうの……孝宏くんには……曜ちゃんがいるんだよ……?」

 

 

 

?「このバカ千歌ー!!!」

 

 

 

千「えっ?」

 

孝「なっ?!よ、曜ちゃん?!」

 

曜「なんで……なんで言ってくれないの……千歌ちゃんも孝宏くんのことが好きだったら、お互いライバル同士で真剣勝負すればよかったのに!なんで千歌ちゃんは……私のために……」

 

孝「曜ちゃん……」

 

千「だって……2人の気持ちには気づいてたから、千歌より曜ちゃんの方が孝宏くんは好きなんだって、知ってたから……千歌より曜ちゃんの方がお似合いだったから……千歌は手を引くべきだって……」

 

孝「千歌ちゃん……そこまで……」

 

あー、やばい、泣いちゃいそう……

千歌ちゃん優しすぎるよ……

 

曜「なんで……なんで千歌ちゃんはそんなに優しいの……ずるいよ……うっ、ううっ、うわぁぁぁぁぁ!!!」

 

泣き出した曜ちゃんは、千歌ちゃんに抱きついた。

 

千「曜ちゃん……泣かないでってば……そんなに泣かれたら……千歌も……うううう、うわぁぁぁぁぁ!!!」

 

抱きつかれた千歌ちゃんも大泣きする曜ちゃんを見て泣き出してしまった。

 

孝「仲良きことは美しきかな……二人とも、最高の親友だね……」

 

その後は二人が泣き止むまで、俺が二人を抱きしめていた。

二人とも大声で泣くもんだから、周りの人に「何事?」という目をされて変に注目されちゃった……

 

千「うっ、ひくっ、ぐすっ……」

 

曜「ううっ、ずびっ、ひぐっ……」

 

孝「……どう?二人とも落ち着いたかな……?」

 

千「うん、大丈夫……ごめんね孝宏くん……ありがと……」

 

なんて千歌ちゃん言ってるけど、まだまだ涙は止まらないって感じだ。

曜ちゃんは少しずつ落ち着きを取り戻しているみたい。

 

曜「もう……千歌ちゃんてば、涙で顔がボロボロだよ?」

 

千「ううっ、曜ちゃんだってそうじゃんか……」

 

孝「いーや、二人とも泣き顔だって可愛いじゃない?自信持ちなさいな!」

 

曜「……孝宏くん、頼むからもうちょっとだけ空気読めるかな?」

 

孝「……はい、反省してます……ちょっと場を和ませようとして失敗しました……」

 

千「……ぷっ、あはははははっ!もう、そんなにしょぼくれた顔しないでよ〜、あ〜、可笑しいなぁ、もう♪」

 

千歌ちゃん……

よかった、元気になったみたい。

 

千「あー、ごめん二人とも、ちょっと今度は千歌がお手洗い行きたいんだけど、いいかな?」

 

曜「うん、いってらっしゃい!」

 

孝「待ってるね〜ん」

 

でもよかった、二人の関係にヒビが入ることがなくて。

お互いのことを思って泣けるなんて、二人とも優しすぎるなぁ……

 

そういえば、さっき千歌ちゃんが言ってた命の恩人ってやつ。あれはいつの事だったかな?

 

曜「ふふっ、小学校2年生の時、だよ?」

 

孝「あー、小2のときかぁ……って、ん?曜ちゃんなんで俺の考えてることが分かったの?」

 

曜「幼なじみパワーを舐めないで欲しいなぁ〜♪」

 

孝「Wow……」

 

そっか、小2のときか。

確かいつもの幼なじみグループ(千歌ちゃん・曜ちゃん・果南ちゃん)で桟橋から飛び込みをしてた時だったか……?

ちゃんと準備運動をしてなかった千歌ちゃんが飛び込みをした時に、脚がつれちゃって、溺れそうになったんだ。

そーだそーだ、だんだん思い出してきたぞ……

その時たまたま海の中にいた俺が1番に助けに行ったんだ。

あの時は本当に必死だったな……千歌ちゃんが死んじゃうかもしれない、って思って。

結局少し海水を飲んじゃっただけで、大したことは無かったんだけど、千歌ちゃんはきっとめちゃくちゃ怖かったんだろうなぁ、大泣きしちゃって……

それからあの桟橋から飛び込みするのを禁止されちゃったんだっけ。

 

曜「あの時の孝宏くん、すごくかっこよかった……思えばあの時からだったのかな?孝宏くんに恋をしてたのは……でも多分それは千歌ちゃんも同じことなんだろうね……」

 

孝「え、そうだったの?千歌ちゃんはなんとなくそこでなのかなって思うけど、曜ちゃんはてっきりもっと最近のことだと……」

 

曜「はぁ〜〜〜、まったく、だから孝宏くんはダメダメなんだってば……乙女心を分かってないなぁ?」

 

孝「う……ご、ごめん……」

 

曜「でも、そんな鈍感なところも、好きだよ」

 

ドキッとした。

唐突に、真剣な眼差しで、はっきりとした口調でそんなこと言われたらビックリしちゃうよ……

ああ、顔が熱い……

 

曜「ごめん急に……ちょっと不安になっちゃって……」

 

孝「う、ううん、平気。大丈夫だよ」

 

俯く曜ちゃんがとっても弱々しく見えて、気がついたら曜ちゃんの頭をなでていた。

 

曜「……ねぇ、孝宏くん。私、キミの理想の女の子になれてるかな?キミが心から好きって思える女の子に……なれてるかな?」

 

俯いていた曜ちゃんがゆっくり顔を上げてこちらを向く。

綺麗なその蒼い瞳は、俺の目を真っ直ぐ見つめている。

その瞳には不安の色が滲み出ているのがわかる。

不安、焦り、恐れ……色々なマイナス思考が混沌として、その瞳を暗くしている。

 

けど、こんなことを今思うなんて、きっと俺はめちゃくちゃバカヤロウなんだろうけど……

そんなことを言ってくれる曜ちゃんが可愛くて、優しくて、つくづく俺は幸せ者だなって思った。

 

孝「バカだなぁ曜ちゃん。もうとっくになってるよ……」

 

曜「……えっへへへ……///」

 

ああ、本当に俺は幸せ者だなぁ……

 

千「ふぅ〜、二人ともおまたせ!」

 

孝「おっ、千歌ちゃんおかえり!……よし、じゃあほんとに今度こそアキバドームへ向かうとしますか?」

 

曜&千「「おーーーっ!!!」」

 

 


 

 

孝「ここが、アキバドーム……」

 

曜「おっきいねぇ……」

 

千「おっきなゆで卵みたい……」

 

孝「ゆで…………えぇ……」

 

ついにやって来たアキバドーム。

その大きさに俺たちは圧倒された。

これでホームランの入りやすい球場とか言われている意味がわからない……

両翼100m、中堅(センター)122m……

十分広いやろ……

 

曜「ねぇ孝宏くん、あの法被を着てる女の人達は一体何者……?」

 

孝「ああ、きっとどこかのスクールアイドルの後援会の人達だろうね。あの法被は確か……」

 

?「岩手県のスクールアイドル、[みちのくシャイニーズ]ですわ!」

 

孝「えっ!だ、ダイヤちゃん?!」

 

曜&千((だ、誰……?))

 

ダ「まさかこんな所で会うとは思いもしませんでしたわ……やはりあなたも来ていたのですね、孝宏さん……そちらのお二人は?」

 

孝「あ、ああごめん、紹介するね?こっちは俺の幼なじみの渡辺曜ちゃんと高海千歌ちゃん。今は3人で東京観光してるんだ!……んで、二人とも。こちら、浦の星学院生徒会役員の黒澤ダイヤちゃん。ひとつ年上だよ!」

 

ダ「初めまして、黒澤ダイヤと申しますわ。以後、お見知り置きを」

 

千「わわっ、は、初めまして!高海千歌です!実家が旅館で、十千万って名前です!えーと、それからえーと、さ、三姉妹の末っ子です!」

 

孝「千歌ちゃん落ち着いて、果南ちゃんと同い年の人だよ?……まぁ性格なんか果南ちゃんと正反対のしっかり者だけど……」

 

 

果『……くしゅん!……ん、なんか今、孝宏に馬鹿にされた気がする……』

 

 

曜「あはは……初めまして、渡辺曜です!」

 

うーん、この3人が一緒にいるとなんだか面白そうなことが起こりそうだなぁ……

 

ダ「うふふ、可愛らしい方々ですわね……ところで孝宏さん、東京観光ということは今回ラブライブ!を見に来たわけではないのですか?」

 

孝「うん、本当は初めて来たアキバドームだし、生で見てみたいってのもあるんだけど、今回は見送ることにしたんだ」

 

ダ「そうなのですね……まあ、私も今回はチケットが当たらなかったので、ライブビューイングの方に参戦ですわ。いまさっきまで物販でグッズを買っていたんですの!」

 

孝「えっ?なになに、何買ったの?」

 

ダ「まずは岐阜の[鵜飼フェアリーズ]のペンライト!新色ですわ!」

 

孝「おーっ!持ち手が緑なのか〜!前まで赤と青と黄色しかなかったからね〜」

 

ダ「次に山梨の[フルーティーフラワー]のフェイスタオル!今急上昇中の新星スクールアイドルですわ!」

 

孝「へーっ!そんな新しいスクールアイドルがいたのか!知らなかったなぁ……」

 

千「曜ちゃん曜ちゃん、千歌たちこの話についていけないね?

 

曜「まったくその通りであります……スクールアイドルについては知らないことだらけだからねぇ……

 

いや〜、やっぱりダイヤちゃんのスクールアイドル知識には適わないなぁ〜!

 

ダ「……孝宏さん、お二人がおいてけぼりですわよ?」

 

孝「えっ?あ!ご、ごめん!」

 

話に夢中になっちゃってた!

 

恐るべし スクールアイドル 恐るべし

孝宏、心の俳句

 

曜「あはは、平気だよ?昨日スクールアイドルについて話してくれた時も目がキラキラしてて、止まらなかったもんね?」

 

う、そんな熱く語ってたのか……

確かに前にダイヤちゃんに「孝宏さんは本当にスクールアイドルのことを話すと止まらないですわね……」って言われた記憶がある……

 

千「昔から孝宏くんはひとつのことにハマると、それを突き詰める性格があるからね〜」

 

孝「周りがよく見えなくなるなんてのはザラです……」

 

ダ「うふふっ……あ、すみません孝宏さん、私ルビィを待たせているんでしたわ!早急に戻らなくては……」

 

る、ルビィちゃんを1人で待たせてるのか?!

ルビィちゃんは大丈夫だろうか……

 

孝「あ、なら早く行かないと!じゃあまた今度ね!」

 

千「あ、あの黒澤先輩!私たち来年度から浦の星に通うんです!学校で会ったら、仲良くしてください!よろしくお願いします!」

 

ダ「あら、そうなのですか?……ええ、もちろん仲良くさせていただきますわ。こちらこそよろしくお願いしますわ」

 

千「えへへ……」

 

ダ「では、失礼します……今度はこの舞台に立っている姿をお見せしたいものですわね……

 

ルビィちゃん1人で大丈夫かな……?

それが本当に心配だ……

 

曜「ほぇ〜、綺麗な人だったねぇ……まさに大和撫子!って感じだった!」

 

孝「うんうん、だから学校でも人気は抜群らしいよ?」

 

曜「やっぱりそうなんだぁ〜?……長い黒髪に切りそろえられた前髪……絶対和服着せたら最強だよ……」

 

着てるんだよなぁ、和服……

今の曜ちゃんに言うときっと止まらなくなりそうだから言わないけどね。

 

孝「それじゃ、アキバドームをいろいろ見て回ろうか。といっても、中には入れないんだけどね……」

 

千「千歌は周りのお店とか見てるだけでも楽しいよ!……あーっ!ユニフォーム売ってる!!!見に行っていい?!いいよね?!」

 

あっ……こうなった千歌ちゃんの物欲といったら、もう……

てゆか、俺たちに見に行ってもいいかどうかの有無を言わさずにお店に行っちゃったよ……

 

曜「あー……こりゃ買うね……」

 

曜ちゃんも同じこと考えてた……

 

千「えへへっ!……わぁ〜〜〜!カッコイイ〜〜〜!!!」

 

 


 

 

千「……ごめんにゃさい……」

 

結局千歌ちゃんは買っちった。

ユニフォームって高いのね、1着1万円弱するの!

お金儲けが上手だわ……

 

孝「謝らなくていいってば……ただ、お金の使い方には気をつけてよね?いつも言ってるけど……」

 

千「いや〜、だってユニフォームなんて見せられたら千歌、買わざるをえないじゃん?……はっ!もしやあのユニフォームから「買って買って光線」が千歌に向けて発射されていたのかも……?!」

 

孝「んなわけあるかいなっ!!!」

 

千「わひゃっ!?」

 

まったくこの子ったら……

油断も隙もありゃしないっての……

ボケを入れるタイミングが唐突すぎるわ……

つかエセ関西弁は、本物の関西人の方に怒られるって噂があるよね、ヤバい……

 

曜「あはは……まぁ、次から気をつけようね?やっちゃったことはどう足掻いても取り消すことは出来ないんだしさ?」

 

千「よ……曜ちゃん……‪( ´•̥  ̫ •̥` )‬」

 

孝「こら、曜ちゃんも!千歌ちゃんをそんな風に甘やかしたらまたやっちゃうでしょ!」

 

曜「いや〜、だって千歌ちゃんのしょぼくれた顔を見るとどうしても優しくしてあげなきゃって思っちゃって……」

 

はぁ、この子はこの子でとことん優しいなぁ……

ええ子や……

 

あ、また関西弁使ってしもた……あかんわぁ……

あっ、またかんs(以下省略)

 

千「曜ちゃん……やっぱ曜ちゃんは優しいよぉ〜!曜ちゃん、ずぅ〜〜〜〜〜〜っと仲良しでいようね!!!」

 

曜「うんっ!ずぅ〜〜〜〜〜〜っと仲良し!!!」

 

うんうん、二人とも仲良しすぎていいなぁ……

ちょっと嫉妬しちゃうゾ??

俺も混ぜてよーっ!!!なんてね♪

 

孝「よしゃ、それじゃあ気を取り直して、ぐるっとアキバドームを回って見てみよーう!」

 

曜&千「「おーーーっ!!」」

 

 

孝宏side off

 

 

 

 

To becontinued…




いかがだったでしょうか?!

いや〜、はっはっは。終わんなかったですねぇ!!!
ごめんなさいっ!!!もう少しだけ過去編にお付き合い下さい!!!もう、嫌なら読まなくても結構なんで、とりあえずたか丸が満足するまで書かせてあげてください!お願いしますっ!!!


さて、今回千歌ちゃんの優しさを垣間見ることが出来ましたね……
このお話を書いていて、少し……いやかなり心が痛みました。
千歌ちゃんと状況は違えど、たか丸も失恋という経験があるので、千歌ちゃんの気持ちは痛いほどわかります。
だからこの話を書こうかかなり悩みました。こんな辛い場面を描写してみなさんは喜んでくださるのか、読んでいて気分が悪くなってしまわないか……
悩んだ末に、少しごちゃごちゃしてぐだぐだしてしまいましたが書きました。
今後もなんとなくシリアスじみた展開があるかもしれませんが、その時はもっと上手に書けるようになっておきます!

でも千歌ちゃん、あの状況でよく孝宏に想いを告げることが出来たね、すごいよ。

千「う〜……今思い返すとちょっと恥ずかしいなぁ……でも、あそこで言えてよかったと思ってるよ。あの後沼津に帰ってから変に孝宏くんに気を遣わせちゃったのは申し訳なかったけどね?えへ……」

曜ちゃんとも未だにちゃんと仲良しだもんね?

千「あたりまえっちゃ!曜ちゃんと千歌が縁切りなんてするわけないもん!だって千歌、曜ちゃんのことだーーーーーーーいすきだもん♡」

ごっ、ごちそうさまです……(*´ч ` *)


さてみなさん、次回は本当の本当に過去編の最後です!
どうか最後までお付き合いしてくださいね……

それでは、次回もお楽しみに!
See you next time!


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過去編 其ノ壱 ⑥

みなさーん、こーんにーちはー!!
…………
あれあれあれぇ?元気が足りないぞ〜っ!
みなさーん、カーンボージアー……そんなバハマ!
そーれっ!ここ、バハマ!
カンボジアだと思っただろう???
こんな展開、ファンタスティック!!

……はい、みなさんこにゃにゃちわ。投稿スピード上がるとかほざいてたたか丸です。
ごめんなさい(。•́︿•̀。)
いや〜、大学の課題やら、友人達との約束やら、最近またぶり返してきたバンドリ愛やら……
最後のはまぁ、なんだ……そういうことです。
投稿頻度をあげる為にも!たか丸にみなさんの知恵を!活動報告にシチュのアンケートみたいなのあるんでよろしくおにゃしゃす!

たか丸の近況と致しまして、高校を卒業して時間が余りに余っているので、お菓子作りに没頭しております。
最近はカスタードパイを作ってみました、めちゃうまでした。
次はおしゃんなアイシングクッキーでも作ってみようかな?Aqoursの衣装とか、アニメエンディングのラストのシーンとか……
……いや、ね?ほんとは友達と遊ぶ予定も多くて、時間が余りに余っている訳では無いんですよ!
え?じゃあなんで時間が余りに余ってるなんて言ったのかって?
やだなぁ皆さん!そんなのたか丸作品の読者の皆さんなら分かりきってるはずですよね?
そう!たか丸恒例の何も考えずにとりあえずなんか言ってみたってやつですよ!

……え?初めて聞いたって?
いやいや言うてそないなことあるわけ……(過去作品をとりあえず全部見てみる)……ほんまや。
明石家〇んま「(´º∀º`)ファーʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬ」

あーあ、まーた前書き長くなっちゃったなぁ〜ん(*ゝω・)てへぺろ☆

それでは今回もお楽しみくださぁぁぁぁい!!!
せーのっ、アデュ……ウェゲッホゲホ!……ヨーソロー!!!


孝宏side

 

 

あの後俺たち3人はアキバドームの周りを見て回った。

千歌ちゃんは美味しそうな匂いのする屋台に毎回のようにつられてどっか行っちゃうし、曜ちゃんは近くでやっていたスクールアイドルの衣装展見に行っちゃうし……

 

あれ……?今俺1人だわ……

アキバの、ど真ん中の、アキバドームに、沼津民がただ1人。

ものすっごい場違いなのでは?!

 

……ってそうじゃないわ、早く2人と合流しないと!

 

曜ちゃんの行った場所は分かるからいいとして、まずは当てもなく食べ物の匂いにつられて放浪する千歌ちゃんを探さねば!

あのみかん娘ってばどこ行ったんだか……

 

千「あ!おーい!たーかひーろくーん!!」

 

孝「あっ、千歌ちゃん!もー、どこ行ってたのよ〜……」

 

千「えへへ……それよりほら!みてみて!美味しそうなたこ焼きでしょ?!一緒に食べようよ!曜ちゃんもほら……って、あれ?曜ちゃんは?」

 

孝「曜ちゃんなら近くで開催してるスクールアイドル衣装展を見に行ったよ……たこ焼き美味そうだな……

 

千「えーっ!まったく曜ちゃんってば……自由行動は慎むべきだよ〜……3人一緒に行動しなきゃダメなのに!千歌はおこだよ!「げきおこかんかんまる」だよ!」

 

孝「それ千歌ちゃんが言っちゃうの?……ってか「げきおこかんかんまる」って何?!「ぷんぷん」じゃないの?!」

 

この子は天然なのか、おばかなのか……

まぁ、これくらいおバカな方が面白いよね?

 

千「むっ、孝宏くん今なんか千歌のことバカにした?」

 

孝「きっ、気のせいだよ!」

 

千「ほんとかなぁ……?」

 

なんなんだこのようちかの2人は……

読心術のスキルでも備わってるのかい?(君のこころは輝いてるかい?)

……いや、違うな……ってか君ここってなんだ?

曲名か何かなのか……?

 

孝「よ、よーし、それじゃあ曜ちゃんの所に行こうか!よーし行こう行こーう!……あ、たこ焼きおいし♪」

 

千「あーっ!それ千歌のぶんーー!!って、逃げたなー!!!待てー!!!」

 

 

孝宏side off

 

 


 

 

曜side

 

 

曜「ほわぁ〜〜〜〜〜っ!///」

 

っと、まずいまずい、声が出ちゃった……

でも、こんなもの見せられたら声が出るのも仕方がない……よね?

だってすごいよこれ!ほんとに手作り?!

細部までこだわって作られたきらびやかな衣装……

フリフリのスカートは可愛くてキラキラしてるし、テカテカのパンツもめっちゃクールでかっこいい!

こんなものまで作っちゃうのか、スクールアイドルは……

 

曜「あれ……このグループ名は……」

 

赤を基調とした上着と白黒のベスト、白いスカートには赤いラインが入っている。全体の至る所に黄色があしらわれていて、リボンとネクタイも細部へのこだわりがあるのがわかる。それにみんなお揃いの黒いブーツ……

 

曜「これが、μ'sの衣装……」

 

「僕らのLIVE 君とのLIFE」って曲で使われた衣装なのだそう。

なんだろう……今度は声が出ない……

目の前にある9つの衣装に圧倒されてるみたい……

この衣装は他とは違う、何か異質な存在感(オーラ)を発している。

ここには私と目の前の9つの衣装しか存在しないのでは?と錯覚してしまう。

大袈裟じゃなく、ほんとに吸い込まれてしまいそうなほど、私はこの衣装に見入ってしまった。

 

孝「……ゃん……ちゃん……よーうーちゃん!ボケーッとしてどしたの?」

 

曜「へっ……?あ、孝宏くん、千歌ちゃん」

 

肩をポンっと叩かれて現実に連れ戻された。

 

千「大丈夫?千歌たちが見つけてからずっとここでぼけーっと立ち尽くしてたから心配しちゃった……」

 

あら、思いのほか長いことここに突っ立っていたみたいだ。

そんなとこを見られたとするとちょっと恥ずかしいというか、なんというか……

 

曜「へ、平気だよ!ちょっとこの衣装に見入っちゃって……」

 

孝「ん、この衣装か…………えっ、これ……「ぼららら」の衣装?!こ、こんな所で出会えるなんて……!!なんという奇跡!!こんな神衣装をこんな間近で見られるなんて!!うっは、やっばい!テンション上がってきたぁ!!ちょ、これまじで写真とか……」

 

あ、これ孝宏くん止められないやつだ……

 

店「お客様、もう少しお静かにしていただけますでしょうか……それとこの展示会では撮影を禁止しておりますので、カメラ等の使用はお控え下さいませ……」

 

孝「あっ……す、すみません……」

 

曜&千「「ププッ……!!」」

 

一瞬で見事に止められたんですけど?!

 

孝「……笑わないでよ……///」

 

静かにしないとだから吹き出す訳にはいかない……

でも……面白すぎる……!ププッ……!

 

孝「ほ、ほら!早くドームに戻ろうよ、まだ色々と見なきゃ行けないところもあるんだし……っていつまで笑ってんの……///」

 

曜「ご……ごめんごめん……い、行こっか……千歌ちゃんも……ププッ……!」

 

千「そ……そうだね……行かなきゃね……ププッ……!」

 

申し訳ないけど恥ずかしさで顔を赤らめる孝宏くんが面白すぎて……

 

孝「もー!!!早く行こうよー!!!」

 

店「お客様……お静かに……」

 

また言われてるし……ププッ……!

 

 

曜side off

 

 


 

 

孝宏side

 

 

時刻は15時55分。

ラブライブ!決勝は16時から開始だ。

そして今俺たちはアキバドームから離れ、かの有名なスクールアイドル……と言っても、今や日本を代表するプロのアイドル「A-RISE」の出身校である「UTX高校」の巨大スクリーン前に来ている。

ラブライブ!開催にあたって、ここの巨大スクリーン前ではチケットや入場制限などなしに誰でも見られるライブビューイングが行われている。ただし家虎や光害などは問答無用で追放、厳重な罰則が待っているらしい……

最近はこういった人たちへの制限が厳しくなったもんだ……

ところで俺はこの学校を「UTX高校」って呼んでるけど、人によっては「UTX学院」とか「UTX学園」みたいな呼び名があるらしくって、定まってないんだよね。

……まぁ、今はそれに関してはどうでもいいんだけど……

 

千「おっきい画面だねぇ……家のテレビの何倍だろ?」

 

孝「そうだねぇ……10倍以上、かな……」

 

千「ん……?いやぁ、千歌の家のテレビは安物だから、もうちょっと、いやもっともっとお高いと思うんだよね……」

 

孝「ん、値段の話なの?!」

 

曜「文脈がおかしすぎるよ……会話が高次元だよ……」

 

高海千歌、別名を「内浦の機関銃的会話(マシンガントーク)蜜柑娘(オレンジガール)」という……

 

曜「それ、絶対今適当に考えたでしょ?」

 

孝「……また心詠んだの?」

 

曜「んーん、若干声にでてたから……さすがにそれを詠めたらすごいでしょ〜。幼なじみのレベルじゃないよ」

 

……曜ちゃんなら詠めそうな気がするんだよなぁ、なんて。

つーか今回の場合マシンガントークではないな……

 

曜「あっ、ほら孝宏くん、始まるっぽいよ!」

 

孝「おっ、ついに来たか……」

 

 

********************

 

 

あっ、司会の人はやっぱりはっちゃけてる人なんだ!

相も変わらずはっちゃけてるなぁ〜……

 

司会『みなさーん!はっちゃけてるかーい?!?!おーまたせしましたァー!これより!ラブライブ!決勝大会を開催いたしまァーす!!……まずこの決勝大会の先陣を切るのはこのグループ!「Love Synergy」の3人でーす!曲は「Magical Star!」!それでは、どうぞー!!!』

 

一気に盛り上がる会場。それはこのライブビューイング会場も同じで、辺りが先ほどと一変してサイリウムの光で明るくなった。

 

曜「わっ、すごい光!まるで光の海だね……」

 

千「なんか曜ちゃん、そのセリフどこかポエミィだねぇ〜、えーっと……え、えもいぞ!」

 

曜「え?え、えもいかなぁ?えもみある??」

 

千「あるある!めっちゃえもみ深い!」

 

※「エモい…英語の「emotional」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本語の形容詞。感情が揺さぶられたときや、気持ちをストレートに表現できないとき、「哀愁を帯びた様」などに用いられる」

From Wikipedia

 

……とまぁ、wikiのニキに説明してもらいましたとさ。

あれ、なんか今思ったけど、今回のお話Wikipediaの説明しか未だまともな文章でてない気がするなぁ……(ァ!!)

それにしても、この子達はほんとにすぐ流行りに乗りたがる……

東京でももうそんな流行りってレベルのものじゃないと思うんだけど……

 

千「ねぇ孝宏くん、このグループはどの都道府県のスクールアイドルなの?」

 

孝「んー、「Love Synergy」は山形県のスクールアイドルだよ。衣装がいつも地元特産品をイメージしてるものが多くて、まさに「地元愛♡満タン☆」略して「じもあい」なグループなんだよ!」

 

曜「へぇ〜……満タン☆の部分はどこに行ったの?」

 

孝「君のような勘のいい曜ちゃんは、嫌いになる訳が無いけどテンプレに則って言うと嫌いだよ」

 

曜「テンプレってなに?!もしかして孝宏くん今日はボケ役なの?!私ツッコミ役?!」

 

なんてわちゃわちゃしてるうちにLove Synergyのパフォーマンスは終わった。

やっぱりさすが全国レベル、ダンスの振り一つ一つのキレとスピードが違うし、歌声も伸びのある力強いものだ。何より誰も笑顔を絶やすことの無いパフォーマンス……相当な体力が必要だよ。

第一回ラブライブ!の時より格段にレベルの平均値が上がってる。

 

千「すごいねぇ、まだひとつのグループしか見てないけど、スクールアイドルが人気な理由がわかった気がする!」

 

孝「ほんと!?それは嬉しいなぁ!」

 

千「うん!だってみんな、キラキラ輝いてる!自分たちでしか表現出来ない輝きを、思う存分パフォーマンスで表してる……素敵だなぁ♪」

 

曜「おおっ、千歌ちゃんもえもいね!」

 

千「うんうん!えもえものえもだね!(`-ω-´)✧」

 

だからエモエモはもう十分だから……

語彙の喪失激しすぎるでしょ……

 

曜「あっ、そういえば孝宏くんが目当てにしてるグループっていつ出てくるの?」

 

孝「あれ、言ってなかったっけ?音ノ木坂学院発の伝説のスクールアイドル「μ's」とUTX高校発の今や国民的アイドル「A-RISE」の二つのグループがゲストとして来るんだよ」

 

曜「えっ、そんなすごいグループが今日来るの?!」

 

千「そりゃあ……こう、なるよね……」

 

千歌ちゃんはそう言うなり辺りを見回した。

サイリウムの光、華やかな法被、時々巻き起こる大きな歓声……

みんなμ'sとA-RISEが来るのわかってて見に来ているんだ。

もちろんそれは俺も同じ。ぜひ2人にμ'sとA-RISEの素晴らしさを見てもらいたくて、今回フリーライブビューイングに参戦したんだ。

 

 

********************

 

 

司会「お待たせしました〜っ!それでは皆さんお待ちかね!この2グループに登場してもらいましょう!」

 

孝「ついに来たか……」

 

曜「どんな人達なんだろう……?」

 

千「オーラとか凄いんだろうなぁ……画面越しだけど」

 

司「まずは、第1回ラブライブ!優勝……その後も数々のイベントで上位を独占。今や日本を代表する国民的アイドルにまで上り詰めた、「スクールアイドルの祖」……伝説の3人組スクールアイドル、「A-RISE」だーっ!!!」

 

オ!!!

 

孝「すっ、すげぇ……」

 

千「なんて歓声……」

 

曜「名前を呼んだだけでここまで熱狂するなんて……」

 

思わず息を呑んだ。

その姿を見た時は時間がゆっくりに感じた。

そんなわけあるかいな阿呆って言われるかもだけど、彼女達の一挙手一投足はとてもしなやかで麗しく、無駄のない動きだった。

その動きに引き込まれるかのように俺は見入ってしまった。

無論、声も出ず、動くことも出来ず、ただ見つめた。

二人もどうやら同じみたい。

まぁ二人の場合は周囲の歓声に圧倒されてるってのもあるかな。

 

 

********************

 

 

その後のことはよく覚えていない。

確か周りと同じく三人でサイリウム振って、歓声を上げて、とにかくアドレナリンばんばん出てる興奮状態だったと思う。

気がついたら東京駅のホームに立っていた。

別にμ'sもA-RISEも見たことないわけじゃないし、映像なんてDVDが磨り減るほど見た。

だけどやっぱりリアルタイムで動くμ'sを、A-RISEを見ると、どうにかなっちゃいそうな程興奮した。

これはドームで見てたら大変なことになってたかもしれない……

 

千「……千歌、見つけたよ……」

 

曜「えっ……?」

 

千「ドームに集まったあれだけの人だけじゃなくて、ライブビューイングの人達まであんなに興奮させるなんてすごいよ……()()()()には絶対に出来ない……」

 

孝「千歌ちゃん……まさか……!」

 

千「うん、だから()()()()()があれだけの人を興奮させられるように、()()()()ができることをする……」

 

おいおいうそだろ……なんてこった……

 

千「千歌、スクールアイドル始める(輝きを見つけた)よ!」

 

曜「千歌ちゃん……見つけたんだね、輝きを!」

 

千「うん!いつも美渡ねぇになにか始める度に言われるんだ、「どうせいつもの思いつきだろ、すぐ辞めるよ」って……でも今回は違う、絶対に違う。千歌の大切に取っておいてある最高級のみかんを掛けてでも誓える。()()()()()()()()って!」

 

孝「そっか……本気、なんだね?」

 

千「?……うん、もちろん!」

 

孝「スクールアイドルは今や全国でも大勢のグループがある。その中にはプロのアイドルを真似て成功するグループもあれば、まったく伸びずに解散、なんてグループもある……死ぬほど練習して、死ぬほど努力して、死ぬほど全力で駆け抜けた先にあの「ラブライブ!」があるんだよ?絶対にどこかで挫折を味わう……それでも千歌ちゃんは諦めずにスクールアイドルを続けられる……?」

 

千「一度言ったら絶対に曲げないよ!千歌はどんな結果であれ、高校生でいる間はスクールアイドルをやり抜くよ!」

 

孝「よっしゃ!よく言った千歌ちゃん!それじゃあ俺は千歌ちゃんを全力でサポートする!千歌ちゃんがトップスクールアイドルになるために最強のアシスタントをする!」

 

曜「ええっ!孝宏くん協力するの?!」

 

孝「もちろん!千歌ちゃんがこれだけの決意を持って始めるんだから、サポートしてあげなきゃ!」

 

曜「そっかぁ……サポートかぁ……」

 

千「ねぇ曜ちゃん、曜ちゃんもやってみない?スクールアイドル……」

 

曜「えっ?!いや〜、私は可愛くなんてないし、似合わないよ……」

 

ははっ、どっかの誰かに似てらぁ。

これはひとつ、俺からも助言してあげるか……

 

孝「さっき見たμ'sの星空凛さん、あの人も最初はそう言ってたんだよ」

 

曜「えっ?」

 

孝「「凛は可愛くなんてない!髪だって短いし、小学校のころスカート履いて学校行ったら男子に笑われたし……スクールアイドルなんて似合わない!」って……けど、結果的に凛さんはトップスクールアイドルにまで上り詰めた。本当は可愛い格好をしたかったのに躊躇ってた凛さんが、フリフリのスカート履いて踊って、トップスクールアイドル……」

 

曜「でも……」

 

孝「とんでもないシンデレラ・ストーリーだよ。けど、誰にだってシンデレラ・ストーリーを歩むことは出来る。何も凛さんと同じ道を歩けって言ってるわけじゃない。()()()()()()()()()()()()()()()()を突き進めばいい。」

 

曜「……!!」

 

千「曜ちゃん、もう一回言うね。千歌と一緒に、スクールアイドル、始めませんか?」

 

曜「…………うん、わかった。私もやるよ!スクールアイドル!」

 

千&孝「「曜ちゃん……!!」」

 

面白いことになってきた!沼津発のスクールアイドル!グループ名は何にしようか……

 

千「よーっし!帰ったら練習だーっ!」

 

曜「ええっ?!さすがに今日は疲れたよ〜!!!」

 

これから始まる二人のシンデレラ・ストーリー。

きっと誰も予想できない物語。

どう切り開いて歩んで行くかは、二人次第……ってね!

 

 

 

孝「あっ、欲しいもん買うの忘れた……」

 

 

孝宏side off

 

 

 

To be continued……




いかがだったでしょうか?!
無事!「過去編 其ノ壱」完結!!
そして「メタァァァァァァァ!!」の再来!!!
まったくほんとにメタァァァは書くのだる……(殴
痛い!ちょっと!ダルビッシュ有並の体力がいるなぁって言おうとしただけなのになんで殴られたの?!
え?「だる」が平仮名だったからダルビッシュ有じゃないと思ったって?
そういう文面でしか伝わらないやつやめて!
……あ、SSって文面で伝えるやつだ。
成程合点承知之助。
文面で伝えるもんがこんなグダグダじゃあなぁ……
申し訳ないっ!!!。゚(゚´Д`゚)゚。

はーい、というわけで、次回からは一応高校生に戻ります。
えぇ、はい、阿笠のじっちゃんが作った薬飲んで小学生から高校生に戻って蘭姉ちゃんとイチャコラする江戸川○ナンスタイルではありません。
○に当てはまるのは「カ」ではないです、カナンじゃないです。彼女は松浦です。

果「あれ?私じゃなかった?」

果南ちゃんは別に時計型麻酔銃とか変声蝶ネクタイとか持ってないでしょ?それに果南ちゃんは少しおばk……ん゙ん゙っ!少し勉強量が足りてないようだしね!

果「ちょっとたか丸、バカって言いかけたでしょ?お姉さん今だったら怒り度50パーセント以下のお叱りにしてあげるから正直になった方がいいよ?」

果南ちゃんの怒り度100パーセントのお叱りとか見たくないから、僕、正直になります!おばかって言いかけました!!

果「よーし、「激おこかなかな丸 果南Special」やったる!覚悟してよねたか丸……!!」

えっ……かなかな丸ってなんかひぐらしみたいだね……ってか!50パーセントのお叱りで許してくれるんじゃ……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!

果「……ふぅ、それじゃみんな、また次回のお話で会おうね!見に来てくれるの待ってるよ〜♪」

まっ……まってる……よ〜……

果「あれ?足りなかったみたいだね?これ以上はみんなに見せられないからこの辺で!See you next time!」

お叱りってのは絶対に力で訴える物じゃないと思うんだギャアアアアアアアアア!!!!!


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松浦果南は付き合いたい編
逃走者を捕まえろ!


みなさんどーもこにゃにゃちわ、最近美少女五つ子の家庭教師の仕事を探しているたか丸です。

え?そもそも学力足りてないんだから教えられないだろって?
やかましいですわ!!!

でもそろそろバイトしないと大学生やっていけないですよ〜笑

はっ!まさかみとしーでバイトしたら、うちっちーの中の曜ちゃんとかAqoursのメンバーに出会えるのでは?!

え?そもそもお財布の中身スッカスカなんだから静岡まで行けるわけないだろって?
やかましいですわ!!!(デジャヴ)

えー、大変お見苦しいところをお見せしてしまいました。お詫び申し上げます……


あっ、そうだ本題に入らねば!
今回のお話は曜ちゃんと孝宏のイチャコラ回という訳ではありません
少しばかり果南ちゃんにフィーチャーしたお話になっております
なんで果南ちゃん?そうおもったそこのあなた!あなたですよあなた!ゔぁなーたですよ!
見ればわかる、本編読めば分かるやんやん、ですよ笑


それでは!今回もお楽しみください!
せーのっ、ヨーソロー!


?side

 

 

?「はぁ……はぁ……はぁ……くっ、ここまで来ればきっと……」

 

薄暗い建物の裏側に逃げてきた私。

でもバレるのも時間の問題かもしれない……

 

?「いた!あそこよ!!」

 

?「ッ!ま、まずい!!!」

 

こんなすぐにバレるなんて……

まさか、行動を読まれていた……?

 

?「前方ちゅーーーいっ!ずらっ!」

 

?「へっ?うわあっ!?!?」

 

?「捕まえたずらーっ!!」

 

不覚……こんな簡単に捕まってしまうとは……

こういう時の花丸ちゃんは、なんでか知らないけどめちゃくちゃ強い……

 

ル「花丸ちゃんしゅごい!よく千歌ちゃんを捕まえたね!」

 

花「体力では絶対に敵わないけど、千歌ちゃんの行動パターンは読みやすいから、先回りすれば簡単に捕まえられるずら!」

 

千「ちぇ〜、逃げ切れると思ったんだけどなぁ〜……」

 

花「ふっふっふ、甘いずらよ千歌ちゃん!……あっ、善子ちゃん!千歌ちゃんは捕まえたずら♪」

 

よし(ヨハネ!)ヨ「ヨハネよっ!ふっ、やるじゃないずら丸。さすが私のリトルデーモンね……って、他の子たちは?」

 

ル「うゆ、お姉ちゃんと梨子ちゃんはすぐ捕まえられたよ!特に梨子ちゃんは曜ちゃんの指示通り、()()()()を置いておいたらびっくりするほど簡単に……」

 

梨子ちゃん……何してるのもう……

どうせその薄めの本って「カベドゥゥゥン」とか「カベクウィ〜〜〜」とかいう本でしょ?

まったくどうしようもないなぁ……

みかん置いてあっても千歌はつられないぞっ!

…………多分。

 

花「けど、果南ちゃんと鞠莉ちゃんは足が速すぎるから捕まえられないんだ……」

 

うん、さすが果南ちゃんと鞠莉ちゃん!Aqoursが誇る体力オバケ2人組!

果南ちゃんは知ってたけど、鞠莉ちゃんが果南ちゃんと張るぐらい体力あるとは30分前まで知らなかった……

まぁ、前に1年生と3年生が仲良くなるためにドッジボールをして善子ちゃんに聖痕(スティグマ)?を付けたぐらいだし、鞠莉ちゃんも運動は得意だよね。

 

ヨ「クックック……ならばこのヨハネの出番みたいね……ずら丸、リトルデーモンヨーソロー()とリトルデーモンダンタリオン(孝宏)を呼びなさい。ここからはこの私、ヨハネが指揮を執るわ……」

 

花「おおっ、善子ちゃんがすごいやる気ずら……」

 

ル「しゅごい……」

 

ヨ「だから!私はヨハネよっ!」

 

あ、今更だけど、私たちAqoursは今、浦の星の校舎を使って「Run for ''NoppoPan'' 逃○中」をやってるんだ〜

題名の通り、のっぽパンのために走る!

「これはのっぽパンを掛けた、少女達の熱い熱いバトルなのである!」ってさっき鞠莉ちゃんが高々と宣言してたんだよね。

なんという花丸ちゃんが1番頑張れそうな戦いなんだろう……

 

あ、ちなみにチーム分けは

 

逃走者:千歌、梨子ちゃん、果南ちゃん、ダイヤさん、鞠莉ちゃん

ハンター:曜ちゃん、善子ちゃん、花丸ちゃん、ルビィちゃん、孝宏くん

 

いや〜、孝宏くんいて助かったよ〜

ちょうど5vs5になってやりやすくなった!

 

あ、さらにちなみに、なんでこんなことしてるのかと言うと……

 

 

 

――1時間前――

 

 

鞠「ねぇかなーん、アップでいつも淡島神社の階段とか学校の外周を走ったりしてるけど、なんか飽きてこない〜?」

 

果「えっ、そうかな〜?私は楽しいよ!淡島神社からの眺めは良いし、学校の周りもめっちゃのどかで走ってて気持ちいいし!」

 

鞠「あー……果南はそういう子だったわね……あっ、千歌ぁぁぁっち!!!」

 

千「うにゃあ?!な、なになに?急にどしたの鞠莉ちゃん?!」

 

びっくりしたー、急に鞠莉ちゃんが呼ぶもんだから変な声でちゃったよぅ……

 

鞠「千歌っち!鬼ごっこしよう!!」

 

千「はぇ?」

 

鞠「だーかーらー、鬼ごっこ!しよ!」

 

千「……なんでぇ?」

 

うーん、まったく意図が読めない……

なんで鬼ごっこ?これから部活なのに?

 

鞠「アップでランニングするより、何か掛けてみんなで鬼ごっこした方が、より効率的に体を温められるんじゃないかなって!何よりその方が燃えるわ……」

 

千「おおっ、鞠莉ちゃんがアツい……燃える女だね!うん、楽しそう!千歌は賛成だよ!それじゃあ千歌、みんなにも声掛けてくるねー!

 

果「あっ、ちょっと千歌!……ってものすごいスピードで行っちゃったよ……」

 

鞠「ふふっ、千歌っちは元気な子ね♪」

 

 

――現在――

 

 

そんなわけで、いま鬼ごっこをしながらアップをしてるというわけなのだ!

タイムリミットはあと20分。

果南ちゃんと鞠莉ちゃん、捕まらないでよ〜っ!

 

おっと、話しちゃいられない……

隙を見てこの2人から逃げないと……

特に捕まったからといって逃げちゃダメなわけじゃないし!

 

花「……これでよしっ!」

 

千「……ふぇ?」

 

ヨ「千歌が逃げないように縄で縛らせてもらったわ。このまま牢屋(理事長室)に行くわよ」

 

千「そんなぁ〜!!!」

 

ああっ、千歌の思惑は1年生3人に簡単に詠まれていたんだね……

行動だけじゃなく思考まで……

孝宏くんのこと馬鹿にできないや〜……

 

千「……ってか、理事長室を牢屋に使うってどうなの〜?!」

 

 

千歌side off

 

 

 

曜side

 

 

曜「あっ、電話……花丸ちゃんからだ……もしもーし……うん、一緒だよ〜」

 

孝「んー、見事に誰もいないなぁ……もしかしてみんな捕まえたのかな?」

 

曜「善子ちゃんが?……え、なんでこのボリュームで聞こえたの?……あー、あっはは、適当に流しておいてー……うん、わかった!じゃあすぐ行くね!…………孝宏くん、正門に1年生が3人いるみたい。善子ちゃんが指揮を執るっぽいから集まって欲しいんだってさ!」

 

孝「ヨハネっちが指揮を?うーん、不安だ……まぁとりあえず行きますか」

 

曜「ヨハネっちって一体なに……?」

 

私と孝宏くんは共に行動していて、相手を挟み撃ちにしよう作戦をしているであります!

さっきはダイヤさんを挟み撃ちして捕まえたんだけど、果南ちゃんには驚きの高速フェイントをかけられて逃してしまった……

 

花丸ちゃんによると、私の指示通りにやってくれたみたいで梨子ちゃんは瞬殺だったみたい。千歌ちゃんは私たちと同じ作戦で捕らえたらしいから、あとは俊足ツートップ(果南ちゃん・鞠莉ちゃん)だけ!

残り時間は……あと15分か……

 

孝「あっ、おーい!''ずら・ヨハ・ピギ''3人衆〜」

 

「「「その呼び方やめいっ!!!」」」

 

曜「あっはは、息ぴったりだ♪」

 

ヨ「まったく……それより、果南と鞠莉の2人をどう捕まえるか、私に作戦があるの♪」

 

孝「よぴこちゃんやる気だね」

 

ヨ「よぴこ言うな!ってかよぴこって何よ!」

 

さっきはヨハネっちだったのに、今度はよぴこなんだ……

善子ちゃんあだ名多すぎない?

 

ヨ「いい?まず鞠莉よりも果南よ。果南はダイヤとか鞠莉に比べて頭は良くないわ。だからきっと単純なトラップに引っかかると思うの。……曜!果南の好きな食べ物は?」

 

ん〜?果南ちゃんの好きな食べ物……

 

曜「……はっ、海鮮系!確かプロフにサザエとかワカメが好きって書いてあった気がする……」

 

ヨ「その通りよ!そんなわけで昨日鞠莉がシャイ煮を作った時に残った海鮮系の食材が偶然部室のクーラーボックスの中にあったからそれを使うわ!」

 

ル「ピギッ!?そ、そのサザ○さんとか使って大丈夫なのかな?衛生面と鞠莉ちゃん的に……」

 

孝「多分平気だと思うけど……あ、でも、サ○エさん呼びはアウトだよルビィちゃん」

 

って孝宏くんも言っちゃってるし……

 

花「っていうかなんで鞠莉ちゃんはシャイ煮そんなホイホイ作れるずら?一杯10万円するずらよ?謎ずら……」

 

曜「まぁ、淡島ホテルを経営してて、その上浦の星の運営にも携わっている家の娘だからね。高級食材なんかいくらでもあるんじゃないかな?」

 

もしここに果南ちゃんがいたら、「これだから金持ちは……」って絶対に言ってたと思う……

 

ヨ「と!に!か!く!この食材たちを備品室にある七輪で焼いて果南をおびき寄せるわ!あ、焼く人はコスプレしてバレないようにするのよ!」

 

果南ちゃん、そんなものに引っかかるほどバカじゃないと思うんだけどなぁ……

 

花「誰が焼くずら?」

 

ル「この中で1番料理上手なのは……」

 

ヨ「曜か孝宏のどっちかね……」

 

孝「あっ、なら任せて!変装して声も変えれば果南ちゃんにはバレないはずだから!」

 

曜「確かに……孝宏くん声変えるの得意だよね?かわいい女の子っぽい声からしゃがれたおじいさんの声まで出来るもんね!」

 

孝「密かに練習してる特技でもあるのだ!」

 

ヨ「よーっし、それなら早速やるわよ!時間もない事だし!」

 

この作戦、失敗する予感がするよ……

いくら果南ちゃんでもさすがにこんなバレバレな作戦に引っかかるわけないって……

 

 

曜side off

 

 

 

孝宏side

 

 

孝「んー、いい具合に焼けてきたな……そろそろいい感じになってきたんだけど……果南ちゃんはいない、か……」

 

浦の星にいる事務員さんにお願いして事務員さんの制服を貸してもらって、絶賛海の幸たちを焼いております。

事務員さんとはよく話す仲で、いろんな悩みを打ち明けたり、恋愛相談なんかもするほどお互いに気を許している間柄なんだ!

めっちゃ話すわけだし、声真似も多少上手くなった。

 

孝「……にしても、こんなところで焼いてたって果南ちゃんが気付くわけ……」

 

果「あっ、そのサザエもういい感じ!焼きすぎちゃうとサザエ本来の美味しさを失っちゃう!」

 

来 ち ゃ っ た

 

孝「あ、ま、松浦さん、こんにちは」

 

ちょっと声が上ずったァァァ!!!

これはまずい、バレた?バレたのかァァァ?!

 

果「……あ、事務員のお兄さんかぁ、こんにちは!海辺じゃなくてどうして学校で浜焼きなんかしてるの〜?」

 

バレてないッッッ!!!

これで気づかないの素晴らしいな!!!

 

孝「えっ、あ、あはは、ちょっと頼まれてね。先生達でこの後集まって軽い宴会をやるから、準備をね……そうだ、ちょっと食材買いすぎちゃったから松浦さん食べる?」

 

果「えっ?いいの?!」

 

孝「もちろん!僕たちじゃ食べすぎちゃうから、食べてくれると助かるよ」

 

果「ひひっ、ラッキー♪お兄さんありがとーっ!……いっただっきまーっす!はむっ……んーっ!美味しーっ!幸せだぁ〜♡」

 

孝「松浦さん、見ててこっちが幸せになるくらい美味しそうに食べるね」

 

果「えへへ……実はサザエ大好きなんだ〜……もう1つ食べてもいい?」

 

孝「へぇ、そうなんだ?うん、もちろん!もっと食べて食べて!」

 

果南ちゃん、本当に幸せそうに頬張るなぁ〜。

これは果南ちゃんをお嫁さんにする人はきっと毎日の食卓が楽しくなるだろうなぁ……

 

そういえばこの間千歌ちゃんたちが話してた果南ちゃんの好きな人って誰なんだろう?

ダイビングショップによく来てる背の高い割とイケメンな男の人って言ってたけど、どんな人なんだか……さかなかなんだか……

 

……っと、なんか果南ちゃんの食事シーン見てほっこりして終わるところだった。

果南ちゃんがこのサザエを食べ終わったら出撃の合図を出さなきゃ!

 

果「ふーっ、美味しかった〜♡」

 

孝「あははっ、いい食べっぷりだったよかな……松浦さん!」

 

果「お兄さんの焼き具合が上手だったからだよ〜!よっし、それじゃあ……」

 

さぁみんな、準備万端か?

満を持してこの掛け声を!!!

 

孝「今だっ!みんな、堕天ッ!!」

 

「「「「うおおおおおおお!!!!」」」」

 

よしっ、作戦通り!

このまま呆気にとられているであろう果南ちゃんを捕まえれば……

 

果「ふふっ……甘いね、()()

 

孝「えっ……」

 

かわされた……?

完全に虚を突いたはず……

なのにどうして……

しかも俺の名前、なんで気づいた……?

 

果「ふふっ、どうしてって顔してるね……実は最初から気づいてたんだ。事務員のお兄さんが孝宏だって」

 

孝「そんな……」

 

変装も声真似も完璧だったはず……

なのにどうして……

 

花「そんな悠長に話している暇はないずら。はい、確保ずら!」

 

果「あっ」

 

ヨ「よくやったわずら丸!漆黒の闇に染まりし虚空に囚われていた憐れな人間を現実に引き戻すのと同時に、天の鎖(エレキドゥ)でその身を束縛せしめるとは……」

 

え、エレキドゥってギルガメッシュがどうとかのなにかだよね?

堕天使関係なくない?

 

曜「つまり要約すると、隙をついて果南ちゃんを捕まえてすぐに縄で縛るなんて花丸ちゃんすごい!ってことだよね……」

 

果「これは予測してなかったな……やるじゃんマル♪」

 

ル「花丸ちゃんしゅごい!」

 

孝「っていうか、果南ちゃん!どうしてわかったの?!」

 

果「よっぽど変装と声真似を見破られたのが悔しいんだね……教えてあげるよ。事務員のお兄さん、私の事を()()()()()()()()()()()()()からね。それに孝宏よりもう少し背が高いよ」

 

松浦さんなんてもう呼ばない……?

だって彼と果南ちゃんはそんなに深い関わりなんてないはず……

 

いや、まさか……

 

瞬間、俺の中で全てが繋がった。

果南ちゃんのことを松浦さんと呼ばない。

背が俺よりも高い。

話していて果南ちゃんも初対面な感じではなかった。

……まぁそれは、相手が俺だと分かっていたからなのかもしれないけど……

 

でも、なんとなーくわかったよ。

ちょっとカマかけてみますか……

 

孝「なるほど……果南ちゃんが恋してるのは事務員さんなんだね……」

 

果「なっ?!なんでそれを……///」

 

あっ、やっぱり……

 

?「それは本当なの果南?!?!」

 

曜「鞠莉ちゃん?!」

 

果「鞠莉?!どうしてここに?!」

 

鞠「果南、あの事務員のことが好きっていうのは本当のことなの?!好きな男が出来たっていうのは知ってたけど、まさか浦の星の職員だったなんて……」

 

果「いや、それは……///」

 

ヨ「クックック……かのアルテミス(貞潔の女神)が穿つ純心を貫く矢(Heart Break Arrow)に射止められてしまったようね、鞠莉。貴女も天の鎖(エレキドゥ)で縛らせてもらったわ……」

 

鞠「What?……Oh my god……」

 

ル「善子ちゃんしゅごい!これでルビィたちの勝ちだね!」

 

曜「果南ちゃんを捕まえる作戦で鞠莉ちゃんまで捕まえられるとは!」

 

孝「アホな作戦だと思ってたけどこんな結末になるなんて……」

 

ヨ「アホな作戦言うなっ!ここまで計算してあの作戦を決行したのよ……」

 

花「絶対鞠莉ちゃんを捕まえられたのはたまたまずら……それよりのっぽパンずら!!!」

 

鞠「Sorry 果南、果南のことだったからいてもたってもいられなかったわ……」

 

果「ううん、そこまで想ってくれて嬉しいよ。ありがとう鞠莉♪」

 

これが噂に聞く「かなまり」か……非常によき、尊みが深い……

 

……なんか梨子ちゃんみたいになってきた、どうしよ。

 

花「それじゃあ、理事長室に行くずら〜っ!」

 

 

********************

 

 

「「「浦の星の事務員さんのことが好きぃ〜?!」」」

 

果「ちょっ、ダイヤ、千歌、梨子ちゃんまで!そんな大きな声出さないでよ〜!」

 

花「聞いた時は本当にびっくりしたずら。まさかこの学校の事務員さんがダイビングショップによく通っている人で、果南ちゃんの想い人だったとは……」

 

梨「ホシは意外と近くにいたのね……」

 

千「ホシってなーに?」

 

孝「探偵とかが犯人を指すときに使う隠語だと思うけど……」

 

曜「それでそれで!今その事務員さんのこと、なんて呼んでるの??」

 

果「いやっ、別にそれは……」

 

孝「果南ちゃんは大体呼び捨てか、ちゃん付けで呼ぶよね。男に対してちゃん付けは無いだろうし、(かおる)って呼んでるんじゃない?」

 

果「…………ぶっぶーですわ……///

 

曜「孝宏くん、果南ちゃんって昔から嘘をつく時は、小声で本当のことと逆のことを言うよね」

 

孝「そうそう、そうなんだよねぇ〜……ってイダダダッ!果南ちゃん!無言でヘッドロックしないでぇ〜!!」

 

えっ、力強っ!!!

ちょっ、無理無理抜け出せない!!!

 

ダ「ズバリ!何がきっかけで恋に落ちたんですの?」

 

果「ええ?なんか恥ずかしいよ……///」

 

ヨ「もったいぶらないで教えなさいよっ!」

 

果「うぅ〜……さ、最初はこの学校の事務員ってことは知らなかったんだ。ただお客さんとして来て、レクチャーして、楽しんで帰ってもらって……それを繰り返していくうちに彼の仕草や言動、時折見せる笑顔なんかにどんどん惹かれていって……///」

 

花「なんか聞いてるこっちが恥ずかしくなってきたずら……」

 

ル「でも、素敵な恋の落ち方だね!」

 

ヨ「まさにFall in Love!」

 

梨「そのまんまね……」

 

孝「は、早くヘッドロック解いてください……」

 

理事長室に着くやいなや、千歌ちゃんたち3人の落胆する声が響いたけど、その直後に顔を真っ赤にした果南ちゃんを見て何事か!ってなってたから、事情を説明したら……ご覧の通り質問攻めによって果南ちゃんの顔はさらに真っ赤に……っていう状況。

 

果南ちゃんが恋してるのは浦の星の事務員、佐々木薫。

今年から浦の星の事務員として赴任している。

高身長、端正な顔立ち、優しい人柄から女子生徒からの支持率が非常に高い。

先生じゃなくて事務員さんにみんなお熱って学校じゃなかなかないよね……

でも、先生と禁断の恋をするよりはぜんぜんオッケーなの……かな?

 

まあご存知の通り、果南ちゃんは色恋沙汰にはまったく興味を示さないサバサバ系女子だから、どんな人が赴任してこようとまったく興味ナシだったわけで……

 

そんな薫くんは赴任したての春、たまたま俺の目の前で荷物ガシャーしてズッコケたもんだから、介抱してあげたんだよね。

そこからちょくちょく会う度に話したりして、仲良くなっていった。

 

あ、そういえば!最近できた趣味がダイビングって言ってた!

ダイビングってところで気がつくべきだった……

俺に海の中はあーだこーだって楽しそうに目を輝かせて話してたっけ……

教えてくれる人は美人さんで、優しくて、最初はただただ潜るためだけで店に行ってたけど、最近はその子とお話するために潜りに行ってるのかもしれないって……

 

…………ん?それってもしかして……

 

鞠「もしかしたら彼も、グラーマラスボディーで美人で優しい果南のこと、好きなのかもしれないわね〜♪」

 

果「そんなことない……だって薫は私より大人だし、女の子からの人気も高いし、それなのにわざわざ私のことを好きになるなんてありえないよ……」

 

孝「ねね、曜ちゃん曜ちゃん!

 

曜「ん?どうしたでありますか?

 

孝「果南ちゃんあんなこと言ってるけど、実は薫くんが(カクカクシカジカ 四角いムーヴ CONTE新登場 ダイハツから)って言ってたんだよね

※実際の発言とは異なります

 

曜「えっ!それってまさか果南ちゃんに脈アリってこと?!

 

孝「ちょっ、シーッ!果南ちゃんにバレちゃう!

 

曜「あっ、ごめんごめん……って、なんで果南ちゃんにバレちゃダメなの?

 

孝「そりゃあだってほら、この前曜ちゃんの誕生日のとき、曜ちゃんの気持ち知っておきながら、わざと俺が曜ちゃんにしようとしてること言わずに面白がってたでしょ?だからちょっとその仕返しをば……

 

(詳しくは「渡辺曜生誕祝賀祭2019 前編」を読んでね!)

 

曜「なるほど〜、孝宏くんもワルいオトコですなぁ〜……よっしゃ!曜ちゃんもその作戦ノっちゃうであります!

 

孝「よしきた!さすがは我が彼女曜ちゃん!話のわかるオンナですなぁ〜

 

曜「えへへっ、期待に添えて何よりであります!

 

ここで1つ、曜ちゃんとの密約を交わした――

 

 

果「……ねぇ、孝宏、曜」

 

孝「ん?どしたの果南ちゃん?」

 

曜「顔まだ真っ赤だね……」

 

果「それはいいのっ!///」

 

曜「わっはぁ、怒った〜!」

 

孝「こらこら、刺激しないの〜!……それで果南ちゃん、何かあったの?」

 

(-ε´-。)ブーってほっぺたを可愛く膨らませて拗ねた曜ちゃんは、めちゃめちゃいじりたいけど今は一旦放っておいてと……

 

果「あ、うん……えっと……2人はさ、どうやって付き合い始めたの……?」

 

孝&曜「「え」」

 

果「どっちが告白した……とか、好きになったきっかけ……とか、何かない……?」

 

孝&曜「「え」」

 

梨「あっ、それ私も知りたい!こっちに来た時は既に2人は付き合ってたんだもんね!どうやって2人の関係が始まったのか気になる♪」

 

ル「る、ルビィも知りたい!」

 

花「マルも興味あるずら!」

 

あ、あらら〜?これってもしかして言わなきゃいけないパターンですかね?

 

っていうか、果南ちゃんの知りたいことは、俺たちの馴れ初めであったり、告白のあのなんとも言えない緊迫感であったりを、ここで「ぶっちゃけトーク」するってことですかねぇ……

 

マジで言ってんのか果南ちゃん……

恥ずかしいったらありゃしないで?

あーほら!曜ちゃんなんて果南ちゃんと同じくらい顔真っ赤になっちゃったじゃないの!

どうしてくれるんですか!うちの曜ちゃん顔真っ赤になってまた一段と可愛くなっちゃってるじゃないですか!

控えめに言って昇天級の可愛さじゃないですか!

 

え……?論点がずれてる……?

いかんいかん、あまりにも可愛いもんでそっちに意識持ってかれちゃった……

 

孝「え、えと……果南ちゃん?どうしてそんなこと聞くんですか……?」

 

曜「そそっ、そうだよ!どうして急にそんな……///」

 

さっき果南ちゃんをからかってた色白な顔が、茹でダコぐらいに真っ赤になっている曜ちゃんは、動揺を隠せない様子で果南ちゃんにつっかかる。

 

すると果南ちゃんは俯き、何か小さく呟いたあと、決心したかの如くこちらを向いてこう言い放った。

 

 

 

果「私、薫に告白するから」

 

 

 

「「「「「「「「「え?!?!」」」」」」」」」

 

 

急展開もいいところだぞ!

もう告白するんですかーっ?!?!

 

 

孝宏side off

 

 

 

To be continued…




いかがだったでしょうか!

勝手に果南ちゃんに想い人を作ってみました!笑
あ、SSって創作だから、勝手に想い人作ったり、恋人作ったり、果てには婚約者なんか作ったりしても平気なのか……(しみじみ)

さておき、果南ちゃんの今後については、次回また描いていけたらと思っております!ヨ-(*>∀・)ゞ-ソロ-

そういえば、途中で出てきたカクシカ、めっちゃ懐かしくないですか?笑
ニコニコ動画にCMまとめがあって見てたら、あのシカの中の人って生瀬勝久さんだったんですね!
どおりでいいお声をしてらっしゃったわけですわ……

ではでは、今回はこの辺で……
次回も楽しみにしていてください!
See you next time!
















カクカクシカジカ……(ボソッ)


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この蒼い海に誓う

みなさんこにゃにゃちわ、控えめに言って5th最高すぎました。お久しぶりです、たか丸です

読者の皆様は現地、またはLV会場に赴かれたでしょうか?
私はDay2に現地で参戦しました
今まで試聴動画とか、ちょっと前に公式が1stを生配信したやつぐらいしかAqoursのライブを見たことがありませんでした
そして遂に行った人生初の生のライブ……
本当に言葉に表せないくらい最高でした
アリーナでの参戦だったのですが、近くに「予測不可能Driving」の時に3年生、「Jump up High!!」の時にGuilty Kiss、その後の会場をただ回る時にCYaRon!、それぞれのトロッコが来て幸せでした
あんちゃん可愛すぎました(*˘︶˘*).。.:*♡ 
次はツアーとラブライブ!フェスですね、全力で当選しに行きます笑


さて今回は前回に引き続き、果南ちゃんのターンです!
あ、バーサーカーソウルは引いてないんで、「うるせぇ!まだ俺のターンは終わっちゃいないぜ!……ドロー!モンスターカード!!」とかいう展開にはならないので悪しからず……

ちなみになんで果南ちゃん回かと言いますと……
……まあ大人の事情ってやつですね(理由:たか丸が続きを書かないとムラムラしちゃうから)

ムラムラ……


んてことでね!早速読んで頂きたいと思います!!
さぁ、今回もお楽しみください!
せーのっ、ヨーソロー!


果南side

 

 

始まりはほんと、びっくり箱みたいな感じだった。

 

薫「あの……イルカと一緒に泳げるって聞いて来たんですけど……」

 

果「……イルカ?」

 

薫「はい、イルカです」

 

ほんとに焦った。この人は何を言っているんだろうって思って。

イルカと泳げるなら私も泳ぎたいわっ!って言いたくなっちゃったのは内緒ね♡

 

後で知ったことだけど、とあるサイトでうちのダイビングショップについて書かれていた口コミに、「綺麗な海、たくさんの魚、そして何よりイルカのような美しい泳ぎの女性店員さんが魅力的なダイビングが楽しめる!」っていう風に書かれていたんだよね。

その「イルカのような美しい泳ぎをする女性店員さん」って部分から「イルカ」と「泳ぎ」だけを抜き取って早とちりしちゃったみたい……お茶目だ……可愛い……

 

果「えーっと……そういったサービスは実施していないのですが……」

 

薫「えっ、そうなんですか……」

 

明らかにしょんぼりとした彼を見ていたら、なんとなく励ましてあげたくなった。

そこから彼との関係が始まる。

 

果「せっかくここまで来たんだし、よかったら潜っていきませんか?心が落ち着くし、何より自分の世界に入り込めますよ♪」

 

薫「自分の世界に…………面白そうですね、是非とも体験させていただきたいです」

 

そう言って微笑んだ彼を見て、不覚にもドキッとさせられたのをよく覚えている。

男なんて別に興味ないし、ただのバカでアホでちょっぴりエッチな人しかいないと思ってた。

まあ、うちの父さんがそんな感じの人だからそう思ってたってのもあるんだけどね……

 

彼を連れてボートで沖に出ると、燦々と照りつける太陽に体を焼かれる感じがして、雄大で静かな青い海に早く体を預けたくなった。

ふと彼に視線を向けると、ウエットスーツを着て、酸素ボンベを付けていた。慣れた手つきで準備をこなすあたり、彼はダイビングの経験者なんだと思った。

そんな彼がイルカと泳げると思っていたのだから、もしかしたら海外の海で潜ったことがあるのかもしれないと思わされてしまう。

 

と、なると、さっき私が「自分の世界に入り込めるよ♪」と言った時の彼のあの反応は一体なんだったのだろう?

私を悲しませないための演技?

いや、あの感じからしてそれはない……かな。

彼が一体何を考えてあの反応をしたのかはわからなかったけど、何故か彼のことが途端に気になってしまって頭から離れなくなった。

 

しばらくしてダイビングスポットに着き、彼に不必要かもしれないけど、一応手取り足取り潜り方をレクチャーした。

彼は私の言っていることを、時折相槌を打ちながら真面目に聞いてくれた。

一通り説明が終わり、各自入水前に準備をしている時に、彼はやっぱりイルカがいないのが残念なのか、どこか憂いを帯びた瞳で遠くを見つめていた。

 

果「お兄さん、ごめんね、イルカいなくて……」

 

薫「えっ、あ、いや、大丈夫ですよ。近くにある水族館にイルカがいるみたいですし、そっちにも行ってみようと思っていたところですから」

 

このお兄さんは、「イルカと泳ぐ」のが楽しみだったわけじゃなく、「イルカを見る」のが楽しみだったみたい。

まあでも一緒に泳げたらそれはそれで楽しいんだろうけど♪

 

果「お兄さんはイルカが好きなの?」

 

薫「あ、はい。結構好きです。あの愛らしい鳴き声とか、丸っこい体とか、イルカって魅力がいっぱいだと思うんです!」

 

果「あっはは、そうなんだ?お兄さん、イルカのことになるとアツくなるね♪」

 

薫「す、すいません……止まらなくなっちゃうんです……」

 

なんだか可愛らしい人だ。このお兄さんと話していると、次はどんな楽しいお話ができるんだろうと考えてしまうほど心が踊っていた。

 

不思議だ。お父さんと話している時はこんな感じはなかった。

このお兄さんがカッコいいからなのかな……?

まぁ世間一般から言って、この人の顔立ちは端整極まりなく、所謂(いわゆる)人生勝ち組の顔(イケメン)ってやつ。

私も学校で時々、

 

「果南先輩ってどうしてそんなにかっこいいんですか?!」

 

「果南先輩……ほんとにカッコよくて憧れちゃいます……///」

 

「果南ってばイケメンよね〜、鞠莉が惚れるのも分かるわ〜」

 

「What?!?!どうしてそれを……あっ、ななななんでもないわよ果南!!!///」

 

「まったく果南さんも鞠莉さんも……ぶっぶーですわよ?」

 

最後のは違うな……

って感じで「イケメン」とか「かっこいい」とかはよく言われるんだけど、それとは違うと思うんだよね……

私だって女の子だし、可愛いって言ってもらいたいし……///

……って関係ない関係ない!!

話が逸れちゃった……

 

果「それじゃあ、そろそろ潜ろっか?」

 

薫「はい、「自分の世界に入り込んで」きますね?」

 

果「なっ……///」

 

薫「あははっ、お姉さん()()()ですね……それじゃあ行ってきます」

 

それが、私が初めて同じくらいの歳の異性に言われる「可愛い」だった。

ありえないほどに早まる鼓動。

周りの人に聞こえてしまうかもしれないほど、激しく脈打っている。

静まれ、静まれ、静まれ……!

そう思えば思うほど、心臓はバクバクいって破裂してしまいそうだった。

 

――可愛いですね――

 

果「ずるいよ……///」

 

海の中にいる彼にこの声は届くはずもなく、船を操縦してきたお父さんがにこやかにこちらを見つめるだけだった。

 

そんな彼との出会いだった。

 

 

果南side off

 

 

薫side

 

 

薫「……ってわけなんだ。僕はどうしたらいいんだろう……」

 

孝「なーんだ、勘のいい薫くんなんだしわかると思ったんだけど、わからない?」

 

薫「わ、わかりません……」

 

孝「こんな薫くん見るの初めてだなぁ〜!意外とウブな所あるんだね〜!」

 

そういって孝宏くんはケタケタ笑い始めた。

 

薫「もー、からかわないでくれよ〜!」

 

孝「わははははっ、ごめんごめん!」

 

まったく、孝宏くんに相談した僕が間違いだったと言わざるを得ないなぁ……

渡辺さんっていう彼女がいるわけだし、恋愛経験値は僕よりはるかに上だと思ったから相談したのに……

想像の上っていうより、斜め上から攻めてくる……

なんか僕以上に質問してくるし……

これじゃあどっちが相談をもちかけたのか分からなくなっちゃうよ……

 

孝「じゃあさ薫くん、最後に一つだけ質問してもいいかな?」

 

薫「何回答えればいいの〜?もー……答えやすいのでお願いね……?」

 

孝「あはっ、はいはい……もし果南ちゃんが本当に薫くんのことが好きだとして、それがわかったら薫くんはどうする?」

 

薫「えー?そんなの決まってるよ。相思相愛なんだもん、想いを伝えるよ」

 

そりゃ、誰でもそうだよね?

なんでこんな単純なことを孝宏くんは聞いてきたんだ?

 

孝「あっは、やっぱりそうなんだ!それだけ聞ければじゅーぶん!ありがと薫くん!んじゃまたね〜」

 

薫「えっ?あっ、ちょっと孝宏くん!僕の相談はぁ〜?!?!」

 

孝「だいじょーぶ!もう薫くんの悩みは解決してるはずだよ!勘のいい薫くんならもう分かってるんじゃない?俺ですら分かってるんだしさ!」

 

悩みは解決してる……?

この会話のどこにそんな悩みを解決できるような鍵があったんだろう?

普段は勘がいいはずなんだけど、今回ばかりは分からない……

 

薫「もうちょっとヒントくれよ、孝宏くん……」

 

僕の発した言葉は虚しくも孝宏くんに届くはずがなく、風が攫っていってしまった。

 

 

********************

 

 

孝宏くんへの相談は結局何も意味をなさず、最後の言葉の示すこともわからず、なんとなく始めた校門前の掃除も終わり、なんとも手持ち無沙汰な昼下がり。

こんななんとなくブルーな気持ちになっているからなのか、空も雲ひとつない快晴だ。

ん?気持ちがブルーってことは心が曇ってるって訳だし、そこに因果関係は生まれないなぁ。

それよか気持ちと天気は比例しないでしょ……

なんて、そんな曇っているブルーな心の中で呟いてみる。

 

薫「今日もいい天気だなぁ……」

 

いや……昨日は曇りだし、一昨日は小雨が降っていたな……

それじゃあ、()()()っていうのはおかしいね。

 

薫「はぁ……一人でなに考えてんだか……」

 

?「あれ?薫じゃん、ご機嫌いかが果南?」

 

薫「へっ?あっ、果南ちゃん。こんにちは。んー、曇っててブルー、かな?」

 

果「???」

 

あはは、さっき考えてたことはそりゃあ果南ちゃんには「なんの事だかさっぱりわからん」だろうね。

そんな顔してるもん。

……あっ、「だいぶいい感じ〜」って言えばよかった……

 

果「曇っててブルー、かぁ……やっぱり薫って不思議な人だね」

 

薫「えっ、そ、そうかなぁ?」

 

いきなり不思議な人認定されちゃった!

 

果「そうだよ〜、イルカと泳げるって勘違いしてウチに来たぐらいだしね〜」

 

薫「あっはは、そりゃまた懐かしいね。ちょっと恥ずかしいんだからね?」

 

果「でも、あそこから薫と仲良くできたんだもんね……」

 

そっか、出会いはあそこだったっけ?

イルカと泳ぎたい気持ちで久々のダイビングに行ったのにまさかの勘違い……

でもいざ潜ってみると、隣にいた果南ちゃんの優美な姿に魅了され、その姿はさながらイルカの様だった。

イルカは果南ちゃんだったね♪

 

そんな果南ちゃんともっとお話をしていたい。

水の中を華麗に舞う姿を見ていたい。

この先ずっと隣にいたい。

そう思い始めるのにあまり時間は必要としなかった。

 

果「ねぇ、薫。この後時間ある?ちょっと行きたいところがあるんだ」

 

薫「ん?うん、平気だけど……」

 

今日は昼から仕事が何も無いなんて……

もうちょっと仕事をゆっくりやって時間ギリギリまで仕事がある状態にすればよかった……

ん?今まだお昼だよね?

さっき鳴ったチャイムが昼休み突入のチャイムだから……

 

薫「ねぇ、果南ちゃん。あなたこの後の授業は?まさか……」

 

果「あはは……ダイヤに怒られちゃいそうだけど、やっぱり人生は多少なりともスリリングじゃなきゃね☆」

 

薫「あー、僕は何も聞いてないぞーっと。だから生徒会長にも何も言えないぞーっと」

 

果「よっしゃ!そう来なくっちゃね、薫!」

 

仕事が少なくて暇だったのに、急にものすごい嵐がやってきたみたいだ。

 

状況は嵐に等しいけど、今日はやっぱりいい天気だ。

 

 

薫side off

 

 

 

孝宏side

 

 

果南ちゃんが薫くんに告白すると高らかに告げた翌日である今日。

大変なことが起きていますねぇ……

 

孝「さてさて、この状況をどう見ますか、渡辺さん!高海さん!

 

曜「どうもなにもないよ!果南ちゃんこのまま2人でヨーソローするつもりだよ!///

 

千「絶対にヨーソローするね!千歌のレーダーがそれを()()()()()感じ取っているよ!

 

そういって頭頂部から生えるアホ毛を指さす千歌ちゃん。

随分と便利な代物を持っていらっしゃる……

あとなんだろう……「ひしひしと」っていう千歌ちゃんが、覚えたての法律をすぐに使いたがる小学生に見えた。

 

太郎くん『あー、お前それ「独禁法」だぞ!』

 

一郎くん『独禁法ってなんだよ!』

 

太『「独りでいるの禁止法」だよ』

 

一『お前……』

 

いやいい話につながったのなんでなん?

(ちなみに独禁法とは「独占禁止法」という法律で、企業がある分野の市場を独占して生産·販売することを禁じるものです)

 

花「というか、なんでこそこそ果南ちゃんのことを見てるずら?

 

ル「だって、静かにしてないと果南ちゃんにバレちゃうし……

 

ヨ「はぁ……ずら丸に隠密行動はまだ早いわね……

 

千「それで、鞠莉ちゃんはさっきからどうしたの?なんか「地球〜じゃない〜と〜ころ」を見てるみたい

 

花「AZALEAずら〜!「GALAXY HidE and SeeK」ずら〜!

 

鞠「oh……マリーはその曲好きよ……素敵な曲だもんね……今の果南みたい……

 

孝「え、声ちっさ……ってかなんで果南ちゃん?

 

鞠「幼い頃から関わりのある孝宏ならいいけど……さっきの歌の通り、どこから来たのかもわからない男を果南が「ここだよ」って声を出してしまったから……果南が誰かのものになってしまうなんて……

 

ギャグと取っていいのか本気と取っていいのかわからない発言をされましたな、「かなまり」の鞠莉お嬢様……

 

ダ「確かに鞠莉さんのお気持ちは私にも痛いほど理解できますわ……しかしながら、果南さんは自らあの人を選び、あんなにも想いを寄せているのです。これはもう私たちは手放しで喜んで、祝福してあげるしかないようです

 

鞠「ダイヤ…………そうね、果南は自分の道を歩き出したのよね……

 

小さい頃から仲のいい幼なじみで、この世の誰よりも大好きな親友が、知らない男の人と結ばれるっていうのは確かに苦しいかもしれない……

けど……

 

千「大丈夫だよ鞠莉ちゃん!

 

鞠「千歌っち……?

 

千「果南ちゃんは確かに薫さんと一緒になっちゃうかもしれない……でも、()()()()()()()()()()()っていう果南ちゃんは、ずっと鞠莉ちゃんの中にも、ダイヤさんの中にも残り続ける。そう思っていれば、果南ちゃんの中にも()()()()()()()()()()()っていう鞠莉ちゃんとダイヤさんは残り続けるはずだよ!だから、大丈夫!

 

鞠「……ふふっ、Thank you千歌っち!そうね、私たちの関係は変わらないものね!

 

ダ「千歌さんもいいこと言いますわね♪

 

千「えへへっ♡ダイヤさんに褒められるとなんだかくすぐったいなぁ♡

 

ははっ、言いたいこと全部言われちゃったな……さすがは我らがリーダーみかんさんだ。

 

千「レーダーが作動した!孝宏くん、今、千歌のことなんか変な風に呼んだでしょ……

 

孝「……そのレーダーまじで何?

 

曜「……図星だ

 

あのアホ毛どうなってんの?

生まれた時から埋め込まれてんの?

 

ヨ「ギラン、果南の動きを察知。隠密魔法発動!

 

あっ、果南ちゃんが薫くんとどっかに行くみたい。

校門を……出たね。だから果南ちゃんカバン持ってたのか……

おっと、そこで「学校を抜け出すなんて大いにぶっぶーですわ!!!」って叫びかけてる網元のお嬢様1号を誰か止めておいてくれ。

2号は「果南ちゃん、学校を抜け出して薫さんと二人きりに……うゆ……///」って顔を真っ赤にしてらっしゃる。何を想像してんのよ。

 

曜「うーっ、なんかこっちまでドキドキしてきたよ!もちろんこのまま尾行するんだよね?

 

孝「モチのロン!面白そうだもんね〜……って曜ちゃん、そのお洋服はなんですの?

 

曜ちゃんがバッグから取り出したのは、茶色のチェック柄の羽織物。同じ柄の帽子も頭に乗せて、あら可愛い。

おまけに虫眼鏡なんか取り出した。

 

曜「えっ?尾行調査なんだからやっぱり探偵さんにならないと!どーお?似合ってる?

 

孝「はっはっは、コスプレしたら曜ちゃんの右に出るものはいないでしょ〜。とっても似合ってらっしゃいますよ

 

曜「よ、よよよヨーソロー……///

 

千「あはは、曜ちゃんてば普通に褒められちゃったから照れてる〜♪

 

鞠「Oh! So cuteね、曜!孝宏もこれでメロメロね〜♪

 

孝「かっ、からかうのはやめるずら〜!」

 

花「それマルのセリフずら〜!!」

 

梨「2人とも、そんな大声出したらバレちゃうわよ!

 

果「だ、れ、に、バレるって???」

 

梨「そんなの果南さんに決まってるじゃ……えっ」

 

孝「あれ〜、果南ちゃん!こ、こんな所で会うなんて、き、奇遇だねぇ〜……ご、ご機嫌いかがかなん……?」

 

あ、まって、詰んだわ。

果南ちゃんの目が大変に笑っていらっしゃらない。

ああ、このままあの海にHop?Stop?Nonstop!でJump up High!!してLanding actionしたい人生でした……

 

果「だいぶいい感じーーーっ!!!

 

孝「ホゲーーーッ!!!

 

曜「あちゃ〜……見事に脳天チョップ食らったねぇ……」

 

遠のく意識の中で俺は思った。

 

 

人の告白シーンなんて見に行くもんじゃねぇ……

見るのは恋愛漫画の中だけで十分だ……と。

 

 

 

 

 

 

********************

 

 

 

 

 

 

気が付くと俺は最後に見た景色と違うところにいた。

 

孝「……どこだここ?……ん?」

 

目の前に広がる双丘。

だがそれは自然が作り出したものではなく、人為的に作り上げられた代物だった。

ずっと見ていたらその双丘に自然と手が伸びそうになるが、理性を保とうと必死に堪える。

おや、どうやらその双丘の持ち主が動き始めたようです。

 

曜「……ん?あ、おはよう孝宏くん……♡」

 

孝「あらあら、寝起きで甘えモードですか?おはよ、曜ちゃん」

 

曜「えへへ……今はなんとなく甘えたい気分でありますよ〜♡」

 

何やら目がハートだ。

というか顔が赤いわね……

 

孝「曜ちゃん、顔真っ赤よ?何かあったの?」

 

曜「ん?そーかな?いい気分に浸れたから嬉しくなってるのかも……♡」

 

……まっっったくと言っていいほど何がなんだからわからない!

え、俺が伸びてる間に曜ちゃんに何かヨーソローなことしちゃった感じ?

一体何が……

 

梨「あはは……多分みんな曜ちゃんみたいな感じになっちゃってるよ」

 

孝「梨子ちゃん……どういうこと?」

 

梨「孝宏くんてば果南ちゃんに天誅食らって伸びちゃったじゃない?あの後にいいことがあったの!」

 

孝「いいこと……?それが曜ちゃんを()()してしまったと……」

 

梨「ふふっ、そうよ。私もちょっとそんな感じになってるの♪」

 

一体何が起きたんだろう?

曜ちゃんも梨子ちゃんも、こんな幸せそうな顔してる理由は一体……

 

梨「実はね……」

 

 

孝宏side off

 

 

********************

 

 

梨子side

 

 

果「薫……海、綺麗だね……」

 

薫「そうだねぇ〜、これはあれかな?絶好のダイビング日和ってやつ?」

 

果「あははっ、薫も分かってきたね♪」

 

薫「そりゃあこれだけ長いこと一緒にいれば、ね☆」

 

果「え、なんかちょっとやだ。語尾に星が見えた気がしてすごいやだ……」

 

薫「そこまで……」

 

果「あははっ、ごめんごめん!」

 

なんだか2人ともとってもいい雰囲気です!

私、桜内梨子は絶賛2人を尾行中です!

私だけじゃなく、Aqoursのみんなも。

孝宏くんは伸びちゃったから、保健室に搬送しました。

 

孝宏くんが天誅を食らって、Aqoursのみんなは猛ダッシュで果南さんから逃げました。

それはもう、さながら猫ちゃんに追い回されるネズミさんのように。

見事逃げ切った私たちは、しばらくしてから再び同じ場所に集まって、果南さんの尾行を開始することに。

思ったほど遠くに行っていなかったから見つけるのは簡単でした。

 

今来ているのは内浦の海岸沿い。

手を繋ぐわけでもなく、ただ二人きりでお話しながら仲良く歩いてるって感じ。

 

果「そういえば、最近あんまりウチにこないね。何かあった?」

 

薫「いや〜、あっはは、恥ずかしい話なんだけどね……実はこの間仕事中に足首をグネっちゃって、歩く分にはもう全然大丈夫なんだけど、完治してるわけじゃないから、お医者さんから運動を控えるように言われちゃってね……」

 

果「えっ、そうだったの?!それならそうと言ってよ〜!……来てくれなくて……寂しかったんだから……///

 

薫「果南ちゃん……」

 

なになに?何を言ってるかよく聞こえないけど、果南さんの顔が真っ赤よ?!

薫さんは何を言ったの?!

 

千「おっほほ〜!なんだかいい雰囲気だねぇ!果南ちゃんの顔も真っ赤っかだ〜♪

 

曜「あの果南ちゃんに何の気なしに真っ赤な顔をさせるなんて……薫さんは凄いなぁ……

 

ダ「果南さんが……果南さんが乙女の顔をしてらっしゃいますわ……わたくし、わたくし、それだけで嬉しいですわ……

 

ル「お、お姉ちゃん!涙を、涙をふいて……

 

鞠「果南……いい顔をするようになったじゃない……私たちに見せる顔とは違うもの……素敵だわ……♡

 

みんながみんな、いままで見たことのない思いっきり女の子してる果南ちゃんへの感想を述べています。

私もあんな女の子らしい、妹っぽくて可愛い果南さん、初めて見ました。

普段はお姉さんって感じでカッコいいからなんだか新鮮です。

 

薫「……ねぇ果南ちゃん。聞いてもらいたいことがあるんだ。いいかな?」

 

果「えっ……う、うん」

 

まっ、まさかの薫さんからの?!?!

 

 

 

――僕ね、この学校に勤める前は東京の音ノ木坂学院ってところに勤めていたんだ。桜内さんがこっちに来る前に通ってた学校なんだけど、そこはスクールアイドルで一躍有名になったんだ。知ってるよね?μ's。彼女達の輝きを見たからこそ今の僕があると思ってる。

でも彼女達の活動は、光陰矢の如し、本当に限られた短い時間だったんだ。

もうあんな輝きは見られない。そう思っていた。

けど見られた。浦の星学院に来て、μ'sのような輝きを放つ9人を。

奇跡だと思った。もう二度と見られないと思っていた輝きが、目の前にある。

初めてAqoursを見た時は知らぬ間に涙を流していたんだ。

嬉しかった。μ'sが残していったことを受け継いで行っているかのような気がして、本当に嬉しかった。

明るい曲が多くて元気になれるし、メンバー1人1人は個性的で楽しい。

しかもそのメンバーの中には、ダイビングショップにいた女の子がいるときた。

あの優美な泳ぎを見せる子が、あんなに激しいダンスを踊って、キラキラ輝いている。

瞬間、僕は果南ちゃんの「トリコビト」になってしまったみたいだった。

それから自分の果南ちゃんに対する想いがどんなものなのか分かるのに時間なんて必要なかった。

そう、簡単なことだもの――

 

 

 

果「薫……?」

 

そういった薫さんは大きく息を吸い込み、果南ちゃんに向き合った。

その眼は強い決意と想いで溢れているようだった。

 

 

 

薫「果南ちゃん、僕は君のことが好きだ。僕と付き合って欲しい」

 

 

 

 

果「かお、る……///」

 

 

 

果南さんがまた見せた、私たちの知らない顔。

間違いなくこの瞬間、世界中の誰よりも幸せな人は果南さんだろう。

きっと薫さんだけじゃなく、Aqoursのみんなも、あの果南さんの顔を忘れることはないと思う。

 

 

 

果「……はい、こちらこそ、よろこんで……!」

 

 

 

そう言った果南さんはボロボロと涙を流し、薫さんに抱きついた。

それを受け止めるように、薫さんは優しく果南さんの背中に手を回した。

 

千「がなんぢゃん、よがっだねぇ〜!ちがもうれじいよぉ〜!

 

曜「千歌ちゃん泣きすぎだよ〜……がなんちゃん、おめでどう〜!

 

ダ「果南さん、薫さん、末永くお幸せに……

 

鞠「果南……ずっと大好きよ……薫と幸せになりなさい!

 

幼なじみ'sはそれぞれ想いを述べている。

みんな果南ちゃんに幸せが訪れたことを祝福している。

 

おめでとう果南さん!薫さんとずっと仲良くね!

 

 

 

 

 

 

********************

 

 

 

 

 

 

梨「……ってことがあったの。これでみんなが今の曜ちゃんみたいになってる理由が分かった?」

 

孝「はい、大いに分かりました……果南ちゃんも薫くんも、幸せになれて良かった……」

 

曜「なんか私たちもあんな感じだったなぁって思い出して、なんか孝宏くんに甘えたくなっちゃったの……いい、かな……?」

 

ああ、普段余裕そうにしてる孝宏くんの顔がみるみる赤くなっていく……

やっぱり孝宏くんは曜ちゃんの押しには適わないみたいね♪

 

 

 

 

…………見せつけちゃってくれるじゃないのリア充めェ……

 

 

梨子side off

 

 

 

 

気温もだんだんと上がり、夏の近づきを予感させる暑さと裏腹に、内浦に「春」がやってきた。

彼の心の青さはすっかり消え、今はただ空と海だけが蒼く眩しいものだった。

 

 

 

 

 

To be continued…




いかがだったでしょうか?!

ガラにもなくちょっとそれっぽい文章に仕立てあげました笑笑
なれないことはするもんじゃないですね笑

最後の梨子ちゃんの心の黒さが私の気持ちでもあります笑

イタリアン
食べる2人の
リ ア 充 め

Aqours5th最高でした笑

それでは今回はこのへんで失礼したいと思います!
次回もお楽しみに〜


梨「たか丸さんも非リアだから私の仲間って言いたいんだろうけど……仲間は嫌かな……」

梨子ちゃん……あとがきに来てくれた誰よりも辛い言葉を残して去っていくなんて……
梨子ちゃん……


********************

佐々木薫 -ササキカオル-
Age 23 Tall 183cm Weight 78kg

音ノ木坂学院高校から今年度より浦の星学院に赴任した用務員。ある程度の高校に進学し、大学に行く気もなく、やりたい職もなかったのでとりあえず音ノ木坂の用務員になる。
なんとなく行った海外でダイビングにハマり、内浦に来てからも果南のダイビングショップでよく潜る。
現在は用務員をしながら、ダイビングのライセンスを取るべく、果南と共に勉強中。
かなりの酒豪で、一晩で日本酒の一升瓶を飲み干したこともある。(なお、翌日は何も無かったかのように仕事をした。)
髪色はダークブラウン。瞳はライトブルー。
好きな食べ物はぶり大根とイカの一夜干し。

((理想の)CV:杉山紀彰)


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激闘!ライバル編
ライバル ――時を経た邂逅――


はーい、みなさんどうもこにゃにゃちわ!
みんなのアイドルたか丸だょ☆()
はーい(適当)

最近たか丸の中でルビィちゃんの株が爆上がり中です。
ルビィちゃんかわいすぎる。

さてさて、今回はちょっとテイストを変えて、真面目にスクールアイドルしたいと思います笑
そういえばスクールアイドルの描写なかったなーって笑笑

タイトルにもある通り、ライバル出現です!
さぁ、どんなライバルなんでしょうかねぇ……
……あっ、なんかスタンバってる道産子シスターズさん、あなたがたではないですわよ?

聖「えっ、私たちがライバルじゃないんですか?」

確かにあなたたちはライバルなんですけど、今回は別のライバルを登場させたいと思ってまして……

理「バカにしないで!……ライバルは、遊びじゃない!」

う、うん、遊びじゃない……
なんか理亞ちゃん最近それ使いすぎじゃない?
歌詞にも入れてたし……


と、とにかく!どうそお楽しみください!
せーのっ、ヨーソロー!


千歌side

 

千「新しいスクールアイドル、ですか?」

 

聖『はい……Aqoursの皆さんが活躍する内浦の近く、沼津の高校に新しくスクールアイドルが出来たんです』

 

北海道は函館の姉妹スクールアイドル「Saint Snow」の姉、鹿角聖良さんとテレビ電話をしていると、そんなことが告げられた。

 

千「私たちの住む町にもうひとつのスクールアイドル……!」

 

聖『ただ……このグループは最近活動が活発になってきて、ものすごい勢いでファン層を拡大しているんです』

 

千「すごい……私達も負けてられません!……それで、そのスクールアイドルはなんていう高校のスクールアイドルなんですか?」

 

近くの高校なら名前は大体わかる。

沼津の方の高校なら有名だし、何校か私も見に行ったことあるし。

 

聖『えっと……高校名は"静真高校"で、グループ名は"gelosia(ジェロジーア) cuore(クオーレ)"、イタリア語です。和訳すると……すごいですね、"嫉妬心"です』

 

千「"gelosia cuore"……嫉妬心、かぁ……」

 

なんだろう……強い想いを感じるグループ名……

それに静真高校って、部活動にものすごく力を入れてて、色んな部が全国大会の常連って噂の高校だ。

そこにスクールアイドル部が出来たとなると……ちょっと怖いかも……

でも、弱気になったらダメだよね!

 

聖『とにかくこのグループの動きには注意です。いつAqoursに宣戦布告してくるか分かりませんし……』

 

千「聖良さん、大丈夫です!私達Aqoursは絶対に負けませんから!」

 

「頼もしいですね」って言って笑う聖良さん。電話口で理亞ちゃんの「姉様、お風呂あいた」って声が聞こえたから、「おやすみなさい」と告げて電話を切る。

 

新しい、スクールアイドル……

たしか前にダイヤさんも、

 

ダ「スクールアイドルは日に日に増えていっていますわ。その中で上位に食い込むことが出来るのは、努力と諦めない気持ちを忘れなかったグループ、たった一握りのほんの僅かなスクールアイドルだけなのですわ」

 

って言ってたっけ。

"スクールアイドル"ってものが人気になって注目を浴びてから、もうかなりの年月が経った。

今となってはスクールアイドルの数は、全国で1万近くになってるみたい。

そりゃこんな何にもない田舎でも、私たちみたいにスクールアイドルをやりたいって子は沢山いるよね!

 

ちょっと気になるし、その"gelosia cuore"ってグループ、調べてみよっと♪

 

 

千歌side off

 

 

曜side

 

 

曜「えっ、スクールアイドル?」

 

?『そうなんだよ!ボクも晴れてスクールアイドルになったんだ!曜ちゃんが言ってた"輝き"ってものをボクも見つけたくてね!』

 

電話の主がそう言うと、私はもう困惑しかしていなかった。

こっち(日本)に帰ってきてから新しく始めたものがある」なんて言うから、興味本位で聞いたものの、聞かなきゃよかったと思わされた。

えーーー…………

なんたってこの子がスクールアイドルに……

 

曜「いつから始めてるの?」

 

?『んー、3ヶ月くらい前かな?でも今やランキングでも700番台に入ったんだよ!』

 

曜「えっ、うそ?!急成長しすぎでしょ!!ちょっ、なんてグループ名なの?!」

 

?『あはは、曜ちゃん取り乱しすぎだよ〜……ボクたちは、"gelosia cuore"ってグループさ♪』

 

曜「じぇ、じぇろ……え?何語それ?」

 

?『ジェロジーア クオーレ、イタリア語だよ♪』

 

イタリア語……

検索したら和訳出るかな……?

そう思って、私は目の前のパソコンの検索窓に、教えてもらったスペルを元にそのグループ名を打ち込んだ。

んー…………あっ。

gelosia cuore…………嫉妬心、かぁ……

ん?嫉妬?

 

曜「ねぇ、一体誰に嫉妬してるの?」

 

?『それは…………あはは、また今度話すよ!じゃあ、そろそろボクは寝るよ明日も練習あるし!Buona notte(ボォナ・ノッテ)(おやすみなさい)、曜ちゃん!』

 

曜「あっ、ちょっと!!……切れた……」

 

話の途中で一方的に電話を切られてしまった……

まさかあの子がスクールアイドルだなんて……

 

曜「一体何が何だか……私のキャパじゃあ話の展開に追いつけないよ……」

 

まったく……昔から突拍子もないことを言う子ではあったけど……

まさかスクールアイドルとはねぇ……

 

確かにあの子はかわいいし、歌うまいし、運動神経いいし時折イケメンになるし……

それに衣装に関しては私といい勝負なくらい愛がある!

 

……でもなんでまた急にスクールアイドルなんだろ?

"輝きを見つけたい〜"とか言ってたけど、本当に理由はそれだけ……?

 

ま、いっか!寝よ〜っと……

 

キャパオーバーも甚だしいので、考えることをやめて布団に入った。

 

曜「明日考えればいいよね……」

 

そんなことを呟いて私は目を閉じ、夢の世界へと飛び込んでいった。

 

 

曜side off

 

 

孝宏side

 

 

孝「はーーーぁあ、あっついな〜……」

 

うだるような暑さ。沼津にもとうとう夏がやってきた。

ついこの間まで涼しかったはずなのに、なんでまた急にこんな……

 

孝「あーつーいーよー!!!」

 

だってまだ朝の10時になってないんだよ?!

いくらなんでも暑すぎるでしょ!!!

このまま海の中にヨーソローして溶けたい……

 

?「あれ?孝宏くん?久しぶり!ボクのこと覚えてるかな?」

 

孝「えっ?」

 

だ、誰??

えっ、黒い帽子にジャケット、黄色のシャツにこれまた黒のスキニーパンツ……

帽子の影から覗く紫色の瞳が綺麗だけど……この人男?

 

?「あれ?もしかして忘れちゃったかな?……あ、帽子取ればわかるかな?」

 

そう言うなり目の前の男の子(仮)は黒いベースボールキャップを取り、()()()()()()()()()()()

 

?「これでどうかな?わかる??」

 

孝「うん?んんっ?!も、もしかして……月ちゃん?!」

 

月「正解っ!ご存じ渡辺月です!孝宏くん久しぶり〜!」

 

孝「えっ、まじで月ちゃん?!久しぶり!!うわ〜、見ない間に随分大人っぽくなったね……」

 

月「孝宏くんだって大人っぽくなったじゃない!だってボクより背が高くなったし!」

 

ああ、そういえば小さい頃は月ちゃんにも曜ちゃんにも身長って負けてたっけ?

女の子より小さい自分が嫌で、毎日毎日牛乳飲んで、早く寝て、起きた時に伸びをするようにしてたっけ?

我ながら可愛らしい過去……

懐かしいなぁ……

 

まあ今言ったように、月ちゃんとは小さい頃によく遊んだ仲で、 よく曜ちゃんと3人でドロドロになるまで遊んで怒られたっけ?

 

っていうか、月ちゃんめっちゃボーイッシュになってない?!

小さい頃も男の子っぽい格好はよくしてたけど、ここまでボーイッシュになってるとは……

 

月「いや〜、にしても本当に久しぶりだね!」

 

孝「ほんとにね〜!見ないと思ってたけど、もしかしてまたイタリア?」

 

月ちゃんは俺と知り合う前までイタリアに住んでいて、俺たちと遊ぶようになってからもちょくちょくイタリアに行っていた。

行く理由は教えてくれなかったんだけど、いつもお土産をくれるのが楽しみで仕方がなかった。

 

月「うん!さすが孝宏くんだね、ボクのことよくわかってるじゃない♪」

 

孝「ははっ、伊達に幼なじみやってないよ」

 

月「それもそうだね!…………ねね、孝宏くんはさ、ぶっちゃけ曜ちゃんと付き合ってるんでしょ?」

 

孝「ブフッ?!な、なんでそれを?!」

 

えっ、唐突!!てかなんで知ってるの?!

言いふらすとしたら…………誰もいないな……

月ちゃんのことを知ってるのは、Aqoursメンバーだと曜ちゃんと俺だけで、千歌ちゃんや果南ちゃんは知らなかったはず……

 

月「やっぱりね〜、そんな気がしてたんだぁ♪」

 

孝「も、もしかして、いつもの()()()()()ってやつ?」

 

月「ふふっ、まあそんなとこ!あーあ、2人ともそんな関係になっちゃって……ボクはなんだか置いていかれてる気分だよ……」

 

孝「あっはは、大丈夫だって!俺と曜ちゃんがどんな関係になろうとも、月ちゃんとの関係は途切れたりしないから!」

 

月「ふふっ、孝宏くんいいこと言うじゃん!こりゃ曜ちゃんも惚れるわ……」

 

孝「あ、あはははは……ところで月ちゃん、これから何か用事なの?制服着てるけど……」

 

これは……確か静真高校の制服だ。月ちゃんは静真に入学したんだね!

でも今日は日曜日。いくら部活に力を入れてる静真とはいえ、どの部活も日曜まで部活をやるってことはしてなかったはず。だからこの日曜の午前中に制服を着てるのはなんだか不自然な感じ。

 

月「ああ、今日これから部活なんだ♪」

 

前言撤回。あったわ、日曜に部活あるとこ。

あれ?でも月ちゃんが部活??

縛られるのが嫌いって言って、部活に入るようなタイプじゃなかったのに……

 

孝「拘束されるのが嫌いな月ちゃんが部活だなんて……なんの部活やってるの?」

 

月「ふっふっふー、聞いて驚けっ!ボクはなんと、スクールアイドル部に入っているんだ!!」

 

なん……え?

聞き間違いかしら……

 

孝「ちょ、ちょっと、聞き取れなかったかな〜……もう1回いい?」

 

月「だーかーらー!スクールアイドル部に入ったよっ!!」

 

孝「だよねぇ〜!まさか月ちゃんがスクールアイドルだなんてどぅえええええええええ?!?!」

 

すく……すくーるあいどる……?

ツキチャンガ、スクールアイドル……?

 

孝「なんっで……なんでなんでっすか月ちゃん?!」

 

月「えぇ、敬語?……まぁ簡単に言えば、"輝き"を手に入れるためだよ!」

 

孝「輝き……でもそれって――」

 

?「孝宏くーーーーーん!!!」

 

んぉ?あっ、

 

孝&月「「曜ちゃん!!」」

 

曜「ああっ!月ちゃん!!」

 

遠くに見えたと思ったら、爆速でこちらに駆けてきた曜ちゃん。

あんなに速かったのに、息をあげる素振りすら見せないなんて……さすがスクールアイドル……

 

月「曜ちゃん、おはヨーソロー(*> ᴗ •*)ゞ」

 

曜「おはよーそr……じゃなくて!昨日の電話!!あれ一体全体どういうことなの?!」

 

昨日の電話……?

 

月「曜ちゃんがどうしてもボクのことを知りたいって言うから、精一杯お応えしたまでだよ♪」

 

月ちゃんを……知りたい?

精一杯お応えした……?

 

孝「ふ、2人は一体何の話をしてるの……?こんな公衆の面前で話していいものなの……?」

 

曜「え?孝宏くん、何か深く考えてない?」

 

月「ボクがスクールアイドルやるって話をしてるんだよ♪」

 

孝「なっ、なんだぁ〜……いとこ同士の"ときめき百合メモリアル"じゃないのか……

 

月「何かすごいことを口走ったかい?」

 

孝「ままままさか〜!あっはははははは!」

 

曜「とにかく!!月ちゃんには詳しく話を聞く必要があります!!このまま連行するから孝宏くん手伝って!」

 

孝「了解でありますっ!!」

 

そう言って俺と曜ちゃんはがっちりと月ちゃんの腕を掴み、やば珈琲店へと向かった。

 

月「なんでボク連行されてるの〜っ?!」

 

1人の少女の悲痛な叫びだけがこだましていた……

 

 

孝宏side off

 

 

千歌side

 

 

新しいスクールアイドル……

"gelosia cuore"……

静真高校……

 

昨日の夜、聖良さんと話してから、その新しいスクールアイドルのことが気になって気になってずぅ〜〜〜っと頭の中をグルグルしてる。

 

調べてみるとやっぱり聖良さんの言う通り、ここ最近出来たばかりのグループにも関わらず、圧倒的な歌唱力とキレのあるダンス、そして心に響く歌詞が話題になって、人気がうなぎ登りのグループみたい。

メンバーは3人で、リーダーで衣装担当の渡辺月さん。歌詞と曲担当の結城朋華(ゆうきともか)さん。振り付け担当の佐伯麗奈(さえきれいな)さん。

 

結城さんは、全国のピアノコンクールで幾度となく賞を獲得してる実力者でもあり、非凡な発想力から生み出される歌詞が多くの人の心を掴んで、その人気を押し上げている要因になっているらしい。

佐伯さんは"佐伯ホールディングス"っていう東証一部上場?の大企業のCEO?の一人娘。小さい頃に見たバレエがきっかけでバレエを習い始めたらしく、持ち合わせていた才能もあって、全国でも指折りのバレエダンサーになったみたい。それを活かしてスクールアイドルの振り付けを考えてるらしい。

渡辺さんは詳しいことは分からなかったけど、こんなすごい2人を抱えるグループのリーダーだから、きっととんでもなくすごい人なのかもしれない……

渡辺…………まさかね……

 

千「……あれ?」

 

やば珈琲に見たことある影が……

 

千「あれは……曜ちゃんと孝宏くんだ。それに……んんっ?!」

 

あれっ?!あの人!昨日サイトで見た人!!

確か……リーダーの渡辺月さん!!

えっ……まさか渡辺って本当に……?!

ちょっ、隠れて様子を……

 

曜「ん?……あっ、おーい!千歌ちゃーーーん!!」

 

ばっ、ばばばバレた!!

隠れようとした矢先にこれだよ!!

仕方ない、ここは正々堂々と出ていってやる!

 

千「よ、曜ちゃんと孝宏くん、こんちか!」

 

孝「こんちか〜!」

 

月「ふぅん……君が千歌ちゃんか……

 

千「えと……そちらの方は……?」

 

わかってはいるんだけど、一応ね、念の為……

 

月「初めまして、君が高海千歌ちゃんだね!曜ちゃんから話は聞いてるよ!ボクは渡辺月!曜ちゃんのいとこです!よーろしくー!(*> ᴗ •*)ゞ」

 

千「えっ、いとこ?!」

 

曜「そうそう♪」

 

孝「一応幼なじみなんだよね〜」

 

千「そ、そうなんだ……」

 

いとこ……いとこかぁ……

まさかとは思ったけど、親族だったなんて……

 

千「そ、それでどうして今日はこの3人で集まってたの?」

 

曜「いや〜、それがね――」

 

月「ボクがスクールアイドルを始めたって話をしてるんだ!そして始めた理由を曜ちゃんが知りたがってるから教えてあげようと思ってね♪」

 

スクールアイドルを、始めた理由……

これで輝きを見つけたい!とかだったら面白かったんだけど、そんな考えをしていた私がバカだった。

 

月「ボクはね高海さん、

 

 

 

 

君への嫉妬からアイドルを始めたんだよ」

 

 

 

 

私への……嫉妬……?

 

 

千歌side off

 

and to be continued……




いかがだったでしょうか!

劇場版と違って、少し闇を感じる月ちゃんが描きたくてこのお話を作りました笑
個人的に月ちゃんめちゃめちゃ大好きです(告白)

月「えっ、やめてくれないかな?君みたいな人間に好かれて嬉しいって思えるほどにはボクは人が出来てないんだ」

月ちゃんまで手厳しい……
ほんと心にくるよね……

そーいえば!「静真高校」ってどう読むんですかね?
「しずま」?「せいしん」?
勝手に「しずま」って呼んでるけど笑
劇場版では誰も言ってなかった気がする……
知ってる方いらっしゃったら教えてくださいな♪

では、次回もお楽しみに!
次回も未来に向かって、全速前進!ヨーソロー!(*> ᴗ •*)ゞ


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ライバル ――妬かれたみかんと妬いた月――

みなさんこにゃにゃちわ、9月8〜9日に沼津に行って絶賛喪失感と虚無感に苛まれています、どうもたか丸です……

やばいね、1回行ったらあそこに住みたくなるね笑笑
現地の方はみなさん優しいし、暖かいし、もう言うまでもなく最高の街です!
台風さえ来なければね!!!!!

さて笑笑
今回はサブタイにある通りです、お楽しみください笑笑
それでは、どうぞ〜!
せーのっ、ヨーソロー!(*> ᴗ •*)ゞ

あれ?もしや前書きが短い……?


曜side

 

 

月「ボクはね高海さん、君への嫉妬からスクールアイドルを始めたんだよ」

 

千「えっ……嫉妬……?」

 

孝「なんでまたこの千歌ちゃんに嫉妬を?」

 

千歌ちゃんはリーダーシップがあって、元気いっぱいで、何事にも物怖じせず突き進めて、何よりもみんなから愛されるような存在。

そんな千歌ちゃんに嫉妬するのは、まぁ何人も見てきたわけなんだけど……

かくいう私も一時期ちょび〜〜〜〜〜っとだけそんなものを感じている時代はあったんだけれども、それはまた別の話……

 

月「ははっ、簡単なことだよ!()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

曜「?!?!」

 

千「ボクの……」

 

孝「曜ちゃん……?」

 

曜「なっ、なんじゃそりゃ?!」

 

一体全体理解が追いつかない……

えっ?私が、月ちゃんのもの?!

どういうこっちゃ!!!

 

孝「ちょ、ちょっと月ちゃん?それ詳しくお聞かせ願えるかな?」

 

月「え?いやほら、曜ちゃんはボクのいとこでしょ?だからボクのものってことだよ!」

 

この子イタリアに行ってる間に何が起こったの……

重力振り切っちゃってるんじゃないの?精神が!

えぇ〜……昔はこんな子じゃあなかったのに……

 

千「だ、だいぶねじ曲がった精神状態なようで……」

 

孝「向こうで一体月ちゃんに何があったんだ……」

 

月「とにかく高海さん!勝手で悪いけど、君はボクの()()()()に認定したから!スクールアイドルでどちらが曜ちゃんの隣にいるのが相応しいか、決めようじゃないか!」

 

孝「一応俺ってば彼氏ってなってるはずなんだけど……」

 

月「そ、そういうことじゃなくて!こう……なんていうか……女の子と女の子で、というか……///」

 

ほほう、やっぱりこの子はイタリア行ったあたりでなにか大変なものを吹き込まれてしまったようだね……

梨子ちゃん2号か!!!

 

孝「それは……いとこ同士のときめき百合メモリアルってこと……か……よし、千歌ちゃん!」

 

千「ふぇっ?!」

 

孝「がんばれよ!」

 

千「えええええっ?!どういう意味で言ってる?!」

 

まったく……孝宏くんは孝宏くんで梨子ちゃんの影響受けすぎだよ……

なんていうの?"百合"?っていう女の子同士が恋人みたいな関係になるお話が好きになっちゃったみたい……

私が月ちゃんに取られてもいいのか!!!

 

千「でも……こうして面と向かって堂々と宣戦布告されたら、受けるのがオトコってもんよ!」

 

曜「いやいや、千歌ちゃんは女の子だし……」

 

千「そして戦いを()()に勝ってみせて、その後みんなで()()()でも食べに行こうか!」

 

月「お、おお……?」

 

千歌ちゃん、これはやってしまった……

 

千「あ、ちなみに今のは"魅せる方の華麗"と"スパイスの効いた食べる方のカレー"を掛けた――」

 

曜&孝「「説明しなくて、いいから……」」

 

月「とにかく、高海さんの率いる君たちAqoursと、ボク達gelosia(ジェロジーア) cuore(クオーレ)、どちらが曜ちゃんのいるグループとして相応しいか、決めようじゃないか!」

 

千「望むところだ!千歌の曜ちゃんは絶っっっ対に渡さない!!!」

 

え、えぇ……

本人の同意なしになんかバトルすることになっちゃったよ……

私に人権ないの……?

ってか"千歌の曜ちゃん"ってどういうこと……?

ツッコミが追いつかない……

ダレカタスケテー……

 

 

曜side off

 

 

孝宏side

 

 

孝「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」

 

大変なことになった……

恐らくあの目をした月ちゃんはガチで曜ちゃんを引き抜きに来る……

 

そう、あの目。

小さい頃何度も見たあの眼差し。

あの目をした月ちゃんは誰にも止められない。

止める手段はただ1つ、全力で月ちゃんを負かすのみ。

 

の、はずなのに……

 

曜「わぁ、孝宏くんすごいため息だね、ロングブレスダイエット?」

 

なしてこげん呑気でいらるーと?(どうしてこんなに呑気でいられるの?)

あっ、いかんいかん、つい博多弁が……

博多なんて行ったこともないのになぜ博多弁が……?

 

千「曜ちゃん!なしてそげん呑気でいらるーと?!ああっ、博多弁が……ってそうじゃなくて……これは曜ちゃんを守るための千歌たちと渡辺さんたちの戦争なんだよ!!それなのに守られる曜ちゃんがそんな呑気でいてどーするのっ!!」

 

曜「えっ、だって私信じてるもん。Aqoursのパフォーマンスの方が絶対に優れてるって!みんなで努力して培ってきた私たちの力……まだ全国のレベルでいえば足元にも及ばないかもしれない。でも私たちは絶対に、着実に力をつけてきてる!月ちゃんたちには、絶対に負けない!」

 

孝「曜ちゃん……」

 

ここまで考えていたのか……

呑気にしてると思ってたのに、やっぱ曜ちゃん素晴らしい子だわ……

 

千「ばっかもーーーーーん!!!」

 

曜&孝「「わあっ?!」」

 

千「ダメなんだよ……このままじゃ、今の千歌たちの実力じゃきっと、gelosia cuoreには敵わないかもしれない……」

 

曜「えっ……」

 

孝「そんなにすごいの?」

 

千「うん……」

 

千歌ちゃんが言うには、Aqoursはgelosia cuoreと比べると、普通怪獣な子たちが寄せ集まって出来たようなグループと言っても過言ではないということ。

確かに堕天使ヨハネスブルグ(笑)ちゃんの堕天使キャラとか、梨子ちゃんの腐女子隠せてないキャラとか、鞠莉ちゃんの大金持ちシャイニーキャラとか、とんでもなく濃い個性を持った子は、なにもギルキスじゃなくてもいるけど、gelosia cuoreのメンバーはそんなもんじゃない。

 

聞けばメンバーはとんでもない子ばっかだった。

 

作詞作曲担当の結城朋華。実は知り合いなんだけど、全国のピアノコンクールで上位入賞しまくるわ、俳句やら短歌やらポエムやらでいつも賞状貰ってくるわ、芸術系に関してはとんでもない才能を持ってる子なんだよね。

しかも九州は博多の出身で、こっちに来てからもなかなか癖が抜けないようで、ずっと博多弁を話している……ってこれは関係ないか……

 

振り付け担当の佐伯麗奈。なんの偶然かこの子も知り合いなんだけど、バレエ見せてもらったことが昔あって、思わず見とれてしまうほどの優雅さ。手の先、足の先までピンとしていて、「凛」という言葉が似合う舞いだった。おまけに鞠莉ちゃんに負けず劣らずな金持ちときた。

 

それに……月ちゃん。

静真の生徒会長を務めていて、生徒、教師から全幅の信頼を得ている。成績優秀、容姿端麗、運動神経抜群。さらに曜ちゃんと張るぐらいの制服オタクだから、もちろん作る衣装はプロ顔負けなレベル。そしてリーダーを務めている。

 

これだけ聞くと確かにゾッとする。いくらAqoursでも敵わないかもしれない、って思わざるを得ない。

 

けど……

 

孝「はぁ……そんなことで怖じ気付く高海千歌ちゃんなんですか?」

 

千「そんなことって……千歌は――」

 

孝「どんな時でも諦めず、目の前に立ち塞がる壁を難なくぶち壊し、常に笑顔を振りまいてみんなを勇気づける……俺はそんな千歌ちゃんが好きだよ」

 

千「ふぇ……///」

 

曜「うんうん、孝宏くんの言う通り!確かに私たちは普通怪獣たちかもしれない。けど普通怪獣がたくさん集まったらそれはもう普通じゃない……月ちゃんたちがどんなにすごいのかはよくわかった。けど、私たちだってすごいんだよ!それは千歌ちゃんが1番わかっているとおもう♪」

 

千「でも……あっ」

 

孝「千歌ちゃん?」

 

千「聖良さん、忘れてました……千歌ってばあんなこと言ってたっけ……

 

千歌ちゃんは下を向き、小さく何かを呟いた。

次に何やら腕を組んでうんうん唸ってる……?

 

曜「お、おーい、千歌ちゃ〜ん……?」

 

すると次の瞬間、千歌ちゃんは顔を上げ、いつもの晴れやかで太陽のような笑顔が、俺たちを照らした。

 

千「そうだ!千歌が諦めてちゃダメなんだ!やる前から出来ないなんて、千歌らしくない!」

 

曜&孝「「千歌ちゃん!!」」

 

千「千歌たちが、Aqoursが、新参者のグループなんかに負けるわけあるか!負けてたまるか!!全力でgelosia cuoreを倒そう!!」

 

孝「そうこなくっちゃ!」

 

曜「いつもの千歌ちゃんらしくなったであります!」

 

千「そして戦いを()()に勝ってみせて、その後みんなで()()()でも食べにぃ――」

 

曜&孝「「それはもういいからっ!!」」

 

油断も隙もありゃしない……

すぐにオヤジギャグを言おうとするんだから……

 

千「あっはは……よし!とにかくそうと決まれば作戦会議だよ!みんなで学校に集まろう!!」

 

曜&孝「「おーーー!!」」

 

「Aqours vs gelosia cuore 〜渡辺曜争奪戦〜」が、ここで幕を開けた――

 

 

孝宏side off

 

 

月side

 

 

佐伯麗奈「月、Aqoursはどうだったんだ?」

 

月「あー、Aqoursっていうより、リーダーと話をつけてきたんだ!」

 

結城朋華「リーダー……高海千歌ちゃんとどげん話ばしてきたと?」

 

月「ま、バトルに勝った方が曜ちゃんの隣にいられるって、自分のグループのメンバーに出来るってことを伝えてきたよ!」

 

麗「私は渡辺曜に関しては興味はないが、私たちと同じく急成長を遂げ、人気も実力も全国レベルの強いグループとスクールアイドルとして戦えるのが楽しみだ」

 

朋「そうやなぁ〜、色んなグループと一緒にライブばすりゃするほど、自分たちが強うなっていくのがわかるけん、ウチも楽しみばい♪」

 

おやおや、これは2人して頼もしい発言♪

曜ちゃんをこちら側に引き込むために2人にも協力して貰えそうだね♪

 

っていうか、やっぱり朋華の博多弁はとっても可愛いなぁ♡

方言使う女の子って素敵だよねぇ〜♡

 

にしても――

 

 

「千歌の曜ちゃんは絶対に渡さない!!!」

 

 

月「ふっ、ふふふっ……これはこちらとしてもやりがいがありそうだね……」

 

麗「おい、朋華。なんか月がやばいぞ。このままじゃただの悪役だ」

 

朋「なんか闇ん月ちゃんのごたーなあ(なんだか闇の月ちゃんみたいだね)……強そうだけど、うちゃえずかとは苦手ばい〜(私は怖いのは苦手かな)

 

月「……さて、2人とも!今日の練習を始めようか!」

 

麗「ああ」

 

朋「はーい♪」

 

私が遅れてきちゃった分、取り戻さないと!

 

待っててね、()()()()()

 

 

月side off

 

 

 

To be continued……




いかがでしたでしょうか!

もうね〜、ほんと早くもう1回沼津に行きたい笑笑
(話をぶり返していくスタイル笑)

さてさて、なかなかに闇を感じる月ちゃんはいかがですか?
私は大好きです笑笑
なんか勝手な妄想ですけど、月ちゃんが闇堕ちしたらとんでもなくネチネチした、いやらしい感じのやり口で相手を陥れると思うんですよ笑笑

月「ひどいなぁたか丸……ボクにそんな印象を抱いていたなんて……ボクが何をしたっていうのさ……うっ、ううっ……」

あ、いやごめん、そんなつもりは……
な、泣かないで月ちゃん……ごめんなさい……

月(……こういうことか♪)

じゃあちょっと私は月ちゃんに謝り倒すんでこの辺で……

あの、月ちゃんほんとごめんなさい許してくださいなんでもしますk――


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ライバル ――邂逅 incontro――

みなさんこにゃにゃちわ、スクフェス感謝祭に人生初参戦しました、たか丸です。

ついったさんで日頃からお世話になってるフォロワーさんたちとエンカできて、すっごく楽しかったです!
ポテトフライ軍で検索検索ゥ!笑笑

さて、今回はお話の中に何やら日本らしい武道が描写されておりますよ!
どんな武道なのかな〜?

……ん?あっ、海未ちゃんこっち来ちゃダメ!!
ちょ!ラブアローしないで!お願いっ!!

ああっもう!それじゃあみなさん、今回も楽しんでいってください!
せーのっ、ヨーソロー!


孝宏side

 

 

――ぎゃん

 

弦音が悪い音を立てた。

瞬間、これは外れると察した。

 

――とす

 

力なく飛んだ矢は、的ではなく安土(あづち)に刺さった。

 

孝「はぁ、集中力足りてない……」

 

ここは家の近くの弓道場。

浦の星に弓道部はあるんだけど、残念ながら弓道場はない。だからいつもここに来て練習している。

……といっても、俺は弓道部員じゃなくて、中学時代に部活でやっていた弓道に再びハマりだし、"体験入部"という形でここ最近お邪魔している。

 

女子部員「あれ?珍しいね、1中?」

 

1中っていうのは別にどこぞの中学校のことではなくて、的に矢が1本しか(あた)ってないってこと。

弓道は基本的に4本の矢を1本ずつ放って、その中った数で勝敗を決めるシンプルなスポーツ。

4本中4本中れば"皆中(かいちゅう)"、3本中れば3中、2本中れば"羽分(はわ)け"と呼ばれる。

 

孝「あはは、ちょっと集中出来てないみたい」

 

女子部員「なにか考え事?」

 

孝「まあ、そんなとこかな……少し外に出てくるよ」

 

同じクラスの弓道部の女の子にそう言って、俺は残心(ざんしん)の型から弓倒(ゆだお)しをして、一つ(ゆう)をしてから射場を後にした。

 

 

……………

 

 

月ちゃんたちとの"曜ちゃん争奪戦"が宣戦布告されてから今日で3日目。

俺も含めたAqoursのみんなで月ちゃんたちのグループ"gelosia cuore"のライブ映像を見て、少なからず感じた劣等感。

とても始めたてのグループの成せるものでは無いと、その場にいた全員が思い、恐らくルビィちゃんや花丸ちゃんは、畏怖すら覚えたと思う。

 

けど、みんなの思いとは裏腹に、逆に嬉々とした表情で映像を見ていた子が2人。

曜ちゃんと千歌ちゃん。

 

 

曜「みんな!"ジーッとしてても、ドーにもならない!"だよ!」

 

千「ふふっ、そうそう!やる前から諦めてちゃしょうがない!私たちには、今まで培ってきたものがある。支えてくれるたくさんの仲間たちがいる。応援してくれる人たちがいる。そして、Aqoursがある。曜ちゃんがいて、梨子ちゃんがいて、ルビィちゃんがいて、花丸ちゃんがいて、善子ちゃんがいて、果南ちゃんがいて、鞠莉ちゃんがいて、ダイヤちゃんがいて、孝宏くんがいる」

 

曜「こーーーんな素敵なグループが、負けるわけないっしょ!そ、れ、に!私もAqoursの一員として、みんなと笑ったり、泣いたり、時にはふざけたり!これからずーーーっと一緒にいたいし!」

 

 

ほんと、逞しい子になったね、2人とも♪

今の2人なら、どんな夢だって叶えられそうな気がしてきたよ!

 

諦めちゃダメなんだ、その日が絶対来る……

 

新たなAqoursの"START:DASH!!"だね♪

 

 

……………

 

 

遠くに遠くに……

 

力を込めすぎず……

 

肩甲骨を使ってゆっくりと……

 

ここで保って伸び続ける……

 

 

辺りの音は何も聞こえない。

視界もただ一点、的を捉えていて、他は何も見えない。

 

伸びの限界点。

そこで離れる。

 

――きゃん

 

金属音にも似た高い弦音の音。

そこから放たれた矢は、迷うことなく真っ直ぐに、的を捉えた。

 

――ぱんっ

 

的中。

あの音を聞いて震え上がる自分がいた。

稀に見る綺麗な中りをした。

ど真ん中を捉えた、完璧な一射。

 

何も聞こえなかったさっきとは一変、セミの鳴き声や近くを走る車の音、多少のざわつきといったありとあらゆる音が聞こえ、その音たちが俺を祝福しているかのように感じた。

 

女子部員「さすが秋月くん、急に変わったね!」

 

孝「はは、ありがと」

 

女子部員「外に行ってる間に何かいい事あった?」

 

まさか曜ちゃんと千歌ちゃんのことを考えて嬉しくなってたなんて言える訳もなく、ただ一言。

 

孝「素敵なことがあったよ!」

 

セミの鳴き声はまだ俺を褒め称えているようだ。

 

 

孝宏side off

 

 

曜side

 

 

曜「ほえ〜、やっぱ上手だなぁ〜♪」

 

私、渡辺曜は今、孝宏くんが最近またやり始めた弓道の練習を見学しに来ています!

凛々しい表情で矢を(つが)え、弓を引く姿はとても様になっていて、めちゃくちゃかっこいい……///

 

女子部員「あのー、曜ちゃん?いつの間に()()着てたの?」

 

曜「うん?ああ、今さっきだよ!家から持ってきたんだ!」

 

私は弓道部で使うような道着と袴を着て、女子専用の胸当ても付けた、"完全に傍から見たら女子弓道部員"な格好をしています!

 

女子部員「えっ、曜ちゃんも弓道やってたの?!」

 

曜「ん?全然?」

 

女子部員「……なんで道着持ってるの?」

 

曜「コスプレ?」

 

女子部員「コスプレ?!」

 

 

――ぱんっ

 

 

おっ、また中った!これで4本連続!

 

女子部員「およ、皆中だ。正式に入って戦力になってほしいもんだよ……」

 

曜「ふっふっふー、孝宏くんはAqoursのマネージャーだから渡さないであります!」

 

女子部員「くぅ〜!先に一緒に活動してたからってずるいぞ曜ちゃん!!うりゃうりゃ!」

 

曜「あっはははははは!やめてぇ〜!」

 

全力で腋をくすぐられてその場で悶える。

 

?「あっ、こらこら、曜ちゃんの弱点はここだよ?」

 

曜「へっ?」

 

声の主は分からなかった。

ただ分かったのは、腋ではなく脇腹をくすぐられていたこと。

 

 

脇腹:私の弱点であり、そこをくすぐられるととんでもなくくすぐったくなっておかしくなってしまう部分。

 

なんて解説している暇もなく、私は悶絶し、天に昇った際に渡る3本の川の2本目を跨いでいた。

 

そんな私の脇腹をくすぐった正体。それは――

 

 

孝「あっ、月ちゃん!って……曜ちゃんがぶっ倒れてるけど、どしたの?」

 

 

月ちゃんでした。

 

孝宏くんが声をかけてくれずに月ちゃんがくすぐり攻撃を続けていたら、多分私は3本目まで渡りきっていたと思う……危うし……

 

 

月「やっほ〜、孝宏くん!いやはや、この女の子が曜ちゃんの腋をくすぐってたから、弱点は脇腹だぞーって教えてあげたのと同時に実践してただけ〜♪」

 

孝「ああ、ナルホド……」

 

いや納得するんかい。

私今史上最大に悶絶して顔真っ赤っかにして大変なことになってるんですけど、ちょっと心配して?

 

孝「……///」

 

えっ、全然顔合わせてくれないんだけど。

何?私もしかして嫌われたの?

 

孝「あー、曜ちゃん?自分の服装を確認して?」

 

ん?服装?

袴履いてて道着着て……

 

曜「ぴょっ?!」

 

見えたのは道着から覗く水色の下着。

いつの間にか胸当ては取れ、道着がはだけて下着がチラリズム。

 

孝「曜ちゃん、道着の下にはインナー1枚着るもんだよ……///」

 

孝宏くんはきっと見ないようにって顔をこちらに向けなかったんだろうけど……

 

曜「みっ、見えたなら早く言ってよバカぁぁぁぁ!!!」

 

――ばちん!

 

孝「ヨソロっ?!?!」

 

月「おー、的に中るよりいい音したねぇ!」

 

ううっ、もうお嫁に行けない……ぐすっ……

 

 

********************

 

 

曜「……それで?言うことは?」

 

月「やだなぁ曜ちゃん、軽い冗談じゃ――」

 

――バンッ!!!

 

月&孝「「に゙ゃ゙っ゙?!?!」」

 

机を思いっきり叩いて立ち上がり、私は精一杯目を見開いた状態で月ちゃんに顔を近づけた。

 

曜「こ っ ち は 死 に か け た ん だ け ど ?」

 

ちょっと手が痛い……

 

月「おおおおお落ち着いて曜ちゃん、目が死んでる、目が死んでるから!」

 

孝「月ちゃん!ここはもう素直に謝る他に生きる道はないよ!」

 

月「そ、そうだよね!……ごめん曜ちゃん!つい魔が刺しちゃった☆」

 

孝「あっ――」

 

このあと月ちゃんをめちゃくちゃ叱りました。

お詫びに松月でみかんタルト奢ってくれて、気分良くなって許しちゃったのは間違いだったかな……?

 

月「いや〜、まさか曜ちゃんがあそこまで怒るとは……小さい頃はもっとかわいくぷりぷり怒ってたのに……もうガチ怒りだよ……」

 

曜「……あれ?みかんタルトだけじゃなく、みかんどら焼きも所望で?」

 

月「ままま、まっさか〜!!!」

 

孝「あはは、月ちゃんも懲りないねぇ〜」

 

バスの中、3人で他愛のない話をしてたら、松月から沼津駅にすぐに着いちゃった。

 

孝「ほっ!沼津とうちゃく〜!」

 

そんな中で私はとあることを思い出した。

 

曜「そういえば月ちゃん、なんであの弓道場に来たの?」

 

月「ん?ああ、実は――」

 

?「月ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」

 

孝「えっ、この声は……」

 

――はぐっ

 

月「おっとと、あれ?どうしたの朋華?」

 

朋「どうしたの?やなかばい(じゃないよ)!ずっと探しとったんばい!」

 

孝「朋華……ひ、久しぶり……」

 

朋「ん?あんた……もしかして孝宏くん?!きゃー!久しぶりやなあ!!会いたかったばい!!」

 

――はぐっ

 

朋「お久しぶりんハグばい!えへ♡」

 

んー……と?

え、なんかめっちゃハグしてる……

おーい、彼女は私だぞ〜。

 

え、なんばしよると?

こげんことして許されると思っとーと?

 

孝「ちょ、こら!誰でも彼でもハグするなって言ってるでしょ!」

 

朋「いやん、孝宏くんってば!うちがハグするんなあいらしか女ん子(かわいい女の子)あいらしか男ん子(かわいい男の子)だけやってば!」

 

孝「遠回しに俺の事可愛いっていうのやめてよ……」

 

まって、孝宏くんが博多弁理解してる?!

え、すご!住んでたわけじゃないのに!

 

朋「……ん?あ、そっちんあいらしか女ん子はもしかして……Aqoursん渡辺曜ちゃん?あいらしか〜!本物もすごか美人しゃん(すごい美人さん)だぁ〜♡」

 

――はぐっ

 

曜「ふぇっ?!///」

 

孝「あはは……ごめんね曜ちゃん、朋華はかわいい子を見つけるとすぐにハグしちゃうんだよね……まるでどこかの脳筋ダイバーさんみたいだよね?」

 

 

 

果『へくちっ!……んー?誰かが私のよからぬ噂をしているな……?きっと千歌だ、そうに違いない』

 

 

千『へくちっ!……むむっ、千歌のこと、誰かが話の種にしてるな〜?どーせ果南ちゃんが千歌のことバカにしてるんだ!……よしっ、次会ったらみかんの刑だ!』

 

 

 

急に知らない女の子からハグされてとんでもなくキョドってる渡辺曜、17歳であります!

 

けど……なんだか……

 

と〜〜〜〜〜〜〜ってもいい香りがする……♪

優しいフローラルの香り……

うっとりしちゃう……♡

 

?「おい朋華、渡辺曜が困惑しているぞ」

 

朋「あっ、麗奈ちゃん!来るのが遅かばい!何しとったと?」

 

麗「いや、すまない……ここに来る途中で荷物をたくさん持ったおばあさんに遭遇してな。目的の場所まで荷物を持って同行してあげたから遅くなってしまった」

 

月「ふふっ、人助けが大好きな麗奈らしいね♪」

 

ん……?ちょっと待って……

この2人見たことあるよ……?

 

「ん?もしかしてお前……孝宏か?!」

 

確かこの2人、月ちゃんと一緒にスクールアイドルやってる……

 

「えっ、まさか麗奈?!久しぶり!!」

 

gelosia cuoreの2人だ……

つまり月ちゃんが今日弓道場に来た理由って……

 

月「はいはいはい!!曜ちゃん、孝宏くん!君たちに会いに来た理由は、もう分かるよね?」

 

孝「ふっ、随分と豪華なご挨拶だこと……」

 

月「紹介するよ。ボクたちがgelosia cuoreのメンバーだ」

 

曜「この3人が……」

 

改めて見るとすごい迫力。

なんて言うんだろう……オーラというか、貫禄というか……とてもスクールアイドル始めたてのグループの醸し出せるものじゃない雰囲気を纏ってる……

 

写真とか動画で見るのとは違う……

リアルで会ってこそわかる迫力が、そこにはあった。

 

ううっ、平気とか思ってたけど、これもしかして結構やばい……?

 

麗「改めて、gelosia cuoreの振り付け担当の佐伯麗奈だ。よろしくな」

 

朋「うちゃ作詞作曲担当ん結城朋華ばい!よろしゅうね♪」

 

月「そして、衣装担当兼リーダーの渡辺月です!……ってボクの紹介はいらないか……あはは」

 

鳥肌が立った。

私たちと遜色ない。

それどころか、その上を行くかもしれない。

そんな可能性を秘めた、とても恐ろしい敵に遭遇している。

 

次のラブライブに出場するには、こんな化け物を倒さなくちゃいけないの……?

 

 

曜side off




いかがだったでしょうか!

公表したかどうか覚えていないのですけど、実はたか丸は高校時代に弓道部に所属しておりました!
ただ女子がすごく多くて男子が私を含めて3人。よく対立しました笑笑
今ではいい思い出です……

えっと、とりあえずオリキャラのプロフをどうぞ!!


結城朋華 ――ユウキトモカ――
((理想の)CV:茅野愛衣)

Age 17 Tall 155cm Weight seacret BloodType A
3size 85-60-87 From JAPAN in Fukuoka

隠す気もない博多弁が特徴の女の子。出身は福岡で、小学校4年生まで暮らしていた。その後、親の仕事の関係で沼津に移住をする。移住した後、なかなかクラスに馴染めなかったが、それを見た孝宏が声をかけたことから2人の関係が始まる。実は孝宏に片想い中。
性格は超平和主義。怒ったところを誰も見たことがない程の優しい心の持ち主。
髪はウェーブのかかっているセミロングで、栗色。いつもハーフアップにしている。
深みのある緑色の瞳をしていて、たれ目。
好きな食べ物は博多豚骨ラーメン。嫌いな食べ物は辛いもの全般。故に辛子高菜はトッピングしない派。
座右の銘は「恋して乙女は強くなる」


佐伯麗奈 ――サエキレイナ――
((理想の)CV:三森すずこ)

Age 17 Tall 166cm Weight seacret BloodType O
3size 82-58-83 From JAPAN in Saitama

男勝りな言葉遣いが特徴の女の子。大企業の一人娘だが、気取ったところが全くなく、むしろ人情に厚い姉御肌。困っている人を見ると反射的に助けてあげる優しさもある。孝宏のことは同い歳にも関わらず、弟として認識している。
髪は肩甲骨辺りまで伸びているストレートのロングヘアで、真っ黒。ヘアアレンジが苦手で、ポニーテールぐらいしか出来ないため、朋華にいつもヘアアレンジをしてもらっている。
瞳は燃え上がる炎のように紅く、目元はキリッとしたつり目。
好きな食べ物はたこ焼き。嫌いな食べ物は生魚。
座右の銘は「初志貫徹」


と、まぁ、こんな感じです!
優木あ○じゅと統堂英○奈を想像してもらえれば!(殴)

そ、それじゃあ、じ、次回もお楽しみ……に……

See you next time!


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ライバル ――欠けた核心――

みなさんこにゃにゃちわ、お久しぶりです、たか丸です。

いやすいません!めっちゃお待たせしました!笑笑
リアルの世界で色々とあったんですよ、うん、色々と笑
ま、たか丸の言い訳なんて鼻くそレベルなんで話す必要も無いですよね!ね!!笑笑

それよりそうですね、新年あけましておめでとうございます(時差)
本年も何卒たか丸とこの作品たちをよろしくお願いします!

ではでは、早速読んで頂きたいと思います!笑
今回もお楽しみください!
せーのっ、ヨーソロー!


孝宏side

 

 

月「ってなわけで、この3人で"gelosia cuore"だよ。改めてよろしくね?」

 

改めて見ると、なんともすごいメンツだなぁ……

てゆか、朋華と麗奈の2人をコントロールできる月ちゃんがすごすぎる……

 

【博多の暴れ馬】として福岡県内にその名を馳せていた朋華。実は今みたいにおっとりふわふわ〜って感じじゃなくて、超活発なやんちゃガールだった(らしい)。

こっちに引っ越してきて俺と友達になった時にはそんなこと無かったんだけど、一体どうしてこうなった……?

 

【佐伯家の狂犬】こと麗奈は、未だにその通り名が付いていて、麗奈の実家の佐伯家は東証一部上場企業の"佐伯ホールディングス"。強面の親父さんがCEO(最高責任者)で、その娘でありながら親父さんの専属ボディーガードをしていたためにその名がついた。実際は優しい心の持ち主なのだが、ツリ目が全てを物語っているかのように、その通り名を未だに消させてくれない。

 

……とまぁ、こんなヤバい子達なんだけど……

どうやって手懐けたんだか……

 

月「これからボク達は、君たちAqoursを全力で倒しに行く。そして曜ちゃんをgelosia cuoreに連れてくる」

 

麗「まぁ、私は渡辺曜を手に入れて何か利益があるとかいうのはないから、そこに興味はない……が、強いグループと戦うというのが私をもっと強くさせてくれる気がする。この戦いには価値があると私は思っている」

 

朋「うちもこん戦いには興味があるばい!傷つけあう戦いは好かんばい……ばってん、スクールアイドルとして、正々堂々とお互いん実力ば競うんな好きばい!」

 

私を強くする……

正々堂々実力を競う……

 

この3人には、スクールアイドルとして確固たる柱が、己の中にしっかりと築かれている。

そりゃここまで人を惹きつける強さがある訳だ……

 

……でも。

 

曜「私たちは負けないよ。だって、輝きを追い求めて常に高みを目指してるんだから!」

 

あら、曜ちゃんも言うようになったね。

なかなかいい事言うじゃない。

……ここにあのみかん娘がいたら、この発言に反応して、「あ、今のは高海千歌の高海と、高みをかけた……」とか言いそうよね。

よかったいなくて……

 

孝「そうだね。俺たちは確実に強い。みんなの想いと、希望と、熱い気持ちをもって、まだ見ぬ輝きを目指して、精一杯羽ばたいているからね!」

 

朋「孝宏くんも言うごと(言うように)なったねぇ……あん頃ん泣き虫くんとは大違いやなあ」

 

孝「誰が泣き虫か!」

 

月「あははっ!でもまぁ……今のは宣戦布告ってことで捉えちゃっても、いいんだよね?」

 

月ちゃんの目付きが鋭くなった。

本気の顔だ。

 

曜「もちろん!これで正々堂々、恨みっこなしの勝負が出来るね!」

 

麗「フッ……いい勝負ができることを期待しているよ」

 

孝「こちらこそだよ麗奈。全力を尽くしていい勝負になるように、お互いがんばろうか」

 

朋「燃えてきたー!うち、たくしゃん頑張って練習して、絶対にこん勝負に勝つけんね!」

 

決意新たに、2つのグループの一大勝負の火蓋が、ついに切って落とされた。

 

 

********************

 

 

孝「ってことで、絶対にこの勝負、負けるわけにはいかないんだ。今まで以上にきつい練習になるかもしれないけど、頑張って着いてきて欲しい!」

 

千「もちろん!曜ちゃんを守るためにも、Aqoursとしての誇りを掛けて、絶対にこの勝負に勝とう!」

 

果「そうだね!負けるのはプライド的にも許せないし、何としてでも勝ちにいこう!」

 

善「クククッ、約束されし(とき)が来たようね……この最終戦争(ラグナロク)で我々に優美なる栄光(しょうり)をもたらすことを、今ここに堕天使の名において高らかに宣言致しましょう……」

 

鞠「ソーハードなプラクティスを華麗に乗り越えて、ストロングなライバルを見事に蹴散らしてやるデース!」

 

なんとも頼もしい発言の数々……

これならみんななんとか練習に耐えきってくれそうだ!

 

……だけど、

 

ル「る、ルビィ、そんな大変な練習こなせるかなぁ……」

 

花「マルも不安ずら……体力が持たない気がするずら……」

 

梨「私もそこまで出来るかどうか……あんまり自信が無いわ……」

 

ダ「なかなかハードなものになりそうですものね……」

 

こちらの4人は少々不安そうな面持ち。

今までにやった事のない練習も取り入れるし、練習時間も延長する。

これまで以上にハードな練習になるのは間違いないけど、それを乗り越えられれば間違いなくgelosia cuoreに勝つことが出来るはず!

だからこそみんなには頑張ってもらいたい。

 

孝「みんな!この戦いには曜ちゃんだけじゃなく、Aqoursとしてのプライドも掛かってる。後から出てきた新参者のグループに負ける訳にはいかない!なによりそれはAqoursのプライドが許さない!だから、かなり酷なものになるかもしれないけど、これを乗り越えれば間違いなくみんなはステップアップできる!」

 

曜「彼氏の言い分だからって訳じゃないけど、私は孝宏くんを信じる。キツくて、ツラくて、体力おばけの私や果南ちゃんでさえ苦しいものになるかもしれない。けど、きっとやった分だけ返ってくると思う。きっと……必ず!」

 

果「私もそう思う!考えるより先に動いちゃうけど、結局そうしてみた方が案外上手くいくって!」

 

ダ「ですが……私と果南さんとで違うように、メンバーそれぞれ持ち合わせている体力には差異がありますし、回復力にも差異があります。とてもみなさんが同じハードな練習メニューでやるというのは……」

 

ダイヤちゃんの言うことはごもっともで、核心を捉えた至極真っ当な意見。

確かにその通りだ。みんながみんな同じメニューなんてこなせると思ってない。

ルビィちゃんに遠泳30kmやらせるようなもんだから。

 

孝「うん、もちろんみんな同じメニューじゃないよ。それぞれに合ったメニューを考えてきた!」

 

鞠「What?! 昨日の今日で作ってきたっていうの?!」

 

梨「すごい……本当にみんなそれぞれメニューが違う……」

 

ル「こ、これならルビィでも出来るかも……!」

 

俺の作った練習メニューは、いつもやってる基礎のトレーニングを鑑みて、それぞれがこなせるであろう少し上のレベルのトレーニングを加えたもの。最強の果南ちゃんに課したメニューを+10とするならば、ルビィちゃんや花丸ちゃんは+2ほど。

 

曜「……みんなのこと、しっかり見ててくれてるんだね?」

 

孝「まあね。これくらいしか俺には出来ないし、少しでもこうしてみんなに褒めてもらえるのはやっぱり嬉しいよ」

 

まぁそれはいいとしても、少し上のレベルのトレーニングとはいえ、かなり身体に負荷のかかるトレーニング。

体力面で1番不安な面が残るルビィちゃんと花丸ちゃん。

きっと大丈夫だとは思っているけど……

 

 

********************

 

 

孝「…………んっ……ん……えっ?」

 

どこだここ……

いつの間に寝てたんだろう。

目を開けるとどこか知らない場所にいた。

見えるのは真っ白な天井と、薄い緑がかったカーテン。

微かに香る薬剤のような独特の匂い。

時折聞こえる〇〇〇号室の患者さんが云々という言葉からしてここは……

 

孝「……病院……だよなぁ……」

 

でもなぜ……

身体が不調を訴えていた訳じゃない……はずだったんだけど。

 

曜「……あっ、孝宏くんっ!!!」

 

孝「うわっ?!」

 

曜ちゃんの声が聞こえたと思ったら、次の瞬間には曜ちゃんの腕の中にいた。

 

すすり泣く声、曜ちゃんから聞こえるものだ。

徐々に俺を抱きしめる力が強くなっているのがわかる。

 

孝「よ、曜ちゃん……どうしたの……?」

 

曜「どうしたのじゃないよ!!!突然倒れて意識を失って……心配してたのに……」

 

突然倒れて意識を失った、ねぇ……

今こうして病院のベッドに寝かされてるってことは、何かしらの処置が終わっているってことだよな。

診断結果とか出てんのかな?

 

曜「孝宏くんは"一過性意識消失発作(いっかせいいしきしょうしつほっさ)"、簡単に言えば失神……孝宏くん、働きすぎちゃったんだよ……」

 

孝「失神……そっかぁ、俺働きすぎたのか……」

 

まあ思い当たる節はある。

gelosia cuoreの研究に明け暮れてつい夜更かししちゃったり、午後練終了後も翌日の練習がしやすくなるような環境づくり、最後まで残って片付けや掃除、部室の鍵締めなんかの後処理もしてきた。

梨子ちゃんに勧められてやった作詞が思いのほか楽しくて、つい寝る間を惜しんで作詞しちゃったり……いや、これは単純に俺が馬鹿なだけか。

直近で言えば、対gelosia cuoreとしてみんなそれぞれの練習メニューを1日で完成させてきたりなんかもしてた。

これらの理由から俺は過労で倒れたのか。

びっくりするほど体は元気なんだけどなぁ……

 

曜「これから向こう1週間は絶対安静。孝宏くん、最近あんまりご飯食べてなくて栄養足りてないみたいだから点滴も」

 

孝「1週間?!そんなに休んでたらgelosia cuoreとの対決が……」

 

曜「それは大丈夫、私たちだけでなんとかするから!だから……孝宏くんは今は自分のことだけを考えて……?」

 

孝「でもっ……!」

 

曜「お願いだから!!!」

 

見たことの無い曜ちゃんの厳しい表情、聞いたことも無い激しい声。

そんな曜ちゃんの強い口調と威勢を前に、俺は押し黙ることしか出来なかった。

 

曜「お願いだから……これ以上心配させないで……」

 

 

********************

 

 

夜。

外はいつの間にか暗くなって、街灯がつき始めている。

病院の中は至って静かだ。

……なんか時々ものすごいいびきが聞こえるのは無視しておいて。

夜の病院にはいろんな噂話がある。

主に心霊系の噂なんだけど、さすがにそれはないだろっていう噂なんかもある。

人間の好奇心というものは末恐ろしく、噂とわかっていても確かめずにはいられないものだ。

 

孝「これ以上心配させないで、かぁ……」

 

昼間聞いた曜ちゃんのあの言葉。

過労で倒れるなんて、生まれて初めてだ。

練習メニューでみんなが倒れないか心配してる前に自分の体調を心配してなかっただなんて、呆れた。

自己管理は出来ていたと思っていたのになぁ……

 

孝「今はとにかく自分の体を最優先に、だよな」

 

ならばもう寝よう。

噂話を確かめに行ってまた倒れてしまったらどうしようもない。

今は大人しく、曜ちゃんのあの言葉の通りにしておかないとだな。

 

 

孝宏side off

 

 

 

To be continued…




いかがだったでしょうか!
ブランクが……ブランクがすごい……笑笑

倒れてしまった孝宏、一体どうなってしまうんでしょうか!
そして孝宏がいなくなったAqoursがgelosia cuoreにどう立ち向かっていくのか!
それはたか丸にもわかってません←え

とにかく、次回もお楽しみに!笑

See you next time!


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番外編
バレンタインデー&ホワイトデー合併特別編


みなさーーーん!こーにゃにゃーちわー!!
…………
あれあれあれぇ?元気が足りないぞ〜っ?
こーにゃにゃーちわー!!!
(聞こえます……皆さんがそれぞれ心の中でこにゃにゃちわと叫んでいるのが……)
はーい、みんな元気なお返事ありがとーっ!
みんな大好きたか丸だよーっ!!()

まぁ茶番はこの辺にしておいて、今回は特別編です!
バレンタインの時は受験やらなんやらで書いてなかったなぁと思い、ホワイトデーと一緒にやってしまおうということで今回、お話を作った次第でございます!
時間軸に関しましては、一旦高校生に戻って(?)おります。
中学生から高校生に戻るって表現が独特すぎて……

いや〜、3月14日もあと少しのこの時間になってしまって申し訳ないです!
(みなさん、たか丸は投稿する時間が3月14日だと思い込んでいるのです……もう今日は3月15日なのに……可哀想な子です……優しく見守ってあげてください……)

えっ?たか丸はバレンタインにチョコは貰ったのかって?
えへっ、電撃オンラインストア……ん゙ん゙っ……千歌ちゃんからマグカップとラスクとメッセージカードを貰いましたよ!
なんで千歌ちゃんなのかって?
えっへへ、間違えてポチッちゃったんですよ笑
だから曜ちゃんのがないんです……かなピーマン……
でも千歌ちゃんから愛のメッセージ貰ったんで、これからあと70年は生きられますね笑

ま、たか丸の失敗談なんて鼻くそみたいなもんなんで、早速本編に参りますか!
それでは、今回も楽しんでいってください!
せーのっ、ヨーソロー!


バレンタインデー編――

 

 

曜side

 

 

曜「……んー、こんなもんかな……?」

 

今日、2月13日はバレンタインデーの前日!

そして今は夜の10時20分!うーん、眠い!

……ってそんなこと行ってられないや、頑張って作らなきゃ!

そう、私は今チョコレートを作っています!

正確に言えばチョコレートテリーヌっていうお菓子なんだけど……

作るのは簡単なんだけど、そこにどうアレンジを加えようかちょっと悩んで、ドライフルーツとかナッツを乗せたら美味しいかなって思って実践中……

だって……最愛の人に送るチョコ(本命チョコ)だし……///

ありきたりじゃつまらないから……///

 

曜「……考えるだけで恥ずかしいって何事……!///」

 

……って、だからそんなこと考えてる暇もないんだってば!

しっかり作って早く寝よう!寝坊なんてしたら最悪だし!

よーし、曜ちゃん印のチョコテリーヌ!

待ってろ孝宏くん!!!

 

 

曜side off

 

 

千歌side

 

 

千「わーーーん!志満ねぇ!()()失敗したーーー!!!助けてよぉーーーう!!!」

 

志「あらあら、大丈夫じゃ……なさそうね……」

 

うぅ……やっぱり苦手な料理とかやるべきじゃなかったのかなぁ……?

でもでも!チョコを溶かして分量通りの材料混ぜて、型に入れて焼くだけなんだよ?

何故か全部焦げ焦げになっちゃうんだよぉ……

 

志「あら〜?千歌ちゃんこれ、焼く温度がレシピと違うわよ?設定200℃って高すぎないかしら?」

 

千「200℃?!?!170℃にしたはずなんだけど?!」

 

あぅ……原因はこれだったのか……

機械の設定も出来ないなんて、千歌はダメな子だね……

 

千「千歌、作るのやめるべきかなぁ……?」

 

志「ふふっ、大丈夫よ千歌ちゃん。どんなに焦がしても、想いが伝わればきっと喜んでくれるわ♪」

 

千「うぅ〜〜〜!志満ねぇ〜〜〜!!!わかった!千歌がんばる!!!」

 

志満ねぇはやっぱ優しいなぁ!

よーし、頑張って作るぞー!!!おー!!!

 

 

千歌side off

 

 


 

 

孝宏side

 

 

明「……おやおや?孝宏くんは2月14日の今日この日に一体全体何を期待してそわそわしているんだーい?口が激硬で有名な美人お姉ちゃんに話してごらーん?」

 

孝「そっ、そわそわなんてしてないし!期待も何も無いし!それに!口が激硬な人は自分から激硬なんて言わないし、自分で美人とか言っちゃうあたりどうかしてる……ってもう!ツッコミどころ満載すぎて大変なんだけど!!!」

 

明「あっははははは!いや〜、ごめんごめん、たあくんがそわそわしてるからついからかいたくなっちゃってさ〜!」

 

孝「だから!そっ、そわそわなんて……して……ないし……」

 

我ながら嘘をつくのが下手くそだとこれほど思ったことはないな……

ほんとはめちゃめちゃそわそわしてる……ってかわくわくしてる。

毎年毎年思うんだけど、美人幼なじみ3人とAqoursの美人6人からバレンタインチョコ貰えるなんてほんとにすごいことだと思うんだよね……どうしても顔がにやける……

 

明「無理もないよね〜、だってこんな美女からチロルチョコひとつ貰えるんだから、そわそわするのも仕方が無いよ〜」

 

孝「あー、はいはい、ソウデスネー、タノシミスギテタオレチャイソウダヨー。コトシハドンナアジノチロルチョコガモラエルノカナー、タノシミダナー」

 

明「そっかそっかー!ほい、今年は「アゴ出汁寄せ鍋味」だぞ!味わって食べろよ!」

 

孝「棒読みでもいいんだ……って「アゴ出汁寄せ鍋味」ってなに?!チョコ成分どこにあんの?!「砂糖と間違えて塩使っちゃった!てへぺろ!」ってレベルじゃないでしょそれ!!!」

 

はぁ、朝っぱらからなんて仕打ちだ……

もうバス来ちゃうよ……

 

********************

 

曜「あっ、お、おはヨーソロー!孝宏くん!」

 

孝「お、おおおはヨーソロー!曜ちゃん!」

 

曜「きょ、今日もいい天気でありますな!」

 

孝「そ、そうだね!」

 

曜&孝「「…………」」

 

これも毎年そうなんだけど、変に緊張して俺も曜ちゃんも話せなくなっちゃうのはなんでなの!!!

うーっ、はやく千歌ちゃんと梨子ちゃん乗ってこないかな……

 

梨「あ、二人ともおはよう!いい天気ね!」

 

曜&孝「「梨子ちゃん!!!」」

 

梨「わっ、ど、どうしたの〜?……あっ、ふふっ、顔真っ赤にしちゃって……♪」

 

救世主梨子ちゃんはこの状況にどうやら勘付いたようで、何やら不敵な笑みを浮かべている……

 

梨「ふふっ、それじゃあ孝宏くん!はい、バレンタインチョコどーぞ!甘すぎるの苦手って言ってたから、ビターチョコのトリュフを作ってみました♪」

 

孝「おお、好みまで分かってくれていたなんて……ありがと梨子ちゃん!」

 

梨「ふふっ、どういたしまして♪……ほら、千歌ちゃんも早く乗りなよ?」

 

千「……うぅ、うん……」

 

ブルートゥス(千歌ちゃん)、(やっぱり)お前もか。

と思ったら、なんだか千歌ちゃんは浮かない顔をしている。毎年恒例、千歌ちゃんの顔がみかん……ではなくりんごのように真っ赤になってバスに乗ってくるのとは違った。

 

千「あのね……今年、初めて手作りチョコを作ってみたんだけど……何回やってもどうしても上手くいかなくって……焦げてるガトーショコラになっちゃって……」

 

孝「うそ!千歌ちゃん手作りしてくれたの?!もうそれだけでうれしいよ!」

 

千「えっ……?」

 

孝「だって、今まで既製品のチョコをそのままくれたのに、今年はわざわざ手作りしてくれたんでしょ?だったらその想いだけでじゅーぶん嬉しいよ!」

 

梨「ね?だから言ったじゃない。孝宏くんならそう言ってくれるって♪」

 

千「孝宏くん……えへ、ありがと!///」

 

孝「おう!……あ、確かに焦げてるけど、普通にめちゃ美味そうだよ……あ、やっべ、ヨダレ出た……」

 

曜「えっ、朝ごはん食べたんじゃないの?」

 

孝「いやぁ、それが()()()()()食べ損ねたんだよね……」

 

色々……ほんとに色々とあってね!!!

姉貴め……

ちなみに「アゴ出汁寄せ鍋味」のチロルはゲロマズでした。まじでただのアゴ出汁寄せ鍋……

 

曜「じゃ、じゃあさ!これ!食べない??作ったんだけど……」

 

おっ、今年は渡すタイミングが早いなぁ、嬉しいぞ〜!

 

孝「……ん?曜ちゃんこれ……なに?」

 

曜「いや、なにって、チョコテリーヌ……えっ」

 

曜ちゃんが渡してきたものは、なんと……

 

曜「ぱ……ぱんつ……?!?!」

 

孝「……くれるんですか?」

 

曜「あ、あ、あ、あげないってば!バカー!!!///」

 

孝「なんっ――へぼふぁ?!?!」

 

強烈ボディーブローいただきました……

別の意味でごちそうさま……でし……た……

 

 

孝宏side off

 

 




 

 

――ホワイトデー編――

 

 

孝宏side

 

孝「ほい、姉貴。ホワイトデーだから一応これあげるわ。ありがたく食べたまえよ!」

 

明「えっ、マジ?あんなものあげたのにお返しとかくれるんだ?サンキュー!……ってなにこれ」

 

孝「ん?デスソースクッキーだよ?美味しく食べてね、感想待ってるZE☆」

 

明「仕返しのつもり……?」

 

孝「まさか!バレンタインのお返しだよ〜」

 

明「じゃあお返しはこれを食べるアンタの馬鹿面ってことでっ!!!」

 

孝「むっふぉあ?!?!ちょ!!!なにこれ嘘でしょ?!?!辛っっっっっっ!!!えっ、辛っ――痛てぇ?!?!めっちゃ痛てぇんだけど?!?!」

 

明「あっははははは!!!だっせぇ……ぶっ、ふははははは!!!あー、涙出てきた!面白すぎるわ!あっははははは!!!」

 

くそ!もうこの姉貴ぜってー許さない!!!

今に見てろ!すっごい仕返ししてやるんだから!

 

……辛いよ、とても、辛いよ……

 

 

********************

 

 

孝「はぁ、酷い目にあったよまったく……」

 

曜「あはは……それは大変だったね」

 

孝「あのあと辛味を抑えるために牛乳飲みまくって、軽くお腹壊しかけたよ……っと、それはそうと。はい!曜ちゃんお返しね!一応今回はキャラメル風味のクッキーとみかんペーストを混ぜたみかんクッキーの2種類を作ってみました!」

 

曜「えっ、すご!みかん味のクッキーとか見たことないなぁ……なんか孝宏くんほんと女子力高いよねぇ……ありがと!おいしくいただくね?」

 

なんか曜ちゃんに褒められるとめちゃくちゃ嬉しい♪

千歌ちゃんと梨子ちゃんにも喜んでもらえるかな?

 

千「おいーっす!二人ともおっはヨーソロー!!!」

 

梨「えと、おはヨーソロー♪」

 

なんだろう、2人のおはヨーソローにはなにか決定的な違いがある……

 

曜「おはヨーソロー!それより2人とも!今年の孝宏くんのはすごいであります!」

 

梨「え?すごい?」

 

千「そっか、梨子ちゃんはこっちでのホワイトデーは初めてだもんね!孝宏くんは料理めっちゃ上手で、毎年ホワイトデーにはすごいものお返しでくれるんだよ!……今年はどんなのかな〜♪」

 

孝「あはは……あんまり期待しないでね?」

 

楽しみにしてくれるのは嬉しいんだけど、毎年期待値が高すぎて困ってるってのは内緒ね?

 

梨「なんだか私も気になってきちゃった!どんなものを作ったの?」

 

孝「今回はクッキーで、キャラメル味とみかん味の2種類を作ったんだ!」

 

千「みかん?!?!いやったぁ〜!!!」

 

あっはは、案の定大はしゃぎしてる……

 

孝「ちょっと食べてみてほしいんだ!感想を聞きたくて……」

 

曜「うん、わかった!それじゃあ……」

 

「「「いただきまーす」」」

 

どうかな……

 

「「「?!?!?!?!?!?!」」」

 

んんっ?!なんだ?!不味かったのか?!

 

「「「辛っっっっっっ!!!!!!」」」

 

曜「なにこれ!めっちゃ辛いんだけど!!!」

 

千「口の中ひりひりして痛いよ〜!!!」

 

梨「刺激……強すぎ……」

 

まさか!作ったはずのクッキーじゃなくて、デスソースクッキー詰めちゃったの?!?!

いや、ちゃんと作ったやつを入れた!

じゃあ、誰かにすりかえられた……?

となると……犯人はもう割れている……

 

孝「あのバカ姉貴ィィィィ!!!」

 

その日、内浦には辛さに悶える3人の少女の悲痛な叫び声と、姉への復讐を誓った1人の少年の怒りの叫び声が響いていたという……

 

 

孝宏side off

 

 

 

To be continued…




いかがだったでしょうか?!
今回はちょっと短めです、理由は聞かないでください笑

私事ですが、一昨日3月13日(投稿日が3月15日という現実を理解した)に、無事高校を卒業致しました!
3年間、ほんとに短かったです。セリフがじぃさんっぽくなるんですが、入学した時のことが本当に昨日のように思えます。泣くことは無かったんですが、時間が経ってから「もうあの場所に毎日行くことは無いのか……」とか「あの場所で色んなことがあったな……」とか「もう私があの制服を着たらただのコスプレイヤーになるんだな……」とか考えたら、うるっときました。
結果的にいい先生も多くて、たくさんの友人もでき、最高の思い出が出来ました!
私の思い出の1ページ、いや、内容的にはきっと200ページぐらいに色濃いものになりました!
18年間育ててもらった両親や祖父母、幼稚園から高校までの友達や先生、先輩後輩に感謝の気持ちでいっぱいです!ほんとにありがとー!!!(多分友人は誰も見ていないと思いますが……笑)


さて!そろそろ過去編も出来上がります!
なるべく早く皆様にお見せできるようにがんばります!
それでは、次回もお楽しみに〜!
See you next time!


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渡辺曜生誕祝賀祭2019 前編

みなさんこにゃにゃちわ、五等分の花嫁に最近どハマりしているたか丸です
高校のめちゃくちゃ仲良かった友達と同じ大学に通うことになって、その帰り道で単行本を買わされたんですよ笑
「なんで別に興味のない漫画買わされるんや……ちょいと人気出た作品なだけやろ?」って思っていた時代が私にもありました
なんですかあれ、めちゃくちゃ面白いやん!キャラ可愛いやん!アニメは声優豪華やん!ありゃ人気出るのも頷けます!笑
ちなみにたか丸は二乃ちゃんと四葉ちゃん推しです!

ともあれ今回は曜ちゃんのお誕生日ということで、ありきたりかもしれませんが、曜ちゃんへの「お誕生日おめでとう」の気持ちを込めて書かせていただきました!
時間軸とか気にしないで読んだほうがいいですよずら、はい。
このころAqoursとかまだ結成されてないでしょとか思った瞬間負けですずらよ?
どうか曜ちゃんの誕生日に奔走する孝宏を最後まで見届けてあげてください!

それでは!今回も楽しんでいってください!
せーのっ、よーしこー!……じゃなくて、ヨーソロー!!


孝宏side

 

 

ここは浦の星学院スクールアイドル部部室。

 

孝「今日はみんな集まってくれてありがとう、これからみんなにとある極秘任務の内容を伝えたいと思う……」

 

ル「極秘、任務……ゴクリ……」

 

果「みんなって……曜がいないけど?」

 

ダ「曜さん抜きで平気なんですの?」

 

集まったメンバーは1年生と3年生、そして千歌ちゃんと梨子ちゃんと俺。

果南ちゃんの言う通り曜ちゃんがいない。

 

孝「いやいや、むしろ今は曜ちゃんがいちゃいけないんだよ、ダイヤちゃん」

 

花「どういうことずら?」

 

よし(ヨハネよっ!)ヨ「まさか……ッ!曜が天界に昇天して、地獄との最終戦争(ラグナロク)に備えているから、私たちで対抗策を練ろうと言うのね?!だからヨハネの存在が必要不可欠だったというわけなんだわ!さすがリトルデーモンダンタリオンね!」

 

孝「色々違うけど、何よりリトルデーモンダンタリオンってもしかしなくても俺の事だよね……」

 

ル「あはは……それで、曜ちゃんはどうしていないの?」

 

話がそれかけてた、ナイスルビィちゃん!

 

孝「集まってもらったのは他でもない……そう、来たる4月17日!」

 

鞠「April 17th? Tomorrow? Why?」

 

孝「え、えーと、び、びこーず……」

 

梨「孝宏くん無理しないで、日本語で平気だから……もう鞠莉さんってば、孝宏くんは英語苦手なんだから英語で聞いちゃダメですよ?」

 

鞠「Oh!Sorry sorry! But I can't speak Japanese.So I want you to speak English! Nihongo tukauno dameyo?」

 

孝「最後日本語じゃんかっ!……って、また話が逸れた……」

 

鞠「ふふっ、ゴメンねっ?孝宏が英語を頑張って話そうとしてるのが可愛らしくてつい、ね☆」

 

完璧なウィンクをばちこーんと決められてしまった。

ううっ、やっぱ鞠莉ちゃんには敵わない……

 

孝「と、とにかく!4月17日はなんと……!」

 

千「なんと曜ちゃんのお誕生日なのです!!!」

 

孝「あーっ!!!なんという卑劣な横取り!!!卑怯なり……高海千歌卑怯なり……っ!」

 

千「ふっふっふ〜、まだまだ甘々だぞ孝宏くんや。もっと精進したまえよ!」

 

孝「くっ、悔しい……」

 

果「さっきから一体なにしてんの……」

 

か、果南ちゃんにツッコまれる日が来るなんて……

 

花「もしかして……曜ちゃんの誕生日だから何をプレゼントしてあげればいいか悩んでるずら?」

 

孝「そのとーり!いい勘してるねマルちゃん!」

 

ダ「今の会話の流れからして誰でも気が付くと思うのですが……」

 

鞠「細かいことを気にしちゃダメよダイヤ。きっと孝宏は曜への誕生日プレゼントがいつもありきたりすぎるから、恋人同士になって結構経ってるのもあるし、ありきたりな今までのプレゼントから脱却すべく、何か違う新しいものをプレゼントしようと奔走して頭がいっぱいいっぱいになっちゃってるから……」

 

孝「心と脳内を隅々まで詠んだ上に的確な説明どうもありがとう鞠莉ちゃん!!!///」

 

鞠「あら?ドンピシャだったみたいね♪」

 

そんなに俺ってばわかりやすいかな……?

顔には出さないタイプって自負してるんだけど、もしかしなくてもそんなことない、のか……?

曜ちゃんにはいつも思考読まれてはからかわれるし、千歌ちゃんには幼なじみ特有の何とかってやつで考えてることバレるし、梨子ちゃんには「孝宏くんってわかりやすいわね♪」なんて言われたし……

きっとみんなの勘が鋭いだけだ、うん、絶対そうだ、そうに違いない(˙◁˙)

 

孝「まぁ鞠莉ちゃんが言ったことは全て正しい!もうなんも間違ってない!だからみんな!どうか、どうかこの孝宏めにすんばらしぃアイディアをちょうだいぃ〜……」

 

いやはや情けない。

毎年毎年曜ちゃんの誕生日は、曜ちゃんに似合うと思っていつも洋服しかあげられてないんだよね。

1回だけ「これじゃいかん!」と思って、手作りクッキーなんかあげようと思ったんだけど……

あの時の孝宏くんには料理の才能があまりにもなかったみたいで……

 

あれ……思い出しただけで涙が出てくるな……おかしいな……

 

孝「べっ、別に!失敗して丸焦げになったりしていつも通りのプレゼントしかあげられなかったなんてことないんだから勘違いしないでよねっ!」

 

花「わっ、いきなりどうしたずら?!」

 

ヨ「地獄の悪魔達が扱う闇の炎に存在を掻き消されたりでもしたのかしら……?」

 

花「それはないずら」

 

ヨ「なんでよっ!!」

 

果「でも明日誕生日なのにどうして今日私たちに話したの?」

 

孝「いや〜、ギリギリまで自分でアイディア出そうと思って悩んでたんだけど、結局出なくて今日になっちゃったんだよね……」

 

果「いつもの良くも悪くもある、いつもの癖が出ちゃったんだね……」

 

千「んー、じゃあ千歌はやっぱりいつも通り洋服をプレゼントしてあげるのが無難だし、いいと思うんだけどなぁ……結局誕生日の前日になっちゃったわけだし……」

 

梨「えっ、いつも洋服をプレゼントしてあげてるの?」

 

千「あー、ほら!この前梨子ちゃんと曜ちゃんであわしまマリンパーク行った時の曜ちゃんの服覚えてる?あれが去年孝宏くんがプレゼントしたワンピースだよ!」

 

曜ちゃん、去年の服まだ着てくれてたんだ……

なんかすげーうれしい!

 

梨「あのワンピース孝宏くんが選んだものなの?!すっごく可愛かった!孝宏くんセンスあるよね♪」

 

孝「えっ、そ、そうかな……?」

 

去年あげたワンピースはオーバーサイズシャツワンピースっていって、ちょっと大きめに作られてるワンピース。

水色のストライプ柄で、前後両方にたっぷり入ったウエストタックが印象的なもの。

スニーカーなんかで合わせるとオシャレなもの。

 

って店員さんが言ってたんだ〜……

 

千「いやいや、孝宏くんにあんなセンスないって〜。どうせ店員さんのオススメしてくれたものを真に受けて、「これしかないっ!」とか言って買ってるんだよ〜」

 

孝「なんでそういつもわかっちゃうの……?」

 

千「幼なじみだから?」

 

孝「もうそれ聞き飽きたーっ!!」

 

「「「「「「「「あははははははっ!」」」」」」」」

 

 

そしてこの日は後に加わった曜ちゃんも含めて、しっかり部活をやって、無事に帰路に着きました。

 

……っておい、なにも解決してないじゃんけ!

 

うーっ!どうすんのさこれ……

 

仕方ない……()()助っ人に助けを求める必要があるな……

多少の犠牲は……それなりに覚悟してる、うん。

 

ってか、みんな居ないんだけど……

今日俺ぼっち帰宅?

はぁ……

 

孝「なんて日だ!」

 

いや……あの、言いたかっただけですはい。

 

 

孝宏side off

 

 

曜side

 

 

……なんだろう?

孝宏くんの様子がここ最近おかしい……

 

話しかけても、忙しいだのなんだのでなかなか話せないし、話せてもどこか上の空だし……

ひどい時には私を見た瞬間逃げ出したり……

 

もしかして私……孝宏くんに、き、嫌われた……?

 

私、孝宏くんに何かしちゃったかな……

 

この間部室にあった孝宏くんのちょっとオシャレなラスクを食べちゃって、孝宏くんをぷんすこさせちゃったけど、まさかまだあれを根に持ってたりするのかな……?

 

確かにお詫びの品を用意できてないのは私の至らない点ではあるんだけども……

 

うー……あれだけでそんなに怒る孝宏くんではないはずなんだけどなぁ……

 

?「……ちゃん

 

でももしかしたらあのラスクはとても大切な人からもらった大事なラスクだったりしたのかも……

 

?「聞こえてないのかな……?おーい、よーちゃーん

 

だとしたら大問題かも……でも大切な人って誰だろう?明日奈さん……は別として、うーん……

 

?「よ!う!ちゃ!ん!」

 

曜「わあっ?!……ち、千歌ちゃんかぁ、びっくりしたぁ……」

 

千「びっくりしたぁ……じゃないよもう!何回呼んだと思ってるのっ!」

 

曜「ご、ごめん!ちょっと考え事してて……」

 

あは、ボケっとしてた……

 

梨「考え事、ねぇ……でも、あんな悲しそうな顔して、一体どんなことを考えてたの?」

 

曜「えっ……」

 

悲しそうな顔、してたんだ……

 

あはは、これじゃ孝宏くんのこと言えないや……

 

曜「べ、別に大したことじゃないよ〜。次の制服、どんなものにしようかって……」

 

千「そんなこと考えててどうして涙を流してるの?」

 

曜「……!……そ、んな……涙、なんて……」

 

自然と頬を伝う熱い想いの結晶。

 

孝宏くんに嫌われてるのかもって思うだけで、とめどなく目から溢れてしまう涙。

次第に嗚咽混じりに泣き始めてしまった。

しばらくの間、私は千歌ちゃんと梨子ちゃんに抱きしめられながら泣いた。

 

梨「ねぇ……教えて曜ちゃん。曜ちゃんが何にそんなに苦しんで泣いているのか……」

 

千「曜ちゃんが泣いてると千歌まで悲しくなってくるよ……」

 

曜「二人とも……」

 

信頼してる二人だし、話せばもしかしたら解決の糸口が掴めるかも。

 

曜「実は……」

 

********************

 

千「なんかそんな感じだと思ったんだよね〜」

 

梨「さっきの部活の時もぎこちなかったし……まったく2人して不器用さんなんだから……」

 

あれれ?思ったより冷静?

もしかして私一人で超深刻に考えてた感じ?

でも……彼女だし……嫌われたくないし……

 

千「どうする?きっと孝宏くんはサプライズにしたいと思ってるんだろうけど、これじゃあ曜ちゃんを混乱させるだけだよね?

 

梨「これは孝宏くんには申し訳ないけど、曜ちゃんに教えてあげるべきよね

 

曜「二人とも、こしょこしょ話してどうしたの……?」

 

何か知ってるのかな?孝宏くんのこと……

 

千「あのね曜ちゃん!実は……」

 

水泳部員「渡辺先輩!少しお時間よろしいでしょうか?今度の大会についてお話があるんですが……」

 

曜「あー……うん、わかった。すぐ行くよ!……ごめん二人とも、ちょっと時間かかりそうだから今日は先に帰ってて?それじゃ……」

 

千「あっ、曜ちゃん……」

 

二人が何を知ってるかはわからないけど、今は水泳部の用事を終わらせなきゃ……

 

 

 

曜「孝宏くん……会いたいよ……

 

 

 

また熱い想いの結晶が1つ、頬を伝った。

 

 

曜side off

 

 

千歌side

 

 

梨「教えてあげられなかったね……どうしよう?」

 

果「ここは様子をみるべきかもね♪」

 

千「わあっ!か、果南ちゃん!様子をみるってどういうこと?」

 

果「んー、きっと誕生日になれば曜だって孝宏がいままでしてたことの理由に気が付くと思うし、何より!その方が余計に孝宏のことが好きになるでしょ?ちょっと距離があったのに、一気にまた縮まるわけだし♪」

 

おー、果南ちゃんがすごく大人っぽいこと言ってる!

これはあれですな、「オトナのレディー」ってやつですな!

ん?でも……

 

千「果南ちゃん、もしかして好きな人出来た?」

 

果「ふぇ?!///」

 

梨「あっ、果南さん赤くなってる!まさかほんとに……」

 

果「なっ、ないないない!絶対にないから!だって私があんなやつのこと!……あ」

 

千&梨「「()()()()()ってだれ!?」」

 

これは果南ちゃんにも季節的にも春が来たって感じ??

こんな真っ赤になってる果南ちゃんなんか今まで見たことないよ!

いつもからかわれてる分、今日からかってやるんだー!

 

千「もしかして!この前からずっとダイビングショップに来てる背の高い人?」

 

果「ちっ、違う違う!あいつじゃない!///」

 

梨「お客さんに向かって……()()()?それほど親しくなってるってことじゃあ……」

 

果「うぅ〜、マル〜!二人がいじめてくる〜!!」

 

あっ、花丸ちゃんに助けを求めてる!

だが果南ちゃん、残念だったね。

花丸ちゃんはさっき部活終わりに渡した「のっぽパン」で既にこちらの陣営に引き込んでいるのだ!

 

花「よしよし、大丈夫ずらよ果南ちゃん。マルが守ってあげるずら!」

 

千「ええ〜?!花丸ちゃん!約束と違うずらよ?!のっぽパンの契りを忘れたの?!」

 

花「マルはそんな契りは交わしてないずら〜」

 

千「や、やられた……」

 

ヨ「契り……?暗黒界との闇の契りのことかしら……っ!」

 

ル「そんなわけない、ずら♪」

 

ヨ「ツッコむのずら丸じゃなくてルビィかい!」

 

ダ「まったく……いつまで経ってもこのAqoursのメンバーは騒がしいですわね……ほら!バスの時間が近いですわよ!急いで準備なさい!」

 

「「「「「「「はーーーーーーーい」」」」」」」

 

梨「それで千歌ちゃん、結局あの二人のこと、どうするの?」

 

千「えー、梨子ちゃんそれ聞く〜?もう分かってることじゃないの〜」

 

梨「ふふっ、それもそうね、果南さんの意地悪な作戦にのっちゃおっか♪」

 

 

ゴメンね曜ちゃん、ちょっとだけ小悪魔な千歌が出てきちゃったみたい♪

果南ちゃんの言う通り、少しだけ様子を見させてね♡

 

 

千歌side off




いかがだったでしょうか?
ええ、はい、タイトル見てもらってわかる通り、今回は2本立てです笑
同時にもう1話あげるんで、ぜひとも孝宏の奮闘ぶりを最後まで見届けてあげてください

にしてもこんな展開いろんなところで見ますねぇ……
オチが想像つきすぎて身震いしますねぇ……
あ、いや、風邪じゃないです、マジレスやめてください、ちょ、だからマジレスやめ……

そういえばみなさん、この間の雪!凄かったですよね!
たか丸の通ってる大学は田舎の山奥のそれはそれは閑散とした地域(たか丸は怒られろ)なんで、雪がめっちゃ積もったんですよ!
え、いやいやいや、雪遊びなんてしてないですよ〜
ほんとですって〜、雪なんて触ってすらいないですし〜
ほんと……それどころじゃないくらい寒かったんで……
みなさんは今回の雪、エンジョイ出来ましたか?
たか丸的には雪と桜の写真を撮りたかったですね……

それでは!次回もお楽しみに!
See you next time!


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渡辺曜生誕祝賀祭2019 後編

みなさんこにゃにゃちわ、初の試み、1日2本投稿をしてみました、どうもたか丸です。

誕生日ならではですね、2本立て!
いや〜、実に大変でした笑
あ、「そんなに苦労して書いた作品がこれかよwww笑わせてくれるぜwww」とか思ったそこのあなた!あなたですよあなた!ちょっとそこのゔぁなーたちょっと!ごもっともだけど言わないで心にそっとしまっておくか、その考えを頭の中からキレイキレイしといてください。

え〜、深夜テンションです、失礼しました(時刻AM1:42)

それでは2本目もお楽しみください!
せーのっ、よーしこー!

善「だからヨハネよっ!」

ぴょん

善「それに、最初の挨拶はヨーソロー!でしょーがぁ〜!!!」


曜side

 

 

水泳部員「……先輩……なべ先輩……渡辺先輩!」

 

曜「えっ、な、何?どうしたの?」

 

水泳部員「今回の選手登録はこのメンバーで平気ですか?」

 

曜「あー、う、うん、大丈夫だよ!よーし、じゃあみんな大会頑張ろーっ!」

 

「「「おーーーっ!!!」」」

 

はぁ、もう全然集中できてないや……

大会のメンバー登録っていう大事な話し合いなのにボケっとしちゃって……

 

でも、どうして孝宏くんは私の事避けてるんだろ……?

やっぱり「オシャレなラスク事件」が事の発端なのかな?

でも孝宏くんはそんな些細なことでずっと怒ったりするタイプじゃないはずなんだ……

 

曜「……いつも詠める心が、今だけどうしても詠めないよ……なんでかな……?」

 

水泳部員「先輩、どうかしたんですか……?」

 

曜「あっ、ううん、なんでもない!それじゃみんなお疲れ様!」

 

「「「お疲れ様でした!」」」

 

考えてもしょうがない事って分かってはいるけど、やっぱり考えちゃう。

今はその事しか頭にな……

 

……そういえば、明日って私の誕生日だっけか。

誕生日か……去年は孝宏くんに可愛いワンピースもらったなぁ……

一昨年は白のロンTと白黒のオシャレなスニーカーをもらって、その前は確か「No Swim No Life」って書いてあるTシャツもらって大笑いしたっけ?

 

思い出してみると孝宏くんはいつも私のためにいろんなものをプレゼントしてくれてたなぁ……

 

そんなことを考えているとあっという間に家に着いて、自分の部屋にいた。

 

ふと思い立って、思い出ボックスを開けてみた。

 

曜「わぁ、懐かしい……」

 

小さい頃ずっと抱いて寝ていたシロクマのでかぬいぐるみに、おままごとで使っていたおもちゃの野菜やナイフ、子供用の船長帽まで出てきた。

 

曜「あっ、これ……」

 

小学校3年生の時、孝宏くんから初めてもらったプレゼント。

錨のチャームのついたネックレス。

誕生石のダイヤモンドがあしらわれていて、チャームは淡い水色。

貰った時は嬉しくて嬉しくて、どこに行くにもずっと着けてた記憶がある。

ずっと使いすぎて、壊れちゃったからここにしまっておいたんだよね。

 

曜「孝宏くん、どうして……どうして今まで通りに話してくれないの……?」

 

静かな部屋に私の声が響く。

視界がぼやけて、そのぼやけの正体が床に落ちる。

とめどなく溢れるこの涙はどうやったら止められるんだろう……

拭っても拭っても止まらない涙。

不安、絶望、恐怖……色んなものがこもった涙。

 

曜「教えて……私に……答えを……」

 

虚しく響く私の弱々しい言葉は、孝宏くんに届くはずもなく、消えた。

 

 

曜side off

 

 

Next day

 

 

孝宏side

 

 

孝「というわけで、今年はこれにしてみました!どうかな……ありきたりかもしれないけど、今までにない新鮮な感じでしょ?」

 

千「いや〜、あの孝宏くんからこんなアイディアが生まれるとは思わなかったよ!キザなオトコになりましたなぁ〜」

 

孝「いやはや照れますなぁ高海さん、褒めても何もでないですよ〜?」

 

千「えっ!何も出ないの……?」

 

そっ、そんなうるうるした目をされたら……

 

孝「仕方ないなぁもう……はい、みかんどーぞ♪」

 

千「わーい!みかんだー!みっかっんっ!みっかっんっ!」

 

みかんあげるしかないよね?

「みかん大好きっ娘にはみかんを与えよ」ってことわざもあるぐらいだし!

……異論、反論は認めないからそこらへんよろしくぅ!

 

梨「それにしてもよくこのアイディアを思いついたね!もしかして……」

 

孝「そ、姉貴に協力してもらって、どんなのがいいか話して決めたんだ!」

 

梨「さすが私の師匠!!!」

 

あ、まだやってたんだその関係……

 

果「それにしてもかなりキザだねぇ……曜がこれをどう思うかだね」

 

千「きっと大丈夫だよ!こんな素敵なプレゼントもらったら曜ちゃんだって嬉しいはずだよ!」

 

ル「ロマンチックだよね……はぁ、きれい……♡」

 

ダ「ほらみなさん、もうすぐ3限目が始まりますわよ〜!教室にお戻りなさい」

 

「「「「「「「「はーーーーーーーーい!」」」」」」」」

 

 

よし、あとはこれを曜ちゃんに渡すだけ……

 

でも、今日は朝から曜ちゃんの姿が見えない。

バスにもいなかったし、LIMEの返信もない。

 

時刻は午前10時半を少しすぎたところ。

 

今日の授業は今年度最初の授業が多いからガイダンスだけ。

 

それならやることはひとつしかない。

 

良い子のみんな!あと悪い子のみんなも!

真似しちゃダメだぞ?

ダイヤちゃん、今日だけは見逃してね?

 

 

孝「せんせー、悪寒がするんで保健室行きまーす。多分帰りまーす。きっと熱が39.0℃超えてまーす」

 

千「孝宏くん?……なんかちょっとキャラが違うような……」

 

梨「なんかワルそうな感じね……それになんだか胡散臭い……」

 

教師「んあ?おー、それはしゃーないな。早く帰って、おかんの作ったお粥食って、悪寒を治せよ〜、なんつってぇ???ギャハギャハギャハwww」

 

孝「あーい」

 

梨「先生はこの上なく雑ね……」

 

よっしゃ、関門は突破した。

あの先生ほんといい人だわ……

こんど貢ぎ物でも持っていこうかな?

ともかく、あとは部室に置いてあるプレゼントを持って曜ちゃんの家に行くだけだ!

 

 

孝宏side off

 

 

曜side

 

 

曜「はぁ、何してるんだろ、私……」

 

ママに言い訳して今日は学校をずる休みしちゃった……

でも今日はどうしても学校に行く気にはなれなかった。

孝宏くんに会うのが怖い……

また何かして嫌われちゃったら嫌だ……

まともに話をできる自信がない……

 

曜「どうすればいいの……?」

 

昨日から幾度となく流れる涙。

乾くことは一晩たってもなかった。

もういっそのこと……このまま止まらずにこの想いを洗い流してくれたら……

 

曜ママ「曜、ちょっと入るわよ。あ、寝てていいからね?」

 

曜「うん……」

 

何しに来たんだろ……?

病院に連れていかれたりするかも……

体はめちゃめちゃ元気だけど、心が弱りに弱ってる……

 

曜ママ「それじゃ、ごゆっくり〜、うふふっ♪」

 

曜「……ごゆっくり?」

 

私はママの残した言葉が不可解で、思わず起き上がった。

 

曜「……!!!」

 

孝「よっ、元気そうだね曜ちゃん。ずる休みするなんて悪い子だな〜……まぁ、仮病使って授業抜け出した奴が言えるセリフじゃないとは思うけど……」

 

曜「な……んで……ここに……」

 

孝「なんでって……曜ちゃんのこと心配だったし……」

 

そんな……でもなんで……

 

孝「それに!今日は曜ちゃんにとって特別で大事な日だから!」

 

曜「えっ……」

 

そういうと孝宏くんは、ずっと背後に隠していたあるものを私にくれた。

 

曜「これって……9本のバラ?それに赤じゃなくてピンク色……」

 

孝「あはは……みんなにキザって言われちゃったんだ〜……」

 

うん、言われると思う……私もそう思ったし……

でも……

 

曜「……ありがとう、うれしい……///」

 

孝「ほ、ほんと?よかった〜……あ、このバラの花束なんだけど、特別な意味があるんだ!花束に刺さってるカードを見てもらってもいい?」

 

曜「カード?あ、これか……」

 

カードにはこう書かれていた。

 

 

9本のバラの花言葉

 

「いつもあなたを想っています」

「いつも一緒にいてください」

 

ピンク色のバラの花言葉

 

「しとやか」「上品」「可愛い人」「美しい少女」

 

そして

 

「愛の誓い」

 

 

曜「愛の……誓い……」

 

孝「あはは……柄でも無いことしてるのは分かってるんだけど……」

 

曜「でも……どうして、どうしてこんなことしてくれるの?孝宏くんは私のこと……嫌いじゃ、ないの?」

 

孝「はぇ?俺が曜ちゃんのことを嫌い?なんで?」

 

曜「だって、話そうと思ったら避けられるし、話せてもどこか上の空だったし……」

 

孝「えっ。あ、あはははは、それはほら!その〜、俺ってば隠し事苦手じゃん?曜ちゃんにも千歌ちゃんにもすぐ心詠まれるし……それで、曜ちゃんと話してボロでも出ちゃったら大変だと思ったから、少し距離を置いちゃったんだ……ごめんね……」

 

そっか、私のためを思って……

確かに隠し事はめちゃくちゃ下手くそだけど……

 

曜「じゃあ、嫌いになった、とかじゃない……んだよね?」

 

孝「あはは、まったくバカだなぁ曜ちゃんは!俺が曜ちゃんを嫌うわけないじゃないの〜!そんなことこの世から地球がなくなってもありえないよ!だって俺……!」

 

そういうと孝宏くんは顔を赤くして頭をポリポリ掻き始めた。

 

孝「あー、俺は……曜ちゃんのこと、この世で誰よりも愛しているから」

 

高鳴る胸。この心臓の音が孝宏くんに聞こえてしまうかもしれないほどに高鳴っていた。

大好きな人に、少し距離が出来ていた人に、「愛している」と言われる幸福感。

 

曜「…………孝宏くん!」

 

彼のその「愛している」の一言は私の心のモヤモヤを振り払うのに十分すぎるものだった。

私はたまらず孝宏くんに抱きついた。

 

孝「わわっ、どうしたの曜ちゃん?なんで泣いてるの?」

 

曜「いいのっ!」

 

孝「もー、涙で顔くしゃくしゃだよ?」

 

曜「いいのっ!」

 

孝「あはは、もー泣き止んでよ〜」

 

今はただ、この時間が幸せで、愛しくて、かけがえのないもので……

孝宏くんと一緒にいられるこの時間が何よりも大好きなんだって思えた。

 

孝「ね、曜ちゃん。ちょっと左手かしてもらえる?あ、あと目を瞑っててもらえるかな?」

 

曜「?うん……」

 

左手を差し出して目を閉じる。

暗闇の世界が広がる中、私の左手を優しく持ってくれる孝宏くんの温かい手。

何か、かばんから取り出してる音がする……

 

孝「はい、目を開けていいよ」

 

視界に光が差し込み、孝宏くんの顔を捉える。

 

孝「確か意味合い的にここで合ってるはず……」

 

曜「えっ、孝宏くんそれ……!」

 

孝「えへ、これは誰にも言ってなかったんだ〜……よっと。安物で申し訳ないけど、一応()()()()みたいな?」

 

孝宏くんは私の左手薬指に、指輪をはめた。

淡い水色のリングに誕生石のダイヤモンド。

 

孝「あの時と同じ色……だよね?」

 

曜「あっ……」

 

覚えててくれたんだ、あのネックレスのこと。

プレゼントをあげた側って時が経つと、あげたものを忘れちゃうって言われてるけど、孝宏くんは覚えててくれた……

 

孝「薬指にはめる指輪の意味は「愛を深める」なんだよ〜」

 

今日の孝宏くんはとことんキザだなぁ……

 

孝「いつか、本物を……

 

曜「えっ?」

 

孝「ああっ、ななな、なんでもない!///」

 

曜「顔真っ赤にしちゃってどうしたの?何考えてたのかな〜?」

 

孝「な、なんも考えてないってば〜!」

 

曜「怪しいなぁ〜、私にぶっちゃけちゃいなYO!」

 

孝「なんにも考えてないよ〜!」

 

曜「あははははっ!」

 

孝「あははっ!……よかった、ようやく笑えたね♪」

 

曜「あっ……」

 

そっか、孝宏くんはずっと私のことをきにかけてくれてたんだ……

あの時避けられてたのも、上の空で話してたのも、全部私のために……

 

曜「孝宏くん、ごめんね……ありがとう!」

 

孝「?うん!どういたしまして!」

 

私たちは再び抱き合った。

抱擁を解いて、キスをした。

 

曜「んっ……」

 

時間にしておよそ5秒くらいだっただろうけど、とても長く感じるキスだった。

 

曜「ねぇ……もう1回、しよ……?」

 

孝「……うん」

 

そう言うなり、私たちの唇は再び重なり合った。

 

すると孝宏くんは少し口を広げ、舌を私の口の中に滑り込ませた。

 

曜「!!」

 

世間一般で言う「ディープキス」というやつだ。

突然のことにびっくりしたけど、私はそれを受け入れた。

お互いの舌が絡み合い、唾液が混ざってひとつになっていく感覚。

とてもじゃないけど正気を保っていられそうになかった。

孝宏くんも限界なのか、10秒程すると唇が離れていった。

離れていく舌から唾液が糸を引き、切れる。

私たちは荒くなった呼吸を整えるかのように、見つめ合い、微笑み合った。

 

曜「忘れられない誕生日になったよ……///」

 

孝「そっか……それならよかった……///」

 

再び抱擁を交わし、眠るように倒れ込んだ。

違うな……押し倒された。

 

孝「ならもっと、忘れられない誕生日にしない……?」

 

ああ、きっと私はここで大人への第一歩を踏み出すのかもしれない……

 

曜「うん、してほしい……///」

 

抗えない。この欲望には抗えない……

 

 

********************

 

 

曜「って()()()じゃないんかーい!」

 

孝「えっ、そっちって何?」

 

孝宏くんが忘れられない誕生日にするためにしたことは、なんと、ケーキ作り。

 

確かになんかイベントがないと作らない食べ物かもしれないけど、あの雰囲気で、あの状況で、忘れられない誕生日にすることと言ったら、()()()()()()じゃないんかい!

 

まぁでも、私たちらしいかな……♪

 

曜「あははっ!孝宏くんってば、ほっぺにホイップクリーム付いてる〜。つまみ食いしたな〜?」

 

孝「はっ、いかん!バレた!」

 

曜「まったくも〜……」

 

 

――ペロッ――

 

 

孝「なっ……!///」

 

曜「いひひひっ、顔真っ赤♪」

 

孝「まったくずるいんだから……」

 

 

私たちらしさ、これからも大事にしなきゃだね!

 

ありがとう、孝宏くん!

だーーーーーいすきっ!!!

 

 

曜side off

 

 

 

 

To be continued…

 

 

 

And HAPPY BIRTHDAY! YOU WATANABE!!




いかがだった果南?!(食い気味)
はい、恥ずか死いですね笑
え?「し」が「死」になってます?気のせいじゃないですか?

いやでも、ちょっとエロティックなあのシーンを描くのは、かなり顔真っ赤になってました笑
人生初のエロティックシーンだったので、拙い部分も多いと思いますが、許容していただければ幸いです……

何はともあれ!(唐突)
幸せな誕生日になってよかった……(遠い目)

ちなみにダイヤモンドですけど、パワーストーン屋さんに行けば、案外手軽なお値段で手に入りますよ。
ガチの指輪とかネックレスのダイヤモンドみたいな大変高額なやつとは訳が違うんでしょうけど笑

あ、そういえばわたくしたか丸ですが、ついに「ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over The Rainbow」を見ることが出来ました!
もうとにかくみんなの成長が楽しめる作品でしたね!
特にルビ理亞の2人ですね、大人っぽくなってて……
曲もみんな良かったですね!
お気に入りは「Hop? Step? Nonstop!」と「Believe again」ですね。元気な曲とくーるな曲が好きです笑
でもやっぱり「Brightest Melody」とか「Next SPARKLING!!」とかは泣かされましたね、涙腺ガタガタでした笑
あと月ちゃん可愛いかよですね笑
「よーろしくー!」ってめっちゃ可愛い(´-ω-`)
しかも黒沢さんが中のt……ん゙ん゙っ゙!
な、なんでもないですよ〜(゚∀゚)


それでは!次回もお楽しみに!
See you next time!


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I'm waiting on the coast street.

みなさんこにゃにゃちわ、去る7月10日に誕生日を迎えました、どうもたか丸です

いや〜、Aqours CLUB set 2019発売されましたねぇ〜
もうあれですね、最&高でしたね笑
新曲の「Jump up High!!」も、Aqoursっぽさが存分に生かされた曲調で、歌詞もさすがの畑亜貴先生でいらっしゃいました笑
畑先生には虹ヶ咲のソロ曲も作って欲しかったです……
ちなみにたか丸は虹ヶ咲では今現在、愛ちゃんとかすかすが推しですかね。まだ決めかねてますが笑
かすかす〜!

それでは今回も楽しんでいってください!
せーのっ、ヨーソロー!


孝宏side

 

 

孝「んー……来ない……」

 

波の音を聞きながら独りごちる。

あんな次々と押し寄せる波のように、待ち人もやって来ないものか……

そういえば今年の初めに引いたおみくじには、

 

「待人 来ず」

 

って書いてあったっけ……

神の宣告ならもうどうしようもないか……

って、ダメダメ!変に弱気になったらそこで試合終了だ!

きっと来る、そう信じるしかない。

 

でも来るのは目の前を走り去る車だけ……

颯爽と走っていく真っ赤なポルシェ……

 

 

……緑の丘じゃないのか?

 

 

いかんいかん、変な思考に陥った……

 

とにかく、あの子が来たらちゃんと伝えなきゃいけない。あの時言えなかった、

 

「ごめんね」を。

 

 

********************

 

 

――2日前――

 

 

曜「ええっ?!孝宏くんハンバーグにチーズ入ってるの反対派なの?!」

 

孝「えっ、あー、まぁ反対ではないけど、好んで食べるわけじゃないかな〜って」

 

曜「信っじられない……世の中にそんな奇異な人がいるなんて……」

 

孝「そんなにかな?」

 

この話のきっかけは、曜ちゃんのある一言。

 

ハンバーグにはチーズが入ってなきゃだめだよね

 

いやいやいや……

お肉の味を堪能するためにはやっぱりチーズなんてお子ちゃまなもの(全世界のチーズ好きの皆さんに謝れ)が入っていちゃいけないんだよ。

 

考えてもみてよ!

国産黒毛和牛A5ランクのお肉だけを使用した超豪華、究極にして頂点のハンバーグにチーズなんてINする?!

しないでしょ!!そんなんもったいないわ!!

 

普通のハンバーグなら別に時々入ってる程度ならいいけど……

 

……そう心の中で思っていたと思っていた時代が私にもありました。

えー、ダダ漏れでした。

それを聞いた曜ちゃんから、なんとも蔑まれるような視線を頂きました。ありがとうございます。

 

……いや、ドMじゃないんだけどね?

 

曜「ハンバーグにチーズが入っている時のあの幸福感といったら……もう、言葉にできないぐらいの嬉しさがあるでしょ!お母さんが「船長グランプリ 優勝おめでとう、曜ちゃん!今日はお祝いだから、曜ちゃんの大好きなハンバーグよ!し·か·も!チーズ入りよ♪」なんて言われたら、最っ高に嬉しいじゃん!」

 

船長グランプリ……?

 

孝「うーーーん……あんまり?」

 

曜「がーーーーーーーん……」

 

 

その日の帰り道、曜ちゃんはいつもよりなんだか機嫌が悪かった。

 

んー、なんだかくだらないことで気まずい雰囲気になっちゃった……

途中でちょっと強い口調で曜ちゃんに食ってかかっちゃったしなぁ……

それに呼応するように、曜ちゃんもぷんすこしておこだったし……

 

でも、俺と曜ちゃんの仲だし、きっと俺の想いも分かってくれてるはず。

だって、今までもそうだったから。

 

俺は今、曜ちゃんに謝りたいんだってこと。

 

 

孝宏side off

 

 

曜side

 

 

曜「はぁ……憂鬱……」

 

明日が「テストだ〜」とか、「放課後補講だ〜」とか、そういう時はいつも憂鬱なんだけど……

学校に行くってことが憂鬱なのは、初めてかもしれない……

 

曜「いつもみたいに、普通にありのままの笑顔を見せられるかな……?」

 

自信が無い……

今の私の心は航海に出発できないであります……

 

はぁ……なんであんなことでプンスコしちゃったんだろう……

 

"ハンバーグにチーズをINするかしないか問題"

 

――曜内(ようない)法廷 開廷――

 

闇曜「ハンバーグにチーズをINしないなんてありえないって!INしない孝宏はまともな教育受けてないってもんよ!ヨーソロー!」

 

そうそう!そうであります!

チーズをINしないなんてありえないであります!

 

光曜「そんなことないです。孝宏さんの言う通り、お肉そのものの味を愉しむという点においてはやはり一理あります。ヨーソロー。」

 

うーむ、確かに……

お肉本来の味を損なってしまうのならチーズは邪魔になっちゃうのかな……?

 

闇曜「でも普通のハンバーグにチーズをINするのはいいんだよな?ってことは実際孝宏もINする派の人間なんじゃねーの?ヨーソロー!」

 

確かに!あれだけ言っておいて結局INする派なんじゃん!

 

光曜「ですが孝宏さんは"時々入ってる程度なら良い"と仰っていました。孝宏さんがチーズIN派の人と断言するにはまだ早いです。ヨーソロー。」

 

あー、言ってたねぇ……

ってことはやっぱり孝宏くんはINしない派なのかな……?

 

闇曜「って、あんた自身はどうなのYO!チーズINしない孝宏のことを許すのかい?ヨーソロー!」

 

光曜「結局最後の判断はあなたにかかっているんです、裁判長。ヨーソロー。」

 

えっ、わわわ私?!

うーーーーーーーん…………

 

 

――曜内法廷 閉廷――

 

 

曜「許す、許さない、の問題じゃないよ……私は、謝りたい。あんなことで孝宏くんに激おこぷんぷん丸しちゃったこと……」

 

でも……勇気が出ない……

 

 

********************

 

 

翌日。

少し寝不足気味な私は、いつもより少し遅いバスに乗って学校に着いた。

やっぱりまだ顔を合わせづらいから、違うバスに乗ってきた。

 

謝りたい……でも勇気が出ない……

 

小さないさかいでお互いに謝ることはこれまでに何回もあった。

けど、今回はなんとなくいつもと違うから、お互い謝りづらくなっちゃってる。

 

教室に着くと、孝宏くんはもう席について、仲良しの男子たちと話していた。

私も席につくなり、千歌ちゃんと梨子ちゃんがやってきて、ちょっとした質問攻めにあった。

「なんで遅かったのー?」とか、「なんだか疲れてる?」とか

 

……「孝宏くんと何かあった?」とか。

 

その質問をされた時に、少しだけ体がピクりと反応した。人間の反射ってものはつくづく恐ろしいなぁ……

 

その場はなんとか取り繕ったけど、2人にはなんとなく怪しまれてる……気がする……

 

孝宏くん、今どんなこと思ってるんだろう……?

はぁーあ、今からなんとなーく偶然を装って、孝宏くんの近くをフラっとして様子を伺ってみようかな?

 

でも、なんかそんなのさっぱりしないし、そんなことを考えるだけで気持ちが落ち込む。

"きゅっ"って胸が締め付けられる。

 

あー!もう!やだやだ!!なんなのもう……

 

はぁ……私たちもしかしてこのまま……

 

 

別れちゃったりするのかな……?

 

 

曜side off

 

 

孝宏side

 

 

孝「はぁ……結局話せなかったな……この強情ッ張り孝宏め……"曜ちゃんが話しかけてこないからこっちも話しかけないでやるんだ!"なんて馬鹿なこと考えおってからに……」

 

なんて自分への苛立ちを呟きながらついた帰路。

バスに乗らずに歩いて帰ろうと思い、海岸沿いのこの道をとぼとぼ1人歩く。

部活がなかったのがよかったのか、悪かったのか……

結局曜ちゃんとは顔も合わせられなかった。

 

孝「おお……綺麗な夕日……なんて言うんだろう……空も海も風も、みんなオレンジだなぁ……」

 

なんだかこの綺麗なオレンジ色をした海や風が、意地っ張りな俺の心を照らして、元気をくれてるみたい。

 

「早く仲直りしなさい」

 

って言われてるみたいだ。

 

よし、じゃあいっちょやったりますか。

決めるぜ覚悟、振り絞れ勇気、起こすぜ男気!

 

変な掛け声を心の中で唱え、俺は歩くスピードを徐々に速めていった。

 

 

********************

 

 

千「なるほど……それはまたなんともおバカな喧嘩ですなぁ……」

 

孝「くっ……何も言い返せない自分がツラい……」

 

ル「でも2人ともとっても仲良しさんだから、そういうことで喧嘩になっちゃったのかも……?」

 

孝「そう言ってくれると嬉しいよ、ルビィちゃん♪」

 

ル「うゆ!」

 

結局仲直りするには謝るしかないんだけど、なんとなく顔を合わせづらいから、どうすればいいのか相談するために、千歌ちゃんの家に来た。

CYaRon!の集まりだったらしく、ルビィちゃんもいた。

幸い曜ちゃんはまだ来てなかったみたいで、今はこの3人。

 

千「とりあえず曜ちゃんにお手紙とか出してみたら?お家近いんだから、ポストに入れてくるぐらい昼飯前でしょ?」

 

孝「手紙かぁ……確かにいいかもしれない……」

 

ル「ち、千歌ちゃん……それを言うなら"朝飯前"だよ……?」

 

千「えっ!あ、あはははは……///」

 

後輩に言葉の間違いを指摘される先輩……

千歌ちゃん大丈夫なんだろうか……?

 

孝「でも手紙になんて書けばいいだろう?無難に「ごめんね」って書くのかね?」

 

まぁ当然だろうけど、謝罪の文言は入れるべきだよね?

 

千「ふふふーっ、あえて「ごめんね」は入れないっていうのはどう?」

 

孝「えっ?な、なんで?」

 

千「お手紙出しちゃえば、出す前に比べてなんとなく気持ちが楽になるでしょ?だから、「どこどこで何時に曜ちゃんと会ってお話がしたい」って書いてみようよ!」

 

なるほど……

謝るための待ち合わせが出来るわけか……

 

孝「それいいかも!手紙で言うより、ちゃんと会って謝れば誠意も伝わるだろうし!」

 

ル「ルビィもそれ賛成です!それに加えて、曜ちゃんへの愛も一緒に伝えたらどうですか?」

 

孝「うんうん、確かにそうだn……って、ん?な、なんでそれ伝えるの?!」

 

流れで頷いちゃったけど、黒澤家の次女さんが大変なことを口走りましたよ?!

 

千「それいい!千歌も賛成だよ!」

 

ル「だよねっ!だって今回のことで、2人の間に少し溝ができちゃったと思うのっ!」

 

千「そこで大切になってくるのが、"愛"っていうファクターなんだよ!」

 

孝「千歌ちゃんの口から"ファクター"ってものが聞けるとは……」

 

千「む!孝宏くんは千歌のことバカにしすぎだぞっ!千歌だってそれぐらいわかるのだ!」

 

ル「昼飯前……」

 

千「わーわーわー!!千歌なんにも聞こえなーい!!」

 

まったくもっていじりがいのある幼なじみだなぁ……

ルビィちゃんも素晴らしいいじりだった……

 

孝「でも、そうだね。距離ができたのは確かだから、この際一緒に"愛"も伝えておかなきゃだね」

 

千「うん!そうすればいいと思うよ!」

 

ル「きっとその想いは伝わるよ!がんばルビィ!」

 

孝「あははっ、よしゃ!ありがと千歌ちゃん!ルビィちゃん!そんじゃ手紙書いて、曜ちゃん家のポストにインしてくる!」

 

千「がんばってね〜♪」

 

ル「ファイトです!」

 

千歌ちゃんの家を後にし、俺は家まで走っていった。

 

 

孝宏side off

 

 

ルビィside

 

 

千「がんばってね〜♪」

 

ル「ファイトです!」

 

千「…………ふぅ、びっくりしたなぁもう……まったく二人揃って仲良しさんだね?」

 

そういって千歌ちゃんは掛け布団をひっぺがす。

中から現れたのは、布団の中に籠った暑さなのか、孝宏さんの言葉を聞いて恥ずかしくなったのか、ちょっとだけ頬を紅潮させた曜ちゃん。

 

千「孝宏くんはああ言ってたよ?曜ちゃんはどうするの?」

 

曜「まだ……決められない……勇気が出ないんだ……怖いんだよ……」

 

ル「曜ちゃん……」

 

千「はぁ…………すぅ……しっかりしろ()()()!!

 

ル「ピギッ?!」

 

曜「っ?!ち、千歌ちゃん?!大声出すとお客さんの迷惑にって美渡さんが……」

 

千「言っちゃ悪いけど本当にくだらないよっ!はっきり言ってどっちでもいいわ!どっちも美味しいわ!曜ちゃんがチーズINのハンバーグが好きなのは知ってるし、孝宏くんが別にチーズが入ってるか否かに興味無いのも知ってる!千歌が言うのはあれだけど、そんなことで言い争って険悪ムードになって、2人とも筋金入りのおバカだよ!!!」

 

曜「ちか、ちゃん……」

 

千「私、曜ちゃんのこと大好きだよ。それに、孝宏くんのことだって大好き。だから……そんな大好きな2人が……嫌な空気になってるのは……私……耐えられない……」

 

そう言った千歌ちゃんの目から大粒の涙が、ポロリポロリ次々と零れていく。

曜ちゃんを想う気持ち。孝宏さんを想う気持ち。

大切な幼なじみ2人を想うからこそ、素直な感情がそのまま溢れている。

ああ、素敵だなぁ……ルビィもこんな優しくて可愛くてカッコイイ幼なじみがほしかったなぁ……

高望みしすぎですわ!ってお姉ちゃんに言われちゃいそう……♪

 

曜「千歌ちゃん……ありがとう。私も千歌ちゃんのこと大好き。それに……孝宏くんのことも大好き……だから……仲直り、したいっ……!」

 

千「っ!曜ちゃん……!」

 

曜「私、孝宏くんに謝りたい!早く孝宏くんに会いたい!」

 

千「曜ちゃん!!」

 

曜「千歌ちゃんのおかげで勇気が出たよ、ありがとう♪」

 

千「えっへへ、どういたしまして♪」

 

うーゆ?これルビィ必要だったかなぁ?

出る幕もなく解決しちゃいそうな雰囲気……

ルビィ置いてきぼりです!ルビィもお話に混ぜて〜っ!

 

っていうか、曜ちゃんと孝宏さんの喧嘩の原因って、「ハンバーグにチーズをINするか否か」なんだよね?

その仲直りまでこんな長い道のりなの?

幼なじみって難しいんだぁねぇ……

なんだかおばあちゃんみたいになっちゃった……うゆ……

 

ル「……?ねぇ2人とも、なにか聞こえない?」

 

曜「えっ?……この音……足音?」

 

千「う、なんだか嫌な予感がする……」

 

あっ、きっとその千歌ちゃんの予感は大当たりな気がする!

 

 

――ガラリラっ!――

 

 

美「バカ千歌ァ!!!デカい声出すなって言われてんだろうが!!!

 

千「ひえぇ……美渡ねぇも声大きいぃ……」

 

曜&ル「「ぷっ、あははははははは!!!」」

 

えへ、千歌ちゃんは可哀想だったけど、曜ちゃんが笑顔になってよかった!

 

 

ルビィside off

 

 

孝宏side

 

 

――現在――

 

 

孝「あっ、さっき見たポルシェだ……なんで戻ってきたんだろ……忘れ物かな?」

 

そろそろ立って待っているのも疲れたので、道の脇にあるコンクリの上に座った。

未だ曜ちゃんは来ない……

 

あの日、手紙にはこう書いた。

 

――あの海岸通りで待ってるよ

――どうしても伝えたいんだ、曜ちゃんに

――何より曜ちゃんに会いたいよ

 

想いは伝わってくれたかな?

まだ待ってるよ、早く来てね……

 

「海岸通りは友情のシーサイド」ってオシャレな言葉を誰かが使ってたっけ?

なかなか思いつかない言葉だよね〜、考えた人すごいや!

だからそんな「友情のシーサイド」に今日、曜ちゃんに来てほしいんだ。

 

来るかな?来ないかな?

来ない?いや、来て……!

 

 

?「お、おっす……」

 

孝「……!よ、曜ちゃん……」

 

曜「……来たよっ……」

 

孝「う、うん……」

 

ううっ、気まずい……

でもきっとそれは曜ちゃんも一緒。

なら勇気を振り絞らなきゃいけないのは……わかるね?

 

 

「「あのっ!!」」

 

 

きっとまたやり直せる。

2人の歯車はまた噛み合い、動き始めた。

 

 

孝宏side off

 

 

 

To be continued……




いかがだったでしょうか?!
自分に出来るシリアス(?)はこれが限界!!!笑
悲しいお話はあんまり好きじゃない……
みんなハッピーになるものが好き!

さてさて、題名は和訳していただければわかると思いますが、その題名がわかった時点で今回のお話の中に隠れている何かが分かるはずです!
題名わからなくても多分、直接的に書いてるもののが多いから分かるとおもうんだ笑
こういうの書いてみたかったんですよ笑

それでは、次回もお楽しみに!( * ॑˘ ॑* ) ⁾⁾


孝「俺の勝ち!なんで負けたのか明日までに考えといてください……ほな、いただきます」

曜「あれ?孝宏くんって炭酸飲めなかったよね?」

孝「ぜん゙ぜん゙づら゙ぐな゙い゙ん゙だがら゙っ!!!」

曜「ケイス○ホンダにはまだ程遠いね……じゃあ……ほな、いただきます♪……んーっ!うまいっ!」

孝「……よ、曜ちゃん……それ間接キス……」

曜「ブーーーッ!!!へっ、変なこと言わないでよっ!///……あーもー、吹き出しちゃった……きたな……///」

千「仲良くなって良かったですなぁ……」

ル「うゆ!」


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白百合の恋愛抒情歌

みなさんこにゃにゃちわ、おいもさんの美味しい季節ですね、たか丸です。
おいもさん食べすぎてるせいか、最近腸の調子が丁度いい程度に超良くて蝶々夫人もびっくりです、はい。
やかましいわ。

そんなこんなで馬鹿みたいなことを言ってるたか丸の「未来という名の航海」がついに!UA10000件を突破しました!ありがとうございます!!!
ひとえに皆様にこうして見ていただいて達成出来た数字ですので、感謝してもしきれません!
駄文で、1話1話の投稿のスパンが長くて、ド阿呆な作者ではございますが、これからも皆様に愛されるような、読みたくなるような作品作りに尽力して参りたいと思います!これからも何卒、作者共々、この作品をよろしくお願いします!

さてさて今回は番外編です!
この作品はまあ説明欄にもあるんですけど、基本的にはヒロインの曜ちゃんと主人公の孝宏がイチャコラするお話です……そうなんですけど、いやはやどうやらたか丸は欲深い人間なようで、Aqoursのメンバーみんなをちゃんと出してあげたい気持ちがあるんですよ笑
ということで、好き勝手やっていいって聞いた()ので、手始めに暴走梨子ちゃんが孝宏を(精神的に)襲うようなわちゃわちゃしたお話を作っちゃいたいと思っちゃいたい!!って思ったので、こんな作品を作ってみました!笑

それでは、今回もお楽しみください!
せーのっ、ヨーソロー!


孝宏side

 

 

梨「3人とも、そろそろAqoursとしてもラブソングなるものを作ってみたいんだけどどうかな?」

 

おう、唐突だね梨子ちゃん。

どれくらい唐突かっていうと、玄関開けたら砂糖のご飯ぐらい唐突。

佐藤じゃない、砂糖。

 

千「おお、ラブソング!いいねぇ!スノハレみたいなやつ歌いたーい!」

 

スノハレっていうのは、かの有名なスクールアイドル"μ's"の2nd single「Snow halation」の略称。

切ない恋を描いた歌詞と、冬場に撮影されたPVが相まって、リリースされて以来、未だにその人気を不動のものとする。

 

曜「でも……なんでまた急に?」

 

梨「ふふっ、歌詞の参考になりそうな子がここにいるから、よ♡」

 

孝「それって……」

 

曜「まさか……」

 

何かを察した俺と曜ちゃんは目を合わせ、頷き、一目散に駆け出した。

 

千「あっ、逃げた!!!」

 

こんな静謐甘美(せいひつかんび)な秋の夕暮れ時に帰り道で全力ダッシュするなんて思ってもみなかった……

なんて考えてる暇もない!ちゃっちゃと逃げてラブソングなんて諦めてもらおうぜ!!!

 

孝「わぷっ?!」

 

?「きゃっ!」

 

曲がり角から急に現れた何かに激突して、そのまま倒れ込んでしまった。

なんかやけに柔らかい緩衝材のようなものに包まれた気がしたんだけど……

……現在進行形で緩衝材に包まれてないか?

痛みを堪えて恐る恐る目を開くと、眼前に広がりしは布。それも白い布で、近くに灰色の布と緑の布も見える。

 

曜「ちょっ、孝宏くんだいじょうb……」

 

なんか曜ちゃんの声が途中で止まったんだけど、なんかあったんか?

 

そこで、状況を確認しようと思って起き上がってみた。

起き上がってまず最初に見えたのは、我らが幼なじみの姐さんこと松浦果南さん(18)

振り返るとそこには、顔を真っ赤にした僕のかわいい彼女こと渡辺曜さん(17)

 

改めて前を見ると、ゆらりと立ち上がる果南先輩。

後ろを見ると俯いてゆっくりとこちらに近づいてくる曜先輩。

 

あっ、これなんだかよくわかんないけど、現世にサヨナラを告げる時が来たみたいだわ。

お父さんお母さん、さようなr――

 

曜&果「「このドスケベ大明神がぁぁぁ!!!!!」」

 

孝「ホゲーーーーッ!!!!!

 

無事に意識が飛びました。ありがとうございました。

 

 

********************

 

 

果「まったく……ちゃんと前見て、走らず歩いてよね……」

 

孝「……反省してマース……」

 

あのあと意識がぶっ飛んだ俺を千歌ちゃんの家まで運んでもらって、ただいま絶賛療養中兼説教中です。

 

果南ちゃんに怒られた理由としては、左右確認せずダッシュして十字路を突っ切ろうとしたことと、果南ちゃんのスイカ2玉(緩衝材)に顔を突っ込んじゃったこと。

あの柔らかい物体は果南ちゃんの――

いかん、考えるのはやめておこう。

 

曜「あーあ、結局梨子ちゃんには捕まっちゃうし、孝宏くんはドスケベ大明神だし……踏んだり蹴ったりだよ……」

 

孝「あはは……申し訳ない」

 

梨「それより、あそこでぶつかってくれたのが果南さんでよかった♪」

 

千「ふぇ?なんで?」

 

梨「だって――」

 

嫌な予感がした。

それと同時にこれはチャンスだと思った。

 

孝「果南ちゃん!悪いことは言わないから、曜ちゃんと俺と一緒に逃げよう!!」

 

果「えっ、なんで?」

 

曜「早くしないと2人に――」

 

千「ふっふっふー、もう遅いのだ!」

 

孝「あっ」

 

退路を塞ぐ千歌ちゃん。

その千歌ちゃんの手には……

 

曜「あーっ!それ今作ってる途中の衣装!!」

 

果「あーっ!それ私が大事にしてるカメ助!!」

 

右手には、この間作り始めたっていう曜ちゃんの新作衣装。今回のはミニスカ婦警さんらしい。

左手には、果南ちゃんが小さい頃から飼ってるカメのカメ助。今年で生誕10年目になるらしい。

 

千「返して欲しければこちらの条件を飲むのだ!」

 

曜「くぅ……そんなぁ……」

 

果「千歌がそんな卑怯な手を使ってくるとは……」

 

2人ともこれは条件を飲むしか道はないね……

 

孝「ま!俺にとってなんの不利益も生じないから、これで俺はドロンしようかな」

 

あとは2人に頑張ってもらって。

俺は家でゆっくりと漫画を読みながら、みかんジュースでも飲もうかしら?

 

梨「そういえば孝宏くん。この間明日奈さんに聞いたんだけど、孝宏くんって小学校5年生まで明日奈さんと一緒にお風呂に――」

 

孝「桜内さん?!?!///

 

あのバカ姉貴!!!何をペラペラと梨子ちゃんに話してくれちゃってるのさ!!!

クソ!!そんな弱み握られてるんじゃ……

 

梨「ふふっ、手伝ってくれるよね?」

 

孝「はい、よろこんで……」

 

千「やったね梨子ちゃん!これでスノハレみたいな曲が作れるんだぁ……!」

 

ああ、桜内さん……あなたにはきっとそっちの気(サドっ気)があるんでしょうね……

……敵に回さんようにしよ、うん。

 

 

********************

 

 

梨「……まだなの?」

 

孝「あー、いや、その、なんていうか……///」

 

曜「心の準備というか、なんていうか……///」

 

果「唐突すぎちゃって、なんていうか……///」

 

千「きれいにおんなじ文字数にするのやめない?」

 

あのあとダイヤちゃんや鞠莉ちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃん、ルビィちゃんたちに、次のAqoursの新曲についてこちらの意見を言ったところ、満場一致、ラブソングになることが決定したため、ただいま歌詞を製作中です。

 

いやはや、ダイルビ姉妹の決断力の速さが尋常じゃなかったね。

"スノハレ"って単語を出した瞬間にOK出すんだもん。お兄さんびっくりしちゃった……

 

千「イメージくらい出してくれないと何も始まらないよ?」

 

孝「そうは言ってもですよ高海さん、自分たちの経験を歌詞にするっていうのはものすごく恥ずかしいことなんですよ!」

 

梨「は、恥ずかしがるようなことシたの?!」

 

あかーーーん!!!桜内さんの妄想の暴走がとまらなーーーい!!!

 

曜「り、梨子ちゃんのおバカ!!!そんなわけないでしょ!!!///」

 

果「その必死さが返って怪しいんだけど……」

 

まぁね?!してないっていったら嘘かもしれないけど、シてはいないから?!

その……2人ともチキンハートだから、頑張ってもちゅっちゅする程度なんだよ……///

 

曜「た、孝宏くんも何か反論してよぅ……///」

 

孝「シてはいない!そこは間違いなく!!///」

 

梨「シて()いないのなら、何ならしたの?」

 

ファーーーッ!!!

ダメだ、梨子ちゃんがただのUnstoppable Train(暴走列車)と化してしまった……

ほらそこの純情千歌っちが顔を真っ赤っかにしてるよ!

悪影響しか及ぼさないなこの人!!!

 

曜「梨子ちゃんのバカ!エッチ!!!///」

 

ああ、曜ちゃんも顔真っ赤っか……かわいいかよ……

こんな曜ちゃんが拝めるなら梨子ちゃんがヘンなこと言うのもあり………

 

梨「恥じらう子を見るのはやっぱりいいわね……妄想しがいがある……♪」

 

前言撤回、やっぱこの人だめだ……

 

 

********************

 

 

話が大きく脱線したから、一旦梨子ちゃんには出て行ってもらった。

部屋の空気が落ち着いたところで帰ってきてもらったんだけど、なぜか梨子ちゃんはものすごく清々しい、何か心の中の余計なものを削ぎ落としたかのような表情で戻ってきた。

怖いから何があったのかって誰も聞けなかったよ……

 

千「それで具体的に曲のイメージなんだけど、梨子ちゃんは以前からラブソングを作ってみたい気持ちがあったみたいで、メロディーに関してはほぼ出来てるみたい!そうだよね、梨子ちゃん?」

 

梨「ええ!大方イメージはまとまってて、あとは歌詞を付けるぐらいかな!曲調は失恋とか告白する前とか言う感じよりも、現在進行形でお付き合いしている2人をイメージしたものになってるの♪」

 

ほほう、それで俺と曜ちゃん、果南ちゃんに目をつけたってわけか。

薫くんも呼ぶべきかな?

 

曜「それで、私たちは千歌ちゃんの作詞に助言をすればいいってこと?」

 

果「それなら私にもできそうだね!昔は歌詞も書いてたし、少しくらいなら千歌の力になれそうかも♪」

 

千「ぷぷぷ……果南ちゃん、見かけによらず面白いギャグを言うねぇ!"()()()()ら"なんて……ぷぷぷ!」

 

この子はまったくもう……

すーぐオヤジギャグに反応するんだから……

 

果「いや、まったく面白くないんだけど……」

 

梨「あはは……それでね!今回の作詞は千歌ちゃんじゃなくて……孝宏くんにお願いしたいと思ってるの!」

 

……え。

…………ゑっ?

俺が……作詞……??

 

孝「むっ、無理無理無理無理!俺なんかが作詞なんて出来ないよ!」

 

できるわけが無い。やったこともないし、自信なんてサラサラない!

 

孝「大体、なんで俺?!曜ちゃんとか、それこそ果南ちゃんの方が適任なんじゃないの?!」

 

梨「それはほら、曜ちゃんは衣装作りがあるし、果南さんはダンスフォーメーションを鞠莉さんと一緒に作ってるし、千歌ちゃんは日頃の慰労を、ね♪」

 

そっか、みんなAqoursのこと考えて行動してるんだよね。

俺は"マネージャー"っていう立場に甘んじて、みんなの練習のサポートしかいままで出来てなかった。

しかもそのサポートも、練習の合間の休憩時間にみんなにドリンクとタオルを配ったり、ダンスレッスンの時にカウントしたり、あとは多少の雑務程度。

なら、俺はもっとAqoursに貢献しないと、みんなと一緒にいられる資格なんてないのかもしれない。

 

孝「……わかった。出来るかどうか不安だけど、やれるだけやってみる」

 

千「ほんと?!」

 

孝「うん、よく考えてみたら、俺はAqoursへの貢献度があまり芳しくないから……ここらでいっちょ、みんなに貢献できることを始めたいなって!」

 

梨「ふふっ、ありがとう孝宏くん♪」

 

曜「いい歌詞ができるのを楽しみにしてるであります!」

 

果「孝宏の味を存分に出した歌詞を期待してるよ♪」

 

孝「うん、みんなありがとう!頑張っていい歌詞作るよ!」

 

不安材料は山積みかもしれないけど、やれるだけ頑張ってみるとしますか!

 

 

********************

 

 

孝「とは言ったものの……」

 

曜「いきなり……?」

 

舞台は移ってマイハウス。

お手伝いということで曜ちゃんに来てもらったんだけど、やっぱりセンスがないのかいい歌詞が浮かんでこない……

 

果南ちゃんにも助けを求めたんだけど、

 

果『ここは付き合って日が長い2人に任せるよ。私らはまだまだ付き合いたてのひよっこだからさ♪』

 

とか言って逃げられた。

まったく、逃げ足も速いだなんて……

 

けどまあ、頑張るって宣言しちゃったし、やるしかないよなぁ……

 

孝「いつも千歌ちゃんが言ってる"輝き"ってのは今回のラブソングには当てはまらないってのは何となくわかるんだけど……」

 

曜「そこから先に進めない、かぁ……」

 

孝「ラブソング、ねぇ……」

 

そう言って、俺は何となく曜ちゃんの肩に頭を預けてみた。

 

曜「!……もう、びっくりしたよ♪」

 

孝「はは、ごめん♪」

 

曜ちゃんも嫌がる様子はなく、何となくいい雰囲気。

特別甘い雰囲気じゃなくて、なんかこう……いい雰囲気。

あ゙ー!!こういうのを歌詞として表現できればいいんだけど……なんて表現すべきか分からない……

 

曜「でも……孝宏くんの方から甘えてくるのって、何気に初めてな気がする。いつもと違って新鮮で、なんかいいかも♪」

 

いつもと違って新鮮……

長い付き合いの中にも、経験のないことがまだまだたくさんあるってことだよね……

 

ソファーに2人並んで座るっていうのはいつも通り。その中で、俺から曜ちゃんに甘えに行くっていうのは初体験。

でもそれは何ら特別な事じゃない。

 

もしかしたら、俺と曜ちゃんの2人の日常の中に、たくさんのヒントが埋もれているのかもしれない!

よぅし、そうなれば……

 

孝「ねぇ曜ちゃん」

 

曜「んー?なぁに?」

 

孝「キスして」

 

曜「うん……えっ、えええええええええ?!?!」

 

やっぱド直球に言ったのがまずかったかな……

 

曜「なっ、ななななななななんでまたそんな急に?!?!///」

 

孝「"いつも通り"っていうのと、"いつもと違う"っていうのが歌詞のヒントになりそうな気がしてるんだよね。だからまずは"いつもと違う"っていうのから考えてみようと思って」

 

曜「だからって……き、きききキス……///」

 

今までに何度か曜ちゃんとキスはしてきたけど、いつも俺がリードしてのキスだったから、"いつもと違う"キスをしてみようと思ったんだけど……

ちと難しかったかな?

 

曜「でも……孝宏くんのインスピレーションのためなら……わかった、しよう、キス……///」

 

孝「ほ、ほんと?」

 

曜「うん……不慣れだから上手くできるか分からないけど……やるだけやってみる……///」

 

孝「あ、ありがと……///」

 

なんだ……妙に緊張する……

いつもと違うっていうのはこんなに緊張するものなのか……

 

曜「じゃあ……目、瞑って……///」

 

孝「う、うん……///」

 

瞼を閉じると広がる暗黒の世界。

静寂に包まれたこの空間に響く心臓の音。

左の頬に触れた曜ちゃんの手は、小さくて、あったかくて、震えていた。

 

瞬間、唇が重なった。

2,3秒ぐらいだっただろうか。

それでもその時間が永遠に続くかのように長く感じられた。

唇同士の一時の逢瀬が終わったところで、目を開けると、部屋の窓から入り込む夕日に照らされて、艶めかしい表情になっていた曜ちゃんがそこにはいた。

照れて顔が紅くなっているのか、夕日がそうさせているのか定かではないけれど、前者であってほしいと、静かに願った。

 

曜「ど、どうだった……?///」

 

孝「どうしようもなくよかった……///」

 

曜「そ、そっか……じゃあ歌詞のヒントになったかな?」

 

孝「ばっちり!この調子でやっていこう」

 

曜「えっ、まだなにかやるのーーー?!?!///」

 

 

このあとめちゃくちゃ未体験HORIZONした。

R-18なことはしなかったけど、2人で今までにしたことのないことをたくさんした。

主に途中からノリノリになっていった曜ちゃん主体で。

 

まあこの経験があってこそ、作詞も上手くいった……のかどうかはいささか不明だけど、何はともあれ出来上がったからよしとしよう、うん!

 

 

********************

 

 

梨「…………」

 

孝「あ……あのぅ……梨子さん?」

 

梨「……うん、いいと思う♪」

 

孝「ほんと?!?!」

 

梨「特別上手って訳じゃないけど、なんて言うのかな……孝宏くんの曜ちゃんへの想いが伝わってくる、そんな歌詞ね♪」

 

な、なんか褒められてるのかな?

ちょっと……かなり嬉しい!!

 

曜「やったね孝宏くん!頑張った甲斐があったじゃん!」

 

孝「うん!ありがとう曜ちゃん!」

 

千「ほぉ〜!千歌にも見せて見せて〜!」

 

ル「ルビィも気になる!」

 

ダ「私も!す、スノハレ……!」

 

鞠「スノハレじゃあないけどねぇ……」

 

果「ま、鞠莉がツッコミを……?!これは雪でも降るか……」

 

鞠「ちょっ、果南!ど〜ゆ〜意味ィ〜?!」

 

花「マルも作詞のお手伝いしてみたかったずら」

 

善「ずら丸の場合"月が綺麗ですね"しか出てこなさそうね……」

 

花「失礼ずら!マルだって"あいらぶゆう"の一つや二つくらい言えるずら!」

 

善「なんでそんなカタコトなのよ……」

 

曜ちゃんと2人、いい雰囲気で過ごすのは間違いなくいいものだけど、こうしてみんなとワイワイ騒いで過ごすのも悪くない、ね♪

 

梨「孝宏くん、作詞……楽しかった?」

 

孝「うん、最初から壁にぶち当たって大変だったけど、曜ちゃんに協力してもらって、少しずつフレーズが思い浮かんできて、出来上がった時の達成感っていうのは、今までに味わったことの無いような快感だった!」

 

梨「ふふっ、そっかそっか!…………それで、曜ちゃんにどんな風に協力してもらったのかな?」

 

孝「え」

 

梨「精神的に?身体的に?ど・ん・な協力をしてもらったの??」

 

孝「ちょ、あの、梨子さん……?」

 

なんか見覚えあるぞこの梨子ちゃん……

背中に冷えピタシート貼られた気分……ゾゾゾって……

 

梨「言えないのなら仕方がない……みんなに孝宏くんが小学校5年生まで明日奈さんと一緒にお風呂に入ってたことを――」

 

孝「や、あの、言います、はい……」

 

梨「ふふふっ、素直でいい子ね♡」

 

ああ、神さま……僕はなんて弱い存在なのでしょう……

梨子ちゃんには逆らえないことがよーくわかりました……

 

 

孝宏side off

 

 

 

 

僕はキミへの愛を歌う / Aqours

作詞:秋月孝宏 作曲:桜内梨子

 

桜が舞い散る遊歩道 キミと手を繋ぎ歩いた春

青空に煌めく太陽 キミと砂浜を駆けた夏

 

特別な事じゃない 当たり前にある日常

そう教えてくれたのは 他でもないキミだった

 

僕はキミをまだ何も知らない

あの日の笑顔も あの日の涙も

キミも僕をまだ何も知らない

あの日の勇気も あの日の痛みも

何もかもを知りたくて僕は

また明日も逢いに行くのだろう

 

 

鮮やかに色付いた木々 キミと夕焼けを眺めた秋

家の庭に降りしきる雪 キミと雪だるまを作った冬

 

特別な事じゃない でもかけがえのないもの

そう感じていたのは 僕だけじゃなかった

 

僕はキミをまだ何も知らない

あの日のキスも あの日の震えも

キミも僕をまだ何も知らない

あの日の想いも あの日の視線も

何もかもを知りたくて僕は

またキミのことを想うのだろう

 

 

唇が触れ合い 想いが伝わり

二人の愛は育まれる

世界は色めき立ち キミは踊りだす

2人微笑みあったかけがえのないあの日々

 

 

僕はキミをまだ何も知らない

あの日の笑顔も あの日の涙も

キミも僕をまだ何も知らない

あの日の勇気も あの日の痛みも

何もかもを知りたくて僕ら

またキミと手を繋ぎ歩きだす

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……




いかがだったでしょーか!

いや〜、あっははははは
作詞って難しいですね笑笑
久々にやったんですけど、やっぱセンスないですね笑笑

Aqoursっぽさよりも孝宏っぽさを優先したら、ほんとにAqoursのカラーが何も無いような歌詞になってしまいました笑
やっぱむずかちい!(ノ≧ڡ≦)☆

にしても、孝宏と曜ちゃんがイチャってるのは描いていて楽しいです!
みなさんもぜひ孝宏を自分に置き換えてみてください、軽く死者が出ます()

あとねあとね!暴走する梨子ちゃんがたか丸は大好きなんですよ笑
普段しっかり者で真面目な梨子ちゃんが、趣味を爆発させちゃうようなシーンがアニメとかであんましなかったので、勝手に書いちゃいました笑

梨「はぁ……普段のダイヤさんみたいに、しっかり者のイメージを望んでるんだけどなぁ……」

あぅ……もちろんそのイメージはあるんだけど、そのぉ……"腐"な梨子ちゃんも可愛いから、その良さをみんなにも感じてもらおうと……

梨「腐女子って言わないでーーーっ!!!」

や、梨子さんが激おこぷんぷん梨子ちゃんレーザービームぶちかましてきそうなんで、今回はこの辺で!!!
また次回をお楽しみに!!

梨「喰らえ!梨子ちゃんレーザービィーム!!!」

ギニャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!

See you next time!


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渡辺曜生誕祝賀祭2020

みなさんこにゃにゃちわ、プリパラ☆おぢさんになりました、どうもたか丸です。

友達とはなにかって言うものを強く訴えかける素敵な作品でございます。
何がきっかけで見始めたか、長くなるので簡潔に言いますが、久保田未夢さんです笑
順番でいけば、ガルパでカバーされてるのを数年前に聴いてi☆Risの存在を知り、永き時()を経てスクスタで果林ちゃんを演じているみゆたんが気になって調べて、「あっ!この人i☆Risの人なん?!」ってなって、i☆Risってプリパラってアニメの主要キャラを演じてる人達なんやなって、さらに気になったんで見始めました笑
女児アニメやろ?って侮ることなかれ、プリパラいいぞ(迫真)

ってことでね(唐突)
本日4月17日は、我らが渡辺曜ちゃんのおたんじょーび!!!
昨年に引き続き時間軸など完全に無視して曜ちゃんのお誕生日をお祝いしていこうと思います!
みなさんのお時間を少しだけ私の作品にください♡()

それでは今回も楽しんでいってください!
せーのっ、ヨーソロー!


曜side

 

 

曜「けほっ、けほっ……」

 

まぶたが重い、頭が痛い、全身の倦怠感がすごい……

電子音が私の腋から鳴る。

いつからそこにいれていたのか忘れてしまうほどに、少しの間、ボーーーーーっとしていた。

腋に挟んでいたそれを取り出し、文字を確認する。

 

38.5℃

 

現在の私の体温。

平熱は高い方だけど、これを平熱といったら多分相当頭がいかれてる。

 

風邪だ。

あぁ、完全にやらかした……

なんたってまた()()()()()()に風邪をひくかな……

もっと別日にしてくれてもいいのに……

どっかの堕天使さんから不幸体質が伝染(うつ)ったかな?

 

パパは例のごとく船の上だし、ママも仕事。

兄弟姉妹なんていない一人っ子の私は、両親がいない今、この家に風邪をひいているにも関わらず、たった1人でお留守番をしているのです。

風邪をひいた私が悪いから自業自得ではあるものの……

ママだって仕事があるんだし、「私のために休んで、ママ!」なんて子供みたいなこと言えるわけないし言いたくないし。

 

おでこの冷却シートがひんやり心地いい。

けどこれ、役目を終えたあとの処理がすごく嫌い。

ずぅ〜っとひんやりのしっとりでおでこに居てくれたはずなのに、気がつけばガッピガピのカラッカラに乾いちゃうじゃん?

あれがとんでもなく嫌いなんだよねぇ……

つけてる間は大好きなんだけど。

 

ふと今の時刻を確認すると、もうすぐ12時になるところ。

平日で学校は普通にあるんだけど、Aqoursの誰かが来てくれたら嬉しいなぁ……

欲を言えば、孝宏くんとか……

 

曜「いやいや、来るわけないから……げほっ、げほっ!」

 

いけないいけない、独り言は脳内で完結させないと。

それにしても暇だ。

身体を動かすのが生きがいな私なだけに、ベッドで布団にくるまってじーっとしてるのは得意じゃない。

ずっと身体を動かしてないとおかしくなっちゃう。

あたしゃマグロか。

 

あーあ、1曲踊ったら風邪治らないかなぁ?

激しいやつやったら結構風邪とか吹っ飛びそうだけど。

例えばなんだろ……スリリング・ワンウェイとか?

あれやったら絶対に風邪治りそう!

よし、早速やってみようっと♪

 

って思ってベッドから起き上がろうとしたんだけど。

 

曜「痛ッ……!」

 

激しい頭痛が私を襲う。

酷い鈍痛だ、ずっと何かハンマーのような固いもので殴られてる感覚。

だめだ、こんなんじゃ踊れない。

今はもう大人しくする他、早く治る方法が無いや……

 

仕方ない、このまま何もすることがないなら寝てしまおう。

そうすればこの頭痛も、気だるさも、1人でちょっぴり寂しいこの気持ちも、食欲も忘れる……

 

いや、食欲は忘れられないかも。

ちょっと……お腹すいたかも。

朝食べてないし、実を言うと昨日の晩御飯も食べてない。

乙女は体重の増減に敏感なのだ。

……ちょーっとここ最近、松月でみかんタルトを(2,3個)食べただけなのにあんな増えていただなんて。

果南ちゃんに知られたら、限界値の数倍の距離を走らされるだけで済むかどうか……

 

ってそんなことより、普通にお腹すいた。

でも、さっき起き上がろうとしただけで頭痛くなったからなぁ……

仮に起き上がって階下のキッチンまで行ったとして、風邪っぴきの私は料理なんて出来るのか?

それじゃあ、大人しく晩御飯まで待ってるしかないのかなぁ……?

でもそれだと私の腹の虫が騒ぎに騒いでそれこそ寝られないんじゃ……?

あーあ!誰か料理が上手で美味しいご飯を私のために作ってくれる素敵な人がこのタイミングで現れないかなぁ!

 

 

********************

 

 

曜「もう、ほんと孝宏くん大好き♡」

 

孝「あはは、ありがと」

 

私のお腹の救世主となってくれたのは、孝宏くん。

欲にまみれて、孝宏くんが来てくれたらなぁ……なんて考えてたらほんとに来てくれちゃうんだもん、すごいよね。

 

曜「お粥おいしい……普通のお粥と違って鶏肉とかきのことか入ってて、面白いしおいしい……」

 

曜「うんうん、気に入ってくれてよかった♪」

 

あっさりした味付けで、食べやすいサイズにカットされた具材がアクセントになって、とってもおいしい。

お腹すいてるからなんでもおいしく感じるんだろうけど、これは特別おいしく感じる、そんな気がするなぁ。

 

孝「それで体調はどう?」

 

曜「んー、いいとは言えないかなぁ。まだまだ熱もあるし」

 

孝「そっか。じゃあ安静にしてないとだね。ダンスすれば風邪が治るみたいな危ない考えだけは間違ってもしないでね?」

 

曜「孝宏くんってさぁ、心を詠んだりできる人なの?」

 

孝「時すでに遅かった……」

 

曜「み、未遂だから大丈夫!」

 

私の考えがお見通しだったなんて……

そんな分かりやすい性格してるかなぁ?

 

曜「ところで孝宏くんはどうして今日来てくれたの?学校あるでしょ?」

 

孝「ん?今日は外部の試験だから午前だけで終わったよ?」

 

あれ?それって今日だったっけか!

そうか、だから早く終わったん……

 

曜「いやいや、でも部活あったでしょ?」

 

孝「あっはは、曜ちゃんってば熱が出て全部忘れちゃった?3年生の試験が午後までで、みんな揃っての練習が出来ないから今日はなしってなったじゃん」

 

曜「あ、そっか……」

 

そう言ってケラケラ笑う孝宏くん。

うーん、うっかりしてた。

そういえば昨日の夜から少し体調悪かったっけ?

家に着くなりすぐにお風呂に入って、すやぁ……したんだよね。

風邪薬でも飲んでおけばよかった……

 

曜「は〜、おいしかった!ご馳走様でした!」

 

孝「お粗末さまでございました……ささ、風邪っぴきの曜ちゃんは早く寝ましょうね?」

 

曜「えーっ?まだ孝宏くんと話してたいぃぃぃ……」

 

孝「だーめ、早く寝ないと治る風邪も治らなくなっちゃうよ?」

 

曜「ぶー……はっ、その時はダンスして風邪をふっとば――」

 

孝「せないから早く寝ましょう」

 

曜「ちえ〜……」

 

仕方ない、ここは大人しく寝るしかない。

じゃないと孝宏くんが風邪っぴきの私にも容赦なく怒ってくる……かもしんない?

 

孝「ほら、着いていってあげるから早く寝る寝る〜」

 

曜「は〜い」

 

孝宏くんは食器をあっという間に洗い終えて、私の背中を押して階上へと運搬する。

そして私の部屋に着いて、ベッドに寝転がった私に布団を掛けてくれた。

どこまでも優しいなぁ……

 

曜「えへへ……」

 

孝「なにどうしたの急に笑いだして……」

 

曜「ううん、なんでもない」

 

そう言いながらも弛緩しきった頬は一向に治る気配はない。

幸せなんだ。

大好きな人が私のためにこうして尽くしてくれることが。

優しく、私を看病してくれることが。

愛されてるんだなって、実感できる。

 

ああ、こんなに幸福でいいのかな……?

例の堕天使さんにこの幸せを分けてあげたいくらい。

 

こんな幸せな気分に包まれたまま、私の意識はベッドに入って数分で途切れてしまったのです。

 

孝「おやすみ、曜ちゃん……」

 

最後に聞こえたのは確か、そんな言葉だった気がする。

 

 

********************

 

 

目を開ける。

そこに広がっていたのは、暗くなった私の部屋。

夕日もすっかり沈んだ時間まで寝ちゃったみたい。

寝ぼけ眼をこすってぐぐっと伸びをする。

そしてゆっくり起き上がろうとしたんだけど、何やらお腹の辺りが重たい。

何かが乗ってる?

視線をお腹の方に移すと、そこには私のお腹に頭を乗せて寝てしまっていた孝宏くんがいた。

 

……あれ?なんで孝宏くんがいるの?

ご飯を作ってくれて、ベッドまで連れて行ってくれて、それで……

 

ん?

ベッドまで連れて行ってくれて?!

そうだ!私あの時なんの疑いもなく孝宏くんを私の部屋に入れて、そのまま眠っちゃったんだ!

なんてこと……なんてことをしてしまったんだ私は!

あああああ、恥ずかしすぎるよぅ……///

彼氏とはいえ、男の子を自分の部屋に入れて、なおかつ眠りに落ちる瞬間を見られ、さらに言えば寝顔まで晒したってことだよね?

 

孝「んぉ…………あ、おはよう曜ちゃん……」

 

曜「おっ、おおおおお、おはよう……ございます……///」

 

孝「あれ……もしや俺は寝てた?」

 

曜「う、うん、私のお腹の上でぐっすりでした……///」

 

孝「まじか!ご、ごめん!よだれとか垂らして……ない、よかったぁ……」

 

いや、何も良くない!

よだれとかそんなことよりもっと大事なこと、いろいろふっとばしてる!

ああ、でも孝宏くんからしたら役得なのか。

看病して彼女の寝顔を見られたなんて。

 

ほんとにそれって役得なのかな……?

違う気がする……

 

ん?なんだろうあれ?

孝宏くんの足元になにか置いてある。

袋だ。青い小さな袋にリボンなんかが付いてる。

 

曜「ねぇ孝宏くん、その袋って何?」

 

孝「え?……あ!こ、これはそのっ、違くて、あの、えーっと…………あぁ、ダメだ、隠し事なんてできなかった……」

 

曜「隠し事?どういうこと?」

 

孝「あー……その、お誕生日おめでとう曜ちゃん」

 

曜「えっ?」

 

びっくり。

青い小さな袋を私に差し出してくる孝宏くん。

そっか、これは誕生日プレゼントだったんだ。

 

孝「きっと喜んでくれると思って買ったんだ」

 

曜「中見てもいい?」

 

孝「うん!」

 

袋の中には小さな白い箱。

箱の上面に黒字で「Especially for you」って書いてある。

 

箱を開けると、入っていたのはネックレス。

 

曜「これ……ダイヤモンド?」

 

孝「おっ、さっすが〜」

 

でもこれ、偽物の安いダイヤモンドじゃない。

前に孝宏くんがくれたリングのダイヤモンドは恐らくそれなんだろうけど、これは違う……

 

曜「ねぇ孝宏くん、こんなこと聞くのは失礼だけどさ……いくらしたの?」

 

孝「あ、気づいちゃうか……まぁそんな高くはないよ?」

 

嘘だ。

だって今明らかに「気づいちゃうか」とか言ってたし。

絶対これ、数千円で買えるものじゃない。

 

曜「でも、どうして……?」

 

孝「そんなの当たり前じゃん、大好きだからだよ」

 

曜「……!」

 

ああ、本当に。

私ばっかりこんな幸せでいいのかな。

私なんかを大好きになってくれる素敵な人がいていいのかな。

 

曜「孝宏くん、こっち来て……」

 

孝「ん?どうし――」

 

キス。

その味は甘酸っぱいって、昔読んでた少女漫画に書いてあった。

実際その作者さんが経験したものは甘酸っぱかったのかもしれない。

 

でも、私が今感じているのは。

極上のスイーツよりも、甘い。

チョコに蜂蜜に練乳に砂糖、全てを一気に食べてしまったかのような味。

それなのに嫌にならない。

むしろもっと欲しくなる。

そんな不思議な味がするんだ。

 

曜「こんな素敵なプレゼントを、本当にありがとう!」

 

孝「は、はは、参ったな。これじゃあどっちがプレゼントをあげたのかわかんなくなっちゃうよ……///」

 

ふふん、どうやらお返しには十分すぎるサプライズをプレゼントできたみたい♪

 

孝「ねぇ、曜ちゃん。それ、俺につけさせてくれないかな?」

 

曜「ふふっ……喜んで!」

 

 

どうやら風邪は、こんな幸せな気持ちがかき消してくれたみたい。

ありがとう、孝宏くん。

今までも、そしてこれからも、よろしくね。

 

愛してるよ!

 

 

曜side off

 

 

 

数日後、孝宏は風邪をひいた――

 

 

 

To be continued…




いかがだったでしょうか!
あまーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!
キスってそんな甘い味がするんですか?!
私も味わってみたいんで、よろしければ心優しいAqoursのみなさん、私にキスをしてくださいなんていうと各方面から怒られそうなんで心の奥にこの気持ちはそっと仕舞っておきます()

えるしってるか。
この作品、4月17日午前3時30分に書き始めて、午前6時20分に書き終えたんですよ。
ですので低クオリティでもお許しください!
時間が取れずこの時間で仕上げるしかなかったんです!
それでも面白いなって少しでも思ってくださる方がいるのならば、私としてはこの上ない喜びでございます。

それでは、また次回をお楽しみに!

See you next time!


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