悪堕ちIS (早見 彼方)
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篠ノ之箒

 夜の闇に覆われた大海に浮かぶ、小さな無人島。殆どが山で形成されたその陸地は、『亡国機業(ファントムタスク)』と呼ばれる秘密組織の根城だ。黒いスーツを纏った短い黒髪の男が山肌に扮した出入口の扉に入ると、機械的な通路が現れた。左右に広がる長い通路には複数の扉があり、白衣を着た女達が行き来していた。彼女達は皆、組織の構成員である研究員だ。

「総帥、お疲れ様です」

「あぁ、お疲れ」

 視界に入った研究員達がわざわざ足を止め、男に向かって頭を下げる。総帥と呼ばれた男は研究員の胸や尻を触りながら横を通過し、「触っていただきありがとうございます」と感謝の言葉を受けながら一つの扉の前で立ち止まった。

 通路に埋め込まれたスライド式の扉を潜ると、そこは研究室然とした部屋だった。壁に取り付けられた無数のディスプレイにキーボード。そのコンソールから伸びたケーブルを辿った先には横に寝かせられた強化ガラスのカプセルがあった。研究員の間で調整用カプセルという呼び名で通っているその円筒は緑色の液体で満たされており、中には口や鼻、陰部をマスク付きのチューブで繋がれて女体を晒す少女達の姿があった。

 篠ノ之(しののの)(ほうき)。セシリア・オルコット。(ファン)鈴音(リンイン)。シャルロット・デュノア。ラウラ・ボーデヴィッヒ。更識(さらしき)(かんざし)更識(さらしき)楯無(たてなし)。などなど。世界各国の見目麗しい美少女達が、カプセルの中で目を閉じて『調整』を受けている。

 彼女達は先日、(アイ)(エス)学園との戦闘で手に入れたIS操縦者だ。

 ISとは、女性にしか扱えない世界最強の兵器『インフィニット・ストラトス』の略称。現行の兵器を過去の物とし、絶大な戦闘力を誇る飛行用パワード・スーツ。IS学園はそのISを学ぶ目的で作られた教育施設であり、彼女達はその生徒だった。

 だが、IS学園と呼ばれる施設は昨日完全に滅び、彼女達の肩書きは亡国機業の捕虜だ。

 男は室内へと入ってカプセルへと近づき、篠ノ之箒という札の付けられた中を見た。

 腰まで伸びた艶やかな長い黒髪。十六歳という年齢にしては大きく実った胸と、括れた腰に肉付きの良い尻。世の男を魅了するだろう恵まれた女体の篠ノ之箒は、男の肉欲を煽るのに十分な容姿だった。

「今日の相手はこの女にしよう」

「かしこまりました」

 男が言うと、椅子に座ってキーボードを叩いていた研究員が恭しく頭を下げた。

「設定はどうなされますか?」

「俺を織斑(おりむら)一夏(いちか)だと認識させてくれ。適当に記憶を弄ってな」

 研究員は軽く頷き、軽い手つきでキーボードを操作し始めた。

 織斑一夏。女性にしか扱えないISを唯一動かすことのできた少年。亡国機業とIS学園関係者との間で起こった先日の争いでは先陣を切って戦った勇猛果敢な人物だ。彼と肩を並べて戦っていた篠ノ之箒は彼と幼馴染の関係であり、調べた限りでは彼に恋心を抱いているようだった。

 男は、その恋心を利用して楽しもうと思っていた。

「調整開始。対象は『篠ノ之箒』。記憶のバックアップを取得後、織斑一夏に関する記憶を総帥の情報で上書きします」

 研究員が調整を始めるに連れて、カプセルの中で箒が軽く身じろぎした。呼吸用のチューブに繋がれたマスクに覆われた顔が、苦痛に歪んでいく。愛する者の記憶が、敵の親玉の情報に塗り潰される。他人の物を略奪する行為はいつ味わっても堪らず、男は思わず口角を上げた。

「少々情報量が多いので、調整にお時間が掛かります。部屋でお待ちいただけますか?」

「あぁ、わかった」

 お礼に研究員へと近づき、その唇を貪る。

「んっ!? ふっ、んっ、ちゅっ、くちゅっ」

 研究員は表情に驚きを浮かべたが、表情は段々と緩んでいった。

 この研究員も、かつては亡国機業と敵対していた人間だ。だが敗北して調整を受け、男に全てを捧げている。家族と恋人は処分済で、亡国機業の一構成員として捕虜の調整役の任に就いている。

 男は唾液で研究員の口内と口周りをベタベタに汚した後、唇を離した。

「ぁっ……」

 茫然としたまま頬を赤らめていた研究員は、男の唇が離れると残念そうに声を上げた。

「また今度遊んでやる」

「はい、総帥……」

 男が研究員の腹へと指を当てる。かつて男の赤子を身ごもっていた腹に触れられ、研究員は陶酔した様子で男を見つめていた。男はその視線を受けた後、踵を返して扉へと足を進めた。

 男が部屋を出て扉が閉まると、中からは姦しい声が聞こえて来た。

「いいなっ、総帥様の唇を受けるだなんて」

「わ、私とキスしましょう? 総帥様と間接キスしたい!」

「嫌よっ!」

 その声を背に、男は言われた通りに部屋で待機することにした。

 男の部屋。赤い絨毯の敷かれた広々とした西洋風の部屋は豪華な調度品や家具が並び、天井からはシャンデリアが吊り下がっている。男は中に入ると黒スーツのジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを緩めて巨大なベッドの上に倒れ込んだ。

 堅苦しいスーツを着ていた理由は、先日の戦闘で活躍した部下の幹部を労う旅行とその後のパーティーへと先ほどまで出席していたためだ。亡国機業は男が所有する肉奴隷の女達だけで構成されているため肩肘張る必要はないのだが、仕事の対価の慰労はきっちりと真面目に行おうと考えたのだ。

 結局、慰労パーティーは男対女幹部達のセックスパーティーへと変わってしまったのだが、それは仕方ないだろう。女幹部スコールからの誘惑を皮切りに、その部下であるエムやオータムという構成員すらも輪に入れて、酒池肉林を味わってきた。特に、スコールとエム、オータムによる口と股間と尻穴への三点攻めは素晴らしい。また楽しんでみたいものだと男は思った。

 箒を待つまで手持ち無沙汰になった男は、ベッド横のボタンを押して空中にディスプレイを投影させた。映像越しに映るのは、別室で行われている調整の風景。先日の戦闘で一番の戦利品である織斑(おりむら)千冬(ちふゆ)篠ノ之(しののの)(たばね)。それと、織斑一夏だ。皆一様に生まれたままの姿でカプセルへと身を浸し、各種器官や陰部をチューブで繋がれている。

 織斑千冬は、織斑一夏の姉だ。かつて行われたIS世界大会の第一回総合優勝者。その者に与えられる『ブリュンヒルデ』の称号を有する世界最強のIS操縦者で、亡国機業にとって最も脅威として認識されていた者の一人。

 もう一人の脅威は、篠ノ之束。こちらは篠ノ之箒の姉であり、ISを世に生み出した発明者。突飛な性格と破天荒な行動の目立つ女だが、眠っている姿は可愛いものだ。とは言え脅威には違いなく、捕らえて調整を行っている間も常に警戒を怠らないよう実働部隊に警備させている。

 男の視線は2人の裸体へと注がれた後、別室にいる織斑一夏へと向けられた。

 女性だけで構成された亡国機業において、総帥である男以外にこのアジトにいる男性。とある理由で織斑一夏にも調整を施している。何せ、未だ謎の多いISを扱えるたった一人の男性だ。研究対象として十分であり、研究が終わるまでは手元に置いておく必要があった。

 どれもこれも進行中で、しばらくは退屈せずに済みそうだ。男がそう思ったときだった。

「失礼します。篠ノ之箒をお連れしました」

「あぁ、入ってくれ」

 男が映像を消して言うと、2人の人間が開いた扉から現れた。一人は、先ほどの研究員。

 そしてもう一人は、IS学園の白い制服を着た少女。長い黒髪を白い髪留めでポニーテールにした、凛とした顔と雰囲気の持ち主。日本の大和撫子を体現したような美しい容姿の篠ノ之箒が、調整を終えてやって来た。

「一夏っ!?」

 探るような視線を部屋へと向けていた箒だったが、男の姿を捉えると目を見開いた。

「一夏!」

 そして、一目散にベッドへ駆け寄ると、腰を預ける男に向かって抱き着いてきた。

「おっと」

 男は勢いの良い箒を受け止め、抱きしめて両手を背中に回す。研究員が部屋を出たことで、部屋の中は2人だけとなる。

「無事だったのだな……。傷はないな。体は痛まないか?」

 体に正面から抱き着かれ、柔らかい膨らみが押し付けられる。接する体温とカプセルに浸されていた液体の甘い香り。まだ髪は完全に乾いておらず、ポニーテールはほんの少ししっとりとしていた。

 篠ノ之箒の調整は男の要望通りだった。箒は男を織斑一夏と誤認し、接してきている。どうやら箒と織斑一夏は抱き着く程度の関係ではあるらしく、寝取りの気分を味わえそうだと男は気分を良くした。

 男の肩に顔を埋めていた箒が、何かに気づいたように声を上げた。

「皆は!? 千冬さんや姉さんは無事か!? それに、亡国機業は……!」

 捲し立てる箒。それを宥めるようにして、男は箒の頬に手を当てた。

「大丈夫だ。皆生きて、今治療を受けている」

「良かった。……それにしても、ここは何処なんだ? 先ほどの女性に尋ねても、答えてもらえなかった。見たこともない施設だが……」

「IS学園所有の研究室らしい。俺も来たばかりでよくわからないが……」

「そうか。でも、本当に良かった。戦いは、無事に終わったのだな……」

「そうだ。もう安心していい」

 男は手で箒の髪を梳き、頬に手を当てる。すると箒の頬がほんのりと赤く染まるものの、頬の手に掌を重ねて柔らかく微笑んだ。

「一夏。今日はいつもと違うな。その、視線がいやらしいぞ……」

 箒は男の視線に気づいていたようだ。制服の胸元を押し上げる2つの大きな丸い膨らみ。短いスカートから覗く健康的な太股と絶対領域。何より和風美人な箒の顔に惹かれ、視線に欲望が混ざるのも無理はない。

「悪いな。箒が魅力的だったから」

「そ、それはつまり、そう言うことか? 昨日の告白を、受けてくれるというのか……?」

「あぁ」

 告白という言葉に、男は間髪入れずに答えた。恐らく、亡国機業との決戦前に箒が織斑一夏へと告白をしたのだろう。だとするならば、これを受けない手はない。何せ、今の男は箒にとっての織斑一夏なのだから。

「箒。俺はお前が好きだ。お前の全てを知りたい」

「い、ちか……? あっ……」

 男の手が箒を抱きしめ、間近に顔を寄せた。鼻先が触れ合い、お互いの吐息が感じられる至近距離。驚いた様子で大きく目を見開く箒。頬がさらに赤くなり、綺麗な瞳が微かに潤んでいた。

 堕とすのは、容易そうだ。

「箒、キスしてもいいか……?」

「こ、ここでするのか……!?」

「あぁ。ここは俺用の部屋みたいで、邪魔は入らないってさ」

「よくわからないが。……まぁ、い、いいぞ。一夏がしたいのなら、私は――んっ!? んっ、ちゅっ」

 箒の言葉を遮る形で、男は箒の唇を唇で塞ぐ。柔らかく瑞々しい唇の感触に触れ、音を立てて吸いつく。そうすると男の腕の中で箒の体から力が緩み、目を瞑って男に体を委ねてくる。可愛い奴だ、と男は目で笑った。

 箒の長いまつ毛が伏せられた顔を見つめつつ、男は箒の唇と奪い続ける。

「ちゅっ、ぷちゅっ、にゅるっ、くちゅっ、れろっ」

「ぃ、いちかぁ。あっ、んっ、ちゅっ、にちゅっ」

 2人で口づけを重ね、やがて男の舌が箒の唇を割って口内に押し入る。歯や内側の粘膜をなぞる様にして唾液に濡れた舌を擦り付けた後、舌先に触れた箒の舌を絡め取る。しっかりと舌同時で握手を交わし、唾液の交換を済ませる。

 繋がり合う男と箒。偽りだが、2人の間には確かに愛が存在していた。

「ぷはっ、ぃ、一夏……」

 すっかりと蕩けた表情を浮かべた箒を、男は柔らかいベッドへと押し倒した。

 数え切れないほどの敵対者や調整済の女を犯してきたベッド。そのベッドに女を押し倒すと、もはや反射的に勃起をするまでになった。男はズボンの股間がテントを張って苦しくなるのを感じつつ、まずは愛撫とばかりに箒の胸に手を伸ばした。

 むにゅっと丸い乳房を手で掴み、ゆっくりと掌握しながら指を沈ませる。

「箒の胸、最高だ……。直接触ってもいいか?」

「っ……好きにすればいいだろう。遠慮することは、ない……」

 箒は「私たちは恋人だからな……」と言って羞恥に顔を赤く締め、制服の胸元のボタンを外していく。ゆっくりと胸が解放され、制服の内側から大きな白いブラジャーに支えられた胸が現れた。

 やはり、いい胸だ。これは、しばらく楽しめるな。

 男は胸へと手を伸ばし、ブラジャー越しに握り直す。温かく、どくどくっと心臓の鼓動が伝わって来る。さらにはっきりと感じようとブラジャーを下にずらし、まろび出た桜色に染まる小さな乳輪とツンと立つ乳首が見えた。

 男は乳房を下から持ち上げるように動かし、その重量感を確かめた後に乳房を手で覆う。しかし、覆いきれない。手で収めきれないほどの大きさに男は歓喜した。これが、今日から自分の物になるのだ。触ってよし、舐めてよし、挟んでよし。貧乳も素晴らしいが、やはり巨乳も最高だと男は実感した。

「うっ……」

 箒の顔により朱が差した。やはり、箒は何もかもが初めてのようだ。

 その初めてを、織斑一夏ではなく自分が奪うことになる。ムラムラと欲望が内側から湧き立ち、男はより大胆に攻めを展開した。

「箒。下、触るぞ」

「……あ、あぁ」

 箒の許可を取って、一夏は箒の下腹部へと手を伸ばした。スカートの裾から見える太股の間に手を差し込み、すべすべとした手触りを堪能してスカートをゆっくりと捲り上げた。

 ブラジャーと同様に白いショーツ。その清楚で初心な箒の内面を現わすような白い布地に触れ、隠された陰部を軽く上からなぞる。

「んっ……」

 良い感度だ。箒は微かに反応を示しただけで抵抗はせず、体を震わせて男に身を差し出していた。沈黙は肯定と受け取り、ショーツの上から何度も指の腹で陰部を撫でる。そうするとなぞった部分が熱を帯び、はっきりと感じられるほどの湿り気を帯びてきた。

 そろそろ頃合いだろう。男は乳房を揉みながらショーツを横にずらし、陰部をさらけ出した。

 陰部に生える薄らとした黒い毛の下に、閉じた女陰。それを指で掻き分けるように開くと、まだ踏み荒らされていない花園が目に入った。綺麗なピンク色をしていて、小さな膣口から透明な液体が溢れていた。

 いい子だ。男は既に十分濡れている膣口に指で揺れ、濡れた指先を箒に見せた。

「箒、こんなに濡れてる」

「み、見せるなっ。……馬鹿」

 なおも恥ずかしがってそっぽを向く箒。男はくちゅくちゅと膣口に愛液を広げ、解し続ける。その度に愛液が湧き出て、男の手は既にベタベタだ。これならば、男の物を受け入れられるだろう。

 男はベッドから降りて絨毯の上に立つと、ズボンのベルトを外した。

 そして、ズボンを下ろし、箒の見ている前で下着を脱いだ。

 ブルンッと跳ね上がった長く太い肉の棒。カリ首は大きく張っていて、棒というよりは槍に近いだろうか。肉の表面には無数の血管が浮かび上がり、威圧感をまとって箒へと亀頭の先を向けていた。

「っ……。そ、それが、一夏の……」

 箒は腕で顔を隠し、ゆっくりと物陰から探るように男の肉棒を見た。十代後半の年頃らしく興味はあるようで、箒の視線は肉棒にくぎ付けだった。男はその視線を受けながらワイシャツも脱ぎ捨ててベッドへ近づき、伸ばされた箒のすらりとした足の横に膝を突いた。

 そして、箒の股を開いてその間に移動し、既に解れた陰部へと亀頭を近づけた。

「もう、いいだろ? 箒と一つになりたい」

「ま、待て、避妊具は」

「使わない。俺は、お前と生で繋がりたい」

「だ、だが、そんなことをしたら……」

「一人の男として、責任は取る。それじゃあ、駄目か?」

 男は、一夏として箒に尋ねた。愛する一夏からの告白に、案の定箒は驚いていた。目が大きく開かれ、またしても顔が真っ赤になる。濡れた瞳が男の姿を映し、今言われたことを心に深く噛みしめているようだった。本人は、織斑一夏から告白されたと思っているのだろう。

 わかりやすい反応だ、と男が思いながら箒に距離を詰めた。

 箒は、逃げようとしない。男の手でショーツを脱がされ、股をM字に開脚させられても何も言わない。ただ目の前の出来事が信じられない、といった風に戸惑った顔で成すがまま。

 そして、準備が整って膣口に肉棒を突き付けた時だった。

「……一夏」

「ん?」

「今回だけだぞ……。次からは、絶対に避妊してもらうからな」

 生でするのは、結婚までお預けだ。そう続けられた箒の言葉に、男は我慢できなかった。

 腰を前に動かし、亀頭を膣口に宛がう。狭い穴。まだ誰の物でもない穴を、欲望で穢れ切った経験豊富な肉棒がゆっくりと押し開いていく。めりめりっと中に亀頭を喰い込ませ、少しずつ濡れ合いながら繋がっていく。

 熱い。狭い。初物特有の狭さを感じて亀頭がカウパー液を吐き出しながら奥へと進み、丸々と膨れたその姿を膣内へと収めた。

「っ……ぅ……」

 亀頭の進行先で、わずかな抵抗感であった。処女膜だ。それを亀頭で裂いたことを確認し、破瓜の血が溢れ出るのを見た男はそのまま肉棒を押し込んだ。

「くっ……はっ……!?」

 肉棒が膣内へと進行し、箒は背を浮かせて切なそうな顔をしていた。

 男を知らなかった膣内に突き立ち、箒を女へと変えた肉棒。男のそれが根本まで内部を満たし、箒の膣壁と絡み合って一つになっている。これで、箒は本当の意味で男の物となった。織斑一夏ではない、亡国機業の総帥である男の物だ。

 男は根本まで箒の膣と噛み合わせると、箒の胸に手を伸ばした。

 操縦桿のように握ったそれを軸に、男は腰を前に動かしていく。

「どうだ、箒。痛いか?」

「大丈夫だ。これくらい何てことない……」

 箒の言葉に嘘はないようだった。切なげな表情ながらどこか晴れやかな笑みを浮かべている。織斑一夏に初めてを捧げられたと誤認して、喜んでいるようだ。それが幻だとは露ほども思わないだろう。

「もっと早く動くぞ」

 男は言って、腰の動きを速めた。膣口を太い肉棒が出入りする度に、中から愛液と破瓜の血液が混ざった薄赤色の液体が掻き出てくる。2人が確かに繋がり合った証が肌を伝い、白いシーツを汚していく。

 男の腰振りは徐々にペースを上げ、やがて獣染みた動きへと変わる。前かがみになって箒の立った乳首に舌を這わせ、尻を上下に揺らして亀頭で子宮口を嬲るように突きを放つ。この膣は誰の物か、それを自覚させるために膣内を男の肉棒の形で広げる。そして、生涯誰を愛して誰の子どもを孕み、育てて産み落とすのか。それを悟らせるために何度も亀頭の口づけを放つ。

「箒、舌出せ」

「一、夏……。これで、いいかぁ……。んっ、ちゅぷっ、くちゅ、くちゃ、ちゅぷっ」

 口から伸ばされた箒の舌に、男は円を描くように舌を絡ませる。唾液が糸となって絡み、男の口から次々に溢れ出る唾液が舌を伝って箒の口内へと流れていく。箒が喉を鳴らしてそれを呑む度に、箒は性行為に酔ったように目を細めた。

「あっ、はっ、ひぁっ、んっ、ふっ……!」

 ようやく調子が乗って来たのか、箒の口から甘い声が漏れてきた。

 変化はそれだけではない。箒は両手を伸ばして一夏の首に回し、抱き着いてきた。そうして距離を縮めてから自分から舌を絡め、男を求めてきたのだ。

「一夏、好きだ……。昔から、ずっと好きだった……」

 膣内に肉棒が出入りする度に水音が響く。広い部屋のベッドで、2人だけの世界。片や大人の男。片や十六歳の学生。年齢差など関係はない。一人の男と女。それだけで、愛は産まれるのだ。

 男は、篠ノ之箒を愛していた。ただの肉奴隷としてではなく、女として。

 これまで妻を作ろうと考えなかった男だったが、一つのビジョンが頭の中に浮かんだ。

 純白のウェディングドレスを着た篠ノ之箒。箒だけではない。織斑一夏と深い親交を結ぶ、セシリア・オルコット。凰鈴音。シャルロット・デュノア。ラウラ・ボーデヴィッヒ。更識簪。更識楯無。山田(やまだ)真耶(まや)。クロエ・クロニクル。織斑千冬。篠ノ之束。それ以外にも、織斑一夏に好意を寄せる者も多いだろう。彼女達全員と挙式を上げて、参列席にいる織斑一夏に見せつけるのだ。こいつらは俺の女なのだと。

 そのとき、織斑一夏は果たしてどれだけ絶望してくれるだろうか。その反応を考えると、男の征服欲が煽られた。睾丸が作った大量の精子がこみ上げ、射精欲求が高まる。目の前の純真な雌を完全に堕とそうと、肉棒に力が入る。

 箒の膣内で、肉棒が大きく膨らみ始めた。

「はっ……はっ……一夏……?」

 箒が話しかけてきた。いったい何だ、と思う男に向けられたのは箒の笑顔。

「私は今、幸せだ……。あんっ……。お前は、どうだ……?」

 明確な愛の言葉。意表を突かれ、男の隙を掻い潜って心に突き刺さる。たとえそれが織斑一夏に対する言葉でも、男は自分に向けられて言われた言葉だと思ってしまった。それだけで、雄としての本能が煽られるのに十分だった。

 尻を大きくグラインドさせて子宮口を亀頭で突いた瞬間、肉棒が脈動した。

 どびゅるるっ、ぶびゅーっ、びゅーっ、びゅるっ、ごぼぼっ、どぽっ、ぶびゅっ!

 津波のように子宮口に押し寄せ、箒の子宮を白濁に染め上げる大量のゼリー状の精液。織斑一夏に恋心を抱く箒の中に、想い人ではない男の種が撒き散らされ続ける。

「あっ……ん、はっ……い、いちかぁ……!」

 箒が両手と両脚で、ぎゅーっと男を抱きしめてくる。避妊のことなど頭にないのだろう。愛する者との行為を全身で感じ、それに応じて膣壁が肉棒から精液を搾り取ろうと絡みついてくる。

 こいつはいい女だ。男は射精を続けながら箒と口づけをし、止まることを知らない快楽の波に身を委ねていた。男としての本能が歓喜し、目の前の雌に対する種付けが終わらない。

 尋常ではない精液の量。射精の快楽と箒の子宮を制圧した悦びに男は身震いした。

 最後の一滴まで出し尽くし、男は箒と繋がり合ったまま数十分が経過した。今頃、箒の子宮を泳いでいた数億の精子が卵管を通って卵子の下へと向かっている頃だろうか。ことごとくが死滅する中、わずかな精子はぐんぐんと卵子へと伸びていき、やがて卵子と結びつくまでには時間がかかる。それに全て死滅する可能性もあるため、今回の行為で孕むとは限らない。

 男が箒の妊婦姿を想像して肉棒を硬くしていると、箒が舌を離した。

「大好きだ……。これからも、一緒に思い出を作っていこうな」

 正面から柔らかい笑顔と声で告げられた言葉。その言葉を受けて、男の理性が弾けた。

 それからの出来事はまさに獣の交尾だった。箒の中で果てたばかりの男は抜かずの2発目、3発目を同じ体位で放った。膣内は完全に男の肉棒の形と味、臭いを覚え込まされてなお、男は止まらない。

 箒を裸に剥き、体位を四つん這いに変えてガツガツと膣内を肉棒で出し入れをする。男の余りの性欲の強さに箒は殆ど意識を失い、茫然とした様子で男をただ受け入れていた。それでも笑っていられるのは、相手が愛する者だと思っているからだろう。

 あぁ、最高だ。男は膣内射精を繰り返しながらも箒に執心し、この箒に思いを寄せられていた織斑一夏に疑問を抱く。これほどの女に思われていて、今まで手を出して来なかったのは何故なのだろうか。異性として見ることはなかったのだろうか。

 疑問は絶えないが、今はもうどうでもいいと答えを求めることを捨てた。

 織斑一夏はもう、亡国機業の実験動物(モルモット)だ。できるだけ有益な研究結果を得るために貢献してもらい、その過程で彼を使って楽しんでもいいだろう。大勢の女から好かれている彼を使っての寝取り行為は、とても気持ちがいいものだろう。

「どうした、いちか……?」

「ん?」

 男がベッドの上で仰向けになっていると、男の肉棒を大きな胸で挟んでいた箒が首を傾げていた。乳房で覆いきれずに谷間から顔を出した亀頭は既に精液に塗れている。それに向かって箒は舌を伸ばし、子を愛する母のような慈しみで以て亀頭を舐めまわしていた。

 つい先ほど覚え込ませたパイズリ亀頭責めだ。重量感のある柔らかい巨乳に囲まれて肉棒は悦びに打ち震え、カウパー液が止まらない。今までも大勢の女に行わせたことはあったが、愛情を抱く相手となるとまた格別だった。

「考え事か?」

「あぁ、ちょっとな。お前との子どもの名前を考えていた」

 男の言葉に、箒は優しく笑った。

「まったく、お前という男は……。本当に、私を孕ませるつもりだな……」

「嫌か……?」

「嫌というのではなく、学生のうちから子どもがいると大変という話だ。そもそも、お前には収入が――」

 そこまで言って、箒は首を傾げた。

「お前には収入があったな。何せ、大企業のトップだ。……それならば、問題はない、のか?」

 先ほど行われた調整によって、記憶の一部が改竄されている。そのため、織斑一夏に対する認識のずれがあり、箒に違和感を抱かせているようだ。やはり、まだ調整には時間が必要なようだ。何せ記憶、または感覚などを意図的に操作するのだ。一筋縄でいくはずがない。

 まぁ、じっくりと俺専用に作り上げていけばいいか。男は小さく笑った。

「箒。お前と子どもは俺が養っていく。だから安心してくれ」

「……ふふ、強く出たものだな。わかった。頼りしているぞ、旦那様」

 男の目を見ながら亀頭の裏筋を舐め上げた箒に向かって、男は射精した。箒の顔や胸を真っ白に汚し、ビクビクと震える暴れん棒。

「こらっ」

 やんちゃをした子どもを叱りつける母親のような強さで以て、箒は射精を続ける亀頭を口と舌で押さえ付けた。そうして口内に吐き出された精液のことごとくが出された直後にごくごくと箒によって飲み下され、胃の中へと消えていった。

 射精が収まり、精液に塗れた顔で箒は唇に付着した精液を舌で舐め取った。

「パイズリは、これでいいのか……?」

「あぁ、最高だったよ」

「あまり変なことを教えるな。……まぁ、お前が喜んでくれて私も、嬉しいが……」

 そっぽを向いてなお亀頭を舌で撫でることをやめない箒。舌先で尿道口をほじくって精液の残りかすを舐め取るのを見て、箒には性的行為の才能を感じた。これからも箒にあらゆる性知識を覚え込ませようと男は思った。



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凰鈴音

 水平線から顔を出した曙光。その光を受け、広大な人工島が明るく照らし出される。かつてそこに存在していたIS学園は崩壊し、瓦礫の積み重なった廃墟と化している。そこに住んでいたはずの人々の姿はなく、たまに現れるのは調査のために立ち入った日本政府関係者や警察と思われる者達の姿だけだった。

 数日前、ここで一つの争いが起きた。IS学園と、それを襲撃した亡国機業との戦争。

 戦争は、亡国機業の圧勝だった。豊富な人材と特殊兵器を投入した亡国機業はIS学園を次々に侵略。捕らえた一般生徒に携帯型簡易洗脳装置を取り付けて操り、人質兼兵力として運用するという手段を選ばない戦略によって勝ち星を挙げた。

 そうしてIS学園関係者全てを捕虜に得た、亡国機業の頂点に立つ総帥。短い黒髪に平均的な体躯をした男はIS学園から遠く離れた島の地下で、広い自室のベッドに仰向けになって幸福を噛みしめていた。

 男の上には長い黒髪の美しい少女、篠ノ之箒。IS開発者にして姉である束から与えられた専用IS『紅椿(あかつばき)』を駆使し、先の戦争で亡国機業に仇なした生徒。ISという戦闘手段を奪われて記憶すら操作された箒は、男に騎乗していた。胸と尻を揺らして腰を振るその姿は熟練の娼婦のように見え、とても数時間前まで処女だったとは思えないほどの艶やかさを纏っていた。

「はぁ……あっ……そろそろ、イキそうか?」

「あぁ。また、出るッ……!」

 男が呻き、表情を快感で緩める。

 直後、箒の膣内に包まれていた大きな肉棒が爆ぜ、尿道口からびゅくびゅくと種を撒き散らした。既に精液を内包していた子宮に新たな精液が注がれ、古い精液を掻き回しながら混ざり合っていく。

「んっ……。また、たくさん出したな。一夏のもので、私の中がいっぱいだ」

 箒が自身の下腹部を愛おしそうに手で撫でる。

 箒は今、誤った認識を抱いている。想い人である織斑一夏と、敵対者の男を履き違えているのだ。亡国機業が有する調整用カプセルにて記憶を弄られ、こうして男と肌を交えている。箒の子宮を元気よく泳いでいるのは当たり前だが一夏の精子ではなく、男の精子だ。

「気持ちよかったか?」

 そうとは知らず、箒は男に微笑みかける。

「良かったよ、箒」

「お前が喜んでくれて、私も嬉しい」

 穏やかな笑み。だが、さすがに疲労の色が窺えた。何せ、十数人の女を相手にできる男と一対一で数時間にわたって肉欲を貪ったのだ。男に騎乗していた箒の体はゆっくりと前に傾き、男に折り重なるようにして倒れた。

「おっと」

 箒を受け止めた男は、柔らかい乳房の感触を腹部に感じて思わずにやける。巨乳は良い。勿論、貧乳も素晴らしい。胸という存在は、何故ここまで男を惹きつけるのだろうか。割と真面目に誰かと話し合い、論文にまとめたいと思った。

 ピピピピ、とベッドの隅にあった連絡用端末から音が響いた。通話ボタンを押してそれを耳に当てると、声が聞こえてきた。

『お疲れ様です、総帥。こちらは調整室です』

「あぁ、お疲れ」

 男は箒を抱きしめて射精を続けながら、声を出した。が、目を閉じて小さな寝息を立て始めた箒を見て、声をほんの少し小さく潜める。

「調整の経過報告か?」

 男は、通話先として表示された調整室の女に向かって尋ねた。

『はい。IS学園関係者、全ての調整は順調に進んでおります。今から一人の調整に専念をすれば、あと数時間ほどでその者をお渡しできます。いかがいたしましょうか』

「そうだな。次は、スレンダーな女がいい。おすすめはいないか?」

『確認します。データベースから、全IS関係者の情報を検索。確認できました。調整状況から考えて、(ファン)鈴音(リンイン)はどうでしょう』

 凰鈴音。IS学年の1年生、中国の国家代表候補生。

 その名前を聞いて、真っ先に思い浮かんだのは先の戦争の光景。捕らえたIS学園生徒に携帯型簡易洗脳装置をつけて戦場へと送り出し、武器を持たせて味方同士で戦わせたときだ。その所業に真っ先に表立って怒りを示したのは鈴音と織斑一夏だった。感情に素直なのだろう。冷静に立ち振る舞わなくてはならない戦場に置いて愚の骨頂だが、十代の少女らしい感情の発露に映像越しで戦場を眺めていた男は惹かれた。

 それに加え、鈴音も織斑一夏の幼馴染らしく、織斑一夏に惚れているようだった。自分以外の誰かに思いを寄せる女というのは、男にとって最高の料理だった。だとすれば、織斑一夏という存在は最高のスパイスだ。織斑一夏に惚れる女達を徹底的に味わい尽くし、自分の支配下に置きたくなる。

「凰鈴音にしよう」

『かしこまりました。設定はどうなされますか?』

「そちらに任せる。それと、篠ノ之箒を一旦回収して調整を引き続き進めてくれ」

『承りました。それでは作業に入りますので、失礼させていただきます』

「よろしくな」

 男の声に、女は『はい』と答えて通話を終えた。

 端末をベッドに放り投げた勢いで、男は両手を投げ出して正面を見据えた。寝転がった視点からは視界の隅に箒の頭、正面にベッドの天蓋が見える。横へと視線を向けると、前時代的な焦げ茶色の置時計が午前6時を示していた。

 調整が完了するのは数時間後。まだ時間にはだいぶ余裕がある。仮眠を取ろうか、それともこのまま朝食を取ろうか。判断に迷っているうちに眠気の重みを感じた目蓋はゆっくりと閉じ、意識は闇の中へと引きずり込まれた。

 その意識は、遠くで聞こえた音声によって引き上げられることになった。キーンコーンカーンコーン、と何やら懐かしい音だ。この音を学校で聞いていた頃から、もうどれだけの年が経ったのだろうか。他人を操れる装置を一人で設計して作成し、クラスメイトの女子を実験台にして興奮していた初心な頃が懐かしい。

 男が感傷に浸りつつ目蓋を開くと、薄暗い景色が目に映った。寝ている間に部下が部屋にやって来て灯りを消したのだろうか。ベッドとは違う固い感触に違和感を覚えながら体を起こすと、そこには不思議な光景が広がっていた。

「もうっ、いい加減に開きなさいよねっ。このっ!」

 閉ざされた両扉の前に、白の体操着と赤いブルマを着た小柄な少女。男が先ほど注文した、凰鈴音だ。黄色いリボンでツインテールにした茶色の長い髪を揺らし、扉を開こうと手と足を使っている。目尻がツンと吊り上がった大きな眼と、愛らしくも勝気そうな顔を苦しげに歪めながら扉を開けることに全力を注いでいるようだが、扉は全く開く気配がなかった。

 ここは、体育倉庫か? 男は正面にいる鈴音から逸らした視線を周囲に向ける。

 重ねられたカラーコーン。跳び箱。陸上競技用のハードルや、棚に置かれたスターティングブロック。その他、運動用具の数々。そして、男の下に敷かれていた分厚い体操用マット。体育倉庫に間違いはないだろう。

 しかし、何故体育倉庫にいるのだろうか。亡国機業のアジトにはこんな場所はない。

「先生、寝てないで手伝ってくださいよ!」

 鈴音が後ろを振り向きつつ、扉をこじ開けようと懸命に頑張っている。

「……先生?」

 言われた男はその呼称に首を傾げるが、すぐに合点がいった。心当たりがあったのだ。

「……ここは、シチュエーションルームか」

 シチュエーションルームとは、あらゆる状況下の景色を現実に再現する部屋だ。鮮やかな四季の景色や砂浜、雪や氷河のある極寒の地など、何でも可能だ。今は、古き良き日本の学校の体育倉庫を再現しているのだろう。

 自室のベッドからここに移動したのは、鈴音の調整を行った女の仕業によるものだろう。そして、おそらくこのシチュエーションも女が自分で考えたか鈴音の記憶から手に入れた景色を頼りに設定したに違いない。

 今の男は、体育教師という立場だ。そして、生徒である鈴音と体育倉庫に何らかの理由で閉じ込められたという状況。

 こういう設定も悪くないな。男は、着ていたジャージの股間を膨らませた。設定上とは言え、今回獲物とするのは自分の教え子となった鈴音だ。密室に魅力的な女子生徒と2人きり。背徳的な興奮を覚え、自然と表情が綻ぶ。

「あぁ、もう駄目! どうなってんのよ、この扉。っていうかなんで、誰も助けに来ないのよ! ホームルームにあたしがいなかったら、普通気がついて探しに来るでしょうが!」

 鈴音は扉から手を離し、その場で腰に両手を当てて苛立った様子で仁王立ちしていた。どうしたものか。そう言った考えを抱いているに違いない。記憶を弄られているため、この状況に違和感を覚えることなく設定に身を投じることができているようだ。

 男は鈴音の小さな背中を見て、マットから立ち上がった。ゆっくりと、背後に近づく。

「今日はこれから一夏と遊ぶ予定だったのに……。どうして体育の授業が終わった後にそのまま倉庫整理なんか……。だいたい、日直に当番を割り当て過ぎなのよ……。あのっ! 先生――」

 ブツブツと不満を漏らしていた鈴音が男へと呼び掛けようと振り向いたとき、男は既に鈴音の背後に立っていた。股間を大きく膨らませ、にやにやと小柄な鈴音を見下ろす。それを見て鈴音は恐怖を抱いたのか、表情を強張らせて後ずさった。

「せ、先生……? え、どうしたの……?」

 その体を閉まった扉まで追いつめたところで、男は鈴音に勢いよく手を伸ばした。

「うぐっ……!?」

 男の手が、鈴音の細い首を掌握する。それだけでなく、鈴音の体を軽々と持ち上げ、扉に押さえつけた。鈴音は宙に浮いた足をばたつかせ、首を締める男の手をどうにか引き剥がそうと両手の爪で引っ掻いていた。表情は苦痛に歪み、小動物のようなか弱い視線が男に向けられる。

 いい姿だ。嗜虐心を煽る。男は鈴音の苦しむ顔を見て、欲望を昂らせた。

「あがっ……!? か、ひゅっ……!」

 抵抗虚しく、首を締められ続けた鈴音は顔を青くし段々と脱力していく。

 そろそろいいだろう。男は締め上げた鈴音の体を後方のマットへと放り投げた。

「げほっ、ごほっ!? なっ……!? 何を……!」

 倒れて咳き込む隙を見逃さず、鈴音へと襲い掛かった。鈴音の体に覆い被さると、近くにあったバスケットボール用の(かご)と鈴音の両手首を縄跳びで拘束する。そうしてから鈴音の太股を掴んで股を開かせれば、お楽しみの時間だ。

「いい肌触りだ。眺めもいい」

 男は、M字に足を開かせて露わになった鈴音のブルマを正面から見つめた。未成熟な体で男を誘うような恰好。このブルマの奥に隠れている花園を男の欲棒で蹂躙したとき、いったいどれほど絶望してくれるのだろうか。楽しみで仕方なかった。

「凰、今日は先生と補習だ」

「何言ってるのよ!? 放してっ! 放しなさいよっ! この変態教師!」

 鈴音が両足で男の肩や腕を蹴ってくるが、男は一向に構わず鈴音の太股の感触を堪能しながら足をさらに開かせる。そうして完全さらけ出された股間へと、男は顔を突っ込んだ。

「ひぃっ!? な、何してるの……! 嫌っ!! このっ! このぉっ……!!」

「まずは、よく湿らせないとな」

 蹴り続けてくる鈴音に構わず、男はブルマの股間部に鼻先を押し当てた後、唾液で濡らした舌で舐め上げた。ざらざらとした生地に唾液が奪われ、また新しく分泌させた唾液で生地を上塗りしていく。

「やめなさいよっ! 教師の癖に、生徒にこんなことして許されると思ってるわけ!?」

「さっきも言っただろ。今日は補習だ、って。保健体育の授業を、俺と楽しもうか」

 男の唾液でしっかりと濡れた赤いブルマは、湿ったことで黒くなっていた。淫靡さが増し、男の欲望を煽る。自然と伸びた指がブルマの股間部を摘まみ上げると、覆い隠す箇所を下着ごと横へとずらした。

「ぃ、いやぁああああっ!?」

 鈴音の悲鳴が体育倉庫内に反響する。

 視界に入るピッタリと閉じた陰裂。毛は薄く、ここでも未成熟さを感じさせる。しかし、しっかりと男を受け入れられる年齢であり、子を身籠ることができるだろう。そう考えると、男の本能が働いて肉棒がさらに大きくなり、硬さを増す。

 恐らく、鈴音の小さな体ではすんなりと肉棒を受け入れてはくれない。男はそう思い、閉じた陰裂を指で左右に開いた瞬間に綺麗なピンク色の陰部にしゃぶりついた。

「やぁっ!? 嫌だ、嫌だ! やめて、お願い! 本当に、嫌ぁっ!!」

 鈴音の足が体を幾度も蹴りつけるが、男は気にしない。鈴音の太股を両手で掴んで押し開いたまま、股間に顔を近づけて舐め続ける。股間は男の唾液に塗れたのを確認して、小さな膣口に舌先をねじ込む。そして、ドリルのように掻き回し、汚す。ひたすら唾液で汚す。

 捕らえた直後に行った捕虜の健康診断の結果通り、鈴音には処女膜があった。今までに処女は数え切れないほどに味わってきたが、やはり美味い。他の男の汚れを知らないという事実は、それだけで素晴らしい。

「ひっ……うっ……うぇっ……うぅっ……」

 鈴音の口から嗚咽が漏れ始めた。教師という設定の男に襲われて陰部を舐められれば、自然な反応だろう。それが逆に男の嗜虐心を煽ることになるとは思ってもいないはずだ。

 これ以上は我慢ができない。男はジャージのズボンと下着を、躊躇なく脱ぎ捨てた。

 露わになる雄々しい肉棒。黒く沈着したその肉の塊は自然と鈴音の視界に入る。

「ぅそ、そこまでするの……。わ、私は生徒なのに……」

 鈴音の表情が見る見るうちに青ざめていく。

「やだ……。助けて……」

 鈴音は力なく首を横に振って拒絶の意を示すと、堰を切ったように大声を張り上げ始めた。

「嫌ぁあああっ!? 誰かッ、助けてっ!! 誰かッ! 一夏ぁっ!!」

 頭の上で両手を縄跳びで縛られた鈴音が全力で以て暴れ、男を跳ねのけようとする。

 だが、それも無駄な悪足掻きにすぎない。男は肉棒を握って鈴音の陰部へと近づけ、亀頭を膣口に触れ当てる。準備は完了。後は、美味しく頂くだけ。男は舌なめずりをした後、鈴音の顔を見ながらゆっくりと告げた。

「さて、先生と一つになろうか」

 織斑一夏が相手じゃなくて、残念だったな。そう告げた直後、男は腰を前に押し出した。

「やだ、こんなの! やだぁああっ!! 一夏っ! 一夏ぁあっ!!」

 ズブッ、グググッ。鈴音が悲鳴を上げる中、亀頭が膣口を押し広げて埋まっていく。凄まじい抵抗感だが、突破できないほどではない。少しずつ2人の性器が噛み合っていき、粘膜の熱を感じさせる。

 そして、そのときは来た。

 ググググッ、ズブンッ……!

「か、ふっ……!?」

 男の容赦ない押し込みによって亀頭まで侵入を果たし、膣内は肉棒によって一気に占拠された。大人の男の中でも一際巨大な欲望の塊をねじ込まれ、鈴音は目を見開いて背を仰け反らせた。

 荒らされた花園。処女を散らされた証である血が膣口から溢れ、肌を伝い落ちてマットを赤く汚す。このとき、鈴音は何を思っているだろうか。織斑一夏のことだろうか。だとすれば、非常に愉快だ。

「これで、俺がお前の初めての男だ」

 男は亀頭を子宮に押し当てながら、鈴音を見つめる。鈴音は、茫然自失の状態だった。

「嘘……。こんなの……。あたしの初めてが、こんなところで……」

 力なく呟く鈴音。その大きな眼からは涙が滲み始め、目尻に溜まって流れ落ちる。

「これが現実だ。ほら、お前のマンコの中で俺のチンポが動いているのがわかるだろ」

 男はギチギチと締め付けてくる膣壁を肉棒で押し広げ、掻き回していく。まだ受け入れたばかりで狭いが、いずれは慣れてくるだろう。

「これがセックスだ。男が、気に入った女を孕ませるために楽しみながら行う儀式だ」

 男の腰が動き始める。最初はゆっくりと、そして段々と速度を上げて肉棒全体を膣肉に擦りつける。いつものマーキングだ。鈴音の体は誰の為に存在するのか。それを本人にわからせるために、何度も何度も出し入れを繰り返す。

「夢よ……。こんなの、悪夢だわ……」

「夢じゃない。現実を見ろ。お前はもう、処女じゃない」

 教師役の大人の男による、生徒役の少女へのレイプ。男の心を躍らせるに十分な設定だ。

 鈴音の体に覆い被さり、繰り出される高速ピストンとプレス。あまりの力強さに鈴音の心身は摩耗したようで、放心状態のまま時折苦しげに声を漏らしている。男を見つめる視線には恐怖が満ち、目の前の現実に怯えている様子だった。

 激しい腰振り。ぐちょぐちょと体液を掻き回す水音。そして、プレス。執拗なまでのプレス。小さな桃尻の上で大きな尻が上下に揺れ、極太の肉棒が狭い膣内に激しく出入りする様はミスマッチで、それ故に淫らだった。やってはいけないことをしているような感覚。それを味わいながら男は、大量に射精した。

 ぶびゅびゅびゅっ、びゅるるっ、びゅーっ、どびゅー、どぐっ、どくんっ、どくんっ。

「あ。凰、悪い。もう出ちまった」

 背徳的な設定による興奮に背を押されて、我慢が利かなかったようだ。鈴音の中で肉棒を脈打たせ、子宮への精液シャワーを浴びせる種付けプレス。逃げ場などない。作らせない。すべてを子宮に注ぎ込み、男の新鮮な子種がぎっしり詰まった男専用の子袋がまた一つここに誕生した。

 ぷるぷると、鈴音の子宮で精液が踊る。鮮度は抜群。普通の雄よりも子種の多いそれは、女を高確率で孕ませるだろう。その女に想い人がいることなど関係ない。男の支配欲を現わしたかのような貪欲な動きで精子がおたまじゃくしのように泳ぎ始める。

「あ、あはは……」

 鈴音は笑っていた。壊れたように、涙を流し続けている。

 鈴音の心は、酷く弱っているようだった。だが、男に情けはない。鈴音が着ていた体操着を手でずたずたに引き裂き、中から現れた可愛らしいデザインのブラジャーをずらす。ツンと上を向いた乳首と慎ましい乳房を見て笑みを零し、顔を寄せる。

 母乳など出るはずもないのに、男は鈴音の小さな乳首を舌と唇で刺激する。なだらかな乳房を時折舌で舐め、隅々まで汚す。

 男は胸が好きだった。胸だけでなく、尻も。というより、女という存在が好きだった。男の精子で孕み、男の遺伝子を引き継いだ子どもをこの世に産み落としてくれる女が大好きだった。だから、亡国機業には女の構成員しかいない。これからもそうだ。

 そして、その構成員の数は近いうちに一気に跳ね上がることになるだろう。何故ならば、IS学園という組織に属していた優秀な女達を丸ごと捕らえることができたのだから。これから頭の調整を施し、自分の忠実な部下へと堕としていく。たとえ織斑千冬や篠ノ之束といった超人であっても、例外ではない。確実に堕とせる自信があった。

 男は、人体を弄る技術に関しては篠ノ之束と比肩するほどの天才だ。数え切れないほどの人体実験を繰り返し、結果を残している。その結果から、生物という枠内にある存在ならば男の技術によって制圧可能だと推測できた。

 パン、パンッ、と強い音が体育倉庫内に響く。男の攻めは続いている。何度も射精を果たし、全てを鈴音の子宮に押し込んでなお欲望は止まることを知らない。鈴音の胎内は渇きを覚える間もなく、男の無尽蔵で粘着質な欲望が染みわたる。

「ぃ、ち、か……」

 鈴音の声が小さく響いたとき、男は絶頂に達した。血管の浮き出た肉棒がビクビクと震え、膣内を汚す。膣内から溢れた精液が結合部から漏れ、鈴音の尻に白濁液の筋が伝い落ちた。鈴音の体はどこもかしこも白濁に塗れ、男の臭いがこびり付いていた。マーキングは十分と言えた。

「ふぅ」

 男は満足したように息を拭き、肉棒を膣内から引き抜いた。

 ごぶっ、ごぼぼっ、ぶびゅっ、ぶりゅりゅ。まるで排泄のように膣内から精液が逆流してきた。マットの上に広がり、強烈な雄の臭いが体育倉庫に充満する。それが、2人が生物としての繁殖行為を行った証だ。

 男が鈴音から離れても、鈴音は膣内から精液を噴き出したまま身動き一つしなかった。手は縄跳びでバスケットボール用の籠に繋がれ、股は開いたままだ。虚ろな目で天井を見つめていた。

 男は鈴音を見て満足感に浸っていた。壊れた美少女もまた、美しい。美人は三日で飽きるという言葉は嘘だ。現に、男の欲望は尽きることはない。むしろ、欲望は年々増加しているようにすら感じる。

 そうした感想を抱き、その綺麗な少女を見てまた肉欲が湧く。男の手は再び鈴音へと伸び、精液に塗れた肉棒は鈴音の口に押し込まれた。

「お前のために出した精液なんだから、お前が責任を持って舐めろよ」

 理不尽極まりない言葉を吐き、男は鈴音のツインテールを両手で掴んで頭を前後に動かし、口内と喉で肉棒を扱き始めた。道具のような扱いだが、男は鈴音に対しても愛情を抱いている。ただ、その愛情が少し欲望に塗れているだけだ。

 男は愛する鈴音の口の中に肉棒を擦り付けた後、また盛大に精液をぶちまけた。

 男が満足したときには、鈴音はズタボロの体操着姿で精液の水たまりに沈んでいた。目は開いているが、瞳に光はない。

 男がその横で座り込むと、周囲の景色が揺らいだ。体育倉庫の景色が、だだっ広い無機質な密室へと変わる。

『総帥。ご満足いただけましたでしょうか』

 天井付近の隅にあるスピーカーの穴から、先ほどの女の声が響いてきた。

「あぁ、素晴らしい設定だった。やはり、無垢な少女への種付けは最高だな」

 男が立ち上がり、部下を褒めたたえる。そのとき、スピーカー越しに微かな水音が聞こえてくるのがわかった。どうやら、男と鈴音の情事を見て女が自身を慰めていたらしい。

『んっ……。お褒めいただき、誠にありがとうございます』

 女が言うと、密室の壁に埋め込まれていた扉がプシュっと音を立てて開いた。部屋の外からメイド服を着た3人の女達が現れた。過去に拉致し、手なずけた本場のメイド達だ。手に持っていたタオルで男の体の汚れを拭い、同じく持ってきた衣服を男の体に着せていく。

「昼食の準備ができております」

「もうそんな時間か」

 腕に付けられた腕時計を見ると、12時近くだった。軽く仮眠を取ったのもあるが、殆どが鈴音との情事で費やされたのだろう。空腹を忘れるほどに楽しんでいたようだ。

 1人のメイドには精液塗れで倒れたままの鈴音を託し、残りの2人のメイドを(はべ)らせて部屋を出る。通路を歩き、有名絵画や重厚な調度品が並ぶ食堂へ。白いテーブルクロスで覆われた、数十名が同時に食事を取れるほど長い食卓の一席に座す。

 メイドと同様に洗脳した女シェフが作った料理に舌鼓を打ち始める。

 すると、正面の壁にある大画面モニターが起動し、映像が流れ始めた。調整室やシチュエーションルームのように無機質で、薄暗い部屋が映し出される。

 そこに、金属でできた十字架に手枷と足枷で磔にされた裸の少女が一人。モニターの隅には、『相川(あいかわ)清香(きよか)』という文字が表示されていた。それが彼女の名前だろう。ショートヘアの頭には、半透明なバイザー付きの調整用ヘルメットが被せられている。ヘルメットには無数のケーブルが繋がれていて、画面に見切れた場所へと伸びている。

 少女の意識はないようだった。だが、低く唸るようなモーター音が響くと状態は一変。

『っ……。あぁ、ああああああっ……!? いぎっ、ぁああああああああああっ!?』

 清香の裸体が小刻みに揺れ、見開いた目がバイザー越しに窺えた。

 今、清香の脳は急速に弄られている。記憶のバックアップは取っているだろうが、今までの人生で得た記憶などを侵されているのだ。亡国機業の総帥である男に忠誠を誓い、男のためだけに生きる構成員となるよう、急速に調整中だ。

 脳を弄りつつ、十字架から機械の管が意志を持った触手のように伸びてきた。その触手の先端は清香の乳首と下腹部に伸びる。そして、それぞれが別々の目的を持って行動を開始する。

 乳首に伸びた触手は、清香の乳首に銀色のピアスを嵌める。

 下腹部に伸びた注射針のような触手は、毒々しい紫色の刺青で子宮を模した淫紋を刻んでいく。

『いやぁあああああっ……!? ひぃっ!? ああああああああっ!?』

 強烈な苦痛を伴う人体の改造。脳と肉体を男の趣向に合わせて弄り回し、男好みの女へと変えていく。男は非人道的なこの装置を、堕天装置と名付けていた。男は、堕天装置で作り変えられる女の悲鳴を食事時に聞くのを習慣としていた。堕天装置の被験者は、IS学園の一般生徒や外部から拉致した女ばかり。堕とす過程を楽しみたい女には、完全に堕とすまで使うことはない。

 やはり、女の悲鳴は良い調味料だ。食事も進み、ワインもより美味くなる。

 男がワイングラスを揺らして映像を見つめていると、改造が終わったようだ。モーターの起動音が止み、十字架の枷が外れて清香の体が前に傾いて床へと倒れる。そして、清香はふらつく体を起こして映像のカメラを見つめた。

 清香は、笑っていた。妖艶に、映像越しの男を陶酔したように見つめる。そして、その場で股を開いてしゃがむ蹲踞(そんきょ)の体勢を取ると、右手で敬礼をしながら左手の指で陰裂を掻き分け、女の大事な部分を自ら晒す。そこには、先ほどまで悲鳴を上げていた少女の姿はなかった。乳首のピアスを揺らし、陰部と淫紋を見せつける一匹の雌だ。

「相川清香です。趣味は、金玉(ボール)転がし。これからの人生の全てを、総帥のため、亡国機業のために捧げますのでどうぞよろしくお願いいたします!」

 また一人、男の忠実な下僕が誕生した。男はその光景に満悦し、フォークで切り分けた肉を食し、グラスを口元に運んでワインを喉に流し込んだ。得も言われぬ美味だった。



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エム(織斑マドカ)

 午後の陽射しが降り注ぐ青空の下、木々で彩られた無人島の山の中。亡国機業の基地内部にある執務室で、総帥である男は仕事に励んでいた。革張りの椅子に腰を預け、執務机に向かって筆を走らせる。書いているのは指示書であり、暗号化した後にオペレーターを介して世界各国に散らばる実働部隊所属の戦闘員と工作員に伝えられる。

「こんなものか……」

 内容は、各国が開発したISや新兵器の奪取が主だ。こちらは兵器の種類やそれを保有する場所によって対策が変わるため、工作員から提供された情報を基に立案した指示を細かく記していかなくてはならない。でなければ戦闘員の失敗に繋がり、捕らえられる恐れがある。大切な戦闘員を失うのは避けたいところだ。

 後は、世界情勢を把握してテロ行為を誘発し、フロント企業を通じて救援活動や物資提供。企業価値を高め、売上を伸ばす地道過ぎるマッチポンプ行為。または、IS装備の開発企業を装ってISに洗脳装置を組み込み、脳を弄って仲間に引き込む。その仲間を通じてさらに周囲の人間を洗脳させる。

 こんな回りくどいことをせず、全世界を一度に洗脳できれば手っ取り早いのだが。

 男は書いた指示書を部下に託し、筆を置いて背もたれに深く体を預けた。

 そのとき、何者かの手によってズボンのファスナーがジジジと音を立てて下がった。慣れた手つきで肉棒が取り出され、柔らかい肌で頬擦りを受ける。温かくすべすべとした感触に目を細めて机の下を見ると、そこには一人の少女がいた。

 肩にかかる長さまで伸びた黒髪と切れ長の双眼を有する整った顔立ち。十代前半に見える幼い外見だが、唇を吊り上げて浮かべられた笑みからは妖艶さを感じさせる。白いISスーツにピッチリと覆われた華奢で起伏の乏しい体にすらも色気を感じてしまう。その唇はゆっくりと開き、亀頭を咥えた。

「ちゅぷっ、ちゅぅうっ、ちゅぷっ、ちゅぱっ」

 柔らかく、潤った唇に吸引される。

「どうした、エム。まだ俺の仕事は終わっていないぞ?」

 男は、執務机の下に正座をしていた小柄な少女、(エム)の頭を撫でた。

「嘘を吐くな。もう終わっただろう。良いから舐めさせろ。お前のチンポは、私の物だ」

 そう言って、エムは喉奥に肉棒を押し込んだ。ぐぷぷぷっと口内の唾液が絡み、より強い温かさを男に伝えてくる。男は体を弛緩させ、仕事が完全に終わるまで性的奉仕を禁じていたエムに肉棒を任せた。

「じゅぶっ、ぐじゅぷっ、ぢゅぶっ、ぢゅるっ、あぁ、このチンポッ……! これがあれば、私はもう何もいらない……! 一生、私をお前の傍に置いてもらうぞ。いいなっ!」

 男の肉棒を口と舌だけを使って熱心に奉仕するエム。その表情は熱を帯びて、男に向けられた。口は悪いが、心では男のことを敬愛しているようだ。男の反応を見ながら裏筋や肉棹を舐め、どうだと言わんばかりに笑っている。

「俺に忠誠を誓うのもいいが、相変わらず他のメンバーと仲が悪いようだな」

「あれはオータムが悪い。あの女は駄目だ。お前のチンポを狙っている」

 言った後、ぢゅぷぷぷっと肉棒を根元まで咥えるエム。

「舐められながら言われてもな」

 男は呆れたように口にし、エムの頭を撫でる。

「子ども扱いするな。一人の女として、早く私と結婚してお前の妻にしろ。織斑マドカとして、お前の子どもを何人でも産んでやる。出産のときだって、お前のチンポを咥えながら出産してやる。どうだ」

「ははっ。それは嬉しいな。だが、すまん。もう少し待ってくれ」

 以前、エムの前で「織斑千冬と結婚したらどうなるだろうか」と妄想を膨らませた言葉を出して以来、エムが頻繁に求婚してくるようになった。亡国機業の構成員であるエムとしてではなく、本名の織斑マドカとして。同じ織斑の血を持つ者として、織斑千冬に対抗意識を燃やしているようだ。

 男は唾液で満たされたエムの口から肉棒を取り出すと、席を立った。

「今は、これで勘弁してくれ」

 壁に両手を突かせて尻を突き出させたエムに、肉棒を差し向ける。陰部が外れるように設計されたISスーツ。そこから解放されたぷにぷにとした幼い陰裂を亀頭で掻き分け、膣口に押し込んでいく。

「あッ、来たぁ……!」

 エムが歓喜の声を上げる中、エムの細い腰を掴んだ男によって小さな体に太い肉棒が埋め込まれていく。ぬちゅちゅちゅ、と既に愛液で濡れていた膣内は主である男の肉棒を歓迎し、子宮口で出迎えた。

「いつもより、子宮の位置が低いな」

「お前の子種ミルクを、子宮でごくごく飲み干すためだ……。んっ、ほら、早くしろ……!」

 エムは、壁に両手を突きつつ後ろを向いて蠱惑的に笑む。催促された男は腰をゆっくりと前後に揺らし始め、エムとの交わりを始めた。幾度も男と触れ合ってきたエムの膣内に、肉棒を擦りつける。相変わらずの締め付け具合の心地よさに男の動きは次第に荒々しくなり、すぐに形勢は逆転する。

「エム、お前の主は誰だ?」

 男が、腰を振ってエムの膣内を犯しながら尋ねる。

「お前だっ。お前しかいないっ……! んっ、くぅっ……!」

 エムはそれを受けて、早くも息が上げて身をくねらせていた。

 エムの感度は、調整装置によって常人のそれよりも高めに設定されている。実働部隊の戦闘員として外で活動をするときに限ってはそうではないが、男の下へと足を運ぶ際には予め調整を受けるように命令をしているためだ。

 それ故に、男の手がエムの小振りな尻を軽く叩いたときであっても、

「ひぃっ……! あっ、イクッ、イクイクッゥウウウ!?」

 簡単に絶頂する。エムは自分の力で壁に手を突いていられなくなり、幸せに満ち足りた表情でその場でへたり込む。男はエムの腰を持ち上げて尻だけを突き出させたまま、気にせずに犯し抜く。

「俺のためなら?」

「何でもするッ……! 誰でも殺すっ……! あっ、はぁんっ……!」

「俺の命令は?」

「絶対だ……! 絶対に達成してみせるっ……!」

「だったら、もっと他のメンバーと仲良くなろうと努力しろよ」

「わ、わかった……! んぅっ!? あっ……!」

 男の体がエムに圧し掛かり、エムの胸に手が伸びる。慎ましいそこには、ISスーツに包まれたピアス付きの乳首があった。指でなぞるとピアスの輪っかが感じられ、それを触る度に男の征服欲が満たされる。この女は、俺の所有物だ。俺のためだけに生きている。そう感じられ、男の肉棒は興奮で増幅した射精欲求に従って大きく膨張する。

 そして、盛大に子宮口を突いた瞬間、大量の精液を噴き出した。

 どびゅるるるっ、どぷぷっ、ぶびゅびゅー、びゅるるっ、びゅーっ、どびゅっ。

「あ、あああっ、あああああっ……!?」

 子宮口にぐりぐりと亀頭を押し付けながら、精を吐き出した。それを受け止めたエムは体をガクガクと震わせ、至上の幸福を味わったかのように蕩けた顔をしていた。開いた口からは、舌を覗かせている。

「あーっ……、あーっ……、あはっ、あははっ……」

 ドクッ、ドクッ。肉棒が震えながら子宮に精液を叩き付ける度に、エムが笑う。男がエムの口元に指を伸ばすと、エムは嬉しそうにその指を舐めた。

「ちゅぷっ、ぷちゅっ、ちゅうぅぅっ、ちゅぱ」

 エムの舌遣いを指に受け、男は子宮へと次々に子種を仕込んでいく。いつものように精液で浸し、子宮に臭いを覚え込ませていく。

 エムとは、もう何度もこうして繋がってきた。その度に、男は孕ませないために調整を受けるよう命じてきた。孕ませてしまうと、エムの任務に支障を来たすためだ。エムの力は、亡国機業に必要だったのだ。

 だが、IS学園を滅ぼした今となっては、もうその心配をする必要はないだろう。人材は豊富。最大の脅威も取り除き、この世界に敵はないと言える。いつ、世界を支配するために動いても勝利は揺るぎない。これは希望的観測ではなく、絶対的な事実だ。

 となれば、このままエムを孕ませてもいいだろう。

「エム、命令だ。この後は調整を受けるな」

 男がエムに顔を近づけ、耳元で囁いた。

「この幼い体で俺の種を受け入れ、孕め」

 男が続けてそう言うと、エムの顔がより破顔した。

「了解。実働部隊戦闘員、エム……。これより、総帥の子を孕む任に就く……!」

 命令に忠実な幼く美しい女兵士。その体を強く抱きしめ、子宮に精液を送り込みながら男は笑った。やはり、強い女を孕ませるのは気持ちがいい。ISという女にしか使えない兵器が現れてから女尊男卑の風潮が世界に伝播したが、男の下では完全なる男尊女卑の世界が続いている。

 ISが使えないからといって、男が無能なのではない。魚が空を飛べないように、生物には得手不得手がある。世界最強の兵器であるISは女にしか操れない。だが、男はその女を操ることが出来る。

 つまりは、男は全世界の頂点なのだ。女は所詮、男にかしづくために生まれて来た愛らしい生物にすぎないのだ。

「あぁ、楽しいな。エム」

 男が耳元で再び囁くと、エムは何度も頷いた。

 執務室でエムを気絶するまで抱いた後、男は訓練用の施設の一つを訪れていた。

 四方を灰色の壁に覆われた広大な空間。そこには、戦闘用のスーツを纏った女達が訓練に励んでいた。男が訓練室に入ると、挨拶の声が次々に掛けられた。深々と頭を下げる者、軍隊式の敬礼をする者。特に挨拶の仕方を取り決めていないため、様々だ。

 男は片手を上げて返事をし、女達の熱っぽい視線を受けながら部屋の隅に移動した。

「訓練を続けろ」

「はっ!」

 男の登場で訓練に身が入らなくなったようだ。命令を飛ばすと、女達は訓練を再開した。

 男は、訓練を行う女達の様子を眺める。

 彼女達は、実働部隊と開発部隊のいずれにも配属されていない者達だ。知識などは調整装置を使って与えることができるが、その知識に沿って体を自由に動かせるとは限らない。運動適性はあるか、過酷な訓練に耐えられる肉体か。そういった点を現役の実働部隊の人間が審査し、それぞれの部隊に配属される。

 実働部隊。戦闘行為を主とする戦闘員と、敵対勢力に忍び込んで情報収集や破壊活動を行う工作員。

 開発部隊。兵器や技術の研究と、そこから新兵器の開発を行う研究員。捕虜の調整業務やオペレーターなどの不定期な作業も兼ねている。先に述べたように知識は調整装置で与えることができるため、実働部隊の適性に満たない、または発想力などの地力が高い者が開発部隊に配属されるような流れだ。

 今、彼女達は工作員としての特殊戦闘の訓練中のようだ。ボールペンや腕時計などの身近な代物に似せて作られた武器を扱い、標的を無力化する方法を学んでいる。

 男は、こうして基地内部の様子をたまに視察することがある。ただの暇つぶしだ。

 室内に視線を巡らせていると、一人の少女の姿が目に映った。

 ショートヘアの活発そうな少女。堕天装置によって堕としたばかりの、相川清香だった。指輪に仕込まれた毒針の使い方を確認している。訓練に使うのは毒を抜いた模造品だが、扱い方は変わらない。

 先の堕天した映像を思い出し、男はムラムラと欲望を募らせた。

 その欲望に従い、男は清香の下へと向かう。周りにいる女達が男の命令に従って訓練を続けながらも、チラチラと視線を向けてくる。中にはスーツに押し込められた魅力的な身体が強調されるような動作を取って、誘惑してくる者もいた。

「君。訓練の手を止めて、私の相手をしてくれないか」

「はいっ!」

 男の接近に気がつき、明るい敬礼をした清香。その視線は、憧れの人物を見ているかのように輝いていた。純真な眼差しと、それに相反するかのようにスーツの胸元に見える乳首ピアスの出っ張り。何処にでもいそうな可憐な少女が改造された様は、男の目には魅力的に映った。

 いいよな、乳首ピアス。女を道具のように扱っているように感じられるため、男は大好きだった。

「君は、金玉転がしが趣味だったな」

 男はその場でベルトを緩め、ズボンを下ろした。堕ちた際の自己紹介で聞いた金玉転がしがし易いよう、下着も下して下半身を丸出しにする。すると、清香の目が一層輝いた。

「い、いいんですか?」

「あぁ。近くに睾丸がなくて君も辛いだろう。存分に味わうといい」

「ありがとうございます!」

 清香はそう言うと、指輪を置いて男の前に膝を突いた。顔の前で垂れ下がった長い肉棒と、その左右にある丸々とした睾丸。その重量を確かめるように、差し伸ばした手の平に睾丸を乗せる。

「うわぁ、ずっしりしてる。それに、うん、良い臭い!」

 顔を近づけて睾丸に鼻先を当て、身を震わせる清香。

 そして、恐る恐る舌を伸ばし、毛の生えた睾丸を舐め上げていく。

「あぁ、これだよぉ。金玉美味しぃ」

 まるでご馳走でも味わったかのように、頬に手を当てて睾丸の味を口中で堪能しているようだった。そうしてから肉棒を手で扱き上げ、睾丸を舌で持ち上げる。舌先で上げ下げを繰り返して弄び、そのまま睾丸から肉棹へと舌をなぞり上げ、裏筋まで舐める。

「んんんっ。す、すごいっ、この金玉も肉棒も、最高ぉ。総帥、ありがとうございます!」

 再び感謝の言葉を述べ、清香は睾丸を弄り続ける。丸みを確認するように舌でなぞった後、ちゅぽんっと小気味いい音を立てて吸引をする。かと思えば、舐めた後の睾丸に鼻を押し当てて思いっきり深呼吸をしながら肉棒を扱いた。

 清香を産み、IS学園へと進学させた清香の親は今どうしているだろうか。行方不明になった清香を思って、涙を流しているだろうか。だが、安心してほしいと男は思った。娘さんは今人生の全てを俺に捧げ、元気に睾丸を奉仕している。女として、最高の幸福を噛みしめている。清香は、この為だけに生まれてきたのだと、伝えたかった。

 男は心の中で清香の親を慰めながら、精液をぶちまけた。

 どびゅーっ、びゅーっ、びゅるっ、びゅくっ、びゅくんっ!

 放物線を描いて上に発射された精液が、睾丸に顔を埋めて肉棒を扱く清香の頭にベチャベチャと降り注ぐ。ショートヘアが精液に塗れ、清香は恍惚とした様子で震えていた。

「よしよし」

 男は肉棒を動かし、清香の頭に乗った精液を塗り広げていく。

「わぁあ、ありがとうございます! ありがとうございます!」

 清香は喜んでいる。この姿を見れば、清香の親も嬉しいに違いない。そう思って、機会があれば清香の家族を連れてくることに決めた。眼鏡に敵えば母親を亡国機業に引き込み、父親は清香の手で殺させよう。もしも今の清香を見た両親の反応が悪ければ、残念ながら2人は清香の親失格。清香の技術向上のため、訓練道具の実験体にさせるしかない。

 優しいな、俺は。男は至極真っ当な感想を抱き、自分自身に感心するように頷いた。

 訓練室での暇つぶしを終えた男は、そのまま調整室の一室に足を運んだ。

「どうだ?」

 男が部屋に入って尋ねると、椅子に座ってコンソールのキーボードを操作していた女が振り向いた。

「こちらの調整は問題ありません」

 酸素マスクやチューブに繋がれた全裸の少女達が、緑色の液体に満たされた調整用カプセルの中に並んでいる。カプセルの数は30近くにも上り、その中には篠ノ之箒や凰鈴音の姿もあった。勿論、カプセルはこの部屋だけではない。IS学園の1年、2年、3年。それだけでなく教師陣も掌握したのだ。彼女達の調整は別の部屋でも同時に進んでいる。相川清香のように、男を楽しませるために急速調整を施す場合もあるが、大体がカプセルでじっくりと調整を行う。堕天装置は体への負担が大きく、男を喜ばせる場合を除いては積極的な使用は推奨していない。

「今回は、どういった女性をお求めですか?」

「そうだな。巨乳、貧乳と来たからな。次は」

「巨乳ですね」

「あぁ」

 男は女を後ろから抱きしめ、白衣に包まれた胸を揉みしだいた。ぎゅうぅぅっと、手の中で掌握し、その体温と柔らかさを楽しむ。「んっ」と吐息を漏らして震える女の肩に顔を近づけ、女とともにモニターを見た。

 モニターには、裸の女とそのプロフィールが並んでいた。

 その中に、美味そうな女がいるのを男の目が捉えた。

「セシリア・オルコットか」

「イギリスの国家代表候補生ですね。織斑一夏と同じ1年生で、専用機持ちです」

「先の戦争でも、遠距離から狙撃されて面倒だったな。よし、この娘にしよう」

「設定はどうされますか?」

「設定か。そうだな。じゃあ――」

 男は女に詳細を告げ、それを承諾した女は頷いてからキーボードを軽快に操作し始めた。

 男は一度女から離れ、カプセルの中で眠る捕虜達を順繰りに眺めた。布仏(のほとけ)本音(ほんね)布仏(のほとけ)(うつほ)。専用機持ちの妹と姉。どちらもカプセルの中で巨乳を晒していて美味そうな体だった。

 男は、本音を収納するカプセルの横に付いたボタンを押し、カプセルの一部を開けた。そこから緑色の液体の中に両手を突っ込み、本音の下腹部へと手を伸ばす。指で陰裂をくぱぁと広げると、未使用だろう綺麗な膣や尿道口が目に入った。くにくにと肉の柔らかさを堪能し、続いて胸を揉みしだく。

 よもや、寝ている間に体を好き勝手に弄り回されているとは思わないだろう。

『んぅ……。えへへ。おりむー、くすぐったいよぉ……』

 そのとき、本音の柔らかい声が漏れ聞こえてきた。どんな夢を見ているのだろうか。気になって、カプセル横のディスプレイに映る本音の夢の光景を確認してみた。着ぐるみのようなパジャマを着た本音が、ベッドの上で織斑一夏と抱き合って眠っていた。

 気に食わないな。それを見た男は腹を立て、ディスプレイ横のスイッチを入れた。

悪夢(ナイトメア)モード』

 男がそう呼んでいるモードへ切り替え、開いていたカプセルを閉じた。

 すると、夢の景色が一変。代わりに男と同じ容姿をした全裸の男達が現れる。その数二十人にも上る。織斑一夏を集団で殺害した後、本音を取り囲んでその体に手を伸ばし、パジャマを引き裂いて露わになった肉体を凌辱していく。

『おりむ――んんぅー!?』

 見知らぬ男達に囲まれて、無数の肉棒で体の内外を同時に汚される。悪夢以外の何物でもないだろう。だが、亡国機業内では『楽園(パラダイス)モード』と呼称されていることを男は知らない。構成員の間では、ご褒美として認識されていた。

 夢の中で口や膣、両手や胸など全身を同時に肉棒で汚される本音を見て、男は溜飲を下げる。

 姉の方はどうだろうか。そう思って虚の夢も見て見ると、虚は見知らぬ赤髪の少年とベンチに座っていた。付き合いたてのカップルのような初々しさと距離感を醸し出す空間がそこにはあった。

 たとえ夢の中であっても、男が所有する女が他の男と仲を育む姿を見るのは耐えがたい。

 男は堪らず、『悪夢モード』を起動。男の分身体が夢の中に現れ、少年を嬲り殺してから虚を囲んで順番待ちで犯していく。初々しい光景は消失し、血と欲に塗れた凄惨な光景が広がった。

 夢の中で仲良く男達に犯され、カプセルの中で表情を曇らせる布仏姉妹。

 その姿を見て満足した男が横のカプセルを見ると、色白の裸体と長い金髪を浮かばせる少女がいた。セシリア・オルコットだ。今、男の指示で脳を弄られているため、表情が歪んでいた。カプセルの越しのその表情と美しい裸体に目を奪われる。

「いい貌だ。楽しませてくれよ」

 カプセルのガラスを一撫でしてから、男は部屋を後にした。

 自室に戻り、安楽椅子に腰を掛けて本を手に読書に耽る。日頃機械に囲まれた生活を送っているが、紙の書籍のような今となっては前時代的な代物は嫌いではない。むしろ、好ましいと感じてさえいる。部屋の中にあえて置時計を配置するほどに。

 一人、静かに読書を楽しむ。欲に満ち溢れた生活だが、たまにはこういう日もいいだろう。そう思いながらページを捲り、紙面に封じ込まれた文字の世界へと意識を集中させる。

 ジジジ、とズボンのファスナーが下ろされる音。少し前にも聞いた音だった。

 視界を満たしていた本を退かして下半身を見て見ると、

「エム、いつの間に……」

 男の両足の間にエムがいた。ファスナーを下ろし、当然とばかりに肉棒を取り出す。頬擦りをして猫のように目を細め、アイスを頬張る子どものような無邪気さで亀頭を口に咥えようとしていた。黒髪が股間に当たってくすぐったいと感じた。

 しかも、既に発情しているのか今度はISスーツすら纏わない生まれたままの姿だった。乳首ピアスと鈴付きの黒い首輪を揺らし、頬を赤らめている。

「抗議をしに来た」

「抗議をするつもりの人間は、相手の肉棒を咥えないと思うが」

 エムは、アイスキャンディーを舐めるように裏筋に舌を這わせる。

「チンポは嗜好品だ。これくらい贅沢させろ」

「まぁいいが。それで、抗議って?」

 非難されるようなことをしたつもりはなく、男は首を傾げた。執務室に置き去りにしたことだろうか。いや、ヤリ捨てはよくあることで、前に浴室で性行為の勝負をして気絶させたときには何も言われなかった、と男は回想した。

 それとも、目隠しイラマチオプレイだろうか。あれは確か、エムが望んだはずでは。殴れというから殴ったし、首を締めろと言われたから締めもした。

「つい先ほど、オータムに向かって銃口を突き付けて『私と仲良くしろ』と言ったら争いになった」

「それは当たり前だろ」

「お前が仲良くしろと言ったから従っただけだ。それに以前、それで敵対組織とは仲良くなれた」

「それは脅迫だ。そんなことで生まれる友情があってたまるか」

 男は本を移動式の棚に置き、肉棒を舐めるエムの両脇に手を差し込んだ。そのままエムの軽い体を持ち上げる。鈴付きの首輪をつけていることもあって、黒い猫か何かのようだ。

「子ども扱いするな……」

「してない。その証拠に」

 男は持ち上げたエムを直立する肉棒の上に移動させ、下ろした。

 そして、膣口に亀頭を当てると持ち上げる力を緩めた。するとエムの体が重力に従って落ちていき、亀頭がエムの幼い膣に飲み込まれていく。ギチギチッと締めつけられながらも肉棒は膣奥へと進み、いつもの子宮口と亀頭の接吻に至る。

「エムの体で勃起しているだろ」

「ふん……! ぉ、お前は、外見さえよければどんな女にも勃起するだろっ……!」

 正論を言うエムの顔は、異様に赤かった。男の体に正面から抱き着き、荒い呼吸を繰り返す口を男の胴に押し付ける。男の服が、エムの唾液を吸って濡れるのがわかった。

「さっきよりも感度が上がっていないか?」

「調整室で感度を上げてもらった」

「……何故?」

 ただでさえ、気絶回数が多いというのに。仮に『チンポには勝てなかったよ』シーン集を集めて回数順にランキングにしたとするならば、エムがダントツで一位になるほどに醜態を晒している。それにも関わらず感度を上げて、何がしたいのか。

 男はエムの尻を両手で掌握し、若い肌の張りと滑らかさを確かめつつ、エムの尻を持ち上げて肉棒を扱いた。座ってはいるが、駅弁の体位に近い。間近で顔を突き合わせ、男はエムの頬を舌で舐め上げた。

「敏感な方が、お前も喜ぶだろ?」

「まぁ、確かに」

「それに、嗜虐的なお前のことだ。気絶した方が、虐めたくなって手を出すに違いない」

「よくわかってる、なっ!」

「ひぃんっ……!?」

 男が自ら腰を振り上げ、膣奥を肉棒で突いた。エムは声を上げて背を仰け反らせ、だらしのないアクメ顔を晒していた。下腹部の淫紋がよく見える。一突きでこの具合だ。これでは長く持たないだろう。

「本当、お前は面白いよな」

「あ、あ、ひ、あぁ……!」

 ビクビクと震えながらも嬉しそうなエム。そのエムを強く抱えたまま、男は何度も膣内で肉棒を扱いた。愛液とカウパー液が混ざり、性器の摩擦で白く泡立つ。黒ずんだ肉棒は白く染め上げられ、その姿を膣の内外へと出入りさせる。

 やがて、男の欲求が高まる。目の前の女を孕ませろ、と強く訴えてくる。

 チリン、チリン。肉棒でエムの中を突く度に、エムの首輪の鈴が鳴る。間近でよく見て見ると、鈴は肉棒をデフォルメした形だった。黒く塗られ、白字で総帥と書かれている。誰が作ったんだ、それ。男は、猫のように行動が読めず、愛らしい未来の妻に未来の子ども候補を解き放った。

 びゅぶるるるっ、どぶっ、どびゅっ、どぷっ、とぷっ、ごぽっ。

 先ほどまで膣に栓をしていたのか、精液がたっぷりと残った子宮に追加の精液が入り込む。

「あぁっ、もっと、もっとぉ、ひっ、んっ、はっ、はっ……」

 エムが男の体を強く抱き、精液をせがんでくる。

「言われなくても、出るさ。ほら、孕め、孕め」

「孕むぅ……! お前の子ども、孕むからぁ、もっと出せぇ……!」

 エムの膣に深く突き立った肉棒は、長い時間をかけて何度も何度も射精した。相手の体温が、体液の熱が心地いい。病みつきになりそうだ。男は射精後の余韻をエムの膣内で過ごし、椅子に深くもたれて目を瞑った。

「なぁ」

「何だ……?」

 エムに言われ、男は目を瞑ったまま答えた。

「あと、十分だけでいい。繋がったまま、抱きしめていてくれ」

 恥ずかしそうなその声音は、男の理性を押し込めて欲望を表出させた。

「あっ、な、何をするっ、このっ、抱きしめていろと、言った、ひぅっ!?」

 性器同士を交わらせたままエムを持ち運び、男はベッドに押し倒した。

 そこから、お得意の種付けプレスだ。より深くまで結合を果たし、肉棒で膣内を屈服させる。何度も、エムの声が喘ぎ声に変わるまで何度も犯し、最後には精液を大量発射。特濃ザーメンを放出。絶対に孕ませる、といった力強さを見せた男は、その後もエムの中に子種を置いてきたのだった。

 白いベッドを濃い白濁で塗り変えた精液と、それに全身を彩られたエム。痙攣して口を開く度に、精液がこぽりと零れて頬を伝った。口元に付着していた男の陰毛が精液に流され、堕ちていく。結局、体の外側も精液で汚してしまった。

 男は、その姿を連絡用の端末で激写した。何となく高性能カメラ機能を付けていたのが役立ったようだ。白濁に塗れて膣口から精液をぶびゅびゅびゅっと噴き出す幼いエムの姿は艶やかで、誰かにも見てほしかった。そう思って、何の考えもなしに亡国機業内のSNSに投稿。

 すぐに、高評価がついた。

『いいね』

『可愛い』

『愛でたい』

『保存しました』

『私もしてほしい』

『ぶん殴りたいです』

 エムは、意外にも構成員達に好かれているようだ。自覚がないのは、本人だけ。表立って対立しているのは、たった今『ぶん殴りたい』と発言したオータムくらいなものだ。

 その後、正気に戻ったエムに襲われたが、返り討ちにした。そして、主を襲ったエムに全裸土下座を強要。あまりの可愛さに男は再びエムに襲い掛かる。これは絶対に孕むな、と思いながらエムの中に子種を仕込み続けるのだった。



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セシリア・オルコット

 ドクン、ドクン。毛に覆われた大きな睾丸が収縮し、豊かな胸に挟まれる男の肉棒から精液が放出される。精液は胸の持ち主である女の整った顔を汚すだけに飽き足らず、肩先をくすぐる赤胴色の髪と身に纏うメイド服を白濁に彩っていく。

「今日もご立派ですわ、総帥」

 精液を顔に受けてなお、落ち着いた雰囲気で柔らかく微笑む女。

「あぁ、気持ちよかったよ。チェルシー」

 ソファーに腰を預けた男は、両足の間で座る女を見下ろして微笑み返した。

 亡国機業の総帥である男と、それに仕えるメイドの一人、チェルシー・ブランケット。寝室にいる2人の、夕食前の触れ合いだ。男は多くのメイドを所有しているが、その中でもこのチェルシーがお気に入りだった。

「喜んでいただけて何よりです」

 チェルシーは射精後の余韻で震える肉棒を舌で撫で、そのまま口に含んだ。

「ぢゅるっ、んぶっ、れろぉ、ぷぽっ、ぢゅるるっ」

 メイドによるお掃除フェラ。喉の奥まで届くほどの肉棒を口で咥えられ、上目遣いで見つめられながら窄めた口内の扱きを受ける。瞳にハートマークでも浮かべそうなほどに幸せそうな顔でディープスロートを行うチェルシーに、男はソファーのひじ掛けに置いていた手を持ち上げ、チェルシーの頭を撫でた。

「おいおい、それではまたすぐに出てしまうぞ?」

「ちゅっ、ぷはっ。ふふ、申し訳ございません。つい、夢中になってしまって」

 肉棒を口から解放し、嬉しそうだがどこか切なそうな表情をするチェルシー。まだ物足りないのだろう。男はチェルシーの想いを感じ取った。

「また今度、ゆっくりと味わわせてやるさ」

「ありがとうございます。総帥」

 チェルシーは、主への感謝を伝えるように尿道口へ口づけを放った。

 チェルシーによって身嗜みを整えられ、男はソファーから立ち上がった。チェルシーを連れて部屋を出ると、向かう先は食堂。そこには、別のメイドの姿があった。

「エクシア」

 エクシア・ブランケット。チェルシーの妹だ。十八歳のチェルシーと似た顔立ちをした、まだ十代前半のあどけなさが残る少女。くりくりとした眼で、どこか小動物染みた印象だ。男の姿を目にすると、ぱぁっと明るい笑顔を浮かべた。

「総帥」

 エクシアは少しぎこちない動作で頭を下げた。メイドとしての経験はまだ浅い。

「お夕食の準備ができております」

「あぁ、ありがとう」

 男は食堂に入る前にエクシアの小振り尻をメイド服の上から掴み、揉みしだく。

「ぁっ、ありがとうございます」

 再び男に頭を下げたエクシアは、妹の様子を微笑ましく見つめるチェルシーと共に男の後に続いて食堂へと入った。

 食堂の長い食卓には、男ともう一人分の食事の用意がなされていた。男は食堂の上座の席に座り、出入口に一番近い下座の席を見据えた。今日、この夕食の場に男が招待している者が来る。男が狙う、獲物の一匹だ。

 男は舌なめずりをし、壁際に控えて立つブランケット姉妹を見た。

「チェルシー」

「はい」

「お前達を今日のメイドに指名した理由は、わかっているな」

「はい、総帥。お嬢様、セシリア・オルコット様との面会の為です」

「そうだ。お前達の、元主だ」

 ブランケット姉妹は、先日捕らえたセシリア・オルコットという少女に仕えていた。だが、それも過去のことだ。今では亡国機業のメイド兼戦闘員としての立場で、男の為だけにその人生を捧げている。

「元主には冷たく接するように。お前達の主は、俺だけだ。それを相手にもわかってもらう必要がある」

「はい」

「エクシアもな」

「はいっ!」

 男が2人と話をしていると、食堂の扉からノックの音が響いた。

「失礼いたします。セシリア・オルコットを連れて参りました」

「入れ」

 男が言った後、扉が開いた。

 扉の先には、体の線が浮き彫りになる青いドレスを着こなした長い金髪の少女。毛先が縦ロールになったその髪型と、色白で均整の取れた体からは気品を感じ取れる。青色のヘアバンドをつけたその少女は、美しく整った顔に滲ませた不安の感情を、青色の瞳に乗せて正面の男を見た。

 セシリアを連れたメイドが退出して扉を閉ざし、この場に男とブランケット姉妹、セシリアだけとなったタイミングで男が口を開いた。

「初めまして。俺は、亡国機業の総帥を務めている者だ。よろしく」

「……セシリア・オルコットですわ」

 渋々と言った様子で、返事をするセシリア。その視線はブランケット姉妹に向けられた後、男へと憎悪の眼差しが向けられる。対して、ブランケット姉妹は姿勢を正して微動だにせぬまま素知らぬ顔をしている。

 その様子に、セシリアは悟ったのだろう。

「……チェルシーとエクシアに、何をしましたの?」

「雇っただけだ」

「嘘おっしゃい……!!」

 セシリアが息を荒らげる。

 セシリアの言う通り、嘘だ。チェルシーとエクシアには、心身ともに調整を施してある。今の2人は完全に男の所有物であり、かつてセシリアに仕えていた2人とは別物と言えた。セシリアのことは覚えているが、ただそれだけだ。セシリアへの忠誠心など、そこらの一般人に向けるものと大差ない。

 その証拠に、ブランケット姉妹は敵意の眼差しをセシリアに向けていた。

「っ……」

 セシリアはその視線に怯みつつも、2人へと歩み寄ってその手を取った。

「チェルシー、エクシア……。帰りましょう?」

 しかし、2人の表情は嫌悪に満ちていた。主である男に対して声を上げた無礼な元主。2人の視点ではそう見えているのだろう。

「お言葉ですが、私達の帰る場所はここです」

「総帥の為だけに私たちは存在し、命尽きるまで総帥の為に尽くします」

 チェルシーとエクシアが、順番に淡々と口にしながらセシリアの手を振り解いた。

「お嬢様。いえ、セシリア・オルコット様。あなたはもう、私達の主ではございません」

「セシリア様。どうか、これ以上の無礼は控えて頂きますようお願いいたします」

 頭を下げる2人の態度には、相手への敬意など微塵も含まれていなかった。

「そ、んな……」

 2人の態度を間近で体感して、セシリアは青ざめた表情で後ずさった。

 そして、セシリアは眼差しを怒りに変えて、男を睨みつけながら駆け寄った。男は近づいてくるセシリアを余裕の表情で見つめつつ、主に歯向かう外敵の気配を悟って撃退の挙動を示したブランケット姉妹を手で制した。

 男が座る席の横に立ったセシリア。食卓を手で叩き、男へと訴えかけてくる。

「2人を、皆さんを解放しなさい……!」

「皆さんというのは、IS学園の関係者のことか?」

「当たり前ですわ!」

「ふむ。では、交渉といこうか」

「交渉……?」

「あぁ」

 男は、にやついた笑みを向けて言葉を続けた。

「君の願いを叶えよう。ただし、それには条件がある」

「……条件?」

 セシリアに対して男は頷いて見せ、もったいぶるようにゆっくりと告げた。

「男と女として、ベッドで俺と愛し合ってもらおうか」

「なっ!?」

 驚愕と羞恥を露わにするセシリア。当然だ。敵対する者と肌を重ねるなど正気の沙汰ではない。セシリアもそれを思って反発の言葉を上げようとしたのだろうが、言葉が出ないようだった。何せ、IS学園の関係者のみならずメイドまでもが人質に取られているような状態なのだ。否定の言葉を放っただけでは、状況は好転しない。

「仲間の自由と、君の貞操を天秤にかけてほしい。さぁ。果たして、どちらが重いかな?」

「最低ですわね……」

「褒め言葉として受け取っておこう。それで、どうだ? 俺と交わるか?」

「……選択肢など、他にないのでしょう?」

「どうかな。仲間を見捨てるという選択もあるだろう?」

 男の言葉に、セシリアは表情を歪めて憤慨した。

「……ありませんわ! 私は、大切な人達を見捨てたりはしません!」

 セシリアの言葉に承諾の意を汲み取って、男は口角を吊り上げた。

 脅迫という名の交渉は終わった。男はセシリアに席に着かせ、食事を勧めた。だが、セシリアは食べようともしない。視線は男から逸らさず、ひと時も気を緩めることはなかった。

 男はその視線を受けながら夕食を取った。美少女に見つめられながらの食事もいいものだ、と満喫していた。食欲を満たしながらも、男の股間はビクビクと期待に震えていた。

 夕食後、男はセシリアを自分の部屋に招いていた。ベッドに腰を掛け、横にセシリアを座らせる。チェルシーとエクシアは、この場にはいない。部屋の中で、セシリアと2人きりだ。

「そう離れていては愛し合えないだろう」

「くっ……」

 離れた場所に座ったセシリアを手で抱き寄せ、腰に手を回す。肩と肩が触れ合い、すぐに相手へ手が届く距離。男は暗い表情で俯くセシリアの顔を覗き込むように顔を動かし、色白くきめ細かな頬に手を当てた。

「綺麗だよ、セシリア」

 男は愛を囁きながら舌を伸ばした。それを、嫌悪感に満ちた目で見るセシリア。

「ほら、舌を出せ。まずは、キスだ」

 セシリアの眼前で舌を左右に動かすが、セシリアに動く気配はない。

「仲間がどうなってもいいのか?」

 そう脅しをかけることで、ようやくセシリアは動き出した。これ以上屈辱的なことは世の中に存在しないといった様子で、恐る恐る小さな口から舌を伸ばす。赤いそれは男の分厚い舌先に触れ、まるでくすぐるように触れ合い始めた。

 だが、それも数秒間だけのこと。

 焦れた男が、セシリアの唇に自分の唇を押して当てた。

「んっ!? ん、ふっ、んんっ……!」

 しっかりと触れ合うセシリアの薄桃色の唇と、男の唇。セシリアの口内では驚いて引っ込められた舌と、それに無理矢理絡みつく男の舌が蠢いていた。くちゅくちゅと音を立てて唾液が絡み合った。

 セシリアが驚き、後ろへ引こうとする。男はそれを防ぐためにセシリアの頭と腰を手で掴み、体の自由を奪った上で口内を勝手気ままに蹂躙していく。

「うぶっ、うえっ、んっ、ちゅっ、んぶっ……!」

 男に口内を侵略され、隙をついて息継ぎを行うセシリア。

 本来ならば、その表情は苦しみに歪んでいたところだろう。だが、今のセシリアは目こそ大きく見開かれているものの、頬を赤く染めて鼻息を荒くしていた。

「んふっ、んっ、ちゅぅうっ、れろっ、ぢゅるっ、ちゅぱっ!」

 嫌々口づけを行っているとは思えないほどに、セシリアは男の舌を受け入れていた。舌同士で抱擁を何度も繰り返し、混ざり合って増えたとろとろの唾液を飲み下していく。その度に、セシリアは時折昇天したかのように体を震わせた。

 明らかに、正常とは言えない反応だった。

 しっかりと調整はされているようだな。男はセシリアとの恋人以上に濃密な接触に満足し、やがてゆっくりと唇を離した。絡み合っていた舌が解け、唾液の糸が2人の間に伸びる。重力に負けて弛んだ唾液の糸が落下し、セシリアの青いドレスに染みを作った。

「な、何ですの。今のは……」

 セシリアは口を手で押さえ、得体の知れない者を見るように男に目を向けた。

 口づけの途中で、セシリアの様子は明らかにおかしかった。それは本人も自覚しているようだ。ただ、その理由がわからないのだろう。瞳は恐怖と動揺に揺れていた。

「キスは初めてか? それが、キスの味だ。恋人との、な」

「っ……!」

 恋人、と言われてセシリアは肩を跳ね上げた。まるで、恋人の言葉にときめく乙女のようだ。だが、すぐに正気に戻った様子で頭を左右に振った。邪念を振り払い、男を再び睨み据えた。

「……あり得ませんわ」

「すぐにわかるさ」

「あっ……」

 男がセシリアをベッドに押し倒し、その上に覆い被さった。男の中で、篠ノ之箒と肌を重ねたときの光景と被る。しかし、調整によって従順だった箒とは違い、セシリアの表情は固い。さながら、政略結婚に利用されたお姫様といったところか。

 男は、セシリアの味を楽しもうと胸に手を伸ばした。

「一夏さん……」

 セシリアの口から漏れた言葉を耳にして、その手は握り拳となってセシリアの腹部に突き刺さった。

「がはっ!?」

 ベッド体を深く沈ませ、体をくの字に曲げるセシリア。その中心点である細い腹には男の拳があり、ぐりぐりと痛みを増幅させるように動いている。

「これから愛し合おうというのに、他の男の名前を出すなんて酷いじゃないか」

「か、ひゅっ……、う、ぐっ……!」

 肺の中の空気を一気に絞り出され、セシリアは呼吸に喘いでいる。その顔を男は間近で見つめ、顎を手で掴む。セシリアは恐怖を抱いた様子で、男の顔を視界に捉えている。

 男は、セシリアを愛するつもりだった。だが、気分が変わった。

 セシリアには、堕ちてもらおう。そう思って、男はベッドの上に立ち上がった。衣服を脱ぎ捨て、男の裸を見たセシリアの悲鳴が聞こえる中で下着も脱いだ。立派に屹立した肉棒が表に露出し、存在感を主張する。

「それが、男性の……」

 恥ずかしそうに見守るセシリア。

 男は、そのセシリアの顔に大股で跨ると、しゃがみ込んで尻穴をセシリアに近づけた。

「謝罪代わりだ。俺のケツの穴を舐め尽くせ」

「そ、そんなっ……!? い、嫌っ……!」

「ほら、早くしろ」

 男が腰を落そうとするが、セシリアの両手が尻に触れて押し退けようとする。

「む、無理ですわ! そんなこと、誰が――」

「断れば、織斑一夏を殺す」

 それでもいいか、と男が尋ねるとセシリアが唇を震わせて押し黙った。「なんて卑劣な……」という弱々しい声が漏れ、男の尻を押し返すセシリアの両手の力が緩んだ。だんだんとセシリアの顔に尻が近づき、穴の皺がはっきり見える位置まで来る。

 しかし、セシリアの舌は穴へと伸びない。

「舐めないか。残念だ。それじゃあ、織斑一夏を殺すように――おっ」

 男が決定しようとしたとき、尻穴に温い感触を感じた。

 セシリアが、男の尻穴を舐めていた。目に涙を溜め、伸ばした舌先で穴をなぞっている。男はそれを感じて表情を緩め、まだ物足りない動きを良くしようとさらに脅しをかける。

「ただなぞるだけじゃあな。舌でケツ穴を穿ったり、腸液吸ったりできないものか。……お前のお仲間達は、死ぬときはどんな断末魔を上げるんだろうな。指から少しずつ切断していくか。それでもいいのか? なぁ?」

 妻候補を殺すつもりなど毛頭ないが、言ってみると効果覿面。

「んぶっ! んぉえっ! うぅっ!? ぢゅぶっ! ちゅるっ! ぐぢゅるっ!」

 セシリアは、泣きながら男の尻穴を舌で穿っていた。排泄を目的としている故に臭いであろうその場所を懸命に舐めるお嬢様。調べたところによると、セシリアはイギリスの名門貴族の生まれ。両親を亡くしてから一人でオルコット家を維持してきた誇り高い少女。ISが世界に進出し、イギリスの代表候補生として専用ISを得てIS学園に入学してからもそれは変わらなかったようだ。

 その少女が、敵である亡国機業の男に脅され、尻穴を舐めている。

「いいぞ、もっと舐めろ」

「んぢゅぶぶっ、ぢゅぶっ、ぐぶっ、ぢゅぐ! おぶっ、ぢゅるるっ!」

「ははっ、やればできるじゃないか」

 男は、体内に感じるセシリアの舌の感触に愉快な気持ちを噛みしめていた。さすがはIS学園。優秀な人材が多い。本気になれば、どの部類でも頭角を表せるだろう才女は、下劣な行為もお手の物のようだ。

 もういいだろう。十分に堪能した男は、セシリアの顔から腰を上げた。

 すると、セシリアの様子が一変していることに気がつく。

「はっ……はっ……」

 セシリアは茫然としていた。ショックで、というのとは少し違う様子だ。まるで、絶頂を迎えて震える売女のよう。体はビクビクと痙攣し、時折表情に浮かぶのは明確な悦びだった。

 男はそれを見て、ほくそ笑んだ。

「味はどうだ。美味かっただろ?」

 そう弄っているからな、と男は少し前のことを思い出した。

 調整室でセシリアを指名した男は、そのときにセシリアの調整方針を告げていた。

『俺の体液を取り入れる度に快楽を得られるようにしてやれ』

 男の体液。唾液、汗、腸液、精液。男の体液のサンプルから味や臭いを抽出し、それらを感じた際に快楽物質が脳内で生成されるよう調整。しかもその快楽の度合いがかなり高く設定されているのは、セシリアの様子を見れば一目瞭然だった。

 セシリアが、ごくんと唾を飲みくだす。すると、大きく背を仰け反らせて震えた、

「ぁ、ひっ、ぁぅ、あ、あ、ああ……」

 言葉にならないほどの快楽がセシリアの脳内で渦巻いているようだ。

 男はにやにやと笑いながらセシリアの股間に移動した。ドレスの裾を捲って細く長い足を出させ、付け根に見えた青いショーツへと目線を向ける。

 そして、尻の肉付きが良かったことを思い出し、セシリアの体をひっくり返してうつ伏せにさせた。まだ痙攣途中にあるセシリアの尻を持ち上げ、ドレスに合わせて用意した鮮やかな青のショーツが食い込む程よい大きさの白い尻を両手で握る。

 傷もない。まるで工芸品のような美しさ。箒や鈴音も素晴らしかったが、肌に関してはセシリアがより輝いて見える。しっとりと吸いつくような感触は、病みつきになりそうだった。

 十分に目と手で楽しむと、いよいよショーツを下ろしにかかる。膝まで下ろしてみると、薄っすらと生える金色の毛と陰部が目に付いた。綺麗な女陰はやはり男を知らないために閉じていて、侵入を拒まれそうな神聖な空気さえ感じた。

 だが、入らないことはない。むしろ、ここは男を受け入れるためにあるのだ。

 男はセシリアの女陰へと顔を寄せ、唾液で濡れた舌で陰裂に押し付けた。

「ぶちゅっ、ぐちゅっ、ぬちゅ、くちゅ、ずちゅ、ぐちゅ」

 陰裂ごと、陰部を唾液で濡らす。そして、味わい尽くして穢す穢していく。汚れろ。汚れてしまえ。ビクビクと震える桃尻を両手で掴み、新雪を乱暴に踏み荒らすが如く傍若無人さで蹂躙していく。

 やがて男の顔が陰裂から離れると、そこは唾液で濡れそぼっていた。

「そろそろ、頂くか」

 男の黒々とした肉棒が、セシリアの陰部へと近づく。唾液が蜜のように垂れ落ちるそこへ亀頭が当たり、膣口に食い込む。どう見ても入らないと思えたそこは亀頭が進行する度に大きく広がり、亀頭を呑み込んだ。

 そのまま、

「あぁ、想い人のいる処女はやっぱり良いな」

 ズブンッとセシリアの膣内を貫いた。

「あひぃっ……!?」

 一瞬にして味わったことのない体内の圧迫感を覚えたのか、はたまた処女を喪失した痛みを感じたのか、セシリアが声を上げた。膣口から、侵略の証である破瓜の血液が垂れて来た。見慣れた光景だ。

「おめでとう。処女喪失だ。俺が、お前の初めての相手だ」

 パチパチパチ、と男がセシリアの尻を叩いて音を立てる。

「ぁ、ふっ、わ、わたくしの、はじめてが……」

 快楽の海からどうにか正常な意識を浮上させたらしいセシリアが、前を向いたまま絶望に声を揺らしていた。後ろを振り向く力もないらしい。だが、振り向く必要はないだろう。歯車がかみ合うように、男の肉棒はセシリアの膣内にしっかりと埋め込まれて触れ合っているのだ。今からどうあがこうと、これで経験回数は1回だ。

「さすがお嬢様だ。マンコの具合もいい。これを、織斑一夏に使わせるつもりだったのか?」

「ぃ、ひかさぁん……。ごめんなひゃい……。」

「図星か。マンコが締まったぞ。いい締め付けだ」

 男はセシリアの尻を掴んだまま、腰を前後に揺らした。カリ首はしっかりと膣壁を引っ掻いていき、狭い膣内に男の肉棒と触れ合った歴史を刻み込んでいく。前後に出入りする度に尿道口から溢れるカウパ―液が全体に浸透していき、滑りが良くなっていった。

 聞き慣れた水音が聞こえるまで、そう時間はかからなかった。

 ぱちゅぱちゅ、と室内に響く音。ベッドで長い金髪を垂れ下げうつ伏せて尻を突き上げる美少女。それを後ろからリズミカルに腰を振って犯す男。

 その構図がしばらく続いた後、「失礼します」と部屋の扉からコンコンと叩かれた。

「入っていいぞ」

 男が許可を出すと、扉が開いた。入って来たのは、チェルシーとエクシアだった。

「総帥。ご要望の物をお持ちいたしました」

「あぁ、ご苦労。こっちに来てくれ」

 腰を振る男に言われ、2人はベッドの傍まで来た。

 チェルシーの手には、大きなティーポットとティーカップが握られていた。

「セシリアに飲ませてやってくれ」

「かしこまりました。では、失礼いたします」

 チェルシーは頷くと、エクシアとともにベッドに這い上がった。エクシアはシーツに押し付けられたセシリアの顔を横に向けさせ、両手で固定する。チェルシーは、ティーポットの注ぎ口をティーカップの中に向けて、ティーポットを傾けた。

 すると、中からどろどろとした白濁の液体が流れ、カップに注がれた。

「構成員への支給品の、総帥の高級精液です。どうぞ」

 チェルシーはカップの縁をセシリアの口に押し当て、カップを傾けた。

「ぁっ、んぐっ……!? ぁ……、ひぅっ!? あ、あぁっ……!?」

 セシリアが喉を鳴らして嚥下した瞬間、全身を揺さ振らせた。顔は恍惚としていて、危険な品でも摂取したかのようだ。その間もチェルシーによって精液を口に流し込まれ、体の震えは大きくなっていく。

「あっ、ふふっ」

 セシリアが、満面の笑みを浮かべて笑い出した。どうやら、過度な快楽で気が触れたようだ。まともな理性など、現在は働いていないのだろう。

「……調整とは言え、すごい効果ですね」

「あははっ、し、しあわせぇ、も、もっと、せいえきもっとぉ!」

「かしこまりました」

 チェルシーは再びカップに精液をなみなみと満たすと、カップをセシリアに差し出した。するとどうだ。セシリア自らカップを手に取って、がっつくように精液を飲み始めた。

「ごきゅっ、ごくっ、んぐっ、ん……あはっ、あはははっ!」

 精液を飲み、快楽を貪って狂ったように笑うセシリア。先ほどの誇り高い姿は見る影もない。その壊れかけた少女を背後から突く男は、結合したままセシリアの体を仰向けに反転させた。

 そして、ドレスを押し上げる大きな胸に両手を伸ばし、力強く揉みしだく。

「あぁ、柔らかいな。本当に、女は良い生物だ」

「……私の胸と、どっちが好きですか?」

 チェルシーが、もはやカップは不要とばかりにティーポットの注ぎ口を直接セシリアの口に差し込んだ。ポットを傾けて、セシリアに飲ませ続けている。心なしか、チェルシーが嫉妬しているように見えた。

「胸に差なんて付けられない。どれも素晴らしい」

「……今度、足腰立たなくなるまでパイズリで搾り取って差し上げます」

「それは楽しみだ」

「それと、総帥のことが死ぬほど好きなので結婚してください」

「いずれな」

「総帥。わ、私も、大好きです……」

「あぁ、勿論。エクシアもだ」

「ありがとうございます!」

 エクシアは嬉しそうに言って、男の傍に体を寄せる。セシリアを犯す男の耳へと息を吹きかけ、伸ばした舌先で耳穴を穿る。

「セシリア様のために、いーっぱい精子だしてくださいね」

 甘く囁く妹に見習って、チェルシーは男の反対側に近づいた。耳を舐めながら囁く。

「もう出そうですか。いいですよ、いつもみたいにもっと乱暴にしてください。女は全て、あなたの所有物なのですから」

 チェルシーに促され、男は腰を速めた。ラストスパートだ。もう限界に近い。両耳をブランケット姉妹に刺激されながら、セシリアの膣奥に亀頭をめり込ませた。

「ぁは、きもちいいですわぁ……! ぁ……、おとうさま? おかあさまっ……!?」

 あまりの快楽に、頭が異常をきたしたのだろうか。誰もいない場所に向かって、セシリアは両手を伸ばしていた。亡き両親の幻覚を見て、喜んでいるようだ。その壊れた様子に、それを壊した男の心は満たされた。

 肉棒が膨らみ、精液の発射準備が整った。

「せしりあは、げんきですわぁ……!」

 セシリアが幻の両親に手を伸ばし、男が股間をセシリアの尻に押し付けるように密着させたときだ。

 どびゅるるっ、ごびゅぶぶっ、ぶびゅーっ、びゅーっ、びゅるるーっ、どぷっ、どぷっ!

 男が膣奥で果て、肉棒から精液を噴射した。

「ぃっ、あはっ、あはははッ!」

 嬉しそうに笑うセシリアに、男はせっせと子種を仕込む。子宮を白く染め上げ、亀頭で子宮口を塞ぐ。至福の時だ。男として生まれた喜びを感じられる瞬間。所詮女は、男を気持ちよくさせるためだけに生まれてきたのだと実感できる。

「どぴゅどぴゅって、気持ちよさそうですね。ふふっ、すごい量……。膣口から溢れてきていますよ。素晴らしいです。さすがは総帥。一生ついていきます」

「素敵です、総帥」

 チェルシーとエクシアが、男の耳元で零距離から褒めたたえてくる。そのまま2人は舌先で耳穴を穿り、伸ばした片手で男の睾丸を優しく揉み解す。睾丸が収縮を繰り返し、セシリアの中に精子を送り込む活動が促される。

 これは、しばらく止まりそうもないな。男は本格的な種付けに移行しようとセシリアに覆い被さり、ドレスから取り出した胸にしゃぶりついた。白く豊かな胸の中心を染める桜色の乳輪は、男の口で何度も吸引された。

 数分経過した頃、男はまだセシリアと繋がっていた。セシリアの子宮内部は白く濁り切っており、完全に精液に溺れていた。これでセシリアも男の味を知った。

「ぁ、くっ、ぁ、ああ、ひぅっ、んっ……。も、もっと、もっとくださいぃ……」

 セシリアはポットの中にあった精液を飲み切ってなお、おかわりを催促してくる。酩酊しているかのように頬は赤く、目は据わっている。

「すっかり精液に狂ったな。追加をやってもいいが、条件がある」

「なん、ですの……?」

「お前とお前の仲間達は、引き続き俺が所有する。それでもよければ、精液をやろう」

 情事の前に男が提案したこととは逆。これを受けては、セシリアが男に身を委ねた意味がなくなるだろう。

「……そんなの、決まっています」

 だが、今のセシリアには正常な思考は望めない。

「お受けいたしますわ。仲間なんてどうでもいいですから、私に精液を……」

 男の精液の味に魅了され、仲間を売る。圧倒的な快楽に屈した、哀れな女だ。

「そうか。それでは仕方ないな。君の仲間達は引き続き、俺の物だ」

 男は小さく笑い、セシリアの膣から肉棒を取り出した。ずりゅっと亀頭が抜けると、精液の塊が中から溢れ出た。男はそれを肉棒で受け止めた後、立ち上がってセシリアの胸に座り込んだ。男の尻圧が胸を押し潰す。女の胸を椅子に使う行為に、男はご機嫌だった。

「ほら、約束の精液だ」

 精液塗れにした肉棒が、セシリアの眼前に伸びる。

「あはっ……。いただきますわぁ……」

 セシリアは胸に乗られているとは思えないほどの歓喜を示し、肉棒へと舌を伸ばした。赤い舌で肉の表面を撫で、付着した精液を舐め取っていく。

「んひぃっ、んんっ、あ、来ましたわ、ぁああっ、んっ、くっ!? ぁ、ああっ!」

 精液を舐めては絶頂、舐めては絶頂を繰り返すセシリア。やはり、人を壊すのも愛するのも楽しいものだ。男は肉棒を隅々まで舐めるセシリアの舌の感触をじっくりと体感しつつ、幸せに浸っていた。

「総帥、私達もこのまま……」

「堕としてください」

 ブランケット姉妹が、男の体に絡みついてくる。男を誘う、甘い香りが2人の体から匂い立つ。両手に花、それと尻の下にも花だ。男はセシリアの胸に座って肉棒を舐めさせ、近づいてきたチェルシーとエクシアの唇を同時に貪った。



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ラウラ・ボーデヴィッヒ

 亡国機業の総帥である男は、あえて一人になりたいときを除いていつも女を侍らせている。食事中、入浴中、睡眠中。日常生活のあらゆる場面に美女と美少女という彩りを与えている。寂しい食卓に花瓶の花を飾るような感覚だ。

 夕食後に習慣としている鍛錬のときでも、それは変わらない。

「ふっ……くっ……」

 トレーニングルーム。灰色の部屋に並ぶベンチプレスやマルチジムなどの器具を使い、トレーニングウェアを着た男が体を鍛えていた。その男を取り囲む形で部屋の壁側に立つ十二人の女達。黒いバニー服に身を包む女達は一様に、色白い肌と長い銀髪の整った容姿。それと、片目を覆う黒い眼帯を付けていた。

「はっ、ぁ、総帥……」

「くっ……気持ちいい……」

「総帥……、今日も素敵だ……」

「好き好き……んっ……」

「イクッ……んっ……ぁ、あ、あぁ……」

 股間部分に空いた穴から晒した陰部を手で慰め、悦楽に浸る女達。肉体年齢は十代前半から二十代前半と様々。女達全体の識別名は、ナンバーズ。ドイツの軍人であり、国家代表候補生でIS学園に所属する1年でもあるラウラ・ボーデヴィッヒのクローン達だ。ドイツ語の数字を基にした『アインス』から『ドライツェーン』という個別の識別名が与えられ、子宮を模した下腹部の淫紋の上に重ねる形で数字が刻まれている。

 男の欲望を満たすために最近生み出され、先日のIS学園との戦争の際にはオリジナルのラウラ・ボーデヴィッヒと戦いを繰り広げた。そして、戦争に勝利したことでラウラ・ボーデヴィッヒを獲得し、隊長に据えた彼女とナンバーズとで構成された『真・黒ウサギ隊』と呼ばれる部隊がつい先ほど結成されたのだった。

 ちなみに、元『黒ウサギ隊』であるドイツの特殊部隊も先の戦争で全員を捕縛し、亡国機業の管理下にある。IS学園関係者とともに調整を進め、亡国機業の戦力に迎え入れる予定となっている。

「総員、整列!」

 男が鍛錬を終えて立ち上がると、真・黒ウサギ隊は一斉に敬礼をした。だが、左手では陰部を弄り続けている。男がそう命令したためだ。おかげで室内にはくちゅくちゅと水音が絶えず、女の匂いが充満している。相変わらず、女という存在は外見から匂いに至るまで素晴らしい。フェミニストでる男は思わずそう思い、股間の一物を震わせる。

 女の匂いを深く呼吸して肺腑まで満たし、部屋にいる小柄な少女の下へと歩き出した。

「くっ……」

 十二人のナンバーズを率いる、真・黒ウサギ隊隊長のラウラ・ボーデヴィッヒだ。隊長として着任したばかりで、黒いバニー姿ではあるがまだ乳首ピアスも淫紋もない。そのため、忠誠心は低い。自慰と敬礼をしてはいるが、厳しく細められた目によって愛らしい顔を敵意で満たしていた。眼帯をつけていない右目の赤い瞳には、男の姿を映し出している。

 ラウラには、正気を保ったまま命令にだけは逆らえないように調整が施されている。故に、命令に従う体とは裏腹に表情と声は敵意一色だ。

「どうしたラウラ。主に向かってその目はないんじゃないか?」

「黙れっ! この下衆がッ……!」

 ラウラの声が室内中にビリビリと響き渡る。それを聞いて、ナンバーズがラウラによく似た声でひそひそと話し始めた。

「隊長がご乱心のようだぞ」

「やはり、乳首ピアスと淫紋がないからだろう」

「これがあると心が落ち着くからな」

「それと、まだ総帥の寵愛を受けていないのが原因だろうな」

「まだ処女ということか」

「何ということだ。まだ総帥と一つになれていないとは」

 豊かな乳房の者や慎ましい胸の者、背丈の高い者、低い者。肉体年齢をずらして作られたナンバーズだが、隊長以下の隊員間に上下関係はない。同じラウラの血を引くナンバーズは互いを家族のような存在と認識し、ラウラを敬っている。

 そして、その敬愛がナンバーズに行動を促したようだ。

「総帥。よろしいでしょうか」

 二十代前半の豊かな乳房の美女が、総帥の傍に近づく。

「いいぞ。……えーと、アインスか」

 男が透けたバニー服越しに見える淫紋とその上の『1』という数字を見て言った。『1』という数字の先端は、男の亀頭の形に似せてあった。

「はい。総帥、隊長に我らと同じ乳首ピアスと淫紋を与えてはいただけませんか?」

「何だと……?」

 アインスの提案に、ラウラが青ざめた顔をして声を発した。亡国機業内では、皆共通して有している乳首ピアスと淫紋。それをつけられるということは、本格的に亡国機業所属の人間となるということだ。IS学園の捕虜であるラウラにとって、それは取り返しのつかないこととなるだろう。

「……そうだな。やってしまうか」

 男は大きく頷き、いい提案をしてくれた、とアインスに向き直った。

「あっ……」

 アインスへと伸ばした手でバニー服の胸元に手をかけ、胸をさらけ出させる。白くぷるんとした豊かな胸が現れるのを確認すると、男は桜色の乳首に付けられて揺れる乳首ピアスごと乳房へと軽く噛みついた。

「んっ……はぁああっん!」

 アインスが、ラウラとそっくりながらも大人びた顔を赤く染め、瞬く間に絶頂した。ぶしゅ、ぷしゅっと潮を吹く。ガクガクと膝が震え、アインスは立っていられなくなったようだ。男が乳房から口を離すと、アインスは床にへたり込んだ。アインス達は、調整によって肉体の感度と男への愛情が異常に高められているため、男と接触するだけで容易く絶頂を迎えてしまう。

「あ、はぁ……」

 白い胸に残る生々しい浅い歯形を指でなぞり、幸せそうな顔をするアインス。アインスにとって、主に胸を噛まれる行為はご褒美でしかないようだ。他のナンバーズもそれは同じで、羨ましそうにアインスを見ては夢中になって己の膣口を指で掻き回していた。

 男はその様子を尻目に、ラウラへと振り向いた。

「決めたぞ。お前の体を、他の仲間達よりも先に改造してやる。妹達のようにな」

 男が笑いながら言うと、ラウラは常軌を逸した一連の光景を見て青ざめていた表情を激怒に歪めた。

 男は、ラウラとナンバーズを伴って別の部屋へと移動した。

 向かった先は、堕天室。そう呼称される部屋には、金属製の十字架が立っていた。

 堕天装置と呼ばれる十字架。磔にされた者の脳と体を改造し、男の手中に堕とす機械だ。

 その機械がある部屋に、男は真・黒ウサギ隊を連れてやって来た。勿論、ラウラに堕天装置を使用するためだ。既に装置の準備は済ませてあり、後は全裸に剥いて準備態勢に入ったラウラに命じるだけで事が進む。

「それじゃあ、堕ちてもらおうか。装置に背中を向けて立ってみろ」

「貴様……。貴様は、絶対に許さん……」

 ラウラは言いながらも、男の命令に体が逆らえずに堕天装置に背中を預ける。両手を横に広げて持ち上げると、十字架の手枷と足枷がラウラの体を拘束する。本来ならば脳を弄るヘルメットを被る必要があるのだが、今回改造したいのはラウラの肉体だけだ。堕天装置での脳の急速調整は負担が大きいため、脳の調整は調整用カプセルで済ませてから肉体の改造だけを堕天装置で行う場合が多い。男が女達を大切に思っているからこそだ。

「逝ってらっしゃい」

 男が言った直後、ラウラを拘束した十字架が低く唸るような起動音を上げた。

「くっ……。私は、こんなことでは負けない……」

 まだ強がりを口にするラウラに向かって、十字架から機械の管が3本伸びてきた。生物のようにしなる動きを見せ、2本は胸に向かって、1本は下腹部に伸びた。先端が対象箇所を捉え、行動に出る。

 改造が始まった。

「っ、ぅ、ぁあああっ!」

 2本の管が先端の針でラウラの乳首を挟み、ピアス穴を開ける。ラウラが激痛に大声を張り上げる姿を見て、男は湧き上がる欲求に耐えられずにズボンを下ろして己の欲棒を手で慰めようとした。すると、周りにいたナンバーズ全員が体を寄せてきて、男の衣服を全部脱がせてから全身に奉仕を始めた。

「総帥。耳をご奉仕します」

「ふーっ……。総帥の耳垢、頂きます。ぐちゅっ、れろっ、ちゅぅっ、ぐちゃっ」

 2名からの至近距離耳元囁きと、舌による両耳穴舐め。

「んーっ、じゅっぶっ、ぢゅっぼっ、ぢゅるるるっ、ぐちゅっ」

「おい、ずるいぞ。私にも舐めさせてくれ」

「私もだ。もっと横に移動してくれ。舌が届かない。あぁ、金玉に届いたぞ」

 肉棒と睾丸を同時に攻める、3人がかりの口淫。

「あぁ、総帥の乳首。何と素晴らしい。くちゅっ、ぬろぉっ、ちゅぷっ」

「ぐちゅちゅっ、ちゅぅぅぅっ、はぁっ、んっ、れろれろぉっ」

 2名による両乳首舐め。

「ふふ、ケツ穴を狙わないなど浅はかな。ぐちゅちゅっ、ぢゅるるるるっ、ぐちょっ、ぬちょ。ぢゅーるるるるっ、ぶちゅっ、ぐちょっ」

 尻肉を揉みしだきながら尻穴舐めと、腸液啜りを行う1人。

「ちゅぱっ、れろっ、ちゅう、くちゅ」

「足の指も、しっかりと舐めさせていただきます。ちゅっ、ぬるっ、ちゅぷんっ」

 2人が両足を舐める。

「ぐちゅぶっ、じゅっぶっ、れろぉ、れろぉ。あぁ、なんて美味しい指なんだ」

「さすがは総帥。ぢゅぷっ、ぐぷっ、ぐぼっ、ぢゅる」

 残った2名が、両手の指を舐める。

 元々はラウラ・ボーデヴィッヒの反応を見て楽しむためだけに作ったクローン十二名に性奉仕させながら、オリジナルのラウラ・ボーデヴィッヒの堕ちる様を眺める。非日常な体験を味わった気分となり、欲望が止まらない。

 ピアス穴を開けられたラウラの乳首に、サイズに合ったピアスがバチンと嵌められる。

 それと同時に、下腹部に伸びた注射針のような管が大人のお絵描きを始めた。

「うぐっ……、あああああッ……!? っ、ぅぅううっ、あぁあああああっ!?」

 下腹部に針の先端を突き刺し、白い肌に毒々しい紫色の模様が刻まれていく。痛みを伴う卑猥なお絵描き。女の子宮を模したデフォルメの絵が、徐々に形を成していく。ラウラの悲鳴とナンバーズの奉仕を同時に受け、男に絶大な快楽をもたらす。自然と、男の口角が吊り上がった。

「最高だ……。これこそ、支配者の特権だな」

 男が見ている前で、処置は完了した。十字架からの起動音が止み、ラウラの下腹部には淫紋がしっかりと刻まれている。乳首にはピアスが揺れており、ぐったりと俯いて十字架に磔にされた銀髪のラウラを見て、絵として飾っておきたい光景だと思った。

 堕天装置から伸びてきた管が、先端についた小型カメラでラウラの姿をあらゆる角度から何度も激写した。

「もういいぞ」

 男はナンバーズに奉仕を止めさせてラウラに近づき、十字架の横のボタンを押した。

 すると、立っていた十字架が傾いた。ラウラを上に乗せる形で十字架が横になる。そのまま両脚を拘束していた部分が左右に割れ、ラウラの体を大の字にさせる。男は開かれたラウラの足の間に近づくと、毛の生えていないラウラの幼い陰部に向かって、肉棒の先端を突き付けた。

「や、やめろ……!」

 ラウラは異常に弱っていた。軍人であるため、拷問の訓練は受けていただろう。だが、施術中に大声を上げ、今はこうして弱っている。先の大声はおそらく、肉体的というよりは精神的な悲鳴だったのだろう。

 ラウラもまた、織斑一夏という存在に惹かれていた存在と聞く。だが、初めてを捧げるどころか織斑一夏の前で裸を晒せないような体にされてしまった。それが、ラウラを追い詰めたのかもしれない。

 男の目には、ラウラは酷く弱った兎に見えた。

 そう考えると、もう我慢ができない。男はピッタリと閉じた陰裂を亀頭で掻き分け、前戯などなしに小さな膣口に肉棒を押し込んだ。

「うっ、や、やめろ……。それ、は……」

 めりめり……。ぐ、ぐぐっ……ズブブブブッ! 小さな穴を亀頭でお構いなしに押し広げ、抵抗感すらも突き破って膣口へと肉棒を挿入していく。男は興奮で荒くなった呼吸をして腰を突き出した。

 ズブンッ! 間を置かずに、子宮口と尿道口をお見合いさせる。

「か、はぁっ……!?」

 制覇。ラウラの処女を奪い、一つになった。破瓜の血が溢れ出る。

 ラウラの幼い体に侵入した雄々しい異物。それが、ラウラの膣壁に絡みつかれながらビクビクと跳ねる。狭さと鍛えられた肉体がもたらす締め付けに、男の肉棒はギチギチに身動きを固められていた。

「初めまして、ラウラのマンコと孕み袋。早速だが、お突き合いさせてもらおうか」

「ふざ、けるな……。これ以上、貴様のような男に好き勝手されて――」

 堪るか、とでも言いたかったのだろうか。

 その言葉は、ラウラに上から圧し掛かって抱き着く男の口づけで遮られた。小さな口に男の舌が押し込められ、あれよあれよという間に唾液で汚される。男は睨み付けてくるラウラの視線をにやにやとした笑みで受け止め、口内で舌を躍らせてゆっくりと味わった。

「んっ、ふっ、くっ、ちゅっ、ぅ……」

 男がラウラの口の中で舌を突き、引っ込んだラウラの舌を追い詰めてにゅるにゅると絡みつける。完全に密着すると、じわじわと粘膜の熱が生じる。蕩けてしまいそうなほどの熱に男が笑みを絶やさずにいると、ラウラの様子が徐々に変わり始めた。

「ふっ……あ、ふ……? ふ、ちゅっ、んっ……」

 それまで敵対の感情が籠っていた表情がほぐれ、あどけない顔へと変わる。暖かな日溜まりでうとうととする小動物のように、無警戒な少女。年相応の可憐な表情だった。

 男はのたうち回らせた舌をラウラの口から引き抜き、間近でラウラを見た。

 ラウラの顔は、真っ赤だった。その顔はまさに、恋する乙女の顔だった。

「何だ、この気持ちは……」

 ラウラが、不安そうに瞳を揺らしていた。それを見て、男が告げる。

「お前の、俺に対する愛情が上がったんだよ」

「愛情、だと……?」

「お前は、俺に接触されるたびに俺のことが好きになっていく」

「そんなバカなことが……あっ……」

 男は恥ずかしそうに目を逸らすラウラの眼帯を、手で取り払った。

 ラウラの左目の瞳は、金色だった。越界の瞳(ヴォ―ダン・オージェ)。脳へと情報伝達速度の向上と動体視力を向上させるため、肉眼へとナノマシンを移植した瞳。機動性が高いIS制御下において武器となる視力を得るために行った移植手術のようだが、うまく適合できなかったために金色になってしまったようだ。その力を制御することもできず、眼帯をつけるようになったと男は知っている。

 だが、果たしてこれは本当に適合失敗なのだろうか。男はそうは思わず、ラウラに向かって本心を囁いた。

「綺麗な瞳だ」

 男は、ラウラの頬に手を這わせる。

「な、に……?」

 ラウラの赤と金の瞳が、男を映す。眼差しは決して敵対者に向けるものではなかった。

 見つめ合う2人。やがて、ラウラの瞳から強い意識の光が弱まっていった。男がラウラの頬を舌で舐め上げると、ラウラは明確な悦びを口元に浮かべた。

「おかしい……。どんどん、お前のことが……。くっ……!? 違うっ……! 違うっ!!」

「違わないさ。正しい感情だ」

「これは、まやかしだ……。私が好きなのは――あぁっ……」

 男はラウラの言葉を止めようと、乳首ピアスを引っ張った。出来立てほやほやの男の強い征服欲の象徴。もうラウラは男の物なのだ。その事実は2度と覆らない。男の肉棒を体内に受け入れて愛を育んでいる中で、他の男の名前を呼んではいけない。

「お前が好きなのは、俺だ」

「ち、違う……」

「俺だ」

「ちが、う……。ひっ……」

 男は、膣内をぐちゅぐちゅと肉棒で掻き回した。ラウラが体を震わせた。表情は蕩け切っている。両手両足を拘束されていなければ、今頃男に抱き付きそうな様子だった。

「さて。お前が好きなのは、誰だ?」

「っ、ふっ……ん……」

 男が耳元で囁くが、ラウラは答えない。それに対して、男はラウラの膣内により深く肉棒を押し込んだ。そのとき、ラウラの目に帯びた感情の色が微かに変わったのがわかった。それを好機ととらえ、男はぐちゃぐちゃと膣内を執拗に掻き回す。

「ひぃっ、ぁ、ああ……!」

 ラウラの表情が、快楽に蕩けた。その表情に、先ほどまでの理性は見られなかった。

「わ、わたしは、もう……」

「もう一度聞こう。お前は誰を愛している?」

 男は改めて問う。その返答は、先ほどと変わらないと思われた。

 だが、

「……おま、えだ……」

「もう一度」

「お前だ。私が愛する人は、お前だけだ……」

 ラウラのその言葉に、歓喜したのは男ではなくナンバーズが先だった。

「隊長。ようやく自覚してくださったのですね」

「皆で、総帥に一生を捧げましょう」

「総帥が望む者や物を手に入れて捧げ、総帥が望むままに敵対者を殺しましょう」

「これで、隊長も我々の家族です」

 アインスを始め、ナンバーズが男やラウラの周囲を取り囲む。肉体的な成長度は異なるものの、そっくりな容姿と声をした同じ血を引く者達。嬉しそうな彼女達を見たラウラの目は大きく見開かれた。

「家族……。お前達が……?」

 ラウラの問いに、アインスが代表して答えた。

「はい。我々はあなたの妹。そして、総帥はあなたと我々の父親であり、恋人であり、絶対君主です」

「父親……。主……」

 ラウラの視線が、男に向かった。戸惑うような、怯えるような弱い視線。

 それを受けて、男も頷いた。

「あぁ、俺がお前の父親で、恋人で、ご主人様だ。そして――」

 男はラウラに抱き着いたまま、ゆっくりと前後に腰を動かし始めた。

「お前を、俺の子どもの母親にしてやる」

 肉棒が、膣内へと抽送される。黒々とした肉棒が白い体の中へと深くめり込み、姿を隠して内部を蹂躙する。しかし、ラウラの表情に痛みによる歪みは生じない。むしろ、突かれる度に表情は緩んでいった。

「母親。私が、か……」

 ずぶッ、ぐちゅ、ぬちゅっ。膣内を肉棒で掻き回す音が響く中、ラウラは嬉しそうに言う。

「母親に、んっ……。なれる、だろうか……」

 誰にともなく尋ねた小さな声に、ナンバーズが答える。

「なれますよ、隊長ならば」

「隊長、頑張ってください」

 隊長、隊長。次々と、周りを囲むナンバーズの声が降り注ぐ。それは、ラウラを安心させるのに十分だったようだ。

「あぁ、そうか。そうだな……」

 ラウラは何かを納得したように呟き、正面の男を見据えた。

「……私でいいのか?」

「あぁ。お前の胎内で俺の子種を受け入れ、孕み、育てるんだ。子育ては苦しいぞ。だが、それも俺のためだ。俺を喜ばせるために、俺の子どもを胎内で育て、そして産み出せ。それがお前の生きる意味だ」

 男は腰を激しく振る。膣内を肉棒が出入りし、中を掻き回されるラウラの呼吸が荒くなった。もう愛情度は上限に達しているだろう。ナンバーズの数人がラウラの手枷と足枷を解くと、ラウラは男を強く抱きしめ返した。

 十字架の上で、ラウラと男が恋人のように体を密着させて抱き合う。結合部はしっかりと噛み合っている。

「俺の子を産めば、お前のことをもっと愛してやる」

 男の言葉が、ラウラの背を押したようだ。

「私に、あっ……。お前の子種をくれ……」

 ズブンッ、グチュっ、グチュチュッ。肉棒が膣内を激しく出入りする。

「ん、くぅっ……。か、必ず孕む……」

 グチョ、ズブッ、ズブズブッ。

「必ず産む……。約束だ。だから――」

 ラウラは、男への愛を包み隠さずに言葉にした。男はその言葉を受け、さらに腰を振った。パンパンッと肌を触れ合わせ、股間をラウラの股に押し付ける。股間から伸びる肉棒はラウラの膣内を擦り、愛の蜜を掻き出して床に落とす。

「私を愛してくれ……」

 ラウラの真摯な言葉と愛の籠った眼差し。それを受けて、男は欲望を解放した。

 ごびゅびゅびゅるっ、ぶりゅりゅりゅっ、ごびゅーっ、ごぼっ、どびゅっ、びゅるっ。

 尿道口から吐き出される白い濁流。向かう先にある子宮口へと押し寄せ、我先にと子宮を白く浸す。べっとりと。たっぷりと。どろどろに。男専用の精液が詰まった孕み袋に変える。

 子宮口が、射精を続ける亀頭と熱い口づけを交わす。男の精子を搾り取ろうとするフェラチオのように、子宮口はちゅうちゅうと精液を吸って熱々濃厚のぷりぷりザーメンで中を満たしていった。

 ナンバーズが、交尾をする男とラウラの姿を見て自慰を始める。そんな異常な状況に囲まれながらも、男の精を膣奥で受けるラウラは嬉しそうだった。男の肩から覗かせたラウラの顔は、自慰の絶頂で噴き出したナンバーズの潮吹きを受けても、変わらず笑みを浮かべ続けていた。

 射精後、男はラウラと抱き合い続けていた。肉棒は小柄なラウラの体内に収まったままだ。精液はいつまでも外に漏れることなく、女性器と男性器は幸せそうに粘膜を触れ合わせ続けている。

 温かい。相手の体温を直に感じ、男が幸せを感じていたときだ。ラウラから話しかけられた。

「……おい」

「どうした?」

「私をお前の嫁にしろ。決定事項だ。異論は認めん」

「当たり前だ」

 男は腰を軽く引いた後、肉棒で子宮を突いた。子宮の中で、精液の塊がぷるぷると震えた。

「お前の体は俺の物だ。お前だけじゃない。この世の美しい女は全て、俺の物だ」

 歪んではいるが、男の愛は本物だ。ラウラ・ボーデヴィッヒだけではなく、周りを取り囲んで自慰をし続けるナンバーズにすらその愛は向けられる。

「私はあくまで、その一人か……」

 ラウラは、それでも構わないといって目を閉じた。

 男の唇が再びラウラの唇を奪い、口内を蹂躙する。それとともに、腰を動かし始めた。

 ラウラの子宮に種を植え付けた男は、堕天室を離れて別の部屋へと移動していた。

 亡国機業のアジトの中で、今最もセキュリティレベルの高い場所。指紋認証や網膜認証、暗証番号入力を経て分厚い防壁を何枚も通過した先にある一つの部屋。そこは調整室などと同じ無機質な灰色の鉄壁に囲われている。

 広々としたその空間には、警備を行う戦闘員数名と2人分の調整用カプセルが配置されていた。

 織斑千冬と篠ノ之束。2人の見目麗しい美女が、緑色の液体で満たされたカプセルに生まれたままの姿で閉じ込められ、酸素供給マスクなどの生命維持装置をつけて静かに眠っている。

 男には数多の夢があるが、その中の一つに千冬と束の2人に子を産ませるという夢がある。優秀な遺伝子と自分の遺伝子を引き継いだ赤子を、カプセルの中に浮かぶあの豊かな胸に抱かせるのだ。いつの日かその光景を目にしたとき、男の中にある強い征服欲の一角は解消されることだろう。あくまで、一角に過ぎないが。

「君達、ちょっとこっちにきて尻を突き出してくれ」

「はっ」

「かしこまりました」

 男は、それぞれ千冬と束に似た容姿の戦闘員を招き、目の前で尻を突き出させた。そして、戦闘員達が着ていたISスーツの股間部分を手早く開くと、己のズボンから取り出した肉棒を容赦なく千冬似の戦闘員に突っ込んだ。

「んっ、あんっ、ぁあっ……!」

「あぁ、いい気分だ」

 まるでオナホールを使うかのごとく気軽さで、前戯もなく膣内を肉棒で味わう男。

 その視線は戦闘員にではなく、カプセルの中で無防備に眠る千冬に向けられていた。

「織斑千冬。いつか、絶対に孕ませてやる」

 そう言いながら、千冬似の戦闘員の中で精を放った。びゅくびゅくと放った精液を子宮に敷き詰めると、肉棒を引き抜いた。

「お前もだ、篠ノ之束」

 そして、精液に塗れた肉棒を、間を置かずに束似の戦闘員の膣内に押し込む。

「ひぅっ、あ、ふっ、あぁっ、ひぃっ」

 長い髪を揺らして蕩けた表情をする束似の戦闘員を他所に、膣内で肉棒を扱きながらカプセルにいる束の姿を捉え続ける。近い距離にいるが、まだ遠い存在である束のことを考えて励む性欲処理は刺激的だった。

「全員、俺の女だ。誰も逃がしはしない」

 男は、束を見つめたまま戦闘員の中に精液を叩き付けた。

「あぁ、素敵です。総帥」

「一生、飼ってください」

 射精後、戦闘員2人に肉棒の手入れをさせる男。2人の頭を撫で、肉棒に這う舌や唇の感触に目を細める。その心地よさにすぐ肉棒は臨戦態勢へと移行し、鎌首をもたげた。

 もう一発出しておくか? と男が考えていると、部屋の隅にある連絡用のスピーカーから声が聞こえてきた。

『総帥。入浴と、シャルロット・デュノアの準備が完了いたしました。入浴室までお越しください。繰り返します――』

「……ここまでにしておくか」

 まずは、千冬の教え子の体を隅々までしゃぶらせてもらうことにしよう。

 男は猛る肉欲を一旦抑え、最後に千冬と束の裸を視姦してから部屋を後にした。部屋には、調整が進行中の千冬と束のカプセルと、敬礼で男を見送る彼女達に似た2人の戦闘員が残された。2人の子宮に押し込まれた精液は、彼女達の手で漏れ出ることのないように蓋をされ、長い時間をかけて膣内に留まり続けた。



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シャルロット・デュノア

※注:グロテスク描写あり。苦手な方はご注意いただきますようお願い申し上げます。


 浴槽に張られた湯から立ち昇る湯気で、乳白色の壁に囲まれた浴室内に薄い霧がかかる。日本の一般家庭に見かけるものよりも少し広めの浴室で、亡国機業の総帥である男はスケベ椅子に座りながらうら若き乙女(ラ・ピュセル)に全裸で奉仕を受けていた。

「痒い所は、ございませんか?」

 そう問うてくるのは、シャルロット・デュノアという美少女。フランス出身の彼女は今、普段首の後ろで束ねた長い金髪を解き、タオル一枚を裸体に巻いて男の背後に立っていた。手に持ったボディスポンジで男の背中を擦り、泡立てたボディソープで洗っている最中だ。

「口の中が痒いな。舌で掻いてくれないか」

「はい」

 男がそう言って後ろに顔を向けると、シャルロットは何の躊躇もなく男に顔を寄せた。

 シャルロットの表情からは、おおよそ感情と呼べるものがなかった。中性的で可憐な顔は無感情で統一され、瞳に光はない。限りなく人間に近い作られた人形のような彼女は、小さく柔らかそうな唇を開いて赤い舌を伸ばした。

 男の半開きにした口の中へと、シャルロットの舌が入り込む。

「ぬちっ、にゅるっ、ぬちゅっ、くちゅっ、ぬちゅっ」

 そして、男の口内には姿を隠したシャルロットの舌が左右に動き、男の内頬や歯茎、舌などを見境なく擦って回る。「あ、ふっ」と軽い吐息を吐きながらもせっせと男の口内を掻いていく。

 男の命令を忠実に守るシャルロットは、正常な理性を奪われている。彼女の脳内を支配しているのは調整によって頭に植え付けられた擬似人格だ。主である男の命令だけを忠実に守る冷静沈着な存在。亡国機業内では、オルタナティブという言葉を略した『オルタ』という愛称で呼ばれていた。シャルロットにインストールされたその人格の正式名称は、『シャルロット・オルタ』だ。

 オルタに脳を支配されたシャルロットの体は、淡々と男の口内を奉仕し、口を離した。

「ぷはっ。これくらいでよろしいでしょうか、マスター」

「このまま体の前も洗ってくれ。背中に抱き着きながらしてもらえるか?」

「命に代えても遂行します」

 男の命令に従ってオルタは男の背中に抱き着く。必然的に体と体が密着し、男の背中にタオル越しの柔らかい胸の膨らみや太股の感触が伝わってくる。オルタ自身の判断によって耳元で吐息を吹き付けるというサービスを実行しながら、彼女は男の股間へと両手を伸ばした。

「硬くてご立派です」

 男の股間で怒張していた肉棒に、泡で濡れた白く綺麗な手が触れる。常人ならば触るのを躊躇うほどの威圧感のある黒い肉の塊を愛おしげに撫でつつ、重量感のある睾丸の膨らみをもう片方の手で揉み始めた。

「金玉にはまだまだ精子が詰まっているようですね。ずっしりと重いです」

 素敵です、と男に耳へと囁きながら手で肉棒を扱いていく。

「ん……?」

 その途中で、オルタが声を上げた。何かに反応を示したような声音だ。

「どうした?」

「いえ。シャルロット・デュノアが頭の中で悲鳴を上げたもので」

「あぁ。そう言えば、記憶は共有しているんだったな」

「ご自分で作られたのでしょう。私の父親は、マスターですよ?」

「すまんな、オルタ。それで、シャルロットは目覚めるのか?」

「そろそろですね。ですが、既にシャルロット・デュノアの肉体は私の物。私が主人格で、シャルロットが副人格と言えましょう。ですので――」

 オルタが珍しく二ヤリと口角を吊り上げると、小さく笑い声を漏らした。

「何をしたんだ?」

「織斑一夏を嬲り殺すイメージをシャルロットに共有したところ、また悲鳴を上げました」

 人の悲鳴は堪らないですね、とオルタは笑い続ける。それを見て、男も同調した。

「お前は俺に似ているな」

「それは当然。あなたの娘ですから。何でもわかります。たとえば――」

 オルタは扱いていた肉棒から手を離し、桶に溜めていた湯で肉棒の洗剤を洗い流す。

 立ち上がって男の前に立つと、身に纏っていたタオル脱ぎ捨て、がに股でしゃがみ込んだ。ぷるん、とまろび出た形の良い乳房。白人故に色白な乳房の頭頂部はピンク色の乳輪があり、吸いつきたくなるような乳首が男の目に留まった。

 続いて、しゃがんだことで健康的な太股がむちむちと存在感を露わにし、触りたいという男の欲求を煽る。さらに、開かれた股の中心にある陰裂を両手の指でくぱぁと左右に開き、サーモンピンクに染まる未侵略の花園を男に晒す。

「エロ蹲踞(そんきょ)でおまんこを見せつける恰好とか、好きですよね。ほら、くぱ、くぱぁ。これが、シャルロット・デュノアのおまんこですよ? ここにおちんぽをぶちこんで、びゅーびゅー精子ぶちまけたいですよね? デュノア家の家系図に、マスターの遺伝子を引いた子どもを残してみたいですよね?」

 陰裂を執拗に何度も開閉しながら聞くシャルロットに、男はごくりと生唾を呑んだ。十代の無垢な少女が、別の人格に操られているとはいえ下品な恰好で若々しい肉体を晒すことの何と淫らなことか。興奮を覚えた男の肉棒はさらに硬さを増した。

 そんな男の前で、オルタはシャルロットの普段の声に合わせるように声色を高く上げた。

「フランス代表候補生、シャルロット・デュノアです。先日の戦争で敗北し、亡国機業に屈服した哀れな女です。どうぞ、総帥の欲望を満たすためにこの若い肉体をお使いください。何人でも、子どもを産む準備はできております。そのために、生まれてきました」

 オルタによる、シャルロットの声真似のようだった。瞳は昏いが、表情は笑顔だ。

「いいな、それ。では、シャルロット。奉仕をお願いできるか?」

 男は腰を上げてしゃがみ込むオルタの前に立ち、肉棒を顔面に突き付けた。

「かしこまりました。シャルロットの口マンコを、心行くまでお楽しみください」

 言いながらオルタは大きく口を開き、赤い舌をちろちろと艶めかしく動かしながら男の肉棒にしゃぶりついた。その間も、両手の指で陰裂を開いたままだ。隠されるべき女の大事な部分は、男に服従を示すかのように外気に晒され続けている。

「ぐじゅぶ、ぢゅるるっ、ぶぢゅぢゅっ、ぐちゅぶ、ぶじゅるるるるっ」

「おぉっ」

 根元まで食らいつかれ、口内で肉棒を扱くオルタの技術は凄まじい。男が声を上げ、立っているのがやっとといった状態。対して、彼女は「ふーっ! ふーっ!」と鼻息荒く呼吸をし、男を見上げて視線を合わせながら肉棒を口だけで奉仕し続ける。陰毛の生え散らかる男の股間に顔を埋め、ひょっとこ口でまさしくバキュームなフェラをお見舞いしてくる。

「ぶちゅーっ、ずりゅりゅるっ、ぐちょ、ぐぼっ、ぐぽっ、ちゅぅぅ、ぷはっ」

「これはいいものだな」

 男はオルタの頭に両手を置き、彼女の奉仕に身を委ねた。前後に頭を動かして口だけで肉棒を扱き続けるオルタには、豊富な性知識が備わっている。現存するアダルトビデオやアダルト雑誌、同人誌、官能小説に至る様々な知識をその人格は宿しているのだ。それが、シャルロットの脳にインストールされ、知識を基に乙女の体で実践しているのだ。

 やはり、俺は天才だ。擬似人格や調整用の装置を一から作り出し、世界征服にチェックメイトをかけた男のそれは、自惚れなどではなく客観的事実と言えた。よくある勧善懲悪の物語のような悪の敗北は今までも、そしてこれからも起こり得ないだろう。

「ぶちゅ、ぐちゅ、ぬちゅっ、じゅぶっ、ぐぷっ、じゅぶっ、ぬちぃっ、ぐぶぐぶぐぶっ」

「よし、いいぞ。シャルロット、まずはご褒美をやろう」

 男がそう言うと、オルタは男の意を介したのか喉奥に肉棒を押し込んだ。自発的なイラマチオ。彼女の瞳が大きく開かれ、えづく声が漏れる。だが、彼女は離さない。陰毛に口元を埋め、肉棒に吸いついていた。

 出してください。そんな風に目で訴えてくるオルタを見て、男は肉棒から精液を迸らせた。

「受け取れ」

 ごびゅびゅっ、ぶびゅるるっ、びゅーっ、びゅーっ、ごびゅっ、ぶびゅっ、どびゅー。

 白い濁流は直接オルタの舌から喉へと滑っていき、胃の中に流れ落ちていく。

「ぢゅーるるるるっ! ごきゅっ! ごくっ! んぐっ! ごくごくごくっ!」

 男の目を一点集中で見つめながら男が出した欲望を全て呑み続ける。一滴も零すことはない。精液の一滴は血の一滴とでも言うかのように、オルタは精液嚥下マシーンへと成り果てていた。

 やがて、射精の勢いは弱まり、オルタの精液を飲む音が静かになっていく。そうかと思えば、尿道口から精液を搾り取るような吸いつき音が響き始めた。

「ちゅうぅぅっ、ちゅるっ、くちゅぷっ、ちゅぷっ」

 ちょうどいいお掃除フェラ。男の欲望を煽り過ぎず、綺麗に精液が吸われた。

 そして、オルタはちゅぽんっと小気味いい音を立てて亀頭から口を離した。

 開かれたオルタの口内には、飲み干しきれなかった精液が溜まっていた。粘り気が強く、異臭を放つ白い濃厚スープ。それを舌で掬い取って遊んでいたオルタは、別の遊びを始めた。

「がらがらがらがらがらがらっ」

 口を大きく開いたまま、精液のうがいを行うオルタ。乙女の口内で精液が踊る。自分の出したものがどうなっているのかを男に見せつけた後、ゆっくりと喉の奥に滑らせていった。

「けぷっ。射精いただき、誠にありがとうございます。総帥の精液ゼリーは全て、このシャルロット・デュノアが飲み干しました。総帥の精液によって、口の中と胃の中が浄化されていきます」

 オルタは、精液が呑みつくされた後も男にしっかりと口内を見せつけた。十代の少女が晒した口内で赤い舌が見せつけるように動き、艶めかしさを伝えてくる。吐く息は、男の肉棒と精液によってえぐい臭いへと変わっていた。

「いい子だ」

 男が肉棒でオルタの頬を撫でると、彼女は自ら望んで肉棒に頬擦りをした。若い肌のすべすべとした感触が肉棒を甘やかしてくれる。十代の肌は、どこも絶品だと男は思った。

「ん、悪ふざけはここまでのようですね」

 オルタはシャルロットとして表情から自身の無表情に顔を戻した。

「マスター、シャルロットが目を覚まします」

「さすがに押さえつけきれなくなったか。オルタ、お前の存在はシャルロットに隠しておけよ? あくまで、シャルロット自身が自分で奉仕したと思わせるんだ」

「かしこまりました。マスター。私の副人格をどうぞ可愛がってあげてください」

「あぁ、徹底的に味わい尽くしてやるから安心しろ」

 男はそう言い、オルタへ立つように命令を出した。それに従って立ち上がる彼女の背後に移動すると、後ろから抱き着いて彼女の体を軽く持ち上げた。

 腰を前に突き出した男は、ずにゅっとシャルロットの太股の間に肉棒を差し込んだ。

 ビクンッ、ビクンッとシャルロットの太股の間から伸びる太く長い肉棒。太股の柔らかい肉に挟まれて震え続けているそれは、前から見るとまるでシャルロットの股間から生えているようにも見えた。もっとも、肉棒は黒光りしていて肌の白いシャルロットとはまるで正反対だが。

「おやすみなさい、マスター。今日は楽しめました。またよろしくお願いします」

 シャルロットが目を閉じて脱力し、オルタの人格が意識を閉ざした。

「あぁ、おやすみ、オルタ」

 男は可愛い娘に一言告げ、身動ぎし始めたシャルロットの体を強く抱きしめた。

「そして、おはよう。シャルロット・デュノア」

 男が耳元で告げると、急速に意識を覚醒させたシャルロットが暴れ始めた。

「ぃ、いやぁあああっ!? 放してぇえええっ!!」

 両手と両脚を動かして、抱き着いてくる男の体から離れようとする。シャルロットは、オルタの人格が表に出ていたときの記憶を有している。シャルロットの意思ではないが、自分が何をしたのかを正確に理解しているために取った行動だろう。

「おいおい、じっとしていろ。これ以上暴れると、酷い目に遭うぞ」

「な、何で僕がっ、あんなことを……! 僕に、僕にいったい何をしたの!?」

「暴れるなと言っただろう。……仕方のない娘だ。少しお仕置きといくか」

 男はシャルロットの太股に肉棒を差し込んだまま、彼女の体を運搬して浴室の壁に寄った。そして、壁にあったコントロールパネルのボタンの一つを押し、横の壁に埋め込まれていたディスプレイ画面を起動させた。

 その画面には、機械的で無機質な部屋の光景を映し出していた。

 そして、その中央には漆黒のISスーツを着た一人の少女がいた。慎ましい胸元と華奢な体付き、紫色のリボンで左右に括られた茶色のツインテールは、リボンの色は違うがシャルロットにとって見覚えがある容姿だろう。

「り、ん……?」

 その少女を見て、シャルロットは気を取られて大人しくなった。自分の身は勿論大切だろうが、仲間である少女のただならぬ様子を見て自分のことを差し置いて心配する。心の優しい少女に、男は満悦した。それでこそ、汚しがいがあるというものだ。

 凰鈴音。かつて男にレイプされたその少女は、完全な無表情と虚ろな双眸で何もない部屋に立っていた。シャルロットは気がついていないようだが、鈴音の膣内は男の肉棒で型を取った巨根バイブで満たされて「ヴヴヴヴ……」と振動している。体がISスーツで覆われているため、股間部分がバイブの先端でもっこりと膨れ上がっているのがわかる。膣内だけではなく両方の乳首にもローターが当てられており、こちらもスーツの上からその膨らみが確認できた。

 現在、肉体を調整中の鈴音を、これから行う余興のために呼び出しておいたのだった。

「始めろ」

 男は、コントロールパネルにある通話口へと声を放った。

『はい』

 男の声を部屋のスピーカーを通じて聞いた鈴は感情のない返事とともに黒いブレスレットを嵌めた片腕を前に伸ばした。その瞬間、鈴の体にパワード・スーツが展開される。漆黒と紫の配色で彩られたその機体の名前は、IS『黒龍』。かつて『甲龍』と呼ばれていた鈴音の専用機を亡国機業で改造したものだ。

 シャルロットは、映像越しの鈴音の姿を強張った表情で見守っていた。

「鈴……。ねぇ、どうしちゃったの……?」

 いつもの天真爛漫さの欠片もない女兵士といった様子の同級生に、シャルロットは動揺を隠しきれないようだった。ゆっくりと腰を振り始めた男に素股で太股を汚され始めても、鈴音のことを心配している。

 本当に、優しい少女だ。その少女が絶望する様が、今から楽しみだ。

 男がそう思っていると、画面に動きが起きた。両手に持った二振りの漆黒の青龍刀『双天牙月』を持ち上げ、画面外へと歩いて行く。その動きに合わせて部屋のカメラが鈴音の姿を追って映し続けた。

 鈴音が動いたことで、何もないと思っていた部屋に別の人間の存在が確認できた。

 鈴音以外に、1組の男女がいた。両手に嵌められた鉄枷を天井から伸びる鎖によって繋がれ、両腕を吊り上げられた体勢で猿轡を噛まされている。鈴音を見て必死に何かを訴えかけているが、声は籠っていて何を言っているのかわからない。

「シャルロット。あれは、鈴音の両親だ。今日のために、事前に拉致しておいた」

 今は離婚しているが、と補足した男の言葉はシャルロットの耳に届いていないようだった。何せ、両親の下にISを纏った鈴音が近づき、双天牙月を2人の喉元に突き付けたのだ。

「や、やめ――」

 シャルロットが叫ぼうとしたときだ。

『殺します』

 鈴音の淡々とした声とともに、双天牙月の刃が高速で振動する。IS『黒龍』へと改造するにあたって、高周波の振動を発生させる装置を武器に取り付けられていた。振動することで通常よりも切断率が向上したその双天牙月は、

『総帥の余興のため、死んでください』

 娘である鈴音を見て涙を流す両親の喉元に触れた。ギャリギャリギャリと音を立てて両親の喉に刃が食い込み、容易く肉を裂いて血飛沫を周囲に撒き散らし、骨を分断して首の後ろまで通過した。

 胴から離れた首が傾き、地面に落ちて転がった。

 後に残ったのは、血に塗れた武器を手に持って返り血を浴びた鈴音の姿だった。両親を殺めてもその表情には感情が宿らない。まともな理性や両親の記憶を奪われている鈴音には、絶対君主たる総帥を楽しませる遊びとしか認識されていないようだ。

 鈴音が、肩に搭載された龍咆から放った衝撃砲を、両親の遺骸に見舞っていく。通常、人体に使用することが想定されていないISの過剰な攻撃は2人の姿を一瞬にして肉の欠片へと変え、床が血と肉片で彩られた。

『終わり、まし、た。あたしが両親を、殺しました。あたし、が……。あたしが……』

 鈴音の昏い眼差しとともに静かに涙を流す様を映して、映像はそこで途切れた。

「……ぁ、あぁ、そん、な……」

 一部始終を見て、シャルロットの全身から力が抜けた。

 操られた娘が親を殺すというあまりにも悪趣味な催し物。それを目の当たりにして、絶望とともに怒りが沸き上がったのだろうか。シャルロットは涙を流しながら柔和な顔に怒りに染め、鋭い眼差しで後ろの男を射抜いた。

「どうして……。どうして、こんなことができるの……!?」

「さて、何のことやら」

「とぼけないでッ……!!」

 シャルロットの似合わない怒号が浴室に響き渡り、扉の磨りガラスの向こうで人が動く気配があった。浴室という密室でもすぐに駆けつけられるよう、警備として配置された構成員だ。

 男は「入らなくていい」と構成員を制止した後、シャルロットに向き合った。

「随分お怒りのようだが、君が暴れたからこうなったのを自覚しているのか」

「っ……。最初から、殺すつもりだったくせに……!」

 鈴音の洗脳と両親の捕縛は一朝一夕でできることではない。こういった余興があれば楽しめると男が画策して準備をしていたのだ。それをシャルロットは看破しており、あからさまな憎悪を男へと向けた。

「許さない……。仲間を傷つけたことを、後悔させてあげる……!」

「具体的にはどうするんだ。……オルタ。認識を書き換えろ。面白可笑しく、淫らにな」

 男は言いながら、シャルロットの脳内にいるオルタへと指示を出した。

 すると、シャルロットの表情が一瞬無表情になり、再び怒りの表情へと戻った。

 オルタの認識改変が、シャルロットの脳内で一瞬にして行われたようだ。あくまで、脳の支配力はオルタの方が上なのだ。もはや、どちらが主人格なのかはわからない。シャルロットはもう、オルタによって汚染されたのだ。

 シャルロットが、怒り口調のまま口を開いた。

「僕の処女おまんこで総帥の逞しいガチガチおちんぽを包み込んで、パンパンッってお尻を振って股間に叩きつけてあげる。金玉の精液をからっからになるまで根こそぎ搾り取るから! 絶対に受精してあげる。総帥の絶対君主ぐちょねば子種ミルクで孕むから! 嫌って言っても、絶対に子どもを産むからね!」

「ほぉ、やってもらおうか」

「……そこで横になって」

 シャルロットの指示に従い、浴室の床で仰向けになる。

 すると、シャルロットは後ろを向いて男に尻を向けたまま中腰になった。そのまま深く腰を沈め、反り立つ肉棒のすぐ上で尻を止めた。

 何をするのかと男が思っていると、シャルロットは両手を後頭部につけていやらしく尻を振り始めた。上下左右、円を描くように、色白の美尻を使って様々な動きでどすけべ尻振りダンスを披露する。

「これならお尻がよく見えるでしょ。総帥は僕のお尻でも見ているといいよッ!」

 シャルロットは相変わらず怒りを露わにしていた。本人からすれば、適切な報復行動なのだろう。だが、オルタによって認識を弄られたその挙動は、男からすれば淫らで滑稽なものでしかなかった。

 楽しいな、と男は笑う。それを見たのか、シャルロットの表情が歪んだ。

「許さない。もう、食べちゃうから……!」

 その一言の後だった。シャルロットの膣口が肉棒の先端を咥え、呑み込もうとする。ヒクヒクと動くサーモンピンクの膣口が太い肉の塊を受けて広がり、ゆっくりと丸い亀頭を呑んでいく。

「んっ、ふっ、くっ……!」

 シャルロットの表情が苦痛に満ちる。だが、大切な仲間を弄んだ男への憎しみが勝ったのだろうか。一気に腰を下ろし、ブツッっという処女膜が裂ける感触とともに肉棒は一気に膣内へと招待された。

 ズンッと男の股間にシャルロットの尻が圧し掛かる。形のいいそれは目で男を楽しませてくれる。その上、狭い膣内でぎゅうぎゅうと肉棒を締め付けられ、ぐりぐりっと尻を振りながら亀頭へ子宮を押し付けられている。破瓜の血が垂れ、男の陰毛に吸い込まれた。

 処女の見目麗しい少女の淫らな歓待を受け、男は悦びながら辛そうな演技をした。

「ぐあぁっ、何と言うことだ。俺の肉棒が、処女マンコごときに……!」

 棒読み。ゴミのような演技。とんだ大根役者だったが、シャルロットは満足げだった。

「ほら、処女に経験豊富最高級おちんぽを食べられて悔しいでしょ。でも、弄ばれた鈴の悔しさは、辛さは、こんなものじゃないから……! ほら、子宮口に亀頭の唇を奪われる気分はどうっ!? 何度も無理矢理口づけをされて、辛いはずだよ。こんな、相手を傷つけること、本当は僕だってやりたくないんだからっ……!」

「ふん、だが、まだまだだな。この程度の攻めに耐えられない俺ではない」

「くっ、このっ!」

 反省の色を見せない男に、シャルロットは背後を見て憤りながら腰を上下に振り始めた。

 パンッ、パンッ。激しくグラインドし、結合部で肉棒を出し入れさせるシャルロット。

「これなら、どう? 僕みたいな妾の子どものお尻を見せつけられて、辛いでしょ!」

「そうだなぁ」

 男は、目の前で揺れる桃尻に夢中だった。綺麗な楕円形と汚れや傷一つない美しい臀部。こんなものが目の前で揺れていて、手を出さない男は不能か同性愛者くらいだろう。男性としての欲望に駆り立てられ、男はシャルロットの尻を両手で掴んだ。

 すべすべとしていながら、吸いつくような質感も備えている。上下に揺れる度に感じる軽い重量は心地良く、その持ち主は誰が見ても美少女と呼べる金髪少女であることも相まって、男の欲求は一気に跳ね上げられた。

「これなら……!」

 ズパンッ、パンパンパンッ、パンパンパンッ!

 シャルロットの言葉とともに、尻がさらに激しく上下に揺れる。速すぎる。さすがは代表候補生といったところだろうか。尻振り選手権が存在すれば、上位を狙えるのではないだろうか。それほどまでに早く、それでいて亀頭が抜けるか抜けないかのぎりぎりのところまで腰を上げて一気に根本まで食らう精密技術。

「これが、フランス代表候補生の力。これで、まだ1年か。末恐ろしいな。まるで、現代に蘇ったジャンヌ・ダルクのような勇ましさだ」

「後悔しても、遅いから……!」

 若干上がった息でありながら澱みのない腰振り杭打ちピストンを行使するシャルロット。

 もはや、男の我慢は臨界に達しようとしていた。操られて親を殺した鈴音が、最後に見せた涙。調整ですら抑えきれなかった強い感情を発露させた姿に、趣味の悪い男の嗜虐心は満たされた。そして、植え付けられた擬似人格に脳内を乗っ取られているとも知らずに、性的行為を報復行為だと勘違いして男を犯すシャルロット。その姿に並々ならぬ興奮を覚えた。

 女は嗜好品。女は玩具。女は性器。女は母体。

 男は最低の認識を抱きつつ、射精欲求を高まらせた。

 パンパンッ、パンパンパンッ!

 さらに追い詰めにかかるシャルロットのどすけべな尻。

 元気に股間の上でゴム毬のように弾むその尻を見つめ、男は口角を吊り上げながら射精を始めた。

 ごびゅぶぶりゅっ、びゅびゅびゅー、ぶびゅーっ、ぶびゅるる、びゅーっ、どくっ!

「んっ、えいっ……!」

 射精を悟ったシャルロットが、腰を深く落として亀頭に子宮口を押し付ける。そうしながら背後の男を恨めしそうに見つめていた。

「精子を子宮でごくごく飲んで、絶対に孕むから……!」

 本来紡がれるはずの恨みの言葉は、男を悦ばせる至極の言葉へと置き換わっている。

「女の子を沢山産んで、子どもと一緒に総帥を犯してあげる。母娘そろって四つん這いになってお尻を振って、誘惑し続けてあげる。毎日、口マンコと膣マンコでおちんぽを気持ちよくしてあげる。絶対に不幸な目に合わせないから!」

 認識を改変されたことによる、服従宣言。最上級に可愛らしい少女にそう言われ、男の肉棒は射精を数分間にわたって続けた。白濁の液体に子宮を泳がせ、卵子へ向かう精鋭部隊たる精子達を集わせる。総員整列した数億の精子軍を、過酷な卵子への道程へと進行させる。厳しい旅となるだろう。だが、兵士はまだまだ大量にいる。

 確実に孕ませるまで、注ぎ続けたい。

「俺はまだ反省していない。この程度で終わりか?」

 男の問いに、シャルロットは歯噛みした。

「まさか……! 金玉精子を飲み干すまでやめないから!」

 シャルロットの腰振りは、まだまだ終わらない。精液で満ちた子宮に、亀頭が強く押し付けられた。

 1度目の射精を終えて、2度、3度。抜かずの精子絞りが続き、今は7度目の射精を迎えようとしていた。

「こ、こんなの、って……」

 シャルロット・デュノアの敗北。無尽蔵と言っていい体力と精力を併せ持つ男には、さすがの代表候補生も敵わなかったようだ。先ほどまで背面騎乗位で男の股間に尻を押し付けていた姿は見る影もない。放心した様子で力なく床に仰向けになり、男に膣内を犯されながら乳房を執拗に男に甘噛みされている。

 若々しく魅力的な胸に残る複数の噛み跡。男は楽しそうに噛み跡を舌で撫で、そのまま乳首を口に含む。自分以外に誰も味わったことのないだろうシャルロットの乳房と乳首を独占して堪能した結果、胸元は男の唾液塗れとなった。

「うっ、ふっ……。胸は、おっぱいは、やはり素晴らしい……」

 再び男が膣内射精をしながら、シャルロットの胸に顔を埋める。かなり歳の離れた少女に対して母の胸に甘える子どものような無邪気さで抱き着き、子どもにはない邪悪な笑みで乳首をいつまでもいつまでもしゃぶり続けた。



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更識簪

 青空の下、青い海に浮かぶ大きな人工島。そこはIS学園の関連施設が立ち並ぶ一帯だった。世界最強の兵器であるISについての運用方法などを学ぶ目的で作られたその場所には、世界各国の優秀な少女達が集っている。

 更識(さらしき)(かんざし)もその一人だ。

「……一夏、いるかな?」

 とある休日の早朝。まだ生徒達の大半が眠っている時刻に、簪は学生寮内の廊下をうろうろしていた。肩まで伸びた毛先に癖のある髪を揺らし、少し眠たげな表情に不安を浮かべている。その手には、コンバットスーツ姿の男性キャラがパッケージの表紙を飾る、アニメのDVDが握られていた。

 簪は、とある人物を誘ってアニメを鑑賞しようと考えていた。

 その人物とは、織斑一夏という少年のことだ。女性にしか動かせないISを唯一動かすことのできた男。爽やかな外見と社交的な性格のその男に、簪は惚れていた。無論、外見だけで選んだわけではない。彼女が好きなアニメのヒーローのように身を挺して人を守ることのできる強く気高い精神。学校生活を通じてそれに触れたことで、彼に対する淡い恋心が芽生えたのだ。

 一夏に好意を寄せる魅力的な女性は多いが、それでも自分の気持ちは偽れなかった。

「……自分から、誘わないと」

 簪は、一夏を取り巻く少女達のことを思い浮かべ、強く決心した。

 不安で下がっていた眉尻を吊り上げ、眼鏡越しの強い眼差しを一つの扉へと向ける。

 1025号室。そう書かれた札がある扉へと近づき、軽くノックした。

「一夏、いる……?」

 緊張からわずかに震えた声で扉の向こう側へと声をかける。今日は休日で、まだ朝も早い。しかし、規則正しい生活を送っている一夏がこの時間帯に起きていることは確認済だった。

 だが、扉の向こうからは反応はない。

 いないのかな……? そう思いながら、簪の手はドアノブへと手を伸ばした。

 ドアノブを回すと、扉に鍵は掛かっていなかった。ギィ、と音を立てて扉が開く。

 すると、微かな声が聞こえてきた。女性の声。一人部屋の一夏には同室で過ごす女性はおらず、いるとしても飼い猫くらいだ。もしも女性がいるとすれば、それは一夏を狙う少女達で、簪にとっては恋敵だった。

 先を越された……?

 この時間にアプローチを掛けるとすれば、ラウラ・ボーデヴィッヒだろうか。

「っ……なに、今の……」

 と、そう考えたとき妙なイメージが簪の頭に浮かんだ。銀髪ロングヘアの小柄な少女であるラウラが、見知らぬ一人の男に犯されているイメージだ。なだらかな胸の乳首にピアスをつけ、下腹部に子宮に似た模様を浮かべた姿。その恰好で男と裸で抱き合い、本物の子宮へと子種を注がれる。

 何で、こんなものを……。

 突発的に想像したにしては、悪趣味極まりないものだった。いくら恋敵だろうと、ラウラは同じ学校に通う仲間だ。国は違えども、国に選出された代表候補生として専用機を持つ点は同じで、IS学園から与えられた任務にも参戦し、幾多の障害を乗り越えてきた。

 先日も、IS学園に攻め込んできた亡国機業を共に力を合わせて倒した。多くのISと攻撃が飛び交う戦場で簪は後方支援を担当し、仲間達とのコンビネーションによって完封。IS学園はただの一人も欠けることなく、再び穏やかな学園生活を手にしたのだ。

 そんな盟友に近しい間柄ともなった仲間の一人に対して、抱いてしまった妙な想像。それを払拭すべく簪は頭を左右に振り、気のせいだと思いながら扉を開いて一夏の部屋へと足を踏み入れた。

 女性の声がする。仲間による抜け駆けか、はたまたテレビの音声か。

 そのどちらかだと、簪は思っていた。

「いち……か……?」

「は……? か、簪……!?」

 予想は裏切られる結果となった。

 ベッドであぐらを掻いて座っていた一夏は、携帯端末を見ながら自慰をしていたのだ。長く太く黒光りするその剛直を手で握り、扱いていたのだろう。今は驚いた一夏によってその手の動きは止まり、端末に映るアダルトな映像だけが動いている。

 驚愕で互いに表情を驚きのまま固まらせ、黙する時間が流れる。

 複数人の男に犯される女性の喘ぎ声が、空間に響き続ける。

 それに、簪は耐え切れなくなった。遅れて感じた羞恥で瞬く間に顔を真っ赤にし、慌てて部屋を飛び出そうとする。

 しかし、

「ま、待ってくれ……!」

「きゃっ……!?」

 後ろを向いて足を踏み出した際に伸びてきた一夏の手に手を掴まれ、体勢を崩して後方に引っ張られながら倒れ込む。それは引っ張った張本人である一夏にも想定外だったのか。驚きの声を上げた。

 引っ張られた勢いで後ろを向き、何か長く熱いものを口に咥えてしまった簪。

「うっ……!?」

 どびゅっ、ごぶっ、どくっ、どくっ、ぶびゅ、びゅるっ、びゅく、どくどく。

 一夏の呻き声とともに、その熱い何かが脈打って粘ついた何かを簪の喉奥へと排出する。簪が深くまで咥えてしまったことでその粘液は喉奥に直接叩き付けられ、考える間もなく強制的に呑まされる。

「ふぐっ!? ごくっ、ごきゅっ、んぐっ、ごくっ、ごくっ」

「か、簪……! ご、ごめん……!」

 一夏が謝りつつ、切なげな表情で簪の頭を両手で掴んだ。

「むぐぅっ!?」

 一夏の手で力強く乱暴に頭を掴まれ、さらに喉奥へと何かを押し込まれる簪。

 そこまで来て、簪はようやく状況への理解に思考を割くことができた。

 ベッドの上で膝立ちになる半裸の一夏と、その一夏の股間に生える何かを口に咥えて何かを呑まされている。抗えない。男性の力には生身では勝てない。ISの武装を部分的に展開すれば可能だが、何故かその考えが浮かばなかった。

 長く、苦しい時間。それは、次第に弱まった一夏の手の力によってゆっくりと解けた。

「っ、ぷはぁっ……」

 長い棒状の何か。一夏の肉棒を咥え、粘液である精液を飲みほした簪。一夏の手によって肉棒を口から解放し、涙を溜めた目で一夏を見た。突然のこととは言え、付き合ってもいない間柄の少女に乱暴し、イラマチオを行った一夏。

 酷い、一夏……。

 簪の中で、一夏に対する高い評価がわずかながら下がる。

 精液の臭いが残る口を開き、簪は小さく呟いた。

「どうして、こんなことを……」

「ごめん! 簪! 本当に、ごめんなさいッ!」

 一夏がベッドで平伏し、土下座をする。それを見た簪は何と言っていいのかわからなくなり、視線をさ迷わせる。まさか、好きな男性の精液を付き合う前から呑むことになるとは思わなかった。今でも信じられないほどに衝撃的なことで、これは夢ではないかと思ってしまうほど。

 しかし、夢ではなかった。口の中に広がるえぐみや口内に感じた肉棒の熱や形は現実的だった。それを咥えて、精液を飲ませられた事実は覆らない。一夏には乱暴されたが、正直、普段一夏の身近にいる少女達の嫉妬による致死性の暴行を思えば、児戯程度に思えるくらいには簪の心は寛容だった。

「あ、頭、上げて……」

 簪に言われて、恐る恐る顔を上げる一夏。

 正座をした一夏の股間には、精液に濡れる肉棒があった。それを見て簪は視線を慌てて逸らすが、すぐにその視線は肉棒へと注がれる。硬く反り返ったそれは簪が想像していた以上の大きさと存在感で、簪の記憶にこびり付く。

『机に座って、ストリップしろ』

「ぅっ……!? だ、誰……?」

 脳内で、聞き覚えのない男の声が反響した。簪は頭を軽く押さえようとしたが、その手が途中で止まる。いったい誰の声なのか、と疑問を抱いていたはずだが、それが突然どうでも良くなったのだ。

 そして、一夏を誘惑しなくてはならない感情が沸き立つ。

 その感情は、簪を積極的な行動へと促した。学習用デスクの上に座った簪は、清楚な私服のスカートを捲り上げた。当然黒いソックスに覆われた艶めかしい太股だけではなく、その付け根に見える白いショーツが一夏の視界に入る。

「かんざ、し……?」

 一夏の意外そうな声と、驚きに染まる表情。簪は恥ずかしく感じながらもそれをしっかりと正面に見据え、さらに行動に出る。一夏が見ている前でゆっくりとスカート、そしてショーツを下ろし、脱いで見せる。

「そ、そんな……」

 突然始まったストリップに一夏は戸惑った様子を見せつつも、食い入るように簪の一挙手一投足を注視していた。簪は可愛い少女だ。普段気弱で臆病な少女が見せる積極性と同世代の美少女が行う淫らな行動に、ごくりと喉を鳴らしていた。

 どうしちゃったんだろう、私……。

 それに対して、簪はどきどきと胸を高鳴らせながらも衣服を脱いでいく。胸元のリボンを解き、ワンピースタイプの服を脱いでデスクの椅子にかける。そのままブラジャーにすら手をかけ、一夏の視線を楽しむようにして外す。

 脱いだブラジャーを指で摘まんで、左右に揺らす。一夏の視線も、左右に揺れた。

 何だか、楽しい……。

 一夏が夢中になって自分を見ている。その事実に独占欲が満たされ、簪は微笑みを浮かべた。黒いソックスだけを付けたまま、それ以外は生まれたままの姿。平均的だが女性特有の柔らかい膨らみや括れのある体。白い体はソックスの黒に映え、彼女の魅力を増幅させる。

『まんこを見せろ』

 簪の心は、何故か自信に満ち溢れていた。いつも自信満々で不敵な姉の更識(さらしき)楯無(たてなし)のように、明るい表情を浮かべた。そして、その手は下腹部へと伸びていき、閉じた陰裂に両手の指を引っ掛ける。

 他人に見せたことのない大切な場所。ピンク色に染まった女性器を、開いてみせる。

「あ、あぁっ……」

 一夏の体が前のめりになった。それが面白くて、簪はもっとよく見えるようにと陰裂を大きく開いた。ヒクヒクと収縮する膣口。その上の尿道口。皮の被った陰核。左右に開いている大陰唇と、小さくヒラヒラとした小陰唇。

 その全てを一夏に見せつけようと、簪は姉とそっくりな不敵な笑みを浮かべた。

「一夏、もっと近くで見ていいよ」

 声の調子もいつもの弱々しいものではなく、姉のように明朗快活でハキハキと、それでいて男を誘惑する女の魅力に染まっていた。

「えっ!?」

 一夏が声を上げる。まさか、そんなことを言われるとは思わなかったのだろう。

「見たくない? 女性の、お・ま・ん・こ」

「み、見たい……!」

「それじゃあ、こっちに来て? 座った方が、よく見えるから」

 こくこくと頷いて、一夏がベッドから降りる。

 そのまま一夏は簪の前に近づき、簪の指示に従って床に座る。

「ほら、一夏。どう? おまんこ、見るのは初めて?」

 一夏の眼前。吐息が吹きかかるほど近い距離で、くぱぁと女陰を開帳する。一夏は熱を出したように顔を赤くし、その熱の籠った視線で食い入るように簪の女性器を見ていた。

 気持ちいい……。一夏に見られて、体が喜んでる。

 簪はぞくぞくと体を震わせた。普段とは違う理想的な自分を演じられていることに、高揚感を覚える。その理想というのが姉をモデルにしたものであり、表情もその妖艶さも姉に酷似していた。

 なりたい自分になれている。自分は自分でしかないと思っていても、いざ理想を掴めると途端に人はそれにすがりついたままになる。簪も理想の自分でいたいと思ってしまった。思ったからこそ、この状況を長引かせるために一夏を誘惑する。

「一夏、舐めて?」

「え、で、でも、それは……」

「いいから、舐めなさい」

「ぐむっ!?」

 簪は一夏の頭を両手で掴み、陰部に一夏の顔を押し付ける。先ほどの意趣返しだ。一夏の口が陰裂に当たり、その舌が膣口に触れる。ぬるりとしたその新感覚に簪は「あぁっ……」と声を上げ、表情を悦楽に歪ませる。

「もっと、もっと舐めて、一夏」

 簪に促されて、一夏は段々と従順になっていく。舌がのたうち、陰部全体を舐めまわす。鼻息が敏感な部分に触れ、簪は口角を吊り上げた。好きな人を従え、奉仕させる喜び。それを味わって、簪は欲望を高まらせた。

 もっと、お姉ちゃんみたいに……。

 そう簪が思った時だ。簪の平均的な胸が、豊満になった。胸だけではない。身長も伸びて、尻の肉付きも良くなる。いきなりのことに動揺した簪は、横にある窓に映る自分を見て目を瞠った。

 姉よりも髪は長いが、簪の姿は姉にそっくりだった。女性的な膨らみに富んだ我儘な身体と、自信に溢れた顔。理想の自分。将来大きくなったら、こうなりたいと思った夢の彼方。手の届かない場所にあったそれに、自分がなっている。

「ふふ……」

 何が起きているのかはわからない。

「ふふっ、あははっ……」

 わからないが、堪らなく幸福だった。

 簪は、熱心に陰部を舐め続ける一夏の頭を撫でた。

「一夏。そろそろ、しようか?」

 顔を上げた一夏。もう彼は、簪の従順な従者だ。ときには簪を守る強く優しい従者。だが、主である簪には敵わない。2人は夫婦。それも新婚で熱々の、誰もが羨むほどの深い仲だ。

 簪がそう妄想すると、何ということだろうか。IS学園の寮だった部屋が一瞬にして別の部屋に変わった。広々とした部屋には家具や調度品などの生活感漂う代物が並ぶ。部屋の中心にはキングサイズのベッドがあり、そこに簪と一夏はいた。

 一夏の姿も変わっていた。先ほどよりも大人びた姿。そうだ。一夏は超人気俳優で、某変身ヒーローの主役を演じた。世の女性が誰もが結婚したいと願う心身ともにイケメンな存在。そうに違いない、と簪が思うとそれすらも現実になったような気がした。

 簪は、妖艶な黒の透けたネグリジェ姿でベッドの上に横たわっていた。

「来て、一夏……」

「簪……」

 覆い被さる程よく逞しい体の一夏。簪の恥部へと突き付けられていた大きな肉棒が、ピンク色の恥部にある小さな穴目がけて進んだ。くちゅ、と一夏の唾液で濡らされた膣口が音を立て、ゆっくりと亀頭を呑み込んでいく。

 その肉棒は女性経験のないはずの一夏に似合わない程黒々としていたが、簪は気にならない。入って来るのは、愛する旦那の男性器。そう思うと表情が緩み、挿入される痛みも和らいだ。

 ぬ、ちゅちゅちゅ。亀頭が膣口に呑まれて姿を隠していく。

 プツっという何かが裂ける感覚がし、血が溢れ出てシーツを汚した。処女膜を一夏に捧げることができた。幸せ。でも、これで終わりじゃない。簪は蠱惑的に笑うと、両足を一夏の腰に回して抱き着いた。

「早く、私の中に、いらっしゃい」

 姉に似た体で、姉に似た顔で、姉の態度を演じて一夏を誘う。消極的な自分を捨て、身近な存在を真似することに虚しさを感じていないと言えば嘘になる。だが、それもどうでもよかった。

 終わりよければすべてよし。たとえ贋作でも、遠い理想にはたどり着ける。

 それでいい。もう、これがいい。簪は一夏の腰を両足で押し、誰にも侵入を許したことのない自分の最奥へと一夏の分身を誘った。

 コツコツ、と亀頭が子宮口に当たる。簪の狭い膣内が一夏の極太な肉棒だけを囲み、強く密着して絡みつく。中を満たされるその圧迫感が、大事な部分を突かれる快楽と共に心地が良かった。

「ようこそ、私の部屋へ」

 片目を閉じてウインクをし、一夏の肉棒を膣内で締め付けて歓迎する。

「いっぱい、楽しんでね」

 簪が言って一夏の首へと両手を伸ばすと、上体を前に倒した一夏が簪に抱き着いた。

 密着。体を重ねて熱を共有し、自分の吐息や鼓動すらも相手に伝える。より熱を感じようと簪が見せつけるように赤い舌を出すと、一夏の舌も伸びて口外で触れ合った。円を描くように艶めかしく動き、とろとろの唾液を互い染め合う。

 一夏の腰が動いた。初めはゆっくりと簪の膣内を味わうように。

「んっ、い、一夏ぁ……。ちゅぷっ、くちゅ、くちゅっ」

「簪……。ちゅるっ、ぷちゅっ、ぬちゅっ」

 上も下も、一夏と繋がる。眼前に映るのは一夏だけ。

 幸せな時間は、まだまだ続く。一夏の腰遣いが次第に速くなり、簪の膣内を肉棒が掻きまわる。膣内の形は一夏の巨根専用に変えられた。臭いも擦り付けられ、これから味も覚え込まされるのだろう。

 一夏によって体を支配される。それもまた簪の幸福だった。

 口づけが終わり、一夏は簪の胸に顔を寄せた。そのときだ。

「くくくっ……」

「一夏……?」

 一夏らしからぬ黒い笑み。ニタァと口角を上げ、その手に持つのは何かの機械。

 ボタンのついた何かを持った一夏は、胸にしゃぶりつくと同時にそのボタンを押した。

 直後、夢が強制終了した。

「……え?」

 理想の姿だった自分が、元の自分へと戻る。表情も普段の儚げなものに戻る。

 だが、簪の思考が真っ先に向いたのは自分の容姿ではなかった。

 透明なカプセル。先ほどまで液体が入っていて今は排出されたのか、妙に濡れたその内部に簪は囚われていた。甘ったるい匂いが満たし、鼻を刺激する。

 何故カプセルの中に自分がいるのか、それもどうでもよかった。

 今、簪が一番受け入れがたい事実。

「すーっ、はーっ! すーっ、はーっ! ぷちゅ、ぢゅるるるっ、ぐちゅ」

 胸の匂いを嗅いだ後、楽しそうに簪の小さな胸の膨らみにある乳首を口に咥えて吸う年上の男。乳房を手で揉み、喜ぶその男。それを見た瞬間、幸福で逆上せていた簪の頭が急速に冷め、鈍い痛みを覚えた下腹部へとぎこちなく視線を移した。

「あ……」

 簪の恥部。

「あぁ……」

 一夏に将来捧げることを夢描いていた花園は男の黒い肉棒で散らされ、中に突き立っている。深々と簪の内部に押し入っているそれは、今確実に大切な場所を突いていた。執拗に、思い知らせるように何度も。

 一夏に捧げていたと思っていた純潔は、他人の男に踏み荒らされていた。

「ぃ、いやぁあああああ!?」

 亀頭と子宮口が再び強く密着したとき、簪は悲鳴を上げた。普段ならば上げることのないような大声は、カプセル内に反響して自分を襲う。それでも構わず叫び続けるが、男には効果がなかった。

「お姉さんごっこは楽しかったか?」

 そう言いながら男は狭いカプセル内で獣のように腰を振り、簪の体内を汚す。

「ひっ……!?」

 太い肉棒で体内を掻き回され、その異物感と圧迫感に簪は目を剥きながらもISを起動させようとした。状況はわからない。この男が何者なのかも。だが、大切にしていた純潔を奪ったことが許せない。

 ISを起動。男を退け、カプセルを破壊する。それだけでこの状況は打破できる。

 だが、それはISが存在するという前提での話だ。

「な、なんでっ……!」

 簪の専用機『打鉄弐式』の待機形態であるクリスタルの指輪は、いつも嵌めているはずの右手の指にはなかった。体の周囲を探してもどこにもない。

「おい」

「あがっ……!?」

 肉棒でぐりぐりと子宮口を嬲られ、簪は声を上げて背を逸らした。胸が張られたことで強調された乳首が、男の指に摘ままれてこりこりと弄ばれる。

「交尾中だ。しっかりと、俺のことを見ろ」

 簪は青ざめた表情で男の顔を見た。一夏とは似ても似つかない年上の男。この男はいったい何者なのか。

「っ……。ぁ、あなたは、誰……?」

「俺か? 俺は亡国機業の総帥だ」

「そんな、この前の争いで、亡国機業は滅んだ、はず……んっ! な、なんで……!」

「あぁ、そういう夢を見せた。だが、実際は違う。滅んだのはIS学園側だ。資材も人材も、全部頂いた。今、IS学園関係者は全員心と体の調整中だ。いずれ、俺の部下として活躍してくれるだろう」

 その言葉を聞いて、簪は男に突かれながら「あっ……」と声を漏らした。

 IS学園に突如強襲した亡国機業。他国から奪ったIS、兵器、一般兵を全て戦力として投じてきたのだ。突然の事態に迅速な対応を取ったIS学園だったが、脅威は外部だけに留まらなかった。内部に工作員が侵入していたらしく、一部の生徒や教師が首輪型の奇妙な装置によって操られていたのだ。無理に解除、または破壊を試みると自爆する仕組み。そう、敵の兵士が言っていた。

 仲間を人質に取られては思うように手も足も出せず、亡国機業の兵士に、洗脳された味方に捕縛されていくIS学園関係者。その場で首輪を取り付けられ、洗脳されて増々戦力は増え、彼女達の牙はIS学園の喉奥まで食いついたのだ。

 IS学園は、亡国機業に敗北した。全員捕縛され、亡国機業の兵士たちが上げた勝鬨を聞きながら輸送船に収容されていく仲間達。拘束された上で服をズタズタに引き裂かれ、武器を隠し持っていないかを口内や、膣内、肛門まで覗かれて確認される始末。その後、殺菌と洗浄も兼ねてホースでの放水を全裸に浴びせられた。専用機持ちは厳重に警備の下で護送され、兵士達によって破壊されるIS学園を後にしたのだった。

 そして、全員カプセルに収容され、簪は今、男に犯されている。

「やはり、蹂躙は気持ちがいいな」

 下衆さを隠すこともせずに笑い、男は腰振りの速度を上げた。

「いやっ……! こ、こんなのっ……!」

 簪は現実を受け止めきれなかった。一夏との出来事が夢であっただけではなく、夢であってほしかった出来事が現実として確定されていた。拒否権はない。拒否したところで何も意味はなく、虚しさだけが胸中に残る。

 パチュ、グチュッ、ヌチュッ!

 男の肉棒が水音を立てながら簪の膣を味わっていく。

「いい夢は見られたか? ようこそ、現実へ。歓迎しよう」

「やだ……嫌っ……!」

 ブチュッ、ヌチュチュ、グニュッ!

「否定しても無駄だとわかっているだろ?」

 男が簪の耳元に顔を寄せ、舌で耳穴を穿る。

「ひっ、ぁ、ああっ……!」

「残念。これは現実だ」

 悪夢だった。しかも、覚めることのない悪夢。

「これからお前は、俺の物になる。だから俺は、お前を更識簪として愛そう。姉ではなく、お前をお前として見てやる。姉に比べられることにコンプレックスを抱いているそうだが、俺はしっかりとありのままのお前を愛せるぞ」

 滔々と告げる男。簪は耳を貸さず、男に抵抗して体を押し退けようとする。だが、生身の少女が大人の男に勝てるはずもない。男に上から圧迫され、話しかけられ、心も体も押し潰される。

「だから、俺の子どもを孕め。俺のためだけに生きろ」

 男はそれだけ言うと、ラストスパートに入った。

 まるでそういう技であるかのように、簪の膣内に連続で突きを放つ。既に体力を奪われていた簪に対して容赦のない攻撃に、HPは限界ギリギリまで削られた。簪のターンは来ない。救いも現れない。

 透明なカプセルのガラス越しに、簪は外の光景を目にした。

 白衣を着た女達が、熱心に仕事をしている。他のカプセルの様子やディスプレイなどを確認し、コンソールのキーボードで何かの入力を行っている。

「ぁ……」

 ディスプレイに、楯無の姿が映った。カプセルの中で目を瞑り、酸素供給マスクや様々なチューブに繋がれた姉。見たくなかった、敗北した姉の末路。

 いつも不敵なその表情は、苦痛に満ちた寝顔だった。何かの情報が頭に送られているらしい。次第にその操作が終わると、すぐ横のカプセルが開いた。近くにいた白衣の女がカプセルに手を入れ、チューブなどを取り外すと、中に入っていた人物の両脇に両手を差し込んで上体を起こさせた。

 更識楯無だった。全裸を晒して力なく俯く。

「お姉ちゃん……」

 簪はカプセルを拳で叩いた。男は「再会できて良かったな」と言いながら腰を動かす。限界が近いようだ。瞳に情欲の鈍い光が現れ、下劣な笑い声を漏らして簪の内部を徹底的に汚す。

「お姉ちゃん……!」

 何度も、無駄とわかっていても簪はカプセルを叩く。だが、楯無は気づかない。

 そして、再びカプセルを叩こうとしたところで、複数人の女によって楯無は運搬されていった。

「お姉、ちゃん……」

 楯無は何をされるのだろうか。強烈な不安を抱えた簪は、簪の胸に吸いつき、吸引跡を残す男を見た。それに気がついた男が、ニヤリと笑った。瞬間、全身に鳥肌が立つ。この男に、姉も犯される。

 そう考えると、絶望しかなかった。

 簪は、一度目を閉じてから目蓋を開いた。閉じる前に見えていた感情の光はなくなり、心ここにあらず。辛い現実から目を背け、彼女は心の奥底で膝を抱えて蹲った。

 ぐちゅ、ぶちゅんっ、ぬちゅ、ぐちゅっ。

 先ほどよりも大きく、硬い肉棒が簪の中で激しく暴れ回る。

 後、どれだけ汚されれば終わるのだろうか。出来る限り省いた思考の中でそう考え、簪は「うっ」という男の呻く声を聞いたと同時に思考を停止させた。

 どびゅるるるっ、ぶびゅーっ、ぶりゅりゅっ、どくっ、どくっ、ごぶっ、ごぼっ。

 亀頭が最奥を突いた瞬間、精液が流れ込んできた。簪の子宮にびちゃびちゃと精液を撒き散らし、汚していく。みっちりと最後まで精液を押し込み、その子種が芽生えるのを待つように亀頭で子宮に栓をした。

「一発目だ……」

 気持ちよさそうに呟いた男の息が、簪の頬に当たる。

「っ、ぅ……」

 心を閉ざそうと心掛けても、それは所詮人為的なものだ。純潔を奪われた上で好きでもない相手に種付けされた乙女の屈辱は計り知れず、せき止めきれなかった感情が涙となって簪の頬を汚す。

 涙が渇き、頬に涙の跡を残し始めた頃、再び男の腰が動いた。

 この世界にもう、ヒーローはいない。いるのは、ヒロインを蹂躙するヴィランだけだ。



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更識楯無

 暗闇に沈む、無人島に見せかけた島。島の大部分を占める山中とその地下には、秘密組織である亡国機業の基地がある。当番制で警備を行う構成員を除いて、内部にいる殆どの人間が眠りに就く中、亡国機業の総帥を名乗る男の夜はまだまだこれからだった。

「さて、更識(さらしき)楯無(たてなし)。お前が本日最後の獲物だ」

 自室としている豪奢な部屋のベッドで、ボクサーパンツ姿で仰向けになる男。

 男が正面に向ける笑みの先には、毛先が横に広がる癖のあるショートヘアの少女。名は更識楯無。悪戯好きで、不敵な笑みが似合うだろうその華のある顔は今、嫌悪と苦渋に塗り潰されていた。

「……悪趣味ね。本当に、最低……!」

 呟く楯無の恰好は、白い肌が透けて見えるほどの薄い黒のネグリジェ。へそや太股などが丸見えの少ない生地でその恵まれたスタイルの女体を彩り、ベッドの上でしゃがみ込んで股を開いている。両手は後頭部に触れるように持ち上げられており、綺麗な脇が男に見せつけられていた。

 楯無の恰好は、全て男の命令通り。だが、楯無が嫌悪を示しているのは自分の恰好ではなく周囲の光景だろう。

 男と楯無がいるベッドを中心に、空中に投影された映像が囲っていた。

 その映像に映し出されるのは、男によって性的に食われた女たちの姿だった。

 篠ノ之箒、凰鈴音、セシリア・オルコット、ラウラ・ボーデヴィッヒ、シャルロット・デュノア。更識簪。楯無にとっては可愛い後輩達で、織斑一夏に好意を寄せる恋の強敵でもあるはずだ。その彼女達が処女を奪われる場面や、男に体を味わい尽くされる場面を延々と繰り返し流されるのは楯無には酷だろう。特に、妹の簪が穢される様には身を削られる思いに違いない。

「いいだろう? 全て私のコレクションだ。膣内射精シーンだけを集めたものもある」

 見せてやろうか、と男が問うと、楯無は牙を剥いた。

「やめなさい……! お願いだから、もう、彼女達に酷いことをしないで……」

 しかし、その強い敵意は言葉の最後には懇願へと変わった。凰鈴音が自身の両親を殺害する映像を見てしまったのだろう。表情を青ざめさせ、潤いに満ちた瞳で男のご機嫌そうな顔を捉えていた。

「そう願うのならば、誠意を見せてもらおうか」

 男は、十代の少女に対して手酷い対応を取り続ける。

「更識楯無。本名は更識刀奈(かたな)だったな。お前のその男を魅了する体で、俺を楽しませてみろ。そうすれば、お仲間に向く俺の欲望が薄れるかもしれないぞ。さぁ、俺を虜にしてみろ」

 男は言いながら片足を持ち上げ、楯無の下腹部を足の指でなぞった。

「……わかったわ」

「物分かりが良くて助かるよ」

 楯無の強い敵意の籠った視線を、男は微笑みで受け止めた。

 楯無は体勢を崩し、男の傍で腰を下ろした。

「さて、楽しませてくれ」

 男の右手が楯無へと伸び、その細い腰回りを撫でた。その瞬間、楯無の体がびくっと震える。だが、その震えも最小限だ。諦念の表情を浮かべて男の自由にさせる。無心になったようだ。凍り付いた顔が向く先には、男の股間があった。

 やがて、楯無は男のパンツへと手を伸ばす。

「待て」

 そこへ、男から待ったがかかる。手を止めた楯無の視線が男へと向く中、男は楽しそうに告げた。

「口だけで俺のパンツからチンポを取り出せ」

「くっ……」

 表情を歪ませる楯無。まだ男を知らぬはずの少女に対して男は容赦ない。男にとって、女は所詮女なのだ。たとえ相手が初潮を迎えたばかりの少女であろうと、交わると決めれば相手を一人の女として見る。

「ほら、さっさとやれ」

 男はベッドから軽く浮かせた腰を左右に振る。

 楯無は意を決したように目を見開くと、体を前に倒して男の股間へと顔を近づけた。

 もっこりと膨らむボクサーパンツ。その上を通過して、楯無は口でパンツの端を咥える。男はその姿をにやにやと見つめ、楯無の口によってパンツが捲られる様を目に焼き付けた。気高い女の下品な行いは、いつ見ても心が躍る。

 その心とともに、パンツの締め付けから解放された肉棒もぶるんと躍った。

 パンツを口だけで捲った後、楯無は正面から肉棒を捉えていた。女を堕とし、孕ませることに特化した肉棒と睾丸。それを、楯無は冷たい視線で見つめ続けている。やはり、感情を押し殺して事務的に奉仕を行おうとしているようだ。

 男は、楯無がどういった対応をしてくるかを予め予測していた。

 勿論、その予測に沿った対策は講じてある。安心して、楯無という女を味わえる。

「刀奈。今からお前が味わう代物の呼び方は、チンポだ。復唱しろ」

「……チンポ」

「そして、金玉だ。ほら、復唱しろ」

「……金、玉」

「よし、それじゃあまずはチンポに鼻先をつけてみろ」

 男の指示に従い、楯無は肉棒の先端である亀頭に鼻を近づけた。表情は、無感情だ。

「そのまま、大きく鼻で息を吸って俺のチンポ臭で肺腑を満たせ」

「……すーっ、うっ!? ぁ、ぅ、げほっ!? ごほっ!?」

 楯無が深呼吸をした瞬間だ。突然、彼女の表情に動揺が広がり、鼻を押さえて肉棒から距離を取る。明確な異変を感じたようだ。だが、それは男の予想通りの反応だった。故に、男は間髪入れずに楯無へ指示を続ける。

「妹や仲間、織斑一夏を助けたいんだろう? だったら、我慢せず吸え」

 男は自分から体を動かすことはせず、あくまで楯無自身に自ら行動させる。

「ぅっ、ぁ、すーっ、すーっ! すーっ!」

 大切な人々を人質に取られては、楯無に選択肢はなかった。楯無はその残された選択肢を潔く選び、肉棒に再び鼻を近づけて息を吸った。後輩の、妹の純潔を奪った男の臭いを体内に取り込んでいく。

「すーっ! すーっ! すーっ……」

 呼吸を繰り返す度に、楯無の体から震えが収まっていく。

 男はそれを感じつつ、楯無の鼻がさらに強く亀頭に押し付けられる感触を察知した。

 そろそろいいだろう。十分に楯無が肉棒の臭いを嗅いだと判断し、男は楯無に命じた。

「顔を上げろ」

 男の声に反応して、楯無が肉棒に埋めていた顔を上げる。

「なん、なの、これは……」

 その表情は、数分前とは別人だった。強気な感情は鳴りを潜め、代わりに動揺とそこから滲み出た悦楽の感情が目で見て取れた。だらしなく開いた口からは舌を覗かせ、目は食い入るように肉棒を映していた。

 顔を上げても視線を寄こさない楯無を見て、男は楯無に施した処置が正常であることを確認した。

 更識楯無。飄々とした性格で、油断や隙もなく掴みどころのない人物と聞いていた。実際に楯無の記憶を調整装置で覗いてみて男自身もそう感じ、その人柄に魅力を感じていた。

 将来、嫁にすれば楽しい生活を送れそうな人物。そんな楯無にはどんな処置を施そうか。男が考えた末に決めたのは、臭いに関する脳の調整だった。

「どうだ、俺の臭いは。興奮するだろう」

「な、なんで、ぃったぃ、なにを……」

 荒い呼吸で胸の膨らみを上下させる楯無。何が起きたのかは理解できていないようだった。男の肉棒と顔を交互に見て、ただ驚いている。

「お前の嗅覚を弄らせてもらった。俺の臭いで、性的な興奮と快楽を覚えるようにな」

「そ、んな……」

 楯無の脳に施したのは、以前セシリアに行った味覚の調整と似たような処置だ。脳に強い影響を及ぼすにおい。それを察知する嗅覚を都合のいいように調整したことで、男に対する依存度を高めようとする魂胆。それは成功し、男のフェロモンで誘惑された楯無は、蕩けるような眼差しで男と肉棒を見つめている。

 そんな楯無に、男は手招きをした。

「どうだ、もっと俺の傍に寄ってみないか」

 その言葉と共に、男は毛の生えた脇を見せた。風呂に入ったとは言え、他の部位よりも臭いを放つ場所。そこを見せつけると、楯無はごくりと息を呑んだ。体が男の臭いを欲しているのだろう。だが、理性がまだそれを留めているようだ。

「臭いなんかに、私が……」

 楯無は、そっぽを向く。ささやかな抵抗。

「ほら、嗅ぎ放題だぞ?」

 それは、本当にささやかな抵抗だったようだ。

「あっ……」

 男が楯無の手を引っ張って体を手繰り寄せる。それによって、男の上に覆い被さる形となった楯無の顔が男の胸元に押し付けられた。

 その瞬間、楯無は豹変した。理性と欲求の境目を綱渡りしていた感情が、足を踏み外して欲求の領域へと落ちたようだった。

「すーっ、はーっ、すーっ、はーっ! んんっ……!?」

 男の胸元の臭いを嗅ぎ、体を辿って脇に至る。そこで大きく呼吸を繰り返し、男の臭いを体内へと十分に取り込んだようだ。見るからに達した様子で体を震わせる。敵意を向けていた男の上で、男の臭いで。欲望を昂らせ、男に身を委ねている。

「おい、休んでいる暇はないぞ?」

「ぁ、あぁ、なんで、こんなに……」

 男は楯無の手を取り、肉棒を握らせた。白く細い手が欲望で膨らむそれに絡み、心地いい感触を与えてくれる。男が楯無の手を上から覆って上下に動かすと、それに伴って楯無の手が肉棒を扱くように動いた。

 男が手を離しても、肉棒を扱く楯無の手は止まらなかった。

「どうして、こんなにも愛おしいの……?」

 男を見つめる楯無の目。そこからは、すっかり敵意の色が抜け落ちていた。ほんの少しの動揺を残し、強い情欲を抱いている。男の横で添い寝する体勢を取った楯無は、肉棒へと手コキをしながら男の脇へと舌を這わせる。

「んっ……!? すごい、これ……! やめられない……」

 毛が生えた脇。楯無はそこへと躊躇なく舌を伸ばし、唾液で濡れた舌全体で隅々まで舐めていく。その度に体は震え、表情が緩む。すっかり男の臭いに嵌ってしまったらしい。

 あぁ、人間なんて容易いものだ。どんなに澄ました女であろうと、どんなに気丈な女であろうと、その魅力的な肉のうちに秘めた核たる脳を弄られては逆らうことはできない。調整装置であれば、いかに敬虔なシスターでも全身を使って男を慰める痴女へと成り果てる。男の幼少期にいた、十字を切りながら「ザーメン」と言って無数の男や子ども達に顔射をされながら男の膣内射精を同時に受けるシスターを思い出した。簡易型調整装置の実験台の一人だ。十字架に磔にされながら男達に卑猥な刺青を掘られ、乳首ピアスなどをつけられた経緯が、堕天装置のモデルとなっている。

 過去を想起し、気を昂らせる。思いめぐらせたことで敏感になった肉棒を、楯無の手が上下に扱き上げる。亀頭から根元まで余さず、少女の手で奉仕される感覚に、男は欲求を押し上げられた。

 軽く腰を浮かせ、こみ上げる欲求に従って欲望を解放する。

 びゅーっ、どびゅーっ、ぶびゅびゅっ、びゅるるっ、びゅぶっ、どびゅっ!

 楯無の手の中で膨らみながら震えた肉棒が、上へ向かって白濁液を迸らせる。白い塊は放物線を描いて落下し、楯無の手や男の下腹部に着弾する。べったりと(のり)のように貼り付いたそれはどろどろと肌を伝い、落下する。

「……ぁ、はぁ……」

 その性臭を感じ取ったのか、楯無の表情が蕩ける。臭いに惹かれるように顔を男の下腹部へと移動させ、手や男の下腹部についた精液を舌先で舐め取っていく。その挙動に淀みはない。欲望に身を任せた女の姿だ。

「ちゅるっ、れろっ、んっ、こくっ、ごくっ、ちゅるるるっ、ちゅるんっ」

 精液の塊を吸い込み、口の中でその強烈な臭いを広げるように味わう。そのまま喉を鳴らして胃へと精液を流し込んだ楯無は、立派な痴女の仲間入りを果たしていた。

 楯無のぎらついた目が、男の顔を捉えた。

「はぁっ、はぁっ……」

 男に注がれたのは、楯無の懇願するような目だった。臭いに中てられて一時的にハイになっている楯無は、男に飢えている。楯無の考えていることを男が理解して軽く頷くと、楯無は体を起こして移動を始めた。

 男の肉棒が向く真上。男の股間に跨った楯無は、腰を下ろして肉棒を股間に宛がおうとした。

「待て」

 ピタリ、と男の声で楯無は動きを止める。腰を沈め、がに股を大胆に披露する楯無。もはや楯無の表情からは敵対の意思は微塵も感じられない。十代にしては完成されすぎた豊かな胸と括れた腰への曲線、柔らかなヒップライン。その抜群のプロポーションで黒いネグリジェをまとい、今まさに肉棒を喰らおうと下品な恰好をする楯無。

 この姿が見たかった。男は視覚情報から欲望を高まらせる。

「よし、いいぞ」

 そして、許可を与えた直後、楯無の膣口に亀頭が食い込んだ。

「んっ、ふっ……」

 めりめり、と膣口を押し退けて奥へ奥へと向かう。男にとっては慣れ親しんだプツッという処女膜を裂く感覚を先端で感じると、ぬぷぷぷっと亀頭から肉棒までが膣内へと飛び込んでいった。

 ズブンッ! 最奥まで肉棒が誘われ、股間に楯無の美尻が圧し掛かる。女と結合した直後に感じるいつもの小気味いい重さと柔らかさだ。温かな膣内に包まれた肉棒が強烈な締め付けとともに襲い来る熱でじわりじわりと侵食されていく。

 膣口から溢れ出る温い血液は、処女を食った際の醍醐味だ。

「くくくっ、ご馳走さん……」

 男は、子宮口に肉棒を受けて背を逸らす楯無を見て笑いをかみ殺す。優秀な才女が自分の手で汚される様を見るのは本当に気持ちがいい。その思いに背を押される形で、男は楯無の腰を掴んで上下に持ち上げた。

 ずにゅにゅ、と膣内から破瓜の血をまとった肉棒が現れ、ずぶんっと膣内へと再び姿を埋もれさせる。その動きを何度か繰り返すと、気を持ち直した楯無が自ら腰を動かし始めた。

 パンッ、パンッ!

「んっ、私の中で、暴れて……」

 大きな胸の形を歪ませるようにして両手で挟み、その腕の先で男の腹筋に両手の平を突く。支えを作って土台を安定させ、男の肉棒を攻める強烈な膣扱きを行う。

「ふっ、くっ、あぁっ、き、気持ちいいっ……!」

 楯無は獣と化していた。尻を男の股間に打ち付けて乾いた音を響かせ、男の肉棒を膣内で堪能していく。先ほどまで処女だったとは思えない。これは、将来の夫婦生活が楽しみだ、と男は思いながら楯無の乳房に手を伸ばした。

「ぁあんっ、んっ……」

 楯無の両腕に挟まれた乳房を正面から掌握すると、楯無が甘く鳴いた。柔らかく、弾力も良好。これほどの女が今まで他所の異性に食われることがなくてよかった、と心の底から思う。いや、これほどの女だからこそ、男を知らなかったのかもしれない。同世代の少年では、手の届かない高嶺の花だろう。

 俺がしっかりと(めと)ってやらなくてはな。楯無と一緒にベッドで上下に揺れる男は、年下でありながら大人の男を容易く魅了する楯無を手に入れられたことに感謝する。当初は織斑千冬と篠ノ之束を獲得できれば御の字と思っていたが、撤回する。

 今まで味わってきた美女や美少女達。これから味わう女達も、全て自分の物。しっかりと夫婦の契りを交わし、妻に迎え入れるのだ。結婚式に参列するのは勿論、織斑一夏。魅力的な美少女達に囲まれて手を出して来なかった欲の薄い人間に後悔を抱かせ、男としてあるべき正しい人生を学習させようという男の親切心だった。

 その授業料として、IS学園関係者全ての女を男が頂くだけの話だ。

「あんっ、はぁっ、ゃぁっ、んっ」

 男に胸を掴まれながら、楯無が上下に弾む。速度が上がった。

 男も負けじと下から上へと腰を突き上げ、楯無の子宮口を肉棒で苛め抜く。将来、男の子を育む子宮だ。今のうちに、慣らしておかないとな。男は自分との子が楯無の子宮で育つ想像をして邪悪な笑みを浮かべ、さらに腰の速度を上げた。

 パンッ! パンッ! パンッ!

 楯無の膣内は既に男専用だ。大きさも硬さも、臭いも覚え込ませた。

 あとは、味だけだ。

「そろそろ行くぞ、刀奈」

 男が楯無の真名を告げた瞬間、肉棒が大きく膨らむ。肉の表面に浮かんでいた血管がさらに太く鮮明に浮かぶ。睾丸がそこに詰まった男の子ども達を肉棒へと送り込む。

 そして、亀頭が楯無の子宮を再度突いた瞬間、精液をまとった精子達が放たれた。

 ごびゅぶぶりゅるるっ、びゅぶぶっ、ぶびゅるっ、ぶびゅーっ、びゅーっ、どくんっ!

 子宮へと押し寄せる精液。あまりにもねっとりと粘着質なそれは楯無の子宮全体に広がり、ぷるぷると震えながら嵩を増していく。濃すぎる。一日の締めに食らう女に対する種付けにしては、あまりにも濃厚な精液だった。

 その濃さに、男の孕ませる意欲が表れているかのようだ。子の袋に子種汁をぎゅうぎゅうと詰め、席巻する。その状態にしてから、男は上体を起こして楯無に抱き着いた。楯無の胸が胸板に押し潰されて心地いい感触を男に伝える。

「んっ……」

 ビクビクと体を震わせる楯無。男の体に抱き着かれ、男の臭いを間近で嗅いだことでまた快楽を得たようだ。心地良さそうな顔をして、男にされるがまま。子宮では子種をごくごくと飲まされ、体は強く男の腕の中に収まる。

 男は、楯無の頭を撫でながら尻を触った。弾むような肉質。胸も上級ならば、尻も同等だった。本当に素晴らしい逸材。この女の髪や顔、胸、胴、尻、足。体内の子宮や細胞に至るまで、自分の所有物。そう強く思いながら、楯無の肩に顎を置いて男はにやけるのをやめずに射精を続けるのだった。

 どれほどそうしていただろうか。

 男が射精後の余韻を十分ほど浸った後だ。ゆっくりと体を離し、楯無の顔を見た。

「わたし、は、何てことを……」

 正気を取り戻したらしい楯無が、表情を青ざめさせていた。

「素晴らしい。よく正気に戻れたな」

 男は感嘆した。脳を調整されて男の臭いから性的興奮を感じているはずだというのに、時間が経ったとはいえ正気に近い意識を持ち直すとは。だが、強い女を愛し、それを手籠めにすることに興奮を覚える男にとっては、それは堕とす過程に味わうスパイスに過ぎない。

 堕とす。必ず堕とす。結果は変わらない。男の手の中で囚われ続けるのだ。逃げ場はなく、どれだけ強い女であろうと必ず屈する。男はそう確信に近い想いを抱いていた。事実なのだから仕方がない。

「では、次は何をして遊ぼうか。刀奈」

「……どんなに汚されようと、私の心が負けることは、絶対にないわ……」

 対面座位で男の肉棒と精液を膣内で呑み込み、少し疲労を抱きながら毅然とした表情で言い放つ楯無。それを見て、男は身震いにも似た興奮を覚えた。この女がいずれ、絶望に歪む表情を見せてくれる。考えるだけで、少し小さくなっていた肉棒が楯無の中で大きく膨らむのだった。

 そして、数時間後。

「はぁっ……! はぁっ……! ま、、まだ、終わらないの……!?」

 ベッドの上で、精液塗れになって仰向けになる楯無。その表情は恐怖に歪んでいた。

「よし、次はバックで楽しもうか」

 一日中あらゆる女を味わって精を解き放った後だというのに、楯無との行為だけで既に十発以上の射精を行った男。しかし、まだ終わろうとしていない。疲れ切った楯無の体をうつ伏せにさせ、突き出させてから尻に頬ずりをする。

「あぁ、いい尻だ」

 存分に堪能してから、男は楯無の膣内に肉棒を押し込む。ごぽごぽと精液を噴き出していた膣口に肉棒で栓をし、未だにたっぷりと精液が踊る子宮に度重なる亀頭でのご挨拶。礼儀正しい紳士の行いだ。

「この、化け物……」

 楯無の声は男という未知なる存在と、その存在に種付けされることに恐怖を覚えているようだった。震えた声を出しながら後ろを振り向く力もなく、枕に顔を埋めて歯噛みしていた。

 楯無のその何気ない言葉が発された直後、

「っぅ……!?」

 スパンッ! と楯無の尻を男は強く引っぱたき、冷たい声音で告げた。

「俺は人間だ。少し普通の人間よりも頭が良くて、親の愛情を受けられなかったために精神が子どものまま成長していなくて、性的にオーバースペックなだけだ。それ以外はお前と何も変わらない、人間だ」

「あ、ぐっ!?」

 男は楯無の後頭部を掴み、顔を枕に押さえつける。その行為に一切の容赦はない。

 自分を化け物呼ばわりした人間。男の脳裏に蘇る、男を異常者と見なして排した幼く残酷な者達。仲間に入れてもらおうと歩み寄った男に向けられた手酷い態度、表情。かの者たちの親も子と同様に、男を拒絶した。男の味方をする者は誰もいなかった。

 そして、次に浮かんだのは、男が作り上げた機械の前で容易く精神を乱し、自意識が崩壊した者達。十字架に磔にされ、前者の気が狂った者達に命を奪われた者達。どれも、今までの人生の中で男の溜飲を下げるにちょうどいい過去の記憶だった。

「俺を化け物と呼ぶな!」

 哀れな者達の最期を思い浮かべて冷静さを保とうとしても、今回は心を鎮めきれなかった。男は楯無を乱暴に犯す。そこに先ほどまでの愛はなかった。自分を化け物と呼ぶのならば、その化け物の妻とし、化け物の子どもを産ませる。

「いずれ、お前は俺の子を産むだろう。そうなれば、お前は化け物の親だ……!」

 憤り、その勢いから発せられた子種が楯無を襲う。既に子宮にあった精液を押し退け、奥の壁へと着弾する。楯無は枕に顔を押さえ付けられながら瞳を震わせていた。今、楯無が何を思っているのか。それはわからない。ただ、言葉を何も発することなく男の欲望を受け止めていた。

 男は猛る怒りをぶつけながら犯し抜き、やがて楯無は疲弊して虚ろな表情となった。男はそれにも構わず、全身を精液と汗で濡らした楯無の胸にしゃぶりつき、母の胸に甘える子どものように眠りに就くのだった。

 

 

 

 早朝。まだ日も昇り切らない時間帯に、調整室の一室に変化が起きた。

 閉ざされていた調整用のカプセル。その一つから電子音が響く。ちょうどその部屋で宿直をしていた研究員の女が音で目を覚まし、ベッドから体を起こした。欠伸をかみ殺し、音の聞こえたカプセルの下へと向かう。

 緑色の透明な液体に満たされたカプセルの中に、IS学園の捕虜が全裸で浮かんでいた。酸素供給マスクや全身の至る箇所をチューブで繋がられた彼女は、目を瞑ったままじっと身動き一つしない。

「調整が終わっただけ、ね……。設定時間を間違えていたわ……」

 研究員の女は、カプセルの側面に表示された『調整完了』という文字を見て呟く。

 何か問題が発生したかと思って飛び起きたのだが、その心配はないらしい。少し安堵した。何せ、調整対象である捕虜に何かあれば、総帥を悲しませる結果に繋がるのだ。総帥に屈服した身としては、それは避けたかった。

 総帥を悦ばせるために、仕事は正確に、着実にやり遂げなくてはならない。

「さてと、どうせだからもう少し弄ってしまいましょう」

 女は壁に掛けていたハンガーから白衣を掴んで身に纏い、コンソールの前にあった椅子に腰を預ける。そして、キーボードに向かって軽快に操作を始める。その操作によって、カプセルの一つに情報が送られる。

「そう言えば、まだ亡国機業のトレードマークを与えていない子が多かったわね」

 女は操作の手を休めることなく、呟く。目にも止まらぬ速さだ。

 トレードマークとは、乳首ピアスと淫紋のことだ。先日のIS学園との戦争でIS学園関係者を軒並み捕虜として収容できた。その者達も亡国機業の一員となるのは確定であるため、処置を施す必要があるだろう。

 しかし、

「人手が足りないのよね……」

 捕虜の数は千人を超える。それら一人一人に調整を行っていくのは非常に時間が掛かる。

 とは言え、できるだけ早めにトレードマークは与えてあげたい。女は自分の乳首に嵌めたピアスと下腹部の淫紋を撫で、微笑みながら思った。きっと、捕虜もこれが欲しいに違いないと断定して思っていた。

 人手不足。それならば、優秀な人間で補って上げればいい。

「そうしましょう。補いましょう」

 名案とばかりに両手を打った女は、その思惑を指に乗せてキーボード入力を行った。

「捕虜さん、手伝って!」

 女はちらりと先ほど調整が終わったカプセルへと視線を向け、黒い微笑を浮かべた。



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山田真耶

 山田(やまだ)真耶(まや)。ショートヘアで眼鏡をかけた二十代前半のおっとりとした女。十代の美少女に見えるほどの童顔だが、白衣に包まれた胸元を内側から押し上げる2つの大きな膨らみが、彼女に少女にはない大人の魅力を与えていた。

「調整、開始……」

 外が明るくなり始めた頃。灰色一色の無機質な調整室に、真耶の声が響く。

 直立する真耶の前には、コンソールのキーボード。複数のディスプレイに映る情報に目を移しつつ、軽快な指の動作でキーを叩く。その入力によって送られた指示が、一際大きなディスプレイに映る映像に変化をもたらした。

『っ、ぁああああ!?』

 堕天室と呼ばれる別室の映像。部屋の中心に立つ複数の十字架にはうら若い少女達が裸で磔にされている。そんな彼女達の体を機械の管が襲い掛かり、乳首ピアスや下腹部への淫紋を授けていた。

『いやっ、やだ、やだぁああっ!?』

『誰か助けてッ!! 誰か! お母さん……! お父さ――総帥万歳! 総帥万歳!』

『総帥万歳!』

 処置の進行度合いによって様子の違う少女達。乳首にピアス穴を開けられながら痛みで泣き叫ぶ少女や、頭に被せられたヘルメットで脳を弄られて豹変した少女。下腹部に出来立てほやほやの淫紋を浮かばせ、総帥に忠誠を誓う少女。

 やがて数十人への処置が終わり、少女達が堕天装置という名の十字架から解放される。枷から外れた体は床に倒れ、そのまま体を起こすと蹲踞姿やまんぐり返しなどの思い思いの格好を取り始めた。

『総帥万歳!』

『宣誓! 私達は亡国機業の構成員として、総帥のために一生を捧げることを誓います!』

 部屋に響く少女達の声。誰もが、その場にいない亡国機業の総帥への忠誠心を示す。

 異常な光景だった。乙女に相応しくない淫らなトレードマークを与えられた体で服従のポーズをし、狂ったように叫び続ける。

 その映像を画面越しで見ていた真耶の心境は、複雑だった。

 生徒達が総帥の魅力に気がついてくれた。それ自体は嬉しいはずだった。

 だが、真耶は柔和な顔立ちを強張らせ、自ら調整を施した生徒達の姿を見ていた。

 そう、生徒だ。たった今、体と頭を弄られた少女達は、真耶が少し前まで教師として務めていたIS学園と呼ばれる教育施設での教え子。IS学園と呼ばれる施設はつい先日にこの世界からは消失したため、元教え子と呼ぶのが正しいだろうか。

 元IS学園の教師だった真耶の現在の肩書きは、亡国機業の研究員だった。

 通常、研究員の役割は兵器や技術の研究、新兵器の開発などを主な業務とする傍ら、捕虜の調整業務などを行っている。だが、真耶の場合は違った。現在、捕虜の数に対して対応できる人員の数が不足しているため、滞っていた捕虜の調整を一手に引き受けているのだった。

 真耶にとって、愛する総帥の役に立てることは嬉しい。

 だが、何故だろうか。自らの生徒達が苦しみながら人前に立つことができない体へ変わっていくのを見ていると、胸を締め付けられる思いだった。頭の中にしっかりと調整業務に関する知識が叩き込まれているため、正確に業務を遂行できている。それなのに、致命的な失敗を犯しているような焦燥感。

 これはいったい何だろう。

 真耶の指が仕事を熟そうとキーを叩き、また別の生徒への堕天処理を始めた頃だった。

「どうかしら、真耶」

「先輩」

 白衣を着た女が一人、調整室に入って来た。眠そうに欠伸をし、目を擦っている。真耶の上司に当たる人間だ。

「調整には慣れた?」

「はい、問題ありません」

「そう。さすがはIS学園の元教師。普通だったら、知識を与えてすぐには手が追い付かないはずなんだけど、私の見込み通り情報処理能力が高いみたいね」

「ありがとうございます」

 真耶は少し前に目の前の女の手で調整を受け、調整業務の知識を与えられたばかりだった。元々こういった情報処理に慣れていたこともあってその知識を無駄なく発揮することができていた。

 しかし、やはり心の中で嫌な感覚が積み重なっていく。

『痛い痛い痛いッ……!』

「っ……!?」

 調整室にあるスピーカーを通じて、ディスプレイに映る堕天室の音声が耳に届く。

 ただの悲鳴。それなりに豊かな胸の乳首にピアス穴を開けられ、ピアスを嵌められる少女。栄光ある亡国機業の構成員が増えていく喜ばしい瞬間。その認識でいるはずなのに、その声を耳にした真耶の心臓が早鐘を鳴らすという矛盾。

 おかしい。この感覚は何だろう。真耶には、わからなかった。

「っ、ふふっ、……ど、どうか、した?」

 真耶が青褪めた顔で堕天室の映像を食い入るように見つめていると、女が話しかけてきた。何故だろうか。笑いを押し殺しているかのような話し方だった。現に、手で腹を抱えるようにして体が軽く前屈みになっていた。

「いえ、なんでも、ありません」

「あはっ、そ、そうなの? へぇ、何でもないのね?」

 女へと視線を向ける真耶に向かって、ニヤニヤと笑いかける女。

 何かあったのだろうか、と真耶が疑問に思っていると、女は少し落ち着き始めた。

「あははっ、あー、笑える。本当、調整ってすごい技術だわ。……自分の生徒にこんな酷いことできるなんて、う、くくっ……。あぁ、お腹痛い。久しぶりに笑わせてもらったわ」

「はい、ありがとうございます?」

 当たり前のことを言う女に対して、真耶は首を傾げながら告げた。

 調整カプセルや堕天装置などは全て総帥が一から生み出した技術。自身も調整を受けた身である為、その当たり前のことを知識として理解していた。また、自分の生徒であろうと仕事なのだから調整を施すのは当たり前だった。生徒が嫌がっていても、正しい道へと導くのが教師の務め。亡国機業の一員となることこそ、女として生まれた意味なのだ。

「それじゃ、後はよろしくね。私は少し眠って来るから。あ、総帥が来たら仕事中断してもいいから。仕事よりも総帥の対応優先でお願い。まぁ、ぶっちゃけると総帥への奉仕が一番の仕事だからね」

「わかりました。おやすみなさい」

「えぇ。頑張ってね、あなたの生徒さん達の調整業務。ふふっ……」

 最後に意地悪そうな笑みを真耶に見せつけると、女は部屋から出て行った。

 その笑みにあった明確な悪感情。それを見た直後、真耶の中で変化が起きた。

「あ、あれ……?」

 真耶の視界が揺れる。眩暈のようだった。その揺れに翻弄されるように体も揺れ、力を失ってコンソールに手を突く。

 どうしたんだろう。真耶がずきずきと痛み始めた頭を手で押さえていると、再び部屋の扉が開いた。

 先輩が忘れ物でも取りに来たのだろうか。真耶が薄れゆく視界の中でぼやけた人影を捉えていると、その人影は真耶へと接近してきた。

 そして、真耶の体を支えるようにして、前から抱きしめられた。豊かな胸が相手の胸板によって潰され、熱が伝わってくる。その熱をどこか心地よく感じていると、相手が話しかけてきた。

「短時間での無茶な調整が祟ったか……。大丈夫か?」

「え、そ、総帥……!?」

 女性とは違う男性の声に驚き、真耶の意識が急速に覚醒する。

 この亡国機業には、わずかな男性しかいない。

 一人は、轡木(くつわぎ)十蔵(じゅうぞう)という初老の男。表向きは彼の妻が学園長を務めているが、実質はIS学園の運営者であるこの老人が実務を取り仕切っている。IS学園との戦争の際に捕らえたはいいが、利用価値もなくこのまま処分が検討されている男だった。他にも捕らえている数名の男達と同様に、戦闘員や工作員の戦闘訓練用の標的、または実験動物として扱う予定だった。

 もう一人は、織斑一夏。女性にしか扱えないISを動かすことのできる、唯一の男性。こちらは利用価値があり、今も調整カプセルの中にいてその遺伝子を解析中だ。

 そして、亡国機業の総帥自身。全ての頂点にして、亡国機業の全構成員が憧れる存在。彼に全てを捧げて生きることを目的としているため、構成員達からすれば神に等しい存在だった。彼の為ならば何でもできる。その認識が真耶にもあった。

 そんな男が、自分に抱き着いて目の前にいた。

「え、あ、えっと……」

 真耶が慌てていると、男の顔が近づいてきた。

「体調が優れないようだな。一先ず、座って休憩したほうがいい」

 そう言って真耶の体を解放した男は、近くの椅子に自ら腰を下ろした。そして、自らの膝元をぽんと手で叩くと真耶に目線を寄こした。

「どうした? 早く座るといい」

「あの、総帥?」

「何だ?」

「ど、どうして、ズボンを履いていないんですか?」

 真耶は顔を赤らめつつ、男の股間に目線と指先を向けた。

 男の恰好は、上はラフな部屋着で、下には何も身に着けていなかった。下着すらもない。男の逞しい肉棒が反り立ってビクビクと震えている。まるで、獲物を待っているかのように臨戦態勢だ。

 神に等しい男の肉棒。それは、真耶から見ても魅力的だった。この肉棒に突かれて種を注がれることこそが、女としての本懐。構成員の誰もが憧れる行為だったからだ。

 息を呑む真耶を見て、男が笑う。

「これから俺とお前で結合するんだ。ズボンや下着など無粋だろう」

「け、結合……!?」

「そうだ。ほら、早く座れ」

 男に手を引っ張られて、よろめいた真耶の体が男へと再び接近する。

 手に触れられる異性の手。二十余年生きてきた中で、ここまで明確に肉体的接触を求められたことはなかった。真耶は外見も性格もよいために異性から告白を受けたことは何度かあったが、そのときは恋愛よりもIS優先だったためにことごとくを断ってきた。

 だが今は、亡国機業という職場に身を移し、敬愛する存在に体を求められている。

 これは、もしかすると物凄い機会などではないか。少し妄想しがちな真耶の脳内で、男の手によって孕む自分の姿が映っていた。自分の豊かな胸にしゃぶりつき、母乳を美味しそうに吸う男。それは、とても刺激的な光景だった。

「遠慮するな、真耶」

 男が椅子の背もたれに体を預け、真耶を受け入れる態勢を整える。

 ここまで誘われては逆らう理由が見当たらない。

 真耶は生唾を呑みくだしつつ、白衣のボタンを外して体の前の部分を開いた。

 すると、中から現れたのはたわわに実った乳房と、張りのある尻からの曲線が艶めかしい括れた腰という魅力的な女体だった。小柄ではあるが非常に男好きのするその体を、真耶は先ほどまで白衣という薄布一枚で覆い隠していたのだ。

「待て、白衣は着たままの方がいい」

「は、はいっ」

 白衣を脱ごうとしていた真耶は男によって止められたため、そのまま男の方へと近づく。

「尻をこっちに突き出せ」

 男の指示に従って、真耶は男へ背を向ける。そして軽く尻を突き出した。

「良いな」

 男の指が、丈の短い白衣に隠れた真耶の尻をなぞる。はっきりと尻の曲線が浮かんだそれを指でなぞり、男は頬擦りした後で新たに指示を出してきた。

「白衣を摘まみ上げて、がに股になってくれ」

「わかりました!」

 先ほどまでの不可思議な感覚はどこにいったのか。今は男からの欲望に染まる視線を向けられ、真耶の心は高揚していた。その気分に乗ったまま真耶は男の指示に従い、白衣の両端を指で摘まみ上げるようにして持ち上げ、健康的な尻を男の眼前に見せつけた。

 そして、両足を軽く開き、腰を低く沈める。

「良い眺めだ。尻を上下左右に振ってくれ」

「はいっ!」

 白衣の丈から露わになった尻をがに股で突き出しながら、上下左右に振る真耶。元教師が行うにはあまりにも淫らな姿だった。時折男の顔色を窺って楽しそうなその顔を見る度に、真耶自身も段々と楽しくなっていった。

 尻を激しく振る。男の視線が尻に引っ張られるように動き回る。

 すごく、気持ちがいい。ここまで嬉しい気持ちになれたのは久しぶりかもしれない、と真耶は思いながらがに股尻突き出し舞踊をしばらく男の前で披露した。

 その過程で、真耶の体に熱が満ちていった。滾るような熱が全身を駆け巡り、その一部が真耶の大切な部分を温めていた。きゅんきゅんと子宮が疼くような感覚。女として、男に欲望を向けられることへの快感。

 それが、妄想逞しい真耶の膣内を愛液で濡らし始めた。

「よし。そのまま座っていいぞ」

 男の両手で腰を掴まれた真耶は、その言葉に心臓を強く鼓動させた。

 ついに、ついに大人の女へと成長するときがきた。

 男性経験ゼロ、交際すらもまともにしたことがない。その真耶が、尊敬する男と肉体的に結びつく。これを喜ばない者などこの世界のどこにも存在しないだろう。確信に近い考えを持ち、その優越感に浸る真耶。

「い、行きますね」

「あぁ。味わわせてくれ」

 心から楽しそうに言う男の言葉に促され、真耶は腰を下ろした。

 尻の膨らみが男の肉棒の先端に近づき、未侵略で閉じた陰裂へと亀頭が触れる。

「んっ……」

 亀頭が陰裂を押し退け、ピンク色に染まる陰部にある狭い穴を捉えた。その穴に亀頭が触れ、くちゅと水音が立つ。膣口から溢れてきた愛液だ。それを潤滑油にして亀頭が膣口に呑み込まれていき、真耶の腰を下ろす動作によって膣内へと誘われた。

 亀頭が小さな膣内を進行していく。ぬぷぷっと肉を押し広げ、亀頭の丸みが中へと埋まる。

「な、中に……」

 その異物感に表情を曇らせる真耶。真耶はそれでも腰を下ろすのを止めない。

 ず、にゅにゅ、ぐぐっ、ブチブチッ! ぶちゅんっ!

 挿入後、何かが引き裂かれるような鋭い痛み。処女膜が裂けた痛みだろう。それを感じた後に膣内での抵抗感はなくなり、一気に肉棒を膣内の最奥まで誘導した真耶は、男の股間に尻を叩きつける形で座り込んだ。

「くっ、うぅっ……! ふ、ぁあっ……」

 体の中心を熱く厚い肉の棒で突かれ、大切な部分に突きを放たれた。その興奮に全身が喜び、それだけで絶頂してしまいそうな快楽を真耶に与えた。表情は蕩け、口の端からは涎が垂れていた。

 男の股間の上に乗る真耶の尻。男の肉棒を呑み込むその結合部からは破瓜の血が垂れ、男の股間を汚した。だというのに、それを見る男は非常に嬉しそうだった。口角を吊り上げ、尻の結合部と真耶の後頭部を交互に見つめている。

「くくくっ……。いいケツ圧だな。……これで、真耶も俺の女だぞ」

「ありがとうございます、総帥。処女を貰ってくださって」

 真耶は、白衣の両端を指で摘まみ上げたまま後ろを振り向いた。

「処女だけじゃない。全部貰ってやる。お前の卵子も、子宮も俺の物だ」

 男の言葉。それは、異性から言われたいランキングの上位に位置するのではないか。真耶はときめきを抑えきれずに心臓を高鳴らせる。真耶の瞳にハートマークが浮かんだ。ような気がした。

「総帥。ちょっと座り直してもいいですか?」

 男の返答を待たず、真耶は尻を上げる。その動きに伴って膣内から男の肉棒が現れた。

 だが、すぐにそれは再び姿を消した。ぬちゅちゅっ、と真耶の膣内が肉棒を呑み込んで再び股間に尻を叩きつけたからだった。

「ははっ、いいぞ。どうだ、座り直してみて。今の座り方で満足か?」

「いいえ」

 真耶は語尾にハートが浮かぶような甘く上擦った声で言い、再び尻を持ち上げた。

「すみません、また座り直します」

「あぁ、何度でもいいぞ」

 パチュンッ、パチュンッ!

 尻を持ち上げ、一気に叩き落す。真耶は自分の欲望に従って尻を上下に振り、肉棒を膣内で味わう。処女だったというのに、もうその影は見る影もない。がに股で男の股間に跨り、尻を覆ってしまわないように白衣の指で摘まみ上げて何度も男の股間に座り直す真耶。これが元教師であったなどと言われても、誰も信じないだろう。

 ぐっちゅっ、ぶちゅっ、ずぶんっ、ぐちゅちゅ!

「あっ、はっ、くぅっ、ん!」

 真耶が艶っぽい声を上げ、尻と豊かな乳房を揺らして腰を振る。

 何度座り直しても、真耶は納得のいく位置を見つけられなかった。そう座り心地は大事だ。椅子に座って体を休ませる必要があるのに、体勢が悪いようでは逆に疲れてしまう。だから、仕方ないのだ。座り直すのは、仕方がない。そのために激しく尻を上下に振ってしまうのもまた、仕方がない。

 真耶は自身にそう言い訳をし、男の股間の上で上下運動。

「あっ、ひぁっ、あんっ」

 子宮へと亀頭の突きを受け、真耶がよがる。快楽を得て膣内での愛液が増し、腰振りもより滑らかになっていく。再び男の顔を見てみると、先ほどよりも嬉しそうだった。それに気がついて真耶は幸福感を覚え、さらに卑猥に踊る。

 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ!

 元女教師の尻叩き付け肉棒扱きが炸裂し、尻の音が室内に響き渡る。

 いったい、自分はどうしてしまったのだろうか。

 真耶は、今までの人生では考えられないほど淫猥な自分を客観的に見て、夢見心地の気分だった。逆にそれが現実味を失わせ、真耶の心を積極的にする。

「総帥、何度も座り直して申し訳ございません!」

「いや、問題ない」

「次こそは必ず、あっ。また、上手く座れませんでした。すみません、やり直します」

「くくくっ、いやらしい先生だ……。おぉっ、そろそろだ……」

 男が呟き、気持ちよさそうに目を細める。

 パンッパンッパンッパンッ!

 より短い間隔で尻を叩き付け、肉棒を根元から亀頭の先まで余すことなく包み込んだ次の瞬間。

 ごびゅるるっ、ぶびゅーっ、びゅぶぶぶっ、びゅーっ、どびゅっ、どぷっ!

 男の精液が、子宮口に濃密なキスをする亀頭を通じて吐き出された。子宮の中を瞬く間に白く染め、真耶の中を雄で満たしていく。

「あっ、っ、んんんっ……!」

 初めてのセックス。初めての種付け。それも、愛する者との行為によって、真耶は子宮に子種を撒き散らされながら絶頂した。極力声を押し殺してみたものの表情まではそうはいかず、蕩けた絶頂顔を浮かべていた。

 その視線の先には、ディスプレイに映る堕天室の光景。先ほど堕天処理を行ったショートヘアの大人しそうな生徒が魅力的な裸体に淫紋を浮かべ、乳首ピアスを揺らしながら蹲踞の恰好で敬礼をしていた。

『総帥。新たに亡国機業の一員となりました。IS学園では、かなりんというあだ名で呼ばれておりました。処女ですので、いつか総帥のおチンポでブチブチッて膜を楽しく食い破ってもらえるように、少し恥ずかしいですけど、エッチなことも頑張って練習します。これからよろしくお願いします』

 下腹部に移動させた手でくぱぁと左右に陰裂を開き、現れたサーモンピンクの処女マンコに指を這わせる少女。そのまま陰核を弄り、自慰を始めた。表情はどこか恥ずかしそうでもあり、嬉しそうでもあった。

 その少女の姿を見ていると、なぜか真耶の目から涙が溢れ出てきた。

「あれ、な、なんで……」

 ぼろぼろと零れ落ちる。生徒の立派な姿を見たせいに違いない。そう思おうとしたが、何かが違うと感じた。苦しい。辛い。これ以上は、見たくない。助けて、助けてください。そんな声が心の内側から溢れ出てくる。

 でも、どうしてこんなに辛いと感じるのかはわからない。深く考えようとすると、脳内にもやが掛かったように思考がまとまらない。

「真耶。顔色が悪いぞ。ベッドで横になったほうがいい」

「……ぁ、いえ、仕事がありますし」

「あとでやればいいだろう」

 そう言えば、先輩から総帥の対応優先と言われていたことを思い出した。

 仕事ならば仕方がない。やるしかないのであれば、できるだけ楽しんで仕事をしようと思った。

「それでしたら、お願いします」

 どぷどぷっと精液を子宮に注がれながら、真耶は首を垂れた。

 調整室にある仮眠用のベッド。そこへ仰向けに寝転がった真耶と、その上に覆い被さった男。2人とも衣服を全て脱ぎ、裸同士で抱き合っていた。

 男の口が真耶の口に近づき、唇同士が密着する。

「ぷちゅっ、ぬちゅ、くちゅっ」

 高まる熱。すぐ傍に人がいることの安心感。大きな胸に押し付けられた硬い胸板の感触に心地良さを抱き、さらなる熱を求めて真耶の舌が男の口内に伸びた。

「れろっ、ぐちゅっ、ちゅぷっ、くちゅっ、ちゅぷっ」

 真耶の舌が男の口内をさ迷い、男の舌を捉えて弄り続ける。真耶の積極的な行動に合わせて男の舌が絡み、舌同士が抱擁を交わす。生物のようにのたうち回って唾液に包まる。

「んっ、ちゅっ、はぁ、んんっ、くちゅくちゅ」

 強張っていた真耶の体から次第に力が抜け、真耶は口を開いてさらに舌を動かし始めた。

「いいぞ。んちゅっ、ぐちゅっ、ぢゅるるっ、くちゅぬちゅ」

 じっくりと熱を感じ合う。真耶の頬が赤く染まり、その瞳がとろんと蕩けた。

 そのときを見計らってか、男の手が真耶の胸に伸びた。弾力と熱を十二分に感じられる胸。汚したい欲求に駆られたのだろうか、真耶の膣内に入ったままの男の肉棒が再び大きく膨らんでいく。

「おっぱい、好きですか?」

「あぁ、大好きだ。女の胸を嫌う男はいないだろ」

 そう断言できる程度には、男は女性の胸を崇拝しているようだった。

「大きさや硬さ、形や色など様々だが、俺はその全てを愛したい。その愛が強いからこそ、乳首ピアスなどで所有した証を残したい。愛しているからこそ、自分の手や口で汚したい。それが男というものだ」

 男の言葉を聞いて、真耶は頷いた。真耶にとっては目の前の男こそが自分が唯一愛せる異性。その言葉は、全世界の男性陣の総意に聞こえた。極論であっても、今の真耶にとって信用できる男の言葉なのだ。

「どうぞ、総帥。たくさん、楽しんでくださいね」

「あぁ」

 慈愛に満ちた真耶の笑みを見つめ、男は乳首へと口をつけた。

 母乳は出ない。だが、男の口と舌は執拗なまでに真耶の乳首を弄り倒す。恋人が今までにいなかったという真耶の情報を得ているだろう男は、初めての男としてその山脈を唾液で汚す。真耶の乳首を吸った最初で最後の男となるかのように、徹底的に。

「ちゅうっ、ぷちゅっ、ちゅうぅぅぅっ、ぢゅうぅぅぅっ」

 赤子ではあり得ない卑猥に過ぎる吸いつき。その行動に伴って、男の顔も下心に満ちていく。この女は俺の物だ。この女の胸は俺の物だ。そんな内なる黒々とした欲望が、聞こえてくるかのようだった。

「よしよし」

 真耶は手を伸ばし、男の短い黒髪を梳き、頭を撫でた。

 その行動に興奮を覚えたのか、男は腰をガクガクと揺らして膣内を掻き回す。子宮から男の子供達が溢れ出るが、亀頭の突きで押し戻った。子宮の中でぷるんと濃厚ザーメンが震える。

「大好きですよ、総帥」

 真耶が男の頭を撫でながら耳元で囁いたときだ。

「うっ……」

 どびゅーっ、ごびゅーっ、どびゅっ、ぶびゅびゅっ、びゅるるるっ、びゅーっ!

 男が腰を突き上げると同時に、肉棒が精を解放した。勢いよく放出された精液の塊はまたしても子宮に注がれていく。

「すーっ、ふーっ、すーっ、ふーっ」

 射精をしながら真耶の胸の谷間に顔を埋め、深く呼吸を繰り返す男。胸が大好きな男は、歳下である真耶の胸に甘えている。牝特有の甘い匂いを十分に吸い込み、舌と唇で胸の分厚い乳肉を舐め回していた。

「もっと、胸を唾液でべちゃべちゃにしていいですからね」

 真耶はそう言って柔らかく微笑み、男の短い黒髪を手で愛おしそうに撫でる。男は黙って頷くと、乳房の膨らみを舌で舐め上げる。もう真耶の乳房には男の唾液の味を知らない部分はなかった。ねちゃねちゃとローションのように胸の上で広がっている。

 温かい。愛らしい。全てを捧げて守ってあげたい。

 真耶の心はそんな感情を抱き始めた。仕事は辛いけど、愛する人のためならば頑張れる。家族を養うために毎日朝早く起きて会社へと出社し、仕事に長時間取り組むサラリーマンのように。割り切った心でこれからの調整業務を励もうと、強く誓った。



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布仏本音・布仏虚

 アーキタイプブレイカーのヒロインを登場させるかについては検討中です。
 登場させるとしても、原作ヒロイン達の攻略が終わってからになると思われます。


 朝になって目を覚まし、山田真耶を犯してから数時間。昼前までの時間を総帥としての業務に充て、それでも時間を持て余していた男は、以前に作りかけていたとある代物の製作を続けようと整備室を訪れた。

「総帥に敬礼!」

「あぁ、ご苦労様」

 数百に上る数のISやその他の最新兵器が並ぶ場所に、兵器の整備を行っていた構成員達が列を成して敬礼した。その中には、少し前までIS学園の生徒だった者達も含まれている。皆、調整によって男が統治する亡国機業に寝返ったのだ。

 男は仕事に集中するよう構成員達に命令し、再び作業に戻った構成員達の横を通り過ぎて整備室の隅に移動した。そこには、シートを被せられた巨大な何かが鎮座している。男はシートを引き剥がすと、中にあった代物を見た。

 漆黒の外装。流線型の美しいフォルムをしたそれは、ISだった。

「さてと、ご機嫌はいかがかな? 『ファントム』」

 跪いた兵士のように体を曲げたIS『ファントム』に、男は触れる。

 しかし、ISは反応を示さない。当然だ。ISコアは通常、男性を受け入れない。ブラックボックスとなっているISコアの仕様は誰にもわかっていないのだ。女性だけに反応するように設定されているのか、はたまた全く別の要因なのか。

 織斑一夏という例外を除いて男性では扱えないISを、男は扱う気でいた。自分に使えないものがあると、やはり使えるようになりたいと考えるのがこの男だった。そのためにもISコアを解析し、調整を行い、機体に組み込んで反応を見る。だが、やはりそう上手くいくものでもなかった。

「うーん……」

 しばらくISコアを弄りながら悩み続けるが、何度試してみても無反応という結果に終わった。

 ISに生体ユニットとしてIS適性の高い女を組み込んで、男がそれを着用するという考えも浮かんだが、それは何か違うと考えていた。それでは結局ISコアを理解したとは言えず、また不完全な状態ではISを装着しても自身に危険が及ぶ。

 やはり、織斑一夏の解析を待つしかないか。

 遅々として進まない作業を放置して、隣で行われていた作業へと目を移した。構成員達には、つい最近手に入ったISの整備や改造も仕事の一つとして割り振っている。凰鈴音の専用IS『甲龍』が『黒龍』と変わったのもその仕事の成果だ。

「調子はどうだ?」

「はっ。こちらのIS『九尾ノ魂』の改造は順調です」

「そうか。ご苦労、そのまま作業を続けてくれ」

「かしこまりました」

 構成員と軽くやり取りをし、その場を後にする。

 その途中で、先ほどの『九尾ノ魂』の持ち主は誰だったかを思い出し、執務室へと進めていた足を調整室へと向けた。

 調整室の扉を潜り抜けると、研究員達の敬礼を受けながら横並びになるカプセルを観察していく。見目麗しい女達の美味そうな裸体がカプセルの中に浮かんでいる。

 その中に、小柄な外見とは裏腹に豊かな乳房を持つ少女を見つける。肩まで伸びた髪と、可憐な顔立ち。布仏(のほとけ)本音(ほんね)という少女。『悪夢』を見ているのか、カプセルの横にあるディスプレイには、織斑一夏を殺されて絶望する本音という夢の中の光景が映っていた。つい先日、男がカプセルに搭載されている『悪夢(ナイトメア)モード』に設定してからそのままのようだ。

 本音のカプセルの横を見ると、彼女の姉である布仏(のほとけ)(うつほ)もカプセルの中で悪夢にうなされている。本音と似た顔立ちと豊満な胸を有しているが、本音よりも大人びた容貌をしている。こちらも、好意を寄せる少年を何度も殺される光景を見せ続けられている。

 延々と、愛する者を殺される夢が続く。さすがに可哀想だと思った男は、そろそろ悪い夢から目を覚まさせてやろうと男は思った。『悪夢モード』を停止させ、研究員へ指示を出した。

「布仏姉妹をカプセルから向こうの『調整椅子』へ移動させてくれ」

「はい」

「それと、彼女達から記憶の一部分を削ってほしい」

 男がその記憶についての詳細を告げると、一人の研究員がコンソールのキーボードを操作し始めた。他の研究員達はカプセルへと集うと、酸素供給マスクや体に繋がれたチューブを外して中から布仏姉妹を取り出す。そのまま、部屋の隅にある『調整椅子』に2人の濡れた裸体を預けさせる。その『調整椅子』は、調整カプセルの椅子版だ。機械的なそれに座らされた2人は両手と両足を鉄枷で拘束され、頭に半透明なバイザーのついたヘルメットを被せられる。

 そして、ヘルメットが鈍い音を立てて起動した。直後、2人の体がビクッと震える。

「な、なにこれー……、おりむーが消えて……。あ、あ、あ~……!」

「ひっ……!? だ、弾くんが……。い、や、やめて……!」

 男が研究員達を他の調整業務に戻させ、椅子に座る2人の前に移動する。

『消去中、消去中』

 2人のヘルメットからは、無機質な機械音声が響いている。その度に2人は体を震わせ、表情を青ざめさせていた。

 今、布仏姉妹の脳から愛する者達に関する記憶を消去している途中だ。研究員の一人によって、ゴミ箱に不要ファイルを捨てるかのような気安さで削除させている。

 自分以外に愛する人間がいるから、苦しいのだ。その悪夢から覚まさせてあげようと考えた男の善意だった。

「苦しいのも今だけだ」

 男はズボンと下着を脱ぎ捨て、下着から己の肉棒を取り出す。少女の美味そうな肉体を見て大きく膨張した肉棒を握り、本音の開かれた股の間に先端を近づける。ぴったりと閉じた割れ目を亀頭で掻き分け、膣口に亀頭を押し込む。

 ヘルメットによる記憶の操作中は、彼女達は目を覚まさない。ただ苦しみだけを浮かべる寝顔を見つめ、男は嗜虐心を煽られながら腰を前に着き出した。

 ぐっ、ずにゅにゅっ。

「っ、頭とあそこが痛いよ~、おりむ~……」

 ぐぐっ……、ブチィッ! ずぶぶっ! 本音の処女を奪い、男の分身が本音の中へと入っていく。十代の少女の体に男の凶悪な肉棒が埋まっていく様はいつ見ても卑猥だ。長い肉の塊が奥へ奥へと進行し、やがて中を制圧して動きを止める。

 布仏本音の処女マンコ制圧。数え切れない女の処女を奪ってきた男だが、処女を奪うときはいつも爽快な気分だった。相手の大切なものを奪う行為に、強い独占欲がわずかながらに紛れる。

「ご馳走さん」

 にやにやと笑い、男は本音の胸を力強く握りしめながら腰をゆっくりと前後に動かす。やはり膣中はきつく締め上げてくる。男の種を搾り取ろうとしているかのようだ。

「いい胸を持っているな」

「痛い……。やだよー……。もう、やめて……」

『消去中、消去中』

 絶えず響く消去音声を背景音に、男は本音の膣内を味わう。処女の膣内に自分の肉棒の形を覚え込ませる行為に興奮を抱き、欲を高める。こぽりと破瓜の血が溢れる様も男の興奮を刺激する材料の一つだ。

 ずぶっ、ずぶっと本音の中で欲望の塊が何度も出入りを繰り返す。

 それが数十回ほど行われたとき、男の肉棒が大きく膨れ上がった。そのタイミングを逃さずに男は子宮へと亀頭を押し付け、ぐりぐりと擦り付けながらこみ上げてくる射精感に従って精を放った。

 ごびゅっ、ぶびゅーっ、ぶびゅぶぶぶぶっ、ぶびゅっ、どびゅっ、びゅるるっ!

 煮えたぎる熱い生命の源が、小柄な本音の体内の子を育む部屋へと押し寄せる。津波のような勢いだ。一瞬にして子宮を満たし、種を植え付けていく。芽が出るよう祈って、せっせと種付けを続けた。

「ふぅ……」

 一頻り吐き出した後、男は肉棒を引き抜いた。まだまだ出し足りないが、布仏虚の体も味わっておきたい。男は本音の膣内から大切な子孫が零れ落ちないように、椅子に備え付けていた男の肉棒と同サイズのバイブを本音の膣内に押し込んだ。

 起動させると、ヴヴヴヴヴ、と音を立てて激しく振動した。本音の表情がより一層苦しげに歪むが、その表情も男の欲望を刺激するいい材料になった。

 絞りたてザーメンと妹の破瓜に濡れた肉棒を、続いては姉の方へと向けた。

『消去中、消去中』

「名前……。名前が、思い出せない……」

「さてと、お姉ちゃんのほうはどんな味かな?」

 腰を沈め、男は虚の股間へと汚れた肉棒を近づける。ぐにぐにと陰裂へと亀頭を押し付けて柔らかさを楽しみ、その内側を捲って中へと入っていく。本音と同様に記憶操作が進行中の虚は、抵抗を見せない。

 肉棒が膣口へと顔を覗かせる。この穴の中はいったいどうなっているのか。好奇心を抱いて震える肉棒は、探るような動きで肉の穴に入っていく。ズブブッと奥へと進み、やがて小さな穴の開いた壁が亀頭の前に立ちはだかった。

 処女膜。異物を押し止める乙女の盾。それを前にした肉棒は恐れを抱くことなく、肉の矛で盾を突く。空いている穴に先端を押し込み、ぶちぶちと引き裂きながら動き続ける。

 そして、膜は完全に亀頭によって裂かれた。障害物のなくなった狭い膣内を我が物顔で進んだ肉棒は、遂に宝の部屋である子宮の入口を見つける。子宮口から中を覗き込み、そこが自分に子を宿すに相応しい場所であると判断した。

 熱々マンコを味わい、昂り続ける欲求。男はその欲に背を押され、腰を振った。

「気持ちいいか?」

「痛い……。助けて、……くん。……あぁ、もう名前も呼べないなんて……」

『消去中、消去中』

 もう虚が好意を寄せる者の記憶は、彼女の中から完全に消えつつあるようだ。邪魔者がいなくなることに気分を良くし、男は膣内に肉棒を擦りつける。その過程で精液や本音の破瓜の血は拭い取られ、綺麗にされる。いいお掃除マンコだ、と思いながら膣内を徹底的に嬲っていく。

 ゆっくり奥まで突き入れたかと思えば、一気に膣口ぎりぎりまで肉棒を引き抜いて一気に押し込む。柔らかく蕩けるような熱を帯びた膣内の味を堪能し、快楽に耽りながらさらなる快楽を求めて腰を前後に揺さぶった。

『消去中、消去中……記憶の消去が完了しました』

「あ――」

「あ、れー……?」

 明るい機械音声が響き、2人が声を上げる。どうやら記憶消去が終わったらしい。

『記憶を挿入します。挿入中、挿入中』

 そして、今度は記憶の挿入が始まった。おそらく、総帥である男に関する記憶だろう。これまでに受けた調整によって都合よく捻じ曲げられた常識や記憶の上に、男の記憶が追加で投入されていく。

「くくくっ……」

 男は自分色に染まっていく少女を見て笑いをかみ殺し、腰を突き出す。

 そろそろ、2発目が出そうだ。男は再びこみ上げた射精欲求による快楽を噛みしめ、虚の中で巨根を暴れさせる。子宮を押し潰すような突きを何度も繰り出し、それに反応して余計にきつくなった膣内の肉壁に肉棒が取り囲まれる。

 ぎゅうぎゅうと締め付けられる中で無理矢理子宮へ突き進めた肉棒が、大きく膨張した。

「さぁ、しっかりと味わえ」

 男はそう言って全身をぶるりと震わせ、駄目押しとばかりに子宮口に亀頭を密着させた。

 どびゅーっ、ごぷっ、どびゅっ、ぶびゅるるっ、ぶびゅっ、ごびゅっ、どぼぼっ!

 大量精液の投下。子宮は堪らず白濁液に満たされたプールに変わる。ゼリー状の塊が泳ぐその中で、男の遺伝子がうようよとしている。それらは全て、卵子へと進路を向けて動き出した。

 亀頭で子宮口に栓をする。男は精子の活躍を願いつつ、虚の胸に手を伸ばした。柔らかく綺麗な形のそれを両手の指で強く握り、形を歪ませる。女性の象徴を乱暴に扱う行為に男の顔からまた笑みが零れる。

「美味かったぞ、布仏姉妹」

 隣で巨根バイブに膣内を掻き回される本音と、ガッツリと男の肉棒を膣内で咥え込む虚の寝顔を見る。先ほどよりも表情は晴れており、ときおり「総帥万歳」という言葉が口から漏れている。

 射精が終わり、男が肉棒を引き抜く。そして、本音と同じように虚の膣内にもバイブをねじ込んで精液が零れないようにする。これで、姉妹へと一回目の種付けは終わった。

 次はどうしようか、と男が考えていると、『挿入が完了しました』という言葉が響いた。

「失礼します」

 研究員がやってきて、布仏姉妹の頭からヘルメットを外す。枷も外されて自由の身だ。

 ほどなくして、2人の意識に変化があった。目を覚まして辺りを見回し、正面に立つ男を見て表情を緩ませる。

「ん、ぅ、……ぁー、総帥だ~。おはよう~」

「本音。おはよう、じゃないでしょ。おはようございます、よ」

「ごめん、お姉ちゃん~」

 のんびりとした口調で眠たげな顔の本音と、はきはきとして毅然とした姉。見た目は似ているが、中身は正反対のようだ。男が2人を観察していると、2人は椅子から立ち上がった。

「布仏虚、布仏本音。本日より亡国機業の構成員として活動を始めます。お困りのことがございましたら、何なりとお申し付けください。与えられた仕事は確実にこなしてみせます」

「お願いしま~す」

 膣内にずっぽりと嵌ったバイブを振動させながら敬礼をする2人。

「それでは、さっそく仕事だ」

 男は股間にぶら下げていた精液塗れの肉棒を指差して、告げる。

「俺のチンポと、ケツ穴を奉仕しろ」

「かしこまりました」

「は~い」

 男の指示に2人は何の躊躇もなく頷き、返事をする。そしてすぐに行動に移した。虚が男の背後に移動して床に正座をし、「失礼いたします」と言って男の尻肉を両手で開いた。奥に見えた尻穴を見つけると小さく微笑み、真っ赤な舌を出して肉のアスタリスクへと舌先をねじ込む。

「れろっ、にゅるるっ、ちゅ、ちゅぶ、ぐちゅ」

「おぉ、いいぞ……」

 鼻先は男の尻に密着し、荒い息を吸いながら尻穴を舌で掻き回す虚。尻に感じる異物感に、男は快感を抱きつつ体を揺らす。

「お待たせしました~」

 虚の尻穴奉仕を受けていると、本音が緩慢な動作でようやく男の股間の前に座り込んだ。肉棒を見上げて楽しそうに笑っていると、その舌が肉の表面を撫でる。温かくざらざらとした感触が肉棒に伝い、汚れた精液を舐め取っていく。

「えへへ~、見て見て~」

 言われるまでもなく本音へと視線を落としていた男は、本音の舌に溜まった精液の塊が目の前で飲み込まれていくのを見た。本音が口を開くと精液はなくなっていて、確かに喉へと流れたのだとわかる。

「ちゃんと飲んだよー、偉い~?」

「あぁ、偉いぞ。本音」

「えへへ~」

 男の手で頭を撫でられ、本音は嬉しそうだ。

 ふと、そんな本音に向かって男はある質問をしてみようと思った。

「本音、織斑一夏って知っているか?」

 記憶消去の確認。当然、装置が正常に稼働していたため、問題なく消去されたことはわかっている。

「誰それ~、総帥の知り合い~?」

 だが、実際に聞いてみるのが好きだった。あれほど大切にしていた記憶をすっかりと忘れ、疑問符を浮かべる本音。本人から記憶を無理矢理奪い、都合のいい記憶を植え付ける。そして部下にして、飼い慣らす。その一連の流れを、男は好んでいた。

「はははっ、知り合いでも何でもない。ただの実験動物だよ」

「そっかー、変わった名前だね~。ぐじゅぶっ、ぢゅるるっ、ぐぶっ、ぐぼっ」

 本音は織斑一夏という名前に特別な反応を見せず、肉棒を頬張った。動作は遅いが、窄められた頬の内側が肉棒の隅々まで扱いてくれる。対して虚の尻穴穿りは迅速かつ動きに澱みなく、腸内を綺麗に舐め回されていく。

 本音の頭に手を置き、布仏姉妹による前後の攻めを受けて目を細める。たまにはこういうのんびりとした快楽も悪くはない。最近は暴力的なセックスばかりだったからな、と先日のことを思い出す。

「ずぶっ、ずぶぶぶっ、ぐっちゅ、ぬっちゅ、くちゅくちゅ」

「ぐぶっ、ぐぶぶっ、ちゅるっ、ぷちゅっ、ちゅぅぅっ、ぐぼっ、ぐぷっ」

「おぉぉ……」

 敏感な尻を徹底的に穿られているためか、本音の遅い奉仕でも快感がいつもの段違いだった。それは、妹の弱点をカバーするために尻を徹底的に奉仕する姉の手腕と優しさによるものだった。それらを一身に受け止めた男は、堪らず限界に達した。

 睾丸から精子がこみ上げてくる。快感を伴って肉棒に至ったそれは、容赦なく本音の口内でぶちまけられた。

 どびゅーっ、びゅーっ、びゅるっ、ごびゅっ、ぶびゅっ、どくっ、どくっ。

「ん~!?」

 本音は奥まで咥えた肉棒から精液を喉奥に叩き込まれ、苦しそうに目を見開いた。だが、決して頭を後ろには引かない。男の下腹部に生えた陰毛に鼻先を沈めるようにして、深く肉棒を包み込んだまま震える。

「いいぞ、本音。頑張れ、頑張れ」

 可愛く健気な本音の頭を撫で、濃い精液を流し込む。本音の瞳から涙が零れ落ちる。その涙の意味は苦しさ故か。または調整の手から逃れた記憶の残滓が、自分が行っている行為に違和感を覚えて悲しみに変わったのか。

 おそらく前者だろうが、後者として見るとそれはそれで気分がいい。理不尽な目に遭って流す乙女の涙も男は好きだ。取り返しのつかないことをさせた後で記憶を正常に戻し、絶望する女を犯してさらに絶望させる行為もまた心を躍らせる。

 気分を高まらせる一方で、男の射精は勢いを弱める。

「ぷはっ、はぁっ……はぁっ……あ~」

 肉棒から口を離し、男へと精液の溜まった口内を見せる本音。男が「飲め」と言うと本音は喉を鳴らして呑み始めた。口の端には男の縮れた陰毛がついている。

「ごくっ、全部呑めたよ~」

 口を開けてしっかりと報告する本音。口内は綺麗になっていた。

「あぁ、ありがとう本音」

「わ~い」

 まるで小動物のようだ、と本音の頭を撫でながら男は思った。

「ぐぢゅぢゅっ、ぷはっ。こちらも終わりました、総帥。大変美味しかったです」

 男の尻穴を味わい尽くし、離れる虚。男は虚の頭も撫でた。恥ずかしそうに頬を染める彼女と、もっと撫でてと言わんばかりに頭を差し出してくる本音。2人の新しい構成員を優しい手つきで歓迎し、男は新たな命令を2人に出す。

「山田先生から、乳首ピアスと淫紋を貰ってこい。堕天室の場所はわかるな?」

「はい」

「わかりました~。行ってきま~す」

 布仏姉妹は再び立ち上がって敬礼をし、その場を後にする2人。

 若い女体と股間のバイブを揺らしながら退出する2人の後ろ姿を見届け、ズボンを履いてから男が自室へ戻ろうとしたときだった。ズボンの中にあった連絡用端末から音が響く。通話状態にしたそれを耳に当てると、声が聞こえてきた。

『総帥、お疲れ様です。こちらは、監視室です。特別調整室にて、調整が終わりました』

「おぉっ! ようやくか」

 女が言った『特別調整室』の単語に、男は過剰に反応を示した。何故ならば、その部屋には織斑千冬と篠ノ之束の2名が収容されているからだ。今まで待ちに待った女達を、遂に自分の手中に堕とすことができるのだと期待してしまう。

「二人ともか?」

『いえ、織斑千冬の一方だけです。篠ノ之束については、現時点でようやく四分の三まで進んだといった状態です。脳内が非常に特殊で、調整作業に手間取っております。大変、申し訳ございません』

「いや、いい。ありがとう。そのまま進めてくれ。織斑千冬は、『調教部屋』に連れて行ってくれ。服装はボディスーツで、髪型はポニーテールがいい」

『かしこまりました。それでは、織斑千冬の移送作業を始めます。移送も含めて今からの準備などを考えますと、昼食後となりますがよろしいでしょうか』

「あぁ、よろしく頼む」

『はい、それでは作業に移ります。失礼いたします』

 相手はそう言って、通話を終えた。

 男は端末をズボンのポケットにしまった後、口角を吊り上げながら調整室を出た。正直、期待し過ぎて食欲はあまりなかった。だが、これからのことを考えると英気を養っておく必要があった。織斑千冬という極上の牝を隅々まで味わうためには、万全な状態で挑まなくてはならない。

 昼食時。食堂へ向かう男の股間は大きく膨れ上がっている。新しい母体へと種を植え付ける行為を想像し、太い肉棒は震えながらカウパ―液という涎を垂らし、下着を濡らしていた。

 

『解析完了』

 無機質な音声と共に、仰向けで目を閉じていた織斑一夏は目を覚ました。

 ここはどこだ、と思いながら辺りを見渡す。なぜか水中にいるようで、辺りは半透明な緑色の液体で取り囲まれていた。どうやらその中で眠っていたらしいと悟り、慌てて体を起こして水中から脱しようとした。入浴中に誤って寝入ってしまったと思ったのだ。

 だが、ゴンッと頭を強かに打った。透明な壁が正面にあった。

 何だよ、これ。疑問を抱く一夏は、続いて自分の体の変化に気がつく。

 口を覆う不思議なマスク。そこから何処かへと伸びていく太いチューブによって呼吸が行えているのだとわかった。それはまだいい。おかしいのは、その他の代物だった。両手と両脚も手枷で拘束され、無数の管が耳の穴や裸の体に突き刺さっている。

 そして、一夏の肉棒がオナホールに似た太い筒で繋がれていた。その筒の先端にも、何処かへとチューブが伸びている。

 まるで体内のありとあらゆる何かを検査され、採取され、投薬される実験動物のような有様だった。主人公が謎の組織に囚われて人体実験を繰り返され、肉体を改造される。そんな映画を思い出した。その映画では主人公はどうにか脱出し、その組織に復讐を誓うといった内容だった。

 一夏は頭を上へと動かした。すると、硬い感触が再び額に当たる。硬い。容易く壊せるようなものではなかった。これでは、脱出は難しそうだ。試しに専用IS『白式(びゃくしき)』を起動させようとしたが、腕にはめられた腕輪が見当たらなかった。遠くにあっても遠隔から呼び出せる『白式』だったが、どういうわけかいくら呼んでも手元に現れない。

 何故だろうか。そして、そもそも脱出という考えが合っているのかを一夏は考えた。敵の組織に囚われているのならば脱出をするのは正しいが、ここが一夏の通うIS学園の関連施設ならば話は別だ。何らかの理由で負傷した一夏を治療している。そう考える方が妥当な気がした。

 しかし、仮にそうだとしても何故自分がここに閉じ込められるに至ったのかがわからない。

 一夏が最後に覚えている記憶は、亡国機業との戦争を勝ち抜き、IS学園での日常を謳歌していたときのことだ。一夏は周囲にいる篠ノ之箒を始めとした美少女や美女に告白され、あろうことか全ての告白を受けてしまった。その中には、敵であった織斑マドカの姿もあった。

 そして、全員の処女を奪い、生で種付け。普段の自分ならば考えられないことだが、それでも記憶にあるということはそれが事実であるという証拠に他ならない。夢ではあり得ないほどの詳細な光景が脳内に残っているのだ。夢ではないだろう。

 責任取らないとなぁ。同級生だけでなく、教師にまで手を出してしまったのだ。あまりに節操がない自分に、ため息をつく。後で皆から報復を受けそうで怖かった。

 いや、もしかすると既に報復を受けた後なのかもしれないな。

 一夏は思った。一夏の幼馴染である気の短い凰鈴音辺りが、一夏の後頭部をIS武装で殴打。昏倒したまま意識を覚まさない一夏はIS学園の医療機器に収容された。あり得そうな流れであり、一夏はそれで納得してしまった。ただ、何故枷をつけられているのかがわからなかった。治療の際にこんなものは普通いらないはずだ。重体であったために、暴れて傷が開かないように拘束したのだろうか?

 考えてみるがやはりわからず、ここから出られない以上は大人しくしておくに限る。

 一夏は目を閉じた。その過程でつい最近の記憶が脳裏を過る。篠ノ之箒。凰鈴音。織斑マドカ。セシリア・オルコット。ラウラ・ボーデヴィッヒ。シャルロット・デュノア。更識簪。更識楯無。山田真耶。他にも沢山の美女や美少女と結ばれた記憶。

 美しい彼女達の裸体や痴態を思い出し、一夏の股間は大きく膨れ上がった。

 今まで傍にいておきながら、手を出して来なかった。だけど、それが過ちであったと思える程度の快楽に満ちた記憶。女に興味はないとか言っていたが、あれは嘘だった。本当は彼女達の体を、一夏は目で追っていた。

 男はやっぱり、そういう生物なんだな。彼女達の魅力を正確に認識し、女として見てしまってはもう今までの生き方には戻れない。戻る必要もないだろう。手を出した以上は責任を取るし、全員を幸せにしたい。

 ……俺って、そんな風に考える人間だったか?

 ハーレム物のライトノベルの主人公のような、非現実的な考えを見出した自分。何かがおかしい。正確にはわからないが、おかしいのだ。まるで、脳の中の記憶や常識を何者かによって書き換えられたような感覚。

 この記憶は、考えは、本当に俺のものなのか?

 自分よりも残虐で、独占欲丸出しで、女に飢えた記憶の中の一夏。その一夏に汚される女達。倫理的に正しくないと思われる激しい性行為が思い起こされ、一夏は記憶の中の自分を疑い始めた。

 だが、疑っている一方で抱いてしまった感情もある。

 嫉妬だ。記憶の中の一夏が自分ではないとしたらと考えたとき、一夏の心が痛んだ。

 大切な人達を他の誰かに取られるような嫌な感覚。一夏はその嫌な考えを振り払い、意識を闇に投じた。他人に奪われると考えるくらいならば、この記憶が自分の物であってほしいと思った。彼女達全員と結ばれたい。彼女達の傍にいたい。

 精神的な成長か。今まで男として不能とも思える行動を取ってきた一夏は今、ようやく一人の男として覚醒した。ここから出たら、皆のことを愛したい。そう願って、一夏は再び眠りに就いた。



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織斑千冬(前編)

「総帥、準備が整いました」

「……そうか」

 昼食を終え、自室で読書に耽っていた男。亡国機業の総帥の立場にいるその男は部下に呼ばれ、手にしていた本を閉じると安楽椅子から立ち上がった。履いているズボンの股間部分は内側から押し上げられており、大きな膨らみが形成されていた。

 今から、極上の美女を味わう。その期待感が、男を異様に興奮させていたのだ。

 部屋を出て部下と共に通路を進む。普段の男ならば女の尻を撫で、膣口に指を入れながら歩かせる程度のことはする。だが、今の男は冷静だった。冷静に、目的地である調教部屋にいる女のことを想っている。

 織斑(おりむら)千冬(ちふゆ)。第一回IS世界大会『モンド・グロッソ』の覇者。総合優勝者に与えられる『ブリュンヒルデ』の称号を持つ偉人。彼女の戦う姿は一つの芸術だった。その一挙手一投足で人々の視線を釘付けにし、魅了した。

『織斑千冬と結婚したい』

 彼女の名が世界に知れ渡ったとき、インターネットの大海原の片隅で呟かれた匿名の発言。それをたまたま目にした男は、その呟きに含まれた願望よりもどす黒いものを心の内に抱いていた。

『織斑千冬を屈服させたい』

『織斑千冬の肉体に所有物の証を刻み付けたい』

『織斑千冬を孕ませたい』

 次から次へと欲望が咲き誇る。しかもその花はいつまで経っても枯れることはなく、むしろより鮮やかな悪の花に昇華した。手を伸ばしても、届かない存在。そう考えると余計に欲しくなり、男は自身の独占欲に蝕まれるような時を一時期過ごしていた。

 その欲望が一時的に解消されたのは、織斑千冬を幼くした外見の織斑マドカという少女を手に入れたときだった。

 当初、反抗的だったマドカを、男は徹底的に凌辱した。拷問にかけて犯し、調教を施して犯した。抵抗など軽くねじ伏せ、マドカが男とそのチンポに全裸土下座をして忠誠を誓うまで、飽きずに何日も膣内を肉棒で掻き回した。

 結果、今では男への肉欲に溺れ、小柄な体で男の欲望を受け止めようと積極的な姿勢を見せているマドカ。それでも、男は最近になるまでマドカを孕ませようとは考えなかった。マドカを通して織斑千冬という女のことを熱烈に想っていた男は、その熱い想いが千冬を手中に収める前までに消えてしまわぬように、一つの目標である『妊娠』は避けてきた。

 全ては、千冬のため。そのためだけに、彼女が教師を務めるIS学園を襲った。念には念を入れて、世界中からIS学園の関係者の身内を拉致し、いざというときの人質に使おうと考えたのだ。

 そして、時が来た。手始めに、IS学園に潜入させた者によって敷地内に超大型の遮断スクリーンを展開。IS学園では何事も起こっていないかのように背景や音を偽装した上で、衛星すらも掌握して接近を気取られぬようにした。世界中から奪い取ったISや兵器、人材を全て投入し、IS学園を蹂躙した。目についた者から無力化して簡易型の洗脳装置と起爆装置付きの首輪を取り付け、味方として戦場に放った。

 IS学園の至る箇所で巻き起こる抗争。操られた友人に銃を突き付けられ、泣きながら降伏する者。抵抗はしたが、数の暴力でねじ伏せられた者。様々な形で勝ち星を飾り、IS学園の最大戦力たる専用機持ち達をも下した。

 そして、IS学園側で司令塔の役割を果たしていた織斑千冬を捕らえた。さしもの彼女も、全IS関係者全てを人質にされては無力だ。彼女を亡国機業に移送した後、もぬけの殻となったIS学園を徹底的に破壊して、IS学園を跡地へと変えたのだ。

 織斑千冬に、学園という居場所はいらない。亡国機業の総帥たる男の妻。それが相応しいと考えての、男の親切心から来る破壊活動だった。後顧の憂いを立ってもらおうという優しい感情で、居場所を消してあげたに過ぎない。

「こちらです。ごゆっくりどうぞ」

 部下の声で意識を呼び覚まし、部下が扉の横で待機態勢に入ったのを見て、男は開かれた扉を潜った。

 薄暗く、手狭な灰色の部屋。その中に、人の姿があった。紫色の巨大な蛸を模したISに背中から取りつかれた一人の女。蛸の頭のような大きなタンクを背負ったISの胴体から伸びる複数本の触手が、彼女の両手両足を大の字に開かせて体を宙に浮かせていた。

 髪留め紐で後頭部の高い位置に束ねられた長い黒髪。丸々とした乳房と尻や体の曲線が浮き彫りになるほど体に密着し、適度な肉付きを強調する黒一色のボディスーツ。唇は固く引き結ばれ、目蓋を閉じた美しく凛々しい貌。

 部屋に足を踏み入れて後方で扉が閉じる中、男は両手を広げて歓喜の笑みを浮かべた。

「やぁ、織斑千冬」

 だが、千冬は何も言わない。眉をぴくりとも動かさず、ただ黙って目を閉じている。

 千冬はまだ眠っているのだ。長時間にわたる調整によって体を弄り回された結果だ。

 起きるまでは、少々時間が掛かる。だが、これ以上は待ちきれそうもなかった。

「『フォールン』、応答しろ」

 男が言った瞬間、千冬を捕らえていた無人IS『フォールン』の目が開いた。同時に複数の触手の先端がにゅるにゅるとそれぞれ独立した動きを見せた。

『はい、マスター』

 フォールンの声がISから響いてくる。

「微弱の電流で、織斑千冬を起こしてやれ」

『かしこまりました』

 フォールンは答えると、千冬の両手足に絡む触手から電流を放った。

「っ……!? うっ、ぐっ、ぁっ……」

 ジジジジ、と音が響き、千冬の体が大きく跳ねるように動いた。その動きを抑え付けようと触手がより一層体に絡み、がんじがらめにしながら電流を浴びせていく。

 何かを拒むように頭を左右に振っていた千冬は、やがて目蓋を開いた。

 寝起きで茫然とした顔。その顔がはっと我に返ったような表情を浮かべると、正面に立つ男へと視線を向けた。

「……貴様」

 目が細められ、鋭い眼光が男を射貫く。男は視線を受け止め、ニヤニヤと笑っていた。

「おはよう、千冬。こうして出会えて光栄だよ」

「……亡国機業の総帥と呼ばれている男か」

「ご名答」

 男は歩みを進め、千冬のすぐ目の前で立ち止まった。フォールンに捕縛されて宙に浮いている千冬の全身を視線で舐め回す。二十代半ばに迫るボディスーツにみっちりと包まれたその肉体は男の欲望を煽る。

「初めまして、千冬。これから長い付き合いになるから、よろしく頼む」

 男が友好的な姿勢で接しているが、千冬の視線は強さを増した。

「捕らえた者達はどこだ」

「調整室だ。亡国機業の忠実な部下となるよう、頭と体を弄らせてもらっているよ」

 男はそう言って、千冬の体に手を伸ばした。ボディスーツの上から腹を撫で、下乳の膨らみに至る。そこまでやっても、拘束されている千冬からの反撃はない。仮にフォールンの拘束から逃れても、多くの人質を取られている今、下手な行動をするはずはないだろう。

「お前も、いずれは亡国機業の一員となる」

「下衆が……」

「よく言われるよ」

 男は千冬の乳房を両手の平で包み込み、指を沈める。それだけで、表情は歓喜に満ちた。

「これが織斑千冬の胸か。今でも夢のようだよ。憧れだった千冬を、俺の物にできるのだからな」

 千冬からの返事はない。ただじっと、目を瞑っている。強い独占欲から、男の両手に力が入ることで、その表情は時折苦痛に歪んだ。しかし、声を漏らすことはない。

「いい揉み心地だ」

 まるで初めて女性の胸を揉んだかのように、男は興奮した様子で触っていた。

 やがて、ボディスーツ越しだけでは物足りなくなったようだ。千冬の胸の頭頂にあったボタンに指を掛けて外す。すると、ボディスーツの一部分がハートの形に剥がれ、千冬の生乳から覗く肌とその中心にある桜色の乳輪が露わになった。

「乳首はどんな味かな。将来の子どもに味わわせる前に、しっかりと父親の俺が堪能しておかないとな」

 男の呟きを、ことごとく無視し続ける千冬。自分の発言で他のIS関係者に男の欲望の矛先が向かないよう考慮してのことか、はたまた下衆と見なした男と交わす言葉を持ち合わせていないのか。千冬は黙して目蓋を閉じ続けた。

 そんな千冬に構わず、男は顔を千冬の胸に近づけて乳首を口に咥えた。

「ちゅぷっ、ぷちゅ、れろっ、くちゅっぬちゅ、ぐちゅ、ちゅぅっ、ちゅぅぅぅううっ」

 ねちっこい攻めを、両の乳首に浴びせる。舌先で、口の中で母乳の出ない乳首をひたすら吸引していた。その度に、男の独占欲がほんの少しだが薄れた。欲しかったものを手にして、興奮で股間をいきり立たせている。

 両方の乳首を交互に舐めては吸ってを繰り返し、男は深い胸の谷間に顔を埋めた。

「あぁ、幸せだ」

 ぐりぐりと頭を押し付け、ボディスーツを唾液で汚していく。

「くっ……」

 母性に満ちているとはいえ年下の胸に甘える男に、千冬は強烈な嫌悪感を覚えているようだった。表情を歪め、嫌そうに体を後ろに引く。ただ、それが許される状態ではなく、フォールンに捕らわれた体は男のマーキングを受けていった。

 胸や脇を中心に上半身のボディスーツは殆ど唾液に塗れた頃、男の顔が千冬の顔に近づいた。見せつけるように伸ばした舌を動かし、それで千冬の唇を舐め上げた。

 そして、小さく開かれた唇の間に舌を差し込んで中をこじ開ける。

「ぷちゅ、んっ、くちゅ、くちゅ、ちゅぷっ、れろっ」

 千冬の口内で男の舌が掻きまわる。真っ先に千冬の舌に絡んで唾液で汚し、続いて口内をのたうち回る。

「ぶぢゅっ、ぐちゅっ、ぢゅるるっ、ぐっちゅ、ぬっちゅ」

「っ……ふ……ぅ……」

 強制的に口を開かされて息を漏らす千冬。その吐息すらも味わい、男は満足した様子で口を離した。2人の間に唾液の糸が伸びて弛み、床に落ちた。

「次は、尻にしようか」

 一旦満足した男は千冬の体から離れると、床で仰向けになった。何をするつもりなのだろうかと困惑ぎみの千冬に向かって、否、千冬を捕らえるフォールンに向かって男は指示を出した。

「フォールン。俺の顔に跨って、千冬にスクワットを100回させろ」

『かしこまりました』

 男の指示で動いたフォールンに体を操られ、千冬は男の顔の上で腰を深く沈めた。がに股になっているために千冬の尻が男の鼻先に近くまで近づき、男を喜ばせる。適度に鍛えられた尻が視界を満たして動く様は圧巻だ。

「もっと深くていい。俺の顔に尻を押し当てる感じで頼む」

『かしこまりました』

 下へ、上へ。フォールンは千冬にボディスーツガニ股スクワットを強制して、男の顔と千冬の尻を触れ合わせる。スクワットの体勢によってむっちりと強調された千冬の太股と尻が眼前に近づいて顔に当たる度に、男は楽しそうに笑いながら温かく柔らかい千冬の下半身を顔で堪能した。

「はははっ、絶景だな。手触りも最高だ」

 男の両手が伸び、ゆっくりとスクワットを続ける千冬の足や太股を撫でる。ツルツルとした質感のボディスーツの内側には若い肉の弾力を確かに感じた。

「……変態め」

 さすがに耐えきれなくなったのか、千冬が吐き捨てた。

「変態で結構。変態だったおかげで、俺は今の地位を手に入れたようなものだ。欲望こそが俺の原動力。全ては俺だけのハーレムを作るために。世界中で見つけた俺好みの女を、俺色に染めて従えていく。それが俺の夢だ」

 その夢の中には当然、千冬もいる。男は普通の子供よりも純粋な顔で夢を語り、普通の大人よりも穢れた心で千冬の美しい体を味わっていた。

 スクワットが100回終わり、男の顔の上に乗って停止させられた千冬。男の顔が左右に動き、千冬の尻に顔を擦り付けていた。勿論、顔だけではない。口から伸ばした舌によって汚され、尻が唾液でぬちゃぁと湿り気を帯びていた。

「これでマーキングは終わりだ。それじゃあ、そろそろ始めようか」

 千冬の体を退かした後、男は立ち上がった。

 そして、ズボンを下ろすと凶悪に反り返った己の肉棒を取り出した。千冬は一瞬それを目にしたようだが、すぐに目を閉じた。相変わらず嫌悪感に満ちた表情をしていることから、男の物は見慣れていないようだとわかった。

「これが見えるか? お前の夫となる男の、チンポだ」

 男は、膝立ちになった千冬の眼前に肉棒を突き付ける。亀頭で頬をぷにぷにと突き、目を開けるまで顔に肉棒を押し付ける。鼻の穴や耳、髪の毛など至る箇所に擦り付けていくが、どれも効果はなく千冬はだんまりを決め込んでいた。

 こうなると思って、用意しておいてよかった。チンポビンタ30連発を千冬の頬に放っていた男はそう考えると、部屋の隅にある監視カメラに向かって手を軽く上げてみせた。

 そのときだ。向かい合う男と千冬の横にある壁に投影された、大画面の映像が流れ始めた。

 薄暗い部屋に立つ、機械的な十字架。その十字架に両手と両足を拘束され、俯いたまま顔を伏せる全裸の少女が一人。肩まで伸ばした髪を、左右の髪留めでわけた髪型。首元には、鷹月(たかつき)静寐(しずね)と書かれた札が下がっていた。

 それを見た瞬間、千冬の目の色が変わった。

「おいっ! 何をする気だっ……!!」

 これまで黙していた千冬が、全力で男に食って掛かる。まるで狂犬だ。ISという首輪がなければ、今頃男に食らいついているだろうが、それはあり得ないことがわかっている男は余裕の顔色だ。

「まだ何もしないさ。これはあくまで、交渉のための準備だよ。あの子がこれからどうなるか、そっちの対応次第だ。織斑千冬先生」

 男は、千冬の鼻先に改めて肉棒を突き付けた。

「ここにチンポがあって、あそこに捕らわれた教え子がいる。さて、どうする?」

 男の問いに、千冬はギリッと歯の奥歯を噛みしめていた。敵意などという区分には収まらない強い感情を秘めた眼差しが男に向けられる。だが、それも数秒のこと。屈辱に濡れた顔を見られぬようにと考えたのか、俯いて目を閉じた彼女。肩や頭は、悔しさに打ち震えるように揺れていた。

 また沈黙かと思われたが、千冬はすぐに目を開いた。その表情は、先ほどよりかは比較的冷静に見える。

「……舐めればいいのだろう」

「わかってるじゃないか、先生。だが、それだけでは駄目だ」

「……どうすればいい」

 生徒を人質に取られた千冬は従順だった。男への敵意が籠りつつも、その表情には生徒の身を案じる不安が確かに滲み出ていた。自分よりも教え子のことを考えて行動する様は、まさに教師の鑑だ。

 だが、男が求めているのは教師としての織斑千冬からの奉仕ではない。

「お前は俺の妻だ。妻らしく、もっと言い方ってものがあるんじゃないか?」

「……今から、お前のペニスを私の口で気持ちよくしてやる」

「まだ上品だが、ひとまずはそれでいいだろう。それじゃあ、頼むよ」

 改めて近づけられた肉棒。むわぁと熱気と臭いが千冬の顔を襲う。

 それを千冬が咥えたのは、数秒後のことだった。恐る恐る口を開き、眼前で震える亀頭に千冬の唇が触れる。ふにふにと唇で亀頭の感触を確かめた後、ゆっくりとそれを口の中に呑み込んでいく。

「しっかりと俺の顔を見つめながら咥えろよ、教え子がどうなっても知らんぞ」

「んっ、ぐっ、ふっ、ふぅっ……!」

 ぐぷぷ、と亀頭が千冬の口内に収まったことで、男は千冬からの上目遣いを受けながら温かい感覚に身を震わせる。もっと奥まで押し込みたい。その欲求をどうにか押し止め、あくまで千冬自身の動きで奉仕をさせようと考えた。

 千冬の口内に、男の欲望の塊が姿を隠していく。今まで想像の中だけだった織斑千冬のフェラ顔が今、現実にある。夢ではなく、血管の浮かび上がった太い棒状の肉塊は千冬の口に含まれていった。

「もっと深く咥えろ」

「ぐぷっ、ぢゅぶっ、ぐぶぶっ」

「……もっと、もっとだ」

 男に催促され、千冬は鼻から深い息をつくと男の肉棒を根元まで咥え込んだ。男の下腹部に生え散らかった黒い茂みに千冬のひょっとこフェラ顔の口元が覆い隠される。

「はははっ、いい具合だな。ほら、このままでいるつもりか? 動いてみせろ」

 男が、映像の中にいる少女に指を差し向ける。たったそれだけのことで、千冬は口を動かし始めた。

「ぢゅぶっ、ぐじゅっ、ぐぶっ、ぐぽっ、ぬちゅっ、ぐぶっ」

 前後に顔を動かして、男の肉棒を奉仕する。肉の表面を千冬の粘膜や舌が擦れると男は呻く。落ち着かなく動いてしまう男の両手は、行き場を求めた末に千冬の頭に乗せられた。さらさらとした黒髪を撫で、愛する妻からの熱心な奉仕に身を委ねる。

 戦乙女にチンポを咥えさせている。非日常のようでいて確かな現実に、達成感のようなものを感じていた。

「もっと激しくしろ。教え子の運命は、お前の手に掛かっているんだぞ?」

「ぢゅぶぶぶっ、ぐぢゅぶっ、ぐぶぷっ、ぢゅぅぅうぅっ、ぢゅっぶ、ぢゅぶ」

 千冬の睨み付けご奉仕フェラによる前後運動が速度を増す。これまでに大勢の女から様々なシチュエーションでフェラチオを受けてきた男だったが、ここまで敏感に快楽を味わうことのできたフェラはいつ以来だろうか。

 これは、素晴らしい。百戦錬磨と言える技量を持つ男であっても、千冬のフェラによって限界点を感じ取ってしまった。

 揺れる大きな睾丸から、こみ上げてくる精液。生じた欲望には決して逆らうことはせず、男は従った。

「そろそろ出るぞ、織斑先生。全部呑み切らずに、口の中にたっぷりと溜めろよ。一滴でも零したら、鷹月静寐ちゃんはあっという間に亡国機業の一員だ。ついでに、調整後のどすけべ悪堕ちダンスでも踊ってもらうとしようか」

 千冬の顔が一瞬強張った。そのときを狙って、男は欲望を解放した。

 ごびゅびゅびゅっ、ぶびゅるるっ、どびゅるっ、びゅぶっ、びゅるーっ、どぴゅっ!

「んー……!? ん、ぐっ、んっ、く……!」

「あー、すごいな、これは……。頭が、おかしくなりそうだ……!」

 極上のメスの口内に大量の子種汁噴射。喉奥から直接に胃へと流れたものもあるが、残りの精液はすべて千冬の口内に預かってもらっている。

「うっ、っ、ふぅ……」

 穢しがたいものを穢す感覚に胸の鼓動が止まらず、男は「くくくっ……」と静かに笑いながらびゅくびゅくと射精を繰り返した。

 そして、数十秒後。一度目の精を解き放って小さくなった肉棒は、千冬の口内にある精液風呂にちゃぷちゃぷと浸かって気持ちよさそうに震えていた。まるで、一仕事を終えて湯に満ちた浴槽で体を伸ばしているかのような状態だ。

「よし、チンポを離しながら口を開け」

「んっ……ぁ……ぢゅるっ、ぢゅるるるっ、ぷちゅっ」

 男の声に反応し、千冬が口を開く。案の定そこは、男の子種汁が溜まった肉の浴槽だった。解放した肉棒から粘着質な精液が滴り、その下にある千冬の口内にぼとっ、ぼとっ、と定期的に落ちていく。

「よし、そのまま舌で俺の精液プールを100周泳げ」

 相変わらずの敵意と嫌悪を浮かべたまま、千冬の舌が精液の海を泳ぎ回る。男の強烈な性臭を口の中から放つ美女。千冬という存在の一部を堕とした気分に浸ることができて、男は喜びを感じていた。

「いいぞ、口を開けたままゆっくりと呑み込んでいけ」

 舌による精液プール100周を終えた千冬は、口を開きながら精液を飲み始めた。

 ゆっくりと嵩が減っていくのを見ながら、男はごくりと息を呑む。この女を完全に堕としたとき、俺はいったいどれほどの満足感を得られるのだろうか。今まで想像のつかなかった場面を前にして、男は武者震いを引き起こしていた。



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織斑千冬(後編)

 調教部屋。亡国機業にある、他とは一線を画す場所。内装は他の部屋と同様に灰色の壁に囲まれた空間だが、そこには異様な物体が存在感を示している。IS『フォールン』。紫色の蛸の形をした巨大なそれは、織斑(おりむら)千冬(ちふゆ)の背中に張り付いていた。

 長い黒髪をポニーテールにして束ね、乳首と陰部にハート型の穴が開いた漆黒のボディスーツを身に纏っている。豊かな丸みを帯びた乳房と細い腰、魅力的に膨らんだ尻の曲線は否応なく視線を引き付けられてしまう。

 千冬の全身を唾液で汚し、千冬のフェラチオで一発抜いた亡国機業総帥の男。

 男はいよいよ、千冬と結合しようと考えていた。

「夫婦の契りを交わそうか、千冬」

 男はフォールンに指示を出した。すると、フォールンは蛸の手足に似た触手を動かし、絡め取っていた千冬の両手足を操って体勢を無理矢理変えさせた。床から浮く形で、千冬は仰向けに体を大の字にさせられる。

 大胆に開かれた股の間に、衣服を全て脱ぎ捨てた男の体が入る。

 男の股間から伸びる禍々しく巨大な肉棹が、千冬の陰部へと突き付けられていた。

「俺の夢が今、叶う」

 男の両手が千冬の腰を掴み、男が千冬へと身を寄せる。

「この状況を想像して何度オナったかわからん」

 血管の浮かぶ肉棹の先端、丸々と膨らんだ亀頭が陰裂を掻き分けた。

「長かったぞ。ようやく、お前を手に入れられる」

 既に男の唾液で汚されていた膣口が、亀頭と触れてくちゅっと音を立てた。

「さぁ、千冬。宣言しろ。『私、織斑千冬は、亡国機業総帥の妻となることを誓う』と」

「っ……!」

 千冬の表情が歪み、怜悧な表情にこれまでにない屈辱の色が浮かんでいた。

 その千冬の視線が、横に向けられる。

 男と千冬の横にある壁に映し出された、大画面の映像。別室にある機械的な十字架に磔にされた全裸の少女、鷹月(たかつき)静寐(しずね)。今はぐったりとしていて意識はない教え子を人質に取られた千冬は、男に抗う術を持たないだろう。

「言え、言ってしまえ。ほら、どうした?」

 男が千冬の陰部に亀頭を擦り付けながら催促すると、千冬の唇がゆっくりと開いた。

「……私、織斑千冬は、亡国機業総帥の妻となることを誓う」

 千冬の凜とした声音で紡がれたその言葉。

 それを聞いた瞬間、男は幸福感を味わった。あぁ、何て素晴らしい。今日は最高の日だ。

 男の腰が前に突き出される。膣口に噛み合っていた肉棒が前へと進み、肉を掻き分けて中にめり込んでいく。狭い穴の洗礼を受けてなお、ぐぐぐっ、と亀頭は中へ中へと進んでいく。

 いいぞ、もっとだ。少しずつ、俺の物で侵食してやる。

 千冬の膣内と触れ合う箇所が多くなるに連れて、男は千冬の熱を股間に感じていく。

 もっと深く味わいたい、という男の想いを妨げる障害が現れた。千冬の膣内を守る処女膜。戦乙女の純潔だ。亀頭の進行を止めたその存在に気がつき、男は興奮を覚えて肉棒をさらに膨らませた。

「処女膜バリアの耐久度はどの程度かな?」

 男は軽く腰を引いた後、再び前に突き出した。それを何度か繰り返して、処女膜に嬲るような亀頭の突きを繰り返す。千冬の耐えるかのように歯を食いしばるその顔によって、男はさらに興奮して勢いよく腰を振る。

「裂けろ、裂けろ。これでどうだ? ん? こうかな? いや、まだ駄目か」

 裂こうと思えば容易く裂けるはずの処女膜を、裂けない程度に苛め抜く。

 男の口から興奮による涎が零れ落ち、千冬の腹に落ちた。ボディスーツの質感を滑る己の唾液を見て、また少し千冬を汚した気分を味わうことができた。もっと汚したい。そう思ったときには、男の欲望を乗せた突きが処女膜に放たれた。

 ブツッ……。ブチィッ……!

 肉棒は千冬の処女を散らした勢いで深部へと進み、子宮口に届いた。

「開通おめでとう。俺のチンポ専用の肉穴の誕生だ」

 男の言葉に千冬は自分の結合部に視線を向けていた。肉棒を根元まで咥え込み、処女を失った血をぽたぽたと床に垂らす自分を見て何を思っているのか。

 ギチギチッという強い締め付けを肉棒全体で感じ、千冬との念願の結合を果たした男。体の脳内では快楽物質が異常生成され、男のドス欲望を一時的に鎮めた。だが、それは本当に一瞬だった。

 男の欲望が増幅する。性器同士で繋がった千冬を、完全に自分の物にしたい。

「動くぞ、俺の千冬」

「……済ませるのならば、早く済ませろ」

 千冬は淡々と言った。自分の処女を奪った男と、少しでも早く離れたいのだろう。千冬からの催促に男は驚きつつ、「それじゃあ、お言葉に甘えて」と言って腰を動かすことにした。

 ずぷっ、ぬぷっと千冬の膣壁が前後する男の肉棒と絡み合う。膣内は肉棒の形に馴染み、膣壁のひだが男の臭いを覚えていく。千冬の膣内は確実に、男の所有物に成り下がっていく。この事実はもう変えられない。

「これだ、これが織斑千冬のマンコ。くくくっ……!」

 千冬の腰を掴んで股間を押し付けるように腰を突きだし、そして引く。それを何度も繰り返し、千冬の膣内を極太の肉棒が出入りした。その様を見ているだけで、油断していると絶頂してしまいそうだった。

「俺だけの物だ。千冬。誰にも渡さない」

 男は千冬の腰から胸へと手を伸ばし、乳房を強く握った。

「……そう思うのなら、もっと優しくしろ」

「口数が増えたな。どういった心境の変化だ?」

「……どうせ逃げられないのだろう。それならば、お前と交渉がしたい」

「この状況で交渉か」

 交渉とは同程度の立場にいる人間同士で行われる行為。それを、捕まっている者が捕まえた者にするという。そのおかしさに男は一笑に伏したい気持ちだった。だが、あの織斑千冬のことだ。その点も理解した上で、あえて交渉という形を取ったのだろう。

「面白いな。いいぞ、言ってみろ」

 男は千冬の提案に乗ってみることにした。腰を動かしながら、愛する者の言葉に耳を傾ける。

「私以外に捕らえたIS学園の関係者を、全員解放してくれ」

「……は?」

 何を言うかと思えば、無茶苦茶な要求が飛び出してきた。

「錯乱でもしたか。そんな要求を呑むわけが――」

「……解放してくれれば、私の全てをかけてお前を愛してやる」

 敵意を消し、千冬は男へと真面目な顔で言った。嘘を言っている訳でも、ふざけている訳でもなさそうだ。本気でその要求と対価が釣り合うと考えているらしい。

「偽りではなく、本当の愛だ。お前が私を求めるのならば、それに応じて私もお前を愛す」

「……何だと?」

 確かに、釣り合っていた。男の中では、千冬という存在は非常に大きい。千冬の脳を弄って意のままに従えてしまわないのも、それが理由だ。千冬には本当の意味で、自分の妻となってもらいたかった。

 千冬には、これまでのやり取りで男が千冬を渇望していることが看破されていたようだ。

 だからこそ、自分を生贄にIS学園関係者を解放しろと迫ってきたのだろう。

「本当の愛、か。いったいどうするつもりだ?」

「お前の妻として、お前が求めるプレイをしてやる。何人だって子供を産んでやる。お前の傍にいて、お前だけを思って生涯を捧げてやる。それで不満なら、何でも言え。全て私が引き受ける。だから、皆を自由にしてやってくれ。断るのならば、私は一生お前を愛することはしない。口も閉ざす。人形と愛を育む気があれば、断るといい」

 男は、悩んだ。普通ならば、この提案を呑むことはないだろう。時間を掛ければいずれ、全ての女が男に屈服する。千冬も例外ではないだろう。その千冬の心を手に入れる時期が早まるだけのことだ。

 だが、人は目先の欲に気を取られる生物だ。千冬という妻を短時間で確実に手に入れられる。その代わりに、他の女達を解放する必要がある。

 男の心は揺れ動いたが、結論はすぐに出た。

「駄目だな」

「そうか、残念だ……」

 千冬は残念そうに言って目を閉じる。もう、何も言うことはないといった様子だ。

 男が肉棒で膣内を掻き回しても、千冬の表情に変化は生じなかった。既に心を閉ざしたようだ。こうなってしまえば、たとえ教え子を人質に取ろうと意味はないだろう。男が最初から人質の身の安全を保障することがないことはもう、千冬にも見透かされてしまったようだ。

 しかし、千冬が男の考えを見透かしたように、男も千冬の行動は読めていた。

 心を閉ざすのならば、閉ざすことができないように心を刺激してやればいい。

「『フォールン』、千冬の感覚遮断制御を解除しろ」

『かしこまりました。……解除、完了しました』

 フォールンの機械的な音声が響くと同時に、男は肉棒を引き抜いてから一気に膣内に押し込んだ。

「あっ――がっ!?」

 膣口付近から子宮口まで一瞬で蹂躙された千冬は、背を仰け反らせて目を見開いた。

 男の巨根によるものとはいえ、ただの突き。感情を押し殺すことに決めた千冬が一瞬で覚醒を余儀なくされ、表情を強張らせて男を見ている。唇は開き、目は蕩けていた。敵対を貫き通した女が浮かべる表情ではないだろう。

「どうした? 声を上げて。黙るのではなかったのか?」

「何だ……。私の体に何を、した……」

「快楽の度合いを、常人の数十倍に設定した。ただそれだけだ」

「何だとっ……!?」

「今のお前は、軽く子宮を小突いただけで凄まじい快楽が襲うだろう」

「馬鹿な……! 今まで、普通の感覚だったはずだ! それを一瞬で――」

 千冬は自分で言いながら、何かに気づいたように上を見た。

 IS『フォールン』。亡国機業で作られたそれは、取り付いた人間の感覚を一時的に操作する力を持つ。その力によって、千冬の快楽を遮断して通常時と同じ状態にしていたのだ。

 だが、フォールンが行ったのはあくまで感覚の遮断だけだ。

 そう、フォールンは千冬の感覚を一部遮断していただけ。

 つまりは、千冬が感じた快楽は千冬の体によるものだった。事前に調整カプセルで時間をかけてゆっくりと千冬の頭を弄り、快楽に関する感覚だけを増幅させた。今の千冬は痛みすらも快楽に変換される体となっている。

 織斑マドカも自身の感度を調整で上げていたが、それとは比べ物にならない設定値だ。

「さて、お楽しみタイムだ」

 男は舌なめずりをし、千冬の体に覆い被さって腰を激しく揺さぶり始めた。

「はっ、あっ、や、やめ、くぅぅうっ!?」

 肉棒が千冬の膣内を擦り上げる度に、千冬は全身を震わせた。表情には先ほどまでの強気な感情は見当たらない。雄チンポに蹂躙されるただの牝。たとえ織斑千冬であろうと、頭を弄られてはどうにもならないようだ。

 完全に男の土俵での勝負。後は、千冬が快楽に屈するまでの耐久セックスだ。

 パンパンパンッ……! 激しい音と、千冬の悲鳴が響く。

「あぐっ、あっ、あぁあっ、ひっ!」

「いい声で鳴くなぁ。もっと聞かせてくれよ、ブリュンヒルデ」

 フォールンに命じて千冬の体を床に下させた男は、夫として魅力的なボディスーツを纏う妻を抱いて性器を嵌め合わせる。男が得意とする種付けプレスの体勢。尻を上下に揺らす度に太い肉棒が千冬の狭い膣口を押し開き、中に埋没していく。

 超高速の腰振り運動。常人ですら狂ってしまうような連続突きを、常人の数十倍の快楽を味わわされている千冬に徹底的に打ち込んだ。子宮と亀頭はもう何度もディープキスを行った密な関係だ。

 そろそろもう一歩、大人な関係に移行するべき頃合いだろう。

「欲しいだろ、夫の子種を」

 男が千冬の耳に息を吹きかけるだけで、千冬は敏感に反応を示した。

「誰が、貴様のなど、ひぅっ!? ほ、欲するもの、あぁああっ!?」

「ん? どうした? 欲しい? そうか、そうか」

 それならくれてやるよ。ニタニタと男は笑い、腰の動きを加速させた。

 パンパンパンッ!

「堕ちろ」

「くっ!? んっ、ぐっ!」

 パンパンパンパンパンッ!

「ほら、堕ちろ。堕ちてしまえ」

「堕ちない……! お前のような男に、私はぁっ……!」

 射精欲求がこみ上げる。肉棒が膨らみ、準備に入る。千冬を孕ませる準備だ。

「長かった……」

 亀頭からカウパ―液が大量分泌され、膣内がとろとろになっていく。

「これで、詰みだ」

 潤滑油を得て、滑りが良くなった膣内を肉棒が楽しげに掻き回していく。

 射精前だというのに、気が狂うような快感。それは、男の忍耐を凌駕した。

「ぅっ、ぉぉっ、くる、くるぞぉ!」

 男は大声を上げ、千冬を見た。いつでも勇敢で、凛々しい千冬は今、男の下にいる。

 人間としては、これが正しい在り方。男という生物の下に、女は屈服する。

 男尊女卑。その考えを女性優遇の世界でありながら心に抱きつつける男は、今までの人生で感じた鬱憤を千冬に叩きつけようと悪の種を解き放った。

「孕めッ、千冬!!」

 ごびゅるるるるっ、ぶびゅるるっ、ぶびゅーっ、びゅぶーっ、びゅーっ、びゅーっ!

 ダムが決壊し、子種汁が千冬の子宮に押し寄せる。

「あぁああああっ!?」

 熱い欲望を子宮に浴びた千冬は盛大に仰け反り、体を痙攣させた。表情は圧倒的な力を前にする少女のように弱々しくありながら、娼婦のように淫靡だった。

 男は、そんな千冬の胸に顔を埋めた。獣のような呼吸音を響かせ、胸に甘えながら子種を自身の体内から肉棒を通じて千冬に譲渡し続ける。ぷりっぷりの新鮮濃厚子種ザーメンミルク。千冬の子宮を隅々まで満たしてなお、追加を提供し続ける。

「おぉっ、搾り取られるッ! ははっ、これは最高の肉穴だ! ほら、もっと味わえ!」

 男はニヤついた笑みを抑えられず、全身を震わせて種付けし続けた。

 あまりの量に、結合部から精液が溢れ出た。千冬の尻を伝って白濁の筋を作り、床を汚す。千冬の下に、白濁の絨毯が広がっていく。

 ぶびゅーっ、びゅびゅびゅっ、びゅーっ、どびゅっ、ぶぶぶっ、びゅくっ!

 まだまだ出てくる。千冬の子宮と膣内はむせ返るようなザーメン臭で満ちていた。

 誰がどう見ても、これで織斑千冬は男の所有物だ。パンパンッ、と残りの精液を注ぎ込もうと腰を動かし、その反動で精液がさらに膣外に垂れ流れた。それに構わず、出来立ての精液を子宮内に押し込み、子宮口に亀頭をぐりぐりと押し付ける。

 しばらく経っても、男は種付けプレスの体勢のまま千冬と繋がっていた。

 千冬の意識はあるが、尋常ではない快楽に晒されて白目を剥いていた。

「くくっ、はははっ、これで、一回目だ……!」

 千冬は沈黙寸前だが、男の欲望はまだ尽きない。たちまち元の大きさに戻った男の肉棒が、膣内で暴れ回る。その動きで千冬はまた快楽の暴力に全身を嬲られ、涙を流しながら男を見た。

「ひっ、うっ……!? 何なんだ、お前は……!?」

 異形の存在を見るような視線が、千冬から向けられる。

 だが、男は答えなかった。答えずとも、千冬は知っているはずだ。既に自己紹介をした通り、男は亡国機業の総帥。そして、千冬の夫だ。千冬だけではない。男の目に留まった美しい女達全ての夫であり、主だ。

「くくくくっ……!」

 男は千冬の乳首を甘噛みしながら、笑った。

 たった一度の射精ですさまじい充足感。これを何度も味わうことのできる幸福。

 果たして、何発出すことができるのだろうか。男は経験したことのない限界に挑戦しようと、本腰を入れて千冬を犯しにかかった。

 精液で敷き詰められた膣内を肉棒で掻き回す。腰遣いはリズミカルだ。1発目の膣内射精で多少理性が戻り、膣内を味わう。何度腰を振っても飽きない、魔性の肉壺だった。たちまち男は絶頂に立たされ、新しい精液を注ぎ込む。

「はっ……あっ……!」

 湿った声で胸を上下させる千冬に、男は抱き着きながら身震いする。

 どびゅるるっ、ごびゅっ、ぶびゅっ、びゅるっ、ごぼぼっ、びゅく、どくっ!

「ふーっ……」

 肉棒を強く抱きしめる戦乙女マンコに子種を吐き出し、息を吐く。

 2発目の射精。しかし、まだまだ欲望は男の中にある。

 もっといろいろな角度で千冬を楽しもう、と男は千冬の顔を床に押し付けてバックで犯し始めた。綺麗な楕円形の尻に股間を押し付け、柔らかい弾力を感じ取る。強い女を暴力的に従える行為は堪らず、数十回の抽送の後に吐精した。

 どびゅーっ、ぶびゅーっ、びゅーっ、びゅる、どくどくどくっ……!

「おっ、うっ……」

 千冬の背中に抱き着き、うなじに顔を埋めて種を植え付けていく。

 それが終われば、千冬を四つん這いにさせてポニーテールを引っ張りながら織斑千冬の体をオナホールのように扱いながら肉棒を膣内で扱かせる。男の腰はどっしりと構え、動かない。

「おらっ、動けっ!」

「ひっ……ぁ、あああ、ああああっ!」

 千冬の動きが鈍ければ、尻を引っぱたいて活性化させる。まるで馬のようだ。ポニーテールという手綱を握って、適度に鞭を入れる。それだけで千冬はビクビクッと体を震わせ、切なげな表情をしていた。

 もはや、ブリュンヒルデとしての威厳に満ちた面影はない。

 男が床に仰向けになって、千冬がその股間に跨っていた。千冬の首には首輪が嵌められており、そのから伸びる鎖は男の手のうちだ。千冬が上下に体を動かすと、鎖がジャラジャラと音を立てて揺れる。

「自分で動いても気持ちいいだろ。ほらどうした、聞こえてるのか?」

 茫然とした顔の千冬が、男の命ずるままに体を動かしている。意識ははっきりとしていないが、体が快楽を求めているようだ。男が盛大に射精をすると、それを敏感に感じ取った千冬が豊かな胸を張って仰け反った。

「か、ひっ、ふっ、ぅ……」

 表情は、すっかり蕩けていた。しかし、時折理性を取り戻しては苦しげに呻いている。

 理性と快楽の狭間に、千冬は立たされているようだ。

 このまま続ければ、千冬を堕とせる。確信した男は、攻めに転じた。

「ごくっ、ごぼっ、ごくっ、んぐっ!? んぐっ、んごぉっ!? ごく、ごくっ」

 千冬は、フォールンによって再び体を拘束されていた。しかし、先ほどとは少し状態は異なる。千冬の体を大の字にさせながら、口や乳首、脇、尻などにフォールンの触手が伸びていた。その触手は小刻みに振動しながら敏感な場所を攻め立て、白濁の液を先端から噴き出して千冬に呑ませていく。

 男が事前に溜めておいた男の精液だ。フォールンのタンクを思わせる頭は男の精液がみっちりと詰まっており、それは千冬一人に分け与えられていく。そのかいもあってか、千冬の全身から男の精液臭がぷんぷんと漂っていた。

 膣内は膣内で、男の肉棒が占有していた。もはや千冬の感じやすい場所は十分に把握し、千冬を弄ぶように亀頭で膣内を苛め抜いていた。肉棒が膣内から姿を現わすと、決まって中に溜まった精液がごぼぼっと床に垂れ落ちた。

 もうどれだけ射精しただろうか。回数を覚えていない。

「ふっ、ぅっ、ぁっ、ああぁっ……!」

 苦しむような声が千冬の口から漏れる。千冬の目は虚ろだった。異常な快楽が生じる体で長時間男に嬲られ、水も食料も与えられていない。精神的にも体力的にも、もう限界に近いのだろう。

 一方、男は相変わらずの人外だった。

 千冬の体を使って、何度も熱々の子供の素を千冬の赤子部屋に入れ、肉棒で膣内をよく掻き回した。子宮口を亀頭で蓋をし、じっくりと寝かせる。そうしながら千冬の顔に跨って肉棒を押し込み、窒息させるギリギリまで口マンコを堪能してから盛大に喉奥で射精した。男の肉棒を噛むような余力もないらしく、千冬はされるがままだった。

 しっかりと精液を飲ませた後、汚れた肉棒を千冬の髪で拭った。

「……随分と遊んだな」

 一区切りつけよう。男が立ち上がると、文字通り精液に塗れたボディスーツ姿の千冬が地面に寝転がっていた。目は開いていて、瞳には男の姿を捉えている。まだ意識を保っているのを見ると、千冬の精神力も常軌を逸したものだとわかる。

「さすがだな。まだ意識があるとは」

 男は千冬を称賛する。それでこそ、我が妻だと満悦していた。

 男は、一旦放置しようと千冬をおいて扉へと歩き出した。それを見ていた千冬が、ほっと安堵する素振りが見て取れた。

 だが、今の千冬に平穏は訪れない。男が部屋からいなくなるだけで、攻めは終わらない。

「むぐっ……!?」

 男が部屋を出る瞬間に指を鳴らすと、フォールンが千冬に襲い掛かった。口に触手を突っ込み、残りの触手で全身に絡みつく。今度は、今までの拘束とはレベルが違った。柔軟な体で千冬を丸のみし、覆い隠していく。

 フォールンに包み込まれた千冬は体を暴れさせるが、意味はない。

 触手が乳首を擦り、尻穴を蹂躙し、膣内を満たす。タンクを通じて先端から男の精液が定期的に注がれる。そんな状況下で、フォールンの能力が発揮された。

 感覚を操る力。耳の穴に侵入させた触手から千冬の脳へと干渉し、千冬に幻覚を見せつける。効果はてきめんで、千冬の顔が恐怖に歪んだ。逃れられない手狭な空間で、無数の男に犯される。そんな悪夢を見ていることだろう。数日間にわたって幻覚を見せつけることはできないが、1日程度ならば持続可能だ。

「んぐっ……!? んーっ!? んっ、ん、ふっ……!?」

 悪夢に翻弄される千冬。通常時の千冬ならば容易に跳ねのけられる悪夢だろうが、体力を大幅に削られた千冬には無理だろう。フォールンの生肉のような体に丸のみにされたまま、心と体を凌辱される。

 フォールンから足先だけを出して痙攣する肉袋の中の千冬。その姿を見届けた男は、部屋を後にした。適当に放置した後、またこの部屋に戻ってくる。それまでの間、千冬がどう変わるのかが楽しみだった。



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篠ノ之束

 亡国機業の総帥である男に不可能はない。男を敵性と見なして拒絶する女がいようとも、最終的には男に屈服して身も心も亡国機業に捧げることになる。そして、子宮でゴクゴクと男の種を飲み干す未来に行き着くのだ。

「あぁ、お父様の優秀遺伝子が私の中に……」

 長い銀髪と白皙(はくせき)の小柄な体。クロエ・クロニクルもその一人だ。

 男の自室にあるキングサイズのベッド。そこで裸の男が仰向けになり、その股間にクロエが跨っている。数十分前までは処女だった膣は男の肉棒を根元まで咥え、子宮に精液シャワーをびゅるびゅると浴び続けていた。

「味見のつもりが、随分と楽しんでしまったな」

 男はクロエと恋人繋ぎにした両手を動かし、すべすべとした手の感触を楽しむ。

「ふふ、ありがとうございました」

 クロエは目を瞑ったまま微笑み、男に口づけをした。

 この光景は、クロエを亡国機業で捕らえた当初は考えられなかった。男の肉棒を眼前に突き付けても舐めることはせず、そっぽを向いていたクロエ。しかし、今では男の子供を産む立派な母体の一つだ。

 それもこれも、全ては調整用カプセルによる認識操作の賜物だ。クロエには男以外の人間に対して恐怖心を植え付け、男を義理の父親と思わせて依存させた。その上で、父親には性的な奉仕で感謝を伝える必要があるという誤った知識を学習させ、可愛い義娘との擬似的セックスを楽しむに至った。

「お父様。本日もお疲れ様でした」

「あぁ。だが、今日は最後にやるべきことを残していてな」

「やるべきこと、ですか?」

篠ノ之(しののの)(たばね)とのセックスだ」

 男が言うと、クロエは強張った表情で体を震わせた。

「どうした、束が怖いか? 元主だろう」

「はい。ですが、お父様以外はもう、誰も信じられません」

 クロエが体を倒し、慎ましい胸を男に押し付けて抱き着いた。

「お父様。私を、私を見捨てないでください」

「大丈夫。俺が傍にいてやる。だから、クロエも俺が求めたらすぐに親孝行するんだぞ?」

「はい。ロリっ子マンコでゴシゴシとお父様の最強チンポを扱いて、いつでも気持ちよく種付けしていただけるように準備いたします。それが、義理の娘である私が生まれてきた意味ですから」

 クロエの言葉に男はニヤリと笑い、精液袋となったクロエの子宮口に亀頭を押し付けた。

 しばらくクロエの膣で肉棒を癒していたとき、連絡用端末を通じて報告が入った。

『篠ノ之束の調整が完了いたしました』

「ご苦労。今すぐそちらに向かう」

 疲れてベッドで眠ってしまったクロエの膣内に肉棒を押し込んでいた男は、肉棒を引き抜いてベッドから立ち上がった。クロエの唇で肉棒の精液を拭い、クロエの体にシーツを掛けた。

 通話を終え、端末をベッドに放ると男は衣服を着て部屋を出た。

 厳重なセキュリティの扉を何度も潜り抜け、歩くこと数分。

「総帥、お疲れ様です!」

「ご苦労さん」

 一際強固な扉の前で警備をする4名の構成員に挨拶をし、セキュリティを解除していく。

 この部屋を使うのはこれで最後になるかもしれない。篠ノ之束という世界中で最も厄介な存在を閉じ込め、調整は既に完了した。あとは束を堕としてしまえば、この世界で脅威となる人物はいなくなる。

『セキュリティ解除。扉が開きます。ご注意ください』

 最後のセキュリティを外し、扉がけたたましい音を立てて左右に開き始める。

 すると、正面に見える部屋の奥に、縦向きに据え置かれた調整用カプセルが見えた。そこに収められた女こそ、篠ノ之束だ。長い髪を緑色の液体に浮かせ、胸元に大きくも綺麗な膨らみを抱く美女。意識が朦朧としているのか、酸素供給用マスクをつけた顔にはいつもその人物が浮かべる余裕の笑みはない。

 虚ろな双眸が、カプセル越しに男を見ていた。

 男が部屋の中に入ると、2名の構成員が銃を構えて男についてきた。調整が終わったとはいえ、万が一のこともある。織斑千冬以上に謎に包まれた篠ノ之束に対して微塵の油断もせず、警戒しながらカプセルへと近づいた。

「……カプセルから出してやれ」

『かしこまりました』

 男は部屋の隅にある監視カメラに向かって指示を出すと、カプセルに異変が起こった。

 カシュ、カシュと空気が抜けるような音が鳴り、カプセルの前面を覆っていた強化ガラスが横にスライドし始めた。中に満たされていた液体が一気に溢れ出て、床にある排水用の隙間へと流れ落ちていった。

 開いた強化ガラスがカプセルへと収納されたことで液体は全て排出され、ずぶ濡れになってカプセル内に固定された束が残った。水も滴るいい女だ。柔らかそうな胸と尻。腰はきゅっと閉まっていて、今すぐにでも触りたい魅力的な女体だった。

「拘束も解除しろ」

『かしこまりました。どうか、お気をつけて』

 続けて、束の手足や胴体を拘束していた鉄枷やマスクなどが外れていく。

 拘束を失った束の体が、床へと倒れてカプセルから出る。どうやら、調整による脳に掛かった負担でまだ自由に体が動かせないようだ。男は、背後の構成員が緊張した面持ちで銃を構え直すのを手を挙げて制した。そして、うつ伏せに倒れたままどうにか立ち上がろうとする束の下へと歩み寄り、

「よっこいしょっと」

「うぐっ……!?」

 全体重をかけて束の背中に圧し掛かる。すると、束は苦しげな声を上げて男へと顔を向けた。

「一時的に共闘してあげたのに、束さんに対してこの仕打ちはなに? 殺しちゃうよ?」

 束は目を細め、鋭い眼光で男を睨み付ける。この顔を見ると、妹の篠ノ之箒とはやはり姉妹の関係なのだなと納得してしまう。男が愛した箒と似て、姉も極上の女だ。

「表向きは共闘だったが、殆どそちら側の自由行動じゃないか」

 亡国機業は、篠ノ之束とその連れ人であるクロエ・クロニクルと手を組んだことがあった。その理由は、束が織斑マドカのことを気に入ったからというものだった。しかし、男が言ったように、篠ノ之束は独断専行ばかりで、連携して行動したのはほんの数回だ。これでは、とても共闘とは言えない。

 男は手を伸ばし、床に押し付けられてはみ出た乳房の横乳を指で触れた。

「触らないでくれるかな?」

「こんなエロい体をしておいて、触るなは酷いな」

 男は束の言う通りにはせず、横乳を指で突くばかりか、床の胸の間に手を差し込んで両手で揉み始めた。

「これが篠ノ之束の胸か。今日からこれも、俺の物だ」

「絶対に許さない。後で潰す、絶対に潰す」

「ははは、口だけは威勢がいいな。……ところで、束。一つ聞きたいことがあるんだが」

 男は束の耳へと口を近づけ、続けた。

「ISという言葉の意味は、知っているか?」

「は?」

 男が脈絡もなく尋ねた質問に、束は呆気に取られていた。それもそのはず。ISを生み出した張本人である束に、ISの意味を知っているかと尋ねたのだ。わざわざ聞かなくとも知っているのは考えるまでもなく、さしもの天才科学者である束も男の真意を読み取れなかったのだろう。

「……何を言っているのかな。そんなの聞かなくても――」

 束がそう言いながら、ISについて思考したのだろう。その瞬間、束の表情が動揺で満たされ、目が大きく見開かれる。その動揺は緩やかに変わり、絶望の色へと転じた。

「あ、ああ、あ……」

 束の声が、震えた。信じがたいことが起こったかのように、頭を抱えていた。

「……な、なんでっ。わ、私の知識が、ない……。私の、私のっ……!!」

 束は頭を掴み、掻き毟る。それを止めようと手を伸ばした男だったが、束が横薙ぎに放った拳を避けたことで男の動きが一瞬止まる。その隙を突かれてしまい、束は腰を浮かせて男の体ごと持ち上げた。尋常ではない力。先ほどまで調整後の疲労で立てもしなかったはずの体に、力が戻っていた。

「おっと……」

 体勢を崩した男は慌てて足をついたが、立ち上がった束に足払いをかけられる。

「おぉっ……」

 男がそんな呑気な声を出しながら、束に首を掴まれて床に叩きつけられる。後頭部が床に当たり、痛みが生じる。

 攻守が逆転した。だが、男は仰向けになって首を掴まれた体勢で、余裕を保ち続けて束を見上げていた。

「そ、総帥っ!?」

 状況の変化に対応できなかった構成員が、遅れて声を上げて束に銃口を向けた。

 それを、ギラリと束の視線が射貫いた。

「ひっ」

 束に睨まれた構成員が射竦み、ぶれた照準で束を捉えた。これでは、束ではなく男に誤って当たってしまいそうだ。男もそれを理解し、構成員に対して手で払いのける仕草を取った。

「あぁ、もういいよ。下がっていろ」

「し、しかし」

「俺は大丈夫だ。銃を奪われて束に攻撃手段を与える前に、この部屋を閉め切れ。命令だ」

「……はっ!」

 命令と言われ、構成員の様子が一変する。総帥の身を案じる少女の顔から、命令を忠実に実行に移す兵士の顔に変わる。監視カメラ越しにこの部屋をモニタリングしている構成員も同じなのだろう。構成員2名が部屋を出ると、扉が閉じ始めた。

「くっ……」

 その状況で束は即座に行動に出た。男から手を離すと扉へと一直線に駆け出した。扉を出て、構成員達の攻撃も全て避け切って、銃を奪って逃走する自信があるのだろう。とにかくこの部屋から出ることだけを考えている様子だった。

 だが、足を男の手によって掴まれ、身動きが止まる。

「邪魔なんだけど」

 にこやかな笑顔で言った束は方向転換し、掴まれていない足で男の腕を蹴り上げようとした。

「そうはいくか」

 男は空いた手でその足を受け止め、両足を掴む。

 直後、風切り音が頭上から響いたかと思うと、束の肘が男の頭に突き刺さった。

「っぅっ……」

 凄まじい速度で振り下ろされた肘の一撃は男の脳を揺さ振った。強烈な痛みに男は顔を歪めるが、決して束の足を放さない。それが束には意外だったのか、歯噛みし、視線を扉へと向けた。

 ガシャン、と音を立てて扉が閉まる。それを見た束は、冷たい視線を男に注いだ。

「……なんのつもりなのかな? ねぇ!」

「ぐっ……!」

 束の手が男の頭を掴み、持ち上げてから床に叩きつける。その痛みで男の手が緩んだ隙を狙い、束が男の頭を手で押さえたまま両足で跳躍した。

 着地地点は男の背中。

「がっ……」

 両足で背を思い切り踏まれ、空気が肺から強制的に吐き出される。

「はい、詰み。これで終わりだよ」

 背中に跨られ、床に頭を押さえつけられた男。

 女の細腕のどこにこれほどの力があるのか。男の頭を万力のように締め上げる。この握力であれば、男の息の根など容易く止めることもできるだろう。その束に体の自由を奪われた現状は、まさしく絶体絶命だった。

「いや、参ったな。まさかあれだけ長時間の調整の後に、すぐに動けるようになるとは。首輪でもつけておけばよかった。さすがは俺の束だ」

「いつから君の物になったのかな? あんまりおかしなこと言っていると、本気で殺しちゃうよ?」

 束の手に怒りが籠り、ぐぐぐっと頭を締め上げる。

「それで、私が今まで蓄えてきたISの知識。どこにやったの? あったはずのものが『ない』っていうことだけが覚えている状態なんだけど、これも皆君の仕業だよね? どうしてこんなことするのかな。ねぇ、戻してよ。戻して。戻せ。早く」

 束は冷ややかな声音で男に告げる。そうとう頭に来ているようだ。

 それも仕方ないだろう。

 男は、調整によって束の知識を抜き取った。コピーではなく、完全に奪い取ってデータベースへ移動したのだ。ただこのとき、知識を奪っただけではなく、ISという知識があったという事実と、その知識が奪われたという事実を記憶として束の頭に残しておいた。

 何故そんなことをしたのか。奪っただけにしておけば束の暴走を抑えられたのかもしれない。だが、男は奪うだけに留めなかった。奪った事実を束本人に認識してもらい、どんな反応をするのを見たかった。ようは、これも娯楽の一環だ。

 その結果が、これだ。束を獰猛な獣へと目覚めさせてしまった。遊ぶ相手が悪かった。

「あぁ、これはもう無理そうだな」

「降参する?」

「あぁ、参ったよ。部下から聞いていたが、ここまで君が強いとは思わなかった」

「それじゃあ、教えてもらおうかな。私の知識は、どこ?」

「そうだな。教えてもいいが、その前に少し待ってほしい」

 男の言葉に、束は冷笑を顔に貼りつけた。

「時間稼ぎのつもり? 誰かの助けを待っているのかな? でも、今は君という人質もいるし、私は誰にも負けるつもりはないから意味ないと思うよ? 私に勝てるのは、ちーちゃんくらいなものだから」

 自信に満ち溢れた束の言葉。それは決して慢心ではなく、明確な実績で裏打ちされたものなのだろう。この部屋にISを複数投入したところで、どうにかしてしまえそうな未来を容易に想像できてしまうのが恐ろしい。

 誰かが言っていた。天災、篠ノ之束の前では、あらゆる常識が通用しない、と。

 だが、男はそうは思わなかった。束とて、人の子だ。付け入る隙はある。

 そして、その付け入る隙は有効な手段であることは既に実証済みだ。

 何故ならば、既にその方法で、一度は束を捕らえることに成功したのだから。

「そろそろかな」

 男がそう口にして、扉を見たときだった。

 閉ざされていた部屋の扉が、再び開き始めた。それを見て、束は呆れたような表情をしていた。誰が来ても結局は同じ。男の首を掴んで持ち上げ、人質兼肉壁にしようとしたときだった。

 開かれた扉の先にいる人物を見て、束はぽつりと呟きを漏らした。

「箒ちゃん……?」

 漆黒のISスーツを着た少女。スーツによってはっきりと浮かび上がった体は女性的な起伏に富んでいて、男好みの体をしていた。紫色のリボンによってポニーテールに結われた長い黒髪を揺らすその少女は、黒い装甲のISを体に纏っていた。

「助けに参りました、総帥」

 光の灯っていない瞳で、少女、篠ノ之箒は告げた。

「待っていたよ、俺の箒。さぁ、俺を助けてくれ」

「はい、総帥」

 淡々と、まるで機械のように返事をした箒は、部屋へと入って男と束に近づいた。

「これは、どういうこと……?」

 そんな箒を見て、束が今までにないほどの怒りを表情に浮かべた。

「どうもこうも。箒だよ。今は亡国機業の兵士モードだ。俺の命令ならば、どんなことでも実行する可愛い可愛い俺の下僕だ。おいで、箒。何も不安がることはない。君ならば、容易く標的を鎮圧できる」

 男の声に箒は頷き返し、ISの推進力で一瞬にして男の前に肉薄した。

 箒の手が、男の背後の束へと伸びる。束は動揺を顔に滲ませていた。

 束は、反撃の手を見せなかった。

 部下からの報告では、束にはISを無力化する術があるとのことだったが、今の束にはその方法は取れない。ISに関する知識がないからだ。いくら天才といえども、ISについて何も知らない赤子同然の束が、精密な機械をバラバラにできるはずはないだろう。

 驚愕の色に表情を染めた束を、箒が纏うISの手が襲い掛かった。

「あ、がっ……!?」

 実の姉の首を掴むと、近くの壁に激しい衝突音を立てて押さえつけた。足がつかない位置まで上に持ち上げる。

「っ、あっ、ほ、ほう、き、ちゃ……」

 束が首を掴まれて壁に貼りついたまま、足を動かす。両手でISの手を解こうとするが、意味はない。それは束本人はわかっているだろうが、苦しみから解放されようと体が勝手に動いてしまうのだろう。

 箒は無表情で束の首をぎりぎりと締め上げる。束は、弱々しい顔で箒を見つめていた。

 束の弱点。それは、家族だ。束がこうして亡国機業に捕らえられることになったのも、箒と2人の両親を人質に取ったからだった。人質を取っても、束を武装解除させて拘束し、亡国機業のアジト内部に連れて行くまでにかなり手間が掛かったが、無事に捕らえることに成功した。

 そして、束をカプセルに入れて調整を施した。束本人が生み出したISという存在を束への対抗策とするため、ISに関する知識を完全に抜き取った。束はどうやら常人とは脳の作りがまるで違うらしく、また情報量も多すぎたために多大な時間を要したが、それも問題なく成功した。

 ここまで、概ね男の筋書き通り。束の身体能力を見誤って捕まってしまったが、それももういいだろう。人間なのだから失敗はある。同じ人間である束にも付け入る隙があったのだから、欠点があるくらいがちょうどいいだろう。

 完璧な人間などはいない。だからこそ、人は他人を求める。男は、強く美しい女達を求めるのだ。

 男は、箒に首を締められたままの束へと歩み寄った。

「放していいぞ、箒」

「はい」

 男が言うと、箒は束の拘束を止めた。無造作に、束の体は床に倒れ込む。

「っぐ、げほっ、げほっ……」

 束が自分の首に触れ、止まっていた呼吸を再開する。

 そんな弱った束に対しても、男は容赦しない。前髪を掴んで引っ張り上げ、顔を無理矢理上に向かせる。すっかり余裕をなくした束の鋭い目が男に敵意を示し、悔しそうに歯を食いしばっていた。

「遊ぶ前に一つ言っておこう。君がこれ以上抵抗をすれば、別室にいる君の両親が死ぬことになるからな」

 束の唇が、一瞬だけ震えた。しかし、何事もなかったかのように口を噤む。

 両親は人質には成り得ない。そう、目で訴えかけてくる束だったが、男は知っている。束をアジトに連れてくる前、束を捕らえようと箒と両親を人質にしたと伝えた際に、注意して見ていなくては気がつかない一瞬の間に弱々しい感情を見せたことに。口では両親を軽んじていたようだが、本心はそうではないのだろう。

 束の弱みは掴んである。束はもう、ISへと抗う方法を持っていない。

 そうなれば、後は簡単だ。

「さてと、それでは交わろうか。箒、膝枕をしてくれ」

「はい」

 箒が下半身のISの展開を解き、正座をする。男は箒の太股に後頭部を乗せて寝転がる。柔らかい膝の感触に男は笑いを零し、続けて束へと指示を出す。

「束。まずは、お決まりのキスだ」

 男はそう言って、唇を突き出して見せた。

「……箒ちゃん」

 束はそんな男に嫌悪感を抱いたように顔を顰め、箒に視線を移す。箒は感情のない顔で束を見つめ、「早くしろ。総帥のご命令だ」と口にして漆黒に染まる刀剣を束の首筋に突き付けた。

 少し逡巡して見せた束だったが、抗うことのできない状況を自分に納得させたようだ。

 束は男の傍へと近づいて割座(わりざ)で腰を下ろし、上体を倒して男へと顔を近づけた。表情に敵意を浮かべたまま、怖々と男の唇に自分の唇を触れ合わせた。

「隅々まで触れ合わせろよ? あ、舌はちゃんと入れろよ。唾液を垂らしながらな」

 男の変態的な要求に束は眉をひそめ、言われた通り舌を男の唇の間に割り込ませた。中に入った舌は男の舌に当たり、控えめに擦り合わせていく。束の口から零れた唾液が舌を伝い、男の舌へと流れて男の口内に溜まっていった。

「ちゅっ、ぷちゅっ、ちゅぷ」

 子供がするような軽い口づけと、ささやかな舌の擦り付け。

 じれったさを覚えた男は、両手を伸ばして束の頭を抱きしめた。グイッと手前に引き寄せ、束の舌を押し退けて逆に束の口内へと分厚い舌を侵入させる。

「んっ!? ふぅっ……!」

「ぶぢゅるっ、ぐちゅっ、ぶぢゅぢゅっ、ぐちゅ、くちゅくちゅ、ぬちぃっ、ぢゅるる」

 子供のキスから大人のキスへ。熱と唾液の交換こそ、大人のキスの神髄だ。嫌がる束を無視して、思うままに束という美女を味わう。妹の膝枕を受けながら姉の口を犯す行為に男は興奮を覚えた。

 逃げようとする束の口内だけでなく、口元や顔面すらも男は舌で舐め上げた。

「ふぅ。天才の唾液を味わえるなんて、今日は良い日だな」

「……ゴミみたいな性格って言われない?」

「あぁ、言われるよ」

「このゴミ、生ゴミ……」

 恨みがましく男を見据え、ぶつぶつと呟く束。

「そんな不機嫌そうな態度じゃなくて、いつもの笑顔を浮かべてもいいんだぞ?」

「死ね。死んじゃえ」

「口が減らないな。だが、そんなお前も好きだよ」

「……は?」

 突然の告白に、束は気味悪がった様子で首を傾げた。その束に、男は引き続き愛を囁く。

「世間からどう思われているかは知らないが、俺はお前のことが好きだ。必ず俺の物にして、ウェディングドレスを着せたい。子供を産ませたい。俺の子供に授乳をする束の姿を見たい。絶対に見てやる。お前は俺の物だ。俺の傍で、幸せにしてやるよ」

「……あ、頭おかしいんじゃないの?」

 欲望を捲し立てる男に鬼気迫るものを感じたのか、束は引いていた。天才、もとい天災を引かせるほどの変態。それが、この男だ。

「俺は本気だ。本気で、お前を欲している」

 男は手を伸ばして束の胸を自分の顔に引き寄せた。

「っ……、は、離せ!」

「あぁ、おっぱい最高。すーっ、ふーっ、すーっ、ふーっ」

 大好きな胸に顔を埋め、深呼吸をする男。束の胸は以前に味わった山田真耶と同程度の胸で、谷間は男の顔を受け止めて乳肉で左右から優しく挟み込んでくれる。凄まじい母性を感じ、男の股間は衣服の内側で膨らむ。

「箒、手コキを頼む。唾液たっぷりで」

「はい、総帥」

 男が出した指示を箒は忠実にこなす。IS武装を解いた手でズボンを脱がし、ブルンッと勢いよく現れた肉棒を掴むと、たっぷりと唾液を肉棒に垂らしてから優しく上下に扱き始めた。箒の唾液が肉の表面全体に広がってくちゅくちゅと音が立つ。

「ふかふかだ。さすがは天才。胸も一級品ってことか」

「気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪いっ!」

「はははっ、それもよく言われる」

 男は全く意に介さず、束の巨乳を堪能する。舌で谷間の内側をなぞり、乳房に頬ずりし、乳首を舐める。ちゅうちゅうと乳首を吸いつきながら、箒の扱きを受けた肉棒を震わせる。この姉妹を生んでくれてありがとう、と2人の母親に心からお礼を伝え、近いうちに父親の見ている前で母親を犯して子種を植えようと考えていた。母親は束達の親であることが疑いようがないほどの美人であるため、寝取り行為も捗る。3人目もきっと、束や箒のような子が生まれるに違いない。

 束の胸を舐め尽くし、唾液でテカテカにし終わった男は、次なる行動に移った。

 箒の太股で後頭部を預けていた男は、箒の下腹部に頭頂部を向ける形にして膝枕の向きを変えた。そうしてから、束の腰を掴んで両手で持ち上げ、自分の顔の上に跨らせる。

 束の白い体に浮かぶ桃色の割れ目。それを目にすると、迷いなく男はその陰裂へとしゃぶりついた。両手では、束の滑らかな質感の太股を撫でまわしていた。

「ぐちゅちゅっ、くちゅ、くちゅ、ぬっちゅっ、ぬちゅっ、ぶぢゅるるっ、ぢゅぷ」

 男は獣のように束の陰部を舐め回す。尿道口や陰核、膣口の穴と見境なく唾液で汚し、何度も塗り替えていく。束は不快感に顔中に広げていたが、男に陰部を舐め回される感覚に、徐々に切なげな感情を滲ませ始めていた。

「な、なんで、こんな……」

 束は、自分が抱いた感情に翻弄されているかのような様子だった。男に舐められるという行為が、束に未知の感覚を与えたらしい。

 不安がる束の尻の下で男は束の陰部を舐めつつ、箒に向かって新しい指示を出す。

「箒。束にキスをして不安を紛らわせてやれ」

「はい、総帥」

「ほ、ほうきちゃ――んぷっ!? んっ!」

「ちゅぷっ、ちゅるっ、ぬちゅっ、くぷっ、れろっ、ちゅぷぷっ、くちゅっ」

 男に膝枕をする箒が、男の顔面に騎乗する束を抱きしめて口を触れ合わせた。舌が真っ先に束の口内へと侵入し、2人の唾液が混ざり合う。美しき姉妹の交わり。頭上で繰り広げられるそれを見て感情を高めつつ、男は束の体を解し続けた。

 そして、女の大事な性器が男の舌でどろどろに汚されたところで、男は口を離した。

「箒。束を羽交い締めにして、仰向けに寝ろ」

「はい、総帥」

 相変わらず淡々と受け答えし、男が膝から離れたのを確認した箒は立ち上がった。束の背に回って両腕を拘束し、そのまま広い床で仰向けになった。IS武装を展開した箒の上に、箒に背を向けた束が重なる。

 最愛の妹に拘束された束は目立った抵抗を見せず、ただじっと男を睨んでいた。

「もっと優しい表情も見せてくれないか」

「黙りなよ」

「ははっ、怖い怖い」

 男は言いながら束の股間に近づき、中腰になって肉棒の先端を陰部に触れ合わせた。

 ついに、篠ノ之束と繋がれる。その期待感で男は心臓を激しく鼓動させ、笑いながら腰を前に動かした。男の主目的は織斑千冬だったとは言え、束も嫁候補の一人には違いなかった。束だけではなく、他の美少女達も男の嫁候補ではあったのだ。それが、IS学園襲撃に伴って一切合切男の所有物にすることに成功した。

 やはり、最後は正義ではなく悪が勝つ。女ではなく、男が勝つ。

 それを実感しながら、男は束の中へと自分の分身を押し込んだ。

「っぅっ……」

 丸々と膨らんだ亀頭が、束の膣口を広げて進行する。それが中に埋まると束の表情は一層屈辱に染まり、唇を噛み締めていた。普段楽観的でおしゃべりな者ほど、自分が窮地に立たされると無口になるものだが、束もその例に漏れないらしい。

 膣口を制圧。篠ノ之束と繋がれることに心を震わせ、男はさらに奥へと肉棒を押し込んだ。

 軽い抵抗感。処女膜だ。男の肉棒はそれを容易く踏破し、ブチブチッと引き裂きながら進行を止めなかった。陰部から破瓜の血が垂れ出るのを見て、「はい、処女喪失」と軽い調子で告げた男は、そのまま一気に肉棒を押し込んだ。

 肉棒が最奥に到達し、束との結合が完了した。

 これで束は、男と交わった牝の一人だ。

「一つになったぞ、束」

 男は体を前に倒し、束に圧し掛かって間近で束を見つめた。

「うぐっ……」

 膣内を占める異物感のせいか、はたまた男の体重に押し潰される圧迫感のせいか、束は苦しげな様子だった。男の視線を避けて横を向く。

 だが、男は気にしなかった。今は素直ではないが、すぐに俺に夢中にさせる。そう考えて、今は束の内側から愛を注ぐことに決めた。

 腰を揺らし、束の膣内で凶悪な肉棒を暴れさせる。これまで数多くの女を堕とした実績を持つ肉棒は伊達ではない。たとえるならば、チンポ界での織斑千冬的な強さを有する最強の矛だ。

 一突き一突き、想いをこめて束の子宮口に放つ。

「ぅっ、はっ、んくっ……!」

 束の口から声が漏れ始めた。さすがの天才も、体の内側からの攻めは未体験だ。今まで守られてきた女の花園は男によって踏み荒らされている。その度に穢れされていく気分を味わわされる束の心境はいかほどのものだろうか。

 束は膣も一級品だった。肉棒をきつく締め付ける膣壁。ひだひだが肉棒を擦り、並々ならぬ快感を男に与えてくれる。繋がった者を病みつきにさせる肉穴であり、虜になった男は夢中で腰を振った。

 じゅぷじゅぷ、と膣内を肉棒が前後に動くに伴って水音が響く。

 束の膣内が濡れてきたようだ。それははたして男のカウパー液か。それとも、束の愛液か。後者ならばそれは束の体が男を受け入れる準備ができたということになるが、男にはそれを確かめている余裕はなかった。

 篠ノ之束。想像以上だ。男は、今まで束との性行為を想像して何度か自慰をしてきたことがあったが、生身の束はそれらを軽く凌駕した。いったいこの女には人格以外で欠点はないのかと、首を傾げてしまう程に。

 その完璧な女が、男の物になる。その事実は、男の心を充足させる。

 心に余裕ができると、それを他人にも分け与えようとするのが人間だ。

「束。俺は今幸せだ。お前を手に入れられてよかった」

「っ、は、はぁ……? ぃ、いい加減に――んっ!」

 男は、束の口を塞いだ。舌を入れるディープなものではなく、軽く唇を触れ合わせる程度の行為。それを行い、再び愛を囁く。

「束。俺は、お前を認めよう。今まで誰かに心から認められたことは少ないだろう」

「だ、だから、何を言って」

「お前が奇抜な恰好を好むのは、高い自尊心の表れか? ISを作って世界に公表したのは、注目されたいからか? 元々は宇宙開発を目的としてISの存在を世界に知らしめたようだが、それが本当の目的ならばお前一人で達成できただろう。お前の足元にも及ばない世界中の人間の手助けなど借りる意味はないはずだ。それをわざわざ行ったってことは、お前は誰かに認めて欲しかったんだろ? お前という存在を」

 男の言葉に、束は瞠目した。踏み込まれてはいけないところに土足で入り込まれた。一目でわかる動揺を浮かべた。

「……違う。違う……!」

「お前が作ったISで世界が翻弄される様を見るのは楽しかったか? 良くも悪くも、お前は世界中の中心人物となったわけだが、承認欲求は満たされたか? まだ、満たされていない部分がないか?」

 男は、震える束の膣内を肉棒で掻き回しながら言った。

「愛がほしいとは思わないか?」

「あ、い……?」

 きょとんとする束。その表情へと、男の舌が伸びる。

「そうだ、愛だ。お前は、男に愛されたことなどないだろう」

 男の舌が、束の唇の間にぬるりと入り込む。束は、先ほどまでのような抵抗を見せなかった。男にされるがまま、舌に舌を絡ませられる。自然と束の口が開き、吐息を含む甘い声が漏れ出た。

「ぁ、ぁふ、ぁ」

 男は束の目を見て、相手と濃密なキスを行う。束が苦しくないようにゆっくりと、束のペースに合わせて唇を重ね、舌を擦りつける。その優しい動作に合うように、肉棒もゆっくりと束の中を犯した。

 そうしながら、ときおり口づけを止めて男は束を口説き続ける。

「俺が愛してやる。ありのままのお前を受け入れて、愛せるのは俺だけだ」

「いらない、あ、愛なんて、そんなの……」

「素直じゃないな。素直じゃないから、ISという存在を通じてでしか自分を誇示できなかったんだな。わかるぞ。俺はお前のことがわかる。わかった上で、やはりお前は俺にとって必要な存在だ。お前を、お前の全部を俺に委ねろ」

「ぃ、嫌っ……!」

 慌てた束が、男を拒絶しようと、足掻く。だが、両腕はISを装着した箒によって拘束されている。その上から男に圧し掛かられて体内を生殖器官で繋がられている状況。逃げ場はなく、男は束へと愛ある口づけを何度も浴びせた。

「ぐちゅっ、ぷちゅ、れろれろっ、くちゅ、ぐちゅっ、ぐちゅ、ぶちゅ」

「ひっ、あっ、ぃ、ゃ、あっ、ああっ」

 束の愛らしい声で耳をくすぐられ、男は肉棒が膨らむのを感じた。

 束の舌に自分の舌を絡ませたまま、男は腰振りに集中する。もう束の膣は男の肉棒の形を覚えたようだ。膣内に満ちた体液が滑りをよくし、肉の巨棒が膣口から子宮口までの膣道を何度も出入りする。

 孕め。

 男は束を犯しながら、束の目を見て思いを伝えた。

 その思いが伝わったのか、束の表情に恐怖が生まれた。男の、女という生物に対する異常なまでの執着を感じ取ったのだろうか。化物を前にした人間のように、ただただ抗うこともできずに震えていた。

 孕め。

 男が黒い感情を心に滾らせると、肉棒が大きく膨らんだ。さらに肉厚になり、血管が浮かび上がる。亀頭もぷっくりと膨れ、束の狭い膣内を自分仕様に変えていく。もはやただの男性器ではなく、別の生物のようだった。

 その肉の生物が、束の中で小刻みに震え始める。

 そろそろ、限界が近い。そのことを悟った男は、徐々に速度を上げた。

 じゅぶっ、ぐちゅ、ぬちゅちゅっ。肉棒が束の膣内で楽しげに踊る。尿道口から涎を垂らし、子宮口を見据えて震えていた。あの口の先に、自分が求める場所がある。ため込んだ濃厚精子を子宮へ吐き出す準備をしながら、子宮口へと執拗にキスを放った。

 男の腰が上下に揺れ、束を一心不乱に犯す。孕め、孕めと呪詛のように心で呟いて束を見つめ続ける。束は抵抗しない。自分という存在を受け止めたと解釈した男は、さらに増長し、激しい腰の振りを見せた。

 荒々しい。野生生物のような繁殖目的の交尾。

 だが、この行動こそが男の愛情の形だった。男尊女卑。常に男が尊ばれ、その男の下に女は付き従う。男は絶対的強者なのだ。そのことをわからせるために、女の体に男の力強さを叩き込む。

 だが、それもそろそろ十分だろう。

 男は尻と上下に動かし、束の膣を犯しながら本当の限界を感じ取った。ごぼごぼっと体内から精液がこみ上げてくる。男はニヤリと笑い、最後に盛大な突きを子宮口にお見舞いした。

「ん、ふぅっ!?」

 束の背が仰け反り、ビクビクと震える。

 これまで圧倒的な強者だった束が見せた、か弱い一面。

 それを見ながら、子宮口に亀頭をめり込ませる。そして、束に力強く抱き着いた。

 まもなく射精が始まる。手の届かないと思っていた存在へ、自分の遺伝子を与える。男の幸せ。女には味わえない、他者を制圧することに対する快感。女は所詮、男の子供を産むために産まれてきた存在なのだ。

 男に生まれて、よかった。

 男の表情が下卑た笑みに染まったとき、射精が始まった。

 ごびゅるるるっ、ぶびゅるっ、どびゅるるるっ、ぶびゅっ、ぶびゅびゅっ、ごぼっ、ごぶっ、ぶびゅーっ、ぶびゅーっ、びゅびゅびゅっ、どびゅっ、どびゅっ、びゅくっ、びゅるっ、どくっ、どくっ。

「んーっ!?」

 男の精液が、束の子宮に注がれる。熱い熱い生命の源。それは束の子宮を一瞬にして支配した。支配してなお、さらに迸る精液が子宮に収められ、孕ませ汁の濃度を特濃へと変える。

 化物。誰が見ても、尋常ではないと思う大量の精液が一人の天才に注がれている。

 孕む。絶対に孕む。束はそう思って、暴れたのかもしれない。しかし、男にしっかりと抱き締められ、両腕を妹に拘束されている束には男の子種を受け入れることしか選択肢はない。

 射精が続く中、男が束から唇を離した。

「ありがとう、束」

 放たれたのは感謝の一言。束に膣内射精をする興奮に震えながら、男は言葉を継ぐ。

「私のために産まれてきてくれて、ありがとう。一生お前を大切にする。だから、代わりにその優秀な体で俺の子を育み、俺の子供を産み落とせ。これは、夫からの命令だ」

 一方的な発言。男のために産まれてきたわけではない、と束は言いたかったのだろうが、束は怯えを見せるだけで何も言わなかった。何も言わず、男の繁殖器官から供給される赤子の素を赤子部屋で受け止めていた。

 射精はその後、数分間にわたって行われた。

 束の腹は、精液で膨れていた。それをなしたのは、亡国機業の総帥。化物のような精力と体力を持つ男だ。当然、種付け一発で満足できるはずもなく、男は抜かずの2発、3発目を束に見舞った。

 束は憑き物が取れたかのようにすっかり大人しくなった。四つん這いにされ、長い髪を男に手綱のように引っ張られて後ろから乱暴に犯されても喘ぐだけだ。だが、まだまだ積極的ではない。

 だが、時間の問題だろう。男はそう考え、束を犯した。

「箒、胸を俺の顔に押し付けろ」

「はい、総帥」

 ISスーツに包まれた年下の母性たっぷりな巨乳に顔を埋め、欲望を満たしながら束の中で果てる。

 とてつもない幸福感。女を自由に扱うことが許された立場。男は、この世界で唯一の勝ち組だ。女尊男卑の風潮など関係ない。男は見目麗しい母体達を手に入れ、片端から悪の種を注いだ。

 その種が芽を出す様を思い浮かべ、男は笑った。

「くくくっ……」

 どろどろとした欲望を胸中に渦巻かせ、男は唾液で箒の胸を汚しながら束を穢し続けた。



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悪堕ち

 温かく湿った口内に男根が包み込まれる。その感覚に、シアタールームと呼ばれる薄暗い部屋の椅子に座っていた男は身を震わせた。肉棒の根元から亀頭にかけて丹念に搾り上げられ、思わず笑みが零れてしまう。

「いいぞ、千冬」

 男は、股の間に正座していた織斑千冬の頭を撫でた。紫色のリボンでポニーテールに束ねられた黒髪の手触りが心地いい。千冬のように整った外見は目だけでも楽しめるが、やはり美人は傍に置いて直接触れ合うのが一番だと思った。

「あぁ……」

 千冬は短く告げ、男を見つめながら窄めた口の内頬で肉棒をずりずりと擦り上げた。その動きに淀みは全く感じられない。男の膝に両手を置き、男の反応を見ながら的確なフェラチオを行っている。

 今の千冬には、先日まであった棘はなくなっていた。明確な敵意は感じられず、熱に浮かされたように頬を赤らめている。千冬が教師として務めていたIS学園を滅ぼした亡国機業の総帥である男に対して、牙を剥こうという意思は見られなかった。

「ちゅっ、ぐぷっ、ぐぷぷっ、ぢゅぶっ、ぢゅぶぶぶっ、ぐちゅっ、ぬちゅっ……」

 織斑千冬は陥落した。体の快楽を操られ、度重なる凌辱と精液漬けの調教によって、男の凄まじさを心と体に刻み付けられたようだ。今では男の肉棒を咥えるのに躊躇はない。男の指示ならば、何でも聞くだろう。現に、男の指示で千冬は亡国機業特注の漆黒のISスーツで美しい肢体を包み込んでいる。髪を束ねる紫色のリボンも、男がプレゼントしたものだ。

 織斑千冬を堕とし、先日には篠ノ之束も手に入れた。天災と呼ばれる破天荒な束だったが、男とのセックスで敗北を喫してから堕ちるのは速かった。おそらく、他者に敗れるという経験が恐ろしいほどに少なかったのが原因だろう。完璧な人間ほど、案外脆いものだった。

「少女達のほうがよっぽど強いな」

 男は呟き、腕置きに置いた手で椅子にあるボタンを押した。すると、正面にある大画面のスクリーンに映像が表示された。

 リアルタイムの映像。堕天室という部屋を映し出すその画面には、機械でできた十字架、堕天装置が林立している。数十人の美少女が無数のコードに繋がれたヘルメットを被った状態でぐったりと項垂れたまま、美しい裸体に枷を嵌められて磔にされていた。

 男は、映像の前面にいる六人の少女に目を向けていた。

 篠ノ之箒。凰鈴音。セシリア・オルコット。シャルロット・デュノア。更識簪。更識楯無。以上の六名。既に、とある処置を施したラウラ・ボーデヴィッヒを除いた、IS学園の中でも男が特に気に入っている少女達だ。

 今日は、男からこの六名へとプレゼントがある。

 そのプレゼントとは、亡国機業ならびに総帥である男への忠誠の証だ。

「始めろ」

『はい、総帥。これより、堕天装置を順番に起動させます……』

 男が腕置きから伸びるマイクに向かって指示を出すと、少し強張った女の声が聞こえてきた。千冬の元同僚の山田真耶だった。今回、真耶の手によって仲間であるIS学園関係者の堕天処理が進められる手筈となっていた。

 まず、一人目。堕天室の最奥に立つ堕天装置が唸りを上げ、十字架に囚われた少女へと処置を始めた。十字架から伸びる機械の触手が、少女の両乳首と下腹部に伸びる。

『ぃっ……! な、なにこ、ぁああああっ!?』

 普通の学校に在籍していれば、まず間違いなく男に事欠かないであろう容姿の少女が、改造されていく。乳首にピアス用の穴を開けられ、乳首ピアスを嵌められる。それと並行して下腹部には淫紋が刻まれ、ヘルメットを通じて脳を改造される。

 少女の悲鳴を聞いて、部屋中の女たちが段々と目覚め始めた。

『え、なにここ……』

『どうして裸なの!?』

『嘘……。何あれ……』

『動けない……!』

『ねぇ、何だかまずくない……?』

 起きたばかりの少女たちは戸惑い、人権を無視した処置を施されている仲間を見て表情を青ざめさせている。事態の異常性に恐怖を抱いて必死に逃げようとする者もいるが、手足と胴体に嵌められた枷の前では意味をなさない。

 その間にも、少女の悲鳴が部屋中に響き渡り、処置が進む。

 程なくして、その処置は完全に終了した。十字架が機能停止し、少女の悲鳴が止む。

 十字架の枷が自動的に外れ、囚われていた少女が解放されてその体が床に倒れ込む。体を痙攣させる少女を見て、他の少女たちが心配そうに見守っていたが、その表情が戦慄に歪むことになるのは次の瞬間だった。

 倒れていた少女が起き上がったかと思うと、エロ蹲踞のおまんこくぱぁを行い、部屋の隅にある監視カメラを見て微笑んだ。

『堕天処理を行っていただき、誠にありがとうございます。本日付けで亡国機業に所属することになりました。四十院(しじゅういん)神楽(かぐら)です。私の心と体は全て総帥の玩具です。どうぞご自由にご利用ください。飽きて処分されるその日まで、私は総帥に全てを託します』

 大きな声で宣言した少女の声が部屋中に広がり、状況を把握した少女たちの悲鳴で場が騒然とする。

『神楽!? ねぇ、何してるの!? ねぇってば!?』

『嫌ぁああっ!? 誰か、ここから助けてっ! 誰かぁッ!』

 阿鼻叫喚。その風景をシアタールームで鑑賞していた男は、織斑千冬のフェラを受けながら楽しげに笑った。他人の、それもまだ無垢な美少女たちが慌てふためき、悲鳴を上げながら一人一人順番に堕ちていく。その光景は非常に股間に響き、男に興奮をもたらす。

「ぢゅぶっ、ぐぢゅぶっ、ぢゅぶっ、ぶちゅっ、じゅぷっ、ぬちゅちゅっ」

「いいのか、千冬。生徒たちが、段々と俺の物になっていくぞ……?」

 男は千冬に問うが、千冬の眼中にはない質問のようだった。男の目を見て、熱心に肉棒をしゃぶり続ける。すっかり男の肉棒の虜のようだ。自分の教え子よりも、男の肉棒への奉仕の方が大事らしい。

「はははっ。酷いなぁ、織斑先生は」

 笑いながら男は再び映像を見つめ、次々に行われる堕天処理に目を輝かせる。

『つ、次、あたしの番……? あ、頭が……! や、やだっ! っ……! あぅっ、ぁ、あああっ!』

「欲しいものが、どんどん手に入っていく」

 一人、また一人と卑猥なポーズで亡国機業へと忠誠を誓っていく。まだ処置を受けていない順番待ちの少女たちは、着実に順番が回っていくのを見て錯乱状態だった。見っともないほどに助けを乞い、変わり果てた仲間たちを見て恐怖しながら涙を零す。

「他人の不幸は蜜の味だ。俺以外の人間など、所詮俺を引き立てるための道具にすぎない」

 男の瞳には、映像の前面に立つ六人の少女が映っている。篠ノ之箒は他の少女たちとは違って修羅場をくぐり抜けてきたようで、動揺はそれほど酷くはない。だが、未だに現状を把握しかねているようだ。目を見開いて狼狽えている。

 こうして堕天室で目覚める前、箒は認識を操られて敵対者である男を織斑一夏と誤認してベッドの上で愛し合っていた。IS学園は亡国機業との戦争に勝利したと嘘の情報を伝えられ、安心し切っていたはずだ。その後に再び調整用カプセルに入れられ、目を覚ますと仲間たちが改造される様を見させられたのだ。混乱するのも無理はない。

『おい、鈴! いったい、何がどうなっているんだ! 私達は、亡国機業に勝ったのではないのか!? それに一夏は、一夏はどこに行った!』

 右端にいる箒が、隣の十字架に磔にされた凰鈴音に声を掛ける。

 しかし、鈴音は俯いたまま無表情でブツブツと呟いている。

『もう終わり……。やっと終われる……。この悪夢から、ようやく解放される……。早く終わって早く終わって早く終わって早く終わって早く終わって早く終わって。もう、正気を保っていたくない……』

 鈴音の瞳は虚ろだ。普段の明るさなどまるでなく、壊れていた。そんな鈴音を見て、箒は息を呑んでいた。

『鈴、大丈夫か……? どうしたんだ……?』

 震えを抱いた優しい声色で箒が鈴音に再度問うが、鈴音は答えない。絶望した顔で、ただただ呟き続ける。男が弄んだ結果だ。鈴音をレイプして処女を奪った。その後は鈴音の頭を操り、鈴音自身に両親を殺させた。涙に濡れる鈴音の顔が頭の中に浮かび、興奮を覚えた男は千冬の口内で肉棒をさらに硬く勃起させた。

『セシリア! セシリアは無事か……!』

『これが終わったら、総帥の精液ミルクを頂けるのかしら? あぁ、待ち遠しいですわ。あのぷりぷりザーメンを早く、いえ、ケツ穴汁も捨てがたいですわね。いえいえ、ここは手堅く脇汗汁と唾液のブレンドを……』

 箒は続いてセシリア・オルコットに話しかけるが、セシリアも壊れていた。男の体液を取り込むことで快楽を感じてしまうよう頭を調整され、過剰に男の精液を摂取した結果中毒になったようだ。妖しく微笑み、時折舌なめずりをして恍惚の笑みを浮かべている。それを見た箒は絶句し、いよいよ動揺で瞳を左右に揺らし始めた。

『何が、どうなっているんだ……。……シャルロット?』

 一縷の望みをかけるように、箒はセシリアの隣のシャルロット・デュノアへと目線を移した。

『あの総帥を倒すには、やっぱり子どもを産んであげることかな? 僕みたいな妾の子との赤ちゃんを産んであげれば、あの超優秀な総帥のことだから絶対に嫌がるはず。その後は、毎日毎日甘やかして、出産後もおちんぽを奉仕すればきっと……』

 シャルロットは擬似人格を脳内にインストールされ、その擬似人格を通じて認識を操作されている。性的な行為や男へ優しくすることが男に対する最大級の報復と信じて疑っていない。

『か、簪……! 会長……!』

 箒は、シャルロットの横にいる更識簪と更識楯無の姉妹を見た。

 しかし、二人は怪しげな言葉こそ発することも、箒の声に反応を示すこともなかった。起きて目が開いているにも関わらず、物言わぬ人形のように十字架に身を委ねていた。

 簪に行ったのは、調整用カプセルで心地の良い夢を見させた後にその夢をぶち壊してからのレイプだった。簪を助けるヒーローなどいないことを悟らせるために、徹底的に。気弱な少女がトラウマを抱く程度には乱暴に、想い人へと二度と顔を合わせられない程度に卑猥なことを強制させた。全てが終わった頃には目が死んでいた。

 そして、更識楯無には男の臭いで性的興奮と快楽を味わえるように調整を施した。その後は、楯無との耐久セックス。汗塗れ、精液塗れの強い臭いに包まれながら何度も体内に種付けを行った。その結果、強すぎる刺激と男の尋常ではない性欲に敗北し、妹のように無反応になった。行為の後、調整用のカプセルで簪を殺害する偽物の映像を延々と見せ続けたのが精神崩壊に繋がったのかもしれない。

 箒にとって、頼れる仲間は皆壊れていた。

『そ、そんな……。こんなことって……』

 仲間の有り様を見て放心していた箒だったが、いよいよ堕天の出番が回ってきた。

『ひっ!? ……な、あ、がっ、あ、頭が、掻き回される……! や、やめろっ……!!』

 ヘルメットを通じて、脳の調整が始まったようだ。亡国機業にとって都合の良い人間となるよう、常識や記憶の一部を書き換えて不要な情報を削除する。それと同時に、乳首ピアスと淫紋の授与を行う。

 男は、残った六名同時に行われた堕天の光景を見ながら、椅子から立ち上がった。

「千冬、ラストスパートだ。尻を向けて前屈しろ」

「ぷはっ。わ、わかった……」

 千冬は名残惜しそうだが、どこか嬉しさも感じさせる表情で口から肉棒を放した。

 そうしてから、立ち上がった男の前で千冬は尻を向けて前に体を倒した。男は千冬の尻を撫でながらいきり立つ肉棒を千冬の陰部に向ける。後はこのまま押し込めばいいのだが、もう少しスパイスが欲しかった。

 男は、シアタールームの部屋の隅に全裸待機させていた少女たちの中からとある少女を呼んだ。

「ラウラ。椅子に座って俺のケツ穴を舐めろ」

「あぁ、任せろ。総帥」

 ラウラ・ボーデヴィッヒ。男と触れ合う度に男への愛情が高まるように調整され、乳首ピアスと淫紋も与えられた。亡国機業に完全に身を預け、こうして傍に従えている。

 呼ばれたラウラは男が座っていた椅子の端に小柄な尻を乗せ、目の前の男の尻肉を両手で掴んで左右に広げた。中から現れた菊門を目にすると嫌がるどころか表情を綻ばせ、伸ばした舌と共に尻穴を舐め始めた。

「ちゅぅぅうううっ、ちゅるっ、れろれろ、ぢゅるっ、ぬちゅっ」

「いいぞ、ラウラ。そのままだ」

 男はにやにやと笑みを浮かべ、ゆっくりと腰を前に突き出した。

「んっ、はぁ……!」

 千冬が敏感に反応し、甘い声を漏らす。その声に欲望が増幅し、一息で男は千冬の膣内に肉棒を押し込んだ。まだまだ締め付けの強い膣内を進み、慣れ親しんだ子宮口へと挨拶代わりのキス。

 そこからは、堕天ショーを見ながらの楽しいセックスの始まりだ。

『ひぃっ、一夏っ、一夏ぁっ! あ、ぐっ、うっ、あ、ああああああっ!?』

『やったぁ。これで全部終わり……』

『うふふっ、心地いいですわぁ。これで、亡国機業の女として総帥の精液を』

『総帥、見てるかな? いやらしく生まれ変わった僕を見たら、どんな顔するかな?』

『もう、悪い夢は嫌……』

『簪ちゃんを助けないと……。今度こそ、私が、助けてあげないと……。もう、妹が死ぬのを見たくない……』

 乳首にピアス穴を開けられ、乳首ピアスを嵌められる箒たち。激痛に叫ぶだけの正常な心がある箒以外は、うわ言のように何かを呟いていた。世界各国の大小様々で魅力的な乳房と桜色の乳輪の頂点に、銀色の乳首ピアスが揺れる。

「ははははっ……!」

 男の腰振りも捗った。前屈する千冬の膣内と肉棒を擦り合わせ、物のように激しく腰を振る。尻の穴をラウラの舌で穿られる感覚で勃起が増し、肉の槍で何度も千冬の膣内を蹂躙し続けた。

 世界各国の美少女の下腹部を使ったお絵描きも魅力的だ。機械触手の先端にある針が箒たちの下腹部を移動し、毒々しい紫色を使って子宮を描いていく。傷一つなかった肌に卑猥すぎる絵が形作られる段階に入ると、頭の調整も佳境に迫っていた。

『も、もう、やめてくれっ……! 嫌だ、こんな体では、もう一夏には――織斑など、もうどうでもよくないか……? どうして、こうも執着していたのだろうか?』

『……何か。スッキリしちゃった。これも、総帥のおかげね!』

『あぁ、さすがは総帥。織斑一夏とは比べ物にならないほど素敵な方ですわ……』

『あははっ、総帥ってやっぱりすごいなぁ……。僕が絶対に幸せにしないと』

『総帥と一緒に、アニメ鑑賞したいな……。ヒロインが悪堕ちする作品とか、好きかな……』

『今までのこと全部忘れて、簪ちゃんたちと一緒に総帥にご奉仕しなくちゃ。お姉さん、張り切っちゃうわ』

 全員の表情が変わる。元々調整用カプセルである程度の調整は済ませていたため、堕天装置では最終処置を行ったに過ぎない。だからこうして、スムーズに脳を書き換えることができていた。

 自分に歯向かっていた美少女達が、段々と自分色に染まっていく。それは、セックスでの最高のスパイスとなった。男は千冬の尻に自分の股間を強く押し付けるほどの腰振りを見せ、千冬の膣内を高速で何度も突いた。

『総帥万歳!』

 箒、鈴音、セシリア、シャルロット、簪、楯無の声が、重なる。彼女達の表情には、総帥である男への愛情と敬意が浮かんでいた。

 下腹部をキャンバスに見立てた淫らなお絵描きが終わり、堕天装置は起動を停止した。枷が全て外され、六人が解放されて床に倒れ込む。だが、すぐに体を起こすと、六人はしゃがみ込んで大股を開いた。

 そして、左手の指で陰裂を左右に開き、右手で敬礼を行った。蹲踞をしながら陰裂開帳で待機していた総勢数十名の美少女に、六名の美少女が加わった。皆一様に、熱っぽい視線を正面のカメラに向けていた。

『総帥。私達は、あなたを喜ばせるためだけに生まれてきた忠実な兵士だ』

『総帥のために、あたしたちは何でも頑張るからね』

『私達にしたいこと、させたいこと、何でもおっしゃってくださいまし』

『全部、僕達が叶えてあげるから』

『悪役みたいに、世界征服だってできるよ……』

『だから、お姉さんたちに全部任せてちょうだい? それじゃあ皆、ご唱和ください。せーの』

『総帥万歳! 総帥万歳! 総帥万歳!』

 構成員の新メンバーによる、総帥万歳コールが堕天室に反響していた。

 それを映像で見ていた男は、千冬の腰を掴んで最終段階に入っていた。尻穴をラウラに舐められたことでいつもよりも興奮の高まりが速く、もう限界だった。

 欲しいものは手に入った。この後は、手に入れたものを愛でる番だ。全部、全部愛し尽くしてやる。俺はこの世界の支配者だ。何でもできる。何を許しても許される。この俺に不可能はない。

 そんな言葉を心中で吐露しながら、男は強烈な快感に身を委ねた。

 ぶびゅびゅびゅびゅっ、ぶびゅるるるっ、びゅーっ、ごびゅっ、ぶびゅっ、ぶびゅっ。

 千冬の中で果てる肉棒。噴き出した精液は千冬の子宮を真っ白に染める。

「ぅ、あぁっ……!」

 子宮への精液射的が気持ちよかったのか、千冬が顔を赤くして声を上げた。その声をもっと聞こうと男はびゅーっ、びゅーっ、と射精を続け、いつものように子宮だけでなく膣内全てを精液で満たした。

 意識が一瞬薄れそうになるほどの快楽に、男は満悦していた。精液で浸された千冬マンコの具合もよく、いつまでも挿入していたい気分になった。

 まだ遊んでいくか。総帥万歳コールが聞こえる中、男はいつものように二回戦目へ突入した。千冬の尻を撫で回しながら、いつもよりも優しい交尾が始まる。欲しいものは揃った。女にも事欠かず、時間もたっぷりとある。その恵まれた環境が、男に余裕を与えていた。

「まだまだお楽しみはこれからだ。ゆっくり楽しもうか」

 男は唇を舌で舐め、どろどろの精液で満たされた子宮の口に亀頭で蓋をした。



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シャルロット&セシリア

 悪の組織『亡国機業(ファントム・タスク)』が世界を支配して一ヶ月。世界は平和だった。国籍、人種、宗教、領土問題、ありとあらゆる要素から生じる人間間の軋轢はなくなり、世界中の人々は武器や牙を捨て、肩を並べて亡国機業に平伏した。亡国機業こそがこの世界を正しく導く組織。亡国機業の総帥こそがこの世界を統べる神。今やその常識は世界の共通認識となっていた。たとえ平和な日本で当たり前のように暮らす小学生であったとしても、亡国機業のためになるならば舌を噛みきって死ぬことができるだろう。

「……いい天気だな」

 天高く太陽が浮かぶ青く澄み渡った青空と深い青色を湛える海。広大で雄大な景色を一望できる真夏の浜辺に、一人の男がいた。短く切り揃えた黒髪と狡猾そうな笑みが似合う顔。それなりに鍛えられた肉体には濃紺の海水パンツだけを履き、サマーベッドで体を横にしている。

 この男こそが、亡国機業の総帥の位に就く者だ。一ヶ月前、世界に宣戦布告した大胆不敵な男。当初、世界は男を嘲笑った。特定の一国家どころか、この地球という惑星に存在する全人類に喧嘩を売ったのだ。誰もが苦笑を浮かべ、核を保有する国々は核のスイッチを握ることもしなかっただろう。それほど、男は滑稽に映っていたはずだ。

 人類史上稀に見る大馬鹿者。そう認識されたのは既に過去のこと。

 男を嘲笑った人類は皆、例外なく男に頭を垂れた。男が有する他者を洗脳する技術と、男の命令ならば足の指さえ嘗める忠実な部下にして天才科学者の篠ノ之束の技術を組み合わせ、全世界へとナノマシンを散布。ナノマシンを体内に取り入れた者は脳を犯され、亡国機業の都合のいい人間と化した。それ以来、世界は争いをやめて一つの神を信じ、違えることのない道を歩むようになったのだ。

 絶対的な支配者を得たことで、人類は初めて完全平和を成し遂げた。くだらない人間を淘汰するという間引き作業や見目麗しい女を亡国機業に献上するという作業が亡国機業主導の下で世界各地で行われてはいるが、間引かれる者や献上される者達がそれを望んでいる以上、それも平和を一貫と言えた。

「ふぅ……」

 男は息を吐き、目を細めて遠い空を眺めた。青々とした空には眩い光を放つ太陽が浮かび、男の体を照らしている。日光浴を始めてまだ一時間と経っていないが、もうかなり焼けたような気がする。

 この調子でしっかりと全身を小麦色に焼いてしまおう。

 世界征服を果たした男は今、世界の支配者であることも忘れて日焼けに勤しんでいた。

「あっ、総帥! こんなところにいた!」

「……ん?」

 少女の声に呼ばれて男が薄目を開くと、陽射しを遮る少女の顔があった。

「探したよ」

「……シャルロットか」

 少女、シャルロット・デュノア。まだ結婚式は挙げてはいないが、男の嫁の一人だ。陽射しに煌めく長い金髪を、リボンを使って首の後ろで束ねた髪型。柔和で中性的に整った色白い顔は紅潮している。走って来たのだろうか。

 男を見つけ、「えへへ」と上機嫌に笑うシャルロット。その笑顔だけ見ると、清純な金髪美少女だ。

 だが、シャルロットの格好を見るとその表現は一変する。

 豊かな丸みを抱く胸の乳首には銀色のピアスが嵌められている。それだけではない。身に着けているのは橙色のスリングショットだ。乳首や陰部を辛うじて隠すほどの布面積しかない水着を身に着けているせいで、男の欲情を駆り立てる女体や下腹部に刻まれた子宮を模した紫色の淫紋が曝け出されている。しかも、今は前屈みになって男の顔を覗き込んでいるせいもあって大きな胸が強調されていた。

「来るのが遅かったな」

「もう。せめて正確な場所は教えてよね? ここの浜辺は広いんだから」

 シャルロットは不満そうに頬を膨らませた。

 日光浴を始めた頃、男はシャルロットともう一人の少女を浜辺に呼んでいた。その時は少しうとうとしていたせいもあって自分のいる場所を正確に伝えることもせず、連絡を終えて寝落ちしてしまった。シャルロットが言ったように、この浜辺は広い。近隣の大国から献上された島の一つにあり、これまで多くの人間が過去に利用してきた観光名所だ。しかし、ここには現在観光客はおらず、いるのは男とその嫁達だけだ。

「あぁ、悪いな」

 男は言いながらシャルロットの胸に手を伸ばす。最近また大きくなってきた気がする。手の平には余る大きさで、ずっしりとした重みを感じる。男の嫁には大勢の巨乳がいるが、その巨乳達に並びつつある成長度合いだった。このまま成長すれば、トップに躍り出るかもしれない。

「んっ……」

「感度もいいな。孕んだからか?」

「そう、かも……」

 シャルロットは呟くように言い、淫紋のある下腹部を撫でた。

 シャルロットの胎には、男との愛の結晶が宿っていた。まだ孕んで一ヶ月しか経っていないために外見上の変化はないが、子育てをする最適な体に成長を始めているのかもしれなかった。他の嫁達も妊娠している者が大半で、個人差はあるが胸や尻の肉付きがよくなった者も多い。

『ねぇ、総帥。今のあたしって、もう巨乳よね?』

『いや、お前はまだ貧乳だよ』

 と、セックス中の嫁の一人との会話を男は思い出した。

 ともかく、大小問わず胸の大好きな男にとっては嫁の成長は嬉しいものであり、思わず胸を鷲掴む手に力が籠った。むにぃ、と男の指が柔らかな乳房に埋没する。吸いつくような肌触りもあって、病みつきになる触り心地だ。

「見つけましたわっ!」

 男が両手でシャルロットの胸を揉もうとした時、遠くから声が掛けられた。

 見ると、ウェーブの掛かった金髪を揺らして男とシャルロットの下へ駆け寄ってくる少女の姿。上品な色香の匂い立つ端正な顔とシャルロットと同等以上に際立ったスタイルのいい白皙の肉体。シャルロットと同様に、色違いの青色のスリングショットを着ているだけであるため、若く魅惑的な牝の肉体が目に入る。

 胸を揺らし、ゆっくりと走ってくる少女。

 男はその胸の上下運動を食い入るように見つめた。大質量の乳袋は布面積の少ない水着で抑えられるものではなく、動く度に暴れている。手の中にシャルロットの胸があるというのに、生々しい動きに惹かれて男は息を呑んだ。

「総帥。やっぱり、僕よりもセシリアの胸のほうが好きなんだ?」

 怒りながら笑うという複雑な表情を作るシャルロット。それを見て跋が悪そうにしつつも、男は雄の本能を抑えることはできなかった。

「そ、総帥。場所は、もっと、正確に……」

 やがて、男達の下に辿り着いた少女。シャルロットと同じように男を探し回ったのか、軽く息を乱していた。

 少女の名前はセシリア・オルコット。セシリアも男の嫁だ。妊娠したのもシャルロットと同時期で、ともに金髪美少女ということから男はセットで二人を抱くことが多くなっていた。

「悪かったよ」

 男が素直に謝罪すると、セシリアの顔が息切れとは別の意味で赤くなった。

「ま、まぁ、謝っていただけたのですから、これで手打ちにいたしますわ」

 胸の下で腕を組みながらそっぽを向き、しかし嬉しさは隠し切れずに頬を綻ばせるセシリア。それをジト目で見つめるのは横にいるシャルロットだ。男に胸を揉まれながらも、セシリアの胸に視線を走らせている。

「……すぐに追いつくからね?」

「何かおっしゃいまして? シャルロットさん」

「何でも……」

 セシリアの視線を回避するように、ぷいっと視線を逸らすシャルロット。

 可愛い嫁同士の戯れ。男は微笑ましさを覚えつつも、まだまだ子どもっぽい二人を今の格好に相応しい牝に堕としたい欲求に駆られる。綺麗な物は徹底的に汚す性格の男にとって、目の前の金髪美少女は格好の得物だった。

「なぁ、二人共」

 男はシャルロットの胸から手を離すと、自身の海水パンツに手を掛けた。

 そして、サマーベッドで横になったまま腰を上げると、一気に膝下まで下ろした。

 瞬間、ブルンッと勢いよく現れた肉棒。ギンギンに勃起したそれは圧倒的な威圧感を誇っていて、初な女が見れば裸足で逃げ出す凶器だ。しかし、初でもなく男に体を一度でも侵略された者にとっては違う。

「あ、あぁ……、元気いっぱいだね……」

「今日もご立派ですわぁ……」

 シャルロットとセシリアは、うっとりとした眼差しを男の肉棒に注ぐ。牝の顔だ。愛しすぎてどうすればいいのかわからない、といった強い欲情を浮かべた二人はお預けを食らった犬のようにじっと肉棒を見つめ続けていた。

「欲しいか?」

 男が肉棒を握った手で左右に振ると、二人の視線が釣られるように揺れた。

「う、うん……」

「勿論ですわ……」

「それなら、すべきことがあるだろ」

 男が言うや否や、二人は即座に行動を始めた。

 二人は砂の上で両膝を突くと、続けて額も地面に擦りつけた。

「僕に、総帥のおちんぽをご奉仕させて?」

「いえ、ここはぜひとも私に命じてくださいまし」

 土下座する二人の美少女。男の肉棒は機嫌が良さそうに震えた。やはり、体はどちらか一方ではなく二人の金髪美少女を望んでいるらしい。そもそも二人を味わうためにこの場に呼んだのだから、片方だけを選ぶことなどありはしなかった。

「よし」

 男は上体を起こしてサマーベッドに座ると、二人の後頭部を砂で汚れた両足で踏んだ。ぐりぐりと、二人の額を地面に擦りつけるような動きだ。普通の愛情に縛られた関係ならば容易く崩壊してしまいそうな行動だが、男と嫁の間にある愛情は普通とは一線を画している。

「ぁ、総帥の足が、僕の頭に……!」

「最高ですわ、この感覚……。もっと、踏み躙ってくださいまし……」

 男の手によって脳を洗脳され、肉体を改造された二人。その二人が足蹴にされた程度で男を嫌うことはない。それどころか好感度は上昇する。男が仮に二人に暴力を振るったとしても、二人の男に対する忠誠は変わらないだろう。

 嫁モード。男によって洗脳を施された二人の頭は現在、男が理想とする嫁仕様に書き換えられている。自然な口調で男に接待し、男に抑えきれない愛情を注ぐ嫁。淫乱モードと違い、人としての自然な反応を主体にして異常な情欲を垣間見ることができるモードは、男のお気に入りだった。

 ちなみに、モードには他にも正気モードや反逆者モード、人形モードなどがある。

 今日、男は嫁モードの金髪美少女二人と楽しむ予定を立てていた。

 

「ぢゅーっ、ぢゅるるっ、ぷちゅっ、ちゅぷっ、ちゅぽっ、ちゅーっ、くちゅっ」

「れろっ、ちゅっ、んっ、はっ、ぬちゅっ、くちゅ、ちゅぱっ」

 シャルロットとセシリアによるダブルフェラ。サマーベッドの上で仰向けになった男は、快適な体勢で至福の時を過ごしていた。シャルロットの温かな口内で睾丸を温められ、セシリアの舌で亀頭をスリスリと弄り回される。その甲斐もあって肉棒はすっかりと元気だ。雄々しい肉の棒が屹立し、美少女二人と触れ合ってビクビクと震えている。

「んんっ、セシリア、僕にもおちんぽを舐めさせて?」

「いいですわよ。一緒に舐めましょう?」

「うん。ちゅっ、ちゅーっ、ぢゅーっ、れろっ、くちゅ、ぐちゅっ」

「おちんぽも、シャルロットさんの舌も、温かくて気持ちいいですわ……。ちゅぷっ」

 肉棒を挟んで絡み合う二人を見て、肉棒はさらに温まる。いい光景だ。男は思いながら、湧き上がる欲情を感じて口元を歪ませる。やはり女は素直が一番だ。正気モードで脳の状態を正常化して楽しむレイプも良いが、従順な嫁モードでの身も心も温まるセックスも素晴らしい。

「ぐぷっ、ぢゅぶっ、ぐぽっ、じゅぶっ、ぢゅるるっ、ぢゅぶ、ぢゅぶっ」

「あぁっ。シャルロットさん、ずるいですわっ」

 肉棒を咥えて唾液と口内で包み込むシャルロットを見て、セシリアが声を上げる。

「ぷはっ。はい、セシリア。可愛がってあげてね?」

 それを受けて、シャルロットが肉棒を解放する。一瞬だけ肉棒が外気に触れる。だが、今度はセシリアによって肉棒が咥え込まれ、先のシャルロットのように肉棒を音を立ててしゃぶり始めた。

「ぐぢゅっ、ぢゅぢゅぢゅっ、ぢゅぶっ、ぐぶっ、ぐぼっ、ぐぽっ、ぢゅぶぶぶっ」

「ねぇ、総帥。若いお嫁さんのフェラチオは気持ちいい?」

「あぁ」

「そう。良かったぁ。セシリア、良かったね」

「ぢゅぶっ、ぢゅるるるるっ、ぢゅーっ、ぐぶっ、ぐぶっ、じゅぼぼっ」

 男を見つめながら、瞳にハートマークを浮かべそうな勢いでフェラチオをするセシリア。窄めた頬の内側と舌が肉棒に絡みつき、男の欲をジワジワと高めていく。もう我慢も難しい頃合いだ。それは二人もわかっているようで、セシリアが肉棒から口を離すと、唾液でぐちゃぐちゃになった肉棒の棹を二人で握り、扱きながら二人で交互に亀頭にキスを放ち始めた。

「ちゅっ。もう出るよね?」

「ちゅぷっ、くちゅっ。出してくださいまし。総帥の赤ちゃんの素」

「僕の顔で沢山受け止めてあげる。ちゅーっ」

「ぢゅーっ、ぢゅーっ。私にも、ご慈悲を」

「びゅーっ、びゅーっていっぱい出して?」

「びゅるるっ、って精液噴射して、気持ちよくなってくださいね?」

 そう言って、二人のキスが同時に男の肉棒を襲った直後だった。

 射精準備が整った。熱い粘液がマグマのように底から湧き上がり、頂点に達する。

 どびゅるるるっ、びゅーっ、びゅるるるっ、どびゅーっ、びゅるるっ、びゅーっ。

 尿道口から上に向かって吹きあがる男の精液は、二人の顔や髪を汚していく。べちゃべちゃと、二人の整った容姿は白濁に塗れていくが、当の二人は恍惚としたまま肉棒を扱き続けている。

「あぁ、恵みの雨だよ。セシリア……」

「そうですわね。天からの恵みですわ……」

 雨もなく、干乾びた地が久方振りの雨を受け止める様を見るように、二人の顔に歓喜が滲むのを確認できた。それと合わせて、男への敬愛も。もはや崇拝に近い感情の発露だが、二人の反応は珍しいものではない。男に徹底的に精液漬けにされたことがあれば、仕方のないことだ。

 やがて白濁の雨は止むと、顔に精液を付着させた二人が肉棒に頬擦りをした。

「ごめんね、総帥。子種で遊んじゃって」

「次は、しっかりと精液専用の袋の中で受け止めて差し上げますわ」

「よろしく頼むよ」

 男が頷き、二人に身を委ねることにした。

「それじゃあ、ジャンケンで決めようか」

「ええ。どちらが先に総帥のおちんぽを味わわせていただけるか、勝負ですわ」

 やがて始まったジャンケン勝負。真剣そのもので二人が勝負し始める中、男はサマーベッドから腰を上げると後方に位置する荷物置き場に向かった。そこには白いシートが敷かれていて、地面に突き刺さったパラソルによる日影が出来ていた。

 シートに座り、鞄の中から飲み物を取り出して飲み始める。失った水分が補給されるのを感じながら先ほどまで寝ていたサマーベッドの付近を見つめる。そこでは二人がまだジャンケンを続けていたが、やがて勝敗が決したようだった。

「やりましたわ、総帥」

 どうやら勝ったのはセシリアだった。休憩する男のほうに駆け寄ってきて、嬉しそうに戦勝報告をする。セシリアの後に続いてやって来たシャルロットは、残念そうに苦笑していた。

「まぁ、いいよ。残り物には福があるって、言うからね」

 そう言いつつも、やはりシャルロットは物欲しそうにしていた。

「さ、総帥。勝者にご褒美をお与えいただけますか?」

「あぁ。勿論だ」

 セシリアが目の前で四つん這いになり、尻を振って誘惑してくる。食欲をそそる肉付き具合だ。男のやる気にスイッチが入り、休憩を終えるとセシリアの背後に立った。最近いい感じにふくよかになった尻を焦らすように肉棒で何度か叩く。そうしてから、陰部を隠していた水着の少ない布地を捲り、陰部を晒す。

 何度も肉棒を突き入れたことのある膣口が、開いた陰裂の先にはあった。ピンク色の粘膜の中で小さな穴がヒクヒクと収縮している。早くこの穴にぶち込んでほしい。そう訴えられているかのように感じた。

 男は肉棒を膣口に押し当て、セシリアの括れた腰を掴みながら前に腰を動かした。

「んっ、あぁっ……」

 挿入。セシリアの膣壁が肉棒を出迎えてくれる。使い心地は良好だ。男は程よい締め付けと熱で肉棒を攻め立てられるのを感じながらセシリアとの接触面積を増やしていく。少しずつ、男はセシリアと一つになっていった。

 そして、時間を置かずに男は完全にセシリアと合体した。

「ぁ、はぁ、待ちに待った総帥のおちんぽぉ……」

 膣内で男の肉棒を抱き締め、子宮口で亀頭の軽い突きを受け止めたセシリア。シートの上で四つん這いになったまま、満悦の表情を遠くの正面にある海に向けていた。

「いいなぁ……」

 脇では、シャルロットが男とセシリアを見ていた。どうせ後でシャルロットともつながることになるとはいえ、嫁を放置するのは男としてどうだろうか。男はそう考えると、シャルロットに手招きをした。

「シャルロット」

「え、な、何かなっ?」

 途端に嬉しそうにするシャルロットがシートの上に膝を突き、身を寄せてくる。まるで小動物のような反応だ。男は堪らずシャルロットの頭を撫でる。すると、シャルロットはくすぐったそうにしながらも幸せを隠し切れない様子で笑みを零した。

「えへへっ。くすぐったいよ」

「そうか。それなら、これはどうだ?」

 男はセシリアと繋がり、腰をゆっくりと動かしながらシャルロットの陰部へと指を伸ばし、水着の布を退かして膣口へと中指を差し込んだ。ぬぷぷっと指が膣内に埋没し、温かく狭い穴に収納される。

「あ、総帥の指で、弄ってもらえるなんて」

 シャルロットは身悶えながら男を受け入れた。男の指で膣内の敏感な箇所を攻め立てられ、快感を覚えて口は半開き状態だ。感じる声が駄々洩れとなり、男の耳をいい意味で犯してきた。

 男は昂った気分をぶつけるように、セシリアの膣内で本格的な性器の交わりを展開した。肉棒が何度も姿を現してはセシリアの膣内にしまわれる光景が続く。セシリアは顔中に幸福と悦楽を滲ませていた。男のすぐ横にも、男の指で膣内をぐちゅぐちゅと掻き回されるシャルロットが恍惚とした様子で男の攻めを受け入れている。

「そこ、駄目、あっ……! ぼ、僕の弱点を突かないでぇ……!」

「んっ、あっ、さ、最高、ですわぁ……! ちんぽっ、おちんぽ、うふふふっ……!」

 男の耳は幸せだった。乙女の甘い声を聞き入れて、脳が蕩ける勢いだ。興奮を抱いて肉棒が硬さを増し、より力強い接触をセシリアの膣壁に浴びせる。そうするとセシリアはより一層の艶めかしい声を出し、また興奮度が上がる。

 遠くの穏やかな空を飛ぶ鳥の声を耳にする中、男の近くには美少女二人の嬌声が響く。漂わす甘い匂いと合わさって、男の欲情が煽られる。男は興奮を抑え切れず、力の入った手でセシリアの尻をピシャンッと強く叩いた。

「ひゃぁんっ!?」

 というセシリアの声。ガクガクと体を震わせたかと思うと、肉棒との結合中に膣口から愛液を噴き出しながら前のめりに倒れた。四つん這いの体勢でそうなったため、セシリアは尻を突き上げる形で男の肉棒を受け入れ続けた。

 セシリアの膣内を体験しつつ、男は指で強く膣内を擦った。

「ひぃっ……!? んんっ……! ん、ふっ……!」

 普通ならば痛いだけの接触も、シャルロットのように肉体を改造された女にとっては快楽の暴風と化す。シャルロットもセシリアと同じように体を震わせると、気持ちよさそうに天を仰いだ。

 可愛い妻達だ。男は従順な嫁モードの二人にもう我慢ができなくなっていた。

 腰遣いを早くし、セシリアの膣内をごりごりと肉棒で掻き回す。そろそろだ。股間に生じる快感から自分の限界を悟り、その限界に向かって快感を高めていく。

「あんっ、あぁっ、総帥っ、そこ、ぐちゃぐちゃにしないでぇっ……!」

「ひぅっ、んんっ、も、もう駄目ですわ……!」

 二人もこれ以上は我慢し切れなかったようで、同時に全身を痙攣させた。先ほどとは違う本気の痙攣だ。視線が見当違いの方向を向き、激しく全身を震わせながら潮を吹く。

「あーっ、あーっ、ひぃっ、す、すごいよ、指だけでこんな……!」

「あっ、や、こ、こんな、き、気持ちよすぎますわっ……!」

 性に素直な二人の肉体。感度も並みの人間以上となるように、亡国機業の手で調整は行われている。やろうと思えば、頬を平手打ちするだけで潮を吹く女にも改造できる技術力は伊達ではない。その上、心で男を敬愛しているため、その相乗効果で二人は非常に気持ちのいいセックスが行えているだろう。

 そんな二人の様子を間近で捉えて、声を聞いて、男も限界を見た。

 肉棒がぷっくりと膨らみ、それを最適な場所で落ち着けようと強い一撃を放つ。

「あ、はぁぁんっ……!」

 セシリアの膣奥。子宮口に亀頭をごりっと押し込み、空いた手でセシリアの尻をひっぱたく。直後、セシリアの悲鳴とともに膣内が締まり、肉棒を容赦なく包み込む。その強烈な締め付けに背を押された男は、愛液を涎のように流すシャルロットの膣内に人差し指と中指を強く押し込みつつ、セシリアの中で果てた。

 ぶびゅるるるっ、どびゅるるるっ、ぶびゅーっ、どびゅーっ、びゅるっ、どびゅっ。

「そんな、強く、ひ、あ、あああっ!」

「あ、すごいっ、膨らんで、わ、私の中に」

 盛大に背を仰け反らせて男の指を受け入れるシャルロット。その近くで、男の肉棒から子宮へと精液を注ぎ込まれるセシリア。二人の耳通りのいい声を聞いて、射精による快楽に身を委ねる男。

 どぴゅっ、ぶびゅっ、と精液はセシリアの子宮を満たしていく。男の遺伝子を備えた子がいるだろう子宮に中出し。安定期でもない時期に激しいセックスをすれば流産の可能性もあるが、そのリスクすらどうでもいいとばかりに男はセシリアを精液吐き出し用の肉袋に扱う。仮に流産しても、すぐ孕ませてやればいい。男は、女を労わるよりも自分の快楽を優先していた。

 セシリアの膣内にぎっしりと精液を敷き詰める。

 射精が終わり、肉棒を取り出すと、膣内からはごぽりと白濁の粘液が零れた。

「ひぃっ、あっ、あははっ……!」

 セシリアは尻を突き出したままシートの上に突っ伏し、恍惚とした表情で震えていた。

「そ、総帥……」

 セシリアの相手を終え、次はシャルロットだ。男は力なく男にもたれ掛かって来たシャルロットの体を正面から受け止めると、シートの上に寝かせた。そして、たった今セシリアと愛し合っていた肉棒を膣口に突き付け、押し込んだ。

「んっ、あぅっ……!」

 正常位でシャルロットと繋がる。シャルロットの細い腰を掴んで肉棒を奥へ奥へと挿入していく。精液に濡れた肉棒に膣壁が絡みつき、セシリアの膣内とは違う具合の良さを味わわせてくれる。

「お帰り、総帥……」

「ただいま、シャルロット」

 シャルロットが広げた両手に出迎えられる形で、男はシャルロットに覆い被さった。直後、シャルロットの両手が男の首に抱き着き、両足が腰に回る。逃がさない。離さない。孕むことに特化した種付け体勢。既に妊娠しているというのに。安定期ではないというのに、二人は貪欲に精を貪ろうとしていた。

「赤ちゃんが壊れちゃったら、また僕の卵子を犯して赤ちゃん作ってね?」

「あぁ、好きに使わせてもらうぞ。お前の体は、俺の物だからな」

「うん、ありがとう。……ねぇ、総帥?」

「何だ?」

「僕、今とっても幸せだよ。これだけ幸せなら、きっと赤ちゃんも壊れないでくれると思うな。だからね」

 シャルロットはそう言って、続けた。

「僕を、道具のように激しく犯してほしいな。乱暴に、総帥と僕の立場の差を見せつけて? 僕は所詮、総帥と総帥のおちんぽなしでは生きていけないってことを、この体に教えてほしいな。ねっ、いいでしょ? 総帥」

 その誘惑は非常に甘く、男の脳を揺らした。乱暴セックスは正気モードの時だけでいいと思っていたが、自ら暴行を許容する妻と獣のような交わりを行うのも悪くはない。男はそう感じ、実践した。

 妊娠一ヶ月の十代の金髪美少女に覆い被さり、上から押し潰す形で犯す大人の男。

「あんっ、あんっ、あっ、ああっ……」

 容赦はなかった。シャルロットの狭い膣内をオナホールのように扱っている。亀頭のカリ首で膣口を捲り上げるように取り出し、その後一気に押し込んで子宮に肉棒突きを放つ。シャルロットの体が震えるが構わず、何度もそれを行った。

「あっ、幸せっ、幸せっ、もっと虐めて、虐めて虐めて虐めて虐めて虐めて……!」

 調子に乗る嫁。それを窘めるのは男の役目だ。男はシャルロットに向かって強烈な種付けプレスを敢行し、黙らせようとする。その思惑は上手く行えているようで、男の肉棒を子宮で受け止める度にシャルロットの意識は徐々に飛び始めた。

「総帥、もっと、僕を支配して、一人に、しないで……」

 高速ピストン。シャルロットの固定穴に、男の雄々しい肉棒が上下に出し入れされる光景。獣以上に激しい交わりに、男も暴走していた。シャルロットを本気で押し潰す勢いでプレスを仕掛け、自分の快楽だけを考え、シャルロットの肉体を使う。

 これで興奮できる俺は、やはりドSなのだろう。そんなことを呑気に頭の片隅で考えながら、男はついにそれを迎えた。

「う、くっ……」

 こみ上げてくる熱い欲望の猛り。それは押し止めることの奔流となっている。

 男は欲求に抗わず、出すことに決めた。力強く牝を組み伏せ、子がいるはずの子宮に新しい生命の息吹を暴力的に味わわせる。その行為を思って背徳的な快楽を覚えた男の理性が決壊したのはその直後。

 射精が始まった。

 ぶびゅびゅびゅびゅっ、びゅるるるるっ、どびゅるるっ、ぶびゅーっ、びゅるるるっ。

「っ、あ、あ、あああっ!?」

 肉棒を根元まで膣内に入れ、シャルロットと一体化しながら精液を譲渡する。それは凄まじい快楽を伴った。目の前にあるシャルロットの顔に向かって、邪悪な笑みを浮かべる男。女を完全に道具扱いして心の底から悦ぶ獣の姿がそこにはあった。

「あはっ、悪い顔、してるっ、んんっ、あっ……」

 シャルロットは半ば意識が飛んでいる状態で、男を見つめる。

「好き」

 シャルロットは小さく呟いた。

「だーい好き」

 射精中の愛する男の耳元に向かって、愛を囁き続ける。

「こんなに誰かのことを好きになれたのは初めてだよ」

「織斑一夏以上にか?」

 男がその名を出すと、シャルロットは「あははっ」と笑った。

「もうその男の名前は忘れたよ。今の僕には、もう総帥しかいないから」

 シャルロットがより強く男の体を抱き締めてくる。

「ねぇ、総帥。このままおちんぽを抜かないで、僕のおまんこと抱き合ったままでいてくれないかな? 最近、他の皆に総帥を奪われてばかりでこうしてゆっくり甘えられなかったから、今日は沢山愛してほしいな」

「虐めてほしいんじゃなかったのか?」

「うん。虐めてもほしいけど、愛してもほしい。総帥に支配されたい」

「我が儘だな」

「そうだね。今まで我が儘を言える環境じゃなかったから、調子に乗っちゃったのかも」

 小さく笑むシャルロット。その顔が可愛くて、男はシャルロットの頬を舌で舐め上げた。

「別にいいさ。嫁の頼みだからな」

「ありがとう、総帥。僕、総帥の為なら何でもするから、他の子で満足できない時は僕に言ってね? 全身全霊をかけて、総帥にご奉仕するからね」

 シャルロットは言いながら、男の唇に自身の唇を触れ合わせた。甘く優しい恋人同士のキス。それは、普段の男ならばただのキスだったが、今は違う。献身的な嫁による告白と一緒に放たれたことで、男の欲望を激しく揺さぶった。

「あんっ、あんっ、あんっ……!」

 シャルロットに種付けプレス。好きなだけ尻を揺らし、射精欲求を感じたら膣奥に肉棒を押し込んで即射精。それを何度も繰り返し、甘えん坊のシャルロットの中に子種を蓄え続けた。

 シャルロットの子どもが生まれたら、いったいどのような子になるのだろうか。

 明るい未来を想像しながら、男はまた射精を行った。

 気絶していたセシリアが目を覚ましたのは、男によってシャルロットの子宮に十発分の精液が貯蔵された頃だった。



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ヴィシュヌ・イサ・ギャラクシー

 タイ出身の十六歳の少女、ヴィシュヌ・イサ・ギャラクシー。彼女は亡国機業(ファントム・タスク)と呼ばれる秘密結社の構成員だ。最近になって外部から引き抜かれてきた人材でありながら、組織の中でも優遇された立場を与えられていた。

「ぁっ、はぁっ、んんっ……」

 ヴィシュヌは今、組織を束ねる総帥と呼ばれる男に抱かれている。西洋風の広い部屋に置かれた天蓋付きのベッドに押し倒され、先ほどまで処女膜が確認できた膣内を極太の肉棒で串刺しにされている。膣から溢れ出た破瓜の血が肌を伝い、ベッドのシーツに触れて赤い染みを作っている。

 ズンッ、ズンッと男がヴィシュヌの体を上から押し潰す。その動きに合わせて肉棒が奥深くへと挿入され、膣肉を引っ掻く。初めての感覚。強烈な異物感にヴィシュヌは落ち着きなく身を捩り、深緑に近い黒のショートヘアを揺らした。

「そ、総帥……」

 小さい頃から異性と接する機会はなく、ヴィシュヌは異性に免疫がなかった。恐怖症というわけではないが急に異性に接近されると反射的に足が出てしまいそうになる。ムエタイのチャンピオンである母親から格闘技を習っていたヴィシュヌの蹴りは凄まじく、それを受ければ大抵の者は悶絶するだろう。

 だが、ヴィシュヌは目の前の男に危害を加えることはなく、自然と受け入れることができた。

 逞しい体と肉棒を有した男。全世界を支配し、神同然に崇められている存在。愚かにも争いを繰り広げてきた人類を束ね、不要な国や人間を処分し、統一化を図った英雄。それだけの存在に求められている事実に高揚し、ヴィシュヌは豊満に実った乳房の内側で心臓の鼓動を速めていた。

 この人の妻としてこれから生きていく。近いうちに孕まされることになるだろう。他の妻たちは既に皆仲良く子供を妊娠していて、大きく膨らんだ腹を撫でる姿はとても幸せそうだった。

 男に魅入られた妻たちが羨ましく、ヴィシュヌも男の妻になって、子供が欲しいと以前から思っていた。だからこそ、自分の要望が通りやすいようにとヴィシュヌは構成員として懸命に働いた。タイの代表候補生だった彼女は、国から与えられていた専用IS『ドゥルガー・シン』を駆って組織主導の行事『間引き』に参加した。

 生きていても無駄な人間を処分する『間引き』で、ヴィシュヌは大量の人間を蹴り殺した。蹴って、蹴って、人間を肉塊へと変えた。子供を庇おうとする親を嬲り殺し、子供に絶望を味わわせた後で小さな頭蓋を踏み潰した。

 ヴィシュヌは忠実な兵士だった。男が求めていた通りの残酷で、面白味のある間引きを演じて見せた。その上、ドスケベな肉体を有していたことも幸いして、男の目に留まったらしい。その結果が、今の状況だ。男の部屋に呼び出されたかと思えば求婚され、ベッドイン。

 ヴィシュヌは幸せだった。欲望に染まる男の眼差し。体内を支配する男の熱。神に等しき存在と繋がるこのひと時を噛み締めるように味わう。いつしか処女喪失の痛みは引き、代わりに快楽が体を満たす。

「いい体だ」

 男が腰を振りながら気持ち良さそうに笑う。それを見て、ヴィシュヌは微笑んだ。

「ありがとうございます。私の全てを、総帥に捧げます」

「あぁ、これからも可愛がってやろう」

 男はヴィシュヌの胸に顔を埋めるように乳房にしゃぶりついた。男の口から漏れた唾液が胸全体に広がっていく。男に胸を舐められる感覚もまた初めてで、ヴィシュヌは新鮮な刺激の連続に陶酔した。

「んっ、あっ、そ、そんなに吸っちゃ、駄目……」

 乳首を思い切り吸いつかれ、ヴィシュヌは声を上げる。ヴィシュヌの熱を含む喘ぎ声に男は気を良くしたようで、腰遣いが激しくなった。ヴィシュヌが思わず背を仰け反らせる程度には強い突きが子宮口に放たれた。

「んっ……! あ、あぁっ……!」

 男の亀頭で何度も子宮口を突かれる。子を育む袋をサンドバッグにされている。男の子供が欲しいと思っていたヴィシュヌだったが、このままサンドバッグにされて子宮を駄目にされるのもいいかもしれないと思っていた。この突きを味わえば、女ならば誰でもそう思うだろう。

 神に等しい絶対なる存在。この人にももっと気持ちよくなってもらいたい。ヴィシュヌは男は男への恩を返そうと考え、行動に移す。

「失礼いたします……」

 ヴィシュヌは男に抱かれるばかりではなく、自分から抱き締め返した。両手を首に、両足を腰に巻きつける。にやにやと笑いながら自身を犯す男と密着し、近づいてきた唇に自身の唇を宛がう。

「ちゅっ、くちゅっ、ちゅるっ、ぬちゅっ、ちゅるっ……」

 無礼と思いながらも自ら舌を入れ、男の口内を舐め回す。顔色を窺いながら舌を動かしていたが、男の反応は悪くなかった。じっと見つめ返す眼差しは優しく、愛情に濡れている。それを浴びることで承認欲求を満たし、自分を認めてくれる愛しい存在に愛情でもって答える。

「ぐちゅっ、ぬちゅっ、ぢゅるっ、ちゅぷっ、んっ、くちゅ、くちゅっ……」

 男の舌が絡んできたことで、ヴィシュヌの振動は跳ねた。伝わる熱、ざらざらとした舌触りが心地いい。口の中で唾液を混ぜ合わせる行為がこれほど気持ちいいなんて。初体験の連続にヴィシュヌは興奮した。

 頭の中が真っ白になり、思考が正常に働かない。

 ヴィシュヌの動きが鈍る中、男の肉棒はヴィシュヌの膣内を蹂躙し続けた。自分専用の穴にしようと肉棒が前後に動き、膣内を押し広げる。カリ首で膣壁をゴシゴシと擦り、自身の臭いを刻みつけてくる。

 こんなにすごいなんて。徐々に速度を上げ、男のプレスが本格的なものへと移行する。背にしたベッドと男に挟まれたヴィシュヌは身動きが取れない。肌と肌が触れ合う音と膣内から生じる水音を聞きながら、男と舌を絡ませ合う。

 素敵。もっとこの人と繋がっていたい。

 思いは強まり、男を抱くヴィシュヌの両手足に力が入る。そのおかげで膣内に肉棒がより深く押しこまれ、ヴィシュヌの意識が解れた。もう舌を動かす余裕もない。男の舌が離れていってしまうのを止めることもできなかった。

 ヴィシュヌと男の共同作業で作った唾液。口に溜めていたそれを呑み込むヴィシュヌに向けて、男は新しい唾液をぼたぼたと垂らしてくる。ヴィシュヌは緩慢とした動きで舌を伸ばし、男が意図的に吐き出した唾液の塊を受け止めた。

 ぬるりと舌を滑る唾液。それを嚥下して見せると、男が表情を綻ばせた。

「美味しいか?」

「はい、とても……。もっと味わわせてください……」

「いいだろう、と言いたいところだが、働かざるもの食うべからずだ」

「何をすればよろしいのでしょうか?」

「今度、お前主導で国一つを滅ぼしてみせろ」

「殲滅ですか……」

 どこの国だ。神の気を害した愚かな人間でもいたのだろうか。全世界の人間が亡国機業とその総帥に平伏する中、随分気の狂った者もいたものだ。同じ人間として恥ずかしい気分になり、ヴィシュヌは早く殲滅してあげたいと思った。

「嫌か?」

 ヴィシュヌの発言を後ろ向きなものと捉えたのか、男が問うてきた。ヴィシュヌは即座に首を横に振った。

「いえ、喜んで引き受けさせていただきます」

「目ぼしい女は既に回収済みだ。あとはもう全員殺していい。国全体の洗脳を解いておくから多少暴れるだろうが、問題ないだろう。何か必要な物があれば言え。何でも用意させよう。俺に楽しいショーを見せてくれ」

「はい」

 ヴィシュヌは頷きながらも、男の言葉に引っ掛かりを覚えていた。

 洗脳、とは何のことだろうか。国全体に洗脳を施している、といった口振りだったが、そんなことが可能なのだろうか。だとすれば、どうして洗脳を解く必要があるのだろう。操ったままでいれば面倒なことは起きないと言うのに。

「お前の洗脳も解いて、体だけ操ってみるのもいいかもな」

「え……?」

 私の洗脳? ヴィシュヌは混乱した。

 いったい何を言っているのだろう。口元を吊り上げて笑う男を見て、ヴィシュヌは首を傾げた。今の言葉の意味を聞き返してみたい。だけど、なぜだろう。聞いてしまうと、取り返しがつかないことになりそうだった。もしも今の自分が本当の自分ではなく、作られたものだとしたら。そう考えると、恐怖が募った。

「あっ……!」

 膨らみ始めた恐怖心は一瞬にして霧散した。男の亀頭が子宮口に食い込んだことで。

 ヴィシュヌは体を痙攣させた。たった今考えていたことも一瞬だけ忘れ、男によってもたらされる快楽によがる。そうだ。今は余計なことに思考を費やしている場合ではない。この人が気持ちよくなれるようにしてあげないと。

 ヴィシュヌは纏わりつく疑念を引き剥がし、膣を引き締めた。

 敬愛すべき総帥。この人を疑うことも、敵意を向けることもあってはいけない。自分を戒めてみたが、ヴィシュヌが男と敵対する可能性はゼロだ。絶対にあり得ない。わざわざ改めて誓うまでもないが、念のためにだ。

 亡国機業と、総帥のために。

 ヴィシュヌは心の中で繰り返し呟きながら、子宮口に亀頭を押しつけられた刺激を受けて絶頂した。

 体が痙攣する。脳内が幸せで満ちる。

 そんな状態で、ヴィシュヌをさらなる追い打ちが襲った。

 膣内で膨らんだ肉棒。奥深くで挿入されていたそれは膣内を広げながら身動きを止める。これって、とヴィシュヌが予期した直後だった。ドクンッ、ドクンッと脈打つ肉棒から熱い何かが膣奥に広がった。

 精液だ。男の遺伝子を含む子供たちの素。それが子宮に注がれている。

 ヴィシュヌは声も出せなかった。目を見開き、雄の種を黙って受け止める。それを見下ろしていた男は小さく呻きながら射精を繰り返す。尋常ではない量だ。脈動を繰り返す度に子宮が重く、熱が高まっていく。

「たくさん人間を殺して、たくさん俺の子供を産んでくれよ?」

「んんっ……!?」

 種付けされながら、ヴィシュヌは男の接吻を受け入れた。乱暴な口づけ。自分から求めたときの行為が生易しいと思える舌遣い。にやけた顔でヴィシュヌの口内を味わう男を見て、彼女は得体の知れない恐怖を抱いた。

 今のはなに?

 考えてみても、わからなかった。なぜ男に恐怖を覚えたのか。

 わからないから、考えないことにした。これ以上はまずい。目覚めてしまう。確信めいた思いを抱き、ヴィシュヌは思考を振り払った。今はただ、総帥とのセックスを楽しめばいい。

 ヴィシュヌは膨らみ続ける違和感を無視して、男と交わった。

 正常位で、騎乗位で、バックで。ベッドの上で男と交尾を続ける。精液の大半は膣内に注がれ、子宮に貯め込まれた。口でも奉仕をし、男の睾丸を揉みながら精液を嚥下して胃の中に精液を送り込んだ。

「あんっ、あっ、んっ、ぁっ……!」

 そうしていると、先ほど抱いていた悪い思考などすっかり消え去っていた。男の精液を体の内外に浴び、計り知れない幸福に酔う。これでいい。この幸せだけあれば、他にはもう何もいらない。

 何十発と射精された頃になると、ヴィシュヌの体力は尽きていた。

 ベッドで倒れ込むヴィシュヌ。小麦色の肌は白濁に濡れ、開かれた股の中心では精液が膣外へと流出していた。膣内にはまだまだ精液が残留しており、精液が全て排出されるまでに時間が掛かるだろう。

 その間に、子宮に残った精子が卵子を仕留めてくれれば。

 男の子供を孕む自分を想像し、ヴィシュヌは素直に喜ぶことができた。やっぱり、私は総帥のことが好きなんだ。自然に浮かんだこの感情が偽りであるはずがない。今の自分が正気であることを自覚し、安堵の表情を浮かべた。

 

 爆発とともに立ち上る黒煙。人々の悲鳴が至る場所から聞こえてきた。戦場と化した街中を見慣れた人種の人々が逃げ惑う。

 ヴィシュヌはそれを青ざめた表情で眺めていた。黒いボディスーツの上に専用IS『ダーク・ドゥルガー・シン』を身に纏ったまま、青空を力なく漂う。

「駄目……」

 呟くヴィシュヌの横を、ISを着た数人の少女たちが駆け抜けた。逃げる民衆を追いかけ、人間に向けるには強力すぎる兵器で屠る。腕や足、頭が千切れる。吹き出した血液が地を汚し、近くにミサイルが着弾して跡形もなく吹き飛ばした。

 遠くで場違いな歌声が聞こえた。視線を向けると、十代前半に見える幼い少女二人が一つのISを操る姿があった。彼女たちの歌声に反応するようにISが空を自由に駆け、人々に死を運んでいる。

 これは夢だ。こんな戦場があるわけがない。ヴィシュヌは寒気すら感じる体を両手で抱き締める。乳房の大半が露出する扇情的なISスーツが気にならなくなるほど、ヴィシュヌの心は動揺していた。

「助けないと……」

 この光景を止められるのはおそらく自分だけ。わかっているはずなのに、体が動かない。こうして正気を取り戻す前のヴィシュヌが下した命令を受けた少女たちが、殺戮を繰り広げる様を見ていることしかできなかった。命令を取り消そうとしても、簡単なはずのその言葉がなぜか思い浮かばない。

 そんなときだ。どこからか罵声が聞こえた。

 ヴィシュヌが足元の地上を見下ろすと、小さな子供がこちらを見上げていた。煤や涙で顔をぐちゃぐちゃにし、手に持った石を投げつけてくる。到底届くはずのない高さであるため敵性はないが、ヴィシュヌの体が反応してしまった。

『敵対勢力を確認。始末します』

 自分にそっくりな、自分ではない声が脳内に響く。

「やめて、駄目、ねぇ、お願いっ……! 止まって……!」

 ヴィシュヌは涙を流し、抵抗する。しかし、体は言うことを聞かない。脳内の声に反応した体がISを操作し、一人の子供に向けて空を駆ける。必死に呼び掛けてもその勢いが落ちるばかりか速度を上げ、そのままに地面に突っ込もうとしていた。

 ヴィシュヌは叫んだ。自分で何を言ったのかもわからず、恐怖に突き動かされたわけだが、それは結果には何の影響も与えなかった。

「あ……」

 ヴィシュヌは見てしまった。黒い脚部に纏わりつく赤い鮮血を。上半身を失った幼い亡骸を。

 その亡骸は、ヴィシュヌが再び振り上げた足によって周囲に四散した。ぐちゃ、という音が耳にこびりついて離れなかった。

「あ、あぁ……」

 地面に膝をつき、絶望するヴィシュヌ。その頭上を見覚えのないISが通りすぎた。そのISを纏っていたのは若い少女たちだったが、その腹は一様に大きく膨らんでいた。

 胎内に新しい生命を宿した少女たちが、競うように空を飛び回り、攻撃を開始していた。それを呆然と見上げながらヴィシュヌは口を開いた。

「誰か、助けて……」

『初弾命中。やりましたわ。三匹まとめて』

『ちょっとセシリア! それはあたしの獲物でしょ! なんで横取りすんのよ!』

『あら、鈴さん。こういうのは早い者勝ちですわよ?』

『って、また殺したわね!? 見てなさいよ! あ、いたいた。このゴミ共! さっさと死になさいよ!』

『ねぇ、皆。総帥が見てるんだから、もっと落ち着いて殺そうよ。あ、ラウラ。そこの路地に団体さんが逃げたみたいだよ? 僕はここを制圧するから、向こうにいってきて?』

『了解だ、シャルロット。箒、一緒に来てくれ』

『あぁ。わかった。んっ……お腹の中の子供が喜んでいるな。待っていてくれ。今から、私の黒椿で人間の悲鳴を聞かせてあげるからな?』

 楽しそうな少女たちの会話がISを介して届いてくる。彼女たちは人を殺すことに躊躇いがなかった。総帥と呼ばれる男のために、そして胎内に宿る総帥の子のためによりよい世界を作ろうと一生懸命の様子だった。

 誰も彼女たちを止めることはできない。少女たちの賑やかな声がいつまでも聞こえてきた。

「あは、あはははっ……」

 涙を流し、力なく笑う。ヴィシュヌは思った。この世界にはもう救いはない、と。



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篠ノ之箒②

本作の更新は久しぶりなので、軽めの内容です。


 一面ガラス張りの窓。正面に向き合えば、高層階からの夜景を眺めることができる。

 人々が営む証である人工的な光が街に広がっている。作り物ではあるが、のんびりとした時間を楽しむ肴にはなる。皮張りのソファーに深くもたれかかった男は、傍にある丸テーブルに置かれたワイングラスを手に取ると、中の赤ワインをぐいっと呷った。

 グラスが空になったが、まだ喉は潤っていない。男は引き続きワインを楽しもうと、ボトルに手を伸ばした。

 しかし、その手がボトルを掴むよりも先に、横から伸びてきた手に掠め取られた。

 手の先を目線で辿れば、女が立っていた。

 照明の光を抑えた薄暗い部屋であっても、その黒髪の色艶の良さが見て取れた。触れてみたいとさえ思える美しい髪は紫色のリボンで縛られ、長いポニーテールにしている。顔立ちにはまだ幼さを残しているものの、和風美人に相応しい艶やかさを有しつつある。

 谷間がはっきりと見えるほどに胸元が大きく開き、丸々と膨らんだ腹の輪郭を浮き彫りにする黒いマタニティドレスを着たその女。男から奪ったボトルを両手で持ったまま咎めるように、けれども優しさの隠し切れない声音で言った。

「全く。飲み過ぎだぞ」

「まだそれほど飲んでいないつもりだが。もう駄目なのか? 箒」

 女の名は、篠ノ之箒。亡国機業の実働部隊に所属する兵士の一人。そして、総帥の立場にいるこの男の妻だ。婚姻はまだ先の話だが、男に目をつけられた女たちと同様に、そう遠くない将来に男の姓を与えられ、家系図に組み込まれることになっている。

 勿論、そろそろこの世に産み落とされる予定の、箒の胎内にいる子供も。

「もう少しくらい、いいだろう?」

「駄目だ。我が子の父親になるのだから、健康のことも考えてもらわないとな」

 箒はテーブルの端にボトルを置くと、男がテーブルに手を伸ばせないように、ソファーに座って男の腕に抱き着く。男の温もりをしっかりと感じるために、ここ数か月でさらに大きく実ってきた乳袋と膨らんだ腹を腕に密着させている。

 最愛の夫と愛を育む妻。その関係に不自然なところはない。九か月前まで、敵対していた関係などと言われても誰も信じないだろう。それもこれも洗脳による脳内調整の結果なのだが、それを除いても、二人の間には明確な愛情が形作られていた。

「それで、そろそろ娘の名前は考えてくれたか?」

「ああ。まだ絞りきれてはいないがな」

 箒は会話をしながら、そっと伸ばした手で男の股間を弄る。

「そうか。楽しみだ」

 箒の手はズボン越しに男の肉棒を揉み解す。丁寧に、優しく揉むこと一分間、股間は大きく膨らんでいた。布地の内側で窮屈そうなそれを見て箒はくすりと笑うと、ズボンのベルトを外し、チャックを下ろし始めた。

「……大切な最初の娘だ。いい名前をつけてやらないとな」

 箒の細い指先が開かれたチャックの穴に忍び込むと、手慣れた動きで肉棒を取り出す。まもなく、内側から硬く勃起した一物が姿を晒す。目を細めて喜んだ箒はそのまま、手の平の熱を伝えるように、太く長い竿の一部を手で掴む。

「もちろん、二人目も、三人目も、その後も……。他の皆の子供もそうだが、子沢山になると名付けが大変だな……? だが、楽しくもある……。ああ、私は今、とても幸せだぞ……? 愛する男とこうして、夫婦の共同作業を行えているのだからな……」

 男の耳元に顔を近づけ、箒は息を潜めた囁き声を送り、肉棒を扱き始める。

 先ほどから箒の様子を眺めていた男は、箒が発情していることを理解していた。

 妊娠し、出産を来月に控えた段階に至って、男は箒とのセックスは控えていた。肉体的な接触ができない代わりに、無理しない程度にと箒を旅行に誘うことにし、今はこうして旅行先の高級ホテルに泊まっている。

 だが、旅行を楽しんだところで、肉体の疼きが収まるわけもない。

 それに、この旅行は男と箒の二人旅だ。念のためにボディガードを連れてきていて、箒にばれないように配置しているが、互いに干渉することはない。箒がどれだけ男に甘えようと、邪魔する者はいない。

 箒は積極的だった。

 それでも、自分から誘いの言葉を投げかけることはなく、男から誘われるように仕向ける。男に愛されることで自分の魅力を理解した箒は、そんな駆け引きができるようになっていた。

「どうしたことか。こんなに、硬くなってしまったな。溜まっているのか? 裏筋を指でくりくりと擦るだけで、ほら、またビクンッて跳ねたぞ?」

 人差し指で裏筋をなぞりながら、箒は期待の眼差しを向けてくる。誰のせいだと思っているのだと、男は呆れた目を送っていたが、ここまで肉棒を育てられては仕方がない。

「箒」

「何だ?」

 わかっているくせに、箒は素知らぬ振りをして、肉棒をぬこぬこと手で扱く。できるだけ広く手の平にチンポの臭いを擦りつけるみたいに。熱心に弄り回し、尿道から漏れた我慢汁を手の平全体に薄く広げている。

「ベッドに移動するぞ」

「……ああ、誘われては仕方がないな」

 期待通りの結果になって、箒は穏やかに笑顔を見せた。

 その瞳は昏く、内には消し去れない欲望の闇が宿っていた。

 

 脱いだ衣服をベッドの端に放り投げ、男は中心で大の字になった。その気になってからは箒よりもやる気を見せた男に対し、箒は小さな子供を見るような微笑ましい表情を浮かべていた。くすくすと笑った後、意気揚々と存在を主張する極太チンポを見下ろし、舌なめずりをした。

「今、鎮めてやる」

 箒は男の下半身に跨って立つと、マタニティドレスの裾をたくし上げる。レースをあしらった紫色の下着が全貌を晒す。透けたシースルー生地では肌が殆ど隠されておらず、代わりに煽情的な色香に覆われていた。

 箒が下着を指で横にずらせば、女陰がそのままの姿で男の目に留まる。

 男に何度も抱かれ、生殖棒を受け入れた秘所。しかし、箒の指で左右に開かれた陰裂から剥き出しになったのは、未使用であるかのような綺麗なピンク色。とても純潔を散らしたとは思えないが、しっかりと男を知ったわかりやすい証拠もあった。

「私も、これ以上は待ちきれないからな」

 箒の膣穴から甘い蜜が垂れる。濃い雌の芳香を放ち、ローションのように直下の肉棒に垂れかかる。全体が愛液まみれになるのに時間は要さず、本格的に交わる前の事前準備はあっという間に完了した。

「ずっと、これが欲しくて堪らなかったんだ……」

 念願叶ったとでも言いたげな様子で、箒はその場でしゃがみ込む。赤子が詰め込まれた胎を軽く弾ませ、直立チンポの間近まで膣を寄せる。相手の存在を察知し、こぽりと追加で溢れてきた愛液が肉棒を濡らした直後、交合が始まった。

「ぁ、あぁあ、ぅぁあああっ……!」

 箒が腰を低くし、男の下半身に尻を寄せていく。しばらくお預けを食らっていた膣穴は肉棒を咥え込んだ瞬間にぎゅうっと強く締めつけていて、それが逆に箒への快感を跳ね上げる原因にもなっているようだった。

 当然、大切な場所を掴まれ、体表よりも熱い粘膜で熱せられる男の快感も凄まじいものだった。徐々に奥へと穴に呑み込まれる快感を箒と共有しながら、同様に声を漏らし、そのまま自分の娘が眠る子宮の近くまで亀頭が辿り着いた。

 数か月振りの生ハメセックス。

「おかえり……」

「ああ、ただいま」

 最愛の夫の帰宅を歓迎する新婚妻のような甘ったるい声で、箒は男を歓迎した。

 歓迎は決して、熱い抱擁だけでは終わらない。

 箒は完全に男の下半身に着席すると、右手を持ち上げて綺麗に敬礼をしてみせた。

 妻としてだけでなく、部下として上司に敬意を払うことも忘れていない。雄様のおチンポ様を迎え入れることを許された幸福に浸った雌顔を見せながら、敬礼を続けながら、箒は騎乗位ピストンを始めた。

「はっ……ぁあっ……んぁぁっ……あぁあっ……!」

 まだ十代の少女が、来月出産予定の子供を仕込まれたボテ腹をゆさゆさと揺らしている。敬礼をするその右手は、既に数万人の人間を殺めて血に濡れている。一人の人間が生涯を費やしても贖いきれない罪を背負うことなく踏み倒し、男の下で幸福と快楽を与えられて自由に生きる女兵士。

 もう誰も彼女を元には戻せない。かつて箒が愛した少年、織斑一夏に呼び掛けられたとしても、箒の心は惑わされない。いつまでも男を慕い、男の欲望を満たすためだけに生きるだろう。そうなるように調整をした。

 一人の人間が、それも、類まれな容姿の美少女が人生を狂わされた姿を目にして、男は凶悪な笑顔を見せた。これだから女を悪に堕とすのはやめられない。湧き上がる興奮はそのまま肉棒の成長へと置き換えられ、箒の膣内を生殖棒が占有する。

「はぁっ……あぁ、硬い……。腹ボテセックスで、随分と興奮してくれているようだな……。んぁっ、んっ……。む、娘のいる子宮の入口を亀頭でノックする気分はどうだ……? あぁんっ……私は、最高だ……。も、もっと、突いてくれっ……。娘が嫉妬してしまうくらいに、私の妊娠済みおマンコをハメ倒してくれぇっ……!」

 箒の騎乗位が速度を増していく。様子を窺う目的でゆっくりと動いていたが、お腹に影響はないとわかると、高速に切り替えていく。

「あっ……ぁはっ……気持ち、いいっ……。あぁぁあっ……ぉぉっ……ぉっ、んぁあぁっ……! セックスっ……。旦那様とのセックスっ……。わ、私は、この人を愛し、この人の子供を産むためだけに生まれてきたんだ……。早く、この子を産んで、子宮を空けて、また次の子種を植えつけてもらわないとっ……」

 自分の役目を理解し、使命感に燃えている箒。男は箒の発言を訂正することはなかった。男もまた、箒と同様の考えを抱いているためである。

 全ての見目麗しい女は、自分の下で管理すべきである。そして、より多くの女を愛し、時には残酷なまでに精神と肉体を弄ぶ。その上で、より深い愛情を注ぎたいと思った者は全員、自分の伴侶として最上の祝福を施す。

 その過程で自分が楽しめるのであれば、どれだけの人間が不幸になっても構わない。そうした身勝手な思いの積み重ねによって、この状況が成り立っている。

「ぁぁっ、んぁああっ、ぉおぉっ、ぉっ、おぉおおぉおっ……!?」

 箒が暴れる。男を食らわんとするように覆い被さって、間近に顔を寄せる。温められた吐息の全てが男の顔面に吹きかけられ、蕩けた表情が男の視界を塞ぐ。仮にどれだけ性格が破綻していようと、整った顔と官能的な女体で多くの異性の好意を引き寄せていたはずだ。そんな少女がただ自分だけを想い、快楽に狂う光景は男の股間に酷く響いた。

 興奮によって精子が汲み上げられる。

 熱い衝動を感じてすぐに、男は猛る欲望を無言のまま放った。

「ん、ぁっ、ぉっ、奥で、出てるっ……ぉおおぉおおっ……」

 子を孕んでいるとき、子宮は完全に口を閉ざしているため、中に精液が入ることはない。だが、それでも膣の奥で高熱を感じたようで、箒は身震いしていた。鼻先が触れ合う距離で男を見つめながら、唇に吸いつく。

「ちゅっ、ん、ちゅ、ぷっ、はぁっ、ん、ぐぢゅっ、ぬ、ぢゅ……」

 男はそれを受け入れ、されるがまま身を任せた。

 精液の受け渡しとともに、箒の口づけが繰り返される。肉と肉が接触する音が消えた代わりに、唾液が絡む音が鳴る。

 誰にも邪魔されず、ただ気の向くままに肌を重ねる。

 出会い、ここに至るまでの過程は最悪ではあったが、箒は幸せそうだった。

「よし、そろそろ二回戦だ……」

 口の周りについた男の唾液をぺろりと舐め取り、箒は腰を揺する。我が子を抱えた分だけ重くなった体重を乗せ、男の股間に尻を振り下ろす。その動きは先ほどと比べて陰りを見せておらず、まだまだやり足りないようだ。

 とことん付き合ってやろう。

 男は箒のボテ腹を撫で、もう片方の手でドレスの上から乳房を揉みしだく。手に伝わるのは冷めるどころかますます上がっているように感じる箒の体温と、暴れる母親に触発されるように胎の中で蹴りを放った愛娘の胎動だった。



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千冬&束

「あむっ、じゅるるぅっ、れろぉぉっ、れろれろっ、ぬちゅっ、ぐっちゃぁぁあっ!」

「ぐぽぉっ、ぶぢゅぢゅっ、ぬぽぉっ、ぶぽぉっ、ぶぢゅっ、ぢゅるぢゅるぅっ!」

 玉座を思わせる豪奢な椅子に腰かけた男は、足元に跪く二人の美女によるチンポご奉仕を受けていた。片方が見事な分厚さを見せる竿に忙しなく舌を這わせ、もう片方が巨大な亀頭を口内でぶぽぶぽと下品にしゃぶる。

 女尊男卑の思想を掲げる女たちが見れば、発狂間違いなしの雄媚びフェラチオだった。

 男は二人の頭に手を置き、愛情をこめて撫でる。

「そのまま頼む。束、千冬」

 それを受けて、跪いて熱心にチンポ掃除をする二人の美女。

「了解! ぬちゅぅっ、総帥のチンポ、ぢゅるぅ~、金玉との境目から裏筋まで全部舐めちゃうからね~? じゅるっ、んはああっ、チンポすっごく硬くて熱いぃ、味も美味しくてぇ、ぐぢゅっ、ぬろぉぉ~、ご奉仕するのやめられなぁい」

 一人は、機械でできたウサ耳を頭に装着し、緩みきった微笑みを見せる篠ノ之束。片手の指で横ピースをしながら、伸ばした舌でねっとりと肉厚な竿の表面を撫で、血管が浮き上がったデコボコを楽しそうになぞっている。

「あぁ、私も、ぐぽっ、ぢゅぷ、ぐっぽぉぉおっ、病みつきになりそうだっ。カリ首の溝に溜まった細かな汚れを、こうやって、ぶぢゅぢゅぢゅっ! 吸いあげてっ、尿道から次々と出てくる我慢汁を啜っているだけで、あぁぁっ、堪らないっ、ぐぷっ、ぬぷぅっ!」

 もう一人は、切れ長の双眸を細めながらチンポを口内で迎え入れる織斑千冬。後頭部で縛り上げた黒髪がゆらゆらと振り動くほどに頭を激しく前後させ、窄めた口の中で膨れ上がった亀頭を味わっている。

 かつては強敵として男の前で抗った二人の姿は見る影もない。

 男に屈する悦びを知った束。快楽に呑まれて溺れた千冬。

 双方統一された格好で身を包み、亡国機業の主である男に誠心誠意尽くしていた。

 際どすぎるハイレグタイプの漆黒のISスーツ。背中が大きく開き、横乳もはみ出している。人によっては裸よりも恥ずかしい衣装だろう。

 腕や太股を爪先までピッチリと覆う、スーツと同じ素材の手袋とソックス。黒いハイヒール。ISスーツと合わさって妖しい雰囲気を醸し出している。

 そして、ISスーツを内側から大きく膨らませている、存在感抜群の丸みを帯びた臨月の腹。中に宿っているのは勿論、二人が媚びている男の遺伝子を継いだ胎児だ。来月にはこの世に産み落とされる予定となっている子供たちは、二人からへその緒を通じて栄養を貰い、すくすくと成長している。

 世界一優れた女たちを支配下に置き、胎内で我が子を育てさせながらチンポに奉仕させる。これほど優越感を抱くことはない。成し遂げたという達成感はいつまでも余韻として残っており、男は笑いを抑えきれなかった。

「ふ、ははははっ……」

 椅子にもたれながら哄笑する男の前には、堕ちた世界最強の女たち以外にも、愉快な光景が広がっている。

 男の視界に収まる範囲内で、立ち並べられた円柱型のカプセル。数十台設置されているその内部は黄緑色の溶液で満杯になっており、生まれたままの美しい肢体を晒す女たちが浮いていた。

 女たちの目元には漆黒のバイザーが装着されている。そこから強制的に見せられているのは、亡国機業が築く理想の未来だ。信頼できる仲間たちと共に敬愛すべき総帥を崇め、兵士としてISを纏って戦場を駆け、この世界に不要と判断された人間を始末する。間引きをする際の映像も流されており、常人では見るに堪えない凄惨な光景が広がっていることだろう。

 口元は金属製のマスクで覆われていて、酸素と催淫効果のあるガスが供給されている。

 耳の穴にはチューブが差し込まれていて、奥で耳の穴を塞ぐように円形に広がった先端から映像に合わせた音声と、洗脳用のナノマシンが流し込まれている。体内に深く定着したナノマシンは容易く脳を支配し、女たちを決して逃れられぬ管理下に置く。

 全身には吸盤状の測定器が取りつけられている。測定器に繋がった管から身体情報を読み取っていて、カプセルの前に設置されたモニターに情報を映し出していた。

 そのモニターには、収納された女たちのバストアップ写真と名前も表示されている。

 (ファン)乱音(ランイン)

 ヴィシュヌ・イサ・ギャラクシー。

 ファニール・コメット。

 オニール・コメット。

 ロランツィーネ・ローランディフィルネィ。

 ベルベット・ヘル。

 クーリェ・ルククシェフカ。

 グリフィン・レッドラム。

 いずれも見惚れるような美少女である彼女たちは、ここ数か月の間に各国の首脳に命令して送ってもらった優秀なIS操縦者たちだ。既に何人かには先行して洗脳を済ませ、女兵士として任務を経験させている。今日は定期健診を兼ねた調教日であり、新たに増えたコレクションを目で楽しもうと、この部屋で検査を行わせていた。

 この場にいるのは新人だけではなく、妊婦の兵士たちも混ざっている。

 篠ノ之箒、セシリア・オルコット、凰鈴音、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒ、更識簪、更識楯無、山田真耶、布仏本音、布仏虚、クロエ・クロニクル、相川清香、鷹月静寐、四十院神楽、などなど。千冬たちと同じく、赤子を胎内に仕込まれた美女たちがカプセルの中で検査を受けている。

 妊婦組については、新人とは違って胎内の赤子の様子もモニタリングしている。まだ堕ちる前のバストアップ写真と胎児の様子がモニターで横並びになっているのを見ると、穢してやったのだという実感が湧き出てくる。

「この景色こそ、俺が求めていたものだ……」

 男はカプセルに収まったコレクションを何度も見回して肉棒を力強く勃起させながら、口から垂れそうになった涎を啜る。男が興奮を催したのに気づき、千冬が音を鳴らして竿まで咥えていった。

「ぐ、ぽぉっ! ぬぢぃっ、ぐ、ぢゅぢゅぢゅぅうぅううっ!」

「くっ……。こ、これは……」

「はぁーい、ちーちゃんのお口マンコにご案なーい! すごく気持ち良いでしょ! 柔らかくてぷるぷるした唇でぬぢゅぢゅって擦りながら、むぎゅぎゅぅってほっぺたの内側のお肉でホールドして、ぁっ、出たっ、ちーちゃんの美人さん台無しの超高速ひょっとこフェラ!」

「ぶぽぉっ! ごぷぅっ! ぢゅぷぅっ! ぬぢゅるるっ! ぢゅぶぢゅぶぅううっ!」

「ぉぉ、ぅ……ぉおっ……」

 千冬は男の太腿に手を置いたまま、上目遣いで見つめながら頭を振っている。瞳にハートマークが浮かんでいると錯覚する程度には表情には愛情が湛えられていて、それを直視していた男は熱々口マンコの摩擦も相まって興奮が跳ね上げられていく。

「っ、はっ、はははははっ……!」

 もう笑うしかない。雄の本能がくすぐられ、玉座にふんぞり返る。

 カプセルに収納し、脳を弄り、肉体を調整中のIS操縦者たち。

 無事に子供が出産できるように、検査を受けているボテ腹女兵士たち。

 そして、最強の武と最高の智を有した千冬と束。先ほどからディープフェラを繰り返す千冬の実況をしつつ、金玉をじっくりもみもみと手の中でマッサージする束。

 贅を尽くした最高の環境。この世界の王、いや、神が堪能するのに相応しい天国。

「出るぞぉぉおっ!」

 雄叫びを上げる男に合わせて、千冬と束は示し合わせたように右手で敬礼する。

「ぶ、ぐぽぽぉっ、ぶぢゅぞぞぞぞぞぉぉおおおぉおおおっ!」

「イっちゃえ! 総帥!」

 ぶびゅびゅびゅびゅびゅっ! どびゅるるるるっ! どっびゅっ! びゅるっ! どびゅびゅぅうっ! びゅびゅぅっ! どぷっ! どっくぅっ! どくんっ! どくんっ! びゅるるるっ!

 金玉の精子を一気に全て解放したかのような、尋常ではない射精。それだけ気分が高揚しているのだと自覚し、どこか現実味が薄れるような夢見心地な気分さえ覚える。しかし、これは夢ではなく、現実なのだと思い知らされる。

「ごくっ、ごくっ、ごくっ……!」

 敬礼を続けながら精液を嚥下する千冬。

「後で私も、せーし搾り取ってあげるからね?」

 こちらも敬礼をしながら、ポンプを押すように玉袋を揉む束。

 最高過ぎる現実は、瞬きをしたところで消えることはない。自分一人で独占しているのが勿体ないと思えてくるほどの絶景であり、男はこの光景を映像としてとある人物に共有してあげたくなった。

 男は額に取りつけるタイプの薄型カメラを装着すると、ライブで映像を送った。

「見えているか? 織斑一夏」

 映像の共有先は、別室でカプセルに囚われ続けている織斑一夏だ。ここ数日、男が寝取った女たちの映像をバイザーを通じて強制的に見せられ、耳奥まで差し込まれた音響機器から女たちの喘ぎ声を聞かされ続けている。

「最高の景色だろう。お前では、絶対に見ることのできなかったものだ」

 女たちを味わう男の主観での映像は破壊力抜群だ。一夏の肉棒は束謹製の搾精機にずっぽりと咥え込まれ、休みなく精子を吸われ続けているという。常人ならばとっくに精魂尽き果てて息絶えるほどの精子を吸っているが、まだ息があるという情報を男は部下からの報告で知っていた。

 とはいえ、このまま搾精を続ければ、どれほどの人間でも死は避けられない。

「哀れなお前には、今度もっと素晴らしい景色を見せてやろう。お前と想い合っていた女たちも全員登場するぞ。楽しみに待っていてくれ」

 今、とある計画が佳境に入っている。準備を進めているその舞台では、是非とも織斑一夏に参加してもらう予定だった。そして、そこで織斑一夏には男として完全に死んでもらうつもりだった。

 そのための準備はもう、ほぼ完了している。

「ちーちゃん、精液わけて~?」

「んっ、ぢゅるっ、ぐぢゅっ、んっ、はあぁぁ~、ほら、もっていけ……」

「うん、ありがと。んぁ~、あぁあっ、ぢゅ、ぢゅるっ、ぅ、んぁ、すっごく濃ゆいね~」

 ようやく射精が落ち着いた肉棒から千冬が口を離す。束に精液をねだられ、二人の顔が近づいていく。そうして、互いに伸ばしたあった舌を触れ合わせ、千冬の口内に溜まっていた精液が舌の上をぬるりと滑って束に譲渡される。

「くちゅっ、くちゅ、ぐっちゅぅっ!」

「ぬちぃっ、ぬっちゅっ、ぐっちゃあぁぁっ!」

 亀頭のすぐ傍で行われたことで、二人の口からこぼれた精液が亀頭に垂れ、竿に向かって伝い落ちていく。それに気づいた束が人差し指の腹でごっそりと拭い取り、千冬から貰った精液と一緒に口に含んだ。

「がらがらがらがらぁっ……!」

 笑いながら、束が精液で口をうがいする。カメラ目線で、ニヤニヤと笑いながら。

「ん、がらがらがらがらがらがらぁっ!」

 束に触発され、千冬もカメラ目線で精液うがいを開始する。この光景が弟である織斑一夏にも共有されていることを知った上で、口を大きく開き、口内で精液が元気よく弾ける様子を披露している。

 やがて、精液うがいを満足するまで行った二人は、カメラに顔を寄せ、喉を鳴らした。

「ごくっ……」

「ごっくんっ……」

「はぁああ~……」

「んぁああ~……」

 二人の嚥下の音も、吐息の音も、織斑一夏にはすぐ傍で聞かされているかのように感じていることだろう。だが、それは決して本物ではない。二人の吐息にこもった熱も、男の太腿に乗せられた二人のボテ腹の感触も重みも、織斑一夏は感じられない。

 自分だけが本物を味わえる。

 恵まれ過ぎた環境で、脳内が幸福に満たされる。

「まだまだ終わりじゃないぞ……?」

「次は二人でもっといいことしてあげるねっ」

「なに?」

 てっきり束がフェラチオをするのだと思っていた男だったが、どうやら違うようだ。

 二人は立ち上がって男から少し離れた場所に移動すると、向かい合わせになった。互いに腹が大きくなった二人がそんなことをすれば、赤子が詰まった腹が密着し合う。両手では抱えきれないほどの丸みが、正面からおしくらまんじゅうをしている。

「総帥、ここにチンポを差し込んでくれ」

「ここ?」

「そうだよ。ここ、ボテ腹とボテ腹の間」

 千冬と束が指差した場所は、言葉通り、ボテ腹同士がむぎゅむぎゅと触れ合っているところだった。その間にチンポを挿入しろと言っている。

 いわゆるボテズリだ。

 言われてみれば、今がそのプレイを楽しむのに適した状況下だった。今を逃して二人が出産をしてしまうと、また孕ませるまで体験できなくなる。眺めたり触ったりで満足していて、男は擦りつけるという行為をうっかり忘れていた。

 二人の提案を理解した男は席を立った。

「こっちだぞ」

「おいで~」

 手招きをする二人に誘われ、男は歩み寄る。それはさながら、初めて一人で立てるようになった我が子が母親の下へ向かっていくようだった。実際にはそんな可愛げのあるものではなく、凶悪なチンポをビンビンに反り立たせた男が向かってきているのだが、二人の表情からは慈愛の感情が抜けることがない。

 歓迎ムードの中、男は辿り着き、両手を伸ばした。

「ふふっ……」

「あぁんっ」

 右手で千冬の乳房を鷲掴みにし、左手で束の尻に掴みかかる。二人の視線が至近距離から向けられる中で、男は腰を前に押し出す。

 亀頭の先端が、ISスーツに包まれたボテ腹の境目に埋まり、押しつけ合っている隙間に傘を沈ませる。

「これは、なかなか……」

 パイズリのように柔らかくはなく、圧迫感が強い。だが、張り詰めて反発するような抵抗感と竿に圧し掛かるような重みがあって、膣内とも違う温もりが新鮮で、心地良かった。スーツの滑らかな生地の表面を、ズルリと擦りながら進んでいく。

 これが人の重み。伝わってくるのは、自分の子供たちの鼓動。

「どうだ?」

「どう? 総帥」

「ここに私たちの息子がいるんだぞ?」

「ここに私たちの娘がいるんだよ?」

 同じ種で、違う胎から育った息子と娘。いったいどのように育つのだろうか。それを見守るのも、これからの楽しみだった。出会ってからここに至るまでの過程はどうあれ、結果的には妻になった女たちだ。一人残らず、徹底的に愛し尽くす。

「ふ、んっ……」

 男は気合を入れ、左右から圧迫してくるボテ腹を押し退けて肉棒を突き進ませた。

「ぅぉおおっ……」

 丸々としたボテ腹壁。チンポを完全に覆い隠し、じっくりと体温を伝えてくる。ちょうど、束の腹の中で娘が蹴りを放ったようで、「あ、動いたよ。パパの気配に気づいたのかな?」と束が嬉しそうに報告して口角を緩めていた。

「本当に、最高の男だ。私たちの息子も、お前のように立派な雄に育ってもらいたいものだ。間違っても、一夏のような雄失格の無様な敗北者にだけはならないようにな。もしも一夏に似て軟弱に育つようならば、性別を変えてもらうのも検討しておかないとな」

「私の娘は大丈夫だよ。史上最高峰の頭脳である私と総帥の子供だから、きっと賢い子になると思うから。私と一緒に総帥のチンポに媚びて、平伏して、総帥のためにいろいろな発明品を世に生み出してあげるからね~?」

 実際に子供が生まれて、育ってからでないと、どうなるかはわからない。しかし、将来のことを話す二人は楽しそうだ。

 そんな二人のボテ腹に挟まれながら、ズリズリと扱いてもらう。

「ボテ腹ズリは気持ちいいか?」

「ああ……」

 愛する妻と、その子供たちに挟まれてのチンポ扱きは退廃的な快楽が凄まじい。視覚情報によって満たされる征服欲。何故もっと早くボテズリプレイの存在に気づかなかったのだと多少の後悔を覚えた。

「それじゃあ、今度は別の組み合わせでもやってみようか。ううん、いっそのこと総帥の奥さん限定で全通り試してみる? 皆とお腹を重ね合わせて総帥のチンポをもっとズリズリしてあげたいなぁ」

 亡国機業に堕ちる前の束であれば、こんな提案はしなかっただろう。だが、男の妻となったことで、他の妻たちとも仲が良くなったようだ。アジト内で会話をする様子や、着せ替えをさせようと妻たちを追いかけている様子が見掛けられた。

 妻同士の関係は良好。元々仲の良い者だけではなく、いろいろな組み合わせでのセックスが楽しめる。これまでも十分楽しんだつもりだったが、まだ足りていないと男は実感していた。

 子を孕ませ、産ませるまでがゴールではない。あくまでそれは過程だ。

 他者からすれば邪悪で、男たちからすれば明るい未来が、この先もずっと続いている。

「そうだな。できることをいろいろしていこう。それがたとえ、世界中の人間を不幸にすることであったとしても、俺は、自分や周りの女たちが幸せならばそれでいい。大勢の屍のゴミ山の上で、共に楽しく過ごしていこうか」

 男がにこやかに言うと、千冬と束も呼応した。

「いつまでもついていくぞ。もう後戻りもできないからな」

「私の人生も、才能も、全部総帥のものだからね。ずっと傍で役立ててね?」

 優秀で、忠実で、美しすぎる妻たち。

 男は二人から敬愛の眼差しを浴びながら、腰を跳ね動かす。

 ボテ腹と肉棒が幾度も擦れ、我慢汁でぐぢゅりと水音が響くようになってから数分後。男は千冬と束、そして、カプセルに収納された女たちを見ながら吐精した。ぎゅむ~とボテ腹にサンドイッチされながら、腹を真っ白に汚していく。

 びゅびゅびゅっ! びゅぶっ! びゅくっ! びゅるっ! びゅびゅるっ!

 白濁にデコレーションされた黒いISスーツ。吸水性が高いスーツであっても濃い精液を吸いきることはできず、粘つきながらどろどろと垂れていく。

「精液のおかげでいい感じに滑りそうだな。まだ出せるか?」

「ボテズリ、いっくんにたくさん見せてあげよう? 捕虜になって飼い殺されているいっくんじゃ、絶対に体験できない景色だから。男として完全終了する前に、冥途の土産ってことで」

「そうだな」

 二人に勧められ、男はボテ腹に挟まれたまま抜かずに腰を振りまくる。

 この映像を共有されている織斑一夏が、カプセルの中で悶絶しながら射精を続けていようと構わない。雄としての機能をぶっ壊そうと、休みなく何回も擦りつけ、何度もボテ腹の表面に精液をぶっかけ続けた。



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