十六夜咲夜は猫を拾う。【東方】 (ねこたまる。)
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第1話

⚠️注意⚠️

微量の百合表現有り(かもしれない)(まだ未定)

国語力語彙力表現力皆無の圧倒的低クオリティ

ヒロインは咲夜とオリ主(な気がする)

割とまだいろんなものが定まってない

処女作

東方Projectと多少違うところがあるかもしれません。
生暖かい目で見守ってください()


とある、雨の降りしきる日の幻想郷。

 

紅魔館のメイド長、十六夜咲夜は雨の中

買い物に出ていた。

 

いつもならたくさんの量を買ってきてしまうが

傘のせいで片手が塞がり、今日は少ない量しか

買ってこれなかった。

 

能力で時間の進みを遅くしているが、全くと言っていいほど意味が無い。

お嬢様は『太陽が出なくていいわね』と

仰っていたが、太陽なら夜になれば闇に包まれ消えてしまうのに。日中まで太陽が出てこないと気分が滅入ってしまう。

かといって時を止めたらいいという訳でも、進みを早くすればいいという訳でも無い。

時を止めてしまうと水が固形物のように動かなくなり、行く手を阻む形となってしまうのだ。

進みを早くすれば、雨の降る速度が早まる。自分の首を自ら締めているようなものだ。

 

…まあ、雨や曇の日は、お嬢様がすこしばかり

嬉しそうにするので、悪くは無いが。

 

 

買ったものを濡らさないように細心の注意を払いながら帰路へつく。

 

いつもなら寄り道をしているところだが、こんな雨の中寄り道するところなんてないだろう。

 

 

「…あら?」

 

 

傘をさしているため、視線が自然と下に行く。

 

その視線の先には、雨に濡れぐったりと横たわる

真っ白な毛が特徴的な、仔猫があった。

 

その目は閉じていて、なにか不思議なものを感じ取れる。

とりあえず、タオルでそっと触れ、抱き上げてみる。

 

とても冷たいが脈はあり、呼吸も……

 

「…ちょっとだけ、荒いわね」

 

呼吸をしてはいるが、苦しそうにはぁ、はぁと

浅い呼吸を繰り返しているだけだった。

 

多分、誰かの飼い猫だろう。

幻想郷に猫がいるなんてことは滅多にない上、

目撃した事がある人も少ないのではないだろうか。

兎や狐ならまだわかるにしろ、これは正真正銘の猫だ。さしずめ迷い猫といったところだろう。

 

 

ただ、ここに放置しているのは余りにも

危険なため、1度紅魔館で洗って綺麗に

してあげてから、また戻してあげる事にした。

 

 

お嬢様がどんな反応をするかが問題でもあるが、

お嬢様ならきっと大丈夫だろう。

 

また『咲夜の事だから、寄り道の途中で見つけてきた』と思うに違いない。

 

 

大丈夫、洗って乾かして、雨がやんだら

またここへ戻すだけだ。

 

 

自分の腕の中ではぁ、はぁと魘されているようにも見える

白い仔猫は雨水でぐっしょりと濡れ、毛から水が滴り落ちていた。

それをタオルで優しく拭う。

 

 

帰ったら暖かいお風呂に入れて、洗って、乾かして…

後、ミルクやご飯も与えよう。

 

それにしても、なぜこんなところに猫がいたのだろう。

 

 

 

疑問に思考を這わせながら、足早に紅魔館へと向かった。

 

 



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第2話

紅魔館につき、門番の美鈴に声をかけられた。

 

『おかえり咲夜。 …あれ、その猫は?』

 

いつもなら居眠りをしていて、居眠り門番なんて呼ばれているのに

今日はサボらず眠らずきちんと門番しているんだな、と

皮肉を心の中で呟いた。

『ただいま。道中に倒れていたから拾ってきたのよ。死んじゃったら可哀想だし。』

『…やけに小さい猫ね。まだ子供みたいだけど…親猫はそばにいなかったの?捨て猫かしら。』

 

『いなかったわ。捨て猫なのかしら…。』

 

幻想郷で動物を飼っている人なんて聞いたことがない。

捨て猫かもしれないが、だとしても誰が捨てたのだろう。

全く検討がつかない。

 

『…というか、この猫、なんか変に汚れてない?』

 

と、美鈴が白い仔猫を指さした。

 

言われるまで気にしていなかったが、確かに少し変かもしれない。

綺麗に半分だけムラもなく汚れているのだ。

もう半分は水に濡れ、吸い込まれそうなほどきらきらと白く輝いているのに。

 

『…まあ、洗えばわかるわよ。』

『そうね。じゃあ。』

 

洗えばわかる。こういう汚れなのか、それとも模様なのか。

 

そうして私は、紅魔館の中へ入った。

 

 

 

 

 

『ただいま戻りました、お嬢様。』

 

『早かったのね、咲夜。…あら?それはなにかしら。』

 

『道中に倒れていた仔猫を保護したのです。死んでしまっては可哀想ですし…』

 

『ふぅん、仔猫なんて珍しいわね。』

 

テーブルに頬杖をつき微笑みこちらを向く、私の主

レミリア・スカーレットお嬢様。

 

『未だに目を覚ましませんが、呼吸もしており命はあるので、洗ってご飯を与えたら、また元の場所へ帰します。』

 

『どこに寄り道しているのかと思ったら…。』

 

『すみません、お嬢様。すぐに紅茶を…』

『違うわ、早くその猫を洗って来なさいと言っているのよ。

雨水にさらされていたからわざわざタオルに包んでいるのでしょう?』

『…ありがとうございます、お嬢様。すぐに洗ってまいります』

 

お嬢様の心遣いに甘え、買ってきたものをキッチンに置き、

タオルに包んでいる仔猫を優しく手の上に乗せ、

バスルームへと向かった。

 

 

 

ガシャン。

 

 

流石に仔猫を湯船に入れるのは危険だと判断し、

底が少し深い、大きめの容器に微温湯をはった。

 

しかし、未だに起きない仔猫に少し不審感を覚える。

 

呼吸はある、雨水にさらされていて体温は多少下がっているものの命が危険になるようなものではない。でもここまで眠っていると、少し心配になってくる。

 

仔猫に微温湯を手で優しくかけてみる。

片手で収まってしまうほどに小さいその仔猫。

 

 

汚れを落とすように、身体を温めるように微温湯をかけていく。

 

『あ…汚れじゃないんだ…』

身体を優しく擦ってみても全く落ちないこの汚れ。

多分これは猫の毛の模様なのだろう。

 

「にゃ……ぅ…」

 

 

目を覚ました、と胸をなでおろし安堵したその時。

 

 

『っ!?』

 

 

 

眩い光が猫から発し、バスルームを覆い尽くした。

あまりにも眩しく、目も開けられない状態だった。



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