中国に生きる九つの尾を持つ妖怪 (狂骨)
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中国に凄む者

久しぶりに見たゲゲゲの鬼太郎を見て書きたくなりました!他の作品に時間がかかる場合はこちらを更新していきますのでよろしくお願いします。


ここは僅かな者しか知らないとされる中国の秘境

緑が生い茂り、草木には木の実が大量に実っていた。そして近くの滝から流れ出る水は穏やかに透き通っており、その中を魚が自由に泳ぎ回っていた。

 

見ると滝の近くの木の上には子供が作りそうな秘密基地のような小屋があったのだ。

 

ーーーーーーーー

 

「ふわぁ〜…!!」

その秘密基地に棲む者は目を覚ました。その者は13歳かのような見た目の少年であり、下半身からは九つの太く可愛らしい尻尾を生やしていた。

その少年は起き上がると背伸びをした。

 

「何年間眠ってたかな…?俺」

その者は立ち上がると外へと出て行った。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「ふわぁ〜…!!久しぶりの日光は気持ちいな♪」

俺は外へ出て欠伸をすると近くの木々に登った。

 

「やっぱいつ見ても綺麗なもんだな。ここは」

俺はそこに実っていた木の実を食べながら辺りを見回した。

ここは俺が自分で見つけ出した場所だ。故に誰も知らない。誰も入れたことがない秘密の場所だ。

俺は木の実を食べ終えるとある程度木の実を採り、また自分の住処へと戻った。

 

そして俺は採った木の実を絞りジュースにして飲んでいると突然、目の前の景色が歪んだ。

 

「ズズズ……なんだ?」

 

その歪みはやがて丸い円となりその中から“ヒゲの生えたごっついオッサン”が顔を出してきた。

 

『久しぶりだな『九尾』よ?』

 

「よう。『閻魔大王』のジジイ」

 

そう。こいつは『閻魔大王』あの世を支配する者で、妖怪ではなく神なのだ。俺の楽しみ相手とも言うべきか…

 

『相変わらず口が悪いな。自分の師匠に向かって』

 

「いいだろ?それに師匠は師匠でもいずれは超えるべき存在なんだからよ」

 

『フン生意気な小僧め。まぁ…今日はそんなお前さんに一つ頼みがあって来たのだ』

 

「頼み?珍しいな」

 

向こうから突然の依頼に俺は驚き閻魔を見つめた。アイツの方から頼みなんて珍しいものだった。

 

『お前、『ゲゲゲの鬼太郎』と言う奴を知っているか?』」

 

ゲゲゲの鬼太郎?あぁ。確か幽霊族唯一の末裔だっけ…?ま、そんなことはどうでもいいが。

 

「そいつがどうしたんだ?」

 

『実はな。お前さんにそいつの手助けをして欲しいんじゃ』

 

手助け?何を言っているんだこいつは……なぜ俺が会ったこともない奴の手助けなぞ…

 

『実は近年 日本で人にあだなす妖怪が増えてきておるのだ。中には鬼太郎でさえ敵わぬ強力な妖怪もおる。どうだ?闘いに飢えているお前にはうってつけだろ?』

 

ピクッ

 

面白そうだな………幽霊族でさえ敵わん奴がいるとは…!!

 

「いいだろう。乗った。その鬼太郎とか言う奴には俺のことは伝えたのか?」

 

『い…いやまだだが?』

 

「ならいい…!!俺が直々にいって確かめてやる…!!」

 

『はぁ…くれぐれも大事にはさせぬようにな…』

 

「あぁ!分かってる!」

俺は気分が高まってきた!ワクワクするじゃねぇか…!

 

『では、頼むぞ』

そう言うと閻魔大王は消えていった。

 

 

「行くか。日本へ」

 

そう言うと俺はすぐに着替えこの場を後にした。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

 

 

俺は自分の住処を出ると日本方面の港に着いた。

 

「さて、久しぶりに海を渡るか!」

 

そう言うと俺は足に妖力を込め、一気にその場を蹴った。

 

 

 

ドンッ!!!

 

ドンッ!!!!

 

ドンッ!!!!

 

ドンッ!!!!!

 

水面を蹴りながらその少年は海を進む。

 

「待ってろよ!!!!!『ゲゲゲの鬼太郎』!!!!」

 

今、中国最強の妖怪が日本へと飛び立った。

 

 

 

 

 

 




設定

九尾

中国に棲む妖怪で半妖、昔 人間に恋をした母親とその人間との間に生まれた。幼き頃に一度力を暴走させてしまい見かねた閻魔大王が地獄で預かり力をコントロールさせる為に修行をつけた。閻魔大王は師匠であるが本人はまた目標にもしており、いつか倒そうと思っている。戻った頃には両親は他界しており、何百年もの間 独りであった。

容姿 人間の時……俺ガイルの戸塚 彩花で目を少しつり目にさせた感じ
妖怪時……トリコのギネス(尻尾は9本)

身長 猫娘よりもやや低い

普段は大人しいが強い相手が現れると目の色を変えて本気を出し襲いかかってくる。人間と妖怪のどちらかの姿になれるが人間の姿で感情を取り乱した時にあやまって耳や尻尾が出てしまう時がある。調子に乗ってる奴にはたとえ喋っている途中であっても攻撃する。
因みに尻尾は普段は太くフカフカであるが戦闘時には細く強靭な武器になる。

服装 中国では 裾が長いチャイナ服を着用していた。(わかりやすく言えば銀魂の神威の格好)だが日本に着いた時は服装をTシャツ、チェーン付黒ジーパンに変更した。



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ゲゲゲとの接触

連続投稿です!!


あれから俺は海を渡り終えると日本の新潟県へと着いた。昔 閻魔から地名を教えられたからある程度は覚えている。

 

「着いたはいいが…鬼太郎とやらはどこだ…?取り敢えず東京とやらに飛んで行ってみるか」

 

俺はそこからまたジャンプしいくつもの山を越えた。

(取り敢えず妖気は抑えておくか…感じられて低級どもに寄られちゃ厄介だからな)

 

ーーーーーーーー

ーーーーー

ーー

 

やぁ。人間の皆さん 僕は『ゲゲゲの鬼太郎』です。皆さんは妖怪を信じていますか?信じない方が多いと思います。信じる信じないは自由ですが……見える人には見えるそうですよ…?ほら…貴方の後ろにも…!!!

 

 

「鬼太郎なにやってるの?」

「あ……いやぁ…これは……そのいつものやつで…」

「だったら人のいないところでやりなさいよ。今通りかかった店員さんに「お連れさん……誰とお話してるんですか…?」って聞かれて凄く恥ずかしかったんだから!」

「あはは…ゴメンゴメン」

この娘は僕の仲間の一人である「猫娘」。いつも明るく元気な女の子です。

 

「ほほほ。まぁ猫娘、そう怒るな」

「父さん…」

今 僕の髪から出てきた目玉は僕の父です。皆は『目玉親父』と呼んでます。僕らは猫娘に誘われて新しくできたスイーツ店に来ております。なんでも選んだスイーツに30種類ものトッピングが出来るんだとか…さすが東京ですね。

「ほほほ。こりゃあ美味じゃわい!ほっぺたが落ちそうじゃ!……わし、ほっぺた無いんじゃがね♪」

 

…………………………

 

時間が一瞬止まったかと思うけど無視しよう。父さんは満足そうにスイーツを頬張っていた。猫娘も頬を赤く染めていた。

 

その時、僕は何かを感じ取った。

 

 

ピンッ!

 

「ッ!」

「お?どうした鬼太郎?」

「い……いえ…なんでもありません…」

「そうか。それにしてもやめられないの〜♡この甘い味!鬼太郎、お前も食わんか?」

「え?あ、はい。いただきます」(一瞬感じたあのバカでかい妖気はなんだったんだ…?)

そう思いながらも僕はスイーツを頬張った。

「あ……甘い♡」

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

「よっと。ここが東京か?」

俺はいくつもの山を越えると東京へとたどり着き、一際大きいビルの上に着地した。

 

「すげぇビルの数だな。さすが日本の首都だな」

俺はそこに座ると辺りを見回した。妖気や姿を見えなくさせる妖術を身体に纏わせているから俺がいることには誰も気づかない。

 

 

グゥゥゥ〜……

いきなり俺の腹が鳴った。そりゃそうだ。朝から果物しか食べてないからな……取り敢えずメシだ!!!

 

俺はそこから東京の街中へとダイブした。

 

ーーーーーーーーー

 

「よっと。へぇ〜。人がいっぱいだな〜」

俺が降りた場所は東京都の渋谷だ。

 

「なぁ、あそこ寄ってかね?」

「いいねいいね!」

「行こ行こ!」

 

「明日の7時にニューヨーク行きの便に乗らないと!君!書類は?」

「はい。全てチェックしました!」

 

耳を傾けるだけでいろいろな人の話し声が俺の耳に入ってきた。

「賑やかでいいもんだな。取り敢えずメシメシ♪」

俺は腹を空かしながら近くのファミレスへと入った。

 

_____美味かった♪

 

あれから俺は食べ終えると会計を済ませた。なんでも閻魔が俺の親父の残した財産を全て日本円に変換してくれたのだ。だいたい2.300万ぐらいかな?

 

俺は空を見上げると辺りは少し暗くなっていた。

「こうなったら……近くの路地裏で寝るっきゃねぇな」

もうすぐ日が暮れるので宿を取るのも面倒だから近くの路地裏で寝ることにした。

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーー

 

「ッ!!」

何かを感じた鬼太郎はすぐさま後ろを振り向いた。

 

「ん?どうした鬼太郎?」

「い…いえ…何でも…(なんだ?今の気配は…?)

すると目玉親父はあることを鬼太郎に教えた。

「そうじゃ。鬼太郎、閻魔大王様から聞いたのじゃがお前の元に助っ人を派遣したらしいぞ?」

「助っ人…ですか?」

「そうじゃ。少し変わった奴じゃが腕が立つらしくてな。なんでも妖怪の対処に苦戦するお前への手助けをしてくれるようじゃぞ?」

「そうですか。閻魔大王様が派遣したってことは地獄のものでしょうか…?」

「いや、中国の様でな。名前や姿は会ってからのお楽しみだそうじゃ」

「まぁ誰であろうと一緒に闘ってくれる仲間ができるのは嬉しいですね!」

「ウム!」

鬼太郎と目玉の親父は会話をしながらゲゲゲハウスへと向かっていった。

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーー

 

 

ガサ………ガサガサ………

 

「ん?」

突然の物音に俺は目を覚ました。辺りは真っ暗になり、歩く人も限られてきた頃だ。

 

「なんだよ。ロクなもんが入ってねーじゃねぇか」

声からするに男……か?俺は目をパチクリさせ視界をハッキリさせた。すると目の前には奇妙な男がゴミ箱を漁っていた。

 

なんだ?コイツ…

 

その男は服は着ていないのかふろしき一枚で身を包んでいた。

 

取り敢えず……消えてもらうか。

 

俺は術を解きその男に近づき声を掛けた。

 

「おい」

 

「ん?なんだい?お嬢ちゃん?おじちゃんは今忙しいんだぞ?」

「忙しい…?」

 

「そうだよ。ッたく…鬼太郎に少しでも奢ってもらおうとしたら猫娘にやられちまって結果また拾い食i……ヒュンッ!!!

 

スパァ…

 

驚きのあまり俺はそいつの顔の左右にあるネズミのようなヒゲを切ってしまった。

 

「え…?ど……どうしたの?お嬢ちゃん……?」

 

「いま……“鬼太郎って言ったかぁ…?”

 

「ヒ!?ぎ…ギャアアア!!!!!!」

俺は興奮し目を極限まで開かせその男に詰め寄った。当然その男は叫びながら腰を抜かした。だが、そんなことはどうでもよかった。

俺はまたその男の胸ぐらを掴むと顔を近づけた。

 

「お前…いま鬼太郎って言ったよな?まさかお前、知り合いなのか?」

 

「し…知り合いですとも…!!はい!大親友でございます!」

俺が質問するとソイツは手を横に合わせながら言った。

 

「へぇ〜大親友か〜。なら大親友であるお前をここでボコボコにすれば鬼太郎は出てくるのか?」

「へ…へんッ!そんなことをしなくても!お前が俺をボコる前に必ず来るやい!それにいいのかい?鬼太郎と闘ったら人間のアンタはただじゃ済まねぇぜ?」

「急に強気になったな。その鬼太郎とやらはそんなに強いのか?」

「そうだよ!これまでだってどんな奴でもアイツは倒して来たんだよ!今じゃ日本妖怪で知らぬ者はいないとされてる程の有名人だ!!」

「なら……試してみるか!?」

俺は胸ぐらをさらに掴むとそいつに向かって拳を構えた。

「お…おい!まさか本気でやんのか!?」

「当たり前だ…!!!」

「ひ…ヒィィィィィィィ!!!!助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!鬼太郎ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁンッ!!!!!!!」

 

俺の拳がソイツに当たろうとした瞬間

 

 

ガンッ!!

 

「ん?」

一足の下駄が俺の拳に当たった。

 

俺はすぐさまソイツを離すと下駄が飛んで来た方向を見た。そこには、シマシマのチャンチャンコを着た子供がいた。

 

「誰だお前?」

 

「ゲゲゲの鬼太郎」

 

 

 

 



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対決!鬼太郎vs九尾

九尾がねずみ男に拳を放とうとした時、鬼太郎の下駄がその拳を防いだ。

 

「誰だお前?」

 

「ゲゲゲの鬼太郎」

 

「へぇ〜。お前が……コイツの言った通り…本当に来るんだな。驚いた」

九尾は鬼太郎を見ると戦闘態勢をとったと同時に体から妖気を発した。

 

「!!」

それに対し鬼太郎の妖怪アンテナが激しく反応した。

「気をつけろ鬼太郎!あやつ ただならぬ妖気を放っておるぞ!」

「はい!」

 

「へぇ…目玉が喋るなんて、面白すぎだろ?」

九尾が目玉親父に目がいっている時、僅かな隙を生んだ。その瞬間を鬼太郎は逃さなかった。

 

「髪の毛針!!」

 

ピュンピュンピュンピュンピュンピュンピュンピュン!!!!!

 

そう言ったと同時に鬼太郎の頭の髪の毛が針のように鋭くなり九尾へと襲いかかった。

 

「遅い」

そう言うと九尾は跳躍し髪の毛針を避けた。全て避けきると、九尾はそこに立つマンションの屋上へと飛んでいった。

 

「ッ!一反もめん!」

「はいは〜い」

するとどこからともなく手の生えた白い敷物がヒラヒラと舞いながら飛んできた。鬼太郎はそれに乗ると九尾を追った。

 

「鬼太郎!こっち!」

行く手には猫娘がおり、鬼太郎を先導した。

 

「一反木綿は父さんを頼む!猫娘アイツは!?」

「あそこよ!」

猫娘が指差した場所を見ると、そこには九尾がこちらを見ながらたっていた。

 

「よう。来たな。あそこじゃやりにくいから場所を移させてもらったよ」

「……お前は何者だ!」

「俺が何者?そんなの見れば分かるだろ?俺は人に化けた妖 それ以外の何者でもない」

「だったら何故こんなことをした!」

「何故?そんなの簡単だろ?………………お前と闘って見たかったからだよ…!」

「!」

 

その瞬間、九尾は拳を構えながら鬼太郎へと向かった。

 

「オラァッ!」

「くっ!」

鬼太郎はギリギリに躱したが代わりに尻餅をついてしまった。

 

「いい反応だな。だがその体制でどうする?」

「ッ!!」

今の鬼太郎は体制を保てていない。つまり無防備だ。しかも九尾との距離もさほど遠くない。このままでは体制を整える前にやられてしまう。そう思った時

 

「ニヤァァァァ!!!」

鬼太郎の仲間である猫娘が背後から九尾に引っ掻きを食らわした。

だがその攻撃を九尾は軽々と受け止めた。

 

ガシッ!

 

「ニャ!?」

「猫は黙ってろ」

 

ドンッ

そう言うと九尾は猫娘の首に手刀を当て気絶させた。

 

「猫娘!!くっ……指鉄砲!!!!!」

 

ピュンピュンピュンピュンピュンピュンピュンピュン!!

 

鬼太郎は手から高圧に圧縮された空気を九尾に向かって放った。

 

「お?」

それは九尾に命中した。だが、

 

 

「む…無傷…!?」

 

「何だ?もう終わりかよ?」

「いや!まだだ!ぬりかべ!」

 

「あ?」

鬼太郎がそう叫ぶと、

 

「どすこい!」

 

バァァァァァァァンッ!!!!!

背後からの強力な一撃が九尾を襲った。

 

「ぐおっ!?」

ドガァァォァァぁぁぁぁぁん!!!!!!!!

その衝撃で九尾はマンションから真っ逆さまに落ち近くの道へと墜落した。

 

そしてさらに追い討ちをかけるかのようにぬりかべはそこから飛び降りると九尾に近づいた。そして

 

「ぬりかべ!!」

 

ドォオオオオオオオオンッ!!!!!!!!

 

その巨体で九尾に向かって倒れた。

辺りには地響きが鳴り建物が揺れた。

その様子を鬼太郎は見ていた。

 

「やったか…?」

そう思った時だった。

 

 

「やるじゃねぇか」

「なに!?」

ぬりかべの下から声がしたのだ!そして

 

「ぬ…ぬり!?」

その倒れた巨体がゆっくりとあげられた。見るとそこには切り傷だけで済んでいる九尾の姿があったのだ!

 

「ぬ…ぬりかべを持ち上げるなんて…」

 

「このぐらいの重さ、手に妖力を集中させれば楽々持ち上げれるわ」

そう言うと九尾はぬりかべを近くに投げ捨てると鬼太郎のいる屋上まで飛び、瞬時に近づくと頭を持ち上げた。

「くあぁ…!」

「おいおい。まさかもう終わりか?あれしかねーのかよ?いくらなんでも つまんな過ぎるだろ?」

そう言うと九尾はガッカリしたのか鬼太郎から手を離そうとした時

 

ガシッ

「なに?」

「は…離さないぞ…!!」

そう言うと鬼太郎の体がみるみる発光してきたのだ!

 

「体内電気ッッ!!!!!!!!」

「うぉ!?」

その瞬間に九尾の体を100万ボルトの電圧が襲った…!!

 

「うぐ…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

辺りは白い光に包まれた。

 

「き…鬼太郎!!」

 

目玉親父は一反木綿から降りるとすぐさま鬼太郎の元へと向かった。

 

鬼太郎は既に体力の限界を超えているのかその場で気を失っていた。

 

「今のは効いたぞ」

「!」

目玉親父は声のした方を向いた。そこには、あの高圧電流を受けても尚 平然と立っている九尾の姿があったのだ。

 

「相手を掴み逃げられないようにして自分の電流を流す。中々いい発想だな」

 

九尾は喋りながらゆっくりと鬼太郎へ近づいていった。

すると目玉親父は九尾の前に出て鬼太郎を庇った。

 

「これ以上 息子に手出しはさせんぞ!出すのならわしを殺してから行け!!」

「はぁ〜?殺す?」

いきなり自分が殺人目的なのかと疑われてしまい少し呆れてしまった。

すると九尾は戦闘モードを解くとしゃがみ込んだ。

 

「勘違いすんなよ目玉。俺はただ単にコイツらの力が知りたかっただけだ」

 

そう言うと九尾は鬼太郎を担いだ。

 

「な…なにをする気じゃ!」

「だから何もしねぇって。お前らって確か『妖怪横丁』ってのに住んでるんだよな?案内しろ」

「な…何故それを…もしやお前は…!分かった。こっちじゃ!一反木綿は猫娘を頼む。ぬりかべも大丈夫か?」

「あいあいさ〜」「大丈夫大丈夫〜」

そう言うと目玉親父は九尾を横丁へと案内したのだ。

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

「ここが入り口か?」

「そうじゃ。ここを通れば横丁にすぐ着くぞ」

そう言われた九尾は先へと進んだ。

 

すると、辺りの景色が一瞬歪んだかと思うとすぐに鮮やかになった。

 

九尾が目にしたのは、温泉、雑貨屋、小豆屋などの店が立ち並ぶ商店街であった。

 

「ここが横丁か…」

「そうじゃ。ワシらは人間界から離れたこの横丁で生活してるんじゃ」

「因みにこの場所を知ってるのはここに住む妖怪達だけで、その妖怪の案内なじゃあ一生たどり着けない場所ですばい」

「成る程」

「あそこにデカい長屋が見えるじゃろ。あそこに向かってくれるか?」

「了解」

そう言われた九尾はその場所へと向かった。

 

ーーーーーーーーーーー

 

「ちょっと待っとくれおばば!その酒はわしが今日の為に取っておいた大事な奴なんじゃ!」

「そう言っておきながら今日はもう5壺も飲んだんじゃろうが!!少しは我慢せいっ!」

「そんな〜!!嫌じゃ嫌じゃ!飲みたい飲みたいよ〜!!!!オギャーオギャー!!」

九尾達が向かった先にいたのは見た目が少し怖い老婆とミノを羽織って赤ん坊のように泣きじゃくっている老人がいたのだ。

 

「何だ?この婆さんと変態は?」

「砂を調合しているのが砂かけババア、この長屋の大家じゃ。そして泣いてる奴は子泣き爺じゃ。二人とも立派な妖怪じゃぞ」

目玉親父が九尾に説明すると老婆は九尾達に気づいたのか振り向いた。

 

「お〜!親父殿戻られたのか。はて?この人間は?」

「そうじゃった。まだ名前を聞いとらんかったの。おぬしはなんという名の妖怪じゃ?」

 

 

皆の視線が九尾へと集中した。すると九尾は口を開いた。

 

 

「……俺は『九尾』 閻魔大王より中国から派遣された妖怪だ」

 

「な…!?なんじゃと!?まさかおぬしが閻魔大王の!?」

 

「「中国の九……九尾!?(ですばい)!?」

 

 

 

「あぁ。細かい話はコイツらが目を覚ました後だ」

そう言うと担いでいた鬼太郎と猫娘を下ろした。

 

 

 

 



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説明

鬼太郎side

 

「う……ん?」

僕は力を振り絞って意識を覚醒させた。見ると木造住宅の天井が見えた。

 

「鬼太郎!目が覚めたのね!」

見ると横には先程 一緒に戦った仲間 猫娘がいた。

「猫娘…?ケガは…ないの?」

「うん!」

猫娘が無事ということを確認し安心した僕は寝そべっていた上半身を起こした。周りを見る限りここはオババの長屋か…?

 

「ッッ!猫娘!さっきの奴は!?」

僕は咄嗟に先程戦った少女を思い出した。ぬりかべさえも持ち上げたうえに僕の体内電気をあんな大量に食らってまでも立っていたあの少女の姿が思い浮かんだんだ。

 

「その娘なら下でオババ達と話してるわよ?」

 

「…………え?」

すると

 

「お!鬼太郎起きたようじゃな!そろそろ目覚める頃じゃと思ったぞい!」

「オババ…」

入り口である襖のとが開き、そこからオババこと砂かけばばあが愉快に笑いながら入ってきた。それだけじゃない。その肩の上には父さん、それにかわうそまでもいた。

 

「よう。目が覚めたようだな?」

「え!?」

その時僕は驚いた。

何故なら、一番最後に入ってきたその子が……先程戦っていた少女だったからなのだ…!

 

「お…お前はさっきの…!」

「自己紹介はしておこう。改めまして『ゲゲゲの鬼太郎』俺の名は九尾、閻魔大王より派遣された中国の妖怪だ」

 

 

 

「え…ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?????」

僕は驚いた!この少女が…父さんから聞いていた閻魔大王様が派遣した妖怪!?

 

「まぁ驚くのも無理はないか。ちなみに、渡し忘れたがこれ、閻魔からの紹介状」

 

そういうとその子は手紙を僕に差し出した。僕は中を開けてその手紙を読んでみた。他のみんなも覗き込むようにして見た。

 

『ゲゲゲの鬼太郎へ

 

この手紙を読んでおるということは九尾から話を聞いた様だな。そ奴の言う通り、九尾は確かにわしが派遣した妖怪じゃ。力は戦ったそうじゃから分かるであろう。まぁあれでも一割程度しか出しておらんからな。

話を戻すが、九尾を派遣した理由じゃが親父から聞いておる様にそ奴はお前の手助の為に派遣したんじゃ。普段は大人しいがキレると手がつけられん様になるから気をつけることじゃな。

では、健闘を祈る。

閻魔大王より

 

PS:あとそ奴に職紹介してやってくれ。あとそいつは見た目は少女だがれっきとした男じゃからな。

 

「……え?」

 

「「「「「「ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?????男ぉー!!!!!!?????」」」」」」

手紙の最後の文書を読んだ瞬間に鬼太郎以外の皆は一斉に驚いた。

 

 

「嘘じゃろ!?砂くさいババアの元に可愛い女の子が来たと思ったら男じゃと!?」

「フンッ!!」

ゴキッ

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!背骨がぁー!!!!!!」

子泣き爺の余計な一言で砂かけ婆はブチギれ背骨に向かって砂ツボをぶち込んだ。(笑)

 

それは無視して他の皆は九尾に詰め寄った。

 

「嘘でしょ!?アンタそんな見た目で男なの!?完全に女の子じゃない!」

「そうだよそうだよ!閻魔様だからって冗談きついじょ!」

かわうそや猫娘に続く様に皆は九尾が男だと一向に信じようとはしなかった。

それに呆れた九尾はとんでもない行動にでる!!

 

「……そんなに信じられないなら……脱ぐか…?」

 

「「「「「「脱ぐ!!??」」」」」」

 

「このまま女と間違われたままじゃ……俺としてはなんか嫌なんだ……だから…!」

「「「「「「待て待て待て待て待て待て待て待て!!!!!!!!!!!」」」」」」

九尾が男だと言うことを証明するため下を脱ごうとした瞬間に皆は一斉になって止めた。

 

「男って信じるから脱ぐのはやめて!!流石にまずいからっ!!」

 

「そうじゃそうじゃ!その上 酒に溺れた石ジジイがいる前で裸など危なっかしいったらありゃしない!!」

「あぁ…さりげなく酷い…」

 

「そ…そうだよ。それに仮に男だと分かってもまずいから…」

「……分かった」

皆が口々言う中、鬼太郎の説得でなんとか九尾の脱衣を防いだ。

 

「まぁ、そんな訳でだ。しばらくは日本に滞在させてもらうよ。それともう一つ!」

そう叫んだ瞬間に九尾は皆に向かって土下座をした。

 

 

「寝床を提供してください…」

 

「「「「えぇ………?」」」」

 

閻魔大王直々に派遣された妖怪の土下座に皆は軽く引くのであった。

 

 

 

 

 



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バイト

九尾side

 

あれから俺は砂かけババアという老人から長屋に住まわせてもらうこととなり、今はバイトをするため、猫娘とかいう猫と一緒に街を歩いていた。

 

「やっぱ人多いな〜。見てるだけで酔っちまうよ〜」

「東京だから仕方ないでしょ?東京は昼間は人口がすごく多いの。でも夜になると県外や都外に出ちゃう人がほとんどだから夜は意外と静かなのよ」

「へぇ…詳しいんだな」

「そりゃあ日本妖怪だから。というか見物が目的じゃないでしょ?」

「あ!そうだそうだ」

俺は余りにもの凄さに目的を忘れかけていた。俺は咄嗟に行く時に購入したリュックを開け、履歴書を取り出した。

 

「顔写真よし…自己PRよし…経歴よし……と、だいたい書けてる。よし!いける!」

「それじゃダメよ!」

俺が履歴書をチェックしていると猫娘から注意を受けた。

 

「何でだ?」

「履歴書が良ければ全て良しって訳じゃないわ!バイトはね、まず面接から始まるの!面接ではまずぶっきら棒は絶対にダメっ!アンタは顔はいいし声もデカいからそこら辺を気をつければサクッと受かるんだから!」

「はぁ〜い…………と言われてみたものの

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

 

「えぇ〜と、「九重 天狐 」君……20歳か…信じられないねぇ…君どう見ても小学s……『グゥアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

「ほら!額をよく見てください!少しですが僅かなシワがあるんです!僕は童顔で背も小さすぎてよく子供扱いされるんです!これでも力はあるんである程度の力仕事は何でもできますよ!」

俺は面接官に猫娘から教えられた通りにやった。そしたら

 

「あ……そうなの……?なら今度からお願い……」

合格した。

ちなみに九重 天狐とは俺が日本にいる時の名前だ。

ーーーーー

ーーーーーー

ーーーーーーー

 

「何でお前と同じ場所なんだよぉおおおおお!!!!!!!」

何故か俺が面接したバイト先はなんと猫娘もバイトしていたのだ。

 

「文句言わない!閻魔様にお願いされたの!『済まぬがお主の目が届くところで働かせてやってくれぬか…』って!」

「ちくちょぉおーー!!あのクソジジイ絶対ぶっ殺してやるッ!そもそも何が不満なんだよ!」

ゴツンッ!

何故か俺は猫から拳骨を喰らった…

「いっつ…」

「閻魔様をクソジジイって呼ばない!!それにアンタはまだ日本に慣れてないでしょ!だから慣れるまでは私と同じところでバイトよ!」

「まじ死んでくれ!!!」

 

ゴツンッ!!!

「いたい………」

また喰らった……

 

それから俺と猫娘は妖怪横丁へと戻るためバイト先である遊園地を出た。

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

帰り道

 

俺たちが帰り道を歩いていると偶然にも鬼太郎を見つけた。すると猫ははしゃぎながら近づいていった。

 

「あ!鬼太郎〜!!」

「やぁ二人共、面接はどうだった?」

「何とかいけたがコイツと同じってところが何か納得いかねぇ」

「うるさいわねぇ!シャァァァァァァ!!」

思わずソイツは顔を猫に変化させて威嚇してきたが全然怖くなかった。

 

「あははは…まぁ閻魔様の言いつけだから仕方がないよ。さ、横丁に戻ろう」

「はぁ〜い」 「フンッ!」

俺たちは鬼太郎と共に横丁に戻った。

 

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

俺は横丁に着くと鬼太郎と別れて長屋へと向かった。

すると、砂の実験をしている砂かけの婆さんが俺を出迎えてくれた。

 

「なんじゃ。随分と早かったの」

 

「あぁ…なんか疲れた…今日はもう寝るわ…」

 

「そうか。ゆっくりお休み」

俺は頷き上へと上がり自分の部屋へ入った。

 

俺は部屋に入ると布団を敷き、その上にうずくまるように寝転んだ。

そして、隠していた尻尾を出して、それに体を乗せ目を閉じた。

 

(……ふかふかして気持ちいい……)

 

こうして俺の日本に来てからの1日目が早くも終わった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーーー

 

 

場所は変わり、ここは地獄。閻魔殿の玉座に座りながら閻魔大王は自分の左腕である宋帝王と話していた。

 

「閻魔大王……よろしかったのですか?」

「九尾のことか?」

「はい」

九尾の事を聞かれた閻魔大王は表情を変えずに答えた。

 

「まぁ大丈夫じゃろ。奴は口は悪いが実際は仲間思いのいい奴じゃ」

「い…いえ。そうではなく…あそこまで力をつけた九尾を現世…ましてや日本に向かわせてもよかったのでしょうか…万が一暴走でもしたら鬼太郎達どころか日本までも…」

「その事なら心配いらん。奴の本来の力には制御という制御を施してあるからな。万が一暴れようでもしたらその術が止めてくれる筈じゃろ」

「はぁ…」

そう言うと閻魔大王は赤く光る地獄の空を見上げた。

 

(九尾よ…絶対に力に溺れてはならぬぞ。そなたはまだその力を完全に使いこなせた訳ではないのだからな…)

 

 

 

 



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妖怪を襲う猛吹雪

ある日の昼頃、

 

九尾こと九重 天狐は砂かけ婆の長屋で昼寝をしていた。昨日は近くの寺で夏祭りが開催されたのだが天狐は「寝たいからまた来年」という理由で行かなかったのだ。

「スゥ〜……スゥ〜……

すると

バサバサバサバサバサ

「…ん?」

窓から何やら羽ばたく音がして、その音に天狐は目を覚ました。手で顔を拭いながら音のした方を見るとそこには一羽のカラスがいたのだ。

「なんだ…?確か……化けガラスだっけ…?」

「カーッカーッ!」

天狐が言った言葉に頷くかのようにそのカラスは鳴いた。するとそのカラスの口から手紙らしきものが落ち、天狐はそれを拾った。開いて中身の文の内容を見ると差出人は鬼太郎からだ。

 

「ん〜なになに…?『今すぐ夜行さんのところに来て欲しい』?まぁ暇だしいっか」

天狐はカラスの頭を撫でるとそのカラスは飛び立ち天狐も長屋を後にした。

 

ーーーーー

ーーーー

ーー

 

天狐が夜行のところへ行くとそこには鬼太郎、猫娘、子泣き爺、砂かけ婆達がテーブルに座り待っていた。

天狐が来るとテーブルの上に座っていた目玉親父や皆がこちらに気づいた。

 

「お〜!ようやく来たか!」

「どうした?いきなり呼び出して まさか妖怪か?」

天狐の問いに目玉親父は「その通りじゃ」と言い、夜行に説明を頼んだ。

 

「ここんとこの話なんじゃが…全国各地の妖怪達が氷漬けにされる被害が相次いでおるのじゃ」

「氷漬け?というと思い当たると言えば雪女……か?」

「その通り」

そう言うと夜行は日本地図が描かれた巻物を取り出した。

 

「昨日、被害に遭ったのは岩手の『座敷わらし』じゃ」

『座敷わらし』とは子供の姿をした妖怪で見た目に似合わぬとても強い力を秘める妖怪だ。そんな妖怪がやられたとするとその雪女は只者でないということが分かる。

 

夜行はそれから地図を手でなぞりながら説明を再開した。

「雪女は東北地方からどんどん南下し、人間と共に暮らす妖怪を次々と襲っているようだ」

「とは言うものの雪女って豪雪地帯に住む妖怪だろ?ましてやこんな季節にこんな大移動するなんておかしくないか?」

天狐はそう質問すると目玉親父はそれに答えた。

「それもそうじゃ。何か特別な理由があるやもしれん……じゃがこのままにしておくと間違いなく被害は拡大するじゃろ。一刻も早く止めなければ」

目玉親父がそう言うと皆は頷いた。

ーーーーーーー

ーーーー

ーー

一方、二話から出番がなかったねずみ男は河原に捨てられた祭りのゴミを漁っていた。

 

ガサガサガサガサ…

「おいおいなんだこりゃぁ?祭りの後はひでぇモンだなぁ。食えるのに捨てちまうなんて……………お!?これはまだ新品の奴じゃねぇか!?よくねぇ〜ぜ」

そう言うとねずみ男はゴミの中から丸々残っていたリンゴを見つけそれにかぶりつこうとした。

「いっただきま〜 カチ!……凍ってる!?」

そのリンゴが瞬時に凍ってしまったのだ。

その直後に、背後から謎の声がねずみ男に話しかけた。

 

「ねずみ男、人間の残飯なんか漁って…妖怪の誇りはないのか?」

「んぁ?誰だか知らんが俺のライフスタイルにケチ付けるなんざ…………」

ねずみ男は固まった。なんとそこには、とてつもない冷気を放つ白い女がいたからだ!

 

「ゆ……雪女!?」

「フンッ…汚らわしいネズミが!」

そう言うと同時にその女性はねずみ男に向かって口からとてつもなく冷たい息を吹いた。

 

「ぇ…えぇぇぇぇ!?ちょっとまって!?………ってあれ!?」

ネズミ男は咄嗟に逃げようとするも既に足はその息の餌食となっていた。そして雪女は不気味な笑みを浮かべゆっくりとねずみ男に近寄った。

「あぁー!!!やめて!?何でも言う事聞きますからぁぁぁぁぁ!!!」

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

一方その頃鬼太郎達は準備を整え、妖怪横丁の入口へと集まっていた。

「さて、行く前に聞いておくけど、天狐、炎は扱えるかい?」

「あぁ。炎は勿論 氷も使える」

その問いに天狐は普通に答えた。すると

「遅くなったな鬼太郎」

すると火の妖怪を集めに出かけた砂かけ婆が3人の妖怪を引き連れて戻ってきた。

「何でこんなに多いんだ?俺一人で十分だろ?」

「いや、念には念を入れておかないと思ってね。万が一君が凍らされてしまったらお終いだから」

「成る程ね」

鬼太郎は輪入道達に横丁で待機してもらうようお願いし、準備が整った。

 

「あとは奴が現れる場所を特定し待ち伏せればよいだけじゃな」

「そんな事が出来るのか?」

「今カラス達が探してくれています」

「猫達もね」

目玉親父の考えに子泣き爺は質問するが、鬼太郎と猫娘が既に手は打ってあるようだ。

すると

 

 

「おぉ〜い!!!!」

門の入り口から誰かがこちらに向かってきた。

よく見るとそれはねずみ男だった。ねずみ男は息を切らしながらこちらに走ってきた。

「た…大変なんだよ!俺、見たんだよ!雪女を!」

「な…何だって!ソイツはどこに!?」

鬼太郎はネズミ男にその時の状況を聞いた。

「突然俺の前に現れてな…俺を氷漬けにしようとしたんだよ。俺は『マズイ』と思って咄嗟に屁をこいて何とか逃れたんだよ。そしたらソイツは口が滑ったのか俺に次の襲撃相手を言ったんだよ…!」

「それは誰だ?」

天狐が聞くとねずみ男は猫娘に指を向けた。

「猫娘だとよ」

「わたし!?」

 

ーーーーーーーー

ーーーーー

ーー

 

『まもなく閉園の時間です。またのお越しをお待ちしております』

 

あれから鬼太郎達はねずみ男から重要な情報を聞き、それを元に作戦を立てると、先日 天狐が面接しに行った遊園地へと向かった。

 

「いいかい二人共?僕らは影から見守る。二人はいつも通りにしていてくれ。奴が来たと同時にあの火口へと誘導してくれ。それと同時に僕らはつるべ火で輪入道達に合図を送る」

 

「了解」「分かったわ」

 

ーーーーーーーー

ーーーーー

ーー

 

ガラガラガラガラ

 

「「お疲れ様です」」

 

「いや悪いね二人共、遅くまで残ってもらって」

「いえいえ。それより、中にはもう誰もいませんか?」

「あぁ。僕らだけで最後だ。あとは頼むよ」

「「お疲れ様でした」」

 

遊園地のオーナーが帰ったのを確認すると天狐と猫娘は瞬時に鍵を閉め、塀を乗り越え中へと入った。

 

その時、その場に激しい風が吹き、辺りをたちまち氷漬けにした。

 

「ようやくおでましか」

「ニャ!」

 

二人が見上げるとそこには、ねずみ男を襲った雪女が青い目を向けてこちらを見ていた。

 

「猫娘、なぜ妖怪なのに人間社会なぞに生きる?」

 

「そんなの私の勝手でしょ!」バッ!

そう言い猫娘は警備服を脱ぎ捨てるといつもの服装となった。

 

「堕落した妖怪め…横にいる人間共々氷漬けにしてやろう!!」

ヒュゥゥゥゥゥ!!!!!

 

「ニャ!」「よっ」

雪女が吹いた吹雪を二人はギリギリに躱した。天狐と猫娘は二手に分かれて雪女から逃げた。

 

「ッ…!人間は後でいい…まずは猫娘を氷漬けにしてやろう!」

そう言い雪女は猫娘を追いかけていった。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「………猫の方に行ったのか?」

一方 天狐は近くの観覧車の上から猫娘の方角へと向かう雪女を眺めていた。

 

「さて、そろそろ行くか」

 

そう言うと天狐もその場から跳躍し跡を追った。

 

ーーーーーーー

ーーーー

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

一方猫娘は自分の身体能力を生かし何とか逃げきれ、今は遊園地の中心部にある山の麓の火口に来ていた。

 

「鬼ごっこはおしまいだ」

「ッ!」

雪女は猫娘に追いつき、目の前に現れた。だが、これが作戦の第1段階なのだ。

 

「引っかかったわね!今よ!!」

「なに!?」

ボォオオオオオオオオオ!!!!!!

猫娘の合図と共に、その山の火口から炎の渦が発生し、雪女を包んだ。

 

「猫娘!」

「鬼太郎!」

すると、その近くに潜んでいた鬼太郎たちも出てきた。

 

「天狐は?」

「もうすぐ来るはずよ。それより…」

猫娘と他の皆もその炎の渦を見つめた。

 

 

「やれたかしら?」

 

「………いやまだだ!」

すると、その炎の渦がたちまち氷に包まれていった。

 

「人間が作った炎で私を焼けると思っているのか?」

グシャァァァンッ!

 

その氷の塊となった炎の渦がバラバラに砕け散るとその中心から雪女が出てきた。

だが、策はこれだけではない。

 

「まだこれからだ。今だみんな!!」

 

そう言い鬼太郎は第2段階の作戦を実行すべく輪入道達に合図を送った。

 

しかし

 

何も返ってこなかった。

 

 

「ど……どういうこと!?つるべ火達は!?」

猫娘が動揺していると雪女は懐から何かを取り出した。それは氷に包まれたつるべ火だったのだ!

 

「な…!」

「どうして…つるべ火達の居場所が…!?」

 

そんな中 その場を去ろうとする一つの影が…

 

「ねずみ男!やっぱりアンタだったのね!シャァァァァァァ!!!」

「ゆ…許してくれよ〜…俺だって腹ん中に氷の塊入れさせられたよう〜?」

そう言うとねずみ男が自分の布の裾をあげると、腹が氷で包まれていた。

その瞬間、その氷はさらに拡大し、

 

「あらやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 ガチンッ!

 

ねずみ男を氷漬けにした。

 

「人間に媚びへっつらった罰さ。さぁ…!お前らも氷漬けにしてやろう!」

 

「ま…待て雪女!お前の一族には人間と結ばれて子供まで設けた者もいるであろう!何故そこまでして人間を憎む!」

目玉親父が雪女に聞くと雪女は目を鋭くさせながら答えた。

 

「ソイツが一族の掟を破った罪で雪入道様に処刑されたのよッ!!!!」

そう叫ぶと雪女はまた鬼太郎達を睨んだ。

 

「お前らも同罪だッ!!!」

「ッ!!」

 

雪女が口を開け鬼太郎達に向け吹雪を出そうとした時

 

 

「到着っと」

 

鬼太郎達の後ろに黒い影が現れた。

 

「「天狐!!」」

「すまんな。色々と遅くなった」

 

突然の闖入者に雪女も混乱していた。

 

「な…!貴様はさっきの人間!」

「よう。お前が雪女か。随分と強い妖気じゃねぇか」

そう言うと天狐は鬼太郎達を押しのけ雪女の真ん前に立った。

 

「人間が…私と戦う気か?」

「あぁ そうだ。お前と戦う。おい鬼太郎!こっからは俺一人でやらせてもらう。いいか?」

そう言い天狐は鬼太郎に同意を求めると鬼太郎は止めようとした。だがそれを目玉親父に止められた。

 

「ど…どうしてとめるんですか!父さん!」

「元々九尾という妖怪は様々な妖術を操る妖怪。その中でも『狐火』と呼ばれる炎は地獄の炎に次ぐ程 強力な妖術じゃ!あやつと共に闘えばお前も諸共焼き尽くされてしまうぞ!」

 

その説明に鬼太郎は驚くと天狐の問いに同意した。

 

「今回は君にお願いするよ!」

「了解」

 

鬼太郎の同意を得た天狐は再び雪女に向かい合った。

 

「最後のお別れは済んだか?」

「何言ってんだ。これはお別れなんかじゃねぇ」

 

ゴォォォォォォオオオオオオ!!!!!!!!

 

すると天狐の周りに赤く燃え盛る五つの炎が現れた。

 

「さぁ…来いよ?」

 

 

 



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炸裂!!狐火

「さぁ…!来いよ?」

天狐が雪女を挑発するように指で誘った。

 

「愚か者め…!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」

雪女は口から猛吹雪を天狐に向けて吐き出した。

 

天狐は鬼太郎達がいないのを確認するとその炎を自身に纏わせ氷漬けを防いだ。

 

「な…!?何故効かぬのだ!」

雪女は自分の絶対零度に到達する程の冷気を浴びたのに平然と立っている天狐に驚いた。

 

「悪いな。俺の狐火はそんじょそこらの妖怪と違うんだよ」

そう言うと天狐は自身の周りにある炎を全て腕に集めた。集めたその炎は天狐の腕を包むと激しく燃え盛った!。

 

「俺の炎は……『地獄の業火』さ…!!」

「な!?」

天狐は腕に纏わせた業火を雪女に向け構えた。

そして

 

「焼けろ…!!!!」

 

その炎を全て雪女に向けて放った。

 

ボォオオオオオオオオオ!!!!!

 

「ゔぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

炎は雪女に触れると彼女を包むように一気に燃え上がった。

 

「勝負ありだ」

すると、雪女の悲鳴を聞いて鬼太郎達も駆けつけてきた。

「天狐!」

「よう。もう終わったぞ」

天狐がそう言うと皆は炎に包まれている雪女を見た。

 

「もう一度聞く!何故こんな事をしたんだ!」

鬼太郎は雪女に聞いた。すると、燃え盛る炎に包まれながら雪女は細く途切れそうな声で答えた。

 

「お前の父が言っていた………人間と愛し合った雪女がいたと………それは私の姉だ…」

 

「ッ!」

「…!?」

衝撃の事実に鬼太郎はもちろん、天狐も驚いた。

 

「人など愛さねばよかったものを………………ねぇ…………さ__」

 

最後の言葉を溢した瞬間 炎の中で雪女の身体が風のように溶けて消えていった。

炎が空気へと溶けて消えるとその中から一つの雪の結晶が零れ落ち、天狐の前へと落ちてきた。

 

「………」

 

天狐は何も喋らずその結晶を拾うと、その結晶はその場に吹いた風と共に消えた。

 

「父さん……これでよかったのでしょうか…」

「……雪女も人間と仲良くしたかったのかもしれん。じゃがそれも許さぬ掟があったんじゃろう…」

 

それから間も無くして砂かけ婆達も現場に着いたが、鬼太郎達が事情を説明したことにより、皆は横丁へと戻る事となった。

 

横丁に戻ると天狐は「疲れたから寝る」とだけ言い長屋へと戻っていった。

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

 

鬼太郎達が去った後、その場所を遠く離れたホテルからブラインド越しで見ている者がいた。

 

「フンッ…雪女め…しくじりおって。だがまぁいいだろう。鬼太郎を殺せる策などいくらでもあるからな…」

「ぬらりひょん様、そろそろ」

「うむ」

ぬらりひょんと呼ばれたその老人は立つとその場所を後にした。

「(鬼太郎の近くにいたあの九つの尾を持つ小僧……奴には細心の注意を払わねばな…)

 

 

 



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鬼太郎の宿敵 ぬらりひょん現る!

雪女の件より数日、俺は夜の東京の街中を歩いていた。バイトは雪女の件でいろいろと設置物を壊して器物損壊として猫 共々クビにされた。マジ最悪…

 

「まぁ……ある程度稼げたからいいけど…」

俺がそう呟きながら歩いていると

 

 

ドガァァァァァァンッ!!!!

 

通り過ぎようとした建物がいきなり大爆発を起こした。

 

爆風と共に色んなものが吹き飛んだ。爆発が起きた瞬間に、1分も経たずにその場には多くの人間が集まってきた。

 

「え!?爆発!?」

「救急車と消防車を呼べぇ!!!」

「中の人達は大丈夫なのか!?」

 

周りの人間は口々に騒ぎ出した。その中には鬼太郎や猫もいた。

その時、煙が吹き荒れる炎の中から一人の老人が何かを呟きながら出てきた。

「フン腹立たしい店だ。店員の手際が悪い」

そう言いながらその老人は懐から何かを取り出した。爆弾だ。

 

ドカァァァァァァァァァァン!!!!!

 

老人はその爆弾を後ろに投げた。するとまた同じ爆発が起き、より強く燃え盛った。

その老人は笑うとそのまま去ろうとした。だが俺は逃さなかった。

 

「まちな爺さん」

俺の言葉にその老人はピタリと歩く足を止めた。

 

「見る限りこれはアンタの仕業だな?よくないぞ。こんなもん。『建造物損害罪』で即刑務所行きだ。ましてや爆弾を使うなんざ『撃破物破裂罪』で死刑だぞ?」

俺がそう言うとその老人は不敵に笑うとチラリと俺の方を見た。

「成る程。貴様が九尾か…見るからに相当な妖力を備えているな…」

何だ?コイツ

「俺の質問に答えろ。そしたら見逃してやるよ。テメェはなんて妖怪だ?」

俺が強く言うと老人は答えた。

「答える義理などない。それと貴様は妖怪横丁に住んでいるようだな?ならば『ゲゲゲの鬼太郎』に伝えておけ。近いうちお前の首を取りに行く…とな」

「へぇ〜。答えないのか。なら死刑ってことでいいんだな?」

ピキッ

俺は指の骨を鳴らすと隠していた九つの尻尾を出した。

 

「さて、今ここでねじりミンチにしてやろうか?」

「儂に構ってる場合か?」

「どう言うことだ?」

「あれを見ろ」

老人は指を指した。俺がその方向を見ると建物の看板が崩れた。しかもその下には人間の女がいたのだ。

 

「心配ねぇさ。どうせアイツが助けるからな」

俺が言うや否やその女は何処からか現れた鬼太郎が助けた。

 

「ほらな?」

俺がその活躍劇を見ながら振り向くと、既に老人の姿はなかった。

 

「ッチ…逃げたか」

 

その後、火は無事に消化されたという。そのホテルにいた者は全員素早く救助されたのか火傷で済んだそうだ。

 



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怒り狂う雪女

先日の爆発事件。天狐はその際に自分の前に現れた老人が犯人と見てその事を鬼太郎に報告していた。

天狐の報告に鬼太郎は眉を寄せ厳しい表情を浮かべる。

 

「そいつは恐らく……『ぬらりひょん』じゃ…!」

 

「へぇ…アイツが」

 

『ぬらりひょん』 その名は天狐も聞き覚えがあった。ぬらりくらりと姿を紛れ込ませ、気づけば人に混じり、消えている。人が妖怪を畏れるキッカケを創り出した者で、日本妖怪の総大将ともいえる存在である。

 

「勿体無いことしちまったなぁ。あん時 闘っとけばよかった」

 

「何呑気な事言ってんのよ!」

 

尻尾でお手玉をヒョイヒョイとしながら舌打ちし、がっかりする天狐に猫娘はツッコむ。

早く対策を練らなければ第二第三の犠牲者がまた現れるかもしれないだろう。

 

「そういえば奴は鬼太郎を狙ってるんだっけな。おい、鬼太郎」

天狐はぬらりひょん が執着している鬼太郎ヘ目を向ける。

 

 

「……」

 

見れば彼はなぜか空を見上げていた。

 

「さっきからあんな調子なのよ。まったく…」

猫娘は鬼太郎はまさか助けた少女に恋をしたのかと思い嫉妬心が露わとなっており、機嫌を悪くしていた。

 

「らしくねぇな。まぁいいや。取り敢えず俺は外に出る。なんだか腹が減っちまった」

 

その様子を見た天狐は欠伸をすると、妖怪横丁へと出ていった。

 

ーーーーーー

 

一方で、東京から 遥か北にある東北地方の『山口県』のそびえる山々のまた山の奥にある 雪が積もる 地の真ん中にそびえ立つ城『雪女の城』にて、住まう雪女達がざわめいていた。

 

「真白が九尾の狐に…」

 

「そんな…」

大切な仲間の死に雪女達は衝撃を受けながら涙を流す者もいた。

 

 

「落ち着きなさい」

すると 周囲の悲しむ声に鋭くも優しい声が響き、その雪女達を宥めさせる。その声の主は椅子へ 座り、他の雪女とは一味違う雰囲気を漂わせる雪女の頭領『雪女郎』だった。

 

「此度の真白の件…とても悲しく思う。皆には辛いと思うが…受け止めて欲しい」

そう言いうと雪女郎は1つ、空席がある事に気づく。

 

「葵は…まだ来ていないのかい?」

 

「はい…。真白の死を知った途端…1人で森へ…」

 

「そうかい…」

雪女郎は顔をしかめる。葵という雪女は真白と一番親しかった雪女であり、雪女郎は彼女をとても気に掛けていたのだ。

 

「ですが…真白はどうして…」

 

「奴は誑かされていたんだよ…『雪入道』と『ぬらりひょん』にね…!」

 

雪女郎の目には怒りが込められていた。

 

ーーーーーーー

 

雪女の城から少し離れた深い深い針葉樹林の森。その森に立つ全ての木には分厚い雪がかぶっていた。

 

名を『動かずの森』

 

雪に覆われた木々一つ一つが頑丈であり、雪女達の修行場である。

 

その森の中心に一人の雪女が立っていた。

 

「葵…雪女郎様が呼んでるよ…そろそろ…」

 

離れた場所にもう一人の雪女が立っており、表情を苦くしながらも女性に声を掛ける。

 

“葵”と呼ばれたその女性は空を見上げながら答えた。

 

「えぇ。分かってる。先に行ってて…」

 

その声は寂しさ…悲しさ…そして『怒り』が込められていた。

その返事に後ろにいる雪女は頷き城へと戻っていった。

 

一人の空間となると、葵という雪女は曇天の空を見上げながら拳を握り締める。

すると、彼女の感情に応えるかのように風が吹き荒れ、身体からは水色のオーラが溢れ始めた。

 

「待っていろ九尾…必ず私が殺してやる…ッ!!!」

 

拳を握り締め、復讐を誓った雪女。その鋭い瞳からは涙が零れ落ちていた。

 

 



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