ドラえもん のび太の彼らとの大冒険 (雷神 テンペスタ)
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人物、世界設定《プロローグから人魚大合戦まで》

野比のび太

 

この物語の主人公の1人

 

親友である桐々谷和人が失踪し、以来半年間ずっと家に引き込もっていた。母親の玉子に「たまには外に行きなさい」と言われたため、久々に外に出て、源静香や和人と再会して、そのあとドラえもんという猫型ロボットと出会い、そしてピー助という首長竜を世話をし、ヴァサゴという敵と戦ったのを皮切りに様々な冒険と出会いをする事になる。

 

勉強面は、原作やアニメと違い、50点前後取れるようになっているが調子が悪い時は0点を取る

 

運動神経は、原作より少しアップしているが泳ぎは苦手としている、が『人魚大海戦』時にソフィアさん、美夜子さん、和人の指導の元(若干ではあるが)泳げている

 

恋愛面では、静香、直葉、美夜子などに好意を寄せられている。鈍感ではないが少し鈍いところがあり、ソフィアさんが顔を赤くした時は少しわかっていなかった

 

 

時雨蒼燕流(しぐれそうえんりゅう)

 

のび太が習っている剣道の流派で戦国の時代に生み出された殺しの剣技。継承者は自ら「最強」を謳い、それを狙う刺客から守り抜くことを宿命付けられる。ゆえに、才能のある継承者が途絶えたときは失われる危険性もあることから、「滅びの剣」と例えられる。複数の弟子が継承することも可能であるが、師が弟子に型を教えるのは1度きりという掟が存在する。また、継承者が型を1つずつ開発することが最終試練であり、同じ「時雨蒼燕流」を名乗るものの型が異なる分派が複数存在する。しかしのび太は2つを開発した。

山本武は分派の1つを父・剛から継承しており、9代目である。のび太は時期10代目。

 

直葉との剣道の差は少し直葉が上になっている。半年のブランクが直葉との差を広げていたが和人との再会、ドラえもんと出会いで心が落ち着き、山本武の再特訓により少しの差になっている。

 

一の型“攻式”車軸の雨

刀を両手で持ち突進し相手を突く。車軸の雨とは、雨脚が強い大粒の雨のこと。

 

二の型“守式”逆巻く雨

刀で水を巻き上げて姿を隠し、体をかがめることにより攻撃をかわす。

 

三の型“攻式”遣らずの雨

 

刀を手以外で操る奇襲技。

 

四の型“守式“五風十雨

 

相手の呼吸に合わせて攻撃をかわす。

 

五の型“攻式”五月雨

 

通常の剣術で言うところの中斬りを放ちながら刀を素早く持ち替え、相手の守りのタイミングを狂わせる変幻自在の斬撃を放つ。

 

六の型は武からは教わっておらず、わかっていない。

 

七の型“守式“繁吹き雨

刀で水を回転するように巻き上げ攻撃を防ぐ。

 

八の型“攻式”篠突く雨

のび太の師匠、山本武の父、山本剛が友を助けるために開発した型。相手の懐に飛び込み鋭い斬撃で突き上げる。

 

九の型“攻式”うつし雨

山本武がある闘いで開発した型。逆巻く雨の応用で、巻き上げた水に自らの姿を映して相手の注意を引き、その隙を突く。

 

十の型“特式”燕特攻(スコントロ・ディ・ローンディネ)山本武が師匠の100番勝負のDVDを見て生み出した型。水をえぐるように巻き上げながら突進する。

 

十一の型“特式”燕の嘴(ベッカタ・ディ・ローンディネ)

 

時雨金時で、連続で鋭い突きを放つ。

 

十二の型は、諸事情により使えないが、師匠からある物を借りるとできるようになる。

 

十三の型“攻式”暴風雨(あばれあめ)

 

ヴァサゴとの戦闘で使用。一の型である車軸の雨を応用して、両肩、両足に向けて時雨金時をスピードに乗せて攻撃する。のび太が最初に開発した型

 

攻式奥義五月雨の舞(さみだれのまい)

 

時雨蒼燕流の攻式奥義、ヴァサゴとの戦闘で使用。力強い5連撃の斬撃を相手に放つ。攻式の奥義であるため他の型よりも強い。一連でも十分に強い威力をもつ、ヴァサゴ戦の時は一連で決めた。

 

鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)

渾身の一撃を衝撃波にかえて相手の神経を麻痺させる衝撃剣。その衝撃波は素手を金属バットで殴られるより強力。でもこれは時雨蒼燕流ではなく、山本武独自の技だがのび太は習得できている。

 

桐々谷和人

 

この物語の主人公の1人

 

疾走する前までのび太の親友であった

しかし、物語が始まる半年前にある事がきっかけで、両親や妹の直葉が本当の家族じゃないと知り、人との関わりがわからなくなり、失踪し、半年間行方をくらませた。しかし半年の間に母親達に見つかり、色々話し合った結果、和解し以前より仲良くなった。

そして、のび太たちの前に再び現れ、のび太の元に来たドラえもんとも仲良くしている。

 

基本的に原作と一緒の性格、プログレッシブで見せる初心なキリト君はいません。

 

勉強面は、80点前後をとっている。

 

運動面は、すごくいい。

 

恋愛面は、SAO本編に入り次第追記

 

 

 

 

ドラえもん

 

原作主人公にしてこの物語の準主人公

 

のび太の未来を正しくするために来たネコ型ロボットである。

最初は警戒はされたが、タケコプターやどこでもドア等を出したら、だんだんと仲良くなり、親友へと昇格した。

 

源静香

 

本作のヒロインの1人

のび太や和人等と一緒に居ることが多い。

幼稚園の時にのび太と和人に出会い、そのまま流れるようにのっちゃん呼びになった

性格はアニメや原作より活発ではあるがアニメの時のような、さん付けすることもある。口調も砕けた感じになっている。のび太や和人を誰よりも大切にし、彼らを馬鹿にする、除け者にする相手には容赦がない(事実スネ夫は滅多打ちにされた)為、ジャイアンですら静香には勝てない。ジャイアンを今の性格にしたのも静香。

ドラえもんが来てからは、のび太に親友が出来たことは喜んでいる

 

回を増すごとに正義感が強くなる。好きな相手であるのび太にもふざけ過ぎると得意な回し蹴りで黙らせるほど。

 

直葉とは幼馴染だが、同じ人を好きであるライバルでもある。

 

そして明日奈や美夜子などのヒロインが出てくるようになるとさらに対抗心でのび太にアプローチをかけている。

 

 

剛田武

 

のび太や和人の親友にして心の友。

アニメや原作のような暴力はしないが、ガキ大将ではある、アニメや原作と違い言葉で解決する、それに歌も相当上手くなっている(あの泉のきれいなジャイアンではない)、こうなった経緯は、静香が調ky((説得をしてこうなった(その時のジャイアンの顔は地獄を見るような顔だったという(のび太談)

 

時々、昔の性格が見え隠れしている

 

 

骨川スネ夫

 

のび太や和人の友達

 

アニメや原作通りの性格、やる時はやる男であるがマザコン、泣き虫、ウザさがさらにアップしている(決してスネ夫嫌いではないむしろ好き)、それと女好き属性も追加。明日奈や直葉、美夜子等の美少女に遊びに誘っているがいつも鋭く断れていて、女性陣からの扱いはかなり雑な扱いを受けている。男性陣は牽制をしているが。そのため『竜の騎士』編では…。静香の事は苦手としている。

 

桐ヶ谷直葉

 

本作のヒロインの1人

 

和人の妹で、のび太と和人をすごく大事にしている。

1年前の、兄の真相によって、兄妹の中はすごく良好となり、和人がきっかけでのび太達と出会った。

のび太と関わっていくうちに、内面に触れのび太を好きになりしずかに相談すると、しずかも好きだったとわかり、それ以降恋のライバルで、親友へとなっていった。

 

 

結城明日奈

 

本作のヒロインの1人

 

のび太がピー助と別れて数日後に、転校して来た女の子でものび太の幼馴染でもある少女でのび太からは《あーちゃん》と呼ばれている。

昔よくおままごとをしていたがある事件と自身の病気によりアメリカに行っていたが、のび太がドラえもんと出会う2年前に日本戻っていた。その後のび太の家の近くに戻ってきてから学校に転校してきた。

 

つまり、明日奈は赤い靴の女の子になっています

 

荒川瑠奈

ヒロインの1人(ほぼ出ないが)

 

情報が大好きな女の子でのび太や和人、ジャイアンなどに情報を提供している。

転校生や新たな情報にはすごく敏感でその姿は忍びと言われるほどで影を薄くして、情報を見つけている。

喋り方も特徴的で語尾がカタカナになる(これを書けばSAOキャラの誰かとわかるはず)

 

藤峰奈江、村原美奈

 

どちらもサブヒロイン

奈江はのび太達のクラスメイト、学年別マラソンで1位を取るほどの体力の持ち主で元気で活発な美少女、のび太の事をのんたんと呼んでいる。

 

美奈ものび太達とクラスメイト、奈江とは対照的に大人しめで奈江のストッパー役。学年1位の成績を持っているのび太の事はのび太と呼んでいる。ポニーテールとメガネが良く似合う美少女

 

そして2人の正体は『野比のび太とその周りの監視及び時間犯罪者で逃げ回っているヴァサゴ・カザルスの動向監視』をする為、タイムパトロールにから派遣されたタイムパトロール隊員、派遣された理由としてはのび太達と同い年だから。のび太は一応知っているが言っていない。

山本武

のび太の剣の師匠…世界的に有名なイタリアンマフィアであるボンゴレファミリーに所属する人物で今はプロリーグで姿を見せているプロ野球選手である。今は日本でボンゴレの基地にいながら、のび太に時雨蒼燕流を教えていた。が、『人魚大海戦』時にボンゴレはボスであるツナが解体された。3年後の2021年にのび太に時雨蒼燕流守式奥義《村ノ時雨》、最終奥義《凍てつきの雨》を教えるつもりでいる。

 

 

 

猿山琉歩李(さるやまるふい)

 

通称ルフィ。静香の武術の師匠で御無龍拳(ごむりゅうけん)という武術の達人で、高校生でありながら師範代になっている。他に魚人空手という空手もしている。基本的にバカだが武術には真摯に向き合っている。静香からのび太達との冒険劇を聞かされているので行きたいと思ってるが、静香からは止められている。静香曰く師匠が行くと全部が解決するとの事。それと話し合いではなく力で解決しようと思ってるのでさらに却下。

 

 

坂田銀子

 

和人の剣の師匠で銀ノ魂(しろがねのたましい)流の剣術の達人でかの有名な金太郎こと坂田金時の子孫。仕事は何でも屋である万事屋を経営している。本編2年前に和人が剣の道から逃げた時には特に叱る事なく、そのままにしておいた。いつか戻ってくると信じて、それから現在剣の道に戻って来た和人の事を厳しくも優しく鍛えている。和人を育てているうちにいつの間にか好きになっていたが、和人がもっと大きくなってから言うつもりでいる。

 

 

 

沢田綱吉

 

のび太の師匠、山本武の親友にして解体したボンゴレファミリーの元10代目でのび太に女性の大切さを教えている。

 

獄寺隼人

 

山本武の同僚。口は粗暴だが、根は優しい。のび太

 

クローム髑髏(凪)

 

山本武の同僚。のび太の姉貴分のび太に好意を抱いており、のび太に会う度に抱きついてその様子を見て、楽しんでいる。その直葉や静香には警戒されているが、年の功か、2人を出し抜いている。

 

ヘスティア

 

直樹信玄をのび太の世界に送った神様。直樹を送った理由としてのび太がいる為、のび太の先祖であるベル・クラネルの事を好いていた。子孫であるのび太にも少なからず好意を抱いており、のび太に何かあればすぐに行く予定。一方で和人の方は声がベル君と似てると言っている。

 

 

のび太の恐竜編

 

白亜紀

 

のび太や和たちが最初に冒険する舞台

 

ピー助

 

のび太が発掘した卵で孵った首長竜の子供、のび太の事は刷り込みによって親認識してる。他に仲いいのは直葉でのび太の次に懐いていた。

 

黒マスクの男

 

恐竜ハンターでドルマンスタインに依頼されて、ピー助を買い取りに来た。断られたが、ピー助を白亜紀に戻す道中の超空間で襲撃をした。

 

幾度も邂逅をするが、最終決戦の時に未来へ逃亡しようとしていたが滝が邪魔して、抜け出せなかった。しかし、タイムパトロールに捕まる前に逃げ出した。

 

本名は10代目ヴァサゴ・カザルス。こののび太の恐竜の事件以降姿をくらましている。

 

魔界大冒険編

 

魔法の世界

 

のび太がもしもボックスで出来た世界で最初の平行世界

 

 

満月美夜子

 

ヒロインの1人

 

のび太達と出会った魔法少女で蓮のような衣装が特徴的なショートカットの美人であり、のび太たちよりも4,5歳上。

 

途中悪魔に見つかって、ネズミに変えられてしまい。ドラえもんから散々な目にあるが月の光によって元に戻り事情を説明した。のび太との関係は非常に近く、出会ってから彼が約束を守って助けに来た時に頰を赤らめるなどしていた。

 

決着が着き、のび太達が自分の世界の人間じゃないと聞き、お別れをするはずが、のび太を忘れられない美夜子は透明化して近づきもしもボックスの近くに居て、そのまま現実世界に来てしまった。

 

その時は魔力が使えなくなり、年齢ものび太達と同い年になった。

 

以降の冒険にはのび太が精神的に参ってる時のサポーターになっている。ちなみに現在(ドラビアンナイト時点)で現実世界の美夜子とは会っていない。

 

 

竜の騎士編

 

地下世界

 

恐竜人や恐竜が住んでいる地球の地下。

 

バンホー

 

地下世界で出会った竜の騎士。

 

体色は緑。

 

 

ロー

 

バンホーの妹で、のび太達の地下世界の観光のガイドをした。心優しい人物である

 

人魚大海戦

 

 

地球の海でそこに人魚族は住んでいるが5000年は姿を見せずに都市伝説として語り続けてきた。

 

 

ソフィア

 

ヒロインの1人

のび太や和人達が[架空水シミュレーターポンプ]で遊んだ次の日に出会った少女

その正体は5000年前に『アクア星』から移民してきた人魚族の姫。アクア星を探すために海を冒険していたら、[架空水巻き添えガス]に巻き込まれて、架空水が解けた瞬間に落ちたら、のび太とみんなに出会った。

冒険を続けるうちにのび太の優しさに触れて、徐々に好きになっていった。最初はまだそれが何なのかわかってなかったが、のび太が女王にして、ソフィアの祖母であるオンディーヌにソフィアのかっこよさを伝えた時にその気持ちがわかった。

 

戦いの最中に女王に即位した。

 

 



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人物、世界設定《夢幻三剣士から太陽王伝説まで》

夢幻三剣士編

 

気まま夢見る機

 

夢をカセットで見れる道具で夢幻三剣士の舞台になった道具。

他にも無双系の夢や恋愛もの、冒険ものがある。

 

アスミア

ヒロインの一人

 

[気まま夢見る機]で《夢幻三剣士》をやっていたら出会った王国の姫のいとこで王国のある都市の都市長の娘。

都市を破壊し両親や市民を殺した妖霊大帝オドロームに復讐をする為に白銀の剣と兜を手に入れてるために一人で旅をしていた。そんなある日にのび太と出会い、ウロチョロとしてた何も持たずにいたのび太を怒ったが、のび太の言葉と夢に出てきた両親や家臣の言葉で復讐を諦めた。

 

本来ならこのアスミアに明日奈が入る予定であったが、謎の人物の登場によって、それはせずにアスミアはアスミアの意思のままになっている。

 

最後の戦いの後にのび太に熱いキスをして自分の気持ちを最大限にさらけ出した。

 

姿はSAO時代の明日奈

 

性格は勝気で正義感が強い

 

ジャイトス

 

[気まま夢見る機]で《夢幻三剣士》で出会った剣士。最初に出会った時は最悪で自分が白銀の剣士と自称し、そして男尊女卑的な事を言ってのび太に叩きのめされた衝撃で正気に戻り、トリホ―という人物に会ってからあんなことになっていたと説明。そこからのび太の仲間になった。

 

最後の戦いの後は王国の護衛隊長に任命された。

 

姿はジャイアンで茶色い鎧を身に纏っている。

 

トリホ―

 

8代目ヴァサゴ・カザルスであり、夢幻三剣士をのび太におすすめし、ジャイトスを洗脳した元凶。オドロームとは罵り合う仲であり、利害の一致により共同していたが、のび太達が城に着いた時に去っていき。下記にある工場長を諭してドラえもんを修理させて記憶を失わせようとしたが失敗し、ジャイアンと和人の共闘で倒され、タイムパトロール隊に捕まった。

 

因みに和人の事を必要以上に黒の剣士と呼んでいた。未来人であるために何かを知ってるのかもしれない。

 

 

茅場晶彦

 

夢幻三剣士とFILMREDの最後に出てきた人物、日本でアーガスという会社の社長であり量子物理学者兼天才的ゲームデザイナーであり、自分が作った仮想世界と現実世界を行き来するシルクを夢幻三剣士のナビゲーションに扮させてのび太の近くに忍び込ませた。のび太の動向を面白そうに見ている。

 

シルク

 

夢幻三剣士に出てきたナビゲーション…なのだが上記の茅場に送られた者で茅場相手には若干辛辣。博士が作ったと開き直っている。

 

 

ドラえもんが生まれ変わる日編

 

ザ・ドラえもんズ

 

名前の通りドラえもんがリーダーをしている7人のグループ各々が分野のスペシャリストである

 

ドラ・ザ・キッド

 

アメリカ合衆国のネコ型ロボット。性格は短気でケンカっ早い。

カウボーイ衣装で空気砲を装着しており、馬型のロボット「エド」を相棒にしている。ドラミの彼氏でドラミの事を「へちゃむくれ」とからかっている。

高所恐怖症で、タケコプターを使う事すらも苦手である。

 

好物はケチャップとマスタードをかけたドラ焼き。

 

王ドラ

中国のネコ型ロボット。カンフーの達人。礼儀正しく常に敬語で話すが、女性には壊滅的に免疫が無く、メロメロになってしまう。

エル・マタドーラとはライバル関係で、何かと張り合っている。

 

好物はラー油と酢と醤油をかけたドラ焼き。

 

エル・マタドーラ

 

闘牛士スタイルの、スペインのネコ型ロボット。気障ったらしく女性を口説く悪癖を持ち、何かとすぐにシエスタする。のび太と少し気が合う。

 

武器はひらりマント。ドラえもんズ一の怪力の持ち主。王ドラとはライバル関係。

 

好物は闘牛の剣で串刺しにしたドラ焼き(本人曰く“闘牛の剣での串刺し”に拘るのは彼なりの「男の美学」らしい)。

 

ドラニコフ

 

ロシアのネコ型ロボット。口数が少ない上に、「ガウ」「ワオ」といった狼の様な鳴き声でしか話せないが、何が言いたいのかは仲間は理解出来る。丸い物を見ると狼に変身する。辛いものを食べると火を噴く。野生的故に純粋な性格。

 

好物はドラ焼きだが、丸い形をしているので、変身を避けるため人前では食べない様にしている。

 

ドラリーニョ

ブラジルのネコ型ロボット。サッカーの名選手。俊敏さなどの運動能力が物凄く、どのドラえもんズよりも優れている反面、頭脳はサッカーの事以外殆ど何も考えておらず、非常に忘れっぽい。

 

好物はタバスコをかけたドラ焼き。

 

ドラメッド三世

 

サウジアラビアのネコ型ロボット。笛で蛇を操り、絨毯で空を飛ぶ。比較的落ち着いた常識人だが、怒ると巨大化する。水が大の苦手だが、仲間の為なら水に入る事も厭わない程仲間思いな性格。

 

好物はこんがり焼いたドラ焼き。

 

パワえもん

 

ドラえもんがロボット学校に居た時にいた。猫型ロボットで何かとドラえもんをバカにしていて、学校一の秀才の王ドラに対抗心を抱いていた。しかし、ドラえもんが行方不明になった時はすごく心配してた(極端に言うとドラえもん版スネ夫)

 

ノラミャーコ

 

ドラえもんのガールフレンドの猫型ロボット。他の猫型ロボットが二頭身であるのに対し、彼女だけ三頭身になっている。学校時代のアイドル的存在。

 

工場長

 

校長からドラえもんのこの姿は個性的だから言いないかという言葉を一応納得していた。しかし、トリホ―の言葉を聞き、ドラえもんの欠陥部分を修理するために誘拐した。そして、ドラえもんとのび太、和人の姿を見て一緒に成長するロボットもいいじゃないかと思い、ドラえもんの修理をするのをやめた。ドラえもんからお父さんと呼ばれ大号泣していた。

 

降谷零

 

警察であり、キッドの同期。ドラえもんズを信頼している。

 

フォーチュン・クエスト

 

福の世界(フォーチュン・ワールド)

 

平行世界、福岡県が首都となっている。首相や天皇は存在していない世界で、戦争も何もない平和な世界ではあるがある町はやくざによって支配されていた。

 

野比奈緒

 

福の世界(フォーチュン・ワールド)で最初に出会った少女で福の世界(フォーチュン・ワールド)のび太の妹、訛りが家族で一番強い、兄が馬場のせいでやくざになったと思い込んでいた。馬場絵里奈を戦っていたら和人、ドラえもん、美夜子の加勢が入り、苦戦していた馬場絵里奈があっという間に倒されたため、驚いてた。

 

野比穂波

 

福の世界(フォーチュン・ワールド)ののび太の妹、物心するが付く前に兄が馬場組に居たために和人達に人物像を聞いていた。そして相対すると兄からの事実を聞き絶望していたが兄と同じ顔をした少年。…野比のび太に助けてもらった。

 

野比のび太

 

福の世界(フォーチュン・ワールド)ののび太。馬場絵里奈を心の奥から愛しており、明老石という鉱物で永遠の命を手に入れて、ずっといるために町から発掘するためにヤクザ…馬場組を作り、支配しそれを町の住民に掘らせていた。時雨蒼燕流の使い手でもあるため、自分が作った型を余裕綽々で披露したがのび太にそれを見切られて、自分の型を憶えられて、自分よりも威力の高いそれに敗れた。

 

馬場絵梨奈

 

表向きの馬場組首領、しかし、実力は和人より下。

 

太陽王伝説

 

マヤナ国

 

タイムホールが壊れてしまい、のび太の部屋と繋がってしまった世界。実は美夜子の世界である魔法の世界の過去の世界で、魔法も悪魔も存在している。

 

 

ティオ

 

マヤナ国の王子でわがままで傲慢で気難しい性格をしている一方で、意識不明になった女王、亡き父の後を継ぐためにはどうしたらいいか苦悩する一面も見せる。日々鍛えているため、戦闘力は高い。妹には頭が上がらず口撃されると黙ってしまう。

 

のび太と初対面した際は怪しい者として襲いかかるが、彼に助けられたことで和解する。その後は見た目が似ているのび太と入れ替わることを提案し、現代の地球での生活を体験することになるのだが、お互いの性格の変貌ぶりに太陽国、現在の人々を混乱させることになる。

 

美夜子とは対面時のせいで関係がすこぶる悪かった。しかし、決戦前に仲が多少改善されて、皮肉を言い合う仲になっていた。

 

最終決戦はすでにレディナが倒されていたために戦うことはなかったが、マヤナ国民を鎮めて、貫禄を見せたことにより、性格も改善されていたために太陽王に即位した。

 

ミナモ

 

ヒロインの一人

 

マヤナ国の姫でティオの妹。魔術に長けていて女王に施された呪術を相殺していた、眠る前の女王から予言をもらっていた。のび太とティオがそうであるように美夜子と顔が似ていて、入れ替わりの時に

ついて行くことにした。その時に美夜子の封印されていた魔力を復活させた。

 

最終決戦にはペンダントに込めた魔力により参戦。サポート魔法でのび太達をサポートした。崩れ落ちる時にのび太に助けられた時にのび太が好きだと気づき、兄と母に相談をしたら行けと言われたために日本国が閉まる直前に入り、のび太の家に居候した。ちなみに現在では満月万陽奈という名前で暮らしている。

 

レディナ

 

悪魔星から抜け出し地球に流れ着いた悪魔で、実力的にデマオンより下。しかし、マヤナ国の魔力がレディナの実力を底上げして、デマオン以上の実力になっている。マヤナ国を支配するために普通の人間として中に忍び込み神官庁の長官の座まで登り上げたが、詰めが甘く女王に正体を見破られたり、怪しげな魔法により国民を扇動したため罷免されていた。

 

最終決戦にその姿を見せてのび太と美夜子を苦戦させたが、ミナモが登場したことにより、そのサポートを受けたのび太に叩きのめされた。その後は牢獄に収容された。



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人物、世界設定《翼の勇者たちからFILMREDまで》

翼の勇者たち編

 

バードピア

 

鳥人間が住んでいる世界で人間世界(ヒューマピア)の鳥の監視や保護をしている。鳥人間の寿命は人間より3倍も違う。

 

ハルキニア・グースケ

 

バードピアから人間の世界に迷い込んだ鳥人の少年。

誕生直後卵を入れられていた籠から空中へ転落してしまったというトラウマを抱えており自分の翼では飛べず、自作の人力飛行機スノーグース号で空を飛ぶ。

 

イカロスレースでは優勝はしたが策略によって失格になった。

 

伝説の勇者イカロスは実の父だが、前述の出生ゆえ生き別れで今の両親は育ての親である。転落の際イカロスの羽を掴み取っており彼のものとは知らないが唯一の出生の手がかりであるためか大事にしている。

最後には父とは知らないイカロスの励ましとのび太を救いたいという思いにより自分の翼で空を飛んだ。

 

フィオーレ・ミルク

 

ヒロインの一人

 

グースケの幼馴染でおせっかいだが、グースケを大事に思っている。しかし恋愛感情は皆無であったために、のび太に一目ぼれをした。

 

イカロスレースでは蜘蛛の巣に捕まって羽が絡まって、うまく飛べずに自分から辞退した。

 

グースケが自分の翼で飛んでるのを見て驚いていた。

人間であってものび太が好きというのをのび太に告白した。

 

イカロス

 

並の鳥人の二倍はある体格を持つイヌワシの鳥人(外見はどちらかというとハクトウワシだが)でバードピアの生ける伝説。渡り鳥パトロール隊だったが本編50年前に同期であるジークリードが悪魔の人間に人体改造されたのを自分のせいだと思い、監獄島に閉じこもってしまった、10年前に一回出てきたが息子を事故で落としてしまい、再び閉じこもってしまった。

 

その息子であるグースケやのび太の説得によりジーグリードを説得するために監獄島から抜け出した。

 

事件の後は渡り鳥パトロール隊の隊長に就任した。

 

ジーグリード

 

カラス警備隊の長官、50年前は渡り鳥パトロール隊ではあったが、悪魔みたいな人間に翼を撃たれた上に人体改造を施されたために、人間全体を憎んでいる。元同僚であるイカロスとは50年前の事件から疎遠になっている。

 

言及はしなかったがバビロン隊長は義弟である。

 

フェニキアが復活し、進化したことで埋め込まれたチップで操りバードピアを破壊するために動き出したが…のび太の説得により正気を取り戻した。バビロン隊長とも和解して、燃やされた町から人を救いに動いた。

 

事件の後は裁判にかかりイカロスの弁護によって情状酌量の余地ありと判断されてイカロスの部下として活躍することになった。

 

フェニキア

 

バードピアに存在するドラゴンのような怪物。鳥人達の天敵で、はるか昔に鳥野博士や鳥人達によって、ララアト山まで誘き出され、雪の下に生き埋めにされて封印された。その存在については古代文字で石板に記され現代に伝わり、ホウ博士が解読に成功した。

 

後に人間への報復を企てるジーグリードにより、封印から目覚めさせて人間への襲撃戦力にしようとする。ドラえもんが進化退化放射線源で退化させ無力化しようとしたのをバビロンが妨害した際に誤って進化させてしまった。

 

ジーグリードが洗脳させて操った。

 

火炎放射により街や森を焼き、空気砲やショックガンといったドラえもんが持ち合わせている武器が通じない生命力・耐久力を獲得しバードピアを火の海にする。

 

ジーグリードの洗脳より強い洗脳によりまたも暴れるが進化をしたことで念波で話せるようになっていた事で、スモークベルトに来た時にのび太達と話し、和解した。

 

事件の後はジーグリードとともどもイカロスの部下になった。ちなみにスモールライトで小さくなった姿が気に入り、力をそのままに小さくなっている。

 

FILMRED編

 

ウタワールド

 

ウタが作った世界でウタの意思でなんにでもなる世界

 

ウタ

 

ヒロインの一人

 

世界の歌姫という異名を持ち、RED時の2年前からYouTubeで歌を届けている。実はルフィの幼馴染で天皇、秋篠宮鈴斬…通称シャンクスの娘である。

 

美脚が目を引くバイオレット色の瞳をした美少女。髪色は右側が鮮やかなポピーレッド、左側は淡いピンクホワイトのツートンカラーであり染色ではなく地毛である。

髪型はツインテールを上部でうさみみ型のリングにまとめヘッドセットのバンド部分で留め、更に肩から胸にかけて下ろした髪の先を2つずつシズク型のリング状に結んでいる。

 

前髪は左側が長く目が隠れているが、動きにより見える時もある。このうさみみのような髪は感情に連動して動く。テンションが上がると立ち上がったり、悲しくなると垂れたり、興奮すると台詞に合わせて揺れたりする。

 

12年程前は皇居に住んでいたがある事件が起きて、今はエレジア島に住んでいる。

 

この時代の悲惨さを見てLIVE《NEW GENESIS》を決行させて世界の7割の人間や動物をウタワールドに呼び寄せて、自分が死ぬ事でみんなと幸せな世界に行くと思ってした結果、大切な幼馴染や大好きで嫌いな父親、のび太によって止められた。

 

事件後は監視(のび太と和人)付きで4年住むことになった。ウタウタの実の能力である顕現力を1週間で覚えさせられた。

 

鈴斬(シャンクス)

 

令和時代の天皇様で武力で世界をけん制している。歴代最強の天皇と言われている、今回の件で娘がいる事がバレた。

 

 

 



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プロローグ~和人との再会~

10月6日少し修正しました!

さらに11月28日に修正しました!

のび太視点で行きます!


ーー2017年12月25日ーー

 

 

今日はクリスマス…だけど僕は自分の部屋で引きこもっていた。なんでかって?まぁ、色々あるんだよ。

 

「のび太!部屋に引き篭もってないで、外へ遊んだらどうなの!」

 

ママが僕に向かってそう言ってきた。だが、僕は外に行くほど元気はない。この半年碌に外に出ていなかった。だけど、ママは僕のことを思って言ってくれたのだろうと思い外に出ることにした。

 

「あっ、のびちゃん。テレビで獅子座が1位だったわよ!

何か、出会いと再会があるでしょうですって!」

 

ママがウキウキしながら、それに目もキラキラしながら、そう言ってきた。いい歳して何でこんな少女のような感じなんだろ?僕はママにこう言った

 

「ママ、いつから、星座占いに凝ってんの」

 

「べつにいいじゃない。ラッキーアイテムは、メガネですって!

のびちゃんは、既に持ってるからいいわね!」

 

「そういう問題?じゃあ、行ってくるね。」

 

僕はママにそう言ってから家から出た。

 

「あっ、いってらっしゃい~

やっと、外に出てくれた…

 

 

…和人君のことまだ気にしてんのかしら。」

 

 

 

 

ママがそう言っていた事を知らずに

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

外に出ると、案の定寒かった。それに半年も引きこもっていたから少し筋力が落ちていた。まぁ、クリスマスなわけだし。でもまた家に逆走してもママに怒られそうだから、そのまま商店街がある道をポケットに手を入れて歩いていくと、何だか商店街が騒がしかった。僕は少し気になったのでそっちに行ってみてみると、知り合いの女の子の後ろ姿があった。その子は僕に気づいたのか、後ろを振り向き僕の姿を見て驚いた顔をしていた…まぁ半年も引きこもっていたからそうなるんだろうけど。

 

「…やっと出てきてくれたの?のっちゃん…?」

 

「…出るつもりはなかったさ…でもママがたまには外にって言われて。しずちゃんも元気そうだね。」

 

「はぁ…どれだけ心配してたと思ってる?まぁ出てきてくれただけ、いいか。」

 

少し呆れた様子でそう言われた。彼女の名前は源静香、僕の友達の1人だ。僕はしずちゃんと呼んでいて、彼女からはのっちゃんと呼ばれている。でも、引きこもってから彼女(や他の友人)とは会っていなかったので、今も呼ばれてたとは思いもしなかったけど。僕はとりあえず、しずちゃんにこの人だかりはなんなのか聞いてみた。

 

「それでこの人だかりはなんなの?クリスマスのタイムバーゲン?」

 

「あぁ、そうじゃなくて。何か太〇の達人で全部フルコンボをたたき出してる人がいるみたいなんだ。」

 

「相当なゲーマーだねそりゃ、どんな人なの?」

 

「前の人達の話を聞いてみるに、うちらと一緒で少年みたいだけど、見てないからわかんないや」

 

「そっか…前に行ってみる?」

 

僕はしずちゃんにそう提案した。ちょっとした好奇心ってやつでどんな人か見たくなったのだ。

 

「人も少なくなってきたしそうしよ!そうと決まれば、行くよ!!」

 

「いや急に走らないで!?筋力衰えてるからぁぁぁ!?」

 

しずちゃんは僕の手を引っ張り走り出した。僕は急な事に足の筋力の衰えを訴えたがしずちゃんには聞こえていなかったので、虚しく響くのみだった。

 

ーーーーーーーーーーー

 

「えっと~、あっ!あそこあそこ!」

 

「はぁ…はぁ…しずちゃん早いから…」

 

しずちゃんが、止まった時には僕は体力と筋力の衰えで息がキレキレだった。これは鍛えないといけないなぁ…

 

「あっ、ごめん。そんなに体力減ってるとは。」

 

「僕も痛感してるよ…で?あそこ?」

 

「そうそう!」

 

僕がその方へ見ると…

 

『フルコンボだドン!』

 

本当にその人はフルコンボを叩き出していた。それも、流れているのは…

 

 

『千本桜』

 

 

少し前に流行った歌。太鼓の達人の体験者はみんな揃ってこれから始める人が多いらしい。そして次に流れたのは、

 

『ボクノート』

 

「…あの曲…よく僕らが歌っていた曲」

 

その曲が終わり、『フルコンボだドン』とまたもやフルコンボを叩き出した。そしてその人が後ろを向き僕らの方へ振り向いた瞬間、僕は愕然とした。その人の顔は…半年前に失踪した。僕の親友の桐ヶ谷和人の顔に似ていたから…

 

「…久しぶりだな…のび太…」

 

その人は、そう言ってきた…ということは…やっぱり…

 

「………和人?」

 

「か、和君!?」

 

「ごめんな…半年も待たせて。しずも。黙ってどっかに行ったりして…ここじゃ目立つから、公園にでも行こうぜ…」

 

和人がそう言ったので公園に着くと、僕は歯切れ悪く言う。

 

「和…ど…」

 

「ん?」

 

「どこに!どこに行ってたんだよ!!!」

 

僕が、そう叫ぶと、和人は俯き、悲しそうな顔で語りだした

 

「…実はさ。俺の母さんや父さん、スグは実の親や兄妹じゃなかったんだ。」

 

「な!」

 

僕は、何言ってるんだ!と言いたかった、でも言えなかった。和人の顔を見て…

 

「…俺はそれを知って、何だか、訳分からなくなって、人との距離感がわかんなくなって、親やのび太達に黙って逃げたんだ。母さん達に見つかってさ。3ヶ月間、色々と話し込んだんだ。二日前に、ここに戻ってきたんだ。」

 

僕は、語り終えた和人を見ていた、すごく悲しそうで…でもどこか嬉しそうな顔をしていた…そして和人はもう一度語り出した。

 

「俺は、この半年のび太やみんなのことも考えていた、黙ってどっかに行ったりしてほんとに…ごめんな…」

 

和人は、深々と頭を下げた。するとしずちゃんが固く閉ざしていた口を開いた。

 

「…和くん、のっちゃんはこの半年和くんがいなくなって、学校も行かずにずっと家で塞ぎ込んでたんだよ。」

 

「…!そ、そうだったのか…」

 

「今日、うちが商店街でフルコンボたたき出してる人の話を聞いていた時にふと振り向いたら、のっちゃんがいたからびっくりしたんだよ。のっちゃんも苦しんでたんだよ!和くんがいなくなって!」

 

しずちゃんが、経緯を話したら今度は、和人が話し出した。

 

「…昨日、この街に引っ越してのび太に会いたかったけど、どんな顔で会いに行けばいいのか分からなくてさ。この半年考えていたんだ、俺はもう逃げたりしない。家族とはもう和解して前と変わらないくらい仲良くなったんだ。それにのび太とはまた親友になりたいと思ったから、あそこで叩いてたんだ。のび太が来ると思って。」

 

そうだったのか…和人はこの半年で変わったんだ…それに比べて僕は和人がいなくなっただけで、自暴自棄になって、学校へも行かずに塞ぎ込んで何にも変わろうとしなかった、ダメだなぁ僕は。…僕は決めた…変わるんだ。変わらないといけない…

 

「和人…変わったね、いい意味で。」

 

「サンキューな…のび太…もう一度俺と親友になってくれないか?」

 

「そんなの決まってるよ」

 

ああ、そんなの決まってる…この1年間和人が変わったように、僕も変わるんだ。塞ぎ込んで殻にもった僕はもういない…和人との再会で僕は変われる気がする。そう、僕は和人の…

 

 

「親友さ!!」

 

 

 




雷神「はい!ということで、新たにドラえもんとSAOのクロスオーバー小説でございます!」

銀「…お前はまたなのか?」

雷神「前のドラえもんの小説よりこっちの方が、おもろいからねw」

銀「んで?肝心の青だぬきがまだ出てねぇが、また次回なのか?」

雷神「まぁ、そうなるねwプロローグは二回あって今回はオリジナルでは次は未来の国からはるばるとをベースに書いていくよ。」

銀「ほう?SAO要素はいつ出るんだよ。」

雷神「一応考えているのは、のび太の恐竜からカチコチまでの映画を書く予定で、その後にSAO本編になるんだ」

銀「リメイク版のあるやつは、リメイク版で通すのか?」

雷神「そのつもり、リメイク版にするのは、のび太の恐竜、新魔界、新宇宙開拓史、鉄人兵団、大魔境、日本誕生の6つはリメイク版にする」

銀「そう考えたら、21~22話で映画版は終わるんだな?」

雷神「まあね、頑張るよ。このあと設定もやります。」


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プロローグ~ドラえもんとの出会い~未来の国からはるばると~

今回は、あの青い天使ことドラえもんととの出会いですw
Stand By Meと旧ドラの未来の国からはるばるとをミックスしたような感じですw




ーー2018年1月8日ーー

 

和人との、久々の再会から2週間後の2018年1月8日。のび太は、寝息を立てていて夢を見ていた。

 

「すぅ…すぅ…」

 

「のっちゃん~!」

 

「ん…?あっ、しず…ちゃん?(何で宙に浮いてんの?)」

 

のび太が夢見ているのは、何故か宙に浮いてのび太を呼ぶしずかの夢であった。

 

「こっち来てよ!すっごく楽しいよ~!」

 

「(夢ながら、非科学的な事言うもんだ…まぁいいか)うん!待ってよ~!うわっほんとに浮くよ。」

 

「早く早く!!すぐちゃんもいるよ!」

 

「直ちゃんも!?僕何考えてんだよ。ほんとに。待ってよ~」

 

すると、追いかけようと、した瞬間、母の声が聞こえた。

 

「のび太~!!早く起きなさい!のびちゃん!!!遅刻するわよ!」

 

「ま、ママ!?で、デカ!?」

 

その母は、ものすごくでかく、睨みつけるようにのび太を見ながら言っていた。そしてのび太の浮遊感は消え、家へと真っ逆さま落ちていった。

 

「へ?ちょっ!?うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!うわっ、何か目覚め悪いな…むにゅむにゅ」

 

のび太は再び寝てしまった

 

『あれ?また寝ちゃった。せっかく起きたのに、遅刻しちゃうよ』

 

「のび太!!和人君が迎えに来たわよ!!いい加減に起きなさい!」

 

「ふぁ?あっ!?今日は和人と一緒に行くんだった!!なんで早く起こしてくれなかったのママ!」

 

「何度も起こしたわよ!」

そしてのび太は大急ぎで着替え、階段を落ちそうになりながらも、玄関へと向かった。

 

「和人ごめん!!ちょっと変な夢見てて!ママ!行ってきまーす!!」

 

「いや言い訳はいいから、早く急ぐぞ!もう遅刻しそうだ!!」

 

「うん!」

 

二人は全速力で学校へと向かった…しかし…

 

「…ごめん和人」

 

「そう思うなら、早く起きろよ…まぁのび太の寝坊癖は、変わんないな?」

 

二人は、コンマ2秒で遅刻となってしまった、謝るのび太をジト目で見ながらのび太の悪癖を言っていた。

 

『ほらやっぱりね!遅刻したよ?』

 

『でもコンマ2秒で遅刻だよ?結構全速力で行ってたしさ』

 

『うぐぐ』

 

『じゃあ、続きを見よう!』

 

キーンコーンカーンコーン

 

がら!

 

チャイムが鳴り扉が開く音がして、中から子供たちが出てきた。すると…

 

「参ったよ~昨日も高級ステーキで…ん?あれぇ?のび太に和人~?まーだ立たされてんの~?遅刻して立たされるのってどんな気持ち~?1回くらい、立たされてみたいよ~ふふふ、はははは!!!」

 

今、自慢話をしながら出てきたのは、のび太や和人の悪友である坊っちゃまの骨川スネ夫である。嫌味な事を言いながら、聞いてくる。すると…

 

「おい、バカスネ夫…」

 

「ん?ってげっ!?し、しずちゃん…直葉ちゃん」

 

声をかけたのは、顔をしかめながら睨んでいる、2人の友人である源静香とちょっと呆れたふうな和人の妹である桐々谷直葉であった。

 

「また、お兄ちゃんとのび兄をいじめてるの?ほんと懲りないね〜?前にしず姉にフルボッコにされたんでしょ?スネ夫くん」

 

と呆れながら、直葉は言い、静香は目を鋭くし目を光らせながら…

 

「また…殺られたい?^^*」

 

スネ「し、しししし、失礼しましたぁぁぁぁ!!!!!」

 

静香は悪事や悪い事が大嫌いな正義感溢れる少女で、武術で今みたいにスネ夫がのび太をバカにしていると俊敏な速さで、やってきてスネ夫を拳で黙らせている。この俊敏な動きや武術はある武術家に習っているのだが、それはまたの機会に説明する。

 

「別に俺たち気にしてなかったのにな?」

 

「ウンウン」

 

「二人が良くても、うちが気にするの!!だって、バカスネ夫と来たらのっちゃんや和くんのこと何も知らないでバカにするんだもん!あいつだって、幼い頃から一緒にいるくせに!」

 

と静香は、ぷんぷんっと音が出そうなくらいご立腹であった。するとのび太は

 

「ははは…気持ちは嬉しいけど。やりすぎないようにね…」

 

苦笑いしながらそう言った。

 

「うん!それにしても、2週間でよく体力とか戻ったね〜」

 

静香が指摘したのは、半年間も家に引きこもっていたのび太の体力と筋力の事だ。

 

「冬休みだったし、その期間中にね。僕もびっくりしてるよ。師匠のお陰でもあるし、」

 

「剣術も復帰して私も嬉しい。それに自分でびっくりしてるんだから、もう私達は驚かないよ。のび兄」

 

「ありがとね、直ちゃん」

 

「ってスグはなんでここにいるんだ?」

 

和人は何故一つ下の学年である直葉がここにいるのか聞いた。直葉は思い出したかのように。

 

「あっ、そうだった。のび兄にこれを渡すんだったの!」

 

「僕に?…手袋?」

 

直葉が渡したのは、少しほつれている手袋だった。

 

「私が作った手袋!まだまだ寒いから使って!」

 

「部屋で何か作ってると思ったらそれだったのか…のび太も罪な男だなぁ?」

 

和人は少しニヤついた顔でのび太を見た。

 

「和人…茶化さないでよ…直ちゃんありがとね?大切に使うよ。」

 

「ありがとう!!」

 

のび太は呆れ顔で和人に言った後に直葉にお礼を言った。実は直葉と静香はのび太に好意を抱いている。のび太もその事については気づいてはいるが過去にあった女子との出来事によりのび太は恋愛に臆病になっているのだ。

 

「野比くん、源くん、桐ケ谷くん早く中に入りなさい!桐々谷妹は早く自分の教室へ、授業が始まるよ。」

 

 

「「「「あっ、はーい!」」」」

 

そして時は過ぎ、放課後のび太や和人は帰ろうとしていた

 

「のび太!帰ったら、あのゲームしようぜ!」

 

「え、でもあのゲームって、この前クリアしたんじゃ」

 

「何か、この前アップデートして新章が始まったみたいなんだ!やろうぜ!」

 

「やったね!じゃあ、宿題も持っていくよ!」

 

『どうやら、ゲームをしながら宿題をするみたいだね』

 

『それは感心だね』

 

気づいたかもしれないが、のび太や和人達を観ている者が二人いる。1人はネコ型ロボットのドラえもん、もう1人はのび太の子孫でセワシという。何故この二人はのび太達を見ているのかというと、『スタンド・バイ・ミードラえもん』を参照してください。

 

「作者、説明を放棄したよ。」

 

「まぁ、仕方ないんじゃない?長いしってメタらないの!続き見るよ!」

 

「のび太~和人~、このあと野球するんだ。一緒にやらねぇか?」

 

今二人に話しかけたのは、ジャイアンこと剛田武である。ガキ大将ではあるが、言葉で解決する。怒ったら手に負えないが、のび太と和人が一声かけると元に戻る。

 

「ジャイアン?」

 

「野球か…どうする」

 

「やってもいいよ、でもすぐに帰るけどいい?」

 

「いいぜ!」

 

『運動神経はどうなのかなぁ』

 

のび太達は河川敷へ行き、野球をしていた。点数はジャイアン側が若干負けている

 

「のび太!決めちゃえ!」

 

「こういう時だけ応援するってちゃっかりだなぁ。まぁ、いいけど」

 

そう言いながら、のび太はバッターボックスに行った。投手が投げるとのび太はバットを振り…

 

カキーン!!

 

「お~飛ぶなぁ~。さってと走るか」

 

のび太が打ったボールは勢いよく2塁の方へと行き、二塁手を通り過ぎて行ったのび太は走って三塁で止まった。

 

「ここで止まった方がいいな」

 

「いいぞ!のび太!やっぱ頼りになるぜ!」

 

「じゃあ、次はオレが行く。」

 

「おう!ホームランよろしくな!」

 

「できたらな」

 

そう言って、和人はホームベースへと歩いて行った。

 

「じゃあ、軽く行くか!」

 

ピッチャーがさっきより早くボールを投げた

 

カキーン…

 

「おー、意外と飛んだな~あっ、入った!やり~」

 

和人が打ったボールは、綺麗な曲線を描きながらホームの外に入った…所謂ホームランである。

 

「「「いえーい、さすが和人&のび太だな!」」」

 

「和人!やったね!」

 

「おう!じゃあ、帰るか」

 

「うん!じゃあ、ジャイアン僕ら帰るね〜」

 

「おう!ありがとよ!あとは俺らに任せとけ!」

 

「「うん(おう)!」」

 

のび太達は、ゲームと宿題をするために、家に帰った。

 

『運動神経はいいほうらしいね。』

 

『そうみたいだね』

 

 

のび太は、和人とのゲームを一通り楽しみ、家に帰りそのあと勉強をしていた

 

『あっ、今度は勉強だね』

 

『でも寝ちゃったよ。』

 

『何か落ちた、テストの答案だね、54点だってさ』

 

『うーん、ねぇやっぱりやめようよ!この人親友もいるみたいだしさ!」

 

画面が切り替わり、セワシとドラえもんが未来の世界で話し合っていた。

 

「でもさ、それでも誰かが面倒みないと!」

 

「無理無理無理!無理だよ~」

 

「曾曾祖父さんに話聞いてみようよ!さもないと~ネズミぶつけるよ?」

 

「うわっ!?わかった!わかったよ!仕方ないなぁ~」

 

そう言いながら、ドラえもんとセワシは大急ぎで《タイムマシン》でのび太がいる2019年へと向かっていった。

 

「じゃあ、行くよ~」

 

 

----------------------

 

のび太は、夜ご飯を食べ明日の準備をしてから床につき寝ていた、すると突然…

 

ガタ!がたたた!!

と音を立てながら机が揺れた。そして中央の引き出しが開き…

 

「あっ、開いた。よっ、よっと!ひえ~えらくせまい出口になっちゃったな。よし、ねぇ、のび太くん!君!のび太くんだろ?」

 

「んーー、ふぁ?んー?」

 

のび太は起き出し、目の前に見えないが何かがいるようなシルエットがあり徐に眼鏡を探し、眼鏡をかけた。そしてそれを見た時に…

 

「た、たぬき!?う、うわぁぁぁぁぁぁ青だぬきなんて見たことない!」

 

目をキラキラさせながら、そう言った

 

「ずこぉ、何でそんな目をキラキラしながら言うんだよ。失礼だな君はもう。はぁ…無理もないかぁ。それにしても暗いなぁ。よし!こんばんわ!僕ドラえもん!」

 

「ドラモン?」

 

ドラ「ずっこー、ど、ら、え、も、ん!!!ドラモンじゃないから!」

 

「ツッコミ力がすごく長けてるね。」

 

「すごく冷静!?」

 

「よい、よっしょ!ありゃ?引き出しからでちゃった。よっしょ!やぁ!僕の名はセワシ!よろしく」

 

「うん?あれ…、ぇぇぇぇえええええ!?どうしてそんなとこから!?」

 

「今驚いてるよ。普通僕の方を驚くはずなのに」

 

のび太は、セワシが出た瞬間に驚いた。なぜ自分の机の中から人間(それものび太と同い年な感じの少年)が出たのか、何故たぬきみたいな外見のドラえもんという謎の物体と一緒にここにいるのかを。

 

「はは…と驚かずに聞いてね。僕らは!未来から来たんだ!」

 

「み、未来から!?あわわわわわ!ちょその中見せて!」

 

「あ、うん、いいよ!」

 

「はーい!うわぁぁ、なにこれェ!すごいや!」

 

のび太は、セワシに予め言い出てきた机の中を見て驚いた、机の中は青い空間に大きな時計が浮かんでいた。

 

「あっ、机の中の物は、ご心配なく。この《四次元ポケット》の中に入れたから!なんでも入っちゃうんだよこれェ…って話聞いてんの?」

 

ドラえもんが話をしている間、のび太はその空間に魅了されずっと見ていた。

 

「あっ、ごめん、なんだか感動しちゃって」

 

「だっは…まぁいいさ、話を聞いてくれない?」

 

「…?わかった。とその前にお茶とどら焼き持ってくるね?」

 

「どら焼きあるの!!」

 

「あ、あるけど、セワシ君、どうしたのこれ」

 

「ははは…ドラえもんはどら焼きに目がないんだ。昔、猫型の女の子からもらった、どら焼きがあまりにも美味しくて、どら焼きにハマったみたいなんだ。」

 

「そうなんだ。まぁ、待っててよ持ってくるから。」

 

「「うん(!!)」」

 

のび太は、お茶とどら焼きを持ってくるため、下に降りてから両親が目を覚まさないようにしずかに行動した。

 

「じゃあ、どうぞ!」

 

「あっ、ありがとう!」

 

「どら焼きーーーー!!」

 

「「ドラえもん!静かに!」」

 

「あっ、ごめん…」

 

「それで?なんでここにきたの?」

 

「あっ、うん。僕は君の孫の孫で4代後の子孫なんだ!」

 

「ん?でもさ、僕はまだ小4の子供だよ?まだ恋人もいないのに、子供に孫がいるもんか。」

 

「あのね、曾曾おじいちゃん、いずれ大人になるだろう?」

 

「うん」

 

「それで結婚するだろう?「まぁ、多分ね」結果的にはするんだよ。19年後に。」

 

「19年なんだ、意外と長いね〜」

 

「馬鹿に冷静だね?」

 

「…恋愛に臆病なだけだよ。それで相手は?」

 

のび太は、結婚相手を軽く聞いた、数秒後にそれを後悔することは知らないが。

 

「確か~ジャイ子とか言ったっけ?でこれが結婚写真!」

 

「…………は!?ジャイ子!?ジャイアンの妹の!?」

 

「それでこれがその後の生活!」

 

セワシは、ノンストップで写真を見せ続けた。写真のジャイ子とのび太は子宝に恵まれたみたいだが、のび太は、どんどん細くなり白髪まで生えている。一体どんな生活をしたのだろうか。

 

「あんなガサツな子が?嘘だろ?」

 

「嘘じゃないよ。真実さ」

 

「解せぬ…あっ、和…和人の写真は?」

 

「あぁ!和人さんね!これが写真だよ!」

 

のび太は、親友の結婚写真を見た。しかし…

 

「………何でこんな美人と結婚できたんだ。解せぬ…」

 

和人の写真は、茶色の髪色にロング…いかにも令嬢風な女性であった

 

「出会いは頑なに言わなかったみたい」

 

「そっか。それにしても何でその写真持ってんの?」

 

「撮ったのはおじいちゃんだからだよ。」

 

「それでな、っておじいちゃんって言うのやめない?」

 

「じゃあ、僕達は帰るね。また明日来るから!」

 

「あからさまな、誤魔化し方だなおい!」

 

「あっ、その前に聞いて欲しいんだけど、怒らないで聞いてね?この先君は、ろくな目に遭わないんだ…」

 

「ええ?」

 

「これ見て!就職出来なくて、自分で会社を興したんだけど火事に遭ってその会社は丸焦げ、そのあと膨大な借金だけが残っちゃったんだ、そのおかげで僕の家は超貧乏でオンボロのお古ばっかなんだよ。わかった?」

 

「………すまない。未来の自分が情けなくて子孫の君たちにまで迷惑かけて、ほんとにごめんな。

あの時、和人が戻ってきた時に変わらないといけなかったのに。何も変わってないなんて。」

 

「そんなに気を落とさないで!未来は変えられるんだから!」

 

「え?ほんとに?」

 

「うん!そのために僕は、僕らは来たんだから。ね?ドラえもん!」

 

「うん!僕も決めたよ!僕はのび太君のお世話をするよ」

 

「今日からこのドラえもんがたとえ辛くなった時、困った時があった時、きっとのび太君や周りの人を助けてくれるよ!」

 

「ほんと…に?ありがと!セワシ君、それとドラえもん!よろしくね!」

 

「こちらこそよろしく!」

 

ドラえもんがそう言った後にのび太とドラえもんは固い握手をした。

 

「じゃあ、僕は帰るからおじいちゃん頑張ってね~」

 

「またじいちゃん呼び。まぁ、いいか。うん、頑張るよ!」

 

セワシを見送りドラえもんが口を開いた。

 

「僕、明日この街を見学したいな!のび太君!案内してよ!」

 

「あっ、うん!もちろんいいよ。親友を紹介するね!明日ってどこで寝る?」

 

「僕はどこでもいいよ!僕は3mm浮いてるからね!」

 

「そうなんだ。じゃあ、一緒に寝よう?暖かそうだし。」

 

「わかった!」

 

「じゃあ、おやすみ!」

 

「おやすみ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

次の日、のび太はまず両親にドラえもんを紹介し一緒に住むことを許可してもらった。

 

「意外と二人ともびっくりしなかったね。」

 

「まぁ、何かあの二人肝っ玉がすごいからね、何だかすぐに受け入れられんじゃない?」

 

「そっか。次はどこに行く?」

 

「和人の家…って言っても隣のここだけどさ。」

 

「うわぁ、何だか和風なお家だね」

 

「未来にはこんなふうなのはないの?」

 

「うーん、あるにはあるけど殆どが世界遺産に登録されてるね。」

 

「今度未来に連れて行ってよ。」

 

「いいよ!びっくりするかもしれないけど。」

 

「ドラえもん以上に?まぁいいや。じゃあ、押すよ。」

 

ピンポーン

 

ドラえもんと一通り話し終え、和人の家…桐ヶ谷家のインターホンを鳴らした。

 

『はーい!どちら様?』

 

「翠さん!僕です!のび太です!」

 

『あっ、のびちゃん?ちょっと待ってね〜』

 

ガチャッ

 

『入っていいわよ~』

 

 

「はーい!」

 

のび太とドラえもんは桐ヶ谷家に入って行き、和人の母・桐ヶ谷翠が出迎えた。

 

「いらっしゃいのび…ん?ってなにそれ!?」

 

「やっぱり、驚くんだ。」

 

「僕の事をキラキラした目で見たのは、君で2度目だったよ。」

 

「1度目は?」

 

「セワシ君」

 

「あぁ…子孫なだけあるね」

 

「って言っても、赤ちゃんの頃だからね」

 

「赤ちゃんの頃か。とそれはいいとして、翠さん紹介します!ドラえもんです!」

 

「こんにちは、ぼくドラえもんです!」

 

「…はっ!はじめまして、桐ヶ谷翠です!」

 

「和人は、今どこにいますか?」

 

「二階の自分の部屋にいるはずよ。」

 

「上がらせてもらいます~」

 

「どうぞ!ドラちゃんもどうぞ!」

 

「はーい!」

 

のび太とドラえもんは、和人の部屋へと行き、ドアの前で立ち止まりノックした。

 

「コンコン、和~!入るよ~」」

 

『おう!』

 

中に入り、和人が振り返る。

 

「今日はどうs…………なんだそりゃ!?青だぬき!?すっげぇこんなのゲームとかしか見たことねー!!」

 

と和人は、目をキラキラさせながら、言っていた。

 

「……僕もあんな感じだった?」

 

「……思いっきりあんな感じ、だけど、どうして…いつもいつもたぬきじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

「へ?…たぬきじゃない?のび太、そいつなんなんだ?」

 

「はじめまして!ぼくネコ型ロボットのドラえもんです!」

 

「あとドラえもんは、未来から来たんだ。」

 

「ふーん未来からねぇ~?」

 

「そうそう、それでさ。和人の次はみんなに紹介するつもりなんだ。直ちゃんは?」

 

「今は、外の庭に居るんじゃないか?素振りしてると思う。」

 

「じゃあ、ドラえもん行くよ…って何してんの?」

 

「いや、なにもないんだなと思って…」

 

「まぁ、殆どがゲーム機だからな。勉強もあんましないし」

 

「って言ってながら、この間のテスト83点だったじゃん!」

 

「それはまぁ、わかってたからな(*`ω´*)ドヤッ」

 

「ドヤ顔するなァァァ!!!って行こうか。スグちゃんのとこ」

 

「急に冷静になったな」

 

「いつもこんな感じだぜ?」

 

「そうなのか…」

 

「二人とも~早く早く!」

 

3人は和人の部屋を出て庭へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

のび太達が、縁側で庭を見ると直葉が、竹刀を持ちながら自主練をしていた。

 

「はっ!はっ!」

 

「スグ~」

 

「ん?どうしたの?お兄ち………たぬき?」

 

「………ハハッ♪」

 

「ドラえもん、流石にその笑い方はやばいから。」

 

直葉がそう言うと、ドラえもんは如何にも危なそうな笑いをしたのでのび太が冷静にツッコミをした。

 

「ってのび兄もいたんだ!」

 

「あれ?僕そんな影薄かった?」

 

「うん、それのせいで」

 

「それとはなんだよ!失礼な!僕はドラえもんだよ!」

 

「あっ、ごめんごめん、ドラえもんかぁ。じゃあ、ドラちゃんね?さっきはごめんね、初対面でいきなりたぬき呼ばわりして…」

 

直葉はさっきの失言を謝った、少ししゅんっとなってる。ドラえもんはそれを見聞きして慌てながら…

 

「あっ、大丈夫だから!僕はもう気にしてないし!」

 

「ほんとに!?ありがとう!」

 

「うん!改めてよろしくね!」

 

「よろしく!ドラちゃん!」

 

それを見ながら、のび太と和人は…

 

「仲良くなってよかったね。」

 

「ああ、俺らもドラえもんとは長い付き合いになりそうだ。ドラえもんこれからもよろしくな」

 

「うん!よろしく!」

 

「じゃあ、次はしずちゃん、ジャイアン、スネ夫に紹介するよ!」

 

「あいつらはいつもの空き地だろ。でもあそこからここまで結構距離あるぜ?」

 

「じゃあ、僕がこの《四次元ポケット》で![タケコプター]!!」

 

「な、なんだそれ!?」

 

「未来のひみつ道具さ!未来ではこういう道具の発明も進歩してるんだ!」

 

「「「流石未来だね(だな)(ね)」」」

 

「じゃあ、のび太くんには僕がつけてあげるね!」

 

こうして、のび太達は、空き地へ向かうため、[タケコプター]で飛んでいくことになった。

 

「ねぇ、何か付けてるとこ間違えてない?」

 

ドラえもんがのび太につけたのはお尻であった。

 

「大丈夫だから!ほらちゃんと飛べてるじゃない!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!」

 

「僕のすることに間違いはない。」

 

「「落ちてから、言うか(の)それ?」」

 

「え?あっ…」

 

のび太は、ズボンから抜け落ちていった。そこは目的地の空き地であるため、良かったといえばよかったが、下には…

 

「へっくし!今日も冷えるなぁ~」

 

ジャイアンがいた…

 

「じゃ、ジャイアン!避けて!!!」

 

「??…のび太!?」

 

「わぁぁぁ!!!落ちる!」

 

ジャイアンは、のび太の声が聞こえたのと同時に避けただが、のび太は、地面とキスを

 

「ぶねぇ!?」

 

 

しなかった、する前に和人が上から持ち上げていたからだ。そしてゆっくり落としてもらい、直葉からズボンを受け取った、そして…

 

「ドラえもん…わかったかな?」

 

「はい。今度から、こうならないように気をつけます。」

 

ドラえもんを説教し、今後はこうならないように宣言させた。

 

「よろしい。じゃあ、ジャイアン、スネ夫、しずちゃん。こいつの名前はドラえもん!昨日の夜から家に居候することになったんだ!」

 

「そうなのか…んん。俺はジャイアン!本名は剛田武だ。これから宜しくな!」

 

「僕は骨川スネ夫、よろしくね!」

 

「うちはね!源静香!気軽にしずちゃんって言ってね♪」

 

「うん!よろしくね!」

 

3人とドラえもんは、自己紹介をした

 

「それにしても、何で空から落ちてきたんだ?」

 

「あぁ…それはね、この[タケコプター]って道具をドラえもんに貸してもらったんだ。ドラえもんが間違った付け方をして落っこっちゃったんだ」

 

「いやぁ面目ない」

 

ヒュッ

 

グサッ

 

「ふぇ?」

 

ドラえもんの横を何かが通り刺さった。それをドラえもんが見ると鉛筆が深々と刺さっていた。

 

「鉛筆!?どこから!?」

 

「ドーラちゃん♪

 

 

 

 

 

 

 

 

今度、間違ったら"潰す"から♪」

 

「………」ブンブン!!

 

それを投げた者は静香であった、静香はものすごい勢いで鉛筆をドラえもんの横の壁へ投げ深々と刺した。

笑顔で近づきながら、ドラえもんを脅したのである。ドラえもんは冷や汗をかきながら無言で頷いた。

 

「「「「…しず(姉)(ちゃん)恐ろしい子!?」」」」

 

「…ははは、ドラえもん、しずちゃんを怒らせないようにね」

 

「肝に銘じておきます!次はこの道具を使って遊ぼ![ガリバートンネル]~これは、こっちから入れば小さくなれるんだ!」

 

ドラえもんが出した、[ガリバートンネル]は、大きい物や人間を大きな穴から入り小さな穴から出ると、その物や人間を小さくする事ができる道具なのだ。

 

「すげぇ!俺小さい頃に小さくなってみたいって思ってたんだ!俺お先!」

 

「あっ!待って和人!」

 

「あっ、お兄ちゃん!のび兄!待って!」

 

「待ってよ~!」

 

「和人ってこんなキャラだったか!?待ってくれ!」

 

「幼稚園からあんな感じだったじゃないか!待ってよ~」

 

「なかなか元気だなぁ。待って~」

 

和人がお先にとテンションが上がり[ガリバートンネル]へと入って行った。そのあとに続いたのは、のび太、直葉、静香、ジャイアン、スネ夫、ドラえもんの順で入って行った。

 

「すげぇ、ジャングルの奥地みてぇだなぁ。」

 

「全くもう、先に行っちゃうんだもん……うわぁ確かにすごい…」

 

「…すごい、これが空き地の雑草とは思えない…」

 

「…わぁ…感動しちゃう」

 

「…ドラえもんのおかげだな。」

 

「こんな所…生まれて初めてだよ…」

 

「どう?感動した?」

 

「「「「「「うん!ものすごく!」」」」」」

 

「満足してくれたら良かった。」

 

6人は、さっきまで居た空き地の変わりように感動していた。

 

「じゃあ、一通り回ってから帰るとするか!」

 

「「「「「「うん!」」」」」」

 

それからのび太達は、一通りジャングル(空き地の雑草だが)を周り、元の大きさへと戻り。7人は家に帰って行く、のび太とドラえもんは夜ご飯を食べ、眠りの準備をしていた。

 

「今日はすごく楽しかった!また明日ね!おやすみ!」

 

「うん!おやすみ!」

 

こうして、ドラえもんとの出会いによって、6人の少年少女はこれから大冒険へと誘われていく。

一体どんな世界へ、冒険へとなるのか…乞うご期待…

 

 

 




雷神「めっちゃかかっちゃったw」

銀「1万超えって、お前にしてはなげぇなw」

雷神「これからは、1万は余裕に超えるよ。」

銀「分けねぇのか?」

雷神「分けたら、やばくなる。」

銀「それもそうか。」

雷神「うん、ではみなさんすごく長いプロローグでしたが、どうでしたか?
次はのび太の恐竜です!のび太の恐竜は、リメイク版の方を参考にしてやります!
では、次回をお楽しみに!」


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第1章〜冒険の日々〜
第1話のび太の恐竜~恐竜の世界〜


こんちゃっすw
前に言った通り、のび太の恐竜から始まります!

内容的には、2006をベースにしてオリジナル(キリトの会話とか)も入れていきます。

恐竜も2006版を参考にさせておりますw
今回も、のび太視点でいきます!
ではどうぞ!


ーー2018年6月10日ーー

 

ドラえもんが僕の家に居候してから、5ヶ月が過ぎて6月10日僕達はドラえもんの存在に慣れてきた。和人も帰ってきてから半年が過ぎようとしていた今日、僕と和人、直ちゃん、しずちゃん、ジャイアンは、スネ夫の家に遊びに来ていた…だが…

 

「僕達人類がこの地球に誕生するはるか以前の話!ざっと1億年の前の時代、まぁとにかくすごーく大昔の白亜紀と呼ばれる時代。地上は恐竜の天下だった訳!」

 

恐竜の模型がいっぱいあり、スネ夫は恐竜の話をしていた。関心はする。僕も恐竜は好きだからね。…しずちゃんが恐竜の模型を壊したのはあえて触れないでおく。

 

「それで…」

 

「おい!スネ夫!前置きなげぇぞ!なぁ静香ちゃん、直ちゃん!」

 

「えっ!?そ、そうだね~」

 

「確かに~」

 

スネ夫が話を続けようした瞬間に、ジャイアンが待ったをかけ前置きが長いと言った。…言う前に欠伸をしていた時点で、話は聞いていなかっただろうに…それに何故僕らにも話をふらないんだよ全く…しずちゃんはもうその首を直そうとするのを諦めた方がいい、逆に惨めだよ。

 

「早く、すっげえーもん見せろよ!」

 

「確かにそうだな…見せたいものってなんなんだ?」

 

「確かに見たいね。」

 

ジャイアン、和人、僕の順でそう言った。何故今日はスネ夫の家に居るかというと、学校が終わり、スネ夫に帰り際、凄い物見せるから来ないか聞かれたから。僕はそれに興味が湧き行くと言った。

 

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ、この前置きが大事なんだから!まぁ、この恐竜時代の王者がこのティラノサウルス~」

 

とスネ夫は僕らにわかるようにT-REXの模型を見せてきた…何故かその時のスネ夫の顔が某5歳児の顔と似ていたのは気にしてはいけないのだろう。

 

「んで、こっちがそのT-REXの爪の化石!パパのアメリカ土産さ!」

 

「うぉぉ」

 

「すごーい」

 

「爪でかいね~」

 

「すげぇ」

 

「うわぁ、ちょっと良く見せて!」

 

「あっ、ちょっとこっちから見せてくれ。いいだろ?」

 

「っと、それもそうだね。」

 

ジャイアンがそう提案して、ジャイアン、しずちゃん、直ちゃん、和人の順で見ていた、そしてついに僕の番って、時にスネ夫がタイミングよく…

 

「しまっとこう!貴重なもんだから壊されると困るし~」ニヤ

 

「…最初からこのつもりだったな…」

 

「もうちょっと早ければ見れたのにな。」

 

「…このバカスネ夫ーーーーーーー!!」

 

 

スネ夫はタイミングよく、僕の手に渡る前に恐竜の化石をそう言いながら仕舞いに行った。

その後を激怒したしずちゃんが走っていった…。スネ夫、健闘を祈る。

 

ーーーーーーーーー

 

一通り話を聞き、僕達は帰るため、玄関に来ていた…まぁ、案の定ズタボロになっているスネ夫は気にしないようにする。

 

「いやぁ、いいもの見せてもらったぜ!だが、もうあんなことするのやめろよ。」

 

「…はい。また見に来たかったら言ってよ…」

 

「おう」

 

等と会話が繰り返されていた。僕はちょっと腹が立った。見せられていなかったからなのかもしれないが…

 

「スネ夫、あのさ」

 

「…どうしたの」

 

「あんな爪だけの化石で威張んないでくれない?」

 

「なッ!?だってT-REXの爪の化石だよ!!」

 

のび「僕は宣言しようと思うんだ。いいか1回しか言わないから聞いてね?僕は見つけてみせる。爪だけじゃなく、恐竜の丸ごとの化石を発掘させてみせる!」

 

「えッ!?」

 

「なっ!?」

 

「のっちゃん!?」

 

「ほう?」

 

「いいじゃんそれ!」

 

僕の宣言でみんな驚いていた、和人と直ちゃんは関心を持った目で僕を見ていた。

 

「へ、へぇ!楽しみだな!」

 

「楽しみにしてろよ!」

 

僕は、そう言った後に家に向かって走って行った。しかし途中で止まり…

 

のび「はぁ…また余計な事言っちゃな…悔し紛れででまかせを言うのが僕の悪い癖だよ…」

 

そう呟いていた。僕はついつい調子に乗るとこんな事を言ってしまう。すると、後ろから足音がふたつ聞こえた、後ろを振り返ると直ちゃんと和人が居た。

 

「のび太!俺も手伝うぜ!何か面白そうだし!親友の俺を頼れよな!」

 

「そうだよ!私も手伝うし、しず姉も後で合流するって!」

 

「二人共…ありがとう!」

 

和人…直ちゃん…危なかった…また塞ぎ込む所だった…親友が僕にはいるんだ!信じて行けば何よかなるよ!こうなったら、意地でも恐竜の化石を探すぞ!

 

「でもいいの?まるごとだよ?」

 

僕は和人と直ちゃんに聞いた。での2人は僕に付き合うみたいで意思は変えないようだった。

 

「まぁ、何とかなるだろ。」

 

「そうだよ!あっ、ドラちゃんに頼んでみようよ!」

 

「そうだね!」

 

こうして、僕達は恐竜まるごと見つけるために動き出した。見つからないかもしれないけど。諦めないぞ!

 

ーーーーーーーー

 

 

僕達はドラえもんにさっきまでの話をした。ドラえもんは…

 

「え、えぇぇぇぇ!?出来ることか出来ないことかよく考えてから喋ってくれ!」

 

思いっきり拒否られた、でもここで諦めるわけには行かない。

 

「そこを何とか!」

 

「お願い、ドラちゃん!」

 

「男が一度決めたことを曲げるわけにはいかないんだ!」

 

「だいたい、日本にはT-REXは住んでなかったの!!」

 

「「「頼むよ~」」」

 

ドラえもんはどら焼きを抱えながら、そう言っていた。どら焼き好きが聞いて呆れるよ?

 

「いない恐竜の化石をどうやって見つけるんだーーー!!」

 

「お願い!」

 

「ドラちゃん!」

 

「この通りだ!」

 

「無理無理無理!!だいたいのび太くんは無責任というか、軽はずみ、おっちょこちょい、ごにょごにょ」

 

…後半何を言いたかったのかはわからないが、もういいよ

 

「もういいよ!!」

 

「…ん?」

 

「!のび太?」

 

「のび兄?」

 

「今更後には引けないんだ。僕や和人、直ちゃんの3人でやる」

 

と僕は散らばったどら焼きをドラえもんに渡すと和人と直ちゃんを連れて部屋から出ていった…後ろからドラえもんが落ちそうになっているのは、無視だ。むしろ落ちちゃえ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕と和人と直ちゃんは、パパの部屋から恐竜に関する資料を持ってきて、机の上に置いた。

 

「どこからかき集めて来たのやら…」

 

とドラえもんは言っていたが、無視して資料を分担しながら読み始めた。

 

「この字なんて読むんだっけ?」

 

「忘れた、まぁいいんじゃね?」

 

「そうだね。」

 

「でも、自分達の力でやってみようとする心がけは立派だ。失敗してもいいさ。暖かい目で見守ってやろ。待てよ…暖かい目ってどんなだろ?ん~んー!あやぁ…ん!ぱあ…」

 

なんか後ろから聞こえるな。僕達は、夕方になるまで読み続けていた、調べ物も一息つきながら後ろをみたら…

 

「う、うわぁ!?」

 

「何!?…ドラちゃん何それ?」

 

「暖かい目…」

 

「ただのホラーじゃないか!!」

 

にたにたと凄く個性的な見た目になったドラえもんを見て和人がツッコミを入れた。本当にホラーみたいだよ…それから夜になり、和人たちが帰っても僕は資料を読み続けていた…横の変なのが気になるけど…

 

「むにゃ…はっ!」

 

眠るのを惜しんでも、やると決めていた。

 

ーーーーーーーーー

 

そして次の日僕は和人とともに、古い地層に行き削っていた、本によると化石は古い地層から出るという。古い地層は崖や斜面に露出しているらしい、僕の考えではここが最高な所だ。

 

「と思ったんだけどなぁ。」

 

「全く出ないじゃないか」

 

「当てが外れちゃったな。直ちゃん呼ばなくてよかったね」

 

直ぐちゃんは、危ないから呼ばなかった、怪我でもしたら大事だからね。

 

「こらーー!!降りてこーい!」

 

「うわっと、ありがとう」

 

「どいたま、でも怒られるなありゃ。」

 

「ははは…」

 

僕達はゆっくり降りていった…途中僕だけ落ちてしまったが…

 

「ん?どうも朝から土やらが落ちてると思ったら…」

 

「すいません!でも喜んでください!今いやになって帰るところです。」

 

「片付けはちゃんとします。」

 

僕と和人は後片付けをする事を伝えるとおじさんは安堵の表情になった。後片付けせずにそのまま放置はダメだからね。

 

「そうしてくれると、ありがたい。ついでにゴミを捨てる穴をそこに掘ってくれ…うん」

 

「はい」

 

僕達は泥の片付けが終わったあとに、ゴミを埋める穴を掘っていた…それにしても…

 

「はぁ…」

 

「どうした?」

 

横の和人が溜息に気づき、聞いてきた。

 

「いや、発掘に来たのに、埋める事になるなんてなぁって思ってさ」

 

「あぁ…あの時しずも来ればよかったのにな?」

 

その手があった!!いや待てよ…

 

「いや…やめた方がいい、またしずちゃん脅すから。」

 

「それもそうだな…ん?のび太なんかあるぞ?」

 

「え?あっ石?」

 

僕と和人が話していると、和人がなにかに気づき指さした、掘ってみると硬い石がそこにあり、スコップでちょっと掘り返し、それが露わになった。

 

「すごい石…んっしょ、重たっ…ふぅ…変な石。やれやれ…うわっとっと…」

 

「大丈夫か?」

 

「そう思うなら手伝ってよもう。これも埋めると化石になるのかな。」

 

「どうだろうな?」

 

「だよね~…ん?化石?」

 

僕はバケツの中の卵の殻を取り出し、その石の方へと合わせながら向けた。

 

「はっ!!卵だ!!」

 

「はっ!?」

 

「これを合わせて見てよ!!l

 

「た、確かに卵の形だな…」

 

「でしょ!?やったー!!見つけたぞ!!凄いでしょてぇんさいでしょ!」

 

僕は、その石を持ちながら喜んだ。某てぇんさい物理学者みたいな口調になっちゃったけど。すると声が聞こえた…

 

「どうだ?泥片付けて掘り終わったか?」

 

「あっ、はい!掘れました!」

 

「ん?おぉーご苦労さん!ほれ、麦茶を飲みなさい。」

 

「おじさん!この石もらってもいい?」

 

「石なぞ、いらん。持っていけ。」

 

「ふふ、ハハ!ありがとう!」

 

僕は、嬉しいあまり喜んで回ろうとした、それを和人が…

 

「っとここで回すなって…家に帰ってドラえもんに報告だ!」

 

「あっ、そうだね!じゃあ、おじさんバイバイ!!」

 

「お、おう…不思議な子達だったな」

 

おじさんにそんな事を言われてたと知らずに僕達は道路を走っていた。あっ、ドラえもんに報告する前に…

 

「スネ夫に言っておかない!?」

 

和「そうだな」

 

僕達は、ドラえもんに報告する前にスネ夫の家へ向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕達は、スネ夫の家の前にいた。

 

ピンポーン、ピンポーン

 

「はいはーい、はいはーい!あら?」

 

僕達はスネ夫のママが開けたドアに押しつぶされて、スネ夫のママは誰か来たのか、気づいてなかったから扉の影から顔を出して、こう聞いた。

 

「あの~」

 

「スネ夫君いますか?」

 

「スネ夫は留守ザマス」

 

「じゃあ、伝えてください!」

 

「約束の物見せるから。すごーいってっとっと」

 

「わかったザマス」

 

「では、さよなら~」

 

僕達は、一目散に僕の家へと帰った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

家の近くまで行くと、ママが妊婦さんと話していた…とてもだらけた顔で…

 

「男の子~、女の子~?あら、のび太に和くん?どこ行ってたの?ちょ」

 

「よかったのか?あれ」

 

「今のママはめんどいからいいの」

 

「それでいいのか…」

 

和人が何か言ってるけど僕は気にせずに僕の部屋へと向かった。部屋に入るとドラえもんは寝ていた。いいこと思いついた( ̄▽ ̄)ニヤリッ

 

「和人、いいこと思い付いた。聞いて…ゴニョニョ」

 

「お前…ガキっぽいことを…まぁ面白そうだな。よし!」

 

「「せーの!ガオー!!うがーお!」」

 

「んあ!?な、なんだ!?」

 

「僕達ティラノ!うがー、う!!生まれた!」

 

「…どんな生まれ方だよ。」

 

ジト目でそう言ってくる和人…///いいじゃないか。これしか思いつかなかったんだから。

 

「気にしないで!ほら、ドラえもん見ろよ!すごいだろ!僕達だけで見つけたんだぞ!この恐竜の卵!」

 

「…どうしてこれが恐竜の卵だってわかるの?」

 

「え?」

 

ドラえもんが石を見ながらそう聞いてきた。

 

「あぁ…」

 

「ただの石っころかもしれないよ?それに化石だったとしても古代のきのみとか~」

 

「「………」」

 

「ナウマンゾウのウンチかもしれないよ~ニヤ」

 

とドラえもんはいやな笑みをしながら出ていった…でもうんこって…

 

「嫌な事言うなーー!!」

 

「でもドラえもんの言うことも一理あるぞ。のび太はあの卵の殻を合わせただけだからな。」

 

「うーん、そうだけどさ。もう1回ドラえもんに頼んでみる!」

 

「わかった」

 

僕は、下に行ったであろう、ドラえもんを追いに部屋から出た…でも…

 

「ドラえ…うわっとっとっといってぇ!!!」

 

廊下に風呂敷が置いてありそれに足を取られ、コケてしまった。

 

「大丈夫か!?」

 

「な、何とか。誰がこんなところに…ん?手紙?」

 

僕は風呂敷のそばに手紙が置いてあるのを見つけた、手紙を開いてみるとドラえもんが書いたであろう文字が書いてあった。それには、

 

「なになに?《この風呂敷の名前はタイムふろしき…見かけは薄い布だが、時流漏洩防止膜、未来流ファイバー、タキオン織りこみゾーン、過去流ファイバー、時流漏洩防止膜の五重構造になっており、中央から放出されるタキオンエネルギーが、過去流ファイバーを通してふろしきで包まれた空間に作用して、包まれたものの時間が操作される。 生き物をこれで包むと、若くなったり年を取ったりする。古代生物の化石やワニの革のような死体の一部でも生前の頃の状態に戻ったりもできる。物なら、ピカピカの新品にしたり時間を経過させてボロボロに古くしたりできる。また、破片や欠片1つだけに被せてもそこから全体を復元することが出来る。

このように、包んだものの時間が過去に逆行するか未来に加速するかは、裏表のどちらで包んだかによる。

 

また、タイムふろしきは破片でも効果を持つため、ビリビリに破れていても一番デカい破片で残りの破片を包めばすぐに再生する。 》だってさ」

 

「やたら長い説明文だな。」

 

ものすごい長い説明書を読み終わると、和人は苦笑いしていた。僕だってこんなに長いとは思わなかったよ。

 

「それ使えるんじゃないか?古代生物の化石も復元できるみたいだし」

 

「そうだね。えっと赤い方を表にして使うみたいだね。それに1億年も遡れば正体がはっきりする!」

 

僕はタイムふろしきを持ち、恐竜の卵を包んだ。するとタイムふろしきの時計の部分がリアルな感じになり時間を遡っている。

 

「待つしかないな。」

 

「うん」

 

 

僕と和人は、時間になるまで待つことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「のび太~!のび太?のび…」

 

「んあ…?」

 

「もう昼間っから、ゴロゴロしてぇ…和人くんまで。スネ夫さん達が来てるわよ!」

 

「今行く。」

 

僕達は、どうやら寝ていたようで、スネ夫達が僕達の伝言を聞いて来たみたいだ。卵の方は…

 

「まだ、遡ってる…」

 

「…無理もないさ…1億年も遡るんだから。」

 

「それもそうか。ってスネ夫達来てるってよ?」

 

「また馬鹿にされる気がするんだが…主にスネ夫に」

 

確かに和人の言う通りスネ夫に言われそうだなぁ…でも待たさせてるのもあれだし。

 

「まぁ、とにかく降りよう。」

 

和「だな」

 

僕達が下へ降りると、スネ夫がジャイアン、しずちゃんと共にいた。何故しずちゃんまで?

 

「うちはまた、このバカスネが、二人をバカにしないかを見張りに。」

 

「来なくてもよかったのに…ボソッ」

 

スネ夫はぼそっとそんなことを言っていた。僕には聞こえてるよ。

 

「なんか…言った?」

 

「言っておりませんです!ってのび太、約束の物ってまさか!」

 

「あぁ…あれね。もうちょっと待ってよ。」

 

「今、ちょうど復元してるんだ。」

 

「へへ、やっぱりね~、そんなこったろうと思った~」

 

「どういう事だ?」

 

「つまり、ごにょごにょ、だよ」

 

「うーん…確かにそれは的を射ているな。」

 

うわぁ、もろ疑ってるよ。でもスネ夫よ。しずちゃんが目を光らせているぞ。

 

「じゃあ、僕達帰るから。じゃあね~」

 

「僕は嘘なんかついてないからね?これだけは言っておく。生きて動いてるやつだからね」

 

「ふん、そんなわけないじゃないか!」

 

「嘘だたったら、鼻でなんでも食ってやるよ。」

 

やっば、また余計な事言っちゃな…まぁ、いいっか

 

「その言葉忘れるなよ!鼻でスパゲティでいいな!!」

 

「面白そうだけど、スパゲティは流石にきついだろ。ジュースをいっき飲みでいいんじゃないか?」

 

「ジャイアン、それの方がきついから…」

 

とそんな会話を繰り返していたが、結局、鼻でスパゲティになった…何でそうなった。僕らは部屋に戻りタイムふろしきの卵を見たがまだみたいだった。

 

「はぁ…まだかなぁ。」

 

そう言った瞬間に、タイムふろしきが目覚まし時計のように音を立てながら、終わったと言いたそうに音が鳴った…何でこのタイミングなんだよ…

 

「できたぞ?」

 

「なんでこのタイミングかなぁ。いいか、見てみよう!」

 

僕はふろしきを解いた…そこにはさっきのような石はなく、薄茶色のような模様に薄肌色をした卵があった。

 

「卵だよ!!これ間違いなく卵だよ!!!」

 

「えぇぇぇぇーーー!?」

 

「そうだ!ドラえもんに!!」

 

「うん!!ドラえ…「うわッ」居たんだ。」

 

僕はドラえもんを呼ぼうと部屋を出ようとしたら後に居たドラえもんを知らずにぶつけて飛ばしてしまった、いつからそこに居たのか…

 

「居たさぁ~」

 

「ほら!やっぱり恐竜の卵だよ!」

 

「ドラえもん、どうだ?すごいだろ!!」

 

仕切りに僕達はドラえもんにそう言った、でもドラえもんはまだ疑いの目を持ちこう言った。

 

「そうかなぁ。古代の蛇の卵かもよ?新生代の恐鳥の卵かもよ~」

 

と言いながらドラえもんは出ていった…よく出ていくな…

 

「ドラえもんは、ああ言ってるけど。」

 

「うん、絶対恐竜さ!直ちゃんやしずちゃんに伝えて、恐竜の卵を見つけたって。」

 

「わかった。お前はどうするんだ?」

 

「ん?ふふーんニヤ」

 

「な、何だその顔…」

 

「僕は…」

 

和人は僕の話を聞いた後に家を出ていった。僕は…

 

「あっちー。」

 

布団を敷き、卵を温めている。卵を孵すためだ。すると

 

「ちょっと、何よ昼間っから布団なんか敷いて!具合でも悪いの?」

 

「別に~」

 

「じゃあ、起きなさい!」

 

「…」

 

僕は、話を聞かずに布団の中に潜った…自殺行為かもしれないが…するとママが出ていった音が聞こえた…それにしても…

 

「ぶっはーーー、やっぱり暑い!?はぁはぁ…ふぅ」

 

僕は徐に卵を見たが今の所何も変化はなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして夕方になり、誰かが部屋に入ってきた。

 

「のび太…」

 

パパの声だ。きっとママが言ったんだろう。今は話を聞くことにした。

 

「どうしてこんな事になってるんだ?」

 

「ちょっと…」

 

「ははは…ちょっとじゃわからんよ。…ん?」

 

パパは、そう言って何かに気づいた。きっと僕の机の資料だろう。

 

「下の本が何冊かないと思ったらここにあったのか。恐竜に興味あるのか?」

 

のび「ちょっと…」

 

僕は何も話せないので、同じ事を口にしている。いくらパパでも言えないよね。これは…

 

「ははは…僕もね~、小さい頃恐竜に夢中になってね。あちこち掘り回してもなんにも出てこなかった。」

 

パパはきっと当時を振り返りながらそう言ってるんだろう。パパも一緒だったんだ。

 

「怖いおじさんに怒られたりしてねぇ……なにか理由があってそうしてるんだろうが…あまり母さんの手を焼かすなよ?」

 

パパは、そう言って部屋から出ていった。

 

「パパも同じことしてたなんてな…やっぱ血は争えないみたいだなぁ。でも僕は、恐竜の卵を見つけ…ん?」

 

僕がそう言っていると、卵が微弱ながら動いた。これはもしや!

 

「やった!もう少しで生まれるんだ!希望が持てる…頑張ろう…」

 

と僕は、眠りながら言った…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして夜、和人と直ぐちゃんが泊まりに来た。

 

「それでずっとそうやって、あっためてるんだ。」

 

「うん、さっきから卵が動きっぱなしでさ。いつ出てくるか楽しみだよ。」

 

「でも寝ないとやばいから寝ようぜ」

 

「そうだね。」

 

僕達は、寝る事にした。

 

「…んあ…?ん!あっ!!」

 

僕は少し起きて、卵の方を見た…しかし抱いていたのは卵じゃなくてボールだった。

 

「やばいな…よし。」

 

僕は、直ちゃんと和人を起こさずにドラえもんに頼むことにした。せっかく寝てるんだけど。

 

「ドラえもん!」

 

「あ…ん?が?な、なに?」

 

「ごめん、ちょっと縛ってくれない?自分じゃ縛れないから。」

 

「んー、うん!」

 

ドラえもんは僕を縛りまた眠って行った…またあの暖かい目が出たのは気にしないでおこう。しかし、時間が過ぎて、僕は更なる危機に面していた。それは…

 

「漏れそう…」

 

冷静に言ってるが、心の中ではすごく焦っている。しかしながら今和人と直ちゃんが寝ているため、暴れられない…でも…

 

「ッッ!!ドラえもん!!!!解いてやばい漏れそうだから!!!?」

 

「!!何!?のび兄!?何その格好?って何で暴れてんの?」

 

「うーんと、ね、卵が冷えそうになるから縛って欲しいって言われたんだけど…トイレの事を気にしてなかったね…僕ものび太くんも…とやばいみたいだから、早く解かないと…ね」

 

「も、漏れる…」

 

僕は解放され、トイレへと一目散へ走った

 

「…すぅ…すぅ」

 

「お兄ちゃん…こんなにうるさいのによく寝ていられるね…」

 

「ほんとだよ。」

 

そして僕は、トイレから戻ってきた。直ちゃんはさっきの騒ぎで起きたみたいだけど、和人はまだ寝ているようだ。僕は布団に座った、卵がさっきより動いているのだ。

 

カタッ。カタカタ…パリッ

 

 

「あっ!和人!起きて!!」

 

卵が孵ってるから、寝ている和人を起こした。

 

「んあ…?」

 

「卵が孵ってるんだ!」

 

「なんだって!?」

 

パリッ、パリパリ!

 

卵は割れながら、そしてその中の子が必死に殻を破っていた。そしてついに全部割れたようでその子は鳴いた。

 

「ピューイ…ピューイ!ピィピィピィ!」

 

「うわぁ…」

 

「これが生命の誕生の瞬間か…」

 

「何か…感動的…」

 

「…これは、首長竜の一種でフタバスズキリュウだ…」

 

「ふたば…?」

 

「白亜紀の日本近海に住んでたんだ。」

 

「白亜紀?」

 

「そう。ティラノサウルスと同じ時代にね。」

 

ドラえもんが話し終わると、その子は僕の方へと歩いてきた。

 

「ピューイ!」

 

「その子、のび兄のこと親と思ってんじゃない?」

 

「きっとそうだ。卵の動物は生まれた時に最初に見たのを親と認識するらしい。」

 

「ぴゅ?」

 

僕はそれを聞いて、その子に聞かせてあげた。

 

「僕らがね?君を見つけたんだよ。フッ」

 

僕はそう言いながら寝転んだ。その子も引き寄せられたのか寝転んだ。すごく可愛い。

 

「ははは!」

 

「にゃ、だだっだだ…」

 

「ドラえもんは何してんだよ。」

 

「よし、よし!かわいいやつだ。お前の名前は…」

 

「ピィ!」

 

「ピィ?ぴー…ぴー…ピー助!!」

 

僕はこの子…否ピー助と名付けた。ピー助の鳴き声がピーピーなのでそれをとったのだ。

 

「ピィ!」

 

「じゃあ、私はピーちゃんって呼ぼうかな?」

 

直ちゃんはそう呼ぶことにしたみたいだ。

 

「それじゃあさ!スネ夫に見して驚かせようよ!」

 

「ドラえもん!」

 

「ん?」

 

「ダメだよ。こんなちっこいの見せたって…トカゲとか何とかって笑われる。それよりも…」

 

僕は、決心した。この子を…

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「えぇぇぇぇ!?育てる!?」

 

「そりゃあそうでしょ!だって生まれたんだよ?大事に育てなくちゃ!」

 

直ちゃんは目をキラキラさせながら、ドラえもんに話していた。僕が和人と直ちゃんに言ったんだけどね?

 

「何か無理があるんじゃ…」

 

「10メートル位がいいかな」

 

僕が思っていた理想の高さを和人が代弁してくれた。ピー助を育てるには、そんくらいに育てないとうんうん!

 

「10メートル!?」

 

「スネ夫達には迫力満点の大公開としよう!!」

 

「いいいい…ああぁ…」

 

「暖かい目もう終わり?」

 

「それは触れなくていいんじゃないか?」

 

それから、僕達はピー助を風呂場で遊ばせていた。

 

「ピィピィピィ~、ピューピィー!」

 

「静かにね。餌は何がいいんだろ?」

 

「ミミズがいいんじゃない?」

 

「流石にそれはエグいだろ…」

 

「でもそれ以外にないし。」

 

「とりあえず、ミミズで」

 

直ちゃん、僕、和人の順でピー助の餌について話してから、ミミズと決定してドラえもんに後を任せて公園にミミズを取りに来ていた。

 

「うーん、雨の時は簡単に掘れるのになぁ。」

 

「じょうろとか持ってくればよかったね。」

 

「だな」

 

と話していたら、声がかかった。

 

「のび太~!和人~!練習してるかーー!!」

 

「スネ夫?何をだよ!!」

 

「鼻でスパゲティ…ああ…大丈夫ジャイアン、やーい!」

 

ジャイアンがスネ夫が話してる時にコケてから、どっかに行った。何がしたかったんだろ。気にしたら負けな気がする。

 

「何やってんだか…」

 

「気にしたら負けでしょ?やろうよ。」

 

「うん!(しず姉に報告しとかなきゃ)」

 

僕達は、ミミズをある程度取り家に帰った。和人たちは今日は泊まらないので家に帰って行った。ピー助の事が気になってたみたいだけど。僕はピー助はまだ風呂で泳いでいるのかと、思いながら風呂場へ行くと…

 

「タオルここ置きますよ?」

 

「あち!?ちょっと沸かしすぎだね!」

 

「あっ、はっ!!」

 

僕は、嫌な予感に襲われ一目散に風呂の中へ行った。ピー助!!

 

「ピー助!!恐竜殺し!!ピー助ーー!!」

 

僕はピー助を探していた、するとドラえもんがやってきて、

 

「のび太君!!こっちに移しておいたよ?」

 

どうやら、僕の早とちりみたいだった。パパに悪いことしちゃった。

 

「ふぅ…よかった…」

 

そして僕はピー助にミミズを与えようとしたんだけど、食べてくれなかった。

 

「うーん、ミミズは嫌いかい?」

 

「ピィ…」

 

ご飯の時間になり、僕とドラえもんは下へ向かった。そして僕はピー助にあげるものを考えていた。

 

「どうしたの?食べないの?」

 

ママがそう言ってきた、目の前にある刺身を見て僕は、これだと思い…

 

「部屋でゆっくり食べる。」

 

そう言っていると台所から出て僕は、部屋に戻った。

 

ーーーーーーーー

 

部屋に戻ると、ピー助は静かに待っていた。

 

「ピィ」

 

「ごめんよ。ピー助お腹減ったろ?これなら食べられるかなぁ?」

 

僕は、そう言いながらピー助に見せた…ピー助はすごく不思議そうな顔して、刺身を見ていた。

 

「これはね、お刺身って言って僕の大好物なんだ!」

 

僕は、そう言うと刺身をあげるためお箸で挟んだ…醤油はいらないだろうからつけずにあげようとした。

 

「ほら、お食べ」

 

ピー助は、差し出された刺身を必死に食べようとしていたが…

 

「あっ、食べづらいね」

 

僕は、刺身を手に乗せて上げることにした

 

「さぁ、お食べ」

 

「ピィ」はむはむ

 

「ふ、ふふっ…」

 

僕は嬉しくなり両手で支えてあげた。ほんとにかわいいやつだ。

 

「ピューイ!」

 

「気に入ったかい?じゃあ、もう1個!はい…フッふふふ、ちょっとくすぐったい。」

 

僕は一生懸命に食べているピー助を見ながら、眠たくなった。でもこれは言っておこう…

 

「いっぱい食べて…早く…ふあーん、おおきくなるんだよ…」

 

「ピィーー!!」

 

のび「はい」

 

僕はそのまま眠ってしまった。

 




雷神「ふぅ…やっぱ、映画は疲れるな…すっごく楽しいけど。」

銀「お前…前編って書いてるが?あれなんだ。」

雷神「1話で書くのが疲れたから、前編後編で分けることになりました(๑>؂•̀๑)テヘペロ」

銀「お前が思いつきそうなこっていな…後よ…」

雷神「ん?何?」

銀「バレた。」

雷神「は?」

銀「あいつらに、バレた。」

雷神「…͡° ͜ ʖ ͡° ) what?」

銀「だから、明久達にこの小説書いてる事がバレたって言ってんだ!!!」

雷神「………やべぇ」

銀「てなわけで、雷神の死亡フラグがたった所でこれにて終わる。後編もお楽しみにーー」

雷神「oh......」


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第2話のび太の恐竜〜ピー助との戯れ、そして一時の別れ〜

いつもながらすいません。各話を半分にしたいと思います。
劇場版の題名はそのままに全中後編はサブタイから消えます。


そして3日後、学校が早く終わったので僕と直ちゃんと和人は走って帰っていた。すぐにピー助に会いたいからだ。

 

「「「ただいまー(お邪魔しまーす)」」」

 

僕らは部屋に入り、押入れを開けた。

 

「ピューーーイ!!」

 

ピー助は、僕達をみると嬉しそうに飛んできた。僕は一回転してピー助を抱きしめた。

 

「いい子にしてたかい!」

 

「今日は俺達もいるぜ!」

 

「ピーちゃんやっほ~」

 

「ピューイ!」

 

僕はピー助を下におろすとピー助はボールがある方へと歩いていった…。

 

「ピィ!ピューイ!ピィピィ!」

 

「ボールで遊ぼうって言ってるぞ?」

 

「え?いやぁ、今日は宿題が山のように出ちゃって、ふーっ!」

 

「…最初からやるつもり無かったでしょ…」

 

「へへ…じゃあ、ピー助遊ぼう!」

 

「ピュイ!」

 

「それ!」

 

僕がボールを投げるとピー助はボールを追いかけて、右へ、左へと、ピー助は一生懸命に追いかけていた。

 

「行くよ!それ!」

 

「ピィ!」

 

「上手いぞ!」

 

「ピーちゃん!ほら!」

 

「ピュイ!」

 

「ん?ンハハハ…」

 

途中でドラえもんも加わり、ピー助と同じ動きをしながら遊んだ。

 

「あにゅばにゅにゃやびゅにゃ!」

 

「ど、ドラちゃん…」

 

直ちゃんがドラえもんの行動にドン引きしていた。実際僕や和人も引いてる。

 

「ピュイ!ピッ、ピューイ!」

 

「あばにゅばにゅあばにゅにゅぬば」

 

ピー助がボールを追いかけているところを追いかけているドラえもんが、シュールで笑える…なんだか僕もやりたくなった。

 

「あばにゅにゅぬば」

 

「あばにゅにゅぬば…ずるいピー助!」

 

「3人とも…きもいよ?」

 

そう、直ちゃんにジト目で言われてしまった。しょうがないじゃないか意外と楽しかったのだから…それからピー助は、直ちゃんと二人で戯れていた

 

 

「んー、狭い押入れに閉じ込めてちゃ可哀想だなぁ。散歩に連れてってあげようかな?びっくりするだろうね。恐竜のペットなんて、日本中…いや世界中の話題になると思うよ。ふふッ」

 

「確かにそうだな。お前も色々と忙しくなりそうだな?」

 

「そうだね~」

 

僕達は、ピー助をもし散歩に出そうと考えていた、そんな傍らドラえもんが……

 

「そしてピー助は、連れていかれちゃうね?」

 

「「え?」」

 

僕達はその言葉に、驚きドラえもんの話を聞いた。

 

「学者が研究のために解剖するか、見世物にされて、確かに世界中の話題になるだろうね。」

 

「…うう…わぁ…」

 

「…」

 

「どっちにしても、この世界(2018年)はピー助にとって、故郷(白亜紀)じゃない…とっても暮らしにくい世界だよ。」

 

ドラえもんは淡々とそう語った…それを聞き直ちゃんと遊んでいるピー助を見た…

 

「ほらこっち!」

 

「ピィ!ピピピ!ピー!!」

 

「上手いうまい!!」

 

ピー助の顔を見ると、今の話に出たことをさせたくない。直ちゃんも遊んであげてるけど、今の話を聞いてるためか、少し顔がこわばってる。

 

「でもそれは、もしもの話だろ?」

 

和人がドラえもんに聞いた。でもドラえもんはさらに真剣な表情で続けた。

 

「…いや、これは絶対にはないにしろありえるんだ。人間というものは珍しい物には興味が湧き、それを調べたいという衝動に駆られる。現に22世紀では、今はいる動物はほとんど見られなくなっているんだ。」

 

「…俺達はそんな事絶対にしない。現にドラえもんも22世紀のロボットで珍しい物だ。でも俺たちは何も言ってないだろ?ピー助は、絶対にそんなことさせない。そうだろ?のび太?」

 

「うん、ピー助!」

 

「ピィ?」

 

僕は今の話を聞き、ピー助を呼んだ。

 

「僕が…僕達が今にきっと[タイムマシン]で一億年前へ送り返してあげるよ。」

 

でもごめん、ピー助…その前にスネ夫達をギャフンと!…これも人間の傲慢なのかもしれない。ごめんよ。ピー助…

 

 

 

 

それから3日が経った、この日は特別暑く蒸し暑かった。まだ6月だって言うのに、これも異常気象のせいかな。だから僕はプールに入れてあげようと思い準備をして、部屋でドラえもんと待ってるピー助を迎いに行った。和人や直ちゃんは剣道に行ってる。

 

「ドラえもん!」

 

「ほんとに出すの?大丈夫?」

 

「大丈夫大丈夫!」

 

僕はそろ~っと、庭に行きピー助を泳がせる、ピー助は気持ちよさそうに泳いでいる。

 

「嬉しいか?ピー助…僕が幼稚園の時のプールだよ」

 

「ピィ!」

 

「僕も泳げって?うーん泳げな…」

 

その時後から声が聞こえた。

 

「のびちゃん!」

 

のび「ああっ!あーっ!ププププ…懐かしいなぁ!和人と一緒に入った幼かった頃を偲んでたんです!」

 

「素直に白状なさい!最近、冷蔵庫の魚や肉がやたらになくなるけど?」

 

ママは少し溜め僕の顔に近づける、すごく凄みがかかってる。

 

「犬か猫を拾ってきてこっそり飼ってるんでしょ!」

 

「んんんッ!神に誓って犬も猫も飼ってないよ!!」

 

「んー?んーん?」

 

ママは疑いの目を離さずにこの場を後にした。ママは大の動物嫌いで犬や猫を買う事を許されていない……ドラえもんはいいのかって?彼ははロボットだし見た目たぬきだしいいんじゃない?

 

「ピィ?」

 

「実は、恐竜なんて言ったらひっくり返るだろうな?」

 

それから1週間が経ったピー助は大きくなっていた。ドラえもんが餌に成長を補助する薬を入れてみたみたいで、1週間で大きくなっていた。

 

「んー…のび太どうするんだ?こんなに大きくなっちゃ、こっそり変えないぞ?」

 

「のび太君…そろそろ」

 

「……まだだ!もっとでっかくしてスネ夫を震え上がらせるんだ。」

 

僕は、そう宣言した。スネ夫には色々嫌がらせされてるし、少しは震え上がらせたいじゃん?ってあれ?この前と言ってる事が真逆になってる…

 

「この先どうするの?」

 

直ちゃんに聞かれた。うーん…やっぱり…

 

「公園の池の方がいいと思う。あそこじゃあんまり見つからないし。」

 

「そうだね~」

 

「騒ぎにならないといいけど…」

 

このドラえもんの言葉がフラグとは思わずにその日のうちに僕はピー助を公園の池に放し、次の夜に餌とボールを持ちピー助に会いに行った。

 

「はぁはぁ…ふぅ…あッ!?いってぇ…」

 

小さい崖に落ちはしたものの、到着した。すると水面がぷくぷくしだして、ピー助が姿を現した。

 

「あっ…はー!ふぅ、ピー助!」

 

「ピューイ!」

 

「足音だけで僕がわかるんだ!すごいなぁ。よしよし、寂しかったかい。夜しか来てやれなくてごめんな?今夜のお土産はソーセージだよ?」

 

僕は、カバンを置きソーセージをピー助に見せた。でもピー助は僕の方を見ずに後ろの方を不思議そうに見ていた。どうしたんろうと思い後ろを振り向いたら。

 

「ほんとにここに居た。」

 

「しずちゃん?」

 

しずちゃんが仁王立ち出っていた。何故に仁王立ち?

 

「和君に教えて貰ったんだ!それにしても…この子がピーちゃんなんだね?」

 

「うん、ここまで育つとなんだか嬉しいんだ!」

 

僕はしずちゃんにそう言ったら、しずちゃんは安心したような顔になった。仁王立ちは相変わらずにやってるけど、それからこう続けた。

 

「…よかった…前ののっちゃんに戻ったみたいで…この前まで、家で塞ぎ込んでたなんて思えないもん…和くんが戻ってきて、ドラちゃんと出会えたからかな?」

 

……僕が塞ぎ込んでいた間にしずちゃんから宿題をママ経由で渡されていた。本当に迷惑をかけたと思う。あの時の僕は、和人が居なくってある人の事も思い出し、それも相まって、何もやる気に出せていなかった。それでもしずちゃんやジャイアン(一応スネ夫)達は僕の事を見捨てなかった。しずちゃんも言った通り和人が戻ってきて、ドラえもんが来てから以前の僕に戻ったと思う。

 

「ごめんね、あの時は和人が居なくなって、ちょっと現実逃避してたんだ。でもこの通り今ではピー助を育てるまで元気になったから、安心してよ!」

 

僕はしずちゃんに笑顔でそう言ったらしずちゃんは安心した顔になった。

 

「うん!安心した!スネ夫やジャイアンを驚かせたいんでしょ?」

 

「まぁね。ピー助のことは2人に言わないでね?」

 

「わかった。じゃあ、うち帰るね!バイバイ!」

 

「うん。バイバイ!」

 

しずちゃんは、手を振りながら去っていた。でも…

 

「何で仁王立ちだったんだろうか?じゃあ、ピー助。ボール遊びしよっか!」

 

しずちゃんが帰った後に僕はピー助とボール遊びをした…この日から不穏な影がこちらを覗いていたのも知らずに…

 

ーーーーーーーー

 

そして3日が経ち僕は学校で掃除をしていた…スネ夫が何かを話しているが無視をした…というか、ゴミを投げるなよ。掃除の意味がなくなるぞ…しかしスネ夫はその後しずちゃんにぼこぼこのズタボロにされたのは完全な余談だ。

 

「で?ピー助の公開は今夜なのか?」

 

「ごほッゴホッ!ズズっそのつもり」

 

「お前風邪気味じゃないか?」

 

「そんなわけないでしょ」

 

二日が経ち風邪じゃないと思っていた僕は風邪で寝込んでしまった。まさか風邪になるなんて、塞ぎ込んだ時でさえ風邪引かなかったのに何でこんな時に。

 

 

ガチャ!

 

「あっ、ドラえもん悪いなぁ…ピー助元気だった?

 

風邪を引いた僕に変わってドラえもんや和人が代わりに公園にいるピー助の遊び相手やソーセージをやっていた。

 

「でも食べないし遊ばないんだよ。君を恋しがってる。君が風邪で寝込んでから会ってないんだ、無理もない。」

 

「う、うぅ…ピ、ピー助ぇ」

 

僕は立ち上がり、公園の池に行こうとした。風邪だっても、行かなくちゃピー助が寂しがるから。

 

「お、おい!どこいくんだよ!よせ!ぶり返したらどうするんだ!治るまで大人しく寝てろ!」

 

のび「ピー助…」

 

ごめんよ、ピー助。僕が風邪なんか引いたから…そんな時だった。

 

ど…んどーん!!どん!

 

 

「「ん?」」

 

足音が聞こえ僕とドラえもんは顔を見せ合った。

 

「ん?うん?」

 

どん!どーん

 

「何だろ?ん?あぁっ」

 

僕は机の上に登りカーテンを開けた…そこには…

 

「ピュイ!」

 

「「ピー助!?」」

 

そこにはピー助がいた。すごく心配した顔でこちらを見ている。

 

「ウッ…ば、バカ!こんな所まで出てきて!誰かに見られたらどうするんだ!」

 

「きっとのび太くんをお見舞いに来たんだよ…」

 

「ピ?ピー!」

 

ドラえもんがそう言った後にピー助の首だけが部屋に入ってきた。

 

「あっ…くっく…こらー!うわぁっと」

 

「ピー!ピィ!」

 

「わかってるよ。僕も会いたかった…風邪が治ったら、またみんなでうんっと遊ぼう?それまで我慢しておくれ」

 

「ピュイ!」

 

「ふふッ…ドラえもん悪いけど、ピー助を公園まで…」

 

「わかった。これを使おう。[透明マント]~! これを被せると姿が見えなくなるんだ!」

 

「それじゃあ、誰にも見つからないね。」

 

「じゃあ、行こうか」

 

「ピィ!」

 

「ちゃんと餌を食べるんだよ~」

 

僕は姿が見えなくなったピー助を見て決心していた…もう…グズグズしていられないな…

 

ーーーーーーー

 

そして僕は風邪も1日で治り道路を焦りながら和人と直ちゃんと走っていた。その理由は…

 

「ほんとにいるのよ。怪獣が!」

 

「公園の池で?」

 

など。

 

 

 

「ものすごーく長い首でね、すごいらしいのよ!」

 

「それろくろっ首じゃないの?」

 

「それだと、見つかったのろくろっ首でしょ?」

 

「それもそうね。」

 

等と、ものすごーく長い首、公園に怪獣…ピー助の存在が噂されている…今聞いたのは何故かろくろっ首の話だったけど。公園に着いたら人で溢れかえっていた。警察、メディア、記者…いわゆるマスゴミ…失礼。マスコミがこの公園にいた。見物人も大勢いて、とてもじゃないが入れそうになかった。

 

「どうする?」

 

「1回家に帰って作戦を考えよう。」

 

「そうだね」

 

僕達はそう言った後に、家に戻りふと居間を見るとママがテレビを見てていて、生物なんちゃらとテレビで話していた、テレビでも公園に怪獣…ピー助の特集をやっていたのだ。今夜ダイバーが潜るという話が出て、僕達は一目散に部屋に戻った

 

「和人!直ちゃん!どうしよう!ピー助が…ピー助が!」

 

「今は落ち着け!落ち着かないと冷静に物事が考えられない!」

 

「1回深呼吸して!」

 

「…すー…はー…すー…はー…」

 

僕は直ちゃんに言われた通りに深呼吸をした。

 

「落ち着いたか?」

 

「うん。」

 

「じゃあ、今からピーちゃんのところに行きましょ!」

 

「そうだね!ボールっと!」

 

僕は、ピー助が好きなボールを手に取り、カバンの中へ入れた。

 

「ん?ボール落ちてるぞ?」

 

「え?あれ?なにこれ?」

 

僕はいつものボールを入れたと思ってたけど、カバンの中を見ると黒い目玉みたいなボールが入っていた。なにこれ?

 

「やあ」

 

そのボールを持った後に男の声が聞こえた。ドアの方を見ると、線が入り穴が空きその向こうに黒マスクの男がいた。

 

「だ、だれ!?」

 

「誰だ!」

 

「なんなのよ!こんな時に~!!」

 

男は、穴から出てきてこう言った。

 

「ふふふ、私が誰でどこから来たのか…それはこの際関係ない。まして、要件に時間をかけるつもりもない。ズバリ言おう…君は…のび太君は首長竜を飼っているね?」

 

「くびなが…ピー助の事?!」

 

その男は急にピー助の話をし始めた。一体なんなんだ。

 

「そうだ。私は今までこんなに人に懐いた首長竜を見たことがない。」

 

「くっ…何が目的だ!」

 

「欲しいんだ。」

 

「何?」

 

「欲しい?」

 

「欲しいんだ。タダでとは言わない。欲しいだけ金は払う。」

 

「ッッ!!それって、ピーちゃんを取り引きしてるって事?」

 

「そうだ。なるべく手荒な事はしたくないんでね。こうやって、優しく言ってるんだ。」

 

僕はそう言っているこの男の胸にあるものを見て、直感でこの男はやばいと悟った。だからこう言った。

 

「お断り!ピー助は白亜紀の海へ返すんだ!」

 

「しょうがない…なら手荒な事に…」

 

 

ブーッ、ブーッ!

 

男…黒マスクが喋った瞬間、警告音が鳴り響き黒マスクの顔が焦りに変わった。

 

「ちっ、邪魔が入ったか…ピー助は諦めないよ…じゃあ」

 

そう言って黒マスクと傍にいた黒いボールは消えていった。

 

「和人…直ちゃん…ホントにピー助の幸せを願うなら…」

 

「取るべき道は…」

 

「一つ…だね?」

 

そして夜になり、僕達は公園に居た。本当にダイバーを池に潜らせてピー助を探すみたいだ。

 

「僕がうまく引きつけるからこれを渡しておくよ![スモールライト]!これはガリバートンネルと一緒で物体を小さく出来る!赤いボタンが、スイッチだからね!」

 

「わかった!ありがとうドラえもん!

 

「こっちに出たぞー!!」

 

ドラえもんが言ったことにより、大勢の人々が向こうへ行った。

 

「のび太!早く!」

 

「うん!ピー助!来てくれ!ピー助ー!!」

 

僕は、小さいながらも聞こえるであろう声でピー助を呼んだ。すると水面がぷくぷくしだして、ピー助が出てきた。

 

「ピィ!」

 

「今からお前を白亜紀の世界へ送るよ!」

 

僕はそう言うとスモールライトをピー助に向けてボタンを押した。ピー助はみるみる小さくなっていった。

 

「これでよし!じゃあ帰ろう!直ちゃんが待ってる。」

 

「ああ!」

 

ピー助を小さくして、ボックスの中に入れた、僕達は、家に帰り待機していた直ちゃんと共に[タイムマシン]へと乗った

 

「じゃあ、行くよ!掴まってて!」

 

「「「うん!」」」

 

「一億年前の白亜紀へ!出発!」

 

「あれ?前見た時青くなかった?」

 

僕は超空間が薄暗かった。なんで?

 

「超空間はメンテナンス中なんだ。でも時間旅行はちゃんとできるよ」

 

「超空間にメンテなんてあるんだな。」

 

「うーん、まぁね。」

 

「ドラちゃん…時間かかるの?」

 

「まぁ、そこそこかな。」

 

「…よっしょっと。」

 

「ピューイ!」

 

「シー!いい所へ連れってってあげるからね?」

 

「お前が言ってるそれ…言葉だけで見ると大人が幼女を…「違うからね!?」冗談だよ」

 

「たくっ…ん?」

 

シューーーー

 

「ドラえもんなにか来るよ?」

 

「え?まさかこんな超空間に…」

 

「そのまさかだよ…どんどん近k…あいつは!!」

 

超空間に居たのはあの黒マスクだった。

 

「あいつだ!ピー助を狙ってる!!」

 

「えぇ!?」

 

「待ちなさいのび太君…待て…止まれぇぇぇぇぇ!!!」

 

「「「逃げてー!!」」」

 

「うん!」

 

ドラえもんは、僕達が言った通りに急いで逃げた。黒マスクは追いかけてくる。

 

「ふん!!!」

 

「やば!ドラえもん!もっとスピード出せないのか!?」

 

「これが限界!向こうの方が性能がいいんだ!!」

 

「えぇ!?」

 

黒マスクのタイムマシンからアームのような物が出てきて、ドラえもんの[タイムマシン]を捕まえようとしていた。

 

「「「「うわぁぁぁぁ!!」」」」

 

ドラえもんは必死に逃げていた。

 

「ド、ラ、えもーん!!」

 

「あばばばば!!」

 

「きゃァァァ!!」

 

「避けられるのが、不思議~!!」

 

「ピィー…」

 

ドラえもんは、避けられるのが不思議と言ってる。それもそうだ。あっちの方が性能がいいんだから、ピー助も僕達と一緒でほっぺたがやばくなってるのは可愛い話だ。ついに黒マスクのアームが[タイムマシン]に突き刺さった…刺された部分はバチバチと放電しながら、煙が出ていた。

 

 

「ピィー!ピィ!」

 

「ピー助!」

 

ピー助が今の衝撃で落ちてしまいカゴを口で掴んだのをいい事に、黒マスクは捕まようとしていた。しかしピー助は、避けに避けまくっていた。そしてさっきと同じように警告音が鳴り響き黒マスクは逃げて行った…いずれまたな、という言葉を残して…

 

「ふん!ん?おっ?正常航行に戻った!」

 

「ふぅ…何とかなったか。」

 

「何ていうか。ジェットコースターより怖かった。」

 

「ピィー!ピューイ!」

 

「よかったぁ…あと少しで捕まるところだったな…偉いぞ!ピー助!」

 

「ピューイ!」

 

「…あの黒マスクピー助をどうするつもりだろう?」

 

「譲ってくれとは言われたがそのあとはわかんないな。でも…」

 

「またピーちゃん狙われないかな。」

 

「平気さ!首長竜の群れに入っちゃえば見つからないよ!」

 

「それならいいけど…」

 

そして僕達は、白亜紀へと着いた。ここでお前とはサヨナラになるんだな。ピー助…

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

僕達は、歩いて海の近くまで行った、そこでピー助とお別れするつもりだからだ。

 

「ピー助?」

 

「ピュイ?」

 

「ここがな?お前の世界なんだ。」

 

「う…っぐ…ここで幸せに暮らすんだよ…ピーちゃん…うぅ」

 

直ちゃんは泣いていた。僕の次にピー助と関わっていたからしょうがないのだ。僕が剣道で忙しい時に家に来てドラえもんと遊んでくれていたと聞いた。僕達は、ピー助を置いて行こうとしていた…しかし

 

「ピューイ!」

 

ピー助はついてきたのだ。それも笑顔でいつもの顔でついてきたのだ。僕は可哀想だったがこう言い放った。

 

「ついてきちゃだめだよ!向こうへ戻れ!じゃあな!」

 

「のび太…ピー助!わかってくれ!ここはお前の故郷なんだ!」

 

「うぅ…ピーちゃん…」

 

「ピュイ!」

 

「あっ、こらッ!!」

 

ピー助は僕の襟を掴み上へとあげた。僕は強く言い放つ。

 

「わっかんないやつだな!!やめろ!離すんだ!ピー助!」

 

「ピィ…」

 

「ダメだったら、ダメなの!!近づくと!!」

 

そのあとの言葉が出なかった…いや出したくなかったのかもしれないが…嘘でも言っちゃいけないと思ったんだ。僕は、一瞬だけピー助を見た…涙を流していた。いたたまれなくなって、僕は走り出した。みんなが後を追ってきた。

 

ピー「ピューーーーーーーイ!!」

 

僕は、走った…ピー助の声が聞こえなくなるまで、走り続けた。途中転けそうになったけど、それでも構わず走り続けた。僕はいつの間にか泣いていた…涙の味を噛み締めながら僕達は[タイムマシン]についた。

超空間でも僕は泣き続けた。僕の涙や直ちゃんの涙が超空間に漂っていた



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第3話のび太の恐竜~冒険の始まり~

はい1年ぶりの投稿です。ごめんなさい!

【11月30日追記と修正】

視点は、のび太、直葉、和人、のび太の順です!


僕達は、現代世界に戻った。僕と和人、直ちゃんは、僕の部屋で静かに佇んでいた。ドラえもんはいない。まだピー助と別れて、1時間も経っていない。

 

「「の、び、太くーん!」」

 

不意に声が聞こえた、恐らくスネ夫とジャイアンであろう。もちろん来たのは『アレ』のことだろうね。そして、僕、和人は、ジャイアンとスネ夫に連れられて空き地に来ていた。そこには大皿にスパゲティーが鎮座していた…どこでどうやって作って持ってきたんだよ。

 

「じゃあ、鼻で食ってもらおうか!!」

 

「…スネ夫…僕達はちゃんと一匹恐竜を育てたんだ。今いないのは1時間前に白亜紀に返したから、いないんだ。」

 

「そんな嘘が通用するか!!」

 

「なぁ。のび太、和人…弾みで嘘を言うことは誰にでもある…だがな。あっさり謝れば、笑い話で済むんだぞ?」

 

僕は、ジャイアンの言葉を聞いてムカッとした…何だかピー助を否定された気がしたからだ。

 

「…あんまりだよ。ジャイアン…僕はホントのことしか言ってないんだ!そこまで疑うなら!見せてやる!僕の恐竜を!僕の育てたピー助を!」

 

僕は、そう言った。ジャイアンとスネ夫はあまりの僕の剣幕に驚愕の顔を浮かべていた。

 

「…のび太」

 

和人が心配そうな目でこちらを向いていたことは気づいてなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

途中しずちゃんと合流して僕達は、家に帰るとドラえもんが部屋に戻ってきていた。僕達はドラえもんに頼んだ。

 

「ドラえもん、ピー助が…ピー助が今どうなっているか見たいんだ。」

 

ドラ「見ない方がいいよ。見たらまた会いたくなるよ?1時間前に別れたばっかりだろ?直ちゃんだってまだ心が癒えてないだろ?」

 

「…そうだけど、でも見るのは私達じゃないの」

 

「うん。ジャイアンとスネ夫に見せるんだ。」

 

僕と直ちゃんがそう言うと、ドラえもんは少し考えポケットに手を入れてテレビを出した

 

「[タイムテレビ]!これは過去や未来の、どんな場所でも見る事が出来るテレビで立体映像として目の前に投影することも出来るんだよ。これでピー助を見せるよ」

 

ドラえもんはテレビを操作し、スネ夫とジャイアンに見せていた。僕達は見ないように後ろを向いていた。

 

「映った!」

 

「うおーー!すげえ!」

 

どうやら、映ったようなので僕はこう言った。

 

「どうだ?すごいだろ僕のピー助?」

 

「うん、すげえ!…けどよ、『どれ』なんだ?」

 

「「「「え?」」」」

 

「うーん、この『いじめられてる』やつ?」

 

「「「「はっ!?」」」」

 

僕達は、スネ夫の言葉に耳を疑った。どれって…いじめられてるってどういう事!?僕達は勢いよくテレビの方を向きそこにいった。するとそこには、黒い首長竜がピー助をいじめてる映像であった。

 

「ピー助…!?」

 

「い、いじめられてる…」

 

「ピーちゃん…嘘…どうして?」

 

「…何で…」

 

「おかしいな…」

 

すると画面のピー助が、その黒い首長竜の集団から離れていった。すごく落ち込んだ表情で…。ピー助…。するとスネ夫は何かに気づいたようで言い出した。

 

「これって…エラスモサウルスじゃん!北アメリカに居た首長竜!」

 

「「「「北アメリカ!?」」」」

 

「ピーちゃんは、日本産のフタバスズキリュウだよ?」

 

「じゃあ、何でこいつらはここに…」

 

「アメリカからピー助に会うために日本に遊びに来たのかなぁ?可愛いね?」

 

「「うん、それはない。絶対に。」」

 

「ふ、二人して何よーー!!」

 

しずちゃんが天然発言していたのを、僕と和人が冷静にツッコミをした。時々天然発言するんだよなぁと思いながら、ドラえもんの方を見ると神妙な顔をして、タイムテレビを見ていた。

 

「やばい事になったかもしれない…」

 

「やばいって?一体?」

 

「僕らがピー助を…白亜紀のアメリカに送っちゃったんだ!」

 

「え!?ど、どうして!?」

 

「ひょっとしたら、[タイムマシン]が…」

 

僕は、もう1度タイムテレビに表示していた地図を見た。白亜紀の世界の地図を見て、ドラえもんに言った。

 

「今すぐ行こう!」

 

「俺も行く!俺もいたんだ。そのくらいはいいだろ!」

 

「私も行くよ!ピーちゃんを助けたいから!」

 

「和人…直ちゃん。うん!ドラえもん行くよ!早く!急いで!」

 

僕は、何かを言っているドラえもんをタイムマシンがある、机の引き出しへ放り込み、その後に続いた、その後に和人…直ちゃんの順に来たがなんとジャイアンたちも来たのである。

 

「定員オーバーだーーーーッ!!!」

 

ドラえもんはそう叫んでいた。元々ドラえもんのタイムマシンは、ちっさくてせいぜい、2、3人が入るスペースをドラえもんを除いて、7人も乗車しているんだ。今の状況は…

 

「あの時黒マスクに!!」

 

「落ちる!!やべぇ!」

 

「スネ夫君!!しず姉から手え離して!!」

 

「離せ!バカスネ夫!!」

 

「無理無理無理!!!」

 

…すごくカオスな状態になっていた。しずちゃん、直ちゃん流石にスネ夫を落とさないであげてね。するとタイムマシンは着いた…砂に埋もれた状態で…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ぷっは…きっつぅ…」

 

「な、何とか生きられたか…」

 

「黒マスクの男の時よりスリルが増したよ…」

 

砂から抜け出せた、直ちゃんと和人がそう言っていた…確かに黒マスクの時の絶叫より絶叫だったなぁ…そんな時ふと横を見ると……

 

「…2度とうちのスカートつかむなよ?」

 

「はひ…もうひはへごはいまへん(申し訳ございません)」

 

静ちゃんがスネ夫をフルボッコにしていて、スネ夫の顔がえらい事になっていた…

 

「ははは……何はともあれ、ドラえもん探すか…」

 

苦笑いしながらジャイアンがそう言うと僕達はみんなでドラえもんを探し出した。

 

 

「ドラえもーーーん!!」

 

「ドラえもんーー!!」

 

「ドラちゃんーー!!」

 

「ドラちゃーーーーん!!」

 

「ドラえもん~!」

 

「ほはへほーーん(ドラえもーーん)!」

 

ばしゃ !ジャラジャラ!!

 

すると音が聞こえて、その方を見るとドラえもん(とタイムマシン)が出てきた。

 

「ドラちゃん、大丈夫?」

 

「僕なら、大丈夫!」

 

「ドラえもんはともかく~」

 

「タイムマシンにはぐれたら…」

 

「帰れないもんな」

 

3人がそう言うと、ドラえもんの顔は変になって行ったがそれは気にしてられなくなった。何故かというとさっきまであった霧が晴れ、周りが見えるようになったからだ。

 

「「「「「「うわぁ…」」」」」」

 

陸にはハチのような虫がいて、海にはペンギンのような動物が波に入っていっている…すると。

 

「ぷぷぷ…プテラノドンだー!!」

 

「本物だ…」

 

「ドラちゃん…ここが…」

 

「そう、白亜紀の世界だよ。」

 

ドラえもんがみんなにそう伝えていると僕は、あるものを見つけて叫んだ。

 

「あっ!あそこ!ピー助と別れたところ!」

 

僕はそう言ったら脇目も振らず走り出した。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「もう早いんだから…ってドラちゃん?どうしたの?」

 

のび兄が走りだしたのを見て、私は挙動不審なドラちゃんを見て聞いてみたら、ドラちゃんは焦りながらこう言った。

 

「え?!あ、あぁ、き、気にしなくていいよ!す、直ちゃんものび太くん達の所にい、行ったら?」

 

すごい焦りよう、聞いてみようかな。

 

「何でそんなに焦りながら言ってるの?」

 

「え?そ、そうかなぁ?ほ、ほら!のび太くん達ピー助を探してるよ!僕はここに残ってタイムマシンがプテラノドンに壊されないか見てるから行ってきなよ!!」

 

ドラちゃんがそう言ったので、私はまぁ、いっかと思いのび兄達の元へ向かった……この時もっと聞けばよかった。何故こんなにドラちゃんが焦っていたのかをーーーー……

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

僕はピー助と別れた所まで走った。まだ僕らの足跡が残っていた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「おっとっと、」

 

「すげぇ」

 

ジャイアン達は何かに感動してたみたいだけど僕は気にせずにピー助の名前を呼んだ。

 

「ピーーーーーーーー助ーーーーーーーーーー!!!おーーーーーーい!!僕だよ!のび太だよーー!!」

 

「ピーーーーーーーー助ーーー!!俺もいるぞーーーー!」

 

「ピーーーーーーーーちゃーーーーーーんーーーー!!!」

 

僕、和人、しずちゃんの3人でピー助を呼んでいた。

 

「…来ないぞ?」

 

「来ないね。」

 

ジャイアン達はそう言うが僕らは呼び続けた…

 

「場所が違うんじゃない?」

 

「最悪、食われt「…それ以上言うとジャイアンでも怒るよ?」す、すまねぇ…」

 

 

ジャイアンが『ある言葉』を言う前に止めた。…それだけは聞きたくもなかった。もしかしたらそうなっているかもしれないから…

 

「……あっ!!の、のっちゃん!!アレ!!」

 

しずちゃんが、突然叫び指をさした。その指を見てから、海の方を見ると見た事がある恐竜のシルエットがあった。

 

「はッッ!!ピ、ピー助!!」

 

「ピー助…!!」

 

「ピーちゃん!…」

 

僕は、海へと行きピー助のもとへと行こうとしたが海が急に深くなり僕は足が滑り落ちてしまったが、間一髪の所をピー助が助けてくれた。ピー助が僕を背に乗せみんなの元へと動いた。

 

「じゃあ、紹介するよ。ジャイアンにスネ夫、これが僕の…僕達のピー助さ!」

 

僕はジャイアン達にピー助を紹介した。二人はピー助を見るなりこう言った。

 

「のび太…疑ったりして悪かったな。」

 

「…ごめん、僕も…」

 

2人は、僕に向けてそう言った。だから僕は、笑顔で返した。

 

「いいんだよ!ジャイアンにスネ夫!僕は怒ってないからさ。わかってくれればそれで!」

 

「ピュイ」

 

ピー助が顔をスネ夫の前まで持っていき鳴いた。

 

「あの…よろしく」

 

「ピュイ、ピィ!」

 

「ぷっ…ははは、うわ!?」

 

スネ夫が、ピー助に握手(こういう場合握足かもしれない)を求めるとピー助は、握手の代わりに水をぶちまけた…スネ夫(そばにいた、ジャイアンも)ビショ濡れになり、それを見て笑った僕はピー助の背中から滑り落ちてしまった。

 

「お前は…何やってんだよ。ほら」

 

「へへ、面白くって。ありがとうっと」

 

「でもよかった!スネ夫くんとジャイアンがピー助と仲良くなれそうで!」

 

「ふふーん♪スネ夫がのっちゃんに対して土下座した所も見れたことだしね~」

 

「しずちゃん…それは皮肉…?」

 

「さぁ、どうでしょうね〜?w」

 

しずちゃんがけっこうゲスい笑顔でそんなこと言いながら、スネ夫を見ていた。そんなゲス顔しなくても…ともかく。

 

「じゃあ、ドラえもんのところに行こ!」

 

「「「「「おう(うん)!!」」」」」

 

僕達は、ドラえもんがいる所へと歩いていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「ドラえも~~~ん!」

 

「うわ!どわっしゃしゃ!ぬっと!!」

 

僕達がドラえもんの所に戻ると、何故かアロハシャツを着てタイムマシンの運転席でくつろいでるドラえもんがいた。

 

「やぁ、ピー助に会えたかーい?」

 

「会えたけど、その格好何?」

 

「ギグッ。い、いやぁ、この白亜紀を満喫中なんだよ~」

 

今ギグっとしたのは気のせいじゃないかもしれないけど、今それどころじゃないんだ。

 

「ドラえもん…くつろいでるとこ悪いけど、今すぐ日本へピー助を連れ帰ろ?」

 

「ん、あっ、あぁ~、その事だけどねえぇ~。は、は、は、白亜紀なんてめったに来られないところだから、今日1日たのしーく遊んでだねぇ。か、帰るのは明日にしたら?」

 

そう言って入るけど、ドラえもんの焦りように気づかないようにすべきなのかこれは…あの(暖かい)目が出てるし。でも、ドラえもんの言葉にも一理あるね。

 

「おもしれぇじゃん!」

 

「いいかも!」

 

「そうだね!」

 

「…そうだね…じゃあ、夜はでっかいキャンプファイヤーとか?」

 

「おっ!それいいな!」

 

ジャイアンが言ったのを皮切りにスネ夫、直ちゃん、僕、和人は思い思いのことを喋った。横のドラえもんがゆっくりと向こうの方を見て、ため息していたのは気にしないでおこう。すると、しずちゃんが申し訳なさそうに手を挙げて言った。

 

「あのぉ…うちね…ごめん…宿題がまだ終わってないし、ママに断らないと怒られる。」

 

「…そういえばそうだな。スグの剣道の稽古もあるしな。」

 

「あぁ…確かに剣道の一式向こうにあるもんね」

 

「稽古かぁ…僕もやらないとなぁ…」

 

「僕も、6時までに帰らないとママが…」

 

「俺も母ちゃんが…」

 

しずちゃんがそう言ったのを皮切りに、次々と帰りムードへとなっていくが、ドラえもんがこう言い出した。

 

「し、心配いらないよ!たたたたた、タイムマシンだから!出てきた時間の1分後とかに戻ってくればいいんだよ!ここに何日、何年過ごそうが、1分しか経ってないことになるんだよ!」

 

ドラえもんの説明が終わりしずちゃんが少し考えていた…すごく焦っているドラえもんは気にしてない…

そして、しずちゃんが喋った。

 

「なるほどね、それならいいかなぁ。白亜紀の海なんてロマンチックだし♪」

 

「そうだな。でも何年ってまるでタイムマシンが壊れたみたいだな?」

 

「ギグっ!そそそそそ、そんなわけないじゃないか!ははは、和人くんも冗談がうまいねぇ!!」

 

「ハハ、そうか?(めっちゃ動揺してるけど)しずの許可も出たし、白亜紀の海で泳ごうぜ!!」

 

「じゃあ、水着が要るね![着せ替えカメラ]!これは紙に書いた服の絵をこのカメラに入れて対象の人に向けて撮ると、その人物にその絵の服が着せられるんだ!」

 

「わぁ!ドラちゃんってほんとに色んな道具持ってるのね!」

 

「ははは~そうだろ?じゃあ、6人とも書いて書いて!」

 

「「「「「「うん(おう)!」」」」」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺達は、自分達が着る水着を描いていた…俺はちゃんと描けていたが隣ののび太はうまく描けていないようだったが、気にせずに紙をドラえもんに渡した。

 

「じゃあ、撮るね!6枚いっぺんに撮るからね!スネ夫くんちょっと下がって…じゃあ撮るよ!」

 

パシャ!!

 

ドラえもんが着せ替えカメラのボタンを押したら、俺達全員に煙が立ちこみ俺達6人を包んだ。煙が晴れるとほんとに絵の水着になっていた…二人を除いて…

 

「な、なんだこれぇ!?」

 

「わ、私の水着!?きゃっ!見ないでぇ!?」

 

直とジャイアンの水着が入れ替わっていた。いっぺんに撮るときのデメリットがわかった気がする…だが…隣の狐が鼻の下を全開に伸ばしていたので、とりあえず一発殴っておいた。妹の裸をエロ目で見ていたからイラッとしたからな

 

「うぅ…ドラちゃんのバカァ…」

 

「ごめん…直ちゃん!撮り直すから!」

 

「もう!ドラちゃんも気をつけてよね!ただでさえここにはのっちゃん以外のオス共がいるんだから!」

 

しずがドラえもんに怒っていた、でも何で…

 

「俺も入ってるんだよ…」

 

「あったりまえでしょ!まぁ、誰かさんを殴ってくれたのはありがたかったけど」

 

「それは兄としての役目さ…それとドラえもん…次はどうなるか…わかってるな?」

 

俺は、ドラえもんの方を見て言った。自分ではわからないが多分今の顔は目が笑っていないだろう。

 

「は、はい…気をつけます…じゃあ、次は[深海クリーム]と[エラチューブ]!これは…」

 

ドラえもんの深海クリームとエラチューブの説明を終えた俺達は、(ジャイアンとスネ夫は一目散に)白亜紀の海へと入った。

 

「水、超綺麗!」

 

「すげーじゃん!」

 

 

スネ夫とジャイアンが海を絶賛しているのを聞いたが、隣に居るのび太が立ち尽くしていた。そういえば…

 

「浮き輪ないと泳げなかった…」

 

「のび太…運動神経いいくせに泳ぐのはダメって、どうなんだ?」

 

「それは僕が知りたいよ…」

 

のび太は少し落ち込みながら、俺に言ったその瞬間にのび太の身体をピー助が持ち上げたんだ。

 

「ピュイ!」

 

「ピー助?わぁ!!」

 

「ピー!!」

 

「ちょっ!?置いてくなよ~!」

 

ピー助はのび太を背に乗せジャイアン達がいる所まで行った。俺は叫びながら追いかけて行く。何というかピー助はおちゃめな所があるな。俺はそう思いながら、追いかけて行った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

のび「やっほー!」

 

僕とピー助は、ジャイアン達の横で止まり、手を振ったら、ジャイアン達が乗り始めた。

 

「んー?俺達も乗せてくれよ!」

 

「そ~だ~♪よっしょ」

 

「うんうん♪」

 

「乗れるかな。よっしょ」

 

「よし乗った。」

 

ジャイアンがそう言った瞬間に僕達は沈んでいく、って事はまだピー助は子供なんだ。スネ夫も同じことを言っていた。僕達はみんなより後ろに居り和人が追いつき乗ってから、ジャイアンにいたずらした。

 

「お、っぷぅ……やったな~!まてぇ!」

 

「まてぇ♪」

 

「お兄ちゃんとのび兄ずるい~、待ってよ~」

 

「ははっ、待って~」

 

 

こんなやりとりをしてから、みんなはその後思い思いのことをやったみたいで満足していたみたいだ…ジャイアンはアンモナイトに潰されたってのに、生きてるのが不思議だけど…夕方ではピー助の首で飛び込みをした。そして、夜になり、キャンプをしている。[コンクフード]という美味しくて栄養たっぷりな道具なんだ、とドラえもんは言っていた。確かに美味しい、しかしみんなの方を見ると不満な顔をしていた。

 

「うーん…何かこうこれもいいんだけど…」

 

「もう少し、色々あると楽しいよなぁ…」

 

「仕方ないさ、元々ピクニックの予定でここに来たわけじゃないしな?」

 

のび「そうだよ。な?ドラえもん?」

 

ドラ「ギグっ…いやぁ!キャンプは楽しいねぇ!!」

 

僕が、ドラえもんに気丈に振舞っていた。さっきからどうしたんだろう?ジャイアンはそれを気に留めていないのか草をキャンプファイヤーに入れた。ふと、空を見ると…

 

「うわぁ…」

 

「どうした?ん…あぁ…」

 

僕に釣られて、みんなも空を見た、その光景は現代ではまずありえないような星々が空に光り輝いているのに感動したんだ。

 

「何かさ…人間が1人もいない時代って実感わかないけど、怖いね?」

 

「うぅ…しず姉それ言わないでよ…ちょっと怖いじゃん」

 

「あっ…ごめんごめん」

 

しずちゃんと直ちゃんの話を聞いていたら、ジャイアンが…

 

「まぁ、確かに今人間が俺達7人だけってのが不思議だよなぁ。」

 

「はは…確かにな」

 

和人達の話を聞いてスネ夫が話し出した。

 

「ねぇ…もしもさ、帰れなくなったらみんなどうする?」

 

「ば、馬鹿な事言うなよ!」

 

「例えば、タイムマシンが壊れたとか?」

 

「それだよ!それ!」

 

「ギグっ!!」

 

スネ夫がもしものことを聞き直ちゃんがタイムマシンの事を言ったら、ドラえもんがすごく動揺していた。本当にそろそろ心配してきた。さっきから本当にどうしたんだろ?

 

「み、みんな聞いて!」

 

「「「「「「ん?」」」」」」

 

「じ、実は、そ、そのたたたたた、たいm「ちょっと待って!」え?」

 

「静かに…」

 

ドラえもんが何かを話そうとしていたらしずちゃんが話を遮り、静かにした。耳をすますとなにやら得体のしれない足音が聞こえだし、ここに向かってきていると真っ先にわかったが、正体が全くわからなかったけどすぐに正体がわかった。それは…

 

「ティ、ティラ、ティラ、ティラノサウルス!?」

 

そう、今聞こえていたのはティラノサウルスの足音だった…僕達の匂いで来たのか、火の光で来たのかはわからないけどこいつは来た。

 

「みんな、僕の後ろへ!野獣は火を怖がるはずだ!」

 

ドラえもんに言われたとおりに、僕達はドラえもんの後に行った。でも恐竜と野獣は違うと思うけど…

 

「恐竜にそんなの通用すんのかよ!?」

 

ティラノは僕達を見ていたが炎がものすごく音を鳴らしていた。威嚇しているようにも見えるけど、そんなのお構い無しとティラノサウルスのヨダレが炎を小さくしていった。

 

「ガルルルルル」

 

「すげぇけど…」

 

「うわぁ…」

 

「ひぃぃぃぃ静香ちゃんより怖いよぅ」

 

「うちと張り合わせんなぁ!」

 

「それ今関係ないし、うぅ…」

 

「動いちゃだめぇ」

 

和人、僕、スネ夫、しずちゃん、直ちゃん、ドラえもんはそれぞれ言っていた。言ってるうちにT-REXは、僕達を見ながら焚き火がある所を周り、そして焚き火に足を引っ掛けそのまま逃走していった…けど…僕は立ち上がり、ドラえもんに帰ろうと言いながら皆とともにタイムマシンの元へ行き操縦席に乗り、運転しようとしたら一気にタイムマシンがぶっ壊れて、椅子のバネが弾き僕は飛ばされた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「「「「「「故障!?」」」」」」

 

「う、うん…あの時黒マスクが追ってきた時に壊れたみたい。」

 

ドラえもんは、申し訳なさそうにそう言った…確かにあの時アームに掴まれていたと思ったけど…まさかタイムマシンが壊れるとは思わなかった…するとスネ夫が…

 

「そう…そそそ、それじゃつまり僕達は帰れなくなったって事…ふざけんなよ!!何でそんなオンボロに乗せたんだよ!!」

 

「…スネ夫!!俺達が勝手に付いてきたんだ!ドラえもんばっかり、責められねーよ!」

 

「ハッ…うぅ…ごめんドラえもん…」

 

「…いいさ」

 

スネ夫がドラえもんに謝った後に僕はこう聞いてみた。

 

「…ドラえもん、確か、タイムマシンは空間移動機能と時間移動があるって言ってたよね?壊れたのが空間移動機能なら、時間移動が可能って事でボクらの時代には帰れるんだろ?」

 

「…まぁね…でもそのためには出発した地点まで[タイムマシン]を僕らの手で戻さなくちゃ行けないんだ。つまり日本まで!いや、この時代には日本列島は出来ていないから…日本になる海の上まで行かなくちゃいけど、正確に東京ののび太君の家ののび太君の部屋ののび太君の机の引き出しの重なる位置へ、[タイムマシン]を置かなくちゃならない」

 

それを聞き僕は、いや、僕達は驚愕した。何故ならここは現代アメリカになる予定の陸地…日本まではどう足掻いても、遠い…何か方法はないか考えていたら…

 

「なぁ、[タケコプター]はどうだ?[スモールライト]で[タイムマシン]を小さくする、そして日本に向かうってのは?」

 

和人が思いついたのかそう言った。

 

「…ごめん…それは無理なんだ。[タケコプター]は時速80キロで8時間連続運転するとすぐ電池が上がっちゃう…ここから日本までは何千キロもある…」

 

「いい案だと思ったけどなぁ。すまない…」

 

ドラえもんはそう説明して、和人が少しシュンっとなった。すると…

 

「その電池のことだけどさぁ…ラジコンで遊ぶ時に続けて長い時間動かすと、すぐ電池切れるけど休ませながら使うと長持ちするじゃない?ひょっとしてそれと同じ事が出来るんじゃ…」

 

スネ夫の言葉を聞きドラえもんは考え、そして口にした。

 

「ん…そうだね。1日4時間飛んで、あと20時間休ませればかなりもつよ!」

 

ドラえもんの言葉を聞き、希望が出てきたが…僕は疑問に思ったんだ。

 

「ドラえもん…[タケコプター]を休ませるって言ったけど…どこで休ませるの?この時代はひろーい太平洋があるんだよ?」

 

「え?あっ…そうだね…うーんと」

 

僕がそう言ったら、ドラえもんはまた考えてしまった。

 

「ピー!ピー!ピー!ピューイ!」

 

ピー助の呼ぶ声が聞こえた、どうやら僕の背中に乗ってけと言っているようだった…でも…

 

「ピー助…ありがとう…でも君はせいぜい二人までが限度だろ、無理だよ。」

 

「ピィ…」

 

ピー助はシュンとしてしまった。ごめんねピー助、せっかく思いついたのに…

 

「そうだ、そうだ!」

 

ドラえもんがそれを聞いていてなにか思いついたのか、海に向かって行き僕らの方へ向き説明し始めた。

 

「ずーっと昔は、日本とアメリカは北の方で陸続きになってるんだ!だから、北回りのコースなら時間はかかっても、日本へ行けるよ!」

 

「ドラえもん…ほんとか!」

 

「うん!!」

 

「それじゃ…」

 

「「「「「「「日本へ帰れるんだ!バンザーーイ!!」」」」」」」

 

「ピューイ!」

 

そして、朝になり僕らは海まで来ていた、ドラえもんから[タケコプター]を渡され、朝日を背に僕達は白亜紀のアメリカの地を蹴って、空へと飛び出した。




雷神「い、1年ぶりの投稿です。お久しぶりです。」
サトシ「それで?」
銀時「今まで」
明久「何してた?」

雷神「私生活がすごく忙しくて。ごめんなさい」

サ「まぁ、反省してるなら別にいい…だが」

銀「次はいつ出すんだ?」

雷神「それもいつになるか。。。ですが皆さん、次はいつになるかわかりませんが続きもよろしく。」


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第4話のび太の恐竜〜恐竜ハンターへの挑戦〜

 

 

それからというもの、ジャイアンとスネ夫が道を外れてトリケラトプスに触ろうとしていたのを止めたり、パキケファロサウルスやアンキロサウルス等を空から見ていて、ボックスから顔を出していたピー助と共に笑ったり、[コンクフード]がなくなってしまい代わりになるソーセージの材料集め等をしていた…材料集めの時にネズミによく似た動物を見てドラえもんが逃げたのは余談だ…そして[キャンピングカプセル]で僕、和人、ドラえもんで1号舎に泊まり、2号舎にジャイアンとスネ夫、3号舎に直ちゃんとしずちゃんで泊まり、その日の冒険は終了して、次の日には、僕が先頭に立って歩いていたが途中で疲れが出てしまい、みんなに迷惑をかけてしまった。

 

 

そして夜に和人とピー助と共に海辺に来ていた。

 

「流石に堪えたみたいだな…ドラえもんの説教に」

 

「はは…僕が1番しっかりしなきゃって思ったら張り切っちゃって…」

 

「ピィ」

 

「張り切りすぎだっての、まだ冒険は始まったばかりだ。今頑張ってももたねーよ。」

 

「うん…そうだね…」

 

そんな話をしていると、雲が晴れ月が出てきた

 

「ん?なんだろうあれ?」

 

「ん?光ってるのか?行ってみよーぜ!」

 

「うん!ピー助!」

 

「ピュイ!」

 

僕と和人は2人でピー助に乗り、その光っている場所に向かっていた。その場所は月の光の影響でサンゴが光り輝いていた。

 

「すげぇ…お?のび太!ピー助!あれ見ろよ!!」

 

「ん?わぁ…」

 

和人が指さした方を見ると虹が出ていた。

 

「夜に虹が出てるんだな。神秘的だなぁ…ピー助…」

 

ピー「ピュイ!」

 

この日見た、月によって持たされた幻想的で神秘的な光景を僕達は2度と忘れないように誓った、ピー助や僕らの旅はまだまだ続くんだ…と僕はそう思っていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして次の日、砂漠の上を飛んでいたがドラえもんが[タケコプター]を休ませる為降りると言って、砂漠から歩きだし、そこからジャングルっぽい所で水を飲みに行こうとした時に、ピー助がパラサウロロフスの親子を見ていた。ピー助は何かを思ったみたいだけどわからなかった。そしてジャングルっぽい所を通り抜けようとした時に、僕の足が絡んでしまいみんなを巻き込んで転けてしまった。

 

「ごめんみんな…」

 

「気にするこたぁねぇって、そろそろ限界なんかもよ。」

 

「うーん…あっ!ドラちゃんあれ!」

 

しずちゃんが、ドラえもんに何かを見つけ指さした。走りの早い恐竜だった。

 

「ん?しめた!!おーい待って~!あややややや…あたたたたた!!」

 

ドラえもんはその恐竜を見て、真っ先に走り出した…すごく転がっていたけど…

 

「あれ?居なくなっちゃった?あっ!」

 

ドラえもんが着地したその後にもう1度その恐竜が来て、ドラえもんはポケットに手を入れてなにかの道具を出そうとしていた。

 

「んんーー!それ!」

 

ドラえもんがそれを投げると7体の恐竜は食べ始めこっちを見た。

 

「これは[桃太郎印のきびだんご]で動物や恐竜に食べさせると、なつくんだよ!非常食にも適してるんだ!さぁ乗って、オルニトミムスは僕らの友達になったよ!!」

 

「キョエー!」

 

ドラえもんがそう言って皆は、自分が乗るオルニトミムスに挨拶をしていた…僕はオルニトミムスに乗り始めたピー助を乗せたのはいいけど…

 

「キョー!」

 

「間違えた…」

 

「のび太…わざとか?」

 

僕は、オルニトミムスの尻尾の方に間違えて乗ってしまった。それと…わざとじゃないよ和人

 

「しゅっぱーつ!!」

 

「え!ちょ、うわぁ!!」

 

僕が乗り換えようとした瞬間にドラえもんが号令をかけた。わざとか、わざとなのか!!僕はそのまま出発したオルニトミムスの毛にしがみつく事しかできなかった…意外と怖いんだもん。オルニトミムスはジャングルの木を右へ左へとよけながら走っていた。そして大ジャンプして、下の流木に着地…こういう時は着木したと言った方がいいかもしれないが…あともう1度走り出した…着木する時ピー助が落ちそうになったのを持ち上げた。危なかったよほんとに…

 

「今度はあの火口湖にキャンプしよう!」

 

ドラえもんがそう言った時にオルニトミムスは火口湖へと向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「「「「「「「バイバーイ」」」」」」」

 

「キョエー!!」

 

僕らはオルニトミムスと別れ、火口湖にいた。するとオルニトミムスが去った方から巨大な恐竜が姿を表した。

 

「うわー!!あれあれ!!」

 

「でけぇ」

 

「ディプロドクス!!…いや違うなもっとでっかい!あっ!アラモサウルスだーー!!」

 

スネ夫が、恐竜の名前を興奮した感じでそう叫びながら走っていった。

 

「スネ夫食われちまうぞ!!」

 

「ドラちゃん大丈夫なの?」

 

「大丈夫だよ。草食でおとなしいから踏み潰されないように気をつけてれば!」

 

僕は、それを聞いてからもう1度アラモサウルスを見ると既に僕らの頭上にまで歩いていた。アラモサウルスはすごくでかくて、迫力がすごかった。そしてアラモサウルスは火口湖の水を飲み始めた。ひょっとしてここって…

 

「この子達のお家かな?」

 

「かもね。ってピー助危ないって!」

 

僕としずちゃんが話してるうちにピー助がボックスから出て、アラモの下にいたのを止めた。するとアラモサウルスは鼻に水を貯めて、仲間同士掛け合っていた。すると…

 

「ピィーッ!」ブシューーーーー!!

 

ピー助に同じ事をされた…僕は少し苦笑いしながら…

 

「あ、ありがとう…」

 

とお礼を言った。まぁ、アラモサウルスの真似したんだからね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

それからというもの、ジャイアンとスネ夫がアラモサウルスを触ったり、静ちゃんと直ちゃんがアラモサウルスの子供と一緒に遊んだりしていた。僕らはというと…

 

「ピー、ピッ!」

 

「ありがとな。ピー助!」

 

「ピー!」

 

「ピー助は無理じゃない?」

 

「ピー…」

 

アラモサウルスの頭の上に乗っていた、ピー助も乗りたがっていたが大きいサイズにしたので無理であったがここはなんだか…

 

「昼寝にもってこいの場所だ」

 

「出たよ。のび太の昼寝」

 

「やれやれ」

 

2人にそう言われたが、ここはホントにふかふかなんだよ。とそんな時アラモサウルスが起き出して、上へと上がった。

 

「「「うわ、おっと。」」」

 

突然の事に僕達3人は同じ事風に言ってしまったけど、いい景色だった…そして、この平穏も終わりを告げる…

 

 

『ぎゃ、ああああああああぁぁぁ!!!』

 

どこからともなく、吠える声が聞こえた。その声を探すと奥にティラノサウルスがおり、こっちめがけて走っていた。アラモサウルスが暴れだし僕達は振り落とされてしまったが間一髪の所でピー助がクッションになってくれて事なきを得て、僕達はジャイアン達がいる方へと走ってから岩陰に隠れた。岩陰に隠れながら見ていたら、ティラノサウルスはアラモサウルスに突進しようとしていた、アラモサウルスは突進するティラノサウルスに尻尾を鞭のようにティラノの体へ打ち付けた。ティラノは一回転してから地面と激突したようだが、全く効いてないようでまたもやアラモの方へと駆け出してから特攻をかけた。

 

『ギョエエエエエエエエ』

 

1匹のアラモの尻尾を避けてから、もう別のアラモへと特攻をかけて倒して足をかけたが、さっき攻撃したアラモの尻尾がティラノを攻撃し吹き飛ばした。その後アラモはもう1度尻尾で攻撃したがそのままティラノがくわえて引っ張った。

 

『プワーーーーン』

 

そして倒されたアラモが起き上がり仲間を助けようとしたその時にティラノがそれに気づき、そのアラモに向けて牙を剥き出しにして噛み付いた。その時火口湖の水が溢れ出し、しずちゃんと直ちゃんとアラモの子供がいた所に押し寄せて、アラモの赤ちゃんが流れてしまいしずちゃんと直ちゃんが助けようとしていた。だが、ティラノが2人に気づき近づこうとしていた…こうしちゃいられない!

 

 

「和!」

 

「ああ!!」

 

「俺もい…うお!?」

 

「ジャイアン行っちゃダメだよ!食べられちゃうよ!」

 

「僕が行く!2人はピー助と…ってピー助まで行った!?」

 

「ピー!!」

 

「ピー助!?もういいや行くぞ!」

 

「ああ!!ティラノ!やめろ!」

 

しずちゃんと直ちゃんの前にピー助がおり、その前に僕と和人で守っていたら、ティラノの牙が目前に来た時に…

 

「あった!!おっりゃ!」

 

ガキン!!!

 

『ンン…ンーーーー』

 

「上手くいったぁ!」

 

ティラノが噛み付く前にドラえもんが間一髪の所で[桃太郎印のきびだんご]をティラノの口の中に投げて事なきを得た。僕達は安心してため息が出た。

 

「「「「ふぅ…」」」」

 

「ティラノサウルスはもう友達だよ!一緒に遊んでも平気だよ!じゃあ、皆さんにご挨拶」

 

『グゥ!』

 

ドラえもんがそういうとティラノは律儀に挨拶をした…その間抜けヅラはどうにかなんないのかなぁ…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

それからは、ジャイアンとスネ夫にティラノを紹介してから、ご飯の時間になったのでソーセージをピー助にやっていた。ふと、ジャイアンとスネ夫と和人とティラノの方を見ると…

 

「ほら、お前も食うか?」

 

「バクッ!」

 

「ぎゃあああ!?ジャイアン腕が!?」

 

「ははは、なんちって」

 

「ジャイアン、うまいな」

 

「ジャイアン、心臓に悪いよ!?」

 

「すまんすまん!」

 

そんな事をやっていた、そして夕方になり火口湖を回るためピー助が先頭に立ち、その後ろをちびアラモと僕らを乗せたティラノが歩いた、その後はキャンピングカプセルを出してもらい寝たのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の日、僕らはタケコプターで渓谷を越えようとしていた…けど。

 

「ん?うお?うわぁぁぁ!?」

 

僕のタケコプターが変な音をだして身体全体が、ピー助諸共回ってしまった。原因は…

 

「バッテリーが限界に近いみたいだな…」

 

「冷静にそう言わないでよ…」

 

「いっつも、お前がぶr…(;´Д`)おえっ」

 

スネ夫が僕に何かを言う前に僕と同じように回った。どうやら全部のタケコプターが限界みたいだな。

 

「早く越えよう。ここままじゃみんなもこうなりかねないから」

 

「そうだね。みんな行こう!」

 

急ごうとしていた時に、しずちゃんが突然言い出した。

 

「ねぇ…何か見えなかった?」

 

「え?何も見えなかったけど?」

 

「気のせいかなぁ?」

 

「ねぇ、岩が白いよ?」

 

「塩じゃねーの?」

 

「流石にそれはないと思う…ん?何か見えないか?」

 

次は和人が何かに気づいたみたいで、そこを見てみると…

 

「卵だ!」

 

「沢山ある。ここってさ、鳥の巣じゃない?」

 

「雀みたいな鳥だといいけど…」

 

ドラえもんがそう言った瞬間に上を見たら、プテラノドンみたいな翼竜が飛んでいてこちらに向かっていた。

 

「逃げろ!!全速力!!」

 

ドラえもんに言われ、僕らは全速力で逃げ出した。途中でスネ夫があの翼竜がケツァルコアトルスという名前だと言っていた。僕らは逃げていたら、ジャイアンがさっきの僕やスネ夫のような状態に陥ってしまい僕はとっさにジャイアンの手を掴み必死に逃げていたが、その後みんな一緒にあの状態になったが、それも構わずに僕達は全速力で飛んだ。すると…

 

シュッ!ドーン!!ドドドドド!!

 

 

そんな音が聞こえ、コアトルが撃たれバラバラになり落ちていった。そしてよく見ると乗り物がコアトルを撃ち殺していた。僕達は立ち止まって、その光景を見ることしかできなかった…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

僕達は陸に降りて見てみたら、さっきの乗り物を運転していた人物はあの黒マスクだった。

 

「ふふふっ…また会えたねのび太くん」

 

「こんな所まで追いかけてくるなんて!!」

 

「ピー助は渡さないぞ!」

 

「そうだ!!」

 

「ピュイ?」

 

僕達がそう言ったらピー助が顔を出したので僕は…

 

「こら!出ちゃダメ!」

 

と言いながら、ピー助が入っているはこの蓋を閉じた。

 

「アッハッハッハッハッ!!これはこれは…先に言われてしまったね。少なくとも今日のところは命の恩人だよ?にっこり笑って歓迎して欲しいな。」

 

黒マスクの男がそう言ったら…

 

「あっ、はい、歓迎します!」

 

「「バカ野郎!!!」」

 

スネ「ぐへッ!?」

 

スネ夫がそんな事を言っていたから、しずちゃんと和人が思いっきり殴り飛ばし、スネ夫は吹っ飛んだ。天国でもちゃんと生きれよスネ夫よ…

 

「死んでないから!?」

 

心の中を読まれてたのかな。それは置いといて黒マスクが話し出した。

 

「もちろん、察しの通り我々の狙いはピー助君…前にも言ったとおり私は数多くの恐竜を見てきたがあれほど人に慣れているのは、初めてだよ。」

 

こいつ…一体何が目的なんだよ…

 

「わかったぞ!お前達は!恐竜ハンターだな!!」

 

「ははは、[タイムマシン]を操るだけあるな…たぬき型ロボットくん」

 

「誰がたぬきだ!!!」

 

「「恐竜ハンターってなんだ?」」

 

ドラえもんが聞いたことない事を行っていたので僕と和人がその言葉を復唱し聞いた。

 

「中生代にいる恐竜や珍しい生き物を殺したり、捕まえたりして金持ちに売るんだ!でもそれは、航時法という法律で禁止されているんだ。歴史を狂わす恐れがあるからね!地球環境への干渉、生態系、特に進化に対する影響で原生生物の原種。例えば人類の先祖だって、この時代、哺乳類型爬虫類として生きているんだ!それを死滅させたらどうなると思う!?僕達や君たち、そしてあんたも!居ないことになるんだ!!」

 

ドラえもんがこの世界で何をしたらどうなるかをこの男達に喋ったけど…黒マスクの男は笑いだし。

 

「ははは!この世界には恐竜がたくさんいるんだッ…100頭、200頭狩ったってどうってこたぁない。」

 

「ひ、ひどい。」

 

「フッ、まぁ、結論は急がない事だ。子供だけの冒険旅行もさぞかし大変だろ?これは私たちのささやかなプレゼントだ。それと前にも言ったとおり、相当な代金を払うよ?そのうえ我々のタイムマシンで君達を日本まで送ってやろうじゃないか。今夜みんなでゆっくり相談しなさい。アディオス…」

 

そう言って黒マスクの男は去って行こうとした、だが

 

「待て。恐竜ハンター…」

 

「ん?何だいのび太くん」

 

「僕はピー助を絶対に渡さない。僕達は何が何でもピー助を守り続ける。これだけは覚えておけよ。」

 

「クックックッ…覚えておこう。ではな…」

 

僕がそう言うと黒マスクの男は、今度こそ去って行った。スネ夫が悲しそうな顔で黒マスクの男のタイムマシンを見ているのを知らずに…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夜になり、僕達はキャンプをしていた…すると…

 

「…僕は、僕は、もう絶対に嫌だからね!!冒険なんてもうたくさんさ!!ピー助が欲しいって言うなら、渡しちゃおうよ!今すぐ日本へ送り返してもらおうよ!!」

 

スネ夫は今までの鬱憤を撒き散らすようにそう言っていた。

 

「なに?さっきの事、真に受けるの?うちはあの男信用出来ない!それにそれじゃピーちゃんがかわいそうじゃん!」

 

「そうだよ!ピーちゃんを売れとか言ってる連中だよ?信用出来ない。」

 

「取って食われるわけじゃないだろ?金持ちのペットになってプールで買われるんだろ?いいじゃんそれで!」

 

「それが、ピー助にとって幸せだと思うのか!?いきなり知らない奴が周りに居るんだ!それはピー助にとっては恐怖なんだぞ!そうならない為に日本へ帰ってるんだ!」

 

「違う!ただ日本へ帰るために頑張ってるんだ!」

 

スネ夫がそんなに的外れな事を言ったから僕はすかさず言った。

 

「スネ夫!僕らが帰るのとピー助を送り返すのは同じことだよ!だから日本に行ってるんだ!」

 

「違う!全然違うよ!!」

 

「同じだよ!なぁ、ドラえもん!」

 

僕は、ドラえもんに聞いてみたが、ドラえもんは浮かない顔をしていた。

 

「…そうなんだけどね、みんなに知らせておかないといけないことがあるんだ。タケコプターがさっきの高速連続運転でもう使い物にならなくなっているんだ…」

 

ドラえもんがそう言った瞬間に手に持っていたタケコプターの羽の部分が、しおれるようにシュンっとなった。僕達も持っているタケコプターを見ると同じようなことになっていた。

 

「ほーら、見ろ!これは否応もないよ!送ってもらうしかないじゃんか!!」

 

「歩けばいいじゃん!」

 

「そうしたら、いつか日本に着くよ!!」

 

「横暴だよ!!ありえない!!」

 

「横暴だとしても行かなくちゃなんないんだよ!!」

 

「僕は、行かないね!!」

 

 

『やめろ!!!』

 

僕達が言い争いをしたら、ずっと黙っていたジャイアンが静止した。

 

「「「…」」」

 

「なぁ…ジャイアンも言ってやってよ!もうピー助を渡すしかないって!ね?」

 

スネ夫がそう言った瞬間にジャイアンは持っていたタケコプターを落として僕の方へ向き、こう言った。

 

「俺は…歩いてもいいぜ。日本まで…」

 

「ジャイアン…」

 

「俺が、落ちそうな時、のび太は俺の手離さなかったもんな」

 

ジャイアンは僕に向かってそう言った…僕は思わず泣きそうになりジャイアンに握手をした。そして、スネ夫が。

 

「ほ、本気かよ!歩いてなんて帰れるわけないじゃん!うぅうわぁぁぁん」

 

とうとうスネ夫は泣き出してしまった…ジャイアンはスネ夫の方に向かい話をした。

 

「スネ夫…しっかりしろよ!これまでの事を思い出せ…お前だって1人でここまで来たんじゃないだろ…みんなここまで支えあった仲間だろ?」

 

「な、仲間…」

 

「そうだよ。スネ夫!まぁ、のっちゃんに対する嫌がらせはやめてほしいけどね?」

 

「すぐに自慢ばっかりするけど、今回ばかりは恐竜うんちくは助かったしね?」

 

「あぁ…キャンプの時だって、スネ夫が人知れず準備を手伝ってたの知ってるんだぜ?」

 

「僕達がここまで来れたのも、スネ夫のおかげでもあるんだから、仲間だしね?」

 

「うん、そうだよ。スネ夫くん困った時、仲間に頼ったりするのが一番なんだよ。君が1番帰りたいってのは知っていたからこそ、あの男の口車に乗せられかけている君をみんなは止めていたんだ。」

 

「ジャイアン、しずちゃん、直ちゃん、和人、のび太、ドラえもん…」

 

 

『ピューーーーーーーイ!』

 

 

「「「「「「「…ん?」」」」」」」

 

スネ夫を説得している時に急にピー助の声が聞こえ、見てみるとピー助が月に向かって鳴いていた。

 

「ピューーーーーーーイ」

 

「ピー助!?離れちゃダメだよ!」

 

僕は急いでピー助の元に向かった。

 

「ピュイ?ピーーーーー!!」

 

「ピ、ピー助…?」

 

「何を見て鳴いてるのかな…?」

 

しずちゃんが、そう言ったらドラえもんがこう言った。

 

「あの方向に日本があるんだ…ピー助が卵の時に生んだ親がいる日本が…」

 

「スネ夫…さっきも言ったが、今はピー助がピンチなんだ。俺たちでピー助を守るんだよ!」

 

ジャイアンがそう言ってるのを聞きつつ僕は鳴いているピー助を抱き締めていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…のび太…」

 

ピー助の元に来た数分後にスネ夫から声をかけられた。

 

「僕…ごめん、ピー助の事を考えずに…」

 

のび「いやいいさ。」

 

「僕…怖かったんだ…この誘いを受けなかったらあいつらに目をつけられてなにかされるんじゃないかって…ピー助やジャイアン、のび太の言葉を聞いて決心がついた…仲間が居れば、怖くないって…だから、僕も歩くよ。日本まで…」

 

スネ夫は泣きながら、顔をぐしゃぐしゃにしながら、そう言っていた…スネ夫だって怖かったんだ、得体の知れない恐竜ハンターを目にして恐怖が生まれたんだ…きっと僕もスネ夫側だったらそうなるかもしれない…でもスネ夫は意を決して僕達と歩く事を決めてくれた。いつも憎たらしくて、自慢ばかりの皮肉屋がこんなにも涙を流して、僕達と歩く事を…

 

「スネ夫…うん、一緒に日本へ行こう。」

 

「へっ…スネ夫泣いてんじゃねーよ…」

 

「ぐず…泣いてないよー!」

 

これからも、一緒に冒険するんだ。その前に……

 

「恐竜ハンターへの挑戦だ。」

 

戦いは、これから始まる。



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第5話のび太の恐竜~僕は君を忘れない~

ずっと保留にしてしまってすいませんでした!

待っててくれた方(いるのかな)お待たせしました!

今回は第三者目線、のび太、直葉、和人そしてのび太の順でお送りします!


そして所変わって、ここは24世紀。二人の男がモニター越しで話し合いをしていた。

 

「それで?手に入れたのかね?人に慣れた恐竜は。」

 

「手に入れたも同然なんですがね。最後の仕上げにオーナーご自身の手でやっていただいた方がと思いまして」

 

「ほう?私が?」

 

「はい…飼い主のあの少年もそんなにすんなりと渡さんでしょう」

 

この男達は、白亜紀でのび太たちを追いかけていた恐竜ハンターとその雇い主の、ドルマンスタインである。のび太達がなかなかピー助を差し出さないから恐竜ハンターの男は雇い主のところへ来たのだ

 

「ふん。君が時空間でヘマさえしなければこんなことにはならなかったのではないかね?」

 

「お耳が痛い…当局のマークも厳しくなってますんでね。」

 

それを言った時恐竜ハンターの画面に赤い血のようなものがてんてんと浮かび上がった。男はそれに気づきドルマンスタインの方を向きこう言った。

 

「どうやら子供達が動き出したようです。…そこで提案があるんですがね、どうです…人間狩りは?」

 

男はドルマンスタインに提案…という名ののび太達を捕獲することを言った。

 

「ふっ…面白そうじゃないか」

 

「ギャアアアアッ!!!」

 

ドルマンスタインがそう言った途端、けたたましい鳴き声が聞こえた。そして部屋が明るくなり、ドルマンスタインの後ろには恐竜の姿があった、ドルマンスタインはそれに怒ったのか椅子を蹴り上げ、その恐竜…スピノサウルスに向かってムチを延々と叩きつけた。そしてスピノは倒れ、眠るように静かになった。ドルマンスタインはスピノを叩きつけたあとに恐竜ハンターの男に向かってこう言った。

 

「行こう。」

 

「お待ちしております。」

 

ドルマンスタインの部屋はまた暗くなった。そして通路のような所の明かりが点き始めドルマンスタインは動きを止めた。するとその通路の壁が動き出し少し広くなった。なんとそこには剥製となった恐竜達が並んでいた。ドルマンスタインは奥へと行き端っこのまだ何も無いところを見た。そこには、《ピー助》と書いてあった。それを見終わり奥へ進んだそこには恐竜の赤ちゃんが剥製にされ、銃が置かれていた。それを手に持ったドルマンスタインはさらに奥にある金色の恐竜の化石に照準を合わせ。

 

「そろそろ恐竜狩りにも飽きてきたところだ」

 

そう言いながら、金色の恐竜の化石を撃ち抜いた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

数日が経ち、ドルマンスタイン達はあるバギーカー7台を見つけていた。それは数日間消息を絶っていたのび太達であった。

 

「最後の警告だ。ピー助を渡さねば、銃撃する。」

 

黒のマスクの男はそう言いのび太達を脅していた。しかしのび太達は止まらなかった。

 

「…あんなもので逃げ切れると思うのがお子様だな。…では始めますか!」

 

「…あぁ…あげてくれ!」

 

黒マスクの男がそう言い、ドルマンスタインは男の乗っているタイムマシンの座席から上がり銃撃を開始した。

 

〜数分後〜

 

男達はのび太達が乗るバギーを一つ残らず撃ち抜いた。

 

「ふっ…急所は外してある。」

 

「さぁ…出てこい。死なないようにしてやったんだ。」

 

男達はそう言いながら、壊れたバギーの元へ歩いていた。しかし。

 

「死ぬも何もねぇ!!最初っから生きてねぇぜ!」

 

「何!?…うお!?」

 

男の仲間がそう言い、黒マスクの男が壊れたバギーを蹴ったらのび太…のおもちゃがバネを弾ませていた。

 

「く…ふっ!」

 

男が見渡すと他のバギーから人形がはねていた

 

「他のバギーも…全部人形だと!?」

 

その光景を見て、ドルマンスタインの表情が怒りに満ちていた。

 

「説明してもらおうか?何故おもちゃなのか…君はおもちゃ狩りを私にやらせたかったのかね?」

 

ドルマンスタインの言葉に黒マスクの男が立ち上がりながら。

 

「とんでもない、すぐ探します!!探せ!!ラジコンの電波をたどるんだ!!」

 

そう言いながら、黒マスク達はタイムマシンを起動させ飛び立った。

 

「そう遠くへは行っていないはずだ!この礼はたっぷりさせてもらうぞ!」

 

「ふっ…今度こそ楽しませてもらうぞ。」

 

黒マスクの男が怒りを爆発させてそう言い放ち、ドルマンスタインはまだまだ楽しませてもらう事への思いを持ちながら、飛び立った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

場所は変わりここはジャングルの川、僕達はここにいた。

 

「んー…もうダメかも。手応えがない。」

 

ラジコンを操作をしていたスネ夫がそう言った、手応えがないという事はもうそのラジコンは壊されていると意味している。ドラえもんはそう思ったのか。

 

「スイッチ切って。相手はプロだ、おもちゃのラジコンなんて造作もないさ。すぐに壊されてラジコンの電波を辿ってここにくる。だから少しでも遠くへ時間を稼げればいいんだ」

 

ドラえもんはそう言いながら、筏を急かしていた。

 

「戻ってくるかな。」

 

直ちゃんは、少し不安そうに言った。恐竜ハンター達が自分達の居場所へ来るのではないだろうかと。

 

「その前になんとか基地へ行ければいいんだ。」

 

「急ぐぜ」

 

ぶぉぉぉぉん

 

すると突然ヘリのような音が僕達の耳に入った。

 

「上を見て…どうやら来たみたいだ…」

 

ドラえもんがそう言うと僕達は上を見た。すると黒マスクの叫び声が聞こえ、黒マスク達のタイムマシンが上にいた。

 

「向こうからは、見えてないみたい」

 

「よーしっ、全速力で!!」

 

「待って!!ジャングルが!!」

 

ジャイアンが全速力で行こうとしたところ、静ちゃんがジャングルが終わった所を見た

 

「やばい!!」

 

僕達は急いで元来た道を戻ろうと急いで水をかけていた。しかし無情にも川の流れは僕達の意志とは関係なく進んでいき、とうとう黒マスク達に見つかってしまった。見つけられた瞬間男達は追いかけてきた。

 

「戻ってくる!」

 

「頭を低く!!」

 

男達は通り過ぎたもののまた引き返し僕達の頭上を飛んだ。その時手が滑りピー助が入っている箱がスネ夫の頭を1バウンドしたあとにピー助は箱からとびだした

 

「ピィッ!?」

 

すると黒マスクのタイムマシンから何か飛んできた

 

「やばい!粘着弾だ!」

 

「俺に任せろ!」

 

ジャイアンがそう言い頭に兜を被りーーその時スネ夫に1弾当たったがーー何とか一発打ち返した。

そしてジャイアンとしずちゃんがスネ夫の粘着弾を取っていた時に怒涛の勢いで粘着弾がジャイアンに降り注いだ…そしてその後に大きな岩が爆発し僕達は川に飛び込んだ。僕達は流され続け、途中ジャイアン、しずちゃん、スネ夫が川の分岐で別れてしまい、流れに逆らえず、右に上に左に下へと行ったあとに、出口の先は滝になっていた。

 

 

「「「「うわぁー!?」」」」

 

「ピィー!」

 

「ピー助!!こっちへ!和人!直ちゃん!ドラえもん!!」

 

「なんかないか!ちょ、これ!?交通安全お守り!?」

 

「「それ必要ある!?」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ピィ!」

 

「…ん…あっ…ピー助!?」

 

僕は気を失っていたみたいで、ピー助に起こされた。でもそこは木の上だった。気をつけながら降りていくと、和人、直ちゃん、ドラえもんが気を失って倒れていた。

 

「和人!直ちゃん!ドラえもん!起きて!」

 

「んあ…ここは…」

 

「ハックシュン…助かったの?」

 

「…無事でよかった…でもジャイアン達は?ん?あれは!?」

 

気がついたドラえもんの先を見ると恐竜ハンター達が気を失っているしずちゃん達を滝の中へ連れて行ってるところだった。

 

「…助けよう!」

 

「当然だ!」

 

「うん!」

 

僕達はジャイアン達を助けに行く事に決めた。そしてついて行こうとするとピー助を引き止め。

 

「直ちゃん、ピー助を頼んだ。この子は狙われてるから」

 

「でも私も…」

 

「直葉…何かあった時ピー助だけだったら、心細いだろ?だからここはお前に頼む…」

 

「お兄ちゃん…わかったよ、のび兄!ドラちゃん!絶対にしず姉達を助けてね!」

 

直ちゃんからそう言われて僕達は必ずジャイアン達を助ける、そして恐竜ハンター達を倒すと心に誓った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

私はのび兄達を送り出してからピーちゃんと一緒に恐竜ハンターの基地の前にいた。すると。

 

「ピィ!」

 

「ピーちゃん?まさか、行くつもり?」

 

「ピィ!」

ピーちゃんは、決意した目で訴えて来たので聞いてみたらそうだった。でも。

 

「ピーちゃんあなたは狙われているんだよ?そのあなたが行ったら確実に狙われるのび兄達の邪魔にもなるんだよ?」

 

「ピー!!ピィピィ!!」

 

ピーちゃんは私が言った後でも訴えかけてきた。僕がパパを守るんだってそう言ってるように感じた。

 

「ピィ!!ピピピピ!!ピィ!!」

 

「ピーちゃん…あなた…ほんとにのび兄の事大好きなんだね。」

 

「ピィ!」

 

この子は…あの人の愛に触れ育ってきた。あの人はこの子を愛おしく想い育てて来たんだ。私だってあの人のことが好き。この子の思いは私にはわかる。私も本当は行きたかった。私はこのメンバーで1番年下、心配だからピーちゃんを私に託しのび兄達は行った…

 

「考えてる場合じゃないよね。ピーちゃん…命の危険になるかもしれないよ?それでも行く?」

 

私は、ピーちゃんの思いを大事にして、そして何より命を考慮してからピーちゃんに言った。

 

「ピィ!!」

 

ピーちゃんは、元気に返事をした。この子は小さな体でも危険な場所へ行こうとしてる、だから私は。

 

「行こう、ピーちゃん…のび兄達を助けに…」

 

「ピィ!!」

 

私はピーちゃん…ピー助と共にのび兄達が行った道を辿ることを決意し、歩き出した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ねぇ!!これ以上は無理じゃない!」

 

ドラえもんがそう言ってきた。確かにここは切り立った崖だ。でもこのまま行かなかったら、ジャイアン達がどうなるかわからない。

 

「みんなあの中に居るんだ!!何がなんでも行かなきゃ!!」

 

「そうだ!どうなってもみんなを助けなきゃ!」

 

俺達はそう言った。するとドラえもんはポケットに手をつっこみ何かを探していた。するとドラえもんの後ろにあの黒いボールがいた。

 

「ドラえもん!!」

 

「え?何うわぁ!?」

 

ドラえもんが捕まり、どこかへ連れていこうとしたところを俺とのび太はお互い頷き合いドラえもんのにしがみついた。ドラえもんは苦しそうにしてるが、俺達はそのまま、滝の中へ入って行った。

 

 

滝の中…恐竜ハンターの基地の中に俺達は連れてこられてきた。すると。

 

「やぁ、のび太君、和人くん、タヌキ型ロボット君」

 

明かりがつき、目の前には黒マスクの男がいた。

 

「あいつは!?」

 

「僕はたぬきじゃない!!」

 

「みんなをどこへやった!?」

 

「お友達はここだよ!」

 

黒マスクが指を鳴らした後に箱が運ばれてきた。その箱の蓋が上がり、スネ夫、しず、ジャイアンが閉じ込められていた。

 

「よくもッ!」

 

「痛ッ!?見えない壁あっていけないよドラえもん!」

 

「ちょっと待って、[通り抜けフープ]を!」

 

「ふっ…感動的な再会を前に楽しいお遊戯をお見せしよう。It’sshow time!!」

 

男がそう言うと、一つの壁が上がり何か物陰が見えた…あれは…

 

「ティラノサウルス…!!」

 

「ぎゃおおおおおおおおおお!!!!」

 

「腹ぺこのティラノだよ。このままだと友達はどうなるかな?」

 

そう、ティラノサウルスであった。前に見たティラノと思ってしまったが、あいつは桃太郎印のきびだんごで特有のアホ面になっていた。しかし、あのティラノはアホ面じゃないから前に見たティラノではないことは明白、そうこうしてるうちにティラノはジャイアン達の方へと走り出した。ティラノはバリアに当たり一瞬引いたが元に戻った。

 

「はははははは!!!危ない危ない!ここにのび太君に相談があるんだ。君がYESと言ったらこのshow timeを終わらせよう…しかしNowと言えば、君の大切なお友達は胃の中だ。」

 

 

外道…この男はその一言に尽きる。

 

「さぁ…ピー助を渡せ!!」

 

のび太は男を睨みつけていた。考えがあるんだろう、いや考えは決まってるはずだ。でもジャイアン達がピンチにあの言葉を言うのは、躊躇ってしまう。

 

「のっちゃん!!!」

 

しずの声が聞こえた。ジャイアンが檻を抑えてはいるが檻はぐしゃぐしゃになっていた。

 

「うちらの事は気にしないで!?ダメだよ!ピーちゃんを差し出しちゃ!!絶対にダメ!!」

 

しずは、涙ながらにそう言っていた。この言葉にのび太の心は決まったみたいだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

僕はしずちゃんの声を聞き、決意が固まった。

 

「黒マスク!!!」

 

「どうやら決まったようだな?」

 

「…ピー助は絶対に渡さない!!お前らに渡したら何されかもわからない!!ピー助は渡さない!!」

 

僕は黒マスクの男にそう向かって言った、それに今ピー助は直ちゃんと一緒にあそこに居るからここにはいないから安全だ。

 

「そうか…なら…お友達には死んでもらう。」

 

男はそう誓言した。あぁ…ごめんジャイアン、スネ夫、しずちゃん…救けに来たのに僕は何も出来ずに…

 

「待ちなさい!!!」

 

声が聞こえた…あれは…!!

 

「スグ!?それにピー助!?」

 

何で…何でここにあの二人が…

 

「ピ?ピィ!!」

 

「あっ、ピーちゃん?ってティラノサウルス!?」

 

「ぎゃおおおおお!!」

 

「ピィピィ!!」

 

ピー助は、ティラノに何かを話してるようだった。そしてティラノの顔があのあほ面になった。それはつまり…

 

「こいつひょっとして!?」

 

「きびだんごを食べた、あのティラノか!?」

 

「ピー助!」

 

僕は一目散にピー助の元へ行き抱きしめた。

 

 

「こらぁ一体…」

 

「どうなってるんだ」

 

すると突然黒マスクの男に緑色の光が集中しだした。その光の出先を辿るとそこには、恐竜ハンターのボールとよく似た白いボールが周りを囲っていた

 

「タイムボール…!!」

 

「「「「「「タイムボール?」」」」」」

 

ドラえもんがそう言ったので僕達はオウム返しで聞いた。

 

「あれは、タイムパトロールのタイムボールで時空間を移動する超小型の監視カメラで、絶えずこのカメラで航時法に違反している組織的な犯罪者を監視し、適切な情報をタイムパトロール本部に送信している物なんだ。」

 

「つまり?」

 

「僕達の味方だよ!じゃあとりあえず、ティラノの上に乗って…反撃だ!!」

 

「「「「「「うん!!」」」」」」

 

ドラえもんがそう言って僕達はティラノの上に乗り、タイムボールと共に恐竜ハンターへ反撃を開始した。ティラノは恐竜ハンターのすぐ側まで来たが黒マスクの男はそこにはいなくて、金髪の男だけになっていた。すると。

 

「反撃もそこまでだ!!スピノ行け!!!」

 

「スピノサウルス!?みんな降りて!ここは僕だけで行く!」

 

「気をつけろよ!ドラえもん!」

 

「うん!ティラノ行くよ!」

 

ティラノ(とドラえもん)はスピノに向かっていった、僕達は邪魔にならないように端っこに来ていた。すると突然水が溢れてきた。上のせき止められていた川が一気に流れてきたのだ。その水に乗じてティラノはスピノを壁へと叩きつけた。

 

「みんな乗って!タイムボールの誘導に従う!」

 

僕達は再度ティラノの頭上に乗り、タイムボールを見た。

 

「もう大丈夫、タイムボールが瞬間移動で脱出させてくれるよ!」

 

ドラえもんがそう言った瞬間…タイムボールが爆発した。僕達は驚くしかなかった。これをやったのはもちろん…

 

「フハッハハハハハハ!!君達はそこで絶滅するのだ!恐竜達と一緒にな!」

 

あの男は恐竜の子供の入った箱を持ちながらそう言っていた。

 

「meは何度でもやり直す。showを楽しませるためにね!アディオス少年たち!はははは!!」

 

男はそう言いながら時空間へと消えて…行かなかった…なぜなら時空間が消えその後に岩が円状に切り崩されそのまま川の水が落ちてきたからだ。男はそのまま落ちてしまった。

 

「もう時間が無い!みんな僕のポケットの中へ!!」

 

僕達はドラえもんのポケットの中に入り、脱出することになった。そしてピー助が外まで運んでくれる。

 

「ピー助、頼んだぞ!」

 

「ピィ!!」

 

その後は、ピー助が岩を避けながら、川を泳ぎドラえもんが何かの柵に挟まったのでそこからを出して、僕達は水から勢いよく出ていき、空を舞ってしまい落ちていく。

 

「「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

いいタイミングでドラえもんのポケットから水が出てきて、ティラノの背の上に乗っていた。他の恐竜達も無事だったみたいだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なるほど…」

 

「スピノサウルスは回復しそうです!1名逃走しました!!」

 

「誰が…逃げた。」

 

ヴァサゴ・カザルス(・・・・・・・・)です!!」

 

「奴が…まだ生きていたのか…」

 

「それと子供達の姿が見えません!」

 

「彼らは…もう先へ向かった。」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕達は草原を歩いていた。どこかはわからないがいつの間にかここに来ていた。

 

「はぁ…せっかくタイムパトロールが来たのによ〜」

 

ジャイアンが珍しく愚痴っていた。まぁ仕方ないかもしれない。タイムパトロールのタイムマリンに乗ればすぐ帰れたはずだったのを僕達は歩く事にしたからだ

「そうだね〜」

 

「秘密道具も全部流れちゃったし!」

 

「まぁ結局ここまで来たの自分達の意思だからな。スネ夫、お前だけ送ってもらえばよかったな。」

 

和人が(皮肉かもしれないが)そう言うとスネ夫は少し考えた様子で。

 

「いや最後まで僕らの力で頑張ろうよ。みんな仲間じゃないか!」

 

「こういう時だけ仲間ね〜?」

 

スネ夫の言葉を受け、しずちゃんはジト目でそう言っていた。

 

「えぇ!?」

 

「へへ、冗談冗談!」

 

「冗談きついよ。しずちゃん…」

 

「はははは!!まぁいいじゃねぇか!これで道は進めるってもんだ!」

 

「そうだね…」

 

スネ夫は苦笑いしながら、そう答えた。今回の事件でスネ夫も丸くなるといいけど。そして僕達は海に来ていた。

 

「陸がないよ?」

 

「きっとくっついたり離れたりしてるんだ」

 

「どうすんだよ?泳いでいくのか?」

 

「女の子が2人居るんだ、それは無理だよ。」

 

「これって詰みか…?」

 

「ピィピィ!!」

 

僕達が途方に暮れてると、ピー助が鳴き出した。これは。

 

「お前に乗れって?」

 

「ピー!!」

 

「でも大丈夫なの?前乗った時2人がやっとだったけど」

 

「ピィピィ!」

 

「わかったよ。ドラえもんスモールライトで大きくして」

 

「わかった。[スモールライト]〜これは…」

 

「「「「「「説明はさっき聞いたから早く!」」」」」」

 

「わ、わかったよぉ」

 

そして大きくなったピー助にみんなで乗ると…

 

「みんなで乗ってもビクともしない!!」

 

「成長したんだよ!!」

 

「すっげぇぞお前」

 

すると上空から音が聞こえ、上を見てみるとタイムパトロール隊がこちらに向かって敬礼していた。その後はタイムパトロール隊の一機がこちらに向かってきて、隊長さんがこちらに向かって。

 

「のび太君…実はあの黒マスクの男が逃走したんだ」

 

「えっ!?そんな!」

 

「…全力を尽くして捕縛に徹する。君たちの世界にも現れるかもしれんが、私の部下が一時そちらの時代に住むことになった。」

 

「そうなんですか。その方はいつこちらに?」

 

「君達の時代の明日には来る。では私達はこれで」

 

「はい…ありがとうございました!…ドラえもん、和人」

 

「警戒はするよ。」

 

「俺もだ。」

 

「うん。みんなもだよ。」

 

「ああ」

 

「うん」

 

「「うん!」」

 

黒マスクの男は逃走…これから先にもしかしたら会うかもしれない。次会ったら、絶対に捕縛してやるよ…ヴァサゴ・カザルス

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ん?あれは!![タイムマシン]の入口だ!!のび太くんの机の引き出し!」

 

「という事はここは日本!?」

 

僕の引き出しを発見して数分後に僕達は着いた。ここが日本。白亜紀の日本は海でいっぱいであった。ここに将来陸ができ始め僕らの祖先が住み始め、僕達の時代へ続いていくんだと思うと考え深いものがある。

 

「うん!間違えないぞ!えーっと」

 

ドラえもん達は入口の近くへ行った、僕と和人はピー助の近くにいる。

 

「ここが日本…ピー助、ここがお前の故郷なんだよ?わかる?」

 

僕はピー助に言い聞かせるようにそう言った。

 

「のび太…あれ」

 

和人が指を一点にさし、そちらの方へ向くと首長竜の群れがいた…つまりピー助の本当の仲間であった。

 

「ピィィィィ!」

 

「ピィ」

 

ピー助は仲間達の方に視線を向けていた。

 

「うぅ…ピー助!!ここがお前の故郷なんだよ!」

 

僕は涙が出そうになったけど、我慢していた。ここで泣いたらダメだと思ったからだ

 

そしてピー助が歩き出したので僕と和人は付いていく。僕は歩いているピー助の足元を見ながら、ピー助が生まれた時を思い出していた。最初はよちよち歩きで高い声で僕や和人、直ちゃんについて回っていたのに今じゃここまで立派になった。僕は。

 

「ピー助、お前はこれから色んなことを知って、いろんなものを見て…もっともっと…んっ…大きく…なるんだよ!僕も…僕も…ヒック、僕も頑張るからね!!和人!行くよ!」

 

「あぁ…っ!!」

 

「みんな乗って!!」

 

僕達はピー助から逃げるように走った途中コケて、ピー助に追いつかれそうになって水をぶちまけた。怯んでいるうちにさらにタイムマシンにまで着いた。

 

「ピィ!ピィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイィ!!!」

 

 

僕達はタイムマシンに乗った。

 

 

「出して!うっ…早く!!急いでーー!!」

 

「うん!!」

 

タイムマシンは起動した。上に向って行った。

 

「ピィ!!」

 

そして赤くなりこれでほんとに最後になりかけようとした。

 

「さよなら!ピーちゃん!!」

 

「あばよ!!」

 

「元気でやれよ!!」

 

「ピー助!!お前はやればできる子だ!!がんばれよ!!」

 

「ピーちゃん!!!さようなら!!元気でね!!」

 

「出発ー!!!」

 

僕は最後に…

 

「ピーーーーーーーーーーーーーーーーーすけぇぇぇぇ!!!!」

 

名前を呼び、涙を無くし、笑顔で。

 

「さよーーーーーーーならーーーーーーー!!!!!」

 

 

「ピィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイィ!!!」

 

 

…こうして僕達はピー助と本当の意味でお別れをした。

 

そして現代に戻り皆が帰ろうとしていた。

 

「あら?まぁまぁ、みんなで何してたの?」

 

僕は、僕達は涙を流した後だからかもしれないけど、心はすごく穏やかだった。ママが聞いてきたので。

 

 

「うん…ちょっとね。」

 

 

 

この冒険がこれからの冒険の序章に過ぎないと僕達はまだ知らなかった。

 




雷神「てなワケで思い出して書いた訳ですが…」

銀「うおぉぉぉ…」

雷神「何で銀さんがそんなに無くし!?」

銀「だってよぉ…のび太とピー助の友情に感動だったんだよ〜!」

雷神「それはわかるけど。」

銀「でよ。おめぇはこの次どうするか頭にあるのか?黒マスクをあいつにしたんだからよ。」

雷神「まぁ、SAO編は大体はできてるから一応ね。黒マスクをあの男にしたのは何のためにのび太の恐竜からやってるかを知ってもらいたかったかな。まぁ書いてる途中にそうしようってなったけどね。この次の話は、赤い靴の女の子だから永遠に続くかもねw」

銀「しかしそれは半年前の話だろ?よく覚えてたな?」

雷神「まぁ覚えてなかったけど、書いてたうちに思い出してた。

銀「そうか、次の話は赤い靴の女の子だが、原作やアニメ覚えてるのか?」

雷神「覚えてる」

銀「だから次は早いんだろうな?」

雷神「多分ね。でも頑張るよ。」

銀「つーわけで、次回もお楽しみになw」


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第6話赤い靴の女の子

どうもこれがいつ投稿されるかわかりませんが、おはこんばんにちは!雷神テンペスタです!

今話は設定に書いてあった。明日奈登場回です。
SAO原作より早い登場&のび太達の幼馴染設定(つまりキリアスじゃない)

この話はいわゆる過去回でもあります。ほぼオリジナル入ってますのでそこはご配慮を、視点は和人、のび太の順で参ります

ではどうぞ。


ーー2018年6月27日ーー

 

ピー助と別れて、驚いた事にドラえもんの言う通り俺達が白亜紀に行って数日経ってたのにほんとに1分前に戻ってきた。ほんとになんでもありだなって思う。それから4日が経ち6月27日。俺達は普通の生活を送っていた。俺は学校が終わり、のび太に向かってこう言った。

 

 

「のび太。今日帰ったら、ゲームしようぜ」

 

「あぁ…ごめん、今日やめておくね。また後でね。」

 

のび太はまだ心に何かつっかえているのか、ゲームに誘っても、断られている。するとしずがこちらに向かって歩いてきた。のび太のことが心配なんだろう。

 

「和君。のっちゃん…まだピーちゃんの事…」

 

「そうみたいだなぁ…心に何かつっかえてるだろうな。」

 

「まさか、また塞ぎ込むって事はないよね。」

 

しずが懸念してるのはこれだ、のび太は何か心にモヤがかかるとすぐに塞ぎ込んでしまう。これで3度目になりそうだな。いや2度目は俺のせいでもあるので何も言えないのだが。

 

「塞ぎ込む事は無いだろ…多分な。でもこのままだと心配だから帰ったら行ってみるか。」

 

「そうだね…帰ったら、のっちゃんの家の前で集合ね。」

 

「おう」

 

俺達は1度帰りのび太の家に集合する事になった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

家に帰り、スグがいたので、スグも誘いのび太の家の前にいた。しずもいる。

 

「よしチャイム鳴らすぞ?」

 

「「うん!」

 

ピーンポーン

 

『はいはい?どちら様?』

 

「和人です!静香も直葉もいます!のび太はいますか?」

 

『あぁ…和人君ね。いいわよ入ってきて!』

 

「はい!」

 

俺達は、家に入りのび太の部屋まで来たが…

 

「お兄ちゃん、何か黒いモヤみたいなのがのび兄の部屋から出てるんだけど!?」

 

「うちにも見える!」

 

のび太の部屋の中から何か黒いモヤみたいなのが、ドアの隙間から出ていた。俺の気のせいかと思ったがどうやら、違ったようだ。というかドラえもんもこの中にいるんだよな?

 

「うーん、いや考えても埒が明かないから開けよう。」

 

「そ、そうね?」

 

「うん」

 

コンコン

 

「のび太、入る…ぞ?」

 

「へ?」

 

「何これ思ってたのと違う!?」

 

「ふぇ?どうしたのさ。3人も揃っちゃって、ケホッケホッ」

 

「のび太君が掃除機爆発させるからでしょう〜」

 

「てへへ〜」

 

俺達が中に入ると黒い煙を放つ掃除機の周りにのび太とドラえもんがいた。どうやら、これは俺達の思い違いだったかもしれないな。

 

「それで?どうしたの?」

 

「あ、あぁ…実はな?」

 

俺は俺達がナゼここに来たのかをのび太、ドラえもんに話した。それを聞いたのび太は。

 

「あちゃー、ごめんね、最近ピー助と別れてちょっと体調が悪かったんだ。なんとか治ったんだけど、今日は掃除しなさいってママから言われたからさ。それで今日ゲーム断ったんだ。帰る前にそう言えばよかったね。」

 

「紛らわしいぞ…俺はてっきりまた塞ぎ込むかと…」

 

「ごめん、ごめん、流石に3度目にも塞ぎ込まないよ!確かにピー助と別れて悲しかったけど、それでも思いは別れる時に、洗いざらい言ったしさ!」

 

のび太は、そう言った。屈託のない笑顔で、俺の思い違いだったみたいだな。ピー助との別れでのび太の心は逆に成長してたみたいだった。親友の心の事もわかんないなんてな。

 

「よかったよ〜、だってのっちゃん心ここに在らずって感じだったしさ!」

 

「あれ?そんな風に見えてた?ごめんごめん、今はこの通り掃除してて元気だよ。」

 

「黒い煙を出すほどにね?」

 

「うっ…それは…」

 

ドラえもんがジト目でそう言ったら、のび太はバツが悪そうに目を逸らした。これは終わりそうにないな。俺はこの光景を見て、こう言った。

 

「俺も手伝うか?」

 

「え!?ほんとに!?ありがとう!なかなか進まなくてさ!」

 

俺が提案を出すとすぐにキラキラした顔でこちらに向かってのび太は言った、おいおい仮にもドラえもんが居たのになんでだよ。まぁいいけどさ。

 

「仕方ない、うちも手伝うよ〜なんか時間かかりそうだし。」

 

「私も!」

 

「2人も…ありがとう!」

 

しずもスグも、見かねてかそう言っていた。2人より3人、3人よりも掃除は早く済むからな。

 

「じゃあ和人は窓側からお願い」

 

「任せろ」

 

俺達は、こうしてのび太の部屋の掃除をやるのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

それから1時間が経ち一通り終わった頃。僕はある物を見つけ見続けていた。

 

「ちょっとのび太君!なんだい僕らばっかり働かせて!ってどうしたのポカーンとして。」

 

「どうした?ってそれは」

 

ドラえもんがそう聞いてきて、和人もこちらに来た。

 

「…この靴にはね。思い出があるんだ…今思い出しても心が痛むよ…」

 

「誰の靴なの?」

 

「この靴の持ち主の名前あーちゃんって言うんだそうあれは…」

 

 

僕はドラえもんに言い聞かせるように昔の話、和人達とも出会って間もないの頃に出会った栗色の髪をした日本人離れした容姿の1歳年上の女の子だ。僕の家の隣に住んでいて、僕は和人やしずちゃんとは別にあーちゃんと2人きりでおままごとをしていた。あーちゃんとはそれほど仲が良かったんだ。僕が転んで泣いちゃっても、痛いの痛いの飛んで行けーって言ってくれたりしてとても優しい子だった。でもおままごとの帰り際、今より意地悪なジャイアンと、鼻たれスネ夫が僕をからかってきたんだ。

 

『やーいのび太、明日菜とおままごとばかりしてるのび太やーい!』

 

『のび太は明日菜が大好きだもんなぁ!』

 

『うわぁ…やいやい赤くなった!』

 

『照れてんの〜!』

 

僕は、そんなこと言われ心にもない事を言った。こんな事言っちゃいけなかったんだ。あの時の僕にはそれがわからずに口走った。

 

『あ、あんなの大嫌いやい!!』

 

『よーしそれがホントなら、いじわるしてみろよ!』

 

『え?』

 

『どうした?できないのか?』

 

『やっぱり好きなんじゃないのか?』

 

僕は、2人の口車に乗りあーちゃんの家に戻って、おままごとの続きをしようとしてる、あーちゃんを見ながら、心が少し痛み出した。でも壁の向こうにはジャイアンとスネ夫がこちらを見ていた。

 

『こらーのび太根性見せろ〜!!』

 

『モタモタするな〜』

 

ジャイアンとスネ夫の言葉を聞き僕は半ば投げやりであーちゃんが出してくれた土のハンバーグや草のやつをいたずらした。あーちゃんがそれを見て、大泣きした。すると。

 

『いいぞ!靴をもってこい!!』

 

僕はスネ夫の声が聞こえ、あーちゃんの靴の片っぽを持って走って逃げるようにあーちゃんの家から飛び出た。一瞬後ろを見たらあーちゃんはさらに大泣きしていた。

 

『いいぞのび太!逃げろ〜』

 

僕は大泣きしていた。あーちゃんをほったらかしにして、ジャイアン達と逃げた。もうその後は何をして遊んだのかも、覚えてない。空き地でいた事は多少だけど覚えていた。日が暮れてからも、家に入るのが怖かった。あーちゃんはきっと僕がいたずらした事をお母さんに言いつけてると思ったから。でもそれは思い過ごしだった。今は亡きおばあちゃんが優しい顔で僕を向かい入れてくれた。パパもママも知らなかった。あーちゃんは誰にも言ってなかったんだ。僕はおばあちゃんと一緒に台所に行った。

 

 

『おかえりなさい!早く座って。』

 

そして僕は席に付きその日の夕飯を見たらハンバーグだった。僕はあーちゃんにやったいたずらを思い出してその日の夕飯は残した。僕は次の日に外へ行ってみると、その日からあーちゃんは外に出なくなっていた。風邪を引いたらしい。それから1週間程が過ぎて、幼稚園から帰ると、あーちゃんの一家が引っ越したとママから聞かされた。僕は居てもたってもいられず走った。話によるとおじいさんが迎えに来て、横浜の波止場から、渡米したって。

 

『はぁはぁ…』

 

あーちゃんの家はガランとして、もう誰も居なかった。僕は悲しくなった。こんな事になるなら、あんなイタズラしたことを謝ればよかったと、ジャイアン達の事を無視すればよかったと、あーちゃんの事が好きだって素直に認めていれば、こんな事はって、あの時の僕は泣いていた。

 

「今思えば、なぜジャイアン達の言葉を聞いてあんなバカなことをしたんだろうって思ってた。この靴を返して、謝りたかったのにちゃんと別れも言いたかったのに。」

 

僕はドラえもんにそう言った、和人やしずちゃん、直ちゃんにはある程度知ってる感じ。これが僕の最初に塞ぎ込んだ理由だった。

 

「じゃあ、謝りに行こう!」

 

ドラえもんは急にそう言い出した、何言ってるんだと思った。昔の、幼稚園の時の話だ。今更謝ったってあーちゃんには迷惑な話だ。

 

「ドラえもん、これは過去の話だ。今更謝ったって明日奈に迷惑…」

 

「…僕がいつの時代から来たか忘れたかい?これがある!」

 

ドラえもんは僕の机に向かってそう言った。僕の机の引き出しの中にはタイムマシンがある。

 

「タイムマシン…そうか!!タイムマシンを使えば!」

 

「そう!タイムマシンを使えば」

 

「「過去に行ける!」」

 

「うちらは留守番してるね。ちゃんと仲直りしてきなよ?」

 

「のび兄ならできるよ!」

 

しずちゃんと直ちゃんは留守番するみたいだ、確かに大所帯で行ったって何も出来ないしな。こうして僕、和人、ドラえもんであーちゃんの引越しした日に行くのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして僕達はあーちゃんが引越しをした日に着いた。

 

「うわぁ…懐かしい。あーちゃん居るかなぁ。」

 

僕達は窓から中を覗くと、そこにはあーちゃんがいた。どこか元気がない様子だった。

 

「あーちゃん。そろそろお爺様が到着しますよ。準備は済んでますか?」

 

「だってのびちゃんや和くん達にお別れのご挨拶が…」

 

「仕方ないでしょ…のび太君達は幼稚園なんだから」

 

そう言っていたあーちゃんのお母さんは浮かない顔で出ていった。僕は咄嗟に入ろうとするが。

 

「バカ!その姿じゃわかんないだろ!明日奈は小さい頃のお前しか知らなんだから!」

 

和人に止められた。それもそうか、今の姿は10歳の姿。このまま会ってもあーちゃんには僕と認識しない。

 

「こういう時は[タイムふろしき]で小さくなればいいんだよ。はいのび太くん。」

 

[タイムマふろしき]、これはピー助の時にも使った風呂敷だ。これは裏から包めば若返るようになる。ドラえもんにふろしきで包んで貰い僕は小さくなった。服はそのままなのでぶかぶかだ。そして僕は意を決して、あーちゃんが居る部屋のガラスを叩いた。

 

「あーちゃん!」

 

「のびちゃん!!」

 

あーちゃんは僕を見るなり笑顔でこちらに来た。和人とドラえもんは影で僕達の動向を見ている。

 

「来てくれたのね!」

 

「ま…間に合ってよかったよ!」

 

僕はあーちゃんと見つめあった。恥ずかしかったけどね。僕は持っていた片方の赤い靴をあーちゃんに渡した。

 

「ごめんね。あーちゃんあんなバカなことをして…」

 

「ううん、そんな事よりあたしのびちゃんに会えて嬉しい。」

 

「あーちゃん//」

 

この子は…この年からなんて可愛いことを…僕はちょっと恥ずかしくなった。でもまだ渡す物があるんだ。

 

 

「あーちゃんにお菓子を持ってきたんだ!船の中で食べて!」

 

「ありがとう!」

 

僕はあーちゃんが嬉しそうにお菓子を受け取った様子を見て、また涙が出始めた。ジャイアン達の口車に乗ったとはいえ、こんないたいけな子にあんなバカなことをした事に心がまた痛み出した。でもそんな僕をあーちゃんは。

 

「どうしたの!お腹痛いの!?痛いの痛いの飛んで行けー!ほらもう痛くないよ?」

 

僕は泣くのをやめた。こんな涙を見せるためにここに来たんじゃないと、笑顔で送りだすと決めていたから…

 

「うん!痛くないよ!」

 

「じゃあちょっとまってて。」

 

あーちゃんは部屋から出ていき、ギイギイといっぱいおもちゃが入った台車を持ってきた。

 

「これのびちゃんにあげるね!」

 

「うわぁ、ありがとう大切にするね!」

 

そして僕はあーちゃんからの提案で再びおままごとをした。昔を思い出しながらおままごとは終わった。あーちゃんは最後まで笑顔だった。おままごとが終わり僕達が帰ろうとしたところ、

 

「のびちゃん!また会ったら一緒に遊ぼうね!大好きだよ!!」ちゅ

 

あーちゃんは僕にそう告白し頬にキスをした…その時僕は気づいた。この子が僕の初恋の子だったんだって。

 

「うん…!僕も大好き!!また…!」

 

こんな奇跡はないって思ってる、だからそれ以上は言わなかった。初恋とわかったとしてもこの子はアメリカに行ってしまうから、だから僕は言えなかった。そしてあーちゃんとその一家はタクシーへと乗り、アメリカへと行ったのだった、僕達は帰るためのタイムマシンに乗っていた。

 

「長い間の心残りが多少消えた気がするよ。僕は前を向いて歩くよ。それにピー助もそう望んでるはずだしね。」

 

実を言うとピー助の事もまだ心に引っ掛かっていた。でもこんなんじゃいけないって思ったんだ

 

「やっぱり、ピー助の事も心に残ってたんだな。」

 

「うん…ピー助もこんな僕を見たくないだろうし。」

 

「それと…明日奈が初恋の相手って気づいたんだろう?」

 

和人はいたずらっ子みたいな笑顔でこちらを見てきた。って。

 

「気づいてたの!?」

 

「当たり前だろ?何年親友してると思ってんだ」

 

「ははは…うん…初恋の人があーちゃんって気づけてよかったよ。この思いは大事にしておくよ。僕は。

 

「そうか(こりゃ、しずとスグが騒ぎそうだな。内緒にしとくか)」

 

「のび太君、和人くん、もうすぐ着くよ!」

 

「「うん(ああ)!!」」

 

 

そうして僕は過去の罪の意識から開放されたのかもしれない。これからどんな事があっても前向きに行ける気がする。そう思いながら、僕は元の時代戻ったのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーー2018年6月29日ーー

 

「おっはよ〜のっちゃん!」

 

そして2日が過ぎ、僕は学校の教室についていた。後ろから声が聞こえたから振り向いたらしずちゃんがいた。

 

「おはよう、しずちゃん」

 

しずちゃんに挨拶されたので返した。

 

「のっちゃん!転校生が2人このクラスと上の学年に来るってよ!!」

 

「転校生?もうすぐ一学期終わるのに?それも2人も?」

 

一学期も1ヶ月で終わるのにこんな時期に転校生が来るなんて。

 

「うん!情報屋の提供で!」

 

「…その情報屋ってまさか…」

 

「オレっちだヨ。のーちゃん?」

 

「やっぱり瑠奈ちゃんかぁ。」

 

いつの間にかここにいるこの子は、荒川瑠奈。通称アルゴ。情報が何よりも大好きな女の子だ。僕やジャイアン達はよくこの子から情報をもらっている。

 

「どこからの情報源なの?それって。」

 

「ふふん、いくらのーちゃんでもそれは秘密サ」

 

「まぁいいけどさ。で?その転校生っていつ来るのさ。」

 

「今日には来るヨ」

 

「そっかぁ、しずちゃんもよく瑠奈ちゃんから情報貰えたね〜?結構がめついのに瑠奈ちゃんは」

 

「え?あぁ…まぁ友達だしね。瑠奈は。」

 

「がめついってひどいなぁ。男の子だけにやってるんだヨ?それにしずには利害の一致で渡してるだけサ」

 

「利害の一致ね〜それ以上は聞かないどく」

 

「そうしてくれるとありがたい。じゃあオレっち戻るからネ」

 

「うん〜」

 

そしてチャイムが鳴り、先生が来た。しずちゃんは急いで席に戻って行った。…鳴る前に行けばよかったのに…。

 

「えー、朝の挨拶の前にみんなに紹介したい子がいる。ほら入ってきなさい。」

 

先生は、ホームルームを始める前にそう言った。瑠奈ちゃんの情報は100%当たってる。でもその情報を得るには100円が必要。なおさっきのしずちゃんとの会話である通り、利害の一致があれば無償で情報をあげている。まぁ、とにかく瑠奈ちゃんの情報はあってたみたいだ。

 

「はい。」

 

僕の知らない人だった。転校生だし分かるわけないよね。

 

「えぇー、今日からみんなと一緒に勉強する。有村雀宮(すずめ)さんだ」

 

有村さんは僕の席から少し離れた、席になった。時間は過ぎ昼休みになり僕は和人の席に来ていた。しずちゃんと瑠奈ちゃんもいる。

 

「いいのか?ここにいても。」

 

「何でニヤつきながら言うわけ?」

 

「有村さん可愛いもんナ〜」

 

横にいる瑠奈ちゃんもニヤつきながら言ってきた。…しずちゃんが睨んできてるからそう言わないでよ

 

「有村さんこっちみてるぞ?」

 

「え?ほんとだ」

 

和人が言ったから有村さんの方を見たら、有村さんが僕に向けて微笑んでいた。

 

「…」

 

「しずちゃん?僕はあの子と本当に初めてあったんだからね!?」

 

「浮気を目撃された彼氏かお前は。」

 

いや、しずちゃんの睨みが凄かったからね!?

 

「…まぁ、いいか。あっ、こっち来た。」

 

しずちゃんの声でそっちを見たら、有村さんが来ていた。

 

「ど、どうしたの?有村さん」

 

「いえ、あなたが先輩の言っていた『のびちゃん』かと思いまして。」

 

「「「え?」」」

 

僕、和人、しずちゃんはその呼び方に反応した。それはあの子に呼ばれていた呼称だから…

 

「先輩の言う通り、あなたは優しそうですね。」

 

「ね、ねぇ!その先輩って!!」

 

キーンコーンカーンコーン

 

するとここぞとばかりのチャイムが鳴り出した。有村さんは続きは放課後と言ってから、自分の席に戻って行った。僕は有村さんの言葉が頭に回っていが、授業は進み、あっという間に放課後になった。

 

「のび太!この後ゲームやろうぜ!」

 

ジャイアンが僕にそう言ってきた。でも僕は、有村さんの言葉の続きが気になりジャイアンに断りを入れてから有村さんの所に行った。そういえば和人がいなかったけど、もう帰ったのかな?

 

ーーーーーーー

 

「有村さん」

 

「来ましたね。あなたは今から裏山に行ってください。あなたに会いたい人がいるので。」

 

「え?うん。」

 

有村さんはそう言われてから、僕は1人で裏山に来た。一体何があるんだろ。

 

「…のび太」

 

「え?」

 

声が聞こえ、後ろを振り返ったら、ドラえもんと和人がいた。いなかったと思ったらドラえもんといたのか…ってあれ?有村さんが言ってた会いたい人って和人とドラえもん?いやでも和人は有村さんと初めて会ったはずだし。

 

「会いたい人って2人なの?」

 

「いや、俺たちじゃない。この人だ。」

 

そう言って、和人は1人の女性を前に出した、その人は栗色の髪に赤と白が混ざっている服を来ていた。

 

「久しぶりね。…のびちゃん」

 

この声を僕は知っている…いやあの子より少し低くなっているけど…この声はあーちゃんの声だ。

 

「あー…ちゃん?」

 

「そうよ。」

 

あーちゃんは険しい顔で肯定した。何でこんなに険しい顔に…?

 

「な、何でそんなに怒ってるの?」

 

「へぇ?分からないのかなぁ。私はこの2人から聞いて知ってるんだよ〜?」

 

あーちゃんは、笑顔(尚目は笑ってない)でそう言った。し、知ってるって、まさか…

 

「ドラえもん…和人。喋ったの?」

 

「悪いと思ってるさ…でも僕は気づいたんだ、この行為は過去を変えるってことに…あの黒マスクの男達とやってる事が一緒だったんじゃないかって。軽い気持ちでやったけど、事の重大さに気づいたんだ…」

 

「俺もドラえもんに言われなかったら、何も考えずにいた…」

 

ドラえもんの言う事もわかる…確かに過去に行って、過去を変えたらそれで終わりになる。でも過去に干渉する…それはヴァサゴ・カザルスと同じようなものでは無いかと。規模は確かに違う、でもこの行為も時間犯罪の一種ではないかと。

 

「過去を改竄してまで私に許しを請いたいなら、直接こっちに来なさいよ!私はそんなことも知らずにこの6年を過ごした!あの時ののびちゃんの顔に何の疑問も持たずに!!」

 

あーちゃんは、怒りながら僕に言った。…僕の軽はずみな行動であーちゃんを怒らせるなんて最低だよ。僕は、今度こそ謝る為に、怒っているあーちゃんの前に来た。

 

「あーちゃん…」

 

「何よ!」

 

「ごめんなさい…あの時、ジャイアン達の口車に乗ったとはいえ、あんな馬鹿なことをして…そして僕達はそれを過去へ行って精算しようとした事も…」

 

「本当に反省してる?」

 

あーちゃんは、険しい顔から真剣な顔に変わってそう言った。僕のこの行為は到底許されるべき行為ではないだから僕は、誠心誠意の気持ちを込めて、僕はこう言った。

 

「…もう二度とこんな事はしないって誓うよ。あーちゃんが僕を許してくれなくてもいい。」

 

「はぁ…許さないって言ってないでしょ。反省してくれればそれでいいの」

 

あーちゃんの声に僕は頭を上げると優しい笑顔になっていた。口調は呆れ具合だったけど。

 

「許してくれるの?」

 

「許すに決まってるじゃない。怒っていたのは、過去を改竄した事。それにあの行動って武君とスネ夫くんのせいでしょ?」

 

「…俺達もすまなかったな。」

 

「僕が言い出した事でもあるし。本当に…本当にごめんなさい」

 

和人とドラえもんも謝った。ドラえもんは僕よりも深い反省をしてるようで深々としていた

 

「だ、か、ら!許すに決まってるでしょ!だからもうそんなに思い詰めないで。」

 

あーちゃんは笑顔で許してくれた。僕達がやった行為も全部…。そういえば…

 

「有村さんって、何者なの?」

 

「すっちゃんは、私の後輩なの。私が日本に帰るって言ったら着いてきちゃって。」

 

着いてきちゃってって、あの子の行動力すごいな。

 

「…そっか。あっ、先輩にあーちゃんって呼ぶのはダメかな。」

 

「もう今更じゃない?別にいいじゃない?」

 

「…いいのかな?」

 

「いいの!」

 

呼び方はあーちゃん呼びのままになった。

 

「あーちゃんってどこに住んでるの?」

 

「あぁ!のびちゃんの家の隣だよ!またあそこに引っ越せたんだ!」

 

あーちゃんは笑顔でそう言ってきた。もうそんな笑顔で言われたら、勘違いしちゃうじゃないか。確かにあの時に僕に向かって大好きって言ってたけど、あれは友達としてだろうし。僕の初恋が実るのはまだ遠そうだなぁ。ってそんな事思ってる場合じゃないか。これを言わないと。

 

「あーちゃん…」

 

「ん?何?」

 

「色々と反省したけど……おかえりなさい!」

 

僕は笑顔でそう言った、僕達はピー助の事も忘れない。そしてこの前やった時間犯罪の事もきっと忘れない。でもこれだけは言わないといけなかった。

 

「うん…ただいま!」

 

あーちゃんは笑顔でそう言ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




雷神「フゥ何とか書けた…」

銀「何か重くなってないか?」

雷神「シリアスにするつもりはなかったよ。でも原作とかで見るとさ時々思ってたんだ。のび太達がやって来た事って、一種の時間犯罪じゃねって、だって、あれだけ過去に行ってるのにタイムパトロール隊何も言って来ないじゃんってさ」

銀「まぁ、それでのび太の恐竜に繋げたかったんだろ?しかし強引じゃないか?」

雷神「多少強引だったかもしんないけどね。でもこれも書きたかったことなんだよね〜」

銀「お前な…まあいいか。次回は、魔界大冒険なんだろう?できるのか?」

雷神「できるできないじゃないやるんだ(*`ω´*)ドヤッ」

銀「言いたかっただけだろ…」

雷神「てへっ、ではでは次回もお楽しみに!」

追記

雷神「明日奈を同い年ではなく原作通りにしました。」

明「何でいま?」

雷神「よくよく考えてみると、同い年じゃ。SAO編の最初荒れてる理由がわからなくなっちゃうから。」

銀「…色々変えないといけないな」

雷神「そうなんだよね〜、では次回もよろしくお願いします!」


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第7話魔界大冒険〜もしもの世界〜

こんちにわ!
今回は、魔界大冒険に行きます

それでもしもボックスで魔法世界を作るのですがその場にいるのは、のび太、ドラえもん、和人、明日奈、直葉の5人になります。
静香、ジャイアン、スネ夫は劇場版通り魔法世界の住人になります。そしてジャイアンと静香は原作の性格になっています。原作の性格になっています(大事なことは2回言う)


視点は、のび太、(初)明日奈の順です!


ーー2018年7月2日ーー

 

あーちゃんと再会、そして和解をして、3日が過ぎた7月2日のこの日。僕は過去を類を見ない絶不調に見舞われていた。テストでは50点取れていたというのに今回は0点だった。その日の放課後に僕は先生に怒られていた。ほんとに僕も何で0点を取ったのか不思議だった。その日の野球も全部三振でジャイアン達にも怒られた。そして家に帰ると…

 

「のび太!なんで今日はこんなに散らかってるの!!今日は片付けるまで夕ご飯はなしです!」

 

「…」

 

ママにそう言われて、僕は今日はほんとに類を見ない絶不調だと思った。僕はやけになりながら、片付けていた。だがボールに足を取られ、思いっきりコケた…

 

「何でこんなに不幸なんだよーーーーー!!!」

 

僕は部屋から飛び出て、ドラえもんが居る居間に来た。

 

「のび太君〜?片付け終わったの〜?ってな、何するんだよくすぐったいよ〜」

 

僕は少し泣きながら、ドラえもんにしがみつき揉みくしゃにした。そうこうしてるうちにテレビの画面が切り替わり、魔法少女マミが流れ出して、ドラえもんがメロメロ顔で見ていた。

 

『魔法少女マミ〜!マミマミルルンパ、くるりんぱ!お部屋よ綺麗になーれ♪』

 

「おー!可愛いー!」

 

『ついでに宿題もお願いね?…よーし試合に出るわよ!バットくん今日もお願いね?』

 

『OK♪任せてよ〜!』

 

僕はこれを見て、何か頭に疼いた…何だろうこれは…いやこれは…

 

『いってきまーす!』

 

「いってらっしゃーい」

 

僕は気づいた。これだよ。何か引っかかってた気がしたんだ。

 

「ドラえもん…これだよ、これ…」

 

「ん〜?」

 

「魔法があればいいんだよ!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「和人君、直ちゃん、明日奈ちゃんからも言ってやってよ!!魔法なんてないって。」

 

ドラえもんは僕が言った事を遊びに来ていた和人、あーちゃん、直ちゃんに言っていた。ここはちらかった僕の部屋だ。ドラえもんはロボッターっていう道具を使って何かをしてるみたいだ。

 

「まぁ、面白そうだとは思うけどな」

 

「のびちゃん、確かに昔は魔法と言われたものはあったみたいだけど、全部科学の今の時代で解き明かされているんだよ」

 

「魔法はね、迷信なの」

 

和人、あーちゃん、ドラえもんの順でそう言われた。

 

「ふぅ、元の場所へ戻れ!」

 

ドラえもんがそう言うと、散らかってる物達が1人でに動き出し元にあった場所へ戻った。僕の部屋は綺麗に整頓された。

 

「すごーい…」

 

「迷信は、息の根を止められて、こういう科学の世の中になったんだ。」

 

僕はドラえもんのその言葉を聞いて少し不満な顔をしながら、戻り損ねていたオシシ仮面のフィギュアを戻しながら。

 

「科学じゃなくて魔法が発達すればよかったのに〜。魔法が使えたらもっといい世の中になってたと思うよ。呪文1つで簡単にさ、ホイホイホイっとね。」

 

「それは確かに思うけどな。今日1日だけ不調だったわけだし、明日には戻るだろ。そんなに腐んなって。」

 

「そうだけどさぁ、ってあれ?」

 

僕と和人が話してる途中何故か部屋全体が揺れだした。窓を見ても他の場所は揺れていなかったからここだけだというのがわかる。

 

「何?これ?」

 

「地震?…じゃないみたいね。」

 

「だけど…」

 

恐る恐る上を見たら、突然天井が崩れ2つの石像が落ちてきた。

 

「え…えぇー!?」

 

「いったい…何ぃ!?」

 

「えぇー!?」

 

「これは…石像?」

 

「何これ…」

 

僕、ドラえもん、直ちゃん、和人、あーちゃんの順で落ちてきた物に驚いた。もっと驚いたことにその石像は…

 

「これって…ドラえもん…と直ちゃん?」

 

そう、目の前にある石像はドラえもんと直ちゃんだった。

 

「空から?何でだ?」

 

僕達は驚きながらそれを見続けていた。すると…

 

『のびちゃん?何やってるの?』

 

「やば!?ママが来るよ!?」

 

「タイムふろしきを!!あとロボッターも!」

 

ママの声が聞こえたので、慌ててロボッターで再度散らかっていた本達を戻した。そして4人でこの石像を囲み、ドラえもんはタイムふろしきで天井を直した。

 

「のび…あら?綺麗になったじゃない。ん?何してるのドラちゃん?」

 

「え?なんでもないよ!?ははは…よっしょ!」

 

僕らは石像を隠すように立った。そして…

 

ピーンポーン!

 

チャイムが鳴ったので僕達は慌ててドアへ向かった。ドアの向こうに居たのはしずちゃんだった。

 

「のっちゃん!和君!大変大変!空き地でのっちゃん達を見つけたの!」

 

「え?」

 

「お、俺達を?」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

しずちゃんに連れられて、僕達は空き地にやってきた。そこにはジャイアンとスネ夫もいた。

 

「ジャイアン」

 

「ん?おーのび太か。これお前らのか?」

 

「何かここに落ちてあったんだよ。」

 

「僕と和人の石像だ…一体なんで?」

 

僕達は疑問に思ったが、夕方なので持って帰ることにした。ちなみに和人、あーちゃん、直ちゃんは僕らの家に泊まる予定だ。

 

「でもさ、持って帰ったらまたゴミが増えるって怒られるよ?」

 

「失礼だな!ゴミとはなんだ!僕らの石像だぞ!」

 

「はぁ、誰がこれ作ったのかしら。」

 

僕達は家の庭にさっき落ちてきたドラえもん、直ちゃんの石像も並べて置いた。

 

「ほんとによくできてる…」

 

「まるで生きてるみたいだ…何か怖いものでも見てこんな風になったみたいだね。ひょっとしてこれ…魔法でこんなふうになった僕達なんじゃ」

 

僕はなんとなくそう言ってみると、和人がジト目で言ってきた。

 

「また魔法か?じゃあここにいる俺達はなんなんだよ。ドラえもんが言った通り魔法なんてないんだって。」

 

「でも…空から来たのは変だよね。」

 

みんなが話してる途中僕は僕の石像を見ていた…すると石像から一滴の水が流れたこれは…

 

「み、みんな!!石像が汗を流した!」

 

「はぁ!?何言ってんだよ!そんな訳…って雨?」

 

「そういえば、台風が近づいてるって、さっき天気予報で。汗じゃないよ雨だったんだよ!のび兄!」

 

「えぇ…」

 

そうこうしてるうち、雨は強くなりだしたので、家の中へ駆け込んだ。

 

「風邪引くわよみんな拭いて!」

 

そして…夜になり、寝ている途中何か物音が聞こえたのでドラえもんと和人を起こし下に行ったら、どうやら台所のドアが開いてただけだった…僕らは安堵して、部屋に戻ろうとした時にふと、何かが玄関に居たような気がした…そして…そこを見るとさっきの石像がそこいて…雷が鳴った時に不気味に感じ僕達は叫んだ。

 

「「「う、うわぁぁぁ!!!」」」

 

「何!?」

 

「どうしたの!?」

 

「なになに!?」

 

「何!?」

 

僕達が大きな声で驚いたもんだから、寝ていたパパ、ママ、直ちゃん、あーちゃんが起き出してしまった。

 

「ん?まぁ、のびちゃんに和人君!?何やってるのこんな夜更けに!」

 

「ママ…ママ…あっち」

 

ママが小ボケをしてる間に僕達は恐る恐る石像の前に来ていた。

 

「なーにこのガラクタ?」

 

「勝手に入ってきたんだよ!」

 

「庭に置いてあったんですよ!?」

 

「そんな馬鹿な、石が勝手に動くわけないだろ」

 

「夜中にこんな悪ふざけして、早く片付けなさい!」

 

僕達は必死に弁明したが、信じては貰えずに、パパとママは眠りについた。

 

「はぁ…片付けろたって…外は嵐なんだけどなぁ。仕方ないひとまずポケットの中に入れとこう。」

 

「なぁ…のび太…」

 

「うん」

 

ドラえもんがそう言ってる間に僕と和人はある事に気づいた。

 

「ねぇこれさっきと形が違うんじゃない?」

 

「え?確かにちg「早く寝なさい!」

 

「ともかくポケットに入れて、部屋で話そう。」

 

「「「「うん」」」」

 

僕達は石像4体をドラえもんのポケットの中に入れて、僕の部屋に急いで行ったのだった。

 

「それでだ…ドラえもん石像おかしいよなぁ」

 

「まぁ、おかしいけど、明日調べよう。もう眠いよ…」

 

「…気になって眠れないよ…」

 

「俺も」

 

「私も」

 

「私も!」

 

僕はあの石像の事を考えていたら、頭が覚醒して全然眠気が襲わなかった。それは和人もあーちゃんも直ちゃんも一緒だった。

 

「何か楽しいこと考えれば、寝られる。」

 

「んー…楽しい事ね〜」

 

「もしも魔法があればねー」

 

「直葉ちゃんも、やっぱり魔法があった方いいと思ってる?」

 

「はい!だって、魔法があれば箒も乗れるし、何か色々できるじゃないですか!」

 

直ちゃんは、あーちゃんに聞かれると目を輝かせてそう言った。僕も同じこと考えていたから共感するよ。

 

「ねぇ、ドラえもん…」

 

「君達もしつこいなぁ!魔法なんかないんだよ!」

 

って言って、ドラえもんはだらーんとなった

 

「あはは…ドラちゃんも大変ね。」

 

「ほんとだよ…僕はねr…うぐ!?」

 

僕達に呆れたのかドラえもんは再度寝ようとした。しかし、急にお腹を押さえだした。

 

「ど、どうしたの!?ドラちゃん!?」

 

「お、お、お腹が急に!?ふぐぉ!?緊急事態発生!!ちょっと22世紀に帰る!!!」

 

「ドラちゃん大丈夫!?」

 

「だい…じょーぶ!!すぐ戻る!」

 

ドラえもんはお腹を押さえながら、タイムマシンで未来へと帰っていった。僕達は驚きながらもその場にいることしかできなかった。

 

「…何が原因だと思う?」

 

「…昼間ドラえもんがどら焼きを30個買ってたのを見たぞ?」

 

「…それが原因ね」

 

「ほんとにドラちゃん…どら焼き好きだねー」

 

「まぁ、そうだね…それにしても今日は変な事ばっかり起こってる…僕の絶不調にも関係があるのかな。」

 

「確かにな、今日に関してはのび太の絶不調から始まったって事もあったりしてな。」

 

「なにそれこわい。そうだとしたら、何か起こるのかなぁ。はぁ…」

 

和人と2人で僕の今日の絶不調に関して、話し合った。もしもそれが今回のこの怪現象の原因であるなら、説明もつくんだよね。昨日までは普通に野球もテストもちゃんとできていたから、そんなこと考えるうちに枕が目に入り僕はこう言った。

 

「まくらよ…浮かべ」

 

「のび兄?」

 

「のびちゃん…それは…」

 

「いやぁ…ほんとに魔法ないのかなぁってさぁ」

 

「ドラえもんや明日奈も言ってる通り、魔法は廃れたんだぞ。」

 

「そうだけどさ〜…はぁ…もしも魔法が使えれたらなぁ…」

 

「もしもね〜、ドラちゃんにそんな道具あるか、聞いてみる?」

 

「「「それだ!!」」」

 

「うわぁぁぁ!!」

 

「「「「っ!?あっドラえもん(ドラちゃん)!?」」」」

 

僕達が、意気込んだら、ドラえもんが帰ってきた、酷く慌てた様子だったので僕はどうしたのか聞いたら。

 

「あー、いやへへ、大丈夫ただの食べすぎだったよ!」

 

「ならいいんだけど」

 

「それでさ、ドラえもん…何かもしもこんな世界になったら!ていう道具ない?」

 

「もう…そんな道具は…あっ…あった。」

 

「えっ…あるの!?」

 

「うん…[もしもボックス]〜!この道具は外観はこんな一昔前の公衆電話ボックスだけど、中に入って電話をかけて、「もしも○○○だったら」「**な世界を」と申し出て受話器を戻し待つ。設定が完了すると電話機のベルが鳴るので、それを確かめてからボックスを出ると、外の世界は実際にその通りの世界に変化しているんだ。電話の周りに居る人もこちら側の人間だから、明日奈ちゃん、和人君、直ちゃんも魔法は使えないけど行けるよ!」

 

「じゃあ、ちょっとだけ魔法の世界に変えてみようよ!!」

 

「面白そうだな!」

 

「ちょっと怖いけど、楽しみだね!」

 

「魔法の世界かぁ!!」

 

僕達は、若干テンションが上がって思い思いに言った。まさかほんとに魔法の世界になるなんて思いもしなかったから。

 

「じゃあ誰が電話かける?」

 

「僕がかけるよ」

 

「言っとくけど、ちょっとだけだよ?ちょっとしたら直ぐに戻すんだよ!」

 

「わかってるって!」

 

僕はもしもボックスの中に入り、受話器を取り耳に当て…

 

 

「もしも…」

 

これが冒険の始まりとは知らずに

 

 

「魔法の世界に」

 

 

僕は言った。

 

 

「なったら!」

 

 

ジリリリリリリリリリリ!!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

のびちゃんがそう言ったあとに私達は何度か魔法を試したがなかなかうまくいかなかった。呪文が違うのか。何なのかわからなかった。でも今1番の問題は…

 

「ドラえもんの道具はいっつもそうだ!期待して損したよ!!」

 

「なんだい!元々言ってただろ!!魔法なんてないって!!」

 

「なんだと!!」

 

のびちゃんとドラちゃんが喧嘩していた。いや止めないといけないんだろうけどさ、剣幕がすごくて近寄れなかった。

 

「たぬきになれ!」

 

「毛虫になれ!!」

 

「オケラになれ!」

 

「豚になれ!!」

 

「ミジンコになれ!!」

 

もう幼稚な事を言い出した。あれ…これ案外深刻な喧嘩じゃないかもしれない。

 

「「石になれーーー」」

 

「いい加減にしろ!!お前ら幼稚か!!」

 

和人君がそうツッコむとのびちゃんとドラちゃんはこちらに向きながら。

 

「…うん何か馬鹿らしくなってきた…」

 

「僕も。はぁ…今日もはもう寝よ」

 

「そ、そうね…おやすみなさい」

 

「「「「おやすみ〜」」」」

 

私達は、今度こそ床につき寝ることにした…




雷神「はいひとまず終了…」

銀「…キャラ崩壊の域超えてるぞお前…特に直葉」

雷神「なんか楽しくなっちゃってww」

銀「はぁ…だが、のび太の一級フラグ建築士ぶりには驚かされたな。出会って数分で」

雷神「まぁ、前に見た小説を参考したんだけどね。その小説消されてたから思い出して書いてたw」

銀「はぁ…そうか…じゃあ、次は満月牧師が出てくる所からなんだな?」

雷神「もち!だからのび太の恐竜と一緒でまた中編後編になるね」

銀「だろうと思ったよ」

雷神「では皆さん!次回をお楽しみに!


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第8話魔界大冒険〜魔法の世界での生活と飛来した隕石〜

視点はのび太、明日奈、和人、直葉の順です!


 

 

そして次の日になり僕とドラえもんは一緒に目を覚ました。ドラえもんと一緒に窓を開けてたら、すごい光景になっていた。すかさず、僕はみんなを起こした。

 

「あーちゃん!和人君!直ちゃん!!起きて!!」

 

「…んが?どうしたのあーちゃん…?」

 

「明日奈…?どうしたんだ」

 

「うゅ…?」

 

「外を見て!!」

 

私はみんなに外を見るように言った。

 

「…こ、これは…」

 

「…なんて事だ…」

 

「…うわぁ…」

 

あーちゃん、和人君、直ちゃんの順で驚いていた。目の前に広がるのは、空飛ぶ絨毯に乗る人…箒に乗ってる人など、この科学の世の中では絶対ありえない光景が広がっていた。そうこれは…この世界は。

 

「「「「「魔法の世界だ!!」」」」」

 

僕達は顔を合わせながらそう言った、その後朝食をとるため下にやってきていた。

 

「おはようみんな」

 

「「「おはようございます!」」」

 

「「おはよう」」

 

台所に来ると、パパさんから挨拶されたので返した。そして周りを見てみると、ママさんが調理してる姿を見つけたの。チンカラホイと言ってから、目玉焼きを作っていた。そしてそれをチンカラホイと言いながら、それを皿に乗せた。

 

「「「「「すご…」」」」」

 

僕達は思わずそう言っていた。これはこちらの世界の住人からしたら、普通のことかもしれない。だけど科学の世界から来た僕達にとってこれはほんとにすごいことだって。

 

「早く食べちゃいなさ〜い、遅刻するわよ」

 

「まっさかー、遅れるわけないでしょ。魔法のじゅうたんでひとっ飛びすれば」

 

「何寝ぼけたこと言ってるの〜、そんな高い物うちにはありません。のび太もいい加減箒に乗れるようになりなさい。」

 

僕達はそれを聞いてもしやと思ったが、思い違いかもしれないので、朝食を食べたら直ぐに学校へと向かった。そして…学校に着き、授業を受けた。しかし…

 

「野比君!桐ヶ谷君!こんな事もできないのかね!物体浮遊術は魔法の基本中の基本だよ!」

 

『『はははは!!』』

 

僕、和人君は、授業内容の物体浮遊術が出来なくて、先生に怒られていた。

 

「さぁ…もう一回やってみなさい。心を穏やかにして、チンカラホイと唱えるんだよ。」

 

「はい…チンカラ…ホイ!!」

 

僕はは言われた通り心を穏やかにして、唱えた…でも人形は全く動かなかった。

 

「チンカラホイ!!」

 

「チンカラホイ!」

 

和人も出来ていなかった。それを見ていたみんなはまた笑っていた。すると。

 

「先生!僕がやります!!」

 

「うん、やってみなさい。」

 

スネ夫さんがそう言い出した。先生も許可を出したのでスネ夫さんはこっちまできたそして。

 

「チンカラ〜ホイ!」

 

スネ夫さんは、そう唱えた…僕に向かって…

 

「うわぁ!?うご!?うえ!?」

 

僕は、スネ夫さんに思うがままに動かされていた。その日の授業は終わり、野球をしに川の土手まで来ていた。しかし、そこでも、僕も和人もはいい活躍は出来なかった。そして何より…

 

「のび太!飛べないやつに用はねぇ!!」

 

ジャイアンが暴力的かつ暴言の塊の人と化していた。その他にも。

 

「のび太さん和人さん今日どうしたの?」

 

「いや、大丈夫だよ…ははは」

 

「ならいいんだけど、じゃあ私帰るわね?」

 

しずちゃんの性格も真逆になっていた。そういえば、スネ夫が僕で遊んでいた時もいつもの俊敏な動きも何も無くその場にいたなぁ。この世界とあっちの世界とでは、性格が違うのかもしれない。武術はないはずだから、ルフィさんもいなさそうだし。

 

ーーーーーーー

 

 

そして私、和人君、直ちゃんはのびちゃんの部屋でのびちゃんを待っていた。下の居間でのびちゃんがのびちゃんのママに怒られているからだ。そして…絞られたのびちゃんは、脱力した感じで部屋に入ってきた。

 

「はぁぁぁ…」

 

「おととと、にゃァァァ!!」

 

倒れてきたのをドラちゃんには避けられた。めちゃくちゃドラちゃんが猫っぽく見えた……ネコ型ロボットだったね。

 

「元の世界より、ダメになってるよ!!どうなってるんだよ〜…」

 

のびちゃんは駄々っ子みたいに足や手をバタバタさせながら、そう言っていた。ちょっと可愛いって思ったのは内緒だよ?

 

「あたしもダメだったよ。みんなに笑われちゃった。それに剣道の道場が無くなってた。」

 

「私の方も、実技の方が出来なかった。」

 

「どうもね〜…魔法も勉強と同じで努力しないとならないらしいね。剣道もないのはこの世界には剣道や武道が必要ないし、僕たちが魔法を使えないのは習ったことがないからなんだよ。」

 

ドラちゃんはそう私達に説明した。何か釈然としないなぁ。

 

「それにこの世界ののび太君達はどうやら落ちこぼれの烙印を背負ってるらしいしね。じゃあ、元の世界に戻そうか?」

 

ドラちゃんはそう言ってきた。前者に関してはいつ調べたんだろうと思ったけど、この世界にも瑠奈ちゃんがいたから、情報を貰ったんだろう。ドラちゃんはうちのクラスメイトとも仲がいいから…でも何かなぁ。

 

コンコン!

 

すると窓を叩いてる音が聞こえたので私達はそちらに向いた。そこには武さんとスネ夫さんがいた。

 

「おいのび太、和人!ホーキング行こうぜ!」

 

「ホーキング?」

 

「サイクリングの箒版じゃないか?」

 

のびちゃんと和人君がそう話し合っていた。この世界には科学の結晶たる自転車や自動車がない。近くて小回りできるのは箒で、遠く大回りをするのが絨毯というのがこの世界の常識みたい。

 

「直ちゃんも明日奈ちゃんも僕ちゃんが教えるからさ!魔法の出来ないのび太や和人と居ても何もできないよ!」

 

スネ夫はそう言ってきた。この世界でもスネ夫さんはのびちゃんや和人君を馬鹿にしている。その言葉を聞いて、イラッとした、それは直ちゃんも一緒なのかこちらに歩いて一緒にスネ夫さんに笑顔で。

 

「「ごめん、そんなのいらないから帰ってください?」」

 

「グハッ!?」

 

そう笑顔と敬語を入れ込んだ感じで言った後にスネ夫さんはなにかわからないけど、ダメージを負ったみたいだった。

 

「…あっ…パパがさ、ドイツ製の最新型を買ってくれたんだよ!明日奈ちゃん乗ってかない!」

 

それでもスネ夫さんがそう言ってきたのでうっとおしくて怒り気味に。

 

「行かないからさっさと行ってくれば?」

 

「うぅ…ママ〜!!」

 

私がそう言うとあの狐マザコ…失礼、スネ夫さんはどっかに向かった。武さんもいつの間にか消えていた。すると和人くんがやってきて

 

「容赦ないな。明日奈にスグも」

 

「しつこいし、ウザかったのよ。のびちゃんのこと悪く言ったし!」

 

「そうだよ!あのクソマザコンめ!」

 

「俺も言われてたんだがな…それにスグ、その言葉はやめなさい。」

 

ちょっと和人君が沈んでたので、ちょっとからかってみる事にした。

 

「え?なになに?和人君も心配すればよかった?もう素直じゃないなぁ!」

 

「いやもういい…愛しののび太を馬鹿にされればそうなるか…」

 

「え!?いや…そ、そうだけど//」

 

「はいはい、ごちそうさま」

 

「返された…」

 

「してやったりと言ってくれ。でもまぁ、世界が変わってもスネ夫は変わらなかったな。のび太」

 

私と一通り喋ったら、和人君は、のびちゃんに話を振った。

 

「まぁね…でも…ドラえもんまだ世界を戻すの待って、…せっかく魔法の世界にしたんだ。せめて一つでも簡単な魔法でいいから使えるようになりたいよ。」

 

のびちゃんは自分の意見を私達に言い聞かせるようにそう言った。さっきのスネ夫さん達ので、その思いが強くなったみたいだった。

 

「…わかったよのび太君…じゃあ先生の所に向かわなくちゃね?」

 

「え。先生?」

 

ドラちゃんは、そう言った。その先生というのは…

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「え?私に?」

 

俺達が今居るのはしずの家の前にいる。ドラちゃんが言った先生とはしずの事。

 

「うん!しずちゃんの教えを請いたいんだ!!頼むよ!」

 

「の、のび太さんがそこまで言うなら、教えるわよ//」

 

「ありがとうしずちゃん!」

 

「//」

 

のび太は嬉しいのかそのまま、しずの手を握り握手していた。この世界のしずもどうやらのび太の事が好きみたいだな。それを見た明日奈はというと。

 

「……はは♪」

 

「アス姉…」

 

まぁ、予想はしていた。口は笑っていたが目は笑っていやしなかった。のび太ってほんとに罪作りな奴だと思う。そして後ろから刺されればいいと時々思ってしまうのは余談だ。そしてしずの家の庭に来た俺達は物体浮遊術の練習をしていた。

 

「チンカラホイ!!」

 

「もうだめだめそんな力任せにやっちゃ。落ち着きながらやって」

 

「チンカラーホイ!!…はぁ…ここまでできないと自信失っちゃうよ。」

 

のび太は少し自信を無くしつつあった。ちなみに俺もやってはいるが、結果はのび太と一緒だ。するとドラえもんが。

 

「諦めるな。今ホコリがひとつ浮いたぞ!」

 

そんなこと言い出したので皆で一斉にドラえもんの方へ向き。

 

「「「「「ほんと!?」」」」」

 

「ごめん、冗談だよ。和ませようとして…」

 

「岡本社長みたいな事言わないでよ。…うーんくそぉ!!チンカラァァァホイ!」

 

のび太は、それでもめげずにし始めた。

 

「チンカラホイ!チンカラホイ!!チンカラホイ!!!はぁ…はぁ…」

 

「焦っちゃ、ダメよ。もうちょっと心を穏やかにしなきゃ!おーきく深呼吸して人形を浮かべることだけを考えるの。」

 

しずは、懇切丁寧にのび太にそう言い聞かせていた。

 

「スーーーハーーー…浮かべ…浮かべ…チンカラホイ!」

 

しかし何も起こらなかった…いや…待てよ?人形のスカートが…俺はドラえもんに目配せをしながら呼んだ。

 

「ドラえもん」

 

「し…まだ確証はないよ」

 

「だな」

 

「もう1回!!チンカラホイ!!浮かべったらほい!」

 

すると人形のスカートがひらりとなった。これは…

 

「見た?これって…」

 

「軽いものならできるんだよ。」

 

「よーしっ!チンカラホイ!!

 

そしてのび太はコツを、掴んだらしく勢いよくやった。すると…しず、明日奈、スグのスカートが浮いて、3人のパンツが顕になった。

 

「「うあ!」」

 

「きゃあああ!!」

 

 

「やったぁ!チンカラホイ!チンカラホイ!チンカラホイ!」

 

のび太は調子に乗って、どんどんスカートをあげて行った。いや…今ののび太の顔は変態のそれだった…ってこれは!

 

「そろそろやめたれ!!!」

 

「「あっ…」」

 

のび太とドラえもんはしまったという顔になっていた、おいおい。

 

「「「……のび太さん(のび兄)(のびちゃん)覚悟はできてる…?」」」

 

しかし3人は怒り心頭みたいで、のび太に向けて、そう言った。ドラえもんはノーカンなのか?

 

「ご、ごめん!!わ、悪気はなかったんだよ!?」

 

「「「問答無用!!」」」

 

「ぎゃあああああああああ!!!!」

 

こうして、のび太は…安らかに眠ったのであった…

 

「勝手に殺さないでよ…」

 

という訳でもなく、ボロボロなのび太がそこにはいた。

 

「自業自得だろ?それに俺も一発かましてやりたいんだからな。」

 

「勘弁してよ〜…あれ?」

 

「…何かしらあれ」

 

「流れ星?」

 

「黒い流れ星なんて…」

 

空には黒い流れ星があり、森の方へ行き消えた。

 

「なんだろう…行ってみよ?」

 

「そうね…でもみんな箒に乗れるの?」

 

「僕と直ちゃん、和人君、明日菜ちゃんはこれがあるからね。タケコプター!」

 

「え?じゃあ僕はしずちゃんの箒に?」

 

「仕方ないだろ?じゃあ、はい和人君、明日奈ちゃん、直ちゃん」

 

ドラえもんは俺、明日奈、スグにタケコプターを渡してきた。まぁ、仕方がないが…

 

「「むぅ…」」

 

2人は、のび太がしずと乗るのが不満そうにむくれていた。まぁさっきのことがあったとはいえ、やっぱり好きな人がほかの女の子と二人っきりで乗るのは嫌なんだな。

 

「二人共何してるの?行くよ〜」

 

当の本人は気にせず、しずの箒に乗っている。はぁ…先が思いやられそうだな。

 

「それでね。要はバランスなのよ。」

 

「バランスが大切ってわかってるんだけどね〜、なかなかうまくいかなかったんだよ」

 

「そうなのね…そういえば思ったんだけど、ドラちゃん達が持ってるの変わった魔法ね。」

 

しずが言ったそれとは[タケコプター]の事を指している。

 

「これは魔法じゃないよ。科学の力で超小型化したプロペラ機なんだ」

 

「ははは!冗談ばっかり、科学なんてそんなの迷信よ!この魔法文明の世の中で、ふふっ。」

 

しずは、笑いながら、そう言った。やはりこの世界では、魔法が主流なので科学は廃れたみたいだった。これは向こうの世界と逆の事が起きてるんだな。そして、俺達は流れ星が落ちたであろう所に着いた…酷く枯れている木々がそこにはあった。

 

 

「ひどい…」

 

「これは…あの流れ星普通じゃないぞ…」

 

すると突然俺達の目の前が爆発した。

 

「なんだ!?」

 

「何か爆発したよ!?」

 

そして、その爆発した所から、何かが飛び出してきた。あれは…

 

「なにあれ?猿ぅ?」

 

そう、猿のような者と後から来たジャイアンとスネ夫がそれを追って…そして2人に向けて手からビームを放った。

 

「助けるぞ!!」

 

「当然!!」

 

「僕達も!」

 

「うん!!」

 

「「待って!!」」

 

俺とドラえもん、そしてのび太としず、明日奈、スグはそう言って全速力で落ちていくジャイアンとスネ夫を受け止めようとしたが、煙が立ち込める所に2人が落ちたのでわからなかったが直ぐに見つけたが、謎の人物が2人を助けていた。しかし、俺達のスピードが止まらず、その人が乗っている絨毯とぶつかり落ちてしまった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「いてて…あっ!のび兄大丈夫?」

 

私は起き上がり、近くにいたのび兄にそう言った。

 

「大丈夫…ジャイアン達は?」

 

のび兄がそう言って向こうを見てみるとジャイアンとスネ夫君が向こうに居て更に奥に女の人が居た。

 

「ひどいよ!潰れちゃうよ!」

 

「イッタァ…フゥ…あなた達大丈夫?」

 

その人は、そう2人に聞いていた…見てみると陽の光に照らされて、その人は少し魅力的な感じになっていた。

 

「ふふっ…結局落っこちちゃったわね。ほら立てる?」

 

あの人は、そう2人に言っていた。2人は鼻を伸ばし赤くなっていた。これだから男は…

 

「あのー…2人を助けてくれてありがとうございます。」

 

「いいのよ」

 

アス姉がそう言っていた。

 

「あれ?なんだお前ら来てたのか?」

 

「うん」

 

ジャイアンがそう言ってきたのでのび兄が返事をしていた。…変態狐はいつまでも女の人を見てるけど。

 

「あの…怪我はないか?」

 

「大丈夫よ。あなた達こそ平気?」

 

「「「はい!」」」

 

「でもすごかったわ!あなたの絨毯の操縦!」

 

「ありがとう!こう見えて絨毯の操縦はA級ライセンスなのよ!」

 

そう言いながらのび兄の頭に乗っていた草を取っていた。それを見てのび兄は顔を赤くしていた…は!?あののび兄が!?やっぱり年上のお姉さんにはそういう感じなの!?

 

「あ、ありがとう//」

 

「ふふっ」

 

きゃあああ!!?のび兄が落ちちゃう!?落ちちゃうよぉぉぉ!!ってアス姉としず姉は!?

 

「……プシュッ」

 

「……プシュッ」

 

何!?プシュッて!?オーバーヒートしちゃった!?2人共!?と思っていた矢先…辺りが揺れだした。

 

「うわぁ!?地震だ!?」

 

これはチャーンス!!これを便乗して…のび兄に…って…

 

「あ、ありがとう」

 

「いえいえ、大丈夫ですか?」

 

「う、うん//」

 

Oh My God…目の前に広がるは、女の人がコケて、のび兄の腕に収まっていた。何この展開!?ってそんな場合じゃない!?なんなのこの地震!?

 

「またこんなに大きいのが!?」

 

「またって…?」

 

「昨日も、一昨日も!!ってお前らも知ってるだろ!?」

 

「そ、そうだね…」

 

「さ、最近ずっとよ。一体どうなっちゃってるの…」

 

「世界の終わりが来るんだよ!?」

 

うん、話が進んでるけど全く入ってこない!?ちょっとそこの2人早く離れてよ!?もう…あっ…地震が止まった。

 

「…早くここを離れましょ!」

 

「「「「「「「「え!?」」」」」」」」

 

女の人はそう言った。私達は驚いたが、女の人は更に続けた。

 

「ここは謎の魔力で満ちてるわ。この森が枯れてしまったのも、何か強い魔力を浴びたせいよ。こんな森に長くいては危険よ。」

 

女の人がそう告げた一瞬シーンとなったが。

 

「あっ!僕のドイツ製が!?」

 

「あっ!俺のも!」

 

「いいわ。みんな私の絨毯に乗って」

 

女の人はそう言うと、絨毯を操ってここまでやってこさせた。そして…ジャイアン、スネ夫君、お兄ちゃん、アス姉、しず姉、ドラちゃん、私、のび兄の順で乗り、最後は女の人が乗った…のび兄の隣にそれも密着させながら…ってなんで!?

 

「ど、どうして僕の、隣に?//」

 

「ちょっと狭いからね。迷惑だった?//」

 

「いや…そんな事はないです///」

 

そんな会話が繰り返されていた。それを見ていたみんなは……

 

「なんでいつものび太ばっかり!」

「のび太のくせにィ!!」

 

ジャイアンとスネ夫君は、涙を浮かべながらそんなことを言い。

 

「のびちゃんの隣に!?」

 

「なんで!?」

 

しず姉とアス姉は驚き。

 

「うわぁ…またか…のび太…」

 

「はぁ…先が思いやられるよ…」

 

ドラちゃんとお兄ちゃんは、呆れながら言っていた。ほんとになんでよ〜

 

「じゃあ、出発するわよ!!///」

 

 

女の人の名前…そういえば聞きそびれちゃった…こうして私達は彼女の絨毯に乗りこの森を去ったのであった。

 



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第9話魔界大冒険〜その名は美夜子〜

おはこんばんにちは!雷神テンペスタです!

前の話に出たのは間違いなく、美夜子さんです!まだ自己紹介してなかったので、まだ女の人と言っていました今話でちゃんと、自己紹介します!劇場版沿いなので、こうなっちゃいました。

今回の視点はのび太、(初)美夜子、のび太の順になります!

ではどうぞ!


僕達は空を飛んでいた。さっき会った彼女の絨毯で。今向かっているのは、彼女の家に向かっている。森を上へ下へ左へ右へと、僕達はすごく面白かった。彼女は相変わらず、僕に密着したままだけどね。そして…目的の場所に着く前に…

 

「待って!大丈夫よ!この人達は私のお客様なの!」

 

動く石像が僕達に向けて弓を構えていたので彼女はそう言った。動く石像は弓を収めて、元の定位置に戻った。

 

「うわぁ…すごい警備」

 

「これは魔物に対する備えよ」

 

「魔物?」

 

彼女が言うには、最近の地震や異常気象は魔界星が近づいていると彼女の父親が言っていたそうな。

 

「魔界星…?」

 

「そう…まぁ、入って」

 

そう言うと彼女は建物の扉を開け、僕達は中に入った。

 

「真っ暗だな」

 

「…パパ!私よ!」

 

彼女がそう言うと、急に扉が閉まり完全に真っ暗になったが、直ぐに明るくなった。そして…

 

「ようこそ皆さん!魔物に出会ってその程度の怪我とはあなた達は運がいい…」

 

声が聞こえ辺りを見渡すと、一つの絵から初老の男性が出てきてこちらに来た

 

「傷の手当てをしてやろう、奥の部屋へどうぞ…」

 

「あ、あなたは!」

 

「満月牧師!!」

 

「…ねぇしずちゃん、満月牧師って誰?」

 

僕はこそこそ話で隣にいたしずちゃんに聞いてみた。ちなみに和人、あーちゃん、直ちゃんも聞いている。

 

「え…知らないの?有名な魔術師よ。いつもテレビに出てるじゃない。」

 

「あ…そうか…満月牧師って…」

 

僕達の世界での満月牧師は有名な天文学者で前のテレビにも映っていた。

 

「うん…知ってる。ごめんね」

 

「ならいいけど」

 

「さよう…それで美夜子、皆さんに自己紹介はしたのかね?」

 

「……あっ…!!ごめんなさい!!するの忘れてたわ!」

 

彼女は…美夜子さんは今思い出したように、そう言った。うっかりさんなのかな?

 

「おいおい…はぁ…うちの娘が済まないね。」

 

「いえ大丈夫です。僕らも言えてなかったですし。」

 

「じゃあ、改めて!私は満月美夜子!よろしくね!」

 

「あ、僕は野比のび太です!」

 

「僕はドラえもんです!」

 

「私は源静香です!」

 

「俺ァ、剛田武!ジャイアンと呼んでくれ!」

 

「僕、骨川スネ夫です!」

 

「俺は、桐ヶ谷和人だ」

 

「あたしは、桐ヶ谷直葉です!」

 

「私は、結城明日奈です!」

 

僕達はできなかった自己紹介をし、その後に奥の部屋に行き、僕、ドラえもん、しずちゃん、和人、あーちゃん、直ちゃんは椅子に座り、ジャイアンとスネ夫は美夜子さんに怪我の手当を受けていた。僕は満月牧師に魔物について聞いてみた。

 

「満月牧師。魔物って言ってましたけど、あの黒い流れ星も何か関係があるんですか?」

 

「…あぁ…今恐ろしい事がこの地球で起ころうとしているのだ。」

 

満月牧師は少し間を起きながらそう答え、次にこう言った。

 

「……君達は悪魔の存在を信じているかね?」

 

「昔は居たけど、人類の進化に押されて絶滅したって、聞いたことあります。」

 

「そう言われている…だが私は古い文書を解読し …恐ろしい事実を知ったのだ…」

 

満月牧師は重々しく、そして淡々と語った。文書によると自分達人類は元々悪魔から魔法を授かり、今の魔法文明を築いたのだと。そしてその悪魔族とは地球の生物ではなく、さっき美夜子さんが言っていた魔界星から来たのだという。

 

「…悪魔というのは宇宙人ということですか?」

 

和人は疑問に思ったのかそう言った。満月牧師はそれを肯定し更にこう述べた。

 

「魔界星は過去に何度も地球に接近しているのだ。恐竜の絶滅やノアの方舟の伝説…地球上の生物を滅亡に追い込むほどの恐ろしい天変地異…あれらは、全て魔界星の接近によって齎されたものだったのだ。そして今その魔界星が再び地球に接近しつつある……だが、私がいくら警告しても、誰も悪魔や魔界星の事など信じようとはせん…しかしこれは事実なのだ…魔界星が目に見えるところまで来てはもう遅いのだ…」

 

僕達は、その話を聞きただただ驚きを隠せないでいた。確かに周りから見ればこの話は信じ難い話だ、でも満月牧師や美夜子さんの顔を見ればこれが本当だというのがわかる。

 

「でも…ママは信じてくれたわ…」

 

美夜子さんは悲しそうな目でそう言った。

 

「美夜子…ママの話はもう…」

 

「でも…ママは…」

 

「例え誰かを救うためでも悪魔の力を使うなど!!許されたことではない!!!」

 

パリーン!!!

 

そう強い口調で美夜子さんの言葉を遮り、満月牧師が言い切るとそれに反応したのか、僕の前に置いてあった、マグカップが割れた。この一家の過去に一体何があったんだろうか…

 

「…すまない…つい」

 

「のび太さん…ごめんね…大丈夫?」

 

美夜子さんは目の前でそう言ってくれた。僕は大丈夫と言ったが美夜子さんの顔には曇りが見えていた。美夜子さんはそのまま割れたマグカップを持ち、部屋を去っていった。僕はわからないけど、美夜子さんが歩いて行った方へ走っていった。すると美夜子さんは台所でお茶を淹れ直していた。浮かない顔をしながら…僕は意を決して、話しかけることにした。

 

「美夜子さん…?」

 

「…の、のび太さん?ど、どうしたの?」

 

「美夜子さんが心配だったんだ…何か浮かない顔をしていたから。」

 

「だ、大丈夫よ。ほら、みんなの所に」

 

「美夜子さん。」

 

僕は美夜子さんの声を遮り。

 

「美夜子さんがどうして浮かない顔をしてるのかはわからない。でも僕は満月牧師の話を信じるよ。出会って数時間の僕らだけど、満月牧師の言ってることは、多分合ってると思うから、だから。美夜子さん…話してよ。その顔になってる原因を…」

 

「のび太さん…ありがとう…いいわ…教える。」

 

美夜子さんは、語ってくれた。美夜子さんがまだ小さい頃、難病を患い、その頃の医学では到底治せれないと断言され、美夜子さんのママは黒魔術…つまり悪魔と契約を交わし、その命と引き換えに美夜子さんが助かったことを…

 

「そしてあの事が、魔界星がこの地球に来てる引き金になったってパパは言ってたわ…」

 

「…なるほど…魔界星は来るんだね。何か策はないのかな」

 

「ええ…そしてパパはある書物を見つけたの。5000年前にナルニアデスって男の人が悪魔族の力を封印したって言い伝えがあって…その方法綴った、魔界歴程が地球上のどこかにあるらしいの。」

 

「じゃあ、その魔界歴程さえあれば…悪魔を恐れることはないんだね?」

 

「ええ…でも…」

 

美夜子さん歯切れ悪くなった。この感じから察するに…

 

「古いから文書だから、言葉がわからないんだね?」

 

「そうなの…パパは頑張って読み解こうとしてたけど、ダメだったの…」

 

やっぱりそうか…古い文書には必ず古代の文字が使われている。いや待てよ?

 

「…ドラえもんが役に立つかもしれない…」

 

「え?」

 

「ドラえもんのポケットにはある物がいっぱい入っていて、その中に古代の文字を読み解ける物があるはずなんだ…」

 

「そんな事が…」

 

「うん…でも結局は、ドラえもん頼みになっちゃうな…僕は何も役に「そんなことないよ」え?」

 

美夜子さんは僕の言葉を遮り、さっきの浮かない顔から笑顔に変わっていた

 

「だって、さっきの私が浮かない顔してた時に真っ先に来てくれたじゃない?役に立たないわけないよ。十分私には役立ってる。」

 

美夜子さんは笑顔でそう言ってくれた。何だか僕は少し恥ずかしくなった。

 

「そう言ってくれると、照れちゃうな…」

 

って今考えたら、この状況不味くない?いくら歳が離れているとはいえ台所で男女が2人いるんだ。それに満月牧師の話を聞かずにここまで来ちゃったからまずいよな…美夜子さんに言おう。うん…

 

「もうそろそろ戻らないとね」

 

「ふふ。戻ろうとしたけど、のび太さんが引き止めたんじゃない?」

 

美夜子さんに笑われながらそう言われた。いやそうだけども!?

 

「あれは!美夜子さんが心配で…」

 

「ふふっ…わかってるよ〜…じゃあ、戻ろうか?」

 

「うん…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

僕達はみんながいるへ部屋と戻ってきた…しかし…美夜子さんが僕の腕に自分の腕を絡めていた。

 

「ねぇ…聞きたい事があるのだけどいいかしらのびちゃん…何で美夜子さんが君の腕にしがみついてるかな?」

 

とあーちゃんは立ち上がり、笑顔(目は笑っていない)でそう尋ねてきた。いや怖いんだけど、あーちゃん!?

 

「あら、別にいいじゃないの?それでも何?のび太さんにしがみつくのはダメなのかしら?」

 

いや何で、美夜子さんも怖い笑顔でそう言ってるの!?っていうかしがみつくのが強くなって胸が当たってる!?当たってるからァァ!?

 

「って僕を挟んで、睨まないで!?」

 

「「のび太さん(ちゃん)は黙ってて!」」

 

「…ひ…はい…」

 

僕は2人の圧に呑まれ込み黙ってしまった。うん何この修羅場!?周りを見ると…

 

「何でのび太ばっかり…!」

 

「のび太のくせにィ…」

 

ジャイアンとスネ夫は黒いをオーラを放ち、僕に向かって恨み言を…ってさっきから殺気立ってるね!?

 

「あーぁ、さっきので考えてはいたが…」

 

「まさかああなるとはねぇ…はぁ…」

 

和人、ドラえもんの2人は呆れながら言っていた。さっきのって!?まさか絨毯の時のこと言ってる!?

 

「…明日奈さん頑張れ…」

 

「アス姉負けんな!!」

 

ははは…女子2人はあーちゃんを応援していた。いやうんわかってたけどさ!?いや待てよこれじゃ収拾がつかない。満月牧師に…

 

「……」

 

うん…満月牧師の方を見るとめちゃくちゃ睨まれてた…下手すれば、その目線で死人が出そうな程に…満月牧師も父親なんだなぁ…じゃなくて!?

 

「ド、ドラえもん!満月牧師にま、魔界歴程の居場所を記す書物の古代の文字がわかる道具ってないかな!?」

 

「あからさまに、話題逸らしたね。まぁ、あるけどさ」

 

「あるの!?」

 

「うん、[翻訳コンニャク]!満月牧師、これを食べてください!」

 

「こんにゃく?」

 

ドラえもんが出したのは、こんにゃくだった。ドラえもんの道具は見た目は普通でもその機能はほんとに抜群なんだ。ピー助の時だって、[タケコプター]や[桃太郎印のきびだんご]などを使って冒険していたから。まぁ、もしもボックスの後に喧嘩したのは、あーちゃんと再会した後に少しだけドラえもんの道具で遊んでいたら、いきなりその道具が壊れたから…ってすごく話が逸れたね。

 

「騙されたと思って食べてみてください!」

 

「うむ…」

 

満月牧師は少々警戒をしていたが、それを食べた。そして書物に目を移した。

 

「これは……!?読めてきたぞ!」

 

満月牧師は目を見開き、驚いていた。やはりあのこんにゃくも普通のこんにゃくじゃなかったみたいだ。

 

「…あなたって不思議な魔法を使うのね?こんなの初めて見たわ。」

 

美夜子さん(というかジャイアン達も)はこの光景を見て、ドラえもんにそう言っていた。

 

「いや、これは魔法じゃなk「そ、そうなんです!すごいでしょ!ははは!!」

 

ドラえもんがまた科学の事を言いかけていたので、話を逸らして魔法ということにした。またややこしくなるからね。

 

「これで悪魔が来ても一安心だな。」

 

「でも念の為警戒は怠らないわ。何があるかわからないし」

 

「そうだね」

 

「じゃあ、もうそろそろ帰らないと」

 

「あっ…もうこんな時間ね。長い時間ごめんなさいね。」

 

美夜子さんは僕達に申し訳なさそうにそう言った。僕はすかさず。

 

「いえ、大丈夫ですよ!じゃあ、さようなら美夜子さん!」

 

「ええ…のび太さん…また来てくれる?」

 

「え…いや…」

 

僕がそう言うと美夜子さんは少し赤い顔しながらそう言ってきた…いや美夜子さん!?またそんな感じで言うとみんなが!?

 

「「のび太…殺す!」」

 

案の定、ジャイアンとスネ夫はまた殺気立った…もういいよ…

 

「…のびちゃん後でOHANASIね?」

 

あーちゃん!?また目が笑ってないよ!?お話のニュアンスがなんか違うよ!?

 

「お前も罪作りなやつだな!1回刺されてくれ。」

 

和人!?笑顔で物騒なこと言わないで!?

 

「のび太君…やれやれ」

 

この青狸!?また呆れやがったな!?っとっと…つい口調が…

 

「「うぅ…のび兄(のび太さん)…」」

 

泣きたいのはこっちだよ…二人共…

 

「ははは!のび太君!娘がこんな顔になるとは…娘に手を出すと紅蓮の劫火で君を焼き尽かさないといけないから、そのつもりでな?」

 

満月牧師は、最後に小さな声でそんな事を言ってきた…ははは…気をつけます!?気をつけますとも!!

 

「…じゃあ、今度こそ、さようならです…」

 

「え…ええ…ごめんね?」

 

「謝らないでください。惨めになるだけです…」

 

僕はこの日最も疲れた気がした。そして家に帰り、ドラえもん、和人、直ちゃん、あーちゃんと共に、僕の部屋に置いてあったもしもボックスで世界を戻す話をしていた。

 

「じゃあ、元の世界に戻そうか?」

 

「そうだね…絨毯にも乗れたし。」

 

「箒にも乗れたし。」

 

「魔法も使えるようになったしね?」

 

僕がそう言うと直ちゃんとあーちゃんがこっちを向いた。

 

「「それって…スカートめくりの事?」」

 

「ぶふ!?違うよ!?物体浮遊術!!」

 

「ふふっ…冗談よ。」

 

「のび兄のエッチ〜」

 

どっちがエッチだよ…僕達はそんな話をしていて、部屋に戻ると…そこにはもしもボックスは無く、ママが居て布団のシーツを変えていた…って!?

 

「ママ!?ここにあったもしもボックスは!?」

 

「あの大きな箱?邪魔でどうしようかと思ってたのよ〜。ちょうど粗大ゴミ回収絨毯が通りかかって、出しちゃったわよ?」

 

「「「「「ええええええ!??」」」」」

 

「ドラえもん!!まだ間に合うかもしれない!!行くぞ!!」

 

「うん!みんなも行こう!!」

 

和人がそう言って、ドラえもんがタケコプターを僕達に渡してきた。そして僕達は、粗大ゴミ回収絨毯が行ったであろう所まで行った…しかし…もしもボックスは既にボロボロで直しようのないまでになっていた…

 

「あぁ…もしもボックスがないんじゃ…もう元の世界に戻せない…」

 

「そんな…なんとか直せないの!?」

 

「無茶言うなよ。こんなにボロボロじゃあ、[タイムふろしき]も使えないよ!」

 

「そんな無責任な!?なんとかしてよ!」

 

「君が作った世界だろ!君が責任取れ!」

 

「そもそも何で出しっぱなししてたんだよ!そういう所が悪いんだよ!!」

 

「のび太君だって!何でも出しっぱなしじゃないか!!」

 

「のびちゃん…ドラちゃん!1回落ち着こうよ!」

 

「そうだよ!2人が喧嘩したってしょうがないよ!」

 

「でものび太君が!!」

 

「ドラえもんがいけないんだろう!!」

 

 

僕とドラえもんは意地の張り合いで喧嘩をしてた。元の世界に戻れないからなのか…なんなのかわからなかったけど、言い合わないとこの気持ちをどう解消すればいいのかわからなかったから…

 

 

「いい加減にしろ!!」

 

 

「「…ッ!!」」

 

僕らが言い合っていると、荒らげた声が聞こえた。さっきまで黙っていた和人だ。

 

「確かにドラえもんがもしもボックスを部屋に置いてきたのも問題だ!でもな!俺ものび太もその場にいた全員が気づかずに部屋を出たんだ!2人共お互いに責任をなすりつけあうなよ!!これはここにいるみんなの責任だ!明日奈やスグだってわかってるぞ!」

 

「…和人君の言う通りだよ…」

 

「…そうだよ。のび兄…ドラちゃん…」

 

和人が、そう言った後にあーちゃん、直ちゃんも暗い顔をしながら、そう肯定していた。何だか居た堪れなくなった。僕とドラえもんは2人で互いに責任をなすりつけあっていた。和人、あーちゃん、直ちゃんは最初から気づいていたんだ。この事態が起きたのは、僕達5人がやった事だって。

 

「のび太…ドラえもん…頼むからもう喧嘩なんてよしてくれ…」

 

「…そうだね…ドラえもん…ごめんね…後3人共ごめんね…」

 

「いや…僕も悪かったよ。」

 

「仲直りしたならそれでいいのよ!のびちゃん、ドラちゃん!」

 

「そうだよ!お兄ちゃんの言う通りでもあるし!」

 

「ふぅ…とりあえず今日はもう帰ろう。今日も俺達はのび太の家に泊まることになってるからな。そこで話し合おう。」

 

「「そうだね…」」

 

僕とドラえもんは仲直りをして、5人でこれからの事を話すために帰路に着いた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

私は、のび太さん達が帰った後に1人で水晶玉を覗いていた。水晶玉に映っているのは魔界星の様子だった。光を取り込んでどんどん大きくなって、近づいてる。

 

「おーい美夜子!」

 

そんな事を考えているとパパが私を呼びこちらに走ってきた。きっとドラちゃんの不思議な魔法のお陰で解読が完了したんだろう。

 

「パパ!」

 

「ついにわかったぞ!これで魔界歴程が手に入れられる!!」

 

どうやら案の定わかったみたいだった。私はその言葉を聞き嬉しくなった、あの事が元でこんな事になっていたのをパパは負い目に感じていたのを見ていたから、こんなに喜ぶパパはほんとに久しぶりだ。

 

「見てくれ。ここだ。」

 

パパはそう言って、魔界歴程の場所を記されている書物を見せてきた。しかし…その時ただならぬ妖気が私たちの家の周りに立ち込めた。急いで外に出ると守りに当てていた石像が壊されていた。その上を見ると悪魔(と昼間の猿)が不敵な笑みを浮かべながら、こちらを見ていた。私はその姿を見てすごく恐怖心が芽生えた。悪魔はこちらを…というより私がかけているペンダントを見て、目を細めた。その時だった。

 

「こ、これは!!」

 

パパの声に気づき下を見ると、私達の家の周りに魔法陣が浮かび上がっていた。そして悪魔が雄叫びを上げたと同時に魔法陣から赤い光が立ち上った…だが、私とパパは間一髪で避けることが出来たが、避けた先に悪魔がおり。私は立ち止まった。

 

「あなたは何者なの!」

 

私はそう聞いた。

 

「我が名は、メジューサ…大魔王デマオン様の忠実な下僕だ。」

 

悪魔…メジューサは私にそう言った。次の瞬間メジューサが動き出した。私の目前まで来たが隣にいたパパの攻撃でメジューサは吹っ飛んだ。メジューサは吹き飛ばされ、パパはものすごいスピードでメジューサを追い、そのまま再度攻撃をしたが、あの猿が来てパパを吹っ飛ばした。メジューサは再度こちらに向き、近づいてきた。私は咄嗟に攻撃をした…しかし、効かなかった。メジューサはそのまままた私の目前まで来た。

 

「お前にはしばらく消えてもらう…」

 

「ご、ごほ…ごほ!な、何をする!!娘から離れろ!!」

 

遠くからパパの声が聞こえた。消えてもらうって…メジューサは一体何を…

 

「はぁぁぁ!!!」

 

メジューサは私に向かって魔法を唱えた。眩い光が目の前を覆い尽くした…そして気づいたら…

 

「チュ!?」

 

私はネズミになっていた。

 

「な、なんてことを!!!貴様ァァァ!!!!」

 

パパはその光景を目の当たりにして、激怒しメジューサに特攻をしかけた。だがメジューサの方が若干上なのか直ぐにパパは気絶させられた。私はただ見るしかなかった…パパは他にいた悪魔の手により魔界星へと連れて行かれた。

 

「嘆くがいい…父親を救えなかった。愚かな娘よ…」

 

メジューサは私にそう向かって言ってから去って行った…

 

「チューーーーー!!!」

 

私は悔しさと悲しみでいっぱいになり、叫んだのだった…のび太さん…助けて…




雷神「ふぅ…終わったぁ」

銀「今回長かったな。1週間も時間かけて。」

雷神「リアルで仕事が忙しいからね。銀さんと違って」

銀「おい!?はぁ…でだ…次回も頭には入ってるんだろうな?」

雷神「もち、まっかせなさーいw」

銀「じゃあ、皆次回もお楽しみになw」


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第10話魔界大冒険〜魔界歴程争奪戦と偽物〜

視点はのび太です


「…ん?」

 

僕は何だか美夜子さんに呼ばれた気がした。何だろう嫌な予感がする…

 

「どうしたの?のび太君?」

 

「…何か、美夜子さんに呼ばれた気がして…」

 

ドラえもんに聞かれたので、ご飯を食べながらパパとママに聞こえないようにそう言った。

 

「美夜子さんが?そんな馬鹿な。僕達は魔法を使えないんだよ?美夜子さんの声が聞こえるもんか」

 

「何かの間違いじゃないか?」

 

「そうだよ。のびちゃん…まぁ、さっきまでその事について話し合ってたから心配なのはわかるけど。」

 

「のび兄…」

 

ドラえもん、和人、あーちゃんはそう言ってきた。直ちゃんは心配そうに見つめた。まぁ、確かに気のせいかもしれないからね。その時だった…

 

カタ…カタ…カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ!!!!

 

急に揺れだした。地震だ。この地震は昼間のよりもひどい揺れ方をしていた…僕達は机の下に潜り込み地震が収まるを待った。その後地震が収まり一目散に居間に行きテレビを…付けられなかった…いやなんでだよ!?

 

「何してるんだ?テレビの点け方も忘れたのか?スイッチに触れて念力を送るんだよ。」

 

パパが丁寧にそう言ってくれて、テレビを点けてくれた。ニュースには超大型の台風がこちらに迫っていると報道されていたが、さっきの地震の速報が入った。震源地は樹海の森の奥地と言っていた…そこって!

 

「美夜子さんがいる教会の近くだ。」

 

「のび太」

 

「うん…あーちゃんと直ちゃんは待ってて、嫌な予感がするから」

 

「でも」

 

「私達も」

 

あーちゃん達は心配そうにこちらを向いてきた。

 

「大丈夫さ…美夜子さん達が無事なら一緒に連れて帰る…だから心配しないの」

 

僕はあーちゃんに向かってそう言った。あーちゃんはまだ少し不安そうだが、こう言った。

 

「絶対よ!のびちゃん!和人君!ドラちゃん…美夜子さんをどうか連れてきてね!」

 

「のび兄!絶対だよ!」

 

「「「ああ(うん)!!」」」

 

僕、和人、ドラえもんは、タケコプターで美夜子さんと満月牧師がいるであろう樹海へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして樹海の中に入り、教会の近くに来たが…

 

「これは…」

 

「ひどいな…」

 

「教会がなくなってる…」

 

僕達が着いた時にはもう教会も、美夜子さんも、満月牧師の姿はなかった。

 

「美夜子さーーーん!!」

 

「美夜子さん!!!」

 

「満月牧師ーーー!!」

 

僕達は大声を上げて、2人を探していた。しかし2人の声は聞こえなかった。

 

「戦った後がある…一体何が起きたんだ?」

 

ドラえもんは、周りを見てからそう言った。

 

「何かが美夜子さん達に襲いかかったって事か?」

 

「多分ね。…?ぎゃああああ!!ネズミ!?」

 

ドラえもんが急に飛び上がって、どうやらネズミが出たようだ…そういえばドラえもんの耳がないのはネズミにかじられたって言ってたけな。

 

「チュウ…?チュ?チュウ!!!」

 

そのネズミは、ピンク色のした体を持っていた…何かどっかで見たようなぁ…

 

「何で!!こんな所に!いるんだよーーー!!」

 

「いいから落ち着けよ!!」

 

ドラえもんは、すごく跳び回っていた。いやどんな反射運動だよ…

 

「だぁぁ!!!ばぁ!?」

 

ドラえもんは、何かに当たったらしく、こちらに反動で帰ってきた、その方向を見るとそこには…

 

『ぶおおおおおおおおおおおおん!!』

 

ドラゴンがいた。僕達は咄嗟に動きドラゴンの攻撃を避けた。自分でもびっくりなくらい避けれたのが奇跡だった…って前の黒マスクの男(ヴァサゴ)の時でも反射神経はよかった気はする。

 

「お前らも小娘の仲間か!」

 

僕達に言ってきたのは、ドラゴンの上に乗っていた悪魔だった。テンプレな悪魔の容姿だなって思ってたのは余談だよ…その悪魔も手からビームを出して、攻撃してきた。そのビームが和人の目前まで来るとドラえもんがマントのような物を持ってビームを打ち返した。

 

「これは[ひらりマント]!目の前に迫ってくる物に対してこのマントを振りかざすと、闘牛士のマントの如く、どんな標的でも回避したり跳ね返すことができる。跳ね返せるのは物体等の物理攻撃だけではなく、衝撃波や光線などの不定形なもの、更には魔法にも効果がある!電磁波の反発を利用した道具で静止している物体でも、こちらからマントを振りかざせば向きを変えたり吹き飛ばすことが出来るんだ!」

 

「長々と説明ご苦労さん!!」

 

「チッ…もう一回だ!!」

 

今度は僕に標的を変えたのか僕に向かって撃っていた。

 

「ダメだ!間に合わない!!」

 

「のび太!!」

 

ビームは僕の目前まで来たが、氷の巨塔が僕を守ってくれた。下を見ると美夜子さんが悪魔を睨みつけていた

 

「美夜子さん!?無事だったんだ!!」

 

悪魔は標的を美夜子さんに再度変え特攻して行った。僕達はそれを黙って見てるわけにはいかなかった。加勢するため近づこうとするが美夜子さんが防いだビームがこちらに来て近寄れなかった。そしてビームが氷の巨塔に当たってその部分が溶けてしまい、僕達はそれを避けたが美夜子さんは昼間の猿に襲いかかられて、倒れていたのを見て悪魔が攻撃した。僕は咄嗟にドラえもんが持っていたひらりマントを手に取って、美夜子さんの前に立った。

 

「の、のび太さん!?」

 

「大丈夫だよ!僕が守る!」

 

「あ、ありがとう///」

 

そして、ひらりマントで跳ね返した悪魔の大技は悪魔とドラゴンに直撃し、悪魔はこの世を去った。

 

「大丈夫?美夜子さん…?」

 

「え、ええ…大丈夫よ?」

 

あれ?何か美夜子さん…違う?

 

「のび太!美夜子さん!」

 

「大丈夫!?」

 

和人とドラえもんが上から下へと降りてきた。

 

「ごめんなさい。あなた達を巻き込むつもりはなかったの。」

 

「ふぅ…美夜子さん、あれが悪魔なんですね?」

 

「ええ…私も初めて見たけどね。」

 

「…満月牧師は?」

 

「悪魔族が教会ごと異空間へ連れ去ってしまったの…」

 

美夜子さんは立ち上がり上を見ながら、そう淡々と言った。

 

「そんな…」

 

「私だけは運良く逃げられたんだけど。さっきの悪魔に見つかって追われていたの。でもこの古文書は無事だったわ。魔界歴程を探し出せば、悪魔族の力を封印する方法がわかるわ。それを持って魔界星へ乗り込めば…」

 

美夜子さんは、決意した目でそう言った。

 

「大魔王デマオンを倒さない限り彼らはきっとここへ来るわ。それにパパを助けることも…」

 

僕は美夜子さんの言葉に少し考えさせられた。このまま行ってしまっていいのだろうか。何か他にも方法が…

 

「いきなりでごめんなさい、でもお願い!3人とも!」

 

「気持ちはわかります。協力もします。けど…4人だけで何ができるんですか?」

 

和人がそう言った。確かに今の人数では蟻が人間に戦いを挑むようなものだから、和人もそう思い言ったのだろう。美夜子さんは少し暗い顔になり、こう続けた。

 

「そうよね…やっぱりあなた達を巻き込むのはひどいわよね。これは私の問題だわ。」

 

「み、美夜子さん?」

 

 

ピーーーーーーーーーー!!!

 

そう言うと美夜子さんは口笛を吹いた。次に絨毯がこちらに来た。

 

「ごめんね?さようなら…」

 

「ま、待って!!」

 

「美夜子さん!!」

 

美夜子さんは、そのまま絨毯に乗り雲の上に飛んで行った…僕達はなにも出来ずに場を後にした…さっきのネズミが付いてきてることも気づかずに…

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「のびちゃん!!美夜子さんは!?」

 

「のび兄!」

 

家に帰るとあーちゃんと直ちゃんが玄関の前で待っていた。

 

「…美夜子さんには会ったよ…」

 

「…でも…行ってしまった。」

 

「そんな…」

 

「どこに向かったの…?」

 

「きっと魔界歴程がある所に向かったんだろう。」

 

「…何で止めなかったの!!お兄ちゃん達なら止められたはずでしょ!?」

 

直ちゃんは和人にそう言った。確かに僕達になら止められたはずだ、でも…

 

「止めたかったさ!!でも美夜子さんは止めても、行ってたはずだ!そんな人を止めれない!」

 

「お兄ちゃん…ドラちゃん…これからどうするの?」

 

「とりあえず今日は、もう休もう…明日学校でジャイアン達にも相談して。」

 

「それがいいな…」

 

僕達は美夜子さんの事を考えながら、眠りについた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして次の日、僕達は学校でジャイアン達に昨日の事を話した。

 

「じゃあ、美夜子さんは1人で魔界歴程を取りに行ったのか?」

 

「そうかもしれない…」

 

「…わかんないけどな。」

 

「のび太!和人!」

 

「で、でもさ!流石に魔界星に行くなんて無茶だよ!僕達簡単な物体浮遊術と箒に乗ることしか出来ないんだから!」

 

スネ夫は少し怯えたようにそう言った。

 

「そりゃ…そうだけど…」

 

「足でまといになるだけだよ!」

 

「スネ夫の言う事も最もだ。」

「美夜子さん1人でなんて…」

 

僕達が話していると先生が入ってきて、午後の授業は中止になった…スネ夫とジャイアンは急いで帰って行った。

 

「待って!スネ夫!ジャイアン!」

 

そして僕達も帰ることにした。このまま学校に居ても埒が明かないからだ…。途中からあーちゃんと直ちゃんと合流し、家に入りママが居間から顔を出してきた

 

「のび太!和人君に直葉ちゃん、明日奈ちゃんも!大丈夫だった?」

 

「はい…なんとか。」

 

「翠さんや京子さんも今日は帰れそうにないから今日も皆泊まりなさい。パパも心配だし…」

 

僕達はそれを聞いた後に直ぐに部屋に入った。ドラえもんは窓の外を見ていた。

 

「おかえり皆…」

 

「「「「ただいま」」」」

 

「すごいことになったね。魔界星はどこまで近づいたかな…大地震…巨大台風…」

 

「そして…」

 

「世界の終わりかぁ…」

 

僕達はなんとなく話し始めていた…すると窓から物音が聞こえた。そこには…

 

「野比のび太さん!速達です!!」

 

郵便局の人が箒でこちらを見ていた。

 

「ぼ、僕に?」

 

僕は窓を開けた。大きな風が部屋をめちゃくちゃにしたがなんとか荷物を受け取れた。しかし…

 

「ぎゃああああ!!!」

 

「またネズミか?って前に見たやつだな?」

 

「冷静に言ってないでよ!!鬼は外ビーンズ!!鬼は外!!」

 

ドラえもんが不思議な豆を投げるとあのネズミは外に行き風でどこかに飛ばされた。

 

「ねぇ…あのネズミは?」

 

「昨日教会の近くでいたネズミだよ。」

 

「ふーん、ってのび兄…届いた物って?」

 

僕は直ちゃんに言われると受け取った荷物を見た。それは美夜子さんからの古文書だった。内容は。

 

《私に何かあった時はこれを役立ててください。最後まで迷惑かけてごめんね 美夜子》

 

と書いてあった。

 

「やっぱり…」

 

「美夜子さんは行ったんだね…」

 

「1人で魔界歴程を探しに…」

 

美夜子さん…僕はこれを読み…決心した。美夜子さん1人で魔界歴程を探しに行ったんだ…だから。

 

「のび太君」

 

「のび太…」

 

「うん…行こう」

 

「私も行くよ!」

 

「私だって!!」

 

ドラえもんと和人、あーちゃん、直ちゃんも行く決心がついたようだった。そして…

 

「俺達も行くぜ!」

 

ジャイアン達が部屋を開け入ってきた。

 

「はははっ!覚悟決めたぜ!」

 

「ほ、本当は行きたくなんかないんだけど、けど魔界星が来るのを待つよりは!いっそこっちから!」

 

スネ夫はそう言ってくれた。こっちの世界でも男を見せてくれた。ジャイアンもそう思ったのか、スネ夫の背中を叩いていた。

 

「置いてかないで!」

 

声が聞こえ外にはしずちゃんが風に吹かれて入るに入れないでいた。咄嗟に僕とジャイアンがしずちゃんを助けた。

 

「足でまといになるだけかもしれない、けどやっぱりじっとなんかしてられないわ!」

 

「しずちゃん…」

 

どの世界にいたとしても、性格も違うとしてもしずちゃんはやっぱりしずちゃんだった。

 

「よーし!そうと決まったら、これだ!魔法帽子!」

 

「何だ?何かすごい魔法でも使えるのか?」

 

ドラえもんが何やらすごいのを出したので、和人が聞いていた。

 

「ううん。ただの飾り」

 

返ってきた答えは、ただの飾りだと…ははっ♪

 

「いっぺん死んでみる?」

 

「物騒な事を笑顔で言わないでよ!?」

 

「…ともかく行くぞ」

 

「気分の問題だったんだけどなぁ。[どこでもドア]〜!」

 

ドラえもんがぶつくさ言ってから出したのはドアだった…

 

「やっぱり…1回死ぬ?」

 

「だから物騒な事を言わないでよ!?このドアは行き先を言えばその場所に行けるんだ!美夜子さんの所まで行って驚かそう!」

 

「それはいいかもしれないけど。」

 

「危なくないか?」

 

「大丈夫でしょ!じゃあ、行くよ!美夜子さんの所まで!!」

 

ドラえもんがドアを開けるとそこは…

 

ビューーーーーー!!!

 

 

絨毯の上だった。それも高速で動いている。

 

「え!?」

 

美夜子さんが前に居て僕達に驚いていた。よかったねドラえもん、美夜子さん驚いたみたいだよ!?僕達も驚いたけどね!?

 

「うわぁぁ!?」

 

「またこんなのーー!?」

 

そして周りを見ると氷の世界が広がっており、周りにはドラゴンと悪魔の大軍が大勢いた

 

「皆!来てくれたの!」

 

美夜子さんはそう言ったけどね。今すごい事になってるんだよ!?ドアから出た時落ちそうになっていたスネ夫と僕はジャイアンに掴まれてる状態になってる

 

「来るんじゃなかったーーー!」

 

スネ夫はそう言った…まぁ確かにね!?誰がこの状態になると予想した!?

 

「スネ夫暴れんじゃねー!!」

 

「のび太もしっかりしろ!!」

 

「洞窟を見つけるまで持ちこたえて!!」

 

oh......これをずっと!?スネ夫の足が変色しちゃうよ!?っていうかスネ夫離せってひどいな!?

 

「洞窟!?」

 

「魔界歴程はその中よ。悪魔が入れないように結界が張ってあるの!」

 

美夜子さんはそう説明してくれた…全然入って来ないけどね!?

 

「この近くなんだけど…雪が多くてどこにあるのか。」

 

そうしてる間に敵の攻撃が来たので、美夜子さんは避けながら探していた。

 

「んー!![ひらりマント]![空気砲]!!和人君!」

 

「あっ…」

 

ドラえもんが出した空気砲が僕の腕に入ってきた…僕がやれと!?

 

「のび太君!![空気砲]には中にボタンがある!それを押して打つんだ!」

 

僕は説明を受け、手の感触で確認すると確かに中にボタンがある。僕は小さな頃から射撃も得意なんだ。そして僕が撃つとドラゴンの一体に命中し落ちていった。そして…

「あれは!」

 

どうやら、落ちたドラゴンのブレスで雪で隠れていた洞窟が出てきた。

 

「見て!あれが魔界歴程がある洞窟よ!私が悪魔達を引き付けてる間にみんなは洞窟の中へ行って魔界歴程をお願い!」

 

「1人じゃ無理だ、僕も手伝う!」

 

「皆!!俺に掴まれ!!」

 

「「「うん!!」」」

 

そして、洞窟の周りに魔法陣が出てきて、ジャイアンがジャンプして僕達は魔法陣から出る光に包まれた。そのままゆっくりと下へと降りて行った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕達は洞窟の中に入っていた。下へ降ろされるとそこには五芒星のマークが掘られた箱があった。

 

「うーん、チンカラホイ!!」

 

「「チンカラホイ!!」」

 

「よし僕も…チンカラホイ!」

 

「「「ひゃ!?」」」

 

「あっ…またやっちゃった…」

 

ジャイアンが物体浮遊術をやったのを皮切りに、スネ夫としずちゃんもやっていたので僕も物体浮遊術をやったが…直ちゃん、あーちゃん、しずちゃんのスカートがまためくられてしまった。

 

「もうのびちゃんは物体浮遊術をやらないこと!!///」

 

「はい!!」

 

あーちゃんにそう言われ、僕は背筋をピーンとしてそう言った…

 

「ってどうするよ…これは…」

 

「そうだなぁ。こういう時はドジなやつがたまたま押すんだけど、な?」

 

「僕の方向かないでよ。僕はそんなにドジじゃな…」

 

じゃないって言う途中で滑ってしまい、なにかボタンを押した。って何でこんな時に限ってドジが発動するんだよ…

 

「あっ…開いた」

 

「ナイスドジだなw」

 

「褒めてないでしょそれ…とにかく持っていこう。」

 

僕らは、そのまま上に行き僕が持っていた空気砲で邪魔な雪を吹っ飛ばしてから外に出た。外には悪魔達の姿は無く、ドラえもんと美夜子さんだけだった。

 

「ドラえもん。悪魔達は?」

 

「それがどっかに消えちゃったんだ」

 

「魔界歴程が怖くて逃げたのよ。きっと」

 

「何だそうか…」

 

「それより魔界歴程は?」

 

…おかしいぞ?悪魔達は魔界歴程を欲していたように美夜子さんを襲っていたというのに、何で僕らが手に入れた途端に引き上げたんだ?そもそも魔界歴程を欲していなかった?いや…それだと何で美夜子さんを襲っていたんだって事になるけど…

 

「へへっ!じゃじゃーん!手に入れたぜ!」

 

考えたってしょうがないな。こうして魔界歴程は手に入ったんだ。ジャイアンは魔界歴程を出して喜んでいた…次の瞬間…

 

「うわっっはぁ!?」

 

ジャイアンが倒れた…他でもない美夜子さんの手によって…

 

「ふっふっふっ…」

 

「み、美夜子さん?」

 

「魔界歴程…確かに貰ったぞ…こんなものは始末せねばならん…我々にとっては邪魔な代物だ…」

 

我々…?まさか…さっきの考えた事が本当なら…

 

「お前…美夜子さんじゃないな!」

 

「ふっ…今更気づいても遅いぞ。ふふふふふ…」

 

美夜子さん…いや謎の人物は笑いながら正体を顕にした…悪魔の容姿だった…

 

「我の名は、メジューサ…大魔王デマオン様の忠実な下僕だ…」

 

「ちっ…最初から仕組んでたって訳か!!!美夜子さんをどこにやった!!」

 

僕は少し口調が変わってしまったが目の前の悪魔…メジューサに向かってそう聞いた。

 

「さぁな…どの道死にゆく者達は知る必要はない!!」

 

そう言って、メジューサは氷の柱を僕らに目掛けて投げつけてきた…がしかし僕はそれを避けると、タケコプターでメジューサの目前まで来た。

 

「ほう…貴様はよく動けるようだな。」

 

「そんなことどうでもいい!!美夜子さんはどこに居るんだ!!」

 

「ふっ…冥土の土産に教えてやろう…愚かな人間よ…あの小娘はネズミにしてやったわ。」

 

「なに!?…まさか!あのネズミが!」

 

メジューサの言う事を信じるならば、思い当たるネズミは一匹いた…あれが美夜子さんだとしたら、ピンク色も納得する。

 

「ふっ…お前もあの世へ行け…」

 

「そう簡単には…」

 

いかないと言いかけたが、そうは言えなかった。言う前にメジューサが魔法を使い僕を皆の所まで飛ばしたからだ…

 

「くっ!!メジューサ!!!」

 

「さらばだ…愚かな人間達よ。フリーズ……スピア!!」

 

僕はそれから記憶が無い…最後に見たのはメジューサの不敵な笑みだった…



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第11話魔界大冒険〜のび太と和人の決意〜

どうもです!

今回で魔界大冒険が終わります。
ドラミちゃんが初登場します!


視点は、のび太、美夜子順で参ります。


それから数時間か経ち僕は目を覚ましたが氷の中でカチコチになってたけど誰かに持ち上げれた…ドラえもんだ…ドラえもんは何やら手袋を出してから、凍っている僕達を持ち上げてからどこでもドアを出して、僕の部屋に放り込んだ。

 

「オールシーズンバッチ夏!」

 

ドラえもんはそう言うと僕達を覆っていた氷が溶けだした。僕達は氷から開放された…

 

「…くそ…」

 

「まさか…悪魔に騙されていたなんてね。」

 

和人は悔しそうにして悪態をついた後にあーちゃんがそう言った

 

「魔界歴程…盗られちゃったね…」

 

「…メジューサ…あいつが美夜子さんに化けていたなんて…」

 

「やれやれ…まさに一本とられたってわけだな…ふっ」

 

「「「「「「「えぇ!?」」」」」」」

 

ジャイアンがそう言うと手に持っていたのはなんと魔界歴程だった。僕達は驚きそれを見た。これってもしかして!

 

「2本あったって事!?」

 

「そうなんだよ!こっちとこっちに1本ずつ入ってたんだよ!」

 

ジャイアンはそう言ったあとに魔界歴程を開けてから僕達は囲むようにそれを見た

 

「じゃあ、半分は手に入ったって事だな?」

 

「そういう事だ!」

 

みんなは魔界歴程があったことに喜んでいた…でも僕は本物の美夜子さんが心配になっていた。

 

「…せっかく、半分手に入ったのに、美夜子さんはどうなっちゃんだろう…」

 

「あぁ…魔界歴程が手に入ったことはいい事だけど、美夜子さんがどうなったか結局わからないままだったか…」

 

和人もそう言った…そんな時だった窓からチュウチュウと鳴き声が聞こえた。そちらを見たら…

 

「さっきのネズミ?」

 

「う…ぎゃああああ!!!」

 

さっきのピンク色のネズミが僕達に存在を示すように手を振っていた…何か人間的だな。ドラえもんはネズミを見た瞬間どこでもドアの上に登った、どんだけ嫌いなんだよ。

 

「昨夜からずっといるなぁ。このネズミ…」

 

「ネズミの呪いだァァ!!!」

 

ドラえもんはどこでもドアの上でそんな事を言っていた。ネズミの呪いって…そんな馬鹿な。

 

「ん?のびちゃんこの子首輪をしてるわよ?」

 

「え?あっ…ほんとだ…誰かに飼われてたのかな?」

 

「ありえない。ありえない!早くどっかやってよ!!」

 

ドラえもんを見ると変な顔でそんなこと言っていた…でも何かこのネズミの首輪…どこかで見た気がするな…そう最近見た気がする…ん?緑の宝石が入ってる…?どこだ?どこでこの首輪を…

 

「んーうわ!」

 

「ちゅ!?」

 

そうこうしてるうちにジャイアンが驚かせて、ネズミはそこから転がって座り込んだ。そんな時だった…雲が晴れて月の光がネズミを照らした…ネズミはその光を受けると光りだした…そしてみるみるうちにでかくなり…その姿は…

 

「み、美夜子さん!?」

 

そう、僕達が心配していた美夜子さんだった。でも…

 

「待て、その前にあなたは本物なのか?」

 

和人が言ったように、僕達はさっきまでメジューサに騙され、利用されていた。疑心暗鬼になっちゃうのも仕方ないことだ。

 

「本物よ!メジューサの手によってネズミに変えられていたの!」

 

「でも、俺達はさっき美夜子さんに化けていたメデューサに騙されていた。本物っていう証拠はあるのか?」

 

「そ、そんな…」

 

厳しい言い方だけど、和人の言い分はあっていた。何か僕達に通じる事があれば…あっ…!

 

「美夜子さん…僕が今から言う事をちゃんと答えてね?」

 

「の、のび太さん…」

 

「僕も信じたいよ。でも…和人も言った通り僕らは騙されていた。だからこそ、今から言う事を答えて。」

 

「わかった…信じて貰えるならなんだって!」

 

「じゃあ、言うよ…昨日僕と美夜子さんは二人きりなったね。僕が心配になった理由を君に教えた。それはなんだった?」

 

僕は昨日の事を聞いた、本物の美夜子さんなら答えられるだろうと思ったから。

 

「…私が浮かない顔をしていたから…!」

 

「…ふふっ…皆、この人は本物だよ。」

 

僕はみんなにそう言ったこれは僕と美夜子さんしか知りえない事だ。

 

「信じていいんだな?」

 

「うん…美夜子さんは本物だよ。僕が保証する。」

 

和人は少し警戒を解いた感じでそう言った。

 

「ありがとう…ありがとッ!!」

 

美夜子さんはそう言って…僕に抱き着いた…やばいこの状況は…!?

 

「「…こんな時までのび太か!?」」

 

いやもうこれはいいよ!?何回やるつもりだよ!?

 

「…何はともあれ、美夜子さん疑って悪かったな。」

 

「…いえ、いいのよ!私もあそこでメジューサが私に化けてのび太さん達に言っていたのを見ていたから…」

 

「何でネズミなんかに?」

 

「あの腐れババァ…失礼…メジューサに姿を変えさせられてたの」

 

一瞬美夜子さん…暴言吐きかけてたね。いやまぁ、仕方ないか…って僕はそのメジューサにネズミの正体が美夜子さんって聞かされてたじゃないか。何で忘れてたんだ?

 

「パパが私を守りながら戦ってくれたけど…とても敵わなかったの。私達は負けて私はネズミに変えさせられて、パパは連れて行かれた…うぅ…私は何もできなかった。」

 

美夜子さんはそういった後にまた泣き出してしまった。僕は泣いている美夜子さんの頭を撫でることしかできなかった。僕達はその姿を見て決心がついた。

 

「美夜子さん…泣かないで、満月牧師を助けに行こう」

 

「ぐす…!行ってくれるの?」

 

美夜子さん、少し驚いたようにそう言った。僕達は美夜子さんをこんな目に合わせた悪魔達を許せなかった。それに…

 

「メジューサには借りがあるからね。」

 

「だから。私達も一緒に魔界星へ行くわ!」

 

「悪魔達は俺達がぶっ飛ばしてやるからよ!」

 

ジャイアンは僕と和人の頬をムニュムニュしながらそう言った。

 

「そうだよ。美夜子さん…それに…」

 

あーちゃんの目が僕とあった。なんだろ?

 

「のびちゃんの事についても、この戦いが終わってから話し合いたいからね?」

 

「ふふ…それは私も同じよ?」

 

えーと…だから僕を挟んでバチバチしないで貰えないかな!?

 

「ちょっと!明日奈さん!私も忘れないでよね!」

 

「そうだよ!アス姉!私達もなんだからね!!」

 

その光景を見ていた直ちゃんとしずちゃんも入ってきた…そういえばジャイアン達が入ってこないなぁ。見てみると…

 

「「…」」

 

ははは…ジャイアン達めっちゃ睨んでる…もういいよぉ!?

 

「こんな時まで…これだからフラグ製造機は…」

 

おいそこの親友、呆れながら何言ってんの!?

 

「ははは…そうだ!美夜子さん!魔界歴程手に入ったんだよ!」

 

ドラえもんは苦笑いしてたが、思い出したように魔界歴程の事を言ったが半分だけとドラえもんは少し苦笑いしながら言いながら、美夜子さんに渡した。もう一本はメジューサに持っていかれたから。

 

「す、すごいわ!」

 

「皆で決めたんだ。地球を悪魔族から守ろうって。必ず満月牧師を助け出すよ。」

 

僕は代表して美夜子さんそう言った。美夜子さんは感動したのか、また泣き出して僕らに抱きつこうとしたが……

 

「ちゅ?」

 

月がまた雲に隠れまたネズミに戻ってしまった…という事は…

 

「ぎゃあああああああああ!!!!」

 

案の定ドラえもんは美夜子さんがネズミになった瞬間大声を出しながら、気絶してしまった…なんだか先が思いやられるよ…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ドラえもん!ドラえもん!起きろよ!」

 

僕は気絶してしまったドラえもんを起こしていた。

 

「ネズミーー!!はぁ…はぁ…」

 

「そこまで嫌いなのかよ。ネズミ」

 

「僕はネズミに耳をかじられたんだ!!あの時の事を思い出すだけでゾーっとするんだよ!」

 

「はぁ…深刻だな」

 

「うーん、まぁ、それはまたいつか聞くよ。今は美夜子さんの姿を変えているんだ。変身の魔法は解けなくても他の魔法を上からすれば、別の姿になるって。」

 

僕はドラえもんにネズミ嫌いになった原因を後日聞く事にして美夜子さんの事をジャイアン達が変えている方を見ながらそう言った。

 

「チンカラホイ!」

 

「じゃあ、次は私が、チンカラホイ!

 

「こ、これは…」

 

「しず姉…これ怖いよ!?」

 

……見なかった事にしよう。何も見てない。美夜子さんが爬虫類の何かになっていたなんて見てないからね!?

 

「うわぁーん、僕やだ帰る〜」

 

「どこに帰るんだよ!心配するなって少しずつ良くなってる!」

 

「どうせネズミもどきじゃないか!」

 

「そうじゃないのも居たろ!」

 

「とにかく僕やだなの!!」

 

「往生際が悪いぞ!」

 

僕と和人はドラえもんが駄々をこねているのを止めていた。すると…

 

「「「「「出来た!!」」」」」

 

ジャイアン達が一斉にそう言った。そしてジャイアン達が引いたその先には…

 

「にゃ?」

 

そこには…ピンク色の猫が2足で立っていた。人間の時でも綺麗だったけど、他の動物でも可愛くなるのは美夜子さんが美人故かもしれない。まぁ、そんな考えはともかくとして…

 

「もうにゃーだ可愛い〜」

 

僕の上に乗っている変態青狸が鼻を伸ばしながら、美夜子さんを見ていた…

 

「にゃ…にゃ?」

 

「ね、ねぇ美夜子さん二人っきりでちょっと話さない?大丈夫!何も心配ないからさぁ…」

 

「「誰がさせるかこの変態青狸!!!!?」」

 

「ぶへは!?」

 

僕と和人は、変な事をのたまった変態青狸を成敗した。言ってる言葉もそうだが、何より行動が本当に変態のそれだったから。変態マジ撲滅。

 

「にゃ…にゃにゃにゃ…」

 

美夜子さんは僕に怯えたようにしがみついていた。やっぱりあのドラえもんには身の危険を感じたのだろう。

 

「はぁ…とにかくドラえもん…もし美夜子さんに手を出したら脳天にこれをぶち抜くからそのつもりでね?」

 

僕は笑顔でドラえもんの頭に空気砲を突き付けながら脅した。こうでもしないとこの猫はまた美夜子さんに発情するから…

 

「わ、わかりしました!?」

 

「ははは…ドラちゃん、翻訳コンニャク出して。そうしないとわからないから」

 

あーちゃんは、苦笑いしながらドラえもんにそう言った。

 

「そ、そうだね!じゃあ、僕が手取り足取りたべさせt…」

 

「…」

 

「ははは!冗談だよのび太くん!!じゃあ、明日奈ちゃんが食べさせてよ!ははは!!」

 

懲りずにまだやろうとしていた変態青狸に無言で空気砲を突きつけたら、咄嗟にあーちゃんに翻訳コンニャクを渡した。最初からそうしてよ。こうして、翻訳コンニャクを食べた美夜子さんは人語を話せるようになり、美夜子さんの絨毯に乗り込んだ。僕達が乗り込んだら、美夜子さんは張り切って。

 

「じゃあ、皆…行くわよ!」

 

「「「「「「「「おう(うん)(ええ)!!!」」」」」」」」

 

「では…魔界星へ!出発!」

 

 

僕達はこうして魔界星へ進軍した…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕達は雲の上にいた。月を遮るものがなくなったので美夜子さんは人間の姿に戻っていた…青狸は残念がっていたが…

 

「やっぱり月の光を浴びると戻るのね?」

 

「ええ…」

 

そして絨毯は、宇宙空間に入った。そして地球を見たら…

 

「雲に呑み込まれているみたい…」

 

地球は雲によって覆われていた。まるで無数の蟻が幼虫を襲うように…

 

「魔界星の接近を止めなきゃ…」

 

そして月は地球の陰に隠れ、美夜子さんはまた猫の姿に戻った。

 

「あっ…戻っちゃった…」

 

「あのクソババァを倒せば、元に戻るわ…よ?ぶる!?」

 

美夜子さん…とうとうメジューサをババァ呼びにしてしまったが確かにそうだ。でも今美夜子が寒気を起こしているのは…

 

「でへー」

 

青狸がまた変態の顔になっていたから…はぁ…

 

「ドラえもん…?」

 

「ビクッ」

 

「わかっているね?」

 

「分かってるさ、の、のび太くん…ははは…」

 

うん…全く説得力がなかった。今のドラえもんはあの暖かい目が出ているからだ。

 

「本当だろうね?はぁ…」

 

「のび太さんも大変ねははは…」

 

「ほんとだよ…でも…何で悪魔族の魔法は月の光を浴びると解けるんだろう?」

 

僕はドラえもんの事を置いて、美夜子さんに尋ねた。

 

「月の光には悪魔族の魔法を封じる力があるの。それのお陰かもしれないわね?」

 

美夜子さんは僕にしがみつきながら、そう言った…いや今のドラえもんの近くに居たくないからって、しがみつかなくても…

 

「のび太君羨ましい。」

 

「お前は自重しろよ!?」

 

ドラえもんは羨ましそうにこちらを見ていた、和人がそんなドラえもんにツッコミを入れていた。ほんとだよ…

 

「つ、月はいつも地球の周りを回っているでしょう?魔界歴程を書いたナルニアデスは地球を守るために月の光に力を与えたんですって!」

 

美夜子さんは、少し動揺をしながら語ってくれた。なんというかナルニアデスって人物はほんとに偉大な魔法使いだったみたいだなぁ…

 

「そ、そうだ!月光灯!これは月の光と同じ力だから、悪魔と戦う時はこれを使おう!」

 

「へぇ、それいい道具だな。」

 

「ホントは狼男になるための、道具だけどね?」

 

「デメリットが狼になるだけか?」

 

「ネズミにされるよりマシだよ!」

 

「「「ははは…」」」

 

「ドラちゃんってほんとに不思議な魔法使うのね〜見直しちゃった!」

 

と美夜子さんが言ったら…

 

「じゃあ!!今度僕とデートでも!!」

 

「ジャキ…」

 

「はっ!ごめんなさい!なんでもないです!?」

 

懲りずに変態顔で言うもんだから、空気砲を構えたら焦りながら引き下がった。

 

「懲りないねぇ〜どっかの狐と一緒で〜」

 

「直ちゃん!?それって僕のこと言ってる!?」

 

「あっ、自覚してたんだ〜…私、スネ夫君なんて言ってないのに〜」

 

「うっ…」

 

ははは…やっぱりこの世界のスネ夫も直ちゃんには敵わないみたいだ、まぁ年下を口説こうとしてるスネ夫が悪いんだけどね。

 

「まぁ、これはほんとは未来の道具で科学の力で」

 

「もー!和人君ったら!科学なんて迷信を信じてるの!?嫌だなも〜」

 

「はぁ…前には自分で言ってたくせにこういう時だけ。」

 

「ドラちゃんもオスって事よね〜…科学サイドのしず姉に見せたらどうなるか…」

 

直ちゃんがそう聞いてきたので。

 

「まぁ、まず間違いなく…」

 

「「ボコボコにされるね(な)」」

 

僕と和人は合わせながらそう言った。科学サイドのしずちゃんは知っての通り曲がったことが大嫌いで悪事をしてる者を見つけると忍者も顔負けな瞬身が使える少女だ。今のドラえもんの愚行を見ていたら、向こうのスネ夫の時のようにズタボロにされるだろう。スネ夫に関しては僕関連なんだけど…

 

「よかったね?ドラちゃん、魔法サイドのしずちゃんで?」

 

「…はい…」

 

ドラえもんは、少し引き気味にあーちゃんの言葉に返事をした。

 

「「「「???」」」」

 

魔法サイドの美夜子さんとしずちゃん、ジャイアン、スネ夫は頭に?を浮かべていた。まぁ、この会話はわかる奴にしかわからないから無理もないか。

 

「さあ、そろそろスピード上げるから、中に入って!」

 

「中?」

 

美夜子さんがそう言うと、真ん中の星のマークが階段になった。

 

「入口は狭いけど中は広いのよ!」

 

美夜子さんがそう言った後にみんなは入って行った。

 

「…」

 

「ん?どうした?のび太」

 

「ドラえもんの奇行で気づかなかったけどさ。宇宙なのに空気がある。」

 

「き、奇行ってのび太くんひどいなぁ…どうも、魔法の世界の宇宙は僕らの世界と随分違うみたいだね。」

 

「根本的に魔法サイドと科学サイドって違うんだね。」

 

ドラえもんが補足にそう言ってくれた。魔法と科学の違いがまたできたのか。いや宇宙に関してはまだ科学サイドの方は行ったことないから確かめようがないけどさ。

 

「まぁ、多分皆待ってるから降りよう」

 

「そうだな、のび太行くぞ。」

 

「うん」

 

僕達は絨毯の中に入った、そこは…絨毯の中とは思えないくらいの広さだった。

 

「すごいなこれは…」

 

「これが絨毯の中?」

 

「ここから下に行けば個室にも行けるのよ!魔界星までは少しかかるから、ゆっくり休んで!」

 

美夜子さんは僕達にそう言った。するとしずちゃんはその言葉を聞き…

 

「お風呂もある!?」

 

「もちろん!」

 

「あぁ!幸せー!」

 

ははは…魔法サイドのしずちゃんは大のお風呂好きで1日に3回は入ってるらしい…科学サイドのしずちゃんもお風呂は好きだけどさ。せいぜい一回か二回だ、ここも魔法サイドと科学サイドでのしずちゃんの違いがわかった気がする。

 

「今すぐ入る?」

 

「入るわ!明日奈ちゃんと直葉ちゃんも入りましょう!」

 

「そうだね〜汗もかいたし。入ろっか?」

 

「うん!」

 

しずちゃんはあーちゃんと直ちゃんを誘いお風呂に入るみたいだった。これ以上は男子は聞いちゃいけないな…まぁ、2人を除いては…

 

「スネ夫…」

 

「ジャイアン…!」

 

しずちゃん達3人が出ていった後に変態ゴリラ(ジャイアン)と狐(スネ夫)が何やら見つめ合いながら、しずちゃん達が入って行った階段を見ていた…はぁ…ドラえもんもそうだけど何でこうも僕の周りは、変態が多いんだよ…

 

「のび太!お前も」

 

「そんな事はしないし、させないよ?」

 

「なんだよ!のび太の癖に生意気だゾ!」

 

スネ夫がそう言ってきた…それどころかまたあの5歳児みたいな顔になってるし。心做しかあの子の声に聞こえた。…ってそれとこれとは別だって!

 

「それは関係ないだろ!お前ら!今から魔界星に行くっていうのに、覗きして何が嬉しいんだ!」

 

「うっ…それは確かに…だが!男にはやらねばならぬ事があるんだよ!」

 

「いやもうそれは最低だっての!?」

 

「ふん!腰抜けな2人はそこにいろよ!」

 

スネ夫がそう言って、ジャイアンと共に下へ行った。はぁ…もういいや…あーちゃんに殺されなきゃいいけど。そして数秒後…

 

「「ぎゃあああああああああ!!!」」

 

2人の叫び声が聞こえた、あーぁ、あーちゃんの逆鱗に触れちゃったねありゃ…そして蓋が開きあーちゃんが出てきた。生きる屍となった変態2人を脇に抱え、僕らに渡してきた。

 

「はいこのゴミ2人返す。」

 

「すまんな。止めたんだが。」

 

「この2人が強行突破したんでしょ?」

 

「うん」

 

「まぁ、いいわ、じゃあ入ってくるね!のびちゃんは覗いてもいいのよ?」

 

あーちゃんはいたずらっ子な顔でそう言ってきた。うん何でだよ!?

 

「覗かないよ!?」

 

「ふふっ、冗談よ。」

 

あーちゃんは笑顔でまた入って行った。ふぅ…ひとまず休憩にするか。僕らはこうして魔界星へ行く間少しばかりの休息に入るのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

私は静香さんの髪を乾かしながら、明日奈さん、直葉さんと話していた。

 

「絨毯の中でお風呂が入れるんなんて、幸せだわぁ」

 

「まぁ、あの二人(ジャイアンとスネ夫)が来て、警戒しちゃったけど。」

 

「アス姉が一気にコテンパンにしちゃったもんね〜」

 

あの二人が来た時の明日奈さんは覇気がほんとに、すごかった。赤いオーラを出しながら、2人を…これ以上は言えないわ。

 

「そういえば、静香さんってほんとにお風呂が好きなのね?」

 

「大好き!一日中入ってても飽きないわ!」

 

「えぇ…」

 

「それじゃふやけちゃうわよ…ふふふ。私もね。小さい頃静香さんや明日奈さんみたいに長かったの。」

 

私は、昔を思い出しながら3人に言った。

 

「ほんとに?」

 

「どうして髪を切っちゃったんですか?」

 

直葉ちゃんがそう聞いてきた。私は少し迷いながらも。

 

「短い方が似合うかなって!」

 

「そうなんだぁ…でも長かった美夜子さん見てみたかったなぁ。長い時でも可愛いかったと思うし。」

 

「そんな事は…」

 

「あると思いますよ。私は今の髪型キープしてるけど、髪伸ばすのもいいかなぁって思ってますし!」

 

直葉ちゃんは自分の髪を触りながら、そう言った。それって。

 

「のび太さんの好みが長い髪の人だからなの?」

 

「いや…どっちかって言うとのび兄はショート…ってそうじゃないよ!?」

 

「なーんだ…そいうえば3人はいつからのび太さんの事を好きになったの?」

 

私はのび太さんの事も聞いてみた。私ものび太さんの事好きになったから、3人がいつのび太さんをすきになったのかも知りたいし。

 

「…いつからだろう。気づいた時にはもう好きなってたの///」

 

「私は小さな時にのびちゃんとおままごとしてたんだけど、その時からかなぁ///」

 

「私は!お兄ちゃん経由で知り合ったんですけど!一緒に遊んでるうちに…///」

 

3人は顔を真っ赤にしながら言っていた。わかる気もするなぁ。のび太さんってなんとも言えない魅力があるから。

 

「そっか〜…私も負けていられないわね?」

 

「こればっかりは負けないよ!」

 

「私もよ!」

 

「ふふふ…」

 

私は、みんなと話してるうちに昔を思い出していた。ママがまだ生きていた頃にもこういう話や髪型の事を話していたから。

 

「美夜子さん?」

 

私が昔を思い出していると明日奈さんから声がかかった。

 

「え?」

 

「どうしたの?」

 

「いえ、なんでもないの!少し風に当たってくるわね!」

 

「え?あ、うん」

 

私は少し風に当たりに外に出た。何だか悲しくなってきたから。ママが亡くなって私は強くなろうと決心していたのに、結果はあのメジューサには負け、パパも連れ去られた。私がもう少し強ければ、あんなことにはならなかったのに…そんな事を思っていると涙が溢れ出した。泣きたくなんてないのに。

 

「美夜子さん」

 

声が聞こえた。私は流していた涙を拭き、後ろを向くとのび太さんが心配そうにこちらを見ていた。私は心配させまいと笑顔で。

 

「あら、のび太さん!どうしたの?」

 

「あーちゃんに聞いたんだ。出ていった後に美夜子さんの顔が少し暗かったから行ってあげてってね。」

 

明日奈さんにはどうやら見破られてたみたい…恋敵でもある私にのび太さんを向かわせるなんて…私はシラを切ろうと。

 

「そんなことないわよ!」

 

と笑顔でそう言った。しかしのび太さんの顔が少し曇った。

 

「なら…どうして泣いてるんだよ。」

 

「え?」

 

のび太さんに言われ、手を目の近くまでやるとさっき拭いたはずの涙がまた流れ出していた。

 

「…美夜子さん。確かに僕達は出会って間もないし。前にも言った通り僕は美夜子さんが心配なんだ。いつ壊れてもわからないくらい、心が壊れかけてるってわかるよ。」

 

「…どうして…」

 

「僕もね…わかるんだ。2回くらい心が壊れた時期があったから。」

 

のび太さんは切なそうな顔でそう言った。

 

「一体…何が…?」

 

「…1回目はあーちゃんを傷付けたから、僕とあーちゃんがおままごとしてたって聞いたよね?」

 

「聞いたわ」

 

その時から好きって事もだけど、これは言っちゃいけないわね。

 

「その時ジャイアン達にそそのかされて、あーちゃんにいたずらしてしまったんだ。」

 

「そんな事が…」

 

「僕はその時に心が壊れて、塞ぎ込んだんだ。僕はその事をドラえもんに言うとドラえもんが過去に連れていってくれた。」

 

「そんな魔法がある!?」

 

私は驚いてそう聞いた。そんな魔法があれば、私もママを助けられて魔界星だって来なくなる!

 

「うん…まぁ、一応ね。」

 

のび太さんの顔が少し暗くなった。あれ?どうしたんだろう?

 

「それで過去に行って、あーちゃんに謝ったんだ…その後に現在戻った僕の学校のクラスに転校生が来るって情報が回ってきたんだ。まぁ、あーちゃんの事だったんだけどね?あーちゃんが転校した日に僕は呼び出された。あーちゃんにね?学校に山があるんだけどそこに和人とドラえもんもいた。ドラえもんはあーちゃん話していたんだ。あの日に来たのは現在の僕だって。」

 

「言っちゃったの!?」

 

「うん…でもね。ドラえもんは気づいたんだ。過去に干渉する事はホントは未来では許されないことを…ドラえもんはそれに気づいて、あーちゃんが引越しする日にその話をしたらしい。僕は泣いてる彼女を見て、事の重大さに気づいたんだ。過去でやった事を過去でやっても、結局は何も無いんだって。それから僕はあーちゃんに本当に謝った。過去でやってしまった事も全部」

 

のび太さんの話は、嘘のような本当の話だった。過去でやった事を過去でやっても…か。私は愚かな事を考えていた。確かに過去に戻れば、ママが死ぬ過去は変えられる。それに魔界星だって来なくなるって思っていたけど、この話を聞いたら、そんな事したらダメなんだ。

 

「それで2回目なんだけどね。和人の事なんだ。」

 

「え?和人くんが?」

 

「うん…僕はあーちゃんの事を後悔したままだった、けど和人のお陰で立ち直ることは出来たんだ。でも…和人は、去年突然姿を消した。」

 

のび太さんの表情はなんとも言えない感じになった。

 

「僕はショックが大きすぎて、半年間家に引き込んでた。義務教育である自分が何で進級できたのか不思議でたまらなかったけど、ママが先生に事情を話してくれてたから、そして半年前に僕は久しぶり外に出た。ママにたまには外に出なさいって言われたから、そんな時にしずちゃんにも再会して、街の商店街に太〇の達人をフルコンボしてる人がいるってしずちゃんから聞いて、そこに行ってみるとほんとにフルコンボしてる人がいたんだ…それが…」

 

「和人君だったのね?」

 

「そうなんだ。僕は和人の顔を見た時…あぁ帰ってきたんだ…そして怒りもあった。この1年間に何をしていたんだって聞いたら…」

 

「俺の親やスグが血の繋がりのない家族って知ったんだ」

 

不意に後ろから声が聞こえた。和人くんだ。

 

「…和人?どうしたの」

 

「どうしたもこうしたも、ご飯の時間だから、2人を呼びに来たんだよ。でもあの話を話してたから俺も言おうと思ってな?」

 

「あっ、そんなに話し込んでたのか。美夜子さん…僕が言いたいのはね。」

 

どうやら、2人で話してたら時間が経っていた。そしてのび太さんが私に向けて言おうとしてた事を理解した。つまり。

 

「…1人で抱え込まないで、みんなに頼ってってことよね?」

 

「そうだよ…僕は過去の経験があったから、今がある。だから僕も頑張るよ…美夜子さんも守るし、何より満月牧師も助け出すよ。約束するよ。」

 

「俺もだ。きっとみんなもそう思ってる。だから美夜子さん」

 

「「僕(俺)達はあなたを守る騎士となるよ。」」

 

のび太さんと和人君はそう私に言ってくれた。何だか嬉しい…でも

 

「守られるだけじゃ…私いけないわ…だから一緒に戦うわよ!…ありがとう。元気出た!」

 

私はのび太さんと和人の頬に手を当てて、元気になった事を伝えた。

 

「じゃあ、下に戻るか。」

 

「「ええ(うん)」」

 

私はのび太さん達と一緒に戦う事をまた決意しながら、下の食堂に直行したのであった。

 




雷神「フゥ…長かったァ」

銀「そりゃこの後半に映画のほぼ後半をぶち込んだこうなるわな美夜子に関してだがどうするんだ?科学サイドに連れてきてよ。」

雷神「なんか作ってる間にああなちゃったw」

銀「次回どうすんだよ」

雷神「魔界大冒険の後日談的なのをやるつもり。美夜子さんの日常風景とか?」

銀「つまりオリジナルってわけだな」

雷神「そういう事w」

銀「はぁ…では次回もお楽しみに!」

雷神「あっ、それと感想での指摘されたんですがスモールライトに関しましては、リトルスターウォーズが始まるまでは、スモールライトのビックライトモードを用います。」

銀「劇中での説明が足りてないんだよ。」

雷神「俺も思ったよ。混乱させてしまいすいませんでした。では改めまして次回もお楽しみに」

【11月30日追記分】

サ「って言っておいて、ビッグライトにしてるのは?」

雷神「リトルスターウォーズまでしばらく時間がかかっちゃうし、スモールライトの解除線を用いてますって説明は無理があったからかな?」

銀「何かココ最近変えてるが何があったよ?」

雷神「この物語に日付をつけるのを忘れてたんだ。ソードアート・オンラインって日付がよく出て来てるし。ソードアート・オンライン要素があるこれにつけないのはお門違いかなって。だから、全部に修正を入れてる。」

銀「そういう事か」

雷神「それでは次回もお楽しみに!」

ーーーーーーーー
【2021年2月8日追加分】

銀「何でまた追加してんだ。」

雷「ちょっちYouTubeで魔界大冒険の最後部分を見て、最後の部分の化学サイドの満月牧師と美夜子さんの事言ってなかったなって思って。」

銀「…そうか、それはまぁいいが、この小説いつになったら再開すんだ?」

雷「…えっとね。今月にはやるつもり。」

銀「はぁ…ヒロアカの方もせにゃあかんのにな。」

雷「うす。」



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第12話魔界大冒険〜キラキラ輝く君になれ〜

のび太視点です。


 

そして地球から3日が経ち…僕らの目の前には黒い星…魔界星があった。

 

「ついに…来たね」

 

「あれが、魔界星か…」

 

「あの星の接近を止めるには、悪魔族の王…大魔王デマオンを倒すしか道はないわ。」

 

美夜子さんは僕達にそう言い聞かせるように、魔界星に顔を向けながらそう言った。

 

「魔界星を包む黒い炎への入口はただ1箇所に存在する。地球で言うと南極にある場所にある穴から入るらしいわ。ただし、10秒で通り過ぎないと何もかも燃やし尽くしてしまうらしいわ。」

 

魔界歴程を開き、美夜子さんは魔界星の入口を教えてくれたが、猶予は10秒…10秒以内に入らないと絨毯はもちろん僕らのやき尽くされてしまう。

 

「10秒か…」

 

「フルスピードで突っ込んでも、もつかどうか…」

 

美夜子さんの心配をよそにとうとう炎裂け目までやってきた。その裂け目は、見た目は台風のようだった。

 

「重力圏に突入するわ!みんな!何かに捕まって!」

 

そう言われたみんなはなんとか掴んでいたが…僕は何も掴めずすんでのところで転がってしまった…こういう時に不運はいらないんだけど!?…そうこうしてるうちに絨毯は魔界星の重力圏に入りフルスピードで魔界星に突っ込んだけど、やはり炎の威力に負けて絨毯は至る所から、燃えだしたので僕らは急いで脱出し、タケコプターで空を飛び絨毯が南極に激突し爆発した所を見ていた。

 

「急いで!悪魔達がこれに気づいて、ここに来るかもしれないわ!」

 

美夜子さんそう言われ、僕らは物陰に隠れその様子を伺っていた。するとほんとに悪魔達が来て、絨毯の周りを取り囲んだ。そして話し終わったのか、再び飛び立ちどこかへ行った、それをスパイ衛生で追跡させた。それはともかくとして…

 

「さ、寒い…」

 

「この格好だからなぁ…」

 

僕らの今の格好は半袖に半ズボンだったので、当たり前だけどすごく寒かった。

 

「さ、寒いけど、後を追うよ!」

 

僕達はタケコプターで、悪魔達のあとを追うため飛び立った。しかし…

 

「…眠い…」

 

吹雪の中、突然睡魔が襲いかかってきた。ここで寝たら頭が凍って死んでまう…でも僕は知っての通り睡魔には従ってしまうわけで…

 

「ぐぅ…」

 

僕はその後の記憶はなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕は夢を見ていた…謎のクリームがその手にあり、それを手で少し肌に付けるとそこだけ暖かくなった。どういう夢だよ。そして僕は誰かに呼ばれた気がした。これは夢つまり誰かが起こしてるんだ。

 

「まぁ、起きるしかないよね。」

 

僕はそう言った後に目を覚ました。身体が火照っていた。横を見るとドラえもんと和人が2人で僕に何かを塗っていた。

 

「…和人にドラえもん?」

 

「あっ!起きたね!今塗ってるのは[あべこべクリーム]!寒いところでこれを塗れば、熱くなるんだ!その逆も然りだよ!」

 

「すごい!身体中ぽかぽかだわ!」

 

「あったかいー」

 

どうやらみんなもそれを塗っていた。あれは夢じゃなかったのか。そして僕達はまた飛び立った。

 

「見て!南極を抜けるわ!」

 

南極を抜けると海が広がっていた。それを通り過ぎた。そして…

 

「気をつけて!あと少しで悪魔達が住む大陸よ!」

 

美夜子さんがそう言い目の前にあるのは悪魔達が住む陸地があった、僕達は上陸しようとしたしかし…

 

「あぁ!!タケコプターが!」

 

僕のタケコプターのバッテリーが切れて、白亜紀の時みたいに回された。それが終わった後に周りを見たらみんなも同じでバッテリーが切れていたようだった。僕達は陸上に急いで行ったら間に合った。そしてその後にスパイ衛生を見ることにした、スパイ衛生に映っていたのはデマオンがいるであろう城だった。

 

「あれにデマオンが…パパも…」

 

「どうやって近づくんだ?周りは魔物だらけだぞ?」

 

和人がそう言うとドラえもんは少し考えてから言った。

 

「考えがあるよ![モグラ手袋]!」

 

ドラえもんは手袋を出してから、掘り出した。岩も柔らかく掘れるんだな。僕達は穴に入ってドラえもんの後を追った。美夜子さんがナビゲーションしながらドラえもんは掘り続けていた。途中からジャイアンに変わってからはものすごい勢いで掘り進めれた。そして目的の場所の真下に着き、再びスパイ衛生の映像見ていた、スパイ衛生は悪魔の裾に忍び込んだ。そのまま広い広場まで来たら大きな影がそこにはあった。

 

「あれは?」

 

「多分あれが、大魔王デマオンよ。」

 

あーちゃんが代表して口にした時に美夜子さんがそう説明してくれた。そして再びスパイ衛生の映像に目を移すと。

 

『地球人達は依然見つかりません。』

 

『ふふふっ…少しはやるようだな』

 

デマオンはそう言いながら、手に稲妻を走らせ悪魔…いやスパイ衛生に向けてその稲妻をぶつけた。どうやら見破られたようだった。スパイ衛生からの映像は消えてしまった。

 

「…映像越しからでも強さがわかるな。」

 

和人は汗をかきながら、そう言った…実際僕も汗が止まらない。

 

「大魔王デマオンを倒すには、この銀のダーツを心臓に投げつけること。」

 

美夜子さんが魔界歴程から出した銀のダーツを出しながら僕達にそう説明した。

 

「ダーツは12本…今居るのは9人か」

 

「3つ余っちゃうね…どうする?」

 

「…公平にジャンケンで行くか。」

 

僕達は余った3つを誰が持つかを決めるためにジャンケンをした。その結果…

 

「のび兄とお兄ちゃんと美夜子さんかぁ」

 

余った3つは僕と和人と美夜子で持つことになった。これに加えて、ドラえもんから月光灯も人数分配られた、ドラえもんは他にも。

 

「[盲点星効き目長持ち安心バージョン]!これを付けた人は相手の盲点に入ってしまうんだ!」

 

「盲点って視神経と接続する、網膜上の点。映像がここに結んでも視覚を欠き、その物が見えないってあれか?」

 

「そうそう!これはそれを意図的にするやつなんだ!つけてみるよ!」

 

ドラえもんが盲点星を付けるとドラえもんの姿は消えた。それに続き僕らも付けたら完全に皆消えてしまった。ほんとにドラえもんの道具の効力ってすごいね。ある人の言葉を借りるならば…かがくのちからってすげー!

 

「馬鹿な事考えてるだろ。」

 

「な、なわけないだろ!」

 

和人が姿は見えないけど、多分ジト目でこちらに声をかけてきた。何でわかるんだよ…

 

「じゃあ、みんな行くよ!」

 

ドラえもんの一声で僕達は地上に向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

地上に出ると、悪魔やドラゴン達がそこら中にいた。途中の階段で悪魔に見つかりそうになったけど、相手は見えてなかったので事なきを得た。

 

「それにしても広いな」

 

「とりあえず満月牧師が捕まってる部屋を探そう。」

 

「でもこんなに広いと探すのも骨だぞ。」

 

階段を登る途中悪魔と顔が合った。でもやっぱり見えていないようなので、急いで上へと向かった。しかし…

 

「もう…登ったり降りたりへとへとだよ。」

 

この城はすごく入り組んでいて、登ったと思ったら、また降りたり、登ったりを繰り返した。直ちゃんが言うのも納得するよ。

 

「満月牧師〜!」

 

僕は小さな声で満月牧師を呼んでいた。ドラえもんにたしなめられたがそれでも呼んだ。

 

「ん〜…?あっちだよ。」

 

寝ぼけていた悪魔に教えて貰った。いやいや見えてないはずなのに何で顔がかち合ったんだよ!?とりあえず、僕達は言われた方へと進んだ。奥には大きな扉がありそれを開けたがそこにはだだっ広い部屋があるだけで何も無かった。満月牧師の姿も。

 

「ねぇ…人を閉じ込めておくには広すぎない?」

 

しばらくそこを歩いてたら、あーちゃんがそう言った…確かにこの部屋は人一人を閉じ込めるには広すぎる気がする…というかここってスパイ衛生が最後に映した部屋にそっくりだ。次の瞬間だった…

 

『地球人の分際でよくここまで来たな。』

 

デマオンの声が姿も無く聞こえてきた。僕達は厳戒態勢を取った。僕らの目の前に大魔王デマオンが姿を表した。

 

「デマオン!!パパはどこなの!」

 

「満月牧師じゃなかった!あの寝坊助悪魔に騙された!」

 

「ふふふっ貴様らの姿など、全てお見通しだ!」

 

デマオンはそう言って、水晶を僕達に向けた。そういう事かあの水晶で僕らの姿を見て、ここまで誘導されたってわけか!!僕達は盲点星を外してからデマオンに向き直った。

 

「大魔王デマオン!地球侵略を諦めて、引き返しなさい!!」

 

美夜子さんがそう叫んだ。しかしデマオンは不敵な笑みを浮かべ嘲笑うかのように。

 

「ふん…それは出来ぬな…地球には我々悪魔族が何千年もの間、狙ってきた獲物…諦めるには美しすぎる星なのだ…」

 

デマオンは淡々とそう言った。

 

「ならば覚悟!!」

 

美夜子さんの合図で僕達は銀のダーツを構えた…しかしデマオンは青や紫といった色の炎を纏った後に僕らの周りにデマオンが増えた。

 

「本体は一体!他は幻よ!!」

 

美夜子さんが僕達にそう言った後に銀のダーツを投げたがその先にいたデマオンは幻だった。みんなも次々と投げたがそれも空振りだった。

 

「くっ!!もう銀のダーツもない!!どうすれば!!」

 

僕と和人と美夜子さん以外のみんなは銀のダーツを投げ終えたので、もう手持ちに銀のダーツがなかった。他には月光灯…これだ!!

 

「はっ!!」

 

僕は月光灯をデマオンに向かい放った。デマオンは幻を消しながら、苦しんでいた。

 

「何だァ…この光はぁ!?」

 

「今だ!!」

 

和人と美夜子さんは銀のダーツを投げた。僕は投げなかった何だかいや予感がしたから。

 

「う…うわぁぁ!!!…ふふふふ!!!ハハハハハ!!!効かぬ。」

 

「そんな!?何でなの!?」

 

確かに2人は心臓に向けて銀のダーツを投げたはずだ…胸の左側に…いや待てよ?

 

「そこには心臓がないんだな!」

 

「ふ…その通りだ。」

 

「くっ!!」

 

デマオンがそう肯定した後に美夜子さんが走り出した。剣を持って、デマオンに向けて斬りかかったがデマオンは斬られても何事もなかったかのように立ったままだった。そして風を起こし美夜子さんを吹き飛ばした。僕は走り出して美夜子さんを受け止めた。そして僕は美夜子さんが持っていた剣を持ちデマオンに斬りかかった。やはり実体がないようにすり抜けてしまった。

 

「のび太!無茶するな!!」

 

「分かってる!でも!」

 

「ふっ!!虫けらどもめ!!」

 

僕と和人が話してるうちにデマオンが風の魔法を放ち、僕達は城の壁をぶち破り吹き飛び散り散りなってしまった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「のび太君!!」

 

「のび太!!」

 

「…ん…?」

 

僕はどうやら気を失ってしまってた…ドラえもんと和人の呼び声で目が覚めた。

 

「早く隠れて!!」

 

「悪魔族が来る!」

 

「うわっと!!」

 

僕はそう言われ、物陰に隠れた。

 

「みんな!一旦逃げて作戦を練り直しましょう!城の反対方向に森があるのが見える?」

 

美夜子さんが言った方を見るとほんとに森があった。

 

「[盲点星]を付けたら全速力であの森を目指して!森の入口で落ち合いましょう!」

 

僕はそう言われてから、盲点星を付けて走ろうとした。しかし…

 

「痛い!」

 

「あーちゃん!?」

 

走ろうとした時にあーちゃんが隣に居たらしくぶつかってしまった

 

「ごめん!あれ?何この柔らかいの…?」

 

「早く手を離して!!」

 

あーちゃんがすごい形相でこちらを睨んできた。僕は自分の腕の先を見ると僕の手があーちゃんの胸を掴んでいた…ってこんな時まであれって出るの!?じゃなくて!!

 

「あーちゃんごめん!!」

 

「もういいわ!!さっさと行くわよ!//」

 

「はい!?」

 

少しトラブルが起きたが、僕達は盲点星を付けて走り出した。しかし…

 

「うわぁ!?」

 

ジャイアンが…

 

「ママぁ!!」

 

スネ夫が…

 

「いやぁぁ!!!」

 

しずちゃんが…

 

「きゃあああ!!」

 

さっきまで近くにいたあーちゃんも…僕はみんなの悲鳴を聞きながらも走り続けた。こうしないといけないから、でも僕はつまづいてしまいちょっとした穴に落ちてしまった…その時盲点星が砕けてしまった。

 

「くっ!!ここまでか!!ってうわぁ!?」

 

僕は捕まるかと思ったけど、身体が宙に浮いた。そのままに僕は洞穴まで来たそこには…

 

「美夜子さん!?」

 

美夜子さんがそこにはいた。盲点星を外して、僕を助けてくれた。

 

「し…」

 

美夜子さんは、上を見たそこには悪魔達が落ちた洞穴を囲っていた。

 

「…のび太さんこれを使って。」

 

「これは…」

 

美夜子さんが渡してきたのは、美夜子さんが付けていた盲点星だった。待ってよこれって!

 

「まさか!犠牲になるつもり!?」

 

「そうよ!私が悪魔達を引きつけるから、その間に!」

 

「待ってよ!!言っただろ!!守るって!」

 

僕はそう言った。でも美夜子さんは少し怒りに満ちた顔でこちらを向き。

 

「あなた魔法が使える!?悪魔と戦える!?ここで2人とも捕まったら誰が地球を守るのよ!!」

 

「美夜子さん…」

 

わかってはいた…僕には魔法も戦える道具もない…守るとか言っといて結局は何も出来やしない…

 

「…ごめんなさい…言いすぎた…とにかく今は逃げて。私ね…最初に会った時のび太さんの事頼りにないなぁって思ってたんだ。でも2人で話した時にあぁ…この人ってこんなに頼れるんだって、3日前の絨毯の時も…それに皆が一緒にいてくれたから、一人じゃなかったから何も怖くなんかなかった。のび太さんと和人さんが言ってくれた時なんてほんとに嬉しかったの。」

 

美夜子さんはそう語ってくれた。そして涙を流しながら笑い悪魔達がいる所へと飛び出して行った…

 

「美夜子さーん!!」

 

僕は涙を流し、再び走り出した。無我夢中で森の方に駆け出した。必ずみんなを助けに戻るから!美夜子さん!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

森に着き、和人とドラえもんと直ちゃんが後からやって来た、叫び声は聞こえたけど、まだ捕まってないと思って、僕らは空を見上げながら、みんなを待っていた。

 

「月が…真っ赤だ…血みたいに真っ赤だ…」

 

ドラえもんは空を見上げながら、そう呟いていた。この魔界星にも月があるとは思ってなかった。

 

「みんな…来ない…」

 

「……やっぱり捕まったんだね…」

 

考えたくはなかった。でも…来ないという事はやっぱり捕まったんだ。

 

「銀のダーツが使えなかったのは、あそこの部分に心臓がなかったから…どこかにあったんだ。」

 

「魔界歴程のもう半分があればそれもわかったのかもしれない。」

 

「……僕がこんな世界にしなければ…」

 

あの時魔法なんて思い付かなかったらこんなことにはならなかったんだ。僕は魔法ならなんでも出来るって思い込んでいた。これがこの結果だ。

 

「お前だけ責めるなって…俺達もあの場に居たから、同罪だ…」

 

「でも!!僕が最後まで駄々を捏ねて!魔法を否定した和人やドラえもん、あーちゃんの言葉を素直に受け取ってなかったから!!」

 

「私だって、魔法の世界を否定しなかった!もしもボックスを思い付かなかったらって…!」

 

僕と直ちゃんは罪の意識からか、涙を流しながら言っていた。するとドラえもんが…

 

「みんな……取り返しはつくかもしれないよ」

 

「何でだ?もしもボックスはもうないぞ?」

 

ドラえもんは神妙な顔をして僕らに話しかけた。和人はもしもボックスの事を言ったがドラえもんは…

 

「…明日奈ちゃんの時みたいに過去に戻って過去の僕らにもしもボックスを使わせないようにするんだよ!」

 

「…それはどういう意味かわかってるのか!?また時間犯罪に手を染める気か!!」

 

「世界を救うためにやるんだよ!」

 

「…くっ…背に腹はかえられんか…でもタイムマシンはのび太の部屋にあるぞ?」

 

和人も言った通り、今タイムマシンがあるのは僕の部屋の机の中だ。いくらこの星が地球には近づいてるとはいえ、戻るには時間がかかる。

 

「これを使おう。[取り寄せバッグ]!これはワームホールが内蔵されており、遠くの場所にある物をバッグを通じて手元に取り寄せることができる道具なんだ!地球ののび太君の部屋から机をっと。出た!さぁ、3人とも!」

 

「「「うん!!」」」

 

僕らはタイムマシンに乗り超空間に居たしかし…

 

ビーッ!ビーッ!

 

「なに?」

 

「後ろに何かいる…」

 

タイムマシンから警報がなり、後ろを見てみると

 

「メジューサ!?ドラえもん!!」

 

「うん!」

 

メジューサが超空間を何も無く航行していた。ドラえもんはヴァサゴの時の様に猛スピードで過去の世界に行った。そして僕達は過去の僕の部屋まで来た。

 

「くそ!まだ追ってくる!!」

 

「一先ずタケコプター!!」

 

僕らはタケコプターで逃げようとした…が

 

「電池切れーー!?」

 

電池切れなのを忘れていて、落ちた。僕達は箒があったので仕方なくそれを乗ることにした。

 

「大丈夫なのか!?」

 

「火事場の馬鹿力ってやつだよ!!」

 

そう言った瞬間飛べた。上を見るとメデューサがこちらに来たので急いで飛べと言った。

 

「飛べ!!」

 

飛べはしたが、やはり4人も乗ってるので上手く飛べずにジグザグに進んでいた。そして僕達はメジューサからの魔法で石になってしまい、ドラえもんと直ちゃんは僕の家へ。僕と和人は木の上に落ちた。そうか…やっぱりあの時の石像は僕らだったんだ…そう思ってるうちに僕らは木の下に落ちて、ジャイアン、スネ夫、しずちゃんがやって来て、しずちゃんがどこかに行き。そのあとに僕達がやって来て僕らを持ち庭へ行き、そのまま放置された…そして夜になり、月が出てきた時だった。

 

「痛たたぁ…戻った。」

 

「きっと月の光だ。ってそんなこと言ってる場合じゃない!あと少しでもしもボックスが使われる!」

 

「早く急ごう!」

 

僕達は急いで玄関から通り抜けフープっていう道具で中に入り、行こうとしたが…

 

「あぁぁ!!?月が!!」

 

「固まるぅ!!」

 

僕達は再び石になってしまった…

 

 

「なーにこのガラクタ?」

 

「勝手に入ってきたんだよ!」

 

「庭に置いてあったんですよ!?」

 

「そんな馬鹿な石が勝手に動くわけないだろ」

 

「夜中にこんな悪ふざけして、早く片付けなさい!」

 

僕達はドラえもんのポケットの中にいた…ポケットの中は色んなひみつ道具があった。

 

 

『ドラえもん!』

 

『んー…どうしたらいいんだよ〜…あっ!』

 

ドラえもんは何かに気づいた。そこには月光灯があった…なるほどあれの光を浴びて元に戻るのか。

 

『ぐぬぬーー!』

 

『ドラちゃん!頑張って!』

 

『おりゃ!』

 

ドラえもんが少し動いて、月光灯を蹴り飛ばしたそしたら、色んな道具がぶつかった後に月光灯にヒットマンのような道具があたり月光灯は光出して僕達に当たった。

 

「あおーん!!」

 

「鳴いてる場合か!!暴れてここのドラえもんに気づかせるんだ!」

 

「そうだね!!」

 

僕達はひたすら暴れた。月光灯の効き目が切れるまで…しかし過去のドラえもんには気付かれずにそのまま月光灯の効き目は切れてしまった…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ーーー太君!のび太君!!」

 

僕はいつの間にか気を失っていたようだった。ドラえもんに起こされた。でも何で僕達は元の姿に戻ってるんだ?

 

「この子が助けてくれたんだって!」

 

直ちゃんが指をさした。その先には黄色いドラえもんより小さなロボットが目の前にいた。

 

「…はじめまして!私!ドラミ!お兄ちゃんの妹なの!」

 

「でもどうしてここに来たんだ?」

 

ドラえもんは疑問に思ったのか。ドラミちゃんに聞いていた。

 

「セワシさんが言ったの、お兄ちゃんの腹痛の原因は四次元ポケットにあるかもしれないから、スペアポケットで様子を見たらどうだって、そしたら、石になった4人を見つけたってわけ!」

 

「ドラミー!!」

 

ドラえもんは感極まってドラミちゃんに抱きついた。ドラミちゃんのお陰で助かったんだ。僕らは兄妹の抱擁を微笑ましくそれを見ていた。

 

「やめてよもう〜…一体どうなってるの?」

 

「それは僕から説明するよ。ドラミちゃん。」

 

僕はドラミちゃんに関節丁寧に事の次第を説明した。

 

「まぁ、そんな事があったの?じゃあ、これで解決よ!もしもボックス〜!」

 

ドラミちゃんは即解決とばかりに、もしもボックスを出した。でも僕は少し疑問に思った。

 

「…疑問なんだけど、これで世界は元に戻るけど、魔法サイドの出来事はどうなっちゃうの?」

 

「そ、それは…」

 

ドラえもんは歯切れ悪く、少し申し訳なさそうにしていた。

 

「つまり並行世界(パラレルワールド)になっちゃうの」

 

「パラレルワールドって…あの?」

 

並行世界(パラレルワールド)…それはつまり世界が分岐して科学サイドと魔法サイドで分かれてしまうという事…

 

「ダメじゃないか!そんな事したら、美夜子さんを裏切ることになる!それにあーちゃんも置いてくことになっちゃうじゃないか!」

 

向こうの世界にはあーちゃんもいる。そんな事したら、あーちゃんは置いてけぼりにしてしまう。それに僕は、美夜子さんと…だから…!

 

「…ドラえもん…和人…直ちゃん…戻ろう…」

 

「のび太?」

 

「僕は約束したんだ…美夜子さんのお父さんを助けて、悪魔達から美夜子さんを守るって…誓ったんだ!必ず美夜子さんを助けるって!!」

 

「俺だってそうだ…忘れるとこだった…」

 

「私も戻るよ!!私だって、美夜子さんやアス姉達を助けたい!」

 

「うん…戻ろう!決着をつけるために!」

 

僕達は決着をつけるために、魔界星に戻った…美夜子さん、みんな!待っててね!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕達は魔界星に戻り、まずは絨毯をタイム風呂敷で戻してから、城へと直行した。

 

「じゃあ、作戦通りにね!」

 

「「「「うん!!」」」」

 

僕達はそれぞれ魔界星に行く前に練った作戦通りに行動を開始した。僕はみんなを助ける為和人と共に皆が捕まってる所までやって来た。中にいる悪魔達が出ていった後に僕は通り抜けフープを壁に付けてから、中に入った。

 

「みんな!」

 

「助けに来たぞ!」

 

「「「「「「のび太(のびちゃん)(のび太さん)(のび太君)!?和人(和人君)(和人さん)!?」」」」」」

 

「って美夜子さん元に戻ってる!」

 

「そうなの!魔法をパパが解いてくれたの!」

 

「よかった!」

 

僕は美夜子さんが人間の姿に戻ったのを見て嬉しくなった。するとドラえもんが後から入ってきた。

 

「みんな…あれ?美夜子さん元に戻っちゃったの…?」

 

「ジャキ…何か文句でも?」

 

ドラえもんがあからさまに落ち込んだのを見て僕はまた空気砲を装着し、突きつけそう言ったらドラえもんはすごい汗をかき

 

「な、ないです!?」

 

と全力で言った。ともかく皆を助けることが出来た。

 

「のび太さん!!」

 

安心してる間に美夜子さんが抱き着いてきた。ドラえもんが美夜子さんについていた手錠を外したんだろう。

 

「本当にありがとう!約束を守ってくれて!」

 

「うん!でもまだ安心は出来ないよ。」

 

「そうね…行きましょう!」

 

美夜子さんは笑顔でそう言った。そしてドラえもんが通り抜けフープで外に出たが…

 

「さぁ、急いで!ドラミが悪魔を引き付けてるうちに…あっ!?」

 

悪魔の1人とかち合ったやばいな。

 

「だ、誰だ貴様!ん?星が1つ2つ3つ4つ…!?し、失礼しましたー!?」

 

「何今の?」

 

「この帽子が役に立ったみたい…ははは…心臓に悪い。」

 

そんな事がありながらも、僕らは直った絨毯に乗り、飛んでいた。

 

「絨毯は燃えたはずなのに!?」

 

「…僕の魔法さ!」

 

ドラえもんが疑問に思っていた美夜子さんにそう言った。その後ドラえもんの気球を壊したドラミちゃんを救った。

 

「ドラちゃん!このまま月に向かうわ!メデューサが月の魔力を消し去るつもりなの!」

 

「…なるほどね…じゃあ、みんな!中に入って!大丈夫!あべこべクリームを絨毯に塗ってあるから!」

 

僕達は絨毯の中に入り、炎を突っ切った。そのまま絨毯は月まで直行した。月まで来ると、裏側にメデューサがおり今にも中心部を突き刺そうとしていた。

 

「まてぇ!!」

 

「もう遅い…地球は悪魔族の…?」

 

メデューサの動きが止まった。美夜子さんの方を見ていた…

 

「やめてぇ!!」

 

「う…うぅぅぅ!!」

 

メデューサは急に苦しみ出した。美夜子さんを見てから何だかおかしい。そしてあの猿が苦しむメデューサを押さえつけいた…しかし猿はメデューサにぶん投げられた…仲間割れか?でもメデューサはそのまま剣を月の中心部に突き刺した。月は眩い光を放ち、次の瞬間には月の光が無くなっていた。そして僕達はいつの間にか月に落ちていた。メデューサの方を見ると…

 

「う、うわぁぁぁ!!?」

 

メデューサはさっきより苦しんでいた。直に月の光を浴びたせいなのか。

 

「あれは…嘘…!ママ!」

 

美夜子さんと満月牧師は、苦しんでいたメデューサの方に走り出した。メデューサの姿はどんどん溶け出して、女性の姿になり倒れかけたところを美夜子さんが受け止めた。あの人はまさか…

 

「美夜子…!」

 

「ママ…?」

 

「こんな…こんな事が…どうしてなんだ…」

 

「あの時の悪魔と契約を交わした時に私の魂は悪魔に囚われてしまったの…それかずっとデマオンの下で…ごめんなさい…あんな事をするなんて…美夜子の大切な友達まで騙して…でも…貴女を…貴女を助けたかった…だけなの…」

 

美夜子さんのママは、涙を流しながら美夜子さんや満月牧師にそう言っていた…

 

「ふふふふ!!ははははは!!!皆の者!!月の魔力は解かれた!!我々の邪魔をする者は生きて帰すな!!!」

 

デマオンの声が聞こえた。そんな中まだ美夜子さんのママはまだなにか言おうとしていた。

 

「魔界星に…魔界星に浮かぶ赤い…月…」

 

「月…?月が何!」

 

その瞬間また美夜子さんのママが消えそうになったが、なんとか持ちこたえたらしくこう言った。

 

「それが…デマオンの…心臓!」

 

「ママ!行かないで!」

 

美夜子さんのママは力の限り声を振り絞りそう言った…しかしどんどん姿が消えだしていく…

 

「美夜子…あなたを愛してるわ…大切な人を大事に…ね…」

 

そう言って美夜子さんのママは完全に消えてしまった…美夜子さんのママはメデューサの姿になったとしても、美夜子さんを見守っていたんだ…魂を捕われたとしても…

 

「うぅ…」

 

「くっ……」

 

僕達は泣いている満月親子を見て…決意をさらに強固なものとした…僕は…いや僕達はアイツらを絶対に許さない!

 

「「「「「「「「美夜子さん…」」」」」」」」」

 

僕は後ろを振り向き、美夜子さんが涙を流しながらペンダントを抱きしめていた。僕達は手を出し美夜子さんを呼んだ。美夜子さんと満月牧師は涙を拭き、こちらを向いた。そして美夜子さんが僕の手を握った後にみんなも握り。最終決戦へと身を投じた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

僕達は絨毯に乗り、デマオン率いる悪魔族に向かっていった。

 

「星よ!雷となれ!人間どもを打ち砕け!!」

 

デマオンは、星を謎の魔法をかけて、僕達を襲わせた。僕らはドラえもんの道具で戦う者と自身の魔法で戦う者に分かれてからそれを打ち破っていた。そして僕達の最終目的である、デマオンの心臓まで近づいた。デマオンも気づいたのか悪魔達に指示していた。

 

「くそ!キリがない!」

 

「近づけないわ!

 

「数が多すぎる!」

 

「そうだ![どこでもドア]ーーー!!!」

 

ドラえもんがどこでもドアを出して、心臓の近くまで来た。僕が持ってる銀のダーツを打ち込んだらこれで終わりだ!

 

「のび兄!決めちゃえ!!」

 

「やっちゃぇぇえええ!!!」

 

「おりゃああああ!!」

 

「[ビッグライト]ーーー!!!」

 

僕が投げた銀のダーツをドラミちゃんが大きくして、大きくなった銀のダーツはデマオンの心臓に突き刺さった。

 

「やめろーーーーーーーーーーー!!」

 

デマオンの心臓は一回脈打ち、そして崩れ始め、魔界星にぶつかり魔界星は完全に消滅した。

 

「終わったね…」

 

「うん…のび太さん…本当にありがとう!大好き!」

 

「えっ…ははは…ってあれ?ペンダントが光ってるよ?」

 

「これはママの…あぁ!」

 

美夜子さんの持っている美夜子さんのママのペンダントが光りだして、いい線上になった光が月に向かって行きその光の元なのか…美夜子さんのママのおかげなのかわからないけど、月の魔力と光が元に戻った。それを見届けた。

 

「やったぁ!」

 

「のび太やったな!」

 

「え?あぁ…うん!これでみんなとお別れだね…」

 

「のび太さん?お別れって?」

 

「訳は帰ってから説明するよ…それに教会も直さないとね…」

 

僕は…美夜子さんに疑問を持たれたのか聞かれたが帰ったら話すと言った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

地球に戻り壊されていた協会を僕達は直した後に湖で美夜子さんと二人きりで話していた。

 

「まさか…のび太さん達が科学サイドの人間だったなんてね…」

 

「なかなか言い出せなくてごめんね」

 

「いいのよ…でも私諦めないからね?」

 

「この世界には魔法サイド僕もいるんだよ?そっちに…」

 

僕は言葉を続けられなかった。どうしてかって?それは頬に美夜子さんからキスをされていたから…ってなんで!?

 

「…これが私の気持ち…確かにこの世界ののび太さんもいる…でも私は科学サイドのあなただったから好きになったの…」

 

「僕が元に戻したらもう会えなくなるんだよ!」

 

「この恋を諦めないわ。たとえ別世界なったとしてもね?」

 

「…はぁ…僕の周りの女の子はほんとに活気だよ…」

 

「そういえば、科学サイドの静香さんって…」

 

「元気いっぱいで曲がったことが嫌いな女の子だよ」

 

「ほんとに性格が違うのね。」

 

並行世界(パラレルワールド)の影響かもね。」

 

「そっかァ…明日奈さんも直葉ちゃんも和人くんも科学サイドなのね?」

 

「うん…そ「のび太くーん!!」どうやら、時間みたいだね。」

 

「もうそんな時間か…そうだ!握手しよう!のび太さん!」

 

「それくらいは…」

 

僕と美夜子さんは最後に握手をし、和人、あーちゃん、直ちゃん、ドラえもん、ドラミちゃんと一緒にこの世界から化学サイド戻す為に、家に帰るために空を飛んだ。下を見ると美夜子さんは、まだ笑顔で手を振っていた。ありがとう美夜子さんやこの世界の事はかけがえのないものだからね。どんなに離れていても…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕達はドラミちゃんのもしもボックスで元の世界に戻した。

 

「ほんとに戻ったのか?」

 

「さぁ?じゃあ一応…チンカラーッホイ!」

 

僕は確かめるため、あーちゃんと直ちゃんに向けてチンカラホイと唱えた…

 

「何も起きないね…でもねのびちゃん…何で私達に向けてやったのかなぁ?」

 

「いやぁなんとなくなだよ…ははは」

 

「笑って誤魔化さないの!もう…あっ。」

 

「どうしたの?…あっ。」

 

あーちゃんが居間の方を見て止まったからそこを見るとテレビに取材陣に囲まれているこの世界の満月教授と遠くでその様子を見ている美夜子さんが映っていた…。内容的には突如としてブラックホールが、出てきたけど、消えたらしい…あの世界の魔界の件がこっちの世界にも影響していたのか…

 

「こっちの世界もえらいことになってたんだな。」

 

和人が驚いた顔をしてそう呟いていた。僕も実際驚いてる。魔界の事や美夜子さんの事…終われば全部が嘘のように感じる。…この世界には僕達が知ってる美夜子さんがいないし…

 

「ん?どうした。」

 

「美夜子さんの事考えてるの?」

 

和人や皆は心配そうな顔で僕を見ていた。いや考えたって、しょうがないか。この世界の美夜子さんとも縁があれば会えるかもしれないしね!僕は考えを振り払った。

 

「なんでもないよ!さぁ!しずちゃん達にこの事話に行こ!」

 

「あっ、おい!」

 

「のび兄、いきなり元気なった!?」

 

「のび太くん!」

 

 

そう決意して、僕は走って空き地にいるであろうこの世界のジャイアン、スネ夫、しずちゃんに会うために玄関の外に出て、道路に飛び出した。でもそこには人がいたから急ブレーキで止まった。

 

「すいま……美夜子さん!?」

 

謝ろうとしたらそこには、ついさっき別れたばっかりの美夜子さんがいた…いやいやさっき決意したばっかりなのに!?

 

「こんにちわ。のび太さん!」

 

「どうしてここに!?ていうか近くにいたの!?」

 

「そうよ、もしもボックスの事はある程度聞いてたし。」

 

「でも満月牧師にはどう!?」

 

「パパにはちゃんと説明して、説得したわよ?」

 

「えぇ…じゃあ、この世界で生きる気?」

 

「もちろんよ!これからもよろしくね!」

 

美夜子さんは笑顔でそう言った。よく見てみると美夜子さんの背があーちゃんくらいの背になっていた。この科学の世界に来たからなのか。彼女の笑顔を見ながら何かが起きてるんだろうかと思いながら、僕達の魔界大冒険は幕を閉じた…



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第13話美夜子さんの化学の世界の私生活

前の8話を消し新しくしました。

オリキャラの2人を特殊な役割にしています。

視点は、前半美夜子さんで後半は第三者目線です




ーー2018年7月14日ーー

 

 

あの事件から1週間が経つ7月14日。私は今学校の教室の前にいた。私が無理に来たせいかわからないけど、この世界に来て2日後に私の年齢がのび太さん達と同じになっていた。原因は不明のままだけど、私が今住まわしてもらっている、のび太さんのご両親に学校に行った方がいいと言われ、手続きをしてくれた。

 

(ほんとにのび太さんのご両親には感謝ね。)

 

私は心の中で呟いた。こんな身元もわからないような子を(この世界にも私はいるけど)住まわしてもらってる上に学校にまで行かせてもらうんだから。

 

「では、満月君入りなさい。」

 

「はい」

 

私は先生に呼ばれ、教室の中に入った。教室の中にはのび太さん、和人君、武さん、スネ夫さん、静香さんが居た。6人は私を見て手を振ってくれた。静香さん達には私の事を全部話した。みんなは疑うことなく信じてくれた。私は教卓の隣に立ち自己紹介をした

 

「親の都合で転校してきました。満月美夜子です。よろしくお願いします。」

 

「「「また女の子だ!!うおおおおぉ!!!」」」

 

私がそう言ったあとに男子が悪盛り上がりをした…ははは…

 

「男子!静かに!!美夜子さんが困ってるでしょ!」

 

そう言ったのは、メガネにポニーテールをした女の子だった。なんだか委員長っぽいな〜。

 

「村原君の言う通りだ。静かに!さて、席は…野比の隣が空いてるな。あそこに行きなさい。」

 

「はい」

 

先生がそう言ったあとに男子は静かになり先生が指さしたのはのび太さんの席の窓側の席だった。私は歩きだしのび太さんの隣の席に座った。

 

「美夜子さんよろしくね。」

 

「うん!よろしくね。」

 

のび太さんにそう言われ、私は微笑みながら答えた。先生からの報告を聞いてから朝の会は終わった。そして…

 

「ねぇねぇ!美夜子さんって満月教授の娘さんの美夜子さんに似てるけど姉妹なの!なんでこの時期に転校してきたの!?好きな人っている!?」

 

などなど、1人の女の子にマシンガントークで質問してきた。私は丁寧に答えることにした。ちなみにのび太さんはこの事を予感してたのか和人君の所に避難している。

 

「よく間違えられるけど、姉妹じゃないよ。満月教授とも会ったことないし。何でこの時期かは私もわからないの…好きな人に関しては…秘密よ♡」

 

「何だか居そうな感じ!?」

 

「菜江!質問しすぎよ!」

 

女の子を止めていたのはさっき男子を注意していた女の子だった。

 

「美奈ちゃん硬すぎだよ〜!」

 

「菜江は明日奈ちゃんにも同じ事言ってたじゃない。はぁ…まぁいいわ。ごめんね。菜江がマシンガントークして、あたしは村原美奈!よろしくね?」

 

ポニーテールがを揺らしながら女の子は私に丁寧に自己紹介をした。美奈さんか…

 

「大丈夫!ちょっとすごかったけど。」

 

「あっ、私は藤峰菜江っていうの!よろしく!」

 

マシンガントークで質問して来た活発そうな女の子からも自己紹介された。

 

「よろしくね!」

 

「そういえば、美夜子さん野比君に挨拶してたけど、知り合いなの?」

 

「うん!のび太さんとは前に会ったことがあったの。」

 

嘘は言ってない。でもまさか、ドラちゃんの道具でのび太さんが魔法の世界にした時に会ったって言ってもどんな反応されるかわからないからこう言った。

 

「へぇ!まさかカズっちやジャイアン達とも?」

 

「まぁ、そんな感じね。私が困ってる時に助けてもらったの。」

 

「のびたんって優しいからね〜!」

 

「の、のびたん?」

 

「菜江は親しい友達の事を特殊な呼び方をするの、気にしないでね?」

 

私が菜江ちゃんの呼び方に少しびっくりしたら、美奈ちゃんがそう説明してくれた。

 

「そうなのね。」

 

私達は軽く話をして、チャイムがなったので菜江ちゃんと美奈ちゃんは席に戻って行った。時は過ぎて、放課後帰る時間になった。帰り支度をしていたら、のび太さんから声をかけられた。

 

「美夜子さん。先に家に帰ってて僕、道場に行くから。」

 

「わかった。ママさんにもそう伝えておくね。」

 

「ありがとう。」

 

のび太さんはそう言うと和人君と一緒に教室から出ていった。私もそれに続いて教室を出ようとした…けど。

 

「ちょーーーーっと待ったぁ!!今の会話って何!?一緒に住んでるの!?のびたんと!?」

 

「ちょっと菜江!」

 

廊下を出た後に、菜江ちゃんが疾風の如く私の前まで来て、さっきの事を聞いてきた。美奈ちゃんも一緒に。まぁ言っても問題ないかなぁ。

 

「うん、まぁそうなんだ。ちょっと訳ありなんだ。」

 

「そうかぁ。ならいいや!引き止めてごめんね!またあしたね!!」

 

そう言いながら、菜江ちゃんは脱兎の如き速さ走っていった。忙しい子だなぁ…

 

「はぁ…菜江がごめんなさいね。じゃあまたあした。」

 

「いえいえ。うん。またあしたね。」

 

美奈ちゃんは謝ってから、菜江ちゃんの後を追い歩いて行った。

 

「ふふ。さすがの美夜子さんも菜江ちゃんのには驚いたみたいね?」

 

「あの元気さは見習いたいってうちも思うしね〜」

 

後ろから声が聞こえ、そちらを向くと明日奈さんと静香さんが苦笑いにも似た表情で立っていた。

 

「ははは…あの元気に一瞬気圧されそうになったけどね。2人は帰ったらどうするの?」

 

私は2人に聞いた、何も無ければ2人とこの街を散歩しようかなと思い、この一週間街を散歩とかできなかったから。

 

「うち、ピアノのレッスンとか、武術の稽古もないから、暇かな。」

 

「私も、特にないかなぁ。」

 

「じゃあ、よかったらだけど散歩でもしない?この一週間あまり街を見れなかったから。」

 

「あっ!行こ行こ!うちも美夜子さんと話してみたかったし!!」

 

「私もいいよ!」

 

私達は、約束をしてから家に帰りのび太さんの事をママさんに言ってから階段を上りのび太さんの向かい側の自分の部屋に入り、宿題を終えてから隣の家の明日奈さんを待ってから、一緒に静香さんの家に向かった。その道中に。

 

「そういえば、美夜子さんこっちに来てから魔法は使えてるの?」

 

明日奈さんがそう聞いてきた。魔法か…

 

「残念ながら、試したけど使えなかったの。この世界は魔力がないからかもしれないけど。」

 

魔法はこの世界《科学の世界》では既に廃れているからなのか、それともこの身体になったからなのかは不明だけど、使えなくなっていた。普段から魔法を使っていた事もあり最初の2日は困難だった、でも3日目では慣れてきたので問題は無いけどね。

 

「そうなのね。でもびっくりしたよ。ここに来て1週間で学校って。」

 

「私もよ、ほんとにのび太さんのご両親には感謝だわ。」

 

「のびちゃんのご両親ってほんとに優しいもん。何回も泊めさせてくれるし。」

 

「そうよね〜、そこがのび太さんにも似たのかもね。」

 

「ふふ、そうかもね。」

 

明日奈さんと話しているうちに静香さんの家の前まで着き、静香さんが来るのを待っていた。すると。

 

「あっ!美夜子さん!明日奈ちゃん!」

 

声が聞こえ、そっちを振り向くとスネ夫さんがいた。

 

「奇遇だねぇ!2人とも!これからしずちゃんとお散歩?」

 

「うん、そんな感じね。」

 

「そうなんだ!あっ、もしよかったら3人とも僕の家でお茶でもどう!ドイツ製の紅茶があるんだけど!!」

 

「散歩に行くって、静香さんにも言ってあるし。今日は散歩したい気分なのごめんなさいね?」

 

「そんな事言わずにさ!僕の家に来てよ!」

 

「いやだから。」

 

スネ夫さんには、丁寧お断りしてるのにさらに誘ってきた。しつこいなぁ。

 

「ねぇねぇ!家に来なよ!」

 

「はぁ…だから。スネ夫くん?美夜子さんも私も散歩の気分だから。やめておくって。」

 

明日奈さんもしつこく感じてるのか、少し呆れた顔でスネ夫さんに言っていた。でもスネ夫さんはさらに。

 

「そんなこと言わずにさ!(今しずちゃんがいないんだ!)楽しいから行こうよ!」

 

そんな時だった…

 

 

「…おい」

 

「ビクッ!?し、しずちゃん!?」

 

笑顔(目は全く笑っていない)で静香さんが、立っていた。す、すごい気迫…

 

「人の家の前で堂々とナンパすんなし、また…ヤるよ?」

 

「ご、ごめんなさーーーーーい!!」

 

スネ夫さんは猛スピードでこの場を去っていた。何だかかませ犬感が否めないんだけど…

 

「全くあの狐は油断も隙もありゃしない!」

 

「まぁまぁ、そんなことより散歩に行きましょ!」

 

スネ夫さんに怒る静香さんを明日奈がおさめてから散歩に向かった。その間も3人で世間話をしていた。そして一通り街を散歩した後に、学校裏までやってきた。

 

「ここが学校の裏山の入口だよ!」

 

「最後はやっぱり学校の裏山ね!」

 

静香さんと明日奈さんはそれぞれにそう言った。学校の裏山か…

 

「この山のてっぺんには千年杉って木があってね!小さい頃からのっちゃん達と遊んでるんだ!」

 

「私はその頃アメリカに居たからいなかったけどね」

 

「まさに子供楽園だったわけね…それにしても小さい時ののび太さんや和人さん達ってだったの?」

 

私は小さい時ののび太さんや和人達の事を聞いた。

 

「のっちゃん、あの頃は今より大人しい感じだったかなぁ。それと泣き虫?和くんはその反対にわんぱく坊主って感じでのっちゃんを積極的に遊びに誘ってた感じかなぁ。」

 

「そうね。あの頃の武さんは魔法の世界の武さんのような感じだったね。スネ夫さんはそのままだけど。」

 

何だか想像でき…武さんとスネ夫さんは出来るか。のび太さんや和人さんは想像できないなぁ。と思ってるうちに。

 

「あっ…てっぺんに着いた…」

 

裏山のてっぺんに着いた。そしてそこには静香さんが言った千年杉があり、その奥にはさっきまで歩いた街が夕日に照らされていて、とても綺麗だった。

 

「やっぱりいつ見ても綺麗ね…」

 

「ほんとにね〜」

 

静香さんや明日奈さんもそう思ったのか、感動していたようだった。私はこの光景をしっかりと目に焼き付けて置こうと思った。すると奥から影が見えた。

 

「おーい!しずちゃーん!あーちゃーん!美夜子さーん!!」

 

「迎えに来たよ〜!」

 

そこにはのび太さんとドラちゃんが頭にタケコプターをつけてこちらに来ていた。

 

「ふふ、迎えに来てくれる所ほんとに優しいよね。のびちゃんとドラちゃん」

 

「そういう所が好きなんだよね〜ってのっちゃん稽古の後に来てくれたんだ〜」

 

「ほんとにね。あっ…静香さん!明日奈さん!」

 

「「ん?」」

 

私はまだここに来て日が浅いし、化学の世界の常識もわかってない。パパには寂しい思いをさせるけど、それでも私は一緒に戦ったのび太さんや和人さん、明日奈さん、直葉ちゃんと別れるのは…悲しかった。正直常識がないって言われるかもしれなかった。みんなはそんな事言わないってわかってるけど、それでも不安だった。けどのび太さんや和人さん、明日奈さん、直葉ちゃんはもちろんの事、この世界では初めましての静香さん、武さん、スネ夫さんは笑顔で受け入れてくれた。だから…

 

「まだまだこの世界わからない私だけどこれからもよろしくね。」

 

「「もちろん!よろしくね!美夜子さん!」」

 

2人はこの世界に来た時と同じような笑顔でそう言ってくれた。

 

ーーーーーー

 

美夜子が新たな決意をしていた同時刻、同場所に2人の少女の姿があった。2人は美夜子達の様子を見ていた。というより監視の方が合っているかもしれない。2人は話をしていた。無論美夜子達のことで。そしてこの2人はひみつ道具の一つである透明マントをつけているので、美夜子達には見えていない。

 

「…美奈ちゃんどう思うよ〜?」

 

「…間違いなく黒ね。あの子は別次元の子よ。」

 

この2人の正体はのび太や美夜子達のクラスメイトの藤峰奈江と村原美奈である。なぜこの2人がこんな事しているのか、その答えは簡単。この2人はタイムパトロール隊の一員であり、そして彼女達の目的は『野比のび太とその周りの監視及び時間犯罪者で今も逃げ回っているヴァサゴ・カザルスの動向監視』なのだ。

 

「はぁ…隊長も面倒な任務与えてくれたよね〜。」

 

「仕方ないじゃない。あたし達しかのび太君と同い年がいないんだから。」

 

「そうだけどさ〜。はぁ…それにしてものびたん達まさか魔法の世界に行ってたとはね〜」

 

「もしもボックスを使われちゃ、あたし達もわからないわよ。この世界には向こうの世界ののび太さん達も居たことだし。見た目変わらないからわからなかったし。ほんとは美夜子さんがここにいる事自体ギリギリなんだから。」

 

のび太達が魔法の世界に行ってる間化学の世界では魔法の世界ののび太達がいたので美奈達はなんも疑いなく監視を続けていた。しかしのび太達がこの世界に戻った瞬間に魔法の世界ののび太達も消えたので、美奈達は慌てて調べ、のび太達が魔法の世界に行っていた事を知ったのだ。ちなみに美奈達がタイムパトロール隊の一員という事はのび太達は知っていない。不安を煽るような事はしたくないという美奈意見に奈江が賛成している。そして何故この数ヶ月しかいない美奈達をのび太達が違和感なくクラスメイトとして認識しているのはタイムパトロール隊の特権で少し記憶をいじったからだ。

 

「まぁ、この任務はヴァサゴが姿を現すまでって言われてるし。長期休暇って感じだから不憫には思わないけど。」

 

「それでものび太君達の監視は怠ったらダメよ。長期とはいえこれも任務なんだから。」

 

「わかってるって〜。まぁ今日も何事も無かったし。帰ろ〜」

 

「そうね。明日もちゃんとやるわよ。」

 

「まっかせなさーい」

 

美奈は奈江にそう言うと奈江はVサインを掲げながらそう言った。

 

 

 

美夜子の新たな決意と共に藤峰奈江と村原美奈の監視も良好な感じで今日の一日は終わるのであった。

 

「…美奈ちゃん達がタイムパトロール隊員だったのか…」

 

「どうしたの。のび太君?

 

「早く帰ろ?」

 

「いや、なんでもないよ。うん、帰ろう…」

 

のび太に正体を知られる事になるとはこの時の美奈と奈江には知る由もなかった…

 




雷神「てな訳で、前の8話を消して。最後にオリキャラの会話分を追加しました。」

銀「これも唐突に降りてきたんだろ?」

雷神「うん、何かオリキャラをこのままの感じの登場で終わらせるのはどうかなぁってさ、仕事中に思い浮かんだ。」

銀「お前は…仕事中に何考えてんだよ。」

雷神「えぇーほぼニートの銀さんには言われたくないよ。」

銀「ほぼニート言うな!?と、これから先の順は前と一緒だな?」

雷神「うん。少し変えて劇場版10本→SAO編→劇場版5本→ALO編→GGO編→劇場版5本エクスキャリバー編→マザーズロザリオ編→劇場版14本ってな感じかな。」

銀「そりゃまた、壮大な事だな。やれんのか?」

雷神「やるかやらないかじゃないやるんだ!」

銀「そのネタはいい」

雷神「ぐぬぬ…では皆さん今度こそ次回をお楽しみに!」


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第14話竜の騎士〜恐竜は今の世にいるのか〜

こんにちわ!今回は竜の騎士になります!

今回から上映順ではなくランダムで劇場版を書いていきます!

竜の騎士って若干ホラー入ってますよね。パラレル西遊記やブリキの迷宮よかマシですけど。


視点は、のび太少しスネ夫の後にのび太になります!

【11月22日中編の後半部分を最後のほうに追加】

改めて視点は、のび太、少しスネ夫、のび太、和人、スネ夫の順になります!


ーー2018年8月8日ーー

 

 

美夜子さんがこの世界に来てから時間が経ち8月8日の夏休み。今日は僕、和人、ジャイアン、スネ夫の4人でいつもの空き地に来ていた。何で集まっているかと言うと。

 

「だからさ〜、恐竜は絶滅したからいないんだ」

 

「どうして、そう言いきれるんだよ。お前はこの地球上を隅々まで見たのか?」

 

和人がスネ夫にそう言った、僕達が今話しているのは今の時代に恐竜がいるかいないかの話だ。

 

「それが常識だもん。」

 

「そうだぞ。のび太、和人流石に今の時代に恐竜はいないんだ。」

 

「じゃあ、ネッシーの話はどうなるの?あれはどう説明するの?」

 

僕はスネ夫に聞いた。ネッシーとはイギリスのネス湖に存在すると言われている恐竜の事だ

 

「それは地球のあちこちで、目撃したって人はいるらしいけど、証拠が見つかったことが無い。何よりもおかしいと思うのはそんなでっかい恐竜が何百体も見つかったら、ピー助の時以上に大騒ぎになるよ。それにそんなのが今まで生きていたとすれば、骨の1本や2本見つかるはずだろ?なのに今見つかってるのはどれもこれも6500万年前の化石ばっかりに限られてるんだぜ?…まぁ恐竜は一匹残らず絶滅したと考えるしかないんじゃない?ドラえもんのタイム風呂敷使って生きていたなんて事はしない事だね!僕はもう帰るよ!」

 

スネ夫は一通り喋ると満足したのか帰っていた。確かにスネ夫の言うことは理論上合ってる…けど…

 

「スネ夫はああ言ったけど、諦めるって訳にはいかないよ」

 

「はぁ…のび太の諦めの悪さは筋金入りだな。」

 

僕がそう言うとジャイアンが呆れたようにそう言った。そうだよ。僕は諦めが悪いさ。

 

「俺も手伝うからな。お前が諦めなかったから、ピー助の卵を見つけたんだ。とことん付き合うぞ!」

 

「ありがとう。和人!ジャイアンまたね!」

 

「おう!俺は何もできないが頑張れよ〜!」

 

「「おう!」」

 

そして僕達は、家に帰り、暑さでごろ寝してるドラえもんに頼んだ…でも…

 

「また恐竜?…それも生きた?世界中探すのに一体何年かかると思うんだよ!」

 

ドラえもんは呆れ半分、怒り半分でそう言った。ドラえもんの言い分もわかるけど。それでも僕達は!!

 

「僕らは一生かかっても構わないよ!」

 

「ああ!そこまでの覚悟なんだよ!!ドラえもん!生き残りの恐竜を探すまではな!」

 

「はぁ…[○×占い]〜!」

 

ドラえもんは唐突にそんな道具を出した。赤い丸と青いばつの至って普通のような道具をなんなのこれ?

 

「これはどんな質問にもマルかバツで答えてくれるんだ。これは100%信用できる道具だよ。」

 

「ドラえもんの道具だからなぁ。前に道具貸してもらったけど、全く役にたたなかったじゃないか」

 

「あれはのび太君の使い方が悪いんだよ!試してみよう。のび太君の今日のテストは0点!」

 

ぶっぶー!!

 

ドラえもんがそう言うとバツの方が上がった。確かに今日は0点取らなかったけどさ。でもこれはドラえもんにはまだ話していないから、確かに信用はできそうだね…よし

 

「…アメリカに恐竜はいる?」

 

ぶっぶー!!

 

「じゃあ…マレーシア!」

 

ぶっぶー!

 

「アフリカ!」

 

ぶっぶー

 

「東京!!」

 

ぶっぶっぶーー!!!

 

「はぁ…一つ一つ質問してちゃキリがないよ。たった今この地球上で恐竜が一匹でも存在し生き残っているか!」

 

ぶっぶーー!!

 

無情にもバツが浮き上がった。…わかってはいたさ。恐竜はいない事なんて、わかりきってたことなんだ…それでもピー助のようにいたらよかったって思ってた。…別れたはずなのにまたピー助に会いたくなってきたなぁ…

 

「…さっきも言った通りこの占いは100%信用出来る」

 

「…のび太…どうするよ?」

 

和人は僕に聞いてきた。どうするもこうするもなぁ。結果として見ればここからは諦めるしかないんだけどなぁ。

 

「のびちゃん〜!お使い頼むわ!」

 

考えてる時にママからそう頼まれた。いつもは煩わしい買い物だけど、こんな時はお使いに行って裏山に行こうそうしよう…

 

「また考えが浮かんだら言うよ。」

 

「わかった。今日はもう帰るな?」

 

「うん。バイバイ〜はぁ…」

 

「僕も一緒に行くよ。」

 

「ありがとうね〜」

 

僕はドラえもんと一緒に買い物を済ませて家に帰り、荷物をママに渡してから裏山に行った。

 

「裏山に行ってどうするの」

 

「ちょっと沈んだ心を休ませに行くだけだよ。」

 

「そう」

 

ドラえもんから心配そうにそれを聞かれた僕は沈んだ心を休ませる為にと言った。それだけ聞くとドラえもんは黙ってついてきてくれた。本当にドラえもんって優しいやつだな。

 

「あっ。」

 

「スネ夫?」

 

歩いているとスネ夫がいた。なんか顔色悪いな。

 

「僕見てないもの!あれは気のせいだもの!あぁー!!見ていよ!!」

 

そう言って僕らから逃げるように走り去って行った…

 

「なにあれ?」

 

「さあ?また明日奈ちゃんとかに振られたんじゃない?」

 

「ははは…ありえるかも」

 

僕とドラえもんはスネ夫の行動に疑問に思ったが別に何も気にせずに裏山に行った。

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

裏山についてから僕とドラえもんは千年杉の下で座っていた。普段ならこの心地いい空気で眠れるんだけど、今日はそんな感じじゃなかった。裏山に来ても心が晴れなかったからだ。夏だから暑いけどね…

 

「ねぇのび太くん…気分が晴れなかったら秘密基地作ってみない?」

 

ドラえもんがそう提案してきた。秘密基地かぁ。

 

「と言っても地下の空洞なんだけどね。」

 

そう言いながらドラえもんはポケットに手を入れて、道具を出した

 

「[どこでもホール]〜」

 

ドラえもんと出したものはなんだかスイッチがいっぱいついてある箱の蓋のようなものだった。

 

「これは地面にできた空洞を探し出す機械なんだ」

 

ドラえもんはそう言いながらその道具のスイッチを押していた。ほんとになんでもありだな。22世紀の道具って。

 

「繋がったよ。世界のどっかの空洞にね!」

 

「大丈夫?開けてコウモリとか出ない?」

 

「それはわからないけど、とりあえず開けるよ。」

 

ドラえもんが蓋を開けると本当に空間が広がっていた。中は真っ暗で何も見えなかった。

 

「入ってごらんよ」

 

「それフラグにしか聞こえないんだけど。」

 

僕はジト目でドラえもんを見るとあの暖かい目が久々出て慌てながらこういった。

 

「き、気のせいだよ!ほら入って入って!」

 

僕はドラえもん言われ中に入ったが…

 

バッシャーン!!

 

「…ドラえもん?」

 

「ははは…」

 

案の定、僕は中に入るとそこには水があり、びしょ濡れになった。ハッックション!

 

「今度は僕がやるよ。」

 

「うん…」

 

僕は少しいじってから、ホールの蓋を開けた

 

「今度は大丈夫かな?」

 

「どれどれ…うん大丈夫みたいだよ!」

 

ドラえもんは顔を突っ込み中を確認してからそう言った。

 

「結構大きい空洞だよ!なかなかの広さだ!」

 

ドラえもんはそう言うと中に入って行った。

 

「ドラえもん大丈夫?」

 

「うん!あっ!そうだ!みんなも呼んでさ!僕らの秘密基地を作ろうよ!」

 

ドラえもんはそう提案してきた…確かにこの広さを僕達2人で独占はしない方がいいか

 

「そうだね。でもこんなに暗いんじゃ」

 

「大丈夫大丈夫!これがある![ピッカリ苔]〜!これは苔の1種で光を出しながら岩について、どんどん繁殖していくんだ!」

 

ドラえもんがそう言うと、辺りは明るくなった。急に明るくなったから目が眩んだけど、周りを見ると広かった。

 

「奥まで続いてるね〜って明日探検しよう。夕方になっちゃうし。」

 

「それもそうだね。って部屋ってどうするの?」

 

僕はドラえもんにそう聞いたいやだってさ。広いと言ってもここは岩だらけのでこぼこな感じだし。

 

「それも明日ね。」

 

ドラえもんはそう言うと上に上がって行った。確かに明日にした方がいいか。僕が上につくと、ドラえもんはホールを取ってポケットに入れた。って…

 

「取っちゃって大丈夫なの?」

 

「ダイヤルのメモリさえ覚えとけば、どんな所でも大丈夫!」

 

ドラえもんがそう言ったので大丈夫だってことがわかった。辺りを見ると夕方になっていたから今日はもう帰ることにした

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

家に着くと美夜子さんが玄関の前にいた。言うのを忘れてたけど、美夜子さんは直ちゃんと一緒に、また散歩に出ていた。この世界に来て、散歩が日課になっているようだった。直ちゃんは今日の剣道の稽古は休みで僕も和人も休みだ。

 

「ただいまぁ、美夜子さんも今帰り?」

 

「違うわよ〜でも今日は直ちゃんが一緒だったから楽しかったわ!今日はのっ君もドラちゃんと遊んでたのね?」

 

「まぁそうだね。和人やスネ夫達とも居たけど途中で別れたんだ。」

 

「そうなんだ!さぁ!中に入りましょ!今日は私が料理の担当なの!できてるから早く入って!」

 

美夜子さんは僕の家に住んでから、進んで料理を作っていた一週間前くらいからママと美夜子さんが分担して料理しているんだ。僕?僕は食べる専門さ…前に料理を手伝おうとしたけど、ママに怒鳴られたから。美夜子さんの料理はすごく美味しいから、僕もドラえもんもパパも絶賛してるんだ。ママからはこの腕だとすぐにお嫁さんになれるわねと言われていた。美夜子さんは僕の方を見てから顔を赤くしていた。その時はどう反応すればよかったのかわからなかった…ははは。

 

閑話休題

 

 

僕達が家に入ると台所からいい匂いがしていた。美夜子さんが作った料理の香りが鼻を刺激した。それから台所へ向かうと、美味しそうな青椒肉絲がそこにあった。今日は青椒肉絲とレタスサラダかぁ。

 

「じゃあのび太とドラちゃんも帰ったことだし。食べましょ?」

 

「パパは?」

 

「今日遅くなるらしいわ。」

 

「ふーん」

 

「ではいただきます!」

 

「「「いただきます!」」」

 

ママの号令で僕達はご飯を食べた。美夜子さんが作った青椒肉絲はすごく美味しかった。肉のやわらかさと青椒肉絲特有の味でピーマンの苦味を抑えられ、たけのこの硬さでコリコリとした食感は、口の中がパレードような感じでほっぺが落っこちそうなになるほどであった。って何か美食家みたいだな。

 

「ふぅ…!ごちそうさまでした!今日も美味かったよ!美夜子さん!」

 

「ふふ、お粗末さまでした。」

 

「じゃあまたね!」

 

僕は部屋に戻ると、今日出されていた宿題をしてから、漫画を読んでいた。ドラえもんもここにいる。すると扉からノックが聞こえた。

 

「はい!」

 

「のっくんちょっといい?」

 

「うん、いいよ」

 

ちなみに、なぜ美夜子さんが僕や直ちゃん達を愛称で呼んでいるのかと言うといつまでも他人行儀なのはいやらしいので僕を含めた親しい人には愛称で呼んでいるみたいなんだ。

 

「和くんから聞いたわよ?恐竜を探し出してみせるって言ったんだってね?」

 

「うん…でもまぁ、それは半分諦めてるよ。ドラえもんの道具で調べたら、居ないってことがわかったしね…」

 

「それでも割り切ることが出来なくて、外に散歩に出たって感じかな」

 

「そんな感じかなぁ…魔法の世界にも恐竜いなかったんだよね。」

 

「残念ながらね…あっちでは恐竜を特別視しなかったから。」

 

「はぁ…もしもボックスで恐竜の世界に行ってみたいよ…」

 

僕は少し期待を込めた風にドラえもんを見ながら、そう言ったが。

 

「今日はもしもボックスメンテに出してるからないよ〜」

 

そう返された…はぁ…諦めた方がいいのかぁ。いや!でももしかしたらいるかもしれないんだから!諦めないぞ!

 

「のっくん、まぁ諦めろとは言わないわ。アスにも相談すればいいし。しずちゃんだって乗ってくれるはずよ。私も恐竜には興味あるし。」

 

美夜子さんもそう言っていくれた。ピー助の時だって諦めなかったから出会えたんだ!ここで諦めたら男が廃るってもんだしね。

 

「じゃあ…お風呂は私から入るわね!覗いてもいいからね?」

 

「しません。」

 

美夜子さんはいたずらっ子のような笑顔でそう言ってから、部屋から出ていった。本当に美夜子さんもあーちゃんも女の子がそんなこと言っちゃいけないだろうに…ってあっ、美夜子さんに秘密基地の事言うの忘れてた。後ででいいか…今は鼻を伸ばしてる青狸をどうにかしないとね?

 

「じゃあ…僕が…」

 

「……行かせるわけないでしょ?」

 

「じょ、冗談だよ〜の、のび太君〜やだなぁははは…」

 

あの目になってるから、説得力がまるでないんだけど?美夜子さんが出るまで見張っとくか。そんな事を思いながら、今日は終了した。明日は出校日だから早く寝たいけど。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

次の日、学校が終わり僕は走って家に向かった。和人が何か言ってた気がするけど…

 

「ただいまぁ!!」

 

僕は手を洗ってから、部屋に入るとドラえもんが部屋にホールを置いて待っていた。

 

「この部屋からでも行けるんだね。」

 

「昨日も言っただろ?こっからでもできるんだ。えっとダイヤルを299のMにっと」

 

ドラえもんがダイヤルを合わせるとホールからチーンという音がなった、これで昨日の空洞に入れるんだね。

 

「すごいなぁ。と靴靴っと」

 

僕はあらかじめ持ってきた靴を持ち、空洞に入った。

 

「すっかりピッカリ苔が繁殖してる!」

 

「洞窟とは思えないくらい明るいね。それで部屋はどうするの?」

 

僕は昨日スルーされた部屋の事を聞いた。多分なんかの道具を使うんだろうけど。

 

「これを使うんだよ![インスタントルームセットお湯付き]〜!これはどんな所にも空間や部屋を作れるんだ!大きさはマッチ箱から大都市まであるよ!それでこれが一人分の部屋の粒!」

 

「ちっさいね?」

 

「この粒の大きさはみんな同じだよ。これをあそこの穴の中にそしてこの湯を流すと」

 

お湯を流した瞬間に緑色の扉が出てきた。僕はその扉を開けるとその中には家具付きの部屋がそこにあった。すごいなぁ。ベッドがある…よし寝るか…ってそれはまずいか

 

「みんなを呼ぶ?」

 

「うーん、直ちゃんは剣道だし。和人はゲームをしてるし。しずちゃんは武術の稽古。あーちゃんはピアノ稽古…美夜子さんとジャイアンとスネ夫呼ぶか。」

 

「美夜子さんはまだ帰って来てないから、ジャイアンとスネ夫を呼びに行こう。」

 

「そうだね。」

 

「この際空き地にホール持っていこう。ジャイアンとスネ夫はそこにいるはずだから。」

 

僕達はそう思いながら、ホールから出たら美夜子さんがちょうど帰ってきた。ちょうど良かった。

 

「へぇ、でも恐竜の事は?」

 

「恐竜の事は諦めないよ!それにもしかしたら、その空洞にいるかもしれないしね?」

 

僕は昨日からそれも頭に入れていたあの空洞なら恐竜がいる可能性があるからね。美夜子さんと話してるうちに空き地に着いた。ジャイアンとスネ夫は駄弁っていた。スネ夫は昨日から様子がおかしいな。僕はジャイアンとスネ夫に秘密基地の事を話した。

 

「へぇ、秘密基地か面白いな。」

 

「だろ!和人達にはまた後で言うつもりなんだ!」

 

「僕もいいよ…はぁ…」

 

ドラえもんはホールを空き地の地面に置いた。それからみんなでホールの中に入った。

 

「うおー…広いなここは〜」

 

「そのうち探検してみようよ。」

 

「そうだな」

 

美夜子さんとジャイアンはドラえもんが用意した部屋の中を覗いていたけど。

 

「よくそんなに騒いでいられるね。もっと静かにいたいのに…」

 

「なにあれ?」

 

「あいつ、ノゼノーゼらしいんだ」

 

「「「ノゼローゼ?」」」

 

きっとノイローゼって言いたかったんだろうけど、ジャイアンって時々馬鹿な時があるよね。するとスネ夫を見るといつの間にかいなかった。…何もないといいけど




雷神「ふぅ…かけたかけた…」

銀「ほんとランダムだな。それも竜の騎士とはな」

雷神「まぁね。竜の騎士はpixiv大百科で調べた時ピー助のこと書いてたから、これだ!って思って」

銀「まぁそれはいいがよ…後半から全く映画と関係ない話じゃねぇか!?」

雷神「ははは…何か書いていたら、いつの間にかあんな方向に…」

銀「お前の頭のプロットどうなってんの?」

雷神「残念ながらもう思いついた事を書いてるから、プロットなんてものはないのだよ!」

銀「いばんな!次もそうなのかよ!」

雷神「多分…」

銀「はぁ…まぁいいかぁ。じゃあ、読者の皆様次回もお楽しみに!」

雷神「銀さんが言うのね」


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第15話竜の騎士〜スネ夫のノイローゼと失踪〜

視点はスネ夫、のび太、和人、スネ夫の順です


はぁ…昨日から本当に調子が悪い…きっとあんな物を見たからだ。なんとでも言え煩わしい世間を離れ地底深くの静かな環境だけが僕の傷ついた僕の心を癒してくれるだろう…

 

「このくらい離れればいいだろう。」

 

シーーーーーン

 

 

「静かだ…なんて静かなんだ。シーンとしてて耳が痛くなってくるくらいだ!」

 

なんて1人で言ってるのも虚しい感じがする。今すぐのび太達の所に戻ろうか…

 

 

ドドドドドド!!!

 

 

と思っていた矢先ものすごい音が洞窟に轟いた。

 

「誰だ!地底で騒いでるやつは!!

 

と僕は苛立ちを抱き、走ってその音の主が居るであろう所まで来たら、そこには

 

 

どどどど!!!

 

 

そこには、オルニトミムスっぽい恐竜がその広場を走っていた。これは!?そんな馬鹿な!!!あれは…

 

「きょ、きょ…恐竜だーーーーーーーーー!!!!!」

 

僕は驚きのあまり猛スピードでドラえもん達がいる元の場所に走った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

「「「「恐竜?」」」」

 

スネ夫が腰を抜かしながら、戻って来て言ったのは、恐竜が居ただった。

 

「う、嘘じゃない、ほ、ほ、本物!」

 

スネ夫に言われた所に行くとそこには何もなく、だだっ広い広場が広がっていた。

 

「恐竜がいっぱいだろ?」

 

「いないよ?」

 

「そ、そんな!?あっ…ほんとだ、さっきまで本当に居たんだもん!ほんとだってば!」

 

スネ夫は気が動転してるのか、慌てた様子で僕たちに言った。けどもう一度見渡しても恐竜なんていなかった。

 

「だが、絶滅したと言ったのはお前だろ?」

 

ジャイアンがそう切り出した。確かにそうだ。僕や和人があれだけ言っても、恐竜は絶滅したと一点張りだったスネ夫が急にこんな事言うなんて僕が原因かな。○×占いの結果を見てもなかなか諦めていない僕の。

 

「スネ夫…どうしたっていうのさ。昨日から変だよ?」

 

「…いいよ。ごめん。僕の勘違いだったみたい。騒がせちゃったね。」

 

「いやいいんだけどさ。」

 

「まぁともかく、今は遊ぼうぜ。明日からは和人達も誘ってよ!」

 

ぴー!ぴー!

 

「留守宅警報テレビだ!」

 

『じゃあ、のっちゃんもみっちゃんも居ないんですね。』

 

『そうなのよ。全くどこほっつき歩いてんのかしら。のび太もみーちゃんも』

 

そこに映っていたのは、ママとしずちゃんだった。やば何も言わずにここにいるから、2人とも心配してるよ。

 

「念の為にセットしといたんだよ。」

 

「今日は帰ろうか。心配させるのもあれだし。」

 

「そうね。帰りましょうか。」

 

「そうだな。スネ夫悪いな今日はお開きだ。明日また遊ぼうぜ。」

 

「うん…ありがとうね…じゃあ僕が先に出るよ。また明日…」

 

スネ夫は随分と気が滅入ってる感じで。上に上がって行った…大丈夫かなぁ?

 

「のび太、俺も帰るな?」

 

「うん。また明日ね。」

 

僕達は、ホールを置いて、家路に着いた。

 

ーーーーーー

 

「あっ、のっちゃんにみっちゃん、ドラちゃん!」

 

「どこいってたのよ?」

 

家の前にはあーちゃんとしずちゃんがいた。しずちゃんはいたのは知ってたけど何であーちゃんまで?

 

「忘れたの?今日は泊まり込みで勉強会って言ってたじゃない!のびちゃんすぐ帰っちゃったから和人君も言いそびれたって言ってたよ!?」

 

あっ!?そういえばそうだった!!地下空洞の事ですっぽり頭から抜け出てた!!美夜子さんの方を見ると彼女も忘れていたようだ。

 

「ごめん!すっぽり頭から抜けてた!」

 

「はぁ…まぁいいけど。和君にも謝りなよ?」

 

「それはもちろん!って和人は?」

 

「直ちゃんのお迎えに行ったよ。あいつの事もあるし。ココ最近誘拐も多いし。」

 

「ああ…彼ね。そうだね。僕らも…家に入ろうか」

 

僕らはそう言って、中に入った。その後和人と直ちゃんはやってきた。案の定、例の彼に直ちゃんは絡まれてたみたいだった。僕は早速和人に謝った。

 

「いいっていいって。また何かあったんだろ?恐竜関連か?」

 

「まぁそれは近いね。また僕の部屋で話すよ。」

 

「頼んだ。」

 

僕が和人にそう告げた後にご飯を食べ、風呂に入って部屋に戻った。

 

「それで?何してたんだ?」

 

「そうそう!ママさんも心配してたんだよ!」

 

「のびちゃんが約束を忘れるまで何をしてたのかな?」

 

「そうだよ!のび兄!美夜姉もドラちゃんもいなかったみたいだしさ!」

 

和人が言ったことを皮切りに女子3人もそれぞれ聞いてきた。僕は昨日までの経緯と今日何してたかを話した。

 

「地下空洞に秘密基地かぁ…面白そうだね?」

 

「うちもうちも!」

 

「そういう面白いことはまず俺からだろ!?」

 

「お兄ちゃん用事あったじゃん。けど、私も行きたいなぁ秘密基地」

 

4人は話を聞いた後にそう言ってきた。スネ夫の事も言ったんだけど、興味がないらしい…まぁスネ夫の自業自得だからしょうがないかその辺は。

 

「明日は僕、師匠の稽古があるから行けそうにないから、4人とも行ってくれば?明日は暇でしょ?」

 

「そうだねぇ〜。じゃあそうしよっか?」

 

「そうしよ!そうしよ!楽しみだなぁ!うちそういうの好きだし!」

 

「それがいいな。俺は恐竜の事を探してみる。」

 

「お兄ちゃんも恐竜好きだね〜!でも私も楽しみ!」

 

「じゃあ、明日は頼んだよ。ドラえもん、美夜子さん。」

 

「任せてよ!」

 

「ふふ、じゃあそろそろ勉強始めましょ?アスとしずは一緒の私立目指してるんだっけ?」

 

美夜子さんがそう言うとあーちゃんは苦笑いをしながら。

 

「そうなの。私としてはみんなと一緒のところに行きたいけど、お母さんが許してくれなくて。」

 

「うちもね〜。あっちゃんがいるだけマシだけど〜」

 

あーちゃんはワガママを言って僕の街に引っ越してきた。だから中学からは私立の中学に入る予定になっている。僕も入ろうかなって思ってるけど、あーちゃんが狙ってるその学校の偏差値が高いのでとてもじゃないが入れるところじゃない。まぁ中学受験まで1年以上もあるから頑張れば入れると思うけど、お金の事情が入ってくるので、やっぱり入れそうにない。しずちゃんもあーちゃんが入る予定である中学に入るみたいだし。

 

「まぁ、まだ子供だから友達と遊ぶのはいいって言ってくれてるだけマシだけどね。」

 

「という事はアス姉とは1年とちょっとしかいれないんだぁ…寂しいね…」

 

「中学は違うけど、家からは離れないからその辺は大丈夫よ。」

 

「うちもね〜?」

 

「2人とも可愛いからは人気者になるんじゃない?」

 

「うんうん。学校でもいつの間にか美夜子さんと合わせて、美人三姉妹って言われてるくらいだしね。」

 

「はぁ…そこが1番やなんだよね〜、視線を感じるのっていつまでもなれないわ。」

 

美人三姉妹…美夜子さんが学校に転入してから、いつの間にか呼ばれていた3人の通称で何でも長女は言わずもがなあーちゃん、次女は美夜子さん、末っ子はしずちゃんらしい。瑠奈ちゃんがそう言っていた。聞いた時僕は2週間でもうそんなに?って思ったもん。

 

「誰が言ったんだろうね〜。うちが末っ子ってなんでだろうね?」

 

しずちゃんがそんなこと言うので僕と和人は目を合わせてからはこういった。

 

「「天然ですばっしこいからじゃ(ない)(ね)?」」

 

「うわぁ!ひどい〜!そんなにすばっしこいかな!うちは!」

 

「奈江以上にすばっしこいだろ?お前は。」

 

和人の言う通り、しずちゃんは走るのが早いそりゃあ、とにかく早い。50メートルを7秒台で走るほどで、奈江ちゃんよりも早いのだ。

 

「やっぱ納得いかないよ〜」

 

しずちゃんは、ほっぺたをプクッと膨らましご機嫌斜めって感じなった。…これを見ると確かに末っ子感が否めない。

 

「まあまあ、しずちゃん、でもいいじゃない褒められてるんだから。」

 

「ぶぅー…まぁいいかぁ。」

 

あーちゃんはしずちゃんを慰めてたらしずちゃんはすぐに戻った。あーちゃんまじでお姉さんみたいだなぁ。こういう所を誰かに見られて、あの美人三姉妹って事になったのかなぁ?

 

「こーら!みんな勉強始めるわよ!」

 

美夜子さんはそう言った、話に夢中で勉強を疎かにしていた。あぶないあぶない。まぁ小学校だから勉強はしなくてもいいだけど、勉強をしないに越したことはないね。それにしても、長女が美夜子さんって気がするなぁ、だって美夜子さんって年齢的には…ーー

 

「のっくん…何か失礼なこと考えてない?」

 

「へァ!?か、考えてない考えてない!!」

 

「そう…ならいいけど」

 

美夜子さんはエスパーかな!?いや考えるのはよそう…今は勉強勉強

 

ーーーーーー

 

勉強も宿題も一通り終わり、寝る準備をしていた。しかし隣にはすごく眠そうな直ちゃんがいた

 

「直ちゃん大丈夫」

 

「…うゅ…」

 

何この可愛さ…よし…

 

「直ちゃんのお兄さんやこの子写真を撮っても構わんかね?」

 

「お前はどこの爺さんだ!」

 

と言われながらチョップされた。

 

「いてっ…殴ることないじゃないかぁ。」

 

「人の妹の写真撮ろうなんざ100万年早いわ!」

 

「じゃあ100万年後に行ってからでいいの?」

 

「物理的に行こうとすんな!?言葉の綾だよ!?」

 

「こらそこ!早く寝る準備して!直ちゃんは私が持っていきます!」

 

そう言って、美夜子さんは直ちゃんを抱っこして行ってしまった。

 

「じゃあ、100万年後に行くか」

 

「うん、何でそこで100年後に行こうとする!?」

 

「冗談だよ〜。それにしても直ちゃんどんどん可愛くなっていくね〜」

 

僕は和人にそう言った。いやもう直ちゃんの可愛さに勝てる人…3人くらいいたか…

 

「誰かさんの為だろうな?」

 

和人はニヤニヤしながら、そう言ってきた。何その顔さっきの仕返し!?

 

「だ、誰のためかなぁ。」

 

僕はあえて、分からないふうに言った

 

「お前だお前!あいつはお前の為に可愛くなっていくんだよ!明日奈やしず、美夜子さんが可愛いから頑張ってんだ。」

 

それを聞いて僕は少しむず痒くなった。

 

「だからお前も早く誰かに絞れよ。俺としてはスグを押すがな」

 

「お兄ちゃんがそれ言っていいの?今はまだ言えないけどね…」

 

「もう明日奈には許してもらったんだ。恋愛してもいいだろ?」

 

あーちゃんの事があり僕は恋愛に対して臆病になっている。あの時と違って誰が誰を好きであろうと誰にもバカにされないだろうから、別にいいだろうけど…けど初恋の人に誘導されたとはいえあんな事言ってしまったから…だから僕はまだ恋愛ができない。でもあーちゃん、しずちゃん、直ちゃん、美夜子さんは僕なんかを好きでいてくれてる…待たさせてるのはほんとに気が引けるけど…

 

「待たせてるのは本当に申し訳ないよ。恋愛関してはヘタレだからね。自分で言うのもあれだけど……あっ…」

 

「どうした?……」

 

僕は言葉を失った。それは何故かって?美夜子さんが鬼の形相でこちらを睨んでいたからだ…これはやばい…

 

「のっくん!!和君!?早く準備しなさい!!!」

 

「「はい!!!」

 

僕達は急いで準備に取り掛かった。そしてこの時は知らなかったんだ。この先恐竜に関しての謎が解けるという事を…ーーー

 

ーーーーーーーーーー

 

のび太の家で勉強会を終えて、次の日。俺、明日奈、スグ、しず、美夜子さん、スネ夫、ドラえもんの7人で昨日聞いた秘密基地のどこでもホールがあるいつも空き地に来ていた。のび太は師匠の所に、ジャイアンは店番で今日は来れない。俺達はどこでもホールの中に入った。

 

「ここが秘密基地の空洞か…なかなか広さだな」

 

「のび兄がここを引き当てたんだよね。引き運いいよねー」

 

「のびちゃん、そういう運だけはあるのかしらね?いつもはドジなのに。」

 

「のっちゃんこの前も犬のしっぽ踏んで追いかけられてたもんね〜。」

 

本人が居ないことをいい事に言いたい放題だな。この3人は。

 

「ははは…みんなの分の部屋も作っといたよ!見に行ってみて!」

 

ドラえもんがそう言うと俺達は自分の部屋に向かった。俺の部屋は黒の扉と聞いていたそこに向かい扉を開けると、ベッドと本棚と勉強机がそこにはあった。部屋の広さもなかなかいい感じだ。俺はそこに荷物を置いてからまた扉を出た特にやることないからな。外に出るとドラえもんと美夜子さんが慌てた様子で何かを探していた。

 

「どうしたんだ?」

 

「あっ、和人君!スネ夫君見なかった!?」

 

「さっきから探してるんだけど、見つからないの!」

 

「見てないぞ?あいつも部屋でくつろいでるんじゃないか?本調子じゃないだろうけどな。」

 

スネ夫は今日もいまいち元気がなかった。昨日のび太やドラえもんに聞いた通りだとすれば、まだ恐竜の事で引きずってるんだろうな。

 

「そうだといいんだけど。直葉ちゃんや明日奈ちゃんに聞いても興味ないって言われたし。」

 

「しずにも頼んだんけど、あの子にも断られちゃって。」

 

興味ないはさすがにひどいとは思うが…まぁ、日頃の行いのせいだから何も言えないな。

 

「いつも明日奈達にちょっかい出してるスネ夫の日頃の行いせいだな。…心配してんのは俺も一緒だ。探しに行くか?」

 

「………いや心配しずぎてもしょうがないからね。やめておくよ。スネ夫に嫌がられても困るし。」

 

「……確かにそうね。」

 

ドラえもんと美夜子さんは、考えた後にそう言った。そうだ。心配をしずぎてもしょうがない。スネ夫は今は1人で居たいはずだからな。と俺は気軽に考えていた。まさかスネ夫が今この時大ピンチである事も知らずに…ーーー

 

 

ーーーーーー

 

僕はビデオカメラを片手に昨日見た広場に来ていた。ここは昨日恐竜が大量に横切っていた場所。6500万年前に絶滅した筈のあの恐竜がここを…

 

「あれは恐竜の幽霊だったのか…」

 

そう考えると足が震えてきた。でものび太や和人に大見得切って恐竜は絶滅したと言った手前僕はあの正体を知る必要がある。僕はそう思いながら、崖を登り広場は予想以上に大平原だった僕はカメラを回した。

 

「何か写ってくるかもしれない。」

 

僕は回しつつけていた。しかし待てど暮らせど、何も映ってこなかった。

 

「やっぱり、昨日のは僕の気のせいだったのかな」

 

カメラを回しながらそう口にしていた。そんな時だった…

 

ブーーーーーン

 

音が聞こえた。何だかプロペラ機のようなそういう音だ。カメラをそっちに移すと、そこには…

 

「ぼ、僕のラジコン…?」

 

そう…ラジコンだ。あれは一昨日多摩川の底に沈んだはずのラジコン…ま、まさか…

 

「ら、ラジコンの幽霊だーーーー!!!」

 

怖くなり逃げた。カメラを投げ捨ててから一目散に逃げ出した。崖から落ち上を見上げるとラジコンの幽霊は僕を追いかけてきた。さらに怖くなり洞窟に逃げ込んだ。逃げてるうちに滑り台みたいな崖に滑り落ちたそのまま滑り落ちて出口が見えてそこからは、暗い洞窟に出た。

 

「ここどこだ…?」

 

僕は洞窟を歩いた。

 

「おーい!ドラえもーーん!明日奈せんぱーい!!直葉ちゃーん!和人ー!美夜子さーん!!」

 

迷子になってしまった…これはやばい…僕は確かにあの恐竜の正体を知りたかったけど、迷子になる気なんてさらさらなかった。歩いていたら、出口が見えてきた。

 

「しずちゃーん!!ママーー!!」

 

あの洞窟の近くではないだろうけど、明るかったのでそっちに行くことにした。出口から出るとそこには大きな地底湖があった。その光景をみていると後ろから足音が聞こえた。僕は崖にひっつくように隠れた。足音がどんどん近づいてきた。

 

「…あ、あれは!!」

 

バレないように崖の影からその姿を見た…足音の主は恐竜と…騎士の姿だった。その姿を見た僕は力が抜けるように湖の中に落ちてしまった。薄れゆく意識の中で竜の騎士が僕に手を差し伸べていたが僕の意識はそこで消えるのであった…ーーーー

 



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第16話竜の騎士〜ホールの破損と多摩川の秘密

中編です。
バンホーさんが登場します!

視点は和人、スネ夫、和人、のび太の順で行きます!


俺達は昨日のスネ夫が恐竜見たという広場でバギーの競争をしていた。今の所俺がリードで明日奈、スグが2位争い、しずと美夜子さんが3位争いをしていた。めちゃくちゃデットヒートしていた。俺はそのままゴールを目指そうとするが…

 

「…ん?」

 

「どうしたの?」

 

「何かある。」

 

「ん?…ビデオカメラ?」

 

ゴール目前に、黒い物体…ビデオカメラが落っこちてたのを見つけた。俺はバギーを止めて目の間に来た。これは確かスネ夫のビデオカメラだ。あいつ金持ちの癖にビデオはビデオカメラでって言って、撮影にはこれをいつも持ってきていた。そのスネ夫のビデオカメラが俺らの秘密基地の洞窟の出口と広場の崖の近くに落ちてあった。

 

「あいつは物を粗末にするやつだったっけ?」

 

「ナンパ男だけど、それはしないよね〜?」

 

「自慢ばかりするけどそこは弁えてると思う。そういえばスネ夫くん見てなかったね。ここに来てから。」

 

「置きっぱでどこいったんだろう?」

 

「勝手に家に帰ったんじゃない?」

 

「それは流石にしないだろうけどな。ノイローゼ気味って聞いたけど、ここまで来ると本気で心配だな。」

 

さっき、あんなこと言わずに探しに行けばよかったかもしれないな。ここに来てから誰もスネ夫の姿を見てないし、部屋に篭ってるだろうと思ってたから、そんな時だった。

 

ぴーぴー!!

 

「留守宅警報テレビ?…何でなってるんだろう?」

 

ドラえもんは不思議そうにそんな事を言っていた。俺達はやましい事やってないのにあの音がなってるからな。あれは家を抜け出したりしたとき、それがバレそうになるとブザーで知らせてくれる道具だ。俺達は別に抜け出してここに来てるわけじゃない。だから、何であれがなってるのかわからないけど。

 

「一応行ってみようぜ。何かあってたら、まずいだろ?」

 

「そうだね」

 

ドラえもんがスネ夫のビデオカメラをポケットに入れてたから俺達は秘密基地に戻っていき、留守宅警報テレビを見た…

 

『和人や直葉がいないんです。こんなに夜遅いのに。』

 

『家の明日奈もです。どこに行ったか知りませんか?』

 

『うちもみーちゃんがいないのどこ行ったのかしら?』

 

そこに映っていたのは、うちの母さんと明日奈の母さんが映っていた…時間を見ると9時を過ぎていた。やべぇ!?

 

「やばいぞ!!気づいたらもうこんな時間だ!帰ろーぜ!!」

 

「そうだね!!急いで帰ろ!!」

 

「ママ心配してるよー!?」

 

俺達は上に上がり急いで行こうとした。ふと目線をドラえもんに向けるまたどこでもホールを空き地に置いたまま、放置してきた。

 

「いいのか?あれ?」

 

「いいのいいの。何も起きないって!」

 

「まぁ、いいか!急ごう!」

 

どこでもホールを置いて、俺達は急いで帰路に着いた。母さん達から小言を言われたがそれ以外は何も言われずに家に入った。次の日にどこでもホールが無惨な姿になる事を知らずに…ーーーー

 

 

ーーーーーーーー

 

「ーーーースネ夫がいなくなってた?」

 

和人にそう告げられたのは、僕の部屋だ。今日は学校も師匠の稽古も休みで和人達が夜遅くまで秘密基地で遊んでいたのは知っていたけど……スネ夫が居なくなってたとは、近頃僕達を避けてるって感じはあったけどさ。

 

「ああ、家に帰ったんじゃないかって思ってる」

 

「僕もそう思ってね。ビデオカメラは回収したよ。グチグチ文句言われるかもしれないし。」

 

「まぁ、そうだね。今日はどうする?秘密基地行く?」

 

僕は昨日行けなかったからもちろん行くつもりだ。

 

「もちろん行くぜ!今日こそはバギー競走であいつらを負かす!!」

 

「負けず嫌いな性格を女の子相手に出さなくても、別に負けたなかったからいいじゃないか。和人くん」

 

「今日は僕も居るから、1位はやらないよ?」

 

「ふふふ!俺は昨日コツを掴んだからかな!!そう簡単にはやろんよ!はっはっは!!」

 

「キャラ迷子してるよ。」

 

「俺というキャラはこういう感じだろう!」

 

「メタなのかよくわからない発言はやめてよ。そんなことより行くよ。あーちゃん達も後で来るらしいし。」

 

キャラ迷子していた和人に冷静にツッコミを入れた後に僕達はタケコプターで空き地に向かった。空から見る街はほんとに爽快だなぁ。と思っていると、空き地が見えた。しかし…

 

「あいつらホールで何してるんだ?」

 

空き地には僕のクラスメイトの上原誠(うえはらまこと)西村憲剛(にしむらけんご)がバットでどこでもホールを転がしていた。ははーん、マンホールの蓋と思っていると転がして遊んでたわけだな、と思っていたら、憲剛がどこでもホールをバットで転がして、どこでもホールは道路にまで出た。その瞬間…

 

「あっ!?」

 

「どこでもホールが!?」

 

ちょうど通っていたトラックがどこでもホールを踏みつけた…ってあれやばくない!?

 

「…やばい逃げる?」

 

「マンホールの蓋壊したなんてバレたら母さんにどやされる!?」

 

「2人とも逃げんな!?」

 

逃げようとしていた2人を和人は呼び止めた。2人は上空に居る僕達を見つけた顔を青くした。

 

「和人にのび太…それにドラえもん…まさかこれってお前らの?」

 

「そのまさかだよ…」

 

「「…ごめん!!!」」

 

「ホントの持ち主はドラえもんだから、ドラえもんに謝って」

 

2人は僕と和人に向けて言ってきたのでどこでもホールの持ち主であるドラえもんに謝るように言った。ここで僕が怒ってもしょうがないし、ショックは大きいけど。せっかくの昼寝兼勉強部屋がなくなっちゃし、荷物もあったから…

 

「ドラえもん…本当にごめん!!マンホールの蓋って思って俺…」

 

「僕だって止めなかった。ほんとにごめんなさい!」

 

「大丈夫だよ…2人とも、僕がここに放置してたのも悪いし…」

 

2人はドラえもんに謝った。ドラえもんは怒るどころか、しゅんとした面持ちでそう言った。

 

「…ほんとにごめんな!俺達帰るわ…和人ものび太もまた明日」

 

「また明日ね…」

 

2人は反省したようにとぼとぼ帰って行った。あれだけ反省してれば、それでいいけど…今は和人か…

 

「和人。落ち着こうか。」

 

「何でそんなに冷静なんだよ!!そもそもドラえもんが昨日ここに置いてさえしなかったら!!!こんな事には!!」

 

「それはドラえもんも反省してるし。何より冷静にしないと和人が暴走するでしょ?」

 

「…わかったよ…ドラえもん悪かった。」

 

「…うん…昨日和人君に言われた通りにすれば良かったんだ…もしもボックスの時だってそうだ…僕が…」

 

確かにあの時と今の状況はよく似てる…僕は何で怒らないかはショックが大きすぎって事もあるけど、冷静さを失ってドラえもんに当り散らすのはお門違いと思ってる。それに、もしもボックスの時みたいに責任を押し付けあっても、何もならないから、今のドラえもんから見ても、ドラえもんに怒るのは間違ってるから…

 

「ドラえもん、本当に反省してるんなら、今後は大事な道具は放置しないこと。わかったね。」

 

「…のび太くん…うん…わかったよ…」

 

「ほらほら、元気だして!ドラえもんが暗いと後で来る皆が心配しちゃうよ!」

 

「のび太…うん!わかったよ」

 

「…はぁ…まぁ、ここで怒ってもしずと明日奈からまたこっぴどく叱られるのは目に見えてるしな。」

 

和人は呆れ顔でそう言った。…確かにしずちゃんとあーちゃんが1番怒りそうだな…あの二人に飛び火しないかな。

 

「……死ぬのかな僕…」

 

ドラえもんはすごく顔を青くして、そうな事言った。うん…ドラえもん流石にしずちゃんとあーちゃんはそこまでしないよ…多分…

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「……しばくよ?」

 

「…ッ!?」

 

今空き地は極寒の地にいるが如く寒さを漂わせていた。あれ?おかしいな。冬はまだ当分先なのに…って言うのは冗談として、案の定しずちゃんが、ブチギレた。そりゃもう、冷静にブチギレた。今のセリフは笑顔だけど、目は笑ってもなければ光もうつってやしなかった。僕はしずちゃんを落ち着かせるため、話しかけることにした。これ以上この空気を漂わせたくなかったし。ドラえもん死にそうだし。

 

「し、しずちゃん!ドラえもんは深く深くそれはもう地底の深ーくまで反省してるから、それ以上責めないであげて。」

 

「ははは〜。別に怒ってはないよ〜。……ただちょっとそこの青だぬきをたぬき鍋にするだけだよ?」

 

うん、それめっちゃキレてるよね!?めっちゃキレちゃってるよね!?最後のセリフってほんとにしずちゃんが言ったの!?思いっきりドスが利いてたけど!?ダメだ!これは僕でも止められない!?っていうかドラえもん!?何逃げようとしてんの!?

 

「ドーラちゃん?なーに逃げようとしてんの?今からあなたはたぬき鍋になるの逃げちゃダメよ?」

 

はいこれは、あーちゃんです。この子もすごくご立腹でございます!?和人が言った通りめっちゃキレてる!?

 

「ふ、2人とも1回落ち着こう。ほんとにダメだから!?ジャイアンも和人も止めて!?」

 

「こ、こればかりは俺でもどうする事もできない。」

 

「右に同じく。」

 

だと思ったよ!?でも今とめないとほんとにドラえもんたぬき鍋にされちゃう!?いや元々もたぬきじゃないけどね!?そこはどうでもいいか。

 

「直ちゃんも、美夜子さんも止めてよ!?」

 

「今手出しすると、危ないし、1回ドラちゃん痛い目見ないとわからないよ?」

 

「そうね〜。もしもボックスの時だってそうだったし、しず姉とアス姉を止めるの怖いし。」

 

痛い目というか、鍋なんだけど!?見た目はこれだけど、機械だからね!?誰がそんな鉄クズの鍋を食べたいんだよ!?って論点ズレまくってる!?あれ?そういえば。

 

「す、スネ夫は!?」

 

「今は狐よりこのたぬきを鍋にする話」

 

「どうコトコト煮込んだら美味しくなるかを考えてるとこ」

 

「いやもうやめたげてよ!?って実際しずちゃんもあーちゃんもそんなに怒ってないでしょ!?面白がってるでしょ!?」

 

「「…てへぺろ♪」」

 

「た、助かった…」

 

ふ、ふう…一先ず一安心か…

 

「それでスネ夫な…俺一昨日のあれから見てないぞ?」

 

「おかしいな。昨日帰ったんならジャイアンの目にも止まるはずなのに。」

 

和人の言った通り、スネ夫の家は空き地から出て、ジャイアンの家の前を通る。だからこそ昨日店番をしていたジャイアンがスネ夫の姿を見ないなんておかしな話だ。

 

「一応…スネ夫の家に行ってみる?」

 

「「「「えぇ…?」」」」

 

僕がそう言うと、女性陣は露骨に嫌な顔をした。そこまで嫌がらんでも…まぁ、これもスネ夫の日頃の行いが原因か…うんスネ夫がもし家に居たら、お説教しよう。流石に女性陣とは仲良くしてもらいたいし。

 

「はぁ…じゃあ女性陣はじゃんけんで残った人はもう帰っていいよ。」

 

「そうしましょ…癪だけど」

 

美夜子さん…聞こえてるよ。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

スネ夫の家の玄関の前に来ていた。じゃんけんで負けたのはしずちゃんであーちゃん、直ちゃん、美夜子さんは帰って行った。残りの男性陣も帰っていた。そして僕は、チャイムを押してスネ夫のママにスネ夫がいないかを聞こうとする前に…

 

「まぁ、のび太さんに和人さん、静香さん!この度はスネちゃまがお世話になって、3泊4日の合宿なんザマスって?」

 

スネ夫のママはそう捲し立てたというか、え?

 

「3泊…?」

 

「ちょっと心配ザマしたけど、ドラちゃまが一緒なら安心ともいまして、可愛い子には旅をさせよっていうザマしょ?あの子元気にしてるザマス?」

 

「えぇっと…え?」

 

「あの子はとっても心がおデリケートなものですから。」

 

この話を聞いて僕は確信を得た。

 

「のび太行くぞ。」

 

「のっちゃん」

 

「うん…ママさんお邪魔しました。」

 

「お母様によろしく〜」

 

僕達は早足でその場から去った。あの話が本当で本人が家にいないからという事は…スネ夫は…

 

「「「あの地底にまだいる…」」」

 

「あのバカ…とにかく家に帰ってドラえもんに言ってみる!2人は家に帰ってて!」

 

「「うん」」

 

僕はそれだけ言うと、タケコプターを頭につけてから家へ急いで帰ってから、ドラえもんと美夜子さんにこの事を伝えると、ドラえもんは酷く取り乱した。

 

「どうしよ!どうしよ!!」

 

「こんな時に魔法が使えたら!?」

 

「ドラえもん!美夜子さんも!落ち着いて!スネ夫のビデオカメラを見ようよ!何か写ってるかもしれない!」

 

「「それだ!!」」

 

僕と美夜子さんとドラえもんは急いで部屋から出てから、テレビのある居間に行き、そのビデオカメラのコードをテレビに刺し、その映像を見た…そこには…ひとりでに動いているラジコンとスネ夫が狼狽えながら、ビデオカメラを投げ捨てた映像だった…

 

「地底にスネ夫のラジコンが?」

 

「それも多摩川から?」

 

「こ、こーしちゃいられない!!急ごう!!」

 

ドラえもんにそう言われ僕達は急いで行こうとしたら…

 

「どこ行くの?」

 

ママが目の前に立って、そう聞いてきた。急いでる時に限って何で聞いてくるんだよ!?って当たり前か今の時刻は夕方6時、今から出掛けるには遅すぎる。

 

「いや、どこにも行かないよ。ごめんね、ママ。」

 

「ならいいけど、…無茶だけはしないようにね?」

 

ママは心配した風にそう言った。無茶はしないようにって?僕は安心させるために。

 

「わかってるよ。」

 

そう言っておいた。ママには何も言ってないはずだけど、ピー助の件も魔法の世界の事も全部向こうで済ませて帰ってきてるはずなのに、親は子供がやってる事はお見通しって事なのかな…僕らは部屋に戻った。

 

「夜に出かけよう。スネ夫くん無事でいてくれよ…」

 

ドラえもんは心配そうにそう言った。僕も心配だ。どこでもホールがあんな事になった後じゃ…ってそういえば…

 

「タイム風呂敷でどこでもホールを直せないの?」

 

「……タイム風呂敷ももしもボックスと一緒にメンテに出してるんだ…」

 

「それはタイミングが悪かったわね…」

 

ーーーーーーーーーー

 

 

そして夜になり、僕達は部屋を後にした。ママからは心配した顔で僕らを見ていたが、心配させないように何もしない事言った…騙してる感じで嫌だったけど、僕らは空き地に着いてからドラえもんがポケットに手を入れて、道具を出した。

 

「[夢風鈴]〜これは眠っている人を眠らせたまま呼び集め、自由に操ることができる道具なんだ!ジャイアン、静香ちゃん、明日奈ちゃん、和人くん、直葉ちゃん、すぐに着替えて空き地に来てくれ…」

 

そう言った数十分後にジャイアン達が寝ながら歩いてきた。何故か手を前にあげながら…ここは気にしないでいいのかな。

 

「こんな夜遅くに呼び出してごめんね」

 

僕達は皆を起こそうとして、まずはあーちゃんの前にたったが…

 

「…ぅゅ……」

 

あーちゃんが僕に抱きついてきた。…いやいやほんとに寝てるんだよね!?ピンポイント過ぎない!?そのままバランスが取れず僕はコケてしまった。あーちゃんはまだ眠っていて、それでいて、柔らかいのが僕の胸に押し付けられた。…柔らかいのはこの子の胸ですはい…あーちゃんのはでかい、美夜子さんも、しずちゃんもでかいけど、この子のはさらにでかい…小5なのになんでこんなに…何かこのままでいいやと思ってしまった…

 

「のっくん」

 

「…ッ!?」

 

鋭くそれでいて冷たい呼び方をされて、そちらを見ると美夜子さんが鋭い目で睨んでいた…はい!?今すぐ起こします!!

 

「あーちゃん!起きて!」

 

「…はぇ?のびちゃん?」

 

「起きて起きて!今からやる事あるから!」

 

僕はあーちゃんにそう言ったら、あーちゃんは、ゆっくりとだが、起き上がり立った。ふぅ…よかったよ。

 

「ってあれ?何で私空き地で寝てたの?それに何で着替えてるの?」

 

あーちゃんは不思議そうに自分の格好や今の状況に驚いていた。というか和人やしずちゃん達も起きていて、同じような反応をしていた。僕達はスネ夫の事をみんなに伝えた。和人としずちゃんはやっぱりみたいな顔になっていた。

 

「だからみんな、手を貸してください。僕がどこでもホールを空き地に置いたままにしたのが原因でスネ夫君を置き去りしちゃったから…多摩川の底にあるあの地底の入口を探すのを一緒に探してください。」

 

ドラえもんは深々と頭を下げて、みんなにそう言った。

 

「ドラちゃん…顔を上げてちょうだい昼間は確かに怒りすぎたと思うわ。昨日…いやもう一昨日か…あれだって冷静に考えると私達も急いでいたから同罪よ。だから、ドラちゃん…私やるよ。スネ夫君を探すの手伝うよ。スネ夫くんは一応友達だしね?」

 

「うちもごめんね、ドラちゃん。昼間は悪ノリがしすぎちゃった。うちだって一応スネ夫の友達だしね。だから。ドラちゃん手伝うよ。」

 

「そうだよ!ドラちゃん!あたしだってどこでもホールが壊れたって聞いた時ショックだったけど、怒ってなんかないし。一応あたしもスネ夫くんの友達だし、手伝うよ。」

 

3人はドラえもんに言い聞かせるようにそう言った。ドラえもんを見ると泣いていた。

 

「うぅ…ありがとう…3人ともぉ…」

 

「ほらほら、泣かないの!男の子でしょ!」

 

「ぐすん!…うん…そうだね」

 

ふぅ…これでドラえもんのメンタルは改善されたかなぁ…それにしても3人とも一々一応って強調してたな。ほんとにスネ夫には帰ってきたら、調ky…ゲフンゲフンお説教しないといけないね。

 

「よし…話は纏まったな。しかし…あのラジコンが本当にあそこにあったのか?」

 

ジャイアンが聞いてきた。

 

「うん…信じられなかったけど、僕とドラえもん、美夜子さんで確認したんだ。スネ夫のビデオカメラをね…」

 

「そうか…じゃあこーしちゃいられないな…急いで多摩川行こう」

 

「「「「「「「うん」」」」」」」

 

ジャイアンの一言で僕らは多摩川へと飛んで行った。

 

 

ーーーーーーー

 

「じゃあ、出発するよ!」

 

「「ちょっと待て!」」

 

「なに!急いで探さないとスネ夫くんが!?」

 

「いきなり川に入ったら俺達は死ぬぞ!?」

 

「……あっ。うっかりしてた。わりいわりい」

 

うん、しっかりして欲しい。そこはほんとに、ドラえもんは多摩川に着くやいなや、いきなり川に潜ろうとして僕と和人でそれを止めたロボットであるドラえもんは、川に入っても何ともないけど、僕達は人間だからね!?

 

「じゃあこれ[水中酸素アメ]〜!これを舐めてれば、水中でも酸素があるように歩けるんだ。では改めて、しゅっぱーつ!!」

 

ドラえもんの後を進んでいき川の中に入った、目を開けても、口を開けても苦しくはなかった。ほんとに22世紀の道具はなんでもありだな。後これは未来の道具だから間違っても普通の飴を舐めて、水中にいかないようにね?真似はダメ絶対。ってどこかの広告かな…っていうか水中で思い出した僕って…

 

「泳げないのに泳げてる…」

 

「水中酸素アメを舐めてる間は泳げない人でも泳げるんだ。さっきの説明の時言えてなかったね。」

 

「まぁ、その辺はいいか、ちゃっちゃと探そ。」

 

そうして探している間に時間がたった。その時だった。

 

「あっ!見っけた!!」

 

ジャイアンがそう言いながら、下に泳いでいったトンネルを見つけたのだろうか?

 

「空いてないジュースまだ飲めんな!」

 

「「今は洞窟みつけようとしてんだ!!そんな紛らわしいことすんな!!?」」

 

「お、おう…すまねぇ…」

 

ジャイアンが紛らわしい事を言ったので僕と和人は咄嗟にツッコミと怒りをぶつけた。全くもう…また時は過ぎ…

 

「あっ、のっちゃん!みて!!」

 

「また空いてないジュース?」

 

「ちーがーまーすー!!穴を見つけたよ!!」

 

しずちゃんが穴を見つけた、一瞬ジャイアンみたいなボケをかますと思ったけど、どうやら本当に穴を見つけたようだ。

 

「きっとこれだ!!」

 

穴の周りを僕、ドラえもん、和人、ジャイアン、あーちゃん、直ちゃん、しずちゃん、美夜子さんで囲み、その穴を見た。その穴は大人3人くらいは入れそうなものだった。僕達は意を決してその穴に飛び込んだ。その穴は最初こそ直角だったが、下に行くと直角に曲がりその後はまっすぐになっていた。そのまま進んでいくと水がどんどんなくなっていき、陸地ーーとは言っても洞窟の中ーーに着いた。そのまままっすぐタケコプターで飛んで行くとそこには…

 

「シダ?」

 

誰かがそう呟いた。確かにそこにあるのは白亜紀の時に行った時に見たシダだった。それ以外にも白亜紀の草や木々がそこにはあった。まるでここは白亜紀の…恐竜の時代のような場所であった。

 

「これは…あれは!!」

 

ドラえもんがそう叫ぶ、ドラえもんの目線を追っていくとそこには…

 

「クェーーーーーーー!!!」

 

あのケツァルコアトルが飛んでいた…あの姿を見るとあの冒険を思い出す…いやでもこれは…

 

「恐竜は…生きていた…?」

 

こんな形で見つけるとは思わなかった。スネ夫の事で恐竜の事は後回しにしてたけど…まさかこんな…皮肉みたいじゃないかこれじゃ…恐竜の絶滅を信じてやまないスネ夫を探していたら、恐竜がいるなんて…これってさ…

 

「夢?」

 

「じゃない現実だ。」

 

僕がそんな事を言うと和人からそう言われた。試しにつねってみる…直ちゃんを。

 

「のび兄!?何!?いひゃいいひゃい!!」

 

「やっぱり夢じゃないようだね。」

 

「なんであたしで試すのよ!!」

 

直ちゃんは、ほっぺを擦りながら聞いてきた。それはね…

 

「ちょうどいいほっぺたがそこにあったから、ごへぁ!?」

 

「ばかぁ!?」

 

正直に言ったら、殴られた。うん、悪いと思ってるよ。あまりにも現実離れしてたから少し混乱してた。

 

「おい、イチャイチャしてないで行くぞ。」

 

「「イチャイチャしてない!?」」

 

和人にそう言われ、僕らは2人でツッコんだ。そのキメ顔なんだよ、和人一発殴りたい。冗談だけど。それはともかく。

 

「ケツァルコアトルがいるって事は恐竜もいるんじゃない!?やっぱり恐竜は滅んでなかったんだ!!」

 

「でも○×占いでは、現在地球上には…」

 

ドラえもんはそこまで言うと何かに気づいたように止まってから口にした。

 

「そうか!地上では絶滅したけど地下では生き残ってたのか!」

 

ドラえもんは力強くそう言った。確かに○×占いに聞いたのは地球上で恐竜は生き残っているかだった。地下まで含まれないとなると○×占いは地上の部分に反応して、バツをあげた。今地下には恐竜がいるかと聞いたら間違いなくマルが浮かび上がるだろうな。

 

「でもどうしてこんな地底なんかに…不思議だ…」

 

「確かに不思議だね…」

 

「それは後で考えるとして、スネ夫探そうよ。」

 

僕らが不思議がってると、しずちゃんからそう言われた。確かに今はスネ夫の事だ。

 

「そうだった!早く見つけないと!スネ夫くーん!!」

 

僕達はスネ夫捜索を再開して、スネ夫を呼び続けた。

 

「スネ夫ー!!」

 

「スネ夫くーん!!」

 

「スネ夫くーん!!」

 

「スネ夫ーー!!」

 

「スネ夫くんーー!」

 

「スネ夫ーー!」

 

「スネ夫くーん!」

 

「スネ夫ーー!いるのかいないのか!いないんならいないって言え!!」

 

「「ジャイアンそれは無理ある!」」

 

ジャイアンが無理なこと言うからツッコミを入れてからもう一回、スネ夫を呼んだが、いっこうにスネ夫の姿は見えなかった。

 

「みんな一先ず降りよう!」

 

ドラえもんがそう言ったので僕らは陸地に降りた。それからドラえもんはポケットに手を入れてから道具を出した。

 

「[ミニ探検隊]〜!なんでも変わったものを発見すると、すぐに知らせてくれる!」

 

「え?スグに?」

 

「私の事じゃないよお兄ちゃん!!」

 

漫才してる兄妹はほっといて、ミニ探検隊の子達は探しに行った。

 

「これだけ大勢で探せばなんとかなるだろ?このまま歩いて探そう!」

 

僕達は歩いて探すことになった、またタケコプターの電池が切れてぐるぐる回されるからね。それにしても改めて見ると本当にここは地下なのか疑うくらいの白亜紀の森になってる。何千万年と誰にも見つからず、ここまで…

 

PPPP!!!

 

「何か発見したみたいだ!ここから近いみんな走るよ!」

 

ドラえもんに言われ僕達は走って、ミニ探検隊の子を発見した。

 

「ルックルックルックス!!」

 

その子は何を指さしていた。その方向を見るとそこには…

 

「スネ夫のラジコン!?」

 

そこには、ビデオカメラに映っていたスネ夫のラジコンだった。

 

「追いかけよう!!」

 

僕達はタケコプターを頭に乗せてから、飛び立った。ラジコンは早かった。そりゃもう早かった追いかけてるうちにタケコプターのバッテリーが上がんないかヒヤヒヤしていたが、何も無かった。けどラジコンの姿を取り逃してしまった。

 

「はぁはぁ!見失った!誰かがかい」

 

 

PPPPPP!!!

 

「あっちでも何かに発見したらしい!」

 

その方向に行き、ミニ探検隊の子を発見し、指差す方を見るとそこには巨大な岩に窓のような物が付いた建物のような物がそこにはあった。何だか、あれって。

 

「…地底人でもいるのかな?」

 

「それはありにしても、知能指数絶対低いか野蛮人だろーな。」

 

「怖いわね。悪魔の方がマシかも」

 

「悪魔の方が怖いでしょ?」

 

「どっちもどっちだよそんなん。」

 

僕、和人、美夜子さん、あーちゃんの順で喋った。悪魔が怖いかここにいるであろう地底人が怖いかは、地底人に会ってみないとわからないからどうしようもないけどね。

 

PPPPPP!!!

 

 

「もうまたなにか見つけたみたいだ!!」

 

「あの子達めっちゃ仕事してるから、給料あげよっか?」

 

「月500円?」

 

「何それブラック!?」

 

「そんな事言ってる前に、行くよ!」

 

しずちゃんとあーちゃんがそんな話をしていたので僕は急かすように言った。確かにミニ探検隊の子には働いてもらってるから、給料をあげないといけないな…ってそんなこと考えてる場合じゃないか。

 

「何かさっきから、同じ所をぐるぐるしてるみたいだァ…ッ!?」

 

そんな事を言ってたら、突然身体回った。というかあの状態だ。うっぷ…

 

「うぇ…これ何回されても、なれないや…」

 

「んなもん慣れてたまるか!」

 

「とりあえず降りよう!」

 

僕が最初にバッテリーを上げてしまって降りることになった。それからまた歩いて探すことになり、それからだった。

 

「ルックルックルックルック!!」

 

「今度は何を見つけたんだ?」

 

「慌ててない?」

 

「うーん…?…ッ!?みんな!!!走るよ!!!

 

ドラえもんは慌てながら、そう言ってきた。何故かって?

 

「ティラノサウルスは見つけても、知らせなくていいのーーーーーーー!!!!」

 

ミニ探検隊の子が見つけたのは、何とティラノサウルス!なんでもって言ってたけどね!?ほんとに何でもかんでも教えないでよ!!さっきの給料の話はもうなしだね!?って考えながら走ってたら急に身体が浮いた…はいティラノサウルスに捕まりました、なんで僕!?白亜紀の時のティラノサウルスに会いたいよ!?あのあほ面もう一回見せて!?なんて考えていると、ティラノサウルスに弓矢が刺さっていた。え?

 

「ドラえもん?」

 

「僕じゃないから!!早く逃げるよ!」

 

ドラえもんが助けてくれたと思ったら違った。無数の矢はティラノサウルスをこれでもかと刺していた…うわぁこれがスプラッシュショーかぁ…

 

「現実逃避すんな!」

 

和人からそう言われた。何で考えてることわかんだろうか。ティラノサウルスはとうとう力尽きてその場に倒れた。

 

「し、死んだのか?」

 

「…みたいだね。」

 

「ドラえもんじゃないとすると誰が?」

 

「静かに…誰か来る!」

 

ドラえもんにそう言われティラノサウルスに群がる無数の人影がそこにはよく見ると顔に模様を塗り、服装は昔見たことがある原始人のような人…では無い何かに似た何かがそこにいた…

 

「僕が挨拶してくる…」

 

「絶対捕まるぞ。」

 

「見た目で判断しちゃいけない。あんな見た目だけど、実は…」

 

そんな事言ってるドラえもんの首元に槍が…ドラえもん…見た目通りじゃないか…

 

「ダメだったか…」




雷神「フゥ…疲れた」

銀「中編でこんなに長いのかよ。後編どうなるんだ?」

雷神「ちょっと前編を短くしずぎちゃったから後編はもっとかかるかもね。」

銀「それって、これ以上にか?というか中編すごいアニメネタやメタ発言多かったな。」

雷神「補足もつけてるしね?」

銀「泳げないはずののび太が泳げてる矛盾とかか?」

雷神「そうそう!それっぽく書いたけど、無理があったかな?」

銀「それは読者さんが判断するだろ。感想待ってろ」

雷神「そうだな。」

銀「でよ。雷神ふと疑問に思ったんだがよ。」

雷神「何?」

銀「明久とかサトシとかかをここに呼ばなくていいのか?ここんとこ俺ばっかりここにいるが…」

雷神「あぁ…それは単純に…」

銀「単純に?」

雷神「怖い…うちの小説のサトシと明久チートだから、特にサトシはチート中のチートだから尚更…」

銀「はぁ…お前は最近あいつらの小説も書いてないだろ。この小説が一段落したら書いてやれよ。前はあいつらも凶暴だったが、今じゃ何も言ってこねぇだろうが。」

雷神「愛想つかされてるとも言わない?」

銀「まぁ、ついてるだろうがよ。次回は明久呼んでこい。そしてあいつが来なかったら、愛想つかされてる証拠だ。」

雷神「はぁ…それもそうか…ではみなさん!次回は竜の騎士後編です!楽しみにお待ちください!」

銀「それとこの時後書き劇場も楽しみにな!」


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第17話竜の騎士〜河童似の一族と竜の騎士

視点はのび太です


 

結論から言うと僕達は捕まった。今いるのは原始人の人間のような何かの集落にいる…さっき捉えたティラノサウルスはもう骨だけになっていた。何かに似た奴らは…何に似てるんだろう…あーいう顔が逆三角の生き物…イヤ生き物じゃないな…伝説上の…あぁ!!そうか!

 

「カッパそっくり!」

 

「いや似てるけど今言う事!?」

 

「黙って何考えてると思ったら、捕まってるのに。」

 

「お気楽なの?馬鹿なの?」

 

「のっくんそれは無いよ?」

 

僕がそう言うと、女性陣から強烈なツッコミを受けた。あれれ?何か目から汗が出てきてるけどなんだろうかこれは…と思っているとカッパに似たやつらがこっちに近づいてきた。あれ?日本語わかるの?

 

「ジラオカヘンテクコ!」

 

「ピキピー!ハッハッハ!!」

 

何こいつら人の顔をジロジロ見て何か喋って笑いだした。

 

「こいつらにとってのび太の顔が面白いんだろ?」

 

「イケメンな君に言われたらホントに惨めだね僕って。」

 

「イケメンの方が辛いぞ。見られすぎるから。」

 

何その贅沢な悩み!?殴っていい?一発殴っていいよね!?って今手が塞がってるから無理か…確かに僕の顔は平凡さ、イケメンの和人にはわからないだろうね!!平凡な顔の辛さをさ!!って言うかこいつらいつまで笑ってんだ!!

 

「いい加減にしろーーー!!」

 

「ギラオ!ゲラオカ!!」

 

僕が叫ぶと、槍を突き付けてきた。何これもう悪循環?でもないか…

 

「ガオ?」

 

「ギオ?」

 

「グオ?」

 

「ゲオ?」

 

「ゴオ?」

 

何こいつらいきなりが行で驚いてるんだけど、最後のゴオって絶対発音しにくいでしょ?って思いながら上を見るとスネ夫のラジコンがあった。何だスネ夫のラジコンか…ってなんでスネ夫のラジコンが!?

 

「スネ夫のラジコンだ!?」

 

スネ夫のラジコンはそのまままっすぐ、下降してきて、カッパ共を転けさせた。いいぞもっとやれ!!と思ったけどカッパ達は慌てたように僕らを連れて移動した。

 

「何かから逃げてるのかな?」

 

「多分ね。スネ夫のラジコンを見た瞬間にこれだ。」

 

「バカに急いでるようだ。」

 

「ソコダソコダ!」

 

「いやどこだし!」

 

「しずちゃん反応しないの!」

 

みんな口々そう言っていた。しずちゃんはソコダソコダと言ってる奴に反応していた。時々日本語みたいな事言うからなこいつら。

 

「オ?ワレシツブレロ!」

 

「ズガタカイズガタカイカクレロカクレロ!!」

 

1人(一匹)が何かに反応してから、カッパ共は蹲り出した。って今のは頭が高い隠れろって言ったよね!?こいつらなんなの!?日本語本当は知ってるんじゃないの!?

 

「何かにいるのかな?」

 

「ハヤクカクレロ!」

 

もうつっこまないよ…あーちゃんが言ったように奥に何かにいる…。あれは…騎士?その騎士が乗っているのオルニトミムスがこちらに気づいたのかこちらを向いた。

 

「うほおおおおおおおおおおおおおおお!!ヤッタルデ!!」

 

「ソヤデソヤデ!」

 

「やめられない♪とまらない♪」

 

うわぁ…とうとう関西弁っぽいの言ってる奴まで出てきた。マジでなんなのあいつら…っていうか最後の奴に限ってはカッパ○びせんの歌じゃないか!マジでなんなの!?何て考えてると、カッパ共は騎士に蹂躙されていた。うんそれは字のごとく蹂躙あっという間カッパ共はやられていた。威勢よく出た割にはほんとにあっけなく散った。えぇ…悪魔より弱いんじゃない?

 

「あれは悪魔より弱いわね。魔法が使えたら、あいつらけっちょんけっちょんにしてやったのに!」

 

後ろにいる元魔法少女からもお墨付きに弱いんだあいつら…ってそんな奴らだったら、僕達も戦えたんじゃない!?

 

「俺達直ぐに捕まったろ。ドラえもんも手が塞がれちゃ何もできないって」

 

「それはそうだけどさ…って何普通に地の文字に反応してくれちゃってんの?」

 

「俺だからな。」

 

「何その自信ウザイ。」

 

「ってそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!あの人こっちに来てるよ!」

 

あーちゃんに言われそちらを見ると騎士がこっちに来ていた

 

「敵かな味方かな?」

 

「それは私たちが勝手に決める!」

 

「そこでそのセリフ聞けるとは思わなかったけど一回黙ろうか。」

 

直ちゃんからあの有名なセリフを聞かされるとは、思わなかったけど、騎士は徐に剣を振り切って…縄を切ってくれた。

 

「ふぅ…助けてくれたという事は…」

 

「味方だね…」

 

「こんにちわ!僕ドラえもん…は言葉が通じないか、[翻訳コンニャク]!はいみんな食べて!」

 

ドラえもんは翻訳コンニャクを出してみんなに配り、それを食べてその騎士の方に向いて、言葉を待っていた…

 

「地上人の諸君怪我がなくて何よりだ…」

 

どうやら、この人は僕達の事を知ってる様子だった。まさかスネ夫が先に来てるんだろうか?

 

「地上人って。という事は僕達の事を!」

 

「ああ、もちろん私は竜騎隊士バンホー。これからの諸君の安全は私が保証しよう。」

 

「お願いします…僕はドラえもんです!」

 

「僕は野比のび太です。」

 

「俺は桐ヶ谷和人です。」

 

「うちは…いや私は源静香です!」

 

「私は、満月美夜子です!」

 

「私は、桐ヶ谷直葉です!」

 

「俺は剛田武です!ジャイアンと呼んでください!」

 

「それでですけど、僕達の前に男の子いませんでした?」

 

「こんな顔した。」

 

「来たよ。我々が保護している。それも含めて、これからの話をする。」

 

こうして僕達は自己紹介をしてからスネ夫の事を聞き彼、竜騎隊士バンホーさん彼との出会いが、これから直面する事になる恐竜が何故地下に居るのかを証明する事になるとはこの時の僕は夢にも思ってなかった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

バンホーさんが言うにはスネ夫は今ここにはいなくて、ホワ大陸の首都エンリルという場所にいるそうで、そこまでついて行くことになった。この地底ってそんなに広いんだね。歩いてる間に、スネ夫のラジコンを見つけた。バンホーさん曰く川底で拾って改造して監視用に使っているみたい。ドラえもんが言うにはかなり科学技術が発達してるみたいだ。22世紀から来た科学の結晶がそう言うんだから、相当な化学文明みたいだ。バンホーさんはなんでも原始動物保護区の監察官で地上ではとっくに絶滅しているはずの古代生物がここでは僅かに生き残っている。その貴重な動物達を密猟者から守ったり、地上世界へ迷い込んりするのを防ぐらしい。

 

「…地上で目撃されたネッシーはそれか」

 

「みたいだな。ネッシーとかは説明はつくし、日本の妖怪カッパはさっきのだろうな。」

 

僕と和人はそう推測した。そう考えると恐竜はやっぱり絶滅してなかったんだ。何故ここにいるかはわからないけど。

 

「…ねぇここって見覚えあるんだけど。」

 

そんな事を考ええていると、直ちゃんが言い出した。辺りを見るとどこでもホールに出たあの秘密基地の入口が見えた。

 

「荷物取りたいね。」

 

「俺もステージ衣装」

 

「…それはまた後だ。今はスネ夫だろ?」

 

「それもそうね、止まってても仕方ないし。」

 

和人と美夜子さんが言った事ももっともだ。秘密基地の事を一旦置いといて、奥へと進んだ。そこには…

 

「地底湖…すごい」

 

「君達の友人はこの地底湖で発見され、保護した。まもなく港だ。」

 

地底湖に感動してた僕達を諭すようにバンホーさんはオルニトミムスを走らせた。地底湖沿いを歩いていくと、港が見えた。そこには戦艦大和のような…いや、海賊船のような鉄の帆船だった。バンホーさん曰く地力を利用して動いてるそうだ。

 

「乗りなさい!すぐに出航する!」

 

バンホーさんが乗組員に何かを話した後に僕らにそう言った。船の中に入りバンホーさんに連れられて部屋に入った。そこは広い洋風の部屋で大きな地図がそこにあった。

 

「エンリル市まで5時間の行程だ。ゆっくりくつろいでくれたまえ。ではまた後で」

 

バンホーさんはそう言うと部屋を出ていった。優しい人だけど、何か裏がある気がする。

 

「のっちゃん!見てみて!めっちゃいい眺めだよ!」

 

しずちゃんにそう言われ僕は窓の外を見た。確かにいい眺めだなぁ。と思っていると船が動き出した。するとどうだろう船はまっすぐ壁の方へ突っ込もうとしていた…は!?

 

「なにやってんの!?」

 

「やべぇぞ!?」

 

僕と和人が驚いてる間に船は壁に入っていく。心臓に悪いよ!?地面の中を進んでいる。これがこの地底にある技術…

 

「みんな!この世界地図を見て!」

 

ドラえもんにそう言われ、壁に貼ってあった。地図を見ると、緑色の点が点滅している。これが今乗ってる船か。

 

「どうも地底の大空洞の地図らしい。」

 

「あれ?地球の表面からすぐ下はマントルなんだよね?」

 

僕達が思っていた事を直ちゃんが言ったらドラえもんがすぐに教えてくれた。……ダジャレじゃないからね?

 

「すぐ下とは言っても、直径百キロくらいの厚さがあるんだよ。地底に大陸があったって不思議じゃない。」

 

ドラえもんは、真剣な目で僕達に言った。確かに百キロくらいの厚さがあれば、その理屈は通るし不思議でもないか…地底に文明を築くなんて、この世界の人達はすごく努力したんだな。

 

「…あの辺が日本だ!」

 

「それは大した事じゃないでしょ?」

 

「でも気になるじゃん!うちって何かこういうのを見つけたいんだ!日本がどこにあるのかハワイがどこにあるのかも!」

 

そういや昔からそんな感じだったな、しずちゃん。探究心の塊みたいな感じで。

 

「この船はアメリカに向かってるのね。」

 

美夜子さんがそう言った。確かにあの方向だったらアメリカになるね。

 

「アメリカかぁ…」

 

あーちゃんが何かに思い出すように呟いた。そういえばアメリカにあーちゃんはいたんだっけ。

 

「病気が治ったら、すぐに帰るはずだったのに兄さんがまだアメリカにいたいって駄々をこねたの。お父さんもアメリカで何かに勉強したいって言うからね…2年前にアメリカからこっちに戻ったの。まさかこんな形でアメリカに行くことになるなんて」

 

前には話さなかったけど、あーちゃんは僕らの街に来る前に他の街にいたらしんだけど、その後は前にも言った経緯で僕らの街にいる感じ

 

「とは言っても地底だからな?」

 

「それは余計だよ。和人くん」

 

和人が余計な事を言ってあーちゃんはジト目でツッコミを入れた。なんて言うか妙に息合ってるよね。あーちゃんと和人って…

 

「なになに?のびちゃんも加わりたいの?」

 

「うちがやってやろうか?」

 

「のび兄には私が…」

 

僕の考えてる事がわかったのか、あーちゃん、しずちゃん、直ちゃんがいじってきた。何かに電波でも出てたのかな?

 

「その通り、君達は地底世界最大のホワ大陸を目指している。その中央にエンリルがある」

 

僕達が話していると、声が聞こえ後ろ振り向くと見たことのない人?が入ってきた。誰だろこの人?

 

「どうしたんだ?僕だよ。バンホーだよ。」

 

「そういえば、その声はそうだけど。」

 

「失礼ですけど、変な感じです。」

 

「本当に失礼だな。僕達から見たら君たちこそ…」

 

バンホーさんが言いかけてたのはきっと僕達の方も変なんだろう…これは1種の差別発言だよね。気をつけよ。

 

「いやいい。食事を持ってきた。食べてくれ」

 

バンホーさんは、目の前にある荷物を出しながらそう言った。

 

「ありがとうございます。それと色々話し合いたいことが…」

 

僕はバンホーさんにそう言ったでもバンホーさんはこれから船が着くまでに法王庁に報告書をまとめないといけないと言って、部屋から出ていった。

 

「忙しそうだな。」

 

「僕達は言わば、不法侵入者みたいなもんだろうしね。お腹空いたしご飯食べよ?」

 

「それもそうね。」

 

僕がそう言うとみんなはご飯を1人ずつ持ってからテーブルに座った。ドラえもんがなんだか辛気臭い顔でご飯を見ていた。どうしたんだろう?

 

「これ食べれるのかな…」

 

「「じゃあ、食べなくていいよ。」」

 

僕と美夜子さんがそんな事をのたまったドラえもんにそう言ってドラえもんのをとった。美夜子さんは家で食事担当だし、当然だ。僕がなぜ言ったか?食べ物を粗末に扱ったドラえもんに怒ったから。善意でくれたってのに。

 

「あっ!!ごめん!!食べるから!!食べるから返して!」

 

「じゃあ、次からそんなこと言わないように!食べ物は粗末にしないこと!」

 

「…はーい」

 

美夜子さんがそう言うとドラえもんはしゅんとなりながら、そう言った。

 

「ドラちゃんが、みっちゃんの弟みたい…」

 

しずちゃんがそう呟いていた。まぁ、確かに今のドラえもんって嫌いな物を前にした子供みたいだったけどさ。……美夜子さんの実年齢を鑑みても…

 

「……」

 

よしこの考えはやめよう!え?なんでかって?美夜子さんが今にでも使えない魔法を使いそうな勢いでこっちを見てたからさ!何でこういう事って女性陣気がつくんだろうね!…まぁ、それはともかくとして僕は目の前にある食べ物を食べてみた。…前にいるジャイアンはガツガツ食ってるけど。

 

「…これ美味しい!」

 

「本当だ…これは地上と同じ味付けね。」

 

美夜子さんは料理人としての方で感心してた。何か今にでもレシピを聞きに行きたそうな感じなってる。

 

「ちょっとレシピを聞いて来るわ!」

 

「待って待って!調理室わかんないでしょ!?」

 

案の定、行こうとした美夜子さんを止めた。もう少し遅かったら美夜子さんが迷子になるところだった。

 

「あら、いけない。てへ♪」

 

美夜子さんは舌を出しながら頭をかいていた。いわゆるてへぺろってやつだね…

 

「全く…でドラえもんは次に何が不満なわけ?」

 

「どら焼き」

 

「OK…もうドラえもんは黙って食ってて」

 

ドラえもんの不満を聞く前にわかったので聞いた瞬間黙らせて食わせた。僕の家に住んでる人は何でこんなのばっかなの?まぁ、素直に食べてるからいいか。

 

「大変ね〜のっちゃんも〜」

 

「何て言ってるしずちゃんは何してるの?」

 

「貰おうと思って♪」

 

「僕の分取らないで!?しずちゃんもいっぱいあるでしょうが!?」

 

「もう食べちゃった。」

 

「何その無駄なはやさ!?僕食べてないからあげません!!」

 

「ぶう…のっちゃんのケチ」

 

ケチも何もないよ!?僕は慌てながら、ご飯をかっこんだ。しずちゃんは名残惜しそうに人差し指を顔に当て見ていた。どんだけ食い意地はってるの!?

 

ーーーーーー

 

「のびちゃん」

 

食事も終わり、僕は窓の外を見ていたらあーちゃんに声をかけられ。振り向くとみんながいた。

 

「どしたの?」

 

「私達を連れて行って何されるのかなと思って。」

 

「うーん、スネ夫に会わせてくれるとは聞いたけど。」

 

「うちは信用できると思うよ?」

 

「…問題はスネ夫に会った後にすんなり地上へ帰してくれるかだ。」

 

「そうね…?…何か暑くない?」

 

確かに暑い。外を見ると何故か辺りが赤くなっていた。どんどん暑くなっていくと僕ら男性陣は服を脱ぎ暑さを凌ごうとしたが横を見ると…

 

「ってあーちゃん達まで脱がないの!?」

 

女性陣まで服を脱ぎ始めていた。危機感持ってよ!?スタイル人一倍すごいんだから、みんなは…

 

「だって暑いんだもん〜。」

 

「まずいな。実にまずいな。げへへ」

 

「「青だぬきはむこう向いてろ!!」」

 

何でこのロボットは人間の女子の裸を見て欲情するんだよ!?猫だからか!?獣だからか!?なんて考えていると…

 

ピーピーピー!!

 

『うっかりしていた。今火山帯を通過中だ。ドアの横のスイッチを押しなさい』

 

バンホーさんの言う通りに、ジャイアンがボタンを押していた。その後に部屋が涼しくなってきた。ふう、安心…

 

「残念だなぁ…」

 

する前にこのロボットには手厚いお仕置きをしないといけないね。反省を全くしてないし、和人と目が合い頷き合うと僕達はドラえもんの腕を掴みこう言った。

 

「「ドラえもん、ちょっとOHANASIしようか?」」

 

「え?ちょっとのび太くん?和人くんなに…ぎゃあああああ!!!」

 



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第18話竜の騎士〜首都エンリルと地下世界の歴史〜

はい!どうも雷神です!
竜の騎士後半になります!魔界大冒険のように劇場版の最後部分を入れていきます!


視点はのび太です!


「ーーーーーごめんなさい、二度としません。」

 

ドラえもんはボロボロ状態でそう言っていた。ちょっとやりすぎたかな?ははは…

 

「火山帯って事は、ハワイの近くだね〜」

 

しずちゃんスルースキルすごいなぁ…さっきまでの出来事を何も無かったかのように振舞ってる。逆に怖い。まぁ、いつの間にかその火山帯も越えていた。すると壁の向こうには建物や他の船なんかが停泊していた。僕達は船から降りると、バンホーさんに連れられて、オルニトミムス2頭が引っ張る馬車(この場合は竜車?)に乗り、港町を離れ、大陸横断鉄道に来ていた。あと地底には、自動車やバイクが無かった。ドラえもんは排気ガスが出るからとか言っていたけど、現代社会は今や電気自動車って感じだから、地底でもあるものかと思っていた。地上の今の化学より発達してるんだったら…

 

「ここはエンリルじゃないって事ですか?」

 

あーちゃんがそう聞いた。僕も思っていたからバンホーさんの方に顔を向けた。

 

「首都エンリルは、ホワ大陸の中央にあるとさっきも言ったはずだ。ここは首都より離れている港町。今から行く駅に乗って、エンリルまで行く。」

 

そういえば、そう言っていた。色々あったから忘れてた。バンホーさんが言った後に駅に着き僕達は電車っぽい乗り物に乗った、その乗り物は僕達が乗車した数分後に出発した。

 

「それにしても、早いなぁ、新幹線より早いんじゃない?」

 

「それに静かだしね?」

 

僕達が乗ってる乗り物は新幹線より早かった。走行音も何もしない。全くの無音ってわけじゃないけど、静かだった。

 

「そうさ。この乗り物動力は磁気なんだ。」

 

ドアが開き、バンホーさんが入ってきた。なるほど、磁気という事はこれはリニアモーターカー…今になってはリニアモーターカーも普及はしてるけど、ここは地上とは違って、地底…いや地底だから磁気も強いのかもしれないな。

 

「あとどのくらいでエンリルにつくんですか?」

 

和人がバンホーさんに聞いていた。僕も気になったから、そっちに意識を向けた。

 

「まだ大分掛る。それまでゆっくり休んでおきなさい。なにかあったらそこのボタンで知らせてくれ。」

 

そう言ってバンホーさんは出ていった。僕達は特にやることも無く寝る事にした。

 

 

ーーーーーー

 

 

「ーーーーーーび太くん!のび太くん!起きて!」

 

「……んが?」

 

「着いたぞ。」

 

ドラえもんに起こされ、和人にそう言われ周りを見たらリニアモーターカーが止まっていた。また僕の悪癖が出てたみたい

 

「ごめんごめん。」

 

「俺らも今起きたところだ。行くぞ。」

 

僕達は、リニアモーターカーから降りて、エンリル駅の広場でバンホーさんの話を聞いていた。でも…

 

「ーーーースネ夫に直ぐに会わせられない?」

 

「約束が違うじゃないですか!」

 

「勝手な事を言ってはいかん!いいかい?君達が不法入国者だという事を忘れちゃいかん。」

 

……確かに僕達は、不法入国者だ。バンホーさんが言ってる事は何も間違っちゃいない。間違っちゃいないけど、最初に言って欲しかった。それから僕達はそれぞれ尋問を受けた。僕は名前や住所、年齢を言うことになった。これはどこの国でもされる事、不法入国や不法侵入を犯した人がやる事がさだめ…別に不満じゃないけど、厳ついおじさん竜人達にジロジロ見られるのは、嫌だった。

 

「のび太」

 

尋問も終わり、僕は広場に戻って椅子に座っていると和人の声が聞こえた。

 

「あっ、和人も終わった?何された?」

 

「住所とか聞かれたな。のび太は?」

 

「僕も同じだね。女性陣は何されてんだろう?」

 

気がかりなのは女性陣だ。ドラえもんやジャイアンならまだしも、女性陣に何かあったら全員のご両親に面目が立たない。美夜子さんは僕の両親だけど。いや満月牧師だね。おじさん竜人共にエロい事されてたら多分僕は暴れ狂うだろうな。まぁ、暴走した僕を和人がと…めるわけないか直ちゃんもいるし。和人はシスコンだから、直ちゃんに何かあれば暴走する。うん確実に。

 

「戻ったよ〜ってどったの2人とも、渋い顔しちゃって」

 

何て考えてるとしずちゃんが戻ってきた。見た所何もされてないだろうけど。

 

「大丈夫だった?おじさん竜人共に何もされなかった!?」

 

「な、何もされてないから!落ち着いて!?こっちはおじさん竜人じゃなかったから!お姉さんだったから大丈夫!」

 

「ほ…よかった。いやでも後の3人も心配だ」

 

「3人のもお姉さんだったし。心配無用だって〜だからそこのお兄ちゃんも落ち着こうね?」

 

後ろを振り向くと、ソワソワしていた和人と目が合った。心配無用だって言われても心配は心配だよ。

 

「って言ってるうちに戻ってきたよ。あっちゃん」

 

しずちゃんが指さした方を見るとあーちゃんが歩いてきた。ふう…

 

「どうしたの?2人とも」

 

「うちらが心配だったんだって〜、おじさん竜人達に何かされたんじゃないかって。」

 

しずちゃんはニヤニヤしながら、あーちゃんに言った。あーちゃんはみるみるうちに顔が赤くなった。正直言おう可愛い…

 

「ば、バカなこと言わないでよ!それに私の体は、のびちゃんの」

 

「公の場で何言おうとした君は!?」

 

あーちゃんが変な事言う前に口を塞いだ。何言おうとしたかはだいたい予想つくけど、つきたくなかったけど…

 

「…ぷは!とにかく!私は何もされてないわ!」

 

「ふう、あとはスグと美夜子さんか…」

 

「そうだね。早く戻ってこないかな。美夜子さんと直ちゃん」

 

「ジャイアンとドラちゃん忘れないでよ。」

 

「「男だし問題ない。」」

 

僕と和人がそう言うと、2人は苦笑いした。自分でも驚くくらい、即答したな。

 

「そういう所で以心伝心しなくても」

 

「まぁ、親友だしね。僕と和人との心の距離!目をつむっていてもすぐわかるし」

 

「…どっかの歌詞みたいなこと言うな…というか、スグはまだか…のび太に嫁入りする前に竜人共に何か…」

 

「何かって何?」

 

「そりゃ〇〇〇とか〇〇〇とか?それはのび太にやってほし…ってあれ?今ののび太か?」

 

「後ろ」

 

僕が和人の後ろを指さすと、和人はロボットのようにギギギと後ろに振り返った。まぁ、そこには直ちゃんがいるわけだけど…目が笑ってない状態で…

 

「…お兄ちゃんのドスケベ!!!」

 

そう言って、和人をぶん殴った。…おおー綺麗な曲線で飛んでるなぁ。同情はしないよ。だって和人のさっきの禁止用語はまじでやばいし。小5の彼が何故あんなの知ってるのかは知らない。まぁ僕も何で知ってるかは内緒だよ。直ちゃんも無事なのは、よかった。後は美夜子さんか…

 

「美夜子さん…」

 

「呼んだ?」

 

「うお!?」

 

僕が美夜子さんと呟いたら、美夜子さんが前触れもなく現れた。ってあれ?魔法使えないよね?

 

「さっき戻ってきたけど、気づかなったの?」

 

「うん、でもこれで女性陣全員が無事なのは確認できた。」

 

「なにそれ?」

 

「うちらが心配だったって!いかがわしいことされてないか」

 

またもや、ニヤニヤしずちゃんが言い出した。でも美夜子さんは顔色ひとつも変えず言ってのけた。

 

「私の体はのっくんのだし。男性は和人くんやジャイアン以外に触れられるのは絶対嫌だしね。」

 

「……」

 

うん、冷静に言うものだから口を押さえられなかった。これが年上の貫禄というものなのか、身体年齢は僕らと一緒だけど。…多分今僕の顔は真っ赤だ。暑いし。というか、ドラえもんとスネ夫の名前がなかった。ドラえもんには魔法世界の時とか変態顔されたし、スネ夫は常日頃からナンパされてるから、しょうがないか…しょうがないのか?

 

「……う、うちの!だ、だって!」

 

「し、しずちゃんは言わないで、心臓に悪いから。」

 

しずちゃんが言う前に制した。これ以上は僕の心臓がやばくなる。あーちゃんの時以上に。

 

「…むぅ…」

 

言う前に制したもんだから、しずちゃんはほっぺを膨らませた。…可愛いけど、可愛んだけども!!

 

「と、とりあえず!ドラえもんとジャイアンを…」

 

「俺は終わったぞ」

 

「ぎょえ!?」

 

僕が場を、ただそうと思ったら、ジャイアンの声が聞こえたから変な声を出してしまった。何みんな色んな意味で僕の心臓を狙ってるの!?

 

「すまんすまん、最後は、ドラえもんか」

 

「うん…」

 

何だかとても疲れた気がする…ドラえもんが戻ってくるまで僕は持つかな?

 

 

ーーーーーー

 

 

「ーーーはぁ…くすぐったい取り調べだった。」

 

ドラえもんは戻ってくるなりそう言った。どうやらドラえもんはこちょこちょの取り調べだったらしい。何そのふざけた取り調べ。

 

「…これからどうなるんだ?」

 

「わからない」

 

「まぁ、そうだよなぁ。」

 

ガチャ!

 

「「「「「「「「ん?」」」」」」」」

 

ドアが空く音が聞こえたら、そちらを振り向くとスネ夫がいた。五体満足でそこに。

 

「みんな…来てくれたんだ!」

 

スネ夫は、そう言いながら走ってきた。僕は手を出しスネ夫と握手した。

 

「スネ夫無事だったんだ。よかった。」

 

「心配してたよ。」

 

「うんうん」

 

「ぐはっ」

 

「しず、明日奈、スグもっと心を込めろよ。」

 

後ろにいるしずちゃん、あーちゃん、直ちゃんが棒読みでスネ夫に向けて、そう言った。うわぁ、ここまで来るともう何もできないよ。スネ夫は心に100くらいダメージ受けたんだろうね。

 

「まぁ、ともかく無事でよかったわ。」

 

ありがとう、美夜子さん!!これでスネ夫の心は少し安らぐよ。スネ夫は美夜子さんに近づこうとしたが。

 

「でも近づかないでね?」

 

「ぐほっ!?

 

前言撤回…またノイローゼになるよ!?やめたげて!!スネ夫のライフはとっくゼロだよ!?

 

「取調べの結果、君達が悪意の侵入者じゃない事がはっきりした。スネ夫君も同様だ。」

 

バンホーさんは何事もないように話しかけてきた。うん…今の光景をスルーするって騎士だからかな、いや心做しか苦笑いしてる。

 

「だから、地上に送り返してあげよう!」

 

その言葉を聞いて僕達は歓喜した。

 

「しかし!法王の認可手続き上2、3日居てもらう」

 

歓喜する僕達を前にバンホーさんが強くそう言った。まぁ、2、3日はしょうがないか。

 

「その間に観光でもしようよ!」

 

しずちゃんがそう提案した確かにそれがいいかも。

 

「これを学校に発表したら一大先生賞だな…」

 

「生憎だがそれはできない。地底世界に関する記憶は全て消す事になるよ。」

 

急に記憶を消すと言われても、納得はできなかった。でも贅沢は言っちゃいけない。

 

「…まぁ、それが1番いい事か…地上に帰れるんなら。」

 

和人が言ったように地上に帰れるんだからね。それも合理的だし、僕らがこの地底世界の事を、口をすべらしたら一気にこの世界に地上の人達が来るかもしれない。ピー助の時だってマスゴ…失礼。マスコミが湧いてたし。ドラえもんが言ってたように、人間は興味が湧いたものにはとことん追求したがるものだから。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

僕達は、出発するまでバンホーさんの家に行くことになった。バンホーさんの家にはでローさんという妹さんがいるとの事。バンホーさんは竜人族では特にイケメンの部類に入るそうで(どこからの情報かは内緒)、その妹であるローさんも美人だった。人間の僕達がわかるほどに。

 

「ローです!お友達になってください!」

 

ローさんは笑顔でキラキラしていた。僕以外の男子陣は顔を赤くしていた。あと鼻も伸ばしていたいやいや和人はそんなキャラじゃないだろうに…

 

「…鼻の下を伸ばさない。」

 

なんて考えていたら低い声でしずちゃんに言われた。振り向くと睨んでいるしずちゃん。直ちゃんとあーちゃんも同様に…伸ばしてないのになにこれ理不尽?僕以外が伸ばしてるよ!?

 

「市内を見物するといい。しかし念の為に行っておくあの建物には近づかないで欲しい。立ち入り禁止区域なっている。」

 

「僕達はそんなことしませんよ。折角疑いが晴れたのに。」

 

「それもそうだな。では、僕は法王庁に向かう。ロー後は頼むよ。」

 

「はい!行ってらっしゃいお兄様!」

 

バンホーさんはそう言って、家から出ていった。僕達はその後に続くように街へと出た。ローさんの案内で街のあちこちを見学をしてから、法王庁という場所ーーーバンホーさんが度々口に出していた建物だーーなんでも法王というのは神に仕える偉い人らしく、その神は地底国を作った方らしい。それを踏まえてから、僕達は歴史博物館の中に入った。

 

「黄金の化石…」

 

「聖域で発見されたの。神の奇跡の印よ!」

 

「こんなのトロオドンの骨の成分が分解して、こんな色になってるんだよ。」

 

後ろからスネ夫のうんちくが披露されていた。しかし。

 

「人が感動してる時に余計なうんちく言うな。」

 

しずちゃんに、強くそう言われていた。あーちゃんと直ちゃんも同意した感じで頷いてる。スネ夫一回黙ってよ?どんどん君の評価がダダ下がるばかりだよ?スネ夫はしゅんとしていた。

 

「ははは…それで聖域っていうのは?」

 

「神聖な場所、こっちにいらっしゃい」

 

ローさんに案内され、世界地図のある部屋に来た。ホワ大陸のその上に小さい大陸の南西の端に四角いのがあった。あれが聖域?

 

「ドラえもん、どう思う?」

 

「どこかであれに似たのを見たんだけど。思い出せない。」

 

「そうか…スネ夫、お前は?」

 

和人はドラえもんに聞いたけど、ドラえもん見覚えはあるらしいけど、思い出せないみたい。次にスネ夫に聞いたけど。

 

「えっと…不思議だねぇ…としか」

 

まぁ、それもそうか…

 

「……役立たず」

 

「しずちゃん…流石にあれはスネ夫でもわからないって、何でもかんでも否定しないの」

 

「……確かにそうね。言いすぎた。ごめん」

 

「い、いいよ!」

 

僕が強く言うと、しずちゃんは素直に謝った。流石にあれはスネ夫でもわからない。それで役立たず呼ばわりはいけない。

 

「…続きを話すわね?地上では今から6500万年前、ちょうどあの大災害が時なの。地球上の生物はほとんど死に絶えた時、一部の恐竜達がこの聖域に住んでいたらしいの!それでさっきのトロオドン、彼らは恐竜の中で飛び抜けて大きな脳を思ってたの。それがやがて、際立って進化の道をたどった…つまり私達竜人族のご先祖さまになったの!」

 

目の前にあるのは竜人族のご先祖さまの模型、これが恐竜の子孫でもあるのか…

 

「…恐竜が人間と同じ進化をするとは…」

 

「驚くことないわよ。あなた達人間の先祖だって、後ろをご覧なさい?」

 

後ろを振り向くとネズミみたいな哺乳類がそこにはあった。あ…やばいこれ見ると

 

「ぎゃああああ!!!」

 

ドラえもんが驚いて、竜人族のご先祖さまの模型に隠れた。はぁ…あれ久々見るな。

 

「中生代では人間はこんな姿なのよ?」

 

ローさんは、模型を見ながらそう説明してくれた。いや待てよ?確か前に…

 

「ドラえもん、前に言ってたよね?人間の先祖は哺乳類型爬虫類って、白亜紀の話なんだよね」

 

僕は人間の先祖に怯え、竜人族のご先祖さまに隠れているドラえもんに聞いた。

 

「う、うん!」

 

「今のローさんの説明がそうなら、白亜紀って中生代でしょ?つまりソーセージの材料見つけてる時に見つけた。あの動物がこれに似てるからさ。爬虫類じゃなくない?」

 

「そうだけど、今はそんなことどうでもいいでしょ!」

 

まぁ、確かに今はそれはいいか、誤魔化された感は否めないけど。まぁあの時はヴァサゴへ言ってたわけだから、怒りに任せてそういったんだろうな。

 

「6500万年前に一体何があったんですか?」

 

「…それは誰にもわからない、でも今それを突き止めるための大計画が進行中なの。」

 

和人がそう聞いたけどローさんは意味深な言葉を口にした。大計画ってどんなのかを和人が聞いたが。

 

「それは言えません。」

 

はぐらかされ、ローさんは少し俯いたが元に戻り前に進んだ。…大計画って一体なんなんだ?

 

「それから文明を持ち、科学技術も発達した先祖はやがて社会を大きく発展する大発明をしたの!それがこれ!」

 

ローさんは竜人族の歴史を引き続き語った。ーーー大計画の事が気になったけどーーローさんが言った先には世界で初の次元転換船らしい船に模型があった。次元転換船とは異次元の世界へ行ける船らしい。ドラえもんが説明した。…科学技術22世紀の世界に近いな。

 

「…そうなの。地殻の中を自由に入れるわけ。これによって次々に未知の大陸が発見されたの、大航海時代の幕が開いたってわけ!」

 

航海…って言うより航地殼って感じかな?その説明を最後にこの世界の神様の御話は終わった。歴史博物館の後はしずちゃんの提案でピクニックをする事になった。

 

「では!22世紀の道具を久しぶりにお出ししましょう!」

 

「誰に向けて言ってんだ?」

 

「それは言わない約束だよ!和人くん!」

 

そんなわけで、ドラえもんが出したのはタケコプター、僕らがリニアモーターカーで休んでた時に充電が完了してたみたい。ローさんに使い方をレクチャーした後にみんなで飛んだ。

 

「空を飛ぶなんて初めて!」

 

ローさんは歓喜して、感想を言っていた。僕はそんなローさんを横目に和人が話しかけてきた。

 

「お前は大計画についてどう思う。」

 

「僕も思ってるけど、ローさんが口を割らない限りこれ以上は追求できないよ。」

 

「…また変な事件に巻き込まられたりしないよな?」

 

「…そういうのをフラグって言うんだよ。」

 

「のっちゃーん!和くーん急いで!」

 

僕がそう言ったらしずちゃんの声が聞こえそっちを見ると、意外と離されていた。ありゃいつの間に。

 

「急ぐぞ!」

 

「うん!」

 

僕らはその後湖がる所で料理を食べていた。もちろんこれはドラえもんから出た道具[グルメテーブルかけ]という料理をリクエストしたら出てくるものらしい。

 

「ここはいつでも春みたいなのね。」

 

美夜子さんがそう言うにここの気温は地上では春と同じで、雨も降らなければ雪も降らない。ローさんは雨や雪、雷の事を聞いてもわからない様子だった。ジャイアンやスネ夫はいつでもサッカーや野球ができるって喜んでた。僕は夜が真っ暗なのが怖いと思う。見渡しても月の光がないから、怪しい人が現れても分からないだろうし。

 

「地上って、まるで夢の世界みたい!」

 

僕らの話を聞いてローさんはそう言った。確かに雲とかを見ない人(この場合は竜人?)がそんな話をされたらそう言うかもね。

 

ドゴーン!!ドッカーン!!

 

「なんだ?この音?」

 

「森の向こうからだ」

 

なんて話していたら、森の向こうから爆音が聞こえた。僕らはその音に向かって行くことにした。




雷神「ふう…終わり。」
明「…」
サ「…それで?」
雷神「…お久しぶりです。明久、サトシ。今回は銀さんに休んで頂いてサトシと明久に来てくれました(✌^∀^♪)ウェーイ」
サ「はぁ…まぁいいか怒る気にもならん。」
明「もう何も文句はないけど、この小説はかきあげなよ。」

雷神「了解!では次回は劇場版最後に決めてるオリジナルな話です!」

明「次回もお楽しみに!」

サ「ポケモンゲットだぜ!」


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第19話竜の騎士〜脱走と野蛮人〜

視点はのび太です


向かった先には本当の戦争のような戦いが繰り広げられていた。ローさんが言うにはこれは演習らしい。騎士団ともなればいつ何時本当の戦争になるか分からないからこんな演習をしてるんだろうか、でも実践のような戦い方をしてるのには疑問がある。だってこの地底世界は、平和そのもの時々僕らみたいに迷い込んでくる人(はいないだろうけど)がいるくらいだ。それも記憶を消せば、地上には何も影響がないのに…でもこれは…

 

「兄さん!」

 

なんて考えていたら、ローさんは1人の騎士に声をかけた。という事はあの人はバンホーさんか…

 

「ロー!来ていたのか!」

 

バンホーさんはローさんや僕達に気づき、近づいてきた。

 

「ロー。喜んでくれ!ついに大遠征が実現されることになった!」

 

「大遠征?じゃあ、あの計画が!」

 

「そうだ。ついに長い間の悲願がついに実現する!我々の演習がやっと実を結ぶ時が来た!」

 

「良かったぁ…いつ頃に?」

 

「近頃だ。じゃ。ここいらは危険だから、ほかの場所で遊びなさい!」

 

バンホーさんはローさんと話をして、僕らにそう言って戻っていった。…遠征って一体何しに行くんだろ?あの大計画ってやつと関係があるのかな。

 

「…兄さんもああ言ってたし。次は牧場に行きましょ!」

 

ローさんはまた少し俯いたが、笑顔でそう言った。…嫌な予感が頭から離れないけど。そして僕達はタケコプターを頭に付け、ローさんが言った恐竜牧場に行くことにした。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

恐竜牧場にはオルニトミムスが大勢飼育されていた。レンタルできるオルニも居て、どこへ逃げてもこの牧場に帰ってくるらしい。ジャイアンがこれに乗って街まで帰ろうと提案し、僕らは賛成した。前みたいな反対な乗り方はしないよ!でも…

 

「この子何で!こんなに!!暴れるんだよ!!」

 

僕が選んだオルニは暴れ牛ならぬアバレオルニ(某戦隊物じゃない)だった。僕の言う事を聞かずに真っ直ぐに進んでくれなかった。なんでこういう時に限って運が悪いんだろう。

 

「のび兄?大丈夫?」

 

「やたら手綱引っ張ってもダメだよ〜!」

 

「わかってるけど!うわそっちじゃないって!!」

 

直ちゃんに心配され、ドラえもんから注意を受けた。わかってるんだけど、この子はとにかく暴れる。そうこうしてるうちに。

 

「あのさ!街まで競走しようぜ!」

 

ジャイアンがまたそう提案してきた。いやいや、今この状況で競走しようとか言われても無理なんだけど!?

 

「俺はのび太とゆっくり行くよ。」

 

「じゃあ、私も」

 

和人と直ちゃんは僕に合わせてくれるようだった。よかったこれで置いてけぼりになったら、きつかったし。

 

「そうか?じゃあ、他のみんなで競争だ!行くぞ!!」

 

「負けないわ!!」

 

「私もよ!」

 

ジャイアンの掛け声であーちゃんとローさんがスピードをあげた…あれ?あーちゃんはともかくとしてローさんは負けず嫌いなのかな。ジャイアン達が遠くにまで行くと大人しくしていた僕のオルニがまた暴れだした。

 

「ちょ!そっちじゃないってうわぁぁ!!」

 

「のび兄!?」

 

「どこ行くんだ!!」

 

「僕に聞かないでーー!?

 

僕のオルニは横に逸れて森の中を進んでしまった。何でこういう事になるかな!?

 

「止まって!止まれ止まれ。止まってよーーー!!!」

 

オルニは僕の声も聞かずにずんずんと進んでいく。何かの壁を飛んだ…って手を離せばいいんじゃないか!

 

「いってぇ…」

 

僕は手綱から手を離した。オルニは自由になったと言わんばかりに、先に行った…

 

「大丈夫か?」

 

「めちゃくちゃだったね。あの子」

 

和人と直ちゃんの声が聞こえ頭を抑えながら、上を見ると2人が壁の向こうからやってきた。

 

「大丈夫…って和人達のオルニは?」

 

「壁の向こうに置いてきた。」

 

「それはいいとして…ここって確かバンホーさんが言ってた禁止区域じゃない?」

 

直ちゃんにそう言われ、前を見るとあの建物がそこにはあった。やば、バンホーさんにああ言ったのに。

 

「誰だ!」

 

バキューン!

 

「誰か来た!」

 

「隠れよ!」

 

誰かが来たから、僕らは木陰に隠れた。建物の横から警備員らしい2人の竜人が来た。

 

「竜が一匹飛び込んで来たが、2、3発撃ったら向こうへ逃げて行ったようだ。」

 

「はぐれ竜かな?念の為他を見回っておこう!」

 

そう言いながら向こうへと行った、僕らは木陰から出てから、建物に近づいた。やっぱり気になるし。

 

「何の建物かなぁ?」

 

「何かを作ってるとか?」

 

「…ロボットとか?」

 

「「それだ!!」」

 

『よーしもう大丈夫だ!』

 

さっきの警備員の声が聞こえた。やばいこのままじゃ見つかってまた尋問とか受けられるかもしれない。そんな事になったら、せっかく得た信用がなくなってしまう。

 

「とりあえずこの扉の中に入ろ。」

 

「そうだな。」

 

僕らは隠れるために建物の扉の中に入った。そこには階段があり、警備員に見つからないように上に登ったら、そこにはまた扉があった。

 

「開けてみる?」

 

「…まぁ、そうするしかないよな?」

 

「でもいいのかなぁ。ここって出入り禁止区域なのに。」

 

確かに直ちゃんの言う通りここはバンホーさんが言った禁止区域だ。事故とはいえ来てしまったのはしょうがないよ。

 

「そうだけど、他に道ないしさ。」

 

「…それもそっか。」

 

直ちゃんは少し納得した様子だった。僕は扉を開けた。そこには…

 

「な、なんだこれは!?」

 

扉の向こうにはさっきの博物館で見た次元転換船を赤くしたものがそこにあった。僕は思わず大きな声で驚いてしまった。

 

「「静かに!!」」

 

「…ごめん、でもこれは…」

 

「こんな大きな船…一体何が目的なんだ?」

 

ガチャガチャ!

 

和人が言った瞬間に扉のドアノブが動き出した。

 

「誰か来る!下に隠れるよ。2人で直ちゃんを支えよ」

 

僕達は展望台のすぐ下に隠れ、柱を僕と和人で持ってから片方の腕で直ちゃんを支え、上の声に耳を当てた。

 

『ついに完成したか、よくやった。』

 

『ありがとうございます。最司教。』

 

どうやら、上にいるのは法王庁のトップである最司教とここの責任者みたいだ。さらに聞き耳を立てると。

 

『長い間の夢だからな。6500万年もの間、遥か先祖から受け継がれてきた夢…今哺乳類共が我が物顔でのさばってる地上世界…元々は我々の楽園だった地上を!再び竜人族の手に取り戻すのだ!!』

 

…これがローさんが言った大計画だったのか。和人の懸念が当たってたみたい。竜人族が地上を取り戻すためにこの船を作り、何より僕達人類いや…哺乳類全体を討ち滅ぼす為の…こうしちゃいられんない…だけど。上の最司教とここの責任者が出ていかないと…

 

『では下へ参りましょう。温かい紅茶をご用意しております。』

 

『うむ…ありがたく頂戴しよう。』

 

ガチャン!

 

そう思っていたら、2人は出て行った、僕と和人はまず直ちゃんを上に上げてから和人、僕の順で上に上がった。

 

「…和人の懸念が当たっちゃったね。」

 

「…ああ、さっさと帰ろう。きっとみんな俺たちを探してる。この話はドラえもん達も交えてやるぞ」

 

「そうだね。」

 

僕らはドラえもん達にこの事を伝える為に階段を下り、扉を開けた。外はすっかり暗くなっていた。辺りを見渡しても警備員の姿はなかったので急いでその場から立ち去った。でも暗いからここがどこか分からず3人で彷徨ってしまった。体力も少し限界を迎えようとした瞬間…

 

「のび太くん!和人くん!直葉ちゃん!」

 

上から声が聞こえ、そこを見るとドラえもんと美夜子さんがいた。他にもジャイアンとスネ夫がいる。和人が思ってたとおり、みんなで僕らを探していたようだった。僕はドラえもん、和人はジャイアン、直ちゃんは美夜子さんにおぶってもらい、スネ夫は僕の背中を支えてくれた。帰ってからみんなにあの事を伝えようと僕らは思いながら、バンホーさんの家へと向かって行った。

 

ーーーーーーーーーー

 

「ーーーー皆話を聞いてくれ。とても大事な話がある。」

 

バンホーさんの家に着き、ローさんやみんなに心配かけたことを謝罪してから美夜子さんに少し休むように言われて、みんなで部屋に入った後に和人がローさんがいないことを確認した後にそう言った。僕と和人、直ちゃんはさっきの件をみんなに話した。皆は横槍も入れずに聞き入れてくれてから、話は終わったら…

 

「…それは間違いなのか?」

 

ジャイアンは腕を組み、真剣な表情で聞いてきた。確かにいきなりの話だからそうなるかもしれない。僕はさらにこう続けた。

 

「本当さ。この耳で最司教とあそこの責任者の話を聞いたから。和人や直ちゃんもね。地上世界でのさばってる哺乳類から取り戻すためにって言ってた…そのために大きな軍艦が完成したんだよ!」

 

僕はみんなにそう言った。

 

「…その話が本当なら、ローさんやバンホーさんが言ってた大計画はそれの事なのね…それって悪魔達が来てた理由と似たようなものじゃない…!」

 

美夜子さんは悲痛な表情で、そう叫んだ。確かにあの事件と似たような理由、竜人族とも戦わないといけないのかな…

 

「…あの戦いのような事にならないよね。のび兄。」

 

「また誰かが犠牲なったりしたら、嫌よ…!」

 

あの事件を知ってる。美夜子さんのママのような犠牲が出ないか、直ちゃんとあーちゃんは、不安でいっぱいで落ち込んだ表情になってる。しずちゃん、ジャイアン、スネ夫は事件を知ってるようで知らないから、少し困ってる感じだった。

 

「…戦うにしてもこっちは9人だ…分が悪い。この事を記憶が消される前に、地上のみんなに知らせよう。信じてくれるかはわからないけどな。」

 

和人の言葉を聞き、僕達はさっそく行動に移そうとした、その間にバンホーさんが帰ってきた。僕達は急いでタケコプターでバンホーさん宅を飛び立った。美夜子さんとしずちゃん、あーちゃん、直ちゃんはローさんに黙って出ていって申し訳なさそうにしてた…僕達は少し行った岩場で朝になるまで寝る事にし、その後にドラえもんに起こされてから地上の出口が近くにある所を目指す。ここの地上はきっと北アメリカかカナダの西だと思うと、しずちゃんが言っていた。

 

「…皆心して聞いてくれ。これから僕達はこの大渓谷を越えなくちゃならない。きっとピー助の時のようにクェツァルコアトルスや恐竜に襲われる可能性やそれにこの地底独自のなんだかわからない者達に襲われる可能性がある。美夜子さんと明日奈ちゃんは前に居なかったからわからないかもしれない…けどちゃんと気を引き締めてね!」

 

ドラえもんにそう言われ僕達は気を引き締めた。ピー助の時のような事を現代でするとは思ってなかった。最初はスネ夫救出のためにここに来たようなものだ。だけど、大計画の事実がわかった今僕達は地上を目指す。

 

「あっ、のび太くんタケコプターの調子が悪くなったら、言ってね。」

 

気を引き締めたのにドラえもんにそう言われ、足を滑らせた。

 

「何で僕限定で言うんだよ!?」

 

「お前が最初に回る可能性があるからな。」

 

「…否定できないのが悔しい…」

 

「じゃあ、出発するよ!」

 

めちゃくちゃ腑に落ちないけど、ドラえもんがそう言ったら僕達はタケコプターをつけても飛んだ。それからは何も問題なく、渓谷を飛んでいたバッテリーの調子もいいし、渓谷を進んでいたら…

 

『クェーーーー!!!』

 

「来たぞ!!」

 

案の定、ケツァルコアトルスが数体僕達の後ろを飛んできた。僕達は少しスピードを上げてから逃げた。前はヴァサゴ率いる恐竜ハンター共が来たけど、ここは現代であり恐竜ハンターもいないから一先ず、岩場の穴に逃げ込んだ。コアトルは執念深く追ってきたしつこいな。

 

「そんなにしつこいと女の子にモテないよ!!」

 

『クェーーーー!!!』

 

しずちゃんがそう言ったらよりいっそうつついてきた。何?言葉でもわかったの!?てかオスなの!?コアトルの他に別の恐竜…ティラノがやってきた。…もう本当に嫌になってきた…コアトルとティラノが戦ってる間に気付かれずにその場から去ろうとしたら、別の恐竜に驚かされた。スネ夫に聞いてみても、あの恐竜はわかならないそうな…タケコプターでしばらく進んでいくとそこには洞穴があり、僕達はそこに入った。

 

「ふぅ…とりあえず命拾いしたな…」

 

「なんとかね。もうハズレまで来たと思うけど…少し休んでからまた進もう。」

 

ドラえもんが僕達にそう言いこの洞穴で休むことにした。タケコプターの少しの充電も兼ねてる。ちなみに休んでいる順番は洞穴の入口から、ドラえもん、和人、美夜子さん、あーちゃん、直ちゃん、スネ夫、ジャイアン、僕で奥にはしずちゃんがいる。

 

「…のっちゃん…」

 

「ん?」

 

不意にしずちゃんに声をかけられた。どうしたんだろう?まさか、今になってバンホーさん宅に忘れ物とか?いやいや僕達は何も持ってきてないからそれはないと思うけど…

 

「お腹空いた。」

 

「…いや何も食べずに来ちゃったからしょうがないけど、今言う事?」

 

どこまでも食い意地張ってるねこの子は…昔から食い意地張ってたけど、でもどこに栄養行ってるんだろう?

 

「だって〜お腹空きすぎて目の前に目玉焼きが見えるんだもん〜」

 

「いくらそれでも無理が…え?」

 

しずちゃんが指さしたの方には目玉焼きが瞬きしながら、こちらを見ていた…っては!?

 

「「瞬き!?」」

 

僕としずちゃんが驚いた瞬間に目玉焼きの正体が僕らを取り囲んだ。それは前に会った部族と少し違う野蛮人達だった。…バンホーさんが言ってたがこの手の部族はナンジャ族と呼ばれているらしい。なんて考えてる場合じゃないな…僕達はまた捕まり、野蛮人達が住まう所に連行された。

 

ーーーーーーーーーー

 

夜になり、野蛮人達は楽器でダンスを踊っていた。僕達?縛られて宙吊り状態だよ…周りには恐竜の骨や何かの骨が木に刺さっていた。きっとここ野蛮人共が食ってた物なんだろう。

 

「…これ見せられてるけど何が起きるんだろう?」

 

「僕達は食われるんだよ…あの鍋で煮られて…これはそのための大宴会だよ…」

 

下には、大きな鍋のお湯を回してる野蛮人2人がいた。僕達を見ながら汚い笑顔で舌なめずりをしてる。嫌悪感やばい…

 

「……私、悪魔の時も食われそうになったのにこれで2回目よ。」

 

美夜子さんが嫌悪感丸出しでそう言った。前の事件で美夜子さんは悪魔に捕まった時に食われそうになったらしい。料理内容は唐揚げとか素揚げとか…何で悪魔達はそんな料理知ってたんだろう?食文化は地球と一緒だったのかな……ってこんな事考えてる場合じゃないか。だって、目の前に変な仮面をつけた野蛮人がこちらに歩いてきた。その瞬間だった

 

「ミロ!アレミロ!」

 

ここの野蛮人達はカタコトだけど、バンホーさんが使ってた言葉を使っている。その野蛮人の1人が上を向いて、指さした。そこには僕と和人、直ちゃんが見たあの帆船が、飛んでいた。その帆船はゆっくりとこちらに降りてきたーー野蛮人達はいつの間にか消えていたーーすると、中から数人の人が出てきて、最後に出てきたのはバンホーさんだった。

 

「食べられずに済んだのはよかったけど…」

 

そうだね。それはよかったけど、ドラえもんがそう言った瞬間にバンホーさんは舌打ちをしていた。無断で出ていったからなんだろうけど…それから僕達は縄を切ってもらい、それから帆船の中の部屋に入ってからバンホーさんに言われた。

 

「自分達のした事がわかっているのか?重ねて言うが君達は不法入国者!だが僕は君たちを救った!そして無事地上に送り返すと約束した!」

 

バンホーさんが怒っているのもわかる。僕達はバンホーさんに命を救われた。にもかかわらず脱走して裏切るようなマネをしたんだから…

 

「…勝手に出ていったのは本当に申し訳ないです。でも僕達にはこの道しかなかったんです。」

 

「地上人を滅ぼすという情報が入ったので。」

 

僕と美夜子さんが真面目な表情でそう言ったら、バンホーさんが驚き誰から聞いたのかを聞いてきた。僕と和人、直ちゃんは説明をし、ドラえもんが目的地がどこかを聞いたが、バンホーさんは説明してくれなかった。これ以上機密に首を突っ込むことは許さないと言葉を残して、部屋を出て行った。

 



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第20話竜の騎士〜地下世界の秘密と真相〜

視点はのび太です


 

「…だってさ。」

 

「やるせないわね。ドラちゃんどうする?」

 

バンホーさんが出て行った後に美夜子さんがドラえもんにどうするかを聞いた。僕達はドラえもんに顔を向けた。

 

「これ以上は何もできない…一先ずここで作戦を練ろう。目的地もわからないけど。」

 

「それもそうだな。」

 

ドラえもんの言葉を聞き僕達は作戦を練る事にした。目的地が謎なだけに、作戦というかどう食い止めるかに話を変えていったら、船からカンカンという音が鳴り出し動き出した。船は上に上がった。すると辺りが明るくなった皆で窓を見てみるとそこには…

 

「太陽…」

 

つまり、ここはどこかの地上になる。

 

「雲も青い空も!何だか久々な気がする」

 

「地上のどこだろう?」

 

誰かが呟いたのを聞き僕は辺りを見渡した。するとそこには大きな氷山があった…アレって…

 

「ドラえもん。あの山って!」

 

「うん、あれはカナリアンロッキーだ!」

 

とドラえもんが言った瞬間に大きな音と共に船が揺れだした。この船は今浮いてるから地震じゃないのは明らかだ。というか、この空間って…

 

「時空間?」

 

「のび太くんの言う通りだよ。これは時空間だ。」

 

ドラえもんも肯定してくれた。時空間から出るとそこには白亜紀の森が広がっていた。一瞬また地下に潜ったのかと思ったら太陽や雲があるから、それは違うとドラえもんに言われた。それにしても。

 

「こんな形でまた白亜紀に来るなんて。」

 

「……ピーちゃんに会いたい?」

 

直ちゃんが心配そうに言ってきた。みんなも心配そうにこちらを見ていた。

 

「…会いたいさ。でも今会ったら今度こそ僕はピー助と離れなくなる。それに同じ白亜紀だとしてもこの時代にピー助がいる保証もないしね」

 

僕はみんなに向けそう言った。ここは白亜紀でもピー助が生きているかもわからない。白亜紀は前期から後期まで長い間続いてる時代だから、冒険した時代はドラえもんが言うには白亜紀後期の真ん中にあるサントニアンらしいし、今いる白亜紀がそれ以降なのかそれ以前なのかわからないから…

 

「…まぁ、のっくんがそれでいいならいいわ。…ドラちゃん」

 

「うん、みんなも気づいてるね。…この船は巨大なタイムマシンだ。」

 

話してるうちに船はさらに先へと進み、海辺に不時着した。すると、兵士が次々と荷物を運び何かをしていた。スネ夫は竜人族は哺乳類先祖を絶滅させるためにこの時代に来たんだと、推理していた。確かにそれだと話の辻褄は合うか…

 

「これが狙いか…この時代なら哺乳類の先祖はネズミ退治みたいなものか。」

 

「…本当にそれだけで、これだけの軍隊やこの船を作ったのか?」

 

「確かに腑に落ちない所もあるが、この地上を取り戻すためにこの時代に来た理由ではあってそうだな。」

 

ジャイアンの言葉を聞いてから、ドラえもんが抜け出すことを提案した、夜になってからの行動だけど。

 

「のっちゃん」

 

またしずちゃんに呼ばれた。何か既視感があるなぁ。またお腹でもすいたんだろうか?

 

「お腹空いたの?」

 

「違う違う!あれ見て!」

 

しずちゃんが指さした先には彗星があった。それも昼間なのにはっきりと見える…なんだろう?あれを見てるととてつもなく不安なんだけど…そして、また夜になり、外では竜人族のお偉いさんが何かを演説していたが僕らは気にせずにドラえもんが出した[通り抜けフープ]で部屋を出てから、船の廊下を渡ってから再び[通り抜けフープ]で縄を垂らしてから抜け出した。

 

「のっちゃん!!彗星が!」

 

しずちゃんに言われ彗星の方を見ると

 

「…何であんなに大きくなってるんだ?」

 

昼間見た彗星が大きくなっていた。なんだろうさらに不安が…すると、船から警報が鳴り出した。きっと僕らが抜け出したとバレたんだろう。僕達は急いで逃げた。ドラえもんにタケコプターの事を聞いてたら、充電中らしい。後ろを見ると騎士団の数名が追ってきていた。あとすこしで追いつく勢いだ。

 

「いってぇ!」

 

僕はよそ見をしていたから地面にあった根っこにツマづいてしまった。ドラえもんが[こけおどし手投げ弾]という音と光だけど威力バッチリの道具を出して、騎士団の方に投げた。その隙に僕達はさらに逃げた。ふと横を見ると彗星はさっきよりも大きくなっていた。僕達は一先ず寝る事にした。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

そして朝になりドラえもんは風雲ドラえもん城というでかい城を出した。よくそんなの入ってたな。ていうか前にポケット入った時無かった気がするけど。

 

「目立ち過ぎじゃない?」

 

あーちゃんがドラえもんに言ったら、どっちみち見つかるからいいじゃないと言われた。この城ドラえもんの趣味も入ってるのかもしれない。

 

「戦う前に話し合えないかしら…」

 

「売られた喧嘩だぜ。遠慮なくやってやろうじゃんかー!!」

 

「ジャイアン…こわい。」

 

美夜子さんがそう提案したけど、ジャイアンがこわい顔でそう言った…何か魔法世界のジャイアンを思い出すよ…そんな話をしていたら、大砲が撃ち込まれる音がなり、大砲が飛んできた。どうやら美夜子さんが提案した事は向こうが無効にしたようだ。勢いがすごくてドラえもん城が揺れ始めた。

 

「彗星が!!」

 

「しず!今はそれどころじゃないぞ!!」

 

「ドラえもん!手投げ弾を!」

 

僕達は手投げ弾を次々と投げた…しかしもう手投げ弾の仕組みを知られているから、部隊は突撃をやめなかった。

 

「なんだよどんどん来んじゃん!他に何かないの!」

 

「これがはったりバズーカ、脅かしミサイル、見せかけ銃…」

 

ドラえもんが出したのは、それぞれドッキリの物に使うような物だった。まぁ、子守用ロボットが太刀打ちできる武器を持ってるわけないか。下を見ると忍者のように投げ縄を城の所にかけてから上がって来た。

 

「じゃあ、これだ![天地逆転オイル]〜これは…」

 

「説明はあとでいいから、早く!」

 

「それもそうだ!」

 

ドラえもんは[天地逆転オイル]を下にいる兵士達にぶちまけた。すると兵士達は落ちていった。すると向こうから何十人もの兵士が乗っている灯台のような車が来ていた。ドラえもんが焦って何かを出していたけど…

 

「みんなーーー!!」

 

「どうしたしず!」

 

しずちゃんの声が聞こえそっちに向かうと、外を見たら昨日からあった彗星がこちらに近づいていた。僕らは急いで下に向かって行き、城の石垣に一塊になり、彗星が横切った後の風圧に負けないようにしていた。彗星はそのまま海の向こうには落ちて…

 

どっかーーーーーーーん

 

その瞬間から、辺りは地獄絵図と化した。火山は噴火し海は大津波がやってきた。僕達は何とか衝撃に耐えたがドラえもん城は崩れ落ちてしまった。バンホーさん達は船で逃げていた。僕達はというと…

 

「どうするんだ。ドラえもん!」

 

「こういう時は!![ポンプ地下室]!!ジャイアン!これを埋めて!」

 

「おう!」

 

ドラえもんは四角上の箱と爆弾で使うようなスイッチを出して、四角上の箱をジャイアンに頼んで埋めた。そしてドラえもんはスイッチを押して、その四角上の箱が爆発してから地下室へ通じる扉が出てきた。僕達は急いで中に入った。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

中は真っ暗だった。近くには直ちゃんと和人がいるが他のみんなの声は聞こえるけど姿が見えなかった。ドラえもんが動かないようにと言われたので、そこでじっとしていたら、辺りが明るくなった。きっとドラえもんが[ぴっかりゴケ]をまいたんだろう。みんなを探すと意外と近くにいた。

 

「どのくらいの広さなんだ?」

 

「北海道くらいかな?」

 

「何その無駄な広さ」

 

「ははは…急いでたから大きさを考えなかったんだよ」

 

北海道くらいの広さか…ん?待てよ?

 

「ねぇドラえもん地底の地図持ってるよね。」

 

「あるけど。」

 

「ちょっと見せて」

 

僕はドラえもんに地図を貸してもらい、僕はあの聖域の場所と今の場所が同じ位置であると確信した。僕はそれをみんなに話すと…

 

「そうか…あの既視感はポンプ地下室の感じと似ていたからか!」

 

「聖域はドラえもんが作ったようなもんだな。」

 

和人はそう言っていた。確かに元を辿ったらそう言えるか…

 

「でもこれからどうするの?きっと騎士団も今は地底に潜ってるだけよ?また戦うの?」

 

「……この状態じゃあ、戦えないしなぁ」

 

「…騎士団と和解してから、この先に何があるかを言うよ。コンピューターで調べるし。この時代が白亜紀最期の時代ってわかったし、美夜子さんが言った通り話し合いをする。だから、白旗をあげる。それとこれものび太君も説明してね。今から話すことは竜人族にとってのきっかけだから…」

 

ドラえもんから色々聞き、準備をした後に僕達は地上に上がった。タイミングよく時空転換船も上に上がってきたので、ドラえもんが白旗を上げてから、バンホーさんがやってきてから、抜け出した事を謝罪して、中に入れてもらった。数人に警戒されたけど、陰口も言われずに僕達はお偉いさんが大勢いる会議室に入った。

 

「じゃあ君は、全てあの彗星のせいだと言うのだね?」

 

バンホーさんに聞かれドラえもんが次のように語った。

 

「はい。直径10キロの彗星が太平洋に落下し、高さ1000mを超える大津波を引き起こして、海水や海底の土砂を大気圏外まで巻き上げたんです。その量は約10億トン。空気中の塵となって全地球の表面を覆い尽くし、それが太陽を遮って、昼でもこんなに暗いんです。」

 

ドラえもんの話を聞き、法王は愕然としていた。

 

「恐ろしい天変地異だ…しかしそれはもう終わったのではないか?」

 

法王はドラえもんに聞いたが代わりに僕が話をすることにした。

 

「いえ、本当の災害はこれからなんです。コンピューターの計算では塵が落ち着くまで約数ヶ月かかります。そのための気温は40度も下がり、激しい暴風雨が続き、木や草も枯れ海中にプランクトンは死滅し、それを食べていたほとんどの生物がこれから6ヶ月の間に絶滅する事になります。…これは避けられない誰にもどうする事も出来ない運命なんです。」

 

僕が語り終わると、会議室にいるバンホーさんを含む竜人族全員が涙を流していた。確かにこれだけでは絶望的な話かもしれないな

 

「えい!たった1個の彗星ごときに」

 

「神がこんなに酷いことをなさるとは…うう」

 

「神の御業をあげつらってはならぬ。深い思し召しがあるのだろう。恐竜類の滅びが神が定めた運命なら従わねばなるまい。」

 

法王は、そう言っていた。…まぁ話の腰を折るのは気が引けるけど。

 

「いえ!いくらなんでもこれはあんまりです!」

 

「「「え?」」」

 

僕はドラえもんに聞いた通りに話をした。

 

「今苦しんでいる恐竜達を救えるだけ救いたいと思います!」

 

僕はそう言ってから、説明をした。それからは僕達は外に出て、まず僕、和人、直ちゃんで陸の方にいる恐竜を桃太郎印のきびだんごで食べさせて、向かわせる方に誘導。あーちゃん、美夜子さん、しずちゃんが山の方で同様な事をし、ジャイアンとスネ夫で恐竜の先導をしていた。ドラえもんは竜人族達に説明をしていた。全てが終わり僕達はドラえもんとバンホーさんがいる所に戻った。

 

「救出作戦終了したよ!」

 

「ご苦労さま!」

 

そして法王とその他の竜人族が土下座をしてドラえもんや僕達にお礼をしてきた…こういうの慣れないからやめて欲しい。

 

「皆様ありがとう、あなた方は神お使いに違いない。」

 

「よ、よしてくださいよ!僕達にやれる事をやっただけだもん」

 

ドラえもんがみんなに止めていた。僕達はそれを遠目できていた

 

「聞いた?僕達って神様の使いだってよ!確かに美夜子さんや明日奈ちゃんに直葉ちゃんみたいな可愛い子は天使だよ〜」

 

スネ夫がそう言ってきた。何か本調子に戻ってる感じがする…でもさ

 

「何でうちが入ってないんだ!!!」

 

「ぶふぉーーーー!!!」

 

スネ夫は綺麗な曲線を引きながら、ぶっ飛ばされた…こういうのオチ!?なんて事はなく、バンホーさんが僕達を次元転換船に乗るように言われた。それから元の時代の地底に戻ってきた後に法王庁のトップが座る下の方でたっていた。

 

「今や全て明らかとなった全て神の思し召しであると…」

 

トップが話してる間にローさんを見つけてから、手を振っていたらしずちゃんに睨まれた。しずちゃんはそのままローさんに手を振っていた。自分はいいのかい…

 

「努力を怠ってはいけないのだ。竜のお子らに祝福あれ!神のお子らに幸あれー!」

 

『ぉぉおおおおお!!!』

 

トップがそう話し終わると、民衆達は大盛り上がりだった。不法入国者から一気に神の使いにされちゃったなぁ。って言ってももう今日で地上に帰るからなぁ…家から出て4日経っちゃってるし…ママやパパ心配してるだろうか。僕達は最初に乗った帆船で日本の地底に戻ってきてから、学校の裏山に戻ってきていた。地上は夕方だ、バンホーさんとローさんがお別れの挨拶として、立っていた。

 

「バンホーさん、ローさん。長い間お世話になりました。」

 

「せっかくお友達になれたのにねぇ…」

 

「そのうち、きっと自由に行き来できるようになりますよ!」

 

そう言って僕、しずちゃん、直ちゃん、和人はバンホーさんがとローさんに握手をした。

 

「そうしたら、必ず遊びに行きます!」

 

「じゃあ、その時は僕が案内しますよ!何しろ僕の家にはすごい車があ…ひぃ!」

 

スネ夫はローさんにそう言っていたがしずちゃんに睨まれた。お得意の自慢をしてたし、ローさんはお礼を言ってから。

 

「その時は…この美しい空を飛んでみたいわ…」

 

ローさんは空を見上げながら、そう言った。僕達も一緒に見上げ夕日で赤くなっている空を見た。竜人族にとって空は本当に神秘的なんだろうなぁ。そしてバンホーさんとローさんは船に乗りこんでから、僕らが見える場所で手を振っていた

 

「じゃあ、さようなら!」

 

「さようなら〜!…ってあっ!秘密基地の荷物!」

 

「そういや、そうだった!!」

 

「荷物は後で送ってあげるよ!!」

 

「ありがとう!さようなら!!」

 

こうして、僕達は地下世界の冒険は幕を閉じた。しかし今から家に帰りママやパパに説明しなくちゃならない。なんか憂鬱…ジャイアン達も怒られる覚悟で家に帰って行った。僕、美夜子さん、ドラえもんは家の前にいた。あーちゃんと和人、直ちゃんは家に向かって行った。

 

「どうする?」

 

「…入るしかないわよ。こってり絞られるかもね…」

 

「そうだよねぇ…よし!」

 

僕は意を決して扉を開けた。

 

「のびちゃん!みーちゃん!ドラちゃん!もう2日間もどこ行っていたの!!」

 

「……え?」

 

ママからの言葉に疑問を持ってしまった。だって4日も家を空けていたのに、ママからは2日間と言われた。とりあえずママに謝ってから、僕達は部屋に入った。

 

「…ドラえもん僕らって向こうにいたのは、4日経っちゃってたよね?」

 

「僕の憶測だけど、多分地下世界の時間はこっちの2分の1だと思うんだ。地下世界には太陽がないからね。だから体感時間がズレてたんだと思う。」

 

ドラえもんの憶測は、確かに的を得ている気はする。だってもしもボックスでこの世界に来たら僕らと一緒の年齢になった元魔法少女の事例もあるわけだし、物理法則めちゃくちゃ無視しちゃってるけど。まぁ、2日間ならよかったよ…良くない気もすけど、これで僕達は恐竜の謎や竜人族との戦い、和解をした地下世界の冒険は終わった…



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第21話人魚大海戦〜海の世界〜

あけましておめでとうございます。遅れてすいません。前の話での後書きでオリジナルな話をすると言いましたが…ごめんなさいあれは嘘です。人魚大海戦を見ていたら、創作意欲が掻き立てられて、人魚大海戦になります。それと主要人物がSAOの3人と美夜子さんを含め9人なのはさすがに多いので今回からのび太、ドラえもん、和人、直葉が固定。静香、明日奈、ジャイアン、スネ夫、美夜子さんはランダムの登場になります。

今回の視点はのび太になります。


ーー2018年8月20日ーー

 

地下世界の冒険から1週間が経ち8月20日。まぁ、体感的には8月22日って感じなんだけど、地下世界とは2日も違うからね。僕達はいつのもの生活を送っていた。今日は僕、和人、直ちゃん、スネ夫の4人で空き地で話していた。しずちゃんは、武術の稽古。あーちゃんはピアノの稽古で来てなくて、ジャイアンは家の手伝い、美夜子さんはママとお買い物出かけている。それと僕、直ちゃんは剣道が休みの日。和人とスネ夫は暇だったらしい。あと話してるのは一昨日スネ夫がパラオへ家族旅行に行った時の話だ。今、日本は8月だけど、パラオへ行くのは羨ましいなぁ。

 

「綺麗ね〜」

 

「パラオへ行ける金がよくあるよな。あっ、ニモ」

 

「だろ〜コレ見てよ!僕と魚が写ってるの!僕って何と撮っても美しくなるでしょ!」

 

スネ夫は自分が写ってる写真を直ちゃんや僕らに見せた。うんスネ夫のナルシスト発言は今に始まった事じゃないけどさ。正直それはどうでもいいんだけど。

 

「…あっ!この魚可愛い!」

 

「魚だけなの…」

 

直ちゃんはそのナルシー発言を無視して、魚の方に感想を言っていた。スネ夫はあからさまに落ち込んでる。直ちゃん反応してあげなよ。僕達もしないけど。

 

「はぁ…南太平洋島国なんだ。どこまでも透きとおるような海がパーッて広がってたんだ!それにコレ見てよ!マンタっていうイトマキエイの1種なんだ!」

 

スネ夫は次のページを開き、マンタというエイの仲間を見せてくれた。すると右下の写真にはスネ夫が映っていた。……スネ夫のいとこって撮り方無駄に上手いな。

 

「あっ、スネ夫くんがマンタの背にいる。」

 

「直葉ちゃん!気づいてくれた?ぜんぜーん怖くなったんだよ!直葉ちゃんだって乗れるよ?今度どう?」

 

「ふーん。あっ、この子可愛い」

 

スネ夫はキメ顔で直ちゃんに言ったけど。直ちゃんはそれを見ずに写真に夢中になっていた。どんまいスネ夫、まぁあれからスネ夫は無駄にナンパする事もなくなったし。いや今のはナチュラルにナンパしてたか…

 

「俺達が変わりに行こうか?」

 

兄である和人がスネ夫にそう言ったら。

 

「和人はともかく、のび太は泳げないじゃん。無理だね無理〜」

 

うわ、久々その態度されると腹立つな。僕の運動神経は前にも言ったけど、良い方だけど何故か泳げない。泳ぐ時の筋肉の使い方が違うからなのかわからないけど。スネ夫を助ける時は水中酸素あめの効果で泳げてはいたけど、あの効力も地下世界の冒険の間に消えてたから戻って最初のプールに入って溺れた時は死ぬかと思ったもんね。ドラえもんそこも説明に入れて欲しかった。

 

「そこまで言うなら、泳ぎをマスターしてやるよ!」

 

「ふん!そんなの無理だね〜!ドラえもんの道具を頼るんだろう!」

 

「泳ぐのは自分の事!こんな事ドラえもんには頼めないさ!」

 

「せいぜい頑張るんだね〜!」

 

スネ夫はそう言って、空き地を1人で出ていった。泳ぐのは簡単じゃない…やっぱりドラえもんに頼むか。いやスネ夫にあんな大見得切ったんだ。頼めないなぁ。

 

「のび兄本当に泳ぎをマスターさせるの?」

 

「するつもりだよ。真っ直ぐ自分の言葉は曲げない!」

 

僕はだってばよ忍者の如く、そう告げた。

 

「のび兄がそうするなら応援するけど、でもドラちゃんの道具で泳げるようになるのはダメでもドラちゃんに泳げるような場所に連れてって貰うのは?」

 

「「それだ!!」」

 

僕達は直ちゃんの提案を元にドラえもんがいる家へと帰った、ちなみに今日も和人と直ちゃんは僕の家にお泊まりをする。

 

ーーーーーーーーー

 

家に着き、2階の僕の部屋に入ると謎の道具があったけど、それを無視してドラえもんにさっきあったことを話した。ドラえもんは前のような嫌がりは見せずにメガネを僕と和人、直ちゃんに渡してきた。

 

「[加工水体感メガネ]〜!ダイビングを兼ねて泳ぐ練習もしたいんだろ。」

 

ドラえもんは僕達の話を聞いてそう言った。泳ぐ練習もできて、何よりダイビングもできる…一石二鳥じゃないか!

 

「どこでやるの!ドラちゃん!ハワイ?」

 

「沖縄っていう手もあるな!」

 

直ちゃんと和人も嬉しかったようで、行き場所ついて話していた。ハワイやパラオに行ったらすごくいいな。だって綺麗な海を見られるんだよ?沖縄も母国で1番綺麗な海だしね!他の海が汚いってわけじゃないけど…

 

「ここ」

 

「「「……ここ?」」」

 

ドラえもんはそんな僕達の話を遮ってそう言った。いやここって僕の部屋で?せっかくどこでもドアがあるのに?

 

「そう!さぁ、実験を始めようか!メガネをかけて!」

 

何で今ネタをAre you ready?って言えばいいの?僕達は言われるがままメガネをかけた。ドラえもんの方を見るとさっきからあった謎の道具のポンプ部分を押して水を出していた……って!!

 

「何してくれちゃってんのドラえもん!!美夜子さんやママに叱られる!!」

 

「メガネをとってみて?」

 

何でこんなに冷静なわけ!?まぁ、言われた通りに取るけどさ…ってあれ?さっきまであった水がない…?

 

「どういう事なんだドラえもん?」

 

「これは[架空水面シミュレーターポンプ]なんだ」

 

「架空水?」

 

ドラえもんが言うには、この道具の本来の用途は地球の海面がどのくらいの上がったらどうなるか調べる機械で偽物の水らしい。でも、22世紀の子供達は、僕達のようにダイビングの用途としても使っているらしい。

 

「それでこの道具の水は体感メガネを付けてなければ、見えもしないし濡れもしない!」

 

それを聞いたら、本当に22世紀の道具ってすごいよね。かがくのちからってすげー!

 

「あっ、ドラちゃんのやりたい事わかった!この水を溜めて!」

 

「この辺を海底にして!」

 

「ダイビングを楽しみながら、泳ぎの練習をするってわけ!」

 

ドラえもんはさっきの話でここまでするとは、本当にドラえもんに出来ない事…はあるか…ドラえもんだって全知全能じゃないんだし。

 

「ねぇ。それ私にも押させて!」

 

「いいよ」

 

なんて考えていたら、直ちゃんがポンプを押すのを代わって欲しいと言っていた。あれ?代わる時ひとりでにポンプが動いていたようなぁ…?

 

「これってどれくらいかかるの?」

 

「多分今日の夜中〜」

 

「え!?そんなに漕いでられないよ!」

 

直ちゃんは手を止めてドラえもんにそう言っていたが、やっぱりポンプがひとりでに動いてる。そういう事か

 

「あれ?動いてる?」

 

「多分漕がなくても、ひとりでに動くんだろうね。」

 

「なーんだ。」

 

直ちゃんは少し安心したように言った。ドラえもんも頷いていた。その後ドラえもんからタケコプターを渡された。他にも準備するらしいから、空き地に行くみたいだ。

 

「なんで空き地に?」

 

「魚の調達!わかってるって、泳ぎをマスターしてから写真を撮ってスネ夫をギャフンって言わせたいんだろう?」

 

ドラえもんは例のあたたかい目を出しながら、そう言った。全てお見通しってわけね。

 

「ありがとねドラえもん」

 

「お易い御用さ!」

 

そう言いながら、ドラえもんは空き地に着いてから道具を出した。

 

「魚が喜ぶ[トトスキー]!のび太君、和人君、直葉ちゃん。これを空き地のあちこちに置いてね。」

 

ドラえもんが出したのは、瓶に入った粒状の餌っぽいやつ。ドラえもんにこれの説明を聞いたら、これで魚が食べに集めってくるらしい。…加工水ってそんな事もできるんだね。ここから海まで遠いのに空を飛んでここに来るのかな?

 

「さあ!実験を始めようか!」

 

「Are you ready?」

 

「そのネタはいいから始めるよ。」

 

「さっきから聞いてたら、言いたくなってな」

 

和人が言い出したのをツッコミを入れてから僕達は[トトスキー]を土管や枝に置いてから、ドラえもんが仕上げと新たに道具を出した。

 

「[お座敷つり堀]〜!これは広げられた面に、大部分を占めるスクリーンと脇に並んだ座標指定用のダイヤルやスイッチで構成されていて、川や海などの水がある場所を座標で指定して選ぶと、選んだ場所と四次元を通じてつながってスクリーンが水面になってから、そこにそのまま釣り糸を垂らして部屋の中でも気軽に釣りを楽しむことができる道具なんだ!」

 

久々にそんなに長く説明されたなぁ…。これで魚達を呼ぶわけなんだね。ドラえもんがダイヤルを調節したら、[お座敷つり堀]の表面が水面っぽくなった。その時魚が跳ねて、本当に海と繋がったんだとわかった。

 

「あとは[架空海水まきぞえガス]!このガスに触れた魚は架空水の中でも生きていけるようになるんだ!」

 

ドラえもんはそう言った後に[架空海水まきぞえガス]を[お座敷つり堀]の中に投げ入れた

 

「なんだ。魚がはるばるここに来るわけじゃないんだ。」

 

直ちゃんは少しがっかりした様子でそう言った。僕もそう思ってたから黙っている。

 

「ははは…何かがっかりさせちゃってごめんね、さあ…これで夜まで待とう!」

 

「いいのいいの!楽しみだなぁ!」

 

僕達は夜になるのを楽しみに思いながらタケコプターを頭に付け家に戻ったら、家の前に美夜子さんが立っていた。あれ?どうしたんだろう?まだ遅い時間じゃないはずだけど。

 

「家に帰ったら、4人共いないから何してたのかなって思って。」

 

「なんだそっか、実はね!」

 

僕は美夜子さんにさっきまで何をやっていたかを話した。まぁ、内緒にすることでもないしね。

 

「へぇ、また面白そうな事してるのね!もちろん私も行くからね?」

 

「わかってるさ!って、ドラえもん美夜子さんの分もあるの?加工水体感メガネって。」

 

「…あるよ。」

 

ドラえもんは何故かぶっきらぼうにそう言った。なんでそんな言い方するんだろう?横を見ながらぶっきらぼうなこの顔…ってこれは。

 

「……今の時代にそのネタわかる人いるの?」

 

「そ、そんなに冷静なツッコミをいれなくてもいいじゃない!やってみたかったんだよ!」

 

ドラえもんは顔を赤くしてそう叫んだ。恥ずかしいなら言わなければよかったのに。美夜子さんも苦笑いしてるじゃないか。何で今日のドラえもんはライダーネタやそのネタをするんだよ。そういうネタが好きなわけ?いや、今日のというかドラえもんは魔法の世界の時も時事ネタやってたか…いや僕も言えないか、だってばよ忍者の事とか。

 

「そんな事より部屋に戻ろう。寒いし。」

 

「ネタが?」

 

「うん。寒い。」

 

直ちゃんはそう言った後に家の中に入っていった。夏だから寒くないんだけど、っていうツッコミはなしだろうな。ドラえもんは少し落ち込んで中に入り、和人と美夜子さんはそんなドラえもんを苦笑いしながら、見て入っていった

 

「…そういえばドラえもんがここに来てから、半年が過ぎようとしてるんだなぁ。」

 

僕はみんなが家に入った後に空を見ながらそう呟いた。ドラえもんが来てから、色々な道具を出してもらったり、白亜紀や魔法の世界、地下世界に行ったりと大変な半年間だった気がする。それにこの前、ドラミちゃんに聞いたけど、9月3日はドラえもんの誕生日らしいから、お祝いをしてあげようと思う。祝え!未来の化学の結晶であるドラえもんの誕生日である!!なんて祝い方はしないけど。…自分からライダーネタ言っちゃったよ。




雷神「あけましておめでとうございます!遅れてすいません!」

明「またずっとやらないのかと思ったよ?」

雷神「リアル仕事が忙しくて…」

銀「1ヶ月に一回はちゃんと投稿しろよ?」

雷神「いえっさー!」

明「では、次回もお楽しみに‪(ᯅ̈ )!」


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第22話人魚大海戦〜落ちてきたのは少女?〜

 

 

「ーーーーーっ君!のっ君!」

 

「…んぁ?」

 

「そろそろ時間だよ。のび兄!」

 

美夜子さんに起こされて、直ちゃんからキラキラした笑顔で言われた。あの後僕達は時間になるまで寝る事にした。夕食や風呂にも食べてから入ったよ?それから着替えてから、僕は今の状況に疑問に思った。

 

「あれ?全然溜まってなくない?水」

 

「メガネかけてないからでしょ?のび兄。」

 

「そうよ。はいこれ。のっ君の分のメガネ。」

 

「ありがとう、ってドラえもんと和人は?」

 

僕は目覚めた時から姿が見えなかったドラえもんと和人の事を聞いた。どこに行ったんだろう?

 

「2人なら先に行ったよ?待ちきれないって言って。」

 

「えぇ…まぁ、起きなかった僕が悪いし。待っててくれたんだ。直ちゃんも美夜子さんも」

 

僕が直ちゃんと美夜子さんにお礼を言ったら、美夜子さんから足ヒレみたいなものを渡された。なにこれ?

 

「ドラちゃんからこれも渡されたわ。[かなづち用足ヒレ]ですって。」

 

「ありがとう。このメガネをつけたら加工水が…」

 

僕は足ヒレをつけてからメガネをつけた…その瞬間に溢れんばかりの水があった。あっぶな!もしこれがなかったら溺れてたよ。あと直ちゃんと美夜子さんは前もってメガネをつけていたようだから、少し宙に浮いていたのを気づいてなかった。

 

「驚いたでしょ!あっ、あとドラちゃんがこれのこのボタンを押さないようにって言ってたよ。メガネをかけていたら水が押し戻されて最悪な事態になるからって!」

 

直ちゃんはポンプの横にあるボタンを指さしながら言った。

 

「了解…ってそれって前もってい言っといてれればよかったのに。」

 

「忘れてたって。」

 

「はぁ…まぁ、ドラえもんらしいか。」

 

僕はそう言いながら、窓を開けて外を見た。…そこには色々な魚が意気揚々と泳いでいた。電柱の所にいたり、電灯の所にも…そこはまるで海の世界で街全体が海に沈められたような感じであった。僕、美夜子さん、直ちゃんで架空水面に上がって行った。

 

「町中が海になったみたい…!化学の力は84年後にここまで行くのね…」

 

美夜子さんは、しみじみとそう言っていた。魔法の世界にいた彼女はこの化学の力に感動してるみたい。まぁ、化学の世界の僕達でさえこれは感動してる。これはもしかしたらこの街だけじゃなくて、世界中がこうなのかもしれないなぁ…

 

「のび兄!美夜姉飛び込もう!お兄ちゃんとドラちゃん、空き地にいるって言ってたし!」

 

直ちゃんが急かすようにそう言ってきた。ドラえもんと和人はさっきも言った通り先に向かっている。でも空き地にいるとは思ってなかった。僕達は架空水に飛び込んで和人達がいる空き地へと向かって行った。

 

「あっ、のび太君起きたんだね。お!美味しいかい〜?」

 

空き地に着いたら、ドラえもんは僕達に気づいた後に枝についている[トトスキー]をつついていた魚に向かって言っていた。

 

「のび太!来いよ![お座敷釣り堀]から魚が出てるぞ!」

 

和人は土管の影から顔を出してから、僕を呼んできたので僕はそこに向かった。直ちゃんと美夜子さんはドラえもんの方にいる。

 

「おおー!こうやって、入ってきてるんだね!」

 

「すげぇよなぁ。これでこのメガネを外したら、水のない所で魚は浮いてるって感じなんだぜ?周りから見たらシュールだよなぁ。」

 

「確かにそれはシュールだし。怖いね。」

 

「まぁ、これもドラえもんさまさまってことだよな!」

 

「うんうん!…あれ?今なんか通らなかった?」

 

僕と和人が話していたら、大きな尾ヒレみたいなのが壁の向こうに行ったような感じがした。それを和人に言った後に僕は壁の向こうを見たら、そこにはクラゲや魚、タコしかいなかった。なんなんだったんだろ?

 

「何かいたか?」

 

「うーん、気のせいだったみたい。何かあの尾ひれ…人魚っぽかったけど。」

 

「流石にこの現実に人魚はいないだろうよ。恐竜はいたけど。」

 

「恐竜がいたなら、人魚もいそうだけどね。」

 

僕と和人は苦笑いしながらそう言った。もしさっきのが人魚だとしても恐竜がいるって事実を知ってる僕らにとってはなんら驚かない。まぁ、伝説上の生物がいたにしても、何をする訳でもないけどさ。

 

「のび太君!泳ぐ練習しようよ!」

 

ドラえもんの声が、聞こえ僕達はドラえもんの方に行き、僕はドラえもんと和人から指導をしてもらいながら、泳ぐ練習をしていた。…空き地まではどうやって来たか?美夜子さんと直ちゃんに支えてもらいながら来たよ…情けない話だけど。それから僕は指導を受けてもらっていたけど、多少は泳げるようになった。けどまだまだだと和人から言われた何気に辛口なんだよね。ドラえもんもそんな感じ。美夜子さんと直ちゃんは、バードウォッチングならぬフィッシュウォッチングを楽しんでいた。僕が言った事だし、弱音は吐かないよ?

 

『ヒ、ヒェアアアア!!』

 

「なんだ?」

 

「叫び声?」

 

「とりあえず行ってみましょ!」

 

「「「「うん!」」」」

 

そんな時だった、遠くから人の叫び声が聞こえ、美夜子さんが言った後に僕達は叫び声の場所に行き。そこには酔っ払いのパパと警察官がそこにはいた。話を聞いていたら、サメがこの街にいるそうだ。…パパは酔っ払ってるから、警察官からは軽くあしらわれてたけど…でもこれが本当の話なら…

 

「大変だ!のび太君が見たのは、人魚じゃなくてサメだったんだよ!」

 

「早く見つけて、海へ還さないと!」

 

それと何故パパがメガネなしでサメを見た理由については。メガネは架空水を見るために物でかけてないパパに魚が見えるのはドラえもんが出した[巻き添えガス]のおかげで架空水の中でも魚達が住めるようになったかららしい。だからサメもこの街にいるんだ。とにかく僕達は手分けをして、サメを探しに行った。

 

 

ーーーーーーーー

 

僕と直ちゃんは、泳いでサメを探していた。辺りを見渡してるけど、一向にサメの姿は見えなかった。

 

「見つからないねぇ…」

 

「まぁ、この街も広いからね。直ちゃん大丈夫?疲れてない?」

 

「大丈夫!大丈夫!だって、私も白亜紀の時から冒険してるんだよ!これで根を上げちゃダメでしょ!それに鍛えてますから!」

 

直ちゃんはサムズアップしながら、そう言った。それにどこかで聞いたセリフも…それもそうか。僕らの中で最年少の直ちゃんは魔法の世界からのあーちゃんや美夜子さんよりも先に冒険をしてるんだし。剣道も頑張ってるしね。僕も剣術をしてるけど、実力差では直ちゃんの方が上だし。そのわけはまた別の機会で言うことにするよ。

 

「お兄ちゃん達はどこに行ったんだっけ?」

 

そんな風に考えていたら、直ちゃんに聞かれたから、こう答えた。

 

「多分、しずちゃん家の近くじゃないかな。」

 

「じゃあ、もうちょっと先に「直葉ちゃん!のび太君!後ろ!!」

 

すると突然ドラえもんが現れて、そう言った瞬間に2人で後ろを振り向くと、そこにはどデカいサメが口を開けて、間近にいた。僕は直ちゃんの手をとって逃げた。サメはさらに追いかけてきた。僕達は右へ左、上から下へとヴァサゴの時のように避けられるのの不思議だし、こういう時に僕は泳げていた。火事場の馬鹿力ってやつなのかな。…ってこれ。メジューサの時もなってたね!!

 

「[ゴーホームオルゴール]!僕が相手だ!かかってこーい!!そーれ!」

 

ドラえもんはカエルのような道具を茂野○郎もびっくりな剛速球でサメの口の中に入れた。水の中なのにすごいな、それからサメとその他魚達はどこかへ向かっていった。ドラえもんが言うにはあのオルゴールを聞いたらどこにいてもすぐにうちへ帰りたくなるらしい。僕達は和人と美夜子さんと合流をしてからサメとその他魚達が[お座敷釣り堀]から出ていくのを見届けた後にドラえもんは釣り堀をポケットに入れた。

 

「僕らもそろそろ帰ろうか!」

 

「そうだね。流石に眠くなってきた。」

 

「……のび兄。いつまで手を握ってるの?」

 

あ…サメの事ですっかり忘れてた。ずっと握ってるのもダメだね。僕は手を離そうとしたけど、離れなかった。あれ?…まさか?

 

「帰りまでこのままで…」

 

「…やっぱり?僕からやっちゃったし、いいか。」

 

僕が先にしちゃったし、断るのも悪いから、そのままにしておくことにした。隣から暖かい目をしてくる青狸とニヤついてくる親友の視線は気になるけど…

 

「じゃあ、私も。」

 

すかさず、美夜子さんも来た。うんだと思ったけどさっきのでちょっと手が汗ばんでるって言った。

 

「直ちゃんは良くて私はダメなの?」

 

という至極真っ当な事を涙目で言われたから何も言えずに直ちゃん同様そのままにしておく事にした…目薬が見えてたから嘘泣きってわかってるけど…それから僕達は家に帰った。

 

「ふう…今日も疲れたね。」

 

「明日はアスとかも呼んであげよう?今日は忙しかったみたいだし?」

 

「あっ…忘れてた。あーちゃんにジャイアンは明日も家の事情で来れないみたいなんだ」

 

「…そういえば、そうだった。」

 

あーちゃんは今日はピアノの稽古だったけど明日から3日間親の実家にお盆に行けなかったから行くってさっき言われた。ジャイアンはこの時期が売れ行きがいいから、しずちゃんは明日暇みたいだから、ジャイアンとあーちゃんには後日埋め合わせしよう。スネ夫もちゃんと誘うよ?

 

「眠いけど、今日の事思い出してたら、すごいテンション上がっちゃう!」

 

「その気持ちはわかるし、夏休みだけど。ちゃんと寝ないと肌に悪いよ?直ちゃん」

 

僕は直ちゃんにそう言った。あとドラえもんはさっさと眠った。よほど疲れてたんだろうね。明日も泳ぐ練習をするって言われた。

 

「そうだけど〜!加工水だって言われても海の世界に行けるなんて思わなかったし!」

 

「スグの気持ちもわかるぞ!俺だって、楽しかったしな!」

 

「兄妹揃ってテンション上がっちゃってるし。はぁ…はいはい!気持ちはわかるけど、のっ君が言った通り早く寝ないとね!直ちゃんは私の部屋に来なさい!」

 

「…それもそうか〜。はーい!のび兄、お兄ちゃんおやすみ〜」

 

「「おやすみー」」

 

直ちゃんと美夜子さんは僕の部屋を出てから、美夜子さんの部屋に入っていった。

 

「じゃあ、寝るよ。和人。」

 

「そうだなぁ…」

 

僕達も眠る事にした。ドラえもんも2人も寝ちゃったし。今日もドラえもんの道具は夢を叶えてくれた。サメには追いかけられたけどね…

 

 

ーーーーーーーー

 

それから朝になり、僕達は起きてから下の居間に来ていた。美夜子さんと直ちゃんが撮っていた写真の現像をするためだ。僕はその前に窓を開けた。

 

「うわぁ…降りそうだなぁ。」

 

僕は空を見て言ったら、ドラえもんが写真の現像を始めると言ったので中に戻ろうとしたら、庭の隅っこにある木から物音が聞こえた。

 

「どうした?」

 

「向こうから音が聞こえたんだ。」

 

和人に聞かれてから木の下の草の方を見たらそこには大きな尾ヒレがあった。って!

 

「うわ!!」

 

「なんだよ!」

 

「見てみて!」

 

僕は和人に言った後に和人も見たら、和人も驚いたように尻もちをついた。

 

「昨日のサメがまだ居たのかな?」

 

「サメ?俺が見たのは女の子だったぞ?」

 

「え?」

 

僕は和人に言われた後にまたその草の向こうを見たら、和人が言ったように女の子が倒れていた。それも美夜子さんやあーちゃんに引けを取らない可愛いさを持っている少女。あれ?確かに僕が見たのは尾ヒレだった気がしたんだけど…

 

「僕の見間違いかなぁ?」

 

「じゃないのか?」

 

僕らは少女を見て、そう言った。その瞬間に少女が飛び上がり、僕らはその拍子に倒れてしまった。身体能力すごいしかっこいいな。

 

「どうしたの〜?ってあら?」

 

美夜子さんが僕らに気づいて庭に顔を出した。まぁ、ちょっと騒がしかったしね。

 

「誰なの?この人?新しい友達?」

 

「のび兄上がってもらったら?」

 

直ちゃんの言ってることも最もなので僕達は女の子を家の中に入れてあげ、ママからジュースを貰ってその子にあげた。その子は喉乾いてたのか、がぶ飲みしていた。

 

「&¥!!?!&&&!!!」

 

その子は喋りだしたけど、何言ってるかわからなかった。英語でも、スペイン語でもない謎の言語だ。その子はドラえもんに近づき、ほっぺをむぎゅむぎゅしている何この状況?

 

「&!?&&&!!!」

 

何かを言ってるけどわからない…ってこういう時こそあれだね?

 

「ドラえもん。翻訳コンニャク」

 

「むぎゅ…そうか!じゃあ。みんなの分あげるから食べて!」

 

ドラえもんから僕達は翻訳コンニャクを渡されてから、またその子に向き直りドラえもんが聞いたら…

 

「これは何?ふぐの1種なの?」

 

その子言葉がわかった瞬間ドラえもんに向かってそう言っていた。いやタヌキとかに見間違われるのは、わかるけど、フグって…

 

「「「「ブフッ!!」」」」

 

僕達は思わず吹いてしまった。本当にそれは変化球だった。

 

「あの!猫ですけど!」

 

「ねこ?」

 

「っていうか、4人ともいつまで笑ってるの?」

 

ドラえもんは僕達にジト目で言ってきた。僕達は声を押し殺して笑っていた。だってドラえもんはいつもタヌキって言われてるのに、フグって…くっくっく…

 

「くっくっく…ごめんごめん。僕、のび太です!こっちは…」

 

「ね・こ・の!!ドラえもんです!」

 

「私は直葉って言います!」

 

「私は美夜子です!」

 

「俺は和人です!」

 

「私は……ソフィアよ!」

 

彼女…ソフィアさんは、笑顔で僕達にそう言った。

 

ーーーーーーーーー

 

自己紹介した後に僕とドラえもん、和人で町を案内する事にした。美夜子さんと直ちゃんは留守番、大所帯になるしね?それから空き地に来ていた。空き地にはしずちゃんとスネ夫がいた。2人で何かを話していた。どうしたんだろう?って珍しいな2人でいるの。っていうかしずちゃん赤いカチューシャつけてる。

 

「嘘じゃないって!ママが聞いてきたんだから!昨夜、町に出たって!」

 

「えぇ?海もないのになんでサメがでんの?」

 

「出木杉がサメを見たんだってよ?」

 

「出木杉君が〜?うっそだ〜」

 

「僕の時みたいにノイローゼになってたのかもね〜…ってん!?」

 

あっ、こっちにスネ夫が気づいた。とういうか土管からずり落ちた。ソフィアさんを見て。

 

「の、のび太!そ、その子は!?」

 

顔を赤くしながらそう聞いてきたから僕は紹介する事にした。

 

「紹介するよ。ソフィアさん。町を案内してから、ここに来たんだ!でこっちは」

 

「僕ちゃんの名前は、スネ夫!この町1番のお金持ちなn…ぐふ!?」

 

「はいごめんなさいね!うちは静香って言うの!気軽にしずちゃんって言ってね!」

 

僕の声を遮ってからスネ夫が言ったけど、しずちゃんに止められた。肘鉄で…その後にしずちゃんは笑顔で自己紹介した…ソフィアさんは、苦笑いしてるよ…しずちゃん…

 

「ソフィアさんは、どこから来たの?」

 

しずちゃんは何事もなかったように聞いてきた…ん?

 

「そういえば、どこからだっけ?」

 

「…そういやそうだな。」

 

「…ああ!」

 

僕達が話していると、ソフィアさんは何かに気づいて上を見上げて声に出した。目線を追っていくとそこには飛行機があった。

 

「なんだ、飛行機じゃない。」

 

「空を……泳いでいる!」

 

ソフィアさんは、飛行機を見ながらそう言った…泳いでいる?

 

「面白い言い方だね!」

 

ドラえもんはソフィアさんが言ったその言葉にそう言った。

 

「ソフィアさんは飛行機を見た事ないのかな?」

 

「まさかあ!今この時代に?よっぽど田舎に住んでたんだね〜」

 

僕がそう言うとスネ夫が笑いながら、そう言った。

 

「スネ夫。そういう言い方は失礼だぞ?俺達だって、ドラえもんの道具を初めて見る時そうなるだろ?」

 

「…それもそうだね。ソフィアさん。ごめんなさい。」

 

「別にいいわよ。」

 

和人は、笑っていたスネ夫にそう注意をしたらスネ夫は素直に謝った。ソフィアさんは別に気にしてない感じでそう言っていた。それからしずちゃんとスネ夫を交えて町をさらに案内した。これから先ソフィアさんの秘密を知る事は僕達はまだ知らない。



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第23話人魚大海戦〜ソフィアの秘密とアクア星〜

お久しぶりです…ものすごく時間かかりました。みなさんはコロナは大丈夫ですか?さぁ中編は、ソフィアさんの謎に迫って行きます

視点は、初の静香、のび太、静香、のび太、和人、美夜子さんの順です!コロコロ視点が変わりますがご了承ください!


それからうちらは一通り町を案内してから、裏山の信号を走って渡っていた。でも渡った後にソフィアさんの姿見えなかった。あれ?さっきまでうちの隣にいたのに?

 

ププーーッ!!!

 

「ソフィアさん!?危ない!?」

 

 

車のクラクションに気づいてそこを見るとソフィアさんが道のど真ん中で空を見ていた。ソフィアさん!?

 

「ごめんなさい!」

 

ドラちゃんが頭にタケコプターをつけてソフィアさんを助けていた。ホッ…でもソフィアさんなんでこんなに知らない事が多いんだろ?いくら田舎育ちだって、飛行機やさっきの様子から見て車もわからないみたいだし。ピーちゃんの時や魔法の世界の時みたいにならないといいけど…

 

 

ーーーーーーー

 

それから僕達は空を飛んでいた。何故かって?ドラえもんがソフィアさんを助けた後にソフィアさんが[タケコプター]に興味を持ち、貸してくれないかと頼みドラえもんはそれに答え僕達もついでに空を飛ぶ事にしたんだ。ソフィアさんはタケコプターを頭につけるといとも簡単に使いこないしていた。僕らも飛ぶのに時間かかったのに。

 

「あはは!あー!」

 

ソフィアさんはそのまま急上昇していった……って!

 

「ソフィアさんスピード出しすぎ!」

 

僕の声が聞こえないのかソフィアさんはどんどん上がっていった、でもソフィアさんはそこで止まってしまった。僕や和人達はすぐさま駆け寄り、手を差し伸べたら。

 

「水を……お願い水の中に入りたいの……」

 

「うちの家に!早く行こ!ドラちゃん!」

 

「んっ!どこでもドア!」

 

ドラえもんがどこでもドアを出し、僕達は急いでしずちゃんの家に入った。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

「さぁ!ソフィアさん!しっかりしてね!今お風呂に入れてあげるから…って男ども!!早く出ていって!」

 

「「「は、はい!!」」」

 

うちがそう言うとのっちゃん達は急いで出ていった。でもドラちゃんが何か戻ってきた。なに!?

 

「あのー[どこでもドア]忘れちゃって「早く!!」は、はい!!」

 

もう、何で男の子ってエッチなんだろ。とにかくうちはソフィアさんの服を脱がし、お風呂に入れてあげた。ソフィアさんもお風呂が好きなのか、入った瞬間に元気になっていた。

 

「ふぅ…これでいいか…あっ!綺麗!」

 

うちは、ソフィアさんの服を洗濯物入れに綺麗に畳み置いて横を見たら綺麗なティアラのようなカチューシャがあった。これってソフィアさんの?まぁ、人の物に手を出す趣味もないし。いいか。

 

ーーーーーーー

 

「なぁのび太。何か変じゃないか?」

 

僕達はとりあえずしずちゃんの部屋に待機していた。するとスネ夫が急にそんな事を言い出した。まぁ…何が変かは予想出来たけど。

 

「信号や飛行機も見たことないみたいだし…もしかしてソフィアさんて!カッパだったりして〜」

 

「ごめんそれは同意できない。なんでカッパだよ。」

 

「だって急に水浴びたいって言ったからさ〜」

 

スネ夫が言うのももっともだけど、カッパは納得できないなぁ。それに最初に会った時ソフィアさんは確か…ドラえもんに聞いてみるか。

 

「ねぇ、ドラえもん。人魚っているのかな?」

 

「カッパの次は人魚か?なんでだ?」

 

「…僕が最初にソフィアさんを見た時足にヒレがあったように見えたんだ。人魚みたいな。」

 

それにカッパより人魚の方がイメージが強い、ソフィアさんは美人さんだしさ。

 

〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪

 

 

なんて考えていたら、着信音が聞こえた。その方を見るとドラえもんの携帯みたいだった…21世紀ではスマホなのに、ドラえもんの携帯って昭和のバカでかい携帯っぽかった。22世紀は携帯退化しちゃったのかな?電話の相手はドラミちゃんかららしい。

 

「ドラミにちょっと頼んで置いたんだ。」

 

とドラえもんが言った瞬間に超空間の穴が開きドラミちゃんが来た。その反動でドラえもんがベッドから落ちた…何やってんだか

 

「大丈夫。それで何かわかったの?人魚の事」

 

ドラえもんがそう言うとドラミちゃんは[タイム電話]ニューモデルに任せろと言ったが、その前に僕に人魚の絵を書いて欲しいと頼まれ書くことにした。って僕絵心全くないから、ものすごく下手な人魚の絵になってしまった。

 

「お前の中のイメージの人魚ってそう言う化け物なのか?」

 

和人にジト目で言われた。文句言わないでよ。僕はイメージ通り書いただけだよ。横のスネ夫には笑われてるし。

 

「ははは…人魚の話だけど、最も古い人魚伝説は紀元前3000年。今から5000年も昔になるわ。人魚というのは上半身が人間で下半身がお魚という姿で描かれているわね。のび太さんが書いた絵みたいに…。でもこれを見て」

 

ドラちゃんがタイム電話から出したのは人間の頭に魚をフードのようにした男性だった。ドラミちゃんが言うには、これはオリエントの神話が出てくるオアンネスという神様らしい。海から現れて、そこに住む人々に文明を授けたと言われているらしい。それとこれが人魚のモデルになったとも言われている。

 

「オアンネスは航海の無事を祈る神様として崇拝されいたらしいわ。他にもね。」

 

他にも、ギリシャ神話に出てくる海の神ポセイドン、その息子であるトリトンも人魚の姿をしていたと言われている。人魚の伝説は世界中にあることがわかった。スネ夫が言うには海で泳いでいるジュゴンを見間違えた説もあるみたいだし、ネス湖ネッシーみたいな物か…ドラミちゃんは、スネ夫の言葉を聞き、ジュゴン画像も見せてくれた。まぁお世辞抜きでも見た目からして人魚の姿には見えない。

 

「子供にお乳をあげる姿が、人魚に見えたらしいわね。」

 

「うーん、そう見えるかな。」

 

「そうだよな。」

 

確かにこれは難しい話かもしれない。ネッシーだって本当は地下空間から来てたわけだし。恐竜はまだ地下で生きてる事実は僕、ドラえもん、和人、スネ夫、ジャイアン、しずちゃん、直ちゃん、あーちゃん、美夜子さんの9人だけだ。前にも思ったようにこの事は恐竜の事実と一緒なのかもしれないなぁ。

「じゃあまた何か分かったら連絡するわね!」

 

「うん!ありがとうドラミ!」

 

ドラミちゃんはそう言い残すと未来に帰っていた。人魚の謎はドラミちゃんがもっと調べてからにすることになった。まぁ…手がかりもないからしょうがないか。

 

「キャーーーー!!」

 

 

と思った瞬間に下からしずちゃんの叫び声が聞こえた。僕は咄嗟に下に向かい風呂場を開けるとそこには…

 

「しずちゃん!?その格好!?」

 

足が魚になったしずちゃんが倒れていた。…どうなってんの?これじゃまるで…

 

「人魚?」

 

ーーーーーーー

 

「ソフィアさんは海底から来たの!?」

 

それから僕達はしずちゃんの部屋に戻り、ソフィアさんから事情を聞いた。ソフィアさんは海の底から来たらしく、ソフィアさんが着ている服は海の中を自由に泳ぎ回るために考え出されたものだという。

 

「ごめんなさい、びっくりしたでしょう?」

 

「まぁ、最初にはね〜!でも何か人魚になったって感じでもうちは嬉しかったよ!」

 

「そう良かった。」

 

しずちゃんの言葉にソフィアさんは笑顔になってそう答えた。まぁ…何でここに来たかはあらかた予想はできる。僕は和人に目を合わせた。

 

「和人」

 

「まぁ…巻き添えガスの影響で架空水の中に入ったんだろうな。」

 

「ドラえもんも気づいてるみたいだしね。ソフィアさん、家って海底って事?」

 

僕は和人と話をした後にソフィアに聞いた。聞かなくてもわかるけど、一応確認のためにね。

 

「ええ!私達人魚族の祖先は、今から5000年程前にこの地球にやってきて、海底に街を作り暮らし始めたと伝えられてるわ。」

 

ドラミちゃんが調べた人魚伝説も5000年前…ソフィアさん達の祖先が来たのも5000年前に…人魚伝説は本当だったんだなぁ。って待ってよ?

 

「地球にやってきた?」

 

「ソフィアさんの祖先は、宇宙人って事なのか?」

 

「それに5000年前っていや人魚伝説と一緒だよ。」

 

「そうか、ソフィアさんの御先祖を海で見かけて、世界各地に人魚伝説が広まったのかもしれないね。」

 

そう考えると、ドラミちゃんが調べたのと今の話が合致するって事かぁ…こんなにもスケールが大きいって思わなかったし、やっぱり人魚は存在してたんだ。

 

「どうして、この地球に来たんだ?」

 

和人は、皆が思ってる疑問をソフィアさんに聞いた。ソフィアさん曰く人魚族の伝説によると地球によく似た水の惑星【アクア星】で平和に暮らしていたらしい。この地球でも問題になってる海の汚染、そして生命が住めるような星ではなくなった。だから人魚族は他に住める場所を求めこの地球にやってきたらしい。

 

「本当はこうして陸地に上がることは固く禁じられているの。でも、私達の故郷の星を探したくて、海底からやってきたのよ。」

 

ソフィアさんは禁じられている事を犯してまでその決意が固いと目で見てわかった。あの目は美夜子さんやバンホーさんが持っていたものだ。だからこそ僕は…

 

「…ソフィアさんそれ僕に手伝わせて。」

 

「え?」

 

「ソフィアさんの目を見て、決意が硬いってわかった。その目を見ると手伝いたくなるんだ。だからさソフィアさん…それを僕に手伝わせて。」

 

僕がソフィアさんに言うと肩に何かが乗った。横を見ると和人が手を乗せていた。

 

「達ってつけろよ。のび太。これも何かの縁だ、ソフィアさん俺達もそれを手伝うぜ。」

 

「あなた達…」

 

「確かに一理あるね〜!うん!うちも手伝うよ!ね?ドラちゃん!」

 

「うん!僕達も手伝うよ!」

 

ドラえもんがソフィアさんに言うとソフィアさんは目を輝かせた。

 

「ありがとう!恩に着るわ!」

 

「よし、でとりあえず、その星を見に行こうぜ?」

 

「でも今は昼だよ?どうすんの?」

 

しずちゃんの言う通り、今はちょうど12時、昼だ。だから今星は見えない。でもねしずちゃん。

 

「夜に行けばいいんだよ。」

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

ーーーーーーー

 

今僕達がいるのは南半球の夜に来ている。夜に行くとは言ってもいっぱい夜がある。アクア星はどこにあるのかはソフィアさんに聞いてもわからないようだった、でも伝説によると、アクア星と4つの月を結ぶと五角形になると言われてるらしい。スネ夫から五角形の星座は、ぎょしゃ座という、でもぎょしゃ座は冬の星座だから、今の日本じゃ見られない。だから南半球の夜に行くという結果になった。

 

「やっぱこの格好じゃ寒いな」

 

「こっちじゃ冬だからな。当たり前だよな。」

 

「それにしても…綺麗だなぁ」

 

しずちゃんが上を見たと同時に僕達も上を見たら綺麗な星々が光り輝いていた。白亜紀の時でもこんなに綺麗に星が光っていたなぁ。この光景を見ると白亜紀の時を思い出す。でも今は星を見続ける訳にはいかない。まぁ見なきゃぎょしゃ座がわからないから見るんだけど。

 

「この中にアクア星もあるのね。」

 

ソフィアさんはそう呟いていた。綺麗な星々にソフィアさんも感動しているみたいだね。

 

「スネ夫わかるか?」

 

「うーん…やっぱりこんなに見てもわかんないの…どれがどれだかわかんないよ。それより寒く…」

 

「何か…文句でも?」

 

「ひぃぃ!?わかったよ!探すよ!」

 

スネ夫が文句をたれる前にしずちゃんが久々の迫力を見せ、スネ夫はちゃんと探そうとしたが結局見つからず、部屋に戻ってきた。

 

「ごめんね。ソフィアさん。」

 

「ありがとう。皆、でももういいの」

 

「でも、ソフィアさん!故郷の星を!」

 

「ううん…あんな綺麗でたくさんの星を見られたんですもの。私、とっても幸せだった!うふふっ。スネ夫さん、ありがとう!」

 

ソフィアさんは諦めたわけじゃない、僕達を落ち込ませないように振舞ってるんだ。その振る舞い…美夜子さんと似ていた。そう…魔王デマオンに1人で立ち向かった時の美夜子さんと…

 

「私、宮殿に帰ります!」

 

僕が考えてるうちにソフィアさんはそう言っていた。でもちょっと元気がないように感じる。気のせいかな。

 

「ソフィアさん…本当にそれでいいの?」

 

「ええ!さっきも言ったけど、綺麗な星々を見れて、嬉しかったわ。宮殿の者達も心配してるだろうし。」

 

「宮殿って、ソフィアさんは、女王なのか?」

 

「正式に王の座は受け継いでないの。まだ人魚族のお姫様♪」

 

つまり、王女って事か。

 

「綺麗な宮殿なのか?」

 

「すってきな宮殿なんだろうなぁ。」

 

「…しずちゃんに宮殿は似合わないと思うけど…」

 

「あ?」

 

「なんでもございません!?」

 

宮殿かぁ。宮殿っぽいのは何かの本で読んだことあるけど行ったことないなぁ。まぁ…白亜紀や魔法の世界に行ったことは、あるけどね。

 

「なら来てみる?」

 

「「「「「え?」」」」」

 

僕達が宮殿のことで話していると、ソフィアさんがそう提案してきた。

 

「でもいいの?」

 

「招待するわ。私から言えば何も問題ないわ!恩人だしね?」

 

ソフィアさんはウインクしてそう言った。恩人って、アクア星を見つけられなかったのに…僕なんかが行ってもいいなのかな。手伝うとか言っといて何も出来やしない。これじゃまるで、美夜子さんの時と一緒じゃないか。

 

「よーしっ決まりだ!のび太もいいな!…どうした?」

 

「え?あっ、うん!そうだね」

 

和人に言われ僕は少し無理な笑い方をしてるだろうな。和人には気づかれなかったよね。

 

「って、あっ、美夜子さんや直ちゃんには言わないと」

 

「すっかり忘れてた。のび太の部屋にいるんだったか。」

 

「ソフィアさん。この事あの二人にも伝えていい?」

 

「ええ!もちろん!あの子達も招待したいわ!」

 

とりあえず僕達は、美夜子さんと直ちゃんにこのことを伝えるために僕の部屋に戻ることになった。




雷神「はい…久々の…「「また遅くなりがったなパンチ!!」」グヘェア!?」

銀「お前!前の投稿から5ヶ月だぞ!?いい加減にしやがれ!」

雷神「すいませんでした!?」

明久「だからもっと頑張って投稿しようよ!」

雷神「いきなりぶん殴った人の言葉じゃ「あ?」なんでもございません」

銀「作者、頻度上げろよ?」

雷神「ちゃんとやるこれはほんとうに…」

銀「はぁ…本当かね。まぁ…次遅れたらわかってるな?」

明久「跡形もなく消すからね?」

雷神「い、YESmam!?」

銀「というわけで、この小説もいつSAO編に入るかわからんが、次回も楽しみにしててくれ。」

雷神「よろしくお願いします。」


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第24話人魚大海戦〜のび太の憂鬱〜

視点はのび太、和人


「ーーーーなるほど、あなたも訳アリだったのね?」

 

僕の部屋に戻り、待機していた美夜子さんと直ちゃんにさっきの出来事を話した。美夜子さんはソフィアさんの秘密を聞いて、妙に納得していた。まぁ、美夜子さん自身も訳アリ中の訳アリだもんね。平行世界の住人だし。

 

「あなたにもそんな秘密があったのね。」

 

ソフィアさんが秘密を教えたのに、美夜子さんはフェアじゃないと思ったのか自身の事を話したら、ソフィアさんも納得してくれたみたい。

 

「なぁ、のび太、ソフィアさんって何歳なんだろうな?」

 

「何さ、いきなり?」

 

「いや、気になってな?「私は12歳よ?」おっと聞こえてたか。」

 

「いえ、いいのよ。」

 

「年齢は僕達より2歳年上なんだ…恭奈と一緒か」

 

2歳年上…美夜子さんは見た目は僕達と一緒だしね。美夜子さんが何でこうなったのかは結局の所わかってない、色々憶測があったけどね。ってこんな事話してる場合じゃないんだった。

 

「美夜子さんと直ちゃんも来る?ソフィアさんの街に。」

 

「行きたいのは山々だけど、こんな人数行って大丈夫かなぁ?」

 

「大丈夫よ。何とかなるわ。」

 

ソフィアさんはなんてことなく、言った。ソフィアさんがいいならいいのかな。

 

「じゃあ、行く!楽しそうだし!」

 

「私もね。」

 

直ちゃんと美夜子さんはそれぞれ嬉しそうな顔でそう言った。

 

「よし決まったね!その前に…[フエルミラー]!」

 

ドラえもんが2人の言葉の後に謎の鏡を出した。

 

「これは物体を複製できる鏡台で、スイッチを入れるとこれにに映った物が鏡の中で実体化します。この鏡は中へ手を入れられるので、それをつかんで取り出せば一つ増えるんだ!ただしフエルミラーから取り出した物は、元の物とは奥行きが反転した鏡像と呼ばれる形態になってるけどね。服は字や絵が描かれていなければ何も変わらないよ!」

 

久々の道具紹介だけど、これ何気に使ってる時があった気がする。

 

「タケコプターもこれで増やしてるんだよ!じゃあ、ソフィアさんこれの前に立って! ってみんなはどいて!」

 

すると、フエルミラーから、ソフィアさんの服に似た物が人数分出てきた。それも色別に。

 

「いっちょ上がり!海底に行くのなら、ソフィアさんの人魚スーツが便利だと思ってね!」

 

さすがドラえもんだなぁ。あれ?ソフィアさんが不思議そうに見てる。そりゃこれみたら不思議に思うか

 

「これって、どういう魔法なの?」

 

ははは…何かデジャヴなんだけど、向こうのしずちゃんや美夜子さんも同じこと言ってたっけ。

 

「そうよね〜。私もドラちゃんの道具みた時そう思ったわ!」

 

美夜子さんは、ちょっと嬉しそうにそう言っていた。やっぱ化学の力ってそれを見ていない人からすると逆に魔法に見えるのか、まぁ…ドラえもんのはチートな気もするけどね。

 

「これは魔法って言うか、まぁ…魔法みたいなものか」

 

「おいおい、とにかくドラえもんには出来ない事なんてないんだよ!」

 

「何回か失敗するけどね。」

 

「それは言わない約束でしょ!」

 

「「「ふふっ」」」

 

「じゃあ着替えたら、出発準備いいね!」

 

「「「「「「「うん!」」」」」」」

 

ーーーーーーー

 

それから僕達は着替えてから庭に来ていた。しずちゃんは黄色を、直ちゃんは緑、美夜子さんはピンクだった。しずちゃんはよく黄色い服を着てるし、直ちゃんは色々着込んでる。美夜子さんは、ピンクがよく似合うよなぁ。向こうの世界ではよく着てたみたいだけど、この世界来てから、他の色の服も来ていた。閑話休題。

 

「じゃあ早速、[テキオー灯]これは22世紀の未来において宇宙の様々な天体に進出した人類が、大気・温度・重力などが地球と著しく異なる環境で活動するために開発された道具なんだ!この道具から照射される光を体に浴びることで、高水圧の深海だろうと、宇宙空間だろうと、特別な装備なしでも地上と全く変わりなく活動できるんだ!」

 

あれ?スネ夫を助ける時、それ使っていればよかったんじゃ?

 

「何で前は使わなかったんだ?」

 

「スネ夫くん救出の時は、メンテナンスに出してたんだよ。あとこれの効き目は24時間だからね!」

 

前に貰ったアメの時も効き目を話しておいてほかったよ。なんて言うのは無粋だと思ったので、何も言わなかった。

 

「上乗せ可能なのか?」

 

「もちろんだよ!」

 

ドラえもんは、僕達にテキオー灯を浴びせた後にお座敷釣り堀を出した。これで海底にまで行く事になる。何かドキドキするなぁ。っていうか。

 

「ドラえもんは浴びなくていいの?」

 

「僕はロボットだよ!」

 

ごめん。愚問だった。

 

「じゃあ!行きましょう!」

 

ソフィアさんの掛け声で僕達は早速お座敷釣り堀に飛び込んだ。お座敷釣り堀の中は見事なサンゴ礁があった。ソフィアさんが言うにはここはハワイの近くらしい。そりゃこんなに綺麗なはずだね。僕ら早速服で人魚になった…けど

 

「お、泳げなかったんだった。」

 

わかってた。わかってたさ!これで泳げるかなぁって思ってたよ!?でもやっぱり泳げない。もう!アクア星は見つけられないし…泳げないしなんなんだよ…

 

「のび太大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫…!」

 

「やっぱり泳げないのかよ〜!のび太〜!」

 

「ふんっ!!」

 

「グヘェア!?」

 

スネ夫が僕に何か言ってたみたいだけど、しずちゃんが鳩尾に肘をぶつけ、スネ夫が悶えた。

 

「ははは…じゃあ行きましょ。」

 

ソフィアさんの掛け声で僕らは進んだ。サンゴ礁には色んな熱帯魚がいるなぁ。イワシの群れの穴を通ったり、亀と戯れたり、ハリセンボンに驚いてるスネ夫を横目に僕はちゃんと泳げるようにしていた。けど…

 

「のっ君。もっとゆっくり足を動かしてみて?」

 

「よしゆっくりだね?ゆっくりゆっくり、あれ?!」

 

「違うそうじゃない!?」

 

ゆっくりゆっくり泳ごうとしたけど、またもや違うのか上手く泳げなかった。何が違うんだよ…。すると目の前にクジラの群れが現れた。なかなか見えない光景だよね。そして夕方になってきたから、ドラえもんがある物を出した。

 

「これはね?[水避けロープ]このロープの中に入ると水を避けてくれるんだ。」

 

「うわぁ」

 

ソフィアさんは、避けられた水を見て驚いていた。僕達も驚いてる。レベルを超えすぎてるしさ。

 

「それじゃ次は…テントアパート!これはボンベで膨らませて使用する中は広間と六つの個室が完備されている。海底などで生活するための家なんだ!」

 

僕達は、中に入り中央の椅子に座って、雑談をすることにした。

 

「驚いた〜。ドラちゃんって、伝説に出てくる海の神様マナティアみたい!」

 

「伝説の神様…マナティア?」

 

「ええ!お祖母様が教えてくれたの」

 

何でも、ソフィアさん達人魚族が危険に晒されると、人魚の剣を使って助けてくれるという伝説らしい。

 

「人魚の剣?」

 

「そんなものがあるんですか?」

 

「そう、私達人魚族の先祖はその人魚の剣を大切に守ってきたと伝えられているわ。でも今はどこにあるのか…」

 

「なくなっちゃんですか?」

 

「もう5000年以上の昔の話だから、単なる伝説に過ぎないって言っている人もいるし…」

 

伝説の剣かぁ。そういうのはロマンも感じるし、かっこいいとは思うけど、どこにあるのか、分からないんじゃしょうがないか。

 

「ねぇ!ドラちゃん!探してみようよ。伝説の剣!」

 

「え!そんな直ちゃん!」

 

「そんな事ができるの?」

 

「だいじょーぶ!だってここにいるのは、伝説の海の神様マナティアにも負けないドラティアなんですもん!」

 

「え!?」

 

「直ちゃん」

 

「え?何のび兄?」

 

僕は少しイラッと来た。何故だか分からないけど。

 

「ドラえもんを過信しすぎだよ。ドラえもんだってできないことだってあるんだからね。それに!今ここに来てるのは伝説の剣とかそんなものじゃないでしょ。はぁ…何か僕疲れたから寝るね。」

 

「ちょ!のび兄!?」

 

「おい、のび太!」

 

僕は直ちゃんや和人の呼び掛けに気にせずに部屋に入った。はぁ…何やってんだろ僕。何にイライラしてんだろ。これじゃただの八つ当たりじゃないか…自分が何かできるとでも思ったんだきっと、過信していたのは僕の方だよ。

 

ーーーーーーー

 

「…のび兄…」

 

スグは部屋に入っていたのび太の方を見て少し落ち込んでいた。やっぱり今日ののび太は様子がおかしい。そうだ。アクア星を見つけられなかったってわかった時からあんな感じだよな。

 

「…何か悪いことしたかしら?」

 

ソフィアさんは、のび太が急にあんな感じを自分のせいだと思ったのか、そう呟いた多分ソフィアさんのせいじゃないし、ましてやスグのせいでもない。

 

「うーん…多分ソフィアさんは気にしくていいと思うわ。のっ君も何か心につっかえがあったんだろうし。直ちゃんも気にしないの」

 

「でも…」

 

「何であいついきなり?」

 

「スネ夫に何か言われても怒らないのっちゃんがあんなにイライラするのって、和くんが戻ってきた時くらいなんだけど。」

 

しず、それは何か違うと思うぞ?ちょっと少しトゲがある言葉だぞ!?てか、なんでジト目でこっちを見る!?

 

「はぁ…とりあえず俺が…」

 

「待って、私が行くわ。」

 

俺がのび太の方に向かおうとしたら美夜子さんに止められた。

 

「のっ君ちょっと病んでるっぽいから年上の私になら何か言ってくれるかもしれないし」

 

確かに俺が行くより、年上の美夜子さんが行った方がいいかもな。魔法の世界の時もそうだったし。

 

「…ここは美夜子さんに任せるか」

 

「うん!任せて、じゃあみんなも早く寝なさいよ?」

 

美夜子さんは、ウインクしてからのび太の部屋に入っていった。明日になったら、元ののび太に戻っていて欲しいけどな。俺はそう思いながら、割り振りされた部屋に入ったのだった。しずとスグはちょっと羨ましそうにしていたのは内緒だ。

 

ーーーーーーー

 

私はのっ君の部屋に入ると暗い部屋の隅でのっ君は体操座りをしていた。はぁ…これ相当さっきのにこたえてるみたいね。

 

「のっ君」

 

「…!」

 

私が声をかけるとのっ君は体をビクつかせた。それに構わず、横に座ってさらに話しかける

 

「あなた、アクア星が見つけられないのを自分のせいにしてない?」

 

きっと今ののっ君はあの時と一緒の精神状態だと思った。私がデマオンに単身で向かった後にのっ君は自分のせいだと、自分がこんな事思いつかなかったらって、自分を責めたててたと和くんから聞いていた。

 

「そんな事…」

 

「のっ君…いえのび太さん。あなたが言ったこと覚えてる?」

 

「言った…事?」

 

「助けるって、言ってくれた。ほんとに助けてもらった時は嬉しかった。のび太さん、だから。」

 

私は笑顔でこの言葉を、言うことにした。のっ君が教えてくれた事。

 

「1人で抱え込まないで、私を…いえ私達を頼って?きついでしょ?これはあなたの言葉よ?」

 

私はのっ君目を見ながら、そう言った。

 

「…美夜子さん…ごめん。僕は手伝うとか言っといて…何も出来なかった…それに…それに泳ごうとしても泳げないし…それで直ちゃんの言葉にイラッと来ちゃったんだ…何だか僕は無能だって、ドラえもんがいれば何も問題ないって言われているみたいで…被害妄想だよね。」

 

のっ君は、言葉を振り絞るように言った。はぁ…やっぱり泳げないのも原因だったのか、確かに被害妄想なのかもしれないけどね。

 

「でも、さっきも言ったようにのっ君は私や地下恐竜達を助けてくれたじゃない。」

 

「それはドラえもんの道具があってこその結果だよ。僕なんか何も」

 

この子は…自分が何を言ってるのか、わかってるの?これはガツンと言った方がよさそうね。

 

「そんなことない!のび太さんは言葉で!行動で!私を救ってくれた!確かにドラちゃんの道具があってこその結果かもしれない。けど…結果的に私やバンホーさんを変えたのはあなたの言葉よ!」

 

「み、美夜子さん…」

 

「のっ君…だから元気だしなさい!あなたは無能なんかじゃない!自分で自分を蔑まない!あなたの言葉で行動で!変わった人は多いんだからね!」

 

私は思っていた事をすべて吐き出した。のっ君がここまで悩んでたとは思ってなかったし、助けてくれた恩人…いや好きな人を助けたいと思った。助けてもらってから、何も出来てなかったし。

 

「…うん、僕どうかしてたみたいだ、美夜子さんありがとう!」

 

「ふう…いいのよ。のっ君には私や和人君がいる、ドラちゃんだっているのよ!だからまた何かあれば吐き出しなさいよ?」

 

「今回は、美夜子さんが吐き出したように思えるけどね」

 

「それは言わないの!とにかく明日直ちゃんに謝りなさいよ?」

 

「うん…美夜子さん、本当にありがとうね」

 

のっ君はさっきまであった陰りもなくなりキラキラの笑顔でそう言ったそうあなたはそのキラキラが似合うのよ!それが、あなたの取り柄なんだからーーーーーー



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第25話人魚大海戦〜勘違い〜

人魚大海戦後編になります!人魚大海戦も大詰めに来ました!5ヶ月間の空白を補完できるか不安ですが、よろしくお願いします!それと感想で書いてあった、ソフィアさんののび太ハーレム入りはもう考えてあります!それも楽しみにしてください!人魚大海戦で捕まった時にジャイアンの歌で助かりましたが、今回の旅にジャイアンを入れるのを忘れるという痛恨のミスをしてしまったので、ジャイアンの歌に変わる物を使って脱出します。それが何かは本編で。それと後編は意外と長くなったので後編は1、2と続いて行きます!


視点はのび太、ソフィアさん、しずちゃん、のび太、ソフィアさん、和人、のび太、ソフィアさん、のび太君、しずちゃん、のび太、ソフィアさんの順です。今回もコロコロ変わりますがご了承ください。

テキオー灯がテキトー灯になっていたのでテキオー灯直しました!ご指摘ありがとうございます!

【追加分2020年6月9日】

10番目のしずちゃんの視点にある男を登場させました。


「ーーーーみんなごめん!僕どうかしてた!直ちゃんは特にごめん。」

 

次の日、8月23日。僕はみんなに謝っていた。せっかく和気あいあいとした空気を崩してしまったというのもあるけど、何より直ちゃんには怖がらせたと思ったから直ちゃんにはものすごく深々と謝った。

 

「まぁ、特に気にしてなかったよ?ちょっと怖かったけど。」

 

顔をあげると直ちゃんは、いつものように笑顔で言ってくれた。良かった。

 

「あっ、でも!本当に怖かったから、今度遊びに行ってくれたら、許すよ?」

 

直ちゃんは何故か上目遣いで言ってきた…まぁ…遊びに行くくらいなら、なんて事ないけど、でも直ちゃんが言った瞬間に美夜子さんとしずちゃんの雰囲気が変わった。あれぇ?

 

「…最初からそう狙ってたでしょ?直ちゃん?」

 

「私が説得したのに…」

 

「早い者勝ちだよ!」

 

しずちゃんはジト目で直ちゃんを見て、美夜子さんは悔しそうにしていた。何か申し訳ない。

 

「ま!とにかく俺たちは気にしてないからな。のび太!」

 

「僕は…「スネ夫も気にしてないって言うからいいでしょ?」ちょ僕何も」

 

「あ?」

 

「僕もキニシテナイヨ」

 

スネ夫が言う前にしずちゃんが遮って言った。スネ夫は何かを言おうとしたけど、結局しずちゃんの凄みに負けて、カタコトで言っていた。

 

「のび太さん、私も気にしてないわ。これからも仲良くしてね?」

 

「ソフィアさん…うん!ありがとう!」

 

僕は、ソフィアさんにもそう言われ、思わずソフィアさんの手を握り、言ったけど、手を握ったのに気づいて僕は即座に手を解いた。

 

「あ、ごめんなさい!」

 

「あっ…いえ、い、いいのよ?」

 

ソフィアさんは、少し顔を赤くして、許してくれた。何で顔赤くなってるんだろう?

 

「…みっちゃん」

 

「まだ分からないから。様子見よ?」

 

何だか後ろでしずちゃんと美夜子さんが何か話してる。なんなんだろ?

 

「よしのび太くんも、戻ってきたし。[宝探しペーパー]と[あぶり出し暖炉]〜!」

 

ドラえもんはここぞとばかりに道具を出した。何をやるつもりなんだろ?

 

「よいっしょ!ソフィアさん!これを持って!」

 

「え、ええ!」

 

ドラえもんは宝探しペーパーを破り、ソフィアさんに渡した。ソフィアさんは少し戸惑っていたけど、受け取った。

 

「で、それはなんなんだ?ドラえもん」

 

僕らが思ってる事を和人が言ってくれた。結局説明がなかったからわからなかった。何でタイム風呂敷とかは説明をこれでもかとするのに、これはしないんだよ。時々ドラえもんって説明端折るんだよね

 

「あ、言ってなかったっけ。これは大事な物を探す時、ヒントをくれるんだよ!」

 

「…それってさスネ夫の時でも「買う前だったからね。」

 

僕が言う事をさすがにわかったのか遮って、ドラえもんは説明した。買う前ならしょうがないか。

 

「それで、昨日の話の続きでもし人魚の剣が存在するならきっとヒントがあぶりだされるよ!」

 

昨日僕が話の腰を折った人魚の剣の話か、まぁ…僕もあんなこと言ったけど気にはなってた。本当に昨日の僕はどうかしてた。

 

「さぁ、ソフィアさん!」

 

「…こうすればいいのね?」

 

「そう!さぁ!実験を始めようか!」《Are you ready?》

 

ってまた、てぇんさい物理学者のネタ!?いや確かに前回は全くもってネタが出なかったけどさ!?っていうか心做しかAre you ready?って聞こえたんだけど!?って僕が考えてるうちにあぶりだされてきた。そこに書かれていたのはこうだ

 

《王家の祈りが捧げられる時、五つの光集まりて、願いは叶えられん》

 

これは一種のナゾナゾみたいなものだ。これを解けば封印されしエクゾディア…じゃなかった伝説の剣が見つかる…のはずだ!ってさっきから何言わせんの!?

 

「王家は、ソフィアさんとして、五つの光ってなんだ?」

 

「うーん…ってなにこれ!?」

 

考えていると、次は謎の文字が現れた。何この文字?

 

「これは…アクア星の古い文字だわ。」

 

ソフィアさんは、気づいたのかそう言った。なんて書いてあるか聞いてみても、古すぎて分からないみたいだった。翻訳コンニャクを使ってる僕達でさえ分からないからね

 

「でも、これでわかったな。ソフィアさん、人魚の剣はやっぱりどこかにあるんだ。」

 

「え?」

 

「この謎が解ければ、きっと見つかるよ!僕達を信じて!」

 

アクア星は見つけられなかったけど、どこかにある人魚の剣は絶対に探し出してみせる。おばあちゃんの名にかけて!

 

「ありがとう。のび太さん!それにみんなも、あっ、ちょっと私、気になることがあるら少し部屋に戻っていいかしら?」

 

ソフィアさんは、少し思い当たるのがあるのか、そう言って部屋に戻っていた。一体どうしてんだろ?まぁ出発するのはまだ先だしいいか。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

私は部屋に戻り、さっき出てきたこの文字と私が今付けているティアラの裏に書いてある文字が同じということに気づいた。でもやっぱりわかならないわ。でも…

 

「おばあ様なら、何かわかるかもしれない。」

 

そう、私のおばあ様は、今の国の女王だからこの文字も分かるかもしれない。だからこの事をのび太さん達に…それにしてものび太さんは不思議な人だわ。最初は素性を明かさなかった私を助けてくれた。それに私が空を泳ぐ…いえ飛んで。倒れた時やアクア星を探す時も真っ先に助けてくれたし。

 

「それにさっき…あっ//」

 

のび太さんは、勢い余って私の手を握った。生まれて初めて男の人に手を握られた。何だか恥ずかしくて、でも嫌じゃなかった。心が洗われてるようなそんな感じだった。それにのび太さんは昨日怒っていた。優しい人が急に…でも理由はアクア星を見つけられなかったから、私は嬉しかった。何でこんなにのび太さんを思うと、心が締め付けられるんだろう。

 

「どうしちゃったのかしら私…」

 

そう、この時の私はこの心のざわつきが何なのかわからなかったーーー

 

 

ーーーーーーー

 

 

「どうしたの?ソフィアさん」

 

ソフィアさんは戻ってきたと思ったら、ちょっと外に出ると言って、出ていった。のっちゃんが行こうとしたけど、ちょっと疑いのあるソフィアさんとのっちゃんを2人きりするのはヤダだったから、うちが行くことにして、ソフィアさんの所まで来た。

 

「あっ、静香さん…いえなんでもないんだけど、なんだか心がざわついてるから、外に空気を吸いに来たの。」

 

「そうなの?」

 

うん、これは間違いなく、のっちゃんにおちちゃってる。ソフィアさんは自覚ないみたいだけど、この赤い顔には見覚えがあるし、はぁ…なんでこうものっちゃん天然タラシなんだろうね。うちも好きだから言えないけど、っていうか。

 

「そのティアラ本当に綺麗だよね!」

 

ソフィアさんが身につけてたティアラ、昨日の風呂場の時でも見たけどとても綺麗。今頭に付けてるカチューシャは気まぐれで付けた。女の子はオシャレが大好きだからね♬︎

 

「これはね、人魚族の王女の証なの。」

 

「やっぱりそうか!いいなぁ!」

 

「やっぱり王女に憧れる?」

 

「うん!まぁ、活発なうちが王女って柄じゃないんだけどね?」

 

「そんなの事ないわよ?あなただって可愛いし。…そうだ。1回つけてみる?」

 

ソフィアさんは、ティアラを持ってうちにそう言った。えぇ!?そんな高そうなのをうちが!?いやでも昨日少し興味あったし、つけてみたいなぁって思ってたよ!?けど…まぁ、ソフィアさんからの厚意だし。

 

「王女の気分をちょっとだけ味わえるかも!」

 

「じゃあ、ありがと!」

 

うちは早速頭につけてあるカチューシャを取ろうとした。ソフィアさんがこれを持つと言ってくれたから、渡してから、うちはティアラをつけた。何だか本当に王女になった気分!心が踊っちゃう!何かシンデレラになった気分〜

 

「あっ」

 

「「のっちゃん(のび太さん)?」」

 

これが聞こえたからそっちを振り向くとのっちゃんがいた。

 

「そろそろ出発するって」

 

「あら。そんなに話してたのね。」

 

「ほんとに!はは!」

 

「ふふ」

 

「???」

 

のっちゃんは何もわからないのか、?がいっぱいだった。こればかりは女の子同士の内緒だよ〜!まぁ、ソフィアさんの心の事情はいつかわかることだろうし、今は気にしないでもいいか

 

ーーーーーーー

 

それから僕は、ソフィアさん、美夜子さん、和人の指導の元、猛特訓して何とか泳げるようになった。ふうこれでなんとかなるかなぁ。身体中痛いけど。そして僕達はソフィアさんの誘導で宮殿がある所の亀裂に来ていた。そこには色々な魚がいたが今は気にせずに、僕達はソフィアさんの号令で、中に入っていく。しかし…

 

「何でこんなに明るいんだろう?」

 

「あっ、それはテキオー灯のおかげだよ。実際にはここは暗くなってるんだ。変わってないように見えるんだよ。1万メートル潜っても太陽の下にいるのと同じさ!」

 

「テキオー灯もチート道具だよね。」

 

「まぁね。でも時間制限があるってことを忘れないでね。今はまだ大丈夫だけど。」

 

ドラえもんの言う通り、昨日テキオー灯をやってもらってまだ14時間くらいだから大丈夫だ。けど確かに気をつけないといけないね。僕達はさらに進み、少し岩場がゴツゴツした所に来ていた。わぁ、これは探索隊でも見つけられないな。

 

「気をつけないとお化けイカとか出るかもしないぞ!」

 

「何つまんない事言ってんの?」

 

「あはははっ!もうその辺に居たり…ぎゃ!?」

 

スネ夫が後ろの方を見て、何かに驚いた。何急に?驚かせる気?そんな手には…

 

「のび太!後ろだ!」

 

和人も何かを発見したようで僕に言ってきた。一体何が…後ろを振り向くとそこにはどデカいウツボに似た怪物が僕らを狙うように舌なめずりしながら、こちらの様子を見ていた…ってこれはもしかしなくても…!?

 

「に、逃げろーー!!」

 

ドラえもんが言った瞬間に僕達は急いで逃げた。僕は泳げるようになったはいいもののやっぱりみんなよりかは遅くウツボに追いつかれそうになったけど何とか回避した…けどウツボは再度体当たりをしてきた

 

「うわっと」

 

「みんなこっちだ!この中に隠れろ!」

 

和人の声が聞こえたが、僕はそれどころじゃなかった。やはり泳ぎになれていない僕は逃げ遅れてしまった。そんな僕をウツボはここぞとばかりに狙ってきた。何でいつも僕はこうなるわけ!?地下の時でもこんな感じだったんだけど!?

 

「僕を食べても美味しくないってば!?」

 

そんな叫びをしてもウツボには聞こえてないわけで、ウツボは襲いかかってくる…ってこんな時こそ!

 

「ドラえもん!桃太郎印のきびだんごは!?」

 

「ごめん!!メンテナンス中!!」

 

「だから何でこうピンポイントにメンテナンス中なのかな!?」

 

「とりあえず助けるから!」

 

僕はドラえもんに助けられて、和人達がいる穴に入った。とりあえず何とかなったけど、ウツボは旋回してからこちらに向かってきた。

 

「なんかないか、何かないかな!あっ![水圧砲]!ってあ!?」

 

ドラえもんが何かを出した瞬間にウツボのしっぽで叩かれて、飛ばされてしまった。何事もないことを祈るけど、…ウツボは襲いかかってくるそれも頭突きで僕達が入っている穴をぶつけてくる。どんだけ執念深いんだよ!?

 

「ドラえもん!」

 

「フグじゃない!猫なの!ねっこ!」

 

ドラえもんはソフィアさんに最初に言われたような事を何かに言っていたけど、見えなかった。そしてウツボは、何者かに電撃を浴びせられた、するとウツボはみるみるうちに小さくなっていき、そのままどこかへ行ってしまった。

 

「あのウツボ…誰かに操られたんじゃ?」

 

スネ夫があのウツボが行った先を見ながら、そう推測していた、いや確かにそうだと思う。僕らがこの岩場に入った瞬間に襲ってきたし、小さくなった瞬間のウツボの顔はとても凶暴そうには見えなかった。

 

「誰が何のために、こんな事したのか分からないけど。」

 

思う事は1つ、また事件の予感がするという事、白亜紀の時や悪魔星の時と同じ匂いがするってこと…

 

「ハリ坊!」

 

『姫様!』

 

そんなことを思っていたら、ソフィアさんが助けてくれた人達から敬礼されていた。知り合いかな?

 

「良かった!ご無事でしたか!」

 

「ソフィアさんの知り合いだったんですね!助かりました!」

 

「いえいいのよ!ハリ坊」

 

ドラえもんがお礼を言うとソフィアさんは笑顔で受け答えたがその後に真面目な顔になり、目の前のハリ坊というハリセンボンに似た人魚に話しかけた。

 

「何だか悪い予感がするの。この事をすぐに調査してちょうだい。」

 

「わかりました。ですがここは一度宮殿にお帰りになって、メジーナ博士にご相談なさった方がよろしいかと思います!」

 

「それもそうね。みんなも来てちょうだい!」

 

「この方たちは私が責任を持ってお送り致します。」

 

「そう…お願いね」

 

ソフィアさんは、先に宮殿に行く事になり、僕は目の前のハリセンボンに似た人魚に話しかけた。

 

「君、ハリ坊って言うんだね?よろしくね!」

 

「ハーリー…」

 

握手を求めたけど、何故か拒絶された。それに何か怒ってるようにも見える。何で?

 

「何だあいつ感じ悪い。」

 

スネ夫の言う事ももっとも…そしてハリ坊は僕らの方に振り向いた。依然として仏頂面のまま。

 

「お前達を誘拐罪で逮捕します!」

 

「は?誘拐?俺達が?」

 

「だ、誰を!?」

 

僕達は誰を誘拐したのかも心当たりはないし、誘拐なんてする気もない。とんだ言いがかりだ。ハリ坊が言った瞬間兵士さん達も銃を突きつけてきた。本当に意味がわからないんだけど!?

 

「姫様です!!」

 

「ソフィアさんを!?」

 

「勝手なこと言わないで!私達はソフィアさんをあなた達の元へ送って来たのよ!それにソフィアさんからも招待するって言われてるわ!」

 

「そんなの嘘に決まってます!

 

美夜子さんがそう言っても、ハリ坊は納得していなかった。話を聞けって!?このままじゃ拘束されるな。

 

「ドラえもん!拘束される前にあれを出して!」

 

「あれ?そうか。渡しとくよ!」

 

僕はドラえもんからあるものを拘束される前に、渡してもらった。その瞬間に拘束されたというか瓶状の何かに詰められた。結構きつい!?こうして僕達は、ハリ坊に捕縛されてから、そのまま宮殿がある所に連れていかれた。しかし僕達は気づいてなかった。この時既に物事が進んでいた事、そしてしずちゃんがいなくなっていたことに……ーーーー

 

 

ーーーーーーー

 

私は、一足先に宮殿に戻っていたドラちゃんが出してくれた物をメジーナ博士に見せる為に。

 

「メジーナ博士。そこに書かれた謎の言葉といい、私達を襲ってきたあの巨大なウツボといい、何かが起こりそうな気がするの」

 

あのウツボは何かに操られていた。それは間違いない。でも何者なのかも分からないから、メジーナ博士にご相談した…けど

 

「んんー。実に興味深い。このペーパーの持ち主に会って話を聞いてみたいものですな。」

 

はぁ…メジーナ博士はものすごく探究心がすごいお方。でもまぁ、先にドラちゃんに会わせた方が逆にさっきの相談を聞いてくれそうね。

 

「ハリ坊が連れてくるはずよ!」

 

「では…ハリ坊を呼んでみましょう。」

 

メジーナ博士は通信機でハリ坊呼んだ…けどそこに映ったのは拘束されたのび太さん達だった!何故!?

 

「大変!!」

 

きっと、ハリ坊はのび太さん達を誘拐犯と勘違いしてるんだわ!早くハリ坊言ってこんな事辞めさせないと!私は急いでハリ坊のいる部屋に飛んで行った。

 

ーーーーーーー

 

「苦しい」

 

僕らは処刑場に連れ込まれていた。そこは下に海があり上には兵士やあのちんちくりんがいる…5人も同じ拘束機の中にいるからものすごく苦しい。あれを使うにもタイミングが悪いし、何よりこの体制はもっとやばい。僕の今の体制は、直ちゃんと美夜子が上にいる状態で横に和人、スネ夫がその上にドラえもんがいる…だからね?この状態だからさ、2人の胸が…

 

「姫様を誘拐するとは不届きな奴らです!許しません!」

 

あのちんちくりん!話もろくに聞きもしないで言いたい放題言ってさ!ってん?何か下で泳いでいる。あれって!?

 

「あれはメガロドンだ!?」

 

「メガロドンって絶滅したんじゃないのかよ!?」

 

まさかと思うけど、処刑方法ってあいつのエサにするってこと!?何それ!?この小説に残酷な描写タグでもつけたいの!?やめてくんない!?

 

「やっばこうしちゃいられない。もう飲むしかない!」

 

僕はさっきドラえもんに貰った道具[声のキャンデー]を呑んだ。そして勢いよく!

 

「ボエーーーーーーーー!!!!」

 

これは声を録音すると飴玉になる飴玉を食べると、録音した人と同じ声になる。効き目は30分。前にドラえもんから貸してもらったことがあり、色んな人を真似したことがあった。魔法の世界行った時もジャイアンの声を録音してたけど、使う道がないと思った。けど僕はこうなると踏んだので、ドラえもんからジャイアンキャンデーをもらったわけだ。

 

「なんですか!?この声!?」

 

「ハリ坊!分からないの!?早くのび太さん達を出してあげて!」

 

「でも!」

 

「この音波は悲鳴よ!分からないの!?」

 

「のび太!そろそろやめろ!耳が死ぬ!?メガロドンもいなくなったぞ!」

 

「ボエー…あっ、本当だ。」

 

僕は和人に言われ、歌をやめた。僕は何であの声に慣れていたかって?慣れてなんかいないよ!?僕も苦しかったさ!我慢してただけだよ!?そして僕達は、開放された。フゥ…

 

ーーーーーーーー

 

 

「ごめんなさい。みんな。」

 

「大丈夫です。まぁ…そのちんちくりんを料理したいから渡してください。」

 

「ひぃ!?」

 

あぁ…これ美夜子さん許す気ないな。笑顔だけど、目が笑ってないし。何より後ろに般若が見える…ってそんなこと思ってる場合じゃないね!?

 

「美夜子さん落ち着いて、このちんちくりんも反省してるみたいだしな?」

 

「はぁ…次はないからね?」

 

「は、はい!」

 

和人が言うように、ハリ坊を見ると怖がってはいるし、反省もしているようだった。美夜子さんの脅しにハリ坊も敬礼で対応してる、何かしずちゃん思い出すよ…ってあれ?しずちゃんは?

 

「それでしずちゃんはどうしたんですか?」

 

「「え?」」

 

…まさかと思うけど…しずちゃん置いてかれちゃった?そういえば捕まる時も近くにいなかったし。ってそれ不味くない!?

 

「まだあそこにいるんじゃ!?」

 

「ハリ坊!あなたまさか静香さんだけ置き去りしてきたんじゃないでしょうね!」

 

ソフィアさんは、強気でハリ坊に問いつめたが、当のハリ坊は何も分からない感じだった。これは本当にまずいことになる前にしずちゃんを探しに行かないと!

 

「姫様!」

 

僕らがソワソワしていると1人の兵士さんがソフィアさんに話しかけてきた。一体何が?

 

「オンディーヌ様がお呼びでございます!」

 

「おばあ様が?」

 

「はい…お客人もお連れしろとの事でございます!」

 

僕達も?一体何が?誘拐罪はハリ坊の独断だろうし。ソフィアさんのおばあ様なら、この宮殿の女王になるはずだけど。でも

 

「しずちゃんどうしよ」

 

「のび太、ドラえもん、美夜子さん、スグはソフィアさんと行ってこいよ。俺とスネ夫が探してくるから、しずの事は任せろ!」

 

「何で僕まで!?

 

和人は僕達に向けて、そう言った。和人とスネ夫が行ってくれるならいいかスネ夫は拒否ってるけど、

 

「拒否ったら、しずから粛清されるがいいのか?」

 

「…行きます」

 

やっぱりスネ夫はしずちゃんに弱いみたい。ここは2人に任せるか。

 

「そしてもちろん、そこの隊長さんにも手伝ってもらうからな?」

 

和人は振り向きざまに、ハリ坊に言った。ハリ坊は名誉挽回といった感じで意気込んでいた。

 

「ハリ!」

 

和人とスネ夫、そして近衛兵団はしずちゃんを探しに出ていった。僕達はというと、車っぽい乗り物に乗って、女王様がいる所に行っていた。すると

 

〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜

 

またあの着信音が聞こえた、ドラえもんは早々に出たら、またもやドラミちゃんからだった。また人魚の事で面白い事がわかったみたいだけど、すごく大きな声で言ったもんだから、ドラえもんは少し苦笑いをして、今は急用だからとドラミちゃんの電話を切った。

 

「良かったの?」

 

「うん、それに人魚の事はわかったようなものだしね!」

 

嫌そうだけどさ、少しドラミちゃんの話の内容聞きたかった部分もある。まぁ、今は目の前に来ている町に注目した…だって海底にこんな立派な町があるんだよ?感動するってもんだよ!

 

「本当にびっくりだわ。賑わってるみたいだし!」

 

「ふふっ!ありがとう、さぁ行きましょう!おばあ様に紹介するわ!」

 

「「「「はい!」」」」

 

僕達は、ソフィアさんに連れられて宮殿の本殿に入っていくのであった。




雷神「うっし、後編1はこれくらいっと」

銀「前半はともかく、後半のネタは…狙ったのか?」

雷神「…何か書いてたら途中でこうなちゃったからもうどうにでもなっちゃえと思ってなっちった」

銀「本当に行き当たりばったりだな。まぁ…あれもこれも王女の物語だしな。」

雷神「書いてるうちにあれ?これにてんじゃね?なったしねアラバスタ編のルフィVSビビに」

銀「おま!?俺がオブラートに包んだのに言うのかよ!?」

雷神「わかるネタだからいいっしょw」

銀「はぁ…まぁ…次回で人魚大海戦も終わりだな?」

雷神「うん!初の後編を2回にしたよ!だから人魚大海戦は4話もある!」

銀「まぁ、続きも気になるところだな。」

雷神「うん!ではみなさん!次回もお楽しみに!」


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第26話人魚大海戦〜ソフィアの心情と仲間の絆〜

視点は和人、のび太、ソフィアさんです。


俺、スネ夫、ハリ坊と近衛兵団はさっきの場所でしずを探していた。さっき入った穴にはしずの姿はなかった。一体どこに行ったんだ?

 

「見ろーっ!見ろ見ろ!どうするどうする!?どうしよーー!しずちゃん!どこにいるんだよ!

 

「プレッシャーに弱いタイプ?」

 

「まぁな」

 

スネ夫は、白亜紀の時も真っ先に恐竜ハンターに下りそうになったり、この前の地下の件でもノイローゼ気味になるから、本当にプレッシャーにだけは、弱い。

 

「あいつも、根はとってもいいやつだけどな。」

 

「それよりこれを見てください!」

 

ありゃ、スネ夫の事は興味なくしたか、ハリ坊が言ったその先には黒いモヤみたいなのが、そこら中に漂っていた。

 

「何だこれ?」

 

「分かりません!けど」

 

「けど?」

 

ハリ坊に聞こうとしたが、その時兵士が何かを見つけて、ハリ坊に見せていた。それはイカの何かに似ていたがハリ坊は何かに気づいた様子だ。

 

「それを大至急。メジーナ博士の研究所へ運びなさい!あとこの黒い液体も一緒に!」

 

ハリ坊は、兵士にそう命令した…って結局これがなんなのか、わかってないんだが?

 

「おい、隊長さんどういう事なんだ!」

 

「あなた達を襲ったあの巨大なウツボは奴らに操られていたと思われます!」

 

やっぱりあのウツボは誰かに操られたんだな?ちっ…なんでもこうも毎度毎度こうなるんだよ!1回旅に出ると何かしらの事件になるな。

 

「そして静香さんも奴らに連れ去られたのです!」

 

「なんだと!?」

 

「しーずーちゃーん!」

 

俺は荒れていたスネ夫の胴体を掴み、止めた。そして俺は聞くことにした。

 

「そのヤツらはってのは誰なんだ!」

 

「え!?」

 

ーーーーーーー

 

ソフィアさんは、さっきの服装から着替えフリルのついた服になった。僕達もいつもの服装に着替えている。僕達は階段を登っていた。その先には。

 

「おばあ様!」

 

ソフィアさんがそう言って、その人の隣に行った。この人がこの国の現女王であるソフィアさんのおばあ様か。威厳がバチバチしてて、少し厳しそうだ。ちょっと怖い。僕達は部屋に入った。すると。

 

「あなたはいずれ、私のあとを継いでこの国の女王になるのです!身勝手な行動は慎みなさい!」

 

口を開いたと思ったら、ソフィアさんを叱りつけたいや止めたかったけどね。すごく怖かった。ママや美夜子さん並に。

 

「失礼なこと考えたでしょ?」

 

「ううん!?」

 

美夜子さんからジト目でそう言われた。何でこうも考えてることわかんの!?

 

「でもおばあ様。女王の座に就いたら自由な時間が無くなってしまいます。ですから、今のうちにたくさんの事を知りたくて!」

 

「お黙りなさい!」

 

ソフィアさんの弁明は、一言で黙らせられた。やっぱりこの方は怖いよ。隣の直ちゃんは手を握ってるし。

 

「座りなさい。ソフィア!」

 

「…はい。」

 

ソフィアさんは、少し元気がない感じで返事をして、座った。やっぱり王族はこういう事になるんだな。

 

「ソフィア。あなたはもうここにいる全ての人魚族の未来を背負っているのです。私はこの国の平和と人々に幸福を願って来ました。それこそが王家に生まれた者の務めであるからです」

 

女王様が言ってる事も、もっともだ。日本で言えば天皇陛下だって僕達民間人の平和を願っている。各国からは日本の象徴って言われてるし、ただいるだけの存在だって揶揄されてるって聞いた事もある。でも、僕達日本人はそうは思わない。7年前に起きた地震の時だって、天皇陛下を初め一族の方々は、色々なことをしてくれた。外国からの言われなんて気にしてない感じだしね…ってものすごく脱線しちゃった。

 

「だから、私はそれをあなたにも強く願います!それ故…これ以上あなたのわがままを許す訳には行きません!わかりましたね?」

 

女王様は、強くそう言った。ソフィアさんは少し落ち込みながらも返事をした。いくらそう思ってもソフィアさんにはソフィアさんの意思があると思う。まぁ、やっぱり僕が思うのは…

 

「…お姫様ってやっぱり窮屈なんだね?」

 

「のび兄?」

 

「テレビでは何となくわかっていたけど、実際に目の当たりにすると、そう思ったよ。でも僕は…」

 

今までのソフィアさんを見ていると、僕はありのままの事を言うことにした。

 

「ソフィアさんは、どんな事があっても、素敵な女王様になれると思う。だって。最初に会った時もあんなかっこよかったし、活発で頼りになるし、アクア星が見つからなくても元気な振る舞いをして僕達にそれを気づかせないようにしたり、それに…綺麗だし」

 

「…///」

 

ガタン!

 

「え?」

 

「「なんでもない」」

 

僕が綺麗って言った瞬間に美夜子さんと直ちゃんが音を立てた。なんなんだろう?

 

「あぁーっと…僕、ソフィアさんと友達になれて良かったと思ってます。」

 

「のび太君…」

 

「わかってる。この問題はすぐに解決できないことくらい。」

 

そうだよ。この問題は国の問題、他人のそれも外国人である僕が何を言おうが覆らないことくらいわかったるけど、僕はこれを伝えたかった。女王様に何を思われてもいいし、追放されたって構わない。僕が思った本心だしね。

 

「のび太君。ありがとう…」

 

ソフィアさんがこちらに来て握手を求められた。僕の言葉が突き刺さってくれたのなら良かった。僕は握手をした。そしてそのまま握られたあれ?どうしたんだろう?

 

「それに私の心のざわつきが…今本気でわかったわ。のび太君。私…あなたの事が好きみたい♪」

 

ソフィアさんは、僕の手掴んだままそう言った。

 

「え?」

 

「な!?」

 

「うわぁ…やっぱりかぁ」

 

「ぇぇえええええ!!!」

 

何で!?僕、そんなにいい事してないはずなんだけど!?

 

「ソフィアさん?本気なの!?」

 

「はい!これだけは、決して譲らないわ!だから、直葉さん、美夜子さんも…挑戦するわよ!」

 

え、ちょ、何を!?ソフィアさんは隣にいる直ちゃんと美夜子さんに向けて、そう言ったというか何かの宣言をした。いや意味はわかってるけどね!?急展開過ぎて、頭回ってないんだよ!?

 

「望むところよ!」

 

「私だって!負けません!」

 

「ふふ!」

 

何か女の子同士の争いが今始まった気がした。っていうか女王様!?何で止めないの!?ちょっと微笑ましいそうにこちらを見ないでください!?

 

「のび太君も罪作りな人だね〜」

 

ドラえもんは笑顔とあの暖かい目でこちらを見てきた。見てておもしそうにしてるね!?よし帰ったらたぬき鍋にしてやるそうしてやる!!

 

「オンディーヌ様!」

 

なんて事をしていると、声が聞こえたそこにはハリ坊と和人、スネ夫の姿があった。あれ?しずちゃんの姿がないけど…?

 

「ただいま戻りました!」

 

「しずは、見つけられなかった。」

 

「「「「え!?」」」」

 

「だがあそこに変な黒い液体と機械っぽいのがあったんだ」

 

和人は、そう説明した。

 

「奴らの仕業です!」

 

「さっきから奴らって言ってるが誰なんだよ!」

 

「奴らは、奴ら!地上人には関係ないです!」

 

はぁ…まだハリ坊は、僕らを許してるわけじゃないみたいだね。

 

「ごめんなさい、ハリ坊には言ってきかせます。ハリ坊来なさい。」

 

ソフィアさんは、ハリ坊を連れて外に出て行った。はぁ…問題は山ずみみたいだね。

 

 

ーーーーーーー

 

私はハリ坊を連れて、宮殿の一角にある見晴らしのいいところに来て、ハリ坊に聞いた。

 

「ハリ坊、どうして仲良く出来ないの?」

 

「奴らは地上人です!地上人は世界を支配した気になり、地球の資源を掘りつくし挙句の果てにこの綺麗な海を汚し続けています!仲良くなんかできません!」

 

ハリ坊の言ってる事は確かにそう…でものび太君や和人さん達はそのハリ坊が思ってる地上人とは違う。困っていた私を助けてくれた。だからのび太君の事を好きなったのかもしれない。それに…

 

「のび太君達は違うわ。きっとこの地球を大切に…そして愛している。それに守ってくれるわ。私はそう信じてる。」

 

「どうしてそんなに肩を持つのですか!まさかと思いますけど、あの中の誰かに恋をしたと言うんですか!?」

 

…当たってるけど、ハリ坊とは長い付き合いだしわかるかもと思ったけれど、こうピンポイントにわかるのね。

 

「そうなんですね!お姫様が地上人に恋をするなんて前代未聞ですよ!?」

 

「別に私が誰を好きでもいいじゃないの!ハリ坊!さっきのでわかってくれた?仲良くするの?しないの!?」

 

「はり…」

 

はぁ…困った時はいつもこうなのよね。小さい時から…

 

 

ーーーーーーー

 

ソフィアさんとハリ坊が話したが終わった後に僕達はメジーナ博士の研究室に来ていた。メジーナ博士曰くあの残骸は地球ではまだ見つかっていない物らしい。そして黒い液体も同様に。

 

「以上の事から考えられる結論は…」

 

「怪魚族がこの地球に?…なんという事だ…」

 

女王様は、その怪魚族なる者に心当たりがあるらしく、驚いていた。怪魚族って一体…

 

「女王様。怪魚族って何なんですか?」

 

美夜子さんが代表して、言ったら、女王様は少し考え言ってくれた。

 

「いいでしょう。ソフィアを救ってくれたあなた達に教えます。我が人魚族が、アクア星からこの地球にやってきた事はソフィアから聞いていますね。」

 

「はい。紀元前3000年前にこちらに来たと伺っています」

 

女王様は、何か思いため息をした後に話してくれた。その紀元前3000年の時にアクア星では人魚族と怪魚族が仲良く共存していた。でもアクア星の海の資源を食い物にして、勢力を広げていった怪魚族が、突如として、アクア星を乗っ取ってしまったらしい。

 

「生き残った者達は山岳地帯へと逃れ、戦い続けたが敵の圧倒的戦力の前では無力だった。」

 

…これは所謂領土争いってことだよね?ソフィアさんにはちょこっとしか聞かされてなかったけど、ここまで酷いとは思わなかった。というか、ソフィアさんも初めて聞かされたのか驚いてる。ハリ坊も。

 

「そして、やむ無く我々人魚族の先祖はアクア星を離れ、長く宇宙をさ迷った末に…」

 

「この地球にたどり着いた。」

 

この話が本当なら…その怪魚族は人魚族を追ってこの地球にたどり着き、何かのタイミングでしずちゃんを勘違いで捕まった…のかもしれない。

 

「やっぱり、しずちゃんはその怪魚族に捕まったんでしょうか!」

 

「…そう考えるしかないであろう…」

 

女王様は、負い目を感じてるのか、少し落ち込んだ様子だった。手掛かりはあの黒い液体と機械か…

 

 

ーーーーーーー

 

「人魚の剣はどこにある?」

 

うちは、偉そうに座る人魚族でもないやつに聞かれた。さっき岩場でイカっぽい何かに捕まって、ここに来た。

 

「何の話」

 

本当に何も分からないから、そう言ったが目の前の偉そうなやつは。

 

「とぼけるな!!」

 

「痛た!何すんのよ!女の子にこんなことしていいと思ってんの!?」

 

「そんな事はどうでもいい!お前ら人魚族が隠し持っているはずだ!」

 

え?何言ってんのこのおっさん?人魚族?うちが?っていうか人魚の剣なんてわかるけないじゃない!

 

「知らないって言ってんでしょ!」

 

「ほう…人魚族の姫が知らぬと言うか。」

 

「姫?ウチ姫なんかないけど?」

 

さっきから何言ってんのかわかんないんだけど!何か勘違いしてんじゃないのこのおっさん!

 

「そのティアラが王族の証だろうが!!」

 

「え?あっ!」

 

そう言われて、うちが今頭にしている物がソフィアさんのティアラって思い出した。いっけない!あの時返し忘れてた!って事はこのおっさん。ティアラを見てうちを姫って思ったの!?えぇ!?流石に今の姫様の顔ぐらいわかっときなさいよ!?って無理そうかスマホとか無さそうだし。

 

「ブイキン殿ちょっとこの子と2人で話してもいいか?」

 

すると横に居た男が、おっさん向けてそう言った。誰なのこの人?

 

「…いいだろう。協力してくれた例だ…いいだろう。()()()()殿?」

 

「ヴァ…サ…ゴ?」

 

うちはこの名前を聞いて鳥肌がたった…こいつは白亜紀でうちらの行く手を阻み、そして殺そうとした元凶で行方不明になっていた男だ。そしてさっきのおっさんはどこかに行き。うちとヴァサゴの2人だけになった

 

「この姿で会うのは初めてだね。静香君?」

 

「何であんたここに!」

 

「何を言うか、今や地球は俺にとって居心地の悪い所だ。ブイキン殿と共にあのタイムパトロール共がいなくなるような未来にして、地球を支配しようと思ってね。」

 

「そんな事させるわけないじゃないの!!」

 

「君が今自分が置かれている状況がわかってないのか?電流の網に捕まってる君に何も出来やしないだろうが。…俺はこのSHOWが早く見たいんだよ!血生臭い争いを見るのがな!!はっはっはっ!!」

 

こいつ!とことんクズだ!こんな檻なかったら師匠の武術で滅多打ちにしてやるのに!!ヴァサゴが笑いながら奥へと入っていた。

 

「のっちゃん…和くん…みんな。」

 

うちはこの事を知らない皆が心配でしょうがなかった。ヴァサゴはあのおっさんと協力して明らかに地球を、破壊するつもりだ。

 

「お願い何も起きないで…」

 

うちはそう呟いた。

 

 

ーーーーーーー

 

「そういえばソフィア、ティアラをどうしたの?」

 

僕達が考えていたら、女王様がソフィアさんに聞いていた。そういや、昨日まで頭にあったソフィアさんのティアラがない

 

「え?ちょっと静香さんに…あっ!」

 

「どうしたんだ?ソフィアさん…?」

 

「…ごめんなさい!あのティアラは王族の証なの…」

 

「って事はつまりの…?」

 

「…どうやら、ソフィアと間違えられて囚われたようです」

 

何そのベタ展開!?よくある話だよね!?そういえば僕が話しかける時にしてた気がするね!?

 

「ドラえもん!」

 

「わかってる!でもどうして怪魚族はソフィアさんを捕まえようなんて?」

 

確かに気になる…でもしずちゃんが今どうしてるか分からないし。でも焦ってもまだしずちゃんの居場所も分からないか…

 

「その答えはどうやらここに隠されているようじゃ」

 

メジーナ博士は、ペーパーを指さして言った…って事は怪魚族は人魚の剣を手に入れるために?でもソフィアさんも知らない事をどうしてわかったんだ?

 

「人魚の剣を?」

 

「ぼう!」

 

「いってぇ!?何するんだよ!」

 

「人魚の剣の事をどうして知ってる!?」

 

こいつこの期に及んでまだ僕達を目の敵にしてるよ。

 

「あっ…」

 

「ソフィア、あなたが?」

 

「おばあ様…皆は私達のために人魚の剣を探そうとしてくれているのよ。」

 

確かに僕達は、人魚の剣を探そうとしていた。帰る間際にもと思ってたけど、まさかこんな事になるとは思ってもみなかった。本当に僕達は行く先々でもこういう事になるんだから…

 

〜〜♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪

 

 

あっ、またあの着信音、何でこうもいいタイミングでドラミちゃんは電話をかけてくるんだろう?

 

「あれ?なんだこれ!?」

 

ドラえもんが携帯を出そうとしたら、ドラミちゃん本人がここに来た。さっきみたいに切られないためか、いや僕の押し入れには、スペアポケットがあったはず、確か、ドラえもんのポケットとスペアポケットは繋がってるって聞いてたから、物理的に来たんだろうなぁ。じゃなくて!?

 

「初めまして!ドラミです!」

 

「今度は黄色いフグが出てきたです!」

 

いやハリ坊それはドラミちゃんに可哀想だって、ドラえもんはいいとして、ドラミちゃんは女の子なんだからさ!?

 

「むぅ!何なのこのちんちくりん!」

 

「それでドラミちゃん?何でポケットから来たの?」

 

喧嘩する前にドラミちゃんがここに来た訳を聞いた。

 

「お兄ちゃんがいつまでも」

 

「ん〜実に興味深い!実に興味深い!」

 

「これを見てください!!!」

 

あっ、さっきから写ってたさかなクンの声に似た人が怒った。そしてそこからスクリーンが出てきてそこに映し出された物は…

 

「しずちゃん!?」

 

これはやっぱり捕まってたってことか!」

 

『ほう!姫の名前はしずちゃんと言うのか』

 

画面が移り変わり、多分怪魚族の親分なのか分からないおっさんヅラが画面にドアップで出てきた。

 

「お前がしずを攫ったんだな!」

 

『ふん…我こそは怪魚族の王ブイキンである。お前達の姫は預かった。』

 

僕達の懸念通り、このおっさん…ブイキンはしずちゃんを人魚族の姫と勘違いしていた。

 

「その人は!!」

 

「ソフィアさん!」

 

「のび太君?」

 

「今は黙ってて、あいつに本当の姫がここにいると分かったら、しずちゃんがどうなるか分からないでしょ?それにしずちゃんは肝っ玉が座ってるから、あんなの怖がらないよ。」

 

「…冷静を失ってたわ。ありがとう…」

 

「いえいえ…それで?何が目的だ?」

 

僕はソフィアさんを落ち着かせ、ブイキンに語りかけた大方の予想は着いてるけどね。

 

『剣を渡せ!今すぐ人魚の剣を渡せ!さもなくば!』

 

ブイキンはさらに映像を変えて、しずちゃんやそこにある柱を電流で攻撃した。しずちゃんは、怖気づかずにブイキンを睨みつけていた。反吐が出る!そう思った瞬間映像は消えた。クソ!

 

「ソフィアさん!あそこはどこに?」

 

「…西の方にある壊れた会場よ。私達も滅多に行かない所」

 

「ドラえもん。」

 

「うん…」

 

「…のび太君達は何もしなくていいわ。」

 

「何言ってるの?」

 

「ここは私が行きます!」

 

ソフィアさんは、真面目な顔してそう言い残して、部屋から出ていった。多分ソフィアさんは自分が本当の姫だと名乗りを上げてしずちゃんを助けるつもりだろうな。誰がそんな事させると思うんだ。

 

「のっくん。」

 

「わかってる。行ってくるよ。」

 

「……本当は行かせたくないんだからね!のび兄!」

 

ははは…直ちゃんはさっきのソフィアさんの発言で僕とソフィアさんを2人きりにさせたくないんだろうな。でもこればっかりはソフィアさんを1人にする訳には行かない。

 

「はり!僕が行きます!」

 

「ごめんハリ坊を誰か捕まえてて…って言う前に捕まってたか」

 

ハリ坊が行こうとしたから、僕は頼もうとしたら、和人に捕まっていた。ハリ坊は暴れてる。ごめんねハリ坊。僕は今度こそ部屋から出ていこうとしたら。

 

「のび太さん。」

 

次は女王様に声をかけられた。

 

「ソフィアを頼みます。」

 

女王様は微笑むようにそう頼んできた。ははは、これは気合いを入れて説得しないと行けないね。僕はそう思いながら、走ってソフィアさんの所へと向かった

 

 

ーーーーーーー

 

「ソフィアさん!」

 

のび太君の声が聞こえ後ろを振り向くと、のび太君がいた。

 

「のび太君?さっきも言ったでしょ私が行くの!」

 

「自分が名乗り出て、しずちゃんが解放されると思うの?」

 

「でも!!のび太君も反対する気なのね?反対するなら来ないでちょうだい!」

 

「そんなんで僕が引き下がるわけないでしょ?そんな凄みはしずちゃんで慣れてるし、何より今ソフィアさんまで捕まりに行かせるような事を僕が許さない、それにソフィアさん1人で抱え込んでみんなが無事ならそれでいいって考えてるでしょ?」

 

のび太さんは、私がやろうとしてる事にわかったのか、少し怒りながら言ってきた

 

「そうよ!私1人の命だけで静香さんが助かるなら、私はいくらでも渡すわ!」

 

「ソフィアさん1人の命で事足りると思ってるの?」

 

のび太君が言った瞬間に私はのび太君を殴っていた。

 

「やめてよ!そんな事言うの!次言ったら許さないわ!私はそれを止めようとして名乗りをあげるのよ!静香さんは何も悪くないのに何故捕まらないといけなかったの!?私があの時ティアラを渡さなかったら!静香さんはこうはならなかったのよ!悪いのは全部私なのに!」

 

私があの時ティアラを静香さんにちょっとでも貸そうと思ったのがいけなかったんだ!

 

「じゃあ。何で君は命かけてんだよ!!あいつを見ればわかるでしょ!1番にやんなきゃいけないことくらい僕だってわかるよ!」

 

のび太君が言おうとしてることはわかる私1個の命じゃ無意味だと、人魚の剣を渡さないと結局は同じ穴のムジナなる事くらいわかってる!

 

「なら!私はどうすればいいのよ!人魚の剣何てどこにもないし!私が行かないで静香さんを誰が助けるのよ!!」

 

私は涙を流しながらそう言っていた。私が行って解放されるなら命はいらない!

 

「僕達の命くらい一緒にかけてよ!仲間だろうが!!」

 

「はっ…のび…のび太君…!?」

 

「だから1人で何もかも抱え込まないで!僕達は君を見捨てないからさ!」

 

のび太君がそう言うと、いつの間にか来ていた和人君達と並んで立っていた。

 

「ソフィアさんには僕らがついてる。だから人魚の剣を一緒に探そう!」

 

のび太君は私に微笑みかけながら手を差し出してくれた。私はその手を掴み、溢れる涙を抑えながらこう言った。

 

「のび太さん…みんな協力して…」

 

「そんなの…」

 

《当たり前だ!》

 

私の言葉にみんな応じてくれた。私は、1人で行くのをやめて、皆で協力する事にした。あんな馬鹿な事を感がなければよかった。最初からみんなの協力を仰げばよかったんだ。だから…ブイキン待ってなさい!人魚の剣を見つけて、静香さんを取り戻すわ!



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第27話人魚大海戦〜剣技の時〜

はい。やっちゃいました。予見なくのび太に後付けで能力を付け加えました。それに伴い他キャラも本作には出ます。本当にやっちゃいました。いきなりの事で混乱すると思います。それが何かは本編へ。


視点はほぼのび太で和人、ソフィアさん、少し(初)ドラえもんです!

文字数が2万超になっています。




「ーーーーーーーそれで、人魚の剣をどうやって見つけるかだよな。」

 

ソフィアさんの説得も終わり僕を含んで和人、ドラえもん、ドラミちゃん、美夜子さん、直ちゃん、スネ夫、ソフィアさんの8人は広場で話をしていた。あと服も人魚になれる服に着替えている。しずちゃんの元に行くのに普通の格好じゃ締まらないしね。それに和人の言う通り、人魚の剣を見つけないと事は始まらないし

 

「あのぉ…さっきから気になってたんだけど、人魚の剣ってなぁに?」

 

ドラミちゃんが申し訳なさそうに聞いてきた。あっ、そういえば説明してなかった。僕らはドラミちゃんに全てを話した。

 

「そんな感じだったのね。」

 

「それでソフィアさん、人魚の剣はどんな形なの?」

 

「ごめんね。誰も見た事がないの。でも言い伝えでは、真珠のように光り輝く美しい剣だと聞いているわ。」

 

何だか、余計にわからなくなった気がする。

 

「じゃあこれね![インスタントパール]!」

 

ドラミちゃんが出したのはアコヤガイによく似た道具だった。ドラえもん曰くこれ真珠は作れるらしいけど、欲しいのは剣だからなぁ…ってあっ、そういえばポケットの中に…あった。

 

「じゃあこれを真珠にしたらどう?」

 

僕が出したのは風船型の剣で膨らますと意外とでかくなる。

 

「何でそんなの持ってんだ?」

 

「海賊ごっことかしたいなって前に思ってたけど、結局使わなくて」

 

「のっくんらしいっちゃらしいけど。小5でそれ持ってるの。のっくんくらいよ?」

 

えぇ…何かバカにされてる気がする。しょうがないじゃん。海賊ごっことかすんの楽しいしさ。

 

「まぁ、いい考えではあるね!」

 

「そうよ!誰も見たことがないのよ!」

 

「まぁ…それもそうか。じゃあ膨らますか!」

 

そして膨らんだ風船型の剣をインスタントパールに入れた。そしてドラえもんから逃げろと言われたから少し遠い場所まで来た。確かにすごく暴れてるから逃げた方が良さそう。インスタントパールを見ていると踊っているように暴れていて最後には空気を吸うようにして膨らんだら、プシューと言いながら萎んだ変な空気を出しながら。

 

「ゴホッゴホッ!逃げろってこれの事?あんま意味なかった気がするんだけど」

 

「タケコプターで上に行けばよかったね。ゴホッゴホッ」

 

そして、インスタントパールが口を開いて、中から出てきたのは綺麗な真珠をした剣になった風船型の剣だったって長いな。

 

「はい!いっちょあがり!」

 

「のび太君のお陰ねありがとう!」

 

ソフィアさんは僕に手を握りながら、そう言ってくれた。

 

「ははは!これでしずちゃんを救えるね!」

 

「ええ!やっぱりみんなに協力を頼んで良かったわ!」

 

ソフィアさんは嬉しそうに皆の顔を見て、そう告げた。うんうんこれで…

 

「それはいいのだけれど、ソフィアさん?いつまでのっくんの手を握ってるの?」

 

「え?別にいいじゃない?何かご不満でも?」

 

「不満は大ありよ?早く手を離して?」

 

美夜子さんがいつまでも僕の手を握っているソフィアさんに笑顔で(なお目は笑っていない)そう言ったら、ソフィアさんも応戦して、笑顔で(こちらも)さらに腕を組んできた…あれぇ!?この流れでしずちゃん助けに行くんじゃないの!?

 

「おい、ドラえもん…まさかと思うが?」

 

「…ソフィアさんものび太君に落ちちゃった。」

 

「…はぁ…先が思いやられる」

 

「何でのび太ばっかりぃ!!」

 

横を見ると和人がドラえもんに何かを聞いていた。横のスネ夫は恨めしそうに僕を見ていた。話してないでこれを止めてよ〜…

 

「って言い争って場合じゃないでしょ!しずちゃんを助けに行くよ!」

 

「それもそうね。話はしずちゃんも交えてね」

 

「そうね」

 

えっと…2人の間に冷気というか吹雪が吹いている…ように見える…これいつまでも続くのだろうか…先が思いやられる気分だよ…お前が言うなって?言わせてくれよ…

 

「私も忘れないでください!」

 

「お前…絶対後ろから刺されるぞ?」

 

後ろからそんな声が聞こえた…ははは、僕もそう思うよ…あれ?これしずちゃんも、それに今はいないけど、あーちゃんも交えたらやばい事にならない?…よーし!しずちゃんに救出に集中しよう。そうしよううん…え?現実逃避をするなって?…そうします

 

「じゃあ!しずを救出しに行くぞ!」

 

「「「「「「「おーー!」」」」」」」

 

「ソフィアさん…すいませんがあとは僕達でやります。潜水艇を1隻貸してください!」

 

ドラえもんは、ソフィアに向けてそう言った。確かに今ソフィアを一緒に連れていく訳にはいかない。あの説得は身代わりになろうとしてたソフィアさんを止めるためのものだし、行かせられない。

 

「さっきも言ったでしょ?私も行きます。」

 

「だから。ソフィアさん!さっきも言ったけどあなたは、この国を人魚族を率いていくんだ!行かせる訳にはいかないよ!」

 

「さっきのは私が1人で行く事を止めててくれたんでしょ?それに静香さんを1人を守れなくて、この国を守る事もできません。協力してくれるんでしょ?だから私達の仲間を助けに行きましょう!」

 

…これだけ言われちゃ、断れないよなぁ。はぁ…説得してる時の僕を殴りたい気分だよ。それにソフィアさんの目はキラキラを増している。迷いも何もない目をしていた。…美夜子さんのママが倒れた時の美夜子さんの目にそっくりだし。

 

「姫様!」

 

「ハリ坊?」

 

いつの間にかいたハリ坊がソフィアさんを呼んだ。一体どうしたんだろう?

 

「また邪魔する気なの?」

 

ソフィアさんは少し怒ったように、ハリ坊に言った。違うよソフィアさん。ハリ坊は…

 

「違います!お願いです!お供させてください!姫様をお守りするためなら、ハリ坊、どんな事でも致します!」

 

以前のハリ坊の目は、僕達に向けては嫌悪、疑いといった『負の感情』しかなかった。でも今は違う。ハリ坊の目には、決意、忠義、そして信じようとする『正の感情』の目になっていた少しは僕達は地上人を信じてくれるようになったのかな?でも1人で張り切ってるって感じだなぁ。ドラえもんもそう思ったのか僕に顔を合わせた。僕が頷くと…

 

「また張り切っちゃって、1人で頑張ろうとする事は素敵な事だよ?…さっきソフィアさんにも言ったけどね。1人で抱え込んでも心が壊れちゃう。だから…」

 

「そう。これはさっきソフィアさんにも言ったけど、僕達の命くらい一緒にかけてよ。仲間でしょ?」

 

「それにな。可愛げのないハリセンボンだがお前がいないと何か張り合いないし、つまんないしな

 

和人は、ハリ坊に向かってそう屈託のない笑顔で和人は語り掛けた。和人そこまでハリ坊を見てたんだ。なんだろう。最近僕と和人は一緒にいない気がする。この国に来てからかもしれないけど。何か和人が遠く感じるなぁ。

 

「…親友が何か離れてるって思ってない?」

 

「……なんでわかったの?」

 

僕が思っている事を美夜子さんがわかったのか小さく話しかけてきた。

 

「私は何でもわかるのよ!」

 

「魔法使えないのに?」

 

「それとこれとは話が別です。…別に和くんは、のっくんといたくないと思ってないでしょ。少し離れたくらいで親友との距離が無くなるわけじゃないんだから。」

 

「そうだけどさ。」

 

「だからそんな考えさっさと捨てなさい?和くんとのっくんは唯一無二の親友同士でしょ?」

 

「……まぁ…それもそうか、ありがとうね。美夜子さん。」

 

「いえいえ!…あっ!この件が終わったらデートしよ?」

 

「……ここぞとばかりに言ってきたね。」

 

「こうじゃないと、ライバルがどんどん増えていくからね。…アピールしないと」

 

最後のは聞こえなかった事にするよ…ってそういえば直ちゃんとも遊ぶ約束してたっけ…まぁ…この件が終わってからでもいいかぁ。

 

「頼りにしてるわよ!小さな隊長さん!」

 

僕と美夜子が話してる間にソフィアさんとハリ坊の中も元サヤ戻ったみたいだった。よしこれで準備は整った。

 

「のび太!」

 

「和人?」

 

「俺達で助けようぜ!しずを…そして!この国をな!」

 

和人はニイっと笑いかけてきた。僕は何を馬鹿な事考えてたんだろうか。美夜子さんの言う通りだよね。たとえ離れたとしても僕と和人の友情は途切れない。もちろん皆との友情もね?これから先何があろうと僕達は親友である事を今は心に決めた。まぁ…ずっとしてたけどね

 

「うん!そのつもりさ!」

 

 

ーーーーーーー

 

 

僕達は潜水艇を1隻借りて作戦会議をしていた。ハリ坊はやっぱり軍を率いていた事もあり、どんどん作戦を練ってくれた。まず先発隊は僕、和人、ドラえもんの3人だ……うーん?何か息苦しい。

 

「どうしたの?のび太君?」

 

ドラえもんは心配になったのか、聞いてきた。

 

「何か…はぁ…はぁ息苦しい。それにちょっと頭もフラフラするし。」

 

「私も確かに、息苦しいわ。」

 

「そういや、俺もさっきから息苦しいな」

 

「んーー?あぁ!!!しまった!テキオー灯の効き目切れかかっているんだ!」

 

ドラえもんは慌てて僕達に再度テキオー灯をかけてくれた。でもこれが僕達に起きているんだとしたら…は!

 

「しずちゃんも危ないよ!?」

 

「あと30分しかない!?」

 

「急ぐぞ!手遅れになる前に!!」

 

僕、和人、ドラえもんは、さっきのハリ坊の言った通りに先にしずちゃんの元に急いで向かった。ちゃんと伝説の剣(仮)を持って、急いで行った先にはブイキンはいなくて他の怪魚族と謎の人物がしずちゃんと一緒にいた。誰あの人?

 

「静香姫様!お迎えに上がりました!」

 

「何だ、子供じゃないか。」

 

「舐めた真似しやがって」

 

怪魚族の2人が僕達に向けてそう言った。舐めてんのはそっちだろ?ボスじゃなくて他のやつがいるなんてさ。

 

「ブイキンはどうした!」

 

「ふん!お前達の相手などこのトラギス様で十分だ!」

 

…相手は僕達の事を舐め腐った風に言った。よしいいよそっちがその気なら僕の師匠の剣術…時雨蒼燕流(しぐれそうえんりゅう)でその舐め腐った根性叩き直してやるよ!…まぁ、今それをやるには時雨蒼燕流用の剣がないから無理なんだけど…

 

「それより!人魚の剣は持ってきたか!」

 

「ここに入っている!」

 

「よーしこっちよこせ!」

 

何当たり前のように無交換でやろうとしてるんだ?どこまでも僕らを舐めてる。…キレてもいいよね?いいよね!?

 

「ダメだ!姫様と交換だ!」

 

僕がキレかけていると和人がそう言った。…僕が冷静にならないとね。ってあ、何か話し合ってるし、隣のやつは剣に手をつけてる。短気だねぇ…僕が言えないか。ていうかしずちゃんが苦しそうにしてる!?時間がない証拠だ!早くしてくんないかな!?

 

「よーしそこで交換する!」

 

トラギスは、そう言ってタコかイカの中間的なやつを階段の真ん中に置いた。ていうかあれはしずちゃんが入ってる物も持ってるし、アレがきっとあの一部あった機械の本体なんだろう。

 

「よしいけ!そこの青いふぐ!」

 

そのネタ飽きたし、しずちゃんが危ないからドラえもんは急いで行った。

 

「なぜ止まる!」

 

しかし真ん中に行く手前で止まった!くそ!まず本当に剣を見せてからだな!!焦っている時に限って!!

 

「剣が先だ!青いふぐ!」

 

「僕は猫!」

 

ってそんな言い争ってる場合じゃないでしょうが!?僕はしずちゃんが心配で和人と共にしずちゃんの元に向かって行った。そしてドラえもんの隣に来てから、ドラえもんは剣を見せていた。

 

「さぁ!しずちゃん…姫様を…って何をする!!」

 

あの怪魚族共!?いや命令したのはあの謎の男か!僕は一瞬あの男を見たが、急いでしずちゃんの方へと泳いで行った。下からドラミちゃんの声が聞こえた。

 

「のび太!」

 

「うん!ドラえもんテキオー灯貸して!」

 

「え?うん!」

 

僕はテキオー灯を貰い全速力でしずちゃんの元へ向かい、しずちゃんにテキオー灯をあびせた…ホッ。

 

「はぁ!のっちゃん…?」

 

「しずちゃん?大丈夫?」

 

「何とか命拾いしたな。」

 

「ふぅ…」

 

「和くんにドラちゃんも…あっ!」

 

しずちゃんは僕達に気づいたけど、さっきのトラギスが居る階段の先を見ていた。だけど見ているのは、トラギスではなくあの男を見ていた。それも親の仇を見るような憎悪に満ちた目で…あの男は一体?

 

「あなたの言う通りに行ったな!()()()()殿!」

 

…今トラギスはなんて言った?

 

「俺の思った通りだ。テキオー灯の効き目を予期していたあいつらは、焦ってみすみすこの剣を手放した…面白いなぁ…この…SHOWは!」

 

男がこっちを見た瞬間、謎の既視感と嫌悪感を覚えた。いやこの感覚は前にも…まさか!

 

「しずちゃん!あいつは!」

 

「うん…今逃げ待って行方不明になってた。()()()()()()()()()本人!のっちゃんあいつを止めて!あいつはこの地球を滅ぼす気なの!!」

 

まさか、ここであいつが暗躍していたなんて…そうかあの機械は地球ではまだ見つかってない金属…ヴァサゴの生まれ育った時代は隊長さんが言うには24世紀。ドラえもんが居る22世紀よりも先の未来から来た存在だ。それなら合点がいく、22世紀のドラえもん達が知らない金属だって、24世紀には見つかるはずだ。

 

「のび太君久しぶりだね。ピー助は…元気かな?」

 

「ピー助は白亜紀にいる。お前に手出しはさせないぞ?」

 

「和人くん…ふんもう、あんな恐竜には興味が無い。俺がピー助を取り引きしたのは、あの三下の命令だ。」

 

三下…ドルマンスタインの事か、あいつ元上司にも何も未練がないみたいだな。こいつは一体何がしたいんだ。

 

「ヴァサゴ!お前は一体何をしたいんだ!!」

 

「静香くんには言ったが、俺は…血生臭い争いが見たいんだよ!血で血を洗うそんな戦いをな!!」

 

「させると思うか!」

 

「ヴァサゴさん!もういいっすか!やっちゃっても!」

 

ヴァサゴの周りの奴らが剣を携えながら、そう言っている。反吐が出そうだ。

 

「…まぁいい。好きにしろ。アディオスのび太君。俺とトラギスはこれをブイキンに渡すのでね。…偽物だとしてもな」

 

僕は最後の言葉を聞いて、やつにはあれが偽物だと気づいたと悟った。それを知ったらまたブイキンが何かを仕掛けるんじゃないかと思い僕は…

 

「ヴァサゴぉぉぉぉ!!」

 

ヴァサゴの名を口にしながら猛スピードでヴァサゴの元に行こうとした。しかし…

 

「行かせると思うかの?」

 

剣を携えた老人の怪魚族に止められた。くそ!この人を倒さなきゃいけないってのか!

 

「のび太君!これ!」

 

ドラえもんが何かを渡して来た…ってどうやってここまで来たの?は、いいとして僕はドラえもんから受け取った物見て、驚愕した。そうこれは…

 

時雨金時(しぐれきんとき)?」

 

「君のお師匠が何かあった時にって!預かってたんだ!」

 

「師匠が?」

 

あの人はこの事を予期していたのかな?…いつも天然ボケの激しい師匠が?いややる時はやる人だし。まぁ…これで戦えるね。時雨蒼燕流は… 完全無欠最強無敵って言われてる流派で師匠は分派の1つを師匠の父から継承しており、9代目らしい。僕はそれを全て教わっているから次の継承者はお前だなって呑気に言われた。あと何で白亜紀や魔法の世界、地下の時に使わなかったのかは、時雨蒼燕流を使うには剣が必要なんだ、それも真剣。残念ながら、3つの事件の時は、刀を手にする事が難しかったし。時雨金時は師匠が持ってたしね。それとこの流派にはもう1つ顔があるそれは…

 

「行くぞ!」

 

うわ!考えてるうちに相手の剣士が来た!?僕は人魚モードを解いてから、時雨金時を抜いた。時雨金時は普段は鋼鉄製の竹刀だけど時雨蒼燕流で抜いた時のみ刀身がつぶれ真剣に変形する特殊な日本刀で時雨蒼燕流継承者が代々受け継いできたと師匠から聞いている。

 

「ほほう?普通の竹刀かと思えば、真剣に…お主もやるようじゃの」

 

「あなたもね。おりゃ!」

 

僕は、そのまま後ろに行き、距離を置いた。こうもしないと技も出せないしね。そして僕と彼は動いた。僕は距離を詰めながら、技名を叫んだ。

 

鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)!!」

 

この技は渾身の一撃を衝撃波にかえて相手の神経を麻痺させる衝撃剣だ。これは師匠が師匠の師匠の技で真似て作った技だ。僕も一応他にも技作っている。時雨蒼燕流はそういう流派だからね。でも相手はそれをすんでで避けた。この人見た目によらず中々やるな。僕が舐めていたかもしれない。

 

「その技はいい技であるな。」

 

「僕の尊敬する師匠の技だからね。次で決めるよ。」

 

「そうはさせぬ!」

 

相手は剣を交えてから、斬りかかってきた。いい太刀筋だ…。何も迷いもないそんな太刀筋…何でこの人はあんな下劣な怪魚族に手を貸してるんだろうか…ヴァサゴに何か弱みを握られてるとか?…あいつは姑息なやつだ。

 

「どうした!剣に迷いが見えるぞ!」

 

「そ、そんなことは無いぞ!」

 

相手は僕の心がわかったのか、そう言ってきた…剣士は剣を交えると迷いがあるとすぐにわかるからね。相手はやはりわかったのか…

 

「ふん!そんな弱い太刀筋で迷いがないとでも言うのか!」

 

…そうだ師匠に言われていたじゃないか!

 

【いいか。のび太。剣の戦いをする時は迷いを払え!戦う時は相手に敬意を表して、戦うんだ。俺も師匠に言われてたよ。ヘラヘラしてないで来い!たたっ斬るぞ!ってな】

 

僕は師匠の言葉を思い出して、勝負に集中した。ヴァサゴの事も今は忘れろ。相手に集中するんだ。僕は目を開け、次の技を口にした。

 

「《時雨蒼燕流“特式”十の型》燕特攻(スコントロ・ディ・ローンディネ)!!」

 

「カハッ!?」

 

この技も師匠が師匠の師匠の100番勝負のDVDを見て生み出した型。鮫特攻(スコントロ・ディ・スクアーロ)をヒントにしており、技の入りも同じ。しかしこれは鮫特攻(スコントロ・ディ・スクアーロ)とは違い水の力を利用する。燕の名がついてるようにつばめがえしのような要領でやっていて、水をえぐるように巻き上げながら突進する。ここは海底だし、十分最適な技でもある。

 

「お主は…迷いを打ち消し、わしを打ち負かした…トドメをさせ…その流派そのための物だろ」

 

この人の言う通りこの時雨蒼燕流は戦国の時代に生み出された殺しの剣技で継承者は自ら「最強」を謳い、それを狙う刺客から守り抜くことを宿命付けられる。才能のある継承者が途絶えたときは失われる危険性もあることあるから「滅びの剣」と例えられると師匠から言われた。複数の弟子が継承することも可能であるし。師が弟子に型を教えるのは1度きりという掟が存在する。僕のはさっきも言ったように分派の1つを師匠から教えて貰ってるけど…

 

「トドメは刺さないよ。僕らはそんな事望まないからね。」

 

「ふん…世迷い言を…いやお主の剣からもわかる…な」

 

目の前の剣士さんは、傷を負いながらも少し微笑んだ、やっぱりこの人は優しそうだ。

 

「剣士さんどうして、あなたは…」

 

僕は剣士さんに聞いた。この人の目は優しさ、そして慈愛に満ちている目だ

 

「俺の家族が、ヴァサゴのやつに…人質に取られているのだ…だからわしはこうするしかなかった…」

 

「あいつに?」

 

僕の予感は、悪い方に当たっていたみたいだった。…ヴァサゴのやつ!どこまで腐ってるやつなんだ!…そうだ。一番最初に聞く事を忘れていた。僕は剣士さんにこう聞いた。

 

「剣士さん…あなたの名は?」

 

「剣士として、最初に言うべきじゃったの。わしの名はカシバルと申す」

 

剣士さん…いやカシバルさんは、傷を負いながらも姿勢を正しくしながら、そう言ってくれた。

 

「僕は野比のび太、いい太刀筋でした。カシバルさん。」

 

「わしもそう思っておったよ。君は一瞬迷いが生じたが、一瞬のうちにその迷いを断ち切り、ワシに真っ向から挑んできたのだからな。」

 

「僕の時雨蒼燕流は完全無欠最強無敵ですから!」

 

「そうか…お主はいい師匠にに巡り会えたようじゃの…もっと若ければお主と剣を切磋琢磨に修行したかったものじゃ……が!?」

 

「なっ!?」

 

カシバルさんが言った瞬間だった。突如としてカシバルさんの胸を光の矢みたいなのが刺した。そしてカシバルさんから血が溢れ出した。奥を見てみると、ヴァサゴが気味の悪い笑みを浮かべながら、こっちを見ていた。それを見て全て理解して怒りが溢れ出した。

 

「お前はァァ!!!どこまで外道なんだ!!!ヴァサゴ・カザルス!!!」

 

「そのまま円満に終わらすと思ったか!それとカシバルさんよ!おめぇの家族!殺しといたからな!」

 

「なん…だと!?」

 

「おめぇの目は、気に食わなかった!ただそれだけだ!」

 

「おぬしは…本当に…外道じゃの。」

 

「なんとでもいいな。じゃあな!今度こそアディオス!のび太君!」

 

「ヴァサゴ!!!」

 

「のび太…殿!」

 

僕はヴァサゴを追う前にカシバルさんが腕を掴んだ。そうだ!あいつを倒す前にカシバルさんを!ドラえもんの道具で何か出来るかも!

 

「ど、ドラえもん!カシバルさんのこの傷を治してよ!」

 

「のび太君…僕の道具じゃ…もう」

 

「な、何言ってるんだよ!ドラえもんの道具は何でも治せるんだろ!!」

 

「のび太…殿!」

 

僕がドラえもんに詰め寄っていると、カシバルさんに止められた。

 

「わしの事は気にせず…早くヴァサゴを倒…すんじゃ!」

 

「でも…そんな事したらカシバルさんの命が!!」

 

僕は必死で、カシバルさんに言ったが、カシバルさんは首を振りこう続けた。

 

「どうせ…老い先短い…命じゃ…わしは…最期に君のような…剣士と…剣を交えて…本当に…楽しかった…剣を交えただけじゃが…わしはお主を長年の友と思った。」

 

カシバルさんは、僕の手を掴んでそう言ってくれた。僕も思ってるよ。だから!

 

「そう思うなら!命をあきらめないでよ!また剣を交えようよ!」

 

「嬉しいのぉ…のび太殿…必ずヴァサゴに一太刀入れて…くれ…」

 

そう言ってカシバルさんの手は力を失い、僕の手から落ちた…

 

「うぅ…カシバルさーーーーーん!!!」

 




雷神「ふぅ…人魚大海戦長かった。」

銀「あぁ…確かに長かった…があれはどういうことだ?」

雷神「突然思いつきです…」

銀「設定にも付け加えとけよ?」

雷神「いえっさー」

銀「しかしまぁ、15話目でいきなりあんなことすりゃ驚くぜ?それに何か変えたろ?」

雷神「のび太が戦ったヴァサゴが何代目かを追加しました。」

銀「今後のためか?」

雷神「いつか出るかもしれないしね。」

銀「…そうだな。では次回もお楽しみに!」







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第28話人魚大海戦〜家族の絆とヴァサゴとの決戦〜

視点はのび太、ソフィアさん、和人、のび太


 

あの後僕達の前には、大きな船が現れ、他に居た怪魚族は撤退して行った。僕らはカシバルさんの遺体を持ち帰りは1度宮殿に戻ってきた。最終決戦に向けて、準備をさらに強めるために。

 

「ソフィアさん。本当にいいの?」

 

「ええ。その方は他の怪魚族とは違うもの。」

 

ソフィアさんはカシバルさんの遺体をこの国の墓に入れてくれるそうだった。さっきの戦いを見て、怪魚族にも優しい人はいるとわかったしね…

 

「…それでのっくんその時雨蒼燕流だっけ?…どういったものなの?」

 

またさっきの広場に来ていた僕達、美夜子さんは不思議そうに聞いてきた。そういえば時雨蒼燕流は美夜子さん初めて見たっけ。ドラえもんや和人達は知ってるし、師匠にも会ったことがある。まぁだからドラえもんは師匠から時雨金時を預かったわけだしね。時雨蒼燕流である僕の剣術は、直ちゃんや和人が習ってる剣道とは違うんだ。直ちゃん達は普通の剣道でこっちは元は殺しの剣術…普通の剣道からはやはり差ができてしまうわけだ。

 

「さっきも見た通り。時雨蒼燕流はこの時雨金時を用いて使う流派なんだ。僕の師匠…山本武(やまもとたけし)さんから授かったね。名前は聞いたことあるよね?魔法の世界でも居たし。」

 

そう、僕らが魔法の世界に言った日の朝にパパが読んでいた新聞に師匠の姿を発見した。師匠は昔から野球が大好きな人だったしね。

 

「知ってる!アメリカのプロリーグで活躍してる人でしょ!?え?どういう事なの!?」

 

「師匠は、こっちでの表向きではそういう風にしてるんだ。ある組織の所属って事を隠すためのね。」

 

魔法の世界にあの組織がある事は知らないけど。

 

「そうなの?その組織ってなんなの?」

 

美夜子さんはその組織が気になるみたいだなぁ。でも言ってもいいのかぁ。師匠の組織って言ってしまえば裏の世界の家業だし。まぁ、ツナさんが昔のような自警団に変えるって言ってるし…

 

「のっくん?」

 

…あ、考えてたら、美夜子さんが不思議そうに見てきた。

 

「うーんごめんね?こればかりは僕の一存じゃ言えないんだ。」

 

「あぁ…また何かあるのね?」

 

「まぁ…その通りだね。…どうやら悠長に話してる場合じゃないみたいだね。」

 

階段の上を見ると、女王様とメジーナ博士が立っていた。そして手招きをされて僕達は五角形の祭壇がある所に連れてこられた。メジーナ博士は着くなりこう説明した。さっきわかった事があり、人魚の剣には赤い宝石が付いていたと言われている。

 

「じゃあヴァサゴは…」

 

「そのヴァサゴという男は、最初から知っていたのでしょう。」

 

「わざとつかましたって訳か。」

 

だからあの時偽物とわかっていたのか、でも何でヴァサゴはそんな事を?偽物とわかっているなら、持って帰らずに、壊せばよかったんじゃ…いや愚問だ。そうしなかったのは偽物とわかったブイキンを怒らせて、さらに醜い争いを見られるからと思ったからか。

 

「あの男は今はいいでしょう。それで他に何がわかったんですか?」

 

ソフィアさんは、メジーナ博士に聞いた。確かに今はヴァサゴよりメジーナ博士と女王様が何かをした事だね。

 

「そうでした。かつて、怪魚族が我らの先祖を攻めた時に怪魚族を追っ払ったという伝説の戦士が居た事がわかったのです。その戦士が身につけていた物が姫様のそのティアラです。古文書によるとティアラ、人魚の剣、最後に金色の鎧を身につけられる者は、人魚族の神《マナティア》に選ばれた戦士だけだということです。」

 

メジーナ博士は古文書を読みながら、さらに続けた。

 

「神に選ばれた戦士はやがて人魚族の指導者となり、人々を率いて怪魚族に戦いを挑みました。このお方の名を『ソフィア』と言ったそうです!」

 

…つまり、その伝説の人物は…

 

「ソフィアさんのご先祖さま?」

 

僕はソフィアさんの顔を見ながら、そう言った。伝説の戦士がソフィアさんのご先祖さまなら何故ブイキン達が姫様を狙ったのか合点がいく、伝説の戦士の子孫だからこそ、姫様…いやソフィアさんは狙われていたんだ。

 

「それから、どうなったんですか?」

 

和人がさらに伝説を聞いた。

 

「…何しろ多勢に無勢、人魚族はどんどん追い詰められ、とうとうアクア星から脱出するしか道は残させれてなかったのです。その際、鎧は怪魚族に奪われ、人魚のの剣は行方不明になったようです。そして…」

 

メジーナ博士は古文書を閉じて、今はソフィアさんがつけてあるティアラを見た。そうか、もう人魚族にその戦士が残した遺物は、ティアラしか残されてないというわけか…

 

「そのティアラの力を使えるのは、伝説の戦士…『ソフィア』と同じ名を持つ姫様だけなのです!」

 

メジーナ博士がそう言った瞬間にティアラが少し煌めいた。何かに反応したという事か?まさか…

 

「メジーナ博士、もしかして、その3つはそれぞれの呼び掛けに応えるって言われてませんか?」

 

「おお!そうなのです。のび太君が言った通り、人魚の剣、金色の鎧、ティアラにはさっきも申した通り赤い宝石が埋め込まれていまして、近づくと反応するのです!」

 

…という事は…人魚の剣は…本当の剣がこの近くにあるって事になる!

 

「陛下!!」

 

僕がそう思った瞬間に兵士さんがやってきた。

 

「怪魚族が進撃を開始致しました!!」

 

…ヴァサゴのやつ。こちらの様子を見てたのか?でもここに…ん?あれは…

 

「仕方ありません。反撃の準備を」

 

「は!」

 

僕が気づいたものに気を取らていると女王様が兵士にそう言っていた。って!

 

「ちょっと待って!!」

 

「どうしたのですか?」

 

「ここ…盗聴、盗視されています!」

 

「なんですって!?」

 

「どういう事なの!」

 

女王様とソフィアさんは驚愕して僕に詰め寄った。って近い近いって、あれ!?女王様ってこんなキャラだっけ!?ってそんな事考えてる場合じゃないか!

 

「よっと!」

 

僕はソフィアさん達の横を通り、目の前にある物を時雨金時で斬った。そう僕が斬ったのは…

 

「ヴァサゴの黒いボール!?」

 

ヴァサゴと最初に会った時に、居たあの黒い偵察用のボール。いつからいたのか分からない…けど今は襲撃を受けているのは、きっとこれが流した情報で今がチャンスと思ったに違いない。

 

「…くそ!」

 

「のび太!」

 

僕は脇目も振らずに飛び出した。これ以上あいつの思い通りさせてたまるか!!

 

 

ーーーーーーー

 

のび太君は、一目散に怪魚族がいるであろう所のに走っていった。和人君が呼んでも止まらなかった。…よほどカシバルさんの事が悔しかったんだろう。私も悔しかった。目の前で殺されるなんて思わなかったから。

 

「のび太さんは、先に行ってしまいましたね。…ソフィア」

 

おばあ様は、少し心配そうに私を見てきた。

 

「はい…」

 

「心配なのはわかっています。彼は強い…わかっているでしょう?……ふぅ。ソフィア。全権をあなたに委ねます。あなたが正しいと思う事をおやりなさい。」

 

おばあ様はここで、それを言ってきた…

 

「この戦いの、行方は私にも分かりません。厳しい戦いになるでしょう。それだけに、重い責任をあなた一人で背負うことになります。…許してくださいね。私はこれまであなたに厳しさばかり求めてきました。…でもこれだけは忘れないで。私はあなたを誰よりも愛しています!」

 

おばあ様、わかっていました。お母様やお父様が亡くなってしまい時期女王に繰上げになった時からおばあ様は私を見ててくれた。だから私は、溢れる涙を止めずにこう言った。

 

「おばあ様!私もです!!私もおばあ様が大好きです!」

 

「ソフィア…」

 

おばあ様は私を優しく包み込んで抱き締めてくれた。

 

 

ーーーーーーー

 

「お兄ちゃん…私大好きよ!」

 

「ぐす!僕もだよ。ドラミ!」

 

ソフィアさんと女王様のに感動していた俺は横の兄妹がそう言っていたのが聞こえた。

 

「お兄ちゃんも大好きだからね?」

 

横にいるスグが、俺にそう言った。スグと俺の関係は前も言った通り俺達は少し血は繋がっているが本当の兄妹じゃない。本当の関係はいとこ同士だ…でも俺達はもうそんな事関係なく普通の兄妹のようになっている。だから。

 

「…わかってるよ。」

 

少し照れくさいってのもあるが、ぶっきらぼうにそう言っていしまった

 

「「ナーンてね!冗談だよ?」」

 

「「ズコー!?なんだよそれは!!」」

 

「「ふふ!!」」

 

示し合わせてかのように妹二人は笑っていた。くそぉ、兄の威厳ってのがァ

 

「やっぱり、和くんは直ちゃんに弱いよね〜」

 

「それを今言わないでくれ…美夜子さん」

 

「…ふふ…さぁ。みんな先に行ったのび太君が心配だから行きましょう。」

 

ソフィアさんはこの光景を見て、笑っていた。真剣な表情に戻り、そう言った。確かにこんなことしてる間にもあいつは何しでかすか、わかったもんじゃないしな。ソフィアさんの指揮の下俺達はヴァサゴ率いる怪魚族へ反撃を開始した。

 

ーーーーーーー

 

僕は、人魚モードになってから海へ飛び込み、敵の大軍をすり抜けながら、ヴァサゴがどこにいるのか探していた。しかし…

 

「どこにもいない?」

 

いくら探してもやつの姿は見えなかった。一体どこに行ったんだ?

 

「小僧!」

 

「ん?」

 

「さっきはよくも無視してくれたな!」

 

いやあんたのこと見たことない…ってあぁ…大軍に入った時に何か話しかけてきたな。ヴァサゴを探してそれどころじゃなかったし。

 

「俺の剣のサビにしてくれるわ!!」

 

おじさんは、剣を振り上げ、僕に刺した。けど僕は“消えた”

 

「何!?ぐは!?」

 

「《時雨蒼燕流“攻式”九の型》うつし雨」

 

これも時雨蒼燕流の攻式で師匠がツナさんや他のみんなを守る為に開発した型である。巻き上げた水に自らの姿を映すことによって相手の注意を引き、その隙を突く技…ふぅ…これって意外と疲れるからなぁ。っておじさんに気を取られてる場合じゃないな。

 

「こうしてる間にもあいつは…!?」

 

僕は何かの気配を感じそれを避けた。すると目の前にはカシバルさんを射抜いた凶弾である。光の矢が刺さっていた。これを来た方を見ると…

 

「ヴァサゴ」

 

「やぁやぁ!来ると思っていたよ。…のび太君?」

 

僕が探していた人物である。ヴァサゴ・カザルスが不敵な笑みを浮かべて、こちらを見ていた…。どこまでも余裕綽々な顔してやがる…

 

「いやぁ…あれは実に滑稽だったなぁ。カシバルの最期」

 

その言葉を聞き時雨金時を持ち、やつの懐に入ったが避けられた。でも僕はさらに詰め寄りながらこう言った

 

「《時雨蒼燕流“攻式”一の型》車軸の雨!」

 

「おいおい、いきなり攻撃とは、君らしくもないな。」

 

「黙れよ。」

 

「おぉ。こわッ。俺も本気出すか」

 

そう言ってヴァサゴは懐から刀を出てきた。こいつも剣術をしていたのか。どこから出したんだよ。

 

「知ってるかい。のび太君…飛天御剣流の名を!」

 

飛天御剣流…それは幕末の剣士…緋村剣心が使っていた流派だ。この流派の良さは剣の速さ、身のこなしの速さ、相手の動きの先を読む速さという三つの速さを最大限に生かし、最小の動きで複数の相手を一瞬で仕留めることを極意とし、一対多数の戦いを得意とする実戦本位の時雨蒼燕流とまた違った殺人剣で、緋村剣心が亡くなって、継承者がいなくなり、飛天御剣流は廃れていったと師匠からは聞いていた…筈なのに!

 

「何故お前が使える!!」

 

「俺は未来人だぜ?」

 

…多分ヴァサゴは、タイムマシンで幕末の時代に行き、剣心さんの剣技を盗ったんだろう。姑息なこいつがやりそうな手だ。

 

「愚問だったか…」

 

「君の思ってる通りだ。さて…始めようぜ?」

 

ヴァサゴはそう言った瞬間に抜刀してきた。確か、飛天御剣流は抜刀を主に使ってたと聞いた。僕は落ち着いて、ヴァサゴの刀を受け止めた。こいつの剣にも一応剣士の意思があるようだった。腐っても飛天御剣流の使い手ってわけか、僕は後ろに飛んだ。

 

「また時雨蒼燕流か?…いいぜ。飛天御剣流の技を見せてやるよ!」

 

僕が後ろに行ったらヴァサゴはそう言いながら、宙を飛んだ。何が出てくるんだ!

 

「飛天御剣流!龍槌閃!」

 

ヴァサゴはそう言った瞬間に刀を僕の方へと突き立ててきた。僕は咄嗟に“守式”二の型うつし雨を使い、体を屈めたら、ヴァサゴは通り過ぎた。その後ドゴーン!!という音ともに、通り過ぎたヴァサゴがいる所に大穴が空いた…やばい、あんなの食らってたら、間違いなく死ぬよ。

 

「これを避けるのは、君が初めてだ…次はどうだ?ふんっ!!」

 

ヴァサゴはさらに高速で攻撃してきた。僕は時雨金時で受け止めたが、力が強い。何だこの技!?

 

「龍巣閃まで君には止められるわけか…」

 

龍巣閃!?それって師匠から聞いた事がある!確か…急所全部を狙って攻撃するという技だ。何で飛天御剣流は完全に殺しに来るような技ばっかりあるんだよぉ。

 

「…っていつまでしてくるん…だよ!」

 

僕が考えてる間にも、ヴァサゴは龍巣閃をやめなかった、真顔でやってくるもんだから、本当にウザかった。

 

「ふっ!君も、早く技を見せろよ!さっきから受け身ばっかで楽しくねぇよ!」

 

ヴァサゴは、剣を肩に置き呆れた顔で言ってきた。何かさらにムカついてきた。よし使ってやるよ!僕の作った型でさ!

 

「《時雨蒼燕流“攻式”十三の型》暴風雨(あばれのあめ)!」

 

この暴風雨(あばれのあめ)は、さっき出した一の型である車軸の雨を応用して、両肩、両足に向けて時雨金時をスピードに乗せて攻撃する。僕が最初に作った僕の時雨蒼燕流だ。

 

「…いいなぁ!!のび太ぁ!来いよ!次はおれだ!」

 

ヴァサゴは攻撃を受けてもなお、そう(のたま)った。次は刀の峰に手を置いた。

 

「飛天御剣流… 龍翔閃!!」

 

ヴァサゴが消えた…いや物凄い速さで懐に入ってきた刀は、下にあり。刀を振り上げた。僕は“守式“ 繁吹き雨で回転しながら、それを避けた。危なかったもうちょっと遅く繁吹き雨を出さなかったらやられていた。

 

「ほう!これも避けたか!!いいね!いいね!!もっと楽しむぜ!俺は飛天御剣流の他にも流派を持ってるんだ!!次も行くぜ。」

 

ヴァサゴはさらに高揚とした顔になりながら、そう言ってきた…なんかキモいんだけど…っていうかまだ流派を持っている?…剣士が複数の流派に手を出すのはご法度…ってこいつは時空犯罪者だし。そんな事考えてる場合じゃないか。そしてヴァサゴは、さらに刀を2つも出した。…まさか…

 

「三刀流!かの有名な海賊!ロロノア・ゾロの流派だ!」

 

もう何だってありなの?ヴァサゴどんだけ暇だったんだよ!ああ。そうだね!こいつは指名手配犯!どの時代にも逃げてたはずだし!カリブの海賊の、技も見ていたんだね!ていうか!何でもかんでもできるって万能型すぎだろ!!

 

「じゃあ行くぜ?三刀流…鬼斬り!!」

 

ヴァサゴは、両腕を交差した状態から、突進して斬り付けて来た。僕は見え見えに突進してきたから難なく避けた。ヴァサゴは、壁に激突した。……あいつ冷静無くしてない?

 

「…どうやら俺は、この戦いに高ぶり冷静を失っていたようだ。」

 

「全身から、血を流しながら言う事か!?」

 

「こんなのすぐに治る…」

 

そう言ったら、ヴァサゴはポケットから何かを出し、それを飲んだ。そしてみるみるうちにヴァサゴの身体は治っていく。何これチートじゃない?

 

「傷は治っても、体力はもうほぼない。次で最後だ。」

 

さっきの激突で本当に冷静を取り戻したヴァサゴは、とうとうこの戦いに終止符を打つつもりだ。ヴァサゴは、さっき持っていた2つの刀を捨て、また1本に戻した。つまり、飛天御剣流の奥義をするつもりだ。だから僕も。時雨蒼燕流奥義をするつもりだ。僕とヴァサゴは刀に手をやった

 

「飛天御剣流奥義…」

 

「《時雨蒼燕流“攻式奥義”》」

 

「「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)!/五月雨の舞(さみだれのまい)!」」

 

ガキン!!ジュシャ!!

 

僕とヴァサゴは技を出して交差してから、ヴァサゴの方へとを向いた。しかし…

 

「くっ!」

 

僕は肩に傷ができ、僕は膝をついた。肩から血が吹き出た、避けきれなかったか、しかし目の前のヴァサゴは、何も動かなかった。何だ?

 

「…がは!?」

 

ヴァサゴは、血を流しながら倒れた。…良かったちゃんと…うま…く…いった…僕の意識はそこで途絶えた。

 

 

ーーーーーーー

 

「のび太!どこだ!」

 

俺は、のび太を探していた。…さっきの出来事は本当に信じられなかった。俺はのび太を探していた。あいつはきっとヴァサゴを倒したはずだ。何でそんなに信頼してるかって?親友の俺が信じなくてどうするんだよ!

 

「あいつ、どこまで…ん?」

 

俺は探していると、1人のおっさんが浮いていた。おっさんには切り傷があった。この切り方は…

 

「時雨金時…?…おっさんはまだ生きてるか…」

 

時雨蒼燕流は殺し剣術…しかし武さんやその親父さんは、それを変えていた。のび太も人を殺す事には嫌悪してるしな。

 

「このおっさんの奥を見ればあいつはいるのか?」

 

俺は、更に奥へと、突き進む。するとそこには血だらけになり、気絶してるヴァサゴと肩を負傷し、これまた気絶しているのび太がいた。やっぱり倒したのか。

 

「それにしても、相当な戦闘だったみたいだな。」

 

俺はすぐにドラえもんに連絡をした。ドラえもんはすぐに行くと言った瞬間にどこでもドアがでてきた。ってびっくりするなおい!?

 

「和人くん!!…ってどうしたの?」

 

「ドラちゃんが、電話出た瞬間にどこまでドアで来たから引いてるんでしょ」

 

「あっ、ごめんごめん!」

 

俺の思っている事を横にいるスグが言ってくれた。さすがは俺の妹だな。ドラえもんは照れてるように、謝ってきたまぁいいけどな。

 

「ドラえもん、今はのび太の治療を頼む。肩から血が溢れてる。ここは海水だ。傷に障る」

 

「は!そうだね!とにかく今はヴァサゴも連れて」

 

「あいつはふんじばっとく?」

 

「それがいいかもな。逃げられたら、かなわん」

 

「じゃあ、これで縛ろう。」

 

ドラえもんは徐にロープを出した。

 

「どっから…ってポケットか、それも秘密道具なのか?」

 

「いんや、普通の」

 

「ズコ…まぁいいか。」

 

俺達は宮殿のある場所に戻ってきた。ドラえもんはのび太の肩に包帯を巻いていた。

 

「とりあえず、応急処置はしといたよ。ブイキンは僕達で食い止めてるからのび太君が目を覚ましたら、来てくれ!」

 

「わかった。気をつけろよ。」

 

「うん!」

 

ドラえもんはそれだけ言うと、再びどこまでドアで今も暴れているであろうブイキンの元に戻って行った。くそ。早く目覚めろよ!のび太…早くしないと地球が…

 

 

ーーそして…俺達はまだ知らなかった。ヴァサゴ・カザルスとの因縁はまだ終わりではなかったと…ーーー



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第29話人魚大海戦〜決着の時〜

 

「ーーーー兄!のび兄!!」

 

「んあ?」

 

「あっ、起きた!お兄ちゃん!のび兄が起きたよ!」

 

目が覚めると、直ちゃんがいた。そして奥には和人も。…そうか。ヴァサゴを倒して、僕も気絶したんだ。…それにしても

 

「よくあそこがわかったね。」

 

「探してたら、おっさんが倒れてて、奥を見たら。」

 

僕とヴァサゴが倒れていたと…って!

 

「ヴァサゴは!?」

 

「ん。」

 

和人は、親指で後ろを方をさしていた。それを追っていくとまだ気絶しているヴァサゴがいた。ロープでぐるぐる巻きにされて。なんて言うかシュールだな。って今はヴァサゴはいいんだ。

 

「今の戦況は?」

 

「ブイキンが今人魚の剣を手に入れて大暴れしてるの!」

 

「は!?」

 

僕が今の戦況を聞くと直ちゃんにそう言われた。ってなんでそんな事に!?

 

「…お前がいなくなってからだ。」

 

和人が教えてくれた。怪魚族に人魚族は圧倒的に不利となり、何とたった1時間で人魚族の兵士は半分になったらしく、そんな時にソフィアさんが祈りをした瞬間に人魚の剣が現れたという。その人魚の剣は、近くにいたブイキンの手に渡ってしまったらしい。

 

「だから、悪いがのび太。」

 

「わかってるよ。」

 

怪我はドラえもんが治してくれたらしい。そして今はいないドラえもん、ドラミちゃん、スネ夫、美夜子さん、しずちゃん、ソフィアさん、ハリ坊は暴れているブイキンを必死で食い止めているらしい。休んでる場合じゃない。ドラえもんはどこまでドアは置いて行ってくれていた。僕は立ち上がって、ドラえもんが巻いてくれた。包帯をとった。傷は治っていた。きっとドラえもん応急処置は迅速だったんだ。肩が動くかどうかを確かめてから、僕は時雨金時を持ち…

 

「最終決戦だ!」

 

ーーーーーーー

 

「ハッハッハ!!逆らう者は容赦しない!!この俺様が、全宇宙の支配者となるのだ!!ぐはははは!!」

 

ブイキンは人魚の剣を持ちながら、暴れていた。ブイキンが放った衝撃波で海には大荒れになったが、幸いな事に僕の作った水よけロープがその部分だけ何もないようになっていた。そして僕は[手ばりDXVer.]を使い、流れていたみんなを助けた。のび太くん!和人くん!直ちゃん早く来てくれ!!君達が来ればこの戦況は変わるはずだ!

 

ーーーーーーー

 

「……なんでこうなるかな!?」

 

僕がどこまでドアに入るとそこは大荒れになっていた海だった。当然和人と直ちゃんとははぐれた。解せぬ。幸いな事にここはあの岩場の所で、流れる海に抵抗できた。ふう、まぁ流されそうになるのは変わんないけど、和人達は無事かな。

 

「のび太君!?」

 

後ろから声が聞こえ、そっちを振り向くとソフィアさんがいた。あぁ!無事ってわけじゃないか…

 

「あの男を倒したのね!良かったわ!」

 

「まぁね。ソフィアさんごめんね。」

 

「いいのよ…恐ろしい。あの剣の威力は計り知れない。のび太君。このままじゃみんなが!これで終わりなんだろうか…」

 

…この絶望的状況でソフィアさんの目にはあのキラキラさがなくなっていた。諦め、絶望、憎悪、『負の感情』に満ちていた。…僕がヴァサゴと戦っている間にこんな事になってしまったんだ。僕は意を決して、ソフィアさんに話しかけた。

 

「ソフィアさん。剣は絶対に取り戻すよ。だからそんな目をしないで!」

 

「の、のび太君?でもあなたは、あの男と戦って痛手を。」

 

「僕は確かにあいつと戦って肩にも傷ができた…けど!ソフィアさんに言っておいて僕は皆と一緒に決戦に行かなかったし。これはみんなを置いていった僕の罰だよ。」

 

「でも」

 

ソフィアさんは、僕の肩を見ていた。治ってるはずだけど、あぁ…少し傷が開いてる。こんな事気にしちゃいけない。

 

「…ソフィアさん」

 

「え?」

 

「僕は今度こそ皆を置いて行ったりしない。だからソフィアさんは諦めないで!」

 

「のび太君…ええ…そうね!今度こそみんなでやりましょう!」

 

良かった。ソフィアさんの目に、希望、勇気といった『正の感情』が戻ってきた。僕とソフィアは互いの手を握った。そして…

 

「何これ!?手?」

 

大きな手みたいなのに捕まった。そしてその手が離され周りを見ると昨日ドラえもんが出した水よけロープの中にいた。はぐれていた和人、直ちゃんを含め全員がここにいた。

 

「ドラえもんの道具?」

 

「[手ばりDXVer.]だよ!」

 

「そっか…」

 

ドラえもんはそれだけ言うと、ポケットにしまい込んだ。

 

「聞いたわよ。ヴァサゴとの決着をつけたのね?」

 

「うん、ドラえもんから聞いたんだね?」

 

「直ちゃんからもね。きつく縛ったからそう簡単には逃げれないって。」

 

確かにあいつすごくきつく縛られていた気がする。

 

「そうでもしないと、」

 

直ちゃんは笑顔で言っていた。何だか直ちゃんの将来が心配だなぁ。…ってなんて世間話をするためにここに来たんじゃないって。

 

「お兄ちゃん!」

 

するとドラミちゃんがタケコプターをつけた状態で上から来た。どうしたんだろう?

 

「ブイキンをここに呼び寄せられないかしら!」

 

「「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」

 

「そうですね!水が無ければ、人魚の剣も使えないはずです!」

 

あっ、そういう事?でもこの水避けロープの幅はせいぜい10メートル前後とてもじゃないけどここにブイキンは呼べない気がするんだけど。

 

「あっ!そうだ![架空水巻き添えガス]を…あ!1発ででた!」

 

って何1人で喜んでんのドラえもんは?

 

「どうするのそれを?」

 

「これをブイキンに浴びせてやるのさ!」

 

あぁ…そうすれば、架空水の中にブイキンを入れることができるね。

 

「でも、それを使うには架空水を先に!」

 

「ドラミちゃん。多分ドラえもんはポンプのスイッチは入れたまんまだよ?」

 

「え?そうなの?」

 

「うん!」

 

「そういう事なら!」

 

ドラミちゃんはドラえもんのポケット経由で1回僕の部屋に戻ってポンプを取りに行った。ドラミちゃんが取ってくる間にドラえもんの考えた策を聞いた。まぁ至って単純…それは…

 

「サーフィンをしながら、巻き添えガスを使うかぁ…単純明快なこっちゃな?」

 

「まぁ、ドラえもんらしい策って言えばそうだけど。」

 

ドラえもんとスネ夫、美夜子さんが巻き添えガスをブイキンに浴びせに行き、急いで近くの島まで行く、ブイキンは追ってきた。水と一緒に、僕はさっきの戦いのダメージが少し残ってて、ソフィアさんに手を引かれながらタケコプターで飛んでいた。いやここまでダメージがあったとは思ってなかったんだよ?ほんとだよ?そして…島に辿り着いた…ソフィアさんに雑な置かれ方をしたけど…ブイキンは水柱の上に立っていた。

 

「ドラミちゃんは?」

 

「まだ。その前に!これ付けて!」

 

ドラえもんはみんなに架空水体感メガネを渡した。ソフィアさんはこれを付けたら驚いていた。…あれ?そういえばソフィアさんって最初に来た時架空水巻き添えガスを浴びて、架空水を泳いでたはずじゃ…

 

「ドラえもん、巻き添えガスの効き目って何時間で解けるの?」

 

「あー…うん。ざっと3時間したら巻き添えガスの効き目は切れるよ。」

 

「まぁ…それならいいや。」

 

「貴様ら!そこまでだ!」

 

やばい!悠長にしていたら目の前にブイキンが来ていた。ドラミちゃんが来るまで応戦するか?

 

「ブイキン!もう諦めろ!!」

 

ドラえもんはブイキンにそう告げた…しかし

 

「小賢しい地球人めが!ヴァサゴ殿を打ち倒した程度で図に乗るな!貴様らも小娘同様道連れだ!!」

 

考えてる暇はない!僕はそう思い、時雨金時を手に持ち、ブイキンに近づこうとしたが、ソフィアさんに止められた。

 

「あなたは、口では大丈夫と言ったけど、まだ本調子じゃないでしょ?」

 

確かにヴァサゴとのダメージは残っているけど、このままソフィアさんを行かせる訳には!

 

「ふははははは!!!5000年の時を経て、ようやく人魚族を始末できる!死ねー!!!」

 

ブイキンそれだけ言うと、人魚の剣を振りかざして衝撃波を出した。しかし何も起こらなかった。ブイキンは尚も、人魚の剣を振っていたがやっぱり何も起こらなかった…まぁここは本物の水じゃない架空水の中だ。だからどれだけ人魚の剣の力を使おうとしても、使えるわけが無い。

 

「どうした?人魚の剣の力ないとただの雑魚か?」

 

「ちっ!」

 

「その剣はお前が持つものでは無い!」

 

「さぁ!返すんです!人魚の剣を!」

 

ソフィアさんとハリ坊はすかさずそう言ったら、ブイキンは意を解してないのかさらに悪態をついた。

 

「ふんっ!この俺様の邪魔をするやつは海の藻屑にしてくれる!!」

 

そう言って、ブイキンは人魚の剣を振りかざしながらこちらに走ってきた。ここは僕がやろうとしたけど、ソフィアさんが剣を持ち走り出して行った。でも見た目はどうであれブイキンの方が力もあり、ソフィアさんが持っていた剣を叩き折った。

 

「ソフィアさ…いて!」

 

僕はすかさず、行こうとしたが、肩の傷が開きまた血が溢れてきた。くそ。やっぱり応急処置だから完全には治らなかったのか!

 

「止まれ!…人魚族よ!俺様に立ち向かってきた勇気だけは褒めてやろう。だがそれまでだ!ヴァサゴ殿を打ち倒した少年は今や動けない。この剣さえあれば、俺様が全宇宙を支配することには変わらない!ハッハッハ!死ね!!」

 

「名刀電光丸!!」

 

ドラえもんはポケットから剣を出して、ブイキンを止めて人魚の剣を飛ばした。その後ドラミちゃんが架空水シミュレーターポンプのスイッチを切った。僕達はメガネを外し、流れているブイキンを見ていた。何もない所でブイキンは回ってるように見えるからすごくシュールだ。そしてブイキンは、架空水シミュレーターポンプの中に閉じ込められた。

 

『頼む!ここから出してくれ!!頼むーー』

 

ブイキンの虚しい声がポンプの中から聞こえていた…ふう…とりあえずこれで怪魚族と決戦は幕を閉じたってわけかーーその間に女王様が、ブイキンは捕虜とし、ヴァサゴも倒したと怪魚族に言っていたーーソフィアさんは人魚の剣に近づいて行ったら…

 

キラーン!!

 

人魚の剣は、煌めき出した。海に突きつけられた人魚の剣、そしてソフィアさんが居る中心から光が出て、その光がブイキンの手によって汚されていた海を元の姿へと戻した。…これが人魚の剣が善なる人が持つと真の力が発揮されるという意味なんだ。

 

「人魚の剣の本当の力…」

 

「ええ…いつの日か私達は、この剣を持ってアクア星に帰ります。」

 

ソフィアさんは海を見ながら、そう宣言した。…だけど

 

「でも今は、怪魚族のせいで汚れきった水しか無い星です!!」

 

ハリ坊の言うことに間違いはない。でもソフィアさんの目は本気だよ。

 

「それでも私達の故郷よ!」

 

「はり…」

 

「そう!諦めちゃいけないのよ!のび太君達が…教えてくれたわ!1人で向こうとした私を諦めずに説得してくれたし!あなただってそうでしょ!だからこそ!私は諦めないわ!アクア星の事を!」

 

ソフィアさんは澄んだ目で純粋にそう言った。ハリ坊は最初から断る気もないからもう何も言わなかった。言っても、ソフィアさんは諦めないだろうしね。

 

「だから、この剣で汚れた水を元に戻し、美しい星を取り戻す!それが私達人魚族に与えられた指名なのよ!そうでしょ!ハリ坊!」

 

「…はい!姫様!」

 

「…のび太君…私あなた達に出会えて本当に良かった。それに…あなたを好きになってよかった。」

 

あっ…そうだった。ヴァサゴの事ですっかり忘れてたけど、ソフィアさんは僕のこと好きになっちゃったんだった。

 

「だから!」

 

「ちょっと待って」

 

何か嫌な予感!?

 

「アクア星が見つかった暁には、一緒に来てくれない?」

 

「「「ちょっと待った!!!」」」

 

ソフィアさんが言った瞬間に美夜子さん、しずちゃん、直ちゃんが待ったをかけた。…こうなるとわかったから待ってと言ったのにぃ!?

 

「そんな事私が許しません!!」

 

「みっちゃんだけじゃない。うちもだよ!」

 

「そうですよ!」

 

「…あら?いいのかしら?」

 

何かソフィアさんが含み笑いをして3人に、言った

 

「何がですか!」

 

「のび太君が私のお婿さんになったら、それは王になるのよ?そうすればあなた達も妃になれるわよ?」

 

は!?いや何どっかのトラブルチックな事言っちゃってんの!?ソフィアさん!?

 

「…それはいいかも」

 

「確かに…側室になるのは勘弁だけど」

 

いやいや何納得しかけちゃってんの!?っていうかしずちゃんのそれは大奥だからね!?

 

「のび太は前途多難だな?」

 

「まぁ…頑張って〜」

 

「くぅ!!のび太のくせにぃ!」

 

えぇ…男性陣はこれ止めてくんないのぉ…スネ夫に至っては、恨み言だし

 

「ふふ!本当にありがとう!」

 

ソフィアさんは屈託のない笑みを浮かべながら、僕らに向けて、そう言った。はぁ…でもこの笑顔が守れたから別にいいか…よかないんだけど。…ってあっ、あーちゃんも…今は忘れようそうしよう…

 

ーーーーーーー

 

それから僕達は、宮殿に招かれて式典に呼ばれていた。…何か地下世界でもこんな感じなった気がする。

 

「本当に立派になられた。これも“婿殿”のおかげだ!」

 

メジーナ博士?僕の方を見てそう言わないで?まだ婿じゃないし。横からの約3人の目線が怖いから、何で女王様は反対しなかったの?二つ返事で、OKしちゃったしね。まだ婚約って感じだけど。

 

「ええ、どうやら王位を譲る時が来たようです。」

 

「ハーリー!」

 

女王様がとうとうソフィアさんを王にする事を心に決めたようだ。

 

「女王…『ソフィア』に栄光あれ!」

 

「あっ!!」

 

女王様改めてオンディーヌ様がそう言った瞬間にしずちゃんが何かに気づいたように、声を出した。

 

「どうした?」

 

「昨夜の無断外泊、ママに叱られる!」

 

「あ。」

 

「げっ」

 

「どうすんの?」

 

「とりあえず、ヴァサゴをタイムパトロール隊に引き渡してからで」

 

ヴァサゴは起きていたが、直ちゃんの思惑通りに何も出来ないでいた。だからこそ、ドラえもんに頼んでタイムパトロール隊を呼んでもらった。

 

「のび太君!ありがとう!君のお陰で凶悪犯を捕まえる事ができたわ!」

 

白亜紀の時の隊長さんとはまた違う女性の隊長さんにお礼を言われた。今は僕一人でタイムパトロール隊の人と会っている。大所帯だしね。…菜江ちゃんや美奈ちゃんはどうなるんだろう?あの二人って監視のために来たのに。僕は隊長さんに僕は聞いた。

 

「あの二人はこのままこの時代に残します。あなたが知ってることはわかってますしね?」

 

「それならいいんですけど」

 

「もう質問はないですね?」

 

「はい」

 

僕は隊長さんとの話を終えてから、さっきの場所に戻った。ヴァサゴは大人しくしていた。というか何かを話したそうだな。

 

「ヴァサゴ。何かを話すんじゃないのか?」

 

「…どうやらわかったようだね。のび太君タイムパトロール隊隊長?発言よろしいかな?」

 

ヴァサゴは僕と最初に会った時と一緒の口調で喋ってきた。本当にムカつくやつだ。

 

「5分だけです」

 

「寛大ですな。さてのび太君」

 

ヴァサゴは、不気味な笑顔をまたうかべた。一体なんなんだ?

 

「…俺のこの名ヴァサゴ・カザルスは何世紀も続く由緒ある名なんだぜ?ちなみに俺は10代目だ。」

 

ヴァサゴ・カザルスの名が何世紀も続く名前?一瞬何が言いたいのわかなかった。でも一瞬にしてわかった。…師匠の所属してる組織と一緒じゃないか。それに10代目って…。

 

「おう?察しがついたか?初代ヴァサゴ・カザルスは君の時代の人物だ。気を付けろよ。そいつは俺より危ねぇからな?それと初代より先の俺より前のヴァサゴがお前に会うかもしれないからな。」

 

「なんでお前がそんな事を?」

 

「最後まで斬り合った中だ。それだけだよ。」

 

「そうか…十分に警戒はしておくよ。…最後にお前には謝って欲しい人物がいる」

 

「…あぁ…カシバルかぁ…悪かったと伝えといてくれ」

 

「心から思ってないな。」

 

「なんとでも思いな。…もう時間切れだ」

 

「のび太君もういいかしら?」

 

ヴァサゴが言った瞬間に隊長さんがやってきた。こいつの脳内時計どうなってんの?

 

「じゃあ、のび太君。本当にありがとう…あと航時法の事だけど君達には特別な許可が降りたので、ちょっとした時間をいじるのが許されます。人助けなら特にね。」

 

「え?」

 

「野比のび太、桐ヶ谷和人、桐ヶ谷直葉、剛田武、骨川スネ夫、源静香、満月美夜子、結城明日奈8名を含み、後にあなた達と出会うであろう人物にもこの特別な許可が出るわ。」

 

「なんですか。それは!」

 

「それはドラえもんに聞いてみて、じゃあもうそろそろ、行くわね。」

 

隊長さんはそれだけ言うと今度こそ、ヴァサゴを連れて、タイムパトロール隊本部へと戻って行った。

 

 

ーーーーーーー

 

「どうしたの、のび太くん?」

 

僕はタイムパトロール隊を見送ってから宮殿の中に戻ってきた。みんなはここに待機していた。僕はドラえもんにさっきの事を話した。

 

「何か隊長さんが特別な許可が降りて、ちょっとした時間をいじるのは許されますだって。」

 

「それって特別航時法だね。……ってえ!?それって僕達の事!?」

 

「う、うん、僕、和人、美夜子さん、ジャイアン、あーちゃん、直ちゃん、スネ夫、しずちゃんの9人はもちろん、今までやこれから会う人にもできる…って、あれ?ドラえもん?」

 

僕が話してる間にドラえもんがなにか上の空なっていた。どうしたんだろう?

 

「のび太さん、特別航時法は、…いいえ特時は本当に限られた人しか許されていないの。8人も許される前例なんて全くないのよ。」

 

ドラミちゃんが放心状態になってるドラえもんの代わりに説明してくれた。

 

「それってやっぱりすごいことなの?」

 

「すごいも何も過去に行って、その過去に干渉してもいいの。その過去に暗いのがあればね。」

 

「それはつまり、僕が今行っている時間改編が簡単にみんなも出来るということ。それと過去に行って過去の人との交流も許される。」

 

それってあーちゃんの時や魔法の世界で過去に戻ってやり直す事がもう航時法云々関係なくできるってこと?何そのチート仕様…まぁ…

 

「めったのことでそんなの使わないだろうし。」

 

「そうだなぁ。俺も。そんなに今は捨てたもんじゃないし」

 

「僕も」

 

「うちもそうかなぁ。」

 

「私も」

 

「私も!」

 

そんなに、特別航時法にピンとも来ないから僕を含めたみんなは、過去行っていじることは別にしない…まぁ…2回くらいやっちゃってたけど、言わずもがな、あーちゃんの時とバンホーさん達竜人達の先祖達を助けた事。ここにいない、あーちゃんとジャイアンもそう思うだろうし。

 

「まぁ、みんなそう言ってくれると思ってた。ってそろそろ帰らないとみんなの親が怒るから、昨日に戻るよ!」

 

ドラえもんは早速、特時を使おうとしていた。ドラえもんにはなぜ無いかって?ドラえもんはこの時代に来た本来の目的は僕の未来を変えることだよ?今じゃそんな事忘れてたけど。

 

「「もう使おうとしてるんかい!?」」

 

『ははは…』

 

「じゃあ、もう、お別れなのね?」

 

「違いますよ?ソフィアさん。」

 

「え?」

 

「確かに僕らは過去に戻るけど、今日になれば、この時間軸にも僕達がきっといます。それは確かにこの交流した僕達じゃないのかもしれない。けど!それでも僕達は変わらないです!」

 

ドラえもんはソフィアさんに向けてそう説明した。めっちゃくちゃややこしいけどね?

 

「じゃあ明日もあの町に行けば、のび太君やドラちゃん達に会えるのね?」

 

「はい!少しややこしいですけど!」

 

「…わかったわ。一時のお別れね?」

 

ソフィアさんは少し涙を流していた。いくら会えるからって、そこにいるのはここにいる僕らじゃない…昨日に戻って今日になって、それ以降に会うソフィアさんも今ここにいるソフィアさんじゃない。でも僕は、どんなソフィアさんでもまた仲良く慣れる気がする。だから僕はこう言う

 

「ソフィアさん。前にも言ったけど、あなたはとてもいい女王になれるから、だから僕らはそれを見るのは別のソフィアさんだけど。この時間軸の僕らに見せてあげて、その栄光なる姿をさ!」

 

「のび太君…ええ!やってみせるわ!この時間軸にいるのび太君や和人にも必ず会う。だってもう、婚約しちゃったし♪」

 

あぁ…忘れていた事を…

 

「でもいいの?この時間軸ののっくんはあなたの好きなのっくんじゃないわよ?」

 

あれ?美夜子さん。結構攻撃的じゃない?どうしたんだろう?

 

「私はどの時間軸であっても、のび太君の事を愛しているわ。これからもずっと」

 

いやちょっと照れくさい…!?後ろからものすごい殺気を感じて見ると、直ちゃんとしずちゃんが親の仇を見るような目でこっちを見ていた…2人は攻撃的なのね!?

 

「そう、じゃあこれからもずっとライバルね。」

 

「ええ。そのつもりよ?」

 

あっ、美夜子さん好戦的だったわ。だってまた2人の間に吹雪が吹いちゃってるもん。やだぁもう帰りたい。現実逃避をすんな?だからさせてよぉ。

 

「じゃあまた明日会いましょ!」

 

そう言って、ソフィアさんは僕に近づいて来た。どうしたんだろう?

 

「ずっとずっと、愛しているわ。ちゅ」

 

「!?」

 

「あ!?」

 

「ちょ!?」

 

「もう!?」

 

耳元でそう囁かれ、ほっぺにキスをされた。いやこれ以上ないほどに恥ずかしんだけど!?女性陣が1番反応しちゃってるし!?

 

「ほうほう!罪作りな男だ。」

 

「でぃししし!のび太くん頑張って〜」

 

「のび太…殺す殺す殺すetc」

 

2人は当然の反応として、スネ夫がもう原型を留めていない程の呪詛を僕に言っていた。やめてくれる!?

 

「ふふ!じゃあまた会いましょう!みんな!」

 

ソフィアさんは、この状況楽しんだ上で僕達に最後の挨拶をした。これで最後じゃないとわかってるけどね

 

「うん!また会おう!ソフィアさん!」

 

「さっきのは許さないけど!また会いましょう!」

 

「そうだよ!でもソフィアさんはきっといい女王になれるよ!」

 

「私もそう思う!じゃあね!ソフィアさん!」

 

「また会おう。ソフィアさん。」

 

「僕も同じく!」

 

「うん!あとこれだけ言いわせて!」

 

僕らがそれぞれソフィアさんに言った後にドラえもんが切り出した。なんだろう?

 

「ソフィアさん達人魚族の伝説は、これから先も続いていくよ!きっと!」

 

「ドラちゃん…ありがとう…頑張るわ!」

 

「さようならは、別れの言葉じゃないから…また会う約束だからね。」

 

ソフィアさんはドラえもんの言葉を聞いて、涙ながらにそう言っていた。僕もドラえもんのあとにソフィアさんに語った。いくら違う時間軸だとしても僕達はまた会うから。タイムマシンに乗った。こうして僕達の人魚大海戦の物語は終幕した。だけど。ヴァサゴが言っていた事…僕の時代には初代ヴァサゴ・カザルスがいる事。何代目か分からないヴァサゴが僕と会う事も。いつの日か現れるって言ってたしね。それだけは、考えていこうと、僕達は誓った



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第30話のび太は師匠との時間、静香は武術の時間。

のび太と山本武の会話、しずちゃんの武術、和人の心情、直葉の問題の話になります!

視点は、明日奈、ジャイアン以外ののび太、しずちゃん、和人、直葉、のび太の順になります!


ーー2018年8月21日ーー

 

僕達は戻ってきた。みんなはそれぞれ帰って行った。今頃この時間軸の僕達はソフィアさんと海に行ってるはず…まぁ、気にしないでいいか。僕は時雨金時を師匠に返す為に並盛町に来ていた。ここは師匠が住んでいる町で風紀財団という財団が守っている。まぁ、師匠はその財団所属じゃないんだけど。

 

「っていうか、今日借りたのに。すぐに返すと怪し…まれるわけないか師匠だしね。」

 

「…のび太」

 

「え?…あっ。恭奈!?」

 

後ろを振り向くとさっき言った風紀財団の総帥でもあり、師匠と同じくある組織の幹部でもある雲雀恭弥さんの妹で雲雀恭奈(ゆきな)僕とは2歳年上の中学。あとタメ語なのは堅いのは嫌いだからと、恭奈本人から言われたから。

 

「今日こそは咬み殺すよ」

 

恭奈は、前に僕と戦った時があり、僕は偶然にも勝ってしまった。それ以来恭奈は僕がこの街に来る度にこうトンファーを構えて来るんだ。兄である恭弥さんの英才教育により強くなっている。

 

「今は急用があるから!!」

 

「そんなの知らないから!」

 

僕は、逃げながらもそう言ったが戦闘狂である恭奈が聞くはずもなく、さらにスピードを上げてきた。ちょ、待って!?恭奈と僕の地獄の鬼ごっこはさらに続いた。いやいや!?こんな事してる場合じゃないのに!?

 

「ちょっと待ってくれよ。雲雀」

 

そんな時に、低い声と影が見えた。恭奈はその影を睨みつけていた。

 

「山本武?邪魔をしないで」

 

「そいつは俺の弟子だしな」

 

「ふん。…また会おうのび太」

 

「あっ、うん」

 

その影は、僕の師匠である山本武さんだった。恭奈は業が冷めたのか。どこかへと去っていた。ふぅ…何とかなったかぁ。まぁ…その場しのぎか、僕は並盛町の師匠の道場に来ていた。

 

「さってと、お前どうしたんだ?もう用事は終わったのか」

 

「はいっ!だから師匠に時雨金時を返しに!」

 

「そっか…いや、もうそいつは返さなくていいぞ?」

 

「え?」

 

「ツナがな。ボンゴレを解体した。」

 

「ボンゴレを!?」

 

ボンゴレ…それはイタリアにある最大のマフィアで師匠達は10年前にそのマフィアに所属した。それからボスであるツナさん…沢田綱吉さんはボンゴレの業を嫌い、ボンゴレを壊すって宣言したのだ。それが10年前の話。ツナさんの家庭教師であるリボーンさんは、その意気込みを聞いてネオボンゴレにさせるつもりだったらしいけど。なんでここまで知ってるかって?ツナさんが僕に教えてくれたんだ。

 

「ツナと獄寺は向こうに残って反対派の残党を片付けるそうだ。」

 

「そうなんだ。ヴァリアーとかはどうなるの?」

 

ヴァリアーはボンゴレの最強の暗殺部隊でその人達とも一応会ったことがある。まぁ…師匠の師匠、自称王子、元最強の赤ん坊の1人だけなんだけどね。

 

「ヴァリアーは、ミルフィオーレファミリーに入るそうだ。」

 

「白蘭の下るわけ?」

 

「直属はユニだそうだ。」

 

「そっか、師匠は、もう剣術やめちゃうの?」

 

「俺はあいつらを守る為に、剣の道に入ったからな。…ボンゴレがなくなったら辞めるつもりだった。時雨蒼燕流は六の型と守式奥義と最終奥義以外をお前に教えたのも、そのためだった…悪いな小5のお前に押し付けた感じで」

 

師匠は少し切なそうな顔をして言ってきた。わかってたよ師匠。でも5年前に押しかけたのは僕だし。師匠の事情を聞いたのも僕だからね。

 

「そんなに気にしないでよ。師匠。押しかけたのは僕だし。」

 

「ハッハッハ!確かにな。お前が来た時はびっくりしたもんだ。5歳でここに来て、強くしてください!って言われた時は…当時のランボを思い出したくらいだ。」

 

「ランボも5歳で暗殺者だったらしいしね。それに来たのは強くなりたかったからね。まぁ去年は来れなかったけど…本当にあの時はごめんね。」

 

「和人が居なくなってたんだ。挫折くらい誰だってあるもんなのな。それに前にも言った通りにこの剣の道は邪道でもある。時雨蒼燕流は殺しの剣術だ。やめたっていいんだ。」

 

確かに今の世の中は、殺しの剣術は必要ないのかもしれない。でも万が一、ヴァサゴみたいな者がやつが現れたらと思うとやっぱりこの剣術が必要かもしれないし。

 

「やめないよ。…また事件が起きてたんだ。」

 

僕は、師匠に事のあらましを全て教えた、カシバルさんの事も含めて。ピー助の事も、魔法の世界の事もそれに地下世界の事だって、師匠には教えている。まぁ、師匠に話しても誰も話さないってわかってるからね。

 

「あぁーっと…お前も、色々大変だな?ドラえもんが現れてからの8ヶ月間も色んな事件に巻き込まれて、俺達もそうだったなぁ。」

 

師匠は昔を思い出すように、言っていた。まぁ、師匠達、ボンゴレファミリーも何かの事件に巻き込まれたみたいだし。僕が生まれた時の事だから師匠から聞いた時嘘だって笑ってたけど。今じゃ僕が嘘みたいな冒険しちゃってるから、もう笑えないよなぁ。

 

「10年後の俺はお前を見つけられなかったみたいだけどな?俺はお前を見つけて良かったと思ってる。」

 

「僕も師匠に押しかけて良かったと思ってるよ!」

 

「ハッハッハ!言えてるな!……お前もとうとう人の死を見たんだな。」

 

「…人が死ぬ瞬間を見るのは辛かったし。その殺したやつも憎んだよ…。」

 

「…だけどお前は殺さずにそいつを生け捕りにした。…俺とは違ってな」

 

師匠は、自分の手を見ながら、言っていた。…ボンゴレに所属してから汚れ仕事をしていたと聞くし…。そして師匠は徐に立ち上がった。

 

「さってと、さっきも言ったが時雨金時はお前に授ける。弟子をとるかはお前次第だがなぁ。」

 

師匠は笑顔でそう言ってくれた。弟子かぁ。時雨蒼燕流って奥が深いから楽しいけど…僕や師匠みたいな事件に巻き込まれるならともかく、この先大きな事件も起きないだろうしなぁ。ていうか僕の行く先々で事件が起きてるし。そんな事起こるわけないかぁ。

 

「それと守式奥義と最終奥義も教えとくな。」

 

「…もう今さらじゃない?」

 

「ハッハッハ。そう言うなってこの奥義2つはツナから止められてたんだよ。」

 

「ツナさんに?」

 

「ああ。お前には身が持たないってさ。成長期の体を痛めつけたくないそうだ。」

 

ツナさんが言いそうな事だなぁ。ツナさんや師匠達ボンゴレ10代目ファミリーは何かと僕を良くしてくれた。隼人さんは、よく師匠と僕の事で喧嘩してたっけ。雲雀さんは…恭奈を押し付けられた。結果があれだけど、了平さんからはボクシングを勧められたなぁ…断ったけど。凪姉からは、特に気に入られたみたいでよく遊びに連れて行ってくれた。…それとしずちゃんと直ちゃんに会った時は何か話していたけど、教えてくんなかった。骸さんからは、幻術を教えてもらったけど、覚えられなかった。向いてなかったみたい。時雨蒼燕流があるし幻術は使えなくても良かったしね。ランボは…ノーコメント。

 

「…それでも僕は教えて欲しい。」

 

「まぁ…お前ならそう言うと思ったよ。…本当にこの2つと五月雨の舞は危険だ。使う時は危機的状況になった時だからな。」

 

師匠は念押しをしながら、僕にそう言った。…わかってる。師匠。五月雨の舞を使った時も身体が思うように動かなかったのも、反動によるものだしね。ヴァサゴに肩を傷つけられたくらいであんなに体力が落ちたのはそのため。

 

「わかってる。」

 

「なら…今から教えるぞ。守式奥義…村ノ時雨。最終奥義…凍てつきの雨。今からするから金時を」

 

僕は師匠に言われ、時雨金時を渡した。そして師匠は、2つの奥義を見せてくれた。

 

「まぁ…こんな感じだ。」

 

「…何かキツそう。」

 

「…やっぱお前がもう少し成長してからでいいか。」

 

「…そうしてください。」

 

2つの奥義は今の僕には耐えられないかもしれない。それにもし覚えたとしても、身体がぶっ壊れるし。

 

「まぁ…お前の身体ができてから、…そうだな3年後くらいだな」

 

「日本にいるの?その時。」

 

「当分は日本のプロリーグでやってくつもりだしな。メジャーに誘われてたけど、蹴るつもりだしな。」

 

「でも。」

 

せっかくのメジャーを蹴ってまで僕の稽古をつけるのはちょっと気が引ける。師匠の野球の才能は日本のプロリーグを超えてるって、テレビで言われてるし。いいのかなぁ。

 

「はは!気にすんな!お前が気落ちする必要はねぇって。」

 

師匠は、あっけらかんとした声音で僕に言った。えぇ…何か見透かされてる?まぁ…

 

「…師匠がそう言うならいいけど。」

 

「おう!時折こっち来いよ。offん時はだいたい暇だしな。」

 

「うん。わかってる。…あ!じゃあさ!ドラえもんの誕生日が9月3日なんだ!師匠も来てやってよ!」

 

「おお!行かせてもらうわ!そん時はツナ達も残党を片付けて、日本に戻ってくるかもしんねーし、あいつらも連れてな!」

 

師匠は、僕の誘いに二つ返事でOKしてくれた。そして僕の頭を撫でてくれた。僕はこの手が大好きだ。この手には野球に、仲間を守る為の剣技をしてきた。この手が…。それとこの感じだと師匠は僕に総てを教えた後に剣術を辞めるつもりだ。何百年も続いたボンゴレをツナさんが解体し、完全に無くしたからだ。これからは僕に剣術を教えながら、野球を続けていく。

 

「師匠!楽しみに待っててね!」

 

「おう!」

 

ーーーーーーー

 

うちは、のっちゃん達と別れて、うちが通う道場の前にいた。ここはうちの師匠の道場。

 

「うっし、今日も行きますか!」

 

うちはそう言ってから、道場に入ったら師匠が座禅を組んでいた。あれ?師匠ってこんな感じじゃなかったはずだけど。

 

「師匠?」

 

「…グゥ」

 

「寝てるだけか。」

 

うちが声をかけると、寝息が聞こえた。座禅を組んでいたと思ったら寝ていた。はぁ、まぁこの人って寝ながら物食ってるしなぁ。

 

「師匠!」

 

「んあ…?…静香か?」

 

師匠は目を覚まして、後ろを振り返らずにうちだとわかり、そう言ってきた。師匠は見聞色の覇気という特殊能力を持っており気配などを探り当てる。これは誰でも発現出来るというらしいけど、うちはまだそれを発現できていないが、他の物は使える。

 

「そ!師匠!今日も武術の稽古お願い!」

 

「お前…バイオリンの稽古はいいのかよ?お前下手なのに」

 

「ほんっとに、師匠ってば失礼だよね〜!」

 

師匠は、デリカシーの欠片もない。まぁいい人ではあるんだけどそこの所は本当に直して欲しい…まぁ、言っても聞かないし、無邪気な子供をそのまま成長させたような性格だしね。はぁ…まぁいいか。

 

「ほんじゃ!始めるか!」

 

師匠は、立ち上がってそう言った。師匠は生き生きとした顔で。

 

「うん!…ってあ!今日も話聞く?」

 

「お!?のび太達と言ってる不思議な事だな!聞かせてくれよ!!どんな冒険をして来たんだ!」

 

うちがそう言うと師匠は、さらにキラキラした顔をして聞いてきた。ほんとに17歳とは思えないくらい子供みたいなんだから、まぁ…こんな師匠だから尊敬もできるんだけどね。あっ、紹介してなかったね。この人は猿山琉歩李(さるやまるふい)、あだ名はルフィ。武術、御無龍拳(ごむりゅうけん)の使い手で、ここの師範代…って言ってももう弟子はうちだけだけどね。御無龍拳の使い手である師匠は体質がゴムみたいになっている。何か小さな頃に変な味のした実を食ってからそうなったみたいなんだ。師匠らしいというかなんと言うか、残念ながらうちはそんな体質じゃない。まぁそんな体質の人が2人居たらそれこそびっくりものだけど。他にも武術を心得ているからうちはそっちを習っている。うちはさっきあった事を師匠に話した。

 

「やっぱ、のび太の周りじゃあ!すげえ事になってるよな!俺もついて行きてぇ!」

 

「師匠が行ったら、すぐに力でねじ伏せようとするじゃん」

 

「殴れば、万事解決だろ?」

 

「はぁ…師匠はすぐそれなんだから、じゃあ始めよ!」

 

「なぁんでお前が決めてんだよぉ。」

 

うちがそう言うと何故かぶすくれた。もう本当に子供なんだから。

 

「そんな事言うとビビ姉とナミ姉に言いつけるよ?」

 

「げぇ!それはやめてくれよ!あいつら怒るとこえーんだからよぉ!」

 

ビビ姉…基荒川美弥(あらかわびび)、ナミ姉…基麗美七海(うるみなみ)は師匠の幼馴染でいつも師匠の暴走を止めている。ビビ姉は名字からわかるように瑠奈のお姉ちゃんでもある。2人は本当に怒ると怖いけどさ。でもうちには優しくしてくれる。今は他の人達とどこかへ出かけているようだ。

 

「ほんじゃあ…やるか!魚人空手!」

 

師匠は拳を合わせ、そう言った。御無龍拳の他に教えて貰ってるのは、魚人空手という物。全体的なスタイルは空手に似てるけど、水中で使用しても威力が減衰しないという性質があって、技によってはむしろ強化される場合もあるらしい。何であそこで使わなかったのは、ほぼ牢屋にいたし、のっちゃんと違って1体1の戦いがなかったし、あっという間に戦況が変わったから、使う場面がなかったしね。

 

「今日は甚兵衛(じんべえ)の技にするぞ!これは…」

 

今日の武術の稽古も厳しくなりそう。だけどうちはこんな事でめげないよ!強くなりたいと思ったのはうちの意思だし!バイオリンの稽古とか勉強も頑張るけどね。師匠の指南は今宵も続いていく。




雷神「よし、久々のオリジナル話!」

銀「前回詰め込みすぎたんだよ。」

雷神「今回も詰め込んだけどね。」

明「多重クロスタグもつけないとね」

雷神「そのつもり」

銀「…しかしまぁ…和人の師匠ってのは…」

雷神「あぁー!よし次回もお楽しみに!!」

銀「…あからさまな誤魔化し方だな。」


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第31話和人の心情。直葉の問題

視点は和人、直葉です


 

 

のび太達と別れて家に帰ってきていた。部屋に戻り俺は、ゲーム雑誌を読んだ、この雑誌は色々な開発者から聞いた物を書いてる。ある記事にはポケモ○の最新作や数年前に終わったと思ったドラゴンクエストモンスターズジョーカーの続編が出たとか。どれも面白そうなものだ。ページを進めていくとある名前を見つけた。

 

ーー茅場晶彦。

 

量子物理学者、天才的ゲームデザイナーとして知られ、確か2年前にナーヴギアを発売した、俺はそれをいの一番で買った。のび太は2年分のお小遣いを前借りして、買ってもらったらしく、すごく落ち込んでいたが…。それから後に2022年あるゲームを開発し、発売すると言っていた、茅場晶彦はVR技術者の最先端にいる存在でもある。だからこそゲーマー達は歓喜した。ドラえもんから前に聞いたことがある。22世紀のVR技術は、全て茅場晶彦の技術の賜物らしい。それを聞いてやっぱり俺は茅場晶彦の事を尊敬した。それとメディア嫌いで有名で記者の必死な懇願によって叶えられた唯一の質問に答えたのが、この雑誌だ。写真も載ってある。俺もそのゲーム欲しいと思う。

 

「ドラえもんには22世紀のVRのゲームは、まだ買ってないから無理だって言ってたしな。」

 

ナーヴギアを発端に22世紀の技術に追いつくんだろうか。まぁ…それは技術者の仕事だしな。俺達はその時は生きてないだろうし、未来に行けば見れるかもしれんが…

 

「俺にはそんなのよりのび太が大切だな。」

 

俺は去年、何回も言うが家族が義理の家族と聞いた瞬間にのび太を置いて、俺はこの町を出ていった。のび太はそれが発端で、明日奈のトラウマを呼び起こして家に引き込んだ。のび太の心には深い闇があったことを、俺は知っていたはずなのにのび太を間接的に傷つけてしまった。だから俺はのび太を1人になんてさせない。今回は特に戦闘面ではのび太に頼りっぱなしだった。そのためには…。

 

「俺も剣道を再開しないとな。」

 

俺の母…桐ヶ谷翠の父で俺の祖父は剣道の師範をやっていた。その名残りでこの家には道場がある。スグもそこで練習をしているが、だいたいは、練馬区の他の道場に行っている。俺はココ最近剣道をやれていなかったし。いい機会かもしれないな。

 

「…スグに頼むか?」

 

いや、兄である俺が妹に頼るのは何か違うと思うし。のび太の師匠である武さんにも頼るのも違うと思う。…待てよ?

 

「あの人なら…教えてくれるかもしれない。」

 

俺は置いていたスマホを、手に持ってある人への電話番号にかけた。…2年ぶりにする気がする。

 

『もしもし?…久々の電話じゃないか?…カズ。』

 

「…お久しぶりです…。

 

 

 

 

 

“師匠”」

 

 

 

俺は“師匠”にまた指南してほしいと、頼み込んだ。結果は、前より厳しくするという条件だけだった。あの人はこのご時世に何でも屋をやっている。探偵ではないが。剣術は武さんと引けを取らないほどに強い。いつもだらけているがやる時はやる人だ。俺はこの人により、のび太と背を預けながら、戦えると思いながら電話を切って、師匠がいる…“歌舞伎町”へと向かった。

 

 

ーーーーーーー

 

「スグ…歌舞伎町に行ってくる。」

 

「はーい!行ってらっしゃい」

 

お兄ちゃんはそう言って、出ていった。歌舞伎町…って事は2年ぶりにあの人の元に行くんだろうなぁ。のび兄達と別れてからあたしは日課である竹刀をふっていた。…まぁ…もう20回は素振りをしてるからもう辞めるつもりだけど。

 

「ふ…こんくらいでいいか。」

 

あたしは竹刀を置いてから支度をしてから、家から出た。のび兄やしず姉はそれぞれ師匠の元に向かったし。お兄ちゃんも今出てったし。美夜子さんもあのままどこかへ向かって行った。ドラちゃんはデートらしい。スネ夫くん?さぁ?

 

「何か1人で街歩くのも久々だなぁ。」

 

最近は、みんながいたし、なんだか久々。あたし昨日…いや今日?ほんとにややこしい…まぁいいか。とりあえず今日行った商店街にまた行こうと思い商店街に向かった。

 

「あ!直葉ちゃん!」

 

何か色々な物が売ってる。あっ、これしず姉が前に言ってたキャラクターだ。本当にぶすくれた顔だなぁ。

 

「ちょ!直葉ちゃん!?」

 

それにしても暑いなぁ。さっきまで海の中にいたから、今日の気温が32度って知らなかったし。

 

「すg…桐ヶ谷さん!」

 

「…なに?」

 

さっきから名前で呼んできたから無視してたけど、名字で呼んできたから答えた。本当は名字で呼ばれても嫌なんだけど…ていうか。

 

「話しかけないでって言ったはずだけど?」

 

「えぇ!酷いなぁ。僕は、君の為を思って言ってるのにさ!」

 

この人とは話したくなかった。だってこの人は…

 

「のび太が今いないのも何かの好機!だからさ!あんな人と遊ばずに僕と遊ぼうよ!」

 

“のび兄を悪く言うから”…だからあたしはこの人の事が大嫌い。あたしが誰と遊ぼうがこの人には関係ない。ただ同じ道場にいるだけの人。それなのにこの人は何かとのび兄をバカにしてる。スネ夫くんもバカにはしてるけど、しず姉に痛めつけられてるから、一緒に冒険した仲間という事で一応は認めてる。でもこの人はしず姉やみんながいる所では何も言わないが、あたしが1人でいるとこうしてくる。ほんとにせこい。

 

「…あたしが1人でいる所をいい事にそういうことばかり言っちゃって、弱虫だよね。直樹くん」

 

「ははは!なんとでも言いなよ!直葉ちゃんも僕の事名字で呼んでないで、名前で呼んでよ!」

 

「やだ」

 

「強情だなぁ!さぁ!じゃあ何をして遊ぼうか!」

 

「何勝手に決めてんの?」

 

「だって今あの人いないでしょ!さ!遊ぶよ!」

 

本当に勝手…ていうか声大きいんだけど。…きっとこの人はそうやってあたしを無理にでも連れていくつもりだ。おいそれと行くつもりはないけど、この人はあたしの腕を捕まえていて、動かないし。妙に力を入れてるから振り払えもしない。

 

「…行かないって!言ってんでしょ!」

 

「そんな照れなくてもいいって!」

 

照れてないし、あんたなんかに照れるか!もう誰でも…ってダメだ。周りの人達関わらないように通り過ぎてる。…もうこのまま連れていかれるのかな…あたしが諦めかけていたその時だった。

 

「なにしてんの?」

 

声が聞こえ、後ろを振り返ったら、そこには、王子様(ヒーロー)がいた。

 

「ち!何でここにいやがる!!野比のび太!!」

 

「だってここは僕の街でもあるんだし。いるでしょ。隣街から帰ってきた所…それで?直ちゃんに何してるの?」

 

「お前みたいな弱虫に言えないね!」

 

「あたしを無理やり連れて行こうとしてる。」

 

あたしは正直に言った。本当の事だし。こいつは驚きを隠せないようにこっちを見てきた。本当に気持ち悪い。ていうか早く腕を話して欲しい。

 

「…桐ヶ谷直葉が野比のび太を好きになってんだよ…これは俺の物語じゃねぇのかよ。」

 

こいつは何やらブツブツ言ってるけど、何言ってるか分からない。

 

「いい加減に直ちゃんを離しなよ。」

 

「へ!お前みたいな弱虫に…ひぃ!?」

 

直樹くんが何かをまた言おうとしたら、のび兄は時雨金時(竹刀ver.)を顔寸前まで押し付けた。

 

「何で…何でてめぇが!!時雨金時持ってんだよ!?」

 

直樹くんは時雨金時を指を指しながらそう言った。…あれ?のび兄って時雨金時の事あたしたちにしか教えてなかった気がするけど。

 

「逆に何で君がこれを知ってるわけ?」

 

「…言うわけねぇだろうが!!」

 

ていうかいつの間にか、丁寧な口調が荒くなってる。それにしても、あたしらが知ってる事を何でこの人は知ってる?そういえば、剣道場に初めて来た時もあたしを見て、名前を叫んでいた。来たばっかりのあたしの名前をだよ?あの時から、何かと突っかかってきてた。

 

「はぁ…とりあえず直ちゃんの手を離して。」

 

「直葉ちゃんは俺のヒロインなんだよ!!出来損ないののび太がでしゃばってんじゃねーよ!?」

 

ヒロインって何?いやいや気持ち悪すぎでしょ。自分が主人公気取りなわけ?ていうかのび兄は出来損ないなんかじゃないんだけど。

 

「…僕を悪く言うのは構わないけどね。…直葉ちゃんを物みたいな言い方は許さない。」

 

「へ!運動神経皆無のお前に何ができるってんだ!いいぜ!公園に行ってけちょんけちょんしてやるよ!」

 

そう言って、直樹くんは私の腕を離して、走って行った。

 

「ねぇ…のび兄…大丈夫?」

 

「任せときなって。直ちゃんは見守ってて、あいつはちょっと僕が懲らしめるから。」

 

…ちょっとじゃない気がしてくる。だって目が笑ってないし、今にでも喰い殺しそうな獣の目に似てるし。…ものすごく怒ってるな。まぁ、あいつがいきなりあいつを物扱いしたのとさんざんバカにされてたかもしれないけど。

 

「ほどほどにね?」

 

「わかってるって。」

 

…本当に大丈夫?のび兄本気出したら、しず姉以上に強いのに…直樹くんはそれを見たことないし。分かるわけないか。教えたとしても信じないだろうし。そう思いながら、あたしとのび兄は直樹くんが行ったであろう近くの公園に向かった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「逃げずにきたな!!!今日こそは直葉ちゃんは俺の物にしてやるよ!」

 

「…ほどほどに出来ないかも」

 

のび兄はあたしに向かって、そう言った。今の言葉を聞いてあたしもあいつがもうどうなってもいいと思った。ていうかとうとう一人称まで変わってんだけど?なんなのあいつ。

 

「時雨金時っぽいのを出して、早く前に出ろや!」

 

「口調が変わってるよ?」

 

とうとう口調まで変わった。何この数分で性格自体変わってる。時雨金時っぽいのをって、だから何で時雨金時を知ってるの?

 

「剣道でいいわけ?」

 

「それ以外ねぇだろうがよ!!」

 

「じゃあ行くよ。」

 

「来いや!!って待てや!!何で時雨金時じゃねーんだよ!」

 

のび兄は、時雨金時…じゃない普通の竹刀を手に持って、前に出た。いやいや時雨金時を使ったらあんたの頭なんか、かち割れるって、さすがののび兄でもそこはわきまえるって。怒ってるけど。

 

「いいから来なよ。僕より強いんだろ?」

 

「いいぜ!行ってやるよ!!おりゃ!!」

 

直樹くんは、真っ先にのび兄の懐に向かって竹刀をふったが、のび兄はそれを避けた。

 

「避けんなや!!てかなんで俺の動きを見切れてんだよ!!」

 

「何言ってんの?のび兄だって剣術やってんだから、胴狙われたら避けるでしょ」

 

時雨蒼燕流も殺しの剣術だとしても、元は剣道だし。

 

「俺の知ってるのび太はな!何もできやしねぇ。0点ばっか取ってドラえもんに泣きつく臆病者なんだよ!!」

 

…何でドラちゃんの事まで?あたしそんな事教えたつもりないんだけど。0点ばっか取ってないし。何言ってんの?俺の知ってるのび太って…前から知ってるような事言ってる。

 

「君が僕の何を知ってようと、0点も取ってないし。ドラえもんに泣きついた事は無いよ。…君は一体何者なんだ?」

 

「教えるとでも思うか!!本気を見せてやるよ!!」

 

直樹くんは、持っていた竹刀を投げ捨てた。なに?次は拳って事?…と思ったら謎のベルトを出した。…あれって…

 

「ライダーベルト?」

 

あたしも時々見てる仮面ライダーのベルト。あれは…10年前に放送されてた仮面ライダー電王のベルト?

 

「何でそれを知ってるかは知らねぇが!これで俺はお前より強い!変身!」

 

ベルトを巻き付けた直樹くんは、ライダーパスをベルトにつけてからそれを投げ捨て、こう言った。

 

「俺、参上!」

 

ってあれ本物!?紛い物かと思った!?何であんなもの持ってんの!?

 

「何でライダーの力を!?」

 

「死に行くお前は知らなくてもいいだろうが!!!」

 

そう言って、またのび兄の元に走っていった。変身した分スピード上がってる。けど…

 

「何で!これでも!当たんねーんだよ!!」

 

「師匠よりか遅い」

 

…仮面ライダーを翻弄してるのび兄の光景ってすごくシュールなんだけど。何であいつは仮面ライダーの力を?道場にいる時はあんなの見なかったけど。

 

「お前は!!よえーはずだ!!」

 

「だから君の知ってる僕は弱いかもしれないけどさ。僕は鍛錬もしてるし。勉強もしてるんだから」

 

「…あのクソ神。チートのび太がいるなんて聞いてねぇぞ。せっかくSAOの世界に来たのにドラえもんキャラに加えて、リボーンキャラまで居るなんてよ…」

 

また直樹くんが独り言を言ってる…SAO?ドラえもんキャラにリボーンキャラ?何言ってんの?まるで私達がアニメの登場人物みたいなこと言ってるけど。…考えてもわかんないしなぁ。それでも直樹くんの攻撃はのび兄には当たらなかった。のび兄が完全に見切ってるから当てようにも当てられないんだ。

 

「くそ!!もういい!これで決着をつけてやる!!」

 

直樹くんは1度下がった…って事は…

 

「行くぜ!俺の必殺技!」

 

「はぁ…やっぱりそれなのね。僕も殺r…やるか」

 

直樹くんは、必殺技の構えをとった。のび兄も竹刀を構えた。って殺るって言いかけたでしょ!?のび兄!あ!いつの間に普通のしないから時雨金時になって刀になってる!?少し本気出てるし!?

 

「Part2!!」

 

鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)。」

 

2人の剣がぶつかって、砂埃が舞った。どうなったの!?

 

「ガハ!?何で…てめぇが…その技…を…!?」

 

そう言いながら、直樹くんは倒れた。…何とかなったのかな。のび兄の顔は見えなかった、直樹くんと何かを話していたが、直樹くんがバカ笑いをした瞬間に今度こそ、気絶させた。意外とえぐい。

 

「……菜江ちゃん達に伝えるか。」

 

のび兄は何かを喋ったけど、上手く聞こえなかった。のび兄はスマホを持ち、電話をしてから切ってあたしの所に来た。

 

「じゃあ帰ろっか?」

 

「え?あっ、うん。いいの?あれ?」

 

「いいのいいの。もう伝えたし。」

 

「誰に?ってあ!」

 

あたしは聞こうとしたけど、のび兄は私の手を引いてから家の方へと歩いた。…やっぱりのび兄の手は安心できるなぁ。あいつとは大違い。こうして、直樹くんに絡まれたあたしはのび兄助けられて、家に帰るのであった。

 

 

ーーーーーーー

 

僕は直樹くんに話しかけた。

 

「さっきも言ったけど。君は一体何者なんだ。」

 

「はぁ…はぁ。俺は…転生者だ。」

 

「転生者?よく小説とかで出てくるあの?」

 

「そうだ。俺は直葉ちゃんが出てる小説の世界に行きたいとくそ神に頼んだ!俺は直葉ちゃんや明日奈が好きだからな!だから俺はこの世界に来て、あいつの変わりにあの二人の物にするつもりだったんでな!ハッハッハ!」

 

「もう黙れ」

 

「ぐへぁ!?」

 

こいつは、転生者だと言った。小説やアニメでよく見るあの…何が起きてるのか分からないけど。とりあえずは、タイムパトロールである菜江ちゃんに電話をした。菜江ちゃんは電話に出た時に驚いていた。僕が菜江ちゃん達がタイムパトロール隊って知ってる事知らなかったし。特別時航法の事も知らなかったはずだしね。僕は菜江ちゃんに諸々説明してから電話を切って、直ちゃんの手を取ってから、家へと向かった。

 

「直ちゃんは先に帰ってて」

 

僕はあと少しで家に着く前に直ちゃんにそう伝えた。

 

「何で?」

 

「ちょっと用事を思い出しただけだよ。美夜子さんやドラえもんに聞かれたらそう言っといて!じゃ!」

 

「ちょ!のび兄!?」

 

僕は半ば強引に、そう告げてから、さっきの場所に戻った。そこにはもう菜江ちゃんがいた。あれ?1人?

 

「菜江ちゃん。」

 

僕が菜江ちゃんを呼ぶと、菜江ちゃんは振り返った。そして苦笑いをしていた。

 

「本当にのびたん知ってたんだ。」

 

「まぁね。今の僕は明日の時間軸の僕だけど、明日になれば隊長さんから色々な事言われると思うから。」

 

「もう知ってるよ?」

 

キョトンとしながら菜江ちゃんは言ってきた…それもそうか。

 

「…ははは。タイムパトロール隊だしもう、出回ってるか。」

 

「いや、さっき電話された時に隊長に聞いたら聞かされた。まぁ…私達がタイムパトロール隊って知ってたのびたんの事に驚いたけどね」

 

「この前美夜子さん達が裏山に行ったでしょ?その時に菜江ちゃん達を見つけた。」

 

「あっれ!?透明マントつけてた筈なのにな〜」

 

確かにあの時、姿は見えていない。でも木が少し歪んでたし。それに油断してたのか僕達が遠くに行った瞬間に透明マントを脱いでたから、直ぐにわかった。

 

「違和感かな」

 

「…メガネなのに?」

 

「…メガネをつけると視力が上がるの」

 

「はぁ…まぁ、いいか。んで?こいつが転生者ってほんと?」

 

未だに倒れてる直樹くんを指をさしながらそう聞いてきた。

 

「うん。それ言った後にゲスな事言ってたから殴っといた。」

 

「それもギリギリだからね?まぁ、いいか。とりあえず身柄は私が預かるから、ありがとね。のびたん」

 

彼女はそう言ってから、直樹くんを担いでから時空間の穴に入った。きっと本部に行ったんだろうな。さてと…暗いし、もう帰るか。今日は色々あったなぁ。僕はそう思いながら家路に着いたのであった。

 



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第32話夢幻三剣士〜夢の世界〜

ドラえもんでトラウマな劇場版、大長編(ラビリンスも)と言われてる。夢幻三剣士編に突入します!
3剣士役ですが、のび太、和人、明日奈の3人になります。まだ劇中夏休みなので学校部分はカットします。ジャイアンは最初の方に出るだけで出ません。今回もこうなりました。直葉、スネ夫、美夜子さんの3人は今回はおやすみです。出てはきますが。しずちゃんはもちろん出てきます。お姫様役として。それと今回、明日奈の家の事情もピックアップしていきます。某妖精王もちゃんと会話内ですが出てきます。まだ本編には出しませんが。また長くなりそうです。あと…前半中盤は久々のギャグ回になります。人魚大海戦後編からちょっとシリアスっぽかったので…明日奈がある事で暴走します。


視点はのび太、明日奈、和人、のび太です。


ーー2018年8月25日ーー

 

ソフィアさんとの一時の別れ、直樹くんの直ちゃん連れ出し事件から4日たった8月25日。夏休みも終わりに近づいていて僕は夢を見ていた。ドラえもんが来た日に見た夢じゃなくて、紅い月が目の前にある…囚われの身になったある人たちを救うためにというちょっとどこかで体験したようなそんな夢。僕の他にいるのはジャイアンとスネ夫、ドラえもんの3人。他のメンバーはいないみたいだった。

 

「帰ろう!元々無理な冒険だったんだよ!帰ろう!」

 

「はぁ…僕は反対だね。そんなに簡単には引き下がれないよ。」

 

僕は強気で2人に言ったが、ジャイアンとスネ夫は少し怒った表情でこちらを振り向いた。

 

「なにぃ?」

 

「のび太のくせに生意気だぞ!」

 

「俺たち4人で何ができるっつーんだ!」

 

ジャイアンは僕にそう言った。ジャイアンの性格は魔法の世界の性格と一緒である。毎度ながら、よくこんな夢見るもんだよ。僕は立ち上がって、ジャイアンとスネ夫に言った。

 

「僕達に何ができるかと言う前に、僕達は何をすべきか…それを考えるべきだよ!」

 

「のび太にしちゃ気の利いたセリフだ」

 

僕は2人にさらに強気で言った。ジャイアンとスネ夫は僕の凄みに驚いてる。まぁ…夢の中ジャイアン達の僕のイメージは弱い泣き虫だろうしね。だから今のセリフも言われるんだ。僕はそれを気にせずに、さらに語った。

 

「君達、この深〜い霧の底に常闇ノ城がある。しずちゃんとあーちゃんは、そこで僕達の助けを待っているんだ!」

 

そう、この冒険は常闇ノ城からしずちゃんとあーちゃんを取り返す為の冒険、だから弱気になっちゃいけないんだ。…ありふれた設定だけどね。意外と楽しいよ夢があるし…夢だけど。

 

「のび太様!」

 

「ん?どうした。ドラえもん。」

 

ドラえもんは何かに気づいた様子で下を見ていた。僕も下を見ると松明がゆらゆら揺れていた。おそらく、しずちゃんとあーちゃんを拐った魔王の軍団だろう。

 

「あんな大軍とどうやって戦うっつーんだ!」

 

ジャイアンはそう言いながら、スネ夫と奥に行ってから蹲っていた。はぁ…仕方がない。

 

「ドラえもん。」

 

「は!のび太様!」

 

僕は怯えてるジャイアンがこっちを見てないかを確認してから、変身をした…よくある変身物のになる夢。我ながら、すごい夢を見るもんだ。変身した姿は仮面ライダービルド。謎の正義の味方(ヒーロー)…という設定だ。ドラえもんはドライオンというそのビルドの相棒のドラゴンになってる。見た目は耳があってドラゴン特有の体格だけど、何故か小さいまま、何か哀れなり。

 

「はぁあああ!?謎のヒーロー仮面ライダービルドが」

 

「「どうしてここに!」」

 

「LOVE&Peaceのためっしょ!勝利の法則は決まった!」

 

ビルド見た事あるけど、桐生戦兎、佐藤太郎が混じってるような言い方になってる。僕はそう思いながらも、下を見ていた。魔王軍はどんどん近づいている。幸いな事にビルドも剣を使う…夢の中なら五月雨の舞ができるかも!よし!行くか!!

 

のび太

 

と思ったら、ノイズがかった和人の声が聞こえた…ってもうお目覚め!?まだあーちゃんとしずちゃんの姿すら見てないけど!?

 

「のび太くん。そろそろ戻らないと和人くんに叱られるよ。」

 

ドラえもんは急に素に戻ったのか立ち上がって、そう言ってきた何この夢!?…まぁ仕方がないか…途中までだけど起きるしか。僕はそう思って、夢から覚めるのであった。

 

 

ーーーーーーー

 

「ーーーーーっていう夢を見た」

 

「何故にビルドだ?」

 

「してる間に寝ないでよ。のびちゃん?まぁ、私を救ってくれる夢だったならいいけど。」

 

「おい。」

 

「面目ない。」

 

目が覚めたら、あーちゃんと和人に少し怒られた。あとあーちゃん夢では、しずちゃんもいたからね?あーちゃんは昨日親戚の家から帰って来て、いなかった間に起きたソフィアさんの事や人魚の事を話した。まぁその時美夜子さんはあの事も話したから…

 

『私がいない間にのびちゃんはそんな事してたんだぁ』

 

と目が笑ってない笑顔を出しながら言ってきた。その時は死ぬかと思ったし、怖かった。もし、あーちゃんにソフィアさんをあわせたら…美夜子さんの時以上に凄いことになりそう…それで今日2人がいるのはあと少しで終わる宿題をやるためだ。だからそれをやらずに寝た僕を少し怒ったわけ。まぁ宿題ほっぽいて、僕の悪癖がでたせいだから、受け止めたけどね。あと他のみんなは用事があるみたいでいない。ドラえもんはちゃんといるよ?

 

「夢の続きが見たいよ。」

 

「まぁ、夢は夢だしな?」

 

「のび太くん。現実を見ないとダメだよ〜」

 

「そうよ?」

 

「わかってるって〜」

 

3人から言われたので僕は宿題に集中して、残りの宿題も終わらせてから部屋で寛いでいた。今は夜10時、今日も和人とあーちゃんは泊まり、直ちゃんと美夜子さんは和人の家で2人で寝たいと言って向こうにいる。ふとやっぱりさっきの夢の続きが見たくなってしまい。横で漫画を読んでいるドラえもんに声をかけた。

 

「ねぇ…ドラえもん?夢の続きを見る機械はない?」

 

「のびちゃん!?全然わかってないじゃない!」

 

「宿題も終わったからいいじゃない〜」

 

「たっく…はぁ…まぁいいわ。」

 

あーちゃんは、諦めたように机に向かった。あーちゃんは前に言ったように私立の中学入る予定だから、僕らの何倍も勉強をしなくちゃいけない。

 

「やったね。で?ドラえもんある?そんな道具?」

 

「夢の続きが見られる道具はないけど。カセットを入れるだけで、色んな夢を見られる道具ならあるよ?」

 

「それ出して!!」

 

僕はドラえもんに聞いたその道具が早く見たくて、急かすように言った。

 

「わかった。わかったよ![気ままに夢見る機]セット〜!」

 

ドラえもんが出したのはテレビが着いた大きな機械とカセットがいっぱいある物だった

 

「なぁ。ドラえもんそれって、VRの?」

 

「そうそう!前は持ってなかったけど。一昨日買ったんだ!」

 

じゃあこれも、茅場晶彦のVR技術が発達した後の機械って事か…何かナーヴギアより大きくなったね。まぁナーヴギアはまだ専用のソフトが開発中だし、今はナーヴギアのスキャン機能を用いて仮想空間で実物と限りなく近いアバターを生成し衣装の着せ替えを行うソフトなどが販売されているしね。ドラえもんが出したこれはナーヴギアの上位互換か。もっと小さくすればよかったのに。

 

「一体どんな夢なのかしら?」

 

「あれ?勉強は?」

 

「休憩。」

 

横を見たらあーちゃんがいた。勉強は一時中断かな?…僕らが騒いでるから集中もできないか、こりゃ失敬。

 

「まぁ、とにかくこの中から選んで!」

 

僕はドラえもんに言われ、カセットを見ていた。どれもこれも面白そうなのがいっぱいで。僕としては、時雨蒼燕流の五月雨の舞が使えそうなものがないかを探していた。ふと目に映ったのは…

 

「ジュラシックプラネット?」

 

「それってジュラシックぱー「それ以上は言っちゃダメだよ!」

 

「それはいいとして、これ面白そうだね」

 

「予告編があるけど見る?」

 

「「「見る!」」」

 

ドラえもんはそのジュラシックプラネットのカセットを夢みる機の中に入れてから、スイッチを押した。映像では、鬼才スピルバーガー監督と書いていた。…例のあの人の子孫かな?ジュラシックプラネットのあらすじはこうだ。まず、少年たちの乗ったボートが小惑星にぶつかった。…って待って!

 

「何で登場人物の顔がないわけ?」

 

「あぁー。配役は見る人が好きに決めるんだよ。このキャスティングボタンで押しながら顔を思い浮かべるんだよ。」

 

「もはやなんでもありか…顔は俺、のび太、明日奈がいいんじゃないか?」

 

和人は、安易にそう言ったけど、これは少年たちの冒険だし。女の子であるあーちゃんの顔にするのは気が引ける。ていうか、それ聞いた瞬間に隣から冷気が出始めたんだけど…言わなくてもわかるだろうけど、あーちゃんがご立腹になった。

 

「和人君は私が男とでも言いたいのかな?」

 

「…じょ、冗談だって!明日奈じゃなくて、スネ夫でい、いいだろう!?」

 

和人は冷気を帯びたあーちゃんの笑顔にたじろいてからそう言った。最初から言わなければ良かったのに…そんなこんなでジュラシックプラネットの予告編を僕、和人、スネ夫の顔で見始めた。さっきの続きで、少年たちのボートは名もない惑星に不時着した。そこに待ち受けていたのは恐竜達だった…息つくまもない冒険に次ぐ冒険…という内容だった。面白そうではある…。けど、これは実体験しちゃってるからなぁ。あーちゃんは来る前だったから知らないだろうけど。何か僕の思い描いた夢とは違うなぁ。

 

「他にない?姫様を助けるのとか。」

 

「のびちゃん、姫の役はもちろん私よね?」

 

僕が言うとすかさずあーちゃんは言ってきた。いやまぁ、あーちゃんしか女の子はここにはいないから、必然的にそうなるけど。でも和人は…

 

「俺はお前の相棒の役ならなんでもいいぞ?」

 

「何で僕が考えてる事わかんの?」

 

「親友だからな。」

 

「はぁ…注文が多いんだから」

 

ドヤ顔で言われると、恥ずかしいんだけど。ドラえもんは僕らの話を聞いて少し不満を漏らしながらも、リクエストに沿った物を探してくれた。何かごめんね。

 

「じゃあ、これは{アトランチス最後の日}、伝説の大陸アトランチスが海底に沈んだ時、主人公とその相棒はお姫様を助け、やがて王国を…」

 

「「それだ!!」」

 

あーちゃんと和人はこれでもかと息の合った掛け声で言った。何でこういう時は息が合うんだよこの2人は…。ってもう布団を敷き始めた。行動早いね!?

 

「予告編見なくていいの?」

 

「「いいよ!早く!」」

 

「だからなんでそんなに息あってんの!?」

 

「あ!待って!このアンテナをおでこにつけて!3人とも同じ夢を見られるから!」

 

ドラえもんが渡してきたのは、赤いボタンみたいな物だった。僕達は言われた通りにおでこにつけた。これは夢電波をキャッチするらしい。

 

「はぁ…まぁとりあえず寝るか…」

 

「早く寝ようぜ!」

 

「うんうん!」

 

僕は急かされるように、布団に入った。2人はそそくさと寝た。2人も僕並に寝るのが早いからなぁ。だからもう1回言いたいよ…何でそんなに息の合った連携が取れんの!?ドラえもんに配役はどうするかと聞いてきたから、主人公は僕で姫はあーちゃん、相棒役は和人と言ってあとはドラえもん任せにした。ってこうしないと2人がうるさいしね。今度こそ僕は寝ることにした。




雷神「ふう…終わり。」

銀「何か映画と関係なくね?」

雷神「まぁ学校シーンをカットしたしね。前説でも言ったけど。」

銀「それはそうだがよ…しかしまぁ、『レクト』の話が出るとは思わなかったぜ」

雷神「…原作では最初からあったけど、今作では明日奈が9歳くらいに出来た感じだね。」

明「某妖精王も名前だけだけど、出てきたしね。」

雷神「そうそう、出したら出したで年齢的にもまだ大学入ったばっかだと思うけどね。あと今作の明日奈は原作明日奈よりも早く親の言う事を聞いてない感じになってる。あとお母さんが最初は優しかったけど、原作のお母さんの性格になっていってる感じかな。」

銀「ほうほう…それと和人はものすごくシスコンになってたな。」

雷神「まぁ、そうだね。」

銀「次回は、夢幻三剣士が出てくるんだな?」

雷神「そうなんだよ!今回は、明日奈視点で『レクト』の創設秘話。和人視点で直葉のシスコン度。のび太視点では色々って感じかな。」

銀「次回もどうなるか…気になるな。」

明「うん!では皆様!次回もお楽しみください!」





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第33話夢幻三剣士〜アスナの暴走と憂鬱、和人のシスコン度〜

視点はのび太、明日奈、和人


 

 

ーー2018年8月26日ーー

 

「…最悪」

 

夢みる機で夢を見ていたらドラえもんに夜明けと聞かされて、クライマックスまで飛ばしてもらったさすがに寝すぎるのも身体に悪いからね。…相棒役の和人と共に姫様であるあーちゃんを助けたまではいいけど、それから川に落ちたら、川が妙に暖かかった。するとドラえもんに起こされて、布団を見てみると…

 

「この歳でおねしょは、最悪だよ。」

 

「…可愛い。」

 

「こらそこ!何おねしょを見てから僕を見て言ってんの!?」

 

あーちゃんにとっての僕は5歳児か何かなの!面と向かって可愛いって言わないで!?恥ずかしいから!

 

「って何撮ろうとしてんの!?」

 

「保存用、鑑賞用、実用用に使おうと思って。」

 

実用用!?何に!?ていうか何で真顔で言っちゃってんの!?何で暴走してんの!?実用用って本当に何さ!?

 

「とりあえずその写真は削除して!」

 

「でも」

 

「して!?」

 

「わかったよぉ…」

 

あーちゃんは、渋々ながらも写真を消した。…朝から疲れた。あーちゃんがここまで暴走するなんて思わなかった…って実用用にばかりに気をとられて、保存用と鑑賞用には何も触れてなかった。実用用に驚いたんだよ!?それとおねしょは、ドラえもんが気ままに夢見る機のアダプターセットに入っていた[瞬間クリーニングドライヤー]で綺麗になった。匂いもないし、あともなかった。

 

「明日奈がここまで暴走するとはな」

 

「何で止めないのさ。」

 

「面白かった。それだけだ。」

 

「殴るよ?」

 

何またドヤ顔で言ってくれてんの?本気で殴りたいと思ったけど拳は引っ込めた。…とりあえずいい夢見るのも難しいや。

 

「冗談だ。今日はどうする?またこれで夢見るか?」

 

「ちょっと散歩してくる」

 

「ついて行こうか?」

 

「ちょっと気晴らしに行くつもりだし。いいよ」

 

別にあーちゃんのさっきの暴走が怖くなったわけじゃないよ?意外と暴走はちょくちょくあったし。僕は3人にそう言って部屋を出た。

 

ーーーーーーー

 

ちょっと暴走しすぎちゃったかな。と私はのびちゃんが出ていった扉を見ながらそう思っていた。だって、のびちゃんの貴重なおねしょだよ!?私にとっては!…また暴走しそうになっちゃった。ってあっ、のびちゃんが帰ってくるまで昨日の続きから勉強しなくちゃ。

 

「そういや、明日奈のお父さんって事業始めたんだっけか?」

 

「うん。まぁ、それも2年前になるけどね。」

 

横で寛いでいた和人君が私に聞いてきたから、そう答えた。お父さんはアメリカいる時から日本で事業を始めるつもりだったらしくて、その為に長くアメリカに滞在していた。私もそのおかげで向こうの言語を学ぶ事ができたし、お兄様もそうだった。そして2年前に日本帰ってきて、お父さんは真っ先に『レクト』という電機機器メーカーを立ち上げて、メキメキ成長させて、今じゃ大企業の1つとなっている。…まぁ、その頃から両親は仕事の鬼になって行った。

 

「本当は泊まりに行くのも止められたんだけど、兄さんが助けてくれたの。」

 

「…昔のお母さんはそんなんじゃなかったんでしょ?」

 

ドラちゃんが聞いてきた。そういえばドラちゃんには話してなかったね。

 

「…『レクト』が出来てからかなぁ。お母さんが厳しくなったの。」

 

昔は大学教授になったばっかりで優しかったけど、どんどん険しくなってきて、口調も厳しくなって行った。のびちゃんや和人くん達がいるこの街に戻ってくるという条件だけは、呑んでくれた。でも最近はよく関係に口を出してくる。令嬢のあなたがあんな人達と遊ぶんじゃありませんって。お母さんだってのびちゃん達を知ってるはずなのに。いけ好かないあの人も今の家によく遊びに来てくるし。

 

「はぁ…明日奈も大変だな?」

 

「本当にね。和人のお母さんは編集長だっけ?」

 

「ああ、パソコン雑誌のな。今日も出版社に篭って書いてるだろうな。まぁ、母さんのおかげで俺はパソコンやゲームを好きになったわけだけど。」

 

でも和人くんは一昨日また一から剣道を始めたらしく、2年ぶりに師匠に会ったらしい。何で剣道をやめたのかは、ゲームに没頭し過ぎたんだとか。和人くんらしいというかなんというか、私はゲームに興味無いけどね。

 

ウイーン

 

なんて考えていたら、上から穴が開き何かが出てきた手紙のようだった。ドラちゃんはそれを受け取ったら、ダイレクトメールらしい。するとその手紙は喋りだした。未来の手紙は喋るんだ。

 

「これを出すとすぐに新しいカセットを注文させたがるらしいからね」

 

ドラちゃんは気ままに夢見る機をさしながら言った。曰く買った時に出す度にダイレクトメールが届くように設定されているらしい。

 

『夢幻三剣士というカセットを今回はご案内致します。値段は2万となりますが…いかがですか?二本とない1本限りの特製でございますよ!』

 

「高!?」

 

「…特製なんて贅沢だし。やめとくよ。高いし。」

 

ドラちゃんはそう言って、ダイレクトメールを破ってゴミ箱に捨てた。何かもったいない気がするけど、さすがに2万もするカセットを買う根性とかないよね。

 

「何捨てたの?」

 

「「「!?」」」

 

私、和人君、ドラちゃんは、後ろから声が聞こえ、驚いて後ろを振り返った。本当に心臓が止まるかと思った。のびちゃんが帰ってきていた。帰ってきたんなら声をかけて欲しかったよ。

 

「もう、驚かさないでよ!のび太くん!」

 

「ごめんごめん。そこまで驚くとは思わなくて。それで?何捨てたの?」

 

「ダイレクトメール。夢見る機を出すとすぐカセットの案内が来るんだよ。」

 

「ふーん、ちなみに案内されたのは?」

 

ドラちゃんは、さっきの私達に説明した事をのびちゃんにも話した。

 

「夢幻三剣士」

 

「それ見たい。すぐ買って!!」

 

のびちゃんは、夢幻三剣士と聞いた瞬間に目の色を変えて、ドラちゃんに頼み込んだ。まぁ、3剣士って題名が付いてるくらいだから剣に纏わる話なんだから、剣士であるのびちゃんが反応するのもおかしくないけど、散歩してた間に何かあったのかな?

 

「でも値段が高すぎる。僕の今のお小遣いじゃ買えないよ!」

 

ドラちゃんは、のびちゃんの頼みを断った。だって2万もするカセットだよ?和人の聞いた話によるとナーヴギアの値段も2万もするそうだし。未来のカセットが今のハードウェアと同等の価値って考えると本当に高いし、ドラちゃんが断るのも頷ける。

 

『12回分割払いの方法もありますよ。』

 

さっき破った。ダイレクトメールから声が聞こえた。破ってもそういうのは残ってるんだ。それだったら買えそうだけど、何でこういいタイミングで言ってくるのかな。のびちゃんはそれを聞いて猫なで声でさらにドラちゃんに詰め寄った。いやそんなに欲しかったの!?

 

「…わかった、わかったよぉ」

 

「ありがと!ドラえもん!」

 

ドラちゃんは根負けして、買う事にした。でも私もその夢見てみたかった、何だが面白そうだし、ダイレクトメールの人が言うには、その夢幻三剣士は夜くらいに届くらしい。夜までには時間があるから、私は他のカセットを探していた。勉強はしなくていいのって?根詰めると頭が爆発しちゃうからいいの。探していたらあるタイトルが目に入った。

 

「『宮本武蔵の無双』?」

 

「それは、一人で見る用のカセットだね。主人公は宮本武蔵になって、二刀流で敵をバッタバッタと倒していく。そんな夢だよ?」

 

ドラちゃんが説明してくれた。確か、和人くんが前に教えてくれた無双系ゲーム?みたいなものなのね。…最近あの男や親からのストレスが溜まってきたし、いい機会かもしれない。

 

「ドラちゃんコレ見てもいい?」

 

「え?やるの?」

 

「ある男のストレス発散と勉強の中休みだよ。」

 

「………」

 

私がそう言うと、のびちゃんの顔が険しくなった。あの男の事はのびちゃんと和人にも伝えてるし、1回会ったこともある。あの男はやっぱり最初、猫を被って接していたが、のびちゃんと和人くんはすぐにそれが猫被りと気づいたらしく、少し警戒した。それにあの男は気づいたのか被っていたのを捨て本性を見せたから、のびちゃんと和人くんは、あの男に嫌悪感をあらわにしていた。

 

「…まだあの男は、結城家に出入りしてるんだね。」

 

「両親の前ではあの猫被りだからね。お父さんの腹心の息子だから、今は何も言えないし。私と2人きりになろうとしてくるのは兄さんがさせないようにしてるしね。」

 

あの男は事ある毎に私と2人きりになろうとしてきた。1年前に会った時からずっと。兄さんもあの男の猫被りを知ってるから、させないようにしている。兄さんには毎度の事ながら助かってる。

 

「小学生相手に、言い寄ってるあいつも相当ロリコンだよな。…ぶちのめしたかったけど。」

 

和人くんはあの男の顔を思い出すように言っていた…最後のは物騒だけど。2人きりになろうとしてくる話は、当然ながら2人に伝えている。それを話したのは地下世界に行った後、当時の2人は、黙って竹刀を持ってあの男の元に行こうとしたから、慌てて止めた。まぁ、地下世界の冒険の時だって、私を含めた女性陣を心配してたしね。それに2人を犯罪者にするわけにもいかなかったし。

 

「相当な人格破綻者みたいだね。その人」

 

「…まぁ、そうね。」

 

過去に何かあったって、聞いた事はあるけど、興味が湧かなかったから聞き流してたし。ドラちゃんも苦笑いしてる。あとその男の事は他のみんなには内緒にしてる。余計な心配をさせたくないしね。2人が会ったのは予期せぬ出来事だったから仕方がなかった、ドラちゃんも今聞いちゃったけど。みっちゃんやしずちゃんがこれを聞いたら、のびちゃん、和人くん以上にやばい事になりそうだからね。…ともかく今はストレス発散して忘れましょ。

 

「さぁ見せて!」

 

「うん、じゃあ眠って。」

 

「はーい」

 

アンテナはつけたままだった。付けていても違和感もなかったし。私はこうして、眠りに入った。

 

 

ーーーーーーー

 

俺らは、夢見る機で『宮本武蔵の無双』をやっている明日奈を見ていた。明日奈はすぐにコツがわかったらしく、どんどん敵を薙ぎ払っていた。もう、それは蹂躙してるとも言える。

 

「……あーちゃんどんだけストレス溜まってんのかな」

 

のび太は、明日奈の様子を見て苦笑いしながら言っていた。相当な程にストレスが溜まったんだろうな。…あの男(須郷伸之)に、明日奈の兄さん…浩一郎さんからも警戒はしておくと聞いたしな。両親からの過度な期待もあるだろうし。…いいとこの令嬢は本当に大変だ。まぁ、今は明日奈のやりたい放題やらせてやるか。

 

「ただいまー!」

 

「お邪魔しまーす」

 

と思っていたら、美夜子さんとスグの声が聞こえた。昨日は向こうに居たからな。2人の足音がこっちに向かってきた。

 

「おはよ〜…って何でアス姉寝てるの?」

 

入ってくるなり、スグは聞いてきた。美夜子さんも同様に疑問に思ってる感じだ。まぁ、これを隠すわけじゃないから、2人に気ままに夢見る機の事を言った。

 

「また面白そうな道具出したね〜!アス姉が起きたら次あたしがやりたい!」

 

スグは、元気そうにそう言った。…俺が歌舞伎町に行ってた間にスグが直樹信玄(のぶはる)によって連れ出し事件があったと聞いた時は、本気で殺意が湧いたがのび太が叩きのめしたらしいから何も出来なかった。直樹は事ある毎に、スグを言い寄って来ていたからな。オマケに転生者と来た。ネット小説なんかでよく見るあれだな。…女性陣は本当に変な男が寄ってきやすいよな。全員が美人ってのもあると思うが…。明日奈、しず、美夜子さんは三大姉妹と謳われている程の美少女だ。スグも4人目の姉妹の1人として数えられようとしてるしな。何でそんな情報知ってるかって?瑠奈情報は100%信用出来る。これだけ言えばわかるな?……またスグは、変な男に言い寄られないよな?心配なってきた。

 

「お兄ちゃん?何?ジロジロ見て。」

 

「気にするな。」

 

「そう?ならいいけど。」

 

カセットを探していたスグは、俺の視線に気づいたのかスグは訝しげにこちらを見てきたが、俺が気にするなと言ったら、スグはカセットをまた見始めた。色々考えてはいるがこれを言ったら、のび太や美夜子さんに、ブラコンと言われかねないしな。…いやバレてるな。2人ともニヤけてるし

 

「明日奈は…まだやってるな。」

 

のび太と美夜子さんからの視線を逃れるために夢みる機を見たが、明日奈はまだ無双をしていた。敵は血を流すのではなく、四角い細かな何個もあるポリゴンになって消えている。まぁ、夢で流血シーンなんて見たら悪夢になりかねないし、夢見る機にもゲームのようにレーティング設定されていると聞くし。この夢はレーティング10歳以上らしいから、俺達の年齢でもできる。夢幻三剣士のレーティングが何歳からは知らないけどな。

 

「アス…どうしてこんなに?積年の恨みを晴らしてるように見えるけど?」

 

「「「……」」」

 

美夜子さんはこの光景を見て、最もな疑問を抱いていたが、俺達には何も言えなかった。明日奈には須郷の事を口止めされてるしな。まぁ、いつかはバレるかもしれんが今は教えない方が得策だ。美夜子さんはともかくとして、しずにバレると瑠奈を協力させて、須郷の居場所を突き止めて、叩き潰すかもしれない。だから明日奈にとめられている。

 

「アス姉早くしないかぁ。これやりたいのに。」

 

「見たいの見つけたのか?」

 

スグはカセットを見つけたらしく、それを持っていた。カセットの題名は…『星降る夜に君はやってきた。』?何だ?それ。

 

「それは恋愛系の夢だね。」

 

「のび太と一緒にやりたいんだな?」

 

俺はニヤニヤしながら言った、が。

 

「のび兄は、普通にいるからいつでも攻略できるからいいの♪」

 

「「「「……」」」」

 

…我が妹は、本人がいる前で恥ずかしもなく、小悪魔的な笑顔でそう言った。俺達は何も言えずに黙ってしまった。…何か妹がどんどん小悪魔になってきている気がする。いや間違いなく小悪魔になってる。周りが美少女揃いだからなのか、先日もソフィアさんをのび太は落としたばっかりだからなのか。なら…のび太とやらずに誰とやるんだ?

 

「お兄ちゃん…一緒やろ?」

 

「やる」

 

「「おい!?」」

 

ドラえもん、のび太からツッコまれた。可愛い妹からこてんと傾げられながら、お願いされたんだぞ?やらない手はないぞ?俺は心をルンルンさせながら、明日奈が起きるのを待ったのだった。

 

 

ーーーーーーー

 

やっぱり和人もお兄ちゃんなんだなぁ。と直ちゃんにお願いされただけで幸せな顔になっている親友を見ながらそう思った。和人をほぼ昇天させた本人はこれまた小悪魔的な笑顔で笑っていた。何確信犯!?この子恐ろしい子!?

 

「……んぁ?…スッキリしたぁ!」

 

なんて考えていたら、あーちゃんが起きた。すごく満足した顔で飛び起きた。そこまであの男のストレスはすざましかったんだ。

 

「アス姉!次あたしとお兄ちゃんが見るから変わって!」

 

「え?あ、直葉ちゃん?みっちゃんもおはよ。って直葉ちゃんは何するの?」

 

「お兄ちゃんと恋愛物♪」

 

「……」

 

ははは…やっぱりあーちゃんもそれ聞いて硬直しちゃった。ギギギとロボットのように動かしながら首をこちらに向けた。少し硬い笑顔である。あっ、あの目はこの子は何を言ってるの?って感じかな。僕達も分からないからね。

 

「ささ!変わって!」

 

「ほ、ほんとにやるの?」

 

「うん!」

 

直ちゃんはなんの迷いもなく答えた。さっきの小悪魔的笑顔じゃなくて純粋な笑顔になってる。…意図がわかってきた。最近一緒に遊べなかった和人と遊びたいんだ。最近のあれの事もあったし…まぁ恋愛物じゃなくてもいいんじゃないかと思うけど。憶測だけどね。

 

「あーちゃん。」

 

「ん?」

 

「ちょっと。」

 

「なに?」

 

僕はあーちゃんを呼んで、直ちゃんの意図を話した。美夜子さんとドラえもんにも、3人は納得したようだった。憶測に過ぎないけどね。…これで直樹くんの事を忘れてくれればいいんだけどね。

 

「じゃあちょっと見てくるね〜」

 

「うん。楽しんでおいで」

 

「おう!」

 

和人には言ってないんだけど、ていうか終始ニヤニヤし続けてるし。そんなにいじられたいのかな?なんて思ってたら、2人は夢の中に入って行った。2人が寝たのを確認してから、あーちゃんが向いてきた。

 

「和人くんも、やっぱりお兄ちゃんってことなのね。」

 

「まぁ、僕ももし妹がいて、あんなこと言われたらトリップしちゃうね。」

 

妹、もしくは弟がいたらって時々思う。まぁ、和人曰くご飯の取り分は半分になってお小遣いも直ちゃんが少し多いみたいだけどね。でも僕は妹か弟がいたらなぁって思う時がある。

 

「もしもボックスで行ってみる?」

 

「今はいいよ。それはいいとして。あーちゃん凄かったね?」

 

「結構楽しかったよ!」

 

だろうね。すごい勢いで敵を薙ぎ払っていたし。多少はストレス緩和されたようだし良かった。桐ヶ谷兄妹が今夢見てるから僕達は手持ち無沙汰だったから、勉強の続きをする事になった。夢幻三剣士が来るまでまだまだ先だしね?…ってあ、美夜子さんはやらなくていいのかな。

 

「美夜子さんはやらなくていいの?」

 

「探してたけど、気に入ったのがなかったの」

 

少し落ち込んだ様子でそう言った。まぁ、あーちゃんや直ちゃんみたいな事が起こってないし、ストレスは今の所ないみたいだしね。美夜子さんは、変な男に言い寄られていない。まぁ、美夜子さんの雰囲気に周りが遠慮してる感じだもんね。最初に転校してきた時も菜江ちゃんと美奈ちゃんだけが美夜子さんに話しかけたのも、そのため、あーちゃんは雰囲気がほわんほわんとしてたから、大勢の人が質問攻めにしてたってわけ。まぁそれでも美夜子さんは人気なんだけどね。

 

「さ!夜まで勉強しましょ!」

 

こうして僕達は、夢幻三剣士が来る夜まで暇を潰しながら、待つのであった。



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第34話夢幻三剣士〜白銀の剣士〜

題名にもある通り。白銀の剣士の登場です。オリジナル展開がまた出てきます。

視点はのび太、美夜子さん、のび太の順です。


それから夜になった。外はもう雨が土砂降りになっていた。あといくら待っても夢幻三剣士が来ないから少し焦りもあったそれと美夜子さん以外のみんなは帰っていった。和人とあーちゃんは夢幻三剣士をやりたそうだったけどね。和人と直ちゃんは和人のお母さんである翠さんが久々に帰ってくるらしくて、家族水入らずを過ごすため、あーちゃんは…厳しいお母さんがね?だから初回は僕に譲ってくれた。今はなかなか来ないカセットを上を見ながら待っている。

 

「ねぇ、まだ来ないの?」

 

「今夜の10時には届くって言ってたけどね〜。ふあーぁ」

 

ドラえもんは眠そうに言っていた。今の時刻は10時39分…ドラえもんが言った時刻から30分以上も遅れている。未来の配達ってこんな遅いもんだったの?

 

「…ドラえもんほんとに注文したんだよね?」

 

「したよ?無理して頭金まで払ったんだから。」

 

「それならいいけどさ…」

 

はぁ…やっぱり今日中には来ないかなぁ。あのオジサンの言う事聞くんじゃなかったかなぁ。散歩していた時に不意に後ろから気配がして、振り向いたら、白髪で長髪の長い鼻を持った容姿のおじさんがいた。おじさん曰くこの後夢幻三剣士というカセットの案内が来るから、それを買いなさい。それは君に素晴らしい力を授けるからって…今思うと一種の詐欺だったのかな。

 

「じゃあ時間つぶしに誰かの夢でも見る?」

 

僕が考えていたら、ドラえもんがそう提案してきた

 

「そんなことできるの?」

 

「うん、夢みる機で家を写して、寝ている人の夢を覗けるんだ。」

 

ドラえもんはそう言ったら、夢みる機を操作した。最初に見るのはジャイアンだ。ジャイアンの夢はプロ野球選手になって、ホームラン王を取ってから僕の師匠から握手を求められていた。ほえ〜。いい夢だなぁ。

 

「武さん、嬉しそうね。」

 

「師匠はすごく有名人だからね。」

 

ジャイアンの夢を後にしてから、スネ夫の夢を見た…大体の想像はつくけど…スネ夫はハワイを貸切って、美夜子さん、直ちゃん、あーちゃん、ソフィアさんを傍に置いていた。それから僕が出てきた。僕は鼻水を出して、ほとんど喋れていなかった。不愉快だなおい。

 

「…ねぇ。ドラちゃんどこでもドアあるかしら?」

 

冷気を漂わせながら、笑顔で美夜子さんはドラえもんに頼んだ。いやいや絶対に行ったらスネ夫をぼこぼこにするつもりだよね!?確かに不愉快だったけどね!?夢だからね!?

 

「まぁまぁ、どうせ夢だし。」

 

「夢でも私は不愉快なの。」

 

「じゃあ、和人達の夢見ようよ。」

 

「…ならいいわ。」

 

渋々ながら、美夜子さんはわかってくれた。それから見たのは和人の夢だ。

 

『にいちゃ!』『お兄ちゃん』『兄さん』

 

『スグがこんなにいっぱい!!天国だァァ!!』

 

「「「……」」」

 

和人の夢は幼い頃の直ちゃん、今の直ちゃん、少し成長した直ちゃんの3人に囲まれていた。和人はもうすごく幸せそうな顔をして、叫んでいた。それを見て僕達は黙ってしまった。…昼間の夢で直ちゃんと恋愛物したからなのかどうか分からないけど、夢に出てくるくらい直ちゃんの事が好きなのね。まぁ、恋愛感情はない度を越したシスコンなんだろうけど。…さすがに悪いもの見たかもしれないから、そしてこれは誰にも話さない事を誓って、次はあーちゃんのを見ることにした。

 

『あーたん』『あーちゃん』『明日奈』

 

「もういいよね!?」

 

あーちゃんの夢はさっきの和人の夢の直ちゃんが僕に置き換わったような夢だった。…何もここまで息を合わせて来なくてもいいのに!僕はドラえもんにしずちゃんの夢をと思ったけど、夢電波が出ていなかった。まだ寝てないみたい。画面が切り替わると、ルフィさんと熱心に修行をしていた。

 

「…しずちゃんも頑張ってるみたいだね。」

 

「怪魚族との戦いで捕まったのが本当に悔しかったんだと思うわ」

 

「夢幻三剣士を見終わったら、僕も修行の続きしよう。」

 

しずちゃんの姿を見て僕は、そう決意した。しずちゃんだって強くなろうとしてるんだ。3年後には、師匠から守式奥義と最終奥義を教えてもらうんだし、その3年間は身体を鍛えなくちゃね。

 

『お待ちどうさまでーす!』

 

ピローーン!!がさ!

 

なんて考えていたら、声が聞こえ、そこを見ると荷物が落ちていた。ちょうど今届いたんだ。…よし!これが終わったら、修行再開するぞ!包みから出すと、夢幻三剣士と書かれた竜のようなシルエットがある赤いパッケージだった。

 

「すぐ見よう!美夜子さんは見てて!」

 

「うん。それにしてもそんなにしたかったの?」

 

「面白そうじゃない!」

 

本当は変な人から教えてもらったなんて言ったら何言われるか分からないからね。僕はカセットをセットした。ドラえもんに注意書きがあると、言われた。一応最初のだけ聞くか

 

「この夢は強いパワーを持っているので、現実世界に影響する事があります。だってさ。」

 

「え?…のっくん。それ大丈夫?また事件の匂いがするんだけど?」

 

「そんなに何辺も事件が起きるわけないじゃない〜」

 

美夜子さんは訝しげにこちらを見てきた。つい4日前に人魚の命運をかけた戦いが起きたばっかりだし。そんなにホイホイと事件が起きるわけない。ましてやこれは夢の中の出来事だしね。影響するって言っても、少しだろうし。美夜子さんは心配性だなぁ。

 

「…それならいいけど。私は万が一が起きた時のストッパーになるから、今回は見守るだけにするわ。」

 

「その時は頼んだよ。ドラえもんも行きたそうな顔で見てたしね?」

 

「ははは…バレてたか〜」

 

ドラえもんは苦笑いしながら、言っていた。だって、夢幻三剣士が来た時僕と一緒に喜んでたしね。まぁ、今日は僕だけって約束だし。ドラえもんも今日は見送ってくれた。注意書きも所々で読んでくれるらしい。

 

「あ、このカセットはこれまでの夢カセットとは違い、第2の現実を創造する為、実感を作り上げる様々な困難が待ってる。らしいから気をつけてね。」

 

「わかった。」

 

ドラえもんの説明を聞いてから、僕は布団に入った。

 

 

ーーーーーーー

 

夢の中は真っ暗だった。でもどんどん明るくなってきた。真っ暗だった場所はいつもの空き地だった。え?夢なんだよね?何で現実帯びた感じの場所に来てんの?ドラえもんが解説の続きをした。現実感を強めるため、主人公のお馴染みの場面から夢は始まるとの事。何その夢のない夢。すると向こうから誰かがやってきた。…ソフィアさんと美夜子さん?何でここに?ソフィアさんは海底の中だし、美夜子さんは見送りするって言ったのに…いや待って、美夜子さん実年齢と同じ体型だ。化学サイドに来る前の美夜子さんって事になるのかな。歩いていた2人は僕の前で立ち止まった。

 

『のび太君…愛しているわ…』

 

「え?…!?」

 

別れる時の焼き回しのようにソフィアさんは僕のほっぺにキスをした。何で!?

 

『私もよ。』

 

すると次に美夜子さんがゆっくりとこちらに来た。え?美夜子さんからはキスされた事ないんだけど!?何で僕は逃げないのか?ソフィアさんからがっちりホールドされてるから逃げられないの!なんて考えていたらどんどん近くなって、美夜子さんの唇が僕のほっぺに…

 

「ダメェェェ!!!」

 

来なかった。現実の方の美夜子さんの手が止めたからだ。いやどうなってんの?隣のドラえもんが苦笑いしながら、この画面は、強い力を持ったら中に手だけ入れるみたい。何その怖いカラクリ。それにしても美夜子さん、地下世界の時はあんな恥ずかしい事言えたのに何でキスは、恥ずかしいんだろ?

 

「はぁ…はぁ。じゃあのっくん楽しんでね。」

 

美夜子さんはクールに去っていった。まぁ、顔赤くしてたからそんなにクールじゃなかったけど。ってあれ?そういえば、2人とも止まってる?いや周りを見ると鳥も猫も止まってる。何が起きた?

 

《あなたは、時の流れを抜け出したのです。》

 

すると声が聞こえた。どこかで聞いた事がある声だけど、後ろを振り向いたらピンクのモヤがあった。

 

「だれ?」

 

《ユミルメ国からあなたを迎えに…さぁ、そのピンクのモヤに飛び込んでください!》

 

この中に?何かいきなり現実離れした感じになってきた。これに入ると本番が始まるのかな。でも何か少し怖いな。え?時雨蒼燕流の使い手で4つのうち3つの事件で解決した人が言うことじゃないって?それでも少し怖いんだよ。

 

《さぁ!勇気をだして!》

 

向こうの人からは、そう言われたし、どうせ夢だしね。よし、行くか!僕はそう決心して、ピンクのモヤに飛び込んだ。けど、飛び込んだ先の下には床がなく、落ちた。それもすごい勢いでちょ!?こんなの聞いてないんだけど!?と思ったら失速し始めた。良かったこのまま死ぬのかと思った夢だけど。

 

「ノビタニヤン。」

 

すると声が聞こえた。さっきより近く、いや後ろに【それ】はいた。

 

「ノビタニヤン、こちらです。」

 

妖精だった。けどその姿は直ちゃんだった。ドラえもん、確かに寝る前に配役は決めていいとは言ったけどさ。直ちゃんが妖精ってどうなんだろ?絶対これを和人に見せたら、持って帰るかもしれないな。

 

「直ちゃん?」

 

「いいえ。あたしはシルクと申します。では行きますよ?ノビタニヤン。」

 

直ちゃんに似た妖精…基、シルクは丁寧にそう言った。それからシルクに案内された…ていうか何気に僕浮いてるな。さっきの急下降したのが嘘みたいだ。…ん?さっきこの子はなんて言った?ノビタニヤン?何そのゲームのアバターネームみたいな名前?

 

「ノビタニヤンって?」

 

「あなたの名です!あなたは大勢の男の子から選び抜かれた。白銀の剣士なのです。ユミルメ国の救世主としてお招きしたのです。」

 

この夢って、俗に言う異世界転移物の夢なのかもなぁ。ってなんで僕が選ばれたの?どこかの小説ではありふれた職業で世界一になったり、ループだけに特化した物だったりする主人公は元が平凡なのに…僕も平凡だけどね。50点はキープしてるし、運動神経もいい方。泳ぎもこの間の戦いで若干だけど泳げるようになった。そんな僕が何で?

 

「あなたは、優しさ溢れる人格の持ち主。困ってる人を見かけるとすぐに助けてしまうほどの。だから選ばれたのです。」

 

そう言ってシルクは向こうに言った。…はっきり言われると恥ずかしいなぁ。まぁ、困ってる人を見たら僕は助けたくなる。だから魔法の世界の時や先日の時もそうだしね。…ソフィアさんの時は、憂鬱になってたけど。

 

「注意書きの通りだし。のっくんの事わかってるわね、あの子。これによると現実感を高めるため、主人公の性格や能力はそのままらしいわよ。」

 

美夜子さんが出てきて、解説してくれた。…逆に良かった気がする。これで能力がダメな方になってたらやばかったし。

 

「へぇ、ありがとう。でももう、いちいち出てこなくていいよ。」

 

「ハイハイ。頑張ってね〜」

 

美夜子さんは消えた。僕は、シルクを追いかけて行くとシルクから境界を抜けると言われた。瞬間に夜が目の前にあった。そして浮いていた身体は、急に重力がでてきたからなのか、落ちていく。シルク曰く夢重力圏に入ったという。ってどうしましょって言ってるけど何をどうすればいいわけ!?と思ったら三日月に当たって、落ちる事は免れたけど…

 

「何で月が?」

 

「この国の月はこんな感じです。」

 

「君って意外と無責任だよね。」

 

僕がそう言ってもシルクは知らんぷりをした。可愛い顔して、いい性格をしてるなこの子。

 

シュッ!

 

そう思っていたら、不意に何かが飛んできて僕は、それを避けた。それは矢だった。飛んできた方を見ると城があり、人間じゃない何かが大勢いて、僕に向かって矢を放っていた。何あれ?っていうか、煙も出てるし。

 

「あれは…城が燃えてる!妖霊大帝オドロームの軍勢の仕業だわ!」

 

シルクは、燃えている城と今矢を放っている者達を見てそう言った。曰くユミルメ国は半分以上がそのオドロームに支配されているらしい。…悪魔族や怪魚族との軍勢より早いじゃないか!

 

「頑張ってくださいね!ノビタニヤン。」

 

「え?何を?…ってうわぁ!?」

 

悠長に話してる間に矢の数が増えだした。きっとその軍勢は僕に気づいたんだ。城から何か象みたいなやつが耳を使って羽ばたいて来ている。シルクは逃げようとしたけど、僕は飛べないし、タケコプターもここにはない。シルクにそう言ったら、人間は不自由ねぇとか言いながら三日月の端っこを取ろうとしていた…ってなにしてんの!?

 

「よっしょ!!」

 

「う、うわぁぁぁ!?」

 

三日月の端っこが取れて、三日月から空気が漏れ始めて猛スピードでぐるぐる回り出した。ってさっきから思ってたけど、何で月がここにあるわけ!?夢だから物理法則無視してんのかな!?

 

「うわぁぁぁ!!」

 

僕は、回る月に振り落とされて、川に落ちた。逆に落ちた先が川でよかったよ。もう…僕は泳いで川岸に行ってから、シルクを呼んだが、いなくなっていた。はぁ…本当に無責任な妖精だね。ってシルク肝心な事忘れてんじゃん!白銀の剣士の1式どこにあるのかも、ここがどこなのかも言われてないんだけど。目の前には暗い森、ここがどこかもわかってないし、下手に動いたらまた何かが起きそうだし、いや…まぁ、ここで考えていても埒が明かないし。僕は意を決して森の奥を進んだのであった。

 

 

ーーーーーーー

 

「のっくん。大変そうね。」

 

私は、いきなり始まったと思ったら、軍勢からは攻撃を受け。月に振り落とされたり、森で立ち往生したりと踏んだり蹴ったりなのっくんを哀れに思いながら言った。

 

「まぁ、これものび太くんが選んだ事だしね〜」

 

ドラちゃんは、漫画を読みながら呑気に言っていた。まぁ、確かにのっくんが夢幻三剣士を強請ったのが事の発端だし。助けるのも何かお門違いと思うしね。…さっきみたいな事が起きない限りはね。

 

「それにしても、のび太くん何で夢幻三剣士を見たがったんだろう?」

 

「それをドラちゃんが言った時に目の色変えて言ってきたんでしょう?」

 

「そうなんだよ!」

 

私はその場にいなかったから分からないけど、のっくんはドラちゃんがこの『夢幻三剣士』という言葉を言った時に頼み込んだと言うし、散歩に行ってた間に何かあったんだろうと推測はできるけど、和くんと直ちゃんが夢に入って、そのまま勉強に入ったから、確認のしようがなかった。

 

「まぁ、深くは考えないようにしてるけどね。…僕のお小遣いで買ったって事もあるし。」

 

「2万でしょ?分割払いって話が出て来てよかったわよね。」

 

「ほんとだよ」

 

夢幻三剣士の値段は、今のハードウェアと同等の価値でもあるし。もし分割払いの話が出なかったらドラちゃんは絶対に買わなかっただろう。ドラちゃんのお財布事情は知らないけど。

 

「あっ、のび太くん誰かと会ったみたいだよ?」

 

ドラちゃんがモニターを見てそう言ったから、モニターに目を移すとのっくんの前には赤と白を基調とした甲冑を着たあっちゃんに似た少女が焚き火をしていた。物語が動き出すみたいね。




雷神「ふぅ…終わり」

銀「ジャイアン出さないんじゃなかったのか?」

雷神「進めてるうちにあんな事になっちゃった。」

明「本当に行き当たりばったりなんだから。」

雷神「ははは…次回が後半で収まりきらなかったらまた、1、2で分けるつもり。」

銀「その方がいいぜ。」

明「だね」

雷神「ではみなさん!次回もお楽しみに!


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第35話夢幻三剣士〜アスミアとジャイトスと蠢く黒い影

視点はのび太です。


「あーちゃん?」

 

「あなたは誰?私の名はアスミア…決してそんな名前じゃないわ。」

 

目の前の赤と白を基調とした甲冑に身を包んだ少女は目をきつくギラつかせて睨むようにそう言った。見た目こそあーちゃんにそっくりだけど、喋り方のニュアンスが少し違う。敵意を向けられているからかもしれないなぁ。

 

「…自己紹介が遅れたね。僕はノビタニヤン、白銀の剣士になる予定の旅人さ。」

 

まぁ、聞いたのはシルクにだけど、どこにあるのかも分からない物を目的としてるしね。いきなり白銀の剣士って名乗っても、丸腰のこの格好じゃ、意味無いしね。

 

「白銀の剣士?…そんな軽装で、この森を抜けれると思ってるなんて愚かな人ね。」

 

アスミアは、やっぱり今の僕の格好を見て訝しげにこちらを見た。確かに丸腰の僕は愚か者と言われるかもしれないけど、来た瞬間からいつもの格好だからなぁ。

 

「それに私はその白銀の剣士の一式を手に入れるために、旅をしているのよ?…何者かも分からないあなたになんか…譲る気はないわ。…それにどこにあるかも知ってるの?」

 

「ごめん、それは聞いてない。案内役と離れてしまったから。」

 

「案内役?……まぁ、いいわ。癪だけど、一応在処を教えておくわ。」

 

アスミアは、まだ顔が険しいけど、僕に教えてくれた。さっきの川の上流にヨラバタイ樹という雲にも届くほどの巨大な木があり、そのてっぺんに剣と兜が置いてあるそうだ。…何か大変そうな所にあるね。まぁ、夢だけどこれも一種のRPG要素が入ってるみたい。白銀の剣士の一式誰もが求めているそうだしね。

 

「教えてくれてありがとう。じゃあ僕は行くよ。」

 

僕は、アスミアに迷惑をかけないために立ち上がってその場を後にしようとした。アスミアが言ってる通りだとすれば、今も誰かが白銀の剣士の一式を手に入れようとしている可能性があるしね。

 

「待ちなさい。」

 

行こうとしたらアスミアに止められた。何かあるんだろうか?

 

「今、森を一人で行くのは危険よ?…私の護衛にしてあげるから、この場に居なさい。」

 

少し偉そうに言ってきた。護衛って…

 

「君も剣術習ってるんでしょ?」

 

「習ってるけど。女の私を1人にする気?」

 

さっきまで1人だったじゃないか。なんて、言ったらめんどくさい事になりそうだから言わないけど、白銀の剣士の一式を教えてくれたし。護衛くらいはやってやるか。

 

「はぁ…わかったよ。剣貸して」

 

「はい。」

 

僕は、アスミアに剣を貸してもらい、彼女が眠る間にそこに居た…そういえば…

 

「アスミアはなんで白銀の剣士の一式を欲しがってるの?」

 

純粋な疑問だった、アスミアは振る舞いや言い方からして貴族だと思うしね。

 

「…私はオドロームに復讐するつもりよ。」

 

アスミアは後ろを向きながら語ってくれた。何でもアスミアの都市にも妖霊大帝オドロームの襲撃を受け、支配されてしまった。アスミアの家族や王族は、その場で死刑をされた。自分もされかかったが命からがら逃げ延びて、噂に聞く白銀の剣と兜を手に入れて復讐を果たすんだ。と復讐に満ちた顔で僕に話した。…悪魔族、怪魚族がもしあの時地球侵略を成功させていたら、美夜子さんやソフィアさんもこうなっていたのかもしれない。

 

「だから…あなたには兜や剣は渡さないわよ。」

 

「…事情はわかったけど。僕にも使命ってのがあるからね。」

 

「……あなたみたいな!何も持たずにうろちょろしてた旅人が!私の復讐に水を刺さないで!!」

 

アスミアは、立ち上がって僕にそう叫んだ。

 

「……復讐しても何もいいことなんてない。」

 

「あなたに何がわかるの!」

 

アスミアはさらに叫んだ。わかるさ…。ヴァサゴの凶弾で亡くなった剣士を思い浮かべながら、アスミアに向かってこう言った。

 

「知り合いが死ぬ瞬間は心から痛い。殺した相手を復讐したいという気持ちもわかる…でもそいつを殺したからって、殺された人が帰ってくるわけじゃない。復讐したって虚しさしか残らないんだ。」

 

「……」

 

思った事をアスミアに言った。アスミアは何かを考えてから何も答えずに眠ってしまった。偉そうなこと言っちゃって怒らせちゃったかな?

 

「のっくん。あれは怒ってないと思うわ」

 

「僕もそう思うよ。」

 

「そうだといいけど。」

 

美夜子さんとドラえもんが出てきて、僕にそう言ってくれた。アスミアの心にちゃんと届くといいな。僕は隣の木で、朝に備えて眠ることにした。アスミアは朝いなくなっているかもしれないけど。

 

ーーーーーーー

 

 

「ーーーーーなさい!起きなさい!ノビタニヤン!」

 

「うわ!?…アスミア?」

 

僕はアスミアに起こされていた。あれ?僕に怒ったわけじゃないのかな?

 

「……あなたの言葉で私は考えていたの…そして夢を見たわ。亡くなったお父様やお母様、他の貴族達が目の前にいて、私は復讐すると言ったら、怒られた。私達はそんな事望まない。白銀の剣士に任せなさい。って、そんな事言われたら、私は何もできないじゃない?…だから決めたの。私はあなたのサポートに回ろうって。それとね。」

 

アスミアはスッキリした顔でそう言ってくれた。…良かった。出会ってばかりのアスミアだけど、あの話を聞いて復讐鬼にするつもりは毛頭なかった。復讐して残るものは虚しさだけ。現に僕はヴァサゴを殺す事はしなかった。アスミアの心を救えただけでも良かったよ。

 

「ノビタニヤン?」

 

「あっ、ごめん。何?」

 

「だから!ありがとう!」

 

アスミアは、あーちゃんのようにすごく綺麗で屈託の無い笑みを浮かべながら僕に言ってくれた。僕はこれでまた一段と頑張れるような気がする。

 

 

ーーーーーーー

 

それからというもの、僕とアスミアは森を歩いていた。アスミアからは白銀の剣の兜の性能を説明された。何でも白銀の剣と兜は、着るだけで天下無敵になれるみたい。剣はこの世界にいるドラゴンを倒し、その血を浴びると不死身になるらしいけど、ドラゴンを殺してまで不死身になろうとは思わないなぁ。あとは、オドロームを倒した者は王女様と結婚出来るらしい。

 

「あなたもそうなの?」

 

「それはどうでもいいんだけど。ユミルメ国が救えれば」

 

「あなたは、本当にお人好しなのね。」

 

仮にできたとしても、その王女様の気持ちを汲んで別れるつもりだしね。無理に決まった結婚は相手の気持ちを一方的に無視してるし、そんなの嫌だ。…ソフィアさんに求婚されたじゃないかって?…何も言えないよ。情けないな。

 

「今はそれよりも、山に…ん?」

 

僕が行こうとしたら向こうから何かの鳴き声が聞こえた。そこを見ると小熊が罠に嵌っていた…ってこうしちゃいられない!

 

「大丈夫?今逃がしてやるからね。」

 

僕は罠を外してやった。小熊はこちらを向いてから礼をしていた。律儀な熊だ事。

 

「やーい!何をしやがるんだ!!」

 

後ろから声が聞こえてそちらを見ると茶色い兜に赤いマントオレンジの服を来たジャイアンに似た人がこちらに来た。

 

「俺の獲物を何で逃がした!」

 

ジャイアンに似た人は僕を捕まえようとしたが、それを避けた。いきなり突っかかって来たのは、この人だし。

 

「いきなりの挨拶だね。」

 

「おめえが俺の獲物を逃がしたからだろうが!」

 

「小熊が可哀想だったから、逃がしたまでだよ。」

 

「生意気な!俺は白銀の剣士、ジャイトス様だぞ!」

 

ジャイアンに似た人物。ジャイトスは、偉そうにそう言った。何かハマり役どの世界のジャイアンはこの性格になるのかな?ていうか白銀の剣と兜持ってないのに白銀の剣士って図々しいなぁ。まぁ、僕が言えたことじゃないか。

 

「ノビタニヤンの言う通りよ!小熊を捕まえるなんて道徳的にもおかしいわ!」

 

「ふん!女が男の俺に指図するんじゃねー!!」

 

「な、なんですって!?」

 

……よくいるんだよね〜。男尊女卑主義者の男が女の人にそう言うの〜…ジャイアンと同じ顔でもこんなにムカついたことは無い。ジャイアンは女性陣に対して、そんな事は言わない。…言ったらどうなるかわかってるからだと思うけどね。とにかく僕はジャイトスに頭にきた。

 

「……アスミアに謝れよ…」

 

「あ?何で俺様が謝らないといけないんだ!」

 

「そういう…女性を見下す男は嫌いなんだよ。」

 

「へ!そこまで言うなら決闘だ!お前は負けたら俺の奴隷。女は俺の物だ!ガハハハハ!」

 

この男は…どこまでも腐ってる。性根から叩き直すか。

 

「ノビタニヤン…」

 

アスミアが心配そうにこちらを見てきた。まぁ、体格的に向こうの方が強そうだしね。でも僕は、ヴァサゴや転生者と戦ってきたんだ。こんな性根腐ってる男に負ける訳にはいかないね。

 

「大丈夫。僕はこれでも強いからさ。アスミアの剣を貸して」

 

「うん、頑張ってねっ!」

 

アスミアから剣を受け取り僕はジャイトスの前に出た。ジャイトスは相変わらず見下した顔で僕を見ていた。

 

「始めるぞ!!だ!!」

 

ジャイトスはいきなり始めてきた。いきなりなんて卑怯だなぁ。でも僕はそれを避けた。誰が当たるかそんなわかりやすい剣筋。ジャイトスは振り返りざまに剣を僕の背中に刺してきたが、僕は消えた。

 

「消えただと!?」

 

「ここだよ。」

 

僕はジャイトスの懐で言った。ここには少しの水があったから、逆巻く雨で避けれた。僕は鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)をジャイトスに向けて放った。ジャイトスはそれがわかったのか、それを避けた。カシバルさんとヴァサゴくらいだと思ってたよ。これを避けられるのは。

 

「はぁ…はぁ…見かけによらずやるようだな!」

 

「君もね。まだやんの?」

 

「あたりめぇだろうが!!」

 

と言ってジャイトスは、さらに剣を叩きつけてきた。剣を交え、火花を出しながら、僕はそれを受け止めていた。力は強い、剣も重い…そういえば聞くの忘れてた。

 

「君さぁ、何のために白銀の剣士になるの?」

 

「戦ってる最中にそれを聞くか!はぁ…はぁ…いいだろう!教えてやるよ。白銀の剣と兜を手にして、オドロームを倒してから、王女を貰いこの国の王になって…女共は性奴隷!男共は奴隷にしてやるんだよ!!ガハハハハ!!!」

 

「…もう黙れ。」

 

「ガシュハ!?」

 

僕はジャイトスに鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)を放った。油断してたジャイトスは諸に食らって、痺れていた。僕は考えていた。こいつも根はいい奴だって、この決闘で改心するかなと思っていた。でも違った。こいつは根っからのクズだ。剣筋も最悪、女性に対する行動はクソ。ヴァサゴと同等の畜生だ。だから小熊にもあんなことができたんだ。

 

「ノビタニヤン…」

 

「こいつにはもう用はない。もう行こう。時間を無駄にした。」

 

「え、ええ」

 

アスミアには少し怖い思いをさせたかもしれない。こんな胸糞悪い夢はないよ全く。僕はアスミアを連れてさらに奥へと進んで行った。

 

 

ーーーーーーー

 

「さっきの技ってなんなの?」

 

ジャイトスという男の決闘した場所からちょっと行った場所で、アスミアから聞かれた。僕は師匠から教わった剣術だと説明した。

 

「あなたの実力なら、白銀の剣と兜を手に入ったら、鬼に金棒ね!」

 

アスミアは、昨日会った時よりもあーちゃん寄りな感じなった。ここまで心を許してくれるとは思わなかった。

 

「待ってくれ!!」

 

…声が聞こえた。後ろを見たら、ジャイトスが来ていた。性懲りも無く僕と戦うつもりか?

 

「…さっきは悪かった。俺はどうかしてたんだ!」

 

と思ったら、土下座して謝ってきた。さっきの態度が嘘のように。でも…

 

「信用できないね。アスミアに誠心誠意詫びたら、許すよ。」

 

僕はジャイトスにそう言った。男尊女卑主義者のこの男が次の行動次第で、鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)を食らわせるから、アスミアに剣を受け取っていた。が…

 

「…さっきはクソみたいな事を言ってすまなかった。」

 

ジャイトスは、僕の言う通りにアスミアに謝っていた。というか何か目の感じも全然違くなっていた。何で?

 

「俺もさっきは何であんな事言ったのかわからなかった。小熊にも悪い事をしたと思っている。」

 

本当に反省しているようだし、少しジャイアンと同じ感じになってる。…ジャイトスは操られていた?いやでもこれは夢だし。気まま夢みる機のカセットの一つだ。それにジャイトスを操って僕を倒すんであればもっと姑息な手段をさせる事もできるだろう。

 

「ジャイトス。僕達に会う前に誰かに会わなかった?」

 

「…あぁ…白い長髪で長い鼻を持ったやつにな。」

 

「な!?」

 

その人物像は、僕が現実で会ったおじさんと同じだ。あのおじさんが僕を?一体何が目的なんだ?

 

「…ノビタニヤン…俺をお前の家来にしてくれ。」

 

「…君は操られていたし。何より僕は家来なんかいらない。さっきの事は、水に流すとするから…仲間になろうよ。」

 

「…いいのか?あんなゲスな事言ったんだぞ?」

 

「…今はそんなこと思ってないでしょ?それに僕は、君の目を信じる。アスミアもいいでしょ?」

 

「ええ。本気で謝ってるってわかったし。」

 

「うう…ありがと!ありがとよ!」

 

ジャイトスは男泣きをしていた。…あのおじさんがこの世界にいるんだから、次会った時に聞き出さないといけないな。こうして僕達は、ジャイトスを仲間に入れて、ヨラバタイ樹に向かうのであった。

 

 

ーーーーーーー

 

ここはヨラバタイ樹の根っこの部分に来ていた。相当でかい木だな。樹齢1000年くらいかな。

 

「ノビタニヤン…どうするんだ?」

 

「こんなに大きいとは思わなかったわね。」

 

2人も驚いてる様子だった。そりゃ、2人も初めて見るからそうなるか。

 

「うーん…登るつもりだけど、長くなりそうだしね。ちょっと川で水を調達して来るから待ってて」

 

2人は頷いて、その場で待機した。僕は水袋を手に持って、川に来ていた。川の中で何かが光っていた。あれって…月?そういえばあのままどこに行ったかわからなかったんだっけ?ってこれ使えるじゃん!僕はそう思って2人が待つ所へと走った。ジャイトスは僕が持ってきた物を指さした。

 

「それなんだ?」

 

「月」

 

「「は!?」」

 

まぁ、驚くのも無理はないか、月が落ちてるなんて完全に物理法則ガン無視してるしね。ってこれは昨日も言ったか。とにかく2人にこれを使っててっぺんまで行こうと提案したが。

 

「それはあなただけで使って。」

 

「そうだ。お前が白銀の剣士だ」

 

「でも…」

 

僕は躊躇っていた。だって2人も本当は白銀の剣と兜を欲しているはずだ。アスミアは復讐はしないと言ったが、オドロームに一太刀浴びせたいだろうし。ジャイトスはわかんないけど、操っていたのがもしあのおじさんでそのおじさんが、オドロームと繋がっていたとしたらと思うと、やっぱり一太刀浴びせたいと思うし。

 

「君は、私を復讐鬼にさせないようにしてくれた。」

 

「お前は、俺を悪いヤツから目覚めさせてくれた。」

 

「「だからこそ。白銀の剣と兜はお前(君)が貰って。俺(私)達の英雄(ヒーロー)」」

 

ジャイトスとアスミアは同時にそう言ってくれた。…途端に目柱に熱いものを感じた。2人とも短い間だけど、僕をこんなに信用してくれるなんて…期待に添えるように頑張らなくちゃ。

 

「わかった。ありがとう。2人とも。」

 

僕は膨らんだ月に乗って、上へと飛んだ。てっぺんまで着くとそこはやっぱり光り輝いていた。僕は月から飛び乗って、進んだ。そこにはよくRPGで出てくる宝箱があった。そこに近づくと…

 

《ようこそ、復讐せんとした少女を改心させ、操られし少年を救ったユミルメ一の勇士よ》

 

声が聞こえ、そのような事を言っていた。僕の行動を見ていたのかな。

 

《そなたに、白銀の剣と兜を授けます。》

 

言われた瞬間に宝箱が開き、白銀の剣と兜が飛び出してきた。これが白銀の剣と兜…光り輝いていた。僕はこれを着た、ちゃんと僕に合うようになっている…。やっぱりこれは、誘導されていたのか?まぁ、今はそんな事考えてる場合じゃないか、ってどうやって戻ろう?月はあのまま上に登ってったし。

 

《心配いりません。帰り道はこの箱の中》

 

僕がそう思っていたら、声がまた聞こえた。この声は耳じゃなくて、頭に直接話しかけてるみたい。大丈夫かなぁ

 

《そなたは、このユミルメ国を救う事ができる。白銀の剣士【ノビタニヤン】》

 

そう言われたら、降りるしかないよね。僕は箱の中に入った。そこには光の道があり、滑り台のようになっていた。そして、僕はヨラバタイ樹の根元に降りていた。

 

「ノビタニヤン!」

 

「おぉ!白銀の剣と兜を手に入れたか!」

 

「うん!…この先三剣士、力を合わせて妖霊大帝と戦おう!」

 

「「ええ(おう)!」」

 

僕達は、太陽に向けて剣に誓いを立てた。僕、アスミア、ジャイトスの冒険はこれから始まるんだ!

 

PIPIPIPIPIPI!!

 

 

「…んあ?あっ、そうか夢だったんだ。2人とも寝ちゃってる。」

 

誓いを立てた時に音が聞こえ、目が覚めた。何か出鼻をくじかれた感じがする。…謎がいっぱいだ。今回も変な事件にならないといいけどね。

 

「…んん…あ、のっくん?おはよ。どうだった?」

 

「充分楽しんだよ。まぁ、色々あったけど。」

 

「アスミアの事、ジャイトスの操られていた件でしょ?また大きな事にならないといいけど」

 

「僕も思ってるよ。この事みんなに話してくるね。ドラえもんが起きたらいつもの空き地に集合って言っといて。」

 

「わかった。」

 

僕は、そう言って皆に夢幻三剣士の事を伝えるために家を出たのだった



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第36話夢幻三剣士〜のび太はモテますね。〜

前々回の前書きで三剣士役は、のび太、和人、明日奈と言いましたが、ちょっと方向性が変わってしまったので違くなりました。夢幻三剣士は現実の美夜子さん、明日奈、ジャイアン、スネ夫はモニターで見守り入ってこず、直葉と和人とドラえもんが夢に入ります。アスミアの性格とかをちょっと掘り過ぎたので、明日奈が変わるのは違うかなと思ったので。ドラゴンの容姿は大長編に準じてます。

隠しボタンで夢と現実を入れ替えた後はアンデル市まではまだ現実の方に意識はありますが、のび太が現実を夢で見た辺りから(後述の美夜子さん視点)夢の方を現実に思ってるのか感じになりました。どんな感じは本編をご覧下さい。

視点はのび太、直葉、のび太です





ーー2018年8月27日ーー

 

夢から覚めた僕は、和人、あーちゃん、直ちゃん、ジャイアン、ドラえもん、美夜子さんの6人をいつもの空き地に集合してもらって、今回の夢の話を話していた。

 

「その俺に似たジャイトスはお前と会ったやつに操られていたんだな?」

 

「うん、確証はないけど、ジャイトスの言った容姿と僕の会ったおじさんの容姿が同じだったから。」

 

ジャイアンは腕を組みながら僕に聞いてきた。今回の件はジャイアンーーあとここにはしずちゃん、スネ夫もいるーーにはほぼ関係ない事だったけど、ジャイトスは、ジャイアンの分身みたいなものだし。しずちゃんやスネ夫は本当に関わりがないけど、ジャイアンを呼ぶ時に2人に見つかってしまい来てしまった。

 

「…つい5日前にあんな事があったのにお前も大変だよな。」

 

「それを言わないでよ。僕だって、驚いてるんだから。」

 

「夢みる機返した方がいいのかなぁ。」

 

ドラえもんが申し訳なさそうにそう言った。でもそんな事したら途中で夢が終わってしまう。ユミルメ国が滅ぼされてしまうし、何よりこれは僕があのおじさんに会ったのが原因だし。

 

「ドラえもん、それだと途中で投げ出す事になる。そんな事はやっちゃダメだよ。」

 

「でも。こんなに危険だとは…」

 

「ドラえもん、『夢幻三剣士』を強請ったのは僕の責任だし。あのおじさんの口車に乗せられたのも僕だ。」

 

「のび太君…」

 

一昨日、あのおじさんに会わなかったらって思う。僕は何も考えずに『夢幻三剣士』のカセットが欲しかった。いい夢を見て、優越感に浸りたかっただけだった。あのおじさんにカセットの話を聞いてそれでテンションを無駄にあげて…魔法の世界の時と一緒だな、これは。今回は僕一人の責任だ。だから…

 

「呼び出して悪かったよみんな。僕は夢の世界のアスミアとジャイトスでオドロームを倒す。」

 

「俺も行くぞ!元々は俺達も見るつもりだったんだ!」

 

「あたしだって!のび兄やユミルメ国を助けるよ!」

 

「アスミアは、私の分身みたいなもの!私も行くわ!」

 

「うちも!このまま指くわえてのっちゃんを危険な場所に行かせるわけないじゃん!」

 

「俺もだ!俺の分身、ジャイトスが操られていたんだ!黙ってられっか!!」

 

「ぼ、僕も行くよ!怖いけど!」

 

「僕も行くよ。夢みる機を出した責任は僕にある!」

 

「私も行くわ!ソフィアさんの件でも言ったように!1人で抱え込まないで!」

 

みんなは、それぞれの思いを言ってくれた。ジャイトスとアスミアの言葉と一緒で目が暖かくなってきた。僕の心配をしていることはわかっているし、行きたい気持ちもわかる。だって、美夜子さんやソフィアさんを助けたのはそれが理由だしね。でも…。

 

「何が起きるか分からない戦いにみんなを巻き込む訳にはいかないよ。…僕を信じてよ。」

 

「…だがなぁ」

 

「のびちゃん1人に全部を押し付けるのも。」

 

「あっ!こういうのはどう?」

 

ドラえもんが何かを閃いたのか、僕らに話した。それは直ちゃんと和人、ドラえもんが僕と一緒にユミルメ国に行って、しずちゃん、美夜子さん、あーちゃん、ジャイアン、スネ夫はママが邪魔に入らないように。そして何かが起きた時に止めるために僕の部屋でモニターを見るという作戦だ。夢で何かがあった場合のためにドラえもんはポケットを持っていくそうだ。

 

 

ーーーーーーー

 

それから僕達は、僕の部屋に来ていた。ドラえもんが出来れば使いたくなかったと言って隠しボタンを教えてくれた。このボタンは、アンテナがついてる人には夢と現実を入れ替えるそうだ。それを押せば僕、ドラえもん、和人、直ちゃんは、夢と現実が逆転する。まぁ、何かあればあーちゃんにそれを押すように頼んだ。

 

「お兄ちゃん!定期検診の結果が…ってどうしたの?みんな揃って。」

 

夢みる機で行こうとしたら、ドラミちゃんが来た。僕らはドラミちゃんに全てを話した。

 

「…ちょっと調べてみるわ。夢幻三剣士の事。見るのはいいけど気をつけてね?」

 

「ありがとうドラミちゃん」

 

ドラミちゃんはそう言って未来に戻って行った。夢幻三剣士の謎はドラミちゃんに任せるとして、僕と和人、直ちゃん、ドラえもんで隠しボタンを押して、夢の世界に戻ったのであった。

 

 

ーーーーーーー

 

「ーーーニヤン!ノビタニヤン!!」

 

「……んあ?…ってアスミア近!?」

 

気がつくと、アスミアの顔がドアップで近くにあったから、びっくりした。

 

「そ、それはいいじゃないの!それより!いきなり倒れて!心配したんだからね!」

 

「ノビタニヤン。目が覚めたか。」

 

「ごめんね。ちょっと疲れが出てたかな。」

 

僕は2人にこれ以上心配させないように、そう言った。この世界の僕は、突然倒れたようでアスミアに膝枕をされていた。和人、直ちゃん、ドラえもんはどこに行ったんだろう?どこかにはいるだろうし。ドラえもんの道具で僕の位置がわかるだろうな。

 

「ノビタニヤーーン!」

 

「誰だ!」

 

声が聞こえ、ジャイトスは警戒して剣に手を置いた。声のした方向に目を向けたらドラえもんは箒で、和人、直ちゃんはタケコプターでこっちに来ていた。…この世界ではドラえもん、魔法使いで通すわけ?いやまぁ、魔法の世界でもドラえもんの道具は魔法って思われてたけどさ。あと、和人と直ちゃんの格好は、和人は黒い服にコートで、剣を携えていた。直ちゃんは、緑色を基調とした甲冑で和人と同じ様に剣を携えている。

 

「…あなた達は何者なの?」

 

アスミアは、3人に向けて警戒しながら聞いた。怪しむのもわかるか、だっていきなり空から飛んで来たんだしね。でもこのまま警戒されるのは、ややこしくなりそうだから僕は瞬時にこう言った。

 

「3人は僕の知り合いだよ。」

 

「…知り合い?」

 

「初めまして僕は、ドラモン。」

 

「俺は、キリシアンだ」

 

「あたしは、スミリア。よろしくね!」

 

3人は、それぞれ自己紹介した。この世界の3人の名前か。僕みたいに誰かがつけてくれたのか、はたまた自分達で決めたのか、和人はゲーマーだしね。アバター名は瞬時に思いつくみたいだけど、直ちゃんはどうなんだろう?和人や僕みたいにゲームが好きってわけじゃないし。…いやアバター名の名付けの使い手の和人が決めたのかもね。ドラえもん関しては気にしてない。『え』を抜かしただけだろうし。

 

「……信用出来るの?」

 

アスミアは訝しげに3人を見ていた。この子はオドロームからの奇襲で家族や都市を失った。今でこそ、ちょっとは軟化してる口調も最初に会った時は棘があったし。

 

「僕が信頼してる剣士と魔法使いさ。剣の腕も最高レベルだし。僕の生まれた場所では、1位2位を争う程にね?それとドラモンは違うけど。2人は兄妹なんだ。連携も人一倍すごいから。」

 

嘘は言っていない。直…おっとここではスミリアって呼んだ方がいいか、スミリアの腕前は練馬区の道場で1番強いと言われているし。キリシアンの方は先日からまた剣術を、あの人から1から教わってる。僕は一昨日つまり夢みる機が出る前の日に模擬戦をしたら僕の剣術に追いついていた。キリシアンの元のスペックが高いから2年のブランクなんてものともしない気迫だった。

 

「そうなの…。ノビタニヤンがそう言うなら信用するわ。」

 

「…だが、奇妙な動きをしたらタダじゃおかないからな。」

 

ジャイトスは、まだ信用出来ないのか険しい顔でそう言った。初対面の相手だからか、あのおじさんに操られていたからか。しょうがないけど。…そこの所は時間が解決してくれそうか。僕とは仲良くできたんだから。

 

「…のび兄。アスミアさんと話していい?」

 

何て考えていたらスミリアが僕に真剣な表情でそう言ってきた。

 

「え?どうしたの?」

 

「ちょっとね。いい?アスミアさん。」

 

「ええ。」

 

そう言って、アスミアとスミリアは、少し離れた場所に行った。話ってなんなんだろう。

 

 

ーーーーーーー

 

あたしは、のび兄に断りを入れてからアスミアさんと2人きりになった。あたしは確かめたかった。アスミアさんから感じたあの感じは…きっと。

 

「……アスミアさん。単刀直入に聞きます。のび兄の事好きですね?」

 

アスミアさんにそう聞いた。アスミアさんは驚いた表情になったがすぐに元に戻った。

 

「ええ。好きよ。彼は私を変えてくれた。この国は男尊女卑主義者の者が未だにいる。…私は旅をし続けてたらそんな男達に何回も会った。…でも彼は違った復讐に囚われていた私の心を救い、ジャイトスの言葉にすぐに謝罪をしろと言ってくれた。…彼を好きにならないなんておかしいでしょ?」

 

アスミアさんは、アス姉と同じ表情で赤くなった。まぁ、アス姉と顔一緒だしね。…もう。のび兄、夢の世界でも現実の世界でも何でこんなにモテるの!?やっぱりあたしの感は正しかったよ!?それにアスミアさんは言わばアス姉の分身みたいなものだし、同じ顔の人にまた好きにさせて、何が楽しいの!?何て言えるはずないしね。のび兄は誰にでも優しいから。

 

「…あたしも、小さい時からのび兄の事、好きです。それにのび兄は他にも好意を持たれてる人が3人います。それでもいいんですか?」

 

「愚問ね。そんな事で諦める私じゃないわ。」

 

…そりゃそうだ。他の3人のうちの1人があなたと同じ顔の人物なんて言ったら、どんな顔をするんだろう。まぁ、それはいい。アスミアさんの気持ちも知れたからしね。

 

「じゃあ、今日からライバルね。」

 

「はい。負けませんよ。」

 

アスミアさんの好戦的な言葉にあたしは答えた。あとアスミアさんの表情は好戦的だけど、柔らかった。…さっきのび兄が言ってくれた時信用するとは言ってくれたけど、逆に言えば信頼はまだしないともとれたしね。信用と信頼は一緒のようで違うし。ジャイトスさんも言わずもがな。

 

「じゃあ戻りましょうか。4人を心配させてるかも。」

 

「そうですね。」

 

あたし達は、のび兄達が待ってる場所へと戻って行った。

 

ーーーーーーー

 

 

数分経って、アスミアとスミリアは戻ってきた。何の話をしていたかは気になったけど、アスミアの表情が若干だけど柔くなっていたから、別に大した問題じゃないと悟った。2人も戻ってきたし、そろそろ出発するか…。

 

「ガウオォォォォ!!!」

 

「熊!?き、昨日の小熊の親か!?」

 

動き出そうとした瞬間に熊が出てきた。その熊は真っ先にジャイトスを狙っていた。昨日の小熊くんの親なのだろうか

 

「…俺はお前の子を狩ろうとした!殺るなら俺だけにしろ!!」

 

「グルルル!」

 

ジャイトスは、剣を捨て、熊にそう言った。僕は咄嗟に熊とジャイトスの間に入った。ジャイトスは驚いて僕に退くように言ったが僕は聞く訳にはいかない。熊はそれでもなお、襲いかかろうとしていた。まだ、オドロームの姿も見てないし、あのおじさんの事もわかってないけど。ジャイトスを見殺しする訳にはいかない!

 

「父ちゃん!!」

 

熊の牙が僕の顔に近づく寸前まで来たら声が聞こえた。その方向を見るとあの小熊がいた。…ていうか今喋らなかった?

 

「ダメだよ。僕は無事だって言ったでしょ。それにこの人らよ!助けてくれたの!その人も反省してるみたいらし!」

 

気の所為じゃなかった。…この世界の動物は喋るのかな。いや月の事もあるし。現実の常識はユミルメ国には通用しないみたいだ。

 

「息子の恩人とも知らずに申し訳ねぇこんで。」

 

熊さんもさっきの雰囲気が嘘のように穏やかになった。

 

「…小熊くん。昨日はすまなかった。罪もないお前を罠に嵌めて」

 

「僕は全然気にしてないよ!」

 

「うう…本当にすまなかったッ!…うう…」

 

ジャイトスは小熊くんの純粋な笑顔に触れ、さらに昨日の罪悪感が溢れてきたのか、また泣いてしまった。泣いているジャイトスの姿を見て、僕、アスミア、キリシアン、スミリア、ドラえもんは、頷きあった。こんな事をさせたやつを絶対に許しはしないと。ジャイトスは一通り泣いたら涙を拭き僕達の方に向いた。

 

「…泣いてすまなかった。俺はさらに誓うぞ!ノビタニヤン!この剣であのオヤジを倒すと!」

 

ジャイトスは剣を持ち僕にそう言った。ジャイトスの決心はついたみたいだ。僕達はそれに答えないとね。

 

「熊さん。小熊くんいつになるか分からないけどまた会おうね。僕達は竜に会いに行くから。」

 

「えーー!?龍に会いに!?わりい事は言わねぇおやめなせぇ!生きてはけえれねえだ!」

 

熊さんはやめるように言った。確かに危険なのはわかってる。アスミアの話では龍は人を石にするらしいし。…まぁ、自衛の為だと思うけどね。秘境でひっそり暮らしてる龍を僕は退治する訳にはいかないけど、オドロームを倒すには龍の血が必要だと聞くし。一応龍に聞いてみるんだ。あなたを倒さずに何か他に不死身になれるかを…。

 

「だから退治するわけじゃないから。」

 

「あなたは本当に心優しい人だ。…あそこには3日もかかるでがんす。見るからに女性が2人いるようなのでおらも行くだ。」

 

「…いいの?」

 

熊さんはそう言ってくれた。熊さんの言う通りが本当なら3日間も歩き詰めになる。2人の体力も考慮すると熊さんの提案もありかもしれない。男性陣はタケコプターで行けばいいしね。ジャイトスには飛び方を教えないとね。

 

「それならお言葉に甘えさせてもらうわね。」

 

「ごめんね。熊さん。」

 

「なんのなんの!」

 

アスミアとスミリアと荷物を熊さんの背に乗せ、僕らは龍がいる渓谷へと歩き始めたのだった。

 

 

ーーーーーーー

 

「今の所は何も起きないな。」

 

モニターを見ながら、ジャイアンはそう言った。ドラちゃん、直ちゃん、和くんがのっちゃんと合流して、熊さんの背に乗るまでをうちらは見ていた。

 

「このまま何もないといいけど。」

 

「のび太の事だから、ぱぱっとユミルメを救ってくれるよ!」

 

「あっれー?スネ夫が珍しくのっちゃんを褒めてるじゃん?」

 

「そんな失敬な!僕だってのび太の仲間だよ!」

 

…まぁ、ピーちゃんの時の冒険で少しだけどバカにする事は無くなったし。あの直樹よりかは幾分かマシだし。あっちゃんやみっちゃん達をナンパすることだけ許す気はサラサラないけど。…まぁ、今度またバカにする所を目撃すれば、拳をお見舞するけどね。

 

「とにかく見守り続けよう。ドラミちゃんが『夢幻三剣士』ついて調べているはずだしな。」

 

「そうね。……ってどったの?あっちゃん?」

 

ジャイアンの言葉に頷いて、ふと横にいるあっちゃんを見たら、顎に手を掴んで真剣な表情で何かを考えていた。心配事でもあるのかな。

 

「……アスミアさんはのびちゃんの事…好きなのかしら?」

 

いやいや流石に夢の世界でものっちゃんの女絡みはないでしょ?昨日のモニタリングしてたみっちゃんに聞いてみた方がいいか、どんな様子だったのか。

 

「みっちゃんはどう思う?」

 

「…限りなく灰色に近い黒ね。」

 

「「ええ!?」」

 

何!?またフラグでも立てたの!?みっちゃんが言うにはアスミアさんはのっちゃんに出会った時はすごい剣幕だったみたい、その理由は家族やその都市をオドロームに殺された。そして白銀の剣と兜を手に入れて、復讐するつもりだったけど、のっちゃんが説得し、その後もジャイトスの言葉に謝れと言ったらしい。……それ黒になるんじゃない?

 

「…はぁ…まぁ、もう慣れたわね。」

 

「慣れちゃいけない気がするけど。」

 

「多分この先ものびちゃんは、そうかもしれないよ。」

 

「「「はぁ……」」」

 

うち、みっちゃん、あっちゃんは、これからも続くであろうのっちゃんの女絡みの出会いにため息を吐いた。これ以上はライバル増えないで欲しい。

 

「…さて続きを見よう。」

 

ジャイアンはそんなうちらの事を気を使ってか。モニターを見続けるのであった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「ーーーーへっくしゅん!」

 

森から抜けて、3日後。渓谷の近くまで来たら僕は急に鼻がムズムズして、くしゃみをした。何だろう?別に寒くもないし。風邪?でも夢の世界だし。風邪なんか引かないと思うけど。

 

「風邪か?」

 

「いや急に鼻がムズムズして」

 

「誰かが噂をしていたりしてな。」

 

「…見当はつくけどね。のび兄だし。」

 

僕とキリシアンが話していたら、話を聞いていたのかスミリアが熊さんの背からこちらを訝しげに見てきた。いや何でそんな目で見るわけ?何もやましい事やってないのに。

 

「僕、今回は何もしてないけど。」

 

「……無自覚天然タラシ。」

 

「何それ!?」

 

スミリアから睨まれながら言われた。無自覚天然タラシって…僕がいつ誰をたらしこんだって言うんだよ。…まさかジャイトスの事?…うんそれはないか。自分で思ってバカみたいだ。まさかアスミア!?…ってそれもないか。

 

「ノビタニヤン。ついたよ。」

 

何て考えていたら、もう目的地までついたようだった。龍がいる渓谷。ジャイトスが言うにはここの別名は《龍の息吹》と呼ぶらしい、僕らは渓谷の中に入った。

 




雷神「ふぅ…終わったぁ(;´∀`」

銀「後半に全てをぶっ込んだなおい。」

雷神「いやぁ大変だった。」

銀「それでだ。最後のやつは、また思いつきか?」

雷神「まぁね。SAO本編に入る前に接触する予定」

銀「それもあとの話なんだろ?」

雷神「そうそう、次回はドラえもん誕生日スペシャルの回で劇場版の方も決まってる。」

銀「ほう。じゃあ次回もお楽しみにな!」


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第37話夢幻三剣士〜竜とのび太

視点はのび太、美夜子さんのび太


渓谷は意外と広く、行けども行けども岩だらけだった。何か地下世界を思い出す。流石にこの渓谷には龍以外の生物は、コウモリとか小さな虫がいる程度だけどね。ここはあの地下世界じゃないし。それと渓谷は大きな音が、色々な所とから聞こえていた。ドラえもんが言うにはマグマがこの渓谷の下で動いてるそうだ。ジャイトスからはよくそんな事知ってるなと言われていた。まぁ、ドラえもんだし。その辺はわかるか。

 

「…ッ!!ノビタニヤン!下!!」

 

そんな事を考えていたら、アスミアが突然そう言った。下を見たら岩が浮き上がっていた。って!?何これ!?僕はそのまま飛ばされてしまい、みんなとハグれてしまった。何で僕に限ってこうなるんだろう!?…僕だからとか言わないでよ。ふぅ…みんなと合流できるかわかんないし、とりあえず、立ち上がり奥に進むことにした。

 

「…どこなのここ?」

 

って思ったけど、やっぱりここがどこかも分からないから立ち往生してしまった。はぁ…こんな事ならドラえもんに発信機とか貰っとけば良かった。

 

ビュッ!!

 

「危な!?何?」

 

歩いていたら何かが飛んできて、それを避けた。その避けた物をよく見ると…

 

「…光の矢?」

 

壁に突き刺さったそれは、ヴァサゴが使っていた凶弾だった。…まさかヴァサゴが!?と思って光の矢が来た方を見ると予想とは外れていた…。しかしその持ち主は今回の目的でもあり、僕にこの夢を教えた元凶。あのおじさんが岩場で腰をかけていた。

 

「お前は!」

 

「やぁ。白銀の剣士。ノビタニヤンくん」

 

おじさんは、不敵な笑みを浮かべながらそう言った。

 

「お前は何がしたいんだ!!ジャイトスを操ったのもお前だな!」

 

「その通り。わしは、血を見たかったのだよ。君をこの世界に呼んだのも。あの少年を操ったのもね。」

 

おじさんは、目をギラつかせて舌なめずりをしながらそう言った。…なんだ?この既視感ある感じは…この感じは…そう、ヴァサゴとの思わぬ再会の時と一緒だ。…まさか。

 

「…おっと、わしの名を言うのを忘れていた。わしの名はトリホー。またの名を8代目ヴァサゴ・カザルス。以後お見知りおきを」

 

おじさん…トリホーは紳士的振る舞いでそう言った。ヴァサゴが言っていた事が本当になるとは思わなかった。僕は剣に手を置いて、警戒した。こいつはヴァサゴ・カザルスだ。あいつみたいに姑息な手段で他にも何かをするつもりかもしれない。

 

「ふふふ…そう警戒しなくてもいい。今回は何もしないよ」

 

「信用出来るとでも?」

 

僕はトリホーを睨みつけながらそう言った。最初に喧嘩を売ったのは、トリホーの方からだ。何もしないって言われても信用するわけない。

 

「おっとそれもそうですね〜。とう!」

 

そう言うと、トリホーは鳥に変身した。…本当に何もしないのか?っていうか何で鳥に…。ドラえもんに前に貸してもらった事がある変身ビスケットか。

 

「3代目以降のヴァサゴも近々あなたに会うことでしょう!ではまたお会いしましょう。ほっほっほっ!」

 

トリホーは、笑いながら飛び立って行った。…8代目ヴァサゴ・カザルス。やつは戦ったヴァサゴより実力は上なのか分からない。どんな力を持っているのかも。…こんな事ならあいつに聞いとけばよかった。それに3代目以降のヴァサゴも…。はぁ…あのおじさんの正体もわかったし、みんなが来るまで待っておくか。…モニター組はこれも見てるのかもしれないな。

 

 

ーーーーーーー

 

私達は今の出来事を目の当たりにして、驚いていた。のびちゃんからはヴァサゴ・カザルスは襲名制だと聞いたけど、まさかこんな形で暗躍してたとは思わなかった。あの戦いから1週間も経っていないのに、事件が起きるのもうなずける。きっと私達の知るヴァサゴが捕まった事により、各々の時間にいる歴代ヴァサゴ達はのびちゃんに、狙いを定めたんだろう。タイムパトロール隊も目を光らせているのにも関わらず。

 

「…まさかヴァサゴが出てくるなんて。」

 

「頭が痛くなってきた。」

 

「襲名制だし。仕方ないかもしれないけど。似てないよね。ヴァサゴと」

 

確かに私達の知るヴァサゴは、最初こそ黒マスクをしていたが再会の時はそのマスクをしていなかった。アジア系のような容姿だった。さっきのヴァサゴは、見た目は童話で出てくるような魔女の容姿だった。

 

「それはどうでも良くない?」

 

「…それもそうね」

 

「はぁ…無茶だけはしないようにね。」

 

私は、今和人くん、直葉ちゃん、ドラちゃん、アスミアさん、ジャイトスさんに合流したのびちゃんにそう願ったのであった。

 

 

ーーーーーーー

 

「無事だったか!」

 

「何とかね。…さっきあのおじさんに会ったよ。」

 

僕はみんなにさっきの出来事を話した。ジャイトスは少し気が立って追おうとしてたけど、止めた。今追ってもどこに行ったか分からないしね。ジャイトスを収めてからやつがヴァサゴだった事をキリシアン、スミリア、ドラモンに話したら、警戒は強めるが今は何もできないと判断して、様子見になった。

 

「さぁ。龍に会いに行こう。」

 

トリホーの事は、後で考えるとして僕達は渓谷の目的である龍の元へと急いだ。ドラモンが僕を探してる次いでに龍の居場所を突き止めたらしい。

 

《待っていたぞ。心優しき白銀の剣士とその一行よ。》

 

そこには日本でもよく知られる緑色の東洋の龍が僕らに話しかけてきた。

 

「…僕達の目的がわかってたんですか?」

 

《その通り。…これまで大勢の人間どもが私の命を狙ってやって来た。私は身を守るため彼らを石にした。…だが君のような最初から私の血を狙ってきたのではなく、他に方法を私に教えを乞う剣士は初めてだ。》

 

龍さんは目を優しくしながらそう言ってくれた。僕は、血を見るのが嫌だ。カシバルさんが殺された時血を触った、血はいい物なんかじゃない、トリホーや10代目ヴァサゴの血で血を洗う戦いをこのんでいる考えはやっぱり僕には理解出来るわけない。だからこそ、僕は…

 

「教えてください。あなたの血じゃなく不死身になれる方法を…」

 

《ついて来なさい。》

 

龍さんからついてくるように言われた。言われるがままに僕らはあとをついて行くとそこには温泉があった。

 

《温泉に私の汗を溶かしこもう。そうすれば不死身とはならないが、1度死んでも生き返る事ができる。》

 

龍さんが入った温泉はみるみるうちに緑色へと変化して行った。

 

「へぇー、つまり龍さんの出し汁。」

 

《裸になって体に染み込ませるがよい》

 

「龍さん、ありがとう。じゃあさっそく。」

 

僕、キリシアン、ジャイトス、ドラモンはさっそく入ろうとした。この世界に来て三日三晩、僕らは風呂に入ってなかったし、身体中汗ばんでいたしね。

 

「あたしたちは後で入るね。のび兄」

 

アスミア、スミリアは、僕らが終わったら、入る事になった。…あっ。

 

「ドラモン。ここからじゃモニターって消せない?」

 

「ん〜。どうして〜」

 

「スネ夫が、アスミアとスミリアの身体を見ないか心配だしさ。」

 

モニターの向こうにいるスネ夫が変態心全開で見そうだから僕はドラモンに頼んだ。え?ジャイアンはいいのかって?ジャイアンは、そんな事しないよ。魔法の世界のジャイアンならともかく、こっちのジャイアンは紳士だからね。

 

「しずが止めるだろ。」

 

「…それもそうか。」

 

僕の考えはキリシアンの言葉によって、消え去った。しずちゃんがいるんだからスネ夫がそんなことするわけないか。意外とこの温泉気持ちがいい。効能聞けばよかった。1回生き返る事ができるらしいけど僕はそんな考えをしながら温泉の湯を堪能していた。

 

 

ーーーーーーー

 

 

それから僕達は、全員温泉に入った後に龍さんからこれからどこ行くかを聞かれたから僕は、妖霊軍団と戦う為に町に行きたいと言った。

 

《谷の南に川がある。下ればアンデル市の街に着く。流れが急で危険だが。その分早く行ける。》

 

龍さんは親切に教えてくれた。

 

「龍さん。色々ありがとう。」

 

《さらば勇者よ。幸運を祈る。》

 

龍さんにそう言われ、僕達はまた歩き出した。これから待ち受けるのは妖霊軍団との対決。ジャイトスは、トリホーに一太刀浴びせたいと言っていた。…ジャイトスの腕だったら、深手を負わせる事はできそうか、トドメは刺さないでくれと言ってあるし。トリホーがジャイトスに接触するかは分からないけどね。

 

「ここが龍さんが言っていた川か。」

 

龍さんが言っていた通りに、流れが急だった。

 

「どうやって行く?」

 

「船で行こう。」

 

僕はそう言ってから、横にある大きな木を一刀両断して、船を作った。…案外簡単にできた。っていうか剣が勝手にやってくれた。手を動かしてるのは僕だけど、白銀の剣は、使い手が思い浮かぶ事をやってくれる剣なのかもしれない。…名刀と言えば名刀だけど、なんかなぁ。思いのままにやってくれるの嬉しいけど、ちょっと違和感がある。

 

「……一応できたよ。」

 

「どうした?」

 

キリシアンは首を傾げながら、僕に聞いてきた。他のみんなも同じ風に思ってるのか見てきた。

 

「…ちょっと違和感があるだけ」

 

「…そうか、まぁ船はできたんだ。行こうぜ。」

 

キリシアンは深くは聞かずにそう言ってくれた。違和感があるだけで、不満はないからね。…まぁ、それはいいか、とりあえず船に乗ってアンデル市に向かおう。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「のび太!あら?皆してどうしたの?」

 

私達がモニターを見ていたら、ママが部屋に入ってきた。

 

「ちょっとのびちゃんの様子を。…用事があったんですか?」

 

「のび太にお使いを頼もうと思ったんだけど。…寝てるの?」

 

ママは、少し心配した様子でのっくんを見ていた。

 

「ここの所、剣術の稽古が厳しいみたいなので。疲れてるみたいなんです。」

 

「あら…。それならいいわ。」

 

ママは、それだけ言うと下に戻って行った。ふぅ…何とか誤魔化せたかな。…??のっくんが起きた?

 

「…ここはどこ?何か見たことある所…?…あ、そうか、いつも見てる夢だ。早く起きないと。」

 

そう言って、また眠ってしまった。きっと隠しボタンで夢と現実を入れ替えたから、ここを夢だと思ってたんだ。モニターを見たら、のっくんは今起きたらしくみんなと話していた。和くんや直ちゃん、ドラちゃんも同じ夢を見ると言っている。アスミアさんとジャイトスさんは、そんな夢は見た事がないようで、不思議そうにしていた。…何だかやっぱり怖いなこの隠しボタンって。

 

「のびちゃんや直葉ちゃん。さっきまで現実の事言ってたのに。」

 

「……夢の世界に侵食されて行ってるのかな」

 

「…やっぱり止めた方がいいんじゃない?」

 

アス、スネ夫くん、しずちゃんが不安そうに言った。私も不安になってる。船に乗るまでは現実の話をしていたのに、目が覚めたらここを夢と言っていた。いきなりすぎて怖い、止めた方がいいのかもしれない。…夢幻三剣士は現実に強い影響力があると注意書きにも書いてあったし。このまま続けるとさらに侵食が続く可能性もあるし。

 

「…このままこいつらを起こしても不完全燃焼になるかもしれんし。アスミアやジャイトスが心配するぞ。」

 

ジャイアンは、腕を組みながら不安がる私達にそう言った。ジャイアンの言う事も最も、夢の世界ののっくんは目が覚めると同時に倒れたと言っていたし。

 

「それにほら見てみろ。」

 

「…あっ、いつの間にかアンデル市に着いてる。」

 

話してる間にのっくん達はアンデル市に着いていた。それと雨も降っている。のっくん達が乗っている船はそのまま、城の水門から中に入り、兵士に見つかって対峙した。けど、白銀の剣士の力に兵士は適わなかった。のっくんは自らを白銀の剣士と名乗りその場を収めた。その後、アンデル市の隊長さんと会った。隊長さんはのっくんの容姿を見て呆気に取られていた。予言ではもっと強そうな剣士と思っていたらしい。のっくんの強さはジャイトスさんと和くんが言った。敵がいないのは、水に弱いと隊長さんは言っていた。敵の兵士は『土の精』らしく、切っても突いてもこたえないので始末が悪いみたい。その『土の精』を率いているのは6つの毒の剣を振り回す。妖怪【スパイドル将軍】という。アンデル市は三度攻められ、三度防いだ、だけど兵士も無事ではなく今では数える程になってるとか。雨が止んだら最後の戦いになると言っている。

 

「…こう見たら。もうあとには引けないよね。」

 

「そうね。のっくん達は例え、こちらを現実と思わなくても、これまでの戦いの記憶は夢としてみてるはずだし。」

 

そう思いながら、私は再びモニターを見た。ドラちゃんがポケットでラジカセを出した。…魔法の唱え方には少し疑問に思うけど、直ちゃんが何かを思いついたらしく、みんなに話していた。その後ラジカセのテープにみんなを声を録音して、スパイドル将軍達を地下倉庫に誘き寄せて、『土の精』をドラちゃんが出した[とりよせバッグ]で取り寄せた湖の水を誘き寄せた地下倉庫に流している。『土の精』は溶けていった。

 

「さすがは、直葉ちゃんね」

 

「でも、スパイドル将軍は逃げたわね。」

 

スパイドル将軍は、ほうき星に自分の糸を絡めて、逃げていった。のっくんは悔しそうにスパイドル将軍の方を見ていた。きっと、8代目ヴァサゴのトリホーの事が気になってるんだ。夢と現実が入れ替わったとしても、ヴァサゴの事は気になるらしい。スパイドル将軍に逃げられたけど、退いた事には変わらないからアンデル市のみんなは喜んでいた。その後は戦いの疲れを癒し、城で休んでいたが、兵士の1人がやってきて、新手の妖霊軍がシャルペロー城に向かっていると言われ、のっくん達は急いでその城に向かっていった。

 

「…何から何まで急展開よね。」

 

「アンデル市に着いてから、妖霊軍団との対決が凄まじいからな。」

 

シャルペロー城に着いたのっくん達は、城の上で妖霊軍を見ていた。大軍の中には最初に会った象の妖怪もいた。きっとあの像がこの軍を率いているんだと思う。のっくんは何を思ったのか城から飛び降りた。…ってなんで!?

 

「あいつ!1人でやるつもりなのか!?」

 

「いくら白銀の剣と兜があっても無茶だよ!」

 

ジャイアン、スネ夫くんがモニターを見て、叫んだ。私達も気が気じゃない。何でこうも無茶ばかりするのよ!

 

 

ーーーーーーー

 

「ノビタニヤン!」

 

アスミアが僕を呼んだが。僕は大軍を前に1人で飛び出した。白銀の剣士のブーツのお陰で着地する時の衝撃はそんなに来なかった。早速…夢の剣術をここでやろう。あの剣術ならこの大軍も倒せる。

 

「1人で来るとは…。命を諦めたか?白銀の剣士」

 

「みんなを守るにはこうするしかない。それと…トリホーはどこ?」

 

「トリホーだと…?」

 

僕は気になっていた。昨日会った夢の中で倒した事があるのヴァサゴの二世代前の8代目ヴァサゴ…トリホーの存在を…何かを忘れている気もするし、スパイドル将軍には逃げられて、聞きそびれたけど、こいつなら分かるかもしれない。…ジャイトスには悪いけど。

 

「死に行く貴様に教える義理はない!『水の精』大隊進め!!」

 

象の妖怪は、僕の質問に答えることなく『水の精』を呼んできた。聞いてくれたっていいのに!…ここでならあの技が使えるかもしれない。夢の世界での師匠が教えてくれた…。

 

「《時雨蒼燕流“最終奥義”》!凍てつきの雨!!」

 

この技は冷たい冷気を発しながらスピードに乗せて突く技、夢の僕は後遺症が半端なく出るから13歳までお預けになった。けど、白銀の剣と兜がその後遺症を抑制してくれたらしく、何もなかった。『水の精』大隊は、凍てつきの雨で凍って砕け散った。ふぅ、良かった。

 

「ちっ!『鉄の精』大隊!進め!」

 

「次は『鉄の精』!?」

 

象の妖怪は、次に『鉄の精』を出てきた。『水の精』ならともかく『鉄の精』は硬そうだよ!?

 

「ノビタニヤン!!」

 

なんて考えていたら、ドラモンの声が聞こえた。振り返るとみんなが夢の中で見た道具[タケコプター]を頭につけてこちらに来ていた。

 

「無茶ばっかりして!心配したんだからね!」

 

「夢の中でもそうだが1人で抱えすぎだ!俺達もいるんだからな!」

 

スミリアとキリシアンがそう言った夢の中でも2人とドラモンは居てくれたね。…でも他にもアスミアとジャイトスに似た人と美夜子さん、スネ夫って人が居たような気がする。…今はそれどころじゃないか。

 

「ドラモン!道具ない?」

 

「あるよ![ミニ雷雲]!」

 

城に一先ず戻って来た僕達、僕はドラモンに何かあるか頼んだ。ドラモンが出したのは、夢で見た事があるガスボンベに似たやつ。それから出てきたのは、黒い雲だった。それはどんどん『鉄の精』の上でに行った瞬間…

 

バキューーーン!!

 

 

雷が落ち『鉄の精』に命中。『鉄の精』は戦闘不能になって、倒れた。ふぅ良かった。…ん?何か後ろに気配を感じて後ろを見た。隣にいたジャイトスとキリシアンに警戒をしてくてくれと頼んでおいた何もいなかったけど、嫌な予感がしたし。僕は前に向き直した。

 

「象の妖怪がやっと来たぞ。」

 

「白銀の剣士!やはりわしがこの手でやってくれるわ!」

 

さっき、一騎打ちしようと思ったけどね。まぁ、いいや。僕はタケコプターを頭につけてから象の妖怪に向けて剣を何回か当ててから、剣で大振りして一太刀浴びせたら耳にちょうど当たり象の妖怪は落ちていった。ふぅ、これで象の妖怪との1戦は終わったかぁ…



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第38話夢幻三剣士〜最終決戦前〜

俺達は、ノビタニヤンが象の妖怪を倒したのを見て、少しは安堵をしたが気配を感じて後ろを向いた。童話に出てくるような魔女の顔をした男がそこにいた。ジャイトスが親の仇を見るようにそいつを睨んでいた。という事は…

 

「お前が、トリホーだな!」

 

「さすがは白銀の剣士ですな。」

 

俺の言葉を無視してノビタニヤンの方を見ていた。…随分と余裕そうだな。

 

「てめぇ!何しに来た!」

 

「茶色の剣士。弱い君には関係のない話じゃ」

 

トリホーは、ジャイトスに向けてそう放った。小馬鹿にした態度はさらに大きくなった。

 

「てめぇには、一太刀浴びせねぇと気がすまねぇ!!!」

 

ジャイトスは、トリホーに向かって行き剣を振ったが避けられてしまった。すかさず俺も応戦したがトリホーは綺麗なステップで避けている。くそ!遊ばれてるみたいじゃないか!!トリホーは屋根に乗ると俺の方を見ていた。

 

「何の偶然かそのコートを着ているとはね。この世界でも君は黒の剣士か。」

 

「何の話だ!」

 

「白銀の剣士ノビタニヤン、そして黒の剣士キリt…いやキリシアン、君達2人は近い未来大きな事件に巻き込まれる。これまでの事件が可愛いと思えるほどにね。」

 

俺は、トリホーが言っていることがわからずに棒立ちになっていた。

 

ひゅん!!

 

「いきなりの挨拶じゃないか、…ノビタニヤン…」

 

何かが飛んできて、トリホーの近くに刺さった。それは白銀の剣だった。横を見るとノビタニヤンが鋭い目付きでトリホーを睨みつけていた。

 

「僕がいない間に。みんなを襲うお前に言われたくないよ。」

 

「…ほっほっほ!…ではまたどこかでお会いしましょう。」

 

トリホーは、鳥の姿になりどこかに行こうとしていた…が。

 

「誰が!!」

 

「行かせるか!!」

 

俺とジャイトスで止めようとしたが、あと一歩のところで手が届かなかった。くそ!あいつ空に飛んだ瞬間に猛スピードで行きやがった!!

 

「すまねぇ。逃がした。」

 

「仕方ないよ。あのスピードじゃあ、タケコプターでも追いつけない。」

 

「…あいつ何がしたかったんだ?」

 

「わからない…けど、また会うことになるかもね。」

 

「そうだな。」

 

「あっ!皆さん!妖霊軍団を退いた事でシャルペロー城の王からお礼としてご馳走をもらうことになりました!」

 

隊長さんが、やってきて俺達にそう言った。でも。

 

「まだ妖霊軍団全員を倒したわけじゃないですよ?」

 

「それでも、あの象の妖怪は妖霊軍の随一の名士だったようで、これ以上の強い敵はオドロームだけとなってます!」

 

「…そういう事なら…」

 

「ドラモン。」

 

「トリホーの事は黙っていた方がいいと思う。」

 

ドラモンがそう言った。確かに下手に言ったら混乱するかもしれないしな。ご馳走は夜になったら貰えるそうだから、夜になるまで城の部屋に各々休むことになった。

 

 

ーーーーーーー

 

夜になり、隊長さんから呼ばれ僕達は食堂までやってきた。食堂にはこれでもかと美味しそうな物いっぱいあった。

 

「皆さんの強さには驚きました!特にドラモン様の魔法と白銀の剣士の力は圧巻しました!」

 

「いやぁ。妖霊軍団が弱すぎるんです!」

 

「妖霊軍団はな?」

 

隣のキリシアンは、小さく呟いていた。…トリホーの実力の一部が見れたけど実力者であるジャイトスとキリシアンが遊ばれていたし、キリシアン達からは足元に刺さったと見えたと思うけど、僕は白銀の剣をあいつに刺そうとして投げたのに避けられた。危機回避能力が強いのかもしれない。

 

「ささ!もう一度乾杯しましょう!」

 

ぼん!

 

と隊長さんが言った瞬間に辺りにあった灯火が消えた。辺りは暗くなった。周りを見たらキリシアンとアスミア以外のみんなが眠っていた。

 

「何が起きたんだ?」

 

「みんな!どうしたの!」

 

「嫌な予感がする。行こう。屋上に!」

 

僕はそう言って、キリシアンとアスミアを連れて屋上に向かった。そこには大きな耳と2本の触角が生えたプテラノドンのような顔をした人物がいた。

 

「誰だお前は!!」

 

「あいつは!!妖霊大帝オドローム!!」

 

アスミアは、会った時の様な険しくそして会った時の様な復讐に満ちた顔で目の前にいる人物に向けてそう言った。

 

「アスミア!落ち着いて!」

 

「でも!」

 

アスミアは振り向きざまに僕に異議を唱えようとしたけど、僕は。

 

「前にも言ったでしょう?」

 

「…そうね。復讐はしないって。言ったわよね。」

 

アスミアは落ち着きを取り戻し、顔も少し穏やかにさせて、また前を向いた。

 

「このワシに勝負を挑むとか…面白い。それに…ユミルメ国王の兄弟の1人である貴族の娘か。」

 

…アスミアは貴族って、わかっていたけど王女の従姉妹だったのか。

 

「私はあなたを許さない!…でも、復讐はしないわ。ノビタニヤンがあなたを倒すから!」

 

アスミアは僕に託してくれた。その気持ちに応える為に僕は剣を抜き、オドロームに立ち向かった。でもオドロームから出された魔法で僕は吹き飛ばされた。僕はすぐに立ち上がり、タケコプターを頭につけてから再びオドロームに白銀の剣を突き付けた。オドロームは青く燃える炎になって消えた。

 

「キリシアン!」

 

「おう!」

 

キリシアンはわかっていたのか、僕の頭上にいるオドロームに向けてタケコプターで行き、オドロームに剣を叩きつけた……けどそれも分身だったようでさっきのように消えた。オドロームはさらに向こうに行っていた。

 

「黒の剣士、貴様もやるようだな…。しかしお主ら如きにやられるわしではない。」

 

あのプテラドン、余裕綽々そうに言ってるな。あの長い顔へし折ってやりたい。そんなこと思いつつも僕とキリシアンは1箇所に集まった。

 

「埒が明かないな」

 

「アスミアを呼んで3人で挟み撃ちにしよう。」

 

「そうだな。俺がオドロームを引きつける。」

 

「お願い」

 

僕達は、それだけ言うと散ってから作戦通りに動いた。アスミアには前もってタケコプターの使い方を教えておいたから飛ぶのには慣れている。そして、キリシアンが誘導したオドロームは僕、キリシアン、アスミアの中に入った。僕達は合図をしてから、3人で剣をオドロームに突き刺した。手応えはありだ!

 

「やったか!」

 

「お主らの作戦は、よくやったが…。やはりわしには勝てん。」

 

「「「な!?」」」

 

確かに手応えは…あっ!!木と入れ替わってたんだ!!くそ!剣が木に突き刺さって取れない!

 

「ふっ!!」

 

後ろから聞こえたオドロームの声に気づかずに僕は、そこから意識が無くなった。

 

 

ーーーーーーー

 

「ーーーノビタニヤン!!」

 

「…はっ!?どうなったの!?」

 

「俺達は1回死んだみたいだ!さっき剣を取っていた時に攻撃されたんだ!!」

 

……ってことは、僕達はもう1回オドロームから攻撃を受けたら死ぬ。油断した事でスキを突かれたって事か

 

「これでお前らはただの人間…。ふんこのまま攻撃するのもいいが、トリホー」

 

「ワシに命令するな、トリが。さぁこい。」

 

オドロームに悪態を付きながら出てきたのは、トリホーだった。あいつもいたのか。

 

「おい。あれを見ろ!」

 

キリシアンの言葉を聞いて、僕はトリホーの奥を見たら眠っていたスミリア、ジャイトス、ドラモンが歩いてきた。いやまだ眠っているようだ。…よく見るとトリホーの手には夢の中で見た道具[夢風鈴]を持っていた。あれでみんなをここに連れてきたのか

 

「これでワシの役目は終わったぞ。クソドリ。」

 

「口の悪い鳥だな、貴様は…。お前の役目は確かに終わった。ここでお前も死んでもらう。」

 

オドロームがそう言った瞬間に魔法をぶつけたが、トリホーはそれを難なく避けた。鳥の姿でも身体能力は高いようだった。っていうかあいつらが言い争ってる間にみんなを助ければよかった。

 

「わしが鳥如きに殺られるか。」

 

「減らず口を…。」

 

「わしは、行くぞ。じゃあの…白銀の剣士、黒の剣士…ユミルメ国の貴族の娘!」

 

僕らを見て、トリホーはそのまま空に飛んで行った。あいつは本当に何がしたかったんだ。そう思ってる間にオドロームが立ち止まっているみんなに狙いを定めた。

 

「白銀の剣士…仲間の最期を見ろ。ワシに歯向かう者は…皆こうなるのだ!」

 

「やめろ!!」

 

「やめて!!」

 

オドロームが攻撃をする瞬間に僕の意識が歪んだ。意識が遠のいて行くのを感じながら、僕は意識が無くなった。

 

ーーーーーーー

 

「ーーーっちゃん!のっちゃん!!」

 

「……んあ…?」

 

僕が目を覚ますと、あーちゃん、しずちゃんが僕の手を掴んでいた。そうか…こっちが現実で向こうが夢だったんだ。さっきの出来事は夢だったのかな。

 

「のび太さん。」

 

「ドラミちゃん」

 

横を見たらドラミちゃんがいた。それに和人、直ちゃん、ドラえもんも夢から覚めたようでこちらを見ていた。奥には、少し沈んだスネ夫と腕を組みながら目をつぶっているジャイアンがいる。夢みる機の隠しボタンはドラミちゃんによって押されたらしい。ドラミちゃんが調べた結果、隠しボタンを押したら入れ替えた状態で夢の世界で死亡すると、現実世界でも死亡してしまうというのがわかったみたい。 僕が1回現実を夢に見た時にその効力が発揮される事もわかった。だからアンデル市から僕達は現実を夢と思い込んだんだ。

 

「だから夢みる機は返品した方がいいと思うの」

 

ドラミちゃんは説明を終えてからそう言った。確かにそれを聞いたら、返品した方がいいのかもしれない。ドラミちゃんは危険と知ったからで隠しボタンを押したんだ。…ちょっと待てよ。

 

「……ねぇ。アスミアとジャイトスはどうなったの?」

 

夢みる機の事より、僕らが目覚めたあとの、アスミアとジャイトスの2人の安否が心配だった。僕、和人、直ちゃん、ドラえもんはオドロームの攻撃を受ける寸前に目が覚めたし。

 

「……生きてはいる。…しかし城の中に閉じ込められている。」

 

腕を組みながらジャイアンが、僕の方を見ずにモニターを見ながら言った。…確かにドラミちゃんが言ったようにこの道具の危険性はわかった。けど。

 

「……助けに行こう。」

 

「のび太さん!話聞いてた!?それは危険な道具なのよ!」

 

「例えこの機械が危険だとしても、仲間を見殺しするなんてできないよ。」

 

アスミアとジャイトスは、付き合いはみんなよりも短い。けど、僕とって短くても仲間だ。昨日剣を交えて誓い合った三剣士なんだ。だから…

 

「僕は1人だって行くよ。2人を助けに。いや僕一人で行けばオドロームには見つからないと思うし。」

 

僕はみんなにそう告げた。僕一人でなら、オドロームに気づかれることなくアスミア達を助けられるし、やっぱりみんなをこれに巻き込むわけにはいかないし。元を辿れば僕がドラえもんにこの道具を出してもらって、挙句の果てには夢幻三剣士をトリホーの口車に乗せられて、買わせてしまった。だからこそもうみんなに迷惑をかける訳にはいかないんだ。

 

「…うちらは頼りない?」

 

しずちゃんが少し沈んだ声色でそう質問してきた。

 

「そんな事はないよ。でも今朝も言ったようにこれは僕があいつに仕組まれた罠にまんまと嵌ったのが原因。だから、僕が責任をもって解決させないといけないんだよ」

 

「「「……」」」

 

僕はしずちゃんやみんなを安心させる為にそう言ったけど、みんなは黙ってしまった。でも僕は答えを変えるつもりはないよ。

 

パシーン!!

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

私は、そんな事を言うのっくんの頬を叩いた。今ののっくんの言葉に頭が来たのもあるけど、何よりソフィアさんに言った事を自分から破ってるその言動や行動に腹が立った。

 

「……叩いたのは謝る。でも、のっくんを1人で行かせることにはやっぱり反対するわ」

 

「…何でだよ!」

 

のっくんは、まだわかっていないのか、怒ったようにそう言った。だから私はもっと強い口調にしてこう言った。

 

「……今のあなたの行動はソフィアさんが1人で怪魚族に行く時や私が1人で悪魔族と戦う時と一緒なのよ?のっくんは、ソフィアさんにあの時なんて言った?私にどう言った?自分の言葉が言った事を忘れたりなんかしないわよね。1人で何もかも抱え込まないでよ。前にも言ったでしょ!あなたには私達がいる。ジャイトスさんやアスミアさんだって助けるわ。」

 

のっくんは顔を伏せたまま黙っている、何かを考えてるみたい。…前はアクア星の事で憂鬱になってたのっくんだったけど、今は私とソフィアさんがやろうとしていた事をやろうとしていたから、私は言った。

 

「……美夜子さん。またあなたの言葉で目が覚めたよ。」

 

伏せた顔を上げ、真剣な表情でこちらを見ていた。ふぅ…何とかできたみたいでよかった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

美夜子さんからの叱咤を受けてソフィアさんや美夜子さんが1人で何もかも抱え込んでやろうとしていたことに気づいた。はは…これじゃあ、ソフィアさんにも怒られるね。僕は皆に向けて口を開けた。

 

「みんなごめん。間違ってた。」

 

「気づけばいいんだ。…今度そんな事言ったら脳天に竹刀を叩き込むからな?」

 

和人は、冗談か本気か分からない口調でそう言った。…善処します

 

「話は決まった事だし、今から行く?」

 

「…そうだな。」

 

「ねぇ、何かモニター光ってない?」

 

しずちゃんの言葉でモニターの方を見るとよくテレビが壊れた時に出る現象になっていた。

 

シュポーン!!

 

「無責任な人達ね!途中で逃げ出すなんて!」

 

すると夢みる機から出てきたのは、夢幻三剣士の最初の方で出てきたシルクだった。

 

「……なぁ?あれスグだよな?」

 

「シルクだよ。って君こそいつの間にかいなくなってたじゃないか!」

 

「あたしの役目は、剣士を夢の世界へ案内することよ!」

 

「じゃあ案内してよ!また戻るから。」

 

「え?あっ、そうなの?じゃあ隠しボタンを押したらあたしは案内するから!」

 

シルクはそう言って、再び中に入った行った。まぁ、気にすることでもないのかな?これから現実に夢が侵食してるって事なのかな。シルクがここに来れる時点でそうかもしれないなぁ。

 

「じゃあ、みんな行くよ!アンテナはつけたね!」

 

「「おう」」

 

「「ええ」」

 

「「「「うん!!」」」

 

そして僕達は、夢の世界へと戻って行った。眠った直後にいたのは、最初に僕が入ったあのピンクのモヤだった。僕と和人はペガサスに、直ちゃんとあーちゃんはグリフォンに、ジャイアンとスネ夫は龍に美夜子さん、ドラミちゃん、ドラえもんは、箒でここを通っていた。シルクが言うには、今ユミルメ国の時間は僕達が消えて2日目になる夜だそうだ。ここを出た先はオドロームのお城に続くらしい。あとオドロームを倒したら魔力が消えて、オドロームによって滅ぼされた都市も、殺された人達も元通りになるそう。アスミアの家族も生き返るんだ。

 

「腕が鳴るぜ!」

 

「僕…また怖くなってきた!」

 

「…妖霊軍団を魚人空手で沈めてやる!」

 

「ジャイトスさん!アスミアさん!どうか無事で!」

 

「ユミルメ国を救うんだ!」

 

そして、どんどんユミルメの国に近づくにつれて向こうに吸い寄せられるようになっていた。その後に城の近くまで僕達は降りた。ペガサス達にお礼を言ってから、城の中に入った。シルクからアスミアとジャイトスが閉じ込められている所を聞き、ドラミちゃんからある道具を貸してもらって僕はそこへ向かった。

 

 

ーーーーーーー

 

ノビタニヤン、キリシアン、スミリア、ドラモンが消えて、2日目の夜が過ぎようとしていた。私とジャイトスは捕まって牢屋に入れられている。ろくにご飯も食べてないから衰弱する一方だった。けど、私とジャイトスは信じていた4人は必ず戻ってきてくれるって…。

 

「敵襲だ!お前も早く行け!」

 

そんな事を思っていたら、突然狼の妖怪が入ってきて牢屋の前にいる妖霊軍の妖怪に言った。その人は言われるがまま外に向かって行った。

 

「…アスミア、ジャイトス、ごめんね?突然消えたりして」

 

妖怪は私達に向けてそう言った。いや妖怪じゃない。この優しい声は私やジャイトスを救ってくれた…あの人の…

 

「そして、迎えに来たよ。」

 

彼は妖怪の姿から人間の姿に戻った。その姿は私達の英雄(ヒーロー)だった。

 

「オドロームに一泡吹かせるよ!」



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第39話夢幻三剣士〜最終決戦、ユメルミノユウシャ〜

視点はのび太、第三者です。

この第三者はSAO本編のある人です。


アスミアとジャイトスを救ってから、しずちゃん以外のみんなに2人に紹介したら驚かれた。まぁ、同じ顔したあーちゃんとジャイアンがいれば、そりゃ驚くか。しずちゃんは向こうで1人で敵を薙ぎ倒してるから今はいいかなと。それとさっき何で狼の姿になっていたのかだけど[月光灯]をドラミちゃんから借りたんだ。これで狼の姿になってあの妖怪を騙したんだ。僕が2人を助けに行く間にみんなは妖霊軍と戦っていた。僕達も応戦していた時だった。

 

「手を引け。」

 

声が聞こえ、兵士の後ろにはオドロームが居た。

 

「オドローム!!」

 

「白銀の剣士は、わしがこの手で倒す。」

 

そう言ったオドロームは空に飛んだ。僕、ジャイトス、アスミアはタケコプターを頭につけてそれを追った。キリシアンも行きたがっていたが、ジャイトスにここは任せてくれと言われて、引き下がった。

 

「茶色の剣士、貴族の娘…貴様らには用はない。」

 

「お前になくてもこっちにはあるんだ。」

 

「そうよ。私達は三剣士なんだから。」

 

「…ふん!」

 

するとオドロームがボヤけると、一人また一人とオドロームが増えていった。分身?デマオンみたいな戦法みたいだな。隣にいるシルクが目を閉じて、白銀の剣に導かれるままにまっすぐ進めと言われた。…よし、アスミアとジャイトスに剣を一緒に持ってくれと頼み突っ込んだ。オドロームは杖で僕を拘束しようとしたけど、キリシアンとシズカール(しずちゃんのこの世界の名)がそれを弾き返した。

 

「ち!黒の剣士!…王女がなぜここに!?」

 

「しずちゃんが王女?今はいいか…2人ともどいて!」

 

「「おう(うん)!!」

 

オドロームの言葉に少し驚いたけど、これで妨げるものはない

 

「2人とも行くよ!」

 

僕の言葉にアスミアとジャイトスは頷いて、白銀の剣を3人で持ち勢いに任せてオドロームに向けてスピードを乗せて、突いた。

 

「ぐ…グハァ!?」

 

オドロームは、目が覚める前にやった技が出来なかったのか諸に喰らい赤い炎に包まれて、爆散した。爆風に巻き込まれて、僕、アスミア、ジャイトスはタケコプターが離れてしまった…いや冷静に思ってる場合じゃない!?やばいよ!?

 

『ヒヒーン!!』

 

と思ったらさっき別れたペガサスに僕は助けられていた。ふぅ…良かった…周りを見たらアスミアはシズカールに、ジャイトスはキリシアンに助けられていたーーキリシアンは苦しそうにしていたがーー無事で何よりだった。よく見ると、オドロームの根城だった場所が崩れていた。みんなも上手くに逃げれたらしく、こちらに向って来ていた。それから僕達は、離れた場所に行くやいなや…

 

「ここにいらしたとは思いませんでした。シズカリア王女」

 

シズカール…いやシズカリア王女に向けてアスミアは腰を下げて、かしこまった。

 

「アスミア、私はあなたを助けたかった。白銀の剣士様と来たのは、数少ない従姉の為です。」

 

「…勿体なきお言葉です!」

 

……しずちゃん演技してるのか。それとも頭の中に浮かんでくる言葉があるのか、分からないけど、王女のような振る舞いをしていた。

 

「…さて、白銀の剣士様。それと皆さん。ユミルメの王国へ帰還致しましょう。」

 

…何でそんなにさまになってんの?逆に怖いんだけど。まぁ、ともかく僕達はさっき乗っていた動物達に乗って王国に行くことになった。

 

 

ーーーーーーー

 

「そなたが白銀の剣士か!オドロームを倒し。世界を救ってくれてありがとう!」

 

城に着いて、少し休んでから王様がいる玉座に向かったそして…目の前にいるのは、王様…なんだけど。

 

「先生に似てるな。」

 

「ドラえもんに配役決めてもらってたけど、まさか先生を王様にするとはね。」

 

「ははは…誰でもいいって言ったからさ〜」

 

ドラえもんは、苦笑いをしながらそう言っていた。まさか王様が先生になるとは思ってなかった。

 

「えぇと、調査によるとオドロームによって、滅ぼされた都市が次々と何事もなかったかのように蘇っています。殺された人間も、同様に。」

 

王様の横にいる口髭を生やした側近さんがそう言った。シルクが言っていた事は本当だったらしい。あっ、シルクは何か急用ができたらしい。あの世界で会いましょうって言われたけどどの世界なんだろう?

 

「アスミア…君もよくやってくれた。君のご両親も何事もなくいるそうだ。ミヤルトとアスタルテに早く会いに行ってあげなさい。」

 

「……はい!!」

 

アスミアは涙を流しながら、そう言った。復讐をさせなくて本当に良かったと思ってる。

 

「それからジャイトスくん。君は私の護衛隊長に任命する事になった。」

 

「…いいんですか?」

 

ジャイトスは、突然の事で驚いていた。いや僕達も結構驚いている。

 

「君の活躍はシズカリアから聞いておる。白銀の剣士、アスミアと共にオドロームを倒したとね。腕っ節も強いと聞くし。君を護衛隊長にするのは妥当だと思ったのだ。」

 

「……寛大な決定をありがとうございます!私はあなたを守ります。」

 

ジャイトスは、膝まづいて王様にそう言った。君の騎士精神ならちゃんと出来ると思うよ。ジャイトス。ジャイトスはそのまま外に向かって行った。護衛隊長になるにあたって、さらに勉強するみたいだ。

 

「白銀の剣士よ。再度礼を言う。この国を助けてくれてありがとう。」

 

王様は僕に向けてそう言った。

 

「ものは相談なんだが、うちの娘と結婚」

 

「しませんよ。僕はこの国を助けたかった。それだけですし。僕…いや僕達はこの世界の人間じゃないんです。」

 

「ど、どういう事かね?」

 

「え?どういう事なの?」

 

王様、アスミアに僕らの正体を話した。王様とアスミアは最初は嘘と思ってる感じだったけど、話が終わった後には、信じてくれていた。

 

「君達も私の娘も目覚めの国の住人なのか。それならいたしかないな。…娘はどうなるのだ?」

 

王様はしずちゃんの方を見ながら、質問してきた。

 

「大丈夫です。しずちゃんは今は、憑依状態なのでしずちゃんが向こうに帰るとシズカリア王女の意識は元に戻ります。シズカリア王女は眠ってる状態と思ってください。」

 

王様の疑問にドラモンが答えた。現実の人間がこの国入れる理由ってそれだったの?僕らも初耳だったんだけど、まぁ、ドラえもんの道具の肝心な所を端折るのは、今に始まったことじゃないし、その辺の事情は特に問題なかった。

 

「それなら安心だ。」

 

王様は、ホッと一息ついた。それから僕達は、式典に招待された。…これで3回目になる。この人集りを見るのは…。それから式典は終わった。部屋に戻るために女性陣後ろに男性陣は前を歩いていて僕、ドラえもん、アスミアはその間を歩いていた。

 

「ふぅ…じゃあ帰ろうか」

 

歩いていたらドラえもんが、そう言った。アスミアは少し寂しそうな顔をしていた。

 

「帰っちゃうの?」

 

「まぁね。アスミアも親御さんに早く会いに行ってあげなよ。」

 

「…うん。でも少し待って、ノビタニヤン」

 

「どうし…」

 

僕の言葉はそこで途切れた。唇に柔らかいものが押し付けられた。それはアスミアが僕にキスをしていると言うことになる。口の中に舌も入れられた。所謂Dキスというものだ。…ってだから冷静に言うんじゃなくて!?

 

「ぷっは!おいしゅうございました♪」

 

アスミアは、舌なめずりをしながら小悪魔的笑顔で僕の後ろにいる4人に向けてそう言ったように見えた。途端に鋭い殺気と冷気が背中から溢れてきた、振り返りたくない。前にいるスネ夫なんてガタガタ震えてるもん。和人とジャイアン、ドラえもん、ドラミちゃんは呆れている。何かごめん。

 

「私は、あなたの事を愛してる。」

 

「何で僕を…」

 

アスミアは人差し指で僕の口を押さえた。

 

「スミリアにも言ったけど。私を変えてくれた。復讐に囚われていた私の心を救い上げてくれた。…あなたを好きにならないなんておかしいでしょ?」

 

…だから直ちゃんに無自覚天然タラシって言われたのか、アスミアの心を救いたかっただけなのに。…そんなこと言ってしまえば後ろの4人の鬼神に怒られそうだから言わないけど。すると和人がアスミアに声をかけた

 

「アスミア…お前の気持ちはよくわかった。のび太は待たせてる人がこんなにいるくらいの優柔不断な男だが。それでも愛してるのか?」

 

和人が僕を指さしながらそう言った。…いや何も言えないし面目ないです。

 

「流石兄妹ってことかしら…スミリアにも言われたわ。でも諦めるつもりは、毛頭ないわよ。」

 

アスミアは、しっかりとした意志を僕らに伝えた。後ろにいた4人が僕を押しのけて前に立った。殺気噴出していた殺気と冷気はなかった。

 

「アスミアさん!負けないわよ。」

 

「この間も言いましたけど!あたしも!」

 

「そうだよ!うちらだって負けないから!」

 

「私も負けるつもりはないわよ!」

 

4人は、宣戦布告とも取れる事をアスミアに向けてそう言った。アスミアは途端に好戦的な笑みを浮かべて。

 

「望むところよ!」

 

と4人に向けてそう言った。

 

「じゃあ、俺たちは帰るな。」

 

「…ジャイトスによろしく伝えといて」

 

「ええ!またいつかこの世界に来てね!」

 

「じゃあ、リモコンの隠しボタンを押すよ。」

 

「「「「うん!」」」」

 

「「おう!」」

 

「「ええ!」

 

僕達は、アスミアに見送られながら夢での冒険は終わった。薄れ行く意識の中で8代目ヴァサゴであるトリホーがまだどこかで暗躍してるのかと思うと、まだ終わっていない気もすると思いながら目を覚ますのであった。

 

 

ーーーーーーー

 

「博士。データは集まりました。」

 

のび太達の別れたシルクは現実世界のある家に来て、のび太のデータを博士なる者に渡していた。案内人というのは本当であるが。

 

「貴重なデータをありがとう。」

 

「…『アインクラッド』は出来そうですか?」

 

「まだ準備の段階だ。しかし確実に理想は近づいている。」

 

「では、引き続きデータの収集に行きます。《茅場》さん」

 

「うん、頼んだよシルク」

 

その人物の名は茅場晶彦… 量子物理学者、天才的ゲームデザイナーとして知られ、ナーヴギアを開発した人物でもあり。その書斎には結城明日奈、桐ヶ谷和人、ドラえもん、源静香、満月美夜子、桐ヶ谷直葉、骨川スネ夫、剛田武、そして野比のび太と写真とデータがあった。彼はのび太達のこれまでの冒険のデータをシルクを使って、収集しているのだ。

 

「野比のび太君、君の才能は目まぐるしい。…君の剣技なら…」

 

不敵な笑みを浮かべ意味ありげな言葉を発した後に、彼は部屋から出ていった。彼の思惑はなんなのだろうかーーー



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第40話ドラえもんが生まれ変わる日1

のぶドラ版の2112を軸として、ドラえもんズのみんなが出てきます。

題名通り、新ドラ初めてのスペシャルを沿って行きます。

それから去年コロナの影響で見れなかったのび太の新恐竜を買って見たんですけど、何か色々感動で泣けてました。あの子が再登場して、あのボールのシーンなんかもう感慨深いっす!!

ってなわけで、小説不定期ですが再開します!ヒロアカの方も書きたいんですけどね。…仕事の方が、くっそ忙しかったのでこの小説手が出せなかったんですが…おっとそれはプライベートの話でしたね。



視点はドラえもん、和人、ドラ・ザ・キッド、のび太になります。


ーー2128年9月2日ーー

 

夢での事件をみんなで解決して6日が経ち僕は未来に戻っていた。僕は10回目子守り用ロボット誕生日パーティーに出席するために会場まで走っていた。少し遅刻しちゃったよ。ははは…みんなはもう来てるかな?そして会場に来たら、目の前に車が通り過ぎた。僕は気にせずに走り去ろうとしていた。

 

「おい!ドラえもん!」

 

声をかけられた。後ろを見たら車の中から見知ったネコ型ロボットがいた。

 

「あぁ!パワえもん!懐かしいなぁ!元気だった?」

 

僕はパワえもんに向けてそう言った。

 

「僕の事を覚えてたんだ。」

 

「当たり前じゃないか!君は学校で2番目の優等生じゃないか!っていうか僕の名前を覚えててくれたなんて何か嬉しいな。」

 

ロボット学校で彼は2番目の成績を誇っていた。1位は僕の親友の1人がとっている。

 

「そりゃ、覚えてるさ。学校一の落ちこぼれで特別教室に送られた君の事」

 

……パワえもんは見下した顔でそう言った。性格が悪いのも相変わらずみたいだ。確かに、僕は校長先生に言われて特別教室に送られたよ?その際間違いで溶解炉に行かされた時は本当に怖かった。あのドロドロは今でもトラウマ級だよ。まぁ、校長先生はうっかりして間違えたって言ってたけど。

 

「おい。」

 

そんな事を考えていたらまた声が聞こえた。声の主を探すと未来での親友の1人がそこにいた。

 

「キッド」

 

「昔からその憎たらしい性格は治らねぇみたいだな。」

 

ドラ・ザ・キッド、僕の親友の1人で22世紀の開拓惑星ウエスタンの保安官代理でMr.アメリカン・ドリーム、西部のガンマン、テキサスのバッファロー、腹ペコガンマン等色々な呼ばれ方をしている。あと僕の妹ドラミの彼氏…認めたくないけどね。

 

「なんだい君か。本当に野蛮だね。」

 

「あ?」

 

「キッド」

 

パワえもんのわかりやすい挑発にキレやすいキッドは動こうとしたから、僕はキッドの名前を呼び、止めた。昔からパワえもんとキッドは何かと言い合うからなぁ。

 

「ふん!じゃあ僕はこれで」

 

「パーティーには出ないのかい?」

 

パワえもんが帰ろうとしたから僕はそう聞いた。もうすぐパーティーも始まってるだろうし、いやもう始まってるか。僕遅刻して走ってたし。

 

「ふん…僕は今総理大臣の子供を子守りしてるんだ。」

 

「何偉そうに言ってやがんだ。」

 

「総理大臣ねぇ」

 

「あぁ、校長からも表彰状を貰ってくれと言われたから来たんだよ。」

 

パワえもんはドヤ顔でさらにそう言った。別にいらない情報なんだけど。表彰式とかあるんだなぁ。なんでもパワえもんの子守りした子供が未来でスポーツ大会の一等賞になったらしい。ふーん。

 

「ま!お前みたいな失敗作には関係ないだろうけどな?」

 

「ドラえもん…撃っていいよな。」

 

「ドラミに言うよ。」

 

「なっ!あのへちゃむくれは関係ないだろう…」

 

キッドは、ドラミに弱いからこう言えば引き下がる。ぶつくさ何か言ってるけど。…確かにネジが1本取れた僕は失敗作かもしれない。けど、そんなの関係ない、僕は特別教室に行って不滅の友情を手に入れたしね。

 

「じゃあ、道具対決するか。」

 

「急いでるんじゃなかったの?」

 

「ふん…あっ!」

 

パワえもんは何かに気づきそちらに行った。そっちを見たら男の子の風船が飛んで行こうとしていた。僕も何か出さなくちゃ!僕は色々な道具を出したけどいい道具が出なかった。

 

「勝負あったな…ハッハッハ!ポンコツぶりは相変わらずみたいだな!1度整備工場で見てもらった方がいいんじゃないか!お前が世話してる子供の為にもな」

 

パワえもんはそう言って車に乗り込んで、どこかに行った。はぁ…確かにポンコツだなぁ。特に最後の言葉に僕がグサッと来た。のび太くんは成績もいいし、これまでの戦いでも時雨蒼燕流で敵を倒してきた。それに比べて僕は学校一の落ちこぼれ。肝心な所でテンパったり、大事な道具を放置したり。それに怪魚族との戦いの時や地下世界の時は道具をメンテナスに出してる事が多い。…のび太くんの為にも行った方がいいのかな。整備工場。

 

「…ドラえもん。バカな考えはよせよ。」

 

「キッド?」

 

「あいつの言うことなんて気にするな。お前は落ちこぼれなんかじゃないし、何より俺たち《ザ・ドラえもんズ》のリーダーなんだからな。」

 

ザ・ドラえもんズ、僕とキッドと他に5人で組んでいるチームの名前でかつて僕らが【幻の古代神殿】で入手した伝説のひみつ道具[親友テレカ]は、僕達ドラえもんズの友情の証であり最大の武器でもある。キッドの言う通りなのかもしれない。けど僕はパワえもんが言った言葉が頭に残った状態でパーティー会場に入った。

 

ーーーーーーー

 

「それでいないのか」

 

ドラえもんの誕生日も明日だからスグと一緒にのび太の家にやってきて、ドラえもんがいなかった理由を聞いたら、誕生日の前にクラス会があるから未来へ帰ったそう。

 

「パーティーは楽しんで来てって言っておいた。けど少し落ち込んでたようにも見えた。」

 

「なんでだ?」

 

「それは聞けなかったなぁ。あっ、これドラえもんがいた教室の写真。行く前に見せてくれたんだ。」

 

そこに映っていたのは、個性豊かなメンバーだった。ドラえもんの他にも個性的なネコ型ロボットがいるんだと思った

 

「名前とか教えてもらわなかったの?」

 

「あっ…。名前はまだ聞いてなかった…。けど、この人がドラミちゃんの彼氏ってのは聞いたよ。」

 

「「ドラミちゃんの!?」」

 

俺達は驚きのび太が指さした方を見たら西部劇に出てくる格好をしたネコ型ロボットだった。

 

「何かかっこいい感じだね。」

 

「空気砲を手にしてるな。」

 

「この人、ガンマンなんだってさ。いつか勝負してみたい」

 

のび太は、実に好戦的な笑みを浮かべて、そう言った。まぁ、こいつは剣術の他にも銃の腕も確かだしな。

 

「まぁ、いつ会えるか分からないけど。」

 

「そうだなぁ」

 

俺はそう思いながら、のび太にドラえもんの同級生の話を聞いていた。

 

ーーーーーーー

 

僕は会場に来ていた。会場の中にはドラえもんズの1人で緑色のネコ型ロボットのドラニーニョが他のロボット達と食い争いをしていて、視線を移したら他のドラえもんズのみんなが同級生達と話していた。よく見るとノラミャーコさんも会場の広場でダンスをしていた。横に居たはずのキッドもいつの間にかいなくなっていた、トイレかご飯を見に行ったか分からないけど。

 

「…公園に行くか。」

 

僕はみんなと会わず会場を後にし、公園まで来ていた。外は夕方になっていたけど、ブランコに乗って僕は少しパワえもんの言葉がずっと頭の中をぐるぐるしていた。

 

「…キッドが言った通り。気にしない方がいいかもしれないけど。」

 

《1度整備工場で見てもらった方がいいんじゃないか?》

 

「…」

 

《お前が世話してる子供の為にもな。》

 

「…ッ」

 

この時の僕は知らなかった。…空に僕を見てる存在がいた事に…

 

 

ーーーーーーー

 

「あいつどこ行きやがった。」

 

俺はトイレを済ました後に会場に戻ったら、一緒に来ていたはずのドラえもんがいない事が分かり、辺りを見渡していた。

 

「キッド、どうかしたのですか?」

 

「王ドラ…」

 

俺に声をかけたのは、俺が所属するチーム《ザ・ドラえもんズ》のメンバーの1人で俺達が卒業した学校一の秀才で中国の格好をしたネコ型ロボット『(わん)ドラ』であった。俺はドラえもんが見たかを聞いたが…

 

「僕は見ていないですね。」

 

…それもそうか、俺も王ドラを見たのは今が初めてだしな。となると…

 

「…まだ気にしてんのか?あいつが言ったこと。」

 

「あいつって?」

 

「パワえもんだ。あの鼻につく優等生の」

 

「あぁ…。あの人ですか。何かと僕と張り合ってくるんで、覚えてます。彼がどうしたんですか?」

 

俺はさっきの出来事を王ドラに話した。王ドラの顔はこれでもかと言うほど不機嫌になっていった。まぁ、これは俺と一緒だ。親友をそんな風に言われて怒らねぇやつはいねぇからな。

 

「彼の見下し具合は、在学中から目に余るものでしたが…そこまでとは…。それはいいとして、あなたがトイレに行ってる間にドラえもんがいなくなっていたわけですね?」

 

「そうだ。」

 

王ドラは俺の言葉を聞いて、腕を組み考え事をしているようだった。そして顔をあげた。

 

「…僕、その公園を探してみます。キッドは念の為にドラミさんに電話とここに来てるドラえもんズの皆を集めていてください。」

 

王ドラはそれだけ言うと、急いで外へと向かって行った。秀才の考えはわからねぇが、とにかくへちゃむくれに電話するか。俺は頭をかきながら電話をかけるのだった。

 

ーーーーー

 

僕、和人、直ちゃんは空き地に来ていた。あーちゃん、しずちゃん、スネ夫、美夜子さん、ジャイアンに明日のドラえもんの誕生日の事でプレゼントの話をしてる。

 

「やっぱ、ドラちゃんってどら焼きとかは?」

 

「それもいいけど、食べて終わりじゃん!物あげた方がいいって!」

 

スネ夫の言葉にしずちゃんがそう言った。確かに物の方が思い出になりそうだし、どら焼きだとすぐになるなるしね。…あっ…いい事思いついた。

 

「どら焼きのプラモデルとかは?」

 

「カップメンのプラモデルの時の思い出すからやめろ!」

 

「…ははは…それもそうか」

 

和人にそうツッコまれ、前の事を思い出して、苦笑いして撤回した。あの出来事はソフィアさんの時並にややこしい事だったし。

 

「…俺はドラえもんの為に歌でも披露しようかと思う。」

 

「じゃあ、うちバイオリンでも…」

 

「「「それだけはやめて!!」」」

 

「失礼だね!3人も言わなくていいじゃん!ぶぅ」

 

僕、あーちゃん、直ちゃんの3人でしずちゃんのバイオリン披露を否定した。しずちゃんのバイオリンは言いたくないけどヘタなんだよ!?耳が壊れそうになるだから!もうその威力は魔法の世界のジャイアンの歌声のレベルに匹敵するほどだからね!

 

「魔法が使えたら、良かったのになぁ。誕生日会で素敵な事やるのに。」

 

美夜子さんは土管の上で両手を頬に置きながら呟いていた。

 

シューン!!バタン!!

 

「痛!?」

 

「もうドラミちゃん!もっとそーっと降りてよ〜!」

 

「ごめん急いでたから…」

 

僕の上に何かが落ちてきて、でも聞いた事のある声だった。というか、ドラミちゃんとセワシ君の声だ。

 

「ドラミちゃん。どうしたの?」

 

「あっ!明日奈さん!のび太さんはどこ?」

 

ドラミちゃんは僕の居場所をあーちゃんに聞いていた。踏んづけてる気づいてないの?

 

「…ここだよ…」

 

「あっ…ごめん。大変よ!お兄ちゃんが誘拐されたの!」

 

僕はその言葉を聞いて、驚き立ち上がった。

 

「どういう事!?」

 

上に乗っていたドラミちゃんとセワシ君は吹っ飛んだけど、気にしてられなかった。

 

「とにかくみんな来て!会わせたい人達もいるから!!」

 

ドラミちゃんにそう言われ、僕達はドラミちゃんのタイムマシンに乗り込んだ。




雷「てなワケで再開致します!」

ハル「何であたしが今日呼ばれたの?」

雷「小説のことは言わないのね…銀さんはほら、今映画で忙しいでしょ?」

ハル「あれもう公開して1ヶ月たってるかも?」

雷「…見に行きたかった!!ウイルス蔓延してなければ!!「って脱線してるぞこら!」ありゃ?銀さん?いいのここに来て?」

銀「あぁ…まぁな。疲れてるが。」

雷「あれ焼き増しじゃなくてぶっつけ本番らしいしね〜」

銀「誰が銀魂アニメのopネタ知ってんだ!!ていうかこの小説のあとがきだろうが!俺の映画の話はええんじゃい!!」

ハル「じゃあ、今年もドラえもんの映画延期になっちゃった話は?」

雷「それだよ!!俺Twitterでそれ見た時まじかよ!?って思ってたし!数年ぶりの久々のリメイク版だし楽しみにしてたのに!!あのク○ウイルスめ!!」

銀「口がわりいんだよ!!ウイルス蔓延してなきゃこうなってなかったのにな。」

雷「はぁ…ほんっとに憂鬱やわ。」

銀「てなわけで、絶賛公開中の劇場版ポケットモンスターココ見てくれよな!」

「「そこは自分のじゃないんだ!?」」


あとがきコーナー〜[完]〜


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第41話ドラえもんが生まれ変わる日2

後編になります!

オリジナル要素が多いです!

視点はのび太、ドラえもん、のび太、第三者目線、のび太、第三者目線です!


ーー2128年9月2日ーー

 

それから僕達は未来世界に来ていた。外はもう真っ暗になっていた。やはりというべきか未来の東京は発達していた。タイヤのない車、タケコプターで飛んでいる人、3Ⅾのテレビ電話で話している人、ドラえもんが出していた道具で遊んでる人等々…僕達はドラミちゃんとセワシ君に連れられて、未来の警察所(タイムパトロール隊とは別の)に来ていた。ドラミちゃんによると誘拐されたロボットを警察に言って探してもらうには、持ち主の了承が居るらしい。サインした後に警察の人が不審な事を言っていたけど…だから僕は呼ばれたということになる。その後僕達はセワシ君の家に来ていた。玄関を開けた先には、

 

「君達が未来世界のドラえもんの親友の…」

 

「あぁ、初めましてだな。俺はドラ・ザ・キッドだ。」

 

「わたしは、(ワン)ドラと言います。」

 

「オレ様は、エル・マタドーラだ。」

 

「ガウ!」

 

「彼はドラニコフと言います。」

 

「ぼくは、ドラリーニョ!よろしくね〜!」

 

「吾輩はドラメッドⅢ世であーる。よろしくなのであーる!」

 

ドラえもんズのみんなの自己紹介が終わった。次は僕達がする事にした。

 

「じゃあ、次は僕達からだね!僕は野比のび太、よろしくね!」

 

「俺は桐ヶ谷和人だ。よろしくな!」

 

「あたしは、桐ヶ谷直葉!よろしく!」

 

「私は、結城明日奈!よろしく!」

 

「私は、満月美夜子!よろしくね」

 

「うちは源静香!しずちゃんって呼んでね?」

 

「俺は剛田武、ジャイアンと呼んでくれ。」

 

「僕は、骨川スネ夫!よろしく!」

 

「君がドラえもんと最後に会ったんだね?」

 

僕達の自己紹介を終えて、僕はドラ・ザ・キッドいや…キッドに聞いた。

 

「あぁ…説明する」

 

キッドが言うには、ドラえもんがいなくなる少し前に同級生に会ったそうで、その同級生の中傷にドラえもんは深く落ち込んだそう…はぁ?ドラえもんがポンコツ?1度整備工場の見せてもらえ?そいつがドラえもんの何を知ってるんだ…よし。

 

「ってどこ行こうとしてんだお前は。」

 

「その彼を破壊しに…」

 

「やめろ!?」

 

僕の行動に和人が気づき止められた。少し上っていた血が降りて冷静になった。

 

 

『またロボットが誘拐されました。』

 

 

「「「「「「「「「「「「「「「「ん!?」」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

テレビから聞こえるニュース速報に僕達は食い入るように見た。その内容は、家族でマキシマムデパートに遊びに来ていた家族の子守り用ロボットが突然いなくなったらしい。家族がみんな映っており、男の子が泣いていた。母親が泣きながら早く返して欲しいと訴えていた。

 

『今月に入って、これで6件目です。どうやら、ロボットを誘拐する大きな組織がある模様です。』ブチン

 

ドラミちゃんはそこでテレビを切った。

 

「ね…ねぇ、誘拐されたロボットはどうなっちゃうんだろう?」

 

「噂では、他の星に売られるらしいですね。」

 

スネ夫の疑問に、王ドラが説明した。

 

「じゃ、じゃあドラえもんも!?」

 

「その可能性は低いのであーる。」

 

和人がそう叫ぶと、三世が否定した。何でも僕達がここに来る前に、誕生日パーティーの前にある公園が争った後があったらしく、その組織のは関係ない何者かがドラえもんを拉致した方の可能性があるそうだ。

 

「で、でもドラちゃんなら、逃げられるんじゃない?」

 

「そうだよ!どこでもドアでパパッとね!」

 

確かにドラえもんにはどこでもドアを筆頭に空間移動の道具がある。それらを使えばに戻って来れる。

 

「無理だね。頭脳回路をリセットされたら、何も出来ないさ。いいかい?ロボットは全ての記憶を頭脳回路に記録してるんだ。」

 

それをされたら、家族や友達の事やそれまでの記憶が全て失われてしまうらしい。ってそんなの聞かされたら、いてもたってもいられない!!

 

「行こう!警察からの連絡を待っていられないよ!!皆でドラえもんを見つけ出そう!」

 

「はい、そう言うと思って、わたしの道具で足取りを調べています。」

 

王ドラは笑顔でそう言ってくれた。王ドラは当時居た学校の1位を取ったほどの秀才とドラえもんから教えて貰っていたけど、僕が言う事を見越して、色々やってくれていたらしい。

 

「そろそろ…来ました。」

 

王ドラは玄関の方を見た。視線を辿ったらそこには前にドラえもんが出したミニ探検隊の1匹がそこにいた。

 

「彼らにドラえもんを探してもらってました。見つかりましたか?」

 

「残念ながら、見つかりませんでした。」

 

「「「「「「「…喋った。」」」」」」

 

ドラえもんのミニ探検隊を知ってる僕らは、彼が喋った事に驚いた。ドラえもんのってルックスーーとか言ってたのに…

 

「お兄ちゃんのミニ探検隊は旧式なの。」

 

「「「「「「「なるほど」」」」」」」

 

ドラミちゃんの言葉に僕達は妙に納得してしまった。確かにドラえもんの道具って、旧式な感じがする。

 

「ミニ探検隊には撤退命令を。…ミニ探検隊でも見つけられないとなると、次は自分達の足で探しますか。」

 

「そうだな。お前ら戦う事になる可能性があるが、何か武道をやってるか?」

 

王ドラのミニ探検隊がポケットに戻ると、マタドーラが僕達に聞いてきた。

 

「僕は剣術と銃術をやってるよ。」

 

「右に同じく。」

 

「あたしもです!」

 

「うちは、武道やってる!」

 

「私も剣術を心得てるわ。」

 

「俺は柔道をやってる。」

 

「僕も柔道をやってるよ!」

 

スネ夫は最近、道場に通っている。何でも社長の息子でもあるから、護身術としてらしい。

 

それから王ドラが役割分担を言ってくれた。スネ夫、ジャイアン、マタドーラ、ドラニコフが周辺調査。僕、和人、キッド、あーちゃんはドラニャー子さんっていうドラえもんのガールフレンドにドラえもんに会ってないかを聞きに三世、リーニョ、セワシ君、直ちゃん、しずちゃん、王ドラ、美夜子さん、ドラミちゃんはドラえもんが帰ってくる可能性があるから自宅待機になった。

 

「ではこれでお願いします!我らの親友であるドラえもんを探しに行きましょう!」

 

僕達は王ドラの声掛けで僕達は部屋から出ていこうとした…ーーー

 

「ーーーーーちょっと待って!」

 

でもセワシ君に待ったをかけられた。

 

「どうした?お前も俺達と一緒に公園に行きたいのか?」

 

キッドがセワシ君にそう言った。確かにドラえもんとは生まれた時からの友達のセワシ君もそうしたいのかもしれない…

 

「やめた方がいい。」

 

セワシ君のその言葉にこの場が凍りついた。

 

「あ?何言ってんだ?セワシ?」

 

「キッド、それにみんなも例えドラえもんが何者かに捕まってたとしても、ミニ探検隊が見つけられないほどの人物だよ?きっと、最新の武器を持ってるに決まってる!!ドラえもんズやドラミちゃんがデパートで買った道具とは訳が違うさ!確かにドラえもんズは強いよ!それでもロボットの機能を停止させる道具もある!生身で戦ったらヘタすると、怪我だけじゃすまないかもしれないよ!」

 

セワシ君の言ってることはもっともだと思う…けど!

 

「僕達は、大冒険を経験してるし。大きな組織との戦闘経験もある!例え怪我をしたとしても、ドラえもんは必ず見つけるよ!」

 

「そうだとしても!これまでの組織とは違う可能性だってある!」

 

「それでもやるんだ!」

 

「…勝手にしろ!!」

 

セワシ君は奥の部屋に入っていった。

 

「…行こうみんな。」

 

「いいのか?」

 

「今更後には退けないんだ。」

 

「だな」

 

僕達は役割分担通りに部屋を出ていった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

カチャカチャカチャ

 

「…ん?」

 

目が覚めると、そこはどこかの研究所だった。

 

「目が覚めたようだね。MS903。私の事を覚えているね?」

 

目の前には、公園の時に戦ったタコみたいなロボットの後ろにいた男…僕が生まれたマツシバの工場長だった。

 

「僕を…僕をどうするつもりだ!!」

 

「君は明日誕生日だね?」

 

僕の叫びを気にもせずに工場長はそう聞いてきた。確かに僕は明日が誕生日だ。それが一体何なんだ?

 

「私は後悔していた。あの時の雷が君に落ち、ネジが飛び。君が特別教室に行き世に放たれた事が…君は生まれ変わるんだ。身体の色も、頭の中も…そのためのデータは用意できた。君の欠陥をあの校長はいい個性だと言っていたが…私は、そうは思わない。…だが明日0時をもっての後悔も終わる。あと4時間で!」

 

《整備工場で1回見て持った方がいいんじゃないか?》

 

工場長の話を聞き、僕はパワえもんの言った言葉を思い出していた。やっぱり…直された方がいいのかな…

 

 

僕には分からないよ…のび太くん…

 

ーーーーーーーー

 

「ごめんね?ドラえもんが来てた事すら知らなかったの。」

 

僕達はドラえもんのガールフレンドであるドラニャー子さんがいるキャッツショーに来ていた。ドラニャー子さんは…なんて言うかその…セクシーさが溢れる人だ。…ドラえもんってこっちではみーちゃんといい感じになってた気がするけど。

 

「ありがとうございました。」

 

「いいえ、キッド…パワえもんにも聞いたの?」

 

ドラニャー子さんはキッドに聞いていた。…ドラえもんを悪く言ったやつだよね

 

「あいつが協力すると思うか?」

 

「はぁ…キッドは相変わらずパワえもんと相性悪いんだから。聞くだけ聞いてみたら?」

 

「…」

 

「キッド」

 

「はァァァ…わぁったよ。のび太、和人、明日奈。悪いが予定変更だ。パワえもんのとこに行くぞ。」

 

渋っていたキッドは深くため息をついて、僕達にそう言って来た。まぁ…僕はパワえもんに一言物申したかったからいいけどね。ニャー子さんは係の人に呼ばれて中に戻って行った。僕達はタケコプターをつけて、パワえもんがいる総理大臣の家に向かっている。

 

「…最初に言っておく。俺は100%あいつと揉めるからな。」

 

「何で揉める前提で行くわけ!?」

 

「ニャー子も言ってたろ。俺とあいつの相性は最っ悪だ。」

 

「自信満々に言わなくてもいいじゃない…」

 

本人がこう言ってちゃついて行く僕達も、不安なんだけど…

 

 

ーーーーーーーー

 

僕達はパワえもんがいる総理大臣の家の前に来ていた。ガードロボットに身分証明書を見せてから中に入れてもらった。何でも総理大臣とセワシ君の父親(僕から見たら孫の子)は友人同士であるらしいから、その関係者である僕達も入っていいそうだ…結構確認に時間がかかってたみたいだけどね。そして僕達はパワえもんと会ったが…

 

「野蛮人が来るとは思わなかったね。」

 

「あ?何偉そうに言ってやがる?」

 

本当に揉めた。いや綺麗に揉めるからびっくりしたんだけど!?怒ったキッドを何とか止めて、あーちゃんがドラえもんと別れた後に会ったかを聞いたけど…

 

「全然」

 

「私達ひょっとしたらドラちゃん、誘拐団に捕まったんじゃないかって心配してるんです。

 

「あのロボット誘拐団かい?……あの、これ以上聞くことが無ければ…今子供の勉強を見てるんだ。」

 

「あ?」

 

「今来たばかりなのに」

 

パワえもんの言葉にキッドだけじゃなく僕もキレそうになった。でもここで僕もキレたら元も子もないから僕達は、飛びかかろうとしていたキッドを捕まえて、帰ろうとした。

 

「あの…ひとつ言っとくけど、ドラえもんはロボット誘拐団には捕まらないよ。」

 

その言葉を聞いて、パワえもんはドラえもんの事を信じてるだと思った、見下してようとそこは認めてるんだと…でも次言う言葉でそれは間違いだと思った。

 

「奴らは失敗作のロボットは必要ないからね。」

 

…キレそうになって僕はパワえもんに飛びかかろうとした…でも和人に止めれられた、和人を見ると真剣な表情でもこちらを見ていた。冷静になれと…そうだね

 

「…ドラえもんは失敗作とでも?君がいくら優秀だろうがドラえもんは失敗作なんかじゃないよ」

 

「僕の成績は関係ないよ。だいたいそうだろう?ドラえもんは道具を出すのも他のみんなより遅いし。授業中でも寝てばかり、挙句の果てには特別教室に送られた落ちこぼれだ。」

 

「だとしても、ドラえもんは失敗作なんかじゃない。確かにドラえもんはおっちょこちょいで失敗ばかりしてる…けどな。ドラえもんの悪口は俺達が許さないぞ。」

 

和人も援護射撃をしてくれた。

 

「へぇ?君が?じゃあ君はちゃんと自分で宿題をしてるかい?」

 

パワえもんは不敵な笑みで質問してきた。…煽って来てるね?

 

「その質問の意図はわかるよ?ドラえもんに頼りっきりとか言いたいんでしょ?ドラえもんにはいつも助けて貰ってるよ。もちろん、宿題は自分でしてるし。」

 

「…だがドラえもんはきっとこう思ってるはずだ。優秀な君と劣等生である自分は釣り合わないんじゃないかってね!」

 

「ドラえもんは優秀だ。お前がどう思うが、ドラえもんは俺達を助けてくれた」

 

「パワえもん!見てぇ!あれ?」

 

そんな時総理の子供が入ってきた。…少しクラスメイトに似てる?

 

「大丈夫、もう帰るよ。」

 

「僕の言った通り、やったらこんなに綺麗になったよ!」

 

「やっぱり君が正しかったね」

 

僕達はその会話を聞きながら、帰ることにした。パワえもんと争っても意味がないし。

 

「…やぁ。用事は済んだかな?」

 

部屋から出ると、僕のパパと同じくらいのおじさんがたっていた。

 

「総理?」

 

「こ、この人が!?は、はじめまして!野比のび太です!」

 

「桐ヶ谷和人と言います!」

 

「結城明日奈です!」

 

僕達は慌てて、自己紹介をした。まさか総理大臣と会うとは思わなかった。まぁここは総理の自宅だから当たり前なんだけど。

 

「うむ、はじめまして。パワえもんの事は許して欲しい。彼はああ言っても内心は心配してるんだよ。」

 

「そうは見えねぇけどな。」

 

「ははは…あぁ、そうだ。私の名前を言うのを忘れていた。出来杉栄西と言う。」

 

総理からも名前を教えてもらった。…出来杉…?

 

「「出来杉!?」」

 

「どうしたの?2人とも?」

 

「いや僕達のクラスメイトに出来杉って人がいるんだけど、まさか」

 

「その出来杉英才の子孫に私はあたる。」

 

これは驚いた。まぁ、未来の世界だし。他のクラスメイトの子孫もいるって事くらいわかるか。それにセワシ君の父親と友人同士なら、僕達をここに入れるのも納得がいく。それと同時にもう1つ聞いてみたかった。

 

「和人の子孫ってどこにいるんですか?」

 

「俺のかい!?」

 

「そりゃ気になるでしょ!親友の子孫だよ?」

 

「それは私も気になるかも」

 

「お前らここに来た目的が違うだろうが。」

 

キッドがそう言ってきた。いやまぁ、そうだけど。

 

「これだけだよ!」

 

「たく」

 

僕達は、キッドの許し(かどうは分からないけど)を得て総理に向き直した。総理は神妙そうな顔で和人を見てから僕の方を見た。

 

「すまない。それは言えないんだ。」

 

「えっと、口止めされてるんですか?」

 

「…あぁ。すまないね」

 

それならしょうがないかぁ。ちょっと残念だけど。

 

「おい!もういいだろう!行くぞ!」

 

キッドにそう言われ僕達は、総理の家から出た。

 

ーーーーーーーー

 

 

 

家を出ていくのび太達を見ている出来杉栄西は何かを考えていた。

 

「やはりそうだ。彼らは私の時間軸には存在していない…」

 

そう呟いたと同時に後ろのドアが開き、パワえもんと

 

 

 

 

 

 

もう1人の出来杉栄西がそこにいた。

 

「総理、そろそろ自分の世界に戻ってください。」

 

「あぁ…そうする」

 

実は、この出来杉栄西は別の世界から来ていた。日頃の鬱憤をもう1人の自分に話す為に、ちょうど来たのび太、和人、明日奈、キッドの4人を見て興味方位に話しかけていた。自分の世界に存在していない和人、明日奈、キッドの3人を

 

 

「世話になったね。もう1人の私」

 

「いつでも歓迎するよ。」

 

そう言って、出来杉栄西は平行世界旅行機(パラレルループ)という道具で自分の世界に戻って行った。

 

「それで?君は行かなくてもいいのか?パワえもん。」

 

栄西はパワえもんの方を向いて、そう言った。

 

「…私が行かなくても、彼らがどうかしますよ。」

 

「ふむ、確かにそうだな。しかし君は彼らが帰った途端にソワソワし始めていたようだが?」

 

「……」

 

栄西はにこやかに笑いながら、パワえもんに言った。どうやら栄西にはドラえもんを心配していた本心を見破られていたようだ。パワえもんは何も言えずにいた。

 

「行ってやりなさい。」

 

「……はい」

 

パワえもんは駆け出して行った。

 

「やれやれ、世話のやける世話係だよ。ふふ」

 

そう言って、栄西は息子がいる部屋に入って行ったのだった。

 

 




雷神「よし、比較的早くできた。」

銀「それはいいが、最後の意味深な総理のやつはなんだったんだ?」

雷神「最後の部分はいつも通りの思いつきだよ。」

銀「あの口ぶりからすると、あの総理の世界は…」

雷神「では次回はドラえもんが生まれ変わる日も佳境に入ります!」

銀「強引に話を逸らすなおい!あの総理の」

雷神「次回をお楽しみに!!」



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第42話ドラえもんが生まれ変わる日3

皆様お久しぶりです!なかなかモチベーションが整わずダラダラしていました。すいません!
さてこの後編にて、ドラえもんが生まれ変わる日は終わりになります!

キッドの警察学校の同期にあの5人が入ってたら面白そうだったので、ある人物が出てきます。巷で話題の…おっとここから先は本編へ。

次は久々のオリジナル回になります。お楽しみください。

視点はのび太、ドラえもん、のび太、明日奈、ジャイアン、のび太、ドラえもん、のび太、和人、のび太、ドラえもん、のび太、工場長、のび太の順です!

今回も視点がコロコロ変わります!


結局僕達は、ドラえもんを見つけられずに、空を飛んでいた。そんな時…

 

PIPIPI!!

 

「ん?こちらキッド…セワシ?」

 

電話はセワシ君だったみたいだ。

 

『キッドすぐにこっちに来て見せたいものがあるんだ!ドラミちゃん達もここにいる!』

 

それを聞いた僕達は、急いでセワシ君の元へ向かった。

 

ーーーーーーーー

 

 

セワシ君達がいる場所はドラえもんがいなくなったと言われる公園だった。キッド達が言っていたように公園の茂みが荒れてたり、木が削れたりしていた。

 

「あっ!こっちよ。のび太さん!明日奈さん!和人さん!キッド!」

 

ドラミちゃんの声が聞こえ、そこに向かって行くと、セワシ君とドラミちゃんの他に王ドラもいた。美夜子さん達待機組残ってもらってるみたいだった。

 

「それで?何を見つけたんだ?俺達がここに来た時には何も無かったはずだが。」

 

確かにここは、キッド達が一度来たみたいだし、見落としするような物はなかったと言っていた。セワシ君は何も言わずに土の方を指さした。そこには何かの模様か文字みたいなのがあった。

 

「これは…文字か?」

 

「そうなの。とりあえずタイムテレビで見てみたんだけど、タイムシールドが貼ってあって見れなかったの…」

 

「そうか。…んで?王ドラは何考えてんだ?」

 

キッドはさっきから、腕を組みながら考えている王ドラに話しかけた。

 

「……いえ、さっきのタイムシールドに何かが映ってた気がしたんです。」

 

「え!?私気がつかなかった。」

 

「もう一度見てみましょう。タイムシールドの所で止めてください。」

 

ドラミちゃんは、タイムテレビを出してから操作をした。ドラミちゃん達が言うようにタイムテレビにはノイズが走った。ノイズは一瞬だけで終わった、王ドラが言っていた何かがわからなったけど…

 

「あっ!ちょっと止めて少し戻して!」

 

あーちゃんが何かに気づいてドラミちゃん言ってドラミちゃんが操作してそこを止めた所に丸いボールみたいな物が映っていた。なにこれ?

 

「ドラちゃんの手に見えない?」

 

「確かに見えるけど、これだけじゃ分からないと思うよ?」

 

「手だと思うけどなぁ?」

 

「ドラミちゃんもうちょっとわかりやすくできない?」

 

皆がタイムテレビを見てる間にとりあえず僕は森の中に入ってみた。キッド達が探しても手がかりは見つからなかったって言うし無駄足かもしれないけど。

 

ざざ!

 

「ん?」

 

何かが足元に当たった?足元をよく見てみると、黒い筒のような…ってこれって!!僕は急いでみんなの元に戻って、それを見せた。

 

「みんな!!これって!」

 

「こ、これは、お兄ちゃんの空気砲よ!?」

 

「じゃあやっぱりこの丸いのは…」

 

「ドラえもんの手だな。この文字もドラえもんが急いで書いたんだろう。ちっ、見落としてたか!」

 

「念入りに調べればよかったです!」

 

きっと誰かがこれを見つけてもらってから、探して欲しかったんだ。これだけじゃまだ分からない!何か他に手がかりを!!

 

PPPPP!

 

「「「「「「「ん!?」」」」」」」

 

僕達が焦っていると誰かの電話が音を鳴らした。

 

 

『こちらジャイアン!ロボット誘拐団と思われるアジトを突き止めた。至急こちらに来て欲しい。』

 

ジャイアンからの電話…ドラえもんは本当に誘拐団に拉致されたのかな…

 

 

ーーーーーーー

 

ーー2128年9月2日22時ーー

 

「あと2時間。」

 

何とかして逃げたいけど、この拘束にがっちり固められて動けそうにもなかった。あれから考えていたけど、やっぱり分からない。新しくなるということは僕はこれまでの記憶も失ってしまう可能性がある…

 

ブーン

 

すると扉が開き、工場長がまた入ってきた。

 

「2時間を切ったか。おーいナボ!」

 

「はーい!」

 

工場長は、誰かを呼んだ。宇宙人みたいなロボットがこちらにやってきた。

 

「このMS903をマツシバ工場にある手術室に連れてって行く。縛って車に積んどいてくれ。私は部品の準備をする。」

 

…工場長は僕を物として見てるのか?さっきからMS903って僕には大事なドラえもんって名前があるんだ。って!

 

「来るな!触るな!!」

 

宇宙人みたいなロボットに僕は怒り込みに叫んだ。けどロボットは意を介さず僕を運び出した。僕は抵抗虚しく、口を塞がれて縛られた。そして…

 

「黙ってください!」

 

ビリビリ!!

 

「ぎがぁ!?」

 

僕の意識はそこで消えた…

 

 

ーーーーーーー

 

僕達は、公園を離れてから誘拐団のアジトに近い港に来ていた。連絡してきたジャイアンを含めた4人の姿が見えなかった。あれ?どこに行ったんだろ?ここで待ってるって言ってたのに。

 

「あっそうだ。警察に。」

 

セワシ君は電話を手にして、警察電話をした。

 

「あの、僕達ロボット誘拐団のアジトと思われる場所を見つけました。」

 

『ロボット誘拐団のアジト?ハッハッハ!坊やダメだよ。こんな時間まで遊んでちゃ。早く帰りなさい。』

 

ブチッ!

 

「あっ、切られた…」

 

当たり前だけど、子供であるセワシ君が言ってもただのイタズラだと思われて切られた。

 

「しょうがねーな。入るか。」

 

「そうだね。警察を待ってる時間もない。ジャイアン達も心配だし。」

 

「そうね!早く行きましょ!」

 

「ちょっと待ってまた電話するから!」

 

セワシ君の言葉を聞き流し、僕らは虱潰しに探す事にした。目の前の倉庫の扉を開けて中を見た。

 

「何も無いね。」

 

「そうだな。」

 

「他を当たりましょ。」

 

僕らは次の倉庫に行こうとした。

 

『何だそのガキ共は!!』

 

声が聞こえ僕達は急いで中に入った。

 

「ダメだよ。危ないよ!」

 

『なにぃ?跡をつけてただぁ?』

 

声が聞こえる所まで来ると、階段がそこにあった。

 

「やめた方がいいってばぁ!」

 

僕はドラえもんの空気砲を手にしてつけた。あーちゃんや和人にもドラミちゃんが渡していた。キッドや王ドラは元から持っていたからね。

 

「どんな武器を持ってるか分からないんだよ!」

 

セワシ君は怖いのかずっとこの調子だ。僕達はこれまでの冒険の経験上怖くはなかった。…夢幻三剣士の時少し怖気付いてた?…そこはもういいでしょ…とにかく!

 

「「「「ドラえもんを!」」」」

 

「お兄ちゃんを!」

 

「「「「「助けるため!」」」」」

 

僕、和人、ドラミちゃん、キッド、王ドラはセワシ君にそう告げて下に降りていく。

 

ーーーーーーー

 

「ちょっと待っておじいちゃん危険だよ!もう諦めるしかないよ!!…もう無理だってばぁ」

 

パシン!!!

 

セワシ君のこの言葉に私は少しイラついた。さっきからセワシ君は諦めるような事しか言ってないし、何よりドラちゃんの事を無下にしまくってる。

 

「叩いたのは謝るわ。でもね。のびちゃんにとって、ドラちゃんは和人くんと同じような親友なのよ!簡単に言わないで!さっきから聞いていればあなたはなんなの?あなたが最初のドラちゃんの友達なんでしょ!!」

 

「…お、おばあちゃん。」

 

「のびちゃんは、自分の力で助けたいだけなの!それをわかって!行くわよ。」

 

私はセワシ君を無理やり立たせてから急いで、のびちゃん達の後を追った。

 

 

ーーーーーーー

 

「…もう一度聞くぞ?何なんだ貴様ら!」

 

「ひぃ!!」

 

俺、スネ夫、マタドーラ、ニコフの4人はアジトの前でのび太達を待っていたが、急に首に刺激が走り気づいたら見事に捕まってしまった。マタドーラとニコフは別の場所にいるのか姿が見えなかった。目の前の男はロボット誘拐団のボスってとこか。

 

「答えると思うか。」

 

「!?うわぁーうわぁーん!!」

 

「静かにさせろ!!」

 

ボスが手下にそう言ったら、何故かスネ夫は大根を口にくわせられた。

 

「こっちの秘密を知ったからには生かしちゃおかねぇ。それにあの2体の猫型ロボットはかの有名なドラえもんズだ。高く売れる。」

 

「がぶがぶがぶがぶ!!ごくん!!!知らないよ!おじさん達がロボット誘拐団だって事!!」

 

スネ夫は大根を、素早く食ってからこいつらがロボット誘拐団だって事を口走った…っておい!?

 

「スネ夫!お前!」

 

「あっ…」

 

「よーく知ってやがる……人間は記憶を消せねぇからな…。始末しろ。」

 

ボスは手下共にそう告げた。よし…

 

ブチッ

 

「は?」

 

「俺はちょっとやそっとじゃやられねぇぞ?」

 

括り付けられていた紐を力で千切ってから腕を回して筋肉をほぐし、手を慣らしてから隣にいる。手下の1人を殴り飛ばした。

 

「ぐは!?」

 

「なん...だと?」

 

「俺様を普通のガキだと思うなよ?」

 

俺は目を光らせてから目の前の敵に腕を振り下ろした。

 

 

ーーーーーーー

 

 

僕たちが入っていくとそこには、ロボット誘拐団の手下であろう男達が山になって倒れていて、残っている数人もジャイアンにボコボコにされていた。……って僕達もしかしていらなかった?

 

「よう、遅かったなお前ら」

 

「ジャイアン一人でやったの?」

 

「おう!」

 

「元気に言われても、まぁ…いいかそれで?ボスは?」

 

「そこにいるハゲだ。」

 

ジャイアンに聞いた僕はジャイアンの猛攻にビビって腰を抜かしているボスにドラえもんの事を聞こうとした

 

「警察だ。既にお前らを包囲している。」

 

と思ったら、武装警察が周りを取り囲みボスに銃を突きつけていた。なんで?さっきセワシ君が電話した時は全く信じてなかったのに。

 

「さぁ君たちも来るんだ。…キッドお前もな。」

 

「…ゼロ」

 

金髪で色黒の警官がキッドに呆れた顔で言っていた。

 

「知ってる人?」

 

「警察学校の同期だ。」

 

「そう」

 

 

ーーーーーーー

 

 

そんなわけで僕達はアジトの外で待機させられていた。キッドの警察学校の同期っていう警官の名前は降谷零さんで、普段はタイムパトロール隊にいるんだそうだけど、ロボット誘拐団の件で地元警察に一時出勤していたらしい。キッドは小言を言われていた。

 

「こいつは俺が無茶するとよくこう言うんだよ」

 

「はぁ…僕やヒロが口を酸っぱく言っても聞かないからじゃないですか。松田や萩原と一緒で」

 

「あいつらと一緒にすんな!ちっ!で!誰がお前らを寄越したんだよ!」

 

「僕達だよ。」

 

キッドが降谷さんに聞いたら、別の声が聞こえ、そこを向くとパワえもんとノラミャーコさんが立っていた。

 

「君の後ろに少し細工しててね。」

 

そういえば背中に何か違和感があった気がする。

 

「発信機ですか。」

 

「そう、子供を守るのが僕の仕事だからね。」

 

パワえもんは、そう言ったけど、実際はドラえもんの事が心配だったんだと思う。

 

「にやり顔が腹立つ」

 

「おい!のび太!」

 

ジャイアンに呼ばれ、どうしたのか聞く前にわかった。誘拐されていたネコ型ロボットが出てきたからだ。僕は走って、ドラえもんがいないかを探した。でも最後の1人になっても青い姿はいなかった。…まさか取り越し苦労だったの!?結果的に他のロボットたちは助けれたけど、ドラえもんがいないんじゃなぁ…

 

「とりあえずさっきの文字の解析するぞ!」

 

「そうですね。」

 

「ん?君達ロボット誘拐団の逮捕に協力してたんじゃなかったのか?」

 

降谷さんは、僕達に聞いて来た。キッドの同期って言うし。信用できるかは別にして話すべきか。僕は降谷さんに事の経緯を説明した。

 

「なるほど、それでドラえもんズ全員がいたのか。」

 

「そうなんです。協力してくれますか?」

 

「もちろん…って言いたい所だけど、僕の協力は必要ないみたいだ。」

 

「え?」

 

降谷さんの言っている意味がわからくて聞き返した。すると

 

「のび太!わかったぞ!ドラえもんの居場所!」

 

「ね?ドラえもんズやドラえもんの同期は優秀な人材ばかりだ。」

 

降谷さんは、笑顔でそう言ってくれた。不安だった心が消化されている気分だった。

 

「いつか君達と協力してみたいものです」

 

「はい!その時はよろしくお願いします!」

 

「ふふ、じゃあね。親友を助けなよ!」

 

「はい!」

 

「いい人だったな。」

 

「うん!」

 

そう言って降谷さんは他の警察官と一緒に帰って行った。和人と僕は降谷さんの人柄を知った。おっと気を引き締めて。

 

「キッド、ドラえもんの居場所は!?」

 

 

ーーーーーのび太や和人が後に降谷零を含めた4人の警察官の先祖に会うのはまた別の話。

 

 

ーーーーーーー

 

キッドやパワえもんが調べた結果、犯人であろう人物はドラえもん達を作ったマツシバ工場の工場長であるらしい。ノラミャーコさんが言うには、以前工場長はドラえもんのような欠陥ロボットはどうしても自分の手で直したいと言っていた。

 

『キッド!工場長自宅にいないわ!』

 

『私達もすぐ向かうから!」

 

ノラミャーコさんとセワシ君の家で待機していた美夜子さんは工場長の自宅に行っていた。僕達は待機していた他のみんなも呼び、ドラえもん救出に向かうことにした。僕達はタケコプターでマツシバ工場に向かっている

 

ーーーーーーー

 

「頭脳回路をリセットしたら僕の記憶、ドラえもんズとの冒険やのび太君達の冒険の記憶も無くなるんでしょ?そんなの嫌だ!!」

 

僕は確かに欠陥品だ!すぐに出したい物も出せないし、失敗も数しれない!だけど、この思い出だは忘れたくない、消されたくない!!

 

「じゃあ、君は今のままでいいと言うのかね?その低い性能で、そんな青色の身体で!」

 

「僕の他にも違う色のネコ型ロボットは沢山いる!ドラえもんズのみんなやドラパン!シェドーラだって!校長は言っていた!僕のこれはれっきとした個性だって!」

 

「ダメだ!!そんな事私が許さない!確かに他にも違う色のネコ型ロボット入るが彼らは君と違って性能がいい!私の責任でこうなったのだから、私の手で生まれ変わらせてあげたのだ!」

 

「校長は言ってました!あの事故は工場長の責任ではないって!」

 

「そうだとしても、私の工場で起きた事故だ!わかるね。MS903」

 

違う!僕はそんな名前じゃない!個体番号で呼ぶんじゃない!僕の名前は!!

 

「ドラえもんです!!」

 

「……」

 

工場長は、僕の言葉を聞き、睨んで部屋を出ていった。

 

 

僕は思い出していた昔の事を…耳をネズミにかじられて

 

《僕の耳が!!》

 

耳を失ってしまい、その事をノラミャーコさんに笑われてしまい、

 

《ハハハハハ!!》

 

元気の素を飲んだつもりで悲劇の素を飲んでしまい

 

《僕は、僕はなんて不幸なんだ!!!》

 

それが原因で泣いた時に黄色いメッキは剥がれ落ち、今の青い姿と声になった。

 

ーーーーーーー

 

僕、和人、パワえもん、ジャイアン、スネ夫、ドラえもんズのみんな、直ちゃん、しずちゃん、あーちゃん、ドラミちゃん、セワシ君は、マツシバ工場の前に来ていた。未来のロボット工場だけあって、やっぱりでかい建物だな。そんな事思ってると、ノラミャーコさんと美夜子さんがこちらに戻ってきた。

 

 

まずノラミャーコさんとキッドとドラミちゃんが、警備ロボットに話をする。

 

「すいませーん!」

 

「どうしたんですか?」

 

「それがこの子が具合が悪くって、工場長に見てもらおうかなって!」

 

「工場長には会えませんよ。今の大事な手術の…え!?」

 

そして、ジャイアンが警備ロボットを〆る…警備ロボットには悪いけど背に腹はかえられない。

 

「やつは何階だ?言え!!」

 

「変身しても無駄ですよ。」

 

「言います…」

 

何とか聞き出せた僕達は工場長がいる階にエレベーターで向かう

 

「そういえばさ!工場長は何でまだ何もしてないんだろ?」

 

しずちゃんが、ふっと疑問に思ったのかそう言っていた。確かに気になる。警備ロボットが言うには、まだ手術は始まっていないとの事。

 

「そうね。今は23時40分。」

 

「9月3日かぁ…ん?」

 

9月3日は、ドラえもんの誕生日!?

 

「工場長の野郎!それに合わせてドラえもんを!あいつのやりそうな事だ!」

 

「そうですね。考えてみればわかったはずですね。何故このタイミングで行動に移したのかも、ドラえもんが狙われた理由も。」

 

さっきのノラミャーコさんが言っていた事も含めるとドラえもんを9月3日で直すことで、長い間に悩んでいた事を解消したいんだ!

 

「だが、工場長は言っても戦闘にはズブの素人だ。俺らみたいな例外のロボがいるわけでもないしな」

 

「そうですね。たとえそんなロボが居たとしても、1人でここまでの綿密な計画をするとは思えません。」

 

「…裏で糸引いてるやつがいる。か」

 

そうだとしたら、頭を過ぎるのは魔女顔のイカれたやつだよね。あれから何も起きてないけど、そろそろ動き出すかもしれないし。思い違いであって欲しいけど。

 

「とにかく!一刻も早くドラえもんを…ってうわッ!?」

 

そんな時にエレベーターが止まった。僕たちが来られないようにしたのかも。ドラミちゃんは[通り抜けフープ]を出してとノラミャーコさんがお願いしていた。何をするかと思えば、ノラミャーコさんは見事な身のこなしで上にジャンプした。そこからガシャンって音がなり、ノラミャーコさんから上に来てと言われた。

 

「ここは吾輩に任せるのであーる![ピーヒョロロープ]」

 

3世が出した道具でエレベーターの上に行った。

 

「…ん?あそこに誰かいるぞ?」

 

皆が全員上に登り終えると、キッドが何かに気づいて指をさした。…あいつはッ!

 

「やぁやぁ、久しぶりだね。ノビタニヤン君、いやここではのび太と言うのか。」

 

「やっぱりお前が、裏で糸引いてたのか!トリホー!!」

 

「ふふふ、そうですよ。…私は君たちが来ると踏んで仕組んだのです!ハッハッハ!!」

 

トリホーは狂気に満ちながら笑っていた。やっぱりヴァサゴという人種はどこか狂ってる。

 

「お前の目的は?」

 

キッドは空気砲を構えながら聞いた。

 

「ハッハッハッハー!!…ドラえもんを修理し、記憶を初期化すれば君たちが未来や過去に行けなくする事ですよ!っと!?危ないですね。黒の剣士」

 

「……みんなは先に行け。」

 

いつの間にか和人が、トリホーを剣で押さえ込んでいた。な!?

 

「和人!?1人じゃダメだ!僕も!」

 

「こうしてる間にもドラえもんは手術をされるかもしれないだぞ!!いいから早く行け!」

 

「でも!」

 

「行くわよ!」

 

美夜子さんが僕の手を取って、走り出した。

 

「美夜子さん!」

 

「和人君も言った通りこうしてる間もドラちゃんが危ないのよ!和人君を信じなくちゃ!!」

 

「…うん。そうだね。和人!必ず勝ってよ!」

 

「わかったから、早く行け!」

 

僕やみんなは、和人を残してドラえもんがいるであろう、手術室に向かっていく。和人!君の為にもドラえもんは助けるからね!

 




雷神「ふぅ…終わり」

ハル「やっと書き終わったかも?」

銀「はぁ…お前は本当に大丈夫か?」

雷神「頑張ってひねってはいるんだけどね。」

銀「それよりもだ。次回のオリジナルで小学5年生編は終わりなんだな。」

雷神「そうそう!これもこの前付け足したからね。小6篇からはオリジナルの話が結構続く。」

銀「当初は劇場版とSAO本編だけだと思ってたんだがな。」

雷神「どんどん方向性変わってるからね。ははは…」

銀「まぁいいだろう。次回はオリジナル回だな。」

雷神「そうそう!次回もお楽しみに!」


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第43話ドラえもんが生まれ変わる日4

人魚大海戦と同様に後編を分割しました。


視点は、和人、のび太、ドラえもん、のび太、工場長、のび太の順です!


「また相対できるとは思いませんでしたよ。黒の剣士」

 

「随分と余裕綽々に言ってるくれるな!」

 

のび太達が行ってから、トリホーが喋りだした。夢幻三剣士の時は負けた、あれは夢の中での話だ。現実の身体でも俺はこいつにには負けるかもしれない…けど…のび太と約束したんだ。俺は少し間合いをとることにした。

 

「俺はお前を倒さなくちゃ行けない。」

 

「ふん!夢の中で負けた癖に減らず口を!ん!?」

 

「おりゃ!!」

 

「ジャイアン!」

 

ジャイアンがのび太達が行った所にいた。なんでだ!?

 

「こいつは俺の分身が世話になったしな。」

 

「おや、茶色の剣士ではないですか。」

 

「生憎俺はあいつとは別のやつだ。だがジャイトスのケジメは俺がつける。」

 

ジャイアンは目を光らせて、トリホー向けて言った。俺も気を取り直して剣を構えた。

 

「ジャイアン!いいや。共闘するぞ!」

 

「おう!」

 

俺はトリホーに向けて走り切りつけようとした。だがトリホーには軽々避けられて後ろに飛んだ。飛んだ先にはジャイアンがおり殴りつけたが、トリホーは両手を交差させて受身をとった。

 

「両手が痺れる。とても小学生の腕力じゃありませんよ。」

 

「そりゃどうも。オラオラオラァ!!」

 

ジャイアンはさらに猛攻を仕掛けるが、トリホーは俺の時のように避けていた。くそこれじゃ夢の時と一緒じゃないか!

 

「遅い…ですよ!」

 

「何!?くっ!!」

 

トリホーの拳がジャイアンに当たり、ズズっと床を滑りながらこちらに戻された。

 

「無事か!ジャイアン!」

 

「くそ!あの親父見た目によらず馬鹿力だ!」

 

ジャイアンは手を振りながらそう言っていた。あの見た目でそんな馬鹿力なのか。さっきから翻弄されっぱなしだ。何かにいい打開策はないか!

 

「何をしておる。」

 

「何!?ぐほ!?」

 

「くふ!?」

 

俺とジャイアンは、トリホー纏めて投げ飛ばされた。俺らは壁に激突しそこに倒れ込んだ。くそ!身体が軋む!

 

「はぁ…はぁ!」

 

俺は立ち上がり再度トリホーに剣撃をしたが激突したダメージか上手く出来なかった。こんな所師匠に見られたらどやされるな。

 

「遅いですぞ?黒の剣士よ!」

 

「俺も忘れんなぁ!」

 

ジャイアンが油断していたトリホーに殴りつけた。よし!当たったぞ!

 

「この程度か?拳の勇士よ!はぁ!」

 

いつの間にか呼び方も変わってる。トリホーは、あの巨体を再度投げ飛ばしジャイアンは壁に激突した。俺はすぐさま、駆け寄った。

 

「…ジャイアン、無事か?」

 

「…無事に見えるか?」

 

「喋れるならよしだ。…打開策を思いついた。これじゃあ、埒が明かない」

 

「そうだなぁ。よし…聞かせてくれ」

 

俺はジャイアンに思いついた事を話してから動いた。まず俺がトリホーに向けて走り出しトリホーの動きを止めた。

 

「もう一度剣撃をするつもりですか!ワシには効かんぞ!」

 

「あぁ…そうだな。だが」

 

さっきは何故トリホーに1発も当たらなかったか、それは簡単だ。1人でこいつにかなうわけない。共闘って言っておきながら、ジャイアンと俺は1人でこいつに攻撃していた。だから…

 

「ジャイアン!今だ!」

 

「おう!」

 

「何!?いつの間に!?」

 

「師匠の技だ!受けてみろ!ジャン!ケン…グーーーーー!!!」

 

「グハァァ!?」

 

ジャイアンは、渾身のパンチをトリホーに叩き込んだ。トリホーは吹き飛んで壁に激突した。

 

「ま、まさか、このワシが負けるとは…だが…認めよう黒の剣士、拳の勇士よ…。」

 

トリホーはそう言って、気を失った。な、何とか倒せた。俺とジャイアンはトリホーを縛りあげてから、のび太達が行った場所へと行くのであった。

 

 

ーーーーーーー

 

僕は走った。和人にトリホーを頼んだんだ。それにドラえもんズのみんなやパワえもんもここに来る途中警備ロボットが邪魔をしに来てそれを撃退するために残った。みんなからドラえもんの事を託されてドラえもんを助けるために僕はドラミちゃん、しずちゃん、あーちゃん、美夜子さん、ノラミャーコさん、直ちゃんと一緒に走る。階段を登った先には扉があり、その先にも廊下が続いていた。

 

「きっとこの先だわ」

 

僕達はさらに走る。ドラえもんを助ける為に!

 

「ここから先は通しません!」

 

すると、イチョウガニっぽいロボットが行く手を阻んだ。何こいつ!

 

「邪魔すんな!」

 

僕は時雨金時で叩きつけた。でもロボットには攻撃が通じなかった。

 

「…ふっ!」

 

僕は時雨金時を剣にかえてから…

 

「《時雨蒼燕流“攻式”八の型》篠突く雨!」

 

「ぎゃあああ!!」

 

こいつには悪いけど、僕は先を急ぐ為に篠突く雨で倒した。ドラえもん!!

 

ーーーーーーー

 

僕は残り少ない時間をのび太くんやみんなの事を思い出していた。

 

『我ら!ドラえもんズ!』

 

ドラえもんズの事…

 

『た、たぬき!?う、うわぁぁぁぁぁぁ青だぬきなんて見たことない!』

 

『ずこぉ、何でそんな目をキラキラしながら言うんだよ。失礼だな君はもう。はぁ…無理もないかぁ。それにしても暗いなぁ。よし!こんばんわ!僕ドラえもん!』

 

最初に君に会って、すごくキラキラした目で見られた事。

 

『さよーーーーーーーならーーーーーーー!!!!!』

 

ピー助との最後。

 

『もちろんよ!これからもよろしくね!』

 

魔法の世界での冒険と別れと再会。

 

『じゃあ、さようなら!』

 

地下世界の存在。

 

『さようならは、別れの言葉じゃないから…また会う約束だからね。』

 

海の世界の姫様との出会いと戦いと別れ。

 

『じゃあ、リモコンの隠しボタンを押すよ。』

 

夢の世界での冒険と陰謀。

 

どれもこれも、忘れたくない記憶の数々…でも僕はポンコツだ。のび太君の為にも僕は…僕は…

 

「工場長!9月3日になりました。」

 

「ああ、あの男には一応感謝しよう。」

 

「あの男?」

 

「私が君をこの世に解き放った時は後悔したと言ったね。この10数年君を修理するか悩んでいた。だがあの男…トリホーなる者に君のポンコツ具合を聞いてから私は決心したのだ。」

 

…なるほど、厄介な僕の存在をトリホーは邪魔になったわけだ。僕が修理されれば、僕はのび太くんの記憶を忘れるわけだから、のび太君の時間航空は出来なくなるから。…時間犯罪者の彼がどうやってこの時代に来れたのかは謎だけど。

 

「眠りから覚める時君は優秀なMS903子守り用ロボットに生まれ変わっている。では!リセットを始める!」

 

とうとう僕は何もかもリセットされる…のび太くんさようなら…

 

「ドラえもん!!』

 

「のび太くん!?」

 

『ドラえもん!ドラえもん!出てきてよ!お願いだ!』

 

「君が子守りをしている子だね。」

 

「工場長!最後にのび太くんと話をさせてください!」

 

「……いいだろう」

 

ーーーーーーーー

 

ドアが開き、ドラえもんは縛られて機械に乗せられていた。僕は時雨金時を置いてドラえもんに近づいた。

 

「僕ね。工場長に修理されることにしたよ。今までありがとう。」

 

「ドラえもん!これはあいつが!トリホーが仕組んだことで!」

 

ドラえもんに僕は真実を告げるとドラえもんは首を振った。

 

「知ってるよ。でも僕がおっちょこちょいなばっかりに、工場長はあいつの口車に乗った。僕は君に…いや君達に迷惑をかけたね。」

 

ドラえもんは泣きながら僕やみんなに謝っていた。

 

「そんな事ないよ!!それに手術をしたら僕の事忘れるんでしょ!僕との思い出も消えるんだよ!それでも平気なの!それにドラえもんがいなくなったら、現代のみんなになんて言えばいいの?パパやママも心配するよ!」

 

「適当に言っといてよ。」

 

ドラえもんは苦笑いしながら言ってきた。…ドラえもんを知ってる人は沢山いるのに誤魔化しが聞くわけないのに!

 

「嫌だよ!!こんな別れ方するなんてドラえもんは…ドラえもんはいいの!?」

 

「……」

 

ドラえもんは黙った。何か言ってよ。いつもみたいに毒舌でもなんでもいいから、言ってよ!!

 

『全く君は』

 

ドラえもん!

 

『出来ることか出来ないことかよく考えてから喋ってくれ!』

 

ドラえもんがいなくなるなんて!!そんなの…

 

『じゃあなのび太…』

 

和人の時と一緒だ!!僕はまた親友を失うなんて嫌だ!!

 

「いいんだ!!」

 

「ドラえもん…。僕は…もう二度と親友を失いたくないんだ!!」

 

 

「そうだぞ!ドラえもん!!!」

 

僕が叫ぶと、後ろから声が聞こえ振り向いたら、そこには傷だらけの和人が立っていた。

 

「和人…?君無事で…」

 

「ああ、トリホーは倒してきた。…黙ってきいてたが…なんだドラえもん。」

 

「か、和人君。」

 

「確かにお前はポンコツだ!どこでもホールを出しっぱにしたり、急に水に入っていったり道具の説明もものすごく長い呆れるほどにな!だがな!そんなドラえもんだから俺やみんなが受け入れたんだ!」

 

「和人…」

 

「それにお前も知ってるだろうが!!こいつには心に闇を抱えてるって!俺が抱えさせた闇だ。それを償うのは俺の使命だと思うし、義務だ。だけどな。お前が消えるとまた闇は膨張するんだぞ!のび太にまた闇を抱えさせる気か!!」

 

「それでも僕は…!!」

 

「…直されたいってか。そうかなら勝手にしろ!!」

 

和人は部屋を出ていった。何か和人が当たり散らしたから僕、冷静になった気がする。

 

「…ドラえもん…もし君が記憶を失っても僕は君のこと忘れない。」

 

僕はそれだけ言うと和人を追うように走って部屋を出た。横に出ると、和人はうずくまって泣いていた。

 

「…僕も泣きたいのに」

 

「お前の分まで泣いてやるから我慢しとけ!」

 

和人はキレながらそう言ってきた。はぁ…全く良い親友を持ったもんだよ…。

 

 

ーーーーーーー

 

数分がすぎて、僕もうずくまって泣いていた。

 

「のび太くん。和人君。」

 

ドラえもんの声が聞こえ、僕は顔を上げた。そこには笑顔のドラえもんが立っていた。

 

「ドラえもん…?僕たちの事わかるの?」

 

「ああ!わかるよ!剣術や銃術が得意で居眠りばっかりする野比のび太くん!それにゲームが大好きで剣術も最近再開した桐ヶ谷和人君!」

 

「「ドラえもん!!」」

 

僕はそれを聞いて和人と2人でドラえもんに抱きついた。僕達の重みで倒れ込んだドラえもんは優しく撫でてくれた。

 

「元のまんまなんだな!」

 

「優秀じゃなくて…僕達の事を覚えてるドラえもんで…本当に良かったぁ、ズズッ!…ッ!!」

 

僕達はドラえもんに抱き着きながら、泣いた。本当に怖かったから…ドラえもんがいなくなるって思ったら涙が止まらなかった。

 

ーーーーーーー

 

私は愚かだったのかもしれない。校長が言っていたようにあの姿型も個性の1つなのだと。当時の…いやさっきまでの私はそんな事考えてすらなかった。あの男の口車にまんまとハマりこんなことしてしまった。

 

「一緒に成長する子守り用ロボット…それもいいじゃないか」

 

「工場長」

 

「…MS…いやドラえもん君すまなかった。」

 

「いいんです。確かにあの時雷に打たれてネジが1個飛びました。ですが、校長先生はそれに気づいていたとしても、僕を受け入れてくれました。工場長も今回の件でわかってくれたはずです。僕は…あなたを告発なんてしません。だってあなたは、もう1人の…父親ですから!」

 

ああ…やっぱり私は愚かだったのだ…。そうだな。

 

「ああ…ッ!!本当に…本当にすまなかった…ッ!!」

 

私は間違いばかりを繰り返さず、もし彼のようなロボットが誕生しても、私は愛する…それが私の使命だ!

 

ーーーーーーー

 

それから僕達は、未来から過去に戻るため、セワシ君の部屋に戻ってきていた。それとトリホーはタイムパトロール隊が連れていった。前のヴァサゴみたいに何も話さなかったけどね。

 

「…ドラえもん」

 

「き、キッド」

 

「弁明は聞かん。1発殴らせろ。」

 

「まぁまぁ、終わったんですからいいじゃないですか!」

 

「…次今回みたいなことが起きたら必ず殴るからな。」

 

「…その時は頼んだよ。」

 

キッドとも仲直り出来たって感じかな?そうそうパワえもんは、嫌味を言ってから帰って行った。きっと素直になれなくて、そう言ったんだろうけど。

 

「そろそろ帰ろうか。」

 

「うん!」

 

僕達はドラえもんのタイムマシンに乗って、元の時代に戻っていた。

 

「ねぇ…」

 

「どうしたのあーちゃん?」

 

「今思い出したんだけどね。セワシ君だっけ?あの子私の事おばちゃんって言ってたのよ!?そんなに老け顔かな!?」

 

「うちにもおばあちゃんって言ってたなぁ。そういや!」

 

「あっ!私にもです!!」

 

「そういえば私にもそう言ってたわ。」

 

あーちゃん、しずちゃん、直ちゃん、美夜子さんが思い出したように、セワシ君のおばあちゃん発言に口々そう言っていた…、ま、まさか…

 

「さ、さぁ、流行ってるんじゃない?」

 

僕は苦笑いしながらそう言って、誤魔化した。…4人がおばあちゃんってどういう事なの!?セワシ君!?

 

ーーーーーーー

 

そして僕達は2018年9月3日に戻ってきた。ドラえもんの誕生日会を開くため。ここは和人の家の道場で誕生会の会場になる。ここには、師匠、ツナさん、凪姉、ルフィさんなど僕らの関係者ももちろん招待してる。

 

「よ!のび太!今日は招待ありがとな。」

 

すると僕の所に、師匠とツナさん、凪姉がやってきた。

 

「やぁ。のび太君。今日はよろしくね!」

 

「はい!今日はありがとうございます!ドラえもんに挨拶した?」

 

「うん、したよ。未来の化学はすごいね。」

 

ツナさんは、ドラえもんの方を見て心底驚いていた様子だった。誰だって驚くものか。

 

「のび…今日は招待ありがとうね。」

 

「ちょ!凪姉!?」

 

凪姉は僕に抱きつきながら、そう言ってきた。いやいや当たってるよ!?何とは言わないけど!当たってるんだけど!?

 

「「あっ!!ちょっと凪姉!!」」

 

「あっ…」

 

凪姉に抱きしめられていた僕は、しずちゃんと直ちゃんに引き剥がされた。

 

「油断も隙もないなぁ!!凪姉!」

 

「あーあ残念。今日はあのロボットの誕生会だから今度にしてあげる。」

 

凪姉はウインクして、消えた。…って幻覚だったの!?

 

「クロームは少し野暮用で離れてるんだ。」

 

「へぇ…」

 

ボンゴレファミリーが解体されてから元10代目ファミリーは反対派の残党狩りをしているらしい。骸や隼人さん、ランボがいないのもそのためらしい。恭弥さんは蒸れるのが嫌いだから来ないのはわかってたけど。

 

「宴だぁ!!」

 

すると、ルフィさんがウソップ(山口嘘八)さんを連れて、肉持ってやってきた。宴じゃないんだけど!?

 

「だから、誕生会だって言ってんだろ!ルフィ!」

 

「よ!ルフィ!久しぶりだな!」

 

「タケシも来てたのか!お!ツナ達も!」

 

僕は2人にもお礼を言った。まぁ、ルフィさんは肉に夢中だったけどね。それから師匠達は他の人にも挨拶しに行った。

 

「ルー兄!ウソ兄!今日はドラえもんの為にありがとう!」

 

「おう!しかし、俺ァ驚いたぜ!未来のロボットがここに来てるってのがよ!」

 

「ははは…他の皆は?」

 

ルー兄は、幼馴染や知り合いとグループを作ってる、その名も麦わらの一味である。ウソ兄やナミ姉、ビビ姉もメンバーの一人である。

 

「ああ!ゾロは飲み比べ、サンジは女をナンパ中、ナミとビビとロビンは向こうで話してるぞ。フランキーはドラえもんに色々聞いてるみたいだぜ!ブルックは今聴こえてると思うが歌を歌ってくれてるぜ!」

 

「ルー兄達も楽しんでくれて嬉しい!甚さんは?」

 

「ジンベエは魚人島に帰って来れなかったんだ。」

 

「そうなの?」

 

「なぁ…いつか俺もお前らの冒険連れてってくれよ!」

 

ウソップさんと話していたら、ルフィさんがそう言ってきた。いや僕達も偶然巻き込まれてて意図的に行ってないからなぁ。

 

「だから!言ったでしょ!師匠が来たら力でねじ伏せるからダメだって!」

 

「ぶぅ…」

 

「拗ねないでよ!?

 

ルフィさんはものすごくぶすくれた。えぇ…どうしろと!?

 

「ルフィ。小学生を困らせんな。」

 

「ゾロ兄?」

 

声が聞こえ、後ろを振り返るとそこには緑色の髪に左目に傷がある人が立っていた。中井染炉さん。麦わらの一味の1人でヴァサゴが戦った時に見せた三刀流の海賊、ロロノア・ゾロの子孫らしい。

 

「すまねぇな。のび太、静香。こいつが言ったことは気にしないでくれ。」

 

「そうする。」

 

「なぁ…連れってってくれよ!!」

 

「ルフィ!!あんたいい加減にしなさい!」

 

「え!?ナミ!?ちょ!?」

 

するとナミ姉がルー兄を連れていった。あの感じだと、小一時間お叱りコースになるかなぁ。

 

「あーあ、ありゃお叱りコースだな。ふぅ…俺はもう1回ドラえもんと話してくるぜ!」

 

「俺も飲んでくる。」

 

「うちも向こうに行ってくるね!」

 

「私も!」

 

みんなは他の所に向かって行った。何か一気に静かになったなぁ。ちょっと外に出るか…

 

 

ーーーー

 

外に出ると、人影が見えた。あれは…

 

「和人?」

 

「…のび太か。どうしたんだ?」

 

「ちょっと外の空気を。和人は?」

 

「…なんでも。」

 

何か未来から帰ってきてから、こんな調子だけど。どうしたんだろ?

 

「かず「なぁ…のび太。」な、何?」

 

和人は僕の言葉を遮って僕の名前を呼んだ。和人の表情は…暗かった。焦燥感を漂わせながら僕の方を見ていた。

 

「俺…弱いかな?」

 

「な、なんでそんなこと言うの?」

 

「…ぷっ!はっはっは!騙されたな。のび太?」

 

「へ?」

 

さっきの表情が嘘のようにキラキラした笑顔で見てきた。何今の!?

 

「もう変な冗談よしてよ!和人が弱いわけないじゃん!」

 

「ちょっと揶揄っただけだっての!」

 

「あっ!のび太君!和人君!こんな所に居たの?」

 

するとドラえもんがひょっこり顔を出して僕たちに言ってきた。

 

「主役の君が何でここに?」

 

「君達を探してたんだよ〜!そろそろ乾杯するよ!」

 

「あっ、もうそんな時間?じゃあ戻ろう!」

 

「あぁ…」

 

僕はドラえもんを追って、道場の中に入った。

 

「……」

 

ーーーーーーー

 

そして僕は、みんなの前にドラえもんを立たせて僕はグラスを持った。みんなも一緒にグラスを持っている。最後に僕達は乾杯をしてこの誕生日会は終わる。

 

「じゃあ…ドラえもん!誕生日!」

 

「「「「おめでとう!!」

 

長い一日は終わりドラえもん誘拐事件はこうして幕を閉じた。



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第44話和人の心情と修行

今回は和人視点オンリーです!


ーー2019年3月6日ーー夕刻

 

ドラえもんの誕生日から半年が過ぎた。この半年間何事もなく日常生活を送れている。先日明日奈は小学校を卒業した。次からは俺達も6年生だ。そして俺がいるここは東京都、歌舞伎町にある道場、俺は防具を着て、竹刀を持って目の前にいる人に向けて、振った。

 

「……めぇぇん!!」

 

「甘いな」

 

「くっ!?」

 

俺は当たることなく相手から面を食らってしまった。俺は今日この人から面を1つでも多く取る事を目標として言われているが、俺の竹刀はさばかれているから1つも取れていない。

 

「どうした?太刀筋に迷いがあるぞ?」

 

「そんな訳ないだろ!」

 

「なら、いつまでも座ってないで早く立て。」

 

「言われなくてもわかってるよ!」

 

俺は言われる通りに立ち上がり再度、心を落ち着かせる。動きが単調だから読まれるんだ。

 

「めぇぇん!」

 

「……」

 

「おりゃ!」

 

勢いよく振った竹刀は当たることなく、また避けれてしまった。俺は体制を整えて竹刀を胴に当てようと振った。

 

「それは胴だ。私は今日面のみと言ったはずだ馬鹿者!」

 

ゴン!!

 

「いってぇ!!師匠も胴にやったじゃないか!!」

 

「私はいい」

 

「理不尽!」

 

「なんとでも言え。いつまでも座ってないで早く立てと言っている。カズ」

 

「わかったよ」

 

一応紹介すると、この人は坂田銀子。俺の剣の師匠だ。見た目は美人だが、如何せん目が死んだ魚のようになっているせいか。貰い手が現れないそうだ。

 

バシッ!!

 

「いってぇ!?」

 

「人の紹介に余計な事を挟むな!」

 

「まず地の文字反応するな!!」

 

この人は武さんと同じく我流の剣術を持っているが今は普通の剣道をやっている。師匠の剣術は剣道と似たものがあるらしく、剣道からだと言われていた。2年前からやっていることは変わらない。これも俺が逃げ出したせいでもあるから、しょうがない。それと師匠はあの金太郎で有名な坂田金時の子孫であるらしい。閑話休題

 

 

「…ところでお前、去年の9月に負けたそうだな?トリホーやらに。」

 

内緒にしてたのに、どこでそんな事聞きつけたんだ。…のび太か。

 

「負けたわけじゃない!一応勝ったよ!」

 

「だが…ジャイアンとの共闘でだろ。のんはサシの勝負で勝ったと言ってたが?」

 

「……」

 

「まぁ、それはいい。身に染みてわかったろ。お前の怠慢がその結果を産んだ。」

 

わかってるよ。両親の事を聞く前に俺は剣術から逃げ出した。その結果あのザマだ。のび太やスグには2年半前の実力みたいと言われてはいる。だが俺自身あの頃の自分より弱いと感じてる。10歳の俺が8歳の俺より劣ってるんだぜ?笑えるな。

 

「確かに笑えるな。たった2ヶ月で実力者と言われているお前が」

 

「だから思考を読むなよ!…それにわかってんだよ!今の俺じゃのび太やスグには敵わないって!のび太やスグは俺を買いかぶりすぎてる!俺の実力はせいぜい雑魚を倒す事だけだ!」

 

「…はぁ…ちっここまで堕ちてたのか…あー、今日は面だけと言ったがやめだ。…やはり性根から叩き直してやる。」

 

「は?どういう…」

 

その瞬間俺の思考は止まりかけた。師匠が尋常ではないスピードで竹刀を振って来たからだ。俺は咄嗟に動き後ろに飛んだ。

 

「相変わらず反射神経だけは、化け物だな。」

 

「なんだよ!いきなり」

 

「もう面とかめんどくさくなった。」

 

「おい!?」

 

何言ってんだこの人は!?

 

「竹刀を叩きつけながらやる修行の方がお前のその腐った根性を叩き直すにはもってこいだ。」

 

俺のどこが腐ってるって言うんだ!!俺はただ事実を言ってるだけだ!

 

「…オラオラオラァ!!」

 

またいきなり竹刀を叩きつけてきた。俺は竹刀で何とか受けていたが次第に竹刀がメキメキいい始めた。こいつ!マジな攻撃をしてる。

 

「オラオラ!どうしたどうした!!攻撃しねぇとお前がやられるぞ!!」

 

なんでいっつも師匠はこういう時男口調になるんだよ!って防御に徹してもやられるのは目に見えてる。俺はすぐさま横に移動してから師匠に一撃をあたえようとした。しかしそれは師匠が首を屈み、避けられてしまった。

 

「オラぁ!!」

 

「うわぁ!?」

 

師匠の一振がとうとう俺に当たり。受け止められずに俺は道場の壁に激突した。…トリホーと同じか。

 

「立たないのか!」

 

師匠は睨みつけながら叫んだ。

 

「そうやってまた逃げるのか?」

 

「…逃げてるわけじゃ」

 

「逃げてる。お前は怖いんだ。戦う事が、」

 

そんな事ない…

 

「そうだな。今まで平和に暮らしていたのに」

 

そんな事…

 

「剣を交える事がなかったのに。」

 

やめろ。

 

「本当は怖くても親友の為ならと、恐怖を押し殺して。」

 

やめろ!

 

「そんな自分も許せなくて。」

 

やめろ!!

 

「お前は臆病なやつだよ。私はこんな奴が弟子だとはつくづく恥ずかしい」

 

「やめろッ!!!!」

 

俺は気づいたら、怒りに任せて竹刀を持ち師匠に猛攻撃をしかけていた。師匠は竹刀でそれを受け止めていた何も抵抗もせずにただ黙って俺の顔を見つめて。

 

バキッ!

 

竹刀は砕け散った。それと一緒に俺の何かも砕け散った気がした。それは戦う事への恐怖。友を失う恐怖が…

 

「…お前は弱い。だが…私が強くする。のび太よりもな」

 

壊れた道場の隙間から夕日が差し込み、師匠を綺麗に照らした。…確かに俺は弱い、それは事実だ…だけど俺はこの師匠とともに強くなる。実力も付けてお前の隣に立ってみせるぞ。のび太!

 

「いい顔になった。」

 

「そんなにやばかったのか?」

 

「ああ。」

 

俺は相当気に病んでいたらしい。だが決意したんだ。俺はもっと強くなる!

 




雷神「はい終了です!」

「「「はや!?」」」

ハル「さっき、長編終わったばっかりなのに!」

雷神「短い方がそれはそれで面白いし無駄に長くしてもねって感じかな。」

銀「いやいや美夜子の時や他のオリジナル回は長ったらしいじゃねぇか!


雷神「それはそれこれはこれなのだよ!和人の心の恐怖を砕くお話でした!」

銀「つまりはあれか?親友のために戦ってはいたが、その心には無意識に恐怖が芽生えてたって事か?」

雷神「言っちゃえばそんな感じ。和人は、のび太の冒険には必ず来るからね。それを和人の師匠は見抜いてたってわけ!」

銀「って前にお前のせいで言えなかったが、やっぱ和人の師匠俺じゃねぇか!」

雷神「だって、まだキャラ定まってなかったし」

銀「はぁ…だが…あれは俺でもましてや銀子でもないな?」

雷神「ズラと混ぜた。」

銀「…まさかと思うが、キリトハーレムの…?」

雷神「完落ちです!!」

銀「俺ァ複雑だよ。」

雷神「では今回は短いですが、次回はオリジナル長編になります!お楽しみに!」



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第45話フォーチュン・クエスト〜平行世界〜

今回はオリジナル長編になります!


【5月10日追記】

学校の描写を追加しました。それに伴い、今まで出なかったできすぎあの子も出ます!

【5月12日追記】

16話で出てきた転生者を送った神様が出てきます。



視点は、のび太になります!


ーー2019年4月6日ーー

 

僕は夢を見ていた。この場所は前にテレビで見た事がある。確か…そう福岡県にある都市、北九州市だ。僕は何故か知らないけど、ある川に架かる橋を走っていた。夢の中の僕は何故だか知らないけど、焦っているようだった。橋の奥には知らない茶髪でサイドテールに制服を着た少女がこちらを向いていた。

 

「君は誰なんだ!?」

 

僕はその少女に向けて叫んでいた。少女は、微笑んで何かを喋っていた。何だ?走ってるうちに少女の言葉があと少しでわかる!

 

【会いに行きます。兄様。】

 

のび兄様!?彼女は僕の事を知ってるのか!?会いに来る!?

 

「君は……ッ!!」

 

【必ず会いますから!兄様…!!】

 

「!!はぁ…はぁ…」

 

やっぱり夢だった。時間を見ると2時をちょっと過ぎた辺りか…目覚める直前は、あの子悲しそうな表情になってた。予知夢なのか、会いますって…どうやって…?

 

「むにゃむにゃ…もう食べられないよ〜」

 

横を見るとドラえもんが、眠っていた。ってさっさと寝ないと明日は小6になって初めての通学だ!ママに怒られる。この夢の事は明日みんなに言わないと…僕は知らない少女が頭から離れないまま、また眠りについた。

 

 

ーーーーーーーー

 

「また女の子か?」

 

朝になり、学校に行く途中に昨夜の夢の話を和人に話すとジト目で見られた。いやいやそんな目で見ないで!?

 

「兄様って呼ばれてたんだぁ。へぇ!」

 

「直ちゃんは何で背中をパンチしてるの?」

 

「自分の胸に聞いたら〜?」

 

そう言いながら、直ちゃんはさらに背中をポンポン殴ってくる。痛くないけど、痒いからやめて欲しんだけど。

 

「私もさっき聞いたけど、本当にあなたは…はぁ…」

 

美夜子さんは美夜子さんで何でため息吐くの!?…僕に非はないはずだよ。きっと…多分おそらく…

 

「それに!アス姉からのび兄の事を監視するように言われてるんだから!」

 

…あの時そんなこと話してたの?あーちゃんは、卒業した後に都会の私立中学に入学するために引っ越して行った。引っ越さないって言ってたけど母親がゴリ押しで決めたらしい。あの母親はどんどん過激になっていく気がする。まぁ、時々遊びに来るって言ってたけど…来れるのかな。…あの男があーちゃんにちょっかい出さないかは懸念していたけど、あーちゃんのお兄ちゃんが守ると言っていたから、杞憂に終わった。

 

「まぁ、その夢の事は放課後しずやジャイアン達も入れて話そうぜ。ただの夢かもしれんが」

 

「そうだね。」

 

それから他の話もしながら学校に着いた。それに今年も和人やみんなと一緒なのかが心配だよ。最後の小学校生活もみんなと同じがいいしね!僕の学年は3組まで別れてる。去年は2組だったけど、今年は…6年1組だ!

 

「和人はどうだった?」

 

「…」

 

和人は黙りこくって下を向いていた。え?何?

 

「和人?まさか…」

 

「一緒だったぞ。」

 

さっきの顔が嘘のようにケロッとした顔でそう言った。

 

「ズコォ!?何紛らわしい顔してんの!?」

 

「ハッハッハ!これだけで騙されるとはお前もまだまだだな!」

 

和人はしてやったりとした顔でこちらを見てきた。何そのドヤ顔。

 

「あっ、私も一緒よ。」

 

美夜子さんは、自分の名前を見つけたのか冷静に言っていた。あっ、よく見るとしずちゃんもジャイアン達も一緒だった。良かったぁ

 

「さっさと行くぞ。」

 

「うん!」

 

僕達は教室に歩き出した。あっ、直ちゃんは5年生の教室向かって行った。

 

ーーーーーーーー

 

教室に入ると、やっぱり去年と同じ顔ぶれだったから少し安堵した。何か安心するんだよね〜。

 

「おはよ〜」

 

「あっ、のっちゃん!和くん!みっちゃん!おはおは!今年も1年よろしくね〜!」

 

僕達に気づいたしずちゃんがこっちに歩いてきた。

 

「しず、髪型変えたのね?」

 

「そうだよ〜!伸ばそうかなって思って!」

 

しずちゃんの髪型は今日から6年生だからということで、お下げをやめてショートボブなっていた。前に魔界星に向かう絨毯の中で風呂に上がった後に美夜子さん達と髪型について話していたらしい。周りを見ると数人の男子がチラチラとしずちゃんを見ていた。

 

「やあ。おはよう。のびくん、和人君、美夜子さん。」

 

すると、他にも声が聞こえそっちを見ると去年も一緒だった学級委員の出木杉英才君が立っていた。

 

「あっ!おはよ!英才君!久々だね。」

 

「今日からもよろしくな。」

 

「よろしくね〜」

 

「うん。そうだね!静香くんもおはよう!今日も綺麗だね。」

 

「ありがと〜!あっ!菜江ちゃ〜ん!美奈ちゃ〜ん!おっはよ〜!!」

 

しずちゃんは今日も今日とて元気いっぱいだ。しずちゃんがいるだけで教室は、明るくなるね。っと…

 

「今日も空振りだったね?英才君」

 

「慰めは止してくれ…惨めになるじゃないか。ははは…」

 

少し哀愁を漂っていた彼に僕は話しかけた。英才君はさっきので分かると思うけど、しずちゃんの事が好きみたいなんだ。小学校に上がった時にしずちゃんの元気さに触れて一目惚れして以来ずっと片思いをしてるらしい。

 

「じゃあ…僕は行くよ。」

 

英才君はまだ少し哀愁を漂わせながら自分の席に戻って行った。

 

「んで、そのしずはこのアホ面好きだとはな。」

 

「本人を前にして酷いこと言うね!?」

 

「ははは…」

 

僕達は少し話をしてから、席に付いたのだった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

今日は午前中までで授業は終わった。僕は家に帰る前に菜江ちゃんから呼び出されて、体育館の端に来ていた。皆には待ってもらってる。

 

「ごめんね〜!ちょっとあの子がやっと喋ったから報告しようと思ってね?」

 

あの子とは前に、直ちゃんを連れて行こうとした直樹信玄の事だ。あの後タイムパトロール隊に連行されて行って、それから取り調べをしてたみたいなんだけど、半年間黙秘を続けていたそうだ。

 

「それで直樹信玄が言う神様って言うのは、ヘスティアって神様らしいの」

 

「ヘスティア?」

 

「うん。それ以上は何も言わなかったけどね」

 

「そっかァ…まぁいいか。」

 

「その疑問には僕が答えるよ!」

 

そしたら声が聞こえ、振り返るとそこにはツインテールの髪型をしている黒髪で、両側をそれぞれ白いリボンで結っている少女が立っていた。

 

「君は?」

 

僕は少し警戒しながら聞いた。だって、さっきまで気配が全くなかったからね。

 

「ちょっと!警戒しなくてもいいじゃないか!…僕がそのヘスティアだよ!」

 

「「は?」」

 

僕と菜江ちゃんはこの子が何を言ってる事が分からず思わずそう言ってしまった。

 

「信じられないよね〜!じゃあよっしょ!」

 

すると僕と菜江ちゃんは中に浮いた。え!?何これ!?

 

「ちょっと空に飛んでいくからね〜」

 

ーーーー

 

そして僕達は雲の上に来ており、ヘスティアさんはドヤ顔でいた。何でドヤ顔になってるわけ?

 

「それで僕が神だってわかった?」

 

「わかったけど、それで何であいつをこの世界に転生させたわけ?」

 

「あいつが自分の好きな世界に行きたいとか言い出したから、その好きな世界とズレてるこの世界に転生(オト)したんだ。」

 

その彼が好きな世界の事も聞いてたけど、はぐらかされた。

 

「何で僕の世界に?」

 

「それは君がいたからだよ。」

 

「僕が?」

 

僕がいるだけであいつをここに?まぁ、あいつは僕達のこと知ってたみたいだけどね。

 

「そう、君は僕が好きな人の子孫だから…」

 

ヘスティアさんは僕を見て慈愛に満ちた表情になっていた。なんだろうか。僕はこの顔を見た事があるような気がする。

 

「だから君ならあいつを叩き潰してくれるって信じてたよ。」

 

「その人間の子に恋してたの?」

 

菜江ちゃんは、ヘスティアさんにそんな事を聞いていた。え!?

 

「ありゃバレちゃった?…そりゃバレちゃうよね〜」

 

「神様が人間と会ってたの?」

 

「古の時代では、神はこの地上でファミリアっていうグループを人間達と作っていたんだよ。だから昔は人間と神は交友関係にあったんだ。」

 

「…そんな時代があるなんて聞いたことがないんだけど!?」

 

タイムパトロール隊員である筈の菜江ちゃんも知らないの!?

 

「君達が知らないのも無理はないよ。これはこちら側で記録を消したから。」

 

「どうして僕達にそれを?」

 

「タイムパトロール隊は時間を守ってくれてるし。のび太君は僕の好きな子の末裔。理由はそれだけでいいんだよ。」

 

「じゃあ…ヘスティアさんは僕を見守ってくれてたの?」

 

「そりゃそうさ!君はあの子…ベル君の子孫を見守らないのは、ベル君に怒られちゃうよ!」

 

「そっか…ありがとうございます!神様!」

 

「それにベル君も女性関係で色々あったしね。僕も好きだったのにヴァレン某と結婚しやがってベル君めぇ!!」

 

なんでいきなり怒り出してるわけ!?女性関係って先祖の時代からなの!?これって隔世遺伝なの!?そんな事知らなくてよかったんだけど!?

 

「それに和人君はベル君の声に似てるんだよね〜。じゃあ…僕の話は参考して貰えるかな?」

 

「うん!いい情報貰った!ありがとね!ヘスティア!」

 

「じゃあ、君たちを地上に戻すね。」

 

そして僕と菜江ちゃんは地上に戻された。ヘスティアさんは天界に戻ると言ってもう居ない。

 

「じゃあ。うちも帰るね!」

 

「うん!バイバイ!」

 

ーーーーーーー

 

僕、和人、しずちゃん、美夜子さん、直ちゃんは僕の部屋にいた。ジャイアンとスネ夫はどうしても外せない用事があるらしく来られないらしい。ちょっと時間食っちゃった。意外と2人と話し込んじゃってた。

 

「場所は本当に福岡県だったのか?」

 

「うん、前にテレビで見た事があったし。」

 

夢の中でも思ったけど、あそこは小倉っていう場所だ。何であそこの夢を見たのか分からないけど

 

「ってドラちゃんはさっきからなにしてんの?」

 

しずちゃんの言う通りドラえもんは押し入れで何かを見ていた。

 

「これ?未来デパートのチラシだよ。今ちょっと買い物もしたんだ!」

 

ドラえもんは嬉しそうにそう言っていた。ちょっと僕は楽しみにしてる何かいい物かもしれないし。

 

「もう来るよ!」

 

「速達でーす!」

 

すると天井に穴が開いて、何かの荷物が落ちてきた。これがドラえもん頼んだやつ?

 

「じゃあ…早速見せるね!」

 

ドラえもんは袋を開けると、その道具は腕輪状の道具でボタンが2~3個ついている。

 

「[平行世界旅行機(パラレルループ)]〜!これはもしもボックスより気軽に平行世界に行き来できるんだ!美夜子さん!これを使って美夜子さんの世界にも行けるんだ!」

 

「ドラちゃん!ありがとう!」

 

美夜子さんは嬉しそうに笑っていた。良かったね。美夜子さん!それと1番のボタンは魔法の世界系、2番目のボタンは化学の世界系、3番目は異世界系になっていて、行きたい場所を思い浮かべるとそこへ行けるのと思い浮かてなかったらランダムらしい。美夜子さんのあの世界に行くには1番目のボタンを押すわけだね。それに加えてこれを使う者の手を掴む事で何人でも行けるみたい。

 

「美夜子さん帰ってみる?」

 

「お父さんには悪いけど、こっちの生活も楽しいし。まだこっちにいるわよ♪」

 

美夜子さんはウインクして笑っていた。思わず見蕩れてしまった。

 

ぐにぃ!!

 

「痛てぇ!?」

 

「のび兄鼻の下伸びてた。」

 

横を見ると直ちゃんにジト目で見られていた。そんなにだらしない顔になってたの!?

 

「ははは…あっ!じゃあお試しでどこかに行ってみない?」

 

「僕の夢の話は…」

 

「どうせ夢でしょ?」

 

まぁ、そうなんだけど、夢にしちゃリアルだったんだけどなぁ。でもドラえもんの言う通りだなぁ。みんなには夢の話をして悪いけど。

 

「ごめん、みんな夢の話は忘れて」

 

「でもいいの?」

 

「いいの!夢の話はこれでおしまい!それよりも平行世界旅行機(パラレルループ)で他の世界に行こう!」

 

僕は、夢の事を片隅に置いて、平行世界旅行機(パラレルループ)の話に切り替えた。少し強引だった気がするけどね。

 

「うちは2番目の世界がいいなぁ!」

 

しずちゃんはワクワクした感じで、そう言った。こういうの好きだしね。

 

「何でまた?」

 

「この世界よりも化学が発達してる世界を見てみたいから!」

 

「あぁ…確かにそれはいいかも。」

 

「私もそれに賛成!」

 

「異論なしだ!」

 

「うん!」

 

しずちゃんが言ったことに和人、美夜子さん、直ちゃんは賛成した。それに僕もこの世界より発達してる世界を見てみたいし。ドラえもんが最後に平行世界旅行機(パラレルループ)の事を喋ってくれた。なんでも行った世界はもしもボックスみたいにその世界の人が入れ替わるんじゃくて、この身のまま行くみたいだ。だから僕達がその世界に行ったら2人も僕達がいるってことになる。まぁ別に会っても何もないみたいだし。

 

「じゃあ…押すよ!みんな僕に捕まって!」

 

僕達はドラえもんの手をとった。これがきっかけである事件に巻き込まるなんてこの時の僕達は知らなかった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「ねぇ…ドラえもん一つききたいんだけどさ。」

 

「な、何?」

 

「こうなるってわかってたの?」

 

「知ってたらタケコプターもつけてるよ!?」

 

「なら…早くタケコプターを出してよ!!!」

 

平行世界旅行機(パラレルループ)を起動させたら辺りは光り出して、僕達は翔んだ。そこまでは問題なかったんだよ!?でもね。この世界に来ていきなり空の上にいた。悠長に喋ってはいたけど、結構焦ってた。

 

「みんな!タケコプターを受け取って!!」

 

ドラえもんは急いでタケコプターを僕達に渡してくれたから直ぐに頭につけた。

 

「ふぅ…一時はどうなるかと思った。」

 

「今までの冒険でもこんな感じはなかったのに。」

 

「おかしいなぁ。説明書にはこんな事…あ」

 

「…あ、って何?ドラえもん?」

 

「小さく書かれてた。」

 

「「「「おい!」」」」

 

「てへへ。わりいわりい。」

 

はぁ…まぁこれがドラえもんだからいいか、それよりもここはどの世界のどこなんだろう?

 

「ドラえもん地図とかないの?」

 

平行世界旅行機(パラレルループ)の横のボタンを押すとその世界の地図と情報が出てくるみたい!」

 

「だからそれも前もってだな!」

 

「あっ!この世界の日本の首都は福岡県みたいだよ!」

 

「何で?」

 

「天皇様が400年前から移り住んでるんだって!」

 

400年前っていえば僕たちの世界では江戸時代が始まった頃じゃないか。ドラえもんはさらにこの世界では江戸時代に変わって福野時代と呼ばてれていたらしい。この世界の福岡県は福野都に、東京都は東京府となっているとの事。

 

「何が原因でそんな事に?」

 

「京都でも東京でも命が狙われ続けて、少し離れた所に身を置きたいって言ったらしいよ?」

 

福岡にも刺客が来そうなんだけど、それはツッコんじゃダメなの?

 

「とりあえず降りてみよ!」

 

ドラえもんに先導されて、僕達は下に降りた。ここはこっちの世界で言う福岡県の北九州市になる。見た目はこっちの世界と一緒だなぁ。っていうか…

 

「なんで誰もいないの?」

 

見渡す限り、全く人気がない。もう昼はすぎてるっていうのに。なんで?

 

「ちょっとあんたら!」

 

「「「「「え?」」」」」

 

声が聞こえ、そこを見るとお姉さんが酷く慌てたような様子で立っていた。

 

「なんしよん!?そんなところにつっ立ってたら、あいつらにやられるけ!!早く来んね!」

 

お姉さんは、有無を言わさず僕の手を掴んで家の端に来させられた。一体何が?

 

「へっへっへっ!今日もたんまり奉納金頂いたぜ!」

 

馬場(ばんば)さんやあの方に早く報告しようぜ!」

 

ガラの悪いのが数人、何かの荷物を持って家の中から出てきた。奉納金?どういう事?

 

「いやぁ。馬場組がここを占拠してから1年か〜!」

 

「奉納金もたんまりだしよ〜馬場さんさまさまだ!ダーッハッハッハ!」

 

男達は、そう言いながら大きな建物に入っていた。一体何者なんだ?

 

「それであんたら誰…!」

 

お姉さんは何かを言おうとして僕の事を見た瞬間驚いていた。いや僕の他にもみんなの顔を見て驚いていた。

 

「どうしたんですか?」

 

「な、なんでもないばい!あんたらって何もんなん?ここ町のもんじゃなかとよね?」

 

お姉さんには、平行世界旅行機(パラレルループ)のことは伏せて、ここに来た理由を話した。流石に平行世界旅行機(パラレルループ)の事を話しても信じてもらえるか分からないしね?一通り話した後にここがどこかを聞いた。そしたら、お姉さんは渋い顔になって喋りだした。

 

「ここは船越町…さっきの男達…ヤクザに支配されているんよ。ここは馬場組に近いけ、町長の家に向かってん。ぱ…町長ならあんたらを助けてくれるけ。町長の家はこの道の向こうやけん!あなた達なら、普通に通れると思うけ!じゃあね!」

 

彼女は急いで何処かに行った。あんなに急いで何かあるのかな?

 

「…何か事件の予感?」

 

「それを言うな。だが…1回町長の家に行こうぜ。この町の実情も知ってみたいしな。」

 

「そうだね。みんなもいい?」

 

「事件の予感は否めないけど、行くしかないよね」

 

「私もそう思うわ。」

 

「異議なし!」

 

「僕も!

 

みんなの意見も一致したことだし。とりあえず町長の家に向かう事にした。

 

 

ーーーーーーーー

 

「ここだよね?」

 

「…あぁ。…のび太、表札見てみろ。」

 

和人にそう言われ、表札を見たら{野比}と書かれていた。…え!?いやまだ確定じゃない。野比って姓は日本には他にも存在してる訳だしね。僕達は、家のチャイムを鳴らした

 

《…野比のび太くんとその一行だね?入ってきなさい。》

 

「…名前を何で知ってるんだ?」

 

「……とにかく入ろう。」

 

僕達は少し謎を抱えたまま家に入った。ドアを開けた瞬間僕達は驚いた。何故なら…

 

「やあ。僕は野比のび助。知ってるか。」

 

パパが笑顔で立っていた。いやそれ以前に。

 

「何で僕や皆の事を知ってるの?僕達は今ここに来たばかりなのに。」

 

「この町に入った時、お姉さんに会ったろ?」

 

確かに会ったし。僕たち…いや僕を顔を見て何かに驚いていた。平行世界(パラレルワールド)の僕の知り合いなのは何となく予想はできる。

 

「…あの子は野比奈緒(なお)。この世界福の世界(フォーチュン・ワールド)での私の娘だよ。」

 

「…!?」

 

僕は驚きのあまり、声を失ってしまった。さっきの予想は少し当たっていたし、僕のこの世界の親族とまでは思ってなかった。

 

「驚くのも無理はないな。名乗らなかった奈緒も悪い。」

 

パパはふぅ…とため息を吐いて、呆れた様子だった。僕達の事を見て驚いていた理由はわかった。もう1つ、気になる事がある。

 

福の世界(フォーチュン・ワールド)ってこの世界の名前ですか?」

 

「そうだよ。」

 

「いやそうじゃないでしょ!?のび兄!」

 

「そうだ!何で俺達がこの世界の住人じゃないってわかってたんですか!」

 

あっ、確かにそうだよ!?この世界には僕も存在してるはずだ。何で平行世界旅行機(パラレルループ)の存在を知らない筈のパパが…どうして!?

 

「あぁ、それは簡単さ、この世界でも平行世界旅行機(パラレルループ)は存在してるからだよ。」

 

「「「「「え!?」」」」」

 

パパが言うには、この世界福の世界(フォーチュン・ワールド)はこっちの世界の未来と同等の科学力を持っており、その過程で平行世界旅行機(パラレルループ)を作成し、僕達の世界を筆頭にほかの世界と交流してるらしい。

 

「へぇ…そうだったんだ。」

 

「僕達がここに来た事を知ってるのは?」

 

「それも簡単だ。その平行世界旅行機(パラレルループ)には発信機が付いてるんだ。他の世界も平行世界旅行機(パラレルループ)を作成されているからその発振機はどの世界に行っても反応する。」

 

「あっ…そういえばそんな事も書いてあったようなぁ。」

 

「そこもちゃんと説明してよ…」

 

「それで最後の質問なんですが…この街はヤクザに1年前から支配されていると聞きました。どうしてですか?」

 

それは僕も気になってた。最初にこの街に来た時の人気のなさには本当に驚いたしね。

 

「……あぁ…この街は馬場組が支配している。その理由として、この街にはある鉱石があってね。その鉱石を独り占めにしたいのだよ。」

 

「その鉱石というのは?」

 

「その鉱石は、ある程度集めれば不老不死になれる薬が作れると言われる。例え…その過程で多数の命が失われたとしてもな。」

 

パパは険しい表情になり、手が白くなるほど握りしめていた。こっちの世界のパパはここまで怒った事を見たことが無い。

 

「多数の命が?」

 

「……その鉱石は、ここの町民の男は僕や女子供以外を残して取らされている。それに奉納金も払わなければ、殺される」

 

僕はそれを聞き今すぐにでも馬場組のアジトに向けて走ろうとした。そんな事鬼畜の所業は見過ごせるわけない!!

 

「お前は直ぐに行こうとする。相手の力量も見ないで突っ走ろうとするな。座っとけ」

 

「わ!?」

 

けど、和人に止められて無理やり座らされた。おしりが痛いんだけど。

 

「そうよ。のっくんは本当にいつも通りね。…それでその鉱石の名前は?」

 

 

 

「ーーーーその鉱石の名は《明老石(めいろうせき)》忌まわしき鉱石だ。」

 

 

 

 




雷神「終わり!」

銀「どういう話なんだ?」

雷神「まぁ、それは見ての楽しみ!」

銀「次回は早いんだろうな?」

雷神「と思います。では!次回もお楽しみに!」

銀「んで?なんで追加したんだ?」

雷神「せっかく進級したのに学校の描写がなかったから。」

銀「そうか」



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第46話フォーチュン・クエスト〜堕ちた青年と優しきの姉妹〜

続きです!



視点は、のび太、第三者目線、のび太、穂波(オリキャラ)になります。


玄関で話すよりここで話した方がいいとパパから言われ、僕達はパパの書斎に移動していた。

 

「ーーーーさて、話の続きをしよう。ある理由により奈緒は戦っている。」

 

パパはさらに険しい表情になり、不甲斐なさそうにそう言っていた。だから奈緒さんは急いでどこかに行ったんだ。この街の人たちを助ける為に。

 

「お前の正義感に似てるな。」

 

「ははは…そういえば僕の姿が見えなかったけど、僕も戦ってるの?」

 

「……いや違う。のび太は…ッ!!」

 

どん!!!

 

「ひぃ!」

 

パパは怒りを込めて握りしめていた拳を書斎のデスクに叩きつけた。よく見てみるとデスクは少しのヒビが入っていた。

 

「息子は…ッ!あの馬鹿息子は!我々を裏切り!馬場組を作り、この町を支配した!!」

 

がっしゃぁぁぁん!!!

 

さらに叩きつけた拳でデスクは木っ端微塵に砕け散り、粉々になってしまった。…み、見た目に依らずすごい馬鹿力…威圧感もピリピリと感じる。冷や汗がすごい。

 

「ま、待ってください!小学生が、ヤクザを作ったんですか!」

 

「…あぁ…説明するのを忘れていたな…」

 

パパが言うには、この世界は僕達の世界を含めたほかの世界より10年の差があるらしい。これに関して学者はこの世界は他の世界との時間の歪みが存在している。この事はこの世界の人全員が知っているらしい。

 

「つまりのび太は20歳なのだ。」

 

「何故のっちゃんはヤクザを作ったんですか?この世界にもうちらもいるんですよね?」

 

確かにここが平行世界である以上、魔法の世界の美夜子さんを除いた和人やしずちゃん達が居るはずなのに何で堕ちたんだろう?

 

「…ああ、君達ももちろんいる。しかし馬鹿息子は、君達の友情、僕達家族よりも現馬場組頭首、馬場絵梨奈(えりな)を選んだ。」

 

「ほほーん」

 

「あらら」

 

「「「の(っくん)(び兄)(っちゃん)のくせに生意気。」」」

 

一斉に僕の方を向かないで!?っていうか女性陣!?何それ!?ジト目でこっちを見ないでもらえる!?僕じゃないから!僕なんだけど、僕じゃないから!?生意気って何!?和人もニヤリ顔にならないで!?

 

「そして何より馬場組を作った理由は、馬鹿息子が不老不死になる為だ。…奈緒はその事を知らずに嫌気にも兄を助けると言って、戦っている。馬場組の実質の支配者とも知らずにな…ッ!!」

 

「「「「「…ッ」」」」」

 

パパは未だに怒りに満ちた表情になっており、粉砕したデスクをさらに踏みつけた。僕達もやるせない気持ちになった。この世界の僕がそんなクズ野郎なんて思いもしなかったし。なんでも驚いた事に馬場も幼馴染の1人らしく、しずちゃん達とも高校に入った時に疎遠になったらしい。何故僕が闇に堕ちたのかはパパも知らないらしい。

 

「俺やしず達はどうしたんですか?」

 

「和人君や静香君、武くん、スネ夫君はもちろん戦っている。今は怪我をし、入院中だ…」

 

それと僕の事は別の世界の人物だと割り切っているから大丈夫だそうだ。

 

「のび助さん、今は奈緒さん1人で戦っているんですか?」

 

僕も気になってた。ヤクザを相手に1人で戦うなんて死ににいくようなものだ。

 

「…いや違う。奈緒は今、もう1人と一緒に戦っている。野比穂波(ほなみ)僕のもう1人の娘だよ。」

 

僕は驚いた。奈緒さんの他に兄妹がいるなんて思わなかった。

 

「…穂波は君達と同い年なんだ。10歳という小さな身体で馬場組と…ヤクザと戦っている。」

 

「「「「「な!?」」」」」

 

「どうして…その子はその歳で戦っているんですか!」

 

僕たちは武道や剣術に長けているからいいかもしれないけど。…言えた義理じゃないけど。

 

「奈緒と同じ理由だよ。何より…あの子達は優しいのだ。例え裏切られようともな…」

 

パパは天を仰いでいた。それは紛れもないあの優しいパパの表情になっていた。この世界のぼくは、何を考えてるんだ?

 

ーーーーーーー

 

ここは、馬場組本部の頭首の自室である。黒髪の男と金髪の女が座り、話していた。

 

「……それで?あの世界の僕達が来たわけだね?」

 

「ええ、来たわ。」

 

黒髪の男の名前は野比のび太、金髪の女の名前は馬場絵梨奈(ばんばえりな)という、この2人は船越町を支配している張本人達だ。平行世界ののび太達が来ている事は、この2人には筒抜けになっていた。

 

「のーくんの妹ちゃんと接触したわよ」

 

「そう。別に興味無い。何もしてこないうちはいいや、それより明老石(めいろうせき)の収穫はどうなの?」

 

のび太は平行世界ののび太達の興味を失い、明老石の事を聞いた。

 

「着々と進んでるわ。あと少しで明老石も集まって不老不死の薬ができるわ。」

 

「ようやく辿り着ける…ふふふ。」

 

のび太は喜びに満ちた表情で笑った。長年の夢を叶える為にのび太は絵梨奈と共にヤクザになり、この町を支配した。たとえそれが滅びの道になろうとも、たとえそれが自身が闇に堕ちようとも成し遂げたい夢だった。

 

「ふふふ。永遠の愛をあなたに。」

 

「僕もだよ。絵梨奈。」

 

のび太は、絵梨奈を抱きしめながら目を見つめ合い、そのまま口付けを交わした

 

「もうすぐ手に入る。永遠なる命が!!!」

 

のび太からは狂気で狂喜な表情をしながらそう叫んだ。

 

「のび太さん!馬場さん!野比穂波と野比奈緒が襲撃してきやした!!」

 

扉が開き、男がそう叫んできた。のび太は怒りに満ちた表情になった。

 

「あの愚妹共…ッ!!」

 

「…早く追い出しなさい!」

 

「はい!!」

 

 

ーーーーーーー

 

「穂波さんって今どこに?」

 

「……今も本部を奈緒と一緒に襲撃してるだろう。」

 

パパはさらに心苦しそうにそう言っていた。

 

「のび太どうするよ。」

 

「言うまでもないでしょ?」

 

僕にとってこの世界は平行世界だよ。だけど、平行世界の僕がそんな愚行を働いてるのなら、性根叩き直してやる。

 

「…君達も加勢してくれるのか?」

 

「もちろんです、僕もこの世界ののび太君にはお灸を据えないとね」

 

ドラえもんは笑顔でそう言っていた。……のはいいんだけど手に持ってる秘密道具もへったくれもないぶっとい木材を持ってる。スルーした方がいいの?ポケットにそんなの入ってた!?

 

「もちろん、うちも。」

 

しずちゃんは、しずちゃんでもうキレてる。そりゃもうキレてるスネ夫が直ちゃんや美夜子さんをナンパしてる時以上に来てちゃってる。

 

「……」

 

美夜子さん!?何か言って!?使えないはずの魔法が使えそうな勢いの覇気がすごいから!?

 

「穂波さんには会ったことないけど、助けるのに理由なんていらないしね?」

 

直ちゃんの言う通りだよ。会ったこともない子だけど、僕達は助けたい。ソフィアさんや美夜子さん、地下世界の時のようにね!

 

「行ってくれるのか?」

 

「もちろん。」

 

パパにそれだけ言うと僕達は急いで馬場組の本部に行く事にした。一刻も早く戦っているであろう2人に加勢をしに!!

 

 

ーーーーー

 

 

馬場組の本部の見た目は巨大なビルの前の橋の前に僕達は来ていた。この世界に来た時に見えてはいたけどね。僕達は静かに歩くことにした、倒れてる人が多いから外にはもう居ないだろうけど警戒してた方がいい。橋の向こうは砂煙に覆われており、全く見えない。

 

「思ったんだけど、穂波さんや奈緒さんってどれで戦ってるのかな?」

 

直ちゃんが言うことは確かに思う。僕や和人、直ちゃんみたいな剣士なのか、ジャイアンやしずちゃんみたいな武道家なのか、会ってみないと分からない。

 

ビューン!!!ドカン!!!

 

少し話していたら、砂煙の奥から何かが横を通り橋の床にぶち当たった音がなり、そこを振り向いたら傷だらけの奈緒さんが倒れていた。

 

「はぁ…はぁ…。…!?皆も来てたんね。パパから聞いたん?」

 

「そうなんです!僕達は助けに来ました!」

 

「そうなん…」

 

「な、奈緒さん!」

 

「しくじっただけやけ。気にせんとって。ふっ!!!」

 

そう言った後に、奈緒さんはボロボロな状態で走って行った。って落ち着いて言ってる場合じゃない!僕達は走って後を追った。その先には金髪の女性が立っていた。

 

「…やっぱり来たわね。のび太とその他大勢。」

 

「こんでもいいのに…!」

 

「見過ごせるわけないでしょ!あの人は?」

 

「馬場組の頭首、馬場絵梨奈!兄さんをたぶらかして、闇に落とさせた女!!」

 

パパが言ってた通り、奈緒さんはこの世界の僕が堕ちた理由が馬場絵梨奈のせいと思い込んでる。この世界の僕が堕ちたのは自分の意思だと知らずに。

 

「だから言ってるでしょ?のーくんがここを作ったって。私はそれを賛同しただけよ。」

 

「嘘つかんで!!」

 

馬場絵梨奈は呆れと哀れ、面倒くさそうな表情で奈緒さんを見ていた。奈緒さんはそこまでして信じてるんだ。この世界の僕の事を…

 

「はぁ…もういいわ。はっ!!」

 

馬場は、動き出した。その手には剣を持っており、剣術が得意みたいだ。ってよく見ると奈緒さんも剣を持ってた。奈緒さんは受け止めるが馬場の方が力があるのか若干押されてる。

 

「ここはいいけ、穂波のとこいってやって!兄さんと戦ってるから!!」

 

「お前としず、スグで向こうに行け。ここは俺とドラえもんと美夜子さんが残る」

 

「ちょ!」

 

「わかった!和人任せたよ!」

 

「あー!もう!お願いね!」

 

僕、しずちゃん、直ちゃんは後を任せてビルの中に入った。

 

ーーーーー

 

「…のび兄様!目を覚ましてください!!あなたはあの女に誑かされているの

 

私は、目の前にいるのび兄様にそう言っていた。のび兄様は馬場絵梨奈に誑かされているのです。だから私達姉妹はそんな兄様を目を覚まさせる為にここに来たのです!

 

「…で?」

 

「え?」

 

兄様は心底嫌そうな表情でこちらを見ていた。…どういう事ですか?

 

「いつまでも勘違いしてるのか知らないけどさ。馬場組を作ったのは僕。」

 

「で、ですが!」

 

「はぁ…鬱陶しい。」

 

その言葉を聞いた私は壁に激突した。

 

「がは!?」

 

「心底呆れるよ。君は…だからもう殺すことにするけ。」

 

その言葉を聞き、私は顔を上げたら以前姉様や和人様に見せてもらった写真の優しそうな兄様の表情ではなく冷酷で冷たい目で私を見ている兄様がそこにいた。これを見た瞬間にのび兄様が言ってる事が本当なのだと私は気づいてしまった。

 

「愚かなる妹よ。」

 

これが死の前だと言うのなら、怖い。のび兄様の本性に気付きたくなかった。勘違いのまま死にたかった。父様も知っていたんだ。だから私達を是が非でも止めようとしていた。でも私は止まらなかった。私は話した事もない兄様には会いたかったんだ。

 

 

「名も知らぬ妹よ。じゃあね。」

 

 

兄様は剣をこちらに向けてきて、振りかぶった瞬間…

 

「やらせると思う?」

 

「な!?」

 

私の目の前に知らない剣が兄様の剣を止めていた。その剣を持っている人を見たら私は驚愕しました。その顔は…

 

 

 

のび兄様にそっくりだったから。




銀「なんとも言えん展開だな。」

雷「自分もびっくりしてる。」

銀「行き当たりばったりすぎるだろ。」

雷「ははは…では次回もお楽しみ!」


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第47話フォーチュン・クエスト〜助けてくれたのは兄様

皆様お久しぶりです!今回でフォーチュンクエストは終わりになります!
オリジナル回は本当に考えるのきつくて、めっちゃ時間が空いてしまいました!
小説の話数を変えたりしてましたが…w

視点は、穂波、のび太です!


『和人様。兄様はどんな方だったのですか?』

 

顔も知らない兄様の事を和人様に2年前に私は興味半分で聞いていました。和人様は険しい顔した後に、すぐに笑顔になって。

 

『悪いな。まだお前には話せない。』

 

思えばあの時から和人様は1人気づいていたのかもしれません。兄様の本性を。兄様の黒の部分を。だからこそ私はさらに続けました。

 

『いつか話してくれますか?』

 

『…ああ』

 

私はこの時知りませんでした。和人様がこの後馬場組に今の私達のように攻撃を仕掛け2年間意識不明の重体になっていた事を…

 

ーーーーーーーーーー

 

 

目の前の状況に頭が追いつかず、不意に和人様の事を思い出してしまいました。

 

「あれぇ?来てたんだ。向こうの僕!どう?この世界は?」

 

「…何故妹を攻撃した?」

 

兄様はひょうきんな声で聞いてましたが。現れた兄様と思われる男の子は小学生とは思えないほどの低い声で兄様に聞いてました。

 

「僕の言葉は無視か?…はぁ…僕の家族は絵梨奈だけだからね。血が繋がってようが、僕には関係ないのさ。」

 

「……そうか」

 

男の子は顔を伏せた。

 

「しずちゃん。この子を頼んだ。」

 

彼がそう言った瞬間、私の体が宙を浮きあの2人より少し遠い場所に来ていました。何が起きたのか分からず辺りを見渡すと、見知った顔の2人の女性が立っていました。しかし私の知る2人よりも幼印象です。

 

「しず姉様に、直様!?」

 

「初めまして。あなたが穂波ちゃん?」

 

「あたし達はこの世界とは別の桐ヶ谷直葉と源静香だよ。」

 

私はさらに驚きました。ですが納得は出来ました。きっと平行世界旅行機(パラレルループ)でこの世界に来たのだとすぐに察しました。そしてさっきの男の子は…

 

「…さっきの男の子はのび兄様ですね?」

 

「そ!のっちゃん、さっきの見てぶちギレたみたい!うちもそうなんだけどね〜!」

 

しず姉様は明るい口調で言ってくれました。…不思議です。私の知ってるしず姉様はクールなのでこんなに明るいしず姉様は初めて見ました。

 

「静かにのっちゃんの戦いを見てて!」

 

「ですが!彼はどう考えても小学生ですよ!大人の兄様に勝てるわけが!!」

 

「それはあなたも言えることでしょ?」

 

「…それは…!」

 

直様に言われて押し黙ってしまう。確かに私も小学生です…。

 

「だいじょーぶ!のっちゃんはあんなクズには負けないから!」

 

しず姉様は信じきっているのか、そう言い切りました。私は不安を感じながら、あの二人の戦いを見る事にしました

 

「…しず姉も実際はやりたかったんでしょ?」

 

「のっちゃんがやるんだからうちが手を出しちゃいけないでしょ」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「それで?僕と戦うわけ?あいつを遠くにやったって事は。」

 

しずちゃんに穂波ちゃんを託した後にのびが話しかけてきた。僕は自分でも驚いてるくらいぶちギレてるみたいだ。平行世界の妹を叩き潰していたこいつに殺意が沸いた。ヴァサゴ以上に。だから何も言わずに問答無用で剣撃を浴びせた。

 

「いきなりじゃないかぁ!」

 

のびは余裕そうに軽やかに避けていた。まだ序の口だけど、こうも避けられるとは思ってなかった。まぁ…10年年上だから避けられるよね。僕はさらに剣戟を浴びせる。

 

「どうした?どうした?遅いよ!?」

 

ほんとに余裕持ってるなこの男。イラつく。僕は一撃で倒そうと後方に下がり、こう言った。

 

「《時雨蒼燕流“攻式”一の型》車軸の雨!!」

 

カキン!!

 

車軸の雨を繰り出したらそれを予見していたのかのびはそれを剣で弾いた。初見で見切られた。ヴァサゴもそうだったから、こいつも腐っても剣士ってわけか。

 

「時雨蒼燕流…ね。」

 

「…?」

 

時雨蒼燕流を見てのびは何かを考えていた。何だ?

 

「まさか君も時雨蒼燕流を使えるとはね〜」

 

「…は?」

 

…ここは平行世界だからまさかとは思ったけど、こいつもそうなのか?

 

「見せてあげるよ。僕の時雨蒼燕流を…!!」

 

のびはそう言うと後ろに下がった。

 

「《時雨蒼燕流“攻式”十の型》霧雨!」

 

のびの剣に水滴を伴った斬撃を繰り出した。僕は避けきれず切り傷が複数ついてしまった。僕も知らない型だった。やっぱりこいつも時雨蒼燕流を覚えている。

 

「僕の時雨蒼燕流を見てくれたかな?じゃあ次はこっちか〜ら!!」

 

そう言って剣戟を繰り出してきた。僕は避けてはいるけど少しだけ攻撃が入ってしまう。

 

「ほらほら!攻撃しないとこのままやっちゃうよ〜?」

 

のびは、余裕綽々で僕にそう言ってきた。挑発して僕の怒らせて冷静さを失わせたいのか?煽りセンスだけはヴァサゴと引けを取らない感じだな。残念ながら、もう見切った。

 

「ふん!!」

 

僕は鬱陶しい剣戟を時雨金時で弾いて、笑えてきた。

 

「くっくっく…!!」

 

「うおっと!あれぇ?急にどうしたのぉ?」

 

「いや…遅いなァって思ってさぁ?」

 

「…はぁ?」

 

「確かに時雨蒼燕流を使えた事、見たことない型を見て驚いたはしたさ。でもそれだけだ。」

 

「何言ってんだよ!!僕の時雨蒼燕流は最強だ!!ぼ、僕の剣術つは!!」

 

冷静さを失ってるのはそっちだよ。ただ事実を告げただけでこんなにも狼狽えるわけ?余程の自信がないとここまでならないと思うけど。さっきまで余裕綽々だったくせに。これを見たらさらに驚くかな。

 

「《時雨蒼燕流“攻式”》」

 

「何で…君がその型を!?」

 

「《十の型》霧雨」

 

「何故だぁぁぁ!!!がはぁ!?」

 

僕はのびが使った“霧雨”を使った。それも威力は、のびの時より鋭く太いやつをお見舞した。のびは自分の型を使われた事で動揺がさらに強くなり、避けずに諸に受け、倒れた。

 

「時雨蒼燕流…完全無欠最強無敵だよぉ?」

 

僕はのびが言うような口調で言ってみたけどなんだろ自分の品が下がるから今後言うのはやめとこ。僕はのびに近づいて行くと顔が上がった。怖ッ!?っていうかしぶといな。

 

「…ぼ、僕が倒れても絵梨奈が居る!!」

 

ドゴォーーン!!

 

そう叫んだ瞬間、壁が壊れて何かが飛んできた。よく見ると馬場絵梨奈その人だった。顔がボコボコに腫れ上がって見る影もないけど。

 

「のび太〜、そっち終わったかぁ?」

 

和人が傷一つなく歩いてきた。ドラえもんと美夜子さんも。

 

「これ誰がやったわけ?」

 

「ドラえもんと美夜子さん。」

 

「うわ。容赦ない。」

 

「だって…ムカついたんだもん。」

 

「ウンウン」

 

いやまぁ、美夜子さんからしたらこういうチャラチャラしたのは、嫌いな人種だろうしなぁ

 

「う、嘘だ!絵梨奈は僕以上の剣士なんだぞ!!」

 

さらに狼狽えてるのびが、叫び出した。意外と元気だなぁ。

 

「それだけの実力だったってことだろ。」

 

和人が睨みながら辛辣に告げた。穂波の姿を見てたし、奈緒さんの姿を見て同じ妹持ち(シスコン)としては相当怒ってるんだろうな。

 

「それとだ…一つだけ教えとくぞ。妹にはどんな時でも手をあげねぇ…!どんな悪さでも笑って許せる。それが兄貴だバカヤロウ!」

 

そう言いながら、和人はのびをぶん殴り、吹っ飛んで行った。

 

「…お兄ちゃん。恥ずかしいんだけど。」

 

「それが事実だしな!」

 

いつの間にか来ていた直ちゃんが赤くして言っていた。さすがの小悪魔直ちゃんでもどストレートに言われちゃこうなるよね。ってそれはいいとして、これで馬場組は壊滅したね。

 

「…凄いです。あんなに私が苦戦した兄様を赤子同然にしまわれるとは…」

 

「馬場もあんな呆気なく…」

 

野比姉妹は開いた口が塞がらないようで驚いていた。

 

「…それはいいとして、捕まった人達を解放しないと。」

 

「そうでした!ですが…」

 

「どうしたの?」

 

「捕まっている人達はどこにいるか分からないんです。」

 

「そういう時は、ドラえもん。」

 

「うん!それでは、僕のひみつ道具を久しぶりご紹介しましょう!尋ね人ステッキ!」

 

ドラえもんは嬉しそうにステッキ状の棒を出した。本当に久々に感じるんだけど?昨日平行世界旅行機《パラレルループ》出してもらったのに、何ヶ月も前に感じるなんでだ?

 

「何それ?」

 

「このステッキを、床や地面に立てて手を離すと、そのときに捜している人のいる方向へ倒れるんだ!70%の確率なんだけどね!」

 

「未来の道具で時々、そうだよね。」

 

「それを言わないでよ〜」

 

そんな事を言いつつドラえもんは、尋ね人ステッキで捕まった人達を探した。今回は、探し出せたみたいだから、すぐに見つかった。怪我人も数人いたので、ドラえもんがお医者さんカバンという怪我や病気を治せる道具で怪我人の治療をしてから解放してから、僕達は、馬場組を後にして、野比家に帰った。

 

ーーーーーーーーー

 

「お父様怒ってらっしゃいますわよね。」

 

「その時は私も一緒に怒られるけ大丈夫っちゃ。」

 

野比姉妹は心配と緊張した顔で家の前で言っていた。

 

「奈緒!穂波!!」

 

パパは出来たと思ったら真っ先に、2人を激しく抱きしめた。

 

「パパごめんね」

 

「お父様申し訳ございません。」

 

「あぁ…!!2人が無事で良かった、みんなもありがとう。」

 

「「「「「「へへ」」」」」」

 

パパにお礼を言われて、僕達はハニカミながら笑った。

 

「のび兄様!!ありがとうございました!!」

 

「この街を助けてくれてありがとう!!」

 

馬場組は壊滅して、連れされてた人達は解放できた。こうして僕達の福の世界(フォーチュン・ワールド)での戦いは終わった。

 

「いつかまた会いましょう!!」

 

「バイバイ!!!」

 

2人の姉妹とパパに見送られながら、僕達は元の世界に帰ったのだった。




雷神「ふぅ、やっとオリジナル回終えた…」

銀「前回から半年以上経ってるぞ」

雷神「ゲームにすごくハマってましたすいませんっした!!」

銀「不定期にも程があるだろうが!」

雷神「次回は必ずや、早くしますのでぇーーー!!!」



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第48話アスナの日常

プログレッシブのアスナの日常を自分的に改修して書いてみよう思います。

もちろん映画に出てきたあの子もでます。

少し百合百合っぽい描写もあります

視点はアスナ、ドラえもんです


ー-2019年5月6日ーー

 

私が練馬区から引っ越して、私立エテルナ女子学院中等科に入学してから、早いことにもう、一か月が過ぎていた。一応友達は出来てはいるけど、のびちゃん達とは違って、学校外でも遊ぶ仲じゃなかった。

 

「結城さんまたね。」

 

「ええ、またね!」

 

友人と別れて、私は歩いていた。はぁ……最近勉強のし過ぎで頭痛くなってきてる、のびちゃん達今何してるかなぁ。また変な事件に巻き込まれたりして。

 

『おっとー!!!!!見事なカウンターだ!!』

 

そんな事を考えていたら、大きな声が聞こえたからそこを見るとゲームセンターの店先にある街頭モニターでプレイ中継が行われているのを見つけた。へぇ…この町はこんなものがあるんだ。あれは、和人君がのびちゃん相手に容赦なくボコボコにしていた格闘ゲームね

 

 

「オラオラオラオラ!オルルァァ!!!よっしゃー--!!あっ……」

 

喜びで踊っている女の子がこっちを見た。学校でよく見る顔だし、定期で行われているテストで学年首席を取っている確か名前は…

 

「兎沢深澄…さん?」

 

「結城明日奈…さん?」

 

 

 

これが私と深澄の出会いだった。

 

 

 

ー-------

 

ゲームセンターを後にして、私と兎沢さんは近くの公園に来ていた。

 

「まさか兎沢さんがゲーム好きだったなんて。それにその恰好」

 

「私が、ゲーム好きなのはバレたくなかったの。まさか結城さんがいるなんて。」

 

「でも、あそこって、街頭モニターで顔バレしてたよ?」

 

「…噓。」

 

あっ、知らなかったんだ。でも兎沢さんの素が見れたようで私はうれしく思った。

 

「他の人は知らないんだよね?」

 

「そうだよ。結城さんだけだよ。」

 

「そっか~!じゃあ、深澄って呼んでもいい?わたしの事は明日奈って呼んでいいし!」

 

「ちょ、ちょっと待って、どうしてそうなるのよ!」

 

「秘密を共有しあう関係って素敵と思わない?」

 

「秘密を共有しあうって、あなたの秘密知らないんだけど。」

 

「あっ。」

 

ジト目で見る深澄に気づいた、うっかりしてた、そりゃそうよね。ともかくあの冒険の話をしないと。…あの出来事を信じてくれるかな。他人からしたら絵空事の話だけど…いいえ、ここで弱気になってちゃのびちゃんに怒られるし、和人君から笑われるわ!

 

「これから話すことは、信じられないような話なんだけど。」

 

 

わたしは去年経験した話を深澄に話した。

 

 

ーーーーーーー

 

「……という訳なんだけど、これがわたし達の冒険の話なの」

 

わたしが喋り終わった。深澄の方を見ると、キラキラした目でこちらを見ていた。信じてはくれているんだよね…?

 

「すごい、そののび太君たち。」

 

深澄はものすごく楽しそうにわたしの手を持ってそう言った。

 

「何回も世界を救ってるのに、それを他言しないで自分たちだけで留めておくなんて、私ならできない。というか、そんな戦いに巻き込まれたらもう怖くてたまらない。なのに強敵相手に何度も戦いに挑むなんて尊敬する。」

 

「信じてくれるの?」

 

「そんなの作り話でもできない!信じないわけないよ」

 

「ありがとう」

 

「ねぇ、もっと聞かせて。()()()

 

「あっ、名前。」

 

わたしの事を明日奈と呼んでくれた。今の中等部に来てからは今の友人からは名前ではなく、名字で呼ばれていたから懐かしかった、まだ一か月しかたってないのに、もうホームシックっぽくなっちゃってる

 

「呼んでって言ったのは明日奈でしょ。」

 

「そうだけど、いいの?」

 

「明日奈ならいいかなって…強引だったけど。」

 

「それは…ごめんなさい」

 

「いいのよ。学校での私は、完璧を演じなくちゃいけないから、正直窮屈だったの。」

 

「窮屈?」

 

「学校では、学校のイメージ通りにしなくちゃ、いけないでしょ?」

 

確かに、学校の時の深澄は文武両道容姿端麗の高嶺の花のイメージで近寄ったらいけないと思っていた。話してみるとそんなことはなかったから勝手なイメージだったけど、あれは深澄なりにみんなのイメージに沿って演じてただけなんだ

 

「だから、私の秘密を知った明日奈にはもういいかなって思ったんだ。」

 

「そっかぁ」

 

「よろしくね、明日奈。」

 

深澄は手を差し出してきた。きっと深澄とは長い付き合いになるだろうからわたしはすぐに握手をしたのだった。これから私達の運命は分からないけど、よろしくね。深澄!

 

ー------

 

 

「あーちゃんうまくいってるようでよかったね」

 

「ああいうの見てるって、アス姉にバレたら怒られると思う」

 

「右に同じく」

 

「やれやれ」

 

のび太君、直葉ちゃん、和人君が喋った後に僕は呆れた。全く、のび太君は、急に明日奈ちゃんの様子を見に行きたいなんて言うもんだから、まぁ、僕も来ちゃったから同罪なんだけど。ちなみに僕たちの姿は石ころ帽子で隠してあるから、あの2人には見えていないよ。

 

「でもみんなも心配だったでしょ」

 

「そうだけどな、急すぎなんだよ」

 

「ははは…、まぁ、とにかくあーちゃんは心配なさそうだね」

 

「のび兄の、心配性は、ずっとかもねぇ~」

 

「そんな言い方ないだろ~」

 

「とにかく帰るよ。もう2人も帰ってるし」

 

「あっ、ほんとだ。」

 

僕がそう言うと、みんな気づいたようだった

 

「そういや、ここで言うのもなんだけど、学芸会の出し物が()()()なんだよね!なんか、練習できる道具ってない?」

 

「家に帰ったら、出してあげるよ。」

 

僕は、のび太君にに言われ、()()()()()()()の事を思いながら、どこでもドアで家に帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




雷神「よし終了!」

銀「プログレッシブ見てたんだな。」

雷神「そうなんだよ!いやぁ、やっぱりおもろかったなぁ」

ハル「ゲームにかまけてたってきいたかも!」

雷神「ウッ…」

銀「前回怒ったからもう言わんが、次遅れるようだったら…わかってるな?」

雷神「うっす。」

銀「それはそれとして、また最後の含みあるのはなんだ?」

雷神「次回の劇場版のヒントだよ。わかる人にはわかるはず。」

ハル「白雪姫と万能舞台セットがヒント?」

雷神「そうそう!では皆さん!自戒をお楽しみに!」


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第49話太陽王伝説~マヤナ国の世界~

今回は、太陽王伝説が開始します。今作の運動神経抜群なのび太とティオの戦い。お
楽しみください。

追記
そういえば、先日のび太のリトルスターウォーズを見てきました!静香ちゃんを助ける時の所が、すっげぇ胸熱でした!あそこ、ほんとに助かってよかった。誰とは言いませんがw



視点はのび太、


ー-2019年5月10日ー-

あーちゃんが元気に過ごしてるのを見守った4日が経った僕、しずちゃん、ドラえもん、和人、ジャイアン、スネ夫、美夜子さんは、ドラえもんに頼んで学芸会の出し物の練習をしていた。出し物は白雪姫。僕は、西遊記がよかったけど、女子に根負けしてしまった。

 

「ひ~ひっひっひ!こんばんわ~」

 

スネ夫、意外と魔女の物真似うまいよね。顔的にも似てるし(いい意味で)

 

「は~い」

 

「くっくっく!」

 

白雪姫役は、美夜子さんだ。2人も女の子がいるから2人にまかせた。僕の役?まだ気にしなくていいよ。後でわかるから。

 

「これはこれは、白雪姫様!」

 

「な~にお婆さん?」

 

「このリンゴを召し上がれ、これは魔法のリンゴ。これを食べるとどんな願いもかなうのよ。」

 

「まぁ、ありがとう。」

 

スネ夫がゲスイ顔で、リンゴを姫様に渡した。いや本当に板に付いてるんだけど。

 

「私の願いは、ただ一つ王子様と幸せに暮らしたいの!」

 

「さぁ召し上がれ」

 

「かり、う!あぁ……」

 

そう言いながら、お姫様はリンゴを食べ、倒れた。

 

「ヒヒヒ!眠るがよい。この世の終わりが来るまで!!」

 

 

魔女、いや女王はそう言って消えていった。某夢の国なら、ここで7人の小人に追い掛け回されてそのまま崖下に墜落して死亡する、けど僕たちの演技ではそこはカットしてる。そしていよいよ次は7人の小人の登場だ。あ、言っとくけど僕は7人の小人役でもないからね。

 

ー--------

 

 

「どらら♪どらら♪ド~ラドララ♪どらら♪どらら♪ド~ラドララ♪どらら♪どらら♪ド~ラドララ♪どらら♪どらら♪どーらどらどら、どらどらどっどっど♪あっ!!白雪姫!!」

 

「「「「「「どらどら!!」」」」」」

 

ドラえもんとミニドラが、小人役を買って出てくれた。もちろん当日はクラスメイトがやってくれるけど、練習の時はね。っていうか、さっきの歌妙に耳心地がいいんだけど。そして7人の小人は姫様を棺にいれて、泣いていた。

 

「白雪姫!」

 

「王子様!姫様が!」

 

ここで王子様の登場、王子役はなんと。

 

「どうしたんだ!」

 

しずちゃんだった。え?ジャイアンじゃないのかって?何言ってるのか知らないけどジャイアン、僕、和人は木の役でずーっと突っ立てる。え?ジャイアンが王子様役だった?いやなにそれ怖い。

 

「白雪姫。お目覚めください。」

 

いよいよ大詰め、王子様のキスで白雪姫が……ってちょっと考えるとしずちゃんと美夜子さんがキスシーンって貴重じゃ。

 

「……そんなに凝視されるとやりづらいんだけど」

 

僕、ジャイアン、和人、ドラえもんが凝視してたせいで、しずちゃんはやめてしまった。ははは…思わず見とれちゃった。

 

「ていうか。ほんとにしなくていいんじゃない?」

 

陰からスネ夫が出てきて、そう言ってきた。さっきの本当に触れそうになってしね。

 

「それもそっか、みっちゃん起きて。」

 

「ん、あれ?いいの」

 

「うん!ていうか、次うちも姫様やりたい!」

 

「しずちゃんは、白雪姫というよりま「狐汁にされたい?」なんでもございません!?」

 

「一回練習休憩するか。」

 

「そうしよ、みんな!練習休憩!」

 

ドラえもんは、万能舞台セットを操作したら、僕たちが来ていた服や舞台が装置に吸い込まれていった。何度見てもびっくりする収納のされ方だよね。

 

「はぁ、だいたい、白雪姫なんてやる気が出ないよな。女子に丸め込まれなければ、西遊記だったのに!」

 

「ずっと和人は木か魔女だもんね」

 

「それを言うな」

 

和人は、本当にそれは本当にじゃんけんが弱かった、配役が木と魔女だったから、やる気がなくなったみたいだ。ちなみに、僕は一回だけ王子様役になった。

 

「和君もそう言わずにいいじゃない、白雪姫って素敵じゃない?」

 

「王子様と、お姫様と、魔女の話なんてほんとにあったのかなぁ?」

 

僕は素朴な疑問だった。グリム童話は外国のお話だし、一部では実話という都市伝説もあるから、日本の昔話より怖いと感じる。日本のもまぁエグイ物はえぐいけど

 

 

「さぁ、白雪姫は童話だからね」

 

「あっ、いけない塾の時間だ!じゃ、先に帰るね」

 

話していたら、スネ夫が帰って行った。まだ、練習するのに!ちなみに今日僕はフリーだから大丈夫。

 

「あっ、俺も店番しなくっちゃ!」

 

「え、ジャイアンも!?」

 

ジャイアンまで、帰るようだった。練習続けないと、学芸会に間に合わないのに!?

 

「あっ、ドラえもんこれ借りてくぜ」

 

ジャイアンは去り際に、万能舞台セットを借りようとしていた。それ持ってかれると、練習できないんだけど、

 

「何に使うの」

 

「何でもいいだろ。あっ。」

 

「んぎゃああああああ!!!」

 

ジャイアンが間違えて、エキストラのネズミ大軍を押したからドラえもんが気絶した。ってジャイアン!!

 

「あっ、早いな。」

 

もういなくなっていた、もちろん万能舞台セットをもって、ジャイアンって時々こういうことがあるから大変だ。

 

「ドラちゃん」

 

「ね、ネズミがうにゅぅ!?」

 

「はぁ、こりゃ、練習どころじゃないな」

 

和人は、ものすごくうれしそうな顔で言っていいた。つまんないからって露骨すぎでしょ?

 

「ジャイアン、何に使うと思う?」

 

「コンサートだろうな。最近あそこ使えていないし。」

 

「うちもそう思う。ジャイアンの奴次会ったら……」

 

しずちゃんから黒いオーラが出ていた、まぁ昔のジャイアンを矯正してのはしずちゃんだからね。あの時は怖かった。ほんとに。

 

ー------

 

「え!?持ってった!?」

 

ドラえもんが目を覚ましたのはあれから10分経ってからだった。

 

「取り返そう!」

 

そう言ってドラえもんはポケットに手を入れた

 

「[取り替えっこ風呂敷]~」

 

「タイム風呂敷と似てるね」

 

「効果は全然違うんだ。物と物を入れ替える風呂敷なんだ」

 

名前のまんまの効果だった。ドラえもんは僕に要らないものがないかを確認してきた。僕はすぐにゴミ袋を持って来た。

 

「風呂敷をかぶせて、取り替えたい物と変われと言えば、行くよ。」

 

「のっちゃん間違っても…」

 

しずちゃんが何かを言おうとしたけど、ドラえもんが言っていたからすぐにでも言う為に臨戦態勢気味でいた

 

「ジャイアンの「変われ!!」って早いよのび太君!」

 

「だから言おうと思ったのに!!まちがってもジャイアンの時に言わないでよって!!」

 

「のび太、時々せっかちだな。」

 

「それがのっ君だしね」

 

「ご、ごめん……」

 

「ていうか、なんで俺はまたここにいるんだ」

 

「「「「「あっ。」」」」」

 

やはりというべきか、ジャイアンは奇抜な服装で立っていた。何その恰好…

 

「来たいなら来いよ。100,000人コンサートやってるからよ、じゃあな!」

 

ジャイアンはそう言って、去って行った。100,000人って。っていうか予想通り、コンサートの練習してたのね。あれ返してもらえるかな。

 

「あの感じ今日1日はずっと借りてそうね。」

 

「あれも高いのに~!よし、別の方法行こう!」

 

ドラえもんはまたポケットに手を入れた。

 

 

「[タイムホールとタイムトリモチ]~」

 

「通り抜けフープと似てるな」

 

通り抜けフープは、輪っかだけだけど、これにはダイヤルが付いていた。

 

「時間と場所を選んでそれをタイムトリモチで取り返すんだ!」

 

「ねぇ、それが合ったら、ソフィアさんの星見つけられたんじゃない?」

 

「……あぁ~今夜のジャイアンに時間を合わせるよ!」

 

この青狸、ごまかした。いつもの温かい目が出てるぞおい!!なんて思ってると、ピンク色の縞模様を出した後に輪っかの向こうにジャイアンが出ていた。枕元に万能舞台セットを置いてある。何に用心してるんだか。

 

「とりあえず、のび太君やってみて」

 

「うん、やってみる」

 

僕は、トリモチを持ってジャイアンの枕元にある万能舞台セットに近づいた、でも…

 

「手元が狂った!!」

 

やばいことにジャイアンの顔にトリモチが付いてしまった、やばいジャイアンは寝起きだったら、凶暴なんだ!!!

 

 

「何すんだよ!!」

 

「うわっ!?」

 

「のび太、お前の仕業か!!俺の眠りを妨げんなよ!!」

 

ジャイアンは案の定、ブチギレした。僕は逃げようとしたけど、ジャイアンに奪われたトリモチがジャイアンに使われ、僕のお尻に引っ付けたられた、僕は和人、ドラえもんによって引っ張られた。タイムホールがバチバチいってんだけど!?

 

 

「こ~の!!」

 

意地の引っ張り合いは数十秒つづいた、そして、タイムホールが……

 

ドカーン!!!

 

「「「「「うわっ!?」」」」」

 

 

爆発によって僕達は、吹き飛ばされて美夜子さんの部屋のドアに激突した。

 

 

「みんな大丈夫?」

 

「うちは大丈夫」

 

「私もよ…」

 

「ジャイアン怒らせたな。ありゃ。」

 

「あはは…明後日の僕、生きてるかな。」

 

「無理をしたからタイムホールの時空が乱れたんだ。」

 

ドラえもんは、タイムホールを見ながらそう言っていた。タイムホールはピンク色の火花を上げていた。本当に無理をさせたみたい。

 

「壊れてないよね」

 

「大丈夫だと思うけど」

 

「何があったの皆!」

 

「何でもない!大丈夫!」

 

「大丈夫です!」

 

ママが、今の騒ぎで下から覗いていたから僕と美夜子さんで、大丈夫と伝えた。

 

「ふぅ…ちょっと疲れちゃったし。うちも帰るね。」

 

「俺も」

 

いろいろと付き合わせちゃったから、しずちゃんも和人も疲れた顔になっていた、ははは…

 

「じゃあ、また連絡するね」

 

「おう。」

 

「ごめんねぇ」

 

「ぜんぜん気にしてないから」

 

下に行ってから玄関でしずちゃん達を見送ってから後ろを振り返ると鬼の顔をしたママが立っていた。あっ…

 

「もう汚くして、何が大丈夫よ!早くお風呂に入りなさい」

 

僕たちはお互いを見ると確かに汚れていた。所々焦げてる、あはは。こりゃやりすぎちゃった。

 

 

「ママさんに怒れちゃった!」

 

「それにしてはうれしそうだね。」

 

「こういうのもいいなって思ったの、これが家族なんだなぁって」

 

…美夜子さんは顔を赤らめながら、そう言った、そういえばあの事件や美夜子さん

がここに住んでからもう1年経ってるんだ。未だに美夜子さんが僕達の年になっているのかはわかっていない。ヘスティア様にこの事を話したけど、曰く僕にもさっぱりだそうだ。いつか、わかる時がくるのかな。

 

「喋ってないで、早く入りなさい!!」

 

「「はい!!」」

 

僕達は急いでシャワーを浴びに行った。あっ、言うの忘れていたけど直ちゃんは試合のだから今日はいない。

 




雷神「ふぅ、終わり」

銀「今回は早いな」

雷神「…オリジナルのより、今回はアマプラとかあるからねははは…」

ハル「まさか、オリジナル回で停滞してたのって、原作がなかったからかも?」

雷神「てへ」

銀「よし表出ろしばきまわす」

雷神「え、ちょ、ま」

雷神はログアウトしました


ハル「ははは…では次回もお楽しみかも!!」


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第50話太陽王伝説~王子様と戦闘とポポル?~

記念すべき、50話になります!富樫病にならないように気を付けていきます。

さてさて、今回はあの王子が出てきます。VSのび太をとくとご覧あれ!

視点は、のび太、美夜子さん、のび太になります!


お風呂から上がり僕達は上に登っていた。さっぱりしたからすがすがしい気分!この時間からのお風呂は久々だったから、何か気分が上がっちゃうな!何かいいこと…

 

「「「あっ!!」」」

 

部屋に入ると至る所が散らかっていた、泥棒!?確かに窓は開けていたけど!向かいには和人の家もあるから聞いてみるか、僕はスマホで和人に電話をかけようとした。

 

「のっくん…」

 

「ん?」

 

「しぃ…あれ!」

 

ドラえもんと美夜子さんが何かに気づいてそっちを見るとミンク色のしっぽが僕の机の一番下の引き出しから出ていた。あれが泥棒?僕達は忍び足でそこに近づいた。

 

「なんだろ、猫かな。」

 

「猫にしては、しっぽの先がふさふさよ?」

 

それもそうだよね、そう言いつつ僕は謎のしっぽを掴んだ。すると、驚いた謎の動物が飛び出してきた。兎とも猫とも似つかないそんな動物だった。僕は逃げ出そうとしているこの子を逃がさないためにしっぽを力強くつかんだけど、予想以上に力持ちだったから、そのまま僕はタイムホールの中に入っていた。

 

「のっ君!?」

 

「あれ!?どこかにつながってるんだ。」

 

ドラえもん達がそんな事を言っていた、目の前の光景に思わず手を放しちゃってあの子どこにいるかわかんないや。……とりあえずドラえもん達呼ぶか。

 

「ドラえもん!美夜子さんちょっと来て!」

 

「どうしたの!」

 

「いやな予感しかしないけど。」

 

ドラえもんと美夜子が来てから再びそこを見る、どこかの深いジャングルだった。こういう森は白亜紀の時や地下世界の時にもあったから、少しなれてるけど

 

 

「早く帰った方が良さそうだ。」

 

「でも、参考書とかが盗られてるから、探さないと。」

 

「そうだけど、こういうのって何かがありそうじゃない?」

 

美夜子さんの言う通りだよね。だって、ピー助の卵を見つけた時も、美夜子さんに出会った時も、どこでもホールの時も、ソフィアさんを見つけたの時も、夢の時も、パラレルワールドに行った時も、事件が起きる前は何かのきっかけが必ずある。

 

「ドラえもん、時雨金時出して。」

 

「わかった。はい。」

 

時雨金時はドラえもんに預けてある。部屋に置いてママが間違えて捨てないためだ、このボロさの竹刀だからママは問答無用で捨てるからね、もしもボックスがいい例だ。

 

「でも気を付けなよ」

 

「わかってるって…ん?」

 

がさがさと、草の音が聞こえたきっとあの子がいるんだ、僕は気配を探ってから、走った。

 

「私も行くわ!」

 

「のび太君!美夜子さん!あんまり離れないでね!迷ったら帰れないから!!」

 

「「わかった!」」

 

美夜子さんと探していたら、あのピンクのしっぽが草木の間から出ていた。さっきのへまは踏まないように、美夜子さんにアイコンタクトしてから挟み撃ちで捕まえるために僕はあの子の前にそーっと行った。

 

「今だ!!」

 

僕と美夜子さんは同時にあの子に飛びついたけど、避けられたずんぐりしてるのに意外と早い!でも走り方は兎のようにぴょんぴょん飛んでいたからすぐに追いついてしっぽに手が当たる寸前で……

 

ヒュッ!!グサッ

 

何かが僕の腕をかすめた、その隙にあの子は逃げた。あと少しだったのに。はぁ…幸いにも袖が破れたくらいだったからよかった。飛んできた物を見ると槍が突き刺さってた。僕はすぐさま時雨金時を構えた。

 

「誰だ!」

 

「……」

 

出てきたのは、青い仮面、壁画なんかでよく見る感じの。

 

「……!!」

 

何かを喋ったけど、全くわかなかった。彼?から確かな殺意があるから敵なのは間違いない。どうしてここまで殺気立ってのかはわからないけど。彼は背負っていた槍を構えてきた。

 

「…!!」

 

彼は何の迷いもなく、振るってきた。僕は咄嗟に時雨金時でそれを防いだ。くっ重い!!

 

ジャキン!!

 

僕が槍をはじいた。それを見た彼は、後退してから足に力を入れてから勢いよく飛んできて、槍を宙に浮きながら槍を何回も突いてきた。どういう運動神経してんの!?

 

「のび太君!!これ!」

 

いつの間にか来ていたドラえもんが何かを投げてきた。翻訳こんにゃくの欠片だ!僕はそれを口で受け取って食べた。これで何言ってるかわかる!

 

「お前!魔術師レディナが作り出した魔物だろ!!」

 

「レディナなんて僕知らないんだけど!?」

 

「正体を現せ!!」

 

 

予想はしてたけど、話は通じないみたい!!第二ファイトが始まった!?怒涛の槍の追撃が放たれた。ていうか謂れのない事で殺されかけるのは困る!!幸いここには水溜りがある僕は時雨金時を振り上げ…

 

「《時雨蒼燕流“攻式”九の型》うつし雨。」

 

彼から攻撃は僕は水しぶきになって消えた。そして懐に入って…

 

鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)

 

を与えた、けど彼はありえないひねりでそれを避けた。マジか!?あんな避け方、ヴァサゴもしなかったよ!?ヴァサゴ以上の運動神経ってわけ!?今までの敵より強いじゃないか!!

 

「ほう、そんな技も使えるのか」

 

「余裕そうだね。」

 

「こんなもの俺には効かん。行くぞ偽物!」

 

そう言って再び槍を向けてきた。まだ続けるつもりなの!?こうなったら!!

 

「《時雨蒼…」

 

「ちょっと待った!!」

 

僕が時雨蒼燕流を出そうとしたら美夜子さんに止められた。

 

「でも美夜子さん」

 

「無駄な争いはしないで!!!」

 

美夜子さんは悲しそうな顔で叫んだ。…急に売られたことだとはいえ、冷静じゃなかった。僕は、時雨金時を竹刀に戻した。

 

「…ごめん。冷静を欠いてた。」

 

「わかればいいの。」

 

少し怒らせちゃったかもしれないな。美夜子さんのフォローはあとにして、襲ってきた彼に向き直した。

 

「君、なんで僕の事を襲ってきたの」

 

彼は、動きを止めて仮面を取った。

 

「…!!」

 

「まさか」

 

彼の顔は僕にそっくりだった。いや少し違う。僕は眼鏡だけど彼は裸眼だ。だから彼は僕に偽物と言ったんだ。顔がそっくりな人が急に現れたから、でもいきなり仕掛けてくるのはやめてほしい。

 

「さっさと正体を現せ!!」

 

でも僕は戦う気を失ったけど、彼はまだ仕掛けてきた。まだ偽物と思ってるわけ!?

 

「だから僕はレディナって人は知らないって!」

 

「危ない![手品ステッキ]!」

 

後ろにいたドラえもんが出した道具で槍が花束に変わった。だけど彼には無駄だったみたい、だって、またしても魔術使ったとか言って襲ってきたからいい加減うっとしい!!

 

「話を聞言いてくれない?」

 

「ふん!聞く耳もたん!!」

 

「なんなの、君いい加減イラつくんだけど」

 

「お前が正体を現すなら普通の態度でやってやろう」

 

「もういいよ!」

 

もう付き合ってらんないから、逃げることにした。だけど、彼は僕を追いかけてくる、しつこい!?

 

「何かややこしい話になってきたね」

 

「でもあの人、身勝手すぎ!」

 

後ろの方でドラえもんと美夜子さんの声が聞こえるけど何言ってるかまでは聞き取れない。相変わらず彼がぎゃんぎゃんわめいてるから、ぼくはさらに草木を駆け抜けると、目の前に崖があったから止まった。

 

「はっ!うわ!?」

 

僕が避けると彼は崖に落ちそうになった。僕はすかさず手を掴んだ。彼は不思議そうに僕を見ていた。出会い頭の戦闘に謎の追いかけっこしてたのに僕も不思議だけど、落としたくはなかった。いくら敵でも僕は誰も殺さないし、死なせたくない。

 

『嬉しいのぉ…のび太殿…必ずヴァサゴに一太刀入れて…くれ…』

 

もうあんな思いはしたくないんだ!!

 

「早くもう片っぽの腕で掴んで!!」

 

「何故助ける!」

 

「人が死にそうになってるのに助けないやつなんているもんか!!」

 

そして僕の掴んでいた、草が抜け、僕たち二人は崖下に落ちた、意識の最後は沼が最後に見えた。

 

 

ー------

 

「ドラちゃん、2人とも沼に落ちたみたい!」

 

2人が落ちた先を見て私は叫んだ。

 

「はい、タケコプター!」

 

ドラちゃんと私はタケコプターで下に降りて2人を助けた。

 

「助けたのはいいけど」

 

2人は見分けがつかないほどに泥だらけだった。よかったと言えばよかったけど私は彼を許せない。いきなり仕掛けて来たのにずっと偽物偽物と言っていたし、話も聞き入れもしないし。のっ君は違うと散々言っていたのに私もちゃんと言っていたけど彼には私の声は聞こえていなかった。この格好からして、このジャングルの集落のひとっぽいけど、男尊女卑意識が高いのかもしれないわね。

 

「ポポ?」

 

すると、あの兎っぽい子が出てきた。この子って、まさか彼の知り合い?多分のっ君の方に行って、摩っていた。そしてぺロペロと顔を舐めだした。すっごく癒されちゃう。盗人だけど。

 

「ちょ、ちょっとやめ!やめて!?くすぐったいやめろよ!?ははは!!ちょ、本気でやめて!?」

 

するとのっ君が起きて、逃げだした。ってまってそんなに引っ張るとのっ君のお尻が……あっ

 

「美夜子さん見ないで!?」

 

「もう遅いよ」

 

「ははは!なんだあの格好は!」

 

「笑ってないで助けてよ~!」

 

「ポポル~!」

 

するとあの子はこっちを振り向いた、ポポルって言うんだ、あの子。

 

「ポポル、私はこっちだ。」

 

彼が呼ぶとポポルはのっ君のズボンを離した、後その拍子でのっ君は地面にめり込んだのは余談だよ。そしてポポルはのっ君と彼を見比べて泣きながら彼の肩に飛び乗った。

 

「しかし、ポポルが間違えるほどに私達は似ているのだな。」

 

「ほんと、僕も間違えそうだったもの!」

 

「どうやら、お前達はレディナとは関係なさそうだな」

 

「…さっきからそう言ってたじゃない」

 

「美夜子さん、落ち着いて。」

 

今の言葉にさらにイラつきそうになった私を、ドラちゃんが止めてくれた。はぁ…

 

「だいたい君は何者でここはどこなの?」

 

いつの間にか来ていたのっ君が聞いていた。私はもう彼の姿を見るだけでイライラしちゃうから、彼が見えないようにのっ君の後ろに行った。

 

「ここは太陽の王国、マヤナ国。」

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

彼は上を向いてそう言った。太陽の王国マヤナ国。聞いたことがない

 

「僕はこの国の王子、ティオ。」

 

「「王子様!?」」

 

「世も末、あんなのが王子?」

 

美夜子さんは完全にティオの事が嫌いになったのか後ろで、めっちゃ悪口言っていた。

 

「女聞こえてるぞ。」

 

「聞こえるように言ったもの」

 

「あ?」

 

「っと!ややこしくなるから、美夜子さんは喧嘩を売らないで!」

 

「……」

 

黙ることを選んだのか、美夜子さんは喋らなくなった。ふぅ、っていうか

 

「ドラえもん、マヤナ国ってどこにあるの?マヤ文明とかと関係あるのかな。」

 

「どうやらタイムホールが時空を超えてどこかに繋がっちゃったみたいなんだ。」

 

さっき美夜子さんと話してたのはそれなのね。そしてティオはピンクの生物の事も教えてくれた。ティオのペットで名前はポポル、なんでも収集する悪い癖がある。その被害にあったの僕なんだけど。絶対返してもらうから。

 

「お前達こそどこから来たんだ!名乗れ。」

 

「偉そうに」

 

「僕は、野比のび太で、この子は満月美夜子。」

 

「僕ドラえもん」

 

「日本から来たんだ。」

 

「日本?聞いたことがない。北か南か」

 

どう説明すれば、このわがまま王子に通じるんだろう。ドラえもんも困ってるし、説明が綺麗にできるであろう美夜子さんは顔を隠して喋らないし、とりあえず、あの穴に連れていくことになった。

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「何?この穴を通ってきた?じゃあこの穴の中に日本があるんだな?」

 

いや合ってるけど、合ってるけども。これは素で言ってるからツッコミようがない。ティオはそのまま入って行った。ドラえもんはそれを追っていった。僕は用事があるからあとで行く、でも美夜子さんは微動だにしない。

 

「美夜子さんはいかないの?」

 

「あいつがいるからヤダ」

 

「そこまで嫌わなくても」

 

「…」

 

黙らないでよ。まぁいいかとにかく僕は、ポポルに参考書の在りかを聞いたら逃げるように草木を分けていった。

 

「行く?」

 

「うん」

 

僕は知らなかったこの後、よくわからない勘違いが起きることを……




雷神「よし終了」

銀「めっちゃギリギリだな」

雷神「ほんとだよ、いつのまにかこんなにかかったw」

ハル「次回がどんなことになるのか楽しみかも!」

雷神「では皆さん次回もお楽しみに!」


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第51話太陽王伝説~苦労人ドラえもんと勘違いと姫様

本日F先生相方であるA先生が亡くなりましご冥福をお祈りいたします。自分も怪物くんやハットリくんを見ていたので、ニュースを見た時にショックです。もう言葉になりません。

視点は、のび太、ドラえもん、のび太になります


ポポルは一回止まった。もうポポポなんてしょうがない奴だな。ごめん自分でも何言ってるかわかんないや。

 

「どうしたのポポル?」

 

「ポポ!!」

 

「僕は王子様だぞ!案内するんだ!」

 

「………」

 

うん、ごめん自分も馬鹿らしいからそんな冷めた目で見ないで美夜子さん!?なんて思ってると、ポポルはちょっとしたくぼみにあるギザギザ口の石像がある場所で止まった。

 

「ポポ~ッ!ポポポ…」

 

よく見ると山のように積まれてあるガラクタの数々…よくこんなに集めたな。僕の参考書は…あっ、ちょうどギザギザ口の石像の中にあった!!っていうか漫画やゲームまで持っていってたの!?

 

「おなかに袋があるみたいね」

 

「そうみたい。はぁ…ポポル返してもらうからね!」

 

「ポポ…」

 

「いいかい、ポポル。もうこんなことしちゃいけません。王子様の命令です。」

 

「………」

 

いやだから、冷めた目でこっち見ないで!?そんなに僕が王子の真似するのダメなの!?

 

「王子!王子!」

 

「全くなんてことだ。あれほど目を離すなと言っておいたのに」

 

「申し訳ありません」

 

なんてこと思っていると、誰かの声が聞こえた。なんだ?くぼみから顔を出すとそこには、ティオと同じ服を着た人が5人ほどいた、間違いなく、マヤナ国の人たちだ。

 

「ともかく、この辺りを探すのだ。もしものことが合ったらどうするんだ!」

 

と、少し位の高そうな男の人が言ったらあの人たちは辺りを探し出した。

 

「今、見つかったら、のっ君あの人と勘違いされるわ!見つかる前に逃げましょ。」

 

僕の姿は、泥だらけだから、服以外はもうティオそのものだ。美夜子さんが言うように、逃げてあの穴に行こう。

 

「ポポポ、ポッポッポ!」

 

「「あっこら!?」」

 

このずんぐり!?なに!?さっきの仕返し!?話がややこしくなるからやめて!?

 

「静かに!」

 

「こんなところに。王子様!そろそろ王宮へお戻りください!」

 

「あ、彼は、違います!」

 

「貴方様は、姫君!あなたもいらっしゃったのですか、いつ王宮を抜け出したのです!」

 

「「へ?」」

 

僕と美夜子さんは顔を合わせた。ティオに妹がいるなんて、聞いてない。さっきティオは美夜子さんを見ても、無反応だった…あぁそういえば、戦ってる時は美夜子さんは遠くに居たし。さっきまでティオに顔を隠していたから、気づかなかったのかもしれない。

 

「あの、僕もこの子も王子様や姫様じゃないんです!野比のび太と満月美夜子って言います!ティオとは違うんです!」

 

「何を仰っているのです!」

 

「王子様、姫様、魔除けの仮面は着けておいてください。」

 

僕はともかく美夜子さんは違うってわかるでしょ!?まずいよ。このまま行けば美夜子さんが、姫様じゃないってバレちゃうよ!!

 

「ティオと間違えています!」

 

「私も美夜子って言うんです!」

 

「ティオは王子様のお名前、姫様あなたはミナモです!さぁ早く戻りましょう」

 

僕と美夜子さんは軽々と、兵士に持たれて、神輿みたいなのに乗せられた。

 

「逃げたいけど、さっきの戦闘で体力が…美夜子さんだけ逃げてよ。」

 

「のっ君だけ残して帰れないわ。」

 

「でも、向こうに着いて、本物の姫様が居たら美夜子さんは!」

 

きっとさっきのティオみたいに、レディナとかいう人の魔物だって誤解される!ただでさえ、ややこしくなってるのに!!

 

「その時はのっ君が助けてくれるでしょ」

 

時雨金時は幸いにも僕の手の中にあるから、万が一が合っても対処は出来る。僕は不安を抱えながら、マヤナ国の人たちに連れていかれるのだった。

 

 

ー----

 

 

「木の中にこんな部屋があるとはいったいどんな魔術を使ったんだ?」

 

偉そうに、ティオは聞いてきた。これは魔術じゃなくて僕の道具によるものだけど、全然聞かない、ほんとどう説明すればいいのか…

 

「おいこれはなんだ。」

 

ティオが興味を持ったのは、漫画だった。

 

「それは漫画という。」

 

「日本の文字だな。何と書いてある。」

 

僕はティオから漫画を受け取って読んだけど、ほぼ擬音だけだから、ティオは下らぬと吐き捨てた。そう?この本面白いのに。ていうか

 

「のび太君と美夜子さん遅いな。何してんだろう。」

 

僕はタイムホールに顔を突っ込んで、のび太君たちを呼んだけど応答がなかった。ポポルが盗ったものでも探してるのかな。

 

ぐちゃぐちゃ!

 

「あっ!ティオ!」

 

泥だらけの足で歩き回るから、部屋が汚れていた。いくら王子でもこれはダメだろう!でも今ティオにのび太君の机のライトを持ってるから今注意するとそれで殴られて僕は気絶するかも、黙って足元を拭いていたらティオは下に向かった。

 

「もう、なんなのあの人。」

 

こんなに苦労するなんて思わなかったよ。唯我独尊を着て歩いてるみたいだ。

 

パリン!!パリン!!ドカン!!!

 

何の音!?僕は急いで居間に入るとティオがテレビをライトで壊していた。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、逃げ足の速い奴だ。」

 

「あぁ……ママが留守でよかったぁ。」

 

「誰だ、そいつは。」

 

「のび太君のママ!このうちで一番怖いんだぞ!」

 

「フンッ、誰だろうと、王子に逆らう奴は許さん」

 

 

この人いやだよ、美夜子さんの気持ちがわかるよぉ。ていうかいつまでも泥だらけだから拭いても拭いても泥で床が汚れるから、僕はティオを風呂場に連れ行った。

 

「取り敢えず、その泥だけは落としてください!普通のシャワー!」

 

「雨が!?」

 

そのオーバーリアクション、いつまで続くんだろうか。僕はシャワーでティオの身体の泥を洗い流した。ティオの反応?滝がぁ!?とか言ってたよ。僕は気にせずに外に出して[瞬間クリーニングドライヤー]で乾かす。

 

「全くこの国は魔術だらけだ」

 

失礼な。全部科学の力だよ!やっぱりマヤナ国はマヤ文明あたりの文明なのかもしれない。そして、終わったから僕は登がろうとした。

 

「おい腹がすいた。何か食物を持て」

 

「えぇ~?もうわがままなんだから。」

 

「なんだ?」

 

めんどくさいけど、僕は王子様と呼んでから台所に向かった。あっ、テレビやふすまはタイム風呂敷で直した。その時もティオは驚いていたけどね。

 

「何食べます?」

 

僕が、冷蔵庫を開けるとティオは冷気に驚いていたおっとっと、危ない。これもダメなの!?僕は急いで閉めてからティオがびっくりしないであろうカップラーメンにした。

 

「お湯を沸かします」

 

「火が噴き出した!?」

 

…オーバーだなぁ。あっ、ソフィアさんもこんな感じだったね。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「…これは…」

 

「こんな森の中に…」

 

連れてこられて数分、僕達はとうとう着いてしまったけど、僕達は驚いていたピラミッド(インド型ではない)や民家があったから。

 

「王子、ティオ様。姫、ミナモ様のお帰り~!」

 

僕らが乗っている神輿が通ると住民が全員跪いていた。騙してるようで罪悪感がひどかった。そういえば、ソフィアさんはいつもこんな感じなのかな。

 

「王族はやっぱり偉いんだなぁ」

 

「呑気に言ってる場合?」

 

それもそうだよね。僕達はそのまま綺麗な所に入った。兵長が言うにはここは宮殿らしい。比べる訳じゃないけど僕んちと大違いだな。神輿はそこで降ろされて僕と美夜子さんはゆっくりと降りた。すると。

 

「姫様が二人?」

 

目の前に美夜子さんに似た、直ちゃんと同じ背の女の子が立っていた。ま、まずい…

 

「これはどういうことだ!貴様!何者なのだ!!」

 

兵長が気を荒立ち、周りの兵士が槍や斧を構えた。本当にまずい。僕は時雨金時に手を置いた瞬間…

 

「お待ちなさい。」

 

すると、女の子が声を出した。ティオと一緒で声は違う。凛とした声で兵士たちを止めた。

 

「この方はお兄様の知り合いです。手出しは無用。」

 

…あの感じ僕がティオじゃないって気づいてる。目を見ればわかるけど、何を考えてるのかわからないから、口を閉じて、時雨金時から手を離し、動向を窺った。

 

「しかし!!姫様!こ奴はレディナの魔物やもしれないのですぞ!」

 

「手出しは無用と言いました。」

 

「……!!」

 

兵長を睨んだ姫様は、圧をかけた。一瞬にして温度が冷え切った。あの子の周囲には氷が飛んでいる。まさか…あの子。

 

「……魔力を発してる。」

 

後ろに隠れていた美夜子さんがつぶやいた。魔法は使えなくなったけど美夜子さんの魔力感知は失われていない。機会がなかったから言えなかったけど。

 

「お兄様、その汚れでは不便でしょう。体をお洗いに行ってください」

 

彼女は冷え切ったのがウソのように元の温度に戻った。綺麗な笑顔で言われたから、少し見惚れてしまった。

 

ギュウウウウウ!!

 

「痛いよ!?美夜子さん!?」

 

「見惚れてるのっ君が悪い。」

 

後ろにいるのに何でわかるの!?ほんとしずちゃんといい、あーちゃんといい。なんで、女性陣は僕のに敏感なのかなぁ?…本気で言ってるのかって?嘘です。何でか知ってますので読むのをやめないで!?

 

「メタい」

 

「地の文字に反応やめてよ!?」

 

「それはいいから、洗いに行かないの?」

 

「…うん、あ、ご苦労様であるぞよ?」

 

「それ何かうざいからやめた方がいいわよ?」

 

「……棘が鋭くない?」

 

「気のせいじゃない?」

 

何か釈然としないまま、僕は姫様の横を通った。

 

「後でお話がございます。()()()()

 

「…!!」

 

やっぱり僕の正体をしってる?このお姫様も何かあるのかな。なんて考えていると

、とんと誰かに当たった。ふくよかな女性や細い女性がそこにいた。どうしたんだろう?

 

「では王子様お召替えを…」

 

「えぇ…?ま、まさか。」

 

ぼくはそのまま、連れていかれ、ふくよかな女性に身体を洗われた。羞恥心が爆発しそうになったよ!!だって一人で洗えるのに女性に身体を洗われるんだよ!?こっちはすっ裸!もう恥ずかしくて死にたくなったよ!?

 

ーーーーーーー

 

そして、僕は風呂から上がってから、周りの女性が何でもやってくれた。この人たちは侍女っていう人なんだ。よく漫画で見たことあるから知識はあったけど、現実僕が勘違いでやられるとは思わなかった。

 

「王子様、いかがでしたかぁ?」

 

美夜子さんも、僕が風呂に入ってる間に着替えたみたいだった。

 

「笑いをこらえながら言わないでよ、美夜子さん。…正直偉くなったみたいで楽しい。」

 

「しずと和君に報告します。」

 

「すいません、調子に乗りすぎましたぁぁぁ!!」

 

あの2人絶対におちょくってくる!!やめてそれだけはやめて!!

 

「ふふふ、冗談よ。あっ、お姫様が来たわよ。」

 

ほんとだ、笑顔で歩いてきた。やっぱり…

 

「美夜子さんそっくり。髪はロングだけど」

 

「ほんとにねぇ。あの人ものっ君に似てる、性格は最悪だけど。」

 

相当嫌悪感出してるんだな。まぁ出会いがあんな感じだからそりゃそうだけどさ

 

「お兄様が、申し訳ございませんでした。美夜子様」

 

「どうして私達の事を知ってるの?」

 

僕の名前も知っていたし、当たり前だけど、僕達とこの子はさっき会ったばかりだしね。

 

「それは……私にもレディナのように魔術が使えるのです。ですのでここから兄様の動向を見ていたのです。」

 

「…どうして?」

 

姫様が言うには、昔はあんな性格じゃなかったらしく、偉大な『太陽王』である先代の劣等感、母親がレディナにやられ、病に伏した時の悔しさで今のような性格になったんだとか。暗い過去から性格が変わることがあるって聞いたことあるけど、ティオがそうだったなんて。

 

「いつか昔のようなお兄様に戻られるのを、待っています。今のお兄様は、見るに堪えないので。」

 

妹にそこまで言われるほどひどいの?いや会って早々にあんな感じにだったから、まぁ、言われても仕方ないか…和人やしずちゃんが会ったら、絶対キレるね。ああいう性格は最もしずちゃんはきらいだし、和人はシスコンだから、妹を大事にしないやつは基本的に許さない、のびがいい例だ。

 

「だいたいお兄様は、いつも仕えてる少女にもあんな感じなのですよ!?その子は健気にもあの唯我独尊を体現したようなお兄様に好意を寄せています!それが不憫でなりません!!」

 

「…のっ君。なおさら許す気なくなっちゃった♪」

 

…敵に回しちゃいけない人をティオは知らないうちに回しちゃったなぁ。出会いも最悪、印象も最悪。やばいかもね。

 

 

ビュン!

 

 

すると、どこでもドアが出てきた。

 

「あ、のび…え!?美夜子さんが二人!?」

 

ドラえもんは美夜子さんと姫様を見ながら、驚いていた。いやまぁ、初見で見ればやっぱりこうなるよね。僕もついつい慣れてちゃってたけど。

 

「ドラちゃんこの方はその王子様の妹さんよ」

 

かなり棘のある言い方で美夜子さんはドラえもんに伝えた。うわ、エグイ。その態度が気に入らないのかティオはすぐに噛みつく

 

「おい、王子になんだ。その態度。」

 

「ふん!」

 

「お兄様に言われたくありません。初対面の相手にいきなり突くなど、言語道断です。」

 

「ミナモ。お前には関係ない。」

 

「関係なくありません。いきなり、あんなふうに仕掛けて。怪我をなされてたらどうなさるのです?レディナとは関係ない人を殺したらそれこそ母様に顔向けは出来ませんよ?」

 

「……しかし」

 

「しかしも、おかしもありません。謝りもせずに人様の家に土足で踏み込み、あまつさえ、ドラえもんさんに迷惑をかけていたではありませんか。」

 

「………」

 

「そうやってすぐに黙りますのね。だから、皆様は誤解なさるのです。私は口を酸っぱく言ってますよね。」

 

「お前には関係ない。部屋に戻れ。」

 

「都合が悪くなると、すぐにそれですね。」

 

「うるさい」

 

最悪の空気に僕、ドラえもん、美夜子さんは、見守ることしかできなかった。誰かが来てほしくて仕方がない。

 

「王子様!!」

 

「あっ、はい」

 

すると、声が聞こえた、兵士だ。ていうか普通に返事しちゃった!?

 

「うわ!王子様が二人じゃまずい!」

 

ドラえもんがティオを隠した。え、そっちを!?

 

「何か御用でしょうか。」

 

「何でもない下がってよいぞ。」

 

「はっ!」

 

咄嗟だったけど、王子役って疲れるね。何でドラえもんは僕にじゃなくてティオを隠したんだか、僕を隠せばいいのに。

 

「びっくりした。のび太君すっかり王子様だね」

 

「それ皮肉?」

 

「ち、違うよぉ?」

 

嘘つけ!温かい目になってるよ!

 

「ふふ、でもドラえもんさんの言う通りですよ。」

 

「そう、へへへっ」

 

本物のお姫様に言われちゃ何か照れちゃうな。イメージが付かないからさ王子って。

 

「…お前達に頼みがある。」

 

何かを考えていたティオが、僕達に言ってきた。なんだろ?




雷神「途中だけど、ここで切ります。」

銀「なかなかのオリキャラ投入だな」

雷神「美夜子さんが王国に行く理由が思いつかなくて。結果こうなっちゃった。」

銀「次回がこわいぜ。」

雷神「ははは……では皆さん次回もお楽しみに!」


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第52話太陽王伝説~入れ替わりの提案と美夜子の魔法封印の秘密

今回は入れ替わりに入ります。それと長年魔法が使えなくなっていた美夜子さんが、ついに戻ってきます。原因と解放方法は本編をどうぞ



視点はのび太、美夜子さんになります。



「私と入れ替わってくれ。」

 

「「え!?」」

 

入れ替わるって、僕が王子様になるって事!?さっきまで神妙な顔をしてたと思ったらそういう事!?美夜子さんは不機嫌で今にもティオに殴り掛かりそうになっていたから、必死で腕を掴んでいる。めっちゃ力強いけどね!?

 

「日本をもっと見たい。そして、レディナを倒す秘策を見つけたいんだ。」

 

意外とまともな理由だった。それを聞いた美夜子さんも力が緩んだ。でも顔はまだ、不機嫌のままだけど。

 

「…そして、ミナモに願いがある。」

 

「おや、私にお願いとはお兄様も珍しい。」

 

笑ってるのに、目が笑ってない…さっきの最悪な感じからよくティオも話をかけられるよね。

 

「…こいつのお目付け役になってほしい。」

 

「お目付け役?」

 

「レディナの奴や下僕がいつ来るかもわからない。お前の千里眼や魔術はレディナ対抗に使えるからな。」

 

「はぁ……お兄様は素直なお願いの仕方を知らないのですね。まず彼らにレディナの事を説明なされては?」

 

「……お前が怒るから話せなかっただろうが…」

 

「何か?」

 

「…。」

 

何というか、兄は妹には勝てないって事かな。ドラえもんもドラミちゃんを思い出したのか苦笑いをしてる。そして、ティオは僕達に向き直した。

 

「レディナは、以前このマヤナ国の新官長を務めていた。だがだんだんと怪しげな魔術を使いだし、民衆を惑わすため母上が追放したんだ。」

 

「それで、ティオとミナモさんのお母さんはレディナに眠らされたんだね。」

 

「気安いぞ。私をティオ様と呼ぶな。王子様と呼べ。」

 

「バカ王子。」

 

「あ?」

 

「あああ!!ごめんなさい王子様!!」

 

火に油を注がないで!?話が折れちゃうから!?え?僕がティオを普通に呼んだから?…僕が原因じゃん。僕のバカ!

 

「私はミナモと呼んでてください。同世代のご友人はいないので。」

 

ミナモさんは、相変わらずキレイな笑顔でそう言った。ティオに向けては全く向けないのに…

 

「それでは続きを…国を追われたレディナは、白骨の森と呼ばれる誰も寄せない森のその奥にある、闇の神殿にいます。母上は日に日にやせ衰えていきます。私の魔術でレディナの魔術を相殺しています。しかしレディナの力は前より強くなっているのでそれも徐々に…」

 

ミナモさんは、顔を歪めて悔しそうな表情になっていた。ものすごく歯がゆいんだろう。たぶんだけど、自分には抵抗しうる魔術がある、でもレディナの魔術の方が上になっているから、何もできない自分が…気持ちはわかるな。

 

「だから私は誓ったのだ。必ずレディナを倒し、母上を術から解き、み、ミナモの負担を無くさせたいとな。」

 

めっちゃ照れ臭そうに言ってる。

 

「だからもっともっと強くなりたいんだ!

 

なんだ、ちゃんとミナモさんの事も心配していたんだ。……ただただ、不器用なだけなんだ。

 

「ねぇドラえもん、美夜子さん。少しの間だけなら入れ替わってさ。」

 

「ダメダメ!!僕がどれだけ苦労をしたことか!!」

 

すごい剣幕で言ってきた。僕らが、マヤナ国に連れてこられてる間にいったい何があったんだろう。

 

「人助けだよ。ねぇ王子様!」

 

「よし、決まったぞ!明日から入れ替えだ。いいな!」

 

「はぁ……」

 

こうして僕とティオの入れ替えが決まった、さっきも美夜子さんに言ったけど、王子様の生活って楽しいからね。

 

「…でしたら私も行きます。」

 

「ミナモ、お前にはこいつのお目付けと言ったはずだ。お前が離れたら母上にかけられた魔術が」

 

「ご心配なく、どうやら美夜子様にも魔術は使えるようですし。」

 

ミナモさんは美夜子さんの身体に手を構えながらそう言った。やっぱり、ミナモさんにはわかるんだな。でもあの力は僕達の世界に来るときに一緒に消えてしまった。

 

「私は力になれないわ。」

 

「…そうですね。貴方の力は魔術によって、封印されています。」

 

「「「…魔術!?」」」

 

「そうです、この魔術は…どうやら()()()()()()ですね」

 

「「「……」」」

 

僕達は、ミナモさんの言葉を聞いて、驚きを隠せなかった。つまり、もしもボックスで世界を戻す時に、美夜子さんの他に誰かが居たって事になる、美夜子さんの魔力感知は、誰よりも自信があると言っていた。その魔力感知以上の実力者あの場にいたのか。

 

「私の魔術で戻せますよ?」

 

「ほんとに!?異世界の魔術なのよ!?」

 

「原理は一緒みたいです。」

 

「じゃあお願いしてもいい?」

 

「ええ、では…()()()()()()!」

 

ミナモさんは美夜子さんに向けて、唱えた。この唱え方は…あの世界の!?

 

「ドラえもん、タイムホールって平行世界にも通じるの!?」

 

「知らないよ!?こんな事例は初めてなんだ!!」

 

ドラえもんに聞いても寝耳に水だったらしい。ていうか、美夜子さんさっきから黙ってるけど、どうしたんだろ?

 

「美夜子さん?」

 

「……」

 

「ま、まさか…」

 

ボウ!

 

美夜子さんの手から、青い火が出てきた。一瞬、戻ってないかと思った。こういう脅かし方は本当にやめてほしい!!和人も前にやってたなこれ…とほほ

 

「これで私も戦線復帰できるわ!!」

 

…あっ、ずっと見守ってたもんね。美夜子さんが魔法を使えるようになった事でもし、戦うことができる。そんなことは絶対あってほしくない。って待てよ…美夜子さんとの出会いもあのサルと美夜子さんが戦ってた時だったっけ。

 

「話は終わったか?」

 

ティオはずっと待ってたのか、少し不機嫌になってた。やっぱり短気だな。この王子様は…

 

「お兄様、これで私も行きますね。」

 

「勝手にしろ。お前、母上の魔術に何かあったら許さないからな。」

 

「あんたに言われなくてもそのつもりよ。」

 

「あ?」

 

「なに?」

 

「可愛くない女だ」

 

「あんたに可愛いとも思われたくないわ。」

 

「ミナモの方がもっと可愛げがある」

 

「のっ君の方がもっと優しさがあるわ」

 

「「何を~!ふん!!」」

 

いや僕ら2人を引き合いに出さないで、同じ顔だから…ってやっぱティオ、ミナモさんの事大事にしてるよね。この二人はすっかり犬猿の仲になってしまった。仲良くしてほしいと思うけど無理にしても逆効果だろうし。今はそっとしておこう。

 

「では明日から頼んだぞ。」

 

「任せてよ!」

 

「じゃあ、帰るよ。」

 

僕達は約束をして、ドラえもんがどこでもドアを出して帰ろうとした。

 

「あっ、美夜子様。すこしお時間を。」

 

「…そっか、わかったわ。のっ君、ドラちゃん先に帰ってて。」

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫大丈夫、危険はないから

 

美夜子さんはきっと、念話で何かを聞かされたみたい、危険がないならそれでいいけど…

 

「じゃあ、気を付けてね。」

 

僕はそれだけ言うと、ドラえもんと共に先に帰ったのだった。

 

 

ー-----

 

「やはり、お兄様と違って、優しい方ですね。」

 

のっ君とドラちゃんが帰ってからミナモちゃんがそう言ってきた。本当につくづくそう思う。のっ君の爪の垢を物理的に飲ませたいくらいに、あと、あのバカ王子はのっ君が帰った同時にどこかに行った。ミナモちゃんが言うには鍛錬らしい、どうでもいいけど。

 

「先ほど申した通り、母上様のお部屋に。」

 

さっき、ミナモちゃんが念話してきたのは二人の母親であるアダリナ様に会わせると、ミナモちゃんに言われたから。私は、ミナモちゃんの後をついていく。

 

「あっ、美夜子様これをかぶっておいてください。さっきみたいなことになりたくはないでしょ?」

 

ミナモちゃんが出してきたのは、あのバカ王子がつけていた仮面の目元だけの物だった。さっきのあれは確かに焦ったわね。

 

「ありがとね、使わせてもらうわね」

 

「はい!」

 

そして私達はまた歩き出した、王宮は見た目以上に広く女王がいる場所まで5分掛かるらしい。ここに住んでると歩くだけで鍛えられそう。現にすれ違う人たちは筋肉が付いてる人ばっかりね。

 

「こちらが母様のお部屋になります。」

 

大きな扉がそこにあった。それを開けると、暗い部屋の一角に蠟燭の光でうっすら見える所にベッドがあり、そこに向かう。

 

「…!!」

 

そこには頬がこけて、苦しそうな女性が眠っている。

 

「この方が現女王で私達の母、アダリナです。」

 

苦しそうで泣きそうな声で私に言うミナモちゃん。私ぎゅっと抱きしめた。

 

「ありがとうございます。…美夜子様、この魔術を貴女に教えます。」

 

少し安心したのか、ミナモちゃんは私に言ってきた。でもこの魔法は…

 

「…ミナモちゃん、この魔術は私、知ってるわ。」

 

相殺している魔術はやっぱり、私の世界の魔法に似ている…いや違う、そのものなんだ。…ここはやはり、あの世界の過去の世界?

 

「不思議ですね。貴女の魔法を消していたのも、この国の物にそっくりでしたし。」

 

そこが問題だった。私の魔力感知をも突破した。人物がいるって事に、その人が何の目的で私の魔法を封印したのかは知らない。その人物も一緒に来ているのかな

 

「…子様。美夜子様!」

 

「あっ、何?」

 

「ですから、そろそろ帰りますよ!」

 

考えすぎて、ミナモちゃんの話を聞いてなかった。危ない危ない。このことはのっ君達と話した方が速いわね。私は、一通りミナモちゃんに相殺してる魔術を聞いてから、家路についたのだった

 

 

ーーーーーーーー

 

 

けど…

 

「どうしたのこの汚さ。」

 

「ティオが…」

 

「あっうん。もうわかったからいいわ。」

 

帰ってきたら、のっ君の部屋が行く前よりも汚くなっていた。原因はもう聞くまでもなくあほ王子のせいね。はぁ……

 

「燃やそうかしら」

 

「お願い、物騒だからやめて!?」

 

「冗談よ。」

 

冗談はさておき、入れ替わりの件、和君達に言うのかしら?和君の事だからあのバカ王子の事なんかすぐにバレそうだけど。

 

「うーん、内緒にしておくよ。明日は和人アキバに行くらしいし。まぁ、バレないでしょ」

 

「ひと悶着なきゃいいけど」

 

「二人とも僕の負担も考えてよ」

 

「「頑張って。」」

 

「あぁ~!!!ひどいよぉ!!!」

 

そんなにあいつ、やばかったの?いやまぁ、この汚さでもわかるけど。ママの怒りっぷりが目に見えるね。

 

「いい加減片付けないと。ママに…」

 

「もう見つけたわよ!!」

 

「「「あっ」」」

 

最悪のタイミングでママが上に上がってたみたい…

 

「こんなに散らかして!!!すぐ片付けなさい!!」

 

私達は大慌てで散らかった部屋を片付けるのだった。あのバカ王子明日会ったらただじゃおかない!!




雷神「よし、終了。」

銀「今回もいろんなものぶっこんだな」

雷神「いやぁ、こうなったら面白いかなって。

銀「実質太陽王伝説は、魔界大冒険の続編か?」

雷神「そう思ってもらっても構わんよ。ヨホホ!では次回もお楽しみに!」



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第53話太陽王伝説~喧嘩とあやとり~

続きです。
そういえば、ティオの声優さんって、緒方さんだったんですね!当時見てる時は気にしてなかったので気づいてなかったです。…ママの今の声はミサトさん…よし。

昨日、リトルスターウォーズ2回目を見に行きました!やっぱり面白いですね!


視点はのび太、ドラえもん、のび太です。



ー-2019年5月11日ー-

 

 

そして次の日僕達とティオ達は初めて会ったあのジャングルで入れ替えをしている。

 

「じゃあ、各々お互いの服を着替えて。」

 

王子様の服は、着せ替えカメラで着替えている。あの服装は複雑すぎるしね。だからこそ、侍女さんたちにやってもらうんだろうな。いや、ティオの性格からして、一人でやるって概念はなさそうだけど。

 

「そして、のび太君は付け毛をして。王子様は帽子を被ってもらって、度の入ってない眼鏡をかけて、美夜子さんとミナモさんはカツラを被ってもらいます。」

 

ミナモさんに短髪になってもらう訳にはいかないしね。これで入れ替えは完了。それにしても見れば見るほど、ティオとミナモさんは僕と美夜子さんに似てる。服と装飾を変えるだけで、他の人からは分からない。性格についてはノーコメント。

 

「かっこ悪いが仕方ない。」

 

一言余計なんだよな。ティオは…

 

「落ち着いて、美夜子さん」

 

「一回締めないと。」

 

「真顔でやろうとしないで!?」

 

美夜子さんを何とか止めてから、ドラえもんに念には念をスペアポケットを渡された。レディナがいつ来るかもわからないし。あと、時雨金時もちゃんと携帯してる。

 

「くれぐれも無理しないで」

 

そして僕達は別れ、マヤナ国に入った僕達は、少し散歩した。何をするのかまだわかってないから、偵察も兼ねている

 

「広いなぁ。迷子になりそう。」

 

「私もそう思うわ。…っていうかあれやりずらい。」

 

美夜子さんが言うのは、僕達が歩くたびに跪く兵士たちの事だ、僕もやりずらい。こればっかりは慣れていかないといかないよね。いつまで入れ替えがするのかわからないけど。

 

「はっ!はっ!」

 

すると、兵士たちの声が聞こえた。奥に向かっていくと鍛錬をしているようだった。あっ。

 

「てや!てい!はっ!」

 

青い腰巻を巻いてる人が水色の腰巻の人を押し負かした。この人だけ他の人より強そうだ。貫禄というか雰囲気でわかる。

 

「ダメだ!もっと踏み込みを鋭くして向かってくるんだ。」

 

飛んできたから思わず隠れちゃったけど、しっかりと指導してるから少し偉いんだろうなこの人。

 

「おお、王子様。」

 

「…あっ、僕か、へへ」

 

「ただいまお迎えに上がろうと、思っておりました。」

 

「え?」

 

おじさんは、鍛錬用の棒を渡してきた。今日は鍛錬の修行?…師匠との特訓もやってないし、それにこれも王子の仕事だよね。あっ、美夜子さんはティオとミナモさんが一緒にいるのは特にないらしいから、ここに入る前に別行動したんだ。

 

「あっ、名前ってなんだっけ?」

 

「…?イシュマルですが?どうなされたのです。」

 

「いや、いいんだ!なんでもない」

 

「さようで。…ではどっからでもおやり下さい」

 

イシュマルさんは構えた。とはいっても、僕は剣術専門だから槍術の心得は全くわからない。

 

「王子様!頑張って!」

 

声が聞こえたからそっちを見た。兵士達がいる中でかわいい子がいた。どう見ても兵士じゃない格好でいるから、妙に目立つなあの子

 

「隙あり!!」

 

「っと!集中しないと!」

 

気を取られていたら、イシュマルさんが仕掛けて来た。危ない危ない!こんなところ、師匠の師匠に見られもしたら切られちゃう。僕はイシュマルさんに意識を集中した。

 

ー-----

 

「……何をしているのですあの人は?」

 

「昨日もあんな感じだったんですよぉ」

 

部屋に入るなり、ティオはのび太君の本棚を荒らし始めたから、ミナモさんが真顔で聞いてきた。

 

「はぁ…お兄様ここは、他人様のお家です。その様なマネは…よしてください!!」

 

「うお!?ミナモ!やめろ!!」

 

ミナモさんの魔術で、ティオは本棚の前で宙を浮きながら、回っていた。三半規管おかしくなりそう。…でもよかったぁ。ミナモさんがいるだけで僕の苦労は少なくなるよぉ…

 

「のっちゃ~ん」

 

「あっ、は~い」

 

しずちゃんの声が聞こえたからここはミナモさんに任せて玄関に向かった。ママが玄関を開けていたみたいだから、そこにはしずちゃんと直葉ちゃんがいた。

 

「しずちゃんに直葉ちゃんいらっしゃい!」

 

「あれ?のっちゃんは?」

 

「今ちょっと忙しくて。」

 

「昨日の試合の報告したかったのにぃ」

 

「うちはこの本を借りて来たのにぃ」

 

2人は頬っぺたを膨らませながらそう言った。アハハ…

 

「だから今日は練習できないんだ。ごめんね。」

 

今この二人がティオと会っちゃったら、ややこしくなっちゃうから。

 

「「あっ、のっちゃん/のび兄!!」」

 

あああ!!来ちゃったよ!?ミナモさんもちゃんと付いてきていた。少しはましでいてくれよ…

 

「これ図書館で借りてきたんだ!劇の参考になると思って!」

 

「どれ、見せろ。」

 

ティオは、受け取った本を読んでいた。何も起きないでくれよ…

 

「役に立たん!」

 

ティオは、相変わらずの態度で本を投げ捨てた。やっぱりこうなっちゃうの…ミナモさんがいてもこんなんなのやめてよほんとに…

 

「女は邪魔だ。帰れ。」

 

「は?」

 

「帰れと言っている。」

 

「いや意味わかんないんだけど?そもそもなんで、本を投げつけたわけ?」

 

あわわわ!?しずちゃんがわかりやすく不機嫌になっていくんだけど、どうしよう、入れ替わりの事は言えないし。言った方がいいんだけど、この事は僕達だけの秘密だって言われてるし。

 

「のっ君、何してるの!!」

 

「こいつの本は役に立たん、それだけだ。」

 

「ちょ、ちょっと、のび兄!何言ってんの?」

 

「誰だ、お前は。」

 

「は、はぁ!?」

 

入れ替わりの意味知ってる!?これ以上のび太君の信頼を損なう言い方はやめて!!

 

「のっ君!!何言ってるのよ!!」

 

「…すーちゃん帰ろ」

 

「しず姉?」

 

「何か今日ののっちゃん、うざい。物も大切にしないし」

 

思ってる以上に、しずちゃん怒ってる…しずちゃんは怒りが頂点に達すると逆に冷静になるって、のび太君が言ってたし。ごめんね。本当に…

 

「ドラちゃん、今日は帰るね。みっちゃんごめんね」

 

「あ、う、うん。」

 

「今日は本当にごめんね。」

 

しずちゃんはもうティオを見ずに僕とミナモさんにだけ話かけてきた。…のび太君が知ったら悲しんじゃうなこれ…

 

「いいの?しず姉。」

 

「もう知らない。」

 

しずちゃんは振り返らずに、直葉ちゃんはキョロキョロと僕達としずちゃんを見ながらも、出て行った。もう我慢ならない…!!

 

「あんなこと言ったら、怒って帰るに決まってるよ!!」

 

「そうです!!どうしてこうも関係をこじらせるのです!!」

 

「私の知ったことか。それより外を見に行くぞ」

 

「「どうぞご勝手に!!」」

 

僕とミナモさんは、我慢ならくなって、ほっといた。どこへでもいってしまえ!!

 

「どうしましょうあの方すごく怒ってらっしゃいました。」

 

「……温厚なのび太君でもこれには怒るよ。」

 

しずちゃん、直葉ちゃんを傷つけたから、2人を大事にしてるのび太君は黙っていないし、何より和人君が乗り込んでくるかもしれない。

 

「はぁ……本当に口を酸っぱくして言えばよかったです。」

 

ぷぷー!!

 

「この音はまさか!」

 

「何の音ですか!?魔獣ですか!?」

 

「話はあとで!」

 

僕は急いでティオがいる場所にタケコプターを頭につけて向かった。そこにはトラックに追いかけられているティオの姿があった。僕はさらに急いで、ティオを持って空に向かった

 

「あぁ、危なかった…」

 

「あぁ!?空を飛んだ!?」

 

「わっ、ちょ、暴れないで!」

 

暴れるから、バランスが崩れて下に落ちていく!その過程で袖だけを持っちゃったから、ティオが落ちてしまった。落ちた先は先生の家!?

 

「先生此れには深い訳が…すぐ直します。」

 

僕は深々と先生に謝った…初日からいろいろやらかしてくれるね!!ティオ!!

 

 

ー------

 

 

「……あれ?何で僕倒れてるんだっけ?」

 

「気が付かれました?よかった。」

 

そこには、茶髪でロングヘアの少女がいた。さっきいた場所にいた子だ。それにしても、いつの間に意識を失ったんだ?

 

「王子様?」

 

「あっ、ごめんね。ていうか君は誰?」

 

「王子様おふざけにならないでください。ククです。」

 

あっ、やばい、素で言っちゃった。

 

「王子様、父との模擬戦で壁にぶつかって意識を失われたのですよ?」

 

そうだ!イシュマルさんとの模擬戦でいいところまで行ったんだけど、避けた先にすぐに壁があってそれに対応できなくて、ぶつかっちゃったんだ。楽しすぎて

周りを見てなかった僕が悪いねははは…

 

「あはは…つい夢中で避けられなかったんだ。」

 

「そうだったのですか。…王子様」

 

「どうしたの?」

 

「ククが磨きました。」

 

ククちゃんが持ち出したのは、赤い宝石が入ったペンダントだった。綺麗だな

 

「綺麗だね!」

 

「王子様につけていただこうと」

 

「僕に?あ、ありがとう!どう?似合う?」

 

なんてこれは本当はティオがつけるはずの物なのに。入れ替わりの期間だけつけてた方がいいかも。ってククちゃんの顔がきょとんってなってた。どうしたんだろう?

 

「どうしたの?」

 

「いえ、ただ、いつもの王子様らしくなくて。」

 

やばい、墓穴掘ったかな!?

 

「そんなに喜んでくださるの。初めてなんですもの。ククは幸せです。」

 

すごく幸せそうな顔でそう言ったククちゃん。どこかで見たことあるなぁ…しずちゃん達だ!すごく幸せそうな顔の時に似てる!あっ、そういえば、昨日ミナモさんが言っていた気がする。

 

『だいたいお兄様は、いつも仕えてる少女にもあんな感じなのですよ!?その子は健気にもあの唯我独尊を体現したようなお兄様に好意を寄せています!それが不憫でなりません!!』

 

それがこの子なんだ。…確かに不憫に思っちゃうね。とりあえずティオのマネはしないでおこう。どうせ向こうもいつも通りだろうしね。

 

「うれしかったんだ。今日はね!」

 

「ねえ、クク、外を散歩したい、案内してくれ。」

 

「あっ、はい!」

 

木や小さな川があったりここって外も広いんだなぁ

 

「そう?でも白雪姫の王子様なんて、一人で出歩ているよ?」

 

「ククは良いことだと思います」

 

白雪姫知ってるのかな?いや、王子様に相槌しなかったら、失礼だぞとか言いそうだよね、ティオだし。なんて考えながら僕とククちゃんは、裏町にまでついた。そこには子供たちが何かをしていた。

 

「なにしてのかな。あの子たち」

 

「紐占いでしょ。王子様もやっていたではありませんか。」

 

僕その占い、しらないよぉ、ちょっとあの子たちに声をかけて教えてもらおうそうしよう。

 

「面白そうだね!僕も混ぜて!」

 

「「「……うわぁぁぁ」」」

 

泣いていい?彼は本当に何をやらかしていたんだか。

 

「どうしたの、なんで逃げるのさ!」

 

「いきなり王子様が現れるからですよ。」

 

そういうもんかなぁ、でも確かに王子様がいきなり来ちゃ驚かれるか…って、あ…無意識に手元を動かしてたから、違和感があった。見たら…

 

「あはっ、あやとりしちゃった。」

 

「まぁ、素敵その形チョウチョのようですね!」

 

キラキラ目で言われたから気持ち良くなって、お魚、ほうき、橋とククちゃんへクイズ形式でやった。ククちゃんすごいよくわかってる!

 

「じゃあこれはなんだろう。」

 

「ええっとそれはねぇ…」

 

「お花です王子様。」

 

すると、ククちゃんじゃなくて、女の子が答えてくれた。よく見たら他の子どもたちも出てきた。少しは心を開てくれたのかな。よし、これはチャンス!!

 

「その通り!じゃあ次は…なーんだ?」

 

僕は、ある塔の形を作った。これは分からないよね。

 

「木!」

 

「違うよ槍だよ!」

 

「残念!スカイツリー!」

 

「「「「「「スカイツリー?」」」」」

 

「何です?スカイツリーって?」

 

子供たちとククちゃんが顔をひねった…あ、って、そりゃそうじゃないか!?マヤナ国にはスカイツリーないじゃん!!

ちょいミスしちゃうな僕。

 

「ごめんごめん!わかんないよね。」

 

「それはいいけど、王子様!それどうやるの?」

 

「私にも教えてください。」

 

「ククにも…」

 

あやとりはやっぱりマヤナ国にはないんだなぁ。まぁ別に教えてもいいか。

 

「いいよ皆に教えてあげようね!」

 

「「「「「「わーい」」」」」

 

僕は、ククちゃんを含めた皆にあやとりを教えたのだった。あぁ、すごい平和だなぁ、向こうは大丈夫かなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




雷神「よし今回はここで終了。」

銀「あのバカ王子、俺の知ってるバカ王子と違うベクトルでやばいな」

雷神「…ほんとにねぇ。初期のティオってほんとに傍若無人だったしね。」

銀「今作の静香の事だから、叩きのめすと思ったんだが」

雷神「…まぁそれは、次回でわかるよ。では次回をお楽しみに!」

銀「何を企んでいるのやら。」


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第54話太陽王伝説~母親の影~

さてさて、前回の悪だくみの答えです。…ふふふ

視点はドラえもん、のび太、ドラえもん、ミナモです


ティオが目を覚ましてから、先生に僕は謝り倒した。ティオは全く気にしていない様子だった。大人相手にもあの態度は変わらないみたいだった。ほんとにやめてよ。もう…

 

「あの怪物の正体はなんだ?」

 

「あれは怪物じゃなくて、自動車っていう乗り物!」

 

バイクも自動車もない、あの国ならこの反応は正常だけど…

 

「一人で出歩かないでくださいよ」

 

「私に命令するな」

 

こういうのが無ければね、はぁ…しずちゃんどうしよう。入れ替わりの事言えば…ダメだ!そんなことしたら、しずちゃんティオに襲い掛かっちゃうよ!!なんて考えてるうちに家に着いた。…あっ。

 

「のび太」

 

「まずい…」

 

ママがほうきを持って、玄関の前にいた。ミナモさんも傍らで立ってる。

 

「誰だこいつは。」

 

「ママだって昨日言ったよね!?」

 

「まぁ、何ですこいつとは!!」

 

ママの顔が般若のような顔になった。さらにまずいよ!?

 

「のび太!学芸会の練習なんて言って!」

 

ママはティオの耳を持って引きずった。さ、さすがママ、ママに任せてた方がよかったかな。いや、でもマヤナ国の事を話しても絶対信じないからダメか。

 

「のび太様の母君、すごいですね」

 

「言ったとおりでしょ?」

 

「ですがお兄様まだ何か言ってます」

 

あ、確かに何か言ってるから、行かないと

 

「寝ぼけたこと言ってないで!草むしり手伝いなさい!」

 

「何?私は王子だぞ!」

 

「あんたが王子ならママは女王様よ、さっさと草むしりやりなさい!」

 

ママの剣幕にティオが押されてる。いいぞもっとや…いや気の毒だから支えてあげないと!

 

「恐ろしい」

 

「言ったとおりでしょ?」

 

「ママ、私も手伝うわ。」

 

「ありがとう。みっちゃん。早くやるわよ。のび太!!」

 

ティオは、怖くなったのか、素直に草むしりをやっていた。ていうか、ミナモさん美夜子さんなりきってるなぁ。ティオとは大違い。

 

ー-------

 

僕とククちゃんは、子供たちと別れてから木陰で休んでいた。ククちゃんはトウモロコシができるくらい上達していた。随分しなびてるトウモロコシだけどね?

 

「こうも、雨が降らないでは、どうにもならねぇ。」

 

「レディナ様の呪いじゃねぇか?」

 

「女王様も、ミナモ様の魔術でよくなってる言うが、庶民にはどこまで本当の事を言ってるのかわからねぇ。どうなるんだろうなぁ。」

 

おじさんたちが疲れたように会話をしていた。…ククちゃんが言うには今日までに雨が一滴も降っていないんだとか。

 

「…レディナってあの…」

 

「みんな恐れています。すべては呪いのせいだと。」

 

「雨が降らないのは、呪いとかそんなんじゃない。」

 

「ではなぜ生贄の儀式を!?」

 

「え?生贄!?」

 

聞くところによると、ティオは僕達と出会う3日前に雨が降らないのはレディナの呪いのせいだと、言って、今日神官に聖なる泉セノーテに生贄を捧げることでこの呪いが解けると言っていたそうだ

 

「そんな事させない。ククちゃん!!その泉はどこ!?」

 

「く、ククちゃん?」

 

「いいから!!どこ!?」

 

「こ、こちらです!!」

 

僕達は急いで、その聖なる泉セノーテ行くのだった。

 

 

 

ー------

 

 

 

「聖なる泉セノーテよ!我らが生贄を捧げます。レディナの呪いを解き!雨を降らせたまえ!」

 

間に合ったけどまずい!!もう神官が泉に話しかけてる!!このままじゃあの子が落とされちゃう!!僕はさらに走る速度を上げた。

 

「さあ、行け、そして永遠に神のおそば近くお仕えするのだ。」

 

「待って!!」

 

僕が声を上げると兵士たちが慌てるように止めてきた。

 

「やめるんだ!!」

 

「王子様い、いかがなされた?」

 

「生贄なんて、絶対許さない!」

 

「何ですと!?」

 

ティオが決めたというなら僕は絶対に許さない!マヤナ国の文明はきっとこっちで言うマヤ文明や日本だったら縄文時代と一緒だと思うから、生贄によって雨が降るって信じられていた。そんなの事は迷信だし、まやかしだ。

 

「王子様も同意の上ではありませんか!!」

 

そりゃいきなり、意見を覆すのは変だよ。でも!!

 

「ダメなものはダメなんだ!」

 

「私だってやりたくありません!しかし雨を待っている民衆を裏切れません。さぁ行くのだ」

 

「あぁ…」

 

この人もやっちゃいけないってことは分かってるんだ。結局は王子の命令でやっていることは分かる。ティオも残酷だ。今はそんな事より何か、雨が降る物がないのかな…あっ、あれがあった!!

 

「待って雨が降ればいいんだろ!!」

 

僕は、神官を待たせてから森の中に入った、さすがに秘密道具をみんなの前で出せないしね。僕が思いついたのは[お天気ボックス]という道具。この道具は付属された天気のマークの絵が描かれている、僕はこの中から雨のマークのカードをセットした。そうしたらすぐに大雨が降った。

 

「奇跡だ。生贄を捧げずに雨が降るとは…」

 

「よかったぁ…」

 

「王子様、いったい何をなさったのです?」

 

「あぁ…いや、とにかくこれで中止だね」

 

ククちゃんに、聞かれてもごまかすしかなかった。道具の事は言えないよね。ククちゃんはいい子だけど、こればっかりは…ね

 

「はい!」

 

ー------

 

そして夕方になって草むしりもいい感じに終わった。

 

「フフフフ…はい、ご苦労様、今まで以上に頑張ったじゃない!」

 

確かにティオは草むしりは最初はまぁしぶしぶだったけど、結局投げ出さず最後までやり続けた。意外だったなぁ。あの傍若無人ぶりがウソのように。

 

「正しく、草むしりなぞ生まれて初めてだぞ。」

 

態度は相変わらずだけど。

 

「はい、召し上がれ。王子様!」

 

「ぶぅぅぅ!!」

 

僕は思わず吹いちゃった。だって、ママが王子様って言うんだよ!?一瞬バレちゃったのかと思った。さすがにそれはないんだけどさ。

 

「これは、うまい!」

 

「確かにおいしいです。」

 

「お手伝いの後は特別おいしいでしょ?」

 

「「は、母上?」」

 

ミナモさんとティオは、ママに向けてそう言った。…ティオ達のお母さんもママみたいに優しかったのかな。ママは怒ると怖いけど、基本的に優しい人だ。それにこんな僕や美夜子さんを置いてくれるしね。

 

「やだわよ、みっちゃん母上なんて!しんちゃんも!」

 

「「「え?」」」

 

しんちゃん?だれそれ?

 

「あっ、ごめんね!なんだか今のび太の声ってどこかで聞いたことあるのよ!」

 

「…実は私も、あんたの声に不思議と懐かしさを感じる。」

 

どういう事?二人とも会ったことないのに?まぁ…僕もどこかで…最近終わったアニメの……

 

『では次回も!サービスサービス♪』

 

「あっ、思い出した!ミサトさんとシンジ君の声に似てる!!」

 

「そうよ!シンジ君の声にそっくり!」

 

「私は知らないが。」

 

エヴ〇ンゲリオンの碇〇ンジ君と葛城ミ〇トさんの声によく聞けば、2人とも似てる!だとしても、ティオは知らないはずなんだけどね。

 

「まぁ、いいわ。」

 

そして僕達は二階に戻った。もうそろそろのび太君達が来るしね。それにしても意外な事でびっくりしたよ。確かにティオの声は緒方さん、ママは三石さんの声だ。

 

「どんなアニメなんです?」

 

僕は一応、エヴァの話をした。あの物語は壮大だから途中はしょったけどね。

 

「下らん。」

 

「…残酷で美しいお話ですね。」

 

ティオは、案の定興味を示さなかった。ミナモさんは涙を流して感想を言っていた。

 

「…そろそろ時間だろう。」

 

「お兄様にはやはりこの話は分からないのですね。」

 

「あ?所詮は偶像だ、そんなものに感動なぞ、するものか。」

 

…はぁ……この人は全く…

 

「…静香さんの事許しませんから。」

 

「勝手にしろ。あの女がくだらない物を見せるからだ。」

 

それだけ言うと、ティオはジャングルに戻った。さっきまでいい雰囲気だったのに、錯覚してたよ。彼はしずちゃんにひどいことをしたんだった。明日も入れ替わりがあるから…どうしよう。

 

「ドラえもんさん。私達も参りましょう。今日の事は…」

 

「黙っておくよ」

 

「…お兄様は変われるでしょうか。」

 

「あの調子じゃ、わからないですね…」

 

「変わってほしい物です」

 

「ですね…」

 

僕とミナモさんは、憂鬱な気分でジャングルに入るのだった。

 

 

ー----

 

 

「じゃあ、王子様。明日もまた交代しましょう。」

 

「ミナモちゃん、また明日ね!日記は書いてるから。」

 

美夜子様は私の代わりにやれていたようです。しかしのび太様は、少しお怒りでした。何故かは聞けませんでした。が今日はあの件が行われる日…きっとそれを知ったのび太様がお怒りになったのでしょう。私もあれには反対でした。いくら雨が降らないとはいえ、生贄を捧げるのは倫理に反します。しかし、王位継承権はお兄様が上…私では悔しかったですが止められませんでした。

 

「おい、帰るぞ。」

 

「わかっています。」

 

のび太様なら止められたでしょうか。心優しい方です、きっと止めたでしょう。そう思って私はどこでもドアに入るのでした。

 

 

ー--------

 

 

部屋に戻った後、私は美夜子様が書かれた日記を読みました。魔術で母上の呪いの相殺はうまくいったとのことです。あの魔術の術式は簡単なのでよかったです。

 

こんこん!

 

「お姫様、ククです。」

 

「どうぞ。お入りください。」

 

「聞いてください!王女様!!今日の王子様、ご立派だったのですよ!」

 

ククは私とお兄様に仕えてる少女で、昼はお兄様、夜は私の世話をしてもらってます。ここまでククがキラキラしたのは、あのお兄様に恋をしたときでしょうか…、あの時はそれだけはやめてくださいと言いました。昔ならともかく今はあの性格ですので、まぁ恋する乙女にそのような言葉は通用しませんでしたが…

 

「どうしたのです?」

 

「生贄の儀式を止めたのです!!」

 

それを聞いて私は、やはりあの方はお優しいと思いました。よかった。

 

「それにあやとりという紐の遊びも子供たちとやっていたのですよ!ですが…」

 

「どうしたです?」

 

「…先ほど、お会いになった時に、ペンダントを投げ捨てており性格も今までようになっていました。」

 

赤い宝石のペンダント…ククが丹精込めて作ったあのペンダントですね。のび太様は確かに入れ替わりの時にしていたので、バレないためにもお兄様は付けていました。…はぁ…やはりあの人は女心を理解できないということですね。入れ替わりの事も言えないですし。

 

「…クク、これからもお兄様は変わったり、戻ったりしますが驚かないでくださいね。」

 

「え?それはどういう?」

 

「さて今日は、何しますか!」

 

「お姫様!?ごまかさないでください!」

 

「今日はこれにしますか!」

 

「お姫様ぁぁぁ!!」

 

私はククの疑問を答えないまま、ククと遊ぶのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第55話太陽王伝説~決闘と入れ替わりのネタバレ~

さてさて今回は、原作での決闘です。誰がティオと戦うかは本編をご覧ください!

後、ワンピースのキャラも二人出てきます。


視点はドラえもん、のび太


――2019年5月12日――

 

「じゃ、また夕方ね」

 

「ドラちゃんもミナモちゃんも大変でしょうけど。」

 

「……うん」

 

「…頑張ります。」

 

僕はひどく憂鬱な気分でのび太君と美夜子さんを見送った。はぁ…昨日散々やらかしたティオとまた会うのは嫌だった。正直もう終わればいいのにって思ってる。

 

「お兄様は?」

 

「あれ?」

 

ミナモさんの声でティオがいないことに気づいた。急いで外を見ると走ってるティオがいた。なにをやるつもりなんだよ!僕は急いであと追ったら、なぜかすぐそこで仁王立ちをしていた。何してんの?

 

「……」

 

ぶっぶ―――!!

 

ってトラックがまた来てる!そりゃそうだよ。ていうかほんとに何考えてんの!?

 

「そんなとこに突っ立てたらあぶないだろ!!」

 

「す、す、すみません!!全く無茶苦茶やるんだから!!」

 

僕は急いで、彼を歩かせた。

 

「見たかドラモン!私の勝利だ!」

 

ティオはドヤ顔でそう言った。誰がドラモンだ!!それに何の勝負をしてたんだよ!トラックの運転手さんからしすっごく迷惑だよ!!

 

「…のび太。」

 

「あ?誰だ。貴様」

 

「…か、和人君?それにしずちゃんも?」

 

和人君がしずちゃんと一緒に立っていた。か、和人君はきっと昨日の事を聞いたんだろう。直ちゃんがいないってことは和人君が止めたんだろう。…言うまでもなく、和人君はもちろんしずちゃんも不機嫌なオーラを漂わせている。

 

「お前…しずとスグにひどいことをしたんだってな。」

 

「ふん、そいつは王子である私にくだらない物を見せるからだ。」

 

「…しずの言う通りだな。お前誰なんだ?のび太をどこへやった。」

 

和人君は、ティオに向けて殺気と睨みを同時に浴びせた。でもティオは物ともせず平気な顔をしてる、性格はあれだけど、実力は本物だし。ミナモさんが言うにはこういった類のものは見慣れてるらしいから、歴戦の和人君の睨みも効かないか。

 

「お前になぞ、言うつもりはない」

 

「……お前もか?ドラえもん。」

 

「ご、ごめん。和人君。」

 

「…はぁ…どうやら、ドラえもんも何か噛んでるんだな?」

 

や、やっぱり鋭い…。そりゃのび太君の付き合いは和人君の方が上だし。しずちゃんも、昨日のあれでティオがのび太君じゃないって気づいてる。しずちゃんの場合は恋する乙女の勘でも入ってるだろうけど…入れ替わりの件…二人に言うべきだったかな。

 

「何か「待って和君。うちがやる。」しず?」

 

「…とりあえず、あんた。空き地に来なさい」

 

「女の…」

 

シュン!!

 

ティオが何かを言う前に、しずちゃんが蹴りを顔ギリギリの寸止めでやった。さ、流石…あっ、ちなみにしずちゃんは短パンだからパンツは見えてない。え?惜しいとか思ってるって、そ、そんなことないよ。

 

「いいから来いっつってんの」

 

ドスの効いた声でしずちゃんはティオに向けてそう告げた。……僕が思ってる以上に彼女はブチギレてるって事だよね。

 

「…ふん、いいだろう。」

 

ティオはそれを見て、しずちゃんを実力者だとわかったみたいで不敵な笑みで答えた。えぇ…どうなっちゃうわけぇ。

 

――――――

 

 

「でよ~!あ?静香に、ドラえもん、和人、のび太?何やってんだ~?」

 

「何か物々しい雰囲気だぞ。静香の奴」

 

空き地に着くとルフィさんとウソップさんがいた。急に来た僕達に疑問を持ったルフィさん、ウソップさんはしずちゃんの雰囲気にやらている。

 

「師匠、邪魔だからどいて。」

 

「何だよ~」

 

弟子に邪険に扱われてもケロッとしているルフィさん。あの雰囲気のしずちゃんにも物怖じしないのはさすがだけど天然なの。

 

「何かあったみたいだぞ。あれ」

 

「何だ?痴話喧嘩かぁ?」

 

「お前は黙ってろ!?」

 

相変わらずのルフィさんにウソップさんは鋭いツッコミを入れる。ウソップさんごめんなさい。ルフィさんのボケは僕達じゃさばききれない。

 

「おい、やらないのか。」

 

「…師匠邪魔するなら、どっか行って。」

 

「何だよぉ…」

 

しずちゃんからの扱いでシュンとなったルフィさんは今度こそ黙った。トボトボと僕達の隣に立った。ウソップさんは……しずちゃんの睨みにビビってるのか、ルフィさんの肩を持って来てた。ウソップさんは世界一のビビりだって、ルフィさんが言ってたっけか。

 

「…行くよ。」

 

「来い!」

 

2人とも様子を窺っている、けど…

 

「…はぁ!!」

 

先に動いたのはティオだった、けどしずちゃんは華麗なステップでそれを避けてからティオに向けて回し蹴りを食らわしたけど、片腕でそれを止めたティオはしずちゃんの足の間をスライドで入ってから右ストレートをうち、しずちゃんは左腕受け止めた。

 

 

「なかなかやるな。女」

 

「女って言うな!」

 

会話をした後にしずちゃんは後方に飛んだ。でもティオは一気に詰め寄って蹴り上げ、しずちゃんは諸に顎に当たってしまった。ま、まずいかな

 

「女の子相手にエグイな。のび太の奴」

 

「ウソップあいつはのび太じゃねぇぞ?多分違う奴だ。」

 

…なんでルフィわかるの!?

 

「見聞色かよ?」

 

「お前だって出来んだろ?」

 

「お前、ゾロ、サンジよりは劣るわ!!静香にも教えてんだよな?」

 

「まぁな!あいつはお前と違ってジンベエ並みだ!」

 

「七武海並みってとんだバケモンだなおい。」

 

何の話をしてるのかわからないけど、ルフィさんは気づいたみたい、あ、しずちゃんが立ち上がった。当たる直前に避けてたみたい。

 

「…やっぱあんたはのっちゃんじゃない。」

 

「勝負の時に話か。」

 

「のっちゃんはこんな荒い戦い方は絶対…しない!!」

 

そう叫ぶとしずちゃんはいつの間にかティオの後ろに回っていた。そして、しずちゃんはティオの背中を蹴った、ティオも思わぬ攻撃に対処しきれずにぶっ飛んだ。ていうかあの動き前は見せなかったけど、何だったんだろう?

 

「あいつ、瞬歩使ったぞ?ルフィあれ教えたのか?」

 

「いんや、サンジじゃねぇの。」

 

「あいつ、女の子全般に甘いから、強請られたか?」

 

「コビーの可能性もあるぞ?静香ってリカに似てるしよ」

 

「あぁ…確かに。」

 

今のは瞬歩というものだったらしい、最近しずちゃんはルフィさんの周りの人からも稽古をつけてもらってるらしいからね。

 

「はぁ、はぁ、中々やるな。」

 

「…ふぅ…あんたもね。嫌いだけど。」

 

「奇遇だな私もだ。はぁ!」

 

ティオがそう言うと、2人は殴り合いになった。や、やばい!!

 

「二人とも!」

 

「待て!ドラ!!」

 

僕が止めようとしたらルフィさんに止められた。

 

「何で!」

 

「もうすぐしたら直葉が来るぞ。」

 

そうしたら、ルフィさんが言うように直ちゃんが空き地に来てから、僕の隣を通り過ぎて二人の間に割って入った。

 

「やめて!!」

 

「「!!」」

 

直ちゃんの声に2人は止まった。

 

「のび兄、どうしちゃったの!!昨日も変だったし!お兄ちゃんとしず姉がこっそり出て行ったと思えば、喧嘩!?そんなののび兄じゃない!!そんなのび兄、あたし!大っ嫌い!」

 

直ちゃんは涙を流していた。ティオは何かを思ったのかそれを神妙な顔で見ている。…あと、直ちゃんの涙を見た和人君(お兄ちゃん)が怒りでティオに襲い掛かろうとしたけど、ルフィさんが腕を巻き付けて止めた。ってそれはいいとしてもう、これは仕方ない!言うしかない!!

 

「あっ、ちょっとみんな、聞いてよ聞いて!」

 

僕の声にみんなが振り返ってきた。

 

「実はこののび太君は…のび太君じゃないんだよぉ」

 

「「やっぱり」」

 

「はぁ?」

 

「え?」

 

「あっひゃっひゃっひゃ!!」

 

確信、疑問、笑いと色々な感情が僕に向けて発された。正直居心地が悪いけど、僕は、みんなを家に招いた、ウソップさんは帰りたがってたけど、ルフィさんが無理やり連れてきた。そしたら、ミナモさんが玄関の前で立っていた。きっと千里眼で見ていたんだろうな。

 

「ごめんね。ミナモさん。」

 

「いいえ。そこの人が女性相手に本気を出すからです。仕方ありません。」

 

「私の事を言っているのか?」

 

「他に誰が?」

 

「お前最近私に当たりが強いぞ。」

 

「自分の胸に聞いてみてはどうでしょう。わかりませんと思いますが。」

 

「み、みっちゃん?」

 

「何か雰囲気違う?」

 

「美夜子さんが美夜子さんじゃないみたいだな」

 

「おい、あの子あんな感じだったか?」

 

美夜子さんの雰囲気変わり、敬語で毒をティオに向けて言ってるからしずちゃん、和人君、直葉ちゃん、ウソップさんは戸惑っていた。…気持ちはわかるよ。ミナモさんは初日から一から十まで美夜子さんに成りきってたから、美夜子さん本人もびっくりしてたしね。ルフィさんだけは気づいてたのか。何も言わなかった。

 

「この美夜子さんも、美夜子さんじゃないんだ。」

 

「「「うっそぉ!?」」」

 

「おいおい…ここまでそっくりな奴が二人もいんのか?」

 

ウソップさんが言うのももっともだよね。性格は二人とも真逆みたいなもんだけど…、玄関で話すのはなんだから、家の中に入れた。

 

「何から話せばいいのか」

 

「そこは全部だろ?」

 

「…そうだね。それでいい?二人とも?」

 

「王子に「はいよろしいです。」……」

 

ティオがお得意の事を言おうとした途端にミナモさんが遮ってから言った。もうあれには飽き飽きしてた。今度こそ話そうとしたら……

 

「あれみんな来てたんだ。」

―――――――

 

 

「の、のび太か?」

 

「みよ姉も…」

 

今日は棒術の稽古をやって、終えてから僕はイシュマルさんに断りを入れてから帰ってきた。ミナモさんから[糸なし糸電話]という道具で連絡が入って、バレたって聞いたから美夜子さんと帰ってきた。美夜子さんは片腕をタイムホールに突っ込んでる、魔術はこの世界に入ると消えちゃうから。

 

「みっちゃん…のっちゃんもその恰好」

 

「どう?可愛い?」

 

美夜子さんは片腕以外でポーズを決めた。

 

「「とっても!!」」

 

女子二人には好評みたいだった。…ソフィアさんの時も思ってたけど、王族の恰好って、よく宝石とかが付いてるよね。今更だけど。

 

「ですってよミナモちゃん。」

 

「ありがとうございます。」

 

「ミナモちゃんって言うの?」

 

「遅れました。私はミナモと言います。この野蛮人はティオと言います」

 

「「よろしくね!!ミナモちゃん!」」

 

いや、野蛮人って…それに二人ともあからさまにティオを見ないな。…何かしたんじゃないだろうね。ティオ

 

「ほんとに見分けがつかないな」

 

和人が少し苦笑いしながら、僕とティオを見ながら言っていた。ドラえもんもいっていたし。それに今は王子の服を着てるし。そりゃそうなるよね

 

「…それで?何で俺には黙ってた?」

 

「和人がアキバに言ったから言えなかったんだよ。ごめんね。」

 

「…お前がこいつになってる間に、こいつ、しずと決闘したぞ?」

 

「は?」

 

よく見るとしずちゃんの服や顔に泥、それに傷があった。

 

「ドラえもん」

 

「はい!?」

 

「説明」

 

僕は怒りを抑えながら、ドラえもんに聞いた。昨日は何も問題はなかったって言ってたのに…大ありじゃないか。僕はドラえもんに

 

 

「…ふーんそう、ドラえもんはそれを黙ってたんだ?」

 

「そ、それはその、なんといいますか。その…」

 

「別に隠さなくても、ティオが悪いのに。」

 

僕はジト目でティオの方を見ると、ティオは目をそらしたバツが悪そうな顔をして。

 

「……私もやりすぎたと思っている。」

 

「おや、珍しい。あのお兄様が反省とは。」

 

「……」

 

皮肉をミナモさんが言っても、黙ってしまった。…まぁ終わったものに、グダグダ言うつもりはないし。一応反省はしてるみたい。

 

「しずちゃん風呂入ってきなよ」

 

「あっ、忘れてた。」

 

しずちゃんは、今気づいたようで、急いで風呂へと向かった。美夜子さんの服があるからそれ着るだろうね

 

「ティオは、後で」

 

「…ああ」

 

―――――――――

 

 

「…という訳だったんだ!」

 

しずちゃんも、ティオも風呂から上がった後、僕達は和人たちに説明をした。

 

「…みっちゃんの気持ちわかる。」

 

「あたしも。」

 

「でしょ?」

 

ティオに対する女性陣の評価は著しく下がったみたいだった。言わなくてよかったんだけど、そこは犬猿の仲の美夜子さんがものすごく語ってたから、そうなんだけど、まぁ、事実だけを伝えてたからそこは良かったんだけど

 

「信じらんねぇ…」

 

「よくもまぁ、面倒ごとを起こすよな。」

 

「すっげすっげぇ!おまえらすげぇ!」

 

ウソップさんは、驚きのあまり開いた口がふさがらない様子だった。まぁ、こんな事ってドラえもんがいてこそ起きることだしね。普通はこんなに事件は起きない…あっ、師匠を含めた旧ボンゴレは11年前に厄介(マフィア)ごとに巻き込まれてたっけ。ルフィさんに関してはキラキラした目で楽しそうにしていた。うん、この人は相変わらずだね。

 

「なぁ、ドラえもん俺らもいかないか?」

 

「それはぁ…」

 

「それはいいですね!行きましょう!」

 

「王子様はいいのか?」

 

「うん、静香には悪いことをした。招待しよう。」

 

ティオはさすがにやりすぎたって反省したみたい。まぁ態度はあいかわらずだけどね。急にしおらしくされても困るけど。

 

「どこまでも上からね」

 

「お前はうるさいぞ。美夜子。」

 

「あんたに名前呼ばれたくないんだけど。」

 

「本当にお前は減らず口を」

 

「あんたの方がしゃべらなくていいんじゃない?」

 

「私は王子だぞ。」

 

「何が王子よ。バカ王子じゃない」

 

「本当に可愛げのない女だ」

 

「優しくない男ねあんたは!」

 

「「ふん!!」」

 

「うわ、すご」

 

しずちゃんは、2人の口喧嘩に圧倒されていた。しずちゃんは物理で喧嘩したからね、ははは…この二人いつかは仲良くなってほしい物だよ。

 

「俺もマヤナに行くからな!」

 

「師匠が言ったら、何にでも興味示すからダメ!」

 

「ケチ!…大人しくするからよ!」

 

「…じゃあ約束して、絶対に何も起こさないって」

 

「おう!」

 

「約束守らなかったら、ビビ姉とナミ姉に言うからね。」

 

「…おう」

 

 

あからさまに元気をなくしたルフィさん。あの2人の怒る姿見たことあるけど確かにあれは怖い。

 

「お、俺はマヤナ国に入ってはいけない病なので行かん!」

 

「何だ、病。レディナの呪いか!」

 

ウソップさんの嘘にいち早く反応したティオ。

 

「信じちゃうからね。ウソップさん。」

 

「何だ嘘か。」

 

「はい…」

 

ウソップさんは、しぶしぶ行くことになった。ルフィさんを止められるのは麦わらの一味しかいないからありがたい。ウソップさんには悪いけど。

 

「ちょっと待って、そのままの恰好じゃまずい。マヤナの服に着替えよう。[着せ替えカメラ]~!」

 

「せっかく、着替えたのに!?」

 

「あ、ごめんね。」

 

こうして僕達は、マヤナの服に着替えてマヤナ国に僕、和人、しずちゃん、直ちゃん、美夜子さん、ルフィさん、ウソップさんのメンバーで行くのだった。

 




雷神「よし終わった」

銀「まさかの二人が入ったな」

雷神「いつの間にかこうなった」

銀「行き当たりばったり過ぎるだろ」

雷神「自分でもびっくり、ははは」

銀「最初は違かったんだろ?」

雷神「しずちゃんの戦闘は思いついてたけど書いてるうちにこの二人いたら面白いなってなった感じかな」

銀「次回はどうなる事やら」

雷神「本当に…では次回もお楽しみに」


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第56話太陽王伝説~マヤナ国観光と1+1

今回、起承転結の転です。ティオの心境の変化をご覧ください。題名の1+1で太陽王伝説が好きな方は何が起きるかわかると思います。それに自分が好きなセリフの一つです。

視点はのび太、和人、のび太です。


そして、僕達はマヤナ国に入った、ルフィさんとウソップさんが最初に入って行った…僕?ちょっと今、行くか悩んでるからまた後で。

 

「ほぇ~ここがマヤナ国か。」

 

「なんだよ~。ただのジャングルじゃん!」

 

「王宮はこの先だ。」

 

ウソップさんは関心を持っていた、けどルフィさんは少しつまんなそうに周りを見ていた、きっとルフィさんの想像していたものよりジャングルだったからかもしれない。

 

「すっごい!キレイな緑!」

 

「うわぁ…神秘的」

 

「小鳥の声が心地いでしょ?」

 

「「うん!」」

 

女性陣はルフィさんと打って変わって感動していた。さすがは女子って感じだなぁ…

 

「早く来いよ。」

 

「…何でこんな格好なわけ?」

 

僕が行くのを躊躇っていた理由は僕の恰好は女子のそれだから、ドラえもん曰く王子様が二人いちゃまずいからしい、だとしても女子の恰好は違うと思うんだよ!女子4人は僕の恰好見て可愛いとか言ってたけどさ…男のプライドってやつがさぁ…

 

「うじうじと言ってないで行くぞ。のび子」

 

「地の文字呼ぶな!その名を呼ぶな!!」

 

「あっひゃっひゃっひゃ」

 

「ルフィさん笑いすぎィ!?」

 

僕は強制的にこの格好で行くのだった…とほほ

 

 

―――――――

 

王宮には[どこでもドア]で移動した。いつも通りだけど。

 

「ここがお前の寝室か?ひろいなぁ!」

 

「全部石造りなんだ。」

 

「見たことない文字がいっぱいだな。」

 

「これが王子様の…すげぇな」

 

「何かでそう。」

 

見事にみんなの感想は様々だった。外の方はもっとすごいからそれは観光してる時に言えばいいか。

 

「王子様。ククです。…あっ。」

 

ククちゃんだ。僕は話しかけようかなって思ったけど、今は初対面って事になってるし、今はさらに女子の恰好、今までのように話しかけたとしても疑問を待たれるから初対面を徹しよ。

 

「いいんだ。日本国から来た私とミナモのお客様だ。」

 

「あの…父が探していましたが。」

 

あっ、休憩していたの忘れてた。

 

「わかった。」

 

「クク。皆さんにマヤナ国を案内してあげてください。」

 

「はい、ククです。」

 

ククちゃんは跪きながら、そう言った。…何とも言えないな。

 

「うち静香って言うの!よろしくね!」

 

「あたしは直葉」

 

「俺ぁルフィ!海賊王になる男だ!」

 

「か、海賊王?」

 

「あぁ…こいつが言ってるのは気にすんな。俺様はウソップだ」

 

「俺は和人だ。」

 

「僕ドラえもん。」

 

「私はのび子って言うんだ。よろしくね!」

 

「うん!…あれ?失礼だけどのび子さんどこかで会った?」

 

「え?」

 

「……」

 

ククちゃんは訝しげに見ながら小さな声で僕に尋ねた。王族の人じゃないから敬語がない、逆に新鮮だなぁ…っていやいや、僕の顔は美夜子さんにメイクしてもらって、ティオの顔とは少し違くなってるはずなのに!?

 

「き、気のせいじゃない?」

 

「だったらいいけど。」

 

そう言いながらも僕を見ないで、バレないだろうけどちょっとビクビクしちゃうから!!

 

「お姫様も来るのですか。」

 

「私は部屋に戻ります。では皆さまマヤナ国を満喫してください。」

 

「私も行く。」

 

ミナモさんとティオは部屋を出て行った。

 

「じゃあ、案内するわね。付いてきて。」

 

「わくわくすんなぁ!いったいどんな冒険が待ってんだ~!」

 

「冒険じゃねえ!観光だっつの!」

 

「師匠じゃないけど、うちもワクワク!」

 

「あたしも~」

 

「僕もこの部屋だけだから、楽しみ!」

 

ルフィさん、ウソップさん、しずちゃん、直ちゃん、ドラえもんがククちゃんのあと追っていった。

 

「ククって子お前の正体に気づいてなかったか?」

 

和人がニヤつきながらこっちを見てきた。何でニヤついてんの?

 

「バレなきゃいいけど」

 

「別にバレてもいいじゃない?ククちゃんは誰もバラさないと思うけど」

 

あぁ、今日ククちゃんは美夜子さんの所にいたから、美夜子さんもククちゃんと面識がある。確かに美夜子さんの言う通りだけど…ククちゃんは優しい子だしね。

 

「それはまたおいおいと。」

 

「……いっその事、寝取っちゃえばいいのに。」

 

「「……さぁ行こう」」

 

とんでもないことを聞いた気がするけど、僕達はそそくさとみんなの後を追った。…あっ、美夜子さんは眼鏡をかけている。クラーク・ケントもびっくりな変装道具ねって某探偵の言葉を借りて、ウインクした美夜子さんには少しドキッとしたのはさっきの発言で内緒にしておくことにした。

 

 

――――――

 

 

「ここが市場よ」

 

ククちゃんに連れられてから最初に屋上に出てから、市場に来た。やっぱりどこでも活気があっていいなぁ。

 

「ポポルゥゥゥ!!」

 

そんなこと考えていたら、聞き慣れた鳴き声が聞こえた。ポポルがまっすぐ僕の方に走ってきていた。ちょ、まっすぐ来るなよ!?

 

「珍しい。王子様以外の方に懐いてるなんて。」

 

「私、動物に好かれるタイプなの!」

 

「そう?」

 

さらに疑いの目がかかってる、確かにポポルってティオのペットだし。初対面の相手にこんなに懐いてるのも疑う要素は満載だしね。

 

「なあ、クク…俺腹減ったぁ…」

 

「あっ、はい。お食事処に案内しますね」

 

ルフィさんの一言で疑いの目から解放された。本気で腹減ってるだろうけどナイスルフィさん!!

 

「こちらが、お食事処です。」

 

「肉ゥゥゥゥ!!」

 

ルフィさんはお食事処に着くなり入って行った。流石に一人では置いてけないな。

 

「誰が見張る?」

 

「僕が行くよ。どら焼きっぽいの見つけたいし。」

 

そう言って入って行った。どこまでどら焼きが好きなんだか。ルフィさんとドラえもんって、好物にはすごい執着心を持てるよね。肉とどら焼きって対照的だけどね。

 

「師匠はドラちゃんに任せるとして。次はどこ行く?」

 

「ピラミッドと聖なる泉セノーテと闘技場どこがいい?」

 

……セノーテって聞くとあの生贄の子は、無事に親の元へ帰されたそうだ。僕も行きたかったけど、ククちゃんが言うには相当恨みを買っているから迂闊に近づくと殺されるらしい…そりゃ大事な一人娘をなしになったとは言え、生贄に選んだ王子を恨まないわけないよね。

 

「闘技場がよくない?」

 

「その心は?」

 

「見てみたい!」

 

「あたしも!」

 

「俺もだな」

 

しずちゃん、直ちゃん、和人は闘技場。3人とも思うところがあるみたい。やっていることは棒術だから分野は3人とも違うんだけどね。

 

「ウソップさん、美夜子さんは?」

 

「俺もいいぞそこで。」

 

「私も。」

 

「じゃあ、案内するね」

 

――――――――

 

「じゃあここが闘技場。マヤナの男の子は小さい頃から棒術を習います。」

 

「棒術だけなの?」

 

「15歳から、剣術や武術をやっていいの。」

 

ちなみに女の子も志願すればやれるんだとか。それに10歳から花嫁修業の一環として、料理をし始めるんだって。

 

「俺もやってみたいな」

 

「ウソ兄にしては珍し。」

 

「ゾロ、サンジと違って俺は弱いからな。強くなってルフィの役に立ちたいんだ。」

 

ウソップさんは少し哀愁を出していた。確かにゾロさんの剣術はすごい、あの師匠に引けを取らないほどの実力者だ、サンジさんの足技には右に出る者はいないほどの強烈らしいって、隼人さんが言ってたっけ。あの2人と比べるとそりゃ劣等感も出てくるよね。

 

「だから俺、棒術を習いたい。」

 

「クク、王子様は見つかったか。」

 

「はい、父上、この方々とお部屋にいらっしゃいました。」

 

「「「「「こんにちわ」」」」」

 

「あぁこんにちわ。稽古の休憩は終わったというのに王子様…」

 

ごめんなさい。イシュマルさん忘れてたわけじゃないんだって…忘れてたって言ってったじゃないかって?…反省してます。

 

「おっちゃん、俺に棒術を教えてください。」

 

「誰だね君は。」

 

「日本国から来た王子様のお客様です。」

 

「日本?…ほう。何かやっていたか?」

 

ウソップさんの身体見てから、イシュマルさんは聞いた。でもあの様子は断る気はないけど、意思を確認してるようだった。

 

「…何もやっていません」

 

「…厳しくするがいいか?」

 

「はい!」

 

「よし、稽古をつけてあげよう。」

 

「はい!どうもありがとうございます!」

 

ウソップさんは、イシュマルさんと中に入って行った。今回でウソップさんに自信が付いてほしいね。しずちゃん曰く世界一のネガティブらしいから。基準は知らないけどネガティブの。

 

「ウソ兄って、いっつも悩んでたみたいなんだ。俺は他の奴より弱いって。他の一味のみんなは、改造人間のフランキーを除いて全員が剣術、武術してるし。」

 

「父はマヤナの棒術指南役です。心配いりません。きっとウソップさんはいい方向に進みます。」

 

ククちゃんはそう言った後に僕達をセノーテやピラミッドに連れて行ってくれた。そして最後に川の近くで休憩をした。

 

「それでね!白雪姫と王子様は末永く幸せに暮らしたんだ!」

 

「これがこっちの世界の物語なの。どう素敵でしょ?」

 

「とっても素敵!!」

 

女性陣はククちゃんに白雪姫やシンデレラの話をしていた。僕と和人と美夜子さんは近くでそれを聞くだけにしている。僕も話に加らないかって、言われたけど断った。しずちゃん達は隠れて爆笑していたけど。

 

「そういやさ、ティオ王子様とミナモ王女様ってククちゃんから見たらどんな人?」

 

「ちょっと気難しいところがありますけど。」

 

「あんなのちょっと所じゃないわよ…」

 

「聞こえるから黙って。」

 

「むぅ…」

 

「最近はとっても優しくしてくれます。そう、私にあやとりという遊びを教えてくれたの!それにミナモ様は相変わらずですがとても優しく、私とお話をしてます。」

 

「意外と楽しんでたのね」

 

ジト目で見てくる美夜子さん…やめてよ。

 

「あの子にはあの件内緒にするのか?美夜子さんはバラしてもいいと言ったが。」

 

「内緒にしておくよ。」

 

ポポルの件でより一層怪しまれているし。今もしずちゃん、直ちゃんと話しているけど、僕の方をチラ見してる。

 

「私は教えてもいいと思うけどなぁ。」

 

「まぁ、お前がいいならそれで…あ?」

 

和人が川の方を見て、立ち上がってから川の中を見ていた。

 

「どうしたの?」

 

「…何かワニがいたような気がしたんだ」

 

「ふふ、この川にはワニはいません。」

 

「悪い、気のせいみたいだ。」

 

僕達は気にしてないから、いいけど…何かあるのかな?

 

「クク様!王子様がサカディをなさいます!」

 

すると、僕が初日に身体を洗ってくれたおばさんが慌てた様子でやってき来た。

 

「えぇ何ですって!?」

 

「サカディってなんなの?」

 

「マヤナ国に伝わる球技です。話は歩きながらしますので付いてきてください!」

 

そのまま僕達は、急ぐククちゃんについていく、ていうか大勢の人が僕達と同じ方向を歩いていた。そんなに大事なことなのかな。そしてククちゃん曰くサカディとは足を使ってジャガーの口にボールを入れて、3点最初に取った方が勝ちらしい

 

「サッカーみたいなものか。」

 

「でも、少し大ごと過ぎない?」

 

ククちゃんは、曇った顔になっていた。その足で僕達は球戯場にやってきて、観客席に入った。球戯場にはティオと太った少年とやせた少年がいた。

 

「この試合は命を懸けてやらなくてはいけないの。」

 

「「「「「えぇ!?」」」」」

 

「負けた方は何でも言うことを聞かなくてはならないのです。たとえ命を奪われても…」

 

ティオは一人なのに何でそんな無謀を!?ティオはいったい何を考えてるんだよ!!するとよくは見えないけどティオと二人は何かを話していた。

 

「美夜子さん聞こえた?」

 

隣にいる美夜子さんに聞いた。美夜子さんは耳を澄ませていたから聞いていたんだろう。

 

「うん、あのバカ、本気でかかってこいだって。」

 

ぶ、ぶ、ぶっぶっぶ~!

 

そして始まった、サカディ、まずはティオがボールを蹴ってから二人はそれを追っていく、ゴール手前まで来たけど、太ってる方がカットしたからボールはジャガーの口の横に行ってしまった。惜しい!そしてはじかれたボールはやせた少年に持たれてしまって、そのままゴールを決められた。

 

「今のって反則じゃない?」

 

「ボールに手を触れなければいいの!」

 

そういうルール有りなの?サッカーじゃないことだけは分かった。そして第2試合が始まったけど、やっぱり二人対一人じゃ分が悪い…よし。僕はこっそりと観客席から出た。和人にもバレなようにするのは骨が折れるけど。

 

――――――――

 

「また決められた!」

 

第2試合もあの2人の点になった。ティオはもう後がない。このままじゃあいつの命が危ない

 

「待って!!」

 

すると、さっきまで隣にいたはずののび太が球場内にいた。あいついつの間に行ったんだよ。

 

「私が、王子様の味方になるわ!」

 

大きな声で宣言したのび太…本当にあいつはお人よしだな。

 

「のっちゃん…全く。」

 

「のっ君らしいけど。」

 

「のび兄って無茶するよね。今までの戦いもそうだけど。」

 

「のび兄?」

 

「あっ、気にしないで!」

 

女性陣からは呆れられているぞのび太。まぁそれでこそお前って感じだ。

 

 

――――――――――

 

「私に味方など要らん!戻れ!」

 

はぁ…なんでこうも会う人は一人で片付けようとするかな。美夜子さんやソフィアさんもそうだったし、え?君も夢幻三剣士の時に一人でやろうとした?…そうだった。ははは。って今はティオだ。

 

「王子様、僕一人が増えたって大した戦力にはならないと思うけど、1+1は1よりも少なくなるとは僕思わないよ。だって、一人じゃないんだもん、頼りたいときは頼っていいんだよ。」

 

美夜子さんがどうして彼を毛嫌いするのかわかった気がする。出会いが最悪なのは当然だけど、根本的に似てるんだ。一人で無茶する所や肉親が敵にやられてしまった事への責任感。今のティオはあの悪魔を一人で倒そうとする美夜子さんそっくりだ。

 

「ふっ、いいだろう。」

 

ティオの表情が変わった。僕の思いが届いてくれたかな。サッカーは一応得意な方だし、きっとうまくいく。

 

「こっちも二人で試合再開だ」

 

「へへへ、一人増えたって相手は女の子だぜ?」

 

「俺結構タイプかも」

 

何とも言えない悪寒が全身を駆け巡った。マジで?女の子に見えるの

 

「そんなに女の子してる?」

 

「結構な」

 

意外や意外、ティオも思ってたみたい。まぁそんな事はいいとして、こうしてティオと僕のサカディは始まる。




雷神「よし終了」

銀「ウソップの件でどうなる事かと思ったぞおい。」

雷神「俺も思って、強引に終わらせた。」

銀「しかしまぁ、これで傲慢王子が改心の手前に入ったな。」

雷神「まぁこの後」

銀「その先はなしだ。」

雷神「おっと、失礼、では皆さん次回もお楽しみに!」


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第57話太陽王伝説~サカディ決着と誘拐

クッソ時間空いてすいませんでした。

この間に、コナン、シン・ウルトラマン、しんちゃんを見ました。
シンウルトラマンめっちゃドはまりました!!

M八七素晴らしい歌です!!

今回はカカオとモカとの決着とククの誘拐になります!

視点はのび太、ティオ、のび太


僕とティオは、ボールの前に立って、試合再開を待っていた。それからティオに相手の名前を教えてもらった。細身の彼がカカオ、ずーっと僕を見ている太っている彼がモカらしい。…いやさっきから見られてて正直キモイ…さっきの発言本気なの!?

 

ぶ、ぶ、ぶっぶっぶ~!

 

「行くぞ、ノビ」

 

「オッケー!」

 

そして、試合は再開された。一瞬ノビって言われてあの大人の奴を思い出しかけたけど、それを振り払って僕は走った。ボールの持ち手は僕らからだから、ティオがボールを僕にパスされた。

 

「行けノビ!!」

 

そう言われちゃさらにやる気が出てきた!モカが突進してきた…ってニヤケ面がキモイんだけど!?僕はスピードを上げたらカカオが追い付いてきた。流石はマヤナの男の子だね!

 

「ふん!!」

 

油断していなかったのにボールを奪われてしまい僕は、そっちへ戻るけどスカートが邪魔でうまく走れない!?スカートをたくし上げてからまた走った。

 

「結構綺麗な太ももだな。」

 

ゾゾっとさらに悪寒がして、無視してからカカオを追った。ボールはティオが取り戻していたから、再び戻ろうとして振り返るとモカとぶつかって、一緒に倒れた。なんだよもう!!

 

「…いい」

 

「くたばれ」

 

すぐさま立ち上がるとティオがゴールを決めていた。一応役に立ったのかな。これ。ともかく1点、この調子で行けば追い抜ける!!

 

ぶ、ぶ、ぶっぶっぶ~!

 

第三試合、ボールはカカオが持っており、僕は後ろから奪い機会を伺っていた、そしたら、カカオの隣にいたティオがボールを後ろに蹴飛ばしたらボールがスカートの下から入った。うそ!?いやこのまま行けば、ボールを入れられる!!そのまま僕はゴールに向かった。

 

「ほいっほいっ!!」

 

思ったより、走りにくくなかったからゴール直前まで近づいた。

 

「待てよぉぉぉおりゃ!!」

 

モカが普通に追いついてきて、押された。どさくさに紛れて抱き着いてくんな!!!

 

「あ。」

 

ボールがゆっくりとゴールに入った。おっしゃラッキー!!これで同点!!

 

「ノビ、後1点だ!!」

 

「うん!」

 

ティオと僕は喜び合った。次で決めればこの試合に勝てる!!

 

ぶ、ぶ、ぶっぶっぶ~!

 

そして第4試合、これですべてが決まる。ティオがボールを持ってから二人はあと追った、僕はまた後ろにいる。さっきみたいな事は起こらないだろうけど。モカがティオに体当たりをして横へずらされると反動で僕の方に来た。僕はボールを持って、ゴールへ一直線に走った。このボールは絶対に渡さない!!

 

「ボール寄こせ!!」

 

「そうだ!!」

 

2人が何か言ってるけど、スピードを緩めない。そして僕がゴールを決めるその瞬間に、2人に乗られた。ボールは後ろに飛んでティオに落ちた。

 

「これで決まりだぁぁぁ!!!」

 

ティオの渾身の蹴りでボールはゴールへ…やった!やった!!

 

「のび太!勝ったぞ!!」

 

ティオと僕は近寄って手を握りながら二人で喜んだ。

 

「…王子様の事が好きなのかよ」

 

モカが何かを言って悔しそうな顔をしていた。何のことかは知りたくない。

 

 

――――――――――

 

そして試合が終わり、球場内の祭壇に来ていた。

 

「王子様、この者たちの処分をなんなりと申し付け下さい。」

 

セノーテで会ったあの人だ。意外と身分高かったんだな。いや神官だから当たり前か。ちなみにカカオとモカは土下座している。

 

「のび太、君に任せる。君の好きなようにしていいぞ。」

 

僕が?…そっか

 

「じゃあ、許してあげて。」

 

《この試合は命を懸けてやらなくてはいけないの》

 

ククちゃんのあの顔は見たくない。この世界は何かと命を粗末にしがちだ、ボール遊びで人の命をどうこうするのは間違ってる。

 

「二人とも頑張ったし、楽しかったじゃない!」

 

「のび太…!」

 

「僕に任せてくれたんでしょ?だったら許してあげて。」

 

僕が優しく言うと、ティオはさらに驚いていた。ティオの心変わりがどこまでなのかはわからないけど。

 

「ん、わかった。カカオ、モカ。両名とも許すことにする。」

 

「「あ、ありがとうございます」」

 

険しい顔には変わらないけど、ティオは二人を許した。その瞬間から球戯場は歓声に包まれた。こうして、突如として始まったサカディは終了した。

 

――――――――

 

母上、変わった連中だけど心強い味方が現れました。美夜子はいけ好かない女ですが、あなたの呪いの影響を緩和しています。

 

「王子様」

 

ククの声が聞こえ、後ろを振り返るとミナモとククがいた。ククはなぜか笑顔だった。

 

「ん?何だ?」

 

「ククもできるようになりました。はい東京タワー!」

 

「何だ、それは下らん!!」

 

「え、あぁ…」

 

《そんなのび兄、あたし!大っ嫌い!》

 

私がそう言うとククは泣き顔になり、その姿を直葉の顔が思い浮かんだ。なんだ、あの時から胸の所にとっかかりがある。

 

「……!!」

 

ククは走り去ってしまった。

 

「クク!」

 

「…今まで以上にサイテーですね。」

 

さっきから傍観していたミナモがつぶやいた。しかし、その言葉は鋭く刺さった。

 

「……見てたのか。」

 

「ククがあなたに見せたいと聞かないので、一緒に来たのです。…少しはマシなったと思いましたのに」

 

「…すまない」

 

「ですから本人に言ってください!」

 

「わかった。」

 

「私も行きますので」

 

私とミナモはククが行った方向に歩いていく、きっとあの場所に行ったのだろう。ククは何かとあの場所に向かうからな。

 

「誠心誠意、謝るのですよ。また下らんとか申したら氷漬けにしますので。」

 

何故だろうか、のび太の母を思い出す。ミナモは、あの母とよく一緒にいたから、性格が移ったのかもしれない…恐ろしい。

 

「クク!」

 

「あっ、いましたよ。」

 

ミナモが、指さした方を見ると座り込んで泣いているククの姿があった。

 

「…やっぱり今氷漬けにした方がよろしいですか?」

 

「……」

 

笑顔(目は笑っていない)でこっちを見てくるミナモ、全力で謝らないとこの鬼に氷漬けにされる間違いなく。…ん?なんだ?ククの周りの空気が変わったぞ。

 

「空気が変わった。急ぐぞ。」

 

急いでククの近くに寄った。ククは私達に気づいてないのか、すすり泣いている。ククの肩に手を置いた瞬間にククが煙のように消え、さっきククが持っていた紐だけがそこにあった。

 

「は…?」

 

「クク…!?…!お兄様!!魔術の痕跡があります!!」

 

「…お前がここまで来て気づかないほどの魔術の使い手は…レディナか!!」

 

バサーン!!

 

するとハゲワシが近くに止まった。

 

『王子、姫よ。ククはこの私が預かった。』

 

「…レディナ!!」

 

『職の儀式の生贄にするのだ。』

 

「「!!職の儀式!?」」

 

『返してほしければ、王子お前一人、闇の神殿に来るがいい。必ず王子一人で来るのだぞ!ワハハハッ!!』

 

バサッ!バサッ!!

 

ハゲワシはそのまま飛び去った。く!!急いで身なりを整えに走ろうとした。がミナモに腕を掴まれた。

 

「一人で本当に行くつもりですか!!そうすればあの年増のいいなりです!!」

 

「だとしても、ククを助けなければ!!」

 

「それがあのババアの思うツボなのです!!」

 

「……ならどうすればいいんだ。」

 

頭に上っていた血が下がり、冷静になって、ミナモに顔を向けた。……幼少期の私は暴走になりがちでいつもミナモが止めてくれていた。今はそれもなくなっていた。

 

「明日、のび太さん達が来ます。彼らに助けを求めましょう」

 

「…わかった。」

 

「本当ですか?…カカオ、モカ、いるのは分かっています。」

 

カカオ、モカが茂みから出てきた、様子を見ていたのか。

 

「…恐ろしゅうございました。」

 

「いいか。この事は誰にも言うな。命令だぞ。」

 

カカオ、モカにそれだけ言うと、私は自室に戻った。ミナモには悪いが私はレディナの言う通りに一人で行く、あいつの事だから千里眼で見ているだろうがな。

 




雷神「遅れちゃったぁ…」

銀「…前回より早いから良しとする。しかし、章題がまた変わったな?」

雷神「何かね、小学五年生とかで分けてたら、なんか違くねってなっちゃって。またちょくちょく変えるかも。」

銀「程々にしとけよ」

雷神「うい」

ハ「今回短くない?」

雷神「ここから終盤までが怒涛だから切るんだ。次回、次々回で太陽王伝説編も終わるかな。」

銀「あした、明後日になるのか?」

雷神「できれば。」

「「しろよ!?」」

雷神「はい!?では皆さん、次回もお楽しみに!」



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第58話太陽王伝説~確認した友情とキャンプファイア~

おとといのワンピースの見ました!?ウタの声がAdoさんと名塚さんですよ!?胸熱でした!

今回、ワンピースの空島編の宴のシーンを引用しています。あのくだり好きなんですよ!

ではでは佳境迎えます太陽王伝説編!お楽しみください!!

視点はのび太です。


――2019年5月13日――

 

「早く行こうぜ!!」

 

「師匠本当にうるさい」

 

今日も今日とて元気なルフィさん、昨日マヤナ国で食べたご飯がそれはもううまかったらしいから、楽しみにしてたみたい。しずちゃんに諌められてたけど。

 

「今日は、師匠に勝つ!」

 

「ウソップさんも気合入ってますね」

 

「ああ!これでみんなに追いつけるしな!おめぇも昨日の今日で疲れてないのか?」

 

「すこし、疲れてますけど、今までの戦いよりは大丈夫です。」

 

「お前、小6が言う言葉じゃねぇぞそれ。」

 

自分で言ってもそう感じます。慣れって怖い。ウソップさんと話しながらドアをくぐると、ティオの姿がなかった。あれ?どこでもドアはティオの部屋に直通だから珍しく朝からいないのかな?

 

「王子様?王子様ぁ。」

 

「「「王子様!!」」」

 

すると、部屋の向こうにいたイシュマルさん、カカオ、モカが僕を見てそう言った。

 

「…しまったカツラ忘れた。」

 

頭に手を当てて、長い毛のカツラを忘れたことに気づいた。うっかりしてた!!

 

「てっきりクク様をお助けに行かれたのかと思いました!!」

 

「ミナモ様が言いつけを守られたのですね!!」

 

「「え?」」

 

ククちゃんの名前が出たから反応した。イシュマルさんは父親だからなおさら

 

「何があったのだ?」

 

「夕べ、クク様がレディナに攫われたのです。」

 

「「えぇ!?」」

 

どういう事!?攫われた!?それもレディナに!?だからティオはいなかったんだ。でもモカの言い方だとティオはミナモさんに行くなと言われてた感じだ。

 

「王子一体何事が!!」

 

どうする!?このまま話す?でも今これを話すとティオがいない事がバレちゃうと、入れ替わりの件も話さなくちゃいけないから時間がかかる、ティオは十中八九ククちゃんを助けに行ってると思うから行かないとレディナに何されるかわからない。

 

「イシュマル。」

 

するとミナモさんの声が聞こえた。

 

「姫」

 

「彼は、お兄様ではありません。」

 

「お、王子様じゃない!?」

 

「その説明はまた後で。今はあの2人です。」

 

ミナモさん曰く、ティオは真っ先に部屋から出ていき、装備をしてから出たらしい。

 

「…私も追いかけるつもりでした。…ですがお兄様一人で行くのはあの年増の思うつぼ、ですので皆さんを…しかし、お兄様は、行ってしまっていました。私がもっと強く言っていれば、お兄様は……」

 

手で顔を覆い隠して、泣くミナモさん責任を感じているんだろう。目の前でククを攫われ、ティオを一人で行かせたことに…、その姿を見て、僕は覚悟を決めた。

 

「…ミナモさん。安心して、ティオもククちゃんも僕達が助けるから。」

 

「私も、一緒に行きます!」

 

「ミナモさん…、気持ちはわかる、でもね。君までこの国を離れると国民やお母さんが悲しむ。」

 

「ですが…!!」

 

「ミナモ、のっ君の言う通りよ。安心しなさい。あのバカ王子は私がひっぱ叩いて戻してくるから!」

 

「美夜子様…。ふふ」

 

美夜子さんの言葉に少し気が楽になったのか、立ち上がった

 

「わかりました。お見苦しい所をお見せしてすみません。これを…」

 

ミナモさんの手にはククの作った首飾りだった。あれ?前持った時と何か違う。色は変わってないのに。

 

「これに、魔力を込めました。如何なる時これに強く思いをかけてください。」

 

「おまじない?」

 

「そういう事にしてください。イシュマル、皆さんの案内お願いします。」

 

「お任せよ。」

 

「ドラえもん僕のこの格好どうにかして。」

 

今はのび子の恰好だから全く閉まらないし、あの格好の方がいいしね。

 

「のび子のままでもいいじゃねぇか~?」

 

「絶対面白がってるでしょ。ルフィさん。」

 

「そんな事でねぇぞ~」

 

「OK、行くよ~!」

 

僕は王子様の恰好に変わった、これで準備はOK。

 

「ポッ、ポッ、ポポ~ッ!!」

 

すると、ポポルが僕の方に走ってきた。きっとついていきたいんだろうな。

 

「ミナモさん、ポポル連れていきますね。」

 

「私はダメで、ポポルはいいのですね。」

 

「そ、それは…」

 

「ふふ、冗談です。ポポル、お兄様を頼みましたよ。」

 

「ポポ!!」

 

そして僕達は、タケコプターを付けてからティオの後を追った、ちなみに、タケコプター初心者のイシュマルさんは、和人とドラえもんが持ってあげた。ルフィさんとウソップさんは、前に飛んだことあるから慣れてるんだ。

 

 

―――――――――――

 

 

白骨の森の近くまで来たら、辺りは雷がなるほど荒れていた。ドラえもんがその雷で電池がなくなるから降りることになった。またあのグルグルに反りたくないしね。

 

「とりあえず、ここから歩こう。」

 

「イシュマルさん、まだ遠いですか?」

 

「そうだな…ここは白骨の森の中盤だ。」

 

「そうですか。みんな!しばらく歩くよ。」

 

「ポ?ポポ!」

 

「ポポル!どうした!」

 

急にポポルが走りだした。ポポルは耳がいいから、何かに気づいたんだ!!もしかしたら、ティオがいるかもしれない!!

 

「あっ!!王子様!」

 

案の定、ティオをみつけたけど、沼にハマっていたから助け出そうと飛びついたら、僕までハマりそうになったけど、ルフィさんが腕を巻き付けて助けてくれた。

 

「ゴホッゴホッ」

 

「よかったぁ…」

 

「…ハァハァ…なぜ来たんだ!!」

 

王子様は、怒った顔で僕達に怒鳴った。

 

「何故って、王子様とククを助けるためじゃないか!」

 

「お前達には関係ない!!」

 

「関係なくなんかないよ!僕達友達だろ?確かに僕達と王子様じゃ、身分は違うかもしれない、1+1は1よりは大きいよ!」

 

「のび太…」

 

僕が言える義理じゃない、夢幻三剣士の時は僕が一人で突っ走っちゃったから、美夜子さんに怒られたし。自己犠牲はなにも生まれない。

 

「助け合うのは当たり前じゃないか!」

 

「のび太も大概だがな、友達を見捨てるわけないな。」

 

「のっちゃんの言う通り!」

 

「そうそう、友達なんだから。」

 

「だね」

 

「お、俺だってそうだぞ!!」

 

「のび太の言う通りだぞ。ティオ!それに、心配ねぇよ。ここにいる奴でやるんだ。なら絶対大丈夫じゃねぇか!」

 

ルフィさんは、ニカっと太陽みたいな笑顔でそう言った。あれ?美夜子さんが黙ってるけど、どうしたんだろう?美夜子さんの方を見ると、怒った顔だった、そしてその顔のまま、ティオに近づく。

 

「バカ王子。」

 

ドスの効いた声でティオを呼んだ。

 

「…なんだ。」

 

「ミナモちゃんが泣いてた。」

 

「…。」

 

「事が終わったら覚悟しておきなさいよ。ティオ。一発殴るから」

 

「…相変わらず可愛げのない女だな。」

 

「あなたに言われたくないわ。」

 

いつもの喧嘩だけど、棘がなくなった会話に関係が改善できてるって事かな

 

「王子様これ以上の味方はおりませんぞ。」

 

「わかったよ。みんな。」

 

「王子様」

 

「いいんだよ。ティオで友達なんだから。」

 

ティオは、微笑んだ顔で名前呼びを許してくれた……そう言えばソフィアさんの時はずっと名前呼びだったけど、大丈夫だったのかな…ってもう今更かな?

 

「でもよぉ。二人並ぶとややこしいな!にしし!」

 

「本当にね。」

 

「「「「「「「「「はははは!!」」」」」」」

 

「じゃあ、行こ!ティオ!」

 

「「「「「「「「「おおっ!!」」」」」」」」」

 

 

―――――――――

 

白骨の森の後にある谷に僕らは来ていた。イシュマルさん曰くこの谷を進むと湖があり、その対岸に闇の神殿があると聞いているらしい。

 

「この谷、白亜紀の時のに似てるね。」

 

「ケツァルコアトルが居たらやばいよな。」

 

「冗談でもそれ言わないでよぉ。」

 

「さすがに恐竜とかはいないだろうけど、落ちたら大変だから、みんな気を付けて。」

 

そして、歩いていくと行き止まりになっていた。タケコプターは電池がやばいってドラえもん言ってたから。

 

「どうする」

 

「この崖は…」

 

「ごちゃぎちゃ言う前に登ろうぜ!」

 

「ルフィ!待てよ!ってなんだ!?」

 

ルフィさんはそのままよじ登ろうとしていたのを、ウソップさんが止めていたら、白い紐みたいなのをルフィさんが持っていた。

 

《シャー!!》

 

「白蛇!?」

 

「それも一匹や二匹じゃない!?」

 

気づけば、辺り一面白蛇に囲まれていた、や、やばい!!四面楚歌とはこのことだよ!!

 

「仕方がない、タケコプターを!!」

 

「いいの!!」

 

「いける場所まで飛ぶんだ!!」

 

ドラえもんから、タケコプターを受け取ると、僕はティオを掴んで崖上に飛んだ。これで何とかなったかな。

 

「何という術だ。」

 

「ははは...ってウソップさんは?」

 

「イシュマルさんを運んでたのを見たけど。あっ!」

 

「師匠もう少し、もう少しです!」

 

何とか、イシュマルさんも崖上に着いた、よかったぁ。これで…

 

ごろ!!どしゃーん!!

 

「師匠!!」

 

「うあっ!あああああああっ!!!」

 

イシュマルさんが乗っていた崖が崩れて、イシュマルさんが崖下に落ちてしまった!!まずい!!

 

「イシュマル!!」

 

咄嗟にルフィさんが手を伸ばした。

 

「と、届かねぇ!!!」

 

ルフィさんの手は届かず、イシュマルさんは崖下に落ちてしまった。ど、どうしよう!!

 

「師匠を助けねぇと!!」

 

「イシュマルはこんな事で死ぬ男じゃない!!信じるんだ!!」

 

「…すまねぇ。冷静を失ってた。」

 

2人が話してる間に、白蛇が登ってきた。

 

「イシュマルの槍はお前が持て、あいつの意思はお前がやるんだ。」

 

「…おう!…師匠、必ず助けに行くぞ!」

 

「ゴムゴムのぉ~!ムチ!!」

 

「はっ!!」

 

ルフィさんや美夜子さんが登ってきた白蛇を技や魔法で下に落とした。

 

「きりがねぇ!!」

 

けど、それでも数が多かったから、2人に攻撃をやめてもらって、僕らは急いで、白蛇から離れる。イシュマルさん!!どうかご無事で!!

 

―――――――――

 

相当走った、もうへとへとで走れないくらい、遠くまで来た。ここまでは追ってこないだろう。

 

「あれだ。あれが闇の神殿だ。」

 

するとティオが、まっすぐ前を見て、言った。そこを見ると湖を挟んだ向こう側に深い森の奥に石ピラミッド型の神殿が渦々しい雰囲気であった。

 

「このままいくのか~?」

 

「いや、もうすぐ日が暮れる夜の森は危険だ。」

 

「ククはいいの?」

 

「レディナは明日の正午まではククに手は出さないはずだ。」

 

「どうしてなの?」

 

「職の儀式は明日の正午なんだ」

 

「そっか、じゃあ明日に備えて、今日はここでキャンプを張ろう!」

 

確かにそれはいいかも!イシュマルさんやククの事は気になるけどね。

 

「でも、流石に火は起こすなよ。レディナにバレるからな。」

 

ティオが、忠告とばかりにそう言った。確かに火を起こすとバレるけど。

 

「なぁウソップ、あんなこと言ってら。」

 

「まぁ、仕方ない。奴は王子様だ。庶民の事なんかまだわかんねぇよ。それに知らねぇだけだ。」

 

ルフィさんとウソップさんが真面目な顔で何かを言ってる、いや急にどうしたの?

 

「は?」

 

「キャンプと言ったら、キャンプファイアだろうがよ!普通!」

 

「キャンプの夜はたとえ命朽ち果てようとも、キャンプファイアだけしたいのが人道…」

 

ははは…わからなくもない。白亜紀の時、確かにキャンプって聞いて心震えてた気もする。ピー助の件でうやむやになってたけど。

 

「師匠も、ウソ兄もいいかんげんにしてよ!レディナにバレたらククがどうなるかわからないんだよ!!」

 

「知らん!!」

 

「はっきり言うな!!そうじゃなくたって、夜の森は危険なんだよ!猛獣や変な動物だっているかもしんないし!!」

 

「マヤナ怖い、マヤナ怖い」

 

確かにしずちゃんの言うことももっともだけどね。キャンプファイアに乗り気なのはこの二人だけじゃない。

 

「はぁ…ドラちゃんも和君も言ってやってよ…って!!」

 

「組み木はこんなもんか?」

 

「いい感じのが揃ってたんだ。」

 

しずちゃんが、言ってる間にドラえもんと和人は真っ先に森の中に走ってから戻ってきて、もう組み木は終わってた。その間10秒。連携早いなおい

 

「あんたらもやる気満々か!!」

 

「大丈夫だよ。しずちゃん。獣はむしろ火が…あ」

 

「ティラノ襲ってきたじゃん!!」

 

「ははは…ティラノは平気だったかもしれないけどさ。獣は火が苦手なのは共通してるよ!」

 

って言ってドラえもんが、木に火をつけると後ろに光る目が見えた。ってもう何かいるんだけど!?

 

「ガウ!!」

 

目に傷を負った狼が、群れを成して出てきた。何かを言ってるみたいだけど…

 

「こんな時こそ![動物語ヘッドホン]~!これを耳に着けると動物の言葉がわかるんだ。」

 

【さっきからうるせぇんだよ、よそもんが!!とっとと寝やがれバカ野郎!】

 

「「なんだと~!!」」

 

ティオとルフィさんが狼にキレた。いや狼相手にキレなくても。

 

【おめぇら、まさか俺達の縄張りを荒らそうってわけじゃあるめぇな!】

 

「ドラえもん、これって相手に言葉伝えられるの?」

 

「聞くことしかできないんだ。」

 

「伝えられないんじゃ意味ないじゃん!?」

 

「桃太郎印のきびだんごあげる?」

 

「そこまでは…」

 

【ここは俺達の土地だ、てめぇら勝手に煮炊きまでしやがって。】

 

「別に話してなくても勝手に話が進んでく。」

 

「狼だしね。」

 

【この森にある木も草も、みんな俺達のもんだ。】

 

ごつーん!!

 

ティオが、槍の持ち手で狼を殴り倒した…

 

「ってなにしてんのティオ!?」

 

「この国は私達の物だ!」

 

「動物相手に張り合わなくても…」

 

ゔぅ!!

 

狼たちがうなりだした。きっとボスがやれたから、気が立っちゃったんだ。やばい雰囲気!?どうすんの!?

 

「ガウ!」

 

【やめとけ、おめぇらが束でかかっても敵う相手じゃねぇ。兄さん…いや王子。久しぶりだな。】

 

「…まさか。ドクか?」

 

まさかの知り合いだったの!?ティオがこの森で迷子になった時にこの狼が助けてくれたらしい。最初は警戒しあってたけど、徐々に打ち解けていったみたいだった。最終的には別れ際に大きくなったらお互いいい王になろうと約束してたみたい。

 

「お前は、いいボスになったのだな。」

 

【おうよ、兄弟。お前も追いつけよ。】

 

「あぁ…」

 

何か、丸く収まったみたい。

 

「じゃあ、みんなでやるかキャンプファイア!」

 

ルフィさんの掛け声で、組み木に火が灯され、僕達は宴並みのキャンプをしたのだった。

 

 

―――――――

 

 

ドンドットット♪ドンドットット♪ドンドットット♪

 

どこから持ってきたのか、ウソップさんが太鼓を持っていた、それに意外や意外、狼もすごく踊っている。二足歩行するオオカミは中々にシュールだけどね。

 

「何これおいしい!!あんたらが作ったジュース?」

 

しずちゃんは、普通に狼と話していた。和人やドラえもんも踊ってる。僕は踊り疲れたから、少し休んでた。

 

「すごいことになったな。」

 

ティオがつかれたのか、僕の隣に座った。

 

「ティオ?僕はティオとドクとの関係にもびっくりだけど。」

 

「まさかあの子狼がボスになってたとは思わなかった…話はくぁるがウソップはイシュマルの事が気になるみたいだな。」

 

ウソップさんは太鼓を鳴らしてはいるけど、やっぱりイシュマルさんの事が気になるのか時々切なそうな顔になってる。

 

「ウソ兄は、元気にふるまってるけど、のっちゃんみたいにお人よしだからね。」

 

いつの間にか来ていたしずちゃんがそう言った。って…

 

「僕みたいにって何?」

 

「……」

 

「ごめん、わかってますからそんな顔しないで!?」

 

「ははは!!お前は本当に面白いな!」

 

「こんなので笑いを取りたくない!?」

 

「ふふ、じゃあ戻るね!」

 

しずちゃんはさっきの狼の元に戻った。しばらく、キャンプファイアを見ていると美夜子さんが歩いてきた。

 

「バカ王子、のっ君疲れたの?」

 

「おい、美夜子その呼び方やめろ!!」

 

「あらごめんなさい?ティ…バカ王子♪」

 

「おい!?」

 

「冗談よ、ティオ。二人とも…明日は必ず、ククちゃんを助けましょう。」

 

「…あぁ必ず。」

 

「そうだね。」

 

僕、ティオ、美夜子さんは、燃え盛るキャンプファイアを見ながらそう思うのであった。

 




雷神「よし終了」

銀「また見事にぶっこんだな。」

雷神「森のキャンプで思いついたのが空島編のだった。」

ハル「逆に違和感がないかも」

銀「本当に次回で終わるのかね。」

雷神「ははは…そこは頑張る。では、皆さん次回もお楽しみに!!」



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第59話太陽王伝説~闇の神殿とウソップの戦いとレデイナの正体~

はい、皆様お久しぶりです。約一年ぶりでございます。もういい訳もございません。

先日、地球交響楽を見て、制作意欲が戻ってまいりました。
地球交響楽なんすかあれマジで!!もう、感動しましたよ!!!
次回の映画もどんななのかも楽しみです!!




視点はのび太、ウソップ、のび太、ウソップ、のび太です。


キャンプファイアも終わって、僕達はいつものキャンピングキャプセルで睡眠を取っていた。僕とドラえもんが2人で寝ている。

 

「まさかティオとオオカミが知り合いだとは思わなかったね。」

 

「のび太君とピー助と同じ感じじゃない?」

 

あ、そういえば既視感があると思ったら僕とピー助だよね。ミナモさんが言うには昔はもっと優しかったって、ティオもティオなりのプレッシャーを感じてたのかもしれない。レディナのせいなのは当たり前だけど。

 

「ティオはただのわがまま王子じゃなかったね。」

 

「ん、そうだね。立派な王様になるように努力してるんだ。」

 

「ソフィアさんもそうだけど、本物の王子様やお姫様って大変だよね」

 

「君も王子様になりたい?一応君は王になるって言う約束があるけど」

 

「ぐうう」

 

「ふふふ」

 

余計な事を思い出させてくれるよ。この人は…

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

そして次の日になって、僕達は正面の闇の神殿を見ていた。あそこにたどり着くと捕まってるククちゃんを助けられる!!

 

【行くんだな。おめェら。】

 

振り向くとドクたちが揃って、こっちを見つめていた。

 

「ああ、昨日は楽しかった。」

 

【おれもさ。友よ。またいつか会おう。】

 

「ああ」

 

そして狼たちは去って行った。またいつか会えるのだろうか。

 

「正午までに闇の神殿へ」

 

「出発だ!!どこでも誰でもローラースケート!!」

 

「何それ?」

 

何の変哲もないローラースケートだった。

 

「足をのせるだけで壁でも天井でもどこでも走れ、障害物があると自動で避けてくれるローラースケートなんだよ!」

 

僕達はそれを付けて、滑り出した。初めてなのに名前通りにどこでも三次元で動ける…けど

 

「何で白亜紀の時に使わないかなぁ。」

 

「忘れてたんだろ。」

 

「ドラえもんの忘れ具合だけ直してもらっとけばよかった。」

 

「元も子もない事を言うな。」

 

「冗談だよ。ティオは大丈夫?」

 

「お、おう、だがもうよい、一人でできるぞ!」

 

ティオを支えながら動いてたけど、ティオはもうコツをつかんだみたい。流石ティオって感じだよね。…って!!

 

「ルフィさんは何で使わないんですか!?」

 

ルフィさんはローラースケートを使わずに走って僕達についてきてる。何で!?

 

「俺使い方わかんねェもん」

 

「さっき教えたばっかでしょ師匠。」

 

「わかんなかった」

 

「こんのバカ猿…!!」

 

「あいつは2、3回話したところでわかんねーって言うからな。」

 

誰でもって言ってるのに。しずちゃんやウソップさんの苦労が目に見える。

 

「んじゃおっさき~!」

 

ウソップさんが先に進んでった。

 

「てぎゃああああああ!!!」

 

「どうしたの!?」

 

「ってなんだおい、これ水の上でも走れるのかよ!!!」

 

「そうさ!このまま湖を渡ろう!!」

 

どこでもって水の上も含まれてたの!?だからそういうのを言ってほしかった!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「ああ!!」

 

「どうしたの!?あれは!!」

 

鷹の大群がこっちに向かってきた。あれはレディナの刺客が送って来たの!?

前にワニを和人が見たって言ってたし、そういうタイプの敵がいるんだ!

 

「こいつらしつこい!!」

 

「この!この!!」

 

「ふん!!」

 

「ゴムゴムのぉ!!銃乱打(ガトリング)!!!」

 

「みんな引いて!!《時雨蒼燕流“攻式”十の型》霧雨!!」

 

埒が明かないから霧雨で鷹たちに向かって放った。

 

「きーーー!!」

 

何匹か落ちた、まだたくさんいる。本当にここまで居るとは思わなかった!

 

「う、ぐあ!!」

 

「ティオ!?」

 

一匹の鷹がティオを押し倒してティオの身体を持ち上げた。

 

「クソが!!離せ!!」

 

「動かないで!!僕が!」

 

「きーーー!!」

 

「邪魔!!」

 

「こいつらどうにかんねェのかよ!!」

 

大気の息吹(アニマ)!!!」

 

「ハッ!ポッ!アア!!」

 

美夜子さんが大きな風の魔法を鷹たちに浴びせたら鷹たちの羽毛が弾け飛んで変な声を出しながら飛んでいた。

 

「風神うちわ!!それ!!」

 

「ぎゃああお!!」

 

ドラえもんも特大な風を起こすうちわで鷹を吹き飛ばした。

 

「あ!!ティオ!!ティオオオオオオオオ!!!」

 

僕達が鷹たちに苦戦してる間にティオを掴んだ鷹は空の彼方に飛んでいた。僕達は急いで追っていく。

 

「…!!!」

 

「ワニ!?」

 

ワニと人間が水から出てきた。

 

「俺が見たワニだ!!」

 

「じゃああいつが…」

 

鷹を仕向けたやつなんだ!!

 

「うむ?王子?」

 

「お前があの鷹たちを仕向けたんだな!!」

 

「…そうだ。」

 

「超SUPER!!EIGHT!!フーセンガム!!」

 

「それはアイドルの名前だろ!!!」

 

「そっれ!!」

 

ドラえもんがガムをワニに放り投げた。

 

「うぐ!?」

 

「「ん?」」

 

「う、うわ!なに、なっ!なっ!やめろ!やめてくれ!!う、うわ!おろせ!うわ、うわああああああ!!!」

 

ワニは男と一緒に空の彼方へと飛んで行った。

 

「あれっていつまで飛んでいくの?」

 

「効き目は2分だから早く行くよ!」

 

「うん、ティオが攫われちゃった!!急いで行こ!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

まさか、滝の上も滑れるなんて思わなかった。このローラースケート三次元が過ぎるんだけど、そして僕達は滝の上まで来た。

 

「ティオオオオ!!!」

 

「ティオオオオオオ!!」

 

「おそらく闇の神殿へ連れていかれたんだ。」

 

「フーセンガム食せる前に聞いとけばよかった!!」

 

「ポル?ポポーッ!!!」

 

ポポルが何かに気づいたのか急に走りだした。まさかティオの場所が分かったの!?

 

「ポポルって意外と早いな!」

 

「ポポル!!」

 

ポポルは素早すぎて、もう姿が見えなくなった。遠くまで行かれると見失っちゃう!!

 

 

 

「見失った。」

 

案の定、見失った。この森複雑すぎるよ

 

「師匠、見聞色で捜してよ。」

 

「やってんだけどよ、何かこの森、見えにくいんだよなぁ!」

 

「ええ?こんな時に…あれ?」

 

まっすぐ歩いていたら目の前にオルメカ巨石人頭像があった。…これはマヤ文明にあったはず石像…やっぱりこの世界はどこかの昔の世界なのか。…え?

 

「目玉が動いた。」

 

「うわ、何だよこれ!?」

 

「はははは!!よく来たな王子。娘は神殿の頂上にある祭壇に寝かせてある。これから始まる暗黒の魔術色の儀式のためにな助けタケ…」

 

ノイズが走って、石像が元の石像に戻った。どういう原理?

 

「え?」

 

「見つけたぞ。こいつが喋ってる正体。」

 

「ルフィさん!?」

 

森の中からルフィさんが出てきて小さなおじさんが気絶してた。その手には怪しげな薬が入ってた。

 

「これで幻覚を見せてたんだな。」

 

「ルフィさんいつの間に。」

 

「さっき、見聞色でこいつ見つけたからよ。」

 

さっきの数秒で見つけたのすごい…

 

「何かルフィさんチートですよね。存在が。」

 

「そうか?」

 

「ってそれはいいから行くよ!」

 

「うん」

 

「おう!」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「…ケツアルも倒したか。ここまでとは思わなかったぞ!!」

 

そして僕達は闇の神殿に着いた。如何にもな風貌な魔女が喋りかけてきた。あいつがレディナか。ていうか僕をまだ王子と思ってるの?訂正する気はもう無くしてるからいいけどさ。それとティオはいなかった。…まさか入れ違い?それともまだついてないの?

 

「ククを返せ!!」

 

「ククはここにいる。助けたければ上がってこい。」

 

「お前がレディナだな!!」

 

「青だぬきには用はない。」

 

「たた…僕はタヌキじゃない!!」

 

お約束なやり取り。ちなみにここはピラミッドの中腹にいる、んでいるのは僕、ドラえもん、美夜子さん、しずちゃんだ。和人、ルフィさん、ウソップさん、直ちゃんは下で何かが来ないように見張ってる。…僕はずっとレディナに聞きたかった事があった。

 

「…レディナ!ヴァサゴと言う名前を知ってるか?」

 

「あ?なんだその名は?」

 

取り越し苦労だったみたい。工場長やブイキンみたくヴァサゴの口車に乗ったのかと思ってた。工場長はともかく、ブイキンは生粋の悪人だったし。

 

「うるさい!!」

 

「ドラえもん!!」

 

「のび太君!?」

 

あの水晶ドクロでドラえもんを攻撃しようとしたからドラえもんを横に飛ばした。あのばばぁ…

 

「レディナ!どうしてこんなことをするんだ!!」

 

あいつは仮にもマヤナの神官庁の長官だった人物だ。何がどうしてこんなことを思いついたんだ。

 

「知れたこと。食の儀式の生贄は…お前がなるのさ。」

 

「は?」

 

僕の質問と全く違う返答が帰って来た。流石はイカレタ魔女全く話を聞いてない。

 

「暗黒の闇の女神が太陽を食らう時。」

 

「暗黒の闇が太陽を食べる時?」

 

「日食の事か。」

 

「私は生贄の身体に乗り移ることができる…そして私は永遠に生き続けるのだ!!」

 

…要はティオの身体でマヤナ国を支配するつもりか

 

「そうはさせないぞ!!」

 

「ウソップさん!?何で!?」

 

「居ても立っても居られなかったんだ!!おれは師匠のためにもこいつを倒すんだ!!あいつらと一緒に目ェいっぱいに笑う為に!!おれの野望のために!!」

 

「ウソップさん…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

おれはウソつきで、弱虫だ。だけど、そんなおれをルフィは仲間に入れてくれた。だから、あいつらと一緒に笑うのが好きだった。でもここで戦わなかったら…今ここで全力で戦わなかったらおれにあいつらと一緒に笑えるはずがねェ!!

 

「お前の相手はおれだ!!」

 

「邪魔するな!コアトル!やぁっておしまい!!」

 

「あいあいさーー!」

 

「…コアトル。」

 

「…はい。」

 

あいつの号令で強面の男が出てきやがった。あ、あいつとおれは戦うのか!?

 

「やあ…!!」

 

「うお、うわ!?」

 

「ウソップさん!!」

 

「イイからお前らはククを助け…うお!?」

 

コアトルは、おれを下におろすと怒涛の攻撃をしてきた。くそ!!見た目通りバカ力だ!!

 

「はぁ!!」

 

「うおっと!!?」

 

あいつの一撃に隙が出来たから何とか逃げ出せた。パチンコがあればあいつに火炎星を食らわせられんだけどな!!

 

「はぁ…ハァ…。」

 

「け!はぁ!!」

 

「クソがァァ!!」

 

ーーーーーーーー

 

「王子来るのだ!!」

 

…ウソップさんにも言われたんだ。行くしかない。それに僕は策があるし。

 

「のっちゃんは王子じゃ!」

 

「しずちゃん。」

 

「のっちゃん?」

 

僕はゆっくりとレディナと寝かされてるククの元に登り始める。

 

「はは!よく決心した。その勇気は褒めてやろう。食の儀式の時が来たぁ!!」

 

レディナがそう叫ぶと同時に日食が始まった。その間に僕は祭壇に着いた。

 

「……」

 

「さあ、入れ替わるのだ。」

 

「……取り替えっこ風呂敷!!」

 

僕は取り替えっこ風呂敷を出した、ククとあの石像を入れ替える。

 

「何だと?」

 

「生贄なんてごめんだい!!」

 

「逃げるか!」

 

「もちろん!!」

 

コイツの隣にいるとなんか僕まで老けそうな感じがするから逃げる。

 

「こんどーる!!」

 

 

「うわ!?」

 

僕はコンドルに捕まれ祭壇の上に持ってかれた。くっそ!!

 

――――――――

 

「は!!あ。」

 

「石像!?」

 

「あ、ああ...」

 

ん?こいつ、落ちていく石像を見てやがる。

 

「隙あり!!」

 

 

「うわあああっ!!うわっ…イタたた」

 

「やったぜ!!ハァ…ゼェ…見ろ…おれだってやりゃあできるんだ!!見たかコノヤロー!!ナメンなチキショオ!!」

 

おれはガッツポーズをしながら叫んだ。おれだってやりゃできるんだ!!

 

「見事だ。噓八。」

 

「え?あ!!イシュマル先生!!」

 

あいつの言う通りだ!!イシュマル先生があんなんで死ぬわけなかった!!

 

「無事だったんですね…!!」

 

「おう!!は!?」

 

「あ!!」

 

あの大男!!気絶するんじゃなかったんかよ!!

 

「先生!!」

 

「おう!!」

 

「うあああああ!!」

 

イシュマル先生と大男はほぼ互角、イシュマル先生が押している。おお!!イシュマル先生が飛んで強烈な一撃を大男に叩きつけた!!

 

「うおおおおお……」

 

「はぁ…はぁ…」

 

「やったぞ!さすがおれの先生!!」

 

おれはイシュマル先生の勝利に叫んだ。先生ならやってくれると信じてたぜ!!

 

 

――――――――

 

 

僕はレディナに捕まった、あのコンドル焼き鳥にしてやる!!

 

「素直に来ればよいのだ!!往生際が悪いぞ王子!!」

 

意外とレディナは力が強い!!なんなの!?魔術で筋力強化でもしてんの!?このままじゃ生贄にされる。…僕が犠牲になればティオも助けられるし、マヤナ国も救われンるんじゃないか?

 

氷の鋼球(アイスボール)

 

カン!!

 

「く!?なんだ!!」

 

「……」

 

「お前はミナモか!」

 

美夜子さんがレディナに向かって氷の魔法で攻撃をしたからその反動で僕はレデイナから解放されて、美夜子さんの隣に立った。のはいいんだけど…な、なんでこんなに怒ってるの?

 

「…のっくん」

 

「助かったよ。美夜子さん」

 

「…自分が犠牲になればこの国やバカ王子が助けられるわけないでしょ。」

 

「……」

 

ど、どうして僕の考えがわかったの…?

 

「魔法が戻ったから…んな愚行させるわけないからね。」

 

「はい。」

 

説得力がありすぎるし、今も読んだ。美夜子さんにはこれから全部見破られるなこれは…怖い。

 

「兄妹揃って、生贄になりに来たのか。お前にも乗り移る事が出来ればさらにマヤナ国を支配できる!!貴様の魔力は私を凌ぐからな!!」

 

レディナはまたまた勘違いした。仮にも魔女なら魔力でミナモさんか美夜子さんかでわかるでしょ。

 

「何かあいつの魔力の質が変わった。」

 

「え?」

 

「…貴様らにはこの姿で倒させてくれるわ。うおおおおお!!!!」

 

「「は、はぁ!?」」

 

レディナの身体がみるみるうちに変わっていく、頭には角が生えて、身体が黒い模様が出てきて、尻尾も出てきた。…いやいやあの姿って…

 

「「あ、悪魔!?」」

 

あの世界の魔界にいるはずの悪魔のそのもの。なんで!?

 

「悪魔の存在を知っていたか。私はその昔、魔界星からやって来た。しかし土地勘がわからない私は迷子になり、この星に流れ着いた。そして私はこのマヤナ国を見つけた、私は驚いたさ。この国には魔界星よりも潤沢な魔力が充満していた。この国を手に入れれば私はデマオンよりも強くなり、長生きができると判断した、私はうまく溶け込みマヤナの神官庁の長官にまで上り詰めた。」

 

悪魔がこんなことできるなんて、悪魔はデマオンの命令だけを聞くだけの存在だと思ってた。っていうかこの世界に魔界星があるの!?

 

『チンカラホイ!』

 

…やっぱり確証はなかったけど、この世界は魔法の世界の過去だったんだ。ミナモさんのあの詠唱もあの世界の物だったし。

 

 

「しかし、長くは続かなかった。貴様らの母君…つまり女王が私の正体に勘づき、私を尋問した。正体がバレると少々面倒になった私は奴に呪いをかけ、逃げた。」

 

「悪魔は長寿のはずよ!!なぜ永遠の命が欲しいのよ!」

 

「さっきも言ったであろう。この国を支配するのだ。」

 

「いくら潤沢だからっていつかは枯渇する!!」

 

「その心配は私もしていたが…ここの魔力は減るどころかむしろ増大しているのだ。」

 

こ、ここがあの世界の起源!?ドラえもんの説明的には化学が押しつぶされて魔法が発達したって聞いたんだけど…まぁドラえもんの説明だしな。そこはいいや。

 

「だからこそ…貴様らをの身体をよこせェェェ!!!!」

 

っていきなり襲い掛かって来た!!!僕と美夜子さんは二手に分かれて、ピラミッドの端に来ていた。くそ!!

 




雷神「は、いつの間にか約二年となっていました。ありがとうございま「「待て待て待て!!!!」」

銀「何終らそうとしてやがる!!」

明「今まで何してたの!?」

雷神「アイドル追いかけておりました。」

銀「お前は新八か!!」

明「とりあえずくたばれ。」

雷神「ギャアアアアアアアア」



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第60話太陽王伝説~ペンダントの奇跡とミナモの実力と宴~

はい、比較的早いスパンで投稿します。今回で太陽王伝説は終わります。
次回はオリジナルを挟んで…アンケートで多かった物を投稿します。
3日坊主とは言わせねぇぞ(誰も言ってない。)












視点は和人、のび太、和人、のび太


俺たちは文字通り開いた口が塞がなかった。少しのび太、美夜子さんと話していたレディナの姿が変わったからだ。あの姿は正しくあの世界の悪魔だ。俺達はドラえもんやしずのいる場所に走った。

 

「ドラえもん。」

 

「和人君…」

 

「ねえ。あの姿なんなの?それにあのプレッシャー…あいつらの非じゃないよ!!」

 

あいつの魔力を直に受けていたしずは、珍しく怯えていた。ドラえもんの身体に引っ付いているし、スグも俺に引っ付いてる。スグはともかくとしてしずはあのプレッシャーは初めてだしな。…しかし…

 

「…どうやらこの世界はあの世界の過去みたいだね。」

 

「…どおりであの姿は納得がいく。」

 

「な、なあ!あいつやばいんじゃねェのか!?」

 

「のび太殿と美夜子殿が心配だ。」

 

ウソップさんとイシュマルさんも、こっちに上がって来た。確かに心配だ。あの魔力、デマオンに近い…ていうかその上をいってるな。あんな相手に2人でどうにかできるわけない。俺も行くか。

 

ばしゅう!!

 

「いってぇ!?何だ見えない壁みたいのがあるぞ!?」

 

「こ、これは魔力で作った壁だよ!レディナが作ったんだ!」

 

じゃあ、加勢もすることもできないのか!?のび太と美夜子さんはあの時の戦いの時デマオンに一回負けてる、デマオンは美夜子さんのお母さんや月のおかげで勝てたし、何よりあれは団体戦で勝利したからな。それにしても…

 

「デマオンには弱点があった、あいつに弱点があるのか。」

 

数的にはのび太と美夜子さんが押してるんだけどな。

 

「ドラえもん!弱点がわかる道具ねェのかよ!」

 

「そんなピンポイントな道具あるわけないでしょ!!あったらとっくに出してるよ!」

 

「おいおいおいおい!!どうすんだよぉ!!頼みの綱まで使い物にならねぇじゃねェか!!」

 

「ウソップ君何気にひどいこと言うよね。」

 

…ていうかルフィさんはどこに行ったんだ?さっきまでおれ達の近くにいたはずなんだけどな。

 

「あ!!レディナが動いた!!」

 

のび太!美夜子さん!!絶望だけど頼んだぞ!!

 

 

ーーーーーーーー

 

急に襲われたけどギリギリで避けれた。こんな狭い空間で戦わなくちゃいけないの!?ちょっと下をチラ見したけどドラえもんや和人達がこっちに向かってこない。こいつ、結界張ったんだ。僕と美夜子さんの2人でレディナを攻略しなくちゃいけないの!?

 

「のっ君!!とりあえずあなたにはブースト掛けておくから!!」

 

「うお!?」

 

美夜子さんにそう言われた瞬間に身体が軽くなった気がした。これなら小回りが利く!!

 

「《時雨蒼燕流“攻式”八の型》篠突く雨乱れ打ち!!」

 

「ふん!ふん!!」

 

「はぁ!?」

 

全部避けられた!?ふざけんなよ!!篠突く雨は鋭い斬撃で突き上げる技だ!ブースト掛けて、乱れ打ちしてんのに難なく避けられた!?

 

「どうした王子。まだ本気を出してないのか?」

 

「クソ!!《時雨蒼燕流十一の型“特式”》燕の嘴(ベッカタ・ディ・ローンディネ)!!」

 

燕の嘴(ベッカタ・ディ・ローンディネ)に切り替えてさらに斬撃を何発も充てるけど、ああもう!!全く当たんないよ!!ちっとも手ごたえがない!!あの黒バエばばぁ!!!飛ぶなよこんな狭い場所で卑怯じゃんか!!

 

「ちょっとちょっとのっくん!!」

 

「なにさ!!」

 

「一回冷静になりなさい!!心が乱れすぎてまともに当たってないわ!!」

 

「僕はちゃんと冷静に…あ」

 

なってなかった。ものすごくあいつの手の上で踊ってた。美夜子さんのおかげで少し冷静になれた。

 

「ち、姫も余計な事を。」

 

「あんたの思い通りにさせないわよ!レディナ!!のっ君交代!」

 

そうか、交代しながら戦えば体力面は補填される。

 

「うん。」

 

ーーーーーーーーーー

 

「…がっかりさせてくれるな。」

 

「はぁ…はぁ…」

 

「…ゼェ…ゼェ」

 

結果的に逆効果だった。攻撃はやっぱり全く当たってないからムダに体力が減っていくだけだった。美夜子さんにもらったブースト効果もいつの間にか切れてた。すっごくジリ貧。

 

「面白い剣術、魔法を使っていたようだが所詮は子供。数万生きている私に勝てると思うなよ。」

 

「はぁ…そうだとしても僕達はお前を倒さなくちゃいけないんだ!!」

 

「そうよ!!マヤナ国の人達には手を出させないわ!!」

 

「フン…この国は私の物となるのだ。だからこそ…その体をよこせ。」

 

「「やるわけないでしょ!!」」

 

「美夜子さん」

 

「うん」

 

僕と美夜子さんは構えた。

 

「《時雨蒼燕流“最終奥義”》!凍てつきの雨!!」

 

炎の氷球(コキュートス・フレイムバースト)

 

僕と美夜子さんは最大火力の技を同時にぶっ放す…けど

 

「効かぬ。」

 

ばきゅーーーーん!!!

 

「「……嘘だろ…」」

 

レディナは僕達の技を掌でぶち消した。凍てつきの雨は言わずもがな。時雨蒼燕流の最終奥義…僕の身体はまだそれに追いついてないから身体中が激痛を与えてくる。それは美夜子さんも同様で、あの魔法は現時点での魔力量最大の魔法。戻ったばかりだからあれくらいしかできない。つまり…

 

「ほほう?もう体力も魔力も尽きたか。」

 

レディナに言われたようにもうまとも動けない。立ってるのがやっとだ。やっぱり交代交代作戦が仇になってしまった。

 

「ふふふ…王子、姫覚悟ォォォ!!!」

 

身体も動かない、逃げようにもできない。ここまで?何か…何かないの!?

 

 

『これに魔力を込めました。如何なる時これに強く思いをかけてください。』

 

ククがティオに向けて作った首飾り…ミナモさんが魔力を込めたって言ってた。…もう何でもいいからお願い!!奇跡を…何かこいつを倒せる奇跡を起こしてくれ!!

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

レディナとのび太と美夜子さんが戦いを開始して、10分はたった…だがのび太と美夜子さんは満身創痍の状態だ。凍てつきの雨を使ったダメージは今の身体じゃ、甚大だって武さんが言ってたってのに。

 

「…ねェ。何かのっちゃん光ってない?」

 

「ほんとだ。」

 

「は?…何だあれは?」

 

のび太の首元が光っている。あれは…ペンダントから光ってるのか?

 

「…何か来るぞ。」

 

「ルフィさん?あんたどこ行ってたんだよ。」

 

「あいつが復活してたからぶっ飛ばしてた。」

 

ルフィさんが指さしてたのが、イシュマルさんに倒されたはずの男だ。確かにさっき倒れた場所から少し離れた場所でぶっ倒れてる。

 

「何かって何?師匠。」

 

「んー…この感じ…あ」

 

「「「「「「ん?あ!!」」」」」」

 

 

――――――――――

 

ペンダントが光りだした。眩い光が日食で暗くなった辺りを明るくしている。そして光が収まった。…え!?

 

「お待たせしました」

 

「「!!!!」」

 

 

透き通った声、そして安心できる声が聞こえた。

 

「よくここまで戦いました。のび太様、美夜子様。」

 

「み、ミナモさん!?」

 

何で!?闇の神殿からあそこは相当時間がかかるほどの距離なのに!?

 

「そのペンダントにエンチャントを付与しました。あなたがピンチになった時に私が来るようにと。」

 

「な、なるほど。」

 

「お二人に回復(ヒール)魔力回復(マナ・ヒール)をかけておきますね。」

 

すると、僕の周りに淡い光が覆った。身体のキズや体力がみるみるうちに回復していく…これがミナモさんの魔法…安心する。

 

「続いて…身体能力上昇(ブーステッド・アップデート)×3」

 

ビュンビュンビュン!!!

 

身体が軽い…美夜子さんがかけてくれたブーストよりもさらに軽い。

 

「何故、姫が二人いるのだ!?」

 

「おや、気づいておられなかったのですか?この方々ははるばるこの国来てくださった。日本国の者たちです。()()()()()()ともあろう者が。」

 

「な、何だと!?な、何故私の正体を…!!」

 

「母上は病に伏される前に私だけに教えてくれました。」

 

「そ、そうだったの?」

 

「はい、すべてをしていたのに喋らなかった私をどうか許してください。」

 

深々と頭を下げるミナモさん、僕達は気にしてないし。ミナモさん一人じゃなにもできないのは当たり前だ。ティオにも相談したかっただろうけど…ティオはレディナを倒すのに躍起になりすぎて兄弟仲に亀裂が入ってたから…ミナモさんは一人で重大な事を心にとどめていたんだ。ミナモさんは女王様から言伝も聞いていたらしい。

 

『近い将来、強大な味方が現れます。きっとティオは彼らに何かを頼むでしょう。』

 

……えっとォ…全て的を得てるのすごいし、女王様少し怖い。

 

「ふ、ふん、いくらブーストしようとも…私に勝てわけないだろう!!!」

 

「ってやっぱり急に来るのね!!」

 

「のっ君いくわよ!!ガンガン行こうぜ作戦よ!!」

 

「それはもう、普通に戦うでしょ!!」

 

「のび太様!!美夜子様!!サポートはお任せください!!」

 

僕と美夜子さんは二手に分かれた。分散すればあいつはどっちを最優先で攻撃するか見極めるためだ。僕は壁側、美夜子さんは階段側だ。

 

「王子いいいいいいい!!」

 

「僕は王子じゃないってさっきミナモさんに聞いたよね!?」

 

「うおおおおおお!!」

 

聞いてないし!これで僕に矛先が向いてることが分かったから美夜子さんに合図を送った。

 

 

「王子いいいいい!!!ぐりゅあああ!!」

 

 

「油断大敵だよ。《時雨蒼燕流“特式”十の型》燕特攻(スコントロ・ディ・ローンディネ)!!」

 

「ぎゃああお!!?」

 

おっしゃまともに当てれた!!身体能力上昇(ブーステッド・アップデート)のおかげで攻撃力も増してる、悪魔の硬い防御力にも効いた!!

 

 

「はぁ…ははは!!効かぬぞ!!」

 

「だよね!!あ!!」

 

「なんだ!」

 

「隙あり!《時雨蒼燕流“攻式”十三の型》暴風雨(あばれのあめ)!!!」

 

「ぐ!?っ!?ぎゃああおいう!!!卑怯だぞ!!」

 

「お前が言うな!!!」

 

「ふん!!」

 

レディナはまた飛んだ。何だよぉ!!またかよぉおお!!

 

付与(エンチャント)!!(ウイング)

 

あ、背中に翼が付いた、これであいつと同等になれた。

 

「く、オノレおのれ!!!はああああああ!!」

 

やばい、空中戦だから守式の逆巻く雨も繁吹き雨も使えない!!水があれば二つともできるんだけど!!水なしでも…できるか?

 

「《時雨蒼燕流“守式”十四の型》春時雨!!」

 

「クソ避けられた!!」

 

土壇場で思いついた守式、水なしでも避けられるようにできた!!と、油断は大敵。なので!!

 

「《時雨蒼燕流“攻式”十五の型》走り梅雨!!!」

 

「ごぎゃあああ!!!」

 

「うるさい。」

 

「…ふざけるな!!」

 

「春時雨」

 

「く!!」

 

「とどめだ!!《時雨蒼燕流“攻式”十六の型》夕立!!!」

 

「ぐおおおおおおお!!!」

 

最後の畳みかけでついにレディナが床に叩き落とした。レディナは闇の神殿を破壊しながら落ちて行った。…一時はどうなるかと思ったけど…勝てた…闇の神殿が崩れ落ちちゃう。

 

「きゃあ!のび太様?」

 

「神殿…が崩れちゃうし…ちょっと我慢してね。」

 

僕は体力がギリギリなうちにミナモさんを抱き上げて、安全な場所に降りた。

 

「のび太!!」

 

「大丈夫!?」

 

「ハァ…ハァ…う、うん…」

 

これで僕の意識は切れた。蓄積されたダメージが回復(ヒール)を上回ったのかもしれない。

 

―――――――――――

 

「――――っ君。のっ君!!!」

 

「うわ!あれ?美夜子さん?あれここは?ティオの部屋?」

 

起きたら美夜子さんが居て、ティオの部屋にいた。あ、そうだ。レディナとの戦いで僕最後に気絶したんだ。

 

「レディナは?ティオは?」

 

「レディナは私の魔法とミナモさんの魔術…いや魔法で二重拘束してあるわ。のっ君が倒れた後に…。」

 

美夜子さんが言うにはあの後マヤナ国の人達全員がティオを助けるために総出で闇の神殿に来たそうだ。それからボロボロなティオもやってきて、闇の神殿にやって来たみたい。でも崩れてる神殿を見て驚いたそうな。気絶してる僕を見てすべてを察したようで…

 

『マヤナ国の民よ!!レディナは私の友人が倒した!!マヤナ国に脅威は無くなったぞ!!』

 

って言ってマヤナ国の皆は大喜びだったらしい。ティオもいいこと言うじゃん。

 

「それで今はいつなの?」

 

「あれから3時間は立ってるわよ?」

 

「そんなに寝てたの僕!?」

 

「いくら回復(ヒール)身体能力上昇(ブーステッド・アップデート)掛けられてもそりゃ蓄積ダメージのせいでそうなるわよ。」

 

「…まぁそりゃそうか。」

 

「さ、のっ君、お腹空いてるでしょ?」

 

「うん。」

 

「さあ、行くわよ。」

 

僕は起きてから着替えて、ティオの部屋から出た。

 

「おおおお!!」

 

ドンドトット!!ドンドトット!!

 

マヤナ国の人達、ドクたちオオカミ、和人やドラえもん、しずちゃん、ウソップさん、ルフィさん、ティオ、ミナモさん達がキャンプファイアの周りで踊っていた。宴が盛り上がってる。すごい。

 

「お!のび太起きたのか!」

 

「うん。すごいぁこれ。」

 

「宴はぱああっとした方がいいだろう!?」

 

ルフィさんがめっちゃお腹を膨らせながら来た。確かに楽しそう。するとティオも満面の笑顔でここに来た。

 

「のび太!!本当にありがとう!!」

 

「ティオにお礼を言うなんて…槍でも降るのかな。」

 

「間違いない。」

 

「ひどいな、ま、しかたないな。」

 

「おお、素直になってる。」

 

「一言余計なの知ってるか?」

 

「のっちゃーーーーん!!早く早く!!」

 

しずちゃんが飛びながらこっちにやってきて僕を引っぱった。

 

「さぁ!!みんな主役が揃ったぞ!!宴だ!!!!」

 

 

この宴は三日三晩続いたのだった。

 

 

―――――――

 

そして三日後、僕達は日本に帰ろうとしていた。今頃ティオは女王様から王冠を受け取ってるんだろうなぁ。マヤナ国の人達はもうティオを横暴な王子とは思っていない。あの性格はレディナによってなされたものだって知ったから。

 

「じゃあ、ポポルまた会おうね。」

 

「ポポル!」

 

「大変だ!!」

 

ドラえもんがいきなり叫びだした。

 

「どうした!!」

 

「タイムホールの時空が乱れた!!早くしないと帰れないぞ!!」

 

「え!?」

 

「急いで行かないと帰れないぞ!!」

 

「じゃあ、せめてティオにお別れの挨拶を!!」

 

「時間がないって言ってるでしょ!?」

 

「そんなぁ!!」

 

ペンダントはティオに返せてる…お別れもなしにそんな事って!!

 

「のび太急いで!!」

 

「う、うん!!ティオ、ミナモさん!!もう会えないかもしれないけど、キミの事はずっと忘れないよ!!さよならティオ、ミナモさん!!」

 

「のび太君!!!」

 

「ぽぽーーーーー!!!」

 

―――――――――

 

僕達は帰って来た。ハァ…ティオとミナモさんとちゃんとした挨拶ができなかった。

 

「ていうかあの世界って魔法世界の過去だからいけるんじゃないの?」

 

「あの世界は確かに魔法世界の過去だけど、全くの別世界だよ!!この戦いがあったってあの世界に記述されてなかったし!」

 

「ドラちゃん、それは心配無用よ。」

 

「え?」

 

「この三日間に、色々聞いて思い出したの。ここは私達親子の先祖なの。」

 

「何でそんな事が?」

 

「随分前に聞いてて忘れてたけど…私達の先祖には王族が居たの。」

 

「そ、それが」

 

「私達って事なのですね。」

 

「そうそう…てえ?」

 

「ん?」

 

「は?」

 

「お?」

 

「え!?」

 

「「「「「「「ミナモさん!?」」」」」」

 

美夜子さんの横にはミナモさんが笑顔で立っていた。え!?なんかデジャブ!?

 

「何でお前来てんだよ!?」

 

「あなた様と一緒に居たかったので…」

 

ミナモさんが顔を赤くしながら僕の方を見ていた……え?

 

「「「………」」」

 

約3名からの殺気がビシバシとこっちに向いてきた。あの時?あの時なの!?助けた時なの!?

 

「でもマヤナ国は!?」

 

「もう脅威もおりませんし、母上と兄が行ってこいと。」

 

あのバカ兄貴何考えてんの!?女王様も女王様だよ!!

 

「でも寂しくない!?せっかく女王様が元気なったのに!!」

 

「ええ、ですがのび太様と一緒に居たかったので♪」

 

「「「……」」」

 

殺気がさらに増大した!?ちょっと男性陣は何してんの!?

 

「んじゃ、俺達かえるな。」

 

「飯いいいいい!!」

 

「……」

 

「帰るなコラァァァァ!!!!」

 

 

こうして、僕達のマヤナ国の冒険は終わった。ミナモさんがここに来るとは思わなかったけど…いやマジでどうなるの?と言うか殺気を収めてよ!!美夜子さん!しずちゃん!直ちゃん!!

 




雷神「はい、書きました。」

銀「生きてんだな。」

雷神「明久のはよく効いた。」

ハル「これに懲りたら早く投稿してほしいかも。」

雷神「はい…」

銀「今回はすごいな。新しい技まで。」

雷神「予定では作る予定じゃなかった。けど書いてるうちに楽しくなっちゃって」

銀「そうかい。んで次回はオリジナル回か?」

雷神「そそ」

ハル「では次回もお楽しみに!!」


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第61話ミナモのいる世界

今回からミナモさんが準レギュラーします。しかし冒険には時々しかついて行きません。TP2人娘と同じ扱いですね。






視点はミナモ、直葉、のび太です。


ーー2019年5月16日ーー

 

 

「えぇ、こんな時期ではあるが転校生を紹介する。あー!静かに!!」

 

あの戦いから3日も経ち、この世界に来て1日経った私はのび太様や美夜子様達がいらっしゃる学び舎に転校という形で入ることになりました。

 

「やはりあの方たちのご両親には感謝しましょう。」

 

美夜子様もこの世界に来た時にご両親は優しくされたと言いておられました。お母様は確かに厳しいお方です。しかしその中には確かな愛情がありましたし。美夜子様と同様に私を家においてくださりました。ちなみに私の年齢は直葉様と同い年になっております。そしてここは直葉様と同じ教室です。

 

「ええ、入っておいで。万陽奈さん。」

 

「はい。満月万陽奈(まやな)と申します。」

 

「女の子だアアアア!!!」

 

「ウオオオオオ!!」

 

男の子は私の容姿を見て、大はしゃぎしていました。女の子はキラキラした目でこちらを見ておりました。不思議な感じです。マヤナ国は老若男女問わず私を畏れや尊敬が入り混じった瞳で私を見ておりました。それは同い年である子達でも同様です。友人と呼べるのはククしかいませんでした。そのククも対等というわけではありませんでしたが…

 

「静かにと言っただろう!!ああ、実陽美さん。貴女は直葉さんの隣の席にお願い。」

 

「はい。」

 

私は一番後ろにいる直葉様の元に歩いていきます。直葉様も笑顔でこちらを見ております。

 

「よろしくね。みな…万陽奈さん!」

 

「ふふ、まだ慣れないですね。」

 

「みんなで考えた名前だしね~」

 

というのは皆様に考えていただいた名前になります。マヤナ国や太陽にあやかり、万陽奈という名になりました。自身の名に故郷の名が入るとは思ってみませんでした。最初は畏れ多いと思いました。

 

『でも、私と対になる名前だから好きよ?』

 

『美夜子様。』

 

『夜の美夜子、昼の万陽奈。すごく素敵じゃない?』

 

『そう…ですね。やはりあなたは私の子孫ですね。』

 

『それを言うなら…まぁ、それはいいでしょ。よろしくね万陽奈。』

 

『はい!!』

 

「万陽奈さん?」

 

「え、あ、はい。」

 

「大丈夫?」

 

「はい、あの時の美夜子様を考えておりました。」

 

「みよ姉って本当にかっこいいもんね!」

 

「はい、何故、年齢が下がっているかはわかっておりませんが。」

 

魔力封印はこの世界に来た時だと私は確信しております。しかいながら年齢後退に関してはいくら私の魔術…いえ、魔法でも3日調べてもわかりませんでした。

 

「こーら!早速仲良くするのはいいが話を聞け!!」

 

「「あ、はい!!」」

 

「「「「「「ハハハハ!!!」」」」

 

―――――――――

 

「それでそれで!?満月さんて先輩の満月美夜子さんの妹さんなの!?」

 

「はい、そうなんです。」

 

授業も終わり、昼休みにクラスメイトの皆さんが話しかけてきました。ほぼ全員ではありませんが。

 

「だからそっくりなんだ!」

 

今話してくださってるのは荒川加奈さん。元気いっぱいな女の子です。

 

「でもなんでこんな時期にここに来たの?」

 

眼鏡をかけておさげな武田久遠さん

 

「私が無理を言ってお姉さまと同じ学校に行きたいと言ったのです。」

 

「ヘェ!じゃあやっぱり、野比先輩の家に?」

 

「はい!」

 

「あ!!じゃあ、姉妹揃って野比先輩を好きなの!?」

 

「な、何故わかったのです!?」

 

「直ちゃんも静香先輩も美夜子先輩も野比先輩が好きだってお姉ちゃんが言ってたからさ!」

 

「加奈ちゃん!!!そんな情報ここで言わないでよ!?」

 

「なんだよ。またあいつかよ。」

 

「け、やめやめ」

 

「え?」

 

男子生徒達の態度が急に変わってどこかに行きました。何ですか?あの態度。すごく不快なんですが。

 

「ハァごめんね。あいつらの態度。」

 

申し訳なさそうに謝ったのは久原春香さん。

 

「い、いえ」

 

「男子はのび兄に嫉妬してるの。」

 

「学校のアイドルが全員野比先輩の事好きだから。」

 

「あ、そういう。」

 

男の嫉妬という事ですね。しかし露骨なあの態度は見過ごせません。

 

「ちょっと失礼します。」

 

「え?万陽奈さん!?」

 

私は男子生徒達が談笑している場所に来ました。私が着たのを確認した瞬間にまた不機嫌な顔になりました…このガキ。おっと失礼。

 

「なんだよ。」

 

「なんだよじゃないですし、露骨なその態度にカチンと来まして。」

 

「は、ハァ?」

 

「なんだよ急に」

 

「なんだよ急にではありません。それはこちらの言葉でもあります。だいたいあなた達初対面の状態からそんな態度を取るのはよくないです。それに私が誰を好きであろうとあなたには関係ないです。初対面からそんな態度を取られたら誰だってイラつきます。」

 

「うるせぇんだよ!!あー、あー!!何であんなさえないやつがモテて、おれが持てないんだよ。」

 

「知らないですし、興味ありませんが…どうです?友達になりませんか?」

 

「は?」

 

「え?」

 

「どういうことだよ!?」

 

私の言葉にハトが豆鉄砲を喰らったような顔になりました。男子全員が。

 

「そこはのび太はさえなくなんかありません!!って言うんじゃねェの!?」

 

「だって、私が好きなのは中身ですし、それに初対面から仲良くなくなるのは私のプライドが許しません。皆さんと仲良くはしたいですし。」

 

「お、おう。」

 

「どうですか?友達になってみて気に入らなかったら切ってもらって構いません。」

 

「お、おれはいいぜ!友達なろう!おれは胡桃深夜!!」

 

「おれも!桐生戦兎!よろしくな!!」

 

「…そうだな。俺もだ。俺は後藤雅也だ。」

 

俺も俺もと私の周りには男子が群がってきました。おっと言葉が下品でしたね。

 

 

―――――――

 

「彼女を敵に回したら怖いわね。」

 

「うん。」

 

「まぁまぁ…ははは」

 

万陽奈さん、人心掌握能力に長けてる。て、敵に回ってたら本当に怖いけど。

 

「ま、男子があの態度してるのに私もイラついてたけど。」

 

「それそれ、でもま、万陽奈さんのおかげでピリつきもなくなったね。」

 

「うん、仲良くなれそう!カッコよかったし!」

 

よかった、あれを見て万陽奈さんの印象最悪になるかと思ってた。

 

「ただいま戻りました。ってどうしたんです?」

 

「さっきのカッコよかった!!」

 

「あれくらいは皆さんもやればできますよ。」

 

「え!!教えて教えて!!」

 

すごい、あっという間にクラスに馴染めてる。のび兄の心配は杞憂だったかぁ…ってこれって私達のせいでもあるし、気を付けないと中学でも同じ事になりそう。

 

「あ、直葉様はそのままでいいのですよ。今更変わろうなんてしないでくださいね?」

 

「あ、はい」

 

「どういう事?」

 

そうだった。魔法で聞こえるんだった。まぁ、ケアを怠ってた私のせいでもあるし、それにしず姉にもみよ姉にも言っとかなきゃ。

 

――――――――――――

 

「なんか騒ぎになってるなァと思ったらそんな事に…」

 

「万陽奈さんかっこよかったよ!!」

 

「それって、男子が悪くない?初対面だよ?」

 

「ま、解決したみたいだし。いいんじゃね?」

 

「しず、和君の言う通りもう、荒立てしちゃいけないからね。」

 

「わかってるって~」

 

「1年前の僕もそうだったしなぁ。」

 

「お前に関してはナンパするからだろ。」

 

「ひ、ひどいなジャイアン…」

 

僕、和人、美夜子さん、しずちゃん、直ちゃん、万陽奈さん、スネ夫、ジャイアン、ドラえもんは鏡の世界で美夜子さんと万陽奈さんの魔法の実験をする為にここにいる。でも…んー

 

「僕が悪いのかなぁ」

 

「それはないだろ。嫉妬した男子共が悪い。」

 

「そうだぞ。のび太。お前は深く考えるな。」

 

「そうそう!6年の男子は全員のび太の味方だし!」

 

「3人とも…」

 

少し気が楽になった。後輩たちにそんな感じで思われてたのが結構効いてたから…やっぱり最高の親友たちだよ。

 

「スネ夫がまとも。」

 

「この1年で成長したからじゃない?」

 

「やっぱりあのノイローゼは効果があったんだね。」

 

「うんうん」

 

「ねえ!!聞こえてるからね!!!」

 

「「「「はははは……」

 

「では確認をしましょう!!」

 

「そうね!」

 

それから美夜子さんの魔法を見たけど圧巻だった。合体魔法や各属性の最大魔法を万陽奈さんのサポートありで最大限に発揮してた。すごい。一通り見たし僕達は元の世界に戻って来た。

 

「そう言えば、学芸会は成功したの?」

 

「ばっちり」

 

「よかったよかった。誰が王子役だっけ?」

 

「このイケメン」

 

「真顔で指すなバカ。」

 

「なぁ、明日は出木杉ん家で鳥の共同研究するんだろ?」

 

「うん!」

 

「じゃあ、明日は出木杉の家に集合な。」

 

「「「「「うん!!」」」」

 

「私、直葉様とお出かけしたいです!!!」

 

「んじゃ、私達はデートしますか。」

 

「はい!」

 

2人ともこれまで以上に仲良くなった。同い年同士だしね。明日も楽しみだ!

 

 

――――――――

 

 

「のびたん説明。」

 

「はい…」

 

この後鬼の形相で部屋にやって来た美奈ちゃんと菜江ちゃんがやってきて、万陽奈ちゃんの事を説明したのだった。うん、怒られた。

 

 

 

 

 




雷神「はい終わり」

銀「なんか美夜子のと一緒だな。」

雷神「二番煎じだよね~」

ハル「書いてる本人が言ってる。」

銀「だがまぁ、よくあるハーレム物のモブたちの心境だよな。」

雷神「あんな感じにしたくはなかったけど結果的に。」

銀「行き当たりばったりはいつも通りかよ。」

雷神「はい。では次回からは翼の勇者たちになります。よろしくお願いします。」


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第62話翼の勇者たち~鳥の世界~

今回は翼の勇者たちになります。これも別世界の話になる訳で、00代のドラえもんほぼそうな気がします。

ん?不思議風使いは同じ地球かそうだった。
わんにゃん時空伝は3億年前ですね。

そして、鳥山明先生…ご冥福をお祈りいたします。



視点はのび太、美夜子、のび太です。


ーー2019年5月17日――

 

《では次のニュース。ワールドトピックスです。干ばつが続くアフリカで水を求めて集まったフラミンゴの群れが一夜にしてすべていなくなるという奇妙な出来事が起きました。タンカーから流れ出した原油が原因で苦しんでいた海鳥の群れがいつの間にか消えていたという事です。》

 

昨日の出来事から1日が過ぎて放課後に僕達は英才君の家に来ていた。テレビをつけて、ニュースを見ていたら鳥類が消えてるというニュースを見ていた。不思議な事が起きたもんだ。

 

「ねえ。これ恐竜人がやったんじゃない?」

 

スネ夫が今のテレビニュースを見て。英才君には聞こえないように小さな声で僕に呟いた。

 

「えぇ?恐竜人は恐竜の保護を目的としてるから鳥類関係なくない?」

 

「鳥類は恐竜の直近の祖先だよ?」

 

「だとしてもこんな目立つようなことするもんか。」

 

「それもそうか。」

 

「ヘェ不思議な事が起きたもんだね。」

 

「まさか、宇宙人が?」

 

「それは…ありえなくもない。」

 

恐竜人、人魚が居るこの地球なんだから、宇宙に宇宙人がいないわけがないし、大量に鳥がいなくなった理由も納得がいく。

 

「宇宙人かどうかはわからないけど。この共同研究をやるんで調べて分かったんだけど、世界中に鳥人伝説がたくさん残ってるんだ。」

 

英才君は僕達にわかるようにそう説明した。

 

「人魚伝説みたいに?」

 

「そうなんだよ。例えば…この古代アッシリアの精霊の像。」

 

英才君が見せてくれた資料の写真には身体は人間で鷲の頭と翼が付いてる。エジプト神話に出てくるホルスは顔はハヤブサだけど、身体は人間だった。

 

「ヘェ」

 

「日本にもいたんだ!」

 

「鳥人が?」

 

「そう!このカラス天狗なんてまさに鳥人だよ!!」

 

この鳥人たちがみんな宇宙人ってわけじゃないと思うけど、それでもこの地球には人魚伝説と一緒に鳥人伝説まであったなんて。他にも調べたら出てきそう。それにしても鳥人か…

 

付与(エンチャント)!!(ウイング)

 

レディナとの決戦の時に万陽奈さんが使ってくれた付与(エンチャント)(ウイング)で飛べた時は便利だと思った…サポートなしでも僕は飛びたいよ。それもタケコプターや魔法なしで…自力で…

 

「じゃあ今日はここまでしようか!!」

 

「ああ、そうだな…ってのび太。」

 

「……ん?え?なに?」

 

「何ぼーっとしてんだ。帰るぞ。」

 

「あ、うん。」

 

―――――――――

 

「え?何だって?鳥のように?空を自由に飛びたいなァ♪はい、タケコプター」

 

「だというと思ったよ!!じゃなくて鳥人だよ!鳥人!」

 

帰ってすぐに僕は鳥人になってみたくてドラえもんに頼んだらタケコプターを渡されそうになった。そういう事じゃないだけど、万陽奈さんがまだ帰ってないからドラえもんに頼んでるんだ。

 

「ちょうじん?…超人!ドラドラマン!!の超人?」

 

「そっちじゃなくて、鳥人間の事!!」

 

「何を考えてたかと思えばそんな事思ってたの?」

 

美夜子さんはジト目で僕を見てきた

 

「だってなってみたくない?鳥人」

 

「出木杉君の家で何をしてきたんだよ…」

 

「テレビで鳥類がいなくなったニュースを見たらそのままの流れで鳥人伝説の話になったの。」

 

「だからのび太君、変に鳥人になりたくなったのか。」

 

「変にとは失礼な。万陽奈さんに頼んでもよかったんだけど今は直ちゃんとデートだし。」

 

「だからって僕がそんな道具持ってるわけないでしょ。」

 

「そうだよねぇ…」

 

背中に自分の翼を付けるピンポイントな道具があったらとっくに出してるか。あ、そうだ。

 

「自分で作るか。」

 

「「は?」」

 

「なんかこの辺に…あった!」

 

僕は子供百科図鑑歩行空への憧れてって本を取り出した。ここに…うんうん載ってる!!腕の力で飛ぶことになっちゃうけどまぁいいか

 

「こういうのが作りたかったんだ!」

 

「いやのび太君これは…」

 

「さすがにねェ?」

 

ドラえもんと美夜子さんが苦笑いでこっちを見てきた。

 

「よし、まずは材料だ!!」

 

 

―――――――

 

「ちょ、のっ君!?」

 

「ハァ…のび太君の頑固さが出たな。」

 

待ったをかけたけどのっ君は光の速さで準備をしてた。ほんとにあの子は…

 

「ここは美夜子さん温かい目で見守ろうよ。」

 

「あの目?」

 

ドラちゃんがいつもしてるあの目…うんなんか私にはできなそう。そう言えばピー助君を見つける時ものっ君ってこういう事をしてたって聞いた事がある。努力の成果が報われるかはわからないけど見守るしかないわよね。

 

「温かい目はしないけど見守るわ。」

 

「そう?」

 

というドラちゃんはすでに温かい目をしてた。

 

「さっそくしてものっ君はまだ準備中でしょ」

 

「おや失敬失敬。」

 

「あったよ!!材料!!ってなんでまたその目で。」

 

「温かい目で見守るんだよ!」

 

「…」

 

のっ君はドラちゃんを無視して早速取り掛かった。この家って意外と物があるわよね。のっ君はせっせと作り上げていく、大きなの骨組みをまげてから小さな骨組みを大きな骨組みにくっつける。

 

「意外とよくできてる。」

 

「し。」

 

「ただいまもど…何をしてるんです?」

 

万陽奈が帰ってきて、のっ君を見て驚いた顔をした。

 

「あ、おかえり万陽奈。あのね。」

 

これまで経緯を万陽奈に説明した。

 

「…私が(ウイング)を出しますのに。」

 

「まぁ、のび太君はこうと決めたら否が応でもやるからね。」

 

「それは分かりますが…。」

 

まぁ、やっぱり納得は行かないよねぇ。私も見守ることにはしたけど理解はしてないし。

 

「男の子って。」

 

「ほんとに」

 

「「子供(ですね)」」

 

「よ、容赦ないね。」

 

――――――――――――――――

 

 

「できたぁ!!」

 

やっとできた!これで自由に飛べるよ!!

 

「よく頑張ってね~」

 

「ようやくですね」

 

「意外とよくできてる」

 

「よし!裏山で初飛行だ!」

 

「「「いやいやいやいや!!」」」

 

僕は裏山に走って行く。何か万陽奈さんがいた気がしたけど。今はこれを試したい!!

 

「のび太君!?」

 

「それでは飛べま…のび太様!?」

 

「聞こえてる!?」

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

そして僕は裏山に来ていた。ここは崖になってる場所なんだ。

 

「ほんとによく出来たね。だけど。」

 

「のび太様」

 

「絶対聞こえてるわよね?」

 

「よし!行くよ!!」

 

「「「あ!!」」」

 

僕は翼を腕に通して飛んだ!よし、このまま腕を振れば!!!

 

ブンブンブンブン!!

 

「あ、飛んだ!飛んだ!飛んだぁ…あれ?」

 

「エア・マット敷いといてよかった。」

 

ぼよんぼよんとエア・マットで僕ははねていた。

 

「あああ!!余計なことしないでよ!!」

 

「余計な事って……」

 

「そんな意固地にならなくてもいいじゃない」

 

「だって飛べたと思うじゃない。」

 

「のび太様。私が…」

 

「万陽奈さんの気持ちはうれしいけどごめん。」

 

「はぁ…」

 

僕はもう一回飛んだ。けどやっぱり飛べない!!何回も…何回も!!リベンジを重ねても飛べやしない。腕を大きく振れば飛べるって書いてあったのに!!ドラえもんや万陽奈さんの力なしで飛べないと…

 

「僕は強くなれない」

 

「…そういう事」

 

「ハァ…のび太様はホントにバカですね。」

 

「え?どういう事?でもこんなに頑張ってるんじゃ止められないし。」

 

「それはそうですね。」

 

やば、美夜子さんと万陽奈さんにバレた。ど、ドラえもんにバレてないからノーカンノーカン…よし。

 

「えええ!?エア・マットなしでやる!?」

 

「それは無茶です!いくらあなたの耐久がバカ強くても怪我はしますよ!?」

 

「それでもマットが安心しちゃうからね。」

 

僕は飛んだ。僕は自分の力で飛ぶんだ!!

 

「え、ちょ、のび太君!!」

 

「意固地なんですからどこかのバカ王子と一緒で…付与(エンチャント)!!(ウイング)!!」

 

「飛べた飛べた!…じゃなかったのか。」

 

「のび太君。人間の力じゃ、無理なんだ…」

 

ドラえもん、美夜子さんはタケコプターで、万陽奈さんは翼を付与して飛んでいた。僕の背中には万陽奈さんの付与された翼がバサバサと音を出していた。ハァ…

 

「そんなことはわかってるよ!!でも…ドラえもんや万陽奈さんのサポートじゃなくても自分の力で飛びたかったんだよ…」

 

「でも、のび太君の心意気は立派だよ。」

 

「ありがとう…」

 

「ちゅんちゅん」

 

「「「「ん?あ、え?」」」」

 

あれ?この子って…しずちゃんの飼ってるピーコにそっくり?

 

「のっちゃーーーーん!」

 

下からしずちゃんの声が聞こえた。

 

「ていうかみんなも居たんだ!それよりさ!ピーコそっちに来なかったぁ!?檻から抜け出しちゃってェ!!

 

あ、やっぱりしずちゃんのピーコだったんだ。あの子はしずちゃんの家族だしね。ペロと一緒で大事に育ててるのを見たことあるし。

 

「いたよ!!ちょっと待ってて!捕まえてくる!!」

 

「ありがと!!」

 

「じゃあ、私達下に降りてるわね。」

 

「うん。とっと、待って!ピーコ!」

 

僕はピーコを追いかけて捕まえようとしたけど、やっぱり鳥なだけはある縦横無尽に羽ばたいてる。

 

ビュオ――――ン!!

 

「わぁ!?」

 

「は!?」

 

急に大きな穴が空に開いてそこから飛行機みたいなのが飛んできた。何だよ急に!!?ピーコがあの穴に入って行っちゃったし、いや待ってこれ突撃のパタンな気がするんだけど!?

 

「うわああ!?」

 

「うお!?」

 

僕と飛行機は辛うじて、避けれたけど僕はバランスを失ってしまった。やばい、このままじゃ落ちちゃううううううううう!!!!

 

「エア・マット!!」

 

ぼよんぼよん!

 

地面とキスすることは免れた、エア・マットをドラえもんが投げてくれたから…なんか前にもこんなことあった気がする。でも…

 

「助かったぁ」

 

「エア・マットのありがたさを知ってくれたね。」

 

「ハハハ…」

 

ドラえもんがこれを出さなかったら大怪我じゃすまなかった。反省しよう。

 

「ていうか今の何?」

 

「遠目だったから何かわかなかったわ。」

 

「あ、さっきの…」

 

あれは確かに飛行機だったけど、すれ違う時に運転手を見た。一瞬だったけどあの風貌は正しく英才君が見せてくれた資料の鳥人間だ。

 

「あの子鳥人だよ。」

 

「「「「は?」」」」

 

呆けた4人を見ながら、僕はこれから何かが起きると予感した…だってあんな出会い方は何か起こるよ絶対に…




雷神「はいというわけで、翼の勇者たち開始です。」

銀「2年前のスパンと一緒だな。」

雷神「それは言わんといて。」

ハル「ていうか、まだあそこに行ってないのに鳥の世界って題名でいいのかも」

雷神「それは自分でも思ったけど…この小説の入り方これだからね仕方ないね。」

銀「開き直りやがって。」

雷神「では皆さん次回もお楽しみに


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第63話翼の勇者たち~グースケとスノーグース号~

はい、続きです。

頑張りますよぉ!!


視点はのび太、和人です!


僕達はさっきの飛行機を探していた。いきなりでびっくりしたけど。きっと彼はピーコを避けてくれてたんだ。怪我をしてないか心配だ。ピーコはあの穴に入っちゃったけど…

 

「あ!あそこ!」

 

しずちゃんが見つけたみたいで僕達はそっちを見た。さっきの彼と飛行機が倒れていた。僕達はすかさず行くと彼は所々に傷はある。

 

「どうやら怪我はしてるけど無事みたい。」

 

「よかったぁ。」

 

「ですが、やはりこの方は…」

 

「うん、鳥人間だね。」

 

「それにこれ。本物の鳥の羽根だ。」

 

ドラえもんが彼の近くに落ちてある羽根を僕達に見せてくれた。僕はそれを持ってみた。やっぱり感触は羽根そのものだった。

 

「あの穴が突然現れたし……こんな飛行機で…でも誰かに見つかったら大騒ぎになる。[かたづけラッカー]!これで飛行機を隠しておこう。のび太君、この子をおぶって。」

 

「家に連れて行くの?目立たない?」

 

「[盲点星効き目長持ち安心バージョン]!これでこの子を隠そう。」

 

「懐かしい物を出したね。」

 

「え、消えてしまいました?」

 

「何その道具!うち知らない!」

 

そっか、[盲点星効き目長持ち安心バージョン]は魔法の世界の時に出した道具だからしずちゃんは知らないんだった。万陽奈さんは道具自体初めてだし、キョトンとしていた。

 

「この道具は相手の盲点を突く道具なんだ!さ、行くよ!」

 

 

 

――――――――――

 

「うわああああ!!!」

 

「「「「あ」」」」」

 

「気が付いた?」

 

僕、ドラえもん、美夜子さん、万陽奈さん、しずちゃんは彼が目を覚ましたのを見て、安堵した。家に戻ってから1時間は彼は気を失ってたからさ。魘されてたみたいだし。よかった。

 

「う、うわうわうわあああ!!人間!?」

 

え、人間って認識されてる?彼らからすると僕達人間の事に知られてるって事?ま、いきなり知らない人が5人も見られてたら警戒もされるか

 

「ごめんね。囲ってたら警戒もするよね?」

 

「何もしませんから大丈夫ですよ?」

 

「僕の…僕のスノーグース号!!ああ!どこにやった?」

 

スノーグース号ってさっきの飛行機?

 

「安心してよ。見つからないように隠してあるから。」

 

「ありがとう。だけど、早くスノーグース号の所へ連れてってくれ!!」

 

彼にとってあの飛行機は思い入れがあるんだ。そりゃまぁ、目が覚めたら知らない人間(一人はロボット)に見つめられて、大事なものが無かったら心配しちゃうか。

 

「のびちゃん!?」

 

「ママ?どうしたの?」

 

ちょっと怒りながら下からママの声が聞こえた。どうしたんだろ?

 

「鳥の羽根が落ちてたのよ!!また内緒に何か飼い始めたの!?」

 

「あ、彼の羽根が落ち…あれ?」

 

「「「「「あ」」」」

 

彼はいつの間にか屋根を飛び越えながら裏山の方に行った。目を離した隙に…早いな。

 

「のびちゃん!」

 

「おっと、大丈夫!しずちゃんの鳥の羽根が落ちたんだよ!」

 

「なんだ、そうなの…もし飼ってたら許しませんからね!!」

 

ぞぞぞと背中に悪寒が出てきた。全くママの動物嫌いもここまでくると重症だね。ピー助を飼ってた時は何度命の危機が来たことか。

 

「とりあえずあの子を探しに行こう。」

 

「ですが、彼は私達を警戒しています。どうします?」

 

「まぁ…そこは何とかするよ。」

 

「何とかって…」

 

「とりあえず行こ。」

 

「あ、のび太様!」

 

―――――――――――――――

 

そして、夕方になった。タケコプターを頭につけて僕達は彼を探していた。うーん、美夜子さんと万陽奈さんは魔力探知は得意だ、なんだけどルフィさんみたいに人を見つけるのはあんまり得意じゃない、しずちゃんに頼んだけど、見聞色の覇気ってやつの視野が狭いから探すのに大変みたい。

 

「うわあああああ!!!」

 

「あ!いた!」

 

彼が飛び出してきた、ハチに追われてたみたい…でもおかしいな彼には翼があるのに何で飛ばないんだろう?

 

「もう大丈夫よ!」

 

「羽がありますのに飛べないのですか?」

 

美夜子さんと万陽奈さんが彼を助けた。ふう、ひとまずは安心した。

 

「き………キミ達人間なのにどうして飛べるんだ!?」

 

鳥人間からしたら、そりゃそんな疑問も出てくるか。いやまぁ、人間が飛べるって怪奇現象以外の何物でもないけど。ま、ともかく昼間に落ちた場所に行くか。

 

「[ラッカー落とし]!!」

 

「うわ!スノーグース号!ああぁ、これはひどいや。これじゃあ、修理するのに時間がかかりそうだ…」

 

彼は落ち込んだ様子でそうつぶやいた。あ、この作り僕が作ったあれと一緒だ。よし。

 

「僕達も手伝うよ!」

 

「いいよ僕一人で。」

 

即断られた。流石にそうか…でも!

 

「君はまだ僕達の事信じてくれないの?」

 

「ん…あ…ありがとう…のびちゃん。」

 

ちょっと考えてから彼は笑顔で答えてくれた。…のびちゃんって絶対ママが僕をそう呼んだからだ。何だかむず痒いから訂正しとこ。あーちゃんとママ以外に呼ばれ慣れないからかもだけど。

 

「僕は野比のび太」

 

「僕はドラえもん」

 

「私は満月美夜子」

 

「私は満月万陽奈って言います。」

 

「ウチは源静香!気軽にしずちゃんって呼んでね!」

 

「うん、僕はグースケ…ハルキニア・グースケ!よろしく。」

 

―――――――――

 

「ていうか、グーちゃんってどこから来たの?」

 

「んん…それは言えない。」

 

深刻な顔をしてそう言ったから、多分グースケの世界の法律かなんかで別世界では言っちゃいけないんだ。福の世界(フォーチュン・ワールド)はそんな法律はなかったけど、この感じだと重い罰があるんだ。

 

「ま、とりあえず、この飛行機が修理できるまでここに隠れていた方がいい。」

 

「それもそっか。」

 

「でも、どこに隠れるんですか?」

 

「これに一時期的にね。[巣箱型キャンピングセット]!!」

 

「随分小さいね?」

 

「まぁ、見てて。この辺なら眺めもいい」

 

ドラえもんはそう言うとタケコプターを付けて、さっきから見てる木の上にキャンピングセットを置いた。

 

 

「[どこでもエレベーター]をセットして!」

 

ちーん!!

 

「巣箱まで参りまーす!」

 

なんかドラえもんいつになく生き生きと道具を説明してる。ここ最近道具使ってなかったからかな。僕達はエレベーターに乗った。

 

チーン

 

そして、巣箱の中に入ると意外と広かった。家具も色々揃ってるから不自由なく暮らせそう。

 

「おおお!!めっちゃいい眺めェ!!」

 

「そうね。ここなら夜もいい感じになりそう。」

 

「これマヤナ国の時に使えばよかったのに」

 

「8人でここに泊めれると思う?」

 

「あぁ…無理か。」

 

「これ1個だけだしね。」

 

「フエルミラー。」

 

「あ。はははは…」

 

「ねェ。」

 

ドラえもんは温かい目を出しながら、笑ってごまかした。全く。まぁ、それはいいか。いつもの事だし。

 

「君たちはどうしてこんな不思議な力を持ってるんだ?」

 

「え?あぁそれはドラえもんだけ持ってるのさ。」

 

「そうそう、おっちょこちょいな所もあるけどね~」

 

「へへ、ほんの少々ですけど…ってしずちゃんひどいな。」

 

「そういえば…ピーコどこに行っちゃったんだろ。無事でいてくれたらそれはそれでいいんだけどさぁ。」

 

確かに、ピーコは多分グースケの世界に行っちゃったと思う。グースケが言えないって言ったから、聞けないし。もどかしさがある。

 

「じゃあ、グースケ君。ゆっくり休んでね。」

 

「僕達、また明日来るからね!」

 

「しっかりご飯食べるのよ。」

 

「ゆっくり休んでください。」

 

「ばいばーい!」

 

「色々ありがとう!」

 

僕達は帰ることなった。流石に夜作業するのは危ないし。

 

「あ、のび太君、美夜子さん、万陽奈さん、しずちゃん。これは僕達だけの内緒だからね。」

 

ドラえもんが帰る途中でそう言った。

 

「和人にも?」

 

「うん、グースケ君の様子からしても、内緒にした方が得策だと思う。」

 

頑なに自分の世界の事を言わなかったグースケを見たら、確かにそうか。ま、明日は和人や直ちゃん達は稽古があるし、バレないでしょ。

 

「何を内緒にするんだ?」

 

「ぎゃあああ!?」

 

心臓が飛び出るかと思った。噂をすれば何とやら。和人が裏山から出てきた。何で裏山から?

 

「そ、そんなに驚かなくてもいいだろ。」

 

「今帰り?何してたの?」

 

「おう!何でもないよ。じゃあ、またな。」

 

「う、うん。」

 

あれ?なんか急いでるみたい。何か手に持ってたようなぁ?

 

「和人どうしたんだろ?美夜子さんわかる?」

 

「全然。和人君早すぎて聞き取れなかった。」

 

「私もです。」

 

まぁ、深くは気にしないことにしよ。とりあえず明日は修理だ!

 

 

―――――――

 

「まさか、あそこでのび太たちと出会うとは思わなかった。」

 

家に帰って俺は一人ごちる。俺とスネ夫とジャイアンは出木杉の家から出てから駄菓子屋でアイスを買って食べてる時に何かが裏山に落ちて行くのを見たんだ。でもそれが見つからなくて、お開きになった。

 

『いいか、これはのび太たちには内緒だぞ!』

 

『なんでだよ?別にやましいことはしてないだろ?』

 

『それをどう説明するんだよ』

 

俺が持っていたのはあの飛行機が落ちてたであろう所に落ちてた羽根だ。

 

『ま、それもそうか。』

 

それで夕方まで探したけど何もなかったんだ。そして俺達は解散になってさっきのび太たちに偶然会った。心臓はばっくばくだったけどな。美夜子さんと万陽奈がいたから急いで帰った。というわけだ。俺は部屋に入った。夕飯まで時間あるしな。

 

「これは何かを示してくれるのか?」

 

俺はベッドに寝転がって、見つけた羽根を見ながらそうつぶやいた。

 

「お兄ちゃん!!ご飯できたって~!」

 

「ほーいっと」

 

「お兄ちゃん、ちゃんと手洗った?」

 

「洗った洗った!今日は何かなぁっと!」

 

「何でそんなにテンション高いの?」

 

「べっつにぃ~」

 

「変なお兄ちゃん。」

 

不審がる妹をよそに俺はリビングに入って行く。明日は忙しくなるな。

 

 

 

 

 




雷神「はい、のび太と和人は映画の通りになりました」

銀「これで仲違いするわけじゃねェよな。」

雷神「それはない。劇場版と一緒だよ。」

ハル「じゃあ、和人は一回捕まっちゃうの?」

雷神「そんな感じ。」

銀「スノーグース号、劇場版よりも派手に壊れそうだな。」

雷神「あ。」

「「おいおい」」

雷神「ハハハ…では次回も楽しみに!」


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第64話翼の勇者たち~迷い込む3人と追われる5人~

はいはい、今回も始まります!
えぇ…準レギュラーと言いながら万陽奈さん普通に冒険についてきました。
あれれ?おかしいぞ?キャラクターが勝手に動いている?


視点は和人、のび太、しずちゃん、和人、のび太


――2019年5月18日――

 

「それは本当か?」

 

俺、ジャイアン、スネ夫は昨日の駄菓子屋でアイスを食べていた。スネ夫が出木杉から聞いた話だと背中に羽を付けた鳥みたいな人間が屋根の上を走っていたらしい。有力な情報だな

 

「この羽の持ち主か。」

 

「そうかもな。昨日おれ達が見たやつと関係があるな。」

 

「出木杉の話してたと人間型宇宙人かも」

 

その可能性が出て来たな。あの話はどこか人魚伝説と似たり寄ったりしてる。鳥人間型宇宙人かどうかわからないが…

 

「これは大大特ダネだぜ!お、ちょっと待て。」

 

「この話はのび太達には内緒でしょ。」

 

「その通り。」

 

ま、俺達だけでもこれは調査したいしな。行き詰ったらドラえもんを頼るのもありだしな。よし、行動開始だ!!

 

―――――――

 

「やぁ、グースケ頑張ってるね!」

 

「うん、みんなおはよう」

 

「「「「「おはよう(ございます)!」」」」」

 

僕達が着くころにはグースケはスノーグース号の後ろ部分の翼を取っていた。幸いなことにあそこの部分が欠損したから僕の作ったこれが役に立つかも。

 

「ねぇ、これ使えるかな?」

 

「ちょっと破れそうだけど…使えるよ!」

 

「よかったぁ。」

 

「ちょっとその前に![カチンカチンライト]~!」

 

このライトは名前の通りに物をカチンカチンにできる。これで僕の作った翼を補強するみたい。

 

「じゃあのび太!そっち持って!」

 

「うん」

 

――――――

 

のっちゃんはグーちゃんと一緒に修理をしていた。いつにも増して張り切ってるなぁ。

 

「何であんなにのっちゃん張り切ってんの?」

 

「のび太君作るのとかにハマったみたい。」

 

「だからあれ作ってたんだ。」

 

「のっ君って意外と物にハマると没頭するわよね~」

 

うちらは二人の修理を見ながら話してた。みっちゃんが言うようにのっちゃんは昔からハマった物は博士の如く吸収して探求するし、時雨蒼燕流もそうだし。新しい型の開発を惜しまないからどんどん強くなっていく。

 

「うちも頑張らなくちゃ」

 

見聞色の覇気を完全に取得しなきゃのっちゃんやみっちゃんには並べないし。ヴァサゴ一派がいつ活動してくるかもわからない。それにレディナみたいなヴァサゴとは違う敵も現れるかもしれないから。

 

「静香様。」

 

「マーちゃん?」

 

「焦らなくても大丈夫です。」

 

「あ…ははは…」

 

マーちゃんにはわかっちゃったかぁ。みっちゃんにもバレてるだろうし。まぁ、うちはうちで頑張るか。

 

「そうよ、しずはしずのペースで頑張るの」

 

「うん、ありがと!」

 

「「やった!!」」

 

何て話してたら翼の修理が終わったみたい。

 

「次はプロペラの調子!」

 

「オッケー!」

 

2人は協力しながら、修理を続ける。あの光景…兄弟みたいだなァ。こんなのんびりとしたのは久々な気がするなァ…始業式が始まってから戦ってばっかりだった気がするし。

 

「おっけー!完璧だ!!」

 

「これで飛べるんだね!!」

 

――――――――――

 

「ありがとう、のび太!」

 

「よかったね。グースケ!」

 

そして早速テスト飛行をする為に大き目な崖に来た。僕が飛んでた崖はその上にある。

 

「頑張ってグースケ!」

 

僕が声をかけると、グースケはサムズアップした。グースケはスノーグース号のペダルを回した。そのあと、ブレーキを離して、スノーグース号は動いた。

 

「逃がすなスネ夫!和人!!」

 

「「おう!!」」

 

途端にジャイアン、スネ夫、和人が鬼の形相でスノーグース号に飛び乗った!?

 

「ジャイアン!?」

 

「スネ夫!?」

 

「和人君!?」

 

あの3人が何で急に!?あ!!昨日の和人の様子!和人達もあの事故現場に来てたんだ!!

 

「追いかけよう!!」

 

「うん!」

 

「あの3人も何気に関わってたなんて!」

 

僕達はタケコプターで4人を追いかけていくけど、やっぱり修理したばっかりのスノーグース号は早かった。追いつけるかわからないし、全力運転するとタケコプターの電池が上がる。

 

「ねェ!もっと早くなれない!?」

 

「これが最大運転です!!」

 

ビューン!!!

 

そしたら昨日と同じ穴が出てきた。あれにグースケは飛び込んだ!?ちょっと待ってよぉ!!

 

「あのままじゃ、彼らも行ってしまいます!!」

 

「追いかけるよ!!」

 

「もう!!ジャイアン!!スネ夫!和人!!!」

 

僕達は急いであの穴に飛び込んだ。

 

「時空間?」

 

その穴の向こう側は空が筒状になった空間だった。

 

「ドラちゃんこれ何!?」

 

「時空間じゃないかと思う!」

 

「何で時空間!?」

 

「待って前から何か来る。」

 

「うわ!?」

 

普通の鳥…あれは鴨!?何でこんな所にいるの!?どこから来たんだ?ていうかここってグースケのいる世界に通じてるんだよね?どうなるんだろ。人間に警戒してたし、何もないといいけど…

 

―――――――――

 

「君たち危ないじゃないか!!」

 

「お前は何者なんだ!!」

 

「それを今聞くことなのか!?」

 

俺とジャイアンとスネ夫は飛び立とうとしているこの飛行機に飛び乗ったのはいいもののどこかに連れていかれてる感じだった。

 

「ママ~!!」

 

俺達はそのまま筒状の空間から出た。

 

ぴ――――――――!!!!

 

すると後ろからカラス人間…見るからにカラス天狗じゃないか!?あれ!?

 

「おろせ!!」

 

ボキャ!!!

 

するとジャイアンが乗ってた部分がぶっ壊れた。え?いやいやこれまずいんじゃないか?

 

「「「うおおおお!!!」」」

 

俺達は落ちて行く。やばい!!このままじゃ俺達死ぬぞ!?と思ったけど空中で止まった。た、助かったのか?

 

「和人、ジャイアン…」

 

「ん?な、なんだお前ら!?」

 

「お前ら誰なんだ!!」

 

俺達が叫んでもこいつらは睨むだけだった。何だ?地下世界のナンジャ族みたいなやつらなのか?いや見るからにこいつら警備隊って感じだ。どっちかと言えばバンホーさん…おれらまた不法侵入したのか?

 

 

―――――――――――

 

 

「うわあああ。」

 

「やっと止まった…」

 

僕達は、時空間(仮)から通り抜けた。下を見ると深い緑…というか森林や大きな山があった。こんな場所地球ではアマゾンか白亜紀くらいしか見た事ない。アマゾンはテレビで見ただけだけど。

 

「一体どこなんだろ。」

 

「うん…ん?」

 

ぶぶぶ、ぐるぐるぐるぐる!!!!!

 

「タケコプターぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

また僕だけタケコプターの調子がおかしくなった。これどうにかなんないの!?

 

「電池切れだ。降りよう!」

 

「メンテナンスしておいてよぉ…」

 

「わりぃわりぃ」

 

「でもどこに降りる?」

 

「森の中に降りてみよう。歩いて探すんだ。」

 

「あれ、絶対白亜紀より深そう。」

 

―――――――――――――――――

 

そして僕達は降りてきた。その場所はこの世界の町みたいだった。降りた場所がピンポイントな場所でよかった。すぐに出るのもあれだから僕達は観察する。

 

「というわけでより取り見取りなの!」

 

「ヘェ。」

 

「ただいま!」

 

「ここここっ♪コケッコー♪」

 

「メンドリィさん。速達ですよ。はい。」

 

「ご苦労様。ま!オンドリィさんから!コケコッコー♡」

 

「早く!急いで下さい。コウノトリさん!卵が産まれそうなんです!」

 

「はいはい…」

 

「ああもう!早く早く!!」

 

「はい…はい…」

 

鶴さん、カモメさん、雌鶏さんにペリカンさん、スズメさんにコウノトリさんと、色々な鳥類の鳥人間が喋ったり、出産に立ち会ったり、家族を持ったりしていた。きっとグースケみたいに名前はあるんだろうけど。

 

「ペリカンの郵便屋さんがぴったり過ぎて感動。」

 

「うん、絵本や歌みたいな出来事が目の前で起きるなんて。」

 

ここがグースケのいる世界ってわけか。鳥人間世界は地球じゃなかったけど本当にあったんだ。

 

ばさばさ!!!

 

「何!?」

 

「そこを動くな!!お前達はどこから来た!!」

 

か、烏天狗!?いや違うカラスの鳥人間だ!

 

「お?何で人間どもが居るんだ?」

 

「隊長!こいつは猫ですぅ!!」

 

「ん?」

 

「うむ、ほんとだ。猫だ。」

 

え、珍しい、初見でドラえもんを猫と見破った。今までタヌキやフグって言われてたのに。猫って言われてすごく感動してるドラえもん。相当ストレス溜まってたんだ。

 

「感動してる場合ではございませんよ!!」

 

「そうだよ!ドラちゃん!絶対こいつらうちらを!」

 

「猫は鳥の大敵!!捕まえろ!!」

 

ってそういう事か!!猫はネズミや鳥を食べるから猫に敏感だったんだ!!

 

「にげろぉぉ!!」

 

ここで始まった何キロかわからないマラソンが始まった。何か絶対にこうなるよね!!ウソだろ!?

 

「どこへ逃げたらいいんだ!」

 

「そこ行く子猫ちゃん」

 

すると5匹のダチョウが停まっていた。一番前のダチョウさんがドラえもんに声をかけた、当然猫と呼ばれたドラえもんは。

 

「え?僕の事ですか?」

 

キラキラした目でドラえもんはダチョウさんに話かける。

 

「ドラえもん!早く!」

 

「お急ぎでしたらダチョウタクシーを。」

 

「タクシー?とりあえず乗りましょう!」

 

タクシーならあの人達から逃げられるかも!!

 

「どちらまで?」

 

「急いで前へ進めェ!!」

 

この感じオルニトミムスを乗った時を思い出す。もちろん白亜紀の時のね?地下世界のオルニは思い出したくもない。ちゃんと前を向いてるから。

 

「振り落とされないようにしっかりお掴まりください!!」

 

すると前に女の人が階段から下りてきた。

 

「ぷっぷーーー!!」

 

「ごめんなさーーい!!」

 

後ろを向くとまだあいつらは追いかけてくる。しつこいな!!ってうお

 

「どうしたの!?」

 

「ペンギンの幼稚園児が道路を渡ってるわ。」

 

「急いてる時って絶対そういうのあるよね!?」

 

「それは言わないの」

 

振り向くとめっちゃあいつら近づいてくる。ドラえもんが横の道を進んでほしいと言ったら、横道にタクシーは向かった。

 

「この先道が狭くなります!しっかり掴まってください!」

 

そう言うように狭い道を通り抜けると根っこの部分がトンネルになってる道が洗われた。

 

「頭下げて!!」

 

ふぅ、あいつらは急な穴にぶつかったみたい。ふぅ何とか逃げ切れた。

 

「どうです?うまく警備隊を巻いたでしょう。」

 

「うん、ありがとう。貴方のお名前は。」

 

「ハーピネス・ステッチと申します!今後ともよろしく…あらぁ?」

 

「「「「「え?あああああああ」」」」」

 

「オタッシャデー…」

 

ステッチさんの名前を聞いた瞬間にステッチさんが根っこに引っかかって僕達はぶっ飛んだ。でも、まぁステッチさんのおかげであの人たちから逃げ切れた。警備隊か…。

 

 

 

 




雷神「はい、終わりです。」

銀「冒険するのが8人になったぞ。」

ハル「万陽奈さん準レギュラーじゃなかったの?」

雷神「前書きでも言ってたけど、なりいきすぎて。」

銀「まぁ、別にいいが。」

雷神「ではh次回もお楽しみに


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第65話翼の勇者たち~バードピアとホウ博士とジーグリードの闇~

続けてまいります。


視点のび太、和人、のび太


「はい乾いたよ。」

 

あの後僕達は丁度池に落ちて怪我はしなかった。けど服が濡れてしまったからドラえもんに[瞬間クリーニングドライヤー]で乾かしてもらった。

 

「で?これからどうする?」

 

「ともかくあの3人を探さないと」

 

「しずちゃんわかる?」

 

「わかんない。遠い場所にいるのかも」

 

「そっかぁ。参ったなぁ」

 

まぁ、ここでじっとしてる場合じゃないし、僕達は移動することにしたけどどこに向かえばいいのか…ってあれ?

 

「わ、すごい建物。」

 

「うん、あそこに行ってみる?」

 

「とりあえずは…」

 

僕達は建物に近づく。

 

 

「いい加減にしてくれ!!」

 

「だ、誰か来た!!この中に隠れよう!」

 

「ご、5人も入る?」

 

「早く!」

 

ぎゅうぎゅう詰めにはなったけど、何とか入れた。

 

「ちょ、のっ君動かないで!!」

 

「ご、ごめん」

 

「こんな時までそれ発動するんだ。」

 

「不可抗力です!!」

 

「静かに!!」

 

「人間が侵入したくらいでいちいちわしを呼ぶな!!よっこらしょっと、では家へ戻ってくれるかね。」

 

「はいかしこまりました。…んぁ!?お、重いィィィ…」

 

「全く気が重い。ジークリードは何を考えておるんじゃ。」

 

きっと彼は僕達が乗ってるから重いって言ってるけど、乗って来た人はあの建物の家主を愚痴ってた。ごめんねダチョウさん。計6人分も動かすのしんどいよね。

 

ごろ、ごろごろごろごろ

 

隠れたのはいいけど、この人の家に行くよね。これ、どうしたもんか

 

「どうすんの?」

 

「と、とりあえず止まったらここを出よう。」

 

「さすがに体制がしんどいんだけど。」

 

「我慢して。動かないでね。」

 

「ねェ、僕死んじゃう。」

 

――――――――――

 

 

そして、ダチョウさんは止まった。すごくすごーく時間がかかっていたからもう身体がバキバキになってる。

 

「やぁ、ご苦労さん。今日はもう出かけることはないだろう。」

 

「出よう。」

 

「うん。」

 

「のっちゃんしっかりして。」

 

僕、ずっと同じ体制でバキバキなんだけど、なんて言うと怒るから身体に鞭を打って動かした。

 

「いってェ。」

 

「男の子でしょ」

 

「言った本人がよく言うよ。」

 

「何のことかしら?」

 

「ナンデモナイデス」

 

「中に入ってみよう。情報がつかめるかもしれない。」

 

僕達はあのおじいさんの家に入って行く。普通に考えて不法侵入なわけだけど今はそうは言ってられないし。中に入ると色々なものがあった。

 

「どうやらここは考古学者の家らしい。」

 

「あ、これ、英才君が見せてくれた。」

 

「ホルスの像に似てるわね。」

 

「ということは昔から地球と関係が…。」

 

「「「きゃああああ!!!!」」」

 

ドラえもんが考察していると美夜子さん、万陽奈さん、しずちゃんが叫けんだ。目の前の明かりに人影が見えたからだ。振り向くと

 

「みんなぁ?」

 

「グースケ!?」

 

グースケが立っていた。え!?ここってグースケの家だったの!?

 

「何でここにいるの?」

 

「君を追ってきたんだ。」

 

「ホウホウホウ…これはこれはこれは珍しい。人間の子供たちと…。」

 

ここは鳥人間の世界、きっとおじいちゃんも猫って言ってくれるとドラえもんはポーズを取っていた。

 

「タヌキ君!」

 

ずこおお

 

「あら!?」

 

はいお約束。

 

「僕ドラえもんです。猫型ロボットなんです!」

 

「のび太君に静香さん、美夜子さん、万陽奈さん、みんな、命の恩人です。僕の大親友ホウ博士。本名はホウ、オウなんだ。」

 

「じゃあおうさん?」

 

「下はそうだけど、みんなホウ博士って呼んでるよ。」

 

「ヘェ...」

 

「ホウホウ…グースケ!また勝手に人間世界(ヒューマピア)に出て行ったな!」

 

ホウ博士が怒ってるって事はグースケは時々こっちに来てるんだ。

 

「ごめんなさい。」

 

「それであの3人は?」

 

「あ…おそらくカラス警備隊に…」

 

―――――――――――

 

 

俺達は檻の中にいた。ハァ…予測通り、ぶち込まれたなぁ

 

「もう!こっから出してよぉ!!」

 

「弁明のチャンスもくれないのか!!」

 

「ん?」

 

「だれだ?」

 

スネ夫とジャイアンが騒いでいたらクロウが戻って来た。後ろには…ハゲワシ?

 

「この者たちでございます。ジーグリード長官。」

 

「あんたが親玉か?早くここから出してくれ!!」

 

「この凶暴性…正しく人間。」

 

凶暴性?…あのジーグリードって奴は俺達を見た瞬間に恨みを…いやもっと深いな、憎悪だ。今まで出会った人に比べるまでもない純粋な憎悪をおれ達に向けてきた。人間に何かされたのか?

 

「いかがいたしましょう!」

 

「人間ならば裁判にかける必要もあるまい。即刻処刑せよ。」

 

「ウソだろ!?何でそうなるんだよ!!」

 

「そんな勝手なことあるかよ!!」

 

「勝手だと?ほざくな。人間どもの勝手でどれだけの鳥類が迫害されてると思うのだ。」

 

「だからってそれは俺達には関係ないだろ!!」

 

「明日処刑しろ。」

 

そう言い残して、ジーグリードはクロウともなって出て行った。

 

「ウソだろ?」

 

「ママぁ!!!」

 

「おい待ってくれ!!おい!!

 

 

―――――――――――――

 

 

「「「「「バードピア?」」」」」

 

和人達は明日処刑されると聞いて、僕はすぐに向かおうとしたけど、ドラえもんや美夜子さんに止められた、まずはジーグリードやこの世界の事を知ってからだって、そして僕達はホウ博士からこの世界の名前を聞いた。

 

「さよう、ここ、バードピアは人間世界(ヒューマピア)から隔絶されておるが、人間世界(ヒューマピア)とは鳥の道(バードウェイ)と言う超空間で結ばれておる。」

 

なるほど、その一つが裏山の空に繋がってたんだ。

 

「どうして、今までわからなかったんですか?」

 

「入り口は鳥か我々鳥人しかわからないんじゃ。」

 

「それに同じ場所に留まっていないんだ。」

 

だから、こっち側は知らないんだ。地下世界も人魚達と似たような感じか。

 

「で?あの3人どうするの?」

 

「明日助けよ。」

 

「えぇ?」

 

「だって、このまま出歩くとまた追いかけられるよ?」

 

「[盲点星効き目長持ち安心バージョン]は?」

 

「メンテナンスに出しちゃった。」

 

「だからどうしてそう悪いタイミングがあるの?狙ってる?」

 

「そんなわけないでしょ!?う~ん、そうだ!![バードキャップ新型]!」

 

ドラえもんが出したのは鳥の顔を描いた帽子だった。

 

「これを被れば僕達も鳥人間の仲間入りができる。」

 

「は?何て?」

 

それを聞いた僕は聞き返した。

 

「だから僕達も鳥人間の仲間になれる。」

 

うん、聞き間違えじゃなかった。

 

「ねェ昨日は翼を出す道具ないって言ったよね?」

 

「あれはウソだよ。」

 

「はぁ!?何でそんな事を!?」

 

「だって、自分の力でなんとかするって言ったじゃないか。」

 

「…それもそっか。」

 

僕の言葉を聞いて、ドラえもんは出さなかったそりゃ的を得てる…けど!!

 

「それを言ったのは「さあみんな被って!」言葉を被らすなァ!!!」

 

ハァ…まぁ僕が言った事だしいいか、んで僕は鴨さんキャップを被った。しずちゃんは白鳥、美夜子さんはフラミンゴ、万陽奈さんは鷹のキャップを被った。

 

「付与なしで飛べるとは思いませんでした。」

 

「羽根が背中から…ほんとに秘密道具はすごいわ。」

 

「うん。」

 

んでドラえもんは…あれ?

 

「んじゃ、出発しようか。グースケ君。案内してくれる?」

 

「それがスノーグース号は壊れちゃって飛べないんだ。」

 

「んじゃ僕が運ぶよ。しっかり掴まってね?いくよ…うわ!?」

 

ドラえもんは飛べずにこけた、だってドラえもんがかぶったのはペンギン。飛べない鳥を選ぶのはドラえもんらしいというか

 

「大丈夫?ドラえもん。」

 

「うん、今度は…よし」

 

ドラえもんが選んだのは鳩さんキャップだった。まぁ、飛べないよりかはマシか。

 

――――――――――

 

僕達はグースケの案内で牢屋がある崖に来た。見張りはいないみたいだ。

 

「ねえ、処刑ってどんな目に合わされるのさ!」

 

「首吊り。」

 

「ママぁ!!」

 

「こっから出せ!!」

 

「無理無理。」

 

「王手!」

 

結構エグイ処刑方法だった。まずいな。

 

「[沈み玉]ぁ。」

 

ドラえもんはあの2人を沈ませるからグースケに鍵を取るように頼んでいた。そして、見張りの2人は沈み玉で沈んでいく、腰のあたりまで沈んでいた。

 

「行けェ!」

 

「お!?」

 

「なんだ!?」

 

「和人!ジャイアン!」

 

「スネ夫!」

 

「おお、心の友よ!」

 

「お、お前らも来てたのか?」

 

「来てたのか?じゃないよグースケのスノーグース号に乗って何がしたかったのさ!」

 

「俺達は鳥人間の正体を探りたかったんだよ。」

 

和人は沈んだ声でそう言った。もう、和人ってこういうとこあるんだから!

 

「のっ君には言われたくない」

 

「やめてそんな目で僕を見ないで。」

 

「早く、誰か来ないうちに!」

 

「あ、お前は!」

 

「あの飛行機の!」

 

グースケがカギを持って来てくれて、それで牢屋を開けた。これで一安心だよ。んで見張りの2人はドラえもんが[忘れろ草]って道具で記憶を消していた。ま、このくらいしないとね

 

「みんな急ごう!」

 

「「さようなら~元気でな~」」

 

「効力強くない?」

 

「効き目は2週間くらいだよ。」

 

「長いし、エグイ。」

 

――――――――――

 

「もうヤダ、もう帰ろうよ!」

 

そして近くの丘まで僕達はやってきて、スネ夫がそう言ってきた。まぁ、もう3人を解放したし、帰るんだけど…

 

「それが…ここの様子をもっと調べないと。」

 

ドラえもんが言い出した。え?

 

「何で?」

 

「だって気にならない?」

 

「それはそうだけどさ。」

 

「ごめん、僕のせいでみんなに迷惑かけて…」

 

グースケが申し訳なさそうに謝った。その様子を見て僕は切り出す。

 

「ま、急いでるわけないじゃないし」

 

「え!?」

 

「せっかくグースケとも友達になれたんだし、もう少し見て行こう。」

 

「グースケって言うんだ。俺武。俺達にも責任があるし…」

 

「ジャイアン!?」

 

「そうだな。折角来たんだ。勉強していこうぜ!」

 

「和人まで…わかったよぉ。」

 

「ドラえもん、俺達にもさっきの道具出してくれよ!」

 

「もちろん、はい。」

 

ジャイアンはアホウドリ、スネ夫はキツツキ、和人はカラスだった。

 

「俺は複雑なんだが。」

 

カラスのキャップを見て和人は複雑そうにしていた。まぁ、さっきまでカラス警備隊に捕まってたしね。

 

「でも和人は黒ってイメージがあるからいいんじゃない?」

 

「そう言う問題かよ。まぁ、いいか」

 

「お前はキツツキ、スネ夫にぴったし。」

 

「そう言うジャイアンはアホウドリじゃん。」

 

「あ?誰がアホだって?こんにゃろう!」

 

「そういうお約束はいいから早く行くよ!」

 

そして僕達はホウ博士の家にひとまず帰ることになった。ジャイアンはアホウドリだから助走が必要で少し遅めで来た。

 

――――――――――――――

 

ホウ博士の家に着いてからホウ博士に無事に3人を助け出せたと報告した

 

「よかったよかった」

 

んでこの世界の事を和人達にも説明した。

 

「そういう事だったのか。」

 

「でもなんで人間ってだけで死刑されなきゃいけないんです?」

 

「ホウ…それはジーグリード長官は人間を憎んでるからじゃ。憎んでるなんてもんじゃない…憎悪の塊じゃ。」

 

「やっぱりそうなのか。」

 

「どうしたの和人。」

 

和人は思い当たる節があるみたい、なんでも会った時のそのジーグリード長官の目は確かに憎悪の目で和人達をみていたらしい。

 

「なんでなんですか?」

 

「銃で撃たれたからじゃ。」

 

ホウ博士はジークリード長官の過去を教えてくれた。バードピアには渡り鳥パトロール隊という世界の渡り鳥を監視を目的とした組織があるらしい。

 

「鳥たちは特別な能力で迷わず渡ることができる。じゃが中には迷子になってしまう者もおるんじゃ。そんな鳥を正しいコースに導いたり危険から守るの仕事が渡り鳥パトロール隊なんじゃよ。」

 

そんな中ジーグリード長官はパトロール中に心無い人間に翼や腕を撃ち抜かれたらしい。そして、落ちた後に人間に口にはできないような人体実験を色々されてしまったらしい

 

「ひどいわ。」

 

「それ以来人間を憎むようになってしまったんじゃ。ジーグリード長官を撃ち抜き…様々な実験をした者の名は…はてグースケ。何といったかの?」

 

「もう時々ボケるんだから…ヴァサゴ・カザルスでしょ!」

 

「「「「「「「は?何だって!?」」」」」」

 

「どうしたのですか?皆さま」

 

「驚いた!何みんなして。」

 

「ホウホウ」

 

万陽奈さん、グースケ、ホウ博士はいきなり叫んだ僕達を見た。

 

「ごめん、そいつ。知ってる名前なんだ。」

 

「そうなのですか?」

 

「うん、万陽奈さんも初耳だったね。」

 

僕はヴァサゴ・カザルスついてを事細かに3人に説明した。マヤナ国にはいなかったから油断してた。何代目のヴァサゴかは分からないけど…

 

「ふむ、そのような悪魔のような人間がいたのか。」

 

「10代も続いてるって怖いな。」

 

「そんな恐ろしいのと今まで戦ってきたのですね。」

 

あいつらは人間の皮を被った悪魔だからね…そっか、なら長官を悪くは言えないな。

 

「長官が撃ち抜かれたのって何年前なんですか?」

 

「ざっと50年前じゃの。」

 

「え?そんなに前何ですか!?」

 

「我々鳥人間は人間の3倍は生きれるからの。」

 

「うん、僕はみんなと同い年だけど、鳥人間は若い時代が長いんだ!」

 

意外だった。どっかの戦闘民族?って50年前って…いやタイムマシンでやって来た可能性があるか。

 

「話を続けよう。本来地球上の鳥と人間はともに生きなければならん。今そのために何ができるかを考えることじゃ。わしら鳥人も、キミ達人間も、キミ達の話で出てきた、恐竜人や人魚達もな。」

 

「改めてあんな人間を作ってしまってごめんなさい。」

 

「いやいや、キミ達のような人間もいる事はわしも分かっている。グースケを助けてくれてありがとう!」

 

「スノーグース号は博士と一緒に作ったんだ!」

 

「そうなの?」

 

「ああ、いやいやほとんどグースケ一人で作った。わしゃ考古学が専門なんでな。」

 

「道理で古い物ばっかりだと思った。」

 

スネ夫は近くにある石板を触れようとした。

 

「あああああ!それに触ってはいかん!!脅かしてすまん。大昔の石碑でな。崩れやすいんじゃ!」

 

「そうだったんですか。」

 

「さよう、これにはバードピアの運命を変えてるかもしれぬ、言い伝えが刻まれておる。」

 

「去年、トマリギの根元から発掘されたんだ。」

 

そう言ってグースケは外に見える大きな木を指した。あれ、最初に見た時もあったな。てっぺんにいつも雲がかかっている。スモークベルトといって、今までにだもあの中に入った者はいないらしい。

 

「なんか恐竜人の棟みたいだなあれ。」

 

「えぇ?あの上にタイムマシンがあるとか?」

 

「かもしれないな」

 

「まさか」

 

「トマリギは我々鳥人が誕生した時から成長を続けておる。しかしどのくらいの高さなのかがあるのか頂上に何かあるかは誰にもわからん。さ、みんなどこへ泊るんだい?」

 

「あ、そう言えば。」

 

「あの巣箱は?」

 

「あれは、一人用だしねェ」

 

「じゃあ僕ん家においでよ!」

 

「そうするといい、いつ見つかってもおかしくない。その帽子を被ってても安心はできんじゃろう。」

 

「じゃ、そうしよっか。」

 

こうして僕達は、グースケの家で泊まることになった。グースケの家楽しみだなぁ。




雷神「はい、終わり。ちょっと長くなった。」

銀「まさかジークリードの過去にヴァサゴをぶち込むとは。」

雷神「太陽王伝説では出なかったからね。本人は出てこないけど。」

ハル「次の劇場版で出るのね?」

雷神「そそ、では皆さん次回もお楽しみに!」


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第66話翼の勇者たち~ミルクと過去の記憶とイカロスレース~

はい、続きです

あの子が…のび太に…はは♪


視点はのび太、静香、のび太です。


「これが僕の家」

 

僕達はグースケの家に着いた。グースケの家は大きかった。確かグースケのお父さんはバードピア環境長官を務めており、渡り鳥パトロール隊が保護した鳥の飼育と地球へ帰す事を検討するのを仕事としているらしい。だから豪華なんだ。

 

「留守にして怒られないの?」

 

「平気だよ。スノーグース号の練習してたんだもん!」

 

「グースケ!!!」

 

すると、女の子の声が空から聞こえた。白い鳥の子がすごい剣幕でこっち飛んできた。グースケの知り合い?

 

「一体どこ行ってたのよ!!」

 

「うわ、ちょっとミルクちゃん!?」

 

来たと思ったらグースケの胸倉を掴んだ。何かこの光景に既視感があるなぁ

 

「しずちゃんみたい。」

 

スネ夫が小さくつぶやいた。

 

「スネ夫なんか言った?」

 

しずちゃんが睨む。

 

「それか…」

 

僕も呟く。

 

「のっちゃん?」

 

鋭いまなざしが僕とスネ夫に降りかかった!

 

「「ナンデモナイデス」」

 

蛇に睨まれたカエルの如く僕とスネ夫は萎縮する。

 

「なんかポケモンみたい。」

 

「そ、それは言わないで。」

 

っとまぁ、変なやり取りはここでイイとして

 

「ミルクさん?」

 

「あら?新しいお友達?初めまして私隣の、フィオーレ・ミルクです。」

 

「こんにちは、ぼくたち「あんた達ね!!グースケを連れだしたのは!!」

 

ドラえもんが言う前に食って掛かって来た。うわ、ますますしずちゃんみたい

 

シュン!!

 

「ヒィ!!」

 

「……」

 

「せ、せめてなんか言ってくれる?」

 

「ふふ?」

 

「ごめんなさい。」

 

「よろしい。」

 

気迫すごいし、しずちゃんナチュラルに心読んでた。

 

「え?あ、そうなの?」

 

僕としずちゃんが喋ってる間にグースケがミルクさんに説明したみたいだった。よかった。あのまま勘違いされてたらややこしくなってた。そして僕達は改めて自己紹介する。

 

「僕ドラえもんです。」

 

「源静香!しずちゃんって呼んで!」

 

「骨川スネ夫です。」

 

「剛田武、ジャイアンと呼んでくれ!」

 

「桐ケ谷和人だ。」

 

「満月美夜子です。よろしくね」

 

「満月万陽奈です。」

 

最後は僕か、なんか最後って下手に緊張しちゃうよねぇ。

 

「野比のび太。よろしくね!」

 

「……。」

 

「え?どうしたの?」

 

「え?あ、な、なんでもないの!!き、気にしないで!」

 

ミルクさんは少し僕を見てから顔を逸らした。ん?どうしたんだろ?僕の顔に何かついてるのかな?

 

「み、みっちゃん。」

 

「け、警戒するわよ。」

 

「そ、そうですね。」

 

女性陣3人が後ろで何か話してる。何のことを言ってるんだろ?

 

「とりあえず。入って。ミルクちゃんも。」

 

「うん。」

 

「あれ?バカに大人しくなったね。…え?」

 

「グースケ!!何かしゃべったらはっ倒すから!!!」

 

「ヘェ、ミルクちゃんにも春がねェ。」

 

「……」

 

「ぐは!?」

 

グースケとミルクちゃんはなんかこそこそと話していた。え?後ろも前もなんなの?僕、ジャイアン、ドラえもん、スネ夫、和人置いてけぼりなんだけど?

 

「さ、さぁ入って。」

 

お腹、というか鳩尾辺りを抑えながら案内するグースケ。大丈夫かな?

 

 

――――――――

 

「まあまあまあ!グースケの友達なら大歓迎よ!皆さんご夕飯は食べらしてね。」

 

グースケのお母さん、ハルキニア・ピッピさんは笑顔で出迎えてくれた。

 

「母さんの料理はおいしんだぁ!」

 

「もう、甘いんだからもっと反省させなきゃ。」

 

ミルクさんは黙って出て行ったことにまだご立腹みたい。ますます、しず

 

「のっちゃーん?」

 

「ナニモカンガエテナイヨ」

 

うん、もうやめよ、命がいくつあっても足りやしない。

 

「あ、母さん、父さんは?」

 

「今、ジーグリード長官がバビロン隊長と来てらっしゃるのよ。」

 

え?ここにいるの?ジークリード長官が?ここで和人、ジャイアン、スネ夫が見つかったらややこしくなっちゃう。3人はジークリード長官に会ってるから

 

「どうする?」

 

「バードキャップを見せてれば何とかなるよ。」

 

「それでどうにでもなるもんかな?」

 

「なるなる」

 

――――――――

 

「もぐもぐもぐ!!うめぇ!」

 

「相変わらずよく食べるね。」

 

「うまいんだよ。文句あるか。」

 

ジャイアンは美味い物ならすごく食べる。人の数倍は食べるからね

 

「おかわり!」

 

「はいはい!」

 

「俺も!」

 

「はいはい」

 

「おかわり~!」

 

「はいはい!」

 

「おかわり~」

 

「はいはい」

 

なんか、いつの間にかジャイアンとグースケの勝負みたいになってる。

 

「グーちゃんも負けないねェ!」

 

「イカロスレースに出るんですもの!スタミナつけなくっちゃね♪」

 

「イカロスレースって?」

 

「あ、えっとォ…グースケ説明!」

 

え、露骨に避けられた?ぼ、僕悪いことしたかなぁ?

 

「はいはい、照れ屋なミルクちゃんい変わって説明するよ。」

 

「ふん!!」

 

「ぐは!?だからそれやめてよぉ。んでイカロスレースってのはね。渡り鳥パトロール隊の入隊テストさ。伝説の超人イカロスにちなんで名づけられたんだ!」

 

パトロール隊員としての技術とスピード、耐久力を競うレースなんだって、グースケはそのレースにスノーグース号と一緒に参加するみたい。ちなみにレース開催は明後日らしい。ふーん…なんか興味あるなそれ。

 

「それで猛練習してたんですね。」

 

「うん!僕は「ふはは…」

 

話してる途中でジーグリード長官がやって来た。タイミングがすこぶる悪い。ほんとにバードキャップで伏せてたらバレなかった。

 

「翼で飛べぬ者がイカロスレースで勝てると思ってるのか?」

 

「軽く見られたものですね。」

 

「まあ、せいぜい頑張りたまえ。」

 

嫌味たらしくジーグリード長官とバビロンって人はそう言って出て行った。

 

「何よ何よ!!」

 

すると、ミルクさんが怒りだした。

 

「ちょ、ミルク!」

 

「飛べない訳があるからしょうがないじゃない!!」

 

「訳?」

 

―――――――――

 

グースケは僕達に語ってくれた。赤ちゃんだった頃の話。嵐の夜にいつの間にか生まれていたグースケは嵐の中を飛べない状態の中落ちてしまっていたらしい。何であそこを飛んでいたかは今のグースケもお母さんもわからないらしい。何で鳥人なのに飛ばない理由が分かった。

 

「それじゃ、グースケは…。」

 

「うん、自分の翼で飛ぼうとすると怖かったその時の事が思い出されるんだ…」

 

飛べないんだ。わかる気がする…

 

『嬉しいのぉ…のび太殿…必ずヴァサゴに一太刀入れて…くれ…』

 

カシバルさんの事は今でも忘れない。殺さずの誓いを彼に立てたんだ。

 

「わかるよ。僕も耳をかじられてからネズミが怖くて怖くて。」

 

「私がネズミになった時なんて大変だったものね。」

 

「そうそう、猫になった途端に変態になったけど。」

 

「そ、それは今言う事かな!?」

 

「「「「はははは!!」」」」

 

「でもいいんだ。僕にはスノーグース号があるもの!」

 

「うんそうだよ!自分の力で飛ぶんだからおんなじさ!ねえ!せっかくだし、イカロスレースでグースケを応援しようよ!!」

 

「お、それいいな!」

 

「そうだ!のび太達も出場してみれば!」

 

「いいの?明後日なのに」

 

「別に受付とかないからさ。」

 

「そうなの?」

 

「んじゃ!タコロスレースに出場決定!!」

 

「ジャイアン、イカロス。」

 

「あ?タコでもイカでもいいじゃん?」

 

「ダメだよぉ」

 

「「「「「はははは!!!」」」」」

 

今夜は早めに寝ることにしたけど、スネ夫がトイレに向かった。ま、ずっと緊張したのが解けたのかもね。

 

「うわあああああ!!」

 

「スネ夫が叫んだ。大きいのでも出たのかな」

 

「んなバカな事言ってる場合か!ジークリード長官の刺客だったらどうすんだ!」

 

「それもそうか!」

 

僕達は急いでスネ夫の元に向かう。

 

「どうしたの!?」

 

「ジークリード長官のし…かく?」

 

「あぁ、可愛い。」

 

「お父さん、男の子ですよ!」

 

「僕の弟だね!」

 

「グ~

 

急いでいくとスネ夫の頭には赤ちゃんが乗ってた。あら可愛い。スネ夫によく懐いてる。そっか多分、卵が孵った時にスネ夫が前に居て刷り込みがあったんだ。

 

「スネ夫、その子の面倒しっかりね。」

 

「ぼ、僕がやるの!?」

 

「他に誰がいるの?刷り込みだよ。スネ夫がしっかりしなきゃ。」

 

「わ、わかったよぉ。」

 

ピー助の時もそうだけど、赤ちゃんは可愛いな…ピー助…元気にしてるかなぁ。

 

―――――――――

 

そして次の日、僕達は練習のための場所にやって来た。ここには人間世界(ヒューマピア)や他の人間世界から連れてこられた鳥たちが自由に暮らしてて怪我をした鳥たちが元気になったらまた元の世界に戻すらしい。

 

「あ、あのペンギンたち、ニュースで見たのじゃない!?}

 

「本当だ!原油が取れてるし、気持ちよさそう。」

 

「あ、トキだよ!のっちゃん!綺麗だよ!」

 

「それに絶滅しそうな鳥たちを繁殖させて、いつか人間世界(ヒューマピア)や他の人間の世界に戻す。それが環境長官の父さんの仕事なんだ!」

 

ジャイアントモアやドードー、リョコウバトもいる。…日本で絶滅させた鳥たちもこの世界で元気にしてるのかな。

 

「あ!!」

 

「どうしたのしずちゃん。」

 

「ピーコ!!」

 

しずちゃんの肩に黄色い小鳥が…そうだった。ピーコはバードピアに来てたんだった。

 

「よかった。無事で」

 

「ぴぴ!」

 

「そう言えばドラちゃん、[動物語ヘッドホン]貸して。」

 

「いいよ。はい。」

 

「これピーコと話せる♪」

 

嬉しそうなしずちゃんを見て僕達は微笑む。

 

「そろそろ、練習開始よ!」

 

ミルクさんがやって来た。イカロスレースは中央庁からスタートして、表示通りにコースを回り、再び戻って一気にトマリギのスモークベルトのすぐ下に自分の羽根を突き刺すらしい。

 

「聞きようによっては簡単だな。」

 

「そうはいかない。途中に色んな障害物があるんだ。」

 

「そうなの?」

 

「うん、とにかくスピードが基本さ!まず、向こうの崖まで競争しよう!」

 

「「「「「「「「うん!!」」」」」」」」

 

「はい」

 

僕達は各々飛び始める、スノーグース号に乗ったグースケ、んでそのスノーグース号のスピードに追えるスピードを持つミルクさんはハンデとして、少し遅めに飛行するみたい。

 

「気持ちいいなぁ」

 

「しずちゃん、呑気だね、んで後ろ。」

 

「え?うわお!?」

 

グースケ、ミルクさんはスピード特化で勢いよく僕らの前に出た。

 

「早いなぁ。よし。」

 

翼を動かすコツは前もって予習済み…

 

「はぁ!!!」

 

ビュー――――ン!!!

 

「のっちゃんすごぉ。」

 

僕はスピードを上げて、グースケとミルクちゃんに追いついた。

 

「のび太さん、す、すごいね。」

 

「ミルクさんもやっぱりすごいね!」

 

「そ、そうかなぁ?」

 

「のび太!負けないよぉ!あとミルク!よかったねェ話せて!」

 

グースケはニヤついてミルクさんを見ていた。何でニヤついてんだろ?

 

「後で憶えときなさい!」

 

「何のことだか!!」

 

あ!スピードが上がった!!負けるもんか!!

 

「着いた!!」

 

「お、お前ら…早すぎるだろ。」

 

先を行ってたはずのジャイアンがいつの間にか後ろから来ていた。

 

「ありゃいつの間に。」

 

「もっと速くないと優勝は無理だよ?」

 

「あれで?」

 

「ぼ、僕は遠慮します。」

 

「わ、私もちょっと体力に自信がありません。」

 

「わ、私もそうする。」

 

「ウチはもっと磨きたいから参加する!」

 

ドラえもん、美夜子さん、万陽奈さんは辞退宣言をした。ドラえもんはともかく2人は体力に自信がないみたい。付与(エンチャント)すればいいのに。

 

「飛行中はこれに集中してるので無理です」

 

「そうなの、じゃあ、グースケ僕は優勝を狙うよ!」

 

「そう来なくっちゃ!のび太飛行能力すごいもん!」

 

「何言ってんの?そんなの当たり前じゃない?」

 

しまった、ミルクさんには僕達が人間だって知らないんだった!

 

「それは…のび太、最近まで翼の調子が悪かったんだ!」

 

「そうだったの!?大丈夫なの!?よくそれで全速力の私達について来れたね!すごい!!」

 

キラキラした目で見てくるミルクさんに僕は照れた。

 

「いやァ…それほどでも…んぎぃぃ!?」

 

しずちゃんに背中をつねられた。

 

「い、痛いんだけど。」

 

「鼻の下伸ばしてたけど?」

 

「き、気を付けます。」

 

「スネ夫はどうする?」

 

「僕も参加するよ!楽しそうじゃん!」

 

「それじゃあと10回往復しなくっちゃね♪」

 

意外とエグイことをさらっと言ってきた。え、あれを10回も!?

 

「うわぁ。」

 

「何?のび太。怖気づいたの?」

 

「ムカ、そんなわけないでしょ、負けられない!」

 

「そう来なくっちゃ!」

 

僕はメラメラと燃える!必ず優勝してみせるぞ!!

 

 

―――――――――

 

メラメラと燃え上がるのっちゃんを見てうちが思った事。

 

「やっぱのっちゃんって単純。」

 

「そう言うなよ。」

 

うちの近くにいた和君が苦笑いでそう言ってきた。和君も結構早いからイカロスレースいい感じになりそう。

 

「和君、自信のほどは?」

 

「まぁ、あいつらを見たらほぼ消失したけどな。やる気はある。」

 

「さっすがぁ。」

 

のっちゃんはコツをつかんだみたいだし、負けてられない!ってこういうのが単純なのか、のっちゃんの事言えないや、ハハハのハ♪

 

「で?いいのかミルクさん。」

 

和君はのっちゃんの隣にいる、ミルちゃんを指した。ミルちゃんの顔はそれはもう綺麗な見本のような恋する乙女の顔。昨日の挨拶の時から疑ってたけど、まさかねェ…

 

「…やっぱ、和君も気づいてた?」

 

「気づいてないのはあのバカだけだろ。」

 

そうだよね~。アスミアの時だって最初気づいてなかったし。ソフィアさんの時はソフィアさんが自分で言って気づいたし。あ、アスミアはキスだったっけ。

 

「こういう時何で気づかないのかな、あのバカは。」

 

「あいつはそう言うバカだからな。」

 

「はぁ…人の気も知らないであのバカは。」

 

「ねェ、2人ともバカバカ、うるさいんだけど」

 

おっと、大きな声でしゃべっちゃってたからのっちゃんに気づかれた。

 

「あ、聞こえてた?」

 

「僕を見ながら何の相談?」

 

「ベッツにぃ!この朴念仁!」

 

「な、なんでなの!?急に何!?」

 

「そんな事いいから、さっさと往復10回するよ!!」

 

ウチは慌ててるのっちゃんを無視して、往復10回をする為に飛んだ。

 

――――――――

 

しずちゃんは飛んで行っちゃった。また朴念仁って言われたの?なんかアスミアの時とデジャブだなぁ。

 

「まぁ、一つだけ言えるのは。強く生きろ。」

 

「は、ハァ?」

 

よ、余計に意味わかんないんだけど!?




雷神「ふぅ、終わり。」

銀「お前どんどん増やすなァ。」

ハル「見ようによっては最悪かも」

銀「グースケはミルクの事好きなのか?」

雷神「おれの中ではミルクの事は大事な姉貴分ということになってます。」

ハル「そうならそうと、書いとけばよかったのに。」

雷神「一回そう書いたし、修羅場にしたけど不採用にした。」

ハル「何で?」

雷神「映画を重点に置いてるし、ハーレム要素は薄くしておきたいんだよ。」

銀「万陽奈が好きな時点で薄くねェよ」

雷神「あ、そっか。」

銀「ま、流石についてくるこたぁねぇだろうが。」

雷神「さて次回もお楽しみに!」

銀「オイこら!!そのまさかなのかお



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第67話翼の勇者たち~自分の翼~

はいはい、イカロスレース開始になります。劇場版ののび太は急降下の場所でおしまいになりましたがさて、こののび太はどこまで行けるでしょうか!

視点はのび太、グースケ、のび太、ドラえもん、のび太です。


――2019年5月20日――

 

 

「今日は頑張ろうみんな」

 

「何とかって感じだけどね。」

 

それから2日が経ちイカロスレース本番の日になった。まぁ、この2日間は地獄だったね。当たり前なんだけど、他の選手はみんな、2週間とかなんだったら3か月前から特訓をしている。2日間の猛特訓で、他の選手においつけるかな。何かとか食らいついて見せるけど。

 

「それにしても会場はすごいなぁ。」

 

「毎年こんな感じだよ」

 

会場は歓声で盛り上がっていた。家族の、友人の、兄弟の応援に来た者や泣く泣く辞退した者か来てるらしい。ドラえもん、美夜子さん、万陽奈さん不参加組はまだこっちにいるけど、始まる前に向こうに行くんだ。

 

「今年は特に気合が入ってるみたいなんだ。」

 

「何で?」

 

「詳細は分からないけど、重大な任務があるらしい。」

 

「ヘェ。」

 

『さあ!!いよいよ!バードピア最大イベントイカロスレースのスタート時間が刻々と迫って参りました!!』

 

やっぱりこの手のレースには実況者がつきものだよね。いい声してるなぁ

 

『中央席には大会委員長、バードピア・Ⅾ・オオタカ総理以下各長官の顔が見えます!』

 

総理の名字がバードピアになってる。世界の名前になってるなんて大それたことしてるね。

 

「何で世界の名前が入ってるの?」

 

「歴代総理は代々バードピアを受け継ぐのが義務付けられてるんだよ。」

 

「ヘェ、すごいな。」

 

『スタート地点にはすでに出場者が集まっております!』

 

「それじゃ、みんな。頑張ってね?」

 

「優勝はできないでしょうが上位には食い込んでください。」

 

「任せといて!」

 

「ん~?」

 

するとグースケがきょろきょろとしだした。誰かを探してるみたい。

 

「どうしたの?」

 

「ホウ博士が来てないんだ。」

 

あ、確かに観覧席にいない。博士位なら長官席にいるのかと思ったけど、そこにはジークリード長官、グラジオ(グースケのお父さん)くらいしか顔を知ってる人はいなかった。

 

「研究で忙しいんじゃない?」

 

「グースケ!みんなも頑張れよ!」

 

グラジオさんが手を振って来た。グースケはそれに応えるけど、やっぱり少し浮かない顔してた。

 

「やぁ!グースケ!!」

 

すると、トンビの鳥人とツバメの鳥人が来た。…ウソップさん?と一瞬思ってしまうほどトンビの鳥人は声が似てる。

 

「スネ夫みたいにからかいに来たね。」

 

「ナンノコトダカ…」

 

「おい、お前も出場すんのかよ。」

 

「こんなへなちょこ飛行機で勝てると…」

 

ビュン!!!

 

「ヒィィィ!!!」

 

しずちゃんのケリがトンビの彼の鼻?をかすった。やばい、トンビの彼、しずちゃんの地雷を踏み抜いた…

 

「人の作ったもんにケチつける前に自分のコンディションを見たらどうなの?」

 

「な、何だよ!誰だお前!」

 

「人の前に自分からってお母さんから言われてないの?あ、そっか、言われてないから人の事バカにしてるんだもんね?ごめんねェ?」

 

「お、俺はツバクロウだ!!

 

「俺はトビオ!!おい!グースケなんだよこいつ!」

 

トビオはグースケに文句を言い出した。しずちゃんの地雷を踏み抜いた時点で僕、ジャイアン、スネ夫、和人、ドラえもんは何も言えない。スネ夫なんてずっと震えてる。

 

「あんた達!!」

 

「あ!?ってミルク!?お前も出場すんのか?」

 

「うるさい!男だったら口でなくレースで勝負をしなさいよ!!」

 

「何だと!!」

 

「ミルちゃんの言う通り!!え?まさか女の子のうちらに勝てないの?」

 

「あ、そっか、だからあんた達突っかかってたのね!それとも何?私がグースケといるからやきもち妬いてんの?」

 

「「ぐ、ぐぬぬ」」

 

「お、俺は知ってるぞ!お前、グースケの事!」」

 

「あ、グースケは私の弟みたいな物だし、グースケも私を姉貴分としてしか見てないからご心配なく。」

 

「ぐぬぬぬぬ!!」

 

女子2人の口撃にとうとうツバクロウとトビオは黙った。女子に口撃で勝てるわけない。僕達男性陣は哀れなツバメとトンビに合掌した。

 

「お、覚えとけよ!」

 

「レースに勝って見返してやる」

 

「はいはい。憶えときます。」

 

なんかヤンキーがよく吐くセリフを言いながら二人は僕らがいる場所から離れた。

 

「容赦ない。」

 

「しずちゃん、フルスロットルでフルスイングかました。調子よすぎるよぉ。」

 

スネ夫はしずちゃんを見ながら怖気づいたうん、確かに今日はしずちゃん調子がいい。

 

「スネ夫はあとでしばきまわすとして、今日はイカロスレース本番だよ!うずうずしちゃって!!」

 

なんか、少年みたいにウキウキしてる。

 

「ルフィさんみたい。」

 

「それはない。断じてない。」

 

―――――――――――――

 

『さあお待ちかね!オオタカ総理による開会宣言です!』

 

オオタカ総理が徐に立ち始める。

 

「ただいまより渡り鳥パトロール隊入隊テスト。イカロスレース開会する。」

 

この一言によりファンファーレが鳴り始める。

 

「テストの判定はバビロン隊長に一任します。」

 

バビロン隊長かぁ。ジークリード長官の側近みたいな人だよね。うーん、グースケが報われるよね。

 

『出場選手以外退場してください!出場選手以外退場してください!!」

 

アナウンスがされたから、すぐさまドラえもん、美夜子さん、万陽奈さんは観覧席に向かっていく。残ったのは僕、和人、ジャイアン、スネ夫、しずちゃん、グースケ、ミルクさんだ。僕達の付け焼刃な飛行で食らいついてやる!!

 

「各選手!位置について!!!」

 

ニワトリ審判が旗を持ってそう言った。

 

「よーい!!!こけぇ!!!」

 

それを聞いて、僕含めた選手たちはフルスピードで駆け出した。やばい!ちょっと出遅れた!!

 

「ぼきゃああ!!」

 

隣にいた乗り物に乗った選手はふかし過ぎたのか乗り物が前方に傾いてぶっ壊れてしまった、うわ、やば、あれはリタイヤか!グースケは一番前にいる。流石と言うべきか、ツバクロウとトビオはその前にいる。

 

『さあ!各選手!一斉に飛び立ちました!!果たして!一番早く戻ってくるのは誰か!!そして、トマリギに羽根を指すのは一体誰でしょうか!!』

 

実況さんの声が遠のく、上に上がってツバクロウが何かに気づいた。あれはレースの所か次々とみんな降りていく。急降下してるからバランスを崩したら、木にぶつかるね。

 

「とっとと」

 

よし、うまく整えれた。このまままっすぐ行けばうまく行けるね。

 

 

――――――――

 

よしうまくいった!!スノーグース号調子はばっちり!!後ろを見るとのび太たちは上手く急降下地点を行けたみたい。ここは森や岩があって、入り組んでる。スノーグース号でうまくかわしながら、行く。

 

「ツバクロウとトビオが前にいるか!」

 

「負けてらんない。」

 

「そうだね。」

 

ミルクとしずちゃんは鋭い目であの2人を捉えてる。まるで鷲が獲物を見るかのように。何気にしずちゃん僕達のスピードについて行けてるのすごい。…あ!前に大きな木と木があったトビオとツバクロウは屈んで、あそこを突破した。

 

「よっと!!」

 

僕はスノーグース号を斜めにさせてそこを通った。

 

「す、すごーい。」

 

「グーちゃん運転技術化け物じゃん」

 

「ちょっと!2人とも関心してる場合じゃないでしょ!!」

 

集中すればこんなもんさ。感心してる2人をのび太が突っ込んでいた。そこまで余裕があるってわけだけど。普通に3人とも突破したし。しずちゃんに化け物呼びはちょっと不満があるけどそれは、レースが終わった後で言おう。

 

―――――――――――

 

「うわ、すご。」

 

森のコースを出た後に崖に輪っかをつなげてるコースに出た。あれを潜り抜けながら行くのか。

 

「うわ!?」

 

「グーちゃん、もう!!」

 

崖をくぐった後に川を行くけど、スノーグース号の水しぶきがこっちに来た。少し濡れちゃうけど、文句は言えない。あとで言うけど。川を通ったら滝が見えてきた。矢印が滝の脇にあった、あそこに行けばいいのか。

 

 

「レースじゃなかったら綺麗な景色なんだけど!!」

 

滝の後ろを通った後に、洞窟の中に入る。薄暗くて見ずらいけど何とか通れる。何もいないといいけど。グースケ、ツバクロウ、トビオ、ミルクさんは前にいたはずなのにもう見えない。

 

「しずちゃん大丈夫?」

 

「こっちは、それにしても早いね。」

 

「もっと、急がないとね!」

 

「のっちゃん!あそこ!!」

 

「ん?あ!」

 

目の前に大きな蜘蛛がミルクさんに襲い掛かっていた。やばい!あのままじゃ食われる!!時雨金時はレースだからドラえもんに預けてる。

 

「しずちゃん!!」

 

「わかってる!!」

 

しずちゃんに合図をした。僕達はこのスピードを乗って、蜘蛛にぶつかった。蜘蛛は吹き飛んで、壁に激突する。

 

「アタタタ。大丈夫?ミルクさん」

 

「ここは危険だから早く抜けよ!」

 

「え、ええ!」

 

ミルクさんはちょっと動きにくそうだけど飛べてはいる。

 

「あ、おい大丈夫か?」

 

「和人は先に行って!」

 

「あ、ああ。無事でいろよ!」

 

和人が停まってみてきたけど、レースだから急がせた。

 

―――――――

 

「やっぱりグースケ達見えないかぁ。」

 

「ジャイアンたちもいつの間にか前に行ってたしね。ミルちゃん!大丈夫?」

 

「え、ええ、でも羽に蜘蛛の巣が絡んでうまくで飛べないの!のび太さん、しずちゃん、先にいってちょうだい!」

 

「でも…」

 

「いいの…グースケ、私の分まで頑張ってね!!」

 

ミルクさんはグースケに激励をしながら落ちて行った。…

 

「しずちゃん。」

 

「うん、行こ。」

 

僕としずちゃんはこれまでにないほどのスピードを出した。

 

「うお!?しずちゃんとのび太!?」

 

ジャイアン、スネ夫、他の選手を次々と越えて行く。ミルクさんの分を背負って僕達は駆けて行く。

 

「のび太!?それにしずちゃんも。」

 

グースケやツバクロウ、トビオがいる前線にまでこれた。

 

『おっと!?何というスピード!!のび太選手と静香選手がグースケ選手たちに追いついた!!トップグループに追いつく勢いです!!』

 

折り返し地点の中央庁はさっき越えた。実況さんの声が聞こえてたから。

 

「なんなんだよ!!グースケもお前らも!!」

 

グースケはひどく疲れた表情でスノーグース号を漕いでいる。って僕もしずちゃんも必死しすぎて、グースケ達の姿を見た瞬間に

 

「ハァ…ハァ。」

 

「んっ!ふん!!うぅぅ!!」

 

「クソ!!」

 

「はぁ…ハァ…あんた、降参したらぁ?」

 

「お、女に負けてた、たまるかぁ!!」

 

しずちゃんとトビオは言い争ってる。体力的にも煽らないでいいのに。

 

「はぁ…はぁ…!卑怯だぞ!そんな道具使って楽しやがって!!あ。」

 

グースケはスノーグース号を開始してずっと漕ぎ続けてるから疲れは翼で飛んでる僕らよりも体力は減っている。それなのにグースケは時々ペダルを踏み外してるけど漕ぎ続ける。その顔は取り憑かれたかのように。

 

「あ、グースケ…負けるもんか!!」

 

「僕も!!」

 

そんな姿を見せられちゃ。僕もツバクロウも負けていられなかった。僕は思いっきり、羽ばたき続けるそれは漕いでるグースケもツバクロウも一緒だ。トマリギの頂上近くまで僕達は同列で飛んでいる。

 

「はぁはぁはぁ!!」

 

「んっふんっはあ!!」

 

「はあああああああ!!!」

 

「ふ!!」

 

「んっ!!」

 

「は!!」

 

僕達は同時に自分の羽根を突き刺した。その瞬間に力が抜けた。疲れが全身を駆け巡った。グースケもツバクロウも、同じくそうなってた。やっば、さっきのフルスピードのせいかな。

 

 

―――――――――

 

『同着!!同着です!!優勝は、ツバクロウ選手、グースケ選手、のび太選手です!!』

 

グースケ君が優勝した!って何気にのび太君も優勝で来ちゃったよ、さっき、猛スピードで追いかけてたから、すごいや、のび太君は。

 

「のび太様ってやばいですね。」

 

「のっ君ってとことん負けず嫌いだもんね。あんなグーちゃん見たらそうなるわ。」

 

「そうですね。」

 

「何?どうだったの?」

 

美夜子さんと万陽奈さんはのび太君としずちゃんがここを通った時から目をつぶっていた。まぁ、2人は千里眼が使えるから見てたんだと思うけどね。

 

「グーちゃんがすごく、漕ぎまくってた姿を見て、あのツバメの子と一緒に負けるもんか!ってなったみたいなの。」

 

「まぁ、のび太君だしね。」

 

「ですが、同着はすごいです!」

 

――――――――

 

 

「まさか同着になるなんて思わなかった。」

 

「僕も。」

 

僕とグースケ、ツバクロウは同着、二着はしずちゃん、三着目はトビオだった。

 

「ウチはあのトンビに勝ててうれしいやあ」

 

雪辱を果たせたしずちゃんはすんごくうれしそうに飛んでた。まさか過ぎて僕でも驚いてるけど。

 

「よお、チート。」

 

ニヤついた顔で和人がジャイアンとスネ夫と一緒に来た…ってチートて。

 

「ちゃんとした名前を呼んでよ。」

 

「あんなフルスピード出してる奴が何言ってんだか。」

 

「それは、ミルクさんの意思を尊重してたしさ。」

 

「ありがとう。幼馴染の意思を継いでくれて!」

 

「いいんだよ。ね、しずちゃん。」

 

「うんうん!」

 

そして僕とグースケは担がれた。優勝者はこんな感じで祝福されるんだ。ツバクロウも同じようになってる。

 

『それでは優勝した、グースケ選手、ツバクロウ選手、のび太選手に祝福の拍手を!!そして、出場各選手にも温かい拍手を!!』

 

「おめでとうございます!」

 

「スネ夫君もジャイアンも和君も頑張ったわね。」

 

「さんきゅー」

 

「美夜子さん僕にまで!!」

 

「あ、近づかないで。」

 

「ガーン!!」

 

「「「「はははは!!!」」」

 

『え~ただいまのレース結果に変更がありました。』

 

すると、アナウンスが流れたなんだろ?結果の変更?

 

『それではバビロン隊長より発表してもらいます。』

 

「皆さん、グースケ選手の優勝は誠に立派でありますが彼の飛行は自分の翼ではなく作り物によってなされたものです。」

 

は?

 

「これを真の優勝者として認めていいのでしょうか?偉大なるイカロスの名を辱めないためにも…残念ながらグースケ選手を失格とし。」

 

まて、それ以上言うな!!

 

「「「「ええ!?」」」」

 

「ツバクロウ選手、のび太選手の2人の優勝とします!!」

 

ふざけるな!!それがお前たちのやることか!!!

 

「そんなバカな!!」

 

「ひどいじゃんそんなの!!」

 

「どんな畜生ですか!!!」

 

「なお、パトロール隊には自らの翼で最後まで飛び続けた者全員の入隊を

許可します!!以上!!」

 

こんな胸糞悪い終わり方なんてあるか!!あんなに頑張ったグースケを蔑ろにしてまで優勝をなしにするのか!!絶対にバビロン隊長はジークリード長官と共謀して、そんなこと言ったんだ!

 

「あんの鳥頭ぁ!!!」

 

「待て落ち着け!!」

 

「でも、あいつら!!グースケの…あ。」

 

振り向くと、グースケは握り拳を作りながら我慢してた。…それを見たら馬鹿らしくなった、本人が我慢してるんだ。僕が出ても意味がない。

 

「自分の…翼で…」

 

「グースケ…」

 

「のび太…僕は…何のために……。」

 

「グースケ!」

 

グースケが倒れた。僕はグースケを支える。

 

「ドラえもん!」

 

「[お医者さんカバン]!…疲労で倒れたんだ」

 

きっと、スノーグース号を漕ぎまくってたからその疲れと今ので精神も体力も削れたんだ…、このままじゃグースケに負担を掛けさせる僕達はもやもやしたまま、グースケの家に帰ることになった。

 

「のび太!」

 

「ツバクロウ?」

 

ツバクロウ、トビオが心配そうな顔でこっちを見てた。

 

「グースケを頼んだ。」

 

「うん。」

 

今度こそ、僕達は帰る。

 

 

 




雷神「はい終わり。」

銀「胸糞わりぃ」

ハル「そうかも」

雷神「特別胸糞悪いからね。」

ハル「報われるよね。」

雷神「きっとね、では次回をお楽しみに!」


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第68話翼の勇者たち~グースケの瞳とイカロス~

はい、続きです。
いいニュース、悪いニュースと交互に発表されて、感情がすごいことになっております。

視点はのび太、和人、のび太。イカロスです。


「やっぱり自分の翼で飛ばなければだめなんだ。」

 

グースケは家に帰ってからずっとあの調子、あ、そうそう僕としずちゃんは渡り鳥パトロール隊になるのは断った。グースケの努力を無下にしてくれたあいつらの下にななんてつくわけないじゃない。

 

「…んで?和人、ジャイアン、スネ夫は何で入ったの?」

 

三人とも同じ服を着てさっき来た。多分渡り鳥パトロール隊の制服だと思う。

 

「俺達は今回の重大な任務を何するか調べるために入った。」

 

「そっか、別に浮かれて入ったわけじゃないんだね?」

 

「「う」」

 

ジャイアンとスネ夫は図星だったみたい。全く…まぁ別にそこは攻めはしないからいいけど。

 

「ちょっと二人とも?グーちゃんの気持ちも考えなよ?」

 

「わ、わかってるって。」

 

「ぼ、僕達も和人と一緒に調べるよ!」

 

ホントかなぁ?ま、それは三人に任せるか。んじゃ頼んでおこ。

 

「ジークリード長官はずっと、監視してて。」

 

「何かあったのか?」

 

「うん。」

 

『き、キミ達の力があれば渡り鳥パトロール隊は歴代最強になるんだよ!?』

 

『あなた方は、なんでか知らないですが優勝したグースケを失格にした。自分の翼で飛ぶことはいい事ですし、確かに的を得ています。しかし、僕らは友人を悲しませた部隊の隊長には微塵も魅力は感じません。』

 

『し、しかし!!』

 

『では僕達は帰りますので。』

 

『待ってくれ!!』

 

バビロン隊長は分かりやすく動揺してた。優勝者の一人である僕が入らなくて、渡り鳥パトロール隊の威厳がなくなるからなのか、それとも何か裏があるのか。

 

「何かあったらすぐに美夜子さんか万陽奈さんに報告して。」

 

「任せろ。」

 

「うん」

 

ま、渡り鳥パトロール隊の事は別にこれでイイ。グースケの心の傷はエゲつなくえぐられたからどうしたものか。

 

「のっ君、ここは私が…」

 

「…僕が行くよ。みんなは家に入ってて。」

 

「のっ君?」

 

「任せて。」

 

「の、のび太さん!グースケをどうか!!」

 

「うん。

 

みんなを家の中に入らせて、僕はグースケに近づく。グースケは泣いていた、何かぶつぶつと言っていたから肩に手を置く。僕の気配には気づいてたらしく一瞬手を見たけど、また下を向いた。これはどうしたもんか。

 

「のび太。」

 

「え、あ、何?」

 

グースケは下を向いたまま、僕話しかけてきた。

 

「僕はさ。過去の恐怖でスノーグース号をホウ博士と一緒に作った。のは話したよね。」

 

「うん。」

 

「僕はスノーグース号を作ったのが誇りだった。確かに馬鹿にされたり、乗り物なんて卑怯だなんて言われたけどさ…僕はスノーグース号が大好きなんだ。」

 

それは見てもわかる、最初の時だって心配してたのは自分じゃなくてスノーグース号だったし。

 

「でも、今日でわかった。」

 

声色が変わった。

 

「ぐ、グースケ?」

 

「自分の翼で飛ぶんだ。スノーグース号頼ったら僕は僕をダメにする。」

 

立ち上がり僕の方を見るグースケ…でもグースケの目には何もなかった。諦めの色一色になっていた。

 

「だ、ダメだよ。そんな事したら大事に作ったスノーグース号を諦めるの!?」

 

「自分の翼で飛ばないんだったら無意味だろ!!!」

 

グースケは叫んだ後に家の中に入って行った。僕は追いかけていくけど部屋の中に閉じこもってしまった。

 

「グースケ…」

 

 

―――――――――

 

「グースケ、自分の部屋に閉じ籠っちゃった…」

 

僕がリビングに行ってそう言ったら、みんなは暗い顔になった。はぁ…昨日まで楽しかったんだ。円陣を組んで今日のレース頑張ろうって。言ってたんだ。なのに…

 

「グースケはスノーグース号をやめて、自分の翼で飛ぶんだって。」

 

「そんな、あれはグースケ君にとっての思い出の物だろ?」

 

「僕も止めたかったさ。でもグースケは…」

 

「そっか…」

 

こればっかりはどうしようもない、気持ちの整理がつくまでそっとしておくのが得策かもしれない…

 

「ハァ…やっぱりグースケ君失格にはほっとけない何かがありそうだね。和人君、ジャイアン、スネ夫。明日は注意してね。」

 

ドラえもんは僕と同じように言った。三人は再度頷いた。明日の任務にはいったい何があるんだろうな。

 

「あ、みんな。」

 

「あ、おばさん。」

 

おばさんが帰って来た。レースの後片付けをしていたおじさんの手伝いをしていたから遅くなってたんだ。

 

「グースケ…どうだった?」

 

「はい、ひどく落ち込んでます。」

 

「そう…」

 

おばさんはグースケのいる部屋を見て、何かを考えてから僕らを見た。

 

「みんな。グースケを頼んだわね。」

 

痛々しい笑顔で僕達に言った。おばさんも声を掛けたかったけど、なんて声を掛けたらわからないんだ。

 

「はい、任せてください。」

 

「じゃあ、おやすみ。」

 

「「「「「「「「おやすみなさい」」」」」」」」

 

僕達は、おばさんを見送ってから眠りについた。

 

――――――――――――――

――2019年5月21日――

 

 

僕はグースケの部屋の前にいた。昨日の今日で元気になってるわけじゃないと思うけど…。

 

「ふう…グースケ…中に入るよ?」

 

息を整えてからグースケの部屋を中に入る。あの様子じゃ今日も落ち込んでてそうだしね。…ん?なんかグースケの気配がない。ていうか部屋はもぬけの殻になってた。は!?

 

「ドラえもん!!しずちゃん!美夜子さん!万陽奈さん!!」

 

「どうしたの!?」

 

「何かったのですか!?」

 

「なんなの!?」

 

「グースケがいないんだ!!」

 

「グーちゃん…まさか。」

 

自分の翼で飛ぶために出て行ったんだ!!寝てる間に出てったの!?

 

「手分けして捜そう!!」

 

「「「「うん(はい)!!」」」」

 

一人で何でもかんでも背負いこまないでよ!!グースケ!!

 

 

――――――――――

 

俺達は渡り鳥パトロール隊は初任務として本部にやって来た。バビロン隊長の演説が終わってから俺達は、その場所に向かっている。それにしても選ばれし勇者ね。グースケを失格にしたくせに。よく言うな。

 

「なぁ…そのグースケは?」

 

「落ち込んでた。」

 

ツバクロウがバツが悪そうな表情をしながら話しかけてきた。こいつはグースケのスノーグース号の事をバカにはしてたが、友人としては心配はしてるみたいだ。

 

「…そうだよな。」

 

「のび太にグースケは任せてある。俺達は任務に集中ずるぞ。」

 

「あ、ああ!」

 

ツバクロウはそれだけ言うと前に戻って行った。ジークリード長官は大きな箱に乗って、俺達の横を飛んでいる。

 

「和人、後ろの箱誰が入ってるんだろうな?」

 

ジャイアンが言うように、その後ろにも箱がある。

 

「…いやな予感はするな。」

 

誰かが入ってることは確かだ。しずか、美夜子さんと万陽奈さんがいてくれたらわかるんだけどな。

 

「…監視は続けるぞ。」

 

「そうだな。」

 

俺達は、ジークリード長官を見ながらも任務に集中する。

 

 

――――――

 

 

「やっぱり見つからない?」

 

「うん、誰も見てないし、うちの見聞色にも引っかかってない。」

 

「誰も見てないんだ。」

 

僕達は片っ端から探しまわったけど、グースケの影は形もなかった。スノーグース号もなかったから遠くに行ったんだろうけど。

 

「あ!ホウ博士の所は!?」

 

ミルクさんにも報告して、ミルクさんも探していた。あ、そっかホウ博士に愚痴に言ってるのかもしれない!

 

「そうだ!行ってみよう!」

 

僕達は急いでホウ博士の家に向かった。あれ?ホウ博士もいないし、なんか荒らされた跡がある。それに…

 

「ホウ博士の大事にしてた石碑が粉々になってます。」

 

「それにこれは…警備隊の!?」

 

「まさか…ジークリード長官の所に行ってるの!?」

 

ミルクさんがそう言った。…ありえる…それに何でグースケを失格にしたかも察せた。きっとジークリード長官とバビロン隊長はグースケとホウ博士の関係を知ってるから、グースケを渡り鳥パトロール隊にいれるわけにはいかなかったんだ。

 

「グースケを速く見つけ出さなくちゃ!!」

 

「もちろん!ってドラえもん[尋ね人ステッキ]は?」

 

「あ…それがあった。」

 

「もう!」

 

「うっかりしてた。」

 

―――――――――

 

「うわ!やっぱりダメだァ!!!」

 

グースケを見つけたけどやっぱりグースケは飛ぶ練習をしてた。僕達は助けたけど、グースケは聞く耳持ってなかった

 

「ほっといてくれ!お願いだから僕一人でやってみたいんだ!!僕は自分の力で飛べるようになってみせる!!」

 

グースケは一人で飛ぶのを邪魔されたからそう言ってきた。それもあるけど、今は違うんだよ!!

 

「グースケ!ホウ博士が連れ去られたのよ!!」

 

「え?ホウ博士が?」

 

「グースケの親友でしょ。それに一人で何でもかんでもしないでよ!!1+1は1よりも少なくなるとは僕思わないよ。だって、一人じゃないんだもん、頼りたいときは頼っていいんだよ…」

 

ティオに言った言葉をそのまま伝える。

 

「のび太…。」

 

僕は一人でなんでもかんでもやろうとしていたし。それは間違いだってみんなに教えてくれた。教え込まれたが正しいだけど。

 

「1+1…。のび太。そうだね。ありがとう。」

 

「さすがのっちゃん、自分がやってたから言葉の強みがすごいね」

 

「それって皮肉られてる?」

 

「褒めてるの。一応。」

 

「その最後の一言余計じゃん!?」

 

「「「「「はははは!!」」」」」

 

グースケの目は元に戻っていた。よかった。

 

「グースケ、何か心当たりはないの?」

 

「あ、ホウ博士が石碑の解読が出来たんじゃ!」

 

あ、だから連れ去られたんだ。でも石碑は壊れてるし…

 

「[タイム風呂敷]~!」

 

「うわ、懐かしい。」

 

タイム風呂敷はピー助の時に使った、時を巻き戻したり、早送りしたりできる風呂敷だ。

 

「最近使ってないしね。これで壊れた石碑を元に戻す。この文字が読めればいいんだけど」

 

「[翻訳こんにゃく]を使えば?」

 

「あ、そっか。[翻訳こんにゃく]~!」

 

ドラえもんは食べながら石碑に記されてる文字を翻訳する。フェニキアは北の果てにそびえし、ララアト山の竜の谷の底にあり。

 

「竜の谷?」

 

「どこなの?」

 

「北の方にある谷さ。ずっと立ち入り禁止になってたんだ。」

 

翻訳はまだ続く。フェニキアの力は神の如く強大なり、フェニキアの力を呼び覚ましては…。

 

「ここで終わってる。」

 

「どうやらそれは、警告のようですね。」

 

「うん、フェニキアってなんだろ?」

 

「わからない、でもこれではっきりした。」

 

ドラえもんも気づいたみたいだ。ジークリード長官の目的がそのフェニキアの力を使って、バードピアを自分の物にしてから人間世界(ヒューマピア)に進軍して、滅ぼすつもりなんだ

 

「イカロスだ!イカロスに話そう!!」

 

「イカロス?え?イカロス!?」

 

イカロスレースの名前の由来の人!?どうして!?伝説の人はまだ生きてるの!?鳥人は僕等人間の三倍って聞いてたけど、まだ生きてるなんて。

 

「昔の人じゃないの?」

 

「うん、ホウ博士に聞いたことがある。監獄島にいるって!」

 

僕達はそれを聞くと早速そこに向かった。イカロスはジーグリード長官がヴァサゴの手によって人体実験をされたために渡り鳥パトロール隊の事故や事件の責任を取って自分から監獄島に閉じこもったらしい。50年間そうしていたかは違うみたいだけど、時々出ていたらしいし正義感の強い人だったんだ。

 

――――――――――

 

監獄島にたどり着いた僕達はイカロスを探していた。ここは犯罪者の巣窟。危ないのもいるはずだ。

 

「うううう!!」

 

「きゃあああ!!」

 

凶暴な囚人が僕らに手を伸ばして唸り声をあげた。ミルクさんは怖さから僕に抱き着いた。

 

「だ、大丈夫?」

 

「う、うん。ごめんなさい。」

 

「い、いいんだよ。」

 

「のび太、ミルク、イチャイチャしてないで捜しなよ。」

 

「「いちゃいちゃして…あ…」」

 

ニヤつくグースケにツッコミを入れたら綺麗に同時だったから恥ずかしさが出てきた。

 

「はいはいはい、いいから探すわよ。」

 

そして他の檻を見たら、目的の人が座っていた。

 

「イカロス!!ホウ博士がジーグリードに連れてかれちゃったんだ!去年発掘された石碑に、竜の谷にフェニキアの力が封印されてると書かれていたんだ!ジーグリードはそれを知って…力を貸してイカロス!!」

 

グースケの頼みに見続ける、イカロス。何かを考えてる?

 

「フェニキア…」

 

「このままじゃ、バードピアが…!!」

 

イカロスは立ち上がった。

 

「んー!!んん!!ふん!!」

 

イカロスは力んで手錠の鎖を引きちぎった。すごいパワーだ。

 

「そこから離れなさい。」

 

イカロスにそう言われた僕達は檻から離れる。

 

どかああああああーーーーん!!

 

「す、すご…」

 

檻をぶち壊して、出てきた。普通に脱獄なんだけど…でもこの中には誰もいないからいいのかな?

 

「さあ、みんな、私に捕まりなさい。」

 

「いいんですか?警報鳴ってますよ?」

 

「どうせ追いつきやしないさ。」

 

カラス警備隊がこっちに飛んできた。イカロスの言う通り、カラス警備隊は全くスピードに追い付いていない。流石、伝説の鳥人

 

「すごいね!」

 

「これが伝説の羽ばたきなんだ!」

 

―――――――――

 

上にいる少年、グースケを見て私はある失態を思い出した。私は妻のオーディアと共に飛行していると突然の嵐に見舞われてしまい、泣く泣くその嵐の中を飛行していた。

 

『あっ!!』

 

『オーディア大丈夫か!もう少しだ!頑張れ!』

 

私達は急いでいるあまり、籠の中にいる生まれたばかりの赤ちゃんには気づけていなかった。

 

『あ、ああなた!!赤ちゃんが!!』

 

『あ、危ない!!』

 

私は咄嗟に妻の手だけを掴んでしまい、赤ちゃんは私の羽根を持ちながら落ちてしまった。私は風の抵抗で追いかけることができなかった。翌日も探し回ったが…結局発見できずにいた。

 

『イカロス。』

 

『グラジオ。どうしたんだ。』

 

ある日、私の元にグラジオがやって来た。彼とは旧知の中で時々ジーグリードがまだ撃たれる前に一緒に酒を飲んでいた。

 

『すまない。』

 

『何をいきなり謝るんだ。』

 

『君の息子の事だよ。』

 

『何!?』

 

あの事故からは5年の月日が流れていた。話を聞けば、あの嵐の夜にピッピさんがあの子拾ってれたらしい。

 

『…そうか…よかった。よかった。』

 

私は嬉しかった。私の不注意で息子を失わずに済んだと思ったからだ。

 

『すまなかった。なかなか、言い出せず。』

 

『大丈夫だ。私も妻も気にしていない。今更になって私が親だなんて言えないしな』

 

『…本当にすまない』

 

グラジオは一人気づいていたらしい、ピッピさんには伝えていなかったと言う。混乱させてしまう。

 

「すごいなぁ」

 

それがこのグースケだ。グラジオと話してグースケにも私の事は伝えていない。ピッピさん同様に混乱させてしまうしな。

 

「あなたは黙ってるおつもりですか?」

 

…うむ、どうやらこの子は私の心の声が聞こえるようだな。

 

「混乱させてしまうからな。」

 

「それでも血を分けた親子です。」

 

「…そうだな。私に勇気があれば言おう。」

 

「この件が過ぎたら絶対に言ってください。」

 

ご、強引だなこの子は。いや、そうだな、いつまでも黙ってるわけにはいかないか。

 




雷神「はい終わり」

銀「イカロスの息子がグースケだとはな。」

雷神「おかげで、50年前に起きたって言っちゃったせいでちょっとぐちゃぐちゃになってた。」

銀「アホなのか?」

ハル「ま、でも時々出てるって言ってるしいいかも」

銀「いいのかねェ」

雷神「ま、ドラえもん本編でもそう言う矛盾点あるしモーマンタイ」

「「絶対問題あるでしょ。」」


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第69話翼の勇者たち~フェニキアと鳥野博士とジーグリードの狂気~

ここから一気に佳境に入って行きますよぉ!!


視点はのび太、和人、のび太、和人、のび太です。


「いいか、ここから一気にララアト山へ向かうしっかり掴まっていなさい。」

 

イカロスの飛行は早すぎて、あっという間に雲の上まで来てしまった。ちょっと耳がキーンってなってるけど。ていうか待って、今から下るの!?

 

「「「「「「「うわああああああ!!!!!」」」」」」」

 

ジェットコースター並みのスピードで下に行かれたら。そりゃもうそれはジェットコースターなんだよぉぉぉぉ!!!!!

 

―――――――

 

「ついに来たぞ。この竜の谷の下にフェニキアの力が封印されている。その強大な力を復活させるぞ。」

 

「フェニキアってなんだ…?」

 

この谷に着いてから作業をする前にジーグリード長官の演説を聞けと言われた。

 

「環境破壊、一昔前の鳥たちを死滅させ、現在でもそれは続けられている。人間が作り出した物によりどれだけの鳥たちが絶滅させているのかわかっているか?人間は珍しい物を見つけるとおいそれとそれに群がる。」

 

…ジーグリード長官の言いたいことはわかるかもしれない。ドルマンスタインがいい例だ。あいつは恐竜ハンターに頼んででも珍しい恐竜を捕まえさせていたしな。あいつは未来の人間だが、現在の金持ちにもそういう奴は日本や海外にはごまんといる。

 

「それではあまりにも鳥類たちが可哀想ではないか!!下等な人間によって弄ばれる鳥類があまりにも不憫ではないか!!私はそのためにも愚かで下等で野蛮な人間世界(ヒューマピア)からすべての鳥たちをバードピアに移住させる!!」

 

どうなるのかを知ってるのか?恐竜人でさえ、そんな考えには至ってなかったぞ。いや、待て、恐竜人たちは敵が何なのかわかってなかった分いいのか。

 

「いかん!!」

 

「「「ホウ博士!?」」」

 

もう一つの箱から出て来たのはホウ博士だった。何でいるんだ!?縛られてるから誘拐されてきたのか!?

 

「そんな事をしたら人間世界(ヒューマピア)の生態系はめちゃめちゃになる!!ジーグリード!君は確かに悪魔のような人間によって人体実験をされた。しかし!それはだとしても鳥と人間はともに生きるべきなんじゃ!」

 

ホウ博士は必死にジーグリード長官を説得しようとしていた。俺達も出るべきなんだろうが、俺達が人間だってバレてしまう。

 

「博士、ここにお連れしたのは戯言を聞くためではない。共にフェニキアの力を研究した仲間…お見せするのが礼儀だとおもい「目覚めさせてはいか…」

 

ホウ博士は口を塞がれてしまった。

 

「博士!!!」

 

俺は咄嗟に博士を助けてしまった。ジャイアンもスネ夫もだ。俺はいてもたってもいられなかった。

 

「博士を離せ!!!」

 

「こんにゃろう!!!」

 

「博士を離せ!!」

 

こんな事をしたら頼まれてた監視はおじゃんになってしまうな。ジャイアンはカラス警備隊をなぎ倒していく、あのロボット誘拐団を一人で倒す男だ。ちょっとやそっとじゃやられないぞ!!

 

「何て思ってた時が俺にもあった。」

 

カラス警備隊は一匹を見つけたら何十匹もいるゴキブリの如くわらわらと出てきて、ジャイアンが押し負けてしまった。流石のジャイアンでも大多数相手じゃこうなるか。

 

「その四人は閉じ込めておけ。他の者は直ちにこの谷の雪を払いのけろ!!」

 

「く!!」

 

「ママぁ!!」

 

「ここから出せ!!!」

 

 

 

―――――――――

 

 

「はっくしょん!!ううさぶ…」

 

寒い、ララアト山は寒冷地って言ってたから僕達にとっては寒すぎる。グースケ、ミルクさん、イカロスさんは羽毛があるから僕ら程は寒さを感じてない。

 

「イカロスさん、一度降りましょう!!」

 

ドラえもんの一言を聞いてイカロスさんは降りた

 

「ここは竜の谷の反対側だ。」

 

イカロスさんにそう言われた。…そこは凍ってたし。寒すぎるでしょ!?さすがのグースケとミルクさんも寒さで凍えてるし。イカロスさんはそんなに応えてない。鍛えてるからかな。

 

「ていうかドラえもん!!」

 

「わかってるって![テキオー灯]!」

 

また懐かしい物を出してくれた。この道具は…ってそんな悠長にしてる場合じゃないから!!

 

「はい掛けるよ!」

 

僕、美夜子さん、しずちゃん、万陽奈さん、ミルクさん、グースケはこの永久凍土の温度でも完全に適応できた。ふう、何も感じないのはいいことだ。

 

「しずちゃん、僕とイカロスさんにも。」

 

「鍛えてるとはいえ、イカロスも寒いよね。」

 

「あ、ああ、そうだな。」

 

ていうか、なんかグースケに対してすっごく緊張してるけどどうしたんだろ。

 

「全くイカロスさんも不器用なんですから。」

 

「本当に堅物って…」

 

少し、プンスカしてる万陽奈さんと美夜子さん。どうしたんだろ?

 

「万陽奈さんも美夜子さんも何か知ってるの?」

 

「この件が終わればわかります。」

 

「そ、そうなの?」

 

バリ、バリバリバリバリ!!

 

「「うわああ!?」」

 

「「きゃあ!!?」」

 

僕、グースケ、美夜子さん、万陽奈さんは突然割れた氷に落ちてしまった。落ちる寸前に美夜子さんが風魔法で浮かせてくれたから、少し安心はしたけど…ていうかなんだろここ、自然にできたようには見えない空間なんだけど

 

「のび太!美夜子さん、万陽奈さん!これ何?」

 

グースケに呼ばれてそれを見るとフクロウ型のロボットっぽいものが氷の中に入っていた。なにこれ。僕はそれに触れた。

 

「って、不用意に触ったら!あ…」

 

ぴかーん!

 

「うわ!人間が!」

 

「これは立体映像だ!」

 

ドラえもん達もここにやって来た。この立体映像は昔の記録みたい。このおじさんは誰なんだろ?

 

【私は鳥野守、23世紀の鳥類学者じゃ】

 

「な、なんで人間がこの世界に…?」

 

「わからないけど、見てみよう。」

 

【元より人間嫌いの私は誰よりも鳥を愛した。ある時悪魔のような人間から逃げるためにタイムマシンで哺乳類が誕生しない大昔に行って、まぁ、平和に暮らそうと思い立った。だが…】

 

その時に時空間が乱れてしまって、超空間の壁をすり抜けて、パラレルワールドに到着してしまったらしい。

 

「そんなことあるの?」

 

「聞いたことはある。多分時空乱流が起きたんだよ。」

 

「時空乱流?」

 

「その説明は長くなるから今は辞めとこう。」

 

「ほえ?」

 

「それに今わかった。ここは別の地球なんだ。」

 

平行世界の地球。魔法の世界でも福の世界(フューチュン・ワールド)でもない全く違った世界だったんだ。ここは…

 

【偶然とは言え、これはまたとないチャンスだった。ここなら人類の歴史を変える心配はない。若い私は悪魔のささやきに耳を貸してしまったのだ。ここをバードピアにしようと、進化退化光線銃であらゆる種類の鳥たちを勝手に進化させてしまった。そして鳥人たちにできる限りの知識を与えた】

 

「じゃあ、グースケ達の祖先は鳥野博士が創ってしまったんだ。」

 

神への冒涜になりそうな行為だけど、この世界に神様がいるとも限らない。僕だって、ヘスティア様に会わなかったら神様は信じてなかった。日本には八百万の神々が信じられてるけど。ってそんな事はいいか。

 

【鳥人たちは我々人間よりも長く生きてほしいと願った。一人が私と同じ年になってもまだ若い期間があったのだ。私の願いは届いていたんだ。】

 

「進化退化光線銃ってそんな効果あるの?」

 

「そんなのあるわけないでしょ!?」

 

「じゃあ、キセキって事になるのかな。」

 

「そうだろうねぇ…鳥野博士の願いが鳥人たちに届いたんだよ。」

 

夢のある話だよね、そう考えると。

 

だが…バードピアにも鳥たちの天敵がいた。】

 

この世界にも恐竜は存在したらしい…大昔がどのくらいかはわからないけど恐竜が居たんなら白亜紀くらいかもしれない。ってそれがフェニキアって事!?

 

【私の最後の仕事はこいつをなんとかすることだ。そこで奴を北の果てのこの山に誘き出し…】

 

どっかあああああああーーーーーーん!!!!

 

「なんだ!?」

 

「どこかで何かを爆発させたみたい。」

 

「…ねェまさかとは思うけど。」

 

【氷の下に眠らせることは出来たが…わしももう…長いことはない…】

 

急にノイズが走りだした。さっきの爆発の影響?いや、これは昔からここにあったからこの機械がぼろくなってるんだ。

 

【バードピアの子供たちよ…フェニキアをを目指せさせてはならん…】

 

ここで映像が終わった。…じゃあやっぱりさっきの爆発はジーグリード長官がやらせた奴だ。

 

【…奴にも、きをつけるの、だ。】

 

「あれ?まだ続きがあったの?」

 

「奴とは誰の事でしょうか。」

 

【奴は悪。まだ。】

 

そう言えば鳥野博士は誰かから逃げてここに偶然やって来たんだっけ?23世紀でそんな悪魔みたいなやつは一人しか思い浮かばないんだけど…

 

【9代目ヴァサゴ・カサルズに…はきをつけて…く】

 

映像はここで途切れた。うっわぁ…マジかぁ。9代目が出てくるのか…最初に会ったヴァサゴとトリホーは10代目と8代目。てっきりトリホ―だと思ってた。鳥だし。

 

「ヴァサゴ・カザルス…ジーグリードをあのような性格に変えた人間か。」

 

「ですがヴァサゴ・カザルスと言う人間は合わせて8人はいます。」

 

「そうなのか?」

 

イカロスさんにヴァサゴがどういった人間かを教えた。

 

「反吐が出る。そんな人間にジーグリードは…」

 

イカロスさんは拳を握りしめて怒りを露わにしていた。ジーグリードは昔は本当に同族にも人間にも、それこそ鳥たちにも優しかったってイカロスさんは言った。人の努力を平気で無下にするし、一概にそうは思えない。元同僚だからって事もあるかもしれないけど。

 

「こうしちゃいられない。急ごう。」

 

考えてたって何もならないから急がないと、和人達は無事だろうね。

 

 

――――――――

 

ジャイアンが口で縄をかみ切ろうとしていた。さっきの爆発は絶対ただ事じゃないからな。よし、俺の縄は切れたな

 

「ほら、急いで俺達のも。」

 

「ああ」

 

俺達、ジーグリードの所へ走って行くがそこには…化け物がいた。恐竜にも見えるが背中には翼が生えている。何だこの化け物は…

 

「静まれ!フェニキア!」

 

「イカロス!!」

 

は?イカロス?それってイカロスレースの名前の由来になった伝説の鳥人か!?昔の人だと思っていたら、まだ生きていたのか。そりゃそうか、鳥人は俺達の寿命より上だって、言ってたしな。

 

「伝説の英雄の…」

 

「イカロスだ!」

 

って周知の事実だったのか。あの様子からすると鳥人全員知ってたんだな。

 

「和人!」

 

「のび太!?」

 

「ホウ博士!」

 

「グースケ!」

 

「イカロスを捕えろぉ!!」

 

は?何をしてるんだ!!イカロスはあいつを止めようとしてるんだぞ!?

 

「ジーグリードは、フェニキアを操って。」

 

人間世界(ヒューマピア)を征服つもりなんだ!」

 

「そうはさせないぞ!!えっとえっとえっと!![進化退化放射線源!!]」

 

――――――――――

 

ドラえもんも鳥野博士の道具を持ってたんだ!!ていうかフェニキアの姿は恐竜なんてもんじゃない、今までに見たことがない化け物だった。

 

「これで退化させちゃうぞ!!」

 

「余計な事をするな!!」

 

ドラえもんが撃とうとしてたらバビロン隊長がそれを阻止してきた。もう!!

 

「やめて、なにするんだ!!」

 

「うるさい!!」

 

「ああ!!」

 

バビロン隊長が進化退化放射線をフェニキアに向けてはなってしまった。いやでも、ドラえもんは退化させるって言ってたから退化して…

 

ギャオオオオオオオオオオ!!!

 

ない、むしろ進化してる。きっとさっきバビロン隊長がドラえもんを邪魔した時にいじくったんだ!!ウソでしょ!?

 

「おお、フェニキアがさらなる成長を…フェニキアよ。私の言うことを聞くのだ!!!」

 

「……」

 

え?フェニキアの動きが停まった?い、言うことを聞いたって事?

 

「ふふふ…憎き人間で得た力がここで役に立つとは…」

 

「何を言ってるんだ!!」

 

「…のび太君か。そうか、キミかイカロスをここへ呼んだのは。」

 

「ここには私の意思で来た。」

 

「そうか。」

 

僕を見たジーグリード長官の顔はすごく歪んでいた。狂気に満ちている。何だ。一体、ヴァサゴにどんな実験をされたんだ!!

 

「ジーグ…リード?」

 

「あなたはどんな実験をされたんです!!」

 

「…ふふふ、そうだな。死にゆく君やイカロスには伝えておこう。」

 

狂気に染まったまま話をする、ジーグリード長官は捕まった時にヴァサゴの名前を聞いたらしい、襲名制だからヴァサゴの他にも名前はあるか。

 

「奴の名前は9代目ヴァサゴ・カザルス改めDr.クロン…」

 

…うわぁ、マジかぁ、鳥野博士がこの世界にやって来た奴と一緒かぁ…

 

「なんと人間世界(ヒューマピア)の未来の人体改造を専門とする悪魔だ。君たちの世界のだ。改造された脳これを埋め込まれた!!」

 

強く念じれば従わせることができるチップと奴は言っていたらしい。いやいや、それだと人間普通に従わせられる気がする。

 

「だが用意周到な奴はこれには人間やそれに準ずる種族には通じないとほざいた!奴が人間だからだ!!」

 

ということは鳥人、恐竜人、人魚には通じないって事になるのか。フェニキアは如何にもな化け物だし。

 

「しかし、それは私にとって好都合!!フェニキアの存在を知った私はあいつに!!人間に復讐を果たし!!バードピアを平和にさせるのだ!!…手始めに、あの町には消えてもらうが。」

 

「バードピアを救うって言ってんのにどうしてそんな事を!?」

 

「…お前たちは知りすぎたのだ!!」

 

「狂ってるよあんたは!!」

 

「ジーグリード!!そんな事をしたら愛するバードピアがどうなるかわからないぞ!!」

 

「フン、何とでも言え。」

 

「ジーグリード長官…」

 

「バビロン隊長?お前は用済みだ。フェニキアを進化させたことには感謝する」

 

「なんですと!?長官!!」

 

バビロン隊長はショックを受けながらもジーグリード長官を呼んだけど、聞く耳を持たないジーグリード長官はフェニキアの上に乗る。

 

「フェニキアよ。ここにいる者全員を始末しろ!!」

 

「ギャオオオオオオオおおおお!!!!」

 

そう言われたフェニキアがまた動き出して、氷に向かって炎を吐いた。そんなことしたら!!

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

 

氷が解け始めた!!ていうかみんな動揺しまくってて、飛び立とうとしない!!そりゃそうか!渡り鳥パトロール隊になったとしても昨日までは平和に暮してたんだもんね!!

 

「氷の中から私が征服する所を見ているだな!!フハハハハハ!!!!」

 

そう言いながら、フェニキアが中央庁のある場所に向かっていった。今すぐ追いかけたいけど!!みんなをほッとけるわけない!!解けた氷がみんなに近づいてる!!

 

「ドラえもん!!」

 

「わかってる!!![手ばりDXVer.]!と[フエルミラー!!」

 

ドラえもんはブイキンとの決戦の時に使った[手ばりDXVer.]を出した。[フエルミラー]でそれを量産して、逃げ遅れた渡り鳥パトロール隊員たちを助け出した。

 

「ここは無事だね。」

 

「でも、このままじゃグースケ達の町が!」

 

「わかってる!急ごう!!」

 

僕達は急いで町に向かっていく、ジーグリード長官!!それ以上やったらあんたは戻れなくなる!!




雷神「はい、終わり。」

銀「また劇場版と変えたな。」

雷神「ま、人体実験されたって言ってそのまま何もないわけないじゃん。」

銀「まぁ、それはいいが…次回の劇場版は南海大冒険なのか?」

雷神「名前は出たけど、次の劇場版は決まってない。」

ハル「じゃあ、アンケートの結果次第って事かも?」

雷神「そそ。では次回もお楽しみに!」


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第70話翼の勇者たち~渡り鳥パトロール隊とジークリードとの決着とフェニキア攻略~

次回位で翼の勇者たちは終わります。

またオリジナル描写になります。一回劇場版と全く一緒な回もあった方がいいですかね?


視点はドラえもん、のび太です。


のび太君達を見送ってたから僕、美夜子さん、万陽奈さんは残って怪我をしてる渡り鳥パトロール隊員達の治療に当たっていた。僕は[お医者さんカバン]で大怪我をしてる子を、軽傷を負ってる子は美夜子さんと万陽奈さんの回復魔法で治してる。

 

「…動ける者は何人いる?」

 

「…10人ですね。ドラちゃんが治してくれてますけど。それ以上は動けません。」

 

「…そうか。」

 

イカロスさんが美夜子さんに確認をしていた渡り鳥パトロール隊員は和人君、ジャイアン、スネ夫君を除くと17人、無事だった子や軽傷で済んだ子を含めると10人だった。他は骨や内臓にダメージを負ってたんだ。カラス警備隊は、もう手の施しようがなかった。

 

「みんな、力を合わせてバードピアを守るんだ。」」

 

「あんな化け物に俺達が敵うわけないじゃないですか!!」

 

トビオ君は恐怖でなのか、イカロスさんに叫んだ。…これが普通なんだよね。僕達は何度か死線をくぐり抜けてきたから、トビオ君、ツバクロウ君や渡り鳥パトロール隊員の子達にとってはこんな事…地獄以外の何物でもないか。

 

「ジーグリード長官までおかしくなって!おれ達は()()ですよ!!」

 

ツバクロウ君はイカロスさんにそう言った。

 

「…そうだな。君たちは子供だ。」

 

「ふぅ…」

 

「しかし、同じ子供であるのび太君、和人君達、それにグースケは向かって行ったぞ?」

 

「「え?」」

 

「彼らは、我々の世界を救う為にフェニキアやジーグリードに向かって行ったと言ったんだ。同じ子供であるあの子らはなんの躊躇もなくバードピアを助けに向かったんだ。」

 

「……」

 

のび太君はきっとジーグリード長官を助けに行ったんだ。ヴァサゴに狂わされたジーグリード長官を…

 

「そんな彼らを見ても君たちは自分たちは子供であるという理由で故郷を、家族を見捨てるのか!!!」

 

「「「!!!」」」

 

「君たちはどうして、渡り鳥パトロール隊になりたいと思った?確かにこんな危険な目に遭うとは思ってもみなかっただろう。中には記念程度でこの隊に入隊にした者もいたはずだ。しかし、渡り鳥パトロール隊は世界の鳥を守るための隊だ!!キミ達は翼の勇者たちだろう!!」

 

イカロスさんの心の叫びは竜の谷に響いた。その言葉は渡り鳥パトロール隊にも響いたのは分からないけど…みんなの顔が変わった。

 

「…そうだな。」

 

「イカロスの言う通りだ。」

 

「うん、俺達が間違っていた。」

 

「俺は渡り鳥パトロール隊だ!!」

 

口々にそう言ってるみんな。恐怖の気配はもう存在していない。流石、イカロスさんだ。

 

「もう一度言う…みんなで力を合わせて、バードピアを救うんだ!!」

 

「「「「「おおおお!!!!!」」」」」

 

さっきの意気消沈してた雰囲気と打って変って、ツバクロウ達は声を上げた。渡り鳥パトロール隊はフェニキアと戦う為に弓矢を取って、町へと向かっていった。

 

「…なぁ。」

 

「ん?どうしたの?」

 

手当をしていた子が僕に話しかけてきた。

 

「僕のキズ。応急処置でもいい。動かせるようにしてくれないか?」

 

「君は骨折をしてるんだよ?」

 

「いいんだ!!僕だって…渡り鳥パトロール隊だ!!」

 

「ふ…うん、いいよ。君は僕の親友とそっくりだよ。」

 

「え?」

 

「何でもないよ。はい、これでいたくないでしょ。」

 

[お医者さんカバン]は聴診器を体に当てるだけで、どんな病気や怪我でも一発で正確に診断し、それを治療する為の薬や器具を鞄から出してくれる。更にレントゲン機能や顕微鏡も兼ね備えているからすでに彼に合った治療をした。

 

「本当だ!ありがとう!名前は?」

 

「僕ドラえもんだよ。」

 

「僕は、ビタノ!!じゃあな!!」

 

ふふ、名前もそっくりじゃないか彼もツバクロウ達に合流して、準備をしていた。

 

「あの子、のび太様になんとなく似てますね。」

 

「あ、万陽奈さんも思った?」

 

「はい。いい人でしょうね。」

 

「うん…っていってる場合じゃない!!僕達も急ごう!!」

 

「そうでした!!」

 

今頃のび太君達はジーグリード長官とフェニキアと対峙してるはずだ!!

 

 

 

――――――――――

 

 

「ほう、生きていたか。」

 

「生憎、悪運だけは強いんです。」

 

僕らが着くころにはフェニキアが町を焼いていた。和人達はフェニキアに気を付けながら、逃げ遅れてる人たちを救ってる。

 

「何で、飛べてるんだ?」

 

ジーグリード長官は明らかに翼ではない何かの力で飛んでいた。

 

「これも奴の悪行の仕業だ。」

 

「そっか…ジーグリード長官!!僕はあなたを止める!!ヴァサゴの手によって改造されただけのあなたがバードピアを壊そうとしてんだよ!!あなたは鳥たちを愛してる。あの町の事も愛してるはずだ!!」

 

「…キミは優しい少年だな。人間のくせに。ああ、そうだ。しかしもう遅い。私が死なない限り奴はあの町を破壊の限りを尽くす。」

 

僕が人間だってバレてたか。ジーグリード長官を倒さないとフェニキアは倒せないって事!?

 

「だが、やすやすと倒される程私も優しくないのでな。」

 

と言った瞬間にジーグリード長官は僕の眼前に来た。拳を振り上げて殴って来た。僕はギリギリで避けれた。くっそ早い!?体の動きも見えなかった。…あれも改造の影響!?

 

「ほう、私の動きについてこれるのか。どんな修羅を少年である君は歩んできたんだ。…あの外道の名を知ってる時点で気づいたが。」

 

「僕はあなたとは戦いたくないんだけど!!」

 

「…なぜだ?グースケを失格にしたぞ?」

 

「そのことは許しませんが。あなたは奴の…奴らの被害者って聞いた時からどうしてもあなたを敵には思えてないんです。」

 

だからこそ僕は今でもジーグリード長官と呼んでいる。ホウ博士の話を聞いてから僕はずっと思っていたんだ。彼はヴァサゴによって狂わされた。

 

「…ふん!!」

 

「長官!!」

 

僕の言葉が聞こえてるはずなのに長官は僕にパンチを食らわせる。長官の顔は一瞬歪んだ。もうちょい何かがあればいいんだけど…ここは格闘でわからせよう。

 

「《時雨蒼燕流無刀の型》鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)!!」

 

「ぐは!?」

 

鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)を無刀で出すの初めてだったけどうまくできた!長官には効いたけど、ちょっと頭を押さえてから、戻って来た。

 

「いい衝撃だ。少し効いた。しかし、それでは私には効かんぞ!!」

 

ドン!!ドカ!!シュン!!

 

パンチや蹴りで長官は僕を攻撃する。一発一発が重い。けど…

 

「顎がお留守ですよ?はぁああああ!!」

 

「ぐお!?フン、やるなァ!!」

 

僕と長官は殴り合いを続ける。いつまで続くかはわからないほどに…もう、僕と長官の顔はぼっこぼこになってる。けど、なんでだろうかそんなにいやじゃない。口と口で話すより、拳で語った方が逆によかったって事?

 

「…もうぼっこぼこじゃないですか。」

 

「…キミもだよ。のび太君。」

 

殴り合うのをやめて話始めると、ジーグリード長官は答えてくれた。

 

「…私だって、わかっていたさ。あんな事をしたらバードピアは壊滅してしまうとな。」

 

「だったら…イカロスに…ホウ博士に…いやバビロン隊長に言えばよかったじゃないですか!!心の中のそれを!!仲間に!部下に!バビロン隊長はあなたにとって息子も同然なんでしょ!!」

 

ここに来る途中にグースケから聞いたんだ。バビロン隊長は彼が子供の頃からジーグリード長官に引っ付いて回っていたらしい。それをジーグリード長官は煩わしくも思ってなく、慈愛の顔で見ていたらしい。

 

「…そうだな。心の中のものを吐き出せばよかったのかもしれない。」

 

「じゃあ、今すぐ言ってあげてください。」

 

「…は?」

 

「長官!!!!大丈夫ですか!?」

 

バビロン隊長がやって来た。あんなこと言われたとしても、バビロン隊長は長官の事を慕っていたんだ。

 

「バビロン…のび太君…すまない。私は間違ていたな。」

 

「「長官…」」

 

ぼっこぼこの顔は晴れやかな顔になっていた。…ジーグリード長官はこれで大丈夫だ。あとは…あの化け物をどうにかしないと…そうだ!

 

「長官!あいつに命令してください。」

 

「……ああ。ううううう!!…なぜだ!?何故止まらない!!」

 

「え?」

 

「私の念波を遮断している!!フェニキアからではない!!外部からだ!!」

 

嘘は言っていない。って事は何?誰かが邪魔してるって事?

 

「…仕方ないですね。2人は休んでください。」

 

「しかし!」

 

「我々も!!」

 

2人は焦りながらそう言ってきた。

 

「じゃあ避難させて下さい。」

 

「「任せろ!!」」

 

2人は、急いで町へ向かった。あとはあいつをどうにかしないとね。とりあえず和人達に合流するか。

 

 

 

―――――――――

 

 

「なんだその顔。」

 

「長官と殴り合ってた。」

 

「和解はできたのか?」

 

「うん、今避難してる人を誘導してもらってる。」

 

僕が和人達と合流すると僕は適当に話した。平和的じゃないけどジークリード長官とは和解はできたしね。

 

「しずちゃんとミルクさんは?」

 

「そっちも避難誘導させてる。」

 

ドラえもんからスペアポケットを貸してもらってるから、道具を使って避難させてるみたい。

 

「んで?あいつはどうする?」

 

ジャイアンが聞いてきた。フェニキアはジークリード長官の呪縛から離れてるから自由に暴れてる。[桃太郎印のきびだんご]は効かないってドラえもんが言ってたし、どうしたもんか。

 

「渡り鳥パトロール隊も来てるし、バードピアの皆も応戦してるね。」

 

「ああ、硬いみたいだがな。」

 

「あれじゃ、のび太の時雨金時でも無理でしょ」

 

「まず、あいつに銃器が効かんだろ。」

 

「そうだよねぇ…あ、イカロスさん?」

 

イカロスが槍でフェニキアの頭を突き刺したけどやっぱり、効いてない…てあ!!

 

「イカロス!?」

 

イカロスがフェニキアの炎で焼かれてしまって、落ちてしまった!?

 

「行かないと!!」

 

「ああ!!」

 

―――――――――

 

イカロスはスノーグース号に救われて何とか無事だった。火傷はしてるみたいだけど、ミルクさんも子供たちと一緒にいた。あれ?しずちゃんは?

 

「どこかに行っちゃったの。」

 

「まぁ、しずちゃんなら大丈夫だと思うけどってドラえもんも来てたんだ。」

 

「うん。あいつを小さくしようかなって思ってたけど。」

 

ドラえもんはスモールライトを手に持ちながら言っていた。尻尾で弾き飛ばされたらしい。見えてなかった…

 

「ね、ドラえもん」

 

「もっとすごい武器は僕は持ってないからね。」

 

「だよねぇ。」

 

子守用ロボットにそんな道具あったらやばいしね。地球破壊爆弾って言う危険物は持ってるけど、なんで惑星破壊できるかショックできるかなんだよ。極端が過ぎるでしょ。

 

「そうだ!!鳥野博士が乗ってたタイムマシンなら何か武器があるかもしれない!」

 

「…それはいい案だな。」

 

「鳥野博士?」

 

「あ、和人達には話してなかったね。実は…」

 

僕は竜の谷の裏側で起きた事をあの場に居なかった、和人、ジャイアン、スネ夫に話した。

 

「てなわけで、フェニキアを誘い出してやっつけよう!!」

 

「そうだね。」

 

「で?そのタイムマシンはどこにあるの?」

 

「あ、そうか。」

 

「私に心当たりがある。」

 

イカロスが話すには、トマリギの頂上にあるらしい。イカロスさんは一度だけスモークベルトを抜けて、頂上で見たことあるみたい。

 

「…適当に言ったことが当たってたとは。」

 

「伏線回収♪」

 

「やかましい、タイムマシンを見たんですね。」

 

「おそらく、私がフェニキアを誘い出そう。」

 

と言いつつ、イカロスは怪我で動けない状態だった。え、この状態じゃ飛べそうにもないよ!?

 

ブーーーン!!

 

「ん?グースケ!?」

 

「フェニキアを誘い出すつもりだ!!」

 

グースケはそのまま飛び去ってしまった。スノーグース号は鳥人よりも大きいからすぐにフェニキアに見つかってしまった。僕達もすぐに向かう。

 

 

 

 

 




雷神「はい、終わり。」

銀「ジーグリードとは普通の殴り合いで和解て…」

雷神「クローズ的な終わり方あるはっはっは!」

ハル「誰がわかるかも。」

雷神「ま、でも次回に終わるからさ、翼の勇者たち。」

銀「終わり方が劇場版と同じ感じになるんだな。」

雷神「あんなバケモンはチート使わないと。」

銀「だな。」

雷神「では次回も楽しみに!


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第71話翼の勇者たち~タイムマシンともう一つの決着~

はい、今回で翼の勇者たちは終わります。次回はオリジナル回になります。


視点は、のび太、グースケ、のび太、


やっぱりグースケはフェニキアの誘導をしてたのか!着くころにはすでにグースケはトマリギの頂上を目指していた!急いで行かないと!

 

「全く、お前に似て無茶するな!!」

 

「いやまぁ、僕も思ってたけども」

 

「話してないで急ぐよ!」

 

ってやっぱり早すぎて、僕達じゃ追いつけない。イカロスレースの時はミルクさんの意思を継いでだからあんな超加速が出せたけど。

 

「あああ!!!」

 

「グースケ!?」

 

スノーグース号がフェニキアの炎によって燃やされた。え!?待って、グースケは飛べないんだ!!でもグースケは木に停まった。

 

「く、フェニキアあああ!!」

 

「のび太!?」

 

「言った先で無茶すんなおい!!」

 

僕はフェニキアの近くに近づいた。

 

《また貴様か。》

 

え、頭の中に声が響いた?フェニキアの声?

 

《わしの邪魔をするな。》

 

そしてフェニキアは僕を尻尾で攻撃した、僕はトマリギにぶつかった。

 

「あ。」

 

「のび太!?」

 

僕のキャップが取れてしまった。うっそーん?

 

 

―――――――――――

 

のび太が落ちてる。ドラえもんが出したバードキャップがのび太から取れてしまったから、バードピアからあっちの世界に来てから最初に出会い、僕のスノーグース号を一緒に直してくれた友人。

 

『ふふふ!!やった!!』

 

ホウ博士と一緒に作った時と同じく、めっちゃ喜んだ。親友と一緒にいる感覚がのび太にはあった。

 

「のび太!」

 

スノーグース号がフェニキアに燃やされたから僕には飛ぶ手段がないし。どうしたらいいんだよ!!

 

〈勇気を出すんだ。お前は飛べる。〉

 

イカロスの声?何でイカロスは火傷して、ここにはいないはずなのに…

 

〈飛ぶんだ!!〉

 

その言葉を聞いた瞬間に翼に力がこもって…

 

「飛べた…いや今はのび太だ!!」

 

「うあああ!!!…あれ?」

 

「のび太!!」

 

「グースケ!?飛べたんだ!!」

 

「うん!!」

 

恐怖もない、逆に気持ちがいい、のび太を助けれたのと初めて自分の翼で飛べてるからかもしれない。

 

「グースケ君!」

 

「飛べたじゃない!!」

 

「おめでとう!!」

 

「イイ感じだぞ!」

 

ドラえもん、和人、ジャイアン、スネ夫が祝福してくれた。

 

「うん!」

 

《小童共め。》

 

「「「「「は?」」」」」

 

フェニキアが喋った?いや違う、頭に直接聞こえた。

 

〈私に何の恨みがあるのだ!!》

 

「来たぞ!」

 

「のび太を頼む!」

 

「グースケ!?」

 

声の事はこの際どうでもいい!!フェニキアをトマリギの頂上に誘導する!!!

 

「僕についてこい!!」

 

 

―――――――――――――

 

 

「行っちゃった。」

 

グースケは、トマリギの頂上に行ってしまった。

 

「ドラえもん、タイムマシンの所に急がないと!!」

 

「ってその前にお前は言った傍からなに無茶してんだコラ。」

 

「いったい!?ちょ、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」

 

「まぁまぁまぁ、でも困ったなぁ。あ![コエカタマリン]を使おう!」

 

「「何それ?」」

 

「[コエカタマリン]~飲み薬で、飲んだ人が出した大声を固体の文字にする効果があるんだ!!ようはオノパトぺが可視化できるんだ。

 

「ジャイアン。」

 

「おう、お前ら頼んだぞ?」

 

ジャイアンとスネ夫と和人は町の方を頼むから僕とドラえもんで頂上へ向かう。

 

「言っとくが無茶だけはするなよ?」

 

「わかってるって!」

 

「「「…」」」

 

「3人でジト目で見ないで、本当にわかってるから!」

 

「わかってるならいい。」

 

「んじゃ、行くぞ!ホオオオオオオおおおお!!」

 

ホの字が飛んできたから僕は先に乗る。キャップが落ちたのは痛手だよね。

 

「ゲええええええええ!!!」

 

ドラえもんがそのあときた、けどスモークベルトの中は電気まみれで身体が痺れる!!

 

「何とかついた。グースケは?」

 

「うーん…あ。」

 

「何?あ。」

 

霧で見えなかったけど、トマリギの頂上は湖になってた。きっと何万年もかかって水がたまったんだ。あ!!

 

「ドラえもん!あれ!」

 

「ん?あれが鳥野博士のタイムマシンだ。」

 

本当に鳥型おタイムマシンだった。何万年もここに置いてあったから苔だらけになってた。

 

「機能は大丈夫かな?」

 

「大丈夫だといいけど。行こうのび太君。」

 

「うん」

 

中は特に古くなってなかった。何せ動かさなくなって2億年も放置してたし。ドラえもんが色々といじくったら、動いた。逆にすごい耐久値。23世紀のタイムマシンだからなのかわからないけど。

 

「よかった。何か武器が付いてるはずだよ。」

 

そのためにも危険な目に遭いながら来たんだからあって貰わなくちゃ困る。

 

「もしかしてこれ?」

 

ドラえもんが押したボタンで、タイムマシンからショック砲って言うのが出てきたみたい。コンピューターも生きてる。すごいな。

 

「よーし、これならフェニキアを倒せる。」

 

「んじゃ、僕がグースケを呼んでくる。」

 

「うん、はいバードキャップ。」

 

呼ぶだけだから、無茶じゃないもんね。僕はバードキャップを被って、グースケを探しに行った。意外と近い場所にグースケとフェニキアはいた。

 

「のび太!!」

 

「作戦、うまく行ってるよ。僕の合図で急上昇するんだ!」

 

「うん!」

 

僕とグースケはフェニキアをショック砲の標準までひきつける。よし!

 

「行くよ!」

 

「うん!」

 

そして、タイムマシンからショック砲が放たれてフェニキアに見事にぶち当たった!!よっしゃ!!

 

〈…貴様ら…!!〉

 

うめき声を出しながら地面に落ちた。何でフェニキアの声が聞こえるんだろ。

 

〈…なぜだ。何故わしがこんな目に遭わなければならんのだ。〉

 

フェニキアの声は悲しんでいた。表情もそうだ。

 

「のび太…フェニキアの声。」

 

「うん、とっても悲しそうだ。」

 

〈わしは、平和に暮したかっただけだ。〉

 

「でも!!フェニキア!お前は2億年前バードピアを襲ったじゃないか!!」

 

何を言う出すかと思えば平和に暮したかった!?何を言ってるんだ!お前はバードピアを襲った事には変わらないじゃないか!!

 

〈…そう言えば、お前たちわしの声が聞こえるのだな。〉

 

「いや何をいまさら。」

 

「普通に会話してるのは普通じゃないけど。」

 

「ドラゴンとかと喋ったことあるし。じゃなくて!?」

 

〈ふん、お前ら面白い奴らだ。〉

 

普通に会話するのやめてもらえる?今こっち切羽詰まってるんだけど?

 

〈あの人間とは大違いだ。〉

 

「…あの人間?鳥野博士の事?」

 

〈鳥類たちと一緒にいた人間か。あやつは確かに敵ではあるが…そうではない。わしを操った人間の事だ。〉

 

操った人間!?どういう事!?鳥野博士は敵はフェニキアだけって言ってたんだけど!?

 

「「はぁ?」」

 

{のび太君、グースケ君!!どうしたのさ!!}

 

やば、ドラえもんを忘れてた。

 

「ドラえもん!ちょっと来て!」

 

――――――――――――

 

「えぇ?操られてたぁ!?」

 

「うん、フェニキアの声、ドラえもんにも聞こえるだろ?」

 

「いやまぁ、そうだけど。本当なの?フェニキア。」

 

〈そうだ。2億年前、鳥人たちと鳥野という人間にちょっかいは出してはいたが殺してはなかった。〉

 

いやそれは鳥人たちにとっては殺人級の奴だからね?フェニキアからすると遊んでた感覚だろうけど。

 

「そのちょっかいが鳥人たちにとって脅威だったんだよ?」

 

〈…そうだったのか。いやァ、わしも若かったものでな。〉

 

フェニキアがてへぺろした。うん、化け物がてへぺろしても可愛くないからね。若いからって限度ってもんがあるし。

 

「てか、話せるんなら、すればよかったのに。」

 

〈わしがこれができるようになったのはあの光線を浴びてからじゃ。〉

 

「てことは進化したからできたんだ。」

 

「そういう事!?」

 

「じゃあ、今回も操られたから?」

 

〈そうだ。最初はあの鳥人だったが、あの時の人間が上塗りしたのだ。〉

 

「ていうかその人間て誰なの?」

 

〈うむ、名前はヴァサゴと言ったな。〉

 

はいでました。予想は出来てたけど、この世界にいるって事?ジークリード長官も何かに邪魔されてたって言ってたから的は得てる。

 

「ハァ…じゃあ、9代目がこの事件のすべての元凶じゃないか。」

 

周りに回って一人のヴァサゴのせいって、…あれ?人体実験が専門って事は、あのヴァサゴやトリホ―以上に頭脳って事だよね。うわ、頭脳戦とかムリじゃん。

 

「とにかく…今はもう操られていないんだね?」

 

〈ああ、脳には何も感じていない。さっきのショック砲で打ち消されたのだろう。〉

 

「とりあえず、今から身体見るから小さくするね。」

 

〈は?小さく?お、おオオオオオ…〉

 

小さくなったフェニキアをドラえもんはタイムマシンの中に入って行った、中には医療関係の機会もあったみたい。

 

「それにしても…なんかどっと疲れた。」

 

「確かに、まだ、解決してないけどね。」

 

「あ、バードピアが燃えちゃってる!ドラえもん!」

 

「あ、そうだった、これを湖に投げてよ。」

 

ドラえもんは顔を出してから棒を投げてきた。

 

「なにこれ?」

 

「[モーゼステッキ]!旧約聖書のモーセをモチーフにしたステッキでボタンを押すと湖や海、浴槽に溜まった風呂の水とかの、液体を2つに割ることが出来る。スリバチモードってのがあるからそれをしてから湖に放り投げて。」

 

「わかった。」

 

ドラえもんはそれだけ言うと、タイムマシンの中に戻る。言われた通りに僕は湖に来てモーゼステッキをスリバチモードにセットして放り投げた。すると、湖が底から出てきて、下に落ちて行った。

 

「すごい。」

 

「本当にチートでしょ。」

 

「のび太に言われたくない。」

 

「グースケにも言われちゃうの僕。」

 

「ふふふ。」

 

「ふぅ本当に、何もないみたい。」

 

そんな掛からない時間になってドラえもんが出てきた。フェニキア、人形みたいになってるけど

 

「悪いけど、ちょっとまだこのままに居てね。」

 

〈うむ、仕方あるまい。〉

 

「ドラえもん、一回戻ろう。」

 

「そうだね。」

 

「うん。」

 

 

―――――――――――

 

湖の水のおかげで町の火事は消せてるから安心はしてるけど、やっぱり心配だ。

 

「のび太!!…てなんでフェニキアを小さくしてんだ?」

 

和人はドラえもんが抱えてるフェニキアを見てそう言った。ま、そうなる。

 

「一応和解はできたからかな?」

 

「「「は?」」」

 

「ぐ?」

 

「理解はしなくていいよ。僕も整理できてないし。」

 

「とりあえずイカロスさんに伝えよう。」

 

「そうだった。」

 

僕達は、急いでイカロスやミルクさんがいる場所に向かった。

 

「イカロス~!」

 

「あ、みんなもいる。」

 

しずちゃん、美夜子さん、万陽奈さん、バビロン隊長、ジークリード長官がイカロスさんが居た場所に集結してた。しずちゃんはジークリード長官を睨んでたけど。

 

「グースケ?」

 

「フェニキアと一応和解したよ~」

 

「「「「「「は?」」」」」」

 

「どういうことだ!?」

 

ま、一から説明することになった。所々端折ったけど。

 

「…そうか。」

 

「ていうか、グースケ!!飛べるようになったんだ!!」

 

「そうさ!のび太が落ちそうになった時になぜかイカロスの声が聞こえたんだ。勇気を出せってね。」

 

「……そ、そうか」

 

「ごっほん。」

 

「む、むむ」

 

万陽奈さんは咳ばらいをして片目でイカロスを見てた。2人ともさっきからなんなのさ?

 

「まぁ確かに、イカロスさんが乗り移ったみたいだったよ!」

 

「グースケ、さっきはありがとね。」

 

「うん!」

 

「あら…?のび太さん。あなた人間だったの?」

 

「あ…そうだった。バードキャップ無くしたんだった。」

 

「俺もさ。」

 

「僕も。」

 

「うちらも、だましててごめんね。」

 

「しずちゃん…そっかぁ…ま、別に人間でもいいか。」

 

「え?」

 

「何でもないわ!」

 

ミルクさんは小さな声で何かつぶやいた。けど聞き返しても何も答えてくれなかった。何でェ?

 

 

「「「あーあ」」」

 

いや3人も何?ちょっとこっちをジト目で見ないでもらえる?

 

「私やジーグリードは分かっていたよ。」

 

「ああ、拳で語り合った時に気づいていた。」

 

「ってそれはいいとして!!!それどうすんの?」

 

〈それと言うな小娘。〉

 

「なんか喋れてるし。」

 

「イカロース!ご無事で!…ジーグリード長官!?」

 

「…渡り鳥パトロール隊か…。君たち、すまないことした。」

 

「……いいえ!反省してるのであればそれでいいです!」

 

なんか、トビオとツバクロウ、他の渡り鳥パトロール隊員、様になってる。僕らが先に行った後の事は聞きそびれてたけど、顔つきもなんだからきりっとしてるし。

 

「あ!?人間!?」

 

「あ、そっか、ツバクロウも知らなかったのか。」

 

「のび太!?それに和人も!?お前ら人間だったのか!?」

 

「そ、だましてて悪かったな。」

 

「…驚いただけだから気にしなくていい!」

 

「おう!」

 

「ま、とにかくかいけ…」

 

あれれぇ?おかしいぞぉ?何だかすっごいい見覚えのある感じの倒れ方だなァ。…

 

「のび太!?」

 

「のび太さん!?」

 

グースケとミルクさんの声を聴きながら僕の意識は消えたのだった。

 

 

――――――――――――――――

 

 

「知らない天井だ。」

 

「何バカ言ってんだ。」

 

目を覚ますと知らない天井が…そして呆れた和人の顔が…ここはバードピアの病院だらしい。

 

「一度言ってみたかったんだ。あの後どうなったの?」

 

「まぁ、一応は解決はした。でもな。」

 

フェニキアとジーグリード長官の処遇については。一時は投獄されたらしい。元がヴァサゴのせいだけど、あの2人は今回の事件の重要参考人だから仕方ないかもしれない。

 

「ま、そんな気負うな。安心しろ。イカロスの弁護で二人はイカロスの部下になるって事に落ち着いた。」

 

「え、そうなの?てっきり重い罪になるのかと。」

 

「ジーグリード長官は人体実験、フェニキアはまぁ、3度も洗脳されてたんだ。情状酌量の余地ありと判断されたんだよ。」

 

「そっか…よかったぁ。」

 

「まぁ、問題はあの2人を操った黒幕だな。」

 

「その話、今からするの?」

 

「はっはっは!家に帰ってからだな。ゆっくり休め。」

 

「うん。」

 

流石にまだ疲れが出てるあるから僕は寝ることにした。

 

 

―――――

 

――2019年5月22日――

 

次の日、中央庁に来ていたぐっすり寝たから元気にはなった。のはいいんだけど

 

「ああ!お前を連れて帰れないんだよぉお!!」

 

スネ夫はグースケの弟君と別れていた。そう、僕達は今日帰るんだ。長居しちゃって、直ちゃんやママに怒られるしね。ここにはジークリード長官やフェニキアもいる。

 

「いいの?弟君。」

 

「スネ夫が大事にしたんだから次は僕さ。」

 

「そっか、あ、そだ。来年は自分の翼でイカロスレースに出られるね!」

 

「うん、のび太、また逢えるかな。」

 

「あえるよ。こんな言葉を知ってる?さようならは、別れの言葉じゃないから…また会う約束だよ。」

 

僕はソフィアさんに言った言葉をグースケに伝える。僕はこれが好きだ。さよならは別れの言葉じゃないんだって事を感じさせてくれる。

 

「うん、立派なパトロール隊員になって、必ず会うから。」

 

「私もよ、のび太さん!!」

 

ミルクさんが抱き着いてきた。え!?

 

「ミルクさん!?」

 

「私は出会った時からあなたが好きです!!」

 

「うわ、大胆。」

 

「「「…。」」」

 

ああ、だから、僕の後ろにいる3人が吹雪いてるのね。僕またやっちゃいました?

 

「面白くないです。」

 

「うん。」

 

「ごめんなさい。」

 

「まぁ、でも答えはいつでもいいわ!」

 

「寿命的に大丈夫なのそれ?」

 

「それは…ま、何とかなるでしょ!」

 

ご、強引な気がする。

 

「…グラジオ。」

 

「今、言うんだなここで?」

 

「ああ。ぐ、グースケ。」

 

「ん?どうしたの?イカロス。」

 

「実はな。」

 

―――――――――――

 

「「「「「「イカロスがグースケの実の父親!?」」」」」

 

「だから万陽奈さんはジト目で見てたんだ。」

 

「そうです。何を迷うのでしょうね。血のつながった親子なんですから。」

 

「そこはまぁ、複雑なんでしょ?」

 

「そうでしょうか?」

 

「じゃあ、僕はイカロスの…息子?」

 

「ああ、なかなか言い出せなくてすまない。」

 

イカロスはグースケに謝ったけどグースケはキラキラ顔でグラジオさんとイカロスを見ていた。え、なんで?

 

「そっか…じゃあ僕には父さんが二人いるんだね!!うれしいや!」

 

あ、そんなに責めなかった。グースケは別に構わないみたい。

 

「…!!ありがとう…すまなかった…!!」

 

「わあわ、泣かないでよイカロス!!」

 

イカロスは泣いていた。責められると思ってたんだろうなぁ。

 

「子供の成長は早いな…」

 

「ええ。そうね。」

 

グラジオさんとピッピさんはそんなグースケを見て、そんな事を言っていた。大人って、大変だなぁ。

 

「みんな、本当にありがとう。君たちの事は決して忘れないよ。グースケに本当の事を言えてよかったよ。」

 

泣きっ面なイカロスさんが僕達にお礼を言った。

 

「いえいえ。」

 

「いい物も見せてもらいましたし。」

 

「バードウェイまでは僕達、パトロール隊がご案内します!」

 

「ありがとう。」

 

あ、僕バードキャップ無くしたんだった。

 

「ねェ、僕はおぶされて帰るの?」

 

「あ、忘れてた、はい。」

 

「あ、見つけてくれたんだ。」

 

「フェニキアが捜してくれたんだよ。」

 

「フェニキアが?ってその姿維持するの?」

 

〈この姿が気に入ってな。パワーは元の姿と同じように調整してもらった。〉

 

「そっか、バードピアの守護神として頑張ってね。」

 

〈任された。〉

 

「じゃあ、帰るよ。」

 

「バイバイのび太―――!!」

 

「また来年逢いましょーーー!!」

 

グースケとミルクさん、グラジオさんとピッピさん、イカロス、バビロン隊長、ジークリード長官、フェニキアに見送られながら僕達は人間世界(ヒューマピア)に帰るのだった。




雷神「終わり。」

銀「日、跨いだぞ。」

雷神「構成を考えてたハハハ。」

ハル「ま、それは言いとしてフェニキアがあんな形になるなんて。」

銀「喋る設定もいきなり出てきたしな。」

雷神「進化してんのに喋んないのはおかしくね?と言う理由です。」

銀「そうかい。次回はオリジナル回になるんだな。」

雷神「そそ」

ハル「その次は何の映画にするの?」

銀「まだアンケートもあるだろ。」

雷神「実は次は決めてるんだよね。ドラえもんの映画じゃないからアンケートはそのままだけど。」

銀「おいおい、どんな映画をするんだよ。」

雷神「FILMRED。」

銀「またぶっこむなおい。」

ハル「世界観ぶっ壊れてたかも。」

雷神「ははは…ウタを出したくて。」

銀「推しキャラだもんな。」

雷神「うん、では次回もお楽しみに!」


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第72話平和な日常

はい今回は、日常回です。


――2019年5月22日――

 

僕達は自分たちの世界に戻って来た。渡り鳥パトロール隊とはバードウェイの手前で別れた。僕達は学校の裏山にいる。

 

「うん、どうしようか。」

 

「5日も家を出てたしなぁ。」

 

「ま、いつも通り、タイムマシンで…あ!!!!」

 

ドラえもんが叫んだ。何いきなり叫んで。

 

「メンテナンスに入れてたんだった。」

 

「いや、他にも[タイムベルト]とかあるだろ。まさかとは思うがそれもメンテに入れてるんじゃないだろうな。」

 

「…てへ♪」

 

温かい目を出しながらドラえもんはてへぺろをした。

 

「え!?じゃあ、僕らママたちに怒られるじゃん!!」

 

スネ夫が顔を青くしながらそう叫んだ。うわぁ、このままだと超説教コースになる。

 

「仕方ない。[認識入れ替え機]~」

 

これを使うと指定した人以外の人間すべてに僕らが5日間出かけていたことになるらしい。直ちゃんやタイムパトロール隊の2人を指定して、認識入れ替え機のスイッチを押した。

 

「やっぱりドラえもんの道具チートだよね。」

 

「のび太君には言われたくない。」

 

ねェ、なんで誰もかれも僕の言葉を否定するかな!?22世紀の道具の方がチートでしょ!?秘密道具と比べられる僕はどう反応したらいいんだよぉ!!

 

「それじゃ、普通に帰ってもいいんだね!」

 

「うん、ママたちは普通だよ。」

 

スネ夫は素早い動きで家に向かっていった。流石と言うか、ジャイアン、しずちゃんも帰って行った。しずちゃんは見聞色を鍛えたいみたい。

 

「スグは入れ替えてないんだよな。スグには怒られそうだ。」

 

あ…今更だけど直ちゃんだけおいてきちゃったんだ。いつも冒険には直ちゃんいたのに。

 

「…いたあああああああ!!!!」

 

「「「「「!!!」」」」」

 

「みんな何してたの!?5日間もぉ!!!」

 

噂をすれば直ちゃんが来た。

 

「さ、探してたの?」

 

「うん!でも必死だったんだよ!ママたちや銀さんたちにお兄ちゃん達は旅行に行ったって信じさせたんだから!!」

 

え!?じゃあ、[認識入れ替え機]いらなかったじゃん!!…まぁでもありがたいか。直ちゃんはきっと僕らがいなくなって、また事件に巻き込まれたと思って、ママたちに行ったんだ。

 

「ありがとうね。直ちゃん。」

 

「わかればいいよわかれば!」

 

「ではまたデートしましょうか。」

 

「え!?いいの万陽奈さん!!」

 

「はい、お詫びを兼ねてです」

 

「うん!行こう!!」

 

「あ、慌てなくても逃げませんよ!?」

 

直ちゃんは万陽奈さんの手を掴んで走って町へ向かった。残ったのは僕、ドラえもん、和人、美夜子さんだけになった。

 

「ドラえもん。」

 

「もう切ったよ。」

 

「無意味だったな。」

 

「ま、結果オーライね。これからどうするの?」

 

「うーん、ま、たまには散歩でも行こか。」

 

「「「4人で?」」」

 

「たまにはいいじゃない。」

 

「そうだな。今日は稽古もないし。」

 

「それって元々?」

 

「銀さんは気まぐれだからな。バードピアに行く前にどっか行ってた。」

 

それでいいの?まぁ、それは師匠も一緒なわけだからいいけど

 

 

――――――――――

 

 

「多摩川、綺麗だなぁ。あの穴ってまだあるの?」

 

「うん、別に誰にも見つかんないし。」

 

「また地下世界に行ってみるか?」

 

「そこまでは。ん?な、奈江ちゃん…」

 

河川敷を歩きながら話していると奈江ちゃんが仁王立ちで立っていた。綺麗な笑顔でこちらを見てる。うん、あれ怒ってる。

 

「なんか怒ってるぞ。」

 

「うわ…さっきのじゃないの?」

 

「でもそんなに使ってないよぉ?」

 

あれを使ったのはほんの2、3分程度。認識するのもかからない気するけど。

 

「のびたん、和君、みよちゃん、ドラちゃん。また別の世界に行ったよね。」

 

あ…そのことだったの!?いやでも今回は誰も連れてきてないんだけど。

 

「な、何を怒ってるの?」

 

「ちょっと別の世界に長居しすぎ。過去のこの世界だったら何してもいいし、いやしないだろうけど。でも別世界が別!平行世界のルールってもんがあるんだから!」

 

「ま、万陽奈さんが来た時に聞いたよぉ。」

 

これは万陽奈さんが来た時に奈江ちゃんに聞いた。平行世界旅行機(パラレルループ)が発売されて以来ずっと、重い罪を重ねる人が増えたらしい。時間犯罪者なんか比にならないくらいの大事件を起こしてるみたいなんだ。

 

「別世界に行ったとしても、長居はしない事!」

 

「奈江ちゃんが一番そういう事硬いよね。」

 

「はい!のびたん減点です!」

 

「何のだよ!?」

 

美奈ちゃんが委員長タイプで硬いイメージだけど、こういうルール系は奈江ちゃんが一番厳しい、奈江ちゃんの先輩にあたる人が色々やらかしたせいでtypッと厳しくされたんだとか。

 

「ま、それだけ気にしてくれたらいいから、バイちゃ。」

 

奈江ちゃんはそれだけ言うと消えた。立体映像だったのね。

 

「絶対俺ら長居しそうだよなぁ。」

 

「うん、誰かさんのせいで。」

 

「そうね。」

 

「ねェ、僕を見ながら話すのやめてくれる?」

 

 

―――――――――――

 

 

「あ、ミーちゃん!」

 

「にゃー」

 

「じゃあ、僕用事思い出したから。」

 

ドラえもんはそそくさとミーちゃんとどっかに行った。ドラえもんってドラミャーコさんがいるのにいいのかな。…人の事言えないか。

 

「うん。」

 

「せめて否定して。」

 

「んじゃ解散するか。散歩もいいだろ。」

 

「そだね。」

 

「また明日~」

 

和人もいなくなって、僕と美夜子さんだけになった。何かさっきまでの出来事がウソみたいに二人だと静かだなぁ。家に帰るだけなんだけど。

 

「ま、こんな日もあるでしょ」

 

「そうだけどさ。あとさ、僕気づいたんだよ。」

 

「何を?」

 

「なんか、マヤナ国でも、バードピアでも最後には意識が遠のいちゃうんだよねぇ」

 

「そうね。ゴリゴリと体力減るような感じだもんね。」

 

マヤナ国、バードピアでの僕の戦績は大丈夫な方だけどいかんせん、最後らへんで倒れちゃう。それはそれでよろしくない。まぁ戦いの後だから仕方ないんだろうけどさ。

 

「だから、美夜子さんの重力魔法を維持しながら修行したいんだ。」

 

「どこの戦闘民族なのよ、あなたは…まぁそうね。そのくらいなら手伝いましょ。」

 

「やったね!じゃあ、さっそく!」

 

「今日はダメ、まだ昨日の疲れが残ってるでしょ。」

 

「あ、ハハハ…」

 

早速、鏡の世界でやろうとしたけど、美夜子さんに止められた。疲れは確かに残ってるし。確かにそうだね。

 

「のっ君が無茶しすぎなのよ。」

 

「それ3回目なんだけど。」

 

「それほどのっ君は無茶するの!自覚しなさい。」

 

「わかったよぉ。」

 

何気ない。ほんとこんな日常がずっと続けばいいのにね。友達と笑って、学校を楽しんで、師匠と切磋琢磨したいなぁ…でも…

 

「9代目ヴァサゴか…」

 

「難敵なのは確実よ。私達の事も知ってるだろうし。」

 

バードピアの事件の黒幕が全て一人の人間によってなされた。前にも言ったけど、そんな奴と僕らは戦わなくちゃいけないんだ。

 

「だからこそ、重力魔法を…」

 

「ダメです。」

 

「はい…」

 




雷神「はい終わり。」

銀「短っ!?」

ハル「早すぎるでしょ。」

雷神「ほほほ…」

銀「んじゃ次回は。」

雷神「頑張る。では次回もお楽しみにください」


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第73話FILMRED~ウタの世界~

はい、翼の勇者たちでも説明しました、FILMREDを書きます。大海賊時代だからこそのあの物語は成り立ち、ウタというキャラクターが立ったことは自分でも思っております。



のび太達のあの世界にもワンピース世界のような人たちは存在しています。どうなるかをどうか見てください。


因みに悪魔の実は存在しています。
ルフィだけはありません(後付けやないかい!)


視点はのび太、


――2019年5月26日ーー

 

バードピアから帰ってから4日が経ち、僕、ドラえもん、ジャイアン、直ちゃん、美夜子さん、しずちゃんの6人は、港までやって来た。

 

「何で港なんだろ?」

 

「暇な奴は来いって言われたしね。」

 

和人は稽古、スネ夫はウタのLIVE、万陽奈さんはクラスメイトに誘われたから来られなかった。

 

「麦わらの一味が総出で集まってるのいつぶりくらいだろ?」

 

「さあ?だいたい師匠はうちといるしねェ。」

 

呼び出したのは麦わらの一味だった。ルフィさんをリーダーにしてるチームなんだってのは前にも話したけど、どんなチームなのかは知らない。ボンゴレみたいな(アウトロー)系かもしれないけど、そんな雰囲気はあの人達からはないしなぁ。

 

「お、いるぞ!」

 

「あんたが呼んだんでしょ!待たすな!」

 

「ごめんなさい。」

 

と、ナミさんとルフィさんの声が聞こえた、海から…海から?

 

「あ、あれを見て!!」

 

「ライオン?」

 

港に来たのは大きなライオンを船首にしたスループ船が堂々と港に来ていた。横には羊の船首をしたキャラベルもある…なにこれ?

 

「よ!って来たのお前らだけかぁ?」

 

ルフィさんが僕達を見てそういった。ルフィさんに後の4人の事伝えると。

 

「ま、いいや。乗れよ!」

 

「ちょっと待って師匠!!説明受けてない!!」

 

しずちゃんが叫ぶ、僕らも頷くと

 

「あれェ?言ってなかったっけェ?」

 

「ねェ…師匠、うちらは突然の電話でみんな急いできたんだよ?ボコすよ?」

 

しずちゃんはわなわなとちょっと怒ってる。いつも通りのルフィさんで安心はしてるけど…

 

「わ、わかった。話すよぉ。お前本当にナミに似てきたな。ぐへ!?」

 

「なんか言った?じゃあ、私から説明するわ。乗って。」

 

僕達はライオンの方に乗った。船には、ウソップさん、チョッパー、フランキーさんがいた。他の人達は船の中かな。この船はサウザンド・サニー号というらしい。フランキーさんが設計して、船大工と一緒に作ったみたい。滑り台にふかふかの芝生…ドラえもんが出した道具って言っても信じちゃう。

 

「どうだ、ドラえもん。お前の道具を参考に作った。」

 

「いいよ、これ!フランキーもよく設計したよ!!」

 

「そんな褒めんなよぉ、さぁ行こうぜ!」

 

ドラえもんとフランキーさんはお互いロボットとサイボーグだから仲がいい。

 

「あ、フランキー説明…行っちゃった。ま、ドラちゃんにはあとで説明するとして。今からエレジア島に行くわよ!」

 

「エレジア島?…それって…」

 

「ああ!!ウタのLIVEのチケットが取れたんだ!!」

 

エレジア島にウタのLIVE、その2つのワードで察せた。約2年前から活躍してる、あの安室奈美さん以上の逸材と言われてる歌姫ウタ、彼女はYouTubeでしか活躍してなかったけど、僕らがバードピアに行ってる間に単独コンサートが発表されたってスネ夫が言ってた…ってまって!?

 

「「「「「そのチケットが取れた!?」」」」」

 

あの人のコンサート倍率は某アイドル達よりも上なのに!?何で!?

 

「まぁ、俺の運の強さだ!」

 

「う、嘘じゃないよね?」

 

「ウソップさんだし。」

 

「ちょ、おい、信じろよテメェら!!」

 

「だって、ウソップだしな。」

 

「ひでぇ…」

 

冗談はここまでにして、ウソップさんの手には確かにウタのLIVEのチケットを持っていた。それも14枚分。うわ…すごいな。

 

「ウソップさんそんなにお金持ってたの?」

 

「全財産をつぎ込んだ。」

 

「執念がすごい。」

 

「てなわけで、あんた達も呼んだの。このバカじゃなくて私が呼べばよかったわね。」

 

「その馬鹿にはよく言い聞かせてください。」

 

「わかったわ。」

 

「何でおれを睨むんだぁ?」

 

「「あんたが言ってないからでしょうが!!!」」

 

「ぶへーーー!!!」

 

「「「こえー」」」

 

僕、チョッパー、ウソップさんは今の光景を見て、恐怖におののいた。あの性格、ナミさんの影響か。

 

「のっちゃん。」

 

「ナニモカンガエテナイデス。」

 

「今の行かれるしずに近づいたら噛まれるわよ。」

 

因みにチョッパーはトナカイだけど、普通に喋れてるし、頭もいい。ルフィさんみたいな実を食べたみたい。去年のドラえもんの誕生日会の時はお父さんと出かけてたらしい。あ、お父さんは人間でチョッパーは養子なんだ。

 

――――――――――

 

 

エレジア島のど真ん中僕らはそこにいた。何でこんな特別席を…ウソップさんの幸運すごすぎない。

 

「すげぇ人が集まってねェか?」

 

「だってあのウタのLIVEだよ!」

 

「生でウタを!こんな場所で見られるなんて!おれ…おれェ!!!」

 

「のび太君、久しぶりじゃのう。」

 

「ジンベエさんもお元気で!」

 

感激してるチョッパーを見てたらジンベエさんに話しかけられた。ジンベエさんは昔、地球に流れ着いた魚人族って種族の末裔らしい。ルフィさんと意気投合してチームに入ったんだとか。…人魚族と怪魚族の事知ってるのかな?

 

「なぜわしらはこんな格好を?」

 

僕達はエレジアに入る前に着替えてた、ウソップさん曰くなんでも、初ライブを盛り上げるためにコスチュームを着てきたら、バッチがもらえるかららしい。

 

「それでか。」

 

「楽しみよね。今や世界でもっとも愛されてる人ですもの。」

 

「そうだよ!わかってるよねぇ!ロビンさん!」

 

ニコ・ロビンさん、考古学者でルフィさん達が通ってる高校の教師でもある。すうげぇ美人です。

 

「美人の部分を強調しない。」

 

「はい。」

 

「ソウルキングの私が言うのもなんですが…彼女の歌は別次元です。」

 

ブルックさん。骨だけの人間。いや言った通り、骨だけで生きてる。またもこの人もルフィさんが食べた実みたいな物を食べたらしい。死んだら生き返ったという神をも畏れぬ事を成し遂げたらしい。ヘスティア様は知ってんのかな。ちなみにブルックさんも有名な歌手である。

 

「UTA~♡ウッタちゃーーーん♡」

 

「くっだらね。」

 

「あん?くそ剣士!!もう一度言ってみろ!!てめェをジューシーに焼き上げてやるぞ!!」

 

「やってみろ!ぐるぐるマーク!!」

 

今ゾロさんと喧嘩してるのはサンジさん、ドラえもんの誕生日会でもお世話になった。凄腕のコックさんだけど、ゾロさんとは仲が悪い、いつも小競り合いをしてる。って言ってる場合じゃないか、辺りが暗くなってきた!!

 

「おおおおおお!!始まるぅ!!」

 

「ねェルフィさん!LIVEが始まるよ!」

 

「ん?」

 

ルフィさんはやっぱり食い気なのか肉を頬張っていた

 

「新時代はこの未来だ~♪世界中全部変えてしまえば~♪変えてしまえば~♪」

 

♪♪♪

 

「ジャマモノ、ヤナモノなんて消してこの世とメタモルフォーゼしようぜ

ミュージックキミが起こすマジック!

 

ウタの歌声に合わせて、会場は盛り上がる。この曲なんていうか心が躍る!

 

「目を閉じれば未来が開いて

いつまでも終わりが来ないようにって

この歌を歌うよ~♪

 

Do you wanna play? リアルゲーム ギリギリ

綱渡りみたいな旋律 認めない戻れない忘れたい

夢の中に居させて I wanna be free

見えるよ新時代が 世界の向こうへ

さあ行くよ NewWorld

 

新時代はこの未来だ

世界中全部 変えてしまえば 変えてしまえば

果てしない音楽がもっと届くように

夢は見ないわ キミが話した 「ボクを信じて」」

 

間奏の間に、ウタダンスを踊る。これはYouTubeで踊りが公開されてた。それに小さな音符の中でウタが躍ってた。楽しそうだな!

 

「あれこれいらないものは消して

リアルをカラフルに越えようぜ

ミュージック 今始まる ライジング

 

目をつぶりみんなで逃げようよ

今よりイイモノを見せてあげるよ

この歌を歌えば~♪

Do you wanna play? リアルゲーム ギリギリ

綱渡りみたいな運命 認めない戻れない忘れたい

夢の中に居させて I wanna be free

見えるよ新時代が 世界の向こうへ

さあ行くよ NewWorld」

 

新時代も佳境に入る、ウタの力でなのか演出上の立体映像なのかはわからないけど、色鮮やかな魚たちが列をなして、太陽に登っていく、太陽もデフォルメされてるけど。

 

「信じたいわ この未来を

世界中全部 変えてしまえば 変えてしまえば

果てしない音楽がもっと届くように

夢を見せるよ 夢を見せるよ

 

♪♪♪♪

 

 

新時代だ!!」

 

 

オープニング曲、新時代が終わる。

 

「みんな、やっと会えたね!ウタだよ!」

 

ウタはステージ衣装だからなのか美脚が目を引くバイオレット色の瞳をした美少女。髪色は右側が鮮やかなポピーレッド、左側は淡いピンクホワイトのツートンカラーで髪型はツインテールを上部でうさみみ型のリングにまとめヘッドセットのバンド部分で留め、更に肩から胸にかけて下ろした髪の先を2つずつシズク型のリング状に結んでいる。

 

「そんな細かく見なくていいの。あと美脚は余計。」

 

「でも可愛いよ!!ウタ!」

 

「そうね。それは認めるわ。」

 

「俺も歌いたいぜ!!」

 

僕の知ってるアイドルや歌手である、星野スミレさんやつばさちゃん以上…ブルックさんが言ってたように別次元ではある。

 

「ごめん、ちょっと感動しちゃった。」

 

UTA!!UTA!!UTA!!

 

「ん?お!」

 

「え?ルフィさん!?」

 

「おいルフィ!!」

 

ルフィさんが腕を伸ばして、上にある物を掴んでウタのステージに向かっていく。

 

「ん!ん?あ、やっぱりそうだ!!」

 

「ん?」

 

「ウタ!お前ウタだろ!」

 

「え?」

 

「おれだよ!おれ!!」

 

「おれ?」

 

ウタはルフィさんを凝視してから何かを思い出したのか、うさ耳みたいな髪がぴょこんと上がった。

 

「ルフィ!?」

 

「ひっさしぶりだなぁウタぁ!」

 

「ルフィいいいいいい!!」

 

ウタがルフィさんに抱き着いた。は?あ、ありのままの現状を説明するぜ!!世界の歌姫があのルフィさんに抱き着いたんだ!!

 

「ナミ姉!?」

 

「…あ、うん、大丈夫。」

 

しずちゃんがナミさんに気を使った。ナミさんと今はいないけどビビさんはルフィさんを好きだから、あとロビンさんも、年齢的に…

 

トン

 

「ふふ?」

 

「女性に年齢はアウト。のっ君。」

 

「はひ」

 

んで、会場はどよめきが走った、そりゃそうだよ。ルフィさんは親やおじいさんが有名だけど、一般人なんだから!

 

「「アハハハハハ!」」

 

「おい、あいつ、警視総監のドラゴンさんの息子じゃね?」

 

「あ、ほんとだ。祖父が伝説の警察の。」

 

「え!?あんなビックネームとも仲いいのウタ…!」

 

「ルフィさんって、ウタと知り合いだったの?」

 

僕が幼馴染であるゾロさんに聞いた。けど、ゾロさんはルフィさんと会ったのは小学校に上がってかららしいから幼稚園の時の知り合い?11年前の事憶えてたんだルフィさん、基本的にアホなのに

 

「あいつ、ナミさんやビビちゃん、ロビンちゃんに俺の姉貴に飽き足らず!!世界の歌姫まで!?」

 

「なんかどこかで見たことある。」

 

「身近で。」

 

「うん。」

 

えーと、約3名からすごく睨まれてる気がするけど…

 

「っておい!ルフィ!何でプリンセス・ウタと仲良し!」

 

「なんだ!?」

 

「だって、こいつ、シャンクスの娘だもん!」

 

「あ。」

 

「「「「「は?」」」」」

 

ええええええええええええええ!!!!!!

 

会場全体が揺れるぐらいの絶叫。だってシャンクスって言ったら…

 

「天皇様とルフィさんは知り合いなの!?」

 

令和の天皇様、本名は秋篠宮鈴斬様。歴代最強と言われる武闘派の天皇と言われて総理と共に日本を取り仕切ってる名君なんだ。自慢の剣術でロシアや北朝鮮にけん制を行っているのは有名な逸話。

 

「でも天皇様は独身のはずだけど。」

 

「そこはまぁ、あれじゃない?養子とか?」

 

「ま、そっか。」

 

「ライブ会場がエレジア島と聞いた時はどうしようかと思ってたけど。」

 

「あの伝説の事ですか?」

 

「伝説?」

 

「ええ。でもそれ以上の話が出るなんてね。

 

バ―――ン!!

 

 

そしたら銃声が聞こえた。え!?なに!?

 

「へへへへへ…」

 

ガラの悪そうな奴らがやって来た。いや誰?

 

「だれだ?お前ら?」

 

「天皇の赤髪のシャンクスに娘がいたのか。それが本当にならお前はあいつの最大の弱点になる。」

 

日本語だけど、明らかにロシア人。ああ、あの大統領の刺客って事か。

 

「大統領様にいい手土産になるなァ!」

 

「って事でほんとに残念だがLIVEは中止だ!!」

 

ここ、エレジア島はどこの国の領土ではない。元は王国だったらしいけど11年前に滅んだらしい。噂では天皇様が関与してると都市伝説では語られてるけど。ってそんな冷静にしてる場合じゃない!!ウタが危ない!

 

熱風拳(ヒートデナッシ)!!」

 

「いや次は誰!?」

 

「ありゃ、万国(トットランド)の外交官じゃねェか。」

 

万国(トットランド)はイギリス王政と一緒で女王が統べる国。この時代で独裁国家を敷いてるという噂の国でもある。

 

「うぃ~うぃうぃうぃうぃうぃ!!」

 

「何あの魔女みたいなの」

 

「枝?」

 

「なんだい、あんたは!枝じゃないよ!私はシャーロット・ブリュレだよ!万国(トットランド)の。」

 

「隣の人は?」

 

「同じく万国(トットランド)の外交官!シャーロット・オーブン。楽しそうだな。混ぜてくれよ。」

 

あの人たちもウタを狙ってきたって事か。

 

「ほ~んと偵察に来てみたらこんな面白いことが聞けるなんてね!ウタ!悪いけど、ママへの手土産にしてもらうよ!」

 

すると、ブリュレの腕から人が出てきた。え~っと魔法?

 

「あの人に魔力は感じないわ。」

 

「じゃあ、ルフィさんの実と同じか。ドラえもん。未来のキミでもわかんないの?」

 

「いやまぁ、見たことはあるけど、化学での力でもあれは解明されてないんだ。」

 

魔法は解明されてるのに、ああいうのは解明されてないのはどういうことなの?

 

「って話してる場合じゃない!助けよ!!」

 

「そうだった!ルフィさんがいるから心配ないと思うけど!!」

 

「おいおい!ウタちゃんを狙うなんてクソ共は!おれが相手してやる!」

 

「サンジさん速い!僕も!」

 

「素晴らしいステージを汚す不届き者を放ってはおけませんね。」

 

「そうだ!歌手のステージを汚しやがって!!」

 

「ようやく面白くなってきやがった!!」

 

「我らを舐めるなァ!!」

 

クラゲみたいな人はピンクの衝撃波を投げてきた。何!?あの人も能力持ってるの!?でもゾロさんの剣撃で吹き飛ばされた。よわ。

 

「掠り唄…吹雪斬り!!」

 

ブルックさんは魂の喪剣(ソウル・ソリッド)で黄泉の国の冷気を纏う剣戟で他の人を斬った。黄泉の冷気とは何ぞやと思うけど、そのまんまあの世の冷気をここに持ってくるらしい。

 

「クラー拳!!」

 

タコみたいな敵タコみたいなパンチをサンジさんにぶつけてるけど、それを全部避けて、サンジさんは炎を纏った蹴りでその人を蹴っ飛ばした。

 

「んじゃ僕も、《時雨蒼燕流“攻式”一の型》車軸の雨!」

 

車軸の雨で僕も敵をなぎ倒していく、ジャイアンも拳でバッタバッタと倒しく、ウソップさんは、棒術をしながら遠距離で攻撃してる。

 

「やるぞぉ!ウタを守るために!!」

 

「ふむ!魚人空手!槍波!」

 

「あとはスーパー任せとけ!!」

 

みんな戦闘に慣れ過ぎてない?どういう事?アウトローかと思ったけどそんな事もないのかな

 

「ゴムゴムのぉ――!!JET銃乱打(ジェットガトリング)!!」

 

吹き飛んでいく、敵、敵、敵。無双ゲーム並みに綺麗に吹き飛ばされてる。弱いだけなのか。マヤナ国の時はルフィさん本気じゃなかったんだ。

 

百花繚乱(シエンフルール)蜘蛛の華(スパイダー・ネット)!!」

 

いや、やっぱり、ロビンさんもなのね。もう驚かなくなっちゃった。

 

「よし。」

 

「はーい、そこまで!」

 

また攻撃しようかと思ったけど、ウタに止められた。

 

「ルフィとみんな、守ってくれてありがと!でも喧嘩はおしまい!」

 

「喧嘩?」

 

「みんな私のファンなんだから仲良くLIVE楽しんで!」

 

「でも、ウタ!こいつら君を連れ去ろうとしてるんだよ」

 

「それに話してわかる相手じゃねェ!!」

 

「俺達は、戦って奪う。国のためなら外道にだってなれるんだ!!」

 

「じゃあ、そんな国見捨てちゃおう。大丈夫。君たちの国の人には私から言ってあげる。」

 

「それはさすがに無理じゃ。」

 

「そんなの知らないよ。他の皆も国を見捨てて私と一緒に楽しいこといっぱいのこの世界で過ごそう?」

 

…この世界?いやここは人間世界のはずだけど…別世界に来てるわけじゃないよね…?

 

「私の歌があれば、みんなが平和で幸せになれる!」

 

「「「「ぶっはっはっは!!」」」」

 

「そんなことできたら今起きてる戦争は起きないよ!!」

 

…ブリュレの言う通りロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナ。民族同士の戦争や僕らが生まれる前に起きた世界同時多発テロ、人種差別、世界ではちょっとの意識違いで戦争が起きる。今まで会った人たちもそうだったし。特に人魚族と怪魚族の戦争はそれを物語ってる。

 

「この世に平和なんてものは存在しない。貴様の父親でさえ。武闘で世界にけん制してるじゃないか。」

 

「…シャンクスは関係ない。」

 

ゾク!?

 

な、なに今の?ウタ、天皇の名前を聞いた瞬間に目の色と声色が変わった?

 

「ウタ!」

 

「大丈夫、みんな私の歌を楽しみに来たんじゃないの?」

 

何でウタはこんなに冷静なの!?

 

「俺達は刺客だ。歌なんかより大切なもんがあんだよ…!!」

 

「ひどい。今は国の問題を持ってこないでほしい。」

 

「ウタや私達の気持ちを踏みにじって…」

 

「残念…」

 

ゾクゾク!?

 

また声色が変わった!?

 

「なら、歌にしてあげる。」

 

すると、さっきのLIVEみたいに辺りが暗くなった。歌うつもり?

 

「さぁ、怖くはない、不安はない。私の夢はみんなの願い。」

 

ウタが歌いだすと、周りから花や猿が出てきた。もちろんデフォルメされた奴だけけど。

 

「歌唄えば、ココロ晴れる。大丈夫よ。私は最強~~~♪」

 

ウタの身体に鎧が付いた。金ぴかでレオタードになってた。うむ、セクシー。

 

「どこ見てんの!!」

 

「いて…だって。せ…」

 

「「「あ?」」」

 

「ごめんなさい。」

 

「私の声が小鳥を空へ運ぶ靡いた服も踊り子みたいでさ。

あなたの声が私を奮い立たせるトゲが刺さってしまったなら

ほらほらおいで♪」

 

ウタはロシアの偵察隊とブリュレとオーブンを音符にした。でもウタは歌い続ける

 

「見たことない 新しい景色絶対に観れるのなぜならば生きてるんだ今日も!

 

さぁ、握る手と手ヒカリの方へみんなの夢は私の幸せ

あぁ、きっとどこにもない アナタしか持ってないその温もりで 私は最強~~♪

 

回り道でも私が歩けば正解♪

わかっているけど引くに引けなくてさ

 

無理はちょっとしてでも花に水はあげたいわ

そうやっぱ したいことしなきゃ腐るでしょう? 期待には応えるの~~~♪

 

いつか来るだろう 素晴らしき時代今はただ待ってる誰かをね?

繰り返してる傷ましい苦味

火を灯す準備は出来てるの?

いざ行かん最高峰!!

 

さぁ、怖くはない? 不安はない?私の思いは 皆んなには重い?歌唄えば キリも晴れる!見事なまでに 私は最恐!!

 

さぁ、握る手と手 ヒカリの方へみんなの夢は私の願い

きっとどこにもない アナタしか持ってないその弱さが 照らすの

 

最愛の日々

忘れぬ誓い

いつかの夢が 私の心臓

何度でも 何度でも 言うわ

『私は最強』

 

『アナタと最強』~!!」

 

ウタの私は最強は、今も世界のどこかで苦しんでる誰かに向けて叫んでるようだった。それは自分にも向けて歌ってるのかな。

 

 




雷神「はい終わり」

ウタ「私が出てる。」

銀「うお!?ウタが何でここにいるんだよ」

雷神「えぇ、こちらのウタはpixivで書いてる自分の小説で闇ウタではないウタです。」

銀「お前、ワンピース原作沿いも書いてんのか?」

雷神「そそ、今回から自分を見てもらいます。」

「「畜生」」

雷神「何とでも言えい!」

銀「それにしても海賊要素を除いてもできるんだな。」

雷神「自分でもびっくり、代替わりがすごいことになってるけど。」

ウタ「シャンクスが天皇って…考えらんない。」

雷神「四皇みたいな現実世界の役…天皇だなと。」

銀「同じ皇だからってのもあるだろ。」

雷神「せや。」

銀「天竜人はどうすんだよ。」

雷神「だえ~の代替わりをどうしようかは悩んでる。」

銀「だえを呼名化すんな。」

雷神「まぁ、明日のおれに任せる。」

ウタ「丸投げした。」

雷神「では次回をお楽しみに!



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第74話FILMRED~国連とウタとルフィの過去~

逆光、意外と好きな曲です。
でも、最たるはウタカタララバイ、あの曲に闇ウタがたまんないです。今回は出せませんが。

何故海賊設定しなかったのかと後悔しています。シャンクスが天皇様ってなんだよ!!ベックマン、ヤソップ達は護衛設定になります。

五老星やだえを出せるのか…


視点は、のび太、第三者、ウタ、のび太です


「みんな!悪い人は楽しい歌になってもらったよ!これで平和になったから安心してね!」

 

ヒュー―――――――!!パチパチ!!

 

強引なやり方だけど、確かに戦わずにして解決したのは平和的だから別いいか。それにしても、さっきのウタはなんだが寒気がした。あの感じ…

 

『やあ、のび太君。』

 

ヴァサゴの狂気に似てる。似てるだけであいつとは違うとは思うけど…

 

「すげェ強くなったな。ウタ!」

 

「ほら戻るぞ。」

 

「あいつは何かの能力者なのか?」

 

「能力者?」

 

「悪魔の実を食べた者を私達はそう呼んでいます。」

 

ゾロさんの言葉に疑問に思ったら、ブルックさんが説明してくれた。悪魔の実とはこの世界に突如生まれて「海の悪魔の化身」と呼ばれる不思議な果実。一口でも食べると実に宿っている特殊な能力を手に入れることが出来る。色や形は様々で、果皮に唐草模様がついているのが特徴。らしい。

 

「美味しいんですか?」

 

「おすすめはしません。まずいので。」

 

「ヘェ。ってそれドラえもんや秘密道具並みにすごいですね。」

 

「科学の結晶である彼や道具は未来人の研究によって作られたロボットや道具、自然なのかもわからない悪魔の実とはわけが違います。」

 

「そういうもんですか?」

 

「ええ、未来でもこの実の研究は続いてると聞きましたし。いつかは解明してほしい物です。」

 

因みにブルックさんが食べたのは50年前らしい。90歳であるのにあんな動きできるのは骨の身になったかららしい。すごいな。

 

「おお~?何だこれェ?」

 

「いやいや、何やってんだ!早く戻るぞ!」

 

「アハハ…ここでみんなにうれしいお知らせがあります!」

 

僕達が観覧席に戻るとウタがそんな事を言った。どうしたんだろ?

 

「いつもYouTubeを使った配信ライブ!私が疲れて眠くなっちゃうからすぐに終わっちゃうけど、今回のLIVEはエンドレス!!永遠に続けちゃうよ!」

 

ええええええええええ!!!!

 

「そう!みんなず~っと一緒にいられるてこと!配信で楽しんでるみんなもこの会場にいるキミ達も!もっともっと楽しんじゃおう!!

 

「すっげェ!!1人でLIVEやり続ける気かよ!!」

 

「最高かよ!!」

 

でも、体力的に大丈夫なの?そんなことしたら身体やのどが壊れそうだけど、悪魔の実の能力者だから、その辺は補填するのかな。

 

「それとね。…大事なお話。警察のみんな、国際警察や国連の人達…このライブの邪魔をしないで!みんな、楽しい事、幸せな事を探してるの!ひどいことをやったら覚悟してもらう。私は新時代を作る女、ウタ!歌でみんなを幸せにするの!」

 

ゾク!!!

 

また、あの悪寒が出てきた。ウタの覚悟がすごいからなのか、何かを感じ取ったのかは分からないけど、どういう事?第六感か何かが発動してる?

 

「じゃあ次の曲行くよ。」

 

―――――――――

 

 

ここはアメリカ合衆国、ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン、そこには5人の老人【五老星】がウタのLIVEを見ていた。ウタを好きで見ているわけではない。

 

「あの天皇に娘がいたのか。」

 

「の報告通り、この時代を大否定する全く新しい敵の出現だな。」

 

「厄介なことに民衆も彼女についてる。ああいう危険分子は早めに摘んでおかねば手遅れになる。」

 

「あの娘が天皇の血筋でもか?」

 

「トットムジカの存在も気になる。」

 

「トットムジカ…あれが再び目覚めるなら…」

 

上からミハイル・ゴルバチョフ、マハトマ・ガンディ、カール・マルクス、エイブラハム・リンカーン、板垣退助の子孫である。彼らは、世界最高峰の権力者であり、ウタが何かをやらさないかを監視いている。

 

「ニカの事もあるだろ。」

 

「この際ニカは後回しだ。悠長に構えてる場合ではないだろう。」

 

リンカーンの子孫。ピーター・リンカーンは国連の電話をつなぎ国際警察に連絡をした。

 

―――――――――

 

「ああ、ウタの討伐が決まった。奴は危ない。」

 

ここは国際刑事警察機構…通称インターポル。その本部、その長官室であり、この部屋の主である菅原サカズキ。日本人で初めて国際警察本部長に就任した人物である。

 

「おっかしいねェ…女の子たった一人に全世界が注目をしてるなんて。」

 

電話相手は田中守、インタポールの捜査官である。

 

「おい!甘く見ちょりゃせんか?現場は音楽の島、エレジア島じゃ。あそこには古代に封印されたトットムジカがある。」

 

「でどれだけの人員が必要で?」

 

「船を30隻でいくんじゃ!中隊小隊率いて行くんじゃ!!」

 

―――――――――

 

歌も終わって、LIVEの休憩時間。ウタはみんなにご飯や飲み物を渡していた。すごいなぁ。一人でこんなに出すなんて。

 

「わあ!これホントにこれもらっていいの!?」

 

「もちろん!みんな!ここでは好きな時に好きな物を食べて歌って踊って私と一緒に楽しく過ごせばいいからね!!」

 

「何だか夢みたい。」

 

「気まま夢見る機出してないよ?」

 

「そういう事じゃないからね。」

 

「ありゃ?」

 

「私と一緒なら!どんな夢も叶う!みんなを怖がらせるものなんてどこにもない!新時代!さいっこう!!」

 

ま、最高ではあるけど新時代ってのが何なのかわかんないんだよねェ

 

「そういう、最高な時間って意味じゃない?」

 

「それならいいんだけど。」

 

「ここはコックにとっては天国だな!」

 

ウタに頼んだら、お酒やお菓子が出てくる、それにはフランキーさんやジンベエさんはご満悦、僕も好きなジュース頼んだら出てきた。

 

「ドラえもんの[グルメテーブルかけ]みたいだね。」

 

「うん、僕の道具よりもすごいよウタは!」

 

「それにこれだけ万能な能力なんて聞いたことがない。」

 

「ていうか、師匠。ウタと友達なんだよね!何か聞いてない?」

 

「あいつ、昔っから歌はメチャメチャ好きだったぞ!」

 

って言って、またご飯を食べ始めた。いや、そういう事じゃあないんだけど。ほんとうに食い気しか興味ないんだから。

 

「そうよ…ウタとはどういう関係なのよ!!」

 

「ナミなんかこえーぞ?」

 

「あ?」

 

「ナンデモゴザイマセン。」

 

で、結局はルフィさんは何も言ってくれずにご飯をもぐもぐしてた。ナミさん、そして表情には出してないけどロビンさんがもやもやした顔になってた。

 

「はぁ…ナミ姉たちが不憫。」

 

「そうね。」

 

「わかる!ナミ姉、ロビンさんが可哀想。」

 

しずちゃん、美夜子さん、直ちゃんはルフィさんを見ながらそう言ってた。何か居心地が悪い気が…あれ?僕何もしてないの悪寒がすごい。

 

「ヨホホホ!もしかしたらウタさんは万能の力を与えられたのかもしれません。」

 

「ルフィ、みんな、楽しんでる?」

 

噂をしたら僕らの所にウタが来た。ファンサが過ぎる気がするんだけど…まぁ、ルフィさんの友達だし、それはそうなんだけど。

 

「はひ!!プリンセス・ウタ!!」

 

「変わった食材もあるしね。天国だよ。ここは。」

 

ウソップさんは緊張した面持ちで、サンジさんは食材の事を話しかけた。

 

「楽しいことだらけだなァ」

 

「僕らも楽しんでるよ!!」

 

僕がそう言うと、ウタがこっち見てきた。いや、ドラえもんの方を見てる。

 

「タヌキ?」

 

「し、失礼な!!僕はタヌキじゃなくて猫型ロボットだよ!!」

 

はい、お約束な勘違いされたみたい。

 

「ごめんごめん、…え?ロボットォ!?」

 

ウタは二度見級にドラえもんを凝視した。そっか、ドラえもんって珍しい物だったや。

 

「22世紀からやって来たロボットだよ!」

 

「ふーん……そっかよろしくね!」

 

「うん!」

 

ウタとドラえもんは握手をした。

 

「……」

 

ウタと握手した瞬間にドラえもんが一瞬ビリっとなった。え?何かしたの?

 

「大丈夫?ドラえもん。」

 

「え?何が?」

 

ドラえもんは何もないのか、特に様子は変わってない。何だったんだろ?

 

「ていうか君。」

 

「はい?

 

「…まぁ、何でもない。」

 

え、何々!?謎なんだけど!?

 

「ていうかルフィ…これで全員?」

 

「ああ。」

 

「そんな事ないでしょ?その帽子の「ほんとだって!」ん…ルフィ!久しぶりに勝負しない?」

 

「今のおれに勝てるわけねェだろ。」

 

ルフィさんはめっちゃ余裕そうに言っていた。ルフィさんの力はさすがのウタでも負けそうな気がするんだけど。

 

「何言ってんの?私が183連勝だってのに!」

 

「違う!おれが183連勝中だ!!」

 

あれ?何その連勝数多すぎない?そしてかみ合ってもないし。認識の違いが激しすぎない?

 

「勝負?」

 

「昔ルフィと色んな対決したの!ナイフ投げとか腕相撲とか!」

 

ああ、そういう勝負って事ね。

 

「よし、今日の種目はこれにしよう!君も参加して!」

 

「え!?うわ!?」

 

「うわ!?」

 

僕とルフィさんは数々の音符で運ばれて、ウタが創った通路の上に乗せられた。何で僕まで…

 

「チキンレース!」

 

ご飯を急いで食べて、後ろにいるウタが出した牛に吹き飛ばされたら僕、ぶっ飛ばされる!!これは急いで食べないと!!

 

「もぐもぐもぐもぐ!!」

 

「もぐもぐもぐもぐ!!」

 

「もぐもぐもぐもぐ!!」

 

「しっしっし!」

 

やばい、ルフィさんが一歩リード!!え?ウタがルフィさんに飲み物を上げてルフィさんがそれを飲んでる間にウタは先に動いた。てか僕も勝てる気がしないんだけど!?18歳と20歳の人に敵うわけないって!!

 

「負けちゃった。」

 

「ずりぃぞ!ウタ!」

 

ルフィさんはそのまま海の中に落ちてった。あれ?そういえばルフィさんって泳げないよね?ウタが音符で助けてた。

 

「そっか、ルフィも悪魔の実食べたんだものね。ごめんごめん。」

 

「え?何で?」

 

「ああ、それも知らなかったのですね。」

 

悪魔の実の能力者はどうやら全員泳げないのが共通してるみたい。不自然である悪魔の実は自然の母である海に嫌われるらしいから、それは水溜りや風呂、温泉なんかでも力が抜けちゃうらしい。

 

「ぼ、僕絶対実食わない。」

 

折角泳げるようになったのに悪魔の実を食べたら問答無用で泳げなくなるとかやばいでしょ!!

 

「まぁ、悪魔の実はそんなに実の状態でありませんからね。あっても1億で売買されます。」

 

「のっちゃん、みっちゃんうちやジャイアン、スネ夫は知ってるよ。」

 

「え!?なんで!?てかいつ!?」

 

「去年、確かぁ…7月ごろ?」

 

「僕らがちょうど魔法の世界に行ってる時じゃないかぁ…」

 

そんな面白い授業があったなんて…嘘でしょ!?

 

「私も知らなかったし。」

 

「僕も授業で習うとは思ってなかった。」

 

「なんか先生が特別にだって。」

 

「先生なんでそんなの知ってるんだよ。」

 

「先生も、バネバネの実食ってるんだって。」

 

何それ聞いてない!?先生も悪魔の実を食ってたなんて!?

 

「ていうかさっきのは反則だ!もっかい!」

 

「出た、負け惜しみィ!は!私が勝ったんだから教えてよね。シャンクスは皇居にいる?」

 

「…ナミィ!」

 

「今日はシャンクス、皇居にはいなかったわよ。」

 

「…だったらその麦わら帽子は何?」

 

「預かってる。」

 

「むぅ…ねェねェ!!ルフィとウタっていつ知り合ったの?私とルフィは小学校からなんだけど!」

 

ナミさんがルフィさんの腕をつかみながら少し、マウント取りながら言っていた。ルフィさんの幼馴染として、そして好きな人して聞いときたいんだ

 

「12年前かなぁ、私とシャンクスと護衛たちと一緒に皇居で遊んでたら、ルフィが急に皇居に入ってきたの」

 

―――――――――――

 

『おいおい坊主。ここは入っちゃいけない場所だぜ…ってルフィじゃねェか!』

 

私とシャンクス、護衛の山口八十八(やそはち)(ヤソップ)、ベン・ベックマン、ラッキー・ルウ、ライムジュース、本郷武、ハウリング・ガブと一緒に遊んでいたら、目の下に傷がある男の子が入って来た。ヤソップが追っ払おうとしたら、馴染の顔だったみたい。

 

『あ!ヤソップ!ウソップが捜してたぞ!…ていうかシャンクスそいつ誰だ?』

 

『そういや今日はあいつと遊ぶ日だった。わりいシャンクス、おれ行くな。』

 

護衛任務そっちのけでヤソップは皇居から出て行った。まぁ、別に護衛って言ってもシャンクスは超強いからいなくても倒せる。んでもってこの子ルフィ、本名は猿山琉歩李(さるやまるふい)て言うらしい。私より2歳下で6歳、私と一緒で悪魔の実を食べてるらしい。

 

『んでお前は今日ヤソップを探しに来ただけなのか?』

 

『んにゃ!おれもお前らの仲間に入れてくれの方だ!』

 

『だからそれは、無理だって言ってるだろう?お前は6歳。それに爺様とドラゴンが許すわけない。』

 

『それでも俺はお前らの仲間になりてェ!』

 

『困ったなァ』

 

シャンクスが困ってる。よしここは…

 

『ねェ、あんた勝負しない?』

 

『勝負?』

 

『そ、チキンレース!』

 

私はルフィに勝負を持ちかけた、ルフィはすぐに飛びついてやり始める。結果は私の圧勝だった。ルフィが勝ちそうになったらジュースをあげて、遅らせたから!

 

『今のずりぃ!もっかい!』

 

『それ負け惜しみって言うんだよ!』

 

それから私達は何回も勝負をした。あの時は楽しかったなァ。ルフィは私の戦略によってぼろ負けだったんだよ?一通り勝負をしたら、シャンクスから歌のリクエストが来たんだ。

 

『ウタってうまいのか?』

 

『それってダジャレ?』

 

『????』

 

『あーうん、なんでもない。んじゃ、私は皇太子、秋篠宮鈴斬の娘で音楽家!み~んなが自由になれる新時代を歌で作る女よ!』

 

『音楽家?』

 

『あいつの歌は世界一だぞ。』

 

『すぱっぷよりも?』

 

『……さ、うちの音楽家のステージだ!』

 

『シャンクス!何で一瞬黙ったの!?』

 

『さぁ、歌え!』

 

『もう!』

 

私がルフィに最初に聴かせたのは『風のゆくえ』私が最初に作った曲。

 

『この風はぁ~♪

どこかから来たのと

問いかけても空は何も言わない~♪

 

この歌は~♪

どこへ辿り着くの~

見つけたいよ自分だけの答えを

まだ知らない海の果てへと~

漕ぎだそう~

 

ただひとつの…』

 

ここで私の意識は夢の中に入った。『ウタワールド』にね

 

 

――――――――――――

 

 

「みたいな感じかな?」

 

「意外とルフィさんって、行動力ありますよね。」

 

「こいつは昔からだしな。って事はおれの事も知ってたのか!?プリンセス・ウタが!?」

 

「うん、ゾロくん、ナミちゃん、ウソップ君、ビビさんの事はルフィから聞かされたよ。あと、安心してね。私、ルフィの事何とも思ってないから。」

 

後半はナミさんとロビンさんに小さな声で言っていた。よかった、よかった。

 

「そういやお前、急にいなくなったよな?」

 

「ああ…あぁ…」

 

「急にってどういう事?」

 

ルフィさんが言うにはまた、皇居に向かったらウタはいなかったらしい。護衛はしんみりとしていて、元気がなくて、当時のルフィさんはただ事じゃないと察したらしく天皇様に聞いたらしい。曰く

 

『心配するなルフィ…ウタはな。歌手になるためにここから出た。……ただそれだけだ。』

 

本当にそれだけ?ウタやルフィさんの話を聞くだけでも楽しそうだったのに。それに今一瞬だけ、ウタは笑った気がする。一瞬すぎて見逃しそうになったけど。

 

「なぁ、ウタ、なんでシャンクスの所で歌手にならなかったんだ?あんだけシャンクス達の事好きだったのに!」

 

「…あそこよりもいい所教えてくれたから。そこで歌手になりたいって思ったから。ほら、私2年くらいの活動で世界中にファンができるほどだし!」

 

「ふ~ん」

 

「それよりルフィは?今何してんの?」

 

「決まってんだろ!こいつらと自警団作ってわりィ奴捕まえんだよ!」

 

「あんた消防隊って言ってなかった?」

 

「そうだっけ?」

 

ルフィさんのチームってそういう事だったのね…え?こいつら?

 

「こいつらって僕達も入ってる?」

 

「おう!別にいいだろ?」

 

「今聞いたし、それ。」

 

「今言った!」

 

「「「「「そういう問題じゃない!!」」」」」

 

「なんだよぉ、いいだろォ。」

 

別に反対はしてないけど急に言われたからだよ!ま、将来なんになるかは決めてなかったし、それもいいかも。

 

「ねェ…ルフィそんな事やめなよ。」

 

「「「「…は?」」」」




雷神「はいおわり。」

銀「えらい場所で切ったな。」

雷神「FILMRED長いからね。」

ウタ「……。」

銀「で、こいつは何で落ち込んでんだ。」

ウタ「違う。…ただちょっと。昔を思い出しただけ。」

「「……」」

ウタ「ルフィにあんな事言って。ルフィの夢を否定した。私を許せない。」

雷神「ウタも、海賊嫌いだったし。それは。」

ウタ「それでも自分が許せない。」

雷神「でも今は違うでしょ?」

ウタ「うん。それと、ルフィの事で弄ったら眠らすから。」

銀「へいへい、ていうかここでそんな感じにすんなよ。ハーメルンじゃ書いてないんだからよ」

「「あ、では皆さん、pixivで『ウタのやり直し』という小説があるので見てください」」

銀「さらっと番線すんじゃねぇェェェ!!!!」


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第75話FILMRED~怒り歌とゴードン~

はい、ここからが自分がREDを狂信的に好きになった場面に入ります・
あのウタの顔。たまんねぇっすよね(((

視点はのび太


ウタから発された言葉に麦わらの一味が少しピリついた。女性に甘いサンジさんはともかくとして、ゾロさんは手に刀を近づかせている。何か余計なことを言ったらたたっ斬るつもりみたい。…普通にそれは危ないけど。

 

「一緒にここで楽しく暮らそう?友達のみんなも私のファンなんでしょ?一緒にいた方が楽しいよね?」

 

と言うウタを尻目にルフィさんは階段を降りていく。どうしたんだろ?

 

「ちょっと、聞いてんの?ルフィ!」

 

「ハハっ!ウタ、久しぶりに会えてうれしかった!肉も食ったしおれ、サニー号に帰って寝るよ!」

 

いつも通りのルフィさんだ。ま、ほぼ歌は聞かずにマジな話、肉だけ食ってた。ま、ルフィさんはウソップさんに誘われてきたんだろうしね。僕らには何も説明しなかったけど。

 

「ごめんね、師匠ああ言いだすと聞かないんだ。」

 

「……帰らせないよ?」

 

「「「え?」」」

 

「ルフィとあなた達は…ここで永遠にずっと私と一緒に暮らすの…」

 

ゾクゾクゾクゾク!!!

 

ウタの豹変に僕の危機管理能力なのかわからないけど反応した。ウタの様子はやばい!!ていうか言ってることがどこかのメンヘラといい勝負なんだけど!?

 

「何言ってんだお前。」

 

「ウタ、キミの歌はとっても素敵…ギグ!?」

 

「ドラえもん?」

 

ドラえもんがウタに言い聞かせてたら急に変な声を出して、止まった。僕が呼んだけど、ドラえもんは止まったまま。

 

「ドラちゃん。」

 

「…はいウタ様。この者たちを拘束します。」

 

「ど、ドラえもん!?」

 

ドラえもんが喋りだしたけど、どこか無機質な声色だった。それによく見るとドラえもんの目がウタと一緒のバイオレットになってる。ドラえもん!?

 

「ドラえもんに何したの!?」

 

「ちょっとした細工。ドラちゃん。」

 

「はい、[ガリバーロープ]」

 

「「「「うお!?」」」」

 

ドラえもんはロープを出して、ジャイアン、ブルックさん、フランキーさん、ジンベエさんを縛り付けて小さくした。え!?

 

「あ、操られてる!!」

 

「ドラちゃん、いいわ。残りは私がやる。」

 

「はい、ウタ様」

 

ドラえもんがウタの隣に行く。完全に操られてる。さっき握手した時に何をしたんだ!!ていうかまずくない!?

 

「ちょっとウタ!何で急にこんな。キャ!?」

 

「ナミさん!!」

 

ウタはナミさんとサンジさんをいとも簡単に楽譜で捕まえた。サンジさんがあっという間に!?

 

「みんな!!ちょっとこの人たちも悪い国の刺客だったよ!どうしようか?」

 

「ううう…UTA!UTA!」

 

UTA!UTA!UTA!

 

他の観客はウタの見方をして僕達を攻めるようにウタを呼んでいた。

 

「オッケー!じゃあみんなのために悪い奴らをやっつけちゃうね!!」

 

「おい!ウタ何してんだ!!」

 

そしたら、辺りはまた暗くなって、ウタは手拍子し始めた。周りの観客もそれに同調するようにして、手拍子をする。四面楚歌ってこういう事を言うの!?

 

「いくら、ルフィの昔の幼馴染だからってこりゃ自由にし過ぎじゃないか?」

 

ゾロさんが刀を出す。3刀流、ロロノア・ゾロの流派はこの人が継承してる。って言ってる場合じゃない!!何かウタの周りから騎士みたいのも出てきた!?

 

「唐草瓦正拳!!」

 

しずちゃんがルフィさんから教わったっていう、魚人空手で応戦した。意外と音符の騎士はもろくてすぐに消えた。けど無尽蔵に出てくる!!

 

「ルフィ、あんた私の言うこと聞かないから悪いんだよ。私の友達なら言うこと聞いて。」

 

「何言ってんだお前…!!うーん…?」

 

ルフィさんは構えたけどやめたどうしたんだろ?

 

「やっぱやめた。乗らねェ。」

 

「は?」

 

「戦う理由がねェ。」

 

ルフィさんは麦わら帽子を深くかぶって、そう呟いた。ルフィさんにとって、ウタは大事な友達。だから気が乗らないんだ。

 

「あんたがやらなくても、私はやるよ!」

 

パチン!!

 

音楽が鳴って、ウタは怒りの表情で踊っていた。周りにはスピーカーが心臓のようにドクンドクンなっている。どうしてここまで怒るの?ルフィさんがどこかに行こうとしたから?

 

「来た!」

 

この曲に合わせて、音符の騎士が襲い掛かって来た。さっきより荒らしさが増してる気がする。この曲の影響で?

 

「遊びはもうやめろウタ!!」

 

「散々な思い出は悲しみを穿つほど~♪

 

やるせない恨みはあいつのために置いてきたのさ。

あんたらわかっちゃないだろ。

今だけ箍外して来て!!」

 

ウタは全力で僕達に攻撃してきた。この曲に合わせて、攻撃力も増すのかな!?

 

「怒りよ!今悪党ぶっ飛ばして!そりゃ愛ある罰だろ!もう寝くはないやないやないや!もう悲しくないさないさ!そう怒りよただ、悪党蹴り飛ばしてそりゃ愛への罰だろ、もう眠くはないなないないな、もう寂しくはないさないさないさ!『逆光』よ~~」

 

僕、しずちゃん、ルフィさん以外のみんなが楽譜に捕えられた。や、やばいよ!?

 

「惨憺たる結末は美しさを纏うほど

限りなく、体温に近い

「赤」に彩られていた

散漫な視界でも美しさがわかるほど

焼き付ける光を背に受ける

「赤」に気を取られている」

 

誰に対しての怒り?怒りや憎しみが沸々と感じる。絶対にルフィさんに向けて言ってるわけじゃないよ!?

 

「もつれてしまった心は

解っている今でも

ほつれてしまった

言葉が焦っている」

 

でも悲しさが垣間見えるのは何?彼女の過去に言いたい何があるの?

 

「怒りよ!今悪党ぶっ飛ばして!そりゃ愛ある罰だろ!もう寝くはないやないやないや!もう悲しくないさないさ!そう怒りよただ、悪党蹴り飛ばしてそりゃ愛への罰だろ、もう眠くはないなないないな、もう寂しくはないさないさないさ!『逆光』よ~」

 

ルフィさんは緑の縄に捕まってしまい、あれもドラえもんの道具?迂闊には近づけない!!しずちゃんと僕は何とか逃げ切れた。他のみんなは楽譜になってしまった。

 

「もう、怒り願った言葉は

崩れ、へたってしまったが

今でも未練たらしくしている

あぁ、何度も放った言葉が

届き、解っているのなら

なんて、夢見が苦しいから」

 

僕としずちゃんはなぜかわからないけど[盲点星]を持ってた。効き目長持ち安心バージョンじゃないから安心はできないけど、ドラえもんが操られる前に持たせてくれたのかはわからないけど。

 

「怒りよ!今悪党ぶっ飛ばして!そりゃ愛ある罰だろ!もう寝くはないやないやないや!もう悲しくないさないさ!そう怒りよただ、悪党蹴り飛ばしてそりゃ愛への罰だろ、もう眠くはないなないないな、もう寂しくはないさないさないさ!『逆光』よ~」

 

ウタの曲も終わり、ルフィさんがウタの足元に転がった。どうしよう。あのままだったらルフィさんに何するかわかんない。僕としずちゃんは手を握って事の成り域を見る。

 

「お前何やってんだ!放せ!」

 

「ダメだよ。ルフィがあいつの所に行くのは。」

 

あいつ?…シャンクスの事?

 

「…みんなはさ!シャンクスや今の現状についてどう思う?」

 

「おれの村は戦争に巻き込まれて焼かれた!!」

 

「シャンクス様はなんだか秘密主義過ぎて、不気味!」

 

「私の夫は徴兵されて死んだ!!」

 

「母ちゃんを返せ!」

 

そして、各国の主要人物たちの名前を挙げて、いらないの大合唱。

 

「プリンセス・ウタ!ルフィは何もしねェって!!」

 

ウソップさんが叫ぶけど、ウタは聞く耳を持ってない。

 

「ウタ!いい加減に!」

 

ルフィさんの縛ってたやつが消えた。あれはドラえもんの道具じゃなかったんだ。ってあ。

 

「《時雨蒼燕流“守式”十六の型》氷雨」

 

「あれ?」

 

ルフィさんに水を掛けようとした人がいたから咄嗟に思いついた守式、十六の型で守った、氷の壁を作ったんだ。

 

「なにこれ?…誰かいるの?」

 

「のっちゃん!!ちょっとは控えて!盲点星は相手の盲点をついてるだけって言ってたじゃん!!」

 

「ご、ごめん。でもこれじゃ…あれ?」

 

すると目の前に派手な男の人が立っていた

 

「バリアボール!!」

 

バリア!?え!?この人ルフィさんの知り合い?

 

「ロメ男?」

 

「のっちゃん、あの人味方だよ。」

 

「ルフィ先輩、ウタ様はなんかヤベェベ!勝てる気がしねェべ。」

 

しずちゃんとも知り合い?それにすごい訛ってる。田舎から出て来た人なのかな。もれなく能力者みたいだけど。

 

「おれは、負けねェぞ?」

 

「出た!負け惜しみィ!ん?」

 

すると僕、しずちゃん、ルフィさん、お兄さんはいつの間にかどこかの塔の橋の上にいた。え?なにこれ?

 

「なんだべ。ここはどこだべ?あっ、ハハハハ!おめェもウタ様のファンだったんだべかァ?虎神。」

 

すると、全身刺青の男の人が奥から出てきた。目つきが悪いなぁ。

 

「違う、付き合いだ。」

 

ドゥントゥットゥトゥドンットット♪

 

「べポの。」

 

陽気な音楽ともに出て来たのは…シロクマだった。

 

「それと、お前ら2人、それを取れ。」

 

「何言ってんだべか?」

 

「見聞色の覇気かな。」

 

「そうかも。」

 

僕としずちゃんは[盲点星]を取った。

 

「うお!?おめェらルフィ先輩と一緒にいたやつらでねェか!どこにいたんだべ!!」

 

「ずっとルフィさんの近くにいたよ。」

 

そして、僕らは自己紹介した。派手な格好したお兄さんは森久保露痲嗚(ロメオ)さんでもう一人は、虎神(ロー)さんって言うらしい。ルフィさんの同級生や後輩みたい。

 

「ていうか何でシロクマが喋ってるんです?」

 

「すいません」

 

「撃たれ弱い。」

 

「こいつは遠い星から来たと言っていた。それよりも麦わら屋、あの女の能力を解き明かさない限り…ジリ貧だぞ。」

 

「任せろ!184連勝中だ!」

 

それウタが勝ったんじゃなかった?それに僕もいたから関係ないんじゃ。

 

「師匠はいつもこれなんだから。」

 

「お前が麦わら屋の弟子か。」

 

ローさんはしずちゃんをじっと見つめた。どうしたんだろ?もしかしてしずちゃんに惚れた?

 

「え、うん、どうしたの?」

 

「…お前、麦わら屋に似「それだけはない」そ、そうか。」

 

「何言ってんだ?」

 

全然そんな事なかった。ルフィさんとしずちゃんが…?どっちかと言うとナミさんに…

 

「のっちゃん。二番煎じ。」

 

「ひどいな。」

 

「あ、いた!」

 

げ、見つかった!悠長に話してる場合じゃなかった!!僕達はとりあえず逃げた。

 

「参ったなァ、あいつら捕まっちまった。線にくっついてるだけみたいだし、大丈夫だと思うけど。」

 

「そんな呑気に言ってる場合じゃないからね。師匠!」

 

「それもそうか!何かマヤナの時思い出すな!」

 

「あの時とは逆だけどね。」

 

あの時は追う方だったし、切羽詰まってたし。ていうか今も切羽詰まってるのにこの人何で呑気なの!?

 

「いいから逃げるぞ!!」

 

――――――――――

 

「うわ、ドラえもんの道具や音符の騎士だらけだ。」

 

自由意思で動ける道具があんなにある。うげぇ、ただでさえドラえもんの道具は厄介なのにそれが敵だと気が滅入る。

 

「ドラの道具やなんかでいっぱいだァ。」

 

「このままじゃ、囲まれるべ!」

 

ロメオさんの言う通り囲まれるのも時間の問題だね。

 

「あのロボットは破壊するか。今でも厄介な存在だ。」

 

「物騒なこと言わないでよ!ドラえもんは操られてるだけなんだから!!」

 

「…言ってみただけだ。悪い。お前にとっては友達だったな。」

 

あれ?見た目に反して、優しい人だった。べポさんと一緒にいるから人外の友人を持つ者同士、仲良くなれそう。

 

「とりあえず、ドラの事は後回しだな!」

 

「うん。」

 

「君たち。」

 

すると、おじさんの声が聞こえた。振り返るとサングラスにヘッドホンを掛けたおじさんが立ってた。あのヘッドホン、ウタと同じモデルの奴だ。

 

「ついてきなさい。」

 

――――――――――――

 

 

連れてこられたのは教会だった。でもそこら中ボロボロだから廃墟みたい。

 

「いやぁ~助かったべ。」

 

「ルフィ君と言ったね。」

 

「ああ。」

 

「君は「おっさん誰だ?」

 

ストレートに聞くもんじゃないでしょうに、ま、聞いた瞬間にしずちゃんに拳骨されたけど、彼の名はゴードンさんと言うらしい。このエレジア島にあった王国の元国王なんだとか。

 

「この島建物はあるけど、人っ子一人いねェべ!」

 

「いや、かつてエレジアは日本と同じように強国列島の一つで世界一の音楽の都として栄えていたはずだ。噂ではシャンクスがこの島を滅ぼしたと聞いたが?」

 

「シャンクスがそんなことするかよ!!」

 

鈴斬様の事は僕達はいまいちよくわかってない。天皇様と会えるとかそれこそ縁がないと無理だし。…他の国の王族と知り合いはいるけど。

 

「ん…ウタの話をしよう。島民がいなくなったエレジアでウタは私が育てた。」

 

「え?…でもウタは鈴斬様の…」

 

「のっちゃん。し。」

 

「あ、うん。」

 

「しかしここにいるのは私とあの子の2人きり。きっと寂しかったのだろう。私の前では気丈に振る舞っていたが…一人になるとシャンクスや護衛、ルフィ君との思い出の歌『世界のつづき』をいつも口ずさんでいた。」

 

 

どうして~♪あの日遊んだ海の匂いは~♪どうして~♪すぎる季節に消えてしまうの、またおんなじ歌を歌うたびあなたを誘うでしょう。

 

「私はそんなウタを励ますように彼女を世界一の歌い手にする為育ててきた。」

 

信じられる?信じられるんだ。あの星あかりを…。

 

「あの聞いているかね!?」

 

「聞けコラ!?」

 

「いいから、話を進めるべ。」

 

「ロメオさんも、師匠を甘やかしすぎ!!」

 

ドゥントゥットゥトゥドンットット♪

 

「ち。」

 

「すいません」

 

「じゃあ、ウタは今のルフィさんを知らないって事だよね?」

 

「ああ、幼馴染の話はよくしていた。親愛的な意味だったが。」

 

あ、やっぱり、ウタはルフィさんの事はそんな感じで見てなかったんだ。

 

「そしてYouTubeで2年前から自分の歌声を外に向けて発信するようになった。彼女の声はファンを魅了し、まるで…世界を覆い尽くすように瞬く間に広まって行った。」

 

僕も2年前、丁度和人が失踪した時にウタの歌声を聞いてた。僕の場合は家に引きこもってて暇だったから見てただけど。それでも彼女の歌は惹かれるものがあった。

 

「ファンの皆々はSNSや時々開催されるビデオミーティングで口々にウタにお礼を言っていた。その時のウタはそれはもう楽しそうだったよ。」

 

「一応立ち直ったんですね。」

 

「…まぁね、しかし。」

 

ゴードンさんは暗い顔になった。ウタは外の現実を知っていくうちに、世界の悲惨な状況を嘆いていたみたい。そして、ウタの中で新しい自覚が芽生えたらしい

 

「自覚?」

 

「ああ。ロシアのウクライナ侵攻、コロナの蔓延、パレスチナとイスラエルの戦争。もともとは歌を聴いてもらうものだったのに…いつの間にかウタの事を救世主だと崇めるファンが増えて行った。」

 

どこの歌手やアイドルでもそう言った話はよく耳にする。でも、彼女は全世界から注目を集めてるからそのシンパの数はもう計り知れない物だよね。

 

「そこでウタは…」

 

『みんなの気持ちよ~くわかった。私が必要なら…作るよ!新時代。』

 

LIVE中に言ってた新時代はそういう事だったのか。…確か新時代の中にもそういう風な歌詞があった。

 

「頼む!ウタの計画を止めてくれ!!ウタの友人だったルフィ君なら‼‼できるはずだ。」

 

「計画というのはこのLIVEの事か?」

 

ドゥントゥットゥトゥドンットット♪

 

「すいません」

 

「あ…ベポ!!あ…」

 

「え?」

 

シュワ―ン…ボン!

 

「アチョー!!」

 

「ベポォォォ!!」

 

べポが小さくなった!?どういう事!?ってこの音楽…ウタだ!!

 




雷神「はい、終わり。」

ウタ「ほんとマジで信じらんない。」

銀「開幕早々にキレんな。昔のお前だろうが。」

ウタ「あんなに自分勝手なんて思ってもみなかったもん!!」

雷神「自分に怒ってるのもすごい。」

ウタ「もう、今は我慢!」

銀「そうしてくれ。」

雷神「んで、おれ、予告編の時はゴードンが敵かと思ってた。」

銀「そうなのか?」

雷神「見た目的に、まぁ杞憂だったし。めっちゃいいおじさんだったけど。」

ウタ「でしょ!私のもう一人のお父さんだからね!」

銀「ブラコンだな。」

雷神「こうなった経緯は「もういいぞそれ。」ちぇ」

ウタ「では皆さん!次回もお楽しみに!」

銀「前回これ言ってたか?」

雷神「言ってない。」


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第76話FILMRED~警察機関と狂気の歌~


はい、今回こそ、あの中毒性抜群な曲。ウタカタララバイが来ます。あの高速ラップできる人いるんですかね?

視点はのび太、第三者目線です。


ウタは怒った表情でゴードンさんを見ていた。僕達と一緒にいるからなのかな。

 

「ゴードン、どうしてその人達と一緒にいるの?」

 

「ウタ、お前何で、シャンクスん所から出てったんだ?」

 

僕も思ってた。鈴斬様は歌手になるために皇居が出たとルフィさんに言ってたみたいだし。ゴードンはここエレジア島で育てたって言ってたから鈴斬様が言ってた事と矛盾とはまではいかないもののちょっと違う。

 

皇太子、鈴斬の音楽家って言ってたんだから、戻ればいいだろシャンクスの所に。」

 

「うるさい…」

 

ゾクゾク!!!

 

またあの悪寒が来た。ウタが怒るたびにこれがなる。

 

「もうシャンクスの話は…やめてェェェェ!!!」

 

ウタの感情が爆発するかのように大風や音符が僕、ルフィさん達に飛んできた。そこまで怒るなんて鈴斬様と一体何があったの!?っていうかルフィさんの被ってる帽子がそのまま飛ばされてウタの近くに落ちた。

 

「ねェルフィ、それにのび太君も。くだらない物は全部捨てて私と一緒にこの世界で生きようよ。」

 

ウタはルフィさんの帽子を能力かなんかで宙に浮かせてから手に取った。僕の名前はドラえもんから聞いたんだと思う。

 

「おい!ふざけ過ぎだ!」

 

「む、美味しい物食べて、チキンレースとかやってさ。昔みたいに笑って過ごそう」

 

「帽子返せ!シャンクスの帽子!!」

 

ルフィさんはウタの話を聞かずに帽子の事を言ってた…ってあれ鈴斬様の帽子だったの!?

 

「わかった。るふぃ、あんたは…新時代には…いらない。」

 

「ウタ!どうしてそんなに鈴斬の事。」

 

「あんたもシャンクスの事言うんだね。」

 

ゾクゾクゾクゾクゾク!!!

 

睨まれた瞬間に硬直した。能力でじゃなくてカエルが蛇に睨まれた時って言えばわかる。ああ、バードピアでしずちゃんにやられてたやつ。それを言えばわかってもらえるはず。

 

「ROOM!!シャンブルズ!!」

 

―――――――――

 

「ここは?」

 

「外だ、おれの能力で出て来たんだ。」

 

「さっきもそれでやってたんだ。ってルフィさん!?」

 

話してる間にルフィさんがウタの場所に行こうとした。でもロメオさんがバリアで閉じ込めた。これなら逃げられないか

 

「出せェ!!帽子を取り戻す!!」

 

「黙れ。それができないからお前をこの中に入れてんだ。」

 

「でも逃げてばっかじゃ。」

 

「島の反対側から港に出る。ライブ会場には日本の警察やFBI、国際警察、諜報機関の連中もいた。国連のお偉いさんとかもな。」

 

そ、そんなに見張られてたの!?だから、ウタは邪魔するなって。あの能力で把握したうえでああ言ったんだ。

 

「お前はニコ・ロビン奪取の時に戦ったCPもいるぞ。」

 

「あの鳩みたいなやつか?」

 

「いや、牛みたいなのだ。」

 

「ああ、あのドアの奴か!」

 

「え、何の話」

 

なんでも、ロビンさんは世界の秘密を書いた古代文字を用いた石板を読み解くことができるらしく、ロビンさんは2年前に一回、捕まったらしくそれから司法の国、エニエスロビーで裁判にかけられる寸前でルフィさん達が殴り込んだらしい。

 

「あ、それうちも行った。」

 

「行ったの!?」

 

しずちゃんもどうやら行ってたらしい。…僕が引き込んでた間にすごい事件が起きてたもんだ。

 

「ま、ガープ爺やドラゴンさんのおかげでお咎めなしになったけど。」

 

伝説の警察官と現警視総監のドラゴンさんね。会ったことないけどすごい人なのは知ってる。ロビンさんは未だに狙われてるらしい。あんなに冷静にしてるのに。

 

「ウチの高校は日本政府と皇居が運営してる。それも兼ねて教師をしてるんだ。ニコ・ロビンは。」

 

そういう事なんだ。警視庁は警察庁、警察庁は国家公安委員会、公安委員会は内閣と日本政府の管轄、だからか。

 

「って話が脱線した。国連と国際警察はずっと前からウタの能力に目をつけ、奴を危険視していたって事だ。」

 

「何でローさんそんなに知ってるの。」

 

「公安におれの恩人がいるかるからだよ。」

 

「それって一般人に話していい物じゃないと思う。」

 

「あの人はドジだしな。いいんだよ。」

 

ドジで片付けられない気がするけどいいか。あと日本の警察とインターポールと最高峰の諜報機関の仲は殺し合いをするほどに仲が悪いみたい。いや、政府機関がそれでいいのか。今は全員日本人が上に立ってるのに。

 

「インターポールの何人かを…ってそっちじゃない!」

 

「「あ」」

 

ロメオさんとルフィさんは崖下に落ちて行った。ロメオさんのバリアボールは頑丈で壊れはしなかったけど、バウンドしながら上の方の出っ張りに引っかかってからまた落ちて、港…丁度ローさんが目指してた方に落ちた。ドラえもんの道具や音符の騎士に見つからなくてよかった。

 

「行くぞ。」

 

「「うん。」」

 

――――――――――

 

「ウタ様の能力だべか!?」

 

「どうしたの…ってサニー号とメリー号がない!?」

 

「サニー!」

 

「メリー!」

 

と思ったらサニーとメリーに似た子達がいた。

 

「か、可愛い…!!!」

 

「「サニー、メリー!?」」

 

しずちゃんは目を光らせて、2匹?を抱きしめた。心なしか2匹は喜んでる気がする。しずちゃんのしずちゃんはここ1年で、成長してるし。

 

「のっちゃん。」

 

…うん、普通に僕が変態だった。今のはわすれて。

 

―――――――――

 

ここはエレジア島、インターポールはそこについていたが、ここは荒廃しすぎていて、廃墟と化した物しかなかった。インターポールの捜査官は必死に探し続け、ある広場までやって来た。

 

「これは…何だ。」

 

捜査官の一人であるモモンガは異様な光景に驚愕の色を隠せないでいた。エレジア島はウタがLIVEをしている…しかし、実際に来てみたら、そこには眠っている観客が倒れていた。そこにはルフィ、のび太達の姿も確認できる。

 

「まさか死んでいるのか!?」

 

モモンガは無線からの報告で意識戻らずと言われて、焦りながら叫んだ。この数が死んでいれば、戦後…いや人類史上最大の殺人事件になってしまうから。

 

「寝てるだけ!でも起きないよ絶対に!」

 

ウタがそこにいた。意識はあり、何かが入ったバスケットを持ちながら現れた。

 

「ん?」

 

モモンガはその姿を確認すると部下たちに攻撃の準備をさせた。

 

「私を殺したら、ここにいるみんなの心は永遠に戻って来ないけど…それでもいいのかなァ?」

 

「お嬢さん。」

 

モモンガより上の捜査官であるイッショウがウタに話しかけた。

 

「お嬢さんの悪魔の実の能力については十分理解していますよ。」

 

「なら説明はいらないよね。はーい。帰って。それにさ、どうせあと少しで私はこっちから消えるんだから。」

 

ウタはそう言うと、バスケットからキノコを出してそれを食べた。イッショウは目は汚い世界を見たくないために両目ともに潰していた。しかし、他の五感…四感が研ぎ澄まされて、人一倍よかった、そんな嗅覚がウタが食べている物に気づく。

 

「この匂いはネズキノコですかい?」

 

「ぐぅ!」

 

ウタはそれを肯定とばかりにサムズアップした。ネズキノコとは食べた者は眠る事が出来なくなり、最悪の場合死に至る。しかし、ある人物が創ったある薬を飲ませればそれは治ると言われている。

 

「ネズキノコの治療薬は…本郷武しか作れない。奴はシャンクスの護衛だ。そうやすやすとは作れまい。…ということは貴様!観客たちを巻き込んで死ぬつもりか!!」

 

「死ぬって何!?大切なのは身体より心じゃないの?」

 

ウタは狂っている、その自覚は残念ながら彼女自身は自覚していない。ゴードンと二人で暮らしていたために、歪な死生観を持ってしまったのだ。その過程にはシャンクスのあの行動のせいではあるが。

 

「ちょっとナレーションさん。今それ言っちゃダメでしょ。」

 

新時代はみんなで一緒に心で生き続ける物とモモンガにそう説明したウタ。イッショウはその言葉を聞いて、刀に手を取った。

 

「出来れば、血は流したくねェんでやめてもらうことは出来やせんか?世界転覆計画を。」

 

「え?何それ。私はみんなに幸せになってほしいだけだって。」

 

「どうやら、話を通じる相手じゃないようですね。」

 

「あなた達こそね。ふぅ~~」

 

「おっと、それはもう対策済みだ。」

 

ウタが歌い始める直前に、モモンガと部下は特殊なイヤーマフを掛けた。ドクターベガパンクが開発した、対ウタウタの実ゴーグルだ。

 

「残念…もう遅いの。」

 

ドゴー――ン!!

 

それを言った瞬間に、何かが飛来した。

 

「…コビー警視正?」

 

小日山(こびやま)古尾伊(コビー)、日本警察の若きエースで、17歳から警察になり、たった一年で第四位階級警視正にまで上り詰めた、のは聞こえはいいが普通は警視正のキャリアは33〜38歳頃と比較的上の年齢でなるのだが、伝説の警察、ガープの愛弟子であるコビーはそれを特別に無視できたのだ。ぶっちゃけるとコネである。

 

「コイツァ、どういう了見だい。」

 

普段は犬猿の仲である日本警察とインターポールだが非常時においてはそれは無視されるのが常なのだ。しかしコビーは容赦なく、イッショウやモモンガに襲い掛かる。

 

「寝てる?」

 

「みんなぁ!!悪い人たちはいるよ!!新時代のためにみんなでやっつけよう!」

 

そう言った瞬間に観客たちは寝たままインタポールの捜査官に襲いかかる。襲い掛かられた者は相手が一般人であるため、イッショウに止められ、銃で撃てることもできずに、なすすべなく海に落とされたり、雁字搦めにされた。

 

「え!?」

 

「あ!?」

 

そして、インタポールの捜査官がつけてるイヤーカフを取った。

 

「一人ぼっちには飽き飽きなの繋がっていたいの~♪

純真無垢な想いのままLoadout」

 

イヤーカフを取られた、捜査官は夢の世界『ウタワールド』に送られて意識を失い、その体はウタが操る。その様はゾンビと一緒であった。

 

Listen up, baby 消えない染みのようなハピネス

君の耳の奥へホーミング 逃げちゃダメよ浴びて

他の追随許さない ウタの綴るサプライズ

リアルなんて要らないよね?」

 

それからというもの、地獄絵図は増した。一般客が襲い、イヤーカフを外してはその人物がゾンビになる。バイオハザードもびっくりな光景である。あちらは死んでいるが。

 

「後で気付いたってもう遅い

入れてあげないんだから

手間取らせないで

be my good, good, good boys & girls

誤魔化して強がらないでもう

ほら早くこっちおいで

全てが楽しいこのステージ上 一緒に歌おうよ

 

Haha! I wanna make your day, do my thing 堂々と

Hey ねえ教えて何がいけないの?

この場はユートピア だって望み通りでしょ?

突発的な泡沫なんて言わせない

(Ooh-ooh-yeah, ooh-yeah-ooh)

慈悲深いがゆえ灼たか もう止まれない

ないものねだりじゃないこの願い」

 

ウタの曲はそれほどの力がある、イッショウとモモンガは民衆を攻撃せずにいて本来の力が出せないでいる。

 

「I wanna know 君が欲しいもの

本心も気付かせてあげるよ

見返りなんて要らない あり得ない

ただ一緒にいて? True heart

Oh my F-word

全身がふわふわっと不安などシャットアウト bye

半端ない数多のファンサは愛

ずっと終わらない you and I ここにいる限り

Trust me 超楽しい That's all

心奪われてうっとりと

道理もなくなってしまうほど渇望させちゃう

一抜けも二抜けもさせない させない︕

I got a mic so you crazy for me forever」

 

高速ラップを終了させて、本格的な狩りの時間に入る。

 

 

「迷わないで

手招くメロディーとビートに身を任せて

全てが新しいこのステージ上 一緒に踊ろうよ

Haha! I wanna make your day, do my thing 堂々と

Hey ねえ教えて何がいけないの?

この場はユートピア だって望み通りでしょ?

突発的な泡沫なんて言わせない

(Ooh-ooh-yeah, ooh-yeah ooh)

慈悲深いがゆえ灼たか もう止まれない

ないものねだりじゃないこの願い

この時代は悲鳴を奏で救いを求めていたの

誰も気付いてあげられなかったから

わたしがやらなきゃ だから邪魔しないで お願い

もう戻れないの だから永遠に一緒に歌おうよ」

 

諜報機関サイファーポール。その世界最強と言われいるCP-0その一人であるブルーノがイッショウに襲い掛かる。しかし、捜査官で最強と言われているイッショウはそれに対処した。一般人ではないから本気で倒せるのだ。

 

「直に脳を揺らすベース 鼓膜ぶち破るドラム

心の臓撫でるブラス ピアノ マカフェリ

五月雨な譜割りで shout out! Doo-wop-wop wah!

欺きや洗脳 お呼びじゃない

ただ信じて願い歌うわたしから耳を離さないで

それだけでいい hear my true voice」

 

しかし、これじゃジリ貧だと思ったのか。一旦乗って来た船に戻る。モモンガも辛うじて戻って来た。

 

「どうしやしょう。」

 

「日本警察にもいい人材はいるよォ?」

 

「しかし、ガープさんやドラゴンさんが応じるか?」

 

「愛弟子と孫や孫同然に思ってる子が捕まってるんだァ…奴らはきっとくる。」

 

「…それはまさか、ルフィ君の…?」

 

「そうだよォ…」

 

「あの問題児たちを呼んだら島が破壊されそうですね。弟愛強いでありんしょ?」

 

イッショウ…そして田中守通称黄猿、そして、松田九斬、通称青雉の三人が話しているのは、日本警察からの増援だった。しかし、さっきも言った通り、犬猿の仲の日本警察が増援してくれるのか怪しい所である。

 

「あのスペード班に頼むのか…」

 

青雉は、あとでサカズキにどやされるなと思いながらも、日本警察に電話した。




雷神「はい、終わり。」

ウタ「マジで狂ってる。」

銀「開口一番に言う名よ。」

ウタ「死んだら、そこで終わりなのに何が大事なのは身体より心よ!死んだら人間何もできやしないのに!!」

雷神「一度死んだ人が言うと重みが違うね。」

銀「過去の自分に文句言うな。」

ウタ「過去は過去でも平行世界だし。」

銀「そりゃそうだがよ。…って最後に出た、スペード班ってまさか。」

雷神「うむ、あのブラコン火拳×2がいる」

銀「スタンピードより豪華じゃねェか。」

雷神「青雉もいるし多少はね。」

銀「おまけにあの班もいるんだろ?複雑化しすぎてるから設定でも書け。」

雷神「ウッす。では次回もお楽しみに!」


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第77話FILMRED~スペード班とウタの世界の秘密~

はいはいはい。あのお兄ちゃんズが出てきます!
マジでこれスタンピード並みにキャラが出てきてる!!
たのしくてしゃあないぜ!!

あ、ああと警視庁と言えばのあの方たちも出ますよ。
うわ膨大。(白目)

のび太視点が少ないのがFILMREDの特徴になります。二年くらい前の感想でのび太ばっかりに視点があると言ってましたし。…第三者目線ですが…


視点は第三者目線、美夜子


ここは警視庁、その捜査一課に特に事件が起きていないために、目暮警部は書類の整理をしていた。殺人事件がそれほど起きていない日本にとってこれほど平和なのはいいことかもしれない。しかし、今は人類史上最大の殺人事件が起きようとしているが、目暮警部が知るのは…

 

プルプルプル!!

 

「はい、目暮…おお、青雉君じゃないか!…なにぃ!?あの世界の歌姫が!?」

 

『そうなんですよ。目暮警部。』

 

今、知ることとなった。スマホや機械に疎い目暮警部にとって今、その事件を知った。テレビをつけたら巻き込まれると言われ、そうした。ちなみに犬猿の仲の日本警察とインターポールであるこの二人は特段仲は悪くない。上司が伝説の警察官ガープであるからだ。

 

「それで?」

 

『スペード班何してます?』

 

「ん?ん~ちょうど居るぞ。」

 

『ちょっと変わってもらえます?』

 

スペード班、ルフィの兄である、猿山恵須ことエース、そして猿山佐保の2人を班長として構成員は雲田煙草ことスモーカー、霜月たしぎ、霜月くいな、剣山沙我ことサガ、桑原弩砺九ことドレークと今は会場で操られているコビーとヘルメッポの計9名で構成されている。

 

「お~い、エース君!」

 

「警部、言ったでしょ。電話はボタンで…」

 

「言っても無駄だろ。」

 

「あのおっさんの機械音痴は高木刑事もお手上げ状態だしな。」

 

「姉さん、これよくない?」

 

「わ、私にはまだ早いです!!」

 

サボが警部にそう言ったが、スモーカー、サガ、ドレークがそれに突っ込み、たしぎとくいなの姉妹はそれをお構いなしに、服の雑誌を見ていた。くいなに見せられてたと言うのが正しいが。

 

『よ、問題児ども。』

 

「開口一番で喧嘩売るのあんたくらいだろ。」

 

「インターポールってだいたい過激派じゃねェか。」

 

『お前らにだけは言われたくねェ』

 

「そんでなんだ?あんた確か、ウタの…」

 

『ルフィ君が囚われた。』

 

「「よし行くぞ、エレジアへ。」」

 

「「「待て待て待て待て待て!!!!!」」」

 

ルフィが囚われたと言われた瞬間に目の色を変えて支度を始めるブラコン2人、ルフィに何かあれば、必ず動き出す。だからこそ問題児扱いされている。というか他の部署でお払い箱状態だ。警視庁には窓際部署も存在してるが、あそこのは警視庁が不要と判断した人材を係長の下に付かせて、自然に辞めさせるための役割を持ち、警視庁不要人材の島流し、警視庁の陸の孤島と言われている。しかし、その係長も匙を投げるほど、彼らの問題児ぶりは規格外なのだ。

 

「これも姉さんに似合ってそう。」

 

「あのぉ、くいな。」

 

「ああ、聞いてた聞いてた。ブラコンズはいつもこうじゃん。」

 

「ま、それはそうですけど…」

 

「ま、俺らは何もなかったし、行くか。」

 

このスペード班には上が存在してないため、自由に行動できる。問題児たちを入れさせるそういう班であり、部署ではない。部署になるには最低条件である警部以上でないと立ち上げれない。警視正であるコビーがいるが、彼はまだ管理できるほどの年齢もないため論外。エースとサボは巡査部長停まり、他は巡査である。

 

「はぁ…全く、あいつらの上に立つのは誰がいいのか。それに絶対に始末書コースだな全く。」

 

一応、あの班は捜査一課持ちになってはいるが、始末書が多く出るあの班に目暮警部は毎度頭を痛くさせていた。彼らの上に立つ人物は…

 

「白ひげさんか…ロジャーさんか。しかし、エース君はロジャーさんを…ウーム」

 

目暮警部が思い浮かべる2人は第二位の警視監である2人、日本人ではないが警視総監の同期である、ニューゲート・エドワードとロジャー・D・ゴールである。今はいないが、この件が終わり次第、2人に連絡しようと思ったのだった。

 

―――――――――

 

「クソ!外れねェ!!」

 

「情けねェグル眉だな。」

 

仲良くケンカしてるゾロさんとサンジさんを横目にウソップさんや他の麦わらの一味もなんとか楽譜から逃げようとしているけど逃げ出せない、私の魔法もなんか使えないし。

 

「ドラちゃんの目もあるし…」

 

「……」

 

ドラちゃんは、高圧電流銃を右手に持ちながら、見張っていた。

 

「ドラちゃん、あんな武器いつ買ったのよ。」

 

「バードピアから帰ってきてから、買ったんじゃねェか?」

 

「ああ、そういう事。」

 

バードピアではフェニキアに勝てる物がなかったから買ったんだ。ドラちゃんにとってもフェニキア戦は許せないものがあったのかも。そのせいで今、私達の脅威になってるわけだけど。

 

「ブルックは?」

 

「もう少しです!!」

 

「え!?」

 

「見せそうです!ナミさんのパンツ!」

 

「「「そっちじゃない!!」」」

 

ブルックさんは紳士だけど、スケベな所があるからそこは治してほしい。

 

「ちょっといい?歌にしてあげるってウタは言ってたわよね?」

 

「あ、そうですね。この五線譜に意味があるって事ですね。」

 

「ええ。」

 

「確かに、何かのメロディーを表してるみたいですね。」

 

頭の位置がドレミになってるのかもしれないわね。でも、ブルックさんも捕まってるから楽譜全体が見えない。

 

「見えるのはパンツ。」

 

「うっさい、見るなァ!!」

 

「楽譜に目につけるとはさすが、麦わらの一味ですね。」

 

すると空間がドアになって、ピンク髪の人、牛みたいな髪の人、金髪の人が出てきた。だ、誰?

 

「コビー!!」

 

「あなた達どうして、ブルーノと!!」

 

ロビンさんは、牛みたいな髪の人と知り合いみたい。いや麦わらの一味はピンク髪と金髪の人とも知り合いみたい。

 

「はい!歌ってください!」

 

ブルックさんに提示されたものをブルックさんが歌うとナミさんが解放された。痴れっと、ブルックさんを強く踏ん付けていた。流石。そして、私達は解放された

 

「ドラちゃんには見つかってないですね。」

 

「あいつにはドアドアの力で隠してある。行くぞ。」

 

「俺達も解放してくれ!」

 

「この場だけでいい…日本警察に協力するのが条件だ。」

 

しぶしぶ、オーブン含め、他国の刺客は解放された。

 

―――――――――

 

「おええええええ!!」

 

ルフィさんは気持ち悪そうにしてる、ずっとバリアボールの中にいるから、酔ってるみたい。そりゃずっと入ってたらそうなっちゃうか。ウタの能力がわからない以上、ルフィさんを解放できない。

 

「サッニー」

 

「メリー」

 

バタン!

 

ドアが開く音が聞こえた。

 

「あ、コビーさん。」

 

「静香さん、それにのび太君も、そしてルフィさんも!!!」

 

ルフィさんの顔を見た瞬間にキラキラした目で見てくる。やっぱりコビーさんもルフィさんを尊敬してる。まぁ、昔、いじめられたのを助けられたって言ってたし。稀に見るスピード出世で警視正になったコビーさんだけどいつかは警察をやめて、麦わらの一味に入るらしい。

 

「お前らも来てたんだな。」

 

「ローさんも。」

 

「何か情報はないのか?」

 

「ありますよ。」

 

「しかし、サイファーポールと日本警察が組むとはな。特例か。」

 

日本警察とインターポールとサイファーポールの仲を思うと本当に特例中の特例だよね。

 

「そうなんです。それで皆さんが知りたいのはウタの能力についてですよね?」

 

「ああ。」

 

「信じられないかもしれませんが…僕達が今いるここは現実の世界ではありません。」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「皆さんが見ている物はすべてウタがウタウタの実の能力で作り出した意識の中だけの架空の世界なんです。」

 

…き、気まま夢見る機と一緒じゃないか…あれはカセットをセットして遊ぶ道具だけど、そんな装置はどこにもなかった。

 

「ウタウタの実の能力とは…歌声を聴いた人間の心をウタウタの世界に取り込む力心を取り込まれた人間は現実の世界ではなく、ウタが望んだ世界で生きているような気になります。」

 

「そういう事だったのか。」

 

「「「「「「「ん?」」」」」」」

 

知った声が聞こえたからそこを見ると和人、スネ夫、万陽奈さんがいた。…取り込まれたんだ。スネ夫はLIVEって言ってたから薄々思ってたけど。

 

「和人!?」

 

「よ、巻き込まれ体質。」

 

「人を原因の一つみたいに言わないで。スネ夫も万陽奈さんも来てたんだ。」

 

「もう、わけわかんないよ!ママぁ!!」

 

「多分、ママもここには来てるよ?」

 

「あ、そっか。」

 

「じゃないから。」

 

「そういや、ウタの奴そんな力を持ってるって言ってたなァ。」

 

「はっはっはっは…は?」

 

「ごめんなさい。」

 

しずちゃんの極太い低い声を聴いたルフィさんはすぐに謝った。それを早く行ってほしかった。忘れてたみたいだけど。

 

「それで?現実の世界はどうなってる?」

 

「現実世界には僕達の身体だけが残っています。でもその身体はウタに支配されてるはずです。」

 

「日本警察優秀過ぎない?」

 

「まぁ、こちらにはゼロがありますからね。」

 

ゼロ?何それ?日本警察の諜報部みたいな物かな?

 

「それは機密機構だろ。…まさかあいつらはこねぇだろうな?」

 

「スペード班ですか…来そうですね。」

 

「絶対碌な事にならねぇ。」

 

「スペード班?」

 

「俺の兄ちゃんが班長なんだ!つえーぞ?」

 

「つ、つよいのはいいんですがねェ。」

 

「ありゃ、自然災害だろ。」

 

「自然系が三人もいますし。」

 

「誰がうまい事を言えと言った。」

 

「と、ともかくウタが眠れば、能力は解除されます。」

 

でも僕達はすでにウタウタの実の世界に来てる。…初見殺しもいいとこだよね。それ、新時代が一種のトリガーだったってわけか。

 

「帰りたい…」

 

「帰れないだろうな。」

 

「そんなぁ」

 

「悪魔の実の能力には必ず限界があるはずだが?」

 

「その通り、ウタウタの世界を維持するには激しく体力を消耗する。おれが常にドアドアの実の能力を使っていられないようにな。」

 

じゃあ、ウタの体力が減ればおのずとこの世界から解放されるんだ。でも、ウタは…エンドレスって言ってた。音符の騎士やドラえもんの道具に見つからないように、僕達は移動してる。

 

「しかし、奴はLIVEが始まる前にネズキノコを食べるのを確認している。食べた者は眠れなくなると言う代物だ。」

 

そ、そんなピンポイントなドーピングキノコがあるの!?

 

「まもなく。…現実世界のウタの体力が尽きて…死にます。」

 

「「え!?」」

 

「しぬぅ!?}

 

「そうなればおれたちは解放されるのか?」

 

「いや逆だ。奴が死ねばこの世界は閉ざされる。そしてその時この世界にいる者は全員はそのままになってしまう。」

 

…えっと、む、夢幻三剣士と一緒?いや、あっちは逆に現実世界がおかしくなるって、シルクが言ってたし。ウタの方がもっとやばい。

 

「イカれてるべ。そんなの…」

 

「コビーどうやったら、ウタを止められる?」

 

「それを探るために潜入したのですが…何もわからないままです。ただ、戦力はあった方がいいので…キミ達にも協力してもいい?」

 

「あったり前じゃん!」

 

「僕は、元からそのつもり。ウタの顔見てたら。居ても立っても居られないし。」

 

「俺もだ。」

 

「ぼ、僕は…。や、やるよ!やりゃあいいんでしょ!!」

 

「私もです。この世界で生きるより現実の世界でやりたいことがたくさんありますので。」

 

しずちゃん、和人、スネ夫、万陽奈さんは戦う意思はもちろんある。僕は聞きたいことができたし。

 

「それと麦わらの一味とジャイアンさん、美夜子さん、直さんはエレジアの城に向かってもらってます。」

 

「あいつら無事なんだな!」

 

よかった、見張りであるドラえもんはドアドアの能力で頭をぐるぐる回したらしい。酔わないといいけど。

 

「ニコ・ロビンがはるか昔にこの島で起きた事件について知っていることがあるらしい。」

 

「伝説と関係があるんですか?」

 

「それは分かりません。皆さんが戻ってくればわかるでしょう。」

 

それまで、僕らは音符の騎士とドラえもんの道具の目を掻い潜って行かないといけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




雷神「終わり。」

銀「相棒のあの窓際部署にまでお払い箱されるエース達よ。」

雷神「だって、あの2人でっせ?」

銀「愚問か、ってマジで兄弟なんだな。てっきり義兄弟かと」

雷神「それでもよかったんだけど、ま、兄弟の方がいいかと。」

ウタ「エース達来るんなら、シャンクス来なくない?」

雷神「来るよ。」

ウタ「…ま、来てもらわないと。」

銀「ファザコン。」

ウタ「うっさい」

銀「いって!?そんなもんどこから出した!」

ウタ「顕現」

銀「たく…じゃ、次回もお楽しみにな。」


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第78話FILMRED~大富豪と発狂とトットムジカ~

二大富豪よりも悪質な大富豪として出すことになりました。

視点は美夜子さん、第三者目線、ドラえもん、のび太になります。


コビーさんから解放されてから、私達はエレジア島の壊れた城の地下まで来ていた。チョッパー君がネズミに図書館の位置を教えてもらいそこに向かった。

 

「これだけ防音だったらウタの能力も届かない。」

 

「歌声が届かぬところは大丈夫だとコビーも言っておったからのう。」

 

「私の家よりも広い…」

 

「これだけの広さを探すの?」

 

ガタン!!

 

何かが出てきた。ウタの能力じゃなく、多分護衛システムが作動したのね。ってあれは明らかにオーバーテクノロジーな気がする。だって、ここが創られたのは300年前とコビーさんが言ってた。17世紀にそんな技術があるなんて…

 

「三刀流…極虎狩り!!」

 

悪魔風脚(ディアブルジャンブ)揚げ物(フリット)盛り合わせ(アソルティ)!!」

 

「ストロング右!ウェポンズ左!!」

 

水の鋼球(ウォータボール)!!!」

 

そんなロボットはドラちゃんとは違って、土製だったから脆かった。あいつらは私達が引き付けて、ロビンさんには本を探してもらう。総戦力で叩けばいつかは消えるだろうし…ま、無尽蔵に出てくるのだけど…

 

「あ。」

 

「どうしたんです?」

 

「あの天井おかしいわ。」

 

「ん?あ、本当だ。炎の鋼球(ファイアボール)!」

 

私の火の魔法で天井を明るくした、これでロビンさんが見れる。

 

「ありがとう、みよちゃん。」

 

 

―――――――――

 

「犠牲者の数は加速度的に増加中。あと、一時間放置すれば全世界の7割がウタウタの世界の住人となる計算です。」

 

国連、五老星はCP0の一員であるロブ・ルッチから報告を受けていた。全世界の7割と聞いて、五老星の一人で板垣退助の子孫であるマーズ・マーカスである。日本人の子孫ではあるが、お爺さん世代の時にアメリカで帰化したらしい

 

「世界滅亡の危機ではないか。」

 

「何とかして止めねば!!」

 

―――――――――――

 

「だえ~!」

 

「ん?」

 

「気にいったえ~、うちに来てわちしのために子守唄を歌うだえ~?デへへへへへッ」

 

ウタがルフィ達の事を諦めて、LIVEを再開しようしたら、気色の悪いムカつく喋り方をした汚物…人物がやって来た。

 

「チャルロス・ホーリーだ。」

 

「一族揃って、イカレタ金持ちだ。」

 

チャルロス・ホーリー、彼は世界で悪名高い一族の一員だ。世界でもとっとも有名な2大富豪であるロスチャイルド家とロックフェラー家と同じ大富豪一族ではあるが、その権力は国連よりも上であり暴走している。国連はこの一族が何かあればインターポールの実力が高い人物を派遣するほどだ。

 

「チャルロス様が貴様をご所望だ。」

 

「ご厚意に感謝しろ。」

 

彼ら一族は奴隷制度を推し進める一族である。奴隷は世界の禁忌ではあるがこの一族は何の関係もなく、そして躊躇いもなく奴隷を捕まえる。なので捕まりたくない一般人は、彼らの機嫌を損ねないようにいつも頭を下げている。

 

「10憶でお前を買うえ!!」

 

「もしかして、あんたがホーリー一族てやつ?」

 

それを言い出した瞬間にざわめきが観客席全体を覆い尽くす。

 

「知ってるよ。本に載ってた!偉そうに誰でも奴隷にしたがる世界一の嫌われ者でしょ?」

 

「あああえ~?」

 

それを言われたチャルロスはキレた。自分は偉いからなぜこんな小娘にそんな事を言われてるのかわからないからだ。生まれた時から偉い。自分の中ではそう思っている。

 

「いい加減にしろ。ホーリー家の逆鱗に触れるぞ。」

 

「あなた達、インターポールなの?」

 

インタポールの捜査官がウタに注意してもウタはお構いなしだった。というかちゃんと意味を理解していない。

 

「わざわざ休み取ってきてくれたんだね!ありがとう!」

 

さっき戦った時に現実世界のウタが連れてきたんだろうと何人かは思っていたが口には出さずにいた。

 

「そんな事より、チャルロス様のお言葉に従い、アメリカへと。」

 

「いやだ。」

 

「ふえ~???」

 

「ここではみ~んな一緒!これから仲良く過ごそうね!ホーリー家のおじさんも!」

 

「おじさん!?」

 

チャルロスはこれほど怒りを湧いたのは2年前に殴られて以来だ。2年前に奴隷を買おうとしたら、若造にぶん殴られたのだ。その若造今も日本で平和に暮してるため何もできないが。

 

「この女死刑だえ~」

 

それを言った瞬間に護衛の2人は銃でウタを撃った。しかし、ウタには拳銃が効かない、音符が彼女を守るためだ。

 

「く!うわ!?」

 

護衛2人はチャルロスに討たれた。なかなかウタを殺さないためだ。バカだろ

 

「何てことするの!!」

 

しかしここはウタワールドであるため、ウタの能力で治された。

 

「インターポール共何見てるだえ!そいつを捕まえるだえ!!役立たず者が!!このガキを殺すだえ!!」

 

ウタに近づく捜査官たち、しかし、ウタが怒りのあまり足をドンっと地面に叩きつける。

 

「あんた達インターポールは!!正義の味方を名乗ってるんじゃないの?」

 

「くぅ…その方一族の機嫌を損ねたら、全員奴隷になる。」

 

「そっか!ほんとはこんな奴の命令は聞きたくないんだね!だったら平気だよ!新時代にはホーリー一族も!ロシアとか、アメリカとかも奴隷も!みんな同じなんだから!」

 

「同じだと!?汚らわしい!!お前ら!はやす殺すんだえ~!!」

 

チャルロスは同じと言われて、堪忍袋の緒が切れた。同じと言われると奴隷制度を反対してくる、ロスチャイルド家とロックフェラー家の事がチラついたのだ。しかし、ウタの力で護衛と捜査官は捕まってしまい、自分も捕まった。

 

「ん?みんな!もうホーリー一族の事は怖がらなくていいよ!」

 

そんなこと言われても、ざわめいてしまう観客。ロシアや万国の兵士はともかく、あの一族に手を出すのはさすがにやりすぎだと思ってるからだ。狂信的にウタを推してはいるが、そこまでする事はないと言う人も出てきた。

 

「大丈夫だって!!」

 

「ごめん、ウタ!僕、そろそろ帰るよ!」

 

少年ヨルエカがウタに言ったがウタは否定した。

 

「何で辛く苦しい生活に戻ろうとするの?ここで楽しく生きていけるのに?それよりさ!誰か上に捕まえておいた人達知らない?ドラちゃん!」

 

「いつの間にかどこかに行ってました。」

 

「もう!なんの為の見張りなの!」

 

「…こんな事が本当に望みなの?」

 

ドラえもんの目は元の色に戻った。洗脳は解けていたのだ。

 

「あれ?解けたんだ。」

 

「君が、何かをしたことはわかってた。」

 

―――――――――――

 

僕は何かをされたのを思ったからのび太君にも知らないふりをしていた。盲点星をのび太君としずちゃんのポケットに入れることがやっとだったけど。

 

「じゃあ、どうして元に戻ったの。」

 

「この子のおかげさ。」

 

「ドラドラ!」

 

ミニドラを僕の回路に潜らせて、強引に洗脳された回路を元に戻した。

 

「ふーん、でも君の道具は私が握ってるよ?」

 

「それはダミーだよ。」

 

「え?あ…」

 

僕の渡したのは秘密道具のダミー。本物そっくりだけど時間が経てば朽ちる。

 

「ウタさん、もうこんなことは辞めるんだ!」

 

「あなたもインタポールの捜査官?」

 

「僕は日本警察の警官でみんなを救いに来た!みんなの心を現実世界に返すんだ!」

 

「コビー警視正?」

 

「え?」

 

一瞬にしてどよめきが走る。え?有名な人なの!?

 

「え?有名な人なの?」

 

「ロッキーポート事件で民衆を救ってくれた英雄じゃよ!」

 

「「そうなんだ。」」

 

ロッキーポート事件なんて、聞いたことがない。未来では消された事件なのかな。

 

「あ、いやァ。」

 

「おい、英雄。俺は能力を使い過ぎた。お前から伝えろ。」

 

「はい。皆さん聞いてください!」

 

コビー警視正が語るところによるとここは、この世界は現実の世界じゃないみたい。ウタの能力によって眠らされてこの世界に来た…、こんな歴史、未来にはないんだけど、もしかしてあまりにもやばすぎて、これも消された?こんなの人類史上最悪の事件じゃないか!!

 

「皆さんは騙されているんです!ここから脱出するべきです!」

 

「…ウタ!本当に騙して閉じ込めたの!?}

 

「だましてない!私はみんなを騙してなんかいないよ!違うよみんな!私はみんなが幸せになれるように導いてるだけ!」

 

「でも、実際そいつ操ってたよな。理不尽に。」

 

「ここはみんなが望んでいたとこだよ!もうこんな醜い時代はおしまい!平和で自由な世界が来るんだよ!」

 

パン!!

 

そしてウタが手を鳴らすとお菓子やいろんなものが出てきた。

 

「最高でしょ!ひどいことする人や病気や苦しみはないんだよ!」

 

「うん、ここで生きて行った方が幸せか。」

 

「私も!」

 

「でも仕事があるし。」

 

「だから仕事なんてしなくっていんだよ!勉強だって!」

 

「それでもずっとは困ります!!」

 

「頑張ってきたこともあるし…」

 

「遊んでばっかりってのもなァ。」

 

「お家に帰りたい。」

 

「社会が全部変わっちゃうのは…」

 

「ついていけないかも。」

 

1人、また一人とウタの世界を否定する人が出てきた。好きな仕事をやったのにそれを全否定されても困るんだよね。いくらウタの言葉でも…

 

「ウタさん。あなたの計画は中止すべき。」

 

「ちょっと黙って。みんな!みんなは自由になりたかったんじゃないの?病気やいじめから解放されたいって言ったのはウソ?こんな時代から怯えなくて済む毎日が欲しいって言ってたじゃない!!」

 

ウタから翼が生えてきて空を飛んで訴えた。この感じは嫌な予感がする。ウタは少し焦ってる気もするし。

 

「帰りたいっつってんだろ!!」

 

1人の男性の言葉が会場をシーンとさせた。ストレスから解放はされたいけど、言われるとなんかいやになる、人はそういう生き物だしね。

 

「そんな言い方ないでしょ!?」

 

「そうだよ!ウタはみんなのためにやってくれてんだよ!?」

 

「オレ、頼んでねェし。」

 

「私も。」

 

「あんたらうるさい!!」

 

「私はウタに賛成。」

 

「やだよ。」

 

「学校好きだもん」

 

「今関係ないでしょ!」

 

「関係なくない!」

 

「やりすぎなんだよ!ウタは!!」

 

「ひどい!」

 

さっきよりも賛成派と否定派が苛烈な戦いをし始めた。ダメだ。そんな言い争いをしたら!!ウタの心が!!

 

「そっか!ごめん、わかったよ!!もっと楽しいことにすればいいんだねェ!!」

 

ウタは虹色の水を発生させて、観客たちをアイスやお菓子、人形に変えてしまった。僕、コビー君、ブルーノさんはドアドアの力でなんとか難を逃れたけど…ウタの心は完全に壊れてしまった。

 

――――――――――――

 

「何とか逃げられたが…」

 

「お前、誰だべ。」

 

「ん、ブルーノ!」

 

ブルーノさんがマスコット化した…っていうか!!

 

「ドラえもん!?」

 

「あ、のび太君もみんなも無事だったんだね!」

 

「無事だったんだね!じゃないよ!こっちのセリフだって!!」

 

「わりいわりい。何とかこの子のおかげで治せたんだ。」

 

「ドラドラ!」

 

ドラえもんはミニドラで脳回路を強引に戻したらしい。ご、ごり押し過ぎてドン引きなんだけど

 

「どうやら、説得は失敗したようだな。」

 

「そっちは」

 

「見るべ。」

 

「うおオオオ!」

 

「戻って来たのね。ドラちゃん。」

 

「うん、ごめんね。みんな。」

 

ま、人数は集まった、ロシアの偵察隊と万国の人達が協力してくれるらしい。麦わらの一味も、戻ってきてる。ちなみにチョッパーは戻って来た時にサニーとぶつかった。

 

「ロビンさん、ウタを倒す方法は分かりましたか?」

 

「ええ、昔の記録によるとウタウタの世界に取り込まれた者は自分の力では現実に帰ることはできない。確実に。」

 

…うっそ、何の希望もないじゃんそんなの。

 

「ただし、ウタウタの実の能力者がトットムジカを使えば、チャンスは訪れる。」

 

「トットムジカ?」

 

「何それ?」

 

「響きは悪いけど。」

 

「古代から続く人の思いの集合体。寂しさや辛さなどの心に落ちた影。魔王と呼ぶときもある。」

 

それは兵器なの?ロビンさんは触れてはいけないものとしか読み取れなかったみたい。

 

「そのタブーをウタウタの実の能力者が使った時、どんなチャンスが?」

 

ロビンさんが読んだ記録によると、トットムジカを使い呼び出された魔王はこのウタウタの実によるウタワールドだけじゃなく、現実の世界にも姿を現すらしい

 

「そのため、魔王を接点として、ウタワールドと現実世界がつながってしまうらしいの。」

 

その時に魔王を2つの世界から同時に攻撃すれば魔王を倒してからウタワールドを消すことができるらしい。

 

「ほんとかい?」

 

「うまくいった事があるから記録として残してるんだろ。やってみるしかねェ」

 

「で、でもさ!僕らはここにいるんだよ!?現実世界は誰が攻撃するんだよ!!」

 

スネ夫の疑問ももっともだ。

 

「攻撃するといや、日本警察かインタポールかCP…」

 

「無理です。スペード班ならともかく警察機関は一般市民がいる以上手は出せません。折角の情報ですが現実世界に誰かいなきゃ。」

 

「旧ボンゴレの人達は?」

 

「残念ながら、彼らもこちら側にいます。アルコバレーノの皆さんも。」

 

「その通りだぞ。」

 

「いや、普通に出てこないでよ。リボーンさん。」

 

リボーンさんがどこからともなく現れた。頼みの綱だったのに。

 

「師匠たちは?」

 

「人形になっちまった。」

 

「ええ!?」

 

それにしても日本警察の諜報力すごすぎない?ボンゴレの情報誰も知らないはずなのに。アルコバレーノもマフィアだけの情報なのに。

 

「他の戦力は…あ。」

 

恐竜人、人魚族の事は黙ってないといけないんだった。でもバンホーさんやソフィアさんの力でも無理か。

 

「ってリボーンさんいないし。」

 

「一人いる。」

 

すると、声が聞こえた。ゴードンさんだ。べポが運んできた。

 

「誰だ?あのおっさん。」

 

「ウタの育ての親だって。」

 

「「「「は!?」」」」

 

「おい、一人いるって誰の事だ?」

 

「シャンクス。」

 

鈴斬様が!?

 

「シャンクスゥ!?}

 

「シャンクスが来れば、現実世界のウタを止めてくれるはずだ。」

 

「おっさん、シャンクスとウタにやっぱ何かあったのか?おっさん!」

 

するとルフィさんは、多分ウタの所に向かっていった。

 

「のっちゃん追いかけて!!」

 

「僕が!?」

 

「師匠をほっとけないでしょ!!」

 

「しずちゃんはこないの?」

 

「ウチは、ウタとシャンクスの過去聴きたいから。」

 

「ねぇ、それって僕損な役回り押し付けられてない?」

 

「……いいからいって!」

 

「うわ、もう黙った時点でわかったよ!わかった。行くよ!」

 

僕は走った。でもルフィさんの姿は見えなかった。話してたって事もあるし仕方ないか。

 

 




雷神「終わり。」

ウタ「次々回あたりに昔のカランドが出るね。」

銀「カランド?」

雷神「トットムジカの事。」

銀「つうことは魔王と和解したのかよ。」

ウタ「ま、ルフィが強引にだけど。」

銀「そうか、しかしまぁ、ドラえもんの治り方、強引だな。」

雷神「不思議のラビリンスの応用的な?」

銀「それはそれでやれっての」

雷神「それもそうか…ってあれ?ウタは?」

銀「どっか行ったぞ?」

雷神「え?そなの?ま、いいかでは次回もお楽しみに!」


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第79話FILMRED~ウタVSウタ~

どうしても書きたかったことなんですこれは!!

視点はのび太、ウタ(やり直し)、


「本気で動くとあんなに早いのか!!」

 

僕はステージに行ってるルフィさんを追いかけながらごちる。マヤナ国の時もこうやって動いてたんだ!本当に名前通りに俊敏すぎる!

 

「万陽奈さんに翼つけてもらえばよかった!!」

 

それかバードキャップ!あれで動きを補えるのに!!うっそうと茂ってる草や木をかけ分けながらステージに着く。

 

「あ、キミも来たんだ。」

 

「ルフィさん!」

 

「お前も来たんだな。」

 

ステージ上は水で覆われていて、その下にはお菓子やおもちゃになった観客たちが漂っていた。

 

「ンで?何しに来たの?何度戦っても私には勝てないよ?」

 

「まだ決着はついてねェ」

 

「でも、ウタ相手に攻撃は…」

 

「あてるつもりもねェよ。」

 

「出た、負け惜しみィ」

 

ルフィさんはゆっくりとウタに近づく、何を考えてるんだろ?ルフィさん…攻撃を当てずにウタを説得しに来たって事?でも…

 

「…じゃあ、昔みたいにケンカで勝負するしかないね。ルフィ。」

 

ウタはとてもじゃないけど普通な状態じゃない。ウタは遠慮なく音符の騎士を出して攻撃してきた。ルフィさんはパンチでそれを撃ち消す。それでもウタは音符の騎士を出し続けるけど、ルフィさんの攻撃で全部消えた。

 

「おりゃあああああ!!!」

 

ルフィさんは足を大きく振ってウタにあて…

 

ドン!!

 

ずに前の水面に叩きつけた。

 

「当てる気もないくせに。」

 

「んっ!お前は間違ってる!!」

 

「それはルフィだよ。」

 

「いい加減分かりなよ、こんな腐った時代はおしまいだって。何でそんなに自警団作るのにこだわるの?」

 

ウタは、ルフィさんから奪った麦わら帽子をルフィさんに見せる。

 

「新時代を作るためだ。」

 

「ん…ルフィ!!」

 

ウタはルフィさんを投げ飛ばすと、音符の騎士を出した。音符の騎士は海賊を処刑するみたいに剣を交差させた。

 

「こんな腐った時代…」

 

ウタは持ってる麦わら帽子を破ろうとしていた、ダメだよ!!ウタ!!それはルフィさんの!!大事な帽子なんだよ!!

 

「ルフィあんたの処刑をもって…「ルフィの大事なもんに何してんの。」

 

「「…は?」」

 

「誰!?…私!?」

 

ウタが…ウタが二人?え?どういう事!?何でウタが二人いるの!?ウタの能力じゃないかってはウタ本人があっちのウタに驚いてるからそれはないみたいだし。

 

「…あんた誰よ!」

 

「未来の…いや過去?いや平行世界のあんたよ。」

 

「どういう事!?」

 

「別に気にしなくていい。つかあんたウタワールドだからって麦わら帽子(それ)を傷つけないでよ。」

 

「これは…あれ?」

 

「あ、ここにあるから。」

 

「なんなのよ!いきなり現れて!!それ返して!!」

 

「壊そうとしたくせによく言うね。」

 

「くっ!!きゃ!?」

 

ウタは拘束された。いきなり現れたウタだけど味方みたいだ。平行世界のウタって事かな。

 

「てなわけで、こんにちわ。ルフィにのび太君!」

 

「お前…ウタだけどウタじゃねぇ。」

 

「見聞色の覇気かな?そ!あ、10分後には私消えちゃうから。」

 

「え!?」

 

平行世界のウタは顕現?って奴でこの世界に来てるらしい。今は10分間しかそれはできないらしい。だからあと4分間はウタをひきつけるから、逃げてほしいらしい。

 

「でも!ウタは強いんだよ!」

 

「そんなの知ってるよ?自分だし、でも、私は10年も能力を極めたんだ!負けないって。それに…私にとっても大事な帽子。これを傷つけるのは自分でも許せないから。」

 

「ていうか何であいつシャンクスの事!!」

 

「あ、うん。それを言う前に止めちゃったから知らないんだっけか。」

 

平行世界のウタがウタと鈴斬様との過去を教えてくれた。平行世界の鈴斬様は通称のシャンクスが本名で海賊らしい。それはルフィさんも同じで海賊王になるんだとか

 

「ルフィさん時々、海賊王とか言ってたけどそういう事?」

 

「あれはおれのポリス―だ。」

 

「ごめん、意味わかんない。」

 

「悠長に話してる場合じゃないって言ったよね!?」

 

「「ごめんなさい。」」

 

そんでもってなんやかんやあって、ウタは鈴斬様を恨んだらしい。大まかな流れは平行世界と一緒なのか。

 

「シャンクスがそんなことするわけねェだろ!!お前だって知ってんだろ!!」

 

「あっちに言ってよ!?私は知ってんだから。」

 

「何で、ここに居るんですか?」

 

「私を止め…と抜け出せたか。早く行って!」

 

ウタが音符を出して攻撃してきた。ルフィさんの手を引いた。

 

「ルフィさん!ここは彼女に任せましょう!!」

 

「くぅ!ウタ!シャンクスは来るからな!!娘がこんなことやってんのに!!シャンクスが黙ってるわけねェからな!!」

 

「…どこの世界でもルフィは言うんだね。」

 

「…あいつは私を捨てたんだよ。来るわけないでしょ!!」

 

ウタの攻撃を平行世界のウタがバリアで守った。僕達はひとまず逃げる。けど大丈夫かな。

 

 

――――――――

 

 

「あんたは別の世界の私なんでしょ!!あいつを恨んでないの!?」

 

残り時間は2分か…それにしても私ってあんなに焦燥しきった顔してたんだ。そりゃ、ルフィも必死に助けるわけだ。まだ、心の闇(ウタ)ともカランドとも和解してないからそりゃそうなんだけど。

 

「好きでシャンクスが捨てるわけないでしょ。それに分かってないふりしてないでよ。」

 

「…何の話よ。」

 

「1年前に、あれ。見たんでしょ。」

 

「……」

 

「それにさ、シャンクス来てるでしょ。」

 

「…!!何でわかるのよ!!」

 

これは言って良いのかわからない。でも平行世界だし。私のような()を歩んでほしくないし、シャンクスやルフィを悲しませるわけにはいかない。

 

「私は平行世界のウタなのはそうだけど、一回死んで戻ったのよ。」

 

「…は?頭おかしいの?」

 

ナミちゃんみたいな顔してるし、そりゃ戻ってるとか言われたら頭がイカれてるとしか思わない、イカれてる私には絶対に思われたくないけど。

 

(そりゃそうだ。)

 

あれ?心の闇(ウタ)いたの?向こうにいたのかと。

 

(あいつは私も感想言ってほしかったみたい)

 

そういうこと、ってこれいいの?置いてかれてない?読者さん?

 

(それは『ウタのやり直し』を見てくれればいいんじゃない?)

 

普通にメタいんだけどねそれ。

 

「ま、マジな話だからね。」

 

「…それを聞いてこれを止める気は私にはないから」

 

「うん、知ってる。」

 

「…ならどうして邪魔するの?あんただってファンの声を聴いたんでしょ!!腐った世界を壊して新時代にしたかったんでしょ!!」

 

私の顔はさっきよりひどくなった。確かに私も新時代を作って大海賊時代を終わらせたかった。海賊がいないこの世界でも苦しんでる人がいるって知って、嘆こうとした…けど!!

 

「失敗する。」

 

「あんたは失敗したみたいだけど私は失敗なんかしない!!邪魔すんな!!」

 

タイムリミットはあと3分か、ルフィものび太君もちょっと離れた場所にいる。逃げてほしかったけど。ていうかこっちではミーニャはいないんだ。平行世界だからいない世界もあるって事ね。

 

独奏(ソロ)でソング♪バグルビート!!」

 

「あばばばば!!なにこれ!?」

 

「私の新技、んでもってモードゴムゴム。」

 

私はモードゴムゴムになった。知ってる悪魔の実の能力に私はなれる。ま、今の所はゴムゴム、バラバラ、モクモクだけなんだけど。

 

「何それ…!?」

 

「ウタウタの実の真骨頂。」

 

「そんなの知らない!!」

 

これは10年で見つけたウタウタの実の隠された力。12年間もエレジアで過ごしてたら見つからない。私だって、戻らなかったら知らないまま死んでたかもしれないし。

 

「あんたはこれから知りなさい。こんなバカな事は辞めて。」

 

「私は新時代を作る女よ!!やめてたまるかぁ!!」

 

「だから」

 

(ウタ。時間。)

 

え!?悠長に技見せてるんじゃなかった!!

 

(そこホントにルフィと似てるよね。)

 

はいそこうるさい!!ってまって、あんたをここに置いてくからのび太君の所行ってきて!!

 

(丸投げすんな。でも、うんわかった。)

 

ありがとう!!ってあ、やばい、顕現時間が着て身体が消えていく。

 

―――――――

 

 

平行世界のウタの身体が光の粒子になって、消えようとしてる。

 

「な、何が起きてんだよ!?」

 

「ウソップさん。」

 

「何でウタが二人いんの!?のっちゃん。」

 

みんなも来てた。僕はできるだけの事をみんなに教えた。

 

「じゃあ、あの消えてるのは平行世界のウタさんですか!?」

 

「そうなんだ。」

 

多分、もう時間が来たんだ。どこからか来てくれたんだろうけど。でも平行世界のウタはこっちを見て、笑顔で消えて行った。あとは頼んだって事かな。

 

「全くあの子は押し付けてくれちゃって。」

 

「「「「「は?」」」」」

 

と思ったらなぜかウタが僕の隣にいた。どういう事?さっき消えたよね!?

 

「…私はさっきのウタの心の闇って言うのかな?」

 

こ、心の闇?

 

「ま、分身みたいな感じ。」

 

「な、なんであんたはここに残ったの?」

 

「身勝手にも置いてかれちゃって。私が君たちをサポートするから。」

 

「き、キミには制限ない?」

 

「うん、あの子の顕現は10分に伸びたけど、私のは無制限だからね。」

 

すごいな、でもあのウタはすごかった。ウタウタの実の能力をウタより使い慣れてた。

 

「…!!!」

 

ん?ウタの様子がおかしい。

 

「…シャンクスが来てるのか?」

 

「正解。シャンクスが仲間と…あぁっとこの世界では護衛だったか。来てウタの心が揺さぶられた。」

 

「じゃあ!」

 

「コビーうん。」

 

「今です!!」

 

コビーさんの一言でロシアの刺客やみんながウタに襲い掛かった。でもウタは音符の騎士で即座に応戦した。僕達では普通に倒せていたけど、他の人からは若干強いんだ。

 

「…!!」

 

ロビンさんのハナハナの実の能力を見えないバリアなんかで打ち消してる!?ルフィさんはまた、ウタに近づく。

 

「ウタ…でいいのか?」

 

「うん。どうしたのルフィ。」

 

「おれはあいつを殴れねェ。」

 

「知ってる。」

 

「頼んでいいか?」

 

「何でもいいよ船長(キャプテン)

 

「なんかその響きいいな!」

 

キャプテンって、平行世界のウタは船乗りかなんかなの?キャプテンは色んな意味があるし、一概にそうとは限らないか。

 

「あ、つい。で?何なの?」

 

「あいつを数分間止めてくれ!説得する。」

 

「任せて。」

 

ウタは、ウタを止めるためにモードゴムゴムになってからルフィさんのギア2(セカンド)って奴になってウタを腕で拘束した。ギア2(セカンド)の事はしずちゃんから聞いてたけど本当に蒸気を出してる。

 

「あんた消えたんじゃないの!?」

 

「お生憎様、私はあの子の心の闇だからね。」

 

「意味わかんない!」

 

「あいつ、おれの技全部できんのかな?」

 

「いやそれはいいから説得して!?」

 

「そうだった。」

 

ルフィさんはギア2(セカンド)になってからウタの元にたどり着いた。ここからが正念場かもしれないね。




「「勝手に物語に行くな!?」」

ウタ「いやァ、見てたらつい。」

雷神「ここは見守る場所なんだからルフィみたいに暴れないで。」

銀「お前が初めてだよここから本編に出たやつは。」

ウタ「そんな私がルフィみたいじゃない。」

「「間違いなくルフィと同じ性格だ!!」」

ウタ「悲しいけどうれしい、ウタも頑張ってるし。見守ります!」

雷神「そうしてください。

銀「はぁ。じゃあ次回もたのしんでくれい!」


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第80話FILMRED~シャンクスと魔王と大海賊時代~

シャンクス側の視点になります。あの親の顔のシャンクス見てると不思議と心がぎゅんってなりますよねぇ…

視点はシャンクス、のび太


「…シャンクス。」

 

「久しぶりに聴きに来たお前の歌を…」

 

おれがこのLIVEを知ったのはほんの20分も前の事だ。日本や世界がよりよくするためにはどうしたらいいかと、総理であるセンゴクさんや警視総監であるドラゴンさん、伝説の警察官であり、なによりもおれの師匠であるロジャーさんとガープさん、白ひげもその会議にいた。そんな時だ。

 

『ルフィが捕まったぞ!!』

 

『『『『『『は?』』』』』』

 

血相変えてきたのはドラゴンさんの問題児3人兄弟の次男坊のサボだった。

 

『いや、世界中の人が捕まってるんです!』

 

『珍しいな。お前が報告をするとは要件人間のお前が。』

 

『じゃ、おれ、伝えたから行くな!!』

 

『『『『『要件人間コラ!?』』』』』』

 

サボは優秀ではあるが、用件だけを言ってはすぐに現場に行く、全くあの兄弟には頭を抱える。

 

『全くサボ君は…詳細を伝えますね。』

 

たしぎが代わりに伝えてくれるみたいだ。

 

――――――――――

 

『それは本当か!?』

 

『はい、ルフィさんを含めた全世界の7割がウタの手中に入っています。』

 

『…そうか。』

 

ウタ…おれの義理の娘で12年前に起きた事件以来会っていない。会おうとは思ってはいたが勇気が出せなかったんだ。おれの娘と知られれば世界中のスパイにロビン同様に狙われると思った。それにあの才能をおれ達だけで囲うのはダメだとも思っていた。ルフィには嘘を付いてしまった。

 

『おい、シャンクス。テメェの娘が起きた事件だ。護衛連れて仲直りして来い。』

 

『ガープさん。』

 

ガープさんが、呆れた顔でおれに言う。そうしたいのはやまやまだが…おれに会った時にウタはなんて思うんだろうかと考えてしまう。

 

『シャンクス、子供の面倒は確かに難しい。しかしな、ここで諦めると後悔するぞ。実際おれも息子とは色々あったしな。』

 

『ロジャーさん。』

 

ロジャーさんの息子は…エースの事だ。エースは今はドラゴンさんの息子としているが、些細な言い合いが原因で猿山家の名をかたっている。ま、ロジャーさんが100悪いからな。ルージュさんはめちゃくちゃロジャーさんにキレてたな…

 

『人の親としてこれだけは言える。仲直りして来い。武力で世界を睨みつけてるお前が、娘には形無しだなハッハッハッハ!』

 

センゴクさんにも息子が二人いる。一人はマフィアの一角になってしまったが、一人はゼロとして日本を守ってくれている。

 

『センゴクさん。』

 

『おれからは何も言いまい。』

 

『わかりました。ありがとうございます。』

 

おれは護衛を引き連れて、エレジアに飛んで行ったのだ。

 

『全く世話の焼ける』

 

『全くじゃな。』

 

『お前らが言う事じゃないぞ。』

 

『『え?』』

 

――――――――――

 

来る直前に、ルフィを刺そうとしてたのは肝が冷えた。放置してたおれが悪い。いやマジでこれはシャレにならないレベルで…

 

「んっ!ガァァァァァ!!」

 

「堪えろガブ!死んでも手を出すな!!」

 

ガブが、他の民衆に手を出すのをベックが止める。来たのはいいが民衆を傷つけるわけにゃいかん。しかし、どうするべきか。

 

バン!バン!!

 

すると、銃声が聞こえ、おれを殴っていた民衆の一人に当たってしまった。ウタはそいつに近寄ると血を止めていた。

 

「んっ…」

 

周りをよく見ると、そこかしこにライフルの銃口が見える。

 

ババババババ!!!

 

「インタポールの奴ら…」

 

「命を顧みろよ。」

 

インターポールの連中の出した答えがこれが…平和的解決を思いつかなかったのかサカズキの奴は…あいつは過激派で有名だ。愚問か。

 

「正義を名乗るインターポールが民衆を殺すつもりか!!答えろ黄猿!!」

 

ベックは向こうにいる黄猿に向けてそう吠えるが、黄猿の態度は相変わらずののらりくらりとした答えだった。

 

「青雉!!」

 

「おれだってやりたくないっての!」

 

「早くインターポールやめて日本警察(こっち)来いよ。」

 

エースが青雉と戦っていた、相性的に青雉に分が悪そうなんだが。

 

「八尺瓊勾玉!」

 

黄猿は容赦なく攻撃を開始した。あのどっちつかずが!!おれはそれを弾き飛ばして、飛んで黄猿の首に剣を向ける。

 

「悪いな。親子喧嘩の途中なんだ。首をつっこまないでもらえるか?」

 

そうだ、これは親子喧嘩。12年前に俺が黙ってウタをここに置いたのが原因であいつはああなってしまった。

 

「…」

 

「そうはいきやせん!世界を背負ってるんでね。」

 

「それでも退いちゃくれねェか?」

 

「それができりゃあ、この目はまだ見えてまさァ。」

 

何を言っても、話は平行線か…

 

――――――

 

「放せアバズレ!!」

 

「うーん、あの子もここまでやばくなかったのになぁ。ネズキノコの影響ってこの世界でも同じかぁ。」

 

こっちからはちょっと何か言ってるのかはわからないけど心の闇(ウタ)がめっちゃ呆れた顔でウタを見てた。何か、危ない状態。

 

「やっぱりネズキノコを食べていたか。」

 

「ネズキノコ?」

 

「あれを食べると眠れなくなるだけじゃない人間は凶暴化し、感情のコントロールも維持できなくなる。そして…」

 

「うわ!?」

 

「キャ!?」

 

「うお!?」

 

「え!?」

 

「ああっ!」

 

「うう!?」

 

とサンジさんの説明の途中に僕らの服が変わってしまった。ウタの能力?

 

「うるっさい!…悪い人たちには悪い印をもっと早く決めるんだった。」

 

「や、やば!!ルフィ!!のび太君!早くこの子を何とかして!!」

 

「くっ、ウタァァァァ!!」

 

「ウタ!!!」

 

心の闇(ウタ)の叫びでこれから何かが起きると察知した僕とルフィさんはウタの名を叫んだ。ウタはヘッドホンから何かを出してきた。

 

「あんた、トットムジカを歌うつもりね!させる…うわ!?」

 

心の闇(ウタ)がこっちに吹き飛ばされてきた。え?なんかこっちに!?

 

むにゅん…

 

「やわらかい?」

 

「あら、ラッキースケベ」

 

「何してんだお前ら。」

 

「「「「「いいからどいてください」」」」」

 

心の闇(ウタ)の柔らかいのが僕の体を覆った。そのまま倒れてしまったけど、そして女性陣がブチ切れ状態になった。

 

「うわ、ウタ達みたい。面白い!」

 

「お、面白がらないでください。」

 

「ま、それはハーレム物の主人公の宿命みたいなものだしね。」

 

そんな宿命いらないんですけど!?

 

「これを歌う勇気が足りなかったら!!でも…もう迷わない!」

 

ってやってる場合じゃない!なんかウタがやり始めようとしてる!!

 

「やばいなぁ。」

 

「やばい?」

 

「気を付けて!おそらくあれが!!」

 

ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ (gah zan tak )ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ(gah zan tat tat brak)

ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ (gah zan tak )ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ(gah zan tat tat brak)

雨打つ心 彷徨う何処

枯れ果てず湧く願いと涙

解き放つ 呪を紡ぐ言の葉」

 

黒く、そして何より重い何かがウタを纏っていく。

 

「遅かった…!!」

 

「あれはなんなの!?」

 

「トットムジカ…魔王よ!」

 

ᛗᛁᛖ ᚾᛖᚷ ᛟᚾ ᚷᛁᛖᚲ ᚷᛁᛖᚲ(mie neg on geik geik)

ᚾᚨᚺ ᛈᚺᚨᛋ ᛏᛖᛉᛉᛖ ᛚᚨᚺ(nah phas tezze lah)

Whoa, hey, whoa

死をも転がす救いの讃歌

求められたる救世主

 

祈りの間で惑う

唯 海の凪ぐ未来を乞う

 

その傲岸無礼な慟哭を

惰性なき愁いには忘却を

さあ 混沌の時代には終止符を

いざ無礙に blah blah blah!

無条件 絶対 激昂なら singing the song

如何せん罵詈雑言でも singing the song

有象無象の big bang 慈しみ深く

怒れ 集え 謳え 破滅の譜を~~~~!!!」

 

とてつもないプレッシャーが僕らに向けて放たれてる。魔王は黒いハットを被ったピエロとも竜とも見える顔立ちで、両腕がピアノの鍵盤になっている異形の怪物で数珠のように並んだ髑髏の霊魂を首元に浮かばせている。

 

「…昔のカランドはこんなにも…」

 

「カランド?」

 

「平行世界のあいつの事よ。」

 

ᛗᛁᛖ ᚾᛖᚷ ᛟᚾ ᚷᛁᛖᚲ ᚷᛁᛖᚲ(mie neg on geik geik)

ᚾᚨᚺ ᛈᚺᚨᛋ ᛏᛖᛉᛉᛖ ᛚᚨᚺ(nah phas tezze lah)

Whoa, hey, whoa

誓い立てし自由 手にして謳歌

平伏されたる救世主」

 

ゾロさんやサンジさん達は攻撃を開始した。他のみんなも。僕も始めようとしたけどルフィさんがずっとその場に留まってる。

 

「ルフィさん?」

 

「…。」

 

「ルフィは怒ってる。この状況にした自分を。幼馴染をこんな風にしたあいつの事を。」

 

「やっぱり平行世界でも起きたんだ。」

 

「うん。さっきも言ったけど。ルフィ達は海賊なんだ。」

 

 

「逃亡の果て望む希望

忘れじの灯火を纏う

その身が尽きまで奏でよ

夢見うつつ崇めよ

全てを照らし出す光を

いざ無礙に blah blah blah!」

 

ウタはもっと狂った顔で歌っている。攻撃は全く通じてない。僕は攻撃をせずに心の闇(ウタ)に質問した。

 

「平行世界のウタは何でこんなことを?」

 

「この世界にも戦争とかの小競り合いとかはあるみたいだけどゴールド・ロジャーが死に際に放った言葉から始まった大海賊時代はそんなの比にならないくらい平和や平等が存在しない時代なんだ。それを私達は止めようとしたんだ。」

 

「ゴールド・ロジャー?」

 

日本警察にも日本人じゃないけどガープさんと一緒で伝説の警察官と言われてるロジャーさんって人がいるけど…その人なのかな?

 

「本名はゴール・Ⅾ・ロジャーあの世界では海賊王でこの世のすべてをラフテルって場所に置いてきたんだ、その言葉を信じた男たちがそれを狙って海へと出たんだ。」

 

まんま、一緒の人だった。

 

「でもそれじゃ…国連とかどうなってんの?」

 

「あの世界に国連…いや日本やアメリカなんて国はないんだ。」

 

「え!?」

 

心の闇(ウタ)が言うには、平行世界の海は特殊で東の海(イーストブルー)西の海(ウエストブルー)西の海(サウスブルー)北の海(ノースブルー)の4つの海に分かれていて、その中心を偉大なる航路(グランドライン)が流れているらしい。

 

「それって完璧に地球じゃなくない?」

 

「平行世界がこの世界をベースにしてるわけじゃないって事。」

 

「それなら納得だけど。」

 

偉大なる航路は磁場が発生していて、まともな船旅はできないし普通の羅針盤じゃぶっ壊れるみたい。「記録指針(ログポース)」って言う特殊な羅針盤でその島の磁気を記録し、次の島への指針とするが、記録指針が磁気を記録する時間は島ごとに違っており、数時間で終わる島もあれば数日から数ヶ月、中には数年かかる島すらあるらしい。

 

「並みの航海士じゃ死んじゃうじゃん。」

 

「まぁね。その分ナミちゃんの航海術は異次元なんだよ!!あの偉大なる航路を普通に旅にできるんだから!」

 

「すごいね。って今戦いの途中だからそういうのはいいんだよ!?」

 

「おっと、失礼。」

 

それで偉大なる航路も2つに二分されてて東の海と南の海に面している前半を「楽園(パラダイス)」、西の海と北の海に面している後半を「新世界」と呼んでるらしい。

 

「新世界は前半よりも過酷なんだ。もう、頼みの綱の記録指針(ログポース)でさえも磁場で狂っちゃう。」

 

「それやばくない?」

 

「ま、それは記録指針(ログポース)を3つにしてるものがあるから補えるの。」

 

「ヘェ」

 

「その傲岸無礼な慟哭を

残響激励すら忘却を

さあ 混沌の時代には終止符を

いざ無礙に blah blah blah!」

 

「んま、偉大なる航路の事は分かってくれたよね」

 

「うん、平行世界の事情はだいたい読めた。」

 

「だからこそ、私達はそんな時代を止めたかった。新時代を作りたかった。だから巨大LIVE《NEW GENESIS》を企画した。」

 

心の闇(ウタ)はウタを見ながらそう呟いた。

 

「ま、私はその時現れてなかったんだけどね。ウタは一人でそれをしたんだ。この世界のウタが心の闇と打ち解けるのは分からない。」

 

心の闇(ウタ)とウタが和解したのは死んで逆行を果たしてからその時にしたらしい。

 

「だからこそカランドが出てくる前に片を付けたかったんだけどね。」

 

「どこでここの事を知ったの?」

 

「それは内緒。」

 

ええ?そこ重要な所なんだけどな。急に現れたし。

 

「じゃあ、もう質問はない?」

 

「うん、ごめんね。」

 

「全然。のび太君には託せそうだね」

 

「どうして?」

 

「君の事、今まで見てきたからね。」

 

見てきたってどういうこと!?

 

「い、いつから?」

 

「君が彼と再会する時から。」

 

心の闇(ウタ)は戦ってる和人を指さした。…去年から?何で?

 

「何で?」

 

「ま、まぁ、キミがどういう人間か見極めるため?」

 

「ドラえもんとセワシ君みたいなことしてんだね。」

 

「ま、そんな感じ。」

 

「でもなんで僕?ルフィさんがいるじゃない?」

 

 

「無条件 絶対 激昂なら singing the song

如何せん罵詈雑言でも singing the song

有象無象の big bang 慈しみ深く

怒れ 集え 謳え 破滅の譜を

Whoa-ah, ah

ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ (gah zan tak )ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ(gah zan tat tat brak)

ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ (gah zan tak )ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ(gah zan tat tat brak)!」

 

続いていた歌が終わった。心の闇(ウタ)はニヤついた顔で僕を見る。な、なに?

 

「ウタは君が気になってるからだよ。」

 

「は!?」

 

僕は世界一意味わからないこと言われた。どういう事!?

 




雷神「ウタはごまかしてくれた…」

銀「こっちの状況を向こうに言うか不安だな。」

ウタ「ウタがそんなことするわけないじゃん。」

「「元はお前のせいだと反省しろこら。」

ウタ「ま、それはそれこれはこれだから!」

雷神「もう、終わりって言えないのがつらい。」

銀「キャラが動きまくってるからな。」

雷神「誰かさんのおかげで。」

ウタ「褒めても何も出ないぞよ?}

「「反省しとんのかわれ」」


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第81話FILMRED~新時代のマークと1+1と現実世界~

前回は話オンリーで戦闘面が疎かになってたのでバンバンやって行きますよ!!

と、一人で頑張ってるウタって、ドラえもんの映画に出てくるゲストキャラと似てないですか?一人でみんなを助けようとするのは美夜子さんとティオ、グースケですし。
てことで太陽王伝説のあれ言います。汎用性たけぇなおい。

視点はのび太、第三者目線


「ウタああああ!!!」

 

ルフィさんがギア3(サード)を発動してから怒涛の攻撃をした。ウタは終わったと思ってたけどまだ歌い続ける。

 

「ただ海を凪ぐ未来を乞う」

 

「ていうか!!どういう事!?ウタが僕にって!!」

 

「あれ気づいてなかったんだ?」

 

心の闇(ウタ)、そのバカは初見じゃ気づかないんだよ!」

 

戦ってたしずちゃんがこっちに戻って来た。すっごくジト目でこっちを見てるけど、バカとは失礼な!?…ま、確かに言われてるのはそうだから否定できないけど

 

「あちゃー、こりゃ5人…いや6人?は大変だ。」

 

「もっと言ってやって!!」

 

「僕が悪い流れになってるね。解せない。」

 

「あ?」

 

「ごめんなさい。」

 

最近の女性陣は、女性絡みになると敏感になってる。それは僕が悪いからなんだけどさ…恋愛に対して臆病になってるから彼女たちを待たせてるし。

 

「さ、ま、話はあとで行くよ!」

 

「「うん!!」」

 

心の闇(ウタ)の一言で僕はやっと戦闘を開始する。あの魔王の装甲は硬い。ルフィさんの格闘もゾロさんの剣も他の人の攻撃も全く通じてない。

 

「やっぱり硬いか!!ドラえもん柔らかくする道具なんてないの!?」

 

「それがあったらとっくに出してるよ!!」

 

「そりゃそうだけどさ。」

 

ドラえもんは電磁砲を取り付けた空気砲で応戦してた。空気砲がカスタマイズできるようになったって言ってたっけ。

 

《その身が尽きるまで奏でよ。夢見うつつ崇めよ。すべてを照らし出す光を。》

 

僕は時雨蒼燕流で、ゾロさんは三刀流で音符の騎士を消しつつ、もう一度斬撃を浴びせたけど、通じない

 

《いざ無碍にBlahblahblah!》

 

ブルックスさんは、他の音符の騎士を消してくれていた。魔王が出てきてから、また無尽蔵に出てくるな、音符の騎士は…いい加減鬱陶しい!

 

《その傲岸無礼な慟哭を残響激励すら忘却を!!》

 

ここまで戦ってるけど、全然糸口が見えない。夢の中だからか身体にダメージは…あ!!ここは気まま夢見る機みたいな世界じゃん!!

 

「《時雨蒼燕流“最終奥義”》!凍てつきの雨!!」

 

ばきゅーーーーーん!?

 

「ウソだろォ!?」

 

全く効いてない。いやまぁ、わかってたけどさ!?ていうか師匠はどこにいるの!?

 

「のび太、気張りすぎだっての。」

 

「噂をしたら来るのはボンゴレの癖なの?ねぇ!?」

 

「なんで怒ってんだよ。」

 

噂をすれば来た。なんなの?ボンゴレは。師匠はツバメの人形になってた。ツバメ好きだしな。師匠は。

 

「まぁいいや、身体がカテェぞ。焦る気持ちもわかるが、精神を研ぎ澄ませろ。」

 

「…わかった。」

 

トットムジカの影響で気持ちが上がってたんだ。ウタを助けたいってのもあるんだけど。

 

「周りが静かになったと思ったら。行け。」

 

僕は目をつぶって、集中する。そして、目を開けてもう一度叫ぶ

 

「《時雨蒼燕流“最終奥義”》!凍てつきの雨!!」

 

バリバリバリ!!パリ――ン!!

 

「おお!!壊れた!」

 

「な、言ったろ。じゃあ、頑張れよォ。」

 

「いやどこ行く…ってもういないし。」

 

水は動いてるし、多分人形だから動けなかったんだろうけど。ま、ありがたかった。

 

シュルシュル!!

 

「…元に戻った?」

 

「クッソ!!プリンセス・ウタ!!みんなを救う歌をこんなことに!!」

 

ドカ――ン!!

 

ウソップさんがパチンコで放ったものが爆発したけど、やっぱり通じなくてウソップさんは転がった。

 

「ウソップ!!」

 

「大丈夫!?」

 

「ああ!トットムジカはおれ達に任せろ!だから!」

 

「ウタちゃんを一人にさせんな。心の闇(ウタ)ちゃんの言う通りならルフィとのび太二人で行ってやれ!」

 

「ケリ、つけて来い!」

 

「本当は行かせたくないけどね!」

 

「ルフィ様!のび太様!お早く!付与(エンチャント)は付けてありますから。」

 

ウソップさん、サンジさん、ゾロさん、しずちゃん、万陽奈さんが僕達を後押ししてくれた。万陽奈さんがつけてくれたのは…(ウイング)だった。僕とルフィさんは急いでウタの元に行く。

 

「おい!ウタ!今なら聞こえてんだろ!!」

 

「そうだよウタ!こんなの!うわ!?」

 

僕とルフィさんは魔王の攻撃で弾き飛ばされた。僕は下に落ちてちょっとのキズで済んだけど、ルフィさんは攻撃をまとも受け続けてる。ルフィさん…やっぱり攻撃も反撃もウタにはしないんだ。

 

「ウタ!聞けェェ!!」

 

「ウタ、話を…」

 

「話す事なんか…」

 

ウタは槍を出した。『私は最強』の時に出した奴だ!!

 

「ない!!」

 

ウタはそれを遠慮も、容赦もなくルフィさんに投げ飛ばした

 

「ってそんな事させるかってんでしょ!!」

 

心の闇(ウタ)が間一髪でそれを弾き飛ばした。よかったぁ…

 

「…どうしてウタが二人いるんだ…」

 

「おっさん!」

 

「ウタに…大切な友人をこれ以上傷つけさせるわけにはいかない…と思ったんだ。」

 

「ゴードン。知ってる。」

 

「…キミはウタだけどウタじゃないね。」

 

「うん、ま、お父さんのウタでもあるから、どっちでもいいけど。」

 

「お父さん…そうかそっちの私はちゃんと向き合ってたんだな。」

 

「とはちょっと違うけど」

 

「え?」

 

心の闇(ウタ)はゴードンさんに説明していた。ゴードンさんはめっちゃくちゃ驚いていたけど…それに12年前の真相もさらっと説明された。軽いんだけど。

 

「だからさ、ウタはもう知ってる。1年前に12年前に何が起きたかを。」

 

「そうか…「あと、謝るのは事件が解決してからだよ。私じゃなくて、反抗期娘にね」…そこまで読まれているとはもう、信じるしかないな。

 

「ウタ!!聞いたろ!やっぱりシャンクスは!!」

 

「そうだよウタ!!鈴斬様がそんなことするわけなかったんだよ!」

 

僕とルフィさんは笑顔でウタに近づく、けど音符ミサイルが僕とルフィさんに直撃してウタの目の前に落ちた。

 

「ウタ!…ん?」

 

「どうしたんです?」

 

「ウタ!それ!おれが描いたやつか?」

 

ルフィさんは左腕にあるマークを見てそう言った。…あれはひょうたん?にしてはちょっと歪…そしたらルフィさんは昔の事を教えてくれた。

 

『出来たァ!!』

 

『え?』

 

『シャンクスの麦わら帽子!』

 

『帽子?それが?』

 

『ああ!』

 

『ひょうたんでしょ?下手。』

 

『おれ達の新時代のマークにしよう!それやるよ!』

 

「ん…んん!!」

 

ウタはルフィさんの言葉を聞いて僕らを殴って来た。けど僕がそれを受け止める。これ以上幼馴染であるルフィさんを傷つけさせない。

 

「放して。」

 

「放さない!!…ウタ、一人で背負いこまないでもいいんだよ?」

 

「…!!」

 

心の闇(ウタ)の話を聞いて思ったのが…僕、美夜子さん、ソフィアさん、ティオ、グースケだ。僕も含めてみんなは全部一人でやろうと躍起になって周りに迷惑をかけてしまった。

 

「確かに12年間もルフィさんとも他の人とも会えずにいたかもしれない…一人で全部やろうとすると壊れちゃう。1+1は1より少くなくなるなんて僕思わない!だって、一人じゃないんだもん、頼りたいときは頼っていいんだよ。」

 

美夜子さん、僕、ソフィアさん、ティオやグースケと同じように一人で得頑張っても必ずダメな時があるんだ。ウタもそうだ。そんな時こそ…誰かがそばに居れば何とかなったんだ。

 

「…ウタ、こいつも一人で頑張ってたんだ。でもドラや静香や和人のおかげで立ち上がれた。だから。こんなのは自由じゃねェ!!こんなのは新時代じゃねェ!!お前が誰よりもわかってんだろ!!」

 

「ルフィ…のび太君…助け…」

 

ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ (gah zan tak )ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ(gah zan tat tat brak)

ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ (gah zan tak )ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ(gah zan tat tat brak)

雨打つ心 彷徨う何処

枯れ果てず湧く願いと涙

解き放つ 呪を紡ぐ言の葉》

 

「「ウタ!?うわ!?」」

 

油断して、僕とルフィさんは諸にそれを受けてしまった。僕の意識はここで消えた。

 

 

―――――――

 

ウタワールドで進化した魔王は現実世界でも猛威を振るっていた。眠っている人物がインタポールの捜査官、日本警察を攻撃し始めたのだ。それはもうバイオハザードのように。

 

「おぉ?おっかしいねェ。捜査官が市民を殺そうとして、キミ達がそれを守るなんて。」

 

「肩書きなんて物に意味はねェ!」

 

「何故守るんだい?」

 

「これ以上罪を背負わせないためだ!おれ達の娘に!!」

 

「ほんとうに彼女は赤髪の天皇、鈴斬の娘か。」

 

「野郎ども!1人も死なせるんじゃねェぞ!!」

 

ベックマンが叫んだ頃、サボは、ルフィを助けるためにここに来たが、やはり状況を飲み込んで事情が分かり、市民を捜査官から守っていた。スモーカーも近くにいる。

 

「あいつが黙ってるか?」

 

「あ?ゼロの事か?」

 

「そうだよ。」

 

「日本じゃねェんだからいいだろ。」

 

「それはそうだけど。」

 

この二人が話してるそのゼロとは降谷零という公安警察の事だ。今は特殊任務で潜入捜査をしているが日本に何かあればそれをかなぐり捨ててでも守ろうとする。ちなみに未来でのび太達と会った降谷零の先祖である。

 

「お前とあいつが話してると耳がややこしくなる。」

 

「いや、それはおれ関係ないけどな。」

 

サボとゼロの声はどことなく似てると警視庁ではもっぱら有名だ。ゼロは立場上警視庁にはめったに顔を出さないが二重の意味で。

 

「ここは魔王を止めるのが先かもしれやせんねェ。」

 

「イッショウさん。」

 

「サボ君、スモーカーさん。協力しやしょう。」

 

「あんたとならいい」

 

「だな。」

 

そして、場面は青雉とエース。未だにこの二人は戦っている。

 

「なぁ、そろそろ終わって民衆助けようぜ!」

 

「ま、なんだ…そうだな。」

 

「何でおれら戦ってたんだ?」

 

「ああ...なんだ忘れた。」

 

「だな。」

 

平和的に解決して、魔王を攻撃する2人であった。

 

「火拳んんんんん!!!」

 

「あちちち!ちょっとちょっと!近くでやらないでよ!アイスBALL!!」

 

火と氷が合わさるも氷は解けずにそのまま合体し、大きな火氷球になって魔王にぶつかるも、何ごともないように魔王は平然とそれを撃ち消す。

 

「うわ…やば」

 

「やっべぇじゃん」

 

エースと青雉はそれを見て冷や汗をかいたのだった。




雷神「ふぅ終わり。」

ウタ「戦闘面極振り」

雷神「だって前回ほぼ喋ってただけだし後半。」

銀「ま、そういう回もあっていいじゃねぇか」

雷神「それもそっか」

銀「てかほんとに1+1の名言は汎用性高いなおい」

ウタ「まさか、ここで使われるとは。」

雷神「今日気づいたんだよね。ウタって、ドラえもん映画のゲストと同じだなって。」

ウタ「規模感考えなよ。7割。一応極悪人だよ?}

雷神「それは苦しむ人を助けるためだって、ウタも知ってるでしょ?ウタだし。」

ウタ「まぁね。」

銀「それにしても原作ではお目にかかれないキャラが共闘してんな。」

雷神「今回のMVはエースとクザンの合体技!!くぅ!!原作では絶対に見られない!!」

銀「ワンピースオタクが暴走してるか次回もお楽しみに」

雷神「え、まだ語り


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第82話FILMRED~コビーの指揮とシャンクスの記憶と終演~

はい、コビーの成長を確認できますね。

今回でFILMREDも終わりになります。
ウタはどうなるのかを見てください!!



視点はのび太、シャンクス、ウタ、のび太、第三者目線です。


目を覚ますと魔王はさらなる進化を遂げてた。プレッシャーがさらにやばい事になってる。ルフィさんは…まだ目が覚めてないか。

 

「のっ君。」

 

「うん。ここからが正念場だね。」

 

「ええ。じっくりと話すことも出来たからね。ウタとは。」

 

…別のプレッシャーが美夜子さんから出ていた。こ、これは触らぬ神に祟りなし戦法を使いましょうはい。

 

「さ、さぁ、ウタを助けよう!」

 

「聞こえてる事忘れてない?」

 

「そうだった。」

 

「コビー!指揮を執って!!」

 

ナミさんは雷雲のゼウスを出しながらコビーさんに叫んだ。

 

「はい!防衛陣形!!観客の保護を最優先します!ナミさんとロビンさんは避難の列を作ってください!観客の皆さん!落ち着いて鏡の中へ!」

 

お菓子や魚、おもちゃになった観客が列をなして避難していく、今は水もないから動けるみたい。鏡の中とはブリュレさんの能力がミロワールドっていう世界に繋がっていて、鏡の世界とは別の世界になってるんだ。

 

「ブリュレさんが要です!ブルーノさん達は必ずガードを!フランキーさんとジンベエさん、和人君、スネ夫君、直葉さんは側衛!チョッパーさんとのび太君はルフィさんとゴードンさんを守ってください!僕とヘルメッポさんも側衛に入ります!」

 

コビーさんの指揮力すごい、流石は最年少警視正って事もあるし。1年前に僕達も知らなかったけど、大きな事件も解決したらしいし

 

「ウソップさん、美夜子さん、万陽奈さん、ドラえもんさんは後方からの火力支援と回復支援!ブルックさん、サンジさん、ジャイアンさんは防御中心の前衛!!」

 

そしてローさん、オーブンさん、ゾロさん、しずちゃんは攻撃中心の前衛になった。ゾロさんはウキウキしてた。僕も張り切らないと!

 

「へ、始めるか!」

 

ゾロさんは飛ぶ斬撃で魔王を攻撃する。…飛ぶ斬撃か僕も取得してみたいな

 

「フランキーロケットランチャー!」

 

「ゼウス!ブリーズ…!!テンポ!!」

 

「ROOM!!」

 

ローさんのROOMで魔王を閉じ込めるけどそれを弾き飛ばした。一緒にゾロさんやしずちゃんも。

 

「「「うわ!?」」」

 

「ウタ!私が「ゴードン」心の闇(ウタ)?」

 

心の闇(ウタ)がゴードンさんを制止した。

 

「今、誰が悪いとか言う時間はないからね。」

 

「しかし!!」

 

「ゴードンが私達の能力を恐れてたのは知ってる!けど、そういうのはウタに聞こえなかったら意味がない。」

 

「そうだぜ。おれの親父はよォいっつもおれをほったらかしだった。でもあんたはプリンセス・ウタのそばに居てあげたんだろ!」

 

「国を滅ぼされても誓いを守って!」

 

「立派だぜあんた!」

 

ウソップさんも、サンジさんもお父さんとは色々あったみたいでサンジさんはお姉さんを連れて家を出て、世界一有名なシェフの元に居候したんだとか大胆過ぎる。

 

「そ、だから、ゴードン、ありがとうね。私を育ててくれて。本人からじゃなくてごめんね?」

 

「くっ…うう…何を言う世界は違ってもウタはウタさ。」

 

「だからルフィ。」

 

「…おう、わかった。」

 

「あの子を助けて!!」

 

「当たり前だァァァァ!!来い!のび太!!」

 

「え、う、うん!」

 

「ルフィさん!?」

 

「行かせとけ!もう時間が残ってないんだ!!」

 

ルフィさんはギア4(フォース)に変身して僕を連れて魔王の元に来た。ルフィさんの強烈なパンチはやっぱり通用しなかった。

 

「うおオオオオオ!!!」

 

「おりゃああああ!!!」

 

僕とルフィさんは連発して乱れ打ちしていた。そしたらあれだけ硬かった壁が割れた!上手くいった!?

 

「シャンクス!それにエースもいんのか!?」

 

「え!?じゃあ、来てるの!?鈴斬様が向こうに!?」

 

「ああ!」

 

って言っても時間がなさすぎる!あの手足がどうにかなればいいんだけど!!

 

「ルフィいいいいい!!のび太あああああ!!」

 

「よし、野郎どもォォォ!!気合入れろぉぉ!!」

 

『『『『おう!!』』』』

 

そしてウソップさんの掛け声が聞こえる。こっちは、僕とルフィさんを除くと攻撃するのは15人だ。

 

「トットムジカの手足を止めるぞ!!指示に沿って動いてくれ!まずは右足!!」

 

ゾロさん、しずちゃん、コビーさんが右足を蹴りと斬撃で攻撃する。けどやっぱりまだ、そこにはガードがある…でも数秒してそれも消された。現実でも誰かがやったんだ!そして、ゾロさんがととどめに一撃浴びせたら右足が砕けた。

 

「左腕!!」

 

ヘルメッポさんとジャイアンがジンベエさんの出した水に乗って勢いを増して、3人で左腕を破壊する。

 

「左足!!」

 

「仕方ねェ!ここは貸しにしておいてやる!!」

 

オーブンさんがサンジさんの足に火をつけて、どんどん高度が上がり、蒼い炎になったサンジさんは足蹴りで左足を破壊する。

 

「真ん中!右!!」

 

チョッパーがロビンさんの助けを得て勢いよく蹴った。そしてそれを美夜子さんが魔法でサポートして、チョッパーは勢いづいて、真ん中右を砕き割った。

 

「真ん中左!!」

 

ナミさんのゼウスの雷を纏ったブルックさんが電斬撃をして真ん中左をたたっ斬る。

 

「右腕!」

 

最後はウソップさんの放った球を万陽奈さんが付与(エンチャント)を施してさらにフランキーさんがそれに炎を吹いて加速させる。フェニックスみたいになったそれは残りの右腕を破壊した。

 

「ルフィ!のび太!!今だァァ!!」

 

『「「ウオオオオオ」」』

 

僕とルフィさんは力を込めた、向こうでは鈴斬様とエースさんが攻撃をしてるらしい。

 

ビュー――――ン!!!

 

魔王はそれでもなお僕達に攻撃してくる。しつこい!!けど、ルフィさんの攻撃でそれは弾き飛ばされる。

 

「行くぞ、のび太最大火力だ!!」

 

「はい!!」

 

「「ウオオオオオオオオオオオオ!!!」」

 

渾身の力を僕達は魔王にぶつける。

 

 

―――――――

 

おれは昔の事を思い出していた。20年前のおれはまだまだ皇太子として教えられてた時だ。皇居で勉強に励んでいたら、仲間であり護衛のベックマンとホンゴウがやって来たんだ。赤ん坊を持って来て。

 

『…は?何で赤ちゃん持ってんだ?お前とホンゴウは独身だったろ?』

 

『独身は余計だろうが。…皇居の前に置いてあったんだ。』

 

『は?』

 

どうも親に捨てられたらしい。よくもまぁこんな場所に置けたもんだぜ。

 

『嘘だろおい。誰もみなかったのか?』

 

『夜中に置いてったみたいだ。』

 

『おぎゃああ!!』

 

『ああ!わかった。静かにしろ!』

 

おれは親父や母上から聞いた子守唄と師匠であるロジャーさんとガープさんが歌ってた曲を聴かせた。そうか、おれの時も両親と師匠たちは大変だったんだろうなと思っていた。

 

『ハハハハ!!』

 

『ふ…これも何かの縁か。』

 

だからこそ、おれはウタを救わなきゃならん。おれの身勝手さで小さなウタを置いてきちまったんだ。それにゴードンには感謝しなきゃいけねェ。

 

「エース、行くぞ。」

 

「はいよ!シャンクスと共闘なんざできねェしな!」

 

「ふ、あ、ロジャーさんが話したいって。」

 

「クソ親父の事はいいっての。」

 

「これも何かの縁だろ?」

 

「はいはい。」

 

エースは軽く流す、ま、いつか2人は仲良くしてほしいもんだ。おれとエースは同時に攻撃を開始する。

 

 

――――――――――

 

ルフィさんの身体が白くなった。え!?極限状態になったから!?って別にそれはいい!!また攻撃する。

 

「「「「ウオオオオオオオ!!!!」」」」

 

一瞬、向こう側の鈴斬様とエースさんが見えた気がした、それでも僕達は一撃を魔王にお見舞いすると魔王は叫び声をあげて、消え去った。

 

「魔王は寂しかったんだ。一人でずっとエレジアに封印されていて。それを私達は気づいたの。」

 

――――――――――

 

「シャンクス…私。」

 

「もう喋るな!!ホンゴウ!」

 

おれはホンゴウから薬をもらった。この薬はネズキノコの特効薬だ。ホンゴウはネズキノコの研究をしていて、それで出来たんだ。

 

「すぐにこの薬を飲んで寝れば、助かる。」

 

「シャンクス…会いたくなかった。でも…会いたかった!!」

 

「喋るな!!いいから。早く飲むんだ。」

 

バン!!

 

「なぁシャンクス!まだ眠ったままだぞ!」

 

辺りを見ると観客全員が目覚めてなかった。どういう事だ?あいつを消したら心が戻ると踏んだのに。

 

「やめて…戦いはおしまいにして…」

 

ウタの声が聞こえていないのか観客たちは動く、間に合わなかったのか。

 

「ゴホ!!」

 

「ウタ、早く薬を飲め!!」

 

「ふん!!」

 

ウタはおれが持っていた薬を投げ捨てた。薬の入った瓶は割れてしまった。

 

「ウタ。」

 

「歌わなきゃ。みんなを元に戻してあげないと」

 

…ウタの顔は決意に固まっていた。

 

「シャンクス、昔言ってくれたでしょ?私の歌にはみんなを幸せにする力があるって。」

 

ウタはボロボロな状態で立ち上がった。娘の覚悟をおれが見届けなくてどうするんだ。ここには日本の民衆もいるんだ。焦りは時として厄介なもんだな。

 

「私は秋篠宮鈴斬の音楽家…ウタだよ。」

 

「…」

 

おれの娘はちゃんと育っていた。決死の思いでウタは歌おうとしてるんだ。おれは立ち上がり、ウタのそばに行き、支える。ウタは自分の力で瓦礫の上に登って行った。

 

「どうして あの日遊んだ海のにおいは

どうして すぎる季節に消えてしまうの

 

またおんなじ歌を歌うたび

あなたを誘うでしょう

 

信じられる? 信じられる?

あの星あかりを 海の広さを

信じられる? 信じられるかい?

朝を待つ この羽に吹く

追い風の いざなう空を」

 

娘の痛々しい姿を見て、おれはどうしてあんな判断をしたのかと後悔した。おれがあの時、おいていかなければ。こうはならなかった。

 

「どうして かわることなく見えた笑顔は

どうして よせる波に隠れてしまうの

 

またおんなじ歌を歌うたび

あなたを想うでしょう

 

信じてみる 信じてみる

この路の果てで 手を振る君を

 

信じてみる 信じてみるんだ

この歌は 私の歌と

やがて会う 君の呼ぶ声と

 

信じられる? 信じられる?

あの星あかりを 海の広さを

信じてみる 信じられる

夢のつづきで また会いましょう

暁の輝く今日に

 

信じられる? 信じられる?

あの星あかりを 海の広さを

信じられる 信じられる

夢のつづきで 共に生きよう

暁の輝く今日に~~~」

 

ウタは力を振り絞り、歌い続けた。ルフィ達は戻って来た。寝てはいるが

 

―――――――――――

 

「どこ?ここ」

 

「ウタの心の深層部分だよ。先にルフィが来てる。」

 

心の闇(ウタ)に導かれて、僕は歩いていく。

 

「あ!お前らも来てたのか!」

 

「ルフィさん」

 

ルフィさんとウタが話してた。気づいたルフィさんが笑顔でこっちを見る。仲直りはしてるみたいだったよかった。

 

「あ、キミも来てくれたんだ…ああ!!あんた!」

 

「やっほ、ウタ!」

 

ウタが心の闇(ウタ)に気づくと驚いていた。

 

「結局あんたって何者?」

 

「戦ってる時も言ったけど憶えてないか。ま、別に隠す程じゃないし。」

 

心の闇(ウタ)はゴードンさんと同じような事を話した。ウタはみるみるうちに悲しんでた。

 

「ま、この世界にはドラちゃんがいるし。」

 

「ドラえもんの責任重大感半端ないんだけど。ていうかどうやって起こすの?」

 

「私は心の闇だし、顕現使えば普通に向こう行ってたたき起こせば大丈夫」

 

ご、強引だね。

 

「なんかルフィに似てる。」

 

「それ私も言われンのぉ!?」

 

「じゃあ、まぁこれ返すね。ルフィ。」

 

ウタが出したのは麦わら帽子だった。

 

「あれ?いつの間にウタが奪ったはずなのに。」

 

「あれはダミー。こっちが本物。」

 

「なるほどね、そういうのはあるんだ。」

 

「私にとっても大事な帽子。いつかきっとこれが似合う男になるんだぞ。」

 

ドキン!

 

やばい、無意識にときめいた。

 

「あ、あと、のび太君。」

 

「は、はい!!」

 

「覚悟しなさいよ。」

 

ウタはすっごく綺麗な笑顔でそう言った。あ、僕戻ったらやばいかも。

 

「ふふ」

 

「こっちのウタより大たーんあの子もああいう風にすりゃあいいのに」

 

これで僕の意識は消えた。

 

―――――――――――

 

「てなわけで私が来たぁ!」

 

「…」

 

「「「「…」」」

 

「あら?ノリがちょっち違った?」

 

心の闇(ウタ)は宣言通りにこっちに来た。でも変なノリ出来たから私反応に遅れて、シャンクスとみんなは私が目の前に現れればそうなる

 

「お、お前、ウタか?」

 

「あ、そっか。また説明しなくちゃ。」

 

心の闇(ウタ)はまた私に話したように平行世界の事を話した。全員驚いていたけど。

 

「じゃあ、このままじゃウタ死んじまう!!」

 

「あ、そこは大丈夫。えっとドラちゃんと…いたいた!」

 

のび太君の横で寝てるドラちゃんを見つけるとドラちゃんに近づいて

 

「あ、ネズミ。」

 

「え!?ネズミ!?どこどこどこどこ!?」

 

たたき起こした。言葉でだけど。

 

「ドラちゃん。」

 

「はえ?」

 

心の闇(ウタ)はドラちゃんを呼んだ。ネズミが苦手なんだ。ドラちゃんって。

 

「お医者さんカバン。」

 

「え?あ、ウタ。ひどい状態じゃないか!![お医者さんカバン]~!」

 

ドラちゃんは医者が持ってるような赤十字のの印があるカバンを取り出した。ドラちゃんは、私の身体に聴診器を当てた。

 

「よし、薬を出すから待ってね。」

 

と物の数分で、できあがった。

 

「お、おれの作った薬が…もの数分で…未来の技術レベチすぎんだろ…」

 

ホンゴウさんはめちゃくちゃ落ち込んでた。

 

「さあ、これを飲んで眠れば元気になるよ!」

 

「その前にぃ…ウタを世界を滅ぼそうとした極悪人を渡してもらおうかねェ。」

 

そう言った、黄色い服のおじさんに向けてみんなが各々の武器で威嚇をする。

 

「ほ~う?お前さん方…」

 

「やり合う気か?」

 

「こいつは…おれの娘だ。」

 

シャンクスが語りだす。その言葉を聞いて、嬉しくなった。でもこんなことしなくちゃ、天皇であるシャンクスが来なくて済んだのに。迷惑をかけまくりすぎた。

 

「おれ達の大事な家族だ…それを奪うつもりなら…。」

 

シャンクスからすごいプレッシャー

 

「死ぬ気で来い!!」

 

…覇王色の覇気がインタポールの捜査官に向けて、放たれた。黄色い服の人、紫の服の人、青い服の人以外は気絶した。

 

「捜査官をほとんど持っていくとはねェ…これが赤髪の天皇シャンクスの覇気か。」

 

「やめときやしょう。」

 

「だな。なんだ。おれらは帰る。」

 

青い服の人がそう言うと、黄色い服の人と紫の服の人は倒れた捜査官全員を連れて、エレジアから出て行った。

 

「ファンのみんな、大丈夫かな?」

 

「大丈夫だ、人間はそんなにヤワじゃない。それに新時代は目の前だ。」

 

ルフィやのび太君を見ながらシャンクスはつぶやく。

 

「眠くなってきちゃった。」

 

「薬の効き目が来たんだよ。」

 

「この風はどこから来たのと…問いかけても空は何もいわない。

この歌はどこへたどり着くの。

見つけたいよ自分だけの答え…を…

まだ知らない海の果てへと漕ぎだそう…」

 

私の意識はここでなくなった。

 

 

――――――――――

 

――2019年5月27日未明ーー

 

「は!ここは?」

 

「サニー号の上だよ。」

 

「ドラえもん。ウタは?鈴斬様も?」

 

目が覚めるとドラえもんが立ってた。辺りは明るくなってた。フランキーさんもジンベエさんも目が覚めてたみたいで出航はしたみたいだった。僕はドラえもんに2人の事を聞いた。

 

「鈴斬様は先に帰ったよ。ウタは…」

 

「ん?」

 

「そこ。」

 

「え?あ、なんだここで寝てたんだ。」

 

ウタはルフィさんと一緒に気持ちよさそうに眠っていた。でも…

 

「でもいいの?鈴斬様の所に置いておかないで。」

 

「シャンクスが言ったんだよ。今はお前らと一緒に居させてやってくれって。」

 

ドラえもんが言う前に心の闇(ウタ)が応えてくれた。そっか、他のみんなもドラえもんが運んだみたいで、みんな眠ってる。あんな事件の後だしね。それにウタはもう大丈夫そうだし。

 

「ま、幸せそうに眠ってるからいいか。」

 

「あ、私とうぶんの間はこっちにいるから」

 

「戻んなくていいの?」

 

「ま、こっちのウタは大丈夫だろうし。1週間したら帰る。」

 

「そっか…」

 

「あ、ウタの最後の歌聞く?」

 

「うん、聞かせて。どんな題名なの?」

 

「これが私達の最初の歌…『風のゆくえ』」

 

心の闇(ウタ)は持っていたカセットのスイッチを入れると優しい音楽が流れる

 

 

『この風は どこからきたのと

問いかけても 空は何も言わない

 

この歌は どこへ辿り着くの

見つけたいよ 自分だけの答えを

まだ知らない海の果てへと 漕ぎ出そう

 

ただひとつの夢 決して譲れない

心に帆を揚げて 願いのまま進め

いつだって あなたへ 届くように 歌うわ

大海原を駆ける 新しい風になれ

 

それぞれに 幸せを目指し

傷ついても それでも 手を伸ばすよ

 

悲しみも強さに変わるなら

荒れ狂う嵐も越えていけるはず

信じるその旅の果てで また 会いたい

 

目覚めたまま見る夢 決して醒めはしない

水平線の彼方 その影に手を振るよ

いつまでも あなたへ 届くように 歌うわ

大きく広げた帆が 纏う 青い風になれ

 

ただひとつの夢 誰も奪えない

私が消え去っても 歌は響き続ける

どこまでも あなたへ 届くように 歌うわ

大海原を駆ける 新しい風になれ』

 

何とも言えない気持ちになった。旅立つ人へ祝福してる。…そんな歌だ。これを8歳の時に作っただなんて、やっぱり音楽の神様に愛されてる。

 

「これからよろしくね。ウタ。」

 

僕は眠っているウタに向けてそう言ったのだった。

 

 

――――――

 

ここはアーガス本社、その一室で茅場晶彦はあるニュースを見ていた。先日の事件世界一の歌姫が起こしたLIVE事件のニュースであった。

 

「ふふ」

 

「何を見てるんです?」

 

近くには夢幻三剣士の時にいた妖精シルクがいる。

 

「これだよ。」

 

「ああ、世界の歌姫事件ですね。確か彼女は天皇様の娘だとか。」

 

「ああ、そうだ。しかし。彼女能力は実に僕の考えているゲームと一緒だな。」

 

「うわ…博士って時々キモいですね。」

 

「君も相変わらず口が悪いね。」

 

「博士が創ったので。」

 

ある計画を企てる茅場晶彦は彼女が起こした事件に共感した。

 

「それにしても彼はやはり面白い。」

 

茅場晶彦はニュースで映った少年。野比のび太を見ながらそう呟いた




雷神「はい、終わり」

ウタ「あああああ!!!もうすごい感慨深いよ!!死ななかったのが!」

雷神「それいっちゃうんだ。」

ウタ「私は死んじゃったし、ルフィに深い傷負わせちゃったけど…それでもやり直しでそれを穴埋めってわけじゃないけど頑張ってる。こっちのウタにも頑張ってほしい。」

雷神「こっちは12年分を取り戻す勢いだからね。」

銀「それにしても、レギュラー化すんのか?ウタは。」

雷神「この際だからもう、いいかなって。」

銀「また読みにくそうになるな。」

雷神「地球交響楽の時は大いに活躍するよ。」

銀「んで最後よ、久々に出てきたな。」

ウタ「あいつ誰?なんか変な事企んでない?」

雷神「まぁ、見てればわかるから。」

銀「そういやよォ。次回からはハルカ戻ってくるのか?」

雷神「まぁ、次回をお楽しみに。」


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第83話~ウタの今後~

FILMREDの後日談です。


視点はウタ、のび太、シャンクスです。


――2019年5月27日――

 

 

「…ここは。」

 

目が覚めたらそこは、あのライオンちゃんの船内だった。横には心の闇(ウタ)とナミちゃん、ロビンさん、しずちゃんが居た。私が眠りについて一体どれだけの時間が経ったの?

 

「あ、起きた?」

 

「随分と眠ってたわね。」

 

「おはおは。」

 

「おはよー」

 

起きた私に気づいて、4人はそう言った。警戒心が全くない。許されないことを私は4人にしてハズなのに。

 

「おはよ…私、何時間寝てたの?」

 

「うーんともう12時回ったところね。あ、ちなみにもう日は跨いでるからね。」

 

私の質問にナミちゃんが私が眠ったのは昨日の夕方だった。LIVEは26日にするって決めてたから…って…

 

「そ、そんなに寝てたの?」

 

「うん、さっきまでのび太とルフィが居たんだけど。ルフィが飯だァとか言って、のび太連れて行っちゃった。」

 

「そうなんだ。」

 

ルフィの食い意地の良さは昔から知ってる。あの食いっぷりは素直に感心してたなァ

 

「…ていうか私普通にここにいるけどいいの?」

 

「いいのって?」

 

「インターポールはシャンクスの覇気で退散したけど、日本警察とかさ。」

 

「ああ。そうね。ま、それはご飯を食べてからにしましょ」

 

「えぇ…」

 

もったいぶらされた。

 

 

――――――――――――――――

 

 

「あ、ウタ。スーパー目覚めたのか!」

 

外に出るとフランキーさんが何を作ってた。

 

「おはよう。何作ってるの?」

 

「あう!サニー号につける新兵器を作ってるんだ!」

 

「いや、日本でそれ作っちゃダメでしょ。」

 

「認可は得ている!」

 

それでいいんだ。って言っても日本がどんな国だったか正直覚えてない。OMOTENASHIの心が詰まってるのは覚えてる。うっすらとだけど天皇様と首相のおかげで日本は安泰だってファンの人も言ってた。…まぁシャンクスを憎んでたからそんな情報いらないって言ってたんだけどね。

 

「フランキー。例の話するから来なさい。」

 

「…もうちょい休んでからでもいいんじゃねェのか?」

 

「それも、考えたけど。早くしないとでしょ。」

 

「そうだが…ま、それはウタが決めることだ。」

 

ナミちゃんとフランキーさんはこちょこちょと何か言ってた。私はしずちゃんと心の闇(ウタ)に引っ張られて、聞き取れなかったけど。

 

「サンジさんのご飯マジでうまいんだよ!」

 

「この世界のサンジも同じでよかった!」

 

しずちゃんと心の闇(ウタ)は朝食を先に食べたらしく。サンジ君のご飯を食べたらしく、うっとりした顔でそう話していた。心の闇(ウタ)に関しては何で心の闇なのにご飯が食べれるのは些か疑問だけど。

 

「そこは気にしない。」

 

「聞こえてるの怖い。」

 

「ま、抽象的な概念だしね。心の闇って。」

 

「自分で言う心の闇初めて見た。」

 

「それウタも言ってた。ふふふ」

 

ころころと表情が変わる心の闇(ウタ)は本当に抽象的な概念と言われてもあんまり信じられない。だってやっぱり、人間みたいだもん。顔私だけど。

 

「そんなにかわいいぃ?」

 

「うわ、調子乗んな。」

 

「なんかウタが二人で喧嘩するのもなかなか。」

 

「しずちゃんはウタのファンなんでしょ?握手しといたら?」

 

「あ、そう言えばそうだった。」

 

と無言でしずちゃんが握手を求めてきた。まぁ、するんだけど。いいのかな昨日の今日で握手しても…

 

「うっし、スネ夫に自慢してやろ!!ししし!!」

 

別に気にしてないみたい…

 

「あ、着いたよ。食堂。」

 

話していたら食堂に着いた。二階から上に上がるだけなんだけどね。そして、食堂のドアを開けると…

 

「もぐもぐもぐもぐ、ウタおぎゅたにょか!!ぐぅうぅぅ!!あんぎゃいま!!」

 

トトトン!

 

ルフィは食べながら寝てから話けて来た。

 

「食べるのか、寝るのか一つずつやれ!!せわしねェな!!」

 

「あと汚ェ!!」

 

ゾロ君とサンジ君にめちゃくちゃ怒られてた。のび太君、ウソップ君、ドラちゃんはそれを見て、呆けてた。けどウソップ君も怒ってた。

 

「まだ回復し切れてねェだろ!寝てから食え!」

 

「そんな事…」

 

「ぐぅぅぅもぐもぐも!!」

 

「出来たし!?」

 

ルフィは相変わらずだった。面白いのも

 

「あ、で、おはよう!ウタ。」

 

「うん。おはよう。のび太君。」

 

私はすかさずのび太君の隣に…

 

「あらごめんなさい。」

 

「のび兄の両側は私達がとってますので。」

 

直ちゃんと美夜子ちゃんが隣を占領してた。く、遅かったか。

 

「まぁ、まだ時間はあるし。がんばろウタ。」

 

「恋敵を応援してるし。」

 

「ウタとは真反対。まぁ、仕方ないか。」

 

「ま、みんな集まったし。話をするわよ。」

 

ナミちゃんが切り出した。ご飯を食べながら重大な話があるんだって。さっき言いかけた話だね。

 

「まず、ウタの処遇についてね。」

 

「あう…」

 

普通にここにいるけど、それはシャンクスがここに居させてやってくれって言ったかららしいし。日本に着いたらどうなるの?

 

「結果から言うと、ウタは捕まらないわ。ウタが目覚める前に首相とシャンクスから連絡があったの」

 

「え!?あんだけの事をしたのに!?」

 

「無罪放免ってわけじゃないわよ?まぁ4年くらいは監視が付くわ。」

 

「…そうだよね。」

 

4年はしょうがない。無期懲役にならなかっただけマシか…何てやった本人が言う事じゃないけど

 

「あと少しの条件も」

 

「え!?」

 

じょ、条件付き!?シャンクス…やっぱり怒ってる?

 

「それはあんたがのび太と一緒に学校生活を送ることよ。」

 

「どういう事?」

 

の、のび太君は小学生なんだよ?私20歳なんだけど…そんな大人が小学校に行くのはちょっと。

 

「あんた、義務教育受けてないでしょ?」

 

「…そう言えば日本にはそんなのあったね。ってだからって大人が小学校に行くのはまずいんじゃ…」

 

「小学生に恋をしたあんたに言われたくない。」

 

「あ、ごもっともです。」

 

「で、シャンクスは義務教育を受けるから自由を与えるらしいわ。監視役はのび太と和人よ。」

 

「だから大人の私が行ったら…「そこで!」

 

話を最後まで聞いてほしいんだけど!?

 

「あんたには心の闇(ウタ)が向こうの世界に帰る前に顕現力を上げてほしいんだって!」

 

「け、顕現力?」

 

な、何それ?

 

「ウタが言ってたでしょ?ウタウタの実の能力の真骨頂。あれは現実の世界でもウタワールドみたいにウタウタの能力が使えるようになったって意味。」

 

「あ、言ってた気がする。」

 

でもあれって、向こうの私が見つけたやつでしょ?私にできるのかな。

 

「大丈夫、ウタウタの実の真骨頂はあんたでもできるから!」

 

心の闇(ウタ)が帰るのはいつなの?」

 

「1週間後。」

 

「…は?」

 

「だから、地獄の特訓始めるよ。」

 

いや自分で言うな。まだ私了承してないんだけど!?

 

「え、いや、待って。」

 

「あ、拒否権ないからね。シャンクスが絶対にやるようにだって。」

 

シャンクス、私が許したからって調子乗ってんじゃないの!?いやまぁ、もう恨んでなんかいないけどさ!!なんか解せないんだけど!!

 

「じゃあ、あとは二人で頑張ってね。」

 

とそそくさと食堂から出て行く。ナミさん含めた全員。

 

「さぁ!ウタ集まってェ地獄の特訓はっじまるよ~♪」

 

「いや待って、そのノリちびまる子…いやああああああああ!!!」

 

私はこうして、1週間地獄の特訓が開始されたのだった。ちなみにウタワールドじゃなくて、ドラちゃんが出した[入り込み鏡]を使って鏡の世界でやるんだって。サステナブルな地獄じゃん。

 

――――――

 

「ウタ、大丈夫かな。」

 

「まぁ、あれで許してもらったんだかいいんじゃない?」

 

「食堂出る意味あった?」

 

「あれはそういう演出だからね仕方ないね。」

 

しずちゃんちょっと何言ってるかわからないよ。ま、とにかくこれでウタの事件は解決した。でも顕現力が上がったら、ウタって最強になるよね。ウタがやってたモードゴムゴムなんてすごかったし。…あ、そう言えばルフィさんに聞きたいことが…

 

「ルフィさん。最終決戦の時になってた奴ってなんなんですか?」

 

「…ぐぅぅぅ」

 

「まだ寝てたんだ。」

 

「そういえば、戦いの最中こいつ白くなってたな。」

 

「みんなも見えてたんだ。」

 

「ああ…能力が一段階上がった気もするな。」

 

「じゃあ、ギア5?なんちゃって。」

 

「ま、いつかわかるんじゃねぇか?ていうかあいつら飯も食わないで修行したけどいいのかよ。」

 

「あ。それ忘れてた。」

 

ナミさんはキョトンとした顔でそう言った。

 

「「「「「「おい」」」」」

 

「ま、サンジ君持っていてあげて。」

 

「そういうナミさんも好きだァァ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

おれ達が皇居に着く頃、ガープさん、センゴクさん、ドラゴン、ロジャーさん、白ひげが出迎えてくれた。こんな時間まで待っててくれたんだな。

 

「そんじゃ、仲直りはしたんじゃな。」

 

「はい、何とか。」

 

「それはそれでつまらんのう、ウタはルフィを好きなものと。」

 

「それは昔からそうじゃなかったので。」

 

ルフィとは仲が良かったんだが、見る目は普通に友愛だった。

 

「しかし…どうしましょうか。ウタの処遇。」

 

「五老星の害老人共は死刑の1点張りじゃったぞ。」

 

「それは無視するので。」

 

「そうだと思って、言っといた。」

 

日本警察がインターポールとサイファーポールが仲が悪いのはおれとあの五老星が仲が悪いからだ。あの老人共は均衡やなんだのですぐに口をはさんでくるからな。顔を合わせればそれを言ってくる。

 

「あの老害共どうにかできませんか?」

 

「あいつらの権力は世界1位じゃからのう。消せはできん。」

 

「噂ではあの5人の上に誰かが立っているというのも聞いたことがあります。」

 

「おう、それはおれも聞いた。」

 

「ま、無視が一番だな。」

 

「でもどうしましょう。ウタは。」

 

「そんなもん、好きな奴の所にでもやっとけ。」

 

「いやいや、ウタの相手は小学生ですよ?」

 

「「「「……は?」」」」

 

「それはまずいだろう…」

 

おっと、これには自由人のガープさんまで固まった。

 

「一応確認しとくが…お前の娘は…?」

 

「今年で20ですね。」

 

「…ショタコンなのか?」

 

「どこからそんな言葉覚えてきたんですか…ない…とは言い切れないですね。」

 

おれはあいつの12年を知らない。ゴードンに聞けばわかると思うんだが、あいつは事件が終わってから旅に出てしまったし、聞けなかった。

 

「やっぱり問題ですね。」

 

「ルフィならと思ってたんだがなァ。」

 

「それに彼だろ?ルフィお気に入りの。」

 

「ええ。」

 

野比のび太。普通の小学生に見えて、その実1年前からドラえもんというロボットが来て以来奇想天外な冒険をしているとゼロの一人から聞いている。

 

「実物を見てどうだった?」

 

「不思議な少年でしたね。」

 

「って言ってもそいつは寝てたんだろ?」

 

「はい、しかし見聞色で向こうの世界を見ていたのでわかります。彼はルフィと同じ日本の希望です。」

 

確信はある。彼の剣術はまだ未熟だが成長すればおれや世界最強の剣士以上に化ける。日本では銃刀法改正によって拳銃や刀の類は所持可能となっている。アメリカにはちょっとは目をつぶってもらった。あの黒の組織の事もあるしな。

 

「あ、ロジャーさん。エースと話したんですがね?」

 

「どうだった!」

 

「ダメでした。」

 

「…だよなぁ。」

 

「ま、それは時間が許してくれるじゃろうて。」

 

「そうですね。」

 

「んで、ウタの処遇だが…こんなのはどうだ?」

 

センゴクさんが考えてくれたウタの処遇は実に面白い物だった。

 

「それでいいんじゃねェか?」

 

「じゃあ連絡します。」

 

おれは決まったウタの処遇をサニー号にいるであろうルフィ…は絶対にわからんだろうから、ナミちゃんに伝えたのだった。




雷神「終わり」

銀「案外軽いんだな。ウタの処遇。」

雷神「まぁ、ウタにとっては地獄だろうけど。」

ウタ「あれを1週間でってシャンクスも鬼だね。」

雷神「というよりかはセンゴクだけどね。」

ウタ「さすがは智将と言われるだけある。」

銀「だからこそ、マリンフォードでも白ひげは押されたんだろうな。」

雷神「センゴクの作戦でスクアードあんなことしちゃったしね。」

ウタ「そんなセンゴクを総理大臣にするのはあんた好きだね?」

雷神「センゴクは意外と好き。2年後で声優さん変わっちゃってたのショックだったし。あれ?2年で声変わったんかなって思ってたもん。」

銀「だろうな。カタクリの再登場はいつになるになることやら。」

「「それ中の人ネタでしょ」」

銀「たまにはいいじゃねぇか。ってそういや!!カタクリ出てねェじゃねぇか!!」

雷神「いたけど、描写されなかった。」

銀「不遇過ぎんだろ。」

雷神「ま、次回もお楽しみに」

「「終わり方雑。」」


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第84話~ウタの日常と悪魔の実の上のステージ~

オリジナル回が続きます。

前半の大まかな流れは美夜子さんの化学の世界の私生活と同じです。二番煎じならぬ三番煎じ…同じにならないようにしないと。



視点はウタ、のび太です。


――2019年6月3日――

 

「ほんじゃ、ウタわかってるよね?特訓したようにやればいいからね。」

 

1週間の地獄の特訓がやっと終わった。…10年分を一気に教え込まれたから身体ががったがた。

 

『おかげで私とも出会えたからいいじゃん。』

 

それはそうだけど、あ、この子は私の心の闇(ウタ)、この世界における私の心の闇。出会いは最悪だったけど、だってシャンクスを許すなとか小学生相手に発情するなとか地雷を見事に踏み抜いてきたから。殴り合ってからこの子も寂しかったと感じたから仲良くなれた

 

「ま、それは私らと一緒だったから懐かしかったなァ」

 

「…もう2度とあんな特訓しない。」

 

結果的に言うと顕現はできるようになった。もう、特訓の時の心の闇(ウタ)の顔と来たら鬼そのものだったんだよ!?

 

「ちょっと無茶させ過ぎたけど、私らと同等になったからよかったでしょ」

 

「もう2度としない。」

 

『BOTと化してる。』

 

「んじゃ、私帰るからのっ君に伝えといて~」

 

「あいさつしなくていいの?」

 

「あ、そう言えば。」

 

「抜けてる。」

 

「ウタに似てるから。」

 

「それは思う存分聞いた。」

 

この1週間は特訓と時折向こうの世界のルフィ達の話を聞いてた。マジで向こうの世界ではルフィ好かれてるんだなって思ってた。いや私もルフィは好きだけど、友人としてしか見てないし。一目ぼれがのびちゃんだった。ってだけ。

 

「さ、行きますか。」

 

「うん」

 

――――――――――

 

「あ、帰るんだ。」

 

鏡の世界から、のびちゃんの部屋に戻って来た。1週間ずっと鏡の世界にいたわけじゃなくて、のびちゃんの家でご飯を食べてた。あ、ちなみに呼び方は変えた。のび太君じゃ、ちょっと距離感があるって私が思ったからこう呼んだら、苦笑いされた。

 

『あーちゃんって子とママにしか呼ばれてないんだ。』

 

なんか、その子には特別な想いがあるって節々に伝わって来た。ドラちゃんが言うには初恋の相手なんだとか…手ごわそう。その子。

 

「ルフィさん達には言わないの?」

 

「ま、でもいつかまた来るしね。それか[平行世界旅行機(パラレルループ)]で来てくれてもいいよ?」

 

「そういう事ね。ってなんで心の闇(ウタ)が[平行世界旅行機(パラレルループ)]を知ってるの!?」

 

「あぁ~ま、ばいばい!」

 

「ちょ!あ、消えちゃった。」

 

のびちゃんは心の闇(ウタ)の言葉に驚いて止めたけど、心の闇(ウタ)は有無を言わさずに帰って行った。

 

「[平行世界旅行機(パラレルループ)]って何?」

 

「平行世界に任意で行ける道具だよ。心の闇(ウタ)は見たこともないのに…」

 

心の闇(ウタ)は時々そういうのがあった。まるでのびちゃん達の冒険を今まで見てきたかのように言ってたし。

 

「あらウタちゃん。帰ってきてたのね。丁度いいわ。」

 

ママさんが上がって来た。私がやって来た時は驚いていた。ママさんもパパさんも私の世界(ウタワールド)に閉じ込めてて、私のファンだったらしい。驚いてからママさんから私を怒った。大人の男の人に囲まれて育った私にとっては大人の女性から怒られるのは初めてだった。

 

「はい!ママ様!」

 

だからこそ私はママさん…いやママ様を尊敬した。純粋に。ママ様って言った時はのびちゃんもみよちゃんもまやちゃんもドラちゃんも心の闇(ウタ)×2も驚いてたっけ。

 

「相変わらず、ママ様って…言いづらくないの?」

 

「なれたらしいよ。」

 

「うわ…」

 

「今日から学校よ。準備してね。あと変身しときなさいよ。」

 

と言ってからママ様は下に戻って行った。ママ様は私の能力を知ってる。懇切丁寧に私を学校へ入れてくれた。先生も私の事情を知ってるからいいんだって。のびちゃん達は冒険の事は隠してるみたい。心配させたくないから。優しい。

 

「1年から5年の勉強も並行してやってたけど…大丈夫なわけないよね。」

 

「あの鬼にはもっと文句言いたかった!!」

 

私が転入するのはのびちゃんのクラスになった。…顕現力で私は身体を小学生にしてから、ランドセルを背負った。のびちゃんにそれを見せる。

 

「似合う?」

 

「違和感半端ない。」

 

「それ言わないでよ。」

 

因みにドラちゃんは今日、ミーちゃんとデートらしい。朝から盛ってるなぁ

 

『あんたに言われたくない。』

 

はーい、そこうるっさい!

 

「で?私達がいる事を忘れないでよ?」

 

「そうですよ。」

 

とここでみよちゃんとまやちゃんはジト目で見てきた。いや、今部屋に入ってきたんじゃん。ま、そんなこと言うとみよちゃんは怒るから言わないけど。

 

「わかってるてェ。ママ様とパパさんには感謝だよね!」

 

「ごまかして。ま、それは一理あるわね。」

 

「はい、私に至っては本当に分かってない状態でここに居させてもらってるので。」

 

みよちゃんとまやちゃんも平行世界の住人でややこしいけど、その世界の過去(万陽奈)未来(美夜子)の関係で先祖(万陽奈)子孫(美夜子)(美夜子)(万陽奈)らしい。それを最初に聞いた時は頭がパンクしそうになってた。

 

「じゃあ、行こうか。」

 

「「「うん(はい)」」」

 

――――――――――

 

学校に行く途中にめっちゃ視線を感じながらも学校についてから職員室に着いた。

 

「し、失礼します!」

 

「おお、ウタ君。おはよう。」

 

「高木先生おはようございます!!」

 

高木栄一郎先生、のびちゃん達の担任でバネバネの実の能力者らしい。この学区は全体的に日本政府と繋がっている。学校の何人かは能力者らしいけど、それは秘密にされてるらしい。のびちゃんも知らなかったって言ってたし。そもそものびちゃんは悪魔の実の事を知ってなかったけど。

 

「うむ、緊張しているか?」

 

「はい、ここへ来るときも見られていましたので。」

 

「あれだけの事をしたんだ。仕方ないな。」

 

「はい。」

 

あの目は私が犯した罪の代償だからね。…クラスメイトになる人からも見られるのはちょっと辛いけど。

 

キーンコーンカーコーン

 

「じゃあ、行こうか。」

 

「はい。」

 

タイミングよくチャイムが鳴った。私と先生は教室に移動する。

 

――――――――

 

私は廊下に立たされて、待つ。

 

「はい、転校生を紹介する。入ってきなさい。」

 

「はい…う、ウタです!!よろしくお願いします!!」

 

と教室はシーンとなった。え…や、やっぱり受け入れられない?のびちゃんとかしずちゃんとかもなんも喋んない。え!?何で

 

「「「「ぃよしゃあああああああああ!!!!」」」」

 

とのびちゃんと和君以外の男子が大声で雄たけびを上げる。

 

「はい静かに!!!」

 

「ほんとうにウタがここに来た!!」

 

「うおおおお!!テンション上がるぜェェェ!!!」

 

「うおおおおおおおお!!」

 

先生の制止を聞かずにバカ盛り上がる男子。う、受け入れられてる?でいいのこれ。

 

「はい男子、死刑。」

 

「うるさい。」

 

「死ね。」

 

と女子からの辛辣なコメント。バカうるさい男子に向けて。

 

「じゃ、…静香君の隣が空いてるな。そこへ。」

 

「は、はい。」

 

先生のスルースキルは最強だと思う。言われた通りに私はしずちゃんの隣に向かってそこに座る。

 

「よっろしくね」

 

「うん」

 

「やけに大人しいじゃん。」

 

「なんか、拍子抜けしちゃって。来る時はすごい目で見られてたし。」

 

「まぁ、去年みっちゃんが来た時も男子は盛り上がってたし。別に気にしてないんじゃない?」

 

「それならいいけど。」

 

「では授業を始める!と言いたい所だが一時間目は悪魔の実について再度教えよう。」

 

私が着席してから先生がそう言った。去年の7月の時期にも教えられたってしずちゃんが言ってたらしいし。

 

「悪魔の実というのは未だに科学では解明しきれていない部分が数多くあるどこから生まれ、どこで育つのかもな。そして、その能力者が死ぬと悪魔の実はまた世界のどこかで復活する。これは去年も話した内容だね。」

 

悪魔の実のメカニズムは食べてる能力者である私達でも分かってない。むしろわかってる人が存在してるのかもわかってないし

 

「それと加えて、悪魔の実には覚醒という上の世界(ステージ)が存在する。」

 

「それ去年言わなかったぞ!先生!」

 

「ウタ君がいるから特別だ。つづけるぞ。」

 

先生が言うには

 

超人(パラミシア)系は周囲の物体、生物に自身の能力の性質を付与して操ることができるようになるンらしい。

 

動物(ゾオン)系は能力の「覚醒フォルム」への変身が可能になり、より驚異的な身体能力と特性を得られ異常な体力(タフ)さと回復力を得られて、動物のより強い特性を得られるんだって。

動物系に他の特殊能力も付与されている場合は、以下のようにその特殊能力も強化される

通常能力で元々持つ特殊能力の性質の強度が増大する

能力の性質に基づいたより効果の高い特殊能力を扱うことも可能になる(幻獣種)

通常能力において元々持つ特殊能力が超人系のような性質を秘めている場合、周囲に特殊能力の性質を付与して操ることができるようになる(幻獣種)

 

自然(ロギア)に関しては特に情報はないみたい。ロギアはそれそのものが珍しい物だからね。

 

「悪魔の実は不思議なものばかりだ。世界には物にそれを食わす技術もあるからな。」

 

先生はなんでそんな事知ってるんだろう。日本警察の所属だったりしない?

 

「先生の話は以上だ。質問はあるか?」

 

「はいはーい!!」

 

「静香君」

 

「去年も思ってたんですけど!どうしてそんな事知ってるんですか!?」

 

「あぁ、ま、僕も悪魔の実の能力者だからね。従弟の刑事に聞いたんだよ。」

 

「そういう事ですか。」

 

「もうないね。では悪魔の実の授業はここまであとはウタ君への質問タイムだ!」

 

いや、いきなり!?先生の一言が決め手となると次々と私に矢継ぎ早に聞いてくる。でも、受け入れられてよかった。

 

 

――――――

 

 

学校も終わり、私はのびちゃん、みよちゃん、まやちゃん、しずちゃん、ジャイアン、スネ夫君、和君、直ちゃんと歩いていた。

 

「ウチのクラスすごいでしょ。」

 

「まさか、6時間目まで続くとは思わなかったけどな。」

 

和君の言う通り、質問コーナーは丸1日続いた。けど楽しかった。

 

「ウタ、楽しめそう?」

 

「うん、私のしたことは許された事じゃないけど。でも楽しめる!!絶対に。」

 

「よかった。」

 

「おれ達も応援してるぜ!」

 

「僕達はウタの味方だよ!」

 

「うん、恋敵ではあるけど。」

 

「それでも仲間です。」

 

「一人で抱え込まないでね。」

 

「私達がいるから。」

 

「うん、ありがとう。みんな。」

 

私はみんなから言われて、活力が増えた気がした。あんな事をしでかした私だけど、みんなは受け入れてくれた。クラスもママ様もパパさんも先生も。シャンクス!ゴードンさん。私頑張るよ!!

 

―――――――――

 

「っていいう夢を見た。」

 

「な訳ないでしょうが。」

 

ウタが長々と今日の事を話してて、変なオチまで言い出した。夢なんかじゃないからね!?現実だし、夢落ちにしてたまるか!!

 

「ていうかこれからどこ行くの?」

 

「ウタに紹介したい人が2人いるんだ。」

 

「は!結婚の挨拶?」

 

「だとしたらもう会ってるしょうが。」

 

ぶれないな。ウタは。

 

「あ、いた。奈江ちゃん、美奈ちゃん。」

 

「藤峰さんと、村原さん!?」

 

来たのはいつもの空き地。そこに奈江ちゃんと美奈ちゃんが立っていた。

 

「やっほ、のびたん。」

 

「のび太君。本当にあなたは巻き込まれ体質よね。」

 

美奈ちゃんは呆れた風にそう言う。安心してよ。僕自身も思ってるから。

 

「2人って何者なの?」

 

「未来の住人でタイムパトロール隊員なんだ。」

 

「…何て?」

 

「平たく言えば未来の警察官」

 

「な、なるほど。」

 

「平たく言いすぎ!!ま、あってるけど。」

 

んで、なんで今日この二人に会ってるかだけど。ウタが僕達と同行するから。2人に報告しとくんだ。前までは報告なしでもよかったんだけど万陽奈さんの件で言う事になった。仕方ないね。

 

「ウタはこれより、特時を許可する。」

 

「はい、これでウタも認可されたわ。」

 

「ありがとう。」

 

「特時って?」

 

「好き勝手に時間を弄っていいって事。」

 

「は~いのび太ん要約しすぎ!!」

 

「ごめん。説明して。」

 

「なんか面倒くさいとか思ってない?」

 

「オモッテルワケナイジャナイデスカ」

 

「シバかれたい?」

 

「ごめんなさい」

 

「と、ウタに説明するね。」

 

奈江ちゃんはウタに特時の事を説明した。

 

「うわ、のびちゃん達ってやっぱりすごい冒険してきたんだ。」

 

「あれを冒険ってだけでは済まされないけど。」

 

「ハハハ…」

 

こうして、ウタも特時を認可された。ちなみにルフィさん達も認可されてる。それはマヤナ国の事件の直後だったけど。

 

「ていうか、ドラえもんが言ってたけどこの事件って未来では知らされてないの?」

 

「うん、タイムパトロール隊は知ってるけどね。」

 

「じゃあ、帰りましょうか。」

 

「うん、今日はありがとうね。」

 

「ウタも明日からよろしくゥ!!」

 

「うん」

 

そして僕達は帰って行くのだった。でも僕達は知らなかった。彼女が動きだすことを…。

 

――――――

 

「さ、行くわよ。ハリ坊。」

 

「ハリ!女王様!!」

 

「のび太君…早く会いたいわ。」

 

 

 




雷神「はい終わり。」

ウタ「で、結局私まだ居るんだけど。」

雷神「ウタの物語にウタがいないと。」

銀「それはいいが、最後のは誰だ?いやハリ坊って言ってる時点でわかるが。」

雷神「銀さんが思ってる通りの人だよ」

ウタ「気になる。って事は次回もオリジナル?」

雷神「そそ、本当は今回に持ってきたかったけど。長くなるから却下した。」

銀「何を企んでいるのやら。」

雷神「この物語の核を刺激する話さね。」

銀「そうかい。で、それはいつから思ってた。」

雷神「じゃ、次回もお楽しみに。」

銀「にばんせんじなn


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第85話~コナンの事情~

あの見た目は子供、頭脳は大人な彼が出てきます。
目暮警部や黒の組織がちょこっと出たから出るだろうなと思ってた方もいるかもしれません。ちなみに小1ではないです。ちょっとカオス回になるので。まず言っときます。美夜子さんがブチギレマス…

視点はのび太、コナン、のび太です


――2019年6月6日――

 

ウタが学校に来てから2日が経ち僕達は変わらず平和な日々を過ごしていた。何も事件に遭遇しないのはいいことだね~。こんな日がずっと続けばいいのに。

 

「そう言うとフラグになりますよ?」

 

「そうよ、だいたいあなたがそう思うとそうなるんだから。」

 

「そうなんだ。」

 

美夜子さんと万陽奈さんがジト目で言う。ちなみに僕達がいるのは運動場で昼休みなんだ。和人、ジャイアン、スネ夫は野球をしていて、しずちゃんはサッカーを男子としてる。直ちゃんは教室で勉強してるらしい。

 

「まさか、1週間は何もなかったんだよ?あるわけないじゃない。」

 

「そんな油断してると大目玉を喰らうわよ。」

 

「そうです。9代目ヴァサゴの尻尾ですらつかめていないと言うのに。」

 

「あ…そっか。」

 

ウタの事件もあって、それの事を忘れてた。平和ボケが一番の厄介さなのは身にしみてわかってるのに。

 

「とは言っても9代目ヴァサゴが動かない限りは何もしようがないんだよね。」

 

「今までのヴァサゴ以上に厄介なのは知ってるでしょうが。」

 

「はい、確かに。」

 

「ま、遭遇したら私が一発お見舞いしたいね。」

 

ウタは腕を回しながら意気込んだ。ウタにはヴァサゴとの戦いを話してる。壮絶な戦いをしてたんだって驚いてたけど。

 

「のび太兄ちゃん!万陽奈姉ちゃん!美夜子姉ちゃん!ウタ!こんにちわ!」

 

「あ、コナン君。今日は歩美ちゃん達いないの?」

 

「あっちで静香姉ちゃん達と話してるよ!!」

 

話しかけてきた子は江戸川コナン君、去年転入してきた子で歳は僕の二個下愛嬌もいいけど、時々演技めいた感じになる不思議な子なんだ。あの有名な毛利小五郎の家で居候してるって話で、最近は小嶋元太君、円谷光彦君、吉田歩美ちゃん、灰原哀ちゃんの5人で少年探偵団っていうシャーロックホームズに出てきた少年探偵団の名前を借りた探偵団を結成してたっけ。

 

「じゃあ、またね!」

 

何を言う訳でもなく、ウタをジロジロ見てから走って行った。

 

「結局。何だったんだろう。」

 

「なんか私の顔じろじろ見てたけど。」

 

なんか、あの目は探りをしてる感じだった。

 

「美夜子さんか万陽奈さん。」

 

「うるさいくらいに聞こえたわよ。」

 

「はい、あの子探偵みたいですね。」

 

美夜子さんはちょっと耳を抑えてた。心の声がそんなに響いてたのかな。

 

「聞いてみよ!みよちゃん!」

 

「えぇ!?私!?…有無を言わせてよ!!ま、いいか言いたいことあったし。」

 

とウタは美夜子さんの手を取って、コナン君の後を追ってった。

 

「ていうか探偵って?」

 

「工藤新一って方ご存じですか?」

 

「なんか一年前くらいに有名な高校生探偵でしょ?」

 

頭脳明晰で幾つもの事件を推理だけで解決した。と聞いたことはある。まぁ、ちょっと有名な所を自慢げにしてたのを見た事がある。でも最近は姿を現してない。表舞台から姿を消した状態だ。何でコナン君の話をしてたのに。高校生探偵の話を?まさか…

 

「ま、そのまさかです。」

 

「そんな事…まぁあるか。」

 

美夜子さん、ウタが小さくなってるからそんな事実はあるから別に驚きはしないけど…

 

「あの2人行かせて大丈夫だった?」

 

「ではないので追いかけましょう。美夜子様が危険です。」

 

「だね。って美夜子さんに怒られるよ!?」

 

「お兄様と同じ波動をあの子から出ていますと言ったらどうです?」

 

「うん、急ごう。火に油が注がれる!!」

 

今の話が本当であるのは間違いないなら工藤新一君は少し傲慢な所がある!!美夜子さんが少し、ピリついてたのはそう言う事だったか!!

 

――――――――――

 

「どうだった?」

 

「ああ、やっぱりウタだったよ。一週間も姿を見せなかった。」

 

ここは体育館の裏の広場だ。そして俺の名前は江戸川コナン。探偵さ。…だが俺の正体は高校生探偵、工藤新一。幼馴染で同級生の毛利蘭と遊園地へ遊びに行って黒ずくめの男の怪しげな取引現場を目撃した。取引を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった。俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら…

体が縮んでしまっていた。工藤新一が生きているとやつらにバレたら、また命を狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ。阿笠博士の助言で正体を隠すことにした俺は、

蘭に名前を聞かれて、とっさに

 

『江戸川コナン』

 

と名乗り、やつらの情報をつかむ為に、父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだんだ。ウタはあの事件の後に忽然と姿を消した。あの伝説の警察官の孫である猿山琉歩李(さるやまるふい)…通称ルフィの船に乗ってたと言う噂がある。

 

「しかし、なんでウタがここに。灰原。お前わかるか?ウタは確か、20歳だったはずだよな。何で子供の姿になってんだ?」

 

「わからないわよ。私でさえ状況が把握しきれてないわ。」

 

彼女の名前は灰原哀。本名は宮野志保。俺が小さくなった薬を開発した科学者だ。彼女は姉の宮野明美と共に黒の組織に所属していたのだが、奴らに宮野明美を殺されてしまい、その事を反発した事で捕まり投獄された。しかし俺と一緒の薬を飲んだ彼女また小さくなり、俺に助けを求めて阿笠博士の家に転がり込んだんだ。

 

「のび太が何かを知ってそうなんだよな。」

 

「そうね。でも、わかってるわよね。私達の正体がバレたら…」

 

「わかってる。組織の連中が来るんだろ。」

 

探偵の性なのか怪しい物は怪しんでしまう。確かにウタは犯罪を犯してはいるが、あの様子じゃ、何かの処罰はされたんだろうな。この身体になってもう一年は経過してるのにあの組織の尻尾さえつかんでいないしな。

 

「あぁ、そう言う事。」

 

「「え!?」」

 

噂をすればウタが満月美夜子と一緒に来た。満月美夜子と満月万陽奈も去年と今年に転入してきた姉妹だ。黒の組織の刺客じゃないか俺と灰原はひやひやしたもんだ。ていうかウタがいた言葉はなんだ。

 

「な、何がそう言う事なの!美夜子姉ちゃん!」

 

俺は咄嗟に猫を被る。

 

「急な猫かぶりは危ないわよ…工藤新一君。と宮野志保さんだっけ?」

 

「「…!?」」

 

な、何で俺達の正体が!?そんなわけない。美夜子とは全くかかわりがないはずだ!!美夜子はだいたいのび太達と一緒に居るはずだし。俺は元太、光彦、歩美、灰原の五人で少年探偵団の活動をしてる。ほぼ強制だけどな。

 

「いきなり、話かけてきたと思ったら女の子をジロジロ嘗め回すように見て。どういう神経してるわけ?ていうか、今は年下なんだからさんをつけなさいよ。」

 

「ぼ、僕何も言ってないよ!?」

 

な、なんで俺の考えてるのが読まれてるんだ!?そんなはずはない。俺はポーカーフェイスはすごい方だって、父さんが言ってたんだ。

 

「顔じゃなくて心が駄々洩れだからよ。」

 

「…!?」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!みよちゃん、なんかイライラしてるなって思ったら、コナン君の読んでたの!?」

 

「呼んでるんじゃなくて、この子のがうるさいから否が応でも聞こえちゃうのよ。」

 

な、何を2人は言ってるんだ?まるで俺の心の声が聞こえてるみたいだ。この美夜子という女には聞こえてるのか?

 

「だああ!うっさい!!聞こえてるっつってんでしょ!!このクソガキ!!耳が逝かれる!!それとさんをつけなさい!!」

 

「口が悪いよ!?みよちゃん。」

 

ウタは美夜子に対して、止めていた。や、やっぱり俺の声が聞こえてるのか?読唇術?いや俺は唇を動かしてない。読心術の方が的を得ているかもしれないな。

 

「ねぇ。ウタ、このガキ燃やしていい?」

 

「ダメに決まってんでしょ!?ちょっとは抑えようか!?ていうか君さ!考えてないで普通に喋ってくれない!?みよちゃんあんたを燃やすよ!?」

 

「燃やすってなんだよォ。どうやって人体発火現象が…」

 

バシュッ!!ボ!!

 

 

と俺の隣を何かが通った。後ろを振り返ると木が燃えてた。え?

 

「何…が起きた?」

 

炎の鋼球(ファイアボール)。」

 

美夜子の指に火が付いていた。は?何だよあれ。

 

「は、灰原。俺が見てるのは幻か?」

 

「いいえ…間違いなく現実よ。」

 

「素になってるわよ。クソガキ。」

 

「…もう隠してるわけにはいかないな。そうだ。俺は工藤新一だ。美夜子。お前は何者」

 

バシュン!!

 

「はい、もう一回。」

 

「…美夜子さん。あなたは何者ですか?」

 

「はいよくできました。ま、なにも「美夜子さん!!」あ、来ちゃった。」

 

「うわ、派手にやらかしてるし。」

 

のび太…さんと万陽奈さんが来た。予見でもしてたのかのび太さんはすごく呆れていた。

 

「このクソガキがあまりにもあのバカ王子に似てたからつい。」

 

「ついの範疇越えてるからね。」

 

「はいはい。わかってるわよ。」

 

「ねぇ、そんなキャラだっけ?」

 

「ただ単に許せなかっただけよ。」

 

「…ハァ…コナン君…いや新一さんか。」

 

のび太さんも俺の正体を!?何でこんなにポンポンとバレてんだ!?バレちまったら黒の組織にバレるかもしれねぇのに!!

 

「ま、とりあえずこっちの事情も話すからそっちの事情も話してよ。」

 

「な、なんで。」

 

「この怖いお姉さんの口撃また喰らいたいの?」

 

「ふふふふ」

 

美夜子さんは怖い顔で炎をチラつかせながらこっちを見てきた。これは話さないと消し炭にされる。

 

「わかった。」

 

「工藤君!!」

 

「埒が明かねェだろ。」

 

「でも、もしこの人達に何かあったら!!」

 

「何とかはしそうだけどな。」

 

「…それもそうね。」

 

俺達は諦めて、四人に事情を話すことにしたのだった

 

 

――――――――――

 

「なるほどね。世界で蠢いてる闇の組織って事だね。」

 

「ええ、そうなんです。」

 

「灰原さんも大変だったね。」

 

「…いいえ、ありがとうございます。」

 

コナン君と哀ちゃん(なんかそう呼んでいいって)から事情を聞いて僕は哀ちゃんに償いの言葉をかけた。この二人も大変だったんだな…年上であるわけだけど。年齢はルフィさんと同じだし。

 

「ナチュラルに哀ちゃんを手籠めにした。」

 

「手が早い。」

 

「のび太様って人は。」

 

「コラそこ、こそこそと何言ってんの。」

 

聞こえるように言ってるのは丸わかり、ほぼ初対面でそんなんになるわけ…あ。

 

(美夜子、ウタ。初対面で一目ぼれ)

 

…ま、とりあえずそれは置いとこううん。

 

「…私はのび太さん達を信用するわ。」

 

「灰原?…俺もだな。のび太さん達の話にいっさい虚偽の心がなかった。」

 

コナン君と哀ちゃんは意外とすぐに信頼してくれた。多分言える人がごく少数だったからそう思ったんだろうな。

 

「味方は阿笠博士だけなの?」

 

コナン君と哀ちゃんの事情だけを聞いただけだったから味方の方は聞けなかった。

 

「FBI捜査官と公安の人と俺の親父と母親くらいかな。」

 

「日本警察知らないの?」

 

「…黒の組織は誰が入ってるのかわからない組織だから迂闊に教えるとその刑事が殺されちゃう。」

 

「日本警察なら返り討ちにしそうだけど。」

 

「確かに鈴斬様のおかげで日本警察の質も上がったけど。黒の組織はその上を行くわ。」

 

「そんなに!?」

 

「ええ。この前もFBIの捜査官がナンバー2の作戦によって殺されたの。」

 

「そんな事件聞いてないけど。」

 

「ニュースでは謎の変死体で処理されてるの。組織はあとを残さないから。」

 

「や、厄介な相手だね。」

 

「だから俺達は徐々に追い込んで壊滅させようとしてるんだ。」

 

「…そっか」

 

今の話を聞いて、納得は行く。徐々に追い込ませれば組織は壊滅は出来そう。でもボスの正体は…烏丸蓮耶…50年前に突然亡くなったとされる大富豪らしい。

 

「50年前ねぇ…」

 

ジークリード長官が撃ち抜かれた事件も丁度そのころ。でも9代目ヴァサゴは23世紀の科学者だって判明してるし…関係ないといいけど。

 

「厄介さを見ればそれと同じよね。」

 

「やだよ?黒の組織のボスが9代目ヴァサゴなんて。地獄じゃんそれにFBI捜査官が殺された事件もナンバー2みたいだし。別であってほしい。」

 

「ヴァサゴが二人って言う可能性もあるわよ?」

 

「ねぇもうそれ言い出したらキリがないんだけど!?」

 

そんなんだったら9代目と一緒に相手しなくちゃジャン!!

 

「…今日の放課後俺んち来るか?黒の組織に殺されたふりをしたFBI捜査官が居るんだ。両親もいるし」

 

「うん、行く。」

 

キーンコーンカーンコーン

 

丁度いいタイミングでチャイムが鳴った。

 

「和君達も呼ぶ?」

 

「うん。」

 

「こ、これ以上巻き込みたくないんだが。」

 

「「君が来たせいでしょ」」

 

「おっしゃる通りで…」

 

「工藤君。無様ね。」

 

「うっせいやい。お前は来るか?」

 

「私はパス…て言いたいところだけど、行くわ。」

 

「そうしてくれ。」

 

―――――――――

 

そして放課後、和人、しずちゃん、ジャイアン、直ちゃん、スネ夫、あとついでにドラえもんと工藤家に行くために移動してる。幸いなことにみんなお稽古や修行はないみたいだった。

 

「なぁ。お前って、何かに関わるよな。」

 

「僕が一番聞きたいんだけどね」

 

「僕としてはその組織の事知らないんだけどね。」

 

じゃあ、いつかその組織は消えてるのか、それとも情報が全く一般に届いてないかのどっちだけど…多分後者だよなぁ。

 

「もしかしたのび太さんはそういう星の元に生まれたのかもしれませんね。」

 

「しずちゃん、それブルックさんがウタに言ってた言葉だよね。引用しないで。」

 

「のっちゃんがゴキブリホイホイみたく厄介事を持ち出すから悪い。」

 

「…僕が悪いんじゃないやい。」

 

「そういじめんな。めんどいから」

 

「扱い雑過ぎる。」

 

「話してる間に着いたよ。」

 

そこには言ってた通りの豪邸があった。うわお、流石は世界一の小説家のお家すごいや。そして入ると、そこには糸目でピンクの髪をした男の人が立ってた。この人の名前は赤井秀一って言って、今は沖矢昴って名前で住んでいるらしい。すごい。

 

「ほう、キミか。坊やが連れてくるって言った時は驚いたよ。」

 

「…なんかシャンクスの声に似てる。」

 

「そうなの?」

 

「普段は地声じゃなく…こっちで話してるからね。」

 

「うわ、黄色い服の人の声だ。」

 

「似た人の声が多いね。」

 

先生と元太君、そして高木刑事なんか声が似てる。

 

「って僕の事知ってるんですか?」

 

「ああ、鈴斬様聞いたよ。君とルフィ君でその子を救った事をな。」

 

FBI捜査官が日本で捜査出来てるのも鈴斬様のおかげらしい。でも

 

「声…ややこしくなりません?」

 

「ハハ…時々なるよ。」

 

「まま、上がりなさい!新ちゃんの味方が増えたのは大助かりよ!」

 

「ふ、藤峰有紀子さんだよ、のっちゃん。本物の!!」

 

「しずちゃんって意外と好きだよね。女優さんとか。」

 

「だってみんなかわいいじゃん!!可愛いは正義だから!!」

 

「ありがと♪まだ私もいけるわね新ちゃん♪」

 

「…ノーコメント。」

 

と家の中に入ると中はもっとすごかった。本がびっしりあるんだもん。流石と言うべきかこんな環境で育ったら平成のシャーロックホームズとか言われるね。今は令和だけど。

 

「やぁ、みんなくつろいでくれ。」

 

「工藤優作さんだ。」

 

「すっげぇ本物だ!!」」

 

「はい、静かにね。」

 

ジャイアンとスネ夫は意外と優作さんのファンだったらしい。怪盗バロンは面白いからね。僕も読んだ事あるし。

 

「それじゃ、話をしようか。」

 

 

 

 




雷神「終わり。」

銀「…ソフィアじゃなかったのかよ。」

雷神「ええ…その予定だったのですが。コナン関連に切り替わっちゃった。」

ウタ「もともとコナンは出す予定だったの?」

雷神「そっと終わる予定でソフィアさんが出てきて今回は終わろうと思ってた。」

銀「予定が狂っちまったわけだな。」

雷神「そそ、次回か次々回になっちゃうかも。」

銀「オリジナル回が続くな。」

雷神「そうなんだよね。まぁ頑張るけど。」

銀「そうだな。頑張れ。」

ウタ「じゃあ、次回もお楽しみに!」



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第86話~人魚族との同盟~

ソフィアさんが出てきます!!



視点はのび太、シャンクス、のび太です。


――2019年6月7日――

 

コナン君の事情を聞いてから1日が過ぎた。僕達も黒の組織が出てきたら出張ることになった。組織の連中は今、全く活動してないらしいからどうすることもできないらしい。今日は昨日と同じ3人と運動場で話してる。

 

「今日は何も起きないといいけど。」

 

「ねぇ昨日と同じじゃない?言ったでしょそういう事言うと危ないって。」

 

「おっしゃる通りで。」

 

「ま、何もないでしょ今日は。」

 

ウタの言う通り今日は久しぶりに師匠が日本に帰ってくる日だし。久々の師匠の稽古なんだ。何もなくていい。

 

 

――――――――――

 

ま、そんなのは杞憂だった。普通に放課後になった。

 

「じゃ、僕師匠の家に行ってから帰るって伝えといて。」

 

「うん。ママさんに伝えとくわ」

 

教室から出てから学校の下駄箱で美夜子さんにそう伝える。ウタはルフィさんの所に用事があるらしくしずちゃんと一緒にすでに教室から出て行った。僕も学校から出た…その時だった。

 

ビ、ビビビビ!!!

 

『日本国皆さん…初めまして。』

 

突然、ノイズが走って立体映像が現れて何かを映していた、この時代に立体映像?未来人の仕業?この時代であんな技術持ってるのは恐竜人か人魚族くらい…黒の組織?…いや待って、あの立体映像に映ってるのは…ハリ坊!?

 

「ハリ坊?」

 

美夜子さんも驚いていた。

 

「なんだあれ!?」

 

「フグ?」

 

「いやフグが喋るわけないじゃん。」

 

「ハリセンボンじゃない?」

 

「ハリセンボンも喋らんだろ。」

 

周りの話を聞くと僕達以外にもあれが見えてるのは明白だし。ハリ坊…こんなに大胆に姿を見せるなんて…人魚族は5000年くらい姿を隠していた。何が起きるんだ?

 

『まず、僕の名前はハリ坊。ハリセンボンの人魚です』

 

「人魚だってよ。」

 

「つっても下半身見せてないから本当か?」

 

「そんなのウソに決まってんじゃん。」

 

『ハリ坊!下半身!!』

 

『ハリ!?そうでした。』

 

今の声はメジーナ博士?ハリ坊は一歩下がって全身を見せた。そしてそれが本物だという証拠と言わんばかりにそこで泳ぎまくってた。海の中で撮影したのかな。それにこれ、多分収録された奴だ。

 

「マジで人魚だぜ」

 

「人魚って空想上の生き物って思ってたフグだけど」

 

「ハリセンボンって言ってたわよ。」

 

『きっと皆さまは驚かれていることでしょう。何故急な立体映像なのか。何故急に現れたのか…そして人魚という存在が実在してたのかと。』

 

僕達は知ってるけど、地上の人達は知らない。人魚伝説を信じてる人も多いだろうけど、それでも都市伝説の範疇…実在してたってのが驚きだろうし。

 

『あ、ちなみに僕らは何もしません。姿を現したのは去年ある日本国の人達に助けられました。あなた方地上人は大気は汚す、海を汚すをやり尽くしてますし、悪行の限りを尽くしてる野蛮人ではありますが…』

 

「あんだとあのフグ」

 

「喧嘩売ってんのか?」

 

「何もしないやつが言う言葉じゃない!!」

 

『だいたいソフィア様も…ってブルーベル!?何を!?』

 

『あなたが喋るとやばい事になるからよ!』

 

ハリ坊の悪癖出ちゃったよ…言った瞬間にノイズ走ってしばらくお待ちくださいって出ちゃったし。テレビなの?いや絶対にこの役メジーナ博士の方がよかったんじゃない?最初から。

 

「あの子は相変わらずね。」

 

「全く…あいつは。」

 

「和人も居たんだ。」

 

「今来たところだけどな。教室で見てたんだ。」

 

和人は呆れた目で立体映像を見ていた。ハリ坊と仲いいのは何気に和人だったしね。

 

『失礼しました。』

 

「お、可愛い子が出てきたぞ。」

 

「ほんとだ。ぷよぷよのセリリみたいな子だ!」

 

ハリ坊に変わって別の人魚さんが出てきた。淡い青色のロングヘアーにガラス細工のような髪飾りをつけており、白衣を着てるからメジーナ博士の助手さんかな。

 

『我々は人魚族。5000年前からこの地球の海で暮らしている一族です。先程のハリセンボンはごめんなさい。…我々は敵意は全くございません。ハリ坊が言った通りある日本国の方々に我々は助けれました。』

 

配慮してるのか僕達の名前は出さないみたい。ただでさえウタの事件の時に目立っちゃってたし。もし名前を言われでもしたらなお目立っちゃう。

 

『そして、その日本国の天皇様と首相と数日前に相談をして。我々人魚族は日本国と同盟を組むことになりました。』

 

「「「「は!?」」」」

 

その言葉に僕達は驚いた。いや多分見てる人全員が驚いてると思う。

 

『いきなりの事で驚いてるかもしれません。日本国を最初の同盟にしたかったのです。』

 

鈴斬様、センゴクさんはすでに知ってるって事か。

 

『人魚が姿を現すかもしれません。どうか…御贔屓に…』

 

大きくお辞儀をしながら立体映像は終了した。…すごいことになったもんだ。僕達関係だけど、日本自体がこうなるとは…

 

「何かはあったわね…」

 

「フラグは立ってたのね。」

 

「何の話だよ。」

 

「昼休みにまたのっ君がフラグめいたこと言ったのよ。」

 

「ああ、なるほどな。」

 

ねえ。これ僕のせいじゃないよね!?そんな目で僕を見ないで二人とも!?

 

「…ソフィアさん居そうだよな。」

 

「ええ、家に居そうよね。」

 

「ちょっと師匠と会うのやめとこ。」

 

僕達は急いで家に帰る。師匠には明日にでも謝ろう!!

 

―――――――

 

「…やっぱりいたのね。ソフィアさん。」

 

家に帰ったらソフィアさんが普通にくつろいでいた。いるかなぁとは思ってたけど、こんなにゆったりとしてるとは思ってなかった。ママと普通に談笑してたから。

 

「久しぶりね、のび太君。」

 

「久しぶり。じゃなくて!女王のあなたが何でここにいるの!?ていうかさっきのは何!?」

 

「何って言っても。内容はあの立体映像の通りなのよね。」

 

「のびちゃん、私びっくりしたわよ。まさか、さっきの人魚族を助けたのがのびちゃん達ですって!?私は鼻が高いわ!!」

 

ママは嬉しそうにぴょんぴょんジャンプしてた。…ま、喜んでくれてるならいいんだけどさ。

 

「だ、だって心配しちゃうでしょ?」

 

「ええ、心配よ。あんたが冒険行くのは。」

 

「…知ってたの!?いつから!?」

 

「みっちゃんが来た時によ。それにパパが昔から言ってたのよ。あの子はこれから危険な目に遭うかもしれないけど訳も聞かずに優しく見守ってくれって。」

 

え、パパは逆に知ってたの?今までそんな素振り見せなかったんだけど。何で知ってるの!?

 

「ドラちゃんが来た時に…あ、そういう事だったのねって思ったわ。」

 

「ごめん。」

 

「謝らなくていいわ。これからも冒険はいくんでしょ?頑張りなさい。お義母さんも言ってたでしょ?あなたがやるようにやりなさい。みっちゃんんも和君もね。」

 

「うん、ありがとママさん。」

 

「ちなみに俺の親は?」

 

「翠さんは知らないわ。私達だけよ」

 

他の親は知らないんだ。それはそれでよかったような…

 

「ってまさか、ソフィアさんもここに住むの?」

 

「あ、それは素敵な提案ね。」

 

「私はいいわよ?」

 

ママもソフィアさんもノリノリ。あ、余計なこと言った気がする。

 

「間違いなく余計なことよ。」

 

「はい。」

 

「じゃこれからよろしくお願いね。のッちゃん。」

 

…僕の家に住む居候が4人になった。向かい側の部屋大丈夫かな。万が一危なかったらドラえもんに頼んで家の改築もありか?

 

「あれ?そう言えばハリ坊は?」

 

「おいてきた。」

 

「さっきのあれで?」

 

「あの子この1年でちょっとは改善したのよ?あんなこと言うのは許されません。」

 

ま、まぁ、あの一言は国家間の衝突になりえそうだったし。ソフィアさんに一応言ってみようかな。

 

「最初からハリ坊じゃなくてよかったんじゃ?」

 

「…あ。」

 

「え…今気づいたの?」

 

「本当に改善してたから…ほほほ」

 

「「「おいおいおいおいおい」」」

 

僕、和人、美夜子さんは笑ってごまかすソフィアさんにこれでもかとツッコミを入れた。

 

 

―――――――

 

 

「人魚族か…」

 

立体映像が消えてからおれは…数日前に来たソフィアを思い出していた。16歳でありながら人魚族の女王になった。おれが16歳の時はまだあんなにしっかりしてなかったぞ。

 

「何とも言えんな。それに…」

 

のび太や和人達のおかげで怪魚族という野蛮な一族との戦いで助けられたらしい。去年から準備を進めて数日前にやって来た時は驚いたもんだ。同盟を持ちかけられた時はおれとセンゴクさんは開いた口が閉じなかった。

 

「まさかその第一号が日本だとはな。のび太は何でもありなのか?」

 

「それは否定できません。」

 

彼らのおかげで人魚族たちは心を許してくれた。5000年もの間、全く姿を見せなかった人魚族が…のび太達の行動は日本人として誇らしいよ。

 

「昨日、そののび太達が例の組織の件も関わると言ってたな。」

 

「…あの子は頑張りすぎじゃないですかね?」

 

俺達大人がやるべきことを子供にやらせていい物かと思っている…しかしおれ達は活発には動けない。ウタの時は非常時だったために護衛付きで許された。海外に行くのも手続きがいるしな。

 

「…公安にもっと頑張れと言っとくか?」

 

「そんなことしたらゼロに殺されますよ?」

 

「それもそうか。」

 

「まぁ、おれ達はおれ達で頑張りましょう。」

 

「そうだな。」

 

―――――――――

 

「え?そうだったの?」

 

ドラえもんは未来に丁度帰ってきて、立体映像を見てなかったらしい。今帰って来た。和人は家に帰って、美夜子さんとソフィアさんは着替えてる。

 

「未来って人魚族いなかったっけ?」

 

「未来は変わるし、いつか現れるんじゃない?」

 

それはそれで恐いんだけど?急に人魚が出てくるんだよね?それに何も疑わない未来人怖い。

 

「で、ドラえもんは何してたの?」

 

「ああ、これ買ってきたんだ。」

 

「何それ。」

 

「[絵本入り込み靴]~これを履いて絵本の上に立つと、その絵本の中の世界に入る事が出来るんだ!」

 

「漫画でも?」

 

「うん。絵本系ならどれでも。」

 

お獅子仮面の中に入れるかもしれないな…それに!!シンドバットの冒険が体験できるじゃん!!

 

「ちょっと貸して。」

 

「いいよ。」

 

僕はこれでシンドバットの冒険に早速入り込んだのだった。




雷神「終わり。」

銀「何とも言えん。」

ウタ「そんなに壮大に宣言ってわけじゃいんだ。」

雷神「もうちょい、説明とかで長くしようかと思ったけど。見る側がダレちゃうかなって。」

銀「ま、堅苦しいのを長々やってもそうなるな。」

ウタ「そういう小説でもないしね。シャンクス達が冒険について行くこともあるのかな。」

雷神「それも魅力的だね。」

銀「やばい事になりそうだが。」

雷神「ハハハ…」

銀「それにしてもやっと映画に入るんだな。」

雷神「そうそう!」

銀「アンケートじゃないのにするんだな。」

雷神「アンケートのはもっと溜まってからにしようかなって。」

ウタ「そうなんだ。」

雷神「そそ、では次回もお楽しみに。」


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第87話ドラビアンナイト~絵本の世界~

はい、アンケート外からの選出です。
しっかりと判断してからアンケートの劇場版をしたいと思っております。

アンケートにポチってください…!

視点はのび太


――2019年6月9日――

 

シンドバットが2回目の航海の時にシンドバットが一人で島の奥深くに迷い込んでしまったんだ。そこにはダイヤやサファイア、エメラルドがあちらこちらに落ちてた。

 

「しかし、この谷を抜け出さないと宝石なのいくら持っていても意味がない。」

 

シンドバットは何回もこの断崖絶壁をのぼうろとしたけど、ほぼ直角であるこの壁は人間一人じゃとても上がれない。どこかに出口はないかとシンドバットは数日間歩いていたけど…

 

「もう腹ペコで動く力もない。」

 

と、へたってしまいその場で顔をうずめてしまった。

 

「シンドバットが可哀想!」

 

「「……」」

 

「ねえ!無事に助かるかな。」

 

「わかってるくせに。」

 

「付き合わされてるこっちの気にもなってよ。ウタや万陽奈さん、飽きて帰っちゃったよ?」

 

「それを言っちゃあおしまいだよ。気分壊すなもう…」

 

すごく疲れてる2人を呆れながら、僕はシンドバットの方を見た時に大きな肉が降って来た。

 

「あ、肉だ!天から肉が降って来た!!神のお恵みだ!」

 

と言って、持ってたナイフで肉を切り始めるシンドバット。そしたらその肉を大きな鳥が奪い去って行った。

 

「すごい鳥だね!!」

 

「飽きたけどあれだけはいいわよね。」

 

「飽きないでよ。」

 

シンドバットはそれを見て落胆していた。そりゃそうだ。やっと降って来た肉が盗られてしまったんだから…

 

「うおおお!!」

 

すると男達の声が崖上から聞こえる。実はあの肉は神が落とした肉じゃなくて、男たちが宝石を取るためにわざと肉を落として鳥にその肉を持って来させて、その肉をまた男たちがそれを奪って、宝石を取ってたんだ。

 

「これは谷を出られるかもしれないぞ!!」

 

「いよいよクライマックスだね。ねぇドラえもん、美夜子さん」

 

「ぐううう」

 

「…」

 

「寝てるし、睨まないでよ。」

 

そしてシンドバットは機会を伺った。何時間も同じ事が起きるのを待ってるんだ。

 

「来たぞ!」

 

大鳥が来る前に急いでシンドバットは肉を紐で身体に括り付けて屈んだ。大鳥がやっぱりきて、肉とシンドバットを一緒に谷の上に運んだんだ。シンドバットの作戦は上手くいったんだ!!

 

「わーい!やった!やったぁ!」

 

「のっ君ってやっぱ好きよね。」

 

「何回見ても同じ反応だしね。」

 

「シンドバットは無事に帰れることになった。」

 

「よかったよかった。」

 

「私達も帰るわよ。」

 

「ノリが悪いな。2人とも。ねえもう一回見てこうよ!」

 

「いい加減にしてよ!今度で10回目だよ!」

 

「さっきも言ったわよね!ウタ達は飽きて帰ったって!!付き合いきれないわよ!」

 

「ったく」

 

ドラえもんと美夜子さんは怒りながら上に向かっていく。ここは現実の世界じゃない[絵本入り込み靴]で入った、シンドバットの冒険の絵本の世界なんだ。僕はこの絵本が大好きで入りたかった世界なんだ!

 

「でも10回は見てくれたじゃん。」

 

「あなたに無理やり連れ込まれたからね。」

 

「人聞きが悪いな!あ、ドラえもん、これ1個持って帰ってもいい?」

 

「……」

 

ドラえもんはめっちゃにらんできた。

 

「せめてなんか言ってよ」

 

「ぶっ殺してやる。」

 

「物騒過ぎない!?」

 

「あまりドラちゃんを怒らせないでね。」

 

そんな会話をしながら僕達は現実の世界に戻ってきた。ドラえもんは眠たそうにしてるけど。

 

「♪♪…ん?あ、帰って来た。」

 

ウタが出迎えてくれた。ウタは作曲してたのかヘッドホンをしながら僕の勉強机で何を書いてた。

 

「また行こうね。」

 

「飽きないね。」

 

「何回見てもね。シンドバットは僕の憧れの人の一人だし!」

 

「ふーん。」

 

「じゃ、次は…」

 

「もう僕ダメ。」

 

「私もパス。」

 

「私いい曲できたから。」

 

「付き合い悪いなぁ。」

 

ドラえもんは完全に寝てしまって、美夜子さんは完全に飽きたみたい。ウタは曲作りのノリがいいみたい。

 

「しずちゃん誘うか。」

 

「稽古はいいの?」

 

「あ、そうだった。」

 

そうだった、師匠と一緒に稽古するんだった。つい面白くってのめり込んでたへへ

 

「行ってきます。」

 

「「「いってらっしゃい」」」

 

因みに万陽奈さんはシンドバットの冒険を3回目を見た後に直ちゃんと遊びに行って、ソフィアさんは鈴斬様達と会議があるらしいからいない。急いで行かないと

 

――――――

 

「それはおもしそうだな。俺も行ってみてぇな」

 

僕は師匠のいる並盛町に来ていた。師匠に絵本の話をしたら興味が出たみたい。

 

「じゃあ、終わったら入ってみる?」

 

「そうしたいのは山々なんだけどな。今日、試合あんだよ。」

 

「あ、そっか、プロリーグ始まったんだってた。」

 

「いつかお前の冒険に行きたいとは思ってるんだがな。」

 

「ウタの事件の時くらいだもんね。」

 

「て言っても俺達は何もできなかったけどな。」

 

師匠…というか旧ボンゴレメンバーはあの事件で何もできなかったからリボーンさんにねっちょり修行をされたらしい。ボンゴレが解体して1年弱だし。訛ってたんだろうな。残党狩りももう半年前に済んでたし。

 

「よし、今日はこれくらいでいいな。」

 

「うん、ありがとう!」

 

「いやァ、お前の十四、十五、十六の型、勉強になったぜ。やっぱ時雨蒼燕流に終わりはないな。」

 

「僕も師匠に教えてるの楽しかったし、よかった。」

 

立て続けに覚えてきた物だけど、何とか様に出来た。土壇場で全部覚えたものだからね。そして僕は家路につく、そういえば最近恭奈を見ない気がする。恭弥さんが町に戻ってきて修行でもしてんのかな。

 

「あ、しずちゃん。」

 

「のっちゃん?今帰り?」

 

「うん、しずちゃんはどこに?」

 

しずちゃんは体操服姿で水筒にリュックを持ちながら歩いていた。

 

「ピアノの先生たちと師匠とキャンプに行くの。」

 

「ピアノの先生はともかくとして何でルフィさんも?」

 

「ま、宴が大好きだからね。」

 

「納得。」

 

ルフィさんは宴やキャンプが大好きだからね。

 

「ピアノの先生は知ってるの?ルフィさんの事。」

 

「ファンらしい。」

 

「意外な所だね。」

 

「ファンって感情じゃなかったけど。」

 

「え、それって。」

 

「どっかの眼鏡君と一緒で師匠モテるからね。」

 

「その眼鏡君にはちゃんと言っといてください。」

 

「今言った。」

 

「はい。」

 

「ま、別にもういいんだけどね。モテても。限度ってもんがあるけど。」

 

「おっしゃる通りです…」

 

としずちゃんは時間だって言って。急いでピアノの先生が待つ所に向かっていった。…いい加減にしないとマジで怒られるよね。

 

「モテるって辛いね。」

 

「何バカ言ってんだお前は。」

 

「うお、和人。最近後ろにいるのが流行ってんの?」

 

「帰り道が一緒なだけだっての。あと今の言葉しず、スグ、美夜子さん、万陽奈さん、ウタ、ソフィアさん、ミルクさんの前で言うなよ。やられるからな。」

 

「気を付けてます。」

 

「ならいい。」

 

「あ、そうだ!和人も[入り込み靴]で絵本の中に入る?」

 

「遠慮しとく。ドラえもんから愚痴聞いたぞ。あんまりドラえもんを振り回すなよ。」

 

…あ、そうだったんだ。やば、また故障とかになったらやばいし。自重しよう。あまりにもシンドバットの冒険が楽しすぎて鑑みてなかった。あとで謝っとこう。

 

「で、ヒマ?」

 

「お前は…あ、ジャイアンとスネ夫誘えよ。あいつらいつもの空き地でヒマしてたぞ。」

 

「めずらしい。あの2人店番や塾とかで忙しいのに。」

 

「たまたまじゃね?」

 

「それもそっか。和人は?」

 

「よく誘うな俺を。」

 

「久々に行こうよ。」

 

「俺はパス。アキバに行くんだ。」

 

「出た、オタカズト」

 

「カブトムシみたいな事を言うな。じゃあな。」

 

和人は手を振りながらアキバがある方に向かっていった。僕はジャイアンとスネ夫を誘う為に空き地に向かった。

 

――――――

 

「ふああああ、スネ夫なんか楽しい事ねぇか?」

 

「楽しい事ね…稽古でもする?」

 

「バカ野郎。何のための休みだよ。」

 

「それもそうか。」

 

和人の言う通り、ジャイアントスネ夫が暇そうに話していた。いいタイミングゥ!

 

「ジャイアン、スネ夫。」

 

「おう、のび太、なんか楽しいことねえか?」

 

「うん!大冒険に行こうよ!」

 

「「は?」」

 

と連れてきた僕の部屋。ドラえもんと美夜子さんが居なくて、ウタが勉強机で寝ていた。作曲の方で疲れたんだろうな。とジャイアンとスネ夫は呆けたまま何をされるのかとキョロキョロしていた。

 

「大冒険つっても俺らまぁまぁしてねぇか?」

 

「怖いのは嫌だからね。」

 

「怖いのはあるだろうけど、これを使って絵本に入れば冒険できるんだ。」

 

「…えほん?」

 

「は?」

 

「言っとくけど、絵本の世界だってその中に入ると…気まま夢見る機やうあワールドみたいに本物みたいに感じられるんだよ?」

 

「…それ聞くと渋るんだが。」

 

「あ、うん。いい例が思いつかなくて。でも試しに入ってみてよ。」

 

「…ま、いっか、いいヒマつぶしだし。」

 

「僕は遠慮したいんだけど。」

 

「お前は強制だ。」

 

「時々昔のジャイアンに戻るのやめてもらえない?わかったよォ…」

 

「でもだいぶボロだな。」

 

小さい時におばあちゃんに買ってもらったものだから、持っただけでもバラバラになっちゃうから慎重に持って、渡した。

 

「…んじゃ、ジャックの豆の木にするか。」

 

「何でまた。」

 

「面白そうだ。」

 

「ま、面白いよね。初見で行きたい?案内居る?」

 

靴は3人分置いてあったし、案内はできる。ま、別に二人ならいらないだろうけど。

 

「俺たち二人で回るよ。」

 

靴を履いたジャイアンがそう言った。やっぱりね。

 

「僕としてはのび太も居てほしいんだけど。」

 

「入れ。」

 

「うわ。」

 

ジャイアンが押したらスネ夫が入って行った。

 

「あ、見るだけだからね。余計な事しちゃったら危ないらしいから」

 

「おう、任せろ。」

 

と言ってジャイアンも入って行く。よし、見守るか…

 

 

 

 




雷神「はい終わり。」

銀「コンパクトだな。

ハル「早いかも。」

雷神「まぁ最初だしね。」

銀「だよなぁ。」

雷神「あとお帰り」

ハル「うん、ウタまた来るって。」

雷神「わかった。ドラビアンナイトが一番時空を歪ませるからややこしい。」

銀「絵本と過去が混ざり合うんだっけか?」

雷神「そそ。魅力的なキャラが多いけど。」

ハル「あまりわからないかも。」

雷神「ま、見て行けばわかるよ。では次回もお楽しみに!」


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第89話ドラビアンナイト~しずちゃんが行方不明!?~

はい、劇場版通りにしずちゃんが迷い込みます。
強いしずちゃんが捕まるか?って思いますが。まぁ奴らもレベルアップします。

視点はのび太、


「うわ…困るなァ。」

 

「見事に出しゃばってる。」

 

ジャイアンとスネ夫は絵本の中で出しゃばってジャックを雲の上に上げていた。僕達は見ていただけでここまで出しゃばってないんだ。ドラえもんからも注意されてたし。

 

「のっちゃーーーん!!」

 

「しずちゃん?」

 

「あれ?しずちゃんキャンプって言ってたのに。」

 

僕は窓から外を見た。しずちゃんがルフィさんと一緒にこっちを見ていた。ルフィさんは少し落ち込んでた。

 

「しずちゃん?キャンプじゃなかったの?」

 

「それが…へへ。1日勘違いしちゃってたんだ!出発は明日だったんだ!」

 

「静香が今日だって言ってたのに。」

 

「だからごめんって!だからのっちゃん家に来たんでしょ。」

 

「ま、いいけどな!つうわけでのび太!なんか面白い事ねぇか?」

 

「じゃあ、上がっといでよ~!」

 

とりあえずしずちゃんとルフィさんを中に入れた。でも、靴は一足しかかないんだよね~。あ、ドラえもんのスペアポケットが会ったじゃん。僕は押し入れに行ってスぺポケットで毎度おなじみ[フエルミラー]を出して、靴を4足にした。ウタも行きたいだろうし。

 

「なんだこれ。」

 

「これで絵本の世界に入れるんだ!」

 

「絵本の世界!?面白れェのか?」

 

「結構迫力すごいよ!そっちの絵本から好きな本を選んで。」

 

2人ににそう言ったら、2人は早速物色し始めてた。ルフィさんはスネ夫と一緒で絵本をバラバラにしたけど。

 

「ピノッキオ、これがいい。」

 

「しずちゃんならこっちだと思ったけど。」

 

「猿がに合戦?まぁ、バトル系のも好きだけど、ちょっとかわいいものから見たい。」

 

「静香にしては珍しい。」

 

「うん」

 

「2人とも喧嘩売ってるなら買ってあげるけど?」

 

「冗談だよ~。」

 

「ま、いいけど。これをどうすんの?」

 

と冗談はここまでにして、しずちゃんとルフィさんに[入り込み靴]の使い方を教えて、しずちゃん、ウタ、ルフィ、僕の順で思いっきり入った。

 

「綺麗な星空!」

 

「やっぱり、映画化された物語なだけあるね。」

 

「あ、ルフィさんくれぐれも出しゃばらないでくださいね。」

 

「何でだ?」

 

「物語に干渉したら変になっちゃいますから。」

 

「…んー?わかった!」

 

絶対にわかってないよねこの顔。んで僕達はピノッキオの始まりの町にいる。辺りは暗かった。ゼペットさんとピノッキオがいる家があるはずだから飛びながらその家を探す。

 

「うおおお!飛んでるぞォ!!」

 

「師匠うるさい!」

 

「しずちゃんもね。」

 

「あ…ハハハ…」

 

と全部のお家が電気消してるけど一つだけ明かりがついてる家を発見した。あれがゼペットさんの家かな。窓が開いてるからそこから覗くとすでに女神さまが来ていた。

 

「さあ、ピノッキオ。目をお覚まし。あなたは一人で動けるのよ?」

 

と言って、光がピノッキオを包み込んだ。座っていたピノッキオは目をぱっちりと開けて、瞼をパチパチさせていた。

 

「ヤッホー!動けるんだ!ハハッ!もう糸が無くても動けるんだ!」

 

嬉しそうに動き回るピノッキオあの映画なら、ここでジミニー・クリケットが出てくるけど、絵本ではそこは略称されてるけど。ピノッキオの良心は誰が育てるんだろうね。

 

「ピノッキオの大冒険の始まりだね!」

 

「次のページに行こう!」

 

「行こ行こ!」

 

僕達はピノッキオの冒険が見たくて少しすっ飛ばして化物のが出てくる場面まで来た。クライマックスに近いこともあり、ピノッキオとゼペットさんは急いで鯨っぽい化け物に追われていた

 

「ピノッキオ漕ぐんじゃ!力の限り漕ぐんじゃ!!」

 

「うん!お父さん大丈夫?」

 

ピノッキオとゼペットさんは一回あの化け物に捕まってしまった。抜け出せたのに食われるわけにはいかないんだ。

 

「頑張れ!頑張れ!」

 

「あいつぶっ飛ばしてェのに!!」

 

「ここは見守って!」

 

ルフィさんはあの化け物が出た途端に攻撃しようとしたからしずちゃんが必死に止めてた。ウタはウタでそんなルフィを笑ってたけど。

 

「ここを乗り切れば君は人間になれるんだ!頑張れ!!」

 

「あれ嵐なんだけど!?」

 

「は?ピノッキオにこんな場面あった?」

 

嵐が二人を襲ってしまい、イカダはぶっ壊れてしまった。

 

「ピノッキオ!!わしゃ!泳げん!!助けてくれ!うっ!ピノッキオ!!」

 

「おじいさん!私に捕まって!」

 

「人魚姫!?」

 

あれは間違いなく人魚姫だ!あの場面って《人魚姫》の嵐!?

 

「うっそん」

 

「次のページに行ってみよう!」

 

「何が起こってんだ?」

 

「いやな予感がする。」

 

次のページで見たものは人魚姫がゼペットさんを助けてしまって、困っている場面になっていた。いや、間違いなくこれ《ピノッキオ》と《人魚姫》が混ざった世界になってる何でェ!?

 

「ねぇどういう事!?人魚姫困って帰っちゃったよ!?」

 

「ついてってみよ?」

 

僕達はついて行くことにした。[入り込み靴]での世界の海は僕達には関係なく入れる。海に嫌われてるルフィさんとウタも問題なく…

 

「溺れる!?」

 

「あぎゃじゅば!?」

 

「いや、悪魔の実は例外ないの!?」

 

仕方なく僕としずちゃんで後を追っていくと…

 

「あれって…竜宮城?」

 

「いやいやいやいやいや…」

 

そこには竜宮城がキラキラして登場した。海から出てルフィさんとウタと合流してから、次のページに行くと…

 

「お婆さん、これを白雪姫に。」

 

「いやいやここにはそんな娘居ないんじゃ。お婆さん。」

 

「そんなはずはない。」

 

「《白雪姫》と《ヘンゼルとグレーテル》が混じってる。」

 

女王様その人ほんとに関係ないですよ、次のページに行くと《一寸法師》と《親指姫》が奇跡のご対面をしていた。いや日本昔話とアンデルセン童話が混ざってるのは違和感ありまくりなんだけど。竜宮城もそうだけどさ。次のページに行く。

 

「ラ…ランプのお化けじゃあああ!!」

 

「ランプのお化けじゃ!怖いよ!!」

 

「お化け怖いよォ!!」

 

《舌切り雀》と《アラジンと魔法のランプ》…そして《お化けのQ太郎》が混じった世界だった。いやQ太郎て世界観がもうめちゃくちゃすぎるけど面白い。

 

「何だい!お化けはそっちだろうに!」

 

「デタラメもここまでくると面白いね。」

 

「そう?せっかくの世界観が壊れた。うち帰る。」

 

意外と面白かったけどしずちゃん的にはアウトだったみたいで帰って行った。

 

「2人はどうする?」

 

「いとく」

 

「おれも!面白れェじゃん!」

 

僕達はちょっといとくことにした。

 

―――――

 

「のび太君!!!」

 

帰ってきたら、ドラえもんがめちゃくちゃ怒って来た。ってよく見たら絵本がバラバラの状態で積み重なってたし、靴がおきっぱになってた。ジャイアンとスネ夫も帰ってたんだ。

 

「もう!勝手にスペアポケットを使わないでよ!!ていうか道具を放置して誰かが持って行ったらどうするんだよ!!」

 

「あ、うん…ごめん。」

 

「もう!だいたい君はね!!」

 

ドラえもんは今までのストレスの分もあるのか長々と絞られた。

 

「まぁまぁ、ドラちゃん。反省したみたいだし。」

 

「まいった…参った。」

 

「あ、そう?わかってくれたなら今日は、もうやめとこう。」

 

「ありがとう…ドラえもん。」

 

久々にこってり絞られて反省した。ルフィさんには終始爆笑されてたけど。

 

――――――

 

――2019年6月10日――

 

「うーん…」

 

「何を唸ってるの?」

 

次の日、ドラえもんが[入り込み靴]を出して、唸ってた。僕は梅雨のしけしけの暑さでアイスを食べながらドラえもんに聞いた。

 

「のび太君、[入り込み靴]は[フエルミラー]でルフィさん、しずちゃん、ウタの分を出したんだよね?のび太君のを合わせて6人なんだよね?」

 

「6人?うん、6人だよ?それがどうかしたの?」

 

「それなのに、ここにあるのは5足しかないんだよ!」

 

「え!?と言う事は!?」

 

「誰かが絵本の世界から帰ってきてないって事!」

 

「まさか!!みんな帰ったはずだよ!?」

 

ジャイアンとスネ夫からは夜に勝手に帰ってごめんって言う電話があったし。しずちゃんはきっとキャンプに行ってる。ルフィさんは置いてかれたと言ってたけど。

 

「とりあえず、全部絵本を調べてみようよ!」

 

「絵本?これ全部?」

 

「もちろん、美夜子さんとソフィアさん…はいないからウタ、万陽奈さんに手伝ってもらおう!」

 

そんなわけで、四人で絵本を見てから探していた。…待って。

 

「ねぇ本人に直接会ってみない?」

 

「…僕は探すよ、絵本の世界に居たら危ないし。」

 

「これで何か見つかるかもしんないし。」

 

「私達も。」

 

「ま、でも行ってくる。」

 

僕はタケコプターを頭につけて、しずちゃん、ジャイアン、スネ夫の家に行く、だいたいドラえもんは心配しすぎるんだよ。だから頭に一本も毛がないんだよきっと。

 

「あら、スネちゃまはいませんでございますのよ。」

 

「行方不明なんですか?」

 

地下世界の時みたいに行方不明になったのかと思った…けど

 

「いいえ、今しがた武道の練習を武坊ちゃまとやってらっしゃいますのよ。ドッコラショっと。」

 

「よかったぁ。」

 

僕は武道場を見て、2人がいるのを確認してからしずちゃんの家に向かう。ルフィさんは一緒だったから確認しなくてもいい。杞憂だと思うけど。

 

「あら、のび太さん。」

 

「あ、あのしずちゃんに変わったことはないですか?」

 

「ええ、ちょっとお出かけしてるけど。」

 

よかった。キャンプ場はわかんないけどやっぱり杞憂だったみたい。僕は家に帰って部屋に戻るとドラえもん、万陽奈さん、ウタが浮かない顔してた。

 

「どうしたの。」

 

「ラビアンナイトのこれを見てください。」

 

万陽奈さんが指をさした方を見ると…[入り込み靴]の片靴が落ちてた。ドラえもんが言うには靴は片っぽじゃ帰れないらしい。

 

「入りますか?」

 

「でもこんなにバラバラじゃ。無理なんだよ。」

 

このページに落ちていても、次のページがないからこの世界にいない可能性が高いらしい。…バラバラじゃなかったらアラビアンナイトまんまで行けたんだけど、1ページじゃ、ダメだ。

 

「…一回しずちゃんの家に行ってみる?」

 

「うん、ちゃんと片してよ。何かあったら怖いし。」

 

ママが問答無用で燃やすかもしれないから。絵本はしまってから僕とドラえもんはしずちゃんの家に猛スピードで向かう。

 

「いるわけないのに」

 

「とにかく、一通り確かめさせてよ!しずちゃーん!」

 

「普通に不法侵入なんだけどね。」

 

「しずちゃん、いるー!?」

 

「やっぱりいないよ。」

 

プルプル!!

 

「はい!僕ドラえ…源ですがはい!…え?ピアノ教室の先生?え?これからキャンプに?」

 

「もしもし!!しずちゃんは都合が悪くて行けなくなりまった!」

 

僕は電話を切った…そっか、しずちゃんは勘違いでキャンプに昨日出かけて絵本に入ったままになっちゃったからママさんはキャンプに行ってると思ってるんだ。

 

ガチャン!

 

「「あ。」」

 

「あら?ドラちゃんとのび太さん、また何か御用?」

 

「いえいえ、お邪魔しました。」

 

僕とドラえもんは急いで家に戻る。やっぱり絵本の世界に行っちゃってるんだ!!

 

―――――――

 

 

「ええ!?絵本が燃やされた!?」

 

「止めたんだけど、焼き芋が食べたいからってもう無理やり…」

 

しまった、ママは好物の事になると周りが見えなくなるんだった。冒険の事は応援してくれてるけど、こういうときは厄介だよォ!

 

「うーん…絵本がなくなっちゃどうしようもない。」

 

「[タイムマシン]で昔のアラビアに行って、しずちゃん助けようよ。」

 

「[タイムマシン]は本物の歴史の中を行ったり来たりするもの架空の物語とは関係ない。」

 

「そんな…じゃあ、しずちゃんは…」

 

ぼ、僕が勝手に道具を使ったから…こんなことになるんだったらドラえもんが帰ってくるまで待ってればよかったんだ。僕はタケコプターを頭につけた。

 

「どこ行くの?」

 

「…思い切って、しずちゃんのママに話そうかなって。」

 

「…それだと逆に心配させてしまいます。逆効果です。」

 

「そうだよね…」

 

僕はしずちゃんのママに言うのを諦めて、部屋でじっくりドラえもん達と考えることにした。




雷神「終わり。」

銀「焼き芋欲しさに息子の絵本を燃やす母て」

雷神「映画の方はのび太をこってり絞った後にまたのび太が放置したから焼いたからね。ちょっと変えたけど身勝手さがさらに強調されちゃった。」

ウタ「逆にやばい。」

ハル「そうかも」

雷神「ハハハ…。では次回もお楽しみに」


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第90話ドラビアンナイト~静香捜索隊と覇気の伝授~

はい、設定を新しくしました。

前からあったものも修正しています。

のび太が見聞色を覚えだしたらそれこそ鬼に金棒ですね。


視点はのび太


夢を見ていた。そこは大海原で一隻の船が奴隷を運んでいた。奴隷の人が水をくれって言った瞬間に鞭で叩かれていた。男性たちが怯んだその奥にしずちゃんが奴隷商人を睨みつけていた。

 

「のび太様!!」」

 

「はっ!!」

 

「考えながら寝るのどうなの!?」

 

万陽奈さんに起こされて、ウタに怒られた。考えてる時に寝るのはよくないね。

 

「ごめん、…って何してんの?」

 

ドラえもんが大きな本の前で唸っていた。大事なデータが届くところらしい

 

「来た!」

 

「やったぁ!」

 

「何がやったなの?」

 

僕はわけもわからずに聞いたら、ドラえもんが言うにはアラビアンナイトは全部で260の物語でできていて、ドラえもんは中に実話があるんじゃかと思って[宇宙完全大百科]で調べてみたらしい。そしたら

 

「実在した人物が二人いたんだよ!!」

 

「ほんとに!?」

 

「いい収穫じゃないですか!?」

 

「すごい!」

 

「ハールーン・アル・ラシード王と宰相ジャファルの2人なんだ!」

 

だからこの時代のアラビアへ行けば物語と繋がりがある可能性があるみたい

 

「行こう!」

 

「うん、行ってみるしかない!」

 

僕はジャイアン、スネ夫、ルフィさんを誘った。ジャイアンとスネ夫は負い目もあるのかすぐに駆けつけてくれた、ルフィさんはすっ飛んできてくれた。

 

「僕達がバラバラにしたせいで。」

 

「しずちゃんに謝るぜ。」

 

「でもどうやって行くんだァ?」

 

「だから専門のガイドロボットを頼んである。」

 

ドラえもんは3人が来るまでに電話をしていたと思ったらそういう事だったのか。

 

「しずが心配ね、のっ君の夢の通りなら危ないわ。」

 

「皆様、どうか静香様をお救いください。」

 

美夜子さんも帰ってきて、僕、ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、ルフィさん、ウタ、美夜子さんが行く。万陽奈さんは何かあった時のために留守番にしてもらう。

 

「お邪魔します!…てどうしたのこんなに集まって。」

 

直ちゃんが来た。あれ?今日は稽古だったはずなのに。

 

「稽古終ったから遊びに来たんだけど…何かあったの?」

 

「それが…」

 

直ちゃんにしずちゃんの事を説明すると

 

「私も行く!!」

 

と直ちゃんも行くことになって、8人で行くことになった

 

ドン!!

 

「お待たせしました!ドラざえもん様!」

 

と緑色に黒い肌のお化けみたいなのが机の引き出しから出てきた。この子がガイドロボット?ジャイアン、スネ夫がお化けってダイレクトに言ったから怒って時間旅行公社のミクジンって言うらしい。

 

「それより、ドラざえもん様はあなた?あなた?あなたですか?」

 

「ドラざえもんじゃなくて!僕ドラえもん!!」

 

「あ…失礼ヒャハハハハハ!本日は我が社のアラビアンナイトツアーをご利用くださいましてありがとうございます!そもそもアラビアンナイトとは!」

 

「ごめん、ミクジン説明はまた今度にして?」

 

「一刻を争うの。」

 

「そうですか?解説も仕事のうちなんですけど…しかしこれだけは覚えてもらいます!「1日で覚えるアラビア語会話」!」

 

「[翻訳こんにゃく]があるからいいの。」

 

「ドラざえもん様がお持ちで。」

 

そのネタまだ引っ張るの!?もういいから

 

「じゃあ、身なりを整えてください!こちら額国の貿易商とお供が6人、召し使いが2人です。」

 

ドラえもんが貿易商、お供が僕、美夜子さん、ウタ、直ちゃん、ルフィさんになって、召し使いがジャイアンとスネ夫になった。2人は少し不満げだったけど。ルフィさんは赤い服を着ていた。

 

「では急ぎましょう。」

 

僕達はタイムマシンに乗ることになった。定員オーバーだから美夜子さん、ウタは魔法や顕現で小さくなって、直ちゃんとルフィさんはスモールライトで小さくして、ドラえもんと僕の服のポケットにそれぞれ入った。ジャイアンとスネ夫の服にはポケットがなかったんだ。

 

「古い形のマシンんですね。」

 

「イイの動くから。」

 

「えぇ、それでは794年のバグダッドへ向かいます!」

 

そう言って、タイムマシンを動かしたミクジンはもうそれはフルスピードで運転した。流石に急げとは言ったけどここまで急ぐことないじゃないか!!

 

「「「「「「「「うわああああああああ!!」」」」」」」

 

「794年、日本は丁度平安時代。桓武天皇が京に都を移されたのでございます。」

 

「解説はどうでもいいんだけど!?」

 

「私も仕事なので。」

 

「こんなスピードじゃ聞けないって!」

 

「ムスッ」

 

――――――――――――

 

 

「はい着きました!」

 

と言われて乱暴に放り出された。さっきの根に持ってんの?

 

「ご覧ください、ここが794年のバグダッドです。」

 

ミクジンが指をさした方を見ると宮殿や昔の家の明かりがついていた。

 

「手前の流れが有名なチグリス川、中央が円城、三重の城壁の中には王宮や寺院が建ち並び、人口は200万人。この時代世界最大の都市と言われいます。ちなみに日本は丁度平安時代が始まり都が…」

 

「それはさっき聞いたって。」

 

「解説はいいの!」

 

「社会科の先生と来てるみたいじゃん!」

 

ルフィさん、スネ夫、直ちゃんが文句を言う、バグダッドの解説は別によかったんだけど、日本のはもうあの猛スピードの中で聞かされた。

 

「シュン、どうせ僕の解説なんて面白くないですよ。三流ガイドなんですから…シュン」

 

「あら、すねちゃった。」

 

「これからどうする?」

 

とりあえずキャンプをすることになった。

 

「この広いアラブ世界のどっからどうやってしずちゃんを捜すかだ。」

 

「僕の夢だとね。奴隷船に乗ってたよ。」

 

「のび太の夢は時々当たるから怖いよな。」

 

福の世界(フォーチュン・ワールド)の時なんて穂波さんが出て来た時は驚いてたし。あれがいつの時の夢なのかわからないけど

 

「どうせならさ、アラビア風で行こうよ!」

 

「どういうことだぁ?」

 

スネ夫が提案したのはランプの精とか瓶の中の魔人とかを出してほしいみたい。

 

「それいいな!!面白れぇ!…お前ら。」

 

「どうしたの?」

 

ルフィさんが急に小さくしゃべった少し辺りを見回してる

 

「囲まれてるぞ。」

 

「え!?」

 

「盗賊?」

 

「だろうな。」

 

「何人くらいですか?」

 

「40人だな。」

 

流石はルフィさんの見聞色の覇気。そんなにわかっちゃうなんて

 

「ルフィの見聞色って誰に教わったの?」

 

「レイリーだ!」

 

「それって外交官の?」

 

「おれの師匠だ!と…ん!!」

 

バタバタバタバタ!!

 

と人が倒れて行く音が聞こえた。え!?何したの!?

 

「覇王色?あんたやっぱ資質あったんだ。」

 

「まぁな!」

 

「え、何の話?」

 

ウタとルフィさんだけで盛り上がらないで!僕達置いてけぼり!

 

「今ルフィがやったのは覇王色の覇気。相手を威圧させて気絶させるの。使用者の鍛錬による強化じゃなくて、本人の成長でのみ強化されるらしいんだ。」

 

「前から思ってたんですけど、覇気ってなんなんです?」

 

しずちゃんが教わってるのは知ってたし、それをうまく使いこなせていないのもわかる。

 

「これは世界の全ての人に潜む「意志の力」だからやろうと思えば、みんなも取得できるよ。」

 

「それは魔法と併合して使いたいわね。」

 

「俺もだ!」

 

「まだまだ未知なる力があるなんて世界は不思議だね。」

 

「ウタも取得してるの?」

 

「私はしてないけど、昔シャンクスにちょびっとだけ教わった事があるし、基礎までしかわからないの。」

 

「ふーん。」

 

「お前は取得してるぞ?見聞色。」

 

「僕が!?何でわかるの!?」

 

「ウタが怖い顔した時なんかゾクゾクっとしたろ?」

 

…ん~?あ、そういえば言われてみればそうだ。何かゾクゾクがずっと続いてたし。あれってそう言う事だったの?

 

「見聞色は磨けば磨くほど敵の位置が分かりやすいし、中には鍛えすぎて数秒先の未来を見れるらしいよ?ルフィもできるんだっけ?」

 

「おう!レイリーに教えてもらった!」

 

「ヘェ…」

 

美夜子さんも言ってたように魔法や時雨蒼燕流と一緒に使ったら間違いなく戦力アップ間違いなしじゃん。

 

「じゃ、今してみるか?お前らも」

 

「でもしずちゃんを捜さないと。」

 

「あいつは大丈夫だって!おれが鍛えてんだからそんなにヤワじゃねェって!それにおれもだけどお前らはここまで戦ってきた仲間だろ?あいつを信じろ。」

 

「…そうだね。夢の中のしずちゃんは奴隷商に向けて食って掛かりそうだったし。」

 

それにやっぱり少し気も焦ってた。しずちゃんが誘拐されてるかもしれないって思ったら居てもたってもいられなくて、そうだよ。あのしずちゃんだよ?しずちゃんはブイキンにも食って掛かってたんだ。あの正義の塊のしずちゃんが奴隷商なんかに負けるもんか。

 

「まさか、ルフィさんに言われるとは。」

 

「なんだそれ。」

 

「だって基本アホじゃないですか。」

 

「そうかぁ?」

 

ルフィさんは素っ頓狂な顔してるけど、ウタの時もマヤナ国の時もしっかりとした言葉を言ってくれる。しずちゃんはなんだかんだルフィさんに師事を仰ぐのもわかるし、麦わらの一味が信頼してるのかもわかる。僕達も一応麦わらの一味だけど。

 

「じゃ、おれは今からのび太達の師匠だな!」

 

「君たち!ここで野宿するのは物騒だよ…おっと、その心配は無用だったか?」

 

「おっさん、だれだ?」

 

ちなみに[翻訳こんにゃく]は食べてあるから言葉はわかるんだ。

 

「私はハールーン・アル・ラシード!」

 

「あなたがラシード王何ですか!?」

 

「私を知っているのか?」

 

「はい!」

 

ドラえもんが出した[宇宙完全大百科]で出た王様だ。実在の人物だとは聞いてたけど、本物は迫力がすごい。

 

「気絶している者をあらかた捕まえました。しかし、首領カシムはいませんでした。」

 

「そうか、王国全土に指名手配するんだ。悪者は根絶やしにせねばならん。誰もが安心して住める国を造るために。」

 

「はっ!」

 

「王宮に帰るぞ!君達も今日は王宮でゆっくり休みたまえ。」

 

「いいんですか?」

 

「サソリ団を気絶させた礼だよ。」

 

「ありがとうございます!」

 

ラシード王と一緒に王宮へ向かう僕達、今日はぐっすり眠れそうだ。

 

―――――――――

 

次の日、僕達は王宮の広間に呼ばれて、朝食を取っていた。

 

「昨日はゆっくり眠れたかな?」

 

「改めてありがとうございました。」

 

「砂漠の大掃除に成功したのも君達のおかげだ。」

 

「もぐもぐもぐ!!あすうじょあいういいじあ?」

 

「あ、ああ?」

 

「あ、この人の事は気にしないでください。」

 

僕達はラシード王に事情を聞かれて、ドラえもんがアブドーラと名乗り、秘書である、僕はアリ、美夜子さんはマユ、直ちゃんはベラ、ルフィさんはサイ、ウタはミオ、召し使いであるジャイアンはクマさん、スネ夫はハッサンだった。ジャイアンはクマさんって言われた時、複雑な顔をしていた。

 

「日本?聞いたことがない国だが。」

 

日本の知名度ってやっぱり明治時代からなのかな。知られるのって

 

「インドや中国よりももっと東の島国です。」

 

「おお、中国よりも東。」

 

中国はこの時も大国としては知られてるみたいだった。王様からさらに聞かれると、しずちゃんの事を話した。写真も見せたけど見た事がないらしい。

 

「その子が奴隷船に乗せられた夢を見たんです。」

 

「奴隷船?それは大変だ。チグリスの河口近くに世界中の船の集まるバスラという港がある。」

 

「何か手がかりがつかめるかもしれないね!」

 

「そうだね。」

 

「私のサイン入り交通手形をあげよう。何かの役に立つかもしれない。」

 

「何から何までありがとうございます。」

 

僕達は次の目的地をバスラに決めて、宮殿を出てからバスラの手前でルフィさんから覇気を習うことになった。

 

「覇気には3種類の色が存在するんだ。覇王色の覇気、見聞色の覇気、武装色の覇気だな。覇王色と見聞色は昨日見せた。武装色はこれだ!」

 

シュバっとルフィさんは拳を見せた。そして黒く変色した。

 

「これが武装色だな。」

 

「堅そう、ていうかそれギア4の時に纏ってたやつですね。」

 

「おう!あれは筋肉に空気を入れながら覇気を纏ってんだ!」

 

「ヘェ…僕にもできるのかな。」

 

「ロボットができるの?」

 

「おれも知らねェ。見聞色くらいならできんじゃねェか?」

 

ロボットであるドラえもんも覇気には興味津々、こういう授業なら僕達も飽きないのにな!って言っても基礎授業やってかないといけないんだけど。

 

「んじゃ見聞色の修行は…これをつかう!」

 

ルフィさんが取り出したのは目隠しだった。これを付けて追い込んで追い込んで追い込んでいくらしい。これがレイリーさんから教わった修行なんだとか。見聞色の覇気は相手の気配や感情をより強く感じたり、生物の発する心の声を聞いたりする覇気。また、「見る」「聞く」は、あくまでも相手の覇気の動きを感覚で把握する方法の一環に過ぎないらしいけど、まぁでもうまく扱えばそれ関係なく使えるらしい。

 

「ほんじゃま、やるぞ!!」

 

見聞色を取得するために僕達は変わりばんこで目隠しをしながらやった。僕はちゃんと覚えたいからね。

 

――――――――

 

見聞色の修行をちょっとしてから僕達はバスラで情報取集していた。手分けをして写真を見せながら探すけど、僕、美夜子さん、ドラえもんで捜してる。あるおじさんからこれが売り物かと聞かれたから売り物なんかじゃありませんと言って走った。

 

「見かけないねェ。知らないなァ。」

 

「やっぱり…ありがとうございました!」

 

別のおじさんにまた聞くと見たことあると言われた。

 

「どこでですか!?」

 

「確か…30年前だったかな?」

 

30年前!?絶対に他人の空似だよぉ!それでも僕達は探すけど手がかり一つ見つけられなかった。

 

「こんな捜し方じゃ見つかりっこないよォ」

 

「他にないからねェ」

 

「見聞色の覇気は40キロしかできないしなぁ」

 

他のみんなはどうなんだろ?

 

「あ、2人とも。」

 

ジャイアンとスネ夫がコブラの笛の奴を見ていた。あの様子じゃ2人も見つけられなかったのかなぁ。

 

「おじさんは知ってる?この子?」

 

スネ夫が蛇使いのおじさんに聞いた。

 

「知っておる。」

 

「やっぱりしら…え?」

 

「「「「「知ってる!?」」」」」

 

「どこで!?」

 

「10日ばかり前に奴隷船が東へ向かって出帆した。その中に確かその子が」

 

「それだ!!」

 

「ありがとうおじさん!!とりあえずルフィさん達捜して行こう!」

 

「でもどうやって?」

 

「こうされてはいかがかな?」

 

と蛇使いのおじさんからの提案は僕達も船を1艘買ってからそれで追いかけるというもの。

 

「ドラえもん、ルフィさんに頼んで一回かえってサニー号持ってこようよ。」

 

「それだとしずちゃんがどこに行っちゃうかわかんないよ?」

 

「あ、そうか…タイムマシンでもわかんなくなっちゃうもんね。」

 

タイムマシンでも限度があって、この時間にキッチリ戻れるかわからないって前に説明された。ドラえもんが僕達の時代につけるのはそこに印があるかららしい。

 

「ドラえもん、この時代のお金あるのか?」

 

「宇宙平和銀行から取り寄せる。」

 

「どうなさいます?よかったら私が売り出し中の船を紹介しますよ。」

 

「では、お願いします。」

 

おじさんの紹介でちょっとボロそうな船が買えた。ルフィさん、ウタ、直ちゃんとも合流している。この船はずっとほったらかしにされてたみたいで中も結構ホコリだらけだった。

 

「ルフィさん、動かせる?」

 

「フランキーが居たらよかったんだけどなァ。」

 

フランキーさんはあんな見た目だけど船大工だからこれくらいわけないけど、急いで来ちゃったから呼ぶ時間がなかった。

 

「コラ!そこの船!」

 

いきなり憲兵さん達に話しかけられた。無届け出帆は違法らしい。あ、普通に行こうとしたけどダメなんだ。様々な事を聞かれて、怪しまれた。そりゃそうか。ドラえもんが交通手形を見せたら、コロッと態度が変わった。偉大な王様なんだね。やっぱりラシード王は。

 

「失礼しました!実はカシムという盗賊が国外逃亡をする情報がありまして!」

 

だから厳戒態勢で取り締まってたんだ。憲兵さん達は急いで戻って行った。

 

「あ、あのおじいさんどこ行った?」

 

「あそこから来てんぞ。」

 

するとガラの悪い男たちを連れて、あのおじいさんがやって来た。

 

「…」

 

「ルフィさん?」

 

「何でもねェ。警戒しとけ。」

 

「う、うん。」

 

おじいさんに会った時からルフィさんは睨んでたけど、どうしたんだろ。ま、それはいいか、とりあえず、僕達は船を出したのだった。




雷神「はい終わり。」

銀「覇気の説明今なんだな。」

雷神「説明するタイミングがね」

ウタ「でも、のび太が覚えたら鬼に金棒かもね。」

雷神「へへ」

銀「それにしても設定増えたな。」

雷神「人物と世界設定だけだけどね。」

ハル「組織の設定もするの?」

雷神「そりゃしないとね。では次回もお楽しみに!」


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第91話ドラビアンナイト~のび太と静香の過去とカシムのイラ立ち~

続きです。小さな時のにのび太と静香の出会いです。
大本は大山版の『小さな恋にメロメロ』に沿ってます。

今回は短いです。


視点はのび太、第三者目線、のび太です


航海に出て次の日。それでも陸地した陸地にはぶつかってない。怪しい男たちはずっと下品な笑顔をしていた。ルフィさんに言われた通りに警戒してたら何もしてこなかったけど、女性陣が特に危ないから風呂や眠る時は常に僕達で固めていた。子供相手に欲情する大人がいるわけないけど、最近の彼女たちはスタ…

 

「それ以上言うと燃やし尽くすけどいいの?」

 

おっと、美夜子さんにバレたみたいだからこれで、しずちゃんが乗ってる船にはまだまだ時間がかかるかもしれない。また夢を見たんだけど、ひげを生やしたおじさんにしずちゃんは抵抗していたけど繋がれていた。

 

「しずちゃん無事だといいけど。」

 

「ま、心配すんな!あいつを信じろ。」

 

「わかってるけど…心配は心配だよォ。」

 

信じたい気持ちはある。けどやっぱり心配しちゃうんだよねぇ

 

「心配な気持ちもわかるわ。のっ君にとってあっちゃんと同等にしずとは長いって言ってたしね。」

 

美夜子さんが言うように僕としずちゃんの関係はあーちゃん、和人、ジャイアン、スネ夫と同じタイミングだった。最初に会ったのがしずちゃんだしね。

 

「そういえばさ、のっくんとしずちゃんってどうやって出会ったの?」

 

「ウタにはそういえば話してなかったね。」

 

僕はウタにしずちゃんとの最初に会った時を話す。

 

 

――――――――

 

あーちゃんの時にも話した通り、当時の僕は泣き虫で幼稚園に入園する前に転んでしまって、大泣きしていた。まだあの頃はおばあちゃんも生きてたっけ…

 

『ほらもう痛くないわよ。』

 

『のびちゃんや。』

 

ママとおばあちゃんは実に困ってただろうなァ。

 

『これどうぞ。』

 

『『『ん?』』』

 

麦わら帽子を被ったしずちゃんがハンカチを貸してくれたんだ。麦わら帽子はルフィさんから借りてたらしい、この時からルフィさんの所で修行していたんだ。

 

「待って3歳から!?ちょっとルフィ!あんた3歳相手に何してんの!?」

 

「しょうがねェだろう!?あいつの強引さはその時からだったんだよォ。」

 

「しずの強引さはその時からだったのね。」

 

「いやまぁ、僕もそれ聞いた時は驚いたけどね。」

 

『まぁ、出来たお嬢ちゃんね!でももう大丈夫よ』

 

『ええ、のびちゃんも泣き止みましたからねェ』

 

ママとおばあちゃんはしずちゃんにお礼を言った。僕はずーっとそれを見ていた。優しい女の子もいたもんだなァ…って、考えてたっけ。それで僕達の幼稚園は双葉幼稚園って言って、僕やしずちゃん、ジャイアン、スネ夫、和人はひまわり組に居た。

 

『はい、皆さん。ご入園おめでとうございます。今日はみんな仲良くお勉強したりしましょうね!』

 

担任の吉永先生がそう言って僕達は返事をした。ジャイアンはこの時は乱暴者でスネ夫がもらった豚さんのシールを奪っていた。

 

「…あ、あの時は若かったしな。」

 

「いんや、横暴だったね。」

 

「ハハハ…」

 

『じゃあ、カバンにつけたりしてくださいね。』

 

僕は話を碌に聞かずにしずちゃんの姿を確認したら顔がほころんだ。あの子と同じクラスなんだって。嬉しかったのを覚えてる。

 

「…初恋はしずちゃん?」

 

「そうじゃないんだけどね。…いつか話すよ」

 

「いや誰なの?もやもやする」

 

「今はしずちゃんの話でしょ?」

 

それになんかドラえもん、スネ夫、ジャイアンがめっちゃそれを喋るなって顔でこっちを見ていたら言ったら3人の地雷を踏み抜くと判断した。まだ死にたくないし。

 

『あらあらあらぁ?』

 

お遊戯をしてたんだけど僕はみんなと逆方向の腕を上げて恥ずかしかったなァ。一人でジャンプしてて、ちょっと浮いてた。そんな時に話しかけられた。

 

『ねぇ。ちょっとそこ違うよ?』

 

『え?あ…」

 

しずちゃんは優しい笑顔で教えてくれたんだ。その後はママたちが書類かなんかで先生と話してたから僕達、園児たちは外で遊んでいた。僕としずちゃんは兎を見ていた。なんとなくだったけどね。二人で見ていたら突然、ジャイアンが麦わら帽子をしずちゃんから奪い去った。

 

『何するの!!それお師匠さんのなんだけど!!』

 

『やーい、こっこまでおいでェ!』

 

とジャイアンは麦わら帽子を雑に扱いながら走り去っていった。当時はなんとも思ってなかったけど、ウタの事件に聞いて、あの帽子が鈴斬様の預かり物って知った時はジャイアンと僕は血の気が引いたね。

 

「…何やってんだお前ェッ!!シャンクスの帽子をお前ェ!!」

 

ルフィさんはそれを聞いてジャイアンの胸倉をつかむ。ま、そうなっちゃうか。

 

「マジで申し訳ないです!!あの時のおれは本当に。」

 

「ルフィ、今怒っても仕方ないでしょ…でもシャンクスの帽子を乱暴に扱ったのには私もイラっとした。それに女の子に乱暴するのも。」

 

ウタにとっても大事な麦わら帽子だもんね。ジャイアンを蔑んだ目で見ていた。いや待って、あのハイライトを無くした目になってる本気で怒ってる。

 

「…はい」

 

「まぁ、でもルフィさん、ウタ。すぐに取り返すんですよ。しずちゃんが。」

 

「…そうなのか?」

 

「ほえー」

 

ルフィさんは掴んでいた胸倉を放した。しずちゃんの俊敏な動きは当時からだった。ジャイアンの懐に入ったと思ったらすぐに取り返した。

 

『はえ?』

 

『人のもんにとっちゃダメだって。ママに教えてもらえなかったの?』

 

『…うるちぇ!』

 

『あと…』

 

足をジャイアンの足に引っかけて、転ばせた。

 

『その態度ムカちゅく。』

 

『うわああああん!』

 

ジャイアンは泣きべそをかいた。転ばされたってのもあるけど、圧倒的強者に出会った恐怖を感じてたのかもしれない。本能的にこいつには勝てないって、僕も思ってたし。

 

「し、しずの正義感その時からだったのね。」

 

「まぁね。その後は大変だったよ。ジャイアンを可能な限りまでぼっこぼこにして僕とスネ夫が必死に止めたんだから。」

 

「しずちゃん、それ過激すぎない?」

 

「そのおかげでおれは、いたずらするのも乱暴するのもやめたんんだ。」

 

「あーちゃんの時。」

 

「…しずちゃんが居なくてつい。」

 

「まぁいいけどね。」

 

そこから和人と出会って仲良くなったりしてたけどそれはまた今度話そうかな。

 

―――――――

 

「クソ…誰も隙を見せやしねェ。」

 

おじいさん…に扮したサソリ団、団長カシムはいら立ちを隠せないでいた。国外逃亡をしようと思って、のび太達に近づいて船の乗組員になったはいいものの油断も隙も見せないのび太達にイライラしているのである。

 

「カシム様どうしやしょう。」

 

禿げた手下がカシムに聞くが苛立ちのの矛先を向けられただけだった。それもそのはずでのび太、ジャイアン、スネ夫、ドラえもん、ルフィは変わりばんこで見張りをしているし、美夜子、ウタ、直葉は常に怪しいおじさんたちを見ていたからだ。今も話してはいるが時折カシム達を睨みつけている

 

「クソが…」

 

この船を奪う計画をしていたというのになんだ。あいつらはと思っている。しかし、カシムは気づいていないのだ。何故40人の部下が一斉に気絶したのかを…年長者であるルフィの覇王色によって気絶させられてしまったというのを…気づかない方が幸せかもしれないが。

 

「それでどうするんです?」

 

「あいつらにも油断も隙も見せる時があるはずだ。それを付け!!」

 

「絶対にそんなときないと思いますけど。」

 

「いいから持ち場についとけ!!」

 

カシムは苛立ちを隠せないまま部下にそう言う、しかし、その言葉や心の声は約2名にバレてしまったのだが…

 

――――――

 

「やっぱ、あいつら、昨日の奴らだったぞ。」

 

ルフィさんが小さな声で言ってきた。昨日の奴らっていやぁ、サソリ団?

 

「心の声が駄々洩れ。うるさいったらありゃしない。」

 

「ああ、だから時々お爺さんじゃない時があるんだ。」

 

納得、演技だとわかったらいたちごっこでもしようかな。あいつらが根をあげるその時まで…ニヒヒヒ

 

「考えが黒い。」

 

「そんな事ないよ。」

 

「ま、私達が油断を見せんきゃいいでしょ。」

 

直ちゃんが気合を入れていた。直ちゃんは意外と久しぶりの冒険…でもないか、ウタの事件の時も頑張ってたし。あ、そうだ。

 

「ドラえもん、気を付けてね。」

 

「どうして僕!?」

 

「時々ドジふむの自覚ある?」

 

「それは君もでしょ!?」

 

「「「2人ともだよ」」」

 

「「ええ!?」」

 

僕とドラえもんは、美夜子さん、ウタ、直ちゃんの言葉に驚いた。僕、そんなにドジふんだ覚えないんだけどなぁ。

 

「自覚がないのが罪ね。」

 

「ひ、ひどい。」

 

そんなわけで僕達とサソリ団のいたちごっこは陸地が見えた2日後まで続いたのだった。




雷神「はい終。」

銀「圧倒的短さだな。」

雷神「最近、ながいから調整も兼ねて。」

ウタ「ジャイアン許すまじ、ジャイアン許すまじ。ジャイアン許すまじ。」

銀「こいつはこいつでイラ立つな。」

ウタ「シャンクスの帽子を…あのバギーって奴を思い出す!!」

雷神「バギーはバギーで大変だしなァ。」

銀「バギーと戦ったことあんのか。」

ウタ「弱かったし、バラバラの実の能力使えるようになったからいいんだけどね。あんま使いたくないけど。」

雷神「ハハハ…では次回もお楽しみに。」

銀「ここも短いんかい。」

雷神「尺の都合です。」

銀「へいへい」


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第92話ドラビアンナイト~大砂漠とモルジアナとシンドバット~

映画版ではミクジンが助けて陸地に着きますが、まぁ違います。

サブタイにもあるように彼女が出てきます。シンドバットは普通におじいさんですが。

視点はのび太、しずちゃん、のび太、しずちゃんです。


「昨日火の玉を見た?」

 

航海を続けて3日が経って、まだしずちゃんが乗った奴隷船の姿は見えてこない、というか陸地した陸地が見えてない、地球の海がこんなに広かったっけってくらいに…そんなときにスネ夫が昨晩火の玉を見たらしい。

 

「本当だってば!火の玉がうようよ浮かんできてこっちに来たんだもん!」

 

「ドラえもん、なんか出した?」

 

「いや?でもそれがもし本当ならこの変に広い海も鑑みても…架空世界と現実世界の間の壁がぼやけてきてるのかもしれない。」

 

ということはアラビアンナイトの世界に入りかけたって事!?この地球の海がこんなに広い理由もわかった。

 

「でも陸地が見えなきゃ…」

 

「…あ、見えたわよ!」

 

僕がそう言った時に美夜子さんが甲板の向こうを見ながら叫んだ。そっちを見ると大砂漠がある陸地がある。

 

「…地球にあんな大砂漠なんてあった?」

 

「エジプトでもあんなものは見た事がない。」

 

「このボロ船ももう消耗激しいからね。」

 

ボロ船はもう、船底には穴が開いて、ドラえもんの道具で補強してる。こんなに余裕そうにしてるけど結構焦ってた、あと1日でこの船ぶっ壊れるってルフィさんが言ってた。

 

――――――――――

 

「それでは私達もこの辺で…」

 

おじいさんたちはここで別れた。警戒していたおかげでこの人たちからは何もされなかった。時々ドラえもんのポケットを狙ってたけど、ルフィさんの覇王色の覇気で毎回気絶させてた。

 

「そう言えば、この帽子さ。ぶかぶかだったんだよね。」

 

とドラえもんが急にそんな事を言いだして、笛を吹いたら帽子が伸びだした。蛇使いみたいな事が出来たんだ。…それ最初から言ってよね。この中で一番小さいスネ夫が帽子の先端に乗って、上から砂漠を見てもらうことにした。

 

「スネ夫!何か見えっか?」

 

「ん?あ!湖!!海みたいにでっかい湖がある!!」

 

ドラえもんはゆっくりとおろしてそっちに向かう事にした。スネ夫が自信満々で案内するけど、行けども行けども、砂漠の砂ばっかりだった。

 

「…ハァ…ハァ!!」

 

「お、いスネ夫…それどこに…あんだよ…」

 

体力を使いまくって、すごくのどが渇いたけど…ドラえもんはこんな時に限って[どこでも蛇口]や[グルメテーブルかけ]をメンテナンスに出していて、飲み物や食べ物を出す道具を持ってない…だから最初から言え!

 

「人魚族に行くときのあの家みたいなの無いの?」

 

「…はは?」

 

「あ、うん、もういいよ。」

 

「それにスネ夫君が見たのは蜃気楼だよ。」

 

「光のいたずらでありもしないやつを見せる幻の?」

 

「…ごめん。」

 

「火の玉の次は蜃気楼か…スネ夫疲れてるんじゃない?」

 

「…そうかも。ドラえもんちょっと中に入っていい?」

 

スネ夫はそう言って、ポケットの中に入った。地下世界の時のノイローゼなのかな。僕達はスネ夫を休ませて、歩いていく。

 

――――――――――

 

「…あーあ、マジであのひげ親父叩き潰してやりたい。モルちゃんも思わない?」

 

「なかなか怖い事言いますね。」

 

うちが絵本の中で迷子になってからあのひげ親父に捕まって、奴隷にさせられてから船が難破して、この大砂漠に上陸して何日かも忘れた日にオアシスで泳いで、あの親父の愚痴を同じ奴隷になってたモルちゃんことモルジアナに言った。

 

「モルジアナも強いんだから叩き潰せばいいのに」

 

「…何されるかわからないですから。」

 

真面目なこの子にはもっと自由になってほしい。モルジアナの戦闘能力はうち以上なのに勿体ないんだけどなァ。9歳の頃に別の奴隷商に買われてから暴力のに次ぐ暴力で奴隷商には逆らえなくて、恐怖心を与えられてるらしい。

 

「ま、うちも逃げれてない訳だけど。」

 

あいつは不思議な力があって、うちとモルちゃんに何かをして拘束している。モルジアナが言うにはこれはルフの力を借りた魔法らしい。みっちゃんの魔法とはちょっと違うけど。

 

「あの方は強いルフに守られています。私やしず様の格闘じゃかないません。」

 

「そういうもんかぁ。」

 

「逃げようと思わねぇようだな。」

 

と小汚い声がうちとモルちゃんの会話に加わった。ひげ親父。…名前はアブジル、アラビアンナイトで出てきた奴隷商。

 

「普通に話に加わんなひげ。」

 

「け、可愛げのない女だ。」

 

「乙女の会話を盗み聞いてる変態親父に言われたくなーい。」

 

「この小娘が…!!まぁいい。お前らを傷つけると王宮に高く売れねぇからな」

 

「べろべろバー」

 

「挑発しすぎですよ?」

 

もし、モルちゃんに手を出したら魔法を突き破って噛みついてやる!モルちゃんの見た目は猫目で無表情だけどむっちゃ可愛い。左側にサイドポニーにした長い赤髪を持つし、助かったらこの子をモデルとして服をめっちゃ着せてやりたい!!助ければだけど。

 

――――――――――

 

次の日、ドラえもんの帽子で砂嵐から身を守ってた。太陽がこれでもかと威力を発揮しててクソ暑い。いい天気なのはいいんだけどさ、もっと手心ってもんをさ。

 

「天候に文句言っても仕方ないでしょ。」

 

「それはそうだけどさ。」

 

「ジャイアン、大丈夫?重くない?」

 

「うん、あんまり大丈夫でもないけど、ほったらかしにはできないだろ。」

 

ジャイアンはスネ夫をおぶって移動してる。ポケットから出てきたけどやっぱり元気はないからジャイアンがおぶってるんだ。

 

「いつも以上にやさしくて君の友情にはジンと来るよ。」

 

スネ夫はジャイアンに泣きながらお礼を言っていた。何だかんだで二人で行動してるジャイアンとスネ夫。僕も泣きたくなるね。

 

「ハァ…ミズゥ…」

 

ルフィさんは木の棒を持ちながら死にかけてた。タケコプターがあればいいんだっけど、うん、まぁいつも通りバッテリー切れになって、回ったからやめてた。この暑さでタケコプターのバッテリーがオーバーヒートしちゃったらしい。

 

「バードキャップは?」

 

「…ハハ?」

 

「うん、わかった。」

 

「…ん?」

 

「どうしたの。る…え?」

 

「…僕耳までおかしくなった?」

 

空の彼方から大きな巨人が飛んできた…いや、あれは瓶の魔人?シンドバットの冒険で見た事がある。

 

「僕だけじゃないの!?」

 

「そうだよ!僕達にも見えてる!!」

 

僕達はさすがに巨人相手…

 

「ギア2…JET(ピストル)!!」

 

とルフィさんが攻撃して、巨人はぶっ倒れた。う、うわお…流石ルフィさん物怖じせずにぶっ倒した。

 

「ぼ、僕らはついにアラビアンナイトの世界に入っちゃった!!」

 

「それ、ルフィさんが攻撃する前に言わない?」

 

「ルフィ!手当たり次第にぶっ倒さないでよ!!その巨人が味方だったらどうすんの!?」

 

「…それもそっか!」

 

巨人は何事もなかったかのように起き上がって僕達を掴んだ。ダメージ全く入ってないって事っすか!?あのルフィさんの攻撃を喰らっても!?僕達は運ばれていく、巨人はスピードをあげながらどこかに向かっていく。

 

「ねぇ!あれ!」

 

ちょっと元気になったスネ夫が地平線の方を見て叫んだ。あれは、なんかめっちゃ光ってる…そこに向かってるんだ!!

 

「黄金の宮殿だ!」

 

巨人はそこに近づくとゆっくり降りていく、僕達をまた掴んで優しくおろしてくれた。

 

「ありがとな!攻撃して悪かった!」

 

ルフィさんが謝ると気にしてないと首を振ってどこかに消えた。僕達は宮殿の中を見ると、噴水やらライオンの像が置いてあった。…ん?噴水?

 

「水だ!!」

 

「やっと水にありつけるわね!!」

 

「うっほぉおぉぉ!!」

 

ルフィさんは腕を伸ばして先に入る僕達も後に続いて、入って水を飲むめっちゃうまい!!僕達は生き返ったとばかりに水を掛け合った。水のありがたさ

 

「ガオオオ!!誰だ!何しにここへ来た!」

 

「ら、ライオンが口をきいたぞ?」

 

「ここの主?」

 

「お前、人間だろ!」

 

ルフィさんはライオンに向けて叫んだ。人間!?見聞色の覇気でわかったって事かな?

 

「おぉ?よくわかったね。久々のお客なもんでついつい」

 

とへらへらしたライオンは二足歩行になって、パッと煙が出てきておじいさんが出てきた。

 

「私はこの宮殿の王。シンドバット。人は船乗りシンドバットと呼ぶ男じゃ!」

 

…え?あの船乗りシンドバット?イメージと違うなぁ…いやまぁ彼も人間だし、老いていくのはそうだろうけどさ…なんか少しがっかり、ずんぐりむっくりであの映画の王様みたいじゃん

 

「でもまさにアラビアンナイトだ!」

 

「《アラビアンナイト》?何だね?それは。」

 

「あ、千夜一夜物語ができるのはもっと後の時代だからわからないか。あのぉ、ちょっとお尋ねしますけど。」

 

「ああ、わかった。一人暮らしは寂しくはないと言うんじゃろ?」

 

「違います。」

 

「たくさんの魔法グッズに囲まれてるから毎日が楽しいよォ」

 

「だから違いますって!!」

 

「なんかルフィにそっくり。」

 

「何でェ?」

 

話を聞かずに宮殿の中に入るシンドバット。違うそうじゃないって!!

 

「わしのコレクションを見せてげよう。」

 

「だから違います!僕達が聞きたいのは!」

 

結局話は聞いてもらえずにコレクションを見せられた。最初は【空飛ぶ木馬】昨晩これに乗ってたら僕達を見つけたらしい。だからここに連れてきたらしい。

 

「そのことはありがとうございます!」

 

「ところで僕達が聞きたいのは…「わかった!あの巨人の正体だろ?」

 

「話聞けクソジジイ」

 

「口が悪いわよ。」

 

「それはこの…【瓶の魔人】。蓋を開けた者の言う事を聞く、だが強すぎて使いこなすのが難しい」

 

だからルフィさんの攻撃で倒れても涼しい顔してたんだ。納得がいく。

 

「そしてこっちは脅威の大宇宙パワーで力を得た【ランプの精】3つだけどんな願いもかなえてくれる。しかし、生物殺害、生物創造、死者蘇生、恋愛事はかなえられないんじゃ。さぁ、こすってごらん。」

 

「はい。」

 

ドラえもんは渡されたランプをこすると…

 

「うおーーい!!ランプの精。ジニーさんでーーーす!!お、これはこれは、タヌキが歩いてるのは珍しい。」

 

「ぼ、僕はタヌキじゃない!!」

 

お約束のやり取り。

 

「ていうかシンドバット!久々だね。10年間ランプの中に居たから首がガッチガチだわさ!うーーんうお!!気分最高!!」

 

青い肌をしたランプの精はめっちゃテンションが高い。そこかしこを飛んでいる。ていうかまんまあの映画のあのランプの精そのもの名前出せないけど。

 

「彼は自由を得ているが、時々ランプの精の仕事をやっとるんじゃ。昔は自由がなく、ある王子になった青年に自由を得たんじゃ。」

 

あの映画って、千夜一夜物語を原作としてるって聞いたことあったけど、繋がってたんだ。シンドバットの世代と一緒だとばかり思ってた。

 

「んじゃ、また眠るね~お休み~!」

 

「中に戻っちゃった。」

 

「自由過ぎてルフィ以上。」

 

「ウタはさっきから何でおればっかいうんだァ?」

 

「自由の権化が何言ってんの?」

 

「そうかぁ?」

 

「あ、あの、これは重要な質問なんですが、僕達がはるばる来たのは女の子を!」

 

とやっとスネ夫が本題に入ってくれた。シンドバットは心当たりがあるみたいで宮殿の中に案内された。よかった、しずちゃん保護されてたんだ!と僕達は座らされて、ご飯を出してくれた…ん?

 

「いい女の子達が揃っておるよ?」

 

「揃っておる?」

 

「さあ出ておいで!」

 

と出て来たのはアラブの映画でよく見る踊り子だった。ロボットみたいでネジ巻き式らしい…ってやっぱり違うじゃん。

 

「違います!!僕達は奴隷商人に攫われた女の子を捜してるんです!!」

 

「何だってェ!?大変じゃ!なぜそれを先に言わん!」

 

「喋らせてくれなかったんだもの!!」

 

「【空飛ぶ絨毯】!」

 

と絨毯が飛んできた。この絨毯はあの映画に出てきたあの絨毯と違って、ピンク色の絨毯だ。これに乗って、しずちゃんを捜す。ジニーに応援をしてもらって、探してもらったら、すぐに見つかった。しずちゃんとなんかもう一人の女の子が奴隷商人から魔法で拘束されてるらしい

 

―――――――

 

「おじさんはね。ほんとは優しい人なんだよ。」

 

「キモイ。」

 

「おい、調子乗ってるとその身体を「なおキモイ。」

 

マジで鳥肌が立った。なに急に発情してくれてんの?マジでもう何か普通に生理的に拒絶反応が出てきた。モルちゃんがいるから強気でいるけど、一人だったらやばいかも

 

「…まぁいい。これは約束してね。さあ言いなさいご主人、私の身体を好き勝手にしていいって。」

 

「子供相手に行ってるロリコンクソひげに言うわけないじゃんバカなの?死ね。」

 

「…ううっ!!この強情者!!きつくしてやる!!」

 

と言ってクソひげが動かなくなった。よく見ると紐みたいなのに身体を締め付けられてる。

 

「しずちゃん!」

 

「のっちゃん!?それに師匠にみんなも!」

 

のっちゃん、師匠、みっちゃん、すーちゃん、ウタ、スネ夫、ジャイアン、ドラちゃんが知らないおじいさんと絨毯に乗りながらこっちを見てた。

 

「助けに来てくれたんだ。」

 

「うん!」

 

クソひげが動かないのはドラちゃんの笛で動いてる縄みたいなのだったんだ!そしてのっちゃん、スネ夫、師匠、ジャイアンが下りてきた。でもクソひげの魔法ですぐに捕まっちゃう。あ、師匠が居るんだなら。

 

「師匠!!こいつに覇王色をありったけの力でぶつけて!!」

 

「な、なんだよ?「早く!!」わかった。」

 

「なんだ貴様ら、こ「黙ってろ」……」

 

クソひげの意識は師匠の覇王色で意識を刈り取られた。ふぅ…一安心。

 

「あ、しずちゃん!」

 

「ありがとね。来てくれるって信じてた!」

 

「…安心したよォ!!」

 

「ちょ、のっちゃん!?」

 

のっちゃんが泣きべそ掻きながら抱き着いてきた。うわ、泣き虫を卒業したのっちゃんが珍しい。…いやまぁうれしいからいいけどね。のっちゃんに心配させすぎちゃったなァ。みっちゃん、ウタ、すーちゃんに睨まれる…って思ったけど、3人共優しい顔してた。今回だけは許してね。

 

「僕のせいでごめんね。」

 

「そこは気にしてない。この子が居てくれたし。」

 

うちは名残惜しいけどのっちゃんを離してからモルちゃんに近づいて言った

 

「その子は?」

 

「うちと一緒にこのロリコンクソひげに奴隷にされてた子なんだ。」

 

「…しめるか。」

 

のっちゃんは泡吹いて倒れてるロリコンクソひげに言った。それはうちの仕事だからと断った。倒れてる間にぼっこぼこにするつもりだしね。

 

「名前はモルジアナ。何か戦闘民族らしい。」

 

「どこのサイヤ人?」

 

「違うって。」

 

「…皆さま助けていただきありがと…ござい…ま…す?」

 

モルちゃんがのっちゃんの顔を見て固まった。めっちゃときめいてる?…およよ?このパターン見たことあるぞよ?即落ち二コマ?

 

「私を貴方の奴隷にしてください!!」

 

「どういう事!?」

 

「「「「それ色々とアウト!!!」」」」

 

モルちゃんらしい言い方だけどそれはダメ!?あ、あれ?急に視界がぼやけてきた?

 

「…しず!!」

 

あちゃー、これは無意識に緊張してのかもなぁ。モルちゃんを助けたかったのもあるし、あのひげを警戒してたし。ぼっこぼこにしたかったけどぉ。これでうちの意識はここで終わった。




雷神「はい終わり」

銀「またぶっこんだな。」

雷神「前書きでも言ったけどやっぱり、モルジアナは外せないなって。」

銀「おれがいってのはジニーの方だ。」

雷神「名前だしてないからギリセーフ。」

ウタ「なんか危険な香り。」

雷神「そういう事言わんといて。」

ウタ「それにしても、のび太のハーレムメンバー膨大になってる。」

雷神「ドラえもんの映画だけじゃなく、SAO本編もいるからねハハハ。」

銀「まあいいが、のび太さされないといいな」

ウタ「まぁ、大丈夫じゃない?ハーレムメンバーの友情も堅そうだし。」

銀「それもそうだな。では次回もお楽しみにな。」


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第93話ドラビアンナイト~ルフとシンドバット王の精霊~

のび太としずちゃんがどんどん設定後付けという名のモルペコしてく。多めに見てくださいませんか?
マギも面白いので自分好きなんですよね。

キミはいったい何者なんだい?が好きなセリフです。



視点はしずちゃん、のび太、しずちゃんです


「…ここは?」

 

うちは知らない天井を目の前に見ながらつぶやいた。意識が失う前にのっちゃんたちに助けてもらったまでは覚えてる。けど、ここは明らかに日本の家じゃない。アラビアの宮殿?

 

「あ、起きたの?」

 

「おっはー」

 

「ここはシンドバット王の宮殿だよ!」

 

みっちゃんとウタとすーちゃんがいた。シンドバット王の宮殿ね…シンドバット王?ああ、なんか一緒に居たおじいさんの事?って!!

 

「あのずんぐりむっくりがシンドバットォ!?なんかイメージが違う!!」

 

「のっくんと同じ事言ってるし、失礼だよ。」

 

「だってェ。あれ?モルちゃんは」

 

モルちゃんの姿がそういえばなかった。あの子絶対にのっちゃんに人目惚れというか主人になってほしそうな感じだったし。

 

「今は風呂に入ってるわ。それで?あの子は何者なの?のっ君に対しての愛が重いわよ?」

 

「9歳の頃に奴隷にされてるからねェ。ちょっち重いのかもね」

 

「激重だった。しず姉が倒れて4日だけどその間すごかったんだよ?」

 

「ありゃ?」

 

そんなに寝てたの?だからお腹が空いてるんだ。師匠じゃないんだから…ていうか

 

「三人ともその恰好…」

 

みっちゃんは青い踊り子衣装、ウタはピンクの踊り子衣装、すーちゃんはグリーンの踊り子衣装に身を包んでた。可愛いし、スタイル強調されてて少しセクシー。

 

「シンドバット王が貸してくれたの。ずっと同じ服を着てたし。」

 

「それあのおじいさんの趣味入ってない?」

 

「それはない…でもスネ夫君らの視線が」

 

スネ夫、ジャイアン、ドラちゃんから初日に着た時にガン見されたらしい。エロ狐、エロゴリラ、エロだぬき、うちが寝てたからって…シバき倒す。

 

「まぁ、ルフィとのび太が小突いたから安心して。」

 

「それならよし。」

 

師匠はこういう時はそういうのを止めてくれる。スケベ(サンジ)が近くにいるしね、のっちゃんはまぁ、うちが怒ると感じたんだろうしね。ていうか可愛いからうちも着たい。

 

「そこ。」

 

「お、あった。その前にお風呂。」

 

「あっち。香水入りのお風呂あるわよ。」

 

いい香りがすると思ったらそんな魅力的なものがあるんだ!?

 

「行ってくる!!」

 

ウチは急いで、お風呂に向かう。それは浸かりたい!!

 

 

―――――――――

 

 

「だから走って出て行ったんだ」

 

「ええ」

 

僕達が大広間で会話してたら、しずちゃんが休んでた部屋から飛び出てきて走って行って、美夜子さん、ウタ、直ちゃんが出てきて、経緯を聞いた。魔法の世界のしずちゃんよりかはマシだけど最低4回は入るお風呂好きだしね。

 

「よかったよかった。」

 

「ありがとうございます。シンドバット王。こんなに泊まっちゃって。」

 

「いやいや、前も言ったであろう?わしは一人暮らしじゃ。にぎやかで楽しいよ。」

 

四日前に美夜子さん、ウタ、直ちゃんの格好を見て、シバき倒そうかと思ったけど、普通に孫を見るお爺ちゃんだったからそれは辞めた。それとしずちゃんと…モルジアナを奴隷にしていたあの男はシンドバット王と旧知の仲だったらしい。ま、シンドバット王は最低限の食料と水を与えて、置いてきたけど。

 

「それとこの忘れ薬は必ず飲んでもらうからね。」

 

「わかってます。」

 

シンドバット王は来るものは拒ずに去る者にはこの忘れ薬を飲ませて、バグダッドに送るらしい。もし、この黄金宮の噂が外に漏れてしまったら欲の皮の突っ張った連中が魔人やジニーを手に入れたら大変なことになる。

 

「でもあの商人はこの宮殿の事を覚えていました。」

 

しずちゃんと一緒に居たモルジアナがそう言った。え?何で?シンドバット王は確かに彼にも忘れ薬を飲ませたって言ってたよ?

 

「飲んだふりをしたんじゃない?」

 

「…ま、それが的を得てるよねぇ。」

 

「奴の魔法は特殊じゃしのう。忘れ薬は黄金宮の事しか忘れん。奴の魔法が忘れ薬の効力を打ち消したんじゃろう。」

 

「ルフってなんなんですか?」

 

「説明しよう。ルフとは…」

 

シンドバット王が言うには、生きとし生けるもの、全ての魂の故郷。また、魔力を生み出し、この世のありとあらゆる自然現象を発生させている存在で人の目には、鳥の形をした光の流動体として認識されているが、魔法使いの才をもった者たち以外は、特別な道具を使用したり何らかの条件で高密度にルフが集合しない限りは、その姿を目視することはできないらしい。

 

「美夜子さん見えるんじゃない?」

 

「私、ルフの姿見えないわ。」

 

「え?そうなの?」

 

「ええ、平行世界の住人だから違うのかもね。」

 

魔法の世界とは違う魔法か。何か不思議。でもこれも未来ではなくなるくらいに科学が魔法をつぶして行ったんだもんァ。かがくのちからってすげー。

 

「シンドバット王も見えるんですか?」

 

「そりゃ、わしも見える。昔はすごかったじゃぞ?七海の覇王と人は呼んでおったんじゃ。」

 

「それ何で会った時に言わなかったんです?」

 

「ルフ関連の事は一般じゃ見えん。別に話すこともないじゃろうて。」

 

「まぁ、それは納得です。」

 

現にこのルフの話は奴の説明で初めて聞いたしね。

 

「じゃあ、あの人の周りを飛んでた金色の鳥がそうだったんだ。」

 

「…のっ君?今なんて?」

 

「え?だからあの人の周りに飛んでたのが…あれ?」

 

ぼ、僕、普通に見えてた?僕には特殊な道具とか持ってないし。ルフの話は今聞いたばかり。え?まさか僕って魔法使いの素質も持ってるの?

 

「のっ君って規格外よね。」

 

「苦笑いで言わないで。」

 

――――――――――

 

「やっほーおはよ~!ふぅさっぱり…ってどったの?みんなして」

 

うちが入ってきたら、みんなが苦笑いしてた。のっちゃんに向けていたからまた、のっちゃんやっちゃいました?

 

「しずちゃん。おはよ。よく寝れた?」

 

「お蔭様でしっかり元気になった。」

 

「それはよかった。グースケみたい。」

 

「何故グーちゃん?ってそれはいいけどどったの?」

 

もう一回聞くとのっちゃんがあのひげ親父の周りにルフがいた事を目撃してたらしい。

 

「それうちにも見えてたけど?」

 

「いやいや…マジで言ってんの?」

 

「うん。何かまずいの?」

 

まぁ、あの子達うちやモルちゃんの事を守ってくれてた。モルちゃんの魔力の含有量は少ないから、ちょっとしか見えないそうだけど。

 

「ルフは魔法使いの素質がある者に見えるんじゃよ。」

 

「おっと?それってつまり?」

 

「僕としずちゃんには魔法使いの素質があるって事。」

 

「うわお…え?マジで言ってんの?」

 

うちに魔法の素質が?え?何それ知らない!?

 

「お前、覇王色の素質もあんのに魔法使いの素質もあるって面白れェな!」

 

「能天気猿うるさい!」

 

師匠は笑い転げてたから渾身の一発をお見舞いしながらそう叫んだ。全く覇王色の覇気に関してはまだ実力不足で使えないってのに。

 

「い、いつもより毒が強い。」

 

「それも致死量レベル。」

 

「なんか言った?」

 

「滅相もございません。」

 

「ナンデモゴザイマセン。」

 

スネ夫とのっちゃんがこそこそと何かを言ってた。全く。ま、モルちゃんに魔法教わろっかな。当分は居ていいってシンドバット王も言ってたってみっちゃんに聞いたし。

 

「シンドバット王は使えるの?」

 

「彼らにも言ったがわしは昔、七海の覇王と呼ばれた者じゃ。よし、見せてやろう。わしの七変化を…ちょっとおいで。」

 

七海の覇王とはなんぞや?シンドバット王はそそくさと歩いていく、うちらは急いで後を追った。

 

――――――――――

 

「わしには七体の精霊(ジン)をわしの武器や指輪に宿しておる。」

 

シンドバット王がうちらを連れてきたのは宮殿の外の大砂漠だった。シンドバット王は着くなり、語り始めた。ジン?

 

「シンドバット王。まず精霊(ジン)の説明をしなければいけませんよ?」

 

「おおう、そうじゃった。そうじゃった。」

 

「そそっかしい。」

 

モルちゃんに言われて、シンドバット王は気づいたみたい。うん、師匠と似てる。

 

「おれも知りたいんだけどなァ。」

 

「師匠はルフ見えんの?」

 

「見えん!!」

 

「じゃあ、対象外。」

 

「ぶぅ…」

 

まぁ、のっちゃんとうち以外が対象外になってるんだけどね。それいっちゃうと。

 

「魔法は可視化できるんですか?」

 

「出来るとも、だから皆も外へ出した。精霊(ジン)の説明もするぞ」

 

神話やおとぎ話に登場する、金属に宿るとされる伝説上の精霊で迷宮の宝物庫に封じられ、青い巨体を持つらしい。精霊(ジン)の金属器を媒介として主に力を与える存在で地上の王が使う純粋な「力」としてソロモンに作られたとされると言われてるらしいけど、その正体はかつてソロモンに使えていた眷属たちが、同化を完了させた姿らしい。

 

「契約以降は主の魔力を糧として、力を発揮する。ではまず一体目の精霊(ジン)を紹介しよう。」

 

憤怒と英傑を司る精霊(ジン)で名前がバアルって言うらしい。ん?バアルってウガリット神話の神様の1柱じゃなかった?

 

「憤怒と英傑の聖霊よ。我が身に宿り。我が身を大いなる魔人へと化せ。」

 

シンドバット王が剣を持ちながら唱えるとみるみるうちにシンドバット王の身体が変化していく、肩と下半身が恐竜人みたいになった。ていうか若くなった。は?

 

「どう言う事だってばよ」

 

「精霊を宿すと若い自分に戻るんだよ。」

 

「声も無駄にかっこいい。」

 

「無駄は余計だろ?まぁ、俺の力の一端だ。時間がかかるからバアル以外はパパっと紹介するぞ?」

 

と言って、本当に唱えるのも省略して、見せた。

 

「ブァレフォール、虚偽と信望の精霊(ジン)だ。」

 

白い狐かオオカミみたいで複数の尻尾が生え、長いピンク色の髪を持つ姿なった

 

「ゼパル、精神と傀儡の精霊(ジン)だよ。」

 

口調は子供っぽい。半獣の子供のような姿身体は妊婦のそれだけど。

 

「フルフル、狂喜と冥闇の精霊(ジン)だ。」

 

長く曲がった角を持ち、悪魔の翼を模した尻尾を持つ姿で、プレッシャーがすごい。狂喜を司るだけはある。

 

「フォカロル、支配と服従の精霊(ジン)だ。」

 

伸びた髪の毛と両手足が漆黒の羽のようになり、上半身には羽衣を纏ってる。支配と服従て真逆な気がする。

 

「ヴェパール」

 

髑髏の首飾りを付けた人魚の姿になった、頭の羽や背中の翼、尾ひれの先に虹色に輝く蝶の羽のような文様を持つ。またシンドバッドを囲むように剣の切先が生えたウロボロスの様な蛇が現れ、背中にも同様の光背を持つ。司る物はないらしい。

 

「最後に、クロ―セルだ。」

 

下半身が虎の体となった半人半獣の姿となり、金色に長く伸びた髪と後頭部から生えた虎の足を持つ。こちらも司る物はないらしい。これで全部って事で元のおじいさんの姿に戻った。

 

「これがわしが持っとる精霊(ジン)じゃ、今のは魔装と言って、部分的に精霊(ジン)の力を使う事ができる」

 

「ヘェ、仮面ライダーみたいなものか。」

 

「のっちゃん、なんか違う。」

 

「あれ?」

 

まだアラブのどこかには迷宮があって、宝物庫も存在するらしいけど最近はそれを求める冒険家もいないらしい。シンドバット王が若かった頃は、冒険を楽しむ人々は居たらしいけど

 

「人々はたちまちその迷宮の事を忘れて行き、今では数えるほどしか冒険家も存在していない。」

 

「そうなんですか。」

 

うちらが住んでる21世紀では冒険家は一人か二人程度。7世紀の時点ですでにそんなに少ないんだ。

 

「だからルフ達も最近は姿を現さん。物悲しい限りじゃ。」

 

「…そうなんですか。」

 

「ああ、アブジルに関してもあ奴の魔法は危ない。」

 

アブジルは奴隷商人だけど若い頃は、悪逆非道で何度もシンドバット王にお灸をすえられてるみたいだけど、懲りずに今も悪さをしてる。捕まってたから知ってるし。何度蹴りをかまそうとした事か。

 

「そなたら2人がルフを見えるならわしが修行をつけてやろう。アブジルの魔法に対抗できるようにな。」

 

「「ありがとうございます!」」

 

「おれ達はどうする?」

 

「あの爺さんたちが気になるよな。」

 

「あの爺さん?」

 

うちを捜す道中に出会った爺さんたちが居たらしくて、船の上で睨みあってたらしい。師匠の覇王色で気絶はさせてたみたいだけど。

 

「ふむ…そ奴らは。いつ頃になって現れたんじゃ。」

 

「10日程前ですね。サソリ団って奴と相対した次の日くらいに会いました。」

 

「…そ奴は、白いひげを蓄え、目元を隠しておらんかったか?」

 

「よくわかりましたね。そうです!」

 

「どうやら君たちはさらに厄介な奴を連れてきたようじゃな。」

 

シンドバット王は神妙な顔で呟いた。心当たりがある?

 

「厄介な奴?」

 

「砂漠に巣くう毒虫共の首領。カシムじゃよ」

 

「アル・ラシード王が言ってた人だ!!え!?そんな奴と同じ船に乗ってたの!?ていうかよくわかりましたね。」

 

「カシムもわしの知り合いの知り合いであり、昔は義賊じゃったんだが…今じゃ悪党になり果てておる。」

 

シンドバット王の知り合いがめっちゃ悪者だらけなのは気のせい?もっといい人いないの?

 

「もし、カシムとアブジルが手を組むことになったら大変じゃ。【空飛ぶ絨毯】!」

 

「どこに?」

 

「増援を呼んでくる。」

 

「さっきのカシムの知り合いですか?」

 

「そうじゃ。名をアリババと言う。」

 

「「「「「「「アリババ!?」」」」」」」

 

それって、アラビアンナイトのアリババと40人の盗賊に出てくる主人公じゃん!!え?やっぱり、繋がってんの!?ワクワクするんだけど!すごい!って…モルちゃんて確か、あれに出て来た女奴隷と同じ名前…でも年齢も見た目も違うからなぁ。

 

「黄金宮の警護を頼んだ!」

 

「任せてください!」

 

結局修行はやらないんだ。まぁ、警戒はするんだけど。

 

 




雷神「はい終わり。」

銀「色々とぶっこみすぎだっての。」

ウタ「のび太としずちゃんがまた強化される。」

雷神「如何せん、いつもの行き当たりばったりなもんでマギ設定付け加えると面白いなという発想の元にこうなりました。」

ハル「人がどんどん増えてるかも。」

雷神「アリババは同じくらいになってるかなカシムと。」

ウタ「絶対碌な事おきない。」

雷神「うっす、では次回もお楽しみに。」


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第94話ドラビアンナイト~アリババと未来人とルフの分類~



視点はしずちゃん、のび太


「よ!お前らがシンドバット王の知り合った子達か!」

 

数時間たって、シンドバット王が戻って来た。カシムもクソひげも来なかったから安心はしてた。それで金髪の初老のイケメンが元気に降りて着たうわ!マジでアリババだ!

 

「のっちゃん!のっちゃん!アリババだよ!本物!」

 

「しずちゃん本当に何でもに興奮するね。」

 

「俺の愚兄がやらかしちまったようですまねェな!」

 

「何もされてはないので安心してください。」

 

「お、そうか!ならいいか!」

 

と豪快に笑うアリババはのっちゃんの頭を撫でた。何か武さんや師匠とはまた違った大人の男って感じ、パパたちは除いて。

 

「君は相変わらずじゃのう。」

 

「シンドバット王には言われたくないですよ?ジャーファルさんとか心配してますよ?」

 

ジャーファルさんとはシンドバット王の最初の眷属で最古参の仲間らしい。元はシンドバット王の家臣だったけど、置いてかれたらしい。ふ、ふびん。

 

「と、時々姿を見せておろうが。」

 

「あの男と出会って20年、コレクションにかまけて全く会わないじゃないですか!」

 

「ていうかあの男?」

 

「誰なんです?」

 

シンドバット王が語るのは9回目の航海の時に出会った男で七海の覇王と呼ばれてからも冒険自体は続けてるみたい。シンドバット王はまだ若かったこともあり、冒険を続けたかったらしい。ジャーファルさんには止められたみたいだけど

 

「そして、嵐の海のど真ん中で難破してたあの男を救い上げたのだ。風変わりな人だったがわしの事を話したら、わしがシンドバット王と知るとしずちゃんやのび太君みたいに残念がられたな。」

 

「え、それって?」

 

「うむ、わしの事を知る人物は君たちと一緒で未来世界の住人なのだろう。ドラえもん君の道具はわしのコレクションと同じくらいじゃからしの、ジニーは譲りもの何で、違うんじゃが。」

 

「アラジンもあなたを心配してます。」

 

「マギに心配されるとはのぉ、一度シンドリア王国に戻るかの。」

 

「そうしてください!」

 

「と話を戻してその男はこの砂漠の果てにこの黄金宮を作ったのじゃ。」

 

「その人は未来から来た未来人だ!!」

 

ドラちゃんが言うようにそれだとつじつまが合う。コレクションの全部は未来の道具だったんだ。ドラちゃんが魔法の世界でタケコプターを使った時にうちがその魔法とか言ってたみたいだし。

 

「十分に発達した化学は魔法と見分けがつかないアーサー・C・クラークも言ってたしね。謎が解けた。」

 

「だからこそこの、夢の王国をアブジルとカシムには奪わせない。必ず帰るからせめてこの問題に協力してくれ。」

 

「わかりました。協力しましょう。」

 

「よし、奴らが来るまで君たちに修行をつけてあげよう!」

 

「「ありがとうございます。」」

 

うちとのっちゃんは二人に修行をつけてもらうことになった。頑張る!

 

―――――――

 

 

「ではまず、ルフの分類を確認させてもらうよ。」

 

僕としずちゃんは砂漠で修行をつけてもらってる。他のみんなはアブジルやカシムはルフィさんの見聞色フル活用で索敵してる。ドラえもんの道具もあるし。何とかなるでしょ。

 

「どうやって、確認するんですか?」

 

「まぁ、自然現象じゃからのう…」

 

「え?ないの?」

 

「いやあるにはあるが…ちょっとややこしいんじゃ。」

 

ルフは見えるは見えるけどいつの間にかその分類になってるから認識した時はすでにその分類になってたらしい。

分類としては

1型ルフ…炎を操るルフ。現象発生の際にはしばしば赤く輝く。

2型ルフ…水を操るルフ。現象発生の際にはしばしば青く輝く。

3型ルフ…光を操るルフ。

4型ルフ…雷を操るルフ。現象発生の際にはしばしば黄色に輝く。

5型ルフ…風を操るルフ。現象発生の際にはしばしば白く輝く。

6型ルフ…音を操るルフ。

7型ルフ…力を操るルフ。現象発生の際にはしばしば黒く輝く。

8型ルフ…命を操るルフ。現象発生の際にはしばしば紫に輝く。

 

と8型まであるらしい。

 

「まぁ、そこはルフの輝きでわかるからな。」

 

「そうじゃのう。…うわ。3つもあるのか。」

 

「いや僕を見てドン引きしないでください!!」

 

「お前、自分で見えてるだろ?」

 

「あ、はい。」

 

僕のルフの色は赤、青、黄色と光の三原色だった。炎と水と雷って事か

 

「3つ持ってるのは珍しいんですか?」

 

「当た前じゃねぇか!!だいたいは一人一つだっての!!そんな規格外この爺さんだけで充分だっての!!」

 

「のっちゃんは規格外だからね。とうちは…おやおや?」

 

しずちゃんのルフは白、紫、青、無が2つ…いやいや…

 

「しずちゃん、風、命、水、色のない2つだから、音と光?あ、愛されてるね?」

 

「人のこと言えないや。シンドバット王は何色なの?」

 

「精霊の力もあるからなァ。このおじさん。いや、このおじさんも十分規格外だな。5色以上は持ってんじゃねぇ?」

 

「残念じゃのう!8色じゃい!」

 

「「「十分規格外」」」

 

全部持ってるとかもうそれ人としてどうなの?精霊の力も鑑みてもシンドバット王は僕ら以上にやばいじゃん。

 

「そういえばのっちゃん水魔法使えるんなら時雨蒼燕流と相性ばっちりじゃん。」

 

「あああ!!!そうだよ!水がないとできない型もできるし。補填できる!!」

 

嬉しい!!それは全くもってうれしい誤算過ぎてもう早く覚えたい!!

 

「水魔法は、ヤムライハさんが得意ですよね?」

 

「そうじゃのう。あ奴まだあそこにいるんか?」

 

「はい、相変わらずマグノシュタットの学長ですね。姿は当時と変わらないのでアラジンが相変わらず、揉みしだいてます」

 

「アラジンは、相変わらずじゃのう。」

 

「好きなタイプドストライクだしな。」

 

「おぬしも嫁を見つけんのか?」

 

「いやぁ、これがいないんですよね~」

 

こんなイケメンなのにまだ独身なの?え?世の中不条理?

 

「と、ヤムライハを呼んできてはくれんか?」

 

「いま彼女、ちょっと遠出してます。」

 

「そうなのか。お、そうじゃ!紅玉はどうじゃ?」

 

「あんたを未だに恨んでますからダメです。殺されますよ?初恋泥棒。」

 

「ひどい言い草じゃのう。」

 

シンドバット王は昔に煌帝国という中国の近くにある国にちょっかい掛けて、恨まれてるらしい、さっき見せたゼパルで操って煌帝国の現女王(当時は煌帝国第八皇女)にスパイ活動を無自覚で活動させたみたい。

 

「最低。え?ボコボコにしていい?」

 

「も、もうやっておらぬ!!わ、若気の至りだったんじゃ!」

 

「操ったって言われた時も俺を怒ったよ。意に返してなかったけど。」

 

「お仕置きしよう。」

 

「殺生な…え?今からなのか!?ちょやめ…!?」

 

流石しずちゃん、正義感の塊だから過去でやった事でもボコボコにしてる。煌帝国か。今回の件が終わったら言行ってみたいな。

 

「ま、わしが教えよう。」

 

とボロボロな姿になったシンドバット王が喋った。説得力の欠片もないけど。僕が小さい頃読んでた船乗りシンドバットが普通に女の子に負けるって大丈夫?

 

「アラビアンナイトのシンドバットと大違い。」

 

「アラビアンナイト?」

 

アリババには話してなかった。

 

「僕らの時代ではあなた達は絵本として描かれてるんです。船乗りシンドバット、そしてアリババと40人の盗賊団って言って、世界中の子供たちの憧れなんですよ。」

 

「俺が絵本の主人公か。へへ、悪い気はしないな!」

 

「脚色はあるんですけどね。ルフの事は書かれてませんでした。」

 

「そうか、まぁわしの心は老いてはおらんぞ!何しろ探究心は底なしじゃからな!!」

 

「だから一回シンドリアに帰ってください。」

 

「だああ、わかっておる!さっきも言ったじゃろう!」

 

「言っても聞かない人が良く言いますね。」

 

「ジャーファルみたいな事言うんじゃない。」

 

――――――――――――――

 

んで、魔法の発現はルフに思いを乗せたらできるらしい。

 

「2型のルフよ…我に水の魔法を発現させたまえ!!」

 

ビュー――ン!!

 

「あ。」

 

「のっちゃん、力み過ぎてビームみたいになってる。」

 

出たは出たけど、勢いが強すぎて手からビームになっちゃった。失敬失敬。

 

「じゃあ、炎、雷もやってみな。」

 

シンドバット王は魔装してバアルになってる。若い方が教えやすいらしい。

 

ぼ!

 

「うお!急に出た。」

 

「まぁ、お前は炎のルフに好かれてるみたいだな。」

 

「え!?マジで!?」

 

てっきり水の方かと思ってた。水系剣士だし僕。

 

「炎と水の時雨蒼燕流…かっくいいい!!」

 

「相性的に消えそうだけど、雷の方がいいんじゃない?」

 

「トリプルでもカッコいいよね!!」

 

「話聞いてる?」

 

僕は、雷の方も出して早速時雨金時を出してから…

 

「《時雨蒼燕流“攻式”十七の型》焔時雨!!」

 

水の魔力と炎の魔力を合わせた混合技が出せた。ウッし!!これこそ時雨蒼燕流の神髄成り!!

 

「それっ蒼燕流か?」

 

「蒼燕流?僕のは時雨蒼燕流だよ?」

 

「そうなのか?それを使ってたやつが居たんだけどな。」

 

え、何それ怖い。師匠は戦国時代に生まれた剣術って言ってたんだけど、なんでこの時代に?…いや待てよ?時雨蒼燕流が他の剣士の流派を模範してるとしたらその模範元が蒼燕流って事かな。

 

「お前は剣士なんだな?」

 

「そうなんだよ!しずちゃんは…格闘だけどね」

 

「それは思う存分知った。」

 

でかいシップを張ってる頬をさすりながら苦笑いで言った。しずちゃんがどんな風に化けるのか楽しみ。しずちゃんも魔法を発現出来たから合わせ魔法なんかもできるんだ。

 

「風魔法は炎魔法を手助けするから威力マシマシの魔法なんかもできるかもな。」

 

「だって。」

 

「それみっちゃんが見せてなかった?」

 

「いやまぁ、確かに。」

 

美夜子さんの魔法は鏡世界を一部破壊するほどの技がたくさんある。そもそもの美夜子さんの魔法属性は、炎、水、草、風、光、闇、鏡、雷だからね。ってあれれ?美夜子さん僕にチートとか言ってたけど充分美夜子さんもチートだよね。心の声も聞こえてるし。

 

「ま、美夜子の魔法とこっちの魔法は違うしな!」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ、ルフは見えてないんだ。」

 

「魔力は感じてましたが…別なんですね。」

 

「のっ君!しず!シンドバット王!アリババさん!!」

 

と噂をすれば美夜子さんが血相を変えて、走って来た。え?どうしたんだろう?

 

「アブジルたちが現れたわ!!」




雷神「はい終わり、」

銀「次回は魔法大合戦になりそうだな。」

雷神「そうなりそう。これまでの映画よりもすごく再生時間短いし。」

銀「大丈夫かね。」

雷神「頑張る。」

銀「じゃあ次回をお楽しみにな!」


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第95話ドラビアンナイト~モルジアナの克服と呆気ない決着~

ドラビアンナイトの劇場版描写は終わっていて、これからはオリジナルになって行きます。モルジアナを掘り下げます。アラジン出せたら出します

因みに最初ら言えって話ですがドラビアンナイトはしずちゃん視点てんこ盛りになってます。


視点はしずちゃん、モルジアナ、しずちゃん


「ああ?奴隷は奴隷らしく!俺の言う事を聞いとけばいいんだよ!?」

 

うちとのっちゃん、シンドバット王、アリババとみっちゃんが黄金宮の中に駆け付けると、クソひげがモルちゃんを甚振っていた。ってなんてことになってんの!?師匠、ジャイアン、スネ夫、すーちゃん、ドラちゃん、ウタは見ているだけだった。どうして!?

 

「師匠たちなんで止めないの!?」

 

「おれだって止めたさ。」

 

「モルジアナがそれを許さなかったんだよ。」

 

「恐怖を克服したいんだって…」

 

…奴隷商人に恐怖を与えられていたモルちゃん。気持ちはわからなくもないけど、だからってサポートなしであいつに挑むのは…

 

「あいつは強いって言ったのはお前だろ?」

 

「そりゃそうだけど。」

 

モルちゃんにとって奴隷商人は恐怖の元凶。あのクソひげもモルちゃんには暴力をしていた。性的な意味では何もされてなかったけど。

 

「しず姉、モルちゃんを信じよう?あの子。あのおじさんに挑む前にこう言ったんだよ?」

 

『あのクソひげには私が徹底的に叩き潰します。』

 

…ははッ。それうちが言ってた言葉じゃん。そうだよ。たった二週間の仲だけど、モルちゃんは確かに奴隷商人に対する恐怖心こそある、だけどあの子の心は全くもって屈してなかった。でもこれだけは言わせてほしい!!

 

「モルちゃんそんなクソひげに勝ったらのっちゃんが抱きしめてあげるって!!」

 

「僕…!?ってなんか闘志が燃え上がった!?」

 

のっちゃんを犠牲にモルちゃんのやる気が満ち溢れて、クソひげをぶん殴って吹っ飛ばした。うっし、これで負けやしないでしょ!

 

「モルちゃんが頑張れ!」

 

「はい!!」

 

――――――――

 

「何だ急にぶん殴りやがって!!粋がるなよ小娘!!」

 

アブジル様…いえ、クソひげと呼んだ方がいい。クソひげに甚振られてたけどしずちゃんからのエールで私のやる気は十分に高まった。のび太様から抱擁ですか…俄然やる気が出てきました。

 

「ふん!あんな小娘の言葉一つでこの俺に歯向かう気か!!」

 

「うるさい。あなたに対するヘイトはあの時からずっとありました。」

 

9歳からジャミルに奴隷にされ、金がないと去年にこの男に売られるまで私は恐怖心でいっぱいだった。いつ死んでもいいと思ってた。けど2週間前にしずちゃんと出会った。

 

『あんな奴に負けんな!いつかうちの仲間が助けてくれるから!』

 

最初は何を世迷言を言ってるんだって思ってた。助かりっこない。あの男の魔法に負けてるのに何でこんなに強気でいるんだって思っていた。けど、2週間の交友でこの子の心は頑丈で、正義の塊だって事に気づいた。

 

「小娘が生意気な!!貴重な【ファナリスの民】だと聞いて買い取ったのに!!命令をあの小娘が来た途端にやめやがって!!」

 

「私はあの子のおかげで助けられました。だからこそあなたを打ち破って…自由を手に入れます!!」

 

私は足に力を入れて思いっ切り飛びクソひげの懐に入ってパンチをお見舞いした。しかし、奴は魔法でそれを相殺した。

 

「眷属器も神器も精霊も宿してもないただのファナリスに俺が負けるか!!電撃(ラムズ)連撃!!」

 

「あガアアアアア!?」

 

電撃が私の身体を痺れさせる。確かに私は何も持っちゃいない!!それでも!クソひげに負けてたまるかあああああ!!!

 

「うおオオオオオ!!!」

 

【そなたの心意気しかと見た。】

 

「え!?」

 

「お、アモンが認めるの珍しいじゃん。」

 

【やかましい!アリババ。わしを表に出せ。】

 

「はいはい。顕現せよ!!【礼節と厳格の精霊(ジン)】よ!!」

 

アリババさんが唱えると、仙人が出て来た。あれは第7迷宮の精霊(ジン)?アリババさんがあの迷宮に入ってたのね。冒険家だったのかしら。

 

精霊(ジン)がここにいるなんて。王様ぐらいだろうが!!何でテメェが持ってんだよ!!何もんだ!」

 

「カシムのバカ兄貴と一緒に居たのに聞いてなかったのかよ。」

 

「あ!?」

 

「俺は、アリババ・サル―ジャだよ。」

 

「ば、バグダッドの第三皇子だと!?」

 

なんと、それは聞いてなかった。

 

「先も言うたが、そなたの心意気気にいったぞ。」

 

精霊(ジン)に気に入られるのは名誉ですね。」

 

「誇れ、これはわしからの餞別じゃ。」

 

そう言われた瞬間に私のついてる足枷が強く光った。足枷は金色になり炎の文様が刻まれた。

 

炎翼鉄鎖(アモール・セルセイラ)…わしの魔力を君のそれにありったけこめた。君の魔力でもあのクソひげをくたばらせるじゃろうて。」

 

「ありがとうございます。」

 

「健闘を祈る。」

 

精霊(ジン)はそれだけ言うと、アリババさんの元に帰って行った。炎翼鉄鎖(アモール・セルセイラ)に力を籠めると赤いルフが飛んだ。あの精霊(ジン)は姿を現す時も炎を纏っていた。私も炎魔導士の端くれ。頑張ります!

 

「はぁああああああ!!!!」

 

私は再びクソひげに向けて蹴りをお見舞いする。油断してたひげは燃やされながらまた吹き飛んだ。

 

「あっちいいいい!!!」

 

「さっさと来てください。まだまだこれからですよ?」

 

「ふざけるな小娘がぁああああ!!」

 

奴は魔法を打ち込んでくるけど、遅く感じた。それに今気づいたけどあいつに感じてた恐怖心がない。精霊(ジン)の加護、友人、好きな人を得て、私は何もない訳じゃない!!だからこんなクソひげロリコンに負けるわけには

 

「いかないんだああああああああ!!」

 

「ぶべらあああああああ!?」

 

渾身の飛び膝蹴りをひげにぶち当てた。あいつは鼻血を出しながら失神した。

 

 

――――――――

 

「モルちゃんが勝った!!」

 

すごい!あの精霊(ジン)にあの足枷をパワーアップさせてもらって怒涛の勢いでクソひげロリコンに勝った!!

 

「モルちゃん!!やったね!!恐怖心に勝てたんだ!!」

 

「ありがとうございます!!しずちゃん!」

 

綺麗な笑顔でこっちに走って来た。やっぱりモルちゃんは可愛い!笑顔が一番だ!

 

「あ、ルフィさん、ドラえもんさん、直さん、ウタさん、スネ夫さん、ジャイアンさん。私のわがままを聞いていただいてありがとうございました!」

 

モルちゃんは6人にお礼を言っていた。

 

「気にすんな!」

 

「うん、見事な戦いだったよ!」

 

「かっこよかったよ!」

 

「すごかった!!」

 

「一時はどうなるかと思ってたけど。」

 

「あっぱれだ!」

 

6人はそれほど気にしてなかった。むしろ戦いぶりを褒めてた。すっきりする戦いなんて久々見た気がするし。

 

「まさか、アモンに気に入られるとは思わなかったぜ。」

 

「見事な戦いぶりじゃった。」

 

「すごいの一言ね。」

 

シンドバット王、アリババさん、みっちゃんもあの戦いには感銘を受けたみたい。そりゃそうだね。

 

「モルジアナさん。おめでとう!」

 

「のび太様…はい。」

 

「へ?」

 

とモルちゃんは腕を大きく広げた。ふむふむ、これはのっちゃん気づいてないな。全くこのバカは本当にうちはのっちゃんの後ろに回りとんと押した。

 

「うわ!」

 

「しずちゃんありがとうございます。」

 

「なんのなんの」

 

のっちゃんとモルちゃんは抱きしめ合う…というかモルちゃんがのっちゃんを力いっぱいに抱き着いてる。うわお、もるちゃんのお胸にダイレクトアタックされてる顔が。

 

「ってそれはいいがバカ兄貴はどこ行ったんだ?」

 

「あ、カシム?」

 

「「「ぎゃあ!?」」」

 

じゃらじゃら!!

 

「捕まえたぞ。」

 

叫び声と何かが落ちた音と師匠の声が…ああ、もう捕まえたのね。よかった。師匠は腕でカシムとその部下2人を捕まえていた。

 

「ようバカ兄貴。」

 

「げ、アリババ。」

 

「親父が待ってるぜ。」

 

「う、うっぐぐ…」

 

これで一連の騒動はあっさりと終わった。シンドバット王は忘れ薬を飲まなくていいって言ってくれた。今度からはこの宮殿を観光スポットとして運営してくらしい。

 

――――――――――

 

「どうしても帰るのかね?」

 

「はい、しずちゃんは無事でしたし。家族も心配しますから。」

 

アブジルたちは、アリババさんが連れて帰ることになった。そしてうちらは帰ることになる。あ、ちなみにモルちゃんも一緒に帰ることに決まった。あの2人がカンカンになりそうだけど、モルちゃんは大事な仲間だしね。シンドバット王と一緒に暮らす手もあったけど、シンドバット王が断った。

 

「そうか。家族か。」

 

シンドバット王は少し寂しそうだった。ずっと一人だって言ってたし寂しかったんだろうしなぁ。

 

「シンドバット様。」

 

「…ジャーファル!?それにおぬしらも!?」

 

すると、声が聞こえて、若々しい人が立っていて、その後ろに7人立っている。

 

「俺が呼んだ。」

 

「アリババ。ありがとう。ジャーファル、マスルール、ヤムライハ、シャルルカン、ピスティ、スパルトス、ドラコーン、ヒナホホ…その久しぶりだな。」

 

「この宮殿に住まわれて20年ですしね?だいたいあなたは!!」

 

とジャーファルさん?はお説教をシンドバット王にしていた。

 

「あいつも生き生きしてるぜ。」

 

「あなたは?」

 

「俺はドラコーン、こんな成りしてるが人間だ。」

 

ドラコーンさんは竜のような姿をした男性でシンドバット王の眷属器でこの姿になってるらしい。

 

「シンドバットは昔から一人でなんでもしちまうんだ。世界の理を破って、ルフを消そうともしたしな。」

 

「え!?」

 

「ま、アリババとアラジンが止めたから何とかなったが。」

 

「そ、そうなんですか。」

 

「いいですね。1年に一回はかえって来てください!!」

 

「善処する。」

 

「あ?」

 

「前向きにする!」

 

「よろしい」

 

お母さんじゃん…

 

「ってまたすぐに来るよ?」

 

「そうなのか?」

 

「うん、タイムマシンならすぐですから。」

 

「そうだ!今度シンドバットの絵本を持ってきますよ!アリババと40人の盗賊も!」

 

「おお、そりゃ嬉しい。約束したよ。お前たち彼らは…」

 

「アリババ様から聞いてます。」

 

「そうか。」

 

「その時はまた我が社のツアーをご利用くださいませ!」

 

と緑色の幽霊みたいな子が喋った。なんでもこの子に連れられてこの時代に来たらしい。それにのっちゃんや師匠たちが何でもやっちゃうから普通に暇だったらしい。

 

「肝心な時に幽霊みたいに現れたくせに。」

 

「あ、またそうやってバカにして!ふんだ!」

 

あら、可愛い、すねちゃった。うちらはそれを見て笑ってから未来に帰る。

 

―――――――――

 

「静香様アアアア!!!」

 

「おっと、心配させてごめんね。まやちゃん」

 

「いいんですぅぅぅぅ!!」

 

と大号泣でまやちゃんが抱き着いてきた。心配させすぎちゃってた。いつも冷静なまやちゃんまで泣かせちゃって。

 

「罪な女よね。うちって。」

 

「調子に乗ると凍らしますよ?」

 

「うお、戻った。甘えんぼまやちゃんでもいいんだぞ?」

 

「も、もう甘えたりしません!」

 

とぷんぷんと小さく叩いてくる。

 

「ごめんごめん、ただいま。まやちゃん。」

 

「はい!おかえりなさい!!」

 

抱き着くまやちゃん。落ち着いてからうちらはアラビアンナイトで起きた事を軽く説明した

 

「ではよろしくお願いしますね。モルジアナ様。」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

モルちゃんとまやちゃんは握手をしたけど、その目は闘争心でいっぱいだった。まぁ、のっちゃんの事が好きなライバルでもあるし。そこは仕方ないか。モルちゃんは10歳、すーちゃんとまやちゃんの同い年だしね。

 

「しかし、のび太様も静香様も魔法が使えるようになろうとは。」

 

「それは僕も驚いてるよ。流石に心の声は聞こえないけどね。」

 

「これは私と万陽奈の特権よ。いくら魔法を覚えたからって覚えられるもんですか!」

 

と鼻高々に言うみっちゃんの規格外な魔法を見てると納得しちゃう。魔法の修行も向こうでする事になってるし。

 

「煌帝国にも行ってみたいし。」

 

「マジで観光も考えようか。」

 

「おれも行かせろよ!」

 

「もちろんさ。」

 

「……」

 

とすーちゃんがなんか浮かない顔してる。どうしたんだろ?とここでうちが攫われたアラビアンナイトでの冒険は終わった。新しい仲間も手に入れたし。よかったかな?




雷神「はい、終わり。」

銀「モルジアナもレギュ入りか?」

ウタ「なんか膨大ね。」

銀「それに直葉の様子もおかしかったな」

雷神「まぁ。それは次回になればわかるよ、」

ウタ「そうなの?」

雷神「うん、では次回もお楽しみに!


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第96話~直葉の吐露とシンドバット王に絵本を見せる~

はい、オリジナル回です


視点はしずちゃん、のび太です。


「とりあえずみんなも帰りなよ。」

 

「そうだな!」

 

「じゃあね!」

 

「うん。」

 

ちゃんと着替えてのっちゃんの家から出た。のっちゃんが言うにはキャンプには断りを入れてるらしい。師匠、スネ夫、ジャイアンはそそくさと帰ったから、すーちゃんと二人きりなった。ちょっと落ち込んでるし、それに元気がない。さっきから黙ってるし。

 

「すーちゃん、ん?すーちゃん!!」

 

「…あ。ごめん、どうしたの?」

 

「帰ってから元気ないけど大丈夫?」

 

「え?そ、そんな事ないよ?ほら冒険帰りで疲れちゃっただけだよ!」

 

とは言ってるけど、顔は引きつってるし。無理してる。全くこの妹分は…どこかの兄貴や眼鏡君や魔法少女と似て、自分の中で解決しようとしてるんだから。

 

「すーちゃん。」

 

「いや呼ばれても何も」

 

「すーちゃん」

 

「えっとぉ…」

 

「すーちゃん。」

 

「…わかった話す。もうしず姉怖い。」

 

怖いとは失礼な。うちとすーちゃんは公園に行ってからベンチに座って話を聞くことにした。すーちゃんは苦笑いしながら自分で考えてることをうちに話す。

 

「…何てことはないんだけどさ。私、ちょっと寂しいんだ。」

 

「寂しい?」

 

何で?学校とかでも一緒に遊んでるのに、稽古とかで最近は放課後は集まれてないけど

 

「これまでの冒険にはだいたいついて行ってたけど。私が知らない時にバードピア行ってたって聞いた時は寂しかったし、ちょっとショックだった。何とか稽古とかで誤魔化してた…」

 

今回も遊びに来たら、たまたま知ったからついてきたらしいけど、そんなに役立ってないからさらに寂しさが増大して終わった後に落ち込んでたらしい。

 

「そっか…でもさそれは杞憂ってもんだよ。すーちゃん。」

 

「…杞憂?」

 

「ほら、去年うち魔法の世界行ってないよ?ジャイアンもスネ夫も。」

 

「…あ。」

 

魔法の世界には向こうのうち、ジャイアン、スネ夫が冒険について行っててうちらは知らずにいた。それに夢幻三剣士の時なんてうちは最後の方に姫の役をしただけでほぼ見てただけだったし。

 

「それに今回和君がついて行ってないよ?」

 

「…そうだった。お兄ちゃんの存在忘れてた。」

 

「ハハハハ!!何それ!それはダメじゃん。」

 

「ふふふ…うん、確かに杞憂だったみたい。」

 

確かに最近ついてってない事に落ち込む気持ちもわかるし、寂しさもわかるけどそんなに深く考えてたら気落ちが上回っちゃうしね。

 

「だから言ってんじゃん?一人で何でもかんでも思い詰めないで誰かに吐き出しちゃえって。」

 

「…ありがとう。やっぱり大好き。」

 

「今日はモテますねうち。モテ期到来?」

 

「調子乗ると凍らすよォ?」

 

「「ハハハハ!!」」

 

久々のすーちゃんとの会話は面白い。みっちゃんもまやちゃんもウタとも楽しいけど。

 

「…それとね?」

 

「え?これで終わるんじゃないの?」

 

「終わらせればよかったんだけど、まだ文字数がね?」

 

「メタ発言はいいから、どったの?」

 

「私もルフ見えてたんだ。」

 

「what's?」

 

え?何て言ったこの子?ルフ見えてた?え?どういう事!?

 

「あのおじさんの周りに飛んでたの見えてたんだ。」

 

「何で言わなかったの?」

 

「言いづらくて。」

 

いや確かにそうか、あの後シンドバット王が自分の変身を見せるために連れ出されたし。

 

「じゃあ、うちのルフも見えてるんだ。」

 

「うん。白、紫、青、無が二つ。」

 

んですーちゃんも確かにルフが周りを飛んでる。すーちゃんの顔ばっかり見てたから、気づかなかった。…いやいや。

 

「六色?結構多いし。」

 

「そうなの?」

 

「うん、赤は炎、青は水、黄色は雷、白は風、黒は力、紫は命らしい。」

 

「他の5色はいいとして、紫怖い!?」

 

うちものっちゃんも黒と紫は持ってないから新鮮。

 

「絶対使わないから。」

 

「じゃあ、シンドバット王の修行は行くよね?」

 

「いく。」

 

ま、すーちゃんの本音も聞けたからよかったし、今度シンドバット王に会う時に言おう。これからは時代を経由しながら修行するから大変だぞ!

 

「…」

 

「…」

 

「「あ…」」

 

奈江と美奈が睨みながらこっちに来た。ああ…あれ、のっちゃんの家に行ってからこっちに来たね。」

 

「「話があります。」」

 

「「はい。」」

 

奈江ちゃんと美奈ちゃんからお りを受けてからうちとすーちゃんは帰ることにした。

 

 

――――

 

――2019年6月12日ーー

 

 

最初に説明しとくと例の如くモルジアナも学校に通ってる。ママに相談したら速攻で転入手続きをしてくれた。行動が速い。

 

「ね、これも持ってく?」

 

「何々?『アラジンと魔法のランプ』?いいんじゃない?」

 

今日はシンドバット王やアリババさんに絵本を見せるためにまたあの時代に向かう。またミクジンに案内してもらうんだ。しずちゃんと直ちゃん、和人、ドラえもんが行く。和人には学校で教えた。今は準備をしてる。

 

「ルフィさん呼ばなくてよかったの?」

 

「うるさいから。今回は呼ばない。今日は絵本を渡すだけだし。」

 

「それもそうか。」

 

ルフィさんは仕方ない。それでジャイアンとスネ夫は今日は忙しくて、モルジアナと万陽奈さんと美夜子さんは三人で遊んでる。

 

「今回もありがとうございます!ドラざえもん様!!」

 

と話してたらミクジンがまた勢いよく出て来た。またドラえもんの名前間違えてるし。

 

「ドラえもんって言ったよね!!」

 

「あ、そうでした。では行きますよ!」

 

軽く流してミクジンはタイムマシンに向かった。それで安全運転で行く。あの時代の二日後に来た。

 

「おお、来おったか。タイムマシンというのはすごいもんだな。」

 

シンドバット王は優しい笑顔で出迎えてくれた。ジャーファルさんも一緒に住んでるみたい。ヤムライハさんは今日は居て、他の側近はシンドリア王国に帰ったらしい。

 

「初めまして桐ケ谷和人です!」

 

「おお、初めまして。君の事はのび太君から聞いてるよ。」

 

しずちゃんが倒れてたあの四日間でシンドバット王には今の時代の事や和人や万陽奈さんのことを話していた。

 

「これがシンドバットの冒険です!」

 

「おお、昔のわしじゃのう。読ませてもらうぞ。」

 

と言ってシンドバット王はシンドバットの冒険を見始めた。アリババさんは王国に帰ってるし、この時間はどうしたもんか。あ、そうだ。

 

「直ちゃん。ルフの出し方教わろっか?」

 

直ちゃんがルフ見えるって聞いた時は驚いた。言い出せなかったらしいけど。

 

「あ、そうしよ!ジャーファルさん!」

 

「あぁ…私はルフが見えないのでヤムライハに教えてもらってください。解説はします。」

 

「そういうのは私に押し付けるのどうなの?」

 

「いいじゃないですか。私、ルフ見えませんので。」

 

「「「え!?」」」

 

それは知らなかった。てっきり見えてるものかと。

 

「彼女は魔法のプロフェッショナルです。教えることには右に出る者はいませんので。」

 

「褒めても何も出ないわよ。」

 

そして僕、しずちゃん、直ちゃんは砂漠に来た。ルフの出し方はシンプルだけど、僕が教えるより現地の人に教えてもらうのが一番だしね。ちなみにヤムライハさんは黒い帽子を被り、珊瑚と真珠で出来た杖を持っている。そして、何がとは言わないけどでかいし、若々しい。

 

「のっちゃん。」

 

「ナンデモナイデス。」

 

「じゃあ、念じてみて。」

 

「はい、2型のルフ…我に水の魔法を発現させたまえ!」

 

直ちゃんの手から水の魔法が出て来た。うん、上々だね。

 

「うんうん、最高よ!」

 

「あの質問なんですけど、紫って危険なんですか?」

 

「いいえ、違うわ。紫の命…8型ルフは危険じゃないの。確かに命のルフと言われたら不安に思うだろうけど、治療・回復系魔法、および植物操作に関する魔法のの他に、精神系の魔法もこの8型ルフの特徴なのよ!」

 

生き生きとして、説明するヤムライハさん。魔法には強い思い入れとプライドがあるらしい。

 

「じゃあ、主にサポートって事ですね。」

 

「そうそう!ま、それは地道に頑張ればいいわ。のび太君と静香ちゃんもね。」

 

「「「はい!」」」

 

「…私いらなかったですね?」

 

「「「「あ。」」」」

 

ジャーファルさんが苦笑いしながら、そう言った。ジャーファルさんただ立ってただけになっちゃってた…ははは

 

「まぁ、シンドバット様も読み終わったでしょうし。戻りますか。」

 

「そうね。」

 

「「「はい」」」

 

僕達は宮殿に戻る。

 

「おう、おかえり。面白かったよ。」

 

和人とドラえもんと話してたシンドバット王は絵本を渡しながらそう言った。

 

「わしの過去を後世に伝えてくれた人には感謝しなければならんな。」

 

「私達の事は書かれえませんでしたね。」

 

王様になってた事は多分作者も知らなかったんだと思う。うんと後の時代に千夜一夜物語は出来たってドラえもんが言ってたし。

 

「じゃあ、また今度修行をしような。」

 

「はい、ありがとうございます!…煌帝国に行ってみたいんですけど…?」

 

「わしは恨まれてるが、アリババに聞けば行けるぞ。」

 

よし、今度、絶対に行ってみよう!そして僕達は元の時代に帰るのだった。




雷神「はい、終わり」

銀「あれは、ドラビアンナイトのEDで流れてたやつだな。」

雷神「そうそう!あれも声付き映像で見たかった。」

銀「次回は何するんだ?」

雷神「アンケートの奴をする!」

銀「…クレヨンしんちゃんだったぞ?」

雷神「そうだったねェ…まぁ、緑の巨人伝と僅差だったけど。」

銀「だな。じゃあ、次回もお楽しみにな!」


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第97話~嵐を呼ぶ彼との出会いと感傷にひたるのび太~

まずはしんちゃんとの出会いからで夢はアッパレ大合戦の彼女です。
次回から題名にアッパレ大合戦を付けます。


視点はのび太です。


――2019年6月14日未明――

 

夢を見ていた。そこは湖が広がっていて、緑豊かな森だった。そこには馬と一緒に着物を着た女性が乗馬鞭持ちながら木影に行って浮かない顔をしながら空を見ていた。穂波さんと同じような夢だけど、なんか違う。

 

「…青空侍。」

 

彼女は一体何を考えているんだろうか?立ち上がると湖の水を飲んだ。桜が舞ったその瞬間に僕の意識は引くように遠のいていった。

 

「もう食べられないよォ」

 

目が覚めるとドラえもんが押し入れで寝言を言っていた。また夢でどら焼き食べてるんだな。はいいとして…

 

「…また不思議な夢。」

 

体験型の夢でもなく、かと言って穂波さんみたいに話しかけられるわけでもない。完全な第三者目線の夢。

 

「また変な予感がする。」

 

僕はそれだけ言うとまた眠る。

 

――――――――――

 

「よく見るよな。」

 

「よく見るわよね。」

 

「よく見るね。」

 

「また夢ェ?」

 

「不思議な夢ですね。」

 

「また何か起きそうな気がします。」

 

僕は、夢の事を登校中に和人、直ちゃん、ウタ、美夜子さん、万陽奈さん、モルさんに伝えたら和人、直ちゃん、美夜子さんからは同じ事を言われ、ウタからは呆れられ、万陽奈さんは純粋に不思議そうにしていた。モルさんからは今言われたくない言葉ナンバー1な事を言われた、スパンが早すぎるってそれは…

 

「まぁ、穂波の時みたいな事じゃないか?」

 

「それはそれで警戒必要な気がするけど。」

 

…穂波さんの時も所詮は夢だと思って放置したら現実だったわけだから要警戒だね。

 

「ま、所詮夢だし。気にすることないんじゃない?」

 

「そうだといいけど。」

 

そして学校に着いてから、直ちゃん、モルさん、万陽奈さんと別れてから教室に向かった。教室には美奈ちゃんが居た。

 

「あ、おはよう。」

 

「おはよう。のび太君。今日は何もないわよね?」

 

「な、ないよ。一応。」

 

「…あったのね?」

 

言い淀んだからすっごーーく渋い顔をされた。ゆ、夢だからノーカンだといいけど。

 

「…ハァ…警戒はしときなさいよ。」

 

「はい。」

 

「いい?また何かあれば必ず!私か奈江に言ってね!!」

 

「わ、わかってるって。信用してよ~」

 

「信用はしてるわ。でもね?そこだけ信用できません。」

 

「はい、仰る通りです。」

 

「おっはよーー!ってどったのさ。」

 

とちょっとしたお叱りをいただいてたらしずちゃんが教室に入って来た。僕は夢の事を話したラやっぱり呆れられた。

 

「のっちゃん…厄払いして来たら?」

 

「それがいいわね。」

 

「うん、それだと変な事件に巻き込まれないかも」

 

「そうしてくれ。」

 

「うん。」

 

「何で僕が全部悪いことになるのぉ…」

 

五人からそう言われてしまっては確かに行った方がいいかもしれないけど、僕が全部悪い訳じゃないからね!?

 

「奈江にも、ジャイアンにも、スネ夫にも言われそうね。」

 

「それは言わんといて…」

 

まぁ、案の定言ったら呆れられたわけだけど。

 

――――――――

 

それから放課後まで飛んで何事もなかった。だから僕は急いで家に帰っていた。見たいテレビがあるんだよ!!

 

「お兄さん、走ったらコケちゃうゾ?」

 

幼稚園児から注意されてしまった。ありゃ幼稚園児に言われるとは相当だ。

 

「とっとと…ありがとうね。君」

 

「ほっほほーい!どういたましてぇ」

 

「君この辺の子?」

 

「おや?男の子をナンパですかな?」

 

「どこでそんな言葉覚えてんの?」

 

少し、赤らめて言わないでほしいんだけど変わった子だなァ。でも僕、ある程度この辺の幼稚園児とは知り合いなんだけどな。風間トオルくんに桜田ねねちゃん、佐藤マサオくんにボーちゃんやチーター君とかね?この子とは初めましてだ。

 

「オラ!野原しんのすけ5歳!双葉幼稚園に転園してきたんだゾ!」

 

「ヘェ、いい子達ばかりだからよろしくね。」

 

「うん!バイバイお兄ちゃん!」

 

としんのすけくんは去っていく。

 

「あ、そこおねいさん!ピーマン好きなタイプぅ?」

 

「な、何この子?」

 

と思ったらナンパしてた。お、おう。そう言う事だったので。おっと、テレビテレビ!

 

――――――――――

 

「あー面白かった。」

 

お獅子仮面を見終わって、僕は宿題をする為に自分の部屋に戻る。今日はドラえもん、ノラニャー子さんとデートで万陽奈さんとウタと、美夜子さん、ソフィアさんはママと一緒にショッピングらしい。久々の一人で稽古もないから宿題終わったらだらけよっかな

 

「いってェ!?」

 

何かを踏んで転んだ。頭は間一髪打たなかったからよかった。と踏んだ奴は…ピー助と遊んだボールだった。うわ、懐かしい。棚から落ちたんだ。

 

「片付けもしないと。」

 

部屋を見ると、ほうき、[どこでもホール]、おもちゃの剣、夢幻三剣士のカセット、[平行世界旅行機(パラレルループ)]、あやとり、グースケの羽根、サニー号の模型、シンドバットの絵本が無造作に置かれていた。

 

「こんなに冒険したんだ。」

 

物を見ると思い出すこともあるんだ。一昨年の冬に和人が帰ってきて、去年の初めにドラえもんと出会って、一年半も経つんだ。…え?一年半?いや待って、たったそれだけでこんなに濃い冒険してるの!?

 

「改めて思うとやばいんだな。」

 

そのおかげで幾つもの出会いがあって、別れもあったわけだけどね。

 

「ピー助は元気にしてるかな。」

 

「どうだろうね?」

 

「だよねぇ…」

 

…あれ?僕一人だけだったのに声が聞こえたぞ?と振り向くとドラえもんが帰ってきてた。

 

「いつ帰ってたの?ドラえもん。」

 

「さっき。のび太君が感傷に浸ってて珍しいなって思ってさ。」

 

「そう?まぁ、確かに。」

 

「さっき、不思議な子を見たんだ。お尻出しなら歩いてた。」

 

「何その子?どんな子?」

 

「赤い服に黄色いズボンをはいてたね。」

 

「…しんのすけくんね。」

 

「知り合い?」

 

「さっき僕も会ったばっかりだよ。何か転園したらしい。」

 

「この時期に珍しいね?」

 

確かにそれは思う。美夜子さん、万陽奈さん、ウタ、モルさんとは違って訳アリじゃないだろうけど。ナンパしててお尻出してる時点で不思議な子確定だけど。

 

「しずちゃんが見たら…ゾッとする。」

 

「多分、見つかってるんじゃない?」

 

「こらああああああ!!待てえええええええ!!」

 

「いやだぞおオオオオオ!!」

 

と噂をしたらしずちゃんの声が聞こえた。道路を見たらしずちゃんと同等のスピードでお尻出しながら出すしんのすけくんの姿が…

 

「ほらね。」

 

「さすがはしずちゃん。」

 

「にぎやかになりそうだね。町が。」

 

「のび太君目が死んでるよ?」

 

「ソンナコトナイヨ…」

 

「ハハハ…ま、温かい目で見守ろう?」

 

「却下。」

 

「ひどいな。」

 

あれ以来ずっとやってる、あの目、お気に入りのご様子で。この目も意外と長い事やってる、ピー助と出会った時だしね。

 

「ドラえもん。君と出会って一年半だね。」

 

「あ、そう言えばそんなに経ってたんだ!」

 

「…一年半で濃い冒険をしたんだよ」

 

「…だから感傷に浸ってたんだ。」

 

「ま、ドラえもんのおかげだしね。ヒマじゃないのは。」

 

「ええ?僕のせい?のび太君のフラグのせいじゃない?」

 

「そこはいい意味で言ったのにそう言っちゃおしまいだよ?」

 

「ありゃ?わりいわりい」

 

「気にしてないから大丈夫。」

 

ドラえもんとはくだらない喧嘩もしてるけど一緒に居て楽しい。和人、ジャイアン、スネ夫と並んでずっといる感じがする。これからもドラえもんとはいつまでも一緒に居たいもんだよ。

 

「ドラえもん。」

 

「ん?」

 

「これからもよろしくね。」

 

「もちろんさ!僕は君の…キミ達の親友さ!」

 

ドラえもんはどら焼きを食べながらドヤ顔で言った。これからも冒険は続いていくんだろうし、僕とドラえもんの友情は永久に不滅さ!

 

―――――――

 

「あ、そうそう、のび太君…あれ?」

 

さっきまで窓の近くに居たのにのび太君がいなくなったえ?ちょっと目を離しただけだよ?[タケコプター]で飛んだなら、モーター音が聞こえるはずだし。

 

「のび太君!!」

 

のび太君は、風のように消えた。そう、音もなく!やばい!!やっぱりのび太君が見た夢は何かの予兆だったんだ!!

 

「もう!!」

 

僕は、急いで部屋を出た。しずちゃんの次はのび太君!?全くもう!!急いで和人君、直ちゃん、しずちゃん、ジャイアン、スネ夫、美夜子さん、万陽奈さん、ウタ、モルさんに知らせに行く。しずちゃんはさっき走って行ったのはいつもに空き地だ!

 

「何もないでよ!!のび太君!!」

 




雷神「はい終わり」

ウタ「のび太はどこに行ったの?」

銀「急な展開だな。こうやって長編につなげるの初めてか?」

雷神「最初は今回からだと思ったけど、しんのすけと会わせてからちょっと感傷にひたらせてから行かせちゃえって。名残は最初の夢だね。」

銀「ほうほう、さてどうなることやら。」

雷神「ハハハ、では次回もお楽しみに!」


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第98話アッパレ戦国大合戦~戦国の世界~

はい、アッパレ戦国大合戦が始まります。野原一家でますので
またもや、視点はころころと変わります。今回はのび太だけですが。

視点はのび太


「…え?」

 

僕は瞬きをした瞬間に森と湖の場所に移動していた…いやいや、さっきまで僕部屋に居たんだけど!?なにこれ!?どういう事!?

 

「それにこの場所…」

 

今朝の夢に出て来た女の人が居た場所だよね?ちょっと歩いてみるとやっぱりあの夢の場所だ。

 

「あ!お兄ちゃん!!」

 

「え?」

 

そこにはしんのすけくんが立っていた。え?彼もきてるってさらにどういう事!?

 

「どうして君がここに?」

 

「オラもわからないゾ!」

 

何でもしんちゃんはしずちゃんに怒られてから家に帰ったらしくて、その時に飼ってるペットの犬のシロが穴を掘っていたらしい。お母さんにそれを埋めろと言われて埋めていたら頑なに止められていたらしい

 

「その子すごいね。」

 

「シロは偉いんだゾ!わたあめもちんちんかいかいもできるんだ!」

 

「ヘェ…」

 

ちんちんかいかいは意味わからないけど、それで止められても埋めようとしたらパッと昔話の正直爺さんの事を思い出して、興奮して協力しながら掘り進めたら、ほんとに何かがあったらしい。豪勢な木箱が。

 

「あったんだ。」

 

「うん!」

 

それは宝の地図だと思ったらしいけど手紙だったらしい。

 

「何て書いてあったの?」

 

「えッと思い出」

 

とーちゃん、かーちゃん、オラ、天正2年にいる。お姫様は超美人だぞ。あと、のび太のお兄ちゃんもいるぞ!春日のお城は遠いからお車で来た方がいいぞ。じゃ、そういうことで!らしい。いやぁそれ明らかにここにきたしんちゃんが書いたやつだね。…ってここって天正2年!?その時代は…安土桃山時代…戦国時代の真っ只中じゃないか…そんな危ない過去に飛ばされたの?僕達。

 

「それで超美人ってあのおねいさんにもう一回会いたいと思って目を閉じたらここに居たんだゾ!」

 

「じゃあ、しんちゃんもあの女の人の夢を見たんだ。」

 

「そうだゾ!父ちゃんも母ちゃんもひまわりもシロも見てたんだって!」

 

「家族で同じ夢を見るのはすごいね。」

 

「毎回そうだゾ!」

 

何でも引っ越しする前に家族で平行世界、ジャングル、異世界の冒険をしていたらしい。み、未来の道具を使わずにそんな冒険できるんだ。

 

「とりあえず、ここから出ようか?」

 

「うん!」

 

僕としんちゃんは森から出ることにした。森から出るとそこは平原が広がってい

て、そこには丘があった。あそこならちょっと見渡せるかもしれない。

 

「なにあれ。」

 

「…うわ…」

 

丘の上に登って下を見たら火縄銃でドンパチやってる集団がそこにいた。戦の真っ只中じゃん。

 

「時代劇の撮影だ!カメラはどこだ?」

 

「しんちゃん!ちょっとまって!?」

 

しんちゃんは撮影と勘違いして走りだした。いやいやどう考えても本物の戦だってば!

 

「お?」

 

「どうしたの?」

 

「あれ。」

 

しんちゃんが急に停まって、指をさした。そこには匍匐前進で進んでる足軽がそこにいた。誰かを狙ってるんだ。

 

「ここは危ないから…あれ!?」

 

目を離した隙にしんちゃんがいなくなってた。ま、まさか!?

 

「おじさんたち何してんの?」

 

「やっぱり!!」

 

足軽のおじさんたちに話しかけたもんだからピリつく2人を翻弄してる。

 

「おお~おじさんたちお笑いの人?」

 

「しんちゃん!!」

 

「お兄ちゃん面白いぞこの人たち!」

 

「いやその人達は!!」

 

「黙れってんだ!!」

 

おじさんが小さな刀を取り出した。でもしんちゃんは時代劇と思ってるから偽物の刀だと思ってる。って冷静に言ってる場合じゃない!

 

「それ本物だって!」

 

「お兄ちゃんまで何言ってんの?本物な訳ないじゃん~」

 

「しんちゃんも見たでしょ?あの鉄砲隊!!時代劇なんかじゃないって!!」

 

「ええ?偽物だって」

 

「この!」

 

おじさんは赤くなってしんちゃんを斬りつけるけど、しんちゃんはお尻を出しながらそれを避けていた。ど、度胸がすごい…

 

「気づかれた!!」

 

言い争ってるとおじさんが叫んだ。向こうから馬に乗った武将が走って来てる。おじさんはその人を撃つけど全く当たってない。

 

「ち、退け!」

 

諦めてすぐに退いていった。こっちに来ていた武将は馬を止めた。

 

「お前の声と尻のおかげで命拾いしたわ!…仁右衛門、よい!捨て置け!」

 

「何故じゃあ!命を狙った奴らですぞ!」

 

「取られはせなんだ」

 

「はぁ…全く甘いのぉ。若は。」

 

「礼を言うぞ…しかし、ここは子供の来るところではない。すぐに立ち去れ。」

 

…いやまぁそれはそうしたいけど、ここがどこかわからないしなぁ。しんちゃんは全くもって理解してないみたいでほ~ほ~言ってるし。

 

「狙われておるぞ。ここに居ては良い的じゃ。」

 

「うむ!!」

 

おじさんはそれだけ言うと馬で侍たちに号令をした。あの人が号令した瞬間に活気づいて押し出した。すごい!あの人の声1つで侍たちが元気になった。そしてあっという間に押し出して、槍陣がさらに押し出すと相手側は完全に退いた。

 

「すごい。」

 

あのおじさんと居たおじさんが相変わらず逃げ足は速いって言ってたから戦は長い事続いてるんだ。おじさんはお尻ぺんぺんをしていた。

 

「あのおじさん御下品だなぁ。

 

「おい、坊主ども、まだ居たのか。」

 

「坊主じゃないゾ。オラ、野原しんのすけだゾ!お兄ちゃんは野比のび太だゾ!おじさん誰?」

 

「井尻又兵衛由俊!」

 

「いじり?おまた?ぷっ!変なお名前!」

 

「それは言っちゃいけないよ。」

 

「まぁよい。しんのすけ!のび太!妙ななりをしているがどこから来た?」

 

これって、行った方がいいのかな?何か未来が変わらない?…いや待てよあの手紙には僕の事も書かれてて、稽古って言ってた。

 

「そうそう!オラ達、春日町に帰りたいんだけど!ここはどこ?」

 

「春日町?ここは武蔵の国、春日領だが?」

 

僕達の住んでる場所は杉並区にある春日部町。埼玉に春日部市とは少し違うんだ。武蔵の国って…戦国時代の東京から埼玉まであるから、どっちをさしてるかはわからないけど。

 

「ともかく、この辺りに人家はない。城下まで送ろう」

 

「じょーか?」

 

「城の下って言うんだよ。」

 

「そう言えばいいのに。」

 

僕としんちゃんはとりあえず、又兵衛さん達について行くことになる。道中にしんちゃんは又兵衛さんに質問をしていた。ここはやっぱり、2019年じゃなく天正2年だった。もうあれを見ればわかる。

 

「え?何ここ!?」

 

「春日の城に決まっておろうが。」

 

「お城!?」

 

「全然聞いたことがない。」

 

「お前ら、本当にどっから来たんじゃ?」

 

それで僕達は又兵衛さんにここに来た経緯を話してから、又兵衛さんはお殿様に話してくると言ってから、少し待ってから又兵衛さんが来た。殿様が謁見してくれるらしい。

 

「そんな話が信じられるか!!」

 

「殿も物好きな。」

 

しんちゃんは落ち着きがなく、床を滑って遊んでいた。僕は、武士の心構えを師匠から聞いてたから、静かに座っていた。

 

「やめんか!」

 

「ほほ~い…」

 

「殿がお見えだ。座れ!」

 

足音が聞こえてきて、又兵衛さんがしんちゃんを座らせる。又兵衛さんも、他の人も会釈をした。僕もそろえてするけど、しんちゃんは又兵衛さんに強引にされてた。

 

「隼人…勝ち戦執着である。」

 

「はっ!恐れ入ります!岩月の者共田畑でも荒らしに参ったのでしょう。あっさり引あげましてございます!なに某は何もしておりまぬ。先手の指揮はいつものように鬼井尻めが。」

 

「うむ!見事じゃ。又兵衛!」

 

「恐れ入ります。」

 

どうやら又兵衛さんはよくできた武将さんであるみたいで戦では負けなしの指揮をしているらしい。小さな国がこうして生きて行けてるのも又兵衛さんのおかげらしい。

 

「その者たちか。未来から来たと申すのは。」

 

「よっ!」

 

「しんちゃん!!」

 

「何と!!」

 

「無礼な!!」

 

「まぁよい。」

 

しんちゃんは良くも悪くもマイペースが過ぎてキャラが濃い!いや、女の人ナンパして、お尻を出してる時点で濃いんだけどね

 

「この者たち、名を野原しんのすけ、野比のび太!某も最初は信じられませなんだが、話を聞き、身につけたる着物の作りなど見ますところ、どうも。」

 

「いやぁ、参っちゃうよね~気が付いたら違うとこに居たんだゾ!チョーびっくりでござる!」

 

「そうなんです。急にこの時代に飛ばされたんですよ。」

 

「しんのすけはひどく訛っておるのぉ。」

 

現代人と戦国時代の人の言葉は少し違うからやっぱりそう思われちゃうか。しんちゃんは無茶苦茶に現代語ではあるんだけど、訛ってるわけじゃない。僕達からすると殿様たちが訛ってるように聞こえる。

 

「しんのすけ、のび太とやら。この安綱にも未来の話聞かせてくれぬか?遠慮はいらん、好きなように申してみよ」

 

「おっけい!」

 

「わかりました。」

 

「桶?」

 

僕としんちゃんは殿様に未来の話をする。殿様はウキウキでそれを聞いていた。他の家臣さんたちは信じられなそうに聞いてたけど。仕方ないよね。僕だって未来の話をドラえもんとセワシ君の話ほぼ、信じてなかったし。




雷神「はい、終わり。」

銀「練馬区に春日部あったか?」

雷神「…わかんなから調べてみたけど、春日町ってのがあったからそれを採用した。」

ウタ「ギリギリアウトな気がする。」

雷神「まぁ、武蔵野国は大きいし。」


「「レンジが長い!」」

雷神「ハハハ…では次回もお楽しみに!」


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第99話アッパレ戦国大合戦~廉と又兵衛~

はい、廉姫が出てきます。

視点はのび太です。


「んでねぇ~、ん~とぉ~」

 

「ま、こんな感じですね。

 

「う~む、未来には人知を越えた技が数多あるようじゃな。」

 

僕達が話したのは飛行機や自動車などの17世紀から21世紀の物を説明した。さらに未来である22世紀の事は話してない。頭がパンクしちゃうし。でも家臣さんたちはやっぱり信じられないような顔になってる。

 

「殿!子供の申す事ですぞ!」

 

「左様!某、空を飛ぶ乗り物や他国の者と家に居ながら話せる道具などとても信じられませぬ!」

 

やっぱり、その物を見せないと信じてもらえないか…何か持ってたかなぁ。時雨金時は小さくして常備してて、あ、これだ!

 

「ちなみにこれが他国と話せる道具です。」

 

ポケットに入ってたスマホを殿様や家臣さん、又兵衛さんに見せる

 

「「「「なぬ!?」」」」

 

「お前、持っておるなら出さぬか。」

 

「あ…」

 

ははは…僕もドラえもんみたいなことしちゃった。

 

「まぁ、電波がないんで使えないんですけど。」

 

電源はつくけどやっぱり圏外になってた。この時代に電波塔があるわけないしね。

 

「…ほう、これがすまほ?というものか。貸してみてはくれぬか」

 

「はい。」

 

僕は殿様にスマホを渡したら、目新しさからか下から上を見まくっていた。

 

「ありがとう。」

 

「いえいえ。」

 

「殿、わしはかれぇというものを食ってみたいのぉ」

 

「他にも美味しい物いっぱいあるよ。すき焼きとか豚カツとか。」

 

「ほう、しんのすけ、のび太!」

 

殿様は一通り聞いてから、住むあてがないのなら又兵衛さんの家に住んでいいと言われた。折を見てまた話を聞いてくれるそうだけど…又兵衛さんは狼狽えてた。

 

「殿っ!ご勘弁を!某!子供を持ったことはありませぬ!!」

 

「オラもこんなむさ苦しいおじさん嫌だゾ!もっとキレイなおねいさんがいい!」

 

「それはしんちゃんの願望じゃない?僕は大丈夫ですよ?」

 

「何!?」

 

又兵衛さんは驚いていた。僕の言葉になのか、しんちゃんの言葉になのかわからないけど。

 

「又兵衛…」

 

「はっ!」

 

「聞けば、この二人はそちの命の恩人ではないか。これも何かの縁じゃ。」

 

「ははっ…しかし…」

 

「違うゾ!オラ、遊んでただけだもん!こうやって!」

 

としんちゃんはブリブリと言いながらお尻を出しながら動き出した。これ意外と器用な気がする。でも又兵衛さんはそれを止めていた。

 

「しんちゃん。迷惑かけない。」

 

「おっ。お兄ちゃん意外と動体視力すごいゾ。」

 

「ワハハハ!主命じゃ!下がってよい。」

 

と言われたからしぶしぶ又兵衛さんは半尻しんちゃんを小脇に抱えてから僕を連れて、殿様の部屋から出る。

 

「何かごめんなさい。」

 

「謝るな。…殿も言ったようにお前らは俺の命の恩人だしな。」

 

「おい、青空侍!」

 

僕と又兵衛さんが話していたら綺麗な声が話しかけてきた。そっちを見ると…

 

「あ…」

 

「死にぞこなったようだな。」

 

…ゆ、夢のあの人だ。着物を着て化粧をしてるけど。あの人だ。

 

「あっ!これは姫様!」

 

「姫!?え?どこどこ!?」

 

「お前の事だ。どうせぼんやり空を眺めていたのであろう。」

 

「え?何故それを…あ、いや違うのです!」

 

「ああああああ!!!」

 

としんちゃんがあの人に気づいて、叫んだ。美人好きなしんちゃんだからそりゃこうなるか。

 

「黙れ!某!決してぼんやりなど!」

 

又兵衛さんが姫様に近づきながら弁明していた。

 

「ほ~い!おねいさーん!オラだよー!やっと会えたゾ!」

 

そっか、しんちゃんもあの夢を見てたんだ。僕はややこしくなるからちょっと黙って事の成り域を見ようかな。

 

「おぬし、廉姫様を知っておるのか?」

 

「廉ちゃんって言うの!?」

 

「ば、バカ!姫様と呼べ!姫、この者をご存じで?」

 

「いえ…そのような可愛いお尻、初めて見たが?」

 

あ、そうだ、向こうからお尻丸出しの状態だ。だから後ろの付き人の女性二人が笑いをこらえてたんだ。

 

「いやーん!オラ、お嫁に行けな~い!!おじさんのおバカ!これじゃまるでオラが人前でお尻を出すのが好きみたいに思われちゃうよ~。」

 

「「好きでしょ(ではないか)…」」

 

初対面の時は…ナンパしてたけど、ドラえもんから話を聞いてからもそれに足軽を無意識に翻弄してた時もお尻を出してたし。

 

「そなたらは未来から来たと聞いている。私といつどこで会った?」

 

「夢で…」

 

あら、しんちゃんナンパはするのにちょっと美人過ぎてるのか緊張してるのかな。これは僕も言った方がいいね。

 

「おぬしもか?」

 

「はい。湖のほとりで、青空侍と言いながら空を見てました。」

 

「面白い、明日また改めて話を聞かせてもらう。」

 

着物を翻しながら姫様は付き人と一緒に去って行った。やっぱり実物はキレイだったなァ。…女性陣の前で見てたら血の雨が降るからよかった。…ていうか2人とも顔を真っ赤にしてる。

 

「行かないんですか?」

 

「…あ?あ、ああ、参ろうか。」

 

又兵衛さんもしかして…いやまぁわからないから言わないけど。僕達は歩いて又兵衛さんの家へ向かうけど、しんちゃんが姫様が独身かを聞いた。

 

「姫様だ!」

 

「いいじゃん!ね?独身?」

 

「当たり前だ!」

 

「廉ちゃん偉いの?」

 

「ああ、殿の娘御だからな。」

 

…おっと、僕何気にまた王族の人と関わってたんだ。

 

「いやぁ…綺麗だよね廉ちゃん!」

 

「こう見えても俺と姫様は幼馴染なのだぞ。父上が昔、殿のおそば近く仕えておってな。おれもよく連れられて行っては姫様の遊び相手をさせられたものだ。」

 

「ヘェ…」

 

「いや遊んだというより手荒くこき使われたのだが…」

 

「いや、わかりますよ?女の子ってすぐにこき使いますよね。子供の頃は特に。」

 

しずちゃんとかしずちゃんとかしずちゃんとか…本人が居たら絶対に感づかれてブチ蹴られるけど。

 

「廉ちゃ~ん」

 

「俺も15の時からは戦に出ようになったのでお会いすることも少なったがいやァ…本当に美しくなられた。」

 

気持ちはわかる、しずちゃんは昔も今も正義感は人一倍あるし。見た目はすっごく可愛くなってきてるし。何なら今じゃ、学校美人ランキング殿堂入りだもん。…まぁ、美夜子さん、万陽奈さん、ウタ、直ちゃんも殿堂入りしてるんだけど。

 

「他国の殿が何人も嫁に欲しいと言って来ておるが…なかなかお気に召す話がないようでな。全くわがままな姫だ。」

 

…幼馴染を好きだから断ってるとか?いやまぁ、それはわかんないけど

 

「しんちゃん、あっちに居ますよ?」

 

「ん?おい!こっちだ!」

 

しんちゃんは話も聞かずにずっとのろけてたから曲がらずにまっすぐ行ってた。僕も今気づいたんだけどね。

 

――――――――――

 

 

「ヘェ、お城の中に住んでるんだ!」

 

あれ?僕のお爺ちゃん(母方)のお家と同じ外観にそっくり。そっかその辺は変わらないんだ。僕としんちゃんは練馬区に住んでるから新鮮だけど。

 

「仁右衛門、お里。」

 

あ、あのおじさん、又兵衛さんと一緒に居た人だ。

 

「お帰んなさいませ。」

 

「しんのすけとのび太を預かることになった。」

 

「よろしくお願いします」

 

「くるしゅうないゾ!」

 

「あ~あ、嫁もいないのに子持ちになっちまって。」

 

「あんた。」

 

やっぱり中も田舎のお爺ちゃん家に似てた。

 

「お前達の住んでる家とはだいぶ様子が違うか?」

 

「いえいえ、田舎のお爺ちゃん家に似てます。」

 

「オラのも!」

 

「ほう、意外と変わらんもんだな。」

 

都市部に遠のくほどに車や新幹線は通れない場所もあるし、何より山が多いからポツンと一軒家とかもある。その辺はこの時代と変わらないかもしれない。22世紀は全部変わってるから驚いたけど、100年で変わりすぎだけどね。

 

「着替えてくる。お前たちは部屋で待ってろ。」

 

「はい。」

 

「うん!」

 

「しんちゃんは寂しくないの?」

 

「何が?」

 

「お父さんやお母さんと離れ離れで。」

 

「外国に遊びに行った時もジャングルで迷った時も案外楽しかったゾ!」

 

…ま、他の5歳児とはちょっと違うし、足軽相手にもあんなに翻弄してたから杞憂かな。

 

ガラ!

 

あ、又兵衛さんが戻って来た。

 

「何かがらんとしてるね!」

 

「俺と仁右衛門たちだけだからな。」

 

「他の家族は?」

 

「皆、死んだ。」

 

…又兵衛さんが言うには母親は病で、父親、兄、弟は戦で亡くなったらしい。…ここは戦国時代、親族もいつ誰が亡くなるかわからない時代だし。病気に至ってはワクチンや薬がない。

 

「お前たちの家族は?」

 

「みんなお元気だよ!」

 

「僕の方も元気です。」

 

「それは何よりじゃ。」

 

又兵衛さんは家族を失っている。だからこそ顔も言葉も重みを感じる…

 

「でもこの国の人だからって事もあります。」

 

「武蔵野国は無くなり、大きな国となったと言っておったな。」

 

「はい。さっきも説明したように今の時代では日本は平和です。ですが他の国は今でも戦争が起きています。」

 

殿様に話さなかったけど、又兵衛さんには日本や世界の事を話していた。織田信長が火縄銃をこの国に持ってきたから、又兵衛さんも外の事を知っていたらしい。

 

「それはいいけどさ!お嫁さんはいないの?」

 

…うわ、ダイレクトに聞いたなこの子。

 

「ん、ん~…ああ、よいか、しんのすけ!のび太!俺は武士だ!妻や子があればこの世に未練が生まれる。そうなっては戦場では充分な働きは発揮できない!」

 

「男が好きなの!?」

 

「そう言う事じゃないでしょ」

 

「そうじゃ!!俺は武士の心構えを…!!!」

 

「イャーン!よきにはからえ~ン!」

 

どこからその言葉を覚えてるんだろホントに、意味わかってないでしょ?

 

「違うと申すに!俺はおなごが好きじゃ!!」

 

「又兵衛さんも変にカミングアウトしないでください!ペース乱れてます!」

 

「…そうじゃな。」

 

「おなごが好きなら早く嫁をもらったがよいわ。」

 

仁右衛門さんが外から話しかけてきた。

 

「しんのすけ、のび太。このだんなはな。戦場でこそ、鬼と恐れられておるがおなごが相手じゃとどうしょうもない臆病者なんじゃ。」

 

あれれ?おかしいな、又兵衛さんの事言われてるはずなのに僕にぶっ刺さってるんだけど!?

 

「やめんか!」

 

「ほ~それはお困りでしょうにぃ!」

 

「こやつ言うわ。若、尤もらしい事を言っておっても井尻の家名が途絶えたら何もならんぞ!」

 

し、死活問題ではあるんだ。武家には武家のお家騒動があるんだね。

 

「む…むぅ…」

 

「御父上が生きておったら、さぞお嘆きじゃろうて。いててててて!!」

 

と仁右衛門さんは耳を引っぱられ怒られながら連れてかれた。

 

「おお~、昔も女房が強かったんだね~!」

 

「あの夫婦も倅を戦で亡くしておるのじゃ。」

 

「そうなんですか。」

 

―――――――

 

そして、夕方この時代に来て、一夜を迎えるんだ。やっぱり、電気なんてものはないから辺りは暗い。しんちゃんは縁側で外を見ていた。やっぱり寂しいのかな。

 

「案ずるな、しんのすけ。来れたのだから必ず帰れる。父母が恋しかろうがしばし我慢してくれ。」

 

「オラ、平気!」

 

「そうか、強いな。」

 

「おじさんこそ大変だね!お家族もいないし!お嫁さんももらえないし!」

 

「大きなお世話じゃ!」

 

いいこと言うと思ったのにしんちゃんは絶対余計な一言を言うよね。

 

「オラ…腹減った。」

 

「ここに来て何も食べてないね。」

 

「うん。」

 

「よし、メシにしよう!すぐじゃ!お~い飯だ!飯はまだか!」

 

と又兵衛さんはちょっと忙しなく、仁右衛門さんたちに言ってたけど、仁右衛門さんはちょっと怒ってた。

 

「…お里かれぇとやらを作れるか?」

 

「あの魚の?」

 

「あ、違う、かれぇとは…こう良き匂いがして得も言われぬ味の…」

 

この時代にその材料がないから作れようがないだけどね。鰈はこの時代から食べられてるんだ。

 

「ではすき焼きはどうじゃ!豚カツでもいいぞ!!」

 

「「ハハハ…」」

 

僕としんちゃんはもたつく又兵衛さんに笑った。カレーは食べたいなぁ。すき焼きはしょうゆや砂糖があれば、とんかつはパン粉があればできるけど…まぁ、この時代どれもこれも高級食材だから無理か。

 

「嫁にでも作ってもらうがよいわ。」

 

「こいつまたそれを!!」




雷神「はい終わり。」

銀「日常系だな。」

雷神「ここのシーン意外と好きなんだよね。今見たらあの哀愁に満ちた又兵衛さんの顔にうるっと来る。」

ウタ「家族を失うのは悲しいしね。」

雷神「ウタが言うと説得力がありすぎる。」

銀「やめろ辞めろ、家族の話は。」

雷神「銀さんは孤児だったね。」

銀「まぁな、あの人のおかげで生きてこれたが。」

雷神「どこを間違えてこんな皮肉人になったのやら」

銀「サイコロステーキにするぞおい。」

雷神「冗談だよ。」

ウタ「じゃあ、次回もお楽しみに!」


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第100話アッパレ戦国大合戦~捜索隊と野原一家~

現在側をみさえ目線でするかドラえもん目線にするかを迷った結果…

ドラえもんにします。

視点ドラえもん、ひろし


「あいつは本当に…」

 

「のっ君ってやっぱそういう星の元に生まれたのかしら?」

 

「のっちゃんだしね。」

 

「のっくん心配なんだけど。」

 

「しかしどうしましょう。あてがありません。」

 

「のび兄が言ってた夢の風景だけでわかる?」

 

「のび太の手がかりがそれくらいだよな。」

 

「ドラえもんの道具でわかんないの?」

 

僕は空き地にいた和人君、しずちゃん、美夜子さん、ウタ、万陽奈さん、直ちゃん、ジャイアン、スネ夫にのび太君の事を話したら、和人君、美夜子さん、しずちゃんは呆れてて、ウタはのび太君が消えた事を心配してて、直ちゃん、ジャイアンは夢が手掛かりになってるんじゃないかと言っていた。

 

「みんなの所に来る前にのび太君の形跡を辿ったんだ。ある時代にいるみたい。」

 

「どこの時代なの?」

 

「戦国時代だよ。」

 

「[タイムテレビ]で見てみようぜ。」

 

「そうだね。」

 

僕は[タイムテレビ]を出して、みんなで見ることにした。

 

「じゃあ映すよ。」

 

僕は戦国時代に合わせて、ボタンを押した。

 

「…なんだこりゃ?」

 

そこに映し出されたのは、ノイズだった。え?これはバリアだ!何で!?これはタイムパトロール隊がよく使う奴なんだけど!?

 

「何でそれがこの時代に張られてるんだ!?」

 

「わからない!これはただ事じゃないぞ!とりあえず[タイムマシン]で行ってみよう!正体がわかるかもしれない!!」

 

「ぜ、全員でか?」

 

「あ、そっか、じゃあ、和人君、しずちゃん、美夜子さん、直ちゃんが一緒に来て、他のみんなは奈江ちゃんや美奈ちゃんに事の経緯を説明してから調べてもらって!!」

 

僕達は急いで行動を開始した。家に帰ってから[タイムマシン]に乗る。

 

「みんな、警戒はしといてね。」

 

「ああ」

 

僕はタイムマシンを運転した。

 

 

――――――――――

 

「着いたよ…あれ?タイムホールが開かない?」

 

のび太君がいる戦国時代に着いた…けどいつも開くはずのタイムホールが開かない、というかこの辺の時空間もなんか乱れてる。

 

「ど、ドラえもん。まずいんじゃないか?」

 

どんどん時空間が黒くなっていき、ドラゴンのような姿になり僕達に襲い掛かって来た。

 

「な、何だよあれ!!」

 

「あんなのあった!?時空間に!?」

 

「とりあえず逃げるよ!!フルスピード!!」

 

タイムマシンをフルスピードで運転して、元の時代に戻る。

 

「はぁ…ハァ…」

 

「あんな怖い思いヴァサゴ以来なんだけど。」

 

「怖いったらありゃしない。」

 

「あれはなんなんだ!!」

 

「僕も知らないんだよ!!あんな事例は初めてだから!」

 

「ちょっと落ち着いて!!焦ったってどうしようないでしょ!!」

 

美夜子さんに言われてから。一回落ち着いてから僕が思ってることを和人君達に言う。あんな事例見たことも聞いたこともない。時空乱流にも似てるけど。あれは時空の乱れで引き起こされる落とし穴だし。

 

「ドラちゃん!!」

 

「奈江ちゃん!美奈ちゃん」

 

「聞いたわよ。行ったんでしょ!?どうだったの!?}

 

僕は二人に説明する。タイムパトロールの2人なら何かわかるかも。

 

「…何それ」

 

「そんなの知らない。」

 

「「「「「「は!?」」」」」」

 

「タイムパトロール隊でもそんなこと聞いたことないわ。隊長に聞いてみます。」

 

美奈ちゃんはタイム電話を取り出して、電話を掛けた。

 

「あ、リーム隊長!!」

 

美奈ちゃんは一通り喋ると電話を切った。

 

「…やっぱりそんな事例は過去も未来でもどの平行世界にも起きた事がないそうよ。」

 

「…いやいや…やばくない?」

 

「とりあえず、今日はあなた達は何もしないで。」

 

「何で!?」

 

「のっちゃんが!!」

 

「前代未聞の事例なのにあなた達が動くとさらにややこしくなるでしょ!」

 

「それはそうだけど…でも僕は、僕達はのび太君の仲間さ!のび太君が大変なことに巻き込まれて、冷静になれるわけないし!居てもたってもいられるわけがないよ!!」

 

僕は、美奈ちゃんにそう言った。僕が言ってることは特定意思薄弱児童監視指導員としてはダメな事だ。でも、大切な仲間が、親友が、危険な目に遭ってるかもしれないのに落ち着いていられるわけがない。

 

「…そうね。ちょっと私も冷静さを失ってたわ。ごめんなさい。あなた達は自由に調べてからのびくんを助けてあげて。」

 

「美奈ちゃん。」

 

「おお、堅物な美奈が珍しい。」

 

「殴るわよ。私達は本部に戻るわよ。」

 

「はーい。あ、その間に解決したら、電話してね。」

 

「わかったよ。」

 

美奈ちゃんと奈江ちゃんは消えた。本部に行ったんだ。

 

「男を見せたな。」

 

「かっこよかったわよ。」

 

「いやァ…それほどでも。」

 

「そういえばウタ達いなかったわね。」

 

美奈ちゃんと奈江ちゃんは僕達が帰って来た時から部屋に居たから多分、あの2人に置いてかれたんだと思う。とりあえず合流しよう。

 

「本当にあいつにはお祓い行ってもらうか。」

 

「「「「それがいい」」」」

 

「いいとして…あの人なんか険しい顔して歩いてるぞ?」

 

「ん?」

 

和人君が見ている方を見ると30代くらいのおじさんが険しい顔しながら歩いていた。本を見ながら何かつぶやいてる?

 

「天正二年、大蔵井高虎は2万余の軍勢を率い力押しに春日康綱の居城を攻め落とそうとした。数で劣る春日側は野原信之介と野比のび太とその一味が奮戦…」

 

「「「「「!!!」」」」」

 

しんのすけはさっき会った幼稚園児、それにのび太君の名前。それに天正二年は確かにのび太君がいる戦国時代の年号。あの人たちも探してるんだ!

 

「あの!!」

 

「ん?」

 

 

―――――――――

 

俺は、しんのすけがいなくなり探していた。しんのすけはシロが掘った穴を埋めるのをみさえからお願い(半強制)され、埋めていたんだがいなくなったと言われた。俺は仕事が早く終わったから帰って聞かされた時は驚いたもんだ。何せ俺達は行く先々で何かと巻き込まれてるからな。それでいなくなったその穴には手紙があり、そこには天正二年にいると書かれていた。俺はまさか戦国時代にいるんじゃないかと春日町の郷土史を調べて家に入ろうとしたら話しかけられた。その姿はまるで…

 

「青いタヌキ?」

 

「失礼な!ぼ、僕はタヌキじゃなくて猫型ロボット!!」

 

「ろ、ロボット?」

 

…ロボットか。俺は一回ロボットに俺の記憶を植え付けらえて、そのロボットは俺だと思い込んでしんのすけやみさえ、ひまわりと仲良くしていたんだ。ま、そのロボットとは戦いの最中で壊れてしまった。

 

『頼んだぞ。俺』

 

『任せろ。俺』

 

『ロボとーちゃん!!』

 

しんのすけには悲しい思いをさせてしまった。

 

「…お前も鉄拳寺堂勝に作られたロボットなのか?」

 

「誰それ?僕は22世紀から来たロボットだよ!!」

 

「ってそんなのはどうだっていいんだよ!おじさん!のび太の名前知ってるんですか?」

 

「あ、ああ。これに書いてあったんだ。」

 

俺は少年とロボットに手紙を見せる。少年、少女、ロボットはみるみるうちに焦った顔になって行く。何か知ってそうだな。

 

「中入るか?」

 

「いいんですか?」

 

「何か知ってるんだよな!俺も困ってるんだ!息子を探してる!」

 

俺は5人を中に入れる。みさえが驚いていたが構うもんか!

 

「何で一人で行ったのに五人もお客さん呼んでんのよ!!」

 

「こいつら何か知ってるんだ!」

 

「そうなの…ってタヌキ?」

 

「だから僕は猫型ロボット!!」

 

「…ロボット?」

 

みさえは物置を見たロボひろしの残骸があそこに入ってるからだ。みさえにとっても大事なロボットだしな。…嫉妬はしてないぞ。決して!!

 

「まず自己紹介しろよ。」

 

「あ、そうだった。猫型ロボットのドラえもんです!!」

 

「俺は桐ケ谷和人です。」

 

「あたしは妹で直葉です。」

 

「うちは源静香です。」

 

「私は満月美夜子です。」

 

「野原ひろしだ。」

 

「みさえです。」

 

「たったいや!!」

 

「アン!

 

ひまわりもシロも自己紹介をした。まずは俺達から話をしてから、ドラえもん達からの話を聞くことになった。色々と頭が混乱する内容では会ったけどな。

 

「…過去に行けるなんて、漫画かなんかの話だと思ってた。」

 

「…そう…だな。」

 

俺達も大概だが、過去や未来は行ったことがない。平行世界やロボットの概念は経験上知ってはいる。でもそれでも彼らの大冒険は俺達の冒険が霞んでしまうほどだ。

 

「え、待ってよ。しんのすけは戦国時代にいるの!?」

 

「そういう事になりますね。」

 

「でも、タイムマシンじゃそこには行けないんでしょ!?どうやって行くのよ。」

 

「しんのすけくんの手紙では車で来た方がいいと書いてあったので。」

 

車であの穴に行けってのか?それは名案だ。

 

「すぐに行こう。」

 

「は!?」

 

「しんのすけのいない世界に未練なんかあるか!?」

 

「え…?」

 

みさえは俺の言葉に驚いていた。俺はしんのすけのとーちゃんだ。あいつには困っているが…自分の子供だ。あいつにはいろいろと教えてやんないといけないんだ!親は子どもに生き抜けって言うもんだろ。

 

「みさえがいやだったら、俺はこいつら連れて一人で行く。」

 

「…分かったわよ!!私も行くわよ!しんのすけに会えるんなら戦国時代でもどこでも行ってやろうじゃないの!!」

 

みさえの覚悟も決まった事で俺は行動に移す。

 

「とにかく支度だ!家中の役に立ちそうな物かき集めて車に詰み込むんだ!!」

 

「それは大丈夫です。」

 

ドラえもんが俺の案を否定した。

 

「どうしてだ?過去には何もないだろ?」

 

「僕の道具があるので。それにそんなに持って行っても、かさばるだけです。」

 

「な、慣れてるなやっぱ。」

 

「ま、一年半も冒険してりゃな。」

 

「でも、ウタ達どうする?」

 

「急いでいきたいから帰ってから言おうよ。」

 

「…ウタ?ウタってあのウタか?」

 

5月ごろに起こった大量夢遊病事件の首謀者で鈴斬様の娘と言われたウタ。今はどこで何してるのか、死亡説も出てる。

 

「内緒でもないですし、あのウタです。」

 

「え!?あのウタに会えるのォ!?」

 

俺達はウタがあんなことをした背景は知らないがあの悲痛な顔をしていた彼女が悪者じゃないと思っていた。マタ・タミやトッペマ・マペットみたいな過去で傷ついた彼女たちも居たんだしな。

 

「今はしんのすけくんとのび太君です!」

 

「会えないのね。」

 

「とりあえず、車を[スモールライト]で小さくしますね。」

 

そう言って、玄関に向かっていくドラえもん、[スモールライト]?なんだそりゃ。

 

「[スモールライト]~これは」

 

「「「「説明はあと!!」」」」

 

「はい…」

 

女性陣四人にたじたじなドラえもん。わかるぞドラえもん女性には歯向かえんよな。

 

「……。」

 

「何も言ってないからな。」

 

みさえが睨んできた。怖い怖い。っておい!?俺のアンジェリーナが消えたぞ!?

 

「ど、どこにやったんだ!?俺のアンジェリーナ!!」

 

「ここです。」

 

「は?」

 

ドラえもんはミニカーを持っていたが…それは間違いなく俺のアンジェリーナだった。

 

「これは小さくできるライトなんです。」

 

「…だからスモールか。」

 

安直やしないか?未来人のネーミングセンスどうなってんだよ。それに確かにこれだと、かき集めた物を入れても意味ないか。ドラえもんは俺のアンジェリーナをポケットに入れる。

 

「よし、庭に案内するぞ!」

 

「はい。」

 

待ってろよ、しんのすけ!無事でいてくれよ!!




雷神「はい終わり。」

銀「いろんな名言出て来たな。」

雷神「ひろしの言葉ってすっごくグサッと来るんだよね。」

銀「そうだな」

雷神「あ、銀さんの『生きとし生ける、すべての馬鹿どもの事だ―――!』も好きです。」

銀「急にぶっこんでくんな。」

ウタ「私はシャンクスの『ウタ、離れていてもお前は俺の娘だ』だね。」

「「ファザコンなだけじゃん」」

ウタ「うるさい!」

ハル「私は『お前ら人間じゃねぇ!!』かな。」

「「「それはネタだって」」」

ハル「てへ?」

雷神「では次回もお楽しみに!あ、皆さんの好きな名言もコメントしてください!」

「「「サラッとコメ稼ぎ」」」


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第101話アッパレ戦国大合戦~恋話と金打~

この辺、侍の心構えを教えられえる一番好きなシーンです。

視点はのび太です。


次の日、僕としんちゃん、又兵衛さんは約束通り廉姫様の所に来ていた。…のはいいんだけど…

 

「こらァ、みさえ、この頃たるんでるゾ腹が!なんですって?あなたこそ足クサいくせに!なんだとォ!くらえ!足クサキーック!やったわねー!ぶよぶよ三段腹アタック!!」

 

「くくく!!」

 

「あははは!!」

 

「姫様!のび太殿!」

 

「あっはっはっは!!」

 

「又兵衛殿!」

 

しんちゃんのお父さんとお母さんの演技がそれはもう面白かった。ユーモアあふれる夫婦なんだなぁって思った。

 

「はぁ…しんのすけ、お前の家族はほんとに愉快な者たちだな。のび太の家のロボット?っていうのにも会ってみたい。」

 

「しんのすけ。のび太もだが、お前ら父は侍か?」

 

「違う。」

 

「剣士はしますけど、侍はもういませんね。」

 

「何?それは誠か?」

 

日本の銃刀法違反はすでに見直されてるけど、侍はいない。剣士でさえもいるかいないか、だけど。

 

「ウソを申せ、ならば誰が国を守っておる。」

 

「天皇様ですね。」

 

「…天皇か。」

 

又兵衛さんは少し渋い顔になっていた。この時代の天皇…いや朝廷は権威は落ちぶれていたけど、状況を変える需要人物が現れる。それが織田信長。信長が足利義昭を将軍に擁して上洛。中央政界に乗り込んだ信長は天皇を保護するという大義名分により、京都を制圧したって、又兵衛さんが説明してくれた。

 

「又兵衛、しんのすけやのび太が住む世界は平和なのだ。侍など必要ないのであろう。」

 

…そうだよねぇ。戦国時代からすると平和に思えるほど穏やかな日常があふれてるからそう思われるか。大きな事件は日本自体何もない。世界を巻き込んだウタの事件はノーカンだけど

 

「しかし、我らはどうなるので?」

 

「お前は日がな一日空でも眺めていれば良い。」

 

「はっ?ハァ…」

 

あれれ?ちょっといい雰囲気。又兵衛さんが言うには廉姫様は殿様たちの婚姻を蹴ってるって言うし。ていうか又兵衛さんと話してる時の廉姫様の表情がさらに綺麗になってる…それは好きな人がいるから?え?そういう事?何かと鈍いって言われてる僕でも気づくんだけど。

 

「しんのすけ。父母への便りを書かぬか?」

 

「お便り?」

 

「そなたの住む春日町とこの春日は同じ場所のようだ。そなたらが現れた場所に埋めれば…」

 

その便りが引き金でしんちゃんが来たなら、しんちゃんの両親がこっちに来るかもしれない。迎えに来いって書いてあったって聞いてるし。

 

「そっか、そっか、廉ちゃん頭いい!」

 

「れん…ちゃん?」

 

「こらっ」

 

「構わぬ。吉乃、支度を。」

 

お便りは廉姫様が書こうとしていたけど、しんちゃんが書くことになった。僕が書いてもよかったけど、手紙はしんちゃんの家から掘り起こされたからしんちゃんの文字じゃないとしんちゃんもここに来れないし、両親もわからないだろうからそうした。

 

「その絵はなんだ?」

 

「侍か?」

 

「救いのヒーローブリブリざえもんだゾ!」

 

「妙な名だのぉ。」

 

「お又のおじさんに言われたくないぞ」

 

「「「ぶふふふ」」」

 

「吉乃笑うな。」

 

「だって…」

 

手紙も書き終わった事で廉姫様が派手さが目立つ木箱にそれを入れる。しんちゃんはこの箱が庭で見つけた奴らしい。僕の引き金に関しては全くの謎だけど。しんちゃんが見つけた時がそれかもしれないけど。

 

「そうか。ならば今頃父母もこれを読んでさぞや…又兵衛」

 

「はい。」

 

「しんのすけとのび太が現れた場所を一緒に探してあげなさい。」

 

「はっ」

 

あの場所は僕もあまり覚えていない。森だって事はわかるんだけどどこからあそこに行くのかはわからない。

 

「しんのすけ、のび太。私は是非聞きたい事がある。」

 

「何?」

 

「どうしたんですか?」

 

「そなたたちの世界の男女は…どのように恋をする?」

 

「こ、恋ですか。」

 

「恋…?」

 

「姫様、はしたのうございます。」

 

「聞くだけだ。」

 

恋か…いや僕的には深く…そりゃもう深く考えないといけないけど…

 

「いや~ん!廉ちゃんだいた~ん~!やっぱりオラの事を~?」

 

「どうなのだ?」

 

「ほい!あのぉ…えっとぉ。21世紀ではお互いに好きになればいいんだよ!」

 

「そうですね。21世紀の恋はみんながみんな自由に好きになって、恋をします。」

 

「それだけか?そんなに自由なのか?家や身分も関係なくか?」

 

「ほい!あと…歳の差も関係ないんだよ。」

 

しんちゃんの言う通り、この前結婚した加藤茶さんがいい例だ。有名なバンド(コント)グループの一人で歳の差婚が注目し始めたのもその辺からだ。

 

「それと同性婚何かもありますね。」

 

「同性婚?」

 

「男同士、女同士で結婚することです。」

 

「…そうか。」

 

「はっ!ななこおねいさんはどうしよう。」

 

しんちゃんは何か悶えだした。どうしたんだろ?

 

「姫様、違う世界…いえ、未来の話です。姫様は春日の為になる縁組を結ばねばならぬ身。その様な乱れた風俗に感心するのはいかがかと。」

 

又兵衛さんも廉姫様のためを思って言ってるんだろうけど、廉姫様の顔は暗くなっていく。

 

「……本当にそう思うか?」

 

又兵衛さんを試すような口調で話しかけている。

 

「ん…恐れながら一国の姫君が他国の殿に嫁ぐのはお家安泰の為、必要な事かと。」

 

一国の姫君が一般人の僕を好きになってますよ。なんて言ったらどうなるんだろ?

 

「大蔵井高倉殿が私を嫁に欲しいと言って来た。」

 

「そ、それは良いお話で…大大名の高虎様なが御相手ならば我が春日の安泰は間違いなし。家中の者、皆喜ぶでしょう。」

 

「…お前もか?」

 

「はっ!」

 

…えっとぉ、何この空気重い。これ絶対しずちゃんや美夜子さんが居たら、又兵衛さんにツッコんでた。廉姫様はあなたが好きなんですってドストレートに言いそう。

 

「え?廉ちゃんお嫁に行くの!?いつ!?」

 

「……三人とも下がってよい。」

 

「ねぇ!ほんとなの!?んん…」

 

「のび太、しんのすけ行くぞ。」

 

「はい、ほらしんちゃん。」

 

「だったら何でオラの夢ん中に出て来たのさ!!ねぇ!!廉ちゃ――――ん!!」

 

 

――――――

 

廉姫様の部屋から出て来たのは御守の上に上がっていた。又兵衛さんは空を眺めて、しんちゃんはさっきの廉姫様が結婚すると聞いて、めっちゃ落ち込んでた。

 

「はぁあああ…結婚かぁ。折角会いに来たのにあんまりだゾ。おまけに隣には地味でむさ苦しいおじさんと地味少年が二人ィ?」

 

「殴るよ。」

 

「冗談だゾ~。ってんもうねー、聞いてんの?」

 

「おぅおぅ聞いておる。全く姫様のわがままにも困ったものだ。一国の姫君の縁組とは人と人を結ぶだけではなく。家と家、国と国を結ぶものでなければならんのだ。」

 

まぁ、又兵衛さんが言いたいことは確かにこの時代ではそうだけど…やっぱり。

 

「あのさぁ…色々と偉そうな事言ってるけど…お又のおじさん。ほんとは廉ちゃんんの事好きなんじゃないの?」

 

あ、核心をつく言葉をしんちゃんが言っちゃったよ。…おっとォ又兵衛さん顔が真っ赤っかじゃん。わかりやすい。

 

「ねえ」

 

「違う!そんなことはない!」

 

「でも、おじさん、廉ちゃんの前だといつも緊張してるゾ。」

 

「この俺がいつ緊張した!!のび太お前からも言ってやれ!!」

 

「僕も思ってましたよ?」

 

「……ば、バカも休み休み言え!」

 

としんちゃんが下の方を見る。

 

「あ、廉ちゃんだ。おーい!…うそでござる。」

 

「き、貴様!たばかったな!!」

 

「顔、真っ赤だし、汗かいてる。やっぱ緊張してる。」

 

「く、ん~!断じて緊張ではない!だあ!」

 

又兵衛さんは置いてあった板にぶつかってこけた。普通に緊張してるね。

 

「まあまあ、誰が誰を好きになっても自由なんだから!」

 

「それはお前たちの世界の話だ!この世界には身分というものがあって!」

 

「身分が無かったらどうするの?」

 

「ううっ!」

 

「廉ちゃんに好きって言う?」

 

「はあっ!はあっ!」

 

又兵衛さんは少し過呼吸気味なってるけど、何とか持ち直した。又兵衛さんは立ち上がって、柱に頭を打ち付ける。

 

「俺は…一介の家臣に過ぎん。それなのに一国の姫に対してこのような大それた想いを…」

 

…未来では自由な恋ができる。でもこの時代ではその想いを言うのも憚れるんだね。

 

「好きになっちゃったもんはしょーがないぞ?ていうかのび太お兄ちゃんは恋愛的な話どうなの?」

 

「急にフルね。」

 

「だって地味だし。一人の女の子にモーション掛けてそう。」

 

「どういう偏見?それに地味地味うるさいなぁ。いや、これ言ったら引くかも。」

 

「ええい!この際貴様もさらけ出せ!!」

 

「意地になってるね、おじさん」

 

「誰のせいだ誰の!!」

 

僕は今まで恋愛面の事を話した。又兵衛さんは渋い顔に、しんちゃんはキラキラした目で見られた。

 

「お前…いつかその女子達に斬られるぞ。」

 

「侍じゃないんですから…まぁ、そうですね。しんちゃんは何でそんなにキラキラ目で見てくるの?」

 

「師匠はすごくモテてるだなって!!」

 

何か師匠呼びされたんだけど、やめて何の師匠!?

 

「あと私の事は言うてはならぬぞ!誰にも言うてはならぬぞ!!」

 

「わかってますって。」

 

「ほ~い」

 

「ならば男同士の誓いをせよ!!」

 

「ほ!男同士のお約束!」

 

としんちゃんはヤンキー座りになって拳をあげる。なにこれ?

 

「本当にこれがお前達の世界の誓いの儀式なのか?」

 

「もちろん!オラの世界ではあっちでクイクイ!こっちでクイクイ♪み~んなやってるゾ~♪ホラクイクイ!」

 

「不思議な振りじゃのう」

 

「ウソですからね。」

 

「しんのすけ!!」

 

「もう、師匠ったらネタバレ注意だゾ」

 

師匠呼びを定着させたよ。もう否定する気も起きないや。

 

「では今度は武士の誓いをやろう!」

 

「どんな?」

 

「見てみたいです。」

 

「金打じゃ。」

 

「え、ええええ?」

 

「「どうした?」」

 

「緊張」

 

「その意味ではない。」

 

又兵衛さんは小さな刀をしんちゃんに渡した。

 

「のび太お前も持っておるだろう?」

 

「よくわかりましたね。」

 

僕は時雨金時を振りかざして、刀にした。又兵衛さんはなんで知ってたんだろう?確かに時雨金時は戦国時代に生まれたって師匠が言ってたけど…

 

「時雨金時…時雨蒼燕流の流派が未来まであるとは思わなんだ。」

 

「知ってるんすか?」

 

「ああ、一度門下のやつと戦った事がある。」

 

「生まれて間もない頃の時雨蒼燕流かぁ…見てはみたいかも。」

 

「手練れであった。…話を戻そう。金打と言うのは、こうやって柄を持ち、少し抜いて戻す。」

 

「そんだけ?」

 

「行為は簡単だが、これは重い誓いの作法なのだ。武士が金打し、その約束が破れれば、それはもう武士ではない。心せよ。」

 

「ほい」

 

「はい」

 

この時代にとっての誓いがやっぱり重い物だと痛感する。僕と又兵衛さんは座り、しんちゃんは立ち上がった。

 

「金打」

 

僕、しんちゃん、又兵衛さんは刀の柄をカチンとした。




雷神「はい終わり。」

銀「武士の作法か。」

雷神「教えてもらった?」

銀「あいつがそんなことすると思うか?」

雷神「高杉がやりそう。」

銀「あの中二病患者がするか!ヅラならだろうがそこは。」

雷神「なんだかんだ言って、ヅラの事言い関係だよね。」

銀「やめろ気持ちわりぃ」

桂「ヅラじゃない桂だ。」

「「出てくんな!!」」

桂「面白い、空間があると新八君に聞いてな。来てみた。」

雷神「めんどくさくなるから次回もお楽しみに!」

桂「え、ちょま


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第102話アッパレ戦国大合戦~実力と廉の気持ち~

戦国時代の人はこんなに強いだろうなァという実力です。



視点はのび太です


「何かいる。」

 

金打も終わりまた外を見ていたらしんちゃんが下の方を見て言った。よく見ると、米粒みたいな影が5つ見える。

 

「城下の子供たちだ。」

 

「ふーん」

 

「会ってみたいか?」

 

「おお!」

 

「それはいいかも。」

 

僕達は御守から下りて城下町を歩いて、さっき見えた場所まで歩く。

 

「お店が全然ないけど、お買い物はどうすんの?」

 

「あ、それ気になってた。」

 

城下町には人が住んでる家しかないから、どうやって飢えを凌いでるか気になってた。

 

「たまに市が立ち、その時商人が来て商いをするのだ。」

 

「未来の街にはお店が山ほどあるゾ!」

 

「ほぅ、この春日もそんなに賑わうのか?いや、よい事を聞いた。」

 

「うん、おじさんも一度、おいでよ!お店もお家も人も車もいーっぱいだから!」

 

まず僕達がこの時代から帰れるかなんだけどね。ていうかドラえもん何してんの?道具で僕の事捜してんじゃないの?一向に姿を現さないけど。[タイムマシン]か[タイムベルト]とかで来れるだろうに。

 

「ははは!それは是非見てみたいものだ!」

 

「その時は案内しますよ!僕の師匠とかにも会わせたいですし!」

 

「未来の時雨蒼燕流の使い手か…それも見てみたいものだ。その時は頼む。」

 

「はい!」

 

話していたらさっき見た場所に着いた。しんちゃんは走って先に子供たちの所に行ってる。…ん?なんか揉めてる?ていうかしんちゃんが驚いてる。

 

「何でここにいるの?」

 

「誰だ、おめェ?」

 

…マサオ君?いや、髪の毛がある。あれれ?

 

「オラを忘れるなんてひどいゾ。オラ、しんのすけだゾ!マサオ君でしょ?草履取りの。」

 

「誰が草履取りだテメェ!それに俺はマサオじゃねぇ!オオマサだ!」」

 

うわ、何か昔のジャイアンみたいな性格だから顔が似てるだけかな。と、他の子達も、風間君、ねねちゃん、ボーちゃんに名前が似てるカズマ君、ねねちゃん、ぼうしちくん…っていうらしい。性格はちょっと泣き虫、兎が嫌い、同じだった。それで残りの一人は…

 

「私はすずえです。よろしくです!」

 

しずちゃん似のすずえちゃんいやいやここまで似てることある?ま、歳はしんちゃんと一緒だからそこだけは違うけど。でもやっぱりここまで似ることある?カズオ君とかずはちゃんは和人と一緒だけど、すずえちゃんは万陽奈さんな感じで敬語で話してる。

 

「…」

 

何かすずえちゃんがじっと見つめてくる。

 

「どうしたの?」

 

「…のび衛門くんとおしんちゃんに似てるなァって思いまして。」

 

「そういや、その地味な顔とその腫れぼったい顔そうだよなぁ!」

 

「オオマサ君、それ言っちゃダメです。」

 

「うるせぇ」

 

「あ?」

 

「ごめんなさい。」

 

おっと、しずちゃんの要素が垣間見えるな、すずえちゃん。

 

「のび兵?おしん?」

 

いやまぁ、この7人があの7人のご先祖様なら、僕としんちゃんのご先祖様居そうだけど。

 

「今は遠くに居ますけど、私達の友達です!」

 

「そうなんだ。」

 

…この感じならジャイアンとスネ夫、和人、直ちゃんのご先祖様もいそうだなぁ。名前が出てこないからいるかはわからないけど

 

「まぁ、いい!しんのすけ、のび太って言ったか?」

 

「オオマサ君いきなり、年上の方を呼び捨てとはいい御身分ですね?」

 

「のび太先輩…」

 

「よろしい。」

 

お、おう、この感じはやっぱりしずちゃんだし、万陽奈さん要素もすごい。え?何?万陽奈さんの子孫?それはないか。美夜子さんが子孫だし。魔法の世界だし。

 

「俺達、秘密の場所に行こうとしてんだけどよ!来るか?仲間にしてやっからよ!」

 

「行く行くぅ!」

 

「ちょ、勝手に。」

 

「じゃあ、おめえら行くぞ!このオオマサ様に続けェ!!」

 

しんちゃんはあの子達について行く。僕もついて行った方がいいか。又兵衛さんに断りを入れてから、あとをついて行く。

 

――――――――

 

「ほう、未来からなぁ。ま、信じてやってもいいけどよ!」

 

道中しんちゃんは自分たちが未来から来たことをこの子達に話した。5人とも信じてはくれた。

 

「泣く子も黙る春日隊!おーー!!」

 

「「「「「おーー!!」」」」」

 

オオマサ君が掛け声をするとみんなが掛け声を出した。春日隊っていい響きだね。

 

「ファイアー!」

 

「「「「「「ふぁいやー?」」」」」」

 

しんちゃんの掛け声いいな。なんでも、いつも気合入れる時はファイアーを言うらしい。僕達はそれを言いながらその秘密の場所に着いた。

 

「…ここはあそこじゃないか。」

 

「ほんとだよ。」

 

秘密の場所は僕としんちゃんが夢に見て、そしてこの時代に最初にやって来た場所だった。導かれたようにここに来るなんて…偶然にしては出来過ぎてない?僕としんちゃんは最初に来たとこに立った。

 

「そのうちここにオラん家が建つんだァ。」

 

「そうだねェ。埋める?」

 

「おじさんがいないしなァ。」

 

「誰か来た!野伏かもしんねえ!」

 

野伏…戦国時代で山野に隠れて、追いはぎや強盗などを働いた武装農民集団のことか。

 

「みんなは隠れてて。」

 

「のび太お兄様!危険ですよ!?」

 

お兄様ってしずちゃんの声で言われると少しむず痒い気がする。

 

「大丈夫、僕強いから!」

 

「…わかりました。」

 

 

 

―――――――

 

「のび太?」

 

「やっぱり廉姫様でしたか。」」

 

来たのは廉姫様だった。僕の見聞色は殺気には感じるけど何もない人の気配

 

「そなた、何故ここに?」

 

「ちょっと町の子供たちと仲良くなっちゃって。」

 

「そうか。」

 

廉姫様はそれだけ言うと、原っぱで大の字になった。お姫様だし、重圧半端ないからこうやって気晴らしをしているらしい。

 

「見張りを頼む。」

 

「子供に頼むのもどうかと思いますよ。」

 

「そなたの実力。知っておる。」

 

「見せたことないですけど…」

 

「時雨の者と聞いたぞ。」

 

うわ、それ知ってるの、殿様、長老、又兵衛さんくらいしか知らないのに…まぁ、あの殿様も親バカそうだし、廉姫様に言ったのかも。又兵衛さんは論外、緊張してるから。

 

「わかりましたよォ。」

 

「殺すなよ。」

 

「僕は不殺主義です。」

 

…と話してる間に見聞色が反応した。五人分だけど、2人くらいは実力が高いのか他の人よりすごい殺気だ。と、ぞろぞろとやって来た。

 

「金目のもんを出せ。」

 

「ない!」

 

「ない?」

 

「「「へっへっへ!」」」

 

「のび太。」

 

「はい。《時雨蒼燕流“守式”十六の型》氷雨」

 

僕は氷雨で3人を凍らせた。

 

「次はあなた達だ。」

 

「ほう?ガキのくせにできるな。」

 

凍らせたのにも関わらず、リーダー格の男は余裕綽々な表情でこっちを見てくる。何でこんなに余裕そうなんだ?

 

「時雨の者がこんな場所にもいるなんてな。」

 

どうやらこの人も時雨蒼燕流の使い手に会ってたみたい。意外と時雨蒼燕流って知られてるんだな…殺しに特化した流派だからそりゃ噂や継承者に出会うか。まぁ、僕と同じ型かは知らないけど。

 

「《時雨蒼燕流“功式”一の型》車軸の雨」

 

ちょっと警戒をしながらもリーダー格の男に向けて車軸の雨を浴びせたけど、それをバックステップをしながら避けた。半分不意打ちだったのにあの人やるな。

 

「それは知ってる!!それがおめェの実力じゃねぇだろう!!」

 

同じ型の人?車軸の雨はどの型の最初に教えられる型だから一概には言えないけど。

 

「《時雨蒼燕流“功式”十五の型》走り梅雨!!」

 

走り梅雨を説明してなかったけど、これは鋭い水の衝撃を1点集中させて、相手の脳天にぶち当てる型なんだ。あれ?これってゾロさんがやってた飛ぶ斬撃と一緒?あの時は必死にしてたし。師匠に説明する時も普通に気づいてなかった。

 

「はっ、こんなもん効くかボケェ!」

 

「うっそ~ん!?」

 

それを男は弾き飛ばした。はい?これ一応、悪魔のレディナに効いたんだけど!?何で!?

 

「3人をやっていい気になるなよ。クソガキ」

 

「それは確かに。」

 

僕はすごく慢心してたのかもしれない。ここは戦国時代。時雨蒼燕流が生まれた時代だ。それにいくら魔法や覇気を覚えたからって、僕はこの人たちと違って、冒険以外では戦っていない。毎日戦ってるこの男達には通用するわけない…か

 

「己らぁ!!」

 

「又兵衛さん!?」

 

「又兵衛!!」

 

「次から次へと…おい儀助ぇ!」

 

棍棒持ちの男が又兵衛さんに襲い掛かるけど、又兵衛さんは棍棒を避けてから男の顔面を一発殴った。男はそれだけで悶絶してた。や、やっぱり強い。

 

「野郎!」

 

リーダー格の男が又兵衛さんに斬りかかるけど、刀でそれを受け止めた。そしてものすごい速さで二人は刀をぶつけ合った。

 

「うらぁ!!」

 

リーダー格の男が又兵衛さんの懐に入れようとしたけけ、それさえも又兵衛さんは刀でそれを弾く。そして首に刀を押し付ける。男はひるまずにまた一撃浴びせるけど、又兵衛さんはやっぱりそれも避ける。す、すごい。そしてぶん殴ってダウンさせた。

 

「す、すごい。」

 

「お又のおじさん、強~い。」

 

「お怪我は?」

 

「ない、皆も無事だ。のび太が守ってくれた。」

 

「ほ、翻弄されてましたけど。」

 

「それでもすごかったぞ。誇れ。」

 

「ありがとうございます。」

 

野伏相手に僕の時雨蒼燕流が利かなかったことにすごくショックではあったけど。慢心を粉砕してくれた。戦国時代の武将は規格外の人が多いんだって。小国の又兵衛さんでもこんなに強いんだから、天下人に近かった織田信長や天下人になった羽柴…豊臣秀吉はどんだけの化け物だったんだろ。

 

「引き揚げだ。」

 

リーダー格の男が湖から出てきてから去ろうとしていた。

 

「待て、お前たち!」

 

「……」

 

「大してないが、これを持って行け。」

 

又兵衛さんは自分のお金を野伏に渡した。

 

「お前達も以前はどこかの家中に仕えておったのだろう。侍になったのであろう。もう一度仕官してやり直せ。」

 

リーダーの男は黙ってそれを受け取って、部下たちと一緒に去っていた。あ、ちなみに凍らした3人は又兵衛さんが来た時に溶かした。

 

「しんのすけ。出て来い。怖くはなかったか?」

 

「ほい!おじさんや師匠が居なくてもオラがやっつけてたゾ!」

 

「ふ。」

 

「よくここが判ったな。」

 

「は、姫君がただならぬ御様子で城を出たと聞き、何故かこの場所が頭に浮かびました。」

 

「そうか…」

 

又兵衛さんが言うには廉姫様はこの場所が子供の頃から好きらしくて、又兵衛さんをお供にしてよくここに来てたらしい。

 

「今でもよくいらっしゃるので?」

 

「ああ…」

 

又兵衛さんが意外と緊張してない。しんちゃんと僕に言ったから少し気が楽になったのかな?

 

「来ては…お前が戦で死なぬよう祈っている。」

 

「ご、御冗談を!!」

 

…おや?

 

「いやあ、姫様も人が悪い。」

 

蝶々が又兵衛さんの髷に停まった。平和なの?

 

「ここは昔と変わらず美しいですなァ。」

 

はい、緊張しだしたこの人。ちらちらと廉姫様を見てるし。

 

「私達も随分変わってしまった。昔は虫を殺さなかったお前が…今では戦で多くの敵を殺め、お前自身、いつ命を落とすやも知れん。」

 

「まぁ…武士ですから。」

 

「武士か…そうやってお前の父や兄弟、私の兄たちは死んだのだ。」

 

「姫様は武士が御嫌いか?」

 

「嫌い!」

 

お、おう、ハッキリ言っちゃった。ちょっと又兵衛さんが不憫な気がする。しんちゃんも気まずそうにしてるし。

 

「私は直、顔も見たこともない、殿の元へ嫁ぐだろう。そうしたらもうここへも来れぬ。………又兵衛!血だ!」

 

そして、廉姫様は又兵衛さんの方を見ると、少し焦った顔になって又兵衛さんの手を見て叫んだ。

 

「ああ、あしの葉で切ったのでしょう。何を!」

 

「動くな!」

 

「そんな大げさな!かすり傷です!つばでもつけておけば!!」

 

「お前は…昔も私のわがままのせいでよくキズを作っていたな。」

 

「いえ…」

 

…ん~と、なにこの雰囲気。大人な感じがむんむんする。

 

「……」

 

「……」

 

いや待って、黙んないで!?そして廉姫様はうつむいていた顔をあげて…又兵衛さんに抱き着いた…

 

「え?」

 

「ほえ?」

 

「は!?」

 

抱き着いた!?…やっぱり廉姫様は又兵衛さんの事好きだったんだ。…又兵衛さん顔がこれでもかと真っ赤になってる…あとが大変そう…主にしんちゃんが…

 

 




雷神「はい、終わり。」

銀「えらいとこで終わったな。」

雷神「ここはもうね。ニヤつきが。」

銀「きもい」

雷神「ひっでぇ…」

銀「では次回もお楽しみにな」

雷神「え?はy


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第103話アッパレ戦国大合戦~再会と春日の国~

視点はのび太です。


「どうか…どうか…!!お戯れが過ぎます!!」

 

土下座になって、又兵衛さんは息遣いを荒くして心の底から叫んでいた。廉姫様は乙女な顔になって、後ろを振り向く。

 

「「「「「「……」」」」」」

 

えげつないラブコメを見せられた僕達は時が停まったかのようになってた。

 

「おい、しんのすけ、のび太。」

 

「てい!おじさんの嘘つき!」

 

脛を蹴った。まぁ、又兵衛さんと廉姫様のあれを見ればやっぱり怒っちゃうかぁ。

 

「ウソではない!それより、お前達は何故ここにいる?」

 

「あ~あ!」

 

「まぁまぁ、しんちゃん怒んない怒んない。」

 

「だって、師匠あのしょぼくれ侍!!」

 

「わかったから。この子達の秘密の場所って言うのがこの場所で、そんで僕達が最初に来たとこなんです。」

 

「「そうだったのか。あ…」」

 

「……」

 

2人合わせて言うもんだから顔が赤くなった。それを見たしんちゃんはさらに嫉妬する。スーパーサイヤ人ゴッドになるんじゃないかってくらいのオーラにオオマサを含めた5人の子供たちは若干引いていた。僕もだけど。

 

――――――――

 

僕達は文箱を埋めるために穴を掘っていた。

 

「不思議な縁じゃの。ここにしんのすけの家が建つとは…」

 

「この泉もいずれ枯れるのだな。」

 

「うん。…多分。」

 

又兵衛さんはめっちゃ廉姫様を見ていて、それを見ていたしんちゃんが不機嫌気味に又兵衛さんを見ながら返事すると、又兵衛さんは…

 

「さあ、よかろう。しんのすけ…文箱を。」

 

目と話を逸らした。わっかりやすい。それで文箱を入れて、また埋め直した。僕達は手を泉で洗っていた。

 

「い!?」

 

「のび太君!!」

 

「ふんぎゃ!?」

 

いきなり背中に重みが出て変な声を出して泉に落ちそうになった。

 

「誰!?あれ?ドラえもん?それに和人、しずちゃん、美夜子さん、直ちゃんも!」

 

振り向いたら、見知った顔が5人いたからびっくりした。

 

「とーちゃん、かーちゃん!?いくら何でも早過ぎるゾ。」

 

「埋めた場所にみんなが現れてるし。きっかけは文箱かな?」

 

「って冷静に分析すんな。巻き込まれ体質!!」

 

「そうよ!心配したんだから!」

 

「のび兄が無事でよかった…」

 

「のっちゃん、今度居なくなったら蹴り飛ばす。」

 

和人は僕の言葉にツッコみ、美夜子さんと直ちゃんは大変安心した顔で僕を見ていて。しずちゃんに至っては物騒過ぎるし、僕不可抗力なんだけど。

 

「しんのすけ!」

 

「しんのすけ!!」

 

としんちゃんの両親と思われる人たちがしんちゃんを抱きしめた。そして

 

「「戻れ!戻れ!戻れ戻れ!!」」

 

2人はそう唱える。けどま、戻れないよね~

 

「戻れぬなら、ひとまず城へ来たらどうか。」

 

「だって、どーする?とーちゃん。」

 

「いかがでしょう?」

 

廉姫様が問いかけると顔をきりっとさせてから太い声で返答した。

 

「…男ってやつは。」

 

「本当に。」

 

「美人に」

 

「「「弱い」」」

 

「やっぱりドストレート。」

 

ジト目であの人を見る3人、おそロシア。

 

「のっ君、下手な洒落はいらないから。」

 

「理不尽。っていうかドラえもん。何で[タイムマシン]でこっちに来なかったのさ。」

 

僕は今なお僕に抱き着いてるドラえもんに聞いた。ドラえもんが言うには僕の居場所がここで[タイムマシン]でこの時代に行ったは行ったけど、そこには見たこともないドラゴンみたいなのがいて、この時代に入れなかったらしい。

 

「何そのドラゴンみたいなのって。」

 

「そう表現した方が一番しっくりくるんだよね。」

 

「そうだな。」

 

「うん、この時代周辺が特にやばかったんだよ?ヴァサゴに[タイムマシン]で追いかけられた時並みの全速力で逃げたんだから。」

 

「[タイムマシン]よく壊れなかったね。」

 

「去年より、パワーアップさせてるからそこは問題なし。」

 

「そっか…ていうかそろそろ降りてくれない?暑い。」

 

「あ、ごめんごめん。」

 

「「…タヌキが喋っておる…」」

 

又兵衛さんと廉姫様はお約束な言葉をぼそっと言った。

 

「僕はタヌキじゃない!!猫型ロボット!!」

 

「…この者が絡繰人形なのか?」

 

「そうですね。」

 

「ほう。感情豊かになるとは…未来は安泰だな。」

 

廉姫様はドラえもんの頭を撫でた。

 

「ゴロニャーゴ♪」

 

「「「「「本当に男って奴は…」」」」」

 

懐柔されたドラえもんを見て、しずちゃん、美夜子さん、直ちゃん、ねねちゃん、すずえちゃんはジト目で見る。何か増えたんだけど。

 

「…ってこの子、うちに似てる!」

 

「初めまして、すずなと申します。」

 

「…万陽奈に似てるわね。」

 

「それに他の子もあの子達に似てるご先祖様?」

 

「そうみたい。」

 

「ヘェ…」

 

とりあえず僕達は自己紹介をしてからしずちゃん、美夜子さん、直ちゃん、廉姫様と子供たちはひろしさんの車に乗った。僕、和人、ドラえもんは、タケコプター、又兵衛さんは2匹の馬を引くから馬に乗る。

 

「[スモールライト]で小さくする?」

 

「又兵衛さんには少しお仕置きしたいんだってしんちゃんが。」

 

「お仕置き?」

 

「おじさんは廉ちゃんを…」

 

「バカやめんか!馬を引くから気にするな!」

 

又兵衛さんは顔を赤くしながら馬に乗って先導する。

 

「それにしても、それは空は飛べ、あれは飛ばんのじゃな?」

 

「あっちは馬の代わりの奴ですね。」

 

「免許って言う、こっちで言う巻物がないと軽々しく乗れません。」

 

「何故じゃ?」

 

「見ての通りあれは鉄って言う物質でできています。集中をしないと事故が起きて人一人の命を簡単に奪える代物です。」

 

自動車は、便利だけど、だいたい事故が多発する。この前だって、小学一年生の子が突っ込んできた車に轢かれて亡くなった事件だってあるし。

 

「…戦国の世でも危険が伴うと言うのにそっちの世界でも意外と危ないんじゃな。」

 

「だからこそ、22世紀ではそんな事故が起きないようにこの[タケコプター]や[空飛ぶ絨毯]が開発されたんです。」

 

「ほう…ん?」

 

「どうした…あ。」

 

又兵衛さんが前の方を向いて、僕達を後ろに回した。前から来てるのはさっきの野伏のリーダー格の男と儀助の2人だけだった。又兵衛さんは刀に手をやったけど

 

「違う!聞いてくれ!俺達を旦那の家来にしてくれ!」

 

「お願いでございます!!」

 

「何?」

 

「俺は彦蔵、元大蔵井家足軽。」

 

「同じく儀助。」

 

…え?今なんて言った?足軽!?は!?待って、元はとはいえ、階級最下位の人に僕は手こずってたの!?ていうかこの実力で足軽ってやっぱり戦国時代の人ってフィジカルもポテンシャルも高すぎない!?

 

「勝手は承知だが、旦那のもらった命だ。旦那の為に使いてぇ!」

 

「他の者たちはどうした?」

 

確かに他の3人の姿が見えない?

 

「もらった金子を渡して、国へ帰らせた。俺達は金はいらねぇ。何だってやる!頼む!使ってくれ!」

 

「又兵衛、私は構わぬぞ!父上には私から言っておく!」

 

車から降りた廉姫様がそう言った。まぁ、廉姫様が構わないならそれでいいか。又兵衛さんは慈愛に満ちた顔で彼らを見た。やっぱり優しいや、又兵衛さんは。

 

「じゃあ、キミ達もこれをつけて。」

 

「「タヌキ?」」

 

「僕はたぬきじゃなーーーーい!!」

 

 

――――――――――

 

「それにしても…ここは…」

 

「どうしたの?」

 

「トキやタンチョウがいるなと思ってな。」

 

「ああ…」

 

ボクらの時代ではめっきり姿を見せなくなった鳥や動物を和人は観察していたみたい。

 

「お、お前達のじ、時代ではいない…のか!?」

 

彦蔵さんはバランスを取りながら[タケコプター]で飛んでるから言葉が途切れ途切れ、最初にしてはよく頑張ってる。儀助さんはドラえもんに助けてもらってるけど。2人にも僕らの事情は話した。

 

「そうなんです。僕らの時代ではいない動物だらけです」

 

「ほう、何故そなたらの時代にはいないんじゃ?」

 

「…環境汚染ですかね。」

 

「「「環境汚染?」」」

 

ドラえもんの言葉に聞き慣れてないのか反復する3人。

 

「僕らの時代では工場のヘドロ、車に使われるガソリンって言う油の排気ガスなどが出て来たことによって、汚い空気や海になってるんです。」

 

「そうなのか?」

 

「はい。動物たちはその空気を吸い込んで死滅したり、姿を隠したんです。それだけじゃありません。今問題になってるのは緑が消えていることなんです。」

 

「森などか?」

 

「はい、人によって伐採された木は何年もかけないとまた元通りになりません。地球は二酸化炭素を木や草の光合成によって新しい酸素を作っています。その緑が消えると言う事は。」

 

「その循環機能が消えてしまうな。」

 

「はい、だからこそ。環境汚染は動物や緑を守る取り組みもしている団体や国が多く存在しています。」

 

「日本は特に頑張ってるんです。」

 

「この国がか?」

 

「はい。大切な緑を、動物を守るために日夜頑張ってるんです。」

 

「…我々も頑張らなくてはな。」

 

「又兵衛さん達が悪い訳じゃないです。現にこの時代は血こそ流れていますが環境自体は悪くないんですから。」

 

「そうか。」

 

「俺達は俺達の好きなようにってわけだな。」

 

「そうです。」

 

てあれ?話してるうちに車のスピードが上がった。ま、道路交通法がないこの時代なら別に構わないけど…排気ガス…

 

「大丈夫、未来のガソリンを入れてるから排気ガスはないよ。」

 

「そうなの?ならいいけど。」

 

―――――――――

 

「これは美味い。」

 

「美味し美味し。」

 

「なかなか」

 

「ちと、辛うござるな。」

 

ドラえもんの[グルメテーブルかけ]でカレーを殿様たちに振る舞っていた。よかった、ドラえもんがメンテナンスに出してなくて。そして、カレーを食べ終わると話をすることになった。

 

「私の知る限り、春日という名は歴史の表舞台に出て来ませんし、今の春日町…いいえ、練馬区にはこの時代の名残はほとんど残ってません。」

 

「そうです。22世紀ではさらになくなってしまうので名残もクソもありません。」

 

「そんなハッキリ言わなくても。」

 

それを聞いた殿様は少し寂しそうだった。

 

「虚しいのぉ。戦に明け暮れ国を守っておるが…いずれは消え去る定めか…。どこぞの大国に呑み込まれるやも知れんのォ」

 

「なれど父上。しんのすけの世界はとても平和の様です。」

 

「そこよ、わしが虚しいと言ったのは。この乱世に春日のような小国が生き残るには大国と手を結ぶしかない。じゃが、そんな大国のどれもこれもがこの者達の時代には綺麗さっぱり滅び去っていると言う。」

 

「きっと欲が深すぎたのです。」

 

「わしもそう思う。…決めた!!廉!此度の大蔵井家からの申し入れ断ることにする。」

 

「え?よろしいのですか?」

 

「良い良い!大蔵井と同盟を結んだところで対等な立場にはなれん。それに大蔵井高虎という男、なかなかやり手らしいが。どうも非情な所があって、わしゃ好きになれん。」

 

私怨入ってるね。

 

「高虎様は承知するでしょうか?戦などになりやしませぬか?」

 

「そんな事、お前が心配せずとも良い。奥や息子たちを亡くしたわしにはお前しかおらぬ。今しばし、わしの元に居てくれ。」

 

「はい」

 

…まぁ、ハッキリ言ってしまえば大蔵井家も僕らの時代では有名な武家でもない訳だから潰れるんだろうけどね。

 

「ひろし、のび太、ドラえもんよ。おぬしたちの話を聞いて、腹が決まった。かたじけない。」

 

「あ…あ、いえ。」

 

僕達は殿様の部屋から出ていく。ひろしさんは浮かない顔をしてる。

 

「どうしたの?」

 

「早く戻らねぇとあの本の通りになりそうだなってよ。」

 

「一回あそこに行って戻ってみます?」

 

「…いや無理だろうな。未来の道具を弾くような力だし…」

 

「ねぇとーちゃん。もし帰れなかったら侍になる?」

 

「いや、せいぜい足軽だろうな。」

 

「別に侍にならずとも良いのだぞ?」

 

「そうなんですか?」

 

「農家を目指してもよいのだ。ひろし。」

 

「…はい。」

 

「とーちゃんの場合は足クサ軽だね」

 

「ふふふ。うまいうまい!」

 

「アハハハ…」

 

家族の中で盛り上がらないでください




雷神「はい終わり。」

銀「またすごいとこで切るな。」

雷神「切る場所で困ってます。」

銀「そうか。」

ウタ「のび太より強い人が足軽なのが驚き。」

雷神「ま、その事完全に忘れてたからのび太よりも強くしちゃって。戦国時代の人達の実力がやばいバケモン級になっちゃったけど。」

ウタ「やばいじゃん、それ。」

雷神「邂逅をさせたいなと思ってる自分がいるけど、今回の事でトラウマになりそう。」

銀「お前の匙加減だろうが。」

雷神「あ、うっす。では次回もお楽しみに。」


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