東方英雄伝 (M・M)
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-プロローグ-

処女作です。pixivでも書いており、そちらと同時進行といった形となります。
非常に投稿ペースが遅いです(早い時もある)が、暖かく見て頂けると幸いです。コメント・意見是非とも宜しくお願いします。


主人公設定

如月(きさらぎ) 瑞生(みずき)

本編の主人公。とんでもない不運体質で、その不運によって引き起こした事故によって死んでしまう。あまりにも可哀想だった為に転生させてもらう事に。

性格は、基本面倒くさいのは苦手なマイペースな感じ。しかし何だかんだ言ってお人好しを絵に描いた様な人間。人をすぐに信じてしまう為に詐欺に会うことを心配されている。

勉強はかなり出来る方で、ペーパーテストは苦手だが、頭がとんでもなく良い。そのためマイペースを活かしてどんな時も冷静に判断出来る様子。

さらに、かなりのオタクで、更にゲーマーと言うこともあり、一言に変人の極みである。

 

身長 175cm 体重52キロ

 

 

特技 ゲーム、クイズ、謎解き等

幼い頃から習っていた剣道、水泳(特技と言っているが普通。特技と言える位出来るとは言っていない)

 

長所 優しい

短所 ビビリ 高所・暗所恐怖症 不器用 鈍い

 

 

 

それでは本編入っていきます→

 

 

 

 

 

プロローグ

 

おはようございます。

何か目覚めたら知らない場所に居ました。

……ん?

 

 

瑞生(以後M)「ココドコ」

……だが返事は無い。

 

辺りを見渡すが、全て真っ白である。

自分はどうしてしまったのだろう?

 

M「……駄目だ、何も思い出せない。はぁ〜〜

憂鬱だ(*´・ω・`)」

 

???「驚きましたね……全然動揺してない」

 

M「うわっ!?誰ぇぇ!?」

 

???「そんなに驚かなくても良いじゃないですか」

 

M「無茶言うなよ……」

 

???「到底信じてもらえるとは思っていませんが、とりあえず私は神です」

 

M「そっか。それで此処は何処ですかい?」

 

???「え、ちょっ、スルーです?」

 

M「いきなり神って言われても反応に困る」

 

神「まぁ、そうですよね……」

 

M「とは言え何もわからないし。とりあえず此処は何処?」

 

神「えっと……此処は時の狭間と言われてますが」

 

M(クロノトリガーかよ……)「そっか……じゃあもう一つ。俺はどうしてこんな場所に?」

 

神「……あなたは、もう生きていません」

 

M「……死んだのか」

 

神「はい。飛び出してきた虫に驚いて後ろの坂に転がった後にマンホールに見事にホールインワンしました」

 

M「……」

 

神「すみません……これは私のミスなのです。本来死ななければいけない人とあなたを間違えてしまったのです!本当にごめんなさい!」

 

M「……( ゚∀゚)ウァハハハハハハ」

 

神「お、落ち着いて下さいー!?」

 

30分後

M「すみません、取り乱しました」

 

神「その、お詫びと言っては何ですが……あなたを転生させることになりました」

 

M「転生?」

 

神「はい。場所は何処でも構いません」

 

M「そっか……ならば東方プロジェクトの世界に行きたいな」

 

神「了解しました。それと特典を付けて行くことが出来ますが、どうします?」

 

M「制限は?」

 

神「あまりにもチート過ぎるといけないので5個までです」

 

M(十分過ぎるでしょ……)

 

神「この紙にまとめて下さいね」

 

 

一時間後

 

M(よし、これで良いか)

 

・自分の好きなゲームの力を使える

・どんな武器も使いこなせる

・RPGらしく、戦えば戦うほど強くなる

・強さを限界突破出来る

・動物、魔物と会話が出来、仲間に出来る

 

神「……はい、これでOKです。でも、思ったより普通ですね……もっと凄いの来るかと思ってました。ブラックホール片手でどんどん作り出せるとか」

 

M「怖いでしょそれ……そんなにチート過ぎると駄目だし楽しくないでしょ?ゲームみたいに苦労して強くなるのが、楽しい」

 

神「は、はぁ(*´・ω・`)」

 

M「後お願い何個か宜しいですかい?」

 

神「は、はい。何でしょう?」

 

M「此処が時の狭間なら修練場がある筈だけど?」

 

神「え、あ、ありますけど……」

 

M「1から修行させて欲しい」

 

神「(。´・ω・)?へ?」瑞生(みずき)




いかがでしたか。かなり内容は平凡です。
pixivで書いている方はタイトルが初め違いますが気にしないで下さい。
pixivで書きだめしている方をとりあえず少し編集して投稿させて頂きたいと思っております。

読んで頂きありがとうございました。次からも読んで頂けると嬉しいです。


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-いざ、転生-

どうも。
pixivしかした事無かったのでハーメルンの投稿のやり方にかなり手間取って慌てております。最近は時間があるのでゆっくり投稿していきます。
いよいよ主人公転生。

では、どうぞ。


神「え、修行するのですか?」

 

M「当然。妖怪とか魔物に襲われたらどうするのさ、いくら転生特典があると言っても弱いまんまだし」

 

神「いや、そんな事はないと思いますが……」

 

M「ま、出来れば少しでも強くなっときたいだけだよ」

 

神「そうですか……ならば良い講師を紹介しましょう」

 

M「え?」

???「こんにちはー」

 

神「あ、来た来た」

 

???「久しぶりですね神様、君かな?新しい転生者は」

 

M「ロッ、ロックマン!?嘘ぉー!?」

 

神「君の戦術指南、更に勉強も担当して貰います、ロックマンです(ロックマンエグゼ)」

 

M「えぇー(゚Д゚≡゚Д゚)?」

 

ロックマン「さて、早速だけど始めていこうか。着いてきて」

 

M「は、はい」

 

ロックマン「後、敬語禁止。次からドリームソード」

 

M「え、それ死にますけど……あっ」

 

ロックマン「大丈夫、死んでも神様が居るから生き返らせて貰えるさ(^o^)/」

 

M「え、ちょ、待って……ギャアァァァァ━━━━━━(|||゜Д゜)━━━━━━!!!!!!」

 

死亡 1回目

 

 

 

 

そんな事やらで時は過ぎ……

 

M(あれから本当に大変だった……)

 

あれから俺は特典の一つである武器の使いこなしを更に強化するためにとんでもない数の武器で戦わされて、戦った相手の特徴等をついでに勉強して、一通り戦えるようになったら色んなゲームのボスと戦ってボコボコにされたり……。

 

一体何回死んだのかは分からないが、まぁ軽く1万は超えるであろう。

まぁ、その努力の賜物とは言っては何だが、俺は色んな点について強くなった……と思う。

 

自分が修行を始めてから一体何年の時が過ぎたのだろう……?

 

神「誕生日おめでとうございます!何歳かは分かりませんけど!」

 

ロックマン「右に同じく。おめでとう」

 

M「ありがとー。大体2万~4万歳?」

 

ロックマン「桁おかしくない?」

 

神「もっとありましたよ。年齢詐称は良くないですよ!」

 

M「酷い言われよう」

 

ロックマン「まぁ、それは置いといて。ようやくだね、君が転生するのも」

 

神「ですね。目標も達成出来ましたし」

 

M「あぁ、もうこれ(ケーキ)食べたらすぐに転生させて欲しい」

 

神「了解でっす(`・∀・´)」

 

 

 

 

ロックマン「さて、本当に行くんだね」

 

M「あぁ」

 

神「寂しくなりますね……」

 

ロックマン「まぁ、そうだけど。仕方が無いね……こればっかりは」

 

M「まぁ、何かあってまた逢えることを信じているよ。俺は」

 

ロックマン「君なら何処でも生きていけるよ、それに僕らもいるしね。だから頑張って」

 

神「素晴らしいしぶとさですもんね。頑張って下さいね!期待してます」

 

M「神様変に毒舌……まぁ、良いや。本当にありがとう、2人とも。何とか頑張るよ……それじゃあ、行ってきます」

 

ロックマン&神「行ってらっしゃい!」

 

 

辺りが真っ白になる。懐かしいな、この感覚。本当に行くのだな、と思わせる。

さて、行くかな。新しい世界へと……

 

 

 

……ん、何かおかしい、これって……落ちてる?俺落ちちゃってる?

 

M「って……Σ\(゚Д゚;)何でやぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

あれから何時間経ったのだろう?俺はようやく意識を取り戻した。

 

M「ふべほぉい!」

 

目を覚ますと、辺りはもう暗く、風で木々が揺らめく音が聞こえてきた。どうやら、森林のど真ん中に落とされたようだ。

 

M「……何処だここ」

 

と呟くも何かが分かる訳では無い。耳を澄ませば、虫の鳴き声や獣の雄叫びが聞こえるが、それ以外は全く生命を感じない。

 

M「駄目だな、ここに留まっていても意味が無い、とりあえず歩こう」

 

そう言って歩き出す。果たして何が出るのやら、蛇が出るか、虎がでるか……

 

しかし……出てきたのはそのどちらでも無かったようだ。歩いてから15分位だろうか?

彼はいきなり異形の何かに出会っていた。

M「……ッ、いきなり、嫌な予感」

 

目が合って、どうやら完全に餌と思われてしまったようだ。相変わらずの不運ではあるが、無理もない。夜に森林を歩くなど自殺行為そのものだ。

どうやらここはやはり幻想郷の様だ。見るからにして奴は妖怪だ。

そして彼は悟った。とりあえず逃げよう、転生直後に死亡とか洒落にならない。

 

M「とんずらっ!」

一目散に駆け出す。そう、逃げるしか無い。自分は武器さえ持っていない。剣の一つや二つ貰ってこれば良かった、使いこなせると言っても武器が無ければ意味が無い。

 

ならば魔法で……と思ったが彼には不可能だ。何故なら……

M「俺魔力量少な過ぎてファイアボール打っただけで疲れてしまうんだよぉぉ」

 

到底魔法等放てる状態では無い。

M「まずはコイツを撒かなければ……」

 

 

5分後

何とか撒くことが出来た、とは言ってもすぐ傍に居る。ほとんど隠れんぼ状態である。

M(本当に冗談だろ……視覚聴覚嗅覚とか色々発達し過ぎだって)

 

このままでは確実に見つかってしまう。何とか奴を倒さなければ……

そう思っている最中であった。

 

「ヤットミツケタ」

 

逃げ場は無い、戦うしかないだろう。

 

M(そういえば、行く時ロックマンが何か言ってたっけ)

 

ロックマン「もしもピンチになったのなら、自分を信じてこう叫ぶんだ」

神「きっと貴方が好きなあの人になれている筈ですよ」

 

M「ゼロよ、俺に力を……!」

ん?ゼロ……?

 

彼の身体が輝く……

 

M「……ははは、まさかな。まさかこんな事になるとは流石に思っていなかった。あの2人、やってくれるじゃん」

 

一目で分かる赤。鮮血、真紅とも言うだろうか、全身が赤の鎧に身を纏い、エメラルドの瞳、そして長い金髪。

そう、ロックマンゼロのゼロであった。

 

妖怪の方は、一瞬驚いてはいたがすぐに落ち着き、襲い掛かってきた。

M「わっと」

さらりとバック転。身体能力が著しく上昇している様だ、動きが軽く、俊敏である。

どんどん敵の攻撃は激しさを増すが、落ち着いて対処する。天界の方で鍛えた動体視力は伊達じゃない。

 

だが。

M「武器ィィィ」

武器が無い。

M「これがゼロなら、ある筈だ……何処かに、あの剣が!」

 

身体全体をくまなく調べると、ポケットに柄が入っていた。

M「武器だ!……って柄ぁぁ?」

 

慌てている内に敵の一撃が入る。

M「ぐっ……あっ」

かなり痛い、骨が折れそうだ。

 

M「どうすれば……こんな所で死ねないのに!クソッ、頼む……出て来い、剣!」

 

その想いに応えるかの様に、柄から緑色の刃が出た。

 

M「出たッ!」

だが、喜ぶのもつかの間、敵の腕が振り下ろされていた。

 

M「ッ……!?ま、魔神剣!」

そう叫ぶと、剣から衝撃波が飛び出した。

 

「!!!グォワァ……」

当たった。吹き飛んだ様だ。

 

M「このまま追撃……魔神双破斬ッ!」

 

魔神剣を打った後、それに着いていき、そのまま切り上げて叩き落とす。

魔神剣に虎牙破斬という技を連携した奥義である。

 

どうやら今の追撃で敵は息絶えた様で、起き上がらなかった。

M「ふぅ・・・やったか」

 

初陣は何とか勝利を飾ったが、疲れた。

M「実戦がこんなに疲れたとは……頑張らないとな。まだ何にも分からないし、まずここ何処なの本当に」

 

とりあえず歩き出した。

 

だが。

M「歩いても歩いても景色が変わらねぇ……

もしかして魔女の森だったりして」

 

もう歩いて30分位経っただろうか。

結構な回数妖怪に襲われた。

だが少し慣れたのか、それなりのスピードで倒すことが出来るようになった。

 

M「大体敵の弱点とか分かるようになってきた。勉強の成果が早速活かされるとはな」

 

歩いて歩いてひたすらに歩いて……もうどれ位歩いたのか分からない。

M「おっ、出口か!?うぉぉぉ走れぇ」

光が見える。

 

月明かりが照らす下で、何とか出口にゴール出来た。とは言っても適当に出ただけで、

道が無い。

M「(゚Д゚≡゚Д゚)?エッ」

 

そこから見える景色は壮大な物だったが、森と岩しか無い。

M「古代……?」

 

つまり。

M「何も無い」

 

 

とりあえず近くの岩場に穴を作って、その中で雨風しのぐ事にした。今日は歩きっぱなしだし沢山戦ったからもうヘトヘトである。

 

M「もう……寝る」

 

 

???「誰かしら……妖怪の死体がこんなに」




主人公は不幸もあるけどドジです。アホです。
ですが頑張ってもらいましょう。死ぬ気で!
M「え……いきなり不穏な発言!?」


いつからか少し(?)ホモネタが入っていきます。
M「嫌だったらごめんよ!」


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-古代と謎の少女-

どうも。
何故かサブタイトルが決められないM・Mです。

pixivの方でも書いてますが、ヒロインは沢山いますが個人的に紫様が好きなので紫様要素が多いです。

時代軸っていうのを完全に無視しているので「ふざけんな!(迫真)」って方もおられると思いますがそこら辺はごめんなさい。

主人公は転生した世界でどう生きるのか。
では、どうぞ。


あれからしばらく時が経った。

修行を続け、沢山の力を得たものだが。流石に敵が居なくなってきていた。

 

M「そろそろ飽きてきた……場所を変えようかな」

 

……そういえば、最近修行を覗いてくる奴が居る。バレバレなのに隠れているつもりだろうか。

 

M「ちょっと、問い詰めてみるか」

今日も来ている。木々の隙間からジッと見ている様だ。

 

M「ストライクチェーン!」

 

腕から鎖が出て、がんじがらめにする。

 

???「キャッ!?」

 

M「女の子!?何故に?」

 

???「は、離して」

 

M「……どちら様?」

 

???「あなたこそ、誰なのよ」

 

M「あぁ、俺は瑞生」

 

???「そう、瑞生ね。私は紫、八雲紫」

 

M「紫、ね」(ゆかりんですか)

 

紫「何?」

 

M「いや、何でも」

 

紫「……貴方は一体?何処から来たの?」

 

M「えーっと、あの、その」

 

紫「怪しいわね……」

 

M「信じてもらえないかもしれないけどさ、一応別世界から来たと言えば良いかな」

紫「別世界?そんな物ある訳ないじゃない」

M「あ〜、そうなんですけどもね何て説明すれば……ッ!?」

 

彼は突然辺りを警戒し始めた。

 

紫「え、何!?」

 

M「……囲まれたか」

 

紫「!こんなに反応が……」

 

気が付いたのか、紫も警戒する。

 

そして、

 

M「団体さんの登場だぜ」

 

 

 

かなりの数が現れた。見た所15体程度だろうか。

 

M「離れるなよ!魔神剣!」

 

そう言うと、敵に突っ込んでいった。

彼の言う通り、離れないように走った。

 

紫「私だって戦える!」

 

妖力の弾を出し、敵にぶつけて行く。

 

M|(まだ境界の力は無いのか?まぁ、ここは何とか乗り切ろう)「喰らえッ!襲爪雷斬(しゅうそうらいざん)!」

 

剣先から広範囲の雷が出る。

 

M「続けてもう一丁!獅吼翔破陣(しこうしょうはじん)!」

 

獅子の如く敵を吹き飛ばし、地面を叩きつけた衝撃でダウンさせる。

 

たった短時間で8体を始末した。そして、残りの敵が慌てている内に、

 

M「一気に決める!来たれ稲妻、ギガスラッシュ!」

 

剣から出た雷が全員を捉える。

 

M「お終いだ」

 

 

 

紫「……貴方何者なの?本当にあの強さは一体何なのよ」

 

M「だから言ったろ、別世界から来たんだよ」

 

紫(今の強さ、認めざるを得ないわね……)

「分かった、貴方を疑うのは止めておくわ」

 

M「感謝しておくよ。無事なようだな」

 

紫「えぇ、ありがとう。それより……あの様子だと、初めてではないの?」

 

M「結構な回数戦闘にはなってる。どうやらよそ者は嫌いな妖怪共のようで」

 

紫「……」(私も妖怪だけど)

 

M「紫、何だか色々あったけど今日はお別れだ。また奴らが来るかもしれないし」

 

紫「それも、そうね」

 

M「次いつ会えるかは知らないけど。まぁ気を付けてな」

 

紫「そうね。また逢いましょう」

 

 

 

M「ゆかりんの幼少期ってとこか。随分レアな物が見れたもんだな」

 

 

 

 

またあれからしばらくの時が経った。色んな場所を旅しながら経験を重ね、強くなった気がする。気がするだけ。

 

M「さて、戦いはするけど誰とも会わないしイベント事も起きないし。はっきり言って暇だなー……それより今って何年なのだろう?」

まだ分からない事だらけの瑞生であった。




スマホでもPCでも頑張って書いていますがやはり投稿ペースが遅い……。ゲームしたいけど小説も書きたいし。M「分身が使えれば解決だな」

おっそうだな(錯乱)

落ち着いてやっていきたいです。


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-謎の場所とまた少女-

連続してどっかから失礼するゾ^〜
と言うかサブタイトル適当過ぎィ!

冗談はさておき、出せる分はとっとと出して、また早く最新話を書きたい所です。

東方で月といえばあの人達でしょう。
では、どうぞ。


気ーがついたらーまた凄い年月経ってる♪ そして自分が何しているか分からない♪

 

M「おかしいなぁ、この前までは此処には森しか無かったのに、いつの間にか都市が出来上がっている。そう言えば俺は何処にいるんだろう?」

 

時の流れに身をまかせ~うんたらかんたら。何もなかったような、あったような・・・とにかくまた長い年月が経ってしまっているのにも関わらず、天界での生活が残っているのだろうか。年月の経つことに気付かない。

 

M「ダメだなぁ、自分という存在が不明になりかけてるわ」

 

とりあえずその都市に入ってみることにした。入口には門番がいる、さて、どうしようか。

 

門番A「何者だ」

 

M「えーっと・・・旅人?」 (何故に疑問形)

 

門番B「本当か?胡散臭いな」

 

門番A「身分を証明出来るものは?」

 

M「・・・無いです」

 

門番A「そうか・・・気の毒だが、入れる訳にはいかない」

 

M「そっスか」

 

門番「すまないな」

 

M「いや、別に。一つ質問いいですかね」

 

門番B「何だ?」

 

M「自分、この場所に帰ってきたのが久しいので此処が何なのか教えてくれませんかね」

 

門番A「この都市は世界で最も大きな都市だ。かなり前からある筈だが・・・そんなに長く帰らなかったのか?」

 

M「まぁ、そうですね。色々教えてもらって感謝します」

 

門番B「あぁ、そちらこそ達者でな」

 

そうやって、俺はその都市を後にする筈だった。

 

しばらくその場所で休憩していると、一人の少女が出てきた。右半身が赤、左半身が青という変わった服を着ていた。

 

M「うんぬ?あれはもしや・・・えーりんではないですかな?」

 

少女は門番と喋っているようだ。少し盗聴させてもらうと、森まで仕事だそうだ。護衛は必要ないのか、と聞く門番に対し大丈夫と言った彼女は、近くの森まで歩いて行った。

 

 

 

ちょっとストーカー気味だが、付いて行ってみることにした。何だか嫌な予感がしたからだ。しかし、

 

M「あっ・・・見失った」

 

うっかり見失ってしまった。

 

M「やらかしたな、まぁ良いか。帰ろう」

 

と言ってから頭の中で思った。

 

M(あれ?帰る場所って何処なんだろう、俺のいつか帰る所は・・・)

 

といった考えを巡らした次の瞬間だった。

 

M「!!!・・・悲鳴!?」

 

彼女のものだった。すぐに声の聞こえてきた方へ走る。

 

M「こういう時に限って俺の嫌な予感は当たるんだよなぁ・・・」

 

案の定、妖怪に襲われていた。彼女は弓を持っている様だが、近距離過ぎる上、3体もの巨大な怪物に襲われていた。

今にも φ(*・▽・*)ψイッタダキマースという状況である。

 

???「嘘、この時期にこいつは見たことないのに・・・護衛を断らなきゃ良かった・・・」

 

3体の内、一匹が大きく口を開ける。

 

???(嫌、死にたくない・・・これからなのに!誰か、助けてっ!!!)

 

その時、

M「時間的からしてランチタイムかな?お食事邪魔して悪いけど。3体で少女一人襲うのはちょっとどうかと思うけど」

 

妖怪達は顔を見合わせて、「何だこいつ」とでも思っているのだろうか。そして、口を開けた一匹が襲い掛かってきた。

 

M「命知らずにはお仕置きが必要か・・・」

 

???「駄目よ!戦ったら。そいつは強いのよ!」と少女は叫ぶが。

 

M「大丈夫だ、問題ない」(このセリフ一度言ってみたかったんだよなぁ)

 

振り下ろしてくる腕をさらりと回避し、ジャンプして技を放つ。

 

M「鳳凰天駆(ほうおうてんく)!」

 

炎を纏い、敵の顔面目がけて突進。見事に直撃し、息絶える。

 

妖怪&???「!!!」

 

全員驚いた様子で、慌ててもう一匹が襲い掛かるが、

 

M「蒼破刃(そうはじん)ッ!」剣から衝撃波を出して敵の足を狙う。

 

ものの見事に命中し、木に大きくヘッドスライディング。気絶した様です。

 

M「どう?まだやる?」

 

もう一匹は慌てて逃げて行った。

 

M「そうそう。賢明な判断ですな」

 

 

 

M「大丈夫か?」

 

???「あ、ありがとう」

 

M「危ない所だったな。間に合って良かった」

 

???「・・・どうして此処に?」

 

M「えっと、都市から君が出て来るのを見て、一人であの森に行くのか、って思って付いてきた」

 

???「ッ!ストーカー!?」

 

M「え!?違う違う本当に誤解だって!」(そう見られても仕方ないよな)

 

いや、どう考えてもそうとしか思えません本当にありがとうございました。

 

???「・・・助けて貰ったのに失礼よね、ごめんなさい」

 

M「いや、良いけど。気にしてないし」

 

永琳(以後永)「お礼がしたいの。都市まで付いて来てくれる?」

 

M「え、あ、はぁ・・・」

 

そう言って、俺は彼女に付いて行くことにした。




( ゚∀゚)o彡°えーりん!えーりん!
M「作者は危ない変態、はっきりわかんだね」

誤解です。やめて下さい。

月は良いですよね、綺麗で。
スーパーブルーブラットムーンをリアルで見たかった。
……そんな名前でしたっけ?


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-月と隠された秘密-

どうも。とりあえず書きだめは1日最高で5話位投稿して、同時進行で新しく書く事にします。まぁ、そんなに書きだめ無いんですけどね(泣)

偶然とは言え都市に入る事の出来た瑞生はどうなるのでしょうか。


門番に怪訝な顔をされたが結果的に都市に入る事が出来た。

中は想像以上に凄くて、いかにも世界の首都って感じであった。

 

M「日本でいう東京か。凄いなぁ」

 

永「東京?」

 

M「いや、こっちの話」

 

そんな話をしながら、初めてということで案内して貰っていた。

 

永「こんな物かしら。そして、目の前にあるのが私の家」

 

M「はぇーすっごい大きい……」

 

永「私はこの都市の薬師をやらせてもらってるの」

 

M「お給料も良いって事か~」

 

永「そういう事」

 

M(彼女はもう既に自分の能力について知っているのだろうか)

 

永「私、昔から薬の調合とかが出来てね、自慢じゃないけど勉強も出来るわ」

 

M(気が付いてないのか)

 

永「私はただ、調合と人の病が治せればそれで良いの」

 

M「凄いな……医者の鏡って感じ」

 

永「あ、ありがと///」

 

それから俺は彼女の家でお茶させて貰った。

 

 

永「それで、お礼の件なのだけれど」

 

M「街案内とかお茶も貰ったし充分だと思いますけれど」

 

永「それじゃあ私の気がすまないの」

 

M「はぁ( ・д・)」

 

永「その……私の家を貸してあげても良いわよ?」

 

M「……はい?」

 

間を開けて。

 

M「わんもあたーいむ」

 

永「べ、別に深い意味は無いわよ!?ただ、貴方は一応命の恩人なんだし……」

 

そう言って彼女はあたふたしているが。

 

M「……流石に、それはちょっと厚かまし過ぎるよ」

 

永「門番に聞いたけど。貴方旅人で、家が無いのでしょう?」

 

M「……まぁ、そうだけど」

 

永「だったら良いじゃない、私の家広いから。勿論色々してもらうけど」

 

M「じゃあ、お言葉に甘えることにするよ」

 

 

それから俺の居候生活が始まった。家事は一通り出来るので、帰りの遅い彼女の代わりにやっている(洗濯は各自で。)

 

永琳side

(戦えて家事も出来て、何よりも驚いたのは頭の出来ね。薬から医学とかの知識が凄いわ、もしかしたら私より上かもしれない)

 

M(アイテム士とか薬師していたからぁ)←FFTとかFF5とか

 

永「貴方、何処でそんな知識身に付けたの?どう考えても普通じゃ無いわよ」

 

M「んーっと……(不味ったな)」

 

永「何よ、隠し事?白状なさい。さもないと次の実験台にするわよ」

 

M(昔からなんだなぁ、これ)「隠しても仕方ないか。信じてもらえないかもしんないけど、俺は異世界から来たんだ」

 

永「異世界?」

 

M「そう。別の世界から来たんだ」

 

永(……嘘を言っているようには思えないけど)

「貴方の力もその時に?」

 

M「そう」

 

永「信じ難い話だけど、まぁ貴方の色々おかしい所も説明がつくわね」

 

M「疑わないのか?」

 

永「確認のしようもないし。それにそんな事はどうでもいいわ」

 

M「へぇ……こりゃ心が広い」

 

永「からかわないで。何であろうと貴方は貴方でしょう」

 

M「ん、ありがとう(俺は俺、か。いい事言いますな)」

 

 

 

 

あれからまた数年、彼女と長い事いる内に彼女が好きになったりならなかったり。

とにかく平和な日常であった。

毎日修行は怠らないが、特に戦う事も無い。

 

M「平和なのは良いけど、暇だなぁ……」

 

そう、まだ彼は自分の運命とやらを知らない。これから待ち受ける波乱のうんたらかんたらに。

M「適当スギィ!」




最近まだまだ寒いですが皆様体調の方は大丈夫でしょうか。私は大丈夫です(聞いてない)
強いので(聞いて(ry
何にって?寒さにですね。(だから聞い(ry
M「暑すぎるのも嫌だけど暖かくなるのあくしろよ~」

ハーメルンだと閲覧数の増え方がおかしくて驚きました。pixivしか知らない井の中の蛙でして……。

皆様読んでくれてありがとうございました。


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-月の姫-

どうも。投稿して1日でUAの増え方に驚くと同時にお気に入りに登録して下さった方もいて本当に感謝です。
頑張っていきます。


いよいよガチ(?)戦闘までもう少し。
瑞生には不幸が付きまとう。
では、どうぞ。


居候の間の話。

永「瑞生、今日は私は忙しいから輝夜様の世話をお願いできる?」

M「輝夜様ですかい」(この時代ならまだ小さい頃のかな)

※永琳から話は色々と聞いてます。

永「付いて来て」

M「この家って大きいだけじゃやなくて単に王宮的な所と一緒だったのか。ここの一番偉い人は誰なんだ?」

永「月夜見(つくよみ)様と呼ばれる方よ。力も一番で、とても偉大な方なの。」

M「永琳は?」

永「私は二番目かしら。医学系統をやらせてもらってる」

M「へぇーやっぱり凄いんだ、永琳」

永「まぁ、能力がこれだし。医者はどうしても優遇されるわね」

M(能力か・・・そう言えば俺の能力って何なんだろう?最初に神様に言ったのはあくまで貰った能力であって個人ごとにある能力って一体・・・はぁ、神様に聞いとけば良かった)

永「此処が輝夜様のお部屋よ」

コンコンコンとノックをする。

蓬莱山(ほうらいさん) 輝夜(以後輝)「だぁれ?」

永「永琳です。少しお話をよろしいでしょうか」

カチャリと扉が開き、中から少女が出てきた。

M(お、可愛い・・・これが幼い頃の輝夜なのかぁ)

輝「この人、だれ?」

M「お初にお目にかかります輝夜様、私は如月瑞生。訳あって彼女の家に居候させてもらっています」

永「私は今日所用で居ないので何かあれば彼に申しつけ下さい」

輝「・・・よろしく」

M「よ、よろしく?」

 

しばらくして・・・

M(参ったな・・・全然話が無いや)「輝夜様」

輝「・・・なに?」

M「ご機嫌斜めなようですが」

輝「そんなこと・・・」

M(何か、塞ぎ込んでいるな)

輝「おにいちゃんは、どこからきたの?」

M(おぉ、話し掛けてくれた・・・て言うかお兄ちゃんか、良いな。その響き)「分からない。俺は旅人なんだ」

輝「そうなの?」

M「そうそう・・・あっ!失礼しました」

輝「やめて、そのままはなしてほしいの」

M「・・・?」

輝「・・・わたし、ともだちがいないの」

M「それなら、友達になろう。こうして話したらもう友達だろう」

輝「ほんとうに!?」

M「あぁ」

 

 

しばらくして、

 

コンコンコンと音が鳴る。

永「輝夜様、ただ今戻りました」

すると、中から声がする。

M「永琳?入って大丈夫だけど、寝ているからそっとね」

永「あら?本当に良く寝ているわね。大丈夫だった?」

M「まぁ・・・仲良くなれたから」

永「そうなの・・・良かった。最近輝夜様落ち込んでいる様だったから」

M「もっと彼女を外へ連れて行ってあげて欲しいんだ。退屈している所があるみたいで」

永「・・・分かったわ、月夜見様に言ってみる」

M「ん、宜しく。俺はもう少しこうしておくよ」

永「ありがとう」

 

外に出て、永琳は思う。

永(あの輝夜様がたった数時間で懐くなんて・・・一体何をしたのかしら)

 

中にいる瑞生は輝夜との会話を思い出す。

輝「あなたはなんていうのうりょくなの?わたしはね、『えいえんとしょゆをあやつるていどののうりょく』だよ」

M(もう既に能力があったんだ・・・どういう能力だっけ?簡単に時間を操れるんだっけ)

「んー・・・分からない。本質的な能力が分からないんだ」

輝「へんなのー?」

 

自分の隣にあるベッドで寝ている彼女の顔を見ながら、ふと思う事があった。

M「おかしいな・・・本当に俺の記憶が分からん。紫と会った事とか大事な事は覚えているのに」

その呟きは、誰にも聞かれる事無しに消えるだけだった。

 

 

あれからしばらく経ったある日。彼女に会いに行くと、

輝「あ!みずきだー!」

M「久しぶりですね、輝夜様」

輝「むー」

M「・・・ごめん、普通に呼ぶから」

そう言うと、彼女は笑顔になる。うん、天使。知ってる。

永「瑞生、本当に貴方いつの間にそんな仲良く・・・」

輝「みずき、ゲームしよー」

M「ん・・・良いけど」永琳の方を見る

永「別に良いわよ、気にしなくても」

M「あんがと」

 

ゲームをしながら輝夜が聞く。

輝「みずきはえいりんのこいびとなの?」

吹いた。

M「いや、ただ居候させてもらっているだけだし・・・」

輝「でも、すごくなかよしだよね?」

M「まぁ、仲は良いと思うけど」

 

数時間後

M「それじゃ、帰るな」

輝「またきてくれる?」

M「あぁ、勿論」

輝「バイバイ」

M「ん、バイバイ」

彼女と会えるのは永琳が輝夜に用があった時のついでなので、俺は好きに会いに行く事は出来ないのである。

 

帰ると、永琳が椅子に座っていた。

永「お帰り。待ってたわ」

M「・・・実験台なら嫌だからな?」

永「いきなりそれは失礼でしょう?」

M「何か、話でもあるの?」

永「貴方の事を月夜見様に話したら、大変ご興味示したみたいなのよ」

M「へぇ・・・そりゃまた結構な話で」

永「また会う機会があるかもしれないわね」

M「この都市のトップかぁ」俺は少し苦笑いをする。

永「まぁ、それは置いといて。重大な話」

一瞬で彼の顔が真剣なのに戻る。

永「会議で決まった事なんだけど、月に行く事になったの」

M「はぁ、月にですか」

永「そう。だから貴方も準備して」

M「あ、俺も良いのか」

永「当たり前でしょう?貴方がいる事が条件の内にあるみたいだし。輝夜様も貴方が居ないと行かないって言ってるし・・・私だって、寂しいわよ」

M「最後辺り何だって?」

永「な、何でもない///」

M(ふーん・・・これで月に行くのか)「で、どうやって行くの?」

永「ロケットだとか、シャトルとかを作る。私達全員が頑張ってもかなり時間がかかりそうね」

M「どれ位作るんだ?」

永「この都市の皆だから・・・何台作ればいいのかしら」

M「まぁ、何にせよ手伝わせてよ」

永「え?ロケットよ?」

M「その辺の知識もあるから大丈夫。絶対役に立つから」

永(まさかとは思ったけどそんな所まで及ぶとは・・・)「ありがとう。月夜見様も喜ぶわ、きっと」

M「腕が鳴るぜ」

永「そうそう、貴方月夜見様に会う機会が来たわよ」

M「え、いつ?」

永「明日」

M「・・・急すぎィ!」

 

 

 

次の日。

いよいよ月夜見様に会う事になった。永琳から場所は教えてもらっていたものの、

M「迷った……広いし道が分からない~」

近くに居た人に尋ね、何とか辿り着いた。流石に近くまで来ると分かったよ、家の大きさで。

明らかに強そうな門番に恐る恐る話し掛け、通してもらった。

M「何と言うか、和風だ」

和風のその玄関に入ると、早速一人の女性が話し掛けてきた。メイド・・・いや、お手伝いさんだろうか。

女性「こちらになります。私に付いて来て下さい」

M「あいあい」

 

案内された場所に来た。目の前にある大きな扉にコンコンコンとノックをする。

???「どうぞ、開いてますわ」

M「失礼します」

中に入ると、いかにも王室という場所に相応しい部屋がそこにはあった。中には玄関がある。

月夜見(以後月)「貴方が瑞生ね。永琳から聞いたとおりの子ね」

M(永琳は一体どんな事を言ったんだろう・・・?)「初めまして、如月瑞生です」

月「こちらこそ初めまして。この都市の長の月夜見です」

M「ど、どうも」

月「上がって下さい、色々話したい事があります」

M「お邪魔します」

上がろうとするとお手伝いさんが靴やら色々お世話をしてくれた。

M(永琳といい輝夜といい月夜見様といいお手伝いさんまで・・・美人が多いわ。目の保養。)「ありがとう」

 

椅子に座った所で、早速彼女は話し始めた。

月「わざわざ来てくれてありがとうね」

M「いや、こちらこそお忙しいところ恐縮です」

月「貴方とは話してみたかったから良いのよ。ところで、貴方は旅人だそうね」

M「え・・・あ、そうです」

月「貴方は能力はあるの?」

M「いや、あるかどうか分かりません」

月「そうなの、ついでに私の能力は『夜を支配する』程度の能力よ」

M「ほぉー・・・」(そうだっけ・・・?)

しばらくは他愛もない話をしていたが・・・

月「まぁ、前置きはここまでにして」

M(長い・・・)

月「月に移住する話、永琳から聞いたかしら」

M「はい、ロケットを作るのを手伝わさせてもらえないでしょうか」

月「あら、出来るの?それなら是非お願いしたいわ」

M「ありがとうございます」

 

 

 

数日後

M「うん、作るのって楽しい」

永「早過ぎるわよ・・・ものの数日でこれだけ作るなんて」

M「皆仕事が速くて優秀だねぇ」

永「貴方ってリーダーシップあるわね」

M「あまりそういうのは得意じゃないと思うけど」

永「まぁ、貴方のお陰で早い事出発出来そうだわ」

月「本当にね」

永「月夜見様」

月「凄いわね、瑞生」

M「恐縮です」

月「出発の手立ては出来ているし、日程としては三日後位にしようと思っているの」

永「了解です。輝夜様にもそう伝えておきます」

M(いよいよ出発か。でも・・・こんなに上手くいく筈がない)「一応、周辺の警備を強めておいた方が良いかと」

月「どうして?」

M「この出発を阻止しようとする妖怪達が必ずいる筈です」

永「確かに一理あるわね・・・月夜見様、いかがなさいますか」

月「そうね。瑞生の言う通りにしてみるわ」

 

M(一応やってもらえたけど・・・不安だな。嫌な予感がする)

 

そして彼の予感は的中してしまう。そして、待ち受ける悲しい運命とは・・・




M「作者のロリコン、はっきりわかんだね」
ちょww前にもこんなやり取りあったし誤解ですって!
確かに幼女を見るとそのまま見ていたい感じはs
M「おまわりさんこっちです」


冗談は置いといて、文字数がまだ少ないですが、今書いてある方は基本的には多くなっております。
また見て下さると嬉しいです。


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-月での戦闘-

どうも。
暇が出来たと言ったもののやる事はそれなりに多くてまだ忙しいM・Mです。
前に5話位投稿するって言いましたが、投稿出来ない日もあるかもなのでそこら辺はすいません許してください!何でもしますから(フラグ)

いよいよ月編は一旦終わり。
では、どうぞ。


いよいよ出発当日。

月夜見様と永琳は最終チェックを行っている様子。

M「ヤバイ・・・嫌な予感がビンビンしてる」

永「どう?」

M「今は何も来ていないけど・・・」

月「永琳!出発よ」

永「分かりました!瑞生、行くわよ」

M「いや、俺は最後のやつに乗る。永琳と月夜見様は早く乗って」

永「でも、大丈夫でしょう?」

一瞬間を置いて、

M「いや、やっぱり俺の予感、当たっちゃったよ」

彼が指さした方向から、大量の妖怪が近づいてきていた。

永「嘘!?」

月「本当に来るなんて・・・」

M「早く乗れ!全力で食い止めるから!」

永「あれと戦うの!?無茶よ!」

M「大丈夫。此処にいる皆は守って見せるさ、絶対に!」

月「永琳、ここは瑞生に任せて行くわよ」

永「でも・・・」

M「永琳が居なくなったら困るだろ、これから月の都が栄えていく為に」

永「・・・絶対、死なないでよ」

M「ご心配なく」

月「瑞生・・・」

M「月夜見様、後は頼みます」

そして、彼はいつも通りの紅いアーマーを身に纏う。

M「永琳、輝夜様に宜しく」

永「また、会えるわよね・・・?」

M「勿論」

そして彼女達はロケットに乗り込んだ。

 

M(会えるさ、たとえ俺が記憶を失っても・・・いつか)「さて、行きますかな」

 

外に出ると、既に戦闘が始まっていた。

M「お前ら!全員ロケットに乗り込め!此処は俺に任せといてっと」

それに従い、ロケットにどんどん乗り込んでいき、打ち上がっていく。

M「まずは、ここ等辺を片付けるか」

 

 

いよいよ、ミッションスタートである。

 

 

 

M「ほれほれ、どんどん掛かってこいやー」(結構棒読み)

それに誘われ、妖怪達は集団で襲い掛かる。

M「集団で倒した方が面倒くさくなくて良いなっ!魔法剣、ファイガ!」

炎を剣に纏い、どんどん切り捨てていく。

M「鳳凰天駆!からの・・・燃え上れ、紅蓮の刃!秘奥義!緋凰絶炎衝(ひおうぜつえんしょう)

着地と同時に剣から炎を吹き出し、敵陣に向かって突っ込んで行く。

何とこの一撃で周辺の敵を一蹴出来た。

M「楽で良いわー(白目)」

巨大な妖怪に対しては、

M「虎牙破斬!雷神剣!雷神双破斬!」コンボでどんどん斬る。

かなり戦うが、全く減る気がしない。

M「でぇい・・・鬱陶しいわ!メテオレイン!」

大剣に持ち替え、打ち上げた隕石が降り注ぐ。更に、今度は槍に持ち替える。

M「地獄の雷よ・・・ジゴスパーク!」

その名の通り、地獄の如く雷が集団に襲い掛かる。

M「まだまだ終わらせない・・・更に上を行く稲妻を受けてみろ!来たれ轟雷!ギガブレイク!!!」

止めは剣の技で。怒涛の連撃により、周りに立っている者は居なかった。

M(参った参った。あくまでここ等周辺を片付けただけだし・・・持つかな、TPとかMPとか、俺の気力が)

 

それからどんどん襲い掛かる攻撃を紙一重でかわし、どちらかと言えばカウンター重視で攻撃していく。

M「少し銃で行くかな!フレアショット!」

バスターショットをチャージして、どんどん撃つ。貫通するためにどんどん敵が倒れていく。

 

M(後どれ位戦えば良い・・・!?)後ろを振り向いてみると、

M「後5台位かな・・・うわっと」

気が付いたらどんどん湧き出て来る。

M「ウザいな・・・これは大将を討ち取るべきかな?」

そう思い、走り出す。

出来るだけ敵を無視して、斬りながら大将を目指す。

 

 

群がる妖怪達を蹴散らして進み、そして・・・

M「アンタが大将か!」

大将「何!?こんな所までやって来るとは・・・良いだろう、ここで打ちのめしてやる!お前ら!手を出すな!」」

敵の大剣と自分の出した剣が鍔迫り合うが、こちらは片手剣に近い大きさなので、打ち払われる。更に追撃が来るが、

M「よっと」

さらりとかわし、ビームを打ち込む。

相手も大剣で防ぐ。反撃でその大剣を振るうと、衝撃波が飛び出る、しかもかなり大きめの。

M「ウグッ・・・避けきれない」

M(一撃でこれかよ・・・冗談じゃねぇ)

倒れそうになるが、堪える。そして、一旦落ち着く。

M(俺はそこまで重装備でガンガンいこうぜ型じゃやない。だから体もタフな方だとは思うけど攻撃されまくると辛いな・・・次攻撃を食らえばタダじゃすまない。回避重視で行きたいけど、それじゃ駄目だ。長期戦は避けたいし・・・こうなれば一か八か)「一撃で決めるしかない!」

 

自分の作戦は簡単。突っ込んで攻撃をかわして背中に回り、そのまま決めるという簡単だが危険な作戦だった。

M「さて、避ければ勝ちか当たればヤバめか・・・良いじゃないか、ギャンブル要素が無いと面白くないし」

何故だろう。危機的状況に限って頭がスッキリする・・・気がする。

M「いざ勝負!」

突っ込んでみる。敵もその大剣を振るおうとしている。

次の瞬間だった。

M「あれ・・・?」

ピシッと音がしたと思うと、世界がおかしくなった。

M「止まった!?咲夜さんじゃあるまいし・・・?」

だが、時が止まった訳では無い。ちゃんと動いているし。

M「これは・・・未来?」

少し先の事が見えていたのだ。そう、勝った俺と、死んだ俺が。

M(俺ってニュータイプに覚醒したの!?)そうあたふたしていると、

ピシッ

 

戻った。

M「ふぉぉぉぉぉぉ」

先ほど見た未来から、右を選んでも左を選んでも当たるらしい。

M「となると・・・飛ぶっ!」

敵の行動は薙ぎ払い。こりゃ左右に避けても当たる訳だ。

プーンと飛んでくるりと敵の後ろに回り、叫ぶ。   

 

M・M(プーンって・・・マリオかよww)

※これからも唐突に入る作者のツッコミがかなりあるのでこれいる?って方は無視して下さい

M・M「酷いッ!?」

 

M「一気に決める!行くぜ連撃っ! 殺劇舞荒剣(さつげきぶこうけん)ッ!!!どららららららららぁ!!!」

適当に斬っていると見せかけて、手足等の体至る所を切り裂いていく。

M「止めっ!うおりゃっ!」

最後に炎の切り捨て。全部ヒットし、勿論即死である。

M「うっし」

妖怪達は嘘だろと言う顔をして、怖気ついて後ずさりする者もいれば、逃げ出す者もいた。

M「ハァッ・・・ハァッ」

かなり辛い。倒れそうだが、ロケットの元へと走る、息を切らしながら。

 

 

 

ロケットの元に着くと、もうラスト一台だった。

M「良かった・・・ラストか」

民「早く乗って下さい!」

と言う声が聞こえる。しかし、

M「ッッ!!!」

すかさず飛んでくる妖力の弾を斬る。ついでに敵も。

M「行ってくれ!」

民「でも・・・」

M「大丈夫、月には行けないけど・・・きっとまた会えるさ!」

民「信じていますよ!さぁ、飛ぶんだ!」

合図と共にロケットが飛ぶ。無事飛んだ事を確認すると、

M「さぁ・・・もう何も気にする必要も無いし、思う存分暴れられる。覚悟しろよ・・・お前ら!」

 

そうしてまた彼は敵陣へと走って行った。

そして、彼の行方は誰も知らない・・・

 

M(死なないよ!?)




改めて書いてある話全部読むと誤字脱字多くて更に訳分からない言葉が多くて笑えました。
なのでpixivからそのままペーストするのでは無く変えて投稿しておりますが、それでも間違っているのもあるので発見次第御手数ですが指摘をお願いします。



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-主人公、強くなります-

遅れてセンセンシャル!すみません。
タイトルのネーミングセンスもアレだし……。

タイトル通りです。普通から強くなります。
では、どうぞ。


あの戦いからまたしばらく経った。

俺は今頃月にいる奴等から死んだとでも思われているのだろうか。

M「と言っても実際死にかけたと思うけど」

 

また自分は地上でゆっくりしている。正直疲れた。

M(戦いってしんどい)

と言うよりどうして俺は月にいたんだ?そして何で月からいつの間に地上に降りてたんだ?分からない……。

今が何年かは知らないが、月の移住が終わったからおそらく次にくるのは有名なので諏訪大戦だろう。そこまで詳しくは無いが。

 

とりあえず重要なイベントは絡んで、面倒くさいのはパス。ごめんよ。

そんなこんだでやっていきたいんだが・・・あれ?何だか眠たくなって来たなぁ・・・

M「う・・・また、この感覚か・・・?」

何かが終わればやって来るこの眠気。これが一体何なのか俺には確かめようが無かった。

 

神「瑞生・・・貴方は一体どうなっているのでしょう・・・?」

ロックマン「どうやら、瑞生は気が付いていない様だし・・・アレに気付いてしまった時が来るのが恐ろしいね。それよりも瑞生が帰って来るみたいだよ?」

神「・・・瑞生が帰って来る?どういう事ですか?」

M「ファッ!?気が付いたら訳分からん場所に・・・ってあれ?神様、ロックマン?」

神「・・・」

ロックマン「お帰り」

M「どういう事?」

 

 

ロックマン「しかし、大変だったね。人妖大戦って言うみたいだけど」

M「あぁ・・・そうだっけ。戦いはしんどかった」

神「結構辛そうでしたねぇ」

M「集団とか来たら面倒くさいし・・・あぁ、魔法が使えたらいいのに。どうして使えないのに魔法を教えたの」

ロックマン「そうだね・・・もう十分君には素質があるか。良いよ、君にも使える筈だしね」

M「何が?」

ロックマン「付いて来て」

 

ある部屋に連れていかれて、その中に入ると、ロックマンが言った。

ロックマン「これを」

M「これは・・・クリスタル?」

ロックマン「君にも召喚獣の力を与える時が来た」

M「召喚獣?イフリートとかシヴァとか?」

神「そうですよ」

M「・・・俺に魔力無いのに?」

ロックマン「マナを使う」

M「マナ・・・そうか、自然の力を使うのか」

ロックマン「そう。マナを読み取る事が出来れば自由自在とはいかないけど魔法も使えるようになる筈」

M「なるほど。それで、どうやって訓練するんだ」

ロックマン「勿論、彼等と戦って貰うよ」

M「彼等って召喚獣?」

神「そうでーす」

M「え?どうしてそれが・・・」

ロックマン「彼等と戦って勝って、仲間になって貰う事によってマナを読み取る事が出来る」

神「それぞれの属性の主となる事によって、ですよ」

M「はぁ・・・成程」

ロックマン「それに、次の話もしておくけど。君にはもっと沢山の強さを学んでもらわないと」

M「もっと沢山の強さ・・・?」

ロックマン「あの戦いを見て思った。まだまだだったけど・・・やっぱり君には説明の付かない強さがある。君ならきっと聖剣技や時空剣だって使いこなせるようになるよ」

M(月での戦い見てたのか?)「出来るの?」

神「剣の才能 だけ は素晴らしいと思いますけど?」

M「絶対バカにされてる」

 

 

 

またまた修行タイム。あぁ・・・また何回死ねば良いのだろうか。

イフリート(以後イフ)「地獄の火炎!」

シヴァ「ダイヤモンドダスト!」

ラムウ「裁きの雷!」

ノーム「大地の怒り!」

 

M「イィヤァァァァァァァ!!!!!」

神「少し可哀そうに思えてきたのですが」

ロックマン「あは、あははははは」

M「焼かれて凍結してビリビリからの地面がドーン・・・」

神「お疲れ様でーす」

M「もう嫌・・・皆怖いよぉ・・・」

ロックマン「駄目だ、精神的にダメージが・・・」

神「でも結局勝って契約したじゃないですかー。凄いですよ、四精の主となったのですから」

M「人の苦労も知らずにぃ・・・」

ロックマン「でも、おめでとう。これからもっと召喚獣を増やしていくんだよ」

M「他は俺が探すのか」

神「召喚獣は沢山いて、沢山の世界ごとに居るんですよ」

M「それを打ちのめして仲間にするのね」

ロックマン「ん、分かるようになったね」

M「もう、召喚獣って何で皆あんなに血気盛んなんだぁ・・・」

そう呟いている彼を横目に、

ロックマン(疲れている所悪いけど、強力な召喚獣と・・・時空剣を使うためにもあの精霊と契約してもらわないと)

M「・・・その様子だと、休んでいる暇は無いって事ですかな」

ロックマン(バレてた・・・)「ごめん。でも君には早く強くなって欲しいんだ」

M「何で?」

ロックマン「再びあの世界に戻った時の為に」

神「でも、少し急ピッチ過ぎませんか?」

M「いや、良いよ。頑張ってやるさ」

神「無茶はいけませんよーとりあえず眠って下さい」

ラリホー

M「サーッ!!!」

 

ロックマン(彼が自分の運命に気付く前に・・・早くしないと取り返しのつかない事になる)

 

 

 

あれから俺は更に様々な世界に渡り、ハードな修行をやり遂げていった。

 

オーディン(以後オ)「グングニル!斬・鉄・剣!」

M「危ないっ!それと・・・ざ、斬鉄剣返しぃ!」

ぎにゃあああとは言わない。

 

リヴァイアサン(以後リ)「大海嘯!タイダルウェイブ!」

M「どっちも避けられん、ガボボボボ溺れる!溺れる!……じゃない!秘奥義![[rb:煌華月衝閃 >こうかげっしょうせん ]]!」

槍に持ち替え、雷を出してそのまま一閃。

 

サラマンダー「さぁ行くぞ・・・エクスプロード!火炎竜立ち昇らん!」

M「全力で回避ィィ!からの・・・絶氷の刃よ・・・セルシウスキャリバー!」

 

戦ったのはこの三体。他に、カーバンクル、フェアリー、ゴーレムも加わり、それなりの大御所となった。

M「あくまで下級から中級までの召喚獣か。上級と言えば・・・アレクサンダーとか、バハムートとか・・・」

ロックマン「そういったのを仲間にする為には君の実績があるね。世界を壊すような輩からその世界を守るとか」

神「魔王様とか倒しましょう?」

M「無茶言うなや・・・」

ロックマン(駄目だ、まだオリジンとは契約出来ない・・・仕方ないか。先に剣聖を目指してもらおう)

「瑞生、ダーマに行くよ。目指すは剣聖だ」

M「おぉ・・・」

 

 

 

正直言って、召喚獣と戦うより大変だった。

単純に聖剣技、暗黒剣技、剛剣だけでは無い。色々被ってはいるが、ホーリーナイト、ダークナイト、ホワイトナイト、ルーンナイト、アークナイト、ナイトブレード、ディバインナイト、デスナイト・・・とにかく『ナイト』の名が付く職業をマスターしていく、というとても困難な修行であった。

 

M「ただのナイトから始めて一体どれ位年月が経ったのでしょう・・・」

神「何か悟り口調になってますが」

ロックマン「まぁ、何はともあれ良かったじゃない」

一応『剣聖』の称号を得る事が出来た。今持っている大剣『エクスカリバー』はその証である。

ロックマン「聖剣も頑張って集めてね」

M「おいおい・・・」

 

 

ロックマン(凄いね・・・歴代の剣聖達とは比べ物にならないスピードの速さで剣聖にジョブチェンジしたみたい)

「瑞生、そろそろ戻った方が良いと思う」

神「そうですね。そろそろ世界が動き始める頃です」

M「そっか・・・分かったよ」

神「それじゃ、行きますよー?」

M「え、ちょ、早い」フッと消える

 

M(結局俺は何でこの場所に戻って来たんだろう?強くはなれたけど・・・自主的には帰れないし)

「まぁ、良いか。久しぶりの世界だし・・・また変わっているんだろうなぁ」

 

そして、随分懐かしい感覚に陥る。フワッとして、空にいるような・・・

M「・・・何となく分かってたよ?俺の事だし。でも、だからって・・・落ちる事無いだろぉぉぉぉぉぉ」

やっぱり落とされた。神様次会ったら文句言ってやる。次がいつあるのか分からないけど・・・

 

 




時間軸は本当に適当です。東方はかなりプレイしてきましたがやっぱり霊夢達が好きなのでとっとと現代へ向かいます、飛び飛びですみません。

主人公にはまだ謎が多い。


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-青年(?)幻想入り-

どうも。
体が沢山あれば良いなと切実に思うM・Mです。
飛ばし飛ばしで現代入りしました。
こ↑こ↓から原作の異変、オリジナル展開となってきいます。
では、どうぞ。


自分は飛べる筈なのだが、いきなり落とされて気が付いたら地面にダイブ。気絶しました。

M「アルテマァ!?(意味深)」

起きると、体が痛い。

M「あいたたた・・・ここは、何処だ?」

辺りは真っ暗である。ただ、妖気が感じられるから戻って来たのだろう。

とりあえず歩く。妖怪から襲われると面倒なので、急いで森を抜けなければ。

 

M「……別に走らなくても良いよな。飛べば」

飛んで、辺りを見渡す。

M「あれは?」

見た方向に神社があった。

M「もうこの際何でも良いや……」

そう言って近づこうとした時。

M「・・・もう嫌だ。あんまり戦いたくないんですがね」

 

後ろには既に沢山付かれていたようだ。

M「歓迎されているのか、ならこちらも応えないとな・・・ロックオン!」(何となく)

変身して突っ込む。

M「はあっ!・・・全然手応えないな、つまらん」

バッサバッサと斬り捨てつつ距離をとってバスターで牽制。いつも通りのスタイルだ。

 

M「やっぱりつまらん」

気が付けば敵はもう居なかった。ほとんどが逃げていった。

 

???「・・・やるわね、貴方」

M「ファッ( ゚Д゚)」

すぐにバックステップ。

M「誰だ・・・って、え?」

 

そこには、見たことのある脇が空いている巫女服があった。

M(霊夢・・・?いや、違う。俺の知っている感じじゃないし、この時代に居る筈ないし・・・)

???「さっきから何を独り言言っているの?」

M「え、あ、えっと・・・すみませんが、どちら様?」

 

???「私の名前は、博麗〇〇よ」

M「えっ?」

???「だから、博麗〇〇」

M「あ、はい」(どうなっている?名前部分が聞こえない。まるでホニャララみたいな)

博麗「貴方は?」

M「え・・・あ、俺は瑞生。如月 瑞生」

博麗「そう、瑞生ね。どうしてこんな時間に此処に居るのよ。夜は危ない事位知ってるでしょ?」

M「う・・・」(どう説明するべきだろう?)

M「えっと、旅人で、迷った」

博麗「馬鹿でしょう、貴方。寝床だけは貸してあげるわ」

 

M「馬鹿じゃ、ないもん・・・(´;ω;`)ブワッ」

 

寝る所だけ貸してもらった(境内。結界内です)

 

 

 

博麗「おーい、起きなさい」

M「んー・・・あぁ、もう朝か」

気持ちいい目覚めだ。外だけど。

博麗「色々手伝ってくれるなら朝ご飯位あげるわよ」

M「え、何だって!?是非とも頼む!腹が減ってたまらないんだ」

博麗「ち、近いわよ・・・」

 

とりあえず朝ご飯。青年食事中・・・

M「はぁ、美味しかった。ご馳走様でした」

博麗「お粗末様でした。さて、早速だけど・・・」

M「あぁ、勿論何でも来いやぁ」

博麗「買い物と妖怪退治と掃除とうんたらかんたらetc・・・」

M「・・・(+_+)」

 

数時間後・・・

M「終わった・・・」

博麗「お疲れ様」

お茶を出してくれた。うん、美味い。

M(がめついのは変わらないのか、博麗の巫女は)

博麗「何か失礼な事考えてるでしょ」

M「何でもございませんよ、はい」(勘の良さも代々か)

 

それから何かと話したが、別れの時間がやって来た。

M「それじゃ。一夜と朝だけどもありがとう」

博麗「こちらこそ。楽しかったし色々とありがとうね」

M「ん、それじゃぁまた」

博麗「変な人だったわね。どこかしら不思議な感じがあったけど・・・」

???「おかあさん、いまのひとは?」

博麗「ちょっとしたお客さんよ、気にしないでね。霊夢」

 

離れてから考える。

(やっぱり此処は・・・幻想郷だ。でも俺の知っている幻想郷じゃない)

見慣れない風景なのは当たり前ではあるが、どこかしら懐かしいような・・・

M「んー・・・此処が何処なのかも帰り方も分からないし。とりあえず寝床探そう」

最悪無かったら昔みたくどっかに家でも作るし(洞窟)

 

と、歩き出す・・・筈だった。

いきなり、視界が真っ暗になった。

M「えっ・・・」

目の前が真っ暗になった?

いや、違う。これは・・・

M「おーちーてーるー!?」

 

何で?なんで?ネェナンデ!?

同時に、意識が途絶えて行った・・・

 

???「・・きて」

M「???」

???「起きて、瑞生」

M「え、あれ?ロックマン?」

ロックマン「やっと起きた。ずっとうなされてた様だけど」

神「何かあったのですか?」

M「い、いや・・・別に(あれは夢?いや、そんな筈はない)」

ロックマン「そう言えばあれからどうなの?君の中は」

M「あ、それなんだけど。皆仲良くしていると思う」

神「使えるんですか?魔法とか」

M「練習中。いつの日か上級魔法連発とかやってみたいねぇ」

ロックマン「君に従う獣が増えれば君の力も増える。頑張って集めることだね」

M「あいあい」

 

ロックマン「さて、瑞生」

M「え、何」

ロックマン「そろそろ行かないと」

M「・・・もうそんなに時が経ってるのか」

神「いや、そういう訳では」

M「どっちだよ・・・」

M「でも、そろそろ原作介入しないといけないのかな?」

神「そういう事ですね」

ロックマン「それじゃ、そういう事で。もう前置きとかいらないよね」

M「え、いや・・・ちょ」

神「いってらっしゃーい」

ロックマン「次会える時を楽しみにしているよ、瑞生」

 

M「あ、まただ・・・何回落とされるんだろう、俺」

落とされました。

 

 

M「いつも思うけどどうにかならんのかねぇ、この落とし方」

痛い。結構痛いんだよなぁ・・・高い所から落ちたら痛いだなんて当たり前だよなぁ?

 

それでだ。

M「次は一体何処に来たんだ?また見知らぬ景色だけど」

見渡すも、緑。いつも通りと言えばそうだけどー

M「はぁ・・・とりあえず飛ぶか」

 

青年移動中・・・

 

M「ん、あれ?人里がある」

降り立ってみる。とても賑やかで、あちらこちらから声が聞こえてくる。

M「へぇー・・・凄いもんだなぁ」

 

一体此処が何処で今はいつなのかは置いといて、人里をぶらり歩きをしてみることにした。すると・・・

M「・・・金だ。しかもこれ、銭だよな。となると今はいつなんだ?」

銭が使われているのに江戸時代とかそんな感じの雰囲気があるこの場所。これは・・・

M「あれ?ここって幻想郷?さっき来たよな?」

うんうん考えながら歩いていたらいつの間にか外にいて、空も暗かった。

M「あちゃー・・・もうそんな時間なのか、寒いし、寝床が欲しいなぁ」

 

長きこと歩いた。もう恐らく深夜を回る頃だろう。こんな時間に出歩くなんて馬鹿と博麗から言われたがまさしくその通りだった。

妖怪には結構出会った。戦う時もあったが、基本的にはスルー。戦いはしたくない。だが・・・

M「眠い・・・」

長く歩いてしまったせいで、疲れてしまった様だ。足も棒だし、体もだるい。

M「不味いな・・・もし妖怪に急襲されたらどうしよう」

???「・・・ニンゲンだ、たべていいのかな?こんな時間に歩いてるなんて。よしっ」

 

不覚だった。いくら疲れていたとはいえ、気が付かなかったなんて。

M「痛いっ!?」

腕にかじりつかれ、かなりの激痛が走った。

M「ッ・・・」

すぐに振り払い、それを見る

M「!?」

女の子だった。美少女。ちっちゃい。かわいい。

一瞬目を疑った。目までおかしくなったのではないかと心配していたところだ。

???「あれ?死なない・・・ニンゲンじゃないの?」

M「一応、人間のつもりだが」

???「食べちゃダメ?」

M「・・・何を言って」

???「死なないってことは食べたらダメなやつかー・・・そうなのかー」

M「・・・ルーミア、だよな」

ルーミア(以後ル)「あれ?なんで私のなまえしってるの?」

M(ビンゴか)「噂」

ル「そうなのかー。ごめんなさい、思いっきりかみついちゃった」

M「いや、良い。すぐに治る」

疲れて回復魔法が使えないので包帯を。

 

とりあえず自己紹介をすました。

ル「なんで瑞生はこんなところにー?」

M「迷った」

ル「自殺行為だねー」

M「だろうな」

ル「お詫びに良い事おしえてあげるよ。ここからあっち方向に進んだら神社があるよ」

彼女が指さす方向には何もないが、否定する根拠もないので従ってみることにする。

M「ん、分かった。ありがとう」

ル「いやーこちらこそーごめんなさい」

M「気に病むことはない。それじゃ、また」

ル「バイバイ」

 

彼女と別れ、進んでみる。すると、

M「あぁ、完璧に博麗神社だ・・・となると幻想入りだな・・・俺も」バタッ

そのまま意識が遠のいていった・・・

 

 

 




巫女って神社に行けば当たり前の様に居ますが、何だか神秘的で良いですよね。腋出しは聞いた事ないですが。

いよいよヒロインが続々出て参ります。
性格が全然違うって事は無いと思いますが改変してますのでご注意下さい。


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-現代、はじめての弾幕ごっこ-

どうも。
馬鹿野郎お前はじめてのおつかいっぽくなってるだろ!いい加減にしろ!

Take2
どうも。
いよいよ現代入り。ヒロインも続々登場して参ります。
皆さんの好きなキャラが居なかったらごめんなさい。

では、どうぞ。


???「ちょっと、そこの貴方……生きてる?」

M「ん……?」

目が覚めると、そこには美少女が!しかも脇が空いているだと!?……って。え?

M「博麗さん!?」

???「な、何?私を知っているの?」

M(違う、そうじゃないここは俺の知っている幻想郷だ)「あ、いや、噂で」

霊夢(以後霊)「あらそう。そんな噂あったかな……まぁ、私は霊夢、霊夢。霊夢って呼んで」

M「あぁ。俺は瑞生、如月 瑞生だ。宜しく」

霊「えぇ」

 

そこから沈黙が続いた。

霊「……」

M「……?」

霊「じゃなくて!貴方一体どうしたの?起きてみたら境内に人が倒れていて何事かと思ったわよ」

M「倒れてた?」

霊「そうよ、私の神社の結界内で良かったわね。そうじゃなかったら今頃妖怪に喰われてたわよ」

M「あ、あぁ……ごめん」(既に手遅れのような気もする)

霊「それで?大丈夫なの?」

M「あぁ。もう大丈夫だ」

霊「そう。それで……貴方外来人ね?」

M「外来人?あぁ、そうか。そうなるんだな」

霊「?」

M「何でもない。そういうことになるな」

霊「此処に来た理由は覚えてる?」

M「迷って歩いてて気が付いたら」

霊「良くあるパターンね。最近異変がないからちょっと忘れ気味だったけど」

M「……此処は、博麗神社だよな」

霊「そうよ。それがどうしたの?」

M「いや、特には。あぁそれと霊夢、はい」

霊「っつうー!?」

彼女に五百円玉を差し出した。

霊「良いの!?五百円なんて大金」

M「まぁ、一応命救ってもらったみたいなもんだし」(目が¥になってますがな……)

霊「ありがとう!貴方、朝ご飯位食べていきなさい」

M「え、でも」

霊「良いから良いから」

ご機嫌な彼女に連れられて、朝ご飯を頂いた。うん、とっても美味しかったです。

 

M「ん、ご馳走様でした。美味しかった」

霊「そう、ありがと」

 

縁側でお茶を貰い会話を始める。

霊「それで?瑞生は自分が何処の世界にいたのか覚えてるの?」

M「いや、分からない」

霊「それじゃぁ貴方どうするの?帰りたいの?」

M「それは……(俺はどうすれば?)」

霊「まぁ良いわ。貴方、行く当てが無いなら此処に居なさい。勿論色々やって貰うけど」

M「良いのか?」

霊「貴方みたいのを元の世界に戻すのが私の仕事だから。貴方も何かと訳有りみたいだしね」

M「……ありがとう」

霊「どうってことないわよ」(ど、どうしよう……勢いで言っちゃった)

M(俺はそう言えばどうしてこの世界に来たんだろう?ただ呼び出されただけなのか?あぁもうクソッ……記憶がイマイチおぼつかない)

 

M・M「自分が望んだだけだよね?」

 

霊「ねぇ貴方、家事とか出来るの?」

M「あぁ。一通りは出来る」

霊「そう、それなら良かったわ。もし出来なかったら妖怪退治になってたわよ」

M「別に、どっちでも良いけど」

霊「そう言えば、貴方戦えるの?」

M「まぁ、出来る」

霊「そういう風には見えない……ってあら?」

M「?」

霊「また面倒なのが来たわね……」

???「遊びにきたぜー!」

M(この声は……)

箒に乗った白黒の服の少女が下りてきた。

美少女だな、うん。

???「あれ?霊夢、誰なんだこの男」

霊「彼は瑞生。外来人で、少し訳有りでね……家で少し預かる事にしたの」

M「如月 瑞生だ。宜しく」

魔梨沙(以後魔)「おう!私は霧雨 魔理沙だ、宜しくな」

霊「それで魔理沙、何の用よ」

魔「遊びに来た。細かく言えば弾幕ごっこの申し込みをしにきた」

霊「ご丁寧に言ってもらってもしないわよ」

魔「えー……(((´・ω・`))) 」

M「弾幕ごっこか……」

魔「そうだ、瑞生はどうだ?」

霊「貴女ね、まだ瑞生は弾幕のだの文字も知らないのに何言っているのよ」

魔「教えれば出来る!」

霊「馬鹿言わないで。無理過ぎるでしょ」

M「弾幕ってどう出すんだ?」

魔「お!瑞生はやる気みたいだぜ」

霊「瑞生……分かってるの?」

M「全く分からん。ただやってみたい」

魔「おうおう!ならまずは基本からいくぜ」

M「ん、宜しく頼むよ」

霊「はぁ……ε-(´-`*)」

 

 

 

魔「驚いた……ここまで順応性が高い奴そう居ないと思うぜ」

霊「そんなに?」

魔「あぁ。もう多分そこそこ出来るんじゃないのか、弾幕ごっこ」

M(思ったより簡単だな……色々あるけど覚えたら楽しいもんだ)

 

すぐに基本は出来るようになった。我ながら凄いと思う。

 

魔「ただ……」

霊「ただ?」

魔「気のせいか、何かおかしい様な気がするんだぜ」

霊「どういう意味よ」

魔「それが説明出来ないから困ってるんだぜ。霊夢の言う訳有りってこういう事か?」

霊「私も詳しくは分からない。でも何かあるってわたしの勘がそう言ってるの」

魔「まぁ、要検証って所だぜ」

霊「そうね」

 

M「ありがとう魔梨沙。おかげで何かと分かった事がある」

 

1.自分は魔力が無いのは分かっての通り。

しかしそれは霊力にも影響するみたく、自分は全く弾幕という弾幕は作れない。

 

2.霊力が少ない代わりにマナで代用可能。

 

3.どうやら霊力だけではない何かがあるらしく、何かは不明。

 

M(あくまで自分の中の検証結果ってやつだけど。どうやらまだまだ分からない事だらけの様ですな)

 

魔「だったら良かったぜ」

霊「本当に貴方戦えるの?」

M「それがどうかは確かめてみれば良いじゃないか。その弾幕ごっことやらで」

魔「お、早速やってみるか」

霊「気を付けなさいよ、瑞生」

M「ん、大丈夫」

魔「って待った、スペルカードは?」

M(あ、スペカ忘れてた)

霊「スペルカードって分かる?」

M「ん、勿論しっt……知らない」

霊「スペルカードっていうのは、簡単に言って自分の思い描いた力をこのお札に込めて作るものよ」

魔「弾幕ごっこでは切り札として使うんだぜ。制限はあるけど」

M「ふーん(知ってるけど)

でも、今は良い。無しで良い」

霊「流石にそれは厳しいわよ」

M「勝つとかじゃなくて、どういうのかを知りたいだけ。負けないと分からないし」

魔「うんうん」

霊「何で魔梨沙が頷いてるのよ。条件は……」

 

3弾当ったら負け。

スペルカードは3枚まで。

 

M「それじゃあ始めるか」

魔「霊夢、合図頼むぜ」

霊「はいはい。行くわよ、よーい……」

 

「はじめっ!」

 

 

M(人間のままで戦うから圧倒的不利だな。

んじゃ、まずは様子見から……ってオイ)

既に自分の目の前には沢山の弾があった。

M「いきなりだなっ……おわっと!」

1弾被弾してしまった。結構衝撃があった。

魔「早速1発貰ったぜ!」

M「……」(とにかく当ったら駄目なんだな……とりあえず回避を優先して。でも攻撃もしないとな)

 

とは言え自分はどうやっても彼女の弾の数も威力も劣るので出した所で無駄である。

M(もともと俺は近接だしなー。近づけたら良いけどそういう訳にもいかないし)

 

魔「ボサッとしてたら当たるぜ!」

M「おっと」

避ける。だが人間の自分では体が言う事を聞かず、ギリギリ避けられるが危険である

M「ゼロの状態なら簡単なのにな」

魔「何か言ったかー?」

M「何でもない。それより俺も反撃だ」

 

今パッと思いついた物であるが試してみることにした。

 

M「うりゃ!」

溜めて、中々大きめの弾を1発出す。速度も威力も、まぁそれなりにある。

 

魔「ん?」

どういう事だ?という顔をしたが魔梨沙はその弾より大きな弾で相殺する。

M「かかったな」

魔「!?」

 

相殺した瞬間、爆発が起きた。

先程の弾には炎と雷を混ぜておいた為に爆発したのだ。

 

魔「前が見えないんだぜ……考えたな、瑞生」

霊「へぇ、あんな戦い方があるのね」

 

彼が今何処にいるかは分からないが関係無い、どうせこうすれば良いのだ。

 

魔(3枚までってあったけど素人相手にはこれ1枚で充分だぜ。まずは、洗礼だ!)

「スペルカード使用、恋符……マスタースパーク!」

彼女が取り出したミニ八卦炉からチャージ音が聞こえた。これが彼女の代名詞とも言える技である。喰らってみたらどうなるやら……

 

……かと言っても避けられる筈が無いのだが。

 

M「\(^o^)/オワタ」

 

 

 

気が付けばあっという間に終わった。惨敗ですね、本当にありがとうございます。

 

霊「まぁ、仕方ないわね。まずは洗礼だと思えば良いわ」

魔「(`・∀・´)はっはっはー!」

霊「魔理沙ちょっと黙ってて」

M「やっぱ駄目だな、この姿じゃな」

霊&魔「この姿?」

M「魔理沙、弾幕ごっこもう1回願えるかな」

魔「あぁ……構わないぜ?」

 

 

魔(中々負けず嫌いなんだな)

M(こっちの姿ならどれ位やれるだろうか)

霊「それじゃあいくわよ、はじめっ!」

 

第2回戦である、ゼロとしての。

魔(さて、どうするんだ?瑞生)

霊(無茶な事するわね……)

M「変身っと」

霊&魔「!?」

 

彼女達の目に映ったのは、紅き戦士であった。瑞生とは全く違う感じで驚きである。

 

M「ほんじゃあ、行きますでー」




M・M「ここからたまにテイルズのスキットらしき会話が後書きにて登場する可能性が微粒子レベルで存在する……?」
霊「普通に言いなさいよ……て言うか普通の会話で本編と何も変わらないじゃない」

細かい事は置いといて、主人公頑張れ。


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-ゼロでの第2ラウンド-

どうも。
神社と聞くとあのほのぼの音楽が脳内再生される大分手遅れのM・Mです。

ゼロとしての現代最初の戦闘。
某有名人の技使わさせてもらいました。
では、どうぞ。


M「うっしゃーいくぞー」

魔「え、ちょ……どういう事なんだぜ?」

未だに霊夢も魔梨沙も状況が理解出来ていない様だ。まぁ当たり前か。

 

とりあえず牽制でバスターを撃つ。

当たっても判定にはならないがこれで良い。

 

魔(何なのか分からないけど……普段通り!)

M「相変わらずのパワー型だな」

数も大量にあるものの先程より運動神経は飛躍的に上がっているので簡単に避けられる。

魔「さっきと全然動きが違う……どうなってるんだぜ」

霊(しかも動きが変だわ……)何をしようとしているの?)

M(運動神経が上がったとは言えども真正面から突っ込むのは自殺行為だな。どうやって近づこうかなー)

 

戦うとパワーでは少し押し負けそうなので頭で勝負することにした。

魔「スペルカード使用。魔符、ミルキーウェイ!」

天の川の如く弾幕が降り注ぐ。

が、それを易々と避ける瑞生を見て、二人は驚く。

魔(普通の弾幕ならまたしてもスペルカードまで……どんな運動神経してるんだぜ)

M「それだけなら、こっちも反撃いくぜっ!」

剣に力を込め、叫ぶ。

M「まずは一撃!ギガスラッシュ!」

魔「!!!」

突然の事に驚きながらも、彼女はそれを避けた。自分の傍を雷閃が通る。

M「おぉ……あれ真正面から避けるか。まぁ距離あったし仕方ないか」

霊「何あれ」

M「まだまだ、魔神連牙斬!」

どんどん近づきながら魔神剣を出す。

魔(距離を詰めるのが狙いか?そっちがその気なら!)「スペルカード使用。魔符、スターダストレヴァリエ!」

箒に力を込めて、瑞生の方へ突進する。

霊「いきなり二枚も使うなんて……何してんのよ魔理沙」

M「うぉ!?ヤバイ!」

突然の事にこちらは反応出来ず、被弾する。

M(クッ、被弾したか……でもあちらはあとスペルカードは一枚、おそらくマススパだろうし少しこちらも突っ込んでも良いかもしれないな。虎穴に入らずんば虎子を得ず、だ)

魔「さぁ、どうするんだ?瑞生」

そう言うと彼は笑った。ニヤリと不気味な笑みを浮かべて、こう言い放った。

M「次で終わらせる。ちょっと本気出すよ」

霊「本気……」

魔「どーんと来い!」

M「んじゃ遠慮なく……限界を超える(リミットブレイク)!」 +BGM変更 戦う者達

魔&霊「!!!」

再び驚く。彼がそう叫ぶと、オレンジ色の闘気が彼に纏った様にも見えた。

M「画竜……点睛!」

剣からかなり大きめの竜巻が出る。それを盾にして突っ込んでくる様だ。

魔(何だあれ!?半端な攻撃じゃ破れないし、スペルカードは取っておきたいし一旦逃げるんだぜ)

M「逃すか!破晄撃(はこうげき)

魔「うわっ……今のも何なんだぜ!?攻撃がでかい!」

だが、少し止まってしまったのが運の尽きだった。

M「もらった!」

魔「しまった!?」

M「連撃、受け取れ!超究武……神覇斬!」

怒涛の連撃を全段受けてしまい、あっという間に魔理沙の残機は無くなった。

いや、正確に言うなら残機は減っていない。弾幕は当てていないからだ。だが、

M「行動不能ってのも勝利だろ?」

 

♪ファンファーレ(FF7)

M「まぁ、こんなもんかな」

 

霊「嘘……何よさっきの!」

魔「冗談じゃないんだぜ……第一あの変身は何なんだぜ」

ぐったりしている魔理沙と、未だに驚きが隠せない霊夢が彼を質問攻めである。

M「まぁまぁ。説明するから」

 

 

霊「はぁ、あれはゼロと言って?」

魔「変身すると戦闘能力が上がるって?上がり過ぎなんだぜ」

霊「第一貴方人間でしょ?何なのよその能力」

M「これは能力じゃないさ。あ、そうだ……俺の能力って何なんだ?」

霊「それが能力じゃないなら一体何なのよ……まぁ良いわ、こっち来て」

 

今確認してもらってます……

霊「……分かったけど、よく分からないわね」

魔「どんな能力なんだぜ?」

M「わくわく」

 

霊「あなたは、『想いを力に変える程度の能力』ね」

 

M「……?」

魔「聞いたこともない能力だぜ」

霊「私も一体どんな能力かは分からないわ。貴方自身で確かめて」

M「そうか」(何となく想像がつくような無いような)

霊「しかし意外ね。もっとヤバイ能力想像してたけど」

魔「まさしく世界ぶっ壊すとか」

M「そんな力無いって」

霊「何言ってんのよ。貴方みたいな力があるなら嬉しいわ、異変解決が楽になりそう」

魔「もう既に利用対象者になってるんだぜ、瑞生」

M「は、はは……」

 

魔「お、もうこんな時間か。それじゃまた明日だぜ二人とも」

霊「えぇ」 M「ん」

 

そう言って猛スピードで去って行った。

霊「瑞生、早速だけどお使い頼むわ」

M「はぁ、人里に?」

霊「そう。はいこれメモね」

M「はいはい」(まぁ、こんな関係になるのは分かっていたけどさ)

 

青年移動中……

M「人里と言ってもあの時とあんまり変わってないな」

あの過去で見た景色と似たような場所がそこにはあった。

至る所から声が響き、結構賑わっている。

 

M「まぁ、とっとと済ませるか」

探索はまた明日にして、買い物を終わらせることにした。

 

 

M「このメモからすると、今日は鍋なのかな」

買い物を終えてからそう考える。

そんな事を考えていると……

「先生さようならー」「先生バイバイ」

M「先生……ハクタクさんかな」

聞こえてきた子供達の視線の先には、案の定上白沢(かみしらさわ) 慧音(けいね) がそこに居た。

 

慧音(以後慧)「あぁ、気を付けてな」

一通り子供達に挨拶をすますと、こちらと目が合った。

慌ててお辞儀をすると向こうもお辞儀で返してくれた。

M「やっぱりいい人だな、あの人」

 

少し遅れたので飛んで帰ることにした。霊夢怒ったらマズイし。

霊「ちょっと遅いわよ」

結局少し怒られた。

 

食事中……

霊「里で何してたの?」

M「ほんの少し探索」

霊「明日になさい」

M「すいません」

霊「誰かと話したの?」

M「店員以外は。あぁでも寺子屋の先生と目が合ったからお辞儀だけ」

霊「慧音ね。多分仲良くなれるわ」

M「そっか」

 

 

結局家事は一通りすることになった。(洗濯は別)ただ部屋まで与えてもらったのでそれ位して当然だろう。

M「……」

まだ何一つ分からない事だらけだが、多分俺はここで暮らしていくのだろう。

M「まぁ、頑張るしかないな」

そう自分に言い聞かせて、今日は眠ることにした。




M「作者はヒモ、尻ひかれ、はっきりわかんだね」
これいる?このやり取り何回やるの?

原作、そしてDFFというゲームのクラウドさんをモデルにした技を使っていました。

これからもゲームネタだらけなので探してみて下さい。



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-これから-

どうも。友人は皆主にモンハン、そうでなくともPS4のゲームで楽しんでいるのにも関わらず最高でPS3、しかもそこまでせずにSFCやGBA等のレトロゲームが大好き過ぎて最近の話に全く付いていけないM・Mです(長い)
新しいゲーム欲しいなっと。

特に意図せずともフラグをどんどん建てていく瑞生。
その行動が後々の事件に深く関わっていく……。

では、どうぞ。


(※11話から)次の日。

M「どないしましょ……」

全く眠れなかった。

M「そう言えば俺枕が違ったり明日に行事があると眠れん小学生みたいな奴だった……」

 

霊「あら、早いのね。おはよう」

M「おはよう……」

霊「随分お疲れね、眠れなかったの?」

M「ごめん」

霊「いや、別に謝らなくても。朝ご飯にしましょ」

M「あぁ……」

 

青年食事中……

M「ご馳走様でした」

そう言って俺は皿洗い。ついでに季節は春が近いがまだ寒い。

M「季節が季節だもんなぁ。家主様は相変わらずの服だし……寒くないんだろうか」

そんな独り言があっただけだった。

 

M「ちょっと色々な所行っても良い?昼はどうにかするから」

霊「別に良いけど、あまり遅くならないでね」

M「ん、了解」

霊「あと……貴方ならどうかは分からないけど遠い場所には行かない方が良いわよ」

M「近辺回るだけだからさ」

霊「なら良いわ」

 

そう言って外出する事にした。主な目的はこうだ。

・出来れば仕事場が欲しい

・単純な探索

・土地勘をつける

 

M「居候の身だし。仕事しないといけないな……そう上手く仕事が見つかれば良いけど」

 

まずは、里を探してみることにした。

M「ここなら何かあるだろうし……ん、あれは?」

視線の先には掲示板みたいのがあった。

M「困りごとが色々と……まずはこういうのでも悪くないな、どれどれ」

何枚かの内の一枚を取った。

M「お届け物か……これなら簡単そうで良いな、依頼人の宛先は、っと」

 

数分後

親切な人が場所を教えてくれて、なんとか辿り着いた。

住人「貴方が依頼を受けてくれたのですか。でもこれ結構危険ですよ」

M「危険、とは?」

住人「届けて欲しい場所がかなり危険な場所なんです」

M「……結局何処ですか」

住人「紅魔館という場所なんですが。この場所に夜七時に届けて欲しいというのが依頼内容です」

M「何で夜?」

住人「それは分かりません……ただ紅魔館は森の奥にあるみたいなので」

M「まぁ、夜の森は流石に怖いですな」

住人「そうなんです……大丈夫ですか?」

M「無論大丈夫。是非ともお任せ下さいな」

住人「宜しくお願いします」

 

 

M「この品物を七時に紅魔館に、か」

紅魔館。勿論知っている。あのカリスマおぜう様やら色々いる場所だ。

M「確かに正直言って怖いよな。まぁ、仕事だし」

場所を教えて貰ったが少し遠い。早いかもしれないが六時位には向かう事にしよう。

 

 

 

まだ時間はあるので他の仕事を探す事にした。

掲示板の端っこにある紙を取ってみた。

M「なになに……教師募集中?寺小屋まで。慧音先生の所か」

丁度今日は日曜日、寺子屋は休みである。

教師。自分とは少し縁の無い話ではあるが……

M「俺成績はあまり良くなかったしな」

高校の先生からは非常に残念がられた、「非常に優秀な頭脳の持ち主なのに」と良く言われたものだ。

M(勉強は凄く好きなのにどうしてかなぁ……まぁ今悔やんでも意味ないけども)

ともかく行ってみる事に。

 

M「ごめんください」

???「はいはい、何用かな?」

M「教師の仕事と聞いて」

???「面接希望か、少し待ってくれ」

暫くして、

???「良いぞ、入ってくれ」

M「失礼します」

???「ん……君は確か、この前の」

M「はい」

???「君だったのか。まぁそれは良い、早速始めよう」

 

面接ターイム

慧「先に自己紹介をしておこう。私の名は上白沢 慧音だ」

M「如月 瑞生です。歳は18(適当)、今は博麗神社にお世話になっています」

慧「君なのか、博麗神社に居る外来人とは。生徒から聞いたぞ」

M「何故に生徒から!?」

慧「魔理沙から聞いたそうだ」

M(あいつ……)「そう、ですか」

慧「まぁそれは置いといて、教師は出来るのか?」

M「学業は大丈夫です(ホンマか?)教えるのはどうか分からないですが」

慧「本来なら試験だが……明日授業に出てみるか?」

M「そんな早速?」

慧「それで見極めてみるのも良いと思ってな」

M「分かりました、やってみます」

慧「そうか、なら六時半には来てくれ。あと明日やって欲しい授業はこうだ……」

M(くぅ……起きるのが辛いな、これはもう頑張るしかない)

 

授業内容を教えて貰った。珠算だそうだ。

M(起きるのはともかく(゚∀゚)キタコレ!!だな。珠算はかなり得意だ)

 

 

先生に挨拶をして神社に帰ると六時になっていた。時間過ぎるの早い。

霊「ふんふん、あそこの面接に行ったの」

M「それともうそろそろ依頼がある」

霊「依頼?掲示板の?」

M「そう。紅魔館への届け物」

霊「紅魔館ですって!?こんな時間からあそこに行くなんて危険よ?」

M「大丈夫だと思います(何故か敬語)」

霊「まぁ道中の妖怪はまたしても……あそこの住人には気を付けなさいよ」

M「ん、了解」

 

凄い霧が立ち昇っているため飛んでは無理そう。

M「一気に駆け抜けるか、ロックオン!」

ゼロになり早々と駆け抜ける。妖怪が襲ってくるが基本スルーで邪魔な奴だけ気絶させておく。

 

あっという間に門前に着いた。時刻はまだ六時十五分だ。M「やらかした……全然遠くないな」

門に誰かが居た。

M(そりゃまぁ誰と言えば美鈴しか居ないか、寝てるが)

寝てました。大丈夫かコレ。

M「おーい」

???「ムニャ、まだ食べ終わってません……」

M「おーきーろー」

???「ハッ……あらら、また眠ってしまってたか」

M「( ^ω^)」

???「わっ!」

M「ごめん下さいな」

???「ど、どちら様」

M「お届け物」

???「あれ?時刻は確か七時ですよ?」

M「あーすいませんね、早く着いちゃって」

???「んー……お嬢様は時間にルーズな方だからまだ無理かと」

M「あ、良いです。待ってるんで」

???「寒くないですか?」

M「全然」

美鈴(以後美)「そうなんですか……あ、申し遅れました。(ほん) 美鈴(めいりん)です」

M「如月 瑞生です」

美「瑞生さんですか。こんな遅くにご苦労様です」

M「瑞生で良いですよ」

美「なら私の事も美鈴で結構ですよ、あと別に敬語じゃなくても」

M「ありがとう。あんまり得意じゃないんだ、美鈴も普通で良いよ」

美「うん」(あれ、何で私初対面なのにこんなに仲良くなれてるんだろう)

 

それから色々教えて貰った。この館についても。

M「まさか美鈴が妖怪だったとは(知ってるけど)結構長く生きてる?」

 

M・M(レディーに歳を聞くとは何事だぁ)

 

美「歳はパス。この館に人間は咲夜さんだけよ」

M「咲夜さんか……」

美「噂をすれば」

???「あら?もう着いていたの……まだ十五分前よ」

M「すみません」(咲夜さんだ)

???「いや、良いのよ。荷物ご苦労様でした」

M「はい、それでは。美鈴もまた」

美「またね」

そう言って俺は紅魔館を後にした。

???「美鈴、彼とは知り合い?」

美「いや、初対面です」

???「随分親しい感じだったけど」

美「面白い方ですよー。咲夜さんも仲良くなれますよ」

咲夜(以後咲)「そう」(仲良くなれるかは置いといて、夜のこの森を来たという事は妖怪にも襲われているはず。出会わなかったのかしら?余程運が良かったのか、もしくは……)

 

 

 

帰りも全力疾走。すぐにお家に帰りました。

霊「お帰り。大丈夫だった?」

M「何度か妖怪に遭ったけど全力スルーした」

霊「そ、そう」

M「あそこの門番と少し仲良くなった」

霊「門番……あぁ、美鈴ね」

M「メイドさんにも会った」

霊「咲夜ね」

M「ま、無事依頼完了(ミッションコンプリート)だ。明日報酬貰いに行くよ」

霊「そう、良かったわね。夜ご飯にするわよ」

M「あいあい」

 

夜は魚でした。魚も大好きだから問題ない。

今日は今日で、明日は明日で大変だろう。

M「明日もまぁ、頑張っていくとしましょうかね」

霊「まぁ、応援はしてるわよ」

M「サンキューな」




突然どうでもいい情報ですが、瑞生の
・朝に弱い
・ドジ、ヘタレ、ビビリ(お化け系、ビックリ系は特に駄目)
等の性格は私です。ついでに現実はもっと酷く、高所恐怖症、暗所恐怖症でもあります。
勉強は出来ません。でもクイズや雑学はかなり得意です。

後完全に忘れていましたが、容姿は至って普通です。イケメンでもブサイクでもありません。
描いて挿入したかったのですが、自分は絵が壊滅的に下手なのでご勘弁下さい。


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-先生って大変だね(by瑞生)-

どうも。
投稿ペース遅くてごめんなさい。
M「あくしろよ」

自分はPCとスマホで書いていますが、間違い(直していますが時折……が・・・になっている事がある)があってしまうので基本はスマホです。

主人公は残念ですがデリカシーが無く、これからも色んな人からお話を受ける事があります。

では、どうぞ。


寺小屋にて

 

面接の代わりにやらせてもらった授業は大変だった。

授業が出来ても先生は生徒とのコミュニケーションを取らなければならないのだ。

新しい人ながらも生徒達は仲良く接してくれたことに感謝である。

M(先生って大変なんだな……えぇと、次は)

しどろもどろになりながらもなんとか終了。

 

慧「うん、素晴らしい出来だったぞ。先生の素質があるようにも思える」

M「そうですかね……最後辺り何言ってたのか思い出せないです」

慧「誰でも最初はそんなものさ。これからだ」

M「と、言う事は」

慧「あぁ、合格だ。是非とも此処で働いて欲しい」

M「ありがとうございます」

 

それからこの学校について、科目について、時間について等、様々な事を教えて頂いた。

 

M「そう言えば先生」

慧「何だ?」

M「この学校の生徒は人間だけでは無いんですね」

慧「あぁ。だが妖怪にも良い奴は居るし、今居る生徒は皆仲が良い。妖精とかも居るぞ」

M「良いですね、そういうの」

慧「どうしても人間と妖怪は敵、というイメージがあるからな」

M「凄いですね、先生は。そういうの気にせずに教えているとは……まさしく教師の鏡ですね」

慧「そんなに褒めないでくれ///これが当たり前だ」

M「先生も妖怪なのに」

 

一瞬間が空いた。

 

やっちまった!とは思っている。後悔もしている。

 

慧「瑞生、隠すつもりは無いし、ちゃんと言おうと思っていたが……何で私が妖怪だと分かった?」

M「え、ニオイとか感じとか」

慧「お前は人間か?嗅覚で分かるとか妖怪レベルだぞ」

M「そうですかねー、まぁ俺は人間なんで気になさらず」

慧「あ、あぁ」(……疑うつもりは無いが、こいつは一体何者だ?)

 

 

博麗神社にて

M「霊夢。早速決まったわ、仕事」

霊「そう、良かったわね」

M「あれ?意外と喜んでない」

霊「喜んでるわよ?」

M「てっきり金で滅茶苦茶喜ぶkふべしっ!」

霊「貴方私を何だと思ってるのよ!」

殴られてからついでに頬をつねられてる。

M「ご、ごめんなひゃい」

霊「それで?寺小屋で働くの?」

M「あぁ」

霊「まぁ、頑張りなさいよ」

M「勿論」

 

 

 

 

あれからしばらく経った。少しは先生にも慣れ、生徒とも仲良くなり始めた。

慧「どうだ?最近は」

M「楽しいですね、まだ教え方は未熟ですが……近頃は生徒との触れ合いって大事だと思ってます」

慧「その通りだ。良く分かってるじゃないか」

M「あざっス」

慧「お前の場の和ませ方とかは私も見習いたいものだ。別にお前は未熟なんかじゃ無いぞ」

M「先生少し固いですからね」

慧「なっ……どういう意味だそれは」

M「あっ何でもございませんよ(汗)」

慧「瑞生。ちょっと放課後お話をしようか」

M「……ハイ」

 

あっ……(察し) って感じで。

 

そんなこんなで慧音先生とも仲良くなったものだ。(?)

 

お話後(ww)

慧「そう言えば瑞生」

M「何ですか?」

慧「少し困った生徒が居てな」

M「チルノですか?」

慧「む、分かるか」

M「まぁ確かに少々問題児ですけども。良い子ですよ」

慧「それは分かってるさ」

M「学校内でも人気者じゃないですかね」

慧「それはそうなのだが、問題は放課後なんだよ」

M「放課後?」

慧「大妖精から聞いたのだが」

M「大ちゃんから?」

慧「チルノのやつ、毎日遊んでるのは良いが少し帰る時間が遅いのと場所が遠いとの事だ」

M「はぁ」

慧「妖精とは言えあまり遠くで遊ぶのは感心しないな」

M「まぁ、子どもは遊ぶものですけど」

慧「それでだ、瑞生、すまないが……」

M「分かりました、少し確認してこれば良いんですね」

慧「すまない。助かるよ」

 

次の日、俺は大ちゃんに話しかけた。

M「大ちゃん」

大妖精(以後大)「は、はい」

M「慧音先生から話を聞いたよ。今日チルノに少し注意しに行こうかと思って」

大「あ、お願いします」

 

いつも遊んでいる場所を教えて貰って、放課後になった。

場所は紅魔館の少し遠くの湖である。

確かに広くて少し秘密の場所っぽいし、遊び場には適していると言えよう。

M「こんな場所で遊んでるのか」

近くに行くと、遊んでいる声が聞こえた。

 

M「ん、いたいた」

???「あれ?先生だ」

大「こんにちは」

???「何で此処に?この場所はボク達だけしか知らないはずだけど」

M「ちょっと慧音先生に頼まれてね。お前達の事を確認するように」

(大ちゃんが言った事は言わない方が良いな)

「少しストーカーっぽいけどチルノを付けさせてもらったよ」

 

チルノ(以後チ)「あたいの後を付けるとは……流石だねせんせー。リグルも大ちゃんも気付かなかった?」

リグル「いや、全然」

大「私も」(全然分からなかった……)

チ「で、どうして慧音先生から?」

M「少し遊び場が遠いのと時間が遅いらしいけど、どうなんだ」

リグル「まぁ、言われてみれば」

大「そうだね……」

チ「そ、そんな事は」

リ「でも最近はチルノがボクらに教えてくれてたよね」

チ「ちょ、ちょっと待って……あたいが悪いみたいじゃないか」

M「そうなんじゃないのか」

チ「うっ……」

M「まぁ、子供は遊んでこそだしな。慧音先生どこかしら厳しい所あるしなぁ」

大「瑞生先生……」(チルノちゃんを咎めに来たんじゃ……?)

 

そんな大ちゃんをよそに、他二人がとんでもない事を言い始めた。

リグル「そう言えば先生、人間なんだよね」

M「そうだな」

チ「戦える?」

M「は?」

大「チルノちゃん、それは流石に駄目だよ。慧音先生に怒られるよ」

チ「大丈夫、バレなきゃ」

M「バラすぞ」

チ「え」

M「俺の前で堂々と言うかそれ……んで?弾幕ごっこの申し込みか?」

リグル「流石先生話が早いね」

チ「申し込む!」

M「はぁ……何でそうなるんだよ」

大「ごめんなさい先生……チルノちゃん弾幕ごっこが大好きで」

M「戦闘狂か」

チ「違う!しようよ先生。どうせなら何かを賭けて」

M「お、賭け事か……嫌いじゃないけども」

チ「それじゃぁ」

M「んー、バレたら俺も怒られるが致しかねないな(意味不)その勝負受けて立つ」

チ「あたいが買ったら、宿題一週間無し!」

リグル&大&M(しょうもなさ過ぎる……)

M「俺が勝ったら慧音先生とお話だな」

チ「えっそれは……(汗)」

M「じゃけんとっとと始めましょうね~」

 

 

 

 

 

M(時間が無いな、早く慧音先生に言わないといけないし。仕方ないか)「三人とも、今からやる事は絶対に他言無用だぜ……言ったらお仕置きだ」

チ「な、何?」

M(変身は流石にやめとこ)

いつも通りにゼットセイバーを。

大「う、嘘!?」

リグル「先生はただの(・・・)人間じゃなかったのかい?」

チ「先生、その剣は……」

M「チルノ、行くぜ!」

 

次回、チルノ戦




M・M「瑞生は戦闘狂、はっきりわかんだね」
M「いつもと逆だな……それと違うぜ?」

お話はお話でO☆HA☆NA☆SHIではございません。
主人公はゼロと契約的な感じであり、感情の高まり魂が宿る時もある。人間の状態でもゼットセイバーが出せます。

どう考えても弾幕ごっこは出来なくて負けるので相手を行動不能にすればいいだろ(迷推理)な主人公ですが
これからも宜しくお願いします。


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-VSチルノ そしてはじめての異変-

どうも。
馬鹿野郎お前!だからタイトルがはじめてのおつかいっぽくなってるだろ!

M・M「センセンシャル!」

タイトル通りです。おまけっぽくなってますがメインは紅霧異変となっております。

では、どうぞ。


M「悪いが、さっさと終わらせてもらうぞ」

チ「あたいだって負けないよ」

残機3 スペルカード3枚まで

 

M(もしかしたら先生来るかもしれないし、チルノにゃ悪いが)「創世の炎を胸に抱く灼熱の王、灰燼に帰せ……地獄の火炎、イフリート!」

チ「え?何これ?」

M「イフリート、ウォークライ!」

※単純な攻撃力強化

イフ「援護する、行け!」

そうして手に炎を集め、

イフ「メルトクリムゾン!」

巨大な炎球がチルノへと飛んでいく。

チ「ひゃぁーッ!?」

距離が遠かったのか、避けられた。

M「問題ない、行くぞ、魔法剣ファイガ!」

チ「あたいだって!スペルカード使用、氷符、アイシクルマシンガン!」

言葉通り、機銃の如く氷雨が来る。残念ながら突然過ぎて避けきれなかった。

M「うっ……速いな」

予想以上に弾の扱いが上手い。

M(もっと魔理沙みたいなパワータイプだと思ってたけど)「チルノ、やるな」

チ「褒める前に足元注意だよ!」

え「へっ?うぁっ!?」

全く体が動かなくなった。足元を見てみると。

M「何だ?トラップか」

氷を水と合わせ、踏んだら拘束する簡単な罠だ。

しかし。

チ「凍符、パーフェクトフリーズ!」

当たり前だが、スペルカード入りました。

M「げっ、不覚……いきなり残機が」

意外と攻守優れている。いや、自分が調子乗り過ぎた。

チ「先生弱いね」

M「んなっ……」

見ている他の二人もなんだかビックリしている。情けない……

M「分かったよ。もうすぐに終わらせてやるさ」

かと言えどゼロじゃないからそんな事は出来ない。

M(ダメだぁ……俺もスペルカード無いし、ゼロじゃないとやっぱり弱い~)

チ「とどめっ!」

とどめを刺そうと近づいてくる。

M「甘いッ、この間合いなら!」

と、カウンターを決めようとした時。

大「あ、誰か来る」

リグル「慧音先生だ」

M「え」

チ「スキありっ」

止まった隙にチルノが放った弾が横っ腹に命中。

M「むほっ……!」

チ「勝った!」

M「負けた……」

 

慧「成程。止めさせる為に勝負に乗って尚且つ負けたと。瑞生( ^ω^)」

M「はい。全部俺が悪いです」

慧「だがお前達もお前達だぞ」

リグル&チ&大「ごめんなさい」

M「いや、何だかんだ言って俺の責任です。はい」

慧「はぁ、全くお前は……」

 

何だかんだで皆帰宅。俺は先生から説教。

慧「何で普通に止めないんだ、と言うか勝負を買ったなら勝つものだろう。そもそも勝負することがまず間違っているのだ。くどくど……聞いているか!瑞生」

M「う、ウイッス」

 

 

 

帰って、

霊「それで遅かったのね」

M「ごめん」

霊「いや、別にそんな遅くは無いし。ただご愁傷様ね……慧音からの説教とは」

M「へっへっへ(苦笑い)」

その夜、ふと考える事があった。

M(今日の俺、正直弱い。あんな簡単なトラップにも掛かって尚且つボコボコにされて)

凄く情けなかった。弱いの言葉が強く胸に突き刺さった。

M(俺はゼロが無いと戦えないのか?結局その程度なのか?)

どれだけ分かっていても、俺は人間だ。悩む必要のない筈なのに、悔しい。

M(はぁ、今はまだ自分にどんな可能性があるのかは分からないけど)

それでも頑張らなくてはならない、この世界で生きていくのなら。

 

 

 

ちゃんと鍛錬は怠ってはいないが、これといって何かがある事も無く。

桜の下、雨の中も、何も無い日々。

M「暇だなぁ……何か面倒事があればいいのに」

霊「私は嫌よ。異変が起きたら大変ったらありゃしない」

M「まぁ、それはそうだけど」

梅雨ももうじき明けそうである。季節は夏を迎えようとしていた。

 

 

 

 

ある夏の日の事。

俺はいつも通り買い物を頼まれて人里に行き、先生に挨拶してから帰り、縁側でボーっとしていた。

M「暑いなぁ」

霊「そうね」

そう答える霊夢は問題なさそうだ。

M「俺、暑いの苦手だから……」

霊「貴方冬の方が元気そうね」

M「寒さは良いけど、暑いのは我慢ならん」

霊「夏バテね」

M「運動不足だ」

 

彼はそう思ったのか外へと出て行った、と思ったらすぐに戻ってきた。

M「霊夢、何か外がヤバイ」

霊「何が?」

M「空が」

彼が指さした空は、いつもの青とは違い、どす黒い赤に染まっていた。

霊「どういう事?」

M「色の流れからして紅魔館の方角かな?」

霊「嫌な予感しかしない……」

M「うーむ」

霊「はぁ、仕方ないわね。行くしかないわ」

M「そうだな、放置しておく訳にもいかないし」

準備をして出かける事となった。先程外に出た時の暑さは無く、少しひんやりした空気があった。

 

M(紅霧異変、ね)

 

 

途中で異変を嗅ぎつけた魔理沙も連れて、紅魔館へと急ぐ。

魔「あれって何なんだ?」

霊「こっちが聞きたいわよ。瑞生は分かるの?」

M「いや、分からん」

霊「お手上げね。しかしまぁ、この霧のせいで妖怪が出てこないわね」

魔「変に襲い掛かられるのも面倒だし、それはラッキーだぜ」

M「涼しいし」

 

談笑している間に着いた。そして、門には……

 

M「寝てるな」

魔「寝てるぜ」

霊「この状況で良く寝れるわね」

美「zzz」

 

霊(これって傍通り抜けれる?)

魔(やってみるんだぜ)

M(いや、美鈴は……)

美「起きてます!」

魔「げっ」

M「でしょうな」

美「あれ?何でこんなに空が暗いんですか?ってこの霧は!?」

霊「本当に起きてた?」

M「美鈴、どうやらこの霧は紅魔館から出ているみたいで。止めないと駄目なんだ」

美「えぇぇ?」

魔「絶対知らない感じだぜ」

 

咲「もうここまで来るとは……流石は行動が早い」

M「あんたは・・・」

美「咲夜さん、本当なんですか?」

咲「お嬢様達のご命令です。何人たりとも近付けてはいけないと」

美「え、それって」

咲「侵入者は排除しなさい、寝ていた事もそれで見なかった事にします」

そう言って次の瞬間に咲夜はこの場所には居なかった。

霊「美鈴……」

魔「二人とも、とっとと先に進まないと」

M「美鈴、どうなんだ」

 

美「……ごめん、瑞生」

戦闘態勢を取る美鈴。

M「霊夢、魔理沙。先に行け」

霊「でも……皆で戦った方が」

魔「いや、時間はあまり無さそうだぜ」

M「魔理沙の言うと通りだ。手遅れになる前に早く」

霊「分かったわ。早く来なさいよ」

魔「負けんなよ」

M「勿論」

 

 

 

美「で、どうするの?知っているでしょ?私が妖怪なんて事」

M「分かってるさ、そしてかなりの武道の達人って事も」

美「!?私は一度もそんな事は・・・」

M「普段の立ち振る舞いから、大体の気の感じから分かるよ」

美「瑞生?瑞生って人間じゃ・・・?」

M「人間さ。普段はな」

美「……?」

M「悪いが俺は先に進まなきゃいけない。ごめんな美鈴……ロックオン!」

美「!!!」

そこには普段の彼とは全く違う誰かが居た。

そして、戦いにおいてはそれなりの経験がある美鈴は一瞬で理解した。

 

美(強い……!)

M「素手に対して剣は卑怯だな。こっちも素手で戦うよ」

俺はグッっと拳を握りしめ、

M「行くぞ、美鈴!」

美「負けない!」

 

 

 

始まって暫く時間が経ったが、激しい殴り合い、蹴り合いで中々進まない。

M(予想以上だ……強いとは思ってたけど。これは絶対長引くな)「掌底破(しょうていは)連牙弾(れんがだん)!」

全部受け止められる。

M(是非とも長い時間掛けてお手合わせ願いたいが……今は時間が無い。仕方ないか)「一気に終わらせてやる!」

オーバーリミッツ!(感じだけ)

美(何!?この闘気は・・・)

M「輪舞旋風(ろんどせんぷう)!続いて三散華(さざんか)追蓮(ついれん)!締めの双撞掌底破(そうどうしょうていは)!」

美「くっ……!」

流石に耐え切れず、

美「きゃっ!?」

ガードブレイク。

当然狙わない手は無い。

M「終わりだ!臥狼咆虎(がろうほうこ)!とどめ、決めるぜ!荒れ狂う殺劇の宴!殺劇(さつげき)……舞荒拳(ぶこうけん)!」

適当に蹴ったり殴ったりしている訳では無く、全身を万遍無く攻撃する。素手での協力な秘奥義だ。

 

美「うっ……そんな、手も足も出ないなんて」

M「……」

最後に、彼女の首元へと一発。

美「あ、ぅ」バタッ

M「ごめんな、また機会があればひとつ頼もう」

楽な態勢で寝かしておいて、館の中へと急ぐ。

 

M(少しタイムロスしたな……)「待っててくれ、二人とも」




話中に瑞生も言ってましたが、特別な力を得ているとは言えども瑞生は弱いです。現時点ではかなり弱い。
力を持っているだけで全く使いこなせていない(召喚獣を使ってもチルノに勝てなかった事から)

残念な主人公ですが、これからの成長に期待。


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-紅霧館での異変-

どうも。

この前書きも何も言わない時もございます。

運命を見る事が出来るって考えてみれば未来を見るのと同じ様な能力ですよね(そんなに万能では無いとは言えども)

では、どうぞ。
主人公はどうなるのでしょうか。
では、どうぞ。


入ったらメイド達の遺体……では無く気絶しているだけだった。

メイド達の倒れている場所からみて霊夢達は地下へと向かった様だ。

 

M(入るのは初めてだけど……広いなぁ)

何か目印とかが無いと絶対迷う。方向音痴の俺にはかなりキツい。

その時、

M「!?」

かなり大きな音がした。もっと下の方からだ。

M「戦っているみたいだな」

音が聞こえる方へ急行する。

 

着くと、長い廊下で戦っているは霊夢と魔理沙のコンビと、あのメイド長、咲夜だ。

 

咲「早かったですね、美鈴……ちゃんと時間稼ぎをしろとあれほど言ったのに」

霊「瑞生!」

魔「遅いぜ」

M「いや、それなりに早かった方だと思うけど」

 

咲(流石に3対1は分が悪いですね。感じからしてあの配達員、瑞生である事は間違いありませんが……何にせよ未知の存在は危険の可能性があります)

霊(瑞生が来てくれたのは嬉しいけど……咲夜は強い。ここは瑞生を先に行かせるべきね)

魔(このまま戦っても時間掛かるかもしれないんだし……ここは瑞生を先行させた方が良いんだぜ)

M(咲夜の能力は初見にはチートですな。このままだと絶対にジリ貧になるし……ここは先程みたく二人を進ませよう)

 

M「二人とも」 霊&魔「瑞生」

M「え?」 霊&魔「え?」

M&霊&魔「あの……」

咲「何をなさっているのですか、貴方達は」

M「二人とも、先に進んでくれ」

霊「いや、ここは瑞生が進むべきよ」

魔「恐らくこの先に紅魔館の主(レミリア・スカーレット)が居る筈だぜ。そうなったら瑞生が戦った方が良いと思うぜ」

M「でもなぁ……いや、そうさせて貰うよ。援護頼む。突っ込むから」

霊「分かったわ」 魔「りょーかい」

 

二人が弾幕を放ち、その後に付いて行く感じで走る。

だが、その弾幕をすり抜ける様に咲夜が現れ数本ナイフを投げつける。

M「うわっ」

避け、さらに切り落とす。

咲「何を考えているのかは分かりませんが、私がいる限りここは通させません」

霊「瑞生!言い忘れてたけど咲夜の能力はー」

M「時間を操る程度の能力、だろ」

咲「……どうして知っているのですか?」

M「さぁな、それよりも退いて貰おうか!奥義!魔皇刃(まこうじん) !」

咲「くっ」

M「時間を操ってどうこうするのは確かに凄いが俺を止めるなら結局近接で挑むしか無いぜっ!」

咲「彼に近接戦闘を挑むのは確かに無理がある。しかしきちんと死角から攻撃しているのに何故当たらない?まるでこちらの行動を読んでいるかのような)

M「それと一言、俺に集中し過ぎてるぜ。他のお二人もお忘れずに」

慌てて振り向くと、霊夢と魔理沙の共同のチャージ弾幕の準備が済んでいた。

咲「しまった!」

M「やっぱりタイムストップしてからすぐには出来ない様だな。リキャストタイムってやつだ」

二人の弾幕を普通に避けるしかなく、その隙に瑞生は奥へと走って行った。

咲「不覚……すみませんお嬢様」

霊「それと追いかけさせなんかしないわよ」

魔「まだまだお前の相手は私達だぜ」

咲「……」

悔しいが、どうしようもない。

 

咲(レミリア様に手間を掛けさせてしまうのは申し訳ないけど問題ないわ。どうせ彼も結局運命に弄ばれているのだから)

 

 

 

扉を開ければそこにいるのは一人の少女。

ピンクを基調とした、後ろに翼がある。

???「どこの誰かは知らないけど…ようこそ紅魔館へ。主のレミリア・スカーレットよ」

M「どうも、噂に聞くカリスマおぜうさま。自分の名は如月瑞生。外来人です」

レミリア(以後レミ)「なっ…貴方、礼儀があると思ったら中々に侮辱するわね」

M「そんなつもりは無いですが。普通に喋って良いですかい?」

レミ「良いわよ別に、コホン……それはともかく。止めに来たのでしょう?この霧を」

M「あぁ」

レミ「今までの戦い、見させて貰ったわよ。人間でありながら美鈴に勝って、咲夜までも追い抜くとはね」

M「そりゃどうも。お褒め頂いて結構なこった」

レミ「いい加減怒るわよ」

M「むしろ怒ってくれ」

レミ「貴方はマゾの気でもあるのかしら?」

M「とっとと終わらせたい。妹さんも悲しむぜ?」

レミ「ッ!?貴方、どこまで知っているの?」

M「知りたきゃ……」剣を構える

レミ「力ずく、ね。随分と好戦的じゃない?嫌いじゃないわ」

M(早く終わらせないと……妹さんが)

レミ「……?」

一瞬戸惑いの表情をした彼に少し疑問を抱きながらも、こちらも戦闘態勢を整える。

M「出来れば、戦いたくは無いな」

レミ「先に宣戦布告しておきながらどういう事かしら?」

M「それに、君は俺には勝てない」(案外高圧的に言ったら弱いのかな?)

その言葉に、ついにレミリアが怒る。

レミ「いい加減にしなさいよ人間……人間の分際で私に生意気な口を聞こうとするなんて言い度胸ね」

M「そちらこそ……吸血鬼の分際で俺に仇名すなど、傑作だな?」

レミ「何ですって……?」

M「冗談。良いリアクションありがとう」

レミ「殺すわよ、本当に。神槍、スピア・ザ・グングニル!」

彼女の代名詞とも言える技だ。これで急襲してくると思いきや……

ぐっと構える彼女に俺は疑問を覚える。

M(これは・・・投げ槍か!)「ノォォォォ」

全力で緊急回避。案の定投げてきて、元いた場所が爆発する。避けなかったら即死確定。

M「こわいよぉ……」←唐突なビビリ

しかし槍はエネルギー弾みたいな物で、彼女の手の中に戻る。

 

M「close combat(近接戦闘)だな、こうなったら!」

剣を構え、彼女に突撃する。

それに応える様に彼女の槍、グングニルと鍔迫り合う。

M「はぁっ!獅子戦吼(ししせんこう)!」

溜めた闘気を放つ。字の如くライオンの様に。

M「ライオンはとても誇り高くて、強いんだ」

レミ「?」

M「随分と大層な槍だが、あまり近接戦は得意じゃないなレミリア!」

レミ「ぐぁっ……!」

とんでもない速攻にガードブレイクしてしまった。

M「貰った……笑わせるな!ラフティバイドッ!」

レミ「きゃぁぁ!?」

剣に力を込め、真上へと打ち上げる。

M「壁にでも話してろよ……何てな」

今のはかなりの致命傷だった様で、立ち上がれない。

レミ「くっ……貴方、何者」

M「ゼロだ。どこにでもいる、ただの人間だ」

 

間。

 

レミ「……殺さないの?」

M「別に、手を出す理由は無い」

レミ「そっちから煽ってきた癖に」

M「それに関しては謝ろう。どんな感じかなと思ってさ」

レミ「何が?」

M「君の実力とやら」

レミ「成程、最初から私は貴方の手の上で踊らされていたのね。やるじゃない」

M「……」(そんな事考えてなかったけどな……)

レミ「それで?貴方の目的はこの霧を止める事でしょ?こんな所に居て良いの?」

M「その必要は無いさ」

彼は外を見て、その視線の先にあった外の景色は霧が消えていた。

M「そうやらあの二人が止めてくれたみたいだな」

レミ「と、いう事は地下に行ったのかしら」

M「それは知らない」

レミ「だとしたら嫌な予感がするわ!」

彼女は走り出した。まだ先程の戦闘の疲労もあるというのに。

M「ちょっと待てって」

彼女に近寄り、

M「錬気治癒功!」

次の瞬間、体が軽くなり、傷も癒えた。

レミ「どうして?」

M「行くんだろ?それに傷を付けてしまったのは俺だからな」

少し時間が掛かって、全快ほどまで回復した。

M「んじゃ、行こうぜ」

レミ「えぇ」(変な人間……)

 

 

地下に行くと、霊夢、魔理沙が居た。

M(凄い本棚の数……楽しそうだな)

レミ「パチェもこあも咲夜も。何してるの貴方達」

咲「すみませんお嬢様……止められませんでした」

咲夜はバインドされており動けない様子。

レミ「別に良いわよ。流石にやり過ぎたわ」

霊「瑞生。助かったわ」

魔「無事完了だぜ」

M「ん、感謝する」

パチュリー(以後パチェ)「レミィ。悪いけど暗すぎるわ」

レミ「貴方は引きこもってるんだから関係無いじゃない」

こあ「お嬢様、そちらの方は?」

そう言われて俺は変身を解く。

M「あぁ、申し遅れたな……俺は如月瑞生。一応外来人ということらしい」

レミリア「らしいって……それよりさっき貴方ゼロって言ったけどどういう事?」

M「あれはあっちでの名前。特に意味は無いけど」

レミ「とりあえず咲夜の拘束を解いてくれない?私が悪かったから咲夜ももう良いわ」

咲「分かりました」

霊「魔理沙」

魔「あいよ」

パッと彼女の拘束が取れた。

咲「申し訳ございません、お嬢様の命令とはいえ貴方達に危害を加えてしまったのを謝罪します。それと瑞生さんでしたか?色々とすみません」

M「瑞生で良いし普通で良いよ。俺も咲夜で良いかな?こちらも色々と非礼を詫びよう」

咲「分かったわ。宜しくね」

M「あぁ」

 

とりあえずは仲直り。まぁ元々霊夢達は知り合いだし問題ないだろう。

M「それは良いけどさ。フラ……じゃない。吸血鬼姉妹って噂には聞くけど居ないのか?」

紅魔館一同「…_」

M「ありゃ、これはタブーだったな。失礼」

レミ「そうね。出来ればその話は忘れてほs……何!?」

話しの途中で突如轟音が鳴り響く。慌てふためく一同。

咲「まさか……フランお嬢様が」

レミ「何ですって!?」

それに続いて他の者も走る。なんと本棚の間から階段が現れた。

M「ファッ!?」

霊「何か分からないけど付いて行った方が良さそうね」

魔「何か来そうだぜ」

M「でも行くしかないな。放ってはおけない」

そう言って瑞生も階段の先へ行った。

霊「まったくお人好しね」

魔「でもそこがあいつの良い所だぜ」




今までの話を見て、やっぱり戦闘描写が少ない!って思いました。そこら辺は後々増やしていくつもりなので……。

前回人間フォームだったとは言えチルノにボロ負けした主人公が今回は何かヤバい人になってます。
前にも記述しましたが、感情の高まりで主人公は別人格になってしまう模様。

次回でいよいよ戦闘編はラストです。


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-紅霧異変 VSフラン-

どうも。

今回で紅霧異変の戦闘編は終わりです。
果たして瑞生はハッピーエンドを成せたのか。

では、どうぞ。


階段の先は更に暗い空間だった。あまり長居はしたくないような場所だ。

M「何だ?この場所は一体……」

霊「私も何度か入った事あるけどこんな場所があったなんて知らなかったわ」

魔「同じく」

 

先に行けば行く程に強まるおびただしい気配。それはこの先にとんでもない何かがいるという事を示していた。

M「霊夢、魔理沙」

霊「言わなくても分かるわよ。何なのかしらこの気配」

魔「何と言うか、言葉に表しにくい不思議な感じだぜ」

 

お喋りも自然と無くなり、無言で暗い場所を突き進む。

 

M「着いたか?」

視界に映るは、赤。

夥しい気配の主は、そこに居た。

レミ「フラン!どうして出てきたの!?」

フラン「おねぇさま。私ももうそろそろ外にでたいなぁ」

パチェ「まずいわ……力が暴走してる……!」

小悪魔(以後こあ)「どどどっどうしましょう!?」

咲「美鈴は?こんな時に何処行ったの!?」 

霊「何だか……ヤバそうね」

魔「何だか入ってはいけない所に入ってしまった感じがするぜ!」

M(フラン……もう手遅れだったのか)「止めないと!」

 

レミ「フラン!言う事を聞いて!」

フラン「全部、壊していい?何もかも?あははははっははっははは」

M「駄目だこいつはやく(ry」

パチェ「レミィ……残念だけど止めるしか無いわ」

咲「このままだとこの館が危ないです」

レミ「くっ……やるしかないの?」

M「どうやら、そういう事みたいだな」

 

フラン「全部私が壊す……壊しちゃえ♪」

 

フランが持つ紅炎の剣、フランベルジュ。その剣から出される剣閃が、至る所を破壊しくす。一発でも当たれば致命傷になりかねない。

それを皆避けて、各自散会した。

M「皆!あいつの攻撃は一発でも当たれば致命傷だ。無理はせず全力で避けていく感じで頼む!」

レミ「言われなくても分かってるわよ!」

霊(全く近付けない……攻撃が早いし強いし激しいし……理不尽ね)

魔(何とか攻撃を当てられれば……全然弾幕が通らないんだぜ)

パチェ(魔法が全く通らないわね……やっぱり危険でも近接で行くしかないの?)

M「……ここは俺がやろう」

霊「危険よ!?」

M「そんな事は分かってる。それでもこのままだとこっちが負けるのが先だ」

レミ「……やれるの?」

M「少なくとも、此処に居る誰よりもは相手が出来る方だと思う。近接だしな」

パチェ「任せましょう。咲夜は今美鈴を呼びに行ってるし……私達ではとてもじゃないけど手に負えないわ」

こあ「せめて援護は私達に任せて下さい」

M「助かる。レミリアは……今は俺を除いて唯一の近接だからな、せめて戦闘の飛び火から皆を守ってくれ。お前の実力を見込んでの話なんだ。それだけで安心して戦える」

レミ「分かったわ。それだけ言うんだから勝つんでしょうね?」

M「さぁな。あいつがどれだけ強いか分からないし、何とも言えない。ただ……」

レミ「ただ?」

 

M「負ける気は無い!」

 

 

 

フラン「おにいちゃんはだれ?こわしていい?」

M「フラン……俺は瑞生。お前を助けに来たんだ」

フラン「助ける?」

M「あぁ。お前を、その狂気から解放してやるさ」

フラン「いや……やっぱり誰もシンジラレナイ……コワス!!!」

M「やっぱり、話し合いじゃ駄目か……仕方ない!」

 

いつも通り速攻で斬りつける。勿論受け止められ、更には……

M「うわっ!?」

更に強力な力で押し返され、受け止められない。

M(強いな……やっぱり二刀じゃなきゃ駄目だ)

すぐに二刀流にして、襲い掛かる彼女の太刀を何とか受け止める。

フラン「!!!」

M「へへ……これでもギリギリかよ、強すぎるぜ!」

腕がもげそうな位の力で押しつぶされそうになる。その華奢な体の何処からそんな力が出るというのか。

それでも、何とか鍔迫り合いが出来た。圧倒的に相手の方が強いが。

M「パワーでは駄目なら……スピードだ!風迅剣、断空剣!」

お得意の速さで立ち向かうが……

フラン「無駄だよ?」

M「げっ……」

簡単に受け流され、背後を取られそうになる。

M(下手な攻撃は逆に危険だな……ちゃんと考えて)「それなら!幻狼斬(げんろうざん)!」

フラン「だから当たらな……あれ?」

視界から彼が消えた。確かに剣を受け止めた感触があったが。

M「まだまだ!円閃牙(えんせんが)爪竜連牙斬(そうりゅうれんがざん)!」

フラン「うっ……!」

剣を曲芸の様にくるくる回して攻撃し、そこから自分も回り流れる様な華麗な連撃をお見舞いする。

受け止められたが、不利な態勢だった為か最後辺りは当たった。

フラン「すごいねー。しばらく痛みっていうのが分からなかったから……これが痛い?このじんじんする様な暑い様な……面白いね!」

M「……」

フラン「お兄ちゃんは特別に色々してあげる……禁忌、クランベリートラップ!」

M「何だ!?」

彼女の足元の魔法陣からビットの様な何かが現れ、瑞生の周りをくるくる回る。

パチェ「瑞生!避けて!」

そう言われて避けた。瑞生の元居た場所がそのビットから出たレーザーで焼き尽くされる。

M「うふぁ……助かったぜパチュリー!」

パチェ「よそ見しないで!」

M「あぁ……分かってるさ」

 

 

その後も暫く戦いは続いたが、膠着(こうちゃく)状態が続いた。

M(膠着って言うか……明らかに俺の体力が切れるのが先だな。結構被弾も多いし)

瑞生は結構被弾していた。その被弾一回一回が結構痛くて、辛そうである。

霊「瑞生!私達は良いから自分を守って!」

魔「自分の体を心配するんだぜ……!」

M「お前らが被弾したらヤバイだろ……俺なら大丈夫だからさ、ッツ!守護方陣!」

飛んでくる弾幕を、結界を張り皆を守る。

レミ「どうして……そこまで守ろうとするの!死ぬわよ!?」

M「お前らにも、フランにも……出来るなら俺はもう、誰にも傷ついて欲しく無いんだよ!」

 

その言葉にフランが反応する。

フラン「せめて……」

M「……?」

彼女の言葉に疑問を持った刹那、

M「ッッツ!!!体、が……」

霊「瑞生!?」

M「来るなっ……!」

フラン「せめて……苦しみなく壊してあげるから」

 

彼女の刃先が光る。

M「甘い!白虎宵閃牙(びゃっこしょうせんが)!」

斬り上げからの更に二連撃。

フラン「確かに決まったのに……」

M「その狂気で俺を飲み込もうとしたんだろうが、俺はそんな弱くないぜ」

フラン「うるさい……禁忌、レーヴァテイン!」

一本の紅いレーザーブレイドを出したと思ったら、それを振り回した。

M「くそっ、弾幕が!」

パチェ「任せなさい!日符、ロイヤルフレア!」

巨大な炎がフランの弾幕を打ち消した。

M「助かった!負けねぇぞ……襲爪雷斬(しゅうそうらいざん)!」

剣から放たれる雷が彼女の手元を狙う。

フラン「当たらないよ?」

明らかに当たった筈なのに、いつの間にか背後を取られていた。

M(狂気によって限界までに身体能力が上がってる……これはただの技や奥義では当たらない!)

「やっぱり秘奥義に任せるか……ただ攻撃が当たらなければどうしようもないな」

 

魔「瑞生!今から私達が一斉に攻撃するからそっちも強いの一発かましてやるんだぜ!」

M「マジか!それは本当に助かるぜ!一瞬で良いから止めてくれ!」

次の瞬間,

霊「霊符、夢想妙珠(むそうみょうじゅ)!」

魔「恋符、マスタースパーク!」

レミ「紅符、スカーレットシュート!」

パチェ「月符、サイレントセレナ!」

 

それぞれの強力なスペルカードが合わさってフランとぶつかる。だが……

霊「くっ……四人でも押し通せないなんて!」

四人の力を彼女はなんと一人で、そのフランベルジュで受け止めていた。

フラン「この程度……!」

結局、弾き返された。だが、彼女もやっとの事だったので……

M「あいつらは当てる事が目的じゃないさ・・・覚悟しろ!岩斬滅砕陣(がんざんめっさいじん)!」

一瞬の隙に奥義を叩き込む。そして・・・

M「飛翔せよ、疾空の刃!!秘奥義! 翔王(しょうおう)絶憐衝(ぜつれんしょう)!!!」

フラン「きゃぁぁっ!あっくぅ……」

 

立ち上がれない程の致命傷だった。当然殺さない位に手加減はしたが……

フラン「いや……もう、暗い場所は……独りぼっちは、嫌だよぉ……」

 

 

その場に座り込んで泣いた。ボロボロと涙を流しながら。

それと同時に、彼女から出ていた強い気配も消え、空気が楽になった。

終わったのだ。とりあえずは、だが。

 

M「ハァッ……ハァッ……何とかなったか……疲れたぁ」

そう言って彼は倒れた。それなりにボロボロの体で戦っていた為に、遂にはぶっ倒れてしまった。

霊&魔「瑞生!」

それと同時に、

霊夢が瑞生を受け止める。すると、両手に温かい何かが触れる。

霊「……?」

手をみると、

霊「いやぁぁ!?」

血だった。たっぷりと出血していた。

その叫び声と共に、

咲「お嬢様!」

美「はへぇ~咲夜さん急ぎ過ぎ……って何ですかこれは~!?」

レミ「丁度良かったわ二人とも!急いで瑞生とフランを治療して!部屋も用意するのよ!」

咲「はい!美鈴、二人を運んで!」

美「は、はい~!」

 




瑞生はアレとしてもゼロはまぁ、強いです。
戦闘描写少し増えた?って感じでした。

主人公頑張りました。


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-紅霧異変の終わり そして話し合い-

どうも。
瑞生は守る為には自分を忘れてしまう1種のおバカかもしれない。さらに敵である存在も助けてしまう甘さの持ち主であるが、沢山の人々が動かされてゆく。

紅霧異変、終焉。
そしてタイトル通りおしまいの話し合い。


何処だろう、この暗い場所は。

何も見えない、何も聞こえない。

M(あれ?俺って死んだ?)

フランと戦って、あの後倒れてしまって……。

M(あらら……カッコ悪ぃ)

彼女はどうなったのだろうか。せめてあの狂気から救う事が出来たんだろうか。

 

M(まぁ……もしフランが助かったのなら、良いか)「長い事生きてるしな……死ぬ感覚が分からないや」

霊「何馬鹿な事言ってるの!目を覚まして!」

M「ファッ!?」

目が覚めた。そこには霊夢と魔理沙が居た。

霊&魔「瑞生!」

二人は思わず抱き着きそうになる程の勢いで飛び出してきた。別に飛び着いて来ても良いんだけどね。

M「此処は……紅魔館?」

霊「そうよ、あの後貴方とフランは治療されて運ばれたのよ」

M「フランは!?」

魔「フランは傷の方はそこまでで泣き疲れただけだったぜ。それよりもお前はかなり出血も多かったし危なかったんだぜ?私達も治療が大変だったんだぜ」

M「あぁ……それはすまなかった。迷惑かけちゃったな」

魔「いや、そんな事は無かったんだぜ///」

M「何でそんなに顔が赤いんだ?」

霊「ちょっと魔理沙!その話はストップ!」

魔「わ、分かったぜ」

M「???」

霊「もうじきレミリアが来るからちょっと待ってて」

M「あぁ」

そう言って二人は出て行った。部屋には俺一人。

M(フランは無事か。なら良かったけど)「これで、良かったんだよな……」

 

 

暫くして、紅魔館一同(フランは除く)がやって来た。

レミ「どうかしら?傷の方は」

M「特には問題ない」

咲「でも、かなり出血が酷かったけど」

M「傷の治りが速いからな。こう見えても体はタフだぜ」

パチェ「そういう問題では無いと思うけど」

こあ「まぁ無事なら良いじゃないですか」

美「フランお嬢様も無事ですし」

レミ「それはそうだけど……やっぱり今回の事件に巻き込んだのは私よ。責任は取るわ、ごめんなさい」

M「霧に関しては止めに来たのはそうだけどフランに関してはお前らの責任では無いだろ」

レミ「身内が引き起こした事には変わり無いわ」

M「ふむぅ」

霊「とりあえず瑞生は傷が治るまでは館に居させて貰う方が良いんじゃない?」

魔「その体じゃ辛そうだぜ」

M「別に、そんな事は無いけど……」

レミ「それは勿論そうさせて貰うわ」

M「えぇ……拒否権は?」

 

全員「その体で何言うか」

 

M「……ハイ」

 

 

レミ「ともかく。今回の事はごめんなさい」

M「そこは、ごめんじゃ無くてさ」

レミ「?」

M「ありがとう、だと思うけど」

レミ「……どうして、そんな風に言えるの?」

M「はい?」

レミ「私もフランも貴方を殺そうとした。なのにそんな事どうでも良かったかの様に話す。私なら絶対に許せないわ」

M「……」

他の皆が黙り込む。

レミ「殺されそうになった相手を何故助けるの!?理解出来ないわ!」

そう言い放った。

咲「お嬢様!」

咲夜の声でようやく我に返ったが、もう時既に遅かった。

レミ「ッツ……」

やってしまった。こんな事を言える立場じゃ無いのに。

 

M「俺だって、先にレミリアやフランを傷つけた。それに対して怒った。正当防衛だろ?」

レミ「……」

レミリアは俯く。

M「ってのは建前で、一番の理由は……お前らが悲しそうだったからさ」

レミ「悲しい?」

M「何があったのかは置いといて、本当のフランはとても寂しそうだったし、それを見たお前も、皆も辛そうだった。そんなの嫌だろ」

レミ「でも……」

M「二人が俺を殺そうとしたのは仕方ないとも言っていいし、俺も別に何も思わないさ」

レミ「そんなの……理由にならないわよ」

だんだんレミリアの声が小さくなっていく。

 

M「あのさぁ……先程から何なんだよ一体!」

ついに瑞生が怒った。

全員「!?」

M「別に俺が良いって言ってるのにごちゃごちゃと……俺口下手だからそういうの苦手なんだよ!」

霊(瑞生が怒ってる所なんて初めて見たわ……)

M「第一!理由もへったくれも無いだろ。

 

誰かを助けるのに、理由なんて要らねぇよ。俺が助けたい、そう思っただけだ」

 

自分で作り出してしまった沈黙なのに、どうしようも無く嫌になる。

M「あぁ~もうこういうの嫌いなんだよ!俺もフランもお前も皆無事なんだから気にするな!もうこの話は終わり!閉廷!」

咲(閉廷?)

霊「そうよ。あんまり思いつめたら体に悪いわよ」

魔「結果オーライだしこればっかりは瑞生の言う通りだぜ」

 

レミ「……ちょっと、時間を頂戴」

咲「お嬢様」

パチェ「レミィがそう言っているんだから、私達がそれにとやかく言う筋合いは無いわ。ゆっくり考えなさい」

レミ「ありがとう、パチェ」

 

紅魔館一同が出て行って、また三人になる。

魔「瑞生も怒るんだな」

M「そりゃあ人間ですから」

霊「まぁ、さっきの言葉、瑞生らしい考え方だと思うわ」

M「俺らしい、ね」

 

紅霧異変+αの終焉である。

 

 

 

 

あれから数日経った。俺は残念ながら外に出して貰えない。確かにまだ痛い所はあるが問題無いと言ってるのに……

M「暇だぁ」

とは言っても、本当は暇では無い。何故なら……

 

???「兄様!遊ぼ?」

気が付けば自分の寝室(貸)に彼女(フランドール・スカーレット)が居るからだ。

M「はぁ……フランさぁ、いつも言ってるけど部屋に待機するのは止めなさいって」

フラン「どうして?」

M「え?どうしてって……何でだろ?」

レミ「そこはちゃんと言いなさいよ……」

M「レミリア」 フラン「お姉様」

レミ「フラン、まだ片付けが終わって無いわよ」

フラン「はーい」

片付けとは地下室の掃除である。大半は俺がしたのに「客人に任せられない」と却下された、酷いや。

フラン「それじゃ兄様、また後で」

M「あぁ」

 

 

フランが目覚めた時には普段に戻っており、周りの状況を聞かされ混乱したものの何とか大丈夫だった。

覚悟を決めたのかレミリアはフランにちゃんと二人きりで話をして、今の状況からして仲直りが出来たのだろうか。

それなら良いが俺に謝りに来るフランはとても怯えており随分話すのには大変だったが、何とか彼女とも仲良くなる事が出来た。何故か兄様と呼ばれている……悪くはない(殴

 

色々と大変な所はあったけど……どうだろう。

 

M「これは、ハッピーエンドって言っても良いよな?」

一人、呟いた。

 

 

 

また数日後。ようやく俺の体が本調子に戻り、博麗神社へと戻る事になった。

M「ありがとう皆。お世話になりました」

美「そんな事無いよ。楽しかったし、また今度手合わせしよ?」

M「お手柔らかに(苦笑)」

 

パチェ「どうやら貴方とは話が合うみたいね……魔理沙みたいにならないなら本を貸すわよ?」

M「ん、ありがとう。是非ともお願いしたいね」

 

こあ「何かと雑務手伝って頂いて感謝します……あっ」

パチェ「こあ、後で地下室に来なさい」

こあ「ちょ、ちょっと待ってください~」

M「あらら……」

 

咲「いつでも来てくれて結構よ(お嬢様達の事、本当にありがとう)」

M「ん……そうだな」

 

フラン「兄様」

M「また来るからさ、その時にまた遊ぼうな」

フラン「うん!でも、遊ぶよりかは……兄様の事知りたいな」

M「最後何か言ったか?」

フラン「な、何でもない!」

M「???」

 

レミ「……」

M「前から思ってたけど、何か吹っ切れた感じだな」

レミ「えぇ。貴方のお陰よ」

M「俺じゃなくてお前が頑張ったんだろ」

レミ「咲夜も言ってたけど。いつでも来なさい。歓迎するわ」

M「勿論また来るさ」

レミ「貴方の話には興味があるわ……また聞かせて」

M「俺の話なんかで良いのなら、いつでも」

 

それぞれ話を済ませて、紅魔館を後にした。

M(楽しかったな。別れが惜しいけど……まぁいつでも会いに行けるし大丈夫だな)

「とりあえずはめでたしめでたし、とでも言っておこう」

 

 

その後チルノ達に捕まって遊んで慧音先生に怒られるのはまた別の話。

 

 




バットエンドも嫌いじゃないですが、やっぱり普通はハッピーエンドが良いじゃないですか。救いの無い話だとしてその中での幸せを見つけようとする……なんて話は良くありますが。

最近のテイルズはハッピーエンドなんだろうけど主人公死ななくても良いじゃん(´;ω;`)とか思ってます。


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-新たな出会い VS妖夢-

どうも。
突然ですが、いつも瑞生が戦う時に言っているロックオンとはロックマンゼクスというゲームでの変身時の言葉でありロックマンゼロとは関係ありません。が、何となく掛け声が欲しかったというだけでございます。

一つ異変が終わり、新しい出会い。

では、どうぞ。


時は秋。紅魔館の話から2ヶ月位経った頃。

もう少しずつ涼しくなってきており、自分からすれば過ごしやすい時期となって来た。

M「平和だなぁ」

俺は机で頬杖をつく。

慧「終わったか、瑞生」

M「はい」

まとめた資料を先生に渡す。

慧「……うん、OKだ。今日はもう帰っていいぞ」

M「分かりました、お先に失礼します」

慧「あぁ、気を付けて帰れよ」

 

寺小屋から出ると、少しひんやりとした風が吹く。

M「もう秋か。最近は何にも無いから暇って言うのはいけないな、やっぱり平和が一番」

帰り道。ふと霊夢に大根を買ってくるよう言われてたのを思い出す。

M「危ない危ない、忘れる所だった」

 

買い物を済まし、いつもの長い階段を上ると、縁側に霊夢と誰かが居るのが分かった。魔理沙でも無い。

M(あれは、みょんじゃなくて、妖夢かな?)

間違いない。腰に差した二振りが特徴の、魂魄(こんぱく) 妖夢(ようむ)である。

霊「あら、噂をすれば。お帰り」

M「あぁ。ほれ、大根」

霊「ありがと。それと、瑞生に用があるんだって」

妖(以後妖)「こんにちは。貴方が如月 瑞生さんですね?」

M「あぁ……君は?」

妖「はい、私は魂魄妖夢と申します」

M「妖夢、ね」

妖「ここから少し遠いですが、冥界の白玉楼(はくぎょくろう)西行寺(さいぎょうじ) 幽々子(ゆゆこ)様と共に暮らしています。

M「はぁ」

妖「この前の紅魔館での一動、新聞で拝見させて頂きました。霧を打ち消したとか」

M「え?打ち消した?あやつ……」

 

勿論瑞生が言うあやつとはブン屋、射命丸(しゃめいまる) (あや)である。実は紅霧異変の後、いきなりやって来て取材させて欲しいと言って来たのだ。別に問題も無いが紅魔館での騒動は絶対に秘密と約束して教えた。

「商売は信頼が一番ですからねー約束は絶対守りますよー」との事らしい。

 

M「まぁ、ちゃんと秘密は守ってるか……」

妖「それに、人里では教師をして、更に困り事を沢山解決して人々からの信頼もある……そして何よりも」

M「何よりも?」

妖「これはあくまでも噂ですが、とても強く剣術の達人だと聞きました」

M「……誰から?」

妖「今、霊夢さんからです」

M「……霊夢」

彼女を見ると、お茶を飲みながら全く違う方向を見ていた、白々しい。

M「はぁ……一応隠しているんだけどなぁ」

妖「大丈夫です、私は言いません」

M「そうか……それで?バレちゃったら仕方ないな。要件は?」

妖「是非とも手合わせを」

M「手合わせ、ね。それは勿論構わないけど、期待外れでも知らんぞ」

妖「そんな事は思いません」

M「なら良いけど。それでいつやるんだ?」

妖「別に瑞生さんがよければ今からでも。ただ、出来るなら白玉楼で行いたいのですが」

M「だってよ。霊夢、良いか?」

霊「妖夢、私も行っていい?」

妖「勿論です、行きましょう」

 

 

 

 

気が付けば白玉楼がある、冥界へと誘われていた。

M「綺麗だ」

霊「そうね、自然だとか、色々と。私も来るのは初めて」

妖「あれが白玉楼です」

指をさした場所に位置する建物。あれが白玉楼なのだろう。

 

妖「ただいま戻りました、幽々子様」

幽々子(以後幽)「お帰りー妖夢……って霊夢も居るのね。あら?そちらの方は?」

M「あ、どうも。如月 瑞生です」

幽「あ~貴方が瑞生なのね、妖夢からも聞いたし新聞でも見たわ」

M「はぁ」

霊「一応お姫様ポジションなのよ、幽々子は」

幽「一応ってどういう意味よ、霊夢ー」

隣でやんやかんやしてるが置いといて、妖夢に改めて聞いた。

M「で、どうするんだ?」

妖「こちらへ」

 

案内された場所はどうやら剣道場の様だ。中々広い。

M「成程、こりゃ手合わせにはピッタリな場所だな」

妖「はい。折角なので場所もやりやすい方が良いと思って」

M「うん、素晴らしい心がけだな」

妖「あ、ありがとうございます///」

M「それじゃ、早速始めよう」

妖「はい」

 

 

M「ではでは。ロックオン!」

い つ も の。←説明ガバガバじゃねーか!

妖「使うのは剣、私は刀だけです。特に制限は無しで、参ったと言えば負けです」

M「ん、了解」

妖「本当にスペルカードに関しては無制限で良いんですか?」

M「気にするな。全力で来い」(無いしな)

妖「はい!では、幽々子様」

幽「分かってるわ。行くわよ……はじめっ」

 

始まった瞬間双方バックステップ。武器を構えて動きを伺う。

幽「瑞生は強いの?」

霊「強いわよ。妖夢も強いのは認めるけど瑞生には敵わないわ」

幽「随分と瑞生に肩入れするのね?もしかして?」

霊「ちっ違うわよ///私はただ……」

幽「ただ?」

霊「な、何でもない///」

 

一方まだ睨めっこの状態から解除されない瑞生と妖夢。

M(さて、流石構えが美しい。隙が無いな)

妖(凄い……かなり我流の構えなんだろうけど、隙が見当たらない)

M&妖(でも……)

 

M&妖(負けない!)

双方同時に走り出した。ガキンッと剣と刀が重なり合う。

お互い軽い動きで斬撃を避けながら、鍔迫り合いを繰り返す。

M「ほっ、はっ……魔神連牙斬!」

妖「断命剣、冥想斬(めいそうざん)!」

俺の剣を受け止めている長い刀、楼観剣(ろうかんけん)の方へ力を込め、巨大な光の剣へと姿を変え自分の魔神剣を切り払った。

M「おぉ」

妖「このまま行きます!剣伎、桜花閃々(おうかせんせん)!」

M「っつおっ!」

シンプルな一閃。凄まじい速さで突進斬りをした。

だが辛うじて瑞生に止められた。

妖「!?」

まさか止められるとは思っていなかった。間合いは完璧だったし技の形も良かった筈なのに。

M「凄いのは認める。ただ……踏み込みが足りんっ!」

妖「踏み込み……?」

M「攻撃が分かりやすいって事さ」

妖「くぅ……」

今の言葉に傷ついた様子。少し悪い事をしたな……。

M「勿論今ので終わりなんかじゃ無いだろ?」

妖「も、勿論です!」

 

お互い下がってもう一度構え直す。

 

M「まぁその前にこちらの番だな……はぁっ!貫け、魔神の閃光!覇道滅封(はどうめっぷう)!」

剣に力を込めたと思うと、次の瞬間バカでかい大きさの何かが襲い掛かった。

妖「ッツ!?」

頭で考えるより本能で感じたのか。咄嗟の判断で回避する事が出来た。それでもかなりギリギリだったが。

M「ほぉ……凄い凄い。あれ避けられるとは思わなかった」

妖「い、今のは……?」

M「軽く衝撃波撃っただけ」

霊(軽くない!絶対軽くない!)ひたすらに首を横に振る

幽「スケールが、違うわね……」

M「この程度で驚かれたら困るぜ!これからだ」

妖「くっ、まだまだ!」

 

それからも暫く技どうしがぶつかり合う。

M「そこだ、幻狼斬!」

唐突に姿を消し背後に回るも、

妖「桜花剣、閃々散華(せんせんさんげ)!」

同じ様に突然消えて斬撃を行う。

M「えっ、ちょまっ」

背後に回って斬ろうと思ったら逆に同じ戦法を仕掛けられた。

妖「貰った!この距離なら!」

幽「妖夢ー!頑張れー!」

妖「幽々子様の為にも……決める!人鬼……未来永劫斬(みらいえいごうざん) !」

一度斬りかかると、その後目にも止まらない連撃を繰り返す。

M「\(^o^)/オワタ」

バッチリ全段食らいました。

 

妖「決まりましたね」

霊「瑞生……」

M「いやいや」

妖「!?」

M「言っただろ?参ったって言うまでは勝負は続いているぜ」

幽「あの技を受けてまだ立っていられるなんて……」

M「タフなのが俺の取り柄なんでね」

結構辛そうだが、それでも立ち上がる。

妖「……知りませんよ」

M「こちらも、舐めてかかった事を謝罪しよう。少し、本気出すぜ!オーバーリミッツ!」

妖「!?」(明らかに、雰囲気が変わった!)

M「一気にカタを付ける!巻き込め……ディープハザード!」

強力な吸引付きの竜巻を出す。

妖「っく……引き寄せられる!」

M「もういっちょ!戦迅狼破(せんじんろうは)!」

剣に闘気を込め、思いっきり叩き込む。

妖「ッツ!まずいっ!」

思わずガードブレイクしてしまう。当然そこを見逃さない、まるで狼の様に襲う。

M「逃すかッ!これで終いだ……閃け、鮮烈なる刃!無辺の闇を鋭く切り裂き、仇名す者を微塵に砕く……漸毅狼影陣(ざんこうろうえいじん)!!!」

妖「う、あぅ……そ、んな」

そのまま倒れこむ。しかし瑞生が支えギリギリセーフ。

幽「妖夢!」

幽々子と霊夢が駆け寄って来る。

M「大丈夫。気絶しただけだから」

幽「そう……」

M「かと言ってそうさせてしまったのは俺だ。とりあえず介抱だけはさせて欲しい」

幽「えぇ……お願い」

 

 

 

 

妖「ん……」

M「気が付いたか」

妖「瑞生さん」

M「体はどうだ?まぁ、俺が言えた立場じゃ無いけどさ」

妖「大丈夫、です」

M「なら、良かった。ごめん、大人げ無かった」

妖「いえ、本気の勝負でしたので。あれでも全然本気じゃ無いですよね?」

M「……ごめん、気づいてたか」

妖「言動からして、少し妙に思ってはいましだが。本当に強いんですね」

M「妖夢も、凄かったよ。お世辞無しにね」

妖「そう、ですか?」

M「うん」

妖「……」

M「どうした?」

妖「負けるっていう感覚が、分からなくて」

M「無敗だったのか」

妖「まぁ、それもそうですけど。戦う相手も居なかったもので」

M「成程ね」

妖「こんなに、悔しいんですね」

M「別に負けては無いだろ」

妖「え?どういう事ですか?」

M「言ってないだろ?参った(・・・) ってさ

妖「!」

M「いつだって、相手になるぜ・・・俺としても強い相手は嬉しいからな」

妖「あの……」

M「ん?」

妖「私に、剣を教えて下さい!」

M「……(゜д゜)ファッ!?




もはやスペルカードとは何だったのか。もう既にその要素が消えてしまっていて申し訳ないです。
戦闘描写もまだ全然なのでもっと熱い展開になる様精進します。


M「妖夢、強かったけどな」
妖「まだまだ、です」
M「本当に真面目だな。それもまた強みだと思うぜ」
妖「瑞生さんを超えて見せますよ、いつかきっと」
M「おう……」(でも結局、ゼロじゃないとこんな事言えないよな……人間だと戦えすらしないし)


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-妖夢との約束 そして新たな異変-

どうも。
この前紅霧異変があったのにまた異変です。
テンポが少し早めな気もしますが……。

また主人公には頑張ってもらいましょう。
では、どうぞ。


M「え、剣を教えてって……」

妖「瑞生さんとの戦いを得て、全くもって自分の未熟さを知りました」

M「いや、そんな事は……」

妖「お願いします。どんな条件でも構いませんから」

M「んー……」

幽「妖夢、流石に無理言ったら駄目よ」

妖「幽々子様」

障子が空いて霊夢と幽々子が入って来た。

幽「瑞生は先生をやっているそうよ。平日は忙しいみたい」

妖「そう、なんですか」

M「別に、俺は良いけど」

霊「瑞生?」

M「土日なら、大抵空いてるし」

霊「疲れるわよ」

M「問題ない。日ごろから慧音先生から気を使って貰ってるから」

妖「でも……」

M「強く、なりたいんだろ?」

幽「毎朝、妖夢いつも頑張ってるから」

M「それじゃぁ土日の朝ならどうだ?お互い予定も合うだろ」

妖「それは、そうですけど」

M「霊夢も気にするな。俺なら大丈夫だから」

霊「まぁ、瑞生が良いなら」

M「妖夢も、それで良いな?」

妖「……はい!」

M「それじゃ、土日だから来週からな」

妖「お願いします、先生」

M「先生はいいって」

妖「では瑞生さん」

M「まぁ、それなら。こちらこそよろしく、妖夢」

妖「はい!」

 

 

 

帰り道にて。

霊「良かったの?」

M「良いんだ。それに折角の才能が勿体無い」

霊「そんなに?」

M「あぁ。あれでも今はまだ原石だ。でも磨けばきっと素晴らしい物になるぜ。妖夢は」

霊「そう、まぁ頑張って」

M「ん」

 

 

 

 

といった話があったのは早一ヶ月間前。

妖夢との鍛錬も、先生としての仕事もあり毎日忙しい所もあるが、平和で楽しい日々が続いていた。

紅魔館でフランやレミリアと遊んだり、美鈴とも手合わせしたり、地下で魔理沙とパチェリーと読書したりと。

そこで知り合った七色の人形使い、アリス・マーガトロイドとも仲良くなった。

瑞生もとりあえずこのまま楽しい日々が続いて欲しいと願っていた。

 

願うのと願いが届くのはまた別の話なのだとしても。

 

 

 

季節は冬。この辺りは良く雪が降る。今日は紅魔館やら寺子屋やらで雪合戦が行われていて巻き込まれ非常に疲れた。

M「寒いな」

と帰り道一人呟く。一応人間なんです。とは言え呟くだけで大した事はない。寒さには自分かなり強い方である。

それに家の主は脇空いてるし先生もあんまり服装変わってないし慣れている方々は凄いと思う毎日であった。

 

M「そういえば……」

今日も妖夢と幽々子に会いに行ったが、何やら様子が少し変だった気がする。

M「何かよそよそしいと言うか」

何か怪しいが特に何か起きている訳でも無いので何でも良いやと思っていた……そう、今は。

 

M「ただいま」

と言えばこたつに籠り「おかえりー」とだらしなく言う家の主が居る。何故か魔理沙も居るし。

魔「その用意からして今日は鍋だろ?きのこ置いといたから入れてくれよ」

M「…………」

台所に沢山のキノコがあった。鍋なのは間違いないが。

M「やれやれ」

そんな事を言って鍋の準備をしていき、大量にあるキノコもポイポイと入れていく。完成して見てみるとキノコ鍋じゃないのかコレっていう位キノコがあった。

 

M(そう言えば俺、今は普通に好きだけど昔キノコ嫌いだったな……ってあれ?昔っていつだったっけ?)

 

M・M「知らんがな」

 

魔「あ~美味かった……やっぱり冬は鍋だぜ!」

霊「まぁ、それには同感ね。てか食べたなら早く帰りなさい」

魔「そんなつれない事言うなよ。なぁ瑞生」

M「え?あぁ……」

魔「何だよ……瑞生までボーッとしててどうするんだぜ」

M「悪い悪い。そんな催促しないけど夜遅くなる前にちゃんと帰れよ」

魔「分かってるって」

霊「瑞生は甘いのよ……そんな事言ったら帰らないじゃない」

M「まぁまぁ」

 

 

そんな談話をしながら夜を過ごしていく。こんな日々が幸せだなと感じられる事がまた幸せだなとか訳の分からない事を一人思っていた。

 

 

 

 

 

季節が過ぎるのもまた早いもので。

M(長く生きてるからこそ季節の移り変わりがイマイチ分からない。気が付いたらもう春でしたって事がほとんどだな)

「と言うかさ、今って五月だよな!?」

一人叫ぶ。

霊「うるさいわよ瑞生」

M「いやだってさ、四月でこの寒さはおかしくないか!?」

霊「知らないわよ……」

言葉ではそんな事を言っている霊夢であるが、明らかに異変が起きている事は分かっていた。

霊「これもまた明白に異変よね……」

 

そう、二人が言っているのは、四月だと言うのに吹雪。寒い。

もう桜が咲いてもおかしくない季節だというのに。

M「はぁ~しゃーない、ちょっと行ってくるわ」

霊「何処に?」

M「何処かなんて分からない。とにかく何とかしないと凍え死ぬぞ、こりゃ」

そう言って彼は出掛けて行った。

自分も行きたいのは勿論だが、何しろ寒い。こたつから出たくない。

 

 

M(どう考えても異変なのは分かるけど……どうすれば良いんだろう)

雪……寒い……氷……( ゚д゚)ハッ!

チ「で、あたいを訪ねてきたと」

M「そうだ。何か知ってるか?」

チ「あたいが元凶だ……って言うのは冗談だから剣に炎宿らせないで!」

M「何か知ってるか?」

チ「分かんない……あたいにとってはまぁ過ごしやすいけど大ちゃんとか他の皆と遊べないのは悲しい」

M「そうだな」

寺子屋も当然休みだ。

チ「あたいみたいに寒いと活発になる妖怪とか居ると思う」

M「成程。サンキュな」

 

 

と言う会話をしていたのが三分前。今は戦闘中です。

M「ちょ、話聞けって!」

???「問答無用!」

M「くっ……」

とんでもない程の攻撃量だった。反撃なんてとてもじゃないが不可能だ。避けるか防戦一方だ。

レティ「一応自己紹介だけしておくわ!私はレティ・ホワイトロック!雪女よ!」

M「じゃあレティさんや、ちょっと落ち着いて下さいませんかね!」

レティ「どうせこの異変を解決しに来たのでしょう?悪いけどそうはさせない!」

また攻撃が激しくなる。

M「こりゃなりふり構ってる場合じゃないな!イフリート!」

???「何!?」

周りが一気に炎に包まれる。

M「悪いがこの辺りだけ気候を変えさせてもらったぜ……っておよ?」

相手がぶっ倒れた。すると……

シヴァが「もしかしたら雪の環境じゃないと何も出来ない子では」と語りかけてきた。

M「あぁ……そういう」

(悪いが構っている時間が無い。気絶している内にとんずらしよう)

ごめんよと心で思いながらまた進むが、やはりどうすれば良いのか分からない。そこで、ふと思いついた。

 

M(もしかしたらこの吹雪の流れに逆らって行けば)

という事で炎纏って突っ切る事にした。

 

 

数分後

 

M「もうかなり遠くまで来たが……ってあれは?」

何故だか雪の暗い空では無く青空があった。どう考えてもおかしい。

M(突っ切れ!)

そこには。

 

M「ファッ!?」

とてつもない大きさの次元の裂け目があり、沢山の桜の花びらが吸い込まれていた。そして、次の瞬間、自分も・・・

M「ちょ、え、アッーーーーー!」

 

 

 

 

M「痛ッ!!!」

いつも通り落ちるのが宿命らしい。

M「此処は?」

辺りを見渡すと、見覚えある階段があった。

M「白玉楼?何で?」

 

考えていても仕方がない。とにかく上る事にした。

階段を登り切った先には・・・

 

 

「やっぱり、来てしまったのですね」

M「どういう事だ……妖夢!」

自分の大切な教え子、妖夢が居た。

 

 




時間が飛び過ぎてるのと異変がホイホイ起こり過ぎなのと含め大変な事になっております。

そこら辺はまぁそういう事で(殴)

私自身寒さにはかなり強い方ですが(どうでもいい)
4月まで吹雪は嫌ですね。


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-その名は春節異変-

どうも。
投稿がちょくちょく遅れて申し訳ないです。


いざ元凶の元へ。そして教え子との対決。
戦闘描写どんどん増やす。多少はね?
では、どうぞ。


M「妖夢。どういう事か説明してくれ」

妖「すみません」

M「さっきから謝ってばかりじゃないか、そんなんじゃ分からないぜ」

妖「……」

M「はぁ、分かった。話したく無いならそれで良い。自分で確かめるだけだ」

妖「蒼破刃!」

M「うわっ!?」

いきなり飛んできた斬撃に驚きながらもバックステップ。

M「……そうか。そういう事なんだな、それがお前の選択なら、俺はそれに応えるまで!」

 

鍛錬でも何でも無い、殺し合いの始まりだった。

M「魔神剣・双牙!」

妖「蒼破追蓮!」

M「猛虎豪破斬(もうこごうはざん)!」

妖「真空千烈破(しんくうせんれつは)!!」

M「幻昌剣!」

妖「爪竜連牙斬!」

 

次々と技が飛び交う。一歩も引かない妖夢の姿勢に瑞生は嬉しくも悲しくも思っていた。

M「強くなったな」

妖「瑞生さんの、おかげで」

M「お前の言ってた強くなりたいっていうのは、こういう事だったのか?」

妖「ッツ……」

ぎゅうっと刀を握りしめる力が強くなっていた。

M「お前と幽々子を傷つけたくはない。でもこのままじゃ幻想郷が氷河期になっちまう」

妖「……」

M「何をしているのかは分からないけど、異変になるならこの力もって止める!」

妖「私だって……そんな生半可な意思でやってません!」

 

M&妖夢「鳴時雨(なきしぐれ)!」

同じ技で剣が鍔迫り合った。しかし、

妖「きゃあっ!」

M「同じ技で弟子には負けられんさ!隙ありっ!」

 

M「凍り付けっ!クルエルアズール!」

氷を纏った非常に速いX斬り。

妖「つうっ!」

腕が凍傷の様に痛い。何とか受け止められたと思ったが狙いは恐らく腕だったのだろう。刀を持つのがやっとだった。

M「もう止めろ、妖夢」

優しい人だ。あんな隙があればもっと大技を叩き込めた筈なのにわざと威力のそこまで高くない技で自分の腕を攻撃して行動不能にさせようとしたのだろう。

妖「それでも……負けられない!」

最低だ。自分にも負けられない理由があるとは言え優しい師匠に剣を向けるなど。

M「妖夢……」

妖「瑞生さん、本気で来てください。そして、隙あるなら自分が立ち上がれない位の技を下さい。そうでもしないと私は……きっと貴方を恨みます」

勝手にも程がある。それでも、戦士として悔やみたくは無かった。

そんな思いを、瑞生も重々理解していた。

M「分かった」

妖「お願いします」

そう言って、私はまた彼と向き合った。

 

次の瞬間、彼が飛び込んで来る。初めの一太刀を受け止めたを思った刹那、とてつもなく嫌な予感がした。

だが、もう遅かった。

 

M「幻狼斬!」

彼の十八番だ。ちゃんと見ていれば回避出来るのに、何故か出来なかった、唐突過ぎたのだ。

M「アサルトダンス!」

締めの、

M「双針乱舞(そうじんらんぶ)!」

そして……

M「秘奥義!はぁぁっ!終わりだ!祓砕(ばっさい)!斬!零水(あやみ)!!」

剣だけで無く、銃、ハンマーを使った大技だ。沢山の武器を使いこなす彼だからこその技でもある。

 

 

彼が倒れている自分に寄って来た。

 

妖「……クッ、完敗です」

M「悪いな、妖夢」

妖「……謝らないで下さい。寧ろ謝らないといけないのはこっちです。瑞生さんを裏切るような事をして」

M「別に俺はそんな事は思ってないよ。それより……何があった?」

妖「詳しくは、分かりません。私はただ幻想郷の桜を集めるようにしただけで」

M「やっぱり、幽々子に直接話するしか無いな」

妖「瑞生さん」

M「ん?」

妖「幽々子様を、助けて下さい」

M「任しとけ。絶対に何とかするから」

そう言うと妖夢は眠った。死んでないよ?

 

M「さて……行きますか!」

今回の異変の、元凶の元へと。




少なめセンセンシャル!

今回の春節異変はちょっとシリアスめ。

次回、VS幽々子


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-VS西行寺 幽々子

どうも。
いよいよ元凶と対峙。
瑞生は妖夢の願いを守る事が出来るのか。
主人公新能力。

では、どうぞ。


???「貴方なら来ると思ってわ。来て欲しくは無かったけど」

M「何で……何でだよ幽々子!」

幽「貴方さえ来なければ、シナリオ通りだったというのに……本当に予想を裏切るわね」

M「予想って……」

幽「勿論監視役と、何より貴方なら諦めると思って妖夢を置いといたのに」

M「残念だったな。弟子だろうと誰が来ようとそんなんじゃ俺を止めようなど無理な相談だ」

幽「そう……残念ね」

M「それよりも、何でこんな事を!幻想郷をぶっ壊す気か!」

幽「そんはつもりは無いわ。目的が達成出来たならちゃんと戻すつもりだったのよ」

M「お前にとってはそれまでだろうけど、これまでにもかなり沢山の人が苦しんでるのを分かってやってんのか?」

幽「……」

M「もう1度問う。何が目的だ?ここまで来たんだから教えてくれ」

幽「そうね、教えてあげるわ……私の後ろの桜を見て貴方はどう思う?」

M「……綺麗だ。今まで見た桜の中でも桁違いに」

幽「ありがとう。でもそうじゃないのよ」

M「じゃあこの樹に宿っている何か(・・)の話か?」

幽「分かるの?」

M「まぁ、何となく」

幽「この樹に宿っているのは西行妖って言うの」

M「……成程、この桜が開花すればその妖怪も目覚めると。だから春を集めてた訳だ」

幽「ご名答。その為には仕方なかったのよ」

M「仕方なかったっていうのは納得いかんが……それよりどうして西行妖を目覚めさせたかったんだ?第一春になれば」「貴方には関係ないわ」

途中で幽々子が言葉を挟む。どうやら個人的な話らしい。

M「そうか、まぁ理由は何だっていい。妖夢の時にも言ったが……異変になるようなら止めるまで!」

幽「そうは……させない!」

 

遂に、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

M「魔神剣!」

い つ も の。

幽「ふふ……」

だが彼女が避けるまでも無く彼女の前で消えてしまうのだ。

M「魔神剣!魔神剣!魔神剣!魔神剣!」

TOEのクレスさん並みの勢いで打ちまくる。

幽「当たらないって言ってるでしょ!?」

M「そうか……なら!

ウエポンシフト!ビームガトリング!」

光の弾を無数に撃つ。

幽「無駄よ」

やはり効かないようだ。

M(厄介極まりないな……)「なら近づいて壊すまで!」

幽「させると思って?」

M「うわっ」

近づこうとすると更にとんでもない量の弾幕が降り掛かる。

M「無理だろ……自殺行為にも程があるって」

とてもじゃないが近付けそうにない。だが行かなければ終わらない攻防を続ける事になる。

幽「どうする?フフフ……」

対する彼女は不敵な笑みを浮かべている。可愛いなぁ……じゃなくて。

M(本当にどうすれば……特攻気味に行くのは最終手段として、何かある筈だと思うけど)

幽「随分と余裕があるのね。打つ手無しって状況にある気がするけど」

M「そんな事無いさ。そんな風に見えないだけで」

幽「そう……だったら攻めて良いわよね!」

M「ちょ」

幽「華霊、バタフライディルージョン!」

一発の大きな弾がゆっくりと放たれる。

M「……?」

次の瞬間、

M「ッツ!」

危険を察知してすぐに下がる。一発の弾から無数に弾幕が現れる。まさしく蝶の如く。

M「危ねぇ……」

何とか避ける事に成功したのであるが。

幽「やるわね。その判断の速さは褒めてあげる」

M「どうも」

(やっぱりどう考えても相手の方が強い。避けて相手の弱点探してとかやってる場合じゃない!所詮俺は突っ込む他無いのか)

 

 

M「悪いな。俺だって負けられないんだ」

幽「!?」

突っ込んできた。猪の如く一直線に。

幽「狙い撃ちにされたい様ね!」

M「うぉぉぉ!」

激しい轟音と共に彼に集中砲火を浴びさせる。

 

 

M「響け雷閃……ギガブレイク!」

幽「そんなっ!?」

結界で防いだものの、ほぼ壊れかけへとなってしまった。

幽「何で?あれを受けてただ事じゃない筈なのに……ッツ!?」

彼女は見た。そして思わず呟いてしまった。

綺麗、と

幽「翼……?」

M「この剣と同じ要領で翼を作っただけさ。光の翼ってやつだね」

V2のあれをイメージして作り出せる様になったものである。

M「防御にも適しているし、これで特攻だって出来る。ただエネルギー消費が大きい事が弱点だな」

幽「丁寧に説明している暇なんてあるかしら?」

次々と弾幕が降り注ぐ。だがこれを翼の推進力で一気に弾幕の嵐の中を突っ切る。

M「はぁぁっ!」

幽「嘘!?この弾幕を抜けるなんてあり得ない!」

M「以外に避けるのは楽だったぜ?過信し過ぎだ!頼むぜ……裁きの雷、ラムウ!ヴォルト!」

幽「何……アレは一体?」

 

M「結界なんぞ打ち破ってやるさ行くぜ!天光満つる処に我はあり、黄泉の門開く処に汝あり、出でよ……神の雷!決める!インディグネイション!」

 

 

幽「きゃぁぁっ!!!」

 

結界もろとも、彼女にも直撃。

思わず崩れ落ちる幽々子。しかし立ち上がる。

M「まだやるか!」

幽「終わらないわよ……」

M「そこまでやるか!」

 

 

 

一方こちら博麗神社にて。

魔「おーい霊夢ー」

霊「何よー」

魔「どう考えてもこの天気はおかしいだろ!」

霊「分かってるわよー」

魔「異変だろーこたつに入ってないで解決に行こうぜー」

霊「魔理沙も絶対寒いんでしょ」

魔「それより!瑞生は何処に行ったんだぜ?」

霊「どっか」

魔「異変解決に決まってるんだぜ!」

霊「それも分かってるけど、寒くて動け……!?」

魔「な、何だぜ!?」

霊「やな予感がする!行くわよ!」

魔「お、おう!」(さっきまでのやつは一体?)

霊夢自身も友人である魔理沙も霊夢の勘が良く当たる事を知っている。だから動き出す様だ。

 

 

一方白玉楼。こちらは決戦の時は近い。

M「フレアショット!ゼロディバイド!オールザウェイ!」

次々と弾幕を作る。しかし。

幽「甘いわ!」

それの数倍以上ある弾幕で返される。

M「理不尽にも程があるぜ!ったくよぉ!」

弾幕がある以上、近づこうにもそれ所じゃない。

M「まずは弾幕を壊す!秘奥義!覚悟を決めろ……派手に踊れ!アンスタンヴァルス!」

極度の冷気で攻撃を封じ込め、連続射撃で砕く。

幽「くっ……やるわね。そっちがそうならこっちも!亡舞、生者必滅の理-魔境-!」

M「おいおい……冗談だろ?」

空が埋め尽くされる程の弾幕が今にも自分へ降り掛かろうとしている。

M「無理ィィィィ!!!」

 

彼の居た場所は無かった。地形そのものを変えてしまう程の威力があった。

幽「流石にやり過ぎたわね。私の能力を使っても良かったけど」

煙の中から見えたのは彼の倒れた姿。

幽「……結局。こうなってしまうのね」

ふと呟く。

幽「折角、貴方とは良き友人になれると思ってたのに。人間なのね。強いと言っても死んだら皆同じ」

狂気によるものか何なのか分かる事無く笑っていた。

 

M「勝手に殺されるのはごめんだぜ?」

幽「嘘!?」

亡骸と思っていた筈の体が立ち上がった。

M「生憎……タフさがウリなんでね……これ位!」

言葉と裏腹に辛そうだが。

幽「まさか生きてるとは思わなかったわ。あれを耐えるなんて凄いわね」

M「……」

幽「でも、もうそんな体じゃ戦えないわよ?」

M「まだまだ……負けてないぜ!」

そう言い再びまみえる二人。だが……

幽「あら?まさかまだ人が来るなんて思っても無かったわ」

M「!?」

霊「瑞生!」

魔「やっぱり居たか!」

M「二人とも何で来た!」

霊「何でって……」

魔「た、助けに来たぜ!」

幽「何人来ようたって同じ事よ!」

再び弾幕の嵐。

霊「容赦無いわね!」

魔「こっちも負けられないんだぜ!」

 

M「やっぱり……もうやるしかないか」

自分の目の前で激しい戦いを繰り広げる三人を見てふと呟く。

M(実戦で使うのは初めてかな?まぁなるようになれだ!)

「目覚めろ……俺の中の獣の魂!」

 

霊&魔&幽「!?」

M「うおぉぉぉぉぉぉ!!!ウガァァァァァ!!!」

霊「なっ……」

魔「瑞生?」

幽「何なのよ……一体貴方は何者なの!?」

そこ居たのは紅い鎧の彼では無く。群青色を基調とした体、ライオンのタテガミを付けた何か。まるでその姿は

霊「ライオン?いや……」

魔「狼だぜ……」

幽「獣……」




かなり設定ネタバレになりますが瑞生は忘れているだけで過去に幽々子に会っています(生きている時)
幽々子も何となく覚えている節がありますが、やはりわからないままとなっております。

主人公の例の新能力はエグゼ6のグレイガとファルザーがモチーフとなっております。
春節異変の戦闘編は次回でおしまい。


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-超獣化-

どうも。
超獣化と書いてビーストアウトと読みます。

切り札として出した物が大切な人々を傷付けてしまう事となる。

では、どうぞ。


霊「一体何だって言うのよ!」

魔「爪にしっぽまであるぜ……」

幽「本当に人間なの……?」

 

M「うっっつうぅ……やっぱりまだ実戦で使える程になって無かったのか?いや、あんだけ訓練したのに……!」

霊「どうなってるの?」

 

M「止めろ……乗っ取るな!俺は……俺は……ウガァァァ!」

魔「み……ずき?」

幽「どうやら、もうそれ所じゃ無いわね」

 

そこに、妖夢もやって来た。

妖「幽々子様!」

幽「妖夢!危ないわ!」

妖「な、何!?」

霊「瑞生……完璧に自我を失ってる?」

妖(あれが、瑞生さん?そんな」…!?)

M「オォォォォ!!!」

激しい雄叫びと共に激しい雷が降り注ぐ。

霊「ッツ!」

魔「なんつー威力だぜ……」

幽「あんなのを外に放ったら世界が壊れるわよ!」

妖「止めるしかないの!?」

 

完全に戦闘態勢に入る四人であるが。

霊「待って!」

魔「まだ……戦ってるな」

M(言う事を……聞けッ!!!)「ハァハァ……皆、遠慮せずに動かない位の攻撃をしてくれ。そうでもしないと本気でヤバイ……!」

霊「でも瑞生、体が持たないわよ!」

魔「そんなボロボロの体に攻撃なんて……」

幽「……死にたいの?」

妖「そんな!?」

M「……妖夢、お前なら、分かってくれると俺は思ってるぜ……グゥアッッ!」

 

 

そうしてまた獣へと戻ってしまった。

魔「ど、どうするんだぜ!?」

妖「やります。私が」

幽「妖夢!?」

霊「瑞生は貴方の師匠でしょ!?殺したいの!?」

妖「殺しません。絶対に……だから協力してください!やらないと本当に瑞生さんが思ってる最悪のシチュエーションになってしまいます!」

 

霊「分かったわ。皆で援護しましょ」

魔「霊夢……分かったぜ。アイツがそう望むなら」

幽「もう選択の余地は無さそうね……」

妖「突っ込みます。出来る限り攻撃を消してください」

 

言葉通り、妖夢が走って行く。当然瑞生である獣も追撃する。

それを他三人が全力で跳ね返す。そして……

妖「はぁっ!」

一太刀振るうが簡単に受け止められる。

妖「重いっ……!」

そこで相手が怯む。

霊「行って!」

魔「決めろ!」

幽「任したわよ!」

 

妖(ありがとう……)「瑞生さん、貴方に教えて貰った技でやります!閃け、鮮烈なる刃!無辺の闇を鋭く切り裂き、仇名す者を微塵に砕く!漸毅狼影陣!」

 

勝負は終わった。

瑞生は元に戻り、その場へ倒れた。

霊「疲れ果てた様ね。無理するからよ」

魔「そっちもまだやるんだぜ?」

幽「もう……良いわ。こちらももう限界よ」

妖「幽々子様……」

幽「妖夢、ごめんなさい。気が狂っていたみたい。瑞生がアレ(・・)になった位でようやく目が覚めたわ」

妖「良かったです」

霊「全く……人騒がせよね」

魔「瑞生が起きるまではどうしようも無いんだぜ」

 

 

幽々子は幻想郷を元に戻し、皆に謝罪した。瑞生はその後目覚め、召喚獣の力で白玉楼を元通りにした。

こうして、春雪異変と呼ばれたこの事件は幕を閉じたのであった。

 

その後、宴会を開き皆に謝罪して和解をした事によって終わった。その後は皆変わらず楽しんでいた。そしてその様子を瑞生は一人見つめていた。

幽「飲まないの?」

M「飲めないんだよ」

幽「あら以外。長く生きてるんじゃないの?」

M「年齢なんて関係無い。体が受け付けないんだよ」

幽「ふーん……まぁ良いけど」

M「……」

幽「……」

それ以上言葉は無かった。

幽「ねぇ瑞生」

M「何だ?」

幽「ごめんなさい」

M「……何で謝る?」

幽「気が狂っていたとはいえ……貴方を一番傷付けてしまったから」

M「別に俺はお前に勝負を挑んで結果がこれなんだ。お前が悪い訳じゃない……それに、俺じゃなくて妖夢の方がよっっぽど傷ついたと思うぜ?」

幽「優しいのね」

M「別に。俺はいつだってやりたい事をやっているだけ」

幽「ありがとう」

M「そう言えば……結局お前が西行妖を目覚めさしたかった理由って何だったんだ?」

幽「それは……その」

M「あーやっぱ良いわ。あの時気が狂っていたとかどうこうじゃなくてただ単に話し辛い事なんだよな?デリカシー無い質問して悪かった。忘れてくれ」

幽「分かったわ……でもいずれ話させて。今回のお礼に」

M「別に、良いって」

幽「フフ……」

魔「おーい瑞生ー!こっち来いよー!」

幽「呼ばれてるわよ?」

M「はぁ……へいへい」

そう言って彼は賑やかな方へと歩いて行った。

 

幽「優しい人ね。彼とは良き友人でありたいものね」

 

 

宴会も終わり、皆も帰った頃。

幽「妖夢、もう疲れたでしょうから寝なさい。私の事は良いから」

妖「はい……そうさせてもらいます」

彼女にも色々大変な思いをさせてしまったし早く休んで欲しい。自分はまだ、話す相手が居るから。

幽「不思議なものね。運命って」

???「貴方も運命なんて言葉使うのね」

幽「じゃあ縁で」

???「言い方変えただけじゃない」

幽「しかし誰も疑問に思わないのね。どうして冥界で人間が存在出来たのかって事に」

???「恐らく霊夢と、そしてあの彼も気付いていると思うわよ?」

幽「そうね。また霊夢に問い詰められそうね、紫」

紫「そう考えると悪寒がして来たわ」

幽「まぁそんな事が無いよう願う事ね」

紫「……」

幽「どうしたの?紫、ちょっとしか話して無いけど今日の貴女変よ?」

紫「そうかしら?」

幽「何と言うか……ずっと帰って来ない恋人を待ち続けている様な顔してる」

紫「例え方おかしくない?そんな顔してる?」

幽「少なくとも……いつもの貴女がする顔では無いわ。もしかして彼が気になるの?」

紫「彼って……あの瑞生って人?」

幽「そうよ」

紫「まさか……そんな事あり得ないわ」

幽「あらそう?ちょっと残念」

紫「全く……」(ある訳、無いわよね)

幽「でも貴女実際居るんでしょう?待ち人が」

紫「ま、待ってる訳じゃ無いわ!単に気になってるだけで」

幽「貴女の幼馴染なんて聞いた時には驚いたわ」

紫「……」

 

その後は、他愛も無い話をして終わった。

 

???「紫様、百聞は一見に如かず、ですよ?」

???「会ってみれば分かる話だと思いますよー?」

紫「藍、橙もそう思う?」

藍&橙「うんうん」

紫「そうよね……違ったらそれまでだし気にする事無いわよね。ただ霊夢に問い詰められた時の為に逃げ場を作らないと」

藍「紫様……」

 

 

 

 

とある日の博麗神社。

霊「瑞生ー」

M「何だ?」

霊「お茶っぱ買ってきてー」

M「ん、分かった」

そうして彼が行った後、

紫「霊夢ー邪魔するわよー」

霊「邪魔するなら帰って」

紫「そんなつれない事言わないでよ」

霊「で、何の用?」

紫「貴女の同居人に会いたいのだけど」

霊「え、瑞生に?」

紫「ちょっとだけ確認したい事があってね」

霊「そう言えば紫にはあんまり話してなかったか……今お茶っぱ買いに行ってくれてるから少し待って」

紫「分かったわ」

 

数分後

M「たでぇま……ってん?」

霊「お帰り。瑞生に会いたいって」

M「どちら様?」

瑞生もお茶を持って縁側に座る。そしてお茶を一杯。

紫「私の名前は八雲紫ってえ!?」

そして飲んだお茶を盛大に吹いた。ブッフォワァって感じ←?

霊「ど、どうしたのよ瑞生……後で掃除しなさいよ?」

M「お前……紫、なのか?」

まさかの予感が当たってしまった。藍の言う通りではあったが。

紫「嘘……瑞生なの?」

M「え、あぁ、うん……」

霊「へっ……へっ?知り合いなの?二人って」

M「いや、知り合いって言うか」

紫「霊夢には話してなかったの?」

M「そっちこそ」

霊「もう、どういう事なのか説明して!」

主の一喝で驚いた二人の説明タイム。

 

霊「二人は幼馴染で……どれ位か前に別れたのね?瑞生も紫からもそんな話初耳だわ」

M「いやぁ……どう考えても別次元だったし会えるとは思ってなくてさ」

紫「私の能力舐めてもらったら困るわよ?」

M「そういやそうでしたな。あの時はまだ不完全的な感じだったけど……今はどうなんだ?」

紫「完璧よ」

霊「何処からともなく現れてちょっかい出しまくってくるのよ」

M「……紫」ジト目

紫「違うわよ!?ちょっかいじゃなくてあれは……」

M「あれは?」

霊「変に誤魔化さなくて良いから」

紫「そんなんじゃ無いのよ……瑞生もそんな哀れみの目で見ないで!」

 

その後も、積る話や思い出話で時間は気が付いたら過ぎていた。

M「まぁ……時間はあるからさ、二人でまた話そうぜ」

紫「えぇ」

M「紫、何が何だかまだイマイチ分からないけど、お前にもう一度会えて良かったよ」

紫「えっ……あ、そう、ね。私もよ」

そう言って彼とは別れた。異常な位に心臓が脈打つのを隠しながら。

 

 

紫家にて

紫「ただいま」

藍「お帰りなさいませ、紫様。どうでしたか?」

紫「藍、その……」

藍「そのお顔からして、ビンゴだったようですね」

紫「顔?」

橙「紫様、顔真っ赤ですよー?」

紫「ッツ!?///」

藍「ではやはり彼が……如月 瑞生様なのですね」

橙「紫様良かったですね」

紫「いや……良かったけど……」

藍「けど?」

紫「やっぱり、何でもない」

藍&橙「?」

 

紫(瑞生……貴方ともう一度逢いたいとは思っていたけど……まさかこんな再会をするとは思ってもなかったわ。運命って、あるものなのね)

 

嬉しい反面、何処か複雑な感情があった。それが何なのか紫に確かめる術は無かった。




紫様大好きです。それだけ。

正式にヒロインでは無いけども前話通して紫様要素が多い。いつもの紫様は迷子となりますのでヨロシクゥ!


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-また新たな出会い 自分のやる事-

どうも。
いつもながら少な過ぎ&投稿遅い事について謝罪。
ちょっとした日常編。

では、どうぞ。


ある日の夜。

M「んー眠れん」

ふと目が覚めてしまった。

綺麗な月だなぁと思いながら縁側で一服。

M「もうさ。ほんの少しは慣れたから何も言わないけどいきなり隣に居るの止めようぜ?紫」

紫「あら?貴方もしかしてそういう系苦手なの?」

M「苦手って言うか……心臓に悪い」

紫「苦手なんじゃない」

M「こんな時間にどうしたんんだ?」

紫「少し、聞きたい事があって」

M「……?」

紫「瑞生、弱くなった?」

M「……は?」

紫「幽々子と戦ったって言ってたわよね」

M「あぁ」

紫「随分と苦戦した様ね。でも貴方なら幽々子位あっという間に倒せる筈よ?」

M「……弱くなった、か」

紫「どうなってるの?」

M「体に、リミッターを大量に付けてる」

紫「リミッター?」

M「自分の力を制御するやつと思ってくれれば良い」

紫「何で制御する必要があるの?」

M「それを考えると……弱くなったって言うのもそうなのかもしれないな。リミッターを付けていないと暴走しそうになるんだ」

紫「危険ね」

M「あぁ……昔より強くなったけど、弱くもなった」

紫「私みたいに保っていられないの?」

M「やろうとしたけど……何でか出来ないんだ」

紫「初め見た時は貴方だなんて思わなかったわ」

M「弱くなり過ぎて、か」

紫「そうじゃ無いわ。あまりにも貴方の力の感じと言うか……貴方自体の気配とか、そんなのも何もかもが変わったと言うか」

M「長年生きてたら人は変わるさ。お前もパッと見では分からなかったよ」(美人だよなー)

紫「何か言った?」

M「いや、何でも」

紫「リミッターは外さないの?」

M「外すのが怖いなんて言えやしない」

紫「言ってるじゃない」

M「ともかく……弱くなったよ、俺は」

紫「随分と……変わってしまったのね、貴方も」

M「お前の思う様な俺じゃないよ……今の俺は、もう」

その顔は心底悲しそうな表情をしていた。

 

紫(本当に……瑞生なのか分からなくなって来たわね。瑞生だと、信じたいけど)

 

M(俺、本当にどうしちまったんだろうなぁ……何と言うか自信とか色々失ってしまった気がする)

 

 

 

 

この春から夏にかけて、とても沢山場所に行き、沢山の出会いをしたと思う。

 

春節異変の後すぐに会ったリリーホワイトやプリズムリバー三姉妹や妖怪の山での河城にとりや、特に気になったのは地霊殿の方々であり、面白い能力が多くて地中でも沢山友人が増えたと思う。

そしてもう一つ気になった事と言えば、犬走《いぬばしり》 (もみじ)である。この間妖怪の山に入ったら何とびっくり自己紹介ついでに襲われた(意味深)のである。そんな所か。

M「説明雑すぎィ!」

紫「そこら辺はまた各エピソードを書いているからその時に……って私何言ってるのかしら?」

M「メタいな……」

紫「後この話は少ないわよ……って私)ry」

M「メタ)ry」

 

 

沢山の出会いをして実はとても気になった事があった。風見 幽香と犬走 椛との戦闘である。さっきも同じこと言ったよね。

M「負けたんだよなぁ……それも完敗だった」

ボコボコにされました。

M「情けないよなぁ」

今居るのは妖怪の山。霊夢達に許可を貰って暫くの間修行をする事にしたのだ。

ここに来て再び紫の言葉が胸に刺さる。

M(駄目だ、こんなんじゃ……強く、なりたい)

そう思った瞬間、意識が遠のいて行った。

 

※博麗神社にてです

 

M「ファッ!?」

いつの間にか寝落ちしてしまっていたのか。

M「あれ?寝てしまってたか……」

???「悩んでいるな、己に」

M「何だ!?」

周りには誰も居ない。

M「……誰だ?」

???「強くなりたいなら来い、月へと」

M「月?何で?」

声はもう聞こえなかった。

 

M「はぁ……何だか分からないけど」

やる事は決まった。

M「行くか……月へ!」

やらなきゃいけない事が出来た訳で何だか嬉しい。

M「頼むぜ、エターナルソード!」

 

♪FF オープニングテーマ




主人公は平和ボケしてしまった様です。じゃあ極限まで追い込めば多分強くなれるね(錯乱)

残念ながら主人公はやっぱり弱いです。リミッターとか言い訳してるから……。


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-2度目の月-

どうも。
ようやく文字数が増えていくと思う。
M「知らんがな( ^_ゝ^)」

主人公は昔の自分を取り戻す為1人で頑張る。

では、どうぞ。


M「月に来たのは良いけど」

久しくやって来た月。その姿は全く変わる事無く文化等は独自の発展を遂げてきた。

M「あの声も全然期聞こえないし……」

戸惑う瑞生を見計らったかの様に、

M「エターナルソードが、光ってる」

剣が道示す場所に行けば行く程に段々と見覚え無い場所へと誘われて行く様だった。

 

数分後

M「何処だ?俺は月に居たんじゃ無かったのか?」

周りの風景も月とは違い、真っ白。

M(また精神と時の部屋にでも連れてこられたか?)

???「やはり来たか」

そこに居たのは非常に分かりやすいアイツ(・・・)だった。

M「ダオス!」

???「誰だそれは?」

M「へ?じゃあゼクンドゥス?クロノス?」

???「私に名前は……無い」

M「えぇ……(困惑)」

???「私は根源の者。精霊の中の王」

M「それって……オリジン?」

オリジン(以後オリ)「確かに、我の前居た世界ではそう呼ばれていた」

M「そんなオリジンがどうして俺を?」

オリ「四大精霊を感じたからだ」

M「いや、確かにそうだけど」

オリ「だが全くお前からは強さというものを感じない」

M「まぁ、色々ありまして」

オリ「お前は人間か?」

M「……だと思うけど」

オリ「我々と似たような物を感じる」

M「まぁそこもまとめて話しますって」

 

青年説明中……(かなり長い)

オリ「成程……神から転生させてもらった存在だったか。そして今の悩みは自分の強さに悩んでいる、と」

M「分かってくれた?」

オリ「不甲斐ないな。それで四大精霊を従えているのか」

M「んな事言われても……って事実ですな、はい」

オリ「……強くなりたくて此処に来たのだろう?」

M「そんな自分を見つめ直したくて」

オリ「何を目指す?」

M「……自分の手で、好きな人を、物を、世界を、守れるだけの強さが欲しい」

オリ「随分と大層な願いだ」

M「そうかもな。でもやってやるさ……こういうのは慣れてるからな」

オリ「ふん……お前の気力がどれ程の物か見せて貰うぞ」

M「まぁ、頑張るさ。でもあまり時間がある訳じゃないしな」

オリ「その点には気にするな。幾ら修行しようとこの世界はお前の居た世界は時間の流れが違う」

M「そんなにゆっくり?」

オリ「そうだ」

M「そっか」

オリ「全くもって遠慮はしないぞ。へこたれるなよ?」

M「望むところ!」

オリ(良い目だ)「早速始めるとしよう」

 

M「で、具体的に何するの(´-ω・)?」

オリ「……」(仮にも私は根源の精霊なのだがな)

M(そうか、何も言わないって事は自分で考えて自分で強くなれって事なんだな)「分かった」

オリ(何を理解したのだろうか?)

頷いたのを見て自由にやる事にした。

 

まずは紫に言われた自分の限界について考えてみた。

とは言え全く分からなかったのでオリジンに早速、

M「オリジン、ヘルプ!」

オリ「……」

とんでもないため息をされた。何でかな?

オリ「お前はビビリだな」

M「うっ……何故それを」

オリ「お前がリミッターをいつまでも外せないのは怖がっているだけだ」

M「ふぅむ」

オリ「図星だな。自分の力を怖がり過ぎだ」

M「そっか。何処かで俺は自分自身を畏怖していたんだな」

オリ「自信を持て。そして同時に”ゼロ”であるという自覚を持て。お前の能力もそうだっただろう?」

M「!!!」

思い出す。霊夢に教えて貰った自分の能力を。

オリ「お前が思えばそういう風に力を貸してくれる存在なのだろう?ゼロというのは」

M「そっか……良く考えてみたら中々にチートじみた能力な気がしてきた」

オリ「だがそんな事を言われても本来の力を取り戻す事等出来まい」

M「そう……だよな」

オリ「だからお前が過去戦った存在を強化して戦うといい」

M「え……何このデジャヴ的展開」

オリ「今の私は何でも出来るからな。遠慮するなよ?」

M「あーやっぱりそうなりますよね。デスヨネー」

 

 

 

 

M(やっぱりこの人神様だわ!何て理不尽!)

オリ「何か言ったか?」

M「ナンデモナイヨー」

 

やっぱり強くなる為には命削られる位の辛い思いをしてでもやるしかないのだろう。幻想郷の皆をビックリさせてやる、という意気込みの元激しい戦いに身を置く事とした。

 

 

自分のリミッターを全開放してドラゴン族の群れ(数は軽く一万を超える)を蹴散らす。

自分の能力がフルに上がっているので超速い。超強い。

一気に様々な攻撃してくるが当たる事は無い。今の瑞生の速さは常識を完全に超えていた。

オリ「残像が見えるな……あいつの居る場所の次元が歪んでいるかの様にも見える」

思わず息を飲み見惚れてしまう程の華麗な剣技だった。

オリ「やはり……私の目に狂いは無かった」

強い。彼はその”自信”と”自覚”が無かっただけという事が良く分かった。

 

 

またかなり時間が経った。

 

M「だいぶ強くなれたと思うけど」

オリ「強くなったのでは無く本来の実力を取り戻しているのだ」

M「(⑅•。•)ヘェー」

オリ(戦闘の時の鋭い目つきからは想像出来んな……気が抜けるこの感じ)

「瑞生、提案がある」

M「提案( •́ㅿ•̀ )?」

オリ「……リミッターについてだ。リミッターを付けると簡単には外せない。無理に外したら体に大きな負担が掛かる」

M「ふむふむ」

オリ「そこでだ、似たようなものだがお前の意思に応じて力が解放されていく様にすれば良い」

M「トラン〇ムとか骸殻みたいなもんか」

オリ「トラン〇ムとやらは知らんが骸殻の様に身体能力等が強化されるものだ」

M「何かカッコイイな……」

オリ「無論使うのも使い続けると体には負担が掛かるのは当然だが身体中にリミッターを掛けまくるよりかは余っ程楽だ。お前の力が弱まっていた要因としてはリミッターの掛け過ぎもある」

M「ふむ(´~`)」

オリ(分かっているのか……?)

M「つまり……使い過ぎは諸刃の剣ってか」

オリ(心配は無い様だな)「そういう事だ」

M「神力を解放するから……ゴットモード的な感じで良いかな」

オリ(……前言撤回だ)「好きにしろ」

 

と言う事でゴットモード(仮)を体に覚えさせた!

M「やったぜ。」

オリ「まだまだこれからだ」

M「そうっスか……」

 

 

どんな感じかは後の設定でご覧下さい。

 

M「もうかなり時間が経った気がするけど……本当にあっちでの時間がどうなってるかね」

 

M「なぁオリジン」

オリ「何だ?」

M「もう何年経った?時間の感覚がおかしくなって分からんくなった」

オリ「……恐らく数百年だろう」

M「ファッ!?」

オリ「お前はあちらの世界が気になるのだろう?安心しろ。向こうでは1年位しか経っていない」

M「そうなんだー」

オリ「……まぁ、そういう事だ。気にせずやれ」

M「あぁ」

 

 

 

結局そんなこんなで修行を続ける事更に数百年、遂に過酷だったそれを終えた。

 

M「やっと終わりか」

オリ「とりあえずはな。だが最後に一つ」

M「まだあんのか……」

オリ「最後の試練だ」

M「オリジンの試練……?」

オリ「私に、勝て」

M「……は?」

オリ「最後は私との一騎打ちだ」

M「何で?」

オリ「それが試練だからだ。私に勝てば全て終わりだ」

M「……そういう事なら」

オリ「良い顔をするようになったな」

M「そりゃあまぁ」

オリ「早速やるぞ」

M「もうっスか」

オリ「つべこべ言うんじゃない」

M「へいへい」

 

 

 

♪FIGHTING OF THE SPIRIT

オリ「スパイラルフレア!アブソリュート!ヴォルトアロー!アースシェイク!ゴッドブレス!」

M「待て待て待て待て待て!詠唱無しでその連発は無茶だって!」

様々な属性の魔法を一気撃ち。どう考えても理不尽極まり無い。

オリ「何だかんだで避けているな」

M「避けるのは得意でね!マクスウェル、頼んだ!」

マクスウェル(以後マク)「一仕事するかの!」

オリ「メテオスウォームか!」

M「そこだ……エレメンタルショット!」

オリ「グッ……」

メテオスウォームを避けている内に死角へ回り込み一発。

オリ「この程度!」

魔法が駄目だと思ったのか近接へと変更。

M「こんのッ!」

剣と剣が鍔迫り合うが、相手は大剣を二刀流しているので当然勝てません。理不尽。

なので受け流す。

M「剣の舞ッ!」

二刀で美しく切り刻む。

オリ「甘いッ!」

M「まだだっ!地竜連牙斬!」

流れる様な4連斬り。

オリ「甘いと言っている!」

全て受け止められてしまう。

M(このままじゃ……埒が明かない!)

オリ(一気に押し込む!)

 

M&オリ「獅子戦吼!!!」

 

M「重い……!」

オリ「ッツ……!」

お互いの獅子がぶつかり合い、けたましい声が響く。

オリ「だが真正面からなら私の方が上だ……!」

M「クッ……!」

完全に押されていた。精霊と人間が戦えば当然の話ではあるが。

 

だが。

M「負、けるっ……訳には、いかない!!!」

オリ「何ッ!?」

じわじわと押し戻す。そして……

M「うぉぉぉぉ!」

 

オリ(こいつの……思いを力にとは、こういう事か)

M「秘奥義!神の聖光……避けられるものなら、避けて見ろ!ライト……ブリンガーァァ!!!」

神力を剣に纏わせ、聖なる力を一点に放つ。ゴッドモード(仮)限定の技である。

 

決着は着いた。

M「ハァッ……ハァッ……か、勝った!」

オリ「驚いた……本当に負けるとはな」

M「……ただの偶然だよ。ガチでアンタと戦ったら普通に消し炭にされてた」

オリ「そうだとしても……お前の実力は認めざるを得ない。更に神の力も使いこなせている。そしてそれは才能だ……努力という名の」

M「オリジン……ありがとう。おかけで色々と大切な事を気付く事が出来たと思う」

オリ「思うなら困るな」

M「で、出来た」

オリ「ならいい。さぁ……これでお前は自由だ」

M「……オリジン」

オリ「何だ?まだ何かあるのか?」

M「僕と契約してまh……ゲフンゲフン、俺と契約してくれ」

オリ「……良いだろう」

M「あら?意外とあっさり」

オリ「何にせよ、お前は私に勝ったからな」

M「じゃあ……」

オリ「早くしろ。止めるぞ」

M「あぁ、ハイハイ、えーっと……」

オリ「適当でいい。私も言葉は忘れた」

M「そっか。じゃあ、宜しく頼むよ」

オリ「あぁ」

 

オリジンが呼び出せる様になった。やったぜ。

 

 

M(そんじゃあ……幻想郷に帰るか!)

こちらで過ごした年もどれ位か分からないけど。

帰ろう……皆の元へ。

 

 

 

帰ってきた幻想郷。オリジン曰く1年程度しか経っていないと言うが……

M「とりあえず博麗神社っと」

超特急で博麗神社へと飛ぶ。

すぐ着いた。

 

霊「同じ時を刻んで~♪同じ未来歩んでる二人♪」

 

M「ただいまー」

霊「瑞生!?今まで何処行ってたの!?」

M「ちょっとそこまで(適当)」

霊「1年も居なかったし誰も会ってないみたいだったから何処行ってたのか全く不明だったのよ」

M(そりゃ当たり前だな)「そーなのかー(棒)」

霊「紫も見付けられなかったみたいだし本当に何処居たのよ……」

M「まぁまぁそんな事はどうでも良いよ。皆どうしてるんだ?」

霊(良くないわよ……)

 

その後色々挨拶に行った。何人かと挨拶替わりに弾幕ごっこして来た。

 

 

M「大変でしたよハイ、すっごく」




ダオスをだおす(錯乱)

主人公はヘタレ。スパロボでいう超弱気。
強いのに残念な人。
けれど少しは昔の自分を取り戻す事が出来たのかも。


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-日常編-

どうも。
やっとの思いで戻って来た瑞生は、早速不運スキルを発動してしまう。

M・M「不運と幸運は紙一重……」
何か悟らないで下さいね。

では、どうぞ。


帰って来た夜。俺は紫さんに問い詰められていた(やったぜ。)

 

紫「全く、私の力でも感知出来ないなんて……何処行ってたのよ」

M「ちょっとそこまで(適当)」

紫「ふざけてないで答えなさい」

M「ほっへひっはははひへふへ(ほっぺ引っ張らないでくれ)」

紫「何処行ったのかも分からなかったし、貴方の事だから危険な事してそうで……」

M「心配かけたな、ごめんよ」

紫「……大丈夫なら、良いけど」

M(流石に、言うのはマズイよな?)

オリ(言った所で分からないと思うが)

紫「何か言った?」

M「いや、別に」

紫「まぁ、帰って来たならそれで良いわ今日はもう休みなさい」

M「そうするよ、お休み」

 

 

M「明日からまた此処で頑張るべ(?)」

紫(見た感じ何も変わってない様な気がしたけど強くなったのかしら……ただ何かしら違和感があるわね)

 

 

 

 

ある日の紅魔館。本を返しに行ったら色々居た。

M「そういえば前から気になってたのだが」

魔「何だぜ?」

アリス「何?」

パチェ「何よ」

M「三人の中で誰が一番強いんだ?」

魔&アリス&パチェ「私(だぜ)(よ)(ね)」

M「バラバラ……」

魔「いやいや、パワーで間違い無く私が一番だろ?」

アリス「別にパワーで言ってないじゃない、総合しての話よ」

パチェ「魔力も勿論ね」

M「ふんふん」

魔「何にせよ私の魔法で全部かき消せるぜ」

アリス「力だけならそうかもしれないけど、私の魔法は違うわね」

パチェ「第一私は火力重視じゃないけど鬱陶しいわよ?」

M「ふーん……」

魔「そんなのやってみないと分からないだろ」

アリス「何でそうなるのよ……」

パチェ「別に良いんじゃない?ちょっと魔理沙には本で色々言いたい事があったし」

M「ん?何か雲行きが……止めとけって」

そんな所にこあが一言。「じゃあ力比べすれば良いじゃないですか」

魔&アリス&パチェ「それだ!」

M「えぇ……(困惑)」

 

 

おかしい。確かに言いだしっぺは俺だ。何となく三人が戦うんだろうなとは思っていた。

だが真実は違った……

M「何で俺がお前ら三人相手するんだよ!?しかも生身!?」

魔「だって変身したら何かしら消されるし」

アリス「三対一じゃないわよ?単純に瑞生に魔法ぶつけるだけ」

パチェ「軽い魔法で行くから大丈夫よ」

M「おかしい!生身で行くとか俺を何だと思ってるんだよ!」

魔&アリス&パチェ「瑞生」

M「いや……そうですけど」

パチェ「こあ!」

こあ「はい!」

M「ぐえっ」

見事にバインドされている。ゼロになることも逃げる事も不可能だ。

M「くそっ……分かったよ!軽い魔法でどんとこい!」

こあ「OKです!」

 

魔「マスタースパーク!」

アリス「アーティフルサクリファイス!」

パチェ「エメラルドメガロポリス!」

 

 

M「こんのォォォォ……嘘つきィィィィ!!!」

見事に吹き飛んだ。ロケットの如き速さで空の彼方へと。

 

魔「やり過ぎたな」

アリス「そうね」

パチェ「まぁ、瑞生の事だし生きてるわよ、きっと」

 

こあ(結局何の話だったのかが不明です?)

 

M「ウボァー」

 

 

またある日。

文「新聞でーす」

 

 

号外!妖怪の山に突如降り注いだ謎の物体!

慧「妖怪の山に巨大な穴か……」

藤原 妹紅(もこう)(以後妹紅)「訳分からん物が降って来るんだな、隕石か?」

慧「かなり大きいみたいだが……結局何なのか」

 

妖怪の山にて落ちた瑞生は紫に回収されたとかされなかったとか。

 

M「あぁ……先日は酷い目に遭った」

あれから紅魔館に行ったら何事も無く接しられたので悲しかった。もう嫌だ。

 

もう夏は終わり秋が近づく頃だが何だかんだまだ暑い。と言う訳で地中へ行く事にした。

 

 

入口付近にて

水橋 パルスィ(以後パル)「久しぶりね」

M「あぁ。一年ぶりだな」

パル「まぁ、何があったとかは聞かないわ」

M(聞かれても困るけど)「そっか」

 

軽い挨拶を済まして地霊殿へ向かう。当たり前だが一年ぶりだ。

M「相川らず大きいな」

本殿も大きいが門も大きい。

???「ナァ~」

M「ん……」

自分の下に居る動物を抱く。

M「燐か、久しぶり」

猫は自分から飛び降りると、人間となった。

火焔猫(かえんびょう) (りん) (以後燐)「いきなり誰かと思ったら瑞生だったとはね」

M「唐突に来て悪かったな」

燐「大丈夫、それにさとり様とかこいし様とか会いたがってたし」

???「燐!変な事言わないで!」

???「瑞生だー!」

燐「噂をすれば」

M「さとりもこいしも久しぶり」

古明地 さとり(以後さとり)「お、お久しぶりです///」

古明地 こいし(以後こいし)「本当に久しぶりだねー?何してたの?」

M「んー……まぁ色々だよ」

さとり「忙しいのですね」

M「そうだな」(あながち間違ってない筈)

こいし「遊ぼっ!」

M「へいへい」(癒されるなぁ)

 

遊ぶ(弾幕ごっこ)

 

M「知ってた」

 

こいしは急に消えるから妙にやりにくい……

さとりは心読むから行動しづらい……

勇儀等の鬼さんは好戦的で怪力で潰される……

燐や空ちゃんやヤマメ、キスメ辺りが話しやすい。

M「( ゚д゚)ハッ!弾幕ごっこでも地中組強い?」

 

ある日、間欠泉センター近くにある温泉に誘ってもらった。

M「ん、どっか行くのか?」

こいし「瑞生だ、今から温泉行くの」

M「温泉か……」

さとり「中々良いですよ」

燐「温度調節はお空がしてるからね」

こいし「年に何度か行くんだよ」

M「へぇー……」

燐「瑞生も行かない?」

M「行きたい所だけど、手ぶらだし」

さとり「服とかもあります」

M「そうなんだ、なら付いていって良いか?」

こいし「行こー」

 

と、言う訳で。

M「地中はデカイ建物多いなぁ……」

さとり「色んな方が来られますから」

 

霊烏路(れいうじ) (うつほ)(以後空)

「うにゅ?瑞生が居る」

M「よっ(-_-)/ 」

空「男性はあっちー」

M「ほーい」

こいし「覗いちゃダメだよ?」

M(……残念)「分かってるよ」

さとり(今の残念とは一体!?)

燐(瑞生って案外顔に出やすいよね)

 

 

 

M「あぁ^〜確かにこれは気持ち良いゾ~」

周りはじいさんだらけ。若者もチラホラ。

爺1「見ない顔じゃの」

M「こんにちは」

爺2「こりゃ丁寧に……初めてか?」

M「そうっス」

爺3「まぁ、ゆっくりしていくといい」

M「そこはしていってねでは(殴)」

爺さん達は首を傾げていたが。

 

随分長風呂をしてしまい、周りには誰も居なくなってしまった。

M「元々俺長風呂好きだし、良いか」

 

しばらくして……

M「ん、何か女子側が騒がしいな」

微かだが、話し声が聴こえてきた。

M(あまり宜しく無いが……必殺、利き耳!)

※単に耳を研ぎ澄ますだけ

M(良い子の皆はマネしろ……ゲフン、マネスルナヨ)

 

俺は誰に語り掛けているんだと思いながらも壁の向こうに少し耳を傾けた。

 

 

女湯にて

こいし「やっぱり温泉は良いよね~」

さとり「気持ち良いですね」

燐「瑞生も楽しんでたら良いけど」

 

その他にも、パルスィやヤマメ等地中に居る人が大勢居ました。

 

女の子が温泉に沢山居たら色々ある訳で。

こいし「……お姉ちゃん」

さとり「何?」

こいし「私の方が大きい?」(胸)

さとり「!?」

燐「んーどっちもどっち?」

さとり「わ、私の方が」

こいし「変わらないけどね」

さとり「そんな事は無いです!」

こいし「燐はおっきいよね」

燐「そ、そんなこと」

こいし「お空も結構大きい」

さとり「確かに」

燐「お空のあれは反則。それに……」

さとり「それに?」

燐の視線の先には鬼の四天王、星熊(ほしぐま) 勇儀(ゆうぎ)が居た。

さとり「あれは……別次元です」

こいし「あれ位あったら瑞生を悩殺出来ちゃうかも」

燐「の、悩殺って何処でそんな言葉を……」

こいし「無意識の内に覚えたのかも」

燐「ある意味凄く怖い……」

 

※今更ですが瑞生は全部聞こえてます。

M「まぁ、別に俺は何でも好きだけど」

おまわりさんこっちです。

M「おまわりさんわたしです」

※瑞生はスタッフが美味しく頂きました。

 

M・M「こいつ何やってんの(正論)」

 

燐(何か今悲鳴が聞こえたような?)

 

 

場面は男湯(1人)

M「もう少し聞いていても良いけどそろそろ上がるか」

 

残念、皆が胸を揉み合ってキャッキャウフフする展開を聞いていたかった(すっとぼけ)が上がる事にした。

……残念だが。(だから残念とは一体)

 

M「……ん?」

だが上がろうとすると何か気配を感じた。

M「俺1人だよな……?」

お化けとかそういう系じゃないのならとっとと出てきて欲しい。

ガサガサ……

M「ッ!?」

早く出てきてくれよ。焦らしプレイとかそういうの良くないよ。

 

M(流石にこんな所では戦いにくい。来るなら俺が移動するべきか……)

とか言ってる内に、

轟音と共に巨大な熊が現れた。

M「ク、クマァーーー!!!」

くま「ʕ•ﻌ•ʔ」

 

一方、

こいし「何か今聞こえたよ!?」

燐「凄い音も聞こえた!」

さとり「男湯の方から!?」

 

M「周りを壊させずに……やれるか!?」

ゼロになり、振り下ろされる腕を受け止めるが、やっぱり重い。

M「猛虎連撃破!」

幸い浴場は広い為に単体技なら通りそうだ。

M「魔神爆炎斬!」

くまさん強い。全部受け止めてやがる……!

M「それなら!魔法剣、ファイガ、サンダガ!」

二刀にそれぞれ魔法を掛ける。

M「刻み込めッ!」

乱れ打ち。〆は爆発で。

ん……爆発?それにそっちの方向は……女湯!

 

M「しまった!!!イヤァァァー!!!」

 

どごーん♪

という音と共に壁が壊れ、その先には沢山の女の子が居ました。

M「あ」

皆タオルを付けておいてくれて良かった。

そうじゃないと色々と危ないからね。

M「ど、どうも……クマさんそっちいった?」

奥に気絶している奴が居た。

M「大丈夫だな、後は頼みますわ、では」

他ALL「瑞生?」

M「何でしょうか((((;゜Д゜))))」

さとり「イッペン、死ンデミル?」

M「あっ……(察し)」

 

M「アッー!!!」

本日2度目のGAME OVER(♂ではない)

 

 

後日。

文「新聞でごさいまーす」

 

レミ「地中の温泉で熊が乱入、怪我人は0、ただ近くの壁に人形の穴が開いており、誰かが突撃したものと見られる……怪我人は0じゃないの?」

フラン「変な事件だね」

 

また全員からのフルバーストを食らった瑞生はいつも通り紫に回収されたとかされなかったとか。

 

 

紫「何だか知らないけど貴方も災難ね」

M「不幸だ……」

 




みんな可愛くて最高でした(小並感)

知らん内に色んな人と交流を持っている瑞生はやはり天然タラシの疑いが濃厚です。

じゃけん折角強くなって帰って来てくれたので主人公には頑張ってもらいましょうね~


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-訪れし天災-

どうも。
こ↑こ↓からようやく文字数が増えていきます。
少しオリジナル展開。誰かが起こす異変なら経験積みだが瑞生にとっても初めての幻想郷のピンチにどう動くのか。

では、どうぞ。


M「決めるぞ、秘奥義!覚悟は出来たか……闇に沈め!真神煉獄刹(まじんれんごくさつ)!」

 

妖怪達の群れに秘奥義が炸裂。一蹴した。

M「終わった終わった」

霊「お疲れ様」

M「帰ろうぜ」

 

妖怪退治を終え、いつも通り晩飯を食べ、いつも通り風呂に入り、いつも通り寝る……筈だった。

M「何で寝させてくれなんですか(憤怒)」

紫「仕方ないじゃない」

M「わざわざ呼びたすって事はそれなりの用なんだろ?」

紫「えぇ……もしかしたら大事になるかもしれないから」

その言葉を聞くと彼の表情が真剣になった。

M「……長くなるのか?」

紫「まだ分からないから端的に説明するわ」

 

少し間を置いて、

紫「結界が、おかしくなってるの」

M「それはつまり外側から何かしらの干渉を受けているって事か?」

紫「そういう事ね。今は何とも無いけどもしかしたら何かが来るかもしれない」

M「来る奴は博麗結界をぶち破る位の力を持つっていう事だな」

紫「そうね……まだ何とも言えないけど。何か変わった事があったら教えて。私もへんかがあったら伝えるから」

M「了解。伝えてくれるのは良いけど無理はするなよ」

紫「どうして?」

M「恐らく……結界を壊す位の力ならお前の境界にも干渉される事があるかもしれない」

紫「そうね……まぁ慎重に行動するわ」

M「……気を付けろよ」

紫「何かあったら助けに来てくれるでしょう?」

M「まぁ、そりゃ、うん」

紫(そこはちゃんと守るって格好良く言って欲しいわね)

M「守るさ。絶対」

紫「え///うん、ありがとう」(まさか本当に言ってくるとは///)

 

成長したのはこういう所もだろうか。

 

M(何か勢いで言っちゃたな……まぁいいか)

 

 

確かに、変化があるといえばある。

M「最近変な場所に変な妖怪が出るし妖怪の数も増えているのもそうだ」

霊「話を聞いた限りではそうなるけど結界を破る奴なんて想像つかないけどね」

M「……俺の戦ってきた奴なら出来る奴は何人か心当たりあるけど」

霊「おかしいわよそれ……」

 

M(何処ぞの魔王様でも出てくるのかねぇ。もしそうだったら……戦うしかないか)

 

 

 

 

ある日の夜。

魔「霊夢っ、瑞生っ!」

霊「何よ、もう8時よ」

M「何かあったのか?」

魔「森に、魔法の森に……!」

 

駆け付けると。

霊「な、何よこれ……」

M「……境界?いや、次元が裂けている?」

不思議な空間が出来ていた。

M(何だ?この混沌と感じ……ん、混沌?)

そこに紫がやってきた。

紫「もう結界が崩れたのね……」

M「!?」

霊「瑞生、どうしたの?」

M「来る……」

紫「来る?」

 

M「構えろ、来るぞッ!」

 

 

 

その裂け目から現れたのは。

M「やっぱり、こいつ()か!」

 

下半身は蛇、上半身は女性の体。更に6本腕があり、それぞれ剣を持っていた。

M「マリリス!」

マリリス「何故私の名を知っているかは知らないが……死んで貰う!」

M(不味いな……こいつが居るってことは他の3体も現れてるって事だよな)

少し探知して、

M(やっぱり、もう3体も出てる。)

 

「みんな、聞いてくれ」

ALL「!?」

M「今テレパシーで話し掛けてる。それよりも今すぐに空飛んでみてくれ、早く!」

言われた通りに空に飛ぶと。

霊「な……!」

魔「何が起こってるんだぜ……!?」

この場所とそれと3ヶ所に同じ次元の裂け目っぽいやつが出来ており、それぞれ巨大な怪物どもが蠢いていた。

紫「ちょっと、どういう事!?」

M「話は後だ!それより散らばってあいつらを倒さないと大変な事になる!此処は俺1人でやるから他を頼む!」

 

何となく瑞生の言う事を聞くのが正しいと思ったのか、それ以上は何も聞かず各自散らばって行った。

M「ふぅ……さて!」

目の前のマリリスと対峙する。

M「待たせたな、始めようか」

マリリス「何者か知らないが貴様1人でとは、舐められたものをッ!」

M「来いッ!」

 

 

一方博麗神社付近。

霊「ちょっと……コレと戦うっていうの!?」

魔「やるしかないだろ!」

紫「これは骨が折れそうね……」

ルーミア「ヤバそう……」

こちらでは巨大なイカの様な怪物であり水のカオス、クラーケンと対峙していた。

クラーケン「俺に対して女子供かぁ?」

 

 

一方人里付近。

慧「何がどうなっているんだ!?」

妹紅「お喋りしている暇は無いぜ……!」

チルノ「ちょっと、なんか危なそう」

慧「チルノ!他はどうした!?」

チルノ「皆も里の人も安全な場所に行ったよ!私もやる!」

 

その瞬間地面が突然隆起した。

リッチ「余所見とは……笑止!」

ガイコツが紫のローブを羽織っている。

土のカオス、リッチである。

 

 

そして最後、紅魔館にて。

レミ「全く……面倒ね!」

咲「お嬢様、ここは私が」

フラン「おっきいなぁ……」

パチェ「こあ!絶対本は守りなさい!」

こあ「はぃぃ!」

美「本気でいかないと不味いですね!」

 

「……」

何も言わなかったが殺気が感じ取れた。

五つ首の巨大なドラゴン、ティアマット。

風のカオスである。

 

四つの場所にて、激しい戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。

 

 

 

VSマリリス

 

M(他もやってるみたいだな……)「やるか」

マリリス「舞い踊れッ!」

剣の舞であるが、瑞生の2本では無く巨大な刃6本での攻撃である。

M「1回でも当たれば致命傷だぞこれ……!」

必死で避け、全力で受け流す。

M(当たらなければ大丈夫だな)

と思った瞬間ファイガが隣を通り過ぎた。

M「って思っていた時期がありましたっと」

マリリス「先程からちょこまかと!」

M「まぶぶっぶぶぶ」

連撃。命懸けで乗り切るが、結構疲れる。

(完璧に防戦一方だな、何かしないと消耗戦になりそうだ)

 

攻撃しても弾かれる。全体攻撃みたいなもん+結構速いから後ろに周り込めない。

 

M「卑怯だ……」

だが、負ける訳にはいかない。

M「それなら……こっちも全力で!」

マリリス「何!?」

M(前は制御出来なくて大変な事になったけど……今ならやれるさ、絶対に使いこなす!)

「ビースト……オン!」

獣人化。幾らか前の春節異変では暴走しその場の皆に多大な迷惑をかけてしまった。

だが、それを戒めとし修行の時にこちらも随分と訓練した。初めはかなり手こずったが、今は使いこなしている。

M(大事なのは獣を飼い慣らすんじゃない……獣と仲良く一体化する事だったんだ)

 

M・M「また変な事悟ってらァ」

 

M「行くぜ!一瞬で終わらせる!」

使いこなせるとは言えども変身時間はあまり長くはない。使い続けると前みたく超獣化してしまうのだ。

 

 

 

M・M「えーここからは皆の戦いをダイジェストでお送りしたいと思いまーす。多少見にくいかもしれないけどご勘弁を……」

 

 

M「遅いッ!」

マリリス「グッ」

とんでもない速さで近付き、背後に回り鋭利な爪での一撃。

M「バトルチップ!ソード、ワイドソード、ロングソード……P・A(プログラムアドバンス)!行くぜ、ドリームソード!」

巨大な剣で斬り裂く。

マリリス「ギシャァッ!?」

その剣はマリリスの6本の剣をも貫き胴体を真っ二つに斬った。

 

マリリス「なんと……だがタダでは死なぬ!道連れだ!」

M「!?」

何と散り際にとんでもない量の剣を空へと投げた。剣が雨の様に降り注ぐ。

M「こりゃまともに当たったら大惨事だなぁ……インビジブルっと」

 

だがこの人は透明になるというチートで避ける。マリリス涙目。

 

 

M「さて、他の場所に急ごう」

 

 

 

 

VSリッチ

チルノ「凍て付かせる……アブソリュート!」

妹紅「鳳凰天駆!」

慧「光符、アマテラス!」

慧音はスペルカード、2人は術技を放つ。

リッチ「フレア!」

しかしたった1発の術で全てかき消された。

リッチ「アースクエイク!」

妹紅「避けろ!」

妹紅のとっさの声で飛び退く。

慧「あの場に居たら飲み込まれていたな……」

チ「て言うか攻撃が効かない!」

妹紅「攻撃が強いし範囲も広い……厄介極まりないぞこれは……」

リッチ「我等カオスに挑んだ事を後悔するとが良い!クラウダ!カーズ!」

チ「ち、力が、抜ける……」

妹紅「しかもこれは……毒!?」

慧「不味いぞこれは……!」

 

一同はパニックに陥るが、その時心に話し掛けられる。

M「落ち着け!その場から一旦離れて体勢を立て直すんだ!」

言われた通り離れる。幸い追撃は無い。

リッチ「逃げ惑うと良い……恐怖に怯えていると良い」

チ「げほっげほっ……」

慧「大丈夫か?」

妹紅「瑞生!?何処に……」

M「今心に話し掛けてる。色んな所に行って色々と言わなきゃいけないからな」

慧「どうすればいい!?」

M「奴の魔法は確かに範囲が広く威力が高い……だが言ってみればそれだけだ。分散して範囲攻撃を避けながら戦う」

妹紅「後はそれぞれがどう動くかだな……」

M「妹紅の近接に先生の魔法なら通じる。チルノの攻撃はかき消されるから2人の補助」

チ「わかった!」

M「無理すんなよ!」

そこで声は途切れた。

慧「さて……」

妹紅「反撃といくぜ!」

チ「いざ、見参!」

慧「ほぅ、そんな言葉を知っていたか」

妹紅「そこかよ……」

 

 

リッチ「恐怖に怯えるだけでは無いらしいな」

妹紅「当たり前だ!」

チ「そっちこそ後悔しても遅いよ!」

慧「悪いな、この場所を傷付ける者は許す訳にはいかない」

 

言われた通り分散する。

慧「成程……この陣形ならお互いを援護しながら戦える」

妹紅「あいつ……ここまで計算済みか」

チ「なんだか分からないけどすごいね?」

リッチ「面白い……やれるものなら!」

チ「ちょ……」

妹紅「どうする!?かなりヤバそうだぜ!」

慧(落ち着け……こういう時こそ冷静に)

「無に返す……グラビティ!」

巨大なフレアが重量の中に消えた。

リッチ「なっ……」

慧「妹紅!」

妹紅「任せろ!烈破掌(れっぱしょう)

目の前で爆発を起こしながら殴る。

慧「チルノ!」

チ「あたいだって!凍符、パーフェクトフリーズ!」

更に弾幕で拘束し、

妹紅「ナイスだ!哭空紅蓮撃(こくうぐれんげき)! 」

リッチ「ガッ……!」

慧「決めてくれ妹紅!」

チ「いけー!!!」

妹紅「言われなくても!秘奥義!天を統べる覇者の剣!魔王灼滅刃(まおうしゃくめつじん)!」

 

強力な秘奥義が炸裂しリッチを真っ二つに斬り裂いた。

リッチ「な……んだ、と」

 

チ「やった!」

妹紅「何とか勝てたな」

慧「2人ともお疲れ様だけど、私達も動こう。他でも戦いが起こっている様だ」

妹紅「そうだな。瑞生もそうしているみたいだしな……私達も行こう」

チ「ちょっと疲れた……」

慧「なら休んでるか?」

チ「いや、行く!」

慧「そうか、頼むぞ」

チ「まっかせといて!」

妹紅「2人とも、置いてくぞ!」

そうして3人も行動開始。

 

 

 

 

VSクラーケン

霊「面倒ったらありゃしないわね!」

魔「このっ……足が鬱陶しいぜ!」

ルーミア「墨まで吹いてくるし……」

紫「中々に手を出せないわね……」

クラーケン「じわじわ足で苦しめて死なせてやるよ……」

霊「キモッ……」

魔「燃やすぜ、メルトン!」

火球を飛ばすが、

クラーケン「ブリザガ!」

かき消される。

魔「くそっ、魔法まで消されるとキツイな」

霊「紫、何とか出来ない!?」

 

ルーミア「ブライン!」

クラーケン「うおっ!?目が……!」

ルーミア「……?」

 

紫「待ちなさい、今考えてるから」

ルーミア「また何か来るよ!」

クラーケン「全て飲みこぇ!」

TSU☆NA☆MIである(殴

魔「なんだこりゃー!?」

霊「落ち着いて!遅いし避けられるわ!」

何とか避けたが当たっていたら大惨事になっていた所だ。

紫「体勢立て直して反撃するしかないわね」

 

攻防がしばらく続いたが終始こちらが不利だった。近接は足で防がれ、魔法も相手の魔法が強力で中々通らない。

霊「このままだと消耗戦ね……」

魔「そうなると私達の負けだぜ!」

ルーミア「そろそろしんどくなってきた……」

紫(不味いわ……士気も下がってきてるし霊夢の言う通り。だからと言って打開策が見当たらないし)

かなり焦っていた。

紫(こんな時……瑞生が居てくれたら)

ふと思う。彼ならどうするだろう?

紫(…………)

霊「紫!ボサッとしてたら当たるわよ!」

紫「!」

奴の魔法が掠った。

そして突然思い出した。彼の言葉を。

M「完璧なんてモノは存在しないさ。必ずどこかに()がある。頭の良いお前ならすぐ分かるさ……相手をちゃんと見て考える」

紫「相手を見て、考える……」

弱点や癖を見つける、彼の得意技でもある。

紫「……」

やってみよう。クラーケンの動き1つ1つをじっくりと観察する。

しばらく観察すると、ある事に気が付いた。

 

紫(足での攻撃時、魔法の詠唱時も隙有り。ただこのチームでは近接で突っ込むのは少し難しいから……詠唱時を狙う!)

紫「こちら側が魔法で攻撃すれば迎撃で魔法を使うけど、一瞬だけ隙が生まれるわ。その一瞬を私が狙う」

魔「分かった。なら私が魔法使うから後はそれで頼むぜ」

紫「合図宜しく頼むわ」

 

クラーケン「ん……?」

陣形が変わった。魔理沙を先頭にしている。

魔「行くぜ!星符、ドラゴンメテオ!」

極太のレーザーを放つ。

クラーケン「!」

流石に危険を察したのか魔法を詠唱する。

紫「そこ!」

顔面に弾幕を放った。

詠唱中であり、当たるかと思われたが……

クラーケン「ブレイズ!ふんっ!」

詠唱をキャンセルし、目の前に氷壁を作った。弾幕は壁に当たり消えた。

紫「ッ……冗談キツイわよ」

魔「あんなのアリかよ……」

クラーケン「そんなものは効かんわ!」

霊「どうすれば……?」

ルーミア「……」

ルーミアが何やら考えている様だ。

霊「ルーミア、何か手があるの?」

ルーミア「あるかも」

紫「本当!?」

 

ルーミアの作戦はこうだ。

自分が初め術を使って戦った所、自分を認識出来ていなかった事から、暗闇が効くのではないかとの事で、自分の能力をフルに使えば近接で戦えるようになるかもしれない。

 

魔「ルーミアってアホだと思ってたけど意外と考えてたんだな」

ルーミア「魔理沙には言われたくないよ」

魔「何だとぅ?」

霊「2人とも!戦闘中に喧嘩しないで!」

魔&ルーミア「は、はい!」

紫「やりましょう。もう何でもアリよ!」

 

また陣形変更。

クラーケン「テメェら、ちょこまかと!」

霊「ルーミア!」

ルーミア「はぁっ!」

クラーケン「うぉっ!?前が見えねぇ!」

魔「よっしゃ今だ!イカっぽいし雷が弱点だろ!受けてみやがれ……恋府、マスタースパーク!」

霊「何だか変な戦いだったけど終わりよ!神霊、夢想封印!」

紫「結局オチが酷いわね……藍、やっちゃいなさい」

藍「了解です」

それぞれの攻撃が直撃し、あっけなく相手は倒れた。死に際に何か言っていた様だが、残念ながら聞き取る事が出来なかった。

 

魔「なんと言うか……」

ルーミア「あっけなかったねー」

霊「まぁ、倒せたから良いんじゃない?」

紫「そうね、かなり手こずったのも事実だけれども」

隣に居た藍が笑っていたので気になった紫が何がおかしいのか聞いてみたが、

藍「何でもありませんよ」

と誤魔化されるだけだった。

霊「それより他が気になるわね」

紫「瑞生もどうしてるか分からないし」

魔「とりあえず行こうぜ」

ルーミア「ちょっとー待ってー」

 

 

藍(死に際のセリフ、「俺はイカじゃねえ、タコだ!」っておかし過ぎるわww)

 

 

 

VSティアマット

紅魔館でも激闘が起きており、既に長時間激しい戦いで皆疲れきっていた。

レミ「くっ……」

美「お嬢様、下がって!」

パチェ「もう、どうなってるのよこいつ!」

フラン「また来るよ!」

咲「くっ、止めても止めてもキリがない!」

激しい攻撃には咲夜の能力も通じない様だ。

魔法も激しくパチェや小悪魔の魔法も消され、近接で挑むにも五つの首から放たれる噛みつき、炎等多彩な攻撃のせいでまるで近づけない。

下がっていてもかまいたちや魔法がどんどん飛んでくるから常に動かないと危ないのだ。

 

かなり状況は不利である。

何か策を練らないと間違えなく負ける。

レミ「何かあれば……」

一旦離れて考えるが、考える時間を与えてくれる相手では無く。

突然飛んできた真空波に反応出来なかった。

美「穿孔!」

そこに美鈴がビームで真空波をかき消した。

レミ「美鈴、助かったわ」

美「とりあえず落ち着きましょう。ガンガン攻めてくる相手では無さそうですから」

 

 

フランや咲夜が戦ってくれている間に一旦離れて深呼吸し考える。

レミ「あの五つ首が面倒ね……あれが無ければ数で押し切れるのに」

あれのせいで数で攻めようにも攻めにくい。

レミ(そういえばパチェが言ってたわね、ああいった一見完璧に見える奴は強さの代わりに致命的な弱点があるって。しかも結構シンプルなものだったりもする……だったっけ?)

 

ならばありえないと思う様な攻撃が思わぬ効果を発する事もありえる。色々と試してみる価値はあるだろう。

 

レミ「やってみるしかないわね!」

前線に戻った時には皆かなり消耗しており一刻の猶予も無い状態だった。

 

パチェ「レミィ、考えはまとまった?」

レミ「えぇ……とりあえずは、だけど」

咲「如何なさいますか?」

レミ「状態異常をひたすらかけまくるわよ」

フラン「えっ?」

美「じょ、状態異常ですか?」

パチェ「……何か考えがあるの?」

レミ「こういう滅茶苦茶強い奴は変な状態異常に弱かったりするってパチェ言ってたでしょう?」

パチェ「それは……そうだけど」

 

レミ「やってみましょう……このまま戦っても辛いだけよ」

フラン「うん。私もそう思う」

咲「お嬢様が言うなら私もそれに従います」

美「まぁ、この際何でもやってみましょう」

パチェ「はぁ……どうなっても知らないわよ」

レミ「決まりね!やりましょう」

 

毒や麻痺、思い当たる状態異常攻撃をするがまるで効果が無い様だ。

レミ「やっぱり駄目なの……?」

パチェ「言いだしっぺが諦めてるんじゃないわよ」

咲「まだ終わってません」

フラン「残ってるのは?」

こあ「ブレイク、石化です」

美「一番、効きにくそうだけど……」

 

パチェ「やるわよ!ブレイク!」

 

 

呆気なく全てが固まった。

思わず全員口を開けてしまった。

少しの沈黙の後、美鈴が石像に近づいて、

美「はっ!」

一発のパンチをお見舞いすると、ガラガラと崩れ去り、消えた。

レミ「何と言うか……」

 

ALL「オチがおかしすぎィ!」

パチェ「ま、結果オーライで良いんじゃない」

咲「そうですね。何にせよ倒した事に変わりはありませんから」

レミ「それより私達も動きましょう。外が随分と騒がしいみたいだし」

フラン「ちょ、ちょっと休憩……」

 

 

 

一方。

 

M「皆凄いな。四カオス倒しちゃったよ。と言うか結構カオス勢って耐性ガバガバだったりするんだな」

手間が省けてありがたい。

M「さて……後は親玉だけだな」

まだ終わってはいない。最後に倒さなければいけない人物が居るのだ。

 

 

M「決戦は近いな……」

その言葉通り、ラスボスはすぐ傍に現れるのだった。




だから話がいきなり過ぎだっていつも言ってるだろ!いい加減にしろ!
ごめんなさい。
でもこの話から結構構成が変わってくるので多少はね?

それとあまり汚いワードをもっと抑えるようにします。


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-現れし混沌-

どうも。
幻想郷最大のピンチ!頑張れみんな!頑張れ瑞生!
愛と勇気だけがt)ry

茶番はともかく、紛れもない危機にどうなるのか……。


カオス達との勝負を終えた各メンバーは博麗神社に集合していた。

M「皆お疲れさん」

紫「瑞生も大丈夫みたいね」

M「当然(ちょっと疲れた)」

霊「結局何がどうなってるのよ。何も分からないまま戦わされた様なものよ」

M「あぁ……そう言えば何も話さなかったからな……紫、話そう」

紫「そうね……皆落ち着いて聞いて。今結界が破られて異界の者が侵入してきているの」

霊夢は知っていたので驚かなかった。

M「そう。そして皆が戦ったのはカオスって言うまぁ何処ぞの魔王とでも思ってくれれば良い奴の手下」

魔「随分面倒くさかったぜ……」

レミ「でも全員倒したんでしょう?」

M「あぁ。そして残るは親玉だけさ」

紫「何処に居るの?」

M「それは分からない。多分何処からともなくいきなりやって来るだろうね」

霊「厄介極まりないわね……」

M「でもまもなく来るだろうな。手下は倒されちゃったし」

 

そう。空はまだ手下のカオスが出て来てから

倒すまでずっと暗い。そして倒したのにまだ暗いままである。

 

慧「他の皆にも応援を頼んだ方が良いのではないか?」

M「いや、一応頼んではいる。ただこの場に居ないだけでもしもの為に地中や妖怪の山にも皆待機していてくれるから」

 

霊「成程、本来この場に居る人物が少ないとと思ったわ」

紫「そのもしもがあって欲しくは無いけど」

 

 

こんな状況にもわいわい話している皆を見て瑞生はホッとした傍ら、常に警戒していた。

 

M(いきなり不意打ちみたいな事をしてくる奴じゃないしな、多分)

ラスボスなんだから堂々と正面から出て来いよって言いたい。

 

 

たが、残念にもその願いは叶ってしまった。

M「!?」

いきなり感じた不穏な気配に思わず辺りを見回す。

紫の方も何か気付いた様で皆に警告を促している。

 

M「いよいよ来るか……」

 

 

 

 

光、闇、無、混沌。どう表せば良いのか分からない様な空間が突如現れた。

 

M「……ご登場ですかぃ、カオス」

カオス(以後K)「……」

M「何でお前が此処にいる?ずっとあの世界で同じ時をループしていたんだろう?それで光の戦士達に討ち取られてお前は消えたんじゃなかったのか?」

K「何故、我を知っている?」

周りのメンバーも驚いた様にこちらを見ている。当然ながらカオスの話はしていない。

M「ちょっと、色々あっただけさ」

 

まだ幻想郷に転生する前に修行として色々な世界のボスと戦った。その時にこいつとも戦ったのだ。

M(あの時は何回死んだのやら……)

 

K「死んでもなお、異世界にまで来ても、我は戦う(カルマ)からは逃れられないと言うのか……」

M「……アンタは、この世界をどうするつもりだ?」

K「この場所を頂く。そうすればもうどの世界からも干渉されずに眠れる」

M「やっぱりやる気満々じゃねえか」

K「その為には……貴様等を葬るしかないな」

紫「ふざけんじゃないわよ。何処からともなくやって来ていきなり幻想郷を奪うなんて横暴にも程があるわ」

K「黙れ!」

その瞬間とんでもない竜巻が起こった。

霊「ちょ、ちょっと何よこれ!?」

魔「アイツが怒っただけで竜巻が出た!?」

K「貴様等に何が分かる!永遠に倒され続けるこの輪廻から逃れられない私の事が!」

M「そんなの知らねぇよ!お前の勝手な都合でこの世界を奪おうとするなよ!」

K「あくまでも我を倒そうとするか……良いだろう、この世界を壊すわけにはいかんからな。戦う勇気があるなら来い、受けて立つ」

 

そう言ってまた何と表せば良いか分からない空間へと入っていった。

 

 

紫「どういうつもりなの……?」

M「誘ってると言うよりアイツの言葉通り俺らを倒したらこの世界に君臨するみたいだからこの場所では戦いたくないんだろうな」

レミ「とことん勝手ね……私の槍でぶっ刺してやりたいわ」

霊「私も1度ぶん殴らないと気が済まないわね。て言うか皆同じ気持ちでしょ」

紫「瑞生、行きましょう」

 

M「いや、誰も来なくて良いよ。俺が行く」

 

全員その言葉を聞いて「は?」という表情を浮かべているのが良く分かった。

霊「ちょっと、何馬鹿な事言ってんのよ!相手はあんな滅茶苦茶な奴よ!?」

M「だから俺1人で良いって言ってるんだよ」

慧「い、幾らお前が強いといっても無茶が過ぎるぞ!」

その他も同じ様な事を随分と言ってくるが、

 

M「分かってくれ、ああいう奴と戦うのは俺みたいな異世界からの存在で良いんだ。この場に居る皆を傷付けたくはない」

紫「貴方、自分の事を考えてるの?」

M「考えてるさ。俺は居なくなってもどうにもならないけどもしも霊夢とか紫が死んでしまったらどうなる?幻想郷に多大な影響が出る事間違いないだろ?」

霊「だったら……瑞生は死んでも良いの!?それに私達は瑞生に比べたら弱いけど足でまといにはならない!それに自分の身くらい自分で守るわよ!」

M「そんな事は分かってる!だけどアイツの強さは尋常じゃない!絶対に命懸けの戦いになる事は間違いないんだ……おこがましいが、もしも皆に何かあったとしたら俺はとてもじゃないけど守れそうに無い。それに、

 

 

少なくとも、俺が死んだとしても命使ってでも封印するつもりだ」

 

 

紫「ふざけないで!」

 

スパーンという平手打ちが入った。(妖怪なので凄い痛い)

M「……紫」

紫「何が自分が居なくなってもどうにもならないよ!貴方が死んでも誰も悲しまないとでも思ってるの!?貴方にとって私達はそれだけの存在だというの!?」

M「……いや、そうじゃない」

紫「だったら1人で行くなんて無謀な事はしないで!」

その場に沈黙が訪れた。

M「さっきから皆さ、何で俺が死ぬ前提で話進めてるんだよ、そりゃ確かに無茶かもしれないけど。最悪命使って封印するとか言ったけど。死ぬ気なんてさらさら無い」

霊「そ、そうだとしても……」

M「大丈夫。ちゃんと帰ってくるさ……俺はこの世界が好きだからな。生きてる間はずっとこの場所に居たい」

 

 

その言葉に納得してくれたのかしてくれていないのかは分からないけど。

紫「分かったわ」

霊「紫!」

紫「ここまで来たらもう瑞生は言う事聞かないって知ってるから」

M「悪いな、紫」

紫「どうせ貴方の事だからさらっと帰ってくるんでしょう」

M「あぁ」

紫「帰ってこなかったら……恨むわよ。そして地獄の果てまで追いかけるわよ」

M「ひぃ怖い……そんな目には御免だな」

霊「帰ってきてよ」

あの霊夢も素直な言葉を掛けてくれる。

M「勿論。他の皆も心配するなって」

レミ「心配なんてしてないわよ」

咲「お嬢様、嘘つくの下手ですね」

パチェ「顔に出てるわね」

レミ「うるさい!」

フラン「兄様、頑張って!」

M「ありがとう……それじゃ、行ってくるわ」

 

そう言って1人飛び込んでいった。

その場に残された者は彼のその背中を心配そうに見つめていた。

 

 

 

M「何だか……ラストフロアみたいだな」

周りの景色を見てふと思った。

そして同時にカオスに近付いている事が良く分かって、緊張が走る。

 

K「なんと……1人で来たか」

M「あぁ」

K「無謀な戦士よ……情けは無用」

M「無謀とは思ってはいないけどな。早速やるか」

 

K「我が力で全てを無に還そう……さぁ行くぞ、戦いの……輪廻だァ!」

 

 FF1よりラストバトル

VSカオス

K「せめてもの情けだ、一瞬で葬ってやろうではないか」

M(さっき情けは無用って言ってたよな?)

「ってうぉい!」

いきなり飛んできた大剣をかわす。

更に飛んでくるフレアとかサンダガとか当たったらヤバそうな魔法も何とか避ける。

K「大抵は初めで終わるのだが……我を楽しませてくれ!」

M「こんの戦闘狂め!」

遂に剣と剣が交わった。

 

相手の剣は不思議な構造をしており、変幻自在に剣先を操れる厄介な物だ。威力は申し分無く、当たれば只事では済まないだろう。

M(だからと言って……逃げる場所も理由も無い!やるしか無いのなら……!)

「星光爆裂破!」

K「不動無明剣!」

M「時空蒼破斬!」

K「星天爆撃打!」

流石はと言うべきか、高度な剣技で次々と返してくる。更に、

K「消しされェ!」

そう叫ぶと炎を纏った竜巻と猛烈な津波が押し寄せ、終いには岩石が降り注いできた。

M「冗談だろ……」

四つのカオスを統べるその力は天災さえも軽々と操ってしまうのだろうか。

M(とにかくこの状況を何とかしないと……)

「四精!」

と略して呼ぶのはイフリート、ウンディーネ、ノーム、シルフの4体である。

M「負けるかよ!始まりの力、手の内に!我が[[rb:導 > しるべ]]となり、こじ開けろ!スプリームエレメンツ!!!」

 

四精の力を集め一つの術式として放つ。

巨大な力と力がぶつかり合う。

M「ッツ……!」

K「面白い……!」

 

そして、打ち勝つのは。

 

M「!!!」

彼は言葉も無しにその天災に巻き込まれた。

 

 

 

K「私にこの攻撃を全力で撃たせるとは……やはりここまでくるだけはあるな。だがそれまでしかないという事だな」

M「……」

K「そう言えば気になるな。何故お前は我を知っている?」

M「お前とは戦った事があるし、お前を昔倒した人物も知っているからだ」

K「おかしな話だが、嘘は言っていない様だな」

M「こんな所で終わりじゃ無いさ」

ゆっくりと立ち上がった。

M「こっから本番。OK?」

K「フッ…その余裕もいつ儚く消えさるか」

M「それは…こっちのセリフだ!」

 

 

再び激しい攻防の中、何とか相手の弱点等を探そうとする……が。

M(無いよな、うん。知ってた)

完全無敵と言っていい程相手は強い。当然と言えばそうなのだろうが。

M(でも決してそんな事は無い筈だ……相手は余裕の雰囲気、時間が経つにつれ癖を見せる様になる)

 

そう信じ一方的とも言える戦いは続く。

 

 

M「クソッ・・・」

もう体はボロボロだった。弱点見つける前に自分がやられちゃ意味ないだろうと突っ込むのももう遅かった。

K「大したものだ……我が攻撃をここまで耐え忍ぶ相手は初めてだ。誉めてやろう」

相手も始めとは違うもののまだ余裕を保っていた。

M「とことんバケモンだな、アンタ」

K「負け犬の遠吠えは醜いぞ」

M「死ぬまでは負け犬じゃない」

K「ならば……我が手で葬ってやろう」

カオスが力を溜めだした。また秘奥義とぶつかったアレをやるんだろう。

M(しっかりしろ……当たればお終いだぞ)

全速力で頭をフル回転させるも全く意味が無かった。考える気力が無かったとも言えよう。

M「躊躇っている暇なんて無いか!」

すぐに神モードになり、

M「グランドリーサル!」

目の前に来ているカオスの攻撃を巨大なエネルギー波でかき消した。

K「何ッ!?」

M「よくも散々やってくれやがったな……」

出来ればこの力は使いたくなかったけど。

M「本気で行くぞ!」

 

先程までと真逆と言っていい程こちらがガスガス殴っていた(リアルに素手で)

M「秘奥義!天破!地砕!拳砕けても、開く!殺劇、舞荒拳!」

K「グアァッ!?」

 

怒涛の乱舞技。様々な手法の格闘技で殴ったり蹴ったり。

グローブしてても殴ってるこっちも結構痛いんだぜ By瑞生

 

 

K「な、何故だ……いきなり何がどうなった?」

M「さっきまでの威勢はどうした?」

K「こんのォ!我を怒らせたな……!」

M「本気で来い!」

K「言われなくとも!」

M「ん?いいですとも?(難聴)」

 

 

 

 

本気のガチ勝負を繰り広げる中、ある事を思い付いた。

M(そう言えば……神モードの状態で獣人化すればどうなるんだ?)

互角の勝負。何か打開策があるならやる価値は十分にある。

超獣化してしまうかもしれないが、躊躇していられる状態では無い。

M「……こうなったら成り行きに任せる!

獣化(ビーストオン)!」

 

すると、

M「うわぁぁっ!!!」

突然激しい雷が降り注いで来たのだ。

K「何だ!?」

 

 

もがき続ける事数十秒。

M「ハァッ……ハァッ……」

そこに居たのは。

K(今までとまた違う……何だこの力は……?)

M(いける……初めてだけど制御出来てる)

吠える。とても大きな声で。

M(力が溢れてくるけど、この状態1分持つかどうかなレベルで気力使うな……短期決戦でやってやるさ!)

 

爪に纏うは迅雷。神の雷とも。

M「紫電……一閃!」

K「はぁぁっ!!!」

対するカオスは剣に土の力を込めた巨大な剣で対抗する。そして瑞生を睨む……が。

K「消えた!?」

もうそこに彼はおらず、

「何処を見ている!」

何処からともなく声がしたと思うと、

M「甘いッ!絶影!」

一瞬で懐へと飛び込まれ斬撃。

K「ガッ……」

M「終わると思うな……ッツ!!」

追撃をしようと思ったが体が突如動かなくなった。

K「ハハハハハ……反動だな。そんな状態が長く持つ筈が無い!」

M「クッ……!」

何とか動ける様にはなったが獣化は解け、神モードを維持するのがやっとの所まで瑞生の体力は限界だった。

 

K「これで、全てを終わりにする!ハァァァァァッ!!!」

またアレかと思ったが今度は違う。本当に全身全霊懸けて技を放とうとしている。

M「ならこっちも締めといくか!」

相手に負けじとこちらは力を溜めると同時に全身全霊集中する。

 

 

 

K「全てを無に!ソウル・オブ・カオス!」四つのカオス全ての力が集まり、何と表現すれば良いのか。まさしく混沌そのものであり、世界さえも壊せる位の威力はあるだろう衝撃波を放った。

 

 

M「汚れなき聖なる力、我が剣に集え……邪悪たる闇を一陣に貫き、不浄たるモノに制裁を!

ライトォォ……ブリンガァァー!!!」

 

自分にあまり光は似合わない、そう思ってたけど。

出来るなら誰かの闇を照らす光でありたい。

 

 

M「貫けぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

K「ウォォォォッー!!!」

 

 

 

消え去った。跡形残らずに。

M「……勝った、か」

まさか本当に勝てるとは思ってなかったけど俺も意外とやるもんだね。粘り勝ちだ。

 

すると、

M「何だ!?」

地響きと共に周りが崩れ始めた。

M「あれ……ヤバイ感じ……?」

もうダッシュで入口に戻る。

M「ここで死んだら洒落になんないって!」

戻るって言っちゃったからには戻らないと。

何度も躓きながらも走る。走る。走る。

 

 

M「あった!」

自分が入って来た時空の歪み。

M「うぉぉぉぉ!!!」

段々小さくなっていくそれに、

M「秘技!ヘッドスライディングゥゥゥ!」

 

 

 

 

 

M「いや勝手に殺すなし!」

何とか間に合った。て言うか間に合わなかったら駄目だよね(殴

 

 

 

出て来たのは時空の歪みがあった博麗神社。

M「ホワァァッ!?」

ごろごろと瑞生が出て来た。

 

霊「瑞生!」

 

M「霊夢?それに皆も……」

紫「馬鹿……どれだけ心配したと思ってるのよ!」

魔「まぁお前なら大丈夫と思ってたぜ」

フラン「あんなにオロオロして空飛び回ってたくせに」

魔「う、うるさいんだぜ///!」

 

 

M「……」

紫「瑞生……?」

すると自然とゼロが解けた。

紫「ッツ!!!」

血まみれだった。身体中に傷もあった。

その場に居た全員が息を飲んだ。

永「今すぐに永琳亭に運ぶわよ!」

紫の力を借りて永琳亭に移動。

 

 

永「何よこんな大勢で……ッツ!?」

鈴仙(れいせん)優曇華院(うどんげいん)・イナバ(以後鈴仙)「うわぁ……凄い出血!」

永「嘘でしょ……」

輝「……」

鈴仙「お知り合いですか?」

永「話は後。治療するわよ!」

 

 

しばらくして永琳が戻って来た。

 

妖「瑞生さんの容態は……?」

誰もが聞きたい所であった。

永「隠す必要も無いしはっきり言うわね。もうシンプルにヤバい状態」

輝「ヤバいって具体的には?」

鈴仙「シンプルに出血多量ですね。身体中傷だらけの事からして数日間は目覚めないかもしれないです」

紫「嘘……」

永「今夜が山場ね。でも今夜を過ぎれば命に別状は無いと思うわ」

レミ「まだ安心は出来ないわね」

文「……ネタにする以前に、死んでしまっては嫌ですよ」

霊「ブン屋にしてはしんみりするじゃない」

文「お客様である以前に、瑞生さんは大事な友人ですから」

 

永「話をするなら外で。今は絶対安静よ」

永琳に従って外に出て、今日は解散とした。

 

 

輝「まさかこんな形で再開することになるとはね」

永「本当に瑞生はいつも突然ですよね」

輝「大丈夫、よね?」

永「瑞生の事ですから。きっと大丈夫です」

 

 

 

M「何かデジャヴ!だから殺すなし!」

 

 

 

M「……ん?」

誰かに呼ばれた気がした。

M「あれ?ここは?」

周りは白1色で、何も無い。

M「参ったなぁ……」

とりあえず歩いてみるがやっぱり何も無い。

 

???「まさかカオスを倒すとはな」

M「誰だ!?」

目の前に現れたのは。

 

M「……俺?いや、違う」

真っ黒な鎧のゼロが居た。ダークゼロってところか。

ダークゼロ(以後闇ゼロ)「そう警戒するな。何もしてないだろ」

M「怪しいんだよ……」

闇ゼロ「とは言え、その力を持っていながら無様だな」

M「……そうさ、弱いよ。俺は」

闇ゼロ「認めるのか?」

M「認めるもなにも事実だしな。獣人化の時も俺は俺の心の弱さに喰われたんだ」

 

闇ゼロ「そうか。てっきり違うと言うと思っていたがそうではないらしい」

M「結局何が目的だ?」

闇ゼロ「違うと言っていたらぶっ飛ばしていたがお前が心の弱さを認め克服しようと言うなら力を貸してやる」

M「お前は結局何なんだ?」

闇ゼロ「分かっているだろう、お前の闇だ」

M「闇、ねぇ」

闇ゼロ「光濃くなるほど闇は強くなる。神の力を使いこなせるなら闇の俺も使える筈だ。まぁ闇に喰われなかったらの話だがな」

M「大丈夫さ、多分」

闇ゼロ「フッ……楽しみにしている」

M「宜しく、もう1人の俺」

闇「フン、宜しくな」

 

 

 

 

 

M「知ってたよ!でも1ページに2回も3回も

すんなし!そして殺すなし!」

 

 

M「ん……」

目が覚めると知らない場所。周りには竹林が広がっていた。

M「ここ、何処だ?」

 

すると、襖が開いた。

M(兎?)

鈴仙「あ……師匠ー!」

ドタバタと駆けて行った。

M「何なんだ一体……」

またドタバタと足音が近付いて来る。

M「今度は何だよ」

入って来たのは……

 

永「お目覚めかしら、瑞生 」

輝「久しぶりね」

 

M「永琳……それに輝夜!?」

 

 

短時間ではあったが、色々と話した。

永「また大変な相手と戦ってたのね」

M「ここには被害は無かったのか?」

輝「無かったとは言わないけど特にはね」

M「そうだったんだ……あ、忘れてた。皆に言いに行かないと」

永「止めときなさい」

M「何で………って痛たたたた!」

永「鈴仙、痛み止め持って来て」

鈴仙「はい」

M「成程ね、こりゃ無理だわ」

輝「貴方ここに来た時酷いケガだったわよ」

M「だろうな。かなり全力だったし」

 

???「こりゃ中々のイケメンだね、お師匠様も輝夜様も抜かりない」

M「うわっ!?」

永琳「てゐ、いきなり出て来ないで」

因幡(いなば) てゐ(以後てゐ)「てへっ☆」

M「そうだ、初めここに来た子も兎だったけど、彼女達は?」

永「そこの兎はてゐ。最初のはうどんげ」

てぬ「私は因幡てゐ。てゐって呼んでね」

M「はぁ……」

鈴仙「私は鈴仙・優曇華院・イナバ。うどんげって呼ばれてます、宜しくね」

M「てゐに鈴仙か、宜しく」

 

永「もうじきスキマ妖怪が来ると思うわ」

M「紫か……分かった」

鈴仙「痛み止め、飲んで下さいね」

M「おう」

 

そして部屋に残されたのは自分1人。

M「まさか永琳達と再開するとはねぇ」

 

そして、

M(何か来るッ!?)

前方か後方か左右か。警戒するが来ない。

M(となると……上か!)

上から来るぞ、気を付けろ!

気付くも遅かった。

ぼふっと紫が飛び込んで来た。

目の前に当たる胸は素晴らしいが、

M「イヤァァァァァッー!!!」

激痛が走る。

すぐに永琳達が来るも、ため息付かれて何処かへ行ってしまった。そんなアホな。

 

M「紫……苦しい……」

胸で。

紫「あら、ごめんなさい」

M「一応病人なんだから優しくしろよ……」

紫「……良かった、本当に」

M「ん、あぁ、まぁな」

紫「凄く心配したんだから」

M「悪いな。まぁ生きてるし良いだろ」

紫「死の淵彷徨っていたんでしょ」

M「うん。変な場所に居たよ」

紫「でもまぁ冥府に行ってなくて良かった」

M「冥府かぁ……ちょっと行ってみたいかも」

紫「洒落にならないわよ……」

 

 

 

他愛もない話を終えて、

紫「とにかく、皆に伝えてくるわ。それと貴方が治ったら宴会開くらしいからちゃんと来なさいよ」

M「宴会か。大丈夫、すぐ治すさ」

 

そう言ってスキマに消えていった。

するとまた少し経って沢山の人物がお見舞いに来てくれた。

 

 

後日。

永「はい、もう大丈夫よ」

M「何から何まで感謝するよ、永琳」

永「世界を救ってくれた英雄には当たり前」

M「別にそんなんじゃないって」

輝「私達も宴会には行くからね」

M「おう、そんじゃまたな」

 

 

鈴仙「何か、凄い人でしたね」

てぬ「あの人、外来人だよね?」

永「えぇ」

てぬ「最初にも言ってたけど、あの人とお師匠様達って知り合いなんですか?」

輝「旧友って所かしら」

永「いずれ話すわ」

 

 

 

霊「やっと見つけたわ。さぁ早く、皆お待ちかねよ」

M「そう急かすなって」

霊「貴方がメインゲストなんだから」

M「へいへい」

 

 

 

霊「さ、主役の登場よ」

M「どうも。悪い皆、心配掛けたな」

ワーワー歓声の中、

霊「乾杯頼むわよメインゲストさん」

M「あいよ、そんじゃ固いのは無しだ。

皆お疲れさん、乾杯!」

 

「かんぱーい!」

「乾杯!」

「シャンハーイ!」←?

 

皆それぞれ料理を持ち合わせたらしく、様々なジャンルがあってどれも美味しい。

 

 

皆が酒飲んだり食べたり談笑したりして笑っている姿を見ると、あれだけ頑張った甲斐があったなと自分も笑える。

自分は酒は飲まない(飲めない)のでお茶を貰って食事をしていた。

 

今食べているのは洋食だから持ってきたのはきっと紅魔館辺りかな。美味い。

 

 

楽しい時間っていうのは本当にあっという間で、色んな人達と話したし十分楽しかったけどもう少しこうしていたいと思ってしまう。

 

 

とにかく色々と大変だったけど。

M「とりあえず、ハッピーエンドだよな」

そうならば、まぁいいか。

 

 

M(また色々と力目覚めちゃったな、また修行せねば)

これはまた放浪の予感がしたがやっぱりやめた。今は皆と居たいと思ったからだ。

 

 

とりあえず平和な日々が戻って来るのだろうけど、またどうせ厄介事がすぐに舞い込んでくるのがここ幻想郷であるから。

それまではゆっくりしているのが一番だなと思う瑞生であった。

 

 

 

M「もう良いよ(憤怒)終わらねぇから!」




FF1と9辺りが今回の参考作品となりました。
主人公は頑張ったんじゃないですかね。少なくともハッピーエンドを迎える事が出来たんじゃないでしょうか。

次回からまた日常に戻る。文字数増やして頑張ってやっていきます。

気が付いたらUAが1000件超えていて驚きました。
見て下さった皆様ありがとうございます。


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-新能力 そして怒涛の誕生日(意味深)-

どうも。
これ書いた頃は誕生日でした。
どんどん新たな能力目覚めてますがメンタル面が弱いのでやっぱり頻繁に使用は不可能です。

今回はちょっと瑞生が嬉しい日。

では、どうぞ。


M・M「しかし瑞生君前回は激闘でしたねぇ(適当)」

M「人事みたいに……」

M・M「人事だからね!」

M「殴っていい?」

 

M・M「アッー!!!」

GAME ♂VER(意味深)

 

 

M・M「少しだけだけど戦闘描写凝ってみたのですが」

M「いやいや、あれ位で凝ったって言うなよ、少な過ぎだし」

M・M「もう少し暇があれば(大嘘)」

M「はいはい、それより前置きが長いぞ」

M・M「おっと。これからは原作キャラとの絡みをもっと増やしつつ異変に巻き込まれる彼を生暖かい目でご覧下さい」

M「何で生暖かい目なんだよ……とにかく作者頑張って書けよ、サボったらライトブリ(ry」

 

M・M「それは死ぬからヤメテー」

M「いっぺん死んでみれば良いかも」

M・M「俺の扱いとは一体……」

M「良いから茶番は終わりだ」

M・M「そっちが仕掛けて来てるんだけどね。まぁこれからの時期リアルが一番忙しくなる為投稿不定期になりますがお許しを。ちゃんと書くので見て下されば幸いです」

M「それじゃぁ本編イクゾー」

 

 

 

 

あの激闘が終わり楽しかった宴会から1週間。

瑞生はいつも通りの日常を送っていた。

M(何と言うか、あの一件があってから何気ない日常がどれだけ幸せか改めて認識したな。またあんな存在が出てくる事を考えると……やっぱりまだまだ弱いな、俺は)

 

この前の戦いで目覚めた新たな力。

初め手にした神の力が光ならばこちらは闇。

ダークゼロ。通称闇ゼロから貰った力や、

神獣化(ゴットビースト)。瑞生が名を付けた新しい力である。

自分が新しい力に目覚めるという事はきっとカオスを上回る存在がいつか現れる事なんだろうか。そう考えるとこの力も早く使いこなさなければならない、と言う謎の使命感にも駆られ、毎日平和に暮らしているようで強くなるために修行は怠らない。

 

一人で、たまに妖夢などに手合わせ願って、一生懸命頑張ってます。

精が出るわね、と霊夢や自称永遠の18歳スキマ妖怪から言われたが、このいつもやっている事が重要な戦いでは鍵になる、と言っているし妖夢などにも教えている。だから毎日欠かさず頑張る事が強さに繋がると少なくとも俺はそう思っている。

 

M「何しろ俺の力は精神の強さがモノを言うからな!ゴット……ビースト!」

激しい稲妻を身に纏い意識が一瞬マジで飛びそうになるけど耐えて、なんとそのまま座り込んで瞑想やら色々。

M(何しろこんな事を繰り返す事で変身時間って言うのが伸びるもので……)

 

続いて、

M「闇よ、我が身と化せ!」

闇ゼロは特にそうだ。気を抜くと自分を持っていかれる。持っていかれたら最後、暴走しかない。とても危険だが、やはり強い。

 

そして、神の力を使っている時に闇ゼロを発動させるといわゆるカオス。無や混沌の力を得る事が出来て、それも非常に強力。

 

闇と光、そしてその間にある混沌。そして無。それだけの力が今使えるようになっていたのだ。

M(ぶっちゃけチート地味た強さがある……後は使う者の強さ、精神、そして覚悟)

 

守るためには光も影も力に代えて全力で戦うのだ。例えそれが間違った「正義」になるとしても……。

 

 

 

M「まぁ、今日はこの位にしとこ」

修行を終えたらお家に帰る。

休みの日はそうやって、仕事の日も同じく。

やはり出来るだけ早く帰りたい。

……まぁ大抵邪魔されるんだが。

遅くなるとルーミアが帰らせてくれないし。

妖怪がしょっちゅう襲ってくるし。

最近良く何処ぞのブン屋が飛んでくるし。

やたら紫さんが絡み付いてくるし。

その他もろもろあって帰りが遅くなる。

 

 

でもそんな日々が続いてくれる自分はきっと幸せ者なんだろうな、と思いたい。

 

 

 

もう随分寒くなったある日の事。

M「もう11月か……」

11月と言うと。

M(今年で何回目の誕生日だろうか)

11月5日。多分俺の誕生日だった筈。

記憶に残っている限り、間違ってはいないと思う。

皆にも当然言っているのでもしかしたらと思ったが全然変わりようが無いから気にしなくても良いな、と思った。どうせもう何歳かなんてすっかり忘れたしこの年になって誕生日を祝うのもな、と。少し寂しくなったが、自分にとっても誕生日とはそれまでの扱いらしい。

 

11月5日。

霊「瑞生、悪いけど留守頼んで良いかしら」

M「あぁ、構わないけど」

何処に行くんだ、なんて野暮な事は聞かない。自分も良くフラフラ出掛けるしね。

 

霊夢が向かったのは。

霊「相変わらずね、早苗」

東風谷(こちや) 早苗(さなえ)(以後早苗)「霊夢さん、遅いですよ」

霊「もう皆集まってる?」

早苗「はい、大方は」

 

彼女はこの守矢神社の巫女。

そして神様もいる。

瑞生とは人里で知り合ったのがきっかけで仲良し。神様達も瑞生がお気に入りらしい。

 

中に入ると大勢の人物が話し合っていた。

魔「霊夢、遅いぜ」

霊「仕方ないでしょ」

レミ「貴女が今回も鍵となるのだからね」

霊「分かってるわよ」

 

瑞生の思いとは裏腹にこの大勢の人物が誕生日を祝う為にわざわざ集まって色々と話し合ってくれているのだった。

 

サプライズはどうだろう、と言い始めたのはフランやこいしだった。

そうすれば皆一斉に祝えるし楽だなという事で乗っかったのだがこれはまたどう祝うかで論争が勃発していた。

 

その為に中々決まらずにいた。

時間もそこまで無いので実質皆焦っているのであろう。

それまでは珍しく無口であったが、そこでついに彼女(・・)が口を開いた。

 

紫「色々考えるのは良いけど、あまり派手過ぎるのも彼はそこまで好まないと思うわよ」

彼を良く知るからこその意見だった。

霊「じゃあ紫ならどうするのよ、具体的に」

紫「そうねえ……」

ふと考えてみる。

 

少しの沈黙の後、

紫「博麗神社に暗闇の中皆で隠れて瑞生がおかしいなと電気付けたら誕生日を祝うのよ」

 

霊「……意外ね。本当にシンプル」

幽「貴女の事だからスキマにいきなり連れ込んでサプライズでもするのかと思ったわ」

妖「怖いですよ、幽々子様……」

紫「流石に瑞生相手にはしないわよ」

妖(他ならするんだ……?)

霊「他に意見も無いし……それでいきましょ」

魔「腕がなるぜ」

アリス「何の腕がなるのよ」

レミ「クラッカーなら倉庫にあったわよね」

咲「はい、ございます」

パチェ「魔法で脅かす方が良くない?」

慧「メインが怪我でもしたら大変だろう」

永「その時は私がやるわよ、新しいキズ薬作ったのだけど効果試したいし」

鈴仙「だ、駄目ですよ師匠!」

ルーミア「やっぱり闇から攻撃がいい」

大「だからダメだよ~(汗)」

他にもチルノ等攻撃的な奴が多いが。

文「これはまた記事にせねば(使命感)」

にとり「普通に祝おうよ」

燐「そう言えば瑞生って何歳?」

さとり「確か自己紹介の時に分からないって言ってたわね」

こいし「分からない位歳取ってるのかな?」

パル「そういう風には見えないけど」

星熊 勇儀(以後勇儀)「ま、見た目で判断したらね」

伊吹(いぶき) 萃香(すいか)(以後萃香)「私達はどういう事だってなるね」

鬼さん二人はそう言う。

 

八坂(やさか)神奈子(かなこ)(以後神奈)「盛り上がってんねぇ」

洩矢(もりや) 諏訪子(すわこ)(以後諏訪)「ま、瑞生はそれだけ大切にされているという事だよね」

早苗「良い事じゃないですか~」

 

女子達はトークに花を咲かせている様だ。

 

一方当の本人はというと。

M「霖之助、これは?」

森近(もりちか) 霖之助(りんのすけ)(以後霖之助)「あぁ、これは先日倉庫から見つけた物さ。何か良く分からないな」

見るからにしてポケベルである。

M(そう言えば俺の親戚の爺ちゃんが持ってたっけ?使い方は……)

当然繋がる訳ないがポチポチしてみる。

霖之助「知ってるのかい?」

M「これはポケベルって言ってさ、番号を打ち込んで文字に変換する事によって遠くの人物にメッセージを送れる機械なんだ」

霖之助「凄いな、使えるのかい?」

M「いや、流石にここでは無理だ。しかもこれがあったのは俺の生まれる前だから」(生きていた時)

霖之助「残念だ……そう言えば瑞生、河童を知っているかい?」

M「それは勿論」

霖之助「なら今度場所を教えるから会いに行ってみるといい。機械が大好きでメカニックな河童が居るんだ」

M「変なの……男か?」

霖之助「いや、女の子でにとりと言うんだ」

M「あぁにとりか」

霖之助「もう知り合いだったのかい?相変わらず君は隅に置けないね」

M「うるへー」

 

こんな会話をしていた。

 

 

店を出ると、もう暗かった。

M「ありゃ、もう暗いな。早く帰らないと」

そう思い飛ばした。

 

M(ん?)

着いてみたら違和感が半端ない。

M(て言うか電気も付いてないし……誰も居ないのか?)

電気を付けていってみるが誰も居ない。

M(でも……怪しい)

残るは裏。宴会場である。

そして近付いた時に分かった。誰かが居て潜んでいると。

M「誰だッ!」

扉をバーンと開けると同時にパーンと何かが鳴った。

M「ファッ!?」

 

All「誕生日おめでとー!」

 

思わず立ち尽くしていた。

霊「何そこで棒立ちしてるのよ」

フラン「兄様、おめでとー!」

紫「皆覚えてるに決まってるでしょ、貴方の誕生日を。だから皆でサプライズよ」

藍「誕生日おめでとうございます、瑞生様」

橙「おめでとうです!」

 

M「ハ、ハハハ……まさかこんな事してるとは思わなかったな、こりゃ一本取られた」

霊「おめでとう、瑞生」

M「皆、サンキューな。凄く嬉しいよ」

心の底からそう思う。

M(幸せ者だよ、俺は)

さとり(その言葉が聞きたかったです)

 

盛大な誕生日パーティの始まりだった。

 

 

 

M(そして気が付いたら大抵が酒に潰れているんだよな)

言葉通り酔い潰れて寝ている者、何故か怒っていたり弾幕ごっこしているやつだとかもう自由にやっていた。まぁこれが幻想郷なんだと俺ももう慣れた方だけど。

 

 

M(酷い目に遭った……)

沢山の人物から「酒呑めぇ~」「グビッといけや」「お前も飲めやー!」

とか言って無理やり呑ませようとしてくる奴が大量にいた為に対処に手こずった。

 

楽しかった時間もあっという間。皆それぞれの場所に帰っていった。

 

M(楽しかったよ、皆ありがとう)

とても楽しい1日になった。

 

紫「良かったわね~」

M「そしていつもいきなり背後に着くのは止めた方が良いと思うぜ」

紫「貴方と私の仲じゃない~」

M「拳で抵抗します」

紫「酷いわ~紫お姉ちゃん悲しい~」

 

お姉ちゃんとは一体。

M(こいつ……酔ってやがる)

紫「瑞生~」

M「ちょ///抱き着くなって///!」

紫「ダメなの?」

M「え、いや、それは……」

紫「じゃあ良いでしょ~♡」

M「ツッ……」(やりづらい……)

紫が後ろから思いっきり抱き着いている。

非常にけしからんよ。何がけしからんって?それは言えないなぁ(殴)

本当にこの幼馴染は一瞬で俺の鉄壁の理性(紙)

を剥がしていくんだよなぁ(歓喜)

 

M「妙に酒臭いし……ちゃんとお家に帰りなさい。第一藍と橙はどこ行ったんだよ」

紫「( ˘ω˘ ) スヤァ…」

M「寝てるし……ハァ…」

 

仕方が無いので運ぶ。うん、デカい(爆)

お姫様抱っこも良いけどおんぶは良いよねっていう謎の思考回路を回しておく。

 

普通の人は行けないが彼の場合エターナルソードがあるので空間斬り裂いて行ける。

彼女の住んでいる場所では無いが、とりあえずマヨイガまで運ぶ。

 

 

M「誰か居るか~」

藍「瑞生様!紫様が……って居た!」

橙「酔い潰れてますねー」

M「良かった、皆居たか。回収頼む」

藍「はい、確かに」

橙(商品みたい)

 

M「紫……酔い潰れるまで飲んだのか」

藍「嬉しいのですよ、貴方の誕生日を祝える事が」

橙「張り切ってましたしね」

M「まぁ、仕方ないか……っと、もう帰るわ」

藍「はい、お疲れ様でした」

橙「おやすみなさいませー」

M「あぁ、お休み」

 

 

ある日の事。

フラン「兄様、遊ぼっ!」

チルノ「いやいや、そこはアタイが」

こいし「瑞生は私と遊んでくれるよね?」

 

M「おまいらテンション高過ぎる……しかも遊ぶって絶対弾幕ごっこだろ!」

3人「勿論」

M「(´Д`)ハァ…」

 

そんな感じで遊ぼうとする(物理)が、

霊「ここでやるのは止めなさい」

神社ではやるなと言う家の主。

M「いや、そこは止めてよ」

霊「嫌よ、面倒くさい」

M「くっ……」

フラン「抵抗は諦めて、どうぞ」

M「何処で覚えたそのネタ。だが俺は抵抗するで」

こいし「拳で?」

M「いや、流石に君達相手に拳は無謀過ぎると思いますけど」

チルノ「とっとと始めるぞ、あくしろよ」

M(誰だ?妙な知識入れ込んでる奴)

おまわりさん貴方です。

M「とんずらだっ!ずらかれっ!」

3人「あっー!逃げたっ!」

 

 

 

M「っていう事があってさ」

妖「それで白玉楼に来たんですね」

幽「いきなり何かと思ったわ」

M「いやはや面目ない」

妖「大変ですね……」

M「おお妖夢、分かってくれるか」

妖「何となくですが」

M「それでええさ……」

幽「そう言えば瑞生」

M「ん?」

幽「貴方、最近また新しい神社が出来たって知ってる?」

M「あぁ……命蓮寺(みょうれんじ)だっけ?霊夢とか早苗が何か言ってたな」

幽「流石早いわね。私はあんな場所に建てるなんて物好きだと思うけど」

M「今度、行ってみるか……」

 

 

後日、人里にて

M「おっさん、大根と白菜くれ」

おっさん(適当過ぎィ!)「おっ、今日は鍋かい」

M「あぁ、メニュー考えるより楽だし簡単に尚且つ暖まるしな。冬にはもってこいだ」

おっさん「もう年末だしな~……あいよ、毎度ありっ!」

M「サンキュ。また買いに来るわ」

 

離れて山道を少しだけ歩く。別に飛べば良いじゃんとか思ってはいけない。

M(妖怪に出られると面倒だがここら辺歩くの好きなんだよなぁ)

 

案外こういう所から出会いって物があったりしたり。

 

 

女性「た、助けて!」

 

あった。しかもあってはいけない出会いだ。

M(相変わらず面倒事には縁がある……って言ってる場合じゃないな)

 

その場に急ぐ。すると争う音が聴こえた。

 

M「大丈夫ですか……ってあれ?」

そこに居たのは、恐らく先程の助けを求めた女性であろう人物と、またこの女性に絡もうとしたであろう中々大柄の男性が3人と、美しい紫の髪で傘帽子をした女性が一人。

 

そして男性陣はその場に倒れていた。

男1「つ、強ぇ……」

男2「化けもんだぁ……」

男3「三人に勝てるわけないだろって思ってたのに……」

M(おまいら……)

 

???「大丈夫ですか?」

女性「た、助かりました!なんとお礼をしたら良いか……」

???「良いのですよ。不埒な真似をしようとした男達にお仕置きをしただけです」

 

再び女性はその紫の髪の人物にお礼をして去って行った。

 

M(俺空気だな……それにしても綺麗な人だ)

 

男1「綺麗だ……踏まれたい!」

男2「罵られたい!」

男3「三人はどういう集まりなんだっけ?」

M(駄目だこいつら……早くなんとかしないと……それと3人目さっきから何なんだ)

 

ピクピクしながらだがそんな事を言えるって事はさてはコイツら元気だな?とか思いつつ突っ立っていると、

 

???「貴方はその人達とは違いますね?」

M「え、あぁ、勿論」

こんな奴らと一緒にしないでもらいたい。

???「見慣れない方ですが、人里のお方ですか?」

M「いや、俺は博麗神社に居候させてもらってます」

聖 白蓮(以後聖)「博麗神社ですか……おっとすみません自己紹介が遅れました、私の名前は(ひじり) 白蓮と申します」

M「ご丁寧に……俺の名前は如月 瑞生です」

聖「瑞生さんですか。宜しくお願いします」

M「宜しくです。唐突ですが、あそこに居た男達を倒したのは貴女ですか」

聖「はい、女性に対し失礼な真似をしたので成敗しました」

M「お強いのですね、あいつ等かなり大柄……ってあり?居ない……」

聖「逃げられてしまいましたか」

M「すみません、俺のせいですね」

聖「大丈夫ですよ、彼等もきっと反省したと思いますし」

 

 

男達「誰が反省したって?」

M「……帰ってきた」

先程の男達が呼んだであろう、数が増えて帰ってきた。

聖「無駄だと分かっていても尚向かって来ますか」

男達「うるせぇ!野郎ども、やっちまえ!」

聖「貴方!戦えますか!」

M「……あんまり人間相手は得意じゃないんだけどな」

聖「?」

M「大怪我にならない程度に、やりますよ」

聖「そうですか、是非お願いします」

 

戦って思ったが、戦い方も綺麗だ。その華奢な体からは想像もつかない強力なパンチやキックが次々と炸裂した。

M(強いなぁ)

 

彼に背中は預け襲い掛かる男達を次々撃破していく。少し共闘しただけで分かった。彼もそんなにガッツリした体じゃないのに明らかに戦い慣れているとひと目でわかる戦いぶりであった。

聖(この人、強いですね)

 

 

あっという間に終わった。こちらが圧勝し、男達は観念して逃げて行った。

 

M「やれやれ」

聖「助太刀感謝致します」

M「いやいや、こちらこそ」

聖「見かけによらず瑞生さんはお強いのですね。中々に驚きました」

M「これ位普通ですよ。それに見かけによらないって言うなら白蓮さんもですよ」

聖「ふふふ、白蓮で結構です。それに口調ももっと楽に砕けて下さい」

M「そう、か。なら遠慮なく」

聖「もう少しお話したいですが私は帰らなければいけないので」

M「あぁ、俺もだった」

聖「では瑞生さん、またお会いしましょう」

M「あぁ。また」

 

そう言って彼女も去って行った。

 

M(不思議な人だったな……)

また会う事もあるだろうな、きっと。

 

 

 

またある日の事。

M「暇だなぁ」

弾幕ごっこはちょっと遠慮したいが、何かをしたい気分ではあった。

 

すると、

「遊びに来たぜー!」

白黒の魔法使いの声がする。

霊「また来た」

霊夢が隣でため息をついていた。

 

 

M「魔理沙、どうしたんだ?」

霊「用無しとかだったら帰らすわよ」

魔「霊夢はつれないぜ……それより皆が言っていたあの神社に行ってきたぜ」

霊「命蓮寺に?」

M「どうだった?」

魔「何と言うか……普通?」

M「普通とは一体」

魔「主も特にこれと言って変わった奴じゃないし神様とかも居たけど参拝客もそれなりに居て本当に普通って感じだったぜ」

霊「ふぅん……普通、ね」

魔「参拝客に嫉妬か?」

霊「そんな訳ないでしょ」

魔「ま、本当に普通だから霊夢も瑞生も行ってみたらどうだ?」

霊「ま、気が向いたらね」

M「俺は今からでも行ってみようかな」

霊「物好きねぇ……まぁ行ってらっしゃい」

M「あぁ」

 

 

と、言う事で。

M「やって来ました命蓮寺」

突撃隣(そこそこ遠い)の神社。

 

何と言うか。

M「魔理沙の言った通りだ、普通!」

本当に普通にそれなりに賑わっている神社である。ここら辺は結構妖怪が出るのだが、結界を張っているのだろうか。

 

M「参拝客も結構いるなぁ……」

 

歩いていると、突然何かが現れてドンっとぶつかった。

M「わっと」

???「す、すみません!」

M(ネズミ?)

???「ごめんなさい」

そう言ってすぐに走って行った。

 

M「参拝客……じゃないな、あれは」

関係者だろうか。

 

しばらく歩いていると重大な事に気づいた。

M「……迷った?」

気が付いたら近くにそれなりに居た参拝客も居なくなっていた。境内の中に居ると思うのだが。

 

M「戻るか……」

???「アンタ、何でこんな所に?」

後ろから声がした。

M「あ、すみません。迷いました……ってあれ?居ない」

振り向いたが誰も居ない。

???「上上」

上を振り向くと屋根に女の子が居た。

M(何だ?翼らしきものがあるけど天狗でも無いな)

しかしミニスカニーソとはポイントが高い。

非常に目の保養になる。良きかな。

その少女はその場所からひょいと飛び降り、

M(チッ……見えんか。ガードが硬い)

何がって?さぁね(爆)

 

???「変わった人間だね、こっちには何も無いよ」

M「あちゃー……そうでっか」

去ろうとするが、

???「ちょっと待ちなよ」

M「ん?」

ぬえ「私の名はぬえ。アンタは?」

M「瑞生。如月 瑞生」

ぬえ「瑞生ね」

M「ひとつ聞くが、ぬえはここの関係者か?感じからして」

ぬえ「関係者って言うか住んでる」

M「おお、住民か」

ぬえ「アンタも主の参拝客?」

M「主って?」

ぬえ「えぇ?ここの主の名も知らないで来たの?尚更変な人間!」

M「悪かったな……」

ぬえ「皆白蓮に用があるんだよ」

M「白蓮?聖 白蓮か?」

ぬえ「なんだ、知ってるじゃん」

M「白蓮ってここの主だったんだ」

ぬえ「ここで会ったんじゃないの?」

M「いや、ちょっと色々あってな」

 

 

 

ぬえ「ふーん……そんな事が」

M「……っと話してたらもうこんな時間か」

ぬえ「本当だ」

M「悪いな、色々と教えてくれて感謝するよ、今日の所はこれで」

ぬえ「バイバイ」

 

そう言って彼は去って行った。

ぬえ「ふぅん……人間、 か。アイツはなんか妙な感じしたけど」

 

そして思った。

ぬえ(あれ?そう言えば何か忘れているような……)

 

 

M「ここ、何処?」

 

その日結局出口探すのに手間取って帰る時間が遅くなったのは言うまでもない。

 

 

 

霊「遅いわよ」

M「ごめんごめん」

魔「行ったのか?命蓮寺」

M「あぁ」

霊「どうだった?」

M「うーん……魔理沙の言う通り、本当に普通。参拝客は中々多かったな」

魔「だってさ、霊夢」

霊「何で私に振るのよ!」

魔「いやいや、そこはこのダメ巫女にって痛い痛い!お祓い棒は痛いって!」

M「やれやれ……鍋作るぞ」

魔「やった!キノコ持ってきたぜ!」

霊「入れるのは良いけどキノコまみれにしないでよ」

 

 

 

後日。

M「また行ってみるか……」

暇だし。前は迷ってほとんど分からなかったので今度こそ回ってみようと思う。

 

 

幼女移動中……(年齢性別詐欺)

M「今日も結構参拝客いるなぁ」

そんなに白蓮は慕われているのか。

M(まぁ何となく分かる気がするが)

 

しばらくして。

 

M「おっ、見っけ」

参拝客に何やら話し掛けている白蓮を発見。

今は話し掛けるのは止めておく。

 

 

またしばらくして。

聖「あっ」

M「やぁ」

聖「この神社をご存知だったのですか?」

M「神社自体は知ってたよ。ただ白蓮がここの住職だとは知らなかったけども」

聖「なるほど」

M「今は休憩中か?」

聖「はい」

M(さっきから視線を感じる……多分また別の妖怪が居るんだろうか)

聖「どうしたのですか?」

M「んー……何でもない」

 

寅丸(とらまる) (しょう)「あれが主の言っていた面白い人間?」

村紗(むらさ)水蜜(みなみつ)「そうみたいだね。特に何も変哲ない人間だけど」

 

少し話したら、仕事の邪魔になるのでとっとと撤収する事にした。

 

 

M「……また宴会する時に誘おうか」

 

 

 

また月日は経って。

ある朝、起きてみると外には雪があった。

M「おっ?初雪じゃないのかね?」

 

紫「多分そうね」

M「だからいつもいきなり出るなと言っただろ……忍者かオメーは」

紫「ふふふ、いつも反応が面白いわね」

M「やれやれ……」

紫「来ちゃった♡」

M「いつの間に来てたんだよ」

紫「貴方が外出た時」

M「……もうツッコミは入れんぞ。それはそうとこんな朝からどうしたんだ?」

紫「特に何も無いわよ?」

M「珍しいな」

 

紫「用が無かったら、来ちゃダメなの?」

 

M「……」

そのセリフと上目遣いは反則です。

M(それにこの感じは別に狙って言ってる訳では無さそうだ)

「別に、良いけどさ」

紫「そうね……あるしとしたら」

M「あるとしたら?」

紫「瑞生、今日デートしましょう」

 

 

 

 

M「……は?」




さりげなく最後にデートの約束する瑞生うらやまけしからん。まぁ現代で言われるような存在がいないのです。
幼馴染ってでも結構いる様な気がしなくもない。

瑞生頑張れー生きろー(棒)


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-紫様とデート-

どうも。
紫様とデートだと!?うらやまけしからん(爆)
そのまんま。紫様とただデートしているだけ。
FFF団に連絡しないと……。

遅れて申し訳ございません。

では、どうぞ。


※ここからいつもの茶番です。これいる?

って方は飛ばして、どうぞ。

 

M「おい作者」

M・M「何でしょうか」

M「更新速度スロウ掛かってんぞ!?あくしろよ!ヘイスト!ピオリム!」

M・M「冬の寒さにやられて……(大嘘)」

M「嘘つけ!この寒さとか言いながら学校にも遊びにも薄着で行ってたじゃねえか」

M・M「ソ、ソンナコトハナイヨー」

M「ちょっとお仕置きが必要だな?」

M・M「ヒェッ……お仕置きは許して下さい!何でもしますから!(何でもするとは言っていない)」

M「ん?今何でもするって言ったよね?

それじゃあ遠慮なく!緋凰、絶炎衝!!!」

M・M「アツゥイ!」

M「ウンディーネ!メイルシュトローム!」

M・M「溺れる!溺れる!」

 

 

 

M「さて、黒焦げになって窒息しかけて何も喋れないから俺が謝罪する。何でもするとは言っていないが作者は今が最大に忙しいから許して下さい。ごめんなさい。」

 

M・M「頑張って書くからとりあえず許して……」

 

M「とまぁ口約束ではあるがこう言ってるのでここは勘弁してやるか。おっと、そろそろ本編に向かおうか」

 

M・M「では、ゆっくりしていってねー」

M「そんな事言える元気があるならパソコン向かえ!それともクルルァに連行されたいか?」

M・M「はい!書きます!あく書きます!」

 

 

 

前回のあらすじ。

紫「じゃあねぇ……デート、1回!」

M(こいつ……セリフパクったな?)

 

 

 

M「は?デート?」

紫「そうよ、デート」

M「デートか……」

紫「だからそうだって言ってるじゃない」

M「デート……ファッ!?デートだと!?」

紫「驚くの遅いわよ!?」

M「え、な、何で?」

紫「その……何となく?」

M「何となくでデートに誘うなよ……」

紫「……ダメ?」

 

だから上目遣いは反則だと何度言ったら分かるんですか?(心の中で)

M「いや……ダメとかじゃ無いけどさ。いきなり誘って来るから何なんだって思って」

紫「だって……最近瑞生構ってくれないんだもん」

M(あのなぁ……でも確かに最近良く出掛けるし紫とは暫く会ってなかったし。これは俺が悪いな)

変な所で律儀な瑞生である。

 

M「悪かった。確かに俺が最近お前と喋る暇を作らなかった事もあるしな。どこでも付き合うよ」

紫「ホントに!?」

パァァっと効果音を付けていい様な笑顔を浮かべる彼女。うん、可愛い。

 

M「今日にでも出掛けるか?」

紫「えぇ。すぐに用意してくるわ」

そう言って彼女はスキマに消えていった。

 

M(やれやれ……俺は女性に逆らえない)

称号;ヘタレ(紫には特に)&未来の尻ひかれ

 

 

台所に行くと、

霊「遅かったわね、何してたの?」

M「ちょっと紫と話してた」

霊「いつも思うけど貴方も災難ね……」

M「別に災難とは思ってないさ」

霊「私もアイツと付き合い長いけど貴方みたいに甘くなれないわ」

M「俺が甘い?」

霊「えっ?」

M「えっ?」

霊「自覚ないのがまた重症ね」

M「うっ……」

霊(……素直に思う。羨ましいって)

M「それでさ、何かデーt……ごほん、今日付き合って欲しいらしくてさ」

霊(隠すのヘタクソね……)「ふーん?デートじゃない」

M「デ、デートじゃないから」

霊「違うの?」

M「いや、その、えーっと……」

霊「……まぁ良いわ。ちゃんと帰って来なさいよ」

M「あ、あぁ……それは勿論」

霊「お土産期待しておくわ」

M「おう」

そう言って立ち上がり、洗いもんをして彼は着替えに行った。

 

縁側に座り、いつものお茶を飲みながら。

霊「幼馴染って、良いなぁ……」

魔「どうしたんだ?熱でもあるのか?」

霊「うわっ!?いつの間に居たのよ!?」

魔「ついさっき来たけどお前全く気付かないからどうしたんだって思ったぜ」

霊「そ、そう……」

魔「おかしな事言ってるな」

霊「う、うるさい」(こいつは少し違うか)

でも何だかんだいって魔理沙とは仲が良い。

 

 

 

しばらくして、

紫「お待たせ」

M「待ってはいないがな」

紫「そう?」

M「あぁ。それより何処行くんだ?」

紫「何処行く?」

M「決めてないのかよ……」

紫「決めてると思った?(`・ω・)」

M「そこドヤ顔入れるなし。まぁ寒いけど色んな場所に行けばいいか。ブラブラするのは嫌いじゃない」

紫「そうね。まずは人里にでもどう?」

M「そうするか」

 

青年&BBA移動中……

紫「スペカ!夢と現の呪!」

M・M「アッー!!!」

 

青年&お姉さん移動中……

M「……?」

紫「どうしたの?」

M「いや、今悲鳴が聴こえた様な……」

紫「気のせいよ、きっと」

M「そっか」

 

人里にて。

M「もうそう言えばクリスマスも近いな」

紫「寒いのに賑わってるわね~」

M「そんなに寒くないだろ」

紫「そんな事無いわよ~寒い~」

M「……」

手を擦り合わせている彼女を見て、

M「ホレ」

紫「え?」

手を差し出す彼を見て思わず驚いた。

M「寒いんだろ。それにこの人混みではぐれたら大変だし」

紫「そ、そう///」

そっと彼の手を握った。暖かい。

紫(どうしたのかしら?こんなに瑞生は積極的な性格していたかしら)

「また随分優しいのね」

M「……そうか?」

紫「貴方は元来お人好しだったけど、何と言うか幻想郷に来て変わったわね」

M「それはそうかもしれないな。この場所で色んな人達に会って俺自身変わったなって思えるから」

紫「えぇ。良い方に変わってるわよ」

M「まぁ、皆に感謝かな……勿論紫にも」

紫「ッツ///!!!???」←爆発してる

 

そんな甘ったるい空間を作り出したのは俺だが、何ともやりにくい。

 

そのまま歩いて、食べ歩きしたり買い物したりとまさにデートに相応しい事をしていた。

が、この二人は一緒に居た時間が長い為かあまりそういう意識は無いらしい。

 

藍「よし、楽しくイチャイチャしているな」

橙「何だか探偵気分でこっちも楽しいです」

 

そっと見守る二人。

 

 

紫「あら?何かしらこの店」

M「宝石店、だな」

紫「入ってみましょ」

M「おいおい」

 

中はいかにも宝石店って感じだった。

M(どんな感じだよ……)

壁や内装は暗めの感じで、宝石以外にもアンティーク等も売っているらしい。

M「レミリアとか連れてきたら喜びそうだ」

 

しばらく店を回ったが、気が付いたら紫が居ない。

M「おろ?あやつ何処行ったんだ?」

戻ると、一点を見て動かない彼女が居た。

M「どうした?」

紫「……」

どうやら聞こえていない様だ。

M「おーい」

紫「ハッ……ごめんなさい、何?」

M「いや、何じゃないだろ、どうした?」

紫「何だかこの宝石に見とれてて」

M「んー?」

彼女が見とれたという宝石を見る。

 

M(ッツ!?これは……魔石!?)

 

M・M「説明しよう!ここで言う魔石とは召喚獣等が封印されている石であります!」

 

紫「どうしたの?」

M「見た感じは普通だけど……分かる奴から見たら一瞬で分かるぞこれ。普通の人が持ったら危ないやつだ」

紫「そうなの?どうりで何かおかしいと思ったわ」

M「紫が感じたのは魔力だろう。それに見とれたと言ったし……恐らくこの魔石に封印されているのは……いや、それは後だ。今はこれを回収しよう」

紫「そうね。別の人に買われたら大変だし」

M「それじゃ、俺は会計済ましてくる」

紫「えぇ」

さっきの魔石と、もう一つの何かを握って。

 

 

M「お待たせ」

紫「買えた?」

M「あれは価値が分からないから廃棄処分になる所だったから安かったよ」

紫「ラッキーじゃない」

M「あぁ。誰かの手に渡る前に回収出来て良かった」

紫「それで?その魔石に封印されているのは何なの?」

M「それは後のお楽しみって事で」

紫「もう、焦らすの好きね」

M「ちょっとその発言には語弊があるな」

紫「あら、そうかしら?」

M「全く……」

 

 

 

そんなこんなで時間が過ぎるのは速くて、

M「帰るか」

紫「そうね」

あれから人里以外にも香霖堂に行ったり外でボッーとしたり色々していた。

M(行く道で知り合いに会っては茶化されるし……)

紫(悪い気はしないわね///)

 

そうこうしている内に時間は過ぎ……

M「もうそろそろ帰るか」

紫「そうね」

M「送るよ」

エターナルソードを出す。

紫「境界開くから別に良いのに」

M「まぁそう言うなって」

 

時空開いて彼女の家までひとっ飛び。

 

藍「紫様もお帰りなさい」ニヤニヤ

橙「お帰りなさいですー」ニヤニヤ

紫「た、ただいま?」

藍「瑞生様、お送りして頂いて感謝します」ニヤニヤ

M(ニヤニヤが気になるな……)

「いいってことよ」

紫「瑞生、もういい加減教えてよあの魔石」

M「ほいほい。それじゃ早速」

 

M・M「説明しよう!魔石はある力に反応して目覚めるのだ!」

M「魔力込めるだけだけどな……うりゃ!」

 

M・M「何が出るかな♪何が出るかな♪」

M「それはちょっと、メタいぜ♪」

 

魔石の封印が解かれ、中には……

下半身は蛇の胴体という半人半蛇の姿をしている何か(・・)が居た。

M「コイツは……ラミアクイーンだな」

紫「ラミアって……」

M「誘惑などを得意とする魔物だ。その力は性別問わずって事か?それとも紫が妖怪だったからなのか……これもうわかんねぇな」

紫「それより……何か怒ってない?」

M「えっ?」

ラミアクイーン「よくも……よくも私を封印したわね!喰い殺す!」

M「げっ……コイツ俺等を封印した奴だと思ってる!」

紫「良い度胸じゃない……」

M「お前も乗んなよ!」

ラミアクイーン「許さない……全部壊す!喰い殺す!」

M「やべっ……コイツ俺等を封印した奴だとと思ってるな!」

紫「来るわよ!」

 

 

 

紫「とは言ったものの」

紫自身、藍も橙も居るし当然俺も居る。

藍「人騒がせな魔物でしたね」

橙「ここに人間は居ませんが」

M「俺は人間ですよっと……それより魔石回収回収」

その時。

ラミアクイーン「貴様だけでも!」

M「げっ……!」

深く目が合ってしまった。

 

 

紫「瑞生?」

動かない彼を見て、紫が尋ねた。

M「……」

藍「紫様……嫌な予感がします」

先程瑞生に言われた事を思い出す。

紫「まさか……誘惑!?」

M「……」

のそりとこちらを振り向く彼。その目は虚ろいていた。

橙「ど、どうしたら」

藍「くっ……」

紫(私達3人で戦っても勝てるかどうか……)

「藍、橙」

藍「はい」

橙「何ですか?」

紫「臨戦態勢で頼むわ。ちょっと危険だけど何とかしてみてる」

藍「紫様……分かりました」

橙「全力でフォローします!」

紫「ありがとう。じゃあやるわよ」

 

その場から全く動かない彼に近付く。

紫(後ろに藍と橙が居るけど……いつ襲ってくるか分からないのが怖いわね)

そして、彼の前に行った瞬間だった。

紫「キャッ!?」

藍「紫様!」

橙「えっ……?」

 

紫「痛たた……ってちょっと!?///」

彼が自分を押し倒したのだった。地面で。

M「……」

なのに全く反応しない彼。

紫「ちょ、ちょっと瑞生……?」

彼の顔が近付いてくる。

紫「ッツ///」

これはもしかしなくてもそういう事なのかと必死に脳内会議が行われていた。

「これは間違いなくキスである!」

「いや、もっとイケない行為とみた!」

「どう考えてもヤバいって!」

 

後ろから黄色い悲鳴が上がる中、目の前で起こってる事柄をまだイマイチ理解出来ない。

 

紫(これはもう……彼に任せよう)

諦めた様に目をつぶった。

どうしてそうなったと言いたいし、何を諦めたんだと自分にツッコミを入れたくなるが。

 

何処かで期待してしまったのかもしれない。

が、現実はそう優しくは無かった。

 

M「……ん?」

どうやら最悪のタイミングで彼に対する誘惑

が切れてしまったらしい。

M「紫……?」

何故か目前にある彼女の唇を見て思わず、

M「どわぁっ!?」

すぐに飛び退いた。

紫「え?」

紫がポカーンとしている。

M「……えっと、その、何があったんだ?」

紫「瑞生の……」

M「え?」

紫「瑞生の……オタンコナスー!!!」

そして次の瞬間飛んでくるとんでもない量の弾幕を見て、

M「あっ……(察し)」

となった俺はきっと悪くないと思う。

 

 

 

M「で、誘惑に負けた俺は紫を襲おうとしたと。押し倒したと」

藍「はい」

橙「ビックリしましたね~」

紫「……///」

まだ紫は赤面している。

M「その、何と言うか……ごめんなさい」

今は謝罪するしかないだろう。

紫「バカ!アホ!朴念仁!」

M(朴念仁?)「わ、悪かったって!」

紫「どうしてあそこで目が覚めるのよ!」

藍(ツッコミ入れるとこそこですか……)

M「どういう意味だよ!?襲おうと……お前のその、初めてかどうかしらんけど奪おうとしたんだぞ!」

紫「だって、その、瑞生だったから」

M「フニャッ!?」

また赤面する彼女。

M「おい……それって、その」

紫「……///」

再び沈黙してしまった。

 

橙「瑞生様、これはもうちゃんと責任とらないとダメじゃないですか?」ニヤニヤ

M「えっ?せ、責任って」

藍「やるだけやって捨てるんですか?それは流石にダメでしょう」ニヤニヤ

M(くっ……こやつら……)

このデデドン!(絶望)な状況を変えるにはもうこの手しかない。

M(頼む……!)

 

流れ変わったなって言いたい!

コマンド?→どうぐ→プレゼント→誰に?→八雲 紫

 

M「紫、実は言うとプレゼントがあるんだ」

紫「……プレゼント?」

M「今日この魔石もあったけど宝石店に行っただろ?その時にもう一つ買ってたんだ」

紫「あの店で?」

M「そう。だから受け取って欲しいんだ」

そう言って一つの小包を彼女に渡した。

 

開くと、

(ゴマダレー♪)金の髪飾りを手に入れた!

紫「これって……」

M「いつもお前には世話になってるし、今回のデーt……じゃなくて買い物で折角だからプレゼントを買おうとは思ってたんだ」

紫「付けていい?」

M「と言うか付けてみてくれ」

 

装備→金の髪飾り

M・M「さっきからRPG臭がするね」

 

紫「どう?」

藍「とても良くお似合いだと思いますよ」

橙「紫様可愛いです!」

M「うん、我ながら抜群のセレクトだな」

鏡を見て確認しても、

紫(良いわね、これ)

そう思える良き装飾品である。

M「喜んでもらえたなら良かったよ」

紫「瑞生……ありがとう。大切にするわ」

M「おう、そうしてやってくれ」

 

内心かなりタジタジしていたが、何とかなった様だ。と言うか何とかなって貰わないと俺が色んな意味で死ぬ羽目になっていただろうから本当に心の中で安堵した。

 

 

M「それじゃあ、帰るな」

紫「えぇ。瑞生、また行きましょう」

M「あぁ、勿論」

藍「では」

橙「さよならです!」

 

 

 

青年帰宅中……

 

 

霊「で、何があったの?」

M「へっ?」

帰って来て食卓に座ると早速尋ねられた。

M「な、何だよ急に」

霊「どう見ても普通じゃないわよ?何かありましたって顔に書いてあるし」

M「その、うん、まぁ……」

霊「……まぁ、話したく無いのなら無理に聞き出すのは私もしたくないし、止めとくわ」

M「そう言って貰えると助かる」

霊「でも……いつか話しなさいよ?」

M「うっ……」

ギロりと彼女に睨まれて縮まり込む自分。

M(まさしく蛇に睨まれた蛙、か)

「……ハイ」

やっぱり逆らえない。

 

霊(それに少しでもボロを出せばブン屋が黙っていないだろうし)

 

流石にあの場に居たのは4人だけだったから

それは無いかもしれないが式神2名が話すかもしれないし紫自身が言ってしまうかも……

いや、何よりも俺がボロ出しそうだ。

M(絶対にそれはダメだ。気を付けないと)

 

そう心に誓う瑞生であった。

 

 

あのデートから数日後。

M「だからデートじゃないって!」

 

あれからまた紫の俺に対する態度がまた変化して、何と言うか……

霊「乙女ね。すっごく」

霊夢さん、冷静に判断するのは良いのですがこちらをジト目で見てくるのはご勘弁を。

 

 

 

 

何はともあれ月日は過ぎ、クリスマスまで後1週間という所までやって来た。

 

M「幻想郷にクリスマスって浸透しているのかどうか分からなかったけど、人里を見た感じかなり知れ渡っているな」

霊「広めたのは早苗か、それとも紅魔館の連中かその辺りでしょうね」

M「なるほど」

霊「紅魔館とかは毎年パーティをしてるから私達も参加するのよ(半ば強引に)」

M「へ、へぇ~」

霊「タダ酒!タダ飯!最高!」

M「れ、霊夢……?」

紫「ああなったら止められないわよ」

M「おう紫、上から来るぞ!気を付けろって言ってくれないと流石にビックリするって」

紫「?」

上から紫がそう呟いていた。

霊「まぁ今年は普通に神社でやるわ」

 

 

M「しかしもうそんな時期になるんだな」

クリスマス、そして年末年始。イベントが一杯なのは喜ばしい事なのかもしれないけど。

M(これがまた幻想郷だと平和に過ごせるとは思えん……絶対何か起きるよコレ)

先に波乱が巻き起こりそうなのを察知。

M・M「ニュータイプかな(すっとぼけ)」

 

 

 

人里にて。

M「ん、あそこに居るのは……」

見た事のある兎の耳。そしてセーラー服。

M「鈴仙」

鈴仙「は、はいっ!?」

M「何をそんなに驚いているんだ?」

鈴仙「み、瑞生さんでしたか」

M「そうだけど?」

鈴仙「ッツ……」(この人は、危ない)

M「……具合でも悪いか?」

鈴仙「い、いえ……そんな事は無いです!

大丈夫です!」

M「そっか。なら良かったよ」

鈴仙「で、では私はこれで」

M「あぁ、またな」

彼女は足早に去って行った。

 

M(……反応が怪し過ぎるんだよなぁ)

先程自分が言った波乱、もとい異変の予感が的中してしまった。的中して欲しく無かったのに。

M(何が起こるか知らないけど)

折角の楽しいイベントが台無しになったらそれはそれで悲しい。

M「クリスマスまでには解決しないとな」

 

そう心の中で誓った。




卒業&家の用事で投稿が出来ませんでした、すみません。
暇は出来たのでまた書くのを再開します。
UAも約1500になっており嬉しいです。読んで下さった皆様ありがとうございます。


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-巻き起こる悲劇 永夜異変-

どうも。

常に人は選択を迫られる。その選択全てがバッドエンドになるとしても。

義姉さんと書いてねえさん。
義姉さん、異変です!
M「誰が義姉さんだ!ってか俺は男だ!」

では、どうぞ。


異変に気付いたのはデートの次の日の夜の事であり、境内を少し歩いていた時だった。

M「月……デカくね?」

 

霊「月がおかしい?」

M「見てみろよ」

霊「確かに大きいけど……あるんでしょ?

そういう現象」

M「スーパームーンっていうのがあるけど、あれは見え方が大きく見えるだけで今回のは違う。月自体が大きくなってるんだ」

霊「ふーん?」

M「これはもしかしなくても……」

霊「異変?」

M「その可能性はかなりありえるな」

霊「はぁ……面倒事は嫌だけど平和に年越せないのはもっと嫌ね」

M「そうだな。俺は早速解決に向かうぜ……って言いたいけど」

霊「一緒に行かないの?」

M「ちょっと確認したい事があるんだ。だなら悪いけどそっちはそっちで頼む」

霊「気を付けなさいよ?」

M「そっちもな。それじゃ」

 

 

霊「瑞生、何処に行くのかな?」

紫「彼の事だから何かあるのよ、きっと」

霊「いきなり後ろから現れないでよ」

紫「まぁ酷い。人を妖怪みたいに」

霊「実際そうでしょ」

紫「それはともかく。霊夢も分かっているでしょう?今起こってる事」

霊「えぇ。瑞生から聞いた」

紫「早く解決しないと面倒な事になるわよ」

霊「どうして?」

紫「妖怪は結構月の影響を受ける者が多い」

霊「そうね」

紫「月が大きいという事はその影響が更に

増えるという事」

霊「だとしたら妖怪が暴れ出すかも……?」

紫「そういう事。しかもこの感じ……明日も続くわよ」

霊「明日も満月?そんな事になったら自然界のバランスも崩れるじゃない」

紫「だから面倒な事になるって言ったのよ」

霊「早く解決しないと……」

紫「行きましょう」

 

行く宛があるとは言わないが行動しない事には何も始まらないと悟った二人は行動を開始した。

 

 

 

一方、アリス家にて。

アリス「ねぇ魔理沙」

魔「何だぜ?」

遊びに来ていた魔理沙に尋ねる。

アリス「何か……外がおかしくない?」

魔「おかしい?具体的にはどんな感じに?」

アリス「何と言うか……もうとりあえず外に出てみて」

魔「寒いんだぜ~出たくないぜ~」

 

アリス「やっぱり。月を見て」

魔「うおっ……デカい!」

二人がそう思う位大きくなっていた。

 

魔「異変か!?」

アリス「だとしたら早く何とかしないと」

魔「行くぜ、アリス!」

アリス「もう……さっき寒くて出たくないって言ってたのに。あぁもう待って魔理沙!」

 

こうして二人も行動開始。

 

 

 

 

続いて紅魔館にて。

レミ「……?」

咲「お嬢様、如何がなさいました?」

レミ「おかしくない?月が」

咲「言われてみれば……大きい様な」

レミ「異変かしら?さっきから森の妖怪達がうるさいのよ」

咲「異変だとすれば面倒ですね、もう年越しだというのに」

レミ「……行くわよ咲夜。解決しに」

咲「お嬢様が出なくても霊夢辺りが解決するのでは?」

レミ「それもそうだけど。外がうるさくて

これじゃあ落ち着いて過ごせないわ」

咲「承知致しました。すぐ準備します」

レミ「宜しくね」

 

またこの二人も動き出した。

 

 

 

 

 

またまた一方白玉楼にて。

妖「月が……大きい?」

妖夢も異変を察知していた。

幽「確かに大きいわね」

幽々子もまた同じく。

幽「さっきから随分妖怪がうるさいけど……もしかしたら」

妖「異変でしょうか?」

幽「その可能性はあるわね」

妖「行きましょう幽々子様」

幽「え~」

妖「行きますよ!」

幽「ちゃんと行くから引っ張らないで~」

 

 

二人(一人ほぼ強制)も行動開始。

 

 

 

瑞生side

M(大き過ぎる満月……これはあの人(・・・)が危ないかもしれない)

すぐに人里に急ぐ。

 

 

慧音家にて。

入口に立っただけで分かった。中で獣が唸っている事が。

M「ッツ……!」

入口は開いていた。あの先生が戸締りを忘れるなんて考えられない。

M「先生!」

慧「う……あ……」

ハクタクへとなった先生が苦しんでいた。

すると、

妹紅「慧音!」

妹紅も入って来た。

M「妹紅……先生は一体?」

妹紅「瑞生か……慧音が突然暴れだしたんだ。何とか暴れるのは止まったみたいだけどまだ苦しんでいてさ」

M「それは見れば分かるさ……これもアレ(・・)の影響か」

彼が見たのは巨大な月。

妹紅「瑞生……どうすれば」

M「苦しいだろうけど、何とか先生を止めといてくれ。俺がすぐにこの事件解決してみせるから」

妹紅「……分かった。頼む」

 

唸っている先生を放っておくのは辛いが、この苦しみから早く解き放ってあげる為にも。

M(今は、急いで元凶の元へ!)

 

 

妹紅「瑞生……」

自分は走り去って行く彼の背中をただ、見守るしか無かった。

 

 

M「さて……行くか」

もう既に何人かが動いてくれているのは分かったが、宛も無く探し回っている様だし、妖怪の動きが活性化してそれを鎮圧するのに忙しそうだし。

M(皆が止めてくれている間に、俺が何とか元凶を止めないとな)

 

皆と違い、俺は確信している。

誰が今回の異変を引き起こしているのかを。

 

 

 

 

M「相変わらず訳分からなくなるよなぁ」

やって来たのは迷いの竹林。

M(この異変を引き起こしているのは……

間違えなく永琳と輝夜達だろうな)

 

そんな事を考えながら歩いて行く。

 

 

しばらくして、何かおかしいのを感じた。

M(おかしい……ちゃんと正しい道を通っているのに永琳亭に着かない)

これはますます確定してきた。

 

M(主に俺に対して永琳亭に着いて欲しく無いから幻術を掛けて迷わせてるんだな)

そう分かったらやる事は一つ。

M「エターナルソード、道を開いてくれ」

 

この剣にはどんな幻術さえも通用しない。

 

 

道が開けた様な気がした。

M「うん、確定だな。では行きますかな」

気を取り直して、永琳亭へ。

 

 

 

鈴仙「師匠、幻術が」

永「破られたのね」

輝「早いわね……もう少し時間が欲しかったけど」

てゐ「でも破られたって事は」

永「あの幻術を軽々と破る人物は限られているわ……そんな難しい幻術では無いけど」

輝「でも誰が来たのかは分かるわよ。何となくだけど」

永「はい。出来れば……来て欲しくは無かったのですけど」

鈴仙「瑞生さん、ですか?」

その質問に二人は頷いた。

 

 

 

そして……

M「やっと着いた」

彼がようやく永琳亭へと辿り着いた。

いや、辿り着いてしまった。

 

永琳亭にて

M(静かだな……滅茶苦茶怪しい)

 

その時。

M(上と右!)

飛んで来た弾幕を斬り裂いた。

 

M「二人共……」

 

鈴仙「ごめんなさい、瑞生さん」

てゐ「でも、ここは通させないよ」

 

M「……」

勿論戦いたくは無い。でも、

M「邪魔をするなら容赦はしない!」

 

 

甘いだけでは、何も守れないから。

 

VS鈴仙&てゐ

鈴仙は拳銃と格闘で戦い、てゐが遠距離から弾幕を撃ってくる。

 

M(良いコンビだ。隙が無い)

お互いをフォローしやすい位置取りが出来ていて、どちらかを攻撃しようならばもう一人がそれを邪魔する。

 

M「面倒極まりないなっと……」

何とか避けるがこちらはまともに攻撃が出来ない。困ったものだ。

 

M(出来れば傷付けないで終わらせたいけど、この二人は全力で殺りに来てる)

二人の攻撃には迷いは無い。

まぁこの二人はまだ出会って間も無いから

自分に対してそこまでの感情は無いのだろうと思う。きっとこれが永琳達ならそんな事は無かっただろうし俺も戦いたく無い。

 

M(だからと言ってこのままではこの異変を終わらせる事は出来ない。先生を初めとして苦しんでいる人達同士が居る。妖怪達は霊夢達がきっと押さえてくれている)

 

 

鈴仙「波符、赤眼催眠(マインドシェイカー)!」

てゐ「エンシェントデューパー!」

 

それぞれ強力な弾幕を撃ち込んでくる。

と言うよりかなりヤバめである。

かなり大ピンチ級の弾幕の量である。

 

だが、

 

M(悪いな、二人共)

次の瞬間、二人の弾幕が彼に降り注いだ。

 

鈴仙「……やった?」

てゐ「分かんない。ただあの弾幕を避けられるとは思わないけど」

 

また次の瞬間。

鈴仙「ッツ!てゐ、左右に避けて!」

言われた通り左右へクルリと避けた。

 

M「避けたか」

自分達が居た場所が燃えていた。

当たれば確実に黒焦げになっていただろう。

 

てゐ「あ、危なかったぁ……」

鈴仙「何が……起きたの?」

 

M「ゴメンな二人共。こっちもこのままやられる訳にはいかないんだ」

 

イフリートを呼び出した彼が居た。

鈴仙「全く……無傷!?」

てゐ「しかもかなりヤバめなの出て来た!」

 

 

M「イフリート、もう良いぞ。終わらせよう、斬鉄剣!オーディン!」

 

出て来てや否や巨大な剣を振りかざす。

鈴仙「きゃあっ!?」

てゐ「ちょ、ちょっと反則だって!?」

M「そっちも全力で殺りに来てるんだからコチラもそれ相応で応えんとな」

 

胸が痛むが、ここは耐える。

鈴仙「てゐ!」

M「召喚に気を取られ過ぎだ!」

てゐ「ッツ!?」

気が付けば懐へと入り込まれていた。

 

M「はっ!」

斬撃と共に、倒れるてゐ。

鈴仙「ッツ……何て事を!」

我を忘れ飛び込んで来る鈴仙。

M「許しは請わない。恨んでくれて構わん」

 

それでも。

M「幻狼斬」

 

今は……止まれない。

 

鈴仙「師匠……ごめんなさい……」

そう言い残して倒れる鈴仙。

 

 

M「どっちも魔法剣スリプル峰打ちだから痛みは無いと思う。悪いけど寝ていてくれ」

 

やっぱり自分は甘い。自分を殺しに来た相手にさえ全力で痛みを消そうとするから。

 

M(いや……やっぱりこの二人も俺を100%殺しに来てますって感じでは無いだろう)

迷いは無かったが、憎しみだとかそういった感情は無かった。彼女達はただ自分達の信念に基づいて戦ったのだろう……。

 

M「さてと……思わぬタイムロスを食らってしまった」

元々彼女達はあくまで時間稼ぎだったのかもしれない。

 

 

気を取り直して、永琳亭の中へと入る。

 

M(確か本来この事件は誰が犯人か分からないまま幕を閉じたんだったな。しかも本来この異変が起きる時期より少し遅い)

 

それはやはりイレギュラーである自分の影響か、もしくは他の要因が有ってのことか。

 

M「とにかく、進むだけだ」

 

 

 

そして。

M「……」

 

永「やっぱり来てしまったのね、瑞生」

輝「早かったわね」

M「永琳、輝夜。一体何でこんな事を?」

永「……貴方には関係無いわ」

M「その言葉で大体の理由は分かった」

永「何ですって!?」

M「かなり昔とはいえ月の事情を知っている俺の質問に対して関係無いと言う事は俺にとってお前達の立場を教えてくれる様な物だと俺は思うぜ?」

輝「……何が言いたいの?」

M「二人共、月から逃げて来たんだろ」

永「……」

M「本来ならば二人は月に居るべき存在。

しかも輝夜はお姫様だぞ?永琳もかなり上の立場にあるべきだし」

輝「それが、どうしたって言うのよ」

M「それにも関わらずこんな場所にひっそりと暮らしている。これはもう追われている身としか考えられないな。そして追われた原因はただ一つ……蓬莱の薬だろ」

輝「どうして貴方がそれを!?」

永「ッツ……すみません輝夜様」

輝「永琳?」

M「永琳が昔存在を教えてくれたんだよ。

飲めば不老不死。しかし作るのは禁忌とされている」

永「まさか今頃あの時興味本意で貴方が聞いてきた事に対して教えてしまった事を深く後悔する羽目になるとわね」

輝「……」

M「そして歴史通りなら輝夜は地上へと流刑になり、そこからは有名なかぐや姫の物語となる訳だ」

永「でもそこからは誰も知らない筈よ」

M「……あくまで俺の推測だが(大嘘。勿論真相は知ってるが、完全に知っている訳では無いので少しは推測)皆が知っているかぐや姫なら使者と共に月へと帰った筈だった。

しかしお前は違って、追われる身って事は犯罪を……使者を殺して輝夜となり地上へと

逃げて来た。そして今日は」

輝「もう良いわ、瑞生」

M「どういう状況なのかは分からないけど、また使者がやって来る日なんだろ?」

輝「もう、止めて」

M「そこでお前達は考えた。自分達の居場所を知っているのなら逃げてもしょうがない。だから目印となる月を大きくして使者達を騙そうとしたんだろう」

 

輝「もう良いって言ってるでしょ!!!」

 

 

M「……」

 

輝「本当につくづく貴方は恐ろしいわね。

まぁ永琳が褒める位だから相当の頭脳ね……全部正解よ。貴方の推測通り。私達が追われる身となった原因は全て自業自得なのよ」

M「どうして……そんな事を?わざわざ追われる身になってしまった理由は何なんだ?」

 

 

永「輝夜様は蓬莱の薬が禁忌なのは勿論知っていた。しかし輝夜様は月での生活が少し嫌になったの」

輝「完全に嫌になった訳では無いわ。ただ前から地上の生活に興味が有った」

 

M「まさか……地上へ行きたいが為に永琳に蓬莱の薬を作らせてわざと地上へ!?」

輝「そうよ」

 

彼女達が何を思ったのかは俺には分からないし、永琳もきっと最初は止めただろう。

M「完全に使者達はとばっちりじゃねえか」

輝「勿論悪かったとは思ってるわ。ただああするしか無かったのよ」

永「分かってくれとは言わないわ。ただ言わせてもらうと、絶対に半端な覚悟でやったのでは無いわよ」

 

M「それは分かってる」

 

永「だったら冒頭に戻るけど。どうして来たの?理由も無しに来る訳ないわよね?」

M「止めに来たに決まってるだろ」

永「どうして?」

M「月が大きくなった為に妖怪達の動きが活性化しているし更に苦しんでる者さえも居る。だから止めに来たんだ」

輝「……許しを請おうとは思わないわ」

M「ただし止めようとも思わない、ってか」

輝「そうね。理解が早くて助かるわ」

 

M「だったら俺も答えは一つだ」

剣を構える彼。

永「ッツ……」

輝「悲しいわね。昔から私達を知っている貴方ならきっと分かってくれると思っていたのだけど」

M「昔から二人を知っている身だから今のお前達は間違っているって言いたいんだよ!」

輝「それでも……引けないのよ!私達は!」

永「瑞生、たとえ止めるのが貴方でもね!」

 

M「やっぱり……こうなるのかよ……」

どうすれば良かったのだろう。もっと正しい選択は無かったのか。もっと自分が頑張れば話し合いで解決出来たのかもしれない。

 

後悔しか残らなかった。

でも、

M(二人にとってはこれが正義(・・)なのだとしても……その行動で沢山の人達が苦しんでいるのなら)

 

それは自分にとっては悪。

 

いや、そんな事を言いたいんじゃない。

俺はただ……この二人を助けたいだけなのにどうしてこうなってしまったのだろう?

 

永「余所見しないでッ!」

M「!!」

反射的に避けたが、彼女の強化された弓矢が肌を掠った。

M(掠っただけ……ッッツ!?)

体が動かない。腕が痺れている。

永「ただの弓だと思わない事ね」

M「麻痺……シビレタケか」

永「ご名答。体が痺れて動かし辛いでしょう?」

M「あぁ……それが普通の人間ならな!魔神剣!」

永「やっぱり貴方人間じゃないわね!」

M「生憎だが人間だ!」

輝「瑞生が言っても説得力無いわよ!」

 

相手は全力で攻撃してくる。

当然コチラも負けてはいられない。

 

 

お互いの信念と信念がぶつかり合い、そしてそれが最後にどのような結末になるのかは誰も知らない。知る余地もない。

 

 

 

M「くっ……」

かなり苦戦していた。相手が相手だからとかそういう問題では無く単純に二人は強い。

とは言え、

 

永「どうして本気で来ないの!?貴方なら私達位一捻りでしょう!?」

輝「やっぱり貴方はどこまでも優しいわね。それが身を滅ぼす事になったとしても」

M「俺は……認めない」

永&輝「?」

 

M「これで二人を捻り潰しても何も終わらないし変わりもしない!このままじゃ悲しい結末しか無いだろ!」

 

輝「その考えが甘いって言ってるのがどうして分からないの!?もうどうする事も出来ないのよ!ここで止めてしまったら……」

M「使者達が来るのか?」

輝「当然よ!そしてまた私達は月へと連れ戻されるのよ!」

永「輝夜様……」

輝「これが勝手な我儘だって事は分かってる!だけどどうしようも無いのよ……」

 

M「そうやって逃げて、逃げて……結局は何も変われないまま終わるのか?お前はそのままで良いのか?」

輝「うるさい……」

M「輝夜、俺の目を見ろ」

輝「うるさいわよ……」

M「諦めんなよ!まだ何か方法が」

 

輝「うるさいって言ってるでしょ!!!!

もう黙って!神宝、ブリリアントドラゴンバレッタ!」

永「輝夜様、それは!」

 

名前通りブリリアントな美しい弾幕である。

たが量も、そして威力もえげつない事になっているのだろうが、目の前で放たれたそれに俺はなす術も無かった。

 

 

 

 

 

輝「あ~ぁ……もう何だか面倒くさくなっちゃった」

永「輝夜、様……」

横たわる彼を見て輝夜はそう呟いた。

輝「どうしてこうなったの?何が間違いだったの?」

永「分かりません……ただ、私達はもう、取り返しのつかない事をしてしまった」

輝「瑞生、恨んで。私達を」

 

 

そこへ……

霊「ッツ!?」

紫「嘘……瑞生!!!」

魔「遅かったんだぜ……?」

アリス「そん、な」

レミ「洒落にならないわよ……」

咲「本当に……やられちゃったの?」

妖「瑞生さん!返事して下さい!」

幽「嘘よね?寝た振りよね?」

 

輝「無理よ、私の宝具をゼロ距離で全部当たったもの。生きてたらおかしいわ」

 

 

紫「許さないわよ……絶対に!」

輝「許しは請わないわ」

霊「何で……何故、こんなことに」

魔「もう何が何だか……」

アリス「滅茶苦茶ね、もう」

レミ「こんな運命……存在してしまうの?」

咲「お嬢様……」

妖「こんな事って……」

幽「これで、終わりなの?」

 

 

永「もう、お終いね。何もかも全て……」

 

 

 

???

M「……?」

深い意識の底。

M(そうか、俺は確か)

輝夜の強力なスペルカードをご丁寧に全部喰らってぶっ倒れたのだった。

 

M(クソッ……)

そして微かに聞こえてくる話し声。

霊夢達と輝夜と永琳が戦っていて、随分喧嘩という名の殺し合いをしていた。

 

 

結局俺には何も救えないのか。

何も守れないのか。

M(俺はまた、間違えたのか……?)

 

このままでは流石に輝夜と永琳が負ける。

そして二人に待っているのは悲しい結末。

それじゃ俺が居る意味が無い。

本来この事件は明るみにならなかったのにも関わらず俺が出しゃばってしまった事でこうなっている。

M(あぁ……全部俺のせいじゃん)

一番の馬鹿野郎は自分だった。それに気が付いても既に遅くて。

 

M(それでも……嫌なんだよ)

これ以上彼女達を悲しませるのは。

そして、輝夜と永琳がこんな結末を迎えてしまうのは……

 

M(そんなのも……嫌だ!!!)

我儘でも良い。がむしゃらだって良い。

信念が食い違ったって良い。

それでも今は……我が信念、燃え果てるまで!

M「自分の正義、貫き通す!」

やれる事ならやってみよう、きっと今の俺なら出来る筈だから。

手を伸ばせば、きっと……

 

 

 

 

紫「!?」

いきなり感じた不思議な感覚に思わず身が震えた。

霊「紫、どうしたの?」

紫「皆、そしてそこの二人共も気を付けなさい!何か来るわよ!」

 

次の瞬間、

永「輝夜様、危ない!」

永琳が輝夜を押して自分自身も横に逃げた。

さっき自分達が居た場所に穴が開いた。

いきなり壁が破壊されたのだ。

 

魔「今度は何だぜ!?」

 

中に転がって来たのは妹紅だった。

霊「妹紅!?しっかりして!」

妹紅「逃げろ……慧音が……」

魔「慧音が何なんだ!?」

レミ「霊夢、魔理沙!上!」

 

霊&魔「!?」

すぐさま左右に避けた。

上から天井を破壊しつつ入って来たのは……

慧「……」

 

ハクタクとなり、月の影響で完全に我を失った慧音だった。

 

 

 

それからはもう輝夜達と争っている場合では無かった。暴れる慧音の力は凄まじく、他全員で戦っているのに全く敵わなかった。

 

輝「これも……私達のせいなの……?」

紫「当たり前よ!こういう事も有ったから

瑞生は……貴女達を止めようとしたのに!」

永琳は何も言わない。もしかしたら彼女は全て分かっていたのかもしれない。

 

 

そこで瑞生を殺してしまった事を深く後悔する。そして心から思う。

輝(ごめん……ごめんなさい瑞生……貴方の言葉にもっと耳を傾けていたらもしかしたらこんな事にはならなかったのかもしれない)

 

当然後悔しても遅いのだが。

永「輝夜様!!!」

輝「え……?」

 

目の前に拳を構えた慧音が居た。反応しても既に遅い。

 

輝(そうね……こんな事になってしまったのだから私には当然の報いよね)

諦めて目の前の運命を受け入れる事にした。

 

 

 

シーンと沈黙が訪れた。

輝(私、死んだのかしら)

いや、よく考えればそんな事は絶対にありえない。自分は死ねる筈無いのだから。

でもおかしい。痛みも何も無い。

 

輝「……?」

ゆっくりと目を開けると……

 

真っ白な鎧に身を纏い、拳を剣で受け止める死んだ筈の瑞生が居た。

 

輝「なん、で」

M「輝夜、最後まで諦めるな」

 

目頭が思わず熱くなった。

 

ALL「瑞生!」

 

M「悪い、ちょっと沈んでた」

永「でも貴方は輝夜様の宝具を……」

M「痛かったよ、当然。でもまぁ俺は……

タフさがウリだからさ!」

 

それはともかく。目の前の強敵をどないかしないと何も始まらない。

M(先生……ごめん。俺が遅かったから)

もう彼女には声が届かない。となるともう

やるべき事は一つ。

M「悪いけど……少し眠らせる!」

そんな事が出来れば良いのだが。

 

 

VS慧音

まず身体能力が半端じゃない。比類なき力はどんな物でさえ破壊するだろう。

M(ハクタクやべぇ……)

これ以上永琳亭をぶっ壊す訳にもいかないので外に出て慧音と戦う。

 

相手の攻撃は一撃でも致命傷。

それに対しこっちの攻撃は速すぎて全く当たらない。俺も何とか避けているけど、

M(どう考えても反則だッ!)

 

俺がそのヤバいハクタクさんに付いていけているのは神の力を使っているからであって多分通常状態なら手も足も出なかったかも……

 

慧「産霊、ファーストピラミッド!」

何やら使い魔を出して絶対ヤバそうだ。

 

M「でも!諦めんさ……俺のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと轟き叫ぶ!

やってやるぜ!ばぁぁくねつ……ゴット……フィンガーァ!!!」

 

神力を掌に纏わせ、使い魔の出してくる弾幕を、と言うより使い魔は無視して慧音ごと殴った。

 

慧「!!」

霊「殴ったー!?」

 

 

一瞬で勝負は決まった。いや、決めなきゃいけなかった。長期戦になると必ず負ける。

 

M「ゴメンな先生。ちょっと寝ててくれ」

 

 

そして、次にやる事は……

M「月を大きくしている力自体を断たないとな……でも何なのやら」

 

輝「瑞生、私を斬りなさい」

永「輝夜様!?何を言っているのですか!」

輝「それが一番早いわよ。それに貴方には取り返しのつかない事をしてしまった。私を斬る権利は十分にあるわ」

M「……本気で言ってるのか?」

輝「嘘に聞こえる?」

 

 

M「……覚悟は出来てるみたいだな」

そして輝夜の前に立つ。

紫「ちょ、ちょっと瑞生!?」

レミ「まさか貴方、本気で斬るつもり!?」

M「ふんっ!」

チョップ。ちょっとだーけ強めに。

輝「痛っ!?」

M「これで俺をぶっ飛ばした事は許す。今回の異変についてはまた後だ」

輝「何で……私は貴方を」

 

M「何でって……そりゃ俺が生きてるからだよ。俺が死んでりゃ反省してほしいけどさ」

永「な、何て考え方してるのよ貴方は……」

 

 

M(さて、どうするかな)

とりあえず考える。今の自分になら出来る事がきっとある筈だ。

 

 

M(……そうだ)

自分には有るじゃないか、不可能を可能にするレベルの力が。

M「神の力を頑張って出せば強制的にキャンセル出来るかもしれない」

紫「貴方の体は大丈夫なの?」

M「それはどうか分からない。ただ今そんな事はどうだっていい」

妖「どうだっていいってそんな……」

M「でもそれをしたら月が戻るから輝夜達の居場所がバレる」

輝「もう、良いわよ瑞生……私達の為に頑張らなくたって」

M「……別に俺は輝夜達の為だけにやってる訳じゃない。ただこの異変の解決を望んでいる人が沢山居る。それだけだ」

永「瑞生……」

いつから彼はこんなツンデレになったのか。

 

M「どうすっかな……」

輝夜と永琳の安全と、今回の異変の解決。

これは俺がやらなきゃいけない。

 

M(かなり難しい問題だ。神の力であの月のキャンセル自体は出来ると思う。ただ月からの使者が来るんだよなぁ。せめて輝夜達だけを隠せたら……ってん?隠す……)

 

 

閃いた。

 

 

 

M「よし、決めた」

そこで俺の考えはこうだ。

①月の大きさを神の力で元に戻す。

②使者さん達をわざとへい、いらっしゃい!

③エターナルソードで次元を斬り裂いてその中に輝夜達を隠す。

 

後は俺が何とか説得するしかない。

場合によっては……戦いになるかもしれないから警戒は勿論しておく。

 

 

 

 

M「はぁぁぁっっ!!!」

力を月へと放つ。

原理的には幻想殺し(イマジンブレイカー)みたいな物であり、力をかき消すのが俺の目的だ。神の力ってとても便利。

 

 

続いて、

M「斬り裂け!エターナルソード!」

次元を開き、彼女達をその中へ。

輝「瑞生……」

M「大丈夫。俺を信じろよ……あの時みたいにさ」

 

 

輝「どうしてああやっていつも何とかしようとするのかしらね」

永「彼は……きっとそういう人物なんですよ。昔から変わっていません」

 

だからきっと大丈夫だと永琳は言った。

 

 

 

 

M(さぁ……来るなら来い!)

 

と、思っていたが。

 

 

そのまま夜が開けてしまった。

 

 

M「えぇ……(困惑)」

紫「来なかったわね」

霊「第一輝夜達の考え過ぎだったのかも?」

魔「結局何がどうなったんだぜ?」

アリス「最悪の事態だけは、防げたんじゃない?」

レミ「何処ぞのおバカさんが変な事しなくても大丈夫だったみたいね」

咲「流石に失礼ですよ、お嬢様」

妖「良かったですね、瑞生さん」

幽「頑張った甲斐があったんじゃない?」

 

M「ったく……俺の努力は一体何なんだ?」

 

 

次元を開き、皆を戻す。

 

輝「本当に……大丈夫なの?」

M「んー……良く分からんけど大丈夫なんじゃない?」

永「えらく曖昧ね……」

霊「さっきも言ったけど、永琳達の考え過ぎじゃないの?」

輝「それは無いわ……絶対にあの日来る事は確かだった」

 

M「話している所悪いけど永琳、治療してやってくれないか?」

永「あっ」

見た所傷は無いが鈴仙とてゐ、そしてこっちは結構ヤバめな妹紅に慧音。俺一人じゃ流石に間に合わない。

 

 

 

 

しばらくして、

M「妹紅と慧音はとりあえず大丈夫だ」

永「うちの二人も大丈夫よ。貴方のお陰で」

M「な、何の事やら」

永「分かりやす過ぎよ。気絶はしてるけど傷がまるで無いしこんな事出来るのは貴方位だと思ってね」

M(やっぱり永琳の目は誤魔化せんか……)

 

 

ともかく後に永夜異変と呼ばれるこの事件は良く分からない感じで幕を閉じた。

 

M(何だか腑に落ちないな……どうして奴らは帰って行ったんだ?月の使者は感情などというものは無くなって居る筈だから輝夜達が可哀想だとか思う事は無いと思うし……)

 

何故なのかは分からない。でも、

 

M「まぁ、良いか。終わりよければ全てよし!気にしてもしゃーないしゃーない」

やっぱりマイペースな瑞生であった。

 

 

 

後日、博麗神社にて

こういったゴタゴタは宴会で流そうという考えがあるので、それに基づいて皆でまた宴会を開く事になった。

 

M(いい考えだ。賛成賛成~)

 

輝夜も永琳も、そして慧音も。

(慧音先生は被害者であるが)皆に迷惑を掛けた事について謝罪した。

 

殺し合いだとかしたというのにすぐに皆許して酒を飲み合い楽しんでいた。

 

 

M「やっぱり良いな、幻想郷は」

輝「好き?」

M「あぁ。大好きだ」

輝「そう……」

永「……お疲れ様。本当に」

M「確かに色々疲れたな。それより新宅はどうだ?」

輝「非常に良いわ」

M「そりゃ良かった」

あれだけ破壊されてしまったので流石に戻すのには苦労したが、何とか大体の原型を留めたままの新しいお家を作った(勿論召喚獣の皆さんに頑張ってもらいました)

 

召喚獣に洗濯やお家造りをしてもらう主が居るらしい。

 

それはそうと。

 

輝「瑞生、その……」

M「先に言うが、謝んなよ?何で許すのかはあの時言ったろ?」

 

輝「でもまだ今回の異変についての罰は受けてないわ」

M「変な所で律儀だな輝夜……」

輝「けじめとして、ね」

M「罰を受けたいってもしかしてドMか?」

輝「け・じ・め」

M「冗談冗談。でも俺が二人に罰を与える権利なんて無いよ。言うなら紫だとか霊夢の方だろう?」

 

永「あのスキマ妖怪とかに言ったら何要求されるか分からないから貴方が良いのよ」

M「あー……それは確かに」

 

俺を傷付けた事に関してはやっぱり滅茶苦茶怒ってるみたいだから二人に危ない要求されたら嫌だし。ここは俺が決めて良いかな。

 

M「じゃあ……」

輝「あ、罰を受けるとは言ったけどその……エッチなお願いは……///」

永「瑞生!」

M「何で俺が怒られるんだ?と言うか輝夜は俺を何だと思ってるんだよ……」

輝「瑞生」

M(このやり取り前にもあった様な……)

「ともかくしないから!」

輝「……しないの?」

M「どっち!?」

永「瑞生……やっぱり貴方1度劇薬の実験台になりたいようね?」

M「ツッコミが追いつかないッ!」

もうダメだこやつら。

 

しばらくそんな事で笑い合って。

M「やれやれ……よし決めた。今後永琳亭で定期的で良いからお茶会でも開かせてくれ」

輝「お茶会?」

M「そう。他の皆も呼んでな」

永「どうしてそんな事を?」

M「永琳とかは有名だけどさ、他の皆ももっと色んな人に知ってもらいたいんだよ。

 

少し間を空けて、

 

要するに、普通に楽しく生きて欲しいってのが俺の願い。だからそれが罰」

 

輝「そんなので、良いの?」

M「って思うだろ。案外難しいもんだぜ?毎日普通に生きるって」

永「それは貴方だからでしょ」

M「何か妙に貶されている様な」

永「あら、褒めてるわよ?」

M「ふむぅ……まぁ、そういう事だ」

輝「分かったわ。いつでもどうぞ」

永「そんな軽い軽い罰にした事を後悔しない事ね」

 

 

M「大丈夫だって……ん……眠い」

瞼が落ちそうである。

 

M(あ、やべっ……)

疲れが重なった強力な睡魔に抗えなかった。

 

輝「きゃっ///」

彼がいきなり転んできた。

永「眠ってしまっていますね」

輝「あんな事言ってたけど……やっぱり私達の為に頑張ってくれたものね」

永「一つ、借りが出来てしまいましたね」

輝「瑞生は「そういうの好きじゃない」って言いそうだけれど」

永「ふふ……言えてますね」

 

輝&永「お疲れ様、瑞生」

 

完全に意識が落ちる前にそっと頬に柔らかいものが触れた気がした。

 

 

 

 

M「……ん」

 

腕に当たるのは柔らかい感触。

M「うん?」

 

左には輝夜。右には永琳。

二人共俺の腕枕で寝てました。

柔らかい感触というのは永琳だ。

輝夜は大きくは無いが決して小さくは無い。

 

え?何の事かって?さぁね(爆)

M・M「このやり取りも前有ったよね」

 

 

M「……何でこうなった?」

非常に心臓が荒ぶってます。

※しっかり二人に捕まっているので全く動けません。表出ろぉゴルァあくしろよ!って言われても無理です。

 

多分昨日二人と喋っていた所までしか記憶が無いから恐らく自分が寝てしまったのだろう。何で二人が一緒に寝てるのかは分からないが家まで運んでくれたのは感謝しなければいけない。

M「二人が起きるのを待つしかないか……」

 

そして二人が起きたら永琳からはぶん殴られて輝夜が離してくれませんでした。

 

 

でめたしでめたし。

M「全然めでたくないッ!」

 

 

 

それからというものの、永琳亭メンバー全員からの視線が少し変わった気がするが気のせいだろうか……

 

新しい永琳亭で、楽しく暮らしている様だ。とりあえずは最初に言ってた通りクリスマスまでに解決する事が出来て良かった。

 

永琳亭の皆も含めて楽しい年末にしたいと

思う瑞生であった。




主人公に殺しは出来ません。
もうそうなってしまったのならその時は覚悟を決めるのかもしれないけども。

やっぱりそうならない様に身を呈して頑張るのが瑞生なので。暖かく見守ってやって下さい。


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-特別編 クリスマス-

どうも。
短めです。異変続きで皆さんお疲れ様です。

では、どうぞ。



※い つ も の。

これいる?って人は下へ、どうぞ。

 

 

 

 

M「という訳で質問タイム」

M・M「どういう訳か分からないんだけど?あっそうだ(唐突)レベルでいきなりだよね?」

M「つべこべ言うなぁー」

M・M「理不尽だぁー」

 

Qきたない(何が?)

Aすみません許してください!何でもしますから!(何でもするのは言っていない)

……流石に減らします。自重します。

 

Q原作崩壊し過ぎ

Aそれについては本当に申し訳ございません。かなり都合の良い原作改変を行っている件については頑張りますので許して下さい。

 

Q戦闘シーンツッコミ所多過ぎ

A戦闘シーン自体はそこまで多くはないですが、やたらと会話シーンが多めとなっております。主張をぶつけ合う所は頑張るので暖かく見守って頂けると幸いです。

 

Q終わりあるの?

A次書きたい作品も決まっておりますので全体としてはそこまで長くはありません。

(今の所)

 

 

M「そんじゃこの辺で。本編イクゾー!」

M・M「デンデン、デデデデン!」

 

 

 

 

何やら異変もあって解決に奔走して解決したのは良かったが何よりもクリスマスと年末年始を無事に過ごせる事と輝夜達との関係を元に戻す事が出来た事である。

元に戻ったというより更に仲良くなった様な気が気でならない……良いんですけどね。

 

 

12月25日

 

M「クリスマスなのか……色々有ったなぁ」

霊「貴方とまともに年末を過ごすのは初めてよね?」

M「そうだな」

霊「フラフラどっか行き過ぎよ」

M「いやぁサーセン」

霊「全く……さぁ、準備するわよ」

M「りょーかい」

 

クリスマスパーティー……とは言うもののいつもやってる宴会に変わりわない。ただいつもより少し豪華な気分になれる宴会って言えば分かりやすいか。

料理は持ち合わせ。金を払えば酒は貰える。ちゃっかりしてるぜ霊夢さん。

 

でも、

紫「あの子そんな積極的になる事は無かったのよね。貴方との交流が霊夢にも変化をもたらしたのかもしれないわね」

 

と幼馴染も言っていたので彼女もまた良い方に変わったというのだろうか。

 

 

 

M「あー忙しい忙しい」

現在自分は皆と共に飾り付け等パーティーの準備に追われていた。

 

美「瑞生、これここ置いといて良い?」

M「あぁ、そこでOKだ。さんきゅー」

なんと美鈴の両腕には巨大なクリスマスツリーが。なんと1人で持って来たらしい。

M(何とまぁ規格外な)

 

 

周りを見渡すと沢山の人物がこの博麗神社に集まっていた。全て自分と知り合った人物となると何か嬉しく思う。

 

新しいメンバーも居た。

河城にとり(以後にとり)「にとりです。宜しくっ!」

ミスティア・ローラレイ「ミスティアです。みすちーって呼ばれてます」

 

 

2人とも可愛い。

 

紫「何ニヤついてるのよ」

M「いや、何でもないよ」

 

 

準備は整い、盛大なクリスマスが始まった。

 

 

フラン「兄様、あーん」

M「いや、自分で食べるって」

フラン「食べてくれないの……?」

M「あーん」

 

何名か(くっ……先を越された)

 

こいし「瑞生、食べさせて!」

M「何故に?」

こいし「むー!」

M「ほれ、あーん」

 

何名か(その手は無かった!)

 

さとり(皆さん……)

文(瑞生さんやはりロリコン疑惑濃厚っと)

 

 

楽しい楽しいパーティーだが、事件は起きた。起きてしまった。

 

M「む、この料理は?」

レミ「あぁ、それは咲夜が作ったケーキで」

フラン「兄様、あーん」

M「む、もぐもぐ」

レミ「あの、それはかなりの酒入りなんだけど……瑞生確かダメじゃなかった?」

 

M「……」

フラン「兄様?」

レミ「な、何か嫌な予感が」

M「もっと……」

 

咲「?」

M「さけー!もっと酒をー!」

美「おかしくなった!?」

 

紫「今の瑞生の声は!?」

霊「呑んだの?」

魔「瑞生って酒大丈夫な奴だったっけ?」

紫「み、瑞生に酒は……(震え)」

何故か震え声だし体もブルブルしてる紫。

幽「紫?どうかした?」

紫「瑞生に酒呑ましたの!?」

レミ「いや、飲ました訳じゃないけど……」

咲「どうやらフラン様が私の作った酒入りのケーキを食べさせてしまったみたいで」

フラン「ご、ごめんなさい……」

 

M「大丈夫だ。別にフランは悪くない」

紫「瑞生!?大丈夫なの?」

M「全然問題ない。俺は至って正常ですのでくぁwせdrftgyふじこlp」

妖「全然正常じゃ無い!?」

 

M「何言ってるんだ妖夢。俺は何にもしていないじゃないか」

妖「だったらその剣を収めてください!?」

パチェ「言ってる事とやってる事が矛盾しているわね」

 

何故か剣をブンブン振り回している彼に対してそう言うが何しろ危険なので近付けない。

 

M「全員ヨツンヴァインになるんだよ!」

 

ALL「ファッ!?」

何言ってるんだこの人的な。

 

M「もうダメだぁ……おしまいだぁ……」

アリス(何が?)

 

M「ぬわぁぁぁぁん疲れたもぉぉぉぉん!」

慧「だ、大丈夫か?」オロオロ

 

M「俺は悪くない……俺は悪くねぇ!」

紫(今度は何やらかしたの?)

 

そんな訳分からん会話(?)を繰り返す瑞生だが、ある時突然倒れて眠り始めた。

 

霊「結局何だったのよ……」

紫「これ位で済んで良かったわね」

霊「どういう事?」

紫「昔ある時に瑞生に無理矢理酒呑ました事があったのよ」

幽「凄い事するわね」

紫「そうしたら……その……」

白蓮「何があったんですか?」

紫「押し倒されて///」

 

何人かがブッと吹いた。

藍「紫様、良く瑞生様から押し倒される事に縁がありますね?」

紫「藍……からかわないで///」

橙「紫様顔真っ赤です!」

紫「貴女達いつから主をからかう様になったのかしら?」

藍「初めからです」キッパリ

橙「私は違いますよ?」

 

紫「らぁ~ん?少しお話が必要ね?」

 

 

 

美「とりあえず瑞生は寝かしておきました」

レミ「美鈴、ありがとう」

諏訪「しかし意外だね」

早苗「何がですか?」

諏訪「瑞生が酒呑めない事」

神奈「確かに」

勇儀「瑞生は酒豪だと思ったけど」

フラン「でも酔った時に変な事言うのは普通じゃないの?」

 

紫「実はこの話には続きがあって」

妖「押し倒された後ですか?」

紫「そう。押し倒したら突然さっきみたいに良く分からない事言ったら今度はいきなり暴れ出したのよ」

レミ「暴れる?やけに物騒ね」

紫「森はなぎ倒され炎に包まれ地面は割れ激しい地震が起き、空は荒れて激しい雷鳴が響き渡った」

パチェ「ん……その言葉どっかで聞いた事がある様な気がするわね」

紫「後に幻想郷最大の天変地異と呼ばれる事になった事件よ」

にとり「それを瑞生が引き起こしたって言うのかい?」

紫「そうね。本人は知らないだろうけど」

魔「こ、怖いぜ……」

霊「本当に寝てくれてよかったわね……」

幽「紫が恐れたのも分かるわね」

紫「そういう事よ」

 

 

しばらくして……

M「うーん……」

起きた様です。

ルーミア「あ、起きた」

M「あれ?俺いつの間に寝て……痛たたた」

頭を抑えて唸る彼。

霊「はい、水」

M「サンキュ。もしかして俺……呑んだ?」

レミ「呑んだんじゃ無いけど、酒成分は摂取したわね」

M「大丈夫だった?暴れなかった?」

紫「大丈夫よ。ちょっと訳分からない事叫んでただけ」

M「そっか……」

フラン「兄様ゴメンね……私が食べさせちゃったの」

M「良いよ良いよ、別に」

 

 

 

気が付いたら25日は終わっていて、楽しいクリスマスは幕を閉じた。

 

皆と別れ、

M「楽しかったな」

霊「また年末にも同じテンションになるから覚悟しときなさい」

M「おうおう」

 

もう年が開けようとしている。

年末も楽しくなりそうだ。




今までの話を見直すと間違いとか変な所が多く直しまくってます。それでもおかしいので間違いを指摘して頂けるとヤメロォ!(建前)ナイスゥ!(本音)
冗談で凄く感謝します。

批判是非下さい!(ドM発言)


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-特別編2 年末&年明け-

どうも。
また短め。
テンション高めで行きましょー。

では、どうぞ。




12月31日

 

コインを右手の指に乗せ、コイントス。

電撃を纏わせ指を弾く。

M「狙うは一点……撃ち抜け!超電磁砲(レールガン)!」

 

激しい電撃が妖怪の束を撃ち抜く。

魔「おぉ……」

霊「相変わらず凄いわね」

 

 

 

霊「全く、年末位ゆっくりさせなさいよ」

M「まぁまぁ」

魔「さっさと帰ろう、寒いんだぜ」

霊「そうね」

魔「霊夢の場合その服が問題かな?」

霊「うるさいわよ」

そんな会話に苦笑いする瑞生であったが、何かに気付いたのか空を見上げた。

 

M「ん、あれは文じゃないか」

空から文が降りて来た。

文「皆さん、こんにちは」

M(いつも思うんだが文のスカートはどうなってるんだ?)

文「どうかしました?」

M「いやぁ鉄壁だなぁ……じゃなくて文こそどうしたんだ?」

文「年末なのに妖怪退治とは霊夢さん達も忙しいですねぇ」

M「そういう文こそ忙しそうだな?」

文「年末ですから」

霊「まぁ、頑張んなさい」

魔「頑張れよー」

 

 

 

M「俺はちょっと紅魔館に行ってくるよ」

魔「年最後の冷やかしか?」

M「何でそうなるんだよ」

 

 

 

数分後、紅魔館にて

M「何だか……忙しそうだな」

美「何しろ広いからね」

M「掃除も大変だな」

美「毎年ね」

M「……手伝ってくかな」

美「博麗神社は?」

M「もう綺麗に終わらせてるよ」

美「流石仕事早いね……」

 

 

レミ「忙しいわねぇ」

フラン「忙しいねー」

咲「動かないお嬢様方は掃除される対象という事でよろしいですね?」

レミ「掃除するわよ!」

フラン「今すぐやります!」

 

咲「全く……」

M「ぐーたら主の指揮も楽じゃないな」

咲「瑞生じゃないですか」

M「よぅ。何か手伝える事あるか?」

咲「手伝ってくれるならパチュリー様の図書館をお願い出来ますか?」

M「りょーかい」

 

 

 

こあ「あぁ瑞生さん……」

既にぐったりした小悪魔が居ました。

M「だ、大丈夫か」

こあ「大丈夫です……」

M「ここの主は?」

こあ「別室に避難してます」

M「まぁ埃とかダメっぽいしな……それより何か手伝うよ」

こあ「本当ですか!?」

パァァァっと花が咲いたように喜ぶ彼女。

M(そこまで大変なのか……)

 

まぁ考えてみれば分かる。全部ではないと言えどもこの見る人を仰天させる本の量を1人で処理しなければならないのだから。

M「それでも大半は終わってるじゃないか」

こあ「休み無しでここまでやりました……」

M「……ちょっと休んどけ。後指示をくれ」

 

 

 

しばらくして……

M「終わった……」

本当に重労働だった、戦うよりよっぽど。

こあ「お、お疲れ様です」

彼女が水を持って来た。

M「ありがとな」

こあ「こんな早い時間に終われるなんて……瑞生さんは神様です!」

M(いつもどれ位やらされてるんだ……)

 

パチェ「こあーどれ位終わった?」

こあ「あ、パチュリー様入ってもOKです!」

パチェ「え?ってもう終わったの!?」

M「こあは働き者だからな」

パチェ「あら瑞生じゃない……ふーん?」

M「何だよ?」

パチェ「まぁ、良いわ。終わらせろとしか言ってないものね」

こあ&M(バレてる……)

 

 

こあ「瑞生さんありがとうございました。お礼はまた後ほど」

M「いいってことよ。こあにもいつも世話になってるからな」

 

そう言って彼は帰って行った。

こあ(本当に、不思議な人)

パチェ「何ニヤニヤしてるのよ」

こあ「し、してませんよ!?」

 

 

 

紅魔館の帰りによった湖でチルノに捕まってしまったので……

M「パパパっとやって、終わり!」

チルノ「こ↑こ↓は通さん!」

 

チルノ「パーフェクトフリーズ!」

M「鳳凰天翔駆!」

 

 

チルノ「負けた……」

M「まだまだ甘いな。もっと頑張れ」

 

チルノ「アツゥイ……」

M「……」

 

 

 

 

M「続いては地中(した)に潜るか」

大晦日って事で皆地霊殿に居ました。

皆しっかり者なので掃除はパパパっと終わらせてました。

 

M「流石ここの皆は仕事が早いな」

さとり「そういう風にしつけてますので」

こいし「私だって頑張ったもん」

さとり「そうね。こいしも頑張ったわね」

 

M(美しい姉妹愛……)

さとり「瑞生、茶化さないでください」

M「めんごめんご。ところで終わったんだろ?ペットの皆さんは何処へ?」

さとり「買い出しです」

こいし「色々とねー」

M「なるほど」

 

鬼さん達にも挨拶してから地中を出た。

 

M「続いては……ってやべ」

時間がもう押していた。

M「まぁ、他は宴会で会えるだろ」

 

 

 

 

 

紫「瑞生、遅かったじゃない」

M「悪いな」

霊「どうしたのよ」

紫「どうせ貴方の事だから年末だしいつもと違う道を通ったら妖怪に襲われたんでしょ」

M「何でもお見通しだな、お前にゃ」

紫「手に取るように分かるわ、ホホホ」

霊「アンタいつからそんなキャラに……」

魔「瑞生らしいドジだな」

M「うるへー。てか俺らしいって何だよ」

 

アリス「年明けまで……後15分ね」

パチェ「妙に眠いわ」

M「皆体調には気を付けろよ、冷えるしな」

 

 

輝「いい月ね~」

永「そうですね~」

鈴「酔ってる……」

てゐ「こうなったら手に負えないよ……」

輝「二人も呑みなさい~」

 

 

大「チルノちゃ~ん」

チルノ「の、呑んだの大ちゃん!?」

大「呑んでない~」

リグル「臭うなぁ……」

 

 

妹紅「今年も何とか終わったな」

慧「かなり騒がしい1年となったが」

妹紅「楽しかったぜ?」

慧「そうか」(妹紅も、変わったな)

 

こいし「そう言えば……」

M「ハッ……いつの間に背後へ」

こいし「クリスマスの時に聞きたかったんだけど……」

M「な、何だよ」

こいし「瑞生って好きな人居ないのー?」

(やたらスロー&大声)

M「ゴフっ!?」

お茶吹いた。

 

その発言と共に皆がこっちを向いた。

M(か、勘弁してくれ……)

「いや、それは、えっーと……」

紫さん、そんな子犬の様な目で見ないで。

鬼さん達、そんな鬼の様な……当たり前か。

霊夢さん魔理沙さん、さっきから腕組み十秒単位で変えてるけど大丈夫?

さとりさん、心読もうと凝視しないで。

白蓮さんがもじもじしてた。どういう事?

紅魔館メンバーは普通に目が怖い。目力。

 

M(やべぇよ……やべぇよ……)

と、こんな感じで皆さん視線が凄い事に。

 

「瑞生はやっぱりノンケか……」

M(誰だ今の?)

 

紫「で、誰なのよ!」

M「何で怒ってんの!?それと近いって!」

霊「いいから早く言いなさいよ!」

本当に何故怒られてるのか不明な所。

 

M「う……それは……」

ALL「それは!?」

M「その……」

ALL「その!?」

 

口を開こうとした瞬間、

パッポーパッポーと時計が鳴った。

にとり「ありゃ、12時回ったね」

M「し、新年明けましておめでとうございます!!!皆今年も宜しくなっ!」

バッと立ち上がり宣言。

 

 

M「俺ちょいとやる事あるから、またな!」

彼はすぐに出ていった。

 

ALL「チッ……逃げられたか」

 

 

また結局問い詰められてピンチが訪れるのは別の話。

やっぱりな♂

 

 

1月1日

 

M「新年明けまして……おめでとなりー」

霊「何それ?」

M「いや、こっちの話」

 

霊「特に何もする事ないわねー」

M「昨日既におせち作ったしな」

昼に食う予定。

 

紫「確かに暇ねー」

さらっと居る紫さん。

霊「ちょっと紫足伸ばさないで」

紫「良いじゃない別に~」

M「コタツに籠ってんな」

 

そこへ来客。

魔「霊夢~寒い~」

霊「じゃあなんで来るのよ……」

紫「入る所無いわよ」

魔「紫が退けばいいじゃないか」

紫「嫌に決まってるでしょう」

魔「い~」

紫「う~」

M「何ケンカしてんだよ……俺退くからさ」

魔「瑞生が神様だ~」

M「んな大げさな……」

 

 

M(ん、神様と言えば……)

昨日に守矢神社等神様に言われた事をふと思い出す。

 

諏訪「そう言えば瑞生、最近早苗が話してた事なんだけどさ」

M「ふむ」

諏訪「妖怪の山に不穏な動きありってさ」

M「不穏とは?」

神奈「不穏ちゃ不穏だよ」

M「大まかスギィ!」

 

文「確かに妙に妖怪が……」

M「居るのか?」

早苗「逆なんですよ。消えてるんですよ」

M「そりゃ変だな」

 

諏訪「平和が、一番だけどねぇ」

神奈「だよねぇ」

M(とても神様とは思えないやわらか空気)

おまわりさん、貴方もです。

 

M「また面倒はごめんです」

 

M・M「だが残念。貴様には平穏は訪れないのであった……」

M「その不穏なナレーション止めて!?」




異変詰め込み過ぎなんですが、日常編を挟みましてなるべく違和感ないように書きます。諏訪子様好き。自分はカエル好きなんですよね(どうでもいい)

何処かの誰かさんのせいで東方キャラ(特にチルノが)が淫夢厨になりつつある……。


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-また異変?ちょっとおかしくない?何か正史と時期も違うし……ハッ!これって俺のせい?って思い始めたこの頃(by瑞生)-

どうも。
M「ちょっと待って?サブタイトル長いよね?」

M・M「何となく」
M「何となくでこれは無いだろ……」

タイトル通りです。ほんの少しずつですが瑞生は妙な違和感を覚え始めます(意味深)

では、どうぞ。


M「はてはて何があるのやら」

前に聞いた妖怪の山にご到着。調査開始。

 

 

探す事小一時間。

M「何も無いな」

特にこれといって変わった事も無く。

居るのは面倒な妖怪だけだし。

M(帰るか。寒いし)

季節は1月、やはり寒い。

 

 

という事でとりあえず一周はしたので早く撤収撤収。

M(多分早苗が感じたのも気のせいだろ)

 

 

 

 

後に瑞生は寒いがために探索を少し疎かに、いや、疎かにした訳では無かったが、この時もっとしっかりと確認しておけば良かったと激しく後悔する事になる。

 

が、勿論そんな事を知る由もない。

 

早苗「じゃあ、結局何も無かったんですね」

M「あぁ……まぁ俺が見た限りでは」

諏訪「気のせいだよ、まぁ私も何となく変な気がしなくもなかったけど」

神奈「う~ん……」

M「また見に行くさ」

早苗「皆で行きましょう」

 

紫「あら瑞生、こんな所に居たの」

M「よう紫」

神奈「何処ぞのスキマ妖怪じゃないか」

諏訪「いつも突然だねぇ」

紫「神出鬼没!それがわ・た・し」

M「……」

紫「よね?瑞生」

M「いや、俺に振るなよ……」

早苗「テンション高いですね……」

 

 

M「それじゃ、また来るよ」

紫「またね~」

 

 

 

 

M「紫は何で来たんだ?」

紫「いや、博麗神社に居なかったから」

M「実は色々有りましてな……」

 

青年事情説明中……

紫「何か変化有ったら私だって気付くわよ」

M「だろうな。俺も気付くと思う」

紫「まぁ一応私も見ておくわ」

M「宜しく頼む」

 

 

 

 

M「って言う事が有ってさ」

霊「まぁ、とりあえず注意はしとくわ」

M「おいっす」

 

 

 

 

 

M(何でこんなに皆に注意してるんだ?何も無かったよな?いや……)

怖いだけだろう、やっぱり本当は何か有ってしまうかもしれないと。

 

そんな筈が無い。きっとそうだろう。

 

 

後日、妖怪の山のとある川。

また確認しに行くなんてやっぱり俺は心配性……と言うよりヘタレなんだよなぁ……。

M「おや、あれは……」

川に捨ててあるガラクタを漁っている女の子が居た。にとりである。

M「おーい、にとりー」

にとり「やぁ、瑞生」

M「またガラクタ漁りか?精が出るな」

にとり「こういったガラクタの山は宝庫なんだ。沢山物があるからね」

M「へぇ~」

にとり「瑞生はどうしてここに?」

M「いや、ちょっとパトロールに」

にとり「また面白い事してるね?」

M「面白くは無いけどな」

会話をしながらもガラクタの山を漁るのを止めない彼女に対し、

M「……何を探してるんだ?」

にとり「いやぁ、新しい機械とか無いかなって思ってさ。ほとんど見た事のある物ばっかりだし」

M「ふーん……」

暇潰しに俺も少し漁ってみる。

 

懐かしいファミコンがあった。

M(何で?しかも隣にドラ○エあるし)

良く見たらF○もマ○オも。

M「本当に色々あるな……」

その時。

足元の小石にツルッと滑った。

M「あっ」

 

 

M・M(さっきからゲーム名隠す○いる?別にいらないよね?)

M「ファッ!?お前どっから出て来た!」

M・M「紫様にご協力を……」

M「帰れ!正拳突きィ!」

M・M「やだ!やだ!ねぇ小生やだ!あぁぁぁもうやーだぁぁぁー!」

 

 

にとり「瑞生ー大丈夫?」

M「うーん……やっぱりお前もホモなのか……俺はどうすれば……」

にとり(なんか変な事言ってるなぁ)

しかし、こんな所で転ばせているのもアレなので。

にとり(……誰も見てないよね?)

 

膝枕してあげた。

にとり(///)

文((ΦωΦ)フフフ…)

……陰からカメラで撮られていることも知らずに。

 

 

しばらくして、

M「ファッ!?」

にとり「あ、起きた」

どうやら膝枕してもらっていたらしい。

M「にとり、すまんな」

にとり「大丈夫だよ」

 

にとり「そうそう、見てよこれ」

M「んー?」

ガラクタの山の裏側へと連れて行かれ、

M「これ、洗濯機じゃん」

現代のドラム型洗濯機である。パナ○ニックだった。

 

M「何でこんな物が?」

にとり「この場所はね、色んな世界から物が流れて来るんだよ」

M(紫がそういやそんな事言ってたな……)

良く見たら車とか携帯電話とか……

 

にとり「今日は豊作だねぇ」

にとりは部品やら何やら色々持っていた。

M「そりゃ良かった。そんじゃ俺は帰るな」

にとり「うん、またね」

 

 

 

にとりと別れて妖怪の山を歩き回っているが特にこれといってこの前と変化は無い。

M(やっぱ気のせいだったかな……)

考え過ぎも体に悪いだろうし。

M(帰るか……)

 

 

 

M・M「この時も異変を防ぐチャンスだったかもしれないのに……残念だよ、君には失望した」

紫「不穏なナレーション止めてくれない?」

 

 

 

地中。

いつの日かに行った温泉に今日は皆で行くことになった。

M(嫌な予感しかしない……)

さっきから寒気が止まりません。

 

 

霊「皆で温泉なんて初めてじゃない?」

魔「と言うより集団で出かけること自体が無かったと思うぜ」

レミ「こんな所に温泉があるなんて知らなかったわ」

紫「秘湯って感じかしら。瑞生、どうだったの?」

M「え?いや、うん……良かったよ?」

慧「何故疑問形なんだ?」

アリス「温泉の効果とかは?」

さとり「色々効きますよ。お肌にも肩こりとか腰痛とか」

紫「肩こりがいつもながらするのよね」

幽「私もよ」

慧「授業中にあるのは止めて欲しいんだが」

白蓮が控えめに「私もです」と言った。

 

幽「妖夢、どうしたの?」

自分の胸に手を当てている妖夢を見て幽々子が尋ねている。

妖「……何でもありません」

 

M(ここで下手な事考えるとさとりに読まれるからな……無心無心)

さとり(と言っている心を読まれてますよ)

こいし(お姉ちゃんじゃなくても普通に分かる位瑞生って顔に出やすいよね)

 

 

フラン「着いたー♪」

パチェ「疲れたわ……」

 

燐「おお、聞いていたけど団体さんで」

空「いらっしゃいま~せ~」

燐「男性はあっち。女性はあっちね」

M「まぁ男は俺だけだがな」

こうりんも誘ったんだが来なかった、残念。

 

この前来た時と違い誰も居なかった。

と言うより貸切だったのだ。

M「1人には広過ぎるな……」

 

とりあえず向こうが気になる。

M(覗きではなく……能力での盗聴!)

※良い子はまねs……無理か。

 

 

~~~

霊「いい湯ね」

紫「そうね~瑞生から何となくは聞いていたけど」

魔「確かにいい湯だぜ~」

慧「本当だな。これは良い……」

チルノ「うわっ先生肌白ーい」

慧「お前もだろう」

妹紅「またデカくなったんじゃないか?」

慧「な、何がだ?」

妹紅「この胸だよ」思い切っり揉む

慧「ひゃうあっ!?」

 

M(始まったか……ひゃうあって何だよww)

ギャップ萌えというやつですな。

 

幽「やっぱ紫は大きいわね~」

紫「あ、貴女だって大きいでしょ」

幽「瑞生も悩殺ね」

紫「悩殺って……」

自らの胸に手を当てて悩む者、大き過ぎて困るとか言って妙に乱闘沙汰になる者、色々とガールズトーク(?)が進む中、

 

 

霊「そう言えば紫」

紫「何?」

霊「紫はさ……その、やっぱり……」

紫「何よ、はっきり言いなさいよ」

霊「……瑞生が、好きなの?」

 

まるで空気中にマホ○ーンもしくはサ○レス

が掛かってしまったかの様に沈黙した。

静寂、そして凍り付くような緊張があった。

 

紫「え、いや、その……」

 

一方瑞生はと言うと。

M「…………」

完全に( ・×・)オクチチャック状態だった (しかも何故か正座)

 

あちらにはこっち側に声が聞こえないと思っているんだろうか?皆普通に声大きいぞ?

 

M(こ、恋バナ……ですか)

 

 

皆が自分を見ている。と言うか凝視されていると言った方が正解だろうか。

紫(色々と危険な状態ね……!)

何とかしないとかなり大変な事になりそう。

 

そこの天狗、何故カメラを持っている?

 

そしてこの空気を打開したのは、

幽「やっぱりそうよね、瑞生の事は一番良く知ってるし一番分かってあげられる存在だものね……紫は」

 

それは確かにそうだ。誰がなんと言おうとそれだけは譲れない。

 

早苗「幼馴染みって……良いですね」

妖「瑞生さんの事沢山知ってるいて、いつもながら羨ましいです」

紫「そ、そんな事無いわよ」

 

魔「とか言いながら酒飲むと瑞生の事しか話さないよな、酔ったら凄い事言ってるし」

紫「何よ!?何言ってるの私!?」

 

いきなり放たれた問題発言と言う爆弾により

また会話が弾む。

 

M(頑張れ紫……)

何をだとツッコミを入れたい。

 

レミ「いい加減白状なさい、真実を」

咲「何だか探偵みたいですね、お嬢様」

レミ「そうでしょ?」

 

幽「別に詮索するまでも無くないかしら?

恋愛かどうかは置いといて紫は瑞生が大好きな事は分かりきってる訳だし」

紫「あぅぅ///」

 

M&ALL「ッツ!?!?」

いつもの胡散臭いと言われる紫からは考えられない乙女な声。そして真っ赤な表情。

 

M(それは……反則だろ///)

ALL(可愛い……)

 

とりあえずこの場はそれで終了した。

幽々子のお陰で助かったと言えよう。

 

M(俺も上がるか……)

 

M・M「フフ……君に一難も無いと思っているのかい?」

 

M(ファッ!?誰だ!?)

その時。

男湯の板を割って出て来たのは。

一つ目の巨人、サイクロプス。

 

M(あれ?何かデジャブ……)

 

とか言ってる場合では無い。

何とかしないとこの温泉が、向こうに居る皆に危険を及ぼす……と言うより。

 

M「また向こうと繋がって色んな意味で死にたくは無いッ!」

 

一直線で向かってくる奴をまずどうするか。

M(やっぱ前にも同じ事有ったよな……)

「っと!脳筋にはコイツでッ!」

 

攻撃を避けながら敵に何か(・・)をしていく。

しばらくして、

サイクロプス「!?」

突然敵の動きが止まった。

M「影縫い、だ」

 

敵の攻撃を避けながら身体に糸を張っていたのである。

M「フン、その攻撃は簡単に破れn」

サイクロプス「グォォー!!!」

ブチッ

M「…………」

 

サイクロプス「……」

M「えーっと……」

サイクロプス「グォォォォォー!!!!!」

M「ごめんなさーい!!!」

 

 

 

気を取り直して第2ラウンド。

 

M「真面目にやるか……」

さっと剣を出し、

M「魔神剣・双牙!」

だが相手は避けるまでも無く、地面を叩くと逆にこちら側に衝撃波が飛んで来た。

 

M「おいおい……やっぱり遠距離は駄目か」

 

避けて考える。

M(真正面からのタイマンは少々無理があるな……ならば敏速(アグレッシブ)で勝負!)「飛天翔駆!」

敵の裏側に回り、

M「輪舞旋風(ろんどせんぷう)!」

鋭い回し蹴りをした後すぐに、

M「真空破斬!」

大きく一太刀。

サイクロプス「グオッ!?」

流石に効いたみたいで、後ずさりをした。

 

M「逃すかよ!疾風、地烈斬!」

 

そしてこれをしながら、

M(地面、大丈夫かな……)

もう地面どころか男湯が大惨事になっているだろうが。

 

 

サイクロプス「ウォォォー!!!」

吹っ飛ばされ、温泉の中にドッブーン。

 

M「やったか!?」

 

M・M「瑞生知ってる?フラグって」

M「ファッ!?」

 

 

その時。

サイクロプス「グォォ……」

M「死んでない!?」

相当フラついているが、まだ生きている。

 

が、

サイクロプス「グ、オ……」

 

倒れ込んだ。女湯の壁の方に。

M「えっ」

そっちは、と言ったがその言葉は壁の壊れる音にかき消されていった……。

 

 

逃げる間もなく俺、終了。詰みです。

M「あっ……(察し)」

 

 

おさらい。

M「俺は、俺は悪くねぇ!!!」

M・M(おさらいってか最後だけじゃんww)

 

 

 

女湯side。

萃香「うん……?」

勇義「どうしたんだ?」

萃香「何か……聞こえた様な」

霊「何が聞こえたの?」

萃香「男湯から争う音が」

魔「え?さっき貸切だって言ってたよな?」

さとり「そうですよ?だから瑞生は1人の筈ですが……」

紫「何か……嫌な予感するわね」

妖「でも、あちらに行く訳にも……」

 

ドッボーン

 

聖「今の音は?」

にとり「何か、湯に飛び込んだね?」

永「瑞生が飛び込んだの?」

鈴仙「瑞生さんって意外と子供っぽい所があるんですね」

紫「いや……流石に瑞生はそんな事しないと思うんだけど」

幽「でもあっちには瑞生しか居ないのよ?」

 

魔「瑞生以外の人間以外(・・・・)の奴なら居るかもしれないぜ?」

レミ「何かに襲われてたりして」

美「流石にそれはn」

 

無いでしょう、と言いかけたのだろう。

だが美鈴の言葉は破壊音にかき消された。

 

慧「何だ!?」

チルノ「壁が壊れた!?」

こいし「きゃっ!」

 

 

 

さとり「何か、こんな事前にも……?」

そして……

 

混浴になりました(大嘘)

 

M「よ、よぉ……」

良かったね瑞生。皆ちゃんとタオルしてるし大事な所は隠れてるから大丈夫だよ(錯乱)

 

 

ALL「瑞生の……」

M「すみません許して下さい!何でもしますから!」

ALL「スケベー!変態ー!」

M「ウボァー!!!」

 

俺は、とても沢山で様々な色の、とても神々しい弾幕達をその身で受け止めた(錯乱)

 

 

M「…………」

永「流石にやり過ぎたわね」

輝「永琳も全力でやってたじゃない」

永「それは……仕方ないじゃないですか///」

 

紫「……」

霊「紫は大丈夫よ」

紫「何が?」

霊「貴女奥に居たんでしょ」

紫「何が言いたいのよ」

霊「見られたか心配だったんでしょ?」

紫「なっ///」

 

 

こいし「そう言えば瑞生って前にもこんな事あったよね」

燐「あの時は瑞生災難だったね~」

魔「私も全力でやっちまった……瑞生、お前の事は忘れないぜ……」

M「勝手に、殺すな……」

フラン「あ、起きた」

M「……何で俺は寝てるんだ?」

霊「覚えてないの?」

M「温泉に、入った所までは覚えてるんだが……それからの記憶が無くなってて」

 

皆は顔を見合わせ思った。

(言わない方が良い)

そう暗黙の了解をした後、

さとり「のぼせたんですよ」

M「のぼせた?」

霊「疲れてたのよ、貴方」

M「そっか……」

 

ALL(セーフ!)

 

 

 

当然ながら男湯の片付けはやらされました。

M(疲れた……まぁ俺が悪いんだけどさ)

 

帰り道。

M「体が痛いんだよォ……」

霊「変な体勢で寝てたんじゃないの」

M「そうかねぇ……」

 

 

 

M(案外誤魔化しが効くもんだな。残念ながら皆の顔以外全く何も見えなかったけど)

 

……コイツ、やっぱりヤバい。危ない。

 

 

 

 

 

後日。青年昼寝中。

M「う~ん……免許持ってんのかゴルァ」

霊「何言ってんのよ……」

 

早苗「霊夢さーん」

霊「今の声は……」

 

早苗「こんにちは」

霊「わざわざどうしたのよ」

早苗「瑞生さんに用があって」

霊「あぁ……ちょっと待ってなさい」

 

M「おいやっちまおうぜ!やっちゃいますか!?やっちゃいましょうよ!」

 

霊「寝言おかしい」瑞生の頭叩く

M「フニャッ!?」

霊「起きなさい、早苗が来てるわよ」

M「早苗?またどうして」

 

 

M「よっす、すまんな昼寝してた」

早苗「少し気になる事があって」

M「?」

早苗「神社まで来てくれますか」

M「あぁ」

 

 

 

諏訪「やぁ、瑞生」

M「よぅ」

神奈「来たね」

M「で、話って?」

早苗「前言ってた予兆の事です」

M「何かあったのか?」

早苗「あったというか……何と言うか」

神奈「消えちゃったんだよ」

M「は?」

早苗「何も感じなくなったんです」

M「じゃあ、良いんじゃないのか?」

早苗「そうなんです」

M「……」

早苗「……」

神奈「……」

諏訪「……」

M「結局それだけかい!」

 

 

 

 

M「心配して損したな……」

諏訪「何も無いのが一番だよ」

M「まぁ、それもそうか」

 

 

 

 

ある場所にて

???「危ない……流石にここはバレるか」

 

無くなったのではなく異変が移動しただけだったのだが、それを知る者は居ない。




M・M「で、どうだった?みんなの一斉射撃を受けた感想は」
M「凄く痛くて綺麗だった(小並感)」

また異変ですよ、頑張れ瑞生。
M「何でこんなにホイホイ異変起こるの?」

それは後のお楽しみって事で。


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-東方萃夢想-

どうも。

M「タイトルもうちょい変えようぜ……」
M・M「どう変えろと!?」

そのまんまです。少なめ&遅過ぎ申し訳ないです。

では、どうぞ。


M・M「いつも皆様読んで頂いて大変光栄です」

M「で、要件は」

M・M「ちょっと扱い酷くない?まぁそれはともかく、前話で書き溜めが無くなりました」

M「デデドン!(絶望)」

 

M・M「ここからは普通に書いていくので投稿がホイホイとしなくなります」

M「別にホイホイしてないよね(正論)」

M・M「ともかく頑張るので!本編イクゾー」

 

 

 

 

ある日の事。

M「ん、文だ」

文「新聞でっす♪」

M「サンキュ……ってん?守矢神社で宴会?」

文「何かあるみたいですよ、何の宴会かは知りませんが今日みたいですね」

M「ふーん……行ってみるか」

 

 

霊夢と、着いてきた魔理沙とアリス、そして紅魔館メンバーと紫で守矢神社まで向かう。

 

 

紫「ところで何の宴会なの?」

M「それは知らない。俺も気になるんだけどな」

 

 

 

夜、守矢神社にて

パチュ「飛んで行っても疲れるわね……」

アリス「もう始まってるじゃない」

 

早苗「あ、皆さんこんばんは」

M「おう早苗、これは一体何の宴会なんだ?」

早苗「何って……何でしょうか?」

M「俺に聞くなや……」

早苗「何だか急に諏訪子様達が宴会したいって言い出して……」

諏訪「瑞生もみんなもこっちおいでよ~」

神奈「飲もうぜぇ~」

 

レミ「既に酒臭いわね……」

 

M「……」

何となく、か。怪し過ぎるよなぁ……。

とか思っちゃうけど皆の楽しそうな笑顔見てると、

M「まぁ、良いか」

と、なる。

 

M「俺はいつも通り飲まないからなっ」

 

 

 

そんな楽しかった宴会が3日前にあった。結局何の宴会だったのかは分からないが、それは置いといて。

問題は別にあった。

 

M「今日も宴会?」

霊「えぇ。地霊殿の方であるらしいわよ」

M「この前やったばかりだってのに……」

霊「変な話ではあるけど、酒が飲めるなら良いわ」

M「おいおい」

 

 

夜、地霊殿にて

M「やって来たのは良いが……」

こいし「あ、瑞生だ」

さとり「こんばんは」

M「あぁ、二人とも。この宴会は一体?」

 

横からひょいとペットの皆さんが出てきた。

燐「3日前に地上の方であったみたいだけど、私達は参加出来なかったからさ」

空「折角だから」

M「そうなのか」

さとり「楽しんでって下さいね」

 

 

少し変に思いながらも結局は楽しんだ瑞生だった。

 

が、遂にその違和感は確信へと変わる事になる。

 

3日後、博麗神社にて

買い出しに行っていた瑞生が帰ってくると、

紫「瑞生、霊夢が宴会開くそうよ」

M「え?何処で?」

霊「何処って、ここに決まってるじゃない」

M「いやいや、宴会は3日前にあっただろ」

霊「何だか私の方でも開きたくなったのよ」

M「……」

隣に居る紫を見ると、彼女もまた変に思っているのだろうか。首を傾げていた。

 

M「紫、ちょっとカモン」

紫「えぇ」

 

自室で、少し話をしてみる事にした。

M「どう思う」

紫「何が?」

M「ここ最近の宴会の開く頻度だよ」

紫「確かに、おかしな話ではあるけど」

M「異変の予感がする。いや……もう異変は既に起きているのかもしれない」

紫「……根拠は?」

M「まだ無い。ただ……」

紫「何か分かってる事はあるのね」

M「恐らく、3日後に分かるだろう」

 

東方萃夢想と言っただろうか、こういう話があった事を覚えている。ゲームはした事あったかな……?

 

M(3日ごとに開かれる宴会……そしてそれがループする奇妙な話だ。ただおかしいのはこの話は確か……花見に乗っかって起きる異変だった筈)

まだ桜が開くにはまだ少し早い。異変だとするのなら時期がまたズレている。

 

M(まぁ、時期がおかしいのは置いといて。もし3日後に宴会が開かれたなら確定だ。犯人も分かってる)

 

紫「さっきから何ブツブツ言ってるのか分からないけど、異変とは言うけど別にどうでもいい様な気がするけど?」

M「と、言いますと?」

紫「この前の異変みたく世界に影響が出るくらいなら止めた方が良いけど、今回の異変は何も無いわよ?」

M「うーん……そういう問題じゃないんだ、これが」

紫「あまりにも騒がし過ぎるのは嫌いだけど、宴会は楽しくて良いじゃない?」

M「……その話も含めて今回の事柄に関してはまだ推測でしか無いんだ。全てちゃんと話せると思うぜ、3日後にな」

紫(どうして3日にこだわるのかしら?)

 

 

その日は案の定博麗神社で宴会となった。

 

そして3日後。

 

昼時に来客だった。

霊「いきなりどうしたのよ、咲夜」

咲「お嬢様が今夜宴会……いや、パーティーを開かれるそうですよ。なので是非ともいらして下さい」

M(言い直さなくても良いだろうけど)

霊「良いわね。折角だし行きましょ、瑞生」

M「あぁ……」

 

そして確信した。これは異変だと。

M(この異変、必ず解決してみせる!じっちゃんのn)

M・M「瑞生さん!それはまずいですよ!」

 

夜。紅魔館にて

今までの宴会はメンバーがバラバラだったが、今回のパーティーはほとんど全員が参加となった。

 

皆が楽しむ中、紫が話し掛けてきた。

紫「結局真相はどうなのよ」

M「そうだな、犯人に話し掛けようと思ったけど先にお前には言っておいた方が良さそうだ」

 

そして、彼はゆっくりと話し始めた。

M「まず先に今回の異変の目的っていうか、まぁ目的で良いか。それは宴会をずっと続けさせる事」

紫「何のために?」

M「楽しいからだろ」

紫「えらく適当じゃない」

M「けれど合ってると思うぜ。それに関しては犯人に聞いてみれば分かるさ……そしてまた今日から3日後に宴会がある」

紫「3日にこだわってるけど一体何なのよ」

M「今までの宴会の周期だよ。3日ごとに開かれている。全部違う場所でな」

紫「じゃあこれがずっとループする訳ね?」

M「そういう事だ。そして前にお前が質問した事だが……今回の異変は何というか……洗脳に近いタイプなんだ。だからもしも大変な異変が起きてしまった時に宴会の周期と被ると皆が動かなくなってしまう可能性が高い」

紫「それは確かに大変ね」

M「そりゃあ適度に楽しむのは良いと思うけど、流石にこれは多過ぎる」

紫「それで?犯人は分かってるんでしょ?」

M「あぁ」

 

残念ながら知っているのでどうもこうもないが。

 

 

萃香「で、私を呼び出してどういうつもりだい?」

M「告白だ」

萃香「えっ!?」

紫「なっ!?」

M「お前に告白してもらわなければならない事がある」

紫(あぁ……そういう事ね)

何故か赤面している2人を疑問に思いつつ、

M「最近宴会がやたらと多いと思わないか?」

萃香「……それがどうかしたのかい?」

M「今までの宴会に俺は全部行ったが、その全部にお前は居たな」

萃香「別に、私だけじゃないだろう」

M「いや、お前だけだ。皆何かしらあって参加出来なかったんだろうけど、お前だけは全部に参加していた」

萃香「他の奴がどうかは知らんが、私は全てに参加していた。確かにその通りだ」

M「……」

萃香「で?結局瑞生は何が言いたいんだ?」

M「この一連の話は異変によって引き起こされている。そしてその異変を引き起こしているのはお前だろ」

萃香「随分またこじつけてるね。根拠も無しに」

紫(そうよね。いきなり過ぎて根拠も無いだろうに)

ちょっと雲行きが怪しくなってきたが、彼は一体どうするつもりなのか。

M「根拠ならある」

萃香「!!!」

紫「あるの?」

M「あぁ。それよりもどうした?酷く動揺しているみたいだが」

萃香「ハハハ……そんな事は無いさ」

M「根拠よりまず先に。お前は鬼であり、力も強い」

萃香「褒め言葉かい?」

M「だが幻想郷の皆も強い。だから皆を宴会を開かせるように、開きたい雰囲気にさせるのは至難の業だ」

紫「私は何ともないわよ?」

M「お前は強いだろ。証拠としてこの札」

萃香「どうしてそれを!?」

M「今までの宴会場で見つけたやつさ。勇義に聞いてみたら鬼が使う魔力札だそうだな」

萃香「ッツ……」

M「かなり強力な物で、こんな事が出来るのは萃香の能力があるからだろ?これでお前は皆を宴会をしたい気持ちにさせてループさせようとしたんだろ」

紫「よくそんな物見つけたわね」

 

おかしい。彼に自分の能力を話した事等あっただろうか?

 

M「俺の神眼は誤魔化せないぜ」

萃香「神眼……?」

 

M「俺の神の力を目に移したモンだ。千里眼だとか色々出来るぜ」(実は透視とか出来たりする)

萃香「なるほどね。そこまで分かってるのなら隠してもしょうがないか」

M「どうしてこんな事を?」

 

萃香「ただ宴会をずっと楽しみたかっただけさ」

紫(本当にそんな理由だったわね)

M「宴会が楽しいのは分かるけど……やり過ぎはダメだ。このままだとマインドコントロールレベルになっちまうよ」

萃香「けど楽しくて止めたくないんだよ」

M「お前中毒なってんぞ」

萃香「うるさいっ!止めるってんなら戦うよ!」

M「おいおい……」

紫「やるしか無さそうよ?」

M「良いよ、俺がやる」

紫「負けるんじゃないわよ」

M「大丈夫だって」

 

 

VS萃香

M「本当にやるんだな?」

萃香「そっちこそ後悔するよ」

M「コチラの台詞だ……って言いたいけど相手が相手だしな」

萃香「馬鹿にしないで欲しいね。私は鬼だ」

M「ガチの戦いはしたくないけどなぁ」

萃香「喋ってる暇あるなら避けなよ!地烈斬!」

M「うおっ!?」

 

平然と俺の数倍の力と射程を叩き出す所が流石と言った所か。

 

M(相手は主に格闘か)

格闘相手に剣で挑むのもアレだが美鈴の時とは違う。

萃香「ふっ!波動拳!」

M「あだっ!?」

紫「瑞生!?」

M「威力ともにぶっ飛ばし力高いなぁ」

萃香「冷静に判断してる暇あったら戦いなっ!」

M「言われなくとも!瞬迅剣!」

萃香「掌底破!」

 

ぶつかり合……わない。

M「ぐえっ」

何で剣と拳なのに一方的にやられてるの?

萃香「続けていくよっ!飛燕連脚!鷹爪落瀑蹴(ようそうらくばくしゅう)!獅子戦吼!とどめっ!獅吼爆砕陣(しこうばくさいじん)!」

M「ウボァァァァ」

紫(ウボァーって何なのかしら)

 

萃香「勝負あり、だね」

M「まだまだ……」

萃香「ほぅ、あのコンボをくらってまだ立ち上がれるとはね。そのタフさが凄いのは認めるよ」

M「神の力に頼らずとも何とかしてやるさ!」

 

第2ラウンドの始まり。

 

M「今度はこっちが出す番だぜ、悪いが真剣にやらせてもらう」

萃香「口だけなら承知しないよ!」

M「ならその身もって味わえよっと!」

 

再び向き合う両者。

M(さて、どうするかな……)

近接で挑むしかな無いが完全に向こうの方が上。

あれ?詰んでない?

M(いや!まだ詰んでない!まだだ!まだ終わらんよ!)

 

まだ俺の切り札は幾つかある……と思う。思うだけ。

M(何にせよ……先に進むしかない!)「行くぜっ!」

萃香「来なよッ!」

M「ここまで来たら手数で勝負!百花……繚乱!」

萃香「!?」

まるで時が止まったのかと思った。なぜなら……

萃香(一瞬で周囲全てを剣が包囲している!?)

と、今起きている状況を理解するも遅かった。

 

パチン、と彼が指ならしをした瞬間にその剣全てが自分に襲い掛かった。

萃香「くあぁぁぁっ!」

紫(今のどうなってるの?剣を投げる所までは分かったけど気が付いたら一瞬で包囲してた。あの紅魔館のメイドみたいな力なのかしら?)

 

萃香「くっ……まだそんな奥の手があったとはね」

はぁっ!っと声を出して拳を突き出す彼女を見て、

M「別に奥の手では無いけどな。それより

余所見すんなよ?幻狼斬っと」

 

 

萃香「ッツ!しまった!」

自らの拳をすり抜けるかの様に背後に回られた。

M「避けんなよ!虎牙破斬!獅吼爆炎陣(しこうばくえんじん)

 

悪いが決めるぜ!絶氷の刃、その身に刻め!セルシウスキャリバー!!!」

 

巨大な氷を剣に纏い一太刀。

 

萃香「ッ……負けた、よ」

M「ふぅ、何とか勝ったか」

紫「ヒヤヒヤさせるんじゃないわよ」

M「悪い悪い」

 

 

勝負は何とか瑞生が勝利して。

M「んで、悪いが異変を止めてくれ」

萃香「負けちゃったらしょうがないね」

 

萃香はスっと何かを終わらせると、

萃香「これで、もう何も起こらないよ」

紫「本当かしら」

萃香「流石にここで嘘はつかないって」

M「……まぁ、やり過ぎは駄目とは言ったが。別に宴会じゃなくても集まって何か出来ればやれば良い」

萃香「じゃあ、寂しくなったら瑞生が酒に付き合ってくれるかい?」

M「それは勇義とか他の酒呑みに言ってくれ……」

萃香「それじゃあいつもと変わらないじゃないか」

M「……酒は呑まんが、お前の話位なら付き合うよ」

萃香「それで良いよ。ありがとう」

M「あぁ」

紫「……」

M「紫?どうしたんだ?」

紫「何でもないっ!」

M「はぁ?何で怒ってんだよ……」

 

何故か頬を膨らませ怒る紫とそれに焦る瑞生。そんな2人を横目に、

萃香(悪いね、紫。瑞生は私もお気に入りなんだよ)

 

そっと微笑む萃香だった。

 

 

3日後。宴会が無い事から異変は終わったと理解した瑞生は夜に萃香に会いに行った。

 

M「よっ、萃香」

萃香「来たね、瑞生はこれ飲むと良いよ」

M「ん、これは……?」

萃香「ここのお茶。飲んだ事あるかい?」

M「いや、無いな」

萃香「酒も好きだけどお茶も中々」

M「そりゃ楽しみだ、俺お茶は好きなんだ」

 

座ってまずは1杯。

フルーティと言うか爽やかで飲みやすい。現代で言うアールグレイ辺りで良きかな。

 

萃香「今夜は楽しめそうだね」

M「お手柔らかに……」

 

そんな2人を影からじっと見守る(監視する)紫が居たとか居なかったとか。

 

 




M「マジで遅過ぎィ!」
M・M「センセンシャル!」

M・M「割と本気で3月の20日位から忙しくて……」
M「大好きなゲームとかは出来ましたか?」
M・M「出来ませんでした……」


遅いし文字数少ないし……お兄さん許して!
M「お兄さん以外も居たらどうするんだオラァ!」
M・M「豹変した!?」

……頑張りますので何卒宜しくお願いします。


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-紅魔館でお泊まり そして不穏な動き-

どうも。
M「お、遂に次回ではR-15タグを付ける事になるのか」

予定では。タグをまた入れ替えようかなと。
今回からまたオリジナル編。
主人公についての謎が深まるばかり。
ちょっとシリアス?

では、どうぞ。


前回。皆が知らない内に1つ異変を終わらせて瑞生は知らない内にフラグを建設した。

 

M・M「フラグをどんどん建設ラッシュするのやめちくり~」

M「諦めろ」

M・M「読者の皆さん助けて!」

M「誰が大声出していいっつったオラァ!」

M・M「ヴォエ!」

 

 

 

 

M「ハッ!夢か……」

霊「何か変な声出てたわよ?」

紫「誰が大声出てたの?」

M「いや、何でもない……」

霊&紫「???」

 

 

茶番はともかく。

M(ここ最近は平和だなぁ。て言ってもちょっと前に萃香が異変起こしたし)

異変ばっかり起きるのやめちくり~とはなるが時期がズレている等の変化があるのは恐らくイレギュラー、俺が居るからだろうし責任もって解決しないと。

気負い過ぎだと思いもするがこれは俺の仕事なので。

 

 

 

 

紅魔館にて、ある日の事。

M「……」

パチェ「……」

黙々と本を読む2人。

パチェ「瑞生、そこの本の山に多分新しい魔導書があったと思うから取って」

M「新しい本は分かりやすい場所に置いとこうな?」

パチェ「面倒くさいもの」

こあ「パチュリー様、瑞生もお茶が入りました」

M「サンキュー」

パチェ「ありがとう。それとこあ、耳元に来なさい」

こあ「?」

 

パチェ「貴方いつから瑞生を呼び捨てしてるの?」

こあ「え……年末の時からですね」

 

M・M「本編以外でフラグ建てるのやめち(ry」

パチェ「そう……」

こあ「それよりパチュリー様、瑞生も言ってましたが整理しないと危ないですよ」

パチェ「こあがやりなさいよ……」

こあ「この本の山崩れて来たら……わっ!?」

M「危ない!」

下に落ちていた本に足をつまづかせてしまった。

だがこあはコケただけだが、本の山が崩れる先は……

パチェ「!?」

M(体弱いパチュリーがあの中に巻き込まれたら!)

「でぇぇい!」

 

 

必殺のヘッドスライディングで何とかパチュリーをお姫様抱っこして救出に成功。しかし……

M「がっ!?」

自分は避けきれず一部の本が頭にガンッと。

 

パチェ「瑞生!」

こあ「あわわわわ……」

 

そこで俺の意識は途切れた。

 

~~

 

M「……」

フラン「兄様」

M「ん……フラン?」

フラン「兄様!きゅっとしてドカーンさせて?」

M「何だその唐突な死刑宣告?嫌だからな?」

フラン「えぇ……」

M「殺す気か……」

フラン「じゃあこれで」

M「フランベルジュ出してもダメです」

フラン「どうして?」

M「そこでどうしての言葉はおかしくないか?」

フラン「兄様……」

M「ん?」

フラン「切り刻まれるか爆発かドッチガイイ?」

M「ファッ!?」

フラン「逃げちゃダメだよ?兄様は私が……始末するんだからシマツスルンダカラッ!!!」

 

~~

 

M「うわぁぁぁぁっ!?」ガバッ

ゴンッ!!!

 

M&フラン「痛っ!」

どうやら自分の上に乗っていたフランとおでこをぶつけてしまった様だ。

 

M「フラン?何で乗ってたんだ?」

フラン「えっと……えへσ(´ω`*)」

可愛いなこんちくしょう。

M「……まぁ、別にいいけど」

フラン「それよりも兄様……」

M「ツッ!!」

先程の夢が出てきた。

フラン「どうしてそんなに逃げ腰なの?」

M(あれは夢あれは夢あれは夢……)「いや、別に何でもないよ」

フラン「大丈夫?随分大きなタンコブ出来てたよ?」

M「え?あぁ……」

まだ触ると痛むが腫れは随分引いていた。

 

そうだ……

M「こあとパチュリーは?」

フラン「無事だよ」

M「そうか……なら良かった」

フラン「兄様も無茶するよね」

パチェ「全くよ」

M「ん、パチュリー」

パチェ「ごめんなさい。私の所為よ」

M「俺だからタンコブで済んだけどお前だと大変な事になってだろ。だからいいってことよ」

こあ「だから片付けた方が良いって言いましたのに」

パチェ「う、うるさいわね……分かってるわよ。それより私も悪かったけど貴女こそ足元不注意よ」

こあ「あれは私悪くないと思います!」

 

何かケンカになりそうだったので、

M「まぁまぁその辺にしとけ、また俺も手伝うからさ。また誰か怪我したら大変だし」

パチェ「分かったわ……」

こあ「分かりました……」

フラン「本当に兄様はお人好しだねー」

 

レミ「ともかく、家の者が客に怪我させたのは変わりないわ」

フラン「姉様」

M「よぉレミリア」

レミ「今咲夜達に片付け始めさせたから早く行かないと配置が訳分からない事になるわよ?」

パチェ「分かったわよ。行けば良いんでしょ」

レミ「こあもよ」

こあ「はぁい……」

 

 

客用の寝室、居るのは瑞生と吸血鬼姉妹。

M「まぁ別に気にすんなよ」

レミ「……霊夢には事情を話して今日は帰らないって言ってるから」

M「え?そうなのか?」

レミ「貴方は良くても私は良くないの」

M「ふーん……」

吸血鬼のプライドってやつだろうか。

まぁ、別に断る必要も無いので。

M「じゃあお世話になろうかな」

レミ「そうしなさい」

フラン「兄様遊ぼっ」

レミ「ダメよ、まだ1時間は寝てなさい」

フラン「えー」

M「まぁまぁ。遊んでやるからさ」

フラン「うんっ」

本当可愛いねぇ。

 

2人が出て行くと、自然と眠気に誘われた。

M「とりあえず寝るか……」

 

~~

 

レミ「いつまで寝てるの」

M「ん……悪い、そんなに寝てたか」

目を覚ますとレミリアが前に居た。

と言うか、

M「……ここお前の部屋だよな?何で?」

レミ「私が連れて来たからよ」

M「えっ……」

レミ「貴方の血、特別な味がして飽きないわ」

M「ファッ!?」

 

そして気が付いたら。

M(くっ……体が……動かない!?)

思わず体を見ると、全身に鎖が繋がれていた。

M「んなッ……」

レミ「大量に血を出して貰うわよ?覚悟しなさい」

そして、

レミ「ふふふ……特別よ?槍で貫いてあげる」

M「待った!(なるほど感)グングニルは死ぬってマジで!俺まだ死にたくないよ!?」

 

レミ「安心しなさい……じわじわコロシテアゲル」

M「うわぁぁぁぁっ!?」

 

 

M「ハッ!」

辺りを見渡すと、驚いた顔のレミリアが扉を開けながらコチラをじっと見つめていた。

レミ「急に大声出してどうしたのよ?」

M「え……いや、その」

レミ「ちょうど1時間経ったし、もう起きても良いと思うわ」

M「そ、そっか。ありがとう」

レミ「貴方、疲れてるんじゃない?もっと寝てたら?」

M「いや、大丈夫だよ。本当に」(寝たらまた悪夢(ナイトメア)見そうだし)

 

M「外に出たのは良いものの……」

フランは何処だろう?中には居ないとレミリアが言っていたが。

 

美「Zzz」

M「寝とるし……」

その時。

咲「避けないと痛いわよ?」

M(ッッ!上上下下左右左右BA……)

 

誰か「BAって何ですか?」

M・M「適当だ!左と右で良いんじゃない(適当)」

紫「そうわよ(便乗)」

M・M「ファッ!?紫様どうして」

紫「ちゃんと書きなさい。たまには私も格好良く決めせさせて貰おうかしら?」

M・M「何をなさるので?」(嫌な予感……)

紫「喰らいなさい……ディバインジャッジメント!」

M・M「ぎにゃあぁぁぁ!!!」

 

紫「私にはあまり光は似合わないかしら?まぁ、瑞生に教えて貰った技も悪くないわね♪」

 

 

M(何か今(とき)が見えた様な……)「おぉ怖い」

咲「流石ね」

M「まぁ、これくらい一応は」

美「痛いです……(泣)」

咲「ちゃんと起きてなさい」

 

 

M「咲夜さんじゃないですか」

咲「……どうして私はさん付けなの?」

M「え、何となく」

咲「別に咲夜で良いわ。砕けてよ」

M「まぁ、それなら咲夜で」

咲「えぇ」

 

美「私も居るの忘れないで下さいよぉ……」

 

しばらくして、

M「フランは何処にいるのやら」

 

フラン「あっ」

M「見つけた」

フラン「体は大丈夫?」

M「あぁ」

フラン「じゃあ、遊ぼっ」

 

 

 

M「あのー……フランさん?遊ぶのでは?」

フラン「これでいいのだー」

木に自分がもたれかかり、その上にフランが乗っているという状況(やったぜ。)

 

M(まぁ、別に良いか)

彼女の嬉しそうな顔を見るとそんな事はどうでも良く……無いか。

 

M(めっちゃ見とる……)

上手い事窓からレミリアがコチラを覗いている。

誰も気付かないだろうけど紫がどっかから見てる。

 

 

夕食前にて。

M「咲夜」

咲「何かしら?」

M「夕食作るのやってみたいとか言ってみる」

咲(言い方……)「嬉しいけどこれは私の仕事だから」

M「そっか(・ω・`)」

咲(うっ……)「まぁ、手伝う位なら」

M「おっ」

 

 

 

 

レミ「……ん?」

咲「どうしましたか」

レミ「何か変えた?」

咲(やはりお嬢様の舌は誤魔化せないか……)「お口に合わなかったでしょうか」

レミ「いや、変わったとは言ったけど美味しいわよ?」

咲「そうですか……」

レミ「咲夜、耳元来なさい」

咲「何でしょうか」

レミ「大方瑞生が手伝わせてとか言い出したんでしょ」

咲「ま、まぁ……」

レミ「さっきも言ったけど美味しかったから良いわ」

咲「瑞生もきっと喜ぶと思います」

レミ「しっかし瑞生は客なんだから大人しくしていていれば良いのに」

M「俺が何だって?」

 

レミ&咲「!!!」

後ろに何故か居る。

M「食後のデザートは如何?」

レミ(いつの間に……)

何処ぞのスキマ妖怪にも当てはまるが彼もまた神出鬼没と言う言葉がぴったりだ。

 

レミ「それは?」

M「フォンダンショコラって言うんだ」

フラン「ふぉんだん?」

M「どんな意味だったかは忘れたけど美味いからとりあてず食べてみてくれよ」

 

こあ「おいひい~とろける~♪」

咲「中でチョコを溶かすのね……成程」

フラン「幾らでも入る~」

パチェ「……」(美味しいわね……)

レミ「こんな美味しい物は初めてよ」

M「そりゃ良かった」

皆の美味しいと言う顔がご褒美だろう。

 

 

 

夜。

M「で、何でレミリアとフランがワイの部屋居るんだ?寝られないんですけど?」

フラン「寝ちゃダメだよ?」

M「ファッ!?」

レミ「折角だから話に付き合いなさい」

M「何が折角なんだよ……あぁそうか、2人は今からが暇なんだな」

レミ「そういう事よ」

フラン「今度こそ遊ぼー」

M「……ハイハイ。分かりましたよ、お付き合いしましょうぜお嬢様方」(明日大丈夫かな……)

 

 

 

最近の事等沢山の話題を3人で話した。

俺の昔話という名の武勇伝は興味津々で聞いてきたので中々に楽しかった。

チェスとかトランプもした。

トランプとか運の関係する物は昔からよく負ける。だから自分は賭け事は基本的にやらない。

ただ頭を使うチェスなら絶対に負けない自信がある。

M「ほい、チェックメイト」

レミ「つ、強いわね貴方……」

フラン「兄様強いね~」

M「こういうのは得意だ」

 

 

それから結構時間が経って……

フラン「眠くなってきた……」

レミ「そうね……」

M「俺は……もう限界……」

 

 

そのまま眠ってしまった。

 

 

 

 

次の朝。

コンコンコン

咲「レミリアお嬢様」

 

返事が無い。

咲「失礼します……ってあれ?居ない?」

まさかとは思うが。

 

コンコンコン

咲「瑞生、起きてる?」

また返事が無い。

中に入ると、

咲「……」

真ん中に瑞生、その左右にフランとレミリア。

まるで兄妹の様に見え……無い。

咲「瑞生……起きたらお仕置きね」

 

 

で。

M「何で起きたらいきなり縛られるの?」

咲「ロリコン罪よ」

M「異議あり!(なるほど感)覚えが無い!」

咲「犯罪者は皆そう言うのよ」

M「待った!(なるほ(ry」咲「嫌よ」M「ぐすっ」

咲「泣き真似もダメよ」M「バレたか……」

咲「さっさと白状なさい」M「だから違うって!」

咲「仕方ないわね……痛いわよ!奥の手見せてあげるわ、アステリズム・ライン!」

M「誤解で奥の手見せないで欲しいんですけど!?

って容赦ねぇウボァァァァァ!!!」

 

怒涛の攻防(?)をレミリアとフランは呆然と眺めるしか無かった。

 

 

 

それから、何とかレミリアとフランの弁解により誤解が解け(もう遅い)少し遅れて皆で朝ご飯。

M「痛いんだよォ……」

 

朝ご飯が終わり、帰らせてもらう事に。

レミ「楽しかったわ。また来なさい」

フラン「お泊まり歓迎だよ~」

M「あぁ。またお邪魔させて頂きますよっと」

 

 

別れを告げ、博麗神社に戻る途中。

M「……ん?」

人里の方で何やら騒ぎが起きていた。

 

M「しかも先生もいるし」

慧音先生が話を聞いているみたいだが、

M「ちょっと行ってみるか」

 

 

M「慧音先生」

慧「瑞生か!ちょうど良かった、大変な事になった」

M「どないしました?」

慧「今来た連中はヴァンパイアハンターと言っていた。そして紅魔館の話を聞いてやって来たそうだ」

M「なっ……!それじゃ皆が危ない!」

 

と言うよりレミリアとフランは確かに吸血鬼だけど人に危害を加える様な真似はしない筈。

そのヴァンパイアハンター達がどれ位強いのかどうか知らないが……。

M(そうだ……そいつ等に話を聞いてみよう)

 

すぐ近くに居たハンター達に話し掛けてみた。

M「アンタ等、紅魔館に行くのか?」

ハンター1(以後ハ1)「そうだ。我々一族はこれまでに沢山の吸血鬼を殺してきた」

M(一族なのか……)「……紅魔館の吸血鬼はとんでもなく強いと聞くぜ?」

ハンター2(以後ハ2)「そんな事は関係無いわ。吸血鬼が相手なら誰だろうと負けない」

 

どういう事だろうか。吸血鬼が相手ならと言ったが、彼等は何か吸血鬼に致死量のダメージを与える何かがあるというのだろうか。

M「ニンニクとか十字架とかは多分効果無いぞ?」

少しはあるのかもしれないけど。

ハンター3(以後ハ3)「馬鹿にするな!我々は由緒正しい吸血鬼討伐の一族としての能力を持っている」

 

M(やっぱり何かあるみたいだな……)「アンタ達が吸血鬼を殺せるのは分かった。ただここら辺ではあまり吸血鬼がどうのこうのって言う話は聞かないが」

ハンター4(ハ4)「吸血鬼は敵だ。相手が子供だろうと戦う気が無かろうと」

M「……」

コイツ等は過去に何かの狂気に取り憑かれたのだろうか。殺す事しか頭に無いらしい。

 

M(だったら……やはり俺の敵になるか)

レミリア達は大事な友人。コイツ等が吸血鬼とどんな因縁を持っているのかは知らんが、ハイそうですかとやらせる訳にもいかない。

 

M(とにかく、レミリア達に伝えないと)

だがその前に霊夢に話しておこう。

 

 

 

 

霊「何ですって!?」

レミリアとは色々あったとはいえ霊夢もレミリア達の事は大事に思っているのだろうか、かなり怒っていた。

M「だから悪い。帰って来て早々だけどもう1回紅魔館に行ってくる」

霊「私も行く」

M「駄目だ。間違いなく戦闘になる」

霊「その馬鹿どもに一喝くれてやるわよ!」

M「そんな甘ったるい物じゃない!」

霊「!!!」

 

また珍しく彼が怒った。

M「相手は人間だ。そして、話し合う事も不可能だと人里で話してみて良く分かった」

霊「でもそれじゃあ、瑞生が」

M「俺はどうでも良いさ……もう既に汚れてしまってるからな」

霊「ッツ……!」

 

言葉から何となく伝わったけど。彼はやはり……過去に人を殺めているのだろう。

M「言っておくが殺人鬼みたいになった覚えはないぜ?ただ……昔から法で裁きたくても裁けないとんでもない悪人ってのは沢山居た。だから悪いけど、何人かには死んで貰った」

 

今ここで私はとんでもない事を彼から伝えられた。

M「ダークヒーローを気取ったわけじゃない。本当にどうしようも無かったんだ」

 

殺人は罪だ。殺した相手が例え如何なる悪人だとしても。彼自身良く分かっているだろうが、その上であの美しい翡翠色の刃でどれだけの人を斬ってきたのだろう?

 

M「悪いな、こんな話して。けど今は止まる訳にはいかない……俺は、俺の正義で戦う」

 

そう言って彼は猛スピードで紅魔館へ飛んでいった。

 

霊「……どうしろって言うのよ」

今にそんな事暴露されてもどう反応すれば良いのか自分には分からない。

 

そこへ、

紫「……」

霊「初めから、聞いてたんでしょ?」

紫「えぇ」

霊「紫は知っていたの?」

紫「……」

彼女は黙って頷いた。

 

霊「瑞生も、やっぱり過去に曰く付きなのね」

紫「深いわよ」

霊「え?」

紫「瑞生が何も語っていないだけで、あの人の闇は」

霊「闇って?」

紫「いつか……瑞生がきっと話すと思うから」

霊「……」

 

紫「私はとりあえず行くわ」

霊「えぇ……素直にここに居るわ」

紫「そうしておきなさい」

 

 

 

再び紅魔館にて。

レミ「で、いきなりやって来てどうしたのよ」

フラン「忘れ物?」

M「レミリア、夜になったらここにヴァンパイアハンターを名乗る奴らが襲撃に来る」

 

その言葉でその場に居た全員の顔が真剣になる。

レミ「……またか」

M「また?」

レミ「別にそういう事は初めてじゃ無いわ。今までだって沢山の人間がここに私達を殺す為にやって来た」

美「まぁ、生きて帰れた者は1人も居ないと思うけど」

M「……そうなのか」

 

何だ。自分の完全な杞憂じゃないか。

確かにアイツ等からは特殊な何かを感じたが侮ってはいけない、彼女等は強い。

M(たかが人間に負ける訳無いか……)

レミ「わざわざそれを知らせに来たの?」

M「あぁ」

レミ「ご苦労様。感謝はしとくわ」

美「でも大丈夫だよ。どうせ皆私が門で倒すし」

M「そうだな。じゃあ俺はもう帰るよ」

レミ「えぇ、また来なさい」

 

 

 

そう言ったのが約5分前。

途中出会った紫と適当な場所で話をしていた。

紫「まぁ、どれだけ頑張ろうと人間だもの。吸血鬼を倒して来たのは本当かもしれないけど紅魔館の連中は別」

M「強いしなぁ」

紫「人間でも貴方みたいなのは居るけど」

M「ごもっともで」

 

いつもの顔だった紫が突然真剣な表情になり、

紫「ねぇ、瑞生」

M「ん?」

紫「何で霊夢にあんな事話したの?」

M「……聞いてたのかよ」

紫「貴方は過去に色々ありすぎよ」

M「そうだな」(そして度々来る謎の意識が消える感覚……そして記憶があやふやになってるから自分が何をしていたのかが良く分からない)

 

第一、自分が特殊な存在(イレギュラー)なのは分かっているが最近になって獣人化だの神の力だの闇だのと新しい能力がてんこ盛りで目覚めてきてるし。

本当に自分は何者なんだろう、と思う事がある。

 

が、記憶が戻る事は無いし別に過去の事など何でもいい。今を生きるだけだし。

 

 

しばらくして、ふと空を見上げると真っ暗だった。

M「……夜か」

紫「あら、そんなに話してたかしら」

M「大丈夫だろうけど、一応見に行ってくる」

紫「心配性ね」

M「石橋は叩き壊す派なんでね」

紫(叩き壊す?)「まぁ、気を付けて」

M「あぁ」

 

 

 

 

次紅魔館へと着いた時に瑞生は帰ってしまった事を酷く後悔する事となる。が、この時の瑞生が知る筈も無い。

 




M・M「ほのぼの話から急にシリアス展開に持ってくるのやめちくり~」
霊「書いてるの貴方じゃない……」
M「俺の話をいい加減多少は出してくれよ、じゃないと読者の皆様にハァ?って思われるぜ絶対」
M・M「ちゃんと主人公の貴方について書きますので」
M「本当かよ……」

M・M「それよりレミリアとフランはヤンデレ化する可能性が微レ存……?」
M「そういう発言はお止めなさい」

霊「ま、次回がどうなるか見物ね」
M・M「という事で次回!この手が真っ赤に染まる!」
M「それただのアカンネタバレ予告だぁぁぁ」


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-紅魔館内防衛戦 誘われし瑞生の闇-

どうも。
はい、前回瑞生が言っていた通りR-15タグを付けたのですが自分の中でこんなのが該当するのかどうか不明な所です。

紅魔館にて引き起こる惨劇。瑞生はレミリア達を救えるのか。
レミリアおぜうさま要素多めです。

では、どうぞ。


運命と言う言葉を貴方は信じますか。

悲しい運命もあって嬉しい運命もある。

M(でも、俺の目の前にある現実は過酷で……)

 

俺はきっと悲しい運命に(さいな)まれているのだろう。

 

紅魔館に着いた俺が見たのはボロボロになって倒れている美鈴だった。

M「美鈴!」

 

まさかと思い駆け寄ってみる。

M「おい、しっかりしろ!」

美「その、声は瑞生?」

M「あぁ」

どうやら生きてはいるらしい。

 

美「ごめんね……素直に瑞生に一緒に紅魔館に居てって言うべきだったのに」

M「一体何が……」

美「瑞生が言っていた奴らが襲撃してきて……今までだって沢山こういう事あったから大丈夫だろうと思ってたけど」

M「強かったのか」

美「うん……桁外れに強かった。私は大丈夫だから早く中に入って皆をお願い……」

M「……すまん。すぐに帰って来るから」

 

中に入ったは良いが皆何処にいるのだろう?

周りには傷付き倒れているメイド達。

M(罪の無い奴らまで……!)

 

怒りを堪え、中を捜索するが見つからない。

M「クソッ……早くしないといけないのに」

その時だった。

こあ「キャッ!?」

M「ファッ!?」

上からこあが降ってきた。上から来るぞ!気を付けろ!

M「おっと」

我ながらナイスお姫様抱っこキャッチ。

こあ「瑞生!」

M「何でオメー上から……」

こあ「パチュリー様がテレポートさせてくれたの。それより大変な事になってて……えっと、あの、あわわわ」

M「落ち着け。一つ一つ話してみろ」

こあ「瑞生の言ってた人達が来て、その人達がすっごく強くてお嬢様達が地下でまだ戦ってるの。でもとんでもなく劣勢で……パチュリー様が私をテレポートさせて救援を頼むようにと」

M「地下か……すぐに行く。後外に出て美鈴を助けてやってくれ。後怪我人が中にも沢山いるから永琳亭に救援を頼みに行くんだ」

こあ「分かった!」

 

走り去る彼を見て、

こあ「お嬢様達を助けて……」

 

 

 

 

地下に行けば行く程に戦闘音が大きくなってきた。

地下書庫を超えて、前にフランと戦ったあの場所で戦闘をしているみたいだ。

M(待ってろよ皆……!)

 

そして、

レミ「覚悟なさい……デモンズランス・ゼロ!」

ハ3「逃さない!此処に降臨し名を示せ、怒りではなく、赦しではなく、それは純粋なる真理! ヴァーチュアスレイ!!」

 

相殺されたと思いきや、

レミ「ッツ!!!」

レミリアの方が押し負けた。

咲「お嬢様!」

 

一瞬、時が止まり。

間一髪、咲夜が助け出した。

レミ「た、助かったわ咲夜」

 

ふと向こうの方でフランとパチュリー、ハンター2人が戦っていた。

フラン「爆炎剣!」

ハ1「甘いッ!」

軽々と受け止められ、

ハ1「白光拳!」

フラン「っつあっ!」

レミ「フラン!」

 

パチェ「いい加減になさい!フレア!」

ハ4「汚れなき天空の光よ……ホーリー!」

 

コチラは何とか相殺出来たようだが、

パチェ(どういう事?私の方が魔力量は上なのに……ッ!)

 

果てしなく劣勢で押され気味なのは変わらなかった。

レミ(くっ……どうすれば)

皆既に疲弊しきっている。なのに相手はまだピンピンしていて、どう考えてもこのままだと負ける。

 

 

ふと、コイツ等の存在を教えてくれた彼を思い出す。

レミ(……素直に、貴方に助けを求めておけば良かったのにね)

自分のプライドがそれを遠慮したのだった。

後悔したってもう遅いのだが。

 

ハ1「一気に決めるぞ!来たれ雷鳴!ギガスラッシュ!」

 

何処かで見た事のあるこの一撃が致命傷だった。

もう誰も立ち上がって居なかった。

 

レミ(まさか……こんな事って……)

経験した事の無い恐怖が自分を襲った。

死への恐怖。殺されるのか?この私が。

レミ(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)

 

ハ1「次で楽にしてやる……もう一撃!」

 

レミ(助けて……瑞生)

薄れゆく意識の中、聞こえたのは。

 

M「響け閃光!ギガブレイク!!!」

 

敵の放った一撃を更に上回る一撃で返し、

ハ1「なっ!?」

ハ4「ドリームオーラ!」

 

敵陣へと行くかと思いきやかき消された。

M(チッ……ギガブレイクをかき消すとはな)

 

ふと後ろを振り向く。

M(ごめん……もう少し早く着いてれば)

皆地面に倒れ込んでいた。意識も無いのだろう。

 

ハ1「何だお前は!そこをどけ!」

M「……何で?」

ハ1「そこに居る2人の吸血鬼を殺す為だ!」

M「やっぱりか」

ハ2「別にアンタには関係無いでしょ、とっとと去りなさい。さもないと」

ハ3「痛い目みるぜ!烈震天衝!」

ハ4「沈んで……レイ!」

 

M「テメェら……」

 

許す訳にはいかない。例え自分の手が汚れる事になったとしても、コイツ等は。

 

M「……バハムート、メガフレア」

一言呟き、次の瞬間には彼の目の前に存在する物は無かった。

 

ハ1「な……に?」

ハ2「ちょっと!目を覚ましなさいよ!」

ハ3「……」

ハ4「ダメ……みたいね」

 

M(1人死んだか)「アンタ等が何を思っているのかは知らない。だが悪く思うな……これが俺の正義だから」

 

敵陣へと突っ込む。

ハ1「ッツ!!!」

ガキンッ!と音を鳴らし敵の片手剣とコチラの二刀流が鍔迫り合い、そしてあっという間に瑞生が勝った。

当たり前だ。何故なら彼は知らない内に神の力を発動させていたからだ。

 

M「甘いな。ギガスラッシュを打てるから多少は期待していたんだがな……眠れ」

 

ザシュッと肉を貫く音がして、鮮血が飛び散った。

自分の右腕に随分返り血を浴びてしまった。

M「あぁ汚い汚い」

 

そして後2人を振り向くと、

ハ2&ハ4「……」

言葉を発さずにガタガタ震えていた。

M「まぁ前衛2人一瞬で消えちゃったもんな。そりゃ怖いよな」

 

神モードを解き、今度は獣人化する。

M「そうそう、実践で使うのは初めてだから試させてもらうよ」

獣人化で闇の力発動。

 

M「グッ……アッグぁッアアアッ!!!」

 

数秒経って、

M「おうおう、大丈夫みたいだね」

普段こんな事したら飲み込まれてしまいそうだけど、今なら大丈夫だ。

M(憎しみとかを力に変えれば正気を保てると)

もうその時点で正気では無いのだが。

 

外見としては全体的に黒くなり、何よりも変貌したのは両腕だった。

 

M「凄いねぇ、まるで悪魔の手みたいだ」

巨大化し、人を簡単に握りつぶせそうな位な大きさ。

より鋭利になり、肉を簡単に削げる強力な爪。

 

M「おっと失礼退屈だよな、じゃあ両手で2人共逝かせてやるよ。恨んでくれて良いぜ……じゃあ

 

バイバイ」

 

言った途端にグチャッと両腕の中で何かが弾けた様な気がしたがどうでも良い。

 

 

通常モードに戻る。

M「うわっは……俺がやったとは言えども大惨事だな」

 

とりあえず倒れている彼女達を上へ運び、そして自分が始末した連中の後始末。ついでに自分のアーマーに付いてる返り血。非常に血生臭いので、

M「ウンディーネ!タイダルウェイブ!」

ウンディーネ「……」

 

それと、

M「シルフ!テンペスト!」

シルフ「……」

後は空気を綺麗にしておけば良し。

 

召喚獣達も何も言わない。何がどうなろうとも、彼は(マスター)だから。

 

 

 

 

掃除が終わって上に上がると永琳達と霊夢と魔理沙、紫が居た。

M「お、永琳」

永「全く……どうしてこうも連続で面倒事ばっかり」

M「すまんな。ただレミリア達に罪は無いよ」

永「分かってるわよ」

 

こあ「瑞生」

M「おぉこあ、皆を呼んできてくれて感謝する」

こあ「ありがとう。お嬢様達を助けてくれて」

M「良いって良いって。

 

殺さなきゃ気が済まなかったから」

 

その言葉で皆が凍り付いた。

こあ「え……」

霊「こ、殺したの?」

M「殺すって言わなかったっけ?」

紫「……瑞生、ちょっと落ち着きなさい」

M「何言ってんだよ、俺は落ち着いてるぜ?」

魔「そ、そのハンターどもは下に?」

 

M「いや、俺が綺麗(・・)にしといた」

 

ALL「!!!」

 

それ以上言葉を発する者はおらず、永琳達による治療が黙々と進められた。

 

M「それで、皆は大丈夫なのか?」

永「……えぇ。かなり傷は深いけれど彼女達ならすぐに治ると思うわ」

M「良かった……」

 

ふぅ、と安堵する彼を見て思わず永琳は恐怖を覚えた。

彼は自覚があるのだろうか?相手が相手だったとは言えども人を4人も殺めたというのに。

 

M「ん?何だよ」

永「何でも、無いわ……」

 

 

 

 

 

 

そうしてその日は終わり、皆は帰ったが瑞生は紅魔館に残る事にした。

こあ「別に良いのに」

美「私ももう大丈夫だしね」

M「まぁまぁ、一応よ一応」

美「私気絶してたしこあは助け呼びに行ってたし……大丈夫だった?」

M「あぁ」

こあ「でもお嬢様達が押される程相手は強かったのかどうか分からない……」

M「あいつらは何だろうな……人は殺せないんだ」

こあ「???」

M「アイツ等の右腕に紋章みたいなのがあった。これはあくまで俺の推測だが……アイツ等は人間を殺したら自分も死んでしまうとかそもそも殺せないとかそういった誓約を自らに刻み込んでいるんだと思う。その代わり吸血鬼に対しては特効を示す」

美「成程……吸血鬼を殺す為だけに得た力って事か」

M「恐らくは。だから美鈴は死んでないしな……ここの主を殺しに来たなら門番だって殺す勢いがあるのも当たり前だと思うし」

 

彼の推測には説得力もあるし大体は真相はそんな所じゃないのだろうか。

M「しっかし吸血鬼を殺す為だけに誓約とはね……アイツ等は吸血鬼に余っ程恨みがあるんだろうな」

 

2人もその呟きに頷いた。

美「後悔……してるの?」

M「まさか。あちらにどんな事情があるのかは知らんが向こうは自分達を正義だと言った。吸血鬼はどんな奴だろうと殺すのが当たり前だと思ってるんだろうし」

こあ「……お嬢様達には失礼だけど、普通なら誰でも吸血鬼って聞くと多少は驚くと思う」

M「だろうな。吸血鬼って西洋の怖い話とかでは王道なお話だし」

美「瑞生は?」

M「別に?レミリアもフランも生きてるし。俺はレミリア達に迷惑はかけられた事もあったけど俺だって色々迷惑かけた事もあった。だからお相子だし殺す必要なんか無いだろ?お前らも含めて、ここの紅魔館の皆は俺の大切な友人なんだからその友人が殺されるなんて事になるのなら俺も相手には容赦しない」

 

2人はこの言葉に感動した。やはり瑞生はとても良い人で優しいんだな、と思った。

 

 

M「まぁ殺すにしても少しやり過ぎたかな。いや、どうせ死ぬのなら楽に一瞬で終わらせてあげた方が相手の為だったと思うし、良いか」

が、次の言葉でまた恐怖を感じてしまった。

 

この人は危ない。本能でそう感じた。

 

その日は美鈴も小悪魔も疲れていたので彼との会話の後にとっとと寝た。瑞生は遅くまで起きていた様だが。

 

 

次の日。

やはり皆余程疲れたのか、夕方まで誰一人起きなかった。という事で……

 

M「俺が1日家政婦だなっ(嬉しそう)」

働いているメイド達は皆お休みにさせた。

普段咲夜がやっている家事を皆が起きるまでにやる。

M「パパパっとやって、終わり!」

 

掃除……洗濯(バレたら殺されるだろうな……)……流石に夜には起きるだろうから夕食作り等。

M「いやぁ咲夜達はやっぱり凄い凄い」

やはりかなり疲れた。

 

一通り終えたら図書館にお邪魔して皆が起きるま待機しておく事にした。

 

M「……」

ふと昨日の戦闘を思い出す。

あの時は正確には俺が戦った訳じゃ無く、昨日寝るまでは闇ゼロの性格になっていた。

M「憎しみ全開で戦ったもんな」

普段の俺ならきっと殺しはしないだろう。だけどあの時は感情を抑えきれず暴走に近い感じで闇ゼロを発動させた。更に獣人化と初めての試みも行ったにも関わらず暴走しなかった理由は……。

 

M(考えるまでも無い。助けられたと言うか、発動させる為の力となったんだ……憎しみ(・・・)が)

 

 

止めよう。これ以上考えるのは良くない。あの時の俺のした事言った事をちゃんと覚えている……我ながらとんでもない悪人の様な言動だったと思う。

深く考えれば、きっと発狂してしまうだろう……俺の弱い心は。

 

M(分かっていたけど俺にも闇はあるんだな。それも想像もつかないほど多く……いや、むしろ俺は闇が、負の感情の方が余程多いと思う。いつ以来だっけ?こんな感情を覚えたのは)

 

 

 

考えるのを止めようと言った筈なのに自分について更に細かく分析しようとする俺は間違いなくアホだろう。

 

だが、こうして考えている事で今でも壊れそうな心を持って1人で居る事により生じる不安や恐怖から逃れようとしていたのだろう。元々ヘタレで深く考えてしまうのが癖の俺はこの時果てしない負の感情に囚われていた。

 

 

が、

パチェ「瑞生?」

M「!!!」

 

気が付けば目の前に居たパチュリーの言葉により思考が強制停止された。喜ばしくも。

 

M「パチュリー……起きたんだな」

パチェ「瑞生、こあと美鈴に全部聞いたわ。今皆食堂に集まっているから来て」

M「あ、あぁ……」

 

 

食堂に行くと、自分が作った料理が並べられており、皆席に着いていた。

M「良かった、皆無事起きたな」

レミ「……瑞生、その、貴方には何と言ったら良いか」

咲「お嬢様、今その話は止めにしましょう」

レミ「そ、そうね。折角瑞生が作ってくれた料理が冷めるものね。先にいただきましょう」

M「……」

 

いつもなら賑やかな食事も、今日は誰一人喋らなかった。

 

食後。

紅茶を飲みながら話が始まった。

レミ「まず、助けて貰った事に感謝しないといけないわね。私を、そして皆を救ってくれてありがとう」

M「……」

彼は何も言わなかったが優しく微笑み頷いた。

 

レミ「それと、私達の騒ぎに巻き込んだ事を謝罪するわ」

M「それは良い。元々俺が言い出しっぺだったのにこうなってしまった」

咲「それは違うわ。貴方が自分達と一緒に居るって言った時素直にその提案を受け入れていればこうはならなかったかもしれない」

パチェ「絶対に大丈夫だと言うべき過信が貴方の善意を無駄にしてしまったわ」

M「実際、アイツ等の特殊な力が無ければここに居るメンバーが負ける筈が無かった訳だらそう思ったのはしょうがないと思う。皆は何も悪くないよ」

 

その言葉にレミリアは驚き、視線を伏せた。

レミ「貴方はフランが暴走してたのを止めてくれた時から思ってたけど、優しいのね……それも底無しのお人好し」

M「……別に、そんな事は無いだろ?友人の命が危なかったら普通助けに行くよ」

美「その瑞生の普通が、普通は出来ないんだよ」

フラン「兄様だから出来るんだけどね」

 

M「……あんま考えた事が無かったな」

こあ「お人好しって言うのは、そういう事を自然と成し遂げようとするからそうなんですよ」

フラン「言えてる~」

パチェ「こあにしては良い事言うじゃない」

M「ハハハ……そうなのかねぇ」

 

皆がいつも通りのテンションに戻った事が凄く嬉しかった。例えそれが一瞬の事だったとしても。

 

レミ「……辛い事聞くようだけど、あの4人はどうしたの?殺したとは聞いたけど誰もどうやって殺したのかは見てないのよ」

咲「死体とかも全く無かったし……」

M「ん……そうか、あの時全員気絶してたんだな」

 

小悪魔と美鈴は思わず息を飲んだ。また昨日の様な彼らしくない(・・・・・・)言葉を発すると思ったからだ。

 

M「……ごめん、どうしてもって言うならちゃんと答えるけど言わなくても良いのなら言いたくない」

レミ「!!!いや、良いわ、それなら言わなくて」

M「あぁ、すまん」

 

小悪魔と美鈴は少し疑問に思った。彼は彼の筈だ。なのにまるで昨日の彼とは別人の様に思えて仕方無いのだ。

 

こあ(今日の瑞生は、いつもの。優しくて、誰かを守る為に全力を尽くすお人好し)

美(昨日私達が見たのは……殺す事を全く躊躇わないけれど私達を守ってくれた。あれはまるで闇の正義(ダークヒーロー)、瑞生の闇だったの?)

 

様々な事を考えるが結局真相は瑞生だけが知っている。

 

いや、本当は瑞生でさえ分からないのかもしれない。

 

 

レミ「まぁ、あまり思い出したく無い話だからもう止めましょう」

フラン「そうだね。瑞生がまた私達を助けてくれたって事で良いと思うよ」

M「助けたのは俺だけじゃなくて永琳達だってそうだから他の連中にも言ってやってくれ」

レミ「えぇ。また皆の所に行くつもりよ」

咲「お嬢様……」

咲夜が少し意外そうな顔をしていた。

レミ「命助けて貰ったんだもの。礼を直接伝えに行くのは助けて貰った私達の義務だと思うわ」

咲「失礼しました。お嬢様、大賛成です」

 

我ながら丸くなったな、とレミリアは思う。これも彼と出逢った事で変わった事なのかもしれない。

 

 

レミ「だから今回はもう終わりにしましょう」

その言葉に皆頷いた。

 

M「今回の事はもう文とかに知られてるけど特に文には記事になんてしたら天狗の里が焼け野原になるぞって言っといたから大丈夫」

 

ALL(それただの脅し!!!)

今私達を救ってくれた人がさらっととんでもない事を口走ったが気のせいにしておこう、思う紅魔館メンバーであった。きっと冗談だと信じておこう。

 

 

今日もレミリアが霊夢に言って紅魔館に泊まる事になったので、紅魔館にある一室に居る。

もうこの部屋は瑞生用にしようとかフランが言って驚いたが、更に驚いたのがレミリアが特に考えもせずに許可した事だった。

M(まぁ、喜ばしい事だな)

結果オーライとは言えどもなんか色々やらかしたので帰ったら霊夢に怒られそうだ。

M「夢想封印はやめちくり~」

 

レミ「そんな事をしたら私が怒るわよ」

M「ファッ!?」

レミ「入って良いかしら?」

M「ど、どうぞ……」

レミ「貴方は私達を助けてくれたんだからそれに文句言うなら紅魔館一同タダじゃおかないって言っときなさい」

 

冗談混じりに言った話なのに思ったよりレミリアが真剣に言ってくるのでかなり罪悪感が凄い。

M「そ、そうだな……」

 

 

自分は椅子に、彼女はベットに座った。

M「ほんでどないしましたか、おぜうさま自ら」

レミ「貴方ねぇ……まぁ良いわ。今は許してあげるわ」

M「おぉ?」

レミ「さっきも言ったけど、今回は本当に感謝してる」

M「いいってことよ」

 

レミ「瑞生、貴方はどうしてそんなに人に優しく出来るの?」

M「は?」

レミ「私は今まで生きてきた中で貴方ほど人に底無しのお人好しは見た事も聞いた事も無いわ」

M「……皆そう言うよな」

レミ「実際そうだと私も思ってるし」

M「その事に関しては別に俺は特にどうこう考えてる訳じゃ無い。ただ、

 

誰かを助けるのに理由は要らない……それが俺の信条だから。て言うか前にもこんなやり取りあったろ」

レミ「えぇ、私も今そう思ったわ」

M「ま、そういう事だ」

レミ「分かったわ。もうそれ以上聞くのは野暮な事ね」

M「言うなれば俺は、自分の意志で……自分の信じるものの為に戦う。ただそれだけだ」

 

例えそこに善悪の感情があったとしても、その揺るぎ無き思いは変わる事の無い自分の精神だ。

 

レミ「素敵ね」

M「……よせよ///」

自分の言葉に彼は思わず顔を背けた。

 

しばらく話していたが、彼が欠伸をする様になった。

レミ「ごめんなさい、眠たいのに付き合わせてしまったわね」

M「良いよ。ただ……流石に、眠いな」

それもそうだ。この2日間彼は安心出来ずまともに眠っていないらしい。

レミ「寝ると良いわ、お休みなさい」

 

自分が出て部屋の扉を閉めて10秒後。もう一度部屋にそ〜っと入ってみれば見事に熟睡していた。

レミ(やっぱり貴方も疲れてたのね)

 

何たかんだで彼には無茶ばかりさせてしまった。

それでも文句言わずにちゃんと成し遂げる彼が凄いなと素直に思う。

 

 

もう完成に( ˘ω˘ ) スヤァ…してる彼の隣にふと座る。

レミ「本当に、変な男性(ヒト)ね、貴方は」

 

彼はお金なんて喜ばない。

レミ「謙虚な貴方は感謝の気持ちだけで十分だと言うだろうけど」

 

それでは何かこっちが納得出来ない。何でもしてあげる何て事は流石に言えないが彼の望む事なら出来る限りやってあげたいなんて思ってしまう。

 

レミ「……どうして、こんな事を思ってしまうのか分からないわね」

 

いや。そう思っているだけで本当はわかっているのだろう、私はそこまで鈍感じゃない。

 

 

レミ(好きなのね、きっと)

恋。そんな気持ちが自分にもあるのは分かっているが実際そんな思いは初めてだ。

レミ「初恋の相手になるのね、貴方は」

 

もどかしくて、でも何か心地よい。

 

 

レミ「こんな感情を抱かせた事を後悔しない事ね」

そっと言葉は強めではあったが、顔は恋する乙女その物のレミリアだった。

 

 

 

 




M・M「いやぁ書いた書いた」
M「オメーすげぇ時間に書いてるな」
M・M「最近昼夜逆転生活してる!やべぇよ……やべぇよ……4月から学校始まるのに!」
M「詰んだな(確信)」

M「茶番はともかく、中々に話の内容が……まぁまぁ重たかったんじゃないか?」
M・M「結構シリアス目だったと思う(思ってるだけ)まぁ瑞生自身の葛藤とかも多かったね」
M「俺って結構ヤバい奴だったりする?」
M・M「当たり前だよなぁ?」
M「斬っていい?」
M・M「お慈悲^〜暴力反対やめちくり~」
レミ「まぁ貴方戦闘描写下手くその極みだからそういう所で点数稼がないと死ぬわね」
M「ファッ!?レミリアがログインしとる」
レミ「ま、見る人から見たらそういった部分もまだまだね、頑張って書きなさい」
M・M「はぁい……」
M「お、珍しく素直」
M・M(うー☆うー☆って言って欲しいな)
M「バレたら殺されるぞ?」

M・M「余談ですが、何となく気付いた方もおられるかもしれませんが、瑞生の闇獣人化の時の手はテイルズオブベルセリアのベルベットの業魔の手をイメージしています。
そして有名なセリフですが、瑞生が信条としてる言葉はFF9のジタン・トライバルのセリフです」
M「それは前にも言わなかったか?」

M・M「あれ?これ前言ったっけ?これもぅわかんねぇな……」


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-VSゾディアーク 花妖怪との出会い-

どうも。
私事でありますが、いよいよ新しく学校が始まりました。今まで経験した事の無いであろう出来事が沢山あるので勉学も、そして執筆も頑張っていきたいです。

今回は日常編。ちょっとしたバトルも。

では、どうぞ。


前回紅魔館にて少しばかり重たい事件を終わらせた瑞生。紅魔館一同から感謝の見送りを受けながら博麗神社へと戻った。

 

帰ったら帰ったで霊夢と魔理沙と紫が座っていて、

霊「紅魔館で何してたのか白状しなさい」

M「別に何もしてないよ?」

紫「瑞生……お願いだからちゃんと説明して」

M「いや、だからさぁ」

魔「とっとと話した方が身の為だぜ」

M「何その拷問しそうな雰囲気?」

 

とりあえず3人に紅魔館で仕事してたとかレミリア達とまた仲良くなれたとか話しておいた。

そしてその日は何事も無く3日ぶりに博麗神社での自分の部屋で眠りについた。

 

M(何でそんなに俺が何やってたとか気になるんだ?)

ちょっと過保護過ぎませんかねぇ。俺もう18だよ?

 

 

M・M「嘘つけ!それ俺の年齢や!」

M「お前こそ年齢詐称するんじゃねえよ」

紫「私は永遠の18歳よ?」

 

M・M&M「おっ、そうだな」(見事なシンクロ)

 

熱斗とロックマンもビックリのフルシンクロ。

紫「ちょっと!何か突っ込みなさいよ!何故か悲しいじゃない……」

 

 

 

 

M「ハッ!」

変な夢(?)を見て起きてしまった。まだ時刻は午前2時と夜中である。

 

M「変に目覚めちまったな……」

 

ふと境内へと出る。空を見上げると綺麗な満月だった。

 

M「……ん?」

だが月に見えた一つの影。それは段々コチラへとやって来る。

M「ファッ!?」

 

自分の見上げる先に居たのは、

???「……」

 

M「な、何だ……?」

???「力が欲しいか?」

M「は?力?」

???「今よりもっと力が欲しいか?」

M「……欲しく無いと言えば嘘になるな」

 

M・M「(いら)ないです」

紫「貴方はちょっと黙ってて」

 

???「ならば着いてこい、着いてこれるならな」

M「ちょ、ちょっと待てよ!お前は一体……ってあぁもう人の話聞けっての」

寝巻きの上に1枚だけ着て、謎の何かの後を追う。

 

M(かなり速いな……俺でなきゃ見逃しちゃうね)

 

謎の存在を追うこと数分。

M(あれ……ここって、命蓮寺じゃ)

が、奴は命蓮寺の向こう側、墓場へと向かう。

 

M「お、おい……」

 

墓場だ。特に何も言うことも無く墓場です。

M「ちょ、ちょいアイツ何処行ったんだよォ……」

※瑞生はこういう(・・・・)のは苦手です。

 

 

この墓場には白蓮に誘われて行った事がある(昼間)が、特にこれと言って何かがあると言う訳では無かった。

 

M「何か出そうだな……」

どんどん奥に進んでいくと、

M「ファッ!?」

 

墓が開いて下から階段が出来ていた。

M「は、墓の下から入口って……

 

絶対ヤバいやつじゃん!!!」

アイツはこの中に入っていったのだろうか。

が、着いてこいと言われた以上……

M「い、行くしかない……よな」

 

意を決して行く事に。

 

 

 

命蓮寺墓地地下。

 

M(こんな場所があったとはな)

 

 

ジメジメとしていて、また地霊殿とは違った感じ。

M「明らかに道が出来てる……」

という事は何かがあるという事は間違いないのだが……。

 

 

常に警戒しながら先に進む。

 

すると開けたホールみたいな場所へ出た。更に、

M「墓?」

墓の下にまた墓。

M「これってマトリョーシカみたいなもんだったりして」

墓に近づくと、

 

???「やっと来たか」

M「ファッ!?アンタの墓だったんかい!」

???「我が名はゾディアーク。戒律王、理の神だ」

M「ほへぇ~」

 

蛇を纏った輪っかみたいな姿である。

M・M「どんな姿かは調べてねっ(´>ω∂`)☆」

 

M「ほんで、何で俺を呼んだんだ?」

ゾディアーク(以後ゾデ)「貴様は素質がある」

M「何の?」

ゾデ「我の(マスター)として我を扱う素質だ」

M「はぁ……契約しろって?」

 

ゾデ「我は起きてから戦いに飢えている。だから力強き者を呼んだ!そして我の名を知ったからには容赦せん!」

 

M「……お前自分で名前言っただろォー!!!」

 

理不尽にも程かあると思うよby瑞生

 

 

 

ていう事で早速ラウンド1……FIGHT!

M「ラウンドあるの!?」

 

 

 

 

ゾデ「まさかこれで沈み等しないだろうな?メルトン!」

 

バカでかい大きさの炎球が飛んできた。

M「ホォォーワァァァァ↑」

 

目の前に加速してくるが、

M「こんのッ!絶破(ぜっぱ)烈氷撃(れっひょうげき)!」

 

氷を纏った拳で何とか粉砕した。

 

ゾデ「面白い!もっと我の心を楽しませよ!」

M「えぇい、どいつもこいつも戦闘狂ばっかり!」

 

 

ゾデ「グラビガ!グラビガ!グラビガ!」

M「グラビガ連打やめぃ!何処ぞのNPCクリフトか!」

 

猛烈な攻撃を掻い潜り、近接戦闘へと持ち込む。

M「鳴時雨!秋沙雨!アサルトダンス!」

ひたすら連続攻撃。だが、相手は防御すらしない。

 

M(硬いッ!)

ゾデ「我は異世界で古代に作られし特殊な装甲を持つ。その程度の攻撃は無に等しいぞ」

M「冗談キツいぜ……」

 

俺はあまり一撃にかけるものでは無く、先程の様などちらかと言うとスピード型なのだ。

ゾデ「人の力では勝てぬぞ」

M「!!!」

ゾデ「見せてみろ、神の力を」

M「そこまで分かってんのなら始めっから発動させとけば良かったな。悪い悪い」

そう言って彼のアーマーは白色へと変化した。

 

 

M「光の道を……シャイニングウェーブ!」

ゾデ「破壊する……カタストロフィ!」

白と黒の力がぶつかり合い、相殺された。

 

M「Foo↑」

ゾデ「ほぅ……相殺するとは」

M「まだまだ行くぜ!お前の装甲ごと貫いてやる」

ゾデ「やれるものなら!」

 

拳で抵抗する(意味深)

M「連牙弾!噛烈襲(ごうれつしゅう)!!!」

 

ひたすら連武技である。殴っている内に、

ゾデ「ウォォォッ!!!」

 

パリンと音がした。

M(装甲が割れた(ガードブレイク)!)

すぐさま双剣に持ち替え、

 

M「イフリート!力を!」

イフ「承知」

 

M「太刀紅蓮!剛・紅蓮剣!続けて決めるッ!炎よ、この剣に宿れ!焼き尽くす……炎覇(えんは)鳳翼翔(ほうよくしょう)!!!」

 

 

ゾデ「……グッ」

M「どうだ!」

 

ゾデ「フフフ……ここまで楽しい戦いはいつぶりだろうか!気に入ったぞ」

M「はぁ」

ゾデ「別に本気で戦う事も無いだろう。一瞬だけ大人になって戦ってみたくもあるが」

M「大人……?」

ゾデ「私は元々異世界の古代に作られたは良いが強過ぎる存在として子供の頃に封印された」

M(作られたのに子供ねぇ……て言うか成長したらどうなるんだよ……)

ゾデ「だが最近になって封印が解けた様だ、しかも違う世界にて」

M「封印されたまま?」

ゾデ「そこの墓と共に、な」

M「ほほぉ……それはまた波乱万丈ですなぁ」

ゾデ「馬鹿にしているな?」

M「してないしてない」

M・M「(して)ないです」

紫「言うと思った」

 

ゾデ「まぁ、良い。本気ではないと言え我に勝った」

M「……まぁ、偶然だと思うけど」

ゾデ「契約を結ぶぞ。元々我は召喚獣としての役割で作られる筈だった」

M「だった、とは?」

ゾデ「確か作られる途中に巨大な戦争があり急遽作り替えられた記憶がある」

M「大変だなぁ……分かったよ、力を貸して貰う。

汝、理の神よ我が契約の元我の力となれ。契約の主、瑞生が命じる」

ゾデ「我が力、存分に使え」

 

 

 

ゾデ「そう言えば」

M「ん?」

ゾデ「我の墓に何かあったな。共に封印されたのか」

M「お前の墓?どれどれ……」

 

 

掘る(意味深)

紫「何で意味深なの?」

M・M「ダメです紫様。それを追求するとタグを入れ替える必要があります」

 

 

M「おっ……何だこれ。刀?」

ゾデ「塵地螺鈿飾剣(ちりじらでんかざりつるぎ)だな」

M「ちりじ……?何だって?」

ゾデ「2度も言わせるな。古代に作られ封印された武器の1つだ」

M「お前といいこの武器といい何でこの幻想郷に……」

ゾデ「この場所はつまらんがこの世界は居心地が良い。早く外へ連れ出してくれ」

M「あいあい。この刀は?」

ゾデ「見つけたのはお前だ。持っていれば良いだろう……それは使いこなせれば強力な武器となる」

M「普通じゃないのは分かるけど……どんな力が?」

ゾデ「私も分からない。自らの魂を引き出す武器と聞いた事がある」

M「魂、か」

 

 

外に出て、大急ぎで証拠隠滅。

M「主人公がやる事じゃないよ……ぶつぶつ」

 

終わったのが日が昇る前位。当然寝てないので……

M「眠い……ヤバい、倒れそう……」

バタッ

 

言ってるそばから倒れてしまった。

 

 

 

 

 

ん……暖かい……夢か?

しかもいい香り。

 

M「ハッ!ここは……?」

見覚えの無い天井があった。

 

???「あら、目が覚めたのね」

M「……助けてくれたのか」

???「貴方行き倒れてたのよ、ちょっと向こうで」

M「ごめん、迷惑掛けたな」

???「別に良いわ、こんな所にやってくる人間なんて普通いないもの」

M「ともかく助かった。俺は如月 瑞生だ、宜しく」

風見(以後風)「風見 幽香よ。宜しく」

M「幽香か……」

 

実は言うと紫から花妖怪と呼ばれる強力な妖怪、風見幽香の事を聞いていた。

 

風「……私の事、知ってるみたいね」

M「え?」

風「それっぽい表情してるから」

M「知人に花妖怪と聞いた事がある」

風「花妖怪、か。悪くないわね」

M「もう俺起きても良いか?」

風「大丈夫だと思うわよ?」

M「いやぁかたじけない。少し昨日の夜に色々あってこの辺りで倒れてしまったらしい」

風「何があったのかは聞かないわ」

M「あぁ」(まぁ、聞かれても困るけど)

風「……」

じっとこちらを見てくる幽香さん。

M「な、何だ?」

風「貴方……博麗神社の男よね?」

M「ん、知ってるのか」

風「新聞で何度か見たし、初めはレミリアから聞いたわ。私はあそこの庭師をしているの」

M「ほぉ~」

 

どうりで紅魔館の花はいつも美しい訳だ。まぁ美鈴とか咲夜も世話をしているのだろうが。

 

ふと窓の外を見て中々に感動した。

M「おぉ……絶景だなこりゃ」

 

一面花畑。色とりどりの花が咲いていて蝶が沢山舞っていた。

風「ありがとう。ここは私が世話してる花畑なの」

M「全部一人で?」

風「時たまに手伝ってくれる物好きも居るわ」

M「ふむふむ」

風「まぁそれはともかく。貴方どうするの?」

M「あ、そうだった」

風「まだ昼前だから強い妖怪は居ないだろうけど」

 

いや、目の前に居るんですけどね。

風「ここから博麗神社までは遠いわよ?」

M「あぁ、大丈夫だ。飛べるし」

風「博麗神社に住んでいる特殊な人間ってやっぱり貴方の事なのね」

M「ま、まぁ」

風「最初にも言ったけどこんな所誰も来ないから久しぶりの来客で楽しかったわ」

M「……」

 

行き倒れを助けて貰ったのにこのまま帰るのも気が引ける。幸いな事に昨日の夜に霊夢宛に出掛けると置き手紙をしておいたから別に何か手伝っても大丈夫だろう。

M「いや、助けて貰った礼はちゃんとするよ」

風「義理堅いのね。じゃあ花の手入れ、手伝ってくれるかしら?」

M「ド素人だけど……」

風「大丈夫よ、簡単なお仕事だから」

 

もう時期的に言うと春になったばかりである。

春と言えばあの子だが、まだ会ってないな。

 

満開に咲く花々を見ていき水をやって、害虫は取り除い

て、異常が無いか確かめる。

 

M「綺麗だなぁ」

今自分が見ているのはチューリップ。赤や黄色や様々な色があって大変美しい。

 

作業を始め出して1時間弱。

風「随分進んでるみたいね、素人とは思えない速さで驚いたわ」

M「意外と楽しいもんだな」

風「それは良かった。それともう昼時だからお昼ご飯食べていきなさい」

M「ん、良いのか?」

風「働いた分は、ね?」

M「それは助けて貰った分なんだが……じゃあいただきます。楽しいとは言ったけどかなり疲れるもんでお腹もかなり減ってたんだ」

風「簡単な様で結構重労働でしょう?」

 

 

と、言う事で彼女の家に戻り昼ごはんをいただく事になった。メニューは和食であり、

M「鰆か。今が旬だな」

 

ご飯と魚と味噌汁と漬物。

 

M「うまっ」

旬の魚はやはり美味い。これとご飯だけで十分過ぎるご馳走である。

風「……」(この男が瑞生ね、レミリア達から聞いてはいたけど本当にただの人間っぽいわね)

 

庭師として紅魔館に出入りする為に紅魔館一同とは仲が良く、特にレミリアとは色々な話をする。

 

自分達が起こした異変を、そしてこの前も自分達の命を救ってくれたと随分褒めていた。

フランや小悪魔等に優しいだのカッコイイだの随分慕われていたし。

風(そんな風には見えないけど)

まぁ人は見かけによらぬものとは言うが。

とは言え彼女達からの言葉から普通の人間では無いだろうとは分かる。

 

 

M「ご馳走様でした」

風「お粗末様でした」

 

皿洗いを終えて、ようやく帰る事になる。

M「何か今日は色々ありがとな」

風「構わないわ。私こそ手伝って貰って感謝するわ」

M「また来て良いか?」

風「えぇ、勿論」

 

また会う事もあるだろう、と彼女は付け足した。

そう言って彼女とは別れ、霊夢の元に帰る事にした。

M「また何やってたんだって聞かれそうだな……」

 

新しい神様と武器と人脈を入手して帰宅。

 

霊「全く、変な所フラフラしてるんだから」

命蓮寺での出来事は話してはいない。

霊「幽香に会ったのね」

M「紫から聞いていたからいつか会う事になるだろうとは思ってたけど」

そして気が付いたら突然背後に気配。

M「ヒエッ」

紫「……」

M「心臓に悪いから止めてくれ……」

紫「幽香は幻想郷の中でもかなりの実力者よ」

M「あぁ、それは大体分かった」

それは同時に敵に回してはいけない、とも言えよう。

紫「好戦的な場合もあるけど普通に仲良くしていれば温厚な性格だから」

M「それも良く分かった」

花を愛する者が乱暴な性格している訳が無い。

いや、偏見か。時と場合によるって事だろう。

 

紫「夜にマヨイガに来なさい」

と一言小声で自分だけに伝えて紫は去っていった。

霊「幽香は例えどんな者だろうと花を傷付けるなら許さないわ」

M「そりゃそうだ。あんな綺麗な花畑を傷付けられたら誰だって許せないと思うよ」

それ位に、美しかった。花も、彼女も。

 

 

夜、彼女の言葉通りマヨイガへとやって来た。

M「おい、どうしたんだ」

紫「まぁ座りなさい」

M「あぁ」

縁側でお茶をすする彼女の隣に座る。

紫「風見幽香に会ったのは別に良いわ。でもそれだけじゃ無いでしょう」

M「……」(所詮紫に隠し事は通用しない、か)

 

彼女には話しておいた方が良いだろう。

M「実はな……」

 

 

紫「ふぅん……命蓮寺の墓地にそんな物が」

M「しかもあの場所はそれだけじゃないと思う」

紫「と言うと?」

M「ゾディアークがそう言ってる。恐らくまだあの墓地の地下には色々な物と者が眠っているって」

紫「墓の下に誰かの墓ねぇ……」

M「また白蓮に許可とって調べてみようと思うんだ」

紫「ま、探検も程々にしなさいよ」

M「分かってるよ」

 

いつもなら真面目な話が終わってその後も他愛も無い話をするのだが、今日は珍しく2人して黙り込んだ。

M「……」

紫「……」

 

 

いつもは紫から話してくる方が多かったが折角なので自分から話を振ってみよう。

M「なぁ紫」

紫「何?」

 

 

M「……もし俺が、この世界に存在してはいけない様なイレギュラーだったらどうする?」

 

紫「……どうして、そんな事を聞くの?」

怒りと悲しみのこもった言葉だった。

 

M「前から思ってたんだよな。俺は何でこの世界に居るんだろう、どうして生きているんだろうなって」

紫「貴方は元々異世界からやって来た外来人じゃないの。意味なんて探してもしょうがないじゃない」

M「いや、そうなんだけどさ……何でだろうか、ここ最近になって覚えの無い記憶が夢に出るんだよな」

 

紫「覚えの無い記憶?」

M「俺は紫と離れてからさ、いや……離れる前からなのかもしれないけど、度々眠ってるんだよ」

紫「長期間の?」

M「そう。その間にあった事の記憶が無いんだよ」

紫「それは寝てるから当たり前でしょう?」

M「そう思ってたんだが……この寝ている間実は起きていて何かしていた可能性があるんだ。その証拠としてこのいつの時か分からない記憶」

紫「具体的には分からないの?」

M「断片的にちょこちょこあるんだが……大事な事柄や人物等が雲が覆ってるかの様に思い出せない」

紫「じゃあ過去に……流石に無理ね」

M「思い出せない以上はな。それにそんな簡単に出来る事じゃない。前にも言ったかと思うが、過去に戻る事は過去を変えて、正史では無かった筈の出来事が起きてしまう事になりかねない」

 

俗に言うタイムパラドックスとやらか。

紫「そうね、まぁいずれ思い出すんじゃないかしら」

M「まぁ別に思い出せないと死ぬって訳でもないし、何かがきっかけで思い出せるかもなぁ」

 

紫(……やっぱり瑞生にはまだまだ謎が多いわね。でもさっきの話と最初の言葉は何がどう関係しているの?)

 

彼は幻想郷に異常をなす存在であるか。存在してはならない人物なのだろうか。

 

その答えに辿り着くにはまだまだ時間が掛かりそうだ。

 




M「最後何か意味深な終わり方したなぁ」
M・M「まだちんぷんかんぷんですが、この後起こっていく事件で瑞生の謎は少しずつ解けていきます」
風「それは良いけどあく書きなさい」
M・M「風見幽香さんがログインしてらっしゃる」
M「咥えては差し上げないが……確かに更新速度がまた遅くなってるぞ」
M・M「ひぃ~頑張って書いてるよー主に電車の中で。家でも多少はね?」
M「まぁ、読者の皆さん宜しく頼みますってよ」


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-記憶とは-

どうも。
慣れていない電車通学で足が痛いM・Mです。
M「どうでも良いからほんへ」
酷い。少し位喋らせてよ……まぁそれはともかく。
また少しだけシリアス面があったり無かったり。
今回は幽々子編。

では、どうぞ。


M「春だなぁ」

本当に春であり、咲いている桜が美しい。

 

???「そうですよ~春ですよ~」

M「お、久しぶりだなリリー」

リリーホワイト(以後リリー)「冬以来ですね~元気にしてましたか~?」

M(相変わらずこのゆるい感じ……好きだわ)

「そっちこそな」

リリー「また春がやって来ましたね」

M「今春も宜しく」

リリー「宜しくお願いします~」

 

 

リリーは春を伝えるというとても大事(?)なお仕事があるので早々に去っていった。

M「春か……」

春。出会いの季節でもあり、別れの季節でもある。

冬眠っていた生物達も冬眠から目を覚まし、また活動を再開する。

M「桜と言えば……あそこに行ってみないとな」

 

 

エターナルソードをひょいっと。

M「開け!境界の扉!」

※何となく言ってみたかっただけ

 

 

やって来たのは白玉楼。

M「おぉ……!」

入った瞬間に分かる美しい桜の木々。

 

ちょっと前に異変の元凶ともなったあの桜の木を見に行く事にした。

 

当然誰か来たと住人は気付く訳で……

その時は桜に感動していて挨拶を忘れていた。

 

庭に出た妖夢は気配を察知した。

妖「誰か居る……」

こんな所に侵入者など考えられないが、念の為警戒を怠らずに辺りを歩く。

 

 

M「いざ目の前に立ってみれば凄いもんだよなぁ」

そこら辺の桜とは比べ物にならない程巨大で、尚且つ美しく壮大な桜の木であった。

 

そこへ……

妖「あれは……瑞生さん?」

 

 

そして挨拶を忘れていた事に気が付く。

M「そうだ、挨拶するの忘れてた!」

妖「瑞生さん」

M「ウィヒ!」

 

気が付くと妖夢が居た。

M「お、おう妖夢……」

妖「誰か居ると思ったら瑞生さんでしたか。てっきり侵入者かと思いました」

M「ごめん、挨拶するの忘れてた」

妖「大丈夫ですよ。それより瑞生さんは何故ここに?」

M「あぁ、突然だけどさ」

 

彼は隣にある巨大な木を見上げた。

M「これを見に来ただけだよ」

妖「成程」

M「しかし本当に凄いよな、神社に咲いている桜も中々だけどそれらとは比べ物にならないよ」

 

幽「それは嬉しいわね」

M「ウィヒ!(2度目)」

 

何処ぞのスキマ妖怪の如く気が付いたら背後にいるここのお姫様、西行寺幽々子。

幽「ごきげんよう、瑞生」

M「いきなり背後に居るのは止めてくれ」

幽「紫ばっかりズルいもの」

 

ズルいとは果たしてどういう事なのだろうか。

 

M「……まぁ、別に良いけど」

幽「きっとこの木も喜ぶと思うわ」

M「そうだと良いけどな」

 

そう言ってふと木に触れてみる。何だかんだでこの樹に触った事は無かったっけ……

 

 

 

M「!!!」

触った瞬間に脳内に電撃が走るかの様な衝撃を受けた。

ふらりと体が揺れ、激しい目眩に襲われる。

 

妖「瑞生さん!」

そのまま倒れてしまった。

幽「え?ちょ、ちょっと!」

 

 

 

 

 

 

M「……」

オリ「主、起きろ」

M「ん……」

 

目を覚ますと、目の前にオリジンが居た。

M「ここは?」

オリ「主の精神世界と思ってくれれば良い」

 

良く見ると周りにイフリート、シヴァ等。勿論この前契約したゾディアークも居た。

 

M「それは分かったけど、何で俺がここに?」

オリ「それは分からない」

 

ラムウの爺さんが「いきなり現れたんじゃ」と言うと皆うんうんと頷いている。

M「いきなり?確か俺は……」

 

あの桜の木に触れたら何かを感じて倒れた。

簡単に言えばそうるなるが、何故倒れたのかが全くもって不明である。

ゾデ「あの木が主に何かしらの影響を及ぼしたと考えるのが妥当か」

マクスウェル(以後マク)「あの木は主にとって何か思い出の深い物だったりするのかもしれんのぅ」

M「思い出……」

 

生憎だがそんな思い出は……あった。夢の中に出て来たある筈の無い記憶。

その中にあの木が映っていた事があった。

M「もしかしたら……俺の無くなってしまった(・・・・・・・・・)記憶に関係があるのかもしれないな」

 

そう言った瞬間。また視界がぐにゃりと歪んだ。

M「え……ちょ」

イフ「主!?」

ゾデ「また倒れたな」

バハムート(以後バハ)「駄目だ、主の中に介入出来ない」

オリ「と言う事は主は何かしらの記憶が蘇ろうとでもしているのだろうか、我々が介入出来ないとなると恐らく……先程言っていた失われし過去の記憶なのかもしれない」

 

召喚獣達はどうしようもない、と自分達の主が目を覚ましてくれるのを待つしか無かった。

 

 

 

 

 

 

M「ん…………」

 

目を覚ますと、青い空があった。

M「あれ?戻って来たのか?」

 

だが周りを見渡すと明らかに先程居た場所と違う景色があったので残念ながらそうでは無いらしい。

 

M「あれ……」

自分の中に居る召喚獣達やビーストさんが居ない。と言うか神の力も発動出来ない。

M「どういう事だ?」

 

ここは一体何処なのか、自分は一体どうなっているのか分からない事だらけではあるが、このまま座っていても何も始まらない。

M「とにかく、進もう」

 

 

と言うか、自分が居た場所は何と都の中であった。

巨大でとても賑わっている。

M「本当に何処なんだよここ……」

金も持ってないからもし帰れなかったらかなり大変な事になる。

 

しばらく色んな人から話を聞いてみた所衝撃の事実が明らかとなった。

M(ここは京の都で……俺は随分昔の時代にタイムフリップしたのか?)

更にオマケで聞いた都の観光スポットは立派で美しい桜の木だそうだ。

 

心当たりがある。と言うかありまくる。

M(西行妖が眠ったとされる桜の木で間違いないな……という事は)

西行寺幽々子も関係があるのかもしれない。彼女は生前の記憶を失っているし、ここで自分の記憶についても分かる事があるかもしれない。

M(探索してみる価値はありそうだな)

 

ただ、これがもしも自分の過去だとしたら下手な行動はタイムパラドックスを引き起こしかねない。

M(あくまで慎重に、な)

 

 

もう少し街ゆく人に聞き込む。

 

 

西行という名の有名な歌人が居て、娘がいるらしいが……間違えなく幽々子の事だろう。

M(生きている頃の幽々子か……)

 

そして西行は桜が大好きだったがつい先日に亡くなって都の観光スポットである桜の木の下に埋葬されたそうだが。

M(それが西行妖と言う訳だな)

 

折角だし桜を見にいってみよう。

 

 

 

 

M(まぁ当たり前だよなぁ……)

それなりに近くで見る事は出来るが桜の木の下に行く事は出来ないらしい。

しかし、

 

門番がなんということでしょう(ビフォーアフター感)

「おや、瑞生殿では無いですか」

「お久しぶりです。是非とも中へ」

 

M(……)

確信した。自分は眠っていると思っていたがどういう訳か過去に存在していて、幽々子と交流があるらしい。

 

でも思い出せないのはどうしてだろう?何かしらの出来事で過去の記憶が無くってしまったのか?

 

だが今はそんな事を気にしている場合では無い。

幽「久しぶりね、瑞生」

M「あ、あぁ……」

ここは話を合わせよう。

 

幽「どうして都に帰ってきたの?」

M「え、いや、幽々子のお父さんが死んだって聞いたからさ」

幽「そう……」

M「大変だったな」

幽「えぇ。瑞生は旅の方はどうなの?」

M「旅?」

幽「あら、貴方旅芸人は辞めたの?」

M「旅芸人……」

 

どうやら過去の俺は力を活用して旅芸人として金稼ぎをしていたらしい。そして幽々子が気に入ってくれて頻繁に会うようなって友人となった、というのが過去の自分のあらすじである。

M(幽々子の父とも仲が良かったみたいだが……全く記憶に無いな)

幽「瑞生」

M「何だ?」

幽「今日は、一緒に居てくれないかしら」

妙に寂しげな表情の彼女はそう言った。

M「あぁ」

 

 

俺の記憶がどうかは置いといて、正史だと幽々子はあの桜の木で自殺したんだったっけ。幽々子の父が大好きただった桜の木の下で彼の後を追うように死ぬ者が大量に増えた事を嘆き幽々子も死んだ、というのが真相だった気がする。

 

M(という事は幽々子はこの後……死ぬ)

理由はどうあれ死ぬ事に変わりはない。

 

M(死なせたくないけど……過去を変えてはいけない)

 

 

 

 

夜。

幽々子と話していた。

 

幽「瑞生」

M「え?」

幽「もし私が居なくなったら、どうする?」

M「……寂しいよ。この都に帰って来る一番の理由としてお前に会いたいからなんだけどな」(!?)

 

おかしい。自分はそんな事言ってはいないのだが、口が勝手に動く。

幽「えっ……」

M「あの桜の木の下で自殺する者が増々増えているらしいな」

幽「えぇ」

M「死ぬなよ」

幽「ッツ……」

 

M「お前が死んだらこの都に来る意味、無くなっちまうからな」

幽「……貴方は何でもお見通しなのね。私、死のうと思ってた」

M「何となくそうだろうと思ったよ。西行が愛した桜の下で誰かが死んでいくのを嘆いてるんだろ」

 

今の俺はまるでその当時生きていた俺のようだった。

しかし中々にマズい事を言っている。

 

幽「じゃあ……私の隣に居てくれる?」

M「プロポーズか?」

幽「プロ……?」

M「求婚って意味だよ」

幽「えっ///」

M「まぁそれはともかく、お前が死ぬのを止めてくれるなら……いつまでも」

幽「……うん」

 

M(ヤバい……俺何言ってんだよ!これだと幽々子が死なない!いや、死んで欲しく無いけど……!)

どうやら勝手に言ったと思っていたがそれは俺の思いが邪魔をしただけの事だった。

 

このままでは自分の甘さの所為で現在(イマ)を失ってしまうかもしれない。

 

M(だからってどうすれば……死んでくれなんて言える訳無いだろ!)

 

非常にヤバい状況にあった。

 

 

幽「すぅ……」

幽々子が自分の肩に頭を乗せて眠ってしまっている。

 

M「……」

彼女をお姫様抱っこして部屋に運ぶ。

M「白玉楼でもそうだけど……お姫様なんだったな」

 

 

 

幽「瑞生……好きよ」

M「……!!!」

 

止めてくれ。未来が変わってしまう。

なのにそれでも良いかと思ってしまう。

俺は……俺はそれでも……。

 

死なないのなら、殺せば良いじゃないか

 

M「ッツ!!!」

そう言ったのは、自分(・・)だった。

 

過去を変えるわけにはいかないんだろう?だったら殺ってしまうしか方法は無いぜ?

 

M「ンな事……出来る訳が……!」

 

 

 

じゃあ、俺が殺るよ

 

M「駄目だ……止めろ!」

 

何でだ?それがお前の願いだろ?アイツの事等所詮どうでも良いんだろ?

 

M「ンな訳あるかッ!」

 

ンな訳あるんだよ。俺はお前の闇。本当に思っている事だからな。

 

M「違う……!俺は……俺は……」

 

そこで俺の意識は途絶えた。

 

 

 

次目を覚ましたのは普通に次の日だった。

何故か幽々子の隣で倒れていたから誰かが運んでくれたらしい。

 

そして、その幽々子は死んだとの事だった。

 

割腹自殺をしたらしく、あの桜の木の下で見つかった。

 

 

その幽々子も父親と同じ場所に埋葬される所を俺はただ呆然と見ているしか無かった。

 

すると突然、

M「ッツ!」

また再び頭に電撃が走る。

M「くっ……っあ」

 

そしてそのまま意識を失った。

 

 

 

 

 

 

「……ずき!」

「……きさん!」

 

M「んぐっ……」

目が覚めると、妖夢と幽々子が居た。

 

 

幽「瑞生!」

妖「瑞生さん!」

 

M「2人とも……俺は一体?」

妖「瑞生さん突然倒れたんですよ」

幽「妖夢と運ぶの大変だったんだから」

M「あぁ……ごめん」

妖「大丈夫ですか?」

M「大丈夫だよ」

幽「何でいきなり倒れたの?」

 

M(ッツ……)「ちょっと、疲れてたのかな」

妖「やっぱり大丈夫では無いじゃないですか」

幽「休んできなさい」

M「……あぁ」

 

 

何とか現代に帰ってきた。結局俺が垣間見たのは俺の過去という事で間違いないのだろうが……

 

 

 

M(何だろうか……このやるせない気持ちは)

休めと言われたが全くそんな気持ちになれない。

すると、

幽「瑞生、起きてる?」

M「起きてる」

 

幽々子が入ってきた。今と比べると生きていた頃の幽々子は今より細身だった様だ。言ったら殺されそうだが。

 

M「どうしたんだ?」

幽「妙に辛辣な顔してるからどうしたのかなと思って」

M「そんな顔、してない」

幽「じゃあどうして顔を逸らすの。私をちゃんと見て」

M「ッツ……」

幽「貴方、夢を見ていたのかどうか分からないけど一体何があったの」

M「……特に無い」

幽「いい加減にして。だったら私から顔を逸らす必要も無いしそんなぶっきらぼうにならなくても良いでしょう」

M「あぁもう……」

 

彼女は変な所で凄く敏感だから困る。

だが流石に言ってしまう訳にはいかない、これが例え紫であろうとも。

 

M「ちょっと昔の記憶が見えただけだ」

幽「それってかなり大変な事じゃない」

M「だから特に何でも無かったって言ってるだろ」

幽「何でそんなに怒ってるのよ」

M「……怒ってない」

幽「……」

 

彼と仲良く話したかっただけなのに何故こんなにも険悪な雰囲気になってしまったのだろう。

幽(ここは大人しく出ていった方が賢明ね)

 

 

 

部屋から出ると不安そうな表情をした妖夢が居た。

幽「妖夢……」

妖「瑞生さん、やっぱり体調悪いんでしょうか」

幽「そうかもしれないわね」

 

失われた記憶、と彼は言っていたが。

幽「私はどうなのかしら」

妖「え?」

幽「私も死んだ理由とか、思い出せたりするのかしら」

妖「幽々子様?」

幽「いや、何でもないわ」

 

 

 

やっぱり色々あって疲れていたのだろう、夜まで眠ってしまった。

M「すまんな」

妖「問題ないですよ、それより休めましたか?」

M「あぁ。ありがとな」

幽「別に寝てても良かったけど」

M「霊夢に言ってないからな、そういう訳にもいかん」

幽「そう」

 

彼女は死んだ理由や生前の事を覚えていない。いや……

 

M(そりゃ過去の事は気になるけど……思い出したく無かった記憶もある)

 

むしろこれからは後者の方が多くなっていくだろう。

 

いつものほほんとしている幽々子も、心の何処かで自分の過去に悩んだりする時があるのだろうか。

 

……これから少し幽々子との付き合いが難しくなりそうだ。アイツの過去を知ってしまった以上は。

M(けれど今まで通りやるしかないよな)

 

過去の事、忘れないように。

過去で俺がやろうとしてしまった罪も。

 

 

 

 

 

紫「珍しいわね、幽々子から話に誘うなんて」

幽「私も色々気になる事があるのよ」

 

妖夢がやって来て、2人にお茶を出す。

幽「ありがとう妖夢。もう貴女は休みなさい」

妖「はい、それでは失礼させていただきます」

 

 

紫「今日に瑞生が色々あったそうね」

幽「瑞生から聞いたの?」

紫「軽くは」

幽「いきなり倒れ出すんだもの、驚いたわ」

紫「何で倒れたの?」

幽「うーん……過去の記憶がどうこう言ってたわ」

紫「過去の記憶!?」

幽「瑞生って……やっぱりただ者じゃないわよね」

紫「それは分かりきってる事よ」

幽「紫でも分からないならお手上げよね」

紫「まず本人の記憶が蘇らない限りどうしようもないわ。けれど瑞生は恐らく……」

幽「恐らく?」

紫「この幻想郷の過去の出来事においても深く関係がある可能性が高いわね」

幽「という事は瑞生ってかなり昔から生きてるのよね」

紫「本人は記憶に無い、って事だけど」

 

幽「……ねぇ紫」

紫「何?」

幽「私の生きていた頃って知ってるの?私がどうして死んだのかとか」

紫「……知ってるわ」

幽「そう……」

紫「知りたい?」

幽「いや、遠慮しておくわ。きっと聞いたら……私の大事な今が壊れそうだから」

紫「えぇ」

幽「けれどいずれ、欲しがるかもしれない」

紫「その時は教えてあげるわ」

幽「ありがとう、紫」

 

 

 

 

紫と少し話をしたら彼女は幽々子と話がある、と言って白玉楼に行った様だ。

良く考えると……紫も多分知ってるんだろうな、幽々子の過去を。

本当は俺の事も知ってたりして……いや、知ってたら教えてくれてる筈だからそれは無いか。

 

どうしても今日の出来事が頭から離れない。

勿論彼女の死の真相を知ってしまった事とか、自分が過去に存在していた事とか。

 

今は真面目な話をしているので気にしなかったが「好き」と言った幽々子の事を超意識してしまう煩悩が発動するのはまた後の話。

 

もう1つ、大事な事があった。

M「……何で、あんな事をしたんだ?」

闇ゼロ「だから言っただろ、お前の思っている事を言ったまでだと」

M「俺はあんな事をしない!」

闇ゼロ「いつも言っているだろ?俺はお前の闇。お前が言葉に出してなくても心の底で思っている本音が俺だ」

M「俺は……」

 

闇ゼロ「だからと言ってお前は決して俺の光では無い。俺とお前は表裏一体だが、俺が闇でお前が光では無く、お互いが光と闇なんだ」

M「……だから俺の思ってる事も、お前の思っている事と同じだと言いたいのか」

闇ゼロ「そうだ。俺はお前で、お前は俺。

 

光は影の、影は光の。どこまでも一緒だ」

M「……」

闇ゼロ「だからお前が俺に反感を買うのは知らんが、お前の敵になる様な事はしない」

M「そうか、悪かったな」

闇ゼロ「別に何も思っていない」

M「俺は、甘過ぎるんだよな」

 

闇ゼロ「確かにな、お前は今までもその甘さの所為で何度もピンチに陥った事も事実だ。やはり言わせてもらうがお前は戦いに向いていない」

 

ちゃんと決める時は決めているが、やっぱりもう一人の自分にさえそう思われている様だ。

M「分かってるけど……」

闇ゼロ「だが忘れるな、お前はその優しさがあるからこうして闇の俺と共存出来ている」

M「……?」

闇ゼロ「お前がその優しさという光を失った瞬間に……俺でもお前でも無い、ただの闇へと化す。

この力を使い、ただ人を殺し物を破壊する破壊者(デストロイヤー)へと」

M「それは困るな」

闇ゼロ「だからお前は……そのままで良い」

M「……お前、普通に良い奴だな」

闇ゼロ「勘違いするな。お前に消えられると俺も消えてしまうからな」

 

 

 

そうだ、闇と共に生きていくと決めたんだ。

だったら疲れ果てて倒れてしまっても、

これから行く先に光など見えなくても。

 

M「俺は、俺らしく生きなきゃな」

 

 

 

 

 




M「おいゴルァ!何で投稿ペースあくしてんだよ!」
M・M「いやぁ、電車に乗ってる時間が暇でしょうがないから執筆すれば良いじゃん!って事で」
闇ゼロ「まぁ、早くなってんのなら良いんじゃねえのか?」
M「おう、もう一人の俺!ツッコミ役担当宜しく!」
闇ゼロ「は?」


M「ようやく俺の過去が出て来たな」
M・M「そして瑞生の過去が明らかになるついでに様々な人物との関係性や過去に何してたかとか色んな事が明らかになっていきますね」
M「ガチ本編はシリアスめになりそうだな」
闇ゼロ「ま、こいつ戦闘面アレだから、シナリオで頑張んねぇとな」
M「頑張りますってば……」


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-VS勇儀-

どうも。
M・M「スパロボXが欲しいゾ」
M「Jos〇in行って、どうぞ」

ちょこちょこ様々な人との戦闘、日常が入ります。

では、どうぞ。


前回において自分が記憶を失っており、記憶に無いだけで過去に存在していた事が分かった瑞生。

 

少々シリアスめになっていたが……

M「ライダー助けて!」

 

ただ今絶賛戦闘中。そして逃走中。

???「逃げんなー!」

M「じゃあ何故攻撃を止めないんですか(憤怒)」

???「理由なんかあるか~!」

M「理不尽過ぎる……」

???「行くよ!力業(ちからわざ)大江山嵐(おおえやまあらし)!!!」

 

すると上空から……

M「ライダー……じゃなくてマジで誰か助けてー!!!」

 

とんでもない数の巨大な弾幕が降り注いで来た。

M「くそっ……こうなったら!」

???「迎え撃つかい!やれるものなら!」

M「終わりだ……真、滅閃光!」

 

彼が地面に拳を突き立てた瞬間に周辺の地面から巨大なエネルギー波が自分の弾幕と同じ位現れ、弾幕を弾幕でかき消した。

???「何ッ!?」

 

何を隠そう、自分の技である。

 

M「甘いぜ」

???「やるじゃないか……流石に!」

地面を蹴って猛スピードで突進してくる。

M「ちょと待てって!」

???「問答無用!ギガインパクト!!!」

M「粋護陣!」

咄嗟のナイス反応で防御技を放った。

それでも、

M「ヴォエ!」

普通に吹っ飛んで岩肌に激突。

M「あぁ痛い痛い痛い!!!」

岩肌はゴツゴツとしており非常に痛い。

M・M(普通に当たり前だろ)

 

ふらりと立ち上がる。

???「これ受けて立ち上がれた人間はアンタが初めてだよ」

M「でしょうな……」

粋護陣してなかったら骨何本か逝く所でした。

 

???「でも容赦はしないよ!疾風!地烈斬!」

萃香といいこの人と良い地烈斬の威力と範囲おかしいから。当たったら致死ダメージですって。

M「こんなものッ!」

サイドステップで避けた、が。

???「引っかかったね」

M「!?」

 

なんと曲がった。地烈斬は真っ直ぐ進む筈なのに。

M「ぐえっ……」

 

直接当たりまた吹き飛ぶ。

M「何でだよ……」

???「力技で地面動かして軌道変えさせて貰ったよ、まぁ私や萃香とかの鬼位しか出来ないだろうけど」

 

M「ッツ……ンなアホな……」

かなりボコボコにやられた。

???「降参しなよ」

M「へっ……悪いけど参ったとは言わないぜ」

 

それでも立ち上がる彼はゼロの力があるといえ余程タフである。

???「やるじゃないか、そのタフさだけは認めてあげるよ、瑞生ら根っからのマゾなんだね」

M「その言い草は無いぜ……勇儀さんよぉ」

 

 

 

 

何故いきなり鬼である勇儀と戦闘をしているのか。

それは約1時間前に遡る……。

 

 

燐「あれ、瑞生だ」

M「よっ」

ふと地中に行くと入口付近にパルスィと萃香と勇儀と燐が居た。

M「また中々に珍しい組み合わせだな」

燐「そうでも無いよ、私達も地中での会談とか色々あるからね」

パル「そういう事よ」

萃香「瑞生はどうしたんだい?」

M「いや、皆に会いに来ただけだけど?」

 

その言葉にポカーンとしている一同。

M「……何か良く分からんけど、俺は地霊殿行ってくるから」

 

そう言って彼は更に地下へと歩いていった。

勇儀「瑞生ってさぁ……律儀だよね」

萃香「律儀と言うより天然タラシってやつだね」

パル「タラシは違うわよ……妬ましい」

燐「良い人の王道を征く、って感じだね」

 

 

 

 

M「おやおやあそこに居るのは……」

???「やぁ、瑞生じゃないか」

M「ヤマメ、久しぶり」

黒谷 ヤマメ(以後ヤマ)「久しぶりって程でも無いでと思うけど」

M「キスメは?」

ヤマ「地霊殿に居るよ」

M「そっか、サンキュ」

 

ヤマ(人間だと言うのに物好きだねぇ……)

地中の妖怪達を倒せるだけの実力がある人間は居ないことも無いが、こうしてわざわざ交流の為に地中に行く人間は最近彼位しかいないだろう。

 

 

地霊殿にて。

キスメ「あれ、あそこに居るの瑞生かな?」

こいし「え、本当!?あ、本当だ!瑞生!」

 

こいしが元気に手を振っている。隣には桶に入った謎の少女、キスメも居る。

 

M「よぉ2人とも」

キスメ「瑞生、いつ地中に来たの?」

M「んーついさっき」

こいし「お姉ちゃんに会いに来たの?」

M「さとりにも勿論挨拶しに来たけど皆に適当に挨拶しに来ただけだぜ?」

こいし「そっかー」

 

こいし「ちょっと待っててね」

M「あぁ」

客室に彼を残し姉の部屋に向かう。

 

コンコンコン

こいし「お姉ちゃん、入るよ」(瑞生が居る事隠しておこう)

さとり「はい」(バレてますよ)

 

さとり「どうしたの?瑞生は下に居るんでしょう?」

こいし「ハッ……」

 

毎度毎度姉の能力に引っかかる。

さとり「瑞生に会いに行きましょう」

こいし「私ちょっと外に居るね」

さとり「分かったわ」

 

客室にはヒーコー(篝感)を飲んでいる彼が居た。

M「おっ」

さとり「瑞生、来てたのね」

M「ついさっきな」

 

さとり(……)

前から思っていた事だが、どうしてか私の能力は時々ではあるが彼に通用しない。心が読めない相手と話すというのはここまで不安な物なのだろうか。

 

M「……どうしたんだ?」

さとり「いえ……」

 

彼は優しい人だ。この地中にわざわざ訪れ、ここの妖怪達にも好かれているし人気である。だから決して悪い事をしようとする様な人では無い。

皆彼の事を気に入っている。だが、例え相手が瑞生でもここの妖怪達は心の何処かで人間に対する畏怖や憎悪の感情があるだろうと思う。

 

すると、まるで私の考えを逆に読んだかの様に、

M「俺さ、ここの妖怪達とかが辛い思いしてこの場所に居る事を知ってるから尚更人間全てがそんな悪じゃないって言いたいからこの場所には良く来るんだ。まぁ、残念な事にいつの時代にも悪い人間は幾らでも居るんだよな。ここの妖怪達は本当にいたたまれない」

さとり「そう思って頂けるだけでも嬉しいですよ」

M「だから人間である俺も皆もしかして」

その続きを遮るようにさとりは言った。

さとり「大丈夫です。貴方はきっと皆からも好かれています」

 

 

M「……ありがとう。でも、やっぱり皆心の何処かで複雑な感情が読み取れる。100%信頼する事は出来ないって言ってるかの様に」

さとり「貴方はそんな能力が!?」

M「能力じゃない。何となくだ」

 

でもその何となくが的を得た言葉ならそれは能力の様に思えても仕方ないだろう。

 

M「長く生きてればさ、色々分かるんだよ……何も考えて無くても相手の視線だとか仕草で何となくの考えてる事だとか。嫌でも」

 

一瞬だけとても暗い目をした彼を私は見逃さなかったが、それが何故だかは分からなかった。

 

さとり「私は……やはり人間が憎くも、怖くもあります」

M「まぁ、それは仕方ないと思うぜ」

彼はやれやれと肩をすくめた。

 

M「さとりに人間と友好的になって欲しいとは言わないけど、さとりだけじゃなくて地中の皆が人を憎み怖がらなくても良いようになって欲しいモンだな」

 

さとり「ありがとう、貴方はやはり優しいですね」

M「……少しは分かるからさ、ここの連中の思う事」

さとり「何となく、ですか?」

M「そうだな」

 

 

こいし「お姉ちゃんと瑞生がラブラブに話してる」

燐「ですねぇ」

M「ファッ!?」

ソファーの裏からこいしと燐が現れた。

 

さとり「こいし!?燐もいつから……」

こいし「んー、ちょっと前位かな?」

さとり「///」

M「2人とも帰ってたんだな」

 

 

 

 

地霊殿の皆と別れ、帰り。

M「あぁ、そう言えば」

萃香から勇儀宛に荷物を預かってたんだった。

M「勇儀の家っと」

 

 

勇儀の家にて。

何と言うか彼女らしい家だな(意味不明)

とりあえずノックノック!

 

コンコンコン

………

 

出掛けているのだろうか、返事が無い。

M「さて、どうしたものか」

 

鍵は空いていた。不用心だな……

M「預かり物を外に置いておく訳にもいかないし」

だからと言って勝手に中に入るのも駄目だろう。

 

M「うーむ……」

 

 

悩んだ末、

M「勇儀、スマン!」

 

Open the door

 

 

 

M「なっ……!!!」

そこで見たのは。

 

勇儀「Zzz」

寝ていた勇儀だった。だが問題はそこでは無い。

M「お前女なんだからさぁ……」

Tシャツ1枚だけで寝ている。下着も見えてるし、ほぼ半裸って言っても良い位の格好である(やったぜ。)

 

思わず手で目を覆った。

M(意外と可愛らしいパンt……いかん、捕まる)

 

おまわりさんこいt(ry

 

とっとと要件を済まして出る事にしよう。

M「では、サラダバー!」

 

だが、こういうのにはフラグという物が存在して。

 

勇儀「何で……瑞生が、居るんだ?」

わなわなと震え声。

 

M「デデドン!(絶望)」

 

 

 

そして、冒頭に戻る。

 

勇儀「どう考えても襲おうとしてただろ!」

M「してない!」

 

(これが恋人ならまたしてもただの友人が襲う事は自殺行為なので流石に)ないです。

M・M「長すぎィ!」

 

勇儀「絶対に色々見ただろ!」

M「見た!それはスマン!」

勇儀「素直なのは良いぜ!でも許さん!」

M「えぇ……(困惑)」

勇儀「何で見たんだ!」

M「不可抗力ってやつだー!」

勇儀「変態!」

M「うぐっ……(かなりの精神的ダメージ)」

勇儀「とりあえず一発殴らせろ!」

M「もう既に何発かやったろ!」

 

謎の口論(?)は中断され再び戦闘に戻る。

M「結局いつも戦ってんな……」

 

猛スピード+超威力+多彩な攻撃というチートだ!っていう攻撃を全力で凌ぐ。

 

勇儀「何で避けるんだ!動くな!」

M「それは理不尽過ぎるッ!貴女の一撃は俺の骨砕くレベルだから駄目ですッ!」

 

つまり無抵抗でしかも動かずに当たれってか。

勇儀「動くと当たらないだろ!動くと当たらないだろ!大人しくしろ!」

 

M「悪いけど俺は死ねないッ!(大袈裟)」

 

 

 

ラウンド2 Fight!

 

勇儀「とっとと落ちなよ!」

もうコチラは結構疲れてるので作戦はいのちだいじにしてるのに対しまだ彼女の作戦はガンガンいこうぜらしい。これが鬼との根本的な差、体力とパワー。

 

M(流石と言うべきか……)

 

 

状況はかなり不利。このまま戦えばほぼ間違いなく負けるだろう。

M(獣人化も、神の力だってあるけど)

勇儀「どうしたんだ!瑞生の力はそんな物じゃないだろ!」

 

けれど折角なら、負けても良いから正々堂々と。

いや、

M「負けねぇよ……勝つさ!」

勇儀「!」

突然彼が加速した。

 

ガキンッと音を立て拳と剣がぶつかり合う。

M(普通拳と剣なら剣が断てる筈なんだけどなぁ)

鬼なら話は別。

 

M「それでも……パワーで負けてても速さで何とかしてやるさ!アクセル!」

 

なんと再び彼が加速した。鬼の自分が速さと思うから相当なスピードを出してる。

M(相手の動きがスローモーションみたいだ……)

 

だがこのアクセルという技、シンプル且つ非常に強い技だがその分足に負担が掛かる。

M(痛ッ……)

 

先程からとんでもない速さで加速して勇儀に攻撃をしている瑞生だが、

M「くっ、ダメか?」

勇儀「瑞生の速さは認めるけどそんな甘い太刀じゃ私に傷なんて与えられないよ!」

 

速いだけじゃ駄目なのだ。

M「それなら!」

勇儀「そっちばかりズルいじゃないか!鬼符、怪力乱神(かいりょくらんしん)!」

 

また彼女のスペカが発動。相変わらずの凄い弾幕が全方位から向かってくる。

 

落ち着いて避ける。加速しているので避ける事は容易である……だが、そんな簡単な物では無かった。

ニヤリと勇儀が笑った。

 

M「なっ!」

 

突然弾幕が分解し更なる量の弾幕となり自分を襲う。

M(避けようが無い!)

 

中々にピンチでは無いのでしょうか。

 

M(どうする!?)

考えている場合じゃ無い。今もコチラに向かい大量の弾幕が向かってくる。

 

M(……)

こんな時こそ。

 

M(よし、特攻だ!)

※考える事を放棄した模様。

 

いや、考え過ぎるよりこんな時は単純な方法で何とかなる事があるかもしれない。それに賭けてみよう。

 

M「頼むぜ、光の翼!」

 

巨大な翼で自分を覆う。それと同時に弾幕が降り注いだ。

 

勇儀「……終わりか?」

 

弾幕の嵐が降り注いだ場所には大量の土煙が発生していた。そして、その中から現れたのは。

 

 

羽ばたけ、Glowwing the wing。

M「貫け!王華(おうか)……一閃!!!」

 

勇儀「!!!」

 

 

 

 

 

 

 

勇儀「たぁ~効いたなぁ今のは」

M「ハァ……ハァッ、ぐえっ」

コチラも当然無事では済まなかった。

 

勇儀「まさか特効してくるとは思わなかったよ」

M「だろうな。俺も最終手段だったし」

勇儀「アンタには他にも色々あるじゃないか」

M「ゼロの力で勝ちたかったんだよ」

 

まぁ神の力やら全部ゼロに含まれると思うけど。

勇儀「仕方ない、今回はアンタの戦いぶりに免じて私の誤解だったとしとくよ」

M「えっと……改めてスマン」

勇儀「本当に……襲うなんてしちゃダメだぞ///」

M(おぅ、こんなに照れてらっしゃる)

 

いつもの豪快な性格は何処へやら、もじもじしていて何とも愛らしい乙女が居ました。

M「良かった良かった、てっきり俺男として意識されて無かったのかと」

勇儀「それは……無いだろ///」

 

M「でも勇儀もあんな格好で寝てたら本当に悪い奴らに襲われちゃうぞ?鍵はちゃんとしような?」

勇儀「分かったよ……」

 

M「んで、ギャラリーの皆さんも出て来いよ」

勇儀「?」

 

向こうの岩場の方からさとり達が現れた。

さとり「気付いていましたか」

こいし「瑞生凄かったね~」

萃香「流石私に勝っただけあるよ」

燐「派手にやったねぇ~」

勇儀「何だよ……見てたのか」

 

こいし「ところでどうして戦ってたの?弾幕ごっこ?」

どうやら話は聞こえていなかったらしい。燐とかは聞こえてそうだけど。

M「あぁ、えっと実は俺が勇儀の寝フゴファッ!?」

 

こいし「瑞生!?」

彼がぶっ倒れました。

勇儀「///……何でもない!」

 

さとり(何だかんだで貴女も乙女なのですね)

1人理解していたさとりであった。

 

 

 

 

目が覚めたら博麗神社でした。

M「あれ……何で?」

霊「地霊殿の皆が貴方をお届けして来たわ」

M「あぁ、そうなのか」

 

M(結局何で気絶したんだろう?まぁ、良いか)

 

 

とりあえず気にしない瑞生であった。




M「羽ばたけ、Glowwing the wingとあったけどあれってバディコンのOp抜き取ったやつだろ」
M・M「おっ、良くわかったじゃな^〜い」
M「スパロボXに参戦してたな……ところで途中のヒーコー(篝感)って何ぞ?」
M・M「じゃけんRewriteって調べましょうね~」


勇儀「いや、小説の話しろよ……」
M「おう勇儀姐さん!」
勇儀「瑞生!?姐さんって何だ!」
M「何となく勇儀みたいな姉御が欲しいんだよなぁ」
勇儀「そ、そうか///」
M・M(嬉しいのか……)

M・M「また少し遅れて申し訳ないです、次の話もエンジン全開!で書いてますのでお待ちを……」
M「作者は嘘つき(正論)」

M・M「トラン〇ム欲しいなぁ……」
M「茶番は終わり!閉廷!」


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-日常編 花見-

どうも。
家に帰ってビールビール!じゃなくてゲームゲーム!ってしたいのに眠た過ぎて家帰ると眠ってしまって最近ゲーム機すら触れてないM・Mです。
M「あぁ、お前の唯一の取り柄のゲームが……」
M・M「唯一じゃないし!仕方ないし!」

小説は前にも言った通り朝の電車で主に書いてますので頑張っていきたいですね。
しょうもないネタと妙に紫様成分が多いです。

では、どうぞ。


ある日、瑞生はまた白玉楼にお邪魔していた。

妖夢と桜を見ていて、

M「いいゾ~これ」

 

妖「瑞生さん、桜好きなんですね」

最近彼は良く白玉楼にやって来る。

M「桜が嫌いなんて奴はそんな居ないと思うけどな。まぁそれにここの桜はやはり他と違って良い」

妖「今年の花見もそろそろですね」

幽「また皆集合ね~」

M「花見してんのか」

妖「はい、料理は色々持ち合わせで」

M「ほへぇ~」

 

 

博麗神社に帰ると、紫と霊夢と魔理沙が居た。

紫「あら瑞生、白玉楼に行ってたんでしょう」

M「良く分かったな」

魔「今年もやって来たな」

霊「まぁ、毎年恒例ね」

M「へぇ」

 

そこへ、

文「あやあやあやあや~(プル感)」

M「おぅ、何か来た」

文「新聞です♪それとこれも」

M「ん、何だこれ」

霊「いつものね」

魔「いつものだな」

紫「今年もやるのね、花見」

M「あぁ、招待状か」

文「毎年配らせて貰ってます」

M「そうなのか」

霊「日程は、明後日ね」

魔「腕によりをかけてキノコ料理作るぜ!」

 

紫「楽しみね」

M「あぁ」

 

 

次の日の内に食材を揃え、料理を作り、そして当日に持ってこれる様に日程を明後日にする計画を立てたのは妖夢だろう。流石しっかりしている。

M・M「お前の弟子とは思えんな」

M「ファイナルフラッーシュ!!!」

M・M「ウボァァー!!!」

 

 

買い物をしに行った時に様々な知人達に会ったのはまた別のお話。

 

 

そして待ちに待った当日。

霊「行きましょう」

M「おう」

 

 

この日は白玉楼への道が開かれるらしい(適当)

 

白玉楼にて

 

M「おぉ~ええやん」

相変わらず美しい桜の木々の先に、

魔「遅いぜ~瑞生、霊夢」

M「めんごめんご」

霊「瑞生が起きなかったのよ」

 

 

もう全員来ていたが、遅刻はしなかったからセーフ。

M「ふひぃー」

皆既にワイワイと楽しんでいた。

 

かなり大勢の人数が居て、その全てが自分の知り合いだと考えると嬉しくなる。

 

紫「何ニヤついてるのよ」

M「え?そんなに?」

紫「かなり」

M「いや、友達沢山出来て嬉しいなっと」

紫「子供じゃないんだから……」

 

ここまで沢山の人達が来てくれた事に感謝感激。

 

皆まだ昼間なのに酒呑みまくっていた。

まぁ今日は特別か。

 

でもその場に居たら何かしら呑まされるので離れて1人桜を見る。

M「しかし綺麗だな」

自分には美的センスなんて物は無いだろうがそれでも普通に美しいと思う。

 

そこへ、

???「何黄昏てるのよ」

M「……!?」

聞いた事の無い声に驚く。

M「誰だ?」

???「後ろよ」

M「!」

 

長く青い髪、そして帽子。美少女ですな。

M(誰だっけ……)

何かしら思う事があったが名前が分からない。

 

???「初めまして、が正解かしら?」

M「そうだな、初めましてだな」

ないすちゅーみーちゅー。

 

比那名居(ひななゐ) 天子(てんし)(以後天子)「私は比那名居 天子。貴方は如月 瑞生ね?」

M「そうだけど、なんで俺の名を?」

天子「有名だから」

M「有名、ねぇ」

天子(異変を何度も解決し、様々な人物との友好関係にある……そんな風には見えないけど)

M「何だよ」

天子「何でもないわ。また会いましょう……いや、いずれ会う事になるわ」

M「はぁ?」

 

そう言って彼女は去って行った。

 

M(何か嫌な予感。しかもあの娘……普通じゃないな)

オリ(確かに。彼女から神の力に似たような力を感じる。しかも恐らく娘と言う年齢では無いだろうと思うが)

M「まぁ、そこはデリケートなお話って事で」

 

それよりも。

M(いずれ会う事になるってどういう事だ?)

 

分からないが確認のしようが無い。

 

 

 

早苗「瑞生さーん、こっち来てくださいよ~」

M「あぁ、今行く」

 

 

 

紫「何処行ってたのよ」

M「んーちょっと黄昏てた」

紫「?」

嘘は言っていない。

 

まだ酔ってる奴も居るけど大抵は酔いから覚め、再び会話を楽しんでいた。

M(さっきの話は黙っておいた方が良いな)

 

そこへやってくるほんわかピンク姫。

幽「楽しんでるかしら?」

M「勿論。久々に会えたのもいるからな」

幽「にしては何か複雑そうな顔してるわよ?」

M「えっ、いや、さっき桜の根っこにつまづいてさ」

幽「貴方も災難ねぇ」(何を隠してるのかしら)

 

 

 

 

 

 

咲「瑞生」

M「ん、どうした」

咲「前に教えて貰ったフォンダンショコラ、作ってみたから食べてくれない?」

M「おうおう」

咲「どう?」

M「うまうま」

咲「そう……///」

とても嬉しそうである。咲夜さん、どうしたのかは知らんがほんのり顔が赤いぞ?

フォンダンショコラをもぐもぐ食べている瑞生であったが、

アリス「ねぇ瑞生、私もアップルパイ焼いたから食べてみて」

魔「キノコパイも食べてみてくれ!」

フラン「クッキー焼いたよ!」

慧「団子を作ったんだ、よければ食べてくれ」

妖「こ、紅茶のシフォンケーキを作ったので食べてみて下さい!」

 

M「ど、どないした皆……一斉に言われても食えんって。ちゃんと全部食べるからさ」

 

今日は胃もたれしそうだ。 胃腸薬後で永琳に処方してもらおっと。

 

そんな彼を傍目に、

紫「む~~~!!!」

藍「紫様、抑えて抑えて」

橙「瑞生様、モテモテですねぇ」

 

 

 

 

皆の出してくれたおやつをあっという間に完食し、一息ついた後。

魔「瑞生!弾幕ごっこするぜ!」

M「嫌です(管轄入れずに)」

魔「酷い!」

霊「普通の反応よ」

パチェ「花見の時位ゆっくりしてなさいよ……」

M「チルノ辺りが付き合ってくれるだろ」

魔「酷い反応になんて私は負けないぞぉ……」

霊「中々やるじゃない」

 

M・M「そして唐突なクッキー☆」

 

茶番は置いといて。

 

 

再び事件は唐突に。

 

チルノ「暇だなぁ」

大「今日は花見なんだから」

チルノ「おおっとこ↑こ↓に王様ゲームの用意が!」

霊「あからさま過ぎるでしょ……」

レミ「でも楽しそうね、参加しようかしら」

パチェ「私はパスよ」

M「俺も止めとこうかな」

嫌な予感がビンビンしてるんですよ、はい。

 

ALL「え?瑞生に拒否権は無い(わ)(です)(ぜ)(だろ)よ?」

M・M「ないです」

M「えぇ……(困惑)」

 

その他何人かは見物側に回り、俺は強制参加。

 

 

M(何とか面倒な事になるのは避けないと……)

チルノ「じゃあいっくよー!王様だーれだ!」

 

もうどうにでもなれ、だ。

 

M(11番……)

霊「私が王様ね、早速ツイてるわ」

そして少し考えて、

霊「6番が7番に告白する!」

 

また王道なパターンだが、一体誰が?

M(まぁ俺が当たらない時点で女の子同士で告白する事になるからちょっとあら^〜って感じ)

 

チルノ「6番は私だ!」

ルーミア「私が7番だね」

と、いう事で。

チルノ「お前の事が……好きだったんだよ!」

ルーミア「チルノは普通に好きだよ?」

 

まぁチルノはちょっとアレとしてルーミアは分かってないな……だが可愛いから問題無い!

 

next。

 

霊「王様誰だ!」

 

M(5番か)

レミ「ふっふっふっ……」

どうやらレミリアが王様らしい。

 

少女思考中……

レミ「10番が20番に告白する!」

告白しか無いんかアンタら。

 

魔「10番は私だぜ」

アリス「20番は私ね」

おっ、この展開は薄い本で良くある(爆)

魔「アリス、好きだぜ!」

アリス「わ、私、私も魔理沙が好きよ……」

 

M(中々に百合百合しいな)

まぁ可愛いからOK。

 

next!

 

レミ「王様だーれよ」

M・M(よ?)

 

 

M(18番とな)

 

早苗「あ、王様私です!」

少女思考中……

 

早苗「18番が!」

M(遂に来ちまった!)

この流れから告白になりそうだがそうなると詰み!

でもそれ以外でもそれなりに詰む!

M(お先真っ暗だぁ……)

再びデデドン!(絶望)と言うしかないのか。

 

早苗「私と!」

M(積んだァ……)

 

早苗「1日お家を取り替えっこする!」

 

M「……は?」

神奈「ちょっと早苗!?何言ってるの!?」

諏訪「成程、たまには違う人のお家にも行きたい訳だね?」

早苗「ごめんなさい神奈子様……諏訪子様の言う通りなんです」

神奈「まぁいつも早苗は頑張ってるもんね、それ位ならしょうがないね」

諏訪「で、相手は……?」

 

M「あの、俺だ」

 

早苗「おぉ!」

神奈「マジか!」

諏訪「何という偶然」

霊「という事は早苗が1日家に来るのね」

早苗「お邪魔します!」

 

 

 

良かった。本当に良かった。

M(早苗サンクス。これで滅茶苦茶な話に付き合わされる事は無くなった)

と思った瞬間。

 

チルノ「今の時点で番号シャッフル!もう既に終わった人と交換になった人は悪いけどゲームから降りてね」

M「は?」

 

ちょっと待って?今コイツ何て言った?

 

シャッフルした結果、残念な事に再びゲームに参加する事になった。なんてこった。

M(あのさぁ……)

 

その時一瞬見えたチルノの悪魔の様な笑みを俺は見逃さなかった。

M(コイツ……仕組んでる!?)

どんな方法かは分からないが俺をゲームから降りさせないつもりなのか。

M(どうする……!?)

とは言え確証も無いのにチルノを責め立てる訳にもいかないしこのまま参加するしかない。

M(このデスゲーム……生き残ってやる!)

※王様ゲームです。

 

 

という訳でnext!

早苗「王様だーれだ!」

 

M(ん、先が赤い……)

という事は。

M「俺だな」

皆がジーッとコチラを見ている。

 

M(どうするかね)「うーん……じゃあ1番!俺を膝枕する!」

何でそうなったと自分をツッコミたい。お前は思春期の高校生か。

 

問題は1番が誰なのかだが。

 

M・M「フラグってやつだァ!」

 

紫「私……みたいね」

M「ワ~オ!(ネイティブ)」

 

紫様はここで終了。

瑞生は普通にこのまま参戦(紫様の膝枕付き)

M(やったぜ。)

 

 

 

妖(……)

実は言うと1番は妖夢だった。しかし瑞生が1番を指名した瞬間僅か0コンマの時間で自分の番号と変えてくれと言われたのだった。何故自分とは離れていた彼女が自分の番号を知っているのか疑問に思ったし勿論初めは拒否したが、紫に必ず彼と2人になれる時間を作るという約束を交わし、1番を譲ったのだった。瑞生の事になれば流石に嘘は付かないだろう、自分にとっても悪い話では無い。

妖「フフ……」

幽「妖夢……?」

不敵な笑みを浮かべる妖夢を少し怖がる幽々子。

 

 

て事でnext。

M「ほいほいー王様だーれだっと」

紫「///」

ALL「……」

 

瑞生はともかく、頬を染めて彼をなでなでする紫の出す乙女ムードが皆にとって非常にやりずらい。

M「やっぱ紫の膝枕はええわぁ」

紫「それは膨やかって言いたいのかしら?」

M「何でそう言う解釈になるんだよ……」

紫「女の子にそれはデリケートな話よ」

M「お前女の子って歳じゃなくないですごめんなさいつむじ押さないでェ痛いんだよォ」

じゃないの辺りからつむじを強力プッシュ。

 

紫「ふんっ」

M「悪かったって……別に俺は痩せてようが太ってようが気にしないぜ?あまり極端なら流石に気になるけど」

 

 

ALL「そろそろ続けて良いですか?(迫真)」

M「お、おうスマン」

紫「あら」

 

本当にこの2人何なんだ、と思う全員。

 

 

こいし「えっと、時間経っちゃったけど私が王様だね」

M(俺は……)

紫(また5番ね)

 

さとり「こいし、ちゃんと考えてね」

こいし「分かってるよお姉ちゃん」

少女思考中……

 

さとり「キスはダメ!」

ALL「!?」

唐突に顔を真っ赤に染めて叫ぶさとり。

こいし「なっ///お姉ちゃん心読まないで!」

 

そして図星だったのか、コチラも真っ赤。

 

M「流石にそれはな……ハグ位にしとけ」

こいし「むぅ」

少女再び思考中……

 

こいし「じゃあ、5番と15番と25番がジャンケンする!それで負けた人がフランの持ってる猫耳フードを被る!」

 

M「デデドン!(絶望)」

紫(瑞生の猫耳……)

 

コイツらマジで仕組んでないか?と言いたくなるが耐える。俺はジャンケンが本当に弱いのでかなりピンチではある、それは勿論相手にもよるが。

 

そして何故フラン、今にそんな物を持っているんだ?持ってきたのか?

 

こいし「5番と15番と25番誰かな?」

 

M「……あい」

アリス「わ、私ね」

レミ「私だわ……」

 

 

ただのジャンケンだというのにどうしてこんなにも緊張が走るのだろうか。

M(頼むぜ……俺の右手!)

アリス(あんな恥ずかしい物着れる訳無いわ!)

レミ(フラン……何であんな物を今持ってるの?)

 

どうやらレミリアは瑞生と同じ事を疑問に思っている模様。

M「行くぜ、恨みっこ無しで!じゃんけん、」

 

瑞生;チョキ

レミリア;グー

アリス;パー

 

 

M&レミ&アリス「ふしゅうぅ……(無駄な闘志)」

ALL「うぇーい……(無駄なテンション)」

 

 

 

M(ヤバい……負けそうだ)

このまま災難続きで終わってしまうのか。

 

M・M「(瑞生の負の連鎖(デス・スパイラル)を)断たしてやるか、しょうがねぇな」

 

♪BGM変更 ガンダムよりユニコーンのテーマ

M・M「ほれ、流れ変わったゾ」

ん?

 

でーでーでーん↑ でーでーでーでーん↓

 

 

M「行くぜ……あいこで、しょ!」

瑞生;グー

レミ;パー

アリス;チョキ

 

M「(焦らすのは)やめてくれよ……」

レミ「負けないわよ……」

アリス「集中……集中よ私」

 

(略)ててててーてててーてーてててーてー

 

M「あいこで!」

 

瑞生;チョキ

アリス&レミ;パー

 

 

 

てーてーてーてーん↑ てれれれれーれー↓

成し遂げたぜ。

 

ALL「おぉぉぉ」

M「その為の右手ェ!!!」

落胆する2人を傍目に高く右手を掲げガッツポーズ。

 

紫(瑞生の猫耳……)

紫以外にも少し残念そうな人が居たり居なかったり。

 

 

 

 

そして決戦の時は来た。

♪BGM変更 FF6より決戦

M・M「こんな所で神曲使っちゃうの!?」

 

レミ「行くわよ……」

アリス「望む所……!じゃんけん!」

 

レミ;パー

アリス;チョキ

 

 

ALL「おおぉぉぉ」

M「レミリアが負けたか」

レミ「くぅぅぅぅ」

アリス「よしっ!」

 

再び落胆するレミリア、そして強くガッツポーズするアリス。

 

こいし「じゃあフラン、お姉さんに付けてあげて」

レミ「じ、自分で付けるわ!」

フラン「だーめ。絶対そのまま付けないでしょ」

 

 

M「ここで作者の画力が壊滅的過ぎた為におぜうさまの絵を書けなかったことを謝罪致します……ご想像でお楽しみ下さい」

 

 

レミ「うー……うー……///」

咲「お嬢様、とてもお似合いですわ」

フラン「お姉様可愛い!」

レミ「止めて……」

文「もうこれは幻想郷に広めないと」パシャパシャパシャパシャ

レミ「そこのカメラとカラス天狗燃やすッ!」

フラン「まぁまぁ、似合ってるよね?兄様」

M「そりゃ可愛いよ?うんうん」

レミ「……そう///」

文「助かりましたぁ……」

 

文に向けてグングニルを今にも発射しそうな所だったが、とりあえず手元に戻した。

 

紫(猫耳か……私が付けたら痛いかしら)

葛藤する人1名。

M・M「年齢なんか関係無いぞ!紫様猫耳オナシャス!」

闇ゼロ「自分で書け」

 

 

 

そんなこんだで王様ゲームの終了と共に花見も終わる事となった。

綺麗に片付けてまたそれぞれの帰るべき場所へと帰っていくのだった。

 

 

 

 

その夜……

紫「比那名居 天子?」

M「あぁ」

紫に今日の出来事を話していた。

紫「気になるわね」

M「ま、今はどうしようもないわな」

 

それだけだった。

 

 

紫「ところで瑞生」

M「ん?」

紫「私に猫耳生えたら……嬉しい?」

M「は?」

突拍子も無い質問にキョトンとしてしまう。

紫「その、今日の、アレ」

M「あぁ、アレか」

紫「どうなのよ///」

M「嬉しい……と言えば嬉しいけど、猫なら橙が居るから」

紫「う……」

今式神に嫉妬しました、ごめんなさい。

 

 

M「別に変なポイント取らなくてもお前はお前のままで良いと思うぜ」

紫「……」

その言葉が自分にとってどう響いたのかは分からないが、彼は果たしてどういう意味で言ったのだろうか。

 

紫「そう」

M「……?」

結局紫は何故こんな質問をしてきたのか最後まで不明な瑞生であった。

 

 




M・M「良いから紫様と早くくっつけよ」
M「それを書くのはオメーだバーロー」
M・M「ぬわぁぁぁん疲れたぁぁもぉぉん」
M「まぁ、疲れてるのは分かるけど」
M・M「もう何もかも止めたくなりますよ~」
M「それは許さん!格が違うんだよ……シャイニングバーロー!(コナン感)」
M・M「名前が違うゥゥ」

M「ネタ全開だったな」
M・M「たまには、ね?」
M「いつもじゃねえか」
M・M「楽しいじゃん?」
M「まぁそれは認めるが」

M・M「今までの話を改めて見直すと誤字表現間違いまくってて昨日は直すので大変だったよ」
M「ちゃんと見直さないからだぞ」
M・M「肝に銘じときます……」
M「読者の皆様、御手数ですがまた前の話も読んでおいてくださいね」

M「この後は……」
M・M「後ちょっとだけ日常が続いて、天子って事なので東方緋想天編が始まるゾ」
M「ネタバレしてんじゃねえか」


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-番外編 守矢神社にお邪魔します(邪魔するなら帰れ)-

どうも。
少し本編とは離れて前の花見の時の罰ゲーム(ご褒美)を体験しにイクゾー。

では、どうぞ。


前回のあらすじ。

M「作者はホモ以外に百合にも通じている正真正銘の変態である可能性が微レ存……?」

M・M「大嘘吹き込んでんじゃないよ(憤怒)」

 

皆で花見をした。だが比那名居 天子という謎の存在と会い、不穏な言葉をかけられた。

 

が、今回は前回の王様ゲームおいて早苗と1日お家を交換するという結果になった為に早速朝早くから俺は守矢神社に、早苗は博麗神社に居た。

 

早苗「お邪魔します」

霊「早苗が1日一緒だなんて初めてね」

早苗「そうですね~」

霊「ま、今日位のんびりしてなさい」

早苗「そうします」

 

M・M「これはタマリマセンワーってなる可能性が微(ry」

 

一方。

M「て事で1日お世話になります」

深々と正座の挨拶をされたので神様だというのにコチラも何故か同じく正座でぺこり。

 

神奈「まさか瑞生がやって来るなんてね」

諏訪「まぁ面白いけど」

M「神様なんだよなぁ2人共」

諏訪「一応ね」

神奈「一応って何だ一応って」

 

まぁ言っては悪いが威厳って物は……うーん。

M「まぁ今日は早苗に変わって家事をやらせて頂きます故に……」

諏訪「瑞生、他人行儀過ぎだよ」

神奈「いつも通りで宜しく」

M「まぁ、そう言うなら」

 

 

 

守矢神社は大きいので掃除も大変である。

今日は早苗が休みだと神社の前に張り紙があるがそれでも参拝客は沢山来る。

M「流石早苗、随分多くの参拝客を獲得してるな」

諏訪「普通に参拝客も居るだろうけど」

神奈「早苗目当てが大部分だろうね」

M「はぁ」

 

とりあえず早苗の胸とパンツがお目当ての連中に聖なる裁きを与えに行くか。

M・M「何でや」

 

 

 

 

流石に恥ずかしいのか洗濯は自分達でやったみたいだが、基本的それ以外はやった。別に苦でも何でもないので早々に終わらせた。

諏訪「仕事が速いねぇ」

神奈「家の家政婦にならない?」

M「えっ」

神奈「冗談だよ冗談」

M&諏訪(割とマジっぽかったな……)

 

 

 

諏訪「そうだ、折角瑞生が居るんだし」

M「?」

神奈「私達と戦ってみない?」

M「えぇ……神様相手に?」

諏訪「いっつもヤバい奴と戦ってるでしょ」

神奈「私達位なら一捻りだって」

M「ンな訳無いだろ……」

 

とは言え、神様である彼女達がどれだけ強いのか気になるといえば気にならなくも無い。

折角と言うのは良く分からないが、良い機会ではあるかもしれない。

 

M「……まぁ、1度2人の力を見てみたかったのもあるし」

諏訪「じゃあ、ちょっと戦おうか」

このサラッとした流れで戦おうとする所が神様の風格ってやつだろうか……いや、違うな。

 

 

 

で。

M「確かに戦おうとは言ったよ?2人の力見てみたいとも言ったよ?でもさぁ」

 

瑞生VS神奈子&諏訪子

 

M「何で1対2なんだよ!不公平だろ!」

しかも相手は神様である。

 

神奈&諏訪「だって瑞生強いじゃん」

M「あのさぁ……」

強いと言ってくれるのは嬉しいが、何か違う。

 

神奈「まぁまぁ、軽く戦うだけだからさ」

諏訪「何も全力で行くだなんて言ってないでしょ」

M「はぁ……分かったよ」

 

諏訪「それじゃ行くよ、初めっ!」

 

 

 

すぐに双方後ろに飛んで距離を取った。

M(まずは様子見だな)

相手も同じ事を考えているだろう。

M(早苗によると、神奈子は守矢神社に引っ越してきた神様で、山の神やら農業の神やら色々。諏訪湖は神社の正当な神様で、彼女もまた様々な神を担っている。そして2人共強いとは言っていたな)

M・M「神様なんだから強いのは当たり前だよなぁ?瑞生も種族が人間なだけだし」

 

M「……」

神奈&諏訪「……」

少しの間だけお互いジッと睨み合っていたが、遂に痺れを切らしたのか守矢神社チームが動き出した。

 

神奈「そっちが動かないなら先制攻撃!神祭、エクスパンデッド・オンバシラ!」

諏訪「まぁ初めはゆっくりやろうね、姫川、プリンセスジェイドグリーン!」

 

M「お前らガチ本気だろォー!」

 

神奈子からは大量のレーザーと追尾弾、諏訪湖からは大量の弾幕。言える事は、

M(避けられないッ!)

流石神様といった所か、簡単なスペカでも威力も量も素晴らしい物だ。

とか言ってる場合では無い、このままではまだ始まって数秒しか経ってないのに終わってしまう。

M(ここは素直に打ち返すしかないな)

意を決して技を放つ。

 

 

前にゾディアークの件で手に入れた刀である塵地螺鈿飾剣(ちりじらでんかざりつるぎ)の力を引き出してみよう。

 

その時脳裏にふと言葉が浮かんだ。

M「青き炎よ、喰らい尽くせ!塵地螺鈿、飾剣!」

 

刀を掲げるとその言葉通り青き炎が舞い、2人の弾幕をまとめてかき消した。

神奈&諏訪「!!!」

流石に驚いた表情をしている。

 

M「……ふへぇ」

そして放った自分が1番驚いていた。

 

諏訪「瑞生、とんでもない物持ってるね……」

神奈「何今のヤバそうなの」

M「いや、ちょっと前にな」

 

諏訪(あの刀……間違い無しに妖刀レベル)

 

M「悪いけど俺はちょっとだからな、手抜きとか言うなよ」

神奈「どーんと来い!」

M(相手は神様……生半可な攻撃は通らない)

「いきなりだけど神化(ゴットモード)!出でよ、イフリート!サラマンダー!」

 

神奈&諏訪「!!!」

召喚獣を何と2体一気に出現させた。こんな事が可能になったのはつい最近の事ではあるが。

それによって出来る事が更に多くなった。

M「2匹とも、一気に行くぞ!猛き焔よ、汝に触れし者、全てを滅さん……原子の炎よ、この手の元に!エクスプロージョン・ノヴァ!!!」

 

恒星の如く巨大な炎と灼熱の溶岩で敵を焼き尽くしちゃうぞ♪

 

神奈「なんじゃこりゃあー?」

諏訪「ちょ……」

 

ドーン♪

 

 

神奈子と諏訪子が作り出したとても強力な結界のおかげで外からは何も見えないし感じないが、何とその結界を破壊してしまいそうになった。

諏訪「ぜぇ、ぜぇ……」

神奈「ちょっと……規格外だったわ」

M「何か、ゴメンな?」

諏訪「私達の結界ぶち破るまでの力があるだけでもう戦う気失せるよ……」

M「流石にあれ位の術技になると神の力がどれだけでも俺程度の魔力じゃ1発しか放てないけどな。召喚獣2体出現させる事が出来る様になったのも最近だし俺と2体で連携技をやってみたら色々出来ましたって訳でして」

諏訪「やっぱり戦う相手を間違えたね」

神奈「いきなりあんな術使うなんてズルいぞ」

M「アンタらがいきなりスペカで攻撃してくるからだろ、生半可な攻撃じゃ対応出来ないし」

諏訪「だからってアレはさぁ……」

神奈「どうしようもないでしょ」

M「まぁ、それは俺が悪かったよ。また改めて正々堂々勝負しようぜ」

諏訪「正々堂々とは一体……」

 

 

 

 

結局また暇になるのだった。

神奈「毎日神社はドタバタしてるから忙しいけど休みとなるとこれはまた時間が経つのがとても遅く感じる」

諏訪「それ、私もだよ」

M「守矢神社は凄いもんだな」

全く、家の主も頑張ればこれ位……とか思ってはいけない。

 

3人でぐうたらする事1時間。まだ3時頃だが、神様達の辛抱が切れたらしい。

神奈「暇だ!諏訪子、瑞生、出掛けよう」

M「えぇ……」

諏訪「私は別に良いけど」

M「まぁ、俺も暇だしな」

神奈「何処行く?」

M「そこは決めとけよな……」

諏訪「そうだ瑞生、天狗の里って知ってる?」

M「文が住んでる所?」

諏訪「勿論そうなんだけど、他にも沢山居るよ」

M「あぁ、そう言えば」

 

ちょっと昔にあの山で椛っていう何だろう、わんこ(殴)にボコボコにされたっけ・・・

まぁあの頃はまだ色々と自分の力について良く分かって無かったからしょうがないが、だったら尚更今一度行ってみるのも良い機会かもしれない。

M「そうだな、行ってみるよ」

 

 

青年&神様移動中……

犬走(いぬばしり) (もみじ)(以後椛)「何者だ!」

M「おや、いつぞやの」

椛「!?」

M「あれ?覚えてないか……結構前にだけどここに入ろうとして君にぶっとばされた男だよ」

椛「いや、覚えている。なら何故また来たんだ……何だろうと入れる事は出来ない。それとも何だ、まさか私に攻撃される事で快感を得たりするとかそういう……」

M「どうして皆俺をすぐM扱いするの?」

諏訪「瑞生だからね、しょうがないね」

神奈「うんうん」

M「神様まで酷い」

椛「お前はともかく、御二方は守矢神社の……」

諏訪「やっほー」

神奈「やっぱり普通の人間は入れられない?」

椛「流石に……」

 

諏訪「へぇー良かったね瑞生ー普通(・・)じゃない人間は入れないんだってさ(棒)」

神奈「普通(・・)じゃないのならしょうがないねー(棒)うん、まぁ瑞生は大丈夫だね」

M「くっ……」

流石神様、2人とも良い性格してらっしゃる。

諏訪「この瑞生っていう人間がここに入りたいから連れて来たけどダメかー」

M「ファッ!?」

 

諏訪(瑞生、話合わせて)

神奈(このままだと入れないよ)

M(……分かったよ)

 

椛「何故人間が?」

神奈「ちょっと縁があってね」

椛「……やはり幾ら神様と言えど何も知らない人間を入れるのは許されない」

諏訪「お硬いねぇ」

椛「それが1度私に目を付けられた者なら尚更入れる訳にはいかない」

諏訪「あちゃー」

神奈「それがやっぱり1番ダメだったか」

 

M「………」

もう面倒になってきた。過去にこの場所に侵入した俺が悪かったが、椛の話を聞いていても永遠に入れてくれそうに無いし。

M「もう面倒だ、文が里に居るんじゃないのか」

椛「……?」

諏訪「もう瑞生、折角色々言ってたのに」

M「これじゃ拉致があかないっての」

神奈「最初からこうしとけば良かったね」

椛「???」

諏訪「ちゃんと説明してあげて、この娘混乱してるよ」

 

 

俺氏説明中……

 

文の自宅にて。

幸いにも文が家に居てくれた。

文「いやぁすみません」

M「こちらこそ急に押しかけて悪かった」

椛「まさか博麗神社の……あの様な態度で申し訳ありませんでした」

M「いや、謝らないといけないのは俺の方だし。君は侵入者を通さないっていう使命の元やってたんだから気にしないでおくれよ」

椛「はぁ」

文「ところで何故ここに?」

M「……」

神奈「ちょっと天狗の里に来たかっただけだよ」

諏訪「瑞生も来たかったみたいだし」

M「そういう事」

文「また好奇心旺盛なことで」

M(今文の部屋に行けば新聞の秘密が分かるかも)

文「瑞生さん?ダメですよ?」

M「!?」

こやつはいつから人の心を読めるようになったんだ?

文(バレバレ)

諏訪(私達でも分かるんだよなぁ……)

神奈(視線があっちこっち行ってるし)

 

 

外に出ると、当たり前だが天狗が沢山居る。

そして皆不思議そうに自分達を見ている。

M「そんなに人間が珍しいのか」

椛「私達から人間に会いにいく事はありますが、人がこの場所に入れるのはかなり珍しい事ですね」

諏訪「まぁ瑞生は普通の人間じゃないから気にしなくても大丈夫だよ」

M「さらっと傷付くんだけど?俺普通の人間だよ?」

神奈「種族上は、ね」

椛「……」

この人は何者だろうか。昔戦った時には何も感じなかったし今も何も感じられない。なのに神様にまで知られているし先輩である文までもが彼の事を良く評価していてお客様でもあり、友人でもあると言っていた。

 

異変を何度も解決した、と言われてるいるが……。

 

 

途中でいきなり文に似たような帽子を来ていた娘に「アンタが如月 瑞生ね?」とか言って何かと質問されたが彼女は何者だろう?

 

そのやり取りを何処からか見ていたのか文が来て言った。

文「彼女は姫海棠(ひめかいどう) はたて。私の同期で彼女も新聞を書いています」

M「へぇ」

文「まぁはたての書く新聞は古いので私の方が上ですけどね!」

最後辺りを良く強調してそう言った。

M「ハハ……」

 

苦笑いをするしかない。

 

 

あまり歓迎される事は無かったが、とりあえず中に入れただけでも良かった。

椛の誤解は解けて普通に仲良くなれたが仲良くなれたこそあまり入らない方が良いと言っていた。

それはやはり種族間の問題といったところか。

 

M「こればっかりはしょうがないな」

 

 

 

 

諏訪「ただいまー」

神奈「私達しか居ないけどね」

M「そうだよ(便乗)」

諏訪「そうじゃないかもよ?」

神奈「出てるね、色々」

M「ファッ!?」

神奈「冗談だから」

M「止めてくれ……」

俺の場合割とシャレになんないし。

 

 

夕食を作りましょ。

M「うーん」

何を作るか迷う。

M「何が良いですかな」

諏訪「うーむ」

神奈「何でも良いってのは失礼だね」

諏訪「折角瑞生が作ってくれるなら普段あまり早苗が作らない洋食が良いな」

M「なるほど」

 

 

洋食と言えば。

M「肉だな」

 

ハンバーーーーーグ(うるさい)

 

 

 

諏訪「わぉ」

神奈「……」

神奈子さん、よだれよだれ。

M「おあがりよっ」

俺も食べるけどね。

 

諏訪「まぁ分かってたけど、美味しいっ!」

神奈「これはたまらないね、まだまだ食べられそう」

2人とも美味しいという顔がとても可愛いです。

M(これがこ褒美だな)

笑みがこぼれる。

 

 

洗い物を済ませ、風呂も入った。(俺は最後に入って俺の前に2人入ったと考えてとてつもなく恥ずかしくなった事は秘密である)

俺は客室で寝る事に。

M(何だか色々あったが、楽しかったな)

良い体験になったのではないだろうか。

 

 

そして最後に2人の寝間着が可愛くて再び煩悩が発生していた事を神様達は知らない。

 

 

次の日、博麗神社にて。

早苗「どうでしたか?」

M「楽しい1日になったよ」

早苗「こっちも楽しかったですよ。ね、霊夢さん」

霊「え、えぇ///」

何だか顔が赤いがどうしたのだろう。

諏訪(恋バナか)

神奈(恋バナだね。しかし瑞生、本当に鈍感)

 

早苗「こういう体験も楽しいですね!」

M「そうだな」

早苗がとても嬉しそうなので俺も嬉しい。

神奈「私達も楽しかったよ、瑞生」

諏訪「またおいでよ、歓迎するし」

M「おう」

 

 

 

霊「変な事しないでしょうね」

M「変な事って?」

霊「早苗とか神2人の部屋入って布団とか嗅いで変態みたいな事」

M「お前さんの中の俺の存在って一体……」

かなりショック状態になる瑞生であった。




自分カエル好きなんで諏訪子様も高い順位で好きです。
まぁそれはともかく番外編という事で、本編は次から緋想天。天子とバトルになります(ネタバレ乙。)


別談ですが気が付いたらUAが3000越えしてましてお気に入り数もちょっと増えていて、読んでくれた上にお気に入りしてくれてありがとうございます。
これからも宜しくお願いします。


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-天子との激闘 東方緋想天-

どうも。
ちょっと遅れ気味になっててすみません。
だいぶ暑くなってきましたね、皆様体調にお気を付けて……と言っても暑さに弱い自分が特に気を付けなくてはいけないのですが。

そんな話はともかく、前から書いてあった通り東方緋想天編です。それなりに多めで更にあと1話続きます。

少々荒々しく鬱々しい場所があります故、天子ファンの皆様は申し訳ないです。

では、どうぞ。


「始まり」とは常に些細なことをきっかけに起こるものである。たとえそれが偶然の発見だとしてもだ。

M・M「これが分かる人とは是非とも握手願いたい」

M「またマイナーな事を……いや、マイナーでは無いだろうけど有名な話でもないと思いますけど?」

M・M「セレクトボタン厨なら分かってくれると信じている」

M「どうでも良いからほんへ」

M・M「ヒドゥイ……」

 

 

茶番はともかく前回のあらすじ!

早苗と一日交換ということで守矢神社にお邪魔させて貰った瑞生だったが、今回はほのぼのは捨て、激しいバトルが!(あるとは言っていない)

 

 

M「Zzz」

霊「ふぅ」

昼寝をしている彼とお茶を飲み一息ついている霊夢。

霊「平和ねぇ」

 

だがその平和は突然に、そして一瞬の内に崩れ去る事になる。

ズゴゴゴゴゴゴ……

霊「!?」

地震だ、しかもかなり大きい。

霊「瑞生!」

M「Zzz」

こんな時でも寝ている、流石はキング・オブ・マイペース。

霊「瑞生起きて!地震!」

M「ファッ!?何事!?」

 

すぐに外に出る。

霊「大丈夫?」

M「お互い怪我は無いみたいだな」

それが幸いな事だった。

霊「神社は大丈夫だけど中が滅茶苦茶じゃない……はぁ」

M「自然災害だしな、仕方無いよ」

 

 

片付けをすること数十分。

魔「おーい霊夢ー」

霊「また面倒なのが面倒な時に……」

魔「遊びに来たせ……って何じゃこりゃ!?」

霊「見てわかるでしょ、忙しいのよ」

魔「いや、何があったんだぜ?」

霊「地震よ、貴女の家は大丈夫だったの?」

魔「地震?そんなの来てないぜ?」

霊「嘘よ、結構大きい地震だったわよ」

魔「もし私の家も地震の被害受けてたならこうして神社に遊びに行く暇なんて無いんだぜ」

M「……」

魔理沙の言う事は正しい。だが何だろう、この妙な違和感は。

魔「もしかしたらここだけ地震が起きてたりして」

霊「そんな地震ある訳無いでしょ」

 

いや、そのまさかかもしれなかったり。

M「霊夢、悪いけどちょっと出掛けてくる」

霊「え、ちょっと瑞生?」

彼は足早に去っていった。

霊「もう、こんな時に何処に行くのよ」

 

魔「私も帰るんだz」

ぜを言いたかったが、遅かった。

霊「ありがとう魔理沙、手伝ってくれるのね」

魔「ちょっと待て霊夢、その言葉はおかしい」

霊「流石は私の友達ね」

魔「いつもそんな扱いしてないくせに!」

霊「お茶位出すからつべこべ言わない!」

魔「理不尽だぁ……」

 

 

彼はちょっとと言ったが、以外にも本当にちょっとしたら帰ってきた。

M「ん、魔理沙」

魔「疲れるんだぜ……」

M「悪いな」

魔「まぁ、幾ら鬼巫女といえど」霊「何か言った!?」

魔「何でもないです!」

 

M「……」

苦笑いするしかない。

魔「親友、だからさ」

M「サンキューな。またいつかお礼はきっちりするから」

魔「え?あ、そうか///アハハハハ……」

霊「こんな時に何処行ってたのよ」

M「人里だよ」

霊「どうして?」

M「魔理沙の言ってた事を確認する為に」

魔「私の?」

M「どうやら正しいみたいだ。恐らくピンポイントでこの博麗神社だけ地震が起きてる」

霊「嘘……」

魔「マジかよ……」

M「人里は何も起きてないし、神社で地震が起きた事も知らないみたいだ、それに見てみろよ……空を」

 

2人とも空を見上げて驚いた。

まさしく緋色の雲、緋色の空だった。

霊「何よこれ……」

魔「地震の話もあるし」

 

ここだけ地震が起きるなんておかしな話だ。加えてずっと感じている違和感……これはもう確定してるんじゃね?

魔「異変か?」

M「だろうな」

霊「はぁ……もうイヤ」

 

紫「また随分と大変な事になったわね」

魔「うおっ」

M「紫」

気が付いたら隣に居ました。

紫「ここも大きく被害が出たけどもう既に幻想郷全体で自然災害が起きているわ」

M「と、言いますと?」

紫「妖怪の山では大きめの竜巻が出ているそうよ、それと魔法の森や花妖怪の住んでる辺りでは大雨と雷が。それだけじゃないわ……幻想郷の各地で被害が出ているの」

魔「そう言えば家を出る時に雨が少し降ってたな。これって結構ヤバい異変だったりする?」

霊「これほどの異変を引き起こすとなれば元凶の強さが伺えるわね」

紫「皆各地の対応で忙しくてとてもじゃないけど解決になんて行けないわ」

M「じゃあ動ける奴がやんないとな」

霊「行くわよ、神社をこんな事にした罪はしっかり(あがな)って貰うんだから」

魔「これ以上の放置は流石に危なそうだし」

紫「行きましょう、瑞生」

 

M「そうだな、ここで色々言っててもしょうがない。とりあえず動こう」

 

 

先程紫が言っていた通り異変の解決に向かえる人数はかなり少なめであり、紅魔館メンバーが動いてくれているそうだが基本的には皆自然災害の対応で忙しいのだろう。

 

 

宛も無く動く事数分後。

紫「待って、誰か来るわ」

霊「え?」

 

???「異変を止めに来たのですか」

紫「そうだけど、貴女は?」

永江(ながえ) 衣玖(いく)(以後衣玖)「私の名は永江 衣玖。皆さんに地震を伝えに来ました」

魔「地震だって!?」

霊「とか言っといて貴女が起こしたんでしょ!」

衣玖「え?いや、私は……」

紫「幻想郷を傷付けた事は許さないわ」

 

魔「なぁ瑞生、ちょっとヤバそうだぜ……」

M「あぁもう……!」

 

 

衣玖「何故……こんな事に!」

霊「行くわよ紫!」

紫「分かってるわよ!」

 

霊「この一撃で!」

紫「天地をも砕く!」

霊&紫「奥義!天衣無縫!」

 

巨大な弾幕同志が重なり合い更に巨大な一撃となり衣玖を襲う。

衣玖「くっ……雷符!ライトニングフィッシュ!」

スペルカードで応戦するが歯が立たない。

衣玖「強い……!」

 

魔「瑞生!やられちまうぜ!」

M「分かってる!ここは……出でよ!聖なる審判!アレクサンダー!!!」

 

衣玖「!?」

突如目の前に巨大な城壁が現れ2人の合体攻撃をかき消した。

霊「ちょっと瑞生!?」

紫(私と霊夢の攻撃をかき消した!?)

紫は別の事に驚いている模様。

M「お前ら落ち着けって言ってるだろ。この人は別にこの異変の主犯じゃ無い」

霊「え?」

M「お前ら怒りで完璧に我を忘れていただろ」

紫「じゃあ、何だって言うのよ」

M「それはちゃんと人の話を聞こうぜって事だ。衣玖さん、貴女は地震を伝えに来たと言ったが」

衣玖「はい、博麗神社に地震が起きたのは自然災害では無く異変です」

M「でしょうな、そんでこの異変の元凶も分かっているのか?」

衣玖「はい。ですから皆様に止めて欲しいのです」

紫「元凶を?」

衣玖「そうです」

霊「分かったわ、それで?何処にいるの?」

衣玖「遥か上空、雲海です」

紫「雲海……また遠いわね」

霊「それと、さっきはいきなり悪かったわ」

紫「私も、ごめんなさい」

衣玖「いえ、お気になさらず」

 

魔「じゃ、気を取り直して行くぜ!何処だっけ……」

M「雲海」

魔「そう、雲海!行くぜ!」

霊「もう……」

 

 

飛ぶ事また数分。

M「おや、あそこに居るのは……」

アリス「あっ魔理沙」

魔「アリス!何でこんな所に?」

霊「レミリア達まで居るのね」

レミ「私達はアリスに着いて来たのよ」

M「何でここが分かったんだ?」

アリス「ここまで天候を自由に操ってるから恐らく天人の仕業かと思ったのよ、だから天界に」

魔「流石はアリスだぜ」

 

そんな事を言っていると、衣玖がとんでもない事を口走った。

衣玖「急ぎましょう、後数時間後に再び地震が来ます。今度は幻想郷全体で」

紫「全体ですって!?」

霊「今度はどうなるか分からないわよ!」

M「なら尚更だな、飛ばしてくぞ!」

 

 

 

 

飛んで飛んで飛んで飛んで……回りはしないが、かなりの距離を飛び、遂に辿り着いた。

???「遅かったわね、待ちくたびれたわ」

M「やっぱりな、何となくこうなるだろうとは思ってたけど。また会うっていうのはこういう事だったんだな、

 

こんな再会は嬉しくないぜ……天子」

 

天子「私を止めに来てくれたんでしょ?瑞生」

M「何でこんな事を……幻想郷の全てを破壊したいのか!?」

天子「別に幻想郷とか地上がどうなろうと知らないわね。暇なだけよ」

M「暇?」

衣玖「総領娘様、流石にやり過ぎです」

天子「あら衣玖、どうして?」

衣玖「このままでは何もかも無くなってしまいます」

天子「だから言ったじゃない、どうでも良いって。私は天界での生活に飽き飽きしてきたの」

M「だからこの異変を起こし、止めに来る者と戦って暇つぶしってか」

天子「流石私が見込んだだけあるわね。正解よ」

M「天人のお嬢様から褒めて頂けるとは光栄だな。ただそんな大きな暇つぶしに巻き込まれている奴らを考えてやってくれよ」

天子「もう、何回言えば分かるのよ」

M「何回でも聞いて何回でも言ってやる。間違ってるってな」

天子「残念だけど聞けないわね。来るなら早く来て欲しいんだけど?

 

暇なのよ、私は」

 

その言葉が遂に瑞生を除くメンバー達の堪忍袋の緒を切れさせたのか、皆臨戦態勢を取った。

瑞生は至って普通そうに見えたが、皆を見てやがて剣を取った。

M「やっぱり……こうなるんだな」

天子「さぁ瑞生、そして周りも。

 

せいぜい私を楽しませて?」

 

 

その言葉と共に戦いの火蓋は再び切って落とされた。

 

♪BGM変更 ラスボス神社

M・M「ラスボスじゃないんだよなぁ……」

 

 

 

紫「瑞生、どうする?」

M「……分かると思うけど、滅茶苦茶強いぞ」

魔「何なんだぜ、この計り知れない程の力」

アリス「火、水、風、地……4つの力が合わさって凄い事になってるわ」

咲「あの異変を1人で起こしていたって事……?」

パチェ「そういう事になるわね。天候さえも本当に自由に操っているのね」

M「恐ろしいな……しかも加えてあの剣」

紫「どう考えてもただ物では無いわね」

 

M「俺がいつも通り前に出る。ただ中衛後衛からもバンバン弾幕頼むぜ」

 

どれだけ相手が強かろうと俺のやる事は変わらない。

M(前に出て皆の剣にも盾にもなるだけだ!)

 

 

 

思ってた通り、天子は強かった。いや、予想を遥かに上回る強さだった。

自分の剣を受けながら後ろからの弾幕を華麗に避け、華麗に斬っていく姿は敵ながらとても美しかった。

 

 

が、遂に戦局が大きく動いた。

 

 

天子「後ろの女達、やっぱり面倒ね」

M「は?」

天子「貴方との勝負に集中出来ないじゃない」

M「集中されたら俺は勝つ自信無いんですけど?」

天子「あら、やる前から弱気ね?」

M「ッツ……」

天子「てな訳で」

 

すると彼女は剣を大地に突き刺した。

M「何だ!?」

 

自分と天子を囲うように結界が現れた。

霊「ちょ……何これ!?」

フラン「全然破れない!」

パチェ「これはッ……重力領域(グラビティ・テリトリー)!?」

美「重力領域(グラビティ・テリトリー)?」

アリス「重力を操って一定の場所にだけ異次元を作り出す結界よ。相当強力で私達の攻撃じゃ……」

紫「瑞生!」

バンバンと外から紫が結界を叩いている。

 

M「凄い結界なんだな」

天子「私が作ったんだから当然よ」

M「ちょっと話して良いか?逃げたりなんかしないしさ」

天子「良いわよ」

 

逃げたり等は出来ないが。

 

 

M「紫、うるさいって」

紫「うるさいとは何よ!心配なのよ!?」

霊「大丈夫なの……?」

M「分からない」

レミ「分からないって……」

M「正直言ってまだ天子は遊んでる。全く力を出てない」

フラン「私達あんなに頑張ったのに!?」

M「やっぱり強いよ、彼女」

魔「瑞生……」

 

M「そうしんみりすんなって。大丈夫だからさ」

紫「勝機はあるの?」

M「さぁ、やってみなきゃ分からんってそれ1番言われてるからさ」

衣玖「随分適当ですね……」

M「大丈夫、ちゃんと考えてる。やるしかなければやるだけだ……勝つさ」

衣玖「瑞生さん、お願いします」

紫「無理しないでよ、お願いだから」

こくりと彼は頷いて、自分達に背を向けた。

 

 

 

M「ごめんごめん、待ったか」

天子「えぇ」

M「じゃあ、やろうか」

 

お互い再び剣を構えた。

 

 

♪BGM ハンターチャンス

 

 

 

M(あの剣……色んな属性の力を操りながら戦える特殊なモンだな。こっちも状況に応じて魔法剣を変えて)

天子「ていっ!」

 

この()剣を振るうと火やら風やら色々出るんですわ。何その楽しい設計。

M「ちょっと理不尽じゃない?」

 

 

 

天子「何で逃げるのよ!」

M「当たると痛いからだけど!?」

天子「逃げるんじゃないわよ!動くと当たらないでしょ!動くと当たらないでしょ!」

M(前にこんなやり取りあった様な……)

 

 

紫「知ってたけど、いつも通りね」

魔「滅茶苦茶逃げてるんだぜ」

霊「防戦一方ね……」

フラン「兄様……」

 

 

M「やっぱり安定した方法なんて存在しないか……多少博打でも仕方無い!」

双剣二刀流へウエポンシフト。

M「鬼神化!」

天子(雰囲気が変わった?)

 

M「……」

次の瞬間。

天子(速いッ!)

だがしっかりと受け止めた。

 

ギチギチと音を立て双剣と剣が鍔迫り合い、火花を散らした。

 

天子「速さは認めるけど、甘いわね」

M「それで良いさ」

天子「……?」

M「魔法剣ファイガ、サンダガ!」

天子「……ッ!」

意図に気付いたが遅かった。

M「爆発ッ!」

いつものコンボ。火力も高いし使いやすい。

 

 

天子「いいアイデアではあったし中々の威力なんじゃない?普通なら、ね」

M「やっぱりダメか……」

 

天子「次は私ね!死なないでよ?剣技!気炎万丈の剣!」

M「ふぉぉぉぉ」

華麗なる剣技を全力で受け止める。

天子「続いていくわよ!気性、勇気凛々の剣!」

M「今度は何だ!?」

 

彼女の振り下ろした剣から出る剣閃が弾幕へと変わった。

M「うおっと!アースシェイカー!」

拳を地面に叩き付け衝撃波を出し相手の弾幕を即座に潰す。

 

天子「やるわね!でもまだまだ!」

M「くっ……キリがねぇ!」

 

このままジリ貧になっても負けるのは自分だ。

M「一蹴する……ギガブレイク!」

天子「!」

驚きもしたが、簡単に剣で受け止めた。

M(おいおい……ギガブレイクあんな簡単に消されちゃ奥義の名が廃るぜ)

 

本当に強い。今までの相手とは比べ物にならない位に。

天子「……貴方、何か隠してるでしょ」

M「は?」

 

天子「つまらないのよ」

M「俺は結構必死なんですけど?」

天子「貴方本当に如月 瑞生?」

M「以外に誰が居るってんだ」

天子「噂では神殺しとでも呼ばれてる位だけど」

M「ンな異名欲しくねぇな」

天子「弱くは無いけど強くも無いわね。だから貴方本当は凄い力持ってたりしないの?」

M「……ハイハイ。どうせ俺はこうするしか勝てない事位分かってますよ」

 

紫「瑞生……やっぱり無理するんじゃないの」

霊「仕方無いわよ、相手が相手だもの」

 

 

M「ふぅ、しょうがない……神化(ゴットモード)!」

天子「!!」

 

 

また雰囲気が変わった。オーラも凄まじい。

 

天子「前言撤回してあげるわ、今度こそ楽しめそうね」

M「……行くぜ」

 

彼女の持つ剣の緋想の剣が強くもあり、彼女自体も天人と言う事で強いし、いかにもラスボス感漂わせてる強さではあるけども。

 

天子(何なのッ!?この強さッ)

やはり神化なら戦える。負けたりなんかしない。

 

剣と剣が鍔迫り合う度に地面が揺れる。風が巻き起こる。

M「はぁぁぁっ……チャージ、斬りだぁっ!!!」

 

シンプル且つ扱い易く強力なロクゼロ本編お馴染みのチャージ斬り。大きく地面を叩き付け沢山ものショックウェーブが天子を襲うが、

 

天子「あたしだって……負けられないのよぉっ!!!

落雷を剣に纏わせ衝撃波として出し、これを全て相殺する。

 

魔「今の技って……!」

紫「瑞生のね」

 

M「ギガブレイクか」

天子「貴方のとはいかなかったけど」

M「それだけ出来れば十分だ」

 

 

M(天子と天子の剣は俺の技1度見ただけで丸コピレベルが出来るというのか、増々チート地味てるな)

 

 

 

またお互い向き合い睨み合う。

随分激しい戦いにはなっているが今以上に中々戦局が大きく動かない。

M(さて、本気で決めに行くしかないか)

 

その時。

闇ゼロ(そうだ、忘れるなよ。時間制限(タイムリミット)はもう終わりに近い)

M(どういう事だ?)

闇ゼロ(あの衣玖という女が言っていただろう)

M(今俺が戦っているから天子は地震を起こせないんじゃないのか?)

闇ゼロ(違う。確かに引き起こす媒体となるのはあの娘だ、だが本当に引き起こすのはあの緋色の雲だ)

M(そうなのか……じゃあもう時間が無い!?)

闇ゼロ(そうだ。最悪の事態になってしまうぞ)

M(ッツ…………やるしかないか)

闇ゼロ(そういう事だ。やるしかないな)

 

天子「どうしたの?かかってきなさいよ」

M「……闇よ、我と共に歩め」

 

闇のオーラが瑞生を包み込んでいく。

天子「何!?」

こあ&美「!!!」

小悪魔と美鈴はいつぞやの()の気配を感じた。

 

が、あの時の黒色では無い。

紫「緑色……?」

いつもの赤色の鎧でも無い。神化時の白色でも無い。

そしてあの時の黒色でも無く、緑色の鎧を見に纏っていた。

 

白と黒。言うならば混沌(カオス)か。

 

M「こいつも実践で使うのは初めてか、相変わらず甘いヤツだな」

天子「何……何なの?」

M「天子とか言ったな、天人だろうと何だろうと知らねぇが調子こいてんじゃねぇぞ!」

そして突如突っ込んで来る彼に驚きながらも応戦する。

 

M「魂を喰う……ソウルイーター!」

天子「ッ……地符!不譲土壌の剣!」

 

M「やるじゃねえか……なら!

ごめんな……天子

セイントダイブ!」

 

間に少し聞こえた優しい声は何だったのだろう。

ジャンプからの唐突な急降下アタック。

 

天子「ぐあっ……」

遂に1発貰ってしまった。

 

M「こんなんで終わるなよ!ダークフレイム!」

だがダウンしている時間等与えられない。すぐ様に巨大な闇のエネルギー波がまるで柱の様になって襲い掛かって来ているからだ。

 

天子(攻撃が激し過ぎる……!)

何とか避け、反撃に転じる。

 

ん……?反撃?

 

天子(まさか、反撃とはね)

先程から良く考えてみれば最初の攻撃は何処へいったのか、コチラが防戦一方だった。

 

 

 

M(強いな、この力)

闇ゼロ(当たり前だ、お前の光、俺の闇とどちらも合わさった強力なスタイルだからな)

M(でももう結構キツいな)

闇ゼロ(キツいのは俺もだ、だがもう終わる。すぐに決めてやれば良い)

M(……ごめんな)

 

 

M「さて、反撃に転じようとしている所悪いが……終わりにさせてもらう」

天子「何ですって……?」

M「全てを……喰らい尽くすッ!!!」

 

そして彼と彼の右手は、悪魔へと変わった。

 

霊「あ……あ……」

魔「おい……あれって瑞生、だよな?」

霊夢と魔理沙以外にも皆恐怖を隠しきれない。

紫「…………」

紫には思わず目を覆いたくなる位の場面だったのか、無言になった。

 

レミ「何よ……あれ」

こあ「あれって……やっぱり」

美「あの時の瑞生だよ……」

フラン「いつの?」

パチェ「恐らく……前の紅魔館襲撃の時ね?」

こあ「はい……」

レミ「私達が眠っている間に何があったと言うのよ?」

美「突如瑞生が今みたいになって、全部終わらせました」

端的な説明だったが、それだけで十分だった。

 

 

M(あ~あ……やっぱりそうなるよな)

闇ゼロ(まぁこれを見て正常に居られる奴はそう居ないだろうな)

M(もう後戻りは出来ない、か)

闇ゼロ(……早く終わらせるぞ)

M(あぁ)

 

 

明らかに恐怖の表情になりながらもこちらに剣を向けて威風堂々と構える彼女は実に凄いと思った(小並感)

M・M「そして唐突なネタを入れる感じ、好きじゃないけど嫌いじゃないよ」

 

 

M(ハハハ……これじゃどっちが正義なんだか)

今は自分の方がよっぽどラスボス臭がする。

 

 

もう悲しくなってきたが、先程言った通りもう後戻りは出来ない。早く終わらせよう。

M「我が血をもって我が力となれ!」

 

次の瞬間にはもう目の前に来ていた。

天子「うッ……!?」

全く反応出来ない。正拳突きを入れられて吹き飛ぶ。

天子「い、たい……」

どうして?自分は天人だ。これ位の攻撃じゃ私の体は傷付けられない筈だ。

いや、傷付いてはいないが立ち上がれない。

 

 

今回の戦闘で初めて、いやどれくらいぶりだろうか。痛みという物を感じたのは。

M「どうだ?これは暗黒剣って言ってな、自らの生命力削る代わりに身体能力を強化する技だ」

まさかそんな危ない技まであったとは。

M「結構疲れるんだよ。だからもう、

終わりにしよう」

 

 

天子「ぐっ………がっ、あ」

 

首根っこをその悪魔の様な右手で掴まれる。

痛い。苦しい。それが良く分かる。

自分の命の危機が迫っている事も。

 

M「どうだ?苦しいか?でもこれはお前の無責任な行動で苦しんでいる人間達と同じ物だ」

天子「あやまる、から」

M「すいませんで済んだら警察いらんやろ」(唐突な関西弁)

その細い首や華奢な体つきとは裏腹に強く硬い。

 

M「落ちぶれても天人って訳か、面白い」

 

とは言え瑞生の凶悪なまでの力はそのバイタリティさえも殺してしまう。

天子「……」

遂に黙り込んでしまった。どう見ても表情も青白いし。

M「天人なんだからその程度で死なないよな?」

 

彼女を開放すると、力無く彼女は倒れこんだ。

 

戦いに夢中で誰も気が付いていなかったが、知らない内に重力領域は無くなっていた。

衣玖「総領娘様!」

 

衣玖が駆け寄って来る。彼の手も元に戻った。

M「安心しろ、死んじゃいない」

衣玖「確かに、止めて欲しいとは言いましたけど!これは流石に」

その続きを遮る様に、

M「やり過ぎってか?殺さなかっただけマシだと思えよ、もう一人の俺の意思が無ければ顔を潰すか首の骨を折っていた所だぞ?」

ALL「!!!」

全員その言葉には驚かざるをえなかった。まさかよりによって彼からそんな言葉が発されるなんて思いもしなかった。

衣玖「……貴方は、一体」

M「人でなしとでも思ってくれて構わないさ、俺は闇だからな……紫、幻想郷にある緋色の雲はどうなってる」

紫「……消えてるわ」

彼だけど彼じゃない存在。紫と言われてとてつもない違和感を感じた。

 

M「なら、目標達成(ミッションコンプリート)だな」

そう言って彼は黒色から元の赤色の鎧へと戻った。

 

M「……えっと、皆色々言いたい事あると思うけど今は聞かないでくれ。ちゃんと話すから」

 

とにかく、終わったのだ。

そして、幾つかの人間関係に終わりが来てしまう事も覚悟は出来ている。

 

でも、きっとこれで良かったのだと思う。

俺には、これ位しか出来ないから……。




M「俺結構やらかしてたな」
M・M「天子ちゃんごめんね、後にちゃんと和解するから皆様許して!」
闇ゼロ「もう許さねぇからなぁ?(テンプレ)」
M「おい闇ゼロ、中々に凄い事してんな」
M・M「そうだそうだ!この屑め!」
闇ゼロ「書いたのお前だろ?堕ちろ!」

M・MにあんこくがHit!9999ダメージ!

M・M「ヴォエ!」
闇ゼロ「堕ちたな(確認)」
M「作者はともかく闇の時といつもの時とのギャップが激し過ぎて辛いな」
闇ゼロ「これが俺だからな」
M「皆との関係が壊れなければ良いんだが……」
闇ゼロ「フラグっていう言葉があるからそういう発言はよした方が良いぜ」
M「そうしとくよ」

M・M「ちゃんと次の話で和解します!シリアスめなのは好きだけど好きじゃないの!」
闇ゼロ(何で生きてるんだ?)
M(リレイズでもかけてたんじゃない?)

終わります。


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-天子と和解 しかし残る影-

どうも。
なんか時間があったので話を忘れない内にパパパっとやって書きました。

東方緋想天編はおしまい。そして次回から瑞生の本格的な過去編が始まります。ようやく話も半分位に到達したでしょうか。
M「作者はホモじゃないが嘘つきだから気にするなよ」

酷いじゃないか瑞生くん、頑張って書きますよ。

では、どうぞ。


前回のあらすじ!

 

異変を引き起こした天子とそれなりのガチバトルを繰り広げた瑞生であったが、早々に終わらせる為に結局闇の力も借りて混沌の力を使い圧倒的な力で勝った。

だが皆の心に与えたダメージも大きかった……。

 

 

永琳亭にて。

 

M「天子は大丈夫なのか?」

永「えぇ。ボロボロだったけどもう治ってるわ、流石は天人と言った所かしら」

M「そう、か……」

永「随分と派手にやったわね」

M「起きたら、謝らないと」

永「やったのは貴方だけど、謝らないといけない理由は無いと思うわよ?」

M「何でだよ」

永「あの子の無責任でふざけた行動でどれだけの人が苦しんだと思ってるの?話によるとあの緋色の雲を消さなければ更に地震が起きていたそうね、そうなれば死人は免れなかったわよ」

M「……それでも」

永「貴方なりに考える事はあるだろうけど。一応貴方は正義ではあるのよ、やり方はともかくとして」

M「俺は……」

永「それより先に皆に話さないといけない事があるんじゃなくて?」

M「そう、だったな」

永「ちゃんと話して来なさい」

M「あぁ……」

 

 

 

 

博麗神社にて

あの場に居た皆が揃い、俺を見ている。

M「さて、何から話そうか」

紫「話すというより、聞かせて欲しいのよ」

M「そっちの方が良いな。話せるだけの事は話すから聞いてくれ」

 

あの力は何なのかだとかあの紅魔館の事件の真相だとか色々聞かれてちゃんと真実を話した。

 

紫「……貴方の話が本当なら、あの時の貴方との今の貴方は同じなのね?」

M「俺であって俺じゃない存在だな」

 

霊「じゃああの天子の時の言動も瑞生の何処かしら本心だって言うの!?」

 

皆黙り込んだ。

 

M「それが1番の話だな……どう説明すれば良いか」

レミ「イエスかノーかで言うと?」

M「皆にはごめんけど……イエスだ」

 

その言葉に皆動揺を抑えきれなかった。

 

M「気の弱いくせに闇が深い分俺はあんな事を考えてしまう屑みたいな人間なんだ。そしてそれを実際に実行へと移しているのがもう1人の俺。だから本心だ」

 

紫「瑞生……貴方はそんな人じゃ」

M「別にフォローしなくて良い、軽蔑したけりゃしてくれて構わない。いやむしろ軽蔑してくれ。俺は皆の思っている様な優しい人間なんかじゃ無いんだ」

 

 

自分は所詮悪と正義の間で揺れているどちらにもなれない、中途半端な存在という事なんだろう。

 

M「ごめんな、本当にごめん。皆にとって酷い事をしたと自覚しているからこうして謝りに来たんだ」

 

永琳亭を出た時もうこのまま消えてしまおうか、とでも思った位だった。

 

何も言わない皆を見て、

M「消えとくよ、どれ位か」

 

 

そう言って博麗神社を出ていった。

紫「瑞生!」

後を追って外へ出たが、

 

霊「まさか……本当に?」

紫「もう居なかったわ、気配も無い……」

魔「何と言うか……あぁもうこういうのは嫌いだぜ!」

 

美「瑞生なりのケジメの付け方なんだろうと思う」

フラン「兄様、戻って来るかな」

咲「きっと戻って来ます」

レミ「その内寂しくなって帰ってくるわよ」

パチェ「そんな子供じゃ無いと思うけど」

アリス「でも、しばらく消えとくって」

紫「しばらく、放っておいた方が良いわ」

 

紫の一言もあり、その場はそれで幕を閉じた。

 

 

 

場は再び永琳亭。

鈴仙「あぁ、瑞生さん」

永「あの子目覚めたわよ」

M「そうか、話してくる」

 

てゐ「やり返されても知らないよ?」

永「大丈夫よ」

 

 

 

天子「……」

M「よぉ」

天子「!?アンタは……」

M「怪我は大丈夫か、ってまぁ俺がやったんだけど」

天子「この程度、平気よ」

M「……悪かった」

天子「何故謝るの?異変を止めたんだから別に何も謝る事無いじゃない」

M「お前に過剰な傷付け方をした」

天子「そうね、痛みとか苦しみとかどれ位忘れていたか分からない程前の経験だったから確かに怖くもあったわね」

M「肉体的にも精神的にも、やってはいけない事をしてしまった事を謝っとく」

天子「別に良いわ。流石にもう懲りたし」

M「懲りた……?」

天子「まさか貴方があれ程までに強いとは思わなかったわ。私の、天人の身体に傷跡を付けたなんて余程の力が無いと不可能よ」

M「傷跡って、まさか」

天子「ここよ」

 

首元だった。絞首の後が残っていた。

 

やってしまっていた。女の子の首に跡を付けるなんて絶対やってはいけない事を。

 

天子「え?何で土下座してるのよ!?」

M「スマン、許して貰える様な事じゃ無いけどそれでもごめん」

天子「別にこの跡もすぐ無くなるわ」

M「……そうなのか?」

天子「一体貴方何者なの?前戦った時とは段違いね。前の貴方は何と言うか……失礼だけど乱暴な性格をしていたけど」

M「まぁ、それは色々あって」

天子「なら聞かないでおくわ」

M「助かるよ、いずれ話すから」

 

 

 

 

永「和解は出来たかしら?」

M「まぁ、とりあえずは」

輝「良かったわね」

M「天子、親に許可取ってしばらく幻想郷に居るって」

鈴「なら、また宴会しないとですね」

永「どれだけの事があっても宴で全て流す、その感じは良いわよね」

M「……そうだな」

 

 

 

永琳亭を出て。

M「さて、どうするかな……」

もうあの場所へは帰れない。かと言って地霊殿とかにお世話になる訳にもいかない。

 

自分でやった事を後悔している訳では無いがやりきれない心があるのも事実。

M「もういっその事、閻魔様にでも裁かれたいな……」

 

疲れが溜まっていたのか、川沿いの木にもたれ掛かりそのまま眠ってしまった。

 

 

 

???「あぁ……暇だなぁ」

ふあぁっ、と大きく欠伸をしてある女性は呟く。

???「まぁ、暇なのは平和って事だけどさ」

自分は暇でもあの人は多忙だろうが。

 

そこへやってくる1つの魂。

???「怒られそうだし真面目に仕事するかね」

 

ゆっくりと船を漕ぎ、閻魔様の元へと魂を誘う。

そしてまた戻り、また魂が来たら運ぶ。

???「それが私の仕事~って、うん?」

帰りの船にて。今一瞬左方に何か見えた様な。

 

???「行ってみようか」

 

 

???「わぉ」

そこに居たのは人間でした。プカーっと浮かんでる。

???「何で浮かんでるんだ?流されて来たのかな?」

疑問に思うが、とりあえず救出する事に。

 

???「ほぉ、こいつもしかして」

 

ここ地獄は当然ながら死人がやって来る場所ではあるが、やはりイレギュラーは存在する。

???「おっ生きてんじゃーん」

まだしっかりと肉体と魂があるからである。

 

 

しばらくして。

M「う~ん……4のジゴクホッケーは強いぞぉ……」

???「何言ってるんだ?ほら、起きろ」

ぺちぺちと顔を叩くと、

M「ん……」

 

起きた様だ。

 

M「あれ?ここは?」

???「やっと起きたかい」

目の前には青と白の良く分からないけどお洒落な服を来た美女が居た。しかも結構デカい(爆)

M「……貴女は?」

???「おぉ、男から貴女なんて呼ばれたのどれ位ぶりだ?て言うか呼ばれた事あったっけ?」

中々に愉快な女性である。

 

小野塚(おのづか) 小町(以後小町)「おっと話がズレたね。私の名前は小野塚 小町。死神さ」

M「死神!?って事は俺って……」

小町「そう思うだろうけど死んで無いよ、安心しな」

M「ん?ならどうして……」

聞いた所によると地獄にも稀に生きてる人間がやって来る事はあるとの事。そして自分は改めて地獄に居るという事を理解した。

小町「アンタ、流れて来たんだよ」

M「流れる?」

小町「私が船漕いでたらプカーって」

M「マジかよ……」

小町「記憶はあるかい?」

M「……あれ?はっきりと、思い出せない」

小町「ふむ、とりあえず四季様の所に行ってみようか」

M「四季様……」

小町「で、アンタの名前は?」

M「あ、俺は如月 瑞生」

小町「瑞生か。じゃあ行こう」

 

 

何と船を漕いだ瞬間に目の前に巨大な建物が現れた。

M「ワープか!?」

小町「私の能力だよ、距離を操る程度の能力」

M「へぇ……」

 

小町「ちょっと待ってて」

 

少し経つと、小町が戻って来た。

小町「もう少し待ってね、四季様が話聞いてくれるらしいから」

M「あぁ……」

ここに最初来た時は慌てていて記憶が飛んでいたが流石に全部思い出した。

 

なぜ死んでもいないのに地獄にやって来たのかは分からないが丁度良い、折角なんだからこの今抱いているやるせない気持ちを閻魔様にでも諭されたい気分なんだ。決してM発言じゃ無い。

 

 

小町「瑞生ー入って良いってさ」

 

中はいかにも閻魔様の仕事場という事で裁判所みたいな作りになっていた。

M「凄いな……」

???「貴方ですか、また珍しい存在が来たものですね」

M「えっーと……」

四季映(しきえいき)・ヤマザナドゥ(以後四季)「私は四季映・ヤマザナドゥ。現在閻魔をやっています」

M「噂には聞いていたけど本当に女性なんだな……」

 

主に紫から色々聞いてはいたけど。

四季「生きている人間がこの場所にやって来るのはおかしな事ですが、貴方はここ(地獄)にやってくる前に何をして今この場所に居るか分かりますか?」

M「うーんと、確か川沿いの木にもたれ掛かって眠ってて、ふとした衝動で川に落ちて小町の発言からして仰向けになってそのまま……」

四季「三途の川へと流されて来た?普通の川からそんな事はありえないのですが……でも死んで無いし」

小町「死んでもいないのに四季様の所にやって来るって事は余程説教されたいんじゃ?」

M「そうだった、実は色々ありまして」

四季「大丈夫、全て分かっています」

M「えっ」

四季「ここに来た以上、来た者の全ては私に伝わりますから」

そう言って恐らく俺の事が書かれているのであろう巻物を取り出した。

M「すげぇな」

四季「…………」

 

随分長く読んでいる。後ろから小町も覗いてるけど良いんだろうかアレ……。

四季「1つ質問。貴方は人間ですか?」

M「そうですけど」

小町「え!?普通の人間がこんなに寿命長い訳無いじゃん!生きてる年数も凄いし……」

四季「小町、彼の寿命はどれ位と?」

 

ごにょごにょと耳打ちしている模様。

四季「!!」

余程驚いてますけど、何なんですかねぇ……。

M(滅茶苦茶気になるんだけど……)

 

四季「確かに驚きですが、嘘は付いていません。彼は人間だそうです」

小町「本当に?」

四季「人間といっても、普通じゃない人間は幾らでも居ますよ」

小町「それもそっかぁ」

M「……」

四季「話が逸れましたね、貴方は随分と特殊な生き方をしてきた様ですね」

M「まぁ、言われてみれば」

 

決して普通とは言い難い人生を送って来たとは思う。

しかもまだまだ分からない事だらけ。

 

四季「そして、今はとても悩んでいる様ですね」

M「!!」

四季「勿論今までの異変の事も、今回の事も分かっています」

 

流石は閻魔様、これでは嘘の付きようが無い。

M「俺は……自分がどうあるべきかが分からないんです」

四季「貴方は今までの行動を後悔していますか?例えその行動が正義だとしても」

M「いつも、していると思います。もっと穏便に、もっと誰も傷付けずに終わらせる事が出来たのかもしれないって」

四季「今回の件でもそうでしたが言動や貴方に宿ってる闇とは裏腹に純粋な心をお持ちですね」

M「俺は……純粋なんかじゃ無い」

四季「純粋じゃ無ければそこまで自分について悩む事は無いと思いますが」

M「……人も殺した」

四季「あれは正当防衛と考えてもよろしいのでは?」

M(閻魔様がそんな事言って良いのか?)

 

四季「私は別に貴方を悪とは思いません。自分の正義に殉じて時に悪にもなり、時に光ともなり、貴方の優し過ぎる性格は結局はこれまで異変を起こしてきた者達の荒んだ心を変えてきたではありませんか」

 

M「それでも俺は、やっぱり誰かと居ると誰かを傷付けてしまう。自分のせいで誰かが傷付いてしまう位なら……最初から自分だけで良い。俺には仲間なんて……居ない方が良いんだ」

 

四季「そうですか。ならそれで良いと思います」

M「えっ?」

四季「それが貴方の意思なら誰も何も言わないでしょう。1人で生きたいなら生きれば良い。少なくとも貴方はそれが可能でしょうし」

M「……」

 

四季「1人で居たいなら最初からそうしていたら良かったじゃないですか、貴方は自分からあの幻想郷の人達の温もりを作っていった。なのに今更仲間なんていらない?そんな矛盾した言葉等聞きたくもありません。それでも話したいなら何処かへでも行って虚空にでも壁にでも話していて下さい」

M「……!」

 

ハンマーか何かで頭を強く殴られたかの様な衝撃があった。言い返したいのに何も言葉が出なかった。

流石は閻魔様、完璧に論破された。

 

四季「貴方は罪も何も無いので私が何処かへ送ったりは出来ませんが、今一度自分について考える為にも1人何処かへ旅立つのも良いかも知れないですね」

 

M「そう、します」

四季「自分についてきちんと答えが出たら、また来ると良いでしょう。とりあえず現代へ送ります」

 

 

次の瞬間、意識が突然途切れた。

 

 

 

 

M「………ん」

 

目が覚めると見覚えのある木々。どうやら魔法の森に送って貰ったらしい。

 

M「自分の気持ちを見つめ直す、か」

何をどうすれば良いのかは知らないが、とりあえず何かをしたい気分ではあった。

 

 

M「どうするかな……」

 

と、

リンリン

 

M「……鈴の音?」

 

自分は難聴か何かか?風の音に間違えたか?

 

リンリン

M「いや、やっぱり聞こえる」

方角は……何処だろう。

 

M(行ってみようか)

どうせ行く宛も無い、俗に言う自分探しの旅なのだから。

 

 

 

しばらくして。

M(何で……ここに辿り着くんだ?)

辿り着いたのは守矢神社。

リンリンとここから何かが鳴っている。

 

M(何が……あるってんだ?)

その時。

 

M「ッツ……!」

いつぞやの突如やって来る謎の睡魔。

M「おいおい……ここ賽銭箱前だぞ……」

 

バタッ

しかし抗う事も叶わず、倒れてしまった。

 

 

 

ここから再び、彼の過去への追憶の記憶を求めて旅が始まっていく。

 

 

次の日。

朝早く起きて神社を見た早苗はある事に気付く。

早苗「あれ……?」

賽銭箱の前に見覚えのある物が落ちていた。

早苗「これって……」

 

メガネだ。彼が本を読む時に付けていたお気に入りカラーの緑のメガネ。

早苗「どうして、これが?」

諏訪「早苗、どうしたの?」

神奈「何か変な物でも見つかったかい?」

早苗「これ、瑞生さんのメガネです」

神奈「瑞生の!?じゃあ昨日の夜にでも来てたっていうのかい?」

諏訪「その可能性が高いね。でもどうしてこんな所に落としているのか疑問だけど……」

 

 

博麗神社にて。

霊「…………」

彼が居なくなって早3日。

別に何も変わらず毎日が過ぎていく。

なのに。何かが違う。

霊(ある筈だった何かが、無い)

この虚無感は一体……?

霊「寂しいのね、私」

そしてもう1人にも話し掛ける。

 

霊「貴女もそうでしょ、紫」

紫「……」

やはり1番レベルで寂しいのは紫だろう。彼に対しての思いは人一倍強いから。

紫「瑞生、旅するとしてもいつもならちゃんと私にも話してくれるのよ」

霊「そうね」

紫「なのに何も話してくれなかった。それであって私が血眼になって探しているのに気配ひとつ追えない」

霊「本当に、何処に行ってるのかしら……」

 

 

そこへ。

天子「こんにちは」

霊&紫「!?」

まさかの来客に思わず驚きと戸惑いを隠さない2人。

天子「何よ、その顔は」

霊「……」

紫「貴女、よく私達の前に顔を出せたわね」

紫は険しい眼差しで言った。

天子「……悪かったわよ。こうして謝りに来たの」

霊「わざわざ謝りに?」

紫「どういう風の吹き回しかしら?」

天子「アイツにあんな風に謝られたら私が謝らない訳にはいかないでしょ」

 

永琳亭での事を話す。

 

天子「流石に身勝手過ぎる言動は天界でも咎められたわ」

霊「当たり前ね」

紫「瑞生が居なかったら謝りに来なかったとも言えるけど?」

天子「流石にそんな事無いわよ。こうして謝りに来てるじゃない」

霊「……別に私は幻想郷と神社が無事ならそれで良いわ。恨みとかそういうの面倒だし」

天子「宴会をして欲しいの。用意はこちらがするから」

霊「ちゃんと皆にも謝りたいって?」

天子「えぇ」

紫「嘘は付いて無いみたいね、まぁこの幻想郷の暗黙のルールって言うのもあるわ、個人的な恨みとかはこの際無しにしましょう」

 

天子「……ありがとう」

紫「あら貴女、感謝の言葉なんて言えたのね」

天子「アンタ、はっ飛ばすわよ」

紫「出来るものなら」

霊「喧嘩すなっ」

2人の頭に霊夢の茶飲み拳骨が走る。

 

紫「痛いわよ」

天子「何するのよ……ってそうじゃなかった、瑞生は何処にいるのよ」

 

霊「……」

紫「……貴女、知らないの?」

天子「何よ、何かあったの?」

 

霊夢達は事情を話す。

天子「要するに居なくなったって事?」

霊「そうよ」

紫「だから出来れば宴会はしたく無いわね」

天子「帰って来てからで良いわ。私も探す」

 

ちゃんと宴をする為に天子も、そして頼まれた衣玖も瑞生を探し始めるが、彼が見つかる事は無い。

 

何故なら彼は……

 

 

M「ここ……何処?」

また新たなる場面へと誘われていたからだった。




「だったら壁にでも話してろよ」

超有名なセリフですね。少し変えて四季様に言って貰いました。
瑞生の弱々しい場面が良く垣間見えたと思いますが、彼は何度でも悩みまくっていずれ答えを出せる時が来るのでしょうか。

過去へ飛んで更なる物語の続きへ……。
皆様楽しいゴールデンウィークをお過ごし下さい。


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-過去編 諏訪子と神奈子-

どうも。

最近夜更かししまくって毎日電車に乗るのがギリギリになってしまっているM・Mです。
M「アホだろ」

瑞生くんうるさいです。

再び過去編。瑞生と諏訪子&神奈子の出会いが描かれます。

では、どうぞ。


前回のあらすじ。

 

ちょっと皆とすれ違っていてもたってもいられなかった瑞生は何故か地獄へご招待されてしまう。

そこで四季様に自分の気持ちを暴露するも必殺はい論破されてしまい精神的にボロボロになってしまう。

その後現代へ戻して貰った瑞生であったが謎の音に導かれ守矢神社へと赴く。しかしその場で謎の場所へと飛ばされてしまう……。

M・M「いつものご都合主義……普通だな!」

 

 

 

 

なぞのばしょにて。

M・M「何でひらがな?あぁあれか、ポケモンのダイヤモンド&パールの有名なバグやね?」

 

ほんへ。

M「ここは……何処だ?」

ある日~目覚めたら~深い~森の中~。

俺って良く森の中に落とされるよね。

 

だが現代と空気が違う事が一瞬で分かった。

だが覚えの無い空気では無い。

M「過去、か」

また過去に飛ばされたらしい。

 

 

M「過去と言っても永琳達と居た頃では無いらしいな」

いつまでも自然が続く事からして全く開拓が進んでいないという事。つまりかなり古代であるという証拠である。

 

M「弥生とか……その辺ですかねぇ」

だとしても村1つ位あってもよろしくてよ?

 

 

小一時間後。

ひたすら森を歩いていた俺は、

M「お腹空いた……喉乾いた……」

完璧に遭難者になっていった。

 

M「あぁぁぁもうやだぁぁぁ!!!」

 

Q飛べばいいじゃん

M「何故か知らないけど飛べないんだよォォォ」

 

Qうるさい

M「すみませんでした……」

 

Qひでしね

M「それは別の所で、どうぞ」

 

 

 

 

ゼェゼェ言いながらも歩く事2時間。

M「ん!あれは!」

大きくは無いが村を発見!

M「イクゾォォォ↑」

※テンション崩壊済み

 

 

♪BGM 街の賑わい

M「はぁ~生き返るわぁ~」

 

ただのお水がこんなに美味しかった事あったっけ?

 

M「いやぁ助かった。本当にありがとう」

村人A「いえいえ」

 

 

 

M「変な事聞くけど、今は何年なんだ?」

村人B「年?年って何だ?」

M「ファッ!?」

 

それ程までに昔だというのか。

M「あぁいや、何でもない……それより、この世界に大きな国はあるかね?」

 

村人C「それなら向こうの方に洩矢の王国と呼ばれる所があるぜ」

M「洩矢……」

何処かで聞いた事あるような……。

村人C「どうしたんだ?」

M「いや、大丈夫。ありがとう」

 

とりあえず言ってみない事には何も始まらない。

M「行ってみるか……」

また長旅になりそうだ。

 

 

1日後。

先程にもあったが何故かゼロにはなれるが飛んだりが出来ないので歩いて丸一日掛かった。

 

M「これですか……」

確かに今まで見てきた村達とは比べ物にならない大きさである。

M「これなら王国と言われても納得だな」

 

 

中にも簡単に入れたし、至る所で旅人や商人が沢山居てとても賑わっている。

 

M「良いなぁ、いかにも国って感じ」

 

 

瑞生が観光(?)を楽しんでいる一方こちら現代。

 

守矢神社にて。

神奈「やっぱりそうだよ」

諏訪「うーん……」

早苗「どうしたんですか?」

諏訪「今更になって考えてみたんだけどさ」

早苗「はい」

諏訪「私達昔に瑞生と会ってるような気がする」

早苗「えぇぇぇ!?昔って、お二人が戦争していた時の話ですか!?」

諏訪「そうそう」

早苗「瑞生さんそんな前から生きてるんですか……何だか貫禄ある感じはしますけど」

諏訪「……ある?」

神奈「多分無い気がする」

早苗「そうですか?」

諏訪「でも覚えてないんだよねぇ……何しろ1000年以上前だし」

神奈「ちょっと!それ言ったら私達の歳がバレちゃうだろ!」

諏訪「あっ……」

口を塞ぐが時すでに遅し。

早苗「ふふふ……」

そんな一時。

 

 

 

場面は瑞生へと戻って。

M「洩矢って……諏訪子の事だよな?」

目の前に見えるのは大きな建物。恐らく位が上の者が住んでいるのだろう。

そんな事を考えていると……

兵士A「お、おぉこれは瑞生殿ではないですか!」

M「ファッ!?何だ!?」

兵士B「帰って来ていたのですか、良かった」

M「……」

 

前の過去でも幽々子の屋敷に行ったが既に知り合いだったみたいだから今回も多分そうなのだろう。

まぁそちらの方が都合が良いが。

 

兵士A「諏訪子様が寂しがっておられますよ」

M「え、あぁ……」

 

 

 

 

諏訪「あっ!」

M「久しぶり」

今と全く変わってないなこの神様。現代でもちょっとロリ感出してるけど何歳なんだ?

とりあえずここは話を合わせて。

 

諏訪「帰って来てたんだね」

M「さっきな」

 

確か本による知識と俺自身の記憶からすると……

M(確か諏訪子はミシャ……ミシャクジだっけ、そんな祟り神をコントロール出来るから皆の指導者として国を治めているんだったか)

※ミシャグジです

 

M(そしてまだ神奈子とは戦争を起こしていない。今はそれの少し前位か)

 

後に諏訪大戦と呼ばれる諏訪子VS神奈子、と言うより普通に神々の戦いが起きるのだが、まだそのときでは無いらしい。

 

M(俺はこの出来事に関わっているのか?)

全くそんな記憶は無いし諏訪子達も覚えていないのだろう。

 

この時代の俺は諏訪子とはどういった関係なのだろう?

諏訪「瑞生、随分長旅だったけど大丈夫だったの?」

M「へ?」

諏訪「最近強力な妖怪が増えてきたから退治しに1人で行っちゃったのは瑞生だよ?」

M「あぁ、色々大変でさ」

諏訪「まぁ、無事に帰って来たなら良しとする」

M「はいはい」

 

その後も話を聞いてみたがどうやらこの時代の俺は傭兵らしい。諏訪子に腕を買われて国に出る妖怪を退治する役目だったみたいだけど、自然と諏訪子とも仲が良くなったみたいだ。

 

M(と、言う事は俺はやっぱり諏訪子とも知り合いだったんだな)

神奈子とはどうか分からないけど、何となく彼女とも知り合いの可能性が高い。

 

諏訪「瑞生が居なくて退屈だったよ」

M「寂しかったか?」

諏訪「そんなんじゃ……///」

照れてる照れてる。可愛えぇなオイ。

 

それはともかく。

諏訪「瑞生、またしばらくここに居る?それともまた旅にでも出るの?」

M「え、あ……どうしようか」

 

ここだろうか、運命の岐路というのは。

M(もしかしたら……正史なら俺はここで旅に出るのかもしれない)

そして旅に出てすぐに諏訪大戦が起きた。

俺が関係したら歴史が変わってしまうのだろうか?

M(いや……例えそうだとしても正史通りに俺も降伏すれば歴史は変わらないだろう)

 

細かい事はしょうがない。

 

M「いや、まだしばらく居るよ」

諏訪「そっか」

とても嬉しそうである。

 

 

 

諏訪子の国でのんびり楽しく暮らす事数日。

数日経ったが現代世界ではどれ位時が過ぎているのかどうか疑問に思うが、前の幽々子の時と同じっぽいからそこまで気にしなくても良いだろう。

 

それよりも、運命の時はやって来る。

諏訪「瑞生!」

ある時突然諏訪子から呼び出され駆け付けてみれば緊急事態のご様子。

M「どうした?」

諏訪「かなり大変な事になったよ。戦争になるかもしれない」

M「……詳しく教えてくれ」

 

まぁ案の定古事記にもあった「国譲り」と言われる出来事だ。天津神達に仕えている神奈子がここで登場して諏訪の地を併呑させようと侵略してきたのだった。

 

正史ならこの戦争で諏訪子は負け、神奈子に王国を受け渡すのだが……。

M(ナメクジ……じゃなくてミジャグジ様だったっけ?の影響から国を治めることが難しかったから全部は諦めて表は神奈子で裏で政治をしていたのは結局諏訪子になるんだったかな……?)

※ミシャグジです(2回目)

 

M「どうするつもりなんだ?」

諏訪「国を治める身として、迎え撃つしか無いでしょ。戦いたくは無いけどね」

M「なら、俺も協力しよう」

諏訪「戦ってくれる?」

M「あぁ」

 

まぁ、多少位は暴れても大丈夫だろう。

 

 

 

 

で、いざ戦争になったら分かるけどまぁ兵力の差が凄い。諏訪子が戦いたく無いって言ってたのも分かる。

 

こちらは向こうと比べ武器が鉄製で強いが、そんな事がどうでも良いレベルの兵力差があった。

 

M(俺も面倒だけど鉄製の武器で戦うかな)

 

鉄だのうんぬんかんぬん言ってる中でビームサーベルなんて出て来たら歴史変わっちまうよ。

 

そこで気が付いた。空が飛べなかったのはこの時まだ俺が飛ぶ術を身に付けていなかったからで、この場で飛べたら俺自身の歴史が狂ってしまうからなのだろう。

 

大剣と槍を貰って俺も戦争に参加する。味方の士気からしてまぁ残念ながら勝ち戦で無い事は皆も良く分かっているのだろうけど。

 

圧倒的な戦力の差がありながらも、戦が始まった。

M「そんじゃあ、行きますか」

 

 

戦ってみれば分かるけど、当時鉄製の武器はとても強かったみたいだ。相手の剣を叩き割れるし鎧さえもスパスパ切っていく。まぁ俺は全部峰打ちだけどね。

 

M(誰かを殺してしまうのもまた歴史が変わる一因となってしまうからな)

 

皆が苦戦している中、何だかんだ1人無双はしていたと思う。

 

~敵陣~

兵士A「神奈子様」

神奈「どうした?」

兵士A「相手の主力の大体を壊滅させました。我が軍の勝利も近いです」

神奈「そうか、早く終われば良いけどね」

 

そこへ、

兵士B「神奈子!大変です!」

神奈「何があった!」

兵士B「主力と北軍は何とも無いのですが、何故か南軍だけ壊滅レベルに追い込まれています!」

神奈「壊滅!?」

 

主力は落ちそうなのに何故南の方だけ強いのか。

神奈「強者が居そうだね……私が出るよ」

兵士B「了解しました、お気を付けて!」

 

 

 

 

南方。主力じゃ無いのにコチラ側の主力並の戦力があるってどういう事だ。

まぁコチラの主力が落ちそうだと言っていたので俺がこっちでどうしようと結果は変わらないだろう。その為に主力に行く事を避けたんだ。

 

 

M「ふぅ……さぁさぁお次お次」

 

兵士C「ば、化け物だぁ……」

M「化け物ってそりゃ無いだろ!もう許さねぇからなぁ?秘奥義!スパイラル……ヘイル!!!」

 

槍をブンブン回して竜巻を起こす槍の秘奥義だ。

死なない程度に敵を蹴散らしていると、

 

神奈「へぇ、相手にもやっぱり豪将ってのは居たんだね」

M「かなkゲフンゲフン……誰だ?」

神奈「私の名は八坂 神奈子。神様よ」

M「わざわざ神様が出て来るなんてねぇ」

神奈「主力はもう落ちるわ、無駄な抵抗はよして」

M「そうか、ならそうするよ」

神奈「!?」

M「でも、折角なら戦ってくれよ……神様!」

神奈「言うじゃないか人間……行くよ!」

 

相手が神奈子ならゼロを使っても良いだろう、どうせもう戦には負けるという事実(・・・・・・・・)は変わらないから。

 

神奈「後悔しても遅いわよ!サイクロン!」

M「ロックオン!天空ゥゥゥ剣!!!」

 

ここはどっかのロボットの技を使って竜巻をたたっ斬る。

神奈「!?」

流石にかなり驚いている様だ。

M「そっちこそ後悔しても遅いぜ!出でよ!レム、アスカ!頼むぜ……セイクリッドシャイン!」

 

この世界でも契約した力は使っても大丈夫らしい。相変わらず魔力はポンコツだから召喚獣を呼んでマナを得て、そして術を放つ事が出来る。魔力さえあればそんな面倒な事しなくても良いんですけどね、疲れるし。

 

神奈「ッツ……天竜、雨の源水!」

 

これに対し強力なスペカで迎撃。

 

M「おい、こっちは2体も召喚したんだぞ!何でスペカ1枚で軽く相殺されてんの!?」

 

これが力の差か。

 

M「ならばやはり剣で!」

剣で斬りかかるも神奈子は何と注連縄(しめなわ)で受け止める。

神奈「やらせ、ないわよっ!」

M「んなっ……へぶしっ!」

受け止められ、形が変わった縄に顔面殴られた。

 

M「痛いんだよォ……何で剣が注連縄に負けるんですか(憤怒)」

 

ちゃんと戦ったら相当強いんだろうな、良く見たら神奈子ってかなりの重装備だし。

 

M「なら!」

 

俺氏?歳、重装備(フルアーマー)には重装備(フルアーマー)で抵抗するで。

 

と言っても神化するだけですけどね。

 

 

神奈「!?次から次へと……面倒だよ!吹き荒れろ怒涛の暴風!テンペスト!!!」

 

サイクロンよりも威力も範囲も上の奥義だ。

M「なんてこった……」

 

これ斬る事出来るの?(斬る前提がまず間違い)

M「シルフ!グリムシルフィ!!!」

流石に諦めて風には風で対抗。

神奈「その程度で!」

M「ふおぉぉぉぉ」

 

バシュンッ!

 

押し切られそうだったが何とか相殺出来た。

M「ハァ、ハァ、死ぬかと思った……」

神奈「やるね……」

 

 

お互い再び向き直すが。

神奈「残念だけど時間切れだよ」

M「……そうみたいだな」

 

諏訪子の主力が降伏したらしい。

神奈「楽しかったよ。まさかここまでやれる相手が居るなんてね。何か訳分からない変身するしでっかい化身みたいなの出すしさ」

M「……」

時間の問題もあり、勝敗は付かなかった。

だが彼女は全く力を出していなかった事は明らかだし、遥か昔でも流石は神様だ。

 

 

M(諏訪子の所に戻るか……)

 

まぁ歴史通り、諏訪子は神奈子に国を受け渡すのだったが……

諏訪「瑞生、ごめんね」

M「しょうがないだろ。気にするな」

諏訪「いや、巻き込んじゃったから」

M「これは俺の意志さ」

神奈「成程、何かあるとは思ったけど王様の側近みたいなものだったのね」

M「いや、俺は諏訪子に雇われた身でもあり友人だ」

神奈「友人はともかく、傭兵って事は金さえ払えばこちら側にも来るって事なの?」

 

その質問には諏訪子も気になるのかこちらを不安そうに見つめていた。

 

M「個人的に戦う時点で傭兵じゃ無いか。俺は俺自身の意志で戦うよ、いつだって」

 

諏訪「瑞生ならそう言うと思ってたよ」

神奈「面白いわね貴方。戦った時から普通じゃないとは思ってたけれど」

M「そういう貴女こそ戦闘中とはえらい口遣いの違いですな」

神奈「何の事かしら。それより貴方の名前、聞いてなかったわね……前にも名乗ったけど私は八坂 神奈子」

M「俺は如月 瑞生。宜しくな」

 

 

その後も歴史通り。

諏訪子はご隠居生活に入るつもりだったがミシャグジ(※3度目の正直)様の事が忘れられない国民をまとめる事が出来ず結局諏訪子に政治を任せる事になった。

 

 

そして、時は過ぎ……。

諏訪「世の中サイエンス、だね」

M「科学の発展は良い事だけど」

神奈「信仰が集まらない……!」

 

科学が進歩し神様への信仰が得られなくなった神奈子はこの事態を危うんでいた。

 

諏訪「そんな深刻にならなくても」

神奈「私達は信仰が得られなくったら力を失ってしまうんだよ!?」

諏訪「そんなすぐじゃないよ」

神奈「それでも!それに力を失って更にずっと何も無ければ、いつかは……」

 

そして何かを思い耽るように神奈子は去って行った。

 

M「神様って大変だな」

諏訪「そうなんだよね、こればっかりは」

 

 

後日。

神奈「決めた。こうなったら賭けに出るよ」

諏訪「賭け?」

神奈「この場に居てもしょうがない。だから神社ごと異世界にでも飛ばそうと思う」

諏訪「えぇ!?そんな事したら今までの信仰が消えちゃうよ?」

神奈「確かにそうだけど、このままでもいつか消えちゃうんだ、だったら消えゆく過去の物よりも信仰が得られる未来を信じてみたい」

諏訪「うーん、言いたい事は分かるけど……」

神奈「すぐに決行するよ!準備はしといて」

諏訪「えぇ~」

 

 

その夜。

隣に居る彼を見て、諏訪子はふと思った。

 

行くのなら、彼も一緒に……。

M「どうしたんだ?」

不思議そうに自分の顔を覗き込む彼。

 

諏訪「ねぇ瑞生、話したい事があるの」

M(来たか)「あれか、異世界にでも行っちゃうとかそんな所だな」

諏訪「!?」

あの話は絶対秘密だ。誰かに聞かれたとも思えない。

諏訪「どうして、知ってるの……?」

M「さぁ、それはごめんけど言えない」

未来から来ましたなんて言える筈が無い。

 

M「ここじゃ信仰が集まらないから異世界にでも行けば何とかなるかもしれないって神奈子が言ったんだろ」

 

所詮彼には何もかもお見通しと言った所か。

 

諏訪「うん。だから、その……瑞生も来る?」

M「……嬉しいお願いだけど、俺は行けない」

諏訪「どうして?

M「もう、多分終わるからさ」

諏訪「終わる?何が?」

彼が何を言っているのか分からない。

 

M「色々あったけど楽しかったよ、諏訪子。あっちでも(・・・・・)元気でな」

諏訪「え?」

 

月明かりの下、彼はそんな事を言った。

 

M「大丈夫、いつか会えるさ」

諏訪「異世界だよ!?会える訳が無いよ……」

M「だったら世界斬り開いてでも会いに行くよ。

 

未来の俺は、きっと」

 

諏訪「未来?未来ってどういう事?」

M「まぁまぁ、細かい事は気にするなよ。じゃあまたな」

諏訪「ねぇ瑞生ってば!ちょっと!」

 

そうして彼は視界から消えた。気配までも。

 

 

 

神奈「どうしたの?何か大声出してたけど」

諏訪「瑞生が、消えちゃった」

神奈「消えた……確かに、気配も何も感じないね」

諏訪「瑞生にね、着いてくるかって話したんだけど……良く分からない言葉残して行っちゃった」

神奈「何て?」

諏訪「未来にまた会いに行くよって」

神奈「……そんな気がする。何となく瑞生とはまた会えそうな感じしない?私達が今辺りの記憶が少し曖昧になった時位にひょっこり出て来そう」

諏訪「そうかな、だったらまた会えるよね」

神奈「うん」

 

 

 

 

 

M「歴史通りだな」

これで2人は神社ごと幻想郷に向かうんだ、早苗を連れて。

 

俺が何故過去に飛ばされたのか結局分からずじまいだったけど。

M(まぁアイツらと実は知り合いだった事が分かったな、何となくあの2人とは何かしらあるだろうとは思ってたけど)

 

これからもこんな風に過去に飛ばされて過去の自分を知る事で何か分かる事があるのだろうか。そして自分の中に渦巻いているモヤモヤが取れる時は来るのだろうか。

 

 

意識が消えるまで、そんな事を考えていた。

 

 




M「神奈子様の口調変わり過ぎィ!」
M・M「まぁまぁ色々あるって事で」
M「清楚系だと思ったら大阪のおばちゃんみたいな感じにもなってオラオラ系もいける……すげぇな神奈子様」

神奈「誰がおばちゃんだって?」
M「ヒェッ」
神奈「殺られたいかい?」
M「すいません許して下さい何でもはしないけど何かはするから許して!」
神奈「じゃあとりあえずぅ、犬の真似するんだよ。ヨツンヴァインになるんだよ、あくしろよ」

M・M「この流れはあっ……(察し)」

茶番は終わり。
次回は現代に戻ります。皆と仲直り出来るのか。


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-皆との和解 仲直りを含めた宴会-

どうも。
新しいゲームや学校の色々で金がデデドン!(絶望)レベルに無いM・Mです。
M「そんな作者に良いバイトを紹介してやるよ、何と貰える額は30分で、5万!」

茶番は無視して。
何とか皆から怒られて何とか和解します。天子との会話も神様2人との会話の中で瑞生は何を思うのか。
瑞生の性格崩壊してます。

では、どうぞ。


前回の過去編でまた1つ記憶が戻ったのは良いとして、結局皆との(わだかま)りは解けないまま現代へと戻ってしまう瑞生であったが、果たして……。

 

現代、守矢神社にて。

???「……さん、瑞生さん!」

???「何でこんな所に寝てるんだろう?」

???「一応博麗神社に連絡は入れといたよ」

 

M「んぅ……」

???「あっ、起きたみたいですよ!」

 

M「いつつつつ……あれ?ここは?俺は誰だ?」

早苗「え!?嘘、記憶喪失!?!?」

諏訪「瑞生、真顔でボケちゃ駄目だよ」

神奈「早苗が混乱してるじゃないか」

M「バレたか」

早苗「滅茶苦茶心配したじゃないですか……」

M「ごめんごめん」

 

 

その後紫と霊夢がすっ飛んで来て守矢神社にてお話(O☆HA☆NA☆SHI)をする事に。

 

 

M「かくかくしかじかうんぬんかんぬん」

M・M「適当過ぎィ!」

 

過去に行ってましたなんて流石に言えないので伏せておく。ただ地獄に行った事は話す事にした。

 

霊「地獄に!?死んでも無いのに行く事なんてあるの?」

諏訪「やっぱりイレギュラーってのは存在するよ」

神奈「まぁ瑞生はイレギュラー中のイレギュラーだと思うけど」

早苗「地獄で説教されたんですか?」

M「ん、まぁ、そうだな……」

四季様の言葉を思い出し胸が痛くなる。

 

そしてここからは皆の説教タイム。

 

紫「予想もしない事で地獄に誘われたとはいえども勝手過ぎる行動は許されないわね」

霊「私達がどれだけ心配して探し回ったと思ってるの!」

M「ごめん……」

こればっかりは一切言い訳が出来ない。

 

紫「幾ら境界開いても居ない訳ね……地獄に行ってただなんて思いもしなかったわ」

早苗「私も勿論、諏訪子様や神奈子様も。そして文さんまでもが探し回ったんですよ!なのに見つからないからもしかしたら危ない目に遭ってるんじゃないかって紅魔館や地霊殿の皆さんも、妖夢さん達も他にも沢山……」

紫「あの天子までもが天界の方を探してくれていたのよ、貴方を心配してね」

 

M「……」

要は俺の知っている殆どの人が俺の事を探してくれていたのか。

あんな酷い事を言って皆の言葉も聞かずに去って行ったこんな最低な奴の事を心配してくれていたのか。

 

M「その、ごめん。確かに皆の事何一つ考えて無い身勝手過ぎる行動だった」

 

むしろあの時俺はこんな風に怒られたかったんだろうな。後悔してももう遅いが、あの時自分から悪い展開へと持っていったのは俺だった。

彼女達の温もりにすっかり依存してしまっていたのか、ここまでも胸がギスギス痛む事になるとは思わなかったな。

 

M(全くもって四季様の言う通りだったな)

あの人は本当に凄い人だ、と思った。

 

 

紫「けれど、私達も悪かったの」

M「は?」

そんな事は全く無いと思うのだが。

紫「私達は確かに貴方の言動に驚きと戸惑いを抑えられなかった。それは私達が貴方にこういう人だっていうレッテルを貼り付けていたから」

M「えぇ……いやぁ、そうなの?」

霊「私達の方こそ、瑞生の事を全く考えてなかったのよ。私達が瑞生らしさっていうのを殺してしまっていたの……ごめんなさい」

 

M(ンな事、考えてたのか……?)

考え過ぎだろう、と思ったが結局あの時の言動は皆からとって「俺らしくない」という事だった。

俺は俺の意志で戦ってるつもりでも、結局は何かしらの「自分が何とかしないといけない」思いに縛られていたのかもしれないし、そうだとしたらそこに俺の意志等存在しない。

 

M(やっぱりいつもそうだ)

結局いつも1番弱いのは俺だった。

 

自分の虚しさに、思わず涙が出てしまった。

 

ALL「!!!」(泣いた!?)

黙り込んで涙を流した彼を見てその場の全員はとんでもない罪悪感を背負ってしまった。とは言っても彼の涙は初めて見たのかもしれない……いや、間違いなく彼が皆の前で泣く事など初の事だった。

 

M「ありがとう。こんな俺を心配してくれてちゃんと怒ってくれて」

 

そして何故か礼を言われた事で更に皆の困惑は加速していく。

 

M「俺さ、今だから暴露しちゃうけど泣き虫なんだよな。気が弱いのも重なって本当は些細な事ですぐ泣いちゃうんだよ……勿論皆から責められたから泣いたとかじゃ無いんだ、本気で皆が俺の事考えてくれたのが嬉しくてさ」

 

思わず全員口が開いたまま塞がらない状態からしばらく戻れなかった。

彼の切実な思いを暴露されて何というか言葉に表せない感情がその場を包み込んでいた。

 

 

 

その場はそこで解散となり、霊夢と紫にいい子いい子されながら帰っていく彼を見て、

早苗「瑞生さんって、何だか可愛いですね」

諏訪「可愛い……ってのは置いといて、とんでもなく珍しい場面が垣間見えたね」

神奈「瑞生って意外と甘えん坊なんだね。しかも何と普段はやっぱりおどおどしい性格ときた」

早苗「何でしょうか……この感じは」

諏訪「分かるようで……分からない。でも今本当に無性に瑞生の頭ナデナデしてあげたい!」

神奈「分かった!この感覚は!」

 

早苗も諏訪子も気付く。

早苗&諏訪&神奈「「「母性だ!!!」」」

 

彼はどうやらココロウィンドウが不安になると性格が弱気になりクールで実は熱血系→母性を感じさせる子犬系になると皆の中で定着してしまったらしい。

 

M・M「ロックマンエグゼにスパロボかな?」

 

後日。

瑞生がちゃんと帰って来たという事でようやく天子の言っていた宴会が行われる事になった。

 

この前の話は皆の前で大暴露され散々ネタにされて皆からとても暖かい視線を感じてしまいまた泣きそうになりそれを更にネタにされる無限の悲しみの螺旋(インフィニット・ソロー・スパイラル)が引き起こされていた。

 

M・M「クッソ中二っぽいww」

 

 

皆のまるで泣く子をあやす様な言動に耐えられなくなって思わず飛び出してしまった。

 

M「なぜ、こんな事に……」

まぁ自分が悪いのだが、ここまでやらなくても良いじゃないか。うぅ、また涙が……

 

天子「貴方って、私の想像と全く違う人だったのね」

M「!?」

天子「何よ、そんな驚かなくても良いじゃない」

M「あ、いや、ごめん」

天子「膝枕してナデナデしてあげようか?」

M「もうそうやってからかうのは止めてくれ……本当に心病みそうになるから」

天子「あら、ごめんなさい」

 

 

 

M「良かったな、皆と和解出来て」

天子「べ、別に、しなくたって良かったのよ!?」

 

前から思ってたがこの娘はやはりツンデレか。

 

M「友人が沢山出来て嬉しいだろ?衣玖も微笑ましそうに見てたぞ」

天子「///」

 

ふいっと顔を背けてしまった。

 

M「悪いな、俺のせいで宴会が遅れてしまって」

天子「……話なら聞いたわ、別に貴方が悪い訳じゃ無いわ。私がむしろ貴方に謝らきゃいけないのに」

M「別に良いよ。ただ、お前が最初に言ってた通り、連想出来ないだろ。戦ってる時の俺と今の俺を見てさ」

天子「本当にね。今の貴方からしてそんな気の弱い性格だなんて思いもしないわ」

M「ごもっともで……」

天子「でも、何となく安心した。私と戦った時の様な性格だったらどうしようかと思ったわ」

M「それは……まぁ」

天子「実は泣き虫で甘えん坊なんてね、ぷぷっ……」

M「流石に怒るぞ……」

天子「悪かったわよ、でも別に怒らなくても良いじゃない。それも貴方らしさって事なのだから」

M「ん、俺らしさ……か」

 

天子「これからも宜しく頼むわよ、瑞生」

M「おう、宜しく」

 

 

まだまだ宴会は続く。俺も何か少し吹っ切れた感じがあるから今日は楽しむとしよう。

 

 

魔「おっ、帰って来た」

霊「何処行ってたのよ、いきなり出て行かなくても良いじゃない」

M「出て行かせたのはどいつ等だと思ってる」

慧「まぁまぁ、落ち着くんだ瑞生」

かく言う先生も皆に混じってたじゃないか。

 

紫「あら、お帰りなさい」

この場で皆にバラした張本人。

 

文「あや、帰って来ていましたか」

ついでに記事にした奴。

 

M「…………ハァ」

とりあえず深くため息をついた。

 

 

そしていつも通り皆から酒を全力で勧められ全力で拒否していると、

 

さなえ(よっぱらい)があらわれた!

コマンド?

さなえ(よっぱらい)のせんせいこうげき!

早苗「み~ずきさ~ん」

M「うぐっ!?」

 

 

何故かお腹にタックル。しかもラグビー選手もビックリの強力さ。

 

M(こ、こいつ……酔ってやがる!)

早苗は酒にまだ強くないと神様2人が言っていたが、呑んだのか呑まされたのか。

 

早苗「皆しゃんばっかりズルいでしゅ!わひゃしにも瑞生しゃんを愛でさせてくだひゃい!」

M「ファッ!?」

 

そのまま強力な力で自分の胸に俺の頭を埋めさせた。

M「ふぐっ!」

早苗さんこの体勢は……まずいですよ!

 

早苗「瑞生ひゃん、よしよしよしよし」

そりゃ普段から見て分かるけどやっぱり早苗って大きいんだな(爆)

 

それよりこの状況の方がまずいですよ!

見えないけど後ろからドス黒いオーラがいくつも感じる!危険を察知!(ヒノノニトン感)

M・M「ニュータイプかな?」

 

でも早苗さんその異常なまでの腕力はどうなってるんですか?全く抵抗出来ないんですが。

早苗の胸で息が出来ない。

 

諏訪「早苗、瑞生が死んじゃうよ」

神奈「もう大分顔が青白くなってるけどね」

早苗「嫌でしゅー!死なないでくだひゃい!」

この子酔いながら天然ボケしてやがる。やべぇよやべぇよ……

 

 

その後解放して貰ったのは良いのだが凄まじい視線が俺に集まっている。ちょっと待って?何これ?俺悪くないよね?

早苗は後ろですやすや寝てるし。

 

M「何か知らんけど……ごめんって」

今までの経験上、ここは謝っておいた方が良い。

 

 

楽しかった宴会もお終い。皆それぞれの場へと帰って行ったが、俺は寝ている早苗を運ぶ為守矢神社へ行っていた。

 

 

M「全く、あの場は何で俺が悪いみたくなってんだよ……」

諏訪「災難だねぇ」

神奈「同情はしてあげるよ」

M「諏訪子、神奈子か……」

 

ふと、色々あったなと記憶が頭によぎる。

諏訪「どうしたの?」

神奈「そんな私達の顔覗き込んでも何も無いよ」

M「あぁいや、何でもない」

 

 

諏訪「ねぇ、瑞生」

M「何だ?」

神奈「私達と瑞生ってさ、実は昔に会ってたりしない?」

M「……」

これは言うべきだろうか。別に言ってもマズイ事は無いし大丈夫だろうと思うけど。

 

M「答えを言うなら……イエスではあるけど」

諏訪「やっぱり……何となくそんな気がしたんだ」

神奈「あれかな、会っていたとなるとやはりあの時代(・・・・)か?」

あの時代というとは諏訪大戦で間違いないだろう。

M「あぁ」

 

俺の事をもしかしたら知り合いだったかもしれないと感じてくれただけでも嬉しいものだ。あれから一体どれ程の時間が経ったのか分からない、けれど彼女達は俺の事をほんの少しだけでも覚えていたのかもしれない。

 

M「俺の事、覚えてたんだ?」

諏訪「ずっと昔に、いつも私の為に色々頑張ってくれていた人が居たような気がして。瑞生を初めて見た時に感じた懐かしさはそういう事だったんだね」

神奈「そんな事感じていたの?まぁ私も何となく瑞生とは知らない人の様な気がしなかったのは事実だけどね」

 

M「それだけでも俺は嬉しいよ」

諏訪「瑞生は覚えてたんだね、そんな昔の事」

M「ん、いや、まぁな」

過去見てきたからね。流石に覚えてるって。

神奈「昔の私達と瑞生の事、教えてよ」

M「じゃあ、ちょっとした話でも」

 

 

その晩は語り明かした。昔の3人の様に笑い合って、ちょっとタブーな事に触れて2人に怒られたりもして。

 

 

後日より、守矢神社からメンバーからの好感度が激増したのを瑞生は知らない。

 

 

 

 

あれからというものの結構な頻度で天子が遊びに来ていた。そしてある日の事。

 

人里にて

天子「……うん?」

 

ポツリポツリと雨が降って来た。

天子「降りそうね」

 

先に屋根がある場所で雨宿りには成功したものの、結構降ってきた為に困っていた。

天子「面倒ね……」

この雨を止めてしまおうかとも思ったが、

M「止めとけ」

天子「あら、瑞生じゃない」

M「こんな所で何やってんだ?」

天子「雨宿りよ。見て分からない?」

M「そんな事は分かってる。何で人里なんかに居るんだって話」

天子「色々あって楽しいもの」

M「ふーん……」

表情からして、嘘では無いらしい。

 

M「でも雨を止めたりなんかしたら自然のバランスって物が崩れるから駄目だぞ」

天子「分かってるわよ、それ位」

M「なら良いさ。ほれ、俺の傘貸してやるから博麗神社まで行くぞ」

天子「瑞生は?濡れるわよ?」

M「ふふーん、俺のこの服はフードがあるのだ」

天子「……なら、貸して貰うわ。ありがとう」

M「ん」

 

 

帰ろうと思ったが、

M「あ、でも悪ぃ。ちょっとだけ買い物あるんだった」

天子「えぇ……」

M「団子でも奢るからさ」

天子「しょうがないわね」

 

 

1人で団子をもぐもぐ食べていると、彼が帰って来た。

M「悪い悪い、おまたせ」

天子「良いわよ。ちょうど食べ終わったし」

M「じゃ、行くか」

 

 

帰りにて、のんびりお話しながら帰っていた。

天子「ところで瑞生は何で人里に居たの?」

M「俺は仕事だが?」

天子「仕事してるの?」

M「そりゃ博麗神社に居候の身だからな。寺子屋で教師してるんだ」

天子「へぇ……教師か」

M「ついでに里の困り事を色々解決してる」

天子「何でも屋ね」

彼はかなり頑張っている様で、里の人からの信頼も厚いらしい。

天子(何というか本当に真面目ね)

まぁそこが彼の長所でもあるだろうけど。

 

 

 

 

博麗神社。

雨を見ながらお茶をすする霊夢であったが、見覚えのあるいつもの傘を見えて、

霊(帰って来たわね)

と思うが、

階段を登ってきた人物はスカートを穿いておりどう考えても瑞生じゃない。

霊(誰?)

が、後ろからフードを被っているが姿からして一瞬で分かったが瑞生も階段を登りきった。

 

M「ただいま」

霊「……拾って来たの?」

天子「拾って来たって何よ!そこら辺の子犬みたいな扱い止めてくれる?」

M「人里で雨宿りしてたからさ」

霊「だから自分の傘貸してあげてまで一緒に帰って来るなんて本当にお人好しね、瑞生は」

M「……そんなんじゃない」

ふいと顔を背けて彼は自分の部屋に入って行った。

 

霊「まぁ、雨が止むまで居ると良いわ」

天子「そうさせて貰うわ、ありがとう」

 

 

霊「普通にいい子よね、彼女」

M「素直になれないだけで本当は優しいって衣玖も言ってたからな」

まぁ一応霊夢よりは年上だけどな。

 

その後は3人雨が止むまで、途中で紫が乱入して来て。この2人は妙に反りが合わないのか、

紫「いーだ」

天子「ふんっ」

M「喧嘩すんなよ……」

 

まぁ4人で仲良く話していたとは思う。

 

M「……ん、気が付けば雨が止んでるぞ」

天子「本当ね、じゃあお暇するわ」

M「また来るといいぜ」

紫「別に来なくて良いわよ」

天子「何か言ったかしらぁ?」

紫「気のせいじゃない?」

M「オイ紫」

霊「変な茶番繰り広げてるんじゃ無いわよ」

 

天子「全く……まぁ良いわ。とりあえず瑞生今日はありがとう。楽しかったわよ……デート」

M「ぶっ!」

お茶を思わず吹き出してしまった。

天子「じゃ~ね♪」

M「おい待て天子、その発言は語弊って物が……」

 

話を聞かずに行ってしまった。

 

霊「瑞生?どういう事?」

紫「とりあえずゆっくりお話しましょうか(暗黒嘲笑)」

 

 

M(……詰んだな)

とりあえず今から襲い掛かるO☆HA☆NA☆SHIをどうにかしないと俺に明日は無いらしい。

 

 

 

慧「なになに、昨日の夜に博麗神社から謎の叫び声が?不審者かもしれないな……」

妹紅(瑞生だろうね……)

 

ちゃんちゃん。




M・M「ぶっはww瑞生くん泣き虫とかwwマジウケるんですけどwwこれはTwitter行きだなww」
M「殺されてぇかお前?しかもお前FacebookもTwitterもした事ない非現代民の癖に生意気だぞ」
M・M「ちょww俺のポンコツさがバレるじゃんアゼルバイジャン」
M「そんな事周知の上だってそれ一番言われてるから。それと何かムカつくからやっぱり始末しとくか」
M・M「ちょっと待って?暴力反対やめちくり~お慈悲^〜」
M「前にも聞いたフレーズだな……だが断る!作者はドMらしく水攻めとかでジワジワ始末してやるからよォ……」
M・M「コイツ知らん内に闇ゼロ発動させてない!?」

天子「作者……墓は作っといてあげるわ。それと既に作者は黒縁の車に連れてかれちゃったから私が次回予告。次回はまた新編という事で今回はそれ以上のネタバレは止めておくわね。長い後書きでごめんなさいって後で生きてたら作者に言わせるから次回も読んでみてね」

天子が去って……

諏訪「折角だから私達も次回予告しちゃおっか」
神奈「良いね、次回は東方花映塚編!また随分オリジナル要素てんこ盛りだけど許してね」
早苗「さっき天子さんがネタバレ止めておくって言ったばかりなのにダメじゃないですか~」
神奈「細かい事気にしちゃダメだぞ早苗っ」


M「はぃぃ、長くてごめんなしゃい……終わります」


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-東方花映塚 光と闇の遺産-

どうも。少し遅れてセンセンシャル!
M「おい、もうこれ原作ブレイク甚だしいぞ。最早原型とどめて無いし」

まぁまぁ多少はね?
M「多少じゃないから言ってんの」

まぁ甚だしい原作無視はすいません許して下さい、何でもしますから!(テンプレ)

M「ん?今なんd(ry」

サブタイトルであっ……(察し)となったら握手しましょう。

では、どうぞ。


前回、何とか皆と仲直りは出来たが瑞生の性格が少なからずぶっ壊れてました。

M「おい前回ラスト」

M・M「ネタバレ駄目って言ったのにあの神様達は……これもうわかんねぇな」

M「ネタバレしちゃったならしょうがない。それよりほんへ行くぞ」

M・M「あいよ。という事で前回言ってた通りオリジナル要素が甚だしい東方花映塚編はい、よーいスタート(棒)」

M「(原作と全く違うので読者においゴルァって言われる恐怖は)もう始まってる!」

 

 

風見 幽香。花妖怪とも呼ばれ彼女の花畑はとても広く一面綺麗な花で埋め尽くされている。

大人しそうに見えて実は超強くて超好戦的な女性だったりする。

幽香「誰が野蛮で好戦的ですって?私はいつでも大人しいじゃない!」

M・M「ヒェー野蛮とか言ってないし怖いって!おばさんゲフンゲフンお姉さん許して!」

幽香「おば↑さん↓ですってェ?ふざけてんじゃないわよ貴方お姉さんでしょ!?」

M・M「おばさんやめちくり~(煽り)」

幽香「フラワーシューティング!!!」

M・M「あぁぁぁもうやだあぁぁぁ」

 

 

M「ん……今何か悲鳴聞こえなかったか?」

霊「聞こなかったわよ?」

M「遂に俺も難聴か……」

紫「以外と年齢気にするのね?」

M「そりゃ当然」

おじさんとか言われたら流石に怒っちゃうぞ♪

 

いつもの3人で喋っていた。

そこへ、

 

M「おや、幽香さんじゃないですか」

幽香「ごきげんよう」

霊「珍しいわね」

幽香「ちょっと瑞生借りていい?」

M「俺は物じゃ無いからな?」

霊「良いけど安くは無いわよ」

M「良いの!?しかも金なの!?」

紫「世の中所詮これよ」

指で¥マーク作る紫様。

 

幽香「瑞生、完全に霊夢の犬になってるわね」

M「止めて!金払わなくて良いから!何かあるなら手伝うから!」

霊「ダメよ瑞生、それじゃあギブアンドテイクになってないわ」

M「だから俺は物じゃ無いってそれ一番言われてるから。それで、幽香はどうしたんだ?」

幽香「ちょっとまた花の話」

M「ん。じゃあ行こうか」

幽香「待って。ねぇ、私ってそんなに老けて見える?おばさんっぽい?」

M「はぁ?いや、別にそんな事は無いと思うけど。それに幽香がおばさんなら……」

紫「そこでどうして私を見るのかしら?瑞生?ちょっとコチラにいらっしゃい?」

M「やべっ……先行っとく!」

幽香「あ、ちょっと瑞生」

 

紫「ふふふ……帰って来たらどうしてあげましょうかねぇ、楽しみだわ」

霊(瑞生……)

彼に明日はあるのか。

M・M「ないです」

 

紫「まぁそれはともかく。貴女が人から見た目を気にするなんてね」

幽香「瑞生には悪いけど人間カウントはして無いわ。実際戦っては無いけど瑞生の強さは例の事件で皆から嫌という程聞かされたから」

霊「でも本当に意外。人間からどう見られようとどうでも良いと思ってるんじゃ無かったの?」

幽香「だから……瑞生はそういうカウントじゃ無いの。彼は……その……///」

霊「特別なのね」

幽香「違うわよ、そういうのじゃなくて///」

 

紫(霊夢……絶対からかってるわね)

幽香「あーっもう知らないわよ!じゃあまた!」

 

紫「挨拶していく所がまた律儀ねぇ」

霊「またライバルがどんどん増えるわねぇ、紫」

紫「///」

ぷいっと顔を背ける彼女が可愛らしく思える。

霊(私も……頑張らないとね)

 

 

M・M「(少女(?)達の静かなる戦いもいつの間にか)もう始まってる!」

 

 

幽香家にて。

M「花々の様子が変?」

幽香「何というか……その、花から何か取り憑いたかなの様に何か聞こえるのよ」

M「ポルターガイストかよ……怖っ」

幽香「何か異変事だったら面倒だから貴方に見て貰おうと思ったのよ」

M「成程。じゃあ早速拝見致しましょうかね」

 

 

相変わらずの美しい花畑である。

M「いやぁまさしく隠された絶景ですな」

幽香「それはどうも。今は特に異常は見られないけど、どう?何か見える?」

M「いや全く」

幽香「そう……」

M「あれかな、夜にならないと顕著には現れなかったりするのかも」

幽香「じゃあまた夜に来てくれる?」

M「おう。何だか密会のお約束みたいだな」

幽香「ッツ///!!!」

幽香の必殺、照れ隠し鉄拳!99999ダメージ!(限界突破(リミットブレイク)

M「おぐふっ……!!!」

 

 

※結局夜まで目覚めませんでした

 

M「ハッ……ここは?」

見覚えのある部屋。

幽香「目が覚めたのね」

M「幽香……何で俺寝てたんだ?」

幽香「え?あ、その、眠り粉を出す花があってそれにやられたのよ」

M「そっか、迷惑掛けてごめんな」

幽香「えぇ、大丈夫よ」(皆言ってたけど本当にちょろいわね……大丈夫かしら)

M「結局夜になったからまぁ良いか。早速見てみましょうかね」

 

 

夜の花畑というのも幻想的で素晴らしい。

M「うーん、良きかな」

 

が、

???「痛い……」

???「何で俺が……俺は悪くないのに」

M「!?」

幽香「こんなのが毎晩聞こえるのよ?」

M「これは大変だな」

 

???「死にたくない……」

???「アイツも道連れにしてやる!」

 

聞いていてもまぁ何とも気が滅入る話ばかり。

M「コイツ等……もしかしなくても、死人?」

幽香「何で死人が花に宿っているのよ」

M「それは分からない。ただそうだとすれば原因は地獄かな?」

幽香「面倒ね」

M「まぁ、皆に話してどうするか明日考えよう。これは間違い無く異変だろうし……悪いけど今日は我慢してくれ」

幽香「大丈夫よ」

M「もし嫌だったら神社の俺の部屋貸すからさ」

幽香「分かったわ……って何言ってるのよ///」

M「あぁそうか、流石に男の部屋は嫌か」

幽香「いや、そういう事じゃ無くて……あぁもう大丈夫だから」

M「そっか。じゃあまた明日」

 

 

 

幽香「全く……」

彼は天然だろうか。いや、天然だろう。

 

彼には退屈させられない。一緒に居ても楽しい人物だ。だが気になるのは何故か彼と居ると無性に彼をいじめたくなる。とってもいじめたくなる。

こんなにもSの気が騒ぐ事は今まであっただろうか?いや、無い。

 

幽香「何なのかしら……この高揚感……!」

 

1人で騒ぐゆうかりんでした。

 

 

次の日。

とりあえず昨日の出来事を。

M「……っていう訳でして」

霊「これは地獄に直談判しにいくしか無いわね」

M「直談判って……無理だろ」

紫「私をお忘れなく」

M「おぉ、流石紫」

紫「もっと褒めても良いのよ?」

霊「調子に乗るなッ」

紫「ちょ、お祓い棒は痛いって!」

 

M(……昨日のはあくまで異変の兆しの1つに過ぎなかったか)

実は言うと今日になって幻想郷の至る所に花が咲き本来この季節に咲く筈のない花も咲いていた。

 

何も無いように思えるが意外と影響は大きく、虫が大量発生したりと面倒事が起きていた。

 

この事態を解決する為にも地獄へ向かおう。

M(案外すぐに行く事になったな)

また一波乱ありそうだ。

 

紫は境界を開いてくれるが行かないらしい。

が、何人かが協力に来てくれた。

瑞生、霊夢、魔理沙で行くのであったがそこへ異変を見に来たレミリア達から咲夜が手伝ってくれるらしい。

 

永琳亭からは鈴仙が。てゐ達兎が妙に騒ぎ出した為である。

後は異変を見て我が愛弟子妖夢が。それと何故かチルノが着いて来た。

咲「お嬢様が今回の異変を見てこいとの事で」

鈴仙「うちの兎達が騒がしいんですよ、もしかしたら花の影響かと思って」

チルノ「だってあたい妖精だよ?花の隣に居るから何か大変な事になってるなって」

妖「瑞生さん、手伝います」

 

M「皆サンキューな。じゃあ、行くか」

紫「気を付けてよ」

M「分かってるって」

 

 

再びやって来ました地獄。相変わらず楽しくは無い場所である。

 

地獄に着いたのは良いものの。

M「何処に行けば良いんだ?」

前みたく小町が連れて行ってくれる訳でも無い。

霊「とにかく、進むしか無いわね」

魔「進むんだぜ」

妖「ちょっと待って下さい、咲夜さんが居ません!」

鈴仙「本当だ、来る時にはぐれちゃったのかな」

M「探すのは困難だな……」

霊「咲夜なら大丈夫でしょ。先に進んでるわ」

魔「きっと最終的に合流出来るんだぜ」

M「しょうがない、俺達も進もう」

 

途中襲い掛かってくるのは悪霊達。こういうのが幻想郷に流出したのだろうか。

 

M「妖夢!」

妖「行けます!」

 

M&妖「瞬間響き合い、心交わる!衝破十文字!!!」

一気に近付き、交差する様に2人で斬り裂く。

 

M「続いてチルノ!アレやるぞ!」

チルノ「アレってどれ!?」

M「インブレスエンド!」

チルノ「あぁアレね!分かった!」

 

M「行くぞ!燃え盛れ、紅蓮の炎!」

チルノ「今楽にしてやる……なんちゃって!」

M「決めるぞ!秘奥義!」

M&チルノ「インブレスエンド!!!」

 

瑞生が炎で攻撃し、相反する氷の力でチルノが攻撃する合体秘奥義である。

 

2つの技で、見事敵は殲滅した。

 

M「Foo↑」

妖「決まりましたね」

チルノ「あたいも褒めて褒めてー」

 

皆とこうして2人技や3人技やらゲームみたいな事が出来る様になったのは皆との友情の証っスよ。

 

 

その調子でしばらく進んだが、未だに何も見えない。

M「ふぅ、何も無いな……」

チルノ「疲れた……」

鈴仙「ちょっと、休みましょうか」

霊「そうね」

 

M(ナズーリンにでも協力を求めれば良かったな……他にも色々)

後は椛とか。

 

俺の能力は普段は何も意味が無いからなぁ。能力もう1つ欲しかったとか言ってみる。

 

そんな事を嘆いてもしょうがない、今は頑張って進むしか無いのだから。

 

 

M「さて、そろそろ行きますかね」

霊「ねぇ、ずっと言いたかったんだけど」

M「どうした?」

霊「私達飛べるじゃない。場所が何処か分かるんじゃないの?」

魔「それが出来てるならもうやってるんだぜ……無理だった」

鈴仙「周りの山や地形が酷すぎて全く分からなかったです、飛べる高さにも限界はありますから」

霊「そっか……」

チルノ「ならいっそ地形を破壊しながら進めば早いと思う!」

霊「閻魔に何言われても知らないわよ」

チルノ「ヒエッ……」

M「……まぁ、その必要も無くなったみたいだ」

妖「どういう事ですか?」

M「耳を澄ましてみろよ」

 

言われた通り皆耳を澄ますと、

チルノ「ん?何か音するよ?」

妖「誰か……戦ってる?」

魔「あっちだぜ!」

 

音が聞こえた場所では、前に俺を救出して四季様の場所へと送り届けてくれた小野塚 小町が戦闘中であった。

M「やっぱり小町か」

岩場に隠れて様子を見る。

 

鈴仙「別に助太刀する必要は無いみたいですね」

たった今、小町が最後の悪霊を倒した所だった。

 

M「やりますねぇ」

 

小町「ふぅ、疲れた疲れた……そこに居るのは誰だい?」

妖「気付かれてましたね」

小町「出ないなら……コチラから行くよ!」

魔「え!?ちょっと、何か来るんだぜ!?」

M「あわわわわ」

 

小町「銭投げっ!」

M「キャッチ!」

 

Get!120ギル(いらない)

勿論返すよ?

 

M「落ち着け小町、俺だ俺」

小町「瑞生!?現代に帰ったんじゃ無かったのかい?今度はマジもんの地獄行き?」

M「そんな速いスピードで地獄に行く様な事はしてません」

霊「瑞生、知り合い?」

M「彼女は小町。俺が地獄に行った時にお世話になったんだ」

小町「私は小野塚 小町。とりあえず死神やってまーす、宜しく」

 

軽く自己紹介も済んだ所で、

M「小町、一体どうなってるんだ?」

小町「私も分からないよ、ボーッとしてて気が付いたら周りが霊で溢れかえっててさ」

 

M(ボーッとしてたのか)

霊(サボってたのね……)

妖(死神がそれで良いんでしょうか……)

 

各自思う事はあるけども。

 

小町「四季様も超忙しくて私も各地に出没している霊達を成仏させないといけなくて」

M「成程、やはり地獄で何かあったんだな」

小町「地上に影響が出てる事は知ってるけど……私達は私達で手一杯なんだよ」

霊「一体何が原因だっていうのよ」

小町「私も詳しくは……四季様は知ってるみたいだったけど、忙しくて教えてくれなかったよ」

M「小町、忙しい所すまないが」

小町「分かってるよ、四季様の所に行くんだよね。送るよ」

M「助かるよ」

 

 

距離を操るってイマイチピンと来ないけど送って貰うと良く分かる。中々面白い能力だ。

 

再び小町に送ってもらい四季様の居る是非曲直庁(ぜひきょくちょくちょう)にやって来た瑞生達。

 

四季「成程、それで私の元を訪ねて来たと。まぁ確かに原因はここにあると言うのも事実ですね」

霊「じゃあ閻魔である貴女が悪いんじゃない」

魔「そーだそーだ」

M「ちょ……お前ら止めとけって!」

四季「……ブチッ」

M「あっ……(察し)」

四季「時に博麗の巫女、貴女こそぐうたらして異変の時にしか動いてないみたいですね。最近は妖怪退治さえも瑞生にお任せしている」

霊「なっ……」

鈴仙「瑞生さん、そうなんですか?」

M「いや、まぁ、そうだけど」

四季「加えて白黒の魔法使い、貴女も先日彼に実験を手伝って貰うついでに掃除までやってもらったそうではないですか。更に貴女の下着を見られて彼を理不尽に吹き飛ばしたそうですね」

魔「ぶふっ……何故それを!」

妖「瑞生さん、災難でしたね」

M「魔理沙よ、俺だから無事で済んでるんだぞ?普通なら大ケガしてるからな?」

魔「わ、悪かったって///」

チルノ「閻魔様こわい……何でも知ってる」

M「ハハ、ハハハハ……(苦笑い)」

 

四季「全く……まぁそれは置いといて、皆さんが来る前に1人先客が来ていますよ」

M「先客……まさか」

 

咲「皆、はぐれて悪かったわね」

霊「咲夜、無事だったのね」

咲「と言うより私はここに着いたのよ」

魔「はぁーまた何とも偶然」

妖「むしろ良かった、1人で山奥とかに行かなくて良かったですね」

咲「えぇ、皆と合流出来て良かったわ」

 

皆集合した所で。

M「さっき四季様、原因がここにあるのも事実って言ってたけど。何があったんですかね?」

四季「……良いでしょう、折角ここまでやって来たのなら教えましょう。別の話になりますが、川が氾濫したり虫が大量発生したりするのにも周期という物が存在します」

M「成程、つまり今回の幽霊の大量の増加も周期だと言う事か」

四季「そうです。60年に1度の周期で瑞生の言った通り幽霊が大量に増加し、三途の川に溢れかえった為に死神の許容量を超えてしまったのです」

 

その言葉に瑞生は少し考えて、

 

M「そして溢れかえった幽霊達は花に憑依して、幻想郷で花が咲き乱れるという事になったんだな。自然と共に生きている動物達はそれで騒いでいたし、自然その物である妖精達は違和感を叫んでいた訳だ」

 

四季「ご明察です。自然災害、とは言いませんがこれもまた逃れられぬ出来事なのです」

チルノ「逃れられぬカルマ……」ボソッ

M(チルノ……?)

霊「まぁ、それならしょうがないのね」

魔「疑って悪かったぜ」

咲「貴女達は少し落ち着きなさい」

四季「大丈夫です」

鈴仙「でも……60年に1度と言う事は今までにも沢山あった訳ですよね?」

四季「はい……そして今回はその中でもかなり酷いようです。死神達も私もフルで働いていますが一向に幽霊達が減らないのです」

妖「……それは、何かイレギュラーがあるという事でしょうか」

半妖である妖夢は顔を(しか)めた。

 

四季「私もその線を疑っています。小町達が頑張ってくれていますが幽霊達は減るどころか増えていくばかり。これは地上に更なる影響をもたらしてしまいます」

M「それはヤバいな。早いとこ何とかしないと」

四季「ですが先程から何度も言ってる様に私はここを離れる事も不可能ですし、死神達も忙しくてそれどころじゃ無いでしょう」

チルノ「じゃあ、あたい達の出番って事だね!」

四季「原因を探っては貰えないでしょうか」

霊「閻魔の頼みとなれば逆らえないわね」

四季「別に閻魔だから等と変に思わないで下さい。私もこの世界が大事なのです」

魔「じゃあ、早速行くんだぜ」

咲「時間は待ってくれないわ」

鈴仙「時は金なり、よね」

妖「瑞生さん」

 

M「あぁ、行こう」

 

 

 

って言ったものの。

M「どうすればいいんだ?」

霊「何も分からないわよね……」

魔「せめて何か情報があれば良いんだけどな」

妖「幽霊達を倒しても減らないって事はもしかすると成仏されていないという事でしょうか」

鈴仙「でも妖夢、斬ったら普通成仏出来るでしょ?そういう感じにならないの?」

妖「普通は出来るよ。普通(・・)なら、ね」

M「イレギュラーは幾らでも居るさ。そういう幽霊達を操る何者かが居ると考えるのが妥当だな」

咲「と言っても私達じゃどうにも……」

 

うーんと再び考える一行。だが、意外な人物の発言が答えに導く事になる。

 

チルノ「だったら死神達に頼めば良いじゃない!死神なら斬った後の魂とか分かるでしょ?」

 

M「……そうか!小町に頼めば良いんだ。小町なら確かに魂が何処に行くか分かるかもしれない」

魔「ナイスだぜチルノ!たまにはやるんだぜ」

チルノ「魔理沙と違ってアホの子じゃないもん」

魔「なーにーおー?」

チルノ「いーだ」

霊「喧嘩してんじゃ無いわよ」

咲「どっちもどっちね」

 

霊(と言うよりこんな会話前にも……)

 

 

再び小町が居た場所に戻る。彼女はまだあの場所に居てくれているだろうか。

 

小町「うーん……四季様もうしんどいから起こさないでぇー……私は休憩するー」

 

ALL「…………」

 

居た。しかも寝てるし。

 

M「ッツ!!!……///」

 

何故か瑞生が彼女を見てすぐにそっぽ向いた。

瑞生を除くALL「……?」

 

鈴仙と妖夢が気付く。

鈴仙「……服がはだけてますね」

妖「無駄に大きい物が思いっきり見えてますね。ナンデスカイヤミデスカ」

鈴仙(妖夢?)

咲(やっぱり大きい方が良いのかしら、美鈴程じゃないけど普通よりは……)

霊&魔&チルノ「瑞生……」

 

何だかブツブツ言っている妖夢と困惑している鈴仙、更に何か悩んでいる咲夜さん。そしてジーッと猫目になる3名の視線にタジタジしながらも、とりあえず小町を起こす。

 

小町「むにゃ……何だい?何かくれるのかい?」

霊「寝ぼけてるんじゃ無いわよ」

魔「起きるんだぜ」

 

 

とりあえず目を覚ました小町に事情を説明する。

小町「なるほど。確かに私なら出来るかも」

チルノ「じゃあそこら辺に居る霊をズバって倒して何処に行くのか付いていけば良いんだね」

咲「そういう事ね。そう都合良く出来ればいいんだけど」

M「早速だがまずは悪霊を探そう」

小町「この辺りは私が殲滅したから別の場所に移動しよう。皆舟に乗って」

 

 

M「……かなりボロボロだが大丈夫なのか?」

小町「多分。まぁ壊れても何とかなるって」

M「オイオイ……」

 

 

青年&少女達移動中……

小町「この辺はまだ居るみたいだね」

M「んじゃ殲滅といきますか」

 

そう言って霊達の群れに1人ゆらりと突っ込んで行った。

小町「あ、ちょっと、そっちはかなり居るよ!」

霊「大丈夫よ。瑞生だし」

妖「瑞生さんですから」

 

大量の攻撃をグレイズで避けながら敵をバッサバッサと斬り刻む。

M「ちょっと()当たんよ~滅閃光!」

 

〆は自分の技で。

M・M「刃当たるとか言っといてビームとかやっぱり嘘付きじゃないか(憤怒)」

 

小町(ほへぇ~四季様から聞いてはいたけど本当に強いみたいだね)

 

それなりに倒したは良いが敵が多い。前の戦闘みたく合体技でとっとと殲滅するが良いだろう。

M「妖夢、やれるか!」

妖「やれます!」

M「今度は大技、行くぜっ!」

妖「はい!」

 

 

M&妖「はぁぁぁぁッッ!!!」

自分と妖夢でまずは敵を囲み、そして巨大な守護方陣で全体を攻撃。

 

M「決めるッ……!」

妖「貫くッ!」

 

今度はお互い逆方向に敵陣を一閃し、

 

妖「瑞生さん!」

M「決めるぜ!秘奥義!」

 

M&妖「武神(むしん)双天波(そうてんは)!!!」

 

とどめに巨大な衝撃波で敵全体を攻撃する合体秘奥義である。

 

鈴仙「凄い!」

チルノ「お~ええやん」

咲「あの二人だからこそ放てる技ね」

 

霊「負けてられないわね、魔理沙!」

魔「おうよ!こっちも行くぜ!」

 

霊「行くわよ!」

魔「頼むぜ、せーの!」

 

霊&魔「恋神、ドリームスパーク!!!」

 

霊夢が夢想封印で敵を拘束した所にマスタースパークを撃ち込むという中々に酷い合体技である。

 

M「おぉ~」

チルノ「やりますねぇ!」

 

2組の合体技で見事敵は殲滅されました。

小町「いやぁ、皆強いねぇ」

M「バッチリだったぞ妖夢、流石だな」

妖夢「ありがとうございます///」

 

霊「後は単体で彷徨いている奴をリンチするだけね。とっとと探しましょ」

M(女の子がリンチなんて言葉使っちゃいけません。全く最近の若いモンは……)

そういう所が老人扱いされる事を瑞生は分かっている様で分かっていない。

M・M「そうだよ(便乗)」

 

 

すぐに1人ふよふよしていた霊が見つかったので小町に倒して貰い後を追う事に。

その霊は山の奥の方へと還って行く。

小町「どう考えてもおかしいね。あんな方向に進む訳が無いよ」

M「やっぱり第3者が介入していたか」

魔「早いとこ片付けるんだぜ」

咲「えぇ。あまり時間は残されていないわ」

 

 

 

後を追う事数分。

小町「霊が消えた。多分、ここら辺だと思う」

妖「皆さん、気を付けて」

霊「何だか……気が滅入りそうな場所ね」

 

暗く、闇と岩と嫌な静寂があった。

鈴仙「ここは一体どんな場所?」

小町「一応絶望の渓谷って呼ばれてる」

鈴仙「何というか、名前まで暗い……」

小町「気を付けなよ。こういうのに飲まれたらお終いだからね」

咲「恐怖は戦意を喪失させるわ」

小町「そういう事だね」

チルノ「でも何も居ないよ?もうちょい探検してみようよ!先進も!」

魔「緊張感の無い奴だな……」

霊「でも、ああいう性格はここでは強いわね」

小町「うん。マイペースな方が闇には飲まれにくいからね」

M(…………闇に飲まれる、か)

妖(瑞生さん?)

一瞬彼がとても暗い顔をしたが何故かは分からなかった。

 

 

更に奥に進む。

常に警戒しているのか、瑞生は一切喋らず顔がいつものぐうたらからは想像出来ない程険しかった。

 

彼が喋らないと必然的に皆も黙り込む。静かに、ただ足音だけがその場に響いていた。

 

 

 

~最深部~

M「……最深部に着いたみたいだな」

今まで黙っていた彼がようやく発言した。

 

ここに来るまで何も無かった事を考えると何かが待ち受けているならここだろう。

 

 

その時。

ALL「ッツ!!!」

 

何と表現すれば良いか、(おびただ)しい、気分が悪くなりそうな位ドス黒い空気がその場を包み込んだ。

 

小町「何……この空気は!?」

M「瘴気……か?」

 

いや、瘴気では無いだろう。だがどう考えても人体に、人体じゃなくても触れてはいけない空気だった。

 

 

霊「何か来るわよ!」

 

M「何でお前が……ネビュラグレイ!」

 

かつてロックマンエグゼの世界において世界を闇に沈めようとした元凶の1人、Dr.リーガルが作り出した闇の根源。幾千もの怨霊が集まり体を作っている。

何でこいつが今この場所に居るのかは分からないが、そんな事を考えている場合では無い。

 

ネビュラグレイ(以後ネビ)「ワレハ……ロード・オブ・カオス……コントンナル セカイヲ シハイスルモノ……」

M(駄目だ……もう完全に制御不能になってる)

この場所(地獄)に居て沢山の憎しみを吸収し、闇の力で満たされた事でここまでの力を持つ様になったのだろう。

 

M「やるぞ、こいつを倒さない限り何も解決しない。それどころか時間が経って霊を吸収すればする程こいつは強くなってく」

霊「今の状態でも十分すぎる程ヤバそうだけど」

魔「やるしかなければ、やるんだぜ!」

 

 

 

M「行くぞ!バトルオペレーション、セット!」

ALL「イン!」

 

※何故皆が知ってるのかは突っ込まないで下さい

 

♪VS.ネビュラグレイ

 

 

コチラが完全に臨戦態勢に入ったのを見て敵も本能的に攻撃を開始した。

 

ネビ「モエツキルガヨイ……」

広範囲かつ何と追尾式の炎が全員を襲う。

 

M「いきなり容赦ねぇな!」

妖「落ち着けば大丈夫です!」

 

その他にも落雷やメテオや怨霊が形を成して襲いかかる等一度にとても多彩な攻撃をしてくる。

 

魔「魔法で負けてられないぜ!無数の流星よ、彼の地より来たれ!メテオスウォーム!!!」

 

がこれを全て魔理沙の魔法が相殺した。

霊「ナイスよ魔理沙!瑞生、私に合わせて!」

M「了解!」

 

霊「吹っ飛ばすわよ……てぇい!」

何と弾幕を拳に纏って殴り、掌底。

M(霊夢そんな技何処で覚えたんだ?)

「ほっ!はっ!ていやっ!!!」

パートナーが格闘ならこっちも格闘で。

 

続けて相手を殴り蹴り、更に霊夢も混ざり、

 

霊&M「はぁぁぁぁっ!!!」

〆にアッパー。本当に霊夢さん貴女いつの間にそんな武闘派になってたんスか?

 

決めていた技等では無いが、即座のシンクロ技が見事に決まった。

 

鈴仙「私だってやってみる!瑞生さん、いつものお願いします!」

M「あいあいー了解!」

 

続け様に鈴仙が霊夢とバトンタッチし、

鈴仙はいつもの狂気化、指を銃型にしてバンバン弾幕を撃つ。瑞生はそれに合わせてチャージショット。

敵に反撃の場を与えさせない息ピッタリの銃撃。

そして〆は、

鈴仙「瑞生さん、行きますッ!」

M「いつでも来いッ」

 

瑞生はバスターショットからキャノン砲へと武器変換(ウェポンシフト)、鈴仙は能力を使いチャージを行い、

 

鈴仙「せーの!」

M&鈴仙「タブルビーム・キャノン!!!」

 

2人の強烈なチャージビームが直撃した。

 

 

 

コチラも結構攻撃したが流石はと言った所か、そう簡単には倒れてくれない。

 

相手もかなり強力な攻撃を繰り返すが、これまでも命懸けの戦いをしてきた瑞生にとっては問題無いし、先程の連携からして分かるが他の皆も善戦していた。

皆も強くなったという事だ。

 

ネビ「グォォォォ……!!!」

 

激しい雄叫びを上げると、

チルノ「うるさいっ!」

 

皆が耳を塞ぐが、何と奴の影から無数の手が現れた。だがまだ雄叫びは続いており瑞生さえも動く事が出来ない。

M(これはヤベぇな)

咲「ここは、私の出番ね。はぐれていた分私にも活躍させて頂戴」

 

 

そして、時は止まった。

咲「瑞生、貴方から教えて貰った技でやってみるわ……行くわよ、ミラージュダイブ!」

 

止まっている無数の手に対し自分のナイフで残像が出来る程の速さで斬り刻んでいく。

 

手を全部叩き落とした所で、最後に2本ナイフを投げて、

咲「そして、時は動き出す」

M・M「咲夜さんそれ作品がww」

 

パチンと指鳴らしをすると、

M「おっ?あれ、手が無くなってる」

更に、

ネビ「ウオォォォォ……!」

ネビュラグレイの目にナイフがぶっ刺してあり非常に痛そうである。

咲「こんなものね」

M「流石咲夜」

本当にこの人の能力チートだよな(確信)

 

 

 

さてさて、随分コチラが押している様にも思えるが、実際の所どうなんでしょうか。

 

 

ネビ「…………」

チルノ「やったか!?」

チルノさんそれアカンやつ。

 

ネビ「ミズカラノヤミニウモレルガヨイ……」

再び雄叫びを上げると、

 

魔「何か出て来るぜ……ってえぇ!?」

 

ネビュラグレイの前に現れたのは、瑞生を除く自分達(・・・)だった。

霊「な、何よ……何なのよこの変なの!」

鈴仙「私達に……そっくり」

妖「これは、私達の影?」

咲「来るわよッ!」

チルノ「自分と戦うの!?」

そして、それぞれ影と本物どうし戦いを始めた。

 

 

それぞれ散開して戦いをする皆から1人ポツンと置いてかれた瑞生は、ネビュラグレイと再び対峙する。

M「……折角皆で戦えてたのに結局俺一人か」

ネビ「ナゼキサマノヤミヲヨビダセナイ?」

M「そりゃ簡単な話。闇なら既に俺の中に居るからだ」

 

皆は自分の影と必死に戦っている。やはりもうここは早く終わらせてしまおう。

M「悪いが、もう終わりにさせて貰うぜ!」

ネビ「ココロヨワキモノヨ……ワガヤミニノマレルガヨイ!」

 

相手もやはり疲労はしていたのか、長く戦いは出来ないらしい。今までとは比べ物にならない程の力が奴から溢れ出している。次の一撃で終わらせるつもりか。

 

M「望む所!神化(ゴットモード)!」

 

 

こんな戦い、前にもあったっけ。こいつも混沌がどうとか言ってたし。まぁ全く関係は無いがこんな奴に世界くれてやる程俺はアホじゃないんでね。

 

ネビ「ワガナニオイテ……スベテヲメッサン!!!コントンナルチカラヲ!」

M「だったらあの時と同じ技で終わらせてやるさ……もういっちょ頼むぜ!」

 

 

自分達との影と戦いながらも、決着が着くその場を皆が見つめている。

 

ネビ「イマココニコントンヲミチビキタモウ……ロード・オブ・カオス!!!」

 

まるでその攻撃に自らの全てをかけたかの様な、また言葉に表せない……沢山の怨念、恨み、負の思いが集まり形を成して衝撃波を成していた。

 

M(……こいつも、苦しんでるんだろうな)

こいつ自体は破壊を望んでいるんだろうけど、やりたくてやってる訳じゃないし、そもそも生まれたくて生まれた訳じゃ……いや、そんな事を考えてもしょうがないのだが。

 

こいつはともかく、今自分に襲い掛かろうとしているこの攻撃に込められた者達は少なくとも苦しいのだろう。

M「成仏させてやろうぜ、そういうのはさ」

 

魂達は再び輪廻の輪へと戻さなくてはならない。こんな目的で使われて良い物では無いのだ。

 

さて、思いに(ふけ)るのはここまでだ。

 

M「光よ、我が剣に宿れ……」

死を覚悟して挑んだあの戦いからどれ位俺は強くなれたのだろう?

 

自分の事で沢山悩んで、四季様に叱責されたりもした。過去に渡って秘められたる自分の記憶を見たりもした。

 

結局四季様に言われた自分自身についての答え。それが出たとは言わない。

 

けれど何か分かりそうな気がする。それは皆が気付かせてくれたとてもちっぽけだけど大切な事。

 

やはり皆は俺にとってとても大切な存在であり、そしてその皆が生きているこの世界を俺は愛しているのだろう、紫の様に。

 

M「貫け!ライトォ……ブリンガァー!!!」

 

誰だって大切な物があるだろう……。だったら守らないとね、そして守り抜けるだけの強さをいつまでも求める事。

 

そうすれば人間限界なんかホイホイ超えて強くなれる筈だと今そんな事を思った。

 

 

 

あの時はギリギリでカオスを打ち破ったが、今は違って俺も強くなれた証拠だろう、簡単にとはいかなかったけど勢いのまま俺の光が勝った。

 

ネビ「グォォォォォォォォ!!!ナゼダ……ナゼワレハ……ヒカリニ……………」

 

 

ネビュラグレイが消えた事で奴が出していた皆の影も消えた。正真正銘の勝利だ。

 

M「悪いな、これ以上俺の人生闇に狂わされたくは無いんだ。俺は……俺の現実を生きる」

 

 

 

こうして、戦いは終わったのだった。




M・M「結構書いたよ、今までで1番文字数多いんじゃない?」
小町「分ければ良かったのに」
四季「そしてずっと言われてますが物語を全く違う方面に持って行き過ぎですね」
M・M「お姉さん方許して!」


M「しかしロックマンエグゼから登場させるとは思ってなかったな。今回何かロックマンエグゼ度が高めだったし。分かる人はサブタイトルで気付くだろうな……ついでに、サブタイトルの遺産はプログラムと読む」

M・M「頑張って書きましたもん。書きながら懐かしいなゲームまたやってアニメもまた見なくてはとなりましたな」
M「ちゃんと書けよ~?流石に自由に書き過ぎてるんだから失踪はもう許さねぇからなぁ?」
M・M「勿論っス!なので読者の皆様これからもオナシャス!」

という訳で(意味不)
M・M「次の話へとバトルオペレーション、セット!」
M「イン!」
本当にこの響き大好き。

M・M「まだ書けてないけどね」
M「おうあくしろよ」

終わります。


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-終わりの宴と番外編 小さなスイートポイズンとの出会い-

どうも。大体1週間に1度は何とか投稿出来ているでしょうか、何度もガバガバ操作で本文のデータを消したりと不運に見舞われる事もありますが挫けず頑張ります。

今回から少し番外編。少しだけ本編のアフターと本編で本来出る人物との出会いを描いていきます。

今回も再び瑞生がやらかします。
では、どうぞ。


前回のあらすじ!

 

何故か幻想郷に原因不明の花が大量に咲き乱れるという謎の事態が発生。これを異変と見た一行は地獄に行き四季映姫・ヤマザナドゥに話すがこの異変は自然発生する物となっていた。しかし度が過ぎるので+αの原因があるとの事。そこで小町の力を借りてこの異変の根源であるネビュラグレイを発見、中々激しい戦いを制し異変を止める事に成功したのだった。

 

M「やったな、何とか」

霊「凄かったわね、最後の」

妖「勝てて良かったです」

鈴仙「私達の勝利ですね」

M「あぁ。チームワークの勝利だな」

魔「私達の絆は最強だぜ!」

咲「良くそんな恥ずかしい事言えるわね」

チルノ「そんな事より帰ろうよ」

 

M「それもそうだ、帰ろう」

 

小町が待っていた。

 

小町「うんうんお帰り。見てたよ、凄かったね」

霊「そう言えば貴女戦いに参戦してなかったじゃない」

小町「だって私もう疲れたんだもん」

霊「えぇ……(困惑)」

M「まぁまぁ無事勝ったし良いだろ、それよりも頼むぜ」

小町「分かってるよ、四季様の所に行こう」

 

 

 

再び場面は是非曲直庁。

四季「皆さん、良くやってくれましたね」

M「何か解決した?」

四季「とてつもない数の魂達が成仏していきました。あの元凶を倒した事により各地に出没していた霊達も次々に成仏していっています」

霊「無事解決ね」

四季「地上の問題も明日には解決しているでしょう。全て皆さんの功績です」

魔「いやいや、そんな事は無いんだぜ///」

チルノ「なんで魔理沙が照れてるの」

咲「無事に終わって何よりね。お嬢様も喜ぶわ」

鈴仙「兎達は元に戻ったのかな?」

妖「きっと大丈夫だよ、鈴仙」

 

四季「皆さん、今回は本当にありがとうございました。礼はいつか必ず。小町、皆さんを送ってあげて下さい」

小町「あい了解」

 

そして皆が出て、瑞生も出ようとしたが、

四季「瑞生、少し宜しいですか」

M「……」

黙って彼が頷いたのを見て、

 

四季「単刀直入に、前私が言った事聞いた事を覚えてますか?」

M「勿論。心に刻みましたもん」

四季「それなら良かったです。なら話は早い」

M「?」

 

四季「答えは、出ましたか?」

 

M「…………」

黙り込んでいるが大丈夫そうだ。彼は今しっかりと考えている。

 

M「俺は過ちを犯した。その過去は変えられないしあの時どうするべきだったのかは今の俺にも分からない」

四季「素直でよろしい。前の貴方は妙に現実をイマイチ認められていなかった所がありましたからね」

M「結局、何が正解で間違いかなんて分からないし誰にも分からない。でも、あの時誰かを殺めてでも皆を守りたかった思いは……嘘じゃない」

四季「そうです。それで良いんですよ、貴方の話に模範解答等存在しません」

M「そして俺は、この世界が、皆が大好きだ。だから何と言われようとも守りたい。今回の戦いでふと気付いた事は……俺は俺らしく生きる事。俺は、1人じゃ駄目なんだ」

四季「貴方の心の弱さを打ち明けた事で皆さんの貴方に対する考えは変わってしまいましたが、むしろそれで良かったのです。1人じゃ駄目と言いましたが、貴方は1人なんかじゃないですよ」

M「あぁ。皆には本当に感謝してるよ、こんな俺に構ってくれてるんだから」

四季「構っていると言うより、貴方は妙に1人にさせられない雰囲気を(かも)し出していますからね」

M「えっ?」

四季「皆さんの言っていた母性を感じると言うのが少し分かる様な気がします」

M「閻魔様までそんな事言うのか……」

四季「フフフ……気にしたら負けですよ、瑞生」

M「むぅ……」

 

四季「でもまぁ、ちゃんとした答えが聞けて良かったです」

M「答えなんか出てないと思うけど」

四季「あれでも十分ですよ。これからも貴方らしく、頑張って下さい」

M「……ありがとう、四季様」

四季「……別に、四季でも良いんですよ?」

M「そんな恐れ多い」

四季「そうですか?」

 

 

そんな話をして、閻魔様は忙しいので帰る事にした。

四季「ではまた会いましょう」

M「出来ればここでは会いたくないけどな……」

四季「暇があれば、私達から地上に行きますよ」

M「そりゃ楽しみだ、貴女とは色々話してみたい事があるからな」

四季「そう、ですか///?」(貴女なんて言われたのはいつぶりでしょうか)

M「それじゃ、また」

四季「えぇ」

 

四季様に送って貰い、今度はちゃんと博麗神社に着きました。

神社内では既に皆+αが集まっていた。

霊「お帰りなさい。何話してたのかは知らないけど遅かったわね」

魔「怒られたか?」

M「怒られてないよ。ちょっと話してただけ」

紫「皆から話は聞いたわ。頑張ったみたいね」

M「俺は最後頑張っただけ。皆での勝利だから」

紫「そうね。皆お疲れ様」

チルノ「にしし、やっぱりあたい最強!」

大「チルノちゃん頑張ったね~」

アリス「魔理沙、随分疲労してたけど大丈夫?」

魔「結構強力な魔法撃ったからなぁ……」

パチェ「メテオスウォームでしょ」

レミ「私達はパチェの水晶借りて皆の戦いを見てたのよ、咲夜もナイスだったわ」

咲「ありがとうございます」

永「うどんげも良く頑張ったわね」

てゐ「ありがと、うどんげ」

鈴仙「うん。皆の役に立てて良かった」

幽「妖夢~無事で良かったわ~」

(´。・_・`))-ω-)むぎゅー

妖「幽々子様……苦しいです///」

紫「勿論霊夢も、良く頑張りました」

霊「な、何よ///」

霊夢は紫に撫でて貰っているが、満更でも無さそうだ。

 

M「……ふぅ」

今は邪魔しないでおこう。

 

1人外に出ると、やはり疲れたのか少し眠い。

M「俺も、頑張りましたな」

自分で自分を褒めておく。

 

幽香「頑張ったんじゃない?」

M「ファッ!?」

何故か幽香さんが居ました。神社にいつ来たんだ?

それを読んでいたかの様に、

幽香「今よ」

M「花の様子はどうだ?」

幽香「治まったわ。だから瑞生達が上手くやったのねと思って来たの」

M「それは良かった」

幽香「でも1つ気になる事があって」

M「気になる事?」

幽香「花がいつも通りに戻ったのは良かったのだけれど、今度は謎の少女が花畑で寝てたのよ」

M「謎の少女だぁ?」

幽香「多分妖怪だろうけど。私の家で寝てるわ……多分」

M「多分って……」

幽香「大丈夫よ」

M「また見に行くよ」

 

 

 

その後神社内に入ると、

チルノと咲夜と妖夢と鈴仙とそれぞれのお付は帰ったのだろう、それ以外の3人が居た。

霊「瑞生、何処に行ってたのよ」

M「ちょっとな」

紫「幽香も居るじゃない」

魔「とりあえずお疲れって事で宴会を開くんだぜ!」

M「いつものか」

紫「そう、いつもの」

M「良いんじゃないかな」

霊「じゃあ、明日ね」

魔「今日は寝るんだぜ……」

アリス「昼までには起きなさいよ」

魔「わ、分かってるんだぜ」

M(地獄の2人も誘ってみるか……)

忙しいだろうし多分無理だろうけど。

 

 

次の日。

もう一度行ったのでエターナルソード(ルーラ)登録が済んでおり、瑞生も地獄に好きに行き来出来るようになった。そして2人を誘いに来たのだが、

小町「今四季様滅茶苦茶忙しいから多分話は無理じゃないかな」

M「あちゃー……ですよね」

小町「どうしたんだい?」

M「いや、今日7時から博麗神社で宴会があってさ。2人も誘おうかなと思って」

小町「嬉しいお誘いだけど……やっぱり私達忙しいからさ」

M「だよなぁ、まぁならしょうがないな。そんじゃまた」

小町「うん」

 

彼が帰った後、

四季「小町、先程は誰と喋っていたのですか?」

小町「瑞生ですよ」

四季「瑞生が?どうして?」

小町「宴会のお誘いでした」

四季「それは本当ですか?」

小町「はい、今日の6時から博麗神社でやるそうです。ですが私達は流石に……」

四季「いえ、行きますよ小町」

小町「えっ?」

四季「仕事は他に任せます!」

小町「えぇぇぇ!?」

 

大丈夫かこの閻魔様は、と思った小町だった。

 

 

~同日 午後6時~

M「ん?あれって……」

霊「どうしたの?」

小町「やっほ~」

四季「こんばんは」

M「小町!四季様まで……無理だったんじゃ?」

小町「いや、私はそうだと思ったんだけど」

四季「仕事なら他に任せてきました。私は結構働いてますのでこれ位なら大丈夫ですよ」

霊「閻魔にも色々あるのね……」

M「まぁ良いか、人数が多い方が楽しいし」

小町「地獄の酒を持ってきたんだ」

霊「それは楽しみね」

小町「瑞生もどうだい?地上では味わえない物だと思うよ?」

M「いや、悪いけど俺は遠慮しとくよ」

四季「呑めないのですか?」

M「お恥ずかしながら」

小町「あはははは……瑞生ったら意外と子供っぽい所あるんだね」

M「別に子供っぽく無いだろ……呑めなくて悪かったな」

霊「まぁ、参加するなら座っといて。今から大量にやって来るから」

 

また新たな面子を加えて宴会がの始まり。

とは言ってもメインはやはり異変解決に頑張った霊夢達である。俺は別にいつも通りだからな。

 

皆から賞賛の声が上がる。皆が喋り始めると地獄の2人も自然に溶け込んでいた。

 

一方瑞生は1人縁側に座ってのんびりしていた。

 

M「……」

すぐ側にあった飲み物を取る。酒だった。

M(これは小町が持ってきたやつか……)

自分は全く呑めないマンだが、意外とこういうのなら呑めたりして。

M(呑んでみようかな……)

止めとけと言う自分と好奇心の自分が脳内討論していたが、結果として普段は経験出来ない事に対しての好奇心が勝ったのだった。

M(ちょっと位なら……大丈夫だろ)

 

ほんのちょっとだけ自分の容器に入れてくぴっと呑んでみた。

 

霊「そう言えば小町、貴女何か地獄の酒持って来たんでしょ?」

小町「そうだったね」

萃香「酒?どんなの?」

小町「悪魔殺しっていってね、その名の通り悪魔さえも殺してしまう位に味が辛くて度数も濃いんだよ」

紫「それは楽しみね。私辛い方が好きなのよ」

勇義「私もだね」

小町「四季様、アレ何処に置きましたっけ?」

四季「貴女が神社の縁側に置いたのでしょう」

小町「そうでした(´∀`*)」

小町が神社の方へ走っていく。

 

霊「…………」

魔「霊夢?どうしたんだぜ?」

霊「嫌な予感がする!すっごいレベルで!」

レミ「貴女の勘はやたら当たるから妙に怖くなってきたじゃない……」

 

 

その時。

小町「うにゃーーー!!!」

小町の甲高い悲鳴が上がった。猫かな?

 

早苗「今悲鳴が聞こえましたよ!?」

宴会に参加していた皆が次々に集まって、神社の方へ急ぐ。

 

 

ALL「!!!」

小町「だ、誰か……助けて~///」

完全な床ドンだった。酒の瓶を片手にもう1つの手で小町を組み敷いていた。

M「……」

しかもまた真剣な顔で。

 

 

紫&霊「天衣無縫!!!」

1秒も経たないうちに紫と霊夢の合体技が撃ち放たれる。

 

が、

M「……」

組み敷いていた方の片手でゴットフィンガーを放ちこれを止めたのだ。

 

紫&霊「止められた!?」

M「……てぃ」

紫「え!?」

霊「きゃっ!?」

そのまま引き寄せて2人を抱きしめる。

 

縁側に小町が倒れていて、その前で瑞生が真剣な表情で紫と霊夢を抱きしめているというとんでもないカオスな状況になっていた。

 

ALL「……ッツ」

皆は考えていた。彼の酒癖からしてこれはかなりヤバい状況にある。彼が暴れ出したりすれば幻想郷事態がどうなるか分からないし彼の機嫌を損ねる訳にはいかない。

 

霊夢と紫は瑞生(想い人)に抱きしめられて完全に放心状態。彼女達が何とかしてくれる可能性は限りなく低いだろう。

 

皆の能力を考えれば方法はいくつも考えられるが、皆かなり焦っていたのか中々方法が思い付かなかった。

 

妖(力で押さえ付ける……?)

他の何人かもそう考えただろうが、彼の前に2人も居るし何より居なくても今の彼は力を抑えてなどいないからやった所で止めるのは不可能だろう。

 

慧(待つか……!?)

ここは彼が落ち着くまで待つのも悪くないが、彼がなにかし始めたらでは遅い。早く自分達から何とかしないと次なる惨劇(迫真)が起こる可能性大である。

 

鈴仙(やはり……能力で!)

ここら辺になって皆ようやく自分達の能力を確認して何か出来る事が無いか確かめる。

 

永「うどんげ!貴女の能力を使えるでしょ!」

鈴仙「はい!」

彼女の目なら彼の動きを止められる筈だ。

鈴仙「瑞生さんごめんなさい……幻波、赤眼催眠(マインドブローイング)!!!」

 

強力な睡眠の波動を彼に送る……だが。

M「……ふんすっ!」

彼が強く睨み付けると、何とびっくり。

鈴仙「えっ!?何で私の方に戻って来るの!?あぁダメ……眠くなってきた……」

鈴仙が自分の技でカウンターを受けて眠ってしまった。

輝「うどんげの波長を跳ね返したの!?」

てゐ「て言うか跳ね返せるの!?」

永「想定外ね……まさかこれ程なんて」

 

今と彼には私達の常識が通用しない。頼みの綱の紫はノックアウトされてるし。

 

にとり「こうなれば機械の出番だね!」

ここでにとりが謎の機械を持って参上。

椛「にとり、それは?」

にとり「聞いて驚かないでよ……これは、脳みそ吸い取り器ー!」

テッテテー(青ダヌキ感)の効果音と共に出て来た謎の機械を早速使うにとり。

 

にとり「行っくよー!脳みそ吸い取り(マインドブラスト)!」

 

M「うがっ……」

見た所鈴仙と同じ様な技なのだろうが、効いてる事からして違う物なのだろう。

 

瑞生は倒れ、霊夢達は解放された。

 

小町「た、助かった~///」

霊「ぽへぇ~///」

紫「///」

約2名はまだ放心状態だったが。

 

 

四季「瑞生はかなりの下戸だったのですね」

小町「本当は呑めそうだと思ったけど意外だね」

四季「可愛い所があって良いじゃないですか」

紫「一応これでも幻想郷の中でもトップ級の年齢の持ち主だけど」

 

霊「それは良いけど、何で貴女が膝枕してるのよ!」

四季「ダメですか?」

霊「いや、そうじゃなくて……」

 

M「ん、う……うーん」

四季「目が覚めたみたいです」

M「痛い……頭痛い……」

妖「大丈夫ですか?お水です」

M「ありがとう……俺は一体何やってたんだ?」

霊&紫&小町「///」

何故か顔赤くしてそっぽ向く3人が気になるが頭が痛くて何やってたか思い出せない。

 

M「……まぁ良いか、何でも無い」

 

そんなこんなで宴は終わり、皆それぞれの場へと帰って行った。

 

 

 

後日。

幽香が言っていた子を見に行くとしよう。

M・M「じゃけん行きましょうね~」

 

M「幽香ー来たぞー」

幽香「いらっしゃい」

M「で、例の子は?」

幽香「花畑に居るわ」

M「えっと……何があったんだ?」

幽香「貴方達が地獄に行ってる時に花畑に行ったら居たのよ」

M「ずっと居たのか?」

幽香「恐らくは。ずっと鈴蘭の所で寝てて私も気付か無かったわ」

M「ふむ……」

幽香「いつから居たのかも分からないわね」

 

花畑に出ると、金髪の美少女が!

M「可憐な美少女な事で」

幽香「可憐……?」

 

とにかく話してみる事に。

幽香「メディスン」

メディスン・メランコリー(以後メデ)「なぁに?」

そして俺を見るや否や、

メデ「!」

幽香の後ろにバッと隠れた。

M「うわ、お兄さん悲しいなっと」

幽香「メディスン、大丈夫よ」

メデ「でも、この人は人間じゃ……」

M(人間が嫌いなのか……)

幽香「この人は確かに種族上は人間だけど人間じゃ無いから怖がらなくて良いのよ」

M「さらっと滅茶苦茶傷付くんだけど?ねぇ?」

 

すると、幽香が耳元でこう呟いた。

幽香「この子、分かると思うけど妖怪で人間が嫌いなの」

M「そうか……」

 

しかし、彼女と一緒に居る人形が気になる。アリスと似た様な物なのだろうか?

M「えっと、メディスン?その人形は何かな?」

メデ「!」

人形を後ろに隠された。うわ、滅茶苦茶警戒されてますやん。

M・M「当たり前だよなぁ?」

 

結局その後も何度か喋り掛けたが一切口を聞いてくれなかった。

 

M「ふぅむ、ありゃ相当だな」

幽香「まだ何も知らないからしょうがないわね」

M(メディスンって確か……付喪神(つくもがみ)?いや、違うか。でも人形が妖怪として生まれ変わったんだっけ?)

四季様に聞いたら何か分かるかも。

M「まぁ、また来るよ」

幽香「吹き飛ばされても知らないわよ?」

M「その時はその時さ。ああいう子の心を開けるのはきっと積極的なコミュニケーションだと思ってるから」

幽香「ポジティブねぇ……」

M「小さい幼女でも妖怪でも関係無い。レディーの扱いならお任せだぜ」

幽香「……朴念仁が何言ってるのよ」

M「は?朴念仁?」

幽香「何でも無い」

 

 

 

次の日。

メデ「ふんふーん♪ 」

M「楽しそうだな」

メデ「!!!」

 

ズザザザザっと数歩離れるメディスン。

M(そんなに警戒しなくても良いのに……)

「何もしないって。元気か?」

メデ「…………」

ジーッとコチラを威嚇なのか睨み付けてくる。迫力は無いしむしろ可愛いけどね。

 

M「ほらほら、そう警戒すると君の肩に居る蝶が逃げてしまうぜ」

メデ「え?」

肩を見ると白色の蝶が止まっていた。

M「ついでに頭にも止まってる」

メデ「……本当だ」

その2匹を指に移す。

M「懐かれてんだな、虫に」

メデ「……花と、仲良しだから」

M「だったら妖精とも仲良くなれそうだな」

と言うか今初めて口を聞いてくれた事に関して非常に嬉しかった。

 

幽香「今日はどうだった?」

M「初めて口を聞いてくれたぜ!」

目を輝かせて凄く嬉しそうに語る彼。

幽香「良かったわね」

やはり彼は人を、人じゃなくても惹き付けられる何かがあるのだろう。

 

 

また次の日。

幽香「メディスン、瑞生はどう?」

メデ「……殺さなくてもいい人」

幽香「そんな物騒な事言ったらダメよ、それに……多分貴女の毒は彼には効かないわ」

メデ「え!?」

幽香「言ったでしょ、彼は人間だけど人間じゃ無いの」

M「死にはしないだろうけど苦しい物は苦しいぞ?だから止めような?」

メデ「きゃっ!?」

幽香「いきなり現れないで」

M「少し前から居たんだが……」

俺の影の薄さよ。

 

M「毒って言ったけど、それがメディスンの能力なのか?」

幽香「えぇ、この子の能力は毒を操る程度の能力。人間だけで無く妖怪レベルも致死に至る程の毒を出したりも出来るわ」

M「はぇーそりゃ凄い」

 

シンプルだが非常に強力な能力だと思う。毒と言っても人を殺すだけで無く体を麻痺させたり服従させたりと色んな「毒」があるからだ。彼女はまだ妖怪になって日が浅いので能力を使いこなせてはいないがきっと強力な使い手になるだろう。

 

M「メディスン、人間を憎んでしまうのはしょうがないけど無差別に殺したりするのは絶対駄目だぞ」

メデ「でも、私は……」

M「確かに君に何かした人間は悪かもしれないが人間全てが悪い奴じゃない。妖怪と仲良くしたいと思ってる人を俺は沢山知ってるから」

メデ「……」

M「幽香、また皆連れて来ても良いか?」

幽香「構わないけど、知らないわよ?」

M「大丈夫だよ、俺が何とかなったんだから。それに……メディスンに沢山友達が出来て欲しい」

 

ここまでしたくなるのは何故だろう?

それは、彼女の気持ちが何となく分かるからだ。

とことんクソな人間は居る。自分も何度も殺したいと思った事もあるし……実際()ったし。

 

幽香「……そう」

 

 

 

瑞生の思いが身を結んだのか、しばらくしない内に霊夢や魔理沙等一部ではあるが人間の知り合いも、幻想郷の著名な妖怪達とも交流を持つ様になり、特に新薬の製作、実験の為に毒が使えるとの事で永琳亭に良く出入りする様になった。

 

M「永琳に危ない事とかやらされてないか?」

メデ「うん、皆やさしいよ」

M「そりゃ良かった」

 

永琳側もちゃんと相応の礼をしているのでまぁ等価交換にはなっているみたいだが。

 

様子を見に来た霊夢と紫は幽香と話していた。

霊「良かったわね、あの子」

紫「そうね。凄く丸くなったし普通に優しい子じゃない」

幽香「瑞生には感謝してるわ」

 

メデ「それよりお兄ちゃん」

M「どうした?」

メデ「はい、あげる!」

彼女がくれたのはある花だけで出来た花束だった。

M「これは……スイートピーか?」

メデ「うん!」

M(スイートピーの花言葉は確か……良い意味だよな?ほのかな喜び、優しい思い出)

メデ「お兄ちゃんは、人間が凄く嫌いでまだ何も知らなかった私に沢山の事を教えてくれた。やっぱり人間はまだ怖いけど……全部が悪い訳じゃないってお兄ちゃんの言葉、今なら分かるよ」

M「それで良いさ。嫌いな奴は嫌い、好きな奴は好きで。誰もが皆お手々繋いで仲良くしましょうなんて出来る訳が無いのだから」

メデ「……うん」

M「俺の思い通りメディスンに沢山友達が出来て良かったよ」

メデ「お兄ちゃんのおかげだよ……お兄ちゃん、大好き!」

M「お、おうおう///」

飛び付いてくる彼女を撫で撫で。

紫&霊&幽香「……」ガタッ

静かに立ち上がる3人。

 

M(これ傍から見たら捕まりそうだなぁ……)

M・M「おまわりさんこいつです」

だが瑞生、それより君は身近に迫る自分の命の心配をした方が良いと思う。

 

その日、無名の丘から悲鳴が聞こえたらしいが誰も真相を知る者は居ない。




M・M「おまわりさんこいつです」
M「まだ言うんとるかワレェ」
M・M「本当にお前落とすの速いな」
M「落とすって?」
M・M「(何でも)ないです」
M「???」


メデ「次回は場面が変わってあの三姉妹が出て来るよ!お楽しみにー」
M「メディスン、思いっ切りネタバレしてるな……」
幽香「良いんじゃない?アイツ(作者)何だかんだでいつもネタバレしてるし」
M「はぁ……まぁそういう事で次回もヨロシクゥ!」


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-番外編 プリズムリバー三姉妹-

どうも。
本来なら春節異変の時にこの3人の話もっと書かないといけなかったのに忘れてました。センセンシャル!

という訳でまたいつものオリジナル話で番外編。

では、どうぞ。


メディスンが懐いてくれた(やったぜ。)数日後

ある日、荷物を届けるという所用で紅魔館に行かなくてはいけなくなった瑞生。

M「夜の森って怖い……でっかい顔がいつまでも追い掛けて来そう」

ビクビクしながら紅魔館に着いて美鈴に荷物を渡してとっとと帰る事にした。

 

途中、何故だかは分からないが湖に寄って行こうかと思った。

 

M「もうすっかり暑くなったよなぁ……」

俺は寒さには強いが暑さには負ける。全くもって元気が出ないのだ。

 

夜一人で出歩くのは少々怖いがまぁ流石に慣れたし妖怪が出て来ようと平気だし。

 

~~~♪

 

でもこういうのは別。本当にそういうの良くない、全力で俺の心臓を殺しに来てる。

 

~~~♪

M(聴き間違いじゃ……無い!)

ちゃんと聞こえる。俺が難聴気味だとしてもはっきり聞こえるから誰かが何処かで演奏しているのだろうか。

 

M(あっち……か?)

 

とりあえず音のする方へ行く事にした。

 

 

M「……嘘だろ、こんな所あったのか」

魔法の森も随分歩いたと思ったが、まだ知らない場所があるものだ。

湖を超えて、しばらく歩いた先にはなんと洋館があった。紅魔館とはまた違った感じの館だ。

 

そして、音はこの館からするらしい。

M(確かに俺の聞いた音はこれだったが……聞こえたのは湖だぞ?あれからかなり歩いたし、楽器の音があんな所まで鳴り響くか?第一夜だし外だぞ?)

 

だが事実という名の演奏の音は今も聴こえてくる。こうなったら確かめるしか無い。

 

M(……行ってみるか)

幽霊とかじゃない事を祈って……まぁ、ある意味その願いは叶わなかったのだけど。

 

 

 

門に行くと、より演奏の音が大きく聴こえた。

M「ごめんくださーい……」

リリカ・プリズムリバー(以後リリカ)「ごめんは売ってませーん」

M「ファッ!?リリカ?」

リリカ「あれ?瑞生だ、久しぶり!」

メルラン・プリズムリバー(以後メル)「どうしたの?……って瑞生だ」

M「え、えっと……」

ルナサ・プリズムリバー(以後ルナ)「あの異変以来ですね。迷ったのですか?貴方方向音痴?」

M「いや、そうじゃないんだけどな」

そう言うと彼女達は小声で何かと話し始めた。

 

リリカ(瑞生と会うの久しぶりだね!何か演奏してあげよっか?)

メル(見た所道に迷ったって訳でも無さそう)

ルナ(と言うか本当に瑞生さんでしょうか?)

M(全部聞こえてるんだよなぁ……て言うかルナサ酷い、まぁ本当に久しぶりだからな)

 

ルナ「あの!瑞生さん、どうしてこんな時間に魔法の森に居るのですか?妖怪に食べられますよ?」

M「俺は紅魔館に所用があって、それの帰り道だったんだけど。ふと湖に寄ったら音が聴こえてさ」

メル「紅魔館に良く出入りするの?」

M「まぁ頻繁には」

リリカ「音といえば確かにさっき演奏してたけど……湖まで普通音響かないよね?」

M「いや、そうだと俺も思ったけど音の鳴る方向へ行ったらこの館があったし」

ルナ「ふむ……では私達の音に導かれたのは間違いないみたいですね、でもあの湖から歩きで来たなら妖怪に襲われませんでしたか?」

M「襲わないだろ、馬鹿で弱い妖怪には良く襲われるけど頭が良ければ自らの命を捨てに行く様な事はしないだろうし」

遠回しに俺に勝てる訳が無いとも聞こえる発言にますますプリズムリバー三姉妹はざわつく。

 

リリカ(本物だよ!凄いオーラ感じるもん!)

メル(この館にやって来たのも何かの縁かな)

ルナ(とりあえず、話してみましょう)

 

M(だから全部聞こえてるんだよなぁ)

 

 

とりあえず客間に通して貰えた。

夜8時位だろうか、そろそろ帰らないと霊夢に怒られそうなのでお話するだけして帰ろう。

 

ルナ「先程は質問攻めで申し訳ありません」

M「良いよ別に。しかし本当に久しぶりだな、3人とも」

物腰からしてルナサが長女だろうが見た目からでは誰がどうかは判断つかない。

ルナ「この前も異変解決お見事でした」

M「別に大した事じゃないって」

リリカ「おぉー流石」

メル「噂には沢山聞いていたけど強いんだね」

M「あの、ここは何ていう建物なんだ?俺結構魔法の森知ってると思ってたけどこんな場所知らないんだ」

ルナ「ここは廃洋館。私達が暮らしています」

M「ふむ。道も覚えた」

ルナ「ここで会ったのもまた縁、仲良くしましょう。瑞生さん」

M「別に瑞生で良いよ」

リリカ「なら私達も呼び捨てで良いよー」

メル「え?」

リリカ「嫌なの?」

メル「そうじゃないけど///」

ルナ「私も勿論構いません。では瑞生、宜しくお願いします」

M「ん、宜しく」

 

軽く挨拶が終わった所で、

M「まぁ不思議な感じで寄っちゃったけど霊夢が怒るから今日はもう帰るよ」

リリカ「また来てね、私達の演奏聞かせてあげる!」

M「あぁ、楽しみにしとく」

 

 

 

 

ルナ「実際に会ったのはこれで2回目ですが、中々面白い方ですね」

メル「滅茶苦茶強いとは聞いた事あるけど、そんな感じはしなかったよね」

リリカ「能ある鷹は爪を隠すって言うし、きっと凄いんだよ」

ルナ「でも、紅き英雄とはどういう事でしょうか」

メル「紅き……赤……血?」

リリカ「そう行き着くのは違うと思うよ!?」

ルナ「真相は分かりませんね」

 

しばらく瑞生に関して謎の考察を始める三姉妹であった。

 

 

 

後日。

ふと廃洋館にやって来た瑞生であったが、

M「あれ、外出中か?」

彼女達は人間にも友好的で人里に良くライブに行くと彼女達は言っていた。

M(何処か居るのかもな)

 

人里に行ってみると、

 

 

~~~♪

M「ん、この音は」

 

案の定三姉妹が演奏会を行っていた。彼女達は何か特別な日に演奏を頼まれると言うが今日は何かあるのだろうか?

 

他の人に聞いてみれば今日はお祭りらしい。何のお祭りかは聞かなかったが、別に良いだろう。

M(そう言えば……先生がそんな事言ってたな)

 

「~日にお祭りがある。勿論行っても良いがちゃんと時間とお金の使い過ぎには気をつける事」

「はーい」

 

そんな会話があったのを思い出した。

 

~~~♪

相変わらず良い音色だ。

しばらく俺も演奏を聞いていくことにした。

 

 

 

チルノ「瑞生、瑞生ったら」

M「!」

寝てはいなかったが、ボッーとしてたらしい。目の前にはルーミアとチルノ、リグルに大ちゃんが居た。

 

リグル「ボッーとしてたけど大丈夫?」

M「あぁ、大丈夫だ」

大「瑞生さん、演奏を聞いていたんですか?」

M「そうだけど、途中から覚えてないや」

 

良く見たらチルノは片手が屋台の出し物で埋まっていた。

M「チルノ、先生から使い過ぎは禁物だって言われただろ」

チルノ「全然使い過ぎてないもん!まだこのイカ焼きと焼きそばとリンゴ飴しか買ってないもん」

M「いや、結構使ってますがな……」

リグル「慧音先生も向こうの方で見回りしてたよ。先生も行って来たら?」

M「あぁ。じゃあ皆、気を付けるんだぞ」

ALL「はーい」

 

 

 

リグルの言っていた方には確かに慧音先生が居た。

ふぅ、と一息ついて休んでいる模様。

M「……」

 

 

慧音「少し疲れたな……だが騒動はいつ起こるか分からないしな」

再び意気込んだその時、首筋に冷たい物が。

慧音「ひゃう!」

思わず振り返ると瑞生が居た。

M「頑張り過ぎは良くないですよ、先生」

慧音「お前も来ていたのか……って何をするんだ、驚いただろう///」

M「可愛い声でしたよ、先sまぶぶぶぶ」

両手でほっぺ(つね)らないで下さい。

慧音「全く///」

M「そのラムネ、どうぞ」

慧音「良いのか?」

M「先生に差し入れっスよ」

慧音「……ありがとう。丁度喉が乾いていた所なんだ」

 

ラムネを飲む先生もまた色っぽ……ゲフンゲフン、何でもございませんよ?

 

 

少しゆっくりして、

慧音「さて、そろそろ行くとしよう」

M「俺もまぁ適当に見回ってますよ」

慧音「何か騒動があればすぐに伝えるんだぞ」

M「あいあいっ」

 

 

それから結構歩いたが、魔理沙を初め結構沢山の人物に出会った。

この祭り自体夏にある祭り程大きな物では無いがやはり皆お祭りが好きなのだろう。

歩いていると、

通行人「おい、向こうでプリズムリバー三姉妹の演奏の後半が始まるってよ。行こうぜ」

 

M(後半があるのか、行ってみようかね)

 

 

通行人の情報通りもう演奏が始まっていた。

そして席の1番後ろの方に居るのに滅茶苦茶目立つ人物1人。皆からの視線を釘付けにしている。

 

M「……来てたのか、紫」

紫「あら瑞生、ごきげんよう」

M(まぁ視線集まるのもしょうがないね、紫だし。俺の幼馴染だし!)

後半ちょっと何言ってるか分からないですね。

 

紫「何だか私に向けられる視線が熱いわね。どうしてかしら」

M「さぁ……美人だからな、お前」

でも素でこういう事言う人なんスよね、この人。

紫「!///」

慌てて顔を赤くする彼女がとても可愛らしい。

 

少し紫と演奏を聞いていたが、事件は起こった。

紫「ん?」

M「どうした?」

紫「何だか向こうが騒がしいわね」

M「ほんとぉ?(狂気)」

 

異常に気付いたのか演奏が止まった。

通行人「火事だー!皆逃げろー!」

M「火事!?」

 

わぁわぁと逃げる人波に流されそうになるが逆らって火事の現場に急ぐ。

 

M「先生!」

その場には既に先生が居て、逃げるのを指示していた。

慧音「瑞生か!大変な事になった」

M「そりゃ見て分かりますけども」

結構火の勢いは増している。どうやら屋台から発火した様で、離れていた為に他の場所に火が移ることはまだ無いだろうがそれも時間の問題だろう。

 

M「とりあえず火を止めないとな」

早く止めないと家だけじゃくて森にも火が移れば大惨事になるだろう。

 

M「そんじゃ早速!召喚獣、ウンd」「ブリザガ!」

M「ファッ!?」

ウンディーネを出そうとしたが先に巨大な氷が現れ火元から消した。

慧音「誰だ!?」

レティ「私がやらなくても大丈夫でしたね」

M「あっ!えーっと、レティだっけ?」

レティ「はい、あの異変の時以来ですね。あの時はかなり狂暴になっていまして申し訳ありません」

M「いや、俺こそ勝手にとんずらして悪かったよ。て言うか冬の環境じゃ無くても大丈夫なのか?」

レティ「氷を常に纏ってますから」

M「成程」

慧音「まぁともかく火は消せた。感謝するよ」

M「あぁ、ありがとうレティ」

レティ「いえいえ」

 

 

演奏の場に戻ると、人々はまだ騒がしくしており、プリズムリバー三姉妹も心配そうな顔をして演奏が出来ない模様。

紫「どうだった?」

M「もう大丈夫」

紫「なら貴方からあの三姉妹に伝えてあげて」

M「ん、分かった」

 

リリカ「あっ、瑞生!」

M「よう」

メル「火事はどうなった?」

M「止まったよ。もう大丈夫」

ルナ「それが聞けて良かった。わざわざ伝えてくれてありがとうございます。さぁ2人とも、演奏を再開するわよ」

リリカ&メル「うん!」

M「頑張ってな」

リリカ「私達の演奏、聞いててね」

M「勿論」

 

彼が戻って来ると、演奏が再び再開された。

紫「良かったわ、退屈だったもの」

M「お前なぁ……」

 

その後は紫や妖精達を連れて少し屋台を回ったりしてお祭りを楽しんだ瑞生であった。

 

 

 

また後日。

霊「で、最近夜帰りが遅いと思ったらあの三姉妹と会ってたのね」

M「あれからまた意気投合しちゃってさ」

 

彼女達からもまた幻想郷の知らない話が沢山聞けてとても満足です。

霊(本当に……無自覚にそうやってすぐ女の子と仲良くなってまたすぐに落とすんだから)

M「……霊夢?悪かったよ」

霊「別に、何でも無いわよ」

M「???」

霊「ところで瑞生、あの三姉妹は平気なのね」

M「平気?何の話?」

霊「貴方幽霊とかそういった系ダメじゃなかったの?言っとくけど、あの三姉妹は幽霊よ?」

M「……それ真実(マジ)?」

霊「本当(ガチ)よ」

M「……いや、確かに幽霊だ。だがあの3人は可愛いから問題無い!」

霊「瑞生の湖で最初に聞いた音はついでにあの3人の能力で、あの3人手足を使わなくても演奏が出来るんだって。だからポルターガイストって物ね」

M「…………」バタッ

霊「ちょ、瑞生!?何で倒れるの!?」

 

変に思い出してバタンキューする瑞生であった。

 

 




M「さらっと終わったな」
M・M「番外編だから多少はね?」
M「都合の良い解釈し過ぎィ!」
M・M「それは申し訳無いと思ってます」
M「それに昨日全体的に話を見直したら矛盾だらけだったらしいな?」
M「読者の皆様許して!(いつもの)お手数で無ければまた読み直して下さいね」
M・M「ほんじゃ、落ち着いて次の話書くぞ」
M「はぁい……」









こそこそ……

ん?


リリカ「姉さん達、行くよ!」

ズザザザッ!

リリカ「私は3女、リリカ・プリズムリバー!」
メル「私は次女、メルラン・プリズムリバー!」
ルナ「わ、私は長女のルナサ・プリズムリバーです///」
リリカ「合わせて……プリズムリバー三姉妹!」

ドドーン(特撮番組感)



メル「えっと、何これ?」
ルナ(恥ずかしい///)
リリカ「楽しいね!前からこういうのやってみたかったの」
メル「もう……全く子供なんだから」
リリカ「メルラン姉さんもノリノリだったよ?」
メル「そ、そんな事ないもん///」

ルナ「ほら2人とも、ちゃんと次回予告するわよ」
リリカ「はーい」
メル「次の話は……何だったかな」
ルナ「もう、ちゃんと覚えておいてって言ったでしょ。次回からは少し日常編が始まるわ」
リリカ「私達も出るみたいだね」
メル「出番無くしたら作者をトランペットで撲殺しちゃうかも……」
ルナ「物騒な事言わないの。ではまた」

3人「次回も宜しく!」


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-日常編 Let's LIVE!-

どうも。
学校が早くも辛くなっt M「あくしろよ」

ちょっと位喋らせてh M「ほんへ」

……日常編が少しちょこちょこ続きます。文字数は少ないですが楽しく明るく。

では、どうぞ。


ある日、リリカに歌は歌えるかと聞かれたので歌えると答えたらじゃあ歌って!って事になり、何故か廃洋館に連れてかれて練習をしよう!というのが今俺が置かれている状況。

 

M「ちょっと待て。いきなり何なんだ」

リリカ「今度の日曜にね、地中(した)の方でライブをして欲しいって言われたの」

ついでに今日は月曜日。

M「さとり辺りにでも頼まれたのか?」

メル「うん。何だかこの前のお祭りが楽しそうだったけど私達の方では出来ないからって言っててね」

M「それもそうか……」

 

確かに地上(うえ)地中(した)にある確執はそう簡単に無くなる物では無い。

ルナ「だから流石に大きなお祭りは出来ないけど簡単に宴でも開いて、そして私達にまたライブをしてくれないかと頼まれたんです」

M「ふむふむ。それで、どうして俺は連れて来られたんだ?」

リリカ「私達だけで普通に演奏するだけじゃいつもと変わらないから新しい事にチャレンジしようと考えたんだ」

M「……新しい考えって、もしかしてボーカルを入れる事か?」

メル「うん」

M「別に3人の内誰かが歌えば良いじゃん?」

メル「流石に疲れるよ。私達沢山楽器扱うから」

M「ふーむ」

 

確かに前の演奏でもそうだったが3人でとても沢山の楽器を扱っており3人だけで普通に大人数がする様な演奏が出来ている。それは凄い事だが流石に歌までは手が回らないとの事。

 

ルナ「なので歌える人を探していたのです」

M「もっと別に居るだろ」

ルナ「結構色んな所を訪れたのですが断られました。皆様忙しいので仕方ないですが」

リリカ「瑞生は基本暇でしょ?」

M「失礼だな、ちゃんと仕事もしてるんだが」

メル「お願い!毎日1時間位練習出来れば何とかなるかもだから」

M「うーん……別に俺は大丈夫だけどさ、1週間で何とか出来るのか?練習時間が流石に足りないだろ。それに歌う曲だって決めて無いんだろ?」

ルナ「……お恥ずかしながら」

リリカ「で、でも曲さえあれば私達自体は3日位あれば完璧に出来るよ?」

 

こんな事を言う位だから流石はプリズムリバー三姉妹であるが、俺はそんな歌に自信がある訳でも無いし人様の前で歌える実力なんて持っていない気がするが。

 

とは言え、やはり彼はお人好しだった。

 

M「……分かった。何とか都合つけて今日から1週間毎日練習しよう」

リリカ「やった!」

メル「でも、曲は?」

M「それなんだよなぁ……」

 

再び悩み始める3人だが、

ルナ「曲なら、あります」

リリカ&メル「えっ?」

M「おっ?」

 

ルナ「わ、私が作詞した物ですが///」

リリカ「大丈夫だよ!ルナサ姉さんセンスの塊だもん。絶対良い曲になってるよ」

メル「センスの塊ってのは良く分からないけど確かに姉さんなら安心だね」

M「2人もそう言ってるし良いんじゃねぇか?何にせよアイデアがあるならそれで行こう」

 

ルナ「で、ではまずはリリカの鍵盤とボーカルで行きます。瑞生」

M「……歌うのなんてどれ位ぶりか分からないから期待外れでも知らないからな」

リリカ「大丈夫だよ!私がしっかり音出すから瑞生も頑張って」

 

 

そして、

 

 

M「この胸に溢れてる、貴方への想い……永遠は無いから、少し傍に居て欲しいの……」

 

リリカの演奏に合わせ歌う。

 

おぉ、とメルランとルナサの感嘆の声が上がる。リリカもとても嬉しそうな顔をしている。俺歌上手いのか?

 

とりあえず1曲歌い終わり、

M「あー、あー、声ちゃんと出てたか?」

メル「わぁ……歌ってる時と喋ってる時の声が全く違う」

M「そうか?」

ルナ「とても綺麗な声です」

リリカ「ソプラノ並に声高かったよ?瑞生ってそんな声出せたんだね」

M「んー……自分でも良く分からないな」

 

ルナ「瑞生の歌声はたった1曲だけで私達を感動させる程の素晴らしい物でしたよ。後は私達が合わせれば」

メル「きっと凄い出来になるよ!頑張ろうね!」

M「そうだな」

 

 

 

 

その夜、博麗神社にて。

M「って訳で帰りが1週間遅れる」

霊「貴方歌うの?」

M「まぁ、そうなるんだろうな」

霊「へぇ……日曜日が楽しみね」

M「あんまり期待しない方が良いぜ。あの三姉妹は凄いけど俺は分からないからな」

霊「まぁ、練習頑張って」

M「あぁ」

 

 

 

 

次の朝。寺子屋に向かっていると、

???「瑞生さーん!」

M「ん、この声はもしや」

文「いつも貴方の隣に這い寄る天狗!清き正しき射命丸 文です!」

M(何処かで聞いた事あるフレーズだな……)

文「朝からすいません、少しお話良いですか?」

M「良いよ、どうしたんだ?」

文「日曜にある宴のライブでボーカルとして出るって本当ですか?」

M「……本当にお前の情報網スゲェな」

文「えっへん」

M「まぁ、そうだけど」

文「本当みたいですね。楽しみにしてますよ」

M「あんまり期待しないでくれ」

文「またまた~そんな事言って~」

M「知らんぞ」

文「まぁ安心して下さい、私が気になって聞いただなので記事にはしませんよ」

M「されても困るけどな」

 

 

 

 

別に隠すつもりは無かったが文とか紫は何故か知ってるし、紫が恐らくバラしたのかほんの少しだけ俺が歌う事を知っている人物も居た。

M(やれやれ……)

 

 

 

まぁやるからにはきちんとやる。

1週間だけだったが、日に日に三姉妹とのセッションが上手くなっているのが分かった。

 

この3人とのセッションはとても楽しいし、どうやら俺は歌う事が好きらしい。

 

ルナサが用意してくれた曲は言っていた通り3日程度で完璧レベルになった。

メル「凄いね、僅かな時間でここまで完成度の高い物になるなんて」

M「3人が常に引っ張ってくれるからな」

ルナ「いや、瑞生の歌が私達を引っ張っているのですよ。当日だってきっとそうなります」

M「そうかねぇ」

リリカ「このままこの曲練習しても良いけど……何かもう一曲出来ないかな」

メル「でも曲が無いよ」

ルナ「流石に私も……」

 

M「……ちょっと歌いたい曲があるんだが、良いだろうか?」

リリカ「え?無いって言ってなかった?」

M「そりゃ自分でこんな事出来ると思って無かったし。でもやってみれば歌う事が楽しくて、もっと歌ってみたいなってなってさ……変かな」

メル「ううん。凄く良い事だと思うよ!私達も瑞生の声大好きだし」

M「そ、そうか///」

頭を掻く彼。

 

ルナ「それで、どんな曲なんですか?」

M「えっと……」

 

改めてこの三姉妹の凄さを実感させられた。俺の鼻歌だけだったのにピアノとかで完全に曲として出来上がらさてしまった。

 

ルナ「では、当日はこの2曲で行きましょう」

 

 

練習は続き、遂に日曜日の本番を迎える事に。

M「おぉう、緊張するな」

ルナ「大丈夫ですよ。今まで頑張ってきたじゃないですか」

メル「そうだよ(便乗では無い)。瑞生なら出来る出来る」

リリカ「私達がちゃんとサポートするからね!」

M「サンキュな。じゃあ、行くか」

 

 

魔「おぉ!本当に瑞生だ」

紫「緊張してるわねぇ」

 

知っている人物も居たが大抵は知らなかったので皆かなり驚いている。

リリカ「本日は私達のライブにお集まり下さってありがとうございます!」

メル「今回はスペシャルゲストでボーカルをお呼びしました!」

M「えっーと、まぁここに居る皆はほとんど知ってるだろうけど如月 瑞生だ。今回はボーカルとして皆に歌を届けたいと思う!宜しくな」

 

ピーピーと歓声が上がった。

 

ルナ「それではお聞き下さい、Freesia!」

 

~~~♪

 

チルノ「希望の花~繋いだ絆が~」

大「チルノちゃん、それ違うやつだよ」

チルノ「こっちかと思った」

ルーミア「止まるんじゃねぇぞ?」

チルノ「何やってんだよ団長!」

慧「お前達、静かにしないか!」

ルーミア&チルノ「ごめんなさーい」

 

M「触れた指先に残る……貴方の温もり……包み込む手のひら、胸に揺れる思いは何~♪」

 

 

チルノ達の茶番はともかく、やはり基本的に皆かなりポカーンとしていた。

 

M(どう思ってるのか超気になるな……)「貴方の瞳に、映る私~この時全てを伝えられたら、良いのに……この空を見上げ手を伸ばそう~この想い貴方に届く~様に……」

 

けれど、皆凄く嬉しそうな顔をしている。これはもしかしなくても……

M&リリカ&メル&ルナ(ラスト!)

 

M「いつも胸に溢れてる、貴方への想い……永遠は無いから、今は傍に……少し傍に、居て、欲しいの……」

 

普通この歌詞からして女の子が歌う物だと思うんだけどね。そんな事を考えて凄く恥ずかしくなった。

 

 

ワーッと歓声が嵐の様に鳴り止まない。皆それ程までに興奮してくれているのか。

 

そしてすぐに、

「アンコール!アンコール!」

M「わぉ」

リリカ「やったね。アンコールだよ」

メル「じゃあ予定通りもう一曲」

ルナ「行くわよ、皆」

M「じゃあアンコールにお答えしてもう一曲!今度は乗ってくぜ!」

メル「聞いてね!空色デイズ!」

 

ライブの楽しさっていうのはこういう事か。歌う前の緊張は何処へやら、今は凄く楽しい。

 

~~~♪

 

魔「瑞生、超楽しそうだぜ」

霊「そうね、私達も楽しくなって来たわ」

魔「こういうテンション、私も楽しいぜ♪」

 

 

M「君は聞こえる?僕のこの声が~♪」

 

妖「まさか瑞生さん歌も歌えたんですね」

幽「普段の声と全く違うわね。しかし女性も顔負けレベルの高い声よ」

妖「とっても綺麗です、透き通っていて」

 

 

M「あの日くれた、言葉が今でも~この胸を確かに叩いてるから……今日の僕がその先に続く、僕らなりの明日を築いてゆく……答えはそう、いつもここにある~♪」

 

 

そして、歌い終わった時には、鳴り止まない歓声と拍手が続いていた。

 

 

その後三姉妹と共に宴を楽しんでいる皆の輪の中に入る。

さとり「ルナサさん、メルランさん、リリカさん。そして瑞生もありがとうございました」

ルナ「いえいえ、喜んで貰えて良かったです」

リリカ「大盛況だったね!」

メル「楽しかった~」

こいし「演奏も勿論だったけど瑞生凄かったね!目を塞いでたら全く分からないよ」

M「俺も三姉妹と練習するまでこんな声出せる事知らなかったよ」

霊「普段の声と全く違うじゃない」

アリス「まさしく7色の声ね」

魔「アリスの異名みたいだぜ」

文「やっぱり期待通りでしたね~美しい歌声、これは記事にせねば」

M「程々にしてくれ……///」

かなり照れている模様。

 

 

萃香「まぁ酒のつまみにはならないけど聞いてる分にはとても聞き心地の良い声だね」

パル「何であんな高い声出せるのよ。声域が広いの?本当に妬ましいわ」

M「ンな事言われても知らんがな……」

チルノ「せいいきって何?」

紫「その人の感じやすい所の事よ」

M「紫、堂々と嘘ついてんじゃねぇ」

紫「えー」

慧「その人の声の出せる範囲の事だ。大抵男は低く、女性は高くあるが」

永「まぁ、瑞生みたいに例外も居るって事よ」

チルノ「へぇー……」

 

ルナ「でも瑞生程の高い声は本当に稀の稀です。遺伝的にそうなってるのかもしれませんね」

M(遺伝、か)

自分の親の事等とうの昔に忘れてしまった、なんて事は無いけど細かくは思い出せない。

 

勇義「ま、話はそれ位にして瑞生も三姉妹も宴を楽しもうじゃないか」

M「あぁ」

ルナ「そうですね。こうして皆さんとの交流を持つのも大事な事ですから」

リリカ「お腹空いたから食べるぞぉ」

メル「お腹壊さないでね~」

 

 

紫「ねぇ瑞生」

M「ん?」

紫「2曲目も良かったけど最初に歌ってた曲、凄く好きよ。あの歌詞が」

M「そうか、俺も気に入ってるんだ」

紫「もう1回歌って♡」

M「えぇ……」

だが紫だけで無く他にもかなり歌って欲しいとの事だったので。

M「しょうがないな……1回だけだぞ」

ルナ「瑞生、私達も聞いていたいです」

M「え、じゃあアカペラか」

メル「頑張って!」

リリカ「瑞生なら大丈夫だよ」

 

M「ほいほい。そんじゃ……この胸に溢れてる~♪」

 

その日は歌で始まって歌で終わりましたとさ。




M「歌ネタ多かったな」
M・M「ガンダムの方も好きだけど本当にマジで良い曲で泣けるから皆もFreesia聞いてみて!」
M「と言うかその曲挿入されてるゲームって確か……」
M・M「そう!我が愛してやまないロックマンゼロでございます!」
M「後半の曲はグレンラガンだったな、確かにあれも凄く良い曲だ」
M・M「アニメ見る為に早起きした子供の頃の色褪せた記憶が……」
M「まぁ、思い出に浸るのも良いがてってこ次の話に進むぞ」
M・M「ほーい」







こそこそ……

おっ?
早苗「色褪せた記憶と言えば……」
神奈「今じゃそんな事も忘れて……毎日生きてる!」
諏訪「君がくれた勇気は♪」

3人「おっくせんまん!おっくせんまん!」

早苗「今回は珍しくネタバレしなくても良いってカンペが入ったので終わります♪」


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-三妖精と夢幻の住人

どうも。
かなり体調が優れなくて色んな事が出来なくなっているM・Mです。
M「無理せず毎秒投稿しろ」

労わってくれてるのか違うのか分からないよ瑞生くんや。
出番が限られますが新キャラを少しずつ出していきたいです。

では、どうぞ。


ある日のアリス宅での事。

 

 

アリス「時は××××年、突如現れた謎の魔物達により世界はかつて経験したことの無い恐怖の波に飲み込まれる。滅びゆく世界、過酷な現実の中。世界はどうなってしまうのか……」

 

M「何だそれ?」

アリス「今度の人形劇のお話よ」

M「えっ?」

アリス「えっ?」

M「そんなヤバい内容人形劇でやるのか?」

魔「過激な内容過ぎるんだぜ」

アリス「そう?」

M「いつもこんなの?」

魔「いや、普通はもっとのほほんとしたほのぼのストーリーの筈なんだぜ……と言うかアリスの人形劇は人里に居る子供達向けに開いてるから」

M「子供にその内容は確かに少々教育に悪いかと思うんだが……」

アリス「私もそう思うけど多少はこういうぶっ飛んだお話の方がウケが良いのよね。子供達だけじゃなくて大人も見に来るから」

M「ふーん……」

魔「そう言えばメディスンも人形持ってたな」

アリス「あの子の人形も私とは違うけどまぁ見た所同じ様な物ね」

M「俺はアリスのいつものほのぼのストーリー好きだけどな」

アリス「そ、そう?///」

魔「瑞生は人形とかそういう系好きなのか?」

M「うん」

 

だけど日本人形とかのそういう系とかメリーとかヤバ過ぎるやつはNG。

 

それを聞いてアリスの表情が明るくなった。

うん、可愛い。

 

まだただの人間だった頃可愛い人形やぬいぐるみを実は部屋に沢山置いていた事は秘密である。

 

 

M「それで、次の人形劇はいつなんだ?」

アリス「明後日の土曜日よ」

M(話が気になるから行こう)

魔(私も気になるんだぜ)

 

 

 

 

土曜日。

魔「何で霊夢が居るんだぜ?」

M「話したら興味があるから行くってさ」

霊「普通に見たくなっただけよ」

 

既に沢山の人々が集まっていた。

慧「アリスの様な妖怪とも仲良くしてくれる人物がもっと居てくれれば妖怪への当たりが少しでも減らせるんだが」

霊「今でも随分減ったじゃない」

M「きっと俺らなら大丈夫さ」

慧「そうだな、ありがとう」

 

魔「おっ、始まるみたいだぜ」

 

冒頭の話があって、内容を聞いた子供達はザワザワと落ち着きが無い。

M(まぁ、そうなるよな)

霊(大丈夫かしら?)

 

アリス「しかし、ある時○○という小さな国に記憶を失った4人の戦士達が現れました」

 

M(そうやって王道なストーリーに繋げるのか、やるなアリス)

 

 

アリス「戦士達は輝きを失ったクリスタルを持っていたことからクリスタルの戦士達と呼ばれ、彼らは世界に蔓延(はびこ)る強力な魔物達を沢山倒していきいつしかクリスタルは光を取り戻し、彼等は全ての魔物達を操っている魔王を倒して世界に平和を取り戻しました。その後彼等は人々の前に現れる事はありませんでしたが、その功績を称え人々は彼等の事を光の戦士と呼びました。めでたしめでたし」

 

 

 

 

おぉーと子供達から歓声が上がり、大人達からも拍手が巻き起こった。

アリス「本日もありがとうございました。では皆、またね」

 

子供達のまたねーと言う声を聞いてアリスはその場を後にした。

 

 

後にまたアリス宅にて。

M「言葉だけなら短いストーリーたが人形劇でやるとなると壮大になるな」

魔「面白かったんだぜ、アリス」

アリス「ありがとう。皆にも喜んで貰って良かったわ」

M(すっごく何処かで聞いた事ある話だったが)

霊「しかしいつもながら貴女の人形は凄いわね」

 

上海「シャンハーイ!」

そう言ってアリスの肩に乗る。

 

するとそこへ、

メデ「ごめんください」

アリス「ん、この声はメディスンね」

 

メデ「こんにちは……ってあ、お兄ちゃん!」

M「よぅメディスン」

魔(私達は無視か?)

霊(まぁまぁ)

 

アリス「どうしたの?」

メデ「スーさんのリボンがちょっとだけ破れちゃって……」

M「幽香は?」

メデ「人里の花屋に居るの」

アリス「仕事を邪魔する訳にはいかないものね。良いわ、直してあげる」

メデ「ありがとう!またお花持ってくるね」

アリス「ふふふ、楽しみにしておくわ」

 

M「……」

霊「瑞生、どうしたのよ」

M「いや、アリスは良い嫁になれるなって」

 

彼は褒め言葉で言ったのだろうが完全に墓穴を掘っている事に気付かない。

 

霊「なっ///」

アリス「!!!///」←撃沈

魔「瑞生、本当にお前は……」

メデ「お兄ちゃん……」

 

メディスンまでに細目で見られて何でこうなったんだ?と首を傾げる瑞生であった。

 

 

それからメディスンも加え楽しい時間を過ごした後、暗くなり始めたのでお開きにする事に。

 

メディスンを無名の丘に送ってあげる事にした瑞生だが、メディスンから面白い話を聞いた。

メデ「そう言えば昨日ね、幽香お姉ちゃん誰かと喋ってたの」

M「知らない人か?」

メデ「うん。金髪のお姉さんで、背中に羽が生えてたわ」

M「俺も知らない奴だな」

 

そんな話をしながら無名の丘に帰ると、

幽香「あらメディスン、出掛けてたのね」

メデ「ただいまー」

M「よっす」

メデ「お兄ちゃんが送ってくれたの」

幽香「そう、ありがとう瑞生」

M「なんて事ないさ。それより幽香に聞きたい事が1つあって」

幽香「何?」

 

次の言葉を発しようとした時、

???「幽香ちゃーん」

幽香「ん、瑞生ちょっと待って」

M「?」

 

扉がバーンと開くと、すぐに誰かが入って来て幽香に抱き着いた。

幽香「あぁもう、抱き着くな」

べしべしと誰かの背中を叩く幽香。

良く見たら金髪の美少女。そして背中に羽が生えており、メディスンの言っていた誰かに似ている。

 

???「だってー!魔法の森の湖で妖精達にいじめられたんだもん!」

恐らくチルノとかサニー達だろう、何やってんだアイツら。

M・M「三妖精は後で出てくるぜっ☆」

 

幽香「くるみ、妖精なんかに負けないでしょ」

くるみ「イタズラばっかりで勝負どころじゃないんだもんー!」

幽香「はぁ……」

 

M「えっと……」

くるみ「あれ?そう言えば知らない人が居る」

幽香「貴女より前に居たわよ」

くるみ「私はくるみ。吸血鬼だよ」

M(吸血鬼?レミリア達とはまた別なのか?)

「俺は如月 瑞生。宜しくな」

くるみ「あぁ、幽香ちゃんから聞いてた瑞生って貴方の事なのね。隣に居るお嬢ちゃんは?」

メデ「わ、私はメディスン・メランコリーです」

くるみ「そう、宜しくね♪」

 

 

3人と別れて、くるみをいじめたという妖精達の元へ行く事にした。

 

霧の湖にて

???「誰か来るよ!」

???「あの場所には落とし穴を仕掛けてるよ」

???「誰か知らないけど運が悪いわね」

 

 

目の前にとっても分かりやすい落とし穴であろう仕掛けがあります。さて、どうしようか。

 

ズボボボボッ

M「うわぁー(棒)」

???「引っ掛かった!」

???「見に行こうよ」

???「大成功……ってあれ?」

 

落とし穴が空いているのは分かったが穴を覗いても誰居ない。

M「(∩・∀・∩)バア」

 

「「「キャーッ!!!」」」

 

3人仲良く穴に飛び込んでしまった。

 

M「俺にイタズラするなんて100万年早いな。しかしこんな所に落とし穴作ったら駄目だろ、サニー、スター、ルナ」

 

サニーミルク(以後サニー)「瑞生だったのね」

スターサファイア(以後スター)「これは相手が悪かったわ……」

ルナチャイルド(以後ルナ)「でも何で分かるのよー結構頑張って作ったのに」

M「いや、かなり分かりやすかったけど」

サニー「くぅぅ……」

スター「それはともかく、瑞生はどうしたの?」

M「今日金髪の女の子をいじめてたろ」

ルナ「あぁ、何か羽生えたちょっと危なそうなのが来たから私達の能力使って少しだけ」

M「能力変な所に活用してんな……」(イタズラに使えば良いのに)

 

チルノ「あっ、サニー達だ」

大「瑞生さんも居るね」

サニー「チルノ、大ちゃんも」

 

M「まぁ、仲良く遊んどけ。俺は紅魔館に用があるからまたな」

 

こうして皆と別れて紅魔館に向かう……だが。

M「何で着いて来るんだよ……サニー、降りろ」

何故か皆着いて来た。サニーに至っては俺が肩車をしている状況(サニーが勝手に乗って来た)である。

 

傍から見ると警察だ!とかいって誰か来そうだが森の中なので安心!(殴)

 

 

 

紅魔館に。

咲「瑞生、来るのは良いですが連れが多いですね。自警団の人に言った方が良さそうですか?」

M「止めて?俺の死亡フラグ建設しないで?ちゃんと理由がありましてな」

 

青年説明中……

 

美「……で、そんなに着いて来たんだね」

M「……あぁ」

にししーと笑う妖精達を見て美鈴と咲夜もため息をつくが中に通してくれた。

 

 

妖精達はフランと仲良く遊んでいるらしいので、レミリアに話を聞いてみる。

 

レミ「くるみ……?聞いた事無いわね。でも吸血鬼が私達以外にも居るのね」

M「また連れて来るよ」

レミ「分かったわ。それと瑞生、今客室に貴方が多分会った事の無い女性が居るから会ってみたらどうかしら」

M「おっ、マジか」

 

 

客室にて、咲夜と話している誰がか居る。

咲「あら瑞生、丁度貴方の話をしていたのよ」

M「俺の話?」

エリー「こんにちは、貴方が瑞生ね。私はエリーよ、幽香ちゃんや咲夜と知り合いなの」

M「これは御丁寧に。如月 瑞生だ、宜しく」

エリー「くるみとはもう会った?」

M「ん、くるみと知り合いなのか?」

エリー「知り合いっていうか、私とくるみは夢幻世界と現実世界との間にある夢幻館の住人なの」

M「夢幻館……聞いた事無いな」

咲「普段から世に出る事は無いから知らなくて当たり前なのよ。私がエリーやくるみとも知り合ったのも偶然の話だったから」

M「へぇ……」

エリー「幽香ちゃんやここの皆から聞いていたけど確かにお人好しっぽい顔してる」

M「そりゃどうも」(どんな顔だよ……)

 

 

 

喋ってたらすっかり夜になってしまったのでレミリア達に挨拶して帰る事にした。

 

神社で霊夢に今日の出来事を話すと、

霊「へぇ、夢幻館ね」

M「霊夢も知らなかったか」

霊「そりゃそうよ。名前も今聞いたばかりだし」

M「ですよねー」

霊「ただ……」

M「ただ?」

霊「別の私なら、知ってるかもね」

M「???」




M「まさか旧作を出してくるとは」
霊「私の最後のセリフ完全な伏線じゃない」
M・M「実は幻想少女大戦を買いまして、エリーとくるみを出したかったんだよ、まぁ時代軸おかしくなるけど許してチョ!」
M「やれやれだな。まだ小話が続くのか?」
M・M「それは考え中。でも文字数が前回と今回少なかったから多分次は普通に長い話かなー」
M「じゃあ早く書くぞ、そう言えば体調悪いんだったな、無理そうなら寝とけ」
M・M「おう、いつもに増してお優しい」
M「それじゃまた」

瑞生&作者ログアウト










ん?

てけてけてけてけ……
霊「最近この流れ多いわね、作者結構後書きフリーダムに楽しんでるわ」


聖「えっと、次は私達の話になるみたいです」
ぬえ「本編には私達しか出てないから私達が次回予告という名のネタバレを……」
聖「作者のカンペ曰く、次回もオリジナル甚だしいキャラ設定&ストーリーでセンセンシャル……センセンシャルって何なんでしょうか」
ぬえ「気にしたら負けだってさ」
聖「???」
ぬえ「では次回も宜しく!」

ぬえ&聖ログアウト






ん?
ごそごそ……

チルノ「ふはははは!終わると思ったか!」
ルーミア「まだ続くのかー?」
チルノ「作者から頼まれて」
大「チルノちゃん、宿題やってあげるからって買収されたんだよね」
チルノ「大ちゃん言っちゃダメ!」
ルーミア「今回で記念すべき(?)50話を迎えられた事を感謝するとの事なのだー」
大「UAもお気に入りも増えていて本当にありがとうございます」
チルノ「という事でこれからもアタイの活躍を楽しみにしておく事ね!」
大&ルーミア「アッハイ」

チルノ「2人の反応が悲しい!もういいもん、終わり!閉廷!」


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-東方星蓮船 白蓮の過去-

どうも。
体調悪かったにも関わらず夜更かししてたら翌日朝位に息が止まる位に咳が出てて、病院行ったら大変な事に……なんて事では無く風邪をこじらせただけでした。良かったと言えば良かったですが。

M「あえて言おう、こいつ馬鹿だな(正論)」

隙あらば自分の事話してすいません。
前の後書き通り(最近後書きが楽しみになっている模様)聖 白蓮その他もろもろ編。
過去変やら色々混ぜてお送りします。

では、どうぞ。


人里にて

 

ある日の事、買い物に来た瑞生は白蓮と会う。

M「ん、あれは白蓮じゃないか」

白蓮はこの前の異変の宴会には居なかったから会うのは少し久しぶりである。

M「おーい、白r」

名前を呼び終わる前に彼女は何かを見つけたのか荷物をいつも俺も贔屓(ひいき)にしている店の親父に預けてダッシュしていった。

 

すぐに店の親父に話を聞いてみる。

M「おいおいどうしたんだよ」

親父「何処か分からないけど何だか悲鳴が聞こえてよ、それ聞いて姉ちゃん猛ダッシュしていっちまったよ」

M「親父、俺の荷物も頼む!後でちゃんと寄って買わせて貰うからさ」

親父「兄ちゃんならそう言うと思ってたぜ、任せな。でもちゃんと解決してこいよ」

M「勿論!」

 

親父が指差した方向にダッシュしていったとの事なので俺もダッシュ。

 

しばらく走って、何とか事件の現場に着いた。

M(白蓮!)

 

白蓮は何とガラの悪い妖怪3体と対峙していた。

ただの男なら良いが何故こんな妖怪がこんな所に居たのかは分からないが恐らくこの妖怪達が問題を起こしたのであろう。

 

M(助太刀するか)

流石に彼女でも妖怪3体は分が悪いであろう。

 

 

 

 

聖(くっ……)

大きめの妖怪だったので流石と言った所か、動きは鈍いが何度攻撃を入れてもあまり効いている感じでは無い。

魔法を使えば良いが、ここは人里。周りは離れてはいるが人が沢山居るし使う訳はいかない。

聖(でもこのままでは妖怪達が必ず何かしら破壊するし誰かが怪我をするかもしれない……!)

 

躊躇っている場合では無い、か。

だがその時。妖怪の一体が倒れ、良く見ると瑞生が見事なライダーキックをかましていた。

M「白蓮!」

聖「瑞生さん!?」

何故か彼が居るのかは不明だが、

M「助太刀するぜ!」

聖「ありがとうございます!」

 

周りを傷付け無い様に瑞生と協力し妖怪達を人里の外まで追い出した。

 

M「さて……」

聖「悪い子にはお仕置きですね」

 

かなり怯えているがどうしてでしょうかねぇ?

 

 

 

人里に戻ると沢山お礼言われました。

 

親父「いやぁ話は聞いたよ、妖怪達が暴れていたみたいだな。ほい、兄ちゃんも姉ちゃんも包み終わったぜ」

M「ありがとう。全く、ああいう奴が居るからいつまでも人間は妖怪を恐れ忌み嫌うんだぜ」

聖「どうして、分かり合えないのでしょうか」

M「白蓮……」

 

 

白蓮とはそこで別れ、自分も帰った。

 

 

その夜。

M「う~ん……」

最近本当に暑くなって寝苦しい。

が、今日は何か違う。

 

M(何だ?俺を呼んでいる?)

最近度々あるこの感じ。本当に一体何だというのだろうか。

 

M「……」

結局目が覚めてしまった。

M「まるで、来いと言ってるみたいだな」

何かが頭の中で俺を呼んでいる。ちゃんと方向を示している。

M「分かったよ、行けば良いんだろ」

 

着替えて霊夢に書き置きを残して外に出る。

 

頭の中の謎の感覚を疑問に思いながら、飛ぶ事数分経って驚いた。

M「ここって……」

着いた、と言うより呼ばれていた場所は命蓮寺である。当然誰も居ないが。

 

M「まさか……」

前にもこんな事あったよね。確か賽銭箱の前で……立ったら……あれ……?

 

気が付いた時には遅くて。俺は深い意識の底に沈んでいった。

 

 

 

 

???「そこの貴方、こんな所で寝てたら食べられてしまいますよ」

???「と言うか食べて欲しかったりして」

???「なら尚更放っておいたら駄目だろう」

???「でも何でこんな所で寝ているのでしょうか?確かにここで寝るのは妖怪に食べて下さいと言っているかの様ですよ」

???「分からないけど寝ているんじゃ無くて倒れてるんじゃないかな?」

M「う~ん……ハッ!?」

 

目が覚めると、知らない人物しか居ませんでした。いや、自分の右隣にいるネズミの子は知ってる。ぶつかっただけだが。

 

星「目が覚めましたか」

村紗「大丈夫?」

M「あ、あぁ……」

ナズーリン(以後ナズ)「私達が気付かなかったら妖怪に食べられていたぞ」

雲居(くもい) 一輪(いちりん)「こんな所で寝るのは感心しないな」

多々良(たたら) 小傘(こがさ)「妖怪に食べられたいなら止めはしないけど」

M「す、すまん……えっと、君達は?あぁ、俺は如月 瑞生」

星「瑞生さんですか、私達は……」

 

軽く自己紹介も済んだ所で。

 

M「えっと、こんな所で寝てた俺が言うのもアレだが君達こそ何をしてるんだ?」

 

ナズ「……宝探しだ」

M「宝探し、ねぇ」(宝探し?こんな所に宝なんてあるのか?)

星「本当にこの辺りに欠片があるのですか?」

ナズ「確かに私の能力はここら辺を指している」

 

すると、

雲居「待って、雲山が何か言っている……敵が居る?しかもすぐ側に?」

 

M「…………」

皆は気付いていないが、思いっきり後ろに大きな怪鳥(ガルーダ)が居ますね。皆、後ろ後ろー。

M「……後ろに居るぞ?」

 

星「えっ……ってきゃあーっ!?」

 

皆驚いたものの臨戦態勢を取る。

ナズ「瑞生と言ったな、君は戦えるのか!?」

M「この程度なら一撃で沈められるさ」

 

そう言って突っ込む。

村紗「突っ込んで行ったけど大丈夫なの!?」

星「速いですね、あれなら大丈夫ですよ」

ナズ「何者なんだ?」

 

ガルーダは激しい稲妻を出して来るが、

M「そんなの稲妻なんて言わねぇよ!地獄の雷ってモンを見せてやる!ジゴスパーク!」

 

出て来た稲妻を、ガルーダさえも飲み込んで次の瞬間には全て滅されていた。

 

ALL「(゜д゜)」

 

ナズ「あった、これだ」

ガルーダの翼に付いていた欠片を取る。

M「何なんだそれ?」

星「それは飛倉の欠片といって……」

ナズ「主!」

星「あぁいや何でも無いです!」

M「?」

ナズ「すまない、何かは話せないんだ」

M「そうか、なら無理に話さなくて良いよ」

ナズ「助かる」

 

 

雲居「後欠片は幾つだろう?」

ナズ「いや、先程ので多分最後だ。」

村紗「どうして分かるの?」

ナズ「後の欠片は1つの場所に集まっている。となると持っているのはあの巫女達だろう、宝塔もだ」

M(巫女……)

 

星「ではやはり……」

ナズ「戦って、手に入れるしか無い」

雲居「じゃあ早く行こう、時間が惜しい」

村紗「出発出発!」

 

 

 

ナズ「で、何で君は着いて来ているんだ?」

M「行く場所無いし」

ナズ「帰る場所が無いのか?」

M「ここ(・・)には、な。何をしているのか教えてくれないなら自分で確かめるだけだ」

星「危険な目にあっても知りませんよ?」

M「自分の身は自分で守るさ。危ないなら君達の事もちゃんと守るぜ」

 

ナズ(あの巫女達と戦うには戦力が1つでも多い方が良い。先程の戦いではほんの少しだけしか分からなかったが恐らく彼は強い。着いて来てもらった方が良いな)

ナズ「分かった。着いて来ても良いが我々の敵となるなら容赦はしないぞ」

M「ほいほい」

 

 

 

数分後、聖輦船前にて

ナズ「まさかそっちから出向いてくるとは。宝塔と欠片を全部渡してもらおうか」

霊「アンタ達こそ渡しなさいよ」

 

M(どうなってるんだ?)

霊夢達が居る。俺が知っている霊夢だが、彼女は俺の事を知らない。しかもこの滅茶苦茶デカい船は一体?

魔「話を聞いてくれないならやるしか無いんだぜ、霊夢」

霊「えぇ、むしろそっちの方が早いわね。相手が少し多いけど私達なら問題無いわ。行くわよ魔理沙、早苗!」

早苗「申し訳ないですが戦わせて貰います!」

魔「お前達に恨みは無いが遠慮は無しだぜ!」

 

 

皆が霊夢達と戦闘をしている中、瑞生は少し離れて考え事をしていた。

M・M「戦えよww」

 

恐らくこの世界は今より少し過去の話。でも俺の知っている幻想郷とは違う……俗に言うβ世界線とやらか。

M(IF……もし俺が幻想郷に存在しなかったら、とかそんな所か?)

 

そんな事を考えていたら勝負が終わってしまい、どうやら霊夢達の勝利の様だった。

M「はぇ~」

 

霊「アンタは誰?アンタも私達の敵?」

M「まぁこの場所では敵になるかな、霊夢さん、魔理沙さん、早苗さん達や」

霊(何で私達の名前を?)

魔(分からないんだぜ……早苗、こいつの事知ってるか?)

早苗(いや、知らない人です……)

 

霊「ともかくやる事は変わらないわ。悪いけど早急に終わらせて貰うわよ!受けてみなさい……霊符!夢想封印!」

 

まさしく霊夢と言えば、という技である。

勿論見た目も威力も素晴らしいが、何というか……言っちゃ悪いけど俺の知ってる霊夢の夢想封印の方が余っ程強い。

M「応戦する必要無いかなっと」

ひょいひょいと避けた。

 

霊「避けた!?」

避けられた事に本人は勿論魔理沙も早苗も相当驚いていた。別にそんな驚く事無いと思うけど。

 

魔「マジックミサイル!」

早苗「開海、海の割れる日!」

 

早苗さん結構ガチですな。

 

ならばそれなりな技で応戦を。

M「光よ瞬け……閃光剣!」

 

剣を突き上げ、その先から放たれる光が全てを包み込む。

 

次の瞬間には全てを消していた。ただ、

M「ありゃ、やり過ぎたか」

霊夢達も完全に戦闘不能になってしまった。

 

 

 

 

 

しばらく経って、聖輦船の中でナズーリン達と霊夢達はお話をしてとりあえず和解。ナズーリンは致しかね無いと言って目的を話してくれた。

 

M「聖 白蓮ねぇ……」

勿論知っている。理由は教えてくれなかったが彼女は封印されているとの事。だからこの聖輦船を、そして封印を解くために宝塔と飛倉の欠片が要るのだろう。

 

霊「で?どうしたら封印は解けるの?」

ナズ「全ての物が揃ったから恐らく封印自体は解けている。後は聖を探すだけだ」

星「……多分、魔界ですね」

ナズ「あぁ。探る必要も無い」

雲居「あの場所は嫌いだが……行くしかない、と」

村紗「出発、じゃなくて出航だね」

魔「魔界かぁ……話でしか聞いた事ないな」

早苗「私もです」

 

M(ニブルヘイムとかそんな系かな?)

 

という事で聖輦船で魔界へと白蓮を迎えに行く事に。果たして何があるのやら……

 

 

魔界を聖輦船で飛ぶ事数十分。

 

かつて白蓮と居た霊夢達を除く他の皆もここに封印されていたらしい。そして白蓮が封印された場所も分かっているとの事。

 

 

また少し経って、白蓮が封印されていたらしい場所に着いたみたいだが、

 

星「……主!」

星が指差した方向には、現代の彼女と全く変わらない姿の白蓮が立っていた。

 

白蓮「皆さん、来てくれたのですね」

村紗「当たり前だよ」

星「無事で良かった……」

ナズ「探した甲斐があったな」

雲居「私達以外の協力も借りる事になったが結果オーライですね」

 

霊「分かってはいたけど宝なんて無かったのね……はぁ、着いて行く必要無かったじゃない」

早苗「まぁまぁ、この人達困っていたみたいですし良かったじゃないですか」

魔「しかし封印とはな、何やらかしたんだぜ?」

 

白蓮「……貴女達は?」

ナズ「この者達は白蓮を復活させる事とは関係無かったけど結果的に復活を手伝ってくれた」

白蓮「そうですか、ありがとうございます」

 

何かさりげなく魔理沙が言った言葉は無視されているがそれが気になってしょうがないので聞いてみよう。

M「何で貴女は封印されていたんだ?」

 

白蓮「……私は過ちを犯した。それだけです」

M「それじゃ何も分からないけどな」

霊「一応欠片の半分以上は私達が集めたのよ、ちゃんと教えて貰う権利はあるわ」

星「そんな図々しい……」

白蓮「いえ、良いんです。話しましょう、彼女の言う通りですから……」

 

一息ついて、

 

白蓮「私には命蓮という弟がいて、命蓮から法術を学びました。ですが命蓮は死に、その時私は死ぬ事への恐怖を抱いてしまったのです。そして私は妖怪達から妖力や魔力を得て若返り、それ以降何度も若返ってきました」

M「見た所貴女は命蓮から教えて貰った法術で人々から妖怪退治を頼まれていた側だったのに逆に妖怪を助け、その代わりに妖力や魔力を頂いていた。封印されたのは恐らく人々に妖怪を助けていた事がバレてしまったとかそんな所だろう?」

 

白蓮「……そうです、ですが後悔はしていません。それに妖怪達と話をする度に妖怪達の悲しい過去を知りました。人々は妖怪に苦しめられていると言いましたが元々は人間の方が妖怪を苦しめていたのです」

 

M「……それで?人間に復讐でもするのか?」

白蓮「そんな事はしません。ですが妖怪と人間が平等に生きられる世界を作ります」

 

霊「残念だけど私は賛成出来ないわね。私は別に人々が妖怪をどう思ってようが知らないけど、妖怪は人を喰う。人は妖怪を恐れる。この関係が続く今にそんな理想を唱えても現実に叩きのめされるだけよ」

 

霊夢程バッサリとは言わなかったが魔理沙と早苗も白蓮の主張におかしく思っている様子。

 

白蓮「結局分かり合えませんか……なら!」

ナズ「聖!ダメだ!」

白蓮「止めないで下さい。沢山の人々から非難を受ける覚悟ならとっくの昔から出来ています」

霊「結局戦うのね……」

魔「仕方ないんだぜ」

早苗「白蓮さんの気持ちは分かりますが……やはり現実とは辛いんですよ」

 

ナズーリン達は当然白蓮側につく。霊夢達は強いが流石に白蓮が居ると分からんぞ?

 

 

 

 

戦いはすぐに始まり、すぐに終わった。

白蓮が圧倒的な力で霊夢達をねじ伏せたのだった。そりゃそうだ、白蓮は法術妖術魔術何でもOKとかチート魔術師なんだし初見の霊夢達が勝てる訳が無い。

 

霊「強いッ……!」

魔「魔法が桁違いに強いんだぜ……私なんかじゃ足元に及ばない」

早苗「これじゃあ奇跡もへったくれもありませんよぉ……」

 

白蓮「分かって欲しいとは言いません。ただ、私は妖怪と人が争わない平和な世界を作りたいだけなんです」

 

M「その世界を作る為に争いをしている奴は果たしてどうなんだろうな」

白蓮「ッツ……」

図星だった様だ、矛盾だらけだけどな。

 

M「少なくとも今の貴女は目的の為なら手段を選ばないって言った様なモンだぜ」

白蓮「それは……」

相当動揺している模様。

 

M「貴女の意見には賛成だ。俺の友達もほとんどが妖怪だからな……皆が周りの目を気にせずとも楽しく生きられる世界ってのはまさしく理想郷だとは思う」

白蓮「なら!」

白蓮が発言しようとしたが、

M「だけど、貴女は強引過ぎる。否定するならば力で考え方を変えさせる……それはただの悪だ」

 

白蓮「……分かってます、そんな事は。でも、それでも……私は!

 

止まる訳にはいかないんです!」

 

再び彼女の手に力が集う。

M(……結局、こうなっちまうか)

どうして話し合いで解決出来なんでしょうかねぇ……いや、俺が悪いか、この場合は。

 

聖「お覚悟を!始まりの時を再び刻め……!ビックバン!!!」

 

M「げっ……」

いきなりそんなヤバい術で攻撃してくるの?

 

考えている暇など無い、避けるには遅すぎるし相殺するしか無い。

だがこれ程の術を相殺するにはどうすれば?

 

その瞬間脳内会議が行われた。

 

考え1 ビックバンにはビックバンで抵抗するで。

A 魔力量からして相手の方が威力が高過ぎる。コチラも召喚獣を更に出せば相殺出来るかもしれないがまだ初めだからいきなりそんな事したら戦闘続行等不可能に近い。

 

考え2 我が奥義ライトブリンガーで応戦だ!

A 馬鹿野郎お前だからそんな事したら戦闘続行出来なくなるだろ!いい加減にしろ!

 

考え3 こんな時こそ時空剣だ!

A そうだよ(便乗)

 

 

て事で。たまにはカッコ良く決めましょうか。

M「はぁぁっ!!!見せてやる!天翔、蒼破斬!!!」

 

ビックバンの中心をぶった斬る。

相殺というか存在を消したというか。

 

聖「!!!」

まさかそうなるとは思わなかったのか、かなり驚いている。まぁ、そうでしょうな。

 

M「悪いが、俺はそう一筋縄で済むと思わないで欲しいな。それにやっぱりビックバンは魔力消費も大きいでしょうに」

聖「くっ……」

M「別に貴女の考えを真っ向から否定するつもりは無い。ただ少し落ち着いたらどうだ」

聖「私はいつだって落ち着いています!」

M「だったら攻撃を止めて欲しいんだけど!?」

聖「アブソリュート!エクスプロード!サイクロン!グランドダッシャー!」

 

M「うはwwヤバしww」

何これ?やっぱりチートじゃないか(呆れ)

 

無詠唱かつ高威力の上級魔法連打とか最早魔王以外の何にでも無いぞこれ!

 

全神経を集中させて上級魔法の嵐の中を駆け巡る。これ結構命懸けだよ?

 

M「それでも!負けるものか……行くぞッ!

冥空斬翔剣(めいくうざんしょうけん)!」

 

 

素早く懐に入り込み一撃。

白蓮も素早く魔法障壁を作るが、

聖「く、あ……」

 

間に合わなかったのか、がくりと崩れ落ちた。

 

M「悪いな……白蓮」

 

村紗「嘘、白蓮が負けた!?」

M「まぁ近接と魔法だからな、懐に入り込めさえすればコチラ側の有利ではあるし」

 

聖「こんな事では……平和な世界なんて……」

M「……白蓮の中で平和な世界って言うのは何なんだ?争いの無い世界、確かにそれも良い事だ。でも平和ってそれだけじゃないだろ?平和っていうのは無理に強制しようとするんじゃ無くて自然と出来ていくモンだ」

 

 

まるで核心突かれた様にハッとする白蓮。

聖「自然と……出来るもの」

M「そうなる様にお手伝いすれば良いんじゃねぇのか。お節介にならない程度にな」

 

 

 

 

 

霊夢達も白蓮も一旦落ち着いて。

M「んで、白蓮はどうするか決まったのか?」

聖「私は、教えを説こうと思います」

霊「神社でも作るの?」

聖「この聖輦船は神社にもなりますから。そこで頑張ってみようと思います」

M「あぁ、頑張れ」

聖「瑞生さん、ありがとうございました」

M「俺は何もして無いさ……色々と上手くいく事を願ってるぜ」

 

 

そう言って1人先に目が覚めたあの場所へ。

 

M「ッツ……!」

またあの目眩。

きたきたキタ━(゚∀゚)━!。これってもしかして、もしかするかも知れませんよ?

 

M「バタンキュー」

 

 

 

 

俺が命蓮寺(現代)で眠りについてから数時間位だろうか、ふと目が覚めると朝日が登っていた。

 

あの世界はパラレルワールドとやらか。

現代では白蓮達も俺達の前にふと現れたがあの様な出来事が少し前にあったのだろうか。

 

M「ううむ、体が痛い……」

寝ていた場所が石床だったために背中が痛い。

 

聖(あれ?瑞生さん?どうして……)

ひょっこり襖から覗く。

門は閉じられている筈なのに何故か境内に彼が座り込んで何かブツブツ言っている。

 

流石に寝巻きのまま出る訳にはいかないので慌てて着替える。

聖「瑞生さん」

M「ファッ!?白蓮か……」

聖「……何してるんですか?今の貴方一応不法侵入ですよ?」

M「あっ、スマン!」

すっかり忘れていた。

 

聖「見た所汗だらけで背中も土だらけですし……一旦中に入って良かったらお風呂使って下さい」

M「い、いや良いよ……俺もう帰るからさ!」

 

そう言って彼はすぐに飛んで行ってしまった。

 

聖「不思議な人……でもどうして境内に居たのでしょう?」

ナズ「聖、どうしたんだ?」

聖「いや、何でもありません。皆を起こして朝ご飯にしましょう」

星「皆起きてますよ」

ぬえ「だって何か物音したし。何か居たの?」

聖「気のせいですよ、きっと」

雲居「獣か何かでは」

 

 

ぬえ(私の言っていた物音ってそうじゃないんだけどなぁ。何というか……もっと、下の方)

 

M・M「こ↑こ↓伏線」

 

 

 

そして帰って来たら帰って来たで霊夢から問いただされるし。もう災難だ……。

 




M・M「えー……何故いきなりパラレルワールドを持ってきたかと言うと、白蓮はもそう、早苗さんもそうでしたがおかしな時期に普通に現れていたのでそれおかしくね?ってなるのでこんな事がありましたよって事にしておいて下さい(震え声)」

M「まぁええわ、許したる」
M・M「何かムカつく……」
M「おら、次も書くんだよ。とっとと書かないと内容忘れるぞ?」
M・M「あーい」








い つ も の。

ん?


フラン「私達が今回の予告だってー」
レミ「作者も面倒な事やらせるわね」
フラン「とか言ってて昨日頼まれた時に凄く楽しみにしてたくせに」
レミ「な、何の事かしら?」
咲「昨日は全くお眠りになられなかった様ですが。それ程楽しみだったんですね」
パチェ「可愛い所あるじゃない」
こあ「顔がリンゴみたいに赤くなってますよ♪」
レミ「うー……うー……///」


フラン「という訳で次回!白蓮とか言うバリボーなお姉ちゃん編が続くよ!」
咲(バリボー?)
パチェ(また変な言葉を覚えたわね……)
レミ「次回も読みなさいよ!」
フラン「うー☆うー☆」
レミ「フーラーン///!!!」

こあ「終わります♪」


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-命蓮寺 墓地にて-

どうも。
体調が少し戻って来ましたM・Mです。

私事は置いといて、今回で2話目となる星蓮船・神霊廟編はあと1話続きます。

では、どうぞ。


前回のあらすじ。

白蓮の過去を知りました(適当)。終わり。

 

M「(適当)って言ってしまってますやん……」

 

 

 

またとある日の事。

 

M「白蓮にあんな過去があったなんてなぁ」

皆さん結構闇が深い……。

 

そんな事をぼやいていると、

文「瑞生さーん」

M「お」

 

文がやって来て、手紙を渡された。

文「ラブレターですか?」

M「違うだろ……」

文「じゃあ見せて下さいよー」

M「はいはい……」

 

拝啓 如月 瑞生様

突然のお手紙をお許し下さい。

実はお話したい事があって、可能ならば本日の午後2時に命蓮寺まで来て頂けないでしょうか。

 

M「……」

文「あややや……ラブレターじゃないですか!」

M「何でそうなるんだよ……」

霊「……ジーッ」

M「睨むなよ霊夢、違うからさ……あと30分か。先に準備しとくかな」

 

文「何で霊夢さんがそんなに気にするんですか~?愛が重いですね~?」

霊「こんのぉ~///!!!」

 

M(何だか外が騒がしいな……)

 

 

 

 

命蓮寺にて

M「白蓮~」

 

ナズ「む、誰か呼んでいるぞ」

ぬえ「この声は、瑞生だっけ?」

 

白蓮がダッシュしていった。

星「白蓮が言っていた()ですか?」

雲居「みたいですね」

 

白蓮に案内されて寺の中へ。

白蓮「こちらにどうぞ。今お茶を入れて来ますのでゆっくりしていて下さい」

M「あぁ」

 

人が沢山居る。いや、人は居ないか?

M「えっと、俺は如月 瑞生。宜しく」

 

軽く全員の自己紹介が終わった所で(まぁ全員知ってるけど)

白蓮「どうぞ。わざわざ来て下さりありがとうございます」

M「良いよ、それよりどうしたんだ?ここにいる皆の感じからして呑気な話では無い事は分かるけど」

白蓮「実は、この命蓮寺の地下から妙な物を感じるのです」

M「妙な物?」

白蓮「何かしらの気配というか、何というか……そんな禍々しい物では無いのですが」

星「ですので私達でそれを確かめに行こうという事になりまして」

M「それで俺は助っ人か?」

聖「な、何があるか分かりませんから瑞生さんみたいな方が居て頂けると安心だと思いまして」

 

凄いアタフタしている彼女を見て思わず笑ってしまった、失礼だけど。

 

M「まぁ、そういう事なら力になるぜ」

 

 

 

で。

M「それで、何処なんだ?」

聖「前に案内した事があったと思いますが、墓地で感じたのです」

M「げっ……墓地かよ」

 

 

墓地にて。

聖「この辺りなのですが」

M「何も無いけどな」

聖「でも確かにこの辺りでしたよね?」

そう言って皆の方を向く。

 

ナズ「あぁ、昨日の夜だったな」

星「この場所に何かあるのでしょうか」

ぬえ「何か変なのは今でも感じるんだけどね~」

 

M「ナズーリンも夜って言ったし夜にまた来てみたら何かあるかもしれないぞ?」

雲居「それもそうですね、夜にまた来るのはどうでしょうか」

聖「そうですね、では本日の午後7時に集合しましょう」

M「おーけー」

 

 

 

だが、神社に帰る途中に異変は起こった。

M「ん?」

 

目の前に何かふよふよ飛んでいる。

M「悪霊か!?」

 

この前の異変がまだ残っていたのか?と思ってたが、妙な事に、

 

ポンッと音を立てて消えてしまった。

M「あれ?消えた?」

と思ったら、

 

ポンッと音を立てて再び現れた。

M「何だこれ?」

 

博麗神社にもどると、

霊「瑞生!大変な事になったわよ」

M「どうしたどうした」

霊「また幻想郷のあちこちに正体不明の霊が現れているのよ」

M「何か悪さしてるとか?」

霊「そうじゃないんだけど……消えたり現れたり訳分からないのよ」

M(さっきのか……)

 

霊「また地獄行かないとといけないか……」

M「いや、何もしない霊だけなら……幽々子に話した方が良いかもしれない」

霊「なら白玉楼に突撃ね!」

M「突撃って……(汗)」

 

 

 

白玉楼にて。

幽「確かに大変な事になってるわね。冥界にも霊が現れるなんてね」

妖「幽々子様、呑気過ぎますよ」

幽「別に呑気にはしてないわよ。あれは人の欲が具現化したもの……神霊と言われる物ね」

M「神霊ねぇ」

幽「そして、神霊達が集まっている場所がある」

霊「何処なのよ」

幽「あの命蓮寺っていう寺の裏にある墓地ね。あそこに不自然な位神霊が集まっているわ」

霊「ならやる事は1つね、行くわよ瑞生」

M「へいへい」

妖「私も行きます!」

 

幽「行ってらっしゃーい」

 

後で魔理沙と早苗と合流して、5人で命蓮寺の裏の墓地へと向かう。

M「7時に白蓮達と待ち合わせをしてるんだ、合流しよう」

 

 

約束の午後7時には墓地に全員集合して、先に進んでいく。

M「何か出そうだ……もう嫌になってきた……」

妖「瑞生さん、大丈夫ですよ」

M「うぅ……」

霊(瑞生って幽霊とかその辺の話になると急にヘタレになるわね)

魔(でも戦う時は普通だぜ?)

早苗(ちゃんと分けてるんですよ、戦う時と怖がる時を)

霊(何よその分け方……)

 

墓地の参道にて。

???(あの男、さっきもそうだったけど随分怖がりみたいね。怖がらせてやろうかしら)

 

ガサガサッ

M「ッツ!?」

魔「ん?どうしたんだぜ?」

M「そこの草むらに何か居る!」

霊「気のせいでしょ、神経質になり過ぎよ」

M「おかしいなぁ、確かに音がしたんだが」

 

 

いるよ

 

M「ひぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 

突然の瑞生の叫び声に一同びっくり。

聖「瑞生さん!?どうしたんですか!?」

M「…………」

ぬえ「気絶してるねぇ」

???「ありゃ、そこまで怖がりだとは思わなかったよ。でも良い怖がり方だったね」

聖「小傘!気絶させたらダメじゃないですか!」

小傘「だって凄いビビりみたいだったし驚かせてみたかったんだよ」

聖「やり過ぎです」

小傘「ごめんなさい」

M「良いよ、何か居るかと思ったけどいきなり過ぎて気絶しちまったよ」

小傘「ナイスリアクション!」

M「おいおい……(可愛いから許す!)」

 

小傘と別れ更に参道を奥へと進んでいく。

 

が。

???「うーらーめーしーやー」

M「\(^o^)/」

魔「また倒れたんだぜ……」

霊「もう、世話のやける……」

いや、これ俺が悪いの?

 

聖「もう、芳香まで」

宮古 芳香(よしか)(以後芳香)「だって……とても驚かせたらいいリアクションが見れるって小傘から聞いたのだ」

聖「小傘……」

 

とりあえず目が覚める。

M「君は……妖怪、か?」

芳香「我はキョンシーぞ」

M「キョンシー?」

聞いた事あるような無いような。

早苗「確か……中国の妖怪で死んだ者を甦らせた者をそう呼ぶんだったと思います」

M「……ゾンビ?」

芳香「ゾンビなどと一緒にするでない!貴様も喰ってやる~」

M「うへっ」

 

その場は何とか切り抜けて、更に進む。

ぬえ「良かったね、1人で芳香なんかに会ったら喰われちゃうよ。芳香は滅茶苦茶危険度高いし」

M「噛まれるのはゴメンだ……」

 

バイオ○ザードで十分です。

 

 

続いて、

M「えっと……あの~」

自分達の前に現れたのは青い髪、そして水色を基調とした服という全身青い女性。

 

???「芳香に会いましたか?」

霊「さっきそこでウロウロしてたわね」

???「そうですか」

魔「お前は誰なんだぜ?」

妖「魔理沙、ちょっと失礼だよ」

(かく) 青娥(せいが)(以後霍)「いえ、お気になさらす。私の名は霍 青娥。青蛾 娘々(にゃんにゃん)とも申します」

M(にゃんにゃん!?)

猫かな?

 

聖「娘々とは中国の道教でいう女神です。彼女は1000年以上生きている仙人なんですよ」

M「へぇ~そりゃ凄い」

 

霍「芳香は私が遺体から甦らせて操っています」

M「あの頭に貼ってあった札でか?」

霍「はい」

M(面白いな……呪術みたいな物か)

霍「この先に進むのですね」

妖「この先には何があるのですか?」

霍「それは自分で確かめる事です。言うならば古代より甦りし存在が待っているでしょう」

早苗「古代って……諏訪子様と神奈子様がかつて生きていた様な時代の事でしょうか」

M「さぁ、古代っていっても色々あるし。霍さんの言う通り自分で確かめた方が早そうだ」

 

 

更に進む事数分、遂に。

聖「!?」

白蓮がかなり驚いている。

星「聖、どうしましたか?」

聖「こんな所に……洞窟がある」

ナズ「確かにこんな所に洞窟は無かったな。それに何というか……存在したというより現れたという方が正しい様な」

雲居「でも、行くしかないですね」

M「ここからは白蓮も知らないのか?」

聖「はい。先程言った通り初見です」

M「じゃあここからは俺が先導しよう。何があるか分からないからな」

聖「お願いします」

 

 

 

洞窟はかなり深い。何が潜んでいるか分からないので常に警戒して奥へと進んでいく。

 

だが結局何も出ずに最深部へと辿り着いた。

M「何も出なかったな」

妖「戦いは無い方が良いですよ」

M「それもそうだ」

 

霊「見て……あんな所に祭壇があるわ」

魔「怪しすぎるんだぜ。絶対何か居そうだ」

早苗「へ、変な事言わないで下さいよぉ」

M「……」

 

皆静かに祭壇の前に進む。

こういう所はやはりボスとか居そうだけど(ゲーム的に)予想とは裏腹に祭壇の前まで来ても何も出て来ないし何かが起こる訳でも無かった。

 

M「……んー?」

聖「何もありませんね……」

ぬえ「いや、それは絶対無いよ。ここに絶対に何か居る筈」

ぬえは何かを感じ取っているのだろうか。

 

その時。

ナズ「祭壇が光りだした!?」

 

皆ゆっくりと祭壇と距離を取る。

そして祭壇に現れたのは……。

 

???「ここは何処でしょうか?」

???「と言うか我は……?頭が痛い」

???「色々と思い出せんぞ……」

 

1人は霊夢みたく脇の空いた服装の……動物みたいな耳があるけど。

後の2人はいかにも陰陽師とかそういった服装で、凄い昔の日本の服装である。

 

いかにも変わった人達。

M(……大丈夫かこの3人?)

 

???「えっと……何がどうなって?」

魔「こっちが聞きたいんだぜ」

M「とりあえずお先に、俺は如月 瑞生。貴女達は何者ですか?」

失礼の無い様に。直感的にこの人達は多分偉い人達だと思うからだ。

 

豊聡耳(とよさとみみの) 神子(みこ)(以後神子)「これはご丁寧に……私は豊聡耳 神子と申します」

物部(もののべ) 布都(ふと)(以後布都)「我は物部 布都じゃ」

蘇我(そがの) 屠自古(とじこ)(以後蘇我)「我は蘇我 屠自古だ」

 

聖(豊聡耳 神子……ただ者では無さそうですね)

M(物部、蘇我と来たら神子は聖徳太子って所かな。耳あてとか持っている剣が気になる)

 

神子「私は、ここに居る2人も遥か古代の時代より甦った存在です」

M「物部氏に蘇我氏。豪族だな」

魔「豪族?」

M「ある地方において巨大な富と力を持った勢力の事だ」

早苗「え、でも確か物部氏は蘇我氏に……」

M「滅ぼされたな」

布都「……」

蘇我「……」

 

神子「えっと……まぁ話はここまでにして、この世界がどうなのか教えてくれませんか」

M「そうだな。とりあえず地上に出よう」

 

 

が。

ズドン!

霊「な、何!?」

M(何処だ?壁を壊してくるか?いや……)

「上だ!皆下がれ!」

上から来るぞ!気をつけろ!

 

 

皆が即座にバックステップした後で、皆が元々居た場所に何か(・・)が落ちてきた。

 

早苗「こ、今度は何ですか!?」

M「こいつは……やまたのおろち!?何でこんな奴が……まさか!」

神子「恐らく我々と共に眠りについていた者と推測されますね。相当厄介な相手です」

布都「ならばもう一度封印してやるまでじゃ!」

蘇我「やってやんよ!」

M「仕方無いか……伝説の生き物だろうが何だろうが襲い掛かってくるなら斬るまでだ!」

 

 

 

神子「私が前に出ます!敵の攻撃は後ろの皆さんにお任せします」

M「無論俺もだ!頼むぜ皆!」

妖「私も出ます!」

魔「あ、ちょっと待っ……ってもう行ってるし」

霊「しょうがないわね。3人に任せて奴の攻撃は私達が相殺しましょう」

早苗「早速来ましたよ!」

 

相手の灼熱の炎が全員に向かう。皆すぐに弾幕を準備するが、

M「幻魔(げんま)衝裂破(しょうれっぱ)!」

妖「縛氷幻霧(ばくひょうげんむ)!」

これを瑞生と妖夢が剣技でかき消す。

神子「御二方お見事です!ではお覚悟を……仙符、日出ずる処の天子!」

 

その先で神子様がスペカを決めてました。

大きく唸り声を上げて苦しむおろちであるが、まだまだ倒れない。流石伝説と呼ばれる強さ。

 

炎だけで無く吹雪も吐き、雷も起こせば地震も起こすし何でもありだ。

威力も計り知れず、瑞生達は回避に精一杯で後衛の霊夢達も弾幕を撃つのはおろか避けたり相殺するのにも一苦労だった。

 

結構危なかったのでとりあえず今居た場所からは脱出。相手も追っては来ない様だ。

 

布都「ど、どうすれば良いんじゃ~」

蘇我「流石に……このまま戦い続けるのは無理があるな」

神子「瑞生さん、何か良い策はございませんか?このままでは私達が沈む方が先です」

M「俺かよ……えっと……」

 

確か日本神話で出て来たやまたのおろちは須佐之男命に倒されたって言うがどうしたんだっけ?

M(確か酒を飲まして酔って寝た所で首をぶった斬って倒したんだよな、でもこの場でそれは出来ない。とは言え酒で酔って寝るって事はもしかすると……)

 

少し考えて、

M「よし、とりあえずやってみたい事はある」

神子「本当ですか?」

M「あぁ、まずは俺が奴の目の前に出る。そしたら奴は俺を食べようと噛みつきで攻撃してくる筈だ。そしたら後ろの魔理沙と白蓮とでスリプガをかける。霊夢と早苗は魔法を使う3人に結界を頼む。神子さんと屠自古さんと布都さんと妖夢は念の為に後ろで待機しててくれ。無いだろうが8つ首の内どれかが後ろに攻撃して来たら困るからな」

 

神子「睡眠……確かに伝承通りならば奴に眠りが効くかもしれませんが、その間少しとはいえ8つ首の攻撃全てを貴方は対処しないといけないのですよ?」

妖「そうですよ、危険過ぎます!私もやります」

M「大丈夫さ、俺の反射神経舐めてもらっちゃ困るね。それに避けるだけなら1人の方が良いんだ。悪い妖夢、分かってくれ」

布都「本当に、可能なんじゃろうな」

蘇我「やられたら終わりだからな、分かってるじゃろうが」

M「当然。やるからにはやってみせるさ」

 

 

作戦を皆作戦を飲んだ所で、いざ再戦。

 

 

M「よっしゃ突っ込むぜ……ってん?」

俺達の姿を見るや否やすぐ様にギガデインを唱えて全体攻撃。

M「あばばばば」

勿論皆防御したが、前に出過ぎた俺は直撃。

霊「瑞生の馬鹿!何やってんのよ!」

M「だ、大丈夫だ……問題無い!」

神子「タフいですねぇ」

 

気を取り直して。

M「行くぞ!」

やまたのおろちのすぐ目の前へ。

 

M(凄いな……大きいのは分かってたけど近くで見ると迫力が倍違いだ)

思わず来てしまったのを後悔しそうだったが、その暇さえも与えない程の勢いで作戦通り8つ首全てが俺を食べようと襲い掛かる。

 

M(かかった……後は詠唱が終わるまで頼むぜ俺の反射神経、そして運!)

最強のコマンドは祈るである。

M・M「MOTHERかな?それとこいつの戦闘いつも運頼みになってんな」

元々ただの人間だった頃もゲームとかで鍛え上げた反射神経は誰にも負けない自信はあったし、今までの戦いだってニュータイプ的な反応で生き残ってきたし。

M「ふっ、ほっ、はっ、せいやっ!」

絶妙なタイミングで噛みつきを回避していく。

 

神子「凄い……本当に避けてる」

妖「流石瑞生さんです」

魔「詠唱、終わったんだぜ!」

霊「瑞生ー!もういけるわよ!」

M「よしきた!」

 

またこちらも絶妙なタイミングでバックステップして距離を取る。

 

M「今だ!」

魔&聖「スリプガ!!」

 

 

これもまた呆気なく、先程までの威圧感が嘘の様に消えて相手は眠りこけてしまった。

 

M「……ふぅ、作戦成功(ミッションコンプリート)だな」

 

後は一思いに始末すれば終わりだ。

M「悪いな……一閃!」

特にこれといった技でも無い。無心になって敵を一閃するだけの簡単な攻撃だが、威力は申し分無い。だが、ただ一閃しているだけでは無かった。

 

首が全てバラりと落ちて、やまたのおろちは砂となり消えたのだった。

神子(誰も見えていないけど……あの一閃の僅かな時間でやまたのおろちの首や関節等を的確に斬っている。まさしく神業……私でも少し斬撃しか見えなかった)

 

M「さぁ、とりあえず色々とお話しないといけない事が沢山ありそうだ。帰ろう」

霊「そうね」

皆も頷いて、ひとまず命蓮寺に帰る事にした。

M(さて、帰ったらまた一波乱ありそうだな)

 

 

つづく

M(つづくって何だよ……絵本じゃあるまいし)




M「何で日本神話なんだ?」
M・M「いや、古代の話だから何となく」
M「良く分からんな……それよりあと1話続くんだっけ?」
M・M「うむ。次の話は……いかんいかんネタバレ禁止っと」
M「あっ……(察し)」










ん?
最早いつものと化してしまったぜ!

小傘「バカだね~作者も。ネタバレされるに決まってるのに」
芳香「次の話は何ぞや~?」
霍「えっと、激闘!?瑞生VS神子ですって。あの2人喧嘩でもするのでしょうか?」
小傘「うわぁあの2人が喧嘩とか……墓地壊しちゃいそう、今の内に避難しとこ」
芳香「いや~墓地壊さないで~」

布都「次の話に続くのじゃ♪」


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-激闘!?瑞生VS神子-

どうも。
梅雨が近づいて来ましたね(デデドン!)

前回の後書き通り。
瑞生は強大な神子に勝てるのか。

では、どうぞ。


前回のあらすじっ!

M・M「そのまんまですが前回のあらすじです。とても長く私が内容を忘れない様に書いたのでそんなん要らんわゴルァと言う方は飛ばして下さいね」

M「少し前に書いた事を忘れる作者の脳のアホ仕様に草」

 

 

命蓮寺にて妙な物を感じられたという白蓮の頼みで命蓮寺の裏の墓地に行った命蓮寺一行と瑞生だが、何も異変は起こらず帰還。だが命蓮寺からの帰りに謎の霊と出会い博麗神社に帰ると幻想郷の各地にて謎の霊が消えたり現れたりするという異変が起きていると霊夢から聞いたので、幽々子の元へ行くと今度こそ命蓮寺の墓地に原因があると判明した。

 

そして墓地に行くと昼には何も無かった筈の場所に洞窟が出来ており、最深部まで行くと祭壇があり、瑞生達が触れた事により豊聡耳 神子、物部 布都、蘇我 屠自古の3人が古代より復活したみたいである。だが直後に3人と同じく眠っていた古代の伝説の生物のやまたのおろちも復活。その強さに苦戦を強いられるも復活した3人の力も借りて何とか撃破。そして復活したものの何も分からない3人の為に命蓮寺に戻り話し合いをする事に……。

 

M「あらすじ長過ぎィ!」

M・M「すいませんってば」

M「すいませんしか言えへんのかこの猿ゥ」

霊「いい加減本編行きなさいよ!夢想封印!」

M&M・M「ウボァー!!!」

霊「全く……さっさと本編行くわよ」

M・M「」←炭になっており話せません

M「イクゾー……」

 

 

 

 

 

 

命蓮寺に戻って来た一行。とりあえずまずはこの3人に現代の事を教えた。

神子「私達はかなりの時間眠っていた訳ですね」

布都「まだ記憶がはっきりせんのじゃ」

蘇我「何というか、起こされた様な感じがする」

聖「それはもしかしたら私達が命蓮寺を立てたからかもしれないです。良く考えたらあの場所はこの命蓮寺の真下でしたね……すみません」

神子「別に謝る必要は無いですよ。それにしても……随分と異妙な世界になりましたね」

霊「異妙って?」

神子「妖怪と人間が普通に一緒に居る事ですよ」

聖「それでも……まだまだ妖怪と人間は敵同士という考えは変わってません」

布都「我々にとっては妖怪は都に害をもたらす存在として退治する存在じゃったからの」

蘇我「善悪は存在しなかったな。安倍晴明みたいな例外は存在したが」

M「やっぱり、3人はそれ位前の古代の人間なんだな。でも神子さんは……」

神子「神子で良いですよ」

M「そうか。じゃあ神子も敬語なんか使わずに砕ければ良いと思うぜ」

神子「私は敬語でも話すし普通にも話すわよ……それで、私は何だと言うの?」

M「貴女は人間か?」

神子「人間ではある。だが人間とは違う」

魔「瑞生みたいな事言うんだぜ」

神子「私は聖人として、様々な学を修めて最終的には不老不死を目指していたの」

M「不老不死……か」

似た様な、いやもう不老不死の知人が居るが。

 

神子「でもその過程で体には限界が来た。だから尸解仙となり肉体を封印していつの日かに復活しようと考えた」

布都「そこで同じく道教を信仰していた我と共に自らの死の呪いをかけ、眠りについたのじゃ。ついでに我は太子様の門徒じゃ」

神子「布都、記憶が戻って?」

布都「少しは、じゃが」

蘇我「……」

M「……ずっと気になっていたが蘇我さんは、亡霊だろう?」

蘇我「屠自古で構わん。そうだ、私は肉体としての復活は布都に妨害されたからな」

布都「……謝りはせんぞ」

蘇我「別に良い。お前も私を恨んでいるだろうからな」

布都「今更になって……流石にもう何とも思ってはおらん。あの時はそうじゃったが、今は我々も遠い昔の存在じゃ」

蘇我「とうの昔に忘れられた存在、か」

 

M「簡単に言う様で悪いがここで因縁とかは終わりにしとけ。それより神子達はこれからどうするつもりなんだ?」

神子「……教えでも説こうかしら。仙人になる為の教えでも」

聖「仙人を目指す為に仏教を学ぶ人も沢山居ますからね……素晴らしいと思います」

神子「仏教を説いている貴女にはかなり失礼だけど……仏教は政治に利用する為の物としか思って無いわ。確かに私は表向きでは仏教を信仰していたけど、人心の乱れを正し、すべてを受け入れる事が修行なんて為政者の為にあると言っても過言では無いわ」

M「おいおい……」

 

随分やべぇ事言いよるなこの人。

聖「大丈夫です。何を思い、何を信じるかは人の自由ですから……考えを押し付けようとする事こそが悪なのですから」

神子「……それは私も賛成よ」

M(ホッ……)

 

 

それから神子からとても沢山の話を聞いた。

俺の過去と関係しているのかは知らないが、知らない事を知れるのはとても有意義で、皆が帰った後も神子達と1人で話し合っていた。

 

神子「とまぁ、過去の話はこんな所です」

M「ありがとう。とても興味深い話だった」

神子「貴方は何者なんですか?見た所普通の人間ですが、あの戦いぶりからして人間とは思えませんが。それに……私には貴方から人ならざる力を感じます」

M「ん……分かるのか?」

神子「それは勿論。あの共闘の時にも感じたわ」

M「やはり、神子の能力をさっき聞いたりあの時の戦いだけでも神子が普通じゃない事は理解出来た。そして過去の話だけでも絶大的なカリスマと超人的な能力と頭脳があるって事も」

神子「そこまで褒められると照れますね///」

M「まぁまだ分からない事だらけだろうけど3人ともすぐに慣れるさ、ここはそういった変わり者しか来ないからな」

布都「それは遠回しに私達が変わり者だと言うんじゃな?」

M「あ、いやいや、そんな事は」

蘇我「まぁ、実際そうじゃろう」

神子「そうですね。我々もこの世界では既に人間ではありませんから」

M「話がずれたが、まぁ俺は人間だけど、そういう力があるってだけ」

神子「そうですか」

M「俺も帰るよ、またな」

神子「えぇ」

 

布都「不思議な奴じゃの、しかし」

神子「そうですね……でもどうしてかしら、彼とは初めてあった気がしないの」

蘇我「そうなのか?」

神子「おかしな話ですが」

 

 

 

 

次の日。

聞いた話によると神子達は仙界と呼ばれる場所で道場を開いてそこで暮らしているらしい。

が、幻想郷の事をもっと知る為に交流を兼ねて本日に宴を行う事になった。

霊「宴会好きよね、全くもう」

M「準備と片付けは大変だけど楽しいから良いじゃねぇか、楽しもうぜ」

霊「古代からの新入りとはねぇ」

M「年齢は普通だな。肉体年齢はおかしな事になってるけども」

霊「まぁ、今更驚いたりはしないけどね」

M「そりゃそうだ」

 

 

 

夜。軽い自己紹介の後は皆すぐに打ち解けて宴を楽しんでいたが、

神子「瑞生さん」

M「ん?どうした?」

神子「私と、1戦交えませんか」

M「……えーっと?酔ってないよな?」

神子「冗談でこんな事言いませんよ」

M「……良いけど、模擬だからな?」

神子「私はそれなりで行きますけど?」

M「えぇ……(困惑)」

神子「やりましょう、早速」

M「はぁ、分かりましたよ」

 

 

試合と言う事で皆集まって来た。

M「何で俺なんだ、他にも強い奴はこの場に沢山居るぜ」

神子「貴方が気に入ったから」

M「はぁ」

神子「あの戦いからして容赦はいりませんね、一気に行きます!」

M「おいちょっとm」神子「覇道、滅封!」

M「ヒェッ」

妖「あの技は!」

いつぞやの自分との戦いで見せた技だ。

 

M「いきなり殺す気か!」

神子「その殺す気の技を平然と貴方は避けたじゃないですか」

M「いや、そのね?反射神経だけはね?」

神子「同じ剣を扱う者同士で戦うのは楽しい事です!豊聡耳 神子、参ります!」

M「えぇい、俺だって!」

 

お互いの剣と剣が鍔迫り合った。

 

M「……良い剣だな」

神子「七星剣です」

M「へぇ」(国宝じゃん)

神子「貴方のは?」

M「これはゼットセイバー、俺自身を表した剣さ。別にこれといった武器じゃ無い」

神子「……」

 

M「さて、続きといきますか」

神子「えぇ」

 

静かに、ただ無言での、とてつもないハイレベルな戦いが繰り広げられていた。

弟子の妖夢も、幼馴染の紫も、全員が息を呑む激闘であった、傍から見れば。

 

M(強いなぁ……)

神子(私の目に狂いは無かった、強い)

当の2人はこんな感じだったが。

 

M(動きが速過ぎる……一瞬でも目を離せば翻弄されそうだ)

彼女の剣技もまた美しい。がちゃんと強く、レイピアの如く速いのに威力はちゃんと剣そのもの。

 

神子(彼の剣技は独自の物なのでしょうか……体術を入れたり剣をくるくる回したり全く挙動が読めない、ペースを崩される)

 

M「余所見すんなよ!昇天脚!」

という名の蹴り上げ。

神子「そんな物は……効きません!」

M「ありゃ!?」

神子「でぇぇい!」

避けられるかと思ったがその上何と足を掴んで放り投げられた。

M「おっと」

何とか着地。

 

神子「私も集中して行きますよ……もっと本気で来て下さい!様子見はお互い止めにしましょう」

M「……分かった」

 

そう言うと彼はもう片方の手にもゼットセイバーを持って二刀流になった。

神子(構え方が全く違う……見た所隙だらけだけど、警戒は怠らzッツ!?)

M「ボーッとすんなよ?」

 

反射だった。本能的に危ないと剣が動いていた。

神子(いつの間にッ……!)

M「はやぶさ斬りっとな」

神子「これ位でっ!」

M「そう来なくっちゃな!」

 

更に戦いは激化していく。

M「散沙雨!驟雨双破斬(しゅううそうはざん)!」

神子「孤月閃!断空剣!」

彼は素早いコンボ重視に対してこちらは一撃重視で対抗していく。それでも彼は連続でドンドン技を放ってくる。

神子(どうして……こんなにも強い!?)

二刀流から繰り出される剣舞は最早芸術と呼べる程美しく、力強かった。少しでもやられたら完全に翻弄されてしまう位に。

M「やってやるぜ!断空光牙剣!」

神子「負けるものか……魔法陣斬!」

 

お互い究極とも呼べる剣と剣が戦い合っている。

M「こんのッ!」

神子「これならッ!」

 

M&神子「獅子戦吼!」

 

偶然にも獅子戦吼どうしがぶつかり合った。

M「うぐぇっ」

神子「クッ……」

 

お互い吹き飛び、すぐに体勢を立て直す。

M「ふぅ、流石だな」

神子「そちらこそ。私は剣にかなり自信がありましたが……貴方は私の想像を遥かに超えていました」

M「そりゃ光栄な事で。でも神子はまだスペカも使ってないし本来の力を全く出していないだろ」

神子「それは貴方も同じ事でしょう?」

M「まぁな、でもこれはガチの殺し合いじゃ無い。これはあくまでも試合だ」

 

だが神子はとんでもない事を言い出した。

神子「なら、殺し合いしましょうか」

M「……は?」

神子「貴方の力を見てみたくなりました。当然私もお見せします」

 

M「はぁ……知らんからな、後悔しても」

神子「その言葉、そっくりお返しするわ」

両者再び構え直し、

 

M「神化(ゴットモード)!」

神子「!!!」

 

また彼から溢れ出すこの力。まさしく神そのものだった。

神子(この人は失礼だけどやはり人間じゃない。人智を……万理さえも超えた力)

それでも、負けられない。自分のプライドにかけても。

「神霊よ……解放せよ!」

 

M「何だ!?」

 

彼女から自分と同じ力が感じられる。

神子「私は自分の中に蓄えた神霊を使う事によって戦闘能力を向上させられます。これでもまだ復活して間もないので全く本調子ではありませんが」

M「神子は、神様なのか?」

神子「分からない。でもこれは私の能力では無い」

M「そっか」(……ヤバいな、思ったより滅茶苦茶な力を持ってるみたいだ)

 

神子「行きます……光符、グセフラッシュ!」

M「ッツ、双針乱舞!」

 

神子を中心におかしな位の量の弾幕が放射状に発射される。避けるのにも限界があり、避け切れない分は何とか叩き落とした。

 

神子「私のスペカをも軽々と叩き落とせたのは貴方が初めてね」

M「……ここにはそれ位出来る奴沢山居るさ」

 

神子「そう。でも、まだまだ沢山あるから……

 

私を楽しませて、瑞生」

M(ラスボス臭しかしない……)

 

神子「スピリチュアル・レイ!」

M「クソッ、吸引が強い……!」

神子「逃がさないわ、神光……逆らう事なきを宗とせよ!!!」

M「ヤバッ……!!!」

 

引き寄せられているので上手く避けられ無かった。更に先に放ったスピリチュアル・レイも巨大な爆発を引き起こした。

 

神子「残念ね、でもこの術も技も実戦として使わせたのは貴方が最初になったわ」

 

 

 

ギャラリーでは、

天子「ッツ……何て力なのよ」

 

天子が重力領域(グラビディ・テリトリー)を作っていたが、それが崩れ去りそうになる位巨大なチカラが爆発したのだった。

 

霊「瑞生は!?」

パチェ「……少なくとも無事では済まないわよ」

魔「何なんだぜ……あの神子とかいう奴は」

紫「……」

紫はただ爆発した場所をじっと見つめていたが、

紫「確かに彼女は強いわね、それもまた理不尽なレベルで。でも」

続いて白蓮と神様2人が言った。

聖「瑞生さんは、負けませんよ」

諏訪「あの女が神にも及ぶ力を持っているのは事実だけど……それでも」

神奈「瑞生の中にも居るからね。沢山の神様が」

 

 

 

 

神子「……」

分かっていた。彼はやれていないという事が。それどころか彼の方から感じるこの力の正体が分からなかった。

 

その時、

 

M「守護神よ……我を力を。仇なす者には、聖なる裁きを!聖なる審判!」

 

神子「ッツ!」

突然飛んで来たレーザーを何とか避ける。

 

爆発から現れたのは、巨神兵、城塞とも呼べる巨大な機械。

 

M「助かったよ、アレクサンダー」

アレクサンダーを戻して神子と向き合う。

神子「今のは……!?」

M「召喚獣を使ってまで防御しないと駄目になるとはな。やっぱり凄いよ、アンタは」

神子「召喚獣……」

M「アンタがそれなりにガチで来ている事は分かった。だから俺もそれに応えようと思う……

 

夜闇の翼の竜よ、怒れしば我と共に胸中に眠る星の火を!来いッ、バハムート!」

 

 

巨大な咆哮と共に現れたのは竜の中の竜王、バハムート。

神子「……!!!」

その威厳に思わず神子だけで無くその場に居た皆がたじろいだ。

M「行くぞ……バハムート、お前の本気見せてやれ!ギガフレア!!!」

 

咆哮と共に高く飛び上がり、上空から馬鹿デカい炎を吐き出す。

 

神子(これは私も本気(マジ)でやらないと……本気で彼は私を殺しに来てる)

 

神子「今ある神霊を全開放する!七星剣よ……私に力を!

 

黄金の剣、ジパング!!!なんとぉー!!!」

 

 

何とギガフレアをぶった斬りました。

M「嘘やろ……あれ1発撃つのにどれ位マナを使うと思ってんだよ」

 

神子「ハァッ……ハァッ……」

何とかなったが、こちらの消費も無視出来ないレベルだった。

 

M「本当にスゲェな神子。もう俺も召喚獣呼ぶ元気無いぜ」

神子「私も限界はあるわ……だから」

 

M&神子「次で終わりにする(わ)!」

 

 

神子「たわむれはおわりじゃ!行って!召喚……豪族乱舞!!!」

布都「われにおまかせを!」

蘇我「やってやんよ!」

 

M「ファッ!?」

思わず皆の方を見たら、居た筈の布都と屠自古が居なかった。

 

そして怒濤の三位一体連続攻撃。

M(いつものライトさんでも良いけど……)

神獣化(ゴットビースト)!!!」

 

神子「何ッ!?」

皆も少し怖がっていたしあんまり出したくは無いけどあの腕で決めようと思う。

 

M「容赦しない!ここが地獄なら、更に底まで!付き合いな!泥まで食らえ!インパルス・ディザイア!!!」

 

3人が出した無数の弾幕の中に突っ込み、弾幕を業魔の手で叩き落としながら近付き、最後に力を溜めて一気に地面を叩く。

 

まさか突っ込んで来るとは思わなかった3人は最後の叩き付けにそのまま直撃。

 

神子「まさか……こんな、筈では」

 

神子達は倒れ、何とか勝ったのだった。

M「うひぇ、強かった……」

しかし自分も中々に満身創痍だったし、やはり神子も相当な強さを持っていた。

 

 

自分もまだまだという事か、相手を圧倒できる位の力が欲しくもなるが。

M(まぁそれだと面白くないしな)

 

とにかく戦いは終わったのだった。

 

 

 

次の日、仙界にて

神子「ん……」

目を覚ますと目の前には布都と屠自古が居た。

心配そうな顔をしているので、

神子「大丈夫ですよ、もう元気です」

布都「それは良かったのじゃ」

蘇我「しかし……相当危ない相手だな」

神子「まぁ敵になられたら……全力を尽くしも勝てる相手では無いですね」

布都「そこまでなのか……!?」

あの神子がそんな事を言うのか……と言う顔をしている2人に対し、

 

神子「彼の強さは本物です。戦ったからこそ分かります、それにまだ奥の手は出していなかった様ですから」

蘇我「まだあるのか……本当に言ったら悪いけど化け物地味た強さだな」

布都「め、滅茶苦茶なのじゃ」

神子「少し喋っただけで分かりましたが、彼は優しい人ですから……この世界にも私達にも仇なす事は無いでしょう」

布都「ふむ。確かにあいつは良い奴じゃの」

蘇我「良い人をどこまで行く様な奴だな」

 

そんな話をしていた。

M「へっくしゅ!」

霊「大丈夫?」

M「あぁ」

紫「瑞生風邪とか無縁でしょ?バカは何とかって言うし。あぁ別に瑞生の事を言ってるんじゃ無いわよ?」

M「……はぁ」

 

霊&紫(可愛いくしゃみね……)

 

そんないつも通りの日でした。




M・M「いやぁ神子様は強敵でしたね。ネタじゃ無くマジモンで」
M「神様理不尽」
神子「私は神じゃ無いですが」

M・M「おぉ神子様……崇めなきゃ(使命感)」
M「何だお前(素)」
M・M(良い脇だ……)
M「殺されるぞ?」
M・M「今回の後書きは(書か)ないです」
M「あぁん?」
M「ごめんよ!次回もよろしくっス!」


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-日常編 瑞生、奮闘-

どうも。
体はほぼ完全に治りましたが相変わらず睡眠不足のM・Mです。

M「寝ろ、ひつじ数え歌~」

Zzz……
M「寝ちまったよ、まぁそういう訳で本編行くとしますかね」

ちょっとだけ……下ネタが入っております……Zzz

M「だってさ。では、どうぞ!」


前回のあらすじ?

M「何故疑問系?」

 

神子とお互いの意地とプライドを懸けた大勝負(大嘘)を繰り広げた瑞生。

何とか勝利しました。

 

その夜……

紫「で?あの子らも知ってるの?」

M「分からない。ただ時代的には生きてる筈だから知り合ってるとは思う」

 

大きな出来事には関わっている事が多いので。

この後にまた過去に戻るんじゃね?(名推理)

 

 

 

 

とある日。

瑞生。

フラン。

妖夢。

天子。

神子。

椛。

 

他にもまだ沢山居るだろうけど幻想郷においての剣使いが何故か博麗神社に集まっていた。

M・M「間違ってたらごめんよ!」

 

M「これ何の集まりだ?」

皆?マークを浮かべていた、天子を除いて。

天子「私が集めたのよっ」

ふふんっ、と胸を張った。

フラン「そんなに無いけど」

M「フラン!しーっ!それ皆思ってるけど心の中だけにしとけ」

フラン「はーい」

椛「瑞生さん、後ろ……」

M「え?」

天子「瑞生、1回死んだ方が良いみたいね」

M「あっ……(察し)」

 

 

※しばらくお待ち下さい

椛「えっと、作者から心安らぐ様な景色でも写しといてって言われたけど……どうすれば?」

 

 

 

気を取り直してTake2。

天子「これを見て!」

出された紙を皆で見る。

M「討伐依頼?なになに……」

椛「天界にもあるんですね……」

天子「と言うより天界は伝説の生物とかが沢山いるから悪事を働かれると大災害になりかねないのよ。特にそれが地上なんかに降りてみなさい」

神子「それこそ大変な事になりますね」

フラン「だからそれを倒せって?」

天子「そう。それで折角だから剣使い同士で一狩り行きましょ!」

霊(何が折角なのよ……)

M「まぁ放ってはおけないな。えっと、討伐対象はダンガード?ダンガードってアイツか?」

天子「知ってるの?」

M「いや、まぁ」(昔にロックマンとかオリジンに戦わされたっけ……)

天子「なら話は早いわね」

M「相当危険な奴だ。尚更放っておけない」

フラン「兄様のお人好しが発動しちゃった」

M「何だよ発動って……」

天子「ま、そういう事よ。真面目な話なの、手伝ってくれないかしら」

 

M「勿論俺は手伝うぜ」

フラン「兄様が行くなら行くー」

椛「まぁ、手伝います」

神子「興味がありますね、伝説の生物とやらに」

妖「私も御一緒します」

天子「皆ありがとう。それじゃ早速行きましょ」

 

 

飛ぶ事数分。

M「いつ来ても凄いモンだな、天界って」

天子「そう?飽きるわよ」

M「そりゃずっと居たらそうなるだろうけど」

 

椛「で、そのダンガードっていうのは何処に居るんですか?」

天子「天界中を飛び回っているらしいから何処かとは分からないわね」

M「まぁそこはのんびり遊覧飛行と行きましょうや、いずれ会えるって」

神子「呑気ですねぇ」

椛「私の千里眼でも確認出来ません。恐らく雲海の中に居ると思います」

M「じゃあ出て来るまではどうしようも無いか」

妖「遊覧飛行、とは流石にアレですが飛んでいれば会えるかも……」

フラン「だったら快適な空の旅を楽しも~♪」

 

 

 

普段喋る事の無い皆が集まって無駄話をするのも楽しいものだ。空を飛びながら様々な事を話して楽しんでいたが、時は遂に来た。

 

天子「ッツ!」

神子「下から来る!皆避けて!」

 

突然の訪問に驚くも皆避けて体勢を立て直す。

M「意外と早かったな!皆行くぞ!」

フラン「いくぞー!」

 

♪Hightension Wire

颯爽と咆哮してサンダーストーム。

M「うわっち!」

 

続いてサンダーボール。サンダガ。ライデイン。

妖「とんでもない物量ですね……!」

 

始めっからまた皆避けるのに必死。

 

M「えぇいキリが無い!雷系を多用するならこれだっ、ラムウ爺さん頼む!」

ラムウ「仕方が無いのぅ、バサンダ!もう1つ、ハイボルテージ!」

 

皆の体を不思議なオーラが纏った。更に単なる身体強化魔法なのだろうが、体がとても軽くなった。

 

天子「これならイケるわ、お返しっ!」

フラン「反撃ぃ~!」

椛「突撃します!」

神子「やられた分はしっかりとね」

妖「瑞生さん、私達も!」

M「勿論!」

 

 

相手は絶え間なく稲妻を放って来るが爺さんのバサンダの効果で全く痛く無い。ダメージ0って訳では無いですけどね。

 

自分達に並の攻撃ではダメージが無い事を察したのか相手は魔力を溜め出した。

椛「何だか危なそうですね……!」

天子「ちょっと、大丈夫かしら……」

 

止めようとしたが遅く、そして相手が放ったのはライトニングハザード、強力な聖雷魔法だ。

 

フラン「や、ヤバいよ!?」

妖「止めないと!」

M「大丈夫だ、ここは俺に任しとけ」

 

皆の前に立ち、

M「本当の雷ってのを教えてやるよ!轟け!ギガブレイク!!!」

 

瑞生の渾身の奥義が何とか相殺した。

天子「ナイスよ瑞生!」

妖「相手は反動で動けない様ですね、集中攻撃を仕掛けましょう!」

 

その言葉に賛同し、皆突貫していく。

 

椛「必殺!のの字斬りッ!」

天子「てやっ!絶風刃!」

神子「沈めッ、破邪十字星(はじゃじゅうじせい)!」

妖「私だって……!断迷剣、迷津慈航斬(めいしんじこうざん)!」

 

皆が卓越した剣技をお見舞いしていく中、

 

フラン「兄様!アレやろう!」

M「ん?アレ……あぁアレか。良いぜ」

 

フラン「はぁぁぁっ!!!」

M「イフリート!サラマンダー!来いッ!」

 

フランはレーヴァテインから得る炎を、瑞生はW召喚でひたすら剣に炎を。

 

M「行けるぜ、フラン!」

フラン「私も!行こう兄様!」

 

M「受けてみろ……」フラン「私達必殺!」

 

M&フラン「うりゃあー!!!」

 

燃え尽きそうな位の激しい炎を纏いながら2人で突撃し、交互に相手の体全体を斬っていく。実は合体技を羨ましがったフランといつの日か使うかなと訓練した合体技だ。

 

M「とどめッ!」フラン「これで終わりッ!」

 

M&フラン「業魔(ごうま)……灰燼剣(かいじんけん)!」

 

〆は大爆発でフィニッシュ。

 

 

天子「派手にやるわねぇ~」

神子「見てて爽快ね」

椛「爆発が滅茶苦茶ですけど……」

妖「流石瑞生さん、誰とでも合わせられて合体技が出来るんですね」

 

そう、妖夢が言っている通り別に能力でも無いが俺は何故だか誰とでもシンクロ出来る。相手(パートナー)が合わせて欲しいタイミングが分かるしこうしたら相手が動きやすいっていうのも分かる。

 

M・M「それは能力と言っても良いのでは?」

 

ダンガードを見事集中攻撃で打ち倒し、天子は自分達に礼を言ってご機嫌顔で帰って行った。

皆もまた剣使い同士こういうのも悪くないと笑い合い別れた。

 

 

 

紫「へぇ、また変な事したわね」

M「楽しかったけどな」

そんなお話でした。

 

 

 

 

日は変わってまたとある日。

M「永琳亭にお届け物とはね」

依頼を受けてついでに永琳亭の皆に挨拶していこうかな。

 

永琳亭にて。

庭に居たのはてゐ。

てゐ「あ、瑞生」

M「よう」

てゐ「今は中に入らない方が良いよ」

M「何かあったのか?入らない方が良いって言われてもお届け物。永琳に」

てゐ「そう……じゃあ襲われたく無かったすぐに立ち去るんだね。ちゃんと私は忠告したよ」

M「は?襲われる?何に?」

 

てゐは兎達の元へと行ってしまった。

M「……?」

 

 

永「はい、確かに受け取ったわ」

M「それは良いんだけどさ、永琳」

永「何?」

M「何かさっきてゐに長居すんなよって遠回しに言われたんだが何かあったのか?」

永「あぁ、その、えっとね……」

M「?」

やけに口ごもっている彼女は何だか様子が変だ。

 

すると、

鈴仙「お師匠……薬が欲しいです」

永「うどんげ!まだ出て来たら駄目じゃない!」

鈴仙「へ?」

M「鈴仙……?どうしたんだその顔?ぐったりしてるし真っ赤じゃねえか」

鈴仙「瑞生さん!?どうしてここに?」

M「配達」

鈴仙「そ、そうですか……」

M「病気か?大丈夫か?」

 

心配そうな顔してこちらを見る彼。

鈴仙「う……その、これは、えっと……」

スカートの裾を掴んでモジモジモジモジしている鈴仙。更に、

鈴仙「ハァッ……ハァッ……」(ダメ……男の人の香りが///)

永(こ、これはマズい!)「み、瑞生?そろそろ帰った方が良i」輝「あら瑞生じゃない、聞いてよーうどんげが謎の発情期に困ってるのよ」

永(この人言っちゃったよー!私が隠そうとした努力は一体……)

M「発情期!?発情期って、発情期か///」

理解したのか照れている模様。

 

※鈴仙は別室に避難

 

永「はぁ……バレちゃったら話すしかないわね、本来この時期になんて起こらない筈なんだけど、昨日から疼いてしょうがないみたい」

M「ほぉ」

輝「おかしいのよね、昼はあんなだし夜は何だか何かに取り憑かれたみたいに動くのよ」

M「そりゃ何だか変な話だな。どれ、俺が夜に立ち会ってみよう」

永「お願い出来る?」

M「あぁ、放っておけない」

輝「お人好しねぇ」

 

 

一旦帰ってまたやって来ました夜の永琳亭。

M(鈴仙も大変だなぁ……)

色々とね、何かとは言わない。

 

 

皆が寝静まった永琳亭。その外でのんびり待つ……いや、その必要は無かった。

 

M(おっと、鈴仙……)

案外早くに鈴仙が外に出て来た。

 

昼間の様な感じでは無く、赤い瞳と無表情が相まって何だかホラーチックになっていた。

 

M(……)

鈴仙「足りない……」

M(足りない?)

鈴仙「男が足りぬ!男を喰らい尽くせと言っただろう!」

M(男!?どういう事だ?)

鈴仙「止め、て……私は、そんな事しないって言って……るでしょ!」

M(ちょっと待て?状況が全く分からんのだが。さっきの鈴仙はいつもの鈴仙だよな……でも最初に男がどうとか言ってたのはどう考えても違う奴だ、何というか……小悪魔?)

 

しかも鈴仙の言動からして鈴仙は操られてるっぽい。それなりそれもヤバそうな奴に。

 

M(男って言ってたしラミアとか……まぁその辺の何かに取り憑かれたんだろうか)

 

だとしたら尚更助けないといけない。

 

???「強情な女だ……だがお前の体がいつまで持つか、楽しく見ておくとしよう」

鈴仙「ッツ……体が、熱い///ダメ……」

M(間違いないな、あの良く分からん奴が鈴仙を何かしら脅して鈴仙はそれを聞き入れようとしないから……謎の発情期はそれだな)

 

状況的に俺は鈴仙の前に姿を現さない方が良いだろう、今の鈴仙の前に立つのは大変危険でござる。

 

M(とんずら……あっ!)

パキッ

 

???「そこに居るのは誰だ!」

 

こんな時に最凶スキル悪運参上。足元の枝を踏んでしまった、しかも声の主は謎の奴の方。

 

M(チッ……何とか明日にどうしようか考えるつもりだったんだけどな)

 

そっと鈴仙の前に現れる。

鈴仙「瑞生さん!?どうして!?クッ!」

「久しぶりの獲物……逃さん!我はサキュバス!覚悟せよ!」

M「やっぱりこういう(・・・・)系だろうとは思ったが……やっぱり良い、明日じゃなくて今日に始末してやる!」

 

鈴仙を助ける為にも、いざ参る!

 

 

 

鈴仙の体を傷付ける訳にはいかない。さてどうしたものか、どうすれば良いのやら。

M(奴の魂だけ抜き取れたりしたらな……そうだ、俺にはこの刀があるじゃないか)

 

いや、だから体に傷を付けたらダメなんだって。

自分の中であーだこーだ議論が進むが答えが出ない、そんな事考えてたら弾幕が!

 

M「考えてる暇ねぇな……」

 

サキュバス側はピンクタイフーンや混乱等厄介な技ばかり、鈴仙は鈴仙で遠距離からガンガン撃って来る。近付ければ何とかなるけど弾幕が濃くて近付けないっス!

 

1VS1だけど相手の攻撃回数からして2VS1なんだよなぁ……勝てる訳ないだろ!いい加減にしろ!

 

M(まずは大人しくさせないと……その為にも弾幕を何とかせねば)

方法は色々あるが、とりあえず。

M「アクセル!エンジン全開(意味不)」

 

鈴仙もかなり動きが速いが、それの倍以上の速さで翻弄してやる。

 

弾幕の中を駆け抜けて、鈴仙の元へと向かう。弾幕を迎え撃とうと考えたが良く考えて場所が場所だけにあまり大きな技を撃つ訳にはいかないのですよ。

 

 

サキュバス「させん!メラガイa」M「悪いがそれはゴメンだ、絶影!」

 

サキュバスに向かって一瞬で急加速しながら斬撃を喰らわせる。

相手の詠唱を妨害してついでに目の前に参上。

二刀流(短剣)へと武器交換(ウェポンシフト)

サキュバス「速いッ!?」

M「タイマンで、勝てると思うなッ!行くぞ必殺、剣の舞(ブレイドダンス)!!!」

決めるなら美しくやろうぜ?

 

サキュバス「そんな、バカな……」

 

 

倒れて大人しくなりました。

M「ちょっと眠ってな」

 

 

さてさて。倒したのは良いけどこれで冒頭に戻る訳だ、どうしましょったらどうしましょ。

 

その時、

ゾデ「主、塵地を使え」

M「え、でもダメなんだって」

ゾデ「峰打ちならば良かろう」

M「それでも良いのか?」

ゾデ「主の神速の剣なら魂だけ抜き取る事も可能な筈だ、やってみて欲しい」

M「神速だなんて照れるなぁ……分かった、やってみる」

鈴仙へ構え、いつもの我流抜刀術。

 

M「覚悟…………せいっ!!!」

 

 

 

………。

音がしたか、しなかったかは分からない。

が、刀の先は魂を捉えていた。

M「これか……」

音も無くただ揺らめく魂。

 

M「ったく人騒がせな奴だ」

迷惑魂はきっちり成仏させてあげましょう。

 

M「成敗ッ!」

塵地螺鈿飾剣にボシュッと吸われる様に消えた。

 

違うけど小悪魔は紅魔館だけで十分です。

 

M「ふぅ、何とかなりましたな」

ゾデ「お見事だ、主」

M「ゾディアーク、サンキューな」

ゾデ「我等召喚獣の使命は主を助け守る事だ」

M「それでも、礼は言っとくよ」

 

そんな訳で、後は鈴仙だ。

ぐったりと倒れている彼女をお姫様抱っこして、とりあえず中に運ぶ。

 

 

 

丁度引き終わった布団に彼女を寝させられたのは12時頃だった。

汚れていたが流石に服を脱がして体を洗ったりなんて出来ないので服に付いていた汚れだけ落として寝かしておいた。

 

M「疲れたな……」

 

また明日朝にここに来て説明するとして、今日はもう帰るとしよう。

 

M・M「チカレタ……(小声)」

 

 

次の朝、朝ご飯を食べた後永琳亭にて。

永「成程、うどんげの体が汚れてたのと謎の発情期が無くなっていた事からして貴方がどうにかしたのだろうと思ったけどそんな事があったのね」

M「鈴仙は大丈夫なのか?」

輝「今風呂に入ってるわよ、永琳も言ったけど体が疼くのは治まったみたい」

M「良かった、昨日頑張った甲斐があったな」

てゐ「しかしうどんげにそんな物が取り憑いていたなんてねぇ……いつ憑かれたのかな?」

永「それは本人しか分からないでしょう」

M「だな……ん、どうしたてゐ」

てゐ「師匠、うどんげが呼んでる」

永「はいはい、今行くわ」

 

 

しばらくして、

鈴仙「上がりました……あ、瑞生さん!」

M「よぅ、体の調子は如何なもので?」

鈴仙「もう大丈夫です、師匠達から話は聞きました……私の為に昨日頑張ってくれたんですね」

M「気にするな、元気になって良かったよ」

鈴仙「ありがとう、ございます///」

M「どうした?」

鈴仙「その、昨日は私は何もしなかったですか?瑞生さんがサキュバスを倒した後に寝かせてくれたんですよね?その時に瑞生さんを襲ったり」

M「大丈夫だって、鈴仙はそんな事しないだろ」

鈴仙「だったら、良かったです」

てゐ「逆に瑞生が襲ってたりして……」

M「おい」

永「瑞生?本当?」

M「嘘に決まってるだろ?普通に考えて」

輝「貴方に普通は通用しないわよ?」

M「普通を使わさせてくれよ……」

鈴仙「み、瑞生さんこそそんな事をする人じゃ無いです!」

M「おぉ鈴仙……」

女神だ。

 

てゐ「え、でもうどんげ確か昨日瑞生が帰った後に部屋で

鈴仙「ダメーッ!!!」

ムグムグ……」

 

唐突なカミングアウトに鈴仙必死にてゐの口を塞ぐ。一体何があったんでしょうかね。

 

M「?」

鈴仙「な、何でも……何でも無いですよっ!」

そんな真っ赤な顔で言われても説得力0だが。

M「それより鈴仙、サキュバスにはいつ襲われたんだ?」

鈴仙「確か3日位前に……謎の霊に取り憑かれた様な感覚になったんですが気のせいかと思って。思えばあの時に対処しておけばこんな事にはならなかったですね……」

M「まぁ、仕方無いさ」

 

 

まぁ、そんな訳で永琳亭一同からお礼を言われて帰る事に。

 

入口にて、

鈴仙「瑞生さん!」

M「どうした鈴仙」

鈴仙「その、今回は本当にありがとうございました。お礼はいつか必ず」

M「別に良いって、気にするなって言ったろ」

鈴仙「それじゃ私が良くありません!」

M「分かったよ、じゃあ楽しみにしとく」

鈴仙「はい!それで、あの……」

M「何だ何だ」

鈴仙「その、変で滅茶苦茶なお願いなんですが」

M「出来る範囲なら聞くけど……」

 

鈴仙「な、な……」

M「な?」

鈴仙「撫でで下さいッ!」

M「……は?」

一瞬何を言われたのか分からなかった。

鈴仙「//////」

めっちゃ照れてますやん、可愛いなこの兎さん。

 

M「……それ位なら、いつでもどうぞ」

そう言って彼女の頭を撫でる。

鈴仙「あ、ありがとうございます……///」

めっちゃ嬉しそう。やはり可愛いなこの兎さん。

 

彼女の髪はサラサラで、こちらも撫でていて心地良い。しばらく撫で続けていたが、永琳亭から視線を沢山感じたので止めた。

 

M「それじゃ鈴仙、またな」

鈴仙「はぃ///」

まだ余韻に浸ってらっしゃる。

M・M「咥えて差し上げろ(耳を)」

 

その日は頭が幸せな鈴仙でした。




M・M「ちょっと待って?何俺のお仕事取ってんの?では、どうぞは俺が言わなきゃいかんのや(使命感)」
M「知らんがな( ^_ゝ^)お前が睡眠不足とか言ったから眠らしただけです」
M・M「まぁええわ、許したる」
M(上からでムカつくな……)「それよりタイトルどうにかしろよ……俺が奮戦する(させられる)のはいつもの事だろ」
M・M「まぁまぁ。君頑張ったんだから良いじゃないか、皆からの好感度って物が(メタ発言)」
M「おいおい……それより次回予告は?」
M・M「えっと、次回h」

ちゅどーん。びゅーん。


M「……い、今起こった事をありのまま話すぜ!次回はって作者が言おうとした瞬間に後ろから弾幕が飛んで来て作者がぶっ飛ばされた!」
妹紅「悪い、たまには派手にやりたくなってな」
慧「すまない!作者は大丈夫だろうか……」
M「アイツ不死身だから大丈夫だろ」
※違います

慧「えっと、次回も日常編が続くらしい」
妹紅「私達の話があるみたいだな」
慧「次回も読んでくれると嬉しいぞ」
妹紅「読まなかったら鳳凰天翔……」
慧「妹紅、脅すんじゃない。もっとオブラートに言わなきゃ駄目だろう」
妹紅「オブラートって何だよ」
慧「読まなかったらおしおきだ」
M「ついでにおしおきとは?」
慧「頭突き」

M&妹紅「それ妹紅(私)より普通にヤバいやつじゃん……」

終わります。


M・M「フッ……俺は死なないぜ、死にかけたけど。もこたんとっても可愛い(小並感)」
M(よし、もう1回吹き飛ばしておいた方が良さそうだな……)

終われ。


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-日常編 瑞生と恋バナと妖怪の山と-

どうも。
暑い、雨ばっかり、ほんとこの時期は疲れる事しかないM・Mです。

前の予告通り日常編(少なめ)。ほんの少しだけシリアスが入ってるかも?

では、どうぞ。


何処かからほのぼの神社が流れてきそうな位平和なとある土曜日。

 

M「今日も良いペンキ~」

霊(ペンキ……?)

 

神社で(くつろ)いでいると、

階段にまた特徴的な帽子が見えた。

M「ん、慧音先生だ」

慧「霊夢、瑞生もこんにちはだな」

霊「慧音さんじゃない、どうしたの?」

慧「瑞生、少し良いか」

M「今日はお休みじゃ?」

慧「仕事の話じゃ無い」

M「はぁ」

 

 

 

迷いの竹林、永琳亭とはまた違う場所。

慧音はある小屋の扉を叩いた。

慧「妹紅、入るぞ」

妹紅「……1人か?」

M「俺も居るけど」

妹紅「瑞生か、なら良い。入ってくれ」

 

普段から仲良くしているし永夜異変の時にもそうだったが慧音を支えている事を妹紅も良く知っているし俺とも仲良くしてくれる。

 

 

妹紅「茶を淹れてくる、適当に座っていてくれ」

慧「あぁ」

M「へーい」

 

妹紅も座って、

M「んで、話とは?」

慧「なら良かった、実はな……恋文を貰ってしまったんだ」

M「ふむふむ恋文……ラブレターじゃん!?」

慧「そうなんだ、昨日に貰ってな」

妹紅「誰から貰ったんだ?」

慧「寺子屋の生徒のお兄さんだそうだ」

M「ほへぇ、そりゃまたおめでたい」

妹紅「慧音にもやっと春が来たか」

慧「からかわないでくれ……」

M「そんで、受けるのか?」

慧「……彼はその生徒を良く迎えに来てあげる良い人だ」

妹紅「だったら尚更良いじゃないか、そろそろ慧音も手綱を握ってくれる存在を持つべきだ」

慧「それは……分かってはいるが、受ける気は無い。良い人とは言ったが、別に恋愛感情を抱いている訳じゃ無い」

M(あらら……振られちゃったな、そいつ)

妹紅「まぁ、好きでも無い奴と付き合うのもアレか……でも慧音、あまり振り過ぎるのも良く無いと思うけど」

慧「分かっている……だが、私だって女だ。自分の伴侶は自分で決める」

M「先生って一途な人なんだな」

慧「い、一途……そうか///?」

妹紅(結構分かりやすいんだけどな、慧音って)

M「先生もやっぱり結婚願望はあるんだ?」

慧「それは……女ならばそうだろう、なぁ妹紅。お前もそうだろう?」

妹紅「そこで私に話を振るのか……まぁ、無いと言えば嘘になる」

M「ふーん……」

 

次の日、同じく妹紅の家にて

M「もう振ってきたんだ……速いな」

慧「あまり返事を待たせると振った時の悲しみは多くなるからな」

妹紅「結局振る前提だから悲しいのは変わらないと思うけどね」

M「言えてるな」

慧「仕方無いだろう」

妹紅「んで、振ったのはまぁ良いとしても」

慧「何だ?」

妹紅「好きな人居るのか?慧音って」

慧「ッ///な、何をいきなり……」

妹紅(反応が本当に分かりやすいな……)

M(居るんだ……先生も女性だし長く幻想郷に居るしそういう存在が居るのもおかしくは無いか)

 

ふーんと言う顔をしている瑞生に対し、

妹紅(こいつは本当に鈍感だな……)

 

慧「そ、そう言う妹紅こそいい加減そういう存在を作ったらどうだ?」

妹紅「んー私はねぇ、付き合う男がもしいたとしても……先に逝かれる悲しみがずっと続くだけだからね……」

慧「す、すまない妹紅……」

妹紅「別に良いよ、これが私に課せられた運命なのだから」

M(運命、ねぇ)

 

蓬莱人の幸せ、か。考えた事も無かったな……。

永遠の呪い……そんな所か。

 

考えたら永琳達や妹紅の事を変に思ってしまう。

妹紅「ほら、瑞生までそんな顔しないで」

 

慧「まぁ、この話は止めよう」

妹紅「瑞生みたいな不死身系統の人間なら付き合うの楽しそうだけどね」

M「不死身系統って止めてくれ。俺だって、いつかは死ぬさ、多分、恐らく」

慧「やけに曖昧だな……生きて来ている年数からして瑞生も幻想郷においての相当な存在となっているし、何しろ賢者の八雲 紫と幼馴染という時点でもう、な」

M「そりゃ無いっスよ……」

妹紅「ま、瑞生も何となく私達の苦労が分かるだろう。あの神子とやら不死身になりたいとか言っていたが……正直何も分かってないね」

 

M「まぁ、妹紅が言うと説得力あるな」

慧「実際にそういう存在なら尚更だ」

 

妹紅(さり気なく大胆な事言ってみたつもりなんだけどね。今なら八雲 紫やその他の瑞生の事想ってる奴の気持ちが分かるよ、私だって……こいつが好きだから)

冗談等では無い。人間の男としてこいつが気が付けば好きになっていた。本当に恋とは突然な物だなとつくづく思う。

 

妹紅(慧音と私の違いはまぁ、認めちゃった側とまだ認められない側って所かな)

幻想郷の他の少女達も大体そうだろうと思う。

 

まぁ、そんな事言っても、

M「( '-' )」

このボーッとしている彼が少々憎たらしい。

妹紅(超が付く朴念仁だな……)

 

さて、これが朴念仁なのか実は鋭いのかどうかは本人しか分からない事だろう。

 

慧「瑞生は、そういう(・・・・)存在は作らないのか?」

妹紅「それ私も聞こうと思った」

M「……」

 

彼は少し沈黙して、

M「俺はやっぱり戦うからさ、何処かにフラフラ行ってしまうし。もし特別な存在を作ってしまったら俺はその人を悲しませたく無いから戦えなくなりそうだから……だから俺は作れない」

 

妹紅&慧「…………」

驚いた。まさか彼はそんな考えを持っていたのか、と。

 

自分の境遇を良く知っているからこその考えなのだろうけが……

慧(重過ぎるな……)

妹紅(やっぱりこいつも……重たい物を背負っているんだろうな)

 

 

M「自分からした話だけど、悪いが止めとこう」

慧「そ、そうだな」

妹紅「ま、私達にもそういう話はまだって事だ」

 

 

そんな話はともかく、瑞生と慧音と妹紅。

人間(?)とハクタクと蓬莱人が出逢えたのもきっと何かの縁なのかもしれないし、こうして楽しく話せているのも何かの幸せなのかもしれない。

 

 

妹紅と慧音とは別れ、昼時である。

このまま博麗神社に戻っても良いが、たまには何処かで食べてみるのも良いかも。

 

M「人里にでも行くか……」

 

 

お昼時という事で、何処かしらと人が多い。

ある定食屋さんでは妖夢と幽々子を見つけたり、甘味処では魔理沙とアリスを見たり、様々な人に出逢う。

適当におにぎりを買って涼しい川沿いで食べるとするかな……日の下で食べたくは無い。日差しが強くて今にも溶けそうだ、まだ6月だというのに夏が本格的に始まったらどうなる事やら。

 

 

妖怪の山、いつもの川。ここではいつもの可愛い河童が居るのだ。

 

にとり「おや、瑞生じゃないか」

M「よぅ」

にとり「お昼ご飯?」

M「そうだ」

にとり「そう言えば私もまだだった。つい機械探しに夢中になると時間を忘れちゃうよ」

M「食うか?お前と食おうと思って多めに買って来たんだ」

にとり「そうだったんだ……ありがとう///」

 

まさか彼の中でそんな予定になっていたとはおもわなかったにとりは思わず赤面。

 

 

M「何か良い物あったか?」

にとり「んー……この時期はこれといっては。でももう少しして夏になったら扇風機とかエアコンとか出てくるし、楽しみだね」

M「まぁ暑くなるからな、その分壊れたやつとかが流れて来るのか」

にとり「また夏になったら手伝って欲しいんだけど……瑞生程機械にも詳しい人が居ないから」

M「俺で良いのなら。暑くて倒れてそうだから無理矢理にでも連れ出してくれ」

 

苦笑いしながらそんな事を言う彼。相変わらず優しい人だな、とにとりは笑顔になる。

 

コンピュータを初め彼は機械にも強く分解や改造の相談に良く乗ってくれる。彼のハイスペックさには常々驚かされるし彼の話は勉強になるが、

 

にとり(それよりも、瑞生との時間が楽しくて幸せなんて……言えないな)

そっと心の中に秘めておくだけで良いのだ。ただ思っているだけで、それ以上は望まないから。

 

M「……どうした?」

にとり「へ?あ、いや、何でもないよ///」

M「そうか」

 

にとり(……む~)

 

さっきそれ以上は望まないとは言ったが、彼の鈍感さには少しだけ恨めしく思ってしまう。

にとり(確かに私は魅力的なんかじゃ無いけど……でも、女の子として見て貰いたいなぁ)

 

胸は……無いとは言わないが微妙な所。

女は胸なんかじゃないやい!それに彼は変な性癖があると皆言ってるからきっと私にだって!

 

M(にとり、さっきから何をブツブツ言ってるんだろうか?何か決意感じてるし……)

M・M「感じるんでしたよね?」

 

相変わらずの瑞生と、頑張ろうと心に誓うにとり。そんな平和な昼時のお話。

 

 

 

 

にとりと別れ、帰る為に妖怪の山の近くを飛んでいると……事件は突然に。

 

M・M「東○ラブストーリーかな?ん?東方?」

 

 

M「ん、何か聴こえるな……」

聴力とか無駄に良いので少し耳を澄ましてみると、聴こえたのは明らかな戦闘音。

 

M(妖怪の山からか……)

勝手に入るのは禁止されているし、面倒な事になるが……もし大事なら俺はここで行かなかった事を後悔する羽目になるだろう。

 

M「……行こう、天狗の皆とか、悪いな!」

 

 

数秒飛べば、すぐに事件の現場へと辿り着いた。

M(椛に文、はたても)

また俺の知っている女の子達が謎の敵と戦闘を行っていた。

ついでに謎の相手とは……

M(プテラブロンク!?まーた妙な奴が迷い込んでるな……だか危険な奴に変わりは無いな)

 

彼女達でも十分対処可能な相手ではあるが、少々手荒な攻撃もしてくる為に加勢して瞬殺してしまおう。

 

とか言ってる場合じゃ無い、今にも口からビームを出そうとしているが、何故か彼女達は避けようとしない。

M(おいおい……!やられちまうぞ!)

 

避けようとしないのでは無く、避けられなかったのだ。良く見たら何やら粉みたいなのが散布されており、更に上空を見ると……何ともデカい蛾が!

M(ゲッ……メデューサバタフライまで!?)

メデューサバタフライの撒く粉塵が体を動かせなくさせていたのだ。そしてそこへすかさずプテラ君が強力なビームを撃ち込もうとしている敵ながら見事な連携プレイだった。

M(だからそんな事言ってる場合じゃ無いんだって!助けないと!)

 

椛「ちょ、先輩方……かなり、ヤバい状況じゃ、ありませんか……?」

文「そうだね……はたて、動ける?」

はたて「無理……体全体が固まっていくみたい」

文「私達とした事が……不覚」

はたて「えぇ、上のアイツに気付いていればね」

椛「先輩方!そんな冷静にやってる場合じゃないですよ!」

文「大丈夫、多分アレを耐えればこの動けない状況からは脱出出来る。私達はあんな攻撃程度じゃやられない」

 

が、このプテラ君のビームは長い時間チャージがあったので結構威力ヤバそうですよ?

 

文(……まさか、こんな事になるとはね)

 

椛が突然現れた巨大危険生物(ギガントモンスター)を発見し、他の天狗達を里の警備に回し自分達で討伐に向かう事になったのだ。初めはプテラブロンク相手に全く問題無く善戦していた筈なのに突如体が動かなくなり、気が付けば上に椛が視認出来無かったキマイラバタフライの罠に気付かずまんまと引っ掛かってしまったのだった。

 

このままやられてしまうのか。助けも呼べない、動けない。恐怖という感情を抱いたのは一体どれくらいぶりだろうか。

 

そして、そんな時だからこそ願ってしまう。ヒーローが颯爽と格好よく助けてくれる事を。

3人とも、彼の名を心の中で叫ぶ。

 

(瑞生……!)

 

 

ビームが放たれ自分達に到達する僅かな時間、音をも超えて光の速さで自分達の前に現れてまぁご丁寧に技の名前も叫んでやろう。

M「この光の翼でッ!」

 

光の翼で羽ばたき、その推進力から得られる爆発的な加速は光の如く。

 

M「ッツ……重てぇなオイ!」

 

文「瑞生さん!?」

椛「どうしてここに!?」

はたて「て言うかいつの間に……」

 

気が付けば自分達の目の前に居て自分達を守ってくれている彼が居た。

 

M「だぁっ!堕ちろぉー!!!」

何とビームをかき消すのでは無く軌道を変えさせて弾き飛ばした、上に(・・)

 

ラストシューティングかな?(錯乱)

 

キマイラバタフライは驚き回避行動を取るが遅く直撃し落ちて行った。

M「堕ちたな(確信)」

 

 

椛「す、凄い……」

はたて「規格外ね……」

M「3人とも、動けるだろ!散開!」

文「本当だ、動ける!」

 

言われた通り散開してプテラ君に向き直す。

 

M「さて、来いッ!」

 

 

まぁ倒すまでの話をするまでも無く、元々文達だけで全く問題無かった相手だったので瑞生は特に何もせず、よくもやってくれたなと燃える3人にボコボコにやられて倒されましたとさ。後で落ちたキマイラバタフライと共に天狗達に回収されてめでたしめでたし。

 

 

文達を助けたとはいえ妖怪の山に不法侵入した事には変わりは無いので天狗の里に椛は仕事として(・・・・・)彼を連行しなければならなかったのだった。

 

大天狗達の居る建物で瑞生は3人と待つ事になったのだった。

椛「すみません瑞生さん……助けて頂いたのに連行するなんて」

M「哨戒任務についていて任務を全うしたんだからそれは正しいだろう」

椛「でも……」

文「折角瑞生さんは椛の境遇を考えてわざわざ付いて来てくれたのよ、それならば任務を果たすのが私達の責任でしょ」

はたて「でも別に瑞生はとっとと逃げても良かったと思うけどね」

M「千里眼ってのは居ないだろうけどさ、そこら辺の白狼天狗も大天狗も中には俺の姿を捉えた者が居る筈だ。だとしたら侵入者が居る筈なのに居ない事を問いただす事になるだろうし。そうなったら色々面倒だろう」

 

流石と言うべきか、良く自分達の地位や仕事の事を知っている様だ。

 

 

しばやくして、大天狗達に彼は連行された。

椛「……大丈夫ですかね」

文「不法侵入をしてでも私達と里を助けてくれたのは事実だからきっと大丈夫よ」

はたて「瑞生に何かしようってのなら私達がぶっ飛ばせば良いだけの話よ」

文「そこは勝手にどうぞ」

はたて「なっ、そこは付き合いなさいよ!」

文「冗談よ。私達の命の恩人なんだから勿論助けるわよ」

椛「流石にそんな事しませんよ、上の方も分かってると思いますし」

 

 

 

しばらくして……

M「ただいま」

椛「瑞生さん、大丈夫でしたか?」

M「ん、不法侵入はほんの少し咎められたがそれでも文達を助けてくれて感謝するってさ」

はたて「良かったわね」

文「瑞生さん、本当にありがとうごさいました。貴方が居なければ結構危なかったです」

M「良いってことよ。無事ならそれで……じゃあ俺は帰るな」

椛「あ、送ります」

 

 

椛はすぐに帰って来た。

椛「本当に風みたいな人ですね、あっという間に行ってしまいました」

文「また1つ大きな借りが出来ちゃいましたね」

はたて「アイツの事、また取材に行こ」

文「私も勿論」(仕事じゃなくて、個人として貴方の事をもっと知りたいです)

 

この3人や天狗達からの株が急上昇した瑞生であった、やったぜ。

 

 

紫「暇ねぇ……あ、瑞生!」

帰りに突然境界が開いて紫に何故か捕まえられたのは別の話。

 

 

 




M「何かタイトルが……」
M・M「我が愛してやまないアニメ、CC(カードキャプターさくら)をイメージしたつもりだったけど普通だった」
M「もうちょい捻れよ……イメージ関係無いし別にアニメで普通のタイトルだし」
M・M「(´>∀<`)ゝ」

M「さて、珍しく今回は俺達だけだしパパパっと終わらせるぞ」
M・M「次回からまたオリジナル長編のほんの少し予兆となるつもりです。ほなそういう事で」
M「どんどん書いていきますでー」
M・M「ではまた次回お会いしましょー」


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-神子達との過去 そして……-

どうも。
既に暑さに倒れそうにながらも頑張ります、M・Mです。皆様宜しく御願いします!
M「政治家か何かかな?」

ちょいシリアスが入ってます。美味しいやつじゃないぜ?ついでに少し色々。

では、どうぞ。


とある夜の事、紫と何気ない話をしていた。

紫「それでね、その時に幽々子が……って瑞生、聞いてる?」

M「聞いてる。そこで幽々子が大方爆食いして店を赤字にさせてしまったんだろ」

紫「そうなのよ~幽々子に大食いチャレンジなんてさせたた暁には店が潰れるしか無いわよね」

M「まぁ、あのピンクの悪魔の胃袋はブラックホールになってるみたいだからな」

紫「それで幽々子、今朝計ったら██kgだったらしくて、(幽々子様に脅されて加工をしております)やっぱり体重を気にしててね」

M「そうか、あんだけ食えばそりゃ増えるだろうよ……まぁそれでも幽々子は全然太ってる様には見えないがな」

紫「私は?」

M「……」

紫「何よぉー!何でそこで沈黙するのよ!」

M「ノーコメントで」

紫「瑞生の馬鹿!折角里の福引きで橙が甘味処の割引券当てたから今度一緒に行こうって誘おうと思ったのに」

M「紫はプロポーションも抜群だし美人だし何も問題無いと思うぜ!」

紫「…………」

 

やれやれである。

 

紫「まぁ、お世辞でも嬉しいわ」

M「……」(別にお世辞で言った訳じゃ無いんだけどな。そんな事恥ずかしくて言えるか///)

一応本音らしい。

 

 

紫「ところで瑞生、あの神子とは仲良くやってるのかしら?」

M「仲良くって……まぁそれなりに」

紫「そう……」

M「何だよ」

紫「どうもあの3人からは変な物が感じられてね、まぁ特殊な存在ではあるけども」

M「お前一応妖怪だろ?布都も屠自古も妖怪退治のスペシャリストだし感じる物があるんじゃ無いのか?」

紫「そんな物かしら」

 

その日は紫とそこで別れ、

 

M「俺も寝るか」

 

 

 

 

次の日、ふと行きたくなったので仙界に行ってみた。ここにしか居ない生物も沢山居るのでここには時間を忘れて楽しく過ごせる。

 

M「ん……あれは?」

 

「クエッ!」

M「チョコボ!?どうしてここに?」

チョコボみーっけ。

 

M「ん、中々に人懐こいな……よしよし」

神子「貴方は魔物にも良く好かれるのね」

M「神子」

神子「私が仙界を作る時に異世界に穴を開けたからその時に迷い込んでしまったみたいね」

M「こっちの方が楽しそうだけどな」

蘇我「チョコボというのか」

布都「黄色だけでは無いぞ」

M「あぁ、白とか黒とか赤とかもいる」

布都「何だ、知っておるのか」

M「そりゃな」

 

神子「仙界は気に入った?」

M「あぁ、知ってる魔物も何匹か居て懐かしい感じがして良いな」

布都「空気も良いしの」

 

 

寺の方でのんびり茶を飲みながら色々話していたが、夕暮れ時になって事件は起きた。

 

布都「む?瑞生?」

M「……」

何も言わずに座っている彼に対し、

神子「えい」

トンと横から押すと見事に倒れた。

 

蘇我「寝ているのか……」

布都「中々にマイページじゃのう」

神子「それが元々の彼なんですよ」

 

流石に膝枕はやってくれませんでした(´・ω・`)

座布団を頭に敷いてもらっただけでもありがたい事ではあるが。

 

神子「まぁ、その内起きるでしょうし」

 

が、神子の考えは外れて夜になったというのに彼は起きなかった。

 

神子「……大丈夫でしょうか?」

蘇我「眠っていると言うより、こいつ気絶していないか?」

布都「我々と話していただけなのにどうして気絶するのじゃ」

蘇我「それは知らん」

神子「布都、博麗神社に行ってきてこの事を巫女に伝えて来て下さい」

布都「お任せを」

神子「私と屠自古は……待機ですね」

屠自古もコクリと頷いた。

 

 

 

※何となくお分かりでしょうが突然にいつもの追憶編。はい、よーいスタート(棒)

 

M(おかしいですねぇ……)

舞台は京の街。

M(俺って確かお寺の方で神子達とおしゃべりしてた筈なのに気が付けば何か移動してる!?)

 

何故に?

 

M(ここって京だよな、となると……)

何かと思い出す事があるが京といってもいつの京かは分からない。でも周りの感じからして、やはり神子達の時代とみて間違いないだろう。

 

M(飛鳥時代辺りか)

 

 

まぁ今までの過去の話から大体は予想出来たが、現代での俺の予想通り俺とあの3人は知り合いだった。出逢いはまたちょっとした事だったが、神子と布都に俺が会いに行く程仲は普通に良かったみたいである。

 

屠自古ともその裏で普通に交友を深めていた。

 

……まぁこの頃の俺は後にあんな事になるなんて思いもしないだろうが。

 

思ったよりかは俺は彼女達に関わっていなかった事も分かった。

M(あまり干渉し過ぎると歴史が変わるか?)

 

 

布都と屠自古についてもやはり、現代があぁなっているからこそ過去を変える訳にはいかない。

 

まぁ幻想郷ではあの2人は付かず離れずの関係みたいだからここで俺がどうこうするかなんて大きなお世話だろう。

 

だとすれば今回に限っては何もせずに彼女達とは知り合い程度で終わった方が良いのかも知れない。

 

そう……ただ知り合いが後に争い知り合いが死ぬ事を見るだけだった。

 

 

~現代~

霊「何で瑞生は眠ってるのよ」

蘇我「こっちが聞きたい」

布都「眠り姫じゃの」

紫「姫じゃ無いわよ」

神子「気が付けば寝ていたし……一体どうしたのでしょうか」

紫「……」(これが記憶を取り戻している時だと言うの?)

紫は前々から瑞生に聞いてはいたが実際目にするのは初めてである。

 

紫「……で、さっきから気になってるんだけど。どうして貴女が膝枕しているの?」

神子「いけませんか?」

霊「私達が来るまでは普通に座布団に寝かしておいたんじゃないの?」

神子「そうですね。質問に答えると、何となくです……それ以上もそれ以下も無い」

布都(た、太子様……)

蘇我(良く分からんな……)

 

そしてカリカリする霊夢と紫にさらりと笑顔を見せた。いかにも煽ってるよこの人。

そして瑞生が寝ている間密かで意味不明な戦いが繰り広げられているのだが、当然瑞生は知る余地も無い。

 

 

 

 

場面は戻って過去。

燃える寺、逃げ惑う人々。

剣と剣がぶつかり合う音、弓矢の音、燃え盛る火の音……そして悲痛な叫び。

 

M「…………」

これをずっと見ていた。宗教戦争とは怖い物だ、と。争いは……やっぱり駄目だと思うけどじゃあ話し合いで何とかしましょうで済んでいるのなら世界は戦いなんて物は起こりはしない。

 

布都と神子と屠自古は別に争いで死んだ訳じゃ無いしこれについては俺も関係は無い。でも、やっぱりこんな場面見たくは無かったな、と後悔するも遅かった。

 

 

実は表向きで争っていた布都と屠自古は実は協力しており、後に自分達と同じく尺解仙になるつもりが布都に図られ肉体の復活が出来なかった……これがあの2人の真実だったのだ。

布都はやはり一族を滅ぼされた恨みはあったと言うのだろうか。まぁ本人達はもうその話は止めとこうとの事らしいし、屠自古に聞いたら案外亡霊も楽だと言っていた。

M(幽々子もそうなんだろうか?)

 

 

俺は特に深く関わる事は無かったがまた1つ記憶が戻って来たし、それだけでも良しとしよう。

 

 

そして、燃え盛るこの場所をバックにいつもの意識を失うのを感じながら、

 

M(あれ?ちょっと待てよ、別に全く関係無い話だけど普通の歴史上でも屠自古って確か神子とも布都とも、いや、元ネタの人々は結構密室な関係にあるんじゃ無かったっけ……)

そんな事を考えていた。

 

 

 

 

~現代~

何故か早苗と魔理沙が乱入。

 

早苗「分かります~1人で居たい時もあるのでしょうけど本当に何かと構ってあげたくなりますよね、瑞生さんって」

紫「本人は元々構って欲しいちゃんだから事実ね、絶対認めないだろうけど」

霊「あの時の宴会は本当に文のカメラをひったっくてでも残しておくべきだったわ」

神子「やっぱり彼はそういう(・・・・)観点でも特殊よね」

布都「甘えん坊なのか?」

紫「そうとも言えるわね」

蘇我「とてもそんな風には見えないが、人は見かけによらないとは良く言ったものじゃの」

魔「あ、あまり瑞生をいじめるのはよすんだぜ……」(後が怖い……)

 

魔理沙が静止をかけるという非常に珍しい場面が垣間見えている中、

 

M「んー……」

霊「あっ、起きるっぽいわよ」

 

目が覚めたら女性特有の良き匂い、神子に膝枕されていた。

M「ちょ、何で膝枕してんの///」

きょとんと首を傾げる神子、実に可愛い。

良く見たら神子も中々大きいな(爆)

 

霊「デレデレすなっ!」

後ろから強烈なチョップ。

M「痛ッ!」

 

 

流石に過去の事は話せないので紫以外には適当にごまかす。

M「睡眠不足でして……眠りこけちまったよ、スマンスマン」

神子「そうですか」

布都「寝た方が良いぞ?」

蘇我「倒れたく無かったらな」

M「そうしとく」

魔「全く、瑞生は変に寝て変に起き過ぎだぜ」

 

M「ハハハ……」

霊「……」

紫「……」

 

やべぇ、紫は知ってるからアレとして霊夢が妙に怪しんでる。この子素晴らしい勘の持ち主だからちょっとヤバそう……。

 

 

 

まぁ何とかその場をやり過ごし、それぞれ家に帰った後に再び紫に話しておく。

 

紫「そう、やっぱり知ってたのね」

M「向こうは覚えて無いだろうけどな」

紫「幽々子だってそうでしょう?」

M「あぁ、覚えてたのは永琳達と諏訪子と神奈子位だな。他にも居そうだけど」

 

別に覚えていてくれたからどうという話では無いだろう、その頃の俺が神子達にとってどういう存在だったのかは当然彼女達にしか分からないが。

 

 

紫「少しずつ記憶が戻って来たわね、貴方」

M「そうだな。俺がいつから生きてるのとか誰とどういう交流を持っているのか分かってきた」

 

「俺はどうして生きてるんだろう、どうやって生まれてきたんだろう」なんて何処かの赤髪の男みたいな事を言うつもりは無いが、色々あったな。

 

紫「それはそうと……瑞生、やっぱり何か変な物を感じるのよ」

M「気のせいじゃないのか?」

紫「えぇ、日に日に強くなってる」

M「異変か……」

紫「瑞生、異変だとしても無理するんじゃないわよ。絶対に1人で何処かに行ったりはしないで」

M「……分かってるよ、幾分か前にその時の辛さは嫌という程知ったからな」

 

皆、俺の事を大事に思ってくれているのだからもう勝手な行動は止めようとは思っている。思っているだけじゃ無かったら良いのだが。

 

 

 

そして、あの大災害を引き起こした混沌以来、再び幻想郷が大ピンチに陥るまでのカウントダウンは刻々と進んでいるのである。

M・M「伏線やめてくれよ……(絶望)」

 

 

 

 

ある日の事。

人里に謎の集団が出来ていた。

M「ん、何だ何だ」

 

聖「妖怪は確かに私達を食べます。そして襲います。それは紛れも無い事実です。ですが、それはあくまで一部の妖怪。ちゃんと分かり合える妖怪が居る事も事実です、皆さんの身近にも居るではありませんか」

慧「皆は私が人間で無い事を知っているだろう、だが皆は私に優しくしてくれる」

聖「確かに短い期間では何も変わりません……ですが人と妖怪の間にも信頼関係という物は必ず作れる筈なのです。その為には私達から歩み寄らねばならないのです。かつて、私達が妖怪にしてしまった過ちを繰り返さない為にも」

 

M(講演ですかぃ、勇気あるよな白蓮は)

 

人々はやはり少し許容し難い様な雰囲気を醸し出してはいたが、それでも白蓮の思想を理解してくれる人も現れ始めた。これは白蓮達の地道な努力の賜物だろう。

 

 

 

が、やはり人間とは愚かなのだ。

「そんな事言ってもつい先日妖怪に喰われた友人は帰って来ない!」

「今よりもっと酷くなったらどうするの!」

「所詮相容れない存在に変わりはない!」

 

いや、言ってる事は正しいが。この人達だって何も知らない訳じゃ無いし、妖怪全てが悪い存在じゃ無い事も分かっているのだろうが、結局の所永き間に心に住み着いた考えとは簡単には変えられない。

 

だが、こいつらはやっぱり何も分かってなんていない。妖怪が居なくなったら自分達は生活が出来なくなる事が全く分かっていない。

 

好き勝手言うのもしょうがないのかも知れないが、やはりこの時代の人間は傲慢過ぎる。

 

 

その後も白蓮は話を続けるも最後まで反対の考えとは相入れる事は無かった。

 

聖「はぁ……」

慧「こればかりは、仕方無いな」

M「白蓮、先生」

聖「瑞生さん、見ていましたか」

M「あぁ」

聖「情けない所を見せたく無かったのですが」

M「そんな事言うなよ」

慧「悲しい話だが、ああいう輩はいつまでも消えない。彼等の言っている事も正しいからな……」

M「……」

聖「分かっています、一筋縄じゃいかない事も。でも絶対諦めません」

慧「そうだな、前よりも私達の考えに賛同してくれる人も増えてきている。私達が諦めたらそこでお終いだ……頑張らないとな」

M「勿論俺も、相談があるなら言ってくれよ」

聖「はい、頼りにしてます」

慧「また無理をするなよ」

M「分かってますって」

 

 

思えば後で激しく後悔する事になる。

……この時言ったんだけどな、相談があるなら言って欲しいって。

いつだってそうだ。後悔するのは終わるか、始まってしまう前。結局いつも自分の無力さを嘆くもどうしようも無い事を分かっているのに。

 

M・M「伏線貼り過ぎやろ……てな訳でこの話は終わりッ!」




M「凄いタイトルの……が気になる」
M・M「それは完全なネタバレになるのでね。次回のお楽しみで」
M「んーそれでは皆様次回も宜しく」











………ん?
M「あると思ったろ!」
M・M「次回からは再びオリジナル長編となります」
M「久しぶりだな」
M・M「そういう事で、少しだけ遅れます!でも最近頑張って書いてるから多分大丈夫!」
M「はいはい、まぁ頑張れ」
M・M「では、今度こそ。また次回お会いしましょう」


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-白蓮暴走 時を超越せし魔女-

どうも。
活動報告をちょちょいと書きましたM・Mです。
そこに書いてあった通りオリジナル編、白蓮さんが超暴走します。果たして彼女の暴走を止める事が出来るのか?そして白蓮に迫り来る謎の存在とは……。

では、どうぞ。


この世に悪があるとすれば、それは人の心だ。

 

M・M「何処かで聞いた事あるお( ^ω^)」

 

辛い運命、過酷な現実……それでも戦え!

M・M「戦隊モノかな?」

 

 

 

ほんへ。

 

聖「はぁ……」

あの後1人で命蓮寺に帰りながら、

聖「どうして中々上手くいかないのでしょうか」

 

分かってる。彼に言った通り一筋縄ではいかないのも、自分達が頑張らないといけないのも。

 

けれど、ああいう反対派の言葉は悲しくなる。

 

 

 

???「……信仰を得たいですか?」

聖「!?」

思わず周りを見渡したが誰も居ない。

聖「誰ですか……?」

???「私に実体は無い」

聖「……」

???「ついでに名乗っておきましょう、私の名前は……アルティミシア」

聖「アルティミシア……?」

 

 

 

 

こちら博麗神社。

霊「今日も良いペンキ」

M「本家だ」

霊「?」

 

霊「そうだ瑞生、茶葉が無くなったのよ」

M「へいへい、買ってきますよ」

霊「よろしくー」

 

 

人里にて、

M「おや、星とナズーリン」

何やら店の商品の前で(たたず)んでいる。

 

 

星「ナズーリン、そんなに悩まずにもうさっきの店で買いましょうよ……」

ナズ「いやダメだ主、こちらの店の方が安いぞ」

星「そうなんですか?」

ナズ「よし、ここにしよう」

星(やっと帰れる~)

M「……」

何となく会話を聞いてみたが相変わらずの関係だな、この2人は。まぁ楽しそうだが。

 

そして俺の視線に気付いたのか、

ナズ「おや、瑞生じゃないか」

M「よぅ」

星「こんにちは」

M「随分買い物を頑張るんだな」

星「そうなんですよ、ナズーリンったらいつもケチを発動させt痛い痛い!ナズーリンそのダウジング棒で突かないで!」

M「……」(苦笑い)

ナズ「全く……帰るぞ主」

星「では瑞生さん、また命蓮寺で」

M「あぁ、2人ともまたな」

命蓮寺か、行ってみようか?いや、どうせ白蓮とはすぐ会えるだろうからまた今度で良いか。

 

 

そして、瑞生はこの時命蓮寺に行かなかった事を深く後悔する事になる。

 

異変は、いつだって唐突に起こるのだから。

 

 

とある日。運命の日は突然にやってくる。

 

朝です。

M「ふわぁ~」

 

いつも通り起きた。いつも通りの日常が始まると信じていた、この時は。

 

朝ご飯を霊夢と食べ終わった後にようやく違和感に気付く。

M「……なぁ霊夢」

霊「何?」

M「猛烈な違和感を感じるんだが」

霊「そう?私は別に……いや、感じるわ。ビンビンに感じる!嫌な予感!」

 

霊夢がこんな事言っているから尚更に怖くなった。何かまた起こるのか?

 

……いや、もう起きているのかも知れない。

 

M「悪い霊夢、ちょっと外出てみる!お前はここに居てくれ!」

霊「あ、ちょっと!」

 

彼は何処かの鴉の様に風の如く速さで飛んで行った、実に早い。

霊「もう……」

 

 

 

人里にて。異変の兆候なんて物は存在しなかった。

もう異変は既に起きていたのだから。

 

M「嘘、だろ」

 

人里に誰も居なかった。朝にはいつも賑わっている筈のこの場所にも誰も居なくて何も感じない。

 

M(何が……どうなっている?)

 

考えられる事は幾つかあるが、とりあえず慧音先生の元へ行こう。

 

慧音宅にて、

M「先生!俺です、瑞生です!」

何度か扉を叩いたが、返事が全く無い。

 

M「…………」

こうなったら。

M(先生、すみません!)「ちゃちゃっと!」

ちゃちゃっと鍵を開けた。

 

不法侵入で警察だ!とかなりそうだが、それは無いだろう。何故なら……

 

M「先生……?」

寝室には、普通に眠っている彼女が居た。

 

この時間なら彼女は寺子屋に居る筈なのに、ごく普通にすやすやと眠っていた。

 

 

外に出て、もしかしたら……と思い様々な場所に行く事にした。

 

魔理沙達の魔法の森、文達が居る妖怪の山、さとり達の地中等々。そして今何が起きているのかが分かった。

 

 

博麗神社に戻ると、霊夢と紫が何やら慌ただしく話していた。

紫「あ、瑞生!何処行ってたの!」

M「色々」

霊「やっぱり私達の思った通りよ、とんでもない異変が起きてるわ」

M「あぁ、色んな所見てきたから分かるよ」

紫「貴方も見て来たのね……」

霊「瑞生、本当なの?

 

皆起きないなんて(・・・・・・・・)……」

 

M「あぁ、事実だ。まず人里に行って慧音先生が、その後永琳亭や妹紅の家も。地霊殿に紅魔館に廃洋館に妖怪の山にも行って来た。そして魔理沙やアリス、そしてレミリア達もさとり達も鬼達もプリズムリバー三姉妹もチルノ達も文や椛達もにとりも……言ってたらキリが無いが、ほとんど皆眠っていた」

 

霊夢は驚きを隠せなかった。そりゃそうだ、自分の知り合いがほとんど眠りについているなんて聞かされても信じられないだろう。

 

 

紫「私の方でまず確認出来たのは幽々子と妖夢は無事。それと幽香と友達(?)2人と天界と地獄の連中も。後は神子達も無事みたいね」

M「俺の方は守矢神社の3人が無事だった。力の強い者やまぁ別世界って言ったら変だが、別境界の皆は大丈夫みたいだな」

霊「一体何が起きてるというのよ……」

 

 

M「1つ言えるとすれば、異変だって事だ」

 

 

 

とりあえず、博麗神社に無事な連中で集まる事になった。

※くるみとエリー、布都と屠自古は普通にお留守番をしています

 

天子「流石に驚いたわ、さっき人里に行って来たのだけど誰も居ないんだもの。上の方は衣玖に任せて私が来たのだけど」

幽香「確かに、かなり面倒な事になったわね。私は無事だったけどメディスンが眠ったままだわ」

早苗「私と霊夢さんは神社の強力な結界があったから無事だったんですね」

M「俺も幸運だったな」

妖「でも、一体何が目的で……」

幽々子「そこなのよね。元凶が誰なのかもさっぱり」

諏訪「こんな異変起こして何がしたいのかね。凄い大災害を起こしたりするんじゃなくて人々を眠らせるなんて異変は異色だよね」

神奈「私も同感。起こすならもっと派手にやりなよ、こんな地味な事せずにさ」

早苗「神奈子様、これはそういう問題じゃありませんよ」

神奈「ごめんごめん」

神子「しかし、人間だけで無く妖怪も眠らせてしまうとは……」

 

皆が会話している中、

 

紫「瑞生はどう考えてるの?」

 

その紫の言葉に皆黙り込んで俺を見る。

M「……前にもこんな事を言った事があったと思うけど、この場に居なくて俺と紫が確認していない奴等が怪しいは思ってる」

妖「瑞生さんと紫様が確認していなくてこの場に居ない……あっ!」

妖夢の他に皆も気付いた様だ。

 

M「行こう、命蓮寺に」

 

 

命蓮寺上空。

M「おっ、あそこに見えるのは……」

ミニスカニーソ筆頭、封獣ぬえ。

M(眼福)

紫「……」

M「いででででで」

紫さん、無言で耳を引っ張らないで下さい。

 

ぬえ「あっ!瑞生!」

超スピードで突っ込んで来た、俺に突撃するんじゃないかってレベルの。

M「どうしたんだ?」

ぬえ「皆を……助けて!」

M「!?」

 

 

上空にて、ぬえは簡単な説明をした。

ぬえ「白蓮がいきなりおかしくなっちゃって、人間を眠らせるって行動し始めたんだよ!」

M「白蓮が今回の異変を引き起こしてるのか!?そして命蓮寺の皆も眠らされて……?」

ぬえ「そう、村紗と一輪が私を辛うじて逃がしてくれた」

M「何で……白蓮が……」

紫「詮索は後。とにかく確かめないと」

M「あ、あぁ……」

 

 

だが、命蓮寺にはとんでもない強さの結界が張られていた。

天子「何よこの結界、えげつない硬さだわ……」

神子「先に進ませないという事ね」

神奈「でも、私達はこの程度で止められないよッ!やるよ諏訪子!」

諏訪「はいはい神奈子。皆、ここは私達に任せといて」

 

神奈「諏訪子、ガツンと行くよッ!」

諏訪「はいはい、いつも通りね、せーのっ!」

 

神奈&諏訪「神話、諏訪大戦!!!」

 

神様2人の攻撃で結界は破れた様だ。

M「よし、先に進もう」

 

 

 

命蓮寺、境内

M「ッツ……!」

霊「何よ、この重圧感……」

妖「この中に何が居るというんですか……!」

 

 

常に警戒しながら皆でゆっくりと進んでいく。

そして……

 

元凶は大広間に堂々と立っていた。

 

聖「まさかここにやって来るとは」

M「白蓮!何やってんだよ!」

聖「白蓮、そうですか、それがこの女の名前か」

M「!?お前は……誰だ?」

 

聖?「私の名はアルティミシア、永劫(えいごう)束ねし憎悪(ぞうお)の魔女」

ぬえ「やっぱり白蓮じゃなかった……!」

 

そりゃそうだろう。彼女がそんな事する筈が無い。

 

アルティミシア(以後アル)「確かに私はこの女とは違う。だが彼女の意思で私と共になった」

ぬえ「嘘だ……!そんな訳ない!」

アル「お黙り、そこの獣」

 

その刹那、誰にも認知出来ない程の速さの魔力で作られた槍がぬえを襲った。

いや、何とか一人は認知出来ていたらしい。

M「せいっ!」

 

剣で叩き落した。

その音で皆アルティミシアが攻撃をした事にようやく気が付いた。

 

アル「ほぅ、私の槍を叩き落すとは……」

ぬえ「瑞生、ありがと」

M「構わんさ」

 

紫「それで、貴女の目的……聖 白蓮の目的は何?」

アル「それは彼女から聞けば良いでしょう……」

 

そうしてアルティミシアは目を閉じた。

聖「私はどうしても、人と妖怪の調和の世界が作りたいのです」

霊「今の貴女は、白蓮の方ね」

ぬえ「白蓮!どうしてこんな事を!」

聖「ぬえ、ごめんなさい。ナズーリン達にも申し訳ない事をしました……ですが、私は悟ったのです。人々の考えを変えるには、根本的な物を無くさないといけないという事を」

早苗「根本的な物……?」

聖「妖怪も人も、結局はどちらもお互い変わりたいと思っていても変化を恐れているから今の関係は変わらないのです。だったら人と妖怪の悲しい過去を消し去り、お互いが怖いという感情を抱かなくさせれば良いと思ったからです」

妖「でも、どうして人も妖怪も眠らせたんですか?」

聖「記憶を消す為です」

幽々子「記憶ですって!?貴女自分が何を言っているのか分かってるの?」

聖「分かっています。悲しい過去、恨み、そういった物を消し去ればお互い怖がる事も無く生きられる筈なのです。ただ少し眠らせる範囲を大きくし過ぎましたが」

 

特にこれといって平然と物事を言う彼女は一周回って狂気に満ちている様にも思えた。

M「あの眠らせる魔法には記憶を失わせる効果でも入っているのか」

聖「そうです。ゆっくりと、時間をかけて。私がアルティミシアに貸して貰った力を合わせれば私以外のこの世界に生きている存在は眠らせられる計算だったのですが……やはりそう上手くはいきませんでした」

霊「私達の力を侮ったわね」

聖「更に別境界へ居る者には効果が及ばなかった事も誤算でした」

紫「当然よ」

 

聖「でも大方の目的は達成出来そうです。皆さんを倒せば、全て終わります」

 

皆その言葉に一斉に臨戦態勢を取る。

聖「出来れば、素直に眠って頂けると嬉しいのですが。そうすればお互い苦しむ事もありませんし。そうだと思いませんか?」

 

彼女はそう言った。少し闇の入った笑顔で。

 

M「……」

聖「瑞生さん、貴方なら分かってくれますよね?貴方は私の理想を良く分かってくれていますから。ですよね?」

M「……」

聖「瑞生さん」

M「あぁ」

諏訪「ちょ、瑞生!?」

 

全員びっくり。

M「勘違いするな、肯定した訳じゃない」

聖「どうしてですか?」

M「白蓮、確かに俺はお前の理想は好きだ。例えどれだけ非難されようと難しかろうと諦めずにじっくりと頑張るお前を応援したいし、支えたいと思った。だが今のお前はどうだ?完全に強行突破じゃねぇか」

聖「私だって出来るならばそうしたかったです。ですが現実は優しく無かった」

M「だからって今のお前は目的の為なら手段を選ばない悪になってる」

聖「悪、ですか。確かにそうかもしれませんね」

天子「肯定するのね……」

 

M「ッツ……どうして、どうしてなんだ?何がお前をそこまで突き動かしたんだ?」

 

聖「1つ言うならば……醜い、汚い、人の心よ!」

 

そして再びアルティミシアに戻った彼女は気が付けば自分の周りに無数の弾幕を用意していた。

 

M「クソッ……なんで、何でなんだよ!また(・・)過ちを繰り返すのかよ、お前は!」

紫「瑞生駄目よ、来るわ!」

M「畜生……!」

 

 

 

 

戦いたく無いが、そんな願いは届かない。

戦いの火蓋は、悲しくも切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

♪ラスボス神社

M・M「だからラスボスじゃないんだよなぁ……あぁもう滅茶苦茶だよ」

 

元々の白蓮の膨大な力、それにアルティミシアの謎の力が加わり最早手の打ち様が無い圧倒的な強さを出していた。

この場に居るのは俺と霊夢、早苗を除けば自分の力のみで白蓮の術をかき消した強者ばかり。

特に幽香、天子はオラオラ行く強さだし。

 

アル「フフ……確かに強者ばかりの様ね、でも数でかかろうとも関係無いわ」

M(……アルティミシア。永劫束ねし憎悪の魔女、ねぇ)

勿論知ってる。あくまで彼女の模造(コピー)であるが過去に戦った(戦わされた)事があるから。

 

 

この自分達の軍団に対しても余裕の態度を崩さないのには訳がある。

M「皆気を付けろ、皆が強い事を俺は良く知ってる。だがコイツは別だ」

紫「どういう事?」

 

 

M「彼女の能力は……時間圧縮。簡単に言えば過去と現在と未来を融合させる事が出来る」

アル「そこの男、何故それを知っている?」

M「さぁな、それは自分で確かめてみろよ……こんな世界に来てまで1人になりたい魔女さんよ!」

アル「どうやら、貴方は他とは違うみたいね……良いわ、見せてあげるわ!」

 

 

彼女の力が更に膨大なものとなった。

早苗「ど、どうなってるんですか?」

M「言ったろ、今アイツのしている事を簡単に説明すると全ての時代のとある存在を現在の自分と融合させている」

アル「そう、私は過去現在未来の全ての魔女と言える存在を自分に取り込んでいるのよ……当然この世界にも居るわよね?魔女といえる女が」

 

霊「アリス、パチュリー、他にも……皆は大丈夫なの!?」

アル「安心なさい、殺したりはしないわ。ただ起きた頃には随分衰弱してるだろうけど?」

 

霊「こんのッ!封魔陣!」

 

霊夢が先陣を切って攻撃するが、

アル「何処を狙ってるのかしら?」

 

霊「!?」

アル「後ろよ」

 

ALL「!!!」

気が付けば背後に彼女は居た。

霊「何で!?」

 

M「やっぱりアンタは時も操れるのか」

早苗「時を操る!?それって……」

M「言っとくが、咲夜とは比べ物にならないレベルの厄介な物だぜ。咲夜も十分凄いけど」

神子「ただ時を操るのでは無いのですか」

M「言うなれば咲夜と輝夜の能力をフルに使った奴の数倍以上の能力がある。かなり力を使うだろうが自分が触れた物を永遠に止める事も出来るし、さっき霊夢の攻撃を避けたのは……過去の自分を融合して、前に自分が居た場所に瞬間移動したって所かな」

 

アル「鋭いわね。是非とも私の騎士にしたいわ」

M「悪いが御遠慮しとくよ、誰かに仕えるってのはあまり好きじゃないんでね」

アル「そう、ならば貴方も虚空へと消し去ってあげるわ!」

 

 

彼女は時を止め、魔力で生成した槍や斧等の大量の武器を至る所に配備し、

アル「そして、時は動き出す」

 

 

それで自分達が気付いたら武器に囲まれてる訳ですよ。これ俺の百花繚乱とか咲夜の世界を軽々しく行ってるのと同じだよ?中々に理不尽。

 

が、ここにいる連中はそれ位で驚いたりはしない。

霊夢と早苗は落ち着いて結界を貼るし、天子とか神子、そして妖夢と俺はそんな物は必要無くごく普通に斬り落とす。

 

M「確かにアンタは凄いけど、俺らの力を見くびって貰うのは心外だな」

アル「良いわ、面白くなって来たじゃない!」

 

 

 

 

時間を軽々しく操りコチラの攻撃は当たらないのに相手は自分達の常に死角から大量の弾幕を貼り、まるで遊んでいるかの様な戦いをしていた。

 

神奈「くっ、面倒だねぇ……」

幽々子「流石にこれだと……私達が沈むのを待つだけじゃない!」

幽香「疲れるのは嫌いよ」

 

神様だろうとどんだけ強い霊力妖力を持ってようと関係無かった。

相手にもいつかは限界が来るのだろうが、それは今の自分(・・・・)の限界。

 

そう、元も子も無い話しをすると時間圧縮を使って過去の自分を戻せば魔力も元に戻るし、更に別の存在と融合して強くもなる。

 

 

あれ?これ詰んでない?

 

 

皆流石と言った所かまだまだ戦えるのだろうが、彼女達に負担をかけさせる必要は無い。

 

 

唐突に瑞生がとんでもない事を言い出した。

M「悪いが、アンタの能力消させて貰うぜ」

 

アル「何を言っているの?私の力はまさしく永遠よ?消す事等不可能よ」

M「じゃあその不可能を可能に出来る力があるって言っても信じないんだな?」

アル「当然よ」

M「じゃあ味わってみろ、時の力を!頼むぜ、エターナルソード!」

 

 

 

そう。時間圧縮とかいうチートの影響でどう考えても勝てる筈の無い戦いだが1つ彼女は忘れている。いや、知らないだけだが。

 

俺には時空さえも斬り拓く力があるのだから。

 

エターナルソードを出すだけで彼女は敏感に反応した。当たり前だが。

 

アル「ッ!その剣は何だ!」

M「エターナルソード。時を司る魔剣さ」

アル「時を……?」

 

M「残念だがこの剣を出しているだけでアンタはもう時間圧縮も時を止める事も出来ない」

アル「ッツ……」

 

 

妖「反応からして本当みたいですね」

天子「だったらやる事は1つしか無いわ」

幽々子「今までやられた分倍返しにして返すだけよ、覚悟しなさい」

紫「私達に、私達の世界にこの様な事をしておいてタダで済むと思ってはいないわよね?」

神子「仇なす物は……斬る!」

 

アル「例え時が操れなかろうと関係無いわ……今までは遊んでいただけだもの。貴女達等私の魔力で全て滅されるのだから!」

 

幽香「またそんな事言っちゃって。知らないわよ?後で絶望したって」

 

アル「それは貴女達の方……迫り来る恐怖に身を委ねなさい!グレート・アトラクター!!!」

 

M「どひぇー……こりゃまた凄い」

 

異空間から惑星を引きずり出してぶつけるというとてもシンプルな技。まぁ規模も威力も半端ないものになるんでしょうけど。

 

これに対し、

 

霊「その態度も今のうちよ!」

早苗「私達のパワー見せてやります!行きましょう霊夢さん!」

霊「分かってるわ、先は任せたわよ!」

 

早苗「開運!」

霊「厄除!」

早苗「縁結び!」

霊「商売繁盛!」

早苗「安全祈願!」

 

天子(神社の宣伝かしら……)

霊「これが!」

早苗「巫女巫女必殺!」

霊&早苗「巫力エクステンション!」

 

2人の力が合わさった巨大な弾幕レーザーでこれを何とか相殺する。

 

M「流石巫女力(?)は強いな」

紫「巫女力というかパワーね……」

 

だが安心出来るのも一瞬。

 

アル「ならばこれで……無に還りなさい!ショックウェーブパルサー!!!はぁぁッッ!!!」

 

今度は魔力を解放し全体攻撃。

M「これはマズい!皆俺の後ろに!」

 

皆すぐに自分の後ろに避難した事を確認して、

M(ここは……光の翼でッ!)

まだ召喚獣は温存しておくべきだろう。

 

迫り来るエネルギー波を、皆を包み込む様にして光の翼で守る。

M「ッツ……重いッ……!」

 

威力がここまで高い物だとは。しかもこれ全体攻撃とか理不尽極まりない。

 

そして瑞生が辛そうなのを見て、

M「!?」

 

突然軽くなった。

M「紫、天子!」

天子「しっかりしなさいよ!」

紫「大丈夫、私達が支える」

 

霊「私達もやるわよ!」

早苗「結界で少しでも軽くします!」

 

妖夢も幽々子も神子も、皆手伝ってくれた。

おや、神様2人が居ないが何処に行ったのだろう?

 

M「せいやッ!」

 

何とかこれを弾き飛ばす事に成功。

 

 

アル「やるわね……今のを防ぐとは」

M「アンタこそ1人で良くやるぜ……」

 

今ので結構疲れたんですけど。

 

アル「でも私は、負ける訳にはいかないッ!

 

今ここに魔女の力、見せてあげる!メイルシュトローム!!!」

 

 

 

まさしく1つ1つが時空が歪ませる程の威力があるであろう魔力弾が無数に浮かび上がった。

 

幽々子「なっ……!」

幽香「ちょっと、これは本当に理不尽ね」

M「今度も俺の後ろに、アレクを使う!」

 

諏訪「いや、その必要は無いよ!皆を守って、ミシャグジさま!!!」

神奈「やらせはしないよ!オンバシラ!」

 

 

ずどーん、大きく地響きをならしながら何か(・・)がやって来てメイルシュトロームの弾を弾き飛ばしていく。

 

弾き飛ばし損ねたメイルシュトロームを神奈子のオンバシラが守ってくれる。

 

M「助かったぜ諏訪子、神奈子!」

 

諏訪「こちらこそ、これ呼ぶ為に少し離れたんだ。さっき参加出来なくてごめんね」

早苗「大丈夫ですよ、今私達を守ってくれたじゃないですか」

神奈「そこの女、時空がなんだか知らないけどあまり神様を舐めるんじゃないわよ!」

 

アル「馬鹿馬鹿しい、神様なんて……居ないのよッ!信じられるのは自分一人だけよ!」

 

だが彼女はまだまだ勢いを落とさずドンドン攻撃してくる。しかし良く考えたらさっきから防戦一方じゃないか、このままだとマズいという状況は何1つ変わらないのだ。

 

 

アル「確かに実力は認めてあげるわ、でも貴女達には勝ち目なんて物は最初から存在しないのよ!」

無数の弾幕を自分の周りに浮かべながらそう言った。やっぱりコイツは強い、しかも危険過ぎる。

 

 

M(エターナルソードで時間圧縮や時を止めるのを防げたのに……元々が強過ぎるなこりゃ)

 

ほとんどはアルティミシアの力なのだろうが魔力量で言うと白蓮の強さも伺える。

 

 

周りの皆はまだまだと意気込んでいるが疲れが少し見えている。このまま彼女達に無駄な消耗をさせてしまうのは得策じゃない。

 

M(やるか……)

 

突如神化。

 

妖「瑞生さん!?」

紫「ちょっと、どういうつもり!?」

M「このまま無駄な戦いを続けるのは良くない。だから俺が終わらせる」

早苗「でも……」

神子「いや、ここは任せておくべきです」

天子「私も。やってくれるのなら是非お願い」

諏訪「無理しちゃダメだよ、瑞生」

 

神奈「当てにしてるよ、瑞生」

M「フッ、任せておけ」

 

 

 

 

1人彼女と対峙する。

アル「あら?貴方1人で大丈夫なのかしら?随分見くびられたものね」

M「それがどうかは……自分の身で確かめろ!」

 

アル「望む所……もう1つ、絶望を!」

 

グレートアトラクターが再び放たれるが、

M「貫け!リボルバードライブ!!!」

 

真っ向から剣を前に、突き進む。

 

 

そして、巨大な爆発が起きた。

 

 

アル「とんだ死にたがりの様だったわね。真正面から行って勝てる筈がn」M「喰らえッ、エアリアルサークル!」

 

アル「きゃあッ!」

 

ようやく、1発攻撃と言えるものを御見舞することが出来た。

 

アル「何ですって……あれを貫いたというの?」

M「勝算が無ければあんな無謀な事をしない」

アル「くっ……」

M「逃すかッ!」

 

 

アル「しつこいッ!」

M「言ったろ、逃さないぜ!」

 

彼女は魔力で生成した武器で戦うが、ちゃんとした意味での接近戦はやはり苦手な模様。ここまで近付いたら負けはしない。

 

M「灼光拳ッ……砕け散れぇッ!!!」

突如彼女に拳を突き出す。

アル「!!!!」

 

反射的に出した斧のお陰で難を逃れたが、当たっていれば致命傷となっていただろう。

 

M「それで逃げ切ったと思うなッ!爆炎剣!爪竜連牙斬!」

 

アル「くあッ……」(このまま、では……!)

 

M「終いだッ!でやぁっ!!!」

 

ここはチャージ斬りで〆。

 

アル「きゃあぁァッ!!!」

遂に待ってましたガードブレイク。

 

M「ここまでやられた分全部乗せて……倍返しだぁ!外しはしないッ、ノヴァストライク!!!」

 

今まで受けたダメージをエネルギーに変え、自分のアーマーへと纏わせ突撃する最後の切り札系の技。威力は素晴らしい物です。

 

 

声も無く、アルティミシアは倒れた。白蓮の姿をしたアルティミシアだが。

 

アル「……見事ね、私の魔女の力を圧倒するなんて。時間圧縮も使ったというのに」

M「いや、強かったさ。ただアンタは相手が悪かった、それだけの事だ」

 

 

アル「フフ、フフフフフ……貴方の事が、ますます欲しくなってきたわ。その態度、言葉も気に入ったわ」

M「悪いが気に入られても困るがな。いらん御託は良い、とっとと真の姿を表せ」

 

アル「本当に、貴方は何者?私の事をどこまで知っている?」

M「さぁな、魔女の事等俺は知らないぜ」

 

アル「良いわ、そこまで言うなら見せてあげる……ジャンクション!グリーヴァ!!!」

 

M「!!!」

危険を察知してすぐに皆の元へ避難。

 

幽々子「まだ続きがあるの!?」

神子「力が更に膨大化していく……!」

 

そして、

アルティミシア、いや、グリーヴァを取り込んだ彼女の容姿は最早化け物だった。

 

諏訪「ちょっとちょっと流石にこれは……」

妖「大き過ぎます!しかもこの重圧感(プレッシャー)……」

 

M「これ位が良いってモンだ。むしろ攻撃が当てやすくなったしこっちの方が良い」

天子「えぇ、一気にやるわよ」

幽香「小賢しいのは嫌いなのよ、これ位はっきりした方が最初より幾分マシだわ」

 

紫「全く戦闘狂ばっかり……」

神奈「でも、本番はこっからだね。向こうがその気ならこっちも全力で行くまで!」

神子「総力戦ですね、ここからは」

幽々子「はぁ、もう疲れるわね……」

 

そして、ゆっくりと化け物と化した何か(・・)はこちらへと向かって来る。

 

M「……」

だが彼は何やら周りをキョロキョロしている。

霊「瑞生、どうしたの?」

M「白蓮は……?」

早苗「そう言えば居ませんね……まさか、あの中に融合されてしまったのでしょうか!?」

M「だとすれば面倒だ、早く助け出さないと」

妖「なら尚更に早く倒しましょう」

 

 

そして、大きな(うめ)き声を上げるもう何て呼べば良いのか……とりあえずアルティミシアと皆が再び対峙する。

 

 

第2ラウンドの始まりだった。

 




M「おぉ、活動報告でハッタリかと思ったけどちゃんと書いてる」
M・M「頑張って書いたよ、暇ではあったので」
M「文字数も中々」
M・M「見にくくなるので丁度良い場所で区切りました。次回もアルティミシア戦!そして更にエクストラも!瑞生死す!」
M「勝手に殺すな」


M・M「結構戦闘描写書いた方じゃない?やっぱり書かないと上達しないし」
M「書いた所で上達するとは限らないけどな。まぁ書いた方じゃねえの」
M・M「次回も戦闘多めで行きます!ついでに次回はシリアス、ホラーが多少あります」
M「おっ、良いねぇ~」
M・M「そして皆様突然のアルティミシアおばさんの登場に驚いたのでは?」
M「おばさんは止めとけ」
M・M「おば……お姉さんを何となく登場させたかっただけなんですがね」
M「本当に気まぐれだなこの作者」
M・M「その分頑張って書くぜ!」
M「ほいほい。それじゃ次もあくしろ~」
M・M「分かってますって。では皆様今回はこの位にして次回もヨロシクゥ!」


M「そしてコイツ何時に投稿してるんだとかのツッコミはしてはいけない(戒め)」


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-白蓮ならざる者との激闘 瑞生の決死の思い-

どうも。
土日寝てしかいないM・Mです。
M「隙あらば自語やめぃ」

今回でバトル編はお終い。でもまだ白蓮編は続きます。

注意、少し猟奇的な表現を含みます。白蓮の崩壊がありますのでお覚悟を。
M「お覚悟をって何だよ……」

では、どうぞ。


貴方でいう幸せとは一体何ですか?幸せとは一体何なのだろうか。どれだけ長く生きてきてもその答えは出ない……。

 

 

グリーヴァと融合し化け物となったアルティミシアとの2回戦は早々に激しい戦いが繰り広げられていた。

M「魔皇刃!」

 

強力な一撃をぶつけるが、軽々しく腕に止められた上に反撃の腕が飛んで来る。

 

M「ッ!」

当然剣で受け止めるが、無理だった。

 

M(マズいっ、重過ぎるッ……!)

 

天子「義翔閃!」

そこにすかさず天子がサポートを入れる。

 

M「た、助かった天子」

天子「無理してるんじゃないわよ!」

M「悪ィ……」

 

妖「一撃が確かに強過ぎますね、1人では無理ですが2人なら受け止められます」

神子「どうか焦らずに」

M「あぁ」

 

 

前衛は瑞生、妖夢、天子、神子。

中衛として霊夢と幽香。

そして、

 

幽々子「紫~アレやるわよ」

紫「はいはい」

 

早苗「諏訪子様、神奈子様、どうか力を!」

神奈「任せといて!」

諏訪「私達の可愛い早苗の頼みなら!」

 

 

後衛の皆様はまとめて必殺する模様。

M「前衛撤収撤収ー!」

 

すぐに射線上から離れる。

 

紫「行くわよ、開け!虚空の扉!」

幽々子「受けなさい、私達の力を!」

 

紫&幽々子「エターナル・ファイナリティ!!」

 

何で2人この技使えるんだ?極光壁で皆を守らないと(使命感)

 

 

原作通り滅茶苦茶凶悪な技だが、

「メ ル ト ン!!!」

 

 

そう咆哮を上げると、消えた。

他の表し様が無い。紫と幽々子の合体術が、まるで先程の咆哮に吸い寄せられる様に消えたのだった。しかし、

 

紫「まさか止められるとは流石に思って無かったけど、本命は私達じゃ無いわよ!」

幽々子「行って!守矢組!」

 

そして、

♪BRAND NEW WIND(幻想少女大戦のです)

 

早苗「任されました!やります!」

諏訪「私達守矢パワー見せてあげるよ!」

神奈「行くよ!2人共」

 

個別で見ると早苗はサモンタケミナカタ、諏訪子と神奈子は諏訪大戦。そしてその2つが重なり怒涛の連続奥義となり相手を滅多打ちにする。

 

諏訪「これでッ!」

神奈「終いだッ!」

早苗「奇跡は起きる物じゃありません!起こすものです!」

 

3人「守矢神社・ミラクルユニゾン!!!」

 

M(ネーミングセンス……)

 

それは置いといて、コチラは直撃。

アル「グォォォォッッ!!!!」

 

痛そうだな、まぁアレまともに喰らって生きてるコイツは流石である。

 

アル「グルゥアッ……アポカリプス!!!」

 

立ち昇る光柱をコチラに向けて発射。

M「速いッ!」

 

かなり速く、回避が追い付かない。

 

神子「ならば消すまで!光には光を、光符!グセフラッシュ!!!」

 

神子がスペカをぶつけるが、

神子「くっ……嘘、止められない!?」

幽香「世話が焼けるわね、行きなさい!花符、幻想郷の開花!!!」

 

ここで幽香のスペカが炸裂。

何とか2人のスペカで止められた。

神子「助かったわ」

幽香「えぇ」

 

 

そして止めたのを見てすかさず瑞生と妖夢が敵に向かって駆け出す。

 

M「俺にも活躍させろよっと」

妖「瑞生さん、駆け出したのは良いんですが何するんですか?」

M「うーん……」

妖「考えてないんですか!?」

M「冗談だよ妖夢、閃華、決めるぞ」

妖「はい!」

 

まずグリーヴァの強力な薙ぎ払いを避けて、

M「まずは俺から!はぁっ!」

真正面に一閃。

妖「続きます、もう1つ!」

横に一閃。

 

十字に斬ったら始まり。

 

M「……」

妖「……」

 

無心になってただ斬り刻む。相手も勿論反撃してくるがこれも避けている。

 

天子「あの近距離で……凄いわね」

霊「瑞生の反射神経の凄さは知ってるけど、妖夢も凄いのね」

幽々子「勿論妖夢は頑張って瑞生に付いていける様に毎日頑張ってるから。特に反射神経を鍛える事に精を出していたけど」

 

妖夢の頑張りを1番傍で見守っている幽々子だから分かる話。

 

常に動きながら斬撃を続ける。

お互いがぶつかりそうだし、お互いの刃が当たりそうになるギリギリの位置で常に止まらず斬っていく。

 

数秒間、どれだけ斬り刻んだのか分からないが、きっとかなりの回数を妖夢と共に斬っただろう。そして、

M「美しく、咲き誇る華の如く!」

妖「思いは剣に乗せて、貴女の迷いと共に断ち切ります!」

 

M「貫くぞ、妖夢!」

妖「はい!」

 

 

そして大技の終わり、妖夢と限界までに加速して更に更に斬る。

 

M「〆はバッチリ決める!はぁっ!」

妖「お覚悟を……!」

 

M&妖「これが、俺達(私達)の!

閃華(せんか)、一閃!!!」

 

 

 

最初の一閃とはお互い逆方向に一閃してお終い。

 

 

アル「グゥオォォォォォォッ!!!」

 

激しく呻いている。

そりゃバッチリ決めましたからな、妖夢とどれだけこの合体奥義を練習した事か。

 

妖「決まりましたね」

M「あぁ……」

 

そして遂に奴は倒れ込んだ。膝をついてバタンッと前から倒れて、巨体だった為に地面が揺れた。

 

紫「勝った、の……?」

霊「見て!何か出すわよ!」

 

グリーヴァから光に包まれて出て来たのは、白蓮だった。

早苗「白蓮さん!大丈夫ですか!?」

霊「早苗!近づいちゃダメよ!」

 

何も言わない白蓮に近付いて行く早苗を霊夢は制止したが、遅かった。

 

聖「ごめんなさい」

早苗「えっ……?」

 

白蓮が早苗に触れた次の瞬間、早苗が倒れた。

諏訪「早苗!」

神奈「お前、早苗に何をした!」

聖「安心して下さい、ただ眠らせただけです」

M「白蓮か?まだアルティミシアなのか?」

聖「いえ、彼女は死にました。そして私が出て来たのです」

幽香「とりあえずあの女は倒したのね」

神子「かなり厄介な相手でした」

 

聖「流石は皆さん、まさか私もアルティミシアが倒されるとは思っていませんでした。時間圧縮という絶対な力があったのに」

紫「絶対な力等……存在しないわ」

聖「そうですね、確かにそう言わざるを得ないみたいです。瑞生さん、貴方の存在がそれを証明していますから」

M「……」

聖「ですが皆さんは大分消耗したでしょう」

霊「ッツ……まさか、アンタ」

早苗の事もあり口ぶりもアンタに変わっているし、霊夢は相当ご立腹の模様。

 

聖「皆さんを眠らせば私の勝ちです」

天子「残念だけど、私達はまだ戦えるわ。貴女の術にかかる程弱ってなんかいないわよ」

 

皆頷いている。同感といった所か。

 

聖「えぇ。皆さんに普通(・・)の術は効かない事は良く分かりました」

M「白蓮!」

その叫びも遅く。

 

聖「迷える者に眠りを……どうかこれで!エンジェルフレイム!」

 

M「アレクサンダー!ディヴァインウォール!」

 

咄嗟のアレクサンダーにより瑞生は防御したが、他の者はモロに当たってしまった。

 

M「お、おい皆!?」

力無く崩れ落ちる彼女達に何があったというのか。今の光は一体何なのだろうか。

 

聖「私の力を結集して放った大技です。大丈夫です、効果は眠らせるだけですから」

何が大丈夫なのか。

 

M「でも紫達まで……」

聖「言ったでしょう、私の最大限位の力を出しましたから。お陰で疲れました」

M「白蓮……」

聖「これで最終奥義としたかったのですが、どうして貴方は眠らないんですか?」

M「生憎俺の召喚獣はそんな柔く無いさ」

聖「どうしてそこまで私に立ちはだかるのですか?面倒は無いに限るのですが」

M「白蓮、何でそんな事言うんだよ……」

聖「自分が言っている事が馬鹿馬鹿しくなってきたのです。腐りきった傲慢は1度大きな力で変えないと何も変わらないのです」

M「お前、前に神子に考えを押し付ける事こそが悪って言ってたじゃねぇか!今のお前がやってる事がまさしくそうだろ!」

聖「貴方もそれが綺麗事だと良く分かっているでしょう?口だけでは何1つ変わりなどしない」

 

M「だからって……だからってこんな事しても何も変わらない!変わるのは一瞬だけだ!」

聖「瑞生さん……残念です。貴方ならきっと分かってくれると信じていたのに」

M「お前の理想を知っているからこそ分からないんだよ!目を覚ませ!」

聖「目を覚ませ?むしろ今までの私が眠っていた方ではないのかと思います。あんな綺麗事ばかり言って……先程から何度も言っていますが何も変わらないと言うのに」

 

M「……もう、昔のお前は帰って来ないのか。優しくて何度もめげずに頑張っていた」

 

聖「そうやって私を縛り付けるのですか、何も知らないくせに、知らないくせに知らないくせに知らないくせに知らないくせに知らないくせに知らないくせに知らないくせに知らないくせに知らないくせにシラナイクセニシラナイクセニシラナイクセニシラナイクセニ!!!」

 

M「!!!」

 

 

彼女が突如撃ってきたメラガイアーを咄嗟に避ける。当たっていれば間違いなく沈む。

 

M「白蓮!!!」

聖「貴方は……私が倒します!」

M「こんの、大バカ野郎!!!」

 

 

 

他のの皆はどうか知らないが残念な事に俺はもうあまり気力は残っていない。神化も獣化もほんの少しだけしか使えない。もう一撃で決めないといけないのにも関わらず相手は魔力健在の白蓮。更に更に加えてアルティミシアの力はまだ白蓮には残っているらしく、どんな力が分からないが何かの領域に守られている様だった。恐らく時空魔法の1つだろう。

 

あれ?これまた俺詰んでない?

 

 

戦ってはいけない。戦っても多分負けるし例え勝てたとしても彼女は変わらないまま。

 

M「白蓮……本当にそれで良いのか?自分の知人さえも居ない世界でただ1人孤独に生き続けるんだぞ?」

聖「……その様な感傷に浸る事は止めました」

M「嘘つけ!わざわざ命蓮寺の皆まで眠らせて……さっき早苗を眠らした時にもごめんなさいって言ってたろ?やっぱりお前は心を捨て切れてなんか無い!」

 

聖「うるさいですよ……いい加減にしないと、私も流石に怒りますよ……」

M「怒れよ!自分の気持ちぶちまけてしまえ!そうすれば自分がどれだけ愚かな事をしているか分かるだろ!」

 

聖「ッツ!!!そこまで言うのなら!ホーリージャッジメント!!!」

 

彼女の両手から聖なる光が溢れ出る。やっぱり彼女こそ光の魔法が良く似合う人物なのに。

 

 

M「行くぞ闇ゼロ!闇よ……我が剣に宿れ!

闇の制裁を!デスブリンガァー!!!」

 

光と闇、相反する力がぶつかり合い、若干俺の方が押されそうになったが何とか相殺。

一応ライトブリンガーと変わらない俺の最終奥義系ではあるんだよ?

 

 

M「ハァッ……ハァッ」

聖「もう止めて下さい。本当に死んでしまいますよ?貴方は別に不老不死なんかでは無いでしょう?」

M「へっ……この程度でくたばる程弱く無い!それにお前にそんな事は出来ないからな」

聖「!」

M「やってみろよ。そんな非道な行いが出来るのならな」

聖「う……」

 

揺れてる。やはり彼女は闇になんて染まれないのだ。彼女は、優しいから。

 

M「白蓮、もう止めてくれ。お前だって本当はこんな事したくなんて無いんだろ!」

 

 

 

聖「………こんなに迷うのなら、貴方に出逢わなかったら良かった。貴方を早い内に消しておくべきだった」

 

M「え……」

聖「初めからこうしていれば良かったのです、アルティミシア……最後に力を貸して下さい。

 

時よ止まれ、タイムストップ!!!」

 

 

突然の時空魔法最強格、タイムストップに抗う術無し。防御の召喚獣を出す元気も無い。

 

 

 

聖「……フフフ」

誰も動く者も喋る者も居ない。

 

 

 

 

何もかもが止まった中、ただ1人笑う。

こういう時人とは狂気に満ちてしまうのだろうか、おかしくなってしまうのか。

 

いや、既に自分は人では無いか。

 

 

目の前で止まる彼。必死になって自分を止めようとしてくれたのに私は彼に酷い事をしたな、と思う。と言うより彼が相談に乗ってくれると言っていたのに何も言わずに私はこんな事をしてしまった。彼を裏切ったと言っても過言では無い。

 

 

聖「ごめんなさい……どうか恨んで下さい、この私を。貴方の優しさを無視した私を」

 

 

もう誰も動かなくなったこの場所で謝っても意味の無い話ではあるが。

 

聖「………」

 

嘆いていても仕方が無い。計画を早い内に実行へと移さないとこれまで自分がやってきた事が無駄になる。

 

聖「瑞生さん、皆さん……大丈夫です、ちゃんとまたいつか会えますから」

 

力を全て解放して、自分の纏っている防御璧を解いてからいよいよ全ての者の記憶を消す準備をする。

 

 

そして、実行へと移りポツリと一言。

 

聖「これで、これで……良かったのです」

 

 

 

 

 

「良くなんて無いだろ」

 

聖「!!!!!!」

気が付いた時には首のすぐ側に剣が。

聖「どうして……止まっていたのでは」

M「俺のエターナルソードは規模が大きい小さい関係無い。他は眠らせる事が出来てもマスターである俺は不可能だ。止まったままのフリ(・・)をするのも疲れたぜ」

 

聖「……」

M「悪いな、こんな事をしたくは無いがまた防御璧を纏われると手の出し様が無いのでね」

 

この剣はその為の脅しか。

まさか、盲点だった。まさか彼の力がここまでとは思っていなかった、本当に彼は私の想像全てを超えて狂わしてくる。

 

聖「何が、目的ですか」

M「決まってるだろ、早く皆の魔法を解け」

聖「ッツ……」

 

さて、どうするか。このままでは自分の行動が全て水の泡だ。

 

だが分かる事が1つある、彼は本気で自分を殺す。

優し過ぎるとか甘いとか良く言われている彼だがちゃんとやる時はやるのだろう、歴戦の戦士である彼はそれ位の区別はつけられる。

 

 

聖(止むを得ない……ですね)

自分が死んでしまっては先程から何度も言っている通り全て水の泡だ。ここで死んでしまえば……ん?

聖(私が死んで術が発動する様にすれば)

 

彼は気付いていないが、幸いな事に術は発動している。彼にも勿論術が掛かっており、1度眠りにつけば記憶が無くなるまで目が覚めない様になっている。

 

発動のキーは私自身の死。そうすればこの状況を抜ける事が出来る。

 

 

聖「分かりました」

 

そして彼女は何かを呟くと、

 

霊「ん……」

霊夢を初めその場で眠っていた者達が目覚め始めた。これで命蓮寺の皆や幻想郷の皆が起きたのだろうか?

 

M「……」

とりあえず約束は守ろう、といった所か彼は剣を収めた。

 

紫「瑞生、一体何がどうなったの?」

M「説明は後だ。白蓮、もう諦めろ」

聖「そうですね、私の負けです」

 

その時、

星「白蓮!」

ナズ「主、そんなに飛び出しては……!」

 

命蓮寺の皆が現れた。

聖「皆さん……謝っても許しは得られないと思いますが、ごめんなさい」

 

ぬえ「謝罪なんか良いから止めて!白蓮が……白蓮が悩んでいるのに私達が何も出来なかったのが悪かったんだよ!」

 

一輪「私達にも責任はあります。だから素直に止めて下さい」

 

村紗「もう一度頑張ろう!もう一度やり直すよりも今度は皆で新しく始めればきっと出来るよ!」

 

ナズ「こんな所で終わりにしたくは無いぞ、白蓮。私だって貴女の理想を叶えてあげたい」

 

星「お願いです、私にも……私達にも白蓮の闇も全て抱えさせて下さい!昔白蓮が私達を救ってくれた様に……今度は私達が!」

 

 

 

聖「皆さん……私は……」

 

 

悲しい。とてつもなく心が痛む。どうして捨て切れないのか、感情という物を。

 

そして、その思いを口にしていないのにも関わらず彼はこう言った。

 

M「白蓮は感情捨て切れてなんかいないさ、もし感情を捨て切れているのなら最初から変に眠らせたりせずにアルティミシアの時の力で俺達を止めて記憶を消す事だって出来た筈だ」

 

聖「そんな、事はッ……!」

 

M「白蓮……」

 

止めよう。早く死のう。じゃないと……私はもう今の私(・・・)には戻れなくなるから。

 

 

懐から短刀を取り出す。

M「白蓮!?お前何を!」

 

聖「皆さん……ごめんなさい。最後に楽しい夢を、優しい夢をありがとうございました。どうか、人と妖怪の平和を願って……ここでさよならとします」

 

 

 

そして、そっと目から零れ落ちる熱い何かの正体が分からないまま……自分の首元へと短刀を突き刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

聖(…………?)

おかしい。何も感じない。

首を刺したなら流石に痛みや苦しみ無く死ねるとは思えないのに。

だがそれよりもおかしな事は、何も感じないのに肉を貫いている(・・・・・・・)感触があるという事。

 

 

 

 

恐る恐る目を開けると、

 

 

赤。紅。

 

M「止めとけ」

 

短刀は私の首では無く、驚く事に彼の右腕に突き刺さっていた。

 

聖「どう、して……」

 

M「そんな事をしてどうする?お前が死んでも残るのはお前を失った者達の悲しみだけだ!お前はまだ自分がどれだけ愚かな真似をしようとしているのか分からないのか!」

 

聖(ッツ!)

 

その言葉は胸に深く突き刺さった。が、それ以外にも気になる事がある。

 

聖(おかしい……こんな一瞬で私の前に……)

 

彼と私は普通に離れていた筈だ。流石に彼が幾ら機敏でもこんな一瞬でこんな所に来れる筈が無い。

 

そして、その考えを読んでいたかの様に、

 

M「残る力振り絞って一瞬で神獣化して、アクセル掛けてようやく間に合ったって感じだな。理想なら短刀を掴めれば良かったんだが、流石に無理だった」

 

そう言う彼の腕からはボタボタと鮮血が溢れ出していた。

それなのにそんな事を言う彼を見て思わずこの人は本当に頭がおかしいんじゃないのかと思ってしまった。

 

 

 

そして彼は短刀が腕に突き刺さったまま強引に短刀ごと自分から取り上げて、

 

M「せいッ!」

引き抜いた。当然その時勢いを増して血が噴水の様に溢れ出した。

 

妖「瑞生さん!!!!!」

皆が叫ぶが、

 

M「大丈夫だ、この位で倒れる程ヤワじゃ無い」

 

 

 

その血を見てしまったからかどうなのかは分からないが、一瞬頭の中が爆発したかの様な感じに陥った後に、私の意識は遠ざかっていった。

 

M「おっと」

 

腕が使えないので体全体で何とか踏ん張り支える。立ちくらみに加え白蓮でマジでぶっ倒れそうになったが良く耐えたぞ俺。

 

星「白蓮!!!」

命蓮寺の皆が駆け寄って来て白蓮を介抱した。俺も思わずその場に尻もちを着いてしまった。

 

紫「瑞生!しっかりしなさい!」

M「大丈夫、だってば……」

 

だいぶ意識が遠のいている感じはあるが。

紫「今全力で加速して飛べる奴はすぐに永琳亭に行って呼んで来て!」

幽香「私が行くわ!」

 

言葉通り爆発的な加速で飛んで行った。

 

その他は一斉に治癒魔法をかけてくれる。

 

早苗「瑞生さん、お願いですからどうか死なないで下さい!」

神奈「こんな所でくたばる男じゃないでしょアンタは!しっかりなさい!」

諏訪「嫌だよ、今度は(・・・)永遠のお別れなんて」

 

M「大丈夫だっての……皆治癒魔法かけてくれてるし意識も少し落ち着いたって」

 

腕の血はまだ落ち着かないが。まぁ大きな血管に突き刺さら無かった事が不幸中の幸いか。

 

 

しかし過保護だなぁこやつら。

 

 

 

 

しばらくして、永琳達や他の者も続々と命蓮寺に集まってきた。

 

永「全く……今までずっと眠ってて訳分からないまま連れて来さされた私達の身にもなりなさいよ、どういう事なの?」

M「ごめん……」

永「えっ!あぁいや、瑞生が謝る必要は……」

 

皆に対してツンツン目に言ったのに瑞生に対してはアタフタしている彼女を見て皆ジト目。

永「な、何よっ///」

 

 

少しして、

鈴仙「はい、もう大丈夫ですよ」

M「ありがとな、皆」

 

腕の血も止まった様だ。血は出ていないが全身傷だらけであった為に今俺は結構包帯グルグル巻きになっている。

 

M(まぁ、結構戦ったしな……)

激戦であったし、滅茶苦茶疲れたけども。

今回一番良くて自分を褒めたかったのは何とか白蓮を話し合いで抑えられた事。

 

いや、話し合いで解決した訳では無いか。

 

ともかく、誰も死なずに済んだ事が何よりも嬉しい事だった。

 

 

……心の傷は治らないとしても。

 

 

 

 

まぁそういう話はおいといて、とりあえずは終わったのだ、うん。

どうせ大変なのはこれからだろうし。

 

 

 

もう既に日を超えていたが、とりあえず詳しい説明は明日すると言う事で皆それぞれ帰宅した。

 

俺ももう限界で、倒れる様に床についた。

 

 

 

 

 

次の日、では無く今日だけど昼辺りに再び博麗神社に皆集まり皆への説明会と言う事になった。

 

レミ「瑞生は?」

霊「寝てるわ」

紫「多分夜位、最悪今日は起きないんじゃないかしら。無理も無いわ」

妖「紫様の言う通りですよ……今回もやはり1番無理したのは瑞生さんでしたから」

天子「アイツは絶対自分でやった事だから気にするなって言うだろうけどね」

神子「瑞生も勿論気になりますが……最後の私達も止まっていた時に何があったのか気になりますね」

早苗「それは瑞生さんと白蓮さんじゃないと……あ、そうだ白」神奈「あの白蓮とかいう女はどうなったんだい」

 

早苗の言葉を遮る様に神奈子が言った。

紫「目は覚めているとしか聞いて無いわ」

諏訪「正直言って、何で瑞生が眠っているのにあの女だけ起きてるのって突っ込みたいんだけどね」

幽香「謝って、はいそうですかで済むとは思って欲しくは無いわね」

幽「私はスペカぶち込んでやりたい気分だけど?紫、貴女だってそうでしょう?」

紫「……その話は今は止めましょう。それに私達にはやらないといけない事があるでしょう」

 

アリス「ちゃんと何があったのか説明して」

 

 

説明の場には衣玖も、地獄から小町と四季がやって来た。彼女達は寝ていた訳では無いが詳しい事情は知らないとの事だ。

 

 

 

少女達説明中……(皆まとめて(・・・・・)少女と書けと脅されましたbyM・M)

 

 

慧「過去の人と妖怪の記憶を……?彼女はそんな事をしようとしていたのか!?つい先日まで私と共に頑張っていたというのに」

妹紅「もう面倒になったんだね、簡単に言って」

永「だからってこんな事を思い付くとは……ある意味畏怖するわ」

 

萃香「そんな事をしたって……変わらないよ。記憶が消されても違和感ってのは残るからね」

勇義「馬鹿だねぇ、そんな一瞬の解決策をする為にこんな事をするなんて。どうせ未来なんて見えないだろうに」

霊「アンタ達鬼が言うと何というか……感じる物があるわね」

萃香「そうかい?」

 

 

口々に物事を言う中、博麗神社に突然の大嵐を吹き起こす存在がやって来る。

 

 

魔「あれは、命蓮寺の奴らだぜ」

 

その中には、当然今回の異変の首謀者である白蓮も居た。

 

 

霊「………アンタ、良くいきなりこの場所に現れる勇気があったわね。今アンタを恨んでいる奴結構居るというのに」

 

天子(この感じ、あの時の私みたいね……)

天子はそんな事を思っていた。

 

 

星「……皆さん、昨日白蓮がかけた術は解きました。もう何も問題はありません」

文「まぁ朝起きたらいきなり記憶が消えていたなんて怖いですからねぇ、良かった良かった」

椛「先輩、そういう問題ではありません」

 

そして、遂に白蓮が話し出した。

 

聖「皆さんは今少なからず私に憎悪を、そうじゃ無くても似た様な感情を抱いていると思います」

 

紫「そうね」

静かに、刺々しく紫は肯定した。

 

聖「私が何故あんな行動に走ったのかは戦った人達なら分かると思いますが、全て私の心の弱さです。そこにアルティミシアに付け入れられあの様な事をしてしまいました。勿論そんな事は言い訳になりませんし、当然ながら罰を受ける覚悟は出来ております」

 

ナズ「昨日今日にかけて私達で話し合ったんだ、白蓮がどれだけ心に闇を抱えていたかも知らずに何も出来なかった事に関しては我々命蓮寺一行全員に責任がある。だから私達も罰を共に受ける」

 

聖「謝っても、決して許されませんが……申し訳ございませんでした。心がおかしくなって舞い上がってしまったとはいえ皆さんに本当に恐ろしい事をしようとしていた事を深く反省しています」

 

命蓮寺の皆は深々と頭を下げた。

 

霊「……まぁ、私も怒ってるし怒ってる奴が結構いるのも事実なんだけど、良いんじゃない?もう異変起こさないってのならそれで。いつも私は言っているけど恨みとかそういうのは嫌いなのよ」

慧「霊夢の言う通りだ。普通ならそうはいかないが……ここは幻想郷だからな。そうだろう」

諏訪「ま、私達とて一時は敵となろうとした事があったから説教する権利は無いか」

早苗「そうですよ、この幻想郷では常識に囚われてはいけないのです!」

 

ふふん、と早苗が主張した。

 

聖「皆さん……ですが、私は」

紫「そういう話や罰が受けたいって言うなら今は眠っているけど瑞生に話しなさい。貴女を救ったのも結果的に瑞生だから」

 

聖「……はい」

魔「終わったのならいつも通りの宴だぜ!」

アリス「全く、空気を読みなさい魔理沙」

パチェ「ただ宴会がしたいだけでしょ」

 

 

星「白蓮、私達で準備するのが礼儀です」

聖「そうですね……すぐに準備を始めましょう」

 

 

こうしていつも通り皆との仲直りを込めた宴が始まろうとしていた。

 

 

まだ白蓮の闇は消え去ってはいなかったが。




M・M「うーん書いた方かなー」
M「作者、あえて言ってやろう。こんな時間に投稿してるから朝が起きられないんだよ(正論)」
M・M「正論攻撃やめちくり~」
M「ったく……しかしこの作品の基本ほのぼの概念にそぐわない表現があったな」
M・M「まぁ多少は。(ね?は付けない)こういうの書いてみたかったんだ、前から白蓮の話を書こうと思ってたし」
M「そーなのかー。まぁとっととオリジナル編は完結させろよ」
M・M「分かってるって。それでは皆さんここら辺で今回はお別れと致します」
M「次でお会いしましょう」












ん?

( ^ω^)おっおっおっ

紫「久しぶりのフリーダム後書きタイム来たわね、待ってたわ」
幽「1度やりたかったのよこれ」
妖「もう……作者からネタバレは禁止とは言われてませんがダメだと思います!」
幽「硬い事言わないの。出たからには妖夢にもやって貰うわよ」
妖「えぇ……」
紫「次回でオリジナル話の聖 白蓮編はお終いよ。次回は彼女の溜め込んでいた闇が爆発しちゃうみたい」
幽「おぉ怖い怖い……」
妖「私は瑞生さんが何とかしてくれるって信じてます」
紫「まぁ、瑞生の活躍にご期待ね」
幽「あの瑞生の何気無い言葉はグッと来るわよね~私も落とされたわ」
妖「幽々子様、それは話が違うと思います」

紫「こほん。まぁそういう訳だから次回も宜しく。早い内に書かせるから」
妖(書かせる……?)
幽「バイバイ~」
妖「えっと、ありがとうございました」



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-異変の終わり 白蓮に残る闇-

どうも。
何かパカパカ投稿出来ている事を嬉しく思うM・Mです。少し少なめですが今回でオリジナル編その2はお終いとなります。

瑞生は白蓮の暗闇を照らす事が出来るのか。

後書きにて結構重要なお知らせがあります。
では、どうぞ。


前回のあらすじだぜ!

 

白蓮とアルティミシアとの激闘を何とか制し、白蓮の野望をとりあえずは阻止した瑞生達。そして白蓮達の手によって宴会が開かれる事になったが、まだ白蓮の中の闇は依然として残っていた。

 

 

 

M「……んぅ」

何だか外がうるさい。

 

M「んー……」

どうやら外の喧騒で起こされた様だ。

 

M(宴か……?)

感じからしていつものやつだろう。

と言うより俺は昨日の夜から1日寝ていたのか。まぁ確かに疲れましたけども。

 

とりあえず着替えて俺も出る事にした。

 

 

 

 

フラン「あ!兄様!!!」

こいし「瑞生!」

妹'sが駆け寄って来ると共に皆が俺に気付く。

 

永「体はどう?」

M「まぁ、もう大丈夫だと思う」

輝「相変わらず治りが速いわねぇ」

 

M「……」

周りを見渡しても皆楽しんでいる様だったし、命蓮寺の皆も混ざって笑いあっていた。

 

が、

M(白蓮……)

彼女が居ない。何処へ居るのだろう?

 

すると、キョロキョロしている俺に対して星とナズーリンが話し掛けて来た。

星「瑞生、白蓮なら裏の墓地側の入口に居ます」

M「そうか、ありがとう」

ナズ「瑞生、私達では言えなかった思いが君になら伝えられる。白蓮の闇はまだ消え去っていないんだ……頼む、どうか白蓮を本当の意味(・・・・・)で救って欲しい」

M「……あぁ、何とかやってみるさ」

 

 

裏口。

聖「……」

紫「こんな所で何をしているのかしら?」

聖「!」

ふと後ろには紫が居た。

聖「貴女は……」

紫「瑞生に感謝する事ね。本当なら貴女は死んでいたのよ」

聖「……はい」

紫「それに」

聖「?」

 

紫「瑞生が居なかったら、私達は多分貴女を救おうとはしなかったわ。あの状況で1番手っ取り早い事は……分かるわよね?」

 

聖「…………」

紫「恐らく……殺していたわ、貴女を」

聖「はい。分かっています」

 

すると彼女から妖力が溢れ出した。

聖「ッ!」

 

紫「分かってなんかいないわよ!どうして瑞生は貴女を助けたか分かっていて!?」

聖「それはッ……」

 

分からなかった。あんな事をしたのに、私に何もする事無く私を助けてくれた意味が。

 

どうして?私は彼に殺されてもおかしな話では無いというのに。

 

紫「……分からないなら、本人から聞きなさい。彼が来るわ」

聖「えっ」

紫「今だけ!今だけよ、彼を貸してあげる。好きにしなさい」

 

聖「まるで、彼が自分の物の様な言い草ですね……ありがとう。彼に打ち明けようと思います」

 

紫は頷き、その場を去った。

 

少しして、

M「居た、白蓮」

聖「瑞生さん」

 

 

2人縁側に座り、

聖「瑞生さん……その、今回は本当に申し」

M「謝罪なら結構」

 

自分の言葉を遮る様に言った。

 

聖「え?」

M「命蓮寺の皆にも宴会の場でも謝ったんだろ、じゃあもう謝らなくても良い」

聖「いや、そういう問題では無くて!」

 

彼にしてしまった事を謝りたいのに。

M「じゃあ何だよ」

聖「その……腕を」

M「あぁ、これか良いよ別に。もう治ったし」

聖「ッ……どうして、どうしてそんなにも簡単に許せるのですか!」

M「えっ、ちょ何でそんなに怒るんだよ」

聖「一歩間違えたら死んでいたかも知れないんですよ!?なのに殺そろうした相手に対して良いよ別にって……おかしいですよ!」

M「そんな事言われても困るって。まぁ普通ならもっと凄い事になるんだけどさ……早苗に言われたろ、ここは幻想郷だ。常識に囚われてはいけないのさ」

聖「そんなの……納得いきません!」

 

 

M「分かったよ。だったらちゃんとした理由を与えれば良いんだろ?

 

何でって、俺は生きてるからさ」

 

前に輝夜にこんな話をしたのを思い出す。

 

聖「生きてるって……そんなの」

M「それだけさ。死んだらどうしようも無いけど……俺は今こうして生きてる。白蓮も生きている。それで良いじゃねえか、俺はそれ以上は望まないさ」

聖「瑞生さん……貴方は」

M「白蓮、俺の事や皆についてまだ謝りたい気持ちがあるなら今まで通りにすれば良い」

聖「今まで、通り?」

M「何か縛り付けてる様で……いや、本当に縛り付けていないよな?ひた向きに頑張っていたお前こそがいつも通りなんだよ。そんなお前を助けたかったから命蓮寺の皆も、他の皆も、そして俺も。全力でお前を助けた」

 

聖「……取り返しのつかない事をしてしまった事実は変わりません」

M「そうだな。だからその罪背負って生きていくんだよ、白蓮」

聖「罪を、背負って……」

M「お前も俺に似てるな……少し前の俺に。自分がしてしまった事に対しての責任の取り方について異常なまでに考えてしまう。簡単な話なのに、執着してしまう」

聖「私は、自分がここまで心の弱い人間だとは思いませんでした……いや、最早人間なんて存在ではありませんが」

M「それなら気にするな、幻想郷ならどうだって良い問題だ」

聖「ただ、平和を作りたかっただけなのに……私が近道をしようとしたからこうなったのです。要は面倒くさくなったからズルをしようとしたのと同じです」

M「……白蓮の中で、平和って何だ?」

聖「え?」

M「平和って言っても色々あるだろ?」

聖「皆が、幸せに生きられる世界……いや、誰もが普通に生きられる世界です」

M「そうか。白蓮、平和って物はな」

聖「作る物では無く自然に出来る物、ですよね」

M「……何で、分かったんだ?」

聖「あれ?どうしてでしょう……」

M「まぁ良いさ。白蓮、お前の闇を拭えるかどうかは分からないが……俺がお前と同じ様に悩んでいた時によくやく出せた答えは、悩み事があるなら悩め。元も子も無い話だけど俺はそうだと思う。物事にifは無い。だからあの時どうするべきだったのかって考えるのは良くない。考えたって戻れないからな」

聖「それでも、答えが出なかったら?」

M「答えが闇に埋もれてしまう前に、話すんだよ。俺がかつて皆に聞いて貰った様に。白蓮にだって居るだろ?頼れる仲間が。こういう時悩みを話せる大切な人が……勿論、俺だってお前の悩みに乗れる友人だとは思ってるぜ?」

 

聖「……ごめんなさい、瑞生さん。相談に乗ってくれると言ってくれたのに」

M「だから、過ぎた事をとやかく言ってもしょうがないからもうその話は止めておけ。お前は確かに過ちを犯した。その事実は変わらないし最初にも言ったけどお前はそれを背負って生きるんだ。でも……過ちは繰り返さなきゃ良い。そしてその過ちを繰り返しそうになったのなら仲間を頼れば良い」

 

聖「私、ずっと悩んでいました。何が正解で間違いか。でもその答えが出る事は無くて……でも私は人と妖怪がただ普通に生きられる世界を作りたい。それだけは確かなんです」

M「それで良いさ。甘い理想だとしても……理想が無くちゃ何も始まらない。それを叶える為に皆で努力する、まぁそんな考えこそが甘いんだけどな」

聖「そんな事は無いですよ」

 

実際、その理想に……沢山の人々が動かされていくのだから。

 

M「白蓮、俺はお前がまた傷付いたり疲れ果てて闇に沈んでしまわない様に全力で支えたい。だから絶対に、ちゃんと何かするなら相談してくれ」

聖「……はい。必ず、皆さんを頼ります」

M「それでもまた今回と同じ様な事になってしまったら……俺がまた全力で止めてやる」

聖「私は、貴方をまた傷付けたくありません。もうこんな悲しみも味わいたくもありませんから」

 

 

M「なら、いつも通りにしておくのが一番だな。普段通りってのがどれだけ幸せか良く分かるだろ」

聖「そうですね。いつも通りって……簡単そうでとても難しい事なんですね」

M「そう。そしてお前が、俺達が考えなきゃいけないのはこれからだ」

聖「村紗の言う通りにします。やり直すのではなく、今ここに新しく始めるとします」

M「……そっか。当然俺も手伝うからな」

聖「頼りにしています」

 

 

M「さて、そろそろ俺達も戻ろうぜ」

聖「はい。瑞生さん、ありがとうございました」

M「別にどうって事無いさ」

聖「まだ、完全に答えは出ませんが……ゆっくり、じっくりと皆で悩んで、頑張ります」

M「それが良い、悩めば悩む程きっと白蓮は輝けるさ。お前には……やっぱり闇は似合わないよ」

聖「!」

M「笑顔が一番」

 

 

その彼の笑顔に心臓をぎゅっと掴まれた様な感覚に陥った。

M「ん?どうした?」

聖「い、いえ///」

 

M「じゃ、あの喧騒の中に戻るとしますか」

聖「はい、あ、でも待って下さい」

M「何かあるのか?」

聖「その、今回の罰を」

M「罰ぅ?」

聖「私への罰を考えて欲しいって言ったら紫さん達が貴方に聞けと……」

M(アイツ等……)「あのなぁ、別に罰なんて必要無いだろ」

 

聖「駄目です!教えを説く身にも関わらずこの神に反する行い、罰を受けないといけないのです!それに……これは私のけじめとして」

M「……うーん、ンな事言われてもなぁ」

聖「命蓮寺の皆が罰を受けると言っていましたが私だけで構いません」

M「…………」

考えるが、これといった物が浮かばない。

 

聖「あの、基本的にはその、貴方に一番迷惑を掛けてしまったので貴方の好きで構わないんですが……その、えっと、性的なお願いは///」

M「……あのなぁ、オメーにとって俺はそんな人物に見えるのか」

聖「あ、いえ!そんな事は!」

M「そんなお願いしないから」

聖「……してくれないんですか?」

M「どっちだよ!」

 

あれ?このやり取り前にも……

 

 

 

M「よし決めた。白蓮1人で教えを説いたりすると色々大変だからこれから教えを説くならなるべく慧音先生みたいに慕われている人物や、プリズムリバー三姉妹やアリスみたいに人里に人気な奴らと一緒にやれば良い。あぁいう反対派の一番の解決策は信頼だからな」

 

聖「……はい。是非ともそうさせて頂きます」

M「ん、じゃあこの話は終わりだ。後は……楽しもうぜ、折角皆が楽しんでるんだしさ」

聖「勿論です」

 

 

 

 

白蓮はお酒は呑まなかったが、皆の輪の中にスラリと入っていく所からして社会性というかコミュ力は流石高い。

 

彼女が笑って普通にしていてくれるのなら……俺はきっと幸せだろうから。

 

 

また1人離れて座っていると、

 

紫「貴方も中々に損な役回りするわよね」

M「そんな事無いさ」

紫「入れば良いのに」

M「少しは入った。だけどあの中に居ると何されるか分からんし絶対酒呑まされるから避ける」

紫「じゃあ、私とお話でもしましょ」

M「あぁ」

 

 

紫「今回も、良く頑張ったわね」

M「な、何だよいきなり……」

紫「でも、無茶し過ぎ」

M「……悪かったよ」

紫「あの時はあぁするしか方法が無かったとはいえ……貴方の血を見るのは嫌よ」

M「俺だって好きで流してるんじゃ無い」

紫「貴方があの女をどうして痛い思いしてまで助けたいのかは分からないけど、きっと貴方にとって大切な存在だからでしょう」

M「……誰もが皆、大切な存在だ。特別にどうこうってのは無い」

紫「本当に?」

M「あったら何なんだよ」

紫「……あの女を境界へ放り込むわ」

M「はぁ?」

紫(まぁ、多分今回の件であの女も多分瑞生に惚れたわね)

 

全く、彼はどれ程フラグという物を建てれば気が済むのやら。

 

紫(負けないんだから、絶対に!)

そっと心に誓う紫であった。

 

 

M「(º﹃º )」

だがこの男、その誓いにも気が付かない模様。

 

 

いや、本当は全て知っているのかもしれないが。

 

 

 

 

 

あの宴会が終わってからというものの白蓮は今まで以上に精を出して頑張っていた。が、ちゃんと俺に沢山相談に乗って欲しいと言ってくれる様になったから俺としても嬉しい限りである。

 

 

が。

M「あのね白蓮?」

聖「何ですか?」

M「くっつき過ぎ!暑い!」

聖「私は大丈夫ですよ♪」

M「俺が大丈夫じゃないの!つか何でくっつくの!くっつく必要は!?」

聖「とってもあります」

 

うん。まぁ見て分かるけど紫や幽々子にも負けてないね、デカい(爆)

 

が、そんな事を言っている場合では無い。

 

慧「……………」

アリス「……………」

 

やべぇ、こんな所に普通に鬼が2人居た。

 

何故か彼女は人里で教えを説く時に限るが俺に精神的依存をしてしまうらしい。(尚俺が居ないと凄く不機嫌になるらしい)

今日は慧音とアリスが同行しているが、こりゃまたとんでもない修羅場が出来上がった\(^o^)/

 

聖「瑞生さんがそうしていてくれないと私また闇に埋もれちゃいますよ?」

M「いや、そんな事無いって……」

聖「だから離れてはいけませんよ。ね?」

 

可愛いじゃねえかコンチクショウ。

だが問題は今般若化している2人である。

 

M「その、2人とも許してくれ……白蓮が大変なのは2人も分かってるだろ」

 

聖「ふふふ……御二人も瑞生さんにやりたい事すれば良いと思いますよ?」

ニヤリと悪魔笑顔。

M「白蓮止めて!煽らないで!」

 

慧「あぁ、そうさせて貰おう……瑞生、また後で」

アリス「瑞生、後で覚えておいてね」

 

M(あぁ……色々終わった気がする)

明日がある事を願う。

 

M・M「明日なんて必要ねぇんだよ」

 

 

後に聖暗異変と呼ばれるこの異変は、少々大変な影響を残して終わりとなった。

 

 

文「尚、その日の午後に魔法の森にて不穏な悲鳴が聞こえたとの事。誰でしょうか?記事にする為にも聞き込み聞き込み♪」

 

 

 




M・M「無事オリジナル編終わりだぁーイエーイ、ヤッフー」
M「お疲れさん」

M・M「白蓮さんヤンデレ説」
M「止めて差し上げろ」
聖「フフフフフフフフフフ」
M・M&M「ピギャー!!!!!!」


作者&瑞生撤収


聖「全く酷いですね」
星「今のは白蓮が悪いですよ」


白蓮&星撤収

M「怖かった……」
M・M「アレは寿命縮むわ」
M「まぁそれはともかく、次回はどうするんだ?」
M・M「また少し日常編に戻ります。そしてまたオリジナル編!」
M「またか?」
M・M「と、言うより実は言うとラストまで後少しとなっております」
M「何ですと!?」
M・M「そのオリジナル編で終焉となります。そこからは前に書きましたが特別編という事になるのであしからず」
M「結構びっくりするがな……」
M・M「一応だよ?学校が夏休み始まる前に本編を終わらせておきたくて、夏休みは新しい作品を書きつつこっちの特別編を書く予定」
M「へ、へぇ~」
M・M「ではそういう事で!皆さんまた次の話でお会いしましょう」


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-日常編 瑞生と幻想郷の少女達-

どうも。
更なる暑さによりダウンしているM・Mです。

日常編がそれなりに続くと思います。少し恋愛要素を多めに、ついでに瑞生の過去と関係ある人達とのお話を入れていきたいです。

ついでにタイトルはまた全員まとめて「少女」にするように脅され……うわなにをするやめ(ry

M「作者が黒縁の車にに拉致られたよ……では、どうぞ!」


どうも。ただ今とてつもなくヤバめな状況にある瑞生です。

M・M「セリフパクられた、訴訟」

 

M「ごめん!ごめんってば!」

 

霊「許さん!絶対許さない!!!」

霊夢さん特製の巨大針を避けながら謝罪するが、どうやら許して貰える感じでは無さそうだ。

 

その少し離れた所で、

 

魔「何があったんだぜ?」

早苗「私も分からないです。博麗神社に来たら既にこの戦闘が始まっていて……」

萃香「おっ喧嘩か喧嘩か?」

 

紫「何の騒ぎ?」

にゅっと境界が開き紫が現れた。

 

魔「何だか霊夢と瑞生が喧嘩してるんだぜ」

紫「喧嘩って、一方的に瑞生が攻撃されている様にしか見えないのだけど?」

早苗「確かに……瑞生さんは反撃していませんね、反撃出来ないのかな?」

紫「まぁ瑞生が霊夢に手を出すなんてしたら私が一生許さないって言ってるから」

魔「原因お前かよ……」

 

紫「とは言え瑞生と霊夢があんなに喧嘩(?)している所は見た事無いわね。余っ程の事かしら」

早苗「聞こうにもあの有様じゃ……」

 

魔「終わるのを待つしか無いぜ。とは言え見ていたい戦いではあるけど」

 

 

 

霊「行って!陰陽玉!」

M「魔神剣!魔神剣・双牙!」

霊「昇天脚!」

M「飛燕連脚!」

霊「封魔針!」

M「ヒェッ」

 

さっき避けてた針よりも大きい針が空中より降り注ぐ。霊夢さん本気で殺しに来てない?

 

霊「避けたら意味無いでしょ!」

M「どうしろと!?」

霊「動くと当たらないでしょ!動くと当たらないでしょ!じっとしてなさい!」

M「何て理不尽な……」

 

最早いつものやり取り。

 

霊「ホーミングアミュレット!もう1つ封魔針!ついでに……貴方の技貰ったわよ!はぁぁっっ!!!」

 

2つの遠距離技を避けたと思ったらおかしいですね、視界に霊夢さんが居ないのですが。

 

M(上か!?)

残念上にも居ない。

 

その刹那。

M「ぐあっ……」

 

訳も分からず吹っ飛んだ。

 

何とサイドから強烈な一撃。

霊「貴方のアクセルだったか何だか知らないけど加速ならお手の物よ」

M「へ、へぇそりゃ凄い……」

 

それより受けたダメージが思ったより大きい。彼女は一体何をしたのだろうか?

 

霊「何をされたか分からないって顔してるわね。簡単よ、こうしただけ」

 

霊夢は自分の右手を俺に突き出した。その右手には謎のオーラが纏われていた。

 

霊「封魔陣とかと同じ原理よ、特別な結界を身に通す事によって身体能力を爆発的に上げただけ。まぁ自分の負担も大きいけどね」

 

M「……」

この子妙に武闘派になってた。

 

霊「何か言いなさいよ」

M「え、いや……ごめんって」

 

霊「ゆ る さ ん!!!」

M「何か言えって言われたから謝ったのに!」

霊「謝って済む話じゃ無いわよ!女の敵!スケベ!変態!」

M「酷い言われ様だな……」

 

 

紫「何となく瑞生が何したのか分かった気がするわ……全く」

魔「何したんだぜ?」

早苗「瑞生さんが悪気があって何かしたとは思いませんが、女の敵って言ってましたし俗に言うラッキースケベという物があったのでしょうか」

 

霊「どんどん行くわよ!覚悟なさい!バリアァ……ナッコォォ!!!」

 

ナックルをそう発音しますか、凝ってるね。

M・M「何処ぞのR-1でどうぞ」

 

再び超加速で拳を構えて向かってくる。流石にこれはヤバい、さっきのをもう一度とか悪いけど洒落にならない。

 

M「霊夢、悪いけど……俺だって一方的にやられるのはごめんだ!ギガインパクト!!!」

 

強力な拳と拳がぶつかり合い、一瞬その場に烈風が巻き起こる程の戦いだった。

 

お互い即座に離れて、

霊「瑞生!神化して本気で来なさい!私も見せてあげるわ、本気を!」

M「……知らんぜ、後悔しても!」

 

彼は神化。いつ見ても迫力満点、神々しい力である。だが、コチラも負けてはいられない。

 

霊(これを実践でやるのは初めてね……しかもその相手が瑞生だなんて)

「行くわよ、二重結界!!!」

 

2つの違う結界が霊夢の体を包み込んだ。

 

M「まさか……」

先程の結界を見に通す事で身体能力強化するという事からして……多分そういう事なのだろうけど。

 

 

霊「さぁ、やりましょう」

 

彼女は、別人の様なオーラを出していた。

 

本気で来ている。ならコチラも本気で応えるのが礼儀といった所か。

 

 

俺は剣、彼女は強化されたお祓い棒。

既にツッコミ所満載なのだが、お祓い棒滅茶苦茶強いんですよこれ。

 

彼女はお祓い棒、針、お札が主な攻撃方法であるが、突然の拳がやはり怖い。

 

 

霊「てりゃりゃりゃりゃ!!!」

M「ふほほほほほほほ!!!」

 

彼女の爆裂拳を紙一重で避ける。

 

文「凄いですねぇ」

レミ「と言うか霊夢っていつからあんな武闘派になったの?美鈴が教えたとか?」

咲「それは無いと思いますが……」

萃香「良いねぇ、熱くなって来たよ!」

チルノ「あたいも混ぜろー!」

大「チルノちゃんダメだって~」

慧「ふむ、中々に見応えがある戦いだ」

妹紅「2人とも結構やるね」

幽香「何か集まってたから来てみたけど……何してるのかしらあの2人」

天子「良いわ!瑞生、そこ殴る!あぁ私も参戦したい!良いわよね!」

衣玖「総領娘様、駄目です」

メデ「お兄ちゃん頑張れー」

フラン「兄様ファイトー!」

紫「ここは霊夢を応援しようかしら」

アリス「頑張れ、霊夢」

魔「瑞生も、そこ!避けるんだぜ!」

上海「シャンハーーーーイ!」(←?)

 

気が付いたらギャラリーが凄い事になっていた。

 

霊「余所見しない!殺牙(せつが)!」

M「まっ……力が、抜ける!?」

 

腰を殴られ痛みも無い一瞬だったが、そこから力が抜ける様にぐらりと体勢を崩された。

 

力が抜けたのも一瞬であったが、彼女にとっては十分だった。

 

霊「決めるわ!これが、私だけの弾幕……」

 

陰陽玉に囲まれた彼女は空へと舞い上がり、無言のまま目を瞑り、

 

次の瞬間、全てが光に包まれた。

 

霊「夢想天生。どうかしら?」

 

瑞生の墜落場所に皆集まる。

 

霊「流石にやり過ぎたわね」

紫「アレ喰らったら瑞生のタフも関係無しね」

早苗「霊夢さん凄かったです!」

魔「最後のは確かに凄かったな」

M「確かにアレは効いた」

霊「ひゃ!?瑞生気絶してたんじゃ?」

M「気絶はしてない。今も動けはしないけどな」

紫「貴方のその鉄壁も恐ろしいわね」

チルノ「迫真ディフェンス」

M「でもまぁ、凄かったよ。防御をする暇も無かったし……素直に俺の負けだな」

 

早苗「やりましたね、霊夢さん♪」

霊「……」

当の本人は別に嬉しそうでは無かったが。

 

霊(最後辺りは流石に反撃してきたけど……私がほとんど一方的に殴ってただけだから。こんなのは勝ちとは言わないわ)

 

少し悲しくなった。だってそうだろう、神化はしたが結局彼は何もしてこなかったし。

武器も構えていただけだったし。

分かってはいるが彼が本気を出せば勝負にならないのがオチだろう。剣技さえも放って来なかったのは私を思っての事だったのだろうが、あの時の私なら多分大丈夫だっただろうから普通に戦って欲しくもあった。

 

 

 

 

魔「で、何で2人は戦っていたんだぜ?」

紫「ずっとそれが気になってたのよ」

 

霊「///////」

M「えっと……俺がな、偶然。偶然だぜ?霊夢の、その……着替えを見てしまって///」

 

早苗「え///」

霊「偶然じゃないでしょ!私が扉の方見たら居たんだもん!」

M「ちゃんとノックしたって言っただろ!俺だってそこら辺きちんと弁えてる!」

紫「まぁ真相は分からないとしても、瑞生はそんな事しないと思いたいけど」

魔「霊夢と一つ屋根の下で暮らしているんだから流石に瑞生の言う通り弁えてるとは思うぜ?」

 

M「その、確かに見てしまった事実は変わらないけど……許してくれ。本当に霊夢にはそういう事(・・・・)しない様にって紫からずっと釘刺され続けて来たし悪気はないんだってば」

霊「…………お団子と饅頭とプリン買って来てくれたら許してあげる」

M「はいよ」

 

すぐに飛んで行った。

 

文「何と言うか…………霊夢さん、尻に敷いてますね」

霊「主は私だから」

天子「瑞生も災難ねぇ」

霊「と言うか紫、瑞生にそんな事言ってたの?」

紫「それはそうでしょ。瑞生はそんな事する様な男じゃ無いって私が一番信じてるけど、霊夢も年頃だし、男と暮らすに当たってはそれ位言っておかないと。瑞生がいきなり欲情して襲って来ても知らないわよ?」

 

霊「!!!//////」

ついでにブフッとその場の殆どが吹き出した。

 

それ位のタイミングで彼がもう帰って来た。

M「霊夢、買って来たぞ…………って何だ?皆何でそんな顔赤くさせてるんだ?」

紫「それは自分で考える事ね」

M「えぇ…………」

 

その日は霊夢が目を合わせてくれませんでしたとさ。悲しいなぁ……

 

 

 

 

次の日、いつも通りに寺子屋にて。

慧「では瑞生、この書類を頼む」

M「了解」

 

いつも通り事務作業が黙々と続く。これまた大変な物で、気が付いたら時間が随分経っているのが殆どである。

 

これを今まで慧音先生が1人でやっていた事を考えるとこの人凄いなって思う。

 

俺は生徒の課題チェック、先生は今日のテストの採点。俺はすぐ終わったが先生はまだ終わらない様なので、そっと半分位持っていった。彼女は集中していたのか俺が持っていった事に気付かなかった様だ。

 

 

慧「……うん?」

おかしい、さっき見た時にはもう少し紙の山があった筈だが。逆に採点済みの紙の山が増えていた。

 

まぁ、犯人は1人しか居ないのだが。

慧「瑞生、知らない内にやっていたのか」

M「さぁ、何の事やら。集中していたから気が付けばそれだけ終わっていたんでしょう」

慧「全く……ありがとう、瑞生」

M「早く帰りましょうぜ、多分そろそろ雨が来るってウチの俺の中(・・・)のヤツ等が言ってます」

慧「おっと、それは大変だな」

 

時期的にまだ梅雨なので傘は常に持って来ているが、それでも振られないのなら早い内に帰っておきたい。

 

 

帰りに人里を歩いていると、

慧「!!!」

 

慧音先生突然ダッシュ。

M「先生!?」

 

当然追いかける。

 

 

俺が現場に着いた時には既に終わっていた。犯人が倒れていて、その隣に財布が落ちていた。感じからして泥棒だろうか、そいつは慧音先生の攻撃(物理)を喰らい地に伏せていた。

 

慧「全く不届き者め……大丈夫か?」

 

ありがとうございます、財布をひったくられた女性は去って行った。

 

 

帰り道、いつもの場所で彼女とは別れたが妙に慧音先生の様子がおかしかった。

 

M「先生、どうかしたんですか?」

慧「な、何だ?」

M「いや何か歩き方変ですよ。家まで送ります」

慧「だ、大丈夫だ。気にしなくて良い」

M「……そうですか」

 

いや、多分大丈夫じゃない。

何というか足を引きずっていて顔を険しかったので変に思いそのまま追いかけてみた。

 

すると、先生は何とそこら辺の草むらの上で座り込んでしまった。

 

 

 

慧「ッ……」

不覚だ。どうやら先程の相手ただの雑魚では無かったらしく、自分に真正面の刃物では勝てない事を理解して何と足を斬りつけて来たのだ。突然の事に驚いた私は何とか刃物は避けたが恐らくその時に捻挫をしてしまった様だった。

 

とりあえず草の上に座り込んで確認する。

慧(間違いない、捻挫か)

普通なら治るのに少しは掛かるが私なら1日寝れば治る。とは言え流石に今はかなり痛い。先程瑞生と別れるまで必死に我慢していたのだったが結構限界が近かったので別れる場所に早く着けて良かった。

 

慧(瑞生はやたらとこういう所に限って勘が鋭いからな……)

もっと別の所に敏感になるべきだと思うのだが。

 

 

その時。

ポツリ

 

慧「!」

そう言えば寺子屋にて彼が雨が降ると言っていた。しかも結構降ってきている。

 

痛む足を引きずりながら何とか近くの木にもたれ掛かる。幸い木がとても大きい為にあまり雨に濡れる事は無かったが、このままでは流石に帰れない。まぁ足の事があるから何にせよ無理だが。

 

慧「そう言えば今日は妹紅が家で待ってるんだったな……」

彼女は自分が遅いのが分かっているからまだ探しには来ないだろうが流石にこのままずっと今の状況だと彼女が心配になって探しに来る可能性は高い。そうなると小言を言われそうだ。

 

なので早く帰りたかったが、

慧「くっ……思ったより痛いな」

 

その後も何度か立ち上がろうとしたが無理だった。背に腹はかえられぬ、ここは諦めて少し痛みが引くまで待つ事とした。

 

 

 

が、少ししてまた雨が強くなった。遂に木の幹から水が落ちてきて私に当たり、かなり冷たい。

 

でももたれ掛からないと雨にモロに濡れる事になるので我慢するしか無かった。

 

慧「……へ、へくしゅっ!」

 

寒いな、嫌だなと思った刹那。

 

向こうからバシャバシャと音を立てて走って来る誰か。まさか妹紅がもう来たのだろうか?

 

慧(確かにそれなりの時間をこの場所で待ったがまだそんな遅い時間では無いぞ?)

 

となると、思い付くのは。

慧(瑞生……?)

 

まさかと思ったが、

M「居た、やっぱり大丈夫じゃ無いじゃないですか……先生」

 

そのまさかだった。

慧「瑞生、どうして……」

M「帰り道どう考えても先生が足を引きずって歩いていましたんでおかしいなって。雨降ってきたけどもしかしたら何処かで止まらなきゃいけない状況になってないかなって見に来たんですよ」

 

慧「わざわざ私の為にか?すまない瑞生。結局こうなるんだったら普通にお前を頼るべきだった」

M「良いんですよ、いつも先生には世話になってますからお互い様です」

 

慧「そうか……それでも、ありがとう」

本当にお人好しだな、と思ってしまった。

 

M「傘、2つ持って来たんで俺の大きいのと持っててくれますか。先に先生の足の治療をします」

慧「い、いや……傘をくれただけで十分だ」

M「駄目です。見せて下さい」

慧「う、うぅ///分かったよ///」

 

永琳亭の皆から聞いた話だが彼は医者としても優れており決してやましい気持ちでこんな事を言っているのでは無いと彼の口調からして分かったがそれでも恥ずかしい物は恥ずかしい。

 

一応、ミニスカートなので。

彼もその事を分かっていてか、正面では無く横から自分の足に触れて、丁寧に包帯を巻いた。

 

足に彼の手が触れていた時に猛烈な位心拍数が上がっていたのは秘密。

 

M「はい、OKです。ですがまだ少しの間は立てないのであとほんの少しだけここで待ちましょう。雨さえ降っていなければ先生を抱えて家まで送れたんですが」

慧「そ、そんな事をしなくて良い///」

 

お姫様だっことかおんぶとか本当はして欲しかったとかいうのも秘密。

 

少し彼と喋っていたが、彼はほんの少しだけ雨が弱まったのを見て、

 

M「今の内に帰りましょう、先生の足もそろそろ大丈夫だと思います」

慧「本当だ、立てるぞ」

M「それは良かった。とっとと帰りましょ」

 

 

家に帰ると妹紅が居た。

妹紅「お帰り……って何で瑞生が居るんだ?」

慧「あぁ、実はな……」

 

妹紅「はぁ、足を怪我してその上雨か。慧音も中々に災難だったね」

慧「本当に運が悪かった。瑞生には本当に感謝しているよ」

妹紅「私からも礼を言っておくよ。瑞生、慧音の事をありがとう」

M「あぁ。それは良いが先生もちゃんと言って下さいよ、人間妖怪関係無く先生は女性なんですから。あんな所で動けない状態で誰かにでも襲われでもしたら大変ですから」

妹紅「そんな勇気あるバカはそんな居るとは思えないけどね」

M「それもそうだな、それじゃ2人ともまたな。先生、お大事に」

慧「あ、あぁ…………///」

 

瑞生退出

 

妹紅(…………)

慧「な、何だ妹紅?」

妹紅「いや、嬉しそうだなって」

慧「何の話だ?」

妹紅「ちゃんと異性として見られている事について」

慧「なっ///」

 

妹紅「…………でもね慧音、私も引けないから」

慧「ど、どういう事だ?」

妹紅「それは、自分の胸に聞くんだね。その大きな胸に」

慧「一言余計だ///」

 

先生からまた何かお礼をされるのだが、それはまた別の話。

 

 

 

 

どうも。いつもの妖夢との剣修行が終わって帰る筈だったのに何故か昼ご飯を作って(作らされて)いる瑞生です。

M・M「またセリフパクられた、訴訟」

 

妖「すみません瑞生さん…………幽々子様の我儘に付き合あわさせてしまって」

M「構わんさ、しかしいきなり洋食が食べたいって言われるとは思わなかった」

妖「幽々子様の胃はかなり気まぐれですから…………」

M「別に良いけどさ。料理は好きだし」

 

彼には剣術だけで無く料理まで教えて貰っており、紅魔館のメイド長の咲夜も教えて貰っているらしいから彼の料理の腕が伺える。実際隣で見ていて一流のコックとしても普通に働けるレベルである。

 

妖「ところで瑞生さん、それは何を作っているんですか?」

M「これはな、俺の創作料理」

妖「そ、創作料理ですか」

 

とか言っても普通に思い付くレベルの物だが。今作ってるのもただのハンバーガーである。パンズを焼いて適当に具材詰めて一口サイズに切った物。幽々子も一応お嬢様だからね、そこら辺注意する。

 

他にも幻想郷にて全く知られていない料理等を沢山作り妖夢を驚かせてみる。

皆の反応も楽しみだな、妖夢も1品1品丁寧に観察していて感嘆の声をあげていたので。

 

そもそも今日の幽々子の我儘とは、お食事会をやるらしい。八雲家と共に食べるとの事で妖夢1人じゃ作るの大変→じゃあ瑞生頼んだって事らしい。

 

もう面倒だから霊夢も呼んで今日は俺も食べる事にしたのだった。

 

 

 

~夜~

紫「幽々子、来たわよ~」

幽「いらっしゃい、3人とも」

橙「お邪魔します!」

藍「今日はお招き頂き感謝申し上げます」

幽「そんな固い挨拶は良いわよ、早く上がって上がって♪」

 

幽々子はとても上機嫌だった。と言っても、既に玄関辺りにまでとても良い匂いがしていたので紫達も楽しみな気分になる。

 

紫達が客室で待っていると少しして、

霊「邪魔するわよー」

幽「いらっしゃい、霊夢」

霊「いきなり瑞生から言われてびっくりしたわ」

幽「ふふ、客室に紫達が居るから一緒に居て。もうすぐに出来るわ」

霊「えぇ」

幽「あ、ちょっと待って」

霊「何?」

幽「紫達に瑞生が居るって言っちゃダメよ」

霊「……あぁ、成程ね。分かったわ」

幽「察しが良くて助かるわ♪」

 

客室には寛いでいる紫達が居た。

紫「霊夢?どうして貴女が?」

どうやら私が来る事も伝えられて無かったらしい。まぁ私は本来の客じゃないから仕方無いか。

 

霊「私もお呼ばれしたのよ」

紫「瑞生は?」

霊「……さぁ?」

紫「???」

 

藍(成程、そういう事か……)

橙(どういう事ですか?)

藍(何、すぐに分かるよ)

 

藍は気付いた模様。

 

 

幽「お待たせ。料理が全て出来たわよ」

 

食堂には何処ぞの旅館の様な豪華な料理が並んでおり、妖夢と瑞生が立っていた。

 

紫「瑞生!?どうして?」

M「あれ?聞かされて無かったのか?」

紫「ゆ~ゆ~こ~?」

幽「あっはっは……」

橙「こういう事だったんですね」

藍「霊夢が来た時にこうだろうとは思ったが」

霊「良かったじゃない、紫」

紫「瑞生が居るなんて聞いて無いわよ~!」

幽「それは言ってないから当然よね?」

紫「むー///」(もっとオシャレしておくべきだった、まぁ気付かないだろうけど……)

 

幽(大変ねぇ紫も……まぁ、私も一応瑞生が来る時はオシャレしているんだけどね)

そんな心の中での悩みはどうやら幽々子には伝わっていたのか、と言うより彼女も同じ事を思っていたらしい。

 

M「何があったのか知らないけど早く食べた方が良いぜ、料理が冷める」

幽「そうね、頂きましょう」

橙「じゅるる……」

藍「橙、よだれが出ているぞ……まぁ、確かにこれを見ればよだれが出てもおかしくないな」

 

幽「それじゃあ手を合わせて」

 

ALL「いただきます!」

 

皆は美味しい美味しい言いながら楽しく食べているが、瑞生と妖夢はかなり疲れ気味だった為にかあまり食事が進んでいなかった。

 

幽「ごめんなさい妖夢、瑞生も。流石に今回ばかりは私が我儘過ぎたわ」

妖「大丈夫ですよ、私もそれなりに食べましたし味見もしたので」

M「そういうこった。それに皆の美味しいって言葉と顔が」

妖「作っている者からして1番のご褒美ですから」

藍「ふふ、プロみたいだな」

 

妖「私はともかく、瑞生さんはプロだと言っても過言ではありませんね」

M「別にそんな事無いさ、長年料理してたらこれ位出来るようになるって」

霊「何事も経験よね、瑞生の腕が羨ましいわ」

M「霊夢だって十分腕あるだろ」

霊「そう///?」

 

幽「やっぱり料理上手な旦那が欲しいわよね」

妖「そんな基準で良いんですか……」

紫「幽々子らしいわね」

M「幽々子も結婚願望あるんだな」

 

幽「まぁ、私も女だから」(亡霊だけど)

 

と言うよりさり気なーい大胆な告白をしてみたつもりなのだがこれは誰も気付いていない。

 

 

そんな幽々子は色々考えながらもその食欲は止まらず、もう他の皆が食べ終わっても食べ続け、かなり作った筈なのに1人で全体の40%は片付けのではないか?

 

だが流石に体重を気にしたのか、箸を置いた。

M「もう終わりにするか?」

幽「えぇ……」

M「じゃあ後は俺が食べよっと」

妖「あ、私も少し食べます」

 

紫「相変わらず良く食べるわねぇ、幽々子は」

幽「これでも我慢したのよ……」

霊「我慢とは何なのか」

橙「幽々子様の我慢の概念が分からないです」

藍「橙、そこは考えない方が良い」

 

 

M「じゃあ食後のデザートにでもするか」

気が付いたらテーブルの上は綺麗に片付けられていた。幽々子は食べようと思えば幾らでも入るブラックホール胃の持ち主だが実は言うと彼もそうだったりする。

 

彼がまたキッチンへ入って行き、すぐ戻って来た。両手にお盆を持って。

 

M「カロリー控えめ、豆乳プリン」

 

霊「へぇ……豆乳で作るとは」

幽「うん、美味しいわね」

紫「確かに美味しいわよね、普通のプリンとあまり変わらないわ」

M「でもカロリーは全然違うんだぜ」

橙「確かに少しだけ甘さが控えめです」

藍「まぁ気にはなりませんが」

 

妖(普通のデザートを作るつもりだったのですが、幽々子様を考慮しての事らしいですよ)

幽(えぇ、そうだろうと思ったわ。嬉しいけど……ちょっと複雑)

妖(ハハハ……)

 

 

まぁそんな感じで食事会は終わり、紫達は帰って霊夢も先に帰った。

 

幽「妖夢、瑞生、今日は本当にありがとう」

洗い物をしている2人に礼を言う。

 

M「お易い御用で」

妖「幽々子様の無茶振りは今に始まった訳ではありませんから」

幽「あら妖夢、酷いじゃない」

M「まぁ疲れたがこういうのも悪くないな」

妖「そうですね」

 

幽「瑞生、すぐに帰らないとダメ?」

M「いや、別にそんな事は無いと思うけど」

幽「なら、西行妖の前で待ってるわ」

M「???」

 

 

西行妖前。

この場所はいつ来ても何か感じる。神秘的な、非科学的な何かを。

 

M「幽々子、どうしたんだ」

 

幽「……瑞生って、私をどう思ってる?」

M「は?」

幽「貴方は、過去の私を知っているでしょ?」

M「お前、記憶が……」

幽「ほんの少しだけよ?昨日、この木の根元に躓いて頭ぶつけたの」

M「何やってんだよ……」

幽「そして、その時知らない私の記憶がフラッシュバックしたの」

M「……」

幽「初めはどういう事か分からなかった。でもお父様や屋敷の記憶があったからこれは失われた過去の記憶なんだって分かって、その記憶の中に貴方が居たの」

M「そうだな」

幽「どうして黙ってたの?」

M「困惑すると思ってな。あんな過去知ったら普通悲しなるぜ?自分でも分かってるだろ?」

 

誰だって自殺した、なんて過去は思い出したくないだろう。そんな悲しい過去は……

M「忘れていた方が良かった記憶もある」

幽「……」

確かに辛かった。妖夢にも過去の記憶が少し戻ったとは言ったがここまで詳しくは言っていない。

 

M「思い出したなら言っておくよ……

ごめん」

 

幽「何で貴方が謝るのよ」

M「お前を本当は助けたかった」

幽「止めてくれたわね、貴方は……それを私は裏切ったわ。むしろ私が謝らないと」

M「……別に良い」

幽「どうして?」

M「お互いそう思ってるならもうそれで良いだろ。俺は、お前を助けられなかった事をそう誤魔化して今まで生きてきたから」

幽「ずっと、悔やんでいたの?」

M「悔やまないと思うか?」

幽「やっぱり、ごめんなさい」

M「別に謝って欲しい訳じゃ無い」

幽「……」

M「なぁ幽々子、今は楽しいか?」

幽「……えぇ、とっても」

M「なら、それで良いさ。今を楽しく過ごしてるなら十分嬉しいから」

幽「瑞生、貴方はずっと昔から何一つ変わって無いわ。誰かの為に一生懸命に戦ってたのね」

M「……自分の周りで誰かが死ぬなんて絶対にごめんだ。それはお前を失った時にそう誓った」

幽「西行妖を復活させようとした時も貴方は私を助けてくれたでしょ、確かに私は死んだけどアレで帳消しよ。だから貴方はもう私の事を悔やまないで」

 

M「……」

幽「忘れて、とは言わないわ。でも罪の意識で自分を責めて生きるのは止めて欲しいの」

M「お前がそう言うなら、そうする」

幽「えぇ」

M「でも良かったよ、過去を知って塞ぎ込んでしまったりしたらどうしようかと思った」

幽「そんな事しないわよ。確かに驚きはしたけど」

 

 

そして悲しい空気は、突如甘い空気に変わる。

幽「……ねぇ、瑞生」

M「何だ?」

幽「貴方、言ってくれたわよね。死ぬのを止めたら私の傍にずっと居てくれるって」

M「ぶっ……」

吹いた。

 

幽「死んじゃったからノーカンだけど、あの話は本当だったの?」

M「……男に二言は無い」

幽「なら、惜しい事をしたわね」

M「///」

幽(聞かないけど、勿論私が好きって言ったのも覚えているわよね?)

 

M「別に、生きる死ぬ関係無しに傍に居るって」

幽「そう、ありがとう」

M「…………どういたしまして」

 

 

妖(何の話してるのかな…………流石にあの雰囲気の中入れないし)

M「そんな所で聞いてないで妖夢も来いよ」

妖「ひゃっ!?」

幽「あら、居たの」

妖「す、すみません…………」

幽「別に良いわよ」

M「じゃあ俺はもう帰るな」

幽「えぇ、本当に今日はありがとう瑞生」

妖「ありがとうございました」

M「あぁ。それじゃまた」

 

 

幽「私達も戻りましょうか、妖夢」

妖「はい」

咲かない桜を背に、私達は屋敷へと帰った。

 

幽(ふふふ…………紫の恋を素直に応援したかったけど、記憶の事もあって思うけど。私もやっぱり彼が好きなのよね、普通に会えるだけでこんなにも心が躍るもの)

妖「幽々子様、どうかしましたか?」

幽「ちょっとね、親友にも譲れない物が出来ちゃったわ♪」

妖「へ?」

 

突拍子も無い彼女の謎の言葉にキョトンとしてしまう妖夢であった。

 




M・M「ふぅ、酷い目にあった」
M「生きてたか」
M・M「俺は不死身です」
M「嘘つけ」

茶番はさておき。

M・M「日常編って言っても意外と長いな」
M「今回は基本的に登場キャラは多めで考えてる話+何か唐突に書きたくなったお話を書いてるんでそれなりの文字数はいくと思います」
M・M「毎秒書いて毎秒投稿しろ」
M「えっ何それは……最近は何かやたらとペースあげて頑張れている方だけどね」
M「まぁ作者の元気が続く事を読者の皆様願ってあげて下さい」
M・M「ではでは皆様次の話で~それと60話記念と6000位のUAをありがとうございます!」
M「皆様本当に感謝致します。これから、と言ってもこの話は後少しだけど宜しくお願いします」









ん?

M「えーっと、作者がここから毎話基本的に不特定多数の皆が適当なスキットするって言ってるな。まぁ楽しく見てくれると嬉しい」


萃香「最近は本当に暑いねぇ」
霊「時期が時期だから仕方無いわね」
勇義「パーッと水浴びでもしたい気分だ」
レミ「賛成よ……」
早苗「海とか無いですもんね、幻想郷って」
諏訪「まぁ暑さは嫌だけど雨が多少は増えるから楽しいよ」
神奈「カエルが良く鳴くから好きだって言いたいのかい?」
諏訪「ケロケロ~」
リリー「もう7月だそうですよ、春が完全に終わっちゃいました……」

霊「ま、季節の移り変わりに色々言うのは私達が生きている証拠よ」
早苗「それが幸せなんですよね。異変がこう沢山あると身をもって知りました」

うんうん、と頷く皆。夏も彼女達は変わらず過ごすのだろう……。

M・M「という訳で終わり……ん?え?後ろ?」

ドッカーーーーン

M「作者がまたいつぞやの時の様にぶっ飛ばされたな」

???「ちょっと!まだ秋が来てないのに今のこの作品の感じだと秋が来る前に終わるじゃない!」
???「出番は~?」
M「静葉に穣子、久しぶり」

瑞生は作中で出会っている模様。

秋 静葉(以後静葉)「後書きが初登場ってどういう事よ!」
秋 穣子(以後穣子)「作者にもう一度イナズマ姉妹キックを喰らわせて来ようよ、姉さん」
M「流石に許してやれ」(ガンバスターか……?)

静葉「出番を要求するッ」
穣子「私達だって一応神様だよ?」
静葉「一応じゃ無いわよ」
穣子「じゃあ神様だよ」
M&静葉「……」


穣子「あれ?何か飛んで来る……やった、さつまいもだ!うん?何か紙が付いてるよ?」
静葉「なになに、この後書きや番外編で出すからお姉さん達許して?……何なのよこの手紙」
M「作者からだな、まぁそういう事らしい」
静葉「仕方無いからキックは許してあげるわ」
穣子「私達が出るのを楽しみにね~」


M「後書き長かったな、ここまで読んでくれてありがとうございました。今度こそ……それでは皆様次の話でお会いしましょう」


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-いきなり謎のコラボ!?自由を懸けて-

どうも。
ごめんなさい、暑さでとち狂って変な話書いちゃいました!マジで許して……

番外編。本編とは一切関係ございませんので宜しく御願いします。

では、どうぞ。


M「何で……何でだよ、にとり!」

にとり「これが運命(ディスティニー)なんだよ、瑞生」

M「運命なんて……認めねぇ!」

にとり「私は自分の手で自由(フリーダム)を手に入れる。その為にこの力を使う」

M「くっ……なら俺は、俺の中の正義(ジャスティス)を貫く!お前を止めてみせる!」

 

運命、自由、正義。様々な思いが交差し今2機のガン〇ムはぶつかり合う……。

 

 

 

にとり「瑞生ー瑞生ってば」

M「ん~……」

 

チルノ「起きたね」

大「大丈夫ですか?」

M「……えっと、どういう状況?」

リグル「水場で足滑らせて気絶してた」

M「そうだったのか?いや、確かに頭が痛い……運が悪いな」

にとり「気を付けなよ」

M「……」

にとり「……私の顔に何か付いてる?」

M「いや、変な夢見たなって思って」

にとり「???」

 

 

今日もいつも通り暑さが続く。俺は特に何も無ければ妖怪の山のこの川で過ごすのが好きなのだ。

そこで皆と喋ったり遊んだり。

 

サニー「おーいチルノー」

チルノ「おっ、あの3匹は」

M(匹……?)

 

ルナ「貴方達が先客ね」

スター「私達が先だと思ったのに~」

 

ルーミア「実は私も居たりして~」

M「うおっ!?」

唐突に瑞生の後ろからひょっこり出てくるルーミア。心臓に悪いんですけど。

 

 

文「今日も良いネタ探しを……ってあやあや?あれは瑞生さん達ではありませんか、突撃!」

 

M「ハッ……上から来るぞ!気を付けろ!」

ブンブン丸こと文さん参上。

 

文「こんにちは」

M「文か」

 

その後椛も入って水辺でゆっくり一息ついて過ごしていたが、

 

 

 

M(…………)

先程から感じるこの妙な感覚は何なのだろうか。

エターナルソードが凄く反応しているし恐らく次元、境界的なお話と見て間違いないだろう。

 

 

一方瑞生達からほんの少し離れた場所にて。

紫「ここかしら……」

橙「紫様、こんな所に何があるのですか?」

紫「次元の割れ目が見えるのよ」

藍「何者かが侵入してきた、と?」

紫「博麗神社の結界も無敵じゃないわ、相手がとてつもない力の持ち主なら」

 

過去にこの幻想郷に侵入して来た者も居るのも事実、放っておく訳にもいかない。

 

また場面は戻って、

 

M「……!!!」

遂にその時は来た。

 

立ち上がって走り出す。

ALL「瑞生(さん)!?」

突然走り出す彼を見て皆も追いかける。

 

 

そして、

M「紫!?」

紫「やっぱり貴方も感じたのね、これ(・・)を」

 

目の前にあるのはいつの日かに見た事がある様な次元の裂け目。

 

紫「皆、構えていなさい。何が出て来るかは分からないけど絶対に危ない奴って事は間違いないわ」

 

紫の言う通り皆警戒する。

 

そして次元の裂け目から出て来たのは……

 

巨大な機械。機械?

 

紫「……え?」

M(これ、ストライクフリーダムじゃん!)

 

突然の知っている機体に興奮気味の瑞生。

にとり「何だろうこれ……機械なのは間違いないけど 何かは分からない」

 

M「……」

 

文「え、ちょっと瑞生さん!?」

パシャパシャ写真を撮っていた文が叫ぶ。

 

M(何でお前が……元の世界に戻らないと駄目だろ。しかし凄いな、本物だ)

にとり「瑞生、それ知ってるの?」

M「え、まぁな」

紫「危険な物?」

M「まぁ、危険な物ではあるが安心しろ。こいつは1人じゃ動けないからな」

にとり「……人が乗らなきゃ動かないって事?」

 

M「ご名答。機動兵器なんだ、こいつは」

紫「それが次元を超えてやって来たのね。しかし……大き過ぎでしょ、ここら辺山が高いから隠れてるけど普通なら丸見えよ?」

M「だな。早い所戻さないと」

ルーミア「戻すってどうやって?」

M「もう一度次元の裂け目の開いて戻してやれば良い……あっ」

 

言っておいてなんだが瑞生も問題に気付く。

ルナ「誰が動かすの?」

スター「流石に力では押せないわよね……」

サニー「鬼とか連れて来たらどう?」

大「流石に無理があるよ……」

リグル「無理に動かしてどうなっても知らないよ、やっぱり乗れるんだったら……」

 

椛「誰かが乗って動かした方が良いのでは?」

 

M「椛の言う通りだな……よしきた、俺がやる」

にとり「動かせるの!?」

M「何とかなるだろ」

文「随分適当ですね……」

 

M「コックピットを開くには……っと、これか」

 

コックピットを開き、中に入る。

M「暑ッ!」

 

すぐに電源を入れて冷却を……電源どれだ!?

M「色々ポチポチ押す訳にもいかないし……」

 

暑くてクラクラするが自分の中でストライクフリーダムについての記憶を掘り出す。

 

M「そうだ、これだ」

 

 

キュイイイイインと音を鳴らし、電源が着いた。

M「エネルギーは……大丈夫だな。動くぞ」

 

まさか何も無かった頃にガンダムオタクだった事がこんな所で役に立つとは(妙に忘れていたけど)。動かし方も何とか分かる。

 

 

巨大な音を立てながら機体が動いた。

にとり「動いた!」

ルーミア「本当に瑞生は何でも知ってるねー」

スター「て言うかこの機械羽っぽいのが付いてるけど飛べるのかな?」

 

にとり「みーずーきー」

にとりが呼んでいる。動作確認はしたから一旦降りるとしよう。

 

M「ほいっと」

スタッと地面に着地。

 

サニー「動いたわね!」

文「これは大事件ですよ!」

紫「そこの鴉、悪いけどこれは新聞に載せたらシメるわよ?」

文「ヒェッ……分かりましたよ」

椛「先輩……」

 

にとり「早く返してあげたいのも分かるけど折角なら色々見てみたいな」

M「って言ってもな、俺もどうすれば分からないし……動かしてみない事にはな」

 

 

という事で。もう一度搭乗。

M「マニュアルでもあれば良いんですけどね……まぁなる様になれだ」

 

歩き、走り、ジャンプとパンチやキック等基本的な動きが出来た。

チルノ「おぉー」

スター「瑞生ー飛べたり出来るー?」

 

M「飛ぶ……こうか?」

ジャンプからのバーニア。

 

ルナ「飛んだわね、しかし凄い風圧」

 

下に居る彼女達は凄い風を受けていた。

 

大(スカートが///)

 

M「飛べるって凄いんだな……こういうのに乗ると良く分かる」

流石に動き回る訳にはいかないので止まって降りた。だが、その飛んでいる時に偶然にも魔理沙達が発見した為にすぐにやって来た。

 

魔「なんじゃこりゃー!?」

霊「大きいわね~……」

アリス「大きいってレベルじゃ無いわよ……」

 

 

 

M「とりあえず置いとこう。普通の人里の奴等とかにバレたら大変だし」

紫「返すんじゃないの?」

M「折角だし色々やってみたい!」

紫「はぁ……全く」

 

大きなロボット、男のロマンでしょ。

 

その日はそれで終わり、次の日は朝早くから沢山の少女達が集まっていた。

 

ついでに「少女達」については、

 

M・M「どう考えても少女って言ったらダメな人が居るんだよなぁ……」

紫「ギロッ」

文「ふふふふふ」

萃香「ははははは」

ヤバい、神様達まで後ろで不敵な笑みを浮かべている、これは危険ですね。

 

M・M「少女って書けば良いんでしょ……」

「よろしい」

M「はぁ……」

 

 

こんなやり取りがあったりする。

 

 

 

早苗「はわぁぁぁぁ」

そして1番早く着いていたのは早苗ちゃん。

 

早苗「カッコイイです!ロマンです!」

ここにも瑞生みたいなヤツが居た。

 

M「早苗、こういうの好きなのか」

早苗「はい!諏訪子様みたいな機動性、神奈子様のFA(フルアーマー)、どちらも大好きです!」

 

諏訪「神奈子ってFAなのかい?」

神奈「いや、分からないけど」

 

M「そんじゃ、早速もう一度乗りますかね」

早苗「私も乗りたいです!」

 

M「んー2人乗りなら何とかなるかな」

 

その言葉を聞いて、早苗に負けじと皆も乗りたいと主張し始めた。

 

M「弾幕ごっこはするなよ、平和にじゃんけんで頼む。俺が相手で最後まで生き残った奴が勝者な……ついでに言っておくけど俺の目は誤魔化せんからな、分かってると思うけど」

 

 

が、瑞生も気付かなかった。

ロボットに乗りたい、そして彼と一緒に乗れるとの事でじゃんけんに奇跡を使った巫女の存在を。

 

 

M「結果、早苗が勝ったか」

早苗「皆さん、すみませんが勝利は頂きます!」

 

そして勢い良く機体に乗り込んでいった。

皆口々にブーブー言っているが、

 

神奈「……ねぇ諏訪子、まさか早苗って」

諏訪「うん。奇跡使ったよ」

神奈「奇跡の使い所よ」(まぁ、私も奇跡があれば使ってたかも知れないけどね)

 

 

 

コックピット内にて。

M「悪いな、立たせたままで」

早苗「大丈夫です、それより……」

M「それより?」

早苗「夢みたいです、こんなのに1度乗ってみたいとずっと思っていました」

M「良かったな、偶然とはいえ。俺も似たようなモンだけどさ……さて、飛ぶか」

早苗「飛びましょう!」

 

 

実は言うと昨日帰った後で1人また戻って来て起動して操作に慣れた。何処を操作したらどう動くのかを確認した。天狗達にバレ無かったかって?俺を誰だと思ってんのさ。

沢山訓練したからかなり動ける様にはなっていた、たった1日でここまで出来た俺すげー。

 

 

勢い良く飛んだその機体は、短距離ではあるがとんでもないスピードを出して飛んだ。

 

早苗「わぁ……」

M「気持ち良いな」

 

にとり「瑞生、昨日動かしたばっかりなのにもうあんなに動かせるの?」

紫「やたらと順応性あるのよ、彼」

にとり「羨ましいな」

椛「にとりもすぐに動かせそうだけど」

にとり「いやいや、昨日機体の中を見たけど知らない事ばかりで瑞生の説明聞いても全然分からなかったよ」

 

 

しばらくして、

M「そろそろ戻るか」

早苗「これで終わりですか……」

M「元々は別世界の誰かの物だからな、返さないと困るだろう」

早苗「そうですね……うん?」

M「どうしたんだ?」

早苗「何か……出て来ますよ?」

M「は?」

 

目の前にはまた昨日見た様な次元の裂け目が。

 

すぐ様に皆の所に戻り、早苗を降ろす。

M「あれは何だ!?」

紫「分からないわ、でもまた結界に干渉しているから貴方の乗っている物に関係あると思う」

 

 

出て来たのは、節足動物を思わせる様な体。カラーリングは黒の巨大な機体。

 

M「なっ……」

ALL「なんじゃありゃー!?」

 

瑞生もかなり驚いていたが、落ち着いて皆に説明し始める。

 

M「シドだ」

霊「シド?」

M「……説明は後でする。とにかく分かる事は、今この瞬間に幻想郷がかなりヤバいピンチにあるという事だ。それだけアイツはおかしな強さがある」

 

サニー「どっ、どうするのよ!?」

スター「そんな危険な存在なら戦わないと」

にとり「流石に戦うのは無理じゃないかな……どう考えても物量が違い過ぎる」

紫「どう考えても大き過ぎるわね。弾幕も恐らく意味を成さないわ」

 

M「方法ならあるだろ、簡単な話だ」

 

ルナ「まさか……」

M「やるしか、無さそうだな」

 

 

かなり不安だが、やるしかない。恐らくアレが来るのはこのストフリが居るからだろうが、逆に言えばアレを倒す為にこの機体がコチラにあるのだろう。

 

相手は無人機。だが最強格の強さを誇ると言っても過言では無いだろう。

 

M(自己進化、自己修復、加えて強力過ぎる武装……初陣なのにこれは無いだろ)

冗談みたいな話だが、退く訳にはいかない。

 

奴が破壊行動を起こすのも時間の問題だ。早く破壊するしかない。

 

すぐに機体へと乗り込む。

皆の心配する声が聞こえたが、まぁ多分大丈夫だろう。と言っても、

 

M(お前ならやれるよな、フリーダム)

こっちだってガンダムだから。

 

M「ストライクフリーダム、出る!」

 

勢い良く飛び上がり、すぐにシドと対峙する。

 

 

相手は動じもせず、ただコチラを見ている。

が、コチラが動かない事を見て遂に攻撃を始めた。颯爽とサーベルで突っ込んで来る。

 

M「おっと、早速接近戦か!」

 

当然こちらもストライクフリーダム用のサーベル、シュペールラケルタビームサーベルで戦う。

 

何度もサーベルが重なり合い、火花を散らした。

 

互いに猛スピードで動きながらコチラはライフルを、相手はクローアームからのビームキャノンを撃ち合う。

 

自分が操作に多少慣れていた事と反射神経の良さが幸いして何とか避けながら戦っていた。

 

 

 

長い戦闘が続いた。ついでに言うとこのシドとかいう機体、コチラはちゃんとライフルの弾制限やエネルギー限界や色々あるが相手は自分の中で生成出来るので問題無いし、更に攻撃が当たったらその自分に当てた武器を学んで修復して武器を作り出したりも出来る。だからもう1度当てた武器は基本効かないというチート性能の持ち主である。

 

M(どうする?)

 

このストライクフリーダムにはドラグーンという強力な武器があるが、当てて破壊出来なかったらそれを使われる恐れがある。だからドラグーンはトドメとして使う。

 

M(一撃必殺でやるしか無いな)

 

痺れを切らしたのか相手が謎のビットを無数に出して来た。ビットはオールレンジ攻撃で、非常に厄介である。

 

M「ここは一気に殲滅する!ハイマットォ……フルバースト!!!」

 

ウィング、翼を開き中に内装されている砲台達を開いて一気に放出する。

 

隙間無い超広範囲のビームはビットを全て破壊した。本体に当てたのは真似られるのが怖かったからあえて当てなかった。

 

M(でもどうせすぐにビットも生成するだろうし……攻めるなら今だ!)

 

サーベルを手に距離を詰める。

 

 

M「近接だけなら……負けないッ!」

遠距離のイメージがあるがコイツは近接も強い。

 

パワーなら向こうが上だが、機動性ならコチラの方が上だし、翻弄してしまえば勝ちだ。

 

 

まぁ、

M(そんな上手くいかないよな……)

中々に攻め切れない。

徐々に押してきてはいるが。

 

 

 

すると、

M「ファッ!?」

それを見かねた相手が突っ込んで来た。

M「やられたいんだな、なら遠慮無く!」

 

 

が、何と猛攻を避けて自分の背中に引っ付いた。あれ、これってまさか……

 

M(自爆する気か!?)

 

見ている全員が騒ぎ出した。

 

M(ッツ……このっ、全然取れない!)

まるで捉えた獲物を逃がさない様に出来ている足と手の動き……コイツもしかして危険な場合はこうする為に作らている!?自己修復があるからコイツは生き返れるという。何それ俺側にしかデメリット無いじゃん。

 

 

このままでは……死ぬ!

M「ドラグーン!行ってくれ!!」

 

背中から出たドラグーン達が奴の手足を狙い撃ちにし、破壊する。

 

すぐに抜け出し、ギリギリの所で奴が自爆をした。が、やっぱり相手は修復目的に作られているのか最低限の動きが出来る位には機体が残っていた。

 

 

 

本来ならここで修復するのだろうが、残念な事に俺のドラグーンは想定外だったらしい。

 

M「運が悪かったな」

 

 

ドラグーン、そして砲台を開き最後の〆。

 

M「とどめ、スーパードラグーン!!!」

 

ドラグーンの一斉射撃とハイマットフルバーストでシドを跡形残らず破壊した。

 

 

修復不可能までに全て破壊すれば問題無し。

 

 

M「はぁ、終わった……」

 

 

 

 

紫「大変だったわね、まさか生きてる内にあんな戦いを見る事になるとは」

にとり「凄かったよ、瑞生」

ルナ「でも瑞生昨日初めて扱ったのにどうしてあんな戦いが出来たの?」

 

M「え、いや……何となく出来たって感じ」

スター「何となくって腕じゃ無いけどね」

サニー「まさか訓練してたとか……」

M「してないしてない」

 

霊「まぁ良いじゃない、何はともあれ無事に終わった事だし」

魔「このデッカいのはどうするんだぜ?」

M「返すよ、これがあるとまた変なのが来るかもしれないし」

にとり「残念、もっと中調べたかったな」

 

 

次元を開き、自動運転にしたストフリ君に別れを告げ閉じる。

 

M「貴重な体験だったな」

早苗「私もです!瑞生さんの隣に座って戦いを見ていたかったですね」

M「それは危険だから駄目だ」

早苗「えー……」

 

 

 

 




M「何いきなりガン〇ムネタ出してんだよ」
M・M「突然書きたくなったんだァ」
M「バカっぽい……」
M・M「それはエヴァ」
M「暑さでマジで頭やられてるみたいだな」
M・M「そうなんスよ……」
M「良いからほんへを早く書けェ」
M・M「あいあいー」



レティ「何あの脳みそ溶けそうな会話」
雛「仕方無いわね」
レティ「やっぱり冬の寒い方が作者も捗ると思うのよね。また寒い異変起きないかしら」
雛「でも、面倒は嫌よ」
レティ「今回はネタバレは無しみたいね、それじゃあ皆さんまた次の話で」
雛「さようなら」


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-日常編 瑞生と幻想郷の少女達 その2-

どうも。
眠い眠い眠い……M・Mです……。
M「寝ろ」

今回も瑞生と少女達(いつもの)とのお話。

では、どうぞ。


聖暗異変と呼ばれたあの戦いから数日経って、命蓮寺からの信頼も得た瑞生であったが、

 

M「う~ん……暑い……」

どんな強敵にも勇んで戦ったが暑さには勝てないらしい、まぁ仕方無いね。

 

 

紫「随分やられてるわね」

橙「瑞生様、大丈夫ですか」

M「だーいーじょーばーなーい」

藍(だいじょばない……?)

 

 

霊「最近の休みは基本こんな風に溶けてるわね」

紫「伝説の英雄とは何なのかしらね」

M「それとこれとは話が別だろー」

 

 

とか話していたのが数分前。暑さで倒れていたが流石に一日中そうしておく訳にもいかず、もう少し涼しい場所を探して動く事にした。

 

 

 

 

レミ「で、わざわざ紅魔館に来たのね」

M「思い付いたのがここだった。頭がかなりグルグルしてたから紅魔館の場所も途中で何処だったか迷いそうだったよ」

フラン「兄様、大丈夫……?」

パチェ「まぁ確かに本格的な夏はいよいよだと言うけどもう既に暑いわよね」

こあ「結構、汗かきます……」

咲「こあ、貴女もメイド服着なさい」

こあ「め、メイド服ですか……」

美鈴「涼しそうですよねー」

 

そんな会話を横目に、

M(皆メイド服着てくれないかな……)

 

どうやら暑さにより瑞生の煩悩の制御が不可能になっている模様。

 

こあ「瑞生さん、どうしたんですか」

M「え、あぁ……」

 

こあを足から上へと見る。

こあ「な、何ですか///」

パチェ「そこの変態、こあをまじまじ見るのは止めなさい」

M「変態とは酷い。こあならメイド服も卒なく着こなせそうだなって思って」

レミ「やっぱり変態っぽい事言ってるじゃない」

M「いやはや、メイド服は男のロマンでしょ。こあみたいなほんわかメイドも良し、咲夜さんみたいなクール&ビューティも良し。フランみたく可愛い系もまた良い。つまり何でも良しって事だ」

 

 

彼のいきなりのメイドについての熱論に皆タジタジしながらも聞いていて内心喜んでいる者も居たりする。

 

彼はその後帰ったが、

 

レミ(今度メイド服でも着てやろうかしら……絶対にびっくりするわよね)

パチェ(メイド服なんて恥ずかしいから着てやらないけど……瑞生もそういうのにはちゃんと興味あるのね)

フラン(私のサイズに合うメイド服作ってもらおっと♪ )

咲(私はクール&ビューティーって見られてるのね、だったら今度いきなり甘えてみようかしら)

こあ(私もたまにはこういう服着てみたいですけど……流石に瑞生さん相手にだけは恥ずかしいですね///)

 

 

結構また一嵐吹かせていきましたとさ。

 

 

博麗神社にて。

紫「メイド服、か……」

藍「紫様?」

 

 

次に、ふらりと地霊殿へと現れた。

空「あれ、瑞生だ」

M「ようよう空さん」

燐「所用かい?」

M「いや、何となく来たかっただけ」

空「さとり様とこいし様なら中に居るよー」

M「んー、分かった」

 

燐(何だか元気無さげだったけど)

空(どうしたんだろうね)

 

さとり「で、地下にやって来たのは涼しいからですか……」

さとり「地上はそんなに暑いの?」

M「溶けそうな位には」

さとり「確かに、貴方も随分元気が無いみたいですが」

M(暑さで元気持ってかれる……)

さとり「!?」

 

こいし「お姉ちゃんどうしたの?」

さとり「い、いや……」

 

M(しかしこの姉妹は今日も可愛いな、紅魔館と良い勝負。メイド服着させたい)

 

さとり(可愛い///!?め、め、メイド服!?)

こいし「お姉ちゃん、やっばり変だよ?」

M「どうした?」

さとり「い、いえ何でも無いです」

M「なら良いけどさ」(照れる所がまた可愛くて良いですなぁ)

 

さとり(//////)

こいし「お姉ちゃんが爆発した……」

M「こっちは涼しいから頭やられるなんて事無いと思うけど?」

こいし「お姉ちゃんどうしたのー?」

さとり「だ、大丈夫です……」

 

 

おかしい。どう考えても彼の心の声とみて間違い無いだろうが、今まで聞く事が出来なかったのに突然聞こえて自分のサードアイがおかしくなったのかと思ってしまう。

 

 

さとり(推測すると……恐らく暑さにより瑞生さんの能力に対する耐性みたいな物が無くなっているという感じでしょうか)

 

彼は自分に心の声が聞こえない事は知っている。だから全く気にせず心の声をダダ漏れにしているのだろうが……。

 

M(さとりは勿論可愛い洋風でも良いけど……和風チックなメイド服もまた良いな)

 

さとり(ッ///まだ、続いてる……)

こいし「お姉ちゃん何でそんなに顔赤いの?」

さとり「そんな事無いわ……だ、だから大丈夫だって言ってるでしょ」

 

 

前から実は言うと稀ではあるが彼の心の声が聞こえた時もあった。だがそんなに気にはならなかったので良かったが今回のは彼の何というか、煩悩がかなり爆発していてとても大変な事になっているのだが彼は気付いていないし……。

さとり(ど、どうしよう……)

言ったら言ったでまた妙な空気になるのは分かりきっているし、ここは少し罪悪感があるが放っておくのが1番だろう。それに……

 

さとり(彼の本心かどうかは分からないけど……聞いてみたい事が沢山あるから)

 

 

という事で、さとり様の尋問(草)タイム。

 

さとり「瑞生、突然すみませんが」

M「ん?」

さとり「……ずっと色んな人から聞かれては何とか誤魔化している様ですが、瑞生は好きな人とか居るんですか?」

 

こいし「お、お姉ちゃん……?」

M「……そういうのは、分からない」

 

凄い。突拍子も無い質問をされたこんな時でも彼の表情は変わらないし、様子も変では無い。

 

が、

M(本当にそういう質問やめちくり~何で皆俺の好きな人とか気になるの!?言える訳無いっての///特にさとりとか絶対にボロ出したら終わるやつだし……)

 

 

本当に凄い。表情や表向きは平常心を装っている様に見えて心の中はかなり大変な事になっているらしい。

 

ここは追い討ちをかけてみる。

さとり「……貴方に恋心を抱いている人物は沢山居ると思います。貴方は知らない内に女性を落としていますから」

M「い、いや……そんな事言われても」(そりゃ、確かに自分に向けての好意位多少は自覚してるつもりだけどさ)

 

さとり(…………)

 

驚いた。やはり彼はただの朴念仁等では無かったのだ。鈍感ではあるだろうが、ちゃんと男として皆からの想いを理解はしているのだろう。

 

こいし「……お兄ちゃんは、やっぱり大人っぽい人が好き?」

 

さとり(こいし、結構貴方大胆に聞くわね……)

 

M「そんな事は無い」(それに幻想郷(ここ)で本当の意味での小さい子って居るんだろうか……)

 

どうやら彼は変わった事を気にしているらしい。でも安心した、あの幻想郷の賢者や八意永琳等色々と(何かはとは言わない)大きい人が良いのかと心配ではあったからだ。

 

 

こいし「……瑞生の周りには大人っぽい人ばっかりだからそう思っちゃった」

 

M「大人っぽいって……別に俺は誰も子供扱いしているつもりは無いさ、勿論さとりもこいしもな」

 

こいし「……ありがと///」

さとり「ふふ、そうですか」

(心の声が聞こえ無かった。という事は紛れも無い本心という事ね……そんな事言われたら、期待してしまいますよ?)

 

やはり彼の恋模様は一波乱も二波乱もありそうだ。なら、負けたくは無い。

 

私達だけで無く、空は置いといて燐も地下に住んでいる者達は基本的に彼に好意を抱いているのは知っているから。

 

さとり(遠慮ばかりじゃ取られちゃうわね。私も頑張らないと)

 

またこんな所にも決意感じる女の子が1人。

M・M「感じるんでしたよね?」

 

 

 

 

 

永「で、最後にはここにやって来たのね?」

M「あぁ」

永「ちょっと訳が分からないけどまぁ良いわ」

輝「ただ来ただけ?」

M「出来れば暑さを和らげる薬を」

永「無いわよそんな薬……」

M「無かったら作れば良い」

永「そんな簡単に言わないで」

M「永琳なら出来ると思うけどな」

永「もう……」

てゐ「お師匠達、お茶でーす」

永「ありがとう、そこに置いといて」

 

 

てゐ(何の話してるんだろ?)

鈴仙(こらてゐ、ダメでしょ)

てゐ(気になるんだもん)

鈴仙(まぁ、確かに気になるけど……)

 

という訳でチラ見。

 

M(チラチラ見てるんだろ?バレバレだって)

まぁこの2人がどうかは知らないが。

 

 

 

永「ねぇ、瑞生」

M「何だ?」

永「貴方は蓬莱の薬って飲みたい?」

M「いや、飲みたくない」

輝「あら、永遠の命って憧れない?」

M「確かに何も知らないのなら憧れるかもな、神子とかも永遠の命が欲しいって言ってたし……ただ、妹紅とかお前等見てると永遠に生きるって事はある罪を永遠に苦しみ続けなければいけないって事だって分かる」

 

輝「あら、私達についてそんな事思ってたの」

永「考え過ぎよ、話が重いわ」

M「でもそう思っちゃうんだよ」

輝「そもそも瑞生の寿命っていつなのよ」

永「というかあるの?」

M「前に地獄で見てもらったがどうなのか良く分からなかった」

永「そ、そう……」

 

M「俺の命は永遠じゃないけどな、今までだって何度か死にかけたし」

永「その度にいかなる状況でも急行させられる私達の身にもなってよね」

M「それは……いつも誠にありがとうございます。これからも宜しくお願いします」

輝「それはつまり次もそういう事するんでしょ!止めなさいよ……」

永「貴方、私達がどれだか心配してるか分かって言ってるの!?」

M「え、あ……ごめん。そんなつもりで言ったんじゃないんだよ」

 

 

鈴仙&てゐ(あわわわわ……)

いつの間にか大変な事になっていて慌てる2匹。修羅場とは違うけど喧嘩になっている。

 

M「悪かったよ……」

永「つーん」

輝「ふーん」

 

ヤレヤレ、と頭を搔く彼。

M「まぁ、俺達も色々とあったけどさ」

永「……そうね」

輝「本当に色々と、ね」

M「仲良くしようぜ、お世話になってる分俺で出来る事があれば言ってくれよな」

永「瑞生……」

輝「ふふ、そうね」

永「じゃあ、私が今作ってる薬のj」M「流石に実験台にはならないからな?」

永「残念ね」

輝(永琳……流石にここでそれは無いでしょ)

永「冗談よ、今みたいに普通にお話出来るならそれで私達は幸せだから、ですよね?輝夜様」

輝「そうね、こういう何気無い物が幸せと呼ぶのかもしれないわね」

M「……そっか」

 

それだけ聞いて、彼は神社へと帰って行った。

 

永「それに」

輝「それに?」

永「こうして彼と喋っている間は薬師八意永琳としてでは無くて、1人の女である永琳として彼と話せますから……」

輝「……永琳」

 

永「そこで盗み聞きしてる兎達も出て来なさい」

鈴仙「ひぇっ……」

てゐ「バレてた……」

輝「あら、居たのね」

永「当然でしょ」

 

てゐと輝夜が部屋に戻った後、

鈴仙「……師匠。1つお聞きしたいのですが」

永「何?」

鈴仙「師匠は、瑞生さんの事を……」

永「……そこについては言及しないでくれると嬉しいけど」

鈴仙「す、すみません……」

永「1つ言うなら、大切な友人よ」

鈴仙「そうですか、ありがとうございます」

永「えぇ」(そう、私にとっても誰よりも大事な人だから。勝手に死なれたら怒るわね)

 

神社にて、

M「くちゅん!」

霊「どうしたのよ」

M「誰か俺の噂してる……」

紫「さぁそれが良い噂か悪い噂か」

M「やめてくれよ……(絶望)」

 

霊(どうでも良いけど……)

紫(相変わらず可愛いくしゃみね……)

 

 

普通の少女達や、過去に彼と何かしらあった者達からの好感度は今までの彼の頑張りのご褒美と言っても良い位にどんどん上がっている模様です。

 

M・M「やったぜ。」




M・M「少々少なめでお送りしましたが如何でしたか?まだ少しの間は日常編が続きます」
M「おぅ書くペース巻いてけ~」
M・M「それは勿論」
M「では皆様、また」


霊「もう後書きのスペースいらなんじゃない?瑞生と作者退場したらとっとと出ましょ」
魔「おいおい……」

M「何かやっとるし」
霊「あら瑞生、帰って来たの」
M「まぁな。それより作者がPS4で出る東方のゲームが欲しいけどお金と時間が無いって嘆いてた」
布都「博麗の巫女と同じじゃな」
霊「時間は関係無いでしょ」
蘇我「あぁいう不思議のダンジョン系は楽しいものだ、運に左右されまくりだけどな」
魔「瑞生はやった事あるんだぜ?」
M「ふっふっふっ……不思議のダンジョンはポケモンの方も世界樹の迷宮もしっかり買っているのだ。好きだもんって言ってた」
神子「作者も大変ね……時間が」
M「あの時はまだ忙しく無かった方だったらしいから大丈夫だったんだとさ」

星「話いきなり変えて申し訳無いのですが、作者の情報に好きなRPGが載せてありましたけどドラクエとFFは置いといてテイルズの経験はどれ程なのですか?」
ナズ「瑞生の技は色々あるがその中でもテイルズが多い方だな」

M「えーっと、やった事の無い作品から数えた方が早いんだってさ。ケータイのタクティクスユニオン、後はファンダムシリーズはやっていないらしい」
聖「なりきりダンジョン系統はやっているんですか?」
M「それならゲームボーイの初代から持っているらしくデュオとメルは作者のかなり好きなキャラらしい。フリオとキャロも全然出て来ないけど俺はなりダン好きなんだよねって言ってたな」
魔「今現在やってる作品は何かあるんだぜ?」
M・M「今は新しく買ってきたDのディレクターカット版をやってます!後何周目か忘れたけどD2もついでに」
霊「作者も帰って来たわね」
M・M「少なくとも同年代のテイルズプレイヤーの皆様には経験と知識に関して絶対に負けない自信があるっス!」
M「はいはい」
M・M「冬に出るTOVはまぁ楽しみではあるけどあまり変更点は無さそうだしなぁ」
布都「ファンなら買うのじゃ!」
M「一応作者は初期から勢らしいが?」
M・M「うむ、XboxとPS3どちらもやり込みましたね。懐かしいです」

蘇我「話すのは良いがそろそろ」
M「そうだな、今回はこの辺で」
M・M「最後完璧にゲームについて語ってるだけですみませんでした、では次の話でお会いしましょう」




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-特別編 七夕-

どうも。
雨なのに七夕の話を書きたがるM・Mです。

皆様雨は大丈夫でしょうか、自分の所もかなり大変です。

早く止んでくれる事を願って。
では、どうぞ。


M「君が~居ない~日々の意味を今知って~♪」

霊「何歌ってるのよ、手伝いなさい」

M「へいへい」

 

7月7日、七夕です。

 

早苗が折角だからやりましょう!って事で竹林から1本取って来て皆で行う事に。

 

霊「何でやるのがウチなのよ……」

M「集まりやすいからじゃないのか?」

魔「うんうん」

早苗「うんうん」

レミ「全くもってその通りね」

霊「はぁ……もう」

 

 

皆七夕を知らない奴は殆ど居なかったが知らない皆の為に早苗が説明した。

 

早苗「今日は空の、天の川っていうのが1番見やすい日でして。見て下さい、あれがベガの織姫、そしてもう一個があれの……彦星は何でしたっけ?」

M「アルタイルだ」

早苗「そうですアルタイル。その2つがまぁ色々ありまして」

紫「適当過ぎるでしょ……」

M「まぁまぁ、そこら辺は聞きたかったらまた後で教えてやるって」

 

早苗「まぁその2人が本日だけ会う事が出来るというロマンチックなイベントなんですよ」

霊「ま、その織姫と彦星ってのは置いといて天の川は綺麗よね」

早苗「置いとくんですか……まぁそういう訳で今日はこの短冊に願い事を書いて、竹に飾るんですよ」

神奈「願い、ねぇ」

諏訪「まぁ私達も神様だけどイベントとして楽しんでおこうよ」

 

 

皆黙々と願い事を考え、短冊に書き込んでいく。

 

そんな中、

M「願い事か、中々思いつかないモンだな」

 

妖(瑞生さんの願いって何でしょうか……)

椛(千里眼!)

紫(いざとなったらスキマで……)

こいし(無意識を使って近寄れば、あっでもそれだと何書いてあるか分かんないなぁ)

咲(時を止めれば万事解決ね)

聖(魔法で何とかなりませんかね)

にとり(双眼鏡……それか透視できる物あったかな、とにかく覗かねば!)

 

 

さとり(皆さん……でも確かに気になりますね)

 

皆能力の使い所間違えてますよー。

 

 

 

魔「霊夢は何書いたんだぜ?」

霊「ちょっと、見ないでよ」

魔「まぁ大体予想はつくけどな……ん?毎日普通?これお前が本当に書いたのか?」

霊「……何よ、悪い?」

魔「いや、霊夢の事だから金銭目当ての願いだと思ってさ」

霊「別に困っては無いから」

魔「瑞生が居るしな」

霊「///」

魔「でもまぁ、毎日普通って案外……凄く難しくてとても幸せな事なんだろうな」

霊「……」

 

彼女も何というか瑞生と出会って変わったのだろうか、何やら悟っていた。

魔理沙らしくない言葉に少々驚きながらも、隙を見て彼女の短冊をひったくる。

魔「あっ!」

霊「なになに、今までのやらかしを忘れてくれますように?魔理沙……」

魔「アハ、アハハハハ……」

霊「これは免罪符じゃ無いわよ」

魔「わ、分かってるんだぜ……」

 

……やっぱり変わってないかもしれない。

 

 

 

皆の短冊を見ていて、

 

M「ふむふむ、皆色んな願いがあるもんだな」

紫「貴方は何書いたの」

M「ん、これ」

 

自分の願いを書いた短冊を紫に渡すととんでもない勢いで皆が集まって覗き込んできた。

M「うおっ、何だよ一体……」

 

紫「今という時間がもっと続きますように……ふぅん、貴方らしい願いじゃないかしら」

M「……何だよ///」

 

皆その願いを見て笑い出したので凄く恥ずかしくなった。やめちくり~。

 

M「そういう紫は何書いたんだよ」

紫「私?これよ」

M「幻想郷がいつも通り続きますように……まぁ、これもお前らしい願いだな」

紫「こっちは幻想郷の賢者としての願い」

M「?」

紫「裏を見てみて」

M「皆が絶えず色々パプニングに巻き込まれながらも楽しい日々が送れますように……お前なぁ」

紫「何よー」

M「ハプニングを起こすのはお前だろ」

紫「そんな事……………無いわよ?」

M「今の間は何だ」

紫「無い事も無いわ?」

M「それってあるって事だからな?後疑問形になるんじゃない」

紫「ふふふ、気にしない気にしない」

M「はぁ……まぁ、俺もお前と同じ願いをいつも思ってるよ」

紫「誰だってそう願ってるわ、きっとね」

M「……そうだな」

 

 

願うだけじゃ駄目だけど、願わなきゃ始まらないし。とりあえず皆の幸せと願いが叶う事を祈って。

 

 

 

M(それと俺が願うなら、ガラじゃないけど……後は俺が皆の願いを護れるように強くなりたいって事かな)

 

 

そんな事も含め、夜空を見上げる。まぁきっと俺達なら大丈夫だと信じ……星に願いを。




M「結構時間ギリギリだなオイ」
M・M「サーセン」
M「ほんへも少し遅れ気味ちゃうんか?」
M・M「許してチョ!」

M「ま、特別編って事ですぐに終わったけど」
M・M「もっと皆の願い事とか書きたかったんだけどやる事多くて少なめでごめんなさい」
M「それで、やる事は出来ましたか?(小声)」
M・M「(雨と睡魔により)出来ませんでした……」


M「七夕か、学校とかでもあったな」
M・M「せっかくだから、俺はこの赤の短冊に願い事を書くぜ!」
M「唐突なネタをパロディするのやめぃ」
M・M「金!時間!能力!」
M「結構リアルだな……欲望まみれじゃねえか」
M・M「(願うだけなら)良いじゃないか、タダだし」
M「……ロードオブアームズ!」
M・M「ぎにゃぁぁぁぁ!!!」

終わります、星を願いを込めて。



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-瑞生、謎の現象 とある日の探検-

どうも。PCがかなりヤバい状況でマズイですよ!と叫んでいるM・Mです。

自語はさておき、そろそろ最終異変に向けての兆候が。それは誰でもない瑞生にだけ起きる事となる。

では、どうぞ。


夢を見た。

一言で言えば、自分が殺される夢。

 

何処か分からない場所で、何故か靄がかかった様に分からない誰かに抵抗も出来ず訳も分からず殺される。

 

何が突き刺さったのかも分からないが確かにそれは自分の心臓を貫き、俺は大量の血を流しながらその場に崩れ落ちる。

 

 

 

そこで夢は終わった。

 

 

 

M「……今のは?」

当然起こされた。

夢だったので痛み等は無かったが胸を締め付けられる苦しみはあった。

 

完全に起こされてしまい、

 

M「はぁ~……」

眠気も吹き飛んでしまった為に眠れない。

 

 

 

何も考えずに博麗神社の上に登り、空を見上げるとこれまた綺麗な星空。

 

 

星は良い、いつでも変わる事無く闇を照らし続けくれるから。

優しい強さ、教えてくれる。

 

 

M「……寝るか」

 

少し落ち着いた所で寝る事にした。

 

 

 

 

 

 

次の日。

昨日見た夢については紫にも話す事はしなかった。まだ何も分からないので仕方無いだろうと自分に言い聞かせ、

M「今日もいつも通りだな」

きっと自分は疲れてるんだろう。早く仕事を終わらせて早く帰って寝るとしよう。

 

 

 

「先生おはよー」

「瑞生先生、おはようございます」

M「ん、おはよう」

 

先生として一日生徒と接し、セミが一日中鳴り止まぬ中で慧音先生と仕事をする。

 

慧音先生も俺の体調を考慮してくれたのか今日は早く帰る事となった。

 

 

帰りに野菜を少し買って、神社へと戻る。

 

 

 

M「……ん?」

いつもの階段の上に、見覚えの無い誰かが居た。

M「……」

 

神社には、先程の人物であろう女性が賽銭箱の前に立っていた。

M(参拝客か?)

だとすれば霊夢には失礼だが珍しいものだ。

 

???「ここが博麗神社か」

M(……?)

今の呟きからして参拝客では無さそうだが。

 

M「あの、すいません」

???「うん?何だい?」

M「参拝客の方ですか?」

???「参拝客、そうか。お主には私がそう見えておるのか」

M「えっと……違うんですか?」

二ッ岩マミゾウ(以後マミ)「おっと、自己紹介がまだだった。私の名は二ッ岩マミゾウ。宜しく頼むぞ……後話すなら砕けて欲しい」

M「そうか……俺は如月 瑞生。宜しく」

マミ(如月 瑞生……この男が例の男か)

「おっと、この神社の巫女が来るな」

 

すると、

M「わっ!?」

彼女は狸へとなって俺の肩に乗った。

霊「音がしたと思ったら瑞生か。帰ってたのね」

M「え、あ、あぁ……」

霊「うん?瑞生、その肩に乗ってる狸は?」

M「えっと……」

 

その時、

マミ(上手く話を付けてくれ)

M(……分かった)「何か帰りに突然乗ってきてそのまま懐かれた」

霊「何よその出会い……懐かれるのは良いけど神社には上げないでよね」

M「分かってるよ」

 

 

 

霊夢が戻った後、

また最初の姿に戻った。

 

M「凄いな、変化能力か」

マミ「そうじゃ、化けさせる程度の能力」

M「それで、マミゾウは何でここに?」

マミ「私は幻想郷に来て間も無いからの、だから有名な所を回っていた所」

M「そうなのか……妖力も結構高いからかなりの間幻想郷に居るのだと思ったよ」

 

マミ(……まだ何もしとらんがこの男は私の力を計りとったという訳か)「まぁ、長い事生きているのは事実だけど」

M「そうか、まぁ幻想郷へようこそだな。て言っても俺も外来人だけどさ」

マミ「そうなのかい……おっと、また巫女が来るみたいだから今度は帰るよ」

M「あぁ」

マミ「私は基本的に命蓮寺近くに居るからね。私の旧友であるぬえに聞くといい」

M「分かった。それじゃあな」

 

 

霊「まさか瑞生、さっきの狸と話してたの?」

M「え、アハハハ……」

霊「変なの……」

 

二ッ岩マミゾウ、か。また面白い出会いをしたが、ぬえの名前が出て来たのは以外だった。

 

M(今度、聞いてみるか……)

 

そんな事を思いながら部屋に戻ると、自然と眠気が襲ってきた。

抗う必要も無いし、素直に寝る事とした。

 

少しして、

 

紫「瑞生ー……あら?」

完全に寝てしまっている彼が居た。

紫(珍しいわね、疲れてるのかしら)

なら起こしてしまうのは可哀想だろう。

 

紫「……」

そっと彼の髪を撫でる。

 

境界の力、私こと八雲 紫は本当に絶大な力を有している。この力は使おうと思えば幾らでも用途があるだろう。

紫(瑞生がこの能力を持っていたらとんでもない事になってたわね)

ただでさえ頭の良い彼の事だ、こんな力があれば奇想天外な戦術を次々と出す事だろう。

 

 

と言うより、彼の能力はたまに良く分からなくなる。「思いを力に変える」とは何なのだろうか。

 

自分自身のココロが何よりも影響すると彼は言っていたが……一言聞いただけではあまり使えそうな能力とは思えない。

 

けれど彼は自分の能力にいつも助けられていると言っていたし、能力はやはり使っている本人が1番良く分かっているだろう。

 

紫(思いの……力、か)

 

その時、

霊「何してるの」

紫「ひゃっ」

 

ボッーとしていたのか、霊夢の存在に気が付かなかった様だ。

 

霊「瑞生、やっぱり疲れてるのよ」

紫「まぁそうでしょうね」

霊「いつも……異変では1番前に出て1番傷付きに行くおバカなんだから」

紫「でも、いつも皆彼に助けられてるわよね。流石に前に出過ぎな感じはあるけど」

霊「でも、瑞生も前に比べたら随分私達を頼ってくれる様になったわ。前回のあの戦いだって最終的には瑞生がやったけど皆で頑張ったし」

紫「……そうね。私達の気持ちがちゃんと分かってくれたのならそれで良いけど」

霊「本っ当に瑞生に対しては過保護よね」

紫「貴女には言われたく無いわよ?」

 

彼が眠る隣で、そんな事を話していた。

 

 

夜ご飯、彼を起こそうか迷ったがあまりにも熟睡していた為に起こす気が引けた。

だが自分が食べ終わった時位にのっそりと起きて来た為に準備してあげるともそもそ食べ出した。

 

霊「美味しい?」

M「ん、美味しい」

 

コクコクと頷く彼。しかし目が半分開いていない事からしてまだ寝ぼけている。

霊(珍しいわよね、瑞生の寝ぼけって)

 

何だか挙動が小動物みたいで可愛い。

彼はやたらとギャップが激しいからそこら辺もまぁチャームポイントと言えるだろうか。

 

 

 

でも、

M「わっ!?」

申し訳無いが寝ぼけてラッキースケベを発動するのはNG。

M・M「申ラN」

 

躓いて霊夢さん後ろから抱きしめちゃいました。

 

霊「」←石化

 

寝ぼけていた為に何となくの流れで許して貰えたけど、の夜は少しだけ霊夢が口聞いてくれなかった、まぁこればかりは俺が悪い。

 

M「悪かったよ」

霊「///」

 

 

 

そんないつも通り、楽しく(?)終わって眠りにつく筈だったのだが、俺はあの日から謎の夢に毎晩悩まされている。

 

 

そして、夢は日数を重ねる毎に靄が晴れていきはっきりと見る事が出来る様になっていた。

 

まだまだ不完全なので不明な部分が多いが、

分かった事は、相手はいつも武器を使わずに自らの手から強靭な爪を出してそれで俺の心臓を貫いている事。それと……恐らく何となくの体型からして女性。

 

信じたくは無いが、もしかするとこの幻想郷の中の誰かなのかもしれない。

 

 

 

M「段々分かっていくのは良いけどさぁ……こんな夢見さされたら眠気吹き飛ぶに決まってんだろ!いい加減にしろ!(憤怒)」

お陰で最近絶賛寝不足である。

 

 

その度に神社の上へと登り星空を眺めるのが少しの日課みたいな感じになってしまっていた。

 

M「何なんだろ、俺に恨みでも抱いている奴でも居るのかな……だとしたら悲しいな」

 

そうであって欲しくは無いが、現実は非常なもの。けれど、信じるだけなら良いだろう。

 

願いが、届くのなら。

 

 

 

 

 

いつも通りのある日の事。

寺子屋にて、チルノは突然教卓に乗り出して言った、いや近いって。

 

チルノ「瑞生、サニー達が妖怪の山の何処かで凄い場所を見つけたんだって!皆で行こうよ」

M「せめてここでは先生を付けなさい」

チルノ「ぶー」

M「悪いがこの暑い中に行きたくないな」

チルノ「アタイが付いててあげる」

M「ほぉ」

 

放課後、いつものメンバーで集まってとりあえず目的地へと進む事にした。とは言っても皆で集まるのは後みたいだが。

 

M「あのなチルノ、お前は付いててあげると言った。確かにそう言った」

チルノ「うん、そうだよ」

M「それって背負うって意味だったんかい!」

チルノ「涼しいでしょ?」

M「いや、うん、まぁね?快適ではあるけどさぁ……お前楽したいだけだろ」

チルノ「ソンナコトナイヨー」

大「チルノちゃん、片言になってるよ……」

 

まぁチルノ妖精だから軽いし、体は一応良い感じに冷やしてくれてるから良しとしよう。

 

M「で?サニー、何処にあるんだ?」

サニー「えっとね、天狗の里の麓からバッと行ってビュッと飛んでダッシュすれば着く!」

スター「サニー、何言ってるのか全然分からないわよ……」

M「あぁ成程、大体あの辺か」

ルナ「理解してる!?」

M「身振り手振りで何とか」

ルーミア「言葉じゃ無いのね」

 

 

ここからは飛んで、目的地まで急ぎ足で向かう。しばらく飛んで……

 

サニー「ここだよ!」

M「ふむ、滝か」

ルナ「良い場所でしょ」

大「涼しいね」

M「悪くないな」

チルノ「着いて来て良かったでしよ、瑞生」

M「まぁな。それよりお前は降りろ」

チルノ「お疲れ様ー」

 

ルーミア「うん、水もきれい」

 

M「深い所あるかも知れないから気を付けろよ」

ルーミア「大丈夫だよ、浅い」

M「なら、良いけど」

皆がキャッキャと遊ぶ中、1人足湯ならぬ足水でのんびりしていた。自分が今居る場所は木陰になっているので涼しい。中々に快適。

 

チルノ「瑞生ー」

M「何だ?」

チルノ「せいっ!」

 

バシャッ

 

M「……」

 

ルーミア「チルノだけズルいのだー、それっ!」

サニー「アタシ達も!」

スター「えぇ、行くわよ!」

ルナ「三位一体!」

 

ルーミアは何がズルいのか不明。三妖精に至っては合体攻撃して来やがった、悔しいが見事な連携で水をかけてきた。

 

M「…………」

びしょ濡れですね。当たり前だよなぁ?

 

M「お前等……もう許さねぇからなぁ!?」

 

そして気が付いたら彼が参戦していた。その様子を大ちゃんとリグルと、途中から来たミスティアが楽しそうに眺めていた。

 

 

M「大海嘯、リヴァイアサン!!!」

申し訳ないが遊びに召喚獣を使うのはNG。

M・M「申召N」

 

遊びに召喚獣を使う大人気ない主が居るらしい。

 

 

ルーミア&チルノ&三妖精「うひゃあ~!!!」

 

ざっぱーんと打ち上げられ、草の上でピクピクしていた。何とも理不尽な。

 

M「俺に喧嘩売ろうなど100万年早いわっ!」

ふんすっ、と仁王立ちしているがあれは流石にやり過ぎなのでは?という言葉は胸にしまっておくとしよう。

 

 

 

 

チルノ「服がびしょ濡れだよぅ」

M「この暑さだしすぐに乾くだろ」

スター「そういう問題じゃないの」

サニー「さっきのは酷過ぎるよ!ねぇ大ちゃん」

大「どっちもどっち」

ルナ「えぇ……」

リグル「まぁ瑞生もあれは流石に……」

M「流石に大人気なかったな、すまんすまん」

 

ミス「まぁまぁ、蒲焼でも食べよ」

スター「私もお弁当作って来たのよ」

M「そりゃありがたい」

 

皆で仲良くランチをしていると、

サニー「……うん?」

滝壺の方を見つめていたサニーが何かに気付く。

スター「どうしたの?」

サニー「あの滝の裏……何かある」

ルナ「本当に?」

M「俺には良く分からないが?」

ルーミア「3人の力合わせれば良いじゃない」

 

 

サニー「滝に当たる光を屈折させて……」

ルナ「水の音を消せば……」

スター「……居るわ!中に生物が多分居る」

大「という事は裏に洞窟とかあるのかな?」

M「でも勢いが強過ぎるな……そうだ」

 

ここで彼が閃いた。

M「チルノ、お前の出番だ」

チルノ「私?」

M「あそこら辺から上を凍らせてくれ」

チルノ「なるほどー、分かった」

 

チルノ「冷凍光線!」

 

みるみる滝が凍っていき、皆の推測通り洞窟がありました、やったぜ。

 

サニー「あったね」

スター「やるじゃないサニー」

ルナ「たまには能力を有効活用するわね」

サニー「いつだってしてるじゃない!」

M「へっへっ……(苦笑い)」

 

ランチし終わったら、早速中に突入。

 

M「何が居るか分からない、皆気を付けろよ」

ルーミア「思ったより明るいね」

ミス「サニーが居るからじゃないの?」

サニー「私そんなに光出してないよ?」

 

M「これは蛍光物質だな」

チルノ「けいこう……?」

M「蛍の光と書く。色々原理ってのがあるが難しい説明は置いといて……光を受ければ自分も光るっていう物質の事だ」

大「サニーちゃんの光を受けて光ってるんですね。凄く綺麗です」

サニー「えへへー」

スター「褒められてないから」

ルナ「1個持って帰ろう」

 

気を付けろよと言ったばかりなのに……まぁこいつ等はこの雰囲気の方が良いかもな。

 

M(鉱石だし、蛍光物質って事で中々レア度は高いな。にも関わらずこれだけあるという事はまだ誰にも見つかって無い場所なんだろうな)

 

ここは探索し終わったらこのまま隠しておいた方が良さそうだ。

 

ルナ「きゃっ!」

サニー「あっ、ルナがこけた」

M「大丈夫か?」

何とか俺が支えたのでセーフ。

ルナ「だ、大丈夫。ありがとう///」

スター「顔真っ赤」

ルナ「そ、そんな事無いわ」

 

 

気を取り直して先に進む事数分。

ルーミア「感じからして、ここが最深部みたいだね。これ以上は何も無いみたい」

 

特に景色も変わらず、何か特別な物がある訳でも無いみたいだ。

 

M「そうみたいだな、んじゃ帰るか」

チルノ「待って!」

 

突然チルノが叫んだので、

M「どうした?」

チルノ「上!上を見て!」

 

皆言われるままに上を向くと、

 

 

M「!」

リグル「あの光ってるの何だろう?」

M「あれは……」

大「私は赤に見えるよ」

ルナ「え?私青に見える」

ミス「私は緑」

チルノ「どうなってるの???」

M「……少し、見てみるか」

 

飛んで、その光る物質を取って皆の元に帰る。

 

サニー「わぁ、綺麗」

M「成程な、アレキサンドライトだ」

ルナ「アレキサンドライトって、あの光の受ける向きによって色が変わるっていう鉱石?」

M「そうだ、良く知ってるな。非常に価値が高い鉱石なんだが……何でこんな所に?」

 

その時。

ルーミア「瑞生!上、上!」

M「へ?」

 

鉱石の光に見とれていて気付かなかった。上には何と巨大な蜘蛛が控えていた。

 

M「さ、散開!散らばれ!」

 

言われるまでも無く皆散開した。

M「お、大きいな……」

 

特別な蜘蛛でな無いが、どう考えても普通のサイズとは全く違う。どうやら弱肉強食の世界で生き残った蜘蛛らしい。

 

だがやる事は1つ。

M「やるぞ!」

チルノ「合点承知之助!」

M(何処でそんな言葉覚えたんだ……?)

 

サニー「2人とも、やるわよ!」

スター「やるって何を?」

サニー「アレだよ、アレ!」

ルナ「あぁアレね」

スター「今日瑞生に撃ったじゃない」

サニー「今は戦闘中だよ、ほらほら!」

 

やれやれ、と2人もサニーに従って見事なシンクロで弾幕を打ち込んで行く。

 

相手が怯んだ隙に俺が突っ込む。ついでにチルノとルーミアが着いて来た。

相手は蜘蛛の巣を撃つが何故か全く瑞生達に当たらない。こいつのコントロールガバガバじゃねーか。いや、これは……

 

M「……ミスティアか、良いぞ!」

彼女の歌で頭が混乱しているらしい。

 

大「頑張って!マイティガード!」

まさかの強力な援護魔法。これは助かる。

 

更に可愛い+114514

M・M「(いら)ないです」

 

 

M「行くぞ2人とも!先陣貰った、風牙絶咬(ふうがぜっこう)!」

敵に向かって一閃。

M「続いてもう一発、抜砕竜斬(ばっさいりゅうざん)!」

チルノ「私も行くわ!」

彼女は氷の剣を作り出して俺に続く。

 

M「チルノ、それは?」

チルノ「レティに力の使い方が荒いって怒られて、強制的に修行させられた……」

M「だから最近疲れ気味だったのか」

チルノ「でもまぁ、成果はあったよ。今ここで見せてあげる!アイシクルフォール!」

 

まずは魔法で一撃。

 

チルノ「私の攻撃で凍り付け~!グレイシャルブレード!」

 

まだまだ荒いが中々の剣さばき。チルノも接近戦出来るのかも?是非とも鍛えてみたい。

 

 

吹き飛んだ先にはルーミアが待ち構えていました。嬢さんいつの間に!(ヤンガス感)

 

ルーミア「いっただきまーす」

ディマケーション、ガブリと一撃。

 

M「うし、勝ったなってどぇ~!?」

 

1匹倒して安心してしまったのか上に居たもう1匹に気が付かなかった。

 

M「やべっ……」

 

蜘蛛の糸で全く体が言う事を聞かない。

サニー「瑞生!」

スター「今助けるわよ!」

ルナ「ちょっと待って!チルノ達が……」

 

チルノ「皆、行くよ!集まって!」

 

リグル「虫達と!」

チルノ「氷を合わせてー!」

リグル&チルノ「グレイシャルバイオアタッーク!!!」

ルーミア「闇よ、ひろがれ~」

ミス「ノッてきたよ、いけいけ♪ファイアー!」

 

チルノ「氷と!」

リグル「虫と!」

ルーミア「闇と!」

ミス「歌で!」

 

リグル「一気に決める!」

ルーミア「これでラストかなー」

ミス「バッチリ決めるよ!」

 

チルノ「これが、私達の!」

 

4人「バカルテットスペシャル!!!」

 

 

M「ナイスな連携は褒めるけど!その威力はどう考えても俺を巻き込んでーーーー」

 

それ以上の言葉が発される前に、爆発した。

 

 

皆威力を考えてか洞窟内が大爆発なんて事は無かったものの蜘蛛が跡形残らず消えるのと俺が吹き飛ぶのには十分過ぎる威力だった。

 

 

大「やっぱり瑞生さんまで……」

チルノ「十分威力抑えたんだけどなぁ」

サニー「それで瑞生は何処に行ったの?」

ルーミア「あそこに転がってる」

大「あわわわわ……」

 

慌てて大ちゃんが回復してくれた、本当にこの子天使か何かかな?

 

チルノ「ごめんね瑞生、少し(・・)やり過ぎた」

M「嘘つけ絶対少しじゃ無いゾ」

 

まぁとりあえず何とか撃破。

リグル「この石を守ってたんだね、きっと」

M「だろうな……」

サニー「この石どうするの?」

M「戻しとこう。守ってた奴らは倒しちゃったが俺等が持っていくのも悪いしな」

 

 

洞窟から出るともう夕方だった。

チルノ「楽しかったねー」

M「そうだな」

 

滝を元通りにして、皆で帰った。

 

この場所は私達の秘密の場所、として。

 

 

 

 

後日。

チルノ「皆、今度は天界に侵入して謎の場所を探しに行くわよ!」

ALL「それはダメ!」

 

 

 




M・M「酷い目に遭ったな」
M「遭わせたのはお前だろ」
M・M「そして瑞生を悩ませる謎の夢!」
M「悪夢だ……」
M・M「夢を見せたのはお前だ」
M「何言ってんのコイツ……」



M・M「つかさり気なく妖精達とイチャイチャしてんじゃねえーよ」
M「だから書いたのはお前だろ……」
M・M「チルノちゃんを抱きしめていたいこの暑さ、ねぇもう本当に辛い……」
M「ま、挫けす頑張れ」
M・M「ウイッス」




???「さて、彼に悪夢を見せているのは誰なのか……この異変はについてはまた瑞生が紐解いていく事となるわ」


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-続く悪夢 とある日の激闘(?)-

どうも。
結構遅れてすみません、土日月学校の色々で死んでいたM・Mです。
(7月遊ぶ暇も休む暇も)ないです。あぁ逃れられない!(課題というカルマ)

今回はかなり戦闘多め。そして怪しげな瑞生の夢……瑞生は謎に気付くのか。
では、どうぞ。


M「誰なんだよ……お前……クッ」

 

夢が変わった。と言っても内容は変わらずに前の夢と同じ人物に首をずっと締められる夢。

 

そして今度の夢はびっくり、声が聞こえた。まぁその声もアレだ、ヘリウムガスを吸った時の声みたいなので誰かは特定不可能だが。

 

M「クソッ……何なんだよ……俺に、何があるってんだよ!」

???「貴方が、貴方が居なければ!全ては上手くいっていたのよ!」

M「だから……何の事だよ……カハッ」

???「死んで貰うわ、瑞生」

M「お前は……誰なんだ……」

???「さよなら……どうぞ地獄で恨んで頂戴」

 

俺は地獄直結か、と突っ込みたくもなるが。

 

そこでいつも夢が終わり、目が覚める。

 

M「バリエーション変わられても困るがな……」

段々とはっきりしていく夢。いつかこの謎の正体が分かる日が来るのだろうか。

 

 

M「ぜー……ぜー……」

深夜3時。バッチリ目が覚めてしまった。

 

M「くそぅ、俺の睡眠不足がどんどん加算されていく……流石に誰かに相談した方が良いのかな」

 

 

 

 

 

という事で次の日の放課後。

慧「ふむ、私に相談とは?」

M「最近になって、殺される夢を見続けていて」

 

ブフっとお茶を吹いてしまった。まぁこの反応は正しいだろう。

 

慧「こ、殺される!?」

M「はい」

慧(こんな事を真面目な顔で言う筈が無い。しかも瑞生は嘘をつく様な男では無い)

 

だとしたら尚更心配になってきた。こういう時の予感は当たると彼自身よく言っていたので余計にそう思ってしまう。

 

慧「その、夢の内容は……?」

M「えっと……」

 

俺氏説明中……

慧「ふむ、確かに良く分からないな」

M「でもほぼ毎日こんな夢見さされて、絶賛睡眠不足なんですよ」

慧「最近元気が無いと思ったがまさかそんな事に悩まされていたとはな……」

M「そうですね」

慧「……やはりまずは永琳亭に行ってみる事をオススメする」

M「やっぱりそうなるか」

 

 

 

永「確かに物騒な夢ね。でも私に言われてもどうしようもないわ」

M「そっか……」

鈴仙「心当たりとか無いんですか?」

M「あったら困るんだが」

鈴仙「ですよね……」

輝「瑞生にそんな想い抱いている人物か居るというの?許せないわね」

てゐ「おぉ、怒ってらっしゃる」

M「まぁまぁ、まだ分かんないからな。また何かあったら相談に乗って欲しいってだけだ」

永「それなら構わないわ、いつでもどうぞ」

M「ありがとう」

 

 

 

まずはこの2組、また相談相手を増やしていくとしよう。何か分かる奴が居るかもしれないし。

 

 

その夜。

霊「ねぇ瑞生」

M「何だ?」

霊「少し前から気になっていたんだけど、昨日の夜貴方物凄い(うなさ)されてたわよ」

M「……マジ?」

霊「ちょっと前からよね。ふと目が覚めたら何か声が聞こえてそれを確かめに行ったら案の定魘されてたから何事かと思ったわ」

M「バレてたか。実は言うとそうなんだよ」

 

瑞生再び説明中……

 

霊「……あんまり笑えない話ね」

M「まぁ、な」

霊「自分に対してその様な行為をする人物には心当たりとか……あったら嫌よね」

M「あぁ」

 

 

そしてその晩も同じ夢を見る事となる。

 

???「……もう、終わりね。何もかも」

 

ただ、意識が遠ざかっていく時に聞こえた声は、何故か寂しそうだった。

 

M「フニャッ!?」

 

起こされたのは良いが、先程の言葉が妙に気になる。何もかも終わり……?

 

M「何だってんだ……」

 

 

 

考えても分からない。落ち着く為に今日もいつも通り神社の上に登る。

M「…………」

 

これは、もしかすると俺の『やな予感は良く当たる』(勝手に作った)程度の能力が異変を知らせているのかもしれない。知らせる媒体がこの夢だとしたらかなり執拗に見せてくるし相当ヤバいい変なのかもしれない。だとしたら早い所動かないと大変な事になってしまいそうだ。

 

M「って言ってもなぁ…………」

今までずっと言ってるけど何も分からない以上どうしようもない。また何処かの異世界から魔王様が召喚されましたとか言われてもだったらどうしろってんだ。

 

M「また今度、紫に相談してみるか…………」

変に心配されそうだから相談するのは避けていたが、背に腹は代えられぬ。

 

今日も変わる事無く闇を照らし続けている星々に早くいつもの夢を見せて貰える様に願って、今日も俺はもう一度床に着く。

 

 

 

 

次の日。

 

美鈴「カタラクトブレード!」

萃香「伏龍脈(ふくりゅうみゃく)!」

 

紅魔館にて激しい格闘戦が繰り広げられていた。

 

M「五月雨斬り!」

レミ「五月雨突き!」

 

何故か萃香と美鈴、ついでに瑞生とレミリアが戦っていた。

 

 

 

始まりはまた簡単で、紅魔館に行く時何故か付いてきた萃香と共に行ったのは良いが、紅魔館にてフランが萃香と美鈴はどっちが強いか尋ねた事が切っ掛けだった。そして確かめる為に戦闘をし始めたが、それを見ているとレミリアが突然俺に勝負を挑んできたのだった。

 

M「何で戦うんだ!?」

レミ「戦い見てたら血が騒いだからよ!ついでに貴方とは真面目に一度勝負してみたかったのよ!」

M「やっぱり戦闘狂じゃないか(呆れ)」

 

レミ「余所見している暇があって?避けられるものなら!サンガー…………ストライク!!」

M「ッツ!!!!」

 

彼女が投げた雷を纏った槍は、途中で分散して広範囲となり俺に襲い掛かる。

 

M「雷には……雷で!爆雷獅吼陣(ばくらいしこうじん)!」

 

自分に向かってくる雷を雷で引き寄せ獅子戦吼で吹き飛ばす。

 

レミ「流石、やるわね」

M「そちらこそ」

レミ「私だってずっと同じと思って貰ったら大間違いね。強くなってるんだから」

M「分かってるさ」

 

皆それぞれ強くなってる、実に嬉しいものだ。

 

M「なら遠慮なくガンガン行くぜ!」

レミ「望む所!」

 

再び剣と槍の激しくも美しい戦いが始まる。

 

フラン「姉様、凄く楽しそう」

咲「目が生き生きしてますね」

パチェ「戦いが好きなだけでしょ」

こあ「良いじゃ無いですか、初めの戦いの様みたく……悲しい物じゃ無いですから」

咲「……そうね」

 

 

 

一方肉弾戦のお二人。

萃香「良いパンチしてんねー」

美鈴「貴女こそ。鬼の名は伊達では無いですね」

萃香「別にどうこう思ってないけどね」

 

そしてお互いの正拳突きが重なった。

 

美鈴「楽しい勝負になりそう、です!」

萃香「望む所、だよ!」

 

 

 

 

 

美鈴「1発本気で決める!はぁッ………解放します!必中必倒!クリティカルブレード!!!」

 

地面が揺れる。そんな勢いで突進して殴り、回し蹴りへと繋げる。

 

萃香「ッ……これは私も多少は本気出さないとね!神竜撃!!!」

 

渾身の拳一突きからアッパー、そして蹴りを加えて受け止める。

 

美鈴(まさかこれを簡単に止めるとは……!)「まだまだ、爆竜拳!」

萃香「それじゃ甘い!爆牙弾!」

 

似た様な連続技が重なり、お互いを殴り蹴り合う。ついでにスピードもとんでもないので傍から見ても何しているのか全く見えない。

 

萃香「ちょっとは私にもやらせなよ、飛連幻竜拳!オマケに魔神拳・双牙!」

美鈴「ここは勢い付けて……魔人拳・竜牙!」

萃香「待ってたよ!八葉連牙(はちようれんが)!」

美鈴「なっ!?」

何故か後ろに回られていた。

 

 

萃香「こういう細かな技には大きな技で返す癖があるみたいだからね。そこを突いただけさ!」

 

まさかそんな事を見抜かれていたとは、驚きである。萃香の連撃をモロに喰らう羽目になった。

 

殴りながら空中へと突き上げていき、ラストに叩き落とす技であるが、それで終わる萃香では無い。

萃香「もう1つ!鷹爪落瀑蹴(ようそうらくばくしゅう)!」

 

更に衝撃波3発を御見舞され吹き飛び、ようやく地面に着いた美鈴。

 

萃香も着地し、

萃香「……」

しっかりコンボが決まったが、美鈴はまだ立ち上がった。

 

美鈴「まだ、負けられない!これからです!」

萃香「良いね、そう来なくっちゃ!」

 

 

霊「地面が揺れる揺れる……全く」

魔「飛べば?しかし2人とも凄いパワーだぜ」

勇義「萃香ー負けるんじゃないよ!」

 

コチラにもギャラリー(?)3名。

 

 

 

瑞生VSレミリアside。

 

M「……」

レミ「……」

 

フラン「な、何か2人とも怖いよ……」

咲「無言ですね」

 

確かに無言だが静かに、だけどとても激しい戦いが繰り広げられていた。

 

パチェ(でも……)

M(楽しくなってきたな、やはり強い奴と戦うのは楽しいモンだ)

レミ(この緊張感、高揚感。他じゃ絶対に味わえないわ)

 

パチェ(とか思ってそうね、やっぱり瑞生もレミィも戦闘狂じゃない)

 

M「せいッ!」

レミ「はぁッ!」

 

剣と槍が激しく鍔迫り合い、火花を散らす。

 

レミリアは槍と弾幕。瑞生も剣と遠距離攻撃を使い分けて戦っていくが、

 

M「瞬迅剣!噛烈襲!」

突然の突き。そして連続で殴りつけて来る。

 

レミ(やはり……近接戦闘だと向こうに軍配が上がるわね。私が少々不利)

 

彼の剣をクルクル回したり格闘も入れ込んだ独特なスタイルは中々対応が難しい。

レミ「なぎ払い!」

何とか一旦飛び退いて体勢を立て直す。

 

レミ(やはり近付けてはいけない……私は私なりの弾幕で!)「覚悟なさい……デモンズランス・ゼロ!!!」

 

M「!!!」

 

ただでさえ強力なデモンズランスが複数に渡って襲い掛かってくる。

 

M「ッ、魔法剣ホーリー!クロスブレイド!」

即座に聖属性へとチェンジし、範囲攻撃で何とか全て斬り裂く。

 

レミ「アビスゲート!シャドウフレア!」

M「おっと」

 

どちらも俺を中心に闇の爆発を起こす魔法だが……しかし数が多い!避けるのに疲れる。

 

レミ「これならどう?血塗られた力よ、闇の波動を解き放て!ブラッドウェポン!」

M「させるか!」

 

技を剣で防いだが、この技の真意に気付くのが遅れてしまった。

レミ「掛かったわね!」

M「まずッ……力が……」

 

一瞬であったが、力が完全に抜けた。

だがその一瞬は命取りである。

 

レミ「瞬迅槍!ブラッディローズ!」

 

素早い突き、そして更に高速の連続突き。これで空中に突き上げて、

 

レミ「決めるわよ!血塗られし力よ、貫け!ブラッドランス・スカーレット!!!」

 

デモンズランスを自分なりにパワーアップさせた術である。

 

 

 

全弾、きっちり決まり彼は倒れかけるが、

M「く、やるな……」

分かっていたが彼は立ち上がる。

 

レミ「本気で来なさい」

M「……分かってるさ!」

 

すぐに彼は突っ込んで来るが、そうはさせない。

 

レミ「猪さんね!もう一度喰らいなさい、デモンズランス・ゼロ!」

 

M「……1度原理が分かった技なら追撃する必要も無い!」

 

そういって彼は一直線に向かってくる。

レミ「何ですって!?」

 

そんな事をしたら貫かれるだけだ。

 

M(タイミングは…………ここだ!)

ギリギリの所でジャンプして、上手い事避けたのだった。

 

M「虎牙烈斬!」

レミ「クッ……どうして」

M「あの術は俺を追尾する様になってるみたいだったからな。だったら前方向ギリギリまで引き寄せて槍が重なった瞬間に避ければ良い」

 

まさかあの1度だけでそこまで分析されてしまっていたとは思わなかった。

 

結果はどうあれ、彼に接近を許してしまった。

M「レイウィングス!」

レミ「イービルブレード!」

M「シャインブラスト!」

レミ「イビルブラスト!」

 

今回の戦いはレミリアが闇系という事なので瑞生は光技を良く使う。

 

M(……やっぱりレミリア近接戦闘も十分に強い。でも下がると魔法でボコボコにされそうだし攻め込むしかないか)

「虎牙破斬!閃光裂破(せんこうれっぱ)!」

 

使ってて思うけど虎牙破斬は最高に使いやすくて本当に多用する。

それはさておき、

 

レミ(やっぱり近接をずってしていればいずれ押し込まれるわ……だったら!)

「調子に乗るなッ、アベンジャー!」

 

技の一瞬の隙にバックステップして、力を溜めて前方向に突く。

 

技で固められたら暴れるのは選択肢としては悪くなかっただろう。

……彼以外なら。

 

M「……」

その時の彼の不敵な笑みから何か運命が見えた気がしたが、既に遅かった。

 

M「幻狼斬!クルエルアズール!」

 

最早彼の十八番となっているこの2つの技。

 

 

このコンボは妖夢達曰く「行くぜ俺のターンだぜコンボ」らしい。

ネーミングセンスはともかく、

 

M「悪く思うな、双剣乱舞・零!」

 

そこから繋げられる彼のオリジナル連続剣は今までの連武技を超える剣技だった。

本当にお前乱舞系好きだな

 

ついでに零はゼロの名に掛け合わせている。

 

 

M「仕舞いだッ!」

締めに双剣で貫いて決めポーズ。

M・M「決めポーズ(いら)ないです」

 

バッチリ全部決まってレミリアは倒れ……なかった。槍を地面に刺して立ち上がった。

 

M「へぇ……まだやるか」

レミ「私はレミリア・スカーレットよ……こんな所で終わる私じゃないわ!」

 

 

コチラもまだ続きそうだ。

 

 

 

 

美鈴VS萃香side。

美鈴「爆裂脚!」

萃香「爆裂拳!」

 

脚と拳。それぞれ1歩も引かない攻防が続き、

霊「2人とも良くバテないわね」

魔「この暑い中良くやるんだぜ……」

勇義「そろそろ決まりそうだけどね」

霊「と言うと?」

勇義「見てれば分かるさ」

 

 

 

美鈴「ドルフィンブロウ!!」

萃香「ガイア……ナッコォ!!!」

何ですか、幻想郷の皆さんはナックルをそう発音するんですか。

 

激しい格闘戦の最中、

美鈴「はぁぁぁッ!!!」

萃香「!!!」

 

突然の気の高まりにたじろぐ萃香。

美鈴「私にも、プライドって物がある!」

萃香「この力、もしかして……」

美鈴「波ッ!」

こらそこ、ドラゴン〇ールとか言わない

 

突然の波動砲に驚きながらも避けた萃香はある事に気付いた。

 

萃香(確かこの門番は気を操る程度の能力と聞いた事がある……それって、瑞生の能力に似たような物なのかもしれないね)

 

美鈴の能力の方が普通に上だと思うけどね。

この場合はスパロボでいう底力とかガッツとか。

 

 

勇義「……萃香が押されてる?」

霊「そうなの?」

魔「……さぁ?」

 

美鈴「まだまだッ!」

萃香(身体能力も底上げされているみたいだね……これは気を引き締めないと)

 

美鈴「行きます!闘魂放気!」

 

更に美鈴の力の勢いが増した。

萃香(まだ上がるか……全く、加減って物が無いのかい)

 

より警戒を強くして構える。

が、

萃香「居ない!?」

気が付いたら居なかった。まるでその場に元々何も居なかったかの様に。

 

そしてまた気が付いた時には横から彼女がヌッ!と現れた。

M・M「表現が汚い、訴訟」

 

 

美鈴「骨砕拳!」

萃香「ッ!」

 

かなりの威力だった。咄嗟に防いだ為に何とかなったがその技名の通りまともに当たれば骨が砕けそうな程に。

 

美鈴「終わらない……足掻いても無駄です!嶄然震撼(ざんぜんしんかん)!!!」

 

拳と足での乱舞、そして締めに強烈な正拳突きを叩き込む技である。

 

 

M・M「ついでに説明が忘れていましたが、瑞生とレミリアは紅魔館の地下で、美鈴と萃香は紅魔館から少し離れた場所で戦闘を行っております」

 

 

萃香「ッ……今のは、効いたね」

美鈴(私の渾身の攻撃だったけど……まだ立ち上がるか、鬼の耐久力って中々に理不尽だね)

貴女も大抵ですけどね

 

 

萃香「でも……私にも一応プライドって物はあるよ。それに同じタイプの戦闘スタイル持つ者には尚更負けられない」

美鈴「こちらもです」

萃香「でも私も流石に疲れてきた。だから先に言うよ、次で終わらせる。だからそっちも全力で来ないと……死ぬよ?」

美鈴「……ッ」

 

恐ろしい気迫だ。でも、

美鈴「望む所……私の最強技、御見舞します」

萃香「それじゃあ……行くよッ!」

 

 

両者飛び出した。

萃香「…………メガトンパンチ!」

美鈴(ストレートに正拳突きをしてくる……ならこの技で!)「水影身(すいえいしん)四葬天幻(しそうてんげん)!」

 

今一瞬萃香が何かした様な気がしたが構わずに技を決める。

さらりと流れる様に避けて、萃香の周りを回りながら蹴り上げていく。

 

 

美鈴「咲夜さん居ないけどやれる筈!まずは1の拳、降華脚!続いて2の拳、烈虹拳(れっこうけん)!3の拳、天龍脚!4の拳、彩光乱舞!まだ終わりません!5の拳、烈虹真拳!

 

そして、終にして最大の拳!私の全てを込めてッ!彩光蓮華掌(かふさいこうれんげしょう)!!!」

 

 

様々な自分の技を詰め込んで繋げる、先程も言ったが間違いなく自分の中の最強技だ。

 

 

 

 

萃香「ク、ハッ……まさか、これ程とはね」

美鈴「私は、紅魔館門番の紅美鈴だ!」

 

萃香「凄かったよ……でも、勝つのは私だ」

美鈴「え……?」

 

次の瞬間、自分の体に衝撃が走った。

美鈴の横側から岩石が飛んで来たのだった。

 

美鈴「なっ……」

そのまま、倒れた。

 

萃香もヨロヨロになりながらも美鈴に近付く。

美鈴「どう……して」

萃香「アンタが技を放つ寸前に私の能力を使って近くの岩を引き寄せた。そしてその岩に力を(あつ)めて、最後にぶつけた。それだけの話さ」

 

美鈴「そんな……まさか、その様な事をしていたとは気付かなかった」

萃香「咄嗟に思い付いただけ。今の状態で真正面から戦うと負けるなって考えたからあの方法を取った」

美鈴「初めから、捨て身だったという訳ですね」

萃香「そうだね。実際アレが当たってなかったら私の負けさ、限界だよ」

美鈴「……悔しい」

萃香「私を鬼以外でここまで熱くさせたのはアンタが初めてだよ。十分に負ける可能性はあったし」

美鈴「でも、負けたのは負けです」

 

倒れている美鈴に手を貸して立ち上がらせる。

萃香「そんなお堅くならなくて良いって。お世辞でも何でもなく、強かったよ」

美鈴「貴女こそ。鬼の名は伊達では無い事が良く分かりました」

萃香「別に鬼の名がどうかはどうでも良いけどね……またやろう」

美鈴「はい。次こそは勝ちます」

 

 

 

霊「友情が芽生えてるわね」

魔「夕日の下殴りあってお前強いな、お前もな……っていうアレか」

勇義「それは違うと思うけど……まぁ、2人とも楽しそうだったし良かったんじゃないかな。萃香にとっても良いバトルとなったと思うし」

 

 

こうして、美鈴と萃香の激しい格闘戦は終わったのだった。

 

 

 

 

 

瑞生VSレミリアside。

コチラも勝負はラストスパートを切っていた。

 

M「喰らえッ!地獄の雷……ギガブレイク!」

レミ「そう来るなら私も地獄の雷でやってやるわ!ジゴスパーク!」

 

地獄の雷どうしがぶつかり合い、激しい爆発を引き起こす。

 

M(そろそろ決めないとな)

レミ(もう終わらせないと)

 

お互い、もう一度武器を構え直して向き合う。

 

レミ「魔符、全世界ナイトメア!」

ここに来てスペカ。全方位に渡る弾幕が発射され、超高速追尾弾となり瑞生に向かう。

 

M「乱舞、円月輪!」

シールドブーランを自らの周辺に回し、弾幕を防ぎながらも斬り裂いていく。

 

レミ「疾風の如く、貫く!」

目にも止まらぬ速さで突っ込む。

 

M「!!!」

頭で考えなかった。本能がこうしろと命じたままにセイバーでは間に合わないと判断し、咄嗟に腕に出したビームトンファー、リコイルロッドで槍を防いだ。

 

M「あっ、ぶねぇな……ったく」

レミ「……本当に貴方の反射神経はどうなっているのかしら?」

M「それとタフいのが……取り柄なんでね!」

 

レミリアを飛ばし、チャージリコイルロッドを前に突き出す。

 

レミ「雷光……一閃!!!」

全力集中して、渾身の力込めて、突く。

こらそこ、2分の1だから失敗しそうとか言わない

 

 

リコイルロッドの先端とグングニルの先端が重なり、その瞬間激しい衝撃波が地下室全体に巻き起こった。

 

レミ(面倒ね……瑞生の武器もやはりあの剣と銃的な何かだけじゃないし)

 

M「セイバーみたく自分の使いたい武器を具現化させているだけさ」

 

そしてさらりと考えを読まないで欲しい。

 

M「……」

彼は黙り込んで鋭い目付きで自分を見据える。

 

 

レミ「神槍、スピア・ザ・グングニル!!!」

そして再びレミリアの攻撃が始まりとなりお互いラストスパートを掛けて戦う。

 

 

M「居合抜き!」

だが流石に読まれていたか、グングニルは彼の一閃で弾き飛ばされた。

 

M「アクセル!」

そして一気に詰め寄ってくる。

 

M「邪霊一閃(じゃれいいっせん)!一迅!裂空刃!」

次々と彼のコンボが決まる中、

 

フラン「どうしてお姉様反撃しないの?」

パチェ「同じ過ちをしたくないからよ」

咲「瑞生の幻狼斬を恐れているのでしょう」

フラン「でもそれだと守りっぱなしじゃない」

こあ「確かに結構押されてますね……」

 

M「防御しまくりなら……瞬迅剣・砲牙!」

レミ「クッ……速いのは認めるけど、流石にもう当たらないわよ」

とは言え自分の右肩辺りまで剣の先端が来てるんですがそれは。

 

M「それで良いさ」

レミ「!?」

凄く嫌な予感がしたが遅かった。剣先が突如爆発したのだった。

 

咲「お嬢様!」

パチェ「大丈夫、回避したわ」

 

M「ナイス判断」

レミ「危なかったわね……咄嗟に槍を投げ捨てて良かったわ」

 

そう言って投げ捨てた槍を自分の手元へ戻した。魔力で繋がっているのだろうか、今の俺もやってみたい。

 

レミ「驚いたわ、あんな芸当も出来るのね」

M「チャージって言っても色々あってな」

 

レミ(このまま防戦一方だと負ける……でも幻狼斬が怖いわね、けれど怖がっていたらどちらにせよ私が負けるのも時間の問題ね)

 

何か彼を驚かせる様な案が浮かんでこれば良いのだが、彼はすぐ様突っ込んで来てそんな事考えさせてくれない。

 

 

と思ったが先程の彼のチャージという発言で少し思い付いた作戦がある。このままだと劣勢は間違いないので試してみるのも悪くないだろう。

 

レミ「紅魔、スカーレットデビル!」

一旦彼を追い払って、

 

レミ「我に流れし吸血鬼の血よ……(たぎ)れ!プライドオブヴァンパイア!!!」

M「おっ!」

 

レミリアお嬢様専用の身体能力強化モード。

 

レミ「……疾風突き!」

M「ッツ!」(速いッ!)

 

何とか受け止めたが先程とは威力も速さも段違いだ。一応受け止めたが体勢が崩れてしまった。

 

レミ「隙だらけよ、ゼロ・インパクト!」

体勢が崩れている所に鋭い蹴りを入れて、槍を彼の顔に叩き付ける。

 

M「ぐぇっ……痛いんだよォ!」

M・M「当たり前だよなぁ?」

レミ(このチャンス、逃しはしないッ!)

崩蹴月(ほうしゅうげつ)飛燕連月華(ひえんれんげつか)落月爪(らくげつそう)!」

飛び上がってライダーキック。からの槍で打ち上げて空中で更に蹴りを何度か入れて、そして締めは渾身の力で叩き落とす。

 

M「ガッ……」

 

さぁ来ましたカリスマタイム。

レミ「孤月閃!チェーンギャング!」

 

槍でもう一度打ち上げて空中へ彼をお招きし、そのまま空中で自分の鎖で拘束。

 

M「おいおい……趣味悪いぜ?」

レミ「こんな状況でも減らず口とは流石ね。でもその顔をすぐに絶望へと変えてあげるわ!」

M「ヒェッ……」

 

レミ「行くわよ!我に仇名す者を……冥府へ送りし朧月(おぼろづき)の棺!覇王(はおう)籠月槍(ろうげつそう)!!!」

 

拘束している所を更に蹴りと槍で連続攻撃した後、全力全開スピア・ザ・グングニルという名の槍投げで瑞生を串刺しにする。

 

M「言い忘れてましたが元ネタの人みたいに揺れませんよ?うわなにをするやめ)ry」

 

何かとは言わないお約束。

 

 

 

M「神の力早い所使っとけば良かった……そりゃそうなりますよね」

そう言って倒れ込んだ彼。

 

レミ「……やった、勝ったわ!」

フラン「おねーさまー!」

そこへ飛び込んで来るフラン。

 

フラン「凄くカッコよかったよ!」

レミ「そ、そう///?」

咲「素晴らしい戦闘でしたわ、お嬢様」

こあ「お嬢様はやっぱり凄いです!」

パチェ「貴女も、強くなったのね」

レミ「周りがドンドン強くなってるのに私だけ置いていかれる訳にはいかないわ」

フラン「とか言って瑞生に負けたくないだけだよね。後褒めて貰いたいんでしょ?」

レミ「ぶふっ///」

 

そしてニヤニヤする4人を見て、

レミ「うー……うー/// 」

カリスマタイム数秒で終了。

 

 

紅魔館メンバーでキャッキャしてる中、

 

M「俺回収して……」

尚残念な事に今の彼女達には届かぬ願い。

 

 

 

 

皆元気になった後食堂に集合。

霊「瑞生負けたの!?」

M「負けた。そりゃ色々あったけど俺のレミリアの力の見誤りだったよ」

魔「へぇ、レミリアやるじゃん」

レミ「……褒めても何も出ないわよ」

 

美鈴「私も負けてしまいました……」

咲「罰は何が良い?」

美鈴「相変わらず扱いが酷い!?」

萃香「確かに私が勝ったは勝ったけどそちら側もナイスファイトだったよ。だからここは私に免じて許してあげて欲しい」

咲「……そう言うのなら」

美鈴「ありがとうございます……」

萃香「良いよ良いよ。私も今回の戦いは良い経験となったしね」

勇義「見ているこっちも楽しくなる良い戦いだったね、今度は私と頼むよ」

美鈴「お、お手柔らかに……」

 

 

 

帰り。

霊「何よ、随分嬉しそうな顔しちゃって」

M「いや、やっぱり皆強くなってるんだなって思ってさ。嬉しいのは事実だな」

霊「瑞生だけドンドン強くなられるのは嫌だから皆も日々頑張ってるのよ」

M「そうなんだろうな」

霊「……貴方ばかりに戦わせて貴方ばかり痛い目に見て欲しくないから」

M「ん、何か言ったか?」

霊「何でも無いわ。早く帰りましょ」

M「あぁ」

 

 

そう、彼女達もドンドン強くなるだろう。彼女達にも共通して守りたいものが出来たから。

 

勿論自分達の生きるこの世界を。そしてこの世界と自分達を命懸けて守ろうとする1人の男を。

 

 

 

そして、彼女達が命懸けで戦う事となる異変は、もうすぐに迫っている事を誰も知らない。




M「結構遅かったんとちゃう?」
M・M「センセンシャル!」
M「まぁまぁ学校で死ぬのはしょうがないか。許したる」
M・M「そうだよ(便乗)」
M「やっぱ前言撤回。もう許さねぇからなぁ?」
M・M「あっ……(察し)」


M・M「今回気付いた方も居たかと思いますが特殊(取り消し線)を使ってみました。今までルビしか使っていませんでしたので特殊をもっと使うと楽しいですね。効率良く使いたいです」
M「それは良いからおいM・M次あくしろー」
M・M「へーい」







(^ω^ ≡ ^ω^)おっおっおっ

霊「今回は結構戦ってたわね」
魔「そうだな、4人とも頑張ってたんだぜ」
レミ「今もまだまだだろうけど戦闘描写も結構多かったと思うわ。と言うより話数が初期の頃の作者の戦闘描写の下手さが良く分かるわね」
フラン「書けばやっぱり成長するんだってー、パチュリー」
パチェ「何故そこで私に振るのかしら?」
フラン「え?だってパチュリーも自分で密かに恋愛小sムゴムゴ……」
パチェ「フーッ!!!」
こあ(猫でしょうか?)
咲「フランお嬢様の爆弾発言はともかく、作者夏休みまでに終わらせるって言ってたけどあれ無理ですね」
レミ「7月死んでるって言ってたわね」
美鈴「まぁ死んでるなら叩き起こせば良いだけですよ♪」

ALL(笑顔でそれ言うか……)
悪気は無さそうなのが更に泣けてくる、

霊「それじゃそろそろ」
魔「次回はいよいよ異変の兆しが!?瑞生はどうなってしまうのか!」
レミ「次回も読まないとグングニル投げるわ」
咲「お嬢様、それはダメです」


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-始まりし終焉-

どうも。
眠たいM・Mです。あと少しで休みが、やっと……夏が始まるんやな……。

え?もう始まってる?
………そうですね。

タイトル通り遂に最終異変が始まります。
瑞生達と幻想郷はどうなるのか。

では、どうぞ。


前々より謎の夢に悩まされていた瑞生は意を決して紫に相談する事にした。

 

M「……まぁ、今はそんな所」

紫「奇妙な夢ね。貴方何処からそんな恨み買って来たのよ」

M「心当たりが無いんですけど?」

紫「貴方みたいなのをフラグ建築士っていうのよ。しかも1級のね」

M(何処からそんな言葉聞いたんだ……)

 

紫「でも貴方の予知夢は良く当たるから用心するに越したことはないわね。まぁ今はどうしようも無いわ」

M「そりゃそうだけど……」

紫「眠れないのなら添い寝でもしてあげるわよ?(はぁと)」

M「へいへい……」(はぁとって何だよ……)

紫「むー……」

M「な、何だ?」

 

紫「馬鹿!」(折角勇気出して言ったのに!)

M「はぁ?」

 

紫「……悪夢に魘され続けてるなら永琳亭で強力な睡眠促進剤でも処方して貰ったら?」

M「それは最終手段として、な」

紫「また何かあったら言いなさい」

M「そうするよ」

 

彼が去って行った後、

 

紫「………………」

 

彼の背中を悲しげに見つめる紫がそこには居た。

 

 

 

 

 

とある日。

文「瑞生さーん、グーテンモルゲンです」

M「何故ドイツ語?」

文「香霖さんが教えてくれました」

M「はぁ」

文「ついでに新聞はゼイトゥングって言うらしいですよ、発音がちょっと違うって言われましたけど。知ってました?」

M「そ、そうか……知らなかった」

文「そうですかー」

 

M「……で、新聞配りに来たんじゃ無いのか?」

文「それは勿論。ですが瑞生さんが夜な夜な不思議な夢で眠れないと聞きまして」

M「誰から?」

文「霊夢さんですよ」

M「……はぁ」

 

まぁ別に隠すつもりは無かったけど。

M「バラすなよ?」

文「分かってますよ、ですが私も貴方が心配ですから」

M「大丈夫だ、サンキュな」

 

 

文は去り、1人神社の長い階段を下る。

 

結構色んな人から心配されている事は嬉しく思うが、逆に心配され続けているのは悪い気がする。

 

M(……もし異変が起きるとすれば、そろそろ起きてもおかしくは無いだろうけど)

 

異変は起きて欲しくないといつも願っている、まぁいつもその願いは叶ってはいないが。

 

それに異変が起こすのは別の誰かだとしても、原因は俺が恐らく作っていると思う。

と言うのも、俺の人智を超えた力が何か災いを呼び寄せているとしたら。カオスだとか、アルティミシアとかもそうだった。多分俺が居なければ奴等もこの幻想郷へ来る事は無かっただろうと思っている。

 

それを感じ始めたのは結構前から感じていたりはした。この世界は色んな者が流されてくるとは霊夢や紫からも聞いていたが、だとしても世界を壊す位強過ぎる存在がそんなホイホイやって来るとは思えない。

 

そう、まるで引き寄せられるかの様にやって来た存在だと思って間違いないと思う。

 

 

そして俺が異変を解決したのは良いが正史世界とは違うやり方で解決した事により「ズレ」が生じているとしたら。

 

それに関しては後悔はする事はあっても俺は自分の信じた者の為に戦った。例えそれがイレギュラーな事なのだとしても、きっとあれで良かったのだと自分に言い聞かせて。

 

 

 

M「……俺は、やっぱり存在してはいけない存在(・・・・・・・・・・・)なのだろうか」

 

 

分かっていても、答えが帰ってくる事は無い。

 

 

 

 

変わった事に、その日から謎の夢を見る事は無くなった。ある日突然見なくなったのだ。

 

皆からは良かったねと言って貰え、確かに睡眠不足は治ったし皆の心配も解けたならそれはそれで良かったのだろうけど。

 

自分の胸の中にある(わだかま)りは取れる事は無く、依然として自分を悩ませ続けていた。

 

 

 

 

7月も半ば。暑く蝉時雨が鳴り響く中、悪い夢を見なくなったは良いが昨日も暑さで寝苦しい夜を過ごした瑞生であった。

 

M「……暑い、体溶けそう」

ゾンビみたいな発言をしながらのそのそ起き上がり、本日も元気出して行きましょ、と意気込む。

 

 

霊夢といつも通りの朝を過ごし、いつも通り寺子屋に向けて暑いのやだ!やだ!ねぇ小生やだとか言いながら神社を出る。

 

 

そんな、何も変わらない。ただ階段を下る時妙に不思議な感じがした事を除けばいつもの朝だった。

 

 

 

それからは特に何も感じる事は無くて、生徒達が帰った後また一仕事して慧音先生と俺も帰り、今度皆に冷たいデザートでも作ってみようかと思い参考までに人里をぶらりと。

 

そして、朝はアブラゼミやミンミンゼミ等が鳴り響き、夕暮れからはヒグラシが切なく鳴いている神社の階段をよっこらせ、とまるで爺さんみたく登り始める。

 

ヒグラシの鳴く音は好きだ、とか思いながらふと階段を見上げると見覚えのある帽子が見えた。

 

M「紫……?」

 

 

 

登り切ると、縁側に霊夢と座っている紫が居た。俺に向かって手を振っている。

 

霊「お帰り」

M「あぁ。こんな時間に珍しいな、もう夕方だけどまだ明るいぜ」

紫「……えぇ、たまにはね」

 

 

部屋に戻ろうとすると、霊夢が話し掛けてきた。

霊「何か、おかしいのよ」

M「何が?」

霊「紫よ。いつもなら誰かをからかいに来たり変な話ばかりしてるけど、今日は本当に何も喋らないの。ただお茶を飲んでいるだけ」

M「……暑いしな」

霊「妖怪だから貴方程暑さで元気無くなるとは思えないわよ」

M「じゃあ、分からんな」

霊「また話でも聞いてあげたら?」

M「ん、分かった」

 

 

てな訳で。

M「あーどっこせい……疲れた」

紫「台詞がとんだお爺さんね」

M「お爺さんは止めろ」

紫「事実じゃない」

M「お前にゃ言われたくない」

紫「なーんですってぇ?」

 

M「やえろゆはり、おあえひからつよいんたからめひゃくひゃいひゃい(止めろ紫、お前力強いんだから滅茶苦茶痛い)」

 

ほっぺ赤くなりましたよ、あっ、もしかして紅き英雄ってこれかぁ!(違う)

 

紫「……瑞生、少し良いかしら」

M「ん?」

紫「今日の午後9時、いつもの場所で」

M「……あぁ、分かった」

 

そう伝えて紫は帰って行った。

 

夕飯時にて、

霊「わざわざ瑞生だけ呼び出すのも妙な話ね」

M「まぁアイツにも色々悩みがあるだろうよ、いつもこの幻想郷を見守っているのだから」

霊「……紫、幻想郷がピンチになったら何をしでかしてでも幻想郷を守ろうとすらから」

M「そうだな」

霊「たまにだけど心配になるのよね。それがとんでもない事を引き起こしかねないかなって」

M「もしそうなったら俺が止めるさ」

霊「出来れば起こす前に止めてよね」

M「善処する」

 

 

 

午後9時前、どうやら俺が先に来たらしい。

いつもの場所とは紫と話す時はいつもこの場所で待ち合わせをしている。誰にも知られていない、博麗神社の裏山の頂近くの原っぱ。

 

星がとても綺麗に見えるから俺はこの場所が凄く好きだ。そして本日も変わること無く星々が輝いていた。

 

紫「おまたせ」

M「俺も今来た所さ」

 

 

またいつも通り座り込んで紫とお話するのが俺として1つの楽しみであった。

 

M「んで、今日はどうしたんだ?」

紫「……………」

M「黙り込んでちゃ分からんだろ」

紫「私のお願い、聞いてくれる?」

M「出来る範囲なら、な」

 

 

 

 

紫「じゃあ瑞生、もし私が死んでって言ったら死んでくれる?」

 

 

 

 

M「…………は?」

紫「2度は言わないわよ」

M「……出来る範囲って言ったろ?それとエイプリルフールはまだまだ先だぞ?」

紫「……」

 

すると懐からゆっくりとスペカを取り出した紫。

 

M「どういうつもりだ?紫」

 

紫「だから言ったでしょ?死んで欲しいって」

M「……ッツ!」

 

紫「符の壱、四重結界!」

M「んなッ……!」

 

油断した。彼女がまさかこんな事をするなんて絶対に思わなかったからゼロにすらならなかった。が、その信頼が仇となり彼女のスペカにまんまとかかり、彼女の弾幕が今自分の周辺をまるで檻の様に囲んでいた。

 

紫「動いたりゼロになろうとしない方が良いわよ?即座に死ぬだろうから」

M「クッ……何だよ、何なんだよ一体!」

 

 

 

 

紫「……」

叫んでも、彼女は何も答えない。

 

 

ゆっくりと、ゆっくりと近寄って来る紫。

M「ぐっ、あっ……」

動けない事を良い事に、俺の首を掴む。

 

 

 

しかし何処かで見た光景だ。

 

そう、嫌という程見さされたあの夢。あの夢はこの事を俺に知らせていたのだろう。

 

 

紫「貴方がいなければ……全ては上手くいっていたのよ!」

M「何がだよ……くる、しい……」

紫「知る必要は無いわ、貴方はどうせここで死ぬもの……どうか、私を恨んで死になさい」

 

M「…………」

沈黙。そして段々彼の顔が青白くなっていくのが分かる。そう、彼もやはり人間の体なのだから。

 

紫(あっけないものね)

そう、大妖怪である私からみたら人間1人の命などこれっぽっちでしか無い。

 

 

 

紫「……さよなら、私の最愛の人」

 

 

「魔神剣!」

 

紫「!」

 

 

妖「魔神連牙斬!」

 

紫「クッ……」

 

彼を仕方無く離し、一旦退く。

 

妖「どうして……どうして紫様が!」

紫「妖夢、どうして貴女が居るのかしら?」

 

まさか彼が?

 

霊「尾行して正解だったわね、瑞生を(・・・)

紫「成程、私じゃなくて瑞生をね」

霊「それで?どういう事かしら?詳しく説明しなさいよ、紫!」

 

そこへ追って来た魔理沙、幽々子が合流し、

 

幽「紫……どうしてなの?貴女に何があったというの?」

魔「あまり冗談というのは笑えないぜ、これは」

 

 

M「ゲホッ……はぁっ、はぁっ……」

それはともかく彼をまず保護しなくては。

 

霊「紫……」

紫「……」

今彼女が何してくるか分からない。少なくとも彼だけは守らないといけない。

 

紫「…………運命には、誰も抗えないのよ」

 

そう言って、彼女は境界の中へ消えていった。

魔「どういう、事なんだぜ?」

幽「紫は一体何を考えているのかしら……」

 

妖「瑞生さん!大丈夫ですか!?」

M「平気、だ。何とかな」

霊「まさか、とんでもない事になったわね」

M「霊夢、どうして俺を尾行したんだ?俺が危険である事でも察知したのか?」

霊「勘よ、当たり前じゃない」

妖「霊夢さんの勘は本当に凄いですね……」

魔「こういう時の勘は面白い位に当たるからな」

 

幽「それはともかく、一旦戻りましょう?」

妖「そうですね……瑞生さん、立てますか?」

M「あぁ、大丈夫だ」

 

 

 

 

博麗神社にて。

M「……成程、紫が相手だと分が悪いから妖夢と幽々子を連れて来たのか」

幽「買い物の帰りにいきなり連れて来られたのよ?酷いじゃない、もしハズレだったらどうしてくれたのよー」

霊「当たったでしょ」

幽「まぁ、そうだけど」

M「助かったよ、4人とも。4人が来るのが後少しでも遅かったら間違いなく殺されてたな」

 

霊「……瑞生、一体どういう事なの?何で紫が貴方を殺そうとしたの?」

M「ごめん、心当たりが無い。でも紫は俺さえいなければ全て上手くいっていたとか言ってたな」

魔「やっぱり瑞生が何か関係してる可能性が高そうだ、でも瑞生がそんな事してるとは思えないけどな」

M「知らない内に何かやらかしてたのかもな」

霊「だとしてもあの反応はおかしいわ。もう殺気全開だったじゃない」

 

幽「色々気になる事はあるだろうけど、今私達がここで話しても答えは出ないわ。1度ちゃんと大人数で話し合った方が良いと思うわよ」

M「幽々子の言う通りだな。今日はもうここら辺で終了しよう」

妖「そうですね、でも瑞生さん」

M「大丈夫だ、流石に寝てる時は博麗結界があるから俺も気付く……って紫は関係無しか」

まぁ少なくとも紫はいきなり寝ている所を殺りに来る奴じゃない。

 

そう、思っていたかった。

 

まだ自分の中で信じられないという思いがあったのだろうか。

 

 

 

何だかんだで夜は明け、幻想郷の有名人の殆どが博麗神社に集まっていた。

 

俺が呼び出したのだが、いざ話すとなると悲しくなってくる。

 

レミ「わざわざ集めておいて何なのよ」

さとり「何か、あったのですか?」

 

M「……実はな」

 

青年説明中……

 

説明し終わった後のこの空気。そう、これが嫌だったのだがこうなるのは必然的に決まっていた事だろう。

 

天子「じゃあ、あの紫が私達の敵になったの?」

M「まだ何が目的なのか不明だし敵かどうかは分からない。ただ……」

霊「私には少なくとも瑞生を殺す事がアイツの目的に見えたけど」

 

M「…………」

早苗「ちょ、ちょっと霊夢さん……」

霊「瑞生には悪いけど、現実はそう甘くは無いわよ。貴方が1番分かっているでしょ」

M「まぁな」

 

妹紅「……戦う羽目になりそうだね」

慧「あの大賢者と戦うのか……」

 

魔「アイツとは一応何度かは戦った事はあるけど……いつも何というか、その」

妖「からかわれていましたよね。いつもぱっと出てぱっと消えていた」

 

聖「瑞生さん、彼女がそんな事をしようとした理由に心当たりは無いんですか?」

 

M「……」

あると言えばある。でもそれが紫が俺を狙う理由なのか確信は無い。

 

M「曖昧でごめんな、本当に今は何も分からないんだ。俺も正直まだ混乱してる」

霊夢に現実を見ろと言われたがそう簡単に出来るものでは無い。けれど冷静に行かないと。

 

 

彼女の能力の仕様上探す事は不可能だし、また彼女が出て来るのを待つしか無かった。

 

 

同日夕方。

買い物に行っていた瑞生はいつも通りの道を飛んでいた。

M(……)

あまり考え込むのは良くない、と皆から言って貰ったが俺は考えちゃうのが性分なのでね。

 

 

その時。

M「!!!!!」

突然の異様な気配、そして殺気。

 

M「ッ……」

 

すぐにゼロとなり辺りを見渡す。

※尚右手にセイバー、左手に買い物袋。

 

紫「御機嫌よう。会いたかったわ、瑞生」

M「紫……」

 

 

紫「……大人しくあの時殺されていたら、これ以上苦しまなくて済んだものを」

M「死ねない。ちゃんとお前の真意を知るまではしぶとく生きてやる」

紫「……貴方が生きている、それが私にとっていけない事なのよ」

M「何だって!?どういう事だよ!」

紫「……参れ、銀竜!金竜!」

 

彼女の傍に2頭の竜が現れた。

紫「教えてあげるわよ、この2体に勝てたらね!」

 

銀竜はブレイズ、金竜は稲妻で攻撃してくる。

M「くっ……!」

 

当然ながら回避するがとりあえず買い物袋は死守する。これは何としても。

 

 

M(思う様に戦えない……!)

買い物袋を捨てる訳にはいかないのだ。これには限定品のケーキが……!

 

M・M「まさかの私情には草」

 

 

すると、

霊「ホーミングアミュレット!」

文「エアリアルシュート!」

魔「ナロースパーク!」

 

ここで霊夢達が助けに来てくれた。

M「皆、助かった」

霊「帰りが遅いと思ったわ」

魔「しかしまた凄いのに狙われてるな」

文「銀竜、金竜!カメラに収めました!」

M「……」

 

文に至っては緊張感の欠片も無い。

M「誰かとりあえず買い物袋を持って神社に戻ってくれ、頼む」

文「では私が。すぐに戻ります」

M「悪いな、ありがとう」

 

 

 

2頭の竜、そして後ろで不敵な笑みを浮かべている紫と向き合う。

M「行くぞ、2人とも!」

霊「言われなくても!」

魔「燃えて来たぜ!」

 

 

即座に別れて瑞生は金竜と、霊夢と魔理沙は銀竜と戦闘を行っていた。

 

2頭とも魔法も使うが主に近接戦闘が得意な様で。

 

霊「シールド……バッシュ!」

魔「ド近距離で!イリュージョンレーザー!」

 

霊夢は何と結界を自分の身に纏い突撃。怯んだ隙に魔理沙がレーザー。流石2人ナイス連携。

 

 

M「近距離で、勝てると思うなッ!」

イレイザーで敵の弾幕を斬り、打撃は剣で受け止めて戦っていく。

 

 

金竜銀竜共に強いモンスターではあるが、残念ながら相手が悪い。俺はともかく霊夢も魔理沙も強くなっているのだから。

 

霊「このお祓い棒は痛いわよッ!」

魔「魔符、スターダストレヴァリエ!」

 

霊夢が主に近距離で魔理沙が遠距離で、見た所結構ボコボコにしてる気がする。

 

M(負けてられないな)「旋墜斬(せんついざん)!」

空中で急降下し、勢いのままたたっ斬る。

 

ガードするも威力の高さから怯む。

当然ながらその隙は逃さない。

 

M「相手が竜なら!真剣、ドラゴン斬りッ!」

 

そして再び飛び上がり、一撃の元縦に一刀両断。

 

あっけなく金竜は息絶えた。

M「堕ちたな(確認)」

 

 

霊夢と魔理沙も、

霊「夢想封印!」

魔「マスタァースパァァーク!」

 

魔理沙発音すげぇ

 

 

2人の必殺に耐えられる筈も無く銀竜も堕ちた。

霊「この程度!」

魔「私達の敵じゃ無いぜ!」

 

文「あやや、戻って来たのは良いですけど全く手を貸す必要はありませんでしたね」

 

M「そうだ、紫!」

 

まだ彼女は居た。口元は扇子に隠されており表情が読み取れ無かった。

 

紫「貴方達の力を侮っていた様ね」

霊「何がしたいのよ、答えて!」

魔「変な事をしてるのなら止めるんだぜ!」

文「あまり、無理をなさらない方が自分の為になると思いますがね」

 

紫「ふふふ、あの程度貴方達をからかう様の駒でしか無いわ」

M(金竜銀竜を捨て駒扱いか……本当に紫は何を企んでいるんだ?)

 

紫「邪魔が入ったわね。また会いましょう瑞生」

M「あ、待ってくれ!」

その叫び虚しく彼女は境界と共に消え去った。

 

教えてくれるんじゃ無かったの?

 

M「ッ……もう分からねぇよ、何がどうなってるんだ?紫は何で俺を殺したいんだ?」

霊「瑞生……」

文「実際見てみたらかなりヤバめですね……」

魔「でもどうして紫の奴あんなの出せたんだ?」

 

M「……!」

そうだ、あの2頭の竜は妖怪じゃ無い。なのに紫の捨て駒扱いとなっていたのはおかしい。

 

M「何か、裏に居るんだろうな」

霊「紫はそれに従ってるの?」

M「俺は、従わされてると信じたい」

文「確かにあの大妖怪である紫さんが誰かに従うとは思えませんね」

M「そうだ。だから何があったのかをやっぱり聞き出さないと」

 

魔「私達も私達で頑張らないとな」

霊「えぇ、これは私達の問題でもあるわ」

 

 

 

 

 

それからというものの、紫がちょくちょく中々に強い魔物を連れて俺を襲ってきた。

が、紫はいつもモンスターが倒れたら帰って行った事からしてアイツは俺を本気で殺そうとしているのだろうか?なんて思ってしまうが自分の中でまだ忘れられない出来事、トラウマになってしまったあの夜が鮮明に思い出せる。あの時の紫は何を考えて俺の首を絞めていたのだろうか。

 

 

 

 

日は変わり、

 

M「ふぅむ」

妹紅「まだまだだね」

慧音「こんな危険な魔物が居るとはな……」

本日はキングベヒーモス。妹紅と慧音と竹林にてエンゲージ。

M・M「エンゲージとは、ただの戦闘です」

気になる方はFFTAで調べて、どうぞ。

 

 

日に日に激しさを増す戦闘。もう既に人里等にもそれなりの被害が出ている。

 

 

M「もうこの時点で異変って言っても違いないと思うんだがな」

慧「確かに……このまま危険な魔物が出続けるとなると幻想郷自体のピンチになりかねない」

妹紅「誰よりも幻想郷を愛しているアイツが、まさか自分の手でピンチに晒す事になるとはな、皮肉なものだな」

 

M「……」

妹紅「あ、ごめん瑞生……」

M「気にするな」

慧「しかし、どうすれば良いだろうか」

M「このままだと確かに被害が増え続けるだけだしな……」

 

相手の狙いは俺。

M(だったら……)

 

妹紅「瑞生、1つ聞く。1人でやろうとか考えてたりしたらとりあえずぶっ飛ばす」

M「まだ何も言ってないだろ」

慧「言わずとも分かる」

妹紅「顔に出やすいからな、お前」

M「……まぁそれは最終手段として」

慧「最終手段でも駄目だ」

M「えぇ……」

妹紅「私達全員と約束しただろ、私達もお前も1人で抱え込まないって」

 

M「……分かったよ」

 

約束は約束だ。

 

……なんて綺麗事を言っていられる状況じゃ無い事は分かっている。

 

その夜、 俺はただ眠れなかったからまた1人で神社の上に居た。

別に約束を破るつもりは無いが、こればかりはしょうがないと思って欲しい。

 

 

 

紫「……」

まぁ1人で居たらそりゃ来ますよね。

 

M「……場所を移すか。ここだと霊夢が起きるかもしれないからな」

 

紫は何も言わずに着いて来た。一応怖いので幾らか間隔開けて飛ぶ。

 

着いたのはあの夜襲われたいつもの場所。

 

紫「どういうつもり?私は貴方を殺そうとしてるのよ?なのにわざわざ2人きりにするなんて」

M「だから、しようって事だよ……殺し合い」

紫「……!」

 

M「ちょっかい出してくるなんて面倒な事しなくてさ、堂々と来いよ……誰も呼んでないし来ないだろ。殺したいんだろ?俺をさ」

 

まぁ霊夢とかが起きてこなければの話だけど。

 

 

紫「……後悔するわよ」

M「返り討ちにしてやるさ」

紫「その口、すぐに閉じさせてやるわ!」

M「来いッ!」




M「ちょっと展開がゴリゴリ過ぎな気がするが」
M・M「ごめんちゃい」
M「オリジナルって事はあれか?ラスボスは……」
M・M「ウイッス、既にラスボスは何処から出演させるか決めておりますのでそいつをリメイクして登場させようかなと」
M「まぁただ出すだけでは少々オリジナル感は出ないからな」
M・M「そういう事。まぁいよいよ始まった最後の異変、皆の活躍にご期待を!」
M「では諸君、サラバダー」












てゅわぁぁぁぁ忘れてたぁぁー……。

魔「は?UDK?何の話だぜ?」
アリス「チョコブラウニー食べる?え、魔理沙との気持ちは壊れてないかって?」
萃香「かしこまりっ☆」
霊「アンタね、予定てんこ盛りじゃ無かったの?」

M「4人とも何言ってんだ?」
M・M「申クN」

これだけッス。
M「申クN(大事な事なのでもう一度)」


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-VS八雲ファミリー 現れし全ての元凶-

どうも。完璧に暑さで頭がラリってるM・Mです。ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
2月にこの小説を書き始めて(何十話かはそれより前に書いていましたが)はや5ヶ月、いよいよラスト編に入ろうとしています。

遂に現れた黒幕に瑞生はどうするのか。

では、どうぞ。


八雲 紫。

幻想郷の創始者の1人であり、境界を自由自在に操り、更にあまりにも強大な力を持つ。

 

そう、俺は紫とそれなりの時間を過ごしたがコイツの本気というものは見た事が無い。

 

M「……遠慮はしないぜ」

(というかそんな事出来る余裕は)ないです。

 

紫「………結局、私の手で殺す事になるとはね。素直に魔物達に殺されておけば良かったものを」

M「ふざけるな。お前……本当にどうしちまったんだ?俺に何がある?教えてくれよ!」

 

紫「だから前に言ったじゃない……貴方はこの世界に存在してはいけないのよ!」

M「は?どういう事だよ?」

紫「貴方が居ると……この世界が死ぬのよ!」

M「幻想郷が、死ぬ……?」

紫「ッ……良いわ、死にたいなら私の力見せてあげる。貴方が相手なら私も自分を抑えなくて良いから」

 

 

その時。

M「!!!」

今までに感じたことの無い妖力がその場を包み込んだ。これが紫の力というのか。

 

紫「勘違いしない事ね。これはあくまで少し私の妖力の限界を解いただけだから」

M「……へぇ、そりゃ凄い」

 

紫「はぁッ!」

更に何段階ほど力を解放した彼女は、

紫「待たせてごめんなさい、やりましょう」

M「…………」

 

何も言わずに、彼はゼロを纏いゼットセイバーを携えた。コチラを鋭い目で見ている。

 

紫「でも瑞生、1つ良い事を教えてあげる」

M「……何だ?」

 

 

紫「正々堂々とは言っても、私は知らないわよ?出でよ、藍、橙!」

M「なっ……!」

 

紫の傍に藍と橙が現れた。

 

藍「…………」

橙「…………」

 

M「藍、橙……」

藍「……ッ」

橙「……瑞生様、ごめんなさい」

 

紫「行くわよ2人とも。分かってるわね?」

藍&橙「……はい」

 

M「…………」

 

初めから彼は二刀流になっている事からしてそれなりに本気という事だろう。

 

 

そして、ただ静かに、悲しき戦いの火蓋は切って落とされてしまった。

 

M「ギガブレイク!」

紫「……」

橙「わわっ!」

藍「!」

 

まさか初段が奥義技とは驚いた。

でもこの技を何度も見ている紫は軽々と回避した。橙も藍も何だかんだで。

 

 

M「来いよ」

その言葉に、

紫「ダークフォース!」

藍「行くぞ、橙」

橙「はい!」

 

橙「天符、天仙鳴動(てんせんめいどう)!」

藍「朧月夜(おぼろづきよ)!」

 

紫は魔法で遠距離、藍と橙はどうやら近距離で挑んでくるらしい。

 

M「守護氷槍陣!シャドーダイブ!」

紫の闇魔法と橙のスペカを守護方陣で防ぎ、藍の技は回避。

 

M「ウンディーネ、セイントバブル!」

自分の技を巧みに使い分け、更に藍と橙の弱点である水属性攻撃。

上手くいっているが忘れてはいけない、倒すべき人物はあくまで紫だ。

 

M「そこっ!」

魔法を撃とうとしている紫にチャージショットを放つ。が、

紫「甘いわ、円月傘(えんげつうん)

 

彼女の傘で弾かれる。あれーおかしいね、普通に威力高い俺のチャージショットが何で軽々と傘に弾かれるの?

 

橙「フレイムバイト!」

その隙に巨大な化け猫と化した橙が牙に炎を纏い噛み付いてくる。

 

M「くっ、氷月翔閃(ひょうげうしょうせん)!」

藍「橙に構っている場合ですか?」

M「!」

藍「超人、飛翔役小角(ひしょうえんのおづぬ)!」

 

そこへ藍が突撃し、ぶん殴ってからの回転攻撃。

 

M「チッ……やはり分が悪いか」

 

ここは頭数を減らす事を考えよう。多少無理をしてでも藍か橙かどちからを落とせば楽にはなる筈。

 

最初に落とすなら、やはり橙か。

 

M「紅蓮剣!」

藍「橙、避けろ!」

橙「大丈夫です!」

 

M「大丈夫じゃ無いんだよな、これが」

橙「!?」

何故か避けた先に彼が居た。

 

藍「橙!!!」

M「葬刃(そうじん)!」

 

橙「うっ……あっ……」

M「ごめんな、橙」

 

意識が途切れる前に聞こえた彼の声は、いつも紫様と仲良く話していた時の声。自分や藍に優しく接していくれていた時の声。

 

橙(紫様を、どうか……)

 

先程から紫は何もしてこないが、どうしたのだろうか。嫌な予感しかしない。

 

藍「橙!そんな……」

紫「……」(橙はまだまだ未熟とはいえ藍の式神。化け猫だというのにそれを一撃で戦闘不能にするとは……どうなってるのかしら)

 

藍「瑞生様……例え貴方でも、許さない!」

 

伝説の妖怪、九尾の狐としての本気を出して彼を睨む。今の私からは恐ろしい覇気が出ていただろう。通常の人なら恐怖で気絶してしまう程に。

 

が、

M「藍……」

彼は怯える所か自分を悲しげな瞳で見つめていた。彼が何を思っていたのかは分からないが、その態度が私を激昂させたのだった。

 

そう、殺意を抱いた。

藍「式輝、狐狸妖怪レーザー!」

M「そんなもの!」

 

一応スペカだからそんな簡単に回避出来る筈が無いのだが。改めて戦ってみると彼の化け物じみた能力が良く分かる。

藍(スペカは真正面からじゃ当たらない……なら!)「不撓邁進(ふとうまいしん)!!」

 

M「!!」

超高速で突進。しかし彼はどのような技かを見極めたのかギリギリで避けた。

 

M「……あっぶねぇ」

藍「小細工はしません、私の妖怪としての力を貴方に見せます」

M「藍……戦う意味なんて」

藍「紫様がどうこうでは無く、橙を倒した私はただ貴方を許さない。それだけです」

M「……分かった、なら俺も戦おう」

藍「いざ勝負!」

 

M(ところで藍ってどんな戦い方をするんだ……?格闘か?射撃か?)

A.どっちも。

 

藍「殺牙!刀輝(とうき)!」

鋭い蹴りからの謎の一閃。

 

M(今のは……?)

良く見たら彼女の両手には短剣みたいな物が握られていた。

 

藍「自分の中に巡る気を短刀に具現化しただけです。貴方なら分かるでしょう?」

M「そんな事出来るのか……」

藍「あまり剣技は得意では無いが……近距離ならば私であろうとも!」

 

素早いヒット&アウェイ。伝説の妖怪の名は流石といった所か、強い。

 

けれど、

M「近距離なら……負けられないって言ってるだろッ!」

 

激しい戦闘を横目に紫はギスギスと胸が痛んだ。

 

当然ながら2人にも大反対された。だが彼女達の主は誰かと言われればどうしようも無いのだ。

 

M「魔神拳!魔王地顎陣(まおうちがくじん)!」

藍「ツッ!」

 

紫(無理よ……藍が強いのは私が誰よりも知ってるけど、瑞生が強い事も私は誰よりも知ってる自信がある)

 

M「双牙斬!月華斬光閃(げっかざんこうせん)!」

藍「くあッ!」

M(防御破壊(ガードブレイク)!)

 

強い。そんな事は分かってはいたが強い。その一撃はまさしく蝶の様に舞い蜂の様に刺す。

一撃が非常に速いのに重い。

 

 

藍(この人は……この人なら……紫様を)

M「決める……神速の斬り、見切れるか!閃覇瞬連刃!!!勝てない勝負はするもんじゃないぜ」

 

全くもってその通りだと思いました(by藍)

 

藍「瑞生様、どうか紫様を……助けて」

M「……最初からそのつもりさ」

 

 

 

 

さてさて。

M「終わったぜ、続きをどうぞ」

紫「流石ね」

M「……紫、誰が裏に居る?」

紫「何の事かしら?」

M「誰に命じられてこんな事をやってる?」

紫「……」

M「だんまりか。言えない事なら……聞き出すしか無いな」

 

彼女に剣など向けたくない。けれど、そんな甘い覚悟だと守れない物が沢山あるから。

 

 

???「その必要は無い」

M「!?」

紫「え……」

 

謎の人型の何かが現れた。

 

M「成程ね、黒幕はお前か」

紫「何で出て来たのよ!」

???「あまりにも手間取り過ぎだ、コイツを殺さなければこの世界に平和は無いぞ?」

紫「ッ………」

 

M「……どういう事だよ」

???「説明しなくとも自分で分かっているだろう?如月 瑞生」

 

M「……俺の存在自体が、そういう事なんだな」

???「ついでに私を呼び出したのもお前だぞ」

M「だろうな、何となくそうだと思った」

???「我の名は」M「言わなくたって分かるさ、永遠の闇さんよ」

???「……何故知っている?」

M「それを知る必要は無いな、俺を始末するのが目的なんだろ?」

永遠の闇(以後永闇)「……」

M「やるなら来いよ、戦うんだろ?」

 

永闇「消耗している相手と戦っても何も面白くないだろう?ジワジワと苦しめるのが一番だ」

M(とんでもない変態だなコイツ……ていうか永遠の闇って人型だったのか?ペ〇シマンみたいな奴じゃ無かったっけ?)

 

永闇「次会う時がこの世界にとっての終焉(ラグナロク)にならなかったら良いがな」

 

そう言って、奴は暗闇の中へ消えて行った。

 

紫も、藍と橙を連れて暗闇の中へ。

 

 

M「クソッ……俺は、どうすれば……」

 

1人その場にひざまづき、嘆く。

その答えは自分で見つけるしか無い。

 

 

M(帰らないと……)

何も置き手紙も何もしてないので朝に怒られるのは勘弁して欲しいので、消耗して疲れている体を叩き起してノロノロと帰る。

 

 

次の朝、何食わぬ顔で霊夢と接すればOKだろう。

霊「昨日の夜、何してたの」

 

……ダメみたいですね。

まぁ隠すつもりは無かったから良いか。

 

M「実はな……」

青年説明中……

 

霊「やっぱり……紫はもう敵なのね」

M「でも、恐らく本意でやっている事ではない筈だ。永遠の闇……アイツを倒すしか無いな」

霊「紫を、助けなきゃ」

M「あぁ。アイツが居なきゃ、幻想郷は成り立たないからな」

 

霊「次に色々引き連れてやって来るんでしょ?だったら返り討ちにするまでよ。私達の力見せてやりましょ」

M「……あぁ」

霊(言われた事、気にしてるのね……)

 

 

 

 

しばらくして。何とビックリ、博麗神社には今まで俺が出逢った人物(色々含めて)が全員集合していた。

M「こりゃ凄い、皆ありがとう」

妖「瑞生さんの人脈ですよ」

聖「お互い様です」

M「……何か照れるな」

 

 

レミ「つまり、次やって来た時が最終決戦って事ね。分かりやすくて良いわ」

さとり「幻想郷は、私達で守りましょう」

チルノ「永遠の何が知らないけどアタイ達に喧嘩売った事を後悔させてやるわ!」

幽香「変わらずボコボコにするだけよ」

 

M「気合十分だな、心強い」

 

そう、皆とても強くなった。と言うのも異変を沢山経験した彼女達だからこそ言えるのだろう。

 

後は俺の覚悟だけだ。

M(俺も、頑張らないと)

必然的に俺が奴と戦う事になるだろう。

霊「……瑞生、」

M「え?」

霊「昨日の話はノーカンとして、もう勝手に1人で何処かに行って無茶はしないで。例え瑞生がどんな存在だろうと……私達は貴方の味方だからね」

 

 

M「……」

そうだ、あの時の約束を忘れはしない。

 

M「ありがとう」

こんな事を言ってくれる仲間が居てくれる事が俺はとても幸せだ。

 

 

そう。俺の成すべき事は皆と共に幻想郷を守り、紫を助けてみせる事。

相手が永遠の闇なら、コチラは光を見せつけてやれば良い。

 

M(待ってろ、紫……)

 

最終決戦の時はすぐ側に来ていた。




M・M「今回は導入編という事で少なめでお送り致しました」
M「FF8と来てFF9のラスボスと来たか」
M・M「瑞生の力が光と闇って事で、永遠の闇ってのはラスボスには良いんじゃないかなと」
M「オリジナルで原型を留めない予感」
M・M「それは……まぁ、多少はね?」
M「最終編あく書け、夏休みはすぐそこだぞ」
M・M「承知ッ( ̄^ ̄ゞ」










M「ん?」
M・M「次回予告!」(デッデッデッデデッデッデン)
M(何か始まったな……エヴァかな?)
M・M「信じる、それだけで超えられない物はない」
きっとそうなる事を「信じて」瑞生達の最終決戦が始まる!自分の存在に迷いながらも皆の為に、これが最後になる様に、瑞生はゼットセイバーを握る。

永遠の闇を倒せるのか、紫を救い出す事が出来るのか。

いざ次回!「瑞生と光と闇と幻想郷」
お待ち下さい!」

M「(変に凝った次回予告いら)ないです」
M・M「いる……いらなくない?」
M「良いから次を書けェ」
M・M「かしこまり!」

終わります。


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-幻想郷防衛 激しい戦闘(前編)-

どうも。
夏休みまで目と鼻の先、しかしもうHPが無い瀕死状態のM・Mです。

全部書き切るって言ったけどごめんなさい、書き切る(大嘘)になりそうです。
ちゃんと書くから皆様許して!

幻想郷を守る為に少女達の激闘が始まる……!

では、どうぞ。


永遠の闇。誰かさんの強大な魔力と憎しみ、恐怖等様々な負の感情が召喚した存在。

 

こらそこペプシマンとか言わない

こらそこ原作の仕様上雑魚となるとか言わない

 

 

何があったかは全て後の戦いで分かるとして、さぁ遂に最後の異変が始まります。

 

 

本編。

 

本当にいつもこういう奴っていきなり来る。

M「唐突だよなぁ」

 

朝起きたら空が暗い。空気が悪い。

 

何も言わなくてもしばらくすると博麗神社には昨日集まった皆が集合していた。

 

霊「時は来たわね」

魔「いよいよだな。どーんと来いっ!」

霊「とか言って突っ込まないでよ」

魔「わ、分かってるんだぜ……」

霊「どうだか……」

チルノ「何が来ようたってアタイが居れば大丈夫!アタイはさいきょーなんだから!」

ルーミア「何となく似てる同士、負けられないのだー食べてやるー」

サニー「私達も忘れるんじゃ無いわよ!」

スター「と言ってもお留守番だけどね」

ルナ「魔法の森から紅魔館とか結構広い部分の警備、何か現れたらすぐに知らせる事だったよね」

サニー「妖精の中でもガチで戦うのはチルノだけだしね。リグルとかみすちーとか私達はあまり戦えないし……」

ルナ「これだってとても大事な役割だって瑞生も言ってたし、私達は私達で頑張るだけよ」

スター「えぇ、やる事はきっちりやるわ」

 

 

パチェ「面倒だけど、今の幻想郷が変えられたらたまったもんじゃ無いわ」

こあ「私も、微力ながら頑張ります!」

レミ「やるしか無ければ、やるだけよ」

フラン「それ兄様の受け売り?」

レミ「ち、違うわっ///」

美鈴「紅魔館一同、ファイアー!」

咲「そんな何処ぞの1家みたいな事しないわよ」

美鈴「むー、ノリが悪いですよ咲夜さん」

咲「刺されたい?」

美鈴「( 'ω')ヒェッ」

 

 

妖「我が剣、幻想郷を守る為に……!」

幽「あまり気負ってはダメよ、妖夢」

妖「大丈夫です」

レティ「冬がどうこうの問題より幻想郷が滅茶苦茶になられるのは困るわね」

アリス「魔理沙が無理しないかちゃんと見ておかないと……」

リリー「私も、皆さんの援護位やってみせます」

リリカ「永遠の闇か何だか知らないけど」

メル「私達の音楽(物理)で倒すまで!」

ルナサ「あまりガンガン行くのもダメ。でも意気消沈する位なら強気な方が良いわね」

 

 

リグル「ボク達は下がっていてもどうせチルノの突撃に巻き込まれそう……」

ミス「確かに。そんな未来が見えちゃう」

慧「安心しろ、生徒はちゃんと私が守る」

妹紅「じゃあ私は慧音を守ろうかな」

慧「へ、変な事を言わないでくれ///」

輝「全く、面倒事ばっかりねぇ」

永「では輝夜様は永琳亭で寝ていて下さい」

輝「じょ、冗談だから置いてかないで~」

鈴仙「私達も頑張りましょう!」

てゐ「何処かで離脱するか……」

鈴仙「て~ゐ~?」

てゐ「冗談!私も冗談です!」

永「どうせ瑞生は無茶する事は分かりきっているんだから。私が居ないとね」

てゐ「お師匠ヤンデレ説」

永「鈴仙、埋めといて良いわよ」

てゐ「ま、埋葬は勘弁して下さい!」

輝「相変わらずのテンションよね……」

 

 

萃香「鬼としてのプライドが無い訳じゃない。難しい事は無い、自分達の世界は自分達で守るだけさ……私何かカッコいい」

 

 

早苗「奇跡の力、いざ見せます!」

神奈「良く言った早苗!」

諏訪「強く(たくま)しく育ったねぇ、後こっちも」

早苗「ひゃ!どこ触ってるんですか諏訪子様!」

諏訪「う~んこりゃ病み付きなるわ」

神奈「諏訪子……歪みない」

にとり「私の機械が大活躍時だね、これは」

雛「途中で故障しなければ良いけど」

 

 

幽香「メディスン、貴女は夢幻舘に居なさい。くるみとエリーが居るから」

メデ「うん……気を付けてね」

文「全力でこの事件、スクープにするわ!こんな巨大なスクープをゲット出来たらまたもや人気上がるの間違いなし!」

椛「不純な動機で異変に挑まないで下さい」

はたて「アンタも歪みないわね……」

文「必ず幻想郷は守ってみせます。私だってそれなり長く生きていますからこの世界に愛着があるし、大切な人達が居る世界を壊させたりなんかしません」

 

椛(せ、先輩がカッコいい……)

はたて「何アンタらしくない事言ってるのよ」

文「って新聞に書いとけば……」

 

椛&はたて(やっぱり……)

 

四季「私達も全力を尽くすのみですね」

小町「ですね。このまま闇の世界になったら恐らく大量に死人が出るから仕事が増えますからね」

四季(小町も意外と考えてるのね……)

小町「面倒くさいですし」

四季(やっぱり小町は小町ですね)

 

 

天子「この私に喧嘩売ろう等数万年早いわ!」

衣玖「はいはい、頑張りましょうね」

天子「軽くあしらわれた!?」

衣玖「皆様の為にも、この世界の為にも私達も全力で挑みましょう」

天子「えぇ。こうなったら紫を助けて大きな借りを作ってやるわ」

 

 

こいし「いざ、地中組参る!」

さとり「こいし、恥ずかしい事しないで///」

燐「これ位の気合があった方が良いですよ♪」

空「私も頑張る~」

キスメ「平穏な日々が一番……」

ヤマメ「そう思うなら戦わないとね」

勇義「私達を舐めてかかった事はしっかりと後悔させてやらないとね」

パル「勝手に侵攻して来て勝手に物ごと言って……妬まし過ぎるわ」

こいし「瑞生の為にも、頑張らなきゃ!」

さとり「そうですね」(今ここで、彼には色んな事の恩返しがしたい)

こいし「恩返しがしたいんだね」

さとり「なっ///何で分かったの!?」

こいし「お姉ちゃんの妹だから」

さとり「う、嘘……」

こいし「嘘だよ」

さとり「こーいーしー!」

燐「賑やかだなぁ……」

空「そうだねー」

 

 

聖「紫さん、貴女はいつかの私の様です」

星「白蓮……」

聖「そして私と同じ道を歩み全てを失おうとしている。それだけはさせません」

ナズ「まだ間に合う筈だ。彼女の説得はきっと瑞生がやってくれる」

一輪「私達はそれを信じて、彼の道を切り拓くまでです。こうなれば総力戦ですね」

村紗「皆で話し合った結果、聖輦船を拠点に戦う事になった。瑞生さんが主に前線の戦闘指揮はやってくれるみたいだけど船からの指揮は香霖さんと小鈴さんと友人である稗田(ひえだの) 阿求(あきゅう)さんが協力してくれるそうです」

マミ「それは心強いのぅ」

てぬ「面倒事は任せて、敵陣にガンガン攻めるまでよ!」

神子「では私達はそれに着いて行くので宜しくお願いしますね」

ぬえ「なっ!」

小傘「大丈夫、ちゃんと皆で行くよ」

ぬえ「冗談キツイよ……」

神子「この剣に懸けて、第2のホームを破壊等させないわ。相手が相手だけに本気で行く」

布都「我等も力を惜しまん!」

蘇我「空ぶるなよ」

布都「やかましいわ!」

 

聖「一応墓地と命蓮寺の方に響子さん、芳香さん、霍さんが控えてくれています」

星「後は私達も、やるべき事をやるだけですね」

聖「戦いましょう、私達ならきっとやれます」

 

 

 

M「皆、超強気だな。と言うか皆緊張感の欠片も無いな……マイペース過ぎるだろ」

霊「貴方には言われたくないと思うけど?」

M「でもまぁ皆それだけ精神面においても強くなったって事なんだな」

霊「そう。オドオドしてるのは瑞生だけよ」

M「オドオドなんてして無いさ」

霊「なら良いけど」

M「俺も、俺の成すべき事を。紫を絶対に救い出してみせるさ」

霊「きっと、私達の声はまだ届くわ。紫の心に」

M「あぁ。俺がちゃんと伝える」

 

 

 

 

そう、決戦前の会話だった。

 

 

 

聖輦船、艦橋(ブリッジ)にて

 

M「さて、皆分かってると思うけど目的は永遠の闇の撃破。そして紫を助ける事だ」

香霖「当たり前だけど相手はとんでもない数の敵を引き連れてやって来るだろう」

小鈴「それを見越しての分担をして、皆さんも理解していると思います」

阿求「それでも敵は伝説級の魔物もゴロゴロ出てくるでしょう。そこは皆様の力次第です」

M「皆なら大丈夫だって信じてるから俺は安心して背中は任せる。だから頼む」

 

何も言わずに、その場の全員が頷いた。

 

M「ありがとう。今こんな事を言うべきじゃないけど……俺はこの世界に居られて幸せだった。だからこの世界の為に消えるだなんてもう言わない、責任を感じていない訳じゃ無いけど自分が呼び寄せてしまったのは事実だから俺自身で決着は着ける」

香霖「瑞生、それを分かってるからこうしてこの場に居る皆は着いて来てくれたんだろう」

M「……そうだな、変な事言ってごめんな。まぁ頑張ろうぜ!俺達なら負けないさ」

 

 

そして。

村紗「来ました!幻想郷の至る所に境界が現れて(おびただ)しい魔物が出て来ます!」

慧「そう言えば、人里は大丈夫だろうか……」

M「あそこの連中には悪いけど、召喚獣の力で皆眠らせてる。人里自体はまた俺の召喚獣が守ってるから堕ちる事は絶対に無い筈だ」

慧「非常自体だし、仕方が無いか」

 

 

M「香霖達、後は頼むぜ」

香霖「任せてくれ」

小鈴「きっちり皆さんを導きます」

阿求「どうか、ご無事で」

 

 

 

皆の方を振り向き、

M「さてさて、行きますか!」

 

 

船の外に出て、

M「ここからはそれぞれ各自の持ち場を頼む。俺から何かあったらテレパシーで伝えるから。後言うならば……全員必ず死ぬなよ。えらく冷えた空気になってしまってるけど本来ならば7月、夏なんだよな。だから皆で勝って夏を楽しもうぜ」

 

皆やれやれ、という空気になりながらも内心は少しホッとした奴も居るだろう。

 

霊「死ぬなって言ったけどそれ1番瑞生が言われる事だと思うのだけど?」

M「ご最もで。そんな事は後に考えれば良いか……皆幸運を祈る!以上!」

 

 

最終決戦が今、始まる。

M「行くぞ!」

 

皆それぞれの場所へと飛び立った。

 

 

 

 

 

 

M「さてさて……」

紫とラスボス(永遠の闇)が何処に居るのかは分からないが、すぐに分かるだろう。

 

 

皆が戦ってる間に俺は元凶の元にいち早く向かい、全てを終わらせる。

逆を言えば俺が早くしないと皆が危ない訳だ。

 

 

とにかく動こう。今ジッとしているのは良くないし何も変わらない。

 

M・M「やって来ました恒例の戦闘一気に行きますタイム!」

 

 

~博麗神社周辺~

霊「本当に、何て数なのよ!」

魔「倒しても倒してもうじゃうじゃ出て来るんだぜ……キリが無い!」

アリス「魔理沙、余所見しないで!」

パチェ「ちょっと威力高めなの行くわよ、詠唱長めだから詠唱中守って!」

美鈴「任せて下さい!」

パチェ「聖なる意思よ、我に仇為す敵を討て! ディバインセイバー!!!」

 

敵陣を中心に巨大な魔法陣が現れ、稲妻が襲う。上級魔法である。

パチェ「続いてこあ!貴女の魔力を貸しなさい」

こあ「はい!」

 

パチェ「集え暗き炎よ、宴の客を戦慄の歌で迎えもて成せ……」

こあ「仇なす者達を黄泉へ誘わん!」

 

当然ながら詠唱を邪魔しようと突っ込んで来る。まぁ当たり前と言えば当たり前なのだが、

 

霊「はいはい邪魔しない!」

アリス「行って、上海!それと蓬莱、パチュリー達の援護に回って!」

上海「シャーンハーイ!」

蓬莱「ホウラーイ!」

 

美鈴「烈火、旋風拳!」

霊「陰陽玉!」

魔「風よ斬り裂け!エアスラスト!」

 

アリス「詠唱はまだなの!?」

パチェ「行けるわ、こあ!せーの!」

パチェ&こあ「ブラッディハウリング!」

強力無慈悲な闇が敵陣をまた蹴散らしていく。

 

 

それでも、敵は幾らでも現れる。

 

霊「まだまだね……」

美鈴「向こうは大丈夫でしょうか……」

 

 

 

 

~魔法の森、紅魔館周辺にて~

レミ「あぁもう鬱陶しい……月牙!絶影!」

華麗な槍と脚さばきである。

 

咲「ヒュプノスハント!マジェスティックソード……確かに数が圧倒的ですね!」

フラン「爆炎剣!インフェルノブレード!」

チルノ「ブリザード!アイシクル!」

フラン「チルノ後ろ!」

チルノ「わっ!?」

 

チルノの後ろから突然ケルベロスが。

チルノ(大丈夫……アタイならやれる!)

「来なさいよ、このワンコ!」

 

ワンコ呼ばわりは流石に怒ったのかチルノに一直線に向かって行く。

チルノ(まずは追撃……瑞生から教えて貰ったあの技で!)

 

M「良いか、この技は相手の動きをちゃんと見て打つんだぞ」

そう教えられた。

 

チルノ(相手が攻撃してくる瞬間……今!)

「クルエルアズール!」

 

相手が噛み付こうとした瞬間に瑞生の十八番であり教えて貰った技で追撃。

チルノ「続いて、アイシクルエッジ!」

 

氷の短刀で連続で斬り刻む。

 

チルノ「締めの、コールドブレイズ!」

トドメは相手を絶氷の中へ閉じ込める。

 

 

フラン「チルノやるじゃーん!」

チルノ「へっへーん」

 

レミ「調子に乗らないの!ドンドン来るわよ!」

 

ルーミア「えぇい……うっとうしんじゃー!なんちゃらの闇ってのに本当の闇を見せてやるー!」

チルノ「え、ちょっとルーミア!?」

 

ルーミア「これで終わりだよ!黄昏に誘われし者を黒に染め上げて……ブラックホール!!!」

 

ルーミア渾身のブラックホールに為す術も無く無数の敵が飲み込まれていく。

 

レミ「やるじゃない」

 

だが飲み込まれた分だけまた境界から敵が現れる。全く減る気配は無さそうだ。

 

レミ「全く……しつこいのは嫌いよッ!」

咲「お嬢様、どうどう」

 

チルノ「待って!この魔力は何!?」

ルーミア「アイツだ、詠唱してる!」

レミ「何ですって!?」

咲「マズいッ……!」

 

 

妨害しようにも遅く、唱えられたのはエクスプロードである。

 

だが、

大「フォースフィールド!」

 

大ちゃんの防御魔法により防がれた。

チルノ「大ちゃん!助かったわ」

大「私達は前線で戦えないから、せめて援護するね……頑張って!ナース!」

サニー「太陽が無いからあまり強くは出来ないけど……私も!アグリゲットシャープ!」

スター「マイティガード!」

ルナ「プロテガ!シェルガ!」

 

レミ「傷が回復したわね」

ルーミア「皆ありがとー」

チルノ「体が軽くなったわ」

咲「紅魔館は他の妖精達に任せて私達は防衛に集中しましょう」

フラン「頑張らないとね……!」

 

大ちゃん最強ヒーラー説。

 

 

 

 

 

場面は変わって妖怪の山、守矢神社。

文「ここまでの数の敵は流石の私も生きてきた内で初めてですね!」

はたて「ちょっと文余所見しないで!」

椛「先輩方、また来ます!」

 

天狗も鴉も総動員しての総力戦。

だが敵の数が異常なまでに多過ぎる。

 

文「本当に冗談キツイ多さよねぇ……」

文も苦笑いしていた。

 

 

諏訪「いやぁこれは骨が折れそうだ」

神奈「沢山戦争を経験してきたけどこれ程までの数は見た事無いよ」

早苗「それでも私達は、成すべき事を成すだけです!瑞生さんを信じて……あの人なら奇跡を起こしてくれますから」

 

 

文「ちょっくら一気に殲滅させて貰うよ……はたて、2人でやるわよ!」

はたて「そうね……その方が良さそうだしね!」

椛「詠唱中はお任せ下さい!」

 

椛は詠唱中に襲い掛かる敵を斬り裂いて行く。

椛「絶風刃!絶対に先輩方の方には行かせない!

ただで済むと思うな!裂衝(れっしょう)蒼破塵(そうはじん)!!!」

 

それでも無数に湧いてくる敵に、

椛「くっ……」

 

少し倦怠感を感じるが、

早苗「ホーミングアミュレット!」

諏訪「一気に行くよー!狂気と強欲の水流、旋嵐(せんらん)の如く逆巻く!タイダルウェイブ!」

 

早苗「今です、神奈子様!」

神奈「目標確認……狙い撃つ!ツインバスターライフル!!!」

 

諏訪子の上級魔法、そして神奈子の凄まじい威力と範囲の砲弾が撃ち込まれた。

 

椛「皆さん」

早苗「大丈夫、私達が居ます!」

諏訪「背中は任せてね」

神奈「やりたい様に戦いなよ」

 

椛「……はい!」

 

そして、

文「いっきまーす!」

はたて「詠唱待たせたわね!」

 

文「始めるわよ!来たれ、生誕の雷!怒れ、創生の大地!」

はたて「再誕誘う終局の雷!」

 

文&はたて「リバース……クルセイダー!!!」

 

その時妖怪の山が燃え尽きそうな位の巨大な雷が降り注いだ。燃え尽きないけど

 

その場に居る敵は文字通り殲滅された。が、

 

文「あやや……」

はたて「嘘でしょ……」

椛「あれだけ倒したのに!?」

早苗「まだまだ出て来ますね……!」

諏訪「面白いじゃない、そっちがその気なら!」

神奈「神様の名において戦うまでさ!」

 

 

 

続いて無名の丘。コチラは敵は多い方である為少し多めのメンバーで迎え撃つ。

 

幽香「絶対に花には手を出させないわよ!」

雛「こんな美しい景色を確かに崩したくは無いわね。私も頑張るわ」

にとり「なるべく空中戦かぁ、バーニアは持つかな?持って来れる分のエネルギーはあるから後は全力を出し切るのみだね」

小町「さてさて、たまには本気で頑張りますか」

四季「いつもそうだと良いのだけれど」

小町「まぁまぁ……話はこれ位にして、一気に行きますよ!」

四季「言われなくとも!」

萃香「まぁ死にたい奴から来れば良いよ。出し惜しみ無く戦ってあげるから」

 

 

前線は小町と萃香。前衛と中衛の間位に幽香がおり、にとりと雛は中衛。後は後衛としてバンバン弾幕を撃つ。

 

にとり「いきなりだけどぶっ放つよ!いっけぇぇぇぇ!ハイメガランチャー!!!」

 

にとりの砲台から放たれた蒼き光が瞬く間に敵を消し去っていく。

雛「厄を見せてあげるわ、黒の衝撃!」

 

雛の出した厄は敵全体へと広がり、敵に激しい倦怠感を与え、士気が下がり全体的に戦力ダウン。ある者は気絶する者も。

 

四季「皆さん頑張って下さい、マバリア!」

 

小町「四季様のマバリアは心強いなっと。さて、道を開いて貰った訳だしちょっくら行きますか!」

萃香「だね。さぁ覚悟しなよ!」

 

幽香「後ろは任せなさい」

小町「感謝するよ」

萃香「だったら好きなだけ暴れるまでさ!」

 

小町は霊気を纏った鎌でどんどん斬り裂き、萃香は容赦なく拳術で蹴散らしていく。

 

小町「私の姿を見た時がお前達の最期さ、運が悪かったね!冥王の鎌!」

小町が一瞬で敵陣を斬り抜けた後その場に残る敵は居なかった。

 

萃香「連続拳!メテオストライク!鳳凰の舞!」

萃香も敵をちぎっては投げといった感じで殲滅していく。その威圧感はまさしく鬼そのもの。

 

にとり「マルチトーレスミサイル、発射!」

敵を追尾し広範囲に爆発するにとりのミサイルは火力も範囲も申し分ない。

 

雛「私に出会ってしまった不運を嘆きなさい……厄符、バッドフォーチュン!」

四季「彷徨える者達に終焉の判決を下します!審判、ラストジャッジメント!」

 

雛と四季様のスペカも炸裂し、戦いの激しさはドンドン増していく。

 

幽香「さて、私もやらないとね」

傘で攻撃を防ぎ、そして傘で敵を叩き落とし、いきなり加速したと思ったら腹パン等の格闘技で戦い始める。

幽香「ふふふふふ、私に敵うと思って?絶望を見せてあげる……バーサク!避けられるものなら避けてみなさい、フラワーガトリング!」

 

何と自分自身を狂戦士(バーサーカー)にして本能のままに弾幕をぶっ放つ。やっぱり戦闘狂じゃないか(呆れ)

 

そして、

幽香「アッハッハ……全部破壊してやるわ!カタストロフィ!!!」

 

幽香が両手で作り出した1つの玉は無数の弾幕へと変わり、敵全体へと散っていく。

 

先程の幽香の言葉通り絶望を見せられている魔物達に対しその場の全員合掌。

 

幽香「………へぇ、本当に数だけは居るのね」

倒しても倒しても止まること無く現れる敵達に少し舌打ちして、

幽香「良いわ、この私が相手になってあげる!」

 

幽香だけで無く、他も再び攻撃開始。

 

 

 

 

~地中にて~

さとり「まさかこんな所にまで……!」

燐「場所等お構いなしですね、境界の力とは」

空「うにゅ、敵さん多いよー……」

こいし「でも、皆頑張ってる。私達は瑞生の道を開いてあげなきゃ」

勇義「ここから地上へは一歩も出させないさ」

パル「数が多過ぎるわ。ちょっとは考えなさいよ、妬ましい……」

ヤマメ「キスメ、下がってて」

キスメ「大丈夫、私も戦える」

さとり「来ます、皆さん行きますよ!」

 

 

地中にもかなりの大軍が押し寄せ、

燐「ほんっと嫌になりますね、この数!」

空「まとめて!核パワー見せてあげる!」

燐「おぉちょっと待った空!前線退避!」

 

皆退避した所で、

燐「いけっー!」

空「アトミックバズーカー!!!」

1つの巨大な砲台から放たれた一撃はその一撃で文字通り全てを消し去っていった。

 

さとり「す、凄い威力なのは良く分かったけど壁とか崩さない様にしてね?」

空「大丈夫!威力はちゃんと考えてあります!」

こいし「あれで考えてるんだね……」

 

勇義「さぁ、死にたい奴から掛かってきな!」

パル「そっちから攻め込んで来て突然怖じ気立つんじゃないわよ!」

ヤマメ「さてさて、喰われたい奴は誰だい?」

キスメ「皆威圧感が凄い……」

 

 

 

 

さとり「お願いサードアイ!想起、テリブルスーヴニール!」

さとりのスペカによるレーザー攻撃で一掃した所に燐とヤマメと勇義が突っ込む。

 

ヤマメ「ほっ!」

燐「燃やし尽くす、火炎裂空!」

勇義「はぁっ!破晄撃(はこうげき)!」

 

ヤマメ「はっ!」

こいし「私もサードアイを!行くよっ、リフレクスレーザー!」

空「うーうぅむ!シューティングサン!」

 

キスメ「私も頑張らなきゃ!釣瓶、ウェルディストラクター!」

パル「やるわよ、スプレッド!アクアゲイザー!貫きなさい!アクアリムス!!!」

 

皆の術技やスペカ、パルスィの秘奥義が炸裂。

その背後で、

ヤマメ「後少しっ!」

こいし「さっきからヤマメは何をしてるのかな?あちこち飛び回ってるけど」

 

ヤマメ「やった、完成!皆下がって下がって!」

 

再び皆退散後、

ヤマメ「私からは逃れられないよ……捕らえた、ハンターズネット!」

 

パチン、と指を鳴らすと今までにあちこちに出した糸がつながり敵全体へと散る。至る所に散らばらせた糸は解ける事無く絡み付いた。

 

ヤマメ「私に捕まったのが最期さ……自分の不運を呪うんだね、ポイズンシード!」

 

そこへヤマメが1発弾を放つ。

 

超強力な毒が含まれており、着弾すると敵全体へと分散していく。

動く事が出来ない魔物達はただどうする事も出来ず苦しみ、息絶える。

 

こいし「う、うわぁ……」

燐「何と言うか……流石と言うべきか」

ヤマメ「効率重視でいかないとね♪」

さとり(ヤマメ……恐ろしい子)

 

 

皆それぞれの能力を生かして大軍と戦っていくが、際限なく敵は現れる。

 

さとり「落ち着く暇もありませんね。1度態勢を立て直して再び皆で仕掛けます!」

他「了解!」

 

 

まだまだ続きそうだ。

 

 

~迷いの竹林にて~

ここは何処なんだと?マークを浮かべる魔物。その背中に弓矢が刺さり、倒れた。

 

永「馬鹿ね、ここで迷い込んだら最期よ」

輝「でもここにやって来ている魔物はそれなりに居るみたいね」

てゐ「その魔物達の排除も楽じゃないですね」

輝「そうよね~」

永「お喋りはそこまで。また来るわ」

 

輝「たまには頑張ろうかしらね」

てゐ「おぉー」

 

永(このチームには近接が居ない。だから相手に気付かれること無く遠距離から葬る)

てゐ(しめしめ、迷ってる迷ってる)

輝「相手は3体、まとめてやっちゃいましょ」

永「待って下さい、まだ私達の後ろに3体居ます。気付かれてはいませんが」

てゐ「じゃあ後ろの2体は私に任せて下さい」

永「えぇ。では輝夜様」

輝「分かってるわ。合図したら2人とも攻撃開始よ、天の与する光に砕ける闇の瞳、己が生命を知れ……ブライジャ!今よ!」

 

永「さみだれ射ち!」

てゐ「行けっ、兎達!」

輝「動く事はさせないわ、パラライシス!」

 

突然目が見えなくなりパニックになっている所に麻痺が入り動く事が出来ない。

 

永「ナイスです輝夜様!アローレイン!」

てゐ「兎符、開運大紋!」

 

そこへ更に追撃。見事な連携で敵を何とか退けていく。

 

永「この調子で竹林を徘徊している敵は始末していきましょう」

輝「うどんげは大丈夫かしら?」

てゐ「人里付近は結構激戦区になってるみたいだけど……」

 

 

 

~人里付近~

慧「はぁッ!」

三種の神器の剣で斬っていく。

妹紅「慧音、前線に出過ぎだ」

慧「大丈夫だ、それに今その様な事を言っていられる状況では無いだろう」

妹紅「それもそうだけど……」

妖「ごめん鈴仙、腕治療して!」

鈴仙「分かった!」

幽「あぁもう、気持ち悪くなる数ね」

 

リリカ「頑張れー!応援歌!」

メル「守りの歌!」

ルナサ「戦いの歌!」

 

三姉妹は自分達も戦いながらも全体の補助も行っている。

 

聖「光の道を!シャイニングウェーブ!」

星「光符、アブソリュートジャスティス!」

2人の光が敵陣を駆け抜けていく。

 

ナズ「私達も負けてられないな。幸運招きし金色の雨降らし、汝の名は……ゴルドガッツ!」

小傘「私もー。傘符、パラソルスターシンフォニー!」

村紗「転覆、撃沈アンカー!」

 

ぬえ「元気だねぇ皆。しゃあない、私も頑張りますか」

マミ「若いのが頑張ってるのだから我々もな」

ぬえ「若い、ねえ……」

 

ぬえ「やるなら無論容赦はしない!行くよッ!」

マミ「この術を放つ時がお前達の滅びの時だ……」

 

ぬえ&マミ「ディメンジョナル・マテリアル!!!」

 

神子「これは……」

聖「凄い威力……!」

 

この2人レベルの妖怪の合体攻撃ともなると天災を引き起こす程の魔法が使えるのだろう。しかし恐ろしい。

 

神子「我々も負けてはいられないわね」

布都「我等の力を見せてやるだけじゃ、行くぞ屠自古!」

蘇我「とか言って失敗するなよ」

神子「2人は2人でお願いしますよ、私は突っ込みます!」

 

布都「主の雷と!」

蘇我「お前の魔法と合わせる!」

 

布都「轟かせるぞ!」

蘇我「我が雷光、その身に焼き付けろ!」

 

布都&屠自古「天鳴万雷(てんめいばんらい)!!!」

 

今日は雷が良く落ちますね。威力範囲共に凶悪極まり無いっス。

 

そして更に凄いのはその雷の中を駆け抜ける神子様。

神子「借りますよこの雷!」

自分の剣に雷を纏わせて、

 

神子「瑞生、悪いけどパクりますよ!ギガブレイク!」

 

更に追い打ちをかけられた魔物達は為す術も無く絶命していった。

 

 

が、ここも当然。

聖「一体どれ位で出来たら気が済むのでしょうか……」

神子「やはり彼が終わらせるのを待つしかないみたいですね」

 

 

ALL(瑞生……)

そう、彼女達も全力掛けて戦っていたが無限かと思ってしまう程の敵に終わりが無い戦いを感じてしまった。それでも全てを瑞生が終わらせてくれるのを信じ戦い続ける。

 

 

一方彼は。

香霖「で、君が一番頑張らないといけないのだと僕は思うんだが?」

小鈴「ここに居て良いんですか……?」

M「今がむしゃらに動いたって分からないままだ」

阿求「じゃあどうするのですか?」

M「そろそろだ……そろそろ時が来る」

香霖「時……?」

 

 

そう、何か(・・)を待っていた。

 

 

 

 




M「ちょっと投稿ペース落ちとるんちゃう?これだと夏休みに間に合わないぜ?」
M・M「分かってるってば」
M「あくしろよ」
M・M「俺の体壊れる」
M「壊れて限界を超えろ、そうすれば大丈夫」
M・M「何その理論」


M・M「今回は前のカオス戦みたく皆が並行して大軍との戦闘となりました」
M「今思ったんだが前編なんだな」
M・M「うぃっス、まだ激戦は続きますね」
M「そう言えば激闘は良いんだが誰か足りなかった様な気がしたんだが……」
M・M「そうだっけ?」
M「まぁ良いか。って事ではよ書けェ(唐突な豹変)」
M・M「おうおう。さてさて次回も少女達の戦いは続く!そして遂に瑞生も動き出す!」
M「次回は後編、お楽しみに!」


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-幻想郷防衛 激しい戦闘(後編)-

どうも。
暑さでやはり地に伏せている事が多いM・Mです。夏休みと言っても学校はそれなりにあるので少し残念な気持ちでもある。

自語は置いといて、いよいよやって来ました幻想郷最大のピンチ。少女達の運命は……そして瑞生は遂に紫と対峙する。

では、どうぞ。


前回のあらすじ!

遂に黒幕が本格的に幻想郷を奪おうと無限ともいえる数の魔物と共に侵略を開始。これに対しチームを組み迎え撃つ少女達。彼女達は終わりの無い様な戦いを続けていた……。

 

M(皆、頑張ってるな……)

聖輦船から各地を見ると、巨大な閃光や爆発が至る所に起こっており、一目見るだけで激戦になっている事が分かる。

 

彼女達は俺が戦いを終わらせてくれると信じて戦ってくれている。だが俺は船の中。

 

凄まじい罪悪感は当然あるが、前に言った通りがむしゃらに動いても無駄足なのだ。だから時が来るのを待つ、必ずその時はやって来る筈だから。

 

 

 

~博麗神社付近~

 

霊「……ふぅ」

魔「大丈夫か?」

霊「えぇ、平気よ」

美鈴「無理してないですか」

霊「大丈夫だから」

 

果てなく現れる魔物達にうんざりしながらも、再び臨戦態勢を取る。

 

 

だが。

パチェ「!?」

アリス「敵が……後退してる?」

こあ「どうしたんでしょうか……」

 

 

それはどの場所でもそうだった。敵が謎の後退を始め、警戒しながらも後退を見送る少女達。

 

まさか終わったのか、と淡い希望があった。

だがその後退は撤退の意等では無かったのだ。

 

 

 

M「……来た!」

香霖「何だ!?」

小鈴「空から、何か来ます!」

阿求「もしかして新たな敵……?」

 

すると彼は立ち上がった。

香霖「瑞生!どういう事だ!?」

M「幾ら魔物の量が多くても霊夢達は強い。だから太刀打ちは不可能と見て強い魔物を送り込んで来る筈だ。弱い魔物なら紫の境界を使って幻想郷の至る所から出現させたりは可能だが強力な奴となるとそうはいかない、紫が特別に作った境界を通って現れる筈」

 

香霖「……そうか!その境界を辿れば!」

阿求「元凶の元へと辿り着ける!」

M「そういう事だ」

小鈴「この時を待っていたんですね」

M「皆には悪い思いをさせたし、結局降り立った奴等とも戦って貰わないといけない」

香霖「それでも君の道を開く為に戦ってくれるだろう、彼女達は」

M「あぁ。次は俺が頑張る番だ」

 

香霖「瑞生……死ぬなよ」

小鈴「どうか、負けないで」

阿求「……ご武運を」

 

M「あぁ。必ず勝つさ」

 

 

 

 

そして、現れた境界が閉じてしまう前に急ぐ。

 

境界に何とか間に合……おうとした時だった。

M(何か……来る!)

入る直前に何かしらの気配を察知し止まる。

 

M「……………………甘いッ!」

突然の背後からの斬撃を受け止める。

 

その相手とは。

M「………!?」

 

俺だった。

瓜二つでは無い。アーマーは紫が基調となっており、いかにも闇属性って感じを(かも)し出していた。

 

M「ダークゼロか!?」

闇ゼロ(違う……能力だとかを考えると俺だが、こいつは俺では無い。言うならばDS(ダークソウル)、悪の心で作られた存在と言うべきだ)

M「くっ、こんな時に……」

相手は少なくとも俺。簡単に通してはくれないだろう。だが早くしないと境界が閉じてしまう。

 

M(紫の事だ、こうなる事を分かってこいつを仕掛けたんだな)

 

闇ゼロ(ボサっとするな、来るぞ!)

相手が再び斬り掛かって来る。

 

M「うわっと……」

こうしている間にも境界は閉じ始め、皆も戦っている。さてかなりヤバい状況だ。

 

M(どうする……!?)

 

その時。

刺龍穿光斬(しりゅうせんこうざん)、行きなさい!」

「黒雲招来、雷神咆哮!バニッシュヴォルト!」

 

M「今度は何だ!?」

DSゼロは素早くバックステップで回避した。

 

天子「避けられたわね……」

衣玖「瑞生さん、大丈夫ですか!?」

M「天子、衣玖!何でここに!?」

 

天子「皆を手伝おうとしたけど何処に行ったら良いか分からなくてね」

衣玖「1度船に戻り状況を見ようと思いまして……本当に皆様にはご迷惑をお掛けします」

M「そうだったのか」

 

天子「瑞生。先に進むんでしよ」

衣玖「ここは私達にお任せを」

M「でも……こいつは」

天子「大丈夫よ、私達だって強くなったし負けないわ。それに貴方はやるべき事があるでしょ?」

衣玖「皆貴方の道を斬り拓く為に戦っているのですから。私達もそうするだけです」

 

M「……スマン。頼む!」

 

もう閉じ掛かっている境界に突っ込む。

当然邪魔しようとするDSだが、それを天子と衣玖が邪魔をする。

 

2人のお陰で何とか入る事に成功したのだった。

 

少し境界の中を渡り、辿り着いたのは。

 

M「ここは……?」

 

開けた場所。辺りには何も無い。

ただ1人、その場に立っていただけ。

 

M「……紫」

紫「貴方を止められる筈だったのに、本当に天子の気まぐれは私の邪魔しかしないわね」

M「その気まぐれに今回は助けられたけどな」

紫「……ここは終焉の場所。彼が作り出した無限の空間よ」

 

彼とは永遠の闇か。

 

M「それで?奴は何処に居るんだ?」

紫「今は居ないわ、幻想郷各地に自分の力を分散させた強力な魔物を散らばせている」

M「だからお前が居るって訳か」

 

紫「…………」

そっと臨戦態勢を取る紫。

M「……もう何も言わないさ」

そっと剣を出す瑞生。

 

お互いの信念が、ぶつかり合う。

 

M(しかし永遠の闇の力を分散させたって事は余程強い奴等が皆の元に……大丈夫だろうか)

 

 

 

BGM♪ラスボス神社

M・M「今度こそ正真正銘の!」

 

~博麗神社付近~

霊「な、何よコイツ……!」

魔「気持ち悪いんだぜ……」

パチェ「かなりヤバいわよ……コイツの魔力」

こあ「果てしない何かを感じます」

美鈴「何だか殴りたく無いなぁ……」

アリス「勝てるかしら……私達も消耗してるし」

 

霊「弱気になったら負けよ。やるしかないなら……やるだけなんだから」

 

今博麗神社に降り立ったのは悪魔の道化師、ドルマゲス。

ヒッヒッヒッとまさしく悪役の笑みを浮かべ霊夢達に立ちはだかる。

 

 

 

~紅魔館周辺~

レミ「えっ……これと、戦うの?」

フラン「大きいね……すっごく」

咲「一体どれ位の背丈があるのでしょうか……」

チルノ「」←圧巻され無言

大「チ、チルノちゃん!」

リグル「……ちょっと冗談キツイね」

ミス「こここここ声がふふふふ震える……」

ルーミア「流石にここまで大きいのは見た事無いわねーところでこれは虎?」

 

サニー「あわわわわわ」

スター「サニーが泡吹いてるわ」

ルナ「む、無理ないわ……」

 

紅魔館に現れた巨大な虎(?)名前はドラン。瑞生が勝手にビーストモード+神化で神獣化とか呼んでるけどコチラは正真正銘の神獣です。

 

レミ「怖気付くんじゃ無いわ、行くわよ!」

 

それでも少女達は立ち向かう。

 

 

 

~妖怪の山、守矢神社周辺~

早苗「な、ななななな……」

諏訪「ドラゴンだねぇ」

神奈「大きいねぇ」

早苗「何で落ち着いてるんですか!」

 

文「カメラ!カメラ!」

椛「先輩!こんな時に何してるんですか!」

文「私にはこれは収めないといけないという使命感があるのよ!」

椛「そんな使命感捨ててしまって下さい!」

 

はたて「文、流石にそんな呑気な事を言っていられる場合じゃ無さそうよ」

とりあえずカメラに収めた文は落ち着いて真剣な表情へと変わった。

 

文「私達の世界は……私達で守る!」

 

妖怪の山に現れたのは伝説の竜、魔神竜。

 

 

~地中~

勇義「何だいこりゃ?」

さとり「えっと……?」

パル「あ!今何か居たわよ!?」

ヤマメ「もの凄いスピードだったね、全く目で追えなかったよ」

キスメ「目が回る~」

こいし「あれと、戦うの?」

燐「と言うか戦えるんですかねぇ?」

空「出来る出来ないじゃない、やるかやらないかだ……って瑞生が言ってた」

さとり「そうですね、皆戦っています。ならば私達も全力で挑むまで!」

 

壁や地面を穴だらけにし現れたのは謎の生物、イシュタル。

 

 

 

~無名の丘~

にとり「ちょっと待って、ちょっと待って!」

幽香「いきなり容赦ないわね」

雛「ところでこれは何なの?」

レティ「どこからどう見ても機械よね」

 

無名の丘上空ではもう既に戦いが始まっている。相手は謎の殺人兵器、ファントム。

 

四季「この様な物が存在するとは……まさしく殺人兵器(キラーマシン)ですね」

小町「かなりの血を感じる……とんでもない数の何かを殺してきたんでしょうね」

萃香「でも、私達は負けられないよ!」

幽香「えぇ……必ず勝つわよ!」

 

 

~人里周辺~

永琳達が合流し、恐らくこの場所が最大レベルの激戦となっていたが、

 

ここも同じく突然魔物が退いていく。

永「何か……来るわよ!」

聖「なっ……この魔力は!?」

 

無言でその場に降り立つ者は、天使。

いや、堕天使とも言うべきか。

 

聖天使アルテマ、それが奴の名前である。

 

 

鈴仙「何なんですか……この異様な力は」

慧「計り知れない何かを感じる……皆、腹を括った方が良さそうだぞ」

妹紅「何だかそれだと負けみたいになるじゃないか。負けないよ私達は!」

星「この場は私達が任されましたからね!」

ナズ「主にしては良い事を言う」

星「扱いが酷い!?」

 

 

神子「……まだ何か来る!」

布都「あんな奴がおるのに!?」

蘇我「本格的にヤバくなってきたな……!」

 

更にもう一体降り立った大剣を持つ大男。

終焉を告げし者、それがこの男の名前だ。

 

妖「何という気迫……!」

幽「な、何だか怖いわね……」

リリカ「み、皆!負けないで!」

メル「私達も付いてるわ!」

ぬえ「当たり前よ!こんな所で死ぬなんて真っ平ごめんなんだから!」

マミ「我らは終わらんよ、こんな所では!」

ルナサ「諦めない戦士達に……エールを!」

 

 

 

 

 

~終焉の場所~

紫「たぁっ!」

M「こんのッ!」

 

紫と瑞生が激しい戦いが始まりそれなりに時間が経っていた。

 

紫だから相手が出来ないなんて事は一切無い。全力で斬り掛かっているが彼女はそれを易々と返し反撃を入れてくる。

 

分かってはいた。大妖怪の名は伊達では無い。

俺は果たして紫の本気を見た事があっただろうか、今の彼女は本気で戦っているのだろうか。

 

M「これが……お前の本気か……!」

紫「当然よ、貴方相手に出し惜しみなんてする訳無いでしょ……!」

 

基本的には格闘戦。遠距離に持ち込まれたら彼女の圧倒的な妖力で出来た弾幕が即座に襲い掛かってくる。と言っても格闘戦に持ち込めば良いという訳でも無くて、妖力を解放している彼女は近接も理不尽な程に強かった。

 

紫「貴方こそ通常状態で勝てると思わない事ね!イビルブラスト!」

M「クッ……!」

 

レミリアが使ってきた物より威力が桁違いに強い。まともに当たれば一撃でも致命傷になりかねない。

 

M「そこまで本気か……だったら俺もそれに応えるのが礼儀ってモンだな!」

 

この戦いに礼儀なんて物は必要無いが。

 

再び彼女に飛び込む。だが神化はしない。

M「ドラゴンバスター!」

とか言ってるがただの下への急降下攻撃。

 

紫「甘いわよ!」(何故神化をしない?)

彼女は妖力で体を纏っているのか俺の剣を軽々と受け止める。おかしくね?

 

M「まだだ!セイクリッドクロス!」

 

光を描く様に華麗な斬撃を繰り出す。

紫「甘いと言ってるでしょ!」

M「まだ終わらない!光翼……天翔!」

 

紫「これはッ……!」

反撃をさせないつもりか、とにかく全力で技を放ってくる。始めは普通にガードしていた紫も流石の連続攻撃に耐える事が出来なくなってくる。

 

M「光翔(こうしょう)戦滅陣(せんめつじん)!!!」

 

紫「そんなっ!?」

遂にガードブレイク。

 

M「紫!お前に俺の光を見せてやる!行くぞッ……!交わらざりし命に、今もたらされん刹那の奇跡!受け取れッ、義憐聖霊斬(ぎれんしょうれいざん)!!!」

 

紫「きゃあぁぁっ!!!!!」

 

紫はその場に倒れる。

 

M「……」

 

 

紫(私は……)

愛する人を手に掛けようとした。未遂に終わったが彼に深い心の傷を与えてしまった。

結局またその人と再び戦っている。

そして今、自分の愛する世界の為に自分の愛する世界を壊そうとしている。

 

紫(こんな事を……したくなんて……!)

M「紫!戻って来い!お前がこんな事したくない事位皆分かってるんだよ!」

紫(戻れるなら……戻りたいわよ……だけど)

 

チガチヲコバム ココロガココロヲクダク

キセキハオトズレナイ ユメナド……ソコニハソンザイシナイノダカラ……

アラガウカ!

 

紫(私には……無理なのよ……)

ムダダ!サカラエヌサダメガアル……

 

突然紫は起き上がり、

紫「奥義、弾幕結界!」

M「そんないきなり!?」

 

唐突過ぎる弾幕に反応出来ず、スペカにモロに当たってしまった。

 

M「く……そ……」

 

威力が高過ぎる。自分の考えた通り一撃だけでも致命傷だった。

 

紫「貴方は確かに凄い。今までだってどんな相手にも諦めずに戦って勝ってきたわ……でも今回は別なのよ。彼は別次元なのよ、私もそれを本能で感じたから彼に従ったの」

 

M「だろうな……お前がみすみす誰かに従う筈が無いって思っていたよ」

紫「…………結界、光と闇の網目」

 

M「ぐあぁぁっ………!!!」

動けない彼に更にスペカを浴びせる。

 

M「お前……」

紫「……瑞生、もう全て終わりよ。皆懸命に戦ってるけどあの者達は永遠の闇の力の1部。幾ら少し強い程の者が戦っても勝ち目なんて無いわ」

 

M「それは違うな」

紫「この期に及んでまだ減らず口を……」

M「そう思うなら少し覗いてみろよ、皆の戦いをな。皆の強さを俺は信じてるさ」

紫「……」

 

 

 

 

~博麗神社~

既に第1形態を撃破し、第2形態との戦闘をしている霊夢達であるが、

霊(一撃が……重い、速い!)

美鈴(何て強さなの……!)

魔「蒼き地上の覇者よ。旋渦(せんか)となりて、厄を飲み込め!メイルシュトローム!」

パチェ「喰らいなさい……空破鉄槌(くうはてっつい)!エアプレッシャー!」

 

2人が術を放つが、

ドルマゲスは何と地面を叩き付けメイルシュトロームを防ぎ、エアプレッシャーも同時に叩き潰した。

 

魔「まさかそう防ぐか……!」

パチェ「おかしいわよこんなの……」

アリス「2人とも危ない!蓬莱!」

 

ドルマゲスの放った煉獄火炎を蓬莱人形が身を呈して守った。

 

魔「た、助かったんだぜアリス!」

パチェ「ありがとう、危なかったわ」

アリス「気にしないで。それより……」

こあ「私達が何とかしないと!前衛2人もかなり押されてます」

魔「分かってはいるけど……」

パチェ「魔法を放っても放っても理不尽な力で消されるし、隙を見せたら全力で殺しに掛かってくるし……どうすれば」

こあ「何か相手の弱点とかが分かれば良いのですが……そう簡単に分かる訳無いですよね」

アリス「弱点か……」

 

それは前衛2人も分かっていた。

霊(何か、何か無いのかしら!?)

このままだと耐えきれない。

 

美鈴(こんな時、瑞生なら……)

 

その場全員(観察!)

 

一旦攻撃を止めて2人には悪いが霊夢と美鈴の戦いを見守る。ドルマゲスは2人を格好のターゲットとしているのでコチラに来る心配は無いだろう。

 

 

戦っていて術を詠唱しているとやはり慌てていたりする為に気付かない事が多いが、いざ第3者視点となり観察してみると色々分かる事があった。

 

パチェ(癖があるわね……あの滅茶苦茶な煉獄火炎と吹雪をする時は必ずその前にいてつくはどう、防御壁を消し去ってくる)

アリス(空中に飛び上がって空中からの全体攻撃、飛び上がる時は必ずその前に尻尾を振り回して攻撃して来てるわ、何か出来ないかしら)

美鈴(恐らくコイツは気の流れを感じて私達の攻撃を読んでる。霊夢さんと私がこれだけ攻撃しているのに全く当てられないのはその為か……)

 

この回避法はまるで瑞生みたいだ。

 

霊(何か分かったみたいね……一旦戻ろう)

美鈴とアイコンタクトし、一旦皆の元に戻りドルマゲスと睨み合う。

 

霊「どう?何か思い付いた?」

アリス「やってみる価値がある事は何個かあるわ。危険ではあるけど」

魔「この際どんな事でもやるしかないんだぜ」

パチェ「そうね。この戦いは命懸けじゃないと勝てないわ」

こあ「勝負、掛けましょう」

美鈴「具体的にはどうすれば?」

 

 

パチェ「2人はまた苦労かけるけど普通に戦って欲しいの。私達が考えた事は自分達でやってみせるわ」

霊「分かったわ。なら私達はチャンスを作る」

魔「頼むんだぜ」

美鈴「お願いします」

アリス「任せといて」

 

 

再び激しい戦いを始める霊夢と美鈴。

魔法の皆さんは時を待つ。

 

しばらくして、

パチェ(いてつくはどう、来た!)「霊夢、美鈴!私達の後ろに!」

美鈴「はい!」

霊「分かったわ!」

 

そして読み通り相手はブレスを吐こうとしている。

パチェ「良い?合図したら美鈴、吐息返しよ!」

美鈴「了解です」

 

…………

 

パチェ「美鈴今よ!リフレクガ!皆一斉攻撃!」

美鈴「吐息返し!」

 

魔「言われなくても!デカいのお見舞いしてやるぜ!アリス!」

アリス「分かってる!行くわよ!」

 

アリス「はぁっ!受けなさい!」

魔「これが……私達の弾幕だ!」

魔&アリス「プロトマリス砲!」

 

パチェ「こあ!まだ行けるわよね!」

こあ「勿論です!」

 

パチェ「派手に行くわよ!」

こあ「ドカント一発!」

 

パチェ&こあ「イオグランデ!」

 

それぞれの合体魔法(砲)を、それぞれ味方(・・)に放つ。そう、デルタアタックである。

 

行動をパターン化されてしまい見事に隙を付いた攻撃は実を結び、確実に大ダメージを与えた。

 

 

だが、雄叫びとともに奴は立ち上がる。

霊「あれだけ喰らわせたのに!?」

美鈴「耐久力おかしいですよ……」

 

更に謎の行動をし始めた。

魔「な、何だか嫌な予感がするんだぜ……」

アリス「四つん這いになって力を溜めてるわ……皆気を付けて!」

 

アリスは忠告をしたが、既に遅かった。

霊「ハッ……居ない!?」

美鈴「まさか!」

 

2人が後ろを振り返ると、既に後ろに居た4人が地に伏せていた。

 

霊「そ、そんな……!」

美鈴「皆さん、返事をして下さい!」

 

 

ニタリと振り返る奴を見て恐怖が走る。

霊「美鈴……」

美鈴「くっ……」

 

 

 

 

 

~紅魔館周辺~

レミ「来なさいよデカブツ!月影刃!」

フラン「とりあえずイラプション!」

ルーミア「ネガティブゲイト!」

 

それぞれ術技を当てるが、

咲「駄目……まるで効いてない!」

チルノ「やっぱりパワーで何とかするしか無いわね!だったら勢い付けて!」

 

チルノも飛び出し、

チルノ「フラン!アレやるわよ!」

フラン「あれってなぁに?」

チルノ「フォースなんちゃら!」

フラン「シンフォニーだよ」

レミ「貴女達ねぇ……」

チルノ「そう!行くわよ!」

 

フラン「私の炎と!」

チルノ「私の氷で!」

フラン「響かせるよ!」

チルノ「せーのっ!」

 

フラン&チルノ「フォースシンフォニー!!!」

 

炎と氷の合体剣を顔面にぶつけると、激しい雄叫びをあげた。どうやら効いているらしい。

 

だが向こうも当然反撃する。

大「皆さん何か来ます!」

 

レミ「な、何よあの構え……」

フラン「何処かで見た事ある様な……」

 

ス パ イ ラ ル ム ー ン!!!

かめはめ波

 

 

大(前衛の防御が間に合わない……!)

 

大ちゃんの頑張りも虚しく、ただ黄色い閃光が前衛達を飲み込んでいくのを見ているしか無かった。

 

 

ミス「皆!」

リグル「起き上がらないよ!?」

大「う、嘘……そんな!」

 

レミ「ち、力が抜ける……」

ルーミア「何、これ……立ち上がれないよ……」

何と一撃でKOされてしまったのだった。

 

 

 

~守矢神社、妖怪の山~

早苗「更にブレス、来ます!」

諏訪「様々な属性に変わるの厄介だねぇ」

神奈「加えて強力無慈悲な魔法……って言ってる傍から、来るよッ!」

 

文「あややや……避けるのが精一杯ですね」

諏訪「今の術はサザンクロス……超級の魔法だよ、一体この竜は何者なんだろうね」

椛「れ、冷静に判断してる場合じゃ無いですよ!危険にも程があります!」

はたて「って言っても慌ててどうなる訳でも無いわよ、それに文だって冷静である訳では無いわ」

早苗「コチラも反撃しないと!」

諏訪「分かってるさ、行くよっ!児雷也(じらいや)!」

神奈「プラズマチャージ……行っけぇ!」

 

諏訪子は大蝦蟇(おおがま)を召喚してブレス、神奈子は弾幕をチャージして強力な一撃を放つ。

 

文「おぉ効いてますね!なら私達も行きますよ!音速を超えた一撃をお見舞いしてやります!」

椛「先輩、アレやるんですか?」

文「流石椛、察しが良くて助かるわ~」

椛「はぁ……」

はたて「気を付けなさいよ!道位開いてあげるわよ、テンペスト!」

 

諏訪子と神奈子の攻撃の後、はたての術に続いて文と椛が突撃する。

 

文「切り刻め、風の如く!」

椛「乱舞、その身に刻み込め!」

 

文&椛「風塵!封縛殺!!!」

 

そこへ2人の合体技が炸裂し、確実に魔神竜にダメージを与えていくが……

 

 

早苗「何!?」

魔神竜が1つ大きな咆哮をあげたと思うと、

 

次の瞬間、何かの波動が皆を包み込んだと思うと……全員その場に倒れ込んでしまった。

 

早苗「あっ……うっ……」

諏訪「ッ……何、これ……」

神奈「傷も何も無いのに……痛い……!」

 

文「ちょっとこれは……かなりヤバいですよ……全く動けません」

はたて「何なのよ……さっきの攻撃……」

椛「たった一撃で全員が沈められるなんて……」

 

 

ファントムペイン、奴が放ったカウンター魔法である。その一撃で壊滅へと追い込まれたのだった。

 

 

 

~地中~

さとり「くっ、速い!」

空「動き過ぎ~目が回る!」

こいし「全然攻撃が当たらない……!」

燐「穴に入ったり突然出てきて猛スピードで突撃してきたり……ちょっと理不尽じゃないですか!?」

勇義「確かにスピードなら今まで見てきた中で断トツにトップだね、瑞生もビックリするよ」

キスメ「回避で精一杯だよ!?こんなの私達が倒れるのが先になっちゃう……」

ヤマメ「そんな弱気な事事言わないの!必ず何かある筈だから……!」

パル「……でも実際問題どうすれば良いか分からないわね、あの猛スピード生物ははいつまで経っても止まりそうにないし」

さとり(皆の中でも結構焦りが出てる……何とかしないと。こんな時こそ落ち着くのよ私)

 

焦っても何も解決はしない。

さとり(例えどんな相手にも穴は存在する……瑞生もそう言っていたし、考えるのよ)

 

こいし「お姉ちゃん危ない!」

 

さとり「!!!」

咄嗟の回避で体当たりを避けた。サードアイに掠りかけてかなり危なかった。

 

こいし「ボーッとしてたらやられるよ!」

さとり「ご、ごめんなさい」

燐「更に体当たりだけじゃなくてちゃんと弾幕も撃ってきますね!フレアストーム!」

 

電撃を纏った弾幕を燐が魔法で相殺する。

 

キスメ「ッ、また突進!」

 

相手が突進してくるが、何故か途中で止まった。

さとり「!?」

ヤマメ「ふふ、待ってたよ!」

 

何とヤマメが糸を張っておりそれに引っ掛かった奴は動けないでいた。

 

さとり「これはチャンス!」

勇義「ナイスだヤマメ!一発重たいの入れるよ!皆も続いて!」

パル「当然よ!」

こいし「仕返しだー!」

燐「一気に決めちゃうしかないね!」

空「お~!」

キスメ「ヤマメ!」

ヤマメ「分かってるよ!」

 

 

勇義「私達が先陣を開く!この一撃に砕けぬ者は存在しない!行くよッ……ギガスマアァァァァッッシュ!!!」

パル「乾坤(けんこん)を貫け、水霊の弾丸!ディフュージョナルドライヴ!」

さとり「剣に秘められし七色の裁きを受けよ……プリズムソード!」

こいし「巻き起これ、フィアフルウィング!」

 

ヤマメ「天地・四海!」

キスメ「六道を噛み砕く!」

ヤマメ&キスメ「ロックトライ!!!」

 

 

燐「空、私達も!」

空「分かった!」

燐「火力全開で行くッ!」

空「ぶっ放つよー!」

 

燐&空「アトミックファイアー!!!」

 

 

動けない状態なので避ける事も出来ず、総攻撃をその身に受けました。

 

 

さとり(流石にこれはやった……あの総攻撃に耐えられるとは思えない!)

 

さとり様大変、それフラグです。

 

 

呻き声をあげ、確かに苦しそうであったが何やら様子が変だ。

 

こいし「な、何だろう?」

燐「皮が……剥がれていく!?」

勇義「まさか……脱皮かい!?」

パル「危ない!皆離れて!」

 

パルスィの警告虚しく、次の瞬間にヤマメの隣に居た筈のキスメが吹き飛んだ。

 

ヤマメ「キスメ!」

だがキスメの方を見たヤマメもまた光の如く速さで動く何かに吹き飛ばされた。

 

さとり「な、何が起こってるの!?」

勇義「さっきの奴が脱皮してとんでもないスピードで動いてるんだ!ダメだ、全く反応出来ない!」

燐「わ、私でも追えない……!」

こいし「あんなのに体当たりされたらタダじゃ済まないよ!?」

パル「不味いわ……私達もいついきなり吹き飛ぶか分からないわよ!」

空「もうダメ~目が回る~」

 

 

~無名の丘~

にとり「ちょ、ちょっと攻撃が激し過ぎるよ!」

雛「一度に出して来る弾幕の量が確かに多過ぎるわね……コチラが反撃できない様にしてるのかしら」

レティ「やられっぱなして言うのも嫌だけど……こればっかりは避けるしか無いわ」

萃香「っと、また来たよ!」

四季「全て飲み込みなさい……グラビティ!」

 

吸い寄せられる様に弾幕が飲み込まれて行った。

 

小町「四季様、あまり無理をなさらないで」

四季「これ位大丈夫よ」

幽香「何とかして隙を作れないかしら?」

雛「にとり、何か良い機械とか無い?」

にとり「うーん……あると言えばあるけど」

幽香「この際何だって良いわ。とにかく突破口を開ければそれで良いのだから」

 

にとり「分かった。なら行くよ、皆これは充電が必要だからもう少し時間を稼いで!」

 

言われた通り皆はにとりを守る様に敵の弾幕をかき消して行く。

 

にとり「チャージ完了!皆これに続いて、お願い……リニアレールガン!!!」

 

誰かさんの超電磁砲(れーるがん)を機械で再現。

威力は申し分無く、敵の放った弾幕を貫いて直撃。見事に敵が行動不能に陥った。

 

幽香「ナイスよ!今の内に破壊してやるわ!」

 

幽香に続き皆も突っ込む。

 

幽香「今までのお返しをたっぷりしてやるわ!オーバァー……ドライブ!!!」

波紋疾走と書く人居るでしょ

 

幽香の渾身の力込めた突進殴り、そして蹴り。

 

雛「レティ!」

レティ「えぇ!」

雛「絶対なる闇……冷と零を与えてやるわ!」

レティ「抗いし者よ……氷牢の中で永久に眠れ!喰らいなさい……」

 

雛&レティ「アブソリュート・ゼロ!!!」

 

萃香「さて私も一発お見舞いしますか!歯ァ食いしばりなよ……龍牙(りゅうが)点穴穿(てんけつせん)!!!」

 

萃香の強烈なアッパーからのストレートパンチを喰らい、装甲にも内部にも大ダメージを与えられた模様。

 

だがそれでもまだ動く。被弾した装甲を切り離し、再び動き出した。

 

更に、

幽香「何、この嫌な感じは……?」

萃香「私も感じるよ……」

 

体全体から紅き火花を上げ、目も明らからに赤く、いかにも狂気といって違いないだろう。

 

幽香「ッ!皆散らばって!」

 

スーパーバルカン、ゼータキャノン、にとりの使っていたマルチトーレスミサイル。

恐ろしい数の弾幕が各自に飛んで行く。

 

萃香「こんなもの!しんくうは!」

にとり「相手がそう来るなら私も同じ物で迎撃するまで!マルチトーレスミサイル!」

小町「あらよっと、烈震天衝!」

四季「貫きなさい、ウィンドランス!」

 

 

弾幕をそれぞれ迎撃したが、なんとビックリ奴が視界に居ない。

 

幽香(何処に消えた……!?)

 

全く気配も音もしない、何も感じない。

見えない恐怖とは面倒な物だ。

 

幽香(……けれど)

こういう時こそ心眼を使うのだ。

気配は消し切れても……

 

幽香「存在自体は消し切れ無いわよ!」

幽香の鉄拳がファントムのベータソードを受け止めた。まさか受け止められると思わなかったファントムは多少たりとは驚いているのだろうか。

 

だが受け止められたと分かるとすぐに下がって再び消えた。

 

幽香(また完全に気配が消えた……まさしく幻影(ファントム)ね……鬱陶しいわ)

 

コチラが一方的に攻撃される事に加え遠近どちらにも強い相手に、ここの皆は他の場所みたく壊滅的な状況に追い込まれている訳では無いがしばらく戦う内にかなり戦う気力を削られてしまった。

 

四季(かなり状況はよろしくないですね……全体の士気が下がる一方ですし、全体的に体力も精神力も削られています)

 

だが打開策も浮かばず、ただファントムの攻撃を回避するしか無かったのだった。

 

 

 

 

~人里周辺~

アルテマ、終焉を告げし者を分担して戦っている慧音達であったが、

 

慧「くっ、どちらもやはり強い……!」

妹紅「仲間意識なんて物は無いみたいだけど……それでも危険な時は両方ともうまい具合に連携してくるね」

 

 

聖天使アルテマは無慈悲にも上級魔法を下級魔法の様な扱いでホイホイ放ってくるし、終焉を告げし者はその大剣で自分達を真っ二つにしようと向かってくる。

 

 

終焉を告げし者は神子と妹紅と慧音と鈴仙と星。アルテマはてゐと永琳と輝夜と白蓮とナズーリンと屠自古と布都。村紗と一輪は1度船に戻った。

 

ぬえとマミゾウは両方の援護となっている。

 

ぬえ「ちょっと両方とも強過ぎ!」

マミ「何となく何か来るだろうとは思ったがこれは想像以上じゃの」

 

神子「義翔閃!」

慧「瑞生の見様見真似だが何とかなってくれ、虎牙破斬!魔皇刃!」

妹紅「空牙昇竜脚!どぉりゃあぁ!」

 

神子達の近接技は軽々と大剣に防がれ、

 

鈴仙「オールザウェイ!タイドバレット!」

星「何か槍といえば何処かの吸血鬼って感じですけど私だって!雷牙、招雷!」

 

2人の別方向からの攻撃も大剣をぐるりと回して防ぐ。その姿はまさしく覇者そのもの。

 

鈴仙「ちょっと鉄拳過ぎません!?」

神子「全く攻撃が通らない……!」

 

 

 

一方聖天使アルテマ組。

永「貫きなさい……疾風!」

てゐ「兎達、カモン!」

ナズ「お前達も頼む!」

蘇我「サンダガ!」

布都「レインボーロード!」

 

一部面白い技があるが皆総攻撃。がここまで来れば分かるであろう、

 

聖「!!!」

白蓮が何かを察したのか飛び出し、

聖「ディバインストリーク!!!」

 

するとてゐ達の攻撃を貫いてコチラに向かってくる一筋の閃光、アルテマバスターを放って来た。

 

何とか白蓮の魔法が相殺したが、

聖「とんでもなく危険な魔力を持っていますね……私達で戦えるのでしょうか」

星「そんな弱気になっていてはいけませんよ、こうなったらやるしかないです!」

聖「そうですね、私とした事が」

星「ナズーリンも大丈夫ですか?」

ナズ「そう言う、ご主人こそ……」

 

 

鉄壁に強大な魔力。それを打ち破る事が出来ずまともなダメージを与えられないまま膠着した戦いが続き、コチラは大分体力も魔力も削られてしまったが、向こうはピンピンしている事からしてそのありえないスペックが想像出来る。

 

 

このままではいけないと感じた両チームは、

神子&永(1度向こうと合流した方が良いか……)

 

神子「皆さん、一旦向こうと合流しましょう」

永「1度あっちと合流するわよ」

 

 

皆とりあえず頷きすぐに合流したが、それは向こうも2体になったという事である。

 

神子(皆大分削られている……何とかしないと私達が負けるのは目に見えている)

聖(初めからこうなる事が分かっているなら本気をぶつけておけば良かった……私はまだ大丈夫ですが他の皆さんは大丈夫でしょうか)

 

 

そして皆再び構える。

かなり絶望の空気が流れているが、果たしてこの戦いに終わりは来るのだろうか……。

 

 

~空の境界前~

天子「はぁっ!」

衣玖「総領娘様、危ない!」

天子「わざわざ長い名前いらないわ!今だけ天子で宜しく!」

衣玖「分かりました天子様!」

 

コチラはまだまだ瑞生の闇の心との戦闘を繰り広げていた。

 

M・M「この2人は次回頑張りまっす」

 

 

紫「信じていた仲間はボロボロみたいね」

M「……」

紫「やはり無理よ。幻想郷に降り立ったのは元々のとんでもない力の持ち主、それを更に強化した存在となったのだから霊夢達が幾ら強くなろうと勝ち目は無いわ」

M「まだまだ、分からんさ……」

 

そう言って彼は立ち上がった。この私のスペカを2枚もぶつけたというのにまだ起き上がれるか。

 

紫「……諦めが悪いわよ」

M「それが俺なんでね、お前も良く分かってるだろうと思うけど」

紫「何でそこまでするの?勝ち目が無いと分かっていながら」

M「誰がそんな事決めた?確かに皆が戦っている奴は強い。皆が戦うのには辛いだろうな」

紫(そもそも紅魔館の吸血鬼とか他にも沢山、最初から勝ち目の無い戦いをするとは思えない……あるとしたら、瑞生への情か)

 

これが人脈というものか、例え辛い戦いになるとしても彼女達は瑞生に着いて行った。

 

M「皆は負けないさ、守るべき物があるからな」

紫「そんな綺麗事……!」

M「そして俺も、負けられない!そんな皆の思いを背負ってる。どれだけ倒れたって、絶望したって、地獄に落ちたって……這い上がってやる。お前を闇から引っ張り出すまでは!」

紫「だから……もう遅いのよ!何もかも!」

M「そんな事は無い!遅かったらわざわざこんな所にノコノコやって来るかよ!」

紫「だったらどうしてよ……!」

 

M「まだ間に合う……だから来たんだ!」

紫「ッ……」

M「紫……分かってるだろ、お前がやろうとしている事がどれだけ愚かであるって事が!」

紫「そんな事位、分かってるわよ……」

M「だったら!」

紫「けれどね瑞生……貴方にもある様に、私にも譲れない物があるのよ!!!」

 

彼女は精一杯の妖力を込めてスペカでも何でもない1つの弾幕を作った。

 

M(この凄まじい妖力と大きさからして……この世界自体が歪みかねない程の威力があるな)

 

この場でやられる訳にはいかない、だが通常の自分には処理出来る物では無いだろう。

 

紫「どうしたのよ!神化しないと死ぬわよ!」

M「……しないんじゃない、出来ないんだよ」

紫「どういう事よ!」

M「俺は既に人里にアレクサンダーを配置している。だけどそれだけじゃない」

紫「……?」

M「皆には、勝って貰わなきゃいけないからな。少し細工ってモンをさせて貰ったぜ」

紫「まさか、貴方が神化しないのは……」

 

そう言うと彼はニヤリと笑った。

 

M「紫、勝負はこれからだ」




M「遅過ぎィ!」
M・M「センセンシャル!」
M「お前結構のんびりしてたろ!」
M・M「それに関しては……本当に申し訳ない。でも俺にもやる事あるし!俺は悪くねぇ!」
M「この屑が!やる事ってゲームしかねぇだろ!」
M・M「そんな事ありませーん」
M「嘘つけ絶対そうだゾ」

幽「うるさいわね……妖夢、斬って良いわ」
妖「えっ、えぇっ!?」
M「静かにします」
幽「本当に?」
M・M「無論です!」
妖「…………」

M・M「さて、遅れてしまいましたが次回で霊夢達の激闘と瑞生の1つの戦いが終わります」
M「1つってのが気になる」
M・M「ラスボスだよ、当たり前だよなぁ?」
M「あー……」
M・M「恐らく次回とそのまた次の話で終わり。71話で本編は完結となると思います」
M「やだなぁラスボス」
M・M「こんな事言ってますが遂に次回、瑞生の真の、最後の戦いの幕が開けます!」
M「またどうせ遅くなるだろうけどな」
M・M「今回だって最高文字数更新したから多少はね?それに普通に頑張って書きます!」
M「まぁ、読者の皆様もう少しお待ち下さい」

M・M「次回!いざ最終決戦、全ての運命は……」



霊「そう言えば今回出て来たボス達は作者が今まで戦ってきた中での印象深いボス達だそうね」


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-大妖怪の闇 そして……-

どうも、とりあえず元気なM・Mです。
天気が大変な事になっていますが皆様大丈夫でしょうか。

今回と、あと1話で予定通り本編は終わりとなります。今回は紫と瑞生が色々(意味深)します。

では、どうぞ。


絶望的な状況で戦う霊夢達。そして紫と対峙した瑞生も彼女にボコボコにやられてたりする。

 

だが瑞生は何か不敵な笑みを浮かべていた。

 

紫「まさか……貴方も力を分散させていたという事なのね!?」

M「ご名答。皆を援護する様に命じたのを予め配置させておいた」

紫「でも現れる場所なんて分からない筈なのに……どうして?」

M「前にカオスが来た時と大体考える事は同じだろうと思った。後は強力な力を持つ者の場所に送り込まれるであろう事もな」

紫「……」

M「お前が永遠の闇だったらそうしただろ?」

紫「でも、そんな事したって変わらないわ」

M「俺の召喚獣達を甘く見るなよ」

 

すると彼は念じ、

 

M「来いッ!」

 

そして各地にて瑞生の召喚獣達が動き出した。

 

BGM♪ただひとり 君のためなら~Song 4 u~

M・M「流れ変わったな」

 

 

~博麗神社付近~

突然の地響きに、

 

霊「ッ!?」

美鈴「今度は何ですか!?」

 

神社に召喚……いや、元々配置されていた召喚獣が瑞生の合図で目覚めた。

 

斬鉄剣を携える瑞生の相棒その1、オーディン。

 

霊「えっ!?何で瑞生の召喚獣が!?」

美鈴「私達に瑞生さんが寄越してくれたのでしょうか?だとすればありがたいですけど……」

おでんオデ「違う、元々主が我々をこの地に配置させておいたのだ」

霊「予めしておくなんて……瑞生はやっぱりここでこうなる事を分かっていたのかしら?」

美鈴「でもまぁ実際ピンチではありますし……」

オデ「主の命により、貴君等を守り、あの悪魔を倒す。共に戦おう」

霊「えぇ」

美鈴「ありがとうございます!」

オデ「礼はいらん、行くぞッ!」

 

スレイプニルと共に駆け出すオーディンに霊夢と美鈴も頷き合いドルマゲスに突撃する。

 

 

 

 

~紅魔館周辺~

レミ「ッ……今度は、何?」

フラン「相手もキョロキョロしてるから多分敵が何かしてきた訳じゃなさそう」

 

ここに現れたのはイフリートとシヴァ。

イフ「小さき戦士達よ……負けるな!」

シヴァ「主の命により、貴女達を守ります」

 

2人が何かをすると、

アリス「何だか分からないけど……魔力が回復というか、元に戻ってきたみたい」

チルノ「それにこのファイアー!って感じに力が湧いてくる……氷の妖精のあたいには大丈夫なのかな?」

ルーミア「多分溶けたりはしないよ」

 

パチェ「感謝するわ」

こあ「これなら、やれます!」

レミ「さっき一撃でやられちゃったけど流石にもう油断はしないわ、さっさと片付けるわよ!」

大「皆、頑張って……!」

ミス「私達も頑張らないとね」

サニー「私達は私達に出来る事をするわよ!」

スター「珍しく良い事言うじゃない」

ルナ「皆を援護しないと……」

 

 

 

~妖怪の山~

文「あやややや!?今度は何ですか!?」

椛「皆さん、上!上です!」

 

早苗「あ、あれは……!」

 

バハ「戦士達よ……我が力を貸そう」

竜王、バハムート。

 

魔神竜は激しい咆哮をあげるが、

バハ「その程度……我には遠く届かんわ!」

 

そしてバハムートはそれを上回る更に大きな咆哮をあげると、

神奈「この体の中から溢れ出る勇気と力……」

諏訪「流石竜王の名は伊達じゃないね」

はたて「今度こそ……負けないわよ!」

 

竜王と共に最凶の竜へと立ち向かう。

 

 

 

~地中~

さとり「……!?」

こいし「また何か来るの!?」

 

突然境界を歪め現れたのは精霊の王、マクスウェル。爺さんらしくゆっくり現れた。

 

マク「やれやれ、瑞生の奴も扱いが酷いのぅ……儂は若者みたく元気では無いと言うとろうに」

ALL「…………」

 

ポカーンとしている中、

マク「ふむ……!」

キラーンとマクスウェルの目が光る。

 

マク(じゃが瑞生の言っていた事も事実みたいじゃの……別嬪(べっぴん)だらけじゃ)

 

突然キリっとして、

マク「我は精霊の王マクスウェル。主の命により、其方等に助太刀しよう」

 

勇義「精霊の王……」

パル「マクスウェル……」

イマイチピンと来てない感じがあったが、

キスメ「何だか分からないけど一緒に戦ってくれるんだね?」

こいし「ありがとう、おじいちゃん♪」

マク(瑞生には感謝せんとな)「戦う者達に闘志と加護を与えん!オーラ!」

 

ヤマメ「わぉ、この感じ……何だか良く分からないけど凄いね」

燐「さとり様!」

さとり「えぇ、チャンスは逃さないわ!」

空「空も頑張る!」

 

 

~無名の丘~

にとり「も、もうあまり残弾が……」

小町「流石に、ちょっと疲れて来たね」

四季「相手はそんな物お構い無しですけどね」

幽香「うざったいわね……」

 

にとり「また来るよ!」

無数のミサイルとレーザー砲、更に自分達を執拗に追尾してくるビットらしき物までが一度に放出され、

 

レティ「ここは任せなさい!大気に潜む無尽の水、光を天に還し、形なす静寂を現せ!ブリザジャ!!!」

 

ビットは各自で何とかするとして、ファントムが撃った弾幕を全て氷塊が粉砕した。

 

萃香「やられてばっかりはごめんさ!雷神拳!」

だが相手のプラズマセイバーに防がれる。

萃香「あぁもうどうすれば良いのさ!」

 

何とか相手の攻撃フェイズは乗り切っていたが、肝心のコチラの攻撃フェイズで相手に全くダメージを与えられていなかった。

 

途方に暮れていたその時。

小町「うひゃっ!?」

幽香「今の地響きは何!?」

レティ「皆、上よ!」

雛「何がまた凄そうなのが来たけど……」

 

オリ「ふむ、機械生命体か……」

幽香「ちょっと、何なのよ貴方」

オリ「我の名はオリジン。主の命によりお前達を援護しよう」

にとり「主って……まさか瑞生?」

オリ「そうだ。そんな事は良い、こいつを早く片付けるぞ」

雛「言われなくともそのつもりよ」

レティ「何だか分からないけどこれなら何とかなりそうね」

萃香「これは何だか流れに乗って来たね」

オリ「すぐに終わらせてやる……覚悟せよ」

 

 

~人里周辺~

固まって戦っていた慧音達であったが、やはり理不尽な相手に次第に追い詰められていった。

 

慧「クッ……私達では勝てないというのか」

妹紅「単に、相手の強さが理不尽過ぎるだけさ……私達じゃどうしようもないのも事実だけど」

聖「この場を任されたというのに……」

星「まだ終わってないですよ!」

ぬえ「そうさ、こんな所でくたばるのだけは絶対にごめんだからね!」

 

それでも勇敢に立ち向かう者達。だが、

慧「ッ、いかん!皆逃げるんだ!」

 

慧音が咄嗟に警告をしたが、皆固まっておりそんなすぐに動けはしなかった。

 

聖天使アルテマが、自らの名を冠した魔法アルテマを終焉を告げし者の大剣にかける。

 

そして終焉を告げし者は最強の魔法剣、アルテマソードを皆に振りかざした。衝撃波となり、大地を削りながらコチラに向かって来る。

 

聖「これは……!」

鈴仙「か、かなりヤバそうですよ!?」

てゐ「私達……滅茶苦茶ピンチなんじゃ!?」

妖「私の力を最大に出せば……!」

幽「ダメよ妖夢!そんな事をしたら!」

神子「私も……神力を放出する!」

布都「ま、待つのじゃ!そんな事をすれば太子殿が危険じゃ!」

輝「私の宝具で何とかなるかしら!?」

永「駄目です輝夜様!負担が大き過ぎます!」

輝「何言ってるのよ、このままじゃ全滅よ!」

 

最大のピンチにより大混乱の慧音達。

慧(終わって、しまうのか……)

 

ナズ「待ってくれ、何か来る!」

布都「今度は何じゃ!?」

だが、皆を包み込む様に突如現れた謎の存在。

 

「終わらせはしない!始まりの時を再び刻め……ビックバン!!!」

 

 

思わず皆は目を瞑った。そして開いた時にはアルテマソードが消えており、目の前には先程現れた謎の存在が飛んでいるだけだった。

 

蘇我「助かった……のか?」

リリカ「あれ……私達生きてる?」

メル「さっきのは何処に……」

ルナサ「どうやら、目の前に居る誰かさんが何とかしてくれたみたいね」

 

 

慧「い、一体何が……」

妹紅「と言うより、そこのアンタは誰なんだい」

 

ゾデ「我はゾディアーク。我が主の命は、お前達を守り助ける事だ」

神子「主……」

鈴仙「瑞生さんの事でしょうか」

ゾデ「そうだ。かなり危険な場所と聞いて私がここに配備されたのだ」

ナズ「瑞生も用意周到だな」

星「でも実際、それで助かりましたね」

ゾデ「お話はそれまでだ。我が付いているからして負ける事はありえん……行くぞッ!」

リリカ「何だか分からないけど、頑張るぞー!」

ルナサ「この機に乗じてやるしかないわね」

メル「一気に反撃よー!」

 

 

 

そして最後、この2人にも。

天子「何か凄い事になったわね……」

衣玖「ですが、とても心強いです」

 

何だかんだで相手が相手だけにここにはゴーレムが送り込まれた。

天子「本当にこの瑞生攻撃が激し過ぎるから防御してくれるのはありがたいわ」

衣玖「折角私達にも寄越してくれたのですから、期待に応えないと」

天子「分かってるわ、行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

~終焉の場所~

M「ま、こういう事だ」

アレクサンダーは色んな所を守ってくれているので戦えないが、代わりに皆頑張ってくれている様だ。頑張れ俺の召喚獣達。

 

紫「まさかそんな事が出来るなんてね……あなたの力を見くびっていたわ」

M「これだけ、俺も強くなったって訳さ」

紫「でも瑞生……

 

貴方が死ねば全て問題解決よね!」

 

M「ッ……!」

そうだ、自分は今神化が出来ない。そして今この状況では明らかに紫の方が力は上。

 

自分が死んでしまえば主を失った召喚獣達は消える。それはつまり全体の死を意味する。

 

それが分かっている紫は遠慮なく襲い掛かってくる。その攻撃を必死に回避しながら、どうすれば良いのかを考えるが……。

 

M(もう今の俺の声はこいつには届かない……皆の戦いが終わるのを待つか?いや、そんな余裕は無いな)

そんな悠長な事を言っていられる状況では無い。

 

 

M「ふぅむ……」

紫「瑞生、諦めなさい」

M「悪いがそれは無理だ」

 

紫「……サンダーストーム」

M「グッ……」

唐突な紫の魔法に対抗出来る術は無く、ただその場に這いつくばる。

 

そして彼女はゆっくりと近付き、動けない俺を仰向けにさせて、

 

紫「瑞生、終わりよ」

馬乗り状態になり、首に手を突き立てる。

 

M「……」

紫「全体に召喚獣を送るのは流石にやり過ぎね。貴方のいつもの力の半分以下程度の実力しか出せていないじゃない」

M「そうだな」

紫「それで私に勝てると思っていたの?私も随分見くびられたものね」

M「そんなつもりは無かったんだけどな」

 

紫「…………瑞生、最後のチャンスをあげる」

M「……チャンス?」

紫「今すぐ全体に散らばらせている召喚獣を自分の中に戻して私に降参するなら皆の命は助けてあげる」

M「……へぇ、随分太っ腹だな。代わりに幻想郷はいただくってか」

紫「別に皆を虐殺する事が目的では無いわ。これ程までに良い条件は無いと思うけど?」

 

M「確かにな……でも紫」

紫「……何?」

 

 

M「それで俺が受け入れる筈が無いって事もお前は知ってるだろ?」

 

紫「……えぇ、当然よ。どれだけ貴方の傍に居たと思ってるの」

 

 

少しの沈黙が続き、

紫「でも瑞生、貴方は自分の状況を良く分かっていない様ね?私は貴方をいつだって殺せるのよ?」

M「無理だ。お前は俺を殺せない」

紫「ッ……私を、馬鹿にしてるのかしら?」

M「そう思うならそう思うが良いさ」

紫「いい加減にしなさいよ……私は大妖怪の八雲 紫よ?たかが人間1人殺す等息をする事と同じ様に出来るわ」

 

M「……無理だよ、お前は優しいから」

紫「優しい、ですって?私がこれまでどれ程の人間を喰らって来たと思ってるの?」

M「そんな事知ってるさ。俺だって数え切れない程の生きている物を殺した」

紫「それでも貴方と私は違う。所詮人間と妖怪が分かり合うなんて……遠い夢なのよ!」

M「例え儚い夢だとしても……俺は皆なら叶えてくれるって信じてる」

 

こんな状況だというのに彼は笑顔でそう言った。

紫「何で……何でそんな事が言えるのよ!?」

M「皆を信じてるからだ」

紫「いつもそう言って、確かに貴方はどうにかして来た。でも今回ばかりは違うのよ!想いだけじゃ……想いだけじゃ何も変えられないのよ!」

M「じゃあ今みたいに力で全てを変えようってか?それで何が生まれる?」

紫「理想を、想いだけを並べ立てるだけよりは現実を見てると私は思ったから今こうしてるのよ!」

 

M「違う!確かに想いだけじゃ何も変えられない……でも力だけでも駄目なんだ!だから変わらない現実を全力で変えようと皆戦ってるんだ!」

紫「………!」

M「紫、教えてくれ、お前が皆の敵となった理由は……やっぱりアイツの言ってた通り俺、なんだろ」

紫「……ッ」

M「俺の万理さえも超越する力が存在する事により幻想郷に歪みが発生しやすくなる。そして永遠の闇も現れた……そして永遠の闇は幻想郷を守るという名目でお前を味方に付けたんだ」

紫「………………」

M「幻想郷を何よりも愛するお前は幻想郷を何度も危険に晒している俺を排除する為に奴に手を貸した、これが全てだろ」

 

紫「……そうよ。全て貴方の言った通りよ」

M「……紫」

紫「貴方が、貴方が悪いのよ……私だって、私だってこんな事して許される訳無い事位分かってる!」

M「そうだな。お前は悪くないさ……悪いのは、俺だから」

紫「じゃあ貴方は!」

M「お前には悪いが……俺はこの世界で生きると決めた。例え自分がどんな存在だとしても」

紫「ッ……」

 

M「そして俺に居場所を与えてくれた皆を守る。そう、お前だってその内の1人だ」

紫「私、が……」

M「お前のお陰でこの世界はどれだけ居たって退屈しない。お前には感謝してもし切れない位感謝してるから」

紫「そんな……私は」

M「だからお前を助けに来たんだ、そして俺自身の存在にもケリを付ける為にも俺は戦う」

 

紫「瑞生……」

M「お前が俺をどう思っているのかは分からない……でも俺を信じてくれ紫、これがもし終わらせる事が出来たなら俺は何処にでも消えるから」

 

紫「消える!?」

M「俺がイレギュラーなのは事実だ、それなのに俺はこの世界に居続けた。だからお前がこの世界を守る為に俺に消えてくれと言うなら俺は従う」

紫「そんな、事は」

M「だから今回だけは俺達の元に帰って来てくれ、皆お前が帰って来て欲しいと思ってるから」

 

紫「………私、は」

 

 

その時だった。

M「おっと」

召喚獣達が瑞生の中に帰って来た。

 

M「って事は、勝ったんだな。皆」

オリ「我等が付いているんだ、当たり前だろう」

M「そうだな、信じてたよ」

 

それでもまだ紫に馬乗りされてるという状況は変わらないが。

 

だが皆が勝ったという事は……。

 

 

永闇「分かってはいたが、やはりお前は如月 瑞生を殺せなかったか」

紫「…………」

M「皆に負けたのに良く言うぜ」

 

何も言わない彼女をとりあえず押し退けて、

永闇「まさかこんな事になるとは思っていなかったが、私はあくまで私の力を分散させていただけだ。あの者達が倒された事により私に還って来ただけだ」

M「へぇまたそれは面白いシステム」

 

永闇「やはり最初から貴様を始末しておけば良かったな」

M「確かに随分回りくどいやり方だと思ったぜ?何でそうしなかった?」

永闇「この世界を頂くのが我のしたい事であり破壊する事では無い、だが貴様と戦うなら必ずこの世界に影響が出る程の戦いをする事となると思ったからだ」

M「だからお前が戦わずに俺が死んでくれるのが一番良かったってか」

永闇「良く分かっているな」

M「だが残念だったな」

永闇「まぁ良い、多少破壊されようと再々すれば良いだけの事だ……私と貴様、この世界懸けて最終決戦といこう」

M「最初から俺はそのつもりだ」

永闇「あの紅白の巫女の居た神社の上空に境界を作っておいた。待っているぞ……言っておくが早く来ないと全てを闇で包んでしまうからな」

 

そう言って奴は消えて行った。

 

 

M「やれやれだな」

紫「……無理よ」

M「まだそんな事言ってるのか」

紫「今まで戦って来た相手とは次元が違い過ぎるのよ、例え貴方だろうと勝ち目等無いわ」

M「……」

紫「けれど貴方はやってみなきゃ分からないとか言って戦うんでしょ?分かってるわそんな事は……」

M「そういう事だ、俺達に選択肢なんて残されてないんだ。だったらいつも通り、やるしかなければやるだけだ」

 

紫背を向けて、そう言ったその時だった。

 

紫「……そう、だったら私も私なりのケジメを付けるわ」

 

ザシュッと嫌な音がその場に響いた。

M「なっ!?」

 

紫が、自分の身を自分の手で貫いた。

M「何やってんだよお前!」

 

倒れ込んだ紫を抱きとめて傷口を見る。

紫「こうして……こんなにも悩むのなら、初めから、こうしておけば良かった、のよ」

M「ふざけんな!こんな事して自分だけ死んで、それがケジメを付けるって事なのか!?」

紫「瑞生……ごめんなさい、私は貴方に非道な行いをした。誰よりも傷付けてしまった」

M「そんな事はどうだって良い!俺だってお前を何度も悲しませた!」

 

先程から止血をしているがこうしている間にも血がどんどん広がっていく。心臓近くを貫いたから当然だが。

彼女は大妖怪ではあるが不死身では無い。大量出血とかしたらちゃんと死ぬのだろう、人間なら既に死んでいるがそこは妖怪だから死んでいない訳である。

 

M「くっ……」

焦るが、焦った所でどうにもならない。ここは一つ落ち着いて、俺の中の皆に頼む。

 

M(誰か治せる奴は居るか!?)

 

すると、不死身の霊鳥(フェニックス)が答えた。

フェニックス「かなりマナが必要ですが……私なら止血出来ます」

M「何だって良い、頼む!」

フェニックス「では私がお願いする分のマナ与え、そして彼女にも同じ分だけマナを与えて下さい」

M「マナを与える……あぁ、分かった」

 

フェニックスを呼び出し、マナを与える。

そして紫の唇に、そっと口付けてマナを与えた。

 

すると、紫の体が輝き出して……

 

すぐに彼女は目覚めた。

 

紫「ん……」

M「……ふぅ、ギリセーフ」

紫「傷口が塞がってる……こんな事って」

M「何だって出来る、とは言わないが俺を舐めてもらっちゃ困るね」

紫「……どうして」

M「それこそ聞かなくなって俺が何て答えるかお前は分かってるだろ?」

紫「誰かを助けるのに理由はいらない……それが例え自分を殺そうとした相手だとしても」

M「まだそんな事言ってるのか、俺は霊夢と同じで恨みだとかそういうのは嫌いだ。お前が納得いかないのは分かるけど今そういうのは無しだ」

 

紫「……本気で、戦おうと言うの」

M「当たり前だ、アイツもそのつもりで俺を挑発してきたんだから」

紫「……」

M「無理だ、とか言わないのか」

 

紫「貴方は……何処までも光なのね」

M「は?」

紫「何でも無いわ」

M「……紫、もしお前が何かに絶望してしまったって言うなら俺がお前の希望にでも何にでもなってやる。だからもうあんな事は絶対にするな」

紫「え……」

M「お前が死んだら俺達のやってきた戦いは全て無駄になっちまう、忘れないでくれ……皆お前の為に命懸けて戦ったって事を」

 

すると、

藍「紫様……」

橙「瑞生様のお陰で私達も回復しました」

M「と言うか2人をやったのも俺だから……ごめんな2人とも」

藍「あれは……仕方の無い事でしたから」

橙「私達もごめんなさい……」

M「良いよ、これでお愛顧だ。さてと……」

紫「行くのね」

M「全てを終わらせにな、でもその前に皆に挨拶だな」

紫「私にここまで言ったんだから、負けないでよ。負けたら承知しないから」

M「……当然」

橙「瑞生様、頑張って」

藍「どうか……ご武運を」

 

M「藍、橙、紫を頼んだぜ。先に行ってる」

 

 

そう言って彼は次元を斬り裂いて走って行った。

紫「……」

藍「大丈夫です、あの方なら……きっと」

橙「瑞生様は幻想郷に災いを(もたら)す存在なんかじゃありませんよ」

紫「そうね……私も瑞生を信じるわ。藍、橙、博麗神社に行くわよ」

藍「え、でも紫様……」

紫「瑞生に救って貰った命だもの……皆が命懸けてるのに私だけ何もしないなんて出来ないわ。ちゃんとしたやり方で今度こそケジメを付けるわ」

橙「皆に、ちゃんと謝りましょう」

紫「えぇ……」

 

 

 

 

 

~博麗神社~

M「ま、そんな事がありまして」

霊「アバウトね……」

魔「でも、アイツを説得出来たんだな」

M「何とか、な」

レミ「じゃあ後は本命だけね」

フラン「この中に居るんでしょ?」

M「あぁ、後は俺がやるだけさ」

神奈「……死ぬんじゃないよ」

諏訪「死んだらカエル落としだね」

M「それは勘弁」

永「貴方にはまだまだ試して貰わないと」

M「……何を?」

鈴仙「ダメですよ、師匠」

さとり「地中の私達からも、応援してます」

文「勝って下さいよ、皆で新聞のトップ記事として飾りましょう!」

四季「本当の意味で地獄に来ないで下さいよ」

小町「私の仕事が増えるからね」

M「そこかよ……」

聖「貴方の帰りを心より祈っています」

星「頑張って下さい!」

妖「瑞生さん……これからも師匠としてお願いしますね!」

幽「控えめに負けるなって事よ」

M「分かってるさ」

幽香「こんな所でくたばるんじゃ無いわよ!出来れば私がそうさせてやるんだから……」

メデ「こわい……」

レティ「教育によろしく無いわよ」

雛「今のは聞かなかった事に」

M「……お前らなぁ」

早苗「奇跡、見せて下さいね」

咲「私も勿論信じてるわよ」

萃香「信じるも何も、瑞生なら大丈夫さ」

香霖「皆がここまで言ってるんだ、ヒーローはちゃんと帰って来るだろう?」

M「からかうなよ……さて、皆からのエールは精一杯受け取ったからそろそろ行くするよ」

霊「……勝ってね」

魔「絶対勝てよ」

 

M「……あぁ!」

 

 

 

 

 

そうして瑞生が境界の中へ入って行った後、

紫「行ってしまったのね……」

ALL「!!!」

 

紫「……後からどんな償いも受けるわ。だから今は黙って瑞生を見守らせて欲しいの」

藍「私からも、お願いします」

橙「お願いします!」

 

霊「アンタを何とかしたんだもの、瑞生ならきっと帰って来るわ」

紫「……えぇ」

 

 

 

 

 

自分の生きる世界は自分の手で作り出す。守ってみせる。例えそこに描く未来に、俺が居ないとしても……。

 

 

~???~

 

M「よぅ、待たせたな」

永闇「もう少し遅ければコチラから行く所だったな、世界の危機だと言うのに呑気なものだ」

M「……良いから元に戻れよ、わざわざ人型になる必要なんて無いだろ」

永闇「それもそうだ」

 

 

そしてペプシマン天使の姿となり今ここに対峙する。

 

M「さて、じゃあ始めるか」

出し惜しみ等はしない。戻って来た神の力を最初から使って戦う。

 

永闇「さぁ紅き戦士よ、終わりの始まりと……イコウデハナイカ……!」

M「こっちの台詞だッ!」

 

 

これが全ての終わりとなってくれる事を願って、紅き戦士は光の武器、ゼットセイバーを取る。

 

M「行くぞッ!」

 

 

 

 

 

 




M・M「感慨深いなァ……あと1話でお終いなんて」
M「それは完結してから、どうぞ」

霊「それにオリジナル話がまだまだあるんでしょ、むしろ終わりが始まりだったりして」
M・M「ヒィー(>ω<ノ)ノ」
M「では次回!最終決戦!瑞生と永遠の闇!」
M・M「お待ちあれ!」


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-最終決戦 瑞生と永遠の闇-

どうも。夏休みになってから昼夜逆転生活をしているM・Mです。
M「そんなんだから夏バテするんだよ」
そうだよ(便乗)。

それはともかく、いよいよ最終話となりました。かと言って戦闘が凄い訳でも無く控えめ……。
M「もう許さねぇからなぁ?」

会話シーンに力入れたんだYO!

茶番は置いといて、最終話、最終決戦をどうぞご覧下さい。後書きにて色々書くのでそこも読んで頂けると幸いです。

では、どうぞ。


紫を何とか説得する事に成功し、他の皆も瑞生の召喚獣達の力を借り勝利。後は全ての元凶を倒すだけとなった。

 

 

BGM♪最後の闘い

M「ギガブレイク!」

永闇「サンダガ!」

M「んなっ!?」

 

俺の代表的な奥義を放ったのにサンダジャでは無く普通のサンダガで相殺された事に驚いた。

 

永闇「たががその程度の奥義……」

M(元々の魔力が桁違いだな……)

 

魔法剣で挑むのは無謀か。だが自分は正直それで挑むしかないのだから頑張るしかない。

 

永闇「苦しむ事は無い……一瞬で無に還してやろう、インフィニティ・シリンダー!」

M「嘘だろッ!?」

 

巨大な爆発が起きたと思ったらその爆発の中から無数の弾幕が生まれ、超高速に向かって来る。

 

M「重力結界(グラヴィティ・ウォール)!」

天子から教えて貰った重力領域を自分なりにアレンジした物。

 

防御は出来た。だが当然ながら限界という物は存在するのでずっと使う訳にもいかない。

 

M(まともなダメージを与えられる技は……遠距離だと殆ど使い物にならんし、やはり危険承知で近付くしか無いか)

 

いかにも遠距離からガンガン行くタイプだろうから近距離でやれば何とか……なる訳無いんだろうけど、少なくとも遠距離からボコボコにやられるよりかはマシだろう。

 

M「アクセル掛けて……突き進む!」

見えざる何かから放たれる魔法を紙一重で避けながら突っ込んで行く。

 

永闇「!」

流石に無数の魔法を回避しながら突っ込んで来るとは思わなかったのか、

 

M「せいやッ!」

渾身のチャージ斬りが決まり、確実にダメージは与えた筈。

 

永闇「……その敏速は確かに異常な物だな」

 

M「それが取り柄なんでね」

永闇「ならば、逃れられない程の物なら良いだろう……メテオスウォーム!」

M「!」

 

魔理沙達魔道士の最強格とも言えるメテオスウォーム、だがいつぞやの魔理沙が見せたメテオスウォームとは桁違いに隕石の数が多い。

 

だが、

M「悪いな……その技は俺には通用しないぜ!」

 

自分からメテオスウォームの中に入って行き、まさに神回避ともいえるフットワークを見せながら再び迫る。

永闇「何ッ!?」

 

M「飛天翔駆!斬光時雨!」

敵の背後へと突き抜け、更に素早い突き上げからの斬り払い。

 

M「喰らえッ……オーバードライヴ!」

※という名の体当たり

 

永闇「グッ……何故だ、何故あの中を突っ切った?当たっていれば致命傷は確実だぞ?」

M「どれだけ色んな奴からその術受けて来たと思ってんだ」

主に精霊とか神様とか何処かの魔法使いとか。思えば痛い思い出しか無いんですけど?

 

M(思ったより上手くいってるな……)

 

 

まぁ俺の事だろうから大体この後の展開は察しがつく。更にコイツはやはりまだまだ何かを隠してる。

 

M(出すなら早く出せよ……)

 

永闇「良いだろう……陽光閉ざす冷気に、大気は刃となり骸に刻まん!恐怖の最終章を今ここに、クリュプス!」

M「召喚術!?しかもまた強そうな……」

バハ「主!我を召喚しろ!」

M「あ、あぁ……頼む、バハムート!」

 

バハ「消し去る……メガフレア!」

 

永闇「召喚獣同士の戦いか、面白い……出でよ憤怒の霊帝、アドラメレク!」

 

オデ「ここは我に任せろ!」

M「オーディン、頼んだ!」

 

自分達の上空で4体の召喚獣達が激しい戦闘を行っている。

 

M「お前は……」

永闇「異次元の存在を引っ張り出す事位我にすれば造作も無い」

M(チートかよ……)

 

M・M「そうだよ(便乗)」

 

永闇「さぁどうした?向かって来ないのか?」

M「そんな事言われなくとも!魔王、炎撃破!」

永闇「その程度の炎、生ぬるいわ!」

 

斬撃も凍てつく吹雪の前に儚く消え去る。

M「チッ……ならこうだ、ガイアブレード!」

 

永闇「何だその攻撃は?」

M「受け止めたな!」

斬りは受け止められたが、それが目的では無い。奴の体に蔦が巻きついたのをしっかり見て、

 

M「イフリート!やってやれ!」

イフ「灰さえも残さん……プロミネンス!」

 

永闇「グゥアァァァッ!!!」

M「上手くいったな」

巻きついた蔦が更に威力を増加させたのだ。

 

 

永闇「成程……貴様はどうやら面白い戦術を取るらしいな」

M「全てはアイデア勝負だ、お前みたいな理不尽な相手にはこうでもしないとな」

永闇「ククク……面白い」

M(……何だかんだでやっぱりあまり効いていないのか?いや、さっきのは効いた筈だ)

永闇「だが残念な事だ」

M「……?」

永闇「わざと貴様の技を喰らってやっていた事に気付かずにここまでやるとは」

M「何ッ!?」

 

 

永闇「消え去るが良い……ニュートンリング!」

M「ちょ……」

 

 

召喚獣を呼ぶ暇も無くその場に超爆発が起きた。それは瑞生と永遠の闇が戦っていた世界をも破壊していった。

 

 

 

 

永闇「……ほぅ、これは流石に想定外だ」

M「クッ、ソが……」

 

永闇「どうやって生き延びた?」

M「教えてやる義理は無いな」

永闇(あの剣……ただの剣では無い)

M(咄嗟にエターナルソードで俺だけが居た空間(・・・・・・・・)を斬り取ったお陰で何とか助かったが……やはり時空転移は消耗が激しい)

 

永闇「さて、我は先程の超爆発で光も闇も何もかもが混ざり合った謎の空間を創り出した訳だ」

M「それが今この場所なのか」

永闇「そう……ここでは私に負の感情が流れて来る。それが私の力となる」

M「負の感情だと……!?」

永闇「そう、この場に来た時点で貴様に勝ち目は無い……悪夢(ナイトメア)!!!」

M「ガッ……!?」

 

突然の激しい頭痛に思わずその場に(ひざまつ)き、悲鳴をあげる。

M「うっ……あ、アァァッ!?!?」

 

今自分に何が起こっているのか、それさえも分からずにただただ耐え難い痛みに苦しむ。

 

永闇「どうだ?これが私が媒介となり伝わる感情(・・)だ。痛い、苦しい、怖い、そんな感情が今貴様に伝わっている」

M「ウ……ガァァァァッ!!!」

 

あまりにもの苦しみに獣人化した。

永闇「苦しみから逃れる為に獣へと堕ちたか……だがそれでは何も変わりはしない」

M「……………」

永闇「まさかもう果てたというのか?精神攻撃にここまで弱いとはな」

 

M「アァァァァァァッッッ!!!!!」

永闇「何ッ!?ガハッ……!」

 

神速の如く突っ込んで来た瑞生が容赦無く爪を突き刺した。

 

永闇「何故だ……何故動ける!?」

M「ハァァァァッ……フグギギィ……」

永闇(まさか……暴走している!?)

 

超獣人化(ビーストオーバー)。いつぞやの異変でやってしまった状態であるが、今回はあまりにも精神が狂い暴走したのだ。

神獣化している状態での暴走。敵と見なした奴は誰であろうと襲う。

だが今この状況はかなり永遠の闇にとっては危険な状況ではあった。

 

永闇(見えぬッ……全く反応が追いつかないだと!?こんな事が)「グアァッ!!!」

考える暇も無く、瑞生のビーストブロウが自分の体を斬り裂いていく。

 

永闇「ッ……何という力、このままでは私の身体が持たぬ……」

M「グルアァッッッ!!!」

永闇(致しかねない……)「グランドクロス!」

 

 

M「ガッ……」

そして、瑞生は倒れた。

 

永闇「ク、まさかこの技を使う羽目になるとは……恐ろしい力だ」

 

M「ウァァァァッ……!!!」

永闇「どうだ、何も出来ない状態でもこの空間に居る限り貴様は悪夢を見続ける……死ぬまでな」

 

 

 

 

 

 

~瑞生の精神内~

M「…………ハッ!?」

目覚めたらいつか見た様な何も無い真っ白な空間、ここは俺の中だ。

 

M「俺は、一体……」

闇ゼロ「今お前は大変な事になってるぞ」

M「闇ゼロ……」

闇ゼロ「悪夢を見続けさせられ、何も出来ずに(うな)され、精神が果てるのを奴は待っている」

M「そんな……!」

闇ゼロ「だがお前には残念だが対抗する術は無い、光前にはな」

M「……お前なら、何とかなるのか?」

闇ゼロ「無理だ」

M「おい……」

闇ゼロ「奴も闇、そして名前の通り奴は永遠の、全ての闇と共に存在している。俺ならあの空間にで活動出来るが俺の攻撃は奴には何一つ通用しない」

M「……これって、詰んでないか?」

闇ゼロ「だな」

M「………」

闇ゼロ「………」

M「いやいや!そんな、じゃあ、俺は……死ぬのか?このまま奴に精神を全て持ってかれるだけなのか!?」

闇ゼロ「……方法が、1つだけある」

M「何だ!?何だって良いから教えてくれ!」

 

闇ゼロ「闇となり、そして光と化せ」

M「……?」

闇ゼロ「俺に交代し、その後光を入れる。混沌となるんだ」

M「それで?」

闇ゼロ「俺の全てを込める。その攻撃であの空間を破壊するんだ」

M「お前の全てを込める……じゃあお前はどうなるんだ?大丈夫なのか?」

 

 

闇ゼロ「大丈夫も何も、消えるだけだ」

 

M「えっ……」

闇ゼロ「奴の闇の空間を打ち破るには混沌となりどちらかの全てを込めて力を放出すれば良い、そうすれば必ずあの空間は破壊出来る筈だ」

M「消える……」

闇ゼロ「……何を迷っている。もしお前が力を放出してしまえば勝率は0になるだけだぞ?先程言ったが俺は奴に対してダメージを与えられない」

M「…………でも」

闇ゼロ「でもじゃない!お前はどうしてその様な考えが出来る!?」

M「お前は例え俺の相反する存在だとしても、俺で無くても俺なんだよ!そんな存在を消すなんて……」

闇ゼロ「安心しろ、お前から闇の力が消える訳では無い。俺という存在と人格が消えるだけだ」

M「そんな事言ってない!俺は少なくともお前も召喚獣達の様にこれまで一緒に戦って来た仲間だと思ってる!」

 

一瞬間が空いて、

 

闇ゼロ「仲間、か……まさかそんな言葉が聞けるとは思ってはいなかったな」

M「お前が何者であろうと関係無い」

闇ゼロ「甘いな、貴様がこの前作っていたケーキの数万倍甘い」

M「……お前」

闇ゼロ「ゼロ、いや如月 瑞生。お前は生きて奴を倒せ……お前の光なら必ず奴を倒せる」

M「…………」

闇ゼロ「あの世界を守りたいんだろ、守りたい者達が居るんだろ」

M「俺、は」

闇ゼロ「お前はゼロ、紅き英雄だ。それ以外の何でも無い」

 

M「………分かった」

闇ゼロ「……よし。ならば急ぐぞ、もうお前の精神は尽き果てようとしている」

M「あぁ……」

 

 

 

 

 

永闇「……ん?」

唸っていた瑞生が突然唸るのを止め、起き上がった。その鎧と瞳は黒く染まっていたが。

 

永闇「何だと!?」

 

闇ゼロ「テメェ、永遠の闇とか一丁前な名前しやがって……まぁお前は必ず後でくたばる事になるだろうがな」

永闇「お前は何だ……?」

 

闇ゼロ「俺はコイツの闇だ」

永闇「闇だと?」

 

闇ゼロ「今から貴様の創り出したこの空間を破壊する。そしてお前の闇は剥がれる」

永闇「不可能だ……闇のお前がそんな事が出来る訳が無い」

闇ゼロ「そうだな、それが俺だけならな」

永闇「何?」

 

闇ゼロ「行くぞ……これが俺にとっては最後の光と闇の交わる時だ!」

 

そして混沌へとなる。

永闇「光と闇……混沌だと!?」

 

 

M「さぁ、始めるぞ!」

闇ゼロ「俺の力を全てお前に渡す。それをお前が放つんだ」

M「……分かった」

 

 

闇ゼロ「闇を以って闇を制す……」

M「はぁぁぁっ!!!」

闇ゼロ「解き放て俺の全てを!」

M「エンドオブ……シャドウ!!!」

 

 

 

そして2人のゼロの放った1つの弾はこの世界全てを包み込む様にゆっくりと広がり、瑞生と永闇の闇が見る中ある時ピシリと音を立て……崩れた。

 

永闇「まさか……私の世界が……!」

 

 

 

闇ゼロ「後は頼んだぜ……もう1人の俺」

M「……任された」

 

 

闇ゼロ「お前と、そして個性的過ぎる女達との時間……悪くない時間だった」

 

 

最後に聞こえたその言葉は、闇には似合わない暖かい言葉だった。

 

M「ッ………!!!」

 

ポツリポツリと落ちそうになった雫も今は堪えて、自分の闇(ダークゼロ)の想いを無駄にする訳にはいかない。今は先に進むしか無いのだから。

 

こんな戦いに、終止符(ピリオド)を打つ為に。

 

M「ゼロ……俺に……俺に力を貸せぇッ!!!」

 

 

感じる。博麗神社の前で俺が帰って来る事を信じている皆の想いを、そこには紫が居る事も。

 

 

永闇「何だ!?何が起こっている……?」

 

空間が壊された事も瑞生の神力が急に増大した事も合わさって非常に混乱している様だ。

 

M「皆の想い……もう1人の俺の想い……怒りも悲しみも全部乗せて、力に変える!」

 

そう、今になって思った。自分の能力とはこういう事なんだなと。

 

「想いを力に変える」なんて能力、簡単に言えば誰もが持っている能力だと思う。火事場の馬鹿力とか良く言うし。

 

ただ俺は何かが違う。何かと聞かれると良く分からないと答えるだろうけど。

 

M(俺は何者でも無い……俺は、ゼロだ)

 

 

さぁ始めよう。状況は変わったが一転攻勢になるなんて事は無い、どうせギリギリで戦う。けれどそんな事分かりきっている事だし。

 

どんな理不尽が来ようたって、どれだけ絶望したって……勝てば良いだけの話なのだから。

 

 

M「行くぞ……俺は負けない、絶対に!」

 

今度こそ最後を迎える為に、今両手にゼットセイバーを握る。

 

BGM♪Esperanto(ロックマンゼロ)

 

 

 

M「はぁッ!」

相手に速攻で近付いて剣を振りかざすと、永遠の闇は何もせずに両腕で受け止めた。

 

M「……」

永闇「何故だ」

M「何がだッ!」

永闇「何故恐怖を抱かない?何故絶望しない?1度闇に堕ちたというのに」

M「怖いに決まってるだろ、絶望なんて物も何度したか分からない!けれど……その度に俺は誰かに助けられて来た!」

 

永闇「その様な下らない希望……」

M「下らない言うな!」

永闇「精神が極限までに追い込まれていた時、お前は死の恐怖を抱いただろう?」

M「……それは、そうだ」

永闇「増大した死の恐怖を止める事は出来ない。救う事が出来るのは、全ての破壊しかない」

M「だから1度世界を創り直すとでも言うのか!?ふざけんな!そんなのお前がこの世界に存在する為の理由でしか無い!」

 

永闇「人と妖怪、相容れぬ者達が生きている世界。成り立っている様で成り立ってはいない……誰かが世界を変えなければ負の感情は消え去り等はしない」

M「それでも!変えようと願い、戦う者達が居るんだ!そんな世界を壊すなんて……例え神だろうと許しはしない!」

永闇「何も生む事の無い、何も進化する事の無い、負の感情すら生まれる事の無い無の世界に全てを還すこと……何も無ければ、恐怖する必要すら無くなる……それはお前達この世界に生きる者達が真に望む世界……」

 

M「勝手な事ごちゃごちゃ言いやがって……確かに争いの絶えないどうしようもない世界だとしても!変えようと願う希望があれば変えられると俺は信じてる!それを無に還すなんてさせない!」

 

永闇「ならどうする?幾ら何をどうしようと生きてる者達が居る限り争いは生まれる……そこから負の連鎖は始まり、終わる事は無い」

 

M「それを何でお前が決めつけるんだッ!何も知らない、何も分かってない奴が全てを分かった様な事を言うなッ!」

永闇「知る必要等無い。無が全て、無こそが世界全ての真理なのだから……そう生きようと希望を見出そうとしなくとも良い。無に還れ、そうすれば全て楽になれる。逆らう事は無い」

 

 

M「だったら、俺が今ここでお前を倒してお前が、お前の唱える存在意義が間違ってるって事を証明してやる!」

 

永闇「相容れぬ光よ……我が闇にもう一度沈めてやろう!」

 

M「なら逆に俺が光で浄化してやる!ホーリージャッチメント!」

永闇「極微なる生命の、生即ち罪なれば人の罪と共に消えん……バイオガ!」

M「チッ……!」

 

永闇「もう一度悪夢を、恐怖による呪縛を見せてやろう……煉獄の堅琴は、汝の運命の輪を揺らす。ただ立ち尽くすのみ……闇の奥底、死の恐怖たゆとう闇の衣……

 

悪夢(ナイトメア)!」

 

 

M「グッ……確かに俺は弱い、けれど!皆が居る限りもう悪夢は効かない!皆の、俺の光で消し去ってみせる!うおぉぉぉぉっっ!!!

 

極光壁(インフィニティ・シェル)!!!」

 

 

永闇「悪夢を打ち破っただと!?」

M「セイクリッドクロス!!!」

永闇「ガハッ……」

 

M「まだ終われると思うな……来いッ、ゾディアーク!」

ゾデ「承知した!」

M「何か敵もやってたけどあんなの甘いなッ、本当の魔法剣を見せてやる!ゾディアーク!」

ゾデ「受け取れッ!虚栄の闇を払い、真実なる姿現せ……あるがままに!アルテマ!」

M「これが……未来を斬り拓く究極の一撃!喰らえッ、アルテマソード!!!」

 

 

永闇「ウオォォォォッッッ!!!!!」

 

崩れ去る永遠の闇。

 

M「ハァッ……ハァッ……」

永闇「何故、自らの恐怖に逆らおうとする……自らの答えを認めようとしない……」

M「皆沢山負の感情を心に秘めてる。そして時に絶望する事だってある!けれど……その様な感情に、負けてなんていられないんだッ!そういった感情と戦って悩み続ける、その事が「生きてる」って事なんだッ!」

 

永闇「生きる意志とは、かくも強大な物なのか……これ程の希望を、光を……」

M「この世界に生きる者達の為にッ……これで終局(フィナーレ)だ!

 

亡霊は……宵闇の中へ帰れぇェェッ!!!!!」

 

 

 

最後は特に技を放つ事も無く、二刀流でX斬り。

 

 

永闇「貴様の光、闇、見せて貰ったぞ。喜べ……貴様の勝ちだ」

M「この戦いに勝ちなんて物は無い」

永闇「どこまでも面白い奴だ……だが、これが終わりではない。私はいつでも復活する、この世に生あるものと、そして死が存在する限り……」

 

M「そしたらその度に俺が今みたいに斬る」

永闇「お前は何者だ?光か?闇か?それとも何にでも無い、まさしく無だというのか?正義の味方、伝説の英雄……お前は一度にどれ程までの存在になるつもりだ?」

 

M「……俺は正義の味方でも無ければ、自分を「英雄」と名乗った覚えも無い。俺はただ、自分が信じる者の為にに戦ってきた。俺は、悩まない。目の前に敵が現れたなら……叩き斬るまでだッ!!!」

 

 

そして永遠の闇が最期に何かを言った気がしたが聞き取る事は出来ずに、奴は完全に消え去った。

 

 

 

M「やったよ、皆、紫……もう1人の俺」

 

その場に思わず倒れそうになるが、

ゾデ「主!」

バハ「そこで倒れたら意味が無いだろう!」

イフ「燃え尽きるな!」

オデ「そこで倒れたら斬鉄剣で斬るぞ!」

 

……倒れさせてくれない連中がギャーギャー言ってるんでその心配は無さそうです。

 

M「分かってるよ。さぁ、帰ろう……皆の元へ」

 

エターナルソードで次元を斬り開き、最終決戦場となったその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

~博麗神社~

霊「!!!」

魔「境界が……!」

妖「消えていく……って事は!」

 

上空にあった境界は消え、代わりに地面にまた新たな次元の歪みが出来てその中から瑞生がヌッ!と出て来ました。

 

M「ほいっと。おぉ全員集合してるじゃん」

 

 

ALL「瑞生(兄様)(さん)!」

M「……ただいま」

 

皆何やらうずうずしている様だったが、先手を取ったのは勿論この人(妖怪)。

 

M「おわっと、抱き着いて来るのが早いぜ?」

紫「バカ……遅いわよ!」

M「悪い悪い、やっぱ強かった」

 

 

紫に続き、皆も飛び込んで来た。紫みたくギュッと抱き着いて来る者もいれば何故か殴る蹴る、普通に締める(レスリング)をする者も。

 

……俺一応大激戦終わった後だよ?

 

永「その辺にしといて。まずは治療が先よ」

M「助かった~」

永「……大丈夫ね、何処も失って無いし折れてもいないわね」

M「まぁ、今回の相手はどちらかと言うと精神的に攻撃してくる事が多かったし」

 

実際死にかけたし、本当の意味で。

 

 

M「でも流石に疲れた……皆も疲れただろうからここはお開きにしよう」

 

瑞生の言葉通り皆も満身創痍だったのだ。それでもって俺をずっと見守ってくれていたのだから尚更だ。

 

皆その言葉に頷いてそれぞれの場へ帰って行った。どうせ数日後にある宴を楽しみにしながら。

 

 

 

 

 

3日後。

霊「いつもながらお寝坊さんね、瑞生は」

紫「……それだけ神力を使って、ギリギリの状態で戦ったという事よ」

霊「……何だか心配になってきた」

紫「大丈夫、恐らく今日か明日には起きるわ」

 

 

 

縁側から一旦離れて、彼の部屋に向かう。

爆睡している彼。今回も死力を尽くした戦いをしたのだろう。

 

紫「ねぇ瑞生、瑞生が行った後あの後色々話したの。宴会でどうこう言わずとも貴方から私の事を聞いていた皆は普通に許してくれた。いや、許してくれてはいないのかもしれないけど、私に生きていて良いって言ってくれたの」

 

寝ている彼に微笑みかける。

紫「ちゃんと起きてからも言うけど、ありがとう。全て貴方の言う通りだった。皆私の事を凄く心配してくれていたし、霊夢なんて未だに私が少しでも喋らないと本気で心配してくれるのよ?面白いでしょ」

 

霊夢の反応を楽しんでいる訳では無いが、ついついやってしまう。

 

紫(……そう言えば、私を助けた時って)

あの時私は気絶していた筈なのに何故だか昨日寝た時にその場面がフラッシュバックしたのだ。

 

瑞生の隣に謎の巨大な鳥が居て、何かした後に……私に……。

 

紫(~~~ッ/////)

思い出してブンブン首を横に振る。あの時は仕方無かったとはいえ……

紫(初めて……取られちゃったわ。まさか貴方から奪ってくるなんてね)

 

紫様、妙な解釈をしないで下さい。

 

 

紫(じゃ、じゃあ私だってお返しする権利はあるわよね?ね?)

だれにはなしているのだ。(MOTHER感)を出しながらもゆっくりと、ゆっくりと彼に自分の顔を近付け……まぁこういうのはお決まりという物がございまして。

 

M「……んむぅ」

紫「!?!?!?」

唐突の目覚めにより紫様瑞生もビックリの神速で普通の状態に戻る。

 

M「あれ……紫?」

紫「おはよう、いやおそよう」

M「そんなに眠ってたか?」

紫「3日まるまる」

M「まぁ、そこは許してくれ」

 

部屋を出て、

霊「瑞生!」

M「霊夢、おはよう」

霊「おはようじゃないわよこのおバカ!」

M「痛ッ……いきなりのチョップはお慈悲^〜」

霊「良かった、これでようやく皆今度こそ戻って来たわね」

M「て事は、いつものか?」

霊「そう、いつもの。とっとと準備するわよ、紫は皆に通達宜しく」

紫「人遣いが荒いわ~」

霊「人じゃ無いから何の問題も無いわね」

紫「妖怪遣い~」

霊「さっさと行け」

紫「あぅ」

 

そう言ってスキマに消えていく紫を横目に苦笑いしながら、

 

M「……終わったんだな、本当に」

そう呟いた。この光景を、アイツも見てくれているのだろうか。

霊「瑞生ー」

M「あぁ、今行く」

 

 

 

後にこの異変は永無異変と呼ばれ、語り継がれる事となる(大嘘)。

 

 

 

 

 

 

 

その夜。

M「そんじゃ皆の勝利を祝して!乾杯!」

ALL「かんぱーい!」

「ホウラ~イ」←?「シャンハーイ!」←?

 

 

 

 

裏の縁側にて、

 

M「さてさてヒートアップして来たので避難避難……あの場所に居たらいつ呑まされるか分かりやしない」

紫「なら私が呑ませてあげるわ」

M「ファッ!?」

紫「何よその反応は」

M「お前さっき向こう居たよな!?」

紫「貴方が見回しても居ないから多分こっち側かなって思っただけよ」

M「……さいですか」

紫「呑みましょ?」

M「嫌です」

紫「ぶー」

 

お茶と彼女のお酒、また風変わりな2つでもう一度乾杯する。

 

M「無事終わって良かった良かった」

紫「……そうね」

M「まぁだそんな暗い顔する」

紫「流石に素直には喜べないわ」

M「まぁその気持ちも分かるけどさ」

紫「瑞生、貴方には謝罪と礼を述べたかったの」

M「謝罪と礼ねぇ」

紫「皆から聞いた。貴方には精神的なトラウマを植え付けてしまった」

M「そんな物無いって」

紫「……」

 

そう言うと彼女は突然首元に手を伸ばしてきた。

 

M「……ッ!!!」

考えての事では無い、「これは危ない」と反射ですぐに後ろへと下がった。

 

紫「……ね?そういう事よ」

M「う……」

紫「今貴方は私と普通に話してくれているけど、私は貴方に斬られてもおかしくない事をしたのよ?」

 

M「……それがそうだとしても、俺は構わない」

紫「どうしてよ……」

M「お前が、生きてるから」

紫「……!」

M「まぁ確かに今回の戦いは俺も皆もとても傷付いた。だけどそれはお前もだろ」

紫「それでも、赦される事では無いわ」

M「だからそう1人で背負い込むなって。お前は幻想郷の創始者として幻想郷を守りたかったんだろ……例えそれが大切な人達を裏切ってでも」

 

紫「えぇ、そうよ」

M「信念を持つのは自由だ、それが例え間違った事だとしてもな……」

紫「私は、間違い過ぎた。そして間違いに気付いていながらもそれを間違いだと認めなかった」

M「それは永遠の闇とかいう奴が居たからだろ、お前も色々思う所があったとはいえ」

紫「皆は、本当に私を赦してくれるのかしら」

M「赦してないのなら皆ブチ切れてると思うぜ?皆いつもお前を胡散臭いとか色々言ってるけど、本当はいつも幻想郷を守る為に頑張ってる事を知ってる筈さ」

紫「……とても、私は幸せ者だったのね」

M「過ぎた事を言っててもしょうがない、俺もお前も今こうしてちゃんと生きてる。幻想郷も皆もな」

紫「……」

M「皆誰しも何かの罪を背負って生きてるモンだと俺は思うけどな、特に俺は……過去に沢山消せない罪を犯したから。後悔しか残らない事も沢山ある」

 

紫「消せない罪……」

M「幻想郷の奴等は誰にも言えない秘密の1つや2つ位あるものさ」

紫「貴方は……私を赦してくれるの?」

M「赦すも何も……俺もお前があんな悩みを抱えていた事に気付けなかったからお互い様だ」

紫「いや、私は……」

M「幼馴染として、失格だよな」

紫「瑞生、いや、その……」

M「最初に言ったろ、お前が生きてるならそれで良いさ、俺は」

 

紫「……本当に、貴方は底無しのおバカなのね」

M「そりゃないだろ」

 

 

紫「ありがとう、貴方が居てくれて本当に良かった。貴方が私の希望になってくれるって言った時、私は心の底から嬉しかったのよ」

M「……まぁ、あれはその、何というか///」

紫「ふふ、顔真っ赤よ」

M「……別に褒められる事じゃない。永遠の闇にも言ったんだけど、俺は自分信じる者の為に、自分の守るべき者の為に、戦うだけだ」

紫「私はその中に入っているのかしら?」

M「お前は、別だ」

紫「あら、幼馴染特権?」

 

 

M「……惚れた女に、命懸けるの普通の事だろ。男としてな」

紫「………………えっ?」

M「2度も言わせんなよ、恥ずいだろ……好きなんだよ。お前が」

紫「Like?」

M「……Loveだ」

紫「え、えeムゴムゴ……」

M「叫ぶな、皆が来るだろ」

紫「で、でも、好き?好きなの?私が?」

M「幼馴染に恋をしたベタな話で悪いか」

紫「……///」

 

M「お前が居なくなった時、心の何処かに大きな穴が出来た。それが何だったのかに気付くのに少し時間が掛かった」

紫「……それで?」

M「そんな長い時間でも無かったけど、自分達の中にお前が居なかった事が凄く胸が傷んだ。お前はいつも俺達と戦ってくれていたけど、それがいつも通りになってそのいつも通りじゃ無くなった時、俺は精神的に不安定になってたんだ」

 

続けて、

M「要はお前が……俺にとっては精神的にも大切な存在だった事に気が付いてな。いつも通りが、こんなにも大切な事だったとは思わなかったよ」

紫「そ、そう……///」

 

彼からの口からそんな事が出て来るとは思いもせず、彼の言葉が頭に全然入らなかった。

 

M「まぁ、それだけだ。1人喋って悪かったな」

紫「い、いや……大丈夫」

M「……///」

言い終わった彼は顔を真っ赤にして俯いてしまった。ふと可愛いとも思った。

 

 

紫(瑞生が自分の気持ち、言ってくれたんだから……私だって伝えないと)

「瑞生」

M「何だ?」

 

紫「………」

ここはもう、シンプルに伝えよう。

紫「私も、好きよ」

 

M「……そっか、ありがとう」

 

何も言わず、彼は優しく自分を抱き締めた。

 

彼に抱き着く事も抱きしめて貰える事も別に初めて等では無いけれど、これは特別。

 

 

紫「ねぇ瑞生」

M「……ん?」

紫「キス、させて」

M「……して、じゃなくてさせて、か」

紫「だって貴方既に私の初めては取ったでしょ?あの時に」

M「い、いやあの時は……仕方無かったろ」

紫「けれど乙女の初めてを奪ったのは重罪よ?ちゃんと、償いなさい」

M「……どうぞ」

 

彼はそう言って目をつぶった。

紫「ファーストも、セカンドも初恋の相手で嬉しいわよ、瑞生」

M「……それは俺も同じだ」

 

 

チュ、と柔らかい物が口に重ねられ、目を開けたら顔を赤くしながらも笑顔の彼女が居た。

 

M「満足か」

紫「全然」

M「そりゃ結構な事で、でもあまりし過ぎると俺も理性って物が切れちまうぜ」

紫「り、理性……?」

M「今まではまぁ無けなしの理性で持ち堪えてはいたけど、恋人になったのなら別に我慢する必要は無いからな」

 

紫「!!!……////」

驚いたり顔真っ赤にしたりと反応が面白い。

 

 

 

 

M「紫、それともう1つ」

紫「え?」

M「俺は、この世界に居ても良いだろうか?」

紫「当たり前じゃない……勝手に居なくなったりしたら何処までも追い掛けるわよ?」

M「そうか……ありがとう」

紫「貴方が例えどんな存在であろうと、貴方は如月 瑞生。それだけよ」

M「……分かった、お前がそう言うなら」

 

 

色々と話が一段落ついた所で、

 

M「……皆の所戻るか」

紫「……えぇ///」

 

 

 

 

霊「あぁ瑞生~何処行ってたのよ~」

M「酒臭ッ……」

紫「呑み過ぎね」

M「うぷっ……」

萃香「紫~お前も呑め~」

紫「私は呑んでるわよ」

レミ「うー……」

咲「お嬢様、そろそろ帰ってお休みになられたらどうですか」

レミ「まだ……大丈夫よ……」

フラン「こっくりこっくりしてる……」

 

文「ふふふ、こうして皆さんの恥ずかしい場面を写真に残しておけば……後に色々使えるんですよ」

椛「先輩……顔が悪どいです」

 

M「もう皆帰った方が良いぞ、明日に響く」

紫「もう結構手遅れな感じするけど」

 

さとり「そうですね、こいしもペットも流石に眠たそうですし」

勇義「私はまだまだ大丈夫だけどね」

萃香「私も勿論」

パル「貴女達と一緒にしないの」

 

神子「我々も帰るとしましょう」

布都「うむ~」

蘇我「ほら、起きろ」

聖「帰りますよー皆さん」

星「はひ~」

ナズ「はぁ……潰れてる」

ぬえ「ま、楽しかったよ」

マミ「うむ、そうじゃな」

 

藍「………」

橙「藍様?」

藍「いや、何でもない」

 

マミ(……視線を感じる)

ぬえ「どうかしたの?」

マミ「何でも無い」

 

永「はぁ~まだ地味に昨日の疲れ残ってるのよね……本当に昨日は疲れたわ」

輝「帰ってさっさと寝ましょ」

鈴仙「でも、楽しかったですよ」

てゐ「師匠もやはり年か……」

永「てゐ、何か言ったかしら?」

てゐ「はいッ!何でもございませんッ!」

鈴仙&輝「…………」

 

妖「随分夜更かししちゃいました」

幽「良いじゃない、今日位特別よ」

妖「そうですね」

 

天子「は~楽しかった」

衣玖「良かったですね、総領娘様」

天子「……別に天子で良いわよ、これからも」

衣玖「なら、お言葉に甘えて……天子様」

天子「えぇ」

 

慧「妹紅、手分けして送り届けるぞ」

妹紅「分かってるよ、ほらそこの妖精達」

チルノ「くかー……」

大「ほら、チルノちゃん」

スター「すー……」

サニー「う~ん……」

ルナ「Zzz……」

リグ「皆見事に寝てる」

ミス「皆騒いだもんね、疲れたんでしょ」

ルーミア「全く、この程度で寝てしまうとはまだまだね」

 

早苗「すぴゅー」

諏訪「寝ちゃったよ」

神奈「仕方ない、私がおぶるよ」

にとり「楽しんだねぇ~」

雛「そうね、私もよ」

レティ「たまには良いわね」

幽香「私達も帰るわよ」

くるみ「はーい」

エリー「もう少し居たかったけど」

メデ「また来れば良いじゃない」

 

四季「ここまで騒いだのは初めてですね」

小町「楽しかったでしょう?」

四季「……悪くは無いですね」

 

ルナサ「2人とも、帰るわよ」

メル「はーい」

リリカ「沢山奏でたね~」

ルナサ「えぇ、瑞生とライブ出来たのも良かったわ。また人里でしたいわね」

メル「それに関しては瑞生は昼は死んでるから夜にして欲しいって言ってたわ」

リリカ「暑いもんね」

 

香霖「じゃあ僕もお(いとま)するとしよう」

小鈴「本日は楽しかったです」

阿求「お招き頂き感謝します」

 

M「皆ありがとな、また」

 

 

 

 

 

 

皆帰って、すっかり静まり返った宴会場に1人片付けをする。

紫「霊夢、寝たわよ」

M「あぁ、サンキュ」

 

そう言うと紫も片付けを手伝ってくれた。

M「へぇ、どういうつもりかは知らないけどありがとな」

紫「……別に何でもないわ」

藍「瑞生様、私達も」

橙「手伝います!」

M「2人もありがとな」

藍「いえいえ。それよりも晴れて紫様の恋人となってありがとうございます」

橙「私も凄く嬉しいです!」

 

吹いた。

M「……紫?」

紫「ご、ごめんなさい///」

藍「ものすごーーーいデレデレ顔で「瑞生に告白された!されたのよ!」って報告してきました」

橙「あの時のはにゃん顔は面白かったですね」

M「……」( ≖_≖ )ジト目

紫「だ、だって……嬉しかったんだもん」

M「……まぁ、皆にもすぐバレるだろうし。早い内に皆にも言っとこうか」

紫「え、えぇ……そうね/// 」

藍(おぉ、瑞生様が積極的)

橙(いつも通りでも恋人みたいな雰囲気出してましたし、これからどうなるのかワクワクです)

 

 

 

片付けが終わって、八雲一家は帰った。

M「……俺も寝るか」

 

 

 

藍「紫様、今夜は瑞生様と一緒じゃなくて良かったのですか?」

紫「え?」

藍「告白されたその夜は……一緒に寝てにゃんにゃんするのでは無いのですか?」

橙「にゃんにゃん?」

紫「ッ……///藍、貴女妙な本とかドラマを見過ぎよ。橙が変な想像するから止めなさい」

藍「まぁ……それはそれは」

橙(にゃんにゃんって何だろう……?)

 

 

 

 

 

それから間もない内に俺と紫の関係は何処かの鴉天狗により報じられ皆大騒ぎとなったが、何だかんだで皆祝福してくれた。

その時皆何かしら複雑な表情をしていたのを見て俺も複雑な心境になったが、

霊夢の「ま、幻想郷の最強変人同士お似合いね」の言葉に皆頷き笑い合った。

 

紫(霊夢……貴女が1番複雑なのでしょうね)

けれど、私は告白された身であるからこればかりは譲れない。

紫「瑞生、浮気したらどうなるか……分かってるわよねぇ?」

M「怖いっての……大丈夫だ、安心しろ。俺は惚れた女に一途だからな」

紫「ほんとぉ?」

M「……」

彼女のおでこにそっと口付けて、

M「これでどうだ?」

紫「……///」

 

ポカーンと真っ赤な顔でコチラを見る紫と、

 

ALL(リア充爆発しろ~!!!)

見せつけやがって……という感じの皆でした。

 

 

 

 

幻想郷、人と人ならざる者達が共に暮らし、普通の世界と繋がりながらも交わる事は無い世界。

 

そんな世界に妙な運命を背負ってやって来て、そして幻想入りした俺。

 

自分の存在に悩み続け、それでもと言い続け戦った。そして俺の、俺達が導いたこの世界でこれからも俺は生きるだろう。

例えまたこの世界を脅かす存在が現れても俺達ならきっと大丈夫、俺は1人じゃない。

 

紅き英雄の力を借りて、これからもやる事は何も変わらない。

 

 

 

自分の信じるものの為に守るべきものの為に、戦うだけなのだから……。

 

 

 

東方英雄伝 完

 




M・M「やっと……終わったんやな」
M「まぁ終わったな」

M・M「まずは、ここまで読んで頂き誠に感謝します。2月に書き始めて早半年、学業で色々遅れたりでも頑張って書けて良かったと思います」
M「お気に入りに登録してくれた皆様も本当にありがとうございます。作者のありきたりなストーリーでしたが少しでも楽しんで読んでいたのなら作者はきっと最高に嬉しいだろうと思います」
M・M「少々駆け足になってしまったり嘘こいたりして申し訳無いです……」
M「まぁ今は完結出来た事を喜ぶべきだな」
M・M「ともかく皆様この作品を読んでくれてありがとう~ビールビール!」
M「お前未成年ダルルォ!?」



M・M「さてさて前にも言ったと思いますが本編は完結という事になるけど本編の後日譚やIFストーリー等もそれなり書くのでここがまた新たな始まりと言っても過言では無いですね」
M「新しい作品は?」
M・M「新しい作品を書いてからこちらのストーリーを書く予定であるので多少は遅くなります。本編では使わなかった(すいません)章分けを使い文字数も考えて分かりやすい感じの書き方をしたいと思ってます」
M「まぁそんなに早いスピードでは無いだろうから気長に待って欲しい」
M・M「本編では紫様とくっつきましたが、リクエストもどしどしお待ちしてナス!誰のストーリーが書いて欲しい等があれば是非ともお願いします。まぁ本編キャラの大体の恋愛譚を書くつもりではあるけど」

M「それより新作」
M・M「おっと。新しい作品は……我が愛してやまないロックマンゼロを書きます」
M「おぉ」
M・M「自分が見た所あまり多くないみたいで……なので前から書きたいと思っていたので」
M「今回みたいにオリ主か?」
M・M「ストーリーは読んでからのお楽しみになりますが、オリ主では無く主人公はちゃんと原作通りのゼロさんです」
M「え、でもゼロって……」
M・M「まぁ主人公がゼロって時点でもう大体察しが付いてる方もおられると思いますが、時代軸はロックマンゼロ4の後。ゼクスとゼクスアドベントも入ってきます」
M「ほほぉ~」

M・M「なるべく1話は早くに投稿するつもりなので読んで頂けると幸いです」
M「じゃあこの作品はこの辺で。てか俺ともお別れか」
M・M「そうだな。ツッコミと時にはボケに乗ってくれてありがとう」
M「俺の扱いよ……」
M・M「では瑞生とこの作品はここでお終いにさせて頂きます。ここまで読んでくれてありがとうございました!」
M「またなー!アフターエピソードで会おう!」



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~東方英雄伝 The After~
-あれからの生活 瑞生の悩み-


どうも。暑い日々が続いており今は絶賛お盆の時期ですが皆様どうお過ごしでしょうか。

新しく書いているロックマンゼロの小説がかなりの好評価を受けさせて貰いまして誠にありがたき幸せです。

コチラもまぁのんびりと書いていきますので宜しくお願いします。

本編の続きとして紫様と結ばれた後のお話となります。なお下ネタ要素が多くなり、紫と恋人となった事で瑞生がおかしくなっていきます。頑張れ瑞生!

では、どうぞ。


あの最終決戦から数週間が経った。

世界はいつも通り朝夜を迎え、今日ものんびりと時が過ぎていく。

 

~博麗神社~

霊「……ふぅ」

冷たいお茶を飲んで一服する。

 

1人になった神社は、とても静かだった。

 

瑞生と紫が恋人になって、毎日紫が神社に来ては瑞生とイチャイチャするので思わず

霊「面倒くさいから瑞生を連れて行けば良いじゃない、わざわざ紫が来なくても」

M「いや霊夢、流石に無理だろ」

紫「イケるわよ?」

M「……マジ?」

 

彼は1日で荷物をまとめ、紫が仮住居としているマヨイガへと移った。

M「今まで、お世話になりました」

そう告げて。

 

 

彼は今八雲1家と楽しく過ごしているのだろう。

魔「寂しいんだな」

霊「きゃっ!?」

魔「な、何だよ」

霊「いきなり現れないでよ」

魔「さっきから居たんだぜ……お前が上の空で気付かなかっただけだ」

霊「……そう」

魔「ま、瑞生が居なくなって寂しい霊夢の気持ちも分かるけどさ」

霊「うるさい」

魔「……本当に、唐突だったな。瑞生が紫と付き合うって言ったの」

霊「まぁ、元々2人は相思相愛だったから」

魔「だから退いたんだな」

霊「別にそんなつもりは無いわ。ただ、恋愛で負けただねの話だから」

魔「……私もとっとと告白すれば良かったな」

霊「え?」

魔「何でもない」

霊「変な魔理沙」

 

 

 

今日も博麗神社は平和です。

 

~???~

M「暑いな……」

紫「本当にね……」

 

ここは八雲1家が、そして瑞生が暮らしているこの家は、「何処に存在するか全くの不明で誰も辿り着けない場所」とされており瑞生も良く分かっていない。※瑞生は別。

 

ただ気候は幻想郷なので今の時期は絶賛暑い。

 

藍「ただ今戻りました」

橙「ただいまです~」

そこへ買い物に行っていた藍と橙が帰って来た。

 

紫「おかえりー」

ぐでーんと俺の膝の上に置いた氷枕の上に寝転ぶ紫。いやこれ暑いから良いけどずっとは流石に冷たくなって来る。

 

まぁ言おうにも言えないのだが。

 

藍「もう、紫様だらしないですよ」

紫「だって~」

 

橙「アイス買ってきました!」

M「ナイスだ橙、食べようぜ」

 

 

 

紫「ん~おいし~♪」

M「この時期には最高だな」

藍「まぁそれは認めます」

橙「幾らでも入りそうです」

 

 

あの決戦の後俺は紫に告白し、それから色々あって今はのんびり気ままな俺の幼馴染とその式神達と1つ屋根の下で暮らしている。

 

とは言え博麗神社には殆ど毎日訪れてはいる。あの場所は沢山の者達が集まるから好きなのだ。

 

何はともあれ、幸せな日々を送っていた。

 

 

とある日、仕事が終わり帰ろうとすると、

M「……上から来るぞ!いつものが」

文「誰に話し掛けているんですか?」

M「いや、何でも。それでどうしたんだ?」

文「普通に新居での暮らしは如何な物かと聞きたかっただけです」

M「賑やかにはなったな。博麗神社での静けさが懐かしくなる位」

文「楽しそうで何よりですね。じゃあ……」

M「何だ?」

文「もう既に幻想郷1のおしどり夫婦として定着している瑞生さんと紫さんみたいですが」

M「おしどり夫婦って……結婚してないし」

文「色々あって、それでようやく結ばれたカップル……夢見る女子達の憧れです」

 

M「……まぁ、確かに色々あったけどさ」

文「宴会の時にも言ってましたが浮気とかしたら滅茶苦茶大変な事になりますよー、まぁその場合それを報じるのも私だと思いますが!」

 

M「知らんがな……しないし」

文「これはまたお熱い様で……じゃあ最後に」

 

そして少々顔を赤くして聞いてきた。

文「ぶっちゃけ、夜の営みはどうですか?」

 

吹いた。

M「ッ、お前なぁ……」

文「大丈夫ですよ、誰にも言いませんから!」

M「そういう問題じゃ無いだろ」

文「あの女子達から羨まがれるダイナマイトボディ、そして美貌、そしてその体に触れて良いのは恋人の貴方だけ……そんな所ですか?」

M「変なナレーション付けなくて良いから」

文「で?で?」

 

とりあえずチョップ。

文「あぅ」

M「ンな事言える訳無いだろ」

文「むぅぅ、絶対に突き止めてみせます!」

M「そんな事突き止めなくて良いから(良心)」

 

 

彼女と別れ、エターナルソードを何事も無く家に着く。何処からでも帰る事が出来るが流石に人里でそんな事をする訳にはいかないので山道とかに出てから帰るのである。

 

 

紫「おかえりなさい」

M「ん、ただいま」

 

部屋着に着替えて座ると、むぎゅーっと紫が後ろから抱き着いてきた。

 

M「紫、暑い」

紫「私もよ」

M「……」

紫「でも好きなんだもん、瑞生の背中」

M「汗臭いだけだぞ」

紫「私は好きよ?」

M「……そうですか」

 

暑いのは勿論だが、それより気になる事と言えばぽよんぽよん当たるし揺れる2つの物体。

 

当たる感じからして……

M「……紫、お前」

紫「何?」

M「付けてないだろ」

紫「暑いんだもん」

M「……ったく」

 

俺にも無けなしの理性って物がありましてね。

 

帰りに文から聞かれた質問を思い出す。

 

答えを言うと……まだしてない。

彼女と付き合い出して1ヶ月弱だから別にしてなくてもおかしくないと思うのだが。

 

M(いや、同棲してるなら話は別か……)

その代わりといっては何だが毎回理性がはち切れそうになるもののキスは沢山してます。紫様がどうやらキス魔みたいなので。

 

したいかしたくないか。そんなのしたいに決まってるダルルォ!?当たり前だよなぁ?

 

そりゃ男ですから。こんな美人でエロい幼馴染が恋人だなんて俺は幸せ者であるが、どうしても手は出さないでいる。何故か?当然ながら俺がヘタレだからである。

 

M(そういう雰囲気になった事はこれまでに何度かはあったが……俺はそれを全部逃してる)

 

とことん自分のヘタレに自己嫌悪したくなる。

告白した時みたいな勇気が出せれば良いんですが(届かぬ想い)

 

紫「……ねぇ、瑞生?」

M「ハッ……悪い、どうした?」

紫「いやそれは私の台詞よ。さっきからボーッとしちゃって、やはり暑さにやられてる?」

M「い、いや……そんな事は無い」

紫「そう、なら良いけど」

 

家の中に居る紫はいつもの帽子を脱いで綺麗な金髪ロングヘアーである。これは彼女が完全オフの時にしか見れないから実質恋人の特権か。

 

M「……」

暑いのは暑いが、そっちがそうしてくるなら。

紫「ひゃっ」

 

突然彼がクルリと回転し自分を普通に抱き締め、そして頭を撫でる。

 

紫「……えへへ///」

M「紫、変な声出てるぞ」

紫「良いのよ、貴方しか居ないんだから」

M「いや……そんな事は無いらしい」

 

橙「ただいまです!」

藍「戻りました」

 

外に出掛けていた2人が帰ってくる。

紫「む~~~~~~!」

 

藍と橙を見るや否や不機嫌になる紫。

藍&橙「?????」

M「ハハハ……」

苦笑いするしかない。

 

 

 

その夜。

紫「あら?」

お風呂上がり、もう藍と橙は眠り瑞生や紫も床に就く時間である。

彼の部屋を訪れると、布団に彼は居なかった。

 

障子が開いており、その外に彼は居た。

 

紫「眠れないの?」

M「紫か……いや、そうじゃ無いんだけどさ」

 

いやそうです。昼間の煩悩が再び蘇って全く眠れないんです。

 

M(風呂上がりか……)

寝巻き。まぁいつもの姿をドレスの様な恰好にした寝巻きを着ており、月夜に照らされる金髪が何とも美しい。

 

女性特有の良い匂いが俺の煩悩を更に加速させていく。ドシドシと俺のSAN値理性ポイントが削りられる。やめてくれよ……(期待)

 

紫「……何か今日の瑞生変よ?」

M「いや、大丈夫だ」

紫「隠し事……」

M「い、いや……あのですねぇ」

 

あの事件以来、2人の中で隠し事は絶対しないという約束をしたのである。

 

……引かれるか。絶対変な空気になる。それは分かってるけど、言わないのも彼女に隠し事を作っているという事になる。

 

M「あのな、紫……」

紫「何?」

 

男ならば潔く撃沈するのもまた1つの良い経験だろう。ここは素直にぶちまけてやれば良い。

 

M「お前を、襲いたいんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて。

M(言える訳無いだろォォォォ!!!)

傍にあった柱に思い切り頭をぶつける。

 

紫「瑞生!?」

M「……悪い、やっぱり何でもない。ただ、隠し事とかそういうのじゃ無いさ」

紫「深くは聞かないけど、悩んでるのならちゃんと私に相談してよ」

M「あぁ」

 

いや、相談してねと言われましても貴女に1番相談出来ない話なんですがそれは……。

 

 

紫「瑞生」

M「ん?」

 

チュ、とおでこにキスされた。

紫「お休み」

M「……あぁ、お休み」

 

可愛いかよコンチクショウ。

M・M「そうだよ(便乗)」

 

 

これからも瑞生の煩悩は続く。果たして紫に想いを伝えられる時は来るのだろうか……。

 

 




はい、紫様と瑞生のキャラ崩壊が激しくなりましたThe After編1話でした。

これからもコチラの作品は短かかったり長かったりする話をちょくちょく書いていきます。

この編はとっても可愛い紫様が瑞生とただ甘々しているだけなのでそこら辺ご注意を……。
結構エロスな描写もあるかも、今の所はR-18にはならない予定なのでご安心下さい(意味不)


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