迷い込んだのはリリカルな世界 By Build (Plusdriver)
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1.始まり


初めまして、Plusdriverことプラドラと申します。
これからよろしくお願いします。

それでは本編をどうぞ


 やあ!皆さんこんにちは。佐野 巧と言います。

 いきなりで悪いけど仮面ライダーって知ってる?

 沢山の物語があるんだけどネタバレをしたくないから説明を省くね。

 その中でもビルドが好きなんだ。ダブルみたいに二色なんだけどとにかくストーリーが気になるんだ。

 まあ、それは置いておこう。

 今、僕はとんでもない状況にある。それは...

 

 〈ビルドドライバー〉〈東都フルボトル20本〉〈手紙〉

 〈ビルドのライダーズクレストの描かれた巨大なアタッシュケース〉

  

  

  

  そして...〈エニグマ〉...

  

 

  ....いや、なんでさ!100歩譲ってビルド関連のアイテムは許そう。

  だが、なぜここにエニグマがあるんだ。しかも赤と青両方とも目を向かい合わせている。

  僕はベットを降りる。あれ...白衣なんて来てたっけ...しかもどこかで見たことのある場所だなぁ...

......最上魁星の研究所だ!でもなんでこんなところに? とりあえず机の上の手紙を読むことにしよう。

  

 

 

    

 

 

  ~~~佐野巧君へ~~~

 

  君がこれを読んでいるならまずは謝まろう。君の体にネビュラガスを注入してしまった。本当にすまない。

  自己紹介をしよう。私は最上魁星。平行世界の研究をしている。まあ、君なら知っていると思うが。

  時間がないので手短に説明しよう。今君は狙われている。だが、安心して欲しい。

  エニグマが君が目を覚ましたら30分後に起動するようにしておいた。君には平行世界で新たな世界で...

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

  ビー ビー ビー ビー

 

 

  なに、まだ手紙を読んでいる途中なのにエニグマが起動したのか⁉

  

  二台のエニグマがその目を開き、研究所の物を吸い込んでいく

 

 

 

  そこで僕は気を失った___

 

 

 

 

 

 

  

100101010101010101010101010101010101010101010101001010101010101010101010110101010101010101010101010101010101010101010100100100101010010101010101001010101010010101000101010101010100101001010101010101010101010101010101010100101010101001

101010101010101010101010101010101010101

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  そして目を覚ますとマンションの一室に手紙とエニグマ以外の

  物が散らばっていた。

 



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2.判明

平行世界への転移は様々な被害を出した。主に部屋の中で。

 「これはひどい」

そう言わずにはいられない。

部屋中に散らばる紙切れそして明らかに壊れたとしか言いようのないエニグマが

そこには広がっていた

「そういえば手紙はどこだ?」

転移前に持っていた手紙がなくなっていた。探していくが

細々とした紙切れしか見つからない。

まさかと思ったが手紙らしきものがあった。

_______________

 

~~~佐野巧君へ~~~

どうやら無事に到着したみたいだね。君のためにさっさと済ませよう。

アタッシュケースに銀行口座の手帳と服、部屋の鍵が入っている。好きに使ってくれて構わない。

そしてこの世界についてだがここは〈魔法少女リリカルなのは〉の世界ということを

理解してもらいたい。なお、アタッシュケースには君のハザードレベルが上がるとロックが

外れて、新たなアイテムを使えるようになる様にプログラムしてある。

君自身が決めるといい。自分の信じた正義のためにね。

 

   P.S.---君の戸籍を作っておいた。桐生 戦兎。君の新たな名前だ。

 

                        ~~~葛城 巧~~~

______________________________

 

リリカルなのは?なんだそれ?どこかで聞いたことがあるような...

 

でもとりあえず、

 

桐生 戦兎...仮面ライダービルドの主人公の名前を僕に......

よし、これから僕は....いや、俺が戦兎だ!!!!

 

とりあえずまずは

 

「掃除からかな」

 

__________ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________

 

あれから2時間半で掃除を済ませて、着替えてから一生遊んで暮らせるレベルの手帳を持って外へ出た。

ここは本当に自分のいた世界ではないようだ。知らない街並みが流れていく。

歩いていくと、翠屋という喫茶店についた。

 

「なんだろう?何かを感じる...」

まあ、入ってみよう...

 

「いらっしゃいませ」

かっこいい兄さんに話しかけられた

「一人で来ました。お昼ご飯食べに来ました。」

そう言うと奥へ案内された。メニュ―から食事を決めて注文した。待つ間にこれからのことを考える。

~~~~~

~~~~~

~~~~~

~~~~~

食事をおえて、会計を済ませ外へ出る。

「ありがとうございました。」

出たらすぐ何かに当たった。

「にゃっ、痛たた...ごめんなさいなの。」

にゃ?なの?そしてゆかりさんボイス......ま、まさか....

 

「高町.......なのは?」

「あ、はい。そうですけど...」

ま、まずい...思い出したぞ...管理局の白い悪魔...OHANASI....

ヤバイ...ヤバイヤバイヤバイ!!!!

リリカルなのはだ!!!!思い出した。

どうやってここを切り抜けるか...

 

「あの、大丈夫ですか?」

「!?」

しまった、ものにふけっていたから怪しまれたか...

「いや、さっきその名を聞いたんだ。」

「そうだったんだ。ならなのはの名前を知ってたんだね。」

納得してくれたみたいだ。

「それじゃ、もう用があるから」

隣をぬけていく。

「あ、待って。名前教えて欲しいの。」

 

聞かれたなら答えないとな...

 

「俺は桐生 戦兎。」

 

これが俺たちの初めての出会いだった。



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3.鋼のムーンサルト

あの後生活必需品を買い占め郵送を頼んだ。

更に出会った高町なのはが知っている姿より

幼いことに気がついた。今はどうやらA‘sまでの

空白期間らしい。今のうちに戦いなれるべきなのかもしれない。

でも、何故俺が実験を受けてこの世界に来たんだ?

肝心なところを読み逃している上に手紙はもう読めない...

とりあえずアタッシュケースのビルドマークに手を置く。

どうやらここに手を置くとハザードレベルを計測できるみたいだ。

 

「んっ、どうやらハザードレベルは3.0みたいだな。」

 

そう言うと、どうやらロックが外れたようで中からスパークリングの缶がでてきた。

 

「これって〈ラビットタンクスパークリング〉じゃないか!」

 

本来ならばパンドラボックスがなければ作ることが出来ないものだ。

 

「もうこれが使えるのか。」

 

考え深いものだ。これはマスタークことブラッドスタークに勝つための切り札なのだ。

「もしかして、こっちの世界にいるのかよ。」

未だに真の目的が分かっていないのだ。居たら厄介でしかない。

 

「とりあえず変身してみるか。」

 

ビルドドライバーを装着しフルボトルを選ぶ。

 

「初変身だし、やっぱりこれで。」

 

そう言ってラビットとタンクのフルボトルをパンドラパネルから外す。

頭が動かないように左右交互に振る。そしてドライバーにセット。

 

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ!』

 

そして言いたかったセリフを言う。

 

「ベストマッチキターーーーーー!!!!!」

 

そしてハンドルを一気に回す。そしてスナップライドビルダーを展開、成分を加工し待機音が鳴りやんだらファイティングポーズをとる。

 

『ARE YOU READY?』

「変身!」

 

スナップライドビルダーに前後から挟まれ、変身を完了する。

 

『鋼のムーンサルト ラビットタンク』『Yeah!』

「変身、出来た...」

 

感動だ...仮面ライダーになったんっだ...

でも、気が重い...何かを背負うことになるのか...ライダーの宿命だからな.....

 

「まあ、とりあえず

 

その瞬間、世界が闇に包まれた。

 

______________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________

 

「なのは、おかえり」

「ただいまなの」

 

お父さんと軽く話してから自分の部屋へ向かう。

 

「ユーノ君、ただいまなの」

「やあ!おかえり、なのは」

 

フェレットに変身しているなのはの魔法の先生なの」

 

「なのは?何を話しているんだい?」

 

おっと、声に出てたの。

 

「何でもないよ。それよりも魔力を持ってる人にあったよ。」

「えっ、本当かい?」

 

ユーノ君が私の方に乗りながら話していると強力な魔力を感じた

 

「こ、これはジュエルシードと同じ、ロストロギアの魔力だ!!」

「それは大変なの!急いで行かないと!」

 

わたしのデバイス、レイジングハートを使ってセットアップし、

バリアジャケットに身を包み、飛行魔法で移動する。

すると、世界が闇に包まれた。

 

 

 

 

 



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4.天空の暴れん坊

タイトル詐欺な気がする


えっ」

 

突然目の前が真っ暗になった。急いで部屋の電気をつける。

 

「何が起こったんだ?」

 

外を見ると暗闇が広がっていた。

唐突に携帯の着信音がなり響く。どうやらアタッシュケースの中かららしい。

開けるとビルドフォンが鳴っていた。どこに入っていたのだろう?

取り合えず電話に出る。

 

「はい、もしもし」

「よう、おはようさん。佐野巧いや、桐生戦兎。俺が誰かわかるか?」

 「なっ」

 

忘れられない声が聞こえてきた。

 

 「.......ブラッド.....スターク...なのか?」

「正解だ、戦兎。だが、俺はお前の知ってる者ではない。

 別の次元の人間だよ。」

 「なんだって!?」

 「悪いな、さっさと要件を済ませようぜ?時間が無くなっちまうぞ?」

 「くっ...」

「魔法少女の向かった先にスマッシュが現れるぞ。

 止めたいならさっさと行け。」

 

 スタークからの一方的な電話が終わり、考える。

明らかにスマッシュがこの世界に現れたのは自分のせいだ。

なら、

 

「行くしかないだろ!」

 

変身したままビルドフォンとフルボトルを持って窓から外に出る。

 

『タカ』『ガトリング』『ベストマッチ』

 

フルボトルを交換しハンドルを回して、フォームチェンジする。

『ARE YOU READY?』

「ビルドアップ」

『天空の暴れん坊 ホークガトリング』『YEAH!』

 

空から高町なのはを探す。探しながらホークガトリンガーが呼び出せるか確かめる。

 

「おっと、出せるみたいだな」

 

どうやら念じると出てくるみたいだ。羽を羽ばたかせかなり先に高町なのはを目視する。

 

「まずは、実験台になってもらおうかな」

 

 

地上に降りてビルドフォンをバイクにし、フルボトルをラビットタンクにもどし、

運転していく。目標はスマッシュ。何故か人のいない道を行く。

 

 

___________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________

 

 

なのは達は結界を張って移動していた。

 

「ここだよね、反応があったのは。」

「そうだよ。だけど何もないなんて」

 

飛行魔法で移動してきたの。

でも、ロストロギアが見当たらないの。

 

「っ、なのはよけて!」

「っっ...」

 

ギリギリで攻撃を避ける。

 

「誰なの?」

 

 

「..................」

 

喋る様子が一切見られない異形が、そこには立っていた。

 

____________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________

 

 

バイクを走らせていく。

ラビットタンクだからかよく音が聴こえる。高町なのはの声と攻撃音が。

どうやらもうスマッシュがいるらしい。

 

「じゃあ、いきますか」

 

ドリルクラッシャーをガンモードで呼び出し、トリガーを引く。

第一話で出てきたスマッシュを打ちまくる。

 

「ガアアアアアアアアアアアアア!」

 

どうやら効いているようだ。

 

「あ、あなたは...?]

 

 おっと、気がついたようだ。さてと.....

 

「俺は仮面ライダービルド。『創る』『形成する』って意味のビルドだ。」

 




 


グダグダしたいなぁ....



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5.輝きのデストロイヤー

「仮面...ライダー?」

 

突然現れた赤と青の戦士に、私たちは驚いた。

ほとんどダメージを与えられなかった怪物に対して

確実に攻撃を決めているのだ

 

「な、なのは。あの人からロストロギアの反応があるんだけど...」

「そうなの?」

 

どうやらあの人、ビルドはロストロギアらしい。でも、

 

「暴走してないよね」

「うん、完全に制御しているよ」

 

凄い、ジュエルシードのような物を完全に制御しているんだ。

ミッドの魔術師SSSランクよりも強いかもしれない。そうユーノが考えていると

 

『READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』『YEAH!』

 

ビルドが異形を倒していた。

 

_________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________

 

 

 

俺は二人の前に移動しようとするとどこからか足音が聞こえてきた。

 

「................................」

 

振り向くとそこにはナイトローグが立っていた。

 

「.......フルボトルをよこせ」

 

トランスチームガンを射ってくるのでフルボトルを換える。

 

『ゴリラ』『ダイヤモンド』『ベストマッチ』

 

ハンドルを回す。

『ARE YOU READY?』

 

「ビルドアップ」

 

『輝きのデストロイヤー ゴリラモンド』『Yeah!』

 

すぐにハンドルを回して弾をダイヤモンドに変える。

 

『READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』『YEAH!』

 

ゴリラアームでダイヤを殴り、ナイトローグを撤退させたようだ。

 

「ふう.....」

 

一息ついて変身を解除した。

 

「君たち、大丈夫だったかい?」

「「は、はい...」」

 

二人はそう返してきた

 

「あ、今日お店に来ていた...」

「おっと、名乗っていなかったね。俺は桐生戦兎。またの名を仮面ライダービルドだ。」

 

「僕はユーノ・スクライアです。さっきの怪物といい、ビルドとは何ですか?」

 

ユーノに質問されたので答えることにする。

 

「あいつはスマッシュ。特殊なガスを注入された人間さ。

  ビルドはこのベルトにフルボトルをセットし、変身した姿さ。」

「なっ..」

 

驚愕だったのだろう。黙り込んでしまった。

 

「あの、何故私の名前を知っていたんですか?」

「ああ、それはP.T.事件を知ってたからだよ。」

 「あれ、名前は黙認されているはずですが...」

「この地にいたからな。悪いけど見させてもらってたよ。」

 

噓だけどね。今は本当のことは話さなくていいだろう。

 

「とりあえず、家に帰るといい。もうすぐ6時だからね。」

「そうですね。明日、翠屋に来てください。」

「分かったよ。ほら、乗って。送っていくよ。」

 

彼らを送り、家に帰る。

一日目からこれだからな...先が思いやられるな....

 



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6.シノビのエンターテイナー

皆さんは三連休ですよね。
私は留学生なので普通に学校がありました。
誰かどこでもドア作ってくれないかな.....

本編どうぞ。


家にあったベッドから起き上がる。

今日は原作キャラの家に行くことになっている。

情報交換して友好関係になっておきたいなぁ。

そう思いながら調理していたため

目玉焼きが焦げていた。

 

______________________

 

 

 

時は過ぎ午前8:30。

俺は翠屋に来ていた。

ビルドフォンを使い念話を送る。

 

[おはよう、高町なのは。ユーノ・スクライア。]

[あ、おはようございます。桐生さん。]

 

昨日の夜ビルドフォンを調べている時に

デバイスモードのアプリを発見したのだった。

どうやら一度でも魔力のある者に会うと名前と共に登録されるようだ。葛城巧スゲー。

一応すぐユーノに送ってみたのだ。

 

[夜遅くに済まない。ユーノ・スクライアか?]

[あ、はい。念話使えたんですね?]

[これが初めてでな。確かめたかったんだ。]

[そうですか。分かりました。それでは明日、翠屋で会いましょう。]

[ああ、お休み。]

[はい、おやすみなさい。]

 

とまあ、使えるから店に入る前に家に入れてもらえるか確かめているのだ。

 

[なのはに扉を開けるように言いました。しばらく待ってください。]

[了解した。]

 

念話を終えて扉が開くのを待つ。30秒もしないうちに扉が開いた。

 

「おはようございます。桐生さん。中へどうぞ。」

「ああ、ありがとう。」

 

中に進むと見慣れない男に会った。

 

「俺は高町恭也。なのはの兄だ。なのはの知り合いという事は魔法使いなのだろう?」

「いえ、魔法は少ししか使えません。」

「お兄ちゃん、桐生さんはとても強いんだよ。」

 

余計な事を.....!

 

「ほう、そうなら相手をしてもらうかな。」

 

戦闘民族高町家め!!!

 

「ん、何か言ったか?」

「いえなにも。さっさと始めましょう。」

 

相手は剣術使いだったはず。

道場に移動し、ベルトを使ってもいいか問う。

 

「いいぞ。全力でこい。」

 

実験台になってもらおうかな。

ベルトを装着しフルボトルを振る。

 

『ニンジャ』『コミック』『ベストマッチ』

 

ハンドルを回してファイティングポーズ。

 

『ARE YOU READY?』

「変身!」

 

スナップライドビルダーに挟み込まれてすぐさま念じる。

 

『シノビのエンターテイナー ニンニンコミック』『YEAH!』

   〈4コマ忍法刀〉

「ほう、お前も剣を使うのか。」

 

手早く勝つ。時間が惜しい。

 

「桐生戦兎。15歳。またの名を仮面ライダービルド。」

「仮面ライダーか。高町恭也。19歳。小太刀二刀御神流。」

「いざ尋常に

「「勝負!」」

 

小太刀と刀がぶつかり合った。

 

 




感想ありがとうございます。

まだまだ募集していますので

これからもよろしくお願いします。


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7.たてがみサイクロン

誤字報告に話数を入れて下さると
とてもありがたいです。

それでは本編をどうぞ。


始めから飛ばしていく。

 

『分身の術』

 

5人に分身し、畳み掛ける。

 

『『風遁の術』』『『火遁の術』』

 

一気に終わらせるためにフルボトルを振る。

 

『『火炎切り!!』』『『竜巻切り!!』』

 

分身たちが囮になっている間にフルボトルをセットする。

 

『ライオン』『掃除機』『ベストマッチ』

 

いつものようにハンドルを回す。

 

『ARE YOU READY?』

「ビルドアップ」

 

『たてがみサイクロン ライオンクリーナー』『YEAH!』

 

分身が消える煙の中ハンドルを回していく。

 

『READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』『YEAH!』

 

左手の掃除機でこちらに引き寄せ、右のガントレットから気絶する以上の衝撃波を放つ。

どうにか気絶してくれたらしい。目の前に付きの構えのまま立っている恭也の姿がある。

手加減以上に生身の人に使うことはないと思っていたが、

ここは人外魔境海鳴市だ。またこうなるかも知れない。

 

「お兄ちゃん!」

 

気絶した兄に近寄るなのは。俺は変身を解除した。

 

「ただ気絶しただけだよ。」

「そうですか...じゃあユーノ君を呼んでくるの。」

________________________

 

 

ユーノが降りてきてそのまま道場で本題に入る。

俺はアルハザード出身と偽り、ビルドドライバーやフルボトルは代々の家宝と説明した。

どうやらA‘s開始の半年前らしい。

とんだ誤算である。どうやらフルボトルはこの世界でいうロストロギアだそうだ。

募集されると大変困る。だが、振らければ、少しだけ魔力を持っているだけらしい。

不要な時は振らないようにしよう。

  

「アルハザードが本当に存在していてそこに人がいるなんて....」

 

なのはは黙り込んでいる。気になっているだろう。

だが、俺が来たのがプレシアの転移前だったからな。フェイトのためだろう。

いいこだな。未来の白い悪魔だが。

 

_______________________

 

お互いに情報交換した後、図書館へ向かう。

八神はやてに会うためだ。早めに仲良くなるのがいいと判断したからだ。

 

「ここか、祭りの場所は。」

 

朝倉が出てきた。奥深くにしまっておく。

突然ビルドフォンが鳴りだした。

 

「もしもし」

「昨日はどうだったかな戦兎。」

「何の用だ、スターク。」

「おまえ、八神はやてに会いに行ってるんだってな。」

「それがどうかしたか。」

「いやなに、問題がないかの確認だよ。」

 

図書館から窓の割れる音と共に悲鳴が上がる。

 

「なにをした!!!」

「ガスを打ち込んでやった。スマッシュの登場だぜ?」

 

そして、あのスマッシュが出てきた。



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8.封印のファンタジスタ

平行世界といえばこの人。
そう考えるライダーファンが多そう。
それでは本編をどうぞ。


出てきたスマッシュに見覚えしかなかった。

 

「スターーーーーーーーーーーーーーーーーーク!!!!!!!!!!!!」

「おいおい怒るなよ。あの時はあいつだったろ?」

 

それは原作で唯一ハザードレベル1.0で消滅した

万丈龍我の彼女、小倉香澄が変身させられたスマッシュだった。

 

「どこだ、どこにいる!!!!!」

 

「怒ると周りが見えなくなるのは同じか。

  まあいい、さっさとスマッシュを助けてやれ。」

「おい!」

 

スタークに一方的に切られた。アイツの電話番号は特定できない。

調べても他人が出てくるのだ。しかも1分もない間に変わっていくのだ。

 

「ん、そういえば...」

 

誰かがスマッシュにされた。俺の目的を知っていたから出してきた因縁のスマッシュ。

そして植田佳奈さんボイス.....まさか......!

 

「スタークめっ....趣味の悪いやつだ。」

 

実際に会ったらぜってーオクトパスライトでいってやる。

 

「助けるからな、少し我慢してくれ八神はやて。」

 

ビルドドライバーを装着、力任せにフルボトルを振る。

 

『ドラゴン』『ロック』『ベストマッチ』

 

ハンドルを回して走る。

 

『ARE YOU READY?』

「変身!!!!」

 

『封印のファンタジスタ キードラゴン』『YEAH!』

 

スナップライドビルダーに挟まれてすぐに鎖を放つ。

さらに蒼い炎を纏いブレイズアップモードになる。

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

すぐさまハンドルを回す。

 

『ボルテック・フィニッシュ』『YEAH!』

 

かめかめ波のポーズから炎を固めた物を叩きつける。

 

「うあ、あ、あ.....」

 

スマッシュから成分を抜き取る為にドラゴンフルボトルを向ける。

すると、無事に八神はやてが出てきた。

 

「早く病院に....ぐあああああああああああああ!」

 

ドラゴンハーフボディが蒼い雷を発する。

強制的に変身を解除された。

倒れ込むように俺は気を失った。

 

___________________

 

 

 

おや、気絶するなんてさ。

まあ目的のお宝が集合したのは好都合だね。

 

「海東さん!」

 

おや、どうやら邪魔が入るみたいだね。

 

「おや、君かい。士に邪魔するようにいわれたのかい?」

「ええ、そうですよ。まあ、自分の意思で来ましたけどね。」

「じゃあ、力尽くで止めたまえ少年。」

「いきます!」

 

彼はベルトを装着し相棒を呼び出す。

 

「いくぞ、クローズ!」

 

特徴的な鳴き声と共に手に収まる機械龍。

それにフルボトルをセットし、ベルトのスロットに置き

そのままセット。

 

『クローズドラゴン』

 

待機音に鳴き声がはもる中ハンドルを回す。

さて僕も動くことにしよう。

スロットにカードを装填して銃身を前にスライドし空へ向ける。

 

『KAMEN RAIDE』

 

彼はファイティングポーズをとる。

 

「「変身!」」

 

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON!』 『Yeah!』

『DEEND』

 

青同士の戦いが始まる。

 

 

 




さて万丈役が遂に登場!

間もなく締め切りさせて頂きます。

2018年2月14日15:00までにお願いしますね。

あ、一海役の募集と共に
彼のデバイスの名前を募集します。

グリスとクリスになりかねないので

それでは お待ちしております。


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9.クローズドラゴン

さて、ついに決まった万丈役。

さらに私は女子高に一人で行くことに。

ラノベの主人公は大変だなと実感し、

現実は小説よりもヤバイことになっています。

経験のある方いるんでしょうか?

おっと、話がそれましたね

それでは本編をどうぞ。


戦闘を開始する。海東さんはどうやらすぐに引くことが

多いらしい。そうなることを考えてしまった。

何故か力が湧き上がる。ボトルとシンクロしてるのか?

 

「ふむ、どうやら少しおかしい事があるのかな。」

「!!!」

 

ばれた。早すぎる。

 

「いってらっしゃい。僕の兵隊さん。」

 

ライオトルーパー3体を呼び出して消えてしまう。

 

「くっ、邪魔だ!」

 

ハンドルを回し、蒼龍を呼び出し拳を3体に叩きつける。

 

『ドラゴニック・フィニッシュ』

 

倒したが、海東さんに逃げられた。

 

「クローズ.....?」

 

後ろから声がした。

 

 

_________________________

 

 

騒がしい。

が、お陰で目が覚めた。

 

「八神はやては?」

 

すぐ近くに横たわっているのを確認する。

 

『ドラゴニック・フィニッシュ』

 

なんだって!?

クローズがいるのか?

 

無理やりにでも立ち上がる。

手には熱をもったドラゴンフルボトルがあった。

 

 

________________

 

 

 

 

 

 

 

振り返ると桐生戦兎似の赤青の服を着た少年が立っていた。

 

「何故俺のことを知っている?」

 

何者だ、こいつ。ってそうじゃねえ、怪我人が先だ。

変身を解除しながら駆け寄る。

 

「なっ!」

 

どうしたんだ?

 

「万丈、龍我?」

 

ん、ああ、そんな名前だったな。

 

「悪いな、俺は龍我じゃなくて龍斗だ。お前は?」

「お、俺は桐生戦兎。」

 

戦兎か。良い名だな。

 

「こいつを病院へ連れて行くぞ。話はそれからだ。」

「分かった。もうそろそろ救急車が来るはずだ。」

「そうか...」

「おい、何持ってるんだ?」

 

戦兎の手が光っていた。

 

「こ、これは....!!」

 

手を開くとフルボトルが飛んでくる。

 

「ドラゴンフルボトル?何で2本もあるんだ?」

 

光が強くなり、形が変化していく。

光が収まるとゼリーがあった。

 

「なんだこれ? ドラゴンスクラッシュゼリー?」

 

飲み物か?

 

_________________

 

 

龍斗はスクラッシュゼリーを知らないみたいだ。

こいつは一体何者だ?

 

「なあ、万丈。スクラッシュドライバーって知らないか?」

「なんだそれ?新しいベルトか?」

 

知らないのか。ならいいけど。

 

「それはビルドドライバーじゃ使えないからな。」

「そうなのか。それじゃあ、ほい。」

 

こっちに渡してきた。

 

「いいのか、お前しか使えないんだぞ?」

「別にいい。お前ならうまく使えそうな気がしてな。」

 

こいつは、本編通りの馬鹿か。会って数分だぞ?

 

「分かった。預かる形で持っておくよ。」

「そうか。」

 

裏表のなさそうな笑顔でそう言ってくる。

 

「そういえばこれは海東さんがやったのか?」

「海東?海東大樹のことか?」

 

なぜその名が出てくるんだ?

 

「知っているのか。で、どうなんだ?」

「関係ないぞ。全部スタークのせいだ。」

 

スタークを知っているだろうか?

 

「誰だそれ?」

「知らないのか。すまないが、後で話そう.....」

 

そしてまた気を失った。

 

_____________

 

 

急に倒れ込んで来やがった。

救急車も来たみたいだから少し離れた所にいた人に女の子を

任せる。戦兎は光写真館に連れていくことにした。

 

「よっと。」

 

戦兎を背負ってもと来た道を戻った。




さて、万丈の名前が決まったので
遂に光写真館であの人と会うことに。

龍斗の秘密が早速分かります。

戦兎の方はまだ秘密です。

一海とそのデバイスの名前はまだ

募集しています。

よろしくお願いいたします。

それでは次回『レスキュー剣山』でお会いしましょう。


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10.レスキュー剣山

シリアスかもしれない。

今回はとても大事な話。

それでは本編をどうぞ。


目が覚めると、知らない天井が見えたので

言ってみたかったセリフを言う。

 

「知らない天井だ。」

 

ノルマ達成の瞬間である。

 

「あ、目を覚ましたみたいですよ。」

「夏みかん?」

 

見慣れた人が出てきた。

 

「士くんと同じことを...?士くん、この子に会ったことありますか?」

「いや、覚えてないからな。知らないが正解だな。」

「士さん、戦兎は俺の力の事を知ってたんですよ。」

 

門矢士もいるのか。ってことは...

 

「ここは、光写真館ですか?」

「それも知っているのか。」

「どうゆうことです?」

 

俺は自分が何故知っているのか、さらにこの世界について説明した。

 どうやら一晩寝ていたみたいだ。なのは達と連絡をとらなければ...

 

「また海東のやつ、お宝探しか...」

 

本編後も盗みまくっているらしい。

 

「俺がこの世界でのやるべき事はスマッシュを倒しきることか。」

「曖昧ですがそうでしょう。」

 

そういえば何故龍斗が旅してるんだ?

 

「龍斗、なんでお前は旅してるんだ?」

「ん、ああ。俺は転生者なんだ。」

「なんだって!?」

 

転生者だと?旅をする中で龍斗のいた世界に行ったのか。

 

「ある日突然目が覚めたら辺り一面真っ白な空間にいてよ。

  お前は転生者だって聞こえてきてベルトの入ったアタッシュケースを開けたんだ。

 そしたら仮面ライダービルドの事が頭に流れ込んできたんだ。で、ベルトを取り出したらここの前にいたんだよ。」

 

どうやらこいつは強制的に転生させられたみたいだ。

 

「万丈龍斗って本名か?」

「ああ、転生前から変わってねえよ。で、士さん達と旅しながらベルトを使えるようになったんだ。説明書がなかったライダーの名前すらわからなかったぜ。

  移動したから散策してたら海東さんを見付けて追いかけてたんだ。

逃げられたがな。」

「そういえば八神はやてはどうなった?近くに倒れていたはずだが。」

「近くに来た人と救急車まで運んできたぜ。お前はこっちに連れてきたがな。」

 

良かった....待てよ。近くに海東大樹がいたんだよな。ってことは....

 

「士さん、海東大樹の狙いがわかりました!八神はやての持つ闇の書です!」

「闇の書?物騒な名前だな。」

「その名の通り危険なものです。海東さんが手に入れる前にどうにかしないと。」

 

面倒なことになった。

 

 

__________________

 

 

 

 

 

こいつ、桐生戦兎はどうやらこの世界に来た人間みたいだな。俺達と同じように。

龍斗のことも知っているみたいだしな。アイツはユウスケと海東、俺に鍛えられたライダーだ。

こいつの旅はここから始まるのかもな。もう大丈夫だろう。

 

「戦兎、お前はこの世界のライダーで良いんだな?」

「はい。実を言うとライダーのこと以外の昔の記憶がないんですよ。」

「それはお前が言っていたネビュラガスのせいか?」

「はい。ハザードレベルを上げる事でライダーに変身する事が出来る様になるんです。

  龍斗、これに人差し指を当て続けてみろ。」

「おう。」

 

ビルドフォンの画面に数字が表示される。

 

「ハザードレベルは3.2か。変身出来る様になってからも特訓をしたんだな。」

「おう!ユウスケさんに鍛えてもらったからな。」

 

こいつはこの世界で置いていく。こいつの居場所はここなのだろう。

 

 

_____________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

 

「火事だ!逃げろ!!!!」

 

光写真館のあるこの場所は先月、謎の火災によって炎上していた。

急に爆発し、建物は原型をとどめてはいなかった。

 

「この子を未来へ送る。」

「そうね....もっと母親らしいことがしたかった....」

「この子が幸せになることを祈ろう。」

 

彼らは手に目が付いた機械を起動させた。

 

 

_____________________________________

 

 

『レスキュー剣山 ファイアーヘッジホッグ』

 

「博士、どこですか博士!」

 

俺は探した。博士達は見つからない。ホースから出る水で消火しながら進む。

 

「-------どこだ、どこにいる!!!」

 

ハリネズミのアームを振るう。壊して壊して進む。

 

探しても探しても探しても探しても探しても探しても

探しても探しても探しても探しても探しても探しても

探しても探しても探しても探しても探しても探しても

探しても探しても探しても探しても探しても探しても

探しても探しても探しても探しても探しても探しても

探しても探しても探しても探しても探しても探しても

................................................

 

見つかることはなかった______________

 

 

「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

 

 

『不死身の兵器 フェニックスロボ』

 

 

 

焼け落ちてしまう建物の中で、危険な兵器が動き出した。

 

 

 




いかがでしょうか。

前半と後半で全く異なる物語を
展開することにしましたが、
人によっては重苦しいかもしれません。

ですが、次回からは元に戻ります。

過去編は次の空白期間に...ね.....。


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11.定刻の反逆者

修正しなきゃいけないかな。

それでは本編をどうぞ。


「何が目的だ。スターク。」

 

またもやスタークに会ってしまった。

士さん達との情報交換を終えて明日、なのは達を連れて行くことになった。

その帰り道にこれである。

 

「オイオイ、そんなに睨むなよ。」

「アンタ、なにもんだ。」

 

ベルトを装着しながら話す。

 

「そんなにも俺の正体が知りたいか?」

「ああ、石動惣一じゃないんだろ?」

「正解は、アイツらを倒したら教えてやるよ。」

 

俺の後ろからナイトローグとガーディアンがやって来ていた。

 

「終わったらちゃんと話せよ。」

「わかってるよ。」

 

睨みを効かせながらフルボトルを振る。

そのままベルトにセットする。

 

『海賊』『電車』『ベストマッチ』

 

ハンドルを回しながら考えた。

 

「今日はとんだ厄日だ。」

 

本気で行く。

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

『定刻の反逆者 海賊レッシャー』『YEAH!』

 

海賊ハッシャーを呼び出しすぐさまビルドアロー号を引く。

 

『各駅電車・急行電車・快速電車・海賊電車!』

 

手を離し、ビルドオーシャン号と共に発射される。

 

『発車!』

 

エネルギー弾は複数いたガーディアン全てを貫き破壊した。

 

「ナイトローグ.....何の恨みもないが、俺の周りに近づくな。」

 

殺気だって言う。だが、

 

「フルボトルをよこせ。」

 

あの時と何も変わらない。

 

「お前の正体も知りたかったんだ。」

 

お互いに銃撃戦に入る。

 

『各駅電車・急行電車・快速電車』

『ライフルモード」

 

準備が完了したナイトローグが先に放ってきた。

 

『スチームショット! バット!』

 

負けじとこちらも放つ。

 

『海賊電車』『発車!』

 

お互いの光弾がぶつかり合う。

煙で見えない中、羽を広げたコウモリが飛んでくる。

 

『エレキスチーム』

 

雷撃のこもったミストを刀身にまとわせ斬りかかってくる。

それをかわしてハンドルを回す。

 

『READY GO!』『ボルテック・フィニッシュ』

 

ビルドオーシャン号にエネルギーを収束し、

アロー号を引きながら狙いを定め、離す。

 

「はあ!」

「ぐあああああああああああああ!!!!」

 

見事に命中しコウモリが落下してくる。

 

「お見事~~~。」

 

スタークの拍手と共に霧がはれる。

 

「なっ!!」

「どうやら僕を知っているみたいだね。」

 

 

 

 

 

ティアナ・ランスターの兄、

ティーダ・ランスターがそこにはいた。

 

 

 

 

 

___________________

 

 

アイツのトランスチームシステムじゃここまでが限界か。

彼がスパークリングを持ち出さなかったのが吉だったな。

確か、後は私の苦手なタコのベストマッチだったか。

 

「よくやった!戦兎。約束通りに教えてやるよ。」

 

変身解除する。

 

「何が起きている!」

 

「なんだよお前と同じ顔が気に食わないのか?」

「違う!お前の本当の顔を見せろ!」

「悪いがまだそれは出来ない。代わりにいい事教えてやるよ。」

「何?」

 

食いついた食いついた。

 

「今回のこの騒動、全てこの世界の最上魁星がやったことだ。」

「なんだって!?」

 

驚いてる驚いてる。

 

「ちなみにお前の世界のやつは、無理やりカイザーリバースにされて

  融合させられたみたいだな。」

「倒せば、融合は解除出来るのか?」

「おっと、ここから先はお前がもっと強くなってからだ。」

 

面白くなりそうだ。

 

__________________

 

 

 

 

どうやら士さん達の事は知らないみたいだな。

 

「これは君にあげるよ。ほら。」

「おっと」

 

ティーダからバットフルボトルを渡される。

 

「またね。妹には会ったことは言わないでくれ。」

「アンタは何が目的なんだ?」

 

正体がわかったからこそ聞きたかった。

 

「君が知る必要はないよ。まあ、もうしばらくしたら....ね。」

 

そう言ってスタークと共にスチームの中に消えていった。




これが全部一日だと、長いので修正してきます。

それでは次回、『ぶっ飛びモノトーン』でお会いしましょう。


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12.ぶっ飛びモノトーン

3.7、3.8、3.9、4.0!

ようやく次の段階に行けるな。

それでは本編をどうぞ。


あの後、すぐにユーノ達に連絡し、

怪物を送り込んでいた犯人について話した。

そしたら緊急事態になったと聞いた。

 

[お兄ちゃんが、怪物に!]

 

急がなくては。

 

__________________

 

 

 

お兄ちゃんが怪物になっていた。

理解が出来ない。

 

「なのは?俺はどうなっている?」

 

姿は変わったがお兄ちゃんに変わりはないみたい。

 

『ぶっ飛びモノトーン ロケットパンダ』

「なのは、大丈夫か?」

 

戦兎さんが飛んできてくれた。

 

「ハードスマッシュ......しかもスタッグか....」

「戦兎さん、何か知ってるんですか?」

「ああ、極まれに意識を保ったままスマッシュになることが出来る物がいる。

  恭也さんはその一人なんだ。恭也さん、左手腕に何かついてませんか?」

 

戦兎さんからの指示で確認しているお兄ちゃん。

 

「これは?」

 

腕にフルボトルがくっついていた。

 

「そのボトルの成分を体内に取り込むことで

   変身できるようになったんでしょう。でも、どうしてそのボトルを?」

「ああ、さっき拾ったんだ。お前の落し物だと思ったんだがそうじゃないみたいだな。」

 

じゃあ、誰のなんだろう?

 

「推測になるんですが、スタークがやったんだと思います。」

 

お兄ちゃんに自分の事とそのスタークって人について戦兎さんが話してくれた。

 

「意識をボトルに集中させて下さい。力を籠めるように。」

「こ、こうか?」

 

そうするとあっさり元のお兄ちゃんに戻った。

 

「これで良し。とっ」

「なのは、悪いが明日放課後についてきて欲しい。会わせたい人達がいるんだ。」

「それって....」

「俺についてと新たな味方についてさ。明日朝にユーノを預かりにくる。それじゃあまたね。」

「はい、おやすみなさい!」

「お休み。」

 

戦兎さんは飛んで行った。

 

 

 

 

_____________________________

 

 

良くないのは理解しているがベランダの窓の鍵開けといて正解だったな。

 

「ふう.....」

 

軽く変身を解除しながら一日ぶりの我が家へ帰還する。

 

「ただいま~」

 

一人暮らしでもたまに口にする。嫌な癖だ。

ビルドフォンを起動させ、ユーノに念話を送る。

 

[ユーノ、なのはに聞いていると思うが....]

[はい、明日の朝ですね。]

[それもあるんだが....]

 

話は30分程続いた。

 

__________________

 

 

 

 

 

 

____________________________________

 

「龍斗。」

「ん?なんすか士さん。」

 

風呂上がりの龍斗に話しかける。

 

「お前をこの世界に置いていこうと思う。」

「えっ、....」

 

驚いているが無視して話を進める。

 

「この世界にはお前と同じベルトを使うライダーがいた。

  つまり、お前はこの世界にいるべきなんだ。」

「でも!」

「聞け!俺達は仲間だ。どんなに離れていても、お前は一人じゃない。」

「....わかってる。わかってるけど....」

 

納得いかない表情で俺から離れていった。

 

「士くんはこれでよかったんですか?」

「ああ、良かったと思うがな。」

 

夏みかんと俺は目を合わせる事が出来なかった。




今回もサブタイトル詐欺の様な気がする。

頭が痛いな.....


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13.イナズマテクニシャン

昨日会った人がいい人過ぎて桐生戦兎化してしまいました。

フムフム、おわかりいただけただろうか

スタークがさっさと撤退を始めるサブタイトルである。

それでは本編をどうぞ。


ユーノを預かる前にボトルを選んでいく。

オクトパスライトは必須だよな。

スタークがいつどこでやって来るかわからないからな。

選別を済ませ手持ちに加える。

 

「おっと、そろそろかな。」

 

7:00に家を出た。

 

_______________

 

 

 

 

_______________

 

 

「なのは、おはよう。」

 

7:20頃、戦兎さんがやってきた。

 

「ユーノを借りるぞ。魔法を覚えさせたい奴がいるんだ。」

「そうなんですか?」

 

誰だろう、魔力を持っている人がいるなら気がつくと思うんだけどな。

 

「恭也さんに変化はなかったか?」

「はい、特に何もありませんでした。」

「そうか。それじゃあ放課後、学校に向かいに行くから待っていてくれ。」

「分かりました。それじゃあユーノくん、行ってくるね。」

「うん、いってらっしゃい。」

 

ユーノを手渡され準備が済んだ。

なのはがバスに乗るのを見送り、自分の家に戻った。

 

 

 

________________

 

 

 

 

________________

 

 

なのはがバスに乗ってきた。

 

「なのは、こっちこっち。」

「おはようすずかちゃん、アリサちゃん。」

 

隣の席に招く。

 

「さっきの男の人、ユーノを抱いてたけど知り合い?」

「うん、ユーノ君を一日預かってもらうことになったの。」

 

気になる。なんでだろう?

 

「あ、今日は一緒に帰れなくなったの。」

「なんで?」

「さっきの人が迎えに来るの。」

「そうなんだ。」

 

なのはから聞き出してみようかな。

 

 

 

 

 

_________________

 

 

 

さて、ユーノを連れ歩いて帰る訳だが.....

 

「♪~~~~~~~~~~」

 

なんでいるの、クローズドラゴン。

 

「何ですかあのドラゴン?」

「知り合いの相棒だ。でもなんでこんなところに....」

 

ドラゴンが俺の前に来てこっちに来いと言わんばかりに服の裾を引っ張ってくる。

 

「悪いな、ユーノ。寄り道するぞ。」

「分かりました。」

 

飛んでいくドラゴンを追いかける。

 

「どこへ行くんだろう?」

「多分、アイツの主のところかな。」

 

走っていくと、

 

「おまえ、こんな所で何やってるんだ?」

「戦兎~~~~~。」

 

公園の端っこで小さくなっている龍斗に会った。

 

_______________

 

_______________

 

 

とりあえず龍斗とドラゴン、ユーノと共に家に帰ってきた。

 

「で、何があったんだ?」

 

龍斗に温かいココアを差し出しながら聞いた。

 

「.........士さんがさ、俺をこの世界に置いていくって言うんだ。」

「.........そうか.........」

 

/(^o^)\ナンテコッタイ。

  聞かない方が良かったのかもしれない。

 

「理由は...知っているのか?」

「ああ、お前が居るからだってよ。」

 

士さん、助けて!

俺には重すぎる。ユーノ!

 

「ちょっ、やめてくだ......」

 

無言の龍斗に捕まって撫でまわされていた。

癒しか、癒しが必要だったのか。

 

「フム」

「うなずいてないで助けてください......」

 

ユーノを生贄にしよう。

 

 

_______________

 

 

 

 

_______________

 

 

「スターク!」

「ようやくここにたどり着いたか。」

 

狙いがばれたか。

 

「カイザーはどこだ?」

「アイツとは考えが合わないんでね。情報交換しかしないんだ。」

 

探してるのは最上か。おおよそ自分の過去を知るためか。

 

「そうか。だが、お前はここで倒す。」

 

フルボトルを取り出し振る。

そしてベルトにセットする。

 

『オクトパス』『ライト』『ベストマッチ』

 

ハンドルを回して走り出す。

タコか...

 

「俺の嫌いなもので来るか。」

「ああ、変身!」

 

『イナズマテクニシャン オクトパスライト』『YEAH!』

 

「全く、相手してやるか!」

 

スチームブレードを構えて迎え撃つ。

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

すぐさまドリルクラッシャーをかまえてきた。

 

 

____________

 

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

こう走ってるのは理由がある。

それは数時間前まで遡る。

 

 

 

 

 

「それで、魔法を教えたい人って....」

「ああ、この落ち込んでる龍斗だ。」

 

 

気まずい。

 

「ええと、取り合えず飛べるようにしてくれ。」

「分かりました。だけど....」

「まだくよくよしてるのか...」

 

はあ、親のように慕っていた人から別れを告げられたのだ。

つらいのだろうが、こいつを育てておく必要がある。

 

「おい、龍斗。このままでいいのか?」

「なに?」

「このままだと、士さん達においてかれてもしょうがないぞ。

  それでもいいのか?」

「んなわけあるか!だけど...どうやって....」

 

やる気になったかな。

 

「お前は魔力がある。それを使えるようにするんだ。」

「まほうって?」

 

食いついた食いついた。

 

「今からユーノに教えてもらえ。その間に朝食の準備をしてくる。」

 

後ろからフェレットが喋ってる!とか自己紹介の台詞と騒がしい中、

キッチンに移動した。




次回、万丈龍斗は魔法使い

/(^o^)\ナンテコッタイ

ってサブタイトルにしようか...迷う...。


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14.龍斗の悲劇

だいたい、スタークがわるいんだ...

かんじつかえない....

それではほんぺんをどうぞ。


そういえばなんで記憶がないんだろう?

そう唐突に思った。

誰に料理の仕方を教えてもらったのか。

闘い方もだ。俺は自分について知らなすぎる。

 

「戦兎、朝飯まだか?」

 

大きな拾い物をしたもんだ。

 

「戦兎さん、龍斗はデバイスを持っているみたいです。」

「なんだって、それは本当かい?」

 

こう、ライダーネタが出てくるのもわからないな。

 

「このドラゴン、デバイスみたいなんです。」

「そうなのか。」

「なあ、デバイスってなんだ?」

「ユーノ、後は頼んだ。火使ってるから、これ以上は離れられない。」

「了解しました。」

 

デバイスの説明を3回繰り返し、飛行魔法の練習を見ながら

ベーコンエッグを完成させた。

 

_______________

 

 

 

_______________

 

 

龍斗の食事後、家の中で飛行魔法の練習が続く。

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」

「そんなに力入れなくていいから!」

 

ユーノは叫んで指導。どうやらこいつは本編よりも馬鹿らしい。

バリー――――ン

 

「「あ」」

「........」

 

See you 窓ガラス。さて....

 

「龍斗.....」

「ま、待ってくれ!わざとじゃないんだ!」

「そうですよ、元は部屋の中で練習して窓に特攻する龍斗が悪いんですよ。」

「ちょ、フォローじゃないのかよ!」

 

ギャーギャー言ってる二人を尻目にビルドフォンで電話を掛ける。

 

「あ、もしもし。士さんいますか?」

 

保護者に連絡なんだぜ。

 

________________

 

「そういえばお前は何歳なんだ?」

「俺か?今は15だぜ。」

「ちょっと待て、ユーノがいるだろう。」

 

戦兎さん達なにを話してるんだろう?

僕には教えてくれないんだろう?

まだまだ疑問は尽きない。

 

「ユーノは今10歳だよな。」

「うん、そうだよ。」

 

龍斗もアルハザード出身みたいだ。

あのベルト、凄い技術でつくってあった。

でも、二人は知り合いじゃなかったみたいだ。

 

__________________

 

「光写真館?」

 

どうしてこんなところに?

ここは確か火事になって空き地になっていたはず...

何か建つならすぐに気が付くはずなんだけどな....

 

「ここが俺の家だ。みんなで旅してるんだ。」

「旅?」

「説明は後で。おじいさんが昼食をつくって待っているみたいだからな。」

 

そこまで食事が大事なんだね。

 

「ただいま~」

「「お邪魔します。」」

 

すると、

 

「おや、龍斗くんのお帰りのようだね。」

 

おしゃれなおじいさんが出迎えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

__________________

 

軽く今日を振り返っていると

 

「戦兎!加勢するぜ!」

「龍斗!?」

 

ベルトを装着した龍斗がクローズドラゴンを

使って変身してくる。

 

「戦兎、あいつがブラッドスタークか。」

「ああ、なにかあるのか?」

「アイツ、俺の部屋を荒らしていきやがったんだ!」

「へ?」

「お陰で夏美さんに怒られるは、片づけに時間はかかるわ。

  さらに、士さんには突然の別れを告げられるわで、今物凄く腹が立ってるんだ!!!!」

「お前が犯人なのはわかってる。お前の蛇の尻尾が見えたからな!!」

 

スタークのやつ、何を探してたんだ?

 

「おやおや、もうちょっと冷静にいこうぜ?」

「うるせえ!」

『ビートクローザー』

 

武器を取り出し逃げるスタークを追いかけていくクローズ。

切り札を取り出し軽く振る。準備は万端だ。今度こそアイツの顔を見てやる!

 




戦兎くんの求める答えは作者である私が知っている。

さ、聞き出してみろ!

戦兎『ハザード・オン』

ちょ、無言のままハザードトリガー使わないで
それにまだ登場してないよね?!


まっ_________________



じ、次回、『シュワッと弾ける』で、お、お会いしま

『ボルテック・ブレイク』

Areeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee.........


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15.シュワッと弾ける

時間がなくなってきました。

最新が遅れると思われます。

ご了承ください。

それでは本編をどうぞ。


「ただいま、じいさん。昨日はすいませんでした。」

「良いんだよ。若い頃に同じような事をしたしね。」

 

おじいさんと龍斗の会話が始まった。

こいつにとっては本当のおじいちゃんそのものだろう。

 

「おっと、お客さんを待たせてしまったね。」

「いえ、自分達は龍斗を送り届けに来ただけなので。士さん達はどこに?」

「ああ、夏美と一緒に翠屋って所に行ったよ。君、この前うちで寝ていた子かい?」

「はい。あの時はどうもありがとうございました。」

「良いんだよ。士君も似たようなことになった事があるしね。」

 

ありがたい。このままここに居させてもらうことにしよう。

 

「すみません、4時頃に用事があるのでこの子を預かって貰えますか?」

「フェレットかい?いいよ、君も3時半位までくつろいでいくかい?」

 

願ってもない。

 

「お願いします。」

「わかったよ。」

 

光写真館の中に入る。昼食も食べていってくれと言われ、頂く事になった。

 

 

_________________

 

 

 

 

 

_________________

 

 

「長生きしてみるもんだね。本当に魔法が存在しているなんて。」

「あまり知られていない方がいいのですが、龍斗の保護者ですからね。」

 

じいさんとユーノが話している。今、俺は倒れている。

魔力を使いすぎたらしい。そんな俺の周りを飛び回ってるドラゴン。

 

「お疲れ、そろそろ向かいに行ってくるよ。」

「おう、さっさと回復して姉弟子にあいさつしないとな。」

 

しかも、この姉弟子がどうやらこの世界の鍵になっているみたいだ。

 

「じゃ、迎えに行きます。」

「「「いってらっしゃい」」」

「さあ、ユーノくん。君の世界について教えてくれないかい?」

「わかりました!」

 

師匠、こっちの10代みたいになってるな。

 

「クローズ、仕上げていこうぜ!」

「♪~~~~~~~~~~」

 

立ち上がりクローズと共に練習を再開した。

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

______________

 

 

バイクを走らせる。フォン状態で場所の確認をしたら

メット内に道案内が出てきたのだ。それを使って私立聖祥大附属小学校へ向かっているのだ。

 

「っと」

 

ここを曲がってっと..。

 

「ここか......。」

 

無事に目的地に到着した。

 

「3時50分か。そろそろかな。」

 

邪魔にならない所にバイクを移動させ、校門で学校が終わるのを待った。

 

_______________

 

 

 

 

 

 

_______________

 

 

 

「ねえ、あれって朝の....」

「戦兎さん、もう来てるの。」

 

早いわね。もう迎えに来てるなんて。

 

「バイクで来たみたいだね。」

「待たせたら悪いの。私はもう行くね。」

「バイバイ、なのはちゃん。」

「またね、なのは。」

「うん。また明日なの。」

 

なのはは走って行った。

 

 

_____________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________

 

「おりゃ!」

「おっと、ガムシャラに振り回しても当たらないぞ?」

「わかってら!」

 

龍斗に追いついた。いよいよ使う時だ。

ハンドルを回す。

 

「龍斗、避けろ!」

「!わかった!」

 

『READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』『YEAH!』

 

クローズがスタークから離れたのを確認しライトハーフボディの肩のライトを強く発光させる。

その内にオクトパスハーフボディのタコから墨を吐き出してドーム状にしスタークを拘束する。

そして龍斗に合図する。

 

「今だ!」

「おう!」

『スペシャルチューン』

 

ビートクローザーにロックフルボトルをセットしてグリップエンドを3回引く。

 

『ヒッパーレ!ヒッパーレ!ヒッパーレ!』

 

『♪~~~~~~~~~~』

 

ビートを響かせ、トリガーを引く。

 

「おりゃあ!』

『メガスラッシュ!』

 

「ぐあああああああああああああ!」

 

スタークに命中してる今のうちに缶を取り出し振る。

 

『♪~~~~~~~~~~』

 

そしてベルトのボトルを外して缶のシールディングタブを引く。

炭酸飲料の開封音が鳴り響く。

 

「なんだそれ?」

 

龍斗に聞かれたので答える。

 

「スタークを倒すための切り札さ。」

 

そう言ってベルトにセットする。

 

『ラビットタンクスパークリング』

 

ハンドルを回してビルドマーク型のスナップライドビルダーを展開する。

 

『ARE YOU READY?』

「変身!」

 

前後から挟まれ、両腕を少し横に広げる。

すると、炭酸を彷彿とさせる水滴が散る。

 

『シュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング! イエイ!イエーイ!』

「いくぞ、スターク。これが今の全力だ!」

 

今度こそスタークを倒す!




次回、あの人が変身する。

またお会いしましょう。


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16.READY GO!

前回の次回予告であの人が変身すると言ったな。
あれは嘘だ。

本当に申し訳有りません。
パソコンが壊れてしまい、スマホから
投稿しております。
さらに展開に問題があり、あの人の変身を次回へと変更させていただきます。

身勝手ではありますが、何卒ご理解を宜しくお願いします。

それでは本編をどうぞ。


「戦兎さん!」

 

なのはが走ってきた。沢山の生徒に見られているな。

 

「やぁ、なのは。悪いけどコレを被って後ろに乗ってくれるかな。」

「わかりました。」

 

なのはに子供用のヘルメットを渡し、

バイクの後ろに乗せる。

 

「しっかり捕まって。」

 

バイクのエンジンを起動させ、走りだす。 

目的地は光写真館!

 

「ニァァァ!」

 

何か聞こえてくるが、無視する。

 

 

あっと言う間に光写真館に着く。

着いたはいいのだか…

 

「にゃ〜」

 

ヘルメットの中で目を回しているなのは。

慣れてないみたいだ。

 

「大丈夫か、なのは?着いたぞ。」

「〜〜〜んっは!つ、着いたんですか?」

「ここ、光写真館にユーノを預けてある。」

「あれ?ここって....」

 

何か思う事があるんだろうが、ディケイダーがここに停めてあるからな。早めに中に入らなきゃ。

 

「どうした?行くぞなのは。」

「...は、はい。」

 

扉を開けると飛べるようになった龍斗とユーノに飛ばせてもらっているおじいさん。さらに、奥でコーヒーを飲む士さんが迎えてくれた。

 

 

____________

 

ユーノ達に士さん達の事と目的、更に龍斗の事を説明した。流石に転生者と俺の事は話さなかったが。

 

しばらくして、突然電話が掛かってきて

スタークに近くの廃工場に呼び出され今に至る。

 

 

 

____________

 

 

 

「遂に使って来たか…そのアイテムを!」

 

ドームを破壊しスチームブレードを構えた

スタークが出てくる。

 

『4コマ忍法刀』『分身の術』

 

忍法刀を呼び出し、4人に分身する。

 

『ドリルクラッシャー』『ホークガトリンガー』

『海賊ハッシャー』

 

それぞれ武器を呼び出し、攻撃をする。

 

『10,20,30,40,50,60,70,80,90,100!

 Full Bullet!』

 

ガトリンガーを待機させ、構える。

 

「ふっ!」「はっ!」

 

忍法刀とドリルクラッシャーを持つ自分が

組み合わせるように攻撃する。だが、完全に防がれた。

 

「オラァ!」

 

龍斗がビートクローザーで斬りかかるが、

スタークに弾かれてしまう。

 

「邪魔だ!」

『エレキスチーム!』

「ガァァァァ!!」

 

スチームブレードをモロにくらい、

龍斗はぶっ飛ばされ変身が解除される。

 

「龍斗!」

 

海賊ハッシャーを持った自分が近づくが、

スタークに射たれそうになる。

 

「クローズについてはもう調べがついたか…

 アイツはまだまだ強くなるぞ。

 上手く育てろよ、戦兎?」

「言われなくても分かってる!」

 

海賊ハッシャーを構えすぐさま放つが、

防がれてしまう。

 

「なぁ、お前ならいい加減に俺の正体に気が付いてるんじゃないのか?」

 

ああ、予想はついている。だが…

 

「それは自分で確かめる!」

「いい心掛けだ!」

 

スチームガンとブレードで、ハッシャーとクラッシャーを持った自分たちが消された。

 

「今だ!」

 

消えた自分たちの後ろからガトリンガーを発射する。

 

「くっ!、上手いこと分身を使って来たな!」

 

防ぎ切れなかった銃弾が、確実に当たっていることが

確認できた。

 

『火遁の術』『火炎斬り!』

 

忍法刀を使い火炎斬りを発動させる。

瞬時にガトリンガーをリロードさせようとするが、

スタークのアイススチームショットをくらい消滅する。

すぐさまブレードに分離し、エレキスチームを使ってくる。

 

「真剣勝負ってヤツだな。」

「はっ!」「……くっ!」

 

お互いに走りだしすれ違いながら斬る。

どうやら、どちらもまともに入ったみたいだ。

 

「…まだだぁ!!!」

 

スタークが2匹の巨大なコブラを出現させた。

そいつらによって俺は痺れたまま拘束されてしまう。

 

「ふぅ…ハザードレベル3.5か…まだまだ伸びるな…」

 

スタークがため息を吐きながら近づいてくる。

今だ!

 

「ふっ!」

 

コブラ達の拘束をとき尻尾掴みスタークに投げつける。

 

「…マジかよ…くっ…」

 

よし、これで…

ハンドルを回し、コブラ達とスタークを白いリングが連なるトンネルに拘束する。

 

『READY GO!』

「ハァァァァ!!!!」

『スパークリング·フィニッシュ!』『YEAH!』

 

上へ飛び、空中でキックのポーズを取りながら

トンネルの中を進んでいく。

 

「グッ……アアアア!!!」

 

コブラとスタークを通り越し、反対側の出口から出てきて着地する。

 

「ハァ、ハァ、…」

 

息切れしながらも後ろを振り向く。

そこには以前と同じ様に俺と同じ顔をした男が膝立ちのから、立ち上がろうとしていだ。

 

「流石だ……桐生戦兎…お前なら…あれが……いや、無理か…。」

 

なにかをつぶやいているが、声が小さく聴き取る事ができなかった。 

 

「…さっさと最上を倒せ…お前が次のレベルになるまで、俺は手を出さないからな。」

 

「待て!」

 

男はフルボトルを振り、何処かへ飛んでいってしまった。

緊張が解けたのか変身を解除して吹っ飛ばされた龍斗の近くに座る。

 

「…たくっ…俺も人の事が言えないな…」

 

今回、スパークリングを使ったのは正体を表さないスタークに切れてしまったからだ。

龍斗と似たもの同士なのかもしれない。

そう思いながら、士さん達に連絡した。

 

結局、最上の居場所は分からなかった。

 

 

 

 

 

 




今度はちゃんと書きますから。

えっ、その人じゃない?

何言ってるんですか?

まだ変身してないのはこの人でしょう?


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17.カイザー

やあ、未来編ばかり筆がすすむ作者だよ。

悪いとは思ってるんだけど、書きたかったから

仕方ないよね。

それでは本編をどうぞ。


「よう、戦兎。いい事教えてやるよ。」

 

スタークとの戦いが終わり、龍斗を光写真館に送ってから

なのは達を家に送り届けたあと家に帰ってすぐにスタークから電話がきた。

 

「何のつもりだ?」

「最上魁星の事だ。」

 

願ってもない情報が流れ込んできた。

 

「最上は閉鎖されたトンネルに研究所を構えている。

あいつを倒してその先へ行け。」

「その情報は本当か?」

「さあな、信じるも信じないもお前の自由だ。チャオ♪」

「おい!」

 

いつも道理に電話してきたスターク。

アイツは何を狙っているんだ?

明日、光写真館に行って士さん達と行くことにしよう。

そう思いながら眠りについた。

 

___________________________

 

「おはようございます。」

「ああ、おはよう。戦兎くん。」

 

おじいさんと挨拶してから士さん達と昨日の電話の内容について話した。

 

「今からいこうと思っています。力を貸してください。」

「分かった。案内してくれ。」

「待ってくれ!俺も行く。」

「龍斗...」

「最後の、最後まで一緒に戦わせてください!」

「....好きにしろ...」

 

すぐに外へ出る。すると、

 

「待ってたぜ、士。」

「私達も行きます。」

 

夏美さんとユウスケさんがバイクに乗って待っていた。

 

「ったく、いくぞ。」

「ほら、龍斗。さっさと乗れ。」

「おっと、おう!」

 

龍斗にヘルメットを渡してバイクに乗り起動させる。

乗ったのを確認して先頭を走る。向かうは廃棄トンネル!

 

 

_______________

 

「ここか....」

「はい、ここにアイツがいるはずです。」

 

バイクから降りてトンネルの中を進む。

その先にエニグマがあった。

 

「何故この場所が分かったのか。聞いてもいいですか?」

「スタークに教えてもらったんだよ、最上魁星!」

「ほう、どうやら君は別世界の人間らしいな。依然取り込んだ私の記憶の中にいるようだ。

名は、佐野巧。16歳と言ったところか。」

「やっぱり、スタークのやつが言った通りか。」

 

士さん達には依然、最上については話してあるが、龍斗は余り理解できていない様子。

 

「まあいい。今から私はもう一つの平行世界へ行き、世界を破壊して我が物にする。

その邪魔だけはしないでくれ。」

「ふざ..「ふざけんじゃねえ!」

 

士さんに無言で止められる。龍斗は止まらない。

 

「お前なんかに世界を破壊されてたまるか!その世界にはな、俺の大切なダチの記憶があるかもしれないんだ。それをお前なんかには渡さない!」

「よく言った、龍斗。いくぞ、本当の破壊者の実力を見せてやる。」

 

士さんは既にベルトを装着していた。俺たちもビルドドライバーを装着する。

既に構えていたカードをセットする。クローズドラゴンをベルトに添えて一気にセットする。

ラビットタンクをセットして龍斗と共にハンドルを回す。

アークルを呼び出しベルトにそってサイドのスイッチに腕を添える。

 

『KAMEN RAIDE』

『クローズドラゴン』

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ』

 

『変身!』

 

『DECADE』

『鋼のムーンサルト ラビットタンク』『YEAH!』

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON!』 『Yeah!』

『♪~~~~~~~~~~』

 

夏美さん以外の変身が完了する。

 

「一人除いて全員仮面ライダーか...この力を試すには丁度いい。」

『~~~~~』

 

聞き取れない音声と共にネビュラスチームガンにギアをセットする。

 

「.....」

 

無言のままトリガーを引く。

 

『ファンキーマッチ』『バイカイザー!』

「さあ、私の実験台になってくれ!」

 

戦いが始まった。

 

____________

 

 

____________

 

すぐにエニグマの破壊に向かった俺だが、バイカイザーに道を防がれてしまう。

 

「おおおおおおおおおお!」

「今だ!早くいけ!」

 

士さんと龍斗のお陰で前に進めるようになる。

 

「ありがとうございます!」

 

ドリルクラッシャーを呼び出し、ハリネズミフルボトルをセットする。

 

『READY GO!』『ボルテック・ブレイク』

「はああああ!」

 

エニグマを貫こうとするが、ガーディアンが沢山転移してきた。

おかげで攻撃は届かなかった。

 

「この、邪魔を、するな!」

 

余りの数でとても破壊するには時間がかかり過ぎる。そんな時だった。

 

「はあ!」

「おりゃあ!」

 

夏美さんことキバーラとクウガが助けに来てくれた。

 

「ここは私たちが道を作ります!」

「早く装置を破壊してくれ!」

「はい!」

 

道を駆け抜けていき、ハンドルを回す。

 

『READY GO!』『ボルテック・フィニッシュ』『YEAH!』

「おりゃああああ!!!!」

 

今度は無事にエニグマを貫通し、すぐさま離れる。

 

「皆さん!ここから脱出してください!崩壊します!」

 

「うああああ!」

 

クローズを拾いながら走る。トンネルから全員がでた事を確認しタンクの足で壁を蹴り壊す。

だが、やつはネビュラスチームガンを連射しながら出てきた。

 

「佐野巧。貴様だけは絶対に許さん!」

「俺もだ!」

 

反論をする中でディケイドのブッカーからブランクのカードが6枚出てきて

完成する。

 

「なるほど、どうやらこの為だったみたいだな。」

 

その中から2枚のカードを選びセットする。

 

『FINAL FORM RIDE C,C,C,CROSS-Z B,B,B,BUILD』

 

「ちょっとくすぐったいぞ。」

 

俺は、俺達は不思議な体験をすることになる。




大体予想できるんじゃないかな。

次の話。


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18.さらば優しき先輩方

賛否両論、人それぞれです。

それでは本編をどうぞ。


「「へ?」」

「なんじゃこりゃ~!」

『ラビット』『ラビット』

『タンク』『タンク』

『クローズドラゴン』

 

俺の体が二つに別れてそれぞれマイティブラザーズのようになった。

クローズはドラグレッダーのようなドラゴンになっていた。

 

「いくぞ!」

「はい!」「おう!」

 

クローズはキバーラとクウガを乗せ、残りのガーディアンに向かっていく。

俺達はドリルクラッシャーを呼び出しバイカイザーに攻撃を仕掛ける。

 

「なんだそれは?!」

「「悪いが俺達にもサッパリだ!」」

 

どんどん攻めていく。ここだ!

 

「士さん!」「わかった。」

 

カードを2枚セットし、バックルを回転させる。

 

 

『FINAL ATTACK RIDE C,C,C,CROSS-Z B,B,B,BUILD』

 

「龍斗!」

「おう!」

 

俺達は二つのグラフを呼び出しバイカイザーを挟み込む。

そしてそこに龍斗と共に流れるようにグラフに入る。

さらにディケイドのカードが10枚並んでその中を通り抜けキックをする。

 

『『ボルテック・フィニッシュ』』『『YEAH!』』

「「おりゃああああ!!!」」

 

貫通したかのようにバイカイザーの後ろに降り立つ。

 

「これで終わりだ...最上魁星...」

「_______巧君、この後ですぐにトンネルの中にあるアタッシュケースを持っていくんだ。必ず、君の役に立つはずだ。最後に、ありがとう。私を止めてくれて______」

 

バイカイザーからおそらく自分の世界の最上の声が聞こえてきた。そしてすぐに爆発した。

俺はただ後ろを振り向けずにいた。

 

 

_____________

 

 

全員が変身を解除してから最上魁星の残したアタッシュケースを開けた。

そこには俺宛の謝罪の手紙とある物の設計図が入っていた。

これは自分が大切に保管すると話した。

 

「.....これで、この世界での俺たちのやるべき事は終わった。夕方にこの世界を去る。」

「...そうですか...」

「龍斗、俺の家に来いよ。これから一緒に過ごして強くなろう。そしてまた会うんだ、士さん達に。」

「......ああ!」

「ふっ...帰るぞ、ユウスケ、夏みかん。」

「士....」

 

さっさとバイクに乗って行ってしまう。俺は龍斗を連れて光写真館に向かった。

 

~~~~~~~~~~

ユーノとなのはに士さん達が旅立つ事を念話で伝えた。

学校が終わり次第、こっちに来るそうだ。

 

俺は黙々と作業していた。一旦家に帰って設計図の物を作り始めたのだ。

幸い、材料は殆ど家にありそれを組み立てていた。

昼12時を指す時計からかちりと音がした。

 

 

_______________

 

 

「皆さん、今日までありがとうございました!」

 

俺は自分の部屋を片付け荷物の用意をして皆に別れを告げていた。

 

「皆さんに会えて、本当に良かったです!」

 

泣きながらじゃ、うまく言えてるかわかんないな..

皆さんがこれからの事を話してくる中、最後に士さんが近づいてきた。

 

「龍斗、お前はこれから人生を自分らしく生きていけ。俺達はまだまだ旅を続ける。またどこかで会えるさ。」

「士さん....」

「お前はこれから戦兎を支えてやれ。アイツは自分をそこまで大切にしていないみたいだからな。」

「はい!!!」

 

もう少しでここから離れるとなると、なにかが引っかかっていた。

 

「龍斗くん、まだ悩んでいるみたいだね。」

「じいさん..」

「依然士くんにも行った事があるんだけどね、

どんな旅にも無駄はないよ、どんな人生にも無駄がないのと同じようにね。

だから、君は君自身の旅を続けるんだ。大丈夫、また会えるからね。」

「...ありがとう、じいさん。頑張るよ、俺。」

 

ああ、引っかかっていた物が取れた気がした。

そして戦兎がやって来た。

 

 

__________

 

「俺達はいつまでも仲間だぜ。」

「はい!」

 

ユウスケさんと龍斗の会話を聞きながら作ってきた物を見せる。

 

「なんだ、この小手?」

「これは最上魁星の研究の集大成。平行世界移動マシン、エニグマ。それを装着可能にして、サイズも小さくしたものです。アタッシュケースの中にあった設計図を元に作ってきました。」

「これを使って何をする気だ?」

「龍斗と旅に出ようと思っています。この先、どんな敵が現れるかわかりませんし..」

「そうか...」

 

士さんは何か思うことがありそうだが、何も言わなかった。

 

「「お邪魔します~~」」

 

ユーノとなのはが来たみたいだ。

 

~~~~~~~~~~

 

ユーノはユウスケさん達に遊ばれている。

なのはは夏美さんと何かを話しているみたいだ。

 

「さて、そろそろ....」

「もう、行くんですね...」

「まだまだ旅は続くんだ、一定の世界にはとどまっていられないんだよ。」

「そうですよね...」

 

二人そろって龍斗の方を見る。

 

「アイツを頼んだぞ、戦兎。」「...はい!」

 

なのは達に声をかけ光写真館から出た。

 

「じゃあな...」

 

ふと振り返るとそこにはただ空き地が広がっていた。

 

「..いくぞ、戦兎。翠屋でなんかおごれ。」

「わかった...ほら、なのは達も。」

「「はい!」」

 

優しくも不器用な先輩に導かれ、万丈龍斗は進んでいく。

俺はそれを支えていく。そんな未来を夢見て歩いて行った。

 




カイザーはほとんどやられ役になってしまいました。

また次回、お会いしましょう。


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19.旅立ち

始まる新章。

だけど原作から離れて行く。

それでは本編をどうぞ。


あれから1週間たった。俺は龍斗と共に恭也さんとの特訓をしていた。

お互いにボトルの力を引き出した戦いが出来る様になってきた。

そんな中、エニグマが完成した。だから、なのは達を呼んでそのことを伝えた。

 

「これを管理局にもっていってくれ。中には俺たちについての記録が入っている。」

「分かりました。」

「寂しくなるの。」

 

この1週間毎日、デバイスとユーノ、龍斗と共に魔法の練習をしていたのだ。寂しくもなるだろう。

 

「姉弟子、俺も旅の中で強くなってきますんでそっちももっと上手く魔法を扱える様になってください!」

「うん、わかったの!」

 

仲がいいのはよろしいっての。

 

「明日には出るが、11月には戻ってくるつもりだ。」

「それじゃあ...!」

「ああ、そんなに長くは離れないよ。なのはの言ってたフェイトって子にもすぐに会えると思うよ。」

「よかったね、なのは!」

「うん!」

 

これからの予定と特に意味のない雑談は途中から来た恭也さんも入れて長々と続いた。

 

 

________________

 

 

 

翌日、龍斗をドラゴンに起こしてもらって朝のトレーニングに向かう。

ランニングコースは1週間変わらない光写真館のあった場所を通るといったものだ。

だが、今日は違った。

 

「士さん、俺も旅をします。新たな仲間と共に。」

 

龍斗はここに来ても余り彼らについて言わなくなった。自分なりのけじめなんだろう。

 

「よし、いくか!」

「おう!」

 

走る速度を上げ、サッサと家に帰り準備を始める。

 

「忘れ物はないな?」「おう、必要な物は持ったぜ。」

「それじゃあいくぞ?」「おう!」

 

俺は腕に装着したエニグマを起動させる。

 

「こいつについては説明したよな?」

「ああ、過去にも行けるんだってな、試したことはないみたいだけどな。」

「流石に過去はやばいと思ってな。よし、転移開始!」

 

俺達は旅に出た。守護騎士達や闇の書に勝てるように。

 

 

____________

 

 

 

「事故は付き物ってか....」

「マジかよ、ここって....」

 

転移先に設定したミッドチルダには着いた。だけど、

 

「「古代ベルカはないだろ!!!!」」

 

とんでもないことになってしまった。

 

~~~~~~~~~~~~

 

取り合えず戸籍を偽装する。名前はそのままにしてだ。

 

「またエニグマが使えるようになるまでに三ヶ月ある。その間に強くなるんだ。」

「だけどよ..このままだと流石にな..」

「いい考えがあるんだ...」

 

目線は聖王オリヴィエの城に向いていた。突撃してみるとしよう。

 




本編なのに始まるベルカ編。

本編完結はかなり時間がかかりそうです。

それでは次回もお会いしましょう。


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ベルカ
20.出会い


書けば書くほど消えていく。

何故だ!

あ、ゲンムVSレーザー見ましたよ。

まだまだ物語が続きそうなストーリーでした。

さらば、神!

それでは本編をどうぞ。




「変身!」

『ぶっ飛びモノトーン ロケットパンダ』『YEAH!』

「つかまれ、龍斗。突撃するぞ。」

「えっ...」

 

エニグマを外してビルドドライバーを装着し、ロケットパンダに変身して垂直に上昇した。

そこから一気に城に突撃していった。転移に失敗したなんて言えばどうにかなるだろうと思いっきり突っ込んでいった。すると、広い場所に出たので龍斗を落とした。

 

「おい!なにすんだ!危ないだろうが!」

「多少の無茶は問題なし、それよりもだ。ここがどこか聞いてみようぜ?この身分の高そうな人達によ。」

 

オリヴィエとクラウスがそこにはいた。

 

「何者だ、貴様ら!」

「拘束する!」

 

兵隊がこっちに来るがロケットを飛ばして気絶する程度の力で吹っ飛ばした。

 

「あまり攻撃しないでいただきたい。私達は話がしたくて来たのだ。聖王オリヴィエ、無礼を承知の上で聞いていただきたい。」

 

エニグマが再起動する事ができるまでの3ヶ月。うまくいけば、俺も龍斗も最も強くなれるはずだ。

オリヴィエとクラウスに変身を解除しながら言う。

 

「私の名前は桐生戦兎。ここで威嚇しているのが万丈龍斗。「おい、どうゆうつm」黙っていてくれ龍斗。私達はこの時代からはるか先の未来から来た。」

 

この掛けが吉とでるか凶とでるかそれは俺にも分からなかった。

 

_______________

 

 

聖王と覇王が集まりし玉座の間にとある者達が侵入した。

 

《創成王》と《龍王》

 

後にこう呼ばれる王たちの日々が記されている古書、双王物語。

 

無限書庫に眠るこの書物には重大な秘密がある。

 

だが、書物は特定の人達にしか開くことが出来ない。

 

レリックの封印がしてあるこの書物。

 

スタークいわく、俺の目的の物が封印されているとか。

 

ジェイル・スカリエッティは語る。ゆりかごの本当の姿にするために必要だったと。

 

そんな封印を解くカギは今でもとある少女の手首で光っている。

 

______________

 

 

「あいつら、過去に飛んだか。全く、A‘sまでは大人しくしてるつもりだったのに...」

 

スタークはそう言いながらフルボトルを振った。

 

「まあ、いいじゃないですか。この旅で彼らは更に強くなるはずですよ?」

「ああ、それは確信している。だからこそだ。何のために万丈の部屋を漁ったと思っている?」

「わかってますよ。ハザードレベルを常時こちらから確認できるようにしたんでしょう。またゲームが面白くなりそうですね。」

「お前はそれだけじゃないだろう?妹を_____」

 

ティーダ・ランスターとブラッドスタークの会話は止まらない。

 




小さな感想

ゴッドマキシマムマイティX

良かった。

レーザーX

何で今日本にいないんだ。

次回も遅れるかもしれません。

それではまた。


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21.襲来

この話は後に編集し詳しく、さらに話数を増やすつもりです。


「おりゃああああ!!!!」

「ふっ...はっ!!!」

 

あれから一ヵ月位たった。オリヴィエとクラウスは俺達の話を信じてくれて住む場所を提供してくれた。だから、

俺達はアルハザード出身という事で技術を提供する事になった。

 

「ミカ、これとこれを運んでくれるか?」

「はい、わかりました!」

 

この子はミカ。こんな名前だけど男だ。街中を歩き回っていた時に出会い、オリヴィエに頼んで弟子として技術を教えている。主に魔法とフルボトルについてだ。驚くことにこの時代にはパンドラボックスがあった。パネルはあるものの肝心のフルボトルがなく、ネビュラガスからボトルに成分を抽出し浄化までを教えた。曖昧ながら記憶があって良かった。

 

「覇王断空拳!」

「ぐあああああああああああああ!」

「あ~あ、またやってるよ。」

「龍斗さん、相変わらずですね。」

「そうだな。」

 

今日もかわらずクラウスによってどこかへ行く龍斗。以前よりも長い間戦える様になったみたいだ。

今アイツは変身していない。軽い魔法とフルボトル、己の体のみで戦っていた。

 

「ん、ああ。二人ともまた研究の材料を運んでいるのか?」

「はい!今日はフルボトルのパーツになりそうな物を街で手に入れたんです!」

「そうか、いよいよ師匠を超えるか?」

「まだまだですよ。頑張ります!」

 

クラウスがこっちに来てミカと話す。そう言えば...

 

「クラウス、そろそろ龍斗にベルトを使用させようと思うんだが..」

「ああ、いいかもしれないな。午後から始めよう。」

 

フハハハハハ、龍斗。君の成長を見せてくれ。ってな。

 

「....随分と楽しそうだな、戦兎。」

『!?』

 

突然聞こえてきた声に皆が反応する。

 

「...どうしてここにいる、スターク!」

「オイオイ、俺は迎えに来てやったんだぜ。」

「なに?」

 

クラウス達は警戒をとかない。

 

「お前たちが元の時代からいなくなってからもう3ヶ月以上たってな。もうA‘sが始まったんだよ。」

「!本当か!?」

 

思ったより時間がない。

 

「万丈龍斗を連れてこい。そして俺からこれを奪え。」

 

スタークは2本の白いフルボトルを取り出した。それはエニグマの起動に必要なエネルギーが入ってた。

 

「クラウス、兵隊とミカを連れて離れろ!」

「俺も戦k「ダメだ!」!」

「スタークは何をするか分からない。オリヴィエにも何かしているかも知れない。」

「...わかった。」

 

黙ってオリヴィエの元に向かっていった。俺はベルトを装着し、ラビットタンクスパークリングを取り出す。

 

「ミカ、離れてくれ。」

「は、はい!」

 

離れたのを確認しプルタブを開ける。

 

「いいのか?俺は前よりも強いぞ?」

「わかっている!変身!」

『ラビットタンクスパークリング! イエイ!イエーイ!』

 

変身を済ませて殴り掛かる。

 

「またハザードレベルが上がったのか、いいぞいいぞ!最も俺を楽しませろ!」

「はああああ!」

 

交わされたり防がれたりしてまともに攻撃は入らない。

 

「おりゃああああ!!!!」

「!!!」

「龍斗!」

 

クローズに変身した龍斗が乱入してくる。

 

「兵隊から聞いた!またなんでお前がここにいやがる!」

「お前もハザードレベルが上がってるな。こいつは凄いな。」

「だったら当たれよ!」

 

俺も龍斗も攻撃しているのに何も当たらない。

 

「...!十分だ。よっと。」

 

スタークはサラリと俺達から離れる。

 

「逃げるのか!」

「お前らの成長を見込んでこいつはやる。」

「おっと、」

 

俺にフルボトルを投げ渡してきた。

 

「ついでにいいことを教えてやる。俺が一人で来たと思ったか?」

「!まさか!」

「?なんだ?」

「それじゃあな、チャオ!」

 

スタークはエニグマを起動させ消えてしまった。

 

「オリヴィエとクラウスがヤバイ!」

「!狙われたってことか!?」

 

走りながら龍斗にも事の大きさを伝える。

 

「オリヴィエ!クラウス!」

「なんだよ...これ....」

 

着いた玉座の間は無残にも破壊され、兵隊は死に、オリヴィエとクラウスは倒れていた。




最悪、頭の片隅に残っているといいかもしれない。


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22.未来へ

そろそろ追いつけるかな。


オリヴィエとクラウスに近づくが、一切の反応がない。まるで死んだように気を失っているのだ。

 

「..う、うあ..」

『!』

 

まだ生きている兵隊がいた!何か言っている...

 

「ワニ...ワニだ...そいつに..オリヴィエ様と..クラウス様は.......何かされた...」

「おい!しっかりしろ!!...遅かった...」

 

龍斗が話しかけるも息絶えたようだ。!、ミカは...!

 

「なんでこんなところに...パンドラボックスがあるんだ?」

 

移動させた覚えのない箱が何故かここにある。その奥に...

 

「ミカ!これって....」

 

ビルド本編で石動美空が腕に付けていたバングルがミカにくっついていたのだ。

 

「....せん..せい?」

「..!ミカ、気が付いたか!何があったんだ!」

 

ゆっくりとミカは話してくれた。俺との会話の後で玉座の間に行くと紫の戦士にあったらしい。必殺技を喰らってオリヴィエとクラウス、さらにこの間ごと破壊されそうになったが、そいつが持って行こうとしていたパンドラボックスに触れたら辺りが光り輝いて気を失ったみたいだ。このバングルについてもよくわかっていない。俺が話している間に龍斗がオリヴィエとクラウスを運んでくれたみたいだ。

 

「龍斗...どうする?」

 

俺は聞いた。今すぐ元の時代に戻りなのは達を助けに行くのか。それとも、この時代に残りオリヴィエ達が回復してから行くのか。

 

「...俺には決められねえよ...」

「そうか...」

 

だが、世界は待ってくれなかった。

 

『!?!?!?!?』

 

突然、エニグマが起動した時に現れる空間が開かれる。

 

「おい!エニグマはまだ起動しないんじゃないのかよ!」

「ボトルはここにあるのに何で...!」

 

取り出した2本のフルボトルが背後へと飛んでいく。振り向くとそこには、

 

「ミカ...なのか?」

 

ミカがエニグマにフルボトルをセットしていた。

 

「...くっ!」

「なんだよこれ!」

 

バングルの力か、ドンドン後ろの空間へ押入れられていく。

 

「ミカ、やめるんだ!」

「まだ何も返してねえんだよ!」

「...エボルトは動き出した...これ以上、あなたたちがこの時代にいる必要はない。」

 

ミカの目が緑色に光り急に話し出す。

 

「エボルト?何なんだそれは!?」

「まず...」

「龍斗!」

 

龍斗が先に空間に吸い込まれてしまう。俺も時間の問題か!

 

「....先生、今までありがとうございました。」

 

ミカの片目が元に戻り話し出す。

 

「何言ってるんだ!...まだ、教えてないことがたくさんあるだろうが!」

「良いんです。身寄りのなかった僕に、生きる希望を与えてくれた。それだけで十分なんです。」

 

器用に片目だけで泣くミカ。一層押される力が強くなる。

 

「最後に...エボルトには気をつけてください。何をするかわかりませんから....」

「ミカ!ミカああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

俺は空間に吸い込まれた。

 

_____________________________

 

「すいません、こんな別れ方で...」

『...良いんですよ。さあ、皆さんの傷を治さないと』

「分かりました。」

 

そう言ってバングルの付いた腕をオリヴィエ達に向ける。すると、あっという間に傷が癒えていく。

 

「良かった。」

 

そうつぶやきミカは倒れた。




バングルはまた本編にて登場します!

A`s始まります!


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Second:A‘s
23.帰宅


さあ、番外編も書いていくぜ!!!


「やはり仕事が早いな、ティーダ。」

 

「この姿の時はそう呼ばないで欲しいんだ。」

 

「ハイハイわかったよ、仮面ライダーローグ。」

 

過去での仕事を終えたスタークとローグ。彼等の手には二つの煌びやかに光るフルボトルがあった。

 

 

___________

 

「ぐええええええ....」

「あ、わり。すぐどくよ。」

 

強制的に転移されたら自宅にいたのだが。俺は先に行った龍斗の上に着地したらしい。

 

「....ミカはどうなった?」

 

「お前が転移された時とかわらずさ。」

 

「そうか....」

 

お互いに変身解除してデジタルの時計を見る。それには12月1日と表示されていた。

 

「まずいな、予定よりも1ヵ月も遅くなっちまったな。」

「しかももう夜だぞ。」

 

外を見た龍斗がそう返してくる。この部屋は大家さんに一年分の家賃を払ってあるため俺達が住んでいた時と変わらないのだ。すると急に身体が浮くような感覚が襲ってきた。

 

「結界?どうしてこんなもんが...」

 

「強力な魔力を感じる。何かあったのかも知れない。」

 

「行ってみるか!」

 

何故か一緒に帰ってきていた荷物を置いて外に出る。目指すは結界を張った人物だ!

 

 

_____________

 

 

フェイトちゃんが助けてくれた。久しぶりの再会なのに私は動けない。

 

「なのは、動かないで。回復魔法をかけるから。」

 

人型に戻ったユーノくんが回復してくれるけど...

 

「...!ちっ」

 

攻撃してきた子が離れてゆく。

 

『Full Bullet!』

 

急に銃弾が連射される。フェイトちゃんが警戒するけど、これって...

 

「なのは!ユーノ!大丈夫か!」

 

戦兎さんが来てくれた。

 

 

________

 

どうやら間に合ってはないようだ。バイクで来たのだが飛んでる奴が多くて龍斗をおいてホークガトリングで飛んだのが正解だったか。

 

「戦兎さん、帰って来たんですね!」

 

「悪いな、予定よりも遅くなったんだ。っと、こっちにデバイスを向けないでくれ。味方だ。」

 

「...話はこの後アースラで聞きます。」

 

「了解と!」

 

ユーノとフェイトと軽く会話してから銃口を守護騎士達に向け射つ。

 

「そう簡単には当たってくれないか...!」

 

あぶねー!リンカーコアを取られるところだった。

 

「!!誰だ!」

 

仮面の男!忘れていた!攻撃されてから思い出すなよ! ....脅してみるか...

 

「俺はお前たちの正体と目的を知っている。ここで大声で叫んでやろうか?」

 

「.........」

 

だんまりか...しょうがない。

 

「龍斗!」

 

『ドラゴニック・フィニッシュ』

 

「!!!」

 

「ちっ逃げたか...」

 

龍斗に必殺技で下から狙ってもらったが転移で交わされたみたいだ。

 

「......全員引いたみたいだな。」

 

「姉弟子たちに合流するか?」

 

「ああ。」

 

地面に降りて龍斗を抱えてから飛び破壊されたビルの屋上に移動する。

 

「戦兎さん、こっちです!」

 

待っていたのはユーノだった。




アースラへいくぜ。

設定集っていりますかね?

感想お待ちしております。


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24.アースラ

なのはさん、お誕生日おめでとうございます!

この小説ではエピソードはありませんのであしからず。


「お~!ここがアースラか~」

 

龍斗が言う通りアースラにきている。アニメよりリアルだな。当たり前か。

 

「戦兎さん、龍斗もこれから司令室に行くよ。」

 

「師匠が人型だ...」

「そこなの?」

 

ユーノに案内してもらいながら司令室を目指す。案外早く着いたな。

 

「リンディさん、二人を連れてきました。」

 

「ありがとう、ユーノくん。さあ、座って頂戴。」

 

「すみません。」「わかりました。」

 

俺達は変身を解除してから座る。

 

「私はこのアースラの艦長をしているリンディ・ハウライオンと申します。」

 

「桐生戦兎。またの名を仮面ライダービルドです。」

 

「万丈龍斗。同じく仮面ライダークローズです。」

 

「まずはお礼を。なのはさん達を助けてくれてありがとうございます。」

 

「いえ、こちらは予定よりも帰りが遅くなっているので...」

 

どうやらユーノが既にリンディさんに連絡してくれたみたいでサクサクと話が進んでいく。

 

「まさかアルハザードが本当にあるなんて...」

 

「俺達はアルハザードで育ったのではなく、産まれただけなんですよ。だから殆ど記憶がないんです。」

 

情報交換もする。

 

「ロストロギアで魔法を使うと?」

 

「いえ、そうではなく...」

 

勿論、あの事も。

 

「カイザーにナイトローグ、そしてブラッドスターク..」

 

「今の所、殆どの事件の黒幕です...」

 

「俺は次元を流されて...」

 

「そんなことが...」

 

「それで僕が魔法を教えたんです..」

 

士さん達の事も詳しくは話さない。勿論、古代ベルカの事も。

 

「リンディさん、今魔導士を襲っている者達が何者なのかについてなんですが。」

 

「知ってるんですか?」

 

「彼らは闇の書の守護騎士達です。」

 

「なんですって!?」

 

驚愕したみたいだ。まあ、今魔法陣の解説で正体を探ろうとしていたのだろう。まだなのは達から情報を聞いていないみたいだ。

 

「あの魔法陣は古代ベルカ式の物です。闇の書を確認しました。」

 

「....そうですか...」

 

思うところがあるのだろう。仕方が無い。

 

「仮面の男を知っていますか?」

 

「いえ、彼らについては何も。」

 

「そうですか...」

 

情報交換を終えて、なのはの寝ている部屋に案内してもらう。フェイトもそこにいるらしい。

 

「なのは、戦兎さん達を連れてきたよ。」

 

「ユーノくん。戦兎さんに龍斗も。あ、紹介するね。私の友達のフェイトちゃん!」

 

「どうも、フェイトです。なのはから話は聞きました。さっきはごめんなさい。」

 

「しょうがないさ、あんな状況だったしね。俺は桐生戦兎。」

 

「姉弟子の友達なんですってね。弟弟子の万丈龍斗っす。」

 

「戦兎さんに龍斗さん。」

 

「やめてくれ、俺は呼び捨てでいいからさ。」

 

龍斗がそう言うとフェイトも

 

「私も呼び捨てでいい。よろしく、龍斗。」

 

「おう!」

 

仲良くなるの速くない?

 

「僕たち、空気な気が...」

 

「ユーノ、それは言わない約束だ。」

 

「はい...」

 

フェイトと龍斗となのはが楽しそうに話す中、俺達は空気と化していた。

 

 

________________

 

「そうなのか...なあ戦兎、デバイスってどうにかならないか?」

 

「俺はデバイスマイスターじゃないからな。お前のと俺の以外はどうにもできない。」

 

「そっか...」

 

「レイジングハートとバルティッシュが帰って来てからかな。」

 

守護騎士達の話になって、自分達の力不足で悩んでいるみたいだな。龍斗だけなら...

 

「龍斗、お前は戦えるだろ?ライダーシステムなら..」

 

「その手があったな。戦兎、頼めるか?」

 

「...わかった。それなら今すぐにでも、な?」

 

「おう!」

 

さてと、リンディさんに頼みますかね。




修正が必要だと思うなら

知らせて下さい。

なるべく早く直します。

感想お待ちしてます。


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25.特訓開始!

部屋荒らし妖怪スターク。

その目的とは?


「すいません、急に部屋を貸してくれなんて言ってしまって。」

 

「いいのよ、丁度あなた達の実力が見たかったのよね。」

 

リンディさんに頼んで少し広めの部屋を貸してもらった。

 

「ユーノ、これで結界を張ってくれ。」

 

「わかりました。えっ...」

 

気が付いたかな?

 

「戦兎さん、このデバイスを使うと簡単に強力な結界が張れるんですが...」

 

説明を始めるかな。

 

「これはビルドドライバーと同じでアルハザードの物なんだ。更にビルドの名の通り形成する魔法が使いやすく魔力の消費が少ないんだ。」

 

「これもロストロギアかも...」

 

あらららら。すると、龍斗が部屋に来た。

 

「さあ、早く始めようぜ!」

 

「わかってるよ。ユーノ、そこのアイコンを押してくれ。」

 

「はい。」

 

ユーノによってなのはの部屋に通信が繋がる。

 

「見えてるか~フェイト、姉弟子~」

 

『見えてるよ、龍斗。』

 

『頑張ってなの。』

 

「おうよ!」

 

龍斗は気合十分なようだ。お互いにベルトを装着し向かい合う。フルボトルを振ってと。

 

「あれがフルボトル..ロストロギアね。」

 

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ』

 

ハンドルを回してスナップライドビルダーを展開、装甲を形成してから回すのをやめファイティングポーズを取る。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

『鋼のムーンサルト ラビットタンク』『YEAH!』

 

「これが変身...生で見るとすごいわね。」

「そうですよね。」

 

前後から挟み込まれ変身を完了する。

 

「ラビットタンクでいいのかよ?」

 

「こちらはフルボトルを変えて行く。なら始めはこれでしょ。」

 

「違いねえな、相棒!」

 

『♪~~~~~~~~~~~~』

 

クローズドラゴンにフルボトルがセットされベルトにセットされる。

 

「こっちは音声にアレンジが入っているのね。」

「そういえば初めて見るな龍斗の変身。」

 

同じ様にハンドルを回してスナップライドビルダーを展開するが、ビルドとは異なり追加にパーツが形成される。俺とは少し異なるファイティングポーズを取る。

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON!』 『Yeah!』

 

『おお~、ビルドととは違って追加パーツがあるんだね。』

『どこまで戦えるかな?』

 

前後から挟み込まれさらに背中から追加パーツで頭部と胸部、背中に追加される。

 

「さてと、リンディさん。」

 

「指示お願いします!」

 

「ええ、わかったわ。それでは...始め!」

 

初のライダー同士のバトルが始まった。

 

 

___________

 

「またかい?飽きないね君も。」

 

「ああ、それよりもやることがあるだろう?」

 

「...ブロス達に計画を話してくるよ。」

 

「行って来い。さて、ようやく今のあいつらの戦いが見れるな。」

 

スタークの持つ端末にはクローズから見たビルドが映っていた。




ざっくり気がついていた人いそう。

明日も投稿できるかな?

なのはさん、お誕生日おめでとうございます。

だから、こっちにレイジングハートを向けないでください!!!!


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26.遭遇(二つの意味で)

近未来の物語を粗方読んだ人には

「ここでか~」

となる話。


「順調にハザードレベルを上げているな。万丈龍斗が3.9、戦兎が3.7か...過去での特訓で大きく差が出てきたな。」

 

カメラが激しく揺れるが気にすることなく映像を見るスターク。全く、何が目的なのやら...

 

「ローグ、今回は俺だけでやる。悪いが準備を頼めるか?」

 

「わかった。珍しいね、君が一人で出るなんて。」

 

「面倒なことになったからな。後始末は自分でするさ。」

 

スタークは座っていたソファーから立ち上がり、それだけ話してどこかへ行ってしまう。僕も準備を始めるかな。

 

スクリーンは写っていた画像が固定化され、動かなくなっていた。

 

___________

 

パリン!

 

唐突に何かが割れる音がする。特訓の途中クローズのベルトに一撃を加えると何かが外れて落ちてきた。

 

「あ?何だこれ?」

 

龍斗が何か拾い上げる。それは小型のカメラだった。

 

「それは...!龍斗、光写真館のお前の部屋が荒らされたのを覚えているか?」

 

「ああ、夏美さんに怒られたときだろ?たしかあれはスタークが...!これはスタークが付けたのか!?」

 

「たぶんな。あと少しするとあいつが...」

 

「万丈龍斗にしてはよくわかったな。」

 

後ろからスタークが話しかけてきた。

 

「スターク、何の用だ?」

 

「俺はお前らのハザードレベルを上げに来たんだよ。」

 

「何?」

 

「今のお前らじゃこの事件で生き残る事が出来ないぞ。」

 

痛いところを付いてくるスターク。仮面の男にはスパークリングでも勝てるか分からない。それは戦っって分かったことだ。

 

「貴方がブラッドスタークね。」

 

ビルドフォンを構えるユーノ。さらにリンディさんが声を掛ける。

 

「おお、これはこれはリンディ・ハウライオン提督。私の名を知っているようで。粗方戦兎から聞いたのでしょう?」

 

「ええ、前回なのはさん達が巻き込まれた事件の重要参考人ね。ユーノさん、バインドを。」

 

「はい。」

 

ユーノがバインドを掛けようと魔法陣が展開するがすぐさま砕けた。

 

「何をしたの。」

 

俺たちも戦闘態勢に入る。するとスタークが何かを投げてきた。

 

「これは俺からの謝罪料さ。とあるデバイスに入れてやれ。」

 

「お、おい!」

 

霧の中に消えていったスターク。それは....

 

「カートリッジ、なんでこれを?」

 

 

魔力の溜めたカートリッジだった。

 

『リンディさん、急に通信が途絶えたのですがどうかしましたか?』

 

「...いえ、ちょっと大事な話をしていただけよ。」

 

リンディさん...その誤魔化し方は...

 

 

________

 

次の日、俺達はアースラから家に、地球に帰ってきた。龍斗はまた魔法を覚えたいそうでユーノの所に行っている。だが、俺にはまた新たな問題が発生したのだ。

 

『..........』

 

「どうしたん、シャマル、シグナム?」

 

「...........」

 

「えっ.......」

 

買い物に来たら八神家に出会ってしまったのだがどうしたらいいのだろうか?あと八神はやてよ、そんなにもこっちを見ないでくれ!!!!




番外編と並行して書いてるからか内容がマザルアップ!

してしまい、中々先に進まない。

感想お待ちしております。

それでは次回でお会いしましょう。

チャオ♪


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27.二人の男

カッティング!

ヤベーイ!ハエーイ!

来たけど玩具めっちゃうるさいこれ。


スーパーで会ったこの人、少し雰囲気が違うけどあの人にそっくりだ。

 

「...すみません、知り合いに似ていたもので...」

 

私がそう言うと彼は軽く返してくれた。

 

「いえ、急に視線を感じたので振り返っただけなんです。気にしないで下さい。」

 

するとシグナムが

 

「すみません、主。少し用事を思い出しました。」

 

「そうなん?分かったわ。」

 

離れていくシグナム。気付くと男の人はいなくなっていた。

 

 

________

スーパーの裏でシグナムに会う。

 

「待たせたな。」

 

「ふん、何の用だ?」

 

素っ気なく話すシグナム。

 

「魔力でばれたか...」

 

「ああ、すぐさまあの戦士だということには気付いたが何が目的だ?」

 

「俺もこの街に住んでいるんでね。食材を揃えるのは当たり前のことじゃないのか?」

 

疑問に疑問で返す。

 

「....まあいい。名を教えろ。」

 

「.......桐生戦兎。」

 

「桐生か...名を覚えておこう。」

 

リンカーコアを取る事なくスーパーの中に戻っていった。

 

_________

 

「そういえばはやてちゃん、さっきの人を知っているの?」

 

唐突にシャマルが話してきた。あの人にそっくりな人か。

 

「シャマル達が家に来る前、私が一緒に暮らしていた人がいたって話したやろ。あの男の人がその人にそっくりなんや。」

 

「そうなのね...」

 

黙り込んでしまうシャマル。

 

「シャマル?」

 

「いえ、あの部屋にあんなにも物があったのかが納得いってね。でも、なんで今一緒に暮らしていないの?」

 

それは....話しておく必要があるな...

 

「....行方不明になったんや...あの人..佐野巧さんは....」

 

__________

 

 

さっきの人は桐生戦兎。かなりの魔力を持っているはずなのに会ったら戦っているよりも少なかった。なんでなんだろう?

 

 

【シャマル、主はどうした?】

 

【図書館に行くって】

 

【分かった。私が車椅子を押そう】

 

【頼んだわ、私は調べることが出来たから。】

 

【桐生の事か?】

 

【それともう一人、佐野巧さんについてよ。】

 

【さっき主の話していた...】

 

【ええ。】

 

桐生戦兎の事も気になるがそれよりも佐野巧さんの方が先かもしれない。シャマルは荷物を持ってシグナムとはやてが図書館に行くのを見送った。

 

 

__________

 

「計画は順調か?」

 

「ええ、かなり進んできています。でもこれはどうしましょう?」

 

「クラウスのフルボトルか......!良いことを思いついた。これも奴に回せ。」

 

「やはりですか...」

 

スタークとローグの話は止まらない。その目線にはビルドドライバーに似た何かが作られており、さらにその奥で一本の長いフルボトルが有った。

 

「あいつなら使いこなせるかな?」

 

 




この時万丈龍斗はなのは達と一緒にギル・グレアム提督に会っていますが

原作と変わらない会話なのでカットします!



......最近、クローズの扱いがひどいような...


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28,レベリングスタート

オリジナルボトルを考え中。

もう一本が決まらないんだよな。

本編をどうぞ。


「よお、こうやって話すのは久しぶりか?」

 

「ああ。」

 

スーパーからの帰りにスタークから電話が着たのがついさっきなのだが。

 

「最近、アタッシュケースを開けてないだろ?もう既にお前のハザードレベルは制限を超えている、開けてみろよ。」

 

「....分かった、そうする。」

 

「それから、一人でこの場所に来い。お前のハザードレベルを上げる手伝いをしてやる。おっと、今回は手を出さないと言っただろ?必ず一人で来いよ。」

 

何が目的だ?俺の、俺達のハザードレベルを上げてどうするか。

 

「......」

 

「無言は肯定と取るからな。じゃ、チャオ♪」

 

スタークとの会話が終わる。一応リンディさんに話しておかなければならないな。

 

「.......どういう風の吹き回しなんだ...」

 

俺の声は昼間の町中にこだました。

 

 

__________

 

「....開いた....」

 

家に帰った俺はアタッシュケースを開けていた。新たなフルボトルがきれいに並んでいた。

 

「まだ60本全部はそろわないか....」

 

出て来たフルボトルは18本。足りない2本のフルボトルはなんだっただろうか?

 

 

戦兎は思い出せなかったがそれは....

 

 

_________

 

 

「うへ...コーヒーまっず....」

 

「そんな所まで石動惣一と同じなんだな。」

 

「ん、ああそんなことか....話さないからな。」

 

「...。」

 

リンディさんにスタークと会うことを連絡してからここに来たのだ。俺が破壊した最上魁星の研究所の廃棄トンネル前に来ていた。

 

「どうやら準備はいいみたいだな。」

 

『コブラ』

 

スタークはコーヒーを机に起きスチームガンにフルボトルをセットしながら話す。俺もビルドドライバーを装着してフルボトルを振る。

 

『ローズ』『ヘリコプター』『ベストマッチ』

 

「アタッシュケースを開けたか...ビルドの利点はその多様なベストマッチにある。それを利用して戦い方とハザードレベルを上げる。それはわかっているんだろう?」

 

ハンドルを回しながらスタークの話を聞き流す。

 

『ARE YOU READY?』

 

「わかっているつもりだがな、変身!」

 

「蒸血」『ミストマッチ』

 

『情熱の扇風機 ローズコプター』『YEAH!』

 

『コブラ…コッ・コブラ…ファイヤー!』

 

「さあ、始めるぞ。」

 

スタークとのベストマッチを使ったハザードレベルを上げる特訓が始まった。俺はここでハザードレベルを上げ、新たなアイテムを手に入れる。例えそれがどんなに危険だったとしても誰かを救えるなら....!




この間龍斗はなのは達と行動を共にしており、管理外次元にて仮面の男たち、守護騎士達と戦っていますが原作と同じ様になのはのリンカーコアが取られるのでカットします!

あ、龍斗のハザードレベルはここで上がります。

_____龍斗の扱いがビルド本編のクローズのようだ__



感想お待ちしております。それでは!


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29.ベストマッチバトル

フフフフフフフフフ......


....決まらない~~~~~


ボトルを決めたいのに~~~



あ、本編をどうぞ。


『READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』『YEAH!』

 

「はああ!!!」

 

「くっ!やはりベストマッチは底が知れないな。」

 

ヘリコプターのプロペラに薔薇の蘿を巻き付けて加速しながらスタークを切り裂きに行くがかすっただけだった。

 

『タートル』『ウオッチ』『ベストマッチ』

 

「ビルドアップ」

 

『時をかける甲冑 タートルウオッチ』『YEAH!』

 

フォームを変えたばかりだがすぐさまハンドルを回す。

 

『READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』

 

左手から大きな時計を作り出し、スタークに右腕の甲羅で叩きつける。

 

『YEAH!』

 

「なに、う、動けない....」

 

今のうちにボトルを交換する。

 

『クジラ』『ジェット』『ベストマッチ』

 

「ビルドアップ」

 

『天翔けるビックウェーブ クジラジェット』『YEAH!』

 

更にドリルクラッシャーをガンモードで呼び出し、ガトリングフルボトルをセットする。ハンドルも回して照準を止まったスタークに合わせる。

 

『『READY GO』』『『ボルテック・フィニッシュ』ブレイク』『『YEAH!』』

 

「くらえ!」

 

スタークが弾丸の雨を正面からくらう。だが、

 

『スチームアタック・フルボトル』

 

「いい気になるな!そんな戦い方だから過去でオリヴィエ達を守れなかったんだろ!」

 

スタークの技をもろに喰らってたおれてしまう。悔しいこと言ってくれるじゃないか。俺は立ち上がりながら言う。

 

「俺は弱いさ!だからこそ、守るために必死に戦ってるんだろうが!!!」

 

「ぐっ!」

 

背中のジェットを使いスタークと共に空高く上がりスタークだけ叩き上げフルボトルを変えてハンドルを回す。

 

『キリン』『扇風機』『ベストマッチ』

 

『嵐を呼ぶ巨塔 キリンサイクロン』『YEAH!』

 

更にハンドルを回していく。

 

『READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』

 

「おらあ!!!」

 

「ちっ!」

 

キリンの首を模したエネルギーを生成しスタークに叩きつけるがとっさに取り出したスチールブレードで防御されてしまう。

 

「そら、今度はこっちからだ。」

 

地面に降り立ったスタークがライフルモードにしたトランスチームガンを構え俺を狙う。

 

『スチームアタック・コブラ』

 

「ほらよ!」

 

スチールの発射したエネルギー弾がコブラに変化して飛んでいる俺を追ってくる。かなり速い!

 

「ぐあああああ!!!」

 

追いつかれ、コブラに嚙まれながら地面へと落下する。まだ、俺は戦える..。

 

『クマ』『テレビ』『ベストマッチ』

 

「.....ビルドアップ!!!!!!」

 

やけになりながらもフォームチェンジする。

 

『ハチミツハイビジョン クマテレビ』『YEAH!』

 

「はあ、はあ、くっ...」

 

ハンドルに手をかけるが回すことが出来ない。どうやら落下した際のダメージがかなりあったらしい。

 

「辛そうだな、やめるか?」

 

「なに言ってる、まだだ!」

 

ハンドルを回して巨大化した。

 

『READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』

 

「マジかよ...」

 

さすがのスタークでも一歩引くがスチームブレードを構えている。

 

「おらあああああああ!!!!!!!」

 

「くっ.......がっ!」

 

クローでアッパーを食らわせる。サイズの違いからかスタークは防ぎ切れなかったようだ。

 

「つぁ.....」

 

元のサイズに戻ったが、気を失った。

 

 

__________

 

 

「ふぅ...まだまだ成長するな。あと7日で5.0に持って行く、か。俺の方が持つかな?」

 

こいつには悪いがハザードレベルを上げ、禁断のアイテムを使えるようにする。それが俺の目的だ。だが....

 

「こんなんでよく戦ってるな....。」

 

変身解除した戦兎のシャツをめくると全身が青白くなっていた。

 

「....治しておくかね、今日のお礼さ。」

 

スタークが手をかざすとすぐさま戦兎の怪我は治っていった。




そろそろ追いつきますね。


感想お待ちしております。

それでは次回お会いしましょう。


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30.ベストマッチバトル2

フルボトルが足りない....

あ、この世界にはパンドラボックスはありません。

(完全に無いとは言ってない)

パネルはアタッシュケースの中にあるのであしからず。

それでは本編をどうぞ。


まだ試してないのはスマホウルフか...

 

あれから沢山の時間が過ぎたがまだスタークとの特訓が続いていた。

 

『ウルフ』『スマホ』『ベストマッチ』

 

「変身!」

 

『繋がる一匹狼 スマホウルフ』『YEAH!』

 

ハンドルを回して変身する。ここ数日でどれだけのフルボトルを変えたのだろう。気絶して起き上がる度に身体が軽くなっているんだ?

 

「いいな、この戦いでお前のハザードレベルは4.5になるだろう。それなら新しくアタッシュケースを開けられるはずだ。」

 

「ああ、だからこそ勝つ!」

 

「熱いのは嫌いじゃないぜ!」

 

右腕から銀色の光刃を発生させスタークに切りかかる。

 

『エレキスチーム』

 

「おらぁ!」

 

スタークに防がれた。何度も見慣れた光景に思わず苦笑いがこぼれてしまう。

 

「まだまだ!」

 

左腕のスマホ型も強化シールドで液晶が割れながらもスチームブレードを受け止める。

 

「があ!」

 

受け止めたスチームブレードをあらぬ方向へ投げてベルトのハンドルを回す。

 

「READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』『YEAH!』

 

自分の周囲にアイコンを映写し、そこから狼型のエネルギー波を出現させてスタークにけしかける。

 

「おおっと、元気の良い犬が多いなぁ!!」

 

だがそのほとんどをスタークが叩き切ってしまう。

 

「まだだ!」

 

『カブトムシ』

 

『READY GO』『ボルテック・ブレイク』

 

「くらええええ!!!!!!!!」

 

「がぁぁぁぁ!!」

 

ドリルクラッシャーを呼び出してカブトムシフルボトルをセットし、ドリル部分にカブトムシ型のエネルギーをまとわせ殴りつける。狼達に気を取られて攻撃が当たる。

 

「....ふぅ...」

 

スタークの変身が解除されて煙の中から出てくる。

 

「最後の一撃は効いたぜ。ハザードレベルを確認してみろ。」

 

アタッシュケースに手を当てハザードレベルを確認する。すると4.5と出て新たなフルボトルが出て来た。

 

「あれ、フルボトルが4本足りない。スターク、知っているか?」

 

「いや、俺は知らないなぁ。....うぇ、まずい....」

 

またコーヒーを飲んでいるのは置いておき、フルボトルを確認する。56本か...やっぱり足りないなぁ。

 

「ま、ここまで来たら5.0までハザードレベルを上げるか?」

 

願ってもない誘いだ。受けない意味もないが、龍斗達が気になるな。

 

「悪いがここまでだ。龍斗達が気になるんでな。」

 

「そうかい。まだまだ強くなって俺を楽しませてくれよ?じゃ、チャオ♪」

 

そう言って煙の中に消えていったスターク。利用された気がするが、気にしないでおこう。今回は手を出さないらしいが警戒はしておこう。

 

「さて、俺も帰りますかね。」

 

ビルドフォンをバイクに変えてヘルメットを被る。久しぶりの我が家。龍斗はどうなったかな。

 




ベストマッチ確認しよう。

感想お待ちしております。

次回もよろしくお願いいたします。


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31.桐生戦兎は行方不明

ユニレイサー、ビートルカメラ、ドッグマイク、メリークリスマス、ハチマリン、スパイダークーラー、ゴールドスコーピオン、シカミッド、ペンギンスケーター、マグゴースト、サイドライヤー、F1ザウルス、クロコダイコンは出てくる予定は今のところありませんのでご了承ください。

一部変更になると思われますのでよろしくお願いいたします。

それでは本編をどうぞ。


「全然情報が集まらない...」

 

シャマルは困り果てていた。主であるはやてに関わった佐野巧という人物について。そして、その人物に似ているという桐生戦兎についても調べていたのだが、集まらないのである。それもそのはず、戦兎はしばらくしかこの街に滞在していないし、佐野巧については以前はやてから聞いたことぐらいしか分からないようになっているのだ。このことにシャマルが気付くことはない。

 

「わかっているのは佐野巧さんが記憶喪失である研究所で働いていたのとその研究所が燃えて、彼も行方不明になったということ、だけね。」

 

知り合いにやインターネットから情報を手に入れるが殆ど似たようなものばかりだ。シャマルはもう一つの手に出た。

 

「聞いてみようかしら。」

 

はやての担当医である彼女なら知っているかも知れないと次の検診についていくことにした。

 

 

__________

 

 

戦兎が俺を楽しませてくれたからな。その帰りに寄り道をすることにした。

 

「おやおや、これはギル・グレアム提督。お初にお目にかかります。」

 

「何者だ!」「何処からここに!」

 

「.......何者かね、君は?」

 

俺はグレアム提督の元を訪れていた。

 

「俺はブラッドスターク。貴方に話があってきました。」

 

「私は君と話すような事はないが「闇の書」!」

 

「仮面の男...ありゃそこのお嬢さん方が変身魔法を使ってるんだろ?」

 

「....何のことかね?」

 

あくまでも知らないふりをするんだな。それなら...

 

俺は腕から毒針を伸ばしてグレアム提督の首元を指す。

 

「がっ!!!!!!!」

 

『お父様!』

 

「おっと、今から言う事に従ってくれれば解毒してやるよ。」

 

さて、あいつらに楽させてやるかな。

 

 

__________

 

 

「戦兎、お前ボロボロじゃねえか!」

 

「あ、HAHAHAHAHAHA.....」

 

「笑って誤魔化すな!」

 

家に帰ってからすぐにアースラに転移してもらうと龍斗が待っていて怒られた。どうやらスタークと一緒にいたのが気になっていた所に俺がボロボロの状態で来たのでこうなってしまった。

 

「にゃはははは.....」

 

「........」

 

なのはとフェイトは苦笑いである。助けてくれないかな。

 

「姉弟子も何か言ってやってください!こいつはいつも無茶するんですよ。」

 

「えっ、え~っと~...」

 

ほら、なのは困っているじゃん!黙り込んじゃったじゃん!

 

「コホン、龍斗くん。それくらいにしておいてくれないかな?」

 

ナイス!リンディさん、ナイスです!

 

「通信が繋がらない上に危険人物といるとはどういうことですか!!!!!!」

 

忘れてた...リンディさんに連絡した時、一方的に話しちゃったからなぁ。

俺に通信ができなかったのは多分スタークのせいだろう。以前も電波がおかしくなったし。

 

 

俺が説教から抜け出したのは2時間後だったりする。

 

「あとここアースラじゃないからな。」

 

「へっ?」

 

「俺たちの部屋の隣だぞ、ここ。」

 

固まってしまった。

 

_______

 

あれから数日、二人のデバイスは治った。その上で強化されているようだ。

 

俺とユーノのは時空管理局の無限書庫に来ていた。

 

「ユーノ、そっちは頼んだ。こっちは俺がやる。」

 

「分かりました。」

 

以前来たということが噓だとばれないように偽の登録証をコミックフルボトルの効果で制作し、ビルドフォンからハッキングして履歴を造る。裏でこんなことになるとは思わなかったな。

 

俺たちが探している中、多分龍斗達は戦闘をしているだろう。

 

「こっちにはないわ。次にいくわね。」

 

「お願いします!」

 

今話しかけてきたのはリーゼロッテ。向こうにはリーゼアリアがいる。闇の書にかかわる仮面の男達なのだが、今は証拠がないため誰にも話せていない。動き過ぎると存在がばれてしまうからな。

 

「ん、これは...」

 

双王物語?なんだこれ?こんな物もあるんだな。軽い気持ちで開いたら...

 

「なっ!!!!」

 

本から光が溢れ出す。不味い!

 

「悪いユーノ!ちょっと行ってくる!」

 

「戦兎さん!」

 

俺は光に包まれた。

 

 

________

 

戦兎さんが無限書庫から消えてから直ぐに報告をしたが改めて報告した。

 

戦兎さんの持っていた情報をさらに詳しくしたがどうやって対処するかが未だにわかっていない。

 

戦兎さんはどこに行ったんだろう?




この時すでにフェイトは留学生として学校に通っています。

4話くらいかな。

さて、戦兎はどこに行ったのでしょうか?

感想お待ちしております。

それでは次回をお楽しみに。


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32.封印された箱

サブタイトルは気にしないで下さい。

間もなく追いつきますよ!

しばしお待ちください。

それでは本編をどうぞ。


「ここは....」

 

何もない...。

 

しばらくして記憶がはっきりして来た。

 

「闇の書について調べていたっけ...」

 

すると小さな箱がこっちに来た。これは...!

 

「パンドラボックス!どうしてここに...」

 

パンドラボックスは意思を持つように俺の周りを飛び回る。

 

「この時代にはないはずなのに...!まさかここに封印されていたのか!」

 

頷くように俺の周りを加速しながら飛び回る。

 

「...ミカが封印したのか...」

 

確実にそうだろう。あの子は腕にバングルをしてたからな。

 

「!ど、どうした!」

 

パンドラボックスから光が漏れてきた。

 

「またこれかーーーー!!!!」

 

再び光に包まれた。

 

 

___________

 

「いって!!!」

 

戻ってきたら魔法が切れていて無限書庫の中で落下した。

 

「....もう皆いないのか...」

 

どうやら既にユーノ達はアースラに戻っているのだろう。あれからどれだけ過ぎたんだ?

 

「取り合えず連絡は出来ない、っと。行くしかないか...」

 

ビルドフォンを起動させ魔法陣を展開し自宅へ転移する。

 

「マジかよ...」

 

帰るともう夜で今日が12月23日だった事に驚いた。

 

「ん?ヤベ、連絡がこんなにもたくさん来てるとは、ってええ!」

 

又もや転移。説教来るな....あきらめるかな。

 

 

__________

 

「よう、戦兎。お前はどれだけ行方不明になるんだ!!!」

 

お、おう....龍斗の話を流すようにして聞く。するとリンディさんが

 

「原因はこれね。双王物語、古代ベルカに関する本ね。でも、魔力の反応はないんだけど...」

 

今はそれどころではない。

 

「龍斗、お前ビルドドライバーはどうした?」

 

クローズドラゴンから魔法の使用の履歴をビルドフォンから確認できるのだが、ビルドドライバーの使用が急になくなったのだ。

 

「ああ、前に仮面の男と戦闘した時に破壊されちまった。直せるか?」

 

そういって龍斗から明らかに壊れたビルドドライバーを受け取る。

 

「治せなくはないな。時間がかかるぞ。あと、ハザードレベルを測れ。」

 

「分かった。」

 

ビルドフォンを手渡し龍斗のハザードレベルを確認させる。

 

「4.0か...この後アタッシュケースを開けるぞ。」

 

「ああ、頼んだぜ。」

 

「おう。」

 

俺もハザードレベルをっと、5.0?あの時は4.5だったはず...まさかパンドラボックスの光で上がったのか?

 

「リンディさん、今から俺は龍斗のビルドドライバーを修理します。なので何かあったら連絡してください。」

 

「ええ、龍斗にするわ」

 

「あ、はい。」

 

リンディさん.....怒ってるな....

 

 

____________________

 

 

早くも家に戻り修理を開始する。魔力が無い...のか?

 

調べながらベルトの外装を修復する。

 

寝れないな、これ...

 

龍斗は何処かに行っしまった。

 

 

________

 

「士さん、俺はこれで良かったのでしょうか...」

 

俺は光写真館のあった場所、猿渡研究所の跡地に来ていた。

 

「アイツを支えられるくらいには強くなりました。だから....」

 

龍斗は違う世界にいるであろう士に決戦の時が近いことを語っていた。




ふぅ...終わりが近い...


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33.12/24


これからも沢山の修正をするつもりです。

その為ストーリーが異なる場合があります。

ご了承ください。


12月24日。世間的にはクリスマスイヴだ。

 

この前確認したら俺のハザードレベルが5.0、龍斗は4.0になったため、お互いにアタッシュケースの新たな鍵を開けた。

 

「.......」

 

「なんだこれ?ベルト?」

 

龍斗はスクラッシュドライバーを手に入れた。対して俺は...

 

「...ハザードトリガー...か....」

 

「戦兎は..なんだそれ?」

 

仮面ライダービルド本編にて暴走を続ける万丈を止める為に使用した禁断のアイテム。

 

「ハザードレベルを強制的に上げることが出来るものだ。だが、これはネビュラガスを利用した万能強化剤プログレスヴェイパーによる強化だ。だから浸透レベルが危険域に達すると脳が刺激に耐えられなくなり、理性を失い目に映るもの全て破壊しようとする暴走状態になる。」

 

「なんだよ..それ...」

 

「ハザードトリガー...またの名を禁断のアイテム。」

 

アタッシュケースをかたずけ作業に入った。俺は夕方に控えた闇の書の管理人格との戦いに備えて準備していた。龍斗のビルドドライバーが仮面の男達との戦闘で故障してしまったのだ。ベルトの魔力が空っぽになったためフルボトルを使ってため直していた時だった。

 

突然、人払いの結界が張られたのだ。すぐさま外に出ると夕方に現れるはずのリインフォースが空にいた。

 

やられた。そうとしか思わなかった。依然、シャマルが俺のリンカーコアを狙ったものの吸収に失敗したと思っていたが、それはどうやらフルボトルから吸収したみたいだ。あの時は10本しか持っていなかったからよかったものの、60本全ての魔力を吸収されたら闇の書の完成は最も早くなったのかも知れない。

 

「いくぞ、戦兎!」

 

まだ変身出来ないビルドドライバーを持って行こうとする龍斗。だから

 

「龍斗、ほら」

 

「おっと、これは?」

 

ゼリーとベルトを投げ渡す。

 

「そのベルトはスクラッシュドライバー。ゼリーを使う事で変身出来るからな。ハザードレベル4.0のお前なら使えるはずだ。でも、そのベルトには副作用がある。俺が支持するまで使うなよ。後これも。」

 

「わかった。これはなんだ?」

 

バットフルボトルとスイッチも渡す。

 

「どうしても戦うと言うならこのスイッチを変身後に押せ。お前を空に転移させてくれる。さらにこれを使えば空も飛べるはずだ。うまく使えよ?」

 

「おう!」

 

「あと、俺はこれを使うかも知れない。だから、暴走したら止めてくれ。」

 

「禁断のアイテム...わかった。いくぞ!」

 

龍斗が魔法陣を展開し、アースラへ転移した。

 

 

 

____________

 

戦兎にあれは渡したし、あいつらには原作通り、いやさらに佐野巧に化けて八神はやてにヴィータを消滅させる所を見せつけさせた。

 

「闇の書の完全起動だ....ん?」

 

 

部外者がいるみたいだな。忘れていたな。

 

「助けに行くか...」

 

俺はグレアム提督の毒を解毒してから地球へ向かった。

 

 




さあ、実験を始めようか?


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34.戦闘開始

書いたらどんどん原作から離れる...

それでも、書いていくつもりです


アースラでリンディさんに会う。

 

「なのは達はもう戦っていますか?」

 

「ええ、もう始まっているわ。」

 

「遅かったか!」

 

遅かれ早かれ戦闘になるとわかってはいたがこんなにも早いとは。

原作のお見舞いの時間が早まってしまったのか...

 

「リンディさん、これを。」

 

「!これって...」

 

「俺から渡せる切り札です。貰って下さい。」

 

「...わかったわ。」

 

俺はスパークリングのような缶を渡す。ビルドドライバーの修理と共に創っておいたのだ。どう使うかはリンディさん次第だが。

 

「クロノ、話がある。」

 

「なんだ?」

 

「まずはこれを。お前にとグレアム提督から貰った。」

 

俺はデバイス、デュランダルを渡す。これは家に帰った時にアタッシュケースの上に置いてあったのだ。ご丁寧にスタークからの手紙と一緒に。そこにはスタークがグレアム提督達を操り闇の書を封印させようとした。と、書いてあった。アイツは何を企んでいるんだ?

 

「いつ会ったんだ?」

 

「話は後だ。それよりも頼みがある。闇の書は呪縛することができるんだがそれにわざとかかってくれないか?そうすれば内側から闇の書の主、八神はやてに接触できるはずだ。」

 

「...君からの頼み事だ。断る理由もない。やらせてもらうよ。」

 

「ありがとう。さて、俺も出ます!転移をお願いします!」

 

『トラ』『ユーフォ―』『ベストマッチ』

 

ベルトを装着し、フルボトルをセットする。

 

「まて、俺も出る!」

 

「ダメだ。お前は俺たちの支持がきたら出てきてくれ。」

 

「........わかった。」

 

龍斗にとどまる様に言いハンドルを回す。

 

「空中に転移します。準備はいいですか?」

 

『はい!』

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

俺はなのは達が戦っている近くに転移した。

 

_____________

 

『未確認ジャングルハンター トラユーフォー』『YEAH!』

 

「くっ..」

 

慣れないフルボトルで空を飛んでいるため、少し安定しない。

 

「時間がない!」

 

「いくぞ、クロノ!」

 

「ああ!」

 

それでも加速させた。なのは達の元へ。

 

 

__________

 

「なによ、これ..」

 

私はすずか達とはやてのお見舞いに来ただけなのに...

 

「なのはとフェイトが...飛んでる...?」

 

そんな中で急に景色が変わった。

 

____________

 

「まったく、世話の焼ける。」

 

「あ、あなたは...」

 

「おっと、気にするな。それよりも見ろよ、お友達が戦ってるぜ。」

 

「えっ...」

 

私達はさっきまで見ていたはずの病院の屋上にいた。

 

「安心しろ、ここにいることは誰にもわからねえよ。じゃあ、少し野暮用があるんだ。」

 

男の人は何処かに消えてしまった。

 

______________

 

 

[なのはさん、フェイトさん。今戦兎がそっちに向かっているわ。]

 

[わかりました!][戦闘を続けます!]

 

どうやら戦兎さんが向かっているみたいだ。すぐに声が聞こえてきた。

 

「なのは、フェイト!お待たせ!守護騎士達は俺が相手をするから二人は闇の書を頼む!」

 

「わかりました!」「私も一緒に戦います!」

 

戦兎さんとフェイトちゃんが守護騎士達の相手をしている中、私は闇の書に語りかける。

 

「貴女を止めます!」

 

「眠れ、そうそれば永遠に夢を見続けることが「私には夢がない。」...」

 

「それでも夢を守ることができるって言ってくれた人がいた!だから、貴女を止めてみんなの本当の夢を守るの!」

 

「それは単なる幻想だ。現実はそんなにも甘くはない。」

 

「それでも私は自分の出来る事をするだけなの!レイジングハート!」

 

[Yes,my master!]

 

「バインドで動けなくしてからディバインバスター!」

 

[All right!]

_________________

 

 

「今だ、離れろ!」

 

「はい!」

 

飛んだままトラの腕で切り裂く。だが、そこまで効いていないようだ。

 

「フェイト、シグナムは任せた!」

 

「了解です!」

 

ヴィータとシャマルを引き付けフェイトから離れる。

 

「グラビティ!バインド!」

 

魔法をかけて二人を飛べなくしバインドで拘束しようとする間にスパークリングを取り出し、振ってすぐにタブを開ける。そしてセットする。

 

『ラビットタンクスパークリング』

 

ハンドルを回し、ビルドマーク型のスナップライドビルダーを展開する。

 

『ARE YOU READY?』

「ビルドアップ!」

 

前後から挟まれ、両腕を少し横に広げる。すると、炭酸を彷彿とさせる水滴が散る。

 

『シュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング! イエイ!イエーイ!』

 

「いくぞ!」

 

戦闘は続く。

 

『ドリルクラッシャー』

 

『ユニコーン』

 

『ボルテック・ブレイク』

 

「はああああ!」

 

フルボトルをセットしてヴィータの魔力弾を貫く。それでも、二人を止めることはできない。

 

「やるしかない...のか...!」




次回、「ハザードトリガー」でお会いしましょう。

.....ハザードトリガー大好きなのかな...


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35.ハザードトリガー

A‘sの途中の話です。
先に書いてしまったので投稿しておきます。
ネタバレ注意です。
イヤな方はブラウザバックをどうぞ。



追申


ここから先は作者の根気との戦いです。

何でも許せる!って方はどうぞ。

あ、ゆるさん!て方もどうぞ。



暴走する闇の書。リインフォースを止める方法はあるにはある。

 

「戦兎さん!」

 

フェイトに呼ばれて思考を戦闘に戻す。

勝てるには勝てるだろうが、暴走するかもしれない。

だが、迷っている場合ではない。

 

「二人とも、時間を稼いでくれるか?」

 

「は、はい。わかりました!」

 

「分かったの。」

 

二人に守護騎士達の相手をしてもらう。

 

「もう、どうにでもなれ!!」

 

スパークリングを外してから

ハザードトリガーを取り出し、蓋を外してスイッチを押す。

 

『ハザード・オン』

 

乗りが良さそうな音声が響く。

そしてビルドドライバーにセットする。

そしてラビットタンクのフルボトルをセットする。

 

『ラビット』『タンク』『スーパーベストマッチ』

 

いつもと違う音声が鳴るなか、ハンドルを回す。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

待機音とともにハザードライドビルダーが前後に形成された。

もう、後戻りはできない。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

そして俺は黒に染まった______

 

__________________

 

 

 

___________________________________

 

『アンコントロールスイッチ ブラックハザード』『ヤベーイ!!!』

 

後ろから聞きなれない音が聞こえてた。また新しい姿に変わったのだろう。

そう思いながら振り返る。

 

「「えっ..」」

 

なのはと声が被ってしまう。それもそのはず、見慣れない真っ黒なビルドが立っていた。

 

「何...あれ?]

「魔力が上がってる.....」

 

驚愕している間に守護騎士達に抜かれてしまった。

 

「戦兎さん!」

 

叫んだ時にはもうデバイスを振りかぶっていたが、

戦兎さんは簡単に受け止めていた。

 

「さて、八神はやて!自分を見失うな!」

 

そう言うと戦いに戻る戦兎さん。

凄い。その一言だけだった。

簡単に4人を相手にしているのだ。

 

「二人は闇の書本体を頼む!」

 

「「はい!」」

 

なのはと共にすぐさま戦いを再開した。

 

______________________

 

 

 

___________________________

 

さて、どれだけ自我を保っていられるのか。

このままでは自分は暴走するだろう。その前に片を付ける。

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

4人に出来る限りのラッシュを叩き込む。

だが、バインドを受けて

魔力弾に当たりまくってしまった。

 

「や、やめろおおおお!!!!」

 

脳内にとてつもない衝撃を受ける。そして俺は理性を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________

 

 

スイッチを押してハンドルを回す。

 

『マックスハザード・オン』

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『READY GO』『オーバーフロー』   『ヤベーイ!!!』

 

黒い靄が出てきて四人の動きが止まった。そしてまたハンドルを回す。

 

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『READY GO』『ハザード・フィニッシュ』

 

そして4人目掛けてキックを放つ。

爆発が起こり、その場所には何も存在していなかった。

 

「えっ」

 

なのはは驚いていた。戦兎が守護騎士達を消滅させたからだ。

更にビルドがこっちに向かって走りながらフルボトルを変えてきた。

 

『タカ』『ガトリング』『スーパーベストマッチ』

 

ハンドルを回してホークガトリングハザードフォームにチェンジ。

さらにスイッチを押し、ハンドルを回す。

オーバーフローの音声と共に羽が生えて飛んでくる。

おかしい。明らかにおかしい。魔力が先程よりも多くなっている。

戦い方もおかしい。荒々しくなっている。

 

「うわっ!」

 

一番近いなのはに攻撃を仕掛けてきた。

 

「戦兎さん!」

 

「何でなのはに攻撃を?」

 

まるで見えてるものを破壊しているようだ。そんな中で闇の書に私は狙われてしまった。

 

 

_____________________

 

不味い、闇の書がフェイトを狙っている!戦兎が言っていた通りなら...

 

「フェイト!」

 

「っクロノ!!!」

 

俺はフェイトの代わりに呪縛を受けた。

 

__________

 

 

「はっ.......はっ.......」

 

戦兎のやつ、禁断のアイテムを使いやがった。

不味い。あれが暴走したら誰も止めれない。

だけど...

 

「.......」

 

走りながら手元を見る。

青いフォルムにスロットが一つだけのベルト、

 

 

 

〈スクラッシュドライバー〉

 

 

 

ハザードレベルが4.0になった俺ならこれが使える。だけど...

 

「やるしかないのか.....!」

 

黄色いゼリーを片手に走っていった。






感想お待ちしております。


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36.潰れる 流れる 溢れ出る!

スクラッシュゼリーもっと出て欲しかった。


戦兎のやつ禁断のアイテムに手を出しやがった。

すぐさまビルドドライバーを取り出す。

 

「リンディさん、俺も出ます!!」

 

放置する訳にはいかねえ。アイツを止められるのはあれが使えるものだけ。しかも、勝てるか分からないときた。

 

「ダメよ、龍斗くん。今のあなたじゃ危険すぎる。」

「くっ...」

 

俺たち仮面ライダーは変身中は魔法がうまく使えなくなる。だが、手はある。戦兎に貰ったスイッチとバットフルボトルだ。

ナイトローグを倒した時の戦利品らしい。あと、このゼリーなら....

 

「すいません、勝手に行動します!!!」

 

ビルドドライバーをしまう。

そしてスクラッシュドライバーを装着する。

 

『スクラッシュドライバー』

「それは何?」

 

エイミィさんに聞かれたが無視する。

ゼリーのキャップを正面に向けてからベルトにセットする。

 

『ドラゴンゼリー!』

 

待機音が鳴り響く。

 

「変身!」

 

掛け声と共にベルトについたレンチを押し下げる。

潰されたゼリーから成分が流れ出し、タンクにチャージされる。

 

「ぐあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

痛みと共にビーカーの形をした物が作られ、

下から成分が入った液体が上がりながら螺旋状に

包まれてアンダースーツを装着する。

頭上から液化装備・ヴァリアブルゼリーを全身に浴びる。

 

『潰れる』 『流れる』 『溢れ出る!!!!』

 

頭部、胸部、両肩の装甲・クロスアーマーを形成する。

 

『ドラゴン in クローズチャージ!』

 

『ブラァ!!!』

 

「はっ...はあっ...」

 

どうやら変身できたらしい。

このベルトはとても危険らしいが。

 

「龍斗くん、その姿は?」

 

「すいません、質問に答える時間はありません勝手に出ますから!!!」

 

戦兎からもらったスイッチを押す。

 

「「なっ!!」」

 

俺の下にぽっかりと穴があき、落ちていく。

 

「説教なら後で聞きます!!!」

 

ベルトにバットフルボトルをセットしてレンチを押し下げる。

 

『チャージボトル!』 『チャージクラッシュ!』

 

コウモリの羽が生えてきたので、それで飛ぶ。

 

「待ってろ!戦兎!!!」

 

________________

 

「エイミィ、アルカンシェルを使うわよ。」

 

「!!!!」

 

リンディさんがとんでもないことを言い出した。

 

「ですがあれは.....」

「大丈夫よ。戦兎くんの差し入れの中にこれがあったの。」

 

それはスパークリングの缶に似ていた。

 

「これは?」

「フルボトルの魔力を貯め込んだ物だそうよ。

  切り札として使ってくれって。」

 

リンディさんが振るとシュワッと音が鳴る。

フルタブを開けると今のビルド並の魔力が溢れてきた。

 

「これで闇の書、及びビルドを倒せ。だそうよ。」

「なっ!」

 

こんな物を食らえばビルドでもただでは済まないだろう。

 

「いくらなんでもそれは.....」

 

「戦兎くんが言ってたのよ。

  [俺の切り札は使うと後戻りできない程のものです。

    正直言って使いたくないレベルです。でも、それで八神はやてを、夜天の書を救えるなら。]

 って。自己犠牲の多い子よ。あの子は。」

 

リンディさんはため息をはく。

クロノが吸収されてはいるが諦めてないみたいだ。かく言う私もだが。

 

「さて、皆。生きて帰るわよ!!!!」

 

艦長の背中が遠くに見えた。

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

先輩が空から飛んできた。アースラから降りて、いや落下してきたのだろう。

以前見た記録の中で落ちていった時間なのだろう。戦兎を止めるために。

 

だけど、今の先輩じゃ完全には止められない。だからこそ父さんが俺を送り込んだんだ。

 

「心火だ。心火を燃やしてぶっ潰す!」

 

ぶっつけ本番だがどうにかなるだろう。

そう思いながらベルトを装着した。




次回、グリスが登場!

更に新たなハザードフォームも登場予定!


誰かクロコダイルクラックボトルを譲ってくれませんかね?


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37.アンコントロールスイッチ

オーバーフロー!

ラビラビ!タンタン!


『ロボットゼリー』

 

変身待機音の鳴り響く中、走り出す。

展開されたビーカー型ファクトリーと共に移動する。

そしてレンチを押し下げる。

 

「変身!」

 

潰されたゼリーから成分が流れ出し

下から成分が入った液体が上がりながら螺旋状に

包まれてアンダースーツを装着する。

頭上から液化装備・ヴァリアブルゼリーを全身に浴びる。

 

『潰れる』 『流れる』 『溢れ出る!!!!』

 

頭部、胸部、両肩の装甲・クロスアーマーを形成する。

 

『ロボット in グリス!』『ブラァ!!!』

 

こっちに来てから初めてだったけど、問題はないみたいだ。

ジェットフルボトルを取り出し振る。そしてベルトにセットしレンチを押し下げる。

 

『ディスチャージボトル』『ディスチャージクラッシュ!』

 

「おりゃあ!」

 

背中にジェット機の羽を形成し、飛んだ。

待っててくれ、戦兎!

 

 

_________________

 

 

_________________

 

 

 

 

 

 

 

「「!」」

 

突然知らないライダーが飛んできた。

 

「姉弟子、フェイト、よけろ!」

 

龍斗だ。間違いない。

 

『ツインブレイカー!』

 

「おらあ!!!!」

 

武器がぶつかった。が、ビルドは何事もなかったかのように銃口を龍斗に向けた。

 

「ぐあああああああああああああ!」

 

もろに弾丸を受け、離れる。それでも向かっていく。

 

「目を覚ましやがれ!!!!!!!!!!」

 

だが、ビルドはその場を離れた。

 

「戦兎さん!!!!」

 

はやての声が聞こえてきた。

 

 

_______________

 

 

 

戦兎さん。あの人に似た、いや本人だろう。

お兄さんみたいに慕っていた人。

突然、声が聞こえたんだ。

 

「さて、八神はやて!自分を見失うな!」

 

って。あれ、おかしいな。なんでここには巧にぃはいないんやろ?

 

「主、起きてください。主...」

 

誰?私を呼ぶのは...?

 

「っは!えっ、ここはどこや?あなただれ?」

 

起きるとすぐに

 

「八神はやて!」

 

男の子が降りてきた。

 

「何者だ、貴様。」

 

「僕はクロノ・ハウライオン。戦兎の友人だ。」

 

「なんやて?」

 

戦兎さんの友人?どうしてここに?

 

「説明は後だ。闇の書、君を拘束する。」

 

闇の書?この人がか?

 

「八神はやて、君には目覚めてもらわなければならない。」

 

「なんでや?」

 

「主、話を聞いてはいけません!」

 

「今、戦兎は君を助ける為に禁断のアイテムに手を出した。」

 

闇の書を無視して話を進めるクロノ。

 

「禁断のアイテム?なんやそれ?」

 

「使ったら最後、自我を失って目に入った物を破壊し尽くすまで止まらないそうだ。

 さらに、止まらない可能性まである。」

 

「そんな....」

 

私のせいで.....

 

「だが、止める方法はあるそうだ。」

 

「!その方法は?」

 

あるなら使わないと、戦兎さんを止めなきゃ!

 

「君ならそう言うと彼は言っていたよ。それならまず、ここから出なければならない。」

 

「それはどうやって?」

 

「君が闇の書を管理できる。ここから出たいと思えば..」

 

そう言ってクロノは消えてしまった。

 

「いくよ、闇の書。いや、リインフォース。」

 

「ですが....リインフォース?それは..」

 

「もちろんあなたの名前やで?闇の書なんて似合わない名よりも、 祝福の風。こっちのほうがあってるやろ?」

 

「は、はい。ありがとうございます。」

 

「で、どうすれば出られるん?」

 

「主、本当によろしいのですか?」

 

「私は止まらない。無茶してる兄貴分を止めに行かなきゃいけないから。」

 

「わかりました。それでは『ユニゾン・イン』と言ってください。」

 

「わかった。いくよ、リインフォース!」

 

「はい!」

 

『『ユニゾン・イン!』』

 

私は光を見た__________

 

 

___________________

 

 

戦兎に言われたとうりにはしたがこれで良かったのだろうか?

そう考えていると落下が始まった。

 

「!」

 

呪縛が解けると、信じがたい事になっていた。どうやら時間がかかり過ぎたらしい。

ビルドはハザードトリガーを使っていた。

あいつの言うとおり龍斗はスクラッシュドライバーを使用している。

それでも、相手になっていない。禁断のアイテムは本当にとんでもない物のようだ。

 

「クロノ!」

 

「フェイト!龍斗となのはを連れて離れろ!」

 

「!分かった!」

 

さて、離れてくれたみたいだな。

戦兎の言う通りなら....。

 

『ドラゴン』『ロック』『スーパーベストマッチ』

 

きた!

 

「八神はやて!守護騎士達と共に離れろ!やばいのが来る!」

 

指示道理に離れてくれる八神はやて達。

お構いなしにハンドルを回すビルド。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『ARE YOU READY?』

 

『アンコントロールスイッチ ブラックハザード』『ヤベーイ!!!』

 

俺達では勝てない。そう思わせるような危険な状態のビルドが完成した。

 

 

 

 

 

 




戦兎とクロノの出会いは説教後に会って、話しているうちに仲良くなっております。

本編では描かないのでご了承ください。


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38.キードラゴンハザード

皆気付く、キードラゴンハザードはマジでヤベーイって事に。


「はやてちゃん、守護騎士達も無事戻ってこれたんだ。」

 

残るは戦兎さんただ一人。誰かのために戦う。そんな人が暴走しているのだ。

 

「どうすればいいの?」

 

「なのは、方法はあるぞ。」

 

「本当?クロノくん。」

 

「ああ。あいつが言っていた。『暴走したら、トリガーを外せ』と。」

 

「でも、どうやって....」

 

暴走する黒い2人。ぶつかり合うなか何かが飛んできた。

 

 

 

 

_____________

 

 

「遅かったか!」

『ツインブレイカー!』

 

間に合わなかった。キードラゴンハザードは今の俺じゃ勝てない。

切り札を使うしかないのか...!

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

『シングル』

 

ツインブレイカーにロケットフルボトルをセットしてトリガーを押す

 

『シングルブレイク!』

 

攻撃が当たった。どうやら効いているようだ。

 

「もう一回!」

 

『ツイン』

 

今度はロボットゼリーを追加でセットする。

 

『ツインブレイク!!』

 

また当たる。これなら!

 

『時計』『ディスチャージボトル』『ディスチャージクラッシュ!』

 

時計フルボトルをセットしてレンチを押し下げる。

さらにツインブレイカーのボトルをセットし直す。

 

『ツイン』

 

「おりゃああああ!!!!」

 

『ツインブレイク!!』

 

攻撃が当たりビルドが止まる。

もう一体にも!

 

『ビームモード』

 

『ディスチャージクラッシュ!』

 

止まった。

 

「おい、おまえ。なにもんだ?」

 

先輩に声をかけられた。

 

_______________

 

「俺は仮面ライダーグリス。未来から来ました。この時計フルボトルの力で。」

 

なんだって!?未来からだと?そんなことが....。

 

「皆さん、ビルドを止めるのを手伝って下さい。」

 

「どうやって?ハザードトリガーを外す以外方法は...」

 

「大丈夫です。俺は切り札を持ってきたんです。」

 

「「「切り札?」」」

 

「せん、龍斗さん。」

 

「なんだ?」

 

俺に何かあるのか?

 

「一緒に戦兎を止めてくれますか?」

 

何聞いてんだ。

 

「俺はあの人達と約束したんだ。戦兎の力になるんだってな!」

 

士さん達との約束は絶対に守る!

 

「よかった。間もなく効果が消えます。皆さんで闇の書の暴走プログラムを破壊して下さい。俺と龍斗さんはビルドを止めます!」

 

「「「「了解!」」」」 「「「「分かった!」」」」

 

「3、2、1、きます!」

 

2つの黒が動き出した。

 

______________

 

 

______________

 

ビルドは蒼い炎に纏いブレイズアップモードになる。

ハザードのままになったので黒い靄もまとっていた。

 

「龍斗さん、離れて攻撃して下さい!」

 

「分かった!」

 

『ビームモード』

 

「「おら!」」

 

同時にビームを放ち、ビルドから離れる。

すると、ハザードトリガーを使おうとしてきた。

 

「不味い!」

 

『マックスハザード・オン』

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『READY GO』『オーバーフロー』   『ヤベーイ!!!』

 

遅かった!早く離れないと...!そうだ!

 

「龍斗さん!このまま打ち続けて闇の書に誘導しましょう!」

 

「おう!」

 

オーバーフローモードのままあいつに当てれると、確実に暴走プログラムを破壊できるはず!

 

「皆さん!このままビルドを誘導して暴走プログラムを破壊してもらいます!」

 

「でも、そんなことをしたら...」

 

「暴走中のビルドはその間の記憶がありません。破壊できたらすぐに俺が切り札を使います!」

 

「うまくいくのか?」

 

「やらないと、この世界が全て破壊されてしまいます!」

 

「わかっているけど...」

 

「なら俺だけでも!」

 

背中のジェットを使い加速させ、ナハト・ヴァールに向かう。

 

「こっちだ!」

 

ビルドがこっちを見たのを確認し、タイミングよく離れる。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『READY GO』『ハザード・フィニッシュ』

 

ロックの能力でナハト・ヴァールが動けなくなる。

そんな中で右拳で殴る。蒼と黒の靄が溢れ出し、たった一撃でバリアを全て破壊してしまう。

 

「なっ....!」

 

とんでもない威力だ。それでもビルドは止まらない。

もう一度ハンドルを回してキックの体制に入る。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『READY GO』『ハザード・フィニッシュ』

 

「グアアアアアアアアアアアアア!」

 

轟音と共にナハト・ヴァールが消滅する。

 

「戦兎!!!!!!!!!!!!!!」

 

俺はすぐに切り札を使用しようとしたが....

 

 

 

_________________

 

『マックスハザード・オン』『ラビットタンクスパークリング!』

 

『ビルドアップ』

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『ARE YOU READY?』『オーバーフロー』

 

『シュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング!』『イエイ!イエーイ!』『ヤベーイ!!!』

 

なに、あれ..........。

 

「戦兎.....さん.....?」

 

そこには白が混ざり合ったラビットタンクハザードが立っていた。




グリスの本名は番外編で明かします。
それまでお待ちください。


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39.たどり着いた狂気

未来編その5。


スパークリングの頭部にボディにギザギザとした白いパーツが追加された。

 

「あんなの、俺は知らない...最悪の組み合わせだ!」

 

すぐに俺の前にきた。すぐに腹部に鋭い痛みを感じ、気を失った。

 

_______________

 

「おい、グリス!おい!」

 

戦兎に殴られて海に落ちていくグリス。

俺以外は誰も動けなかった。理由は簡単だ。

ビルドから感じる闇と魔力が計り知れないのだ。

そのせいで守護騎士達とクロノ以外、震えが止まらなくなっている。

飛んでいるのがやっとのことだ。もうさがったほうが良いだろう。

 

「シャマル、震えている奴らを連れて病院に戻れ。」

 

「でも...そしたら...」

 

「早くしろ!グリスを回収してすぐ戻る!」

 

「僕たちは龍斗の援護となのは達の防衛だ。」

 

「私がはやてを守るから早くしろ!」

 

「わかってらあ、ヴィータ!」

 

サメフルボトルを取り出し、バットと交換する。

そしてレンチを押し下げる。

 

『チャージボトル!』 『チャージクラッシュ!』

 

背中と足にヒレを展開し、海に落下する。

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

潜っていく。グリス、待ってろよ!

 

 

__________________

 

 

 

__________________

 

 

「さて、そろそろ時間か....。」

 

「「えっ?」」

 

私達を守ってくれた人が離れて行く。

 

「待って!」

 

「.....なんだ?」

 

「貴方の名前を教えて。」

 

「......良いだろう。」

 

変わったボトルを取り出して振る。

更にどこからか取り出した銃のスロットにセットする。

 

『コブラ』

 

待機音が鳴り響きトリガーを引く。

 

「蒸血」

 

『ミストマッチ』

『コブラ…コッ・コブラ…ファイヤー!』

 

姿が変った!

 

「!」

 

「スターク......ブラッドスタークだ。」

 

ブラッドスターク?血まみれ?

 

「俺はもうここを離れる。戦兎に伝えてくれ。アルハザードで待つってな。」

 

「どこよそれ?」

 

「じゃあな、チャオ♪」

 

スタークは黒い煙の中に消えていった。

 

_________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________

 

 

龍斗から念話がきた。

 

[クロノ、戦兎は何を狙ってる?]

 

ふと、ビルドの目線を追った。不味い。

 

[龍斗、ビルドの狙いはアースラだ!]

 

[なんだと!]

 

狙われたのはアースラ本艦か!

 

[クロノ!]

 

「母さん!ビルドの狙いはアースラです!」

 

[なんですって!?しょうがないわね....]

 

「母さん?」

 

[クロノ、なのはさん達に伝えて。今からビルドにアルカンシェルを使用するって。]

 

「!そんなことをしたら戦兎が!」

 

[分かっているわ。でもこれは戦兎くんに頼まれたことなの。ビルドを倒せって。

 あなたは知っていたのでしょう?戦兎くんの切り札のこと。]

 

「はい、黙っていてすいません。」

 

[いいのよ。なのはさん達の方に移動して。だれも飛び出してこれないように。]

 

「まだ龍斗が戻ってきていないんです!このままここを離れるわけには....」

 

[時間がないわ。後3分。それが過ぎたらもう打ち込むわ。]

 

「....わかり、ました...時間を稼いできます!」

 

[任せたわよ。]

 

ビルドの前に移動する。

 

「戦兎、俺が相手になる!」

 

早くしろ!龍斗!

 

 

___________

 

 

海の中、オイルの匂いを頼りに探すが見つからない。

 

【くそっ!】

 

海底に着いたが見当たらない。するとクローズドラゴンが出てきた。

そうだ!こいつとなら....

 

【ここにセットされてくれ。】

 

了解!と言うように頷きツインブレイカーにセットされる。

 

『READY GO!』『レッツフィニッシュ!』

 

蒼いドラゴンを海の中に打ち込み、海が明るくなる。

見つけた!グリスを見つけたが、動けなくなる....

 

【あれ....目が....】

 

 

 

 

 

 




次回、アルカンシェルがビルドを襲う!

果たしてビルドは止まるのだろうか?


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40.切り札は......

今こそ審判の時...

『仮面ライダークロニクル!』

変身!

『バグルアップ!』




ビルドを誘導して宇宙まで運ぶ。それができなくても

地球に垂直にした状態でアルカンシェルを放てば地球への被害は少ない。

だけど戦兎くんは......

 

「それでも、やって下さい。それが唯一ハザードへの対抗策だから。」

 

一の犠牲と多の救い。それは、正義の味方のあり方だと彼は言っていた。

 

「間もなく3分経過します。!」

 

「アースラを予定位置に移動。そして、クロノ執務官とビルドを方針にロックしなさい!」

 

『了解!』

 

頼んだわよ、クロノ。

 

_____________

 

 

 

 

_____________

 

間もなく3分が経過する。どんどんと戦う高さを上げていき、

いよいよアースラがすっぽりと入る高さまで来た。

あの後から龍斗と連絡が取れなくなっている。

 

[クロノ、間もなく時間よ!]

 

「わかっています!」

 

龍斗、早くしろ!

すぐにアースラが転移してきた。いよいよ時間がない。

 

[クロノ執務官、今すぐそこから離れなさい。]

 

「くっ...了解。」

 

ビルドに氷結魔法を当てすぐに病院に戻る。

 

「クロノくん、どうにかならないの?」

 

なのは.....

 

「すまない、もうこれしかないんだ....」

 

「龍斗、龍斗は?」

 

「連絡が取れなくなっている....」

 

「そんな....」

 

[皆さん、衝撃がきます。防御魔法の準備を。]

 

「リンディさん.....」

 

[これは、戦兎くんからの指示よ。ビルドを倒せって。]

 

「なんで.....」

 

みんな、涙を飲んでいる。

そのなかでも八神はやては....

 

「はなして!シグナム!ヴィータ!ザフィーラ!

私は行かなあかん!巧にぃを止めにいかな!」

 

「ダメです主!」「ごめん、はやて!」

 

未だに震える足でビルドを、戦兎を助けに行こうとしていた。

 

「えっ....?」

 

八神はやてと闇の書のユニゾンが解除された。

 

「どうして?どうしてや、リインフォース! 私は、私、は、巧にぃを助けたいだけやのに!」

 

「わが主、以前佐野巧はこう言ってました。

【しばらくすると、俺は多分無茶をする。その時にははやてを守って欲しいんだ。】

と.....」

 

「........なんやねんそれ.....それじゃあ巧にぃが救われないやんけ!」

 

[発射するわ、みんな伏せて!]

 

世界は光に包まれて、ビルドは____________

 

 

______________

 

 

 

「光?ここは...」

 

思い出した。グリスを追って海の中に来たんだった!

 

「グリスは..っと」

 

すぐそこだ。俺は泳いで近づき、軽く刺激を加える。

 

「おい、しっかりしろ!おい!」

 

「.........せん、ぱい.....?」

 

目が覚めたみたいだ。

 

「切り札を貸せ!俺が使う!」

 

すると、グリスは2本のフルボトルを取り出した。

 

「これを.....ビルドに..見せて...下さい。」

 

「それだけでいいのか?」

 

「はい...」

 

グリスに潜水艦フルボトルを使い、海面に上がらせる。

さてと、

 

「いっちょ盛大にいくか!なあ、相棒?」

『♪~~~~~~~~~~』

 

準備よし!じゃあいくぜ!

 

『READY GO!』『レッツブレイク』

 

「おりゃああああ!!!!」

 

地面にツインブレイカーを叩き付けた。

 

______________

 

 

 

______________

 

 

光が晴れるとそこには傷ついたビルドが出てきた。

 

「なっ!」

 

ボロボロになった装甲からアルカンシェルの威力が分かる。それでもビルドは動こうとしていた。

 

「もうやめて!」

 

八神はやてが叫ぶが、聞こえていないのかアースラに攻撃しようとするが。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ____

 

地面が鳴り響く。

 

「じ、地震!なんでこんな時に?」

 

揺れが続くなか、アースラの近くからマグマが噴き出る。その上に誰かが乗っていた。

 

「うおりゃあ!受け取れ戦兎!」

 

龍斗が出てきた。

 

『ええええええええええええええ⁉』

 

みんなが叫ぶ中、フルボトルを投げる龍斗。それを見たビルドの動きが止まった。

 

「があああアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」

 

戦兎の声が響き渡る。すると、変身が解除され、海に落ちていった。

 

「巧にぃ!」

 

八神はやてが飛びだそうとするのを止めるシグナム。

 

「主、危ないです!」「戦兎おおおおおおおおおお!」

 

龍斗が追いかけて海に落ちていった。

 

[これにて、この作戦を終了、します。動ける人は2人の救出を!]

 

 

母さんの連絡により、闇の書事件の幕は閉じた。

 

だが............

 

 

____________

 

 

数日間、戦兎は目を覚まさなかった。

 

 






『天を掴めライダー!刻めクロニクル!今こそ時は極まれり!!!』

さあ、絶版タイムだ。光栄に思え。

『ポーズ』

『キメワザ!』『クリティカル・クルセイド!』

『終焉ノ一撃!』

ときめきクライシスは絶版だ。

『リスタート』


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41.目覚め

この時すでにはやては退院しリハビリを始めて軽く歩けるようになっています。


事件終了から数日がたった。12月31日。

 

その日は、カラッと晴れた空が広がっていた。

 

___________

 

「ここは....?」

 

目が覚めると、俺の知らない天井が広がっていた。

 

「......っ!」

 

机に置いてあった2本のフルボトル。それは.....

 

「.....なんで....忘れてたんだろう.....」

 

俺の記憶の鍵だった。フェニックスとロボットがそこにはあった。

 

「ここは...アースラの中か...なら...」

 

ビルドフォンにフェニックスとロボットを交互にセットする。ロックが外れた。

 

「ユニゾン・イン」

 

ユニゾンする事ですぐさまビルドドライバーが転移してくる。

 

「いこう.....全てを思い出す為に...」

 

『フェニックス』『ロボット』

 

「変身....」

 

『不死身の兵器 フェニックスロボ』

 

「転移...猿渡研究所...」

 

俺は転移した。

 

_________________

 

 

 

 

_________________

 

 

 

「!何者かによってビルドドライバーが転移されてます!」

 

「なんですって!?」

 

見たことのない魔法陣が展開されベルトは転移してしまう。戦兎くんが目覚めた可能性がある。グリスが話していたのだ。

 

「戦兎が目覚めたら、早く皆に連絡をしてください。あの人は最後の鍵を手に入れにいくはずですから。」

 

その後グリスはどこかへ行ってしまい、消息不明になっている。

 

「なのはさん達に伝えて、この事を!」

 

すぐさま連絡した。

 

 

______________

 

______________

 

「......ここか.......」

 

そこには光写真館のあった場所だった。士さん達が旅立ったあと、もう来ていなかった場所。

 

「......博士....美空さん...一斗...」

 

俺は膝から倒れていく。

 

「ごめん、ごめんなさい....!」

 

変身が解除され泣き叫ぶ。

 

「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ____」

 

後悔だけが残っていた。

 

 

_________________

 

 

病院から既に退院し歩くリハビリをしていた私は、

朝4時、アースラからの連絡で起こされた。

 

「緊急事態ですか?」

 

もう、理由はわかってる。それでも....

 

[戦兎くんが目覚めたんだけど、転移してどこかへ行ってしまったの。座標を送るわ、すぐに向かって!]

 

「!ここは....」

 

あの人が居なくなるまで働いていた場所、猿渡研究所だった。

 

_________________

 

全員に連絡がいき、朝日が登り始めるなか、私達は走っていた。

 

「戦兎さんが目覚めたんだけど、光写真館のあった場所に向かったみたいだ!」

 

「なのはちゃん!」

 

はやてちゃん達も集まり、走っていく。

 

「ここを曲がればすぐに...」

 

そこには俯いたまま動かない戦兎さんがいた。

 

__________

 

「......」

 

「戦兎さん!」

 

はやて、いやはやてちゃんが走ってくる。

良かった。歩けるようになったんだ。

俺は立ち上がりながら言う。

 

「......久し振り、はやてちゃん。」

 

振り返りながら言うと、驚いた顔が見えた。

 

「巧にぃ?」

 

「うん、しばらく連絡出来なくてごめんね。」

 

「う、うああああん!」

 

はやてちゃんが抱きついてきた。他の人達は知らないから困惑しているみたいだ。

 

「皆に改めて自己紹介しよう。佐野巧。16歳で元々はやてちゃんと一緒に暮らしていた者さ。」

 

『ええええええええええええええ!』

 

驚愕の叫び声が5時前の街外れで響いた。




忘れちゃいけない...

これ朝の5時前(大晦日)なんだぜ?


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42.佐野巧の過去







「ごめん、巧にぃ。あれから1年もたってるんやね。」

 

「ああ。長い時間忘れていてごめん。」

 

はやてが泣きやんでから話を進める。だけど、

 

「こんな時期の朝は冷えるからね。転移で移動するよ。」

 

大きなビルドマークがある魔法陣を展開し全員を家に転移させる。

 

「ただいま、龍斗。」

 

「!やっと帰ってきたか、戦兎。って全員集合かよ!」

 

龍斗がソファーでくつろいでいる所に帰ってきたせいか、慌ててソファーから飛び起きる。

 

「お前、なんか吹っ切れたか?」

 

「ああ、記憶を取り戻したよ。あ、あとゼリーをクローズに食べさせてくれ。」

 

「ん?わかった、やってみる。」

『♪~~~~~~~~~~』

 

急にドラゴンが消え、龍斗の目が赤くなる。

 

「ん?どこ行った?」

 

「ユニゾンできたみたいだな。」

 

「なに、こいつユニゾンできたのか?」

 

「俺からのプレゼントさ。止めてくれてありがとう。」

 

「....また暴走したら、止めてやる。」

 

「ああ、そうしてくれ」

 

全員に温かい飲み物を出して、俺は自分の過去を語り始めた。

 

 

______________

 

今から一年前、俺がまだ佐野巧だった時。俺は葛城巧と最上魁星の研究の助手のアルバイトをしていた。

 

そんな中で学生だった俺は夏休みに入った。だから、長期間のバイトをすることにした。

 

最上博士の知り合いが平行世界でとある研究をして、子供が産まれて人手が足りなくなったので俺が行くことになった。

 

だが、転移中に事故が起こってしまう。エニグマが熱暴走し、知り合いの家ではなく全く違う場所に転移してしまった。

さらに、そのショックからか俺は一部の記憶を失った。そんな時、ある少女に出会った。

 

それが、はやてちゃんだった。自分が何者であるかも忘れてしまった俺を3ヶ月間一緒に暮らさせてくれた。

 

暮らしていたある日、俺は街を歩いていると、ある夫婦に会ったんだ。

 

猿渡研究所、俺のバイト先になるはずだった所に住んでいる博士達だったんだ。どうやら最上博士達があの事故の後すぐに連絡をしてくれたみたいで俺を探していたらしい。

 

お陰で、博士達からの連絡で記憶を取り戻した。が、はやてちゃんの元を離れることになった。

 

だけど、俺ははやてちゃんの元を離れなかった。たった一人で暮らすには若すぎると思ったからだ。

 

その為、はやてちゃんには仕事に就いたと話して研究所と行き来した。

 

そんなある日、研究所が何者かに狙われた。未だに何者かはわかってはいない。

 

俺は実験用に持たされたビルドドライバーを使い、ファイアーヘッジホッグに変身して助けに向かった。

 

既に研究所は炎に包まれていた。それでも俺は助けに向かった。でも、誰も助けることが出来なかった。

 

俺は使う事が出来なかったはずのフルボトルを使い暴走した。そのまま強制的に元の世界に強制的に転移された。

 

勿論、はやてちゃんにも連絡できずに。

 

元の世界で俺が立ち直れない中で博士達が政府に狙われた。政府が研究データから新たな兵器を開発しようとしていたのだ。

 

俺も狙われた。それを見かねた最上博士が俺の記憶を一時的に消して平行世界に転移させる事にしたのだ。

 

俺はそれを受けた。猿渡博士達が研究していた魔法の力。それを頼る様にね。

 

平行世界はそれぞれ時間の流れるスピードが異なることがある。その為俺の世界の2週間がこちらの世界では一年が過ぎ去っていたのだ。

 

こうして俺はこの世界で再び暮らし始める事になった。

 

________________

 

 

「ざっとこんなもんかな....」

『........................』

 

お茶を飲みながら一息入れる。皆は黙りきってしまった。

 

「...この話には続きがある。」

 

『!?』

 

俺はとある可能性について話す。

 

「猿渡博士達の息子が、何処かで生きている可能性があるんだ。」

 

 




この話は『レスキュー剣山』を読んでいただくと

さらに理解できると思います。


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43.終わりの音が鳴り響く

近未来の物語を多々修正し、A`s編に変更しました。

この話でA`s編は完結です。


「博士たちの息子の名前は猿渡一斗。生きているとすれば未来で生きているはずなんだ。あのエニグマは未来へ繋ぐ研究に使用されていたからな。」

 

「じゃあ、こっちもエニグマを使えば..」

 

なのはがそう言うがそれは出来ない。

 

「俺のエニグマは過去、現在、未来と安定して転移することができないんだ。」

 

「それじゃあ...」

 

はやてちゃん、ごめんね。

 

「俺は旅に出るつもりだ。」

 

『!』

 

「....俺もついていくからな...」

 

龍斗はついていくと言ってくれる。嬉しい限りだ。

 

「巧にぃ、またどこか行ってしまうん?」

 

「ごめんね。でももう君は一人じゃない。離れていても俺達は家族だよ。」

 

「.....」

 

頭を撫でることしか出来ない俺を許してくれ。それに...

 

「リインフォース。」

 

「はい、貴方は気づいていたんですね。」

 

「....お前も旅に出るんだろう?」

 

「はい。」

 

『!』

 

リインフォースは自分の中にまだ闇の書の闇が残っていて自分が消えることで全てが終わると話した。

___________

 

アースラに転移した俺は早速だがリンディさんに土下座していた。

 

「勝手に抜け出して申し訳ございませんでした!」

 

「いいのよ。それよりもビルドのことなんだけど...」

 

この事件では龍斗が協力者という事にして俺のことは隠密にされた。このままだと封印もあり得たらしい。リンディさん様様だ。

 

「アルハザード出身じゃないそうね。」

 

「ええ、俺と龍斗は別の平行世界出身です。」

 

「そう...後悔しないようにね。」

 

「はい。」

 

俺は司令室から出てすぐにクロノに会った。

 

「今日行くのか?」

 

「ああ。」

 

「そうか...何かあったら連絡しろ。」

 

「わかってるさ。ありがとな。」

 

「.......」

 

俺は魔法陣を展開し家に帰った。

 

__________

 

 

「士さん、また俺達は旅に出ます。」

 

龍斗はまた光写真館の跡地に来ていた。思えばここが彼らが出会うきっかけを作った場所でもある。

 

「俺は支えきってみせますよ。あなた達に会うまで。その先も....」

 

 

最後の方は殆ど聞き取ることが出来ない程に小さな声で呟いていた。

 

________________

 

大家さんに来年2月には出ていく事を話した。これでもうここを離れることは出来る。だけど....

 

「これでよかったのかな...」

 

 

一人で準備を進める中、部屋に切なく響いただけだった。

 

_________

 

 

「嫌や!リインフォースも巧にぃも、折角会えたのに...」

 

俺達は移動して街を一望できる丘へと来ていた。

 

「すみません、主。」

 

リインフォースははやてを引き離しシグナム達に預ける。

 

「夜天の魔導書の終焉の時だ。」

 

なのはとフェイトがデバイスを起動させ、魔法陣を展開する。

 

[Ready to set.][Stand by.]

 

「短い間でしたが皆さんに世話になりました。」

 

[Don`t worry.][Take a good dream.]

 

「主はやて。」

 

「...なに?」

 

泣きながらでも答えようとするはやて。

 

「最後の最後に、私はあなたから綺麗な名前と心を頂きました。」

 

「....」

 

「騎士たちも傍にいます。だから、私は笑って旅立てます。」

 

「これから..もっと幸せにしなきゃあかんのに....」

 

リインフォースははやてに近づいていく。

 

「大丈夫です。私は世界で一番幸福な魔導書ですから。」

 

「リインフォース....」

 

「主はやて、一つお願いがあります。」

 

涙をぬぐってからはやては話す。

 

「なに?」

 

「私は消えて小さな無力なかけらに変わりますが、そのかけらにではなく、貴方がいずれ手にするであろう魔導の器に私の名を送っていただけますか?」

 

「祝福の風、リインフォース。私の心はきっとその子に宿ります。」

 

「リインフォース....」

 

はやての返事を待たずにリインフォースは離れていく。

 

「主はやて、守護騎士達、小さな勇者達。そしてかの戦士達よ。ありがとう。そして、さようなら。」

 

その言葉を最後に闇の書は白い粒子に変わり天に昇って行った。そして空からかけらが落ちてきた。

 

「忘れないよ、絶対に...」

 

はやてはそれを拾い上げると抱き締めた。

 

 

___________

 

リインフォースは先に旅立った。だから俺たちもそろそろ出発だ。少しずつ人がここに集まり始めた。俺はユーノに声を掛ける。

 

「ユーノ、これから無限書庫で頑張れよ。」

 

「はい!」

 

「姉弟子、フェイトを頼みます。」

 

「わかったの!」

 

「えっ!?」

 

俺達は旅立つ前にみんなに別れを告げていた。

 

「シグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラ。はやてちゃんの事を頼んだよ。」

 

『はい。』『おう。』

 

「リンディさん、大変お世話になりました!」

 

「いいのよ。元気でね。」

 

『はい!』

 

「クロノ、エイミィさんと仲良くな?」

 

「な、なにを言っているんだ...またな」

 

「おう。」

 

「姉弟子の友人たちもお元気で」

 

「またね。」「風邪引くんじゃないわよ。」

 

「なのは、魔法少女頑張れよ。」

 

「にゃはははは。あと、アリサちゃんたちが話があるって..」

 

何だろうか?

 

「話?何かな?」

 

「ブラッドスタークから伝言。アルハザードで待つですって。」

 

「.....わかった、ありがとう。」

 

スターク....今度は何を...ん?

 

「恭也さん...」

 

「何かを決心した目だな。行って来い。」

 

「はい!」

 

 

みんなとの話は進んでいく。

 

最後に...

 

 

「はやてちゃん、君にはこれから沢山大変な事が待っている。」

 

「うん。」

 

「それでも諦めないで。君の未来でまた会おう。」

 

「っうん!」

 

泣きながらでもちゃんと返してくれるはやてちゃん。ホントは離れたくない。だけど、やらなきゃならないんだと自分に言い聞かせる。

 

「龍斗、最終確認だ。本当に俺についてくるのか?」

 

わかってる。それでも聞きたかったんだ。

 

「俺はお前を支えなきゃなんねぇ。それが約束だからな!」

 

「...ありがとう。それじゃあ皆、未来で!!!」

 

『未来で!!!』

 

俺はエニグマを起動させた。

 

 

 

__________

 

戦兎さん達が行ってしまった。

 

『『はやて』ちゃん...』

 

「もう大丈夫やで。さあ皆、家に帰ろうか!」

 

笑顔で振り向くはやての手には皆が写った画像が表示されたカメラがあった。

 




次回より新たな空白期間を始めます。

感想お待ちしております。

これからもよろしくお願いします。


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10年間の物語
44.寄り道


strikersまで戦兎と龍斗と旅を描いていきます。


「っと、ここは....」

 

「近代的な建物が見えるな。」

 

未来に転移したのだが、ホントに転移出来てるのだろうか?

 

「なあ戦兎、ここ未来だけど、微妙に現在と近いぜ。」

 

「へっ?」

 

早速ですかい。

 

「俺達が旅に出たのが12月だろ?今は6月だぜ。」

 

「マジかよ....」

 

転移には成功したがほんの少しの未来に来ただけじゃないか。

 

「取り合えず街に行くか。」

 

「おう。」

 

ビルドフォンをバイクに変えて乗る。

 

「情報収集と行きますか!」

 

 

バイクは走り出した。

 

 

___________

 

 

どうやらここはミッドチルダらしい。魔法が一般的に使用されていたから確定した。

 

「戦兎、俺これに出てみたい!」

 

「DSAA?格闘技世界一を決める戦いか....」

 

正直言って時間は有り余る程にある。寄り道していくか。

 

「わかった、出ていいぜ。でも、どうするかな.....」

 

「何がだ?」

 

「衣食住が整っていないからどうにかしなきゃならない。」

 

「あ~、忘れていたぜ。」

 

「てか、格闘技に興味があったんだな?」

 

「ああ、前にリンディさん達に勧められたんだよ。」

 

「へ~」

 

申し込みにいくか。戸籍とか作らなきゃ。

 

____________

 

戸籍も作り終わり、申し込みも済ませた。後は衣食住はどうにかしますかね。

 

不動産屋へ行き部屋を借りた。後はこいつの特訓かな。

 

「さあ、明日から頑張れよ?」

 

「おう!だけど、またお前と戦いたいな。」

 

「俺は戦う気ないから。」

 

めんどくさいし..

 

「別にいいじゃんかよ~」

 

「俺にもやることがあるの!一斗の行方をDSAAが終わるまでに調べ上げなければならないんだ。」

 

「..分かった。一人でやる。」

 

わかってくれたのかな?何だか悪寒がするんだが....

 

「優勝すれば....もしくは...」

 

龍斗のつぶやきはとても小さく、戦兎の耳に入ることはなかった。

 

 

 

__________

 

あれから1ヵ月が過ぎ、DSAAは始まった。龍斗は勝ち続け、決定戦にまできてしまった。予想を遥かに超えてきた龍斗には驚きを隠せないでいた。あ、俺は龍斗のビルドドライバーを修復し終わらせた。ついでにエニグマも強化した。

 

「行って来い!」

 

「おう、勝ってくらぁ!」

 

龍斗はリングへ向かった。

 

 

________

 

 

『さあ、期待の新人、万丈龍斗選手の入場だぁぁぁぁ!!!!!!』

 

司会のコールにより観客が沸き立つ。初出場で決勝まで上がってきた期待の星に皆期待をしているようだ。

 

『対するは我らがチャンピョン!********選手!この戦いに勝ちベルトを死守できるかぁぁぁ!!!!』

 

チャンピョンの入場により更に観客たちは沸き立つ。セコンドの俺はとてもアウェイな気分だ。

 

「しゃあ!よろしくお願いします!!!」

 

『3、2、1、試合開始!!!!!!!!』

 

龍斗の試合が始まった。




お前に一度は負けたこのガシャットで。

『ギリギリチャンバラ!』

変身!


『ガシャット!!!』

『バグルアップ!』

『ギリギリ』『ギリギリ』『チャンバラ!!!』



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45.DSAA

感覚だぜ。


観客席から無数の声が聞こえてくる。今日はDSAA決勝。龍斗が選手として参加してここまで来たのだ。

 

『か、勝った。勝ちました!初参戦の万丈選手が、優勝を果たしました!!!!!!』

 

俺はセカンドでアイツの戦いを見ていたのだが、龍斗がとんでもない事を言い出した。

 

「ベルトは相手には悪いけどいらねえ! 今から特別戦を申し込む!!!!」

 

『おおおおおおおおおお!チャンピョンにならずに万丈選手は新たな相手に挑むようだ!

相手は誰なのか!!!!!!!!!』

 

...嫌な予感がする。今すぐここから離れたい...

 

「俺は俺のセカンド、戦兎を指名する!!!!!!!!!!」

 

ヤベーイ! 逃げられな~い!  すぐにスポットライトが当たる。

 

「さあ、戦兎!ようやくだぜ!」

「戦ってみたいって言ってたけど、まさかここでとはな...」

 

諦めてビルドフォンで龍斗の傷を完治させてリングに上がる。

 

『!!!!!!!!!!お、おおおっと!!!戦兎と呼ばれた青年によって万丈選手の傷が全て治った!!!一体、どんな魔法を使ったんだあああああ!!!????!!?!』

 

騒がしいな...ビルドのことは情報を漏らしていなかったからな...

 

「やるぞ、龍斗。」「おう!」

 

龍斗と共に向かい合いながらビルドドライバーを装着する。

 

『二人共ベルトを装着したぞ!!!!』

 

アイツはクローズドラゴンにフルボトルをセットしベルトに沿える。

俺はフルボトルを振る。

 

『何が行われようとしているのか!!!!』

 

『ラビット』『タンク』

『クローズドラゴン』

 

お互いにベルトにセットしハンドルを回す。そしてファイティングポーズを取る。

 

『変身!』

 

展開されたスナップライドビルダーがお互いを前後から挟み込む。

 

『鋼のムーンサルト! ラビットタンク!』『YEAH!』

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON!』 『Yeah!』

 

『す、姿が変わったあああ!!!強化魔法なのか!!!???』

 

龍斗が審判にルールを説明してくれる。

 

「審判!ルールはどちらかが降参するか又は変身が解除されるかだ!」

「すみません、よろしくお願いします!」

『わ、わかりました!』

 

さてと...

 

「桐生戦兎。ビルド式の魔導士。」

「おう、万丈龍斗。同じくビルド式の魔導士!」

 

『ビルド式??!!新たな魔法が判明したぞ!!!!!!!』

 

カウントダウンが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『3』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『2』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『1』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『GO!』

 

「おらああああああああああああ!!!」

「はあああああああああああああ!!!」

 

お互いの拳がお互いの頬をとらえようとしていた。

 

 




常に考えるのは最強の自分だ!


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46.寄り道の結果

「ぶっ!!!!!!!」

 

はやては飲んでいた紅茶を吹き出した。

 

「わ、はやてちゃん!どうしたのです?」

 

リインフォースツヴァイははやてにタオルを持って行く。

 

「リイン、みんなに連絡や!2人が見つかったって!」

 

「は、ハイです!」

 

リインフォースは皆に念話を送る。

 

「...巧にぃ、こんなところにいたんだ...」

 

旅に出たまま帰って来ない兄を見つけたはやて。

 

彼女が見つめる先にはビルドとクローズの戦いが映し出されていた。

 

 

___________

 

「おらぁ!」

 

「ふっ」

 

俺はフルボトルを変える。

 

『ラビットタンクスパークリング』

 

「ビルドアップ!」

 

『シュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング! イエイ!イエーイ!』

 

『おっと、ビルドの姿が変わったぞ!!!!!』

 

観客達は急に立ち上がりまじまじとビルドを見つめる。

 

「早速きたか!じゃあ俺も。」

 

龍斗もベルトをスクラッシュドライバーに変える。

 

『ドラゴンゼリー』

 

「変身!」

 

『潰れる』 『流れる』 『溢れ出る!!!!』

 

『ドラゴン in クローズチャージ!』 『ブラァ!!!』

 

「しゃあ!いくぜ!!」

 

『さらにクローズの姿も変わったぞ!!!!!この戦い、どちらが勝つのかぁぁぁ!!!』

 

『ドリルクラッシャー』『ビートクローザー』

 

「おらぁ!」「がああ!」

 

お互いの武器をぶつけ合い、つばぜり合いになる。

 

「お前とはもっと戦いたかった!」

 

「無茶言うな!こっちの身にもなってみろ!」

 

「知らねえな!」

 

武器にフルボトルをセットし離れる。

 

『スペシャルチューン』『ヒッパーレ!ヒッパーレ!ヒッパーレ!』『メガスラッシュ』

 

『READY GO』『ボルテック・ブレイク』

 

『おらぁぁぁぁ!!!!!』

 

お互いに攻撃がヒットし、爆発が起こる。

 

『煙で二人の確認ができない!一体どうなっているのかぁぁ!!!』

 

煙の中で立っていたのは....

 

『お、おおぉぉぉぉっとぉぉ!!!二人共立っています!!』

 

観客達も歓声を上げる。決着が着こうとしていた。

 

「これで最後だ、龍斗!」

 

「戦兎、勝つのは俺だ!」

 

ビルドはハンドルを回し、クローズはレンチを押し下げる。

 

『READY GO』

 

『はあぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!』

 

お互いに貯めに入る。貯め切った同じタイミングで飛びキックを放つ。

 

『スパークリング・フィニッシュ』『スクラッシュ・ブレイク』

 

「おらぁぁぁぁ!!!!!」「はあぁぁぁっぁ!!!!!」

 

『お互いのキックが空中で打つかり合う!!!勝利はどちらの手に!!」

 

『おりゃああ!!!!!』

 

ビルドとクローズチャージのキックはお互いを捉えて、二人を地面へと返す。

 

「がっ!」「ぐっ!」

 

変身が解除されてしまう。

 

「変身が解除された事によりこの戦い、引き分け!!!!」

 

審判によりジャッジが下される。

 

『け、決着!!!!!!!!!この戦いは引き分けで終わりました!!!ですが、この戦いで我々は新たな戦いを見ることができまし....って、ええ!!!管理局!なんでここに!』

 

まずい、今管理局に会うと明らかにはやてちゃん達に捕まる!仕方ないな....

 

「龍斗、逃げるぞ。動けるか?」

 

「わり、動けねえ。」

 

「仕方がないか...緊急だ!逃げ切ったらトリガーを外せ!」

 

『ハザード・オン』

 

ベルトにハザードトリガーを取り付けフルボトルをセットする。

 

『タカ』『ガトリング』『スーパーベストマッチ』

 

ハンドルを回してハザードライドビルダーを前後に形成する。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身」

 

前後から挟み込まれ変身を完了する。

 

『アンコントロールスイッチ ブラックハザード』『ヤベーイ!!!』

 

「龍斗、いくぞ!」

 

脇に龍斗を抱えて片手でホークガトリンガーを上に構え天井に穴を開ける。

 

「脱出!そして逃走!」

 

羽を広げて天井から脱出、借りている部屋を目指した。

 

 

 

管理局の魔術師が現場に到着したのはそれからすぐだった。

 

「巧にぃのあほ~~~!!!」

 

虚しくもはやてのセリフは観客達の歓声とスタッフ達の会話に揉み消されてしまった。

 

「にゃはははは...」

 




『ゴッドマキシマムマイティX』

「変身。」

『ガッチャ―ン』『不ー滅ーー!!!』

『最上級の神の才能!
  クロトダーン!クロトダーン!』

『ゴッドマキシマームX!』


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47.逃げた先

戦兎と龍斗は勘違いをしています。

彼らは旅に出た日から4年が経過している時代に転移しています。

まあ、気が付くのはStrikersからですけどね。

それでは本編をどうぞ。


「な、何とか帰ってこれたぁ。」

 

ひと安心で思わずため息がこぼれる。俺達は無事に帰宅する事が出来た。ニュースを見ると、新たな魔法の登場で内容が埋まっていた。

 

「やらかしたな、これ。」

 

「........」

 

龍斗は連戦だった為に動けなくなっていた。

 

『これはビルド式って言います。』

 

「!」

 

テレビからの声に驚いてしまう。それは

 

『私の兄が開発したものなんです。』

 

はやてちゃんだった。オワタ。

 

 

________

 

はやてちゃんが詳しくビルド式について語っている中、俺は一斗の位置を特定させた。このままだとはやてちゃんどころか、ミッドチルダ全体から逃げる必要があるからだ。捕まれば自由に動けなくなってしまう。

 

「龍斗、悪いが今すぐ転移する。」

 

龍斗は喋れないから手を挙げて指示を出した。

 

「「OK」っと、転移!」

 

俺達は部屋ごと転移した。

 

 

 

 

「管理局の者だ!大人しk...」

 

管理局の魔術師が部屋を訪れた時、中はもぬけの殻だったという。

 

_______

 

ディスプレイにはでかでかと戦兎の顔が写っている。

 

「面白いね、彼。」

 

「ドクター、顔がすごいことになってますよ。」

 

「アハハ!HAHAHAHAHAHA....」

 

スカリエティの研究所には高らかな笑いが響いたという。

 

「うるさいですよ、ドクター!!」

 

怒られたという。

 

 

_________

 

 

「転移成功か?」

 

軽い衝撃が部屋全体に響く。

 

「...多分な。」

 

喋れるようになった龍斗がそう返してくる。部屋の外に出ると....

 

「これは...」

 

失われた文明、アルハザードが広がっていた。

 

 

一斗はここにいるはずだ。探し出してこの旅を終わらせる。部屋に戻って龍斗に言葉をかける。

 

「少し探索に行ってくる。部屋から出るなよ?」

 

「...わかってらぁ。」

 

龍斗をおいてアルハザードの探索を始めるためビルドドライバーを装着する。ホークガトリングで空から探すのだ。

 

『タカ』『ガトリング』『ベストマッチ』

 

「変身。」

 

『天空の暴れん坊 ホークガトリング』『YEAH!』

 

「さてと、ふっ!!」

 

羽を広げて空高く上昇しタカの能力でサーモグラフィーで確認を行う。

 

「反応は..有り!だけど、4つ?」

 

1つは一斗だろうが他はなんだ?警戒を怠らずに一番近くの反応が有った場所に向かう。

 

「...いた.....博士達にようやく頭を下げれるな...。」

 

静かにカプセルの中で寝ている一斗を発見した。カプセルごと運べそうなので掴んで運ぶ。時間がかかるも何事もなく移動出来た。

 

「戦兎、この子か?」

 

龍斗がカプセルの中の一斗を見ながら話してくる。

 

「ああ、俺がお世話になってた猿渡研究所の夫婦の子供だよ。何度も会っていたから覚えている。」

 

俺は変身を解除して膝から地面に降りてカプセルによしかかった。

 

「良かった....本..当に...」

 

泣き崩れてしまう。身体を小さくして顔を伏せる。

 

「.....良かったな。」

 

俺は泣き続けた。

 

 

___________

 

「全く、アルハザードに来ていたとはね。」

 

『サッサと仕事を済ませて帰ってこい。後は俺がやる。』

 

「了解しましたよ。」

 

ローグはカプセルと共に転移する。その中には

 

更にカプセルが入っており、それを抱えるようにして眠る女が浮いていた。




『ガッチャ―ン!』

『マザルアーップ!』

『悪の拳強さ! 闇のパズル連鎖! 悪しき闇の王座!
  
 パーフェクトノックアウト!』


うん、エグゼイドロスだね、これ。


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48.オクトパスライトハザード

少しタートルウオッチの設定が異なっているみたいですが、このままで行かせて頂きます。


それでは本編をどうぞ。


訂正

スタークとの会話に文章を追加しました。


「よお、久しぶりだな戦兎。」

 

「スターク...」

 

泣き止んだ俺にスタークが話しかける。立ち上がりカプセルから離れる。

 

「お前、本当にアルハザードにいたんだな。」

 

旅を始める前にアリサちゃん達から聞いた伝言道理にここにいる。その理由が気になった。

 

「戦兎、俺が...」

 

「疑問に思っただろ?何故アルハザードにいるという情報を与えた上で俺がここにいるのか。お前たちには教えておこうと思ってな。」

 

龍斗が警戒して俺の前に立ってくれる。あいがたいけどそれよりも。

 

「何の真似だ?」

 

「オイオイ俺達の仲じゃないか。効くだけでいいんだよ。」

 

怪しさしか感じ取れない。

 

「ジェイル・スカリエティという男を知っているか?」

 

「スカリエティ?誰だ?」

 

こいつは....また何かを始める気か!

 

「戦兎は名前だけは知っているだろ。奴がビルド式に目を付けた。だがこの世には対応したデバイスは二つしか存在していない。ビルドフォンとクローズドラゴン。奴はそれらを狙っている。」

 

ニュースでもはやてちゃんが話したからかスカリエティの耳に入ったみたいだ。益々ミッドチルダに戻れない。だが

 

「それはお前がアルハザードにいる理由にはならない。」

 

「そのとおり。俺がここにいるのはある二人を手に入れる為だ。お前ならわかるんじゃないのか?」

 

アルハザード出身は物語で登場したのは一人だけ。さっきのサーモグラフィの情報からだと...!

 

「....プレシア・テスタロッサとアリシア・テスタロッサか?」

 

「正解だ!流石にこれだけ情報がそろっていればわかるだろ。」

 

だが、残りの反応を一斗とすると、俺が探索していない方向から来たスタークじゃない誰かがいる?

 

「...二人を手に入れさせたのか...ナイトローグに。」

 

「残念ながら不正解だ。頼んだんだよ、ローグに。」

 

ローグ!その呼び方って事は既に...

 

「ティーダにクロコダイルクラックを渡したのか。」

 

「ああ。アイツは魔法よりも強力な力を求めていたからな。お前に負けた事で自ら仮面ライダーになる事を選んだんだよ。」

 

ティーダ...彼は何のためにスタークに手を貸している?

 

「あと、話は聞いていると思うが俺がグレアム提督を利用したことを。」

 

「ああ。リーゼ達を操ってまでなにを?」

 

「お喋りはここまでだ。そのカプセルも回収させてもらうぞ!」

 

スタークが発砲してくる。カプセルを安全な所に移動させなければ!

 

「龍斗!スタークを頼む!」

 

「おう!」

 

『ドラゴンゼリー』

 

「変身!」

 

『潰れる』 『流れる』 『溢れ出る!!!!』

 

『ドラゴン in クローズチャージ!』 『ブラァ!!!』

 

『ツインブレイカー』

 

龍斗が変身しツインブレイカーで牽制をしてくれている間にフルボトルをベルトにセットする。

 

『ニンジャ』『コミック』『ベストマッチ』

 

「変身」

 

『シノビのエンターテイナー ニンニンコミック』『YEAH!』

 

『4コマ忍法刀』

 

「ふっ!」

 

『隠れ身の術』『ドロン!』

 

すぐさま忍法刀を呼び出し隠れ身の術を発動させ離れた場所に転移する。さらにコミックフルボトルの力で周りからばれないように擬態させた。すぐに龍斗の元へ戻る。

 

「はっ!」

 

「戻ってきたか...」

 

スタークは既にクローズチャージを倒しており、離れた所に倒れている。幸い変身解除はされてないようだ。スタークは以前よりも強くなっている。いや、以前は手加減をしていたのだろう。

 

『ハザード・オン』

 

使うしかない!

 

ベルトにハザードトリガーをセットしフルボトルを変える。

 

『オクトパス』『ライト』『スーパーベストマッチ』

 

ハンドルを回してハザードライドビルダーを展開する。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『ARE YOU READY?』

 

まるでエコーするように覚悟はいいか?と聞こえてくる。最悪撤退だけでもさせられればいい。

 

「ビルドアップ」

 

前後から挟み込まれハザードへと姿を変える。 

 

『アンコントロールスイッチ ブラックハザード』『ヤベーイ!!!』

 

「来たな。」

 

「はぁ!」

 

オクトパスライトハザードは攻撃を仕掛けるがことごとくガードされる。だがハザードだからか、以前よりもダメージは入っているようだ。だがハザードは待ってくれない。

 

「ぐっ...身体が..いう事を効かない...!」

 

『マックスハザード・オン』

 

勝手にスイッチを押しハンドルを回す。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

 『READY GO』『オーバーフロー』  

 

「いう事を、聞け!」

 

自我を保てているいうのに身体が勝手に戦っている。

 

「自我を失うことなく暴走したか!」

 

スタークは猛攻を受けているのに嬉しそうに話す。

 

 『ヤベーイ!!!』

 

 

「がぁ!」

 

スタークを吹っ飛ばした。

 

「...ハザードレベル5.3...どんどん上がっていく。これが禁断のアイテムの力か!」

 

あれだけの打撃を食らっているのに何であんなにも元気なんだアイツは!

 

「...これ以上は時間がないか...」

 

段々とスタークが薄くなっていく。

 

「じゃあな戦兎。チャオ♪」

 

あっという間に消えてしまった。だが、俺の身体は暴走したままだ。このままだとクローズを狙ってしまう。

 

「龍斗、逃げろおぉ!」

 

倒れているクローズ目掛けて勝手に足が動く。

 

「う、うあ、ぁ」

 

龍斗の声が聞こえるが身体は止まらない。

 

『マックスハザード・オン』

 

「や、やめろおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

拳を握り締めて黒い靄が発生する。そのままクローズを殴ろうとする。だが

 

「あっ...」

 

力が抜けて膝から崩れ落ちる。

 

「戦兎、止まったか...」

 

龍斗がギリギリのタイミングでハザードトリガーを取り外してくれただめ、そうなったのだ。

 

「ありが...とう...」

 

俺は気を失った。

 

________

 

「止まったか...」

 

戦兎がハザードトリガーを使ってまでスタークを撤退させた。

 

「俺ももっと強くならなくちゃ...」

 

守りたいものさえ守れないのはダメだ。

 

「コントロールが出来ない...か...」

 

さっきスタークと戦った時にどんどん身体がいう事をきかなくなった。戦兎にスクラッシュドライバーの副作用については教えてもらっている。

 

フルボトルの成分を最大限まで活かすことでビルドドライバーを遥かに超える力を発揮できるが、その分ネビュラガスの影響をより強く受けるという。使用すればするほど好戦的な気質がむき出しになり、使用者は戦闘に取り憑かれるようになるらしい。

 

「覚醒か...」

 

戦兎の話によると覚醒できると身体のコントロールが出来るようになるらしい。それが出来れば...

 

「特訓、するかな。」

 

目標はまず、覚醒してコントロール出来るようになる!

 




『時をかける甲冑 タートルウオッチ』『YEAH!』


....ガンバライジングのカードが欲しい..


他のスーツのないベストマッチどうしようかなぁ



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49.時間は流れる

ザックリ時間をカット!

まだまだオリジナル展開していきますよ!


あれから6年がたった。あの後でカプセルから一斗を出して育てた。彼は転移の際にどうやら人体実験をされているようでハザードレベルが確認できた。彼が未来ライダーになるかもしれない。

 

アルハザードの時の流れは早く、1年でミッドの2年が経過していた。その為2年前にミッドチルダに戻った。一斗の教育の為に戻る必要があるからだ。今は偽の戸籍を作り以前と同じ部屋を借りて住んでいる。

 

人前で俺と龍斗は顔と名前を変えている。事情は一斗に説明してあるから問題はない。今ではSt.ヒルデ魔法学院の初等科二年生になっている。

 

今年はStrikersの始まる時代だ。このままはやてちゃん達から離れ続けるか、それとも原作に関わるか。まあ、今日の授業参観の方が大事なんだが。

 

「おい、戦兎。あそこに...」

 

「ん?」

 

龍斗が指した方向を見る。教室の窓から廊下を移動するはやてちゃんが見えた。

 

「どうする?」

 

「どうするって何も...」

 

今俺達は教室の中に居るから移動しない方がいいのだろう。

 

「はい。今日は管理局からお客様が来ています。入ってください!」

 

先生の話で我に返る。管理局からのお客?まさか....

 

悲しくもこれが現実である。その客は教室の扉を開けて入ってきた。

 

「紹介に上がりました、八神はやてです。皆、よろしくな!」

 

..........最悪だ。ここで動いたら怪しまれてしまう。

 

「今日は魔法式を紹介しに来たんだ。みんなは何種類魔法式があるか知ってる?」

 

『3つ~』

 

まだ二年生だからか、そろった声はより幼く聞こえる。

 

「正解やで!ミッド式とベルカ式、そしてビルド式やな。みんなはどれがいい?」

 

サラッとビルド式が出て来た。俺は未だに管理局に狙われている。何でもビルド式を正式に魔法式として発表したが、使用者が見つからため子供達から使用者を増やす気らしい。

 

「ミッド式とベルカ式については以前授業で習ったそうなのでビルド式について説明するよ。」

 

はやてちゃんが話を簡単にしながらスクリーンを使ってビルド式について説明している。他の保護者の皆様も頷いている。

 

「あとこの魔法式を作ったのは私の兄さんが作ったんだよ。」

 

本人はここにいます!と龍斗が話したそうにするがどうにか止める。が...

 

「桐生戦兎。今この人を管理局は探してるんや。だから、この顔を見たら連絡してな。」

 

でかでかと俺の顔がスクリーンに出る。思わず龍斗と一斗が吹き出してしまう。

 

「君、名前はなんて言うの?」

 

「僕のことですか?」

 

一斗に話しかけるはやて。俺は大変な事になっております。実に胃が。

 

「桐生一斗と言います。」

 

「一斗...やって!?」

 

あ、ヤベ...

 

「今両親はここに来てる?」

 

「はい、そこに。」

 

しまった。誰か逃げているかは話していなかった。はやてちゃんはこちらに視線を向けてくる。

 

「.......」

 

「八神さん?」

 

先生がはやてちゃんに話しかけるが、こちらから視線を外さない。

 

「...すみません、先生。急に管理局から仕事が入ってしまいました。」

 

噓だ!絶対に噓だよ、先生!

 

「そうですか...仕方がないですよね。皆さん、ここで八神さんは用事があるそうなので管理局に行くそうです。」

 

先生の話ではやてちゃんは教室から出ていく。終わった..のか.....?

 

「龍斗、俺たちもしばらくしたら教室から出るぞ。」

 

「分かった。」

 

だがしかし、俺たちが一斗と廊下に出ると...

 

「待ってたで。巧にぃ。」

 

仁王立ちしたはやてちゃんが待っていた。

 

 

 




親バカ?になりかけている戦兎。

龍斗は影ながらも鍛錬を続けています。

一斗は....まだ只の小学生です。まだね。

さあ!逃走中が始まりますよ!


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50.捕獲

逃げれると思いましたか?

残念、狸からは逃げきれない。


廊下に出るとはやてちゃんが待っていた。更に後ろから機動六課の面々がやって来た。

 

「言い逃れ用としても無駄や!もうマンションの部屋には人を向かわせている。逃げられんで?」

 

既に退路は殆ど無くなっている。まだ方法が...

 

すると、突然龍斗に後ろから羽交締めにされる。

 

「龍斗!?」

 

「悪い戦兎。俺も姉弟子のSLBは食らいたくないんでな。」

 

既に念話でなのはに確保するように指示されていたようだ。管理局の白い悪魔からは逃げられないってか。もう魔王じゃないか。

 

「さあ、管理局まで来てもらうで?巧にぃ?」

 

俺は諦めてはやてちゃん達に機動六課に連れてかれた。あ、ちゃんと一斗は授業を受けてますよ?

 

 

__________

 

「ごめんね、龍斗。こんな事させて。」

 

「いえ。そろそろ限界だと思ってたんすよ。丁度良かったんです。」

 

龍斗はなのはと話している。内容はこれまで何をしてきたかなど。

 

「で、今アイツは親になったんすよ。」

 

「あ、ごめんね。勝手に聞いて。」

 

「大丈夫だフェイト。いずれ話すだろうしな。」

 

フェイトも話に入っていく。だが俺は...

 

「聞いとるん?巧にぃ。全然帰って来ないから私たち探したんやで!」

 

現在進行形で説教を聞いています。現実逃避出来なかった...

 

ちなみにこの後聞いてなかったのがばれて説教が長引いた。

 

 

___________

 

部隊長室に機動六課の局員が集まっている。

 

「皆、今日から雇うことになったメンバーを紹介します。ほら、巧にぃ。」

 

背中を押されて少し前に出る。あの後はやてちゃんに色々と聞き出され機動六課で雇われることになりました。勿論龍斗も。

 

「シャーリーなら知っとるやろ?桐生戦兎って。」

 

「はい!ビルド式を作ったはやてちゃんのお兄さんですよね。」

 

「この人が桐生戦兎や!」

 

はやてちゃんがドヤ顔で紹介してくれる。嬉しくない...

 

「え、でも今巧にぃって。」

 

素朴な疑問が部隊長室に来ていたスバルの口から零れる。

 

「ああ、桐生戦兎ってのは偽名で本名は佐野巧っていうんや。なあ巧にぃ。」

 

「うん。そうだけど...」

 

目の前で震えている子が怖い...一体どうなt

 

「本物だ!!!!!すいません、ビルド式のデバイスを見せて貰ってもいいですか?」

 

「あ、ああ、どうぞ。」

 

急に大きな声を出すシャーリー。

 

「ひゃほおおぉぉぉぉぃ!!!!」

 

完全にスイッチが入ったようだ。ビルドフォンを渡すとすぐに部屋から飛び出していった。

 

「あ~。ちゃんと返してな~。」

 

「わかってます!」

 

説得力がなさすぎないかな。

 

「えっとな。龍斗も予備戦闘員として雇うからな。」

 

「おう。万丈龍斗だ、これからもよろしく。」

 

俺よりもちゃんと自己紹介してるよ。

 

「さ、巧にぃも。」

 

「うん。さっき紹介されました桐生戦兎です。一応技術部で雇うみたいです。これからよろしくお願いします。」

 

取り合えず他の人たちの自己紹介をしてくれる。

 

「ティアナにスバル、キャロにエリオか。これからもよろしくな。」

 

『はい!』

 

俺達は食堂に連れて行かれた。




次回からStrikers編が始まります。

完結目指して書いていきますのでこれからもよろしくお願いします。


次回、『機動六課』でお会いしましょう。

ではまた。


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Third:Strikers
51.機動六課


ああ、これで救われた....


私のゲームに...終わりはない....


皆が食堂に移動した。そこで昼食をとる。

 

「はやてちゃん~お待たせいたしました!」

 

ふわふわと小さな女の子が飛んでくる。

 

「お帰り、リイン。」

 

はやてちゃんがそう言ってようやく理解する。彼女はリインフォースなのだと。

 

「巧にぃに紹介するな。リインフォース・ツヴァイ。リインフォースの妹やで。」

 

「リインフォース・ツヴァイであります!佐野巧さんですね。よろしくです!」

 

ああ、これで彼女が救われたのかも知れない。

 

「今は桐生戦兎だ。よろしくリインフォース。」

 

食事にがっつく龍斗もその手を止め挨拶する。

 

「俺は万丈龍斗。よろしくなリイン。」

 

「はいです!」

 

和むなぁ。

 

「さて、皆揃ったことだしこの後で模擬戦でもしよか!」

 

....へ?

 

「そうだね。今の龍斗の実力も気になるし。」

 

「姉弟子、俺も強くなっていますからね!」

 

「わかってるよ。」

 

.....待て待て、このままだと俺も...

 

「巧にぃ、シグナムと模擬戦してもらうからな♪」

 

「.....はい。」

 

残念ながらタヌキからは逃げられない。

 

「.....貴方が戦わないなら誰が代わりに戦うと思う?...龍斗だ。」

 

「オワタ」

 

辞めよう、考えるのを。どうにでもなれ.........てか、もう龍斗が戦うことは決定されているし。

 

 

____________

 

た、助かった...シャーリーが俺のデバイスを持って行っているため、先に龍斗が戦うことになった。

 

「フム、初めて剣を交えられると思ったのだがな。」

 

隣でシグナムがそうつぶやく。

 

「俺はそう戦いたくはないんだがな。全く、これも全部乾巧って奴のせいなんだ。」

 

「なんだってー!それは本当かい?」

 

はやてちゃんがそう返してくれるが、ここは...

 

「嫌、狸のせいなんだ。」

 

「シグナム、やっておしまい。」

 

「ちょっ」

 

「了解しました。」

 

ハザードトリガー使用不回避か...

 

__________________

 

ビルドドライバーを装着した龍斗が建物の上にいる。

 

その先にはセットアップしたなのはが。

 

「姉弟子、よろしくお願いします!」

 

「久しぶりだからね、本気で行くよ!」

 

「相棒、いくぞ!」

 

『♪~~~~~~』

 

クローズドラゴンが何処からともなく飛んできて龍斗の周りを飛び回る。龍斗はフルボトルを振ってドラゴンにセットする。

 

『Wake up!』

 

『クローズドラゴン』

 

ベルトにドラゴンをセットしてハンドルを回す。するとスナップライドビルダーが展開される。

 

「あれって...」

 

スバルがそうつぶやくので、解説をするとしよう。

 

「6年前のDSAAを知っている?」

 

「一応、何となくは。」

 

「そう、アイツは...」

 

ファイティングポーズを取り叫ぶ。

 

「変身!」

 

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON!』 『Yeah!』

 

「仮面ライダークローズ。俺の仲間でなのはの弟弟子だよ。」

 

タイミングよく変身完了する龍斗。

 

「さあ、始めようか!」

 

「おう!」

 

龍斗vsなのはの模擬戦が始まった。

 

 

___________

 

「ふぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!生クローズだぁぁぁ!!!」

 

シャーリーがビルドフォンを持って模擬戦を見に聞いたのだがクローズを見た瞬間、またネジが吹き飛んだ。

 

「はやてちゃん、これって...?」

 

「あ~、シャーリーはデバイスマイスターなのは言ったやろ?それでビルド式のデバイスを作ろうとしたらしいんやけど、ビルドとクローズのDSAAの戦いを何度も見たそうなんや。それで..」

 

「こうなったと。」

 

シャーリーがこうなったのは俺達の戦いが原因らしい。

 

「ビルドもこの後で戦うんですよね!?」

 

「近い近い。ああ、この後でシグナムと模擬戦するけど...」

 

俺に近づいて話すシャーリー。

 

「はやてちゃん、あとで動画下さい。」

 

「了解や。」

 

いや、はやてちゃんもなんか...

 

「諦めて、巧にぃ。」

 

「あ、はい。」

 

仕方がないのかな?

 

「あぶねー。さてと、ここらでこいつの出番だ!」

 

ふと模擬戦を見ると龍斗が地面にビートクローザーを刺してスクラッシュドライバーを装着していた。

 

『ドラゴンゼリー』

 

「変身!」

 

龍斗はベルトにスクラッシュゼリーをセットしてレンチを押し下げる。

 

『潰れる』 『流れる』 『溢れ出る!!!!』

 

ビーカーの形をした物が作られ、下から成分が入った液体が上がりながら螺旋状に包まれてアンダースーツを装着する。頭上から液化装備・ヴァリアブルゼリーを全身に浴びて頭部、胸部、両肩の装甲・クロスアーマーを形成する。

 

『ドラゴン in クローズチャージ!』 『ブラァ!!!』

 

『ツインブレイカー』

 

「今の俺は、負ける気がしねぇ!」

 

クローズチャージはツインブレイカーとビートクローザーの二刀流で戦うようだ。

 

「あ、決勝戦でビルドと戦っていた...」

 

おや、スバルは思い出したようだ。

 

「全く、あの時は巧にぃ達が会場壊してまで逃げるから大変やった。」

 

「面目ない。」

 

仕方がないじゃないか。当時はまだ一斗を探していたんだからな。

 

『READY GO!』『レッツフィニッシュ!』

 

『スペシャルチューン』『ヒッパーレ!ヒッパーレ!ヒッパーレ!』『メガスラッシュ』

 

「おらぁぁぁぁ!!!!!」

 

「全力全開!スターライト....ブレイカー!!!」

 

俺達が話している間に模擬戦は大変なことになっていた。




辞めてこれ以上模擬戦を続けたらはやてちゃんの胃が死んでしまう!

死なないではやてちゃん!これが終われば俺とシグナムの模擬戦が待っているんだから!


次回、八神はやて 死す。

デュランダル、セットアップ!!!



…噓ですからね?


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52.模擬戦

龍斗となのはの模擬戦はなのはの勝利で終わった。さすがのクローズチャージも魔王のSLBにはかなわなかったとだけ話しておこう。で、俺はビルドフォンを返してもらい...

 

「さあ、早く変身しろ。」

 

とても楽しみにしていたと言わんばかりにレヴァンティンを構えている。

 

【巧にぃ、思いっ切りやっていいからな。】

 

【了解だ。】

 

あまり嫌だがやるしかないようだ。

 

「ユニゾン・イン」

 

ビルドフォンとユニゾンしビルドドライバーを装着する。フルボトルは...ラビットタンクでいいか。

 

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ』

 

フルボトルをベルトにセットしてハンドルを回す。久しいなこの感覚。前後にスナップライドビルダーが展開されベルトから音声がなる。

 

『ARE YOU READY?』

 

ファイティングポーズを取って準備完了。

 

「変身!」

 

掛け声と共に前後から挟み込まれ変身を完了する。

 

『鋼のムーンサルト ラビットタンク』『YEAH!』

 

『模擬戦、開始!』

 

開幕早々に動くとしよう。

 

「早速だけど、シグナムには地面に降りてもらおうかな。」

 

さっきの龍斗は魔法を使わずに建物の上を飛び回っていたからな。

 

「グラビティ」

 

「がっ!」

 

シグナムを地面に叩きつける。魔法陣を展開したが、見えないほどの大きさでだ。

 

「流石だな。リインフォースに戦士と言われただけあるな。」

 

殆どダメージはないようだ。簡単に烈火の将は負けてくれないらしい。

 

『ドリルクラッシャー』

 

「さてと。」

 

ドリルクラッシャーを呼び出しシグナムの近くまで建物から飛び降りる。

 

「レヴァンティン、カートリッジロード。」

 

『ユニコーン』『READY GO』『ボルテック・ブレイク』

 

「紫電....一閃!」

 

何とかカートリッジロードに対応できたがこちらの攻撃は無効化されてしまった。魔法陣を破壊されたので飛行魔法で飛んで行ってしまう。

 

『フェニックス』『ロボット』『ベストマッチ』

 

「ビルドアップ」

 

『不死身の兵器 フェニックスロボ』『YEAH!』

 

フルボトルを変えてフォームチェンジする。炎には炎ってね。

 

「はっ!」

 

ハンドルを回しながらシグナムよりも高く舞い上がる。

 

『READY GO』『ボルテック・フィニッシュ』

 

「紫電...一閃!!」

 

俺は炎に包まれてシグナムに特攻するが、シグナムも

 

 

「お互い最後の一撃で決めるとしよう。」

 

「ああ。」

 

彼女は戦闘狂。あれにも触れてきた。

 

「依然見た映像に映っていたあの黒い姿でこい。」

 

ハザードトリガーを使うか....

 

【龍斗、ハザードトリガーを使う。】

 

【分かった。】

 

龍斗に頼んでからハザードトリガーを取り出しカバーを外す。

 

『ハザード・オン』

 

『フェニックス』『ロボット』『スーパーベストマッチ』

 

ハンドルを回しハザードライドビルダーを展開する。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『ARE YOU READY?』

 

「ビルドアップ」

 

顔を俯かせながらそう言い、挟み込まれる。

 

『アンコントロールスイッチ ブラックハザード』『ヤベーイ!!!』

 

「いくぞ!」

 

「こい!」

 

再びハンドルを回す。その間にシグナムは無数のカートリッジをロードする。

 

『READY GO』『ハザード・アタック』

 

キックを空中で構えてシグナムへ向かっていく。

 

「紫電....一閃!!!!!」

 

キックとレヴァンティンがぶつかり合う。結果、火花がちりながらお互いが威力を上げていく。だが、

 

 

 

「ぐあああぁぁぁぁ!!!」

 

勝ったのは俺だったが、身体がいう事を聞かなくなっていた。

 

_______

 

 

『マックスハザード・オン』

 

「やべぇ!!はやて、シグナムを引かせろ!」

 

ビルドが暴走を始める前に指示を出すがはやては動かない。

 

「あ....あぁ..!!」

 

はやてだけでなく姉弟子達も動けなくなっている。ハザードにトラウマがあるのか!

 

「仕方がねぇ、変身!!!」

 

『ドラゴン in クローズチャージ!』 『ブラァ!!!』

 

俺はすぐに変身しビルドを止めに向かった。

 

__________

 

「やばい....シグナム、逃げろ!」

 

俺の身体はいう事を聞かずにシグナムへと向かっっていく。だが、

 

「おらぁぁぁぁ!!!!!」

 

『スクラップ・ブレイク』

 

龍斗が俺にキック放ってくれたお陰で俺は止まった。だけど、お決まりの気絶が待っていた。

 




そろそろあれの登場です。


オリジナルも出す予定なので

ご了承下さい。


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53.出張任務

どんどん行くぜ!


さあ、ショ―タイムだ!

『インフィニティ・プリーズ』

『ヒースイフウドー・
   ボウザバビュードゴーン』

俺が...最後の希望だ!!!!


目が覚めると医務室だった。シャマルが近づいてくる。

 

「あれから何時間たった?」

 

「1時間くらいよ。」

 

ハザードの暴走は未だ制御できない。自我を失う事はなくなったがその代わりに身体がいう事を聞かなくなるのだ。フルフルラビットタンクボトルなら制御出来るが、アタッシュケースに更なる鍵が掛かっているようには見えないのだ。つまり、あのアタッシュケースはもう空っぽということになる。自分でも開発する事は出来ると思う。だが、時間がかなり必要だろう。

 

すると、龍斗が部屋に入ってきた。

 

「戦兎、ハザードのせいであいつらはトラウマを持っているぞ。」

 

「やはりか....」

 

予想は付いていた。ハザードトリガーを使って暴走した時に無差別に破壊したのだろう。だから恐怖が抜けてないのか。

 

「あと、部隊長室に来いってさ。仕事だとよ。」

 

「了解したよ。」

 

シャマルに挨拶をしてから医務室を後にした。

 

 

_________

 

どうやら1週間後に出張任務で地球の海鳴市にレリックを封印、回収しに行くらしい。

はやてちゃん達は少し震えながらも話してくれた。早めに作らないと俺がハザードを使う度に固まってもらっては危険だ。早急に設計図を書いた。その為、本当は出張任務についていかないつもりだったのだが一斗が行ってみたいと言ったので行くことになった。勿論一斗も一緒にだ。

 

で、今は

 

「桐生一斗です。今日からよろしくお願いします。」

 

一斗がヘリの中で自己紹介をしている。あっという間にエリオと仲良くなっている。年が近いからかな?

 

「そういえば戦兎さん達は地球出身なんですよね?」

 

ティアナが話しかけてきたので返答する。

 

「ああ。でも俺と龍斗は少し違うかな。」

 

「何が違うんです?」

 

まあ、気になるよね。

 

「俺は平行世界の地球出身で、龍斗は平行世界を旅する人達と一緒にいたからか出身といえる世界がないんだよな。」

 

「ああ、別に俺は地球出身だと思ってるぞ。」

 

「龍斗。」

 

はやてちゃんもこっちに来る。

 

「そんなこと言ったって、巧にぃはうちの家族や。」

 

「...ありがとね。」

 

「どういたしまして。」

 

「はい。リィンちゃんのお洋服。」

 

「わー!シャマルありがとです!」

 

隣でリインフォースとシャマルの会話が耳に入って、皆がそっちを向く。明らかにリインフォースの服のサイズより大きな服をシャマルが渡していた。

 

「あの、リィンさん。その服って...」

 

「はやてちゃんのおさがりです。」

 

「いえ、それは普通の人のサイズなのでは...」

 

ああなるほど。

 

「地球にはリインフォースの大きさの人間はいないからか。」

 

「そのとおりです!あと、リインでいいですよ?」

 

「分かったよ、リイン。」

 

「というわけでシステムスイッチ、アウトフレーム・フルサイズ!」

 

リインが小さな女の子くらいの大きさに変化する。

 

『おお~』

 

ティアナ達が声をそろえている。いつの間にか一斗も一緒になっていた。

 

「そろそろ集団転送ポートにつくで。」

 

 

__________

 

 

 

集団転送ポートに乗り、目的地へと転送される。

 

久しぶりに帰ってきた地球、海鳴市なんだけど....

 

「本当に地球か?」

 

龍斗が俺の代わりに告げてくれる。

 

向こう側からエンジン音が聞こえてきて、俺達の少し離れた所で止まり、中から女性の人が降りてきた。

 

「自動車?こっちの世界にもあるんだ」

 

「ティアナ、それは酷い」

 

「え?」

 

一斗がそう突っ込む。流石にひどいんじゃないかな。

 

ちなみに車の方から降りてまっすぐなのはの元へ向かっている。

 

 

「なのは!フェイト!」

 

「アリサちゃん!」

 

「アリサ!」

 

どうやらアリサちゃんらしい。龍斗も気づいたみたいだ。

 

「なによも~。ご無沙汰だったじゃない?」

 

「にゃはは。ごめんごめん。」

 

「いろいろ忙しくって。」

 

「アタシだって忙しいわよ?大学生なんだから。」

 

ご無沙汰って言ってたから本当に久しぶりに再開したんだろうな。年相応に話ししてるからか、後ろでスバルとティアナの目が点になっている。

 

「アリサさん。こんにちわです!」

 

「リイン!久しぶり!」

 

「は~いです!」

 

今のうちに離れるかな。龍斗に声を掛ける。

 

「スバル。俺達はこれから用事があるから、後はよろしくね。」

 

「は、はい。」

 

スバルが軽く混乱している間に一斗と龍斗を連れて離れる。

 

目指すは猿渡研究所。等々真実を伝える時だ。

 

 




次回、一斗覚醒。

ぜってぇ見てくれよな!


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54.過去との

きっとそれは...


正義の味方になりたかった男の...



あ、勿論本編と関係ありませんからね?


それでは本編をどうぞ。


俺達は街に来ていた。街並みに変化が感じられる。

 

「戦兎、今年って...」

 

「ん、なぁ!?」

 

旅立ってから10年も立ってる!龍斗が掲示板を見なかったら勘違いをしているところだった。

 

「父さん?龍斗もどうかしたの?」

 

「いや、ミッドチルダに来る前にここを離れたのが10年前だって事に気が付いてな。」

 

「ふうん。」

 

一斗に話しかけられそう返す。だけど..

 

「ここは未だに空き地か....」

 

「そうだな。」

 

猿渡研究所跡地。ここは変わらずに空き地のままだった。

 

「帰って来ましたよ、士さん。」

 

龍斗がふと話す。すると一斗が反応する。

 

「士さんって誰なの?」

 

「俺の...なんだ..父さんのことだよ。今は旅に出ていてどこにいるのやら。」

 

「おじいちゃんか...会ってみたいなぁ。」

 

「会えるよ、きっと。」

 

「おう。」

 

大事な話を始めよう。

 

「一斗、俺はお前の本当の父親じゃない。」

 

「えっ?」

 

混乱しているけど伝えてしまおう。

 

「お前の本当の両親はここで眠っている。今まで伝えられなくてごめん。」

 

「.......それでも今は、父さんが父さんでしょ?」

 

「!」

 

ああ、本当に....

 

「父さんが俺の父親であることには変わりはないよね。」

 

「....ありがとう、一斗。」

 

「その代わりに俺の両親について教えてよね。」

 

「ああ。」

 

 

やりましたよ...博士、美空さん...あなた方の息子は、とても強い子です。

 

 

___________

 

一斗に全てを伝えた。それで終わるわけじゃない。

 

「一斗、これを。」

 

「これってスクラッシュドライバー?」

 

「ああ。お前用に作っておいた。これがお前の力になってくれるはずだ。」

 

「ありがとう、父さん。」

 

一斗にドライバーとロボットゼリーを渡す。一斗は既に人体実験を受けてしまっている。だからこそ、ビルド式を今のうちに使い慣れておくのがいいと思ったからだ。

 

「俺と同じだな。先輩になるのかな?」

 

「先輩?これから龍斗を先輩って呼ぶ!」

 

龍斗と一斗の何気ない会話に目が潤んでしまう。

 

ガタン!!!

 

『?』

 

急に物音が聴こえる。何かが落ちてきたようだ。

 

「龍斗、一斗と待っていてくれ。俺が確認してくる。」

 

「分かった。気を付けろよ。」

 

「ああ。」

 

跡地に足を踏み入れ進む。しばらくすると地面に刺さるカプセルを発見する。

 

「これってフルフルラビットタンクボトル?」

 

回収してカプセルを開ける。するとメッセージが流れてくる。

 

『やあ、元気にしているかな?もうあれから10年たったねぇ。おっと、これはアタッシュケースに入れ損ねた物だ。君が研究所に近付いたら転移するようにしておいたよ。

 

僕は元気でやっているよ。君が幸せになってくれることを祈っているよ。

 

葛城巧より。』

 

葛城さんからのメッセージだった。

 

「久しぶりに、声を聴いたかな。」

 

カラッと晴れた空を見上げて俺は泣いていた。

 

 

_________

 

龍斗と一斗にフルフルラビットタンクボトルを手に入れたことを伝え、観光に入る。

 

今は翠屋に来ていた。

 

「ここは変わってないなぁ。」

 

「そう簡単には変わらないよ、こういう所は。」

 

そう話しながら店の中に入る。

 

「いらっしゃ..戦兎くんじゃないか!!」

 

「あ」

 

『?』

 

忘れてた...ここって高町家のお店だった。だから...

 

「お久しぶりです、恭也さん。」

 

スタークにハードスマッシュにされたこの人に再会した。

 

 

__________

 

 

こってりと恭也さんに話させられた。龍斗と一斗は既にシュークリームに手を付け終わっている。

 

「長いですよ...恭也さん...」

 

「済まない。だが急に旅に出たりするから中々戦えなかったんだ。今日こそは!」

 

「それはこの後でお願いします...」

 

思ったよりも戦闘狂だこの人...!

 

____________

 

 

なのはが帰省したり、スバルに詰めかかられたりされたが今は...

 

「ちょっとスバル!あんたさっきからお肉食べ過ぎ!」

 

 

 

「え~だってぇ~...ってあぁぁぁ! ね、狙ってたお肉がぁぁぁ!!!」

 

 

 

「ふっ、甘いでぇスバル。バーベキューの網の上は常に戦場や!周囲を警戒し、尚かつ自分の領分をしっかり守る。それがバーベキューの基本中の基本や!!!」

 

「了解です!八神部隊長!」

 

「ヴィータ。お前も少し食べすぎだぞ! 貴様っ!私の焼いていた肉を全て取りおって!」

 

「ハッ、あまいんだよシグナム。はやても言ってただろ?『バーベキューの網の上は常に戦場』だってな。」

 

 

このとうりバーベキューをしております。あっちは戦場のようだ。

 

「一斗、これも食え。」

 

「ありがとう、先輩!」

 

「フリード、クローズ。お前たちの分だぞ~。」

 

こっちはこっちで凄いけどね。ドラゴン達が美味しそうに食べているのを見るとなんだか和む。

 

「見つけたぞ戦兎君!さあ、俺と戦え!」

 

おっと、戦闘狂に見つかってしまった。せっかくだから実験相手になってもらおう。

 

「いいですよ。そっちの方でやりましょう。」

 

「ありがたい。新しい力を手に入れたのでね、その相手になってくれ。」

 

お互いがお互いの力を試すことになった。




次回、ハイスピードジャンパー!



俺は俺のやり方で葛城巧を超える!!!


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55.紅のスピーディージャンパー

( ´ー`)フゥー...

移動に時間がとられてとても短いです。


食事を終えて俺はビルドフォンとユニゾンして結界をはる。これで準備完了だ。

 

「恭也さん、本気で来てください。」

 

「わかった、お前も本気でこい!」

 

恭也さんはフルボトルを振り腕に刺した。すると、以前と違う色のスタッグスマッシュが登場する。自らの力でハザード化したのか。

 

ビルドドライバーを装着した俺はハザードトリガーを取り出す。

 

『マックスハザード・オン』

 

スイッチを押した時点で何人かの動きが止まる。それでもハザードトリガーをベルトにセットする。更にフルフルラビットタンクボトルを振ってから二つに折り曲げてベルトにセットする。

 

『ラビット&ラビット』

 

『ビルドアップ』

 

ベルトから待機音が鳴りし、俺はハンドルを回す。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

ハザードライドビルダーが展開されて結合し、俺をラビットタンクハザードへと変身させる。

 

『オーバーフロー』

 

さらに背後から赤いエニグマが現れる。

 

『♪~~~~~~』

 

兎型のユニットが転移してくる。ユニットが変形して強化装甲となり、ビルドが装着しにいく。

 

『紅のスピーディージャンパー ラビットラビット』『ヤベーイ!』『ハエーイ!』

 

これで変身完了だ!

 

「今の俺の全力、受けてください!!!」

 

実験が始まった。

 

___________

 

 

戦兎さん、ハザードトリガーを使っているのに暴走していない?

 

「姉弟子、これがあいつの覚悟ですよ。」

 

「えっ?」

 

覚悟って...

 

「以前自分のせいで出来たトラウマをコントロールする事で治すつもりなんです。」

 

「速い..『神速』!」

 

お兄ちゃんが神速を使った!それでもなおビルドの方が速い。

 

「戦兎さん...」

 

ハザードのトラウマは直さなければならない。だけどあの圧倒的な強さに勝てるのかな?

 

「これで決めます!」

 

「こい!」

 

戦闘は終盤に入っていた。

 

_________

 

 

フルフルラビットタンクボトル内部に充填された万能調整剤スタビライザヴェイパーでプログレスヴェイパーを抑制する。

葛城さんらしい考えだ。

 

トリガーの出力を最大にすると共に、常に自我を保ったままオーバーフローモードと同じの状態での戦闘が出来るのだ。

 

その為ただでさえ速いスマッシュの動きについていく。

 

「ふっ!はあ!」

 

「速い...」

 

ドンドン早くなっていく拳。だがそれは相手も同じ。

 

 

「『神速』!」

 

来た。更に速くなるため着いていき戦闘を続ける。

 

拳は互いをとらえずに流されていく。だが、一撃をもらってしまう。

 

「ふ、フルボトルバスター!!」

 

武器を呼び出して構える。しかし既に双剣を構えたスタッグが向かってきている。

 

「はっ!」

 

バスターキャノンモードに変形させてエネルギー弾を射つ。

 

「がっ!」

 

防御は間に合った物の吹き飛んでいく。今のうちに!

 

『ラビット、ゴリラ、タカ』『ミラクルマッチでーす!』

 

「はっ!」

 

強力なエネルギー弾を発射する。

 

「当たらなければ問題はない!」

 

神速を発動したスタッグは交わしてくる。だが、

 

『フェニックス』『アルティメットマッチでーす!』

 

「これでぇぇ!」

 

当たるがいなされてしまう。

 

「がっ!」

 

双剣を食らって少しよろける。だがお互いに限界らしい。

 

ハンドルを回して構える。

 

「これで決めます!」

 

「こい!」

 

『ハザード・ フィニッシュ』『ラビットラビット・フィニッシュ』

 

俺は高く飛び上がり右脚をスタッグ目掛けて伸ばす。

 

「伸びるのか!」

 

攻撃が当たらないのでカウンターをしようとするが、右脚を元の長さに縮めながらキックを叩き込む。

 

ギリギリ双剣でガードされるがキックの威力でスタッグが吹き飛んでいく。

 

「はぁ...はぁ....」

 

無事に着地するが、よろけて膝をつき変身が解除され結界が維持出来なくなってしまう。

 

「ぐっ...」

 

「戦兎!」「父さん!」

 

龍斗と一斗が走ってきて身体を支えてくれる。

 

「やったよ....コントロールできたんだ。」

 

「ああ...」

 

支えられながらみんなのもとに戻った。

 

恭也さんは気絶をしていなく変身が解除されただけだった。のちにまた戦いたいと言っていたのは別の話。

 




次回、温泉回!


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56.戦いの後

エイプリルフール、FGO GO Aが配信されたのに海外の為ダウンロードすら出来ず。

悔しいなぁ。


戦いが終わり、そろそろ移動することになった。戦いの後、俺の知らない所で温泉に行くことになっていた。

 

「さて、機動六課一同。着替えを準備して、銭湯の準備を!これより、海鳴市のスーパー銭湯に向かうです!」

 

「スーパー...」

 

「せんとう?」

 

あらら、ミッドには無いから不思議に感じるよね。あとリインのドヤ顔可愛いなぁ。

 

「父さん、銭湯って?」

 

「大きな風呂のことだよ。今から移動するからスバル達と一緒に移動して。」

 

「わかった。」

 

一斗に説明してから他の六課メンバーと一緒に車で移動させる。俺はビルドフォンにバイクフルボトルを挿入してバイクに変形させる。

 

「龍斗、乗れ。俺達はこっちだ。」

 

「ん、ああ。」

 

「じゃ、先に行くよ。」

 

「了解や。また後で。」

 

はやてちゃん達が車に乗り込むのを確認してから移動する。しばらくして龍斗が話しかけてきた。

 

「なぁ、戦兎。」

 

「なんだ、運転中だから短くしてくれよ?」

 

「わかってる。あのボトルってさ、お前のいた世界から届いたんだよな。だったら帰れるんじゃないのか?」

 

「.....帰れるには帰れるだろうさ。だけど、あっちの世界では俺は追われる身。子連れなら尚更帰る訳にはいかない。」

 

「.....そうか。お前が良いならそれでいい。」

 

お互いに会話が止まり静かな街並みをバイクは駆け抜けていく。

 

 

__________

 

 

「おお、来たな。」

 

「お待たせや~」

 

はやてちゃん達も銭湯に到着する。ん、あれって...

 

「アルフも来ていたんだな。」

 

「よっ、戦兎。久しぶりだね。さっきの戦い見ていたよ。」

 

「恥ずかしいなぁ。」

 

「ハハハ。」

 

アルフと久しぶりに会う。アースラの中で会ったのだが描写が一つもなかったが。

 

「父さん、早く行こう!」

 

「おっと、走ると危ないぞ。」

 

一斗が走って銭湯の中に入っていく。俺たちもぞろぞろと移動した。

 

「は~い。いらっしゃいませ。海鳴スパラクーアへようこs...団体様ですか~?」

 

「えっと...」

 

大人は俺、龍斗、はやてちゃん達と守護騎士達、子供は一斗、リイン、アルフ、エリオとキャロか...

 

「大人15人、子供5人です。」

 

「は、は~い。ではこちらへどうぞ~」

 

店員に案内されて、皆が進んだ先は普通にロビー。そこから男湯、女湯に分かれていた。少し遅れて会計を済ませたはやてちゃんがやって来る。

 

「広いお風呂だって。楽しみだね? エリオくん。」

 

「あ、うん。そうだね。スバルさん達と、一緒に楽しんできて。」

 

「えっ?エリオくんは?」

 

「えっ!?ぼ、僕は、その、一応、男の子だし...」

 

「でも、ほらあれを見て?」

 

『女湯への男児入浴は、11歳以下のお子様のみでお願いします。』

 

エリオとキャロの会話を聴きながら利用規約を見る。これは積み...かな?

 

「せっかくだし、一緒に入ろうよ?」

 

「ふぇ、フェイトさんまで!?」

 

あ、更に積んだ。エリオは10歳。見事に問題なく、法律的にもセーフだ。

キャロはこんなことに気がつくとか、凄いな。だけど、ただエリオと一緒に入りたいだけだろうから、エリオも断りにくそう。助け舟を出したいが...

 

「エリオ、俺達は先に行くから。」

 

「じゃあな~」

 

「戦兎さん!龍斗さんまで!」

 

大義の為の犠牲となれってね☆ミ

 

うん、使っていておかしいなこれ。

 

「エリオ、頑張って!」

 

「待ってよ一斗~~~~!」

 

俺達よりも一斗が先に男湯に入っていく。

 

「頑張れ男の子。」

 

「まあ、若いうちだけだからなぁ。」

 

服を脱いでタオルを持って脱衣所から出ようとする。

 

「ハァ....ハァ....」

 

「ん、エリオ。無事だったか。」

 

「ひ、ひどいじゃないですか....おいていくなんて...」

 

「お前の自由だからな。じゃ、先に入ってるから。」

 

エリオが走ってきたのか大分疲れて脱衣所に入ってきた。

 

「おお~、かなり広いな。」

 

「父さん~」

 

「お待たせ。楽しんでいるみたいだな。」

 

エリオを置いて風呂場に入る。一斗が呼んでいるからかけ湯をして浴槽に入る。程よく温かいお湯が身を包む。戦いの後だからか色々と緩んでしまう。

 

「はぁぁぁぁ~~~~~」

 

「大丈夫?」

 

「あ、ああ。気が楽になってな。」

 

「そう。」

 

しばらくして龍斗とエリオが入ってきた。が、そのあとがエリオにとって問題だった。

 

「エリオ君~!」

 

「へ?きゃきゃ、キャロぉ!!?」

 

タオルを巻いたキャロが入ってきたのだ。何の恥じらいもないキャロと、耳まで真っ赤になるエリオ。若いっていいなぁ。

 

「父さん?」

 

「ん?どうした一斗?」

 

「キャロはこっちに来ていいの?」

 

「ああ、利用規約には男の子についてしか書いてないが、女の子もいいみたいだな。」

 

「ふうん....あ!そう呼ぼ!お~い、エリオ!キャロ!洗いっこしよ~」

 

「あらら....」

 

一斗が向かっていった。

 

 

俺は子供たちのやり取りを聴きながら龍斗と共にくつろいだ。

 

 




何だかんだ言って今はイースターホリデイです。

話を書きたいのですがやることが多すぎで....


でも頑張って書いていきます!

それでは次回!

あ、感想お待ちしております。


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57.鋼鉄のブルーウォーリアー

遂に奴が登場!


ビルドドライバーを装着した俺はハザードトリガーを取り出す。

 

『マックスハザード・オン』

 

スイッチを押しハザードトリガーをベルトにセットする。更にフルフルラビットタンクボトルを振ってから二つに折り曲げてベルトにセットする。

 

『タンク&タンク』

 

 

 

『ビルドアップ』

 

ベルトから待機音が鳴りし、俺はハンドルを回す。

 

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

 

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

 

ハザードライドビルダーが展開されて結合し、俺をラビットタンクハザードへと変身させる。

 

 

『オーバーフロー』

 

 

さらに背後から青いエニグマが現れる。

 

7輌の青い戦車型ユニット型のユニットが転移してくる。ユニットが変形して強化装甲となり、ビルドが装着しにいく。

 

 

『鋼鉄のブルーウォーリアー タンクタンク』『ヤベーイ!』『ツエーイ!』

 

「僕の目的のために彼には犠牲になってもらう必要があるんだ。」

 

「俺が絶対にそんなことにはさせない!」

 

何故海鳴市でローグと戦っているのか。それは数時間前に遡る。

 

_________

 

銭湯から出たら直ぐに放っていたサーチャーに反応が有った。

 

で、河川敷のグラウンドに来たんだけど...

 

「なんだこれ?」

 

某RPGゲームに登場しそうな見た目のスライムが大量発生していた。

 

「父さん~これとっても柔らかいよ~。」

 

あれ?原作ではこんな見た目だったかな?ヤバイ、もう思い出せなくなってる....

 

「一斗~、俺達は先に戻るぞ~。」

 

「わかった~。」

 

龍斗の声で我に返る。いけない。

 

「姉弟子達が封印するみたいだから戻ろうぜ、戦兎。」

 

「ああ。」

 

三人で先に帰るはずだった。

 

 

___________

 

コテージへの帰り道、俺達は...

 

「....どうしてここにいる、ナイトローグ。」

 

ティーダ・ランスターに出会っていた。

 

「!」

 

龍斗が戦闘態勢に入り、一斗を後ろに下がらせる。いくらベルトを持っていても一度も使ったことのない今のまま戦うのは不味いと判断したのだろう。

 

「僕はスタークに頼まれたからここにいるんだけどな。それに...」

 

『デンジャー!』

 

フルボトルのキャップを回転させスクラッシュドライバーにセットする。

 

『クロコダイル』

 

「...変身。」

 

レンチを押し下げて左右のプレスパーツでボトルを割るとボトルの成分がタンクにチャージされる。

 

その後ビーカーを模した小型ファクトリーが展開され、ヴァリアブルゼリーで満たされると、左右から巨大なワニの顎が現れ小型ファクトリーを噛み砕く。

 

『割れる!』『喰われる!』『砕け散る!!!!』

 

その衝撃でゼリーが飛び散ると同時にクロコダイラタンアーマーが形成され、頭部をワニの顎型の装甲が噛み砕きひび割れが入るようにマスクを形成する。

 

『クロコダイル in ローグ』

 

『オーラァ!!!』

 

「今の僕は仮面ライダーローグ。ナイトローグじゃない。僕の目的はその子だ、桐生一斗。君が必要らしい。」

 

なんだって!?

 

「龍斗!一斗を連れて逃げろ、俺がやる!」

 

「頼んだぞ!!」

 

「父さん!父さん~!」

 

一斗が叫んでいるが気にしない。それよりもこいつだ。

 

「一斗をスタークが狙ってるんなら...あいつに伝えろ。俺は何時でも相手になってやる!」

 

「分かった、必ず伝えるよ。」

 

そして冒頭に繋がる。




ローグが出てきたからそろそろまたグリスを登場させないとなぁ。

まぁ、気長にお待ち下さい。



FGO の二部がついにスタート!

ガチャ回そうかな...


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58.割れる 喰われる 砕け散る!!!

さあ、過去と未来をつなげようか。


「お前の目的は何なんだ!」

 

「君に教える必要はない!」

 

タンクタンクとなった俺とローグに変身したティーダの拳がぶつかり合う。本編のローグよりも強いのか少し押されている。

 

「ちぃ、フルボトルバスター!」

 

「!」

 

お互いに離れて武器を構える。俺はバスターキャノンモードに変形させて構え、ローグはネビュラスチームガンを構えている。

 

「ついでに君のフルボトルもいただきたいなってね!」

 

「やらねぇよ!」

 

お互いのエネルギー弾がぶつかり合い軽く爆発が起こる。

 

『ディスチャージボトル!』 『潰れな~い』『ディスチャージクラッシュ!』

 

急に防壁が間に出てくる。これはまさか.....!

 

「フム、使う気はなかったんだけどな。君は強い。だから姑息な手で行かせてもらう。」

 

ローグの周りに防壁があり、その隙間からライフルモードのネビュラスチームガンが顔を出す。キャッスルフルボトルか...

 

「ちい、こうなったら...」

 

俺は正座をする。そうすることで戦車形態になりフルボトルバスターを構えて防壁の周りを移動しながらエネルギー弾を発射する。ローグはそれに対応してライフルモードを向けるが今の俺にはダメージはない。

 

「フルボトルで強化されてない攻撃なら無意味だぞ!」

 

「それなら...」

 

『ロストマッチ』

 

『ファンキーショット』『ロストマッチ』

 

フクロウフルボトルで強化してくるがそれが俺の狙いだ!

 

『タンク、ダイアモンド、ガトリング、ロケット』

 

『アルティメットマッチでーす!』

 

すぐさまフルボトルをバスターにセットして構える。

 

『はぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!』

 

俺達の攻撃はお互いの身体に当たり爆発がおこる。

 

『ぐあああああぁぁぁぁ!!!!!!!』

 

お互いの変身は解除されなかったがローグはとんでもないことを言い出す。

 

「....既に桐生一斗の元には私の仲間、ブロス達が向かっています。時間稼ぎはしましたからね。」

 

「何!」

 

『クラックアップ・フィニッシュ』

 

「はぁ!」

 

「んがっ!」

 

気を取られた隙に右脚にエネルギーを纏わせてサマーソルトキックを繰り出され決められてしまう。

 

「ぐっ..」

 

フルフルラビットタンクボトルがベルトから抜けてハザードフォームに戻ってしまう。

 

「...頼む!」

 

タンクタンクのアーマー達にローグの足止めを頼みハザードトリガーのスイッチを入れてフルフルラビットタンクボトルを再び折り曲げてベルトにセットする。

 

『ラビット&ラビット』

 

『ビルドアップ』

 

『ラビットラビット』『ヤベーイ!』『ハエーイ!』

 

「間に合ってくれ!!」

 

俺はラビットラビットに変身し腕や足を伸ばして加速させ龍斗達を追いかけた。




狙いは一斗!


しばらくの間、一斗には物語から退場してもらいます。


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59.あれ?リモコンブロスはどこだ?

サブタイトルは特に関係がない。強いて言えば、方向音痴である。


何とか追いつけたがエンジンブロスと龍斗が戦っている。

 

「父さん!」

 

「無事か...仕方がない...一斗!」

 

「何?」

 

飛ばすしかない...!

 

「今からお前を平行世界に転移させる。過去で葛城巧という男に会え。俺のことを話せば協力してくれるはずだ。」

 

「でも...」

 

「あいつらの狙いはお前だ。だから、俺が迎えに行くまで待っていてくれ。」

 

「...分かったよ、父さん。」

 

「ありがとう。」

 

俺はすぐさまエニグマを転移させて腕に装着する。そして一斗に手のひらを向ける。

 

「...必ず、迎えに行く。」

 

「....行ってきます、父さん。先輩もまたね。」

 

「おらぁ!行って来い一斗!」

 

「うん!」

 

すぐさま葛城さんの研究所近くに座標をセットしてエニグマを起動させる。

 

「転移した先に葛城巧の研究所があるはずだ!先ずはそこへ行け!」

 

「はい!」

 

子供一人分の穴を広げて一斗が転移したのを確認する。エニグマを片付けてっと。さて....

 

「覚悟はいいなぁ、スタークぅぅぅぅ!!!!!!!!」

 

「.......俺がいるのを知っていたのか?」

 

 

スタークが物陰から出てくる。

 

「このアーマーは兎の強い成分でできているからな、お前の音が聞こえたんだよ!」

 

『ラビット、タカ』『ジャストマッチでーす!』

 

「くらえ!」

 

2本分のエネルギー弾を発射するが、上手くかわされてしまう。

 

「っと、危ない危ない。折角俺が迎えに来たのに転移させちまうんだもんな?」

 

「当たり前だ、俺の息子には幸せに暮らしてほしいんでね!」

 

攻撃をしようと銃口を向けるがスタークは構えない。

 

「どうした?」

 

「いや、目的も達成できないからな...今日は引くことにしよう。エンジンブロス。」

 

「了解。」

 

「!待て!」

 

クローズがツインブレイカーでビームを放つが先に煙に包まれて撤退されてしまう。

 

「またな、チャオ♪」

 

「....」

 

俺が構えたまま、スタークは煙の中に消えていった。

 

_____________

 

「龍斗、俺も行ってくるよ。学校への連絡は頼んだ。」

 

「....分かった。姉弟子達にも話をしておくよ。」

 

「悪いな、こんな事ばかり頼んで。」

 

「いいんだ。今の俺はあの人達とお前で出来てんだ。じゃ、早く帰って来いよ。」

 

「ああ。」

 

スターク達が撤退しタンクタンクアーマー達がエニグマで転移したのを確認後、俺も一斗の後を追おうとエニグマを起動させ、魔法陣を展開する。

 

「なるべく早く帰って来る!」

 

そう言って平行世界へと向かった。

 

 

_____________

 

「いてっ!」

 

着地に失敗して身体を打ってしまう。

 

「!父さん!」

 

「おっと、お待たせ一斗。さてと...」

 

転移先で一斗に会い、立ち上がる。広がっていたのは....

 

「ただいま、俺の世界。」

 

戻ってきたのだ....見慣れたこの世界に....

 

 




あ、人がいないのはロストロギア発見時に人払いの結界を張っているからです。

ローグさんも撤退しています。


しばらく平行世界の話が入りますよ。


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60.葛城巧

遅くなり申し訳ございません。

またゆっくりと最新していくのでよろしくお願いします。


とりあえず一斗と一緒に葛城さんの研究所まで行く。生憎エニグマがオーバーフローしてしまい転移出来なくなっているからだ。

 

「父さん、ここがそうなの?」

 

「ああ、ここが研究所だ。」

 

着いたは着いたのだが、あるのは古びたビルのみ俺は一斗の手を引きながら奥へ進む。

 

「確かここら辺に.....有った!」

 

ビルに入って食堂の冷蔵庫を探し扉を開ける。すると地下の研究所に続く階段がその奥に有った。

 

「父さん、これって...」

 

「葛城さんのアイデアでな。ここに研究所を作ったんだよ。」

 

一斗を一人でこさせなくて正解だったな。ここはよく来ていた俺でもわかりづらい。

 

「一斗、先に階段を下りてくれ、後ろから着いていく。」

 

「うん。」

 

階段を下りていくと今にも爆発しそうな実験を行っているらしく、強い光を感じた。

 

「一斗、伏せろ!」

 

「うん!」

 

伏せるとすぐに大きな爆発が起こり煙が大量に発生する。

 

「ゲホゲホ...一斗大丈夫か?」

 

「な、何とか...ゲホっ」

 

煙を軽く吸ってしまい咳が出てしまう。すると

 

「おや、今日はお客さんがいるみたいだね。」

 

階段の下から声がきこえて誰かが階段を上ってくる。

 

「......葛城さん....」

 

「久しぶりだね、佐野君。どうだい、フルフルラビットタンクボトルの使い心地は?」

 

「あってすぐに発明品の話とか....変わらないですね。」

 

「人はそう簡単に変わることはないよ。それよりもこの子は?」

 

一斗のことが気になっているみたいだ。

 

「この子は一斗ですよ。」

 

「ん?今一斗と言ったね、ということは...」

 

「ええ、やりましたよ。時間はかかりましたけど。ほら一斗、自己紹介。」

 

一斗に挨拶をさせる。

 

「えっと、桐生一斗です。今は初等部二年生で、父さんと龍斗と暮らしています。」

 

「桐生...ああ、名前を変えたんだっけね?お父さん?」

 

「貴方が考えたんでしょうが....」

 

「何、よく行く床屋のバーバ『桐生』と最初に作ったフルボトル『ラビットタンク』を上手くつなげただけさ。」

 

今明かされる衝撃の事実!俺の名前って...

 

「あ」

 

「ああ、父さん、そんなに落ち込まないで!」

 

息子がいい子過ぎて...ううう....

 

「まあ、こんなところで長話をする訳には行かないな。下の研究所に案内しよう。」

 

 

____________

 

俺達は葛城さんに着いていき研究所の奥にやって来た。相変わらず何を作っているのやら....

 

「さて、戦兎君。君は何の為にこちらの世界へ戻ってきたのかな?」

 

「それが...」

 

俺はここに来るまでの経緯と一斗を狙うスタークについて話した。

 

「おや、トランスチームシステムはここにあるんだがな。」

 

「でも、プロトタイプですよね。」

 

「そのとうり、プロトタイプだからかハザードレベル関係なしに変身できるんだけど...」

 

「その分反動があると」

 

「ああ、その反動のせいで僕は変身できなくなったからね。」

 

「えっそうなんですか?」

 

一斗がそう聞くと葛城さんは

 

「うん、でも良いんだ。僕には物理学者が合っていると思っているからね。君の両親についても話そうか...」

 

葛城さんは猿渡夫婦の話を聞かせてくれた。

 

「一緒に飲みに行くとよく一海が話していたよ。『俺の子には教えたい言葉がある。『心火』だ。自分の決めた事をやり通せってな。』」

 

「父さんがそんなことを.....」

 

「........」

 

一斗はあの人の言葉を継いだ。俺はあの場でそう感じた。




リアルが忙しいんです。


もうすぐ一学期が終わるせいか...

何だか先生達の様子が以前と違うんですよね....


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61.警告!警告!

今回は一部読めない部分があります。


ご了承下さい。


「そのエニグマは大分使い続けているんだね。この際だから僕が新しいのを作ろうか?」

 

「お願いします。」

 

「了解。新しいシステムも追加して正確な時間、平行世界への転移を出来るようにするよ。まあ、かなり時間がかかるけどね。」

 

「十分です。あと、こっちの世界で最上博士は....」

 

「......旅立ったよ。」

 

「そうですか....」

 

矢張りあのカイザーになった最上魁星に取り込まれてしまったのだろう。

 

「.............」

 

「父さん?」

 

「!済まない、考え込んでしまった。」

 

一斗の声が聞こえなければまだ物にふけっていただろう自分を反省しながらビルドドライバーを取り出す。

 

「すいません、これのメンテナンスも頼めますか?」

 

「ああ、そこに置いておいてくれ。エニグマより先に終わらせよう。」

 

ビルドドライバーも見てもらう。その間に

 

「一斗は学校に通えない間の勉強をしようか。」

 

「ううう....はい。」

 

俺のビルドフォンを渡して少ししゅんとしながら勉強の為に起動させる。

 

『マ.................マ.............ス......................』

 

「?父さん、ビルドフォンから声が聞こえる...」

 

「なんで?」

 

するとビルドフォンの液晶画面が光だし音声が響きだす。

 

『警告!警告!鍵が揃いました。このデバイスはまもなく¥0+87-い4979z8z8

8eogejgok[8+h44nyo\5y@5\955 \446iu04u-6]jiejgew-/*mc0位―vt「tjgj-5-3h09位おqhh0ggpgj9g-h5kh@kh@h9fkp@dk「いふぃ@以後@k@pfk@pk@p㎏@wkg@pkg@pk@gk@pgg@pk@kg@p㎏@機hh99ンhんg9身y6いy05い0い9-+*7qhkoj09b9j9utew]』

 

 

 

「なんだよ、これ!?」

 

「父さん!!!」

 

「!二人共こっちへ!」

 

光に気が付いた葛城さんが立てかけてあったシールドの裏に俺と一斗を入れてくれる。

 

「一体何が...」

 

「こっちでもわからない。だがわかっているのは....」

 

『?』

 

「....あれからパンドラボックスと同じ力が観測されている。」

 

「!」「?」

 

俺は驚き、一斗はパンドラボックスが分からなくて頭に?を浮かべている。

 

「あのままだと『警告!警告!jbauithp@@plzpxkokbofdkpnld[l@kv,;,jcijokc:;kjvpjpjpojiov;]:8+7+4+4+4+64+8:@[m-ioj jopj opgj0jihyr0832u5qy569 obb j0u90ih j09u 95h i0^i 0-hju09u-04it-i40- i0pi [hi[54hhh o-^‐0時0位j0-j0-k0-j0-j0^g「ぢふぉうhhvygvjhこykmふぃjろklめ、w。sdpxcf@ヴぉいbヴgtkjfgびヴ8ygへbんdmfg、h;lpj@んm、「7475686+え5r3t24y1」h@pじょにbkjrmfdんj』

 

不味い!皆伏せて!!!」

 

大きな音と共に大量の煙が発生する。

 

「いっ...一体何が....!」

 

俺たち以外にいないはずの研究所に足音が響く。

 

「くっ。戦兎君、これを。メンテは済んでいるから。」

 

「ありがとうございます、一斗を頼みます!」

 

煙から現れたのは_________

 

『リモートコントロールギア!』

 

「すいません、ここってどこですか?」

 

 

あの時に戦いに参戦してこなかったリモコンブロスだった。






本編で万丈にボコられたリモコンブロスきた!


これで勝つる!


あ、次回はビルドフォンの秘密についてですよ~。


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62.リモコン姉さん

リモコンブロスは天然系のお姉さんにしたい。



サブタイトルはかなり適当です。


な、なんでここにリモコンブロスが!?

 

「すいません、話を....ああ、変身を解除していませんでしたね。」

 

そう言ってネビュラスチームガンからギアリモコンを外す。

 

「お待たせしました。私は鷲田翼。ここはどこですか?」

 

「あ、ああ。俺は....」

 

待て、本名を名乗っていいのか?奴らの狙いは一斗だ。だから...

 

「俺は佐野巧。ここは葛城さんの研究所だ。」

 

「葛城?それは..」

 

「私が葛城だ。君は一体どこから来たんだい?」

 

如何やら葛城さんは俺がこっちの名前を名乗った理由を理解しているみたいだ。ちゃんと話しておいてよかった。

 

「一斗...今は一海って呼ぶから。」

 

「わかった。」

 

小声で後ろにいる一斗に名前を偽ることを話す。幸い顔を知らないみたいだし。俺も静かにベルトを外す。

 

「えっと、海鳴市で道に迷って....突然これが光り出したらここにいました。」

 

そう言ってネビュラスチームガンに目を向ける。

 

「なるほど...その光が気になるな。済まない、その銃を調べてもいいだろうか?」

 

「はい、どうぞ。」

 

何の疑いもなくネビュラスチームガンを葛城さんに渡す鷲田さん。天然なのか?

 

「その子は...名前を聞いてもいいですか?」

 

「佐野一海です。よろしく鷲田さん。」

 

「翼って読んで下さい。余り苗字だと反応出来ないのです。」

 

「わかったよ、翼さん。」

 

名前呼びができるようになったな。俺はビルドフォンを拾いに行く。

 

「まだ光ってやがる。」

 

かなり弱くなったものの光は発生しており、操作することができない。どうしたもんかな。

 

「佐野君、それをこっちに持ってきてもらえるかな。」

 

「あ、はい。」

 

葛城さんにビルドフォンを持っていく。だが

 

「これは....機械としてはどこも故障が見られない...済まない、魔法の方は専門外でね。」

 

「いえ、これは戻ってから専門家に見せてみますね。」

 

治せそうにないか...仕方がないか。

 

「お待たせ、この銃には見覚えがあってね。すぐに分かった...」

 

普通に話しているように見える葛城さんだが少しずつ一斗を下がらせている。一体何が分かったんだろうか?

 

 

 

「君、人間じゃないね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....よく、気が付きましたね。」

 

「簡単なことさ。」

 

葛城さんは先程の沈黙を気にすることなく話す。

 

「ネビュラスチームガンは只の人間では使用することができない。この事はスタークから聞いていなかったみたいだね。」

 

「ええ、彼は私たちにしか使えないとしか言ってくれませんでしたから。」

 

「ふむ、それじゃあネビュラスチームガンについて話しておこうか。これは最上博士と協力して開発したが、誰も使用することができなかったんだ。勿論ネビュラガスを投与していてもだ。これはハザードトリガーに近いシステムを使っているからね。」

 

長々とネビュラスチームガンについて話す葛城さん。しかし、背を向けた作業台の上で再びビルドフォンが光り出す。

 

「またか!」

 

『!』

 

「この光は...」

 

暫くすると光が弱まったのでビルドフォンを確認しようとするがそこには無かった。代わりに...

 

 

 

 

「お久しぶりです、先生。いやマスター。」

 

 

リインフォースと同じくらいのサイズのミカが作業台に腰かけていた。




ついにあの内容の薄いベルカのキャラが再登場!

これでビルドフォンがユニゾンデバイスな理由が明らかに!



ビルドフォン誕生秘話とかやりたいなぁ...


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63.vs リモコンブロス

最近、あのいちかわいい人の復活に心躍らせる作者です。

この作品も少しずつですが評価が付いて、嬉しい限りです。


これからもこの作品ともども完結までよろしくお願いします。


それでは本編をどうぞ!


前回までのあらすじ!

 

一つ、桐生戦兎は一斗と共に元の世界へ転移し葛城巧の研究所を訪れた。

 

二つ、ビルドフォンが光り輝きリモコンブロス、鷲田翼がやってきて彼女の正体が判明した。

 

三つ、再びビルドフォンが光り輝きリインフォースサイズのミカが作業台に腰かけていた!

 

と、俺の中での第一次メダル大戦を彷彿とさせるあらすじが頭をよぎる。あ、第二次は妖怪なメダルをウオッチ!ってやつさ。

 

「マスター?聞いてますか?」

 

「あ、えっと、ミカだよな?」

 

ヤベーイ!っと、ミカ?に話しかけられるまで何か変な事を考えていた気が...

 

「....見つけました、バングルを付けた女の子。」

 

突然閉じていた口を開いたのは翼さんだった。

 

「その子を頂きます。ネビュラ!」

 

『マスター認証、リモコンブロス。セットアップ。』

 

叫んだ事によりネビュラスチームガンに眠っていたデバイスが目を覚ます。すぐさま主の元へ飛んでいく。

 

『ギアリモコン!』

 

「潤動。」

 

手に取るとすぐにギアをセットしてトリガーを引く。黒い煙と共に緑色のギアが複数出現しアンダースーツに装着されていく。

 

『リモートコントロールギア!』

 

「そのデバイス、いただきましょう!」

 

リモコンブロスが起動した。

 

「一海、その子を連れて葛城さんと逃げろ!」

 

「父さんはどうするの?」

 

「今からこいつの足止めをするから、早く!」

 

強く当たってしまうが仕方がない。クソ、ミカ?と一斗がスタークの狙いかよ!

 

「佐野君、任せたよ!」

 

緊急脱出装置は相変わらず設置してあり、すぐさま地上へと出られるだろう。

 

『マックスハザード・オン』

 

ビルドドライバーを装着してと....

 

「あんたとは戦いたくないんだがな...退いては

 

「退く気はありません。私たちが生き残る為には、彼女が必要なんです!」

 

おっと!」

 

すぐにネビュラスチームガンで俺の動きを封じようとしてくる。交わしたて隠れたがやれやれ、やりずらいな...覚悟を決めるか!!!

 

『タンク&タンク』

 

フルフルラビットタンクボトルを振り折り曲げてベルトにセットする。 

 

『ビルドアップ』

 

「変身!」

 

『オーバーフロー』 

 

ハザードフォームに変身しタンクタンクアーマー達が来るのを待つ。

 

「なっ!くっ、」

 

来た!如何やらリモコンブロスに攻撃してくれているみたいだ。俺は見えないがな。

 

『タンクタンク』『ヤベーイ!』『ツエーイ!』

 

走りだしすぐさまタンクタンクアーマーを装着する。これが遅い場合は、やっぱり暴走するのだろうか?

 

「やはりあなたがビルドでしたか...ということはあの子が桐生一斗ですね。」

 

「ちっ...」

 

気が付かれるか奪われるかだったら間違いなく前者を選ぶね。

 

「フルボトルバスター!」

 

「あれは..」

 

フルボトルバスターを呼び出すがここじゃせいぜい出来ることが限られて...!あるじゃないか!こいつだけでもここから転移させる方法が!

 

時間が必要だな...

 

『ロケット』

 

一本目!

 

「そんなものをここでは使えないみたいですね!」

 

「あぶねっ!」

 

リモコンブロスは再び俺に向かって射ってくる。

ふぅー、当たらなくてよかった...あれアーマーがあっても痛いんだよな。

 

『ガトリング、タンク』

 

二本、三本目!後は...

 

『ウオッチ』

 

四本目!これで...

 

『アルティメットマッチでーす!』

 

よし!

 

「はっ!」

 

すぐさまリモコンブロスの前に立ち狙いを定める。

 

『アルティメットマッチ・ブレイク』

 

「ただではやられません!」

 

『ファンキー・アタック』『ギアリモコン』

 

リモコンブロスもファンキー・アタックを発動させる。彼女のアーマーのギアにエネルギーが集まり巨大化していく。

 

『はぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!』

 

お互いの必殺技がぶつかり合う。だが...

 

「未来へ吹き飛べぇぇぇぇ!!!!!!」

 

俺の方が威力は上だ!

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

攻撃はギアを破壊してリモコンブロスに当たる。すると背後に夜のミッドチルダらしきものが見える。

 

「これでぇぇ!!!!」

 

すぐさまバスターキャノンからブレードに切り替えて最後のダメ押しとして攻撃する。

 

「........ふぃ~」

 

無事に未来へリモコンブロスを転移できただろう。俺は変身を解除s...

 

「階段、壊れてる...」

 

ラビットラビットで研究所から脱出したのは別の話。




リモコン姉さん、一時離脱!

今度は強化して出したいなぁ。

ここいらでプロフィール。


鷲田 翼

年齢は不明だが人間じゃないとか。

リモコンブロスになったのは弟のためとか...

スタークに仕方なく従う天然系お姉さん。


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64.10年ぶりの再会

いちかわいい(挨拶)
 
書くことよりも読むことが好きな作者です。

今回はとても短いです。

あ、普段から短いか…


「父さん!」

 

「マスター!」

 

「佐野君...彼女は?」

 

一斗と葛城さん、ミカ?が研究所から少し離れた先に待っていた。

 

「翼さんは未来へ行ってもらいました。」

 

変身を解除してラビットラビットアーマーが変形する。

 

「お前もお疲れ様。」

 

『♪~~~~~~』

 

どういたしまして。と言わんばかりに跳ねるラビットアーマー。

 

「乗ってもいいかな?」

 

『♪~』 

 

「へ〜、乗り安いんだね」

 

一斗に頷いて背中に乗せてくれるラビットアーマー。なんかいいな、これ。

 

「如何やら私の研究所はもう使えないようだね。」

 

「すいません、思ったよりも攻撃が部屋に当たってしまって...」

 

「ああ、かまわないよ。」

 

「マスター、よくご無事で。すいません、起動したばかりなのでお役に立てず申し訳ございません。」

 

飛んでおり空中で器用に頭を下げてくるミカ?。そういえばまだ聞いてなかったな。

 

「お前は、ミカなのか?」

 

「はい。説明すると長くなるので、簡単に話しましょう。」

 

「ん、了解。」

 

どうやら俺達が現代へ戻った後にデバイスを創り、そこに自分の意識を落としたらしい。全く無茶をする。

 

ラビットアーマーと一斗の戯れを横目で見ながら葛城さんとミカと話す。

 

「___余りゆっくりはしてられないな。すぐにエニグマの改良をしに戻ろう。あ、君たちは自宅に帰ってみてはどうかね?」

 

「いいですね...あ、まだ俺達って指名手配されてませんか?」

 

「ああ、忘れていた...」

 

魔法で俺だけ顔を変えて行くことになった。ついでに食料の調達も頼まれた。

 

「じゃあ、お前は待っていてくれ。」

 

『♪~~~』

 

ラビットアーマーに研究所で待ってもらい、俺と一斗、ミカは街に出た。

 

 

__________

 

「地球にそっくりだね、ここ。」

 

「まあ、地球だからな。」

 

「えっ?」

 

一斗にここが平行世界で、俺の出身世界だと説明する。ミカはビルドフォンに戻っていて俺のポケットの中だ。

 

「へ~、てことはおじいちゃんとおばあちゃんがこの世界に?」

 

「ああ、いるだろうな。」

 

「マスターのご両親ですか…一度位は挨拶して起きたいですね。」

 

10年前とそう変わらない住宅地を三人?で歩いていく。

 

「ここだ、俺の家だ。」

 

「ここが?」

 

「この世界の一般的な家ですね。」

 

俺達はそう長い時間歩く事なく家に到着する。

 

「行くか?」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

俺達は扉を開けた。

 

『ただいま~!』

 

「えっ?」

 

また会えるとは思わなかったな...

 

「巧?」

 

「....ただいま。母さん。」

 

10年ぶりに、母さんにあった。




遂に再会。

次回は両親との絡みと息子と義理娘


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65.さらば愛しき日々よ

お久し振りです!

私事が多くしばらくの間執筆時間がなく、即興で書いたものになっております。

それではどうぞ



「えと...ただいま、母さん。」

 

「...巧なのね?...」

 

「ああ。巧だよ。」

 

母さんが玄関まで出てくる。

 

「....指名手配はどうしたの?」

 

「未だに指名手配中だよ。色々あってね。こんな機会二度とないかもしれないからこの子達を連れて来たんだ。」

 

そう言って一斗を前に出す。

 

「えと、こんにちは。僕は桐生一斗。父さんの息子です。」

 

「娘のミカです。初めまして、おばあ様。」

 

ミカが何時の間にかビルドフォンから子供の大きさに戻っていた。全く気が付かなかったぞ。

 

「ええ、こんにちは。お父さんは今までお父さんしてた?」

 

「はい。」「もちろんだよ!」

 

照れくさいな....

 

「ほら、このまま玄関で長話をするのもなんだしさ。上がってもいいかな?」

 

「.....何言ってんの。ここは貴方の家でもあるのよ?」

 

「!」

 

敵わないな...

 

「..ありがとう。」

 

「フフフ。さあ、あなた達も上がって頂戴。お父さんの話を聴かせて?」

 

『はい!』

 

子供達と共に家に上がる。10年過ぎたとはいえ、変わらない風景にしんみりとしてしまう。

 

 

....母さんに話さないとな。今迄俺がどこで何をしてきたのかを。

 

覚悟は既に決まっているんだ!

 

 

 

_________________

 

 

これ....ミカは人型になれなかっただけで、今迄の俺を見てきてるんじゃないか?

 

 

「....お父様はこの時....」

 

「あら....お父さんしているのね~。」

 

ミカと母さんの話を軽く聞き流しながら一斗と仏壇の前に行く。

 

「.....久しぶり、父さん。」

 

「......おじいちゃんはもう....」

 

そうだ。俺こと佐野巧の父親、佐野純一郎は俺が中学に上がるとすぐに亡くなった。正確には遺体は見つかっていない為に亡くなったと言っても過言ではないのだろう。

 

「父さんは何処までも真っ直ぐな人だった。だからかな...一斗には自分のやりたい道に進んでほしい。」

 

「.....分かったよ。」

 

それからしばらくの間会話は無く、只々火を付けた線香からの煙が外へ流れていた。

 

 

_____________

 

 

「....もう行っちゃうのね。」

 

「仕方がないさ、この世界では指名手配されているからね。」

 

時間の流れは早くあっという間に夕方でそろそろ研究所に戻らなければ葛城さんに心配をかけてしまう。

 

「それではおばあ様、お元気で。」

 

「またお話ししましょうね。」

 

「はい!」

 

ミカと母さん、かなり仲良くなったみたいだ。

 

「一斗も元気でね?」

 

「うん!」

 

一斗からは俺が父親になった理由を聞いたみたいだ。何を話したのか気になるな...

 

「それじゃあ母さん、行ってきます。」

 

俺は魔法で顔を変えて玄関から出ようとする。

 

「行ってらっしゃい、巧。いいえ、桐生戦兎。」

 

母さんからの言葉は直前までの懐かしさがあるものではなく、覚悟の決まったものだった。だから

 

「行ってきます!母さん!」

 

『行ってきます!』

 

「はい、行ってらっしゃい!」

 

俺達は先程よりも大きな声で返して家を出た。きっとまた....帰ってくるから。今度は龍斗も一緒に。

 

 




 
クローズマグマ、来ましたね。

あ、大事な事を書いておきましょう。

佐野純一郎は宇宙飛行士で有ったが、主人公が中学の時に火星へ行っています。

ですが、行方不明になったのは地球に帰って来てからです。

それでは次回でお会いしましょう。


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66.新たな仲間

やりたかった事をやった。


葛城さんに頼まれた買い物を済ませて研究所に帰って来た。正直この世界に残っていたいがそうも言ってられない。龍斗達の事もあるがこっちには一斗もいるのだ。余り長い間学校に行かせない訳には行かないからな。

 

っと考えているのが母さんと10年ぶりに再会してから既に二日が経過している今日である。

 

葛城さん曰く今日中には新たなエニグマが完成するとか。

 

と、いうわけで....

 

「一斗にはベルトを返してもらうぞ。」

 

「まぁ、まだデバイスは持たせて貰えないよね。」

 

....気のせいだろうか?一斗に犬耳と尻尾が生えてまるで子犬が落ち込んでいるように見えるのだが....

 

「マスター、それは本物です。私がやりました。」

 

リインフォースサイズのミカがふよふよと飛びながら話してくる。

 

「あれ?俺声に出してたか?」

 

「いいえ、声には出てませんでしたよ?」

 

声にはですが

 

「ん?何か言ったか?」

 

「いいえ。」

 

取り合えず魔法を解除して一斗からスクラッシュドライバーとゼリーを回収する。

 

 

その代わりにとアタッシュケースの中身と入れ替えるようにある物を取り出す。

 

「一斗のハザードレベルは2.9。まだベルトは使えないからな。だから...」

 

既に飛んで行っちゃったか...

 

『♪~~~~~~~』

 

「えっ、これって...」

 

「さて、説明よろしく。俺は昼ご飯作ってくるから。」

 

「了解です。」

 

さて、今日は何にしようか...

 

_________

 

「それでは説明したいのですが大丈夫ですか?」

 

「うん、大丈夫だよ。」

 

父さんにベルトを返したら先輩のクルーズドラゴンみたいなのが飛んできたりしてる。

 

「彼らはマスターが一斗の為に開発した『キャッスル』と『フクロウ』です。名前は決まっていないのでお好きに決めて下さい。」

 

「へ~。」

 

僕の肩には『フクロウ』が止まっている。体に複数のスピーカーがあるみたいだね。

名前は『フク』かな。

 

『♪~』

 

この子が『キャッスル』かな。二つのシールドが前脚に付いていて四足歩行みたいだ。

背中には一つの固定砲台がある。フォートレスって言うのがあいそう...

 

「君は...フォレスで君はフクだね。これからよろしく。」

 

『♪~~~~』

 

二体とも気に入ってくれたみたいだ。

 

「名前は決まったようですね。彼らはこれから一斗がデバイスを持てるようになるまで身を守ってくれます。更に、簡易デバイスのように魔法が使用できます。ですが、彼らが魔法を使うには一斗の許可が必要です。」

 

「なるほど。まぁ、使わないけどね。」

 

「ええ、それが正解です。さて、これからよろしくお願いしますね。」

 

『♪~~~~』

 

ミカの言葉を完全に理解しているみたいだ。何だかホントに先輩みたいになってきた。

 

 

「昼ご飯できたぞ~、今日は炒飯だ。」

 

「はい!」

 

「おや、これはいい。少し休憩にするかな。」

 

「さ、フクもフォレスも。ご飯にしようか?」

 

『♪~~~~』

 

僕たちは父さんの待つダイニングルームへ向かった。




  

作者は決して三羽烏を忘れない。

だからこそこの物語に全員登場させました。


そろそろアンケートをしようと思っています。


それでは次回でお会いしましょう。


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67.葛城の悲劇

サブタイトルに深い意味はありません。


「お待たせしたね。これが新しいエニグマだ。」

 

日が傾き始める時間が近い中、俺は葛城さんの元にいた。

 

「これがエニグマですか?まるで小さなフルボトルバスターですね。」

 

「その通りさ。フルボトルバスターのようにフルボトルの力を使って次元、更には時間もを正確に転移できるようになったのさ!!!!!」

 

「あ~あ.....」

 

テンションが可笑しくなっているな。多分この所寝ていないからだろう。

 

「ハイハイ葛城さん、ベッドに行きますよ~」

 

「HA☆NA☆SE☆!!!」

 

あらら、某王様みたいになっているなぁ。

葛城さんをベットへ運ぶ。この人相変わらず軽いなぁ。

 

___________

 

「父さん、葛城さんは?」

 

「ん、エニグマを完成させたんだけど全然寝てなかったみたいだからベッドに運んで来たんだ。」

 

葛城さんを運び終えたら一斗に話しかけられた。その表情から葛城さんの奇声が聞こえていたのが伺える。

 

「マスター。転移用の魔法陣をエニグマに登録し直しますので渡していただけますか?」

 

「ほい。」

 

ミカにエニグマを渡す。魔法で自分が持てるサイズに変化させて魔法陣を登録していく。あっという間に登録し終え、軽く放ると転送魔法で手元に帰ってくるを二回程繰り返す。

 

「お待たせしました。登録完了です。」

 

「おう、ありがとな。さて一斗もミカも聞いてくれ。明日の朝には元の次元、ミッドチルダに帰ろうと思っている。こっちでやり残したこととかはないな?」

 

「うん!」

 

「はい、ありません。」

 

「じゃあ、葛城さんが起きたらそれを伝えるから。それまでは各自自由!」

 

その台詞を最後に各自それぞれが自分のやりたいことをし始めた。

俺はビルドドライバー、ラビットタンクスパークリング、ハザードトリガー、フルフルラビットタンクボトルと各ベストマッチウエポンのメンテナンスに入る。帰ったら翼さん、リモコンブロスとの決着を付けなければならないからだ。

 

一斗はフォレスとフクと遊んでいる。今日はもし魔法を使用することになったらという設定で特訓している。ミカはそれを見ながらアドバイスをしているみたいだ。

 

 

さて、夕飯を作るまでに半分分のメンテは終わるかな?

 

 

______________

 

「一斗~、葛城さんを起こしてきてくれ~」

 

「うん!行こうか、フォレス、フク」

 

『♪~~~~』

 

結果だけ伝えると無事に半分以上のメンテが終わっている。今は夕飯を作り終えて葛城さんを一斗に起こしにいって貰っている。

 

「マスター、これを。」

 

「なんだ?耳栓か、どうしてこれを?」

 

「話はあとです。早く付けて下さい。」

 

「お、おう。」

 

俺は両耳に耳栓をしっかりと取り付けた。すると直ぐに不協和音が研究所に鳴り響いた。俺は鳴りやむと直ぐに耳栓を外してミカに話しかけた。

 

「な、なんだ今の音!」

 

「フクが軽く魔法を使ったんです。正確には目覚ましに。」

 

にしてはうるさくなかったか今の。仕方なく俺たちも寝室に向かう。すると...

 

「............」

 

「.....やりすぎたかな?」

 

ああ、やりすぎただろうな。如何やらフォレスがバリアを張ったからか音による後遺症は残っていないみたいだ。だが葛城さんが白目を向いて気絶しているのは正直見てられない。

 

「少しやりすぎだ。ミカと一緒に先に戻っていてくれ。」

 

「はい...」

 

気が沈んだからか小さな声で返事をする一斗。後で悪かった点を直そうな。

 

「ほら、葛城さん!起きてください!」

 

 

結局起きず、先に夕飯を食べてから一斗、ミカ、フォレス、フクと一緒に反省会をした。魔法が何でもできる代わりに何でも奪うことができることについて話し合ういい切っ掛けになったと思う。

 

 

 

ちなみに葛城さんが全く起きないのでエニグマを使ってみたところ、ゲートが開くと同時に目を覚まして全力疾走でこちらに向かてきた。あれ、昔ミカにやられたんだよな...

 




フォレスとフクの見た目ですが

ハードスマッシュの見た目を可愛くした感じになっています。



活動報告にてアイデアを募集し始めました。

詳細は確認してもらえると嬉しいです。


感想もお待ちしております。


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68.ミッドチルダへの帰還

ついに絡んでくるあの物語。

いよいよあの子が登場する!



普段と変わらない朝を迎えたはずなのに、この世界から離れたくないと思ってしまう。それは俺が母さんと再会したからなのか、こちらの生活に慣れてしまったのか、自分自身でもよくわかっていない。だけど今言えるのは....

 

 

「葛城さん、二週間程お世話になりました!」

 

「なりました!」

 

『♪~~~~』

 

「ありがとうございました。」

 

「やめてくれ、僕はそういうのは慣れていないんだ。」

 

葛城さんに向かってみんなでお礼をしていた。もう既に準備を終えていよいよ出発になったからだ。

 

「ふむ、じゃあ最後に一つだけ...」

 

『?』

 

葛城さんが口を開いた。

 

「今君が持っているフルボトルは僕が作ったものではない。」

 

「!」

 

そうか!これでつながった!やはりベルカにパンドラボックスが有ったのはそういうことだったんだ!

 

「葛城さん、俺は平行世界の過去でパンドラボックスを見ています。」

 

「!そうか...つまりその時代から現代に転送されたのか...」

 

「多分そうだと思います。」

 

一斗の相手をミカに任せて少し話し込んでしまう。だが、これでまたスタークの正体がわからなくなった。

 

「父さん?」

 

「あ、ああ。行こうか。」

 

俺はエニグマに時計フルボトルをセットしてトリガーを引く。転移先はミッドチルダ、機動六課の近くの桜並木!

 

「開いたか...」

 

上手くゲート越しにスバルたちの訓練が見える。

 

「葛城さん...」

 

「行っておいで」

 

「!...はい!」

 

俺達はゲートをくぐる。

 

「葛城さん、ありがとうございました!」

 

「またおいで。」

 

「またお邪魔させていただきます。」

 

「ハハハ、お手柔らかにね。」

 

『♪~~~~』

 

「君たちもまた会おう。」

 

一斗、ミカにフォレスとフクと次々にゲートをぬけていく。

 

「佐野君。」

 

「はい。」

 

俺は葛城さんに止められていた。

 

「ここから先、君は絶対に怒りに、復讐に飲まれてはいけないよ。僕の、僕たちの希望は君なんだ。だから、幸せになってくれ...!」

 

葛城さんは泣いていたのかもしれない。返事をする前に背中を押されてゲートをくぐり抜けてしまったからどうだったかは分からない。

 

ただ言えるのは...

 

「....この戦いを終わらせる...」

 

「マスター?」

 

「父さん?」

 

この子達の未来のために...

 

「なんでもないさ。さあ、みんなのもとに帰ろう。」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

俺は俺の幸せを守るために戦う事を再度決意した。

 

 

_____________

 

「桐生戦兎とターゲットが帰還したみたいだよ。」

 

「そうか、二か月...随分と長かったじゃないか...」

 

彼らの視線の先には以前よりも完成に近づいたベルトとフルボトルがあった。

 

 




気づいた人もいるだろうからの説明。


一斗と戦兎が転移したのは現代よりも少し前の過去です。


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69.休暇(休むとは言ってない)

俺達はミッドチルダに帰って来た。
直ぐにミカはビルドフォンに戻ってしまう。
俺達は朝練中のフォワード組を見ていたのだが直ぐにはやてちゃんに捕まってしまい今は外で正座をさせられていた。
そこでとんでもないことを教えられた。


ヤベーイ!俺たちが里帰り(逃走目的)している間に二か月もたってるじゃないか!

 

「あ、あああ....」

 

「何か言い残す事はある?」

 

「えっと、実家に顔を出していました...」

 

「.....」

 

無言にならないでよはやてちゃん!俺はこのまま正座しっぱなしはキツイよ~

 

「...まぁ、いい機会だったから...私も行きたかったな..」

 

「ん、何か言った?」

 

「何でもないよ。」

 

そうかな、最後の方が聞き取れなかったんだけど...

 

「それよりも、今日はフォワードのみんなには休暇をあげたから。」

 

「へ?」

 

「戦兎さんには仕事があるので頑張ってくださいね~」

 

ちくせう。仕方が無いか、龍斗も休暇が与えられて筋トレに向かったみたいだ。

 

「一斗君はこっちな。」

 

「はーい!父さんも頑張ってね。」

 

「ああ。」

 

はやてちゃんは一斗を連れて行ってしまう。明日から復学になるから勉強会をするらしい。

 

_____________

 

 

「ふぅー、やっと終わった....」

 

昼前には書類を終わらせられたかな。一斗の復学も伝えたし、あの二匹もつれていけるようにしたしね。まぁ、待機状態になってカバンの中にいてもらうことになるけど。

 

「マスター、お疲れ様です。」

 

机の上に置いてあったビルドフォンが光り輝き、ミカになる。見慣れないな...

 

「この後、龍斗様が来るそうなので私について話そうと思っています。」

 

「ん、了解だ。それまではゆっくりしていてくれ。」

 

ミカはビルドフォンに戻りスリープモードに入った。そう言えばこの開発部に来た時に凄い震えていたのは何だったんだろう?

 

「そういえば....あった。」

 

俺はだいぶ前に貰ったカートリッジを取り出す。今見ればフルボトルにしか見えないのだ。今はこれを使用できるアイテムを考えている。俺が使うんじゃなくて龍斗が使う事も考えようかな...

 

『マスター、龍斗様から緊急連絡です。事情の説明は後で今すぐに来て欲しいと。』

 

ビルドフォンからミカの声が聞こえる。如何やら彼らの休暇は終了らしい。

 

「今すぐにはやてちゃんに連絡をしてくれ。すぐに出る!」

 

すぐさま機動六課からでてバイクで目的地に向かった。

 

_____________

 

下水道に下りてバイクをとばす。

 

「戦兎、こっちだ!」

 

龍斗の声が聞こえた。如何やら俺の位置を把握しているみたいだ。俺は間違えないように交差点を曲がる。

 

「お待たせ。で、どうゆうこと何だこれは?」

 

「ああ、只わかっているのは...」

 

到着してすぐにヘルメットのバイザーを上げて話し掛ける。俺達が見たのはレリックが入っていると思われるケースを鎖で足に取り付けられた、薄着の女の子だった。

 






さあ、あの子の登場だ!

喜べ~!!!

因みにタンクタンクは機動六課(龍斗も含む)の人は誰も知りません。


気が付いたらビルド本編みたいに切り札にできそうになっていた...


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70.4人の再会(一人はクローン)

サブタイトルに悩む今日この頃。


アイデア募集はまだ続きます。ですが、そろそろあの人を動かしたいので早めにお願いします!





「戦兎さん、帰って来たばかりですがこの子をお願いしてもいいですか?」

 

「了解、さっき隊長から連絡があってなのは達とヘリで来るみたいだから俺はここに残ろう。みんなはこの子がここに来た理由を探してくれ。」

 

『はい!』

 

既にセットアップしてバリアジャケットをまとったティアナ達にボロボロになっている女の子を預かる。彼女達に辺りの捜索は任せた。

 

「この子がヴィヴィオ...しょうがないか.....オリヴィエに似ているのは。」

 

「ん、この子が依然話していた女の子なのか?」

 

「ああ。」

 

俺はこの十年間の中で自分の知っている原作知識を知っているだけ龍斗に話してある。お陰で余り驚いてないようだ。

 

「龍斗、帰ったら話がある。はやてちゃん達に、ベルカに行った事を話すぞ。」

 

「何か進展があったのか?」

 

「ああ、スタークの目的と正体のカギを握るのはあの時代なんだ。だからこそみんなに協力してもらう。」

 

「....わかった。俺も覚悟は出来てる。」

 

「ユニゾン・イン」

 

俺はミカとユニゾンしておく。俺は龍斗と違って素の戦闘はできないからな。今のうちに魔法陣を展開してっと。

 

「ちっ...転移できるほどの魔力がないのか...」

 

「仕方がないな、俺が守ってやるよ。」

 

「済まない。」

 

「報酬は最近発売したプロテインラーメンで。」

 

何だそのとんでもラーメンは!?

 

「きたぞ!防御だけはしろよ!」

 

「わかってら!」

 

俺はバリアを張り龍斗はスクラッシュドライバーを装着する。

 

『ドラゴンゼリー』

 

「変身!」

 

走りながらレンチを倒してゼリーを潰す。正面からバリアブルゼリーが体全体に広がるように展開し変身する。

 

『ドラゴン in クローズチャージ』『ブラァ!!!』

 

『ツインブレイカー』

 

「おりゃあ!!」

 

やって来たガジェット達にアタックモードを叩き付けすぐさま破壊する。アイツ、俺達がいない間にハザードレベルを上げやがったな。

 

『マスター、まもなくヘリコプターが到着します。地上への転移は可能なので実行しますか?』

 

念話がミカからくる。迎えが来たみたいだから直ぐに龍斗に声を掛ける。

 

「迎えがきたから地上に転移する。お前はどうする?」

 

「俺はこのまま探索をする!姉弟子達によろしく!」

 

「了解だ!」

 

俺は転移した。

 

________

 

「っと、ミカ。周囲に敵はいないよな?」

 

『はい、今のところは。』

 

転移したのに不安が残るな。スカリエッティはこの子とレリックを狙ってくるはず。

 

『戦兎さん、こっちは到着しました。今から迎えに行きます。』

 

「頼んだ。」

 

原作だと移動中のヘリコプターが攻撃されそうになるんだよな。ならデバイスを貸して病院に転移させてもらうのが正解かな。

 

「お待たせしました!」

 

タイミングはバッチリさ。






原作を破壊する。

フハハハハハ!!!!!!!!!!!!!


エボルがカッコイイ!!!!

あ....げんと君!!!!!!



......復讐するなら手伝いましょうか?


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71.懐かれた!?

って待てよ。確かスバルの姉のギンガが捕まるのはいつだったっけ?

 

「戦兎さん?」

 

「ああ、悪い。考え事してた。」

 

知っているのに見捨てるのはいつだって辛い。アインスの時も時間があれば...いや、過去への介入はしないことにしたんだ。何があったとしても。

 

「なのは、俺をこのまま病院に転移させてくれ。」

 

ユニゾンを解除してデバイスを渡す。

 

「....はやてちゃんから許可を貰いました。今から転移します。」

 

「ありがとう。」

 

俺は病院に転移したのだった。

 

 

______________

 

 

結果から伝えよう。

 

「パパ.....」

 

ヴィヴィオに懐かれた。ヤベーイ!どうしよう!?

 

『諦めてください。これが貴方の運命です。』

 

ここにいないはずのミカの声が聞こえる気がする。念話は使えないはずなんだよな....

 

『王が眠そうにしています。このままおんぶしてでも機動六課に帰ってきてください。』

 

んな無茶苦茶な。ってか念話だよなこれ。

 

『は・や・く!』

 

「ハイハイ....」

 

声が出ちまったじゃねえか。俺はヴィヴィオを背負って機動六課に向かった。

 

________________________

 

何事もなく無事に帰ってこれたのだが....

 

「嫌だぁぁぁl!!!!!離れたくないぃぃぃ!!!」

 

『________』

 

「え、えと...」

 

「父さん?」

 

「巧にぃ?」

 

ちょ、一斗はこの子が気になっているみたいだけどはやてちゃん、その目はヤバイ。まるで嫉妬の炎が燃えているのがハイライトの消えた目から伺える。

 

「ヴィヴィオ、悪いけど下りてくれ。離れはしないから。」

 

「本当?」

 

「ああ。」

 

しゃがんで直ぐに下りてくれたのだがすぐさま足にくっついてしまう。

 

「その子は...」

 

「病院から連れて帰って来たんだけど、何か懐かれてな...」

 

『あ~あ。』

 

えと、皆さん?何を納得しているのですか?

 

「だってここで子供がいるのは戦兎さんだけだし...」

 

「お父さんだからね...」

 

聞こえてますよ~。あと自然に心を読まないでください。

 

「で、どうするんだ戦兎。このまま話すのか?」

 

「ん~、しょうがない。話すしかないよな。」

 

俺達はヴィヴィオ、ギンガも含めた全員で会議室へ向かう。皆が椅子に座ったのを確認してから、戻って来たビルドフォンを机の上に置く。

 

「ミカ、もういいぞ。」

 

『はい。』

 

『!』

 

皆が驚くなか光り輝くビルドフォンはすぐさま形を変える。

 

「初めまして。マスターこと桐生戦兎様のデバイス、ビルドフォンことミカと言います。」

 

机の上にミカがリインフォースサイズで現れる。

 

『ええ~~~~~!!!!!!!』

 

仕方が無いよな、まだ龍斗にも説明してなかったし。

 

「戦兎、ミカが何故ここにいるんだよ!だってアイツは...」

 

「あ、やべ」

 

「ベルカの、お前の弟子だったろうが!」

 

『ベルカ!?』

 

オイオイ、やばいぞこれ。

 

「巧にぃ、

 

『説明してくれるよね?『ださいね?』』

 

 

「えっと、どこから話したもんかな...」

 

俺はなのは達に説明した。旅に出たら古代ベルカの時代に転移したこと。そこでしばらくの間暮らしたこと。そして、あの時代にもスタークが攻めてきたこと。

 

「スタークって誰ですか?」

 

「目的不明の危険人物だ。今回の、スカリエッティにも関わっているはずだ。」

 

以前から知っている人は納得がいっているみたいだ。だけど、知らない人には龍斗が説明してくれた。

 

「で、ミカ。お前が何故デバイスになったのか、説明を頼む。」

 

「はい。私は...」

 

ミカはあの後死にかけていたらしい。その為意識だけをあの時代で作ったビルドフォンのプロトタイプに残したらしい。で、パンドラボックスを本に封印してボトルは未来の葛城さんの研究所に送ったらしい。また俺に会えると信じて。

 

「私は後に一斗の両親、猿渡夫婦の元に行きビルドフォンの完成を頼みました。」

 

魔法について研究してたんだよな。それでデバイス制作を行っていて...

 

「マスター、あの家事は....スタークによって起こりました。」

 

「......」

 

ああ、予想はしてたさ...どう考えたってあんな不自然に外側から燃えていたわけだ。

 

「パパ?」

 

「父さん?」

 

「あ、ああ。何でもないよ?」

 

嫌、全然大丈夫じゃない。あの二人を殺したのがスタークがやった事が分かったのだ...

でも

 

「俺は復讐には進まないよ。罪を憎んで人を憎まず。償わせるつもりだからね。」

 

『戦兎さん....』

 

____________

 

ある青年は悩んでいた。

 

 

『もうすぐだ、もうすぐで完成するぞ!』

 

『間もなくエボルドライバーを再び....」

 

「.....僕の目的は....」

 

彼の目的は妹の夢を叶えること。そのためになら自分が悪者を演じる。だが、その目的もここでは達成できないのではないのか。彼は悩む。

 

彼は間もなく決意する。自分の目的を達成する為に。

 

 

 

 

 

 

 




物語は加速する。

彼が動き出すのは、あと少しなのだから...


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72.ナックル!(使うとは言ってない)

今日は一斗の復学の日。如何やら今日はフクを連れていくらしい。その為

 

『♪~~~~』

 

「フォレス、こっちだよ~」

 

ヴィヴィオと遊んでいるフォレスがいるのだ。あの話し合いの後で連絡があってはやてちゃん達は聖王教会に行っている。フォワード組は各自のトレーニングだ。

 

「マスター、書類が進んでいないようですが..」

 

「ん、今からやるよ。」

 

なのはに懐くはずのヴィヴィオが俺に懐いている。これは原作と異なる為にこの先どうなるかが分からない。

 

「ただ、今は仕事をしなきゃな。」

 

俺は机の上の書類に目を通し始めた。

 

___________

 

昨日は何もなかったが今日は新しい人が機動六課に配属された。

 

「陸士108部隊ギンガ・ナカジマ陸曹です。よろしくお願いします!」

 

そう、ギンガだ。

 

「一応名乗っておくか。桐生戦兎だ。まぁ、魔術師なら知ってると思うけどな。」

 

「はい、話は聞いています。ビルド式の開発者ということですが....」

 

仕事混ざりな会話を軽くした後、龍斗にあるものを投げつける。

 

「龍斗、ほれ。」

 

「よっと、おお~!完成したのか!!」

 

「何ですかそれ?ナックル?」

 

以前から拳を使った武器の開発を進めていたのだ。それがようやく完成したから渡したのだ。

 

「クローズマグマナックル。まだフルボトルが使えないがこれも持っておけ。」

 

「おう!」

 

あのフルボトルも渡す。きっと必要になると思ったから。

 

『マスター、早く戻ってきてください。ヴィヴィオが目を覚まします。』

 

「おっとまずいな。悪いけど使い方は実践で試してくれ。それじゃ!」

 

俺は直ぐにヴィヴィオの元へ移動する。泣かれると、こっちが気まずくなるからな。が...

 

「あ、お帰りなさい。戦兎さん。」

 

ヴィヴィオがフェイトに抱きついていた。

 

「あ、パパ~。フェイトママがお菓子をくれたんだ!」

 

おお、原作道理にできるかもしれない。それよりもフェイトには聞きたいことがあったんだ。

 

「なぁフェイト。」

 

「なに?」

 

「お前、龍斗のことどう思っている?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、えと、と、友達、だよ?」

 

「いや、絶対にそれ以上の関係に...」

 

「わ、わわわわぁぁぁ!!!」

 

ヴィヴィオはフェイトの表情変化を見て笑う。

 

「フェイトママ、顔真っ赤だよ~」

 

「う、うん...」

 

こいつは、恋に落ちてますな。きっかけは闇の書事件の俺がいない間だろう。

 

「まぁいいや。さっさとくっついてしまえよ。じゃないと....」

 

「じゃないと?」

 

「年上の人に取られちゃうかもよ?」

 




このままフェイトと龍斗の恋愛物語を書きたいのですが、それは番外編で。


まだまだストーリーは進んで行きます。


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73.なのはママ、誕生!!!

原作道理に進めるように試行錯誤する主人公。


なのはをヴィヴィオのママにする。簡単なようで難しい事だ。

 

「なのはママ~~。」

 

「なに?ヴィヴィオ。」

 

嫌、簡単でした。なのはが魔法を使用している所を見せたらあっという間だったよ。全く、何を心配してたんだか...

 

「戦兎、これ滅茶苦茶使いやすいな!」

 

「ああ、今迄のお前の戦い方から使い易く作ってあるはずだ。」

 

「っしゃあ!」

 

嬉しそうだな、おい。まだまだ全部の機能を使えないのにな。

 

「ん~、龍斗...パパ?」

 

「!」

 

フェイトさんや、何を想像したんです?またまた顔が真っ赤ですぜ。

 

 

今はいつもの朝練が終わり、それを見ていた俺とヴィヴィオ、フェイトが外で散歩をしている途中の風景だ。

 

「姉弟子、そろそろティアナ達を待たせるのは...」

 

「うん、それじゃあ戻ろうか。またね、ヴィヴィオ。」

 

「いってらっしゃーい!」

 

おう、娘がいるのも....イヤイヤ、俺には一斗がいるじゃないか。

 

「そろそろ私も仕事があるから...」

 

「ん、ほらヴィヴィオ。フェイトママにサヨナラしよっか。」

 

「はーい!いってらっしゃい!フェイトママ!」

 

「はい、行ってきます!」

 

フェイトも仕事に戻っていった。

 

「さあ、部屋に戻ろうか。」

 

「うん!」

 

あ、ヤバイ。親のままでいいかも知れない。

 

 

____________

 

 

ただ、平和な日々は続かない。

 

「対象者の内、三人を確認。」

 

「....また会うなんてね。一斗君。」

 

俺達は機動六課で今日は寝泊まりするはずだったのだ。一斗もマンションではなくこちらに帰ってきている。

 

「ヴィヴィオを連れて離れてろ。」

 

「父さん...」

 

翼さんに多分弟と思われる男性。同時に来られると流石に辛いな。

 

「フク、あれを取ってきてくれ。」

 

『♪~~~~』

 

頷き割れた窓から外へ出ていくフク。頼んだぞ。

 

「翼さん、あなた達目的は何なんですか!」

 

「姉さん、話す必要はないよ。」

 

「そうね。ネビュラ!」

 

『マスター認証、リモコンブロス、エンジンブロス。セットアップ。』

 

『ギアリモコン』

 

ネビュラスチームガンにギアをセットしてトリガーを引く。すぐさまギアを取り外し弟に渡す。

 

『ギアエンジン』

 

『ファンキー!』

 

『潤動』

 

弟もギアをセットしてトリガーを引く。2人によって放たれた黒いガスは潤動という言葉をキーに彼らをブロスへと変えた。

 

「先ずは王様が優先よ。」

 

「ああ。確実に連れて帰る。」

 

「やらせるかよ...!」

 

『マックスハザード・オン』

 

すぐさまユニゾンしビルドドライバーを装着する。ハザードトリガーもセットしてフルフルラビットタンクボトル振る。

 

『ラビット』

 

割ってさす!

 

『ラビット&ラビット』

 

『ビルドアップ』

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

『オーバーフロー』

 

『ラビットラビット』『ヤベーイ!』『ハエーイ!』

 

守り抜いて魅せる!




次回、囚われる2人!

助けられるのか?


いやほんと、ビルドが面白すぎるぅぅ!!!


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74.破壊された日常

あの子が遂に!!!


いくらラビットラビットでも2対1は戦いずらい。片方を倒せばもっと楽になるんだがな。

 

「はあ!」

 

しまった、リモコンブロスの攻撃を受けている間にエンジンブロスがヴィヴィオの元へ行ってしまう。

 

「パパ....助けて...」

 

「大丈夫、お兄ちゃんが何とかするから...」

 

「何を言っている。二人共確保する。」

 

だがな、問題はないんだよ!

 

『♪~~~~』

 

「フク!」

 

よし!フクには一斗のベルトとゼリーを取ってきてもらったんだ。

 

「フォレス、何を...」

 

アイツがいればハザードレベルを一時的に上げられる!

 

「フク!お前もやるんだ早く!」

 

ベルトを渡すとフォレスと同じように腕に装着されて装甲を形成する。

 

「今なら使える!一斗、お前がヴィヴィオを守るんだ!」

 

「!、僕が....仮面ライダーに...」

 

ベルトを装着して無意識にゼリーのキャップを正面に合わせる。ゼリーをベルトにセットすると同時に衝撃波が起こりエンジンブロスが吹き飛ばされる。

 

『ロボットゼリー』

 

レンチを押し下げゼリーを潰す。

 

「....変身!」

 

クローズチャージと同様にビーカー型のファクトリーが展開されバリアブルゼリーが下からせり上がってくる。

 

『潰れる!』『流れる!』『溢れ出る!』

 

アンダースーツが装着されて頭部からバリアブルゼリーが装甲を形成していく。

 

『ロボット in グリス!』『ブラァ!!!』

 

「絶対に、ヴィヴィオを守る!」

 

覚悟は既にできてるみたいだ。

 

「何!?」

 

「一斗君が、仮面ライダー!?」

 

動揺が隠せてないな。俺はリモコンブロスを軽く吹っ飛ばしてグリスの横に並ぶ。

 

「....行けるか?」

 

「うん。やれるよ。」

 

「そっちは頼んだぞ!」

 

「うん!」

 

俺はリモコン、一斗はエンジンへと向かって行く。

 

『ツインブレイカー』

 

「はああぁぁ!!」

 

「がっ!!」

 

エンジンブロスは腹部にアタックモードをもろに喰らう。さすがだな。龍斗と特訓してた時期もあったからだろう。

 

『マグネット』

 

俺はフルボトルバスターにマグネットフルボトルをセットしてトリガーを引く。

 

「くっ!」

 

流石に人はつぶせないので地面にはいくつばらせる。

 

『グラビティ』

 

「がっ!」

 

追い打ちにミカが魔法を発動させる。AMFがあろうとビルド式には効かない。魔法じゃないからだ。

 

「くっ....」

 

「...もうやめよう、翼さん。俺達が争ったところでスタークは...」

 

「弟は....翔は、スタークの毒に....身体を侵されて...います。」

 

「何?」

 

なんだと?毒?取り合えず動けないがしゃべることが可能なくらいに重力を弱める。

 

「スタークは私達に出会うとすぐに翔に毒を打ち込みました。私は、解毒を約束に協力しているんです。」

 

「脅されてたのか。」

 

「はい。対象の3人の内一人でも確保できればいいと。翔はこの毒が自分の中にある事を知りません。」

 

「.....が!!!!!」

 

突然何かに蹴飛ばされて変身が解除されてしまう。

 

「....スターク。」

 

「何をしている?さっさと王様を捕まえろ。」

 

「はい。」

 

重力も解除されてしまった。リモコンブロスがヴィヴィオへと向かって行ってしまう。

 

「すいません。」

 

ヴィヴィオは気絶させられてエンジンブロスに連れていかれてしまう。

 

「ヴィヴィオぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」

 

「撤退だ。もうそいつは必要ない。」

 

「了解。」

 

『エレキスチーム』

 

「がっ!」

 

エレキスチームをくらい変身が解除されてしまう一斗。

 

「まさか強制的に覚醒させるとはな...さすがは葛城巧の助手ってところか。」

 

「ヴィヴィオを、ヴィヴィオを返せ!」

 

「無理な事だ。王様は計画に確実に必要だからな。その代わりにこいつをやるよ。」

 

スタークは動けない俺に新たなフルフルボトルを投げてくる。

 

「そいつで取り戻しにこい。じゃ、チャオ♪」

 

「スターーーーーーーーーーーークぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!」

 

取り残されたのは破壊された機動六課と気絶した一斗、そしてスタークの残したボトルだけだった。

 




強制的にハザードレベルを上げられる。

だがそれは代償があった。


次回、俺達の正体


スターク、俺はぜってぇ許さねぇ!!!


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75.俺達の正体

襲撃によりギンガが捕らわれてしまう。

結果暴走したスバルは龍斗によって止められたが精神的に彼女は追いこまれてしまった。


戦闘機人とガジェットによる地上本部の襲撃により管理局は本部の機能を停止させられた。

 

敵ながら見事とも言いたくなる。同時に敵が施設や警備の全てを知っていたのではとも考えられる。

 

機動六課のメンバーにも被害はあった。機動六課は俺達がいたにも拘わらず崩壊、重傷者が多数出てしまった。

 

ヴィータの相棒であるアイゼン、スバルのマッハキャリバー破損してしまった。リインもヴィータをかばった為に今は眠ったままである。俺も怪我は軽いものの、ヴィヴィオを連れていかれてしまっている。今は医務室で一斗が目を覚すのを待っている。

 

「一斗....」

 

流石に無茶をしたのだ。本来ならばハザードレベルが基準値に上がるまで使えないベルトを一時的とはいえ使ったのだ。更には、フォレスとフクが停止してしまったのだ。エネルギーの使い過ぎにより、彼らもしばらく動けない。チャージには一斗の魔力が必要だから。

一斗がグリスとして戦うのは無理ということだ。

 

「戦兎、話がある。」

 

スバルについて龍斗が話に医務室を訪れた。目の前で姉であるギンガがさらわれ体の方にも重傷と呼べる外傷を受けている。更には自身の隠していた事がばれてしまったらしい。

 

「だからさ、俺達が....人でない事をどうしようもなくなったら言おうと思うんだ。」

 

彼なりの償いなのだろう。スバルの目の前でギンガが捕まるのを見ていた龍斗の声は何時もの声よりも低く、小さくなっていた。

 

「...分かった。」

 

 

「姉弟子がさ...クマのぬいぐるみを見つけたんだ...」

 

ああ、俺にも見覚えのある。ヴィヴィオが気絶するまで大事に抱いていたものだ。なのはが今朝プレゼントしたものだったはず。

 

「....スバルの所に行ってくる。」

 

「ああ...」

 

俺は声を押し殺して泣いた。力強く、フルフルボトルを握り締めながら。

 

 

____________

 

「スバル、龍斗だ。入るぞ。」

 

俺はスバルの元を訪れた。既にティアナが来ていた。大方姉弟子かシグナムあたりが見舞いに行って来いと言ったのだろう。エリオの姿はない。ティアナが来たから部屋から出たのか。キャロもいると聞いていたから多分エリオと一緒に居るのだろう。動き回れるのなら取りあえずは一安心かな。

 

「龍斗さん、身体の方は大丈夫なんですか?」

 

「ああ、昔っから何かと怪我をしてたからな。直りは早いんだ。」

 

「そういうのは当てにならないんです。ちゃんと検査しましたか?」

 

「おう、ちゃんと正常だったぜ。」

 

「ならいいんですが....」

 

ティアナは俺のことも心配してくれた。うれしいことだが今は...

 

「スバル、身体の方はどうだ?」

 

「....大丈夫ですよ...神経ケーブルが逝っちゃってたので....左腕はまだ上手く動かせないですけど」

 

「そうか...悪かったな」

 

原因は俺にもある。暴走したスバルを止めるためとはいえ、マグマナックルで左腕を殴ったのだ。だから俺は頭を下げた。

 

「何で龍斗さんが誤ってるんですか?それは...私がすることのはずです。私がみんなの忠告を無視して先行してなければ....」

 

「どうあったとしても、今のその傷は俺が付けたものも混ざっている。だからこれは、俺のわがままなんだ。」

 

「でも...!」

 

「スバル、今回はあんたが折れなさい。」

 

「ティア、だけど...」

 

「あんたがあんたで思うところがあるんでしょうけど、龍斗さんにも龍斗さんで思うところがあったのよ。それに、お互いが悪かったってことで終わるのよ。だから、今日はあんたが折れなさい。」

 

心身ともに弱っているであろう相棒に対して何とも容赦のない言葉をかける。それは相棒だから故になのだろう。

 

ただまあティアナのおかげで、スバルは納得できないという表情を浮かべながらもどうにか納得しようと考えてくれたみたいだ。これならさっきみたいな繰り返すだけの会話にはならないだろう。

 

「それにしても余り普段と変わらないですね。」

 

「俺も変わらないようにしているだけさ。」

 

「いえ、私が言いたいのはそこじゃなくて変に気を遣ってると話が進みそうにないので簡潔に言いますけど、龍斗さんは今回の一件でスバルの体ことを知りましたよね?」

 

俺は戦兎から原作について聞いている。その中でスバルの正体も聞いている。

 

「俺はスバル達の体のことは知っていた。」

 

「え...スバル、あんた龍斗さんには言ってたわけ?」

 

「ううん...ティアから止められてたし、龍斗さんに言った覚えはないよ。」

 

「俺に話してくれたのは戦兎だ。」

 

俺の言葉にスバルとティアナは驚きの表情を浮かべる。無理もない。

 

「何で戦兎さんが...」

 

「それには俺達の事が関係している。まず初めに、この事は絶対に他の人に話してはいけない。それでも聞くか?」

 

二人は顔を合わせて揃って頷いた。

 

「先ず、俺達は人間じゃない。俺達はネビュラガスという特殊なガスを注入されている。だから、ライダーシステムを使用でき、戦うことが出来た。」

 

 

俺はネビュラガスの事などを話した。そして

 

「戦兎は元々、この次元嫌、この世界の住人じゃない。」

 

「えっと、それはなのはさん達と同じ地球出身ってことじゃ...」

 

「そうじゃない。同じ地球じゃないんだ。アイツは平行世界の地球から来たんだ。」

 

俺も似たようなものだが、旅ができたのは士さん達がいたからだ。そのことは話さなくてもいいだろう。

 

「その世界では、とあるアニメが放送されていた....『魔法少女リリカルなのは』...タイトル通り姉弟子が主人公のアニメだ。」

 

「そんなの、どの次元世界でも放送されていない..!」

 

ティアナは直ぐ調べたが出てこない。当たり前だ。平行世界のものだからだ。俺は戦兎に聞いた物語を話す。勿論、俺達が経験した本当のことも話した。

 

「俺達はネビュラガスを注入された時点で、スマッシュになるはずだったが人で入れているだけだ。」

 

考え方を変えれば俺達は戦闘機人よりも戦闘能力があるため、本当の意味で兵器とも言えるだろう。

 

俺に出来るのは俺の気持ちを真っすぐにスバルに伝えるだけだ。

 

「俺は、スバルがどうであれ人として見ている。まあ色々と有るけど、お前が最も聞きたい部分で言えばお前の体のことで人間として認めないつもりはない。俺はお前も他のメンバーを変わらない人間だと思っている。」

 

「そう言ってくれるのは嬉しいですけど...でも本当にそう思ってるんですか? 私は普通の人間とは違います。別に何を言われても平気ですから本当のことを言ってください!」

 

「何度言われても俺の答えは変わらない。ただ...そんな事を言ったら俺も、戦兎も人間じゃないことになるぞ。」

 

「.......」

 

納得いかないのだろう。だけど..

 

「確かにお前には戦闘機人としての力....触れるだけで外側だけでなく内側も破壊する力がある。それは事実だしそれ自体は危険な力になる。だがそれは別にお前だけに言えることじゃない。俺達にだって似同じようなことが言える。」

 

スバルは俺の言葉に首を傾げるが、続きを聞けば理解できるだろうと話を進める。

 

「俺には戦闘機人としての力はない。が『仮面ライダー』っていう力がある。更には『魔法』も」

 

「え、でも...」

 

「ああ、片方はスバルやティアナを含めて魔導師なら当たり前の力だ。けれど一般人からすれば恐怖を覚える可能性があるだろう。それを仮の話として考えてみろ...もしも俺が非殺傷設定を切って本気で攻撃したらお前らはどう思う?」

 

「それは...悲しいだとかそういうことを考える前に」

 

「うん....怖くて仕方がないと思う」

 

魔法がある世界で過ごしていると常識や当たり前の力として魔力を持つ人達は忘れてしまいがちになるが、魔法という力も戦闘機人としての力と変わらない人を傷つけることが出来る。ふたりの表情を見る限り、きちんとそのことを再確認してくれたようだ。

 

「ライダーシステムも同じだ。実際に敵にもライダーシステムを使うものがいる。なら分かっただろう?スバル、お前の戦闘機人としての力も魔法だろうと結局はただの力。扱い方次第で簡単に人を傷つける事ができる。だから戦闘機人としての力があるからってあれこれ考えるな」

 

「でも....それを抜いても」

 

「人工的に造られた身体を持っている人間は世の中に五万と居る。戦闘機人はその先のような存在だ。何よりスバル、お前には姉弟子への憧れやティアナ達への信頼や思いやり、自分の体に対して思うところや気持ち...それらをまとめた自分の『意識』がちゃんとあるだろう?」

 

人形だとか兵器だとか呼ばれる存在に自分の意思なんてない。それは士さん達から学んだ。だからこそ生身の人間であってもその言葉は使われるんだ。なら逆に言ってしまえば自分の意思があるんなら機械の体を持っていようと人間である事に変わりない。

 

「スバル、俺はお前と同じじゃないからお前が自分の事をどう思っているのかを完全に理解することは出来ない。でもこれだけは言える。スバル....お前はティアナ達と何も変わらない。お前のことを戦闘機人だとか兵器だとか言う人間はいるかもしれないが、俺にとってお前は『スバル・ナカジマ』っていうひとりの人間で俺の仲間だ。」

 

「....龍斗さん...」

 

「泣きたいときは泣けばいい、困ったことがあれば話せばいい。俺も知識は足りないが、明るくて元気な俺の大切な仲間のひとりなんだ。」

 

スバルは泣き始めてしまう。それをなだめるように俺は話す。

 

「俺が、絶対にギンガを取り戻す。約束だ!」

 

「...はい!」

 

彼女の顔は先ほどとは異なり、何かを乗り越えた顔だった。

 




ムズイ...内容的に戦兎達の正体を入れる必要が果たしてあったのかと思ってしまう。


もしかしたら書き直すかもしれません。


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76.通信

あの人が味方になるのは....


機動六課が崩壊してから一週間がたった。無事に一斗は目を覚まして今は学校に通っている。だが、まだヴィヴィオの事を引きずっているみたいだ。俺もだが。

 

スカリエッティ一味とスターク達により拠点を失った俺達は廃棄寸前だったアースラを新しい拠点として使っている。俺はこの事件を終わらせなければならない。

 

血の繋がりがある本当の親子というわけじゃない。今の俺はあの子の保護責任者。一緒に過ごした時間はわずかだけど俺にとって大切な存在になった。それだけにあの子が、痛い目に遭っていたり怖い目に遭っているんじゃないかと考えると体が震えそうになる。でもそれは俺だけじゃない。みんな何かしらの不安や恐怖を感じている。それに負けないようにみんな過ごしているんだ。

 

「....」

 

今俺はアースラのコントロール室に向かっている。はやてちゃんがこれからについて決めたらしい。到着すると既にみんなが集まっていた。

 

「巧にぃも来たな」

 

如何やら俺を待っていたみたいだ。

 

「地上本部による事件の対策は相変わらず後手に回っています。理由としては地上本部だけの事件調査の継続を強行に主張し、本局の介入を固く拒んでいるからです。よって本局からの戦力投入はまだ行われません。また同様に本局所属である機動六課にも捜査情報は公開されません」

 

 地上本部と本局の仲が悪いのは原作で知ってはいたがここまでとは...今の状況から考えれば互いに協力するのがベストだって思うはず。立場に違いはあれど管理局員ということには変わりはないんだから。それで簡単に事が進むのならそもそも仲が悪くなったりしてないんだろう。

 

「そけやけどな、私達が追うのはテロ事件でもその主犯格のジェイル・スカリエッティでもない。ロストロギアである『レリック』。その捜査線上にスカリエッティとその一味、スターク達が居るだけ。そういう方向や...で、その過程において誘拐されたギンガ・ナカジマ陸曹と戦兎さんの保護児童ヴィヴィオを捜索・救出する。そういう線で動いていく...何か意見があれば聞かせてほしい。」

 

俺たちにとって動きやすい。だが、うまくはいかない。

 

「はやて隊長、通信が入っています!」

 

「だれからや?」

 

それは、彼が動き出した証拠だった。

 

「....『ティーダ・ランスター』からです!」

 

「えっ...?」

 

ティアナはすぐさま反応した。それが6年前に死んだはずの兄からの通信だったから。

 

『手短に説明する。ビルド、スターク達からギンガ・ナカジマを奪還した!だから...僕の話を聞いてほしい...!』

 

「....あ.....ああ....」

 

そこには、10年前に会った時と変わらない、ギンガを抱えたティーダが映し出されていた。




げんと君。作者は君の伏線に気が付いていたさ。

だからこそ、スターク達にはライダー4人で挑んでほしいんだ!


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77.兄妹の再会

俺は六課の外に出ていた。勿論、さっきのティーダからの連絡があったからだ。

 

「待たせたね、ビルド....」

 

ボロボロになりながらもギンガは無傷で運んで来たティーダ。

 

「どういうことだ?お前がスターク達を裏切るなんて...」

 

「僕の目的が果たせそうになくなったからね。これ以上は、ティアナから離れるのも無理だし...」

 

シスコンここに極まれりってか。

 

「兄さん!」

 

「ティアナ....」

 

ティアナがティーダの元へ走る。俺はギンガを預かり背中を押す。

 

「感動の再会だ。邪魔はしないよ。」

 

「ありがとう...」

 

抱きついたティアナは泣き出す。

 

「何で...生きていたなら連絡してよ...」

 

「僕の身を隠さないといけなかったんだ...」

 

ティーダは語った。自分は死なず、スターク達に助けられたらしい。自由に過ごせと言われたためティアナの夢をかなえるために力を尽くそうとしたらしい。自らが悪者、ローグになることによって。

 

「そんなの....私が叶えることなのに...」

 

「僕はあの時死んだんだ。今は人間じゃないしね。」

 

「!」

 

ティアナはスバルと共にライダーシステムを使用すために必要な事を知っている。今は自分の兄の発言が納得いかないんだろう。

 

「兄さんは...兵器じゃない。仮面ライダーなんだから...またみんなの為に、戦って!」

 

「僕は...罪を犯し過ぎた...」

 

口は出さないつもりだったんだがな。

 

「ティーダ、君はこの事件の後に、罪を償うんだ。妹を、ティアナをこれ以上悲しませないように...」

 

「う、うあぁぁ!!!!!!!」

 

みんなが様子を伺いに来た時には仲良しな兄妹がベンチでなきつかれて寝ていた。

 

_____________

 

俺はギンガを医務室へ連れて行った。

 

「特に異常は見られないわね。」

 

「そうか...」

 

シャマルはそう話すが、如何やら目が覚める様子はうかがえない。暫くは眠ったままだろう。

 

「ギン姉!」

 

「スバル、静かに。」

 

「あ、はい。」

 

スバルは走ってきた為に息を整える。

 

「良かった...ギン姉...」

 

俺はシャマルに後は任せて医務室を後にした。

 

 

___________

 

感動の再会には余り時間がなかった。目を覚ましたティーダから話を聞こうとすると緊急の連絡が入ったのだ。

 

『戦兎、スカリエッティ一味のアジトが見つかった!』

 

「いよいよか...」

 

スカリエッティ一味、スターク達との戦いは終盤を迎えている。終止符が打たれるまでに次々と心が折れる出来事がある。これからの未来のために俺はそれを乗り越えてみせる。だがスカリエッティは、出し惜しみするつもりはないのか、管理局側の気持ちを砕く為に更なる一手を使ってきた。ルールーの召喚が確認出来たと思うと、彼女が召喚した無数の虫達が地鳴りを起こし始める。それと同時にスカリエッティからの映像も流れ始めた。

 

『さあ、いよいよ復活の時だ!私のスポンサー諸氏、こんな世界を作り出した管理局の諸君、偽善の平和を謳う聖王教会の諸君....見えるかい?君達が危惧しながら恐れていた絶対的な力を!』

 

「しまった!ゆりかごが起動したんだ!」

 

ティーダは、作戦を聞いてきたみたいだが、この感じだと余り説明されてないみたいだ。

 

スクリーンには破壊された地面の一部が浮かび上がる。

 

『旧暦の時代、一度は世界を席巻し、そして破壊した古代ベルカの悪夢の英知!』

 

名前は『聖王のゆりかご』。

 

古代ベルカ時代にに聖王軍から開発を手伝ってほしいと言われたものだ。勝利へと導いた超大型質量兵器。あれがスカリエッティの切り札か?じゃあスタークは何を...

 

『見えるかい? 待ち望んだ主を得て古代の技術と英知の結晶は今その力をがっ!!!』

 

そこで画面は切り替わり、何故か苦しむスカリエッティが映し出される。

 

『な、何を...!』

 

『お前は用済みだ....じゃあな。』

 

『がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!』

 

スタークによって毒を撃ち込まれ、紫色の粒子となって消滅する。

 

『さあ、ショータイムの始まりだ!!!!!!!』

 

聖王のゆりかごの内部と思われる映像を映し出され玉座のような場所に浮かぶひとつの小さな影。目を閉じて玉座に座っている幼い顔立ちと金色の髪の少女は、つい先日まで俺達と共にに居たヴィヴィオだった。

 

『...!?痛い...いや、怖いよ! ママ、パパぁぁ!』

 

泣いているヴィヴィオの傍にいてやれないのが、悔しくてしょうがない。

 

『うぅ...痛い、痛いよぉぉぉ! ママぁぁぁ、パパぁぁぁぁ!』

 

...スターク、俺はぜってぇお前を許さねえ。

 

俺の手に握られていたフルフルボトルは少しずつだが熱を帯びていた。




これからが書きずらくなっていく。


それでも、最終回まだ描き続けます。


今後ともよろしくお願いいたします。


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78.最終決戦前に

これが、一番やりたかった!!!


俺達は直ぐにアースラの中に転移し会議室に集められた。そこで艦長席に居るはやてちゃんから今後の方針についての話を受ける。

 

「理由はどうあれレジアス中将や最高評議会は、異形の天才犯罪者ジェイル・スカリエッティを利用しようとした。だけど、スタークによってスカリエッティは殺害された。どこからどこまでが誰の計画で何が誰の思惑なのか、それは分からへん」

 

最高評議会の3人は旧暦の時代、まだバラバラだった世界をまとめた者達であり、その役割を継いで現在も活動している時空管理局を見守るために評議会制を作ったはずだ。最高評議会の連中がどういう奴らなのかは知らない。だがスカリエッティなんて男を利用して平和を築こうとしたあたり、信用できる善人ではないだろう。俺からすれば、単なる偽善者にしか考えられない。だからこそ...

 

「だけど今、巨大船が飛んで街中にガシェットと戦闘機人が現れて市民の安全を脅かしてる。これは事実、私達は止めなあかん」

 

俺達がなすことは分かってるだからこそ、

 

「ゆりかごには本局の艦隊が向かっているし、地上の戦闘機人やガジェット達も各部隊が協力して対応に当たる」

 

「だけど高レベルのAMF戦をできる魔導師は多くない。私達は3グループに分かれて各部署に協力することになる」

 

それじゃあまだ、スタークを倒せない。

 

「はやて隊長、お願いがあります。」

 

「何ですか、戦兎さん。」

 

「俺達仮面ライダーに、ゆりかごの事は任せてくれませんか?」

 

『!』

 

「俺には、過去でゆりかごの製作に関わった為に内部の記憶があります。だから...!」

 

はやてちゃん、これは俺のわがままだ。自分が仮面ライダーでいるからこそ、ここでみんなの未来を守らなくちゃいけないんだ。

 

 

「....分かりました。戦兎さん、龍斗さん、ティーダさんはゆりかごへ、私達は地上のガジェット、戦闘機人の対処に当たります。...これでええ?」

 

「ああ、ありがとう。」

 

「貸やからね。」

 

他は原作と変わらず変更はない。俺達はアースラの転移ゲートまで移動する。

 

「準備はいいな?」

 

「おう!」

 

「はい!」

 

だがまだ一人足りない。

 

___________

 

僕は学校にいるはずなのに、スカリエッティっていう僕を狙った人が映るスクリーンを見詰める。クラスメートが先生の指示に従って移動する中、僕はフクとフォレスに話しかけた。

 

「僕も、戦える。行くべきなのかな?」

 

『♪~~~~』

 

何だか、自分で決めろって言っているみたいだ。なら...

 

「先生!」

 

「何ですか、一斗君。君も早く...」

 

「僕は、行かなくちゃならないんです。」

 

「.......分かりました。絶対に帰って来なさい!」

 

「、はい!!!」

 

僕は魔法陣を展開してアースラに転移した。

 

 

_____________

 

「っと、来たな。」

 

「父さん~先輩も。後、だれ?」

 

「僕も仮面ライダーさ。」

 

「成程、分かりました。よろしくお願いします!」

 

「ああ、ローグだ。」

 

「グリスです。」

 

ホントに全員揃ったな。

 

「今からミッドチルダの一番高い、タワーの頂点に転移する!」

 

『はい!「おう!」』

 

俺達はアースラから転移した。

 

___________

 

 

この日、管理局が管理する次元世界全てのありとあらゆるスクリーンに、4人の男が映し出された。

 

あるものはDSAAで語り継がれた者、あるものは死んだとされ悪者を演じた者、一見、どこにでもいるような小学生にしか見えない者、そして、ビルド式を創り上げた科学者。

 

彼らはそれぞれがベルトを装着して同じ言葉を叫んだ。

 

『変身!』

 

これが語り告げられるJ・S事件の、仮面ライダー達の戦いの記録の始まりである。

 

 




やりきったぞ!!!!!!


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79.同時変身

これぞ多人数ライダーの定番!


無限書庫の中で一冊の本が光り輝き始める。それは以前も戦兎を巻き込んで、ミカを起動させたあの本である。

 

誰もいない中で転移していった。

 

_____________

 

「行くぞ、皆!」

 

 

俺達はそれぞれのベルトを装着してボトル又はゼリーをセットする。

 

『デンジャー!』

 

『クロコダイル』

 

『ドラゴンゼリー』

 

『ロボットゼリー』

 

『マックスハザード・オン』

 

俺はトリガーをベルトにセットしてフルフルラビットタンクボトルを折り曲げてセット、ハンドルを回す。

 

『ARE YOU READY?』

 

『変身!』

 

レンチを倒して押し潰す、又は砕く。

 

スクラッシュ組はビーカー型のファクトリーをそれぞれ展開しバリアブルゼリーが下からせり上がってくる。俺は前後にハザードライドビルダー展開し、エニグマによってラビットラビットアーマーが転移してくる。

 

『割れる!』『食われる!』『砕け散る!』

 

『『潰れる!』』『『流れる!』』『『溢れ出る!』』

 

『オーバーフロー』

 

ティーダはファクトリーの左右から巨大なワニの顎が現れ小型ファクトリーを噛み砕く。

 

一斗と龍斗は液体が上がりながら螺旋状に包まれてアンダースーツを装着し頭上からヴァリアブルゼリーを全身に浴びる。

 

俺は挟まれアーマーを装着する。

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

『ドラゴン in クローズチャージ』

 

『ロボット in グリス』『『ブラァ!!!』』

 

『紅のスピーディージャンパー ラビットラビット』『ヤベーイ!』『ハエーイ!』

 

各自の変身が完了する。俺はユニゾンしているミカにスバルの使うウイングロードを模した魔法を使う。

 

「道は出来た。行くぞ!!!」

 

『おう!』

 

俺達は上のゆりかごへ向けて走り出した。

 

 

____________

 

 

「まだ、あとあれがあれば完成するのに...!」

 

スタークはまだ開発を続けていた。それはパンドラボックスの力を効率よく使うことができる究極のドライバー。

 

まだ肝心のパンドラボックスが見つかっていなかったのだ。だが...

 

「は、ハハハ....ハハハハハ!!!!!!!!!遂に見つけたぞ!パンドラボックスぅぅぅぅ!!!!!!!!」

 

彼の見ているスクリーンには、本からの封印が解かれ飛んでいるパンドラボックスだった。

 

______________

 

「戦兎、あれ!」

 

「なっ!?」

 

俺達がゆりかごへ向かう中、パンドラボックスが飛んできた。この期に及んで一体何を...

 

「そいつをよこせぇぇぇ!!!!」

 

「スターク!」

 

ティーダがゆりかごから落ちてきたスタークの足止めをしてくれている。

 

『......』

 

パンドラボックスは静かに光り出し、スタークが渡したフルフルボトルと龍斗のボトルが変化し始める。

 

「これって...」

 

龍斗にはドラゴンマグマフルボトル、俺には...

 

「『フェニックス』?」

 

まさか...!

 

ここでパンドラボックスはミカが転移魔法でアースラへと飛ばした。これならスタークが手に入れることはないだろう。

 

「邪魔だぁぁ!!!!!!!!!!」

 

スタークはローグを吹っ飛ばしてこちらに近づいてくる。俺は龍斗にローグを頼み、一斗は先に進むように指示する。

 

「お前が....俺にこれを渡した事を、後悔するんだな!」

 

俺はスタークの相手をする。さっき出来上がったこのボトルで!!!

 

『マックスハザード・オン』

 

 

再びトリガーのスイッチを押してボトルを振り割って指す!

 

『フェニックス&フェニックス』

 

 

『ビルドアップ』

 

俺はハンドルを回す。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

 

 

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

 

 

ハザードライドビルダーが展開されて結合し、俺をフェニックスロボハザードへと変身させる。

 

『ARE YOU READY?』 

 

『オーバーフロー』

 

 

新たなエニグマが火の鳥を呼び出した。バラバラになった火の鳥を装着する。

 

『不死身のディスティニーソルジャー!』『ツインフェニックス!』

 

これが、俺だ!

 

『ヤベーイ!』『マジヤベーイ!』

 

「スターク、お前はここで終わらせる!」

 

ビルド、ツインフェニックスフォーム。これが俺の全力だ!

 

______________

 

「お~い!一斗!」

 

「あ、先輩!」

 

ローグを助けた後、俺達はゆりかごへ走っていた。

 

「そういやぁ、ブロス達はどうした?」

 

「この感じだと、中で待機してると思います。」

 

ティーダはティアナの為に悪者を演じた。これだけでこいつは信用できる。

 

「!父さん!」

 

ビルドが見たことのない姿で飛び回っているのだ。

 

「飛んでる...」

 

「思いっきりスタークを圧倒しているじゃないか...」

 

流石、そうとしか言えない。ライダーシステムの初使用者だけはあるな。だから

 

「俺達はこのまま乗り込むぞ!」

 

『はい!』

 

俺達は背中を任せ、走り出した。

 

________________

 

「がっ...パンドラボックスがぁぁぁ!!!!」

 

「諦めろ。これは、俺達が受け継いだ力だ!」

 

俺はこのフェニックスに見覚えがあった。猿渡研究所で働いているときに見た設計図に書かれていたからだ。

 

誰か...猿渡夫婦が完成させていたのなら、これは俺だけの力じゃない。一斗の力もあるはずだ。

 

「落ちろ!」

 

俺はバスターブレードモードを振りかぶりスタークへ切りかかる。正気ではないスタークは直撃を喰らい吹き飛ばされる。

 

「これで!」

 

俺は一回だけハンドルを回す。

 

『READY GO』

 

『ハザード・フィニッシュ』

 

『ツインフェニックス・フィニッシュ』

 

背中のアーマーから大きな火が出てきて翼を形成する。俺はそのまま落下し始めているスタークへ向けてキックを放つ。

 

「はあぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

「俺は....おれはぁぁぁぁ!!!!」

 

ブラッドスタークから俺に似た姿に戻ったスタークはキックの威力でゆりかごの、自身が落ちてきた所へ直撃した。

 

「.........」

 

気絶では済まなかっただろう。俺はスタークを放置し、先に向かった一斗達の後を追った。




スタークはボロボロに。

究極のドライバーも完成せず、完全に負けて貰いました。


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80.スタークの罠

フハハハハハ!!!!!!

大きな力には代償が付き物なのだよ!


「ここがゆりかごの中....」

 

「戦兎がくれた情報だとここを真っ直ぐに行くと玉座に行けるみたいだ。行くぞ!」

 

『はい!』

 

俺達は無事にゆりかごの中に入ることが出来た。だが、

 

「ここから先へは」

 

「行かせません。」

 

ブロス達が出てきた為に戦闘に入っていた。

 

「しょうがない、クローズ!君は先に進んでくれ!」

 

「先輩、先にお願いします!」

 

「分かった!」

 

俺だけ先に進むことになった。

 

 

______________

 

「翼さん、父さんから話は聞いています。」

 

「そう...だからと言って手加減はしないわ!」

 

リモコンブロスがネビュラスチームガンで乱射してくるが、ほとんどをツインブレイカーで無力化する。

 

「私は止まれない...あの子を救うために!」

 

「それは僕も同じです!ヴィヴィオを、妹を助けに行かなくちゃいけないんだ!」

 

僕達はお互いの意見をぶつけ合い、戦った。だが...

 

「これで!」

 

『スクラップ・フィニッシュ』

 

僕がキックを放とうとした時に、問題が起こった。

 

_______________

 

「何故裏切りなどと....」

 

「僕の目的は、ここにいては達成できなくなってね。だから裏切った。元々君たちのやり方は気に食わなかったんだ!」

 

「あなたは、姉さんの彼岸の為に犠牲になってもらう!」

 

「それは僕も同じだ!」

 

翔は姉のためなら何でもしそうな位に溺愛していた。彼らが連れてこられた10年前に比べたら身長も近くなり、精神的にも成長したのだろう。ある一点を除いては。

 

僕はレンチを倒し技を発動させる。

 

『クラックアップ・フィニッシュ』

 

「がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

両脚を足のように変化させ三回程挟み込む。すると、元の姿に戻ってしまう。

 

『スクラップ・フィニッシュ』

 

如何やらあっちも決着が付いたらようだ。

 

僕は、ビルドが話していた事を話した。

 

 

「翼は、君がスタークの毒に侵されていると言っていたが、知っているかい?」

 

「....何?俺は姉さんがスタークの毒に侵されていると....」

 

「あ~あ、ばれちまったか...」

 

「スターク!」

 

以前から見たことの有った桐生戦兎そっくりの姿でスタークが現れた。

 

「お前はビルドが相手をしていたはずだ。どうしてここに!?」

 

「...俺はアイツには負けた。だが...」

 

「ぐっ...ああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

スタークが手首をひねると急に翔が苦しみだす。

 

「お前はもう利用できそうにないからな....ここで消えろ」

 

「翔!!!!!!!」

 

「姉、さん....」

 

その言葉を最後に翔は消滅してしまった。落下したギアエンジンの音が、艦内に響いた。




あ~あ、ブラコンが残っちゃったぞ。どうしてくれる?


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81.暴走する地獄

ガジェット達は先に入ったヴィータとなのはが戦ってくれています。


因みにスタークはスカリエッティに成りすまして戦闘機人を動かしています。


ヴィヴィオ戦までは原作通りです。


「....あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

翼さんがギアを拾い上げて泣き叫ぶ。スタークは何事もなかった様に話し出した。

 

「はっ、ただお前が俺との契約を破っただけじゃないか?」

 

「そんなの...聞いてない!」

 

彼女は変身を解除して泣き崩れてしまう。

 

「スターク、お前は今何をしたのかわかっているのか!?」

 

「ああ。道具を処理しただけだが?使えなくなったら、お前も捨てるだろう?」

 

「黙れぇぇぇ!!!!!!!!!」

 

『クラックアップ・フィニッシュ』

 

ローグさんはその言葉が言い終わる前にレンチを倒してキックを放つ。

 

が、散らばっていたガジェットを盾によけられてしまう。

 

「お前だけは....!?」

 

気が付かない間に翼さんが立っていてローグさんの肩に手を置いていた。

 

「私が...やる。こいつだけは....絶対に!」

 

『マスター認証、リモコンブロス......ヘルブロス』

 

以前とは違うデバイスの言葉に違和感を覚えた。

 

『ギアリモコン』

 

翼さんはギアをセットしてすぐさま抜き取り別のを指し直す。

 

『ギアエンジン』『ファンキーマッチ』

 

「潤動!!!!!!」『フィーバー!』

 

放たれた黒い霧からは白と緑のギアが現れお互いを接触させ火花を散らせる。そしてブロスのアンダースーツに装着されていく。

 

『パーフェクト!』

 

「ヘルブロス、見参!」

 

ああ、これが怒りなのだろうか。マスクの下にある隠れた彼女が、全てを破壊するために動き出した。

 

_________

 

 

「ヘルブロス!?そんなのを使ったら君が!」

 

「ティーダさん、先に行ってください!この男の相手は、私だけで十分です!」

 

彼女はそう言うと、ブラッドスタークへと姿を変えた彼に向かていった。

 

「....ローグさん、先に進みましょう。」

 

「...ああ、そうだね。」

 

一斗君に話しかけられるまで、僕はその場から動けなかった。

 

_______________

 

「ああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

「そうか...これがお前の怒りか!」

 

どうして、どうして、どうして翔は死んだの?

 

「ハハハハハ!!!!!!!!!もっとお前の力を見せてみろ!」

 

そうだ、この男。スタークのせいだ。だから.......

 

 

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す__」

 

早く、もっと強く、こいつを確実に壊せる様に....殺せる様に!!!!!!!!!!

 

「がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

「期待外れだ....ここまで怒って置いてこの程度とは...弟の方が良かったな...」

 

「お前が、翔を語るなぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

 

私は、スタークを殴った。殴り続けた。それでもなお、空いた穴は埋まらない。翔が生きていてくれさえいれば...それだけでいいのに...

 

______________________

 

 

俺がゆりかごの中に入ると、ガジェットを淡々と殴り続けるブロスがいた。

 

「一体何が....!」

 

こっちにも攻撃してきた。

 

「かわすなぁ!!!」

 

!、翼さんか!?

 

「止まってくれ。俺だ、桐生戦兎だ!」

 

「黙れええぇぇぇぇ!!!!!!!!」

 

まるで、見るものすべてを破壊し続けるハザードフォームみたいだ。

 

「弟を、翔を返せ!!!!!」

 

俺はその言葉で理解してしまった。理解しざるをえなかった。

 

「弟が...殺されたのか.....」

 

「......があああぁぁぁぁ!!!!!」

 

殴りかかる対象を壁に変更する。いくらゆりかごとはいえ、こんなにも殴られ続けたら凹み始める。

 

「そいつはもう直ぐ死ぬぞ。」

 

「スターク...」

 

「ヘルブロスは、時間制限がある。それを過ぎると、身体が持たなくなり死んでしまう。」

 

「そうなったら...」

 

俺には弟がどう死んだかは分からない。でも、ここで翼さんを死なせる訳には行かない!

 

「止まれ、止まってくれ翼さん!」

 

「GAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!」

 

「諦めろ、そいつはもう「諦められるか!」

 

「弟がどう死んだかは俺には分からない。でも、この人に生きて欲しいと願って死んだはずだ!」

 

少ししか話していないけれど、この人は自分を犠牲にしてでも弟を救おうとしていた!

 

だから!

 

俺はフルボトルバスターを呼び出しロックフルボトルをセットする。

 

『ロック』

 

「止まっていてくれ....」

 

放ったエネルギーは鎖に変化しヘルブロスに絡みつき動きを止める。

 

「スタークは...」

 

ヘルブロスを一時的に無効にしたころには、スタークは居なかった。

 

「....絶対に、助け出すから」

 

俺は彼女を助け出すことは出来ず、先に進む事しか出来なかった。




僕とローグさんが先輩と合流したのは、先輩はガジェットと戦い終わった時だった。

「先輩!」

「お、おう。わりぃ。先に行ってくれないか?」

先輩の変身は解除されてその顔から疲労が見える。

「先に行ってます!」

「僕も行くよ。」

自ら残ることを選んだ先輩は、

「これを....使うか....」

スクラッシュドライバーからビルドドライバーに付け替えていた。


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82.極熱筋肉

タイトルはお察しの通り!


「龍斗!」

 

ビルドドライバーを装着した龍斗に会った。

 

「わりぃ、何か力が入らなくてよ...」

 

「何やって、え?」

 

気が付かない間に毒針に刺されていた。俺はそこで倒れてしまう。

 

「スターク、何を...」

 

「気が付いていたか。毒を打ち込んだだけだ。さぁ、万丈龍斗。このままだと戦兎が死ぬぞ。それでもいいのか?」

 

「いいわけあるか!...」

 

既にゼリーが、ガジェットの攻撃により破壊されていたのだ。だから龍斗はビルドドライバーを...

 

「お前が戦えないなら、もうこいつは殺そうかな。」

 

「ぐ、があああぁぁぁぁ!!!!!」

 

スタークがそう言うと、生きているかのように苦しみが強くなる。

 

「やめろぉぉ!!!」

 

龍斗はそう言うとクローズへと変身しマグマナックルで殴りかかる。

 

「今のお前じゃ、無理だ。」

 

「なに!?がっ!!!」

 

簡単に防がれてしまい更には、変身も解除されてしまう。

 

「....龍斗....がっ...」

 

「...やめろ、もういいだろ!?戦兎は関係ないだろ!?だから...これ以上は....」

 

「駄目だ。」

 

「ぐああっぁああああああああああ!!!!!!!!!」

 

「スタークぅぅぅ!!!」

 

俺は苦しむ事しか出来なかった。もがき続けることしか...

 

「やめろぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」

 

『ボトルバーン!』

 

『ボルケニック・ナックル』

 

「なに!?」

 

突然、スタークが吹き飛ばされ少しだけ楽になる。

 

「もう、どうなっても知らねえぞ!」

 

『クローズマグマ』

 

ナックルのグリップを変形させベルトへセットすると正面のパーツが展開される。

 

「りゅ、龍斗、何を...」

 

「下がっていてくれ、戦兎。」

 

ハンドルを回しながら話す龍斗の後ろ側からナックルを模した特殊取鍋マグマライドビルダーが現れる。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

掛取鍋がひっくり返って中にある流体装備・ヴァリアブルマグマが龍我に浴びせ掛かり、龍型の溶岩を纏った装甲が形成され更には、ドラゴンが複数溶岩から出てくる。

 

溶岩を背後の取鍋が前後に移動し砕くことで変身が完了する。

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!』

 

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

「クローズ...マグマ...」

 

「力が漲る、魂が燃える....」

 

アイツ、自分の....

 

「俺のマグマが迸る!!!」

 

限界を超えやがった...

 

「スターク、今の俺は.....」

 

ああ.....

 

「負ける気がしねぇ!!!」

 

これが万丈龍斗だ!!!

 

「これだけで終わらせる!!」

 

龍斗は一回、たった一回ハンドルを回す。

 

『READY GO』

 

『ボルケニック・アタック』

 

8体のマグマライズドラゴンを召喚して共に上空に舞い上がり、急降下しながら龍型のエネルギーを足に纏いスタークにキックを叩き込む。

 

「おりゃあアアアアアアアア!!!!!」

 

「ぎゃあぁああああああああああああ!!」

 

又もやスタークが吹き飛ばされる。だが...

 

「...ハハハ、良かったのか?万丈....」

 

「何がだ!」

 

「俺が倒されると...戦兎の毒が完全に身体を犯しきるぞ?」

 

ああ、そうだろうな....先程よりも強い苦しみが俺を襲う。だが、これでいい...

 

「戦兎!」

 

「だい....じょうぶ...だ...」

 

なんだって今の俺は...不死鳥なんだぜ?

 

龍斗がしゃがんで俺の身体をゆすってくる。

 

「戦兎、おい!おい!」

 

「死んだか....万丈...お前が殺したんだ....」

 

「う、うあああぁぁぁ!!!」

 

スターク、そいつは違うんだな...!

 

「うるさいぞ、龍斗。」

 

「へ?」

 

俺は全身を炎で包み込まれる。始まったか...

 

「何が....まさか!?」

 

俺は立ち上がりしゃがんでいる龍斗に話し掛ける。

 

「忘れたか?フェニックスは不死身なんだぜ?」

 

「ハハハ...心配かけさせやがって!」

 

「悪い、確信がなかったんだけど、試してみたくてな。」

 

「ひでえ...」

 

「さてと...スターク、言い残したことはあるか?」

 

「さっさとやれ。」

 

「...龍斗、先に行ってくれ。俺はこいつと話すことがある。」

 

「....分かった。」

 

先に行ってくれたのを確認してからスタークとの答え合わせを始める。

 

「さて、お前は...俺の父親、佐野純一郎の身体を使っているな?」

 

「ハハハ、ばれてたか....」

 

「ああ、あんたの姿が俺の家で見た若い頃の父さんの写真そっくりだったんだ。それで革新が付いた。お前は...何者だ?」

 

「俺の身体の正体を当てたから報酬に、俺の目的について教えてやるよ。」

 

ようやくだ....

 

「俺の名はエボルト。星を破壊する、全ての次元世界を破壊する者だ。」

 

ちょっと待て、わかってたけど...スケールデカすぎねえか!?

 

 




ここからは自分との戦いになりそうです。

最新が遅れるかもしれませんが、

これからもよろしくお願いします。

追加でお知らせします。

活動報告の方で募集中のアイデアについてですが、期限を決めさせていただきました。

大変勝手ながら詳しくは活動報告をご覧ください。


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83.機械仕掛けの破壊者

これで決まりだ!


「で、俺の正体と目的を知った訳だが、これからどうするつもりだ?」

 

俺に出来る事、それは....

 

「父さんごと、お前を倒す。」

 

「それは殺すってことでいいんだな?」

 

「嫌、そうじゃない。母さんには悪いけど父さんごとお前を封印する。」

 

父さんが火星に行った時にパンドラボックスに触れている事を仮定すれば、そう簡単にエボルトは身体を変更できないはずだ。なら...

 

『ロック』

 

「これで...」

 

「....さらばだ...巧....」

 

父さん....さらばエボルト....

 

俺はフルボトルバスターをにロックフルボトルをセットしてトリガーを引く。封印するためにブランクのフルボトルをセットするのを忘れない。

 

「封印!」

 

『SEAL!』

 

スタークの下に魔法陣が展開されバインドにより固定化されエネルギー弾を直撃する。

 

光が晴れると...

 

「........」

 

父さんだけが残っていた。無事にエボルトだけを封印できたみたいだ。コブラが描かれたフルボトルは、動き出そうとしているみたいに見える。だから鎖を巻いてしまう。

 

「.....っと。」

 

父さんをアースラへ転移させ、俺は龍斗の後を追う。後はヴィヴィオを救い出すだけだ。

 

_______________

 

 

「ヴィヴィオ!」

 

俺が到着した時は大人モードのヴィヴィオとクローズマグマが戦っていた。なのはは如何やら

 

 

 

変身が解除され、気を失いかけている一斗に近づく。

 

「父さん...」

 

「一斗、大丈夫か?」

 

「うん、ヴィヴィオをお願い...」

 

ロボットのボトルを渡される。救い出すよ、絶対に。

 

「がっ!」

 

クローズマグマがこちらに飛んでくる。

 

「せ、戦兎!ティーダはヴィータの所に向かってる!姉弟子が敵を探している。だから、俺と時間を稼いでくれ!」

 

「分かった。」

 

俺は部屋の外に一斗を運び終えると、フルボトルバスターを呼び出す。

 

 

「聖王の鎧は硬い。なら...」

 

俺はフルボトルバスターにフルフルフェニックスロボボトルをセットする。

 

『フルフルマッチでーす!』

 

「龍斗、よけろ!」

 

『フルフルマッチ・ブレイク』

 

トリガーを引きエネルギー弾を放つ。ギリギリに交わしてくれたからか、ヴィヴィオは反応できなかったみたいだ。

 

「きゃあ!」

 

悲鳴は聞きなれない。俺はすぐさま炎の羽を広げ飛び上がりクローズマグマの隣りにつく。

 

「ヴィヴィオを助け出す為に、俺はこいつのもう一つを使う。」

 

そう言ってフルフルフェニックスロボボトルをベルトから取り外す。

 

「ああ、時間は稼いでやるよ!」

 

龍斗がヴィヴィオに向かっていく中、床に降りた俺は振りながらもトリガーを押す。

 

『マックスハザード・オン』

 

折ってベルトにセットする。

 

『ロボット&ロボット』

 

ああ、やはり博士は...俺と一斗の事を考えてくれてたんだな...

 

『ビルドアップ』

 

『ドンテンカーン』『ドンテンカン』

 

『ドンテンカーン』『ドンテンカン』

 

俺はハンドルを回す。トリガーのメーターが振り切れているが気にしない。

 

『オーバーフロー』

 

エニグマは最後の、ロボットロボットアーマーを転送してくる。俺はフェニックスアーマーを外してバラバラになったアーマーを再度装着していく。

 

『機械仕掛けのクラッシュウォーリアー!』

 

これが俺と一斗の力!ヴィヴィオを救うための力だ!

 

『ツインロボット!』『ヤベーイ!』『マジツエーイ!』

 

「龍斗!」

 

「おう!」

 

『ボルケニック・ナックル』

 

「くっ!」

 

ヴィヴィオに攻撃をして後ろへ引いてもらう。なのはへ攻撃がいかないようにだ。

 

「パパ....パパを返せ!」

 

「....洗脳か....止まってくれ。」

 

俺はロボットアーマーの装甲でパンチを防ぐ。

 

『マスター、グラビティを使用しますか?』

 

ああ、タイミングバッチリだ!

 

俺はミカと共にグラビティを発動させる。勿論、ヴィヴィオが飛べなくなるくらいの威力でだ。

 

「あああああ!!!!!!!!!!」

 

「....ごめんな、あの時守ってやれなくて...俺が力不足だったから....」

 

地面に降り立ったヴィヴィオに歩いて近づく。歩く中で打撃を複数喰らうが止まらない。

 

「来ないで!!!」

 

「...悪いがそれは出来ない....俺が君の親だからな...」

 

そう言って抱きつく。ヴィヴィオは攻撃をしなくなった。

 

「.....会いたかったんです...あなたにも、龍斗にも....」

 

「また会えたじゃないか。」

 

「今の私は、オリヴィエじゃ...」

 

「それでもだ...」

 

たった一つだけ、言えることがある。それは...

 

「君はヴィヴィオだ。泣き虫で可愛いものが大好きな、たった一人の人間だよ。」

 

「パパ......」

 

「だからこそ、君を救い出す。痛いのは我慢できるね?」

 

「うん...」

 

洗脳は俺が解除したけど、戦闘機人には犠牲になって貰おう。

 

「ディバインバスター・エクステンション!!!!!」

 

突然の大きな音で少しビックリしてしまう。無事に壁抜きに成功して倒せたのだろう。

 

「戦兎、こっちは終わったぞ!」

 

「了解だ。」

 

俺はベルトのハンドルを回す。

 

「今から君が強制的に発動させているレリックを破壊する...準備はいいね?」

 

「うん!」

 

『READY GO』

 

ああ、少し見ない間に成長したんだな。

 

『ハザード・フィニッシュ』

 

『ツインロボット・フィニッシュ』

 

フルボトルバスターを構えてエネルギーが収縮されるのを待つ。もう覚悟は出来た!

 

「はっ!」

 

放たれた黒いエネルギーはバスターの名の通り砲撃を放つ。なのはのように綺麗な色ではなく、俺と一斗の力が合わさったロボットの成分の漆黒だった。

 

「きゃあああああぁああああああああああああ!!!!!!」

 

悲鳴にも目を空したくなるが空らさない。これは俺への罰なんだから。

 

砲撃が終わると、なのはが駆け寄っていく。だが...

 

「...だいじょう、ぶ。ヴィヴィオは、強い子だから...」

 

一人で吹き飛ばされた所から立上り俺達の前に移動しようとする。なのはが駆け寄って、抱きかかえた。

 

「ヴィヴィオ....」

 

 

泣き始めたなのはを見ながら変身を解除する。

 

『♪~~~~』

 

「お前もありがとな。フェニックスにも伝えてくれ。」

 

『♪~~~~』

 

エニグマにて何処かへと転移していった。ふう...あ、

 

 

「戦兎!」

 

「悪い、これ以上は動けそうにない...」

 

俺の身体も限界が来ていた。立っているのがやっとだ。

 

「......終わったんだよな....これで....」

 

「巧にぃ!なのはちゃん!」

 

はやてちゃんがヴィータを連れてやって来た。如何やら動力源の破壊に成功したらしい。ティーダが一斗を背負っている。

 

だが、簡単には帰らせてくれない。ゆりかごのシステムにより部屋の外に出られなくなってしまい、魔法まで使えなくなってしまった。俺はユニゾンが解除され、さらに力が身体に入らなくなってしまう。

 

「俺がこいつで破壊すれば....!」

 

変身解除している龍斗がナックルで破壊しようとするが俺はそれを止める。

 

「....聞こえるんだ....俺達の戦いの終わりが....」

 

それがモーターの音だとは分かっていた。だけど、言わずにはいられなかった。この十年に決着が付いたから。

 

閉じ込められていた扉を破壊する音が聞こえる。

 

「皆さん、助けに来ました!」

 

俺が最後に見たのは、初めて会った時よりも格段に成長したスバルとティアナだった。




格設定とかやろうかな。


あ、まだ本編は続きますよ~


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84.終焉ノ一撃

俺が目を覚ました時に見た天井は実に見覚えがあった。ここはアースラの医務室だろう。俺は重くなった身体をお越しベッドから降りる。俺のポケットにはあのフルボトル、コブラエボルボトルが入っていた。あの後何があったのかは分からない。ただ、ここにはシャマルは居らず、同じく眠ったままの一斗に視線を向けながらこの部屋を後にした。


「龍斗様、マスターが目を覚ましたようです。」

 

「本当か?」

 

「はい、間違いありません。ですが、何処かへ移動中のようです。」

 

ゆりかごでの最終決戦から2日が経過した。スカリエッティ、いやスタークによって操られた戦闘機人達により管理局は崩壊寸前だった。何とか町の復興は進み始めている。今は事務の出来ない俺はこの事件、S.S事件の重要参考人である戦兎が目覚めるのを待っていたのだ。

 

「何処に向かってる?」

 

「....パンドラボックスの保管場所のようです。」

 

「何?保管している所は教えていないはずなのに...」

 

当たり前だ。アイツが気絶してから決まったことだし知る由もないはず。それにシャマルは今ミッドに降りて怪我人の治療に専念しているはずだ。

 

「取り合えず行くぞ!」

 

「はい。」

 

俺達は戦兎が目指している場所に先回りすることにし、走り出した。

 

 

_______________

 

 

 

なんでだろうな....知らないはずなのに、足が勝手に動くんだ。

 

「戦兎!」

 

「マスター!」

 

ああ、龍斗にミカの声が聞こえる。だけど、俺は止まらない。止められないんだ。

 

「ここには、パンドラボックスがある。だけど、お前はここを知らないはずだ。」

 

「....身体が勝手に動くんだ...」

 

分からない。何故俺がここに来たのか。どうして身体がゆうことを聞かないのか。

 

「マスター、これ以上はダメです。貴方の持っているそのボトル、エボルトによって身体を操られているのです。」

 

そうか...こいつのせいか....

 

『ビルドドライバー』

 

「戦兎、一体何を....」

 

こいつさえいなければ.....

 

『ハザード・オン』

 

「!」

 

『フェニックス』『ロボット』『スーパーベストマッチ』

 

『ドンテンカーン』『ドンテンカン』

 

ハンドルを回す。ただそれだけのことだ....

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身...」

 

『アンコントロール・スイッチ!』『ブラックハザード!』『ヤベーイ!』

 

『ドリルクラッシャー』

 

『ゴリラ』

 

俺はゴリラフルボトルをドリルクラッシャーにセットしてハンドルを回す。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

「....エボルト、昔ベルナージュが言ってましたよ。『貴様の最後は無残にも自分の力の一部で終わるだろう』と。」

 

ミカが何かを言っているが耳に入って来ない。左手の中で暴れ出すボトルを力強く握りしめて狙いを定める。

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

  『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『『READY GO』』

 

『ボルテック・ブレイク!』

 

『ハザード・アタック!』

 

音声が静かなアースラの廊下に響き渡る。俺は誰もいない所にコブラエボルボトルを放る。そして、右手に構えたドリルクラッシャーにゴリラの腕のようなオーラを纏う。さらに、不死鳥の炎と機械のオイル、黒い靄も纏っていく。

 

『やめろおおおぉぉぉぉ!!!!!!!』

 

スタークの声が飛んでいるボトルから聞こえた気がした。だが、俺は止まらない。

 

『あああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!』

 

ボトルにドリルクラッシャーは当たり、ゴリラの特性である即死が発動する。破壊されたボトルからコブラが出てこようとするが、炎とオイルによって燃やし尽くされた。

 

「.....サヨナラ、エボルト。次に会うときは_________」

 

_______________

 

 

戦兎によってボトルは破壊された。変身を解除した戦兎に俺は肩を貸しながら医務室へと進んで行く。

 

「龍斗、俺の旅はここでひと段落した....ここからどうする?」

 

「......俺は....」

 

決まっている俺のやりたい事。それは...

 

「旅を続けることだ。いつか、士さん達にまた会えるように。」

 

「.....変わらないな...」

 

「おまえもな。これから、未来の為に戦っていくんだろう?」

 

「....ああ、ラブ&ピース。これがどれだけ脆い物であっても、それでも歌い続ける。それが俺が幸せなる為に必要な事だ。だから....

 

俺達の言葉は重なる。

 

「「これからもよろしく、相棒。」」

 

俺達の旅はまたここから始まるんだ。




これでこのルートは最終回を迎えます。


ですが、まだまだ物語は続きます。


これからもよろしくお願いします!


それではまた!


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85.エピローグ

これにて終了!

最後に予告?が有りますので、読んでいただけると幸いです。


ジェイルスカリエッティ・ブラッドスターク事件、通称S.S事件から3ヶ月が経った。今日は4月28日。今日をもって機動六課は解散され各自がそれぞれの道を歩んで行く。そんな中、修復が完了した機動六課のオフィスで俺は過ごした部屋を訪れてはこれまでを振り返っていた。

 

「マスター、そろそろ時間です。」

 

「ん、了解。」

 

ミカからの指示で俺は機動六課の局員全員が集まる集会場を目指す。俺は思い出しながら歩いていた。エボルトを倒してから目まぐるしく日々は過ぎていった。戦闘機人は4人を除いて更生施設に入った。スカリエッティに造られた彼らは自ら進んで行く道を決めているらしい。ただ、後の4人は病んでしまった。スカリエッティにどれだけ執着していたのかが分かるが、彼らも被害者なのかもしれない。途中でスカリエッティがスタークに操られている事に気が付いていれば或いは______。いや、これは俺ではどうにもできない。

 

救い出したカプセルの中にいた人達はそれぞれの家族の元へ帰っていった。勿論、フェイトの元にはプレシアさんとアリシアが。

 

俺達の方はと言うと、ヴィヴィオの保護者が決まった。原作通りになのはが保護者なのだが、俺のことも未だにパパと呼ぶのだ。事情を知らない人に聞かれたらとんでもないことになりそうだと話したのだが彼女は変えるつもりはないらしい。え?龍斗とフェイトがどうなったかだって?どうにもこうにもフェイトのアピールに龍斗が気が付いていないようなんだ。早く気づいてやれと思う訳で。俺は最近はやてちゃんからのアピールが強くなってきている。以前、たまたま廊下で聞いてしまったのだが一斗がはやてちゃんを母さんと呼んでいたのだ。外と内から逃げられなくされそう。まぁ、彼女がいいと言うのなら....っと、俺が思い出したりしている間に扉の前まで来ていて気が付かなかったらぶつかる距離まで来てたのだった。

 

「マスター、大丈夫ですか?」

 

「ああ。さぁ、行こう。」

 

「はい。」

 

俺は扉を開けて局員達の後ろに並ぶ。横には

 

「遅かったな、戦兎。」

 

「色々と思い出していたんだよ。」

 

龍斗が立っていた。ほぼ全員が揃い俺達は話し込んでしまうがはやてちゃんが来たことにより静かになった。そして、最後の集会が始まる。

 

「_________皆もどうか頑張って。」

 

はやてちゃんの台詞が終わり拍手が沸き起こる。局員が解散していく中龍斗に呼び止められた。

 

「この後、フォア―ドメンバーを集めるらしいからお前も行い。」

 

「ん、わかったよ。」

 

 

俺達は外へ移動した。

 

_______________

 

 

俺達は外で立っていた。そこは地球の桜並木の様だった。

 

「なぁ、戦兎。今日まで色々あったよな。」

 

「ああ。」

 

エボルトっていうスタークの正体があって、目的は惑星の破壊で。俺の父さんの身体を乗っ取った上に平行世界の、次元世界すべてをも破壊しようとするとはな。ビルド本編でもここまでは.....言ってそうで怖いなぁ。

 

父さんは俺が元の世界へ送っていった。そしたら母さんが泣くもんだからなぁ。因みにエボルトによって俺と同じくらいまで若返っている。ついでに俺達の指名手配も解かれていた。理由は不明だが。多分葛城さんが何かしたんだろう。

 

俺達の思い出話は続いていく。途中ではやてちゃんとフェイト、ヴィータにシグナムが話に加わり、少し恥ずかしい話も出たりした。

 

「戦兎さん。」

 

「ん、ティーダか」

 

彼は俺の助手でスカリエッティとスターク達に関して潜入調査をしてもらっていた事にし、彼が死んだと言う事実はなくなった。まぁ、彼もまたスタークと共に時間を行き来しまくったらしく、年が16歳で固定化されていたらしい。今はもう年を取り始めているとか。

 

「僕を無罪にして頂きありがとうございました。」

 

「いいんだよ。君もある意味被害者だったからね。」

 

 

被害者といえば翼さん。彼女は今、俺の元で魔術師をしている。彼らの住んでいた施設に戻るかどうかだったのだが、彼女は断っていた。弟を失った悲しみ。それを乗り越えて今は身寄りのない子供達の為に働いている。今日は別次元へ出張だそうだ。ん?彼女は部下じゃないのかって?今は俺の娘ってことになってるよ。

 

「一斗は今日、ヴィヴィオとこっちに帰ってくるん?」

 

「ああ、そうするみたいだよ。」

 

一斗は怪我を直してからは今までの学生生活に戻っていった。だが、人によっては挑まれるらしい。仮面ライダーだってことがばれているからだろう。ヴィヴィオも今は初等部の1年に所属して今日も授業が終わったらこちらにくることは前もって知らされていた。

 

「そういやぁ、フェイト。スバル達の進路って...

 

「うん、もう決まっていて...えっと_____」

 

スバル、ティアナ、エリオ、キャロは原作通りに進路を決めたみたいだ。フェイトもなのはもはやてちゃんも原作通りに進むみたい。

 

「皆~お待たせ~」

 

「お、姉弟子がスバル達を連れて来たみたいだな」

 

「そうだね。」

 

「おっと、そろそろ準備せなあかんな。」

 

「準備ってなんだ?」

 

「フフフ、内緒や。」

 

何だろう、嫌な予感がする。

 

「兄さん?戦兎さんにちゃんと挨拶した?」

 

「したよ?心配性だな、ティアナは。」

 

「もう!」

 

何時もの兄妹のやり取りから目をそらし、空を見上げる。雲一つない晴天が広がっている。

 

「さて、フォワード一同整列!」

 

『はい!』

 

ヴィータが声をかけてなのはと共に最後の話が始まる。

 

「_____お前ら、まぁ、随分と強くなった。」

 

珍しい事もあるんだな。あのヴィータが生徒を褒めるなんて。

 

「皆本当に強くなった。四人とも皆立派なストライカーだよ。」

 

あらら、ヴィータも含めて皆泣き出しちゃったよ。

 

でだ...湿っぽいのは合わないのかデバイスを取り出し始める。まさか...

 

「全力全開、機動六課で最後の模擬戦!」

 

嫌な予感はこれだったか....俺と同じく知らなかったフェイトはあたふたしている。

 

「チーム分けはスバル、ティアナ、エリオ、キャロ、龍斗が同じチームで、私達は私とフェイトちゃん、ヴィータちゃんとシグナムさんに戦兎さん。」

 

おう、これは酷い。リミッターが解除されているって言ってるし。

 

「しゃあ!」

 

『♪~~~~』

 

クローズドラゴンとのユニゾンを済ませた龍斗がマグマナックルにフルボトルをセットする。あ、フルボトルに関してだが、俺達が持っているのは封印されずパンドラボックスが封印されることになった。まぁ、何が起きてもおかしくないベルカ時代からのレリックだからな。

 

『ボトルバーン!』

 

『クローズマグマ』

 

ハンドルを回すのを見ながら俺もベルトを装着して既に取り付けたトリガーを起動させる。

 

『マックスハザード・オン』

 

フルフルラビットタンクボトルを振る。フェニックスロボの方はあれから使用しようとしたのだが、何故か起動してくれなかった。だが、それでいいのかもしれない。あの力は俺にはまだ強すぎた。そう思っている。

 

『ラビット!』

 

折り曲げてセット!

 

『ラビット&ラビット』

 

『ビルドアップ』

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』

 

これも久しぶりだな。もう一月程使用してなかったハザードフォームへと変身するべくハザードライドビルダーを展開する。エニグマによって転移してくるラビットラビットアーマー。

 

龍斗の背後からマグマライドビルダーが現れ俺達の台詞が被る。

 

『『ARE YOU READY?』』

 

『変身!』

 

俺は挟み込まれ龍斗は頭上からバリアブルマグマを被る。マグマは地面を伝うため近くにいたスバル達が離れる。

 

『オーバーフロー』

 

俺はラビットタンクハザードフォームへ姿を変え、龍斗はマグマで出来た複数のドラゴンと共に冷え固まりマグマライドビルダーが前後する事で砕かれる。俺はバラバラになったアーマーを装着する。

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

『紅のスピーディージャンパー!』『ラビットラビット』『ヤベーイ!』『ハエーイ!』

 

「俺達は、『何時でもいける!』」

 

「さあ、皆も行くよ?」

 

『セットアップ!』

 

はやてちゃん、さっき来たギンガ以外がバリアジャケットを展開する。

 

「それでは.....」「READY?」

 

はやてちゃんとギンガが始まりの合図を出す。

 

『GO!』

 

_____________________

 

 

 

『八神はやて二佐』

 

進路は原作通り。新しい家族を増やす為に日々奮闘中。

 

 

 

『フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官』

 

原作通りに次元船行部隊に復帰した。ただ、今までよりも仕事を効率よくこなしているらしい。

 

 

 

『ティアナ・ランスター執務官補佐』

 

執務官になる為に実務研修中。兄との再会で、前よりもやる気に満ち溢れているらしい。

 

 

 

『ルーテシア・アルビーノ』

 

原作と変換点はない。母や召喚獣と共に暮らしている。

 

 

 

『キャロ・ル・ルシエ二等陸士』

 

『エリオ・モンディアル二等陸士』

 

原作通りに辺境自然保護隊へ。龍斗を兄として三兄弟でいる所が最近見られた。エリオは着々と身長を伸ばしているらしい。

 

 

 

『高町ヴィヴィオ』

 

『桐生一斗』

 

二人共同じ学校へ通う。親に見守られながらも普通の人生を歩み始めている。

 

 

 

『ギンガ・ナカジマ陸曹』

 

原作通りに戦闘機人達への更生プログラムに参加。順調に進行している。

 

 

 

『スバル・ナカジマ一等陸士』

 

原作通りに特殊救助隊のフォワードトップとして活躍。龍斗曰はく、姉弟子に似てきたとか。

 

 

 

『高町なのは一等空尉』

 

S.S事件の活躍により昇進の所を自ら辞退した管理局の白い悪魔。いな、魔王。現場に残り続け、次の世代を育てている。ユーノと関係が進んでいるとかなんとか。

 

 

『ティーダ・ランスター』

 

事件の後、今は戦兎の元で働いている。ビルド式の講師役を買って出ることも。今はフリーの魔術師としても働いている。

 

 

 

『鷲田翼』

 

弟の死を乗り越えて戦兎の元で働いている。今は保母を目指し勉強中。

 

 

『万丈龍斗』

 

事件の後、格闘家としての道に進むように。相棒とデバイスと共に日々を送っている。最近、フェイトといるところをよく見るようになった。

 

 

 

『桐生戦兎』『佐野巧』

 

自らデバイスマイスターの資格を取り、更にはビルド式を教える講師として日々を送っている。ユーノと共に仕事をする時も。偶に平行世界と連絡を取り合っている。はやてにより外からも内からも追い詰められて、いよいよ....

 

 

 

『仮面ライダー』

 

彼らは正体が管理された次元世界全体に知れ渡っているが、彼らがまた表立つ事は何のかもしれない。最後にこう記そう。

 

彼らは正義の為に戦うんじゃない。人間の自由の為に戦うのだと。




これにてGOOD ENDルート完結です。

後は設定を書き下ろして完結です。

ですが、別ルートがまだ続きます。

なのでこれからもよろしくお願いします!

それではまた!


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資料集

ここでは作品オリジナルキャラクターについて触れていきます。

原作キャラ?

.....オリジナル要素に触れるだけになります。ご了承ください。


『佐野巧』『桐生戦兎』

 

現在26歳

 

高校生の時に葛城巧、最上魁星の助手をしていた。実験に参加して平行世界へ行くことに。

そこで記憶を失い、はやてと出会うことになる。記憶を取り戻すも事故により元の世界へ強制送還され、一時的に引きこもってしまう。それを見かねた博士達が記憶を消して平行世界へと送り込んだ。殆どが葛城巧が行っている。

 

本作品における主人公。作者に似てキャラクターが安定しないのが特徴だったりする。

 

仮面ライダーファン。本編開始時はビルドを視聴しており、大体ラビットラビット・タンクタンクが登場したあたりまで。少しネタバレを見ている。

 

『万丈龍斗』

 

現在24歳

 

転生者の少年。過去編は短いがやる予定。

 

転生先である光写真館で暮らすことになる。師匠兼家族として門矢士達と共に10年程旅をしていた。ある時にリリカルなのはの世界へ来た時に同じベルトを使う戦兎と出会い、残ることになるが、再会出来る日を夢見て頑張っている。

 

ビルド本編とは異なり筋肉バカではないが何処か似ている。

 

ある意味戦兎よりも原作と関わった第二の主人公。

 

『葛城巧』

 

天才物理学者

 

ビルド本編を視聴した際にビルドドライバーを製作する事に。フルボトルはベルナージュによって平行世界の過去から送られている。

 

『最上魁星』

 

平行世界を研究していた。だが平行世界の自分に利用され散った。本編でのエニグマを主人公に渡す大事な役。

 

 

『猿渡夫婦』

 

平行世界へと飛んだとんでも科学者夫婦。主人公の記憶を取り戻させ、はやてとの生活を暖かく見守っていたが、火事により亡くなる。主人公のトラウマを作った人達。

 

エニグマの初実験に参加して平行世界で暮らしていた。

 

『桐生一斗』

 

現在4年生

 

猿渡夫婦の息子。エニグマで未来へ転移する際にネビュラガスを注入されて仮面ライダーになることになった。今は主人公の息子として暮らしている。

 

グリスの旅はvivid編にて描かれることになる予定。

 

『士さん達』

 

ディケイドの旅を続ける仲間達。龍斗を保護して共に暮らしていた。彼らは未だに旅を続けている。本編に再登場するかといえば.....

 

『エボルト』

 

ビルド本編と同じ様に惑星を滅ぼすある意味ヤバイ破壊者。火星に来た主人公の父親に乗り移り地球へやって来るも事故により平行世界の最上魁星によって強制的に転移した。そこでトランスチームガンを手に入れブラッドスタークへと姿を変えた。

 

 

『鷲田翼』『翔』

 

完全なるオリジナルの元に生まれたキャラクター。因みに最初は二人共亡くなる予定だた。お互いにスタークに施設から誘拐された上に脅され、利用され続けた被害者。

 

これからを生きていく中で作者が覚えていて貰いたい人達。

 

きっと経験しているだけで違ってくるはずだから。




作者の言葉は余り真に受けず流してもらえると嬉しいです。


まだまだ作品は続きます。

次回でお会いしましょう!

それではまた!


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BAD ENDルート
79.5.究極のドライバー


ここからBAD ENDルートの始まりです。

79話の途中からの分岐となります。


「戦兎、あれ!」

 

「なっ!?」

 

俺達がゆりかごへ向かう中、パンドラボックスが飛んできた。この期に及んで一体何を...

 

「そいつをよこせぇぇぇ!!!!」

 

「スターク!」

 

ローグが受け止めようとするも受け止めきれず、パンドラボックスがスタークによって回収される。

 

「遂に、最後のパーツが揃った!!!」

 

「待て!」

 

スタークはすぐさまガスに包まれた撤退していった。

 

「パンドラボックスが取られた...」

 

これが何を意味するのか、俺はわかっていなかった。

 

_____________

 

「遂に揃った。これで....」

 

スタークがパンドラボックスに触れることでオーラが発生する。それはどんどんビルドドライバーに似たベルトに吸収されていく。

 

「完成だ!」

 

『エボルドライバー!』

 

ここに究極のベルトが完成した。

 

「計画は最終段階に入った!これで俺の目的は達成される!」

 

高笑いがゆりかごの中に響いた。

 

 

___________

 

 

俺達は走り続けてゆりかごの内部に入ることに成功した。だが...

 

「ここから先は...」「行かせません。」

 

エンジンブロス、リモコンブロスに沢山のガジェット達により足止めを食らっていた。

 

「ここは俺達が食い止める。だから早くいけ!」

 

「父さん、早く!」

 

クローズ、グリス、ローグに道を開かれた俺は先に進んでいく。先に乗り込んだなのは達を追い付いた。

 

「戦兎さん!」

 

「なのは、ここまで魔力を温存しておけ。俺がガジェットの相手をする!」

 

ガジェット達にラビットラビットにより伸縮自在になった手足で攻撃をし破壊していく。

 

「ここだ、玉座の間!」

 

「ここに、ヴィヴィオが...」

 

扉の前に到着したのだが、内側から音がする。

 

「なぁ、何か聞こえないか?」

 

「いえ、なにも....!」

 

音は次第に大きくなっていき、ついには扉が破壊される。

 

「きゃあああああぁああああああああああああ!!!!!!」

 

「ヴィヴィオ!」

 

俺はとっさに反応しているヴィヴィオを受け止める。如何やら気を失ったようだ。

 

「.....随分と遅かったじゃないか、戦兎。」

 

「スターク、ヴィヴィオに何をした!!!」

 

「簡単な事だ。聖王を辞めて貰っただけだ。」

 

確かに彼女は今、オリヴィエにそっくりな姿をしている。でも....

 

「ゆりかごの設定は変更不可能のはずだ!」

 

「残念ながら可能だ。だから....」

 

スタークは話しながら玉座へと進んで行く。そして振り向きながら言った。

 

「俺が王だ。」

 

『エボルドライバー!』

 

装着したベルトからは異様な気配を感じる。

 

「なに、それ...」

 

「俺が開発した究極のドライバーだ。準備運動の相手にはなってくれよ?」

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

スタークはベルトにフルボトルをセットしハンドルを回す。すると、3つの金色の環状のフレームが現れる。更にはビルドと同じ様なライドビルダーが展開される。

『ARE YOU READY?』

 

「変身」

 

両手を胸の前で交差させ前に向けながら前後から挟まれる。

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!』

 

フレームが合体、天球儀の様に回転し変身完了と同時に吹き飛んでいく。

 

『フッハッハッハッハッハ!』

 

「エボル、フェイズ1」

 

最終兵器が今、起動した。




やりたいことをする為に犠牲になって貰おうか!

「やめ、やめろぉ!」

だが私は謝らない。

「キングのラウズカードを持っているからか!」

ああ。

「畜生めぇぇぇ!!!!!!!!!」

これにて終了。

次回もよろしゅうな~。


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80.最終兵器エボル

遂に起動したマジヤベーイ!やつ。

ここから彼の計画が進みまくるぅぅぅ!!!


「エボル、だと?」

 

エボルトの名は以前聞いたことがあった。ビルド本編でベルナージュによって操られた美空が話していたからな。

 

「仮面ライダーエボルだ。短い時間だがよろしくな?」

 

「何を言って....!」

 

は、早い!ハエ―イ!と言われたラビットラビットで追いつけない程の、瞬間移動と言える速さだ!

 

「なのは!」

 

「え?きゃあああああぁああああああああああああ!!!!!!」

 

エボルによって背後からキックを喰らい吹き飛ばされてしまう。何とか防御魔法を展開しているのが確認できるが、完全には受け止められていないようだ。俺もヴィヴィオを壁に立てかけて直ぐに戦闘態勢に入る。

 

「なのは!」

 

「まだ大丈夫!」

 

俺は武器を構えようとするがそれすらも敵わない。構えた途端に武器だけ引き飛ばされてしまった。

 

「がっ!!」

 

俺も吹き飛ばされ壁に埋まる。なのはがまた防御と攻撃を繰り返すも意味なく終わる。

 

「お前はもう用済みだ。落ちろ、エースオブエース。」

 

『READY GO!』

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

エボルの右足の裏から生み出したエネルギーを右脚に蓄積させてなのはに蹴りを叩き込む。

 

「きゃあああああぁああああああああああああ!!!!!!」

 

『チャオ!』

 

「これで一人目...」

 

バリアジャケットが解除され、レイジングハートも破壊されて気絶してしまう。

 

『交響曲第9番第4楽章』が鳴り響いている気がした。

 

「さて、次の段階へと進む事にしよう。」

 

 

その言葉は俺には聞こえず、直ぐに大きな音でかき消されてしまった。

 

「戦兎!なっ、姉弟子!」

 

龍斗がやって来たが、既に遅し。気絶し、傷ついたなのはを目の当たりにしてしまった。俺は変身が解除されていないものの動くことは出来ず、只々叫ぶことしかできなかった。

 

「龍斗、逃げろぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

これも意味をなさないのに気が付いたのは....ずっと後の事だった。

 

『READY GO!』

 

『レッツブレイク!』

 

「おりゃあぁ!!!」

 

龍斗がツインブレイカーにクローズドラゴンをセットし打撃を放つが、ダメージは見られない。

 

「....そんなもんか、万丈?」

 

「なに?」

 

「お前に用はない。戦兎を先に潰すのが先だ。」

 

クローズには興味がない様に龍斗は吹き飛ばされ変身が解除されてしまった。

 

「ぐ、おまえは...何がしたいんだよ!?」

 

「簡単な事だ。俺は世界、惑星を破壊する。その為に戦兎にはここで死んでもらわないと困るんだよ!」

 

俺に対してトランスチームガンによる射撃が飛んでくる。変身を解除していないとはいえ、気絶は免れないだろう。だが、

 

『ボトルバーン!』

 

「オラァァ!!!!!」

 

龍斗がボトルをセットしたナックルを弾その物に投げ当て破壊してくれた。すると、ぶつかったからかセットされたフルボトルが変化し光を放ち始める。

 

「遂に覚醒したか!万丈!!!」

 

龍斗は不意に立上り俺に背中を向けて仁王立ちをした。

 

「戦兎は..姉弟子は俺が守るんだ!」

 

俺はエボルが何処か嬉しそうにこちらを見ている気がした。




まだまだ行くぜ!


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81.離れ離れのベストマッチ

原作サブタイトル!

勿論この話では....


龍斗はベルトを交換してナックルのグリップを変形させベルトにセットする。

 

『クローズマグマ!』

 

ベルトのハンドルを回す龍斗の顔を俺は見ることができないが、何となくあいつの覚悟が感じ取れた。

 

「変身!」

 

俺と龍斗の間に現れたマグマライドビルダー。龍斗の頭上からバリアブルマグマを流していく。

 

すると複数のドラゴンが形成される。

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

マグマが冷え固まり前後にマグマライドビルダーが移動してその塊を砕く。

 

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

「マジか...クローズマグマ....」

 

龍斗は全身から炎を纏う。

 

「行くぞ、スターク。覚悟はいいなぁ!!!!!」

 

龍斗は殴りかかるが交わされ打撃を受けそうになる。だが、それを防ぎまともにダメージを与えることに成功していた。

 

「ハハハハハ!!!!!やるなぁ、万丈。」

 

「当たり前だ!戦兎と姉弟子の仇は取らせてもらう!」

 

だが、それは出来なかった。何故なら....

 

「ほう、そういうことか...なら!」

 

ある方向から魔力弾が飛んでくる。それは....

 

「...私の仇なんて取らなくていいよ。それは...」

 

ああ、知りたくなかった。それは俺にとっても、龍斗にとっても絶望の始まりだった。

 

「俺がお前を倒せばどうなるのか??」

 

何時も見てきた彼女とは異なり目を赤く染めた...

 

「姉...弟子?」

 

「龍斗!そいつはなのはじゃない、スターク、エボルトだ!!!」

 

俺が叫んだ時には、なのはが龍斗に攻撃を仕掛けていた。

 

______________

 

「があああぁぁぁぁ!!!!!」

 

姉弟子が乗っ取られた。それだけで俺は...

 

「.....っ!!!!」

 

この怒りを、ぶつけずにはいられない!!!!!!

 

「スターク!!!!!!!!」

 

「ハザードレベルが上がったか。4.7。怒りっていうのは面白いな。」

 

「同感だ。実に興味深い。」

 

姉弟子がスターク嫌、エボルトと共に並ぶ。

 

「そこからどけなのは。俺の攻撃が当たっても知らねえぞ!!!!!!」

 

『ボトルバーン!』

 

俺はベルトからナックルを外してフルボトルをセットし直す。

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

「どけえええええぇぇぇぇ!!!!!」

 

だけど、俺の拳はエボルトには届かない。なのはが防御魔法を展開したからだ。

 

「ふむ、この体はデバイスなしだと魔法が使いずらいな。」

 

それはやはりというか、他人事の様に話すなのはの顔をした誰か。

 

「なのはを返せ!」

 

「そいつは無理だ。お前が俺に勝てれば考えてやるよ。」

 

「いったな!」

 

俺はベルトに再びナックルをセットしハンドルを一回だけ回す。

 

『READY GO!』

 

『ボルケニック・アタック!』

 

「まずいな、こいつのなけなしの魔力でっと...」

 

次の瞬間、俺となのはの技がぶつかり合った。

 

____________

 

「ぐっ........」

 

なのはを乗っ取ったエボルトが放ったスターライト・ブレイカーと龍斗の蹴りがぶつかり合う。龍斗の召喚したドラゴン達が螺旋を描くようにブレイカーに絡みつき威力を抑え込んでいく。

 

「どりゃあああああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

 

「ハ、ハハハハハハハハ!!!流石だ万丈!どれだけ俺の予想を上回る気だ!」

 

なのはの口からエボルトの声が聞こえる違和感を気にしないようにしながら衝撃波を耐える。俺の後ろで気を失うヴィヴィオに危害が及ばないように。

 

「.......ハザードレベル4.9」

 

俺にはその呟きは聞こえることはなく辺りが光で見えなくなり、再び目を開けるとそこには....

 

「はぁ、はぁ....」

 

息を荒くした龍斗、完全に戦闘不能となったなのはだけだった。

 

「っ、エボルト!」

 

「俺に当たらないで欲しいなぁ。」

 

お互いがベルトのハンドルを回し右拳にエネルギーを貯めていく。クローズは更に全身を炎で包み込みボルケニックモードに入る。

 

『『READY GO!』』

 

『ボルケニック・フィニッシュ!』

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

互いの拳がぶつかり合い、俺は遂に耐えられず吹き飛ばされてしまう。

 

「くっ、どうなった!?」

 

発生した煙が消えていくと、そこには....

 

「龍斗、勝ったのか....」

 

いや、アイツじゃない!こいつは....!

 

「戦兎、こいつの体はもらったぜ?」

 

『エボルドライバー!』

 

『ドラゴン』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

あ、ああ、俺には....もう....

 

『ドラゴン!』『ドラゴン!』『エボルドラゴン!』

 

『フッハッハッハッハッハ!』

 

「フェイズ2、完了」

 

絶望以外、残されていないのかも知れない。




うちのエボルトさんの体は別の人の中に有ります。その人が乗っ取られた暁にはこのルートは完結致します。


え?ハザードレベルが上がった理由?全て怒りによる底上げです。

戦兎は、この世界はどうなってしまうのか?

次回、『破壊へのカウントダウン』でお会いしましょう。

それではまた!


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82.破壊へのカウントダウン

さあ、最後の実験を始めようか?


ああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!

 

「さあ立ち上がれよ、戦兎。俺を止められるのはお前だけだぞ?」

 

分かってる!そのことぐらいすぐにはわかった。龍斗が来た後からこのゆりかごは静か過ぎる。はやてちゃん達は動力源の破壊ができたのか、一斗とティーダはブロス達との戦いに勝ったのか。俺にはそれすらも分からない。だけど...

 

「....もしも、まだ可能性があるのなら

 

俺が話し出そうとすると、壁を破壊して誰かが部屋の中へ入って来る。

 

「僕が出来るのはここまでだ。後は君が....」

 

「はい!父さん!」

 

ああ、如何やら勝ったみたいだ。ゆりかごの中で迷ってでもいたのだろう。

 

「ふむ、ローグか。裏切り者は始末しなければな。」

 

その後瞬間移動によりエボルトを見失ってしまう。

 

「がっ!」

 

「お前はもう用済みだ。」

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

エネルギーが瞬時に拳に集まり、ローグが殴られた。

 

「....後は...頼みます...」

 

ティーダは吹き飛ばされ変身解除された上に血を吐きながらそう言い倒れる。

 

「よくも、よくもローグさんを!!!!」

 

俺は驚いた。あの一斗から沢山のオーラが出てきたのだ。

 

「ハザードレベル4.5。無理やり挙げているとはいえ、流石だな。」

 

「何言ってるんですか!!!」

 

『ツインブレイカー!』

 

「そんな先輩みたいな姿をしないで下さい!」

 

一斗は続けて攻撃をするが当たらない。そんな中、とんでもない爆弾がエボルトによって投下された。

 

「お前は自分が何者なのか知らないだけだ。俺はそれを知っている。」

 

「!」

 

一斗の攻撃が止まる。

 

「僕は、桐生一斗。それが...」

 

「それはお前にとってだ。俺にとっては同じなんだよ、桐生一斗。」

 

「お前は俺だ。エボルトの一部に過ぎないんだよ!」

 

投下された爆弾はまだ小さな少年の心を砕くには十分すぎる威力だった。

 

___________

 

「.....」

 

エボルトのその言葉。それは今まで気になっていた事を殆ど証明してくれた。実際にエニグマの転移だけではハザードレベルが上がる事はないはず。それなのにハザードレベルが3.0を超えている。その答えがスタークと同じ...以前、俺は予想している事があった。それはマスタークは人ではないというものだったが、革新が付いてしまったのだ。つまり....

 

「ぼ、僕は...桐生一斗だ!エボルトなんかじゃない!」

 

「それはお前が思い込んでいるだけだ。俺はお前で、お前は俺だ。」

 

「う、うるさいうるさい!」

 

一斗は混乱して変身が解除されている。今攻撃されたら....!

 

俺は動かない体を無理矢理動かして、一斗の元に走った。

 

____________

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

「....................」

 

僕は攻撃を受けた。そのはずだった。

 

「父、さん....」

 

その攻撃は僕には当たらず父さんが背中に受けており、変身が解除されて僕によしかかってきた。

 

「父さん!」

 

「....これでいいんだよ.....これを....」

 

僕は父さんのベルトを受け取ることしか出来なかった。

 

「....エボルト、提案だ....」

 

「なんだ?」

 

「....龍斗の身体を返せ。俺の身体を変わり使え!」

 

僕は泣き続ける事しか出来なかった。エボルトと呼ばれた人が変身を解除すると、傷ついた先輩が出て来た。

 

「お前は知らなかったな。俺はどんな奴でも乗っ取れるんだよ。」

 

先輩が父さんの背中に触れた後後ろに倒れてしまう。僕の身体が何を思ったのか急に父さんから離れた。

 

「俺が乗っ取れる事を知ったうえでここまで回避されるとはな。」

 

父さんの口からは違う声が聞こえてきた。

 

「ゼリーは使い物にならないな。どうする?打つ手なしか?」

 

気が付かないうちにゼリーに穴が開いていた。僕に今使える物は腕にくっついた二人と父さんの残したベルトだけ....やるしかない!

 

『ビルドドライバー!』

 

「ほう?」

 

「僕にはこれしか残っていないんだ!」

 

そう言ってもらっていたフルボトルを振る。小さいときに教えてもらった父さんの動きに合わせて!

 

『フェニックス』『ロボット』『ベストマッチ!』

 

ハンドルを回してファイティングポーズ!

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

『不死身の兵器 フェニックスロボ!』『YEAH!』

 

「これが僕のビルド!父さんの力だ!」

 

僕に出来る精一杯!これで勝つんだ!

 

『エボルドライバー!』

 

「そうか、それじゃあこれだな。」

 

『ラビット』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

『ラビット!』『ラビット!』『エボルラビット!』

 

『フッハッハッハッハッハ!』

 

絶望へのカウントダウンが始まった。




原作の万丈の立ち位置を一斗にあてるという滅茶苦茶。


自分でやっててこれでよかったのか気になってくる。


いつか書き直ししようかな。


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83.止まらぬ破壊、壊れた少年

ここがもう一つの特異点


あれから何分たったんだろう....?

 

僕は今、ビルドに変身している。だけど、エボルトを止めることができたわけじゃない。

 

あっという間に吹き飛ばされて、動けなくなってしまう。

 

「............」

 

分かっていることは一つだけ。もう誰もエボルトを止めることは出来ない。僕以外には。

 

手はある。僕がこの体を差し出すことだ。そうすればエボルトに破壊する事をやめてもらえるはず....

 

 

『一斗、このままだとお前の大事な人が死ぬぞ?』

 

「!、辞めろ!!!!!」

 

考えている時間なんてなかった。エボルトが急に連絡をして来たと思ったら、はやてさんに止めを刺そうとしていたからだ。

 

「エボルト、取引だ.....」

 

『....なんだ?』

 

こうなったらやるしかない!

 

「約束だ!僕の体をあげるからこれ以上、父さんの体を使って僕たちの大切な物を破壊しないで!」

 

『.....ようやくその気になったか。いいだろう、俺はお前がこっちに来るまで待ってやるよ。』

 

通信はそこで途切れた。僕は背中を預けていた壁から離れ、足を引きずりながらゆりかごの動力源に向かった。父さんの残したマップを使って。

 

「...来たな。」

 

外に出るとはやてさんが赤いオーラで拘束されて浮いていた。バリアジャケットも解除されていて、リインさんが僕の足元で気絶している。

 

「その人を離せ。話はそれからだ!」

 

父さんがやった様に。これが最善だと信じて。

 

「いいだろう、ほれ。」

 

はやてさんが拘束を解除されて床に崩れ去る。僕は近づいてまだ生きている事を確認する。

 

「まだ破壊してねぇよ、安心しな。俺は約束を守った。さぁ、早く取引と行こうぜ?」

 

僕に出来る事はこれ以上何もない。

 

「ああ、父さんの体から出てけ!」

 

「いわれなくとも!」

 

ああ、僕の中に何かが入って来る。それが何か確認する前に僕は....

 

 

__________________

 

 

「は、はははは!!!!!遂に、戻ってきたぞ!!!!!!!」

 

どんなにこの世界を次元世界を探しても見付からなかった俺の体を、ようやく取り返したんだ。これ以上に喜ばしい事はあるだろうか?

 

『♪~~~~!』

 

なんだ?変身を解除したら腕に付いていたユニットが外れて俺を攻撃してきやがった。確かこいつらのお陰でハザードレベルを上げていたんだったか。

 

「うるさい、邪魔だ。」

 

破壊しておこう。こいつらに頼らなくても俺にはこいつがある。

 

「さぁ、今度こそ完全復活の時だ!」

 

『マックスハザード・オン』

 

こいつが持っていたトリガーを起動させ、自分自身に刺す。

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」

 

そうだ、これでいい。これで俺は!

 

「はぁ....はぁ....ハザードレベル5.0.......」

 

一気に上げ過ぎたか。身体が持たなく....!

 

「いいものが落ちてるじゃないか....」

 

俺はそこに落ちていたユニゾンデバイスを持ち上げる。ついでに機能を停止させたビルドフォンも。

 

それを俺は........

 

 

ライダーエボルボトルの成分として粒子化させて吸収した。

 

これで俺は仮面ライダーに変身出来る。

 

『エボルドライバー!』

 

ああ、本当に長かった。今まで数え切れないほど星を破壊してきたが、ここまで時間がかかったのはここが初めてだ。まぁ、これからなくなるんだがな。

 

『コブラ!』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

 

装着したベルトのハンドルを回す。

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!』

 

さぁ破壊を

 

『フッハッハッハッハッハ!』

 

始めようか?






次回、エピローグ。



残ったのは、破壊された・・のみ。

アイツの目的達成までの物語。


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84.エピローグ

お待たせしました!

BAD ENDルート完結です!


「はぁ、なんで俺はこの星にこんなにも時間をかけていたんだろうな....」

 

 

俺がつぶやいても誰も返してくれない。いや、返してくれる相手がいないのだ。手に持つこの頭ももういらない。

 

 

今俺の目の前に広がっているのは、以前破壊した火星のように砂だけになった地球だったもの。この星に広がっていた緑や大きな海。それらも既に存在していた過去のものだ。何、気に病む事は無い。久しぶりに見たから俺の身体が興奮を抑えきれなくなっているんだろう。

 

 

一斗との取引の後に転がして置いた女に地球外の毒を打ち込んだ。そしてアースラに俺は乗り込んだ。何、乗っていたのはただの雑魚ばかり。毒を打ち込んでやったら消えていったよ。難無くフルボトル58本とパネル6枚を回収し、パンドラボックスにパネルをセットしてミッドチルダにパンドラタワーを作ってやった。そこからはあっという間さ。パンドラボックスを完全に起動させ、この世界の生命体を全て砂に変えてやったよ。ついでにだが建物も壊れた。

 

「さてと、この世界の破壊も終わったことだし次の次元世界に行くか。」

 

ん、地球にも同じ事をしてやったさ。日本列島の本州にパンドラタワーを建てて起動。

 

たったこれだけでいいなんて何をしてたんだろうな、俺。

 

「戦兎との戦いは悪くなかったな。」

 

さて、今度の次元世界には俺を楽しませてくれる奴はいるかな?

 

 

__________________

 

 

『エボルト』

 

完全に次元世界を破壊しつくし再び破壊の旅へでたヤベーイ奴。

 

本来の体を取り戻した上に究極のドライバーが完成したためにこうなった。

 

別の姿が後4つ程あるのだが登場はしなかった。

 

ビルド本編でも、全部こいつのせいだと言われる未来が見えている。

 

 

 

『桐生一斗』

 

GOOD ENDルートでは明かされなかった秘密があった被害者。

 

 

『佐野巧』『桐生戦兎』

 

息子に全てを託したはずが世界が滅びてしまった可哀想な人。

 

 

『万丈龍斗』

 

操られたなのはを倒すも待っていたのは....

 

ビルド本編では今後どうなっていくかが作者の楽しみである。

 

 

 

『高町ヴィヴィオ』

 

 

完全に忘れ去られた子。

 

 

『八神はやて』『リインフォース・ツヴァイ』

 

最後の取引にて助けた後、片方は苦しみ、片や即消滅という運命になった。

はやての最後の台詞は愛する人の名を述べたらしい。

 

 

『高町なのは』

 

今作オリジナルであるエボルトの多重憑依により体を乗っ取られた後、

龍斗に助けられたものの体は魔法を使わない限り治らない程に破壊された。

 

 

『高町恭也』

 

父親と共にエボルトに挑むも倒された。残った頭部の角は無残にも折れており、刃こぼれもしていた。

 

 

『佐野純一郎』

 

エボルトに一番最初に乗っ取られ自我を失った。龍斗の体を乗っ取った後、消滅せずに地面に転がった。

パンドラタワーの衝撃で破壊された。

 

 

『ミカ』

 

ベルカ時代にて生きていた少女。戦兎を師としてデバイスなどの事について学んだ。

ビルドフォンのプロトタイプに意識をインストールした時にベルナージュとは別れており、意識は今もバングルの中にあるとかないとか。肝心のバングルはある所に封印されている。まぁ、このルートではビルドフォンを破壊された為にその命を散らした。

 

 

『仮面ライダー』

 

次元世界においての禁句。それは希望になったはずだった味方のライダーが全てエボルトが変身する『敵』である『仮面ライダーエボル』によって完全に破壊されたからである。使ってもよいが、その先にあるものは....

 




いよいよ残るはTRUE ENDルートのみ。

番外編をやって完結の予定なのですが、

「vivid編もやれば?」

と友人に言われました。

どうしましょう?

感想お待ちしております。

それではまた!


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TRUE ENDルート
83.まだ、終われない


BAD ENDルートの82話の続きとなります。


僕は戦い続けた。

 

『ハザード・オン』

 

「はぁ!」

 

『アンコントロール・スイッチ!』『ブラックハザード!』『ヤベーイ!』

 

ハザードトリガーを使って戦った。勝てなくても、絶望しないために。

 

「ハザードレベル4.9。あと少しだ....」

 

エボルトが何かを言っているけど、気にしてられない。ハザードトリガーを使っているせいか頭痛が酷く、暴走が近づき始めていたのはわかった。

 

「....っ!時間がない!」

 

「暴走しかけているのか....なら!」

 

エボルトは僕の身体が必要だ。それならこのまま暴走してでも....!

 

『マックスハザード・オン』

 

「!自ら暴走する気か!」

 

ばれた!でも止まれない!

 

『オーバーフロー』

 

あ、..........................

 

 

______________

 

 

「厄介な事をしてくれたな....」

 

ビルドが目の前の物を破壊しようとしてくる。まぁ、攻撃は当たらないがな。

 

「利用してやるか。」

 

このまま暴走に付き添えばハザードレベルを5.0まで上げられる。

 

「あと少し、あと少しなんだよ!」

 

ああ、中々ハザードレベルが上がらない!4.9まで来てると言うのに!

 

「くっ!」

 

ちぃ、攻撃を食らってしまった。が、ハザードレベルが上がり切ったようだ。

 

「じゃあな、戦兎。俺の遊び相手にしては滅ぼしたくないんだがな。」

 

俺はハザードフォームのアンテナを掴み、動けなくしたところで素早くハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

『エボルテック・フィニッシュ!』『チャオ!』

 

変身を解除させながら俺は体を入れ替える。遂に、俺と一斗は融合を果たした。

 

___________

 

身体が軽い。俺に憑依していたエボルトはどうなった!?

 

「ん?大した精神力だな。こんなに早く意識を取り戻すとはな。」

 

一斗?嫌、違う!こいつは...!

 

「エボルト、一斗の体に入ったのか.....!」

 

「ああ。遂に俺は元の身体に帰ってこれたんだ。破壊を始めるから邪魔すんなよ?」

 

投げ捨てられたビルドドライバーはあちこちが破壊されており、使うことはできないだろう。でも!

 

『ビル....ドラ...バー....!』

 

「はぁ。邪魔すんなよ。」

 

『エボルドライバー!』

 

まだ俺にはこれがある。フルフルラビットタンクボトルを振る。

 

「そいつはもう使えないぞ。」

 

「何を...!」

 

なっ!

 

フルフルラビットタンクボトルが急に熱を持ち、内部から破壊されてしまう。それなら!

 

『マックスハザード・オン』

 

「この期に及んでまだ抵抗するか....」

 

『ラビットタンクスパークリング』

 

ハザードフォームででも!

 

俺はハンドルを回す。だが、ライドビルダーが展開される事はなかった。

 

「もう仮面ライダーにすらなれないか。終わりだな。」

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

「ここで散れ。桐生戦兎いや、佐野巧!」

 

まだ、終われない。こんな所でみんなの犠牲を.....

 

「無駄には、できないんだよ!!!!!!!!」

 

 

ここに来て、最後の希望が俺を待っていた。





TRUE ENDルート遂に始まる。


エボルトとの決着に向けて、

どんどんと強くなる戦兎をお楽しみ下さい。


それではまた!


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84.対最終兵器

ここから先は、ビルド本編にて投稿時には未登場のフォームが出てきます。


かなりのネタバレになります。

それでもよろしいのならこのまま読み進めて下さい。


戻るならここで。ですよ?
















ブラウザバックしなかった方、本編をどうぞ!


「何故ここにある!?」

 

エボルトが何かをわめいている。そうだ、これは何でここに....

 

 

 

 

「パンドラボックスぅぅぅ!!!!!」

 

 

 

 

俺はその光輝きながら転移してきたこの禁断の箱に触れる。

 

『マスター、ようやくです。これでベルナージュの願いが叶います。』

 

「ミカ、その願いって.....!」

 

 

俺に流れ込んできたのは、ベルナージュの記憶。

 

 

彼女の兄にエボルトが憑依して、パンドラタワーを建てて火星を滅ぼした。そのすべてが今さっき体験したかの様に頭に流れ込んでくる。

 

ベルナージュがバングルに意識を込め息を引き取る前に、とある一族の生き残りに願いを託していた。

 

【もしエボルトが貴方の末裔達の星を滅ぼそうとするなら、この力を使いなさい。貴方達に全てを託します。】

 

 

誰だ?何故か顔が見えないベルナージュの話を跪きながら聞くこの男は....!

 

 

 

 

 

「俺?」

 

 

 

 

 

 

「ああ、ようやく分かったよ。俺が何で仮面ライダーになる運命だったのか。それすらも。」

 

『マスター、行きましょう。』

 

「ああ!」

 

俺は、あの日エボルトにばれないようにベルナージュが封印したアイテム二つの片割れの封印を解いた。

 

「俺にあいつを、エボルトを倒せてみんなを救える力を!」

 

ここに、もう一つの禁断のアイテムが動き出した。

 

 

 

________________

 

 

 

「何が起こっている!」

 

こんなはずじゃなかったんだろうな。エボルトにとってもこれは予想外なんだろう。俺が封印を解いたと同時に俺の身体の傷とベルトが修復されていく。

 

 

「!.....また、俺の邪魔をするのか....ベルナージュぅぅぅ!!!!!!!!!!!」

 

うるさいな、さっさと俺の息子の体を、返してもらおうか!!!

 

俺は封印から解除されたパンドラボトルをベルトにセットする。すると、近代的な見た目似へと変化した。

 

『ジーニアス!』

 

天才か....俺には勿体無い名前だ。でも!

 

『イェイ!』『イェイ!『イェイ!』

 

『イェイ!』『イェイ!『イェイ!』

 

ハンドルを回してビルドマーク型のライドビルダーを前後に展開させる。

 

『ARE YOU READY?』『覚悟はいいか?』

 

ああ、俺はもうできている!

 

前後からライドビルダーに挟み込まれ変身を完了する。

 

「なんだその姿は?ただ白いだけじゃないか!」

 

まだ変身を完全に完了したわけじゃない。

 

「!なんだ!?何が起きてっが!!!」

 

どこからかフルボトルが飛んできてエボルトに攻撃してから俺の身体の指定の位置にセットされていく。

 

成分がボトルから流れ出し真ん中のビルドマークにて混ざっていく。

 

『完全無欠のボトルヤロー!』『ビルドジーニアス!』

 

『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

 

行くぞエボルト。俺の、俺達の最強は、

 

「ちっとばかし響くぞ!」

 

 

対最終兵器、起動。





読んだ皆様、こちらにて登場したジーニアスはビルド本編と異なることでしょう。

ですが、それぞれを分けて見てください。



次回、『目的は衝突し合う』でお会いしましょう。


「チャオ♪」


ん、今何かk(粒子となって消滅する音)


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85.目的は衝突し合う

等々決戦へと進む二人。ここからどうなってしまうのか!?


「オラァァ!」

 

 

なんだこの力、もの凄く大きい。それでも!

 

「エボルト、お前にはここで倒れてもらう。」

 

「.....なんなんだよ!?お前のその力はぁぁぁ!!!!!!!」

 

 

お前の望む回答を俺が知るわけないだろう。わかっているのは....

 

 

「この力はお前を、エボルトを滅ぼす為にある!」

 

「対俺専用って分けかぁぁぁ!!!!!」

 

『タンク』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

この期に及んでまた何かしでかす気か!?

 

「フェイズ4、変身!」

 

『タンク!』『タンク!』『エボルタンク!』

 

「お前がどんなにフェイズを上げても、俺はその先を行く!」

 

タンクフォームになった所でエボルトの力は俺には及ばない。何故なら...

 

「俺はお前と違ってみんなの、守るべきモノの為に戦ってるんだ!」

 

「俺はぁぁぁ!!!!破壊することでしかいきれないんだよぉぉぉ!!!!」

 

そうか、それがエボルトの目的。俺の目的がそれぞれの拳に宿ったかの様に拳が衝突し合う。

 

「俺は、こんな所で止まってられないんだよぉぉぉ!!!!」

 

「があああぁぁぁぁ!!!!!」

 

どんなところからこんな力が...!

 

「お前には、お前だけには負けられないんだよ!戦兎!」

 

『ロック』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

「フェイズ5、変身!」

 

『ロック!』『ロック!』『エボルロック!』

 

吹き飛ばされている間にフォームチェンジされた上に、こちらに向かいながらもハンドルを回しているのが確認できる。

 

俺はハンドルを回す余裕がない為腕を胸の前で交差させて防御の姿勢を取る。もう少しでこの力を理解できそうなのに!

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

「終わりだああぁぁぁ!!!!!」

 

走りながら飛び上がりキックを放たれてしまう。ガード出来たものの身体が動かなくなってしまう。

 

「これは....ロックフルボトルの能力か!」

 

「正解だ!やっとお前を捕まえられた。こいつを使う前にいい事を教えてやろう。」

 

エボルトがハザードトリガーのような形をした石を取り出してくる。なんなんだろうか。

 

「.....ぐっ!」

 

「おっと、その鎖はそう簡単には切れないぞ。お前の使うその力は封じた。ジ・エンドってところか。」

 

「.......」

 

「それでいい。お前はその力が何なのか理解してないみたいだからな。軽く説明してやるよ。」

 

願ってもない事だ。聞きながらでもエボルトをどうやって倒すかを考えていく。

 

「それはベルナージュから託されたんだろうが、俺のこれを作るために作った試作品だ。俺以外が使うとどうなるか分からない。それでも使うか?」

 

そんなの、決まってるだろうが!

 

「ああ、それでも戦うさ!」

 

『ゴリラモンド!』

 

「!」

 

力の使い方は今さっき理解した。このまま倒す!

 

『バットエンジン!』

『サイドライヤー!』

『マグゴースト!』

 

「これは翼さんの弟とティーダの分!」

 

「があぁぁぁぁっ!!」

 

フルボトルの力を最大限に活かす事ができる戦い方は、攻撃をやめないこと!

 

俺は能力を発動して拳にベストマッチの力を貯めて放ち続ける。ガードされてもやめることはない。

 

『サメバイク!』

『ハチマリン!』

『ペンギンスケーター!』

『シカミッド!』

 

使ったことすらないベストマッチ達。それでも俺に力を貸してくれた。

 

「これは陸で闘い続けているスバル達の分!」

 

殴る。それぞれのベストマッチの力は確実にロックボトルの能力の限界を超えようとしていく。

 

「何!?力が抜けていく!?」

 

「気づいたようだな。この力でお前はドンドン弱くなっていってるんだ!」

 

「がっ!」

 

守るのをやめれば待っているのは変身解除。その上で消滅させられると考えているのだろう。

 

『キリンサイクロン!』

『クジラジェット!』

『トラユーフォー!』

『スパイダークーラー!』

『ビートルカメラ!』

『タートルウオッチ!』

『ドッグマイク!』

『クマテレビ!』

『ローズコプター!』

『ユニレイサー!』

 

「これは今まで一緒に戦ってきた機動六課の仲間達の分!」

 

10のベストマッチはそれぞれ実体化して攻撃をしてくれる。俺はその中でハンドルを一回回す。

 

『READY GO!』

 

こいつで決める!

 

『ジーニアス・アタック!』

 

「ライダー....パンチ!」

 

俺の拳にはジーニアスの力が貯まる。こいつで、殴る!

 

「があああああああアアアアアアアアアアアアアアアアあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

防ぎきれずに吹き飛ばしたエボルフェイズ5は変身を解除されて一斗へと元に戻る。

 

「これで終わりだエボルト。サッサと一斗の中から出てこい!」

 

「フフフ.....ハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」

 

急に笑い出すエボルト。

 

「何が可笑しい。」

 

「ああ、何。これで、俺は最終兵器として完成する!」

 

エボルトが片手で掲げたそれは先程までとは違い、色を得ていた。

 

『オーバー・ザ・エボリューション!』

 

「これが本来の俺だ!」

 

スイッチを押された瞬間、衝撃波が飛んできたせいで近づくことができない。

 

『コブラ』『ライダーシステム』『レボリューション!』

 

ベルトにセットされたハザードトリガーに似た黒白のトリガーにより、ハザードライドビルダーに似たライドビルダーが展開される。

 

『ARE YOU READY?』

 

「フェイズ6、変身!!!」

 

俺には挟み込まれるのを見てる事しか出来なかった。

 

『ブラックホール!』『ブラックホール!』『ブラックホール!』『レボリューション!』

 

『フッハッハッハッハッハ!』

 

白黒のアーマーに身を包んだエボルが出て来た。




最終兵器が最終形態へと変化を遂げた。

ビルドも最終フォームに姿を変えたものの、勝てるかどうか分からない。

それでも彼は、一斗達の未来の為に戦うことを辞めない。

次回、『限界突破』

決着の時は近い。


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86.限界突破

エボルト、遂に最終形態へ!


「なんだよ、その姿...」

 

エボルはコブラフォームに似ているものの頭部にあった星座盤が消えて胸部と同じ漆黒に染まっている。その枠組みが白と赤のラインでイメージが先程と違い過ぎる。

 

「こいつはエボルトリガーっと言ってな。お前のハザードトリガーを俺なりにアレンジしたものだ。こいつはハザードフォームと同じ様にもう一段階パワーアップ出来るぜ?」

 

俺は構えるがそんなことを気にしないように俺に近づこうとしてくる。

 

「ここで負けるわけにはいかないんだ!」

 

『フルボトルバスター!』

 

「無駄なことを....」

 

『ドリルクラッシャー!』

 

お互いに武器を召喚し、剣撃がぶつかり合う。

 

「今の俺はその名の通りブラックホールそのもの。お前の力も全て吸い込む事ができるんだよぉ!」

 

「なっ!」

 

フルボトルバスターがエボルの胸部にある漆黒の穴に吸い込まれて行ってしまった。

 

「武器は無くなった。後はお前だけだ。」

 

手がないわけじゃない。

 

『スマホウルフ!』

『オクトパスライト!』

『海賊レッシャー!』

『ライオンクリーナー!』

『ロケットパンダ!』

 

「まだ抵抗するか....」

 

ああ、

 

「まだ俺は諦めない!俺が戦わないなら誰が戦うんだってんだ!」

 

「お前のそういう所、初めて会った時から嫌いなんだよぉ!」

 

エボルトは武器を捨て、お互いが能力を使って脚部にエネルギーを集中させる。

 

「抵抗虚しく砕け散れ!」

 

「はあぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

互いがベルトのハンドルを回す。

 

『『READY GO!』』

 

『ブラックホール・フィニッシュ!』

 

『ジーニアス・ブレイク!』

 

「「おらああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」」

 

俺達のキックはぶつかり合う。ブラックホールによって吸い込まれていくエネルギーを補う様に能力を発動させる。

 

『ニンニンコミック!』

『ホークガトリング!』

『ファイアーヘッジホッグ!』

 

「とどけえええぇぇぇぇ!!!!!」

 

「フフフ、ハハハハハハハハ!!!!!!」

 

エネルギーを吸われながらもキックは互いの身体を吹き飛ばした。

 

「っとまだ俺を楽しませてくれるのか、戦兎ぉ!!!!」

 

「はぁ、はぁ、はぁ、....」

 

これでもまだ倒せないか....

 

「お前には俺の究極体を見せてやる。」

 

『オーバー・オーバー・ザ・レボリューション!』

 

まだ残っていた。俺にはこれが....

 

『フィーバー・フロー!』

 

『フッハッハッハハハ!』『フッハッハッハハハハハ!』

 

最後の戦いだと、感じ取れた。

 

「これが俺の究極体だ!」

 

全身から溢れ出る赤くどす黒いオーラ。

 

アーマーに追加された赤は漆黒の宇宙の崩壊を意味している様に感じ取れた。





残された力でエボルの攻撃に耐えた上に勝つことが出来るのだろうか?

戦兎の悩みには誰も答えを返してはくれない。

それでも戦い、歌い続ける。ラブ&ピースを。

次回、『終焉ノ時』

またお会いしましょう。


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87.終焉ノ時

決着はあっけなくつくことが多い。

互いがぶつけ合ったそれぞれの目的はどちらが達成するのか。

待っているのは平和か、それとも破壊か

最後の実験を始めようか?

『迷い込んだのはリリカルな世界 By  Build』

始まります。


「これが俺の究極体、ファイナルフェイズのビッグバンフォームだ。」

 

これがエボルトの本来の力だろうか。圧倒的なエネルギーを感じ取れる。宇宙で起こる星の爆発自体がエボルト自身であるかのように。

 

「簡単に壊れてくれるなよ?」

 

俺に残されたもの。それをすべて使ってでも勝たなければ、一斗達の未来を掴み取る為に。

 

「はぁ、最悪だ。」

 

「何?」

 

俺はビルド本編の桐生戦兎の台詞を使う。

 

「こんな所であいつらに気が付かせられるなんてな。」

 

俺は最初から気づいてた。あいつらの、ラブ&ピースは....

 

「俺が守るんだ!」

 

『ラビットタンク!』

 

葛城さん、最上博士。力をお借りします!

 

「まだ残っていたか。」

 

今残っているのは、俺たちの旅の終着点!

 

『キードラゴン!』

 

「今の俺は、負ける気がしねぇ!」

 

龍斗、お前の力を貸してくれ!そして...

 

『フェニックスロボ!』

 

「心火を燃やしてぶっ潰す!」

 

一斗と俺の力だぁぁ!!!!!!

 

「ハハハハハハハハ!!!!!!まだそんな力が残っていたのか!!!!!!!」

 

行くぞ、エボルト。これで最後だ!

 

「いいだろう、乗ってやるよ!」

 

お互いがベルトのハンドルを素早く回していく。

 

『『READY GO!』』

 

これで本当に、

 

「終わりだあぁぁ!!!!!!!!!」

 

『ジーニアス・フィニッシュ!』

 

『ビッグバン・フィニッシュ!』

 

飛び上がり正面からぶつかり合った俺達の最後のキックは次々とゆりかごを内部から破壊していく。

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

響く俺たちの声はきっと外の皆にも聞こえていただろう。

 

「これでお前との遊びも終わりだ!」

 

ビッグバンにより全てのスペックを跳ね上げてくる。それでも俺は負けられないんだ!

 

「力を、貸してくれええぇぇぇ!!!!!!!!!」

 

俺のその言葉で全てのベストマッチがキックの威力を上げていく。

 

「まだ、まだ上がるのか!!!!!!!!」

 

「アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発によりお互いの姿が確認できなくなる。エボルトは、どうなった....

 

『マスター!マスター!』

 

「ミカ......エボルトは、どうなった....」

 

『....あちらで、変身が解除されています。』

 

「そうか.....」

 

エボルトは完全には倒せない。それなら、封印しかない。

 

俺は無理矢理に立ち上がる。ゆりかごの天井はさっきの威力で吹き飛んでおり、青空が照らしていた。

 

最後の、一仕事だ。バラバラに散ったフルボトルを一つ拾ってして突き刺さっていたフルボトルバスターに手を伸ばす。

 

俺はそれを引き抜いて引きずりながらも一斗へ、エボルトへと歩んでいく。

 

「これで終わりだ、エボルト。」

 

「.....俺は何で,..お前に...勝てなかった?」

 

それはお前が持ってなかったものだからな。

 

「理由は簡単だ。お前には破壊することしかできなかった。違う事も出来たら良かったのにな。」

 

エボルトは傷ついた身体を動かすことは出来ず、最後に顔を俯かせた。

 

「そういう事か.....ああ、あと少しだったのに....な....」

 

気を失ったのか...

 

『ロック』

 

『フルフルマッチでーす!』

 

フルフルボトルのブランクとロックフルボトルをセットしてバスターキャノンを一斗へと標準を合わせる。

 

「じゃあな、エボルト。」

 

『フルフルマッチ・ブレイク!』

 

俺は引き金を引いた。

 

 

___________

 

 

 

あの後、俺は瓦礫に背中を預けていた。

 

『マスター、皆さんの転移が終了しました。残るは私たちのみです。』

 

あの一撃によりエンプティボトルにエボルトの意識を封じ込めることに成功したのだ。

 

その為残された一斗も転移させるのに少し時間が掛かっていた。

 

「録音は?」

 

『完了しています。ですが、本当によろしいのですか?』

 

「ああ。ミカ、今までありがとうな。」

 

『私はこれからも、先生の側にいますから。」

 

俺はクロノが乗っているアースラに通信をつなげた。

 

『やぁ、意外とボロボロじゃないな。』

 

「何言ってるんだ。全く、ゆりかご内からは俺以外もう誰もいない。今から転移したら射ってくれ。」

 

『了解だ』

 

通信はそれで切れた。上手く俺が外にいるように見せれただろう。映っていたのは青ぞらだけのはずだし、それにアースラなどへの位置情報はデバイスから発信されている。だから、ミカだけ転移させれば、俺が残っている事には気がつないはずだ。

 

『マスター、間もなく魔力が底をつきます。』

 

「そうか....」

 

如何やら時間らしい。

 

「あいつらを、頼んだぞ。」

 

『はい!』

 

ミカも転移していった。残っているのは俺とエボルトのみ。

 

「これでよかったんだよな。」

 

つぶやいても返事が返ってくるわけでもない。帰って来たのは俺の手の上でカタカタと動くボトルだけだった。

 

「今度は、破壊者じゃなくて......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大切なモノを守れる友として会おうな。」

 

 

次の瞬間、俺達は光に飲まれた。

 




もうあとがきで書く事はないでしょう!

とう言うわかけで

次回、『エピローグ』


これが本当の最終回だ。


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88.エピローグ

StS編完結です!


まだ彼等の物語は終わらない。











あの事件、後にS.S事件が終了してから3ヶ月が過ぎていた。

 

俺は今、とある場所へ向かうためバイクを走らせていた。

 

 

俺こと万丈龍斗は今、一斗の成長を見守りながらフリーの魔術師として働いていた。

 

 

勿論アイツのデバイスであるミカと共に。

 

 

『龍斗様、その先を左折してください。』

 

「了解だ。」

 

 

俺が乗っているのはマシンビルダー。アイツが使っていたバイクだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桐生戦兎はエボルトと最期を共にした。

 

助けられた俺たちにミカが告げたことは実に残酷な事だった。

 

対最終兵器用のアイテムを使用した副作用で死にかけていたとはいえ、黙って行ってしまうなんて思ってもいなかった。

 

俺達が沈んでしまうのを戦兎はわかっていたのだろう。遺言を残していた。

 

 

それには今迄俺たちに黙っていた事と全員に対する感謝と別れの言葉が残されていた。

 

桐生戦兎という一人の青年が命をかけて守った全ての次元世界に対する言葉を。

 

『ラブ&ピースがこの現実でどれだけ弱く、もろい言葉なんて分かってる。

 

それでも謳うんだ。一人一人がその思いを胸に生きていける世界を創る.....任せたよ次世代』

 

 

俺達はそれを公開した。

 

事件の中で死んた仮面ライダーの言葉として。

 

 

今、あの言葉は殆どの人のココロに残っている事だろう。

 

そしてアイツは、英雄になった。

 

残された秘密の一つ、『創成王』として。

 

 

 

俺も『龍王』として崇められたさ。でも、すぐさま逃げ出した。アイツが死んでまで遺した事で俺が崇めれるのはおかしいと思ったからだ。

 

 

そこから俺はフリーの魔術師として働いている。

 

なのは達はそれぞれ進む道が異なってはいたが、想いは変わらないだろう。

 

 

今俺はフェイトと付き合っている。アイツがみんなの前でばらしやがったんだ。

 

ん?なのははどうなったかだって?

 

ユーノといい感じになってるよ。

 

 

『間もなく到着です。お疲れさまでした。』

 

「ありがとな。」

 

俺はバイクから降りて花束を取り出して歩く。今日は.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひと月振りか、戦兎。」

 

桐生戦兎の命日で、偽りの墓参りに来たんだ。

 

 

 

教会の人達が何時も掃除しているからかこの墓は綺麗だ。ただ、当の本人はここでは眠っていない。

 

 

ゆりかごと共に消滅したはずなのだが、今でも俺はアイツが何処かで生きている気がしてならないんだ。

 

 

「今月で機動六課は解散だとよ。お前が支えた生徒達はそれぞれの夢に向かっていってるよ。」

 

 

勿論、お前の夢もな。

 

なのはと付き合い始めたユーノから、一つ相談を受けた。

 

僕と一緒にビルド式を教える講師にならないか、と。

 

生前、お前がふと漏らしていた事だ。ビルド式を教えてあげたいと。

 

そして俺とユーノは学院を回りながら講師をしている。

 

仕事の合間にだがな。

 

 

 

『龍斗様、はやて様から緊急の連絡です。次元犯罪者が現れたと。』

 

「俺が一番近くにいるってか....」

 

俺はビルドドライバーを装着する。アイツの使っていたのは今、厳重に保管されている。

 

『ボトルバーン!』

 

『クローズマグマ』

 

アイツが遺した技術は、きっと世界をよくしていくはずだから。

 

「変身!」

 

俺は、俺達は戦い続けるよ。

 

 

 

またお前に会えた時、

 

 

胸を張って

 

 

やり切ったって言えるように。

 

 

__________________

 

 

『万丈龍斗』

 

戦兎の後を継いだ主人公。

 

一度は絶望により何も出来なくなってしまうも、フェイトが支えとなることで今を生きている。

 

某破壊者と再会した時に、「成長したな。」と言われ泣き出したらしい。

 

 

『桐生一斗』

 

身体も心もボロボロにされた次世代。それでも、父親の言葉を胸に今を生きている。

 

夢ができたらしい。

 

『ラブ&ピース』を守り、謳い続けるっていう夢が。

 

 

『鷲田翼』『翔』

 

互いに誤解が溶けるが、後にエボルトによってどちらも破壊されてしまう。

 

被害者の中では一番惨い事になった。

 

 

『葛城巧』

 

自分がいる世界から『佐野巧』という人物が居なくなった事に気が付いた人。

 

隠れながら帰って来た純一郎と奏の暮らしを見守っている。

 

 

『佐野純一郎』

 

妻である奏と再会した。今迄の記憶はなく、完全なる一般人へと戻った。

 

何故家に一つ部屋が多いのかが最近の疑問。

 

 

 

『ミカ』

 

ビルド式のデバイスとして最後まで戦兎と共にエボルトと戦い続けた。今は龍斗をマスターとし、普段から仕事まで支えている。一斗の姉のような一面も見られるようになったとか。

 

 

『高町ヴィヴィオ』

 

自分のせいで戦兎が亡くなったと思い込み、一番傷ついたと思われる。それでも今は学校に通いながら、兄を支えに暮らしている。

 

 

『高町なのは』

 

デバイスであるレイジングハートと共に半年に及ぶ入院、リハビリにより復活した管理局のエースオブエース。

 

ヴィヴィオの正式な親として支えながらも、次世代へ教育を続けている。

 

全ては、自分が伝えられる事を伝えきるために。

 

あ、最近ユーノと付き合い始めたとか。

 

 

『フェイト・テスタロッサ・ハラオウン』

 

悲しみを乗り越えて龍斗を支えた。後に付き合いだす。

 

まぁ、自身の気持ちを遺言でばらされた可哀想な人といってもいいかもしれない。

 

戦兎への感謝の気持ちに今も昔も変わりはない。これからも龍斗を支えていくだろう。

 

 

『ティアナ・ランスター』

 

夢へ向かって頑張っている。

 

兄が生きていた事をバネに更なるやる気が見えている。

 

 

『ティーダ・ランスター』

 

罪を償うために更生施設へ。

 

だが罪が戦兎によって軽くなり、もう直ぐ社会復帰出来るとか。

 

将来は龍斗とユーノに継いで講師になる予定。

 

 

『キャロ・ル・ルシエ』『エリオ・モンディアル』

 

お互いを支え合い、龍斗も支えた。彼らも夢に向かって頑張っている。

 

最近、浮かれた話を龍斗が聞いたとか。

 

 

『スバル・ナカジマ』

 

特殊救助隊へ。フォワードトップとして活躍しながら助けた人々にある事を伝えてるとか。

 

 

『戦闘機人達』

 

捜査に協力的な子たちは更生施設へ。原作通りにルーテシア、アギトも一時的だが入っていた。

 

だが、スカリエッティにのめり込んでいた子たちは精神を崩壊させ、それぞれ別の留置場に入れられている。

 

 

『桐生戦兎』『佐野巧』

 

自らの命を引き換えにエボルトとの決着を果たした。最後は残していく人達への後悔があったが、それでもエボルトと共に消えることを願った。

 

 

『仮面ライダー』

 

事件の中で登場した人々。人によっては兵器、又は平和の象徴として認識されている。

 

特にその身を犠牲にしてまで救った桐生戦兎は英雄とされ、ベルカ時代の伝説『創成王』として伝わっている。

 

『ある人が言っていた。俺達仮面ライダーは正義の為に戦うんじゃないと、人間の自由の為に戦うのだと』な。

 




これにてStS編全てのエンディングが完成しました!

各ルートは

GOOD ENDルートが仮面ライダーの物語

BAD ENDルートがエボルトの物語

TRUE ENDルートが対最終兵器の物語

となっています。


ここまで読んでいただいた皆様、

ここまでありがとうございました!

ですが、まだ物語は続きます。

番外編でお会いしましょう。

ではまた!


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番外編
万丈龍斗という男


余り期待しないで下さい。

短いです。

ですが、龍斗が何故転生して光写真館の前にいたのか。

そこまで描こうと思います。


あの日俺はいつも通りに中学へ行って勉強して部活して、帰って寝るという生活を送るはずだった。

 

 

前もって言っておくと、俺の両親は共働きで二人共海外へ出張へ行っていたはずだ。

 

 

いつもの帰り道で裏道として森の中を通る。慣れた感覚の中で、俺は一つ変わった事にあった。

 

 

『♪~~~~』

 

 

機械で出来たドラゴンにあったのだ。

 

 

いや、マジかよ!と俺もなったんだぜ。そしたらこいつ、急に火を吹いてきたからバッグから水の入ったボトルを取り出して掛けてやったんだ。そしたら....

 

 

「へ?」

 

 

突然真っ白な空間に俺だけ飛ばされた。

 

「っちょ、どこだよここ!」

 

俺が叫んでも誰かから返事が返ってくる事はない。

 

「.....どうしたもんか.....」

 

だが、進展は案外早く来た。

 

 

『万丈龍斗』

 

「っ!誰だ!?」

 

『すいません、事情を説明している時間はありません。これを』

 

急に聞こえてきた声はすぐに静かになり、開いたままのアタッシュケースが現れる。

 

『貴方は選ばれました。行きなさい。先輩方が助けてくれるはずです。』

 

「待ってくれ!何がなんだが....」

 

声に俺の言葉は無視され気が付くと....

 

 

「どこだここ.....」

 

普段気に入っていた私服を着た俺は、アタッシュケース片手にある場所の前にいた。

 

「光写真館?」

 

 

「おや、珍しい。お客さんかね?」

 

 

俺と、士さん達の旅はこうやって始まった。

 

 

_______________

 

 

「よかったのですか?」

 

「ん、何が?」

 

「いえ、あのドラゴンを連れて強制的に平行世界に飛ばしてしまっても....」

 

 

「ああ。あの筋肉バカの平行世界バージョンなんだ。ここからでもどうにかなる。それに....」

 

 

話している男女が見つめる龍斗が元々いた世界は....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エボルトに最後の希望を破壊されたくないからね。」

 

炎の渦に飲まれて、消滅し始めていた。

 

 

 

__________________

 

 

『万丈龍斗』

 

 

とある平行世界の『万丈龍我』で、平行世界の『???????』と『???????』によって最後の希望として士達の元へ送られた。

 

全てはあのドラゴンに気に入られた事によることなのだが、本人は知る由もない。

 

中学一年生にてこうなり、学校ではなくおじいさんやユウスケ、夏美によって勉強をしていた。

 

 

『???????』

 

平行世界の『???????』。龍斗に自分の作ったものを託して散っていった。

 

助手が降り、彼女と共にエボルトに挑んだという。結果は......

 

 

『???????』

 

平行世界の『???????』。龍斗にクローズドラゴンを差し向け、運命を動かした人。

 

助手をしており、雑用なんかもそのうちの一つ。動けなくなった彼の代わりにめんどくさがりながらも行った。

 

『万丈龍我』とは面識があり、龍斗を見かけた時にすぐさま行動に動いた。

 

 

『エボルト』

 

平行世界を巡り自分探し。結局見付からなかったが、遊び相手を見つけた模様。

 

世界を滅ぼした後、遊び相手を滅ぼした。





『???????』って読みずらいですよね。

ですが、察しのいい方は誰かわかっているのでは無いでしょうか?

まぁ、言ってしまえば龍斗は転生者ではありません。

ですが元居た世界が滅びてしまった為、転生者ということにしました。

ついでに言うと、夏美に自分が真っ白な部屋に居たという事を伝えた時に

彼女から転生というものを教えられています。


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Ep 555

番外編

戦兎達が来る前に、なのはとユーノが出会ったとある青年とのお話。


『魔法少女リリカルなのは』

始まります。


やあ、皆。はじめてかな?ユーノです。

 

今回は僕となのはがP.S事件の後、戦兎さん達に会う前にあったある青年の話をしよう。

 

________________

 

 

あの日、僕らはいつも通りの日常を送っていた。

 

なのはは学校へ、僕は家で仕事をしながら過ごしていたんだ。

 

 

「ユーノ君、ただいま~」

 

「キューイ!」

 

あ、僕は今フェレットだからね?話したらダメなんだ。

 

「今日はこの後翠屋にアリサちゃんとすずかちゃんが遊びに来るんだって。だから一緒に行こ?」

 

ふむ、仕事もひと段落付いた上に外に出られる。この誘いを断る理由は僕にはなかった。

 

「キュー!」

 

了承の意味を込めて頷きながら鳴く。

 

「じゃ、少し外で待っててね。」

 

ん?なんで部屋の外にいるかって?なのはは着替えてるんだ。それに僕は男。

 

えっ?男には見えない?まぁ、当時は中性的な見た目だったしね。

 

んん。それは置いておいて僕らは駅前のなのはの両親が経営する喫茶店『翠屋』に行ったんだ。そしたら.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....................」

 

「えっと....どうしよう?」

 

 

お店の前で誰かが倒れているじゃありませんか。なのはの性格上、助ける事になったんだけどお店に運び込んだ瞬間、お店の中はパニック。

 

なのはのお父さんとお母さんも飛び出してきて、いつも通りとはいかなくなっていた。

 

 

________________

 

 

結局、倒れていた男の人は単なる気絶だった。寝かせておくとしばらくして目を覚ましたんだ。

 

「ここは......」

 

「あ、目が覚めましたか?」

 

「ああ。てか、ここはどこだ?確か俺はあの時....」

 

「あの.....」

 

何か考えごとに入ってしまったみたいだ。

 

「あの、私は高町なのはって言います。」

 

なのはが名前を言うと気が付いたのかこう返してくれた。

 

「名乗ってなかったな。乾巧だ。」

 

倒れていた事情を聴くと乾さんは渋々と話してくれた。

 

ある日自分がいなければ発動しない機械が作動し、無限ループが起こった事。

 

それを止める為に自分が犠牲になった事。その後で何故か翠屋の前で倒れていたという事。

 

 

「あ、俺の近くにバイクがなかったか?」

 

「バイク?なかったですよ?」

 

バイクか....ミッドチルダにもあるけど、こっちでは僕がフェレットの姿だからか気づかれないまま進んできて惹かれかける事が何回かあったな。

 

「マジか....あそこには俺の全財産があるんだけどな...」

 

「私が探してきましょうか?」

 

なのはが提案する。

 

「頼めるか?シルバーと赤のラインがあるバイクなんだが....」

 

 

「大体分かったかな。探してきます!」

 

「あ、あと....」

 

この人が話していたことは普通じゃない。それは聴いていてわかっていたこと。だけどこれにはビックリしたなぁ。

 

「人型になって俺を探してるかも知れない。」




この人が登場することは、一部の人は気が付いていたのかもしれません。

まぁ、変身するかは差し置いてですが....


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Ep 555:2

番外編

青年から聞き出した事を手掛かりにバイクを探していく。

すると案の定、そのバイクを路地裏で見つけた。

『魔法少女リリカルなのは』

始まります。


乾さんからの情報でバイクは見付かった。見付かったんだけど....

 

 

「ユーノ君、あのバイク.....」

 

「人型で歩いてるね.........」

 

しょうがないと思うんだ!

 

この世界には魔法は存在しない。だから彼からは魔力の反応はなかった。それでも....

 

 

 

『............』

 

機械音を鳴らしながら辺りを見渡して何かを探しているようにも見えるあのロボット....

 

 

何処か切なく見えるのは何でだろう?

 

 

「あれが.....『オートバジン』だろうね」

 

「にゃははは....ここまでよくできたロボットを見るのは初めてなの」

 

さて、どうやってここから連れて帰ろうか?そう考えている間に彼?は僕らを見つけたのか近づいてきた。

 

「わっ!へ?」

 

素早く動いた腕が見せてきたのは写真だった。しかも....

 

「これ、乾さん...」

 

河川敷で撮ったものみたいだ。他も色んな人が写ってる。

 

『..........』

 

反応があったからか、オートバジンは僕たちに付いてくるきの様だ。

 

「なのは、このままだと騒ぎになると思うんだ。だから透明になれる魔法をかけておくよ。」

 

「うん。」

 

僕はオートバジンを透明にすると、そのまま歩いて翠屋に戻った。

 

________________

 

 

「お前、今迄何処に行ってたんだよ。ったく.....」

 

『.......』

 

何故だろう?嬉しそうに感じるんだが。

 

「なのはだったか。ありがとな、こいつを探して貰っちまった。」

 

「にゃははは。これくらいなら大丈夫ですよ?」

 

「すまねぇ、こいつを探してきてくれた礼をしたいんだが....」

 

「別にいいんですよ。そろそろ友達が来るんで、行って来ますね!」

 

なのはは外へ行ってしまう。

 

お店の中とはいえ、今は僕と乾さん、オートバジンだけだ。何かが起こるかも知れない。

 

「なあ、フェレット。」

 

「?」

 

なんだろうか?

 

「お前、話せないか?」

 

「!」

 

な、なんでそれを!?

 

「簡単だ。これでオートバジンの集めた情報を確認できるからな。」

 

そう言って携帯を取り出して僕となのはが会話している映像が流れる。

 

「......何が目的です?」

 

「何にもない。あるとすれば、世界中の洗濯物を真っ白にするくらいかな。」

 

その言葉に僕はキョトンとしてしまう。

 

「フェレット、夢を持ってるか?」

 

「ユーノです。夢ですか.....」

 

生憎、僕には夢がない。いや、ただ目的の為に仕事をしているだけ。

 

「俺も夢を持っていなかった気があった。それでも、最後は夢を持てたんだ。」

 

「それで?」

 

僕は、どうすればいい?

 

「それでも、夢を守る事は出来る。だから俺は戦った。誰かの夢を守る為に。」

 

「夢を....守る.....」

 

「まだ難しいかもな。でも、覚えておけよ。きっと役にたつ時が来るからな。」

 

そう言って乾さんはテーブルに置いてあったコーヒーに手を伸ばす。

 

「あちっ!またかよ...」

 

なんだろう、真面目に考えていた僕が馬鹿らしく感じてしまった。

 

「まぁなんだ。あの子を支えてやれよ?」

 

「あっ、待って下さい!」

 

あっという間に部屋から出ていいってしまい、オートバジンが変形したと思われるバイクにまたがっていた。

 

「なのはにありがとうと伝えておいてくれ。それじゃあな。」

 

 

あっという間にどこかへ向かってしまう。

 

「不思議な人だ.....」

 

僕の口からは無意識に声が漏れていた。

 




こんなの乾巧じゃない!

って感じる人もいるでしょう。そういう時は平行世界の乾巧として見てやってください。


もっと作者が上手くたっくんを描ければいいんですがね。


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Ep 555:3

番外編


青年はどこかへ行ってしまった。


彼が残した言葉を伝えたユーノはその日の夜、幸運にも彼に再開する。

『魔法少女リリカルなのは』

始まります。


僕は戻ってきたなのはに乾さんの言葉を伝え、その日は夜を迎えた。

 

 

何時ものと変わらない夜。

 

なのはが眠り、僕も眠る。

 

 

だがあの日は何故か寝付けなかった。僕もなのはも。

 

「ユーノ君、少し散歩に行こうか。」

 

「うん。」

 

僕らは窓から出て魔法で姿を偽る。散歩は今の時期が一番楽に感じる。

 

 

「何でだろう。今日は一段と眠くないの。」

 

「そうだね....!」

 

だが、そんなゆったりした時間もすぐに過ぎて行った。

 

魔力を感じ取ったのだ。それも程よい大きさの。

 

すぐさま感じた座標へ走り出す。

 

セットアップして飛行魔法で移動する。するとそこにいたのは...

 

 

「........」

 

 

全身の赤いラインが発行している戦士だった。

 

___________________

 

「誰ですか?」

 

地面に降りて質問する。

 

「......なのはか」

 

その人が赤い光に包まれる。すると出てきたのは今日翠屋で会った乾さんだった。

 

「何ですか今のは....」

 

「これは555。俺が持つ唯一の戦う力かな。」

 

私は、ユーノ君に聞いたことを思い出した。

 

「乾さん、ユーノ君に話した事を詳しく話してもらってもいいですか?」

 

そう聞くと、乾さんは携帯電話で時間を確認する。

 

「明日が休みで良かったな。それじゃあ、そこの河川敷で話そうか。」

 

私たちは河川敷まで移動した。

 

_____________

 

 

「ユーノには話したよな、俺の夢。」

 

「いいえ、それは....」

 

「あれは俺にとって夢を見つける旅だったんだ。」

 

河川敷で腰を下ろした僕たちに乾さんは語ってくれた。

 

仲間と強大な敵と戦ったこと。その中で一つの答えを見つけたこと。そして、

 

「....世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、みんなが幸せになれますようにってな。」

 

 

彼の夢は僕たちにとって壮大で、それでいてあこがれを感じられた。

 

「実現できない夢が殆どさ。それでも、俺は願ったんだ。」

 

俺が夢を守る事で、幸せになれるようにって。

 

それは今、明確な夢のない僕らにとってはよくわからないものだった。だけど

 

「乾さん、私にも特別な力があります。それでみんなの夢を守る事ってできるかな....」

 

その疑問に帰って来たのは、何というか乾さんらしいものだった。

 

「俺が知るわけないだろう。でも、俺が守れたんだ。なのはにだって出来るさ。」

 

「うん」

 

会話は止まってしまう。

 

「......お前はさ、その力がなくなったら自分と関わってくれなくなるとか考えてないか?」

 

「!はい....」

 

「やっぱりか....」

 

それを見抜いていたんですね。乾さんは。」

 

「ああ。昔同じ様な目をした奴にあったからさ。」

 

それはどこか寂し気だった。

 

「お前がこのまま無茶を続ければ、お前は壊れてしまう。」

 

「でも!」

 

片手がなのはの口を塞ぐ。

 

「だから、俺からのアドバイスだ。仲間を頼れ。お前は一人じゃない。その力が無くなってもだ。」

 

「う、うあぁぁぁぁ!!!!!!」

 

人が寝静まる時刻に、少女の泣き声が響いた。

 

 

___________

 

「ユーノ、後は頼んだぞ。」

 

「はい。」

 

あの後泣きつかれて寝てしまったなのはを僕は乾さんに運んでもらった。今はもうベッドの中だ。

 

「これで本当にお別れだ。」

 

「はい。色々と、ありがとうございました。」

 

「いいんだ。俺に出来るのはこれ位だからな。」

 

 

そう言ってまたどこかへ行ってしまう。

 

「ありがとうございました、乾さん。これでなのはは....」

 

 

そこからは僕自身もよく覚えていない。

 

 

 

____________________

 

 

こうしてなのはは夢を探す様になった。

 

無茶を減らして自分を守りながら、誰かの夢を守る様に戦うようになった。

 

 

 

え?乾さんは何処に行ったかだって?

 

 

僕は......

 

 




これにて番外編も終了です。


これによって空白の十年でなのはは無茶ではなく、

AMFを初めて使われて対処できずに落ちた事になっています。


ここまでも駄文を読んで下さり、

ありがとうございました。


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七夕

番外編、久々の投稿ですよ~


七夕、それは中国での行事であったものが奈良時代の日本に伝わり元からあった日本の棚機津女の伝説と合わさって生まれたものである。

 

まぁ、それは置いておいて....

 

子供達の為に笹を持って帰ってきた戦兎。

 

「ただいまー」

 

「「おかえりー」」

 

既にリビングではミカと翼、はやてが短冊を制作している。そう、今日は7月7日。

 

「お帰りなさいませ、マスター」

 

「ミカ、これ何処に運べばいい?」

 

「それはそのまま庭に運んでいただいて....」

 

戦兎はミカに言われた通りに笹を運び庭に置いてあった筒に差し込むことで自立させる。

 

「そういえばその笹は何処で手に入れたん?」

 

「ああ、これはね....」

 

一応ミッドチルダでも笹を手に入れることができるのだが、なるべく地球のモノを使いたかった為に戦兎は地球へ連絡を取ったのだが、如何やら葛城さんは深谷七夕まつりへ参加する為に埼玉県深谷市へ向かっているらしく笹をてにいれることができなかった。その為戦兎は恭也さんに連絡して笹を手に入れることには成功したのだ。が、一つ条件を付けられたのだ。

 

「で、戦ってきたんやな」

 

「ハハハハハ......」

 

乾いた笑顔を浮かべて少しずつ気を沈めていく戦兎。何かを得るために何かを犠牲にした男がそこにはいた。

 

「翼は七夕を知ってたんだよね?」

 

「はい。エボルトと行動している時に」

 

如何やらエボルトは地球の文化を楽しんでいた模様。クリスマスもバレンタインも知ってたなと戦兎は意識を現世に浮上させてくる。

 

「マスター、準備を開始しましょう」

 

「ああ」

 

壁に立てかけてあったレールを動かして組み上げていく。

 

七夕はそうめんを食べるのが風習らしい。

 

その為流しそうめん用に作ったスライダーはヴィヴィオ達の友達も誘っても大丈夫なようにかなり巨大なものになっている。二階から流せるようにしつつ、魔法で水を流していく。

 

「よしっ」

 

「そろそろゆで始めるな~」

 

「頼んだよ~」

 

はやてはそうめんを茹で初める。戦兎は作りかけの短冊の穴に紐を通していく。

 

「ただいまー!」

 

「「おじゃましまーす!」」

 

ヴィヴィオがリオとコロナと共に桐生家を訪れる。ミカが迎えに行っているので戦兎は全員分の食器を準備し始める。

 

「「ただいまー」です」

 

「「「お邪魔します」」」

 

一斗、フーカがアインハルトとユミナ、リンネを連れて帰ってくる。それに続くように庭に魔法陣が展開される。

 

「っと、どうも。戦兎さん」

 

「よう」

 

「ヴィヴィオ来てます?」

 

「姉さん、着いたよ?」

 

「もうちょっとだけ...」

 

そこ魔法陣からユーノ、龍斗、なのはにフェイトが転移してくる。フェイトの腕の中にはアリシアがいる。

 

「良く来たね。準備がもう少しだけ掛かるから待っててね」

 

全員にめんつゆを入れたお椀と箸を渡していく。

 

「姉さん、もうみんな集まってるよ?」

 

「.....分かった」

 

しぶしぶフェイトに降ろしてもらうアリシア。そんな彼女にも渡す。

 

「皆~ゆで上がったで~」

 

「待ってたぜ!!」

 

どこからともなくヴィータが顔を出す。

 

「全く、先に行くなヴィータ」

 

「お邪魔しますね、戦兎さん」

 

「お邪魔します!」

 

守護騎士達とミウラが顔を出す。如何やら全員揃ったようだ。戦兎はゆで上がったそうめんを持って二階へと上がる。

 

「始めるぞ~」

 

『は~い!』

 

子供たちの声を聞きながら流れていく水にそうめんを少しずつ投下していく。

 

七夕の夜はまだ始まったばかりだ。

 

 




皆が集まってイベントを楽しむ。

これが戦兎の守りたかった未来。

そして忘れてはならないのがエボルトも各イベントを楽しんでいたこと。




完全に世界に毒されてるな....


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Fourth:vivid
1.物語は続く


新たに始まるvivid編。


こちらはGOOD ENDルートの続きとなっています。



これからもよろしくお願いしますね!


それでは本編をどうぞ!




あれから4年がたった。一斗はSt.ヒルデ魔法学院中等部に上がった。ホントに立派になったもんだ。俺が今何をしているかだって?何、簡単さ....

 

「いい加減に受け入れるんや!」

 

「俺には......まだ無理だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

そう、はやてちゃんから逃走中である。S.S事件の後機動六課が解散された時期からか、急にはやてちゃんからのアピールが増えていく様になった。

 

ヴィヴィオと話している時に壁から覗いていた目のハイライトが消えていた時は本当に恐怖を覚えた。

 

まぁ、今もハイライトは仕事をしていないんだが。

 

「お縄につけ~~!!!」

 

 

「俺何かしたっけ!?」

 

わかっている。はやてちゃんの好意が昔から俺に向いていたこと位。だけどね....

 

 

「巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃにぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃにぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ巧にぃ.....何で逃げるんやぁぁ!!!!」

 

「ひっ!!!」

 

誰が予想できるだろうか。昔一緒に暮らしてた義妹がヤンデレになっていたら。

 

実は最近まで俺はデバイスマイスターの仕事でミッドチルダ以外の次元世界に長期間行っていて、今日預けていた一斗を迎えに八神家を訪れたらこれである。

 

「アハハ、母さんと父さんは仲がいいなぁ.....」

 

『........』

 

一斗は何処か目が死んでおり、守護騎士達も無言を貫いている。

 

【誰か助けてぇぇぇ!!!!!!!!!】

 

【...........】

 

念話と視線で助けを求めるが、全員俺から目を逸らし沈黙を貫く。ホントに、リイン助けてぇぇ!!!

 

「リイン、こちらへ。」

 

「はいです~」

 

ああ、最後の希望も自分のデバイスによって壊された。

 

「捕まえたで.....た・く・み・に・ぃ?」

 

「あ、」

 

オワタ。

 




新章早々にはやてに襲われる戦兎。


これは八神家に来ても殆どが守護騎士達としか会わなかったという事もあるのですが、

戦兎が知るのは....



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2.久しぶりの再会

はやてちゃんに捕まった俺は2時間程動けなくなった。その後何とか次来るときに答えを出すと言ってその場をくぐり抜けた。守護騎士達にはあきれられたが。

一斗とも久しぶりの再会だ。色々と聞きたいこともあるが、今はこいつをヴィヴィオに届けなければならない。その為、俺はバイクを走らせた。



『は~い!』

 

「戦兎だ。例のものを届けに来たぞ。」

 

家のインターフォンを鳴らす。中から聞こえてきたのはあの魔王の声。

 

『....今、変な事考えませんでした?』

 

「イヤ、NANIMO?」

 

何でだろう。俺の周りには読心術が使える奴が多いのかな?

 

「なのはさん、ヴィヴィオに会いに来ました!」

 

『一斗君も来てくれたんだ!さぁ、入って入って。』

 

なのはの招きで高町家へと足を踏み入れる。

 

「おっ、やっと来たか。」

 

「待たせたな、龍斗。」

 

龍斗もいる。今日は久しぶりにフェイトが帰って来ていおり、ここにいるみたいだ。

 

「戦兎パパ!」

 

「おう、久しぶりだな。ヴィヴィオ。」

 

再会早々抱きつかれているのはなんでかな?

 

「一兄も、学校振りだね。」

 

「と言っても、何時もあっているけどね。」

 

この二人は本当に仲がいいな。

 

「あ、戦兎さん。」

 

「お邪魔しているよ、フェイト。」

 

フェイトが奥から顔を出してきた。知ってるよ?君と龍斗の仲がドンドン進んでいることを。

 

「さて、本題に入ろうか。」

 

「うん、そうだね。ヴィヴィオ。ヴィヴィオはもう四年生だよね?」

 

「そうだよ?」

 

「魔法の基礎も大分できるようになって来た。だからそろそろ自分のデバイスを持ってもいいんじゃないかなって」

 

「ホント!?」

 

俺がここに来た目的はそれだからな。

 

「俺が今日ここに来たのは、忙しくて来れないユーノの代わりにこいつを渡すためだ。」

 

そう言っておれは小さな箱を持ってきて手渡す。

 

「開けてみてくれ。」

 

「うん!」

 

ヴィヴィオが箱を開ける。

 

「ウサギ?」

 

ウサギの可愛らしいぬいぐるみが入っていた。

 

「そのウサギは外装、アクセサリーだね」

 

「本体はクリスタルタイプだからな」

 

俺はなのはの台詞を少し詳しく説明する。

 

『.......』

 

っと、起動したみたいだな。

 

「と、飛んだ!?動いてるよ!?」

 

あ、それは...

 

「俺とマリーさん、ユーノが創ったオマケだ。」

 

ウサギは俺の言葉に頷きながらもヴィヴィオの正面に移動する。

 

「リサーチしてヴィヴィオに合わせた最新式だが、中身は殆ど空っぽなんだ。だから、名前を付けてやってくれ。」

 

「えへへ、もう決まってるよ。愛称もね。」

 

ほほう、どんな名前を考えたんだろう。

 

「そうだパパ!リサーチしたならアレができる!?アレだよ!?」

 

「勿論できるさ。セットアップしてみてくれ。」

 

なのはと俺はアレが何なのかを知っているが、他は誰も知らないからな。

 

 

マスター認証は庭でする事に。みんなが移動する中、俺は録画の準備を始める。

 

「マスター認証。高町ヴィヴィオ。術式はベルカ主体のミッド混合ハイブリッド。デバイスに個体名称を登録、愛称は『クリス』。正式名称は『セイクリッド・ハート』。」

 

俺はこの一連を撮影しながら思い出す。俺達が守った未来がここから始まるのだと。

 

「いくよ、クリス。」

 

ヴィヴィオは叫んだ。自身のデバイスの名を。

 

「セイクリッド・ハート!セーーット・アーーーップ!!!」

 

ヴィヴィオは光に包まれる。そして少し後には。

 

「ん、やったあーーー!!!ママ!パパ!ありがとー!」

 

大人モードのヴィヴィオがいた。

 

「おめでとう。」

 

「あー、うまくいったね!」

 

『excelllent!』

 

『...........』

 

まあ、知らなかった人達にとっては驚きしかないもんで。

 

フェイトは口を開けたまま、床に座り込んでしまう。龍斗と一斗は驚きで何も言えなくてなっているみたいだ。

 

しばらくして正気に戻った龍斗に俺は質問され、一斗はヴィヴィオ本人に聞きに行っている。

 

フェイトは「なんで聖王モードに!?」とか言いながらなのはとヴィヴィオを行ったり来たりしている。

 

「フェイトちゃん、落ち着いて。これはね?」

 

「ちょっ....一兄には隠していたけど、なんでフェイトママに説明してないのー!」

 

「いや...その...うっかり」

 

「あらら....」

 

「うっかりってー!」

 

 

 

実に賑やかな光景である。俺はそれがひと段落するまで録画を止めなかった。

 




リバースカード、オープン!

『なのはのうっかり』!

その効果で、フィールドに存在している『リリカルなのは』と書かれたカードのコントロールをプレイヤーは出来なくなる!



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3.襲来

サブタイトルが物語るのは、戦兎が再びひどい目に合うという仕様を伝えるものです。


そう、彼女は何処へでもやって来る!




それでは本編をどうぞ!





あれれ?おかしいぞぉ~?

 

「待たせたな。なのはちゃん、フェイトちゃん。」

 

「あれ、はやて?」

 

「何でここに?」

 

っ!....済まない、何処か可笑しいようだ。居ないはずのはやてちゃんの声が聞こえてくるなんて....

 

末期か......」

 

「何が末期なんや~?」

 

「ゲッ!?」

 

やっぱりいたよ、はやてちゃん!俺はすぐさまそこにいた龍斗を盾にする。

 

「おい、俺を盾にすんな!」

 

「ごちゃごちゃ言うな!俺の貞操の危機なんだよ!」

 

俺を支えるんじゃなかったのかよ!

 

「あ~、それは戦いにおいてな。私事は知らん。」

 

「あっ...」

 

ちょっ、盾が!盾が移動して行った!

 

「巧にぃ、約束を果たしてもらおうか....」

 

俺は高町家の壁に追い詰められる。

 

「ど、どうしてここに....」

 

「巧にぃの近くになのはちゃん達がいるのが感じられたから。それに....」

 

はやてちゃんは一度うつむいて笑顔を見せてくる。

 

「サッサと答えを出してもらおうと思ってな♪」

 

ヤバイ、あの笑顔が笑っている様に見えない。それどころか、まるでバインドされているかのように身体が動かなくなっていく。

 

「な、何を....」

 

「何って、このまま...」

 

近い近い!顔が近いよ!ああ、俺の初めてが.....

 

「グラビティ」

 

「ふげっ!」

 

「へ?」

 

俺を助けてくれたのは

 

「はやて様を気絶させました。これより迎えを呼びます。」

 

「ミカ....ありがとう」

 

「いえ......はやて様は色々と過程を飛ばして本番へいく気でしたしね。」

 

全く、知り合いとはいえ人様の家で俺を襲おうとするとか、いよいよ危なくなって来たな。

 

「悪いな、なのは」

 

「別にいいですよー」

 

そう言ってもらえると助かる。

 

結局シグナムが迎えに来て、「済まない、急に外に出た上に魔法を使わずにとんでもない速さで走り出してな....」といいだした時はもう、泣きたくなったよ。

 

はやてちゃん、人間をやめr 、既に歩くロストロギアだったっけ。

 

因みに一斗とヴィヴィオはクリスを囲んで談笑、龍斗とフェイトはデートの予定を決めていたらしい。助けてくれたっていいじゃないか、と言ったら『あの状態のはやてに関わると、ひどい目に合う』とかなんとか言われた。悲しい。

 

 

___________________

 

 

『連続傷害事件?』

 

「ああ、まだ事件とは言えないんだが」

 

「どういう事?」

 

ナカジマ家は巷で噂の連続通り魔についてノーヴェとチンク、ウェンディが話していた。

 

「被害者は主に格闘系の実力者ばかり。そういう人に街頭試合を、申し込んでは...」

 

「フルボッコにしているってわけか....」

 

ノーヴェはそう答える。

 

「あたし、そういうの知ってるっス!喧嘩師とか、ストリートファイターとか!」

 

「ウェンディ、うるさい。」

 

「まぁ、ウェンディの正解だよ。そういう人達の間で話題になっているって、龍斗さんが聞いたんだって。」

 

「私達も狙われるかも知れないってか。気を付けるか。つーか来たら返り討ちにしてやるよ。」

 

「で、これがその容疑者の写真と」

 

「ええ」

 

ディスプレイに映し出されたのはバイザーをした、少し大人びた女性だった。

 

「自称『覇王』イングヴァルト。古代ベルカ聖王戦争時代の王の名前_______」





遂にあの子が動き出す!

今度はノーヴェじゃなくて、龍斗に挑戦だ!


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4.通り魔

管理局の狸が起こした俺の貞操の危機は、我が相棒の手のよって救われた。いくら気絶したとはいえいつ復活してくるかわからない。俺達はすぐさま高町家から出て今は自宅への帰路に入ったところだった。


「やっと見つけました。『龍王』と『創成王』。」

 

曲がり角を曲がり人通りの少ない道に入った時、後ろから知らない声が聞こえてきた。

 

「....それを知っているのは極一部の人間だけだ。お前は何者だ?」

 

俺達は振り返り声を掛けてきた人物を視界に入れる。そこにいたのは薄い緑の髪をもち、バイザーをした人がいた。

 

「カイザーアーツ正統ハイディ・E・S・イングヴァルト。『覇王』を名乗らせて頂いています。」

 

その言葉に俺と龍斗は反応した。最近噂になっている通り魔。それが目の前に現れたのだから。

 

「あれ?この声何処かで.....」

 

一斗が何か言っているが、それを気にしている場合ではない。噂通りなら恐らく....

 

「幾つか確かめたい事があります。あなた方を含めた『王』達についてです。『聖王』オリヴィエと冥府の炎王イクスヴェリナ_______」

 

この疲れている時に限ってこれである。全く、自分の不運を呪いたくなってくる。

 

「そういうのはどうでもいい。冥府の炎王なんて知らないからな。で、それだけじゃないんだろ?」

 

龍斗は何処か挑発するように言い放つ。

 

「ええ、あなたの拳と私の拳、一体どちらが強いのかです。」

 

うあぁ、戦闘狂を思い出させる言葉に思わず声が出そうになる。

 

「いいぜ、知り合いがやられてるんだ。お前の実力を試してやるよ!」

 

『ボトルバーン!』

 

おう、やる気な龍斗を尻目に俺は一斗に話しかける。

 

「このまま先に帰っちゃおうか」

 

「う~ん、少し気になる事があるんだけど...」

 

「何がだ?」

 

一斗に話を聞く。『覇王』を名乗った彼女の声が何処かで聞いたことがあり、思い出そうとしていたらしい。

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

「あ、始まった。」

 

夜も遅いのでかなり静かな変身音が鳴り響く。既に殴り合いが始まっているのを除けばそれはどれくらい響くのか計測したいくらいだった。

 

「断空拳!」

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

あっという間に決着が付く。立っていたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつと同じか.....こんな事になるなんてな。」

 

龍斗だった。

 

まぁ、無事に通り魔との戦いに勝ったはいいものの....

 

 

「やっぱり、アインハルトさんだったや。」

 

 

一斗のクラスメイトをこのまま道の真ん中で放置するわけにも行かず、俺はスバルへ連絡するのだった。

 

___________________

 

 

「で、戦ったと。」

 

「悪い悪い。知り合いが倒されてたからな、実力が気になってな。」

 

龍斗とティアナと話している。俺は既に事情聴取を終えて、一斗とスバル、ノーヴェ

の会話を聞きながらものにふけっていた。

 

既に時間は過ぎて次の日の朝9時頃。アインハルトの容態を確認する為に俺達はナカジマ家を訪れていた。事情も事情で運よく休みに入っていた一斗を連れて教会へ行くことになったが。

 

正直言って行きたくない。理由は複数あるのだが、一番ははやてちゃんとの遭遇である。決してないとも言い切れず、さっきクロノに確認を取ってしまった。『まぁ、頑張れ』と俺を軽く慰めてくれたよ。今度お土産もっていくからな。

 

で、時は進んで聖王教会へと俺達は来ていた。

 

庭を進んでいくと見覚えのある顔が並んでいる。

 

ウィンディ、ノーヴェ、ディエチ、オットー、ディード、セインと戦闘機人が勢ぞろいしていた。ヴィヴィオもいる。

 

陛下と呼ばれてるみたいだ。まぁ俺達も教会の信者にあがめられた時はまいったよ。

 

話の内容は俺達には関係なく、流れる時に身を任せた。ここんところ休んでなかったからいい息抜きにはなった。

 

そういえば、何で俺達ここに来たんだっけ?

 

 

 




スバル達を使って聖王教会へ来させ、そこを襲おうとした狸がクロノによって仕事を増やされ嘆いていたとか。


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5.特訓

俺達はミッドチルダ中央市街地へ来ていた。如何やらヴィヴィオの友達が来ているみたいだ。

 

「あ、来た!」

 

「リオ!コロナ!お待たせ!」

 

活発そうな八重歯の似合う子と長めのツインテールをしたおとなしそうな子がいた。

 

「リオは初対面で、コロナはパパと龍斗さんと会うのは初めてだよね。」

 

「うん」

 

っと、如何やら俺達も紹介するみたいだ。

 

「初めまして!去年の学期末にヴィヴィオさんの友達になりました、リオ・ウェズリーです!」

 

「同じく二人の友達のコロナ・ティミルです!」

 

と、リオは龍斗の前、俺の前にはコロナが来た。

 

「せ~のっ」

 

『サインください!』

 

「おう!」

 

「あ、ああ。いいよ。」

 

まさかサインをねだられるとはね。如何やら龍斗がでたDSAAの映像を見て気になっていたみたいだ。コロナはビルド式を使う時もあるからか気になってたらしい。

 

 

「っと、ノーヴェ・ナカジマだ。」「その妹のウェンディっス。」

 

「ウェンディさんは私の友達でノーヴェは私達の先生!」

 

『よっ!お師匠様!』

 

何人かが声を揃えて言うのでノーヴェは赤くなっている。

 

「ヴィヴィオ、先生じゃないって!」

 

「先生だよねー?」「教えてもらってるし」

 

「先生だと伺っています!」

 

外堀は埋められていく。なんだろう、自分を見ている感覚だ。

 

_____________

 

話は進み、龍斗がみんなの練習相手になった。昨日ノーヴェに頼まれていたのだ。俺は一斗と共にこいつらのメンテナンス。

 

『♪~~~~』

 

あれから一斗のハザードレベルは上がり4.0になったから強制覚醒装置を外して、全体的にデバイスへといじっているところだ。フクもフォレスは今日も元気です。

 

「そういえば父さん。」

 

「ん?」

 

「今どんなところなの?」

 

「ああ、あれね....」

 

実を言うと今、次のDSAAで行う予定の特例試合について許可を得ているところだ。

 

今年からはヴィヴィオも出るだろうし、何より龍斗がやりたいと言い出したんだ。やらない訳にはいかないだろう。

 

「一応許可は申請中だ。まぁ、今からでも特訓しておくか?」

 

「いいの?」

 

「ああ。メンテナンスは殆ど終わってるし後はミカに任せてもいいと思うぞ。ミカ、頼めるか?」

 

「了解です」

 

と、いうわけでバリアを張ったリングを空中に呼び出す。これは俺が龍斗用に創った簡易リングなのだが、余り出番がなく、今回も久しぶりの登場だ。

 

 

「ノーヴェ達に連絡よろしく。」

 

「はい」

 

スクリーンでリング周りを飛び回っているカメラの映像がリアルタイムで流れる様になっており、ミカがそれを確認してくれている。

 

「さて、どうする?」

 

「ハザードトリガーは使わずにベストマッチだけでお願い。」

 

「了解」

 

お互いにベルトを装着する。

 

「最初はこれだ。」

 

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ!』

 

「やっぱりそれで来ると思った!」

 

『ロボットゼリー』

 

ベルトのハンドルを回し、スナップライドビルダーを展開する。

 

『ARE YOU READY?』

 

『変身!』

 

俺は挟み込まれる。一斗はビーカー型のファクトリーを展開し、アンダースーツを装着、バリアブルゼリーを被ってアーマーを形成する。

 

 

さて、この子はどのくらい強くなったかな?





先のことを考えているせいか、

上手く話がまとまらない。


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6.どこにでもやって来る

そう、忘れた頃にやって来る


「はぁ...はぁ.....」

 

「この前よりも強くなったな。」

 

それは俺はベストマッチしか使用せず、一斗と戦うというもの。

 

一斗がそのベルトの力を最大限に活かして戦えるようにだ。何で特訓してるかって?

 

一斗曰く、「自分の大切なものを守る為に」だそうだ。だから俺も容赦なく戦っている。

 

「一兄、これ。」

 

「あ、ありがとう。ヴィヴィオ。」

 

既にお互いが変身を解除して、リングも高度を下げて地面に降りている。

 

「マスター、お疲れさまでした。既に今回の記録を残しています。」

 

「ああ、ありがとな。メンテナンスはどうなった?」

 

「それでしたら....」

 

ミカが視線を移動させるとそこにはヴィヴィオと一斗にじゃれつくフクとフォレスの姿が。問題なくデバイスへと姿を変え始めているみたいだ。

 

「よう。どうだった一斗は」

 

「ああ、俺がいない間に随分と強くなってたよ。流石だな、龍斗。」

 

「これくらいしかできないからな。」

 

龍斗が話しかけてきたので俺の感想を述べる。

 

一斗は先輩としたう龍斗を師匠とし、どんどんと強くなっていっている。

 

「これなら大会までにかなりいい所まで行けるんじゃないか?」

 

「たぶんな。」

 

それもこれもあの日、ヴィヴィオを守り切れなかった日から続いている一斗の後悔が、あの子は強くなりたい理由だ。俺に出来るのは、それで手に入れた力の使い方を間違わせないように見守ることだけだ。

 

_________________

 

 

翌日、一斗はヴィヴィオ達と共にアインハルトに会ったらしい。

 

まぁ、あいつらの因縁は俺達にも関係があるみたいだからな。何かあったら呼ぶように言っておいた。

 

 

 

 

だが、呼ばれても今日は行けそうにない。何故ならば.....

 

 

「巧にぃ!!!!!!!!!!!」

 

 

絶賛逃走中だからだ。

 

「えと、はやてちゃん?何でここに?」

 

「聖王教会の時はクロノに邪魔されたけど、今日私は休日!だから.....」

 

「それで俺を襲撃してきたと?」

 

「うん♪」

 

そうだねーいい笑顔でいうことじゃないねーー

 

「さらば!」

 

「あ、待たんかーーー!!!」

 

と、いう感じに街にて休暇をエンジョイしようとしていたところに来やがったのだ。

 

「フハハハハハ!!!!」

 

魔法を使てないはずなのになんでこんなにも身体能力が向上しているんでしょうね!?

 

「あぶねっ!」

 

 

はやてちゃんのルパンダイビングをかわし走る。目指すは八神家!

 

「私の家に自ら来てくれるなんて___________」

 

ああ、とんでもない事を考えていそう。サッサとこれに決着を付けなければいけないのかもしれない。

 

 

 

 

 

この後、仕事中の守護騎士達を召喚して事なきを得た。俺は安堵した。戦闘狂が頼みがあるとか言ってきたので、それを聞いてみようと思わせるほどには。

 

 

 





そう、恋する乙女はものごっつヤベーイ!




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7.合宿へ

あれから少し時間が経った。するとなのはから合宿の知らせが来た。俺達にそれを断る理由もなく、その誘いに乗ることにした。だが、忘れては行けない。まだ、問題が残っていることを。


一斗達のテストが終わると直ぐ、休暇に入る。その休暇を利用するらしいのだが、俺には問題があった。それは....

 

 

「お義父さん?どうしたの?」

 

この子、翼に説明しなければならないからだ。

 

S.S事件の後、俺は彼女の保護者になった。だが、それが問題だったのかもしれない。

 

「.......何か大事なことを隠してない?」

 

弟、翔の死を乗り越えて今は保母を目指して勉強中の彼女だが、どこか今のはやてちゃんに似ているのだ。

 

最初気が付いたのは、俺が仕事先で女性と話している時だった。俺が偶々視線を泳がせたとき、彼女の目がその女性に向いていたのだ。ハイライトの消えた目で。

 

「お義父さん?」

 

ほら、今みたいにって!?

 

「あ、ああ。悪い、考え事をしていた。」

 

「そう.....で、何かあるんでしょう?」

 

「ああ、今度一斗がテストを終えたら休暇に入るだろう?そこでなのは達から合宿の誘いが合ってな。それで俺達も行こうと____」

 

「あの女、八神はやてはいますか?」

 

おおう、ハイライトー仕事してくれー

 

「いや、仕事で行けないみたいだ。」

 

「.....そうですか。それなら私も行きます。」

 

 

予想通りはやてちゃんの事を聞いてきた。最初に気が付いた時からどんどんとハイライトが消える事は少なくなっていき、今では滅多に消える事はない。俺が怪我をしない限りは。只、はやてちゃんは例外で、彼女の事を聴くとハイライトがたちまち仕事をしなくなるのだ。困ったものである。

 

「ああ、そういうと思って既に伝えてあるよ。」

 

「了解です。今から準備してきますね♪」

 

既に元に戻っているが、何が起きても可笑しくはなかっただろう。俺は保険として展開していた魔法陣を消した。

 

______________

 

 

で、時の流れは早く今日は合宿初日。俺達は高町家に向かった。既にメンバーは殆ど集まっていて、残りは俺達だけだったみたいだ。

 

「あ、翼さん!お久しぶりです!」

 

「お久しぶりですね、ヴィヴィオ。元気にしていましたか?」

 

「はい!」

 

久しぶりの再会だ。翼は家を拠点に仕事をしてもらっているのだ。基本俺は遠出の仕事をしている。

 

「紹介しますね、友達の_______」

 

 

彼女達は仲良くなるだろう。俺はそれを見ながら許可の得たあの計画を進めるために、物にふけっていた。

 

___________

 

 

合宿先は無人世界カルナ―ジといい、首都のクラナガンから臨行時空船で約4時間。時差は7時間ある世界だ。以前仕事で訪れた事もある。

 

「「みんないらっしゃい~♪」」

 

「こんにちは!」「お世話になります。」

 

 

と、ルーテシアとメガーヌさんが出迎えてくれる。

 

「お久しぶりです、メガーヌさん」

 

「ええ、久しぶりね戦兎くん。あれから進展は有った?」

 

「いやそれが....」

 

以前仕事でよらせていただいた時にはやてちゃんについて相談したのだ。で、あれからの事を伝えると

 

「ふ~ん。まぁ、何とかなるでしょう!」

 

ああ、投げるのね。手に負えないと判断したのかな。

 

今回の合宿に参加しているのは、俺、龍斗、一斗、翼、なのは、フェイト、スバル、ティアナ、ノーヴェ、ヴィヴィオ、リオ、コロナ、アインハルト。

 

まぁ後で何人か来るのだが、今は置いておこう。

 

「久しぶり~、ルールー。元気にしてた?」

 

「ええ、この前戦兎さんが来た時に話は聞いてるわよ。」

 

「え?何か言ってなかった?」

 

「さあね~」

 

和むなぁ~。最近俺の心を癒してくれる存在が少なくなってきたからな~。

 

 

「「お疲れ様で~~~す!!」」

 

おや、如何やら来たみたいだ。

 

「エリオ!キャロ!久しぶり!」

 

久々の再会だ。俺はここから見守っていよう。

 

「よう、二人共。」

 

「あ、お兄ちゃん!」

 

「兄さんも来てたんだ」

 

「ああ、今回は参加できるからな!」

 

依然誘われた時は仕事が立て込んでいて俺達は参加できなかったんだ。唯一行けた一斗も、俺の仕事についてきていたからな。

 

 

「さて、お昼前に大人のみんなはトレーニングでしょ。子供達は何処か遊びに行く?」

 

「先ずは川遊びかな。お嬢も来るだろう?」

 

「うん!」

 

「アインハルトと一斗もこっちに来いよ。」

 

『はい』

 

ノーヴェと翼と共に川遊びへ。さて、保護者は一応いることだし、一杯羽を伸ばさせてもらおうかな。

 

 

 




うちの翼さん。


『桐生 翼』

現在20歳丁度。事件の後立ち直ったのは家族のおかげ。

その家族の為となると.....


偶に潤動していることがある。


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8.偶にはゆっくり、のんびりと

練習場の端の方で眠ていると、少し大きな音が聞こえてくる。

 

目を開けると基礎トレをしているのが見えた。

 

なのはとスバル、龍斗は何でもない感じに話しているがティアナとフェイト、そして俺が寝ている間に合流したであろうティーダが肩で息をしていた。

 

ここまで機動六課時代のメンバーに会うとまた彼女が急に現れるかもしれないと、少し身を構えてしまう。

 

一応自分の周り半径100㎞をサーチしてみる。反応はない。因みにこの魔法、使うととても眠くなる。なので俺は再び夢の中へ向かった。

 

 

 

 

で、昼飯の時間となり俺は食べ物を焼いていく。これくらいはやらないとな。

 

「身体が冷えないようにあったかいものをたくさん用意したからね」

 

『ありがとうございます!』

 

流石メガーヌさん。こういうところまで気が回るのは彼女くらいなのではないだろうか。

 

で、ヴィヴィオとアインハルトが震えているのが見える。

 

筋肉痛にでも襲われているのだろうか。

 

おや、だいぶ焼けてきたみたいだ。

 

「みんな、焼けてきたぞ~」

 

「今日という良き日に感謝を込めて」

 

『いただきます!』

 

もっと焼いていくか!

 

___________

 

 

 

「ごちそうさまでした~」

 

「お粗末様でした」

 

 

久しぶりの大勢でのバーベキューだった。多分起動六課の出張以来かな。

 

 

「片付け終わって一休みしたら大人チームは陸戦場に来てねー」

 

『はい!』

 

大人による戦闘訓練に入るみたいだから、見ながらのんびりしようかな。

 

あ、それよりもあのベルトをいじってみようかな。

 

「メガーヌさん、ここら辺度に仮設基地を立ててもいい場所ってあります?」

 

「そうね....あるにはあるけど何をする気なの?」

 

「いえ、ちょっと.....」

 

アイツの残したベルトを完成させてみようかと。

 

 

__________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再現には成功した。こいつは結局エボルトが使うことはなかった究極のドライバー、エボルドライバー。何故か完成に至っておらず色々と実験した結果、パンドラボックスの力そのものが必要と言うことが分かった。だが、既にパンドラボックスは封印され管理局が厳重に保管しているはずだ。だから俺はベルトが反応しそうなフルボトルを探した。

 

するとラビット、タンク、ドラゴン、ロック、そしてコブラのフルボトルが反応した。

 

俺はそれでこのベルトを疑似的にだが再現することに成功したのだ。アイツの名前通り進化を続けるライダー。こいつの名もアイツの名前から取らせて貰った。

 

ただ、疑似的な再現のせいでスクラッシュドライバーよりのベルトになってしまった。

 

使用者の攻撃的な性格を強調させ、暴走の可能性が出てきてしまった。

 

まぁ、このベルトは所詮再現した偽物でしかない。何処かで一度使ったらお蔵入りだな。

 

 

 

 

 

この時の俺は知らなかった。軽く建てた仮設基地で完成したことを盗み聞きしていた奴がいた事を。

 

 






GOOD ENDルートに登場しなかったあのライダーが登場!


変身するのは勿論この人!

『???????』

あれ?またこれか?

登場人物の名前が大体同じ文字数になることに気が付いた。


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9.疑似最終兵器、起動

活動報告にて皆様が一体StS編でどのルートが良かったのかというアンケートを無期限で行っています。

皆様の感想をお待ちしております。








あ、本編の感想もお待ちしています。


あれから数時間過ぎて今は温泉に来ている。

 

「はぁ~~~~」

 

極楽とはこういうことだろうか。家の風呂に入ることがあっても余り長湯しない俺だが、今日は長湯してみようか。

 

「前来た時にはなかったんだよな.....」

 

そう考えると、メガーヌさんってやっぱり凄い人だと思わざるを得ない。適当に掘って温泉を引き当てるなんて。

 

「待たせたな。」

 

いや、待ってないぞ。

 

と言う事も辞め俺はこの温泉を楽しむ事にした。

 

 

「大分くつろいでますね。」

 

「ああ~ティーダ~お疲れ様~」

 

仕事は終わらせてそのままトレーニングに参加していたのだ。いくらくつろいでいてもこれくらいはね。え?龍斗の時もそうしろって?知らないなぁ。

 

俺は温泉に浸かったまま、エリオと一斗のやり取りを眺めていた。

 

 

_______________

 

 

あれから夕食、デバイスについてなどの話をした。

 

その結果ライダーシステムの一つを公開する事になった。

 

「ティーダ、行ける?」

 

「はい。」

 

ティーダに頼み相手をしてもらう。既にベルトを装着し、フルボトルを構えていた。

 

『デンジャー!』

 

キャップを回してボトルを起動させる。

 

 

「それじゃあお先に。」

 

『クロコダイル』

 

「変身」

 

ベルトにセットしレンチを押し下げる。それによりフルボトルが砕かれる。

 

ビーカーを模した小型ファクトリーが展開され、ヴァリアブルゼリーで満たされると、左右から巨大なワニの顎が現れ小型ファクトリーを噛み砕く。

 

『割れる!』『喰われる!』『砕け散る!!!!』

 

その衝撃でゼリーが飛び散ると同時にクロコダイラタンアーマーが形成され、頭部をワニの顎型の装甲が噛み砕きひび割れが入るようにマスクを形成する。

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

この一連の動作を始めてみたみんなは絶句している。仕方がないか。あのボトルからは女性の悲鳴と思われるものが聞こえてくるのも相まってか中々受け入れずらいのかもしれない。

 

「ローグはデザインした人がビルドとは違うからな。」

 

さて、俺もやってみますか!

 

『エボルドライバー!』

 

「エボル!?戦兎、お前!?」

 

「大丈夫だ。あいつのじゃない。」

 

機動六課のメンバーはその名を知っているからか何処か身構えている。

 

俺は二つのエボルボトルを取り出してキャップを正面に合わせベルトにセットする。

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

アイツが遺したボトルの設計図を使い、俺はエボルボトルを完成させた。因みにこのライダーエボルボトル、全てのボトルに対応できるビルドドライバーのシステムをボトルに押し込むなんてことをしたために、一年近く掛かっているのだ。葛城さんに手伝ってもらったものの、この掛かりようである。こいつだけは複製できないだろう。

 

ハンドルを回し、3つの金色の環状のフレームが付いたライドビルダーが展開される。

 

『ARE YOU READY?』

 

このベルトのボイスも拘ってあった。アイツが自ら収録したスタークボイスである。

 

「変身!」

 

普段のファイティングポーズではなく両手を胸の前で交差させ前に向けながら前後からライドビルダーに挟まれる。

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!』

 

フレームが合体し、天球儀の様に回転し変身完了と同時に吹き飛んでいく。

 

『フッハッハッハッハッハ!』

 

「エボル、フェイズ1」

 

最終兵器エボルが疑似的にだが起動した。

 

 





BAD ENDルートとTRUE ENDルートで登場した恐らくビルド本編でのラスボス、

それに主人公が変身するという事に。


だが、皆さんは覚えているだろうか?


エボルドライバーの使用には

ハザードレベルが5.0に達していなければならないことを。


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10.暴走開始

起動した最終兵器モドキ。

待っているのは破壊活動なのか。

それとも....


ふむ。無事に変身できた上特に問題はなさそうだ。

 

「ティーダ、始めるぞ。」

 

「スタークの声になってるんですね。」

 

変声システムが備わっており、声がスタークと同じものになっている。こればかりは俺の遊び心だ。

 

「いくらアイツが悪だったとしても、俺はアイツがいた事を忘れない。その為にこの声にしたんだ。」

 

「なるほど。兎に角、負ける訳にはいかなそうだ。」

 

アイツみたいな台詞を選ぶならこれだ。

 

「準備運動程度にはなるか?」

 

「......」

 

返事がないのは仕方がない。こればっかりは俺が悪い。

 

 

「済まないティーダ。アイツをイメージしてみたんだが...」

 

「いえ....ただとてもうれしいだけですよ。」

 

へ?

 

「ようやく、スタークとまともに戦えるから!」

 

「おわっ!?」

 

行き成り攻撃を繰り出してきたので交わす。ふむ、このボディは全てに置いて破壊に対するサポートが受けられるみたいだな。

 

「来い!」

 

ティーダがベルトのレンチを押し下げ構える。

 

「はあぁぁぁ!!!!!!!」

 

既にエネルギーは両足に集中し、いつでも発動可能だと思われる。

 

だが、そこに乱入者がいた。

 

『ファンキードライブ!』『ギアリモコン』

 

「がっ!」

 

急にローグの装甲が爆発し、一斗達の方に吹き飛ばされる。横から見ればカタカナのヒの様に見えただろう。

 

「..........敵討ち.......」

 

ギアリモコンのファンキードライブは一時的な迷彩効果だ。それを使えるのは彼女しかいない。

 

「翼.....」

 

迷彩効果が終了し、リモコンブロスを確認できた。明らかに俺が悪いのだろう。今はスタークの声でしか喋れないのだから。

 

「みんな、こっちに翼さんがっ!?」

 

如何やらスバルとティアナといたところに声が聞こえてきてこっちに来たというところか。

 

「貴方は、私が壊す!!!」

 

『ギアエンジン』『ギアリモコン』『ファンキーマッチ!』

 

「潤動!!!!」

 

不味いな、これは。翼はギアを付け替えトリガーを引く。

 

放たれた黒いガスからは二色のギアがお互いをぶつけ合いながらもブロスへと装着されて行く。

 

「ヘルブロス、推参!!!!」

 

彼女が完全に暴走する前に止めなければ。その為にはこちらも躊躇してられない。

 

俺は新たなエボルボトルを取り出し、コブラと入れ替える。

 

『ドラゴン』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

『ドラゴン!』『ドラゴン!』『エボルドラゴン!』

 

ハンドルを回し、一段階進化する。

 

「フェイズ2」

 

近接で一番のスペックを持つこのフォームだが、何処かクローズに似ているのだ。

 

「戦兎ってええ!?クローズ!?」

 

一斗も明らかに様子が可笑しい事に気が付いたみたいでこっちに来た。

 

「龍斗、ここは俺がどうにかする。後は頼んだぞ!」

 

俺はそう言い、ヘルブロスと戦い始めた。

 

 

 




エボルが暴走すると思った?


残念ながら翼さんでした!

彼女の復讐という名の悲しい運命は、再び戦兎によって覆されるだろうか?


感想お待ちしています。


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11.これが本当の決着

戦兎の事をスタークと勘違いしてしまった翼。そして暴走し始めたヘルブロスを止める為戦兎が戦っていた。


格闘戦に強いドラゴンフォースでも戦いずらい。それは義理ではあるが娘となった翼を傷つけるという事に俺は中々決定打を放てずにいた。

 

「いい加減に目をさませ!もうスタークはいないんだ!」

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

この暴走振りに大人達はデバイスを構えている。龍斗はクローズに、ローグと共に何時でも加勢出来るように待機していた。

 

俺は攻撃を防いだり、ビートクローザーを呼び出し攻撃を抑え込んだりと、疲労が貯まり始めていた。

 

ええい、エボルトめ....わかりずらい構造にしやがって。戦いながらだからか探しにくいが俺は変声システムを探していた。

 

『ファンキードライブ!』『ギアリモコン』

 

姿を隠したヘルブロス。ここはチャンスだが、攻撃されれば終わりだ。それでもイチかバチかエボルボトルを交換する。

 

『ラビット』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

「フェイズ3、変身!」

 

ハンドルを回して展開したライドビルダーがヘルブロスにより破壊され、変身が解除されてしまう。

 

「っ!やべぇ!」

 

龍斗が駆け出すが、それよりも早く俺はヘルブロスにネビュラスチームガンを向けられてしまう。こうなれば最後の手段だ。

 

『フルボトル』

 

『スチーム・アタック!』『フルボトル』

 

エボルトが想定していた武装の一つにトランスチームガンが有った。それにロックフルボトルをセットしてトリガーを引いた。最大出力で放った反動で俺も吹き飛ばされ、木にぶつかる。

 

俺は駆け寄ってくる龍斗達をぼやけた視界にとらえながら、気を失った。

 

 

 

_____________________

 

 

俺が目を覚ましたのはそれから2時間後だった。目を開けると正気に戻った翼が目いっぱいに入ってきた。それから泣き出してしまい皆が駆けつけてくれた。

 

如何やらエボルトとの戦い、真のS.S事件の深層を話したみたいだ。皆、翼の事を心配したみたいだ。何人かは目が少し充血している。

 

ロックによる拘束後、すぐさまティーダが変身解除へと追いやったらしい。お陰で外側には目立った傷はなかった。そう、外側には。

 

「父さん、ごめんなさい.......」

 

「もう、俺は大丈夫だからさ。」

 

もう何回繰り返しただろう。自分もあまり考えずに行動してしまったと説明したのだが彼女は止まってくれない。

 

「翼。それなら一つだけ、頼みがある。」

 

「....なに?父さん。」

 

泣き続けたからか膨れ上がった目をこすりながら俺の言葉に返してくれる。

 

「翔の事を忘れないでくれ。」

 

「!」

 

一度だけヘルブロスに変身はしなかったものの暴走した時が有った。その時はわからなかったが、彼女は翔の事を忘れようとしていたのだ。今なら分かる。彼女は自分が最初から俺の娘であって翔という弟がいた事を忘れることで、自分が誰にもぶつけられない復讐心を隠したかったんだ。だからこそ今回、復讐すべき相手が現れた事により理性を失ってしまったのだろう。

 

どんなに時間がかかってもいい。いつか、彼女が自らの家族を持つその時の為に。

 

「.....わかってた。私が、最低な事をしていたことなんて。それでも.....」

 

彼女は泣きながらでも言ってくれた。

 

 

 

 

「私は、家族と幸せでいたかった!!!!!」

 

 

 

 

 

「ああ、ようやく聞けた。翼の本音を。」

 

今回の戦いに意味があったのかはわからない。だが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人の女の子を大人へと成長させた事だけはわかっていた。





翼さんは6歳の頃に施設から誘拐され、弟とティーダと共に10年間を過ごしてきた。

だが、ティーダとは殆ど会う事はなく、大人びているものの精神年齢は実年齢以下であった。


お互いをささえていた弟がいなくなり、それを支えてくれた新たな家族を思う中で、

弟の事を忘れられなかった少女。


今回の合宿でかなりの成長を見せたが、まだまだ家族には甘いらしい。


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12.陸戦試合

ついに始まる!


あの暴走事件の翌日、俺達は陸戦試合をする為に移動していた。

 

如何やらあの後、翼は以前よりも皆に受け入れられたみたいだ。姉というよりも、友達になるといった感覚かな。

 

彼女は変われる。きっとこの先何があったとしてもだ。俺はそう信じてる。

 

『父さん~!』

 

おっと、如何やら我が子供達が呼んでいるようだ。俺は歩くスピードを少し上げた。

 

_______________

 

 

で、俺達仮面ライダーも参加することになったんだけど....

 

「ルールは昨日伝えた通り、青組と赤組に分かれて行います。今回は8人ずつに分かれます。フィールドマッチ形式の試合になります。ライフポイントは今回もDSAA公式試合用タグで管理します。後は皆さん、怪我のないよう正々堂々頑張ましょう。」

 

『はい!』

 

赤組、青組に分かれてそれぞれのリーダーが掛け声をする。

 

「赤組元気にいくよー!」「青組もせーのっ!」

 

『セーット!アーーップ!』

 

全員がセットアップする。俺達はユニゾンしベルトを装着する。

 

 

 

 

チーム編成

 

青組

 

キャロ、ティアナ、フェイト、ノーヴェ、アインハルト、ティーダ、龍斗、一斗

 

 

赤組

 

ルーテシア、なのは、エリオ、リオ、コロナ、ヴィヴィオ、スバル、戦兎

 

 

今回不参加

 

 

ライダーシステムを使用する者はLIFE 3000

 

 

それ以外はそれぞれの役割ごとのLIFE ポイントになった。

 

 

 

『青組』

 

「序盤は多分同ポジション同士の1on 1。均衡が崩れるまでは自分のマッチアップ相手に集中ね。」

 

「だけど、龍斗は何人かとの戦いになちゃうかも」

 

ティアナとフェイトの話し合いで、俺が複数を相手にする可能性があると言ってくれた。俺は問題ないだろうと思い、そのまま伝えた。

 

「姉弟子が来ない限りは大丈夫だと思う。」

 

「分かった。倒せそうなら遠慮はいらないからね!」

 

「おう!」

 

 

 

 

『赤組』

 

 

「向こうは前衛と中盤に突破力の強い子が揃ってる。序盤は守備を固めていこう」

 

俺の提案は飲まれてみんなに伝えられる。

 

「リオちゃんとコロナちゃんは一斗君とティーダの相手をお願い。私はティアナに集中しないといけないから」

 

『はい!』

 

 

 

メガーヌさんにより開始の合図が出される。

 

 

『それでは、皆元気に.......』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『試合、開始~~~!』

 

俺達の陸戦試合が始まった。

 

 

俺が相手にするのは多分、龍斗だろう。

 

だって......

 

 

「戦兎~~~~!!!!」

 

 

こっちに飛んできてるし!

 

 

『バインド』

 

「おらぁ!」

 

「あぶね!」

 

いきなり飛んできたバインドを交わし、フルボトルを振る。こいつでいくぞ!

 

『フェニックス』『ロボット』『ベストマッチ!』

 

ハンドルを回し展開されたライドビルダーによってフェニックスロボのボディが生成される。

 

 

『不死身の兵器!』『フェニックスロボ!』

 

「さあ、来い!」

 

俺と龍斗の戦いが始まる。





ヘルブロスの副作用にて翼さんは参加しません。


4年振りの戦兎と龍斗の戦いです!



感想お待ちしています。


それではまた!


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13.ライダーバトル

陸戦試合が始まった。今回は暴走したために参加してない翼。
そんな彼女がメガーヌさんと見守る中で各自が衝突し始める。

ここに前代未聞のヤベーイ!奴らが誕生する。

「聞いて驚け!」

『魔法戦隊 リリカルビルダー!』


毎週日曜日24:30、放送開始!







































何やってるんだろう?


「早速それか!」

 

『ボトルバーン!』

 

ベルトは装着しているものの変身していない龍斗。空中でマグマになるらしい。

 

『クローズマグマ』

 

ベルトのハンドルを回していくと突然地面の一部がせりあがってくる。まるで龍斗のサポートをするように。その一部の地面に展開されたマグマライドビルダーによりクローズマグマへと姿を変える。現れるドラゴン達も様々な方向を向いている。下を向いている個体もあるな。

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

「しゃあ!」

 

俺と龍斗は空を飛び回りながら衝突を繰り返す。だが、流石にこちらの方がLIFE の減りが多かった。

 

戦兎 LIFE  2400

 

龍斗 LIFE  2700

 

 

「空中戦が出来るフォーム.....こいつだ!」

 

久しいこのフルフルボトルを振る。

 

『フェニックス!』

 

「!来るか!」

 

即座に龍斗から距離を取る。追って来ているのは分かる。その間にハザードトリガーを起動させベルトにセットする。

 

『マックスハザード・オン』

 

「ここだ!」

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

気付かなかった。俺がベルトにハザードトリガーをセットした瞬間、ボトルを差し替えるこの間に龍斗が飛んでいる俺の下に移動しておりナックルが飛んでくる。今の俺にはかわせない。

 

「うあああああぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「ヒット!」

 

打撃をくらい、どこかへと墜落してしまう。

 

 

____________

 

 

「ヒット!」

 

俺のナックルが戦兎を捉えた。かなりいい一撃が入ったはずだ。俺は慎重に落下した戦兎の様子を空から伺う。だが、急に何かが飛び出してきた。

 

「来やがったか!」

 

『不死身のディスティニーソルジャー!』『ツインフェニックス!』

 

「いくぞ、龍斗。これが今の俺の....」

 

こいつと戦うのは初めてだ。だからこそ.....勝つ!

 

『ヤベーイ!』『マジヤベーイ!』

 

「全力だ!」

 

不死鳥の鎧を身にまといその力でスタークを倒したあの姿が、俺には大きな壁に見えた。

 

 

________________

 

 

どうにかなった。フルフルフェニックスロボボトル墜落する中でベルトに割って刺す事に成功したことでフェニックスの特徴である不死が発動してどうにかなった。だが...

 

LIFE  1400

 

 

あの一撃で俺は落とされていたのかもしれない。本当にそれぐらいに強い一撃だった。

 

俺は羽を広げて空からこちらを伺う龍斗目掛けて飛び出す。

 

「来やがったか!」

 

わかってたみたいだ。それなら....

 

『不死身のディスティニーソルジャー!』『ツインフェニックス!』

 

「いくぞ、龍斗。これが今の俺の....」

 

俺の今できる精一杯を....

 

『ヤベーイ!』『マジヤベーイ!』

 

「全力だ!」

 

ぶつけることにする!

 

互いが剣を呼び出し構える。

 

『ビートクローザー!』『フルボトルバスター!』

 

「!」「!」

 

加速しあい、何度もぶつかり合う。互いのLIFE は削れる事はなく、終わらない剣の衝突は続いた。だが突然展開が変わる。

 

『戦兎さん!』

 

『お兄ちゃん!』

 

互いに通信がきて同じ事を伝えられた。

 

『集束砲が来ます(くるよ)!』

 

『へ?』

 

次の瞬間俺達の間に両チームの放ったSLBが通る。間違いなく、当たってしまえばそこで終わりだっただろう。

 

「やべぇ.....」

 

「これ....なんて戦争?」

 

俺自身もこれを喰らってしまえば終わるだろう。このツインフェニックスフォームじゃなかったらの話だが。

 

で、今の状況が報告された。

 

 

赤組はなのは、エリオ、スバル、コロナ、リオ、ルーテシアが既にLIFE をゼロにしていた。

 

青組はフェイト、ノーヴェ、キャロ、一斗、ティーダが同じ様にLIFE をゼロにしていた。

 

何とかティアナはSLBの相殺に成功したみたいだ。どうにかLIFE が残っている。

 

「残るはあの子達と...」

 

「俺達ってわけだ。」

 

 

既にティアナは少なかったLIFE を削られた。本当に残すは俺達だけだろう。

 

「なぁ戦兎、こいつで最後にしないか?」

 

龍斗が互いの技をぶつけ合う事を提案してくる。

 

「ああ、良いぞ。」

 

「そう来なくっちゃな!」

 

互いがベルトのハンドルを回す。身体は炎に包まれ、不死鳥のごとく空高くへと上がり、キック体制に入る。龍斗は地面から8体のマグマライズドラゴンを召喚して共に上空に舞い上がり、急降下しながら龍型のエネルギーを足に纏わせ同じくキックの体制へと入る。

 

『READY GO!』

 

『ツインフェニックス・フィニッシュ!』

 

『ボルケニック・フィニッシュ!』

 

『はああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!』

 

俺達のキックは衝突した。その衝撃が周りへと影響を及ぼしているがそんな事はどうでもいい。マグマライズドラゴン達が俺に特攻してくるが、フェニックスの炎とぶつかり合い、爆発していく。そしてお互いのキックがそれぞれの身体へと決まり落下していく。その時に音はなく、しばらくして爆音と衝撃波が陸戦場に響き渡った。

 

____________

 

 

『し、試合終了....結果は両チームとも全員戦闘不能により引き分けなんだけど....』

 

メガーヌさんがこんな風になってしまうのも頷ける。何故ならば.....

 

『あつ、あつつつつつ!!!!!!!!!!!』

 

『あちゃちゃちゃちゃちゃあ!!!!!!』

 

完全に崩壊した陸戦場。その真ん中で互いが倒れ込みながら暑さに苦しむという器用なことをしている二人のライダーが映し出されているからだ。更にはヴィヴィオ、アインハルトが互いのLIFE を削り切った直後だった為に二人共倒れて帯びてしまっている。

 

「これって.....」

 

『.............』

 

全員が目をそらした。その現実から。

 

結局、この後無事に陸戦場は修理されるのだが、その場所には戦兎と龍斗の姿があったという。

 

 






はい、二人共やってしまいました。

メガーヌさん、ご愁傷様です....


この後まだ陸戦試合があるかと思うととても....

久しぶりにオリジナルフォームが出てきましたね。

これからはもう少し登場させていきたいです。

感想お待ちしています。


それではまた!


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14.デバイス

アインハルトってデバイスなしであそこまで魔法が使えるんですよね。




あの俺達の衝突から3回のチーム戦が終わった。

 

俺達は1回戦で体力を使い果たしてしまい参加しなかった。

 

で、今は各自休憩中。

 

ノーヴェ、スバル、ティアナは温泉へ。

 

なのはとメガーヌさんはキッチンで雑談。

 

俺達はルーテシアと龍斗、俺と参加しなかった翼以外筋肉痛で動けなくなっていた。

 

限界を超えて張り切り過ぎたのだろう。まだ軽い方の一斗は全身にマッサージをしている。

 

まあ口は動くから話が進んでいくとふと俺も思い出した。

 

「DSAA公式戦競技会」

 

「出場可能年齢10歳から19歳、個人計算ライフポイントを使用した限りなく実戦に近いスタイルで行われる魔法戦競技にして全管理世界から集まった若い魔導士達が魔法戦で覇を競う....」

 

長々とルーテシアから説明がされる。

 

「インターミドル・チャンピョンシップ!」

 

俺が思い出していたのはこの大会のことである。14年前に龍斗が参加して俺も巻き込まれた大会、その時期が近づきつつあるのだ。まぁ、この大会に俺達は参加しない。ああ、参加はしない。

 

「私達は今年から参加資格があるので出たいねって話してたんです」

 

「そうなんです!」

 

初等科トリオがかなり詳しく語ってくれる。

 

「自分の魔法、自分の格闘戦技がどこまで通じるか、確かめるにはもってこいの場所だよ。ちなみに今回は私も出る!」

 

『わーーー』

 

胸を張って参加することを伝えたルーテシア。彼女が参戦するのは中々見応えのあるものになるだろう。

 

「はぁい、みんな。栄養補給の甘いドリンクだよー。」

 

魔王、なのはの登場だ。ただ、考えた瞬間にこちらを見るのはやめて欲しい。幾つ命があっても足りない。

後ろからメガーヌさんもやって来る。少し目を合わせたくないものだ。自分達のせいとはいえ、陸戦場を破壊してしまったし。

 

なのはによって話は進んでいく。俺と龍斗は今回の事について改めて謝った。気にしなくていいと言われたが、こちらも引くことができない。

 

「あともう一つ、これ今も変わってないわよね?『安全の為にClass S3以上のデバイスを所持して装備すること』」

 

こいつは大変重要だ。これ一つで選手がどうなるか変わってきてしまう。だが

 

「デバイス....持ってないです」

 

アインハルトはデバイスを持ってはいない。通り魔事件の時、ミカにスキャンしてもらったのだがデバイスの反応がなかったのだ。ちなみにこの機能、犯人のデバイスを覚える事で追跡できるというとても便利なものだ。まぁ、アインハルトのような例外には意味がないが。

 

「じゃあこの機会に作らなきゃ」

 

「その....でも真正古代ベルカのデバイスは作るのが難しいと....」

 

「フフフ、私の人脈を甘く見てもらちゃ困りますねー。次元世界に名高い戦兎さんの大家族!」

 

ゲッ、嫌な予感が....

 

「八神家の皆さんに頼めばきっとノリノリで組んでくれるよ!」

 

その代わり俺の貞操の危機が訪れるのですが!と言いたいが教育上よろしくないため俺の中だけにとどめておく。

 

「マスター、メールです。」

 

「ん?誰から?」

 

「はやて様からです。」

 

俺は頭を抱えた。このままでは本当に危ないかも知れない。

 

「えと、ミカ?しばらくブロックしておいて。」

 

「了解です」

 

ミカに頼んでしばらくメールが来ないようにする。これで一時的ではあるものの俺の安全は確保できた。

 

 

_______________

 

 

合宿は3日目に入る。

 

昨日、一斗達に頼み込まれてしまい仕方なくはやてちゃんに連絡を取った。

 

結果は組んでくれるそうだ。まぁ、その代わりに俺が犠牲になりそうだが。

 

で、お互いに顔を見せておくことになった為アインハルトとルーテシアが連絡を取り合う事になったのだが、俺も必要だと言われてしまい、同行する事になった。

 

何故かアインハルトは緊張しているようだ。

 

「アインハルト、緊張するだけ無駄だよ。」

 

「はぁ。」

 

納得がいかなそうだが、そこは仕方がない。今すぐにでも俺はここから離れたい。

 

『あ、オッス。ルールー、戦兎』

 

「おいーっす。アギト」「久しぶりだね、アギト」

 

『デバイスの件だよな?ちょっと待っててくれ』

 

アギトが連絡に出てくれた。彼女はS.S事件の後、シグナムの相棒になり家族になった。前回は少し用事で外していたらしい。今はやてちゃんを呼びに行っているのだろう。

 

で、映ったのは

 

「た、たぬき?」

 

狸がたぬきの面を被っている。これにはアインハルトも気が抜けてしまう。

 

「はやてちゃん....ついにたぬきになったんだね。みんなに散々たぬきって言われ続けたし、それにこれで....」

 

『巧にぃ?まだなる気はないよ?たぬきになる前に巧にぃを_______』

 

ミカが通信妨害をしてくれる。危ない、こっちにはまだ中学生がいるんだぞ!しかも

 

「自分がたぬきっていう自覚あったんだ.....」

 

今明かされる衝撃の事実ぅ!何の得もないけどね!

 

「話が進まないから戦兎さんはここで退場で。」

 

「ああ。」

 

ようやく解放される_________

 

『巧にぃ、帰って来たら覚えときいや。』

 

今のはやてちゃんの言葉は聞かなかった事にしよう。そうしよう。

 

で、如何やら無事に話は進み決まったらしい。

 

俺の日常は何処へと向かっているのだろう。





読者の皆様は口を揃えて言うだろう。

「知ってた」

と。


失礼しました。

感想お待ちしています。

それではまた!


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15.帰宅そして紹介

合宿終了!

あとはインターミドルへ向けて書いていくだけだ!


というわけで本編をどうぞ!


あれからあっという間時間は過ぎて4日目。

 

日程も無事に終了して俺達はミッドチルダへ帰った。

 

早速はやてちゃんがいないかどうかの確認を取る。

 

『問題ないぞ。今日は仕事だからな。』

 

クロノに連絡するとそう返ってくる。また相談に乗ってあげよう。

 

「ミッドチルダに到着~!」

 

『わ~~~』

 

各自がそれぞれの家へと帰っていく。龍斗はフェイトと一緒に高町家に行くらしい。俺と一斗、翼は自宅へと帰る。

 

「ただいまー」

 

4日振りの我が家。家に帰るとすぐに一斗のカバンから二匹が顔を出す。デバイス改造があと少しで終わるから帰ったらやってしまおうと提案したところこの様になったみたいだ。で、俺も荷物の一つであるアタッシュケースを金庫の中にしまう。この中にはあのベルトが入っている。今後使うことはないだろう。

 

「あ、翼。ネビュラを貸してくれ。メンテナンスしておこう。」

 

「はい。」

 

翼からネビュラスチームガンことネビュラを預かる。

 

『よろしくお願いします。』

 

「了解だ。」

 

もう慣れたことだ。翼は今保母になるために勉強をしている。だから俺もそれを踏まえてなるべく少ない仕事を回している。

 

ちなみにティーダは無限書庫へ向かっている。今回の合宿で何か気になる事があるみたいだ。

 

一斗が宿題をする中、俺はメンテナンスと改造を行った。

 

________________

 

数日が経った。如何やらアインハルト用のデバイスが組みあがったらしい。俺の方には最後の調整をして欲しいらしい。らしいと言うのはそれを伝えてきたアギトの声が若干呆れ気味だったのだ。

 

「翼、一斗と八神家に行ってくる。」

 

「はい、行ってらっしゃい!」

 

翼に見送られバイクに乗りヘルメットを着用する。目指すは八神家!

 

で、何の問題もなく着いた。

 

八神家のリビングに入ると既にアインハルト、ノーヴェ、チンクが来ていた。

 

「よく来たな、戦兎。待っていたぞ。」

 

シグナムが言ってくる。俺は肝心のはやてちゃんは何処なのかを聞く。すると

 

「主はやては.....そこにいるぞ。」

 

「へ?」

 

俺の背後から腕が伸びてくる。俺は交わそうとしたが急に現れたリインとミカにより目を塞がれてしまい、動けなくなってしまった。

 

「待ってたで、巧にぃ。」

 

「........」

 

「無視するなんてひどいやん....うち結構傷ついたんやよ?」

 

背中には女性の象徴ともいえるものが当たっている。だが、それよりも耳元でつぶやかれているせいで寒気を感じまくっている。このままでは自分の身が危ないことは明確だ。

 

「さあ、一緒に行こ?」

 

俺の返答は聞かずに歩かされる。俺には今ここがどこなのかがわからない。

 

「はやてちゃん、話が進まなくなるからここまでにして。膝枕してあげるから。」

 

適当なことを言って話を進めようとする。視界が晴れるとまたしてもあっけに取られた3人が。

 

少女達よ。こんな風になってはいけないよ?

 

高速で頷いている3人。あれ?俺声に出してたかな?

 

「すいませんマスター」

 

「ごめんなさい、戦兎さん」

 

デバイス二人が誤ってくる。理由を聴くとはやてちゃんが好きな物を作ってあげるからと頼んでいたらしい。

 

はやてちゃんから解放された俺はようやく本題に入る。

 

「約束の覇王の愛機が完成したんでお披露目&お渡し会とゆーことで」

 

はやてちゃんが俺の膝に頭を乗せながら話し出す。既に3人と一斗、守護騎士達はこの現状を諦めてしまっている。ああ、俺の味方はいないのだろうか。

 

「ここにおるで?」

 

「はい、はやてちゃんは説明を続けようね」

 

話がそれてしまいそうになる。どうにか元に戻して話を進めていく。

 

「ユニットベースはリインが組んで」

 

「はやてちゃんがAIシステムの仕上げと調整をやってくれたですよ」

 

「で、外装はアギトの手作り!」

 

「そーなの」

 

と、はやてちゃん達が解説してくれる。すごいな。本当に真正古代ベルカの特別機だ。

 

「ティーダとルールーにお願いしてシュトゥラの歴史も調べてもらってさ。クラウス陛下は豹を飼ってたって聞いてね。それをあってシュトゥラの雪原豹をモチーフにしてみたんだ!」

 

先ず、クラウスがペットを飼っていたことに驚いた。龍斗の奴は知ってるかな?

 

「え?動物型?」

 

「あまり大きいと連れ歩くのが大変では?」

 

「その辺はノープロブレムだ!リイン!」

 

「はいです!さー、アインハルトさん!開けてみてください!」

 

と、リインがアインハルトに一つの箱を渡す。中には...

 

「猫?」

 

皆が黙ってしまう中俺の声だけが響く。これ間違えたとかじゃなくこれがデバイスみたいだ。

 

「ぬいぐるみ外装はちょっとしたお茶目やったんやけど性能はちゃんと折り紙つきやでー」

 

はやてちゃんはそう言うがこればかりはしょうがない。すると猫型デバイスが起き上がってアインハルトを見ている。

 

「あ...」

 

「触れたげて、アインハルト」

 

「....こんな可愛らしい子を私が頂いてよろしいんでしょうか?」

 

「もちろん!」「アインハルトのために生み出した子ですから!」「マスター認証がまだやから、よかったら名前付けたげてな」

 

「はい」

 

「認証は外でやるですよ!」

 

と、リインが庭にアインハルトを連れ出しマスター認証を始める。あれ?何このデジャビュ?

 

一斗と目を合わせると同じ事を思っていたのか何かに気が付いた様な顔をしている。俺は名残惜しそうな顔をしたはやてちゃんを膝から下ろし庭の方へ移動する。

 

「個体名称登録。あなたの名前は『アスティオン』愛称は『ティオ』」

 

『にゃあー♪』

 

「アスティオン、セットアップ」

 

すると、アインハルトが大人モードになる。

 

『おおーー』

 

取り敢えず愛機の取得おめでとう、アインハルト。

 

「ほんならちょこっと調整しよか?」

 

「お願いします!」

 

「巧にぃ、仕事の時間やでー」

 

「これが目的だったね」

 

サッサと調整を開始する。俺は他の人とは違い入力による調整ではなくビルド式を使った調整を行う。ビルドフォンを構えてアスティオンと俺の下に魔法陣が展開する。如何やらあと少しだけずれがあるみたいだ。俺はそれを魔法陣へ情報として流し込み調整する。あっという間に調整終了だ。

 

「終わったよ、アインハルト。」

 

「ありがとうございます!」

 

さて、後は一斗のデバイスをお披露目するだけかな。





アスティオン登場!

残るは一斗のデバイスのみ。とはいえすでに登場しているのでバリアジャケットについての説明などを書こうと思っています。



感想お待ちしています。

それではまた!


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16.フクとフォレス

インターミドル開始までの繋ぎ








アスティオンのお披露目が終わり、次は一斗のデバイスの紹介をする。

 

「一斗、呼んでやってくれ」

 

「うん。フク、フォレス」

 

『♪~~~~』

 

以前のメンテナンスの時は見た目に変化は無かったが、今回はある。フクはより一層フクロウ型に寄らせた。更にフルボトルをセットできるようにもなっている。フォレスの方は背中に有ったキャノンを二丁に増やして全身に装甲を追加、更にフルボトルをセット出来るようになっている。

 

「フクの方は前よりも可愛く、フォレスの方は前よりもカッコよくなったんですね!」

 

「うん!」

 

リインがみんなの言いたいことを言ってくれている。さらに

 

「こいつらは更に変形できるようになっている。やってみてくれ」

 

「うん!」

 

変形は男のロマン。ハッキリわかんだね。

 

「フク、ロックモード!」

 

『♪~~~~』

 

音声認証で登録された言葉を一斗が言うと空中でフクが変形し始める。フクロウ型からベルトにセット出来そうな形へ姿を変え一斗の手に収まった。。

 

「そのロックモードはこのフクロウフルボトルでビルドに変身する為の形態だ。何かあったときにと思ってな。ほら、これ。」

 

「ありがとう、父さん!」

 

フクロウフルボトルを渡す。既に渡してあるあのボトルを取り出すようにも言う。

 

「さて、これで終わりじゃないぞ」

 

「フォレスの方にも何かあるんだろう?」

 

シグナムがそう言ってくるので頷く。

 

「さあ、一斗。頼んだぞ」

 

「うん!フォレス、キャノンモード!」

 

『♪~~~~』

 

飛び上がり一斗の手の上に移動するとフクと同じ様に変形していく。赤くなったツインブレイカーに似た形へと変形した。だがフルボトルは1本しかセットできないが。

 

「キャノンモード。ツインブレイカーよりも威力が上がっている。だがその代わりにフルボトルを1本しかセット出来なくなったんだ。」

 

「これ.....ドラゴンとナックルみたいに2本分のスロットがない?」

 

おや、気気付いたみたいだな。

 

「フォレスも同様にビルドドライバーでの変身を考えてあるんだ。既にフルボトルは渡したしな」

 

「これだね」

 

『キャッスル』

 

一斗がフルボトルをセットする。

 

『フルボトルフィニッシュ!』

 

「はぁ!」

 

一斗が放った必殺技は大きな盾を創り出した。

 

「防御要の技だからな。」

 

「これで相手の一撃を防げばいいんだね」

 

「ちなみにそれはSLBに耐えられるようになっている。」

 

この言葉を聞くと皆がぎょっとした。仕方がない。あの魔王の一撃を防げるのだ。大体の攻撃は防げるだろう。

 

「さて、これから大変だぞ?」

 

アインハルト達はインターミドルに向けての特訓が本格的に始まる。一斗はあの対戦へ向けて翼と戦うらしい。

 

 

今年の大会はすごいことになりそうだ。

 

 

 

 

因みに家に帰る時しがみついてきたはやてちゃんを剥がすのに1時間程かかったのは別の話。





グリスの強化が来るぞ~!


ビルドの映画でカシラがビルドドライバーを装着していたことを知って

「やるっきゃねぇ!」

となっている作者です。

ローグもどうなるのかが分からないから今から楽しみです!

感想お待ちしています。


それではまた!


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17.間もなく始まる

さぁ、さぁさぁ、さぁさぁさぁ!


トントンと進めていきますよ!




一月ほど過ぎた。すでに地区選考会は終わっている。俺達の対戦は本戦の開会式で行うことは決まり、貰った仮のしおりを見ると空白の部分がある。ここに入るらしい。

 

今日はヴィヴィオ達ナカジマジム一同と一緒に地区予選の会場に来ていた。俺にはスタッフと話し合わなければいけないことがまだあるからだ。

 

因みにナカジマジムとはその名の通りジムなのだがそれをノーヴェが始めたのだ。仕事中に連絡がきて少しだけ機材のメンテナンスに行ったが中々良い施設だった。

 

「じゃあ皆、また後でね」

 

『行ってらっしゃいー!』

 

皆に見送られながらスタッフオフィスを目指す。うまくいくことを祈りながら。

 

 

____________

 

 

 

どうも皆さん、一斗です。最近変身すると一人称が『僕』から『俺』に代わるようになりました。何でだろう?意識してないのにな。父さん達に相談してみたけど特に問題はないらしい。

 

「一兄、行こ!」

 

「あ、うん」

 

ヴィヴィオに手を引かれて我に返る。今日はコロナとアインハルトさんの試合があるんだ。僕にはどちらを応援すればいいのかわからない。だから二人共を応援することにした。

 

「あ、こっちだよヴィヴィオ。」

 

「あ、ユーノパパ!」

 

今ヴィヴィオが走っていったのはユーノさんに会うためだ。普段無限書庫の仕事でほとんど休みがないらしいんだけど、よく家に来て父さんと話している。何を話しているかはわからないけど。

 

「友達と一緒みたいだね。こんにちは、僕はユーノ・ スクライア。」

 

『こんにちは!』

 

各自が自己紹介を済ませる。僕は既に知り合っているからね。

 

「今回も参加しないんだってね。」

 

「はい、僕の力は大会とかで使うものじゃないですから。」

 

そう、本来ならば参加してもいいんだけど僕は仮面ライダー。4年前にみんなの前で変身してから以来、知り合いの前でしか変身しないようにしている。理由は父さんから教わった『仮面ライダー』について自分なりに考えたから。先輩も仕事ではベルトは使っていない。それは父さんも、ティーダさんも同じ。皆が『仮面ライダー』だってことを隠しながら生活しているんだ。まぁ、何人かには意味もないんだけどね。

 

「そう.....なら龍斗みたいに格闘技だけでやっていくの?」

 

そう、先輩は己の肉体のみで行う格闘技のプロをやっている。DSSAに比べればあまり人気はないが人によっては『龍王』見たさに身に来るらしい。

 

「そういえば今日も『龍王』対挑戦者っていう試合の日だっけ。」

 

「見に行くの?」

 

「いや、しないよ」

 

僕は先輩と正々堂々と戦いたい。だから僕も翼姉さんとしか戦ってこんなかったんだ。

 

「おや、始まるみたいだよ。」

 

みんなは席について試合に集中していく。僕も自分に使えそうなものがないか見させてもろうかな。

 

 

____________

 

 

 

 

 

____________

 

俺はスタッフとの話し合いを済ませた。特に変更することもなく対戦が行えるそうだ。これなら龍斗も喜ぶことだろう。そう、今回の対戦をしたいと言ったのは龍斗なのだ。以前から俺の旅についてきてくれたりと色々世話になったからな。これくらいはね。

 

試合の方はコロナちゃんとアインハルトが戦ってアインハルトが勝ったみたいだ。話し合いの合間に試合を見せてもらってよかった。彼女達はまた一段と成長していくだろう。残るはヴィヴィオとミウラ選手、リオちゃん対何処かの番長みたいな子の試合があったんだけど余り見ている時間がなかった。魔法で特別リングの調整を繰り返していたからね。今度の休みには俺も最終調整するつもりだから今日中に済ませないと。

 

というわけで全てが終わったのは完全に今日の試合が全て終わった後でした。悲しい。

 

あ、夜にはユーノが家に来ていた。あの本が時々発光するようになったらしい。今度パンドラボックスの様子を見に行ってみることにしよう。





そういえばエボルドライバーがどうなたって?

フフフ、またアイツが出てくるまでお楽しみです。


感想お待ちしています。


それではまた!


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18.因縁

主人公はまた戦いに身を投じることになる。


果たしてどうなるか!?


それでは本編をどうぞ!


予選は進んだ。アインハルトはチャンピョンであるジークリンデ選手に負けた。その後はやてちゃんがベルカ時代からの血を引く色んな人達を集めて過去について話し合う会を開くと連絡してきた。勿論、俺も龍斗も一斗も参加する。ホテルの最上階へ向かう中、ある事を思い出した。そう言えば、ミカの本名を知らないなって事に。

 

ホテルの最上階、夜景が綺麗なワンフロア。そこにはインターミドル都市本選の上位選手とチャンピョン、期待のルーキーに元機動六課部隊長にして現海上司令とそうそうたるメンバーがそろっていた。

 

「やっと来たな、巧にぃ」

 

如何やら俺達が最後だったらしい。取り敢えず席に付きディナーが始まる。

 

自己紹介をしていこう。

 

「さて、今日は集まってくれてありがとな。これから話し合うんやけど名前を知らない人が多いだろうから自己紹介をしようや」

 

その提案で始まった自己紹介。

 

ミカヤ、ハリー、ヴィクター、ハリーの取り巻き3人、初等科トリオ、ミウラちゃんにアインハルト、ノーヴェが自己紹介をしていく。

 

「俺は桐生戦兎。昔色々と合って聖王達と過ごしてた時期があってな。これからそれについても話していくからよろしく。」

 

「ん、俺の番か。俺は万丈龍斗。クラウス達みたいに言うなら『龍王』だ。よろしく!」

 

「僕は桐生一斗。母さんから参加するように言われたのでここにいます。よろしくです。」

 

俺達の自己紹介は終わり、しばらく食事が続く。

 

「さて、みんな食べながらでもいいから聞いてな。」

 

はやてちゃんが話し出したので少し手を止める。

 

「みんなも知っての通り、今日の試合で戦った2人には少し複雑な因縁がある。『黒のエレミア』の継承者ジークリンデと『覇王イングヴァルト』の末裔アインハルト、2人を繋ぐ『聖王女オリヴィエ』。かつて戦乱の時代を共に生きたベルカの末裔がこの時代に集まっている。それにこの場には雷帝ダールグリュンの血統ヴィクトーリアがいるし、『龍王』もさらに『創成王』もいる。後一人、旧ベルカ王家直径の子がいる。これが偶然なのか何かの縁なのかはわからない。それでも私は心配なんや」

 

正直に話すはやてちゃん。

 

「これだけ濃密な旧ベルカの血統継承者達が一堂に会いするのはチョーっと引っかかるんや。インターミドル中の大事な時期なのは分かってる。それでも皆が事件に巻き込まれないように私たちも守っていきたい。その為にもアインハルトやジークリンデ、ヴィヴィオちゃん達が過去について話し合う会に私も参加させて欲しい。同じ真正古代ベルカ継承者同士、行きたい場所があるなら全力で協力させてな」

 

話し合いの中、ここに招かねざる客がいる可能性が出てきた。ビルドフォンに戻っているミカが念話で伝えてくれた。生体反応が一つ多いと。これが意味するのは一体何なのか?

 

 

 




始まる無限書庫編。戦兎はまたあの本に手を伸ばす。

彼等が去ってから何があったのかが語られる________







感想お待ちしています。


それではまた!


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19.彼等に何があったのか

サブタイトルはドライブ風にしてみました。

今回は殆ど説明で埋まっています


それでも良ければ本編をどうぞ!

_追記_

『エレミヤ』を『エレミア』に修正しました。


「クラウスとオリヴィエは、共に仲のいい友人とでした。そして共に鍛錬し合うライバルでもありました。そんなある日未来から来たという『龍王』と『創成王』に会い、友人となりました。ですが、何者かの襲撃にあい2人の王は世界からいなくなった。そしてその従者も。彼女達は『エレミア』とも会い、良き友人になりました。それは戦乱の世の中で束の間の、だけど永遠のような平穏で幸せな日々だった。2人の王との別れの穴を埋めるようにして。あの頃は、本当にそう思っていました。」

 

アインハルトは語ってくれた。自分が引き継いでいる記憶を。

 

「やっぱりウチのご先祖様と知り合いだったんやね。名前覚えとる?」

 

「ヴィルフリッド・エレミア_____『リッド』と呼ばれてる事もありましたね」

 

「ジークは覚えてねえのか?」

 

「申し訳ないんだけど、個人の記憶は殆ど残ってへんから」

 

ハリーがジークリンデにそう聞くと申し訳なさそうにそうかえす。他のテーブルではミウラちゃん、リオちゃんにコロナちゃん、エルスとミカヤが感想を抱いている。俺達が現代に戻ってきてからは何があったのかは知らないからな。

 

「ともあれクラウスとオリヴィエ殿下はシュトゥラで時を過ごして、『エレミア』もまた私達のいい友人でした。でもますます戦火は拡大していき、聖王家は『ゆりかご』の再起動を決めました。既に以前『創成王』によって更なる戦力を手にした『ゆりかご』。玉座に就いた者の命や運命を引き換えに絶対の力を振るう最終兵器。」

 

俺も何も知らずにゆりかごの修理と強化をしていたからな。あの本を読んで後悔したよ。なんであんなことをしてしまったんだろうって。ミカ達に謝りながらも俺は10年間を過ごしたんだ。

 

アインハルトの口からはオリヴィエが何処で生まれ、利用されたのかを話してくれた。勿論、クラウスが止めようとしたことも。

 

「私は彼女を止められなかった。戦ってでも止めようとして何もできずに破れました....」

 

俺と龍斗は同じ事を考えているだろう。あの時スタークが来なければというIFを。自分が居ればその運命さえも替えられたのかもしれないという事を。だが分かっている。いくら過去へいくことが出来ても、簡単に未来を変えるわけにはいかない。そうしてしまうと、今まで生きてきた人達の苦労を無駄にしかねないから。

 

「オリヴィエは国に戻りゆりかごの王になり一年で『諸王時代』は終わりを告げました。でも、クラウスがオリヴィエに再び会う事はありませんでした。」

 

「クラウス殿下とウチのご先祖様はそのあとは....?」

 

「リッドはオリヴィエが国に呼び戻される少し前から姿を消したんです。普段からどこにいるのかわからない人でしたがエレミアの力や言葉が必要な時はいつの間にか傍にいてくれたんです。ですがオリヴィエの決断の後も会う事はなかったんです。」

 

「クラウス殿下は不義理な友人を恨んでたんかな?」

 

「そんな事はないですよね?」

 

不安そうにジークリンデが聞き、ヴィヴィオがそれに反応する。

 

「クラウス殿下は大切な人を何度も失っちゃったわけですから」

 

アインハルトは口を開いた。

 

「そうですね....見つけたら一発は殴ってやりたいと思いました。だけどわかってるんです。リッドが悪いわけではない事を。龍王と創成王、その従者が消えたことも。ともあれその後クラウスと王達が繋がる事はなく、オリヴィエを乗せたゆりかごも姿を消しました。そしてクラウスは戦いの中でその短い生涯を終えました。私から話せるのはこれくらいです。」

 

俺に何かができるわけじゃない。それでも、この時代に集った彼らを...

 

 

「ウチに聞きたいのはリッドについて?」

 

「何かご存知だったらと思ったのですが」

 

「残念やけどウチの実家にもエレミアの資料は余り残ってへんのや」

 

彼女達を見守ることだけだと思う。

 

「今までの話と『エレミア』って名前で思い出したんですが、『エレミア』と名前が冠された武術家の手記を無限書庫で見かけた気がするんです。」

 

ヴィヴィオが話したのは、手掛かりが無限書庫にあるかも知れないという事。コロナちゃんもリオちゃんも見かけているらしい。それで明日、無限書庫を訪れることになった。俺達の仕事は明日は休みで行くことになった。

 

そう言えば、今日ははやてちゃんがおとなしかったな。

 

帰路についてそれを思い出していると背中から襲われたのは別の話。

 

 

 




そう、彼女は空気を読む事が出来たのだ。

帰り道に後ろから幼馴染が飛びついてくる。

いいシチュエーションですね。

それが彼女じゃなければの話ですが。


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20.無限書庫

もうすぐ出てくる魔女っ子。

魔法使いと言えば、ニチアサで使い切ったネタでしたね。


全部見てた自分ってかなりヤベーイ!ってことかな?


翌日、ヴィヴィオに案内されて無限書庫へ行く。一斗は友達との約束で不参加だ。

 

「はい、皆さんこっちです~」

 

今は一般解放区間だ。

 

「目的地はこの先ですよ~」

 

ゲートまで案内される。久しぶりに来たな、ここに。因みにユーノはかなり忙しいらしい。

 

「では、こちらのゲートから入ります!書庫の中は無重力なので慣れないと気分が悪くなる方もいます。そういう時はすぐに伝えてくださいね!」

 

『はーーい』

 

いつから遠足になったのだろうか。まぁ、暗いよりかはいいか。

 

「そういえば龍斗、マグマ持ってきてるよな。」

 

「おう、ちゃんと持って来たぜ。」

 

そういってフルボトルを見せてくれる龍斗。今回時間があればここで保管されているパンドラボックスの様子を見に行こうと思っていたのだ。あの日パンドラボックスによって使える様になった2つのフルボトル。これがカギになりそうなので持ってきたのだが.....

 

『マスター、昨日と同じ様に生体反応があります。』

 

【警戒しておいてくれ】

 

『了解しました。』

 

念話によってミカから情報が伝えられる。一体何者なんだろうか。

 

「それでは.....古代ベルカ区間に、ゲート・オープン!」

 

その言葉の後、皆から驚きが伝わってくる。周りには大量の域を超えた本棚があるからだろう。それが半永久的に続くのもこの書庫の特徴だ。『アンチグラビティ』、この魔法が上手く使った戦い方以前から考えているが中々いいものにならない。

 

始めて来た人、特にミウラちゃんやハリー、ジークリンデは戸惑っているようだ。仕方がないだろう。普通に生活していればこんな異様な光景を目にする事はないだろうからな。

 

「それでは目的のエリアへ行きます!」

 

そんなに離れておらずあっという間に目的地に到着する。

 

「ここが今回の目的の場所です!」

 

「どこかの王様が所蔵していた書物庫らしいですよ。」

 

初等科トリオがそう言っている。彼女達はよく来ているからだろう。そんなことまで知っているとは。

 

流石に広すぎるために手分けして探すことになった。

 

俺は読書魔法を使い本を読見続ける。その間に龍斗が関係のありそうな本をかき集めてくれている。

 

因みに、古代ベルカ語を俺と龍斗は読む事ができる。過去に行った際、エニグマの副作用によって読み書きが出来る様になっていたのだ。まぁ不思議なものだ。改良してもらってから副作用は無くなりエニグマも自宅の重要金庫の中で眠っている。

 

そんな事を頭の片隅で考えながら読み進めていく。だが、それもしてられなくなった。

 

「マスター!ヴィヴィオ様が何者かと戦闘中です!」

 

「いくぞ龍斗!」

 

「おう!」

 

さて、生体反応の正体、見せてもらうぞ。

 

 

 




あの本に手を伸ばせ。そこから彼等の物語は加速し始める。


彼等の意見を無視しながら。


そう言えばミカの本名、予想している人っています?


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21.魔法使い

生体反応の正体とは?

襲われたヴィヴィオ達は?


どうなる第21話!?


『ああ、私のセリフが....』


あ、ミカさん。出番奪ってごめんなさい。


それでは本編をどうぞ!


ヴィヴィオ達のもとに急ぐべく無重力魔法を解除したのだが、何だか良く分からない物を受信したみたいだ。ミカが何故か落ち込んでいる。

 

『いいよなぁ....とっくに涙も枯れ果てた...』

 

ヤバイ、矢車さんみたいになってる。

 

【お~い!ミカ!?大丈夫か?】

 

『ハッ!?す、すいませんマスター。取り乱してしまいました....』

 

如何やら俺の声で我に返ったらしい。

 

『マスター、反応がおかしいです。まるで何かに入れられているみたいになっています。』

 

「お、ホントだな。」

 

ミカが表示した生体反応が表される地図にはまるで何かに入っているような反応が出ている。可笑しい。ここは無限書庫だが、このエリアには個室の様な場所はなかったはずだ。

 

「龍斗、何が起こっているのかが分からない。慎重にな。」

 

「おう」

 

既にベルトを装着しナックルを構えた龍斗は先に落下していっている。このままなら俺よりも先に目的地につきそうだ。

 

「ミカ、複数人が入っているんだよな。」

 

『はい。更に通常よりも小さくなっている可能性があります。』

 

吸収か一時的な封印か。まぁどちらにしろ厄介だな。

 

『アンチグラビティ』

 

「っと、先に行くぜ戦兎」

 

ミカが発動した無重力により先に降り立った龍斗はそのままヴィヴィオ達がいる方向へ走っていった。俺もその後を追う。

 

 

_______________

 

 

「『魔女の誇りを傷つけた者は未来永劫呪われよ』だっけ?」

 

ファビアこと魔女のエレミアの手記探しを中断させたルーテシア。

 

「時代に取り残された魔女、時空管理局嘱託魔道士ルーテシア・アルピーノ!盗聴・窃視及び不正アクセスの件で話を聞きに来ました!」

 

だが、相手は話をするつもりはない。

 

「なら、ルーテシア・アルビーノ、これを見て」

 

ファビアはヴィヴィオ達に使った悪魔を使う。

 

『真名認証、水晶体確認』

 

そしてルーテシアを飲み込もうと巨大化するが

 

「ソニック」

 

ヴィヴィオが飲み込まれる前に抱きかかえてそれを交わす。

 

「名前を呼んで飲み込む...古典的な技だね。これは少し厄介だね。」

 

冷静に分析している様に見えるがルーテシアは内心焦っていた。スピードはないにしろ、あの技が封印の類のものだったら自分もヴィヴィオも飲まれてしまったらどうなっていたか。それを頭の片隅に考えながらもあの子が彼女の腰にある瓶を取り戻してくれるまで時間を稼ぐ。

 

「今の時代はスピードだよ。古い技ばかりに執着していたら取り残されちゃうぞ?」

 

ルーテシアは軽く挑発する。彼女が自分に注目したこの瞬間が勝負どころだ。

 

『にゃー♪』

 

「!」

 

「ティオ、ナイス♪」

 

ファビアがルーテシアを睨め付けた。その懐を駆け抜けたアスティオン。

無事に自身のマスターが入った瓶を取り戻した。

 

「さーて、大人しく降参してくれるとこっちも何もしないよ?そうでないならお姉さんがお仕置きしちゃうぞ?」

 

「余り魔女を舐めない方がいい」

 

______________

 

______________

 

 

「どう?投降する気になった?」

 

「....」

 

ファビアは壁際に捕らえられている。が、何かの詠唱を続けている。

 

「警告だよ。詠唱をやめなさい。でないと公務執行妨害も追加に...!」

 

ルーテシアが右腕を上げるとそこには人形のようなものが張り付いてきた。すると装着していたグローブが花に変わる。更に真上から瓶詰めする際に使用した悪魔がのしかかってきた。

 

「この...っ」

 

「デビルユナイト」

 

悪魔たちがどこからか集まりファビアに取り込まれていく。光だすと、少し大人びたファビアがいた。

 

「魔女の誇りを傷つけた者は....」

 

「未来永劫呪われよって?向かってくるなら.....」

 

 

『グラビティプレス』

 

「ふぉおお!?」

 

突然、ルーテシアは地面に激突する。幸い舌を噛むことは無かったがこれでは動けない。

 

重力発生系、ミッドやベルカ、ビルド式とは随分違うなぁ!

 

案外冷静に分析していた。

 

「撃って」

 

悪魔により槍が放たれる。

 

だがそれはアインハルトによって止められる。そして

 

『ボトルバーン!』

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

「スパークスプラッシュ!」

 

驚いているファビアの後ろからヴィヴィオと龍斗が現れ殴り飛ばした。

 

『バインド』

 

そしてやって来た戦兎によって再度捕らえられた。

 

___________________

 

「2人とも目覚めたんだ?あと戦兎さんに龍斗さん?遅いですよ?」

 

「ルーテシアさん、ありがとうございます。」

 

「助けてくれてありがとルールー!」

 

「悪い、道に迷ってな。」

 

「ごめんね、同じく迷ってさ。」

 

 

そこに、新たに一人現れた。

 

 

ちっちゃくなったジークリンデが。

 

 

「魔女っ子どこ行ったー!」

 

「チャンピョン....」

 

「あ、ハルにゃん!」

 

「あの子の魔法にやられちゃったみたいですね。」

 

「う~~恥ずかしながら」

 

「じゃ、魔女っ子に元に戻してもらいましょうか。事情も聴きださないとですし。」

 

ジークリンデとアインハルトの会話を聞きながら、ビルドフォンをいじる。可笑しい。生体反応が一つ多い?しかも魔女と呼ばれた彼女のものじゃない。それじゃあこれは?

 

「私は呪う事をやめない!私達を見捨てた王達を私は絶対に許さないから!」

 

『黙りなさい小娘。貴方は言ってはならない事を言いました。』

 

「!くうぅぅぅぅぅ」

 

「辞めろミカ!何をしているんだ!?」

 

ミカが行き成り魔女に対してグラビティを発動する。

 

『すいませんマスター。ですが、これは彼女達へのバツです。王たちは見捨ててなどいないのだから。』

 

「何を言って....!?」

 

急に人型へと戻るミカ。それを見た瞬間、魔女が驚愕していた。

 

「これくらいで済ませてあげます。あなたたちは何も悪くないのだから。」

 

「.....っ、お待ちください!ミカファール・クロゼルク様!」

 

どういうことだ?それがミカの本名なのか?俺でも教えてもらっていないのに...

 

「私には何も出来ませんでした。だから王達に歩み寄った。だが、貴方はもう知っているはずです。王達も見捨てる気などなかったと。」

 

ミカは俺の方を向き話し始めた。

 

「マスターいや先生、今迄黙っていてすいません。私は...」

 

彼女が何故俺の助手になったのか。

 

「魔女ミカファール・クロゼルクです。」

 

それがようやく明かされると俺は確信した。

 

 

 




というわけでミカさんの本名が明かされました。


次からはミカさんの過去編に入ります。


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22.彼女は何故俺の元に来たのか

ミカさんは語る。自分が何者だったのかを。

自身の過去を。


本編、始まります。


「魔女だって!?」

 

そんなバカな!?過去で彼女と会った時は魔力を感じなかった。ならなんで....

 

「先生、私の過去を話します。聞いてくれますか?」

 

ミカはそれを提案してくる。みんなは黙り込んでいる。驚きの方が大きいのだろう。ルーテシアさえも動けなくなっている。

 

「.....ああ。聞かせてくれ、相棒。」

 

「ありがとうございます。」

 

俺は少し考えた末にそう返した。そして彼女は語り出した。

 

 

______________

 

 

 

 

私は幼くから魔女として育てられました。

 

幼くして長にまでなりました。

 

ある日、私達が隠れて住んでいた街は新たに王が2人誕生したと騒がしくなりました。

 

それが『創成王』と『龍王』。先生と龍斗様です。

 

私達は誰かを偵察に送りこむことになりました。そこで長だった私自身が出向くことになりました。反対はされたものの、皆受け入れてくれました。

 

私はゆくゆくは正体を明し、助力を求めようとしました。

 

理由は私の病気にありました。リンカーコアが年々小さく弱くなっており、あの頃には既に魔力は無く、ただの少女になっていました。

 

それで王達に近づきました。その内、ある王が助手を求めているという話を聞き先生の元へ行きました。

 

先生は身柄の分からない私を大切に思ってくれました。その内、パンドラボックスに触れてしまったのです。

 

私はベルナージュと融合し、バングルを手に入れました。そこで、貴方の運命、正体、そしてエボルトの事を知りました。

 

そして自身の事を明かそうとしました。

 

ですがエボルトに襲われこうなったのです。既に一族には王を頼れと言ったまま。

 

_______________

 

『.......』

 

ミカの言葉は俺達は沈黙でいることしか出来なかった。もし、あの日あの場所でスタークが来ていなければ....

 

「先生、もう過ぎたことなのです。私がこうなったのも私自身が望んだことですし。」

 

「だが...」

 

「貴方は何も悪くありません。言うなれば私が悪いのです。彼女達に黙って逝ってしまったのですから。」

 

その言葉は誰も救わない。

 

「ヴィヴィオ様、アインハルト様、ルーテシア様、ジークリンデ様、気にしないで下さいね。」

 

「でも....」

 

「これでいいのです。過去に犯した罪ですから。彼女達がまだ生きているとは思いませんでしたが。」

 

「私は.....私達は貴方の帰りを待ち続けました。何時、戻ってこられた時に王達に____」

 

「私はそんな事は望みません。」

 

魔女へと足を進めるミカ。そしてしゃがみ込み魔女に抱きついた。

 

「辛かったでしょう。何年もその終わりのない復讐に身を置き続けたのですから.....」

 

「.......」

 

魔女は泣き出した。静かに。そして全てが終わったことに安土するかのように。

 

______

 

「マスター、私は....」

 

既に魔女ことファビアはルーテシアに連れていかれてはやてちゃんと会っている頃だろうか。全員の救出に成功し、龍斗と共に俺達を待っているはずだ。そんな時ミカが聞いてきた。自分はここにいていいのかと。

 

「お前が何者であろうと俺の知っているミカであることに変わりはない。だから...」

 

「!」

 

俺は抱きついく。これしか思いつかなかったから。

 

「ここにいていいんだよ。家族なんだから。」

 

「はい!」

 

彼女の顔は泣いてしまい目元が晴れていたが、曇りのない笑顔だった。

 

 

 




ミカファール・クロゼルク

戦兎のデバイスであるビルドフォンの管理人格。

その正体は元魔女の長。

一族の為に王に近づき力をかりようとするも世界が滅びることを知り、

どうにかしてそれを止めようとした。

だがそれは上手くいかず自身の身が滅びる前に人格をプロトタイプに遺した。

それを手に入れた猿渡夫婦がビルドフォンへと改良を加えた。

その先でロックされていたカギを開けられ表に出ることに成功した。









次回、『アイツが動き出す』



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23.一斗と戦兎の秘密



GOOD ENDルートを読んでいる方はこの話で彼等の秘密が明かされるでしょう。


他のルートを読んでいる方は既に知っているはずなので流して読んでいただけると幸いです。






ミカはビルドフォンへと戻り俺はみんなのもとへ向かった。しばらくするとはやてちゃんがみんなの前にやって来る。

 

「えー、ほんならひとまず一段落ってことで。私たちはこの子を連れて行ったん戻るなー。ほら、ファビア」

 

「......ごめんなさい」

 

「被害者一同どう?」

 

と、魔女っ子ことファビアが謝るとみんなは普通に許してくれた。そうさ、これでいい。これが俺の求めたものだから。他人を許せる強さをこの子達は持っている。それを知れただけで十分だ。

 

そしてファビアを連れてはやてちゃんはこの場を後にした。気が付いたら彼女は俺を見ていた。きっと、ミカのことが気になっているのだろう。

 

【今度会いに行くか?】

 

『はい!』

 

ミカに念話をするとそう帰ってくる。きっと遠くない未来、彼女が笑う姿を見ることができるだろう。

 

俺はとある本を持っていた。

 

『双王物語』

 

かつてパンドラボックスを封印していた本であり、今は俺の手持ちとなったこの本。

 

この本には以前物語が記されていた。だが今は最後の1ページを除いて白紙である。

 

そこには

 

 

『異星からの破壊者はまだ生きている』

 

と記されている。

 

それが意味することを理解している戦兎はみんなと別れ龍斗と共にパンドラボックスの元へ向かった。

 

____________

 

 

第27回インターミドル・チャンピョンシップ。

 

その本選開会式はもう明日に迫っていた。

 

俺達仮面ライダーは既に調整を済ませて、万全の状態でいる。

 

そんな中、ベルナージュに教えられた真実を今日、集った皆で聞くことになっている。

 

なのだが.....

 

「あの....ミカさんや。なんで俺はこのような姿に?」

 

「すいませんマスター。興味があったもので。」

 

「ナイスやミカ!これで巧にぃを独り占め....えへへへへ....」

 

「私、頑張りました。」

 

「よくできましたね、ファビア。」

 

「......////」

 

そう、ミカに動きを止められてファビアの魔法により幼児化させられたのだ。そして今ははやてちゃんに捕まっている。そしてミカに自分の頑張りを伝えて褒められているファビア。彼女が主犯ではない。我が妹はやてちゃんが主犯である。そしてファビアは遊びに来ていたヴィヴィオ達と部屋の外へ行ってしまう。

 

 

「放してくれますか?」

 

「嫌やで?」

 

残念ながらこのまま話を聞くことになりそうだ。

 

既に一斗と龍斗に助けを求めるのは諦めている。

 

「さて、話を始めさせていただきます。」

 

ああ、始まっちまったよ。リインが俺の頭に乗ってくるが気にしない。もう考えないようにしよう。

 

「まずはマスター、桐生戦兎についてですが....」

 

そうだ、俺はただの一般人として生きてきたんだ。一体何が俺に残っているんだ?

 

「ベルナージュが希望を託した一族の末裔です。」

 

ま、

 

「マジかよ.....」

 

こればかりは驚かずには居られない。まさか火星人の血が混じっているとは。

 

「マスター、あなたは最後の希望です。エボルトがいない今、もうエボルトと戦うと7いう使命はないので安心してください。」

 

だが、俺にはまだ気になっていることがある。あの本に記されていたあの言葉。あれが本当の事ならば....

 

「次に、一斗様。あなたには、本当に大変な運命がつきまとっています。」

 

「な、何があるの?」

 

一斗は少しおびえながらも聞こうとする。

 

「貴方は、エボルトと同じ者です。」

 

『!』

 

全員が驚きを隠せない。はやてちゃんなんかは俺を拘束していた腕の力が抜けていった。少し楽になったな。

 

「エボルトの遺伝子は貴方の両親が住んでいた町に放たれました。その結果お腹の赤ちゃんに取り憑いたのですが、全てがリセットされ普通の人間として産まれました。あなたがハザードレベルを持っていたのはそのせいです。」

 

これで納得がいった。何故一斗がハザードレベルを持っていたのか。そして研究所が火事に襲われたのは。

 

「私が教えてもらったのはこれですべてです。」

 

俺はすぐにはやてちゃんの拘束から抜け出して一斗に抱きつく。

 

「父...さん....」

 

「大丈夫。君が何者であっても君は俺の、博士たちの息子だ。だから....」

 

「わかっているよ....」

 

精神が安定していない。そんな一斗をあやすように呟く。今俺は身長が一斗と同じため、抱きかかえる事はできない。

 

「.....ん、もう大丈夫だよ。父さん。」

 

「そうか...」

 

俺から離れていきミカと目を合わせる。

 

「僕は、過去に何があっても父さんの息子だ。それ以外の何物でもないよ。」

 

「.....その言葉を聞いて安心しました。これからもよろしくお願いします、一斗様」

 

「うん!」

 

 

ああ、なんて一斗は強い子に育ったのだろう。昔から誰かのために戦うことが出来る優しい子。

 

きっとこれからも、その本心は変わらないだろう。

 

 

そんな一斗を俺は見守り続けたい。

 

 

そう思いたかった。アイツが戻ってくるまでは。

 

 

 

 

 

 





遂に明かされた秘密。

それを乗り越えた少年。

そんな中始まる大会。


そう、彼らがぶつかり合う。


次回、『総当たり戦』



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24.さあ、実験を始めようか

いよいよ始まるインターミドル本選。

その前に来た大イベント!


そう、このためにvivid編を書いてきたんだ!




俺達は今、インターミドル・チャンピョンシップ本選会場の選手控室にいる。既に各自が準備を済ませてある。メンテナンスも完璧だ。今俺達を見守るのは各自のデバイス。

 

俺にはビルドフォン、龍斗にはドラゴン、一斗にはフクとフォレス、ティーダにはJIM。

 

JIMはティーダが以前使っていたデバイスではなく、戦兎が専用に造ったデバイスである。

正式名称は『Justice in my heart』、彼が決して忘れなかったその精神を名としてなずけた。インテリジェントデバイスなのでティーダの仕事を支えてきた。

 

「ミカ」 「ドラゴン」 「フク、フォレス」 「JIM」

 

「「ユニゾン・イン」」 「「セットアップ」」

 

ユニゾンとセットアップを済ませる。フクとフォレスは腕にくっついてバリアジャケットを展開している。JIMは縦2本線が描かれたエンブレムから銃型へと変形する。そして黒いローブを身にまとう。それがバリアジャケットだからだ。

 

外が騒がしくなってきた。きっと観客が会場内に入ってきたのだろう。始まる.....インターミドル本選が.....!

 

『皆様お待たせしました!!!!これより、インターミドル・チャンピョンシップ、本選を開始します!!!!!!!!!!!!』

 

 

ワアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!

 

聞こえてくる歓声は観客達の試合への期待で満ちている。俺達の試合がある事を知る者は殆どいない。開会式は順調に進み、間もなく俺達が登場する時間だ。

 

「父さん、そろそろ....」

 

「ああ。」

 

俺達は待機していた部屋から出ていく。それぞれがベルトを装着して。

 

「さあ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実験を始めようか」

 

 

俺達は表へと出た。

 

 

『デンジャー!』

 

『クロコダイル』

 

『ロボットゼリー』

 

『クローズドラゴン』

 

『ラビットタンクスパークリング』

 

 

ベルトにアイテムをセットしながら。

 

 

______________

 

 

 

 

 

 

インターミドル本選の開会式は毎年と変わらず行われプログラムを順調に進んでいる。

 

「ねえ、ノーヴェ。この枠何?」

 

「ん?」

 

高町ヴィヴィオは自身の師匠であるノーヴェに質問していた。配られたプログラムにはぽっかりと空いた部分があるのだ。そこに何が入るのかが分からないためきこうとしたのだが

 

「あたしにもわかんねえんだ。」

 

ノーヴェはそう返してきた。

 

そう言えば一斗も龍斗も、戦兎さんも今日は来れないって言ってたよな。

 

彼女の言葉でヴィヴィオは思い出す。自分が彼等を誘った時にも断られた事を。

 

『皆様お待たせしましたぁ!!!本日の最後のイベントを始めます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

いきなりの事で観客達もざわつき始める。皆自分達と同じ様な事を考えていたのだろう。勿論、チームナカジマのメンバー達も困惑している。そんな中いつも通りに過ごしている人物がいた。

 

「なぁ姉貴、何か知っているのか?」

 

そう、今日一緒に見に来たスバルだ。隣には納得した顔をするティアナがいた。

 

「ううん。でも予想は付いたよ。10年前と同じだろうね。」

 

その言葉を聞いたノーヴェは思い出した。以前スバルと共に見た10年前のDSAAの動画を。それは________

 

 

 

『10年前、ここで行われたあの戦いを今ここで......もう一度..........』

 

 

 

司会者によってその答えが皆に教えられる。それは....

 

 

 

 

『仮面ライダー達による総当たり戦を行います!!!!!!!!!

 

 

 

S.S事件の英雄達による戦いが始まる。

 

 

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

『ロボット in グリス』『ブラァ!!!』

 

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON!』 『Yeah!』

 

『シュワッと弾ける!』『ラビットタンクスパークリング!』『イエイ!イエーイ!』

 

 




ティーダのデバイスが登場しましたね。

JIMはティーダが持ち続けた心をそのまま実体化させたようなものです。

GOOD ENDルートでゼリーは破壊されているのでクローズチャージは登場しません。




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25.ライダーウォーズ開戦

サブタイトルはビルド本編のもの。

今回対戦順の発表と第一回戦。


それでは本編をどうぞ!


「.........マジかよ.....」

 

ノーヴェの言葉は黙った観客達を代表するようなものだった。

 

会場の真ん中にあるリング。そこに4人のライダーが登場したのだ。驚かないわけがない。

 

 

 

わ、わあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!

 

 

観客達は一気に拍手喝采を贈り始める。4年前のS.S事件で活躍した戦士達の戦いを今ここで見れることに対する歓喜であろうそれは、会場を奮い立たせるには十分すぎるほどに大きかった。

 

 

「やっぱりそうだったか~」

 

「姉貴の言ったとおりだったな....」

 

依然見せられたあの戦い。それを更にグレードを上げて再び行うという荒行に出てきた委員会には驚きを隠せない。だが、よく考えると一斗が戦う事が妙に多かったのはこのことだったのだろうと思えてきた。

 

「今回は兄さんも出るからね。カメラを持って来たわ。」

 

「録画よろしくね。」

 

「勿論よ。」

 

ティアナが唐突にカメラをカバンから取り出す。彼女は既に自身の兄から聞いていたらしい。

 

「一兄.....パパ.....龍斗さん.....」

 

「大丈夫だよヴィヴィオ。きっといい試合が見れるよ!」

 

「うん!」

 

無言のままリングのクローズを見つめるアインハルト。少し不安そうな顔をしたヴィヴィオに声をかけたリオ。コロナはさっきからライダーを見つめたまま動かない。

 

『ルールを説明させていただきます!DSAAの試合とは異なりLIFEはございません!降参又はライダーシステムの解除で勝敗が着きます!!!!!!』

 

司会者により彼等の為のルールが説明される。そして

 

『これより一回戦の組み合わせを発表します!!!!』

 

でかでかと会場に浮かぶスクリーンには対戦の組み合わせが発表される。

 

『一回戦第一試合、『仮面ライダーグリス』VS『仮面ライダークローズ』!』

 

さらに続けて対戦相手が決まる。

 

『第二試合、『仮面ライダーローグ』VS『仮面ライダービルド』!』

 

発表された対戦相手。第一試合の2人を除いてリングを降りていく。

 

 

『それでは試合の前の挨拶を!』

 

司会に寄ってそれは宣言される。

 

「桐生一斗、ビルド式でまたの名を仮面ライダーグリス!」

 

「万丈龍斗、同じくビルド式で仮面ライダークローズ!」

 

 

「それでは、Ready..........」

 

審判により試合が開始される。

 

『GO!!!!!!』

 

 

「心火を燃やしてぶっ潰す!!!!!!!」

 

「俺は、負ける気がしねぇんだよ!!!!」

 

 

開始早々、互いの拳がマスクを捉えた。

 

_____________

 

 

 

俺にはまだティーダさんと父さんとの試合が控えているけど.....

 

 

「ドラァ!」

 

先輩には負けられない!いつも俺の目標だったこの人と戦えるこの機会を絶対に無駄にはしない!

 

 

「オラァ!!!」

 

俺の拳とクローズの拳はぶつかり合う。まるでお互いの強さを確かめる様に。




今週のビルド本編は凄かったですね。

自分もグレートクローズを何処に登場させるか悩んでます。





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26.次世代VS龍

TRUE ENDルートみたいにビルド本編が進んでいきましたね。


エボルトリガーの音声が正式に公開されたらまた書いてみようかな。


グリスとクローズはお互い殴り合いを続けた。互いに思いをぶつけ合いながら。

 

「俺はあんたに勝つ!今迄の恩を込めて!!!」

 

「おう!だが俺も負けてらんねえ!」

 

 

互いが一歩引き合い、武器を展開する。

 

『ツインブレイカー』

 

『ビートクローザー』

 

『アタックモード!』

 

「「ドラァァ!!!」」

 

武器をぶつけ合う。互いに軽く疲労が見え始めた頃。

 

「いくぞ一斗......俺の全力、受けてみろぉ!!!!!」

 

「こい!」

 

『ボトルバーン!』

 

『クローズマグマ!』

 

クローズはマグマナックルを取り出しそれにマグマフルボトルをセットしてベルトにセットする。するとナックルの正面であるドラグバーンナックラーが左右に展開される。そしてハンドルを回している。

 

「こい、フォレス!」

 

『♪~~~~』

 

グリスは自身のデバイスであるフォレスを呼び出す。そして変形させてツインブレイカーと同じ様に構える。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

クローズは背後に展開されたマグマライドビルダーからのバリアブルマグマを頭上から被る。流石にマグマを被り始めたことで観客達もざわつきだす。だが直ぐにそのざわつきは変化し始める。マグマの中からドラゴンが複数現れたからだ。

 

そして最後に前後にマグマライドビルダーが移動する。そして冷え固まったクローズとドラゴンを砕く。

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

「いくぞ オラァ!!」

 

「ドラァ!」

 

現れたクローズマグマはすぐさま試合を再開する。クローズの拳をツインブレイカーと

キャノンモードでガードしながらもスキができるのを待つグリス。そして、

 

「ここだ!!!!!」

 

『READY GO!』『レッツブレイク!』

 

左手に持つツインブレイカーにフクをセットして必殺技を放つ。

 

「ふっとべえええぇぇぇぇ!!!!!」

 

だがその攻撃は両腕でツインブレイカーを挟み込まれてクローズに当たることはなかった。

 

「まだやられねえよ!」

 

「今だ!」

 

『スクラップ・ブレイク!』

 

このチャンスを逃すかと言わんばかりにベルトのレンチを押し下げて必殺技を発動する。エネルギーはツインブレイカーではなくキャノンモードのフォレスへと集束していきトリガーが引かれる。

 

「ぐはっ」

 

発射されたエネルギー弾はクローズマグマの胸部よりやや下、水落ちに入った。その為、クローズはマスクで見えないが大分辛い状況だろう。クローズはリングの端の方へと下がった。

 

「俺の動きを読んで戦えるようになっているとはな......翼のおかげか....」

 

「それだけじゃない。父さんも友達も妹も、あんたも俺に付き合ってくれた。それの集大成を今ここで見せる!!!!!」

 

「そうか.....嬉しいこと言ってくれるじゃねえか!」

 

グリスはフクを再度ツインブレイカーにセットし直す。さらにキャッスルフルボトルをキャノンモードへセットする。待機音が鳴り響く。その中で二人共ベルトへと手を伸ばす。そしてハンドルを、レンチを操作した。

 

『READY GO!』

 

『スクラップ・ブレイク!』

 

『ボルケニック・ブレイク!』

 

二人は同時に飛び上がる。クローズはマグマライズドラゴン達を召喚ながら、グリスはフォレスのトリガーを引き巨大な盾を形成しながら。

 

「「はあああああああああ!!!!!!!!!!!」」

 

グリスは盾を蹴りながらキックを放つ。まるでクリムゾンスマッシュの様に。

 

クローズが放ったキックは盾に当たりながらも勢いをなくすことはない。召喚したドラゴン達がクローズの周りを螺旋状に飛び回りながら盾へと特攻していく。

 

そしてあっという間にドラゴン達と盾が消滅した。

 

「負けられねえんだよぉぉぉ!!!!!」

 

「同じだぁぁぁ!!!!!!」

 

 

お互いのキックはそれぞれをリングの端まで吹き飛ばした。煙が発生してそれが晴れると互いが何とか立っていることが確認できる。

 

観客達は息を吞んだ。そう、決着が着こうとしているのだ。

 

クローズはベルトからナックルを取り外し変形させて構える。グリスは既に構えている。

 

『ボトルバーン!』

 

『READY GO!』

 

「これで.....」

 

「「決める!!!」」

 

各部位に紅炎を纏わせることでボルケニックモードへと移行したクローズマグマはナックル正面のスイッチを押しながら駆け出す。グリスはツインブレイカー・アタックモードのトリガーを引きながら駆け出す。

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

『レッツ・ブレイク!』

 

「「おらああああああああああ!!!!!!!!!!!」」

 

二人の放った打撃はお互いを捕らえる。そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はぁ.....はぁ.....」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライダーシステムが解除される。

 

 

 

 

先に解除されたのはクローズだった。

 

 

 

『怒涛の戦いの末、第一試合の勝者は、グリスぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

わあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

観客達は歓声を贈った。目の前で行われた戦いに対して。

 

 

 

「ありがとう....ございました....」

 

「俺に勝ったんだ.....あいつに勝てよ。」

 

 

「はい!」

 

 

自分の息子の成長は予想以上だった。俺も負けていられないな。




いかがだったでしょうか?


今回は初めて一斗が龍斗に勝つ試合を描かせていただきました。


S.S事件の時よりも強くなり、もしかしたらアイツと良いところまで戦えるかもしれません。。


まぁ、結果は________


感想お待ちしています。


それではまた!


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27.兎と戦車VS 鰐

お、アギトか....いい名前だな(唐突)


え?読み方が間違ってるって?


何言ってんだよあたしの名前じゃねえk_____


[アギトさんはリインフォースとはやてに連れていかれました]


シグナム「柄ではないが仕方ない。本編を始めるぞ。」


『さて続きまして第二試合、『仮面ライダーローグ』VS『仮面ライダービルド』の試合を開始します!!!!!!!!!』

 

観客達は歓声を上げる。先程の試合で完全にスイッチが入ったのだろう。

 

勿論、知り合いたちも入っていてこちらに声は届かないものの応援しているのが口の動きで予想できる。まぁ、予想なのだが。

 

「よろしくお願いします。」

 

「こちらこそ今日はよろしく。いい試合にしよう。」

 

「はい。」

 

俺とティーダは軽く挨拶を済ませる。既にベルトを装着して待機済みだ。

 

「それでは両者構えて!」

 

『デンジャー!』

 

ティーダはフルボトルを起動させベルトにセットする。俺もスパークリングを起動させてセットする。

 

『クロコダイル』

 

『ラビットタンクスパークリング』

 

ハンドルを回す俺に対してレンチを押し下げるティーダ。すぐさま互いにライドビルダーとファクトリーを展開する。

 

『割れる!』『喰われる!』『砕け散る!』

 

『ARE YOU READY?』

 

「「変身!」」

 

ボトルの成分がティーダの真下からせり上がってきて両サイドから展開されたワニの顎によってビーカーごと砕かれる。俺はビルドマーク型のスナップライドビルダーによって形成されたハーフボディに前後から挟み込まれる。

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

『シュワッと弾ける!』『ラビットタンクスパークリング!』『イエイ!イエーイ!』

 

ローグは頭部の顎が嚙みつくことで複眼を出現させる。俺は両手を広げて炭酸を彷彿とさせる水滴を散らす。

 

「それでは、READY.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「GO!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とティーダの試合が始まった。

 

________________

 

 

父さんはティーダさんと戦っている。今選手控室で僕と先輩は試合を観戦していた。

 

 

「アイツ、中々やるじゃねえか」

 

ローグがビルドを押している。既に武器を使って衝突が繰り返されている。だが、スパークリングではローグに勝つには決定打が足りない。

 

 

『ハザード・オン』

 

 

おっと、見ていたスクリーンからあのトリガーの音が聞こえる。

 

「ここからだよ、ティーダさん。」

 

 

今回は父さんには悪いけどティーダさんを応援させてもらうね。

 

____________

 

 

 

『ラビット』『タンク』『スーパーベストマッチ!』

 

「ビルドアップ!」

 

俺は前後に展開したハザードライドビルダーに挟み込まれる。

 

『アンコントロールスイッチ!』『ブラックハザード!』『ヤベーイ!』

 

「時間はない、サッサといくぞ!」

 

リングに刺しておいたドリルクラッシャーを抜き取り構える。

 

「なるほど、それが出て来ましたか。それなら....」

 

ティーダもJIMを呼び出す。

 

「いくよJIM。『ガンモード』」

 

『GUN MODE』

 

エンブレムから変形していくJIM。トランスチームガンに似た形へと変形した。

 

ローグは片手にスチームブレード、もう片手にJIMを構えている。

 

俺はラビットの能力で地面を蹴り加速しながらローグへと攻撃しようとする。

 

だが生憎相手はアイツ直々に育てられた戦士。簡単に止められてしまう。だが俺も何も出来なかった訳ではない。

 

攻撃はスチームブレードで止められた。その為ドリルクラッシャーをそのまま押し付けながら捨てたのだ。つまり、スチームブレードを吹き飛ばす事に成功した。

 

「がぁっ.........早いな.....」

 

俺は追撃出来る距離にいるのだがバックステップでリングの端へと直ぐに移動する。暴走する前に....

 

すぐさま取り出したフルフルラビットタンクボトルを振りながらローグが放つ弾丸を交わす。

 

『ラビット』

 

『マックスハザード・オン』

 

ハザードトリガーを再度起動させボトルを折り曲げてベルトにセットする。

 

『ラビット&ラビット』

 

「ビルドアップ」

 

交わしながらもハンドルを回していく。

 

『オーバーフロー』

 

すると俺の正面に、ローグとの間に大きな手が現れる。エニグマがラビットラビットアーマーを転移させてきたんだ。

 

『♪~~~~』

 

俺は交わし続けるのを辞め、アーマーがバラバラになるのを待つ。ローグがライフルモードに合体させる隙をついてバラバラになったアーマーを装着していく。

 

『紅のスピーディージャンパー!』『ラビットラビット!』『ヤベーイ!』『ハエーイ!』

 

「ふう.....さあいくぜ!」

 

「.....攻略開始」

 

俺は自分が有利になると思っていた。だけどそれは間違っていた。そう、動きが予想されているように攻撃が当たらず俺だけドンドンダメージを食らってゆく。

 

『フルボトルバスター!』

 

フルボトルバスターを呼び出してラビットラビットの収縮を利用して攻撃をしていく。だが防がれる。何か...打開策はないものか....

 

__________________

 

「今だ!」

 

『クロコダイル』

 

『ファンキー・アタック!』『クロコダイル』

 

JIMにクロコダイルクラックフルボトルをセットしてトリガーを引く。考えて動きが鈍っていたためかビルドは銃撃をうけてしまう。

 

「ぐああああああああああ!!!!!!!!!」

 

そして吹き飛ばされた。その先は煙幕により確認が出来ない。

 

吹き飛ばされたビルドを追いかけるようにローグはその足を進めていく。だが.....

 

『♪~~~~』

 

キャタピラの音がする。すると煙幕から複数の戦車が現れてローグへ向けて攻撃をしていく。そしてある程度砲撃が終わると煙幕がはれてビルドが出てくる。そして戦車達は周りに集まっていく。

 

「ビルドアップ」

 

ラビットラビットアーマーが外れ兎型になりエニグマによって転移していく。そして俺はタンクタンクアーマーを装着していく。

 

『鋼鉄のブルーウォーリア!』『タンクタンク!』『ヤベーイ!』『ツエーイ!』

 

「反撃開始だ!」

 

吹き飛ばされた時から持ったままのフルボトルバスターをバスターキャノンモードに変形させて砲撃を放つ。

 

「ぐっ...がっ!」

 

ローグはその威力を防ぎきれず後退していく。ビルドはそのチャンスを逃さずにフルフルラビットタンクボトルをベルトから取り外し伸ばしてバスターにセットする。

 

『フルフルマッチでーす!』

 

「はっ!」

 

ビルドは下半身を戦車に近い形に変形させる。そしてローグに対して攻撃を放っていく。

 

『ディスチャージボトル』

 

『潰れな~い!』『ディスチャージ・クラッシュ!』

 

だがビルドの攻撃が決まる前にローグはベルトにダイヤモンドフルボトルをセットしレンチを押し下げる。そうすることで巨大なダイヤモンドを出現させる。それで砲撃を防いだようだ。だが、ダメージはかなり入ったようだ。

 

「僕は...罪を背負って明日の未来を切り開くんだ!」

 

「.....それが本音か.....」

 

そう、戦兎は知っていたのだ。ティーダがあれから何年も経っているが、未だに罪を感じ続けていたことに。

 

「だからこそ.....貴方と本気で戦うことでしか....その罪の償いが出来ないんだ!」

 

ティーダは本音を話した。だが

 

「それ以外にも罪を償える方法はある。だから自分を責めないでくれ。」

 

 

「う、うああああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

 

レンチを押し下げるローグ。ビルドはそれに反応してハンドルを回してバスターを構える。

 

『READY GO!』

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』

 

『ハザード・フィニッシュ!』『タンクタンク・フィニッシュ!』

 

「はぁ!!!」

 

ローグは両足でビルドを挟み込もうとするのだがバスターの攻撃で吹き飛ばされて変身が解除される。

 

__________________

 

 

『第二試合、勝者は仮面ライダービルド!!!!!!』

 

 

観客達は沸き立つ。先の戦いとは違いお互いの戦略がぶつかり合うという試合が新鮮味があったのだろう。

 

「戦兎さん.....僕は....」

 

俺は変身を解除しながらティーダの元へ行く。

 

「ティーダ、本当のことを言ってくれてありがとう。だから、俺達と一緒に罪を償っていこう」

 

「はい」

 

ティーダへ俺は手を伸ばす。そしてティーダを立ち上がらせる。これからの事も決まったな。

 

 

「さあ、まだまだ試合は続くぞ。休憩と行こうぜ?」

 

「はい!」

 

 

ティーダ。俺は、もう罪を背負い続ける必要はないと思っているよ。

 

口にした訳ではないが、伝わっているような気がした。

 

 




1話に全部をまとめてみました!


ティーダは自分が犯した罪を背負い続けていましたが、きっとこれからそれを乗り越えていくでしょう。


次はあの2人の試合。


このまま書き続けていられるかな?




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28.次世代VS鰐

第二回戦第一試合、開幕です!


10分程の休憩が入り二回戦が始まろうとしている。

 

『二回戦、第一試合は『仮面ライダーグリス』VS『仮面ライダーローグ』です!』

 

 

既にお互いの手が観客達にも知れ渡っている2人。だが、それはまだ使用していない手がある事を考えさせてくる。

 

「それでは、両者構えて!」

 

『ロボットゼリー』

 

『クロコダイル』

 

二人は揃ってベルトにセットする。

 

「「変身!」」

 

『割れる!』

 

『潰れる!』

 

そしてレンチを押し下げる。押し潰す、砕くとそれぞれエネルギータンクにボトルの成分を貯める。

 

『喰れる!』

 

『流れる!』

 

それぞれを中心にビーカー型の小型ファクトリーが展開され、下からボトルの成分がせり上がってくる。

 

『砕け散る!』

 

『溢れ出る!』

 

ティーダはファクトリーの左右から展開された鰐の顎によってファクトリーを砕かれスーツを装着する。一斗はボトルの成分が螺旋状に纏うことでアンダースーツを装着する。

 

『クロコダイル in ローグ』

 

『ロボット in グリス』

 

ローグは頭部の左右の顎によって頭部が砕かれ複眼を完成させる。グリスは頭部からバリアブルゼリーが吹き出しそれがクロスアーマーを形成していく。

 

『オーラァ!!!』

 

『ブラァ!!!』

 

ここに2人のスクラッシュドライバーを使用するライダーが揃った。

 

「READY......GO!」

 

 

 

試合、開始

 

________________

 

 

始まった試合を俺と龍斗は控室から見ていた。

 

「ティーダの奴、以前よりも吹っ切れて戦えてないか?」

 

「ああ、あの後少し話してな。俺と一緒に罪を背負っていくことにしたんだ。」

 

そう、彼は一つの答えに辿り着いた。

 

自分が悪者を装う事で妹の夢を叶えようとしたが、その過程で罪のない人達を傷つけた。

 

その罪は消えない。だからこそ、次世代に何かを伝えられる様にしたいと。

 

それが彼なりの罪滅ぼしだと。

 

「なるほどな。だからあんなにも力の差を見せつける様な戦い方なんだな。」

 

「ああ」

 

俺と龍斗が見つめるスクリーンには、圧倒的な力でグリスをリングの端まで吹き飛ばしたローグが映し出されていた。

 

___________

 

 

ローグはビルドに負けた。だが、決して弱くないことがここで証明された。

 

「どうしたの?君はこんなものかな?」

 

「なめんなよ、ローグ!」

 

クローズとの戦いでギリギリの勝利を納めたグリスを完全に圧倒しているのだ。武器を使わずに。

 

「ドラァ!」

 

グリスがツインブレイカーで殴り掛かるが手首を掴まれ攻撃は当たらない。それどころか

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』

 

「まず...」

 

「はあ!」

 

ローグに必殺技を使用させてしまう。両足を鰐の吻のようなエネルギーの牙で覆いグリスを挟み、その状態でデスロールの様に回転しながら吹き飛ばす。

 

「ぐあああああああああああ!!!!!!!」

 

吹き飛ばされた先でグリスはリングに張られたシールドに背中から叩き付けられる。そして、仰向けになるように倒れ込む。

 

観客は息を吞んだ。先程とは違い完全に差を見せつけたローグに対して。

 

静かになった会場には、只々居心地の悪い空気が流れる。

 

 

「まだ.....負けてねえ......」

 

「そう....それでいい....」

 

だが、グリスは立ち上がった。ローグの台詞はかなり小さく、2人を除いて誰にも聞こえていない。勿論、一斗にも聞こえていない。

 

「俺は....負けられねぇ.....上で父さんが待ってんだ!」

 

『おっと!!!!!!!立ち上がったあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』

 

殆ど静かだった実況が放送の枠を超えて会場に響き渡る。この実況はテレビ番組の生放送にしかないものなのに。

 

わあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!

 

会場は沸き立つ。一人の戦士の復活を讃えるように。

 

立ち上がったグリスは話しながらローグはへと少しずつ近づいていく。

 

「友情!厚情!激情!」

 

その声に反応する様に現れるフクとフォレス。そして変形して装備される。

 

『READY GO!』

 

「今の俺は、負ける気がしねぇぇぇ!!!」

 

そしてベルトのレンチを押し下げる。

 

『スクラップ・フィニッシュ!』

 

「おらああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

「任せたよ......次世代......」

 

エネルギーが装着されたツインブレイカー・ビームモードとキャノンモードのフォレスに集束されていく。

 

ローグは最後の抵抗として必殺技を発動する。

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』

 

『レッツ・フィニッシュ!』

 

ローグは右腕にエネルギーを集束しパンチを繰り出す。

 

グリスは両腕を突き出した。

 

互いの必殺技はそれぞれの身体を捉えた。ローグは頬を。グリスは腹部を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......ぐはっ............」

 

変身が解除された両者。だが先に解除されたのは.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『第三回戦、勝者は仮面ライダーローグぅぅぅ!!!!!!!!!!!!』

 

「ぐっ......いい一撃だった.....」

 

グリスの方だった。

 

 

 




次は10年前にDSAAで行った対戦。

以前は曖昧に終わったが、今回決着が着きます!


どちらが勝つのか予想してみてはいかがでしょうか?


感想、評価お待ちしています。


それではまた!


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29.創成王VS龍王 前編

始まろうとしている二回戦、第二試合。


前回の補足。

グリスの台詞

「友情!厚情!激情!」

は今迄一緒にいてくれた友達、妹達、そしてティーダ達大人に対しての感謝の言葉です。


気絶した一斗は俺と入れ替わるように控室へと運ばれていく。きっと今頃龍斗がティーダに会っている頃だろう。

 

「....勝ってくる。」

 

誰かが返事を返してくれるわけでもないのに俺はそうつぶやいた。

 

暗い廊下の先、見えているのはあの光。俺が決着をつける場所。

 

 

リングへと歩み始めた。

 

____________

 

『二回戦、第二試合は『仮面ライダービルド』VS『仮面ライダークローズ』!!!10年前のDSAAの試合を今ここで再選します!!!』

 

リングに2人の男が上がってくる。

 

「桐生戦兎、ビルド式で仮面ライダービルド」

 

「万丈龍斗、同じくビルド式で仮面ライダークローズ」

 

「それでは両者構えて!」

 

彼等の為の戦いが始まる。

 

『マックスハザード・オン』

 

『タンク』

 

『ボトルバーン!』

 

戦兎はハザードトリガーを起動させ、フルフルラビットタンクボトルを振る。

 

龍斗はナックルにボトルをセットして変形させる。

 

『タンク&タンク』

 

『クローズマグマ』

 

トリガーをベルトにセットしボトルを折り曲げてベルトにセットする。

 

セットしたナックルの正面が開きボトルが姿を覗かせる。

 

ハンドルを回していき展開されるライドビルダー。

 

「「変身!」」

 

互いにファイティングポーズをとり叫ぶ。始まるのだ。

 

戦兎はハザードライドビルダーに挟み込まれてハザードフォームへと姿を変える。

 

龍斗はバリアブルマグマを頭上から被る。

 

『オーバーフロー』

 

転移して来たタンクタンクアーマーをビルドが装着していく。

 

クローズのマグマが冷え固まっていく。ドラゴン達も一緒に。

 

『鋼鉄のブルーウォーリアー!』『タンクタンク』『ヤベーイ!』『ツエーイ!』

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

変身が完了した。二人は歩み寄る。

 

「READY.....GO!」

 

「「おらああああああああああ!!!!!!!!!!!」」

 

開幕早々、互いの拳が頬を捉えた。

 

「「がっ.....」」

 

互いが吹き飛ばされる。どちらも倒れず踏ん張る。

 

『フルボトルバスター!』

 

『ビートクローザー!』

 

「「はぁ!」」

 

ぶつかり合う剣。はじけ飛ぶ火花。既に彼らの頭の中に観客達はいないのだろう。

 

『スペシャルチューン!』

 

『タンク』『ガトリング』『ロケット』『マグネット』『アルティメットマッチでーす!』

 

一旦離れて武器にフルボトルをセットする。

 

『ヒッパーレ!』『ヒッパーレ!』『ヒッパーレ!』

 

さらにグリップエンドを三回引くクローズ。

 

『メガ・スラッシュ!』

 

『アルティメットマッチ・ブレイク!』

 

「はああああ!!!!!!」

 

「くらえぇぇ!!!!!!」

 

響き渡る歓声は大きな爆発で聞こえなくなった。

 

互いの攻撃は武器を吹き飛ばすのに十分な威力があった。

 

 

「「あっ...」」

 

互いの後ろに刺さる。だが二人は取りにいかない。それよりも格闘を始めた。

 

互いの拳が防御され、また殴る。ただそれの繰り返し。

 

「俺が勝たせてもらう!この先に待ってる一斗の為にも!」

 

「俺だってティーダを待てせてんだよ!お前が負けろ!」

 

しかもしっかりと会話をしながら。

 

「これでもくらえ!」

 

『ボトルバーン!』

 

ベルトからナックルを外して装備しボトルを再度セットする。

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

「ぐあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

繰り出した技はしっかりとビルドの腹部を捉え、空中へと飛ばしていく。

 

「もういっちょ!」

 

『ボトルバーン!』

 

再びボトルがセットされ、正面のスイッチが押される。待機音は次第に早くなっていく。

 

『ボルケニック・ナックル!」

 

「おらあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

落ちてきたタンクタンクに拳は当たり、リングに張られたバリアへと吹き飛ばす。バリアに当たり、地面へと叩き付けられるビルド。誰もがクローズの勝利を確信した。歓声を上げ始める観客達。クローズはナックルを再度ベルトにセットした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『不死身のディスティニーソルジャー!』

 

会場に大きく響いた音を聞くまでは。

 

「まだ、負けてねえ.....俺はまだ戦える!」

 

行き成りクローズの後ろからエニグマが現れて何かが転移してくる。

 

それは....

 

 

 

「『不死鳥』てか.....来いよ、戦兎!」

 

 

『♪~~~~』

 

不死鳥のごとく炎に包まれたアーマーだった。そしてバラバラになりタンクタンクのアーマーの上から装着されていく。

 

『ツインフェニックス!』『ヤベーイ!』『マジヤベーイ!』

 

「しゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

ビルド、ツインフェニックスフォームが動き出した。

 

 




やはりここは不死鳥とマグマの戦いを描かなくては!


評価、感想お待ちしています。


それではまた!


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30.創成王VS龍王 後編

スタークを倒したあの姿でビルドがクローズとの戦いに挑んでいく。


果たしてどちらが勝つのか!?


第30話、どうぞ!!!


「行くぞぉぉ!!!!!!!」

 

大きく背中に取り付けられた羽を広げてビルドはクローズへ向けて飛んでいく。バスターを拾いながら。

 

『フルフルマッチでーす!』

 

クローズは受け止める為にビートクローザーを拾いにいく。走りながらもハンドルを一回回しておく。

 

『READY GO!』

 

『フルフルマッチ・ブレイク!』

 

『ボルケニック・アタック!』

 

「はああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

「ぐうううううううう!!!!!!!!」

 

必殺技は衝突した。殆どの人にその光景は遅く見えただろう。当たった瞬間に体重を掛けるように身体を動かしたビルドの姿を。

 

「ぐおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

それさえも押し返そうとしたクローズの姿も。

 

「今だ!」

 

その瞬間、ハンドルを回すビルド。エネルギーが更にバスターに集束されていく。

 

『ハザード・フィニッシュ!』

 

「負けるかあああアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

同じくクローズはハンドルを回す。

 

『ボルケニック・ブレイク!』

 

「「アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

技のぶつかり合いはバリアを破壊する程の威力が出た。衝撃波でリングが破壊されていく。

 

観客達は息を吞んだ。いくら自分達の周りにバリアが三重に貼られているものの、あんなのをくらえば破壊されてしまい自分達が危なくなるのではと。

 

「「がっ!!!!!!!」」

 

2人のぶつかり合いに武器が耐えられなくなり目の前で爆発が起こる。

 

 

クローズとビルドは吹き飛ばされて行く。バリアが無くなったリングから身が投げ出されるが、羽を使いどうにか空中で態勢を立て直す。

 

「なぁ、戦兎。次で最後にしないか?」

 

「いいなそれ。いくぞ龍斗!」

 

互いが空中でハンドルを回す。お互いの身体が炎に包まれる。ボトルの成分が右脚に集っていく。

 

『『READY GO!』』

 

『ハザード・フィニッシュ!』『ツインフェニックス・フィニッシュ!』

 

『ボルケニック・ブレイク!』

 

互いがさらに高く舞い上がる。会場の天井付近まで。

 

クローズは八体のマグマライズドラゴン達が地面から螺旋状に飛んでくる。

 

ビルドは持っているその大きな羽をさらに大きくした。

 

そしてお互いに高度を落としながらキックを放つ。

 

「「はああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

ぶつかり合う攻撃は何もかもを破壊しようとしている。衝撃波はバリアに当たり大きく揺らした。観客達の悲鳴が聞こえるなか、ぶつかり合う二人は回転し始める。

 

マグマライズドラゴン達はビルドへ向かっていくが回転してるビルドにふれ消滅していく。

 

「「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」」

 

そして互いのキックは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クローズのビルドドライバーのハンドルを破壊し、ビルドのアーマーを木端微塵に破壊した。

 

「がっ!!!!!!!」

 

「ぐはっ!!!!!!!!!」

 

二人は地面に落ちていき背中から叩き付けられた。既に戦える限界が来ているだろう二人はなお立ち上がる。

 

 

が、頑張れぇぇぇ!!!!!

 

 

一人の歓声が言葉を失った会場に響き渡った。

 

 

負けるな、クローズ!

 

 

立って、ビルド!

 

 

様々な応援が彼等に贈られる。

 

「......なぁ戦兎....」

 

「.....なんだ?」

 

龍斗は戦兎に話しかけた。ビルドのアーマーは炎と共に復活し始めている。クローズはベルトからナックルを取り外す。

 

「ありがとな、俺のわがままを叶えてくれて。」

 

「.....何言ってんだよ、相棒...」

 

「ふう.....さあいくぜ!!!!!!!」

 

「こい!」

 

スイッチを押しながら走り出すクローズ。ビルドはベルトのハンドルを回しながら走る。

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

『ツインフェニックス・フィニッシュ!』

 

炎をまとった拳はぶつかり合った。そして.......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「..........................」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お互い、同時に変身解除しながら倒れ込んだ。

 

 

わあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!

 

 

会場は沸き立つ。今までにない試合を見せてくれた二人に称賛を贈る様に。

 

 

『両者同時に変身解除の為この試合、引き分けですぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

司会によってこの試合の終わりが告げられる。

 

 

 

 

 

こうして、彼等は名を残した。『王の再来』と。




彼等の戦いに終わりはない。

そしてどちらにも勝利と敗北が訪れる事はない。

それが、彼等なのだから。






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31.次世代VS機械仕掛けの破壊者 前編

ティーダさんを除いて気絶してしまった為、試合は午後へとずらされた。

僕たちは医務室で顔を合わせてくしゃっと笑いあった。

いい試合になったと。

僕は修理された先輩のベルトを借りることにした。

そして、父さんと戦う時が来た。


『第三回戦、第一試合は『仮面ライダーグリス』VS『仮面ライダービルド』!!』

 

 

「それでは両者構えて!」

 

司会、審判の声は僕の緊張をほぐしてくれた。今から父さんと戦うんだ。

 

負けられない。絶対に。

 

既に先輩からベルトを借りてきた。今回はこっちで行く。

 

『ビルドドライバー!』

 

「!使ってくるのか....」

 

父さんは直ぐに僕の狙いに気付いたみたいだ。ハザードトリガーを取り出して僕に合わせてくれているんだ。

 

『マックスハザード・オン』

 

「いくぞ、一斗。」

 

「うん」

 

『♪~~~~』

 

フクが飛んできて僕の手の中におさまる。ロックモードでフクロウフルボトルをセットする。

 

『ネクストジェネレーション!』

 

そしてベルトにセットする。

 

『オウル』

 

ハンドルを回してライドビルダーを展開していく。先輩のクローズドラゴンと同じ様に。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

前後からアーマーに挟み込まれて更に追加パーツを纏う。

 

『Start up Your owl! Change GREASE LOCK!』『YEAH!』

 

「今の俺は心火を燃やし続けて、アンタに勝つ!」

 

絶対に負けられねぇ!

 

__________

 

一斗がフクを使って新たな姿に至った。俺にもこれで戦う礼儀がある。

 

ハザードトリガーをベルトにセットしフルフルフェニックスロボボトルを振る。

 

『ロボット』

 

起動を確認して折り曲げてセットする。

 

『ロボット&ロボット』

 

ハンドルを回してハザードライドビルダーを展開する。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身」

 

ファイティングポーズをとらず顔に影を落とすように俯きハザードライドビルダーに挟み込まれてフェニックスロボハザードへと変身する。

 

『オーバーフロー』

 

『♪~~~~』

 

後ろからエニグマで転移してきたツインロボットアーマー。その両腕をロケットパンチの様に放った。

 

俺は、羽を広げてゆっくりと飛ぶ。飛んできたアーマーを装着して飛んできたクロスアーマーを掴み、腹部に装着する。

 

そして地面に降り立つと同時に足元で待機していた両脚のアーマーを装着する。

 

『機械仕掛けのクラッシュウォーリアー!』『ツインロボット!』『ヤベーイ!』『マジツエーイ!』

 

メットに新たなフェイスパーツが追加される。

 

「準備完了」

 

 

 

「それでは、READY......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「GO!」

 

「これより破壊を開始する。」

 

今は彼が乗り越えるべき壁を演じよう。

 

_________________

 

 

 

 

始まった次世代と現代の英雄の戦い。それは観客達を不安にした。

 

 

「ドラァ!」

 

グリスが新たな姿でビルドに攻撃をする。だが、アーマーにすらダメージが入ったのすら分からない。

 

エネルギー弾も殆どが弾かれてしまっている。

 

「まだ.....始まったばかりだ!」

 

グリスは全身から超音波を発生させ、ビルドの動きを止める。

 

「こいつの力を試させてもらう!」

 

『READY GO!』

 

『レッツ・ブレイク!』

 

ツインブレイカー・アタックモードを呼び出しフクをベルトからセットし直し必殺技を発動する。

 

「おらああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

「____________!!!!!!!!!!!!!!!」

 

言葉にならない音が会場に響く。

 

「突破されたか......」

 

ビルドは脚部のアーマーにあるキャタピラによって、必殺技には耐えた。だが、一部のアーマーにひび割れが見られる。

 

「いくぞ、一斗!」

 

「こい!」

 

『フルボトルバスター!』

 

 

親子の戦いはまだ始まったばかりだ。




こちらはビルド本編よりも先にグリスに強化を入れていきます。

まぁ、スペック的には以前よりも少し上がったり、下がったりしてるんですがね。


評価、感想お待ちしています。


それではまた!


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32.次世代VS機械仕掛けの破壊者 中編

3分割にしました。

今回、一斗が新フォームを使っていきます!

それに対応する戦兎!

一体どうなってしまうのか!?


それでは本編をどうぞ!


ツインブレイカーとバスターは連続で衝突を繰り返す。少しずつではあるが、一斗が押さ気味だ。

 

「ティーダはこれで良かったのか?」

 

龍斗さんにそう言われて答える。

 

「僕の罪滅ぼしなんです。次の世代に何かを残す。これだけで良いんです。」

 

僕は、何度もやり直せる機会があった。それなのにそれを全て蹴ってまで悪者を、ローグを演じた。ティアナの為を思って。でもそれは違った。彼女は自分の力で夢を叶えようとしたのだから。

 

あの日、ゆりかごが落ちた日、僕は姿を消そうとした。誰にも言わずに。

 

そんな時でも、ティアナは僕を止めてくれた。また以前みたいに一緒にいたいって。

 

ああ、泣いたっけか。柄にもなく兄妹揃って慰めあった。

 

その後、戦兎さんのお陰で無罪になり今まで生きてきた。

 

何をやっていたのだろうか、僕は。

 

既に答えは得ていたというのに。

 

「龍斗さん、負けませんから。」

 

「おう!」

 

僕は龍斗さんにそう言うといつも通りの返事が帰ってきた。

 

全く、戦兎さんみたいなずるい人だ。

 

僕は試合が映し出されたスクリーンに視線を戻した。

 

____________

 

 

「がっ!!!!!!!」

 

「はっ!」

 

ツインブレイカーがグリスの手から弾き飛ばされた。流石に何度もバスターの剣撃を食らい続けてグリップがはじけ飛んだのだ。

 

「今!」

 

「負けられるかよ!」

 

グリスはベルトハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

『ロジック・フィニッシュ!』

 

「があああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

ビルドはその手に持っていたバスターを落とす。自身の耳を塞ぐ為に。グリスの全身に付いているスピーカーから爆音波が発生したのだ。

 

思わず観客達も耳を塞ぐ。

 

「うわぁ、やばいなこれ.....使いどころ考えないとっと!」

 

直ぐに呼び出して装備したフォレスにフルボトルをセットする。

 

『フルボトルフィニッシュ!』

 

放たれたエネルギーは形を変え盾に大きなスピーカーが追加された物に変わっている。

 

「おらあ!!!!!!!!!!!」

 

出現した盾にグリスが打撃を叩き込む。すると、衝撃波が生まれビルドが吹き飛ばされる。

 

「ひぇっ、これ人相手に使うときは気負付けないとな.....」

 

余りの威力に放った本人が引いてしまっている。

 

「_______________まだだあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

『フルフルマッチ・ブレイク!』

 

ビルドは同じ様に吹き飛ばされたバスターを掴み、フルフルラビットタンクボトルをセットしてトリガーを引いた。

 

放たれたバスターキャノンは盾に当たりその盾ごとグリスを吹き飛ばし、盾が維持できなくなったことで発生していた衝撃波が止んだ。そして二人共地面に叩き付けられる。

 

グリスは吹き飛ばされた威力で。ビルドは自身のアーマーの重さで。

 

 

観客達は音がやんだことで耳を塞ぐのを辞めていく。そんな中、グリスが起き上がり、手に装備したフォレスを起動させてフクと入れ替える様にベルトにセットする。

 

『Activation authentication!』

 

『フォートレス』

 

ハンドルを回し先程と同じ様にライドビルダーを展開する。だが違っているのは形成されたアーマーだろう。

ごつい。最初の感想がそれになる人は多いだろう。

 

『ARE YOU READY?』

 

「ビルド、アップ!」

 

挟み込まれて追加パーツを装着して変身が完了する。

 

『Moving fortress! Keep shooting GREASE Fortress!』『YEAH!』

 

グリスは先程とは違い、ごついアーマーをまとった。両肩、両腕に砲塔を装備したその名の通り、要塞。

 

その言葉だけで理解できそうなグリスはゆっくりと動き出した。

 

「反撃、開始ぃ!!!!!!!!!」

 

遂に要塞が動き出した。






オリジナルフォームを投入!

これでビルドに対応だ!

へ?ライダーシステムの強化ってエボルトの目的の一つだったの?

そう言えば、エボルトリガーの音声間違ってなかったなぁ。


評価、感想お待ちしています。

それではまた!


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32.次世代VS機械仕掛けの破壊者 後編

前書きに書くことはあまりない!

強いて言えば、エボルトリガーの完全起動に必殺技のエネルギーをビルド本編でも利用してたことくらいかな。


それでは本編をどうぞ!


観客達が目撃したのは今迄見てきた試合の何よりも派手な試合だった。

 

砲撃と砲撃がぶつかり合い、小さな爆発が何度も起きる。

 

次第に互いが間を詰めていく。

 

要塞と機械の戦いがそこに広がっていた。

 

グリスは腕に装着された二つの砲門の標準を合わせると、エネルギーを集束させる。そして放つ間に背中に取り付けられた残り2門にも集束していく。その繰り返しの中、少しずつだが前に進んでいる。

 

ビルドはバスターキャノンを放ち続ける。流石に全てを殺傷出来るわけではなく、幾つかアーマー越しに喰らってはいる。それでも、同じ様に少しずつ前進しているのだ。

 

二人の間が大体50mを切ったくらいだっただろうか。砲撃が止まり、二人共ベルトからそれぞれのユニットを外した。

 

『フルフルマッチでーす!』

 

ビルドはそれを元に戻してバスターキャノンにセットする。

 

『ボトルチャージ!』

 

グリスは既にセットされていたボトルを再度セットし直す。だが、構える事は無かった。その代わりベルトのハンドルを回している。

 

『フルフルマッチ・ブレイク!』

 

放たれた攻撃はグリスに直撃した。防御の構えも取らなかったグリスは後ろに少し下がり煙の中へ消えていった。

 

『ネクストジェネレーション!』

 

「!」

 

ビルドは驚いていた。煙で何も見えない中、フクのロックモードの起動音が聞こえたからだ。

 

『ボトルチャージ!』

 

煙が晴れてくる。少しずつだがグリスの姿が確認できるようになり始める。

 

「いくぞ、これが俺の......」

 

『『READY GO!』』

 

ツインブレイカーにキャノンモードをセットしさらにロックモードのフクがフォレスにセットされている。グリスは両手でそれを構える。両腕についていた砲門は脚部に移動している。

 

「全力全開!」

 

ビルドはすぐさまバスターにできるだけのボトルをセットする。

 

『ダイヤモンド』『ロケット』『ガトリング』『タンク』

 

だが、それが全て終わる前にグリスは全ての引き金を引いた。

 

『フォートレス・フィニッシュ!』

 

『レッツ・フィニッシュ!』

 

「ドラァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

放たれた一撃は螺旋状に集束されあの管理局のエースオブエースの代名詞である集束砲、スターライト・ブレイカーを彷彿とさせた。

 

『アルティメットマッチでーす!』『アルティメットマッチ・ブレイク!』

 

放たれた黒い砲撃がビルドを捕らえる前に、同じく一撃を放つ。

 

「「はあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

ぶつかり合う砲撃。それを見ている観客達は口を開いたまま動かない。

 

因みにこの時テレビでこの光景を見ていた仕事中の八神はやては後にこう語っている。

 

魔王が、増えたと。

 

「ド、ラァァァァ!!!!!!!!!!!!!」

 

グリスはその砲撃の反動を自身の足で耐え続ける。かなりの火花が上がっている。

 

「ぐ、ううぅぅぅ!!!!!!!」

 

ビルドは少しずつ押し負け始めていた。

 

「決まれえぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

そのグリスの台詞と共に合計八つの砲門から放たれた砲撃はさらに大きさを増す。そして、ビルドを飲み込んだ。

 

「があああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

砲撃によって吹き飛ばされるビルド。バリアに当たった瞬間から地面に落ちるまで誰もが声を発することはなかった。実況さえも。

 

ライダーシステムが解除されてはおらず、何とかビルドは意識を保っている。

 

立ち上がることすらできそうにない。

 

「はぁ.........はぁ..............ぐっ!」

 

グリスは先程の砲撃によってか武器を落とし両膝から崩れてしまう。そして、変身が解除される。

 

『勝者は..........』

 

司会者は宣言することが出来なかった。審判が勝敗を決めきれてないのだ。

 

「降参.....だ.....」

 

意識のあるビルドから審判に対してそう告げられる。

 

『たった今、勝者が決まりました!仮面ライダー、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グリス』の勝利です!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

観客達は歓声と拍手を贈った。次世代のヒーローに対して。

 

 

 

「......強くなったな、一斗。」

 

 

戦兎は変身解除し、一斗を抱えてリングを後にする。

 

 

 

 

 

 

残る試合はあと一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にここまでのいくとはな.......」

 

 

とある部屋で男は笑ている。とても嬉しそうに。そして......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しそうに。

 

 

 

一つのボトルを手に持ちながら。




これにてビルド、グリスの試合は終了。

残るはクローズとローグのみ。


最後のキャラクター、一体誰なんでしょうね?


評価、感想お待ちしています。

それではまた!


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33.龍VS鰐

残るは龍斗とティーダ!

果たしてどちらが勝つのか!?

それでは本編をどうぞ!


『残るはあと一試合となりました!これより第二試合、『仮面ライダークローズ』VS『仮面ライダーローグ』を行います!!!!!!!!!!!!』

 

司会の紹介で2人がリングに上がってくる。

 

「それでは両者、構えて!」

 

『デンジャー』

 

『ボトルバーン!』

 

互いが変身の準備を開始する。

 

『クロコダイル』

 

『クローズマグマ』

 

既にベルトを装着している為にそのままセットしてベルトを操作する。

 

龍斗の後ろにマグマライドビルダーが展開される。

 

ティーダの真下からビーカー型小型ファクトリーが展開される。

 

『ARE YOU READY?』

 

「「変身!」」

 

『割れる!』『喰われる!』『砕け散る!』

 

ビーカーの両サイドから大きな顎が展開され、ファクトリーを砕く。そしてアーマーが装着される。

 

龍斗は頭上からバリアブルマグマを纏い、複数のドラゴンと共に冷え固まる。

 

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

フェイスパーツが砕かれ複眼が出現する。

 

マグマが砕かれ全身から炎が溢れ出る。

 

「READY GO!」

 

「はああああああ!!!!!!!!!」

 

今ここに最後の試合が始まった。

 

_______________

 

 

俺はスクリーンを見つめた。ここは選手控室。既に気絶した一斗は会場の医務室へ運ばれている。

 

『おらあ!!!!!!』

 

『ぐっ...』

 

龍斗の連続攻撃を成るべく受け流すように戦うティーダ。何とか致命的なダメージを喰らってしまわないように立ち回っている。

 

【エレキスチーム】

 

『はっ!』

 

ティーダは即座に呼び出したスチームブレードにエレキスチームを纏わせ攻撃を繰り出す。

 

『あぶねぇ!』

 

先程とは立場が入れ替わった。攻めているのはティーダで、交わしているのが龍斗。

 

試合はどうなっていくのか。俺はそれをこのまま見届けるつもりだった。

 

『マスター、翼様から連絡です』

 

「?、分かった。繋いで。」

 

翼から連絡が来た。確か今日は無限書庫で勉強じゃなかったかな?

 

『お義父さん!』

 

繋いだ瞬間から大きく翼の顔が映る。

 

「何があった?」

 

俺はその慌てようから予想し始める。

 

『パンドラボックスが....何者かによって盗まれたの』

 

「なんだって!?」

 

俺は試合を見ている場合ではないと判断する。

 

「ミカ、今すぐにはやてちゃん達に連絡して!」

 

『了解』

 

俺には不安しかなかった。またアイツが現れるような気がしてしょうがない_____

 

 

________________

 

 

 

ふぅ~ん、ここがあいつらの家か.....壊してもいいのだが、目的はそれじゃない。

 

 

確かここら辺度に.....

 

「あったあった。ふん!」

 

俺はそこにあった金庫を破壊してアタッシュケースを取り出す。

 

ああ、これを手にするのにどれだけ時間が掛かった事か。

 

「フハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

俺はアタッシュケースからベルトを取り出し腰に当てる。

 

『エボルドライバー!』

 

やっとだ。これから本当の破壊を.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦兎と本気で戦える!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

しまわれていたライダーエボルボトルと俺が造ったボトルをベルトにセットする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ダイナソー』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

 

「変身」

 

 

 

『ダイナソー!』『ダイナソー!』『エボルダイナソー!』

 

『フッハッハッハッハッハ!』

 

 

既にパンドラボックスは俺の手元にある。後はボトルを集めるだけだ。 

 

さぁ、破壊を始めようか。

 

 

____________

 

 

『ミリオン・スラッシュ!』

 

『アイススチーム』

 

剣撃はぶつかり合った。

 

「「がっ!!!!!」」

 

お互いの肩に当たり、同時に引き裂くように体重を掛けて刃を降ろす。

 

 

ふらつきながらも拳をぶつけ合う。

 

「.........お前は、これでよかったんだろ?」

 

「....はい.....さぁ、決着を付けましょう」

 

クローズマグマはベルトからナックルを取り外してボトルを再度セットし構える。

 

ローグは呼び出したJIMを変形させて、クロコダイルクラックフルボトルをセットする。

 

『ボトルバーン!』

 

『クロコダイル』

 

クローズはスイッチを押し待機音を鳴らしながら走る。

 

ローグはトリガーを引き、JIMを空中へと投げ走る。

 

「おらああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

「はあああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

二人は飛び上がりながら右拳を突き出す。

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

『ファンキーアタック!』『クロコダイル』

 

炎を纏った拳と紫のオーラを纏った拳は空中でぶつかり合った。

 

爆発が発生して彼等を観客達は確認できなくなる。煙が晴れた先には

 

 

 

 

変身が解除された2人が拳をぶつけ合ったまま固まっていた。

 

「.......引き分けか.....」

 

「...まぁいいんじゃないですかね」

 

二人はそんな会話をくしゃっとした顔でしながら背中からリングに倒れる。

 

 

 

 

『第二試合、引き分けです!!!!!!!!!!』

 

観客達は拍手喝采を贈った。今日一日試合を見せてくれた4人に対して。

 

 

『これにて総当たり戦を終了します!!!!!!!!!!!皆様、お付き合いいただきありがとうございました!!!!!!!!!!!!』

 

司会によって今日全てのプログラムが終了した事が告げられる。

 

本当はこの後、4人にインターミドル本選に対してのインタビューをするはずだったのだがそれは先延ばしされた。

 

その原因は、戦兎が無限書庫へ向かったことにある。

 

そのことを知らないチームナカジマの面々とティアナ達。

 

彼らがそれを知るのはかなり先になるのだった。

 

 





遂に総当たり戦終結!

ここからは新たな物語の幕が上がる。

そう言えばクローズマグマのモデルがヤマタノオロチと最近気づいた。

どっかで見たことあるなと思ってたけどいざ気付くと改めて納得できる気がする。


評価、感想お待ちしています。

それではまた!



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エボルトは星を、世界を狩る
34.アイツ


俺はラビットラビットで走って無限書庫へ向かっていた。転移を使えばいいのだが先程まで戦っていたせいで魔力が転移できるほど残っていないのだ。

 

既にはやてちゃん達には翼が連絡しているはずだ。

 

「マスター!無限書庫ではなく自宅へ向かってください!」

 

「!何があった?」

 

急にミカが伝えてきた。

 

「金庫が破壊されて、エボルドライバーを何者かに持っていかれたと思われます!既に近くにいた翼さんが向かっています!」

 

俺ははやてちゃん達に無限書庫の事を任せて自宅へ向かった。

 

 

_______________

 

「きゃあ!」

 

翼は変身が解除され、リモコンブロスから元に戻ってしまう。エボル、コブラフォームは言葉を投げかける。

 

「なんだ?そんなものだったか?」

 

「.......貴方は何者ですか?」

 

ミカはネビュラに念話を繋げるように指示する。

 

『フルフルマッチ・ブレイク!』

 

「おらあ!!!!!!!」

 

だがそれよりも早く戦兎が自宅に到着する。既に家は原型を保てておらず、周りの家にまで被害が拡大している。管理局の魔術師はまだ誰も到着していないようだ。

 

「フム.......依然よりもハザードレベルは上がっているようだな。」

 

「何!?」

 

剣撃はスチームブレードによって防がれる。鍔迫り合いの中、正体不明のエボルがハザードレベルについて指摘してくる。

 

「まぁ、まだまだだな。」

 

ハンドルを回してすぐさまキックが放たれる。

 

『READY GO!』

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

「があああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

『チャオ!』

 

ビルドはキックを食らい吹き飛ばされる。その先で変身が解除される。

 

「.............がはっ...」

 

「お前たちの成長を見込んで、俺の正体を教えてやるよ。」

 

そう言ってエボルボトルをベルトから取り外す。

 

「久しぶりだね.......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姉さん。」

 

エボルの正体は.....

 

 

「そんな....噓......」

 

「お前は......」

 

 

死んだはずの翼の弟、翔だった。

 

 

「エボルト、お前ぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

戦兎は傷付いた身体を無理やりにでも立ち上がろうとする。

 

「そんなに怒るなよ。カルシウム足りてるか?」

 

エボルトはすぐさま声を元に戻して返してくる。

 

「お前の造ったこいつは素晴らしい発明だ。これで俺は、この世界を破壊できる。」

 

ライダーエボルボトルを見せつけながらそう言う。

 

「折角だ。俺の新しい姿を見せてやる。」

 

『ダイナソー』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

キャップを正面に合わせてベルトにセットしハンドルを回す。

 

「変身!」

 

3つの金色の環状のフレームが付いたたライドビルダーは翔を挟み込みフレームが合体し、天球儀の様に回転し変身完了と同時に吹き飛んでいく。

 

『ダイナソー!』『ダイナソー!』『エボルダイナソー!』

 

『フッハッハッハッハッハ!』

 

「エボル、フェイズ0」

 




ついに始まった最終兵器との対決。

皆様、伏線が張られていたのを覚えていましたでしょうか?

そして再びえぐられる少女のトラウマ。

いつになったら平和は訪れるのか?








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35.開幕のベルが鳴る

「エボル、フェイズ0」

 

それは太古に滅んだ生命体の力と星を狩る者の力が合わさった最悪が姿を現した。

 

「さぁ、フルボトルを渡してもらおうか?」

 

「誰がお前なんかに.....!」

 

瞬快移動により、首を捕まれ空中へと浮き上がる。

 

「がっ.....」

 

「拒否権などあると思うか?」

 

そして腹パンを食らい地面に叩き付けられる戦兎。

 

「義父さん!もうやめて、翔!」

 

叩き付けられた衝撃で落としたフルボトルを拾うエボルは翼の方を向いて言い放った。

 

「既にこいつの人格は残っていない。ただの人形と同じなんだよ!」

 

翼は噓....噓よ....とつぶやいているがそれを無視してエボルはボトルを拾っていく。

 

「残りはあいつらが持っているのか.....仕方が無い。取りに行くか.....」

 

エボルトはパンドラパネルにそれらを嵌め込み足りないボトルを取りに行こうとする。

 

「だがその前に.....お前には消えてもらおうか、姉さん。」

 

エボルトはその声を変え、ハンドルを回しながら翼へと近づいていく。

 

『READY GO!』

 

「ふん!」

 

だが、そのキックは空を蹴った。

 

「.......まだ意識が残っていたか、ベルナージュぅぅぅ!!!!!!!!!!!!」

 

ベルナージュによって戦線離脱した戦兎と翼の腹いせに、エボルトはその周辺の家を破壊しつくした。

 

_____________

 

「これはひどいなぁ。」

 

 

はやてはパンドラボックスが保管されていた無限書庫の一角に来ていた。

 

既に鑑識が入り、犯人の手掛かりを探しているがきっと何も見つからないだろう。

 

そんな時だった。

 

「マイスターはやて!」

 

「?どうしたんリイン」

 

慌てて話しかけてきたリインにそう返すはやて。

 

「聖王教会から緊急の連絡です!戦兎さんと翼さんが、ボロボロになって急に現れたと!」

 

「なんやて!?」

 

はやてはすぐさま連絡をした。今の状況を聞くために。

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛する人を傷つけた犯人を***為に。

 

___________

 

 

龍斗とティーダはボロボロな身体を動かして聖王教会まで走っていた。試合終了後に来たなのはからの連絡を受けたからだ。

 

翼は足に骨折がみられるだけだが戦兎は全身に骨折をした状態と聞かされて見に行くことになった。

 

だが、

 

 

「待ってたぜ。万丈、ティーダ」

 

「エボルト!?」

 

「お前はあの時戦兎が....」

 

龍斗は思い出していた。アースラ内で破壊されたエボルトの封印されたボトル。あれで全てが終わったはずだと。

 

「ああ、あの時はひやひやしたぜ。破壊するはずの俺が逆に破壊されそうになったからな。」

 

エボルトは思い出すのも嫌そうにそう言い放った。そして

 

「だが俺は自分の能力を使ったのさ。俺の毒で消滅した奴の中で俺に一番適していたこいつの身体を奪ってな。」

 

それは、あの一撃だけではエボルトを完全に倒せない事を物語っていた。

 

「戦兎は俺の計画の中で必ず邪魔になる。だから潰させて貰った。」

 

「お前はぜってぇ許さねぇ!」

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

龍斗はクローズマグマに変身して攻撃を繰り出す。だがそれは全て防がれてしまう。

 

「お前たちの持っているボトル、もらうぞ。」

 

「がっ!」

 

「ぐはっ!」

 

変身すらしていないティーダを含めた二人は超高速で動くエボルトに翻弄されボトルを奪きわれてしまう。

 

「ぐ、.............」

 

「残りは一本、フェニックスボトルだけか......桐生一斗の居場所はどこだ?」

 

「誰がお前なんかに........」

 

エボルトはパネルにボトルをセットしながら話しかけるが、返ってきた返事に少し不機嫌になった。

 

「まぁいい。今日は見逃してやるよ。チャオ♪」

 

「ま、待て!」

 

転移していったエボルト。それを、立ち上がることができない二人は見ていることしかできなかった。

 

 




エボルトによる被害が拡大し始める。

既に戦えるライダーは一人しか残っていない。


「俺が、ヒーローにならなくちゃいけないんだ!!!!!!!」


次回、『パンドラボックスの真実』


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36.パンドラボックスの真実

僕が目覚めたとき、そこには先輩達がいた。何だか僕の無事を安土しているみたいだ。だから、何があったのかを聞いた。

 

「そんな.........」

 

「悪い、一斗。俺がふがいないばかりに。」

 

父さんと翼姉さんがエボルトにやられた。先輩達もベッドにいるから、戦うことは出来ない。そんな事実は僕を押しつぶそうとしてきた。それでも俺は______

 

「先輩、ベルト借りてきます。」

 

「おい、一斗!」

 

ベッドの横の机に乗せてあったビルドドライバーを持って、先輩の静止を振り切り僕は教会の外へ出た。目的はただ一つ。エボルトを倒すこと。

 

 

_________

 

 

エボルトは案外簡単に見付かった。無論、周囲を破壊しているときにだ。

 

「エボルトぉぉぉ!!!!!」

 

『ロボット in グリス』『ブラァ!!!』

 

俺はすぐさま変身する。

 

「おっと、自分から進んで出てきてくれるとはなぁ!」

 

『アイススチーム』

 

エボルトの攻撃で俺の身体は少し浮いてしまうが、それも気にすることなくツインブレイカーを叩き付けていく。

 

「おらああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

『一斗君!一人で戦って勝てる相手やない!いったん引くんや!』

 

念話ではやてさんが何か言ってくるがそんなものは関係無い。

 

「俺が、ヒーローに......」

 

『シングル』

 

「父さんみたいにならなくちゃいけないんだ!!!!!!!!!」

 

『シングル・ブレイク!』

 

俺はフェニックスフルボトルをセットし、炎を纏ったパイルバンカーでエボルトに何度も、何度も攻撃を繰り出した。

 

「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

「ハザードレベル4.8、4.9、ドンドン上がっていく.....」

 

「何ごちゃごちゃ言ってんだぁ!!!!!!」

 

『スクラップ・フィニッシュ!』

 

至近距離でレンチを押し下げ肩に着いたゼリーからグリスを吹き出しキックを放つ。

 

「ドラァ!!!!!!!!!!!」

 

だけど、

 

「ハザードレベル5.0。人間の限界に達したか!」

 

『エレキスチーム』

 

エボルトの氷と電撃の一撃で、ベルトが破壊されて吹き飛ばされてしまう。

 

「がっ!!!!!!」

 

既に破壊された瓦礫の中に突っ込む。ベルトが外れてしまい、変身が解除される。そしてフェニックスボトルを落としてしまう。

 

「さぁ、最後の一本をもらうぞ。」

 

「させる、かぁ!!!!!!!!!」

 

エボルトが拾い上げる前に俺は先輩のビルドドライバーを装着してフクを直ぐにセットする。

 

『オウル』

 

ハンドルを回してライドビルダーを展開してアーマーに挟み込まれる。

 

「変身!」

 

『Start up Your owl! Change GREASE LOCK!』『YEAH!』

 

「ドラァ!!!!!!!!」

 

落としたツインブレイカーを拾い上げボトルにビームを放つ。そしてそれはエボルトの造った地面の断層に落下していく。

 

「一斗、そんなに俺を怒らせたいか?」

 

「黙れ。俺は既に、起こり切っているんだよぉ!」

 

『READY GO!』

 

すぐさまハンドルを回して起き、エボルトへ向けてスピーカーを展開する。

 

『ロジック・フィニッシュ!』

 

「なんんだ!?この騒音は!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

俺はエボルトの正面に立つことで、騒音と衝撃波をお見舞いする。

 

「ぐおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!いい加減にしろぉ!!!!」

 

『フルボトル』

 

『スチーム・アタック!』『フルボトル』

 

エボルトはトランスチームガンを取り出し腰のホルダーにあったドラゴンエボルフルボトルをセットしトリガーを引く。放たれた弾丸は俺の腹部に直撃した。

 

「あ、..........あ........」

 

「ふぅ~、雑音が酷過ぎるな。もう少し周りに気を付かったらどうだ?」

 

お前が言うなと言い返したいが既にここら一帯の避難は終わっている。先程、俺が必殺技を放つ前にはやてさんからその報告があった。

 

「お前は俺を倒すだったか?残念ながらそれは叶わない。お前じゃ俺には勝てないんだよ。」

 

エボルトの言った事は間違ってはいない。確かに俺はこいつに勝てない。それでも、

 

「俺は.......負けられ....ないんだ.....」

 

「そうかい。その心構えに免じて、お前にこれの真実を教えてやる。」

 

そう言ってエボルトはパンドラボックスを取り出した。

 

「パンドラボックスは俺が創り上げた破壊の為の兵器だ。その起動には俺の遺伝子を持っていることが必須だ。そしてこれは破壊する星の60の生物と道具の力が必要になる。その為俺は戦兎の父親である佐野純一郎の身体を奪いボトルを完成させた。だが、それに俺がパンドラボックスに触れている必要はない。その為時代を超えた先にこいつがあるとは思わなかった。」

 

そう言えば、葛城さんと父さんが昔話してたっけ。ボトルが何故時代を超えてきたのかって。

 

「だから俺はそれを利用することにした。俺はこの星、様々な次元世界を旅していく中でこの星が好きになった。だからこそ、完全に破壊しようと思った。」

 

狂っている。それしか思わなかった。好きになったから破壊する?

 

「そんなの.....間違っている.....」

 

「....お前ならそう言うと思ったよ。だからそこで見てろ」

 

エボルトはパンドラボックスにボトルをはめ切ったパネルをはめ込んだ。

 

そしてミッドチルダは、管理世界に住む住人達は知ることになる。

 

S.S事件の犯人の本当の恐ろしさに。

 

 

 

 





エボルトが好き勝手しまくる回。

評価、感想お待ちしています。


それではまた!


______________


禁断の箱が遂に開く!

エボルトが世界を滅ぼす!

次回、『破滅のタワー』




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37.破滅のタワー

パネルがボックスにはめ込まれた瞬間、ミッドチルダは地震に襲われた。

 

そして、一斗、スタークを中心とした円柱状の塔が建てられた。それと同時にミッドチルダを三つに分けるように壁が現れる。

 

「そこで見てろ。破滅の塔、パンドラタワーの誕生を!」

 

一斗は変身が解除され、うつぶせのままその光景を見ていることしかできなかった。

 

近くに人はいなかったものの、あちらこちらから悲鳴が聞こえる。

 

「やめ....ろ......」

 

その声はパンドラタワーが建つ大きな音に消されてエボルトの耳にはいることはなかった。

 

そんな中、エボルトはパンドラボックスにパネルをはめ込んでいく。

 

スカイウォールが次々と地面から顔を出しては飛んでいきタワーを完成に近づけていく。

 

だが、残り二枚のパネルをはめ込む前に、あの人が現れた。

 

「エボルトぉぉぉ!!!!!」

 

運命に立ち向かう勇気をくれた大事な人。

 

「とう、さん....」

 

「おう、助けに来たぞ!」

 

桐生戦兎がそこにいた。

 

__________

 

 

俺は突然目が覚めた。誰もいない病室の中でただ一人。

 

そして、突然地震に襲われた。俺はすぐさまベッドから飛び降り窓に近づいた。

 

そこにはミッドチルダ全体にスカイウォールが顔を出し始めていたのだ。

 

『マスター、時間がありません。簡潔に説明します。』

 

俺は一方的にユニゾンしているミカから今迄の事を聞いた。ベルナージュが俺の怪我を直し転移させたこと。そして、エボルトの最終目的を。

 

それを聞いた俺はすぐさまその中心部に向かった。

 

 

_____________

 

 

中心部は円状の壁に覆われていた。俺はそれをラビットラビットで乗り越えて中にいたエボルトに攻撃を仕掛けた。

 

「エボルトぉぉぉ!!!!!」

 

バスターブレードを振り下ろして攻撃を仕掛ける。そして直ぐにいったん引く。

 

「とう、さん....」

 

一斗の前に立ち、壁として動けるようにする。

 

「おう、助けに来たぞ!」

 

そう返して安心させるように。

 

「またお前が俺の邪魔をするんだな。」

 

「仕方がないだろ?こちとら世界を、星を滅ぼされても困るんでね!」

 

フルボトルバスターを振り回して攻撃していく。

 

「そのようだと、ベルナージュから色々と聞いたな?」

 

そう問いかけてくるので返しながらも攻撃をやめることはない。

 

「ああ、教えてくれたさ。お前の目指している最終フェイズ。それになったら俺たちも何もできなくなることもな!」

 

「なるほど、それで病み上がりの身体を無理矢理使って止めに来たった訳か。」

 

エボルトはパネルからガトリングフルボトルを外しベルトのコブラと入れ替える。

 

『機関砲』『ライダーシステム』『クリエーション!』

 

そしてハンドルを回しながら俺の攻撃を交わす。

 

『READY GO!』『機関砲・フィニッシュ!』

 

「自分達の発明品を食らえ。」

 

「がああああ!!!!!!!!!!!」

 

ホークガトリンガーがエボルトの元に呼び出されて俺は射たれてしまう。

 

「父さん!、俺も戦う!」

 

ひるんだ時に一斗がフォレスを起動させて変身する。

 

『Activation authentication!』『フォートレス』『ARE YOU READY?』

 

「変、身!」

 

『Moving fortress! Keep shooting GREASE Fortress!』『YEAH!』

 

「父さん、時間稼ぎよろしく!」

 

「分かった!」

 

俺にできるのは一斗が俺と戦った時に放ったあの一撃を放てるまでの時間を稼ぐことだけ。

 

『フルフルマッチ・ブレイク!』

 

「おらあああああ!!!!!!!」

 

「何をしてももう無駄だ。パンドラタワーは完成する。」

 

「それでもだ!俺は、俺達はお前を止める!」

 

後少し、あと少しで.....

 

『『READY GO!』』

 

「父さん!」

 

来た!俺は、すぐさま放っていた必殺技を辞めラビットラビットの脚力でその場から離れる。

 

『フォートレス・フィニッシュ!』

 

『レッツ・フィニッシュ!』

 

「ドラァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

放たれた集束砲はエボルトを直撃する。

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

これで終わるわけがない。アイツはそれくらいしぶとい奴だ。

 

「なんてな?」

 

やはり砲撃は空中へと折り曲げられた。

 

「なん....で?」

 

一斗は体力が限界を迎えたのか変身が解除され、仰向けになってしまう。

 

「俺が何もしてないと思ったか?」

 

その手にはダイアモンドが握られていた。やはり、防御されていた。

 

「そしてこれで60本全てが揃う。」

 

更に飛んできた壁から、一つのボトルがエボルトの手元に落ちる。最後のボトル、フェニックスボトルが。

 

「不味い!」

 

俺は、すぐさまラビットラビットの脚力でボトルを奪おうとするが

 

『READY GO!』

 

「やはりな。」

 

「な!?」

 

『エボルテック・フィニッシュ!』『チャオ♪』

 

俺はボトルに手を伸ばす中でエネルギーが集束された右脚によるキックを食らってしまい、壁に叩き付けられ変身が解除される。 

 

「これで、終わりだぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

 

そしてパネルがすべてはめ込まれた。




次回、仮面ライダービルド

「エボルトを完全体にしてはならない」

戦兎達の実験の全てが______

「これを使えば限界値を超える」

世界滅亡のカギだった!

「なんでもっと自分を大事にしてくれないんや!?」

「これで終わりだ、エボルトぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」

『エボルトは星を、世界を狩る』


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38.エボルトは星を、世界を狩る 前編

パネルが全てはめ込まれてしまった。そして全体にフルボトルが現れる。パンドラボックスが開き、エボルダイナソーフォームはパンドラボックスの光の粒子からハザードトリガーに似た物を精製した。

 

「これで俺は本来の力を取り戻す!!!」

 

しかし、エボルがトリガーを起動させようとするが反応はなかった。

 

「マスター、今すぐに離脱します!」

 

「ああ!」

 

ミカがユニゾンを解除して人型になり、ベルナージュと交代する。

 

「はあ!」

 

ベルナージュが攻撃を繰り出して直ぐに俺と一斗、パンドラボックスとともに転移した。

 

___________

 

 

地球の滅亡はとりあえず回避したらしい。俺達はベルナージュによって聖王教会に転移された。そこには元機動六課メンバーが集まっていた。

 

「巧にぃ!」

 

おっと、俺は背中に抱えた一斗を片手で支えながら抱きついてきたはやてちゃんを受け止める。

 

「心配かけてごめん。」

 

「ほんとや......巧にぃに何かあったら私......」

 

皆の前だと言うのにここまで本音を言うと、本当に心配してくれたみたいだ。

 

「マスター、時は一刻を争います。ベルナージュが話がしたいそうなのでよろしいでしょうか?」

 

「ああ、頼む。」

 

俺達はベルナージュから、パンドラタワーが出来たことで火星が滅びたこと、ベルナージュはエボルトと闘い使っていた兵器を破壊したものの、エボルトは自らのエネルギーをパンドラボックスに封じ込めたことを知らされた。

 

「エボルトを完全体にしてはならない」

 

ベルナージュは俺たちに警告した。そしてエンプティボトルが取り付けられたパンドラボックスに手をかざして成分を注入した。パンドラボックスが完全に開かなかったのもベルナージュがフルボトルを未来へ送る前に空にする力を使った為だった。パンドラボックスはその星にまつわるエレメントをボトルに吸収することで開くのだが、エボルトは俺の父親である佐野純一郎の記憶から60本のボトルを精製したらしい。良く分からないベストマッチって父さんが考えたものだったのか。

 

ベルナージュはミカへと戻りエネルギーを貯め始めた。はやてちゃんが泣き疲れて寝てしまう。今迄仕事に追われ続けたからだろう。俺ははやてちゃんをベッドに運んだ。みんなはそれぞれが出来る事をする為に行ってしまった。

 

俺は直ぐに葛城さんと通信を繋ぎ強化アイテムの開発を始めた。パンドラボックスの力を利用し、ビルドの能力を限界まで引き上げるアイテムの開発を始める。ただし、そのアイテムを使えばライダーシステムは人間の限界値を超えてしまう危険性が出てきた。

 

「俺の一族が託された力を俺用にするんです。」

 

そう言ってコードの繋がれたパンドラパネルの一枚が箱状に変形する。

 

「だがそれだと君の身体が.....」

 

「俺はエボルトを止めます!俺が、やらなくちゃいけないんです。」

 

 

葛城さんは俺が決着を付けなければならない理由を知っている。だから俺のいう事を聞いてくれた。

 

「だけど、本当に使用するなら最後の最後で使うんだ。君の命は、みんなが生きる事を望んでいるんだから。」

 

そんな事は分かってる。それでも、俺の命でみんなが救われるなら。

 

「巧にぃ、行かないで。」

 

後ろからはやてちゃんの声が聞こえる。大きな声を出してしまったから起こしてしまったのだろう。

 

「はやてちゃん.......ごめん」

 

「なんで!?なんでもっと自分を大事にしてくれないんや!?」

 

はやてちゃんは背中にくっつきながらそう言う。俺にはその返事がこういうしか見つからない。

 

「感謝なんてしなくていい。誰に頼まれたわけでもない。俺が戦うのは自己満足さ。」

 

「なら....」

 

「それでも!それでも、俺は戦うんだ。俺を信じてくれた皆の為に。自分が信じた未来の為に。」

 

平成ジェネレーションズFINALで万丈が言った自分自身が何故仮面ライダーとして戦う理由の俺なりの理由。

 

「そんなん、ずるいよ。私が何も言い返せないような言葉ばっか並べて.....」

 

顔を俯いたままのはやてちゃんにこう言う。

 

「もし、俺が生きて帰ってこれたら.....話をしよう。はやてちゃんと俺の話をさ。」

 

「!!!!!」

 

俺ははやてちゃんを置いて転移した。その先に待っているエボルトを倒すために。

 

「.......必ず、帰ってきてな。」

 

はやてちゃんのその声を耳に覚えながら。





今回も前後編に分けてみました。


評価、感想お待ちしています。


それではまた!


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39.エボルトは星を、世界を狩る 後編

やはりエボルトは手当たり次第に破壊していた。俺はツインフェニックスに変身してエボルトを止める。

 

「待ってたぞ、戦兎!」

 

「俺は待ってねえよ!」

 

俺とエボルトは拳と脚をぶつけ合う。互いに攻撃が入らない為に俺はフルフルフェニックスロボボトルを再度起動してツインロボットにビルドアップする。

 

『機械仕掛けのクラッシュウォーリアー!』『ツインロボット!』『ヤベーイ!』『マジツエーイ!』

 

そして俺はフルボトルバスターを呼び出し振り回す。

 

『スパイダー』

 

フルボトルをセットしてバスターキャノンモードでエボルトに放つ。するとエボルトは吹き飛ばされた建物の間にクモの巣が張られてそこにくっついて身動きが取れなくなった。すかさずボトルを追加する。

 

『ドライヤー』

 

父さん、何を思ってこのエレメントを考え付いたのだろう?そう思いながらもトリガーを引く。バスターから放たたれた熱気はエボルトに直撃した。そしてクモの巣ごと吹き飛ばした。

 

 

「ハハハ!楽しくなってきたぁ!」

 

『ダイナソー』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

エボルトは姿を変えた。一度は陸を支配した生命体の力を奪い取って。

 

『エボルダイナソー!』『フッハッハッハッハッハ!』

 

「さぁ、第二ラウンドの始まりだ!!!」

 

形勢を逆転される。先程とは違い俺は一方的に攻撃を食らい続けてしまう。

 

「どうした?そんなものか?」

 

ドリルクラッシャーを構えたエボルトは離れた場所に移動した俺に対してそんな言葉を投げかけてくる。

 

俺は意を決して新たなアイテムをドライバーに挿入。

 

「ぐうぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!」

 

激しい衝撃に耐えた。人間の限界を超えたハザードレベル6.0を。

 

「はっ!」

 

剣撃なんて痛くも痒くもない。俺はそれを弾き飛ばしてエボルトに打撃を叩き込む。エボルダイナソーを怯ませる事に成功した。

 

「.....やはりな。お前と葛城ならやってくれると思ったぞ。」

 

「何?」

 

理解できないことを話すエボルト。

 

「俺の目的が本来の力を取り戻す事にあるのは知っているよな。こいつ、エボルトリガーのエネルギーを使うには人間の体力では限界がある。そこで俺は科学の力と別世界に目を付けた。もしかしたら別世界に使える物があるんじゃないかと思ってな。案の定、空想でしかなかったライダーシステムを再現した男を見つけた。」

 

エボルトの言葉で俺の脳裏には一人の人物が思い出される。

 

「葛城さんのことか....」

 

「ビンゴ!そう、葛城巧だ。天才物理学者であった彼に俺はそれを頼むことは出来なかった。ベルナージュのせいで俺はこの世界軸から出られなかった。だから、最上魁星を利用して平行世界へのアクセスに成功した。その時に使えそうな奴らを殺しちまったがな。その代わり、俺は自分の遺伝子を分けたもう一人の俺を見つけた。それが一斗だ。そんな一斗の身体を頂こうと以前の俺なら考えたが、案外こいつの身体が人間の限界を簡単に超えられるみたいだからな。だから、エボルトリガーの覚醒の為に戦兎がライダーシステムを強化するよう仕向けたんだ。それがお前の使っているライダーシステムの全貌だ!」

 

エボルトは俺に拳をめり込ませてビルドの力を手に入れようとしてくる。

 

「ああ、そんな事、既に知っていた!」

 

だが、俺はそれを知っていた。エボルトリガーの設計図を見た時点で俺はエボルトの狙いが予想で来ていた。だから自分のハザードレベルを急激に上昇させ、エボルトと一緒に消滅しようと計画した。

 

「これで終わりだ!エボルトぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」

 

マスクが粒子に分解されていくなか俺は叫んだ。

 

______________

 

次の瞬間、激しい光に周囲が遮られエボルダイナソーと戦兎が合体、やがて白髪になった戦兎と翔が残された。

 

「巧にぃ!」

 

戦いが終わったと思い転移してきて戦兎に駆け寄るはやて。だが、先に身体を起こしたのは....

 

 

「残念だったなぁ。俺の勝ちだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起き上がった翔の手には、完全に起動したエボルトリガーが握られていた。





ビルド本編とは異なりここでエボルトリガーが完成する事に。

戦兎は犠牲になった。そして、


完全体になったエボルトによる破壊が始まる。


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40.究極のフェイズ

『オーバー・ザ・エボリューション!』

 

翔はトリガーを起動させ、激しい漆黒の竜巻を引き起こす。

 

『コブラ』『ライダーシステム』『レボリューション!』

 

嵐のような渦の中からはやては何とか戦兎を連れて脱出するが弾き飛ばされる。竜巻が消えるとこれまでには見たことがないエボルトが姿を現した。

 

『ARE YOU READY?』

 

『ブラックホール!』『ブラックホール!』『ブラックホール!』『レボリューション!』

 

『フッハッハッハッハッハ!』

 

「フェイズ4、完了」

 

エボルトはブラックホールフォームに姿を変えた。コブラフォームのアーマーが白とピンクに近い赤のラインの物に変わっている。その中でもよく目に入るのは頭部と腹部だろう。コブラフォームとは殆ど造形が異なっており、白のアーマーで漆黒を囲っている様にも捉えられる。

 

「あ.....ああ......」

 

はやては恐怖した。今の自分だけでは、嫌、みんなの力を借りても倒せる未来が見えない。

 

「戦兎!俺はとっても気分がいい。だから今から一週間時間をやるよ。」

 

エボルトは気絶した白髪の戦兎にそう投げかける。はやてはその身体で何とかエボルトの視線を防ぐ。

 

「夜天の主だったか.....まぁいい。戦兎に伝えろ。一週間後、正午にここで待つと。」

 

はやては震える身体で戦兎をかばい続ける。エボルトはゲートを開きその中に入りながら言い放つ。

 

「遅れたら、どうなっているかはわかってるよな?」

 

はやてはこの一連の流れの中で一言も口に出すことが出来なかった。エボルトが居なくなった後、全身の力が抜けて地面に座り込んでしまう。

 

『はやて様、大丈夫ですか?』

 

「う、うん」

 

急に入ってきたミカからの通信で我に返った。直ぐに戦兎を連れて戻ることになった。

 

 

____________

 

私は、何もできなかった______

 

 

戦兎をベッドで寝かせて、ミカにはやてが最初に話たのは、そんな言葉だった。ミカは完全に力を取り戻してはおらず、ビルドフォンのまま黙ってしまう。

 

「私はエボルトを前にして、何もできなかった。ただ必死に逃げる事だけを考えてた。」

 

ミカはその言葉に納得していた。自分のベルナージュとエボルトの戦いを夢ではあるが見たことはある。あれがもし夢ではなかったとしたら______

 

ミカはそれ以上考えるのを辞めた。これ以上考え続けると、何も考えられなくなってしまいそうだったから。

 

「そんな相手に全然屈せずに戦いを挑んでいたんやな、巧にぃは.....」

 

『そう....ですね.....』

 

自分とは違い実際にエボルトの完全体を見た上に、興味がないと判断されれば殺されていたかもしれない。それに、自分には生きている身体はもう当の昔に滅びている。ベルナージュの力があって今、自分がここに存在で来ていること自体が特別なのだ。

 

「うっ.......」

 

「『!』」

 

そんなことを考えている内に先生の様子が変化した。目を覚まそうとしているのかもしれない。

 

「.....こ、ここは.....?」

 

「巧にぃ!」

 

『先生!』

 

二人は離れていたベッドに駆け寄った。目を覚ました戦兎の目は何処か可笑しい。

 

「俺は......負けたのか.......」

 

戦兎の問いかけに二人は言葉を返すことができなかった。その先に待っている物が何も考えつかないから。

 

「..........一週間後の正午、エボルトはパンドラタワーの頂上にいる......」

 

『はやて様、それは...』

 

はやては自身の口からエボルトに伝える様に言われた事を伝えた。この先どうなるのかを自分の愛している人に託すことにしたのだ。

 

「....そうか...一週間か......短いなぁ......」

 

戦兎の目からは既にハイライトは消え、この先の未来が見えていないように伺える。

 

「なぁ、巧にぃ....このことを管理世界中に伝えようと思うんやけど....」

 

そんなことをすれば、世界中がパニックすることだろう。管理局の魔術師では太刀打ちできない相手で、唯一対抗できる存在は殆ど動けない状態。まだ動ける戦兎すら既に戦う気が失せてしまっている。

 

「.....いいんじゃないかな」

 

そして、管理世界中に残された時間が伝えられた。

 

 

 





今週のビルド、凄かったですね。

自分が内海さんの立場だったらと考えてしまうと、仕方が無いのではと考えてしまいます。

実を言うと、戦兎は記憶を失うのではなく、視力を失う予定でしたがそうしてしまうと

「その時、不思議なことが起こった!」

とかかかざるを得なくなってしまうので戦意消失してもらうことになりました。



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41.絶望の淵で

あれから5日が経った。

 

世界中はパニックに陥り、人が様々な事をしていた。そんな中、エボルトは翔の姿でパンドラタワーの頂上から見下ろしながら3日前の事を思い出す。

 

あの日、管理局は全ての管理世界に伝えた。エボルトの存在を。そして、全てを破壊しようとしていることを。

 

それはただ信憑性がなかったからか一部の人々は以前と変わらないように過ごしていた。それが気に入らなかったエボルトは自身の姿を管理世界中に放送した。俺が仮面ライダーさえも破壊したことを交えて。

 

その結果がこれだ。管理局の対処は間に合っておらず、人々は何処へ逃げるのかとエボルトはその様子を観察した。

 

「これだから人間は面白い。少しこの星を滅ぼすのが惜しいか....」

 

彼の中にあるのは純粋な程の破壊に対する思いと、戦兎との戦い、そして人間の愚かさだけだった。

 

 

__________

 

 

既にライダー全員とライダーシステムはほぼ元通りになっていた。

 

 

ただ戦兎を除いて。

 

『私の方から出来るのはこれくらいだ。』

 

「ありがとうございました。」

 

『......戦兎君の様子はどうかね?」

 

 

ディスプレイ越しでティーダと葛城はライダーシステムの全メンテナンス、強化を終わらせた事について話していた。

 

 

「戦兎さんは、今もベッドから動こうとしていません_______」

 

あれから5日が経った今も戦兎はベッドから離れることはなかった。既にティアナ達は管理局に呼ばれて仕事に向かっている。学校は殆どが休校状態だ。勿論、St.ヒルデ魔法学院も例外ではない。聖王教会自体が機能していないようなものなのだから。

 

 

『龍斗君は今日も?』

 

「はい。今日は、一斗とヴィヴィオも一緒に。」

 

2人が視線を向けた先にある戦兎の病室に、彼らは今日も向かっている。

 

_____________

 

 

「戦兎」

 

「....今日も来たんだな。」

 

戦兎は身体を起こして外を眺めていた。自分がいたパンドラタワーを。

 

「父さん......」

 

「パパ....」

 

以前からこうやって話をしに来ていた龍斗。遂に機能しなくなった学校へ行くのを辞めた2人も来ていた。

 

「戦兎、聞いてくれ。」

 

「.................」

 

戦兎から返事が返ってくることはない。だから、龍斗はそのまま話し出した。

 

「俺達の使うライダーシステムは葛城さんによって強化された。それを使って2日後、戦うつもりだ。」

 

龍斗は先に完成した戦兎のビルドドライバーを机の上に置く。

 

「俺達は戦う。最後の最後まで。」

 

そう言って、龍斗は部屋から出ていった。残ったのは、一斗とヴィヴィオ

 

「父さん、聞いて。僕も、また戦うことにしたんだ。今度こそはエボルトを倒すために。」

 

「...........そんな事、出来るわけがないじゃないか」

 

戦兎は一斗の言葉にそう返す。

 

「このままただ見ているだけなんて僕にはできないんだ。」

 

「....その先に待っているのは破壊だけだぞ!俺は.....博士達にどう顔を見せればいいんだよ!」

 

普段とは違い、戦兎は一斗に強くあたる。警告を込めて。

 

「僕は父さんみたいな、カッコイイヒーローに憧れたんだ。」

 

「そんなもの、只の幻想にしか_____」

 

「そんなことはない!原に父さんは何度も世界を救ってきたじゃないか!」

 

一斗ははやてから聞かされていた。自分の父親が今迄何をしてきたのかを。戦兎は唇を噛み締め俯く。

 

「パパ、聞いて?私も、皆戦うことにしたんだよ」

 

「無駄なことを________」

 

「無駄なんかじゃない!!!!!!」

 

ヴィヴィオは返してきた言葉を否定する。今迄、みんながやってきたことを全部その言葉で片付けて欲しくないから。

 

 

「なら_______俺はどうすればいい!!!!!」

 

戦兎は2人に向かって言い放った。この絶望的な状況で、あと2日しか無い状態で何が出来るのかを。

 

「一緒に、戦って。そして勝つんだ。エボルトに」

 

「世界を救うんだよ」

 

そんな戦兎に二人はそう言った。そして部屋から出ていった。

 

「俺は__________」

 

戦兎のその言葉は誰に聞こえるわけでもない。机の上に置かれたままのビルドドライバーが彼の視界に入っていた。

 





エボルトへの恐怖。戦兎の決断。

そして、動き出す最終兵器。


『ジーニアスは止まらない』


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42.最後の戦い

龍斗が最後に戦兎の元を訪れてから2日が経った。

 

ミッドチルダの街は破壊されて瓦礫が転がっている中、彼らは足を進めた。その先にはエボルトの待つパンドラタワーがある。時刻は正午直前。

 

「ん?戦兎はいないのか?」

 

到着した一行に向けて翔が放った言葉はそれだった。

 

「アイツがいなくても、俺達だけで勝てやるよぉ!!!!」

 

『クローズマグマ』

 

『クロコダイル』

 

『フォートレス』

 

龍斗、ティーダ、一斗は既に装着していたベルトにアイテムをセットする。

 

「皆、行くよ!」

 

「「「うん!!!」」」

 

「「「「はい!」」」」

 

集められた元機動六課のメンバーとヴィヴィオ達も各自のデバイスを構える。

 

「「「変身!」」」

 

「「「「「セーーット、アーーップ!」」」」」

 

「武装展開!」

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

『Moving fortress! Keep shooting GREASE Fortress!』『YEAH!』

 

それぞれが姿を変え、バリアジャケットを展開した。

 

「フム、相手にとって不足はないだろうが俺の目的は戦兎と戦う事だけだ。」

 

そう言ってエボルトは足を組みながら座っていた石から飛び降りる。

 

「今日がお前達の命日だ。」

 

『オーバー・ザ・エボリューション!』

 

エボルトはエボルトリガーを起動させ装着しているベルトにセットし、キャップを正面に合わせたコブラエボルボトルとライダーエボルボトルをベルトにセットした。

 

『コブラ』『ライダーシステム』『レボリューション!』

 

ハンドルを回すことで周囲に3つの銀色の環状のフレームが出現し、回転しながら頭上・ベルト付近・足元に留まり無数のキューブが出現する。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身」

 

手を正面で交差させ正面に両手を広げる。無数のキューブが翔を覆うように組み合わさりひとつの直方体を形成。直方体は回転しながら縮小して何処かへ消滅し、直方体が存在していた場所に白いエネルギーとともにエボルが姿を現した。

 

基本的な外観はコブラフォームに準じるが赤と金を基調としたコブラとは異なり、白と黒を基調としており、腰部にはローブが追加されている。

 

「フェイズ4。さぁ、破壊を始めようか」

 

そう言ってエボルトの背後から大量のスマッシュが現れる。

 

「そんなの俺達が止めて見せる!いくぞぉ!!!!!!!!!!!」

 

『はい!!!』『おう!!!』

 

はやて達、ヴィヴィオ達によるスマッシュ達との戦い。

 

ライダー達によるエボルトとの戦い。

 

ここに最後の戦いが始まった。

 

 




まさかの主人公不在。

そして前回の予告詐欺。

果たして!?

________

ライダーシステムの暴走を______


二人の天才の大発明が超える!


「正義のヒーローの」

「復活だ!!!!!!」

次回、『ジーニアスは止まらない』


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43.『ジーニアス』は止まらない

『八神はやて様、お誕生日おめでとうございます。

これからは我がマスター共々お世話になりますね』

お誕生日おめでとう!

と、本編でも祝いたいところだけど流石作者にそんなことはできない。

だから前書きで祝わせて頂きました。ありがとう、ミカさん。

『もっと出番をください』

あの、それは.........















取り敢えず本編をどうぞ!

『逃げましたね』


『巧君......』

 

戦兎はビルドフォンを使い葛城と電話をしていた。

 

「俺は、どうしたらいいんでしょうか?」

 

『それは、君自身が.....』

 

「俺は!」

 

戦兎は葛城の言葉に叫ぶ。

 

「あいつらの未来を守りたい。それには俺だけじゃ.....」

 

『分かってるよ。その為に掛けてきたのだろう?』

 

ああ、やっぱり葛城さんは変わらないなと戦兎は何処か納得してしまう。

 

「子供達に気づかされるなんて、自分もまだまだですね。」

 

『そうだね。まぁそれが君らしささ。あと二日しか無い。嫌、あと二日もあるんだ。やるんだろう?』

 

葛城さんはそう言ってスクリーンを使う通信へ切り替える。

 

「はい。対エボルト用のアイテムを作りましょう。今度は、暴走しない様に」

 

『さぁ、実験を始めようか?』

 

戦兎はミカに扉にカギを占めるように言う。彼等の開発が始まった。

 

 

 

 

 

『私が造ったライダーシステムが世界を滅亡へと導くなら、私は責任を取らなければならない。』

 

「それを再現して欲しいと頼んだのは俺です。だから俺にも責任があります。」

 

彼等は互いにキーボードをたたきながら話す。これまで何があってきたのか。そしてこれから何をしていくのか。

 

『天才物理学者の私とその助手、二人の天才が力を合わせているんだ。なんだってできるさ』

 

「そうですね!」

 

沢山のボトルの成分が、戦兎の一族が託されたアイテムへと流れ込んでいく。

 

『だからこのボトルの名は.....』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『ジーニアス』フルボトルだ!』」

 

遂に完成したのだ。エボルトを倒せる可能性。既に時刻は正午まで後一分となっている。

 

「ミカ!転移だ!」

 

『了解!』

 

ベルトとジーニアスフルボトルを持って転移していく戦兎を見ながら葛城は言った。

 

『頑張れ、正義のヒーロー』

 

__________________

 

スマッシュ達はパンドラタワーを降りて、ミッドチルダの人々に攻撃をし始めている。

 

その為魔術師達はそっちの対処に追われている。

 

 

「ディバインバスター!」

 

「ラグナロク!」

 

全員が魔法を使って動きを止めたりしているが、スマッシュ達はそれすら何事もなかったかのように動き出しては攻撃を再開する。

 

「何回やってもきりがない!」

 

はやては魔法を使ってスマッシュ達の攻撃に耐えるが、それは直ぐに限界を迎えた。

 

「!はやてちゃん!」

 

「危ない!」

 

皆の叫び声を聞きながらはやては思い返していた。置いていってしまう家族と、友達と、最愛の人の事を。すぐさま動き出したエリオとフェイトの間を赤い物体が通り過ぎていく。

 

「ごめん、巧にぃ」

 

その声は、

 

「遅くなってごめん。でも、間に合って良かった」

 

「あ、ああ.....」

 

本人に届いたのだった。

 

「「「「「戦兎さん!」」」」」

 

「皆、スマッシュ達は頼んだぞ!」

 

その返答を待つ事はなく、高速でパンドラタワーを昇っていくビルド。

 

「遅いんやから、いつも.....」

 

はやては頬を伝う涙を払い、デバイスを握り直す。

 

「さぁ、反撃開始や!!!!!!!」

 

ここに夜天の最後の主、完全復活である。

 

 

 

________________

 

 

 

 

 

 

「があああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

「ティーダ!畜生がぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

 

ローグがエボルトによって壁に吹き飛ばされ変身が解除される。それを見たクローズはエボルトに殴り掛かる。

 

「おりゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

「そんな何も考えてない攻撃なんて読みやすいぞ、万丈!」

 

エボルトは攻撃を交わして背中の翼を掴み放り投げる。

 

「先輩!うああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

「お前の中の遺伝子を回収する予定だったんだがな。だがもうお前は要らない。」

 

殴り掛かってきたツインブレイカーを受け止めてエボルトはハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

「消えろ、役立たずが」

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

エボルトは至近距離からキックを放つ。攻撃の当たったグリスは吹き飛んでいき爆発する。その爆発は広がった後一点に集まり、変身が解除されボロボロになった一斗を吐き出す。

 

「うあ、あ..........」

 

「お前たちじゃ俺には勝てないんだよ」

 

エボルトは地面に突き刺さった時計を確認する。その針は....

 

「あと一分で正午だ。結局あいつは、戦兎はこなかったなぁ!!!」

 

エボルトは石に腰掛け高らかに笑う。まるで戦兎を馬鹿にするように。

 

「黙れ......お前が、戦兎を語るな......」

 

龍斗はボロボロの身体を無理矢理動かしながら言う。

 

「負け犬の遠吠えは聞かない主義でな。まずは、アイツが守った未来を破壊してやるよ」

 

エボルトは指先から小さなブラックホールを生み出す。視線の先には、動けなくなった一斗が。

 

「不味い......!」

 

「一斗!逃げろぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ティーダと龍斗の叫ぶ。だが、既に放たれたブラックホールは一斗に迫っていた。

 

「チャオ♪」

 

エボルトの掛け声と共に爆発が起こる。

 

「あ、あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

龍斗は守れなかった悔しさから地面を叩く。たった一発で出血するほどの威力で。

 

「ハハハハハハハハハ......ん?」

 

だが、爆発は一点に集まることはなかった。不信感を覚えるエボルト。

 

『ファンキーアタック!』『ギアリモコン』

 

その音声はパンドラタワーで響いた。

 

「......お待たせしました」

 

「翼!」

 

エンジンブロスが現れたのだ。

 

「成程、ギアリモコンの能力で姿を消し一斗を救ったか。だが、万丈達は既に戦えない。」

 

エボルトは石によしかかるのを辞め、大きく腕を広げる。

 

「お前一人で何が出来る?」

 

「私は......一人じゃない」

 

翼は元の姿に戻り、ティーダ達の前に立つ。

 

「私には大事な家族がいる!それを壊そうとする貴方を、私は絶対に許さない!!!」

 

そして、ポケットからギアエンジンを取り出す。

 

「翔、一緒に戦って」

 

『ギアエンジン!』

 

ネビュラは何も言わず主の期待に応える様にその名を読み上げる。

 

『ギアリモコン!』『ファンキーマッチ!』

 

「閏動!」

 

『フィーバー!』

 

トリガーが引かれてガスが噴出される。そこから現れた二色のギアがぶつかり合い翼へと装着されていく。そしてヘルブロスへと姿を変えた翼はエボルトへ駆け寄り殴った。

 

『パーフェクト!!!』

 

「はあああああああああああ!!!!!」

 

その拳は、エボルトにダメージを与えた

 

「何!?」

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

エボルトはその猛攻に驚きながらも分析していく。

 

「怒りでハザードレベルが上がり続けているのか!?」

 

「_____________」

 

既に人間では出せない様な高音を放ちながらも攻撃を放ち続ける。

 

『ロストマッチ!』

 

「受けとれぇぇぇ!!!!!!!!」

 

『ファンキードライブ!』『ロストマッチ!』

 

コブラフルボトルをネビュラにセットしてすぐさまトリガーを引く。

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

 

その放たれたエネルギー弾はエボルトの身体を浮かせた。だが

 

「そんなもので俺を倒せるか!!!」

 

瞬間移動で背中に回られたヘルブロスは打撃を受けて元の翼へと戻ってしまう。

 

「翼!」「翼さん!」

 

龍斗とティーダは見ていることしか出来なかった。

 

「順番を変えよう。お前が最初だ」

 

エボルトは倒れていく翼の首を掴み、もう片方の腕でブラックホールを作り出している。

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

そのブラックホールは放たれたものの誰にも当たらなかった。

 

「来たか......戦兎ぉ!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『紅のスピーディージャンパー!』『ラビットラビット!』『ヤベーイ!』『ハエーイ!』

 

「俺の家族に、何をしてるんだ?」

 

ビルド・ラビットラビットフォームがその速さでエボルトから翼を奪い返したのだ。

 

「ハハハハハ!!!!!!!!お前なら来ると思っていたぞ!!!!!!」

 

「今が丁度正午だからな。間に合って良かった。」

 

戦兎はそう言うと翼を龍斗達に預ける。

 

「戦兎、お前.....」

 

「俺にはまだやらなきゃならないことがあるのを思い出してな。」

 

預け終えてエボルトへと目線を合わせる戦兎。その手には見覚えの無いボトルが握られていた。

 

「俺は一斗達の、次の世代の未来を切り開く!」

 

『グレート!オールイェイ!』

 

キャップを回転させボトルを起動させる。

 

「まだまだ強くなるのか......これだからお前との戦いは楽しいんだ!!!!」

 

エボルトは両手からブラックホールを生み出してビルドへ投げつける。

 

『ジーニアス』

 

『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』

 

その攻撃は当たることはなかった。投げられたブラックホールは軌道を変え、空の彼方へと飛んでいく。展開されたビルドマーク型のライドビルダーは、白いアーマーを形成していく。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!!!!」

 

挟み込まれてビルドはその姿を変える。全てのボトルが飛んできてビルドの各アーマーに装填されていく。

 

『完全無欠のボトルヤロー!』『ビルドジーニアス!』『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

「正義のヒーローの、復活だ!!!!!!!!!!」

 

 

ここにビルド・ジーニアスフォームが誕生した。




これは未来を掛けた戦いである。


英雄と異星人の破壊者の戦いは遂にクライマックスへ




次回、『完全無欠のボトルヤロー』


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44.完全無欠のボトルヤロー

「正義のヒーローの、復活だ!!!!」

 

ビルドはその複眼を何時ものように撫でる。

 

「俺と同じ力を使う事にしたのか!!!」

 

エボルトはブラックホールを複数創り上げ攻撃してくるが、全てジーニアスが弾き飛ばす。

 

「戦えない人達の分まで戦う。それが俺の目指した.....」

 

ジーニアスはその右脚に竜巻を纏い跳躍する。

 

「仮面ライダーだ!!!!!!」

 

「うおっ!!!」

 

エボルトに急接近し、蹴り上げる。ビルドはハンドルを回してそのまま空高く飛び上がる。

 

『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』

 

『READY GO!』

 

『ジーニアス・アタック!』

 

「ライダー、パンチ!!!!」

 

右拳に集束された全フルボトルのエネルギーはビルドの落下と共に撃ち込まれる。

 

「ぐおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」

 

その一撃は受け止めたエボルトの両腕をしびれさせるほど。

 

「パンドラボックスの力を手に入れたところで、俺に勝てると思うなぁ!!!!!!!!!!!!」

 

エボルトはすぐさま両腕にブラックホールを纏う。

 

「ふん!」

 

「ぐっ!!!!」

 

エボルトの連続打撃はビルドを追い込んでいく。

 

「どうしたぁ?こんなものかぁ!!!!!!!」

 

「ぐうぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」

 

押されていくビルド。形勢が逆転している。このままではビルドは押し負けてしまうだろう。

 

「お前の掲げたラブ&ピースなんて、何の意味もないんだよぉ!!!!!!!」

 

エボルトのその言葉は、戦兎を怒らせるには十分だった。

 

「ぐ、うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「何!?」

 

エボルトの高速攻撃を何とか防ぐしかなかったビルドが、その動きに着いていけるようになったのだ。

 

「俺は、その言葉がどれだけ脆いのかなんて分かってる!!!それでも謳い続けるんだ!!!!!!!!!!!」

 

ビルドが放った一撃は、エボルトの攻撃を止め、のけぞらせる事に成功した。

 

『ボトルバーン!』

 

「戦兎!!!!!!!」

 

その隙を使って龍斗はボトルをセットし直しナックルを戦兎へと投げ渡す。

 

『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』『イェイ!』

 

ビルドはそのナックルが飛んでくるのを見た瞬間にハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

『ジーニアス・アタック!』

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

「受けとれぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!」

 

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

ナックルを受け取りすぐさま構えてエボルトに殴り掛かる。当たった瞬間からナックルから全てのフルボトルのエネルギーが撃ち込まれる。

 

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 

その一撃は、エボルトを壁に叩き付けて、パンドラタワーを破壊した。

 

「はぁ.....はぁ.......」

 

「フ、フハハハハハ!!!!!!!!」

 

エボルトは壁から抜け出しながら笑っている。

 

「うれしいぞ、戦兎!!!俺をここまで楽しませてくれたのはお前が初めてだ!!!!!!!!」

 

「.............」

 

戦兎は何も言わずにベルトのハンドルを回した。

 

「だからこそ、俺はお前を破壊したい!お前の大切なものを破壊しつくしたいんだよぉ!!!!!!!!!!!」

 

エボルトも同じ様にハンドルを回す。

 

『『READY GO!』』

 

その掛け声と共に縦に回転しながら高く飛び上がる。

 

『ジーニアス・ブレイク!』

 

『ブラックホール・フィニッシュ!』

 

「おりゃああああああああああ!!!!!!!!!」

 

放たれたキックはぶつかり合った。その周りをすべて巻き込んで。

 

「うおおおおおおおおお!!!!!!戦兎ぉぉぉぉ!!!!!」

 

「まずい、このままだと塔が崩壊する!!!龍斗さん、引きますよ!!!」

 

JIMによって何とかティーダと一斗、翼と龍斗は転移していった。それをビルドは確認してから威力を上げる。

 

「どりゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 

「フハハハハハハ!!!!!!!まだまだ威力が上がるのかぁ!!!!!!!!!」

 

ビルドはエボルトの威力を上回り、蹴り飛ばすことに成功した。ぶつかった遺跡は崩壊し、大きく爆発する。

 

「やったか......?」

 

息絶え絶えの戦兎。変身が解除され、辺りにフルボトルが散らばっている。放ったキックは確かにエボルトの身体に決まったはず......

 

『オーバー・オーバー・ザ・レボリューション!』

 

「ハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!」

 

崩壊したパンドラタワーの頂点に火星を滅ぼした時と同じ巨大なブラックホールが誕生する。

 

「戦兎!!!!!!お前は究極の力で壊してやるよぉ!!!!!!!」

 

エボルトはブラックホールフォームの体から翔の身体を吐き出し、ハンドルを回しながら空高くへ昇っていく。

 

『フィーバー・フロー!』

 

『フッハッハッハハハ!』『フッハッハッハハハハハ!』

 

「ファイナル・フェイズ!!!!!!!」

 

巨大なブラックホールはエボルトへ吸収されていく。

 

ここにエボル・ビッグバンフォームが誕生した。 

 

 




ビッグバンフォームはエボルトリガーのフィーバーフロー状態の必殺技が何処か味気なく感じたので、再び登場していただきました!


因みに、エボルトリガーがジーニアスの技を吸収した為に生まれたフォームです。


__________


全てを破壊しようとするエボルト!

立ち向かう天才の助手は____

「こいつで......」


最後の最後のまで諦めない!

『READY GO!』



次回、『     』


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45.『     』

空白に入る言葉とは!?




『フッハッハッハハハ!』『フッハッハッハハハハハ!』

 

「ファイナル・フェイズ!!!!!!!」

 

全身のアーマーはビッグバンフォームとは異なり胸部アーマーに赤が追加された。

 

「マジかよ.......」

 

「エボル・ビッグバン!!!!!!!!!!!」

 

変身が完了すると同時に周囲が衝撃波で吹き飛ぶ。

 

『マスター!転移します!!!』

 

戦兎はその場からいなくなったが、エボルトは止まらない。

 

「破壊、破壊だぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

 

パンドラタワーは全てエボルトに吸い込まれていった。

 

_____________

 

 

『巧にぃ、無事!?』

 

「あ、ああ」

 

何とか戦兎はミカの転移によってパンドラタワーから脱出に成功していた。

 

『何とかスマッシュ達は倒せたんやけどな.....』

 

あのパンドラタワーを吸収していくエボルトの姿は全世界に放映された。その為既に人々は諦め始めている。

そのことを伝えられた戦兎は再びジーニアスフルボトルを起動させる。

 

『グレート!オールイェイ!』

 

「ミカ、ユニゾンだ」

 

『はい』

 

『巧にぃ......』

 

戦兎を心配している表情が伺える。だが、世界を救いに行こうとしている彼を自分が止めることは出来ないとわかっているのだろう。はやては笑顔で言った。

 

『みんなの未来を、救ってきて』

 

「ああ!!!」

 

『ジーニアス』

 

ビルドドライバーにジーニアスフルボトルをセットしてハンドルを回す。展開されたライドビルダーがこの戦いの為のアーマーを形成していく。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

その掛け声と共に、高く飛び上がる。はやては通信を切って祈った。未来を切り開くであろう彼のことを思って。

 

_________

 

 

「これで、俺は全てを破壊できる!!!!!!」

 

エボルトは地面に降り立ち高らかに笑った。既にパンドラタワーは面影すらなく、エボルトのエネルギーとなっている。

 

「お前なんかにこの世界を破壊させるか」

 

「......ああ、まだ俺を楽しませてくれるか!!!!」

 

ビルド・ジーニアスフォームが目に入った瞬間から、エボルトは喜んだ。まだまだ俺を、人間は、戦兎は楽しませてくれるのだと。

 

『フルボトルバスター!』

 

「さっさとあの世に戻れ!!!!」

 

『フルフルマッチでーす!』

 

ビルドはフルフルラビットタンクボトルをバスターにセットしてベルトのハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

『フルフルマッチ・ブレイク!』

 

『ジーニアス・フィニッシュ!』

 

「おりゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

ビルドが放ったその一撃はエボルトに当たった。だが、どんどんと吸収されていく。

 

「俺は無限に進化し続ける!全てを破壊しつくすまで!!!!!」

 

『マスター!これ以上は危険です!!!!!!!!!』

 

「あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

ミカの静止を振り切ってまで放ち続ける一撃は全てエボルトに吸収された。

 

「なんだ、俺にはもう追いつけないか。詰まらない。詰まらない詰まらないぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

エボルトはその怒りを周りにぶつけた。有ったはずの瓦礫は全て砂に変わり、一部はエボルトが消してしまった。

 

「...........いつ俺が、これだけだと言った?」

 

「ああああああ、あ?」

 

エボルトは叫び続けるのを間抜けな声で止めた。ビルドの手には、禁断のアイテムが握られていたからだ。

 

「ハ、ハハハハハハハハ!!!!!!!これだからお前は面白いんだ!!完全に人間を辞めることすらためらわないなんてなぁ!!!!!!!!!!」

 

『マックスハザード・オン』

 

「俺が今戦っているのは、これからの未来の為だ。その為の犠牲が俺だけで済むなら、遠慮なく使う!!!」

 

ビルドはハザードトリガーを起動させてベルトにセットする。

 

『ドンテンカーン!』『ドンテンカン!』『ドンテンカーン!』『ドンテンカン!』

 

ハンドルを回す。展開されるジーニアスライドビルダーはビルドマーク型になっておりボトルが全てセットさている。

 

『ARE YOU READY?』

 

「ビルド、アップ!!!!!!」

 

『オーバーフロー!』

 

『完全無欠のボトルヤロー!』『ビルドジーニアス!』『スゲーイ!』『ヤベーイ!』『モノスゲーイ!』

 

挟み込まれて変化したジーニアス。そのボディは虹色に輝いている。

 

「いくぞエボルト。これで最後だ!!!!!!!!!!」

 

「ハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

お互いにハンドルを回していく。二人との空高く上がっていく。

 

『『READY GO!』』

 

『ビッグバン・フィニッシュ!』

 

『ハザード・フィニッシュ!』『ジーニアス・フィニッシュ!』

 

「おりゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

互いのキックは衝突した。全てを破壊する力と全てを創造する力。その正反対な力のぶつかり合いは、周りに被害を出すことは無かった。

 

「ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

「お前じゃ俺には勝てないんだよおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」

 

徐々にエボルトがビルドを押していく。だが、

 

『バッドエンジン!』『サメバイク!』『サイドライヤー!』『ハチマリン!』『スパイダークーラー!』『ペンギンスケーター!』『キリンサイクロン!』『シカミッド!』『クジラジェット!』『トラユーフォ―!』『タートルウオッチ!』『ローズコプター!』『ユニレイサー!』『スマホウルフ!』『フェニックスロボ!』『オクトパスライト!』『海賊レッシャー!』『キードラゴン!』『ライオンクリーナー!』『ファイヤーヘッジホッグ!』『ロケットパンダ!』『ニンニンコミック!』『ホークガトリング!』『ゴリラモンド!』『ラビットタンク!』

 

   『ハイパー・ベストマッチ!』

 

「くらええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ジーニアスは全てのベストマッチのエネルギーをキックへと変換し始めた。そのためドンドンと威力が上がっていく。

 

「ハハハハハ!!!!!!これが、人間の可能性かぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

 

「はああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

そしてそのキックはエボルトに押し勝ち、爆発を起こした。



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46.伝えなきゃいけないことがある

「ぐっ.........」

 

戦兎は変身が解除され気絶いていたものの生きていた。

 

「ミカ、エボルトは....?」

 

『エボルトは、そこに』

 

既にエボルトは少しずつだが消え始めていた。

 

「エボルト......」

 

戦兎は体が動かないが、何とか話し掛ける。

 

「よう、お目覚めかい。吞気に寝てるもんだから壊してやろうと思ったのによ.....」

 

少しずつエボルの変身が解除されていき、一斗の姿へと変わっていく。

 

「俺はお前と戦う中で、一つ答えを出してたんだろうな。」

 

『貴方は......これからどうするのですか?』

 

ミカの質問にエボルトは応えた。

 

「俺はこの世界が好きになった。壊してしまうのが惜しいを感じるくらいに。でも、それ以上に、戦兎。お前との戦いがとにかく楽しかったんだ」

 

既に足は粒子となって消え始めている。

 

「俺は、もうすぐ消える。こんな永遠に近い生涯の中で初めて、破壊以上に楽しいものに出会えたんだ......」

 

「エボルト........」

 

 

エボルトは背中を向けて歩いて行く。

 

「パンドラボックスとボトルはくれてやる。俺にはもう必要ないからな。チャオ♪」

 

エボルトは振り返り一本のボトルを投げ渡して何時ものポーズを取って消えていく。

 

「チャオ、エボルト」

 

瓦礫に残ったのは砕けたコブラエボルボトルとエボルトリガーがセットされたエボルドライバーだった。

 

戦兎の手には、ライダーエボルボトルが光っていた。

 

 

 

_____________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________

 

 

あれから二週間が経った。戦兎が世界を救ったことは瞬く間に世界中に広がった。誰もが彼に感謝を贈った。

 

 

「んん~~~。ミカ、何時からだっけ?」

 

『正午からです』

 

いつもと変わらない日常は、殆どの人々に戻ってきた。崩壊したミッドチルダの街は全て修復され、以前と変わらない賑わいをみせている。ただ、一か所だけ違うところがある。

 

「......これ、撤去してくれないんだね.....」

 

『貴方は誰もが認めるヒーローですから』

 

街の真ん中に、石碑が建てられたのだ。今回の騒動、エボルト事件で特に成果を上げた人々の名前が記されているのだが.....

 

 

『英雄』『創成王』『桐生戦兎』

 

一番上にでかでかと記されているのだ。さらに....

 

 

「あ!ビルドだ!」「英雄が何でここに?」「皆~!創成王がいるぞ!!!」

 

「あ、やべっ」

 

『全く。先生、乗ってください』

 

顔が報道されたせいで、何処に行ってもバレバレなのだ。戦兎はマシンビルダーに乗りさっさとこの場を去っていく。

 

『貴方は今日、人生で一番大切な日になろうとしているんですよ?』

 

「わかってるつもりなんだけどなぁ.....」

 

どうにもしっくりこないまま住宅街へと入り、一軒の家の前で止まる。

 

『間もなく正午です。皆様がお待ちですよ』

 

「一応、俺が主役だもんなぁ」

 

戦兎はその足を進めていく。玄関にはカギがかかっておらず、すんなりと中に入れた。

 

「おっ、主役の登場やで!!!」

 

『わ~~~~!』

 

「ちょっ、待って!」

 

戦兎は玄関に入るとすぐに子供達に捕まり流れるように中へと連れていかれる。そして、ソファーの真ん中に座らされた。

 

「せ~のっ!」

 

『戦兎さん、誕生日おめでと~~~~!!!!』

 

クラッカーが鳴らされて、戦兎に紙吹雪が掛けられる。

 

「皆、ありがとう!!!」

 

そう、今日は戦兎の誕生日。そして、生涯忘れるわけのない特別な誕生日。

 

誕生会は順調に進み、見えていた太陽が沈み始めていた。戦兎とはやては、屋根の上に登って隣同士に座っていた。

 

「はやてちゃん。前言った事、覚えてる?」

 

「うん」

 

はやては戦兎がエボルトと戦う前に言ったことを思い出していた。

 

「一度だけしか言えないけど、聞いてくれる?」

 

「勿論やよ」

 

戦兎は立ち上がり、夕陽に向かって叫んだ。

 

「俺は、八神はやての事を、幸せにすると誓います!!!!!!!!!!」

 

「!!!!!」

 

戦兎は髪を掻きながら、頬を紅潮させながら言う。

 

「俺と、結婚を前提に付き合ってくれる?」

 

そんな戦兎を見て、ふふっと笑ってはやては言った。

 

「勿論!」

 

生涯一度きりの告白は、うまくいった。だが、二人は忘れていた。

 

「はわわわわわわ......」

 

「ほほう.....」

 

「ヒューヒュー!」

 

「「あ」」

 

ここは八神家。

 

「「ああああああああああ!!!!!!!!!!!」」

 

みんなに聞かれていたのだ。しかも、ビデオカメラまで回っている。

 

こうして、二人は皆の公認のカップルとなったのだった。

 




やったね、はやてちゃん!

遂に念願の戦兎をゲットだ!

「これから二人で幸せになります」

いやぁ、ヤンデレのままだったらどうしようかと.....

「浮気したら......わかってるな?」

「は、はい!!!」

『尻に敷かれる夫の図.....』

あ、変わってないや。

ミカさんや、これからも戦兎とはやてちゃんを支えてあげてね。

『勿論です』


_______

『戻ってきた日常』




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G.O.D
47.平穏とは


戦兎の誕生日から時間は経って、今日ははやてとお家デートである。

 

まぁ.....

 

「あの.....話してもらえませんかね?」

 

「ゼッタイハナサナイ」

 

はやてに後ろから抱きつかれているのだが。

 

間もなく、戦兎はしばらくミッドチルダに帰ってこれない。大掛かりな仕事が入ってきたのだ。

 

エルトリアという次元世界でロストロギアの反応があり、それがビルド式のものだと分かった為に戦兎はいかなければならないのだ。

 

「女の子とイチャイチャしないこと。」

 

「はやてちゃん?俺がそんな事をする....」

 

「しないとは言い切れんやろ?」

 

既に裏を描かれている。さすがは狸である。

 

「ティアナに要注意.....」

 

「......」

 

戦兎はどうにか離してもらう方法を考えた。だが....

 

「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然戦兎は消えた。はやての何処か抜けた声が家に響いた。

 

 

____________

 

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

 

これは一体どういう要件だ!言峰ぇぇぇぇ!!!!!!

 

と言いたくなるがそんなことをしてる場合じゃない。

 

現在進行形で、戦兎は落下注意である。

 

「ミカ!飛行魔法!」

 

『...............』

 

「ミカさーーーーーん!!!!!!!」

 

まさかの自身のデバイスが反応してくれないのだ。

 

このままでは地面と衝突する未来しか見えなくなり始めていた。

 

「イチかバチか!」

 

『フェニックス』『ロボット』『ベストマッチ!』

 

「入った!」

 

戦兎はベルトを装着してすぐさまフェニックスロボへと姿を変える。大きく広げた羽を使って一番高いビルの屋上に降り立つ。

 

「ここって........海鳴市?」

 

 

戦兎に平穏が訪れるのは、かなり先である。

 

___________

 

 

「ミカ?......ダメだ、反応がない...」

 

戦兎はミカに話しかけるも、返事が返ってくることはない。だが、ビルドフォンとしての機能は使えていた。どうにかお金を確保することには成功した。

 

「ん?......マジかよ.....」

 

ビルドフォンに表示された日程は明らかに可笑しかった。

 

「14年前の.....12月」

 

それは、リインフォース・アインスと彼等が旅立った月。

 

「一体どうなってるんだ?」

 

その疑問は直ぐに晴れることになる。

 

「そこの方、次元渡航者の方ですか?」

 

「マジかよ........」

 

「時空管理局の者ですが、少々お話を聞かせていただきませんか?」

 

 

小さくなった、なのはに会った。

 

 

「これって、不味くね?」

 

『マスター、転移します』

 

「えっ?」

 

「待っt」

 

なのはの台詞を待つまでもなく、ミカが転移魔法を使った。

 






さて、戦兎は何処へ飛ばされたのでしょう?





_________

英雄は過去へとやって来た。

そこで会う人々は何処か懐かしかった。


次回、『過去でも変わらない』


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48.過去でも変わらない

ミカによって転移された戦兎。そしてその場所は.....

 

「アースラかよ.....」

 

二年前にゆりかごを破壊した時空渡航艦。そして、英雄達を乗せた箱舟として雑誌で取り上げられたりしたあの艦だ。戦兎は内部の様子からここが本当に過去だと思わざるを得なくなった。

 

『すいませんマスター。時間軸が狂ってしまい、修正に時間がかかりました。』

 

「まぁ、緊急事態だったもんな」

 

いつも平行世界を行きするのにはエニグマを使用しており余りバグが発生しないのだが、今回は何もない所からいきなり過去へ飛んできたのだ。流石のミカも手こずったのだろうと戦兎は考えた。

 

「このままリンディさん達に会いに行くべきかな」

 

『その必要があると考え、ここに転移させて頂きました。』

 

原因が解らない以上、知り合いに助けて貰うしかないという考えには、戦兎も及んだ。だが....

 

「自分の過去に干渉していいものかね....」

 

『朗報ですマスター。龍斗様と一斗様がここにおられる様です』

 

口を開いたまま動かなくなる戦兎。無理もない。

 

「......行くか....」

 

戦兎は廊下を歩き出した。目指すは司令室。

 

__________

 

 

 

 

 

__________

 

 

「で、何で俺は拘束されてるんだ?」

 

戦兎は部屋に入った瞬間にバインドを掛けられて、皆の中心に運ばれた。目の前にいるのは龍斗である。

 

「お前がこっちに来た時に姉弟子に迷惑をかけたからな。」

 

スクリーンに映るなのはは、ふぇぇぇぇと言いながらアタフタしている。

 

「それは、ミカが勝手にやったことだから.......」

 

「問答無用、あっちでアイツが待ってるぞ」

 

そう言って引きずられていく。リンディさんと目が合った為に助けを求めるが、手を振られてしまった。

 

「諦めてね、父さん」

 

息子にも言われる始末。戦兎は自分が誰と会うのか大体予想が着き始めていた。

 

 

____________

 

「................」

 

「巧にぃだ~~~~」

 

うん、わかってた。

 

戦兎ははやてに捕まった。

 

「主.....」

 

『.............』

 

ちょっ、皆様?助けてくれません?

 

『久々の再会だ。諦めろ』

 

念話で返ってきたのはシグナムからの言葉だった。

 

「巧にぃは未来から来たんやよね?」

 

「う、うん」

 

はやては何処かもじもじしながら聞いてきた。

 

「私、巧にぃとくっついた?」

 

うん、と答えたいところだが、それをしてしまうと未来が変わってしまうかもしれない。戦兎はそれを恐れて言葉を濁した。

 

「それは、教えられない」

 

「......まぁいいか。今は巧にぃを楽しもうっと!」

 

「うわっ!」

 

はやてが飛びつくことで戦兎はどうにかして受け止めようとする。その結果、戦兎はひっくり返った。

 

「えへへへへ」

 

「まったく....」

 

リインフォースはそれを眺めながら、どこか悲し気に微笑んだ。

 

後に守護騎士達は語った。子供を見守る父親がそこにいたと。

 

 





ヤベーイ!説明が足りない.....




評価、感想お待ちしています。

それではまた!


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49.彼女は何処に居ても変わらない

既に龍斗達が自分達が未来から来たことを伝えてくれている。

俺ははしゃぎすぎて寝てしまったはやてちゃんを運びながら司令室を目指した。


「お、来たか戦兎。」

 

「俺を生贄に捧げておいて....」

 

龍斗に会うと直ぐに戦兎は愚痴を一つこぼす。

 

「まぁまぁ父さん、落ち着いて」

 

「はぁ......一斗、これ」

 

戦兎はビルドドライバーを一斗に渡す。

 

「いいの?これは父さんの.....」

 

「それは一斗用だ。既に完成していたのだが、渡す機会がなかったからな。」

 

一斗と龍斗は如何やらトレーニング中に転移したらしい。直ぐにフェイトに見つかって連れてこられたらしい。自分とは大違いだ。

 

『..............』

 

「ミカさんや?返事を返してくれませんか?」

 

ミカは何処か返事を返してくれない。仕方がないか....

 

「戦兎。姉弟子とフェイトが翠屋で待ってるってよ。行こうぜ」

 

勝手に行動してもいいのか?と疑問を抱きながらもはやてちゃんをリインフォースに任せて転移した。

 

___________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりここのケーキはおいしいなぁ」

 

「うふふ、喜んでもらえてよかったわ。」

 

久しぶりの翠屋。最近は地球に帰る機会がすくなくなってきていたからなぁ

 

「戦兎さんはあんまり変わらないね。」

 

「人はそんなに変わらない。変わったことがあるとすれば....」

 

「僕のことでしょうね」

 

「ユーノ君、これもいる?」

 

「うん、もらうよ」

 

皆の声は戦兎には聞こえない。只々俺は桃子さんのお菓子に舌をうち続けた。

 

はぁ....おいしいなぁ......糖分って、頭を動かし続ける上でたいせつなんだよねぇ

 

 

「父さんが見たことがない顔になってる.....」

 

「ああいうのは偶に見れるんだよなぁ」

 

 

ああ、はやてちゃんのお菓子もいいけど、ここのもいいよなぁ

 

『浮気は許さないで?』

 

ぞくぞくぞくっと戦兎は背中を震わせた。

 

「.......ごちそうさま、でした。」

 

「あら?どうかしたの?」

 

「これ以上食べたら彼女に何されるかわからないので....」

 

戦兎はその顔を青く染めながら言った。その様子を見ていた龍斗は自分もああならないように気を付けようと決めた。

 

 

________

 

 

既に閉店し、間もなく大学から恭也さんが帰ってくると思われる時間帯に、フェイトと俺達は店を後にした。

 

コッソリなのはとユーノのやり取りを写真に収めながら。

 

「じゃあ私達もここで。」

 

『またね』

 

アルフとフェイトと別れて八神家を目指す。今日の夕飯を食べに来るように通信が入ったのだ。

 

『来ないとアイゼンで打っ叩く』

 

ヴィータの連絡はどう考えても脅迫にしか聞こえなかったが行かないわけにはいかない。自身の背筋を凍らせるよ様な感覚から逃げるには、彼女の元に行くしかないと戦兎は悟っていたのだ。

 

『マスター、魔力反応が確認されました。注意してください。』

 

振り返ると、そこにはウェーブがかったロングヘアの少女が立っていた。

 

「龍斗、一斗、気を付けろ」

 

「あらら、流石は英雄ね。そのデバイスからも只者じゃない気配が感じ取れるわ」

 

俺達はベルトを装着して構える。

 

「アンタ、何者だ?」

 

「私はキリエ。キリエ・フローリアン。貴方達が来てしまったのはイレギュラーだからね。排除させてもらうわ」

 

彼女はそう言ってデバイスを構えた。




キリエ登場!

ですが、ライダー3人も同時に相手にできるかな?


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50.キリエさん大ピンチ

サブタイトルから滲み出る出オチ感。




所々家が破壊されて、戦兎達が倒れている。

 

 

 

 

なんてことはなく、キリエは絶望しそうになっていた。

 

仕方がないだろう。一人でライダー3人を相手にしなければならなかったんだ。

 

経験者からしてみれば悪夢に近いだろう。

 

地面に降り立てばビルドに吹き飛ばされ、空に飛べばクローズが殴り掛かってくる。

 

そして不意をつこうとしてもグリスの砲撃で動けなくなりかける。

 

「はぁ..はぁ......一人じゃ英雄達と戦うのがこんなに辛いなんて....」

 

キリエは自身のデバイスを握り直し空へと逃げる。だが、それを彼等が許すはずがなかった。

 

『フォートレス・フィニッシュ!』

 

「ひっ!!!」

 

飛んできた黒い集束砲を何とか交わしたがキリエは恐怖に押し負けそうになっていた。

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

「おりゃあ!!!!!!」

 

すぐさま後ろの回ってきたクローズの拳を防御魔法で防ごうとするが、直ぐに魔法陣を破壊され意味をなくしてしまう。

 

『READY GO!』

 

『スパークリング・フィニッシュ!』

 

「きゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

クローズから離れるが、すぐさまビルドの飛ばした泡に当たってしまい、落下する。

 

何とか体制を整えるが、既に身体はボロボロだ。

 

「これ以上戦うのは意味がないと思うんだがな」

 

「大人しく投降しろ」

 

「まだ、殴られたりないか?」

 

少女は自分が喧嘩を売った相手がどんな人物なのかを残された伝承でしか知らなかったが、軽率に手をだしてもいいそんざいじゃなかったんだと再確認した。

 

「見つけましたよキリエッ!」

 

さらに彼女は追い込まれた。自身の姉が二人程味方を連れてやってきたのだ。だが、彼女はそ諦めない。

 

「これを使えば.....」

 

「!辞めろ!」

 

いち早く彼女が持っているそれに気が付いた戦兎はやめるように言うが彼女は止まらなかった。デバイスに、そのフルボトルを雑にセットしたのだ。

 

『オリヴィエ』『ブレイカー!』

 

「皆、今すぐに防御魔法を展開しろ!!!!!」

 

戦兎の声を聞いた者達はすぐさま魔法陣を展開する。

 

「ああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

キリエは叫びながらもデバイスのトリガーを引いた。

 

『オールブレイク!!!』

 

___________

 

 

 

「.......危なかった。最大出力で放たれていたら結界がもたなかったな....」

 

戦兎は変身を解除しながら、とても薄くなった結界を見る。そこには人一人がすんなりと通る事ができる大きさの穴が開いていた。

 

「........熱っ」

 

龍斗は変身解除と共に額の汗を拭った。

 

「皆、大丈夫?」

 

『『♪~~~~』』

 

二匹の無事を確認する一斗。戦兎は乱入してきた彼女達に声を掛ける。

 

「取り敢えず、アースラで話をしようか」

 

「「はい」」「うん」

 

戦兎ははやてが自分の時代の彼女と同じ様にならない事を祈しながら魔法陣を展開した。

 

 

 

 




案の定でしたねぇ。

負けちゃダメだからね!キリエちゃん!



評価、感想お待ちしています。

それではまた!


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51.増えた未来組

アースラに転移してきたんだけど、少し問題があった。

 

「一兄、久しぶり!!!」

 

「お久し振りです。お義父さん。」

 

少し待ってくれ。戦兎は額を抑えながら言う。

 

「えっと、君たちは俺達のいた時代の6年後から来たのでいいんだよね」

 

頷いて返事を返してくれることで戦兎の頭痛は程よくなってきた。

 

「で、アインハルトは一斗と旅をしていると」

 

「はい」

 

ここだ。ここが問題である。確かに俺も龍斗と共に旅に出ていたけど....

 

「まさか......男女二人きりだとは....」

 

彼の頭を悩ませたのはこれである。まぁ、ミッドチルダの成人年齢を達しているからいいのか?と戦兎は考えているが、それすらも頭の片隅に置いておく。で、ヴィヴィオが言ったことには更に問題があった。

 

「パパもはやてさんと旅に出てるんだよね。」

 

未来の自分もかよ!!!とツッコミを入れたいところだがそれすらも心の中にしまっておく。

 

「まぁ、なるようになるさ」

 

この男、考えるのを放棄し始めた。

 

「ああ、久しぶりの一斗さん成分を手に入れるチャンス....」

 

「えっと、こ、来ないで~~~!!!」

 

一斗はアインハルトにじりじりとにじり寄られてすぐさま逃げ出した。その後を追うようにガジェット達とアインハルトが司令室から出ていく。

 

「龍斗さんも、久しぶりに手合せお願いしたいな」

 

「今の俺で良ければいいぞ。リンディさん、トレーニングルーム使っていいですか?」

 

「いいわよ~~~」

 

「あ、母さん!おい、まだ話は終わってないぞ!!!」

 

クロノの静止は意味なく終わった。

 

「えっと、私、置いていかれた?」

 

アミタはそれを見ながらポカンとしていた。

 

__________

 

 

戦兎とクロノはアミタから詳しい話を聞いた。

 

『砕け得ぬ闇ですか.....』

 

「闇の書には問題点が多すぎるなぁ」

 

誰だよ、ディアーチェにレビィにシュテルって。

 

「まぁ、僕はそれを知っていたからな。」

 

「俺達が旅に出た後にそんなことがあったんだな。」

 

だが、戦兎はここで疑問があった。自分達が旅に出たのはリインフォースの旅立ちの日と同じ。だけどまだリインフォースは生きていて、自分達だけ旅に出ている。

 

「パラレルワールドってか......」

 

「何か言ったか?」

 

「いや、何も」

 

最上博士が研究をし続けたあり得るかもしれない世界。まさか自分がそこに来てるとは思わない。まぁ、何度も平行世界を行き来している自分が言えたものじゃないがな。

 

戦兎は心底エニグマを持ってこなかったことに安心した。これ以上ややこしくなっても困るから。

 

「エルトリアに住んでいたんだよな」

 

「あ、はい」

 

これで確定した。ここは平行世界だ。しかも、面倒ごとばかり起こる世界だ。仕方が無い。話すとしよう。

 

「クロノ、こっちでも新たに分かったことがある。」

 

「なんだ?」

 

 

戦兎は説明した。自分達が平行世界から来たこと。そして、こちらの世界では既に何百年前にエルトリアが滅んだことを。

 

 

「あ、頭が......」

 

「君が先程から話したがらない理由がわかったよ.......」

 

これは酷い。

 

「取り敢えず、一息つこう。」

 

3人は休憩し始める。

 

_______________

 

 

「アイツが残した最後のフルボトル。『オリヴィエ』と『クラウス』か.....」

 

今思い出せばスタークがベルカに現れた理由がわからなかったが、これが理由だったのだろう。もし、あれがアイツの残した切り札なら....何で使わなかったんだ?

 

「戦兎!緊急事態だ!マテリアル達が復活したぞ!!!」

 

面倒ごとは加速する。

 





平穏は遠ざかっていく.....

そう、何時ものである。

ん?原作?

ぶっ壊してやりますよ。



評価、感想お待ちしています。


それではまた!


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52.龍斗が決めたこと

戦兎が司令室に戻った頃には既に、なのは対シュテル、フェイト対レヴィ、はやて対ディアーチェの戦いが各地で始まっていた。

 

「遅かったか」

 

「仕方が無い。彼等の目的は以前と変っていない。それが分かっている分だけまだマシに思うがな」

 

アミタは既にアースラから飛び出して妹を探しに行っている。

 

一斗がアインハルトに捕まって連れてこられたころには、闘いは終わっていた。

 

「エンシェントベルカの戦乱と狂気が生み出した破滅の遺産か....」

 

レビィの言葉から原作の戦兎の台詞を思い出す。あの言葉とは違い、完全なる兵器として開発されたのだろう。

 

「まずい、砕け得ぬ闇が復活したぞ!」

 

はやてとディアーチェの戦闘が終了すると共にキリエが復活させる事に成功していた。その言葉は戦兎の意識を現実に戻した。

 

『システム『アンブレイカブル・ダーク』正常起動』

 

『皆さん.....逃げてください.....私を、起動させちゃダメなんです』

 

はやてがヤミちゃんと呼んだ彼女は言った。自分が自らシステムを遮断し、別のプログラムを上書きしたこと。そして、

 

『ぐああああああああ!!!!!!』

 

彼女は集まってきていたマテリアル達を刺した。

 

『私は融合騎ですら知りえない本当の闇.....沈むことなき黒い太陽__影落とす月___故に、決して砕かれぬ闇』

 

そう言って彼女はマテリアル達を刺したまま姿を消した。

 

__________

 

 

あれから一日が経過した。俺達はアースラに泊まり込んでシステムU-Dの行方を追った。すると、アミタが接触していることが分かった。

 

『貴方の持っている『エグザミア』を妹に渡さない様に』

 

今回自分が依頼された仕事を振り返ると、そんな名前が付いていたような気がしてきた。発見されたのは二つのフルボトルと石版。今自分が未来にいないせいでその内容を確認することはできない。

 

『博士が私達に言ってたでしょ!!沢山の犠牲で誰かが救われても、誰も感謝なんてしてくれない!!!』

 

その言葉には聞き覚えがあった。以前、授業であった一人の少年が、正義のヒーローになりたいと話してくれた時だ。俺は見返りを求めちゃいけないって話したはずだ。

 

アミタはその身を犠牲にしてまでも妹を救った。俺はそれを見た瞬間に、ビルドフォンを操作させていた。

 

「戦兎!」

 

龍斗と俺は転移した。

 

__________

 

戦兎が追跡を開始した。砕け得ぬ闇を追いかけているが、まだキリエの追跡が残っている。

 

「シャマル、こいつのことは任せた!」

 

マグマに直ぐに変身し、アミタを渡す。

 

「どらあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

俺は最大速度で追った。見失なわないように。

 

___________

 

「見つけた!」

 

「私には....やらなくちゃいけないことがあるんだ!!」

 

 

龍斗はキリエに追いついた。だが、攻撃をされる。

 

「大人しく、しやがれ!!!」

 

龍斗が放った一撃は既にボロボロのキリエには防ぎ切れなかった。

 

「......話を聞かせてくれ」

 

「そうね.....龍王であるあなたに聞く権利がある」

 

キリエは自らの故郷について語った。それは既に戦兎とクロノは知っていたが、伝えられてはいなかった。

 

「タイムマシンか....」

 

既に俺はそれに近いものを知っている。だがアイツも言っていた。過去や未来への転移は余りにも危険だと。

 

そのことを話したら、彼女達の希望になるかも知れない。だけど、それは許されない。

 

「俺はお前に力を貸せる。一緒に戦ってくれ」

 

龍斗は変身解除して、手を伸ばした。

 

 





龍斗は自分の出来る事をやることにした。

ただ、戦兎が無事に連絡をしてくれるのを願って。


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53.U-Dとアイツ

戦兎は只々U-Dの行き先を追い続けた。そして、遂に見つけた。

 

「止まったのか?」

 

フェニックスロボで追ってきたので、止まっている彼女の周りをぐるりと回る。特に何もしてこないようだ。

 

「ミカ、アースラに通信をつないでくれ」

 

『了解』

 

通信が繋がり、クロノが顔を見せる。

 

『戦兎、勝手に出てったことは何も言わない。見つけたんだな』

 

「ああ。如何やら再起動しようとしてるみたいだ。送り込むなら今だ」

 

『了解だ。直ぐに行く』

 

通信が終了してから戦兎は一本のボトルを取り出す。

 

「『クラウス』フルボトルか....」

 

アミタはこのボトルを持っていた。つまり、エルトリアにエボルトが訪れたことは間違いないだろう。だが、まだその理由が解らない。

 

「戦兎~~!」

 

如何やらみんなが来たようだ。

 

周辺はアースラに乗った結界魔術師によって結界が張られたが、少し不安を感じる。

 

「!、U-Dが目を覚ましたぞ!」

 

沢山の思念体が現れて皆は戦闘を開始した。

 

そして、U-Dは戦兎の前に来た。

 

「貴方は......仮面ライダー....ビルド....」

 

「俺には桐生戦兎っていう名前があるんだけど....それは野暮か」

 

「何しに来たんですか?私に近づいたら、みんな壊れてしまうのに」

 

戦兎はアイツの残したライダーエボルボトルと壊れたコブラエボルボトルを握りながら言った。

 

「俺達は君を救いに来た。」

 

「救いなんて有りません______」

 

戦兎は彼女の言葉に重ねた。同じ様に破壊することしか出来なかったアイツの事を。

 

「___もっと強い私に変わります。もう、誰も私に触れられない様に。」

 

だから、戦兎は語った。

 

「俺の知り合いにも君のように破壊することしか出来ない子がいたんだ。」

 

エボルトの事を。

 

「君にはまだ、生きていける可能性がある。だから、俺はその未来を切り拓く!」

 

『マックスハザード・オン』

 

ハザードトリガーを起動させてベルトにセットし、フルフルフェニックスロボボトルを折り曲げてセットする。

 

「ビルドアップ」

 

『オーバーフロー』

 

『不死身のディスティニーソルジャー!』『ツインフェニックス』『ヤベーイ!』『マジヤベーイ!』

 

ハンドルを回してハザードへと姿を変えてエニグマで転移してきたアーマーを装着する。

 

「いくぞ!」

 

『フルボトルバスター!』

 

俺はその銃口を向けた。

 

_________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「があああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

U-Dにダメージを与えつつチャンスをうかがったが、彼女の色彩が変化した。

 

「魔力増大_____未知の魔力素を検出!」

 

変化と同時に辺り一面に魔力弾がまき散らされる。

 

「これが、エグザミアの力」

 

それを交わしていると、第二班が到着した。見慣れない顔もいるようだ。

 

『トーマ!ビルドだ!本物のビルドだ!』

 

「あれが英雄.....遠いなぁ......」

 

ユニゾンデバイスが相棒なのだろうか?にしては大きな剣だな。そんなことは置いておいてどうやって彼女を止めるか考える。

 

「私達が闘います!!!」

 

なのはの声を聞き戦兎は下がる。その手に握ったコブラエボルボトルがけたけたと笑っている事に気がつかなかった。

 

 

_________________

 

 

なのはが戦っている間にさっきよりも増えた思念体の相手をする。だが、その中で一際やばい奴がいた。

 

 

「俺を呼び戻すとはな.....よう。戦兎」

 

「エボルト」

 

エボルドライバーを腰に巻き付けてフワフワと浮かぶエボルト。その体は一斗と同じものだ。

 

「俺はもう破壊しないつもりだったんだがな......」

 

何処か以前と違っている様に見えるエボルトに戦兎はフルボトルを投げ渡す。

 

「さっさと手伝え。その為に戻ってきたんだろ?」

 

「はっ、俺は破壊者だぜ?そんな事....」

 

「お前は破壊以外に答えを出した。それを教えてやるために来たんだろう?」

 

「はぁ......調子狂うな。まぁいい戦兎。今回はお前の隣で戦ってやるよ。」

 

戦兎の言葉に返せなくなったエボルトはキャップを正面に合わせてベルトにセットする。

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

ハンドルを回して展開されたライドビルダーは禍々しいオーラを放っている。

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!』『フッハッハッハッハッハ!』

 

「エボル、フェイズ1」

 

俺達は互いにHハンドルを回していく。

 

『『READY GO!』』

 

『ハザード・フィニッシュ!』『ツインフェニックス・フィニッシュ!』

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

俺達が放ったキックはみんなが戦っていた思念体を次々と破壊、消滅させていく。

 

「王様、お願い!!!」

 

「わかっておるわ!もう泣くな.....貴様の絶望など_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我が闇で打ち砕いてくれるわぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ディアーチェが放った一撃は、辺り一面を白く染めた。

 

彼女が無事なのか、U-Dが止まったのかすら確認が出来ない。

 

「やったの?」

 

「まだ何とも......」

 

「王様!U-D!」

 

はやて達が確認に行った。

 

「おっと、早いなぁ」

 

「....時間後れか」

 

エボルトの体は消え始めていた。

 

「.....お前に聞いておきたい事がある。エルトリアに何故この2本を?」

 

「ああ。あの世界の腐食毒はあのままだと俺の代わりに世界を破壊しかねなかったからな。俺が破壊した」

 

「お前って奴は....」

 

戦兎が変わらないと思っているのをわかっているのだろう。エボルトは笑いながら言った。

 

「そのボトルは俺にも使えなかった。だから、滅ぼしたついで置いてったんだよ。やるよ」

 

「..........」

 

あっという間に体は透けてきている。

 

「お前と最後に、一緒に戦えて良かった」

 

「.........チャオ♪」

 

その台詞には一体どんな意味が込められていたのだろうか。それは誰にも解らない。

 

 

 




最後のを描き切ったら、少し設定資料でも

書こうと思います。


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54.別れの時

システムU-D。いや、ユーリは無事に救いだされた。

 

今回の事件『砕け得ぬ闇事件』は幕を閉じた。残るは俺達未来組のそれぞれの時間への帰るだけである。アースラに戻った皆は疲労困憊で動けなくなっていた。

 

「ムフーーーー」

 

「みゃー」

 

「離してよ、アインハルトさん....」

 

「過去の一斗さんを堪能できる最後の機会なんです」

 

一斗は捕まってアインハルトに遊ばれている。アスティオンもその湧きで銀十字と呼ばれたデバイスをかじりっている。

 

「未来組は何だか強いな」

 

ヴィータのその発言には共感する部分が多い。俺達のいた世界よりも未来から来たからか、皆が成長しているのが想像できる。

 

トーマと名乗った男の子は完全にノックアウトされてしまっている。

 

「これは、博士から厳命されていたことなんですが.....」

 

アミタは未来に関わる記憶を封鎖するようにと言った。確かにそれは正解だろう。だが、一部を除いてにしないと思い出してしまうとキリエは付け加えた。

 

その為俺達は帰る前に記憶を封鎖する事が決まった。俺と龍斗を除いて。

 

自分達がエニグマっていう次元世界転移用のアイテムを持っていて、時々過去や未来へと行ってしまう事を話したら、記憶を封鎖する意味がなくなりそうだったので無しになった。

 

俺はやって来たディアーチェ達を見ながらも、フルボトルを取り出した。

 

「やっぱり....か....」

 

既にコブラエボルボトルからは成分が抜けだしており、ただのエンプティボトルになっていた。

 

王様達のは如何やら彼女達の世界へ行くらしい。俺は準備をし始めたアミタとキリエに話しかけた。

 

「これを。返しておくよ」

 

「これは...」

 

「俺には必要ないからね。これからの復興を応援させてもらうってことで受けっとって欲しい」

 

「ありがとうございます!」

 

 

きっとオリヴィエとクラウスの力は、未来に希望を持たせてくれるだろう。

 

そう思いながら、彼らの事を思い出した。

 

_____________

 

ひと時の休憩の後、別れの準備は完了した。

 

記憶の一部封鎖と、時間移動のセッティングを済ませて。

 

俺達未来組はバリアジャケットに身を包み、空高くへと上がっていく。

 

「皆さん、ありがとうございました!」

 

アミタはそう言いながら手を振る。

 

「お邪魔しました~」

 

何時とも変わらないようにキリエは去っていく。

 

 

 

 

 

それは何処か簡単に_________________________

 

 

 

 

 

また、何処かで会える様な雰囲気の中で別れを済ませていく____

 

 

 

 

「またね、はやてちゃん」

 

 

 

 

 

「うん、またね」

 

 

過去の彼女に俺は手を降った。

 

 

 

 

 

 




早々と過ぎていく日常。


その一日一日を大事にしていきたい。



























そして、サヨナラ エボルト


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55.あれからどうなったのか

「んぁ......戻ってきたみたいですね」

 

「ああ、小さい一斗さんの感覚がががg......」

 

彼女達は無事に元の時代に戻ってきた。

 

「何やってんだ?」

 

そこにこの時代の一斗が花束を抱えてやって来る。

 

「一兄、久しぶり!」

 

「おう。さぁいくぞ。ハル、ヴィヴィオ」

 

一斗はその足を先に進めていく。

 

「待って下さい~」

 

その後を彼女達は駆け足で追いかけた。既に龍斗は目的地で待っているという。

 

「よっ。久し振りだね」

 

先輩が順番を譲ってくれたと言いながら一斗はその石に話しかける。

 

ここは聖王教会。英雄、創成王の眠る地である。

 

「会えてよかったよ、パパ」

 

ヴィヴィオが流した涙は、誰も気が付く事はなかった。

 

 

____________

 

「今日は龍斗さんいないんですね」

 

「ああ、今日はあの人の命日だからなぁ.....」

 

 

ふと耳に入った会話から今日見た夢を思い出す。

 

「ビルドと共闘したんだよな....」

 

トーマは横にいたリリィに言葉をこぼす。

 

「あの夢、とってもすごかったよね」

 

彼等は思い出していた。夢であった英雄達のことを。

 

『アイシス、トーマ、リリィ!今すぐに司令室に来い!!!!』

 

ヴィータの声で現実に戻された二人は、先程壊してしまったトレーニングシステムについて怒られた上に、3 on 3によってボロボロになるのだがそれは別の話。

 

 

___________

 

 

彼等は今頃、何をしているだろうか。

 

俺達は元の時代に戻って来てそれぞれの生活に戻った。

 

今日も龍斗と一斗はナカジマジムへ行っているらしい。

 

俺は_______

 

 

「ここが......エルトリア.......」

 

 

依然聞いていた無人世界というものではなく、有人世界となっていた。まぁ、今は静かな世界となっていた。

 

 

「.........やっぱりな」

 

戦兎は依頼されていた遺跡に到着して中に入ると、大きな壁画があった。

 

白い羽を広げた女の子。赤みがかった黒い拍翼を持った女の子。

 

青い髪をしたツインテール。そして、静かに佇む茶髪の女の子。

 

 

そして、仲良く背中合わせで描かれた二人の女の子。

 

 

「よかった......」

 

 

石版の下には日本語でこう彫られていた。

 

『ありがとう、小さく強い魔術師達』

 

 

俺には彼女達と会う手段がある。でも、会いにいこうとは思わなかった。

 

 

彼女達は今何処で何をしているのだろうか。それは誰にも分からない。

 

 

遺跡という名の一軒家から出てきた戦兎の手には、あの日渡したボトルが握られていた。

 

_________

 

 

「父さん、これを渡せば未来は変わるんだろ?」

 

「ああ。だが、それに失敗したら二度とこの時代に戻っては来れなくなる。」

 

一斗は戦兎から2本のフルボトルを渡されてエニグマの前に立つ。

 

「頼んだぞ.....」

 

転移が完了したのと同時に戦兎は気を失った。

 

「あ~あ、この世界だと、アイツが俺から逃げていくんだな」

 

研究室に乗り込んできた異形は思いっ切り破壊を開始した。




1:TRUE ENDルートの未来の一つ。はやては龍斗に教えてもらった戦兎の残した物を集める旅に出ている。Force編は無い。


2:TRUE ENDルートの未来の一つ。龍斗は戦兎の墓参りに行っている。一斗はなのはと模擬戦をしていた。


3:我らが主人公生存ルートの未来。過去のエルトリアが変化したことで、未来が変った。

報告書には、エルトリアを救った6人の石碑が有ったと綴った。


4:A‘s編でグリスが登場した理由。あの世界は、万丈龍斗と旅に送り出した世界と繋がっていたりする。


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マッドな世界
56.誘い


この世界はForce編には行きません。

予定ではVivid Strikeまでは書こうと思っています。




この先、他作品とクロスオーバーする予定です。


あれからインターミドル・チャンピョンシップは無事に再開し、終了した。

 

既にミッドチルダを含めた全管理世界は平和になった。

 

一斗達の学院生活も新学期となり再開され、それぞれが日常に戻った。

 

で、我らが英雄はと言うと......

 

 

 

 

 

 

「学院祭?」

 

「うん」

 

 

息子からの学院祭の招待状を受け取っていた。

 

「この日なら仕事はないし、行けるよ」

 

「よし!」

 

嬉しそうにガッツポーズする一斗を見ながら戦兎は少し考えていた。

 

以前、遺跡調査で手に入れた2本のフルボトルを彼女達に渡すかどうかだ。一体どんな事になるか分からない以上、そう簡単に決められるものではない。

 

どうしようかなぁと戦兎が考える中、一本の連絡が入った。

 

『巧にぃ?今時間ある?』

 

「ああ、あるよ。どうかした?」

 

『そのな......今度一斗の学院でお祭りがあるのは知ってる?』

 

その質問を聞いた後、すぐさま一斗へと視線を向ける。

 

『デートでもしてよ』

 

彼の目はそう語っている。戦兎は要らない事をと思いながらも、はやてに返事をする。

 

「一斗についさっき招待状をもらってね。はやてちゃんが良ければ一緒に行かないかい?」

 

『勿論行くで!!!』

 

仮想スクリーン一杯に顔が映る。一体どんな状態で連絡してきたのだろう

 

「仕事はいいのかい?」

 

『....シグナム、よろしく』

 

『!待って下さい主!流石にもうこれ以上はむr』

 

そこで通信は途切れた。

 

「.......クロノに監視を付けさせるように頼もうかな....」

 

流石の英雄も自身の彼女のサボり癖には困り果てていた。

 

 

___________

 

 

 

 

___________

 

 

「ああ我が主、エボルト様よ。何故仮面ライダーと呼ばれた者達に負けてしまったのです.....」

 

男は一つのボトルを崇めながら言う。それはコブラフルボトルだった。

 

「貴方が出来なかった事を、必ずや、私めが......」

 

そしてその手にはトランスチームガンが握られている。

 

「成し遂げて見せましょう!!!!!!!!」

 

『ミストマッチ!』

 

そう言ってトリガーを引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バット...バッ、バット....ファイヤー!』

 

 

 

「今度こそこの腐った世界を完全に破壊し、新たな世界を創造して頂くために!!!!」

 

 

 

男の手にはフルボトルとパネルがあった。セットされたコブラフルボトルはその色を変えた。

 

 

「貴方の忠実な僕、ナイトローグとして!!!!!!!」

 

 

これは始まりに過ぎない。

 

 

これは異星人の破壊者に狂わされた男と異星人の遺伝子を持った男の子の物語である。

 





さぁ、新章の始まりだ!!!!!!


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57.学院祭

「はやてちゃん、迎えに来たよ」

 

「おはよう、巧にぃ」

 

今日は学院祭当日。戦兎はヘルメット片手にはやてが家から出てくるのを待っていた。

 

「おはよう。ほら」

 

「よっと」

 

戦兎の後ろにヘルメットを被ったはやてが座る。

 

「いくよ」

 

「♪~~~」

 

はやての鼻歌を聞きながら戦兎はバイクを運転した。

 

 

___________

 

 

「さて、一斗のクラスは何をしているのかな?」

 

「楽しみやな~」

 

俺の右腕ははやてちゃんがくっついている。少し周りの目が気になるが.....

 

 

「巧にぃ、ここ。1年B組の出し物」

 

辺りを見渡しながら、会話をしていた俺達は体育館にでた。

 

「スポーツバー?」

 

「はい、ようこs....皆大変!!!ビルドが、本物が来ちゃった!!!!!!!」

 

「あらら...」

 

俺は看板を読み上げただけなんだが....

 

受付と思われる少女は慌ててクラスメイト達に駆け寄っている。気が付いたみんなも静かに慌て始めている。

 

「あ、父さん」

 

「よう、一斗」

 

 

荷物を運んできた一斗に会った瞬間、体育館はざわつく。

 

本当だったんだ.....

 

って台詞が多く聞こえる。この学校の先生方は一斗の事をちゃんと理解してくれている為、ライダーだって事は以前の総当たり戦を知らないと知りえないことになっている。

 

「こんにちは、一斗さんのお父さん、八神司令」

 

「こんにちは、アインハルト」

 

一斗が荷物を置きに行くと行ってこの場を離れると入れ替わるようにアインハルトがリングから降りてきて挨拶をする。

 

「魔法少女みたいな恰好やな♪」

 

「これは皆さんに着せられて....」

 

 

彼女は何処か気恥ずかしそうに答える。すると、腕がつねられた。目線を逸らすとはやてちゃんに強制的に目を合わせられた。

 

「ここで....しちゃう?」

 

「な、何を言ってるんだ!?」

 

「?」

 

アインハルトはその言葉の意味を理解してないようだ。流石に彼女を止めなければならないので頭をつかんでいた両手を話してもらい、話題を変える。

 

「アインハルト、アームレスリングって何をするんだい?」

 

「あ、それは....」

 

俺はアインハルトにルールの確認をする。はやてちゃんはその顔を膨らませたが直ぐに元に戻っていた。

 

 

 

__________

 

「勝ちました」

 

「おめでとう、アインハルトさん」

 

俺はアインハルトに負けた。俺の力は絶対じゃない。悪いけどこれで理解してくれただろう。俺も一人の人間だと。ライダーシステムが無いとただの魔術師でしかないと。

 

「お疲れ様ー」

 

ドリンクを注文して待っていた。はやてちゃんからそれを受け取る。軽く飲むつもりだったんだが、殆ど飲んでしまった。

 

「ありゃ、父さん負けちゃったか」

 

「ん、仕方がないだろう。俺の力はライダーシステムあってのものだからな」

 

 

それは俺もそうだけど...と何か言いたげな一斗に俺は続きを話す。

 

「お前は龍斗としっかり特訓したから今の力があるんだ。俺も格闘技はできるけど、最低限だからな。流石にインターミドル出場者と戦うと...まぁ、簡単には勝たせないけど」

 

そう言って一斗の髪を少し雑に撫でまわす。

 

「敵わないなぁ父さんには」

 

一斗はそう言って少し嬉しそうに微笑む。

 

「さて、そろそろヴィヴィオのところにも行かなきゃな」

 

「またな~、ハル、一斗~」

 

俺とはやてちゃんはその場を後にした。集まっていた人達は無言でバラバラに散っていく。はやてちゃん、アインハルトの事その愛称に決めたんだ。

 

 

「やっぱり一斗君のお父さんって_______」

 

ある生徒が言った言葉に一斗は笑顔で返した。

 

「うん、自慢の父さんだよ」

 

「.........」

 

アインハルトはその様子を見ながら少し違和感を感じていた。

 

 

 

______________

 

 

 

「ほら、こっちや」

 

はやてちゃんが校内を案内してくれる。あっという間にヴィヴィオのクラスである4年A組に到着した。

 

『ようこそ、いらっしゃいませ』

 

「飛んでるなぁ」

 

「これぞファンタジー」

 

フワフワと飛び回る大量のウサギのぬいぐるみに出迎えられた。これは操作魔法かな....コロナちゃんが関わっているだろうと考える。

 

「いらっしゃいませ~。あ、戦兎パパにはやてさん!」

 

「よう、遊びに来たよ」

 

「お邪魔するな~」

 

何時ものトリオに席へと案内される。すると、意外な人たちがいた。

 

「お、来たか」

 

「久し振り、戦兎さん」

 

「あれ....はやて?」

 

「二人とも久し振り~」

 

龍斗とフェイト、ユーノになのはがいた。

 

「.....てへ」

 

俺ははやてちゃんを見ると可愛い仕草をしてトコトコと逃げていく。俺はそれを見ながらその後についていく。

 

 

彼女が楽しいならそれでいいかな。

 

 

__________

 

 

「どうかしたの、ティーダ」

 

『ああ、戦兎さん達に伝えて欲しい』

 

 

勉強の休憩中に電話が掛かってきた翼はティーダと話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『無限書庫に保管されていた僕の使っていたトランスチームガンとボトル、パンドラパネルが一枚、何者かに盗まれた』

 

 

 

この窃盗は何も壊されておらず、内部の者の仕業だとティーダは続けて語った。

 

 

 

 

 

これが、事件の始まりだとは気が付かずに。





評価、感想お待ちしています。

それではまた!


________


戦兎達は学院祭を楽しむ。


だがその裏で物語が再び動き出した。




次回、『ナイトローグ』


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58.ナイトローグ

 

俺達は一つのテーブルに集まっている。周りの目も気になるがこの際仕方が無い。

 

既に注文を済ませて俺達は顔を合わせる。

 

「なんで俺達ここで一つのテーブルを囲んでいるの?」

 

俺の口からでた疑問は誰にも答えられなかった。

 

「.....この際だ。誰が主犯でも構わない。だから俺はここに宣言する」

 

ええい、やけだ!

 

「トリプルデートをしよう!!!」

 

「「「「「!!!!」」」」」

 

全員が息を吞む。

 

「今日は学院祭。学生が楽しむ場所という事は理解しているつもりだ。だが......俺も楽しみたい!!!」

 

「「「「「「「「うおおおおお!!!!!」」」」」」」

 

気が付いたら周りには複数のカップルが。彼氏組は意見が一致している。

 

「俺や龍斗、ユーノはこういう場でのデートに憧れていた!!だからやってみたい!!!」

 

俺の主張を聞いたはやてちゃん達は席から立ち上がり言う。

 

 

「「「やろう、みんなで!」」」

 

ここにデートが決まった。

 

「......ナニコレ?」

 

注文した品を持って来たリオはその光景に啞然とした。

 

 

____________

 

 

 

で、ユーノ達はヴィヴィオのクラスに置いて行き俺達はそれぞれが学院祭を満喫した。

 

 

何をしたかって?.......あの提案をしたところから思い出したくないんだ。

 

帰り道、学院祭の後片付けで一斗は遅れて帰ってくると言うので先にはやてちゃんと一緒に帰宅して夕飯を作っていた。

 

 

だが、そんなこんなで続いた日常は再び終わることとなる。

 

 

 

『マスター、ティーダ様から緊急連絡です』

 

「出て」

 

 

ミカから緊急連絡があったことが伝えられた。

 

『戦兎さん、落ち着いて聞いて下さい。』

 

通信を繋ぐと病院と思われる施設が少し映る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『一斗が何者かに襲われました』

 

 

俺はすぐさま転移した。

 

 

___________

 

 

 

今日はいい日だった。

 

一斗はそう思いながら一人住宅街を歩く。

 

そういえば、今日のアインハルトさん。途中から少しおかしかったな。

 

アインハルトの様子が可笑しかった事に気が付いていたものの彼自身はその真意に気が付いてはいない。

 

 

「ん?」

 

この時間帯には人通りの少ないこの道に何処か違和感を感じる。まるで誰かが自分を見ているような....

 

 

『スチームアタック!』『バット』

 

「わぁ!!!」

 

いきなり放たれたエネルギー弾を何とかよける。ベルトを装着してゼリーをセットして、少しずつ飛んできた方向へと足を進めた。

 

「何者だ?俺に何の用だ!?」

 

 

すぐさま違和感を感じた。

 

 

「.....桐生一斗。あの方と同じ遺伝子を持つ者......貴様のフルボトルをいただくぞ!!!」

 

「なっ!?」

 

 

そこに現れたのはティーダさんとは声が違っているものの、ナイトローグだった。

 

 

 

「っ、変身!」

 

レンチを押し下げ走り出す。

 

『ロボット in グリス』『ブラァ!!!』

 

「はああああ!!!」

 

俺は変身と同時にツインブレイカーを装備する。ビームモードで射撃をするが、暗闇に消えていってしまう。

 

 

「がっ!!」

 

いきなり飛んできたナイトローグに体当たりをくらいフクロウフルボトルを落としてしまう。

 

「まずは一本」

 

「渡さねぇ...!」

 

フォレスを構えて両手で連射する。ナイトローグは一旦空中へと消えた。

 

どうする?暗闇で相手をするのに最適なのはロックだが、ベルトの付け替えに時間をくれそうにない。

 

「仕方が無い」

 

『チャージボトル』

 

ベルトにフクロウフルボトルをセットしてレンチを押し倒す。

 

『潰れな~い』『チャージクラッシュ!』

 

「近所迷惑になるけど仕方がねぇ!!」

 

両肩に大きなスピーカーが形成される。そこから衝撃波を飛ばした。

 

「ぐおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

 

飛んでいたナイトローグを落下させることには成功したが、周りの家から人が出てくる。余り時間をかけられない。

 

俺は直ぐに走り出しレンチを押し下げようとするが、一足遅かった。

 

「動くな。」

 

「ん~~~~!!!!!」

 

 

出て来た人達の中にいた小さな女の子がナイトローグに捕まり、その銃口を向けられている。人達が大きな声を上げるがナイトローグが発砲することで黙らせる。

 

「その子を離せ!!!」

 

「取り引きだ。フクロウとキャッスル。その2本のフルボトルをよこせ」

 

俺はそれに従いフルボトルを俺とナイトローグの中間に投げる。

 

「そうだ、それでいい。」

 

 

ナイトローグはその子を離した。だが、

 

『デビルスチーム』

 

「ふん」

 

「きゃあああああああああ!!!!!!!!!!」

 

「!」

 

ナイトローグはスチームブレードでその子をスマッシュへと変えた。

 

「まだ目的は達してはいないが.....今日はこれでいい」

 

「待て!」

 

ナイトローグはツインブレイカーの攻撃をかわしながらフルボトルを拾い、煙の中に消えていった。

 

残されたのは住民と俺、そしてスマッシュだった。

 

「仕方が無い....少し痛いかも知れないが、我慢してくれ!!!」

 

俺はレンチを押し下げて必殺技を放つ。スマッシュは軽い爆発を起こしその場に倒れている。すぐさまエンプティボトルを起動させて成分を抜き取った。

 

「大丈夫か!!!」

 

俺は変身を解除して少女に近寄った。

 

「お兄ちゃん.....」

 

だが、それは罠だった。

 

『スチームショット!』『バット』

 

「がっ!?」

 

僕は撃たれた。体から力が入らなくてなって、少女の上に倒れた。

 

 

「これにて目的は達成した」

 

ナイトローグは僕が落としたエンプティボトルを拾い上げて僕の首筋を掴んだ。

 

「があああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

何かが痛みと共に抜けていく。僕はそこで気を失った。

 

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!!!」

 

その場には泣き叫ぶ少女と傷ついた少年、そして恐怖で動けない住民達が残された。

 

 

 





一斗はここで脱落。

物語の為とはいえ、かなりキツイシーンが多かったかも知れません。


評価、感想お待ちしています。


それではまた!


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59.犯人の目的とは

前回の一斗が撃たれたシーン。

実は流血することになっていたのですが、少女にトラウマを持たせる事にはしませんでした。

まぁ、別の意味でトラウマを抱えたかも知れませんが。



それでは本編をどうぞ!


俺は病院に転移し、ティーダと会った。

 

「一斗の容態は!?」

 

「特に異常はないそうですが、意識がまだ戻ってないそうです。」

 

取りあえずは無事なようだ。俺達は一斗の病室に入った。

 

特に何かをされた訳でもなさそうなので少しは安心出来そうだ。

 

 

「ただ....持ち物からフルボトルが消えていたんです」

 

「!」

 

ティーダは続けて無限書庫であった事件の事を教えてくれた。

 

「何者が盗んでいったんだ?」

 

「それはまだ調査中です。今のところは、この人が一番怪しいと思われます」

 

「この男は.....」

 

ティーダは仮想スクリーンを展開し、一人の男の写真が映し出される。

 

「グレンディア・マクラウド。今日無限書庫にて仕事をしていたはずなのに現場から消えた人物です」

 

トランスチームシステムとパネルを盗んだのが奴だとするなら、何が目的なんだろうか

 

「彼は以前、司書の皆さんにこう言っていたそうです。『私の神は落ちてしまいました。ですが、私は諦めなませんよ』と」

 

「それは.....」

 

時期的に予測出来るのは.....アイツとの戦いの後か....

 

「グレンディアは神と言っていたんだよな。俺の簡単な予想なんだが、目的はアイツのエボルトの復活だと思う」

 

「それは.....可能なのですか?」

 

「いや.....もうできないはずだ.....」

 

過去に行った際、コブラエボルボトルの成分は消滅した。きっとアイツはもう復活することはない。

 

「そのフルボトルは、エボルトの....」

 

俺が取り出していたボトルを見てティーダはそう言った。

 

「アイツはもう消えたんだ.....なら、他の目的があるはず.....」

 

アイツがやろうとしたこと、それをやろうとしているならば.....

 

「まさか.....パンドラボックスの完成か?」

 

「!....ですが、それにはパネルが一枚足りないはず」

 

一枚は俺のジーニアスフルボトルになっている。だが、誰も作れないなんてことはないはずだ。

 

「一枚を複製してフルボトルを新たに作り上げたら、ボックスが完成しないとは言い切れない。」

 

そんな事になれば、また世界が破壊されかねない。

 

「ティーダはこのまま仕事を続けてくれ。俺はキャンセルさせてもらって、今ことについて調べてみる。」

 

「わかりました。このことは、管理局には....」

 

「事件の事だけ伝えてくれ。一斗が襲われた事件は隠せない。俺は、一旦戻るよ」

 

俺とティーダは一旦別れた。それぞれやることがあるから。

 

「ミカ、はやてちゃんに伝えて。少し遅れて帰るって」

 

『....了解』

 

俺は現場へと走った。

 

____________

 

 

「ん...あれ....ここは....」

 

「一斗君!良かった、目が覚めたんだね」

 

「ティーダさん?」

 

あれ?僕は何をして....そうだ!

 

「ティーダさん、ナイトローグは!?」

 

「ナイトローグ!?そうか.....」

 

ティーダさんは教えてくれた。今日あったことを。

 

「それじゃあ、父さんは....」

 

「手がかりを探している。君はこのまま退院してまた明日から学院にかようといい。」

 

「はい....そういえば、あの女の子は?」

 

「ああ、君が助けた少女だね。彼女は今身体調査中だ。子供でもスマッシュにされたからね。」

 

如何やら彼女は無事なようだ。良かった。

 

「取り敢えず家までは送ろう。動けるかい?」

 

「はい。」

 

何処か体の違和感を感じた。

 




一斗は物語から退場はしません。

ええ、退場はいません。


戦兎は現場へ向かい、一斗は学院生活に戻ります。


評価、感想お待ちしています。

それではまた!


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60.少年の決意

戦兎は襲撃があった現場に来ていた。

 

「何もないのか.....」

 

既に管理局の魔術師達が現場を開放していた。もう調べが付いてしまったのだろう。

 

「ん?」

 

あそこで話を聞いているのって、ティアナか?

 

「ご協力有難うございました」

 

住人との話が終わったみたいだから話しかける。

 

「ティアナ」

 

「あ、戦兎さん」

 

如何やら兄であるティーダからこの事件について話を聞いていたみたいだ。お陰である情報を手に入れた。

 

「最後に首を捕まれたか....」

 

「何か気になることがありますか?」

 

「ああ、奪われたのはボトルだけだったんだが....」

 

戦兎が気にしているのは、エボルトと一斗の関係である。一斗の中にはエボルトと同じ遺伝子がある。それを狙っているとしたら....でも、その後どうするんだ?

 

「こちらでも調べてみます。それじゃあ、これで」

 

「ああ、仕事の邪魔しちゃったな。ありがとう」

 

ティアナは仕事へと戻っていった。一斗の体には問題はないらしいが_____

 

____________

 

 

「遅い」

 

「ごめんなさい」

 

家に帰って来た戦兎だったが、今正座をさせられていた。何も言わずに出ていった上に、特に話をすることなく遅くなるなんて連絡をしたからこうなっているのだ。

 

「ごめん、一斗が襲われたから行ってきたんだけど....」

 

「それはもうティーダから教えてもらってる。そこやないんや」

 

はやては正座をしている戦兎に向かって飛びつく。

 

「うわっ!危ないよ、はやてちゃん」

 

「.....また、事件やな」

 

「....これが、最後になるはずだから。」

 

その言葉を待っていた様にはやては戦兎を押し倒す。

 

「それが終わったら結婚してな」

 

「......了解」

 

それは彼女なりの心配だったのだろうと戦兎は解釈した。それに少しずれがある事に気が付かずに。

 

 

「......ハナサナイ_____」

 

________

 

 

 

「ティーダさん、僕は...」

 

「君は彼女を救ったんだ」

 

今一斗は助けた少女に会っていた。

 

「良かった....お兄ちゃん....」

 

泣きながら微笑んでくる彼女を見た一斗はそこに何処か変った感情を感じた。

 

「そっか......これがそうなのかな」

 

自分は何の為に戦うのか。それが彼の中で決まった。

 

「ティーダさん」

 

「なんだい?」

 

「いいものですね、誰かを守れるって」

 

「.....そうだね」

 

 

かつて守れなかった妹を守る。その後悔を乗り越えられたんだと。

 

「僕は、みんなを守れるヒーローに.....」

 

彼の決意は彼自身の成長を物語っていた。



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61.ロストボトル

一斗は無事に家に帰ってきて、何事もなかったのように学院生活へと戻っていった。

 

戦兎は自身の仕事であるデバイスのメンテナンスをする為に無限書庫を訪れていた。

 

「あ、戦兎さん」

 

「お疲れ様、ユーノ。今回はこれだけか?」

 

定期的に無限書庫で使われるデバイスをメンテに来ているのだが、今回は普段より少なかった。

 

「昨日の事件のせいで、幾つかデバイスがダメになってしまったんです」

 

相手はデバイスを破壊したようだ。だからこんなに少なかったのかと戦兎は納得した。

 

「この際だから、警備を強化しようと思うんですよね」

 

「それはいいと思うぞ」

 

なんだかんだ言ってこの書庫、年中無休で局員不足なのだ。警備を強化することで安心出来る仕事場を提供しなきゃならないユーノなりの考えなのだろう。

 

「ボトルを集めている?それって...」

 

「ああ、犯人はまたやろうとしてるんだ。」

 

ユーノに昨日ティーダと話した事について話す。

 

「ですが、ボトルを作ることはそう簡単にできるんですか?」

 

「いや、出来ない。でも、特例がある」

 

「特例ですか?」

 

そう、葛城さんがアイテムを完成させる為に実験しているときに生まれたベストマッチが存在しないボトル。それがロストボトル。

 

「あれは、今全部で5本あったはずだ。もし、全部集めれば....」

 

「パンドラボックスを開けられるんですね」

 

 

単なる仮説に過ぎない。こっちの世界にあるのは2本だけだ。フクロウとキャッスルは奪われたけど、地球にはスタッグがあるし、残されたのはハンマーとゼブラだったはず。

 

「こっちで葛城さんに連絡を取ってみる。今はお互いに仕事に集中しよう」

 

「そうですね」

 

戦兎はユーノと別れてそれぞれの仕事へと向かっていった。

 

 

____________

 

 

「残り、3本.....もう少しです......」

 

ナイトローグは集めたボトルをパネルへとはめ込んでいく。

 

「最後は、彼らを襲うだけ....」

 

その壁には、もうしばらくすると行われる戦技披露会の張り紙が赤色で塗り潰されていた。

 

 

「ああ後、貴方の力を手に入れなければ....」

 

そしてナイトローグは戦兎の家に向かった。狙いは、エボルトの残したエボルドライバーである。

 

 

「私が....あなたの代わりに........」

 

 

彼は既に同僚達が知っていた彼とは違っていた。エボルトの圧倒的な破壊に憧れた狂人者はその足を進めた。もう一度、ミッドチルダを、この腐った世界を破壊する為に。

 

 

 

「待っていてください......私が神の力を手に入れて貴方達の復習を終わらせます」

 

机に置かれた写真。そこには親子のものだと思われる写真があった。

 

 



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62.襲撃

ナイトローグは簡単に忍び込む事に成功した。

 

「ここに、あのベルトが....」

 

「お父さん、帰って来たんですか?」

 

ナイトローグはその声を聞いた瞬間に天井に飛び上がり壁にくっついた。

 

「あれ?誰もいない.....ムグッ!?」

 

すぐさま降りてきて部屋に入ってきた女の口を塞ぐ。

 

「ベルトはどこだ?」

 

「.......」

 

無言を通した翼。ネビュラを呼び出そうと試行錯誤する中で、ギアエンジンを落としてしまう。

 

「......まぁいい。」

 

ナイトローグはトランスチームガンを部屋にある金庫へと向け放つ。

 

壊れた金庫からは、残されたエボルドライバーが顔を覗かせた。

 

「このギアもついでに貰っていく」

 

ナイトローグは翼の首に手刀を叩き込む。急な打撃は翼の意識を失わせてきた。

 

「ま.....て.....」

 

翼は気絶した。ナイトローグは窓を開き、次の目標へ向けて動き出す為に羽を広げる。

 

「次は、学院だ」

__________

 

 

今日も変わらず日常が繰り返されるはずだった。

 

「皆さん!逃げてください!」

 

生徒達は逃げ回った。学院の校舎は次々にエネルギー弾を防いではいるものの、中にいる自分達に危険がないわけではないからだ。

 

一斗はベルトを装着して走った。今ここで戦えるのは自分だけだから。辿り着いたグラウンドにはナイトローグがおり、未だに攻撃を続けていた。

 

「ナイトローグ!!!」

 

「またお前か。まぁいい。聖王と覇王はどこだ。」

 

構えられたトランスチームガンは黒く光り、何時でもその銃弾を発射出来るように待機している。

 

「好きにはさせない!変身!」

 

レンチを押し下げてゼリーを潰す。だが、ファクトリーが展開されることはなかった。

 

「なんで?どうして!?」

 

何度も何度もレンチを押し下げる。だが、展開されることはなかった。

 

「お前の持っていたあの方の遺伝子を私が抜き取った。お前はもう変身出来ない。」

 

ナイトローグはそう言って一本のボトルを見せつける。それは赤く染まっていた。

 

「飽くまでここで白を切るのなら、お前にはここで消えてもらう。」

 

『スチームアタック!』『バット』

 

放たれた一撃は一斗へと飛んでいく。

 

「一斗さん!!!」

 

それをアインハルトは吹き飛ばした。

 

「くっ...大丈夫ですか!?」

 

「う、うん」

 

動揺しながらも一斗はそう返す。

 

「来たか、覇王。貴様の力、いただくぞ」

 

「やらせません、一斗さんも、クラウスも!」

 

アインハルトの拳はナイトローグに放たれた。

 

「確かに威力はあるが、当たらなければどうということはない」

 

だが、放った拳は交わされ続けた。

 

「覇王断空拳!」

 

それすらも、交わされた。

 

「くらえ」

 

『エレキスチーム』

 

スチームブレードのノズルを回してエレキスチームを発動させる。それをまとったブレードが当たらないように何とかアインハルトは交わし続ける。

 

「はぁ!!!」

 

「っく!」

 

そこにヴィヴィオが乱入する。

 

「一斗さん、こっちに!」

 

一斗はコロナとリオに連れられて校舎へと戻った。

 

「大丈夫ですか?」

 

「う、うん.....」

 

大丈夫な訳がない。急に変身できなくなったのだから。その事実を一斗は受け入れるしかなかった。





一斗はビルド本編の万丈の様に変身できなくなって貰いました。


評価、感想お待ちしています。

それではまた!


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63.戦えなくても

「..........」

 

 

一斗は見守ることしか出来なかった。ゼリーを握る手は力強く握られている。

 

「はぁ!!!」

 

「くっ!」

 

『アイススチーム』

 

ナイトローグは二人の連携で追い込まれていく。が、アイススチームをまとった剣はヴィヴィオをかすった。

 

「あ、あれ?」

 

「はっ!!!」

 

ヴィヴィオが急に止められて自由に動けなくなる。ナイトローグに蹴られて、校舎まで飛ばされた。

 

「「「ヴィヴィオ!」」」

 

僕たちは駆け寄ったがヴィヴィオは大人モードがとけて気絶している。

 

「....フォレス、キャノンモード」

 

『♪~~~~』

 

一斗は右手にキャノンモードを構える。

 

「コロナ、リオ。ヴィヴィオの事、頼んだ。」

 

「「は、はい!」」

 

一斗は返事を聞いてから、ナイトローグへと銃口を向けた。

 

「僕は、あんたを絶対許さない!!!」

 

アインハルトも吹き飛ばされて相手の居なくなったナイトローグに一斗は言い放ち走り出す。

 

「ライダーシステムも使えないお前に、何ができる!!」

 

ナイトローグの攻撃を何とか交わしながらも一斗は間合いを詰めていく。

 

『フルボトルブレイク!』

 

「当たれ!」

 

至近距離で放たれた砲撃は一斗の体を浮かせて安定はしていなかった。だが、ナイトローグを怯ませるには十分な威力がでた。

 

「そしてこれが、僕の全力全開!!!!」

 

『READY GO!』

 

ツインブレイカーを呼び出してキャノンモードをセットする。怯んだナイトローグに狙いを定めた。

 

『レッツフィニッシュ!』『フルボトルブレイク!』

 

「はあああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

一斗の体は先程よりも強い威力で吹き飛ばされていく。だが4つの砲門から放たれた集束砲はナイトローグに直撃した。

 

「ぐあっ!!!」

 

結界の張られた校舎にヴィヴィオと同じ様に直撃した。そのまま崩れ落ちてしまう。

 

「一斗さん!」

 

それをアインハルトが受け止める。既に体は互いにボロボロである。

 

「おのれ.......」

 

ナイトローグは元の姿であるグレンディアへと元に戻る。

 

「桐生一斗、貴方は一番最初に破壊します!!!!」

 

そう言って煙の中に消えていった。

 

管理局の魔術師が到着した時には、全てが終わっていた。

 

 

_____________

 

 

戦兎はグレンディアが犯人である証拠を掴む為に調べていた。

 

「そうか....グレンディアが何故、エボルトにすがったのか.....」

 

予想でしかなかった事は確信に変わった。グレンディアは世界を破壊するつもりだ。

 

戦兎がメンテナンスを終わらせたデバイス達は一部が黒く光っていた。





ライダーシステムがなくても大切な人達を守るために

一斗は戦う!!!


そして、戦兎が知ったグレンディアが事件を起こした理由とは?


次回、『何故彼は悪魔に魂を売ったのか』


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64.何故彼は悪魔に魂を売ったのか

グレンディアの過去、それは彼をここまで狂わせるには十分なものだった。

 

4年前、S.S事件が終わり、ミッドチルダの復興が進む中で彼はいつも通りに生きていた。

 

そんなある日、彼は緊急連絡を受け取ることになる。息子が産まれたのだ。

 

彼は大変喜んだそうだ。これは戦兎が彼の同僚に当時の様子を伺っている。

 

だが、それは彼の、終わりの始まりだったのだ。

 

 

 

魔術師である両親から産まれた息子。その息子は、リンカーコアを持っていなかったのだ。

 

その為、互いの両親から育児放棄を勧められた。この時点では、彼等は互いの家との縁を切ることで解決している。

 

そんな息子が3歳の頃、なくなったのだ。信頼して入れたはずの保育施設は、魔法を使用できる子ばかりを優遇し、何時しか殆ど話さなくなった息子は、自ら命を絶ったのだ。

包丁で胸を刺して。

 

彼等はその施設に訴えた。だが、それも手を引いていた管理局の上層部が隠蔽したのだ。

 

その為、彼等はただ息子を失う事になった。その内、最愛の妻はうつ病になり入院と退院を繰り返し、エボルト事件が起こる前に行方不明となった。

 

彼は彼が愛したものを次々に破壊した管理局を、世界を憎んだ。

 

魔法が使えれば起こらなかった事件を。

 

魔法が使えなければ、何も出来ないこの世界を。

 

 

 

そんな時に、エボルトが現れたのだ。全てを破壊しようとするアイツに彼は可能性を見出したのだろう。

 

 

魔法が使えなくても、誰もが幸せになれる世界を。

 

 

そしてアイツがいなくなっても、自らの力で世界を変えると。

 

 

 

これは彼なりの正義なのだろう。戦兎は頭を抱えた。彼のやろうとしている事は、間違いじゃない。でも、それで犠牲になる人達はどうなるのだと。

 

「この世界が産んだ......悲しき破壊者か......」

 

 

戦兎の元に連絡がくる。ナイトローグが学院に現れたと。戦兎はオリヴィエとクラウスのボトルを持って、作業部屋を出ていった。

 

_____________

 

 

「ティーダ。これ、どう思う?」

 

龍斗は自身の休暇を使ってティーダとグレンディアの家に来ていた。

 

「あの場で、事件を起こす気でしょうか?」

 

彼等は赤く塗られた管理局のポスターと戦技披露会の知らせを見つめていた。

 

付けられたままのテレビでは、繰り返しエボルトが映し出されている。

 

『俺はエボルト、全ての次元世界を破壊する者だ!!!!!』

 

 

ライダーを全て倒した映像と共にエボルトは高らかに笑う声が部屋の中を響いていく。

 

龍斗はそのテレビの電源を落とした。これ以上、見てられないからだ。

 

暫くして、戦兎からグレンディアの動機を予想したメールが送られてきた。その理由も部屋に来たティーダと龍斗は納得できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

机の上に置かれた家族写真の入った写真立ては、音を立てずに割れた。





明かされたグレンディアの過去。


貴方は彼と同じ体験をして、狂わずにいられますか?


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65.英雄は散る

「戦兎さん!」

 

「待たせた、一斗とヴィヴィオは!?」

 

戦兎は転移することで学院にやって来る。如何やら二人共目立った外傷はないらしく、保健室で眠かせているらしい。

 

「そうか......先生、遅くなって申し訳ございません。」

 

「いえ....私達は何もできませんでしたから.....」

 

一斗の担任である彼女とはかなり長い付き合いだ。

 

「それでも謝らせてください。自分が遅れていなければ、ここまで被害は出なかったはずですから」

 

戦兎は視線を校舎へと向ける。そこには結界を越えて壊された校舎が有った。

 

「取り敢えず修復します。先生はこのまま生徒に被害がなかったかの確認を」

 

「はい!」

 

先生とコロナ達が校舎の中に戻っていたのを見送った戦兎は大きな魔法陣を展開する。

 

「ミカ、あそこをさっさと直s

 

戦兎がそう言い終わることはなかった。

 

あれ.....何で俺は倒れているんだっけ.....?

 

ドサッとグラウンドに倒れ込む。ミカが直ぐ人型になる。

 

「マスター!しっかりしてください!!!」

 

だが、飛んできた銃弾で撃たれ動けなくなる。

 

「......とんだ収穫でした。貴方が出てきてくれるなんて。」

 

結界の端から、グランディアが顔を出す。

 

「グランディア......!」

 

「デバイスですか.....まぁいい。あなたでもエレキスチームが通用することが解りました。そして、英雄。貴方のもつボトル。頂きます。」

 

戦兎はその腹から血を流している。その衝撃で落ちた二つのボトルをグランディアは拾い上げた。

 

「これは......後1つ......」

 

その光景をミカは見ていることしかできなかった。

 

「感謝しますよ、英雄。あなたのおかげで私の彼岸は叶う」

 

そう言って今度こそ煙の中に消えていく。

 

「先生!しっかりしてください!先生!せんせぇ!!」

 

ミカは叫び続けた。

 

「何が....一斗さん!?」

 

様子を見に来たリオによって戦兎は病院へと運ばれた。

 

 

_____________

 

 

 

「ああ、残り一つ。それがそろえば、私の....」

 

 

グランディアは自身の眼鏡をかけ直す。ロストボトルはパネルにはめ込まれ色が変わっていく。

 

「これで私があの方の力を手に入れる!!!!」

 

『エボルドライバー!』

 

グランディアはエボルドライバーを装着してパネルから取り外した2本のフルボトルをセットする。

 

『オリヴィエ』『クラウス』『ベルカマッチ!』

 

ハンドルを回していくと全身の血管が浮き上っていく。

 

「まだ....このくらい、なら!」

 

ボトルの成分は抜けていきエンプティボトルへと姿を変える。

 

「あとは....これを....」

 

そして、一斗に突き刺したボトルを自らの腕に刺す。

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

全身の血管は次々に元に戻っていく。叫んだグランディアは微笑んだ。

 

「遂に、遂に手に入れたぞ!!!あの方の、エボルトの力を!!!」

 

それはただの再現でしかない。だが、既に英雄は動けない。

 

「今こそ、世界を破壊するとき!!!!!!!!!」

 

 




戦兎は倒れた。ミカすらもう動くことができない。


グランディアはパンドラボックスを手にする為に無限書庫へ向かう。


そこには龍斗とティーダが。


次回、『マッドな世界』


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66.マッドな世界 前編

龍斗は移動する車の中で、一本のボトルを見つめていた。

 

「それは、エボルトの....」

 

「ああ、戦兎が俺にくれたんだよ」

 

少し前に戦兎は龍斗と翼にそれぞれのエボルボトルを渡したのだ。これが何かの役に立つかもしれないからと。

 

「そうですか.....!?」

 

見え始めた無限書庫から煙が上がっている。

 

「龍斗さん、僕より先に行ってください!」

 

「おう!」

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

龍斗はマグマへと姿を変えすぐさま加速していく。その後を車でティーダは追いかけた。

 

 

__________

 

 

「やはり貴方でしたか、グランディアさん」

 

ユーノは戦兎がメンテナンスを終わらせたデバイスを構える。

 

「ユーノ司書長、私の目的はパンドラボックスです。そのありかさえ教えていただければ攻撃はしません。みんなも元仕事仲間ですから、手は出したくないんですよね」

 

そう言いながらもトランスチームガンを構える。スチームブレードはアイススチームを纏っており、既に警備員を凍らせてしまっている。

 

「残念ながら今の貴方の言葉は信じられません。それに僕は、パンドラボックスのありかは知りません!」

 

『バインド』

 

ミッド式とビルド式の魔法陣を展開し、同時にバインドを放つ。それは彼の動きを止めることに成功した。

 

「貴方はまだ若い。これからがあるというのに......」

 

虹色のオーラで全身を纏い出したグランディア。ユーノはそれを見た事があった。

 

「聖王の、鎧!?」

 

「はぁ!!!」

 

それはバインドを破壊しその余波でユーノは飛ばされていく。

 

「っと、大丈夫か師匠」

 

「龍斗!」

 

が、飛ばされた先にいたクローズに受け止められる。

 

「おや、龍王ですか....力を試すには丁度いい。」

 

『エボルドライバー!』

 

グランディアはそのまま浮かび上がりバットフルボトルとギアエンジンを取り出す。

 

「アイツは!」

 

『コウモリ』『発動機』『エボルマッチ!』

 

ハンドルを回すと、エボルドライバーから動脈と静脈に似たパイプが伸びていく。それは何処か不気味だった。

 

「変身!」

 

パイプはぐちゃぐちゃと集まりグランディアを包み込む。そして、アーマーが形成された。

 

『バットエンジン!』『フッハハハハハハハハハハ!』

 

「ハハハハハ!!!!!!!!」

 

「あの野郎!」

 

変身完了と共に無限書庫の更なる破壊をしようとする。

 

「てめぇなにもんだ!!!???」

 

クローズはそれを止めるために殴り掛かりながらそう言い放つ。

 

「私は、いや、俺は仮面ライダー....」

 

『デビルスチーム』

 

「マッドローグだぁぁぁ!!!!!!!!」

 

クローズの拳とブレードはぶつかった。



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67.マッドな世界 後編

それは誰が見ても一方的だった。

 

「がっ!!」

 

「ハハハ!!!!!」

 

それは援護しているユーノすら思った事だった。

 

「ぐおぉぉ!!!!!」

 

「フハハハハハ!!!!!!!!」

 

ユーノは何度も吹き飛ばされるクローズを魔法で作りだしたネットで受け止めすぐさま回復魔法を掛ける。それを繰り返している。だが、それはシャマルの様に上手くは行かず殆ど意味を成していない。

 

「いい加減無駄だと気付いたらどうだ?」

 

「黙れ....こんな所で.....」

 

全身を炎で纏いボルケニックモードに移行する。

 

「負けてられねぇんだよ!!!!」

 

だがそれすら、マッドローグには届かない。

 

「なっ!?」

 

召喚されたマグマライズドラゴン達は次々に虹色に光る壁に消えていく。

 

「聖王の鎧をどうしてお前が!!!」

 

「手に入れたのさ....英雄を壊してなぁ」

 

その言葉に龍斗は切れた。

 

「お前ええええええええええええええ!!!!!!!!」

 

『READY GO!』

 

『ボルケニック・アタック!』

 

放ったキックはマッドローグへと飛んでいく。

 

「ああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

「お前は俺に勝てない」

 

当たった瞬間にスチームブレードを犠牲に薙ぎ払う。

 

「ぐああああああああ!!!!!!」

 

そしてクローズはとある一角へ落ちていく。

 

「がっ!!」

 

龍斗が墜落したそこは_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけたぞ、パンドラボックス」

 

パンドラボックスが有った。

 

不味い、ユーノはすぐさま二人の間に入る。龍斗は変身が解除されてしまっている。

 

「そこをどけ」

 

ユーノは歯を食いしばって叫んだ。

 

「どけるわけがない!!大切な友達を殺させなんてしない!!!」

 

展開された魔法陣はこれまでの見たことのない大きさまで巨大化した。

 

「これが僕の全力全開!!!!」

 

『トリック・ルーム』

 

展開された複数の魔法陣はマッドローグを囲んでいく。そして箱型になる。中では大量のバインドで縛られているはずだ。少しずつだがその箱のサイズは小さくなっていく。

このままなら圧縮して戦意喪失に追い込めるかも知れない。

 

「龍斗!」

 

殆どの魔力を使い切ったユーノはそれを維持しながらも龍斗へと駆け寄る。

 

「し.....師匠.....」

 

「良かった.....」

 

だが、安心は直ぐに終わった。

 

「がっ..」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.......お前の魔法なんて俺にはきかねぇんだよ」

 

マッドローグはトリックルームを破壊し、ユーノの首を掴んで持ち上げた。

 

「やめ....ろ......」

 

「こいつは今すぐに壊す」

 

龍斗はその光景を眺める事しか出来なかった。それでも師匠を、友達を救いたいと龍斗は思い続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、それに禁断の箱は答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『覚醒!』

 

「どらあああああああああああああああああ!!!!!!」

 

「なっ!?」

 

 

マッドローグはその打撃を防げず、空へと飛ばされる。

 

 

「なんだ.......」

 

その視線の先には____

 

 

「何なんだその姿は!?!?!?!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ウェイクアップ クローズ!』『ゲット グレートドラゴン!』『イエーイ!』

 

「仮面ライダー、グレートクローズ」

 

エボルボトルの力を手に入れたクローズは、友を守るように立ち上がった。

 

 

「今の俺は、負けられないんだよぉ!!!」

 

 



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68.戦士も散る

「何、アーマーの色が変わった所でぇ!!!!!」

 

「おらぁ!!!」

 

ナックルとブレードはぶつかり合った。何度も何度も。少しずつマッドローグの動きについていけるようになるクローズ。だが、問題があった。

 

「ぐっ.....あああああああああああ!!!!!!!!」

 

パンドラボックスがしたのはクローズドラゴンとドラゴンエボルボトルの強化、つまりライダーシステムの強化だ。だが、既に殆どの体力を使ってしまっている龍斗に勝ち目はない。

それでも、友が傷つけられた。その怒りで戦い続けていた。

 

今のクローズに何か大きな攻撃を食らわせたら、変身解除に追い込まれるだろう。

 

だから、龍斗はかけたのだ。自身の仲間に。

 

 

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

「はぁ!!」

 

 

そして、遂に無限書庫にティーダが到着した。

 

「おせぇ.....」

 

「このままだと僕達も全滅ですよ!?」

 

JIMから魔力弾を連続で放ちながらティーダは言う。

 

「そんのわかってらぁ。俺も暫くは戦えなくなりそうだ.....」

 

そう言いながらでも、ハンドルを回す。

 

「俺の技が決まったら、直ぐに撤退するぞ!!!」

 

『ボトルバーン!』

 

「何をごちゃごちゃと!!!!!!」

 

『デビルスチーム』

 

『READY GO!』

 

グレートクローズの力はナックルに集束されていく。ティーダが張っていたバリアもそろそろ限界だ。だからこそ、そこに攻撃しに来たマッドローグにナックルを叩き込む。

 

「どらああああああああ!!!!!!」

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

「今!」

 

ナックルが当たった瞬間、JIMから煙を放ちクローズとユーノを連れてローグは姿を消した。

 

 

「ふん!!!!」

 

マッドローグはナックルの衝撃を流した。そして目的の物であるパンドラボックスを手に入れた。

 

「ここにこれ以上用はない。破壊してもいいが、結局ここも滅ぼすんだ___」

 

そう言って同じ様にマッドローグは姿を消した。

 

残されたのは、あちらこちらがマグマやイナズマ、氷で覆われた図書館だった。

 

 

 

___________

 

ティーダは変身解除しながら、ユーノを病院へと運んでいった。

 

「がふっ....」

 

龍斗は変身を解除すると、血を吐いた。背中から生身のまま建物に直撃したのだ。龍斗もこれ以上戦うことは出来ない。それが理解できた龍斗は色の変化した相棒に頼み事をした。

 

「_____________」

 

『♪~~~~~~~~』

 

ドラゴンは頷くと何処かへ飛んでいく。そして龍斗は倒れた。

 

「た、大変だ!!!!誰か!!!!!!」

 

背中から血を流した青年は、病院の前で発見された。

 




龍斗も倒れた。

残されたのはティーダただ一人。


それでも、変身できなくても戦う決意を新たにする一斗。


次回、『悪夢 再び』


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69.悪夢 再び

ティーダは只々病室の真ん中置いた椅子に座っていた。

 

その病室には戦兎と龍斗が寝ている。

 

「ティーダ様、これを」

 

そう言って差し出されたコーヒーをティーダは受け取った。

 

「ありがとうございます、ミカさん」

 

デバイスであるミカは既に修理が終わっている。だが、既にベルナージュの力は残されていない。彼女の腕にあるバングルは普段とは異なり輝いてはいない。

 

それは、彼女をベルナージュが直したからである。その為、戦兎達を治療することは出来なかった。

 

 

「......僕は、なんて言って一斗君に会えばいいんでしょうか...」

 

「それは私も同じです。私がちゃんとしていれば先生は......」

 

そこに、仕事を抜けてきたと思われるはやて達がやって来る。

 

「兄さん.....」

 

「ごめん、ティアナ。僕は、守れなかった」

 

「ミカ.....」

 

「はやて様、私は.....」

 

そう言っている中、病室に大きな音が響く。

 

「「えっ?」」

 

それは、2人が頬をはたかれた音だった。

 

「兄さんは出来る事をした。これがその結果でもそれは変えられない!!!悪役を演じてまで私の夢を叶えようとした兄さんは何処にいったの!!??」

 

ティアナの言葉で今迄の事を振り返る。ティーダは変えられない過去を何度も引きずり続けていた。それでも、何度も戦兎達の力を借りて立ち上がってきたんだと。

 

「........僕は、戦うよ。マッドローグと。そして、世界を守って見せる。」

 

「....ようやくいつもの兄さんに戻ったわね」

 

 

_____________

 

「貴方はずっと巧にぃを支えてきた。それでも、こうならなかったとは言い切れない。私が傍に居られない間は、貴方が守ってあげて。」

 

はやての言葉はミカに大きく伝わった。機械になったはずの体で涙を流したのだから。

 

 

 

「「!」」

 

 

外で大きな音が鳴ったのだ。

 

「二人とも行けるな?」

 

「「はい!」」

 

はやての問いかけに彼等はしっかりとした返事を返す。そして現場へと向かっていった。

 

「ティアナ、私たちも行こうか!」

 

「はい!」

 

途中でなのはが加わり魔術師達は湧いているスマッシュの対処に向かった。

 

 

_____________

 

 

 

「いかなきゃ.....」

 

「そんな体では一斗さんが壊れてしまいますよ!!」

 

目が覚めた一斗は足を引きずりながらでもグランディアを止めに行こうとしていた。

それをアインハルトは止めようとしている。

 

「それでも、戦えるのは.....僕だけなんだから.....」

 

「一斗さん.....」

 

その顔から決して揺るがない決意を感じたアインハルトは足止めするのを止める。

 

「それなら条件があります。私も連れて行って下さい。」

 

「.....わかったよ」

 

二人は保健室から、学院から抜け出した。

 

『♪~~~~~』

 

その後を一匹のドラゴンは追いかけていった。




動き出したグランディア


そしてそれを止めに向かった一斗、アインハルト、ティーダ、ミカ


彼等はパンドラボックスが完全に起動する前に止められるのか!?




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70.犠牲の上で

「今こそ、あの日を再び!!!!」

 

パネルに後一つのボトルをセットする必要がある。だが、それはこの世界にはない。それでも、パンドラボックスにグランディアはセットしようとした。

 

「ぐっ.....ゆうことをきけぇぇぇ!!!!!」

 

だが、パンドラボックスはそれを受け入れなかった。

 

「......ふざけるな.....後1本、それさえあれば......」

 

グランディアは聞こえてきた足音に視線をずらした。

 

「ああ、まだ....いや、これでいい.....」

 

その先には、彼等がいた。

 

「待っていたぞ、仮面ライダー!!!」

 

________

 

 

「ティーダさん!ミカさん!」

 

「アインハルト!一斗君も!」

 

あの日、パンドラタワーが建った場所。今は石碑がある場所。既にこの街にはあの日と同じ様にスカイウォールが出てこようとしている。街から逃げていく人々の中から彼等は出会った。

 

「一斗様、その体では「それでも!」

 

ミカの言葉に一斗は答える。人々が流れ去っていく雑音の中、それははっきりと聞こえた。

 

「僕は戦います、ヴィヴィオの分まで!!!」

 

ああ、それは____

 

「行こう、一斗君。僕達は勝たなきゃならない。戦兎さんと龍斗さんも分まで」

 

「.......くっ」

 

一斗はここでそれを知った。でもそれを表に出そうとはしなかった。

 

「はい!」

 

彼等は人混みの中を進んでいく。グランディアを止めるために。

 

_________

 

 

 

『デンジャー』

 

「変身!」

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

すぐさまティーダは姿を変えて、スチームブレードで切りかかる。

 

「そんなことをしても無駄だ.....お前たちが持つボトル。全ていただくぞ!!」

 

『バットエンジン!』

 

グランディアはマッドローグに変身した。互いのスチームブレードはぶつかり合った。

 

「パンドラボックスを開けるのを辞めろ!」

 

「俺は世界を、変えるんだぁ!!!!!」

 

『聖王の鎧』

 

マッドローグは体から虹色のオーラを放つ。

 

「それは、オリヴィエの!?」

 

一斗はツインブレイカーにキャノンモードのフォレスをセットして構えたまま、何も言わない。ただでさえライダーに変身していても何とか耐えられる集束砲を放ったのだ。それをもう一度すれば、一斗の体は本当に壊れてしまう。

 

既に日が傾き始めている。マッドローグとローグの戦いは夕陽をバックにした。

 

「一斗様、ユニゾンしましょう」

 

「えっ?」

 

「すれば貴方の体へのダメージは減らせます」

 

ミカの提案に一斗は一度はためらうもすることにした。

 

「お願いします!」

 

『『ユニゾン・イン!』』

 

アインハルトは何時でも参戦出来るように構えていたが、気になり目を向ける。

 

「安定、してます!」

 

髪が伸びて何処か大人びた一斗がいた。目の色もミカと同じ青色に変わっている。

 

「アインハルトさん。このまま狙い撃つから僕を受け止めてくれる?」

 

その問いに頷いた。アインハルトはすぐさま一斗の後ろに回る。

 

「ティーダさん!」

 

「ああ!」

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』

 

ローグはすぐさまレンチを押し下げて、両足で鰐の顎を形成して挟み込む。

 

「こんなもので....」

 

「今だ!」

 

聖王の鎧はローグの必殺技を受けてそちらの対処に回されていて、腹部以外にオーラは見られない。

 

「ティーダさん!離れてください!」

 

「無理だ!今僕がここを離れたら、完全に守られてしまう。だから早く!!!」

 

それを聞いた一斗は、泣きながら引き金を引いた。

 

「あああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

「まだ、こんな所でぇぇぇ!!!!!!!!!!」

 

 

「またね、一斗君」

 

反動で吹き飛ばされた一斗はアインハルトが抑える。

 

「ぐ、うおおおお!!!!!」

 

アインハルトは両足で今迄した事がないほどに踏ん張った。そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで、揃った」

 

ティーダは変身が解除され転がっており、クロコダイルクラックフルボトルがマッドローグが持っていた。

 

 

 

 

「そんな....」

 

アインハルトの驚愕の台詞は、彼らの心を代弁していた。

 

 

「お前を最初に壊すんだったな。シネ」

 

『スチームショット』『バット』

 

ユニゾンが解除されてミカはビルドフォンへと戻り遠くへ飛ばされてしまった。既に一斗はもう動くことができない。アインハルトはその一撃が一斗の体を捉える前に_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がふっ....」

 

 

「えっ...」

 

その身を盾にして一斗を守った。血を腹から流しながら倒れてバリアジャケットが解除される。彼女の制服は赤く染まり始めていた。

 

「アインハルトさん!!!」

 

「諦めないで、下さい....貴方が最後の希望で....」

 

そこで彼女は喋らなくなった。

 

「アインハルトさん!アインハルトさん!」

 

一斗は身体を引きずりながらもアインハルトに声をかけ続ける。

 

「かばった奴が死んだか。なら」

 

もう一度、マッドローグはライフルモードを構える。

 

だが、それは飛んできた援軍に止められた。

 

『♪~~~~』

 

「お前は、龍王の!?」

 

 

ドラゴンは連続で炎を吐きながら攻撃を続ける。だが、

 

 

「邪魔をするな!」

 

ブレードで切られて一斗の足元に転がる。

 

「ドラゴン!」

 

ドラゴンは自分に入ったボトルを飛ばす。それは

 

「!、父さんの....」

 

 

ラビットエボルボトルだった。

 

「これで邪魔するものはいない。今度こそシネ!!」

 

放たれた銃弾が自分に当たる前に一斗はそれを交わした。

 

『ビルドドライバー!』

 

「今更ベルトを手にしてどうなる?お前は、もうライダーにはなれないんだよ!!」

 

連続で放たれた銃弾を全て交わしていく。

 

「僕は、こんな所で止まってられないんだよ....」

 

そう言って、最後の銃弾を交わす。その手には、大きく傷のはいったグレートクローズドラゴンが。

 

「シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ!!!!!!!!」

 

 

狙わずに放たれた銃弾は、当たりの街並みを破壊した。

 

「父さん。先輩。力を貸してもらうよ!」

 

爆発が続く中、一斗はグレートクローズドラゴンを変形させラビットエボルボトルをセットし、スイッチを押す。

 

 

『超覚醒!』

 

その音の後にベルトにセットしハンドルを回す。

 

「ぐっ....おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 

全身から血が噴き出る。それでも、ハンドルを回し続けた。

 

「僕は、みんなを守るんだぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

一斗の目の前に銃弾が放たれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ARE YOU READY?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ラビットドラゴン!』

 

「ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 

銀と金のアーマーをまとったビルドが、マッドローグを吹き飛ばした。




遂に一斗復活!

みんなの思いを胸に、マッドローグへと挑む!!






次回、『正義のぶつかり合い』


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71.正義のぶつかり合い

マッドローグは分からなかった。何故自分が殴られたのか。

 

「.......な、にぃ!?」

 

引き飛ばされて立ち上がった彼が見たのは、金と銀で出来たビルドだった。

 

「有り得ないぃぃ!?変身できないはずだ!?何故だぁぁぁ!!!!!」

 

それが理解できずにマッドローグは身体をそらしながら叫ぶ。一斗はこれを見ながら走り出した。

 

「それは!」

 

「うぐぅ!」

 

至近距離に近づいた一斗はマッドローグの頭目掛けて右拳を振るった。

 

「お前を倒したい気持ちが俺を変身させたんだ!!!!!!!!!」

 

のけぞりながらもマッドローグは構えた。

 

「そんなもの、有り得ない!!」

 

『デビルスチーム』

 

スチームを纏った一撃はビルドの左腕に当たった。

 

「何!?」

 

「俺とお前は違うんだよぉ!!!!」

 

「むぐぅ!」

 

だが、傷付けることすら出来なかった。カウンターをくらいマッドローグは飛んだ。その手のライフルモードを落としながら。

 

 

「俺は今、戦えないみんなの命を抱えてんだ!!!お前が俺を倒せるわけないだろ!!!!!!!!」

 

 

一斗は言い放った。マッドローグは、グランディアは立ち上がりながら言った。

 

「俺には、今あるこの世界を破壊して.....魔法が使えなくてもいい世界を作るんだぁ!!!!!」

 

一斗はクローズドラゴンから送られてきたイメージでそのことを知っている。だからこそ言った。

 

「それで犠牲になった人達はどうなる!?」

 

「革命に犠牲は付き物だ!!!」

 

グランディアはハンドルを回す。一斗もハンドルを回した。

 

 

『『READY GO!』

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

 

「「あああああああああああ!!!!!!!!!」」

 

互いの右拳にエネルギーが集束し、互いの体を何度も殴り合う。

 

「私は、世界を破壊するんだぁ!!!!!!!!!」

 

「僕は、世界を守るんだぁ!!!!!!!!!!」

 

お互いの考えは異なるがそれはどちらも正義だった。その手段が異なれば、彼等は手を取り合うことができたのかもしれない。

 

 

「おらああああああああああああ!!!!!」

 

 

「がああああああ!!!!!」

 

 

押し勝ったのはビルドだった。一斗は変身が解除されないものの、身体の限界を迎えようとしていた。

 

「まだ、だ....私がいなくても、あの方が破壊してくださる!!!!」

 

飛ばされたマッドローグはパネルに手を伸ばしてクロコダイルクラックボトルをセットした。そして禁断の箱は再び開こうとし始める。

 

 

グランディアは変身が解除されるが、パンドラボックスが宙を舞う様子を見て高らかに笑った。

 

 

「世界の終わりだあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

「そんなことはさせない!」

 

一斗は自身の体に鞭を打ち再びハンドルを回す。グラフを模した滑走路が展開される。そして、グラフのX軸でパンドラボックスを拘束した。

 

『READY GO!』

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

 

助走を付けて左脚で跳躍し、グラフを模した滑走路に沿って、右脚でキックを叩き込む。

 

「はああああああああああ!!!!!!!!!」

 

パンドラボックスは未知のエネルギーを吸収していく。だんだんその輝きは強くなっていった。

 

「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、パンドラボックスはそのエネルギーに耐えられなくなり_____

 

 

その日、スマッシュを相手にしていた魔術師達は口を揃えていった。

 

暗黒の世界に月と太陽が共に顔を出しているような輝きが有った事を。



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72.それから

「やっと退院か.....」

 

「長かったね」

 

龍斗とフェイトは足並みを揃えてミッドチルダの街を歩いていた。

 

「戦兎さんももうすぐ退院だよね」

 

「ああ。後残るはティーダだけなんだよな」

 

ティーダは一斗の集束砲を諸に喰らった為に、全身打撲に襲われていたりする。

 

「確か今日は翼の奴が見舞いに行ってるんじゃなかったか」

 

「そうなんだ。最近、良くお見舞いに行ってるよね」

 

 

フェイトは気づいてはいない。龍斗はばれないようにため息をついた。彼女の鈍感さには、こちらから告白するまで自身の気持ちに気が付かない程だ。

 

暫く歩くと、石碑が見えてきた。そこには沢山の花束が積まれていた。

 

 

「............」

 

「龍斗、大丈夫?」

 

「....悪い、昔の事考えてた」

 

あの日、グランディアは逮捕された。そして、一斗が姿を消した。

 

再び訪れた世界の終わりは、一人の少年によって防がれた。

 

それは、管理世界中に知れされた。そしてこの石碑に改めて名が記された。

 

 

 

『第二の英雄』『桐生一斗』

 

 

 

 

アインハルトの話だと学院でも追悼式が行われたらしい。ヴィヴィオは泣き続けていた。師匠は早々と退院して、ずっと姉弟子と一緒に傍にいてあげたらしい。今ではまた学院に通い始めている。

 

 

「....一斗は、生きていると思うんだよな」

 

 

「そうだね」

 

 

龍斗のこぼした言葉に、フェイトは静かにそう答えた。

 

 

 

___________

 

 

この世界は一斗が救った。それは限りない事実であり、変えられない過去だ。いくらエニグマで過去に飛ぼうとも、あの子の意思を無駄には出来ない。

 

「巧にぃ?大丈夫か?」

 

「うん、何とかね」

 

戦兎の体は既に治っている。そう、体だけは。

 

 

今回の事件は、G.M事件と呼ばれた。世界を変えようとした男とそれを止めた少年の事件。

 

 

 

戦兎は決してグランディアを責める事はなかった。それは、現場に落ちていたビルドフォンに残されていた物があったからだ。

 

 

『行ってきます』

 

 

そう書かれたメールは今も残っている。戦兎は誰にもそれを伝えてはいない。そうしたら、意味がなくなってしまう気がしたから。

 

 

『マスター、メールです』

 

「開いて」

 

病院の一部屋に届いたメールを読む男は、泣き出した。

 

そして、それを見たはやても泣き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『父さんへ

 

 

 

 

あれから何日経ったか分からないけれど、僕は今、葛城さんの所にいる。

 

パンドラボックスに負荷をかけたら次元の狭間に飛ばされちゃってそのまま流れてたら研究所に流れ着いたんだ。

 

 

 

暫くしたら直ぐに戻るよ。皆に伝えておいてね

 

 

 

 

                     桐生一斗より』

 

 




これにて『マッドな世界』編は完結です。そしてVivid編も同じく完結です。

こうして彼は英雄になった。

ラビットドラゴンが映画の告知で登場してからどうしてもこの形で登場させたかったんです。

前売り券に付いてくるシルバーとゴールドのフルボトルを使っても良かったのですが、自分で予想してグレートクローズドラゴンを使うものだと思ってしまっていたのですが、また別ライダーが使うんですね。

映画がDVDになったら、映画編も書こうかなと思っております。

ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございました。

次回からはクロスオーバー編を予定しております。

そしてその先には_____


これからもよろしくお願いします。

それではまた!


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クロスオーバー編:シンフォギア
1.戦は何時も突然に


サブタイトルは後から付け直します。







一斗がミッドチルダに帰ってきて戦技披露会があって、ヴィヴィオとなのはの戦いは終わって季節が流れた。

 

俺達は日常に戻りそれぞれの仕事に精を出している。そんなある日の事だった。

 

 

「管理外世界393か.....」

 

戦兎はエニグマに表示された数字を見て懐かしむ。以前、エニグマ調整中に起きた事故でその世界に行ったことがあったのだ。そこで出会った親子は元気にやってるだろうか。

 

「一斗を会わせてあげたかったな」

 

思い出すのは一人の少女。両親から愛をこめて育った彼女は、今も世界中で歌っているだろうか。

 

 

「巧にぃ.....別の女の事を考えてない?」

 

「!、は、はやてちゃんか...ノックくらいしてよ.....」

 

急に後ろから話しかけてきたはやてに思わず驚いてしまう戦兎。その顔は何処か青ざめていた。

 

「したんやけど、返事がないから入ってきたんや」

 

「そう、ごめんね。考え事「誰や?」

 

「誰の事を考えてたんや?」

 

戦兎ははやてが身を乗り出してきたことにより作業台とはやてちゃんに挟まれた。

 

「......エニグマの事故で、管理外世界へ行ったことがあるんだ。そこであった子の事を思い出してて」

 

「ふ~ん。女の子?」

 

「うん、5歳だったかな」

 

はやてはその目を細めながらじっと戦兎を見つめるが、やがて諦めたのか普段通りに戻っていった。

 

「はぁ.....巧にぃの周りには女の子が多いような気がするんやけど」

 

「確かに....ね」

 

それは世界が問題では?とどこからかメタい電波を受信した戦兎とはやては話題を変える。

 

 

「何か用?」

 

「うん、そろそろ一斗達冬休みに入るやろ。だからそこで海鳴市にいってウィンタースポーツとかする旅行に行こうかと思っているやけど....」

 

「俺はいいと思うよ。みんなにも聞いてみようか」

 

そう言って戦兎は作業部屋を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電気が消えた部屋にエニグマのゲートが開かれ台の上に大きな注射器が転移してきた。

 

 

これから始まるのは、とある一時の、決して交わることのない世界の交差である。

 

 

 

 

「みんな行くって~」

 

「それじゃあ宿泊場所も調べなきゃね」

 

 

それを彼らが、戦兎自身が知るのは、もうしばらくしてからである。

 

注射器の中に入った緑色の液体は、こぽっと音を立てていた。

 

その世界で彼は彼女と再会する。最悪な状況で。

 

 

 

 

 

 

____________

 

 

全てを灰にする怪物のいる世界で始まる彼等の初クロスオーバー編。

 

 

『戦記絶唱シンフォギア』編

 

 

それは、歌が繋げる物語。始まります。




皆さま、作者の暴走の始まりです!!



滅茶苦茶にしてやるぜ!






余り期待しないでお待ち下さい。


それではまた!


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2.記憶の中で

バルベルデへ向かう潜水艦の中で、雪音クリスは思い出していた。

 

昔、両親と8年前にNGO活動に参加して訪れた南米バルベルデ共和国の紛争に巻き込また事。そこで両親を救ってくれた彼のことを。あの後彼は姿を消し、両親も亡くなった。自身も捕虜生活を送ったが、それでも探し続けた。あの日、全てを破壊してまで救ってくれた漆黒の鎧を身に纏いし彼を。

 

「クリスちゃん?大丈夫?」

 

「問題ねぇよ、それよりお前は残った宿題の事でも考えてろ」

 

「思い出したくなかったのに~!」

 

少し悶絶している響を尻目に再び考え事を再開する。彼女は今迄集めた自分たちを救ってくれた青年を情報を思い出していた。きっと何か手掛かりが手に入ると少し期待しながら。そんな彼が、異世界から事故であの場に来ていたことを含めて全てを知るのが、後少しまで迫っているとは思わずに。

 

 

「皆、間もなく目的地に到着だ。じゅんびはいいな?」

 

「おう!」

 

そんな事を考えている時間もなく、クリスは弦十郎の言葉に返事を返した。

__________

 

 

「なんだこれ?」

 

 

戦兎は話し合いが終わり、少し新しいシステムを試してみようと作業部屋に戻ってきたのだ。だが、机の上に置かれた見覚えのない注射器に不信感を抱いていた。

 

触る気に慣れないが、全体の様子を伺おうと注射器をひっくり返す。するとそこには、文字が彫られていた。

 

「『LiNKER』?」

 

戦兎は液体を調べてみたが殆どわかることはなかった。

 

「何かの引き金にならないといいけど....」

 

戦兎はLINKERと呼ばれた注射器を備え付けの冷蔵庫に入れて作業を開始した。今回は少しの魔力で聖王の鎧を再現してみようとしているのだ。

 

試験を兼ねて、一斗達に使って貰おう。その為には、安全基準を超えなきゃな。

 

戦兎は黙々と作業に没頭した。エニグマに表示された数字が点滅していることに気付かずに。

 

 

_________

 

 

一斗はナカジマジムにてトレーニング中に自身の母から連絡が入っていることに気が付いた。

 

「なるほど....みんな~」

 

トレーニングを一時的に停止させて皆一斗の方向をむく。

 

「母さんから連絡。行けるって」

 

「やったね、ヴィヴィオ!」

 

「そうだね!」

 

みんなが喜ぶ中、龍斗は何処か違和感を感じ始めていた。それでも、ノーヴェの一撃で現実に戻された。

 

「あぶねぇな、ノーヴェ」

 

「なんだか辛気臭い顔してたからな。さぁ、もう少し付き合ってもらうぞ!」

 

「仕方がねぇ!」

 

その日、ノーヴェは龍斗と手合せをし続けた。互いの体力が無くなって倒れて終わるまでに上っていたはずの日は傾いていた。

 

 

 

 



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3.絶対なんてない

今回はシンフォギア要素が皆無となっております。




一斗達の学期末試験が終了し、遂に冬休みへ入っていった。

 

「午後からなんだよね」

 

リオはヴィヴィオに聞く。そう、以前作り始めた聖王の鎧の再現を何とかしたのだ。だが、まだ誰もが使えるわけではなく、聖王のクローンであるヴィヴィオのデバイスであるクリスと覇王の末裔であるアインハルトのデバイスであるアスティオンに試験用に採用することになったのだ。その為、たった今戦兎が調整中である。

 

「そうなんだよね....フルボトルを使えるようにもするとか言ってたよ」

 

「そういえばハルってスキーとかしたことがないんだよね?」

 

「はい。今回の旅行でものにするつもりです。」

 

彼女達の他愛ない会話は続いていく。一斗は以前の事件の後、アインハルトに呼び捨てで構わないといい、それ以来ニックネームで呼ばれている。アインハルトはそれをとても喜んだ。彼彼女達は知ることはできない。数時間後に放り込まれる地獄など、誰もが予想できなかったのだから。そして、その足音は少しずつ近づき始めていた。

 

 

「お待たせ、さぁこれが新たな二体だよ」

 

 

戦兎はリビングにやって来た。その手の中からクリスとアスティオンが顔を出している。そして、前者はふわふわと。後者はぴょんとその手から飛び出してそれぞれの主の元へ戻っていった。

 

「特に変わった様子は見られませんが.....」

 

「それはね、セットアップするとわかるはずだよ」

 

アインハルトの言葉に戦兎は試してみる様に薦めた。

 

 

「じゃあ、やってみましょうかヴィヴィオさん」

 

「はい!」

 

「武装展開!」「セット、アップ!」

 

 

彼女達が展開したバリアジャケットは普段のものと変化はない。あるとすれば....

 

「全身から魔力でできた壁が展開されている?」

 

「これ、聖王の鎧にかなり近いや」

 

クラウスは使えなかったが、以前暴走した時に使った事があったヴィヴィオは少し悲しそうに呟く。

 

「それはよかったかな。まだまだ防御できると言っても防御魔法を発動しないと完全には出来ないんだ。このまま実践にも使えるようなら、ビルド式の新たな魔法として登録するつもりなんだけど、まだ名前がないんだよね」

 

「それで、父さんは皆に考えてもらおうと考えたわけなんだね」

 

「そのとうり!」

 

一斗の言葉に戦兎はそう返す。彼女たちに考えてもらっている間に、戦兎は昼食の準備を始める。

 

あの注射器とLINKERとはなんなのか___と戦兎は考えてしまうも火を使いながら考え事をするのは危ないと、料理に集中する。

 

「巧にぃ~皆連れてきたで~~」

 

はやてがみんなを連れてきた。それは、腹ペコの大食い達の到着を意味していた。戦兎はすぐさま調理のスピードを上げた。

 

 

『火傷にはご注意を』

 

「了解!」

 

 





彼等は戦場に、地獄に巻き込まれた。


そんな中である少女に再会する。


次回、『唱え戦う少女』











余り期待しないでくださいね?


それではまた!


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4.唱え戦う少女

昼食の後、「おっと、心は硝子だぞ」と言って目を回しているスバル達を放っておいて戦兎は改めて旅行の計画を話す。

 

なるべく自由にというコンセプトを元にした為、かなりの時間が自由に使えるようになっていた。

 

「念の為に言っておくけど、緊急事態の時以外の魔法の使用は禁止。これから行く世界では、魔法が存在していないってことだけは忘れないでね。」

 

初等科トリオを含めた少年少女はそれぞれに計画を練ってきたのか、すぐさま話し合いが始まった。

 

荷物は既にバニングス家に送ってある為かなり荷物は少なくていい。だから着いてすぐのことを話しているのだろうと戦兎は考えた。そこで、あのLINKERと掘られた注射器を一応持ち込む事にした。もしかしたら使えるかも知れないと。

 

 

「さぁ、皆。準備はいいね?」

 

それぞれの返事が返ってきている中、戦兎はエニグマを起動させる。開いたゲートから以前海鳴市に転移した時に訪れた庭の一角が見える。如何やら無事に繋がったようだ。

 

「先に子供達が行こうか」

 

既に慣れた動きで通り抜けていく一斗とヴィヴィオ。その後をアインハルト、リオ、コロナの順で入っていく。次々に大人達も入っていき、残るは戦兎だけになった。

 

「よっと」

 

何時もと変わらない様にゲートを通り抜ける。海鳴市の空気は以前来た時と変わっておらず、ここが地球の日本だという事を実感させた。

 

この一年間で二回も世界が滅びかけたなどと誰が信じるだろうか。そう思いながらも、戦兎は乗っている台から足を踏み出す。

 

「あれ?」

 

足を踏みだす。たったそれだけの動作なのに、体が言うことを効かない。それよりも自分がどんどん後ろに引っ張られている事に気が付いた。

 

「うおっ!!!!!」

 

何も捕まることができないためにどんどん後ろへと吸い込まれていく。それに気が付いた龍斗と一斗は浮かび始めた戦兎の腕を掴む。

 

「うおおおおおおお!!!!!!!」

 

「ぐうう!!!!」

 

みんなも手伝うように引っ張り始める。だが、その吸い込む威力はどんどん上がっていく。

 

「あ」

 

それは誰の声だっただろうか。そんな抜けた声と共に、全員の体から力が抜ける。

 

「「「うああああああああああああああああ!!!!!!」」」

 

「「きゃああああああああ!!!!!!!!!」」

 

その結果として戦兎、その腕を引っ張っていた一斗と龍斗、そのすぐ後ろで引っ張っていたヴィヴィオとアインハルトがゲートに吸い込まれていった。

 

「巧にぃ!」

 

はやての声は届くことなくゲートは閉じた。それと同時にエニグマが空中から現れて落ちた。その液晶には『393』と数字が並んでいた。

 

 

____________

 

 

 

「ウェイ!」

 

何処かのオンドゥルを思い出す様な声を上げて落下した戦兎。すぐさま今の状況を確認するべく耳をすませばある歌が聞こえてきた。

 

「しまった!?」

 

聞こえてきた声のする方を見れば、見慣れない魔法陣から転移してきたと思われる異形に囲まれていた。

 

『マックスハザード・オン』

 

 

 









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5.少年少女は見た

これからも憧れるであろう、ヒーローを




「君は逃げて!」

 

少年は助け出した少女を逃がした。だが、彼の右足に異形の触手が迫っていた。

 

「ステファン!!!」

 

彼の姉らしき女性が叫ぶ。だが、その触手が少年の足にたどり着くことはなかった。

 

『紅のスピーディージャンパー!』

 

 

それは、漆黒の体に目立つ赤いアーマーを装着した、

 

「もう、大丈夫」

 

『ラビットラビット!』

 

ヒーローが、ノイズを倒したのだから。

 

少年があっけにとられていると既にヒーローはとても早くにノイズを切り伏せていく。

 

その光景を目の当たりにした装者達も我に返り次々にノイズを倒していく。

 

「きゃああああああああ!!!!!」

 

突然少女の悲鳴が上がった。先程少年が逃がした彼女がノイズ達に迫られていた。既に逃げ場はない。彼女は泣きながら覚悟した。自身がここで灰になってしまうのだと。

 

『READY GO!』

 

『ラビットラビット・フィニッシュ!』

 

突然彼女の視界に腕が伸びてきた。その腕は迫って来ていたノイズを一発で消滅させた。そして、すぐさま彼女はヒーローに抱き抱えられてその場を離脱した。

 

 

「レミー!」

 

「お父さん、お母さん!」

 

 

彼女を連れたヒーローはすぐさま彼女の親の元へ向かい、彼女を預けた。

 

「待って、貴方は?」

 

少女は知りたかった。救ってくれたヒーローの事を。

 

 

「今は、あいつらを倒すのが先だ」

 

そう言ってヒーローは戦場へと戻っていった。既に数を減らしていたノイズ達はすぐさま消滅した。

 

 

 

 

 

___________

 

 

 

ヒーローはすぐさま先程助けた少女の元へ向かった。

 

「今度こそ、聞いてもいい?」

 

「....誰にも言わないと約束できるなら」

 

「うん、誰にも言わない」

 

少女はその言葉に深く頷いた。

 

「俺は、仮面ライダービルド。創る、形成するって意味のビルドだ」

 

少女にそう言ってヒーローは立ち去ろうとする。だが、それをシンフォギア装者が許さなかった。

 

「止まれ。貴様には用がある」

 

翼はヒーローに剣を向けた。正体不明のだからだろうと戦兎はすぐさま理解する。既に共に吸い込まれたであろう龍斗達の行方は分からない。見つけるための情報を入手する為に。

 

「一緒に来てもらおうか」

 

「その前に、変身を解除してくれ。俺もするから」

 

そう言ってヒーローは瓦礫の後ろへ進んでいった。

 

 

___________

 

 

 

「こちらは既にギアを解除した。早くお前も解け」

 

戦兎はベルトからフルフルラビットタンクボトルを取り外す。外れたアーマーがウサギの形にまとまりそして、完全に変身を解除する。

 

「!」

 

一人だけ、戦兎に見覚えがあった。

 

「戦兎、さん?」

 

「ん?俺を知っているのか?」

 

横にいた響と翼は驚きを隠せない。

 

「クリスちゃん、知り合いだったの!?」

 

「.......あんたは8年前両親を助けてくれた、桐生戦兎だよな?」

 

響の質問を無視してクリスは確認を取る。戦兎はそんな彼女から、以前出会った彼女の面影を感じ取った。

 

「もしかして、クリスちゃん?」

 

「.........なんだよ....こんなところにいたじゃねえか」

 

「雪音?」

 

翼の声すら届いていないのか、クリスは一人戦兎に向かっていく。そしてその内、戦兎にぶつかった。

 

「良かった....本当に....」

 

あのクリスが人前で泣いている。たったそれだけで彼女達の中ではパニックが起こっていた。

 

 

自分達の知っている雪音クリスは、こんな感じだっただろうか?

 

その答えは、覆ることになる。




原作崩壊!

彼は足をなくすことはない。

その代わりに、別の物が犠牲になった。


次回、『んだ事はわかってらぁ!』


さぁ、原作を破壊して行こうか?


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6.んだ事はわかってらぁ!

シンフォギア装者に連れられて、いや、雪音クリスに捕まった戦兎は彼女達に車の中に置き去りにされていた。

 

『♪~~~~』

 

「心配してくれてありがとう。きっと大丈夫だよ」

 

戦兎は何故か転移出来なくなったラビットラビットアーマーと軽く会話をする。そう言えばミカがいない事に気が付いた。彼女もまたはぐれてしまったのだろう。

 

「ドラゴン!?」

 

荷台から正面へと視線を移動させると、大きなドラゴンが見えた。そこに、響が拳で貫いていった。

 

「ワオ.....」

 

あっという間に消滅した。

 

「何だったんだ....」

 

『?』

 

ラビットアーマーは頭に?を浮かべている。あんなのと戦えるかと言われたら出来るものの、流石に最終兵器を使う必要があるだろうなと戦兎は考えていた。

 

飛んでいく飛行機を観ながら、彼は試行錯誤し続けた。

 

 

__________

 

 

「「「ようこそ、『S.O.N.G.』へ!!!」」」

 

戦兎は困惑していた。あの後連れてこられた潜水艦の中で突然歓迎会が開かれたのだから。

 

「えっと....」

 

「済まない、ここの司令官を務める風鳴弦十郎だ。君の話を聞かせて欲しい」

 

戦兎は取り敢えず話す事にした。その間に切歌と調はラビットアーマーと遊んでいた。

 

「なるほど。それで君は別世界から来たと」

 

「はい。以前来た時にクリスと知り合いまして....」

 

戦兎は思い出す。突然転移した為に何もできず、暫く街をウロウロしていた時に幼いクリスと出会ったのだ。仲良くなった頃、彼女に両親を紹介したいと言われキャンプに来た時に爆弾が爆発したのだ。戦兎はハザードフォームで暴走する前に彼女の両親を救ったのだが、そこでエニグマのゲートが開かれたのだ。エニグマを持っていなかったために戦兎は帰ることにした。

 

『♪~~~~!!!』

 

「うわっ、どうした?」

 

急にラビットアーマーが戦兎の背中にくっついてきた。

 

「待ってデース!」

 

「ほらほら~」

 

如何やら響と切歌に追われていたようだ。戦兎の後ろから逃げていく。

 

「あれは大丈夫なのか?」

 

「多分ですけど....」

 

この世界でいう聖遺物はロストロギアと同じもののようでライダーシステムによってアーマーを装着しているのだが、その為かノイズを倒すことが出来るみたいだ。それで自分を信じてもらうには...

 

「クリスちゃん、手合せお願いできるかな?」

 

「ん、いいぜ。だが戦兎さんに余裕で勝ってしまうかもな」

 

何処か挑発するようにクリスは返事を返してくれた。弦十郎にトレーニングルームの使用を許可してもらいラビットアーマーを捕まえて移動する。

 

_______

 

『ラビット』

 

「俺は本気でいく。だから....」

 

「んだ事はわかってらぁ!さっさと本気を見せてくれ!!!」

 

ベルトにセットされたハザードトリガーからは待機音が鳴り響いている。すぐさまボトルを折り曲げてベルトにセットする。

 

『ラビット&ラビット』

 

既に転移しているラビットアーマーは戦兎がハンドルを回してハザードライドビルダーを展開する周りを飛び回っている。

 

『ARE YOU READY?』

 

普段とは違い、右手で音を鳴らす。

 

「変身!」

 

ハザードライドビルダーに前後から挟み込まれると同時にバラバラになったラビットアーマー。それは次々にビルドに装着されていく。

 

『オーバーフロー』

 

『ラビットラビット!』『ヤベーイ!』『ハエーイ!』

 

「仮面ライダービルド。創る、形成するって意味のビルドだ。以後、お見知りおきを」

 

今ここに異世界の戦士とシンフォギア装者の戦いが始まる。



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7.増えた

「さっきの姿、パパとママを助けたときの...」

 

「ああ。暴走する危険性があったものの今は完全にコントロールしているから」

 

「それなら、遠慮なく行くぜ!」

 

クリスはペンダントを手に取り歌った。

 

「Killiter Ichaival tron」

 

起動したイチイバルはアームドギアを展開した。それは

 

「早速その速さを見せてもらうぜ!」

 

『BILLION MAIDEN』

 

4門の3連ガトリング砲の連射だった。

 

「ちょっ.....」

 

「そらそらそら!!!」

 

全てを交わしていくビルド。このままだと埒が明かないと考えてバスターを呼び出すタイミングを見計らう。

 

『MEGA DETH INFINITY』

 

「これも食らいやがれ!」

 

12基の大型ミサイルを生成し、小型ミサイルと4門の3連ガトリング砲も合わせての一斉掃射される。流石にここでガトリング砲は交わせてもミサイルは相殺するしかない。仕方がなくビルドは移動中にフルフルラビットタンクボトルを振る。

 

『タンク』

 

「なに!?」

 

エニグマによって転移してきたタンクタンクアーマー達が自動射撃で次々にミサイルを無効にしていく。戦兎はそのすきにバスターを呼び出してクリスへと近付く。

 

「待ってたぜ!」

 

『CUT IN CUT OUT』

 

クリスは腰部アーマーを展開し、追尾式小型ミサイルを発射する。それはバスターを構えたせいで早く動けないビルドへと向かっていく。

 

「ぐああ!!!!」

 

ビルドに数発が当たった。だが

 

『タンクタンク!』『ヤベーイ!』『ツエーイ!』

 

ビルドはそのアーマーを変更してそれを耐えた。

 

「反撃開始だ!」

 

ビルドは肩アーマーの砲門をクリスへと定めさらにバスターキャノンを構えた。

 

『フルフルマッチでーす!』

 

『フルフルマッチ・ブレイク!』

 

放たれた一撃はクリスへと迫る。だが、当の本人もそれを簡単には許さない。

 

『GIGA ZEPPELIN』

 

「おらああああああああ!!」

 

大型クロスボウからクリスタル状の巨大な矢を空中に放ち、その矢が上空で空を覆い尽くす程の無数の小さな矢に分裂後、それら全てがエネルギー状の矢に変化して一斉にビルドへと降り注ぐ。

 

そして、互いの技は当たった。

 

「とんでもない威力が出てやがる」

 

クリスは何とか交わした攻撃が壁を貫通している事に驚きそして、交わしたことに安心した。そして、我らが主人公はと言うと....

 

「.....流石に、食らいすぎたかな」

 

変身が解除され、タンクアーマー達とラビットアーマーに心配されていた。大丈夫だよと言ってクリスに話しかける。

 

「これが今の君の力なんだね。」

 

「ああ。」

 

それは先程まで戦っていたとは思えない、年の離れた兄妹の会話だったとその光景を見ていた彼等はそう語った。

 

 

_________

 

エルフナインがLINKERを製作するために最後の鍵に悩んでいるところに、突然ゲートが開いた。

 

「ぐぇ」

 

「よっと」

 

「すいません、一斗さん」

 

「だ、誰ですかあなた達!?まさかパヴァリア光明結社!?」

 

エルフナインの混乱して発した大声は艦内に響いた。それを聞きつけてきた装者達は再び出会った。

 

別世界の住人に。

 

「あの人、フェイトママの声にそっくり.....」

 

ヴィヴィオの声はラビットアーマーとタンクアーマー達が来た事によりかき消された。





戦兎は一斗達と再会する事に成功した。

残るは龍斗ただ一人。

響達が学校生活に戻る中、彼等の特訓が始まる。


次回、『俺はクローズ』


次回サブタイトルから滲み出るネタバレ!


次回も期待しないでね!


それではまた!


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8.俺はクローズ

戦兎は艦内にて転移してきた一斗達に出会った。既に弦十郎に話していた為にすぐさま確認が行われた。

 

「でも良かったよ。皆が無事で」

 

「でも先輩が....」

 

一斗は龍斗の事を気にしているようだ。如何やら次元の狭間で一人だけ別の場所へ飛ばされたらしい。

 

「翼ですか....」

 

「翼さんみたいだよね」

 

ヴィヴィオとアインハルトは翼に姉のような存在の翼を重ねた。だが、当の本人はこの艦内にはいない。翼とマリアは残って敵の動きを見るようだ。取りあえず戦兎達は日本に来た。

 

「それじゃあ私達はこの辺で」

 

「バイバイデース!」

 

響達は寮生活の為、すぐさま戻っていく。既に残り3日で学校が始まるらしい。取りあえず戦兎達は港近くのホテルに泊まることになった。

 

「父さん、話って?」

 

「ああ、皆に集まってもらったのはこの世界の脅威についてだ」

 

戦兎はこの世界に現れた異形、ノイズについて説明した。奴らが触れたものを灰に変えてしまうことを。そしてそれは生命体も含まれていることを。

 

「そんな....」

 

「ですが、対処はできるんですよね?」

 

「そのとうり。ノイズにはシンフォギアでなければ対処できなかったが、俺達がこの世界に来て事情が変わった。」

 

シンフォギアが聖遺物と呼ばれ、こちらの世界でいうロストロギアと同じだという事。その為、ライダーシステムを使えば対処出来る事。そして、強い魔力でも対処が出来る事。

 

「奴らに触れられたらそこで終わりだ。だからこそ、疑似的聖王の鎧が役に立つ」

 

「なるほど、全身から魔力を放出する事で触れられても大丈夫というわけですね」

 

アインハルトとヴィヴィオはその対処方法に目途が付いた。その為戦兎はこう言った。

 

「今日から俺達が元の世界に帰るまでノイズとの戦いを体験してもらう」

 

「え?」

 

弦十郎からトレーニングルームの使用の許可を得ているため、そこでノイズとの戦い方を学んでいく事になった。

 

「そう言えばミカさんは一緒ではないのですね。」

 

「ああ、何処かではぐれてしまったみたいなんだ」

 

ミカと龍斗は無事だろうかと戦兎が考えていたがそれはきっと待たなければ分からないと判断した。3人のお腹から大きな音がなる。

 

「取り敢えず夕食にするか」

 

女子二人が赤面してしまい、真っ赤になりながらも部屋の外に出た。戦兎は財布を持って部屋を出ていく前に指示をする。

 

「一応、警備をよろしく」

 

『♪~~~~』

 

ラビットアーマーは頷き、タンクアーマー達は敬礼する様に整列して自身の主の指示を聞いた。ここに置いていく物の警戒は怠れないと戦兎は考えながら扉を閉じた。

 

 

_________

 

あれから時間は過ぎて今日は何時も通りに訓練と鍛錬で終わるはずだった。

 

「今日が翼とマリア君が帰還するぞ」

 

以前は余り話せなかったからかヴィヴィオは翼と再び会えるのを楽しみにしている。

その理由が自身の母親と同じ声だからと言うのは誰も知らない。

 

「指令!二人が乗った飛行機がアルカ・ノイズ攻撃を受けています!」

 

「なに!?」

 

敵はそう簡単に装者を帰らせてはくれないらしい。まだ海の真ん中の為、戦兎は魔法陣を展開した。

 

「弦十郎さん、俺が出ます!」

 

「なに!?、待ってくれ戦兎君!」

 

だが、戦兎は転移した。空から落下する中、ベルトにハザードトリガーをセットしてフルフルフェニックスロボボトルを振る。

 

『フェニックス』

 

セットしてからハンドルを回す。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

ハザードフォームへと姿を変えて転移してきたツインフェニックスアーマーを装着していく。

 

『ツインフェニックス!』『ヤベーイ!』『マジヤベーイ!』

 

羽を広げて炎に身を包んで加速していく。だが、流石に飛べてもスピードでは落下していくマリアを追いかけたノイズには追いつけない。

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

「おりゃああ!!!!」

 

だが、ノイズの刃はマリアに触れることはなかった。

 

「よっと!」

 

彼はマリアを抱えたままドンドン加速していく。

 

「何者だ!?」

 

「翼、あれは俺の仲間だ」

 

戦兎は共にノイズを撃退した翼の疑問に答える。その視線のさきには、港でクローズと話しているマリアがいた。

 

________

 

龍斗は両腕で抱えたマリアを港まで運んだ。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ありがとう。貴方は何者?」

 

マリアは守り抜いたアタッシュケースを持ったままクローズに聞く。

 

「俺はクローズ。仮面ライダークローズだ」

 

ここに、転移したメンバーが全員揃った。

 




遂に揃った戦兎達。

え?ミカの事を忘れてる?

いやいや、彼女はそこにいるじゃないか。

『バインド』『グラビティ』

ちょ、まっ、ア――――――――!!!


『次回、『疑問』』。期待しないで下さいね』


そ、それでは....また....


『気絶しましたか』


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9.疑問

「何よあれ?」

 

「不確定な敵が現れたわけだ。サンジェルマンに伝えなくては」

 

カリオストロとプレラーティは転移した。サンジェルマンに新たな敵が現れたことを。

 

 

________

 

「よ、戦兎。無事だったか」

 

「おまえもな」

 

マリアと変身を解除した龍斗と再会する。

 

「翼、トランクは無事よ」

 

「そうか。奴らの狙いは一体....」

 

戦兎は魔法陣を展開し本部へと戻った。

 

____

 

時間は過ぎて放課後、響達はすぐさまS.O.N.G.の本部へとやって来た。

 

「翼さん!」

 

「先輩!」

 

「マリア!」

 

「デース、デース、デース!」

 

切歌はマリアに抱きついた。

 

「大騒ぎしなくても大丈夫。バルベルデ政府が長年保有してきた聖遺物関連の資料は無事よ」

 

「そういうことじゃないんです。襲われたんですよね?本当に無事で良かった」

 

響とクリスの安心した顔をみた翼は言った。

 

「帰国早々心配を掛けて済まない。だが、戦兎さんの仲間も見つかった」

 

「先輩、それって本当か!?」

 

クリスは詰め寄ってそのことについて聞く。

 

「ああ。マリアを助けてくれたんだ。」

 

「今はトレーニングルームにいたはずよ。」

 

「だが、安心してばかりいられないのが現状だ。これを見て欲しい。」

 

弦十郎はそう言ってスクリーンを指す。そこには自動人形、ティキが映し出された。

 

____________

 

「先輩!」

 

「よう、一斗。大丈夫だったか?」

 

一斗達にとっては久しぶりの再会だ。戦兎は龍斗から聞いた情報をまとめた。

 

まず、エニグマがこの世界にゲートをつなげたこと。そしてこの世界には、エボルト並にヤベー奴がいる事。そして、LINKERの事。

 

「そう言えば、聞いてなかったな。」

 

戦兎はLINKERを取り出すと、エルフナインの元へと向かった。この液体の正体を突き止めるために。

 

「ノイズだったか。あいつらに対抗できるようにもっと訓練するか?」

 

「「「はい!」」」

 

龍斗達はトレーニングルームを起動させ、ノイズとの戦いに備えた。

 

_________

 

戦兎は扉をノックした。

 

「はーい」

 

「戦兎だ。一つ見てもらいたいものがあるんだ。」

 

戦兎は扉を開けて出てきたエルフナインにLINKERを見せた。

 

「LINKER!?どこでこれを?」

 

戦兎はエルフナインの驚き様に少し引けてしまうもその詳細を語った。

 

「なるほど。別世界への転送ですか....」

 

「それが可能な聖遺物ってあるか?」

 

「それは何とも言えません。この世界には見つかっていない聖遺物が多数存在しているので.....」

 

手掛かりはなしか....

 

戦兎はエルフナインにお礼を言ってLINKERを渡した。これは知っている人が持つべきだと。

 

 

「さて、後はミカを見つけるだけか....」

 

生憎、転移しているかも分からない。戦兎はその足をトレーニングルームへと進めた。

 

 

 



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10.アーマー達の戯れ

戦兎達はアルカノイズが現れた為にシンフォギア装者よりも早く現場に来ていた。

 

「皆、気負付けろ!」

 

既に変身を済ませて来た為にすぐさまアルカノイズの討伐を開始する。

 

「アインハルトさん!」

 

「はい!」

 

ヴィヴィオとアインハルトは連携しながら次々にノイズを灰に変えてゆく。

 

「オラオラオラ!」

 

一斗はツインブレイカー・ビームモードとフォレス・キャノンモードで魔力弾をぶつけていく。

 

「こいつら、次から次へと!」

 

「もう少しでクリスちゃん達がくるはずだから、耐えるんだ!」

 

戦兎はアインハルトとヴィヴィオを庇いながら戦っている。やはり疑似的聖王の鎧のせいで、魔力の消費が激しいのだろう。いつもなら軽く息を挙げるだけな彼女達の額から汗が見られる。

 

「お待たせしました!」

 

庇いながら少しずつ数を減らしていくなか、クリス達が駆けつける。

 

「後は任せた!」

 

「はい!」

 

戦兎は全員に対して魔法陣を展開して、すぐさまトレーニングルームへ転移した。

 

 

___________

 

 

「これ....結構疲れる......」

 

「魔力が切れちゃうよ........」

 

「ここまでとは思いませんでした.....」

 

一斗達は戻ってくると元の姿へと戻って倒れてしまう。心成しか彼等のデバイス達も疲れが見える。

 

「あれだけの数となると、余り人は増やせないな」

 

「ああ。もし次があるなら、俺と戦兎で出よう」

 

いくら何でも命を奪い合う戦場にこれ以上彼女達を巻き込むのはよそうと戦兎達は考えた。そんな中で一斗はもう一度戦い方を模索し始めていた。

 

「そういやあ、こいつら戻れなくなったのか?」

 

「ああ、如何やらエニグマにアクセス出来ないみたいなんだ」

 

彼等の視線の先ではラビットアーマーを背中に乗せて宙を舞うフェニックスアーマーとそれを追い掛けるタンクアーマー達がいた。その内、フェニックスアーマーが燃え始めてラビットアーマーが落下していった。

 

「仕方がないかな。皆、集合!」

 

戦兎はアーマー達を集めてそれぞれに指示を出した。自分が扱えてもアーマーは一つだけ。ならばそれ以外にも活躍できるかも知れない方法を彼等に伝えたのだ。そして、それぞれ練習を始めた。

 

 

___________

 

 

戦兎達は弦十郎達が資料の解析をしている間、街の警戒に当たっていた。いくら弦十郎達の上に伝えてもらってはいないとはいえ、人よりも国を優先した大本を戦兎は許せずにいた。その為、退去命令のでた地区の見回りをみんなでしていたのだ。

 

「これ、似合っていますか?」

 

「一兄、どう?」

 

「ハルもヴィヴィオも似合ってるよ」

 

戦兎達にもS.O.N.G.の制服が支給されたため、その格好で動き回っている。ついでに言うとライダー達はビルドドライバーを装着したままである。

 

フェニックスアーマーは空から警戒に当たっている。タンクアーマー達とフェニックスアーマーはマリア達の方についていっている。

 

一応何か有ったら困るので付けてもらったのだが、一体どうなっているだろうか。

戦兎にはそれが心配だった。



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11.赤いやつ

マリア達はカリオストロに遭遇していた。

 

「なーんだ。色々残念な三色団子ちゃん達か」

 

カリオストロの登場により切歌と調は挑発をうけてしまうが、マリアがそれを止める。

 

「今日は私達に出来る事を全力でやるんでしょう!?」

 

カリオストロはその言葉からLINKERを使い切った事を理解してすぐさま装者が来る前に始末しようとノイズを召喚しようとしたその時だった。

 

「きゃあ!?」

 

「「「!?」」」

 

「一体何処から!?」

 

いきなり砲撃がカリオストロを襲ったのだ。その銃弾が発射された茂みから、タンクタンクアーマー達が飛び出してくる。

 

「二人とも、今のうちよ!」

 

マリアは背中に先程出会ったお母さんを背負って走り出す。タンクタンクアーマー達は彼女達が離れるまで砲撃をやめなかった。

 

「なによこれ!?」

 

ボロボロになったカリオストロは今度こそノイズを召喚した。その時には、クリスが現場に到着した。それを確認したタンクタンクアーマー達は後退を開始した。

 

「待っていたわ!女性ホルモンが煮えたぎりそうよ!」

 

ミサイルに乗ってきたクリスはカリオストロが放つ攻撃をかわしながらノイズへ攻撃を続けていく。その内ミサイルに数発当たり、爆発した。そのまま放たれ続けた攻撃により、クリスは砂埃に隠れてしまう。そして、大技を発動させていた。

 

「焦って大技を繰り出すと」

 

カリオストロはそのすきを見逃さす、クリスへと接近する。

 

「そのすきが命取りなんだよね」

 

「ああ、誘い道によって隙だらけだ」

 

カリオストロはクリスの言葉に後ろへ振り向くが、以前見た時と違い速くなった響によって肘を腹に入れられてしまう。

 

「あぅ....」

 

「映画は何でも教えてくれる!」

 

カリオストロは起き上がるが、自身の後ろに何かがあることに気が付く。

 

「壁?」

 

「壁呼ばわりとはぶしつけな。剣だ」

 

カリオストロはこの状況に舌を打つ。だが、サンジェルマンから念話が来たことによりすぐさま転移していく。勿論捨て台詞を忘れずに。

 

「にしてもお前来るのが早すぎないか?」

 

「ああ、それはこの子のおかげだよ。」

 

響は脚に装着していたアーマーを取り外すとそれは茂みの中に消えていき、ラビットアーマーが顔を出した。

 

「戦兎さんか。あたしが来る前にもタンクアーマー達がカリオストロを射っていたしな」

 

クリスは自身を助けてくれた戦兎を思い出した。

 

___________

 

 

「私お水貰ってくるデース!」

 

「待ってきりちゃん。私も」

 

切歌と調は水を取りに行ってしまう。マリアはお母さんに聞く。

 

「お怪我はありませんか?」

 

「むしろあんたらの方が大変じゃったろうに。ワシがグズグズしてたばっかりに迷惑かけてしまったたねぇ」

 

「私達にも守る力があれば、お母さんをこんな目には....」

 

マリアの視線の先にはタンクタンクアーマー達がいる。自分達に力があればと考えてしまっているのだろう。お母さんは話題を変えることにした。

 

「そうじゃ!せっかくだからこのトマト、あんたも食べておくれ」

 

お母さんは背負っていたかごを降ろしてそこから一つトマトを取り出しマリアに差し出した。

 

「私、トマトはあんまり....」

 

そう、マリアはトマトが苦手なのだ。それを知らない彼女の優しさを断れずマリアはそれを受け取り食べた。

 

「甘い!?フルーツみたい...」

 

それを見たお母さんは嬉しそうに笑った。

 

「トマトを美味しくするコツは厳しい環境においてあげること。ギリギリまで水をやらんと自然と甘みを蓄えていくもんじゃよ」

 

マリアは問いかけた。

 

「厳しさに、枯れたりはしないのですか?」

 

「むしろ甘やかしすぎるとダメになってしまう。大いなる実りは厳しさを耐えたその先にじゃよ」

 

「厳しさを耐えたその先にこそ...」

 

「トマトも人間も、きっと同じじゃ」

 

マリアはそこに、今の自分を当てはめた。




トマトは自然に育っていく。

飼育する中で大切なのは、たまの水やりと病気になっていないかの確認だけ。

その先に待っている実りを楽しみにしながらも、厳しさを与え続ける。

この季節は、トマトが美味しくなる時期です。




このまま、ミカさんは登場しないのか!?

『早く出しなさい』

あ、はい....


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12.X「未知数」の可能性

ライダー達は走っていた。それは統制局長アダムによって行われる黄金錬成が原因だった。アインハルトとヴィヴィオには起こるであろう衝撃波に耐えられる様にバリアを張って貰っている。2人が辿り着いた頃にはアダムの創り上げた核エネルギーを放つ球体は、その形を大きくしていた。

 

「遅かったか、みんなこっちだ!」

 

龍斗と一斗は切歌と調と共にクリスと響を連れてすぐさまその場を離れる。翼はアガートラームをまとったマリアが連れて行っている。

 

「ふん!」

 

アダムは創り上げた球体を真下の地面へと投げた。だが、それは地面に接触する事はなかった。

 

『アルティメットマッチ・ブレイク!』

 

『ハザード・フィニッシュ!』『ツインロボット・フィニッシュ!』

 

「はああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

ビルドツインロボットフォームが放った砲撃はそれを真下から跳ね上げていた。

 

「ほう。私と同じ様な力を持つとは....だが!」

 

アダムはその威力を上げていく。少しずつだが、ビルドは押し負け始めていた。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」

 

その間に装者を連れた龍斗達はバリアが張られたドームの中に入る。

 

『フォートレス』

 

一斗はフォートレスへと姿を変えて必殺技を放ちさらに大きな盾を展開する。

 

龍斗はマグマライズドラゴン達をバリアの外側に召喚した。

 

「ふん!」

 

その言葉と共にビルドはアダムの力に押しつぶされそのままあたり一面と共に消滅した。

 

「黄金錬成は成功したか....これくらいで壊れるなら障害ではないな」

 

そう言ってアダムは姿を消した。

 

 

____________

 

 

シンフォギア装者達が見たのは、陥没した台地だった。あったはずの風鳴機関ごと消滅している。

 

何とか研究員全員は戦兎が転移させた為無事だったが、龍斗が肝心の戦兎がいない事に気が付いた。

 

「おい、戦兎!おい!!!!」

 

叫び声に返ってきたのは瓦礫を動かす音だった。

 

「何とか生きてるよ......」

 

いくらアーマー達の中で一番出力と防御力があるロボットアーマーでも、アダムの黄金錬成は受けきれなかったらしい。アーマーは所々無くなっており、ハザードフォームが露出し始めている。ハザードフォームもボロボロの状態らしく、戦兎は立ち上がったもののこれ以上は動けないみたいだ。

 

「今いく!」

 

龍斗は変身が解除される前に戦兎の元に辿り着いた。気を失う前に、戦兎は一つの可能性に辿り着いた。未知数には未知数をぶつけるしかないと。だが、それが皆に伝えられる事はなかった。

 

「今すぐ病院に!」

 

S.O.N.G.は徹底的に、完膚なきまでに敗北した。

 

そんな中で、戦兎のベルトのホルダーのエンプティボトルが何かの粒子を集めていた。



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13.Z「破壊者」の再来

誰が予想しただろうか!?

この世界に奴がいるなどと!?


戦兎は病院へと運ばれていった。それにヴィヴィオとアインハルト、一斗が付いていった。

 

負傷者は4人。マリア、切歌と調もLINKERなしでのシンフォギア使用により戦兎と同じ様に東京へと運ばれていった。

 

既に全員が風鳴機関本部を破棄して撤退している。

 

「残されたLINKERは戦兎さんの持っていた一つだけ....」

 

エルフナインは再びLINKERの開発に向かった。そこで、一つの疑問に当たった。

 

「...アガートラームなら....」

 

推測だが、エルフナインはLINKERの完成に少しずつだが近付き始めていた。

 

__________

 

また、父さんは倒れた。一斗はそれを見て居てられず、病院の屋上へ来ていた。

 

「最高火力ですら、あの男には......」

 

一斗は張られた柵を叩いた。今の自分でも、父さんでも勝てるかわからない。それに何処かイラついていた。

 

『『♪~~~~』』

 

「フク、フォレス....」

 

今自分に出来るのは、皆を守った父さんの抜けた穴を埋めること。相棒達と共に、出来る事の為に動き出した。

 

「声を掛けてくれればいいのに...」

 

「あなたが、その迷いを自分の力で断ち切ると信じてましたから」

 

アインハルトは出入口で待っていた。

 

『複数のアルカノイズがその病院の近くにも現れた!向かってくれ!』

 

通信が来たために一斗とアインハルトは病院を出た。その途中で合流したヴィヴィオと一緒に。

 

 

___________

 

 

クリスは切歌達に奢ったものと同じクレープを食べながら考えていた。

 

以前助けてくれた戦兎の事の役に立ちたかった。幼かった自分の心の支えの一つが、傷ついたのを、見てはいられなかった。

 

それでも彼女は理解していた。どんな選択をしてもその過去は変わらない。自分の信じた決断を曲げてはならない事を。

 

『特大サイズのアルカノイズが現れた!至急向かってくれ!』

 

弦十郎の言葉で我に返った。

 

「私達はマリアとエルフナインの様子を見てます!」

 

切歌の言葉に頷きながらもヘリコプターの回収地点へと向かった。

 

 

__________

 

 

 

「よっと....ここはどんな世界かな?」

 

一斗と似たような姿をした男は、ビルの上に転移してきた。

 

「お~~やってるやってる.....ん?」

 

大型ノイズと装者の戦いを見ていたその男は自身の知っている気配を察知した。

 

「俺がいるのか?だが、この世界には俺はいないはず.....」

 

その気配を追う中で、自身の追い求めているモノを見つけた。

 

「は、ははははははははははははははははははは!!!!!!」

 

そして楽しそうに、嬉しそうに笑った。まるで新しいおもちゃを手に入れた純粋無垢な子供の様に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「会いたかったぞ!戦兎!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その男、エボルトは再び動き出した。





『悲報』
BAD ENDルートで世界を破壊しまくっていたエボルト、シンフォギアの世界に来る。



まさかこんなところまでエボルトが関わってくるなんて思わなかった事でしょう。

ですが、やはり彼等の物語には奴が必要だと思いましてね。

また戻ってきて貰いました!

Zの読み方はゼータとなっています。最近見たデュエマのカードから取って来ました。

___________


再び出会った2人のエボルト

だが、一斗は現れたエボルから違和感を感じ始める。

そんな中でも、パヴァリア光明結社の計画は進んでいく

次回、『2人のエボルト』


さぁ、破滅の歌を歌おうか


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14.2人のエボルト

「まだまだいくぞぉ!!!」

 

グリスは両手に構えた武器でノイズを次々に片付けていった。

 

「ヴィヴィオさん!」

 

「はい!」

 

協力しながら魔力の消費を控えながら打撃を決めていく。数が減っていく中で響達が分裂したノイズを追って行ってしまう。アインハルトとヴィヴィオも港から街に出てしまったノイズを追って行っている。

 

片付いた頃、一斗は拍手を聞いた。それは倉庫の上からだった。

 

「いやいや、お前がここまで成長するとは思わなかったな」

 

その声の方向を向いた一斗は驚いた。何せ、自分がいるのだから。

 

「よお、一斗。戦兎の奴の居場所を知らないか?」

 

だが、先の台詞を聞いて何者なのかを判断した。

 

「エボルト!?お前は父さんが倒したはずだ!!!」

 

「ほぉ....お前たちのいた世界だと俺は戦兎に負けたみたいだな。つまりお前の中の遺伝子を回収出来てない訳か」

 

そう言いながら倉庫の屋根から飛び降りてエボルドライバーを装着する。

 

「折角だから遊んでやるよ」

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

取り出したボトルのキャップを正面に合わせてベルトにセットしハンドルを回す。

 

「変身!」

 

展開されたライドビルダーはビルドと同じ様にアーマーでエボルトを挟み込む。

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!』

 

エボルへと姿を変えたエボルトは一斗へとゆっくりと近付いていく。

 

「お前を父さんに会わせるわけにはいかない」

 

『ビルドドライバー!』

 

「何?」

 

変身を解除してベルトを付け替える一斗。その理由を知らないエボルトは何処かワクワクしながらその様子を伺っている。それを気にすることなくフクをロックモードへと変形させて、フルボトルをセットする。

 

『ネクストジェネレーション!』

 

『オウル』

 

ハンドルを回してライドビルダーを展開して、左胸に右拳を持っていく。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

前後からアーマーに挟み込まれて更に追加パーツを纏う。

 

『Start up Your owl! Change GREASE LOCK!』『YEAH!』

 

「それがお前の新しい力か!!!」

 

グリス・ロックフォームを見たエボルトは嬉しそうにその口を開いた。マスクで見えないその顔が一斗には笑っている気がした。

 

「おりゃあああ!!!!!」

 

「来い!」

 

グリスは先程とは違いキャノンモードのフォレスを左、ツインブレイカー・アタックモードを右に構えている。エボルトはビームとパイルバンカーの乱れ内を交わしていく。

 

「以前と違って正確に攻撃が出来る様になっているが、俺には勝てないぞ!」

 

「わかってらぁ!」

 

ツインブレイカーをコブラフォームの左肩アーマーに突き刺す。エボルトはその威力を図り切れず後退してしまう。

 

そのスキを逃さずにグリスはベルトのハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

『ロジック・フィニッシュ!』

 

グリスの身体中にあるスピーカーから衝撃波が発生する。ツインブレイカーが突き刺さりひびが入っていた肩アーマーは砕け散り、ツインブレイカーが落下する。エボルトは肩アーマーの破壊に驚き更には衝撃波と共に出された高音のノイズによって動きが鈍ってしまう。

 

『ビームモード』

 

『READY GO!』

 

ミッドチルダの街を破壊した異星人に一斗は一切の容赦をしない。落下するツインブレイカーを右手で拾い上げて直ぐにビームモードへと変形させてフォレスをセットする。

 

「これでも食らっとけ!!!」

 

『レッツフィニッシュ!』

 

放たれたエネルギー砲はエボルトを空中へと吹き飛ばした。

 

「がっ.....」

 

変身が解除されて一斗の姿をしたエボルトが現れる。

 

「俺はもうお前の遊び相手じゃない」

 

一斗はツインブレイカーをエボルトへと向ける。そんな中でエボルトは話し出した。

 

「俺の予想を超える成長を遂げたお前に免じて、一つ良いことを教えてやる」

 

「何?」

 

「お前が成長していく中でどうやっても俺に近付いていくことにな」

 

エボルトの言葉に一斗は思い当たる節が有った。マッドローグとの戦いの中で変身したラビットドラゴンフォームは本来ベストマッチの組み合わせではない。それなのに何時も以上の威力が出たのはエボルトの力があったから?

 

一斗はそれ以上エボルトの言葉を聞いてはいられなかった。

 

「黙れええええええええ!!!」

 

だが、放ったエネルギー弾はエボルトが開いた小型のゲートに吸い込まれていった。

 

「今度は完全体で遊んでやるよ。戦兎によろしくな、チャオ♪」

 

そのままエボルトはゲートの中に消えていった。変身を解除した一斗は呟いた。

 

「僕は、エボルトになってしまうのかな....」

 

その答えは返ってこない。一斗はそこから動かず、アインハルトとヴィヴィオが来るまで空を見上げていた。




一斗は自身がエボルトだという事を知った。

だが、余りにも考えている時間はなかった。



次回、『愚者の石』




クオリティは落ちていく。

それではまた!


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15.愚者の石

ヴィヴィオ達に連れられてホテルへ返ってきた一斗は何処か上の空だった。

 

「何かあったのかな.....」

 

「一斗さん.....」

 

ヴィヴィオもアインハルトもその理由が知りたかった。その理由があの破壊者だとは気づくことはない。仮に気付いたとしても、彼女達に出来ることは限られているのだから。

 

『一斗、聞こえるか?』

 

「先輩?どうしましたか?」

 

念話で龍斗から連絡が来たので意識を戻した一斗を見て彼女達は安心する。

 

『今、戦兎の病室に来ててな。目が覚めたぞ』

 

「すぐ行きます!」

 

『『♪~~~~~~』』

 

一斗は椅子に掛けてあったベストを取りながら相棒達と共に部屋の外へ出ていった。

 

「ま、待ってよ~!」

 

「置いて行かないでください!」

 

その後をヴィヴィオとアインハルトが追っていった。部屋には

 

『『♪~~~~』』

 

ラビットアーマー、フェニックスアーマー、タンクアーマー達が残された。

 

 

 

 

一斗達が病院へ向かっている頃、エルフナインが可能性を見出した石、クリスが名付けた愚者の石探しが行なわれていた。そんな中でもカリオストロとプレラーティはその調査中に襲撃してきた。

 

それを一斗達が知らされる事はなかった。

 

____________

 

 

「よお、戦兎。久しぶりだな」

 

「エボルトなのか?」

 

ここは戦兎の夢の中。当の本人は気づくことはない。

 

「俺はもういない。過去で完全に消えたんだからよ」

 

「そうだよな....」

 

戦兎はため息をつく。いくら何でも世界を破壊しようとする者との戦いが多過ぎるからと、エボルトがひょっこり顔を出しただけだと思ったのだ。

 

「安心しているところ悪いが朗報だ。まず、俺はエボルトじゃない。パンドラボックスって言ったらわかるか?」

 

「ああ。俺達に協力してくれたのはお前だろ」

 

すると、一斗が笑う時と同じ様に笑ってみせた。

 

「正解だ!俺は何度も世界が滅びるのを観てきた。そんな中でもお前たちが一番あいつと戦えたからな」

 

パンドラボックスはその手を開きとある石を見せてくる。

 

「これは?」

 

「ん~、あいつらが言うには『愚者の石』ってところだな。こいつはエルフナインが持っているはずだ。必ず手に入れろ」

 

「どうして?」

 

こちら側の世界の物を持って帰る訳には行かない。それくらいは理解していると戦兎言おうとした。だが、その言葉はパンドラボックスの言葉で声に出されることはなかった。

 

「別世界のエボルトがこの世界にやって来た」

 

そう、戦兎にはそれだけで十分だったのだ。

 

「ヒントはお前の持ってるエンプティボトルだ。チャオ♪」

 

その言葉を最後にパンドラボックスの姿は薄くなっていく。そして、戦兎は病室で目を覚ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『愚者の石』か.....」

 

迫りくる別世界のアイツとの戦いに備える為に。

 





とある音声を発動する為にはこれが必要だと判断し、シンフォギア装者達の物語はかなり削り取っていきます。



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16.少年

「父さん!」

 

一斗は戦兎の病室に駆け込んだ。

 

「来たか、一斗」

 

それを迎え入れた龍斗は戦兎のベットの横の椅子へと案内する。その後龍斗は部屋の外に出た。

 

「ごめん、俺が倒れたばっかりに....」

 

「ううん、目が覚めて良かった....」

 

戦兎が誤るも一斗は気にしていないようだ。それよりも大事なことがあるからと。

 

「父さん、伝えなきゃいけないに事があるんだ」

 

「エボルトの事だろ?」

 

一斗は戦兎の言葉に驚いた。何故今から自分が話そうとしたことを知っているのか?

 

「気絶している間にパンドラボックスの意識に会った。そいつが言ってたんだ。別世界からエボルトが来たって。」

 

「.....うん。僕そっくりだった。」

 

「そうか.....話を戻すぞ。そいつが言うにはエルフナインが持つ『愚者の石』を手に入れてその成分からフルボトルを作ろうと思っている。一斗、エルフナインに聞いておいてくれないか?」

 

「分かった。聞いておくよ」

 

会話を続ける中、一斗の違和感を感じた戦兎。その理由を何となくだが予想した。

 

「エボルトに何か言われたか?」

 

一斗は俯き話し出す。

 

「....僕は、エボルトになるかも知れない。あの日、有り得ない組み合せで変身していつもよりも威力が出たんだ....」

 

戦兎は一斗とマッドローグの戦いを思い出していた。あの後、一斗が言っていた組み合わせで自分と龍斗が試してみたが変身すらできなかったことを。それでも、戦兎自身の答えは変わらない。

 

「一斗。君が何者であったとしても、俺の息子であることに変わりはないよ」

 

「!」

 

目じりに涙を貯めた一斗の顔が上がる。

 

「君は誰かの為に戦える。エボルトとは違うんだよ」

 

「僕は....怖いんだ.....僕が僕じゃない誰かになってしまうんじゃないかって....」

 

一斗の頭に右手を乗せて、撫でながら戦兎は言う。

 

「一斗は一斗。それは絶対に変わらない。もし君がエボルトになってしまうなら、その時は何度でも俺が手を伸ばす。そして助け出すよ」

 

「う、うあ、ぁぁぁ.....」

 

今は泣いてもいいんだよ。

 

日は傾き、夕日が泣き疲れて眠る少年を照らした。

 

それをアインハルトは近くで見ていた。

 

________________

 

 

「エルフナイン、愚者の石って持ってるか?」

 

「はい、まだありますよ。ですが何に使うんです?」

 

龍斗は戦兎に頼まれて愚者の石を取りに来ていた。

 

「こいつを使わなきゃあいつには勝てないって考えたんだよ」

 

「ですが、それをどうやって....」

 

「こうするんだよ」

 

龍斗は渡された粒子の入ったエンプティボトルのキャップを捻る。すると、愚者の石のかけらが粒子となって吸い込まれていった。

 

「こんなもんかな。ありがとな。」

 

「異世界ではそんなことができるんですね...」

 

龍斗が愚者の石のを返して去っていく。エルフナインはあのボトルを錬金術で製作出来ないか考えていた。



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17.お前が戦わなければ誰が戦うと思う?

万丈だ。




龍斗は暗くなり始めた街を歩き病院を目指した。だが、そう簡単に事は進まない。

 

「よお万丈。会いたかったぜ」

 

「....お前だけには会いたくなかったよ。エボルト」

 

龍斗は一斗と戦兎の会話の後、エボルトがこの世界にいる事を伝えられた。まぁ、本人もこんなに簡単に出会うとは思っていなかったみたいだが。

 

「この世界には面白いものがあるんだよ。ノイズって言うらしいんだが知ってるか?」

 

「ああ。この世界に来て直ぐに戦ったよ。」

 

龍斗がノイズの危険性を知ったのはその後だが、エボルトが知る由もない。

 

「さて、本題だ。俺はお前がどれだけ成長したのか知りたい」

 

「お断りだ。こんな街中で戦う訳には行かない。」

 

そう彼等は今、人混みの中で会話しているのだ。ここで戦えば関係のない人々に危害が及ぶ。ましてや相手はエボルトだ。何をしてくるかなんてわかったものではないと龍斗は頑なにその戦いを拒否した。

 

「そうか....ならいいことを教えてやる。」

 

そう言ってエボルトはゲートを開く。そこから出てきたのは....

 

「ノイズ!?」

 

街中から悲鳴が聞こえてくる。

 

「この世界に来てからアクセス出来る様になってな。これでお前は戦わざるを得ないわけだ。」

 

「やめろ!わかった。俺が戦えばいいんだろ?」

 

エボルトはそのゲートを閉じたが、放たれたノイズ達は次々に人を灰に変えていく。

 

「なっ!?」

 

「残念ながら俺にはあいつらはコントロール出来ない。」

 

龍斗は困惑した。自分が戦うのを拒否したせいで関係の無い人々が犠牲になっていった事に。自分自身の選択が憎くて憎くて仕方がなくなりそうなほどに。

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!』

 

「ふん」

 

コブラフォームへと姿を変えたエボルトはノイズから逃げた人々に毒を打ち込んで次々に消滅させていく。

 

「やめろぉぉぉ!!!!」

 

『ウェイクアップ クローズ!』『ゲット グレートドラゴン!』『イエーイ!』

 

龍斗はグレートクローズへと変身してエボルトに攻撃する。

 

「パンドラボックスの力の一片を手に入れたか.....つくづくお前は面白い!」

 

パンドラボックスの力を手に入れるには、パンドラボックスに認められる事が必須なのだ。マグマフルボトル、フルフルフェニックスロボボトルがいい例だろう。戦兎の夢の中に意識が登場したのは、そのボトルのせいなのだ。

 

『ビートクローザー!』

 

「消えろぉぉ!!!!!」

 

『READY GO!』

 

『ドラゴニック・フィニッシュ!』

 

龍斗は逃げる人々へと迫っていくノイズ達を一振りで灰に変えた。放たれたノイズは増える個体ではなく、すべて消えた。

 

「ぜってぇ許さねぇ!!!!」

 

『ボトルバーン!』

 

「そうだ、それでいい」

 

エボルトの言葉の意味を龍斗は理解しなかった。

 

 



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18.始まる儀式

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

「オラァ!!」

 

クローズマグマへと姿を変えた龍斗はその拳をエボルトに叩き込む。

 

「ぐぉ....ハザードレベル5.5か....お前も一斗の様に成長し続けているみたいだな!」

 

食らったエボルトはそのハザードレベルを測り、嬉しそうに攻撃を放った。紫のオーラをまとった左拳が龍斗の腹部を襲い、龍斗はマグマで有ってものけぞらされてしまう。

 

『ドラゴン』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

『エボルドラゴン!』

 

「お前にはフェイズ2がお似合いだ!」

 

コブラエボルボトルをドラゴンエボルボトルへと交換してドラゴンフォームへと変化したエボルトは呼び出したビートクローザーで斬撃を放つ。

 

「うおおおおおおお!!!!!!!!!!」

 

複数放たれた斬撃は周りの建物を破壊する事ができるものだった。全て交わすことができるクローズマグマだが、建物の中に人影を見付けてそのビルを守るようにその斬撃を受けた。

 

「ぐはぁ....はぁ......」

 

変身が解除されて地面に崩れ落ちる。威力を自分の体で相殺した為、服の下から血が流れ始めていた。

 

「ビルにいた奴を庇ったか....まぁいい。お前のハザードレベルは測れた。後は戦兎だ。」

 

「ま......て.....」

 

龍斗は薄れていく意識の中でエボルトの後ろ姿をぼんやりと覚えていた。

 

その後、ノイズの反応が有った為にやってきた装者達に発見されて病院へと運ばれた。

 

__________

 

 

「龍斗....」

 

戦兎は自身の病室に連れてこられた龍斗を見つめた。体は健康そのものなのだが如何せん切り傷が大きく完治するのに1月は掛かるといわれてしまった。まだ意識がぼんやりとあるからか、龍斗は戦兎に手を伸ばした。

 

「......戦兎、これを」

 

龍斗が渡してきたのは、金色に輝くボトルだった。

 

「それには.....愚者の石の.....成分が.....」

 

「分かった。もう休んでいてくれ」

 

全て言い終える前に龍斗は眠りに付いた。戦兎は静かに自身のベッドから降りて私服へと着替えビルドドライバーを装着した。

 

「龍斗。仇は取ってくる。」

 

戦兎はそう言って病院の窓を開け飛び出した。ここは病院の二階なのだが、地面に降り立つ前にマシンビルダーを起動させ、目的の場所へ向かった。一斗達から聞いた鏡写しのオリオン座を一望できる場所はただ一つ。そこにあいつもいるだろうと思いながら。



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19.エボルトさんの人間観察

シンフォギア本編ではあった二日間が龍斗の治療、入院となっています。

そして、一斗達も今はホテルで待機しています。


それでは、本編をどうぞ!


サンジェルマンは神へ譲る扉を開こうとした。その様子を見ながら楽しんでいる奴がいる。

 

「そろそろか.....神の力とやら....」

 

エボルトは天変地異の前振りが起こり始める中で、一つの存在が自身に近付き始めていることに気が付いた。

 

「このままここで見てるつもりだったんだがな......お前が俺を追いかけてくれるなら俺は先に行ってるぞ」

 

光の柱が数本立つ中、エボルトはゲートを開いた。ティキの中に力が入っていく様子を伺う為に。

 

「.....いない....」

 

戦兎がバイクで到着した頃にはエボルトはおらず、進路を祭壇へと変更した。

 

 

___________

 

「エネルギーの流れが遮断されたか....」

 

エボルトはサンジェルマンが倒れてティキが落下するのをのんびりと見詰める。そして駆け付けたシンフォギア装者によってボロボロにされていくサンジェルマンを観ながらあくびをする。つまらない。犠牲がなんだ。ただ楽しめばいいのにと。

 

「この星の、未来のために....私は世界を革命する...!」

 

サンジェルマンの言葉に、スカリエッティが零していた嫌味を思い出す。確かあいつも支配されていたんだっけなと。

 

「神様が仕掛けた呪いを解くのに神様の力を使うのは間違っています。人は人のまま変わっていかなければならないんです」

 

聞こえてきた響の言葉に笑いそうになるエボルト。そうだ。これだ。俺は人間という生き物が好きなんだ。その中でもやはり戦兎は格別だと。

 

「そこまでにしてもらうよ。茶番は」

 

更に現れたアダムに大いに喜んだ。誰かを利用してまで何かを手に入れようとするこの人間らしさこそが俺の求めていた物だと。

 

空に開かれた扉。そこに吸い込まれるようにして浮かび上がっていくティキ。

 

エボルトは気配と声を押し殺しながらそれを見続けた。そんな中でサンジェルマンがやって来たアダムに問い掛ける。

 

「用済みだな。君も」

 

指を鳴らし放たれた一撃は、エボルトも予想だにしなかった威力が出ていた。

 

「不味いな.....」

 

どうにかゲートを開いて転移したもののそこには.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ってたぞ。この時を」

 

 

「だから転移したくなかったんだ。お前が俺の近くに来ていると、どうしてもそこにゲートを繋げちまう」

 

バイクにまたがっている戦兎がいた。

 

 

ここに相反する者達がぶつかり合う。

 

 

物語は、終盤へと向かっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ティーダ様、この先だと思われます』

 

「了解です。このまま突入します!」

 

『デンジャー!』

 

 

 

 

 

そして彼らも物語に合流し、役者が出揃う事になる。





遂にぶつかり合う2人。

何度も繰り返してきた戦いに本当の終止符を打つ為に戦兎は戦う。


次回、『創造 VS 破壊』

対をなす力は、何を引き起こすのか。


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20.創造 VS 破壊 前編

『グレート!』『オールイェイ!』

 

戦兎はジーニアスボトルを起動させる。エボルトは楽しそうに笑いながらエボルボトルをベルトにセットする。

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

『『ジーニアス!』』

 

同時にハンドルを回してそれぞれのファクトリーを展開する。

 

『イェイ!』『イェーイ!』『イェイ!』『イェーイ!』

 

『♪~~~~~~~~~~~~~~~』

 

戦兎の足元から特殊加工設備『プラントライドビルダーGN』が形成され、周囲に60本のエンプティボトルが展開される。

 

 

『『ARE YOU READY?』』

 

「「変身!」」

 

ビルドマークが胸部に出現し白いボディを形成する。同時にエンプティボトルに成分が注入され、プラントライドビルダーGNから射出された60本のフルボトルが全身に装着される。

 

『完全無欠のボトルヤロー!』『ビルドジーニアス!』『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!』

 

コブラフォームとジーニアスフォームは並び立つ。エボルトはトランスチームガンを構える。

 

「その姿は俺の力と似ているなぁ!」

 

そう言いながら発砲する。放たれた銃弾は全てビルドが防ぐ。そして一気に近づく。

 

「何!?」

 

構えていたスチームガンを握り潰し、左手でパンチを繰り出す。

 

「ぐっ」

 

エボルトは咄嗟にグリップだけになったトランスチームガンを投げ、ビルドの拳とぶつかり合った。

 

「お前は何処までも俺の予想を超えてくれるなぁ!!!」

 

『エボルドラゴン!』

 

エボルトはドラゴンフォームへと姿を変え、ビートクローザーで攻撃を放つ。ビルドは直ぐにドリルクラッシャーを呼び出してその攻撃を防ぐ。

 

「何故、一斗に接触した?」

 

「あいつは俺だ。記憶がなくても、力がなくても少しずつだが俺に近付いていく。だからこそ、あいつを壊そうとした」

 

エボルトの目的。それは世界を破壊する以外にもう一つある。一斗の心を壊してその体を乗っ取ることで、平行世界の自分の力を手に入れようとしているのだ。

 

それを戦兎達は知らないが、何となくだが予想はしていた。

 

「お前がなんて言おうと、一斗は俺の息子だ!それに変わりはない!!!!」

 

「諦めろぉ!!あいつは、桐生一斗は何処までも俺であることに変わりはないんだよぉ!!!!」

 

『スペシャルチューン!』

 

『スマッシュスラッシュ!』

 

エボルボトルをビートクローザーにセットし、一回グリップエンドを引く。エボルトは武器を押しつけてビルドを切りつけた。ビルドにダメージはなかったもののドリルクラッシャーが壊れる。

 

「俺は進化をし続ける!!!」

 

ビルドと距離を置いたエボルトはラビットエボルボトルを取り出す。

 

 

だが、フォームチェンジされる事はなかった。

 

「あれが、神の力か!!!!!!!!!!!」

 

戦兎は目撃した。宙へ放たれた光の柱は何処までも伸びていく。そして、星を破壊した。

 

「戦兎、お前の相手は後だ。」

 

エボルトはゲートを開いて何処かへ行ってしまう。残されたビルドは、ホテルの部屋に魔法陣を繋げた。

 



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21.ディバインウエポン

戦兎は転移し変身を解除した。部屋には一斗達が待機している。

 

「父さん、やっぱり抜け出してたんだね」

 

一斗達に対して戦兎が行方不明になったと連絡が来ていた。そのまま戦兎は閉じられたカーテンを開く。

 

そして、神の力の具現化しているティキを見る。

 

「エボルトがあの力を狙ってる。どうしても阻止しなければならない。力を貸してくれ」

 

「勿論、僕は戦うよ」

 

「私達も、何か力になれる事はありませんか?」

 

アインハルトとヴィヴィオが何か出来ることはないかと聞いてくる。その為戦兎は一つ頼みごとをする。

 

「これでいいんですか?」

 

「ああ。きっと力になるはずだ。」

 

すると、ディバインウェポンを解除したのが確認できた。

 

「いくぞ!」

 

戦兎は魔法陣を展開し、一斗と共に転移した。

 

_____________

 

 

響はティキを破壊した。そして、アダムはちぎれた自身の左腕にその力を付与しようとした。だが、

 

「うあああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

神の力は響に宿った。

 

「楽しくなってきた。あの力を、俺のものに....」

 

エボルトは楽しそうにその様子を見ていた。出来上がった繭は脈を打ち続けている。

 

__________

 

 

 

 

__________

 

 

それから3日が経った。戦兎と一斗はS.O.N.G.本部に入り浸り作戦を練り続けた。そして、立花響救出作戦が始まるはずだった。

 

国連の軍隊が繭に攻撃を始めたのだ。このままでは中にいる響に何があるかわからない。戦兎はすぐさま現地へと魔法陣を繋げて転移した。

 

 

「仕方がない、か」

 

戦兎はラビットラビットに姿を変え、フルボトルバスターを振るった。砲撃をしていた戦車の砲身を完全に破壊した。

 

「あなた達がここで戦う必要はない」

 

『待て!貴様は..』

 

誰かが質問をしてくる前に、風鳴機関の跡地に戦車全てを転移させた。

 

「さて.....」

 

繭は先の砲撃によりひび割れている。更にその鼓動を早くして光輝いていく。

 

「響ちゃん、必ず助けるから」

 

戦兎はフルボトルバスターをキャノンモードにして構えた。強い光を放ちながら繭は地面に落ち、中身が出て来た。

 

「ディバインウエポン....あいつには渡さない...!」

 

破壊神ヒビキと別世界の英雄の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ティーダ様、あそこにヴィヴィオ様とアインハルト様がいます』

 

「わかりました!このまま飛ばします!」

 

ローグはマシンビルダーを乗りこなしてホテルの屋上に辿り着く。

 

「お待たせ、二人共」

 

「行けます、ティーダさん!」

 

「私も準備は万端です」

 

ミカが魔法陣を展開し、屋上がその様子を変えていく。そんな中でも、戦兎の戦いは続いていた。



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22.進化は止まらない

戦兎が戦う中、装者達は現場を目指した。

 

「何でこんな事を...」

 

クリスは戦兎が自分達に何も言わずに行った事にイラついていた。でも、その理由を理解しているからこそ、強く攻めることはない。

 

「クリスさん!」

 

「一斗か!?どうした?」

 

一斗に呼び止められたクリス。そこで一つのボトルを渡される。

 

「これを父さんに。」

 

そのボトルは、龍斗が傷つきながらでもその存在をエボルトに知られずに守り抜いたものである。3日にも及ぶ浄化がついさっき終わったのだ。

 

「必ず届ける。」

 

「頼みます」

 

クリスはそのボトルを握りしめて走り出す。アームドギアからミサイルを創り出してそれに乗る。

 

 

「さて、僕も行くかな。」

 

計画は何とか順調に進んでいる。一斗は弦十郎に自分も出ることを伝えて戦場に赴いた。

 

______________

 

 

「これ以上は...」

 

戦兎はタンクタンクにフォームチェンジして砲撃をし続けたが、余り効果が見られなかった。これ以上室力を上げれば中にいる響ちゃんに影響があるかも知れない。

 

そう考えてしまい、戦兎は攻撃できずにいた。

 

「戦兎さん!」

 

「来たか!」

 

シンフォギア装者達が到着したことにより戦兎は一旦戦線離脱する。遠距離からの支援に徹底するためだ。その際に投げ渡されたボトルをバスターキャノンにセットしておく。

 

「父さん、何時でも行けるよ!」

 

『お待ちしてました、マスター』

 

「ミカ、一斗、やるぞ!」

 

アガートラームによって拘束されているヒビキに向かって、複数の魔法陣を展開する。

 

「「『バインド!』」」

 

放たれた複数の鎖がヒビキの体に巻き付き、更にその自由を奪う。そして、S.O.N.G.の特殊部隊によってアンチリンカーが撃ち込まれる。

 

『響~!』

 

響ちゃんの幼馴染、未来ちゃんの声が聞こえる。彼女の声は、以前も響ちゃんを救ったらしい。今はそれにかけるしかない。

 

「一斗、準備はいいな!」

 

「おう!」

 

既にグリスフォートレスは準備を終えており、砲撃を構えている。戦兎はフルフルラビットタンクボトルをベルトから取り外しバスターキャノンにセットする。

 

『フルフルマッチで~す!』

 

『足場の固定化を完了』

 

ミカが魔法陣を展開して、2人の足場を固定化する。これにより、砲撃を放った後の復帰に直ぐに迎えるようになっている。

 

 

そして、響は助け出された。残るは、アメリカから放たれると思われる反応兵器である。

 

 

『マスター、やはり放たれました』

 

「一斗!狙いを定めろ!」

 

一斗と戦兎はその向きを変更する。展開された魔法陣はミサイルに向かって連なっている。

 

そして、戦兎達は引き金を引いた。

 

 

 

 

結果から言うならば反応兵器は戦兎達と、サンジェルマン、カリオストロ、プレラーティ、戦兎達を除いた3人はその命を燃やしてまでその被害を打ち消した。余波を防ぐために結界を展開した戦兎も魔力が切れてしまい、変身が解除される。

 

「父さん!」

 

「大丈夫....」

 

戦兎は消えていく彼女達を見上げた。自身の世界のエボルトにした様に。

 

「チャオ.....」

 

彼女達は日本を救った。これまでの犠牲で世界を変えようとしたが、利用されていた彼女達は......

 

 

 

 

きっと英雄になれたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しなければな。君たちに感謝を」

 

アダムは次元の狭間から自身の左腕に神の力を付与させ始めていた。

 

装者達がそれを食い止めようとするが、アダムはそれを止める。

 

「だとしても!」

 

響はガングニールを身にまとい、飛び上がる。

 

「近づかせないよ。君だけは!」

 

左腕に攻撃されまいとアダムは攻撃しようとするが

 

「アダムのいけず~!」

 

彼の足に壊れたティキがしがみつく。

 

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

「やめろ!都合のいい神殺しかその力は!」

 

アダムはティキに押し倒され動けないままその言葉を発する。

 

「2000年の思いを得たその哲学兵装を!使えば背負う!呪いをその身に!」

 

アダムは忠告する。だが、響は止まらない。

 

「私は歌で、ぶん殴る!!!!!!!!」

 

「あ、あ.....あ.............」

 

響が放った一撃は、アダムの腕ごと神の力を消滅させた、はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

エボル・ブラックホールフォームが、その神の力を吸収していた。

 



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23.創造 VS 破壊 後編

「これで俺は、更なる進化を遂げる!!!!!!!!」

 

神の力は人間に宿る事はない。だが、エボルトは人間ではない。更には、人間の様な感情が存在していないのだ。起こった強大な風は響達を吹き飛ばした。

 

「何者だ!?」

 

「ん?アダムだったか.....お前が言った様に俺も言わなきゃな」

 

アダムの顔は完全に壊れてしまっている。

 

「お陰で俺は更に進化できた。ありがとう」

 

アダムはティキを破壊して立ち上がる。シンフォギア装者達は、この状況を理解できていない。

 

「君だけは殺す。絶対に!!!」

 

アダムはその姿を変えていく。だが、エボルトは待ってはくれなかった。

 

『READY GO!』

 

「お前はもう用済みだ』

 

『ブラックホール・フィニッシュ!』

 

「何!?」

 

瞬間移動によってエボルトは変化しようとするアダムに蹴りを食らわせた。

 

「あ、ああ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ.....」

 

アダムの体は、キックにより破壊されるのではなく、粒子となっていく。

 

「最後の仕上げだ」

 

エボルトはその粒子を胸部のブラックホールで吸い込んでいく。

 

「なんだこれ.....要らない物が多過ぎる。」

 

エボルトはその一部を取り出して拳で破壊した。

 

 

「さて、シンフォギア装者だったか。俺はエボルト。全てを破壊するものだ」

 

 

ギアが解除された彼女達はその闇に恐怖した。が

 

「エボルト!!!!!!!!!」

 

「ハハハハハ!お前は何処までも変わらないなぁ!!!!戦兎ぉ!!!!!!!!!」

 

ビルド・ジーニアスフォームが攻撃を仕掛けた。

 

___________

 

 

戦兎はエボルトが近づいてきたことをミカから伝えられた。

 

「一斗、あれを....実行するぞ!」

 

「ああ!」

 

一斗は転移した。そして、ジーニアスボトルを起動させる。

 

「変身!」

 

戦兎は駆け出し、その姿をビルドへと変える。

 

「エボルト!!!!!!!!!!!!」

 

「ハハハハハ!お前は何処までも変わらないなぁ!!!!!戦兎ぉ!!!!!!!!」

 

放った攻撃は、エボルトに防がれる。そして、拳がぶつかり合う。

 

「俺は進化し続ける!!!お前に追いつけるかぁ!!!???」

 

「追いつけなくたって何度だってお前を止める!!!!」

 

『ワンサイド!』

 

ハンドルを回して、生命体の成分が込められたボトル達が発行する。

 

「おりゃああああああああ!!!!!!!!」

 

『ジーニアス・アタック!』

 

エネルギーの籠った右拳がエボルトをとらえた。

 

「.......残念だ」

 

「何!?」

 

だが、右手で防がれてしまう。

 

「お前には期待していたのにな....」

 

『READY GO!』

 

『ブラックホール・フィニッシュ!』

 

エボルトが放った蹴りはビルドを捉える。

 

「が.......はっ........」

 

『チャオ』

 

「お前じゃ俺には勝てない」

 

ビルドは倒れて行く。

 

「戦兎さああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!」

 

クリスの声が戦場に響いた。

 

 

 



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24.彼もやはり

「おりゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

『レッツブレイク!』

 

『ロジック・フィニッシュ!』

 

ビルドが変身が解除されるとともに、一斗がエボルトの上から現れた。

 

「怒りでハザードレベルを跳ね上げたか!!!!!!!」

 

エボルトはその放たれた一撃を受け止める。普段とは違い威力が跳ね上がっていた。

 

「今だ!」

 

グリスが攻撃を放った後直ぐに叫んだ。すると、歌が聞こえてきた。

 

「なんだこの歌は!?」

 

エボルトはその歌が聞こえる方向へと向いた。

 

『Be The One』

 

「力が、溢れてくる....」

 

切歌はこの声が誰のものかに気が付いた。

 

「ヴィヴィオとアインハルトの声デス!」

 

2人の歌声は、再び彼女達にギアを纏えるようにした。

 

「これが、人が起こした奇跡だ!!!!」

 

「ぐうっ」

 

エボルトにぶつけていたツインブレイカーを爆発させることで、一斗はその場を戦兎と共に離れた。

 

「まだまだ俺を、楽しませてくれるかああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

エボルトは更にその力を放った。周りに有った物は、灰に変わっていく。

 

「今だ!行け!」

 

一斗のその言葉を聞き、彼女達は動き出した。エボルトを倒すために。

 

「僕がいる事を忘れてもらっちゃ困る!!!!!!」

 

ローグも加わり、エボルトは彼等を相手にしていく。そんな中でも、歌声は響き続けた。

 

_________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

「父さん!父さん!」

 

戦兎は聞こえてきた一斗の声で目が覚める。

 

「良かった......」

 

だが騒音が聞こえることから、まだ戦いが終わっていない事を思い知らされる。戦兎は以前一斗から聞いて制作していた2つのフルボトルと自分が使ったボトルを一斗に押しつけた。

 

「その2本は未完成だが......お前なら、使えるはずだ....」

 

「......わかった。行ってくる。」

 

一斗はそのボトルを受け取って走り出した。

 

『フォートレス』

 

「変身!」

 

『Moving fortress!』『Keep shooting GREASE Fortress!』『YEAH!』

 

フォートレスへと変えた一斗の背中を、戦兎は眺めている。

 

『グレート!』『オールイェイ!』

 

ジーニアスボトルを起動させながら。

 

 

_______________

 

 

「俺に束になって掛かってきても無駄だぁ!!!!」

 

エボルトの放ったブラックホールによって装者達のギアは響を除いては破壊されてしまう。

 

「はああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

「神殺しか....俺には効かないぞ!!!!!!!!!」

 

殴り掛かってきた響の腕を掴んで、ブラックホールへと投げ込もうとする。

 

「お前は俺の計画の邪魔にしかならないからな。ここで消えろ」

 

「させるかよ!!!!!」

 

だが、それはグリスによって阻止される。

 

『立花響、こっちだ!』

 

「サンジェルマンさん!?」

 

突然聞こえてきた声に反応してその方向を見る響。その視線のさきにはサンジェルマンが使っていた銃が有った。

 

「響さん!あれを取りに行け!」

 

「はい!」

 

「よそ見している場合か!!!!!!!!」

 

エボルトの攻撃が駆け抜けていく響に当たらないように一斗はその身を挺してまでエボルトの動きを止めた。

 

「邪魔をするな!!!!!!!!!」

 

「があああああああああああああ!!!!」

 

グリスとエボルトの実力には圧倒的な差が有った。全身に装着していたシールドはバラバラに砕け散り、変身が解除される。

 

「これで....」

 

響が銃を拾おうとしたが、その前にエボルトが現れて響は吹き飛ばされてしまう。

 

「こいつにこれ以上力は与えない」

 

エボルはその銃のエネルギーに自身の力を添えてトリガーを引いた。

 

「「響!」」「立花!」「「響さん!」」

 

 

装者達が叫ぶが、そのエネルギーは響へと迫っていった。

 

「ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

一斗は自身の体を無理やり動かして響の前に出た。そしてベルトにフルボトルをセットした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ラビットドラゴン!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはりお前は俺だ!!!!!!!!一斗!!!!!!!!!」

 

以前とは違ったラビットドラゴンが、その姿を現した。



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25.奇跡は起きるものじゃない、起こすものだ!

何かが起こるのを待つだけでは決して起こることはない。

そう、何か起こせばそれは必ず何かが起こる。

それは奇跡も同じ事。

だからこそ、彼らは行動し続けた。


奇跡が起こると信じて。






「一斗、君?」

 

「大丈夫ですか、響さん」

 

一斗はラビットドラゴンへと変身した。だがその姿は以前の金と銀のアーマーではなく、ラビットラビットのアーマーを装着したハーフボディと、クローズ専用のハーフボディが合わさっている。

 

「これを」

 

「へ?」

 

一斗から渡されたフルボトルから成分が抜け出てきて響を包み込んでいく。そのギアが金色に輝き始める。

 

「行けますか?」

 

「うん、行ける!」

 

二人は飛び上がる。一斗はエボルトの向こう側に飛びハンドルを回していく。

 

『READY GO!』

 

「来い!」

 

エボルトも同じ様にハンドルを回す。

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

 

『ブラックホール・フィニッシュ!』

 

「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおら!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

響は腕部ハンマーパーツのギミックを用いた連続パンチを叩き込んだ。一斗も同じ様に連続パンチを叩き込んでいく。

 

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「おりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

一斗と響の攻撃に挟まれたエボルトは攻撃に耐えようとするが、ダメージを受け止め切れなくなっていく。

 

「こんな....ところでえええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

「「おりゃああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

『『TESTAMENT』』

 

二人が放った両腕を揃えた一撃はエボルトを貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「負け、られるかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

だが、それすらもエボルトは進化に利用しようとした。

 

その姿を悪魔の様な姿に変えていく。本来ならばアダムの真の姿のはずだが、それすらもエボルトは進化に利用した。

 

だが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、ここでお前は終わりだ。エボルト!!!!」

 

『ファイナルマッチで~す!』

 

 

ビルドがフルボトルバスターを構えて、響が落としたボトルを使ってエネルギーを収束していた。

 

「皆の力を今ここに一つに!!!!!!!!!!」

 

『ラストマッチで~す!』

 

更にフルフルラビットタンクボトルをセットした。

 

「私達のギアの力が、流れていっているのか!?」

 

「戦兎さん!」

 

「決めてくれ!!!!!!!!!!」

 

完全にギアが解除されるが、そのエネルギーは充填されていく。ローグもそのエネルギーに更に上乗せしていく。それを見た一斗と響はエボルトの動きを止める。

 

 

「離せええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「「絶対に、離すものかああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

二人は最後の力を振り絞り、エボルトの動きを完全に止めた。

 

『ワンサイド!』

 

ビルドはハンドルを回していく。

 

『逆サイド!』

 

「まだだ!こんなところでえええええええ!!!!!!!!!!!!!!」

 

エボルトはもがき続ける。だが、二人が動くことはない。

 

『オールサイド!』

 

「くらえエボルトぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ビルドは、戦兎は引き金を引いた。

 

『ジーニアス・フィニッシュ!』

 

『ラストマッチ・ブレイク!!!!!!!!!!!!』

 

放たれた一撃がエボルトを襲った。

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

「「ぐうううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

放ち終わった戦兎はバスターキャノンを投げ捨てて飛び上がる。

 

『ワンサイド!』『逆サイド!』『オールサイド!』

 

「終わりだああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 

『READY GO!』

 

戦兎が放った最後の一撃は、

 

『ジーニアス・フィニッシュ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ああ、これが、■か........フフフ、ハハハハハハグアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

エボルトを完全に消滅させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大爆発の中、戦兎は響と一斗を抱えて出て来た。

 

 

「____________」

 

 

 

何かを呟いた後、戦兎はジーニアスボトルをベルトにセットしたまま変身が解除され倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに、全ての世界のエボルトは消滅した。そして『Be The One』は戦場に響き渡った。




BAD ENDルートで生き残ったエボルトも遂に消滅し、全てのルートが本当の意味で完結しました。


残るは、ビルド本編に登場するエボルトのみ。


この章が終わり次第、vivid strike編に入ります。




ビルドの映画がDVD、Blu-rayに成ったら番外編としてやろうと思っています。




ここまでお付き合いいただきありがとうございました!



それではまた!



___________

次回、『エピローグ』



一斗は自分の中の自分を受け入れる。

そして戦兎達は、最後の大仕事に出た。


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26.エピローグ

「よ、もう退院か」

 

「魔法で治療したからな。やっぱり早えな。」

 

龍斗は退院を果たした。エボルトを倒して終息した事件から既に3日が経っている。今日は出来なかった響の誕生会を開くらしい。

 

「龍斗さん、荷物は持ちますよ」

 

「悪いなティーダ。頼む。」

 

ティーダは龍斗から荷物を受け取った。

 

ティーダとミカだが、響が繭になっている間に再会をする事に成功しており、戦兎の作戦で歌うことになっていたヴィヴィオとアインハルトの警護に当たっていたのだ。ミカが使ってきたエニグマの修理はもう済んでいる。

 

ふと、戦兎はエニグマに表示されなくなった数字を思い出した。

 

「393か.....」

 

今ならその数字の意味が分かる気がしたのだ。

 

愛する人の為に、ラスボスとなってしまいそうな彼女の事だろうと。

 

きっと今も響の隣には彼女がいる。その思いが打ち明けられる事はないかも知れないが、戦兎は彼女の幸せを願った。

 

「さて。龍斗も退院したことだし、最後の仕事をしに行くぞ!!」

 

「おう!」「「はい!」」

 

一斗、龍斗、ティーダ、戦兎は目的の場所へ向かう。今夜は満月なのだから。

 

____________

 

 

既に響の誕生会の準備は整っている。クリスは腕を振るって料理中だ。

 

そんな彼女たちは知る由も無いだろう。今から起きるとんでもないことに。

 

 

「あのバカが戻ってくるまであとどれくらいだ?」

 

「大体2時間といったところか」

 

「調、ここも飾り付けるデス!」

 

「そうだね」

 

 

彼女達にひと時の平穏が訪れているのだから。

 

 

____________

 

 

「それじゃあ、先に戻るね」

 

「お待ちしてます」

 

エニグマを起動させてゲートを開き、ヴィヴィオとアインハルトは海鳴市に戻っていく。

 

ゲートが完全に閉じたことを確認して戦兎はエニグマを停止させる。

 

「3人とも、いける?」

 

「あまり期待すんなよ。病み上がりなんだから」

 

「全力でいけます」

 

「確実に破壊するよ!」

 

どうやら3人とも準備は完了しているみたいだ。全員がベルトを装着する。ここはあの日の戦場。

 

『ジーニアス』

 

『クローズマグマ』

 

『フォートレス』

 

『クロコダイル』

 

 

「「「「変身!」」」」

 

『ビルドジーニアス!』『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

『クローズマグマ!』『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

『Keep shooting GREASE Fortress!』『YEAH!』

 

『クロコダイル in ローグ!』『オーラァ!!!』

 

全員がライダーに変身する。そして、戦兎はゲートを開いた。

 

「あの遺跡を破壊する!」

 

「「「おう!」」」

 

それぞれが武器を構える。

 

『ファイナルマッチで~す!』『ラストマッチで~す!』

 

『READY GO!』『スペシャルチューン!』『ヒッパーレ!』『ヒッパーレ!』『ヒッパーレ!』

 

『READY GO!』『ボトルチャージ!』『ネクストジェネレーション!』

 

『ギアリモコン!』

 

武器にフルボトルをセットしていき、最大火力を放てるようにし、ベルトを操作した。

 

『ワンサイド!』

 

それはカウントダウンに聞えた。

 

『逆サイド!』

 

ゲートの先には複数の魔法陣が連なっている。その先には月の遺跡があった。

 

『オールサイド!』

 

『『READY GO!』』

 

「今だ!」

 

全員がトリガーを引いた。

 

『ジーニアス・フィニッシュ!』『ラストマッチ・ブレイク!』

 

『ボルケニック・フィニッシュ!』『レッツフィニッシュ!』

 

『フォートレス・フィニッシュ!』『レッツフィニッシュ!』

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』『ファンキードライブ!』『ギアリモコン!』

 

「「「「届けえええええええええええええええええええええええ!!!!」」」」

 

 

放たれた砲撃は魔法陣を通りその威力を上げ、更には一つに纏まり月の遺跡に衝突する。

 

そして、月は消滅した。落下を始める月の破片は次々に魔法陣に吸い込まれていく。

 

 

「エニグマ、最大室力!」

 

戦兎は無人世界の地球とこの世界を繋げた。そして、その世界の月を転移させていく。

 

「ぐうううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

一斗達が地球の周りに張っている結界は全ての衝撃波を受け止めている。

 

変身が解除されてもなお、彼等は耐えた。

 

そして、月は入れ替わった。

 

 

「「「「終わったぁ!!!!」」」」

 

4人は喜んだ。こうして『バラルの呪詛』の源と結論付けられた月は破壊された。

 

「父さん。僕、エボルトを受け入れようと思うんだ。」

 

一斗は語った。今迄考えていたことを。エボルトにもっと世界を見て欲しいと。

 

「一斗が決めたことだ。俺がとやかく言うことじゃないさ」

 

残されたあいつの遺伝子は、静かになりを潜めていった。

 

歴史に名を残した破壊者は一斗を除いて完全に消滅した。

 

 

「さあ、帰ろう!みんなが待ってる!」

 

戦兎はゲートを開いた。その先には、愛する人が待っている。

 

「お帰りなさい!!」

 

「ただいま!!」

 




S.O.N.G.本部にとあるメールが届いた。その内容は、彼等を困惑させた。

月があるものの別世界のものだというのだから。

「確かに、遺跡が見当たりません!」

「やってくれたな、戦兎君...」

今はなき友がしたことに頭を抱えた。

「このことは全て隠すぞ!」

「「「はい!」」」

弦十郎は残された情報を隠した。別世界の英雄達の残したことは、きっとこの世界を平和に導くだろう。

これから起こるかもしれない響と未来の争奪戦を軽く想像した弦十郎は、彼女達を守るために全力を尽くす事にした。


_______________________________________





_______________________________________

これにてシンフォギア編は完結です。

皆さまは作者の小技にお気づきでしたでしょうか?


目次のサブタイトルを縦読みすると......?




まぁ、お気づきの方は多かったと思います。

今月はなるべく毎日最新を心掛けていましたので最新はゆっくりでした。

これからは自分が受験生ということもあって最新が遅れていく可能性があります。

ここまで本当に長々とお付き合い頂きありがとうございました!!!

それでは次の章でお会いしましょう!


それではまた!


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Fifth: vivid strike
1.新たなる出会い


始まり、始まり....




今日も何時と同じ様にアインハルトの朝練に付き合っていた。見慣れたランニングコースを並んで進んでいく。

 

「飲み物でも買いに行く?」

 

「そうですね」

 

一斗とアインハルトはランニングを辞めて自動販売機へと近づいていった。

 

「はあああああああああああ!!!!!!!!」

 

「「!」」

 

急に草むらから出てきた女の子が魔力を纏った拳をアインハルトへ振るった。

 

「ハル!」 

 

「くっ」

 

アインハルトはしっかりとガードした。すると、攻撃していた女の子は気絶してしまう。

 

「彼女は....一体....?」

 

一斗が考える中、アインハルトはその拳を受け止めた感覚から少し違和感を覚えていた。

 

一斗達はその子をそのままにする訳には行かず、連れて帰ることになった。

 

 

「「ただいま」です」

 

「おかえりって、どうしたんだその子!?」

 

戦兎は目を丸くした。まあ、いきなり息子とその彼女と言えるかもしれない女の子が朝練から帰ってきたら人を背負っていたら流石にこうなるだろう。

 

「...詳しい事は後で聞くよ。それより早くシャワーに行ってこい」

 

戦兎は彼等から少女を預かり、客室のベッドまで運んで行く。アインハルトはシャワーを浴びに行き、一斗は用意されていた朝食であるトーストに手を付けた。

__________

 

一斗達は学校へ行き、この家には戦兎と少女しか居なくなった。休暇の為部屋で作業をしようと思ったが、少女がいる為にミカに彼女を見てて貰う事にした。

 

「目が覚めましたか?」

 

「......ここは....?」

 

ミカは彼女の顔を覗き込む様に見る。

 

「ここはマスターの家です。何か覚えていませんか?」

 

「えっと...確かバイトをクビになって…」

 

少女が思い出そうとしている時に、部屋がノックされた。

 

「マスターが様子を見に来たみたいですね」

 

そう言って扉を開けるミカ。そして、少女が見たのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方は.......え、英雄、ビルドぉぉぉ!?!?」

 

世界を救った張本人だった。

 

 

 

 

 

 

あちゃ~と戦兎は額を少し抑える。

 

「知ってると思うけど俺は桐生戦兎。この子は相棒のミカだ。」

 

「以後、お見知り置きを。」

 

持って来たタオルを差し出しながら戦兎は聞いた。

 

「君は?」

 

「わ、ワシは.....」

 

ここから、彼女の物語は再び動き出す。

 

まだ彼女達は出会ったばかりだ。

 

________________

 

 

「ん、ハル」

 

「どうしましたか?」

 

同じクラスのアインハルトに一斗は戦兎から送られてきたメールを見せる。

 

「彼女は目を覚ましたようですね」

 

「今日はナカジマジムによる用事もないし.....うちに来る?」

 

「そうさせて貰います。ヴィヴィオさん達にはこちらから連絡しておきますね」

 

アインハルトが何時もと少し違う事に、一斗は気が付いていた。

 




いかがでしたでしょうか?

今回から新章が始まります。


それではまた!


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2.フーカ・レヴェントン

前章の作者の小技

サブタイトルを目次で縦読みすると

『戦記絶唱シンフォギアAXZ』

という言葉が出てきます。


お気づきでしたでしょうか?

それでは本編をどうぞ!


戦兎は彼女、フーカ・レヴェントンから聞き出した職場に連絡して、彼女が身寄りのない状態になることを知った。

 

「そうですか....」

 

戦兎は先程社長から伺った事を伝えた。その上で一つ提案することにした。

 

「フーカ、君さえ良ければ俺達と暮らさないかな?」

 

「!、今日会ったばかりのワシを...」

 

彼女も思うところがあるのだろう。今朝聞いた話から戦兎は彼女の才能を無駄には出来ないと思ったのだ。それが彼女に必要な事だと思って。

 

「まぁ、今日一日考えてみてくれ。俺は仕事だからもう行くよ。ミカ、後はよろしくね」

 

「はい、マスター」

 

戦兎は今日休暇のはずである。それを知っているが指摘しないミカ。戦兎は少しずつ冷えてきた外に出た。

 

「さて、これからどうなることやら」

 

最近エボルトに似てきたかと龍斗に聞かれてから何となく人がどの様に生きていくのかが気になっている事に戦兎は気づき始めていた。まぁ、これから起こるのは単なる平和を守ることだが。

 

「よしっと」

 

警察に連絡する。デバイスが直ぐにメッセージを受信するが戦兎は無視した。

 

 

次の日のニュースで不良集団が警察官達によって根こそぎ捕まったことが報道された。

 

_______________

 

 

「さて、フーカ様」

 

「は、はい」

 

ミカはフーカにアインハルトから受け取った書類を見せる。

 

「昼食後、ここにて貴方を助けた方が待つとのことです。」

 

「え?あなた方が助けてくれたのではないのですか?」

 

如何やら気絶するまでの事を覚えていないようだ。ミカは荷物はないのかと聞くとあると答えられたので、部屋の外へ行く。

 

「すいません、フーカ・レヴェントンの荷物を取りに来ました」

 

「うお!あんた一体何処から....」

 

「こちらですか?」

 

「...ああ」

 

社長が質問するもミカは目的の物へと手を伸ばした。

 

「あ、待ってくれ。こいつを」

 

「退職金、ですか」

 

「一応な」

 

社長を何処か心配している表情を伺える。ミカは渡すといってすぐさま魔法陣を展開し転移していった。

 

 

「お待たせしました」

 

「あ、お帰りなsワシのバッグ!?」

 

普通の反応である。いくら魔法文化の進んだミッドチルダであろうとも転移とは基本専用の機械が必要になる。そこをビルド式とミッド式、ベルカ式ですべて補っているミカと戦兎は転移魔法が可能なのだ。ついでに言うと、龍斗も使えるはずなのだが、転移が安定しないのだ。基本的に目的の場所へではなく、その近くに転移する事が多いらしい。

 

「これを。退職金だそうです」

 

遂にいよいよ決断を迫られたフーカは口を開いた。だが本人よりも先に答えるものがいた。

 

「そういえば朝食いえ、時間帯的には昼食ですね。今から準備してきます」

 

「お、お願いします...」

 

フーカの腹の虫である。本人は赤面しならミカが去った後の部屋で悶えていた。




この速度でいくといつウィンターカップに行けることやら...


それではまた!


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3.ナカジマジム

フーカの昼食を済ませミカとフーカは足並みを揃えてナカジマジムへ向かった。

 

「ここは、スポーツジムですか?」

 

「はい。ここで待っていればいいと思われます」

 

ミカはその足をジムの中へと進めていく。少し遅れてフーカも付いていった。

 

「ノーヴェ様」

 

「ん?ああ、ミカさん!と....」

 

「アインハルト様のお客様です」

 

「了解。後は任せてください」

 

「はい。マスターから、すぐに帰ってくるようにと連絡が着ています」

 

ミカはノーヴェにフーカの事を任せて転移用の魔法陣を展開した。

 

「それでは、また伺います。フーカ様、また後で」

 

こうしてミカは転移していった。それを見ていたフーカは口を開いたまま暫く動かなかった。

 

 

____________

 

 

「ただいま戻りました、マスター」

 

「お帰り、悪いけど直ぐに仕事に取り掛からなくちゃいけなくなっちゃんだ。これを頼めるか?」

 

ミカは帰宅すると既に戦兎が帰宅していた。ミカは手渡された書類に目を通す。

 

「また厄介ごとに巻き込まれに行くのですね」

 

「まぁ、仕方がないかな。あいつが残した爪痕を俺は全部集めなきゃいけないからな」

 

今、戦兎がしている仕事は以前と比べて増え、管理世界中に散らばっているエボルトの爪痕を回収している。

 

今回は一番ミッドチルダから離れたアグネスと言う世界に向かい、残されたボトルと冷凍保存されたスマッシュ達をどうにかしなければならないのだ。

 

「その間、ミカはこっちでそれをやってほしいんだ」

 

「了解しました。簡易デバイスの方に新たなデータを登録しておきます」

 

「頼んだ」

 

そう言って戦兎はリビングを出ていった。今日の夜には臨行時空船でいかなければならないために睡眠をとる。

 

「伝えて置かなければなりませんね」

 

ミカは仮想スクリーンを開き一斗と龍斗、そしてはやてにメールを書き上げ送信した。

______________

 

 

 

「ハル、悪いけど今日はナカジマジムに行けそうにないや」

 

「戦兎さんの仕事ですね」

 

放課後アインハルトとユミナと共にナカジマジムへ向かおうとしていた所で、フクに連絡が来ていた事に気が付いた。それを見た一斗が残念そうに伝えるとアインハルトは直ぐにその理由に辿り着いた。

 

「うん。今回はかなり長くなりそうだからね。今度埋め合わせはするよ!」

 

「楽しみにしてますね」

 

「いってらっしゃ~い!」

 

アインハルトとユミナに別れを告げて家に向かって歩き出した。

 

「アインハルトさん、私達も行こう」

 

「はい」

 

この後アインハルト達はフーカに出会い格闘技を進めるのだが、断られてしまうもノーヴェに痛い所を疲れてフーカがノーヴェ宅に住み込みで働き始めるのだがそれは別のお話。

 

 

 



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4.フーカの日常

今回はサブタイトル通りです。


フーカが新しい職を得て一週間が経った。普段と変わらずベットから流れ落ちる様に落ち目覚まし時計を止める。

 

今フーカはノーヴェの借りたマンションに住んでいる。身元保証人は戦兎がなり戸籍上では親子になったのだが、彼女はそこまで気にしていない。

 

ノーヴェを起こさない様に準備を済ませマンションから出てナカジマジムへ向かう。

 

彼女の仕事は朝の清掃。少しずつ慣れ始めた手つきで作業を進めていく。

 

「ふぅ.....」

 

終わったことを確認した頃に、ジムの扉が開く音が聞えた。フーカは駆け足で出入口へ向かう。

 

「失礼します。おはよう、フーカ」

 

「おはようございます、ハルさん」

 

アインハルトが来ると朝練が始まる。

 

「今日は一斗さんも途中で合流するそうです」

 

「一さんもですか!」

 

この朝練には時々一斗も参加している。一斗の朝練は基本龍斗と共に行われるのだが、この様に練習を共にすることがあるのだ。

 

「さぁ、行きますよ。遅れない様についてきてください」

 

「オッス!」

 

いつもと変わらぬ景色の中、フーカは先を走るアインハルトを追いかけていく。

 

河川敷に入ろうとした所、一斗が軽く体をほぐしてながら待っていた。

 

「おはようございます」

 

「おはよう、ハル。フーカも」

 

「おはようございます!」

 

二人は走るのをやめず、そこに一斗が加わる事でそのままランニングを続けていく。

 

いつもの開けたエリアで一旦休憩に入る。その前に、逆方向から一人の男が走ってきた。

 

「おはようございます、先輩」

 

「おう、おはようさん。アインハルトもな」

 

フーカは何処かで見た事があるけど思い出せないというもどかしい状態に陥っていた。

 

「その子がお前の弟子か?」

 

「はい。フーカと言うんです」

 

フーカは自分が呼ばれた事に気が付いて意識をこちらに戻してくる。

 

「俺は龍斗。万丈龍斗だ。よろしくな」

 

「フーカ・レヴェントンです。よろしくお願いします!....ん?」

 

フーカは一連の挨拶が終わってから違和感に気付いた。

 

「......もしかして竜王ですか?」

 

「ん?なんだ俺のこと知ってるのか」

 

知らない人は少ないだろう。何せこれまで何度も特集された格闘家である。最近はなりを潜めているとリオから聞いていたフーカは驚きを隠せない。

 

「まぁ、こうなっちゃうよね」

 

「フーカはどうしたのでしょうか?」

 

天然が入っているアインハルトは混乱しているフーカを見て疑問を抱いている。何年も同じクラスの一斗も苦笑いしか出てこなかった。

 

____________

 

 

二人と別れジムへと戻ったら一旦マンションへと戻り朝食をとり、それぞれの日常へ。

 

アインハルトはフーカに自身のデバイスであるアスティオンを置いて学校へと向かった。

 

フーカ達もそれぞれの仕事場へ向かう。与えられた仕事をこなしながら、時間があればアインハルトに出された課題を消費していく。これが今のフーカの日常である。

 

放課後になってからバイトに入ってきたユミナに交代するよと言われフーカは練習に顔を出す。

 

選手達と同じ様にトレーニングをしていく。まだまだ始めたばかりで何とか付いて行っている。

 

そしてそのまま練習をしていく。

 

そして夕飯の後、筋肉痛に耐えながらも眠気に襲われて気づかぬ間に眠ってしまう。

 

これが新たな彼女の日常なのだ。

 

そしてまた、朝日が昇る。

 

繰り返しいく日々の中で、フーカはヴィヴィオに強化魔法を使える様にならなければと言われた。

 

「変身魔法、ですか...」

 

この日の午後彼女は変身魔法を使うも服が犠牲になってしまうのだが、それは別の話。

 

 





お前が強化魔法を使わなかったら誰が使うと思う?







万丈だ。


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5.ベストマッチの真実

戦兎は崩壊した研究所に来ていた。

 

「ん?」

 

そこで残された資料を集めていたのだが、気になる物があった。

 

「これって....」

 

それにはベストマッチについてスカリエッティが研究した事が載っていた。

 

如何やら早くからスカリエッティに対して自分の正体を明かしていたらしい。

 

パンドラボックスを開くにはその惑星のエレメントが必要だった。だが、それをエボルトが知っている訳がない。

 

その為奴は父さんの記憶を利用したんだ。

 

憑依されていた父さんは母さんが好きなものを30個挙げた。

 

そしてエボルトはさらにそれを破壊するものを挙げさせた。

 

最初は兵器を挙げていったが、途中から適当なモノを挙げ始めた。

 

エボルトの目的は星の破壊。それが決して使えなくはないと考えたからか、挙げられた母さんの好きなものと上から順にベストマッチに当てはめた。

 

「だからこそのこのベストマッチか....」

 

戦兎はラビットタンクのボトルを取り出す。

 

何故これがベストマッチと言われたのかが要約理解出来た。

 

「父さんはあの日からずっと戦い続けたんだな」

 

戦兎はボトルを片付け散らばっている資料を拾い集めた。既にパンドラボックスが開くことはない。一斗が破壊したからだ。残されたのはパンドラパネルとフルボトル、エボルボトルにロストボトルだ。その殆どが戦兎達が保有している。ロストボトルの一部とパネル全ては管理局が厳重に保管している。

 

「さてと....」

 

戦兎は視線を周りにあるカプセルへと移す。その中にいるスマッシュ達は今にも動き出しそうだ。

 

「元に戻せるか?」

 

『グレート!』『オールイェイ!』

 

ジーニアスボトルを起動させスマッシュ達に向かっていった。

 

______________

 

「ハザードレベル1.0か.....」

 

スマッシュ達は全て粒子になって消滅した。如何やら元から人間とは言えない生命体を利用した為にジーニアスでもネビュラガスを中和できなかった。

 

「スカリエッティの奴....」

 

スカリエッティがしたことは人間をバラバラにして、各部位だけでもスマッシュ化出来ないかというものだった。結果は成功。だが、ハザードレベルが一定から上がることはなかったらしい。

 

「.......!、これは....」

 

戦兎はそこで見つけてはならないモノを見つけてしまった。

 

「クローン体にエボルトの遺伝子を加えたのか!?」

 

研究所の地下奥深くにあるカプセルの中には、フェイトに似た少女が浮かんでいた。

 

「アリシアのクローン...」

 

少女の髪は金と赤が混じり合っていた。そしてその腰にはエボルドライバーに似たベルトが装着されていた。



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6.残されたモノ

本日で毎日最新が終了します。

なるべく続けて投稿していくつもりなのでよろしくお願いします。



それでは本編をどうぞ!




戦兎は装置に差し込まれたまま残されたボトルを確認する。

 

「ロストボトルの、ハサミか....」

 

一見兵器とは思えない文房具だが、これも立派な刃物。危険物である事には変わりはない。実際に武器として使われることも多々ある。

 

「この子.....」

 

見た目からアリシアのクローンだと結論付けた戦兎だったが、問題はそこではない。その腰に装着されたエボルドライバーが問題なのだ。ただでさえ製作が難しく、更に純粋なネビュラガスを体内に注入し続けることになるためそれを変身後に中和出来る様にしなければならない。

 

そんな兵器と言えてしまうモノが世界に二つもあると誰かが知ればどうなるだろうか。

 

案の定ライダーエボルボトルは開発されてはいなかった為、エボルに変身出来るのは一人だけである。それでも、マッドローグの様にエボルマッチで変身する事は可能なのだ。また誰かが悪事に利用する可能性がある。

 

「仕方が無い、悪く思うな」

 

戦兎はバスターブレード使ってカプセルを叩き割った。

 

少女は液体が無くなった為にカプセル中に座り込む。戦兎は少しずつ少女に近付いていく。

 

「だ.....れ.......」

 

「!」

 

すると彼女はいきなり言葉を発したのだ。

 

「もう大丈夫だ」

 

戦兎は転移魔法で取り寄せたタオルケットをかけてやる。

 

「.....怖かった....痛かった....辛かった.....」

 

彼女はタオルケットに身を包み、震える声でそう言った。それは彼女が経験してきた実験の数々を物語っているのだろう。戦兎は彼女を抱きかかえて耳元で囁いた。

 

「大丈夫だよ。君に酷いことをした連中はもういないから」

 

「本当?」

 

金髪の中から一本だけ髪の毛が飛び出す。それは単体で意識を持っているかのように動いている。戦兎は上下に動くそれに少し驚きながらも彼女の頭を撫でながら答える。

 

「ああ、本当だとも」

 

戦兎は彼女を連れて研究所から出た。彼女は戦兎の腕の中でぐっすり眠っている。

 

4年間も寝ていたはずなんだけどなと考えていたが、どうやってこのことについて報告するかについて考えることにした。

 

勿論、残されたボトルの回収を忘れずに。

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

一斗はこの日、ノーヴェに誘われてフロンティアジム主催の大会を見に来ていた。

 

「リンネ・ベルリネッタ選手か....」

 

一斗の頭にはベルリネッタという言葉が引っ掛かっていた。

 

「どうかしましたか、一斗さん?」

 

アインハルトに聞かれて自分の中で何かが引っ掛かっている事を伝える。

 

「何処かでお会いしたことがあるのでしょうか?」

 

「僕もそれが思い出せないんだ」

 

そんな会話をしている間にも試合は始まる。スクリーンに食いつくように見入っているフーカを見ながら一斗はその試行錯誤を続けた。

 

幼馴染の二人.....孤児院.....まさか....

 

案外簡単に答えに辿り着いたかも知れない一斗はそのことについて聞きたい人物が浮かび上がってきた。

 

 

その頃、自分の父親が新しい妹に出会っていたとは知らずに。





遂に始まったフーカの物語。


その裏で何かが動き出す。

次回、『少女の決意』

彼女は忘れたころに動き出す。



この先どうしていこうかな?


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7.少女の決意

リンネが頑なに強さを求める理由が悲しい過去にあることを知ったフーカは、リンネをぶちのめしてから話をするという心境でウインターカップに挑む事になった。

 

そんな裏で一斗はナカジマジムに一人お客を呼んでいた。

 

「お待たせ、一斗」

 

「翼姉さん!」

 

そう、翼である。彼女をフーカが見た瞬間に驚愕した表情に変化する。

 

「翼さん!?」

 

「は~い、フーカ。久しぶりね」

 

戸籍上姉妹になったことを知らないフーカは再開した姉に混乱している。

 

「知り合いだったんですか?」

 

そこで疑問を持った者達の中でノーヴェが質問する。

 

「ええ。彼女のいた孤児院に私もいたのよ」

 

それは何処か運命的な物である。

 

「それに今は戸籍上では本当の姉妹よ」

 

「え!?」

 

そしてフーカに翼は説明していく。自分が桐生家の一員で今フーカは桐生家の一員である事を。

 

「てっきり会長が戸籍を管理してるものだとばっかり.....」

 

「そこは今のノーヴェには任せられないのよ。これ以上無茶をして貰うのも困るしね」

 

「あたしもですか!?」

 

フーカの戸籍は元から戦兎が受け入れるはずだったのだが、ノーヴェの所に住込みで働く事にも成ったので皆が悩んだのだ。その際にノーヴェの姉であるスバルが最近ノーヴェが忙しいそうにしていることが多いと言い出したのだ。その先の話し合いはお察しのように戸籍は桐生家が管理する事になったのだ。

 

「姉貴....余計な心配を....」

 

何処か嬉しそうに言うノーヴェ。それを見ながらヴィヴィオは口には出さないがニヤニヤしている。

 

「姉さん、聞かせて欲しいんだ」

 

「了解、今から仮想スクリーンで構成を説明しながら話すわね」

 

そして翼は語り出した。リンネが引き取られてから何があったのかを。

 

_______________

 

 

義父さんは2年前に亡くなったリンネの義祖父、ロイさんと知り合いだった。彼は管理局に長年勤めた技術者だった。

 

義父さんとロイさんは年がかなり離れていたがお互いがいい友人だった。だが、しばらくして義父さんの仕事は忙しくなっていった。この時期は特に仕事の予定が詰まっていて義父さんとロイさんは中々会うことができなくなっていった。それでも連絡は取り合っていたらしい。

 

ある日、子供に恵まれなかった娘夫婦の養子に少女を招いたと連絡が来たらしい。この頃義父さんには病床に伏している事を隠していたのだが、2年前に容態が急変して他界する。その時には義父さんは仕事を放り出してまで葬式に参加した。葬式の中で泣き続ける少女を見つけたらしい。それがリンネだろう。如何やら学校で何かがあった為にロイさんの最後に立ち会う事が出来なかったらしい。

 

この出来事への後悔が強くありたいという人格を形成させた可能性がある。

 

________________

 

 

展開した仮想スクリーンを閉じながら翼は結論を述べる。

 

「リンネは自分の後悔から強くなることに執着している。何時か壊れてしまう程に」

 

「だからこそ、ワシが止める。ウィンターカップでぶちのめしてから話をするんじゃ!」

 

「フーカが決めたならそれでいいと思うよ」

 

翼はネビュラを取り出して構える。

 

「さぁ、フーカ。特訓を始めようか?」

 

「へ?」

 

フーカが向けられた銃口に混乱している中でヴィヴィオが何かに気付いた。

 

「てことは、フーカさんは一兄の妹ってことになるんだよね?」

 

「そうなるのかな」

 

余り自分でも理解できてなかった一斗は曖昧にそう答える。その後ろでゆらりと動き出すアインハルト。

 

「翼さん、お手伝いします」

 

「そう、それじゃあよろしくね」

 

「はい」

 

「ハルさんまで!?」

 

この後、ボロボロになった上に完全に気絶できずに目を回し続けるフーカが一般の人々に目撃されてナカジマジムには怒らせてはいけない子がいるというしょうもない噂が暫く流れた。



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8.アリシア


皆さん、あの人の事を忘れてませんか?



「フフフ~ン~♪」

 

戦兎と手を繋いで歩く少女はとても嬉しそうに微笑んでいる。だが、その手を繋いでいる戦兎の顔色は余り良くない。その理由は繋ぎ始めてから感じ続けている阿寒が原因である。

 

その大元も既に分かり切っている。船に長時間乗った為に固まった体をほぐしながら歩いていく。

 

「戦兎、何処へ行くの?」

 

「取り敢えずは一旦家に帰るよ。君の事も話さないといけないしね」

 

彼女、アリシアはそっかぁと言いながら戦兎の手を引っ張る。

 

研究所から書類とアリシアを助け出した後に、研究所は崩壊した。いきなりの事だった為に戦兎もその場からすぐさま離れることしか出来なかったのだ。

 

それに腕の中に裸の少女を抱えたまま街の中を歩くわけには行かず、戦兎は魔法陣を展開しホテルに転移したのだがそこからが忙しかった。

 

報告書を纏め、彼女の服を用意したりと時間がかかった。

 

「そういえば、君の名前を聞いてなかったね」

 

「私?私はアリシア。アリシア・テスタロッサだよ?」

 

戦兎はベッドの上でゴロゴロしながら遊んでいる少女にふと聞いた。

 

如何やらスカリエッティはプレシアの出来なかった人格再現を成功させたらしい。それに彼女はしっかりとオリジナルであるアリシアの記憶を受け継いでいるみたいだ。

 

戦兎はアリシアが事故で死んだ後の事を話した。

 

「そっかぁ....ママは....」

 

「うん。俺も話を聞いただけだけどね」

 

アリシアが少し悩んだ末、話し出した。

 

「戦兎、私を連れて行って!」

 

「え!?」

 

アリシアの言った事はアリシアを養子にしろということだった。如何やら話したフェイトの事が気になっているらしい。

 

仕方がなく作った報告書の一部を処分して証拠を一つ処分した。そして夜中まで続くチケット入手の戦いが始まったのだ。

 

そして、既にミッドチルダに帰還した戦兎達は家に向かって歩いているのだ。

 

「ここだよ」

 

「フェイトも来ているのだよね?」

 

アリシアの目はキラキラしている。今日の為にはやてちゃんにフェイトを呼ぶように頼んだのだ。対価は一日言う事を聞くというものだった。

 

「ただいまー」

 

「た・く・み・に・ぃー!!!!!」

 

「ほげっ!?」

 

家のドアを開けた瞬間に正面からの打撃により戦兎は押し倒されてしまう。

 

「おかえりなさいませ、マスター」

 

「お、おお!!!美人さん!美人さんだ!」

 

「おや...」

 

アリシアが家から出て来たミカを見てはしゃいでいる。頭を強く打ち付けた戦兎は痛みと拘束された事で動けなくなっており、その原因であるはやてはその頬を戦兎に擦り続けている。

 

「なにこれ...」

 

様子を伺いに来たフェイトが見たのはカオスな現状であった。





おめでとう戦兎!

君の彼女は以前よりも強力なセンサーを手に入れた!



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9.姉・妹・再・会


青春スイッチ、オン!




「悪いなフェイト....」

 

「う、うん。いきなりはやてが飛び跳ね始めたからどうしたのかなと思っちゃったよ」

 

戦兎は何とか復活し、はやてが背中にくっついたまま家の中に進んでいく。はやてがまるでボールの様に跳ね始めてそのまま玄関に突っ込んでいったらしい。これには戦兎もびっくりである。

アリシアはミカに抱えてもらっておりとても幸せそうな顔をしている。

 

「えへへ」

 

「マスター、この子は?」

 

「ああ、それも直ぐに話す。取り敢えずはリビングまで行かせてくれ....」

 

戦兎の顔色はやはり悪かった。

 

________________

 

「フェイト、覚悟して聞いてほしい」

 

「う、うん」

 

戦兎はフェイトにミカにくっついたままえへへ言い続けているアリシアについて説明した。

 

「やっぱり姉さんだったんだ.....」

 

見た目からカプセルの中で浮かんでいたプレシアとアリシアを埋葬した過去があるフェイトはアリシアの顔を覚えている。その為彼女がアリシアなのではないのかと思っていた。まぁカオスを経験した為に、一周回って思考が冷静になっている。

 

「貴方がフェイトね?私はアリシア。貴方のお姉ちゃんですよ~」

 

「はぅ!」

 

ミカにおろして貰いアリシアはフェイトににこやかに微笑みながら話し掛ける。するとフェイトの様子が変化した。

 

「あれは堕ちたな」

 

「良いから離れてくれない?」

 

いーやーと言っている背中にくっついたはやてを離れてもらう為に戦兎は試行錯誤する。

 

「ちっちゃい姉さん....可愛い....」

 

「?、どうしたのフェイト?」

 

「ハグしてもいい?」

 

「いいよー、おいでー」

 

ぎゅ~と聞こえてきそうな様子を見ているミカはシステムの一つを起動させる。

 

「●REC」

 

その撮影された動画が2本あり、それぞれをはやてとフェイトが購入したとか。

 

____________

 

 

「はぁ....はぁ.....ありがとう、ございました.....」

 

「はい、お疲れ様」

 

翼によってボロボロになったフーカは息を整える為に立ち上がろうとする。

 

「あ、今日はこの後私の家に来なさい」

 

「え?」

 

リングから降りていく背中を見ながらフーカは抜けた声をあげる。

 

「義父さんが帰って来たって」

 

にこやかに笑いかけられたフーカはその振り返りながらの台詞にドキッとしてしまう。

 

「どうかしたの?」

 

「あ、いえ....行かせていただきます」

 

一旦ノーヴェに確認を取りに行き、許可を得た上でマンションに戻り着替えを済ませる。

 

この後アインハルトと一斗、ナカジマジムに来ていた龍斗と共に家に向かった。

 





遂に桐生家全員が揃う!

そして、作者の限界が訪れる。



次回、作者書ききれず


※これは偽予告です。



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10.Fの集合/動き始めたS

シンフォギア編なのですが、別世界という設定になっていますので、繋げて考える必要はありません。

つまり、vivid strike編の前に冬休みに旅行に行った世界と、行っていない世界で物語が別れているのです。

これから描くかも知れないクロスオーバー編は全て別世界の物語となりますので、ご了承ください。

お待たせしました。

それでは本編をどうぞ!




「ただいまー」

 

「た、ただいまです」

 

戦兎は聞こえてきた声に気が付く。既にミカが玄関へ向かっている為にそのままはやての相手を続ける。

 

「お帰りなさい、義父さん」

 

「ただいま。おや、今日はフーカも一緒みたいだね」

 

戦兎はミカの後ろに隠れてしまっているフーカに気が付く。

 

「あ~、また美人だ~」

 

「ね、姉さん!」

 

「おっと、?」

 

戦兎の方向を向いて疑問詞を浮かべる。戦兎はそれに気が付き、説明した。

 

「フェイトさんのお姉さんですか....」

 

「アリシア・テスタロッサ、よろしくね!」

 

フーカを取り残すわけにも行かず、色々と話を進めていく。

 

「フーカ・レヴェントンです。よろしくお願いします、シアさん」

 

「シア?」

 

「その、ダメでしたか?」

 

「ううん、はじめてそう呼ばれてから少し気になっただけだよ。よろしくね、フーカ!」

 

「オッス!」

 

最終的にアリシアは桐生家の一員になることになった。が、基本的に龍斗と同じ様にフェイトの家と行ったり来たりすることになった。

 

______________

 

 

「お待たせしました、マスター」

 

「いや、頼んだのは俺なんだから。こんなにも早くできているとは思わなかったよ」

 

 

夕食を終えてフーカが宿泊する事になったり、アリシアがフェイトにくっついて行ったり、リインと愉快な仲間達の迎えが来たのに帰りたくないと駄々をこねたはやてに一つ約束をして家に帰らせた後、戦兎は自身の作業部屋にてミカが完成させたアイテムを運んでくるのを待っていた。

 

戦兎は運んでこられたアイテムを見詰める。

 

「よくここまで再現したね」

 

「私は先生の弟子ですから。デバイスとなった今でも成長を止めるつもりはないですよ?」

 

「その言葉は俺には勿体無いよ」

 

弟子であるミカの成長に驚きながらも戦兎はそのアイテムを手に取る。

 

 

 

「名前は、『クローズビルド缶』と今は言ったところかな」

 

 

 

 

かつて一斗がマッドローグを倒し、パンドラボックスを破壊した際に変身に使われたボトルとグレートクローズドラゴンのデータと成分から出来上がった黒い缶。

 

それを試験用のビルドドライバーにセットして出て来たデータに戦兎は目を通し始めた。

 

「ラビットハーフボディの制作は俺がやっておくよ。ドラゴンの方は頼めるかな」

 

「了解です」

 

仮想スクリーンに開かれた設計図には、まるでビルドラビットラビットとクローズが合体した姿が映し出されていた。

 

_____________

 

 

ミッドチルダの街の端、半壊した倉庫にいないはずの人影がさす

 

 

 

「やっとか....こっちの世界の________」

 

青年は怒りを置いてあったドラム缶に殴り掛かることで発散する。

 

 

数発で穴が開き、そこからオイルが漏れ出ている

 

 

「________.....何で俺を置いていったんだよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

青年が放った炎は流れていたオイルに引火し、瞬く間に倉庫を炎で包み込んだ。




エボルトがまだその正体を明かしておらず、スタークとしてティーダ、翼、翔と共に裏で暗躍していた頃のワンシーン



スターク「七夕って知ってるか?」

ティーダ「はい。確か短冊に願い事を書いて笹に括り付けて願掛けをするものだったはずです」

スターク「あれ面白そうだよな。丁度いいからやってみるか!」

ティーダ「え」


どこからともなくスタークは笹を取り出して基地の地面に突き刺す。

※何十もの鉄板によって構成された地面に笹が突き刺さるのを気にしてはならない。


スターク「お~い!翼、翔!」

翼「はい」

翔「何でしょうか」

スターク「今から短冊に願い事を書け」


雑に渡された短冊に二人は別々に願い事を書き込んでいく。

それぞれが生き残って欲しいと綴ってあったのだが、それに気が付いたスタークが全く違う内容に書き換えていたのは別のお話。

ティーダ「『ティアナが執務官になれますように』っと」

スターク「お前はぶれないなぁ」

そう言っているスタークだが、自身の短冊には『世界を破壊したい』と書き込んでいたりする。

スターク「フフフ~ン♪」

そしてそれをノリノリで笹に括り付けていたのだった。



え、七夕の後その笹がどうなったかって?

スタークがエルトリアにて手に入れた腐食毒を使ってゆっくりと破壊したそうな。


エボルト「やっぱり破壊は楽しいな~♪」


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11.何故欠片は流れ着いたのか

12月14日。既にあれから二週間程経過していた。今日はフーカのウィンターカップの予選の日である。

 

彼女の帰りを待っているナカジマジムの面々とは異なり、戦兎は管理局を訪れていた。

 

アリシアが戦兎の娘になり、フーカとも初めて会った次の日。ミッドチルダの端で火災事件があったのだ。

 

幸い倉庫は既に老朽化により破棄されていた為に被害者はいなかったのだが、問題が一つ有った。

 

現場にパンドラボックスの欠片が落ちていたのだ。この世界にパンドラボックスは存在していない。一斗が破壊したはずだが、事件現場に落ちていた為に調査の依頼が戦兎に流れて来たのだ。

 

『次元の狭間へはエニグマでもアクセスする事は出来ません』

 

「やっぱりそうだよな」

 

ミカと話しながらでも戦兎は仮想スクリーンを見詰める。平行世界から流れ着いたものなのかと以前創り上げたパンドラボックスのレプリカと比べているものの明らかに一致しているのだ。

 

「...葛城さんに動いて貰う必要があるかもな」

 

『通信を今すぐにでも繋ぐ事が出来ますが...』

 

「いや、まだいい」

 

戦兎自身もわかっているのだ。一応地球には魔法文化は根付いていない。そんな世界に英雄の道具を開発した人物がいることは管理局にも話していない。こちらの世界だけで解決へと導かなければならないのだ。

 

戦兎は管理局を後にした。調査は少しずつだが確実に進んでいるのだ。が、まだ何故今更パンドラボックスの欠片がミッドチルダのあの場所に流れてきたのかが分からないのだ。

 

「仕方がない、か」

 

『一斗様からメールです。フーカ様が一位で予選を通過した様です』

 

「フーカもメキメキと強くなっているみたいだな」

 

途中でフェイトの操る車に出会い、乗っていたアリシアと共に家に送ってもらったのだった。

 

____________

 

 

 

夕食を終えて暫くたった頃、戦兎は一斗に話しかけられていた。

 

「父さん、ちょっと話があるんだけど...」

 

戦兎は珍しいなと思いながらも一斗話を聞くために皿洗いを終わらせる。

 

「どうしたんだ?」

 

一斗はかなり真剣な表情だった。戦兎は一斗が座っていた机の向かい側の椅子を引いて座った。

 

「最近久しぶりにベルトを使ったんだけど....」

 

一斗がベルトを使用した際に好戦的になる事が多くなってきたらしい。更には力が抑えきれなくなる時もあるようだ。幸い試しに変身したのはロックフォームだったので被害が起きたわけではないらしい。もしフォレストフォームなら確実に何かが破壊されていただろう。

 

そして、戦兎はその原因が分かっていた。

 

「それはきっと、一斗の中にあるエボルトの遺伝子のせいだろうな」

 

「エボルトの....」

 

一斗は自身が感じている違和感に納得した。戦兎はそれが何時から続いているのかを聞いたのだ。

 

「二週間前か...」

 

それはパンドラボックスの欠片が発見された事件が起きた日と被っている。戦兎は事件の関係性を考えたがそれよりも一斗の事を優先することにした。

 

「もし一斗がいいのなら、エボルトの遺伝子を取り除くことは俺にも出来る。でも、そうなると一斗はライダーシステムを使うことは出来なくなる」

 

「でも、人体実験をすれば...」

 

「俺はするつもりはないよ。それが息子の頼み事だったとしても」

 

これだけは譲れない。戦兎は人としての禁忌を犯すことだけは絶対にしないことにしている。勿論その中には死者蘇生も含まれている。

 

「....僕からエボルトの遺伝子を取り除く必要はないよ。この力も、大切な人を守るために使うって決めているんだからね」

 

一斗の決意は揺るがない。きっとこれからも。戦兎はそうかと言って席から立ち上がり、一斗の頭に手を乗せて髪をぐしゃぐしゃにした。

 

「何かあったら言ってくれ。必ず力になるから」

 

 

「うん!」

 

 

アリシアはそんな親子のやり取りを眺めていたのだが、一つ普段と異なることがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その彼女の目には、光が宿っていなかったのだ。

 

 





火災事件を起こした青年

予選を通過したフーカ

様子が可笑しいアリシア


パンドラボックスの欠片が意味していることとは一体何なのか?


次回、『あの日、あの時、あの場所で』


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12.あの日、あの時、あの場所で

更新が遅れていく~

完結まで時間が掛かる~

そして失踪する~



と、いう事にならないように時間を作って書いている作者です。

いや~、カードゲームが楽しくてですね~

『さっさと続きを書きなさい』

み、ミカさん!?

どうしてここに!?まさか自力で脱出を!?

『私は、ユリではありません!』

がっ!?


『ふう...お見苦しい所を見せましたね。大変お待たせしました』

『それでは』本編をどうぞ!

『おや、まだ気絶していなかったのですね』

MATTE!水落に突っ込んでブルァ!!!






次の日、戦兎は龍斗とアリシアを連れて無限書庫を訪れていた。

 

「その服、フェイトに選んでもらったのか?」

 

「うん!フェイトがとっても楽しそうだったよ!」

 

如何やら昨日のフェイトとの出掛けで服を選んでもらったようだ。ほ~と言いながら全体を見ている龍斗に向かって頬を赤らめたアリシアは

 

「は、恥ずかしいよ.....」

 

と、年相応の反応をしていた。この後、アリシアがこの事をフェイトに行った為に龍斗はバルディッシュの錆になりかけたのだった。

 

「お待たせ。既に準備は整っているよ」

 

「悪いなユーノ。それで昨日の夜に送ったメールのことなんだけど....」

 

既に戦兎は昨夜に一斗の話した内容をユーノにメールで送っていたのだ。その為ユーノが事件に関わりがありそうな本を纏めていたのだ。

 

ユーノに案内された机の上には山のように本が積まれていた。ざっと表紙だけを見ると、ベルカ関連の物が殆どだったが、一部例外があった。

 

「『平行世界について』か...」

 

戦兎はその本を手に取った。内容は次元世界の移動を行うことによって発生する可能性がある次元の狭間、そこから『もしも』が当てはまる世界へ行く事ができるかもしれないというものだった。

 

「その本は最近見付かったものだよ。内容的に関わりがあるかもと思って抜き出しておいたんだ」

 

「最近見付かったって、何があったんだ?」

 

アリシアが局員の人達に話を聞いている中、龍斗が会話に入ってくる。戦兎も理由が気になっている為にそのまま話が進んでいく。

 

「その本は、ロイ・ベルリネッタさんの書いたこの世に一冊しかないんだ」

 

「ロイさんのか!?」

 

戦兎は本を開いて著者を確認しようとするが、何処にも名前を見つけることは出来ない。

 

「ロイさんが平行世界の研究をしていたなんて聞いたこともないぞ?」

 

「そう。僕も始めはそう思ったんだ。でも、そうじゃなかったんだ」

 

戦兎は本のブックカバーが外せることに気が付き、そのカバーを外した。

 

「師匠、これって」

 

「うん。ブックカバーを外す事で全く異なる本になるんだよ」

 

ブックカバーを外した本の表紙には『平行世界からの侵略者』と書かれていた。

 

「内容も変化している!?」

 

「そう、魔力も全く計測されなかったんだよ」

 

戦兎がその内容を読み始めた時、世界は静止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、探し回ったぜ。アリシア・テスタロッサ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「? 今何か感じなかったか?」

 

「どうかしたか?それよりもこの本を...」

 

戦兎は持っていた本に目を向けた。だが、その本は...

 

「『平行世界からの侵略者』じゃない!?」

 

この日、ミッドチルダから一冊の本と一人の女の子が消息を経った。

 

___________

 

 

「全くエボルトの奴、こんなものを残していたのか」

 

青年は手に持った本を発生させた炎に放り投げた。

 

「アリシア・テスタロッサも手に入った。ベルトを手に入れるのも時間の問題だな」

 

青年はカプセルの中の液体に浮かぶアリシアを見ながらニヤリとその表情を変える。

 

青年はフルボトルを手で弄りながらそのカプセルの横を通り抜けていく。

 

その先にはベッドの上で拘束された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリシア・テスタロッサ(・・・・ ・・・・・・)の姿があった。





サブタイトルが意味していたのは、新たな事件の始まりです。

主人公をストーカーしているのはエボルトの他にもう一人だけいるんですよね。

皆様は青年の正体を解き明かす事が出来ますか?


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13.もう一人の

皆様、いかがお過ごしでしょうか?

学生の皆様は夏休みに入られた事だと思います。

作者には休みがないので更新スピードの変化はありません。

それでは本編をどうぞ!


アリシアと本の消滅。

 

管理局に火災事件と関係がある事を説明した為に調査が積極的に始まった。

 

だけど、見つかったという報告は未だない。

 

「オラァ!!!」

 

龍斗が壁を殴りつける。戦兎は他に何か情報が残っていないのかどうか調べに家を離れている。

 

「落ち着いて、龍斗」

 

「......悪い」

 

フェイトの言葉で我に返ったのか、フェイトから顔をそらした。

 

龍斗は近くに居ながらアリシアを守れなかったことに怒りを露わにしているのだろうとフェイトは思った。

 

「.....龍t『プルルルル!』

 

フェイトが話しかけようとした時、桐生家に設置された固定電話から着信音が鳴り響いた。

 

「.....もしもし」

 

龍斗は電話して来た相手を不快な気持ちにさせないために声を明るくしてから電話に出た。

 

だが

 

 

『万丈龍斗、アリシア・テスタロッサを返してほしくば今からいうところに一人で来い』

 

「! ....分かった。すぐに行く」

 

 

それが、アリシアの行方を知る者からの呼び出しで無ければフェイトに気づかれることはなかっただろう。

 

龍斗は顔に影が刺したまま家を出た。

 

 

「.....バルディッシュ」

 

『Yes,sir』

 

フェイトは龍斗の服に取り付けていた発信機を起動させその後を追い始めた。

 

__________________

 

 

「ああ....まだかな、まだかな....」

 

青年はワクワクしながらアリシアの入ったカプセルを撫でまわしている。

 

「トリガーも、ベルトも揃った♪」

 

クルクルと回りながらベッドへ移動する。

 

「間も無く万丈龍斗がやって来るからね」

 

「~~~~~~!!!!」

 

アリシアは意識があるものの口を塞がれている為に声に出す音ができない。

 

「AMFを使っているから念話をしようとしても無駄無駄♪」

 

青年は楽しそうに服のポケットからフルボトルを取り出す。

 

「これな~んだ?」

 

「!!!」

 

そのボトルはこれまで長い間アリシアを苦しめ続けたボトルだった。

 

 

 

「さぁ、実験を始めよう♪」

 

 

青年は何のためらいもなくフルボトルをアリシアに突き刺した。

 

「~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!」

 

声にならない悲鳴が鳴り響く中、青年はベルトを装着した。

 

 

「さて、お待ちかねのお客さんだ♪」

 

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ!』

 

ボトルをビルドドライバーにセットしてハンドルを回す。展開されたライドビルダーが形成したアーマーは普段と変わらずに装着者を前後から挟み込む。

 

「変身♪」

 

『鋼のムーンサルト!』『ラビットタンク!』

 

 

ここにもう一人のビルドが誕生した。

 

 

視界が歪んでいく中、アリシアはビルドの背中を追い続けた。





皆様は青年の正体に気付きましたか?

既に何度も登場しているんですがね

案外身近な人だったり...

あ、皆さん。

これからまだまだ夏へ向けて気温が上がると思われますので、外出の際はお気を付けて。

日本の現状を知るためにニュースを見ていたのですが...

『週末』が『終末』となっていて焦りました。

Dr.マキが現れたと思って.....ん?きよちゃん、何か用?

『このロリコンどもめ~』

     ↑
両手でフリップを持っている


.......ドクターが来る前に終わらせよ

それではまた!

『またね~』


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14.ほとばしれマグマ!

連続なのな。


既に日は傾き、少しずつ辺りが暗くなっていく。

 

「きたぞ!!!」

 

指定されたミッドチルダの倉庫へと歩いてきた龍斗。

 

「来たな、万丈龍斗」

 

「! ......お前、本当に何者だ?」

 

龍斗は物陰から出て来たビルドを見て驚きながらも睨み付ける。

 

「お前には言っておいてもいいか」

 

手に持ったドリルクラッシャーを地面に突き刺しながらビルドは話し出す。

 

「俺は___________。俺の目的はただ一つ。戦兎を手に入れることなんだよォォ!!!!」

 

「ちぃ!」

 

『ボトルバーン!』

 

『クローズマグマ!』

 

飛ばしてきたドリルクラッシャーを交わしてナックルにフルボトルをセット。そのままベルトにセットしてハンドルを回す。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

すぐさまマグマを被ってクローズマグマへと姿を変える。

 

『ビートクローザー!』

 

「オラァ!」

 

「おっと」

 

ビートクローザーを呼び出して攻撃するがビルドは簡単にかわしてしまう。どこからかボトルを取り出して入れ替える。

 

「お前の力が手に入れば俺は更なる進化を告げることができる!!!その為の犠牲になれ!」

 

『ゴリラモンド!』

 

「がああああああああ!!!!!!」

 

たった一撃。されど一撃。ゴリラモンドの攻撃はクローズマグマの腹部に当たりあっと言う間に変身解除されてしまう。

 

「がっ.....」

 

「ふぅ...即死が決まったか...」

 

ビルドは少しずつ龍斗へと近づいて行く。ハンドルを回して既に宝石が展開され、ゴリラアームで砕かれて無数のダイヤモンドが龍斗を襲おうとする。だが

 

「くっ....」

 

「フェイ...ト?」

 

突然フェイトが出て来てバルディッシュを振り回し、飛んできた鉱石を弾き飛ばしていく。

 

「ごめん、勝手についてきちゃった。立てる?」

 

魔法陣を展開しながらも龍斗へと手を伸ばすフェイト。

 

「......たっく、いいぜ。このまま一緒に戦ってくれ」

 

「良いよ、先に行くからね。バルディッシュ!」

 

『Yes,sir!』

 

フェイトはバルディッシュと共にビルドへと迫っていく。それを見ながら龍斗はマグマボトルを震る。

 

「覚悟はっ、出来ている!」

 

『ボトルバーン!』

 

変形させてベルトへとセットする。ハンドルを回して展開されたマグマライドビルダーは普段とは違い一回りも大きかった。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

頭上からバリアブルマグマを被り、全身が冷え固まるのを待つ。先から武器と武器がぶつかり合う音が聞こえてくる。龍斗はその音が一番大きくなった瞬間に自らマグマを叩き壊す。

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

戦っている倉庫の窓から伺える外は既に暗闇に染まっている。龍斗は全身からマグマを垂れ流し、自分のベルトからナックルを取り外す。

 

『ボトルバーン!』

 

「フェイト!」

 

フェイトが攻撃した一瞬スキに龍斗は背中の羽をブースターにして加速する。

 

「食らっとけぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

一撃はビルドのボトルに当たり、それを破壊した。

 

「うああああああああ!!!」

 

ビルドはアーマーが砕け散り吹き飛ばされていく。そこで龍斗は落下してきたドラゴンボトルを拾い上げる。

 

「何で、俺のはここにあるのに....」

 

「龍斗、まだ来る」

 

フェイトの言葉で再び拳を構える。吹き飛ばされた所から青年が出て来る。

 

「「!」」

 

「あ~あ、ばれちゃった....まだ隠していたかったのに.....」

 

2人が驚いている理由はただ一つ。その青年の容姿が....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「口封じしなきゃいけないじゃないか!!!!」

 

『ユニコーン』『消しゴム』『ベストマッチ!』

 

 

戦兎(・・)と同じだったのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍斗を背負ってまで病院へ行ったフェイトは病院の前で倒れた。フェイトの手には銀色のドラゴンフルボトルが握られていた。

 

 

戦いのあった倉庫はその姿を消し、パンドラボックスの欠片だけが残されていた。





遂にハザードレベル7.0に至った龍斗。だが、フェイトと共に病院へと運び込まれてしまう。

戦兎は残されたボトルと増えたパンドラボックスの欠片から答えに辿り着いた。



次回、『ハザードは止まらない』


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15.ハザードは止まらない

ここに来てハザードトリガーが役に立つなんて....

次回予告のかずみん、退場フラグにしか見えないよ!


分かってる。必ず、一斗の最終フォームにするから!(ブリザードナックルを持ちながら)


はやてから龍斗とフェイトが入院した事が伝えられた。戦兎はすぐに家を飛び出した。

 

「失礼します」

 

病室のドアを静かに開くと、全身を包帯で巻かれた龍斗と頬にガーゼを貼っているフェイトがいた。

 

「一体何が.....あったんだ....」

 

戦兎は静かに怒りの炎を燃やした。既にパンドラボックスの欠片が2人が襲われたと思われる場所から発見されていることは伝えられている。

 

 

「銀色の....ドラゴンボトル.....」

 

各現場で度々発見されたパンドラボックスの欠片。無限書庫でも一冊の本の中に入っていた事がわかっている。そして、増えたボトル....

 

「ミカ、フルボトルを作るのには、必ずパンドラボックスの力を使わなくちゃいけないんだよな」

 

『はい。ベルナージュですらその複製は不可能です』

 

それは、事件の犯人がパンドラボックスを所持しているという事。だが、パンドラボックスは以前一斗が破壊したはず....

 

ここで、戦兎は一つの可能性に辿り着いた。

 

「......ミカ、パンドラボックスに意識が宿っている可能性はあるか?」

 

『パンドラボックスはエボルトと同じく常に進化し続ける。その為.....わかりません』

 

戦兎は以前からパンドラボックスが事件の度、必要なタイミングで現れている事を思い出していた。

 

「もし、意識が宿っているとしたら....」

 

戦兎は銀のドラゴンボトルを持って早々と病院の外に出た。揃ったパンドラボックスの欠片は既に3つ。あと一つでパンドラボックスが完成するのだ。つまり

 

「あと一回、誰かが襲われる!」

 

_____________

 

 

「流石にヒントを与えすぎたかな」

 

青年はベルトを撫で何かを思い出すようにその身を震わせる。

 

「....間もなくだ....()専用のエボルドライバーが完成する....」

 

 

青年は横になっていたベッドから飛び降り、アリシアの元へと足を運んだ。

 

「................」

 

「君には僕と一緒に来てもらうからね。ね、アリシア?」

 

「はい...._____様」

 

青年はその声を聞くと嬉しそうにアリシアの拘束具を外した。

 

「君の最初の仕事だよ。さぁ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桐生一斗を殺してきて」

 

「仰せの通りに」

 

『エボルドライバー!』

 

アリシアは机の上に有ったエボルドライバーを装着する。

 

そして、同じく置いてあったハサミへと手を伸ばす。

 

『シザース』

 

そして、そのハサミに握っていたハサミロストボトルをセットしてベルトに取り付けた。

 

『SIN』

 

ハンドルを回すとマッドローグと同じ様に複数に絡み合うパイプが展開される。

 

「変身」

 

自然体のままのアリシアを包み込むようにパイプが集まり、装甲を形成する。

 

『ジャック・ザ・リッパー!』『フッハハハハハハハハハハ!』

 

 

「行っておいで」

 

 

_____________

 

 

戦兎はすぐさまバイクでナカジマジムを目指した。だが

 

「がっ!」

 

一斗が既に小回りの利くロックで戦っていた。

 

「一斗!」

 

すぐさまツインフェニックスで戦おうと考えるが、あのボトルがパンドラボックスによって完成したことを思い出した。

 

「.....『ハザード・オン』仕方がない」

 

『ラビット』『タンク』『スーパーベストマッチ!』

 

ハザードトリガーを起動させ、ビルドドライバーにセットする。

 

「変身!」

 

バイクに乗ったままハザードフォームへと姿を変える。

 

「一斗!離れろ!」

 

ラビットの能力を生かして対峙していたライダーを蹴り飛ばす。だが、何事もなかったかのようにそのライダーは立ち上がった。

 

「エボルドライバー!?」

 

戦兎はそのライダーが装着しているものに見覚えがあった。何せそのベルトは....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリシア、なのか?」

 

アリシアが装着していたものなのだから。

 




『ハザードは止まらない』と題しておきながら全然ハザードしていないというね。

遂に青年の正体に気が付いた人がいるだろう。



そう、彼は______


既に登場している!

全く別の姿でね!


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16.最後の欠片

連続更新!



戦兎の言葉にグリスも困惑する。

 

「父さん、それって....」

 

「詳しい話は後だ。先にベルトにセットされたあのユニットを破壊するぞ!」

 

「おう!」

 

『ツインブレイカー!』

 

戦兎は頭痛と戦いながらもボトルを入れ替える。

 

『海賊』『電車』『スーパーベストマッチ!』

 

「ビルドアップ!」

 

海賊レッシャーハザードへと姿を変え、海賊ハッシャ―を構える。接近戦を一斗が、遠距離からの支援を自分がという考えだ。

 

「おりゃあ!オラァ!!」

 

一斗の猛攻の中でも確実にベルトに入りそうな攻撃は守っているが、正直多人数を相手にはできないようにも思える。戦兎はそう考えながらも狙いを定めた。

 

『シングル』

 

「壊れろぉ!!」

 

『シングル・ブレイク!』

 

確実に攻撃は当たった。そして、アリシアの両手がベルトから離れた。そのスキに戦兎はビルドアロー号を話し、ビルドオーシャン号を発射する。

 

放った一撃はアリシアのエボルドライバーのユニットの左斜め下に当たった。

 

「破壊できなかったか!」

 

「ぐっ....」

 

戦兎は集中している間に進んだ浸食から解放されるためにハザードトリガーを外す。

 

「はぁ...はぁ.....一斗!こいつを使え!」

 

「おう!」

 

戦兎は銀のドラゴンフルボトルを投げた。それは綺麗にグリスのツインブレイカーのスロットにはまり、その勢いのまま一斗はツインブレイカーをアリシアに叩きつける。

 

『ツイン・ブレイク!』

 

エボルドライバーに当たったその攻撃でベルトは粉々に吹き飛んだ。その為、アリシアは元に戻る。だが、それをユニットは許さない。

 

『♪~~~~!』

 

自身にセットされたボトルをアリシアに突き刺したのだ。

 

「「うああああああああああ!!!!」」

 

突然起きた突風にグリスも戦兎も吹き飛ばされてしまう。

 

「ふぁ!」

 

「ぐぉ!」

 

変身が解除され、一斗は壁に叩き付けられる。

 

「一斗!」

 

「対象、桐生一斗。目的、殺害」

 

無情にもスマッシュへと姿を変えたアリシアは青年に言いつけられた目的を達成しようとする。

 

「自分の息子が殺されるところなんて、見たくないんだよ!」

 

『グレート!』『オールイェイ!』

 

戦兎は立ち上がり、ジーニアスボトルを取り出し起動させる。

 

『『ジーニアス!』』

 

「その洗脳を解くから、少しだけ待っていてくれ」

 

『ARE YOU READY?』

 

プラントライドビルダーGNが展開され、左右から現れたビルドマークが合体、戦兎をビルドへと変身させる。

 

『完全無欠のボトルヤロー!』『ビルドジーニアス!』『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

「......勝利の法則は決まった!」

 

本来のビルドのポーズを取り、すぐさまハンドルを回す。

 

『ワンサイド!』

 

やるべきことはロストボトルを完全に中和する事

 

『逆サイド!』

 

その為にも戦兎は一つボトルを握る。

 

『『オールサイド!』』

 

「はぁ!」

 

『『ジーニアス・フィニッシュ!』』

 

片足だけのキックはすぐさまネビュラガスを中和し、黒く染まったボトルとアリシアを分裂させる。

 

「アリシア!」

 

戦兎はアリシアを抱きかかえて揺さぶる。耳をすませば寝ているからか吐息が聞こえる。

 

「良かった....」

 

そんな戦兎を見ながら、ボトルを持ってハサミ型のユニットはその場を離れた。

 

そこに、最後のパンドラボックスの欠片を置いて。

 

 

______________

 

 

「あ~あ、アリシアは負けちゃったか」

 

帰ってきたのがユニットだけだったために青年はため息をついた。

 

「まぁいいか。既に準備は整った。待っててね、戦兎。僕からあいにいくから♪」

 

まるで恋する乙女のように見えるが、忘れてはならない。青年(・・)である。




これで正体が分からずとも、一体どんな性格なのかは理解できたのではないでしょうか?


え?なにが言いたいかって?



.....戦兎に平穏は訪れない


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17.犯人の正体

戦兎はアリシアを助け出し、一斗と共に病院へと急いだ。

 

幸い特に異常はなかった。が、龍斗やフェイトと同じ様に何時目覚めるかが分からない状態になってしまった。

 

そんな中戦兎は、事件現場になったナカジマジム前に向かったティーダから最後のパンドラボックスの欠片を見つけたという連絡を受けた。

 

「遂に揃ったか.....」

 

戦兎は今迄の事件で発見されたパンドラボックスの欠片を繋ぎ合わせて、パンドラボックスを完成させる。だが、

 

「核になる部分がない?」

 

完成したのは、外装だけだった。肝心の核になる欠片が見つかっていない。戦兎は後一回、知り合いの誰かか、自分自身が襲われる可能性に行きついた。戦兎は握っていたボトルを見る。それはラビットエボルボトルだったが、強い光と共に金色のラビットボトルへと姿を変えた。戦兎は疑問に思ったが、それよりも先にやることがあると考えを変えた。

 

「....ミカ。こいつを使って、クローズビルド缶を完成させるぞ」

 

『はい』

 

一斗と共に転移で家に帰ってから夕食をとることなく戦兎は作業部屋に籠った。

 

残された時間が曖昧な為に製作に余り時間がかけられない。

 

『こちらは準備出来ました』

 

「分かった、繋いでくれ」

 

戦兎はツインブレイカーのようにセット出来るスロットに、銀のドラゴンボトルと金のラビットボトルを刺した。

 

『間もなく、成分が混ざり合います』

 

始まった実験により、クローズビルド缶に付いた複眼が強い光を放つ。

 

「このまま続けるぞ」

 

この日、戦兎が眠ることはなかった。

 

 

____________

 

 

「エボルト、聞こえてるんでしょ?」

 

一斗ははやてが家に帰えるのを見送った後、一人で呟いた。

 

『......なんだ、気付いていたのか』

 

一斗にしか聞こえない声で、誰かが一斗に話し掛ける。

 

「好戦的になるはずなのに、ドンドン冷静に戦えるようになってるんだ。流石に怪しいと思うよ」

 

『あちゃ~、いきなり弱めすぎたか....』

 

一斗の中にいるエボルトは、一斗が一番聞きたがっている事を話し出す。

 

『最近、お前の周りの人間が襲われているだろ?俺はその犯人を知っている』

 

「やっぱり.....誰なの?」

 

『お前もよく知っているはずだ。パンドラボックスだよ』

 

一斗は、戦兎よりも先に、犯人に辿り着いた。

 

「.....もしかして、僕が破壊したから?」

 

『ああ、その通りだ。元々パンドラボックスには深層意識があってな。そいつは意識は有っても自分の力を使うこともできず、自分で動くのがやっとだった。だが、お前が破壊した時に、あいつは流れ込んできた俺の遺伝子と戦兎達の思いを溢れ出るほど注ぎ込まれた。結果、パンドラボックスは砕け散った。だが核だけは残った。残された核は少し時間をかけながらも、自分が一番好きだと思った相手を自分自身で再現した。その姿は、戦兎と同じものだ。』

 

「....父さんと同じ....」

 

パンドラボックスが意識と肉体を得た。だが、それは一斗に疑問を与えた。

 

「だけど、体を手に入れることなんて....それに一番好きな人って...」

 

『可能だったんだよ。元々フルボトルの成分は、パンドラボックスと佐野純一郎の記憶から作られている。つまり、地球その物を再現することもできた。それを使えば容易い。一番好きな人っていうのは、あいつが俺以上に懐いたからだ。俺はあいつに何されても死ななかったが、戦兎は人間だ。あいつに簡単に殺されちまう。それに...』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あいつはずっと戦兎を見ているぞ』

 

一斗は戦兎の部屋へ急いだ。だが

 

「父さん!」

 

部屋の中には戦兎の姿はなく、机の上に画面が暗くなったままのビルドフォンが置かれていた。

 

 





さらわれた主人公。

遂に正体が判明した青年。

あ、最近タグを増やしました。

結局、戦兎に平穏は訪れない。


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18.ヤベーイ奴、降臨

サブタイトルから滲み出る嫌な予感


一斗が自分の中のエボルトと話し出す少し前まで遡る。

 

無事実験は成功し、クローズビルド缶は一応(・・)完成した。

 

「ふぅ.....何事もなく出来上がって良かった...」

 

『お疲れ様です、マスター』

 

戦兎は椅子の背もたれによしかかり、背伸びをする。コキッっと背中から音がしたが、戦兎は気にしない。

 

「取り敢えずビルドドライバーもメンテナンスしておくか...」

 

戦兎は作業台に置かれたベルトに手を伸ばす。そんな時だった。

 

「なっ!?」

 

『マスターっ!?』

 

突然戦兎の真下に魔法陣が展開された。戦兎はそれを破壊しようとするが、少しずつ転移が始まっていることに気が付くとベルトと缶に手を伸ばした。結果持ったが、転移は止まらない。

 

ミカがその転移を止めようと色々やっているが、後に何処かから飛んできた攻撃で、ビルドフォンが撃たれて机の上に落ちてしまう。

 

「ミカ!!」

 

叫ぶが既に画面が黒くなっている為にミカから返事はない。戦兎は他の人に助けを求めようと思ったが、生憎作業部屋は防音仕様。早急に諦めて戦兎は転移に巻き込まれた。

 

_______________

 

 

「ほがっ!?」

 

戦兎が転移が終了し、目を開けるとそこは水中だった。パニックに陥るも直ぐに水中から出る。

 

「はぁ....ごほっ....」

 

戦兎は呼吸を整えるために、少しずつ水から上がる。

 

「ごめんね、転移先に選んだら面白そうだと思って僕、ついやっちゃった」

 

「!」

 

戦兎は聞こえてきた声の方向へ頭を向ける。するとそこには

 

 

 

「待ってたよ、せ・ん・と♪」

 

 

自身がいたのだった。戦兎は無理矢理にでも体を動かして青年と距離を置く。

 

「折角会えたのにな~、なんで逃げるの?」

 

「俺はお前の正体を知らないからだ」

 

戦兎は手に持っていたビルドドライバーを装着して万が一に備える。

 

「そっか~、僕の正体がわからなかったね......」

 

青年は腰に手を当てる。それがずれるとそこにはビルドドライバーがあった。

 

「なに!?」

 

「戦兎なら僕をわかってくれると思ってたのに!!!」

 

『バット』『エンジン』『ベストマッチ!』

 

青年はベルトにボトルをセットする。戦兎も透かさずボトルをセットする。

 

『スパイダー』『冷蔵庫』『ベストマッチ!』

 

ハンドルを回して展開されるライドビルダー同士は少し衝突しながらもアーマーを形成する。

 

『『ARE YOU READY?』』

 

「変身!」

 

「変身♪」

 

お互いが前後からアーマーに挟み込まれる。お互いがビルドへと姿を変える。

 

『暗黒の起動王!』『バッドエンジン!』『YEAH!』

 

『冷却のトラップマスター!』『スパイダークーラー!』『YEAH!』

 

変身完了と共に青年の変身したビルドの肩のエンジンがドンドンと熱を持ってい行く。戦兎はすぐに左肩の冷蔵庫を開く。すると冷気が放出され辺り一面が白に染まる。戦兎はそれを利用して右手で次々に足元に蜘蛛の巣を配置していく。

 

だが、

 

「そんなことをしても無駄だよ」

 

青年には効かなかった。右肩に付いた羽で冷気を吹き飛ばしたのだ。そして、足元を見ることなく戦兎へと近づいて行く。

 

「何で...」

 

「バットの能力さ。超音波で障害物の位置を把握したんだ。」

 

戦兎は仕方がなく、クローズビルド缶を取り出しプルタブを起こして起動させようとする。だが

 

「!? な、何でだ!?何で起動しない!?」

 

戦兎が何度もやり直すが起動することはなかった。

 

「僕用に切り札を用意してきたみたいだけど無意味だったね」

 

どんどんと近づいてくるビルドから逃げながらも戦兎はハザードトリガーを起動させる。

 

『マックスハザード・オン』

 

ベルトにセットしてフルフルフェニックスロボボトルを使ってビルドアップする。だが、これこそが青年の狙いだった。

 

『ツインフェニックス!』『ヤベーイ!』『マジヤベーイ!』

 

「やっと使ってくれたぁ....僕が戦兎を守ってるんだぁ....」

 

ねっとりとした声で青年は戦兎へと寄っていく。既に変身を解除しており、戦兎はフルボトルバスターを構えるも止まることはなかった。

 

「そう言えば、僕の正体だったね...」

 

青年は両手を広げながら高らかに言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕は『パンドラボックス』! 戦兎が好きで好きで堪らないんだよぉ!」

 

 

ここに、ヤンデレでホモな無機物がその正体を現した。





遂に青年がその正体を完全に現した!

既にロリコンとか言われてた彼は何処までも何処までも戦兎の事が好きで好きで堪らない男の娘。


肝心のヒロインはこの時、変な電波を受信したとか。



それでは、また!


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19.青年は何時から戦兎を見ていたのか

「僕のことはパンドラでいいよ?」

 

パンドラボックスと名乗った青年は少しずつ戦兎へ近づいて行く。何故か急に身体が重くなり動き辛くなった戦兎は切り札であるクローズビルド缶を何とか自宅へと転移させた。

 

「ぐぉ.....」

 

「僕は君が欲しくて欲しくて堪らなかった。それなのに君の周りには可愛い女の子が沢山集まって。だから、僕は力を欲した。君が僕の方だけを見続ける様に」

 

戦兎はバスターキャノンを構えるも視界がくらみ狙いを定める事が出来なかった。

 

「お、お前は....あの時、一斗が破壊したはずだ.....それに、欠片だって....」

 

青年は一瞬キョトンとすると、その表情を変えながら戦兎のビルドドライバーへと手を伸ばす。

 

「僕は何時も、ずっと君を見ていたんだよ?」

 

青年が持っていたのはフルフルフェニックスロボボトルだった。

 

「ま、さか!?」

 

戦兎は気づいてしまった。エボルトから渡されたボトルにフェニックスロボの成分が入ったのはあの時、パンドラボックスが飛んできたからだと。そしてその中には、パンドラがいたことを。

 

「そう♪僕はずっと君の傍にいた。エボルトを倒した時も、君が無茶した時も、ジーニアスボトルを作った時も、勿論、あの缶を作った時もね」

 

戦兎は何故今自分が上手く動けないのかも理解してしまった。パンドラ自身の成分が入ったボトルを使用して変身している為に、アーマーのコントロールを奪われたのだと。

 

「ああ....ようやく、ようやくだよ....君を僕のものにできるんだから....」

 

戦兎は薄くなっていく意識の中で、自分と同じ顔をした青年の、狂った笑顔を見たのだった。

 

「...意識が飛んだみたいだね」

 

パンドラは気を失った戦兎をお姫様抱っこでベッドへと運んでいく。

 

「あと少しで完全な肉体を得られるからね....その時は....」

 

____________

 

「父さん!」

 

一斗が作業部屋の扉を開けるとそこに戦兎の姿はなかった。

 

『如何やら遅かったみたいだな』

 

エボルトの声にも返事を返さずに残されているものがないかを探る。そして、作業台の上に画面が表示されていないビルドフォンを見つけた。

 

「ミカさん!ミカさん!」

 

一斗が何度も話しかけるも返事が返ってくることはなかった。

 

『諦めろ。それより早くこの事を夜天の最後の主に伝えなくていいのか?』

 

「.....っ」

 

一斗はズボンのポケットにビルドフォンを入れて直ぐに階段を降りた。すぐさま家の固定電話を使い八神家へ電話を掛ける。

 

『はい、八神ですが』

 

「はやてさん!父さんが!父さんが!」

 

これから始まるのは、世にも恐ろしい修羅場である。




恋する乙女のぶつかり合いは、世界を巻き込む程に大きくなる。

片方は、戦兎と共にいる為に。片方は、戦兎を我が物にする為に。


次回、『ヒロインは誰だ!?』

戦兎の胃は、遂に限界を迎える。

※一部例外が含まれています。

______________

当初は、エボルトと共に世界を滅ぼした平行世界の戦兎が登場するはずだったのに、

気付いたら手元で元気に戦兎を追い回すヤベーイ奴が。

作者にはどうしようもなく、それを(投稿)に放つ(する)事に。

結果、戦兎の平穏は遠ざかったのだった。


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20.ヒロインは誰だ!?

Q.サブタイトルの答えをどうぞ

A.
はやて「巧にぃ」

パンドラ「戦兎」


戦兎「待って、考え直せ!!!」

※戦兎はヒロインだそうです


一斗からの連絡後、すぐさまはやては一家揃って戦兎の捜索を開始した。

 

そんな中、はやてはリインを連れて火災事件のあった倉庫跡地に来ていた。

 

「はやてちゃん、もうここには何もないと思いますよ?」

 

「そうなんやけど.....どうにも何かが引っかかるんや」

 

リインが以前調べた為にここには何も残っていないことははやて自身も理解していた。それでも、何かが引っかかっていた。だからこそ、この地を訪れていた。

 

複数の瓦礫に向かって、サーチ魔法を使用する。

 

「........あった!」

 

「ええ!?」

 

はやてはすぐさま瓦礫を自らの手でどかしていく。

 

暫くすると、一冊の本が出て来た。

 

「これって....」

 

「確か巧さんが言ってた本ですっ!でもなんでこんなところに?」

 

タイトルは『平行世界からの侵略者』、以前アリシアと共に行方不明となった本だった。

 

「これがここにあったってことは、ここには何かがあるっちゅう証拠やないかな」

 

「そうですね。取り敢えずその本をユーノ司書長の所に持っていきましょう!」

 

はやてとリインは本を持ってすぐさま近くを通り掛かったタクシーを捕まえて、無限書庫へと向かった。

 

____________

 

 

はやて達が無限書庫へ向かっている頃、一斗はエボルトとフク、フォレスと共に戦兎を探していた。

 

「エボルト、ここには?」

 

『ここか....あいつはここにはいないな。だが、何かがありそうだぞ?』

 

「「♪~~~~~」」

 

二体が先に遺跡を調べ始める。今一斗が来ているのはエボルトがパンドラタワーを建てた為に残った遺跡だった。

 

「何かって、一体何が?」

 

『さぁな。今の俺じゃあ、そこまでを把握することは出来ないからな。自分の目で確認するんだな』

 

二体の後を追うために歩きながらエボルトと言葉を交わすが、遺跡に近づいて行くに連れてエボルトは話さなくなる。

 

「「♪~~~!!」」

 

「! 何かあった!?」

 

二体の声が普段とは違い何処か慌てている様子が伺えた為に一斗はすぐさま彼らのもとへ走った。するとそこには

 

「スパークリング?」

 

『いや、こいつはビルドとクローズの力の集結した缶だな。ラベルにも書いてあるじゃねえか。

 

 

 

『クローズビルド』ってな』

 

戦兎は缶を遺跡に転移させていたのだ。全ては、パンドラを倒す為に。

 

「これで戦えってことかな?」

 

『多分な。だが、こいつはまだ完成してないみたいだ』

 

「それじゃあ使えないよ」

 

『ああ。だからこそ科学者の力が必要だ』「起きてるんだろ?」

 

エボルトの声は一斗以外に聞こえることはない。だからこそ、エボルトは一度一斗の口を制御して声を出した。

 

『....気づいていましたか』

 

「ああ。仕方のないことだろう?直ぐに分かったさ」

 

『一斗様、すいません。マスターのすぐそばに居ながら助ける事が出来ませんでした。』

 

エボルトは一斗にコントロールを返す。

 

「それでも、ミカさんがいて良かった。これを、完成させられるんだよね?」

 

『はい。後は少しの調整です。それに私にはマスターが転移した記録が残っています』

 

一斗の元に、戦兎を助けるためのパーツが集まった。すぐさま帰宅してはやてに戦兎の居場所が分かった事を伝えると一斗は静かに眠った。

 

「後は、私の仕事ですね」

 

ミカは戦兎が何時も座っている椅子に座り、調整を開始した。そして、

 

「先生、ごめんなさい。約束を破ります」

 

もう一つ、開発の止まった資料を取り出した。

 




サブタイトルは前書きのみになりました。

今週の本編を見てて、どうしてもあれ(・・)を関わらせたいと思ってしまったので、少し時間が掛かります。


そしてかずみん。次回予告冒頭にBGMがないってどういうことだよ!?

『ゼロ度の炎』とか、どう見ても心火がどうにかなっちゃうじゃないか!?

美空も泣いてたし...どうなる次回!?

作者は甲子園スマッシュを絶対許さない。

そして、エボルトさんの本気。

次回、もしかしたら退場する人が一人ではないかも知れない....

____________


火災事件の跡地で見付かった本からパンドラの倒し方を知ったはやて達

「絶対にこれを使って変身しないで下さい」

一斗はミカからあるアイテムを受け取る

「ごめん。約束、守れそうにないや」

グリス、最後の変身!

次回、『誓いのビー・ザ・ワン』


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21.誓いのビー・ザ・ワン 前編

久しぶりの長編ですよ!




46話のシーンを一部想像しながら読んで貰うと....


はやては移動中に一斗からの連絡により戦兎の居場所を特定する事が出来たが、本が見付かった以上、ユーノに話をつけておく必要があると考えて、無限書庫に到着した。

 

「ユーノ君、これなんやけど....」

 

ユーノを見付けて本が火災事件の現場で見つかったことと戦兎がさらわれた事を伝える。

 

「はやて。この事は、ヴィヴィオ達には内緒にしておこうと思うんだ。」

 

「....ウィンターカップが近いからか」

 

「うん」

 

それは、ユーノなりに今から戦いにいく彼女たちに心配をかけさせないと考えた結果である。既になのはと話をつけており、大人以外には一斗しか戦兎達の事を知る者はいない。

 

「それでな、この本っていったい何なんや?」

 

「本当は戦兎に渡すはずだったんだけどね」

 

ユーノはビルド式の魔法陣を展開してその中に手を入れる。

 

「その本には、著者であるロイさんがパンドラボックスで行った研究結果が封印されていたんだ」

 

そして、魔法陣から一枚のパネルが出て来る。

 

「白い、パネル?」

 

「うん。グレンディアさんも研究員として駆り出されたときに生み出された黒と対をなす白のパンドラパネルだよ」

 

ユーノの手には見たことのない白いパネルがあった。

 

「これを使うとどうなるん?」

 

「分からない。僕は、黒が世界の破壊で、白は世界の創造だと思うんだ。」

 

はやても一斗の話していたパネルの事を思い出していた。

 

「取り敢えずこのパネルははやてが持っていて」

 

「いいんか?私じゃ...」

 

「はやてだからさ。戦兎さんの事を頼んだよ」

 

「....分かった。必ず助けてくる」

 

はやてはユーノからパネルを受け取ると家族に連絡を取り、今日の捜索を終わらせた。

 

 

____________

 

 

「完成しました...」

 

ミカは既に肉体が滅んでいるものの、長時間の作業によって精神的な疲れを感じていた。が、マスターである戦兎の無事を確認できてないために、再びチェックをする。全てのメンテナンスが終わった頃、部屋の壁がノックされた。

 

「ミカさん、僕のビルドドライバー知りませんか?」

 

「すいません、私が昨夜メンテナンスの為に借りていました。どうぞ部屋に入って下さい。」

 

一斗と相棒の二体が入ってくる。ミカはすぐに一斗にビルドドライバーを渡す。

 

「黒い缶は完成しましたか?」

 

「はい。既に調整を済ませてあります。ですが、今の私ではこれを安定させる事が出来ませんでした。その為、時間制限が掛かっています」

 

ごめんなさいと謝るミカからクローズビルド缶を受け取った一斗。

 

「いいんですよ。僕が無理を言っているんですから」

 

昨夜、戦兎の元へ一度だけ転移できることが分かった為に今日乗り込む事になったのだ。

 

「そして、もう一つ」

 

「へ?」

 

ミカは中が確認できない箱を開ける。すると白い煙があふれ出てくる。

 

「....マスターと共に、一斗様のエボルトの遺伝子を利用した強化フォーム用のアイテムを途中まで制作していました。ですが、今の一斗様には必要ないだろうとマスターがパーツを完成させてから製作を辞めた一斗様専用のアイテム____

 

 

 

 

 

 

『ブリザードナックル』です」

 

箱の中からマグマナックルと似たナックルが出て来る。

 

「僕専用の....」

 

「はい。それに合わせたこれを」

 

ミカは箱の中に有ったフルボトルを渡す。

 

「そのボトルの中には一斗様の戦闘データが入っています。貴方にしか使えないボトルです。ですが、絶対にこれを使って変身しないで下さい。今の一斗様では、消滅してしまう可能性が有ります」

 

戦兎は原作を見ていた時に出て来た三羽烏のボトルと一斗のデータを元に創り上げたボトルには一斗だけでなく恭也の戦闘データも入っているのだ。だが、ボトルの室力を完全に調整出来なかった為に、一斗が危機に陥ってしまうようになっている。

 

「武器として使います。約束します」

 

ミカは全ての準備が済んだら呼ぶよう一斗に言い、部屋の外へ行かせた。

 

「....先生、ごめんなさい.....」

 

ミカが泣いていた事は誰も知ることはなかった。

 



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22.誓いのビー・ザ・ワン 中編

前回の続きです!

まだ読まれてない方はそちらから先にどうぞ。


「少し時間が掛かっちゃったけど、ようやく身体を手に入れられた♪」

 

パンドラは水からあがる。その姿は、

 

「お待たせ、戦兎♪」

 

アリシアそっくりだった。戦兎の意識は戻っておらず、眠り続ける戦兎にパンドラは服を着ることなく、濡れたまま戦兎にくっついた。

 

「戦兎を裸で感じられる.....ああ....」

 

彼女が肉達を手に入れた為に、そばにあったビルドドライバーに手を伸ばす。

 

「必ず、君を狙う雌猫を殺しきって見せるからね」

 

彼女の目からは、光が消えていた。

 

____________

 

 

 

ミカによって転移したはやては、パンドラと会っていた。

 

「はぁ...来たんだ泥棒猫。いや、タヌキかな?」

 

「あなたが犯人なんやろうけど、私は巧にぃを取り戻しに来たんや。」

 

パンドラの横を通って

 

「嫌だと言ったらどうするの?」

 

「その時は.....」

 

はやてはすぐに自分にかけていた変身魔法を解除する。

 

「力ずくでも取り返すから」

 

『巧さんを返してもらいます!』

 

背中から複数の羽を広げる。

 

「へぇ、ユニゾンか....でも、そんなの僕の前では意味をなさないよ?」

 

『マックスハザード・オン』

 

パンドラは装着したビルドドライバーにハザードトリガーを差し込む。そのままソファの上で横になって眠っている戦兎のもとへ行く。その間もはやては警戒を解くことはなかった。

 

「戦兎.....君の力を借りるよ......僕に、あの女を殺させて!!!」

 

『ARE YOU READY?』

 

『ツインフェニックス!』『ヤベーイ!』『マジヤベーイ!』

 

戦兎と同じ様にツインフェニックスへと姿を変える。はやてはそれを不快に思いながらも複数の魔法陣を展開する。

 

「基本広域・砲撃魔法を使うお前が僕に勝てるとでも思ってるわけ?だとしたら傑作だなぁ」

 

ハハハハハと笑いながらもパンドラは少しずつ走り出す。

 

「死ねぇ!!!!」

 

不死鳥の炎をまとった拳がはやてに放たれたが、それがはやてに当たる事はなかった。

 

「何時、私が一人で来たって言った?」

 

「......やっぱり来たんだ」

 

 

 

 

 

「お前は、はやてさんも俺も倒せない」

 

一斗、グリスが拳を受け止めていた。

 

「君は戦兎の息子だし、エボルトの一部だし、殺すのは後にしようと思ってたのに.....」

 

パンドラは全身から炎を放出する。

 

「今すぐ殺す!!!」

 

「ちぃ!」

 

ツインブレイカーで突撃してきたビルドを受け止めるも、熱によりツインブレイカーが溶けてしまう。

 

「マジかよ....仕方がない、か!」

 

溶けたツインブレイカーをビルドに投げつける。それを軽々しく溶かしきってしまうビルド。

 

「一斗!」

 

「うるさいなぁ!君はそこで見てるといい!」

 

パンドラは自分の能力で創り出した牢屋にはやてを中に閉じ込める。

 

「こんなもの...」

 

『はやてちゃん、それに触れないで下さい!』

 

リインの声ではやては手で策に触れるのを止める。

 

「これに、なにかあるんか?」

 

『はい。これの熱が問題なんです』

 

はやてが閉じ込められた策はパンドラボックスの力で造られた1000度を超える熱を持っているものだった。

 

もしリインがそれに気が付かなかったら、はやてはそれに触れていただろう。

 

「リイン、ここで氷結の息吹を使ったらどうなるん?」

 

『一斗さんの方には被害が行かないと思うです』

 

「それじゃ、やるで!」

 

リインがサポートする中、はやては詠唱を始める。





次回予告が本当に生かされるのは、次の話....

彼の覚悟を、見届けてくださいね。



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23.誓いのビー・ザ・ワン 後編

前々回から続いている話ですので、

まだ読まれてない方はそちらを先にどうぞ。


グリスは溶けてしまったツインブレイカーの代わりに、ブリザードナックルを構える。

 

「へぇ、新しい武器か....それでも、僕を倒すことはできないよ!」

 

一斗は走り回ることでパンドラの砲撃を交わす。その間に、貰ったボトルを振ってセットする。

 

『ボトルキーン!』

 

何度も見ていた龍斗の構えを取りながら正面のボタンを押す。

 

「逃がさないよ!」

 

『READY GO!』

 

『ハザード・フィニッシュ!』『ツインフェニックス・フィニッシュ!』

 

全身を不死鳥の炎で包み込み、羽を広げてグリスへ向けて突撃しようとしてくる。それを一斗は利用することにした。ベルトのレンチを倒してゼリーを押し潰す。

 

『スクラップ・フィニッシュ!』『グレイシャルナックル!』

 

「おりゃああああああああああ!!!」

 

両肩に付いたマシンパックショルダーを変形させ、後方に黒煙の様にヴァリアブルゼリーを噴射して加速する。

 

『カチカチカチカチカッチン!』

 

ブリザードナックルから音声が響くとともに、パンドラはその身を氷で覆われていく。

 

「やっぱり君は危険だ!」

 

一斗はパンドラが呼び出したロボットアーマーに突撃され、パンドラと距離を置いてしまう。

 

中途半端に凍った部分を破壊することでパンドラは自由を取り戻そうとする。

 

それを見ながら、一斗はクローズビルド缶を起動させる。

 

「! それは戦兎が持ってた...」

 

プルタブを開けることで、ラビットアーマーとドラゴライブレイザーが召喚される。前者は一斗の周りを飛び回り、後者はランナーにくっついたまま微動だにしない。

 

一斗はビルドドライバーを装着して、クローズビルド缶をセットする。

 

『クローズビルド』

 

ハンドルを回すことで展開されるビルドマーク型のスナップライドビルダーが、金色のラビットと銀色のドラゴンのハーフボディを形成する。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

前後から挟み込まれることでライドビルダーは巨大なビルドマークとなり、すぐさま分解される。

 

『ベストマッチな!』『最終実験!』

 

音声と共にラビットアーマーの一部と、ドラゴライブレイザーが素体のビルドに装着され、すぐさま変化し始める。

 

『『クローズ&ビルド!』』『『YEAH!』』

 

ラビットアーマーのバネは金色に代わりその複眼を特徴的なものに変え、ドラゴンは一部パーツを消滅させて片側のみにその羽を添える。

 

「父さん、先輩....ありがとう」

 

一斗はベルトのハンドルを回す。

 

「嫌だ、嫌だ嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁぁ!!僕は、まだ戦兎を...戦兎を!!!!!」

 

 

未だ動けないパンドラは一斗によってグラフに拘束される。一斗は召喚したクローズドラゴン・ブレイズと共に走り出し、そのグラフに沿ってキックを放つ。

 

『READY GO!」

 

「これで」

 

『クローズビルド・フィニッシュ!』

 

「終わりだぁぁぁ!!!!!!!」

 

「あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

キックを食らったパンドラはその場で爆発する。その様子を見ていたはやては、詠唱を停めてしまう。だが、

 

「限....界....」

 

一斗の方にも限界が来ていた。いくら一斗専用に調整されているとはいえ、今の一斗では必殺技を放てば限界へ達してしまう。少し粒子を発生させながらも、一斗は後ろで爆発している様子を確認する為に振り向く。

 

「えっ?」

 

「そうだよ、最初からこうすれば良かったんだ。何で気が付かなかったんだろう....」

 

煙が晴れるとそこにはビルドの姿はなく、代わりに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう、気が付かせてくれて」

 

戦兎が立っていた。

 

「まさ、か...」

 

「うん、君に倒されそうになった時にね。思いついちゃったんだ。僕と戦兎が一緒になれば、ずっと一緒に居られる。ずっと、ずっと、一生一緒だ。2人でずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずうっと....」

 

一斗もはやても、パンドラの変わりように驚くことしか出来なかった。

 

「その為にも、この世界を破壊しなきゃ....」

 

『オーバー・オーバー・ザ・エヴォリューション』

 

エボルトリガーを起動させたパンドラは、空を仰ぐことでエボルドライバーを呼び出して装着する。

 

『おい一斗!不味いぞ!このままだとあいつは....』

 

エボルトはパンドラがしようとしている事に気が付き警告するが、一斗は息を切らしておりそれを止めることが出来ない。

 

『グレート!』『オールイェi__オールブレイク!』

 

「ああ、僕は、戦兎と一緒になれるんだ....」

 

『ジーニアス』

 

エボルドライバーにセットされたエボルドライバーから黒い靄が発生し、ジーニアスボトルを包み込んでいく。

 

『デストロイ!』『デストロイ!』

 

『ブレイク!』『ブレイク!』

 

ハンドルを回す度にパンドラの周りが粒子へと変わっていく。足元から展開されたプラントライドビルダーGNはいつもと色が違い、黒く染まっていた。周りから展開されるエンプティボトルは全て黒く染まっている。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身」

 

静かにアンダースーツが形成され、全身に60本のボトルが装着される。

 

『フィーバーフロー』

 

『完全破壊のボトルブレイカー!』『ビルドパンドラ!』『デストロイ!』『マジデストロイ!』

 

『フッハッハッハハハ!』『フッハッハッハハハハハ!』

 

鳴り響くエボルトの笑い声が、パンドラだけの仮面ライダーへと変身させた。

 

「仮面ライダーパンドラ。僕は、全てを破壊して戦兎を手に入れる!」

 

変身完了と共に一斗は吹き飛ばされる。ガジェット達が一斗を守るために前に出るが、直ぐに衝撃波によって破壊されてしまう。はやてのユニゾンも解除されてしまい、檻の高熱の策に触れてしまいそうになるが、どうにか吹き飛ばされるのをリインが展開したシールドによって防がれる。

 

仮面ライダーパンドラとなったパンドラはゆっくりと一斗へ近づいて行く。

 

「ごめん。約束、守れそうにないや」

 

一斗は立ち上がりナックルを構える。

 

「この期に及んで何かするのかい?」

 

はやては、ミカから一斗があれ(・・)を使って変身させない様にと言われていたために一斗が何をしようとしているのか気が付いた。

 

「ダメや!そんなことしなくてもええ....私たちが必ず倒すから!!」

 

はやてが叫ぶも一斗は止まらない。

 

「はやてさん、いや母さん。今迄ありがとう。父さん達によろしくね」

 

一斗はボトルのキャップを正面に合わせてナックルにセットする。

 

『ボトルキーン!』

 

『グリスブリザード!』

 

変形したナックルをベルトにセットしたた為にはやてはどうにかして檻から出ようとする。だが、檻から出ることはできなかった。

 

「止めて....やめてよぉ!!!」

 

リインもどうにもできない苦しみからその目から涙を流している。

 

一斗がベルトのハンドルを回した事によりナックルを模した取鍋が冷気と共に出現する。そして静かに、問いかけられた。

 

 

 

 

 

 

 

ARE YOU READY(覚悟はいいか)?』

 

「できてるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取鍋がひっくり返って中にある液体と冷気が一斗の頭上から浴びることでその姿を氷の結晶へと変える。

 

氷の結晶を背後の取鍋が前後する事で砕く。

 

『激凍心火!』『グリスブリザード!』『ガキガキガキガキ!』『ガキーン!』

 




「一斗!」

仮面ライダーは正義の為に闘う

「お願いだから生きてよ!!」

さよなら、仮面ライダーグリス

「これが最後の、祭りだぁぁぁ!!!!!!!!」

次回、『ゼロ度の炎』


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24.ゼロ度の炎 前編

再び長編です!


『お前のハザードレベルは、人間の限界値に達している。こいつで闘い続ければ、消滅は免れないぞ。それでも闘うか?』

 

エボルトの忠告を聞いてなお、一斗はグリスブリザードへと姿を変えた。

 

「正義の為に、愛する者の為に闘うのが仮面ライダーだからな。言ったろ?『できてるよ』ってな」

 

一斗は左手に装着されたロボットアームが自由に動かせることを確認する。冷気が未だに身体から出ているために、一斗の身体は着々と冷え始めていた。

 

「君も、戦兎と同じ仮面ライダーなんだね。でも、僕も愛する人の為に戦うんだ!!!」

 

黒い靄と冷気がぶつかり合う。先に動いたのはグリスだった。

 

「おりゃあ!」

__________

 

 

はやてはすぐさまセットアップし、リインが泣きながらでもサポートしてくれているのを感じながらも詠唱を再開した。もし早く変身解除させる事が出来れば、一斗を助けられる可能性がある事にかけたのだ。

 

『「仄白(ほのしろ)き雪の王、銀の翼()て、眼下の大地を白銀に染めよ。()よ、氷結の息吹(アーテム・デス・アイセス)!」』

 

はやての周辺に発生した4個の立方体から氷結が放たれる。高温の檻と云えど、凍らされてしまえば何も出来ない。

この魔法を発動中は移動できないのだが、今は檻の中で身動きが取れない状態。

 

はやては全体が凍り付いた事を確認してから更に詠唱を行う。

 

『「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け。石化の槍、ミストルティン!」』

 

本来なら生命体に効果が大きい魔法だが、この場では柵を同時に破壊するために使用する。結果檻は砕け散り、はやては自由の身になった。はやてはユーノから預かった白いパネルを呼び出して、みんなから前もって預かっていたボトルをセットする。

 

『はやてちゃん!一斗さんが、一斗さんが!』

 

リインから一斗の様子が一変した事が伝えられる。それは、グリスのボディからよく観察しなければ分からない程細かく粒子が発生し始めている事だった。はやてはすぐさま手持ちのボトルをセットしていく。

 

「あと2本...」

 

その2本は、本来一斗が変身する為に使うはずだったキャッスルロストボトルとフクロウロストボトル。未だなお、一斗が所持しているボトルだった。

 

「なんでや!なんで私は....何時も何時も見てることしかできんのや.....」

 

『はやてちゃん....』

 

はやては自分が無力な事に失望した。これまでも大切な人が危機に陥るたびに近くにいたのに、何もできなかった自分自身に。

 

『はやてちゃん.....一度だけ、一度だけ一斗さんの力になる事が出来るシステムがあるです...』

 

「え?」

 

リインフォース・ツヴァイははやて自身のリンカーコアをコピーして産まれたのだ。その殆どを自らの力で行ったはやてが知らないシステムなどないはずなのだ。

 

『巧さんから渡されたメモリの中に、仮面ライダーに力を貸すことが出来るシステムがあったんです』

 

リインは夜天の書にシステムのデータを送る。それを素早く確認したはやては、すぐさま実行しようとする。

 

「いけるなリイン!」

 

『はいですっ!』

 

足元に展開したビルド式の魔法陣にベルカ式の魔法陣を重ねて展開し、詠唱を行う。

 

『「誰かの為に、その魂を捧げる。この決意は決して揺るがぬものであり、ここで誓うことは絶対である」』

 

シュベルトクロイツを魔法陣の中心に突き刺し、最後の詠唱を行う。

 

『「魂の譲渡(ソウル・ギフト)!」』

 

はやては、その言葉を最後に地面に倒れ込んだ。魔法陣は展開されたまま、少しずつはやての目から光が失われていった。

 

___________

 

一斗はロボットアームでパンドラ捕獲し装備したナックルで連打を行う。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァ!!!!!」

 

全てを塞がれた訳ではないが、致命的なダメージを与えるには至らなかった。

 

「君の本気はそんなものかい?それじゃあこっちからも行くよぉ!!!」

 

「やらせるかよ!」

 

同じ様にロボットアームを出現させ、それを使って一斗は拘束されてしまうがただでは済まさない。先程と変わらず自身のアームでしっかりとパンドラの腕を拘束し続けていた。

 

一斗はここがチャンスだと思い、ブリザードナックルのスイッチを手からナックルを垂直に落下させることで行った。

 

『グレイシャル・ナックル!』『カチカチカチカチカッチン!』

 

「何を...」

 

「これで、俺たちは動けない。つまりここがお前を倒すチャンスって訳だぁ!」

 

発動した技により、パンドラと一斗の足は凍らされてしまう。一斗は地面にぶつかって跳ね返ってきたナックルを右手の拘束から抜け出す事でベルトにセットし、ハンドルを回した。

 

『シングルアイス!』

 

「この距離で技を使えば、君もただじゃ.....」

 

「既に覚悟(・・)してるんでなぁ!」

 

『READY GO!』

 

一斗は両肩から美空色の液体を拘束で吹き出し、拘束していた足元の氷をボレーキックの要領でパンドラに叩き付けた。

 

『グレイシャル・アタック!』

 

「おりゃああああああああああ!!!!!!!!!」

 

放たれたキックが当たるとともに氷塊は砕け散り、パンドラを吹き飛ばす。

 

「はぁ.....はぁ.....」

 

『もうすぐお前は消滅する。あいつを倒すんだろ?」

 

「っ、ああ!」

 

一斗は既に粒子となり始めている身体の事を考えるのを止めて、再び構える。

 

「....全く、本当に気に食わない....君は、君たちはいつもそうだ!そうやって進化を続ける!」

 

パンドラは既にボロボロになった姿のままハンドルを回した。

 

『オーバーキル!』

 

『READY GO!』

 

『来るぞ!』

 

「耐え抜いてやらぁ!!!」

 

高く飛び上がり、空中で体制を整えたパンドラは一斗へ向かってキックを放った。

 

『ブラックホール・ブレイク!』『ジーニアス・フィニッシュ!』




正午頃に続きを投稿する予定です。


時刻が前後してしまう場合があります。ご了承ください。


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25.ゼロ度の炎 後編

前回の続きとなっています。



「がああああアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

一斗はその一撃を受け止めた。ブラックホールが現れるもそこに氷を投げ込むことで消滅させる。

 

「耐え...切った....」

 

だが、安心は出来なかった。

 

「がっ!? な、なんだ!?」

 

先程までと異なり身体から発生している粒子の量が倍になっていたのだ。

 

「ジーニアスの能力にネビュラガスの中和があるんだ。それを僕なりにアレンジして、ハザードレベルを上げ続けるものに変えたんだよ。つまりこのままだと君は」

 

パンドラはつらつらと話す。消えかけの一斗を見ながら。

 

「消滅するよ」

 

『おい!どうする!?このままだと何も助けられずに消滅することになっちまうぞ!?』

 

エボルトの言葉さえ、今の一斗には届いていなかった。既に体力は限界、鎧の一部は粒子となって消えてしまっている。

 

「諦め.....られるか......」

 

「まだ闘うんだ。君じゃ僕には勝てないのにね」

 

息が上がってしまい、動けないグリスにパンドラは蹴りを食らわせる。一斗は壁に当たって、変身が解除されてしまう。

 

「これが僕と戦兎の力なんだ.....君、本当にウザかったからなぁ。これなら君の大切な人から殺すべきかな?」

 

一斗の指がピクリと動く。それは、冷静な、静かな怒りの現れだった。

 

「誰を、殺す..って?」

 

「ん?聞こえなかったの?君の大切な人だよ。具体的には、アインハルト・ストラトスかな?」

 

パンドラは、一斗の逆鱗に触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ボトルキーン!』

 

一斗は壁に手を当てながらも立ち上がる。

 

「絶対に、させない。ハルも、ヴィヴィオ達も、母さんたちも....お前に絶対に殺させない!」

 

『これでお前の消滅は確定した。悔いのないように闘ってこい!』

 

静かに辺りを冷気が凍らせて行く。

 

「確か、心火だったかな....父さんが繋いでくれたこの言葉を.....」

 

展開されたブリザードライドビルダーに静かに聳え立っている。

 

「これが()の最初で最後の、祭りだぁぁぁ!!!!」

 

『激凍心火!』『グリスブリザード!』『ガキガキガキガキ!』『ガキ―ン!』

 

 

 

ハンドルを回していく。

 

『シングルアイス!』

 

『オールアイス!』

 

それを見ていたパンドラもハンドルを回す。

 

『オーバーキル!』

 

 

『『READY GO!』』

 

肩を変形させて、美空色の液体を噴き出して加速する。パンドラは、全てのボトルから成分が消滅させて、足に全て収束させる。

 

 

『グレイシャル・フィニッシュ!』

 

『ブラックホール・ブレイク!』『ジーニアス・フィニッシュ!』

 

「「おらあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」」

 

勢いのままにキックを放つグリス。そしてそれをボレーキックで打ち返そうとするパンドラ。ぶつかり合った一撃は、辺りを凍らせ、粒子へと変化させていく。

 

だが、威力はパンドラの方が有った。

 

「君じゃ僕らの一撃には届かない!」

 

確かに届いていなかった。でも、一斗は諦めなかった。

 

「負けてたまるかよぉぉぉ!!!!!!!」

 

複眼が赤く光輝き、威力が上がっていく。

 

「! それが、君の進化(心火)だとでも言うのかぁぁ!?」

 

パンドラにはグリスが分身して見えたのだ。

 

今、一斗は4人に増えている。

 

グリス、ロック、フォートレス、ブリザード

 

一斗が今迄変身してきた姿が全てキックを放っていた。

 

それでも、パンドラの威力にはまだ及ばない。

 

『一斗、私も、私たちも力を貸すから!』

 

「! 母さん....おりゃああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

一斗の意識の中からはやての声が聞こえてきた。一斗は全てを掛けた一撃を放つ。

 

 

 

「そんな.....僕が、僕たちが押されているなんて....認めない、認められるかぁ!!!!!!!!」

 

パンドラの足は少しずつ凍り付いていく。

 

「『いっけえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』」

 

パンドラの全身は凍り付き、それをグリスは砕いた。

 

 

「あ、ああ....あははは!!!君たちは、失敗した。僕ごと戦兎を消すことにしたなんてね。滑稽だよぉ!結局、君たちは助けられなかったんだ!戦兎を見捨てたんだ!!!」

 

変身が解除され倒れたパンドラは、全身から黒い靄と粒子を出しながら言い放つ。一斗はそれをただ聞いていることしか出来なかった。

 

『一斗、まだ希望はある。これを使って!』

 

はやての声が聞こえて一斗ははやての方を見る。すると、白いパネルが飛んできた。

 

『残りのボトルは一斗の持っている2本!セットしたらあいつに叩き付けるんや!』

 

「うん!」

 

一斗はすぐさまボトルをセットし、パネルを完成させる。

 

「なんだよ、それ.....なんなんだよそのパネルはぁぁぁ!!!!!!」

 

「食らえええええええぇぇぇ!!!!!!!!!!」

 

ボトルの揃ったパネルは、パンドラに叩き付けられた。それと同時に、パンドラの身体が光り輝く。

 

「! い、嫌だ!またあの狭い、戦兎に会えない世界に行くなんて嫌だぁ!!助けて!助けてぇ!!!」

 

一斗へ助けを求めるが、一斗はナックルを構えてボトルをセットし直す。

 

『ボトルキーン!』

 

「これで終わりだ、パンドラ。お前はもう二度と、戻ってこれない」

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ______________________________」

 

パンドラの顔は、絶望に染まっていた。

 

光が強くなってから弱まると同時に、パンドラボックスと戦兎が横たわっているのが確認できた。

 

一斗はナックルのボタンを押し、真下に構える。

 

『グレイシャル・ナックル!』『カチカチカチカチカッチ―ン!』

 

「さよなら、愛に狂った禁断の箱(パンドラボックス)

 

パンドラボックスは、この世界から完全に消滅した。

 

 

「あ.....」

 

『限界だな...』

 

限界を超えた変身を2回もしたのだ。既に一斗の身体は限界を超えてしまっている。自然とブリザードのアーマーは粒子となって消えた。

 

「一斗!」「一斗さんっ!」

 

一斗は視界が霞んでいく中で、地面に倒れそうになる。そこに、はやてとリインが来てそれを支えた。

 

「一斗!一斗!」

 

「一斗さんっ!一斗さんっ!」

 

まだ動けることに気が付いた一斗は、ブリザードボトルを渡すために、震える手でボトルを持った。

 

「かぁ、さん....これ、を....ハルに......」

 

「っ、それは自分で渡さなあかんやろ!」

 

「むりだよ.....僕の、身体は....もう、消えて....」

 

「お願いだから生きてよ!折角、また皆がそろったのに、こんなのって....」

 

リインとはやてからこぼれた涙は、一斗の顔を伝った。

 

「.....今まで、ありがとう......」

 

 

その笑顔を最後に、一斗は世界から消滅した。

 

倉庫には、ボトルが落下した音だけが響き続けた。

 

____________

 

「?」

 

「アインハルトさん、どうかしましたか?」

 

「いえ、一斗さんの身に何かあった様な気がしまして....」

 

ウィンターカップの会場で、アインハルトは何かを感じ取っていた。




消滅した一斗

「畜生がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

どんなに嘆いても彼は戻ってこない

「一斗さん、貴方は....」


次回、『心火』


ここに、彼の物語は完結する。


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26.心火 前編

彼の消滅が、全てを狂わせた。


アインハルトの試合が終わり、ヴィヴィオ達はミウラのお見舞いの為に病院に来ていた。その帰りに始めて、ノーヴェの口から龍斗達が入院していることが伝えられた。

 

「フェイトママ!龍斗さん!」

 

「うおっ!びっくりさせんじゃねぇよ」

 

「良かった、ヴィヴィオは今日も元気だね」

 

既に目を覚ましていた彼らの元にヴィヴィオは一番早く到着した。

 

「ヴィヴィオ~、ここ病院。走っちゃダメだぞ~」

 

ノーヴェは余り注意するつもりはないらしい。大切な人達が入院していて、今日初めて知ったのだ。存分に甘えさせてやるべきだと考えた。

 

暫くして、フーカ達も病室にやって来る。フーカはヴィヴィオの年相応な姿を見て、改めて年下だったなと思い直す。

 

アインハルトだけは違和感を感じ続けていた。

 

「一斗さん.....」

 

先程から何度も連絡を取ろうと電話をかけているものの、一向にでる様子はない。病院に入る前にメールを送ったが、彼女の心配は収まらなかった。

 

 

____________

 

はやては一人、泣いていた。戦兎を救急車で搬送し終わった後、病院からでた後に今日は家には帰れないと連絡したのだ。

 

そして、ここは一斗の部屋である。

 

「私は......」

 

彼女も理解している。自分自身に時を戻せる力などなく、仮にできたとしても覚悟を決めた彼の気持ちを踏みにじる事になりかねないと。

 

リインは既に泣きつかれて泣いている。

 

はやては一斗の机の上に置かれた写真立てに手を伸ばした。

 

「.............」

 

その写真は4年前、出張任務の際に撮った物だった。今よりも幼い一斗の姿にはやては自分の過去と重ね始めてしまう。

 

「....経験した事があっても、辛いなぁ....」

 

あの日、リインフォース・アインスが旅立った。

 

あの後、何度も夢に見てしまった。彼女と、守護騎士達と、兄と、ただ幸せな日常を。

 

夢が覚めるたびに自分に残ったやるせなさ。

 

兄と再会した時の喜びを。そして、時間は掛かったが結ばれた事を。

 

最後の最後に、一斗が『母さん』と呼んでくれたことも。

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 

夜は深まっていく。誰にも伝えられなかった闘いの代償は、こんな所で発生していた。

 

 

____________

 

 

真夜中の病院、既に消灯時間は既に過ぎている。

 

「............」

 

そんな中、少女は歩き出した。はだしのまま、自身の病室の窓に足を掛ける。

 

「....行かなきゃ.....」

 

アリシアは、病院を抜け出した。





真実は、時に残酷なものである。

目覚めたばかりの英雄は、只々自分を責め続けた。


少女は、何かの為に動き出す。

それが意味することは.....


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27.心火 中編

彼は迷い込んだ。


ここは、どこだろうか....

 

確か、僕は....()は.....

 

 

『全く、そういうところは似ちまうんだな』

 

 

誰?

 

 

『こういう奇跡(出会い)は、始めてだったか?』

 

 

何を、言って....

 

 

『悪い、こっちの話だ。俺はアイツ(・・・)からの頼みで、お前に聞かなくちゃいけない事がある』

 

 

聞かなきゃ、いけないこと?

 

 

『そうだ。お前は誰で、何者だ?』

 

 

()が、誰で.....あれ? 僕は誰だ?

 

 

『あちゃ~、やっぱり記憶の一片が枯渇しているか....仕方が無い。質問を変えよう』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前は何を望んでいる?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の、望み?

 

_______________

 

 

はやて達大人が、あの事件を隠し続けることは出来なかった。

 

事件から一週間の中に一斗が現れなかった為に、アインハルトは桐生家を訪れた。

 

仕事が上手くいかないはやては、同じ様に事情を知っていたクロノから長期休暇をもらっていたので、アインハルトに会ってしまったのだ。

 

「そんな....一斗さんが......」

 

アインハルトが来たことにより、はやては覚悟を決めた。一斗をよく知る人物を桐生家に集めて、一体何があったのかを、その場にいたはやてとリインが泣きながらも話しのだ。

 

「畜生がぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

家から走って出ていった龍斗の声が聞こえる。それを追っていったフェイトすら、誰も追いかけなかった。

 

「噓ですよね?一斗が、一斗が!!!」

 

「.......ごめん....」

 

「貴方がそばに居ながら......」

 

家族を大切に思っている翼は、はやての服を掴んで問い詰めた。だが、それをしても。自分よりも力のあったはやてですら止められなかったという現実が突き付けられただけだった。

 

その日はすぐさま解散となり、それぞれが自らの帰る場所へと戻った。

 

 

アリシアが病院から脱走していることが伝えられたのは、戦兎が目覚めてからだった。

 

____________

 

 

『そうだ。お前の望みだ』

 

 

僕は、何がしたかったんだろうか

 

 

『さぁな。俺は知らねぇよ。一つだけヒントをやる』

 

 

ヒント?

 

 

『ああそうだ。巧から話は聞いてるんならわかるよな?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『心の火と書いて『心火』。お前の大事なものを守るために心の火を燃やして挑む覚悟だ。』

 

 

 

心、火.....

 

 

僕は、この言葉を知って_______

 

【確か、心火だったかな....父さんが繋いでくれたこの言葉を.....】

 

 

なんで忘れてたんだろう。

 

 

『全く、みーたんと似た表情しやがって』

 

 

わわっ、やめてください

 

『俺は親より早く死ぬ奴は認められねぇんでな。さて、もう一度聞くぞ。お前の望みはなんだ?』

 

 

僕の望みは、一度も変わったことはないよ。

 

 

大切な人達を守る。ただそれだけなんだ。

 

 

『....それがお前の『心火』か。それが聞けて安心した。そろそろお前も、戻らなくちゃいけないだろ?』

 

 

はい。あ、最後に一つだけ聞いてもいいですか?

 

『なんだ?』

 

 

 

貴方の名前を教えて下さい!

 

 

『俺は________』

 

 

 

 





彼はその心の火を燃やし続ける。

大切な人を守るために。

その傍にいる為に。


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28.心火 後編

主人公がこれって...これでいいのだろうか


戦兎が目が覚めると同時に、病室からの脱走を試みた。

 

まぁ、失敗したのだが

 

「ダメだったか.....」

 

戦兎は今の所誰にも話していない事がある。乗っ取られていた間の記憶が残っている事だ。

 

それはまるで別の次元から見ているようなものではあるが、一斗が変身したことも覚えている。

 

戦兎が病院からの脱走を試みているのは幾つか理由が存在している。

 

一つは、悲しんでいるであろうはやて達に伝えなければならない事があることだ。

 

そしてもう一つ。消滅していくパンドラをテレビを見るかのように感じている時に、聞き覚えのある声が聞こえたのだ。

 

『よう。お前は俺以外にも厄介な奴に好かれやすいな』

 

「それはお前にも言えたことだろ」

 

声の主は姿を現すことはなく、戦兎とまるで、久しぶりに会った友人の様に話す。

 

『お前が創ったアイテムのせいで俺も一斗も消滅だ。折角の復活するチャンスだったんだがな』

 

「復活するつもり、なかったんだろ?」

 

『はぁ....さすがは天才物理学者の助手だ。これくらいはお見通しか』

 

一向に進みそうにない会話の為、戦兎は何故そいつがここに、どうやって声を送ってきているのかを聞くことにした。

 

『そんなことか。元々お前の持ってるこのボトルは俺が作ったんだぞ。遺伝子くらい仕込んでおくさ』

 

「うわぁ....急に寒気が....」

 

『言ってくれるな....』

 

「悪かったって。でだ。お前がそこまでして俺に接触してきたんだ?」

 

ああ...悪い悪いと、まるでそう思っていないのがまるわかりな声である。戦兎もそれを軽く聞き流す。

 

『それなんだが消滅後。俺の力を使って一斗を復活させようと思う。そこで、アリシアが必要になるわけなんだが』

 

「アリシアにも何かあるのか...」

 

用意周到なこいつの事だ。まだ何かあるのだろうと、あきれながらも話を聞く。

 

『アイツはクローンだからな。スカリエッティに頼んでエボルドライバーの試作品を使えるように俺の遺伝子を植え込んだからな。で、それを使って一斗を復活させるって訳だ』

 

「なるほどなぁ。ん? それだとお前はどうなる?」

 

『俺も消えるなっと、始まったか』

 

少しずつ声が遠くなっていく。

 

「何というか、お前は変わったな」

 

『そうか? まぁ何だかんだいってずっとお前らの事を見てたからな。影響もあったんだろうな__』

 

『最後に一つ。アリシアの傍にいてやってくれ___』

 

「分かった」

 

既に最後の方は聞こえなくなってきている。それはそろそろ限界なのを物語っていた。

 

 

「お前との別れには、やっぱりこれだよな」

 

戦兎は右手を何もない宙を仰ぐように伸ばす。

 

 

 

 

『「Ciao」♪』

 

 

 

そいつ、エボルトの声はそれから聞こえてくることはなかった。一斗が復活するカギはアリシア。それを探すために外に出ようとしたら魔導師に捕まって病室戻り。

 

「今度は、フェイクでも使おうか...」

 

その後、戦兎は自分そっくりの分身を残して病院を脱走した。

 

 

___________

 

 

「ここ、初めて来たはずなのに」

 

アリシアは遺跡に来ていた。寝転がる事が可能な石の上に寝そべり、意識を集中させる。

 

『如何やら着いたみたいだな。少しずつ始めるぞ。』

 

エボルトの声が聞こえてから、少しずつアリシアの目から光が消えていく。アリシアの周りに粒子が集まり始める。

 

『暫くしたら戦兎が来るはずだ。力を貸してもらえ』

 

「うん」

 

アリシアは目を閉じる。ここまで訪れた各所を思い出しながら。




揃った条件

「アリシア!」

走る。___に会うために。

「まだ、やり残したことが沢山あるんだ」

次回、『きっと』


ここに、彼の物語は完結する。


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29.きっと

甲子園スマッシュが去った...

だが、一週間など待てぬ!

早く、ビルド本編を、かずみんの覚悟を見せろぉ!

※作者はテストとビルド本編の放送休止、大量の宿題により気がどうかしています。気にしないでください。


戦兎は魔法陣を展開して、家からビルドフォンを召喚する。

 

「ミカ。起きてくれミカ」

 

『先生!目覚めたんですね!』

 

「ああ。早速だが、フェイクドールを使いたい。いけるか?」

 

『はい』

 

ミカと共に小さな魔法陣を展開する。やることはいたって簡単。ニンジャフルボトルの成分を応用した実体があって意識のある分身の術を再現する。

 

「ふう....」

 

『うまくいったようですね』

 

さっきまで戦兎が寝ていたベットの上には、スヤスヤと眠る戦兎の分身の姿があった。

 

「行くか、ミカ。アリシアの元へ」

 

『話は追々ということですね』

 

物分かりの良いデバイスは好きだよと言いながら窓を開く。日中は暖かいとはいえ今は12月。深夜である今はとても冷え込んでいた。

 

「さむっ」

 

戦兎の一言は誰にも届く事なく、バイクの走る音だけが深夜のミッドチルダに響いていた。

 

______________

 

 

 

「きっと、ここにいるはず」

 

戦兎は流石に寒さに負けて、暖かいコートとマフラーをミカに転移してもらい今着ている。

 

『居ました』

 

「やっぱりか」

 

ミカが軽くサーチャーを飛ばしてくれた為、直ぐにそこにアリシアがいるかどうかを簡単に確認できる。戦兎はそれを使って既に4か所以上探し回っている。

 

ミカをユニゾンさせ、戦兎はビルドドライバーを装着する。その理由は、エボルトからもう一つ頼まれていたからだ。

 

戦兎は必要なビルドドライバーとハザードトリガー、ジーニアスボトルを家から転移させている。この時点で、はやてが動き出しているのだが、本人がそれを知ることはない。

 

『マックスハザード・オン』

 

「やるぞ、ミカ」

 

『はい、マスター』

 

戦兎がエボルトから聞いた話には続きがある。それはアリシアの未熟さに有った。元々はエボルドライバーの試作品を使うだけの実験体だったアリシアが、エボルトの力を最大限に使用すると、ハザードレベルが少しずつ上がってしまうのだ。それを、ジーニアスで中和しアリシア自身を安心させるのが戦兎の役目である。

 

ハザードトリガーをベルトにセットして、アリシアの元に辿り着く。フワフワと辺りを舞う粒子を見ながらも、寝ているアリシアの手を握る。

 

「....戦、兎?」

 

「ああ、俺だ」

 

戦兎にあるのは、ただ願うことだけだった。

 

「ごめんな、アリシア。謝っても意味がないのは分かってる。だから、俺の息子(お前の兄)の事を頼む」

 

「わか、てるよ」

 

戦兎はドーム型の結界を張る。防寒の為少しずつだが、結界内が温かくなっていく。

 

戦兎には、どれだけ時間がたったか分からなくなってきていた。既に少しずつ太陽が昇り始めているのか、薄っすらと空が色を赤く染めていく。

 

「うっ!」

 

『来ました!』

 

『グレート!』『オールイェイ!』

 

戦兎はジーニアスボトルを起動させ、すぐさま変身する。少し身体が悲鳴を上げているのが分かるが、戦兎はそれを気にしなかった。

 

『ワンサイド!』『逆サイド!』『オールサイド!』

 

『READY GO!』

 

『ハザード・フィニッシュ!』『ジーニアス・フィニッシュ!』

 

ビルド自身を形成している成分も合わせた粒子をアリシアに流し込む。粒子に変わり始めていた所に粒子が集まり、アリシアの身体は元に戻っていく。そして、戦兎はそこで気が付いた。

 

アリシアの隣に、粒子が集まって人型になろうとしていた所を。

 

「ミカ。このまま送り続けよう」

 

『了解です』

 

戦兎は、目を閉じて流し続けた。自分自身の魔力も一緒に。

 

____________

 

 

はやてが動き始めた頃、主が心配だったヴィータ達は夜中の病院の警護にあたっていた。一斗が居なくなった上に更に戦兎までもが居なくなれば、はやては悲しむだけでなく、自分自身を責めてしまうだろう。それをして欲しくないために彼らは進んで警護に当たっていたのだ。だが

 

『ヴィータ!聞こえる!?』

 

「! どうしたはやて?何かあったか!?」

 

急な連絡がヴィータのもとに入った。それははやてが預かっていたベルトが転移されたこと。それを受けてもう一人であるシグナムが病室を見に行った。だが、そこには戦兎の姿があった。しかし、シグナムはその病室から違和感を感じていた。それは窓が開いている事である。一応シグナムはヴィータにもその話をしておいた。

 

「おかしいな。戦兎の奴は窓を開けたまま寝ることはなかったはずだぜ」

 

「そうだ。更に今は冬だ。明らかに可笑しい」

 

シグナムが外の警備を部屋の中でヴィータが待機することになった。暫くして、戦兎に変化が有った。

 

「なっ!?戦兎!?」

 

ヴィータが驚愕するのも無理はない。突然粒子になって消滅したのだ。当時、本物の戦兎はジーニアスの力をアリシアに流し続けた為に魔法が維持できなくなっていたのだ。その結果、戦兎が突然消滅するというホラー現象ができ上がってしまった。

 

「う、うわぁぁぁあああああ!!!!!」

 

流石のヴィータも目の前での消滅に声を上げることになった。その声を聞きつけてシグナムが部屋に来たが、そこで目にしたのはベットに向けてアイゼンを構え顔を青くしたまま何かをブツブツと呟き続けるヴィータだったという。




映画が、みたい....

何故ベルトに2本フルボトルを渡せるのか知りたい....

劇場版編、描きたい.....

でも映画見れない....

なら...予告だけで物語を作れば.....


皆様、作者が予告を見て考えた劇場版編『Be The One』

読みたいですか?


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30.少年の望み


前回の後書きで書いた劇場版編ですが、

皆さん読みたいですか?

なら、アンケートで答えてくれてもいいんですよ?


ヴィータが大変なことになっている頃、そんなことを知らない戦兎ははやて達当てに一斉メールを書いていた。

 

「左手で書くと時間かかるな。両利きの為に練習しようかな」

 

『それはいい考えですね』

 

右手は常にアリシアの手と繋いだままである。未だに一斗の体は復活していない。戦兎は書き終えたメールを一斉送信の待機状態にすると、結界が解除される。

 

「あ」

 

『分身が消滅したみたいですね』

 

戦兎は病院に置いてきた自分の分身が消滅したことに気が付いた。現在進行形で警備に当たっていたヴィータが大変なことになっているのだが、戦兎が知るのはまだ先である。

 

「まぁ、病院には誰も来てなかったし大丈夫だよな。」

 

『さぁどうなんでしょう?』

 

「嫌なこと言わないでよ....」

 

『フフフ....』

 

普段と何処か変わらない会話をしつつも魔力と粒子を流し続ける。フルボトルがロストロギアと同じだとしても、決して無限ではない。フルボトルは震ることで出力を上げることができるのだが、今ボトルをベルトから外してしまえば何が起こるか分からない。戦兎自身の魔力にも限界が来ていた。

 

「最後のひと踏ん張りだ!」

 

『はい!』

 

流す量を一気に加速させ、戦兎達は全てをアリシアに欠けた。一斉送信のボタンを押しながら。

 

____________

 

 

「ここって...」

 

アリシアは何もない空間で目を覚ました。先程まで戦兎の顔を見ていたはずと思いながらも、自分が何かに引き寄せられていることに気が付く。

 

「アリシア?」

 

「あ~!一斗!ここにいたんだ!」

 

そう、一斗のもとである。アリシアは一斗の正面で止まると、問い掛ける。エボルトに言われた通りに。

 

「『お前の望みはなんだ?』」

 

「僕の望みか...」

 

問いかけて直ぐに一斗はその答えを伝える。

 

「大切な人を守りたい。それに、まだやり残した事が沢山あるんだ」

 

挙げていったらきりがないやと言いながらも一斗はその足をどこかへと進める。アリシアはそれについていく。

 

「今からどこに行くのか、わかってるの?」

 

「うん、教えてくれたんだ。父さん(・・)が」

 

アリシアはその言葉に疑問を持ったが直ぐに忘れることにした。何故ならそれを聞かない方がいい気がしたから。

 

「そうなんだ。あ~!一斗、見て見て!あそこ!」

 

アリシアが前方に粒子が集まっている所を発見した。そしてその粒子は扉へと姿を変えた。

 

「扉...」

 

「一斗。どうやってこの扉を開くのか、わかっているよね?」

 

「ああ」

 

一斗は何故か目の前にあるドアノブのない扉を開ける方法を知っていた。誰に聞いたわけでもなく、何処かに説明文があったわけでもない。それはずっと、一斗の中にあったものだった。

 

一斗はその扉に手を当て、そこに少しずつ力を加える。

 

「僕はみんなに会いたい。父さん母さんに先輩方、ヴィヴィオ達、そして、アインハルトに」

 

その扉の隙間から少しずつ光が漏れ始める。

 

「僕の望みは、変わらない!」

 

扉は開かれた。その先には暗闇の中に一本道が続いている。

 

「ここから先は私は行けそうにないや。お兄ちゃん(一斗)、待ってるからね」

 

「アリシア...」

 

アリシアはその扉の向こう側に進むことはできない。何せその扉は一斗だけのものなのだから。

一斗はその一本道を走り出した。その先には、また新たな扉が見えている。その扉にはしっかりとドアノブが付いていた。

 

「僕は帰るんだ!」

 

一斗はそのドアノブに手を掛けた。

 

____________

 

 

一斉送信されたのが早朝6時ごろである。送られた者はすぐさま飛び起きて、そのメールに書かれた場所へ急いだ。

 

「アインハルト!?」

 

「八神さん!? と言うことはあれは皆さんに送られているんですね」

 

目的地へ向かって走っている中で、はやてとアインハルトは情報を交換すると、そのスピードを上げた。

 

既に太陽はミッドチルダの街を照らし始めている。遺跡に到着すると、そこでは

 

 

「良かった...本当に.....」

 

「お帰りなさい、一斗」

 

 

戦兎を中心に右肩ではアリシアが、左肩では一斗が寝息を上げている。

 

その手は戦兎の正面で繋がれていた。

 

「幸せそうに、何吞気にここで寝てるや...」

 

「一斗さん!」

 

2人がその場で涙を流す中、少しずつメールが送られた皆が集まり始める。

 

ここに、桐生一斗は帰ってきた。





帰ってきた少年。

フーカは新たに目標へ向かって進んでいく。

少年は自分の気持ちを伝えるために動き出す。


次回、『これから』


少年の物語は、完成する。


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31.これから

少年の物語が完成する。


一斗が戻ってきて数日が経った。しばらくの間は何処か慌ただしい日常だったが、それも落ち着き始めて、今日もアインハルトと共に一斗はナカジマジムを訪れていた。

 

「で、そろそろ覚悟は決まったのか?」

 

「それが.....」

 

一斗はアインハルトへ伝いたいことがあるのだが、中々覚悟が決まらず未だに話せていないのだ。

 

「はぁ...戦兎そっくりだな。」

 

「へ?」

 

「そういうところだよ」

 

婚約届出を出したのに未だに結婚式をあげていない彼らを、龍斗は早くしろの言葉で片付ける。はやてが母さんと呼ばれた為に戸籍を入れたというのだが、完全なる早とちりである。

 

「そろそろあいつらの決戦の日だろ?」

 

「はい、明後日に迫ってます」

 

それは、フーカとリンネの練習試合の事である。彼らの本音がぶつかり合う前に一斗はそれを伝えなければと何処か焦っていたのだ。

 

「決勝も決まったからか」

 

「はい...」

 

既にウィンターカップは残すところ決勝のみになっている。それはアインハルトとフーカの師弟対決となっている。つまりアインハルトに一斗は自身の気持ちを伝えてから決勝に望んでほしいのだ。

 

「はぁ.....」

 

龍斗のため息がナカジマジムの機械の音でかき消された。

 

_________

 

そして、あっという間に練習試合当日。決勝の相手が決まっていることでアインハルトはフーカの戦いを見ることはなかった。相手の手の内を知りたくない。それは彼女なりの気遣いなのだ。でだ。我らがグリスこと一斗はと言うと....

 

「言えなかった....」

 

「あらら...」

 

父親である戦兎と共に二つの映像を見ていた。一つはフーカとリンネの練習試合。もう一つはこの日の為に呼んだジークとアインハルトのトレーニングである。

 

「一斗、一つ聞くよ?」

 

「なに?」

 

戦兎は一斗に向かって問い掛ける。

 

「『覚悟はいいか(・・・・・)?』」

 

一瞬一斗が固まるも直ぐに答える。

 

「できてるよ。よし、行ってくる!」

 

一斗が走ってアインハルトの元へ行ってしまう。

 

「頑張れよ、少年」

 

この男、つい最近まで自分の気持ちに正直になれなかったのである。お前には言われたくないとどこかからか聞こえてくるも、戦兎はそれを聞き流した。

 

_________________

 

 

「ハル!」

 

「はい、何ですか?」

 

「うぉ!?」

 

先程までリングの上でジークと戦っていたはずのアインハルトが目の前に現れた為に一斗は変な声を上げてしまう。いきなり親友が吹き飛ばされ目を回しているのに驚いて「ジークぅぅぅっ!?」と叫んでいる声が聞こえてきたために一斗は心の中で謝りながらアインハルトと目を合わせる。

 

唐突に訪れた恥心が一斗を何も言えなくしてしまうが、そこは天然のアインハルト。

 

「貴方が呼べば何処でも、私は駆けつけますから」

 

「あ、うん」

 

一斗もその場で返してしまったからか発言の意味がかなりやばいことに気が付いていない。因みに、何故アインハルトがこうなったのかというと、全ては彼の母親(タヌキ)にあったりする。

 

「恋する乙女は最強やで?」

 

との事である。一連の流れの中で一斗は本題を思い出した。

 

「そ、そうだ、ハル。聞いてほしいことがあるんだ。」

 

「何でしょうか?」

 

深呼吸を済ませ、一斗は自身の心火を燃やす。

 

「桐生一斗、12歳。彼女いない歴は年齢と同じ!あなたのことが心火を燃やしてフォーリンラブでした!付き合って下さい!」

 

「.....私で良ければ。末永く宜しくお願いしますね」

 

この時のアインハルトの微笑みは、これから先もずっと一斗の中に残り続けた。




何処か不器用な一斗君がこれからも幸せに過ごせることを願わせていただく作者です。

この物語は何時も誰かの愛で出来ています。

もう少しお付き合い頂けると幸いです。

それでは次回、

『エピローグ』

でお会いしましょう!

彼らに幸あれ!


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32.エピローグ

ここにvivid strike編完結!


何でこうなったのだろうか。一斗は只々それだけを考えるようにしていた。何せ...

 

「一兄も一緒に遊ぼうよ~!」

 

女の子だらけのビーチにただ一人取り残されたのだから。

 

事の発端は数分前まで遡る。

______________

 

 

「父さん、確か今日だったよね」

 

連休に入り、戦兎と共に出かけている一斗はふと聞く。

フロンティアジムの格闘競技トレーナーであるジルからナカジマジムメンバーはビーチへ招待されているのだ。一斗自身も誘われたのだが、そこに集まるのが女性のみという事を聞いたので参加しなかったのだ。

 

「なんだ?今からでも行くか?」

 

「いや、流石にね。僕でもあの状況に1人は___」

 

一斗が言い終わる前に、ミカが実体化する。

 

「それでは先生。休日を楽しんできます。」

 

「うん。一斗の事よろしくね~」

 

「へ?」

 

次の瞬間、一斗は空中にいた。

 

「うあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

完全にパニックである。いくら色々経験してきた一斗であってもいきなりの転移、しかも上空何メートルか分からない位置からの落下である。一斗は思わずその言葉を口にしてしまう。

 

「あああああああああああああああああああああああああああハル(・・)ぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!」

 

「お呼びですか?」

 

「ウエェェェェ!?!?」

 

突然目の前にアインハルトの顔があった為に一斗は更にパニックになる。そのまま一斗はお姫様抱っこという形でアインハルトに抱かれて、海へと落下する。

 

「ぐべらぁ!?」

 

「あ」

 

一斗はキャパシティーオーバーしてしまい、水しぶきと共に気を失った。

 

______________

 

目が覚めると何故か水着になっており、冒頭へと物語は戻る。

 

「翼さん、手を放さないでくださいね」

 

「....それってふり?」

 

「違います!」

 

一斗の視線の先では泳ぐ練習をしているフーカ達の姿があった。更に翼もいる。

 

「ミカファール様....」

 

「楽しんでいるようで何よりです」

 

ミカがいつもと異なり大人モードになっている。それに寄り添うクロゼルク。

ミカが一斗がここにいる理由を聞くと、

 

「この連休はミカも自由に過ごしていいよ。やることがないなら一斗を連れてノーヴェ達と合流するといいよ」

 

と戦兎が言っていたことが判明した。つまり、戦兎は最初から一斗を旅行に行かせる気だったのである。

 

「一斗さん、一緒に遊びましょう?」

 

「あ、うん。今いくよ」

 

一斗は、考えるのを止めて遊ぶことにした。

 

____________

 

 

楽しい時間はあっと言う間に過ぎていく。

 

 

「ふぅ...遊んだね」

 

「そうですね」

 

二人で夕陽が海に沈んでいくのを眺める。海は赤く染まり、ヴィヴィオ達がはしゃいでいるのが見える。一斗はアインハルトに聞いておかなくちゃいけないことがあることに気が付いた。

 

「ハル、聞いてほしいことがあるんだ」

 

「はい」

 

「これからも沢山心配をかけるかもしれない」

 

「はい」

 

「それでも、僕の傍にいてくれる?」

 

「私の答えは変わりません」

 

次の瞬間に一斗が感じたのは__________

 

「私が大好きな人は、誰だって助ける英雄(ヒーロー)なんですから」

 

「....////」

 

唇の感覚がマヒしたような感覚に襲われ、今自分の顔はどうなっているのだろうかと一斗は手を唇へと運んでいく。

 

「お~い!一兄~!」

 

そしてヴィヴィオの声で現実に戻される。

 

「さぁ、行きましょうか。一斗さん」

 

そう、決して忘れてはならない。

 

これは少年が英雄になる物語であり

 

「...そうだね」

 

彼ら(・・)の物語の序章に過ぎないのだから____




これにて物語は完結です!

6ヶ月の間、読んでいただいた皆様には何と言えばいいのかが分かりません。

さて、ここまでいかがでしたでしょうか?

思い出せば自分も割と無茶したスケジュールで小説を書いていた気がします。

今年受験生ですしね。

さて、まだまだ作者的には語りたいことがいっぱいありますが、
纏めて言い表せていただきます!

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!







___________


へ?完結したんじゃないのかって?

いやいや、まだまだ彼らの物語は続きますよ。

作者が満足するまでね。

というわけで、これからもよろしくお願いします!


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番外編その2
逃げ切れるのか


あの設定を生かす時が来た。


皆様、いかがお過ごしだろうか?

 

既に新年を迎え、少しずつ暖かくなってくる今日この頃俺と一斗は絶賛逃走中だった。

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」」

 

「待てぇぇぇぇ!!!!!!」

 

「痛くありませんからぁぁぁ!!!!」

 

後ろを振り向く余裕などない。未だこの展開についてこれていない者がいると思うので回想することにしよう。あれは今から20分程前のことである。それは唐突に始まった。

 

「おはようございます」

 

「只今~。あ、母さん、手伝うよ」

 

「ほな、これを頼むわ」

 

何時もの変わらない朝。この時はそう思っていたのだ。

 

「....おはようございます....」

 

「うぉ、どうしたミカ? 何かあったか?」

 

デバイスであるミカが疲れ切った顔で階段を下りてきたのだ。

 

「ええ、パンドラがどの様な見た目をしていたのかが気になりまして、夜天の書をお借りしてました。」

 

どうやらミカはパンドラの容姿が気になっているようだ。それで徹夜してまでデータをあさっていたのだろう。

 

「お、終わったんか?」

 

「はい。何とか...」

 

そう言ってミカは空中に仮想スクリーンを展開する。するとそこには俺と俺が____

 

「フン!」

 

「あ、何するんやいいところだったのに...」

 

俺は無意識のうちに仮想スクリーンを破壊していた。だが、これは間違いではない。

 

「朝からなんてものを見ようとしているんだ...」

 

「勿体ないな~、ん?」

 

はやてちゃんが何かに気が付いたのか、俺と一斗の顔を交互に見る。そしてアインハルトの耳元で何かをささやいている。

 

「...いいですね。やりましょう」

 

「よっしゃ、それじゃあまた後でな」

 

「はい。一斗さん、一旦マンションに戻ります。直ぐに戻りますから」

 

「う、うん」

 

何だか様子が可笑しい。アインハルトはリビングの窓を開けてベランダから飛んで帰ってしまう。彼女の身体能力は一時的に通常時よりも跳ね上がる事がある。勿論一切魔法を使用していない。その状態になるためには条件を満たす必要があり、その条件が『一斗』が関わる事である。あれだけの速さで帰っていったと言うことは....

 

「あ、ああ~。ごめん母さん、公園にタオル忘れてきちゃった...今から取ってくるね!」

 

一斗が逃げ出した。きっと嫌な予感でも感じ取ったのだろう。俺には関係なさそうだ。

直ぐにはやてちゃんに回り込まれてしまった。

 

「どこへ行くんや~?さっきタオルは洗濯機の中に入れたで~?」

 

俺はリビングから廊下を除くようにして玄関を見る。一体何を吹き込んだのだろうか?

 

「今から巧にぃと一斗には女装してもらうんやから、逃げては困るで....」

 

前言撤回。どうやら標的に俺も含まれているらしい。ミカがリビングの机の椅子で寝ていることを確認するとすぐさま俺と一斗の靴をベランダへと転移させる。

 

「一斗、こっちだ!」

 

「うん!」

 

「あ、まt____」

 

俺達は靴をはいてすぐにミッドチルダの町中に転移した。

 

___________

 

 

で、この騒動が収まるまで喫茶店でのんびりすることになったのだが、問題が発生した。

 

「ここのコーヒーをこんなに早く飲むことになるとは....」

 

「あははは......早く終わってくれないかな....」

 

「........このまま待つか、捕まる(女装する)かだ。このまま待った方が安全だと思うが____」

 

カップを持ち、窓から外を見る為に視線を移動させながらコーヒーを含んだ。だが俺の言葉がその後に続くことはなかった。

 

「ブハァ!?」

 

「と、父さん!?」

 

俺はコーヒーを噴出したのだ。仕方なかったのだ。服は汚れなかったからまだよしとしよう。

 

「あ、ああ....」

 

「あ?」

 

一斗も俺と同じ方向を向いた。そして固まった。

 

『ミツケマシタヨ、カズトサン』

 

アインハルトが喫茶店の窓にへばりついていたのだから。

 

「「うわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

俺は会計をすぐ済ませると、アインハルトが居る出入り口の反対側から逃げ出した。

 

アインハルトから逃げるのが少しずつ辛くなり始めていたころ、そこにはやてちゃんが合流し今に至る訳なのだ。

 

俺達はどうにか逃げ続けられている。だが、そろそろ限界が近い。俺の足も安定性が欠けている。何時自分の足にもう片方の足を欠けて転んでもおかしくない。

 

それでも

 

「それでも、それ(女装)だけは嫌なんだぁぁぁぁ!!!!」

 

逃げる以外の選択肢は、存在しなかった。




どうなってしまうのか!?

まぁ、お察しの通りでしょうね。

それではまた。


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逃げ場なんて

なかったんや....


あの後、復活したミカを説得したはやてちゃんによって俺達は捕まった。本当に見事でしたよ。魔法陣が空中に現れたと思ったら鎖が出てきて俺達を拘束してからそのまま魔法陣の中に引き込むなんてさ。

 

そして....

 

 

「ん~、もっとフリフリしたのも似合いそうやな」

 

「一斗さん。いえ、一美さん!」

 

「ひゃ、ひゃい...」

 

「もう、私は、自分を、抑えられない!」

 

「いや....やめてよぉ...いやぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

一斗の悲鳴が聞こえてくる。俺は既にはやてちゃんの着せ替え人形と化していた。

 

「確かに可愛い男の娘なんやけど...何だかもうちょっと嫌がってほしいなぁ」

 

無茶言わないで下さい。既に現実から逃げ出そうと精神は必死に抜け道を探しているんです。

 

「はやて様。この際ですので例の魔法(・・・・)を使ってみましょう」

 

「お、いいなぁそれ!頼んだで、ミカさん!」

 

俺が気が付いた時には目の前にミカがいた。一体何をする気なんでしょうか?

 

「これからマスターには、女の子になっていただきます。」

 

「え」

 

え、それってもしかして...あの魔法を使う気か!?

 

「ま、待て!考え直せ!その魔法は...」

 

「待ちません」

 

俺の周りを囲むように合計6つの魔法陣が展開される。

 

「............」

 

もう俺には、抵抗すら出来なかった。

 

____________

 

 

「はやて様」

 

「お、戻ってきた、な....なんやその可愛い生き物は!?」

 

「どうも、たくみんです♪」

 

僕は大人モードのミカさんに抱っこされてはやてさんの元に来ました今日は何だか午前中の記憶が何のです。

 

「これは、一体....」

 

「若返りの魔法と女体化の魔法を同時に使った結果です」

 

「......素晴らしい!」

 

あれ?はやてさんがあらぬ方向を向いて両腕を大きく広げて「ハッピーバースデー!」と叫んでる。何かあったのかな?

 

「ミカさん、はやてさんに何かあったの?」

 

「....言うなれば...いえ、何でも有りません。きっと気持ちの高ぶりを抑えられなかったのでしょう」

 

ふ~ん、そうなんだ。僕はミカさんに頭をなでられてそのまま眠ってしまう。

 

 

「.....これは、大変尊い、ですね」

 

___________

 

 

「ふぅ...堪能しました」

 

「もう、お嫁にいけない.....」

 

逆ではというツッコミがくることはなかった。一斗達がリビングへと戻るとそこにはシャッター音を消したカメラで撮影を続けるはやてとソファーで眠る大人モードのミカ、更にその腕の中で眠る女の子がいた。

 

「ん、おお、アインハルト。どうやった?」

 

「最高でした」

 

お互いにハイタッチを交わす辺り、彼女達は何処か似た者同士なのだろう。一斗は静かにリビングを離れようとした。

 

「あ、丁度ええわ。一斗にも使ってみようか」

 

「いいですね」

 

時すでに遅し。一斗は魔法陣へと吸い込まれていった。

 

_____________

 

 

翌日、普段と変わらない朝。

 

「一斗、昨日のこと覚えてるか?」

 

「全然。父さんは?」

 

「俺もサッパリだ」

 

彼らから昨日の記憶が消えていた。

 

「少しやり過ぎましたかね」

 

「あれは怪物やで」

 

『写真、焼き増しとオリジナル。各種揃えてこれくらいしますが、いかがしますか?」

 

「「12ダースごとに買います」」

 

そして、彼らの知らない所で謎のやり取りがあったという。

 

 

「「思い出せない....いや、思い出してはいけない気が....」」

 

 

知らぬが仏、ということである。





彼らの日常(偽)

さて、これから何をしていこうか?


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Ep ROGUE

主人公がティーダさんの物語


「お前も災難だったな。管理局の闇を知っちまった為に消されるなんてよ」

 

この頃は、まだ自分の目的がはっきりしていなかったのを憶えている。

 

「でだ。ティーダ・ランスター、お前はこれから何がしたい」

 

僕が答えたのは、妹の夢を応援することだった。

 

「僕は、管理局を破壊する。そしてもう一度やり直すんだ」

 

僕にできることは、悪役を演じることだけ。

 

「そうかそうか。なら、俺の手を掴め。お前に力を与えてやる」

 

僕は、その男。ブラッドスターク(エボルト)の手をとった。

 

____________

 

今でもたまに夢を見る。悪役を演じていたあの頃を。

 

「....そっか。今日は休みだったっけ」

 

連続で勤務がありあまり寝ていないせいか、頭痛が酷い。今日は一日ゆっくりすることにしよう。

 

「........」

 

ダメだ。やっぱり今日は体を動かすことにしよう。僕はナカジマジムへと足を進めることにした。

 

_____________

 

 

スタークは僕に力を与えてくれた。人体実験を受けて、ブロス姉弟と闘い、魔導士の頃とは全然違った戦い方ができるにもなったりした。

 

「ティーダ。お前にこれをやるよ」

 

そう言って渡されたのがトランスチームガンだった。初めてナイトローグになったときは今でも覚えている。不思議な感覚だった。とにかく冷静に動けた。トレーニングの相手だったクローンロボット達をあっという間に破壊することもできた。このころだったか、年を取らなくなったのは。

 

それでも、僕は悪役を演じたりないと思った。

 

「スターク。依然話していたライダーシステムの件ですが、僕も参加していいですか?」

 

「ああいいぜ。但し、あの力は今のお前に使いこなすことができるかは分からない。」

 

そこからは、ただハザードレベルを上げる日々だった。どうやら僕にハザードレベルを上げる才能はなく、気が付いた時には、翼と翔と同じくらいにまでなっていた。

 

「ティーダ。悪いが今日はここまでだ。今から仕事に行くぞ」

 

「はい」

 

今までしてきた事と言えば管理局から送られてくる極悪次元犯罪者達を使った人体実験のレポート作成に、証拠の隠蔽。僕は無心でやり続けた。悪役を演じ続けるために。

 

この日は、忘れられない日になった。桐生戦兎に負けて、スタークの指示通りにバットフルボトルを置いて自分の正体を明かした。

 

「これでお前がライダーシステムを使う条件は揃った。ほら、使ってみろ」

 

アルハザードへと行った後、僕はスタークからスクラッシュドライバーを受け取った。

 

「俺の手作りだぜ」

 

というクロコダイルクラックボトルと共に。

 

それからだ。毎日が苦痛となったのは。

 

毎日毎日、ボトルを起動させベルトにセットする。レンチを倒してボトルを砕こうとするも、拒絶され続ける。

 

同じ様に他の仕事もこなしていく。スカリエッティから直々に依頼されたこともあったっけ。

 

「ティーダ、遂にカイザーシステムの改良型が完成したんだが、お前はまだなのか?」

 

スタークに言われなくてもわかっていた。このままでは僕はライダーシステムを取り上げられると。

 

それだけは阻止しなければならなかった。僕の目的である「悪役を演じる」為に。すっかり忘れていた僕の目的。その為なら、僕は自分の命も惜しくはなかった。

 

 

実験室の中辺りを極悪犯罪者達に囲まれ、デバイスを持っていなかった僕は、ベルトを使うしかなかった。

 

「良くも俺達をこんな目にあわせてくれたな!」

 

そいつの両腕はスカリエッティの実験に使うために僕が切り落とした。

 

「お前を殺せば、ここから出られるんだろ!」

 

変な勘違いをした者もいたっけ。されるがままじゃなかったけど、流石に一対複数では分が悪い。

 

『いいのか?このままだとお前は死んじまうぞ?まぁ、お前の代わりなんていくらでもいるんだがな』

 

スタークの言葉で、僕はボトルを起動させた。

 

『デンジャー』

 

『クロコダイル』

 

「.....変身」

 

変身と同時に僕の近くにいた者は消滅した。そして気が付いたら、僕以外誰もいない部屋が出来上がっていた。

 

「ハハハハハ!!!!!遂に覚醒したか!!!!」

 

あの言葉はよく覚えている。そこからは僕がどれだけローグの力を引き出せるかだった。

 

スタークを相手にもした。スカリエッティの作ったガジェットも数え切れない程破壊した。

 

その内、スタークの様子が可笑しいと感じ始めた。まるで、何かが完成するのを待っているようだった。

 

そして、あいつが世界を破壊することが目的だと話しているのを聞いてしまった。

 

僕の目的は飽くまで「演じる」こと。それ以上のことをするのならば、それは僕の目的(正義)に反する。

 

さらってきたというギンガを連れて僕は戦兎さん達の方へ寝返った。

 

____________

 

頭痛が感じなくなるとともに、程よい疲労を感じ始める。

 

エボルトの元にいたは暇さえあれば特訓だったからか、身体を動かさなければ疲れを感じない、なんてこともあった。今ではただの思い出に過ぎないけど。

 

「あれ、今日休みだったんだ」

 

「ああ、僕自身も忘れていてね。いつもみたいに管理局へ行こうとしていたよ」

 

あの頃にいたトップは全てスカリエッティによって殺害された。そのせいで幾つかの情報も消滅してしまったのを覚えている。それよりも驚いたのはエボルトによるスカリエッティ殺害だった。

 

どうやら僕の貰ったベルトも、スカリエッティさえ、単なる捨て駒にす過ぎなかったらしい。

 

「翼はさ、この後暇かい?」

 

「ん~、もうテストも終わったし後は結果を待つだけだからね。空いてるわ」

 

僕はこれから、どうなっていくのだろうか?




ティーダさんの悩み。

既に目的を達成して戦兎達に支えられながら生きている。

だが、やはり目的を見失ったことで彼は未だに悩み続けている。


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Ep ROGUE:2

*後書きでのネタバレ注意


...お前は、場違いなんだよぉ.......














エボルトォ!!!!


僕が犯した罪は消えない。

 

「確実に強くなっているんだよ、フーカって」

 

だからこそ彼女の隣に居てもいいのだろうかと考えてしまう。

 

「ティーダ? どうかした?」

 

「いや、何でもない。これからどうするんだっけ?」

 

「何言ってるの?さっきそこのレストランに行くって決めたじゃない」

 

「そうだったね。ごめん、考え事してたんだ」

 

彼女もエボルトの被害者だ。でも、彼女は何も知らなかった。脅され、実の弟をエボルトに殺害された。

 

それを知らなかった僕は、何も出来なかった。何故彼女たちがエボルトの元にいたのかすら、考えたことがなかったのだから。

 

いつだって僕は後悔し続けている。一斗君が消滅したときだって、全く違う仕事をしていて翼の傍に居なかった。

 

「......ここに居ていいのかな」

 

「?何か言った?」

 

「いや、何も」

 

今は考えないことにしよう。どうせ今日も同じ夢を見る。

 

 

______________

 

 

新たな事件が発生した。それはスカリエッティが残した研究データを利用したスマッシュ軍団が現れたのだ。別次元での事件だったのだが、その数が多い上に戦兎さん達は仕事で別次元にいる為に助けを求めることは出来そうになかった。

 

そこで管理局は最近裁判が終わって、「こういう時」に命を掛けることで償うと決めた者を現場に送ると言った。

 

「.........グランディア」

 

「....まさか貴方だったとは」

 

連れてこられた彼に僕は、パンドラの事件の後管理局に封印されていたベルトとバットフルボトル、エンジンフルボトルをグランディアに渡す。今はまだ手錠をされていて変な動きをすれば拘束される様になっている。

 

「....これを使えば貴方は消滅します。それでも使いますか?」

 

「.....私は、既に未来を()に託したんです。過去の犯罪者にはこの末路でいいんです」

 

彼に宜しくと僕は頼まれる。彼は僕の過去を調べて知っていた。

 

「行きましょう。私の最後の革命に」

 

「....背中を預けます。貴方の正義に誓って」

 

僕たちは船の中で話した。今まで僕が犯してきた消えない罪を。そして、これから何をすればいいのかを。

 

「....貴方は、既に答えを得ているはずです」

 

「僕が、答えを得ている?」

 

答え? 既に僕が得ているなら、迷うはずが...

 

「貴方は今まで何の為に戦ってきたんですか?」

 

「それは....」

 

僕は、答えることができなかった。

 

既に目的地の上空に到着しており、グランディアの手錠が外される。

 

「この戦いは、貴方がそれを気付くきっかけになるかも知れません」

 

「...そうですね...」

 

ここで、僕は見つけなければならない。僕自身が得ている答えを。

 

『デンジャー』

 

『コウモリ』『発動機』

 

「「変身」」

 

『割れる!』『喰われる!』『砕け散る!』

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

『バットエンジン!』『フッハハハハハハハハハハ!』

 

この戦いはそれを探すものでもあると。

 

僕らは船から飛び降りて、スマッシュ軍団との戦闘を開始した。

 

「...........」

 

僕は無心で、スチームブレードを振り下ろした。




....第47話を見終わった人へ....

*ネタバレが含まれます。




















作者は泣きっぱなしで見ていました。

かずみんは、最後の最後まで....

内海さんを再び登場させるためにこのEpシリーズを、書いていたのに、そんなのって...

風の音だけが鳴り響く中で、叫んでいた髭の声が聞こえてきて、

作者は泣き続けました....

そして、最後の戦兎の台詞と全く同じことを言いました。

あのシーンは、どうしてもダメだった.....

次回の『ラブ&ピースの世界へ』の予告の幻さんの台詞が

『俺にできることをやるだけだぁ!!』

が、作者の心理と、同じ.....

うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

待って万丈!

お前までもが居なくなったら、戦兎がぁ!?

『戦兎、ありがとうな』

龍斗が言ってるのを想像しちゃって、____________

*作者は言葉にできない声で叫んでいます。


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Ep ROGUE:3

次々と襲ってくるスマッシュ達を倒していく。

 

「.........」

 

見慣れたガジェットの姿もあった。関係なしにJIMの銃口を向ける。

 

「...........」

 

放ったエネルギー弾が数体のガジェットを貫通していく。僕はベルトのレンチを倒した。

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』

 

飛んでいるスマッシュを両足で挟み込み、そのまま真下のスマッシュ達に叩きつける。

 

一体何体倒したのだろうか?それすら僕には分からなかった。

 

「ティーダさん、こちらへ」

 

殆どのスマッシュを倒した頃、グランディアがスマッシュ達がぞろぞろと出てきているところを発見した。

 

「必殺技を叩き込みましょう。いけますか?」

 

「勿論だ」

 

『『ライフルモード』』

 

僕らはライフルモードにボトルをセットして構える。少しずつスマッシュ達が出てきているのが見える。

 

「今です!」

 

『ファンキーショット!』『クロコダイル』

 

『スチームショット!』『バット』

 

放たれたエネルギー弾はそのままスマッシュ達に当たることなく、出現位置にある次元転移機を破壊した。

 

起きた爆発によりスマッシュ達にが吹き飛ばされる。

 

「彼らは、人間ではないようですね」

 

グランディアが言う通り、彼らは人間ではない。僕も戦ったことがあるクローンスマッシュだった。

 

スマッシュ達が全滅したのを確認すると、迎えの車がやってくるのを待つ。僕は変身を解除したが、グランディアは解除しなかった。

 

「....これで、この事件は終わりだと思いますか?」

 

グランディアは何かが引っ掛かっているらしい。確かに、何故クローンスマッシュ達がこの場に現れたのだろうかが分かっていない。

 

「...来ましたよ。どうやらこの事件の犯人の狙いは、貴方だったみたいですね」

 

僕は振り返るとある男が目に入った。

 

「....ようやくだ。この日が来るのを俺がどれだけ心待ちにしたことか.....」

 

両腕をブラスターへと変形させ、銃口をこちらへと向けてくる。そうか、僕が原因か

 

「今日がお前の命日だ!ティーダ・ランスタァァァァ!!!!!」

 

僕が両腕を切り落とした犯罪者が、この事件の犯人だったんだ。

 

 

「行け!お前らぁ!!!」

 

地面の中から大量のスマッシュが這い上がってくる。

 

「.....貴方は彼を相手にしてください。他は私が」

 

「....お願いします」

 

グランディア(マッドローグ)がスマッシュ達へ向かっていくのを見送りながら、クロコダイルクラックフルボトルを起動させる。

 

『デンジャー』

 

「オラオラオラオラ!!!!!!」

 

発射される魔力弾を交わしながら、JIMを構える。

 

『クロコダイル』

 

レンチはまだ押し倒さない。

 

僕はJIMのトリガーを引き、男の足に向かって弾丸を放つ。

 

「ぐぉ!?ば、バカな!?魔力弾は効かないはず!?」

 

それはそうだろう。僕はこの弾を今の今まで使ってこなかったんだ。

 

「お前がシールドを張ることぐらいは分かっていた。だからこそ、これを使った」

 

これは、僕ら仮面ライダーですら持っていることを許されないものだ。でも、それを犯罪者相手なら使える。

 

「僕が一つしか持っていなくて良かったな」

 

僕は、実弾(・・)を使った。

 

管理局が管理している世界では、質量兵器を使用・所持する事を法律で禁止している。だが、僕は戦兎さんに頼んでいたのだ。JIMで実弾を扱えないかと。

 

「そんなものぉ、関係ないぃぃ!!!」

 

乱射しているが、僕には当たる気配はない。ゆっくりとレンチを押し倒す。

 

『割れる!』『喰われる!』『砕け散る!』

 

『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』

 

僕はJIMを待機状態に戻す。いいのか?と聞かれ僕は

 

「これが僕の罪の一つだから」

 

と返した。最後まで付き合うぜ、マスターと返してくれるJIM。

 

無口な彼が今日はよく話す気がした。

 

レンチを押し倒し、両足にエネルギーが集束しているのを確認する。

 

「はああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』

 

エネルギーで創り上げた鰐の顎で男を挟み込み、連続で嚙み砕く。

 

男の両腕が砕け散りそして僕は、足をも切断した。

 

「ぐあああaむぐぅ!?」

 

五月蠅い。この男には、既に死刑が執行されていたが、何故この事件を起こしたか聞かなければならない。

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

「ふぅ....こんなところでしょうか」

 

グランディアが技を放ち、スマッシュ達を爆散させる。

 

僕は男をバインドで拘束し、グランディアの元へと向かった。

 

「....気が付きましたか?」

 

「...これが、答えかどうかはわからないけど_______」

 

僕の罪は消えない。過去に戻っても、きっと僕は変わらない。だからこそ彼女()を幸せにする。彼女を守ることが、僕の償いだと。

 

「それが貴方の償い方なんですね」

 

グランディアはベルトのボトルを外し、僕へと投げ渡してくる。

 

「貴方のこれからを、空から見届けさせて貰いますよ」

 

「...ありがとう、ございました」

 

背中を向けたまま、グランディアは消滅した。

 

 

_____________

 

 

「ティーダ?」

 

「....貴方の隣に居れてよかった」

 

「え?何を言ってるの!?」

 

僕は彼女に叩かれてしまう。彼女は家族を、大切な人を失うのが怖いんだ。翔が消滅したのが、彼女のトラウマになってしまっている。

 

僕がライダーである以上、何が起こるかは分からない。

 

「大丈夫だよ。僕は何も言わずに消えたりしないから」

 

「う~、今日は泊めなさい!!!」

 

ハイハイと返すと、ハイは一回!と言われる。彼女が先生になる日は近いだろう。

 

こんな日常を守るのが、僕の償いなのだから。

 





新しい目標を手に入れたティーダ。

彼は彼なりの償いを続けていく。

だがこの事件は、単なる始まりにしか過ぎない。


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Ep CROSS-Z

彼らのひと時を。


「平和だなぁ~」

 

「ふふ、そうだね」

 

今日は事件が起きそうにない日曜日。

 

俺とフェイトは二人で桜並木の下にいた。ゆったりと川を流れる花びらを眺める。

 

フェイトのお手製弁当に手を伸ばす。

 

「うん、うまいな」

 

「それは良かった」

 

やはり俺の彼女は可愛すぎる。俺がこういうのに耐性がなければ尊死するところだっただろう。

 

「龍斗、どうかした?私の顔に何かついてる?」

 

俺は目を閉じて静かに言った。

 

「頬に米付いてるぞ」

 

照れている姿を直視出来ないのは、仕方がないのだ。

 

「わわわ!!」

 

....可愛い。

 

____________

 

 

俺達は今まで、余りデートらしい事をしたことがない。

 

仕方がないだろう。俺は格闘家兼フリーの魔術師で、フェイトは執務官なのだ。会える日が限られてくる。

 

だからこそ、今日は一段と緊張していた。

 

「お、お待たせ」

 

「ぜ、全然待ってないよ?」

 

離れて見ればとても初々しいカップルだろうと後にドラゴンとバルディッシュは語ったらしい。

 

 

フェイトが俺の右腕に抱きつく。

 

「ちょ、まt」

 

「恋人なんだから、これくらいいでしょ?」

 

フェイトさんや、無理にせんでもいいんやで。顔が真っ赤やないか。

 

「....分かった。」

 

本当のことを言いたいが、それを言ってフェイトが離れてしまうのも嫌なので俺はその言葉を自分の中で高らかに叫んでいた。

 

__________

 

確か姉弟子(なのは)に「友達を紹介するの!」と言われたのがきっかけだった。

 

「よろしく、龍斗」

 

「おう!」

 

そして闇の書事件の間に色々話して仲良くなったんだ。

 

「それで戦兎がさ...」

 

「なのはも....」

 

そう言えば、あまり自分達については話していなかった気がする。

 

そして、戦兎が禁断のアイテム(ハザードトリガー)を使った。

 

圧倒的な魔力と攻撃力で、あの場にいた殆どの心に傷を残しちまった。

 

そして、一斗を探す旅に出た。

 

10年の月日が流れて、俺達は再開した。

 

「久しぶり、そしておかえりなさい。」

 

「ああ、ただいま!」

 

あったときはもう話が止まらなかった。

 

それから弟と妹が出来た。一人子だった俺は、嬉しかったのを覚えている。

 

それに、すくすくと成長していくのをみるのも楽しかった。

 

そんな中、スカリエッティとエボルトが事件を起こした。

 

俺達は闘った。ラブ&ピースの為に。

 

結果としては、エボルトを無事倒して終わった。死人も出ていないことになっている。

どうやら管理局のトップだけが殺害されたらしい。それすら曖昧なんだと戦兎に言われた。

 

でだ、ここで俺達は解散するはずだったんだけど.....

 

 

 

「龍斗、話があるんだけど....この後時間ある?」

 

それはお別れ2次会の後だった。

 

「あるぞ。何かようか?」

 

「うん」

 

 

誰もいない桜並木に連れていかれ、フェイトが話し始めた。

 

 

「私はさ、今まで生きてきて知らないことが沢山あったんだ。」

 

俺はそれを静かに聞いた。

 

「その中には、人を好きになるって事も入っていたんだ。だから.....」

 

言葉を返そうとした所を、フェイトに塞がれた。

 

 

「これが私の気持ち....フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは、万丈龍斗が大好きです」

 

 

俺の顔はどうなっていたんだろうな。きっと真っ赤だったのだろう。

 

海際に起動六課のオフィスは有ったから、本当に真っ赤だったんだ。夕陽もあったからな。

 

「...俺で良かったのか?」

 

「うん。私は龍斗以外を選ぶつもりはないよ」

 

「...これから無茶をするかもしれない。隣に居れないかもしれないぞ」

 

「それでも、私は貴方が好き」

 

覚悟をしたのを覚えている。

 

「...これから、よろしくな」

 

 

「! うん!」

 

これが俺たちの始まり。

 

今思い出すと懐かしいものだ。

 

「龍斗、そろそろ帰らなくちゃ」

 

「おう。片付けるか」

 

この可愛らしい人が、俺の最愛の人なのだ。




彼らは本当に幸せだ。


それでも、龍斗がライダーであることを忘れてはならない。


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Ep GREASE

彼の日常


僕らの学年が上がるまで、残り1か月を切った頃、僕は父さんにリビングで待つように言われた。

 

「お待たせ。こいつが新しい仲間だ」

 

『♪~~~~~!』

 

そう言って父さんが連れてきたのはクワガタムシだった。

 

「...これって?」

 

「まだお前にはブリザードを完全に使いこなすことは出来ない。だからそれを一時的に使えるようにする為にこいつを作った」

 

クワガタ型のガジェットは大きな顎をしているがそれを決して僕に向けないようにしていた。

 

「フォレス達の新たな仲間だ。名前を付けてやってくれ」

 

「名前...」

 

クワガタ...青い...

 

「ガタックとか?」

 

「....そいつは、やめてやってくれ」

 

「.......戦いの神....」っていったまま固まってる。何だかやめたほうがいいみたいだ。

 

「君はどんな名前がいい?」

 

『♪~!』

 

何でもいいよーと言っているように短く鳴く。ウ~ム、良さそうなのは....

 

「ゴウラム?」

 

「こだあああああああああああああああい!!!!!」

 

父さんが叫び出してしまう。ダメみたいだ。というか、父さんの様子が変だ。

 

「フォレス、フク。頼める?」

 

『『♪!』』

 

返事をくれた後、フクが音波で眠らせ、フォレスが毛布を運んできてくれる。

 

「さて、僕は起きたとき用にっと」

 

父さんの頭に熱さまシートを貼り付ける。何だかうなっている。

 

「大丈夫かなぁ?」

 

『『『♪♪?』』』

 

さぁ?と言っているように飛び跳ねる三体。さて、今度こそ決めてしまわないと...

 

「...ガタキリバ?」

 

「......予算破壊コンボ.....」

 

あれ?父さん寝てるはずだよね?

 

「ギラファ?」

 

「..この距離なら、バリアは......張れないな.....」

 

これ、何だか...面白い....

 

『♪!』

 

「あ、ごめんごめん。すぐに決めるね」

 

危ない危ない。

 

「スタッグ、でどうかな?」

 

『♪~~~~』

 

どうやら気に入って貰えたみたいだ。結構簡単なものになっちゃったけど。

 

『♪!』

 

「うわっと、これって...」

 

スタッグが投げ渡してきたのは、以前恭也さんに見せてもらったクワガタロストボトル。

 

「これを僕に?」

 

空中で頷くスタッグ。つまり、これは恭也さんが僕を認めてくれたって事?

 

「.....無茶は、あまりするなってさ。」

 

「え?」

 

父さんが起きている気がしたけど、僕が確認したら父さんはしっかりと寝てた。

 

「....ハルの所にでも行こうか」

 

『『『♪』』』

 

皆でハルの元へ向かう。少し驚いた彼女の顔は少し珍しく、僕はそれだけを見つめていた。でも...

 

「.......カズトサン?」

 

「へ?」

 

僕は彼女が持っていた物を見た瞬間に、逃げ出した。

 

 

「折角ですから、私の家で撮影会と行きましょう!」

 

 

 

それ(女装)はもうこりごりなんだぁ!!!!!!!」

 

 

こうして、平和な日々は続いていく。

 

でもそれは、急に終わりを迎えたんだ。




彼はあの日の事を半分だけ思い出しています。

TS?

....覚えてないと、いいですよね....

さて、この続きは劇場版編で!

大丈夫、しっかりとシリアスしてるはずですから!


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Movie:『Be The One』
ビルド殲滅計画、始動


※ネタバレ注意




劇場版編、スタート!


ある世界の研究所。様々な次元世界にそれを持っていたスカリエッティは、エボルトによって消滅した。

 

だが、誰もいないはずの研究所に3人程の影が写る。

 

「これより、計画を実行する!」

 

男の声と共に影は消滅した。

 

 

_________________

 

 

パンドラとの戦いから半年が経過し既に一斗達学生は一つ上の学年に上がっている。彼らは一度きりの学生時代を謳歌している。

 

そんなある日だった。

 

『一度戻って来るのもいいと思うよ』

 

「そうですね...」

 

戦兎は恒例の定期連絡を葛城巧に対して行っていた。そこで、一度平行世界に戻って来ないかという話が出ていたのだ。

 

「今はまだ難しいかも知れません」

 

戦兎は今、かなり大きな仕事を抱えていた。再びスカリエッティの残した研究所が発見されたのだ。さらに言えば、それが複数も同時にだ。

 

お陰で戦兎は世界を飛び回らなくちゃならない状況下にいる。今もなんとか時間を作って連絡しているくらいなのだ。

 

『まぁ、今度の夏休みにでも皆で来るといい。今回は中々良いものができたと思うんだ。』

 

「へぇ、何を作ったんですか?」

 

二人の会話は続いていく。戦兎はふと部屋の時計を見た。

 

「あ、そろそろ切りますね。次の現場に行かなくちゃならないんで。」

 

『そうかい。巧君、無茶は禁物だよ』

 

「わかってますって。それじゃあまたの機会に」

 

戦兎は通信を切り、メンテナンスを終わらせたビルドドライバーを鞄へと入れる。

 

「さて、行きますか。ミカ、これから行くのはどこだっけ?」

 

『今回研究所が発見されたのは第4______________________』

 

 

戦兎とミカは次元空港へと向かう。今回の仕事もいつもと同じ様に探索、危険の排除、資料回収に建造物の取壊しで終わるだろうと、そう思っていた。

 

 

 

___________________

 

 

 

次元の狭間にある管理局の幽閉所。ここにティーダは訪れていた。以前捕まえた男から、誰が自身に力を与えたのかを聞かなければならなかったからだ。

 

「....お前と話すのは反吐が出るほど嫌だけどよぉ、話すだけで俺の手足が元に戻るなら、言ってやるよ。」

 

「ああ。必ず約束する。僕はお前の両手足を元に戻そう」

 

これはティーダの口約束ではない。以前、ティーダは囚人から情報を聞き出す際、無くなっていた足を完全に復活させることで情報を聞き出したのだ。

 

「それを聞いて安心したぜ。俺が力を手に入れたのは、ある3人のお陰なんだ。」

 

「その3人とは誰なんだ?」

 

「________________」

 

犯人が語った事に、ティーダは驚きを隠せなかった。ティーダは檻にしがみ付く。

 

「そいつらは今どこにいる!?」

 

「俺にもわからねぇ。俺に力を与えたらそのまま何処かに行っちまったからな。あ、後もう一つ。あいつらが立ち去る前に言ってたことがあるんだ」

 

それは、事件の始まりを意味していた。

 

「______邪魔なライダーが1人減ったってな」

 

ティーダは檻から手を離し走り出した。

 

「おい!俺の手足はどうなるんだ!?」

 

「直ぐに戻って来る!」

 

約束を守ることよりも、ティーダはその情報を戦兎達に伝える事を優先した。

 

 

 

____________________

 

 

 

戦兎は次元船の中で

 

「ん?なぁミカ。ミッドチルダに向けて連絡出来るか?」

 

『いえ.....出来ません。何かが邪魔をしているようです。調べますか?』

 

「ああ、頼んだ。」

 

戦兎は仕事が終わった為に家族へ連絡しようとしたのだが、連絡出来なかったのだ。

 

「....単なるバグであって欲しいが...」

 

自分達しか(・・)客が居ない次元船の中で戦兎は呟いた。

 




遂に始まった劇場版編。


これからは、作者が見た予告が元になっているオリジナル編です。


感想、お待ちしています。


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桐生戦兎をジャッジせよ

別次元での仕事を終わらせた戦兎とミカはミッドチルダの街に戻ってきた。

だが、そこはいつもと異なっていた。


「未だに連絡は取れず、か....」

 

『すいませんマスター。出来る限りの手は尽くしたのですが...』

 

ミッドチルダに戻って来た戦兎達だが、未だに連絡が取れなかった。

 

取り敢えず家に帰ることを決め、マシンビルダーに乗る。

 

『今回で仕事はひと段落。といったところでしょうか』

 

「長かったな....」

 

自らこういう仕事(事件の後始末)を受けているが、ここまで沢山、更に同時にとなると戦兎も疲労が絶えない。

 

左にハンドルをきり、曲がり角を曲がる。すると、悲鳴が聞こえてきた。

 

『マスター!スマッシュです!』

 

「分かった!」

 

スマッシュが姉弟を襲おうとしているのが遠くに確認できた戦兎はビルドドライバーを装着し、フルボトルをセットする。

 

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ!』

 

「変身!」

 

バイクに乗りながら戦兎はビルドへと姿を変える。すぐさまドリルクラッシャー・ガンモードを呼び出して、襲おうとしているスマッシュへ銃口を向けてトリガーを引く。

 

スマッシュ自体は余り強くなく、数発のエネルギー弾で消滅した。

 

ビルドはバイクを降りて2人に近づく。

 

「大丈夫だったか?」

 

「は、はい..」

 

「び、ビルドだ!姉ちゃん、ビルドが助けてくれたんだ!」

 

嬉しそうにする弟をしっかりと抱きしめた少女に動けるかどうか戦兎が聞くと動けると返事が返ってきた。更には物陰から3体程のスマッシュいや、クローンスマッシュが出てくる。

 

「早く逃げろ!」

 

「は、はい!」

 

しっかり者な姉なのだろう。弟の手を引っ張って街中へと逃げていく。戦兎はその背中を見ながらもスマッシュ達の相手を務める。そんな時だった。

 

 

『皆さん、ご覧下さい。我々管理局は、あの英雄仮面ライダーと戦える力を手に入れました。ですが、それをも超える仮面ライダー、『ビルド』は我々の次元世界をその力で恐怖に陥れるかもしれません。その為、皆さんに力を貸して頂きたいのです!』

 

ミッドチルダに複数展開された仮想スクリーンにはでかでかと戦兎達が見知った人を映し出した。

 

「何をやってるんだ、リンディさん....」

 

闇の書事件で知り合った、リンディ・ハラオウンがミッドチルダに住まう人々に語りかけていた。

 

『これから管理局は仮面ライダービルド、桐生戦兎を危険人物に指定します!ここに『ビルド撲滅計画』を始動させます!』

 

高らかに右手を挙げて話しきったリンディが手を降ろすと同時に、大きな歓声がミッドチルダの街に響いた。

 

「何で...どうして.....」

 

『マスター!インターネットの方でもマスターの位置情報を探り始めた者が多く、いえ、増え続けています!』

 

ドリルクラッシャーを叩き付け最後のスマッシュを爆散させると同時に、戦兎の目には身近なものを武器にした人々が走ってきていた。

 

「逃げるしか、ないのかよ!?」

 

『マスター!』

 

戦兎はすぐさま停めておいたマシンビルダーに乗り、そのエンジンを起動させた。

 

何処へ逃げても無駄だとわかっていても、戦兎にはそれしか出来なかった。

 

 

_______________

 

 

「全次元世界の住民が、彼の敵だ」

 

リンディは言う。いや、()はリンディではない。本物はこんなことが起こっているとは知らずに家でのんびりしている頃だろう。もうその姿でいる必要がないのか、男は変身魔法を解く。

 

「これで私達の目的も達成できそうね。」

 

「エボルトがいない今、今何処こそ我らがブラッド族の使命を果たす時」

 

彼れはそれぞれ異なるロストボトルを掲げた。

 

「「「この世界()を破壊する!」」」

 

そしてそれを自らの身体に刺した。

 

_______________

 

 

戦兎は逃げ続けた。路地裏も、海沿いさえも。そして、街の端にある魔法競技専用のスタジアムへと追い詰められた。

 

「こういう時に限って、何で俺はボトルを殆ど持ってきてないんだよ...」

 

『ごめんなさい先生。私達の転移すら、出来ません』

 

まだ魔導士達が来てないだけが救いである。だが、それすらも絶望的になった。

 

『バインドが来ます!』

 

「ちぃ!」

 

ビルドの周りに魔法陣が展開され始めたのだ。それはつまり、魔導士達が追いついてきたことになる。

 

「貴様を拘束する」

 

魔導士達が戦兎へ向けてデバイスを構えている。流石にこの数を傷つけずに切り抜ける事は、戦兎には出来そうになかった。

 

『レッツフィニッシュ!』

 

『ファンキーアタック!』『クロコダイル』

 

展開された魔法陣からバインドが出現しようとした瞬間に、全ての魔法陣が砕かれる。

 

「良かった、間に合いました。」

 

「父さん、無事か!?」

 

「ティーダ!一斗!」

 

それを行ったのはローグ(ティーダ)グリス(一斗)だった。

 

「お前達は、俺を捕まえないのか?」

 

「どうやら管理局の発表自体がデマのようです。」

 

「俺達仮面ライダーは洗脳されなかったみたいだな」

 

ティーダ達が一体何を言っているのかが分からず、戦兎は困惑してしまう。

 

「何が起来ているんだ!?」

 

「話は後です。今は、逃げてください!」

 

「行くぞ、ハル!」

 

「はい!」

 

一斗が名前を呼ぶことでアインハルトがバリアジャケットを展開して現れる。

 

「このまま、みんなを傷つけずに無力化するぞ!」

 

「了解です!」

 

アインハルトが人々の中に入っていき、一斗は魔導士達を相手にする。

 

「さぁ、早く!」

 

「...分かった。頼んだぞ!」

 

ティーダは戦兎がスタジアムから出ていくのを確認すると、銃口を人々へ向けた。

 

「これは忠告です。僕に攻撃するのなら、死ぬ覚悟で来なさい!」

 

「フリーの魔術師の癖に、この世界の住民に武器を突き付けるんですね」

 

「なっ!?」

 

人々をかき分けて出てきた人物に、ティーダは驚いた。

 

「その子の身体を、奪ったのか!」

 

「ええ。この体は私との相性抜群よ」

 

『エボルドライバー!』

 

彼女は管理局が管理していたもう一つ(・・・・)のエボルドライバーを装着し、ハサミを取り出しボトルをセットした。

 

「パンドラが残したこの子も、結構やるのよ」

 

『シザース』『SIN』

 

ハンドルを回す事で展開されたパイプは次から次へとローグを攻撃してきたが、何とかそれをティーダは交わした。

 

「変身」

 

『ジャック・ザ・リッパー!』『フッハハハハハハハハハハ!』

 

「仮面ライダー、ジャックとでも名乗ろうかしら」

 

「...僕の彼女の妹を、アリシアを返せぇぇぇぇ!!!!!!!!!」

 

スチームブレード同士がぶつかり合った。

 

 

________________

 

 

 

戦兎がスタジアムの扉を開けると、海が見えた。

 

「これから、どうすれば「動くな」

 

ビルドは頭に銃を突きつけられ、動けなくなってしまう。

 

「....な~んてね。義父さん、翼です」

 

その銃、ネビュラを突き付けていたのは翼だった。

 

「...お前は、どっちだ?」

 

「私は義父さんの命は狙ってないよ。ここだとなんだから、家に帰ろう」

 

『ファンキードライブ!』『ギアリモコン』

 

戦兎と翼は姿を消した。




グランディアが消滅した際、戦兎が作ったエボルドライバーは消滅しましたが、

アリシアが着けていたエボルドライバーは未だに残っています。

パンドラの事件の後、管理局が回収しました。


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何故彼は狙われたのか

ローグ、グリスに助けられて戦兎は翼と共に家に帰ってきた。

だが、安心する事は出来なかった。


「ただいま~」

 

「.....」

 

戦兎と翼は家に帰ってくる事に成功した。だが、前者は無言のままだった。

 

「ああ、お帰り....ビルド!?」

 

「....噓、だろ...」

 

武器を取りに行くためにはやては玄関から直ぐに離れようとするが、ミカが画面からの強力な発光で止めた。

 

「あれ?私は何を...」

 

どうやらミカ(ベルナージュ)の力は完全には無くなっていなかったようだ。それによりはやての洗脳も解除されたのだろうと早々と戦兎は結論付けた。

 

「良かった...」

 

戦兎はリビングにて身体を休める為にはやてにリビングのカーテンを閉める様に言う。

 

「....翼、一体、何が起きてるんだ?」

 

ティーダから聞いたことを、翼は戦兎に伝えた。

 

ある事件の犯人の口から、『別世界から来た異星人だとよ』と言っていたことが分かったこと。

 

気が付かない間に退職したはずのリンディを含めた3人が管理局のトップになっていた事。

 

それを、一部を除いた人々はおかしいと思っていなかった事。

 

「そいつらは、何者なんだ?」

 

「分かりません。私達も、特定の人物としか連絡が取れなくなっているんです。」

 

残りの仮面ライダーである龍斗にすら、連絡が取れていない。

 

戦兎達が情報を整理している中、戦兎の部屋からミカはエニグマを持ってきた。

 

「マスター、通信が来ていました」

 

『たく...み...君...たく...』

 

「! 葛城さん!」

 

平行世界にも何かあったのかも知れないと、戦兎は葛城へと連絡を取ろうとする。が、通信がうまくいっていない為に声は途切れ途切れになってしまっている。

 

「魔力を使いますが、通信を安定させられます。どうしますか?」

 

「なら、私のを使って」

 

ミカの提案にはやてが魔力を出す事でミカは通信を安定させる。

 

『ああ、繋がった!巧君、大丈夫かい!?」

 

「その答えは、NOですね」

 

どうやら、あっちの世界でも何か起きたようだ。戦兎は通信があまり長く持たない事を確認して、早々と情報を交換することにした。

 

『なるほど、そっちの状況は把握したよ。こちらでも3人、人が消えている』

 

「! その人達の名前は?」

 

『伊能賢剛、郷原光徳、才賀涼香の3人だ』

 

戦兎はその名前に聞き覚えがあった。

 

「その3人って確か...」

 

『ああ、君も覚えているだろう。君の父親、佐野純一郎と共に火星へ行ったメンバーだよ』

 

ここで、戦兎の中でパーツは揃った。

 

今回の事件の犯人はエボルトと同じ様に地球外生命体である可能性がある事。

 

何かの拍子にこちらの世界へやってきたのだと。

 

だが、まだ分からない事がある。

 

「もし彼らが異星人だとしたら、何で同じ異星人のエボルトと共に行動しなかったんだ?」

 

『僕も、それが分からない』

 

犯人が地球外生命体だとして、その目的がエボルトと同じとは限らない。

 

「ごめん巧にぃ、そろそろ...」

 

魔力が多いはやてであっても、平行世界へのアクセスで殆ど使い果たしてしまったのだろう。顔色が悪いのに戦兎は気が付いた。

 

『巧君、最後に一つだけ』

 

「何ですか?」

 

葛城は通信が終了する前に、戦兎に鍵を残そうとする。

 

『ビルドドライバーの構造________』

 

「葛城さん!?葛城さん!」

 

はやての魔力が底を尽き、通信が強制終了してしまう。はやては気を失って倒れてしまう。

 

「ビルドドライバーの構造、か...」

 

そういえば、他のアイテムはボトルが一つしかセットできないのに、ベルトだけ2本もセット出来る事に一度も疑問を持ったことがなかった事に、戦兎は気が付いた。

 

翼がはやてをソファーの上で横にしている間に、戦兎は再び龍斗へと連絡を取ろうとするがやはり繋がることはなかった。

 

「龍斗、アリシア...無事でいてくれよ....」

 

同じく連絡の取れないアリシア達のことを、戦兎は心配していた。

 

 

______________

 

 

戦兎に対して殲滅計画が始動したころ、龍斗は路地裏で気絶したフェイトを人質に取られていた。

 

「全く、無駄な足搔きを」

 

「おりゃああああ!!!」

 

クローズ(龍斗)は目の前でスマッシュへと姿を変えた男へと拳を振るう。大切な人を取り戻すために。

 

「お前が、計画の一部でなければ、ここで始末したのだがな」

 

「何をいってやがるぅぅぅ!!!!!!!」

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

クローズマグマのナックルがスマッシュの頭部に当たる所で、それをリンディに止められた。

 

「ここで君に居なくなられては困る」

 

「リンディさん!?何でこんな奴らと!?」

 

「...君がこの世界で一番我々に近いのだ。一緒に来てもらうぞ」

 

龍斗はリンディに攻撃する事が出来ず、洗脳されてしまう。

 

「君が新しい我が一族の一人、エボルト(・・・・)だ」

 

「はい。全ては一族の使命の為に」

 

スマッシュは元の姿である郷原光徳へと戻る。龍斗は変身を解除し気を失ったままのフェイトを抱きかかえた。

 

「その女は大切に扱え。これで残るはハザードトリガーのみとなった」

 

魔法を解除した男、伊能賢剛は高らかに笑った。




活動報告にて、クロスオーバー編のネタを募集中です。

感想もお待ちしています。


気軽にどうぞ。


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ブラッドの誕生

葛城と通信により新たな情報を手に入れた彼らは、次なる目的地へと向かった。


翼をおいて、戦兎とミカはミッドチルダにある管理局へと忍び込もうとしていた。もしかしたら使える情報があるかも知れないと少しの期待を寄せていたのだが、建物の中から龍斗が出て来るのを戦兎達は見てしまった。

 

「龍斗の奴、ここにいたのか」

 

『ここにいたと言うことは、洗脳されている可能性が高いですね』

 

葛城からの情報の3人がここに居れば、また話は変わってくるのだが、それを確認する手段が今はない。

 

「.....大義の為の、犠牲となれ」

 

『ウェイクアップ クローズ!』『ゲット グレートドラゴン!』『イエーイ!』

 

龍斗は戦兎の姿を見つけるとすぐさまグレートクローズへと姿を変え打撃を放ってくる。

 

『今はベルナージュの力が使えそうに有りません!応戦を!』

 

「仕方がない、か!」

 

『マックスハザード・オン』

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

『ラビットラビット!』『ヤベーイ!』『ハエーイ!』

 

戦兎も応戦する為にラビットラビットへと変身するが、龍斗を倒せる程の攻撃を放つことができない。いくら洗脳されていても、大切な仲間なのに変わりがない。

 

「目を覚ませ!龍斗!」

 

攻撃を受け流しながらも戦兎は龍斗へと声をかけ続けた。

 

「無駄だ。彼にはもう君の声は届かない」

 

そこに、伊能賢剛が現れた。戦兎は龍斗の両腕を掴み抑え込む。

 

「お前が伊能か!こんな事をして、何が目的だ!?」

 

戦兎は龍斗を抑え込みながらも質問を投げかける。そこで戦兎は気が付いた。伊能が初めて(・・・)会ったはずのビルドの事を睨みつけて事に。

 

「目的、か。これから死ぬ君には関係のないことだが、教えておこう。この世界を破壊する。これまでの事は、ただその為の手段に過ぎないのだ。()はそれができたのに、実行しなかった。奴は我々を裏切った。その原因である貴様は、元仲間にその命を奪われるがいい」

 

戦兎は幾つか引っかかる言葉を聞いた。裏切った(・・・・)と、奴という言葉だ。その言葉が差しているものを考えていた為に戦兎は拘束を緩めてしまう。

 

「がっ!?」

 

拘束から抜け出し直ぐに打撃を放ち、ビルドを怯ませるクローズ。

 

「やれ、エボルト」

 

「はい」

 

戦兎は聞き逃さなかった。今伊能は確かにあいつの名前を言った。それに反応したのは、龍斗だったと言うことは...

 

『ドラゴニック・フィニッシュ!』

 

戦兎は言葉の意味を考えていたためにクローズの一撃を食らってしまい、変身が解除される。

 

「ごほっ....龍、斗」

 

変身を解除した龍斗は、その表情を変えることなく戦兎のベルトからハザードトリガーを外す。

 

「ま....て....」

 

「君には死すら生温い。この世界が壊れていくのを指を加えて見ているがいい。それが、お前達(・・・)にはお似合いだ」

 

 

ここ数日の間、雨が降る事がないミッドチルダに、大粒の雨が流れた。

 

 

____________

 

 

 

龍斗からハザードトリガーを受け取った伊能はやって来た郷原に話し掛ける。

 

「才賀はどうした?」

 

「今、捕らえた仮面ライダーからベルトを回収している。伝えることがあるのか?」

 

「ああ。この世界の奴を特等席へ案内してやれと伝えてくれ」

 

「了解だ」

 

郷原はその場から姿を消した。龍斗は静かにボトルを握る。

 

「どうかしたのか?」

 

「いえ、何でも有りません。」

 

龍斗は何故自身の目から水が出ているのか理解できなかった。

 

 

_______________

 

 

何とか誰にも見つからずに帰宅することに成功した戦兎は、すぐさまベッドへと運び込まれた。

 

「龍斗さんに、会ったんですね」

 

「ああ....」

 

戦兎自身も本当に長い間一緒に戦ってきた仲間が洗脳されたのだ。

 

悔しい? そんなものではない。戦兎の中にあるのは、自分の力のなさである。

 

そんな中だった。

 

「巧にぃ!テレビを見て!?」

 

意識を取り戻したはやてが慌てて戦兎の部屋へとやって来る。

 

「一斗達が映ってるんや!」

 

「何!?」

 

何時までも帰って来ない一斗とティーダは檻の中に入れられ、テレビに映し出されていた。

 

『これを見ている桐生戦兎に告ぐ。明日の10:00、この2人をこの街の石碑にて処刑する。だが、貴様がその命を差し出せば、2人の命は保証しよう。会えるのを楽しみにしている』

 

今回はリンディに成り切る事すらせずに伊能本人がでかでかとテレビに映し出されていた。

 

「.....行くしか、ないじゃないか」

 

「マスター....」

 

自分自身を逃がすために傷つけられない人々を相手に闘った2人が捕らえられている。戦兎の答えは決まっていた。

 

「待ってろよ....」

 

戦兎は明日に控えた決戦に向けて、部屋に閉じこもった。

 

「巧にぃ...」

 

「私達に出来ることは他かが知れてます。だからこそ、いつも通りを演じましょう」

 

「そうやな...」

 

戦兎は気付かない振りをした。心配を掛けていることを。

 

____________

 

 

「ティーダさん。明日、父さんは罠だとわかっていても来ますよね」

 

「そうだね...」

 

ジャックと名乗った者にアリシアの身体と沢山の一般人を人質に取られた二人は、抵抗できずに幽閉されていた。

 

「君のガジェット達は、無事かい?」

 

「いえ、変身機構を破壊されています」

 

声を出すことなくアイコンタクトで彼らは本題を話していた。

 

フクとフォレスは先程言ったとおりに変身機構だけが破壊されて、武器としてしか使えないこと。

 

あの戦いの中で一体逃げ切って、助けを求めに行っていることを。

 

「....君たち、面白い話をしているね」

 

そんな中で、来客があった。

 

「アリシアの身体に何もしてないよな?」

 

「あら...私が約束を破る女に見える?」

 

アリシアの身体を乗っ取った才賀はハサミ型のガジェット、『シーザー』を一斗へと向ける。

 

お兄ちゃん(・・・・・)は心配性だね?」

 

「お前が、アリシアの真似をするな!」

 

演技をした才賀だったが、面白くなかったのかティーダへと刃の方向を変える。

 

「先に教えといて上げる。貴方は明日処刑されるわ。何があったとしてもね」

 

「...そうか」

 

「あら? 聞き分けがいいのね」

 

「僕は今も昔も罪人だ。ようやく裁かれる時が来たと思えばいいだけだ。」

 

ティーダは軽く話を流す。その内飽きたのか才賀は檻から離れていった。

 

「...こんな所では死ねない。生きて彼女に会うまでは」

 

ティーダの言葉に無言で頷きながらも一斗はスタッグと共にいるアインハルトの事を考えていた。

 

 

_______________

 

 

 

 

「来たか」

 

翌日、住民達の間をかき分けて戦兎は石碑の前に現れた。

 

「一斗とティーダは何処だ!」

 

「何を言っている?奴らはそこにいるだろうに」

 

「!」

 

伊能が指をさす先には、ビルの壁に鎖で繋がれた一斗達がいた。その周りには魔導士達が沢山飛んでいる。

 

「ついでだ。彼女の処刑もここで行う」

 

「フェイト!?」

 

同じ様に反対側のビルにも、鎖を繋がれたフェイトの姿があった。

 

「もう彼女は必要ない。」

 

伊能は龍斗のビルドドライバーを装着し、グレートクローズドラゴンにコブラロストボトルをセットした。

 

『覚醒!』

 

「貴様はここで散るがいい。二度と(・・・)戦うなどと愚かな事が出来ぬ様にな!」

 

ハザードトリガーをベルトに装填する。

 

『グレートクローズドラゴン』

 

ハンドルを回す事でライドビルダーが展開される。ライドビルダーからパイプが龍斗へと延びていき、吸収されてしまう。

 

「龍斗!」

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身」

 

伊能は前後からライドビルダーへ挟み込まれ、その姿を変える。

 

『ウェイクアップ クローズ!』『ゲット グレートドラゴン!』『ブラブラブラブラブラッド!』『ヤベーイ!』

 

肩を覆うように付いた漆黒のマント、複眼にはコブラとドラゴンの姿があった。戦兎は民衆の真ん中に立ち、ジーニアスボトルを取り出す。

 

「待ってろ龍斗、一斗、ティーダ、フェイト....必ず助け出すから!!」

 

『グレート!』『オールイェイ!』

 

戦兎はハンドルを回しながら仮面ライダーブラッドへ向けて走り出した。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 




活動報告にて、クロスオーバー編のネタを募集中です。感想もお待ちしています。

今回、かなり意味深い言葉が多々使われていたと思います。

その意味を考えながら、次回をお待ちいただけると幸いです。


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攻略方法

伊能が語った言葉。その真の意味が、判明する。


『完全無欠のボトルヤロー!』『ビルドジーニアス!』『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

戦兎はブラッドへ対して拳を放った。だが、それは軽々しく防がれてしまう。

 

「龍斗を、返せ!」

 

「我々の計画には、どうしても新たなエボルトが必要だった。だが、パンドラボックスが意識を持ってしまい、桐生一斗はエボルトの遺伝子を失った。だが、一番エボルトに近い男が他に居たのだ。」

 

「それが龍斗か!」

 

「その通りだ!」

 

民衆が見守る中、ビルドは攻撃を続けた。だが、まともなダメージを与えることは出来ない。猛攻を続けるも、ブラッドは変化することはなかった。

 

「貴様では、今の私ですら倒すことはできない。ここで消えておけ!」

 

「がっ!?」

 

地面に叩きつけられ、ビルの壁へと吹き飛ばされる。変身が解除された戦兎はブラッドに首を絞められそうになっていた。

 

今回(・・)は奴はいない。礼を言うよ。君たちのお陰で私達の計画がエボルトに邪魔されなかったのだからな」

 

戦兎は目を閉じる。走馬灯の様に今迄の想い出が蘇っていく。

 

「ごめん、はやてちゃん....」

 

だが、いつまで経っても苦しみが戦兎を襲うことはなかった。

 

「....オイオイ、いきなりピンチだな」

 

「何故貴様がここに!?」

 

聞いたことのある声が聞こえた。

 

「え?」

 

「話はあとだ。離脱するぞ!」

 

戦兎は何者かに抱えられて、その場から離脱した。

 

 

____________

 

 

 

「ふぅ....ここでいいか」

 

「いてっ!」

 

「あ、悪い」

 

ブラッドの前から離脱した戦兎は衝撃と共に目を覚ました。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ああ。助けてk!?」

 

戦兎が止まるのも無理はない。何故なら戦兎の目の前に居たのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、この世界の俺」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビルド本編の桐生戦兎(・・・・)だったのだから。

 

「........」

 

戦兎の口は空いたまま閉じる様子はない。

 

「あまり時間がない。黙って聞いてくれ」

 

本編の世界から来た戦兎は話し出した。

 

自分が白いパンドラパネルを研究をしていたところ、突然平行世界への入り口が開きその先で、以前倒したはずの伊能(ブラッド)の姿があったこと。

 

この世界について軽く調べていた際に、この世界の戦兎が倒されそうになっていたために助けに入ったこと。

 

「....先ずはお礼かな。ありがとう。俺と仲間まで助けて貰って」

 

「いいってことよ。どうやらこの世界の俺も、ラブ&ピースの為に戦ってるみたいだしね」

 

ここまで心強い味方がいるだろうか。戦兎の心は事件開始とは異なり、かなり軽くなっていた。

 

「そういえば、一斗達は?」

 

「ああ。全員無事さ。既に目を覚ましているぞ。ほら」

 

指を刺した先には、一斗にくっついたアインハルトと、翼と話すティーダ、フェイトと話すはやての姿があった。

 

「俺がこの世界に来た時に会ってな。頼んでここに来て貰った」

 

さて、と言って戦兎は椅子に座る。

 

「俺が知っている限りの、ブラッド攻略法を教えてやる」

 

戦兎によると、ブラッドはその身に融合した者の数でその強さが変化するらしい。つまり、融合している龍斗を分離できればそれだけで弱体化を狙えるのだ。

 

だがそれは本編の世界での彼らであって、この世界の彼らが同じことをするとは思えなかった戦兎はこれ以上融合させない方法を考える。そんな中、戦兎は更に情報を追加する。

 

「もう一つ。伊能達3人は、どうやら俺の世界からこちら側に来たみたいだ。」

 

戦兎達がエニグマを使用するたびに発生していたバグ。それが元になって、ワープホールを創り、死にかけの

伊能達は逃げ込んだらしい。

 

この世界にいた自分達と火星で融合し記憶を共有したのだが、エボルトとパンドラボックスが行方不明になった為に計画を遅らせていたが、エボルトの消滅、パンドラボックスの覚醒で、全てが平行世界で進んでいた事を知った彼らは、最後の力でこの世界に転移したらしい。

 

目的は、自分の世界と同じ様にパンドラボックスの力を使って、世界を地から破壊することだろうと。

 

これで、伊能が言っていた意味の深い言葉の理由も分かったのだが、戦兎には引っかかっていることがあった。

 

「なぁ、俺。一体誰にそんなことを教えてもらったんだ?」

 

「......お前もよく知る人物にだ。」

 

それだけ話すと、本編世界の戦兎の体は少しずつ粒子へと変わり始める。

 

「どうやら時間切れらしい。最後にヒントだ。ビルドドライバーに何故ボトルが二本セットできるのかを考えてみろ」

 

「分かった....ありがとう」

 

「じゃあな」

 

本編の戦兎は元の世界へ戻っていった。残された戦兎は少し悩んだ末、今いるメンバーを集めて明日の作戦を話す事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この話はもしかしたら、書き直すかも知れません。


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世界を救う鍵

戦兎は理解していたのだ。その言葉の意味を。

 

「必ず、一つじゃ足りなくなる...」

 

ビルド本編のラスボスはエボルトとなっている事を彼は知らないが、何となくだが理解していた。

 

何せ解析不能のパンドラボックスを持って来た異星人である。そのハザードレベルは自分達よりも圧倒的に高いだろうと。

 

だからこそ、一つ(一人)では越えられない壁を二つ(二人)で超える為に、このベルトはこう設計されたと。そうじゃなければ、何でスクラッシュドライバーがボトルを一つしかセットできないのかが分からないからだ。

 

つまり、相棒との絆で更に強くなれるという事。今迄、色んなパワーアップを、皆に支えられながらも行ってきた事にも納得がいく。

 

「必ず、助け出すから」

 

戦兎ははやてが持って来た2本のボトルを握りしめる。これが、切り札になると信じて。

 

_________________

 

 

戦兎が提案した作戦は今居るライダーが、それぞれ別々に戦うことでブラッドへの融合を防ぐというものだった。既に一斗達から才賀がアリシアの身体を乗っ取っていることは伝えられ、誰と戦うかが決められた。

 

 

「それで、お兄ちゃんが私の相手をしてくれるのね」

 

「お前にそう呼ばれるつもりはない。必ず、返してもらうぞ」

 

『ボトルキーン!』

 

一斗は昨夜にアインハルトからブリザードボトルを渡されていた。

 

「この先、きっとこの力が必要になるはずです。だからこそこれを返します」

 

悲しそうな表情をしたアインハルトからそれを受け取った一斗は決めたのだ。必ず、妹を取り戻すと。

 

「フク、フォレス、スタッグ....準備はいいな?」

 

全員が無言で頷く。一斗は目の前のジャックを睨みつけながらナックルをベルトにセットした。

 

『グリスブリザード』

 

ハンドルを回す事で展開されるブリザードライドビルダーは冷気を放ちながらも、一斗の頭上へと移動する。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身」

 

その鍋をひっくり返し、一斗は全身を凍り付ける。

 

『『『♪!!!!!!!!!!』』』

 

三体のガジェット達によりその結晶は砕かれる。

 

『激凍心火!』『グリスブリザード!』『ガキガキガキガキガッキーン!』

 

「心火を燃やして......ぶっ潰す!!!」

 

「やれるもんならやってみなさい!」

 

ここに、ジャックとグリスの戦いが始まった。

 

 

____________

 

 

 

「貴様が俺の相手をするのか」

 

何処か気にくわなさそうに言い放つ郷原。ティーダはそれに疑問を持った。

 

「何かおかしいところでもあるのか?」

 

「...命を運んでくると書いて運命、とは上手く言ったものだな」

 

「どういうことだ」

 

「...お前の女を浚ったのは、俺だからだ」

 

その言葉は、ティーダを怒らせるのに十分だった。

 

「お前のせいで、翼は、翔は...」

 

「何を言うか?貴様はそのおかげでその力を手に入れたのだからな」

 

「黙れ!!!」

 

ティーダは柄にでもなく、クラックボトルを地面へと叩き付けた。

 

完全にひびの入ったボトルを拾い上げて、起動させた。

 

『デンジャー』

 

「そんなことは理解している。だからこれは....」

 

『クロコダイル』

 

ティーダはベルトにセットし、レンチにその手を沿える。

 

「単なる八つ当たりだ!」

 

その言葉と同時にレンチを押し倒し、ボトルを砕く。展開されたビーカーは液体で満たされると同時に砕け散る。

 

『割れる!』『食われる!』『砕け散る!』

 

『クロコダイル ㏌ ローグ』『オーラァ!!!』

 

「....ハザードレベル5.5か...面白い」

 

ローグとゼブラロストスマッシュの戦いが、始まった

 

____________

 

 

彼らが作戦通りに闘いを始めているころ、戦兎はバイクに乗って街の中を駆け回っていた。

 

「今、どうなってる?」

 

『今の所、殆どの人がマスターを追っている状態です。このままで問題ないかと思います』

 

二人が戦いやすい環境を作るために戦兎はわざと住民達の目に入ることで、彼らを街から遠ざけたのだ。

 

魔術師達の攻撃をフェイトがいなし、はやてがそれを捕らえる。その繰り返しだった。

 

動ける魔術師二人と戦兎は、向かう先で待機している翼の姿を発見する。

 

「準備はできてます!!」

 

「行くぞ二人共!」

 

「「はい!」」

 

3人が翼の横を通り過ぎると、その後を追っていた住民たちは次々に街から離れていく。

 

「これで、お終い!」

 

翼が最後の一人を見送った後、その横を戦兎が駆け抜けていく。

 

「起動させろ!」

 

「はい!」

 

昨夜作戦の為に作った結界維持システムを翼は起動させた。これで、ミッドチルダの街に残っているのは洗脳された一部の魔術師と、仮面ライダーのみになったのだ。

 

「それじゃあ俺は、龍斗の所に行ってくる。後は頼んだぞ」

 

「任せて。なのはは私が止めて見せる」

 

「兄を止めるのは妹の役目やからな」

 

フェイト達は、洗脳された魔術師たちの集まるブロックへと向かった。既にアインハルトも洗脳されたナカジマジムメンバーと戦い始めていることが、ミカによって伝えられている。

 

戦兎は何の迷いもなく、そのハンドルをミッドチルダの中心へと向けた。

 

_____________

 

 

「...またしてもか!」

 

伊能は計画を滅茶苦茶にされたためにキレていた。パンドラボックスに近いものを集め、ハザードトリガーまで手に入れたのに、計画が実行できないからだ。

 

「貴様だけは、絶対に許さない」

 

「俺もだ」

 

怒りが頂点まで上がっているのは、現場にやってきた戦兎も同じだった。大切な仲間も、関係ない一般人をも巻き込んだ事件を起こした犯人が目の前にいるのだ。

 

『グレード!』『オールイェイ!』

 

「この世界は、破壊させない。龍斗も返してもらう!」

 

「貴様に何ができる!!!」

 

『マックスハザード・オン』

 

戦兎はジーニアスフォームに、伊能はブラッドへと姿を変えた。ビルドはフルボトルバスターを構える。

 

最初に動き出したのは戦兎だった。

 

「おりゃあああああ!!!!!!」

 

「無駄だ!!!!!」

 

重いバスターでの一撃を、片手で防がれてしまう。だが、戦兎は諦めなかった。続けて斬撃を続けた。

 

それを受け止め続けた伊能は、疑問を持った。

 

「一体、何が貴様を動かしている!既に身体は破壊され、仲間も失った。信じたものにも裏切られた!なのになぜ、貴様は未だに戦うことができる!!!」

 

戦兎は出来たスキを逃すことなく、瞬時にバスターキャノンへと変形させ、エネルギー弾を放つ。

 

「ぐぉ!」

 

「.....お前には分からないだろうな。エボルトと違って、人間を一切理解してないお前にはなぁ!!!!!!!」

 

そう、戦兎はエボルトのしたことを許した事はない。だが、それでも何度も手を合わせているうちに、エボルトが少しづつ変化していることに気が付いていた。

 

最後には、自身が復活できたはずなのに、それを一斗のために使った。この時点で戦兎はエボルトを、認めていたのだ。

 

「お前は変わった」と。本編の戦兎から聞いた事を繰り返している様な伊能達とは、異なると。

 

『フルフルマッチで~す!』

 

『フルフルマッチ・ブレイク!』

 

「ぐああああああああ!!!!!!!!!」

 

『ラビット』『タンク』『ドラゴン』『ロック』

 

戦兎は直ぐにバスターにフルボトルをセットする。

 

「.....人は変われるんだ。それは人間じゃなかったエボルトにも同じことが言えた。でも、お前たちは何も変わらなかった!只々世界を破壊して、一族の悲願を叶えるだけの機械のようなお前たちじゃ....」

 

戦兎は一気に吹き飛ばされているブラッドに近づくとバスターキャノンのトリガーを引いた。

 

俺達(・・)には勝てないんだよぉぉ!!!!!!!」

 

『アルティメットマッチ・ブレイク!』

 

「がはっ.......」

 

さすがのブラッドも、何度も最大火力の一撃を食らい続ければ、限界が訪れる。それを戦兎は狙っていたのだ。

 

その狙い通りに、ブラッドの身体から半透明な龍斗が浮かび上がる。

 

「龍斗、お前の命をもらうぞ!!!!」

 

その透明な龍斗へと戦兎(ビルド)は手を伸ばし、ブラッドから切り離す。そのまま、ブラッドは高層ビルへと飛んでいく。

 

「うらあああああああ!!!!!!!」

 

「ぐぇ!」

 

ブラッドから引き抜かれた龍斗は、戦兎が残した勢いに身を任せ、地面に叩きつけられた。

 

「あ、ごめん」

 

「痛てぇじゃねぇか!」

 

戦兎は嬉しそうに、背中を庇いながらも立ち上がろうとする龍斗へ手を伸ばした。

 

「悪かったって。後でラーメン奢るからさ。」

 

「ったく、そんなものでつられる俺だからなぁ」

 

その手を掴んで、龍斗は立ち上がる。戦兎は変身を解除し、持って来たクローズビルド缶を見せつける。

 

「何だそれ?」

 

「俺とお前で、ベストマッチってな。付き合え。既にフェイトは助け出したからな」

 

「それ、答えになってないぞ」

 

まぁまぁと言いながら戦兎はそのボトルを振る。

 

「そういやぁどうするんだ?俺のベルトはあいつが使ってるぞ?」

 

「だ・か・ら、俺のを使うんだよ。二人でな」

 

「はぁ!?」

 

さすがの龍斗もこれには驚くしかなかった。ミカはそれをサラッと動画に収めている。

 

「おのれ...おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれぇぇぇ!!!!!!!!」

 

「ほら、敵さんのお出ましだ。」

 

「オイオイ、あいつ滅茶苦茶怒ってるじゃないか!一体何をしたんだ?」

 

「う~ん、色々?」

 

戦兎は会話しながらもプルタブを開け、ベルトにセットした。

 

『ラビット』『ドラゴン』

 

「え、マジでやるのか!?」

 

「だから、さっきから言ってるでしょ?」

 

龍斗が納得いかないのか抗議してくる中、戦兎はハンドルを回して、自分達の周りにライドビルダーを展開する。

 

『ARE YOU READY?』

 

「ダメです!」

 

「変身!」

 

龍斗がベルトからの問いかけにそう答えるが、既にライドビルダーは龍斗を巻き込んで、戦兎を挟み込むのだった。




投稿時間に、こだわりを見せる男、スパイダーマッ!


あ、感想お待ちしてますね。

ネタも募集してますよ~


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Be The One

金と銀の混ざったビルドに、アーマーが追加されていく。腰にはローブも出現する。

 

『ラビット!』『ドラゴン!』『Be The One!』『クローズビルド』『 イエーイ!』『イエーイ!』

 

「うそ~ん..」

 

「俺は絶対にできるって思ってたからな....さあ、最後の実験を始めようか」

 

龍斗は今の状況が理解できて居ないのだが、元の身体は戦兎の為にいつも通りにドラゴン側の複眼の先を撫でる。

 

「貴様が、貴様らがいなければ....我々の計画はあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

「うわっ...怖ぇ」

 

「正直に言わない。さっさと倒して、サクッとこの世界を守っちまうぞ!」

 

「おう!」

 

ブラッドが、全身から漆黒のオーラを垂れ流しているのを見て龍斗は正直な感想を言う。戦兎はそれを指摘しつつもクローズの様に構える。格闘で強いのは龍斗だからだ。

 

「いくぞゴラァ!!!!」

 

「あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

「あ、龍斗。俺達飛べるみたいだ」

 

「そういうのは後にしろよ!!!!!」

 

そう言いながらも龍斗の拳は確実にブラッドへと叩き込まれる。だが、それで止まるブラッドではない。

 

「死ねぇェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!」

 

「やべっ」

 

「俺が交わす!」

 

龍斗が避けられないようなオーラが纏ってある拳がビルドへと迫っている中、ラビットの成分である高速移動を使って戦兎はその一撃を避ける。

 

「ナイス!今度はこっちの番だ!」

 

「貴様ら....ふざけているのかぁぁ!!!!!!!」

 

それを言われたら何も言い返せない。という訳でもなく二人はそろって返す。

 

「「ふざけてなんてない。大真面目だ!」」

 

「俺に出来ない事が出来るのが龍斗で」

 

「俺に出来ない事をやるのが戦兎だ」

 

「お前が今相手にしているのは」

 

「「一人じゃなくて二人(・・)なんだよぉ!!!!!」」

 

台詞と共にクローズビルドは飛び上がり、クローズドラゴン・ブレイズやラビットラビットアーマーに似たエネルギー体を召喚する。

 

「貴様ら仮面ライダーは、この世界の人間に英雄としてあがめられているが、それと同時に痛み嫌われているのだ!それは別世界を見てきた貴様らならわかっているはずだろう!?」

 

ブラッドも空中へ飛び上がり、真っ黒なコブラを呼び出す。コブラとドラゴン・ラビットアーマー、ブラッドとクローズビルドがぶつかり合う。

 

「確かに仮面ライダーの力は、強大で危険な力かもしれない」

 

「それでも、何の見返りも求めずに誰かの為に闘うんだ」

 

「「それが仮面ライダーだって、信じているから!!!」」

 

二人の思いが乗った拳は、ブラッドに受け止められる。

 

「ふん。そんなものに何の意味がある。人はいつだって自身の事しか考えていないではないか!」

 

「お前にはわからねぇよ!エボルトのやつが戦兎に負けた理由すらな!!」

 

「一族の使命を果たすことしか出来ない機械に、分かってたまるかよ!!!」

 

「どわっ!!」

 

ぶつかり合っていたエネルギー体は爆発し、唯一消えなかったラビットアーマーがその身をオーラに替えてクローズビルドの拳へと収束され、ブラッドはそれを受け止めていられなくなる。

 

「龍斗、わかってるよな?俺達が戦う理由」

 

「んなもん、士さん達の元にいる時から変わってないぞ」

 

クローズビルドはベルトのハンドルを回す。彼らにとっての戦う理由であり、今一番求めているものを取り戻す為に。

 

『READY GO!』

 

『『ラブ&ピースフィニッシュ(の為だ)!!!!』』

 

2人は同時に叫んだ。それと同時に爆発した煙の中からドラゴンが再召喚され、その身を使ってブラッドを拘束する。クローズビルドは一旦地面に足を付けると、そのまま落下してくるブラッドへ目掛けて飛び蹴りを叩き込む。

 

「「はあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

「ぐああああああああ!!!!!!!!!お、の、れ....おのれおのれおのれおのれおのれおのれぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ブラッドはその蹴りを胸部に食らい、その身を貫通されてしまう。爆発が起こる中、クローズビルドは地上へと戻って来た。

 

「おっと...」

 

「奇跡もここまでってか」 

 

それと同時に変身が解除され、クローズビルドは二人へと戻ってしまう。戦兎と龍斗はハイタッチを交わした。

 

「後でホントにラーメン奢れよ?」

 

「...2杯までな」

 

「待てよ、今の間はなんだ?」

 

「全く、そういうところは鋭いんだから...」 

 

戦兎は、先程変身に使ったクローズビルド缶が粒子に変わり始めていることに気が付いた。

 

「本当に奇跡の変身だったんだな。」

 

「こいつが無くても、この世界を俺達が守れればいい。それだけでいいんだからな」

 

ビルドフォンに結界を解除したと翼から連絡がきた。伊能が倒されたことで、洗脳が解けたのだ。

 

「後は、一斗達だけか...」

 

「まだ闘ってるんだろ?加勢に行こうぜ!」

 

だが、戦兎はそれを止める。

 

「お前は伊能と何度も融合したんだ。ちゃんとした検査を受けろ。それに...」

 

「あ」

 

龍斗は自身が加勢に行けない理由に気が付く。

 

「お前のビルドドライバーとドラゴン、あそこで燃えてるんだよな」

 

「ちょ、待てよ!」

 

龍斗はそれを走って取りに行く。戦兎はそれを見ながらも、自分の傍に落ちてきたハザードトリガーを拾い上げる。

 

「お疲れさん。俺はお前の事は単なる暴走装置とは思ってないからな?」

 

返事があるわけでもない。ただの機械であるハザードトリガーにAIなど搭載されていないのだから。でも戦兎には、まるでただいまと言っている様に見えていた。




クローズビルドの戦いは、これにて終了!

残るは、グリスとローグのみ。


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ローグと呼ばれた男

ティーダは怒っていた。翼達を裏側へと強制的に連れて来た犯人に。そして、それで力を手に入れた自分自身に。

 

「ああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

「ハザードレベルが急上昇しているのか」

 

ローグの攻撃を交わしながらもゼブラは分析を続ける。今ここに戦兎がいたなら「お前、機械だろ?」とか言い出しそうなくらいに、冷静だった。

 

「フム、以前はグリスと戦ったが、貴様も中々面白そうだ」

 

「黙れぇぇぇ!!!!!」

 

ティーダはベルトのレンチを乱暴に押し倒した。割れているボトルは欠片をまき散らしながらも、成分をタンクへと流し込む。

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』

 

「.....だが所詮、お前はここまでが限界だ。ここで静かに散るがいい」

 

右拳にエネルギーを集束させて放った一撃は、いとも簡単に防がれてしまう。それでもティーダは止まらなかった。いや、止まれなかった(・・・・・・・)

 

「..言ったはずだ。これは、八つ当たりなんだと」

 

ティーダはJIMを起動させ、銃弾を放つ。

 

「ほう?この世界では質量兵器を見れないと思ったのにな」

 

「管理局が管理する世界では、質量兵器を持っているだけで犯罪者だ。それでも、僕はずっと持ち続けることに決めたんだ!」

 

ティーダはエボルトの元にいたときに初めて銃弾という質量兵器の存在を知った。それで、簡単に人を殺せることも。

 

ティーダが持ち続けているのは、「どれだけの時間が過ぎようと自分自身が犯罪者だという事を忘れるな」という自己暗示なのだ。決して許しを問わず、大切な人達を守るために。

 

ティーダは効果がないとわかっていても、実弾を撃ち続けた。ダメージは与えられてないものの、ゼブラロストスマッシュを後退させることは出来ていた。

 

『残り装弾数は12だ。このまま撃つ続ければ無くなるぞ』

 

「わかってるよJIM。それが狙いなんだから」

 

そして最後の一弾のみが、JIMの中に装填された。

 

『クロコダイル』

 

欠片をポロポロと落としながらもJIMのスロットにボトルを振るセットする。エネルギーが銃口へ集束していく。

 

『ファンキーアタック!』『クロコダイル』

 

放たれた実弾は、ゼブラの中心に突き刺さった。ダメージはないものの、紫のイナズマがゼブラの動きを止める。

 

「これで僕はただの犯罪者へと戻った。ティーダ・ランスターでもなく、仮面ライダーでもない。今の僕は、ただのローグ(悪者)だ!!!!!!」

 

JIMを待機状態に戻し、ティーダは再びベルトのレンチを押し倒した。

 

「砕け、散れ!!!」

 

バリンという音と共に、遂にクロコダイルクラックボトルは砕け散った。

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』

 

「何度も食らいついて、砕く。嚙み砕き続ける!!!!!」

 

ローグは両足にまとった鰐の顎状のエネルギーで動けないゼブラを何度も何度も嚙み砕く。

 

「ぐお、がっ、き、さ、ま、あああああああ!!!!!!!!」

 

それでもゼブラの胸部アーマーを破壊するだけになってしまった。

 

『おいマスター!どうするんだよ!まだ倒せてないぞ!?』

 

ボトルを完全に砕いてしまった為に、ローグの変身が解除される。JIMは慌ててそれを指摘するが、ティーダ自身もこうなることぐらい把握していた。

 

ティーダはスクラッシュドライバーを腰から外して投げ捨てた。

 

「....ほう。私に勝てないから、自ら手に入れた力を捨てたか」

 

ゼブラは自らの両拳をぶつけ合い、せめて一瞬で終わらせる事にする。だが

 

「何を、勘違いしてるんだ?」

 

「何?」

 

ティーダは、笑っていた。それはもう、不自然なくらいに。自らの力すら効かない相手が殺そうとしてきているのにだ。

 

『そうだマスター!?もう戦える手段は...!』

 

「君にも言ってなかったね。これを僕が持っている事を」

 

JIMは驚愕する。それはティーダが持っているはずがないものだったのだから。

 

『何でマスターがエボルドライバーを持っているんだよ!?』

 

「グランディアに、一度きりだけど借りたのさ」

 

ベルトからは、定期的に粒子が出ている。それを気にすることなくティーダはそれを腰に当てる。

 

『エボルドライバー!』

 

「貴様が持っていたのか。我らが減らした戦力の一つを」

 

「大当たりだったや。明らかに不自然にあの事件が起こったからね。」

 

ティーダは確信した。郷原達3人があの男に力を与え、一番消滅の恐れがあったライダーを一人減らす狙いであの事件を起こさせたことを。その為に、グランディアがその命を燃やしたことを。

 

ティーダは、後少しでも衝撃を与えれば完全に砕け散りそうなクロコダイルクラックボトルをもう一度起動させる。

 

「最後まで付き合ってもらうよ!!!」

 

『デン、ジャー!』

 

それをエボルドライバーにセットする。彼女に黙って持って来たギアも一緒に。

 

『ワニ』

 

『リモートコントローラー』

 

『エボルマッチ』

 

ハンドルを回すと紫のイナズマと青白い靄がティーダを襲った。

 

「いくら貴様とて、それはただの自殺行為だ。人間である貴様が、そのベルトを完全に使いこなす事ができるわけがない」

 

「...そんなこと、無力だった自分が一番わかってる!!!!」

 

それでもティーダはハンドルを回す続けた。血管の様に辺り一面に展開されたパイプは、まるで脈を打っているようにも感じられる。

 

ARE YOU READY(裁きの時か)?』

 

「ああ、僕が裁かれる時だ!!!!!」

 

ティーダはその身をパイプに包み込まれ、アーマーを装着する。

 

『クロコダイコン!』『フッハハハハハハハハハハ!』

 

ローグ(悪者)は自らの罪を、自分で裁く事にした。その為のローグ・ジャッジメントである。

アンダースーツがビルドと同じものになり、あちらこちらにひびが入っている。肩には鰐の方顎とリモコンが装着されている。

 

「お前は危険だ。このまま生かしておけば、確実に我らの計画の支障となるだろう。ここで排除させてもらう!」

 

「お前を裁くのは(ローグ)だ!!」

 

ローグ・ジャッジメントはベルトのハンドルを回す。突撃してきたゼブラを交わしエネルギーを両足に集束させる。

 

『READY GO!』

 

『エボルテック・アタック!』

 

「ふん!!!!!」

 

ゼブラは直ぐに振り返り、樋爪による致命傷を狙うがローグがそれを交わしてリモコンの能力で姿を消す。

 

「...姿を隠したか....」

 

ゼブラは静かに辺りを警戒する。何時、何処を攻撃されてもそれを捕らえて一撃で終わらせるために。

 

だが、それを良しとしないのがローグである。確実にゼブラの背後に回り、一度だけ蹴りつける。

 

「がっ!?そこか!」

 

攻撃を受けてすぐさま反対側を向き、その拳を振るうが、それは只々宙を仰ぐだけだった。

 

「ぐぉ!?そっちか!」

 

今度は左からの一撃が放たれる。同じ様にその攻撃を受けてから、ゼブラは動き出す。今度は微かな音を聞き取るために、静かに拳を解く。

 

「.........」

 

辺りを沈黙が襲う。どちらかが隙を見せた瞬間に勝負が付く。ここで誰かがこの戦いを見ていたら息を飲んだことだろう。自分の罪を自らを犠牲にすることで裁く事にしたローグと、彼が力を手に入れることになった理由を作り出した者の一撃で終わってしまうかしれない死闘。それがここで行なわれていた。

 

「....そこだ!!!」

 

足音を聞き取られてしまい、ローグが接近している事がばれてしまう。既に走り出していたローグはそのまま止まることが出ずにゼブラへと向かっていく。

 

「捕まえ、何!?」

 

手を伸ばして捕まえようとしたゼブラだったが、ローグの身体が透けてその手は無を掴んだ。足音は確実にそこから聞こえていたはずなのに何故だと。その答えは、ローグの口から語られた。

 

「!!!!!!!!!!!!」

 

「言ったはずだ。」

 

郷原は声を上げることすら出来なかった。理由はローグの目に負えないような速さに有った。ゼブラが掴もうとした瞬間に加速しながらそれを交わしたローグはそのままゼブラを中心とした円を描くように連続で移動と攻撃を繰り返したのだ。その為、全身を連続で攻撃されたゼブラの動きは鈍ってしまう。その様子を確認することなく、ローグが背中へと回り込む。

 

「お前を裁くのは僕だと」

 

『エボルテック・アタック!』『チャオ♪』

 

そのまま振り返りながら両足でゼブラを挟み込み数回嚙み砕いた後、そのまま投げ捨てる。

 

「がっ............がああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

壁に叩きつけられた後に、蓄積された攻撃分のダメージがゼブラを襲った。何が起きているのかもわからずに爆散する。それは、只々一方的なものだった。

 

「それがお前の罪だ。そしてこれが僕の罪だ」

 

ローグ・ジャッジメントの変身は解除されエボルドライバーは消滅し、ボトルとギアが地面へと落下する。

 

ティーダは身体のありとあらゆる所から出血していた。

 

それは元から人間では使うことすら出来ない代物を使用した代償であった。

 

『マスター、止血剤は打ち込んだぜ』

 

「ありがとう....JIM。何だかとても眠いんだ....」

 

『今くらい、休んだって誰も文句はいわねえだろうよ』

 

ティーダは背中を壁に預け、眠った。只々静かに。

 

ローグは、自らの罪をこの世界を救うという償い方を選んだのだ。それが、一番だと信じて。

 

『いい夢を。My Master』

 

JIMはネビュラにメールを送った。しばらくしたら、迎えが来るだろうと。

 

その間は、自分はこの人を守ろうと静かにティーダを見守り続けた。




彼なりの償いは自分の身を犠牲にしてまで誰かを救うということだった。

残るは一斗のみ。


間もなく、あのライダーが_____


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美空色のソルジャー

一斗はジャックの動きに翻弄されていた。それは、まるでロンドンの霧の中で姿を現したり消したりして、殺人を繰り返した本物の切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパ―)の様に。

 

それに対する一斗はそのロンドン最悪の殺人鬼の事を知らない。だが、それを攻略する術を持っていた。

 

「フク!ユニゾンだ!」

 

戦兎がブリザードナックルとその専用ボトルを制作した際ミカは知らなかったが、グリスブリザードの時のみに一斗はガジェット達とのユニゾンが出来き、更に武装を追加する仕様にしたかったのだ。だが、一斗自身の成長に合わせることにして、戦兎は計画を保留にするために途中まで作り上げて保管したのだ。

それから時間がある時に調整を繰り返し、そのシステムは完成したのだ。

 

フクとユニゾンすると、左肩に着いたゼリーパックがフクロウだけで埋められる。それにより背中に追加飛行ユニットが追加された。造形は鳥の翼によく似ており、その羽自体は黄で統一されている。

 

「行け!」

 

羽を広げて、それぞれを個別に発射する。これらすべてはスピーカーとなっており、一斗の意思で位置を固定、移動ができるビットとなっている。微量な超音波を流し、グリスは隠れているジャックを発見した。

 

「そこだ!」

 

フォレス・キャノンモードを右手に構えて狙い撃つ。エネルギー弾は防がれてしまうが、これが出来る限り一斗は簡単に隠れたジャックを追いかけることができる。

 

「危ないじゃない。最も優しくできないの?」

 

「お前にはそんなもの必要ない。スタッグ、次行けるか?」

 

『♪~~~!』

 

フクと入れ替わるようにスタッグとユニゾンする。ユニゾン解除と共に羽はその場で消滅し、新たな武器が精製される。スタッグとのユニゾン時には、そのボトルの持ち主が得意とする二刀の刀を角に見立てたクワガタ型のクローが精製される。

 

「刃物ね...これは、楽しめそうね!!!!!!」

 

今ジャックが持っているのは武器である短刀のみ。だが、その切れ味は簡単にビル一つを解体できる程。一斗は確実にその一撃をクローで受け止めた。

 

「あら、中々いい強度じゃない」

 

「褒められても、嬉しくないね!」

 

一斗はそのままジャックへと蹴りを放つが、それを交わされた上に、霧の中に消えるのを許してしまう。

 

「くっ...」

 

このユニゾンシステムには、弱点が有った。それが、ユニゾンを交代する際の時間である。準備中に敵は待ってくれるだろうか?嫌、待つことなく攻撃を仕掛けてくるはずなのだ。かなりの実力差がある一斗は、この問題をどうにかしなければならないのだ。

 

「フォレスは待機。スタッグ、このまま一度やってみよう」

 

『♪~~~』

 

一斗はフォレスにその場で待機するように言い、左手のロボットアームを広げて待機する。一斗が選んだのは、相手からの攻撃を待つというものだった。

 

「........そこだ!」

 

「! 気づかれちゃった」

 

右側からナイフを突きつけようとしていたのに気が付き、すぐさまクローを振り下ろす。防がれたものの一斗は少しずつ、ジャックの気配を探し出すのに慣れ始めていた。

 

再び姿を消したジャックを今度はロボットアームで捕獲する。そのままクローを叩き付けた。

 

「きゃあ!」

 

一撃が思った以上に大きかった為にジャックは壁へと吹き飛ばされる。アリシアの声が聞こえてきたために、一斗は罪悪感に襲われた。

 

「痛いよ...お兄ちゃん....」

 

それでも一斗は心を鬼にした。罪悪感が無くなる訳ではないが、それでもまだ戦えると自分に言い聞かせて。

 

「フォレス!」

 

『♪!』

 

ユニゾンを交代し左肩のアーマーには、でかでかと城が描かれた。肩には大きな盾が追加され、足には小さな砲門がある。その姿はフォートレスフォームに似ていた。

 

左手のロボットアームでジャックを殴りつける。悲鳴が聞こえ、何度も一斗は攻撃を躊躇いそうになる。

それでも、一斗はアリシアを救うためだと自分自身を納得させようとした。だが、何処かで納得できなかったのだ。

 

「ごめん.....」

 

一斗は謝った。殴りつけたり、砲撃を食らわせたり、蹴りを放つたびに何度も。

 

「止めて....お兄ちゃん.....」

 

一斗には、限界が来ていた。いくらメンタルが強いと言ってもまだ中学生。しかも傷つけている相手は妹なのだ。それだけで追い詰められていた精神が、アリシアの声を聴くたびに限界へと向かっていき遂にそれを迎えたのだ。

 

「.....()は、もう...」

 

「痛い、痛いよ。お兄ちゃん!」

 

この精神攻撃こそがジャック(才賀)の狙いだった。内側から破壊されてしまえば、いくら外側が強くでももう戦え無くなるという、一斗の若さを利用した攻撃だった。

 

「.............」

 

遂に一斗はその場で動かなくなってしまう。ジャックは再びナイフを構えてそれをグリスのボディを貫くように、突き刺そうとする。

 

「貰った!」

 

「いえ、やらせません」

 

だが、そのナイフはグリスのアーマーに突き刺さることはなかった。

 

「一斗さんは、何時だって私の隣りにいてくれました。今度は、私が貴方を守る番です」

 

「ハ...ル.....」

 

一斗の声に微笑みながらも、アインハルトは自身の拳をジャックに向かって構えた。

 

「何でここに?あなた達は洗脳されていたはず...」

 

「確かに私は洗脳されました。ですが、好きな人の家族を手にかけるようなことは決してしません!」

 

「そんなバカな!? 伊能の洗脳を仮面ライダーでないものが、破れるはず無いのに!」

 

才賀は今迄 の隣で数々の星を滅ぼすのを見てきた。その中でも何度も洗脳を使ったが決して破られることはなかったのだ。

 

「貴方は知らないんですね。『愛』というものを」

 

「『愛』だと...お前はそんなもので洗脳されなかったとでも言うのか!?」

 

「はい」

 

才賀は啞然とした。彼女について調べたが、過去の王の記憶を継いでいるだけで単なる武闘家少女と決めつけていたのだ。こんなイレギュラーは、予想外なのだ。

 

「そんなことを、信じられるかあああああああああ!!!!!!!」

 

アインハルトは飛んできたナイフを弾き飛ばして、打撃を叩き込む。

 

「覇王、断空拳!!」

 

 

その一撃はしっかりとジャックの身体の芯を捕らえ、しばらくの間動けない様にしてしまう。勿論悲鳴が上がることはなかった。

 

「ハル、ありがとう」

 

「いえ、貴方の役に立てるのならば、例え火の中、水の中、次元すら超えられる。そんな気がするんです」

 

「嬉しいな。でも、これは俺の戦いだ。ハルは見ててくればいい。大丈夫、一撃で終わらせる(・・・・・)から」

 

一斗は次の一撃に、今の己を全てかけることにした。アインハルトを後ろへと下げて、一斗は叫んだ。

 

「フク、フォレス、スタッグ....ユニゾン・イン!」

 

その言葉とともにガジェット達が集まり、次々に融合(ユニゾン)していく。全身に生成・展開された全てのユニットを同時に使うことができる最終形態。これが一斗の切り札だった。追加で発生した冷気は優しくアインハルトを包み込む。

 

「ぐっ...」

 

「一斗さん....」

 

だが、この姿でいられるのには限界が有った。複数のデバイスを同時に操作し闘う為に脳への負担がとても大きいのだ。一斗自身はそれを理解した上でベルトのハンドルを回しながら羽をはばたかせ空中に一時的に停滞する。

 

『シングルアイス!』

 

「これで、」

 

『ツインアイス!』

 

「終わりだ!」

 

足に付けられた砲門からは二つのビームが放たれ、それは真っ直ぐにジャックの両肩を貫いた。声があげられず、逃げ出そうと必死にもがくジャックに一斗はクローを放った。それはジャックのもとにたどり着くまでに変形し、大きなクワガタの牙へと変わり、ジャックを更に動けない様に拘束した。

 

『READY GO!』

 

『グレイシャル・フィニッシュ!』

 

グリスブリザードは冷気を纏ったキックを、ジャックへと放った。その一撃はすぐさまジャックの身を凍り付かせていく。

 

「___________!!!!!!!!!」

 

声にならない奇声が上がる。それは、アリシアの身体から才賀が分離する際の痛みによるものだった。

 

凍り付いた身体からアリシアの手が見えた瞬間、アインハルトはすぐさま駆け寄り、凄まじい冷気に充てられながらもその手を掴んで引っ張っり出した。

 

「一斗さん!」

 

「おりゃあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 

一斗はアリシアが助け出されたのを確認すると、確実に凍らせていく。周囲一帯が凍り付いた時、一斗は爆発とともにジャックの身体を貫いた。

 

「.......頭、痛いなぁ」

 

変身が解除された一斗は、爆発の後に残された凍ったエボルドライバーを拾い上げ、壁に投げつけた。それによりベルトにはひびが入り砕け散った。

 

「一斗さん!」

 

アインハルトがアリシアを抱えて走ってくるのを見たのを最後に、一斗は気を失った。

 

「お疲れ様でした。今は....」

 

アインハルトは自らの膝を枕代わりに横向き寝ている一斗にその言葉を贈った。アリシアは、一斗の背中に抱きついて何処か安心している様に見えた。

 

「ティオも、眠りますか?」

 

『にゃ~ん』

 

アスティオンは一斗の身体の上に行くと、そこで身体を丸くした。




最後は後日談と、あのライダー!


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物語は終わらない

あれから一週間が経った。

 

あの事件の事は俺達以外、誰一人として覚えていることはなかった。アリシアも無事に目を覚まし、今ではフェイトの後を追って、家を空けることが多くなってきた。

 

管理局では誰も知らない映像があったり、居ないはずのリンディさんが居たことになっていたりと、謎が残っているらしい。

 

街も一部が破壊されていたりと、管理局は大忙しなのだとティーダは言っていた。

 

ティーダの全身からの出血は、ベルナージュによって治療された。

 

その代わりにバングルは力を無くした。ミカに聞いても、ベルナージュとは会話で来てないらしい。火星の王妃だった彼女は、エボルト達を倒した事でその生涯を終えたのだろうか。

 

それは誰にも分からない。

 

今この様に軽くレポートを書いてはいるものの、最終的には消去した方がいいのかもしれない。

 

___________

 

 

戦兎はキーボードから手を離した。

 

既に手元の時計は9時を指している。

 

「そろそろ、行きますか」

 

背伸びをして、軽くマッサージを行う。今日は龍斗にラーメンを奢る日なのだ。

 

戦兎は適当な持ち物を持って家を出た。

 

ナカジマジムへと出向けば、シャワールームから出てくる龍斗の姿があった。

 

「早く来すぎたか?」

 

「いや、丁度いいぜ。で、今日はどこに食べに行くんだ?」

 

「内緒。それよりまだ髪が乾いてないぞ。ドライヤーを使ってこい」

 

戦兎は龍斗の進行方向を反転させ、シャワールームへと進ませる。タオルだけでも乾くってのと言っている龍斗を見ながら戦兎は呟いた。

 

「平和って、やっぱりいいよな」

 

それは誰に聞かれることもなく、戦兎自身もそれを気にはしなかった。

 

あの事件の事を知っている者達は、誰もそのことを離そうとはしない。

 

相手があのエボルトと同じ異星人だったのだ。しかも全管理世界が洗脳されていたなんて知れば、管理局が何をしでかすか分からない。証拠の抹消に掛かって、戦兎達の誰かに被害が及ぶかもしれない。その為に話さなかったのだ。

 

「予約した時間は....と、もうこんな時間か。そろそろ出発しないと」

 

龍斗が戻って来たのを確認して、すぐさま乗ってきたバイクの後ろに載せる。時計の針は10時を指していた。

 

「で、今日は何処に行くんだ?」

 

「ああ、今日はミッドチルダの外れで動き回ってる屋台、『風麺』が久しぶりにミッドチルダの近くに来ててな。時間を考えるとこれくらいの時間からじゃないと着きそうにないんだ」

 

「なぁそれってさ、お前が前言ってたどんぶりが隠れるくらいのナルトを使ってるところか?」

 

「あれ、俺話したことあったっけ?」

 

「忘れんなよ....」

 

龍斗と会話しながらも、目的地に向けてバイクを走らせる。そんな時だった。

 

 

ワープホールが開いたのは。

 

 

「なっ!?」

 

「何だよ、ここは....」

 

戦兎達そのまま開いたワープホールを通り抜けてしまい、どこかへとやって来る。バイクをおり周りを見渡すも、何も発見できなかった。

 

「おい戦兎!あれ!」

 

龍斗に声を掛けられ、反対側へと移動する。その先では...

 

「何だよ、これ....」

 

戦兎の目に映ったのは、戦兎自身が最後に見たライダー映画である『平成ジェネレーションズFINAL』などで見たことがある複数のライダー達が戦っていたのだ。その相手は見覚えのある怪人たちである。

 

「龍斗、俺達も加勢にいくぞ!」

 

「何が何だかわからねぇが、分かった!」

 

戦兎達は山の中枢から飛び、下で闘うライダー達の元へと向かう。

 

『『ARE YOU READY?』』

 

「「変身!」」

 

『ツインフェニックス!』『ヤベーイ!』『マジヤベーイ!』

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

お互いが羽を使って飛行して、怪人たちへと攻撃を仕掛けていく。

 

龍斗がナックルをハートロイミュードへと叩き込み、戦兎はロードバロンへとフルボトルバスターを振り降ろした。

 

戦兎達はエグゼイドや、鎧武、ゴーストなどのレジェンドライダー達と共に怪人たちを倒すも、次から次へと襲い掛かて来て、減っているようには思えなかった。

 

『タ~イム、マジ~ン!』

 

大きな音と共に、地面が揺れた。

 

「何だ!?」

 

「あ~!?戦兎、見ろよ!ロボットに『ロボ』って書いてあるぞ!」

 

「ホントだ...」

 

いや、そういうことじゃなくてだなと龍斗に突っ込みたくなるが、ロボットから人が降りてくるのが見えた。

 

「まさか、次のライダーか!?」

 

戦兎は驚きを隠せない。そのボディは世界の破壊者を彷彿とさせるマゼンタが使われており、そのフェイスには...

 

 

 

 

 

 

「『ライダー』って、またユニークなライダーを...」

 

 

 

 

 

 

でかでかと片仮名で『ライダー』と書かれていた。

 

「あ、戦兎さんに龍斗さん!ってことは上手くいったんだ」

 

「なぁ戦兎。お前あいつの知り合いか?」

 

「い~や、お前こそは?」

 

「ナイナイ」

 

そんなことを話している間に、新人ライダーは周りを囲まれてしまう。

 

「おい、サッサと戦え!」

 

「これを使う時が来たって訳だ」

 

龍斗が叫んだが、何かを考えているのか戦わない。そのまま右手で左手にセットされたアイテムを手に取った。

 

そのダイアルを正面に合わせ、ボタンを押した。

 

『ビルド!』

 

怪人たちは一定の距離を保ったまま近づこうとはしない。

 

そのアイテムをベルトにセットしたライダーは、ベルトのアンロックを外して、ベルト本体を一回転させた。

 

『仮面ライダー、ジオ~ウ!』

 

戦兎はここで、更に驚いた。ベルトの液晶からボトルとビルドを模したアーマーが現れ、ポーズを取ったのだから。

 

『アーマータイム!』

 

「おりゃあ!」

 

足でそのアーマーを蹴飛ばし、それを周りの怪人たちに当てた。ライダー本人は飛び上がった。

 

「イェーイ!」

 

そのまま吹き飛んでいたアーマー達はそのライダーに装着されていく。両肩には赤青二色のボトルがあった。

 

『ベストマッチ!』『ビルド!』

 

アーマーと武器を全て装着すると同時に、複眼に『ビルド』と片仮名で文字が入る。

 

「はぁ!」

 

次から次へと、怪人たちにドリルクラッシャーのようなドリルで切りつける。

 

「あんまり時間がないみたいだ。戦兎さん、龍斗さん。送って行きます!」

 

「「へ?」」

 

「あと、これを持って行ってください!」

 

戦いの中で戦兎と龍斗はロボに詰め込まれ、ライダーにウオッチを押し付けられる。

 

「君の、名前は!」

 

戦兎は叫んだ。そのライダーは元の姿に戻り振り向きながら言った。

 

「時の王と書いて、『ジオウ』。仮面ライダージオウです!」

 

その声を聞いた後戦兎達は変身が解除された状態で、その場に立っていた。

 

「なぁ、俺達なんでこんなところにいるんだ?」

 

「何か忘れているような気がするんだけどな....あ、『風麺』の屋台!龍斗、いくぞ!」

 

「ちょ、待てよ!」

 

戦兎達は先ほどまでの戦いを忘れていた。新たなライダー、ジオウにあったことすらも。

 

だが、彼らの再会は近い。

 

時計は10時10分を指していた。

 




この物語の続きは、

ジオウ編をお待ちください。

さて、また番外編へと行きますか!


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番外編その3
ライダー+αの日常


番外編、始まりますよ?


今日は久しぶりに俺と龍斗、一斗にティーダ、更にはユーノの休みが被った為に、皆で集まって話をしないか?

 

という提案があり、既に仕事を終わらせていた俺は、ミカを置いてすでに会場となるレストランの前に来ていた。

 

「よっ、早いな」

 

「お前こそ。今シーズンはこのままいくのか?」

 

「嫌なに、今日ちょっと相談しようと思っててよ」

 

大体少し遅れてくる龍斗が、かなり早い段階でやってきたために俺は話しかけた。表情から読み取るにどうやら何かに悩んでいるようだった。

 

「お待たせしました。」

 

「お久しぶりです、戦兎さん」

 

「父さん、お待たせ」

 

少し話し込んでいる間に一斗達がやって来た。全員が予定の時間前に集まりそのままレストランの中へ入っていく。

 

ここはレストラン『AGITO』

 

某仮面ライダーのそっくりさんが営業するレストランだ。

 

 

__________

 

 

「相変わらず、この店の料理は上手いな~」

 

龍斗は一度俺と来たことがあったもんな。俺達は食事を済ませた。

 

「でだ。腹が膨れたことだし、ちょっと相談があるんだけどな...」

 

龍斗はどうやら今の仕事である格闘家をやめようかと考えているみたいだ。

 

「何だかんだ言って、収入は安定しないしよぉ。それにこれからはフェイトのことも考えてやらなくちゃいけないしな」

 

「龍斗、フェイトと結婚することにしたの?」

 

「....出来れば早く」

 

お~、これはアリシアに報告した方がいいのかな?

 

「父さん、アリシアにはもう連絡しておいたよ」

 

「流石、仕事が早いな」

 

「ま、待てよ!まだ決めきってないんだぞ!?」

 

「先輩、僕も既に大切な人がいる身です。長い間一緒にいたんだから、サッサとくっついちゃってください」

 

龍斗が格闘家を辞めたら、フリーの魔術師にでもするか

 

「龍斗、仕事については心配するな。俺達は仲間だろ?」

 

「その提案はうれしいけど、何だか納得いかねぇ!」

 

このレストランに余り客が居なくてよかった。というか、いつもより少ない?

 

 

この時の俺はその理由を知る由もなかったのだが、この光景を見ている者たちが揃って暴走をしていたからだと知るのはもう少し先のお話。

 

 

________________

 

 

話は数時間前にまで遡る。最近増えてきた休暇を使ってミカはクロと共に、新作魔法の実験をしていた。

 

「ミカ様~、これどうぞ~」

 

「ありがとうございます」

 

ミカはクロから渡されたボタンを機械に取り付けることで、ある魔法を永続的に発動し続ける装置を開発した。

 

「やりました....『ヤンデレスイッチ』の完成です」

 

「お~」

 

言葉の意味を理解していないクロは、そのボタンを押そうとする。

 

「待って下さい。これは私たちだけでは使えません」

 

「それでは、どうするんですか?」

 

「その為に、はやて様達を呼んでおきました」

 

ミカは魔法陣を展開し、転移してくる彼女たちに一礼してからスイッチに手をかけた。

 

「皆様、今日は私たちの実験にお付き合いいただきありがとうございます。それでは今から実験に入ります。目を閉じて大切な方を思い浮かべてください。」

 

全員が目を閉じたのを確認すると、ミカはスイッチを押した。

 

「さぁ皆様。これにて実験は終了です。」

 

その言葉に続けて、ミカは静かに言い放つ。

 

「そう言えば今日はマスター達が集まって、食事に行っているようですよ?場所はレストラン『AGITO』だそうですよ。」

 

ミカが言い終わる前には既にその場には、ミカとクロしか残ってはいなかった。

 

「ミカ様~」

 

「私たちも休みますかね」

 




幕は切って落とされた。


これから始まるのは

嫉妬にまみれた女達と

それから逃げる男達の物語




果たして、誰が生き残ることができるかな?


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始まった狂宴

さらばだ、過去の仮面ライダー!


俺達はレストラン『AGITO』から出て、ボウリング場に来ていた。

 

「おりゃああああ!!!」

 

「あれでストライクが出ない事に未だに違和感を覚えるよ」

 

「ははははは」

 

龍斗が投げたボールはかなりの威力があるものの、全部は一度に倒れることはない。一体どうなっているのやら...

 

「僕トイレに行ってくるよ」

 

「ん、分かった。順番が来たら待ってるよ」

 

一斗がトイレに向かっていった。

 

___________

 

 

久しぶりの男だけの休暇。これが中々面白いんだ。僕は既に用を済ませ、手を洗ているときに、後ろから肩を叩かれた。

 

「?」

 

僕はそれに気が付いて顔を上げて鏡を見る。そこにはハルが立っていた。

 

「あれ?ハル?」

 

「はい」

 

「どうしてここに?それにここは男子トイレだよ?」

 

「貴方に聞きたいことがありまして....」

 

手を乾かして、トイレの出入り口の扉を開こうとした時だった。

 

「どこへ行くんです」

 

何処も何も

 

「父さん達の所だよ。戻らなきゃゲームが進んじゃう」

 

「そうですか................」

 

長い沈黙の中、僕の両目はハルに塞がれた。

 

「は、ハル....?」

 

「貴方はここに居ればいい。ただそれだけでいい。貴方はもう私以外と関わる事はない。」

 

僕は、ハルの様子が変なことに気が付いた。それに、何処かで見たことがあった。

 

「あ....」

 

ハルの指の隙間から見えたハルの目には光が無かった。

 

「アナタハワタシ、ワタシハアナタ...イッショニナリマショウ?」

 

僕が父さん達の元に戻ることは無かった。

 

 

__________

 

 

 

「なぁ、何かおかしくないか?」

 

「そうだな...」

 

明らかに一斗が戻ってくるのが遅すぎる。

 

「俺、ちょっと見てくる」

 

「悪いな、頼んだぞ」

 

荷物を見なきゃいけないこともあり、龍斗がトイレに向かった。

 

「俺達はこのまま続けよう」

 

「今回は勝たせてもらいますからね」

 

「僕もまだ負ける気はないですよ?」

 

 

________________

 

 

「お~い、一斗~、大丈夫か~?」

 

トイレに来てから一斗を探し回っているが、その姿を見つけることができない。

 

「龍斗....」

 

「うぉ!? なんだ、フェイトか...」

 

ボウリング場を歩き回っている時に後ろからフェイトに声を掛けられた。

 

「.....一斗を探しているの?」

 

「ん?あ、ああ。でもなんで_____」

 

何故そのことを知っているのかと聞こうとしたときに、俺の首にはバルディッシュの刃が当てられていた。

 

「龍斗はいつでもそう.....誰かを助けるために、自分を犠牲にする...」

 

「フェ、フェイト?」

 

カタカタとフェイトの身体が震えていて、時々俺の首には刃が当たり少しずつだが切れ始めていた。

 

「いて」

 

「! ご、ごめん....なさい....」

 

何があったのだろうか。俺はバルディッシュを手から落としてしまったフェイトに抱きつく事で、安心させようとした。

 

「.....本当にごめんなさい。貴方が欲しくて欲しくて、耐えられなかった」

 

「え? がっ!?」

 

俺は腹部に痛みを感じながらも、バルディッシュを構えるフェイトを見たのを最後に意識を失った。




既に犠牲者が2名。

残り3人...


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犠牲は

ドロドロとした闇が彼らを襲う。


僕は飲み物を買いにボウリング場の外に出ていた。

 

「あ、ティーダ!」

 

「翼?何でここに?」

 

「えっとね...」

 

確か今日は仕事(・・)があると話していた彼女が何故ここにいるのか。

 

「イッショニキテクダサイネ、ティーダ」

 

『すいませんティーダ。マスターからの命令には逆らえません』

 

いきなりネビュラを突き付けられた。僕もJIMを起動させようとするがその前にエンブレム(JIM)が奪われた。

 

「テイコウシナイデクダサイネ」

 

『ファンキーアタック!』『ギアリモコン』

 

僕は誰に知らせることもできずにその場から連れ去られた。

 

 

_________

 

おかしい。明らかにおかしい。

 

気が付いたのはいつ頃だっただろうか。

 

「なぁユーノ。ここってこんなに寒かったか?」

 

「...ここは、室内ですよ...でも、確かに寒いですね....」

 

寒気だけじゃない。視線も感じる。獲物を狩る獣の様な殺気を。

 

「一斗も龍斗も、ティーダさえもボウリング場を離れてから戻ってこない...」

 

それだけじゃない。既に客も俺達のみ。

 

「....どうする?」

 

「犯人の目的すらわかっていません。このまま動かない方がいいかと」

 

視線に気が付いていないように俺は視線に対して背中を向けた。その時だった。

 

「うわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

 

「!ユーノ!?」

 

叫び声と共に、ユーノが物陰へと吸い込まれていく。

 

「ば、バインド...しかもピンク...」

 

俺が知る中でピンクの魔力光の人間は、一人しかいない....

 

「た~くみにぃ?」

 

「.......」

 

やはり彼女達が犯人だったんだ。でも何故...

 

「わかってるんやろ?」

 

「.....ミカだな?」

 

「正解♪」

 

俺は次の瞬間、気を失った。

 

 

_____________

 

 

「皆~、捕まえられた?」

 

「勿論だよ」

 

「傷付けちゃった...」

 

「初めてです。こんなにも幸せを感じたのは」

 

「フフフフフフフ....」

 

戦兎を気絶させたはやては同士が集まる某所へ来ていた。問いを投げかければ皆から異なる答えが返ってくる。

 

「皆様、お疲れ様です。」

 

「お帰り、なさい」

 

そこへミカとクロがやって来る。

 

「あ、ミカさん。ありがとうございました。こんな事、なんで思いつかなかったのかわからないくらいに今幸せなんです」

 

アインハルトは気絶した一斗に抱きつきながらそう言う。ミカは顔色を変える事なく、再びスイッチを押す。

 

「所詮、こんなものですか...」

 

「実験終了ですか?」

 

「これ以上は先生や他の方々にどんな影響があるかわかりませんからね」

 

ミカはすぐさまそのスイッチを破壊した。

 

「さぁクロ。あともう少し手伝ってください」

 

「はい」

 

ミカの目的はただ一つ。このスイッチを完成させてこの世界、いや全ての次元世界を平和にする事。そしてもう一つ。

 

「待っててください。先生....」

 

戦兎を自身と同じ様にデバイスにする為に、常に隣りにいるために。彼女の実験は続いていく。




本物のヤベーイ奴はミカファール・クロゼルクでした。

これは完全なる番外編になっています。

本編とは一切関係がありません。

_______


再会したその日からミカファールは只々彼の隣にいる事を望んだ。

だが、デバイスと人間では明らかに寿命の差があった。

彼女は実際に自身が長い間眠っていたこともあった為そのことを理解していた。

戦兎をデバイスに変え、そして世界を平和にする。

そうすることで、デバイスとなった後も破壊という危険は排除されると。

その為なら、どんな人も犠牲にすると。


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Connection Truth

TRUE ENDルートの続きとなっています。

G.O.D編に続く物語


桐生戦兎がエボルトと共に消滅してから4年が経った。

 

一斗達は戦兎が残した技術とその意思を引き継ぎながら日々を送っていた。

 

『ツイン・ブレイク!』

 

「がはっ!?」

 

グリスはフクをツインブレイカーから取り外す。

 

『♪~!』

 

「おう、お疲れさん」

 

吹き飛ばした犯罪者をバインドで拘束し、管理局の他の魔術師が来るのを待つ。やって来た魔術師が見覚えがあったために変身が解除する。

 

「久しぶりです、先輩」

 

「おう、久しぶり。再会を喜ぶ前にそいつをどうにかしなきゃな」

 

龍斗はしっかりとしたスーツで身を包みながらも、マシンビルダーで現場へとやって来た。

 

『お久しぶりです、一斗様』

 

「ミカさんも久しぶりです。ほら、お前らも挨拶」

 

『『♪~~~~~!!!』』

 

『ええお久し振りです。あなた達も成長しましたね』

 

フクとフォレスは久しぶりに会ったミカに今迄どんな戦いをしてきたのかを夢中で話している。ミカはそれを聞きつつも龍斗の動きをしっかりと録画している。

 

「これで良しっと」

 

「お疲れ様です。すいません、後処理を任せてしまって」

 

「いいっていいって。でも、俺達からしてみればお前が犯罪者に関わる事が多過ぎて心配なんだぞ?」

 

「ハハハハハ....」

 

笑い事じゃないぞと龍斗に額を指で押され念を押される一斗。

 

デバイス達は見慣れたやりとりを見ながらも転移魔法陣を展開して犯罪者を本部へと送る。

 

「さて、そろそろ戻らないとフェイトに会えそうにないからな」

 

「フェイトさん、また出張だったんですか?」

 

「ああ、今回も管理世界に残されたスカリエッティの研究所の一か所の調査だってよ。特に収穫もないみたいだからな。あ、ヤベ。ミカ、このまま本部まで行けるか?」

 

『問題ありません。さぁ行きましょう』

 

龍斗はすぐさまマシンビルダーに乗りヘルメットを着用する。

 

「じゃあまたな、桐生一斗特別(・・)管理局員」

 

「はい、今度家にお邪魔しますね」

 

龍斗はその場を去っていく。フクが左肩に泊まったのを確認すると、フォレスをカバンの中へ戻しその場を後にする。

 

 

桐生一斗は12歳になり相棒達と共に行く先々で犯罪者達を捕まえ、管理局に認められて特別管理局員になった。

 

「今日は何がいいかな」

 

学校指定の鞄を担ぎながら今日の夕飯のメニューを考える。

 

彼は今なのはとユーノ、ヴィヴィオと共に暮らしている。

 

「一兄~!」

 

「ん? ヴィヴィおべらぁ!?」

 

そして今日も妹の突撃を背中で受け止める英雄(仮面ライダー)である。

 

「今日は肉じゃががいい!」

 

「うぐ...了解。それよりいいのか?コロナたちを置いてきても。」

 

そしてミウラを含めたナカジマジムメンバーを纏める副リーダーである。

 

「待ってよ~!」

 

「あ、一斗さんだ!」

 

これが彼の日常である。




まだ始まったばかり...次回はあのヒロインが登場しますよ。

さて、今度はその話を書いていこうか


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クロスオーバー編:デート・ア・ライブ
親方!空から女の子と男の娘が!


クロスオーバー編第二弾!






サブタイトルに間違いはないはず...


皆様は『精霊』というものをご存じだろうか?

 

一般的にゲームで登場する彼らを想像するだろう。

 

なら『空間震』はご存じだろうか?

 

この空間震とは災害と言われるものである。

 

しかもその規模は想像を絶するものが多い。

 

時に大爆発、巨大なクレーターを作りながら消滅などと言い始めればキリがない。

 

ここまで話しておいて一体何がしたいのかって?

 

そんなもの、俺が聞きたい。だって俺の目で起こっている事を誰が説明できようか。

 

「とぉぉぉぉぉぉかぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

 

「なっ!?シドー!!!??」

 

空から落下してくる男の子と姫のようなコスプレをした女の子が魔法(・・)がない世界で飛んでいたら、いやでもこんな顔になると思う。

 

「なんでさ.....」

 

俺はエニグマに勝手に表示された世界に転移するなんて、これからは何かがある時以外絶対にしないと決めた。

 

 

___________

 

 

事の発端は、3日前に遡る。

 

「おはよ~」

 

「父さん、おはよう。そして行ってきます!」

 

「行ってきます」

 

「おう、いってらっしゃい」

 

この日は確か仕事が長引いてしまい寝るのが遅くなった為に、この時間に起きたのだ。

 

俺は一斗とアインハルトのいつもの光景を見送ると、リビングへと足を運んだ。

 

「おはようございます、マスター」

 

「ああ、今日も悪いな」

 

「いえ、このくらいはさせて下さい」

 

ミカがエプロンを身にまとい皿を洗っていた。今日ははやてちゃんが出張で来られない為、ミカがその代わりをしてくれていたのだ。

 

「今日はどちらまで?」

 

「確か午後から授業があったはず....ああ、間違いない」

 

俺は仮想スクリーンを展開して今日のスケジュールを確認する。如何やら今回は簡単に転移出来そうだ。エニグマでも行ける。

 

「そう言えば、アリシアは?」

 

「アリシア様は本日は『龍斗様を確保してフェイト様と一室に閉じ込める』という作戦の実行に向かって飛び出して行かれました」

 

アリシアぇ...姉として妹の恋路が気になるのもわかるけどさ...それは不味いのでは?

 

「あと『姉が妹の幸せの為にやったんだから仕方ないよネ!』と叫んでおりました」

 

「......俺、もう知らない」

 

龍斗、フェイト...俺の心の安全の為にここで犠牲になってくれ。俺はもう、アリシアを止められない...

 

俺は自分で作った珈琲を飲み、カップを静かにおいた。

 

「まっずっ....」

 

......俺、いつの間にかマスターク(エボルト)になってたりしないよな?

 

 

 




ザックリ始まったクロスオーバー編。


作者はこれから番外編と後のジオウ編も同時に

執筆していくことになる。


どれから手を付けたものかな?


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平行世界旅行へ行こう

この世界は、前回のクロスオーバー編と同じ世界線で描かれています。


簡単に言えば、

シンフォギア編、vivid strike編、映画を飛ばしてこのクロスオーバー編

という感じに続いています。


後、以前も言いましたがクロスオーバー編は別世界の話です。

本編とは一切の関係がありません。

※つまり、倒したはずの敵が_____


コンコンッ


おっと、誰か来たようだ。


「フワ~ッ」

 

「かなり眠そうですね。大丈夫ですか?」

 

「ん、問題ないよ」

 

授業が終わり、俺とユーノは学校の廊下を歩きながら話す。確かに眠いが、仕事に支障を起こす程ではない。

 

家へ帰るためにユーノと別れてバイクに乗る。

 

『マスター、転移という手もありますが...』

 

「今日は風を感じたいんだ。悪いけどこれでいいかなって」

 

『...運転に支障が無ければ、ですよ。危険と判断した場合強制的に帰還します』

 

「ありがと」

 

『海にでも行くのでしょう?』

 

「わかってるじゃん」

 

俺が風を感じたい時はよく海に行く。海風を感じながら何かを考えるのは中々いいものである。

 

「ウェ~イ....」

 

『オンドルゥ...』

 

ケンジャキ、今一体どこにいるのだろうか?小説の内容は、忘れちゃったからなぁ...

 

「.....エニグマに、変な数字が表示されたんだ...」

 

『変な数字ですか』

 

昨日寝るのが遅くなった理由には仕事以外の、この数字も含まれている。

 

「1043589712760って感じに並んでたんだ」

 

『....何かを数えているのでしょうか?』

 

「わからない。取り敢えず今の所は問題も起きてないし、暫くは様子見かな」

 

原因が不明な為、不用意に転移なんてしたら帰ってこれなくなるかもしれない。しっかりと準備してからにしよう。

 

「....さむっ」

 

俺の顔を12月の海風が襲った。

 

 

_____________

 

 

「こんなものかな」

 

「またどこか行くんか?」

 

明日は仕事の依頼もなく、エニグマに表示された世界を視察しに行くには持って来い。というわけで荷物を整理しているのだ。

 

「ちょっくら冒険にね」

 

「...また危険な所に行くつもりやないよな?」

 

「....無茶はしない。約束する。」

 

「守れるんか?」

 

ぐっ...今迄まともにこういう約束は守れなかったからな....

 

「まぁいいわ。でも、必ず帰ってきてな」

 

「...当たり前だよ。」

 

はやてちゃんがこういう時に見せる切ない表情は何というか、守ってやらないと消えてしまいそうなものなのだ。

 

だからこそ俺は封筒を渡す。

 

「何が入ってるんや?」

 

「それは後のお楽しみ。それじゃあ行ってくるね」

 

エニグマに表示された世界に近いのが俺の元居た世界なので、一旦葛城さんの元を訪れることになっている。

 

「ミカ、いけるな?」

 

『忘れ物はありません。展開された転移魔法陣、安定中』

 

「行ってきます」

 

はやてちゃんは封筒を開けて中身に目を通したのだろう。転移する直前に待って、巧にぃ!って聞こえてきていたんだもの。

 

「よっと」

 

『はやて様からの着信が既に5件も着ています』

 

あの封筒の中身、中々いい場所(・・)だと思うんだけどな

 

『はやて様に私の方から連絡しておきますね』

 

「ああ、頼んだ。」

 

転移した先は見慣れた町はずれのビルの屋上。仮のテナントが入っていることになっているが中身は空っぽ。このビル自体に価値はない。あるのは地下である。

 

「葛城さん、来ましたよ~」

 

「ああ、結構早かったね。待っていてくれ。直ぐにお茶を出すよ」

 

別にいいのだが、これでもらわないと変な実験に付き合わされる時がある。何というか、この人もかなりの変人に入ってしまうのではないだろうか

 

『あの中身、結婚式場のパンフレットだったのですね』

 

「この前ユーノが持って来たのを見せてもらってね。そろそろ考えないとなぁと思ったから準備しておいたんだ」

 

因みに俺のイチオシは海鳴市にあって海にも近い結婚式場だ。

 

「お待たせ...おや、何だか面白いことを話しているね」

 

「そろそろ結婚式を、と思っていまして」

 

「ほほう、その時は私も呼んでくれ。必ず記憶に残る最高のものにしてあげよう」

 

何だろう、嫌な予感しかしない。俺は話を軽く流しながらも本題に入った。

 




ネタバレ注意












































終わってしまいましたね。この作品の原作である『仮面ライダービルド』その本編が。

終わり方に可能性しか感じられず、これからいろんなところで二次創作が増えていくと考えると胸の高鳴りが止まりません。

最後のラビットドラゴンの『ベストマッチ!』がもう....

戦兎が竜巻の中で万丈に手を伸ばすシーン、あそこでクローズライドウォッチが飛んでいたのに気が付いた人、いますかね?

あの兎、ゴールドラビットが引き寄せていたんですね。

色んなシーンの『エボルトとパンドラボックスが存在していない世界』バージョンが見れたときは本当に泣きかけてました。

最初は戦兎の記憶喪失から始まり、終わりは逆に戦兎以外誰も覚えていない。

万丈登場と同時に流れ始めた『Be The One』で泣いてしまいました。


これから49話分、あらすじを撮りためながらみんなの記憶が戻っていくところを想像すると、何というか完全なるGOOD ENDと言える気がします。


さて、ここまで長々と語らせて頂きましたがここで予告です















ビルド本編完結記念『ANOTHER ルート』制作決定!

新たな情報は後書きにて少しずつお伝えしていくつもりです。


作者的にはプロテインの貴公子、万丈龍我が気になって仕方がなかったです。

ではまた。


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ようこそ、天宮市へ

葛城さんの地下研究所で一夜を明かした俺は、町の展望台へと足を進めた。

 

「久しぶりだな。ここに来るのも」

 

『私が目覚めた時以来ですか...』

 

ビルドフォンのロックが解除され、何千年振りに再会してからまだ5年しか経っていない。

 

『ご両親への挨拶はいいのですか?』

 

「今回は俺一人で来てるからな。また今度一斗達と来るときまで家には顔を出さないよ」

 

エニグマに表示された世界へのゲートを開くために、エニグマを起動させる。

 

「ここから先は、一体内が起きるかわからない。準備はいいか?」

 

『勿論。忘れ物もありません』

 

俺達はゲートを通り過ぎた。

 

_______________

 

「琴理、霊力反応が有った。天宮市の街外れだ。」

 

「なんですって!?」

 

現在進行中で十香と戦争(デート)中の士道をラタトスクからサポートしなければならない彼女達の元に、未確認の霊力反応が観測された。

 

「空間震の発生は!?」

 

「確認できていない。それに、これは精霊ではないかも知れない。」

 

令音が霊力を辿って調べていくが、ほんの一瞬だけ観測できたらしい。

 

「何が起きたからわからないわね...」

 

今は大切な初デート。士道のサポートもしなければならない以上、クルーの殆どが商店街のスタッフを演じに街へ降りてる為人員を割くことは出来ない。

 

「...仕方ないわ。このまま士道のサポートに徹底するわよ。このデートが終わったらその都度反応があった場所を調べて頂戴。」

 

「了解した。」

 

琴理は不安を感じながらも、商店街へと降りるために準備に取り掛かった。

 

 

_________________

 

『森の中、みたいですね』

 

「俺達は大きなクレーターの淵にいるみたいだな」

 

ゲートを抜ければ、底には大きなクレーターの中にある街が一望できる。

 

「ミカ、時差はあったか?」

 

『いえ、特にはないです。取り敢えず街に降りてみましょうか?』

 

「そうだな」

 

マシンビルダーを展開してもらい、アクセルを入れる。まともな道に出た後、でかでかとこの街の名前を知ることになった。

 

「『天宮市』か....」

 

『マスターの世界には存在しない街ですね』

 

騒がしい町の中をバイクで通り抜けていく中、高校生と思われる学生たちをよく見かけた。

 

「今日は祝日だったか?」

 

『この世界の事は調べられそうにありません。何処かで情報を集めてみましょう』

 

「了解」

 

ざっとこの街を見た感想だが、如何やら魔法は存在していないようだ。それにこの様子だとかなり海鳴市に似ている。

 

「っと、ちょっと新聞買って来る」

 

『待ってますね』

 

人前でバイクをスマホに戻すのは危険だと判断した。如何やらまだこの世界ではそこまで技術が発達していないようだ。いや、誰かが隠している可能性もあるが。

 

「いらっしゃいませ~」

 

俺は近くのコンビニに立ち寄り新聞を手に取る。表紙にはでかでかと『空間震』にて出た被害が載っていた。

 

「....こいつはまた厄介な...」

 

学生たちがこんな昼間から街中にいる理由が分かった。如何やら昨日あった空間震で学校が壊れてしまったらしい。

 

「今、あっちの商店街何だかすごいことになってるってよ。行ってみようぜ」

 

「おう」

 

「ん?」

 

コンビニから出ていく学生たちが如何やら商店街へ向かうらしい。取り敢えず今わかったことをミカに伝えつつ、その商店街に行ってみることにした。





ANOTHER ルートですが、このクロスオーバー編が終わり次第、投稿していこうと思っています。

それにまだジオウ編もありますからね。ジオウ編はジオウ本編が程よく進んだ頃に執筆する予定です。

この作品はまだまだ続きますので、これからもよろしくお願いします。


あ、感想お待ちしてます。

ではまた。


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商店街、散策コース

商店街に入る前に、人気のない路地に入りビルドフォンへと変形させる。

 

『面倒ですね』

 

「まぁ仕方がないかな。それにあの世界でも似たようなものだっただろう?」

 

以前、スキー合宿へ行こうとした際に巻き込まれた世界を思い出す。

 

あれは厄介だった。またエボルトと戦うとか、俺は二度としたくない。

 

「さてと、見て回りますか」

 

俺達は街へと足を進めた。この商店街、凄く賑わっているんだが。

 

『如何やらあのカップルを中心にこの賑わいを見せているようです』

 

「....みたいだな」

 

ミカに指摘されたカップルを見ると、中々初々しいデートをしているようだ。

 

「ん?おう兄ちゃん。ここらでは見ない顔だな?」

 

「今丁度旅行で来てるんですよ」

 

魚屋の店主に話しかけられた。

 

「そうかい。でもあまりこの街には観光出来そうな場所はねえと思うぞ?」

 

「バイクで日本一周を目指して各地を回ってるんです。今この街で大きな事件とかありました?」

 

「ああ、ここ最近頻繫に空間震が発生していてよ。昨日も高校が破壊されたんだよな」

 

新聞で見た内容と変わってはいない。

 

「だがな、俺はあの連中を見たことがねえんだよな」

 

店主は商店街の中心で福引抽選会を開いている一団を指差す。

 

「? どういうことですか?」

 

「俺はいつもここで店を開けているんだけどよ。あの連中は今日初めて見たんだ。それに、福引なんてこんな時期にはチケットすら配られていないんだぜ?」

 

「それは___」

 

俺が理由を聞こうとしたとき、大きな魔力を感じた。

 

『マスター、ここら一体に何かをされました』

 

「おじさん、大丈夫か!?」

 

目の前で目を回している魚屋の店主の両肩を大きく揺さぶる。

 

「ん、あ、ああ。悪い、何だか意識がもうろうとしてな...」

 

「で、あの一団は何者なんだ?」

 

「ん?あの連中は何時も福引抽選会を開いている奴らだ(・・・・・・・・・・・・・・・・)。中々いい奴らでな。一緒に飲むときは何時も奢ってもらっちまってる。ホントに感謝しなきゃいけない連中さ。」

 

「え....」

 

さっきまで見たことがないと言っていた一団を何時も飲む仲(・・・・・・)と話している。おかしい。あの魔力で洗脳されたか。

 

『マスター、こちらから魔力の発生原因を特定できそうにはありません』

 

「...ありがとう、おじさん。そこの鮎貰えるかな?」

 

「おう、何匹だ?」

 

「2匹」

 

「600円でいいぜ。ありがとな、また来てくれよ」

 

少しの氷と共にビニール袋に詰められた鮎2匹を持って商店街の散策へと戻る。

 

「あのカップルは?」

 

『見失ってしまいましたね』

 

取り敢えず鮎を家の冷蔵庫に転移させる。鮮度がかなり良かったからな。刺身でも食べられることだろう。

 

「取り敢えず、あの魔力の発生源を探すとしますか」

 

『了解、何時でも行けますよ』





ANOTHER ルートの内容を少しネタバレ。

vivid編から少しずつIFを加えたルートでお送りしていく予定です。

番外編に、TRUE ENDルートの続編を描いた作品を追々投稿させていただきます。


感想お待ちしています。

ではまた。


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デートはクライマックスへ

命は一人一つである。

これだけは皆平等であり、そして決して増えてはならない。

少女は大切な人を傷つけたことに絶望し、

もう一人の少女は怒った。

某神は自身に99ものライフを与えたが、それは良かったことなのだろうか?

その答えは誰もわからない。

でも一つ、私から言えることがある。

「もし一つでも命を奪ったら、戻れなくなってしまう」

かの優しき戦士が残した言葉である。

その言葉の意味を真に理解したことこそが、自分を見つめ直すきっかけになるだろう。

私は信じているのだよ。

かの仮面ライダーを。




日が傾き、夕日で辺りが明るく照らされる時間帯。

 

結局魔力の発生源は分からず、俺達は情報を集め直した。分かったのはこの世界には空間震と言われる災害が存在し、それを起こしている者がいる事。その者達を『精霊』と呼んでいるらしい。実際に精霊を狩る組織のホームページが何故か(・・・)制限なしで確認できてしまった。

 

『昨日の現界によって学校が破壊されて、精霊がその学校の生徒を襲っていたそうです。』

 

ミカさんのハイスペックを改めて理解しながらも戦兎はバイクを進めていく。今日はテントを張るつもりなのでその為に街の端にある自然公園を目指していた。

 

「夕飯何がいい?」

 

『そうですね.....そこのラーメン屋とか如何でしょう?』

 

賛成だと言いながら戦兎は信号を右に曲がった。

 

ラーメン屋は目の前だがここで彼らを耳に銃撃の音が聞こえた。それは実弾ではなく、エネルギー弾を放つときと似たものだった。

 

「ミカ!」

 

『魔力反応、この先の自然公園からです!』

 

戦兎は信号が変わると共にハンドルをきる。ラーメン屋からの焦がしニンニクの香りが風で断ち切られた。

 

 

_________________

 

 

「がはっ」

 

「シドー!?」

 

五河士道は地面に倒れていた。クラスメイトの鳶一折紙が見たこともないような啞然とした顔でこちらを見ているのが何となくだがわかる。

自身の脇腹から来る鋭い痛みで視界のピントは何処かに合わせることもできず、只々十香が自身の名前を呼んでいることしか理解できなかった。

 

肉が焼かれて消滅したからか、余り出血はしていないものの内臓の一部がなくなったことに変わりはない。気管が詰まっているわけでもないのに、声は既にほんの少ししか出ず、彼女に自身の想いを伝えることができない。

士道を襲っているのは、出血するとかそんなものでは決して感じることのない痛みだった。

 

「ま.....て......とお........か.......」

 

悲しそうに、そして苦しそうに剣を構える十香(プリンセス)の背中を見ていることすらできなかった。

 

耳に付けていたインカムからの音はノイズ混じり上手く聞こえない。

 

気を失った後、彼の傷からは怪しげな、そしてどこか優しい炎が顔を見せ始めていた。

 

 

________________

 

 

 

「ミカ、自然公園全体に結界を張ってくれ!」

 

『了解しました!少し発動に時間がかかります!』

 

街の人々にはあの銃声が聞こえなかったらしく、何時もの日常と変わらない生活を送っている。

 

『張るのにあと1分掛かります』

 

「分かった。被害の報告は!?」

 

信号が赤変わり、戦兎はブレーキを掛けた。幸い道を横断する人は居なかった。

 

「あぶねぇ...」

 

『数発のエネルギー弾を放ったのはASTの隊員ようですが何者かにエネルギー弾を壊されています。更にその何者かはかなりの魔力を持っているようです』

 

「精霊という可能性は?」

 

『あり得ます。まだ私たちが持っている情報はかなり少ないようです。』

 

「それさえ分かれば上出来さ。ミカ、この後現場に到着したら即ユニゾンするぞ」

 

『了解』

 

自然公園に突入さえ出来れば、何者の正体の確認と昼間の魔力の正体を知ることができるかもしれない。

 

戦兎は何処かその可能性に掛けていた。

 




お待たせしました。前書きは余り気にしないで下さい。

もう一度龍騎を見直した結果ですので。

さて、毎回恒例になってきたANOTHER ルートの情報公開なのですが...















今回はエボルトとグランディアが出会います!

更には、本当のラストを飾るに相応しいエンディングをこれまた複数用意させていただいております。

少し時間が掛かると思われますので、気長におまちいただけると幸いです。
(主に作者のテストが山のように今月末に詰まっているため)

感想お待ちしています。

ではまた。


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戦争はまだ始まったばかり

遂に始まりました!

『仮面ライダー!』『ジオウ!』

変身エフェクトカッコイイ!

初変身の手元が8:50を指しているのがまたイイ!

『RIDER TIME!』

まさにライダータイム!

投稿時間も10:10!

そして江戸時代からついてきたウォッチ。

運命は最初から定まっているのか!?

11月30日といえば『陰謀のセオリー』の後...雪降ってたんだな...




そしてゲイツ・ゴーストアーマーが召喚したゴーストの中にオレゴーストがいた...

やっぱりタケル殿は英雄なんだね。




五河士道は驚いていた。彼女を庇った際に自身の脇腹に空いたはずの穴が跡形もなくなくなっていたのだから。

 

「あ、あれ?傷は?」

 

『良いから士道!サッサとフラクシナスへ来なさい。十香の元まで送ってあげるわよ』

 

装着していたインカムから妹の琴理の声が聞こえた。士道の思考は一周回って冷静になっていた。

 

「ああ、頼む」

 

士道はフラクシナスへと転移する。だが、本人も気が付いていない事があった。

 

彼の顔は笑っていたのだ。それは言葉では言い表せないものであり、マスクで隠れて見えなかったエボルト(・・・・)の様だった。

 

 

______________

 

 

「ミカ!」

 

『はい!』

 

『「ユニゾン・イン!」』

 

自然公園の駐車場へ到着した。公園には一般人は誰もいない。その代わりにエネルギー弾と剣撃が弾幕の様に飛び交っている。

 

「あぶねぇ!?」

 

『このままでは結界も耐ちません!早急に彼女達を止める事をお勧めします!』

 

「分かった!」

 

戦兎はすぐさまビルドドライバーを装着する。だが、そこで気が付いてしまった。

 

「あれ?」

 

『どうされましたか?』

 

「フルボトルが、転移されてこないんだ」

 

普段、60本ものフルボトルを持ち歩くわけにも行かず、基本的に自宅の10連金庫の中から転移魔法で手元に呼び出しているのだが、一切転移魔法が発動する様子はない。

 

『...如何やらこの世界から私たちの世界へアクセスできなくなっているようです』

 

「どうなってるんだ?」

 

『原因不明、こちらで調べてみます』

 

「頼んだ!」

 

ミカが原因を調べている間に戦兎は公園の敷地内を走り回る。彼女たちに一番近づける場所を探すために。

 

「ここか、一番、高い...」

 

展望台を見つけ、そこへ繋がる階段を一気に駆け上がる。

 

駆け上がる間に視線を移せば戦い続ける二人の女の子が。だが片方は戦意喪失しているのかそこまで荒れた戦い方をしていない。基本的に精霊と思われる女の子の攻撃を交わしたりしているだけである。

 

「ミカ、原因は?」

 

『未だ不明です』

 

戦兎は階段を登り切り、すぐさま落下防止用の柵に手を掛ける。戦兎は思考を巡らせる。どうやって彼女たちを止めるかを。

 

「!? これって...」

 

『血だまりのようです。ついさっきまで体内にあったもののようです』

 

戦兎たちは辺りを見回したことで先程まで士道が倒れていた場所を見つける。そこに遺体はなく、只々血のみがあった。

 

『彼女たちの戦闘の理由はもしかしたら...』

 

「人が一人死んでいる...のか....」

 

尚更止めなければならない。これ以上誰かの血が流れたら彼女たちは今迄の生活に戻れなくなってしまう。

 

そんな時だった。

 

「とぉぉぉぉぉぉかぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

 

こうして、冒頭へと続く。

 





遂に冒頭に追いついた!そして様子がおかしい士道君。

いつものANOTHERルート!

今回公開するのはとある仮面ライダーの新フォーム!

ヒントは杖を折ることで地球を救ったあの人!


しかしこの小説では、マジで忠誠を誓う予定!


ではまた。


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五河士道の正体

サブタイトルから滲み出るネタバレ!

一体何者なのか!?



まぁ、気づいている方もいるでしょうがね。


「なんでさ.....」

 

いやはや、事情を知らないものは絶対にこういうだろう。空から落ちてきた少年が飛んでる女の子にキスしてるんだぜ?

 

『お似合いですね』

 

ミカさん、そう言ってやらないで。ほら、そこで啞然としたまま固まっているASTの隊員がいるから。

 

だけど、よかったのもここまでだった。

 

「お前はもう用済みだ」

 

この世界に居ないはずのアイツ(・・・)の声が、少年の口からでてきたのだから。

 

 

 

____________

 

 

「シドー?」

 

こいつの体を手に入れるのも、少し時間がかかったな。

 

「お前はもう用済みだ」

 

この体に備わっていた精霊の力を奪う能力は素晴らしい。既に俺は全身を消し飛ばされない限り死にはしないだろう。女の腹部に手を突っ込む。血を吐いてきたが気にしない。

 

「どうして....信じてたのに....」

 

「言ったはずだ。用済みだとな」

 

俺は手の中に小さなブラックホールを創り出す。それに女の体を吸わせ吸収する。

 

「ん?お前も丁度いい。飲まれておけ」

 

もう一人近くにいた女を吸収する。ああ、力がみなぎる。これでこの世界をも吸収したらどうなってしまうのだろう?

 

俺は精霊の力である霊衣を展開した。おや、体まで女のものに変わっちまったか。

 

「エボルトぉぉぉ!!!!!!!!!!!」

 

「ん?」

 

俺の名前を叫んでいる男を見つけた。

 

「どうしてこの世界にいる!!!!」

 

如何やら俺の事をよく知っているようだ。ああ、嬉しい....

 

戦兎に倒され、神を名乗るじじぃにこの体に入れられ、身動きも撮れなかった俺の事を知っている....

 

知りたい、もっとあの男の事を知りたい......

 

「感情があるのも、悪くないな」

 

これは俗に言う『愛』なのか?

 

分からない。知らない。でも、何となくだけどわかる....

 

「俺に、愛を教えてくれぇぇぇ!!!!!!!!」

 

この男は、俺の知らないことを知っている。

 

___________

 

 

エボルトの奴が男の子の体を乗っ取った。しかもそのまま精霊達も吸収し、パワーアップまでしてしまった。

 

「俺に、愛を教えてくれぇぇぇ!!!!!!!!」

 

変身できない俺は現在結界内を逃走中である。後ろを振り向けば、複数のブラックホールと剣撃が飛び交う魔境と化していた。

 

「俺の物になれ.....俺にその感情を教えろぉぉぉ!!!!!!!」

 

顔を見れば綺麗な髪と色白な肌が見えるのだが、肝心の目から光が完全に消えている。

 

怖い。怖すぎる。

 

『このままでは結界も耐ません。一度撤退する事をお勧めしますが...』

 

「転移魔法が使えないんだろ!...エニグマなら、どうだ!?」

 

『....世界を転移する事は出来ませんが、近場なら行けそうです』

 

「良し!エニグマ、起動!」

 

俺はすぐさまエニグマを起動させ、ゲートを開く。その先にあるものには目もくれず逃げることだけに集中する。

 

「うわぁ!!!」

 

ゲートを越えた先で段差に引っ掛かりこけてしまう。逃げ疲れたからか両足の筋肉が悲鳴を上げている。

 

「アンタ、何者?」

 

「へ?」

 

声がしたから顔を上げれば、赤髮のツインテールが目の前にいた。

 

 

 




五河士道  転生者

神にエボルトの力を望んだが、代わりに前世の記憶を全て失ってしまった。

戦兎がこの世界に来たことにより目覚めたエボルトに体を乗っ取られた。


エボルト

感情を手に入れた後のエボルト。女の体になった為に歪んだ愛という感情を抱くようになってしまった。理由は吸収した鳶一折紙にある。

その姿は詩織の体に十香の霊衣をまとったもので、片手でサンダルフォンを振り回す。


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終わりのない戦い

因縁はどこまでも

世界を越えてさえ続く。


「えっと....」

 

よく辺りを見渡せばここはどこかの船の中らしい。でもアースラとかよりも小さい気がする。

 

「ねぇ、聞いてるの?」

 

「ああ、ごめん。俺は桐生戦兎」

 

しまった、内部を見渡してしまった。

 

「戦兎ね。ようこそラタトスクへ、歓迎するわ」

 

その言葉と表情からは一切歓迎しているようには思えなかった。明らかに話を聞かせろという顔をしている。

 

「情報交換と行こうぜ、ミカ」

 

『はい、マスター』

 

ユニゾンを解除する。走り続けたせいか疲労が一気に襲ってきてしまい、俺はバランスを崩してしまう。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ」

 

ミカがいきなり人型になったものだからラタトスクの皆が驚いてしまっている。

 

「...まぁいいわ。さっさと話を聞かせなさい。」

 

「その前に名前を教えてくれ」

 

「五河琴理」

 

俺は自分が異世界から来た事と琴理の兄である士道の体を乗っ取った者に付いて話した。

 

________

 

「エボルト、ね....」

 

「ああ。この世界には居ないと思っていたんだがな...」

 

ある程度話し終わった頃に、斬撃がフラクシナスに当たり揺れる。

 

「まずいわね...どうにかしてそのフルボトルを転移させられないの?」

 

「...誰かが霊力を持っていれば、可能かもしれない。でも、それには沢山の霊力がいる。精霊の様な強大なものが...」

 

俺はエニグマを組み合わせた簡易転移装置を創り上げたが、それを起動させるにはどうしても霊力が必要だと言う。

 

「....精霊程の霊力が必要なのね?それで士道を救えるのね?」

 

「ああ。でも...」

 

「わかったわ。私が(・・)どうにかする」

 

そう言って琴理は席から立ち上がりすぐさま炎に包まれる。

 

「言ってなかったわね。私も精霊なの」

 

「.....この際それについては聞かないぞ。頼んだぞ」

 

琴理が精霊なのには幾つかの理由があるだろうが、それを今聞いている場合ではない。既に結界も崩壊寸前、フラクシナスのバリアも突破される事もあるくらいだ。

 

「________!」

 

ゲートが開いたのを見た俺はそこに腕を突っ込む。ボトルがある事を確認すると、取れるだけ回収する。

 

「は、早くしなさい!あまり長くは耐たないわよ!」

 

琴理の声を聴きながらも最後のボトルに手を伸ばす。

 

「もう、限界よ!」

 

すぐさま手をゲートから引き抜く。それと同時にゲートも閉じた。

 

「これで戦える。ありがとう、琴理。」

 

「良いからそれで士道を救ってきなさい」

 

肩で息をする琴理に礼をいい、俺はボトルを持って転送装置へと走る。

 

「転移をお願いします!」

 

到着と同時に空中へ投げ出された俺はジーニアスボトルを起動させる。

 

『グレイト!』『オールイェイ!』

 

『ジーニアス』

 

装着したままだったベルトにセットし、ハンドルを回す。

 

プラントライドビルダーGNが展開されるが、そのまま空中で制止する。

 

『イェイ!』『イェイ!』

 

60本のエンプティボトルが空中を舞う。それはライドビルダーが展開したリフトに乗ってそのまま落下している俺の周りを囲む。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

白いボディに身を包み、すぐさまボトルが全身にセットされる。

 

『完全無欠のボトルヤロー!』『ビルドジーニアス!』

 

『フルボトルバスター』

 

「おりゃあアアアアアアアア!!!!!!!!」

 

召喚したバスターで士道(エボルト)へ攻撃を仕掛けるが、大剣で防がれてしまう。

 

「待っていたぞ...俺のものに、なれぇェェェ!!!!!!!!!!!」

 

そのまま弾き飛ばされバスターを落としてしまうが、そんなことを気にしている時間をくれる相手でもない。俺はすぐさま右羽と左ウィングを展開してその場を離れる。

 

「タカとジェットの羽が同時に使えてよかった...」

 

ミカが仮説を立てていたことが成功して良かった。もしできなかったら俺だけでは飛べるエボルトの相手をするのは厳しかっただろう。

 

「!あぶねっ!」

 

飛んできた斬撃を交わし、そのまま急降下して地面に突き刺さったフルボトルバスターへと手を伸ばす。

 

「俺以外に興味を持つなぁぁぁ!!!!!!」

 

でもそれをエボルトは複数の斬撃で邪魔してくる。流石にこの量を初めての飛行で交わしきれるわけがなく俺は斬撃を受けて落下してしまう。

 

「がはっ!!!」

 

「...なぁ、何で俺の事を知っているんだ?この世界には仮面ライダーはいないはずだろぅ?」

 

エボルトがそんなことを聞いてくる。そンなことは俺が聞きたいくらいだというのに。

 

「はぁ...はぁ...それじゃあお前は...ぐっ...なんでこの世界にいるんだ?」

 

立ち上がりながら左腕が使い物にならない事を確認する。幸い痛みはないが...このエボルトに勝てるかどうかが心配になってきた。

 

「...俺はこいつの勝手な事でこの体に入れられた。出てくることもできず、只々俺は眠っていた。だが、お前が来てからだ。俺は目が覚めた。この身体を乗っ取れた。そしてお前は、俺を知っていた。だから俺は...お前を一つになりたい(吸収したい)

 

「......」

 

狂っている。それだけはわかった。このエボルトが何者か知らないが、こいつは生かしては置けない。必ず、この世界を破壊する。それだけは確信できた。

 

「...もう、耐えられない...お前を、吸収させろぉぉおぉぉ!!!!!!!!!!!」

 

巨大なブラックホールを起こしたエボルト。俺はフルボトルバスターを右肩に担ぎながら言い放つ。

 

「さぁ、実験(デート)を始めようか?」

 




女の子になったエボルトさんは、

きっとヤンデレになると思うんだ。

しかも相手も吸収して永遠に別れのない存在になろうとすると思うんだ。

で、生まれたのがこれね。


エボルト「お前が欲しい」

戦兎「ええー」




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ヤンデレ精霊宇宙人「えぼると」

動くのは右腕のみ。左腕を治せる時間は、無い。

 

エボルトは結界の張られたエリア全体を吸い込む事が出来る程のブラックホールを創り出している。

 

片手で扱える武器は呼び出している間に攻撃される可能性がある...

 

打つ手なし...いや、きっと何かがあるはずだ...考えろ...この状況を覆せる方法を...

 

「後、少し...」

 

エボルトの創り上げたブラックホールは結界の壁を伝う様に広がっていく...まさか!

 

「ミカ!今すぐにフラクシナスを転移しろ!」

 

『は、はい!』

 

結界維持にフラクシナスの霊力を少し使っていた為に、そのままフラクシナスが転移されたのを確認する。

 

このブラックホールは、俺を逃がさないようにする為のもの...俺がここから逃げ出せばこの街に、その世界に何が起こるか分からない。

 

結界の上からブラックホールが張られた。これで俺とエボルトだけがこの中にいることになる。でもアイツは吸い込まれてもいいのに対して俺が飲まれたら吸収という状況だ。

 

「圧倒的に、不利ってか...」

 

「どうした?諦めて俺の物になることにしたか?」

 

俺はフルボトルバスターをバスターキャノンモードに変形させて片手で構える。

 

「まさか!勝利の法則が決まっただけだよ!」

 

単なるハッタリに過ぎない。勝てる見込みなんてまだ考えついていない。でも、勝たなきゃいけない。

 

この怪物(悪魔)をこの結界の外に出したら、この世界が終わってしまう。

 

だから、戦える自分がどうにかしなくちゃいけないんだ。

 

俺はフルボトルバスターのトリガーを引き、エネルギー弾を放つ。

 

____________

 

 

「あ、ああ、ああああ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

俺の中に、ビルド(アイツ)の力が入ってくる...嬉しい、嬉しいああ、あいつそのものを取り込んだら、俺はどうなってしまうんだろう?

 

「エネルギー弾さえも吸収できるってか!」

 

剣が邪魔だな...捨てちゃえ

 

「正解♪」

 

ここまで俺にさせたんだ。だから...

 

「うぐぅ!?」

 

こんなもの(・・・・・)は邪魔でしかない。

 

 

___________

 

 

何!?さっきまで本気じゃなかったのか!?

 

俺はエボルトに捕まって、身体からビルドドライバーをはぎ取られた。

 

「がはっ」

 

「そうだ。これだ、これなんだよ」

 

エボルトはビルドドライバーを捨てた(・・・)。それはそのままブラックホールへと吸い込まれていった。

 

ビルドドライバーを持っていた方の手が俺の髪に触れる。

 

「この髪も、耳も口も目も...お前の身体全てが俺の物だ...絶対に誰にも渡さない...」

 

至近距離でエボルトの顔を、その目を見てしまう。

 

「____!!!!!!」

 

「逃げようとしても無駄だぞ?」

 

可愛げに聞こえる言葉は、音だけのもので俺は抱きつかれたエボルトを振り払おうと必死だった。

 

怖かったのだ。底が見えない、あの目に自分が映り込み続けるのすら...こいつから、直ぐに離れないと!

 

「離せ!離せぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」

 

「いいよ、離してやるよ」

 

「え?」

 

俺はすっかり忘れていたのだ。ここがブラックホールで包まれた空間(結界の中)だったことを。

 

「うああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」

 

「ようやく一つになれる...これでこの世界を破壊できる___」

 

最後に聞こえた声は、やはりあいつがエボルトである現実を俺に叩き付けてきた。

 




サブタイトル、「えぼたん」でも良かった気がする...

吸収されてしまった戦兎。

目的を果たして次なるターゲットを定めたエボルト。

マスターの反応が消失したミカさんが_______






ではまた。


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誰かの記憶

※この先、『デート・ア・ライブ』本編のネタバレがあります。ご注意ください。



それでも良い方はどうぞ。


「ん...」

 

エボルトは手をかざすことでブラックホールを全て消滅させる。彼女の本来の目的は達成された。

 

「次は世界を...力が流れてこない?」

 

だが吸収したはずの戦兎から得られるはずのものが流れてこない。

 

「....まだ、抵抗しているのか...」

 

エボルトは完全に吸収する為にその場で目を閉じて動かなくなった。

 

 

_____________

 

 

「....頭、痛い...」

 

戦兎は酷い頭痛を感じながらも、その場に立ち上がる。

 

「ここは...天宮市?」

 

辺りを見渡せばそこは訪れたばかりの天宮市だった。だが、戦兎以外は全て白黒で出来上がっていた。

 

「確か...エボルトに吸収されて...」

 

誰もいないはずの街に声が響く。

 

「ほら、こっちだ!」

 

「ま、待って...」

 

たった二人だけ、少年が少女の手を引いて走ってくる。

 

「誰だ?」

 

戦兎の真横を通過していった彼らには戦兎の声は聞こえていないのか、そのまま素通りされてしまう。

 

「...一体、どうなっているんだ?」

 

その言葉すら、誰の耳にも通ることはなかった。

 

しばらくすれば、辺りは薄く色づいていく。戦兎の周りの景色が変わる。

 

「おにーちゃん、まだ?」

 

「もうすぐ焼けるからな。ほら、お待たせ」

 

「わ~い!ハンバーグ!」

 

そこは幼い琴理とその兄の姿があった。

 

「...ここは、五河士道の記憶の中か..」

 

今迄見てきたものから戦兎はその予想に辿り着く。だが、疑問は有った。

 

「さっきの男の子は一体?」

 

その答えが得られる時間もないままに再び景色が変わる。今度は、空の一部を除いて色を失っていた。

 

青空で色の抜けた雲が流れる中、大きな音が響く。ブレーキを咄嗟に掛けた音だった。

 

「人がホームに落ちたぞ!」

 

「もう手遅れだ!」

 

「う、うわあああああああああああああ!!!!!!!!」

 

「きゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

駅のホームに、悲鳴が響く。既にパニックに陥った人々は只々自身の携帯電話を触り始める。

 

「なんだよ...これ....」

 

戦兎は隣りに立っている人物に気が付いた。その人物は先程ホームから落下したスーツを着た人物だった。

 

「俺...死んだのか?なぁ、アンタ。俺が見えているんだろ?教えてくれよ....さっきホームから落ちたのは誰なんだ(・・・・・・・・・・・・・・)!!??」

 

戦兎はその口を開くことが出来なかった。理由は分からない。だが身体がゆう事を聞いてくれなかったのだ。

 

「...折角、夢の始まりに、到達したっていうのによ....あんまりだぁ!!!!!!」

 

その人物は白黒の世界から消し飛ばされた。戦兎の体には彼のものと思われる血が付着した。

 

そして、事故があった駅では何時も通りの運行が始まった。それはそこで誰も死んでいないかのように。

 

世界は暗転し、再び世界は白い色を手に入れた。

 

戦兎は口が動かなくなってから、只々それを見ていることしか出来なかった。

 

ある少女は、目の前で両親を焼き払われた。

 

ある少女は、只々暗闇にいた。

 

その内戦兎は、考えるのをやめていた。気がつけば、見覚えのある場所にいた。

 

戦兎は動かすことを忘れかけていた右手をそのドアノブへと伸ばし、捻る。

 

花畑へと繋がったのは、佐野巧(桐生戦兎)の部屋だったはずの扉だった。

 

「全く、遅いぞ。今迄何やってたんだ?」

 

「へ?」

 

隣で原っぱに寝転がる龍斗からの問いで戦兎は我へと返った。

 

「あ、ああ。何だか長い間とても苦しい夢を見ていた気がするんだ...」

 

「....なぁ、それってこんな感じか?」

 

龍斗の声で原っぱ、この世界から色が失われていく。戦兎は直ぐに立ち上がり龍斗から距離を取ろうとする。

 

だが、それは叶わない。何故なら戦兎の身体は既に自身の足から闇に飲まれていたのだ。

 

「___________!!!!!」

 

誰にも、戦兎の声は聞こえない。それでも戦兎は飲まれた闇の中で逃げ回った。

 

捕まればきっと完全に吸収されてしまうであろう漆黒から。

 

________

 

 

「...ビルドの反応が、ロストしました...」

 

ミカによって結界外に転移されたフラクシナスには、沈黙が流れる。

 

「...まだ、マスターは生きています」

 

『!!!』

 

その沈黙を破ったのはビルドの仲間であるミカだった。彼女がそれを確信したのは、戦兎の反応がおかしな消え方をしたことにあった。

 

「どうして、なの?」

 

まだ完全に回復していない琴理は、自身の副官である神無月を椅子にしながらもミカへと疑問を投げる。

 

「そのシステムで確認できるのは霊力反応ですが、私には生命反応を確認する事ができます。それが点滅しているのです」

 

「つまり...」

 

「マスターの反応は途切れておりません。きっと、エボルトの中で未だに戦い続けているのでしょう」

 

「だから」とミカは続けてフラクシナスメンバーに話す。

 

 

 

 

「私はマスターの事を諦めるつもりはありません。皆様の力を貸して下さい」

 

 

 

 

 

全員がミカが張った結界の維持に全力を注いだ。





お待たせしました。

今回は、エボルトに取り込まれた五河士道とその前世×2と短く鳶一折紙と夜刀神十香(過去がまだ明かされていないので作者の想像です)の過去を巡り、自らも自身の過去へと飲まれていくというものでした。

これに飲まれれば、本当の意味で吸収されたことになります。

勿論戦兎以外は既に____



後何話でクロスオーバー編終わらせられるかな?


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記憶が無くても

今回はしっかりとした解説が必要かもしれません。


戦兎は先の見えない道を、自身の記憶の中を走った。

 

今ここがいつの時代の想い出かもわからないまま、追いかけてくる漆黒から逃げ回る。

 

声は出ない。だから只々逃げ続ける。何時しか全てが飲まれるとわかっていても。僅かな希望を抱きながら。

 

「....まだ、飲まれていなかったとはな」

 

「!?」

 

漆黒からかなり距離を取った頃、戦兎の目の前にエボルトが現れる。その姿は先程まで対峙していたものと変わらない。

 

「さっさと、俺の物になれ...」

 

戦兎はすぐさま走り出す。先程まで立っていた場所からは漆黒があふれ始めている。

 

その様子を見ながらも距離を置こうとする戦兎へとエボルトはすぐさま飛びついた。

 

そのせいで倒れてしまった戦兎は背中のエボルトを払いのけて漆黒から逃げようと試みるが、両手足を絡め取られてしまい動けなくなってしまう。

 

「このまま、俺と一緒に闇に飲まれよう?そうすれば、もう苦しむことなんてない...」

 

エボルトの声が直接脳に響いているような感覚に襲われながらも、余り拘束されなかった右手を伸ばす。

 

「そのまま眠れ...それだけで全ては終わる...」

 

エボルトと共に漆黒に身体が飲まれていく。だが戦兎は右手を伸ばし続けた。そこに何があるわけでもない。永遠続く闇に向かって手を伸ばしたのだ。

 

そこに忘れかけていた、ベルトがあると信じて。

 

___________

 

 

「ん、はああああぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

エボルトは全身を震わせながら、何処かくねくねしながら自身を抱きしめるようにして空中で丸くなる。

 

意識だけの戦兎を自ら吸収したのだ。その達成感と快感が、彼女を同時に襲っていた。

 

「...名残惜しい。それよりもこの結界をどうにかしなければ...」

 

既にこの世界に存在価値がないと判断したエボルトは、次の世界()を滅ぼす為の前座としてこの世界を破壊する事にした。だがこの結界の中ではエボルトは自身の溢れんばかりの力を使うことは出来ない。もし使ってしまえば、先程吸収した戦兎を完全に消滅させてしまうかもしれないからだ。

 

「待っていろ...お前は何度でも吸収してやるからな」

 

自身の腹をさすり、中にいる戦兎へ向けてそんな言葉を送る。

 

『それは遠慮しておくよ、エボルト』

 

「! バカな!? 先ほど完全に吸収したはず...」

 

自身の中から聞こえる戦兎の声に驚きを隠せないエボルトはすぐさま意識を自身の奥深くへと送ろうとするが、阻まれてしまう。

 

『ここから出させてもらうぞ!』

 

「やめろ...やめて....やめてよ....折角...」

 

『どりゃあああああ!!!!」

 

「一つになれたのにぃぃぃ!!!!!!!!」

 

背中に強制的に開けられたブラックホールをズタズタに切り裂きながらビルド(戦兎)が出て来る。

 

「なんで...どうしてだ...!?」

 

内側からの攻撃を喰らったことのないエボルトは、背中から溢れ出る血を結晶体で固めながら戦兎へ問い掛ける。

 

「お前は折角のチャンスを逃したんだ。お前が俺からもぎ取ったベルトは完全に吸収できず、そのままあの漆黒の中に残っていた。それを使って出てきただけだ」

 

そう、戦兎は伸ばしていた右手で奇跡的にベルトを掴んだのだ。もし掴むことが出来なければ今頃エボルトによって可愛がられていたこと(吸収と絶望の無限ループ)だろう。

 

「そんな...あの時の...万丈(・・)の時と同じだっていうのか!?」

 

「ん~、俺はそれを知らないからな。それに、俺の相棒は...」

 

ビルドの姿が消え、エボルトはすぐさまブラックホールを展開するもすでに遅し。

 

『スピーディージャンパー!』『ラビットラビット』

 

「万丈龍斗(・・)だ!!!」

 

背中に出来た結晶ごと背中に生えていた翼を切り裂かれる。エボルトはそのまま落下し、地面に突撃する。

 

「何故だ...?傷が癒え...ない..」

 

「当たり前だろうが」

 

戦兎はゆっくりと落下しながらボトルをバスターにセットする。

 

『ラビット』『タンク』

 

『ジャストマッチで~す!』

 

「その力は琴理が(士道)の為に託したものなんだ!お前がそう易々と使っていいものじゃない!!!」

 

ビルドはバスターブレードを構えたまま落下する。

エボルトもそれを黙って食らうわけにもいかず、すぐさま大剣を召喚する。

 

『ジャストマッチ・ブレイク!』

 

「ああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

だが、召喚した大剣はその一撃を受け止められずその刀身を半分も行かないほどのものに変えられた。

止まらないバスターブレードはそのままエボルトを切りつけた。

 

「お前には、同情なんてしない...お前をあいつ(・・・)とは思わない!!!」

 

地面に突き刺さったバスターを蹴り上げ更にエボルトの額にバスターを直撃させる。

戦兎は吸収されたことで曖昧になった記憶を、士道たちを助け出すために蹴り上げたバスターを握り直した。




補足


漆黒に飲まれた記憶はエボルトのエネルギーとして吸収されます。そして身体(意識)が飲まれるとその力全てをエボルトは吸収する事ができます。

漆黒に一時的にでも飲まれれば一部の記憶を失います。今の戦兎が持っているのは、エボルトと戦った記憶と、ここ最近の記憶、漆黒に追いかけられるまで見ていた士道たちの記憶のみです。


戦兎がここまで容赦なくバスターを振り下ろしたのは、士道と琴理の過去(琴理の精霊化)を見せられ、兄を救うために自分の力を封じた琴理の力をただの治癒能力だと思っているエボルトに対して怒ったからです。


※感想と共に質問を交えて感想を送って頂けると、返事を返させて頂きます。










間もなくテストが近づいてくるので、投稿が止まる事があります。ですが、10月中旬には投稿を再開しますので失脚はしませんので、お待ち頂けると幸いです。


ではまた


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決戦の(つるぎ)

※グロ注意。



やっちまったものは仕方がない。



それでは本編をどうぞ。


もう一度バスターブレードを振り下ろす。それはエボルトが左手を犠牲にする事で受け止められる。エボルトの左手からは血は流れ、他の傷は結晶体となって固形化している。だが、一度結晶体を砕かれた背中には結晶体を再び形成することは出来なかった。

受け止めると同時に結晶体で再構成した羽を広げて空へとエボルトは逃走をはかった。

 

「逃がすかよォ!」

 

ビルドは逃がすつもりはない。それよりも背中を見せてしまったエボルトに対してバスターキャノンを向けてトリガーを引いた。放たれた一撃は、天に羽ばたく天使モドキを墜落させた。

 

「俺の、俺達(・・)の記憶を、返せ!!!」

 

落下したエボルトに向けて何の躊躇いもなく武器を振り下ろす。

戦兎は取り込まれている間に、見てしまったのだ。助けてと叫ぶ女の子を。それは想像以上に幼い頃のことだった。まだ未来がある彼女達の物語を、こんな狂った奴のせいで終わらせるわけにはいかない。

 

「あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

『タンクタンク!』『ツエーイ!』

 

両手足を切り落とし結晶化したら再び切り落とす。喋れないように喉元に刃を当て切り裂く。タンクタンクのパワーでトドメを刺そうとした時だった。

 

「がっ!?」

 

タンクタンクが吹き飛ばされたのだ。その理由は、戦兎が回収できてないものにあった。

 

「やっぱり残ってたか...」

 

エボルトは結晶体を全身に創り上げ、しばらくすればそれは全て砕け散る。それはエボルトの得た治癒能力であり、叩き切ったはずの手足が綺麗な状態で現れた。

 

「...なぁ、教えてくれよ。何が気に食わなかったんだ?」

 

エボルトはそう問いかけてくるが、戦兎は答えない。わかり切っていることなのだ。これくらいはこいつだって知っているのだと。

 

「俺の物になってはくれないのか?不便なんてないのに...苦しみも、悲しみも、絶望もない。あるのは心が壊れることだけなのに、か?」

 

「...俺には不便なんだよ。俺には、大切な人達が待っている。お前なんかに付き合っている暇なんてない。」

 

バスターブレードを何時でも攻撃を受け流せるように構え直す。

 

「やっぱり、俺は...お前が好きだ。ここまでしても折れない心が好きだ。でも、それ(大切な人達)が気に食わない。ズルい、ズルいズルいズルいズルいズルいズルいぃぃぃ!!!!!!!!!」

 

エボルトは戦兎だけを欲していたのだ。既に吸収した鳶一折紙の影響は狂った方向へその人格を変化させ始めていた。

 

()はお前が、お前さえいてくれれば、この世界なんて要らない!その為に、精霊を....あれ?」

 

召喚したはずのデュランダルはグリップを握られる事なく地面に突き刺さる。両手で顔を抑え混乱し続けるエボルトはもがき続ける。

 

「俺は!()は!あ、アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」

 

戦兎はその様子を見ながらも攻撃に備えるがそこで気が付いてしまった。彼女の結晶で出来上がった羽に虹色が混じり始めている事に。それは戦兎が回収出来なかったジーニアスボトルの成分を吸収し始めた証拠であった。

 

「.........」

 

『ラビット』『ドラゴン』『ロボット』

 

『ミラクルマッチで~す!』

 

ビルドはバスターにフルボトルをセットして地面に突き刺し、別のフルフルボトルで姿を変える。

 

『不死身のディスティニーソルジャー!』『ツインフェニックス!』

 

そして一本のボトルをホルダーから取り外す。それはあの日(完全消滅)から必ずベルトのホルダーにセットしていたボトルだった。

 

『仮面ライダー』『アルティメットマッチで~す!』

 

それをバスターにセットしグリップを稼働させてから地面から引き抜く。そのまま刺さっていたデュランダルも引き抜いた。

羽を広げて一気に炎に身を包み、そのままエボルトへ向けて向かっていく。既に彼女の羽は大半が変色しており、残り時間が僅かである事を表していた。

 

「...このまま、逝ってくれ.....」

 

『アルティメットマッチ・ブレイク!』

 

全身、刀身共に炎に包まれたままエボルトの横を通りずぎる。

 

炎が散り、後ろを向けば、エボルトは泣いていた。

 

「嫌、また一人は、お前がいないところなんて、嫌だ!」

 

戦兎はデュランダルを投げ、そのまま片翼を切り落とした。

 

「返してもらうぞ。お前の奪った大切なものを」

 

「あ、ああ....」

 

エボルトはそのまま地面へと落下していった。




彼女は取り込んだ依存した心をえてしまった事で暴走してしまった。
更にジーニアスボトルを完全に吸収したら、彼女を止めることが出来る者はいなかっただろう。

次回、『明日』


ではまた。


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明日

「なぁミカ。俺達は何でここにいるんだ?」

 

『私も思い出せません。ですが、大切な何かがあった気がします』

 

戦兎達は街の展望台で佇んでいた。彼らには2日程の記憶がないのだ。

 

「...取り敢えず葛城さんの所に行くか」

 

『そうですね』

 

その進路を研究所へと決めた彼らはその足を進めた。

 

__________

 

 

「良かった....ホントに良かった...!」

 

ビルドが行った一撃によってエボルトは切り裂かれ、地面に落下すると同時にその姿を吸収された3人に戻ったのだ。

 

「マスター、ご無事で何よりです」

 

「ミカも結界維持お疲れ様」

 

既に公園の修復は終わり、この世界に平和が訪れた。でも、あと少しだけ残っている。

 

「なぁ琴理。こいつをどうする?」

 

「それの処分は任せるわ。このことは上に報告しないことにしたから、書類を作り直さなきゃいけないの。

それよりもアンタ達はどうするのよ?」

 

戦兎がボトルを見せるが、琴理は既に目的を達成したために気が抜けてしまっている。初めての戦争(デート)がここまで大事になってしまったのだ。仕方がないことだろう。

 

「琴理、安心しているところ悪いのだが、時間がないようだ」

 

「え?」

 

令音の指摘で戦兎達の体が消えかかっていることに気がいた。

 

「なんで!?どうして...」

 

「あ~、俺の推測なんだが...」

 

この世界にきたのはエニグマに表示されたためであり、その目的もこの世界で生まれたエボルトを倒すことだった。以前の様にエボルトを封印されたボトルが消滅を始めている。

 

「つまり俺達の役目は終わったみたいだ」

 

「...何よそれ...私たちは、何もできてないじゃない...」

 

琴理の気が沈む。それでも戦兎は声を掛けた。それは、彼らの記憶を見たからこその言葉だった。

 

「士道をちゃんと支えてやれよ。彼は君の事を本当に大切に思ってるみたいだからな。」

 

「...最後に言うことがそれって」

 

「お世話になりました!またな!」

 

そう言って戦兎は消えていく。残された琴理達は、それぞれの仕事に戻っていく。

 

「...私たちだけの約束よ。エボルトっていう、とんでもない生命体が精霊以外にもこの世界にもいるって事を」

 

 

________________

 

 

「ただいまー」

 

「お・か・え・り!!!」

 

「ほげっ!?」

 

『またですか...』

 

戦兎達は研究所によった後、自宅に帰ってきていた。

 

「そう言えば、一体どこに行ってたん?」

 

「それがさ...」

 

彼らの記憶の中に、今回の冒険の記録はない。あの世界に持ち込んだこの世界の物は全て戻ってきている。いつも通りに冷蔵庫に手をかけて戦兎は扉を開ける。

 

「あれ?はやてちゃ~ん!鮎なんて買ったかい?」

 

「い~や、買ってないで~」

 

あの世界にはこの世界の物が存在し続けることは出来なかったが、あの世界からの持ち込みは可能だったのだ。

 

「鮎がに2匹と....!?」

 

戦兎は記憶がなくても、今迄闘ってきたことで感じられることがあった。これが本物(・・)だってことに

 

「ハハハ....マジかよ...」

 

その言葉の理由は魚と共に袋に入っていた紙に書かれていたことにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お買い上げありがとな。軽く塩を振って焼くとうまいぜ。

 

  またのご利用を待ちしてるからな?

 

            チャオ♪

            

              エボルト』

 

 

 

 





あと一話で残りを描きます。

さて、あの魚屋の店主がエボルトだと思っていた人はいるのかな?

ではまた。


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忘れ物

本日2話目!





※デート・ア・ライブ本編のネタバレ注意






それでも良い方はどうぞ。


「フム...」

 

ラタトスクに所属し、フラクシナスメンバーの中で琴理の次に士道とよく会う人物、村雨令音は纏めた書類を自身の記憶にしっかりと残した後、全て処分していた。

 

戦兎達が元の世界に戻ったと同時に、世界には修正が入った。彼らが来た、彼らが出会った人、そして士道の暴走。そのすべてが無かった事にされたのだ。それも、世界そのものから。

 

「シンの中にいたエボルトは消えた。これで私の計画も____」

 

記録映像を確認すれば、精霊(十香)の霊力がしっかりと封印(吸収)された事がハッキリとわかる。琴理が引き出した霊力は、士道の中に戻っている。戻っているよりも、引き出した事が無かった事(・・・・・)にされたのだから。

 

「...全く、先は長いね」

 

彼女は決して諦めない。自分自身の目的のために。沢山犠牲になってしまった者達の為に。

必ず()に会うために。

 

今日も彼を想いながら目を閉じる。決して眠れなくでも、それで彼を感じられるのだから。

 

 

 

_____________

 

 

「なぁ琴理。昨日の数分の記憶がないんだが...」

 

「奇遇ね。私もよ。それだけじゃない。この世界そのものから昨日の数分が切り取られているみたいなの」

 

世界はあの事をなかったことにするために数分の時間を切り取った。後に『空白の数分間』と呼ばれるその時間にあったことは全て記録に残ることはなかった。

 

「まぁ、考えていても仕方がない。今日の夕飯を買いに行くぞ。何がいい?」

 

「そうね...十香もまだ食べたことがない物がいいかも知れないわね」

 

「なら、魚なんてどうだ?今日は鮎が安いみたいなんだ」

 

「本人に聞いてみましょ」

 

消えたはずの記憶を、しっかりと覚えているものもいるのだが。

 

「いらっしゃい!今日は何にする?」

 

「鮎を三匹!」

 

「おう、三匹な!」

 

この男、この世界のエボルトもその人である。

 

「そら、600円だ」

 

士道は琴理と十香が3件ほど離れた駄菓子屋に向かっている間に買い物を済ませようとする。

 

「ピッタリだな。兄ちゃん、ついでにコーヒー飲んでくか?」

 

「魚屋でコーヒーって...オッサン就いた職間違えたんじゃないか?」

 

「いいじゃねえかコーヒー。俺結構好きなんだぜ?でもよ...」

 

600円を受け取った店主は近くの机に置いてあったカップを口へ運ぶ。

 

「なんでか不味いんだよな~」

 

「あ、何となくわかる。俺もコーヒー淹れるのだけ(・・)は苦手なんだよな~」

 

「シド~~!」

 

「お兄ちゃ~ん、これ買って~!」

 

「っと、呼ばれてるみたいだ。また来るよ」

 

「ありがとうな~」

 

士道が去っていくのを目尻で確認しながらも店主はコーヒーを入れ直す。

 

「やっぱダメか...仕方がない。今日もマスターのとこに行くかね」

 

いくらコーヒーが好きでも、入れても不味いものしか出来上がらないエボルトは取り敢えず彼の行く末を見続けることにした。

 

「チャオ♪」

 

 




補足

士道の中にいたエボルトがこの世界から居なくなったことで、起きた事件が無かった事にされた。それと同時に、戦兎達がこの街に来たこともなかったことになった。その為に世界が時間を削り取ったのだ。
それを知る者はこの世界のエボルトと■■■■のみである。

因みにこの世界のエボルトは店主の体に擬態して、地球生活を満喫している。

「やっぱり不味くなっちまうんだよな...」

「もう少し蒸らしてみますか?」

「そうだなぁ...マスター、もう一杯頼めるか?」

「ええ、勿論ですよ」

行きつけの喫茶でいつものコーヒーを飲む姿がよく目撃されるくらいには。

______________


これにてクロスオーバー編完結です!

いやはや、どうやって物語を混ぜようか考えているとそう言えば使えそうなタグが...と思い出すとやはり「転生者」というものがありまして...

で、精霊の数も考えると...初めての『十香デッドエンド』を使うかなっとなりましてそのまま士道君を転生者にしたら特典何がいいかな?と考えた結果がビルド本編で戦兎達に倒されて新世界の誕生に使われたエボルトに吸収能力だけを残して中に潜んでもらうことにしました。

するとどうでしょう?
折紙さん(依存系ヒロイン)と十香(ほぼ無知)、士道(前世と前々世)を吸収してとんでもヒロイン?が完成してしまいました。

自分でもビックリですよ...


さて、このくらいでクロスオーバー編の裏話は置いといて、次に進む物語なのですが...



























ANOTHERルートを投稿していこうと思います!!!

いや~ジオウ編とどちらを先にしようかと悩んだのですが...まだ原作(ジオウ本編)が余り進んでいないことを考えた上に、作者の事情も相まってANOTHERルートへ進めることにしました!

というわけで、次回からはまた時間が戻りますよ~






あ、因みに本編で消えたように描いたエボルト(ヤンデレ)の封印されたボトルはまだ消滅していませんよ~


ではまた!


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ANOTHER
34.世界はもう一度狂い出す


ANOTHERルート開始!

既に内容がかなり変更されています。


以前のものと読み比べてみては如何でしょうか?


では本編をどうぞ!





何事もなく彼らの戦いは終わった。

 

例年よりも大いに賑わうインターミドル・チャンピョンシップ。その様子をビルの上から見ているひとりの男がいる。

 

「さ~て、時間はかかったもののこのまま計画を進めても良さそうだな」

 

男は深くフードを被り、左手で弄っていたボトルを投げまわしてからしまう。

 

「待ってろよ戦兎」

 

彼らの再会は近い。

 

 

_____________

 

 

今年のインターミドルは、英雄達の戦いが開会式にあったために大変なことになっていた。

 

「お陰で仕事辞めなきゃいけないなんてな...」

 

事務所から来る沢山の連絡に龍斗は飽き飽きしており、以前から出す予定だった辞表を事務所へ叩き付けてきたのだ。勿論引き留められたが、今迄の試合で稼いだ賞金の三分の一を押しつけると大人しくなったのだ。それでも龍斗の手持ちは多いのだが。

 

「どうする?俺みたいにフリーの魔術師でもやるか?」

 

「それが一番良さそうだよなぁ」

 

机の上でうなだれていた龍斗に戦兎は次の仕事を紹介する。なんだかんだ言って自由に動ける仕事の方が自分に合っていると思っていた龍斗はその提案に乗ることにした。

 

「で、戦兎。仕事を失ったばかりの俺にいい仕事なんて入ってくるのか?」

 

「そこは問題ないぞ。既にお前に合ってる仕事をまとめておいた」

 

「お前、俺が仕事を辞めることを予想していたな」

 

何となくだぞ、何となくと戦兎は入れていたアイスコーヒーを運んでいく。

 

「そういやぁ一斗はどうしたんだ?」

 

「ヴィヴィオ達とトレーニングに行っている」

 

今日も試合に向けてトレーニングに勤しむ学生たち。その中に混じり込んでいった一斗なのだが、現在進行形で問題に襲われていた。

 

「えっと...アインハルトさん?」

 

「逃げないで下さい。捕まえれれないじゃないですか」

 

「なんで僕を捕まえる必要があるの!?」

 

「それは...ええぃ、大人しくしてください!!!」

 

「ひゃあ!?」

 

壁に追い詰められた一斗はアインハルトが飛びかかって来るのを交わしすぐさま逃走する。だが、

 

「逃がさないよ一兄!」

 

「げっ」

 

(ヴィヴィオ)に回り込まれてしまった。

 

「いい加減に捕まってよ~」

 

「い・や・だ!」

 

一斗がここまで嫌がるのには理由がある。数分前、ナカジマジムへ来た一人の客の言葉で全てが始まった。

 

「今日もあの子たちは元気だね~」

 

「そうですね。僕も混じっているんですが、あんまり役に立てていない気がします」

 

「そんなことないと思うけどな~」

 

普段と変わらない会話。龍斗とよく来る一斗には顔見知りの知り合い(常連客)がいるのだ。

 

「そう言えば相変わらずヒョロヒョロだね?しっかり食べてる?」

 

「食べてるはずなんですけどね...」

 

「ホント、初めて会った時も思ったけど女の子みたいだよね」

 

そう、これが全ての始まり。

 

インターミドル開会式から様子がおかしいアインハルトとヴィヴィオ達により、一斗は今女装を強要されているのだ。彼は今日改めて思い知ることになった。

 

「いやああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

 

欲望に忠実な女の子達は、本当に恐ろしいと。





早速ぶっ壊れるアインハルト達ナカジマジムメンバー。
描かれてはいませんがリオとコロナもいます。



感想お待ちしてます。

ではまた次回!


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35.開幕

リメイクって難しい...


「ひどい目にあった...」

 

彼女達に女装されそうになった一斗はそれぞれに条件を出して納得してもらう事で事無きを得た。

その代わり次の祝日は予定で埋まってしまったのだ。

まぁ、一日と一生残りかねない黒歴史のどちらを選べと言われたら大半が前者を選ぶことだろう。

 

「只今ー」

 

「お、帰ってきたか」

 

「あれ?先輩?」

 

インターミドル開会式から会えていなかった龍斗にあった一斗はどうして家にいるのかと聞く。本来、龍斗はこの時間帯は仕事場にいるはずなのだから。

 

「仕事辞めてきた」

 

「....」

 

口を開いたまま固まってしまう。こうも簡単に仕事とは辞める事が出来るのだろうか。まだ学生の一斗には分からなかった。

 

「お~い、大丈夫か?」

 

「はっ!」

 

この後、一斗に質問攻めにされているところを二階から降りてくる戦兎が止めるまで龍斗は目を回し続けた。

 

__________

 

 

「きゃあああああああ!!!!!!!!!」

 

「逃げろぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

 

ミッドチルダの街を複数のハードガーディアンが破壊していた。それをスクリーンで眺める者達が居た。

 

「全く、ここまで時間がかかってしまうとは思わなかったよ」

 

「仕方がないだろ?俺の身体も意識もその殆どが破壊されちまったんだから」

 

少年は椅子から飛び降りると机の上にあったベルトを手にする。

 

「頼んだよ。あれ(・・)さえ手に入れば計画はすぐさま終焉まで進むことになるからね」

 

「ああ。戦兎、お前の大切なものを全て壊してやるよ...この世界ごとな」

 

白衣を着ている男に念を押され、それ以上にやる気に溢れている少年は目的の場所、無限書庫へ向けて動き出した。

 

 

____________

 

 

『既に私たちでも対処しているんやけど、余りにも数が多いんや。救援頼めるか?』

 

「勿論だ、行くぞ二人共!」

 

「うん!」

 

「ちょ、待ってくれ!」

 

戦兎はすぐさま魔法陣を展開し、3人そろってすぐさま転移する。各自それぞれが一番人の足りていないところへと向かう。

 

『紅のスピーディージャンパー!』『ラビットラビット!』

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

『ロボット in グリス!』『ブラァ!!!』

 

走りながら変身し、すぐさまハードガーディアンを破壊していく。だがハードガーディアンの装甲は思ったよりも固く、中々その数を減らすことができない。。いくらこちらの戦力に魔導士がいるとはいえ次々に召喚されていくガーディアン達の量には流石の戦兎達も対処できなくなり始めていた。

 

『戦兎!これじゃ埒が明かないぞ!』

 

『何とか耐えているが、時間の問題だ!』

 

「召喚をしている機械(デバイス)か召喚魔導士を探し出せればいいんだけど、な!」

 

念話で会話しながらもフルボトルバスターを振り下ろす。そんな時だった。

 

『巧にぃ!今すぐ無限書庫へ向かって!』

 

はやてからの緊急連絡が来たのは。




ANOTHERルートにしてようやくハードガーディアンが登場!

余り持ち出されなかったパンドラボックスに奴の手が伸びる。

それを防ぐために我らが桐生戦兎は動き出す!


次回、『破滅の塔』


ではまた!


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36.破壊の塔

はやてからの連絡は無限書庫が襲われているというものだった。戦兎はすぐさまハードガーディアンを破壊できるだけ破壊し、転移魔法陣を展開する。

 

「ミカ!」

 

『了解!』

 

転移した先の無限書庫は無残な姿だった。幸い、依然組んだ緊急避難プログラム(本)によって別の場所へ本が転移されているためか本棚と機材が破壊されているだけだった。

 

「一体、誰がこんな事を...」

 

戦兎はすぐさまその答えを叩き付けられる事になった。

 

「がああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 

「! ティーダ!!!」

 

戦兎が歩いているとローグが本棚を突き破って飛んでくる。戦兎はそれを受け止めるが、変身が解除されたティーダは意識を失ってしまっていた。

 

「しっかりしろ!ティーダ!」

 

「あ~あ、折角楽しめると思っていたんだがなぁ」

 

戦兎がティーダに声をかけている中、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「なんで...お前がここにいる!!!!!!!!!!!!」

 

「そりゃあないだろう?一度は身体を共有した仲じゃないか」

 

「黙れ....黙れ黙れ黙れぇぇぇ!!!!!!!!エボルトォォォォ!!!!!!!!!!」

 

かつて倒したはずのエボルトがそこにいたのだから。姿が変わっていても変わらない声だけで戦兎は相手の正体に辿り着いた。

 

「再会を祝してお前と遊びたいところなんだが、目的のものを探さなきゃいけない

んでな。チャオ♪」

 

すぐさま戦兎はエボルトの後を追おうとするが崩壊した無限書庫(こんな場所)にボロボロになったティーダを置いていく訳にはいかず、一旦エボルトがやって来た方向へと向かった。管理局へと繋がるゲートへと向かうがそれも機能しておらず、負傷した管理局の魔術師達が沢山いた為に転移魔法を連続で使う事になった。

 

「ミカ、総合病院の残り受付人数は?」

 

『後10人です。負傷者の数が多すぎます』

 

病院へ負傷者達を転移するのをミカに任せ、ティーダに軽く治癒魔法を使いすぐさまエボルトの後を追う。

 

「なんだ、遅かったな」

 

だが、既にエボルトはパンドラボックスを手に入れていた。戦兎はバスターを召喚しそれを蹴飛ばす。威力は余りないものの飛んできたバスターで視界を狭めている間にラビットラビットの速度を利用して倒れていた魔導士を回収、安全地帯へと運びスチームブレードで弾き上げられたバスターを掴みそのまま攻撃を仕掛ける。

 

「またハザードレベルが上がったみたいだな。かなり早くなってやがる」

 

「そんなことはどうでもいい!!!」

 

お互いが攻撃をし、それを受け止めたり、隙を作ったりとしている中で戦兎はエボルトに疑問を投げかける。

 

「どうやってお前は復活した!?あの時、ボトルは完全に破壊したはずだ!!!」

 

「ああ、それか。それならお前の後ろにいる奴が一番よく知ってるはずだぞ?」

 

「何?がっ!?」

 

エボルトにバスターを掴まれ動けないビルドの背中に銃口が突き付けられてそのままトリガーを引かれる。その勢いで変身が解除されてしまい、戦兎はその場に倒れてしまう。

 

「なん...で...貴方...が...」

 

「言ってませんでしたね、戦兎(ビルド)君。この方を復活させたのは私です」

 

ネビュラスチームガンをクルクルと回しながら構え直したのは戦兎がよく知る人物だった。

 

「4年も掛かってしまいましたが、これで全てが揃いました。エボルト様、これを」

 

「フハハハハハ!!!!!これでこの世界は終わりだぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

その男、グランディア・マクラウドはエボルトへボトルの嵌められた6枚のパネルを渡す。エボルトはそれを何の躊躇いもなくパンドラボックスへと叩きつける。

 

一枚、また一枚とパネルは嵌められていき、ミッドチルダは地震に襲われた。

 

「やめ...ろ...」

 

「これで、終わりだぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

最後の一枚がセットされたことでパンドラボックスは真の姿を現し、無限書庫のあった位置を中心として地面が上へと上がっていく。戦兎の耳には、轟音と人々の悲鳴しか聞こえていなかった。

 

「パンドラタワーの完成だ!!!!!」

 

世界は再び破滅へと歩み始めた。




エボルトによって破滅の塔は建てられてしまった。

変身すらできない戦兎はこのままどうなってしまうのか!?



次回は、戦兎が連絡を貰い駆け付けるまでを描こうと思います。

つまり『マッドな世界』!!!


それではまた!



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37.マッドな世界 前編

「あれ?どうかしましたか、グランディアさん」

 

「いえ、少し気になっていることがありましてね。ユーノ司書長に聞いたらわかるのではと思いまして」

 

グランディアは普段通りの仕事をしながら無限書庫を眺める。今日は大切な日だというのに、イレギュラーとして仮面ライダー(ティーダ・ランスター)ブロス(桐生翼)が無限書庫を訪れているという状態だった。何とかあの方が来るまでには彼らの目を欺いて計画を進めなければとその足をユーノへと進めた。

 

「この本で「開かずの箱」というものが記されていて、パンドラボックスかも知れないと思ったので比べてみたいのですが...」

 

「肝心の箱の保管場所が分からなかった、と」

 

普段通り仕事熱心な書庫員を演じる。彼の心は愛する妻を失った時から一切揺るぐことはない。この世界の在り方を変える。その為だけに今までを生き抜いてきた。

場所は教えられないが比べることは出来るとユーノは言い、グランディアはその本を渡す。本には開いたものの意識を奪う様に細工が施されている。

 

「あ...れ?」

 

「...貴方は後に計画の邪魔になりますからね。一応私の上司ですから、消さないでおいてあげますよ」

 

転移魔法で気絶したユーノを拠点へと転移させた後、グランディアはエボルトと連絡を取り合う。

 

「やはりここに例のものはあるようです。場所まではわかりませんでしたが」

 

『それだけで上出来だ。計画通りに進めろ』

 

「了解しました」

 

慣れた手つきで仮想スクリーンを操作する。エボルトの右手として動く彼ともう一人、左手(裏方)が存在している。その裏方が創り上げたウイルスプログラムを管理局のネットワークへと流し込む。

 

直ぐに管理局と無限書庫を繋ぐゲートは内側から破壊され、そのゲートは全く異なる場所へと繋がった。

 

「やれ」

 

グランディアのその一言でゲートから複数のハードガーディアンが進行を開始した。

 

____________

 

 

休暇を利用してティーダは翼の勉強の手伝いをしに来ていた。序に自らの仕事の資料もかき集めるつもりだったのだがそうも行かなくなっていた。

 

「何者だ」

 

問いかけても返事は帰ってくることはない。JIMのスキャンによって彼らが機械であることが分かってからの彼の行動は早かった。

 

『デンジャー!』

 

「変身!」

 

『クロコダイル in ローグ!』『オーラァ!!!』

 

ボトルとベルトを使いすぐさまローグへと姿を変え、武器を使って彼らの武装を切り落としていく。幸い一般人は居なかった為に、その殆どを魔導士達が相手をしているが、数に押され始めていた。

 

「翼、こいつらの事を知っているかい?」

 

「一応は。依然スカリエッティが作成していた量産型ガジェット、ガーデンズの上位互換。それが彼らハードガーディアンなのですが...」

 

翼は顔を少し俯ける。それは彼女のトラウマであるアイツ(・・・)が生きている可能性があるからのものだった。

 

「取り敢えず翼は負傷者を連れて病院へ。様子を見ながら戻って来て下さい!」

 

スチームブレードでアームを切り落とす。翼が飛行魔法を使い負傷者を運んでいくのを確認した後、ハードガーディアン達の進行してくる方向へと足を進めた。

 

だがそこには、招かねざる客が魔術師を戦闘不能にしていた。

 

「ん?ああ...お前たちはここにいたんだったな。まぁいい。久しぶりだなぁ、ティーダ。元気にしてたか?」

 





ジオウ第3話、またまた凄かったなぁ...

また唐突に登場するドライブライドウォッチ。早く持っている理由が知りたいなぁ...

そして明かされる衝撃の事実ぅ!!!

主人公、物理だけでなくゲームも苦手だった!!!

しかも今回、魔王よりも無敵(エグゼイド)の方が魔王してるんじゃないかなと思いました。


さてさて感想はここまでにしておいてっと

ではまた!


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38.マッドな世界 後編

本日2本目!


「何故だ!お前はあの日、戦兎さんに倒されたはずだろう!?」

 

ティーダが叫ぶのも無理はない。最悪の存在がまた自分の目の前にいるのだから。

 

「確かに俺は戦兎に倒された。だがな、保険があったんだよ。時間がかかったものの復活できた」

 

掴んでいた魔術師の頭を勢い良く投げ捨てる。死んではいないが、その傷の量からどれだけひどい目にあったのかが想像できてしまう。

 

「ここで、お前をもう一度倒す!」

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』

 

ベルトのレンチを押し倒し、クラックボトルを割る。両足に集束されたエネルギーでエボルトに蹴りを食らわせるがいとも簡単に受け止められ、そのまま吹き飛ばされてしまう。ティーダは自身の体が次から次へと本棚を貫通していった。

 

「あ...」

 

誰かに受け止められた後、そのまま気を失った。

 

_________

 

 

「さて、如何やらここには誰もいないようですね...」

 

グランディアは堂々と不法侵入をしていた。万が一に備えて持ってきた武装を使わなくてもいいのは彼にとっても徳だった。

 

「...ここですね」

 

桐生家の中を徘徊し、ボトルが保管された金庫へと辿り着く。しかし金庫は複数の魔法によって守られていた。

 

「まぁこんな物、あの人の作るものよりかは簡単に突破できますね」

 

慣れた手つきでATFを張り、早急魔法陣を解体する。無残にも空いてしまった金庫から必要なボトル60本とパネル6枚を回収し、グランディアは時限爆弾を仕掛けた。この家だけを爆発させるほどしか(・・)ない物を使うのは彼に残った良心からのことだろうか。それでも彼が狂ってしまっていることに変わりない。

 

「そこまでにしてもらいましょうか。それは大切なものなんですから」

 

グランディアはその声が聞こえると同時に、その場から飛ぶことでエネルギー弾を回避する。

 

「桐生翼ですか...まさかこんなにも早く戻ってくるとは...」

 

「そのパネルとボトルを金庫に戻してください。そうすれば、攻撃をするつもりはありません」

 

まだ使わないつもりだったのですがとグランディアはパネルから2本のボトルを取り外した。

 

「貴方は大切な事を忘れていませんか?」

 

「!?」

 

翼は気付いてしまった。グランディアの腰に装着されたエボルドライバーに。先程金庫にあったものを装着していたのだ。それは彼女のトラウマを呼び起こすには大き過ぎるものだった。

 

「あ、ああ...」

 

『マスター!』

 

構えていたネビュラスチームガンが右手の震えで落ち、無口なデバイスであるネビュラが大きな声を上げるほどだった。その様子を見ながら、グランディアはボトルを振りベルトにセットした。

 

『コウモリ』『発動機』『エボルマッチ!』

 

ハンドルを回せば繋がったパイプが四方八方に伸びていく。開発者である戦兎ですら使用制限がかかるほどの物だからこそ、グランディアに苦痛を与えた。

 

「ぐっ...変身!」

 

『バットエンジン!』『フッハハハハハハハハハハ!』

 

だが、それを乗り越えてしまえば勝ちなのだ。パイプはグランディアを包み込みアーマーを形成した。

 

「仮面ライダー、マッドローグ...といったところでしょうか」

 

「じゅ、潤動!」

 

『リモートコントロール・ギア!』

 

震えが収まらない翼はどうにかネビュラを拾い上げ、ギアをセットしトリガーを引いた。姿を変えることはできたが、彼女は上手く戦うことは出来そうになかった。

 

「う、うわあああああああ!!!!」

 

まるで子供の喧嘩のようなそれは、戦い慣れていないグランディアが簡単に受け止められるほどに単調なものだった。

 

「こんなものですか、貴方の力は」

 

「黙れぇぇ!!!!!」

 

リモコンブロスの拳は受け止められ、ネビュラスチームガンを落としてしまう。

 

「貴方に要はありません」

 

グランディアは腹に重い一撃を放つと、そのまま翼を吹き飛ばした。元に戻ってしまった彼女は気を失ってしまう。グランディアはネビュラを拾い上げてその銃口を翼へと向けた。

 

「君は賢いはずだ。さぁ、そのギアを私に渡しなさい」

 

無言のままネビュラはギアリモコンを取り外した。それを回収したグランディアは用済みになったデバイスを彼女の元へ投げ捨てる。

 

「二つのギアの回収も出来た...サッサとこの場を離れなければ!」

 

グランディアは背中から大きなコウモリの羽を広げ、家の窓を破壊しながら無限書庫へ向かった。しばらくすれば後ろから大きな音が聞こえたが、彼が気にすることはなかった。





建てられてしまった破滅の塔!

エボルトは本来の力を取り戻すべく更に世界を破壊し始める。

囚われた戦兎を救うため__

龍斗、最後の変身!

「ヒーローは、俺だ!!!」

次回、『離れ離れのベストマッチ』


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39.離れ離れのベストマッチ

お待たせしました!

今回の投稿以降、暫くの間最新が止まります。

作者のテストが終わり次第、最新を再開しようと思います。

本編をどうぞ!


戦兎が気絶したのを確認したエボルトは、パンドラボックスを開けた事で出現したトリガーのスイッチを押した。

 

「やはり使えないか...」

 

「それは、貴方が完全に元に戻っていないからですか?」

 

エボルトが持つエボルトリガーが起動しないのには二つの理由がある。一つはエボルトが完全でないこと。自身の遺伝子を持った一斗を取り込まない限り完全にはならない。そしてもう一つ、パンドラボックスの成分が完全でないということだった。古代ベルカにて、ベルナージュによってパンドラボックスの成分が一部バングルに封じられているのだ。勿論パンドラボックスのみ回収してベルナージュがそんな事をしていた事実をエボルトは知らない。

 

「グランディア、戦兎を連れて帰るぞ」

 

「はっ。桐生戦兎とユーノ・スクライアを使って呼び出すのですね」

 

「お前のそういう所、俺は本当に好きだぜ?」

 

エボルトが開いたゲートを戦兎を担いだグランディアが通って拠点へと戻っていく。エボルトは無限書庫・管理局を巻き込んで出来上がったパンドラタワーの内部を見渡す。

 

「先ずは一つ」

 

エボルトがゲートを通り過ぎてこの場を後にした頃には、あったはずの本棚や瓦礫の山は消滅しており、砂のみが存在していた。

 

 

_________

 

 

街に群がるハードガーディアンを龍斗達が倒しきった頃、ミッドチルダを含めた全管理世界に巨大な仮想スクリーンが展開された。

 

『なぁドクター、これもう繋がっているのか?』

 

『ああ。既に配信が始まっているよ』

 

「な、なんでだよ...」

 

龍斗は聞こえてきた声に驚いていた。忘れるわけがないその声の主が、今仮想スクリーンにでかでかと映し出されているのだから。

 

『全管理世界に告ぐ。俺はエボルト。お前たちには『ブラッドスターク』って言った方がわかりやすいか?』

 

今やその名前は管理世界中に伝わっている程の犯罪者。死んだはずの犯罪者が生きていて、再び世界に向けてスクリーンを使って何かを伝えようとしているのだ。

 

魔術師達は、デバイスを握り直すもその手は小刻みに震えている。

 

『仮面ライダー達に告ぐ。仮面ライダービルド、桐生戦兎は預かった。明日、ミッドチルダにある管理局へ来い。来なかった場合はわかっているよなぁ?』

 

スクリーンにはでかでかと十字架に縛りつけられた戦兎が映し出される。その首元にはグランディアがスチームブレードを当てている。

 

『さらに追加だ。明日もしも来なかったら...』

 

エボルトの言葉とともにスクリーンの画像が切り替わり一つの世界が映し出される。

 

『この世界を破壊する。なぁにお前たちが来れば俺達は何もしないさ。楽しみに待ってるぜ、万丈?』

 

行かなければ戦兎を、世界を破壊される...そんな事を言われた彼らに選択肢はなかった。

 

「エボルトォォォォ!!!!!!!!!!!」

 

日が傾き始め世界が赤く染まっていく中、クローズマグマ(龍斗)は倒しきったハードガーディアン達の残骸の上で叫んだ。

 

________

 

 

「先輩...」

 

「俺達だけだ、今戦えるのは。俺は...お前を連れて行きたくない」

 

「でも!」

 

ハードガーディアンを殲滅しきった後、桐生家が消滅したために龍斗と一斗は教会を訪れていた。既に部屋を貸してもらい、今は病院で彼らは言い合っていた。

 

「でもじゃねぇ。お前が傷付いたら、戦兎は絶対に後悔して自分を責めちまう」

 

「...だからって、先輩一人をエボルトの下に行かせるわけにはいきません」

 

「...勝手にしろ」

 

その言葉を最後に龍斗は病院を出ていった。一斗は今一度病室に入る。

 

「ティーダさん...翼姉さん...」

 

二つのベットにそれぞれ寝ていた。先程ようやく眠ったティーダは、先程まで何度も一斗達に誤っていたのだ。自分がエボルトを止められていればと。翼に関しては爆発した自宅から発見されたのだ。幸いネビュラが結界を張っていたものの、衝撃波により翼の脳は激しく揺れ未だに目を覚ましていない。ネビュラも限界まで動いた為に自動修復でも完全に修復できないほどのダメージを追ってしまった。

 

「必ず、ユーノさんも、父さんも取り戻すから...」

 

今回の事件で負傷者は無数に出たものの死人は出ていない。だが、一人だけ行方不明な者がいる。それがユーノだ。グランディアによって連れ去られているのだが、その事実を彼らが知るわけもなく、エースオブエースは今にも壊れそうになっているのだが、それを一斗達が知ることもない。

 

あのはやてでさえ、戦兎の事を後回しにしてこの世界を救うために動いている。一時的に復活した機動六課によってミッドチルダの被害は何とかなってはいるものの、管理局は崩壊。既に各世界で犯罪者が大量発生している始末だ。

 

結局、一斗は教会に戻ることなく病室で夜を明かした。

 

____________

 

 

朝一に龍斗は一人管理局へと続く一本道を歩いていた。既にこの街からは人の気配が消えてしまっている。隠し切れない怒りから自身の唇を嚙み締める。少し血が出てくるが彼は気にしなかった。進んでいけば、何度もテレビで繰り返し放送されて見慣れた姿が顔を出した。

 

「よぉ、結構早い到着だな。一斗はどうした?」

 

「あいつは置いてきた。お前には俺だけで十分だ。それに...」

 

『ボトルバーン!』

 

ナックルにボトルをセットしながら龍斗はエボルトへ向けて叫んだ。

 

「ヒーローは、俺だ!!!!!!」

 

「まぁいい」

 

ナックルをベルトにセットしハンドルを回してマグマライドビルダーを展開する。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

「お前を壊して、あいつを引きずり出すだけだ」

 

クローズマグマ(万丈龍斗)はたった一人でエボルトとの闘いを開始した。




さてさて、前書きで書かせて頂いた通り最新を一時的にストップします。

ジオウ本編を見ながら、日常を謳歌しながら何処かでこの小説の事を覚えていて頂けると幸いです。

では、次の投稿まで...


「チャオ♪」

あ、ちょっとエボルトさん!?
人のセリフ取らないで貰えます!?


__________


エボルトへ一人で闘いを挑んだ龍斗

「これは、俺の意識だ!!!」

そこへグリス(一斗)が乱入する!!!

次回、『万丈龍斗の覚悟』


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40.万丈龍斗の覚悟

お待たせしました!!!


エボル・コブラフォームに向けて龍斗は攻撃を続けた。

 

「オラァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「ハザードレベル4.1、4.2、ドンドン上がっていく...」

 

殴る、殴る、蹴りを入れる、また殴る___繰り返されていく。

全てがエボルトの計画通りという事に龍斗は気が付いていない。

 

「そうだ!もっとだ万丈!このままだと俺には勝てないぞ!」

 

「ウラァァァ!!!!!!!」

 

何度も何度もクローズマグマの拳を受け止め、流す。繰り返していくうちに少しずつ感じ始めた痛みにエボルトは笑いが止まらなかった。

 

「ハハハハハ!!!!それでいい!!!!!!!」

 

『ボトルバーン!』

 

「うるせぇ!!!」

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

龍斗はベルトからナックルを外しボトルを刺し直しスイッチを押し込んで放つ。

 

「ぬぐぁ!!!」

 

エボルトも受け止めるだけでは済まず、押し込まれる。だが、致命傷とまではいかなかった。

 

「ハァ...ハァ...」

 

「ハザードレベル...4.8...予想以上だ...だが」

 

エボルトは腕を軽く振りながらベルトのハンドルを回した。

 

『READY GO!』

 

今の(・・)お前には俺は倒せない」

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

龍斗が受け止めようとするがそれよりも早くエボルトの拳がクローズマグマの胸部に当たり吹き飛ばされる。

飛ばされた先にあったビルを破壊し、砂煙が上がる。

 

「あがっ...ちく、しょう...」

 

「俺の予想を超えたからな、俺の目的を教えてやる」

 

ボロボロになった龍斗を片手で瓦礫から引っ張り出し、エボルトはトリガーを見せつける。

 

「これを使えば俺は究極のフェイズへ移行する事が出来る。だがその為には俺が完全に元に戻ることが必要でな。その為にあいつを取り込まなきゃならない」

 

「...かず...とか...」

 

「正解!」

 

エボルトは片手を離し龍斗は瓦礫の中へと戻っていく。龍斗は痛みよりも一斗が狙われているという事実に動揺していた。もしも自分だけでなく一斗がここにいたら吸収されてしまっていた(守ることが出来なかった)だろうと。

 

そして頭の何処かで一斗がここに来てしまうのではないかと考えていた。

 

「さてと...お前にはもう少し利用価値があるからな。このまま俺と来てもらうぞ」

 

「先輩は連れて行かせない。父さんも、ユーノさんも返してもらうよ」

 

その答えは簡単に出てしまった。

 

「かずとぉ!!!逃げt」

 

「おっと、そこまでだ」

 

龍斗が一斗にエボルトの目的を果たさせないために逃がそうとするが、エボルトによって阻まれてしまう。

 

「待ってたぜ、一斗。俺の本当の目的はお前だからな」

 

「...その為に、父さんやユーノさん、先輩、関係ない人たちまで巻き込んだのか?」

 

ベルトを装着した一斗は声を震えさせながら問い掛ける。そして

 

「ああ。全てお前が巻き込んだんだ」

 

「ふざけるなぁ!!!!!!!!」

 

『ロボットゼリー』

 

『潰れる!』『流れる!』『溢れ出る!』

 

『ロボット in グリス!』『ブラァ!!!』

 

一斗はその姿をグリスへと変え左手にツインブレイカー・アタックモードを、右手にフォレス・キャノンモードを召喚して武装する。

 

「心火を燃やして...」

 

「お前じゃ戦兎も、あのユーノって奴も、そこに転がっている万丈すら助けられねぇよ」

 

その言葉は一斗を怒らせるのには(ハザードレベルを上昇する)十分だった。

 

「ぶっ潰す!!!!!!!!!!」

 

___________

 

 

一斗の声で意識がハッキリとした龍斗は、エボルトに口封じをされた為に伝えられなかったことをどうやって伝えるべきなのかを考えていた。既に体は悲鳴を上げ、少しでも動くだけで全身に痛みが走る。

 

「ぐがぁぁぁあ!!!!!」

 

痛みを叫ぶことで誤魔化す。だが上手く誤魔化すことは出来ず、脳には次から次へと痛みが伝えられる。

 

「あ、あいぼう...お前はまだやれるか?」

 

『♪~~~!!!!』

 

ユニゾンしていたクローズドラゴンからの返事からはマスターである龍斗自身の事を心配しているものだった。

 

自分はまだやれる。だがマスターはこのままだと本当に危険な状態になってしまうかもしれないと。

 

「へっ、おれのしん、ぱいをしてくれるんだな...」

 

それでも龍斗はナックルに手を伸ばした。これで最後だと自分自身に言い聞かせながら。

 

『ボトルバーン!』

 

「っ....」

 

ふら付きながらもボトルを再度セットし直し、ベルトへと差し込む。

 

『クローズマグマ』

 

ハンドルを一回だけ回し、両腕を目の前で交差させる。

マグマライドビルダーは静かにその姿を現し、いつもの位置に完全に展開される。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

頭上からバリアブルマグマを被る。痛みを我慢しながらも、アーマーが形成されていくのを待つ。 

バリアブルマグマは冷え固まる事なく流れ続ける。マグマライドビルダーの中身が空になった後、龍斗が立っていた位置にはクローズマグマが肩で息をしながらも立っていた。

 

動く度にその身体を震えさせながらも、全身から魔力を放出する。

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

「いっけええええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!」

 

ボルケニックモードに移行すると同時に、背中にある飛行ユニットから巨大な炎の羽を広げ加速していく。

一斗と戦っているエボルトへ向けて加速していく中、ハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

『ボルケニック・アタック!』

 

召喚した8体のマグマライズドラゴン達がエボルトへ次から次へと嚙みつき空中へと運んでいく。

 

「先輩!?」

 

「お前には、ここでエボルトに吸収されたら困るんだよぉ!!!!」

 

一斗の声が少しずつ聞こえなくなっていき、ついにはマグマライズドラゴン達に龍斗は追いついた。

 

「宇宙だと!?」

 

「お前はここで、俺と一緒に地獄に落ちて貰う!!!」

 

クローズマグマはエボルトに抱きつくことで拘束し、それをドラゴン達に運ばせる。

離せぇぇぇと叫びながら抵抗するエボルトに向かって龍斗は覚悟の言葉を言い放つ。

 

「これが、俺の意識だ!!!」

 

「やめろぉぉぉおぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

『ボルケニック・フィニッシュ!』

 

ミッドチルダの周りを回る衛星に激突した彼らはそのままその星の内部まで突き進んでいく。

 

「じゃあな、皆。フェイト...」

 

そしてその星と共に跡形もなく消滅した。

 




久しぶりの投稿なのに、龍斗が物語から退場してしまうという...

最初から一斗をかばって龍斗がこうなることは考えていたけど、ここまでのものになるとは...

さて、軽く余韻に浸りながらもまた不定期での投稿を再開していきます!

楽しみにしていた方はお待たせしました!

さて、次回予告の時間ですよ!

ではまた!


________


万丈龍斗、エボルトと共に____

「そんな...」

消滅_____

「僕が、もっと早く、先輩の所へ行けていれば...!」

悲しみに暮れる中、あいつはいろんなものをぶち壊しながらやって来る

「よぉ」

次回、『アイツ』


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41.アイツ

「あ、あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

武器を落とし、一斗の変身は解除される。衛星が破壊された為に起きた衝撃波は地上を襲った。

 

あの爆発のなかで龍斗が生き残っている可能性は低い。

一斗は理解してしまっていたのだ。エボルトを倒すため、自分を守るためにその身を犠牲にした大切な人(龍斗)を。

 

「あ.....」

 

一斗は先び続け、ふと叫ぶのを辞めると同時に気を失った。

 

 

____________

 

 

衝撃波によってミッドチルダの都市いや、民家も含めたその殆どが崩壊した。幸い怪我人は出たものの死人は一人もいなかった。

 

「確か、ここら辺度から...」

 

『はやてちゃん!見つけました!』

 

はやては一斗のデバイスであるフォレスからの連絡を受けて崩壊した街の中へ来ていた。リインフォースの働きにより、瓦礫に少しだけ埋もれた一斗を直ぐに発見する事が出来た。

 

「リイン、治癒魔法を頼めるか?」

 

『分かりました!』

 

一度リインフォースとのユニゾンを解き、一斗のいた位置から少し離れて辺りを見渡す。

 

「生命反応は...なし」

 

サーチャーを飛ばして巻き込まれた人がいないのを確認する。

 

「ん?あれって」

 

そんな中、見覚えがあるものが落ちていた事に気が付いた。

 

「マグマナックル?これがここに落ちているってことは...」

 

一斗の保護が完了するとそこから集まった魔術師達で瓦礫を全て動かしたが、ナックルの持ち主は見つかることはなかった。

 

 

_________

 

 

「んぁ....」

 

目が覚めると同時に全身に痛みが走る。今自身が置かれた状況を何とか理解した一斗はすぐさまベットから飛び降りる。

 

「...何処に行くんだい?」

 

「ティーダさん!?」

 

なんでと言いかけた一斗をティーダは己の言葉で被せる事で言わせない。

 

「君がここ(病院)に運ばれてから今日で1週間経ったんだ。今じゃ僕も、翼も目を覚ましている。それで、目が覚めたばっかりの君に聞かなくちゃいけないことがある」

 

「...あの爆発のことですか?」

 

「その通りさ。あの日、何があったんだい?」

 

一斗は口を開くことが出来なかった。1週間も眠っていたとはいえあの日のことは鮮明に憶えている。

 

「....」

 

「...エボルトが現れなくなったところを見るに...」

 

「それ以上は言わないでください。きっと、ティーダさんの考えていることで合っているはずですから」

 

一斗はその身をベットへと戻して、布団を被った。病室の扉が開いてティーダが去っていく足音が聞こえなくなるまで一斗はそのその身を動かすことはなかった。

 

「僕が、もっと早く、先輩の所へ行けていれば....」

 

流した涙は枕を濡らした。

 

___________

 

 

「そんな...」

 

ティーダは目が覚めた一斗と話して得た答えを機動六課のメンバーに伝えた。

フェイトははやてが回収したナックルを強く握りしめる。

 

「やっぱり兄さんは...」

 

「う...う...」

 

「認められる訳がないじゃない...」

 

皆がその答えから感情を露わにする中病院の廊下に聞こえないはずの声が響いた。

 

「よぉ」

 

「っ、龍斗!!!」

 

その声の主はボロボロの服を着たままフラフラと近づいてきたフェイトを抱き止めた。

 

「悪い、エボルトを倒した後に気を失っちまったみたいでさ。ここまで来るのにこんなにも掛かっちまった。」

 

「良かった...本当に良かった...」

 

感動の再会、他人にはそう見えていただろう。だが、この場にいる一人だけ病院にやって来た龍斗の事を疑っていた。

 

「龍斗さん、少し動かないでくれますか?」

 

「ん?どうした?」

 

ティーダは龍斗の背中に周りJIMを突きつける。

 

「動くな。少し聞きたいことがある」

 

「兄さん!?」

 

「何やってるんや!?」

 

ティアナ達が止めようとしてくるがティーダはそのトリガーから指を外すことはなかった。

 

「お前はあの爆発の中でどうやって帰って来たんだ?」

 

「どうやったって普通に飛びながら戻ってきたんだぜ?」

 

「質問が悪かったな。龍斗さんの身体を奪って生き残ったんだろ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)?」

 

その言葉を聞いたのを最後に抱きついていたフェイトを龍斗は突き放す。慌ててなのはが受け止めるが龍斗はそんな事気にすることなく話し始める。

 

「相変わらずお前のそういうところは買ってるんだぜ?しっかりと信じた相手にしか本心を明かさないところとかな」

 

「やはり生きていたか、エボルト」

 

ティーダはJIMを更に押し付ける。

 

「オイオイ、今日は戦いに来たんじゃないんだ。話があってきたんだよ」

 

碌な事で無いことは今迄の行いから分かるがティーダはその話を聞いてみることにした。

 

「取引だよ。俺達が捉えている戦兎、ユーノ、万丈と桐生一斗の身を交換してやろうってんだ」

 

「!?」

 

破格の条件だった。明らかにエボルトは一斗の事を狙っている。それは話を聞いていた誰もが理解できた。

 

「はやてさん、直ぐに一斗の身の安全を確保して下さい!」

 

『デンジャー』

 

「やれやれ、折角の取引だったってのに...まぁ予想通りだけどな」

 

『エボルドライバー!』

 

ティーダははやてに一斗の事を頼み、ベルトとボトルをすぐさま起動させる。エボルトもベルトを装着するとボトルを振る。

 

『クロコダイル』

 

『ドラゴン』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

「「変身」!」

 

ティーダのリベンジマッチが始まった。




今日のジオウも楽しみですね!

でもどうやってライドウォッチを渡していくんだろう?
龍騎アーマーはスーツが存在しないし...

このままだと平成二期のライダーアーマーは全てスーツが造られるって感じになるのかな?


さて、考察はここまで。

ではまた!
_________


龍斗がその身を投げ出してまで倒そうとしていたエボルトは

「お前じゃ相手にならないんだよ」

生きていた!?

「僕が行けば、父さん達を返してくれるんだね?」

そして、一斗は取引に応じようとする。

次回、『心火(進化)に終わりはない』


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42.心火(進化)に終わりはない

『クロコダイル in ローグ!』『オーラァ!!!』

 

『ドラゴン!』『ドラゴン!』『エボルドラゴン!』『フッハッハッハッハッハ!』

 

「フェーズ2、完了」

 

ライダーへと変身した二人が対峙し合う。ティーダは被害を出さない為にエボルトに提案した。

 

「このままここで僕は戦いたくない。場所は変えられないのか?」

 

「残念ながらその提案は飲めない。つまり...」

 

エボルトは左手をベルトの近くへと運びビートクローザーを召喚する。

 

「ここが戦場だ」

 

たった一振り。されど一振り。エボルトによって病院はティーダとエボルトの姿が外からでも確認できる程に破壊された。

 

「JIM、今の一撃での被害は!?」

 

『幸いあの病室の患者は今日の午前中には退院している。被害は病院のみだ』

 

JIMの言う通り病院のみに被害がでたもののあの一撃で死人が出ていないことが幸いしていた。

 

『マスター、このまま戦闘してもアイツに勝てる可能性はとても低い。どうする?』

 

「そんな事決まってるよ。一斗君を守るんだ。できなくてもここで時間を稼ぐ!」

 

ティーダはスチームブレードとJIMを構える。

 

「ティーダ、確かにハザードレベルも上がり更に闘いを経験したみたいだがな__」

 

エボルトはベルトからドラゴンエボルボトルを取り外すとそれをビートクローザーにセットした。

 

『スペシャル・チューン!』

 

「お前じゃ相手にならないんだよ」

 

そしてトリガーを引いた。

 

________________

 

 

「一斗!」

 

突然、病室にはやてたちが駆け込んだ為に大きな音が響き布団に潜り込んでいた一斗は驚いた。

 

「一斗、そのままでいいから聞いて。今、龍斗に化けたエボルトが取引を提案してきたんや。巧にぃやユーノ、龍斗と一斗を交換しようというものなんやけど___」

 

続くはずだったはやての言葉を聞くこともなく一斗は布団を吹き飛ばし廊下へと飛び出す。

 

「行かなくちゃ...」

 

走り出した彼の後をフォレス達は追っていく。はやて達でもその動きに追いつく事が出来ず、廊下に出たときには既に一斗の姿は見えなかった。

 

一斗には自分にしかできないことをする為に走っていた。自分自身を犠牲にするだけで戦兎達を助けられる。そんなことをあのエボルトが提案してきた時点でその狙いが自分(エボルトの一部)であることは明白だった。それでも今の彼は止まれなかった。

 

「っ、ティーダさん!」

 

守ってくれた人達にその恩を返すために。

 

「来ちゃダメだ!」

 

「おっと、まさかお前の方から来てくれるとはな。一斗」

 

 

エボルトによって地面に突っ伏していたローグの姿を見ながら肩に乗ったフォレスを変形させてエボルトへ向けて構える。

 

「僕が行けば、父さん達を返してくれるんだね?」

 

「勿論だ。さぁ、こっちへ来い」

 

「その前に...」

 

エボルトからの返事から狙いが確定した為に一斗は構えていた右手を降ろす。そして銃口を

 

「先に父さん達を返して。もしもダメなら僕がこの世界から消滅する」

 

自身に向けた。

 

「....いいだろう。グランディア、あいつらを連れてこい」

 

エボルトは変身を解除し龍斗の姿へと戻る。ゲートを開きアジトにいるグランディアに指示を出す。しばらくすれば拘束された戦兎とユーノが運ばれてきた。

 

「...これでいいだろぉ?さぁ取引だ」

 

ティーダは無理矢理身体を動かして一斗の元へ行き考え直すように言うが一斗はそれを聞き入れなかった。

 

「大丈夫ですよ。僕は必ず戻ってきますから」

 

「一斗君、君は___」

 

ティーダの横を通って一斗はエボルトの元へ行った。

 

「先に父さんたちの拘束を解いて」

 

バインドの魔法は解除され、気を失っていた二人は地面に倒れてしまう。

 

「この体ともおさらばだ。さぁ来い!」

 

グランディアを後ろに待機させたエボルトは龍斗の身体から分離し、赤黒いスライム状の姿へと変化する。そして一斗の身体へと飛びかかる。だが、それを邪魔するものがいた。

 

「ミカ、後は頼んだぞ!」

 

「はい!」

 

一斗へと飛びかかったエボルトをその身を盾にして庇った者がいるのだ。

 

「と、父さん...」

 

「悪いな。でもお前にここでエボルトに吸収される訳にはいかないんだ...やれ!!!」

 

戦兎はミカに頼んでおいた特大転移魔法陣を展開させすぐさま転移させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前の周りの人間を、一人残らず消してやるよ。徹底的にな!!!!」

 

何もない土地に残された戦兎の体を乗っ取ったエボルトは固く決心した。そしてその後ろで待機しているグランディアは仲間に渡された資料を再確認していた。

 




今週のジオウ、アナザーライダーがアナザーライダーになるっていう実験をした新しいタイムジャッカーが一番怖かった...

あれ?ウォズの方がやばかったかな?


ではまた!
__________

一斗を庇って乗っ取られた戦兎

「返してもらうぞ、エボルト」

ライダー達によって戦兎救出作戦が決行される!!

「私達のギアを返してください」

そしてグランディアと対峙する事になる翼

「いいんですか?」

次回、『地獄少女』

彼女はその身を亡ぼすつもりで彼らに挑む。





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43.地獄少女 前編

やることが増えてきた...

ただでさえ書くのが下手なのにドンドンクオリティが下がっていって、
インフレも進んでいくし...

公式からのエボルトの兄をどうすればいいんだよ!?

そうだ!姉にしてしまおう!(白目)


「父さん...」

 

一斗はその場で座り込んでしまう。自身を犠牲にしてまでエボルトから取り戻した戦兎が自分をかばってエボルトに連れていかれてしまったのだ。

 

「一斗様、顔をあげて下さい。これはマスターが望んでいたことなのです」

 

「でも!」

 

言葉を続けようと顔を上げた一斗はミカが泣いている事に気が付いたのだ。彼女も父さんがエボルトに乗っ取られる事は望んでいなかったのだろうと、一斗は思ったのだ。決して自分だけが悔しいわけではないのだと。

 

「ティーダさん!」

 

「何だい?」

 

ユーノに近づき無事を確認したティーダは念話ではやて達に連絡をとっていた。そこに一斗から声をかけられたことで一度念話を停止する。

 

「エボルトを倒しましょう。必ず」

 

「...勿論だよ」

 

それは誰もが望んでいる事だが、一斗の口から聞えてきたその言葉はティーダにとって誰から言われたものよりも重く、そして力強く聞こえた。

 

 

____________

 

 

エボルトは荒れていた。

 

「畜生が!!」

 

「落ち着いたらどうかね。折角新たな力を手に入れたんだ。それを使って彼を取り込むのも悪くないだろう?」

 

「それくらいは理解している!だが、この体に自分が入っていることにイラついているんだよぉ!!!」

 

エボルトはそこらに散らばった人型をしていた(・・・・・・・)何かを蹴飛ばし、殴りつけ、原型がなくなるまで破壊し続けた。

 

「やれやれ...ここまで荒れるとは予想外だ」

 

「それだけ桐生戦兎はあの方に火をつけられるほどに大きな存在ということですよ」

 

グランディアは資料を机に置くと、専用の試験管に入れられたギアに目を通した。

 

「君に頼まれた通り室力を挙げた上に新たな能力を追加しておいた。全く君は面白いことを考えるね」

 

「貴方に褒められるとは、以前の私では考えられませんでしたよ、スカリエッティ(・・・・・・・)

 

キーボードを触るのを辞めた彼はその頬を緩め、ニヤリと笑った。

 

「そう言いながらも君は私を利用しているのだろう?」

 

「ええ、勿論。私は私のためだけに動いている。それはあなたもでしょう?」

 

「当たり前じゃないか。折角別世界を滅ぼした者達の力を手に入れたんだ。実験したくならないかい?」

 

破壊を続けるエボルトを彼らは気にすることなく話を続けていく。全ては己の目的の為に。

 

____________

 

 

「僕が見たものは少ないんだけど覚えていることは話すよ。だから、落ち着いて聞いてほしい」

 

龍斗の体に異常がないか検査が終わった後入院しているユーノの部屋に一斗達は来ていた。

 

病院自体は一度とある場所を経緯した後に元の場所に再度転移されていた。その為無事に病院の復興作業は開始され、エボルトによって破壊された廊下はミカが直したことによって落ち着いていた。

 

ユーノが話したのは自分が捉えられた後、戦兎が連れてこられた事。そしてエボルトの目的、その協力者についてだった。

 

「スカリエッティ...」

 

「でもS.S事件の際にエボルトに___」

 

「その通りさ。今の彼はエボルトが創り上げたサイボーグだよ。」

 

かつて追いかけては逃げられていた相手がついにサイボーグになった(人間を辞めた)と知ったフェイトたちは頭を痛めていた。

 

「いい加減に大人しくつかまってくれないかな...」

 

「にゃはははは....はぁ」

 

「それで、巧にぃは?」

 

「ああ、戦兎さんは僕よりも先に目が覚めていたみたいなんだ」

 

今回の計画も一切ユーノは知らなかった。そんな時に、ミカが口を開いた。

 

「お待たせしました、一斗様。葛城様が協力して下さったためにとても早く割り出せました」

 

「それで、父さんは何処に?」

 

一斗はミカに戦兎の居場所を特定できないか頼んでいたのだ。無事に特定出来たミカは仮想スクリーンを展開しながら話す。

 

「はやて様達の故郷、地球の海鳴市の廃ビルの地下にマスターは捕らわれているようです」

 

様々な事件が起きたあの町で再び大きな事件が起きようとしていた。




クロスオーバー編の完全完結を考え中

姉を出すか、それともその前に終わらせてしまうか

どちらにせよ戦兎に平穏は訪れないという...(姉はシスコンにするつもり)

あ、カップ麵うまい...


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44.地獄少女 後編

「海鳴市...こんなに早くここに来ることになるんなんて...」

 

誰も予想していなかったのだ。あのエボルトが動くなら滞在している世界から破壊するものだと思っていた者が多い中で海鳴市にて戦兎が捕らわれていることが判明したのだから。

 

「一斗君、こちらは頼まれていた通りビルドドライバーを作っておいたよ」

 

「ありがとうございます」

 

一斗達は拠点として葛城の元を訪れていた。なのは達は故郷に住む家族の元に滞在しようとしたが、彼らが動き出してしまえば確実に全員が巻き込まれる事態になりかねないので同じ様に研究所に滞在していた。

 

今回の戦兎救出作戦はユーノを除く皆でエボルト達のアジトを叩くというものである。既に海鳴市の戦兎が以前再購入した八神家にはやてとティーダ、ティアナにスバル、シグナムが待機している。他のメンバーはもしもに備え、ミッドチルダに残っている。

 

「だがよ、簡単に戦兎は助け出せないだろ?」

 

「はい、龍斗様の言う通り簡単にはいきません。だからこそ彼女を頼ってみようと思います」

 

「ベルナージュだね」

 

ミカに宿っているベルナージュの力を使い、戦兎を助け出すのが目的なのだが一切ベルナージュ本人からの返事はない。

 

「全ては今日の12時ジャスト。全てはそこから始まる事になる」

 

葛城の言葉で皆がその身を震わせる。誰もが怖いのだ。あの戦兎をも無効化してしまう程の奴のことが。

 

___________

 

 

「作戦開始!」

 

『はい!』

 

それぞれが配置に付いた事で作戦が開始される。最初に廃ビルに突撃したのはなのは達遠距離支援部隊だった。

被害を最低限に控えるためにはやてが結界の維持を。なのはとティアナが廃ビルの内部に突撃できる穴を開ける。

 

「やっぱり簡単には進ませてくれへんか」

 

予想通りに穴が開けば中から複数のガジェットとガーディアン達がその顔をのぞかせている。そこにクローズマグマがナックルのスイッチを押し込みながら近づいていく。

 

「食らっとけ!!!!」

 

『ボルケニック・ナックル!!!!』

 

穴にはまってしまっていたガジェット達は身動きが取れない中、受けきれない攻撃が機体を貫いていく。大きな爆発が起こり廃ビルが跡形もなく吹き飛ぶが内部は無事なのか、入口が姿を現した。

 

「作戦続行!このまま突撃開始!」

 

仮面ライダー達は入口をこじ開けると内部へと侵入した。

 

________

 

 

「おや、予期せぬお客の襲来みたいだ」

 

「この場所を割り出されるとは...スカリエッティ、既に別拠点の用意は?」

 

「済ませてあるよ。早速転移するかい?」

 

「いえ、私はここに残ろうと思います」

 

グランディアはギアを2本とも持って研究室を後にする。

 

「なるほど、実戦というわけだ」

 

グランディアの後ろ姿を見ながらスカリエッティは誰にも見せたことがないような顔で笑っていた。

只々目の前のおもちゃがこれから使い物にならなくなってしまうのを知っていながらも無邪気に遊ぶ子供のように。

 

__________

 

 

「よお、よく来たな」

 

「返してもらうぞ、エボルト」

 

ライダー達は乗り込んだ末にエボルトが待つ開けた場所にやってきていた。

 

「戦兎を取り戻したいようだがそれは不可能だ。お前ならそのことを一番よく知っているんじゃないか?」

 

エボルトはクローズマグマ(龍斗)を指さしながら話を続ける。

 

「折角だからな。俺とお前らの力の差をハッキリさせておくには丁度いい」

 

エボルトは戦兎の体に手を突っ込むとエボルボトルを生成する。

 

「この場で潰れてもらうぞ」

 

『ラビット』『ライダーシステム』『エボリューション!』

 

ベルトにボトルをセットするとハンドルを回す。ティーダ達は改めて武器を構える。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身」

 

展開されたライドビルダーに挟み込まれたエボルトは新たな姿へと進化する。

 

『ラビット!』『ラビット!』『エボルラビット!』『『フッハッハッハッハッハ!』

 

「フェーズ3、完了」

 

「行くぞ!」

 

「「はい!」」

 

戦兎を取り戻すための戦いが始まった。

 

____________

 

 

「おや、貴方もここに来ていたのですね」

 

「私達のギアを返してください」

 

翼はネビュラをグランディアへ向けて構えていた。

翼は今回の作戦に参加していない。だが、ミカに頼み込むことで内部を把握したタイミングでアジトへと転移していたのだ。

 

「いいですよ。これはもう必要ありませんし」

 

「!?」

 

翼の予想とは異なりすんなりとグランディアはギアを翼の足元に投げる。

 

「どういうつもりですか?」

 

「言ったではないですか。もう必要ないのだと。ただ一つだけ忠告を」

 

翼はそれが本物だと確認すると拾い上げてギアエンジンだけを収納し、ギアリモコンをネビュラにセットしようとする。だが、グランディアの口からでた不穏な言葉にその動きを止めることになった。

 

「今それを使えば貴方のハザードレベルは急上昇し、肉体は消滅してしまうことでしょう。それでも使うのですか?」

 

話しながらもエボルドライバーを装着したグランディアはボトルを振る。

 

『コウモリ』『発動機』『エボルマッチ!』

 

「いいのですか?」

 

「答えは決まっています」

 

翼は躊躇することなくギアをセットした。

 

『ギアリモコン』

 

「私が消えようとも貴方を倒す。ただそれだけなので...潤動!」

 

彼女はネビュラスチームガンのトリガーを引いた。

 





これからどうしていこうか...

少し投稿日が開くかもしれません。


__________


次回、『意地』

ある者は、その身を_____


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45.意地

これが、どうしてもやりたかった!


「これが、貴方の望みなんですね?」

 

「ありがとう葛城君。これで俺は自分の罪を償える」

 

「...相手は強敵ですよ?」

 

「それでもさ...これが俺の、『  』の意地なんだ」

 

男は葛城からアイテムを受け取り、ゲートを通る。

その背中を見守る葛城は、その背中にある人を重ねていた。

 

___________

 

 

『リモートコントロールギア!』

 

「...問題はなさそうですね」

 

『一部、室力が上昇しているようです。あまり無茶を___』

 

「ネビュラ」

 

『...ご武運を』

 

姿を変えた翼は左手に握ったギアに目をやる。エボルトに騙されて壊された片割れを思い出すかのように。

 

「こんな所で使わされることになるとは...」

 

マッドローグはスチームブレードを構える。翼はその姿から今の自分では勝てないことを悟っていた。

だからこそ、もう一度地獄へ...回数制限のある力を使うことに躊躇いが生じなかった。

 

『ギアエンジン』

 

「成程、いきなり切り札を導入してくるのですね」

 

「ええ、貴方をエボルトの元へは決して行かせません」

 

『ファンキーマッチ!』

 

翼がトリガーを引く前にマッドローグは自身の持つネビュラスチームガンのトリガーを引いたが、直ぐに展開された青と白のギアではじかれる。

これがたった5回しか変身できないヘルブロス変身の4回目。

 

『フィーバー!』『パーフェクト!』

 

「...ヘルブロス、起動!」

 

その言葉と同時に動き出したヘルブロスは召喚したスチームブレードを振り回す。グランディアはそれを上手く防御できず、アーマーに深い傷を負ってしまう。

 

「ぐっ...GAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!」

 

『やはり室力が...これ以上は危険です、マスター!!』

 

それもそのはず、全てはグランディアの計画通りなのだから。エボルトにすら話していないそれは彼の○○○○に対しての切り札なのだ。

 

「やはり!スカリエッティにっ!頼んだ!のは正解でしたね!!!」

 

「グランディアァァァ!!!!!!私達(・・)に何をしたあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

グランディアは一撃一撃を受け止め始める。それはヘルブロスが弱くなったのではなく、マッドローグが追いついたのだ。全ては世界を破壊する為に。

 

「貴方にそれを話す必要はないでしょう?」

 

「オシエロォォォォ!!!!!」

 

『マスターっ!マスター!!!』

 

ネビュラの声はマスターである翼には届かない。室力が上がった為にコントロールが効きずらい身体を無理矢理動かしている為にネビュラの声だけでなくグランディアの声まで、彼女の声以外全てが聞こえていないのだ。

 

_______________

 

 

「がぁ!?」

 

「一斗!?クソがぁ!!!」

 

「ほらほら、こんなものか?俺はまだまだ元気だぜ?」

 

エボルトに3人で闘いを挑んだもののやはりその力には圧倒的な差があった。

 

「ん?」

 

「今です龍斗さん!このまま僕が押さえつけるので、早く!!!」

 

「っ!!!」

 

『ボトルバーン!』

 

ティーダがエボルトを抑え込んだのを見逃さない。龍斗はナックルを突き出す。

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

「これが拘束のつもりか?」

 

「なっ!?」

 

エボルトは放たれた一撃を冷静に対処する。その方法は__

 

「野郎、ティーダを壁にしやがった...」

 

「あ...」

 

「所詮お前らじゃこれくらいが限界だ。見逃してやるから帰れ」

 

変身が解除されたティーダを投げ捨てる。生身のまま壁に投げ埋められたティーダはその後動く様子がない。

 

「諦め、られるかよ...あいつは、何度だってお前に闘いを挑んでいったんだ...」

 

「ほぉ...」

 

エボルトは改めて万丈龍斗という人間について考え直した。戦兎と同じ位因縁のある相手であり、何度倒されても決して諦めないその心に自分が関心を示すほどには。人はそれを「うっとおしい」というのだが、エボルトはその言葉にすら興味はない。

帰らないのならばとエボルトは攻撃をしようとしたが背後に現れた気配が近づいて来ている事に気が付き攻撃を止める。

 

「こいつの言う通りだ。君たちは一旦帰って体制を整えてくれ」

 

「えっ」

 

「ん~?」

 

「なんで、あんたがここに...」

 

その声の主は、決してここにいるはずのない人物だった。

 

「なぁに、ミカちゃんが葛城君に連絡を取った時に話を聞いていてね。流石に動かずにはいられなかったのさ」

 

「今更お前が出てきた所で何ができる?」

 

「簡単さエボルト、これはオジサンの意地なんだ。そして...」

 

『コブラ』

 

トランスチームガンにフルボトルをセットして上に構えトリガーを引きながら下へと降ろし、スチームを身にまとう。

 

『ミストマッチ!』

 

『返してもらうぞ、俺の息子を!!!!」

 

『コブラ…コッ・コブラ…』『ファイヤー!』

 

花火と共に黒いスチームは晴れていき、そこにはかつてのエボルト『ブラッドスターク』の姿があった。

 




サブタイトルの『意地』

それは自分がどうなってでも家族を守る父親の意地を指しています。


________

次回、『戦兎救出作戦、終了』


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46.戦兎救出作戦、終了

久しぶりの投稿じゃ!!!

...FGOのイベントが立て続けに襲って来たんです

決して書いていなかった訳ではないですよ?

...フリじゃないですからね!



では、本編をどうぞ。


それは一帯何時からだろうか

 

「お前ごときに、俺が負けるはずが、ないだろう?」

 

「そう、言いながら肩で...息をしているのは、誰だ?」

 

聞こえるはずがない声が聞こえ始めたのは。

 

今、俺はどうなっている?

 

「なにぃ...要らない事をしてくれたなぁ!!!」

 

「エボルトの動きが鈍っている!?」

 

確か...一斗をかばってエボルトに...

 

「どうやら、葛城君の推測は、当たっていたみたいだな」

 

「お前さえ、いなければ...佐野純一郎ォォォォ!!!!!!!!!!」

 

「叫ぶな、耳が壊れる」

 

父さん!?なんで父さんが闘っているんだ!?

 

「起きろ巧!自分の身体を取り戻すんだ!!」

 

...成程。

 

「...如何やらここまでのようだな、エボルト」

 

「こんな、所でぇ...一斗...お前の身体を、よこせぇぇぇ!!!!!」

 

!一斗に向かって走り出した!?

 

___________

 

 

俺が戦い始めてほんの少しだけ時間が過ぎた。スチームブレードとトランスチームガンを使いエボルトの攻撃が当たらないように、距離を詰められないように動いていた。

 

「お前ごときに、俺が負けるはずが、ないだろう?」

 

「そう、言いながら肩で...息をしているのは、誰だ?」

 

戦兎自身の体力はそこまで多くはない。それは自分が親だからこそ分かった利点だ。それを弱点として闘ったのだ。だが完全に体力を削ぐことはできなかった...まぁ予定よりもよかったから良しとしよう。

そんな中で少しずつエボルトの動きが鈍り始めていた。

 

「なにぃ...要らない事をしてくれたなぁ!!!」

 

「エボルトの動きが鈍っている!?」

 

これは...巧が意識を取り戻し始めているのか?

これは好都合。俺自身を犠牲に彼らを逃がすつもりだったが計画変更だ。

 

「どうやら、葛城君の推測は、当たっていたみたいだな」

 

「お前さえ、いなければ...佐野純一郎ォォォォ!!!!!!!!!!」

 

「叫ぶな、耳が壊れる」

 

今のエボルトには冷静に判断できる程の理性は残っていないようだ。土壇場で考え付いたハッタリにも耳を貸す程には。てか、本当にうるさいな!

 

「起きろ巧!自分の身体を取り戻すんだ!!」

 

ここで更に一押し。意識を取り戻し始めている巧が表に出てこればエボルトは動けなくなる。そこを付けば或いは

 

「...如何やらここまでのようだな、エボルト」

 

「こんな、所でぇ...一斗...お前の身体を、よこせぇぇぇ!!!!!」

 

不味い!?エボルトの狙いは確か一斗の身体だったはず...今の自分の位置からはどうやってもその動きを妨げることができない!!!

 

「龍斗君!!!」

 

「一斗には近づけさせねぇ!!!」

 

一斗の近くにいた龍斗君が前に出ることでエボルトの進行を止めてくれるが、あまり持ちそうにない

俺は机に置かれていたパンドラボックス(本来の目的)と気絶した男の子を回収すると一斗(グリス)の肩に手を起きトランスチームガンのトリガーを引く。

 

「君も早く!」

 

勿論彼も煙に巻き込むように。

 

 

__________________

 

 

「寝ていろぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

 

「おや、かなり荒れて、居られるようですね」

 

あの方は如何やら目的を果たせなかったようですね。まぁ、これもすべて予想通りですが。

 

「ミツケタゾ...グランディアァァァァ!!!!!!!!!!」

 

おっと、こちらも見つかってしまいましたか。ですがこれで丁度いいかも知れませんね。

自分の身が危険にさらされようともこれだけで全てが解決しそうですし。

 

「こんな体、捨ててやるぅぅ!!!!!!」

 

「これはナイスタイミング!折角ですから、貴方とかなり親しみがある者の体は如何ですか?」

 

そう言って私は、進めていた計画で創り上げた鷲田翔(・・・)のクローンを召喚した。

 

 

_______________

 

 

計画は、失敗なのだろうか?

 

「こんな時に君に会うとはね。これからも巧の事をよろしく頼むよ」

 

「勿論です!!!」

 

この光景は何なのだろうか」

 

「ティア、声に出してるよ」

 

「マッ!?...ごめん、教えてもらうまで気付かなかった」

 

「知っててもこれは...ね...」

 

あの人(はやて)の頭からはここが先程まで戦場だったことが抜け落ちているのだろうか?

 

...イヤイヤ、これ以上考えるのはよそう。きっと、タヌキとまで呼ばれる彼女には私が考えている事なんて...

 

「あ」

 

めっちゃこっち見てる!?

 

「そこに、巧にぃがいる?」

 

え?

 

私が振り返ると崩れ去ったはずの建物の瓦礫の下から手が出ていた。明らかに人のものである。

 

こうして、気を失った戦兎さんの救出作戦は成功した。

 

でもその代わりに翼が行方不明になっているのに気が付いたのは、ミッドに戻ってからのことだった。





...この小説、一帯何処へ向かってるんでしょうか

書いている作者が分からなくなってきました...



後に新作『エボルト姉妹から逃げる話』(短編)でも作ってみようかな...

あ、でもその前にこの作品をどうにかしなきゃ。


今回は次回予告なしでございます。それでは!


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47.エボルトは星を狩る 前編

再現するなここだと、思いまして


父さん救出作戦が終わってから2日が経過した。

 

僕らが闘っている間もミッドチルダは復興を続けていたらしく、既に学校は再開され僕も普段の日常に戻った。

 

そう、戻ったはず...

 

「私の事を考えてくれているんですね!」

 

戻った...はず...

 

「貴方が狙われているのなら私はここを離れませんよ」

 

はず..._

 

「うあああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

「はっ!待ってください、一斗さん!」

 

本当、もう!どうしてこうなったんだっけ!?

 

________

 

「えっと、離してくれませんか?」

 

「ダメです」

 

質問はされ今もなお僕の背中にくっついているのは同じクラスのアインハルトさん。

 

「もっと気軽に読んでくださいね」

 

何故か僕の心を読む事が出来るみたいなんだけど...そんな彼女が今日朝一に僕が暮らしている教会の部屋の前に立っていたのは、エボルトと始めてあったとき並みに怖かったです。

 

「...改良の余地あり、と」

 

「何か言いました?」

 

「いいえ、独り言です。それよりもあの問題を解いてくださいね」

 

何故か(・・・)今日の授業で教室にやって来る先生方は担任の先生を除いてアインハルトさんを視界に入れるたびに震えている。一体何があったのだろう?

 

「...私達の邪魔___」

 

 

そんなこんなで放課後校舎を出るまでアインハルトさんは背中にくっついたままだった。

 

 

「で、今もまたくっつかれたと」

 

「はい、その通りです」

 

で、ナカジマジムにトレーニング、ではなくこれからについてを話に来たのですが、ジム内に入ると直ぐにアインハルトさんがくっついてきました。

 

「なぁアインハルト、一体どうしてそんなにも一斗にくっついているんだ?」

 

「それは...いくらコーチといえど、言えません!!!」

 

「ちょ、肩がいたたたたたたたたたたた!!!!!!!!」

 

アインハルトさんんんん!!!!!肩が!僕の両肩が壊れちゃう!!!!」

 

「...特別が、欲しいんです」

 

「へ?」

 

急に背中が震えだす。これはアインハルトさんが震えているみたいだ。

 

「一斗さんと私の、特別な何かが...」

 

...それは彼女が親元から離れているから寂しかったのだろうと僕は考えていた。

 

「それじゃあ、ハル(・・)なんてどう?」

 

「!」

 

彼女も予想していなかったのだろう。震えは収まり、その代わりに小さな闇が見え始めた。

 

「一斗さんが読んでくれた一斗さんが読んでくれた一斗さんが読んでくれた一斗さんが読んでくれた一斗さんが読んでくれた一斗さんが読んでくれた一斗さんが読んでくれた一斗さんが読んでくれた一斗さんが読んでくれた一斗さんが読んでくれた...」

 

「あ~~、一斗。ちょっとこっち来て」

 

僕はノーヴェさんに言われた通りにアインハルトさん(・・・・・・・・・)を置いてその場を離れる。

 

「あ、離れられた」

 

「これで良しっと。あともう一つは...」

 

そしてノーヴェさんは僕に言いました。

 

「頑張れ」

 

あの言葉の意味って?

 

__________

__________

 

 

「姐さん、どうしたの?」

 

「...何でもないの、ただ貴方を呼んだだけ」

 

「そう」

 

鷲田翔のクローン(エボルト)はいい加減嫌気がさしていた。

俺はお前の弟じゃねぇと。だが好都合なことに今の彼女には以前の記憶がない。しかも、俺が脅しをかける前まで記憶がないようなのだ。

 

「翔様、ご気分は」

 

「...まぁまぁといったところだな。それでグランディア?パンドラボックスのあり方はわかったんだろうな?」

 

「はい。ですが、少々面倒なことになりまして...」

 

グランディアからの報告にエボルトはその表情を変化させるが、それを表に出すことなく返事を返して一旦下がらせる。

 

「あの男、始末しようか?」

 

「いいよ。彼にはまだ働いてもらわないと...さぁ姐さん、こっちへ...」

 

翼をボトルへと変えたエボルトはそのボトルを投げ捨てる。

 

「はぁ...猫を被るのはこれだけにしてくれ...さぁて!!!またまたご挨拶にでも行きますかね」

 

エボルトは楽しそうに投げ捨てたボトルを拾い上げるとホルダーへとセットする。

 

「しっかりと働いてもらうぞ、ね・ぇ・さ・ん?」

 

その光景は異質なものだった。




一斗:アインハルトに朝一で会ってから背中にくっつかれた。

アインハルト:一斗さんが私のものに...

翼:スカリエッティさん直々の調整(改悪)の後遺症で記憶を失う。

エボルト:戦兎の身体を捨てるも、他の面倒ごとに四苦八苦。結局ボトルにすればいいやと自己完結。

なんだこれ?


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48.エボルトは星を狩る 中編

さてさて!

ここからが勝負だぜぃ!!!


戦兎が目覚めたのはほんの少し前だったが、現在龍斗は頭を抱えていた。

 

「これで、ハザードをコントロールしているのか...」

 

『そしてこれがそのアーマー達だ。君がボトルを振って起動させると魔法で転移する仕組みさ』

 

戦兎は目が覚めて直ぐにこんな事を言ったのだ。

 

「龍斗?いやでも、俺の知る龍斗はもっと筋肉が少なかったはず...」

 

「はやて?闇の書の主か?そういえば、ここはどこなんだ?俺は一体今迄何を?」

 

結果だけ言うなれば、今の桐生戦兎には記憶がない。

 

いや、正確には闇の書事件で記憶を取り戻してから後の事を一切憶えていないのだ。

 

今は繋がった葛城さんとの会話で記憶を取り戻せないかを試している。

 

『それで君は今迄の記憶を失ったんだ。エボルト、スタークを倒す為にパワーアップアイテムを作らないかい?』

 

「...分かりました。パンドラボックスについてもっと調べてみます?」

 

『明日にはそちらに伺おう。君は解析を始めておいてくれ』

 

あれ?内容がおかしい気が...

 

「待ってくれ!ちょ、葛城さん!?それでいいのかよ!?」

 

『仕方がないじゃないか』

 

『葛城様の言う通りです。何がきっかけでマスターが記憶を取り戻すかわかりません。それに..』

 

「翼の行方が分からないってか」

 

戦兎救出作戦の後、戦兎の親父さんを葛城さんの元に送ったあとミッドチルダに戻って来てみれば、翼が行方不明になっていた。ミカが連絡を取ろうとしてもネビュラに連絡が付くことはなかったのだ。

 

「取り敢えずミカと葛城さん、戦兎の事を頼みます。俺は一斗の所へ行ってきます」

 

『お任せください』

 

『余り気を詰めすぎないようにね』

 

俺は戦兎に出かけてくると声をかけてから病室を後にした。

 

 

_____________

 

 

「で、このありさまと」

 

「ハハハ、ごめんよー」

 

「ヤッフフフッフーーー!!!!!!」

 

『すいません、楽しそうなマスターを止めることが出来ませんでした』

 

一斗の部屋に訪れた後、ドアの前で体育座りをしていたアインハルトがいたのだが

 

「絶対に声をかけないでください」

 

と一斗に言われた為にその場を無言で去って来たらこのありさま。何もなかったはずの病室には大きな機械がびっしりと置かれている。それぞれが起動しているらしく、部屋の窓が全開にも関わらず、物凄い暑かった。

 

「出来たぁー!!!!!」

 

「やったね戦兎君!」

 

『おめでとうございます』

 

「何を作ったんだよ...」

 

終始「天才」と叫び続ける戦兎は満足するまで俺に創り上げた『対エボルト用の究極のパワーアップアイテム』について語ってくれた。

 

勿論、その大きな力によって発生する代償も。




今回はここまで!

さぁ~て!来週の「エボルトさん」は?

「どうも、ギルバスです。最近妹のエボルトの様子がおかしいんです。あの男に会ってからだから...やっぱり原因は...

さてさて次回は

「ギルバス、襲撃」

「私の可愛い妹について」

「ビルド撲滅計画」

の三本でお送りします。」

それではまた来週お会いしましょう。

ジャンケン、ポン!

うふふフ....


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49.エボルトは星を狩る 後編

一度は日常に戻ったはずだったが、この事件の原因は未だに捕まっていないのだ。

 

「パンドラボックスを狙ってここに来ると思っていたよ、スターク」

 

「私はグランディア。仮面ライダーマッドローグですよ」

 

「そう。さ~て龍斗、行けるな?」

 

「勿論だ」

 

俺と戦兎は病院の前にハードガーディアンをずらずらと引き連れてきたグランディア(マッドローグ)へと向かって走り出す。

 

『クローズマグマ!』

 

『ラビットラビット!』

 

変身したが如何やら戦兎は今のビルドのスペックについていけていないみたいだ。

 

「仕方がねぇ!戦兎、こいつの相手は任せろ!」

 

「わ、わかった!」

 

何処か頼りない動きでバスターを振り下ろしていく戦兎(ビルド)の背中を見ながらグランディアへ向けてナックルを突き出す。

 

「如何やら桐生戦兎の調子は良くなさそうですね」

 

「黙ってろ!お前の相手は俺だ!」

 

何度もスチームブレードとマグマナックルがぶつかり合う。その度に少しずつだがマッドローグの力が強くなり始めていることに気が付いた。

 

「っぐ!?さっきよりも威力が上がってやがる!?」

 

「おや、気が付きましたか。マッドローグのライダーシステムは人間の限界を超えるもの。今の私は貴方と戦う度に強くなっていっているのですよ!!!」

 

遂には押され始めた。このままではグランディアを病院の中へ入れてしまうことに他ならない。俺は黙ってベルトのハンドルを回した。

 

『READY GO!』

 

『ボルケニック・アタック!』

 

「いっけええええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!」

 

召喚したマグマライズドラゴン達と共にグランディアを押し返して病院から離れさせる。序に群がっていたガーディアン達の群れに突っ込む事でその数も減らす。

 

「中々、上手くは行きませんか...ですが!」

 

「ぬぉ!?」

 

グランディア自身に与えたダメージはそこまでなく、簡単に反撃をされてしまう。

 

「さて、ここで貴方達に問題です。何故ここにエボルト様が来ていないのでしょうか?」

 

「あ、そんなの...!?」

 

あいつの狙いはパンドラボックスと一斗の身体。ここにグランディアだけで来てるってことは!?

 

「ええ、貴方の想像通りでしょう。これで私は失礼しますよ」

 

グランディアは一人目的を達成したからか不敵な微笑みをマスクで隠しながらネビュラスチームガンのトリガーを引き撤退していった。

 

「畜生がぁぁぁぁ!!!」

 

俺たちの一人でもここを離れる事が出来ないほどのガーディアン達が再び召喚された。俺は一斗の元へ行けない悔しさをそいつらにぶつけた。

 

_____________

 

_____________

 

 

今日も戻ってきた日常が_

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____破壊された。

 

展開したはずの防御魔法陣は粉々に破棄され再展開することは不可能。原因の対処に向かった先生達は戻ってきていない。怯える生徒達の中で僕は只々祈ってしまった。誰も死んでいないようにと。

 

それでも、あいつは僕を狙うことを辞めない。辞めるわけがないとも。

それで大勢の人が死のうとも関係ないのだとも。

 

「全くこんな所に隠れなくてもいいじゃないか、一斗」

 

そしてそいつは最後の砦だった体育館の壁を破壊して、中に入ってきた。

 

僕は、あの日からまともに戦えて

いなかった。父さんを助けに行った時も、先輩達の足を引っ張ってしまっていた。

怖かったのだ。これ以上自分のせいで他の人が傷つくのが。

 

「覇王断空拳!」

 

「おっと、まだ戦えるやつがいたか!!!」

 

僕が動き出す前にアインハルトさんやヴィヴィオ達がエボルトと闘い始める。生徒たちは立ち上がり戦いに巻き込まれないように逃げ出している。

 

「一斗さん!逃げてください!」

 

「早く!一兄!」

 

「あまり長くは、持ちません!」

 

「だから...!」

 

みんなから逃げるように言われる。きっと、ここに父さんたちは来ないだろう。エボルトがパンドラボックスを後回しにしてでも僕の身体を欲しがっているのだと、何故か考えられてしまった。

 

『スクラッシュドライバー!』

 

「一斗さん!?」

 

「僕は...君たちを置いて逃げられない....!」

 

『ロボットゼリー』

 

僕らで戦っても勝てない事は分かっている。それでも僕の手は動いた。

 

「変、身!」

 

走りながらバリアブルゼリーを身にまといその姿を変える。両手に武装した二つずつのレザーがエボルトの肩アーマーの一部を破壊した。

 

「...成程、狙いを一つに絞り込んで破壊したか。それでも俺には敵わないがなぁ!」

 

分かり切っているのだ。人質を取られない限り、負けるつもりはない。必ず父さんたちが来るまで時間を稼ぐのだと。

 

「とまぁ、大きく出てもいいのだが...」

 

エボルトは急に素早く移動しアインハルトさんの首を掴んだ。

 

「さぁて一斗。再び取引だ。こいつを見捨てるか、それとも俺のところに来るか」

 

そんなことを聞かれても俺の答えは決まっている。

 

「俺を、連れていけ」

 

「そう来なくっちゃな」

 

アインハルトさんの首を離しエボルトが俺に近づいてきた所で、僕は意識を失った。

 

____________

 

 

「一斗さん!」

 

アインハルトは目の前で敵と共に倒れていく中で叫んだ。だが

 

「フゥ....ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

その思い人の口からは絶対に出すはずのない音が出ていた。

 

「お前のお陰で俺は一斗の身体を手に入れられた...感謝するぜぇ?」

 

啞然としているアインハルトの脇腹をエボルトは蹴り上げ壁に吹き飛ばす。

 

「お前たちもだ」

 

「「「きゃあああああああああ!?」」」

 

アインハルトの安否を確認しようとする彼女たちも纏めて吹き飛ばす。

 

「これで、エボルトリガーが使えるはずだ...待ってろよ戦兎!!!お前だけは苦しんで苦しんで苦しめ続けた挙句の果てで殺してやるからよぉ」

 

気分がいいエボルトはそれ以上破壊することなくその場を後にした。

 

残されたのは大量の負傷者と意識不明者達、崩壊した校舎だった。

 





次回、『究極のフェーズ』









平和なんてものはない。エボルトを倒すまでは___


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50.究極のフェーズ 前編

最近分割してばかりで一気読みしたい人もいると思いますが、作者にはこれが限界です。


彼らが学園に来た時には既に戦いは終わっていた。

 

「なんだよこれ...」

 

「見る影もない...か...」

 

エボルトによって破壊しつくされた校舎。体育館はその面影すらなくなっていた。

 

「一斗は、どうなった!?」

 

龍斗は頭で理解していても納得できていない。どうしても間に合ったと思いたかったのだ。だが現実は最悪な結果を叩き付けてきた。

 

「.........!」

 

エボルトと戦闘した為に瀕死の状態の先生が10人、生徒はヴィヴィオ、コロナ、リオ、アインハルトの4人が怪我を負った。そして一斗は行方不明となっていた。龍斗は無言のまま元の姿が消え去った瓦礫を叩いた。

 

「すいません...一斗君を...」

 

「もう喋らないでください。傷口が開いてしまいます」

 

戦兎は余り上手く状況を理解していなかった。話しかけてきた女性についても何も。

 

「頼み...ます...一斗、君を、」

 

「はい、必ず」

 

自分の息子だと言われても実感はなかった。それも仕方がないだろう。記憶がない為に目が覚めたら急にいた存在なのだから。それでも、戦兎は理解していた。

 

「助け出すさ。必ずな」

 

(一斗)が自分にとって何だったのかを。胸に引っかかった理解出来ない感情の事を。

 

「龍斗!」

 

戦兎は必ず倒すと決めた。自分がどうなろうとも、エボルトを______

 

 

____________

 

 

「なぜだァァァァ!!!!!!!!!」

 

地面に叩き付けられて滑ってグランディアの足元までエボルトリガーは滑っていく。グランディアはそれを何事もなかったかのように拾い上げた。

 

「一斗の身体も手に入れた!ハザードレベルも5.0を超えた!それでもなお何故起動しない!!??」

 

起動させるための全てをこなしたはずなのにとエボルトは更にボトルを叩きつける。

 

「...こちらのボトルは」

 

「俺には必要ない。好きにしろ」

 

グランディアはそう言ってボトルを拾い上げる。それはエボルトによって肉体を成分としてボトルに吸収された翼と翔の___ギアリモコンボトルとギアエンジンボトルだった。

 

グランディアはエボルトに見えないように頬を緩める。この2本のボトルを完成させることこそがグランディアの目的だったのだ。

 

「そう言えば、桐生戦兎の様子がおかしかったですよ?」

 

「な~にぃ?...利用してみるか。グランディア、ついてこい」

 

「はい」

 

全ては『   』の為に。彼の目的は変わることはない。達成する為には危険な橋だってわたってみせる。それが今の彼である。

 

 

___________

 

 

病院に戻れば以前よりも騒がしくなっていた。

 

「....」

 

「....いくぞ」

 

見ているのも辛くなる程に、医師や魔術師達の声が飛び交っていた。戦兎は龍斗に声を掛けてその場を離れる。病室についても程よく聞こえる声に、戦兎は決断を下した。

 

「葛城さん、ミカ、龍斗。提案があるんだ」

 

これが吉と出るか凶と出るかは誰にも分からない。

 




次回の「迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 」は


「エボルト、姉に会う」の巻

「戦兎の逃走劇」の巻

の2本だよ!

お楽しみね!


__________




さて、噓予告は置いておいて新作のお知らせです。


新しく『エボルト姉妹から逃げる話』という短編を始めました。

気になる方はどうぞ!

https://syosetu.org/novel/171611/

ではまた!



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51.究極のフェーズ 中編

地球を滅ぼす程のエネルギーが眠る『パンドラボックス』が遂に開かれた!

その力を操る地球外生命体『エボルト』の前に仮面ライダーが立ちはだかる!


一斗がエボルトと融合してからまる1日が経過している。戦兎は何処か懐かしさを覚えながら海岸へと向かった。

 

「来たのか、佐野巧」

 

「それが誰だか知らないが、お前が乗っ取っている俺の息子を返してもらおうか」

 

声をかけられれば全く知らない名前がエボルト(一斗)の口からでる。

ここでエボルトは始めて気が付いた。自分が乗っ取った事で戦兎の記憶が消えていたことに。

 

「くっくっく、お前は本当に面白いな!さぁ、始めようか」

 

エボルトはベルトにボトルをセットする。戦兎も遅れてハザードトリガーが装着されたベルトにフルフルボトルをセットする。

ハンドルを回せばそれぞれのライドビルダーが展開されていく。

 

『『ARE YOU READY?』』

 

「「変身!」」

 

ハザードへと姿を変えた後召喚されてきたツインフェニックスアーマーを装着していく。

エボルトは一斗の姿からコブラフォームへと姿を変えてスチームブレードを召喚する。

 

「やはり少し動き辛いか...」

 

戦兎は変身直後から違和感に襲われていた。以前龍斗と共にガーディアン達と戦う中感じたものだった。現在の戦兎が使用しているライダーシステムの室力には過去の戦兎の身体が付いて行っても精神がついていけていないのだ。

 

「そらそら!交わさないと致命傷になっちまうぞ!」

 

そんなことはどうでもいい。ただあいつを殺してあいつに関わった人間、いや世界を破壊する為にエボルトは地球には存在しない毒を纏ったスチームブレードで切りかかる。

 

スチームブレードを交わしフルボトルバスターを召喚したビルドはエボルに反撃を始める。

 

「ハハハハハハハハ!!!!記憶が無くなっていてもお前はやはり面白い!!!」

 

「うおおおおぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

猛攻というわけではない。だが上手く戦えない中でも少しずつだがコントロール出来るようになってきているのだ。エボルトにはその適応能力(進化)が面白く思えたのだ。

 

____________

 

 

戦兎とエボルトが海岸で戦っているのは訳があった。

 

「全く...まさかここに乗り込んでくるとは」

 

「よ~く考えてみればわかる話だろ?お前たちがここにいるのなんてよぉ?」

 

龍斗はわざとらしく言う。ここはミッドチルダを破壊したパンドラタワーの中である。昨日戦兎はこう提案していたのだ。

 

「エボルトに連れ去られた一斗を救いたい。その為にあの塔に侵入してみないか?」

 

一度は記憶を取り戻したのかと思ったが違った。だが戦兎の目は息子を守るために戦う純一郎(父親)と同じ目をしていたのだ。龍斗はすぐさまフェイトたちに連絡を取りそのことを伝えた。手を出さないようにとも。

 

「一人でこれだけの数を倒し登ってきたことには感心します。ここまで来るのはさぞ疲れたでしょう。そこで休んでいても構いませんよ?」

 

「何言ってんだ...俺はよぉ...」

 

龍斗(クローズマグマ)はナックル二つ(・・)を叩き付け合う。

 

「お前を倒さなきゃ気が済まないんでなァ!!!!」

 

相反する力を手に入れたドラゴンは、機械仕掛けの蝙蝠にその牙を向けた。




前回の噓予告の元ネタは「ちびまる子ちゃん」

ようやくここで詳細公開。

因みにエボルトに一度でも身体を乗っ取られた場合、必ず何かを失う事になります。

ではまた次回!
______

『フルフルフェニックスロボボトル』

本作のオリジナルで使用に制限があるボトル。

『ツインフェニックス』

炎を身に纏う事が出来き、瀕死になりかけた際に蘇生・その体制を与える能力があるが後者には制限がある。制限は未知数。攻撃力はラビラビとほぼ同じ・防御力はラビラビに比べれば高い。
アーマーの見た目はフェニックスハーフボディをモデルに両側が形成されている。背中にはフェニックスハーフボディに装着されているフェニックスの尾が更に大きくなって装着されている。アーマー単体で不死鳥に合体可能。炎を纏い敵に突っ込む事が出来る。

『ツインロボット』

単体スペックではジーニアスに勝るほどの攻撃力と防御力を持つ。
しかしその代償にアーマーの使用に待機時間を要する。その制限は変身解除から48時間。
途中で使用することも可能だがその際スペックは他のアーマー(ラビラビ・タンタン・ツインフェニックス)と比べて劣り、使用後の待機時間も長くなる。
戦兎が一度繰り返し使用したところ一週間使用出来なかった。

アーマーの見た目はロボットハーフボディにアレンジを加え、ロボットアームは腕の装備となっており動かすことは出来ない。代わりに素手が使える。脚部にはキャタピラが装着されているがタンクタンクアーマーとは見た目が異なっている。背中にはバックパックが装着されている。
アーマー単体で合体することで小さなロボットとなる。その見た目はロボットゼリーやロボットフルボトルの正面に描かれたロボットと同じ。


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52.究極のフェーズ 後編

ある意味やっぱり強い万丈。


がむしゃらに殴るんじゃない。確実に相手の芯を付いて行くんだ。

士さん達と旅をする中でユウスケさんから教えてもらったパンチのやり方。それを龍斗は今一度思い出しながらナックルを叩き付ける。それの繰り返し。

 

「威力が上がっている!?」

 

「力がみなぎる!魂が燃える!!」

 

スイッチを押し込み右手(マグマナックル)でアッパーを放つ。

 

「俺のマグマが迸る!!!」

 

『ボルケニック・ナックル!!!』

 

武器で防御しようとするがスチームブレード・ネビュラスチームガンは威力に耐え切れず破壊されてしまう。これで終わる龍斗ではない。

 

『ボトルキーン!』

 

龍斗はもう片方のナックルにボトルをセットしスイッチを押し込んだ。

 

『グレイシャル・ナックル!』

 

「ぐぁっ、あ、足がッ!」

 

殴られた勢いで吹き飛びそうになったマッドローグの両足が凍りつく。それにより吹き飛ばされかけている態勢のままに身動きが取れなくなっている。

 

「武器も壊した。これで...」

 

ハンドルを回していくクローズマグマ。グランディアは脱出する為にもがくが氷は砕ける様子はない。

 

「まだ...私はぁ!こんなところでぇぇぇぇ!!!!!」

 

『READY GO!』

 

「もう誰にも止められねぇぇぇぇ!!!!!!!」

 

羽を使い浮上したクローズマグマは空中で体制を整えマッドローグへ向けてキックを放つ。

 

『ボルケニック・フィニッシュ!』

 

だが、キックは当たることはなかった。

 

「ハハハハハハハハ!!!!!感謝するぞ万丈!お前のお陰で俺は更に進化できる!!!」

 

「何!?」

 

エボルトはエボルトリガーを向けることでキックのエネルギーを吸収していく。ほとんどのエネルギーを吸収したことでクローズマグマはバランスを崩して地面に落下してしまう。

 

次の瞬間、強大な風がクローズマグマを襲った。

 

____________

 

 

戦兎は一度切り札を使おうと思った。だが、自身が消滅する可能性があるために使えないでいた。

 

「ちく、しょうが!!!」

 

「オイオイ何を焦っているんだ?まさか戦う気が失せたんじゃないだろうなぁ?」

 

「んなわけあるか!!!」

 

どうにかエボルトと戦えてはいるが葛城さんに見せてもらった動画からエボルトの姿は3つ。バランスのとれたコブラフォームと互角に戦えてもこのままだと負けてしまうだろう。

 

『タンク&タンク』

 

「ビルドアップ!!!」

 

『タンクタンク!』『ヤベーイ!』『ツエーイ!』

 

タンクタンクに姿を変えボトルホルダーからボトルを取り外しバスターにセットする。

 

『スパイダー』『ドライヤー』『ジャストマッチで~す!』

 

「食らっとけ!」

 

『ジャストマッチ・ブレイク!!!』

 

放った一撃はクモの巣を連射しエボルトを拘束後熱風を放つ。

 

「ぬぅ...小癪な真似を!!!!」

 

拘束時間は短かったがエボルボトルをエボルトのホルダーから2本とも外すことに成功する。

 

「調子に乗るなァァァ!!!!!」

 

戦兎は決断した。切り札を使い、ここでエボルトを仕留めると。

 

「これで終わりだ、エボルトォォォォ!!!!」

 

ベルトからフルフルラビットタンクボトルを外し、葛城さんと共に創り上げた切り札をセットする。ハンドルを回す度に電撃が走るがそれにも屈せずに回しエボルトへ向けて突撃する。

 

「あああああああああ!!!!!!」

 

「お前は...いつだってそうだったなぁ!!」

 

エボルトはビルドに触れた際にそのハザードレベルが急上昇している事に気が付いたのだ。それも人間の限界値である6.0を超えて。

 

「オラァ!!!」

 

「ぐっっ!?」

 

限界突破(オーバーフロー)したビルドの攻撃は止まらない。確実にエボルトにダメージを与えていく。

 

「お前は、悪い意味で俺の予想を超えてくれるなぁぁ!!!!」

 

エボルトはハンドルを回してエネルギーを右拳に貯めて放とうとするがビルドに簡単に止められてしまう。

 

「俺と、このまま仲良く...消滅しようぜ..」

 

拘束しようとするが、エボルトに跳ね除けられてしまう。

 

「アアアアァァァ!!!!!お前、なんかにぃ...破壊されてたまるかァァァ!!!!」

 

エボルトはどこかへ走り去ってしまった。その後を追うために走り出すが中々スピードが出なかった。そこへ強風が襲った。

限界を超えていたビルドは錆びていくかのようにアーマーが消滅していく。

 

「あ...」

 

髪は色が抜け白くなっており、そのまま戦兎は地面に倒れ込んだ。




ANOTHERルートもそろそろ終盤へ__


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53.ブラックホール 少年の覚悟

お・ま・た・せ


「な、なんだ!?ぐぁ!!?」

 

クローズマグマは吹き飛ばされて変身が解除されてしまう。グランディアは風に飲まれる前にスチームを纏いその場を離れた。

 

「フハハハハハ!!!!フェイズ4!!!!」

 

エボルトはエボルトリガ―を起動させる事に成功した。そのまま竜巻を消滅させたエボルトはフワフワとローブを揺らしながら地面へと降りてくる。

 

「何だよ、その姿!?」

 

「これか?これはお前のお陰で進化した俺の姿だ」

 

龍斗が無理矢理身体を動かしてエボルトへと声を掛ける。エボルトの姿はコブラフォームのカラーを変化させただけではなく、頭部と胸部の漆黒の円から測り知れない恐怖が感じられる。

 

「そうだ、お前への報酬を忘れていたな。ほれ」

 

「!」

 

エボルトは自らの身体に手を突っ込むと中から一斗を引っ張り出して龍斗へ向けて投げる。

 

「一斗!おい一斗!!!しっかりしろ!!!」

 

「せ、んぱい?」

 

一斗が目を覚ました事で安心するもエボルトへと視線を戻し龍斗はマグマナックルを構える。

 

「今の俺は気分がいいんだ。ほら、サッサと戦兎を連れて帰れ」

 

「お前の、言葉なんか、信じられるかよぉ!」

 

強気な龍斗だが、その体はもう戦えないほどに弱っていた。エボルトの言葉を鵜吞みにするのは気に食わないが、龍斗は相棒になけなしの魔力で転移魔法陣を展開するように伝えた。

 

________

 

 

龍斗達が撤退したのを確認した後、どこからともなくグランディアは現れた。

 

「よぉ、グランディア。ようやくこの姿になれたぜ」

 

「おめでとうございます。ですがよろしかったのですか?」

 

その疑問は「何もしないで逃がして良かったのか」というものだった。変身を解除し久しぶりに純一郎の身体に擬態したエボルトはにやけながら言う。

 

「あいつらはまだまだ進化する。そしてその進化が、俺達の目的に一気に近づけられる」

 

「...そうですか」

 

納得がいかないグランディアだが、後に自分の目的が達成出来るなら問題はないかと無理矢理納得させた。

 

_________

 

転移魔法陣で病室へと戻って来た龍斗は直ぐに一斗の身体を検査するように伝えるとそのまま気を失った。魔力を使い切った為の魔力疾患が原因だった。戦兎の髪は白くなり、身体に大きな怪我はないものの目覚めることはなかった。

 

「...ごめん、ハル」

 

「何を言っているのですか。皆さん生きて帰ってきたのです。それだけで十分ですよ」

 

一斗の身体は健康そのもので戦兎の病室へ戻る帰りにアインハルトの病室を訪れていた。アインハルトが一番怪我が酷かった為に未だ入院していたのだ。ヴィヴィオ達は既に退院している。だがまだ完治していない。

 

「...私は、貴方の事が好きです」

 

「へ?」

 

一斗はアインハルトからの急な告白に驚いた。その様子を予想していたのかアインハルトは言葉を繋いでいく。

 

「貴方と初めて会ってから、私の人生は変わりました。一人で生きてきた私に、大切な人達が出来たのです。それもこれも、全て貴方のお陰です」

 

「ま、待って!アインハルトさん、今のって...」

 

「名前」

 

「うっ...ハル」

 

名前に訂正を入れたアインハルトはまた続きを話し始める。

 

「貴方はこう話したらこう言うでしょう。『僕は何もしていないよ』と」

 

「そう、だね」

 

「貴方はこれからも戦い続ける。だから私は今伝えるべきだと思いました。正直に言って一斗さんが傷つくのは嫌です。今もずっと私の傍にいて欲しいのです。でも、それは出来ない。だから...」

 

アインハルトはベッドから起こしていた身体を無理矢理動かしてベッドの近くの椅子に座っていた一斗の顔へと手を伸ばし____

 

「__今は返事は要りません。この戦いの後、必ず伝えて下さい。貴方の答えを」

 

「...分かった。ありがとう、ハル。必ず、伝えるから」

 

夕陽の性でカーテンが閉まっていない病室は真っ赤に染まる。アインハルトに言葉を返した一斗の顔は、同じ様に真っ赤に染まっていた。





いやはや、ジオウ編を考えたり新作の続きを考えていたらすっかり遅れてしまいました。

さてさて、察しの良い読者の皆様は次回のサブタイトルを見ただけで内容が想像できてしまうかもしれません。
_________


グランディアが龍斗を狙って病院へ攻めてきた。

そこへ一斗が立ち向かうが_______

次回、『闘えなくても』




ウィザードアーマーの展開の仕方、とっても好き。
次回のジオウは見逃せない!!!(主に檀黎斗 王とエイジ君とひなちゃん本人出演の為)

それでは!


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54.闘えなくても

新しい小説の内容が簡単に決ってしまう。

さてさてどうしたものか


未だに戦兎は目覚めない。一斗はあれから葛城巧にビルドドライバーの製作を頼んだ。自分が、抜けた戦兎の穴を埋められるようにと。

 

「もっと強く打ち込んで来い!」

 

「おりゃあ!!」

 

お互いのベルトが点検に出されているために生身のまま龍斗と一斗は闘っていた。それはエボルトに対抗するカギであるハザードレベルを上げるために。

 

前回の戦いの中でハザードレベルがかなり上がった龍斗だエボルトに比べれば程遠い。一斗もハザードレベルが5.0に達しているが実力がないと龍斗に特訓をつけてもらっていたのだ。

 

「やってますね」

 

「ティーダ様、お疲れ様です」

 

「どうも。...如何やらまだ戦兎さんはまだ目が覚めていないのですね」

 

「はい」

 

ミカは病院の中庭にやって来たティーダに返事を返す。戦兎達が戦っている間にガーディアン達が多くミッドチルダに召喚され、ティーダはそれを相手に闘い続けていたのだ。いくら何でも連日の戦闘で魔術師達も限界を迎えて来ており、戦える者が減りつつあったのだが、戦える子供達が戦い始めたのだ。

勿論大人達はそれを止めたが子供達に押し切られてしまい一緒に戦うことになったのだ。子供達をはやて達に任せてティーダは病院へとやって来たのだ。

 

「こちらもスカリエッティの足を追っているのですが...」

 

「逃げられてしまうのですね」

 

「ええ。お陰で緊急災害対策部隊も崩壊寸前ですよ」

 

エボルト・スカリエッティとミッドチルダで悪名高い者達が手を合わせているために崩壊した管理局の魔術師達が集まって一時的に誕生した組織も既に崩壊寸前。その元凶であるスカリエッティは未だにガーディアンを量産している。

終わりのない戦いに希望を持てない者はガーディアン達と自爆を始める始末。

 

「...すいません。10分後に起こしてください_」

 

「はい、分かりました。お休みなさいませ」

 

ティーダはその場に崩れこむと、そこが地べたであるのにも関わらず睡眠を始めた。

 

__________

 

 

翌日、同じ様に戦兎が目覚める様子はなく太陽は空を登っていった。

 

「グランディア...性懲りもなくまた来やがったのか!!!」

 

「...如何やら桐生戦兎はまだ戦えないようですね」

 

「父さんが狙い!?」

 

マッドローグは複数のガーディアン達を引き連れて病院の前に現れた。それに気が付いたミカにより転移された二人はビルドドライバーを装着していた。

 

「一斗、ブリザードナックルはまだテスト段階だ。無茶するなよ」

 

「そちらこそ」

 

龍斗はベルトにナックルを、一斗はフォレスをセットしハンドルを回す。

 

『クローズマグマ』『フォ―トレス』

 

『『ARE YOU READY?』』

 

「「変身!」」

 

だが、問題が発生した。

 

「あ、あれ?変身できない!?」

 

「チッ、仕方がねぇ!下がってろ。お前らの相手は、俺だ!!!」

 

クローズマグマは変身出来なかった一斗を後ろへ下げるとナックルを構えてマッドローグへ向かっていった。

 

「何で!?どうして!?」

 

一斗は何度もハンドルを回すがライドビルダーが展開されることはなかった。それもそのはず。ライダーシステムを使用するには必ずハザードレベルが必要となるのだが、一斗は人体実験を受けていない。何故使えたのかと言われればエボルトの遺伝子が原因だ。エボルトと融合したことで遺伝子を失った今の一斗にはその遺伝子が残っておらず、変身できないのだ。

 

「..変身できないならの方法で...!」

 

一斗はベルトからフォレスを取り外すと変形させてトリガーを引いた。生身の為に仰け反りそうになるが何とか踏ん張りガーディアン達に攻撃していく。その内グランディアが連れてきていたガーディアン達が一列に並ぶタイミングが有った。

 

「今だ!」

 

一斗はそのタイミングを逃すまいとフクをスロットにセットし構える。

 

『フルボトルブレイク!!!』

 

「うわあああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

 

放った一撃はハザードレベルの変化により威力が上がっており、生身で放った一斗を吹き飛ばす。だが、その威力は...

 

「...想定外だ!君は、君たちは私の常識を簡単に破壊してくれるなぁ!!!」

 

アンリミテッド・デザイアの計画を進めるのに十分だった。




次回、『新たな龍の目覚め』

彼はエボルトとは違う。

破壊するのではなく、父親の様に作るのだと。

その覚悟の表れである。


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55.新たな龍の目覚め

一斗は龍斗達と比べれば小さな体で次々にガーディアンを倒していく。

 

「後三体...」

 

地面に手を付いて息を整えていれば、一本のボトルが転がってくる。

 

「ぐあっ...ちぃ...限、界かよ....」

 

「先輩!」

 

ボトルを拾い上げればクローズマグマは変身が解除され、龍斗はこれ以上戦えそうにない。

 

「如何やらまだ身体はボロボロのようですね。そんな状態では私には勝てませんよ?」

 

「くっ...あいぼう...一斗を頼んだ....」

 

龍斗は気絶すると同時に転移魔法陣に飲まれていく。クローズドラゴンは龍斗の指示通りユニゾンを解除するとすぐさま一斗の元へ飛んできた。勿論マッドローグに牽制も忘れない。

 

「ドラゴン...手を貸して!!!」

 

「変身できない貴様などを相手にしている時間はない」

 

グランディアは攻撃をしてくる一斗を無視して病院へと進んでいく。チマチマとした攻撃に嫌気がさしたのかグランディアは一斗へと急接近するとそのまま吹き飛ばした。

 

「ぐぁっ、...うぅ...」

 

「しつこいんだよ。このままここで始末しておくのも有りか」

 

受け身がうまく取れたものの痛みは全身を駆け抜けている。クローズドラゴンも心配して一斗の周りを飛び回り炎の円形の結界を一時的に張っている。

 

「ありがとう、どらごん」

 

『♪~~~~~!!!』

 

感謝の言葉をクローズドラゴンに伝えた後に、龍斗が落としていったドラゴンエボルボトルを見詰める。

 

「僕が変身出来ていたのは、エボルトの遺伝子を持っていたから。そしてこれは、エボルトが造ったボトル...」

 

一斗は思い付いた。このボトルがエボルトが造ったものならばもしかして、自分が使えばライダーの力をもう一度使えるようになるかもと。

 

「...ドラゴン、力を貸してほしいんだ」

 

『♪~~~~!』

 

ドラゴンの力を上手く引き出せるのはクローズドラゴン。一斗はそのことに気が付き、協力をお願いした装着していたビルドドライバーに変形して手元に落ちてきたクローズドラゴンにボトルをセットしてからセットする。

 

『クローズドラゴン』

 

ハンドルを回すがライドビルダーが展開されることはなかった。だが、それでも諦めなかった。このままグランディアを野放しにすれば被害は拡大し、自分の大切な人達にも被害が及ぶ。

 

「僕は.....()は.....こんな所で諦められるかァァァ!!!!!!!!!!」

 

一斗の目は赤く染まる。それと同時にクローズドラゴンとボトルにエネルギーが収束される。

 

『グレートクローズドラゴン』

 

一斗のエネルギーによってクローズドラゴンは新たな姿へと進化していた。ボトルも含めてエボルに似た色合いに変化している。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

エボルトの遺伝子を奪われた一斗だったが、エボルボトルを使う事でその遺伝子を自ら作り直したのだ。それはエボルトすら予想できなかった一斗だけの進化だった。

 

『ウェイクアップ・クローズ!』『ゲット・グレートドラゴン!』『イェーイ!!!』

 

「今の俺は....負ける気がしねぇ!!!!」

 

「ば、馬鹿な!?失ったあの方の遺伝子を創造したのか!?」

 

グレートクローズへと姿を変えた一斗は龍斗から預かっていたブリザードナックルを使い動揺して動きが鈍っているマッドローグの腹部へと向けての一撃を放った。

 

「いっけぇぇぇ!!!!!!!」

 

「うっ」

 

威力はクローズマグマの放った一撃よりも軽い。だが、それよりも芯を捕えておりグランディアは完全に動けなくなってしまう。

 

「このまま行くぞ!ユニゾン・イン!!!」

 

ドラゴンとユニゾンしベルトが空になったところにフォレスをセットする。

 

『フォートレス』

 

一斗が創り上げた新たな龍は更なる力と共に、厄介な者に新たな希望を与えていた。



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56.動き出した天災

『Moving fortress! Keep shooting GREASE Fortress!』『YEAH!』

 

「砲撃、開始!!!」

 

グリスフォートレスへと姿を変え、全砲門からビームを発射する。マッドローグは言葉を発する時間もなくビームに飲まれた。

 

「いつもよりも、威力が上がってる?」

 

一斗の思った通り威力は普段よりも上がっていた。原因はエボルトの遺伝子を創造し、覚醒させたからなのだがそのことに一斗は気付いていない。

 

『フハハハハハ!!!!グランディア君!君は下がっていたまえ!』

 

「!?待て、スカリエッティ!まだ私は__」

 

マッドローグは言葉を言い切る前に魔法陣へと吸い込まれていく。そして、白衣を来た見覚えのある人が現れた。

 

「さて、知っているとは思うが自己紹介といこうか」

 

「お前の話なんて聞くわけないだろ!スカリエッティ!!!」

 

「ちがあああああああああああああああああああああう!!!!!」

 

「!?」

 

スカリエッティは大きな声で自身の名前を否定した。

 

「スカリエッティという名はもう捨てた...今の私は.....」

 

スカリエッティはハザードトリガーが装填されたビルドドライバーを装着し目を見開いた。

 

 

「NEW!スカリエッティだぁぁァァァァ!!!!!!!!!!!!!!」

 

「えぇ....」

 

さっきまでシリアスしていたはずなのに。あの一斗ですら呆れている。4年前に一瞬だけ見た彼の影は完全に消滅していた。

 

「君が、融合している...そのドラゴンは回収させてもらう」

 

「狙いはドラゴンか!」

 

渡すわけにはいかないと一斗は身構えるが動きが鈍くなり始める。

 

「あ、あれ?身体が...」

 

「ああ、言っていなかったね。このベルトは私自ら細工していてね。全てのデバイスの動きを鈍らせるのさ」

 

「ま、不味い...」

 

NEWスカリエッティは少しずつ一斗に近付き、強制的にユニゾンを解除させる。

 

『♪~☆■■△○○!....』

 

「フム。本当に興味深い。これは貰っていくよ」

 

「ま、て....」

 

気絶はしなかったものの強制的にユニゾンを解除させられたために体力が奪われてしまう。一斗は追いかけようとするが身体は動かず、只々グレートクローズドラゴンが連れていかれるのを見ているしかなかった。

 

_______

 

 

「素晴らしい!想像以上だ!!!」

 

スカリエッティは、いやNEWスカリエッティはグレートクローズドラゴンを解析していく。戦兎にも弄る事が出来ないオリジナルのドラゴンの仕組みは、彼に新しい興味を与え続けていた。

 

「やはりこれと同時に使えば更なる可能性を引き出す事が出来るのか....」

 

キーボードを叩く音が響く中、グランディアは自身の身体を治す為に治癒魔法を発動させる。

 

「さて、グランディア君。提案だ。いい加減にこれを使う気にはなったかい?」

 

「...ええ、そろそろ使わなければ、目的は果たせなさそうですからねぇ」

 

グランディアは試験管に入れられた二つのギアを見詰める。手元の情報端末には新たなマッドローグの姿があった。




ヤベ...スカさん壊し過ぎた...


次回、『対立』


全ては『   』の為に。


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57.対立

「さて、復活させてもらった礼もあるけど君とはここでおさらばだ」

 

「何を言っている。可笑しなことを言うなんてお前らしくないなぁ、スカリエッティ」

 

「スカリエッティという名はもう捨てた。今の私は、NEW!!!!!スカリエッティだああァァァ!!!!!」

 

スカリエッティとグランディア、エボルトは集まって対峙している。スカリエッティ側にグランディアは付いているが、その真意は異なる様子。エボルトは情報を集めるためにグランディアにそのまま潜入しておくように念を押す。

前日にグランディアの報告からスカリエッティが自分の目的の為に動き出したことが伝えられたのだ。

 

「どうでもいい。だが、覚悟は出来てるんだろうな?」

 

「勿論。以前の私では君に勝てなかったが今の私はひと味違う」

 

スカリエッティはハザードトリガー付きのベルトを装着してグレートクローズドラゴンにコブラロストボトルをセットする。

 

「ほう。俺の与えたボトルをそう使うか...良いだろう。相手をしてやるよ」

 

エボルトも戦う気になったのかエボルドライバーにボトルをセットする。

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

「全く、君は初めから本気で来てくれなきゃね」

 

『グレートクローズドラゴン』

 

「はっ、黙ってろ」

 

ハンドルを回し互いのライドビルダーが展開される。

 

『『ARE YOU READY?』』

 

「「変身」」

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!』

 

『ウェイクアップクローズ!』『ゲットグレートドラゴン!』『ブラブラブラブラブラッド!』

 

エボルトは見慣れたコブラフォームに。スカリエッティは仮面ライダーブラッドへとその姿を変えた。

 

「ほぉ、面白いことを考えたものだなぁ。万丈のデバイスを使ってコブラとドラゴンの成分を両立させたか」

 

「その通りさ。さて、破滅の時だ」

 

「ぬかせ!!!」

 

お互いの拳がぶつかり合った。

 

「....」

 

グランディアは二人のぶつかり合いを離れて見詰める。エボルトに潜入するように指示されてはいるものの自身の目的は全くの別物。そして視線を自身の手へと移動させた。

そこには金色に輝く二つのギアがあった。

 

必ず、これを使う機会が来る。しかし、これを使い続ければデメリットを払い続けることは明らか。それでも___

 

「待っていてください。私は必ず、あの力を手に入れて見せますから...」

 

そう言いネビュラスチームガンの銃口を自身に向ける。

 

「それで私が、あなた達の傍に居れなくなっても」

 

そしてトリガーを引いた。





ブラッドへと姿を変えたスカリエッティ。

グランディアは覚悟を決めた。

エボルトは全てを話すことでスカリエッティを始末する事を考えた。

次回、『忘れていたもの』


陰謀と計略が混ざり合い、そしてミッドチルダは確実に破滅へと進み始めた。



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58.忘れていたもの 前編

「良かった、もう2日も寝たままだったんですよ」

 

「...あの後何があった」

 

目が覚めた龍斗の言葉は一斗に動揺を与えた。

 

「...すいません、ドラゴンがスカリエッティに奪われてしまいました」

 

「スカリエッティか...」

 

一斗は余り話したくはなかった。理由はただ一つ。あの(・・)スカリエッティが壊れていたのだから。

 

言わない。きっと会った時に知ることになるから。

 

そう内に秘めたまま一斗は話を続けた。あの戦いから一切エボルト達の攻撃がない事。そして未だに戦兎が目覚めていない事を。

 

「...この状態、どれ位続くと思う?」

 

「分かりません...いつエボルト達がやってくるのかも」

 

そう言って束の間の平和に身を浸した。

 

 

_______________

 

 

「ゴホッ、ゴホッ、...これは酷い...」

 

グランディアが煙でむせ返っている中、未だにエボルトとスカリエッティは闘っていた。

 

「ほらほらそんなものかい?」

 

「ちぃ、コブラフォームだとこんなものか」

 

『オーバー・ザ・エボリューション!』

 

エボルトはエボルトリガーを起動させブラックホールフォームへと姿を変えるが、ブラッドよりも上手く戦えていない。今はまだエボルトリガーを完全にコントロール出来ていないのがここに来て仇と成っているのだ。砂浜で戦っているからか巻き上がった砂はグランディアに襲い掛かる。

 

だがここで一回使わされてしまうのはダメだと考えたグランディアはその場を離れることにした。先程自分に注入したネビュラガスがまだ身体に馴染んでいないのもその理由の一つだ。

 

「君の力はそんなものかい?」

 

「ふざけるなぁ...お前ごときにぃいいいいいいいいいいいい!!!!!!」

 

『『READY GO!』』

 

『ブラックホール・フィニッシュ!』

 

『ハザード・フィニッシュ!』『グレートドラゴニック・フィニッシュ!!!』

 

パンドラタワーの中での戦闘のせいで一枚、スカイウォールが吹き飛ばされた。それと同時に人影も飛んで行く。

 

「フム、初戦にしてはとても良いね」

 

「...終わったようですね。エボルトはそこから?」

 

「ええ、彼はもう私には勝てませんよ。もし勝つ方法があるとすれば...いや、それはないか。行こう、グランディア君。今度は君の目的を果たす時だ」

 

「ようやくですね」

 

グランディアは轟音が聞こえ戦いが終わったのを確信させ戻って来た。決して忠誠を誓ったつもりはない。だが、あのエボルトがこんな所でくたばる訳がない。今は、一番目的を達成するのに近いと思われる方に付くしかないのだとグランディアは自身に言い聞かせた。

 

「フフフフ....ふはぁはははははははッはハハハハハ!!!!!!!!!!!私こそ、人間を超えた、NEW人類だぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 

なるべく早くに目的を達成させて彼の元から早急に離れよう。グランディアは即決させた。

 

___________

 

 

パンドラタワーに穴が開いた。それは世界を脅かす事態だった。魔術師達は警戒を強め、パンドラタワーの監視を続けている。一斗と龍斗は病室で穴が開く音を聞いたためにそのままそこで待機するようにティーダから伝えられた。

 

「エボルトよりも強い奴がいるのかよ...」

 

「やはり、この世界を壊している原因を何とかするのが平和への近道みたいですね」

 

だがそこへ、招かれざる客がやって来る。

 

「あいたたたたた...よぉ、邪魔するぜ?」

 




王、王王、王王王!!!

王がオーズだあぁぁァァ!!!!!!!

そしてあのガシャットは何だったんだぁ????

強くなったジオウ!

「今日はから揚げだから」

そうご・ゲイツ「「変身!(唐揚げ)」」

ツクヨミ「2010?(からあげ...)」

ジオウVSゲイツ『今夜は』『唐揚げ!!』


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59.忘れていたもの 後編

もうダメかもしれない...

テストが...テストがぁぁぁあぁああああ___


「何しに来やがった」

 

「ああ、少し面倒なことになってな。ここまで来るのにも結構時間がかかったぜ」

 

一斗はベルトを装着し、フォレスを構える。

 

「お前の言葉が信じられるとでも?」

 

「まぁ聞け。今、スカリエッティの奴が万丈のドラゴンを使って世界を変えようとしている」

 

「...お前がそこまでやられているってことは」

 

「大体有ってると思うぜ。スカリエッティの力は俺の想像以上だった。だからこそ提案だ」

 

病室の壁に手を当てながらしゃがみ込んでエボルトは仮想スクリーンを展開する。

 

「俺が奪ったお前たち(・・・・)の記憶を返してやる。グランディアを潜入させておいた。言いたいことはわかるだろ?」

 

「...交換条件だ。もう世界を破壊しないと誓え」

 

一斗はエボルトを睨みつけながらフォレスを構え続ける。

 

「良いだろう。正直この世界を滅ぼす必要も無くなったんだ。これで交渉成立だな」

 

あのエボルトが負傷する程の力を手に入れたスカリエッティを倒すために、本来ならば有り得ない者達が手を取り合うことになった。

 

「お前の言っていた「お前たちの記憶」って何のことだ?」

 

「そいつは戦兎の病室に着いたら話してやるよ。まぁ、話す必要もないかもな」

 

エボルトは楽しそうに話した。

 

___________

 

 

「おはようさん、ようやくお目覚めか?」

 

「...何故俺から奪った記憶を返した?」

 

目が覚めた戦兎が放った言葉は直ぐに返されることになった。

 

「ちょいと面倒なことになったからな。詳しい話は一斗や万丈から聞いてくれ。俺は...少し...寝る...」

 

戦兎は目の前で意識を失っていくエボルトの姿から様子がおかしいことに気が付いた。直ぐにベッドから飛び起きれば、見覚えのある者達が自身の事を見ていた。

 

「もう...いつも遅いんやから...」

 

「ごめん...そしてただいま、かな」

 

ここに、桐生戦兎は復活した。だが失っていた記憶を取り戻したのは戦兎だけではない。

 

「...わりぃ、少し外に出てくる」

 

「あ、私も_」

 

「一人で大丈夫だ。それよりもエボルトの監視を頼む」

 

「...分かった。でも早く帰ってきてね」

 

「ああ」

 

戦兎よりも先に記憶を取り戻した龍斗は病院から出てすぐにある岩に拳をぶつけた。

 

「...スカリエッティは、必ず俺が倒す。あいつだけは絶対に。」

 

龍斗は思い出したのだ。自身の居た世界の事を。士達と旅に出る前に、一体何があったのかを。

 

「...この復讐(・・)に、あいつらを巻き込むことは出来ない。それにこの戦いが終わったら、俺は犯罪者だ。フェイト...」

 

きっと真実を伝えたら、自分は動けなくなってしまうだろう。それだけは絶対にダメなのだ。龍斗は師匠から貰ったデバイスで通信を始める。

 

『...貴方ですか』

 

「今の状況と、スカリエッティが力を手に入れてから消した(・・・)事について教えろ」

 




お待たせ。

ここの所、卒業式やらパーティーやらでうまく時間が作れない上にテストまで近づいているという作者に執筆させない気を感じ始めた。

癒しというニチアサも駅伝に奪われた。ちくしょう、二週間も待てるか!

と言いながらTwitterでやってきたリプでユーリの性別が男であることを知ってしまいました。

...可愛いは正義、だよね(男の娘)


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60.更なる力

『何故、こんな事を聞くのですか?』

 

「お前には関係ない。サッサとしろ」

 

グランディアはそれ以上詮索することなく仮想スクリーンを操作した。

 

『...今の所動きはありません。ですが平行世界への移動に最近は時間を賭けています」

 

「...分かった。動きがあったら連絡しろ」

 

一方的に通信を切った龍斗は殴った岩の上に座る。

 

「親父、お袋、香澄...皆の仇は、俺がとる」

 

 

いつもよりも速く雲は動いていく。龍斗が座ったその位置には決して日光が当たることはなかった。

 

________

 

 

「万丈がグランディアから聞いた通り、今スカリエッティはお前の持ってるエニグマの再現をしたいみたいだな」

 

「...やはりこれが狙われたか」

 

「まぁ、仕方がないんじゃないかな。次元世界の移動だけでなく、過去や未来へも、平行世界にもアクセス出来るエニグマをもしスカリエッティが完全に完成させてしまったらこの世界もろ共彼の手に落ちてしまうだろうね」

 

手を付けられなくなることは確かなのが病室に集まったメンバーに伝えられた。葛城も既に動き出してはいるものの、未だにスカリエッティの行方が終えていない。

 

「そこでだ。俺達でスカリエッティの先回りをして奴を叩きたい。出来るか?」

 

「このまま探し続ければ良さそうだけどね。だけど問題はそれだけじゃない」

 

戦兎からエニグマを借りてコードを繋いでシステムをいじり始める葛城。

 

「エニグマの転移は未だに安定させて(・・・)いない」

 

「どういうことだ、葛城さん」

 

龍斗が聞けば仮想スクリーンを沢山展開していく葛城。そこには、今迄転移して来た様々な時代・場所が映し出されていた。

 

「私はわざとエニグマを完成させなかったんだ」

 

「...父さん以外の人が使いこなせないようにですね」

 

「ああ、その通り。それにこの人数を転移させようとすると更に安定性がなくなる。だから安定した転移が出来るのは精々5、6人が限界だろうね」

 

「なら行くメンバーは決定だな。俺と戦兎、一斗にティーダと...」

 

「サポートが出来る者がいいだろうね」

 

メンバーは決まった。次に始まったのは装備の強化だった。

 

「元から計画は練っていたこれらを形にしなくちゃいけないね」

 

「時間がどれだけあるかわからない。早速始めましょう、葛城さん」

 

病み上がりのはずの戦兎を誰も止める事なくことは進んでいきます。そんな中、純一郎はエボルトに話しかけた。

 

「話がある」

 

「...ああ、俺もだ」

 

ティーダ、龍斗と共に病室の外へ出る。

 

「お前、そのままだと完全に力を発揮できないだろ?」

 

「「!?」」

 

純一郎は知っていたのだ。エボルトが自らの力をうまく使えてないことに。それを知らないティーダと龍斗は驚きを隠せない。

 

「いやはや、流石は元相棒!俺の事を良く理解していr」

 

「俺の身体を使え」

 

純一郎は相性の良かった自分の身体をエボルトに使わせる事で力をコントロールさせるという提案だった。

 

「...何?」

 

「使えと言ったんだ」

 

「待ってください!」

 

「何を考えているんだよ!そんな事をしたr」

 

その言葉を妨げるように純一郎はトランスチームガンを自分へと向ける。

 

「そんな事じゃないんだよ、龍斗君。このままだと確実に巧は自分を犠牲にしてまで世界を救おうとする。でもね、俺はいつもこう思ってるんだ。「親より先に息子が死ぬんじゃない」ってね」

 

純一郎の思いを知ったティーダと龍斗は上手く話せなくなってしまう。

 

「...そんな事を言われたら、止められねぇじゃねぇか」

 

「.......」

 

「どうする、エボルト」

 

既に引き金に指をかけた純一郎はエボルトへと問い掛ける。エボルトにとってはデメリットなしの提案だ。

 

「勿論、円了なく使わせてもらうぜ。よろしくな、相棒」

 

純一郎が持つトランスチームガンの引き金に同じ様に指を掛けたエボルト。同時にその引き金を引いた。





エボルトは自分の力を純一郎と共有することに決めた。

それだけでなく、新たな力が開発されていく。

そんな中で、スカリエッティの居場所が判明した。


次回、『彼の復讐』


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61.彼の復讐

「勝手な事を...」

 

『良いじゃァないか、これは相棒が提案してきたんだぜ?』

 

「お前に言ってるんじゃなくてな。父さん、本当に良かったの?」

 

純一郎は腕に巻き付いたヘビを背中に移動させてから戦兎と顔を合わせる。

 

「ああ、これでいいんだ。それにエボルトが俺の中に居ればいつだって倒せるだろ?」

 

『まぁ、簡単にやられるつもりはないからな』

 

トランスチームガンを使いエボルトと再度融合した純一郎。エボルトは身体を小さなメカメカしいコブラへと姿を変え、純一郎の身体に巻き付きながら動き回っている。純一郎の挑発的な言葉に反応した為に背中から顔を出した。

 

「顔を出すなよ」

 

『それくらいは俺の自由にさせてくれよ』

 

「エ・ボ・ル・ト?」

 

『Ciao!』

 

「逃げるんじゃない!!!」

 

純一郎の身体を軸に始まった追いかけっこは直ぐに終わることなく続いていく。

 

この行動は、少しの平和を感じさせた。

 

__________

 

あの追いかけっこ(騒動)から3日が経った。

 

「これで最後!」

 

「ふぅ、ようやく完成したね。早速お披露目会といこうか」

 

葛城と戦兎はそれぞれが完成させた新たなアイテムを持って病室から病院の外へと運び出す。

 

「お、やっと来たな」

 

「待たせたなっと、フォレス、フク、スタッグ、行っていいぞ」

 

『『『♪~~~~~!!!』』』

 

「お帰り、そして初めましてだね」

 

一斗の元へ向かった三匹は進化した一斗の室力を調整出来る様に調整し直したのだ。その中でも新たな仲間であるスタッグは恭也のボトルの成分を使用できる様に成っている。今の一斗になら操れるだろうと戦兎が開発したのだ。

 

「こいつも渡しておく。自分のタイミングで使ってくれ」

 

「ありがとう、父さん」

 

ビルドドライバーも渡しておく。一斗の戦力を増やすには拡張性がないスクラッシュドライバーでは全力を出せないという事で渡されることになったのだ。

 

「ほい、龍斗にはこれだろ」

 

「ああ、待ってたぜ」

 

龍斗にはマグマナックルとブリザードナックル、スクラッシュドライバーを渡す。

 

「マグマナックルは以前よりも威力を挙げておいた。上手く使ってくれ。ブリザードナックルには新しいボトルだ」

 

「氷、か」

 

「上手く威力を調整できなくてな。これでだけは変身するな。最悪ハザードレベルが急上昇して消滅の可能性もある」

 

「わかってら。まだ(・・)消滅する気はねえよ」

 

「...ならいいがな」

 

戦兎は自身が記憶を取り戻した頃から龍斗の様子がおかしいことに気が付いた。でも、それを指摘できないでいた。

 

「......」

 

それはフェイトも同じだった。

 

「ティーダ様、こちらを」

 

「僕にも、ですか?」

 

「はい」

 

ミカはティーダにビルドドライバーを渡す。

 

「貴方の為のパワーアップアイテムが有りますので、後にそれを受け取って下さい」

 

「分かりました。ありがとうございます」

 

「それでは」

 

ミカは仕事を済ませるとビルドフォンへと戻り、戦兎の元へ飛んで行った。デバイスである彼女にも流石に疲労が溜まっているのかそのままスリープモードへと移行してしまう。

 

「ティーダには、これを」

 

「これを、僕にですか」

 

「俺達が戦えない間にもこの世界を守る為に戦ってくれた君にしか、こいつは使えないよ。頼んだぞ」

 

「はい!」

 

ティーダは戦兎からフルフルボトルに似た物を受け取った。全てのアイテムを分け終わったときに、ビルドフォンに通信が入った。

 

『スカリエッティがエニグマを完成させ、世界を飛び回っています』

 

「分かった。俺達も行くぞ!!!」

 

戦兎はすぐさま座標を合わせてエニグマを起動させる。

 

「わりぃ、戦兎」

 

「え?」

 

ゲートを開くと戦兎の身体は飛ばされていた。龍斗がタックルをしたのだ。その衝撃でエニグマを手放してしまう。それを龍斗は拾い上げ、一人でゲートをくぐり抜けていった。





この先、投稿がかなり時間が空いていくと思います。
テストやテスト、テストが多々待っているので暫しお待ち下さい。

受験生なのもあるので、突然の投稿停止もあり得ますので頭の片隅に残しておいてください。

では。

___________

独りでスカリエッティに戦いを挑む事を選んだ龍斗

その理由が通信を繋いだ先で語られる。

次回、『暴龍の叫び』



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62.暴龍の叫び

青年はたった独りで敵に挑む。

それは、誰にも迷惑を掛けないように復讐を始めようとする。


「スカリエッティ!」

 

「誰だい、その名前を呼ぶのは...今の私は...NEWスカリエッティだぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 

「うるせぇ!サッサと構えやがれ!!!」

 

龍斗は転移した先でスカリエッティを発見した。既に世界は無数の竜巻が発生しており、街からは人々の悲鳴が聞こえてくる。

 

「万丈龍斗か...」

 

『ドラゴンゼリー』

 

「お前は俺が倒す。これだけは誰にも邪魔させねぇ、変身!」

 

スクラッシュゼリーをベルトにセットしレンチを押し下げる。流れ始めたバリアブルゼリーが固形化する前に走り出す。

 

『ドラゴン ㏌ クローズチャージ!』『ブラァ!!!』

 

「血の気の多い...無駄なことを」

 

『ブラブラブラッド!!!』

 

走りながら変身した龍斗を始末する為にスカリエッティはブラッドへと姿を変える。

 

「オラァ!!!」

 

クローズチャージは装備したツインブレイカー・アタックモードを突き付けた。

 

「...期待外れだ。しかし、なぜ君はこの世界にたった独りでやってきたんだい?」

 

「!...ふざ、けるなぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

ツインブレイカーを簡単に受け止められたが、龍斗はそこからパイルバンカーを突きつけ続けた。

 

「これは...ハザードレベルが急上昇している!?」

 

「お前は...人の命を何だと思ってやがる!!!!!!」

 

「ぬぐぅ!?」

 

龍斗のハザードレベルが急上昇していた訳ではない。ここに来てスクラッシュドライバーの副作用が影響を与えているのだ。

 

「お前だけは、ぜってぇ殺してやる(・・・・・)!!!」

 

暴龍は止まらない。破壊されていく世界の中で、たった二人だけが戦いを続けていた。

 

____________

 

「っ、葛城さん!直ぐにエニグマを追って下さい!」

 

「今やってるよ!!!」

 

急な事だった。龍斗がエニグマを持ってたった一人でスカリエッティのいる世界へと転移していったのだ。

 

「龍斗...」

 

「フェイトちゃん...」

 

様子がおかしいことに気が付いていたのに何もできなかった自分に後悔している者もいた。

 

「見つけたよ!_____年の平行世界の地球...!これは...」

 

「葛城さん、転移できますか?」

 

「時間をくれ。それに、彼がたった独りで向かった理由もはっきりしたよ」

 

「それって...」

 

葛城は仮想スクリーンから目を離さずに話していく。

 

「____如何やらスカリエッティによって破壊されてしまった世界みたいだ。それに、龍斗君の出身地みたいだね」

 

『!!!』

 

「エニグマに通信を繋げたよ」

 

空中に巨大な仮想スクリーンを展開すると、そこには世紀末をバックに戦い続けるクローズチャージ(龍斗)ブラッド(スカリエッティ)が映し出された。

 

「音声連絡は...出来そうにないね」

 

『お前だけは、ぜってぇ殺してやる(・・・・・)!!!』

 

決してそんな言葉を使ってこなかった龍斗がスカリエッティに向けて使ったのだ。

 

『そうか、君は平行世界から来たんだったね。と、いう事は...』

 

『ああそうだ!!ここは俺の世界だ!お前に滅ぼされたな!!!!』

 

フェイトと戦兎はここで龍斗の様子がおかしかった理由を知った。それは誰にも話したことがない内容だったのだ。

 

「エボルト、何か知ってるんじゃないのか?」

 

『聞きたいか、万丈の過去を。あいつがスカリエッティに復讐を誓った理由を』

 

「知りたい...私は、知らなくちゃいけない。あの人の隣にいる為に」

 

 

仮想スクリーンに視線を送る中、エボルトは融合した際に発見した龍斗自身が忘れていた(・・・・・)記憶について話し出した。

 




以前龍斗の過去を描いた事があるのですが、そこにリメイクをかける事で、龍斗が戦い続ける理由を作り上げました。


__________

エボルトが語った万丈龍斗の過去

そこには、龍斗自身が封印していた記憶に辿り着くモノが有った

次回、『万丈龍斗という男』

彼のマグマは、もう一度____


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63.万丈龍斗という男

皆が仮想スクリーンを見詰める中で、エボルトは龍斗の過去について話し出した。

 

龍斗は両親と妹と共にいつも通りの日常を送っていた。だがそこに非日常(イレギュラー)が現れたのだ。その世界では『自然災害』と言われたが、その正体はブラッドへと姿を変えたスカリエッティだったのだ。エボルトは龍斗の記憶を奪い、スカリエッティがブラッドに変身したことで確信したのだ。

 

『更にだ。万丈はブラッドをしっかりと見て聞いていた。だからこそ、スカリエッティと全く同じ声だったことに気づいたからこんな事をしたんだろうな』

 

「先輩にそんな過去があったなんて...」

 

「俺も一度もそんな事を聞いたこともない」

 

エボルトは純一郎の頭の上に陣取ると、その視線をスカリエッティのベルトへと向けた。

 

『万丈の使うデバイスは、平行世界のお前が与えたものなんだぜ?戦兎』

 

『!?』

 

「...まぁ、そうだろうとは思っていたよ」

 

平行世界、別名パラレルワールド。それは『IF(もしも)』が実際に起きた世界。それは人生の中で何度でも訪れる選択肢の様に数え切れない程に存在しているという。実際、パラレルワールドからミッドチルダへと来た者達がいる。戦兎、純一郎、葛城、エボルト、そして龍斗はこの世界の住民ではないのだ。

 

実際龍斗にクローズドラゴンとビルドドライバーを渡したのは平行世界の桐生戦兎なのだ。

決して桐生戦兎(佐野巧)ではない。

 

『俺が話せるのはこんなところだ。そら、話が進みそうだぜ』

 

 

___________

 

 

「...全く、手こずらせてくれるね。流石はプロジェクトビルドの集大成とでもいうところか」

 

「がふっ...おまえ、その言葉を、何処で知りやがった...?」

 

クローズチャージのアーマーは破壊され、今も立っているのがやっとな状態にまで追い詰められていた。

 

「簡単さ。こちらの世界に来る前に何個か世界を旅していてね。次いでに破壊もしておいた」

 

「!て、めぇえ.....」

 

ブラッドはふと思い出したかのように返事を返す。

 

「そういえば君の質問に答えてなかったね。私にとって自分自身以外はどうでもいい。ただの実験生物(モルモット)でしかないのだよ」

 

龍斗は右手を少し後ろに下げビートクローザーを召喚する。

 

「...ならよ、お前が生み出した戦闘機人達(ナンバーズ)はどうなる?大事な娘たちじゃないのかよ」

 

「ああ、彼女たちか...確かに大事な娘たちだったさ。今は実験道具に過ぎないがね。いや、今は必要すらないか」

 

龍斗は改めて考えていた。自身でも気が付いているが既にスクラッシュドライバーの副作用に身体が蝕まれている。今は無理矢理身体を動かしているものの、ここ最近で出来た傷が痛む。

 

『スペシャルチューン!』

 

『ボトルキーン!』

 

既にこの世界の建物や生物は全て灰にされている。この場に彼ら以外の者は存在していない(・・・)。クローズチャージはツインブレイカーを捨てた。

 

「俺は色んな世界を旅してきた。その中で『旅は一期一会、出会いと別れを大切に』って事を学ばされたんだ」

 

龍斗はビートクローザーを逆手に持ち変える。ブリザードナックルを自然体で構えながら龍斗は少しずつスカリエッティとの間合いを詰めていく。

 

「こんな俺でも誰かに感謝された。相手の名前も知らないのに、見返りもないのにさ...」

 

龍斗はナックルでベルトのレンチを押し下げる。

 

「だからこそ、言えることがある...スカリエッティ!!!!」

 

『スクラップ___

 

「お前と戦う事は、俺の為でしかない!その結果が誰かの為になったとしても!!!!」

 

__フィニッシュ!!!!』

 

 

ある少年はマントを広げたまるで帝王のような人物と、反射でよく確認できない人物が戦っているのを見ていた。

 

「あいつが香澄を、親父もお袋も、みんなも...」

 

手には妹が着ていたはずの制服が力強く握られていた。




ここから先、本編のネタバレ有り。











忠告はしましたよ?






















少年

目の前でクローズチャージとブラッドの戦いを目撃する。その結果、聞こえてきた声からこの一連の災害の原因がブラッドであることを知った。
本来ならばクローズドラゴンとの出会いがあるはずなのだが彼のいる世界は平行世界、『桐生戦兎が存在しておらず、万丈龍斗に妹がいる世界』なのだ。



万丈龍斗

エボルトによって失った記憶を取り戻した。ということになってはいるが全てはとある人物の目的の為に平行世界の自分との記憶共有の実験に巻き込まれた。
なので、本来ならば妹はいない。受け継いだ記憶は『桐生戦兎が存在しており、万丈龍斗に妹がいる世界』の自分の記憶である。この世界の龍斗は目の前で妹を、友人を、否。自分以外(・・・・)の全てを破壊された。その結果、まだ生き残っていた桐生戦兎に接触してクローズドラゴンを手に入れた。
目的はただ一つ。全ての世界からスカリエッティを消すこと。だが彼自身は平行世界を旅することは出来ず、光写真館に居候(皮をかぶりまくって)しながら正体を追い続けている。


__________


いよいよややこしくなってきたのではないでしょうか?
感想お待ちしてます。それでは!


次回、『氷龍の欠片』



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64.氷龍の欠片

遂に300話。

最初は三ヶ月で終わらせようとしていたのになぁ...


「なんで、だよ」

 

「怒り、か...面白いものだね」

 

龍斗の攻撃は、いとも簡単にブラッドに止められてしまった。

 

「だが、お前(・・)じゃ私達(・・)には敵わない」

 

武器を奪い捨て、黒いオーラをブラッドは叩きつけた。

 

「______!!!!!」

 

「痛いか?痛いだろうなぁ?その痛みはこの世界で消した人間たちの受けた痛みそのものだ。よかったな!」

 

オーラの量を追加していく。鋭い痛みは龍斗の身体を外側からも内側からも襲い掛かる。声にならないのは身体が痛みから逃げられない事を理解しているから。

 

「が....」

 

頭が痛い。それだけじゃなく変身まで解除されてしまうが、お陰でオーラが消え痛みは少しづつ消え始めていた。

 

「そこで見ているといい。この世界が消え去るところを!!!」

 

ブラッドは龍斗に背中を見せ、その足を崩壊した街へと進めていく。龍斗はスクラッシュドライバーが破壊されて腰から外れている事に気が付いた。だからこそ、身体を動かした。

 

そして、静かに音が響いた。

 

「いてぇ...」

 

その音は龍斗が無理矢理身体を動かして四つん這いになり、頭を地面に叩きつけたからだった。

 

 

「ほぅ、まだ動けるか。だが、自身の力の無さは理解しているだろう?」

 

ブラッドは振り向きながら声をかけるが、龍斗は返事を返さない。

 

「成程、動けても声は出せないか」

 

既に興味は失せた。ブラッドは再び足を動かし始めた。

 

 

「...わりぃな、戦兎。覚悟、出来ちまったわ」

 

フラフラとしながらもしっかりと地面を踏みしめながら立ち上がった龍斗は新たにビルドドライバーを装着した。

 

「お前のことだからよ、きっとエニグマを通して俺の事を見てるんだろうな...」

 

龍斗は右手(・・)にナックルを持ち左手でボトルを振る。

 

「だからよ、見届けてくれねぇか。俺の、覚悟をよぉ!!!!」

 

『ボトルキーン!』『クローズブリザード』

 

ハンドルを回せば冷気と共にアイスライドビルダーが展開され、同時に龍斗の両足は凍りつけられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ARE YOU READY(覚悟はいいか)?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、できてるぜ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライドビルダーがひっくり返る事で龍斗の身体にバリアブルアイスが浴びせ掛かる。それと同時に巨大な結晶とそれを囲むように七体の氷のドラゴンが現れる。

 

そして、それをアイスライドビルダーが砕いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『極寒境地!』『クローズブリザード!』『バキバキバキバキ!』『バッキ―ン!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姿はクローズマグマのようだがアンダースーツは水色に変化、全身に散りばめられた八体のドラゴンは全て氷で造形されていた。羽もマグマで形成されたものとは異なり、未だに冷気を放っている。右腕を動かし自身の左胸に拳を当てる。

 

 

 

 

「今の俺は...負ける気がしねぇ!!!!!!」




極寒境地

極はクローズマグマと同じ

寒は凍りを。

極寒はマグマの対

境は自身が何かを乗り越えた

地はその地限定的であるという事。

境地は体や心が置かれている状況を表している。



もっとよさげな言葉が有ればよかったのですが、作者にはここまでが限界でした。


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65.双龍の最後

さらば____


「ほぉ、新たな力を手に入れていたか」

 

スカリエッティは再び龍斗に興味を持った。クローズは右手にブリザードナックル、左手にマグマナックルを武装し構える。

 

「ドラアアアアアアアア!!!!!!!」

 

クローズは走り出しガムシャラに、そして正確にナックルを振るう。交わしていたブラッドは一度だけナックルを受け止めた。

 

「っ、これは!?」

 

「先ずは右!!」

 

ブラッドは右手で受け止めたのだ。ブリザードナックルの一撃を。龍斗の覚悟が込められた拳はただ受け止められるなんてことはせず、確実にブラッドを追い詰めようとしているのだ。ナックルを受け止めたが手が凍り付いて行く中でナックルを離してしまい、ブラッドはクローズの放った拳を受け止めようと左腕を動かす。

 

「あ、あつい!?」

 

「左!!!」

 

マグマナックルは既に高温となっていた。スーツの上からでも感じるその熱量は、本体であるスカリエッティの体にもしっかりとダメージを与えていた。

そして龍斗は直ぐに右手でブリザードナックルを地面に叩きつける。

 

「どりゃああああああああああああ!!!!!」

 

地面を一気に凍らせてクローズを中心とした氷の柱を無数に創り出す。それはしっかりとブラッドの両脚を凍らせる。

 

「そこだぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

『ボトルキーン!』『ボトルバーン!』

 

動けなくなったブラッドへとナックルどうしをぶつけ合いスイッチを押し込む。

 

『ボルケニック・ナックル!』『グレイシャル・ナックル!』

 

「オラオラオラオラ!!!どおした!そんなものかぁ!!!!!!!!!」

 

一撃を叩き込むのではなく、繰り返し両手のナックルを叩き込む。凍り、砕かれ、燃やし、壊された。

 

「調子に、乗るなああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「ちぃ!!!!!」

 

ブラッドから大量の黒いオーラが流れ出す。それは今まで攻撃を繰り返していたクローズを一旦引かせる程に。

 

「万丈龍斗ォ...()の考えは間違っていたようだ...君は、ここで始末する!!!!!!!!」

 

「っ、そっちのほうが倒し概があるってもんだ!!!」

 

背中の羽からは少しずつ、粒子が放出され始めていた。

 

 

_________

 

 

戦兎は病院の壁を叩く。

 

「龍斗のヤツ、使うなって言ったのに...」

 

体の震えは、自分へ対する怒りが原因だった。何故もっとしっかりと忠告しなかったのか、と。

 

「龍斗のあの姿って...」

 

誰かの疑問に答えようと戦兎は口を開こうとするがそれをミカに止められた。

 

「マスター、ここは私が。皆様、今から話すことは真実です」

 

フェイトは映像の龍斗の身体から粒子が少しずつ放出されている事に気が付いた。

 

「あの、粒子は何?」

 

「ブリザードナックルを使用し変身すればハザードレベルが急上昇し、消滅の恐れがあります。そして龍斗様は、ハザードレベルを急上昇させた後に使用しています。つまり...」

 

「龍斗は、消滅する...」

 

フェイトは直ぐにバルディッシュをセットアップし戦兎の首へとザンバーを突き付けた。

 

「...龍斗は知っていたの?」

 

「ああ」

 

「消滅を止める方法は」

 

「ない」

 

無言のままバルディッシュを落とすフェイト。手は震え、涙を流している。

 

「どうして?龍斗が何をしたっていうの?こんなの、認められる訳がないよ...」

 

「フェイトちゃん...」

 

戦兎は静かにその場に座り込んだ。

 

「...巧君、座標は出たよ。あと少しで転移出来る」

 

「...分かりました」

 

戦兎は残されたドラゴンボトルを握りしめた。

 

___________

 

「このNEWスカリエッティの相手には、相応しい人間だよ。君は」

 

「はっ、お前に認められてもうれしかねぇよお!!!!!!!!!」

 

龍斗は身体が上手く動かなくなってきている事に気づいていた。それでも戦うのを辞めるつもりはない。

例え自身が消滅したとしても、ここであいつを倒すために。

 

ナックルを上に投げ、ベルトのハンドルを回す。

 

『シングル・アイス!』

 

『READY GO!』

 

『グレイシャル・アタック!!!』

 

落ちてきたナックルを受けとめ、巨大化したナックルでブラッドを殴りつける。

そして身体を凍らせた。

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

 

地面を突き破ってマグマライズドラゴンが召喚される。拘束したブラッドが逃げ出さないように複数のマグマライズドラゴンがブラッドの体に巻き付いて拘束する。

 

「これで、終わりだ」

 

追加で召喚されたアイスライズドラゴンがマグマライズドラゴンと共に拘束しながら上昇させていく。

 

そして龍斗はブリザードナックルをベルトに戻しハンドルを回した。

 

___________

 

 

「繋がるよ!皆準備を!!」

 

葛城の声で戦意を消失させていた面々も立ち上がり始める。

 

「3」

 

フェイトはバルディッシュをしっかりと握りしめた。

 

「2」

 

戦兎はゲートを素早く通り龍斗の元へ向かう事を決めた。

 

「1」

 

そしてゲートが開くと同時にフェイトがその中へと進んでいった。

 

大切な人の元へ、もっと、もっと早く!

 

止まることなく進んでいく。目の前の障害物はバラバラに切り刻まれていく。だが____

 

 

『READY GO!』

 

クローズ(龍斗)は背中の羽を大きく広げ高く飛び上がりキックを叩き込んだ。

 

『グレイシャル・フィニッシュ!!!!』

 

「おりゃぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

放たれたキックはドラゴン達によって拘束されたブラッドへ叩き込まれた。

 

「りゅうとぉおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

 

そして、その場にはクローズブリザードのみが立っていた。

 

 

「う、あ____」

 

バランスを崩した龍斗は変身が解除され、倒れ始める。

 

「龍斗!」

 

すぐさまフェイトがバルディッシュを落としながらも龍斗を受け止めた。

 

「フェイト、か...」

 

「聞いたよ。龍斗が思い出したことも、どうしてこんな無茶をしたのかも」

 

フェイトは手元を見れなかった。受け止めているはずで決して見えないはずの自分の手が見え始めていたのだ。

それは、龍斗が消滅しかけている事を物語っていた。

 

「...悪かったな、何も話してやれなくて...」

 

「ううん、いいんだよ。これで、よかったんだよね」

 

龍斗は震えているフェイトにボトルの刺さったマグマナックルを渡そうとした。

 

「こいつを、受け取ってくれ...」

 

「うん、大切に、するよ...」

 

受け取ったナックルに、涙が落ちた。

 

「先輩!」

 

「龍斗!!」

 

遅れてやって来た戦兎達はその様子を見て足を停めてしまう。

 

「一斗、おまえにも、これを...」

 

「先輩、う、うううう...」

 

「泣いてるんじゃ、ねぇよ...強くなったな」

 

「戦兎...わりぃ、忠告してくれたのに、な」

 

「必ず、消滅から___」

 

「それ以上言うんじゃねぇ」

 

龍斗は戦兎が言おうとしている言葉を理解していた。それでも、自身が満足しているのを伝えたかったのだ。

 

「ありがとな...」

 

 

そして、龍斗は粒子となって消えた。

 

 

崩壊した世界に、声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり、こんなものだったか」

 

戦兎は後ろから聞こえてきたその声の主を知っていた。だからこそ振り向き、叫んだ。

 

 

「スカリエッティ!!!!!!!!!」




さよなら、仮面ライダークローズ

「君たちが力を合わせた所で、私達(・・)には及ばない」

仮面ライダーは、人の為に戦う

「僕に出来ることをやるだけだ!」

そして_____


次回、『ローグと呼ばれた男』


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66.ローグと呼ばれた男 前編

サイコーだったぜ!今週のジオウ!

やはり決まらないタトバキック。そして登場するタジャドルコンボフェイスのタイムマジ―ン。
アーマータイムも熱かった!!!!
ゲイツは家出!どうなっちゃうのか!?
神様の期間も、カイトの登場も確定し来週も見逃せない!

それでは、本編をどうぞ!


「お前、やっぱり...」

 

「フム、桐生戦兎か。何、万丈龍斗の攻撃は確かに強かった。だが、私は、NEWスカリエッティ!!!!決して倒されることはなぁああああああああああああああああい!!!!!!!!」

 

フェイトはナックルを握りしめ、直ぐにスカリエッティへと近付き攻撃をしようとした。

 

「無駄だ」

 

「!? きゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

「フェイト!?」

 

サラッとスカリエッティの生身の腕で払っただけでフェイトは飛んで行った。

 

「Fの遺産ごときでは私達(・・)に傷をつけることは出来ない」

 

戦兎はすぐさまラビットラビットへと姿を変えフェイトを受け止めに向かった。

 

「先輩も、フェイトさんも、あんな簡単に...」

 

一斗は今迄戦ってきた相手の中でも1、2を争う程の恐怖を感じていた。動けない中でスカリエッティは視界に一斗を捉える。

 

「桐生一斗か、ここで消えるがいい」

 

動けない一斗に向かってスカリエッティは黒炎を放った。

 

「ぐ、ううううううううう!!!!!」

 

「てぃ、ティーダさん!?」

 

その攻撃をティーダが受け止めていた。その間、クロコダイルクラックボトルにひびが入る。

 

「ティーダ・ランスターか。無駄な事を」

 

スカリエッティは追撃する様に黒炎を放ち続ける。

 

「ティーダさん!逃げて!受け止めなくても___」

 

「僕は!」

 

ティーダは正面から攻撃を受け止め続ける。その中でもしっかりと一斗を守っていた。

 

「これくらいしか、っできることがないんだ。だから...」

 

変身も解除され、クラックボトルは砕け散ってしまう。

 

「ここまでだ、ティーダ・ランスター。エボルトと共に消えるがいい」

 

 

________

 

戦兎はフェイトを受け止めると、その場にゆっくりと下した。

 

「ここで待っていてくれ。龍斗の仇は俺達がとる」

 

戦兎は直ぐにバスターを召喚し、それを持って来た道を戻る。近づいて行けばティーダの変身が解除されている事に気が付いた。

 

「ここまでだ、ティーダ・ランスター。エボルトと共に消えるがいい」

 

放たれた黒炎をバスターで薙ぎ払った。

 

「お前だけは、必ず倒す!!!!!!」

 

ビルドはバスターを構えた。スカリエッティはベルトを装着し直し変身しようとするが出来なかった。

 

「何故だ、何故起動しない?」

 

その理由に戦兎は気が付いた。

 

「龍斗のヤツ、ベルトを、ハザードトリガーを破壊していきやがった」

 

戸惑うスカリエッティを見ながらも立ち上がった一斗が隣に並んだのに気がつく。

 

「父さん、みんなの為に、スカリエッティを倒そう!」

 

そして純一郎もやって来た。

 

「龍斗君の仇、取らせてもらう」

 

お前たち(・・・・)はここで終わりだ。行くぞ相棒』

 

戦兎の横に並び立った二人はそれぞれベルトにボトルをセットする。

 

『フォートレス』

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

『『ARE YOU READY?』』

 

ハンドルを回し展開されたライドビルダーにアーマーが形成され、そこに挟み込まれる。

 

『Moving fortress!』『Keep shooting GREASE Fortress!』

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!!!』

 

「行くぞ!」

 

「「おう!!!」」

 

スカリエッティはベルトを捨て、ハザードトリガーを自分自身に突き刺し、コブラロストボトルも刺しコブラロストスマッシュへと変化した。

 

「うぐうううううううううう!!!!フハハはっはは!!!!!!!!」

 

ビルド、グリス、エボルの戦いが始まった。





さて、この作品も後少しでANOTHERルートを完結出来るくらいまで来ました。
今年の2月に始まったこの作品ですが、読者の皆様のお陰でここまで続けて来れました。
本当にありがとうございます。

300話を超え、既に初期と現在では書き方すら変化してました。これは予想外。
色んな作品にも手を伸ばして今では何ルートあるのやら...

さて、ここまでくると「作者、失踪するってよ」と思われそうなので切ってと。


ジオウ編についてなのですが、ANOTHERルート完結後、少々時間を開ける事になりそうなのです。

それでも、一周年までは決して投稿を辞めるつもりはありません。

どんなに時間が空こうとも、必ず戻ってきます。

長々と失礼しました。ではまた。


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67.ローグと呼ばれた男 後編

コブラロストスマッシュ

見た目はエボルト怪人体。
色が黒く変化している。
ベルトはビルドドライバー(ハザードトリガー有り)を装備しているが、ボトルやドラゴンは装着されていない。

設定上ブラッドよりも強く、初期からブラックホールを発生させることが可能。

しかし、ハザードトリガーの故障によりスペックは下がっている。


エボルトが先陣を切りスチームブレードで切りかかる。戦兎は背後から近づいていく。

 

「貴様らが何をしようと、無駄無駄ァ!!!!!!!」

 

だがスチームブレードも、バスターすら受け止められてしまった。

 

「っ、エボルトォ!!」

 

「フン!!」

 

戦兎は直ぐにバスターから手を離し一旦引く。支えるものが居なくなり落下していくバスターをエボルトが片手で支えバスターに掛ける力を強める。

 

『相棒、早速だが無茶するぞ!』

 

「分かった!」

 

左腕で支えたバスターにスチームブレードを持ったままの右手で体重を掛けたのだ。普通の人間なら反応することすら難しい速度で動いた純一郎の体には、後に代償を払う事を強制してきた。

 

だが、無茶(犠牲)をしてもなおスカリエッティには及ばなかった。

 

「その攻撃を辞めなさい」

 

「無駄なことだ」

 

「吹き飛ばされるがいい!!!!!!」

 

そう、スカリエッティは一人ではない(・・・・・・)

 

「お前ら、意識を統合したん__」

 

「消えるがいい、エボルト」

 

バスターに体重を欠けていた為に、開かれたブラックホールに身体が吸い込まれそうになる。エボルトは武器を犠牲に脱出するつもりだったが、コブラロストスマッシュから伸びてきた毒針に刺されてしまう。

 

「ぐぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

『相棒!?直ぐに解毒してやる!!!!』

 

毒が注入され苦しみ始める純一郎。この世界(・・)に存在しない毒に侵され始め、エボルトは解毒を試みるが自身が知るものよりも遥かに濃度が高かったのだ。

 

「これでお前は終わりだ」

 

「ようやくね」

 

「次は桐生一斗を消さなければ」

 

一度も攻撃をしてこない一斗の方向へと視線を移したコブラロストスマッシュに____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フォートレス・フィニッシュ!』『レッツ・フィニッシュ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砲撃(・・)が降り注いだ。

 

 

_________

 

戦兎は一斗が砲撃を放った瞬間に加速し純一郎の身体を抱えて安全地帯へ移動する。

 

全てはこの攻撃のためだったが、その為に純一郎が犠牲になってしまった。

 

「父さん!」

 

『毒を注入されたが、解毒は可能だ』

 

「どれくらい時間がかかる!?」

 

『完全に毒が回り切るまでだ』

 

「エボルト、父さんを、頼んだぞ」

 

『ああ。あとスカリエッティについてだが______』

 

一時的に開いたゲートから純一郎の身体を転移させ戦兎は直ぐに一斗達の元へと戻る。だが

 

「がはっ」

 

「やはり危険だ」

 

「早急に消すべき」

 

「だが、その力は認めよう」

 

一部の装甲を失っただけのコブラロストスマッシュがグリスの首を片手で絞められていた。

 

「一斗を離せ!!」

 

戦兎はドリルクラッシャーを召喚し突きを放つが左手でドリルを捕まれ攻撃は入らなかった。

 

「...桐生戦兎かぁ、どうだぁ?折角立てた計画が無駄になったのはァ?」

 

「っ、お前、スカリエッティか」

 

その言葉に反応したのかスカリエッティは両腕を強く降る。結果戦兎はドリルクラッシャーを、一斗は自由になる事が出来た。

 

「何を言うかァ....私はァ、NEWスカリエッティだぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

戦兎は先程エボルトから聞かされた事を利用したのだ。スカリエッティの身体にはエボルトと同じ地球外生命体が3体も同時に融合しており、それぞれが個を持っているが、スカリエッティ自身の意識だけは完全に封じることは出来ないのだという事を。

 

「一斗!」

 

「、と、さん...」

 

長い間首を絞められたために呼吸は浅く、戦兎はその容態を確認するために一斗の変身を解除した。

 

「ミカ、一斗を頼む」

 

『了解しました、マスター」

 

ミカを呼び出し直ぐに自身はスカリエッティの元へと急ぐ。ミカはこの時、この場に居なくなった(・・・・・・)人物がいる事に気が付いた。

 

 

______________

 

 

「スカリエッティぃぃ!!!!!!」

 

「だから、私は、NEWスカリエッティだと言っているだろうがぁあああああ!!!!!!」

 

戦兎は投げ捨てられたドリルクラッシャーを拾い上げそれをスカリエッティへと投げた。真っ直ぐ飛ぶドリルクラッシャーはのけぞりながら名乗り続ける。スカリエッティの身体へと突き刺さった。

 

「ごばぁ!?」

 

戦兎はその一撃で怯んだのを見逃さずにベルトのハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

『ハザード・フィニッシュ!』『ラビットラビット・フィニッシュ!』

 

「いっけぇえええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」

 

放ったキックは身体をうまく動かせないスカリエッティへと進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやくだ。この瞬間、ジェイル・スカリエッティは消えた」

 

しかし、その一撃は防がれてしまった。スカリエッティから身体のコントロールを完全に剝奪した『ブラッド』によって。

 

「そして、ここまでだ」

 

戦兎のベルトからハザードトリガーを奪い取り、蹴りを入れて吹き飛ばす。

 

変身が解除されたもののラビットラビットアーマーだけが残っており、戦兎は何とか意識を保っていた。

 

 

「君を始末する」

 

「いや、絶対にさせない」

 

 

戦兎へと攻撃をしようとするコブラロストスマッシュの前に、ティーダが立ちはだかった。

 

腰にはビルドドライバーを装着して。

 

「僕は、犯罪者だ。お前の様にエボルトの下につき、目的のためだけに動いてきた」

 

独特なデザインのフルフルボトルを2つに2度折り曲げた。

 

『プライムローグ!』

 

ベルトへと装填しハンドルを回した。

 

『ガブッ!』『ガブッ!』『ガブッ!』『ガブッ!』『ガブッ!』

 

『ARE YOU READY?』

 

周囲に黄金のエングレービングが伸びていき、左右から巨大な鰐の顎が現れる。

 

「変身!」

 

 

 

 

 

 

『大義晩成!』『プライムローグ!』 『ドリャドリャドリャドリャ!』『ドリャー!』

 

エングレービングがティーダを包み込む様に小型ファクトリーが形成され、それを顎が噛み砕く。

 

その姿は普段のローグとは異なり今まであった白いヒビが黄金へと変化し、胸元にはライダーズクレストがあった。更には背中に純白のマントを纏っていた。

 

「僕には救うべき人がいる。守るべき世界がある」

 

プライムローグ(ティーダ・ランスター)は確りと視界にコブラロストスマッシュを捕らえる。

 

 

 

 

「大義の為の、犠牲と成れ!」




次回、『二人のローグ』


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68.二人のローグ

忙しいんです...マジで...

荷物が、荷物がぁぁ....

お待たせ、本編なのだ


ティーダはプライムローグへと姿を変えた。背中のマントを翻しブラッドへ向けて走り出す。殴りかかってきたブラッドの拳を受け止め、流し、腹部へと一撃を加える。

 

「馬鹿な!?」

 

「貴様がこんな力を!?」

 

「ティーダ、ランスターァアアアアア!!!!!!」

 

少し後退しながらもブラッドはティーダへと叫ぶ。ティーダ自身は冷静にマントを棚引かせた。

 

「お前じゃ、僕は倒せない。もし僕を倒したとしても、お前たちは必ず倒される」

 

「対象変更だ」

 

「消しておかなければ」

 

「君を先に消す!」

 

コブラロストスマッシュ(ブラッド)は複数の小型ブラックホールを空中に形成しそれをプライムローグへ向けて飛ばす。ティーダはそれをマントを使って交わし、ブラックホール自体は地面へと消えていった。

 

「成程、お前の創るブラックホールは一定の量を吸収すると消滅するようだな」

 

ブラックホールが当たった所にはぽっかりと穴が開き、その中には初めから何もなかったようにも見えた。

 

「それが分かった所で」

 

私達(・・)には」

 

「無意味だ」

 

ブラッドは巨大なブラックホールを作り始める。ティーダはそれが交わしきれず、もし交わせたとしても苦痛に苦しむ戦兎に被害が及ぶことに気が付き、すぐさまそれを止めるために動き出す。

 

「「「これで終わりだ!!!!!」」」

 

制作が完了してしまいブラックホールは制作者の元を離れたはずだった(・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、こんなことになろうとは」

 

その場には、ブラックホールを消滅させた本人が立っていた。

 

 

 

「グランディア...」

 

「助けた訳ではないですよ。私もスカリエッティに、そこの彼らに用があるのです」

 

マッドローグ(グランディア)はライフルモードでブラッドを撃ちながらティーダへと近づいていく。

 

 

「私は、自分の目的の為に」

 

「僕は、愛と平和の為に」

 

 

「「スカリエッティを倒す」」

 

並び立った二人のローグ。彼らは決して手を取り合う事などないと思われていた。だがこの危機に有り得ない組み合わせが誕生したのだ。

 

 

「足を引っ張るなよ」

 

「貴方が、ですよ」

 

既にティーダの身体は限界を迎えていた。そんな中でもスチームブレードを構え、ブラッドの動きを伺う。

 

自身がどうなろうと、ここで倒す為に

 

 

「グランディア...」

 

「貴様がいたな...」

 

「消す、消し飛ばしてやる!!!!」

 

ティーダは走り出しスチームブレードとマントを利用してブラッドを拘束しようとする。

 

「離せ!」

 

「邪魔だ!」

 

「消え失せろぉおおお!!!!!!」

 

暴れるブラッドにスチームブレードを突き立てながらマントで腕を拘束した。

 

「今だ!」

 

グランディアはその場で自然体へと身体を戻し、静かに呟いた。

 

「フェイズ1」

 

その一言でマッドローグの全身が赤いオーラで包まれた。

 

「フェイズ2」

 

全身の紫色の部位が更に発光し始める。

 

「フェイズ3」

 

そして、オーラそのものを増幅させた。

 

「ぐっ!」

 

「がっ!?」

 

それはグランディアが限界を超える事を物語っていた。エボルト並のスピードと攻撃をくり返していく。その反動からブラッドを離してしまいそうになるがティーダは何とか耐えていた。

 

「フェイズ4!!!」

 

オーラを更に増幅させ全てを右手に集中させたグランディアはその拳をブラッドへと放とうとする。

 

 

 

 

だが、限界を超えきれずにグランディアはその場で動けなくなってしまう。

 

「グランディア!?」

 

「フン!!!」

 

動揺から拘束が緩んだスキにブラッドはその拘束から逃れ、グランディアへと殴り掛かる。

 

「惜しかったな」

 

「だが」

 

「無意味だ」

 

「あ....」

 

その拳はマッドローグの胸部装甲を貫通し、グランディアの後ろを真っ赤に染める。

 

「っ、グランディア!」

 

「ごはっ」

 

マスクの中は既に吐き出された血で複眼の色を変化させていた。ブラッドは簡単に身体から手を抜き取る。力が抜け、出血量も多いグランディアはその場に倒れ込む。

 

「っ」

 

「今、恐怖したな」

 

「自分もこうなるかもと」

 

「恐怖したな?」

 

ブラッドは血まみれになった左腕を見せつけるかのようにティーダの方向を向いた。だからこそ、気が付かなかった。

 

 

『発動機』『リモートコントローラー』

 

「ぐおおおおおおお!!!!!!」

 

グランディアがまだ生きていた(・・・・・)事に。




ブラックホールの消滅

ブラッドが作り上げたブラックホールにグランディアが大量のエネルギーを投下した為


______


既に死にかけているグランディアは、その体を無理矢理動かした。

全ては、自らの目的の為に

次回、『ラブ&ピースの世界へ』


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69.ラブ&ピースの世界へ 前編

今週のジオウについて一言。


ごめんなさい、未だに理解できません!!

結局、過去と現在でアナザーライダーを倒せばいい、ということでいいんでしょうか?




まぁいいや。来週は最も大変なことになるし。




...この小説でも再登場させようかな


「何っ!?」

 

「何故動ける!?」

 

「バカなっ!?確かに貴様の心臓を止めたはずだ!!」

 

背中から羽交い締めされたブラッドは慌てふためいた。確実に殺した(・・・)はずだと。

 

「すカリえっティなら気がついてイタダロうさ...私がニンゲンをやめていたことに!!!」

 

グランディアはスカリエッティに強化を頼んだ金色へと変色した二つのギアの成分を自身に注入していたのだ。

それはハザードレベルを急上昇させ、エボルトしか到達できない『フェイズ』の領域までグランディアを進めた。

 

マスクは内側から赤く染まり、両腕はブロスの様にギアで包み込まれた不屍(マッドローグ)は最後の力と言わんばかりに背中から羽を広げブラッドの自由を奪い取る。

 

「早くシロ!!長くはモタナイ!!!!」

 

「っ!、ああ!」

 

だがしかし、二人共限界を超えた。いや、超えすぎた(・・・・・)のだ。体を動かそうにもティーダは出来ず、ベルトのハンドルに手を伸ばすことすら上手く行かなかった。

 

「離せ!!!」

 

「まだ私達(・・)は...」

 

「目的を果たせていない!!!!」

 

ブラッドは拘束から抜け出す為に小さなエネルギー弾を背後のマッドローグに向けて放つ。それを交わすことなくグランディアは受け止め続ける。一弾、また一弾とマッドローグは攻撃を受ける。それでも、拘束を緩めることはなかった。

 

彼は覚悟を決めていたのだ。人間を辞めてまで、自身が死んでも、その目的を果たすと。

 

「テぃーだっ、ラんすターァ!!!!」

 

そして、その思いを誰かに託すと。

 

「う、うおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 

ティーダはベルトを破壊する勢いでハンドルを回した。痛みが何度も意識を遠のくのを痛みで意識を呼び戻すという荒技でハンドルを回しきった。

 

『READY GO!』

 

「大義の為の、犠牲となれぇェェェ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

『プライムスクラップ・フィニッシュ!!!!!!!!!!』

 

両脚にエネルギーをまとわせワニの顎を形成させ、それで嚙み突き、かみ砕き続けた。

 

「いやだ!嫌だぁああああ!!!!」

 

「まだ、まだ何も」

 

「おのれぇええええええ!!!!!!」

 

マッドローグごと(・・)ブラッドをかみ砕いたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ティーダは吹き飛ばしたブラッドに目もくれずすぐさまグランディアの元へと駆け付ける。

 

「グランディア!!!」

 

「ウルさいでスヨ...まったく、ウゴけルなら動いてクダサイ...」

 

マッドローグの装甲は破壊され、所々肉が見えている。ティーダは直ぐに治癒魔法をかけようとするが、魔法陣を上手く展開することが出来なかった。

 

「なんでだよ!」

 

理由は簡単だった。今ティーダの身体を動かしているのはティーダ自身ではない。全てバックアップへと回ったJIMのおかげだったのだ。今治癒魔法を使った場合、グランディアだけでなくティーダにも危機が訪れる事になりかねないのだ。

 

「きみニ、頼みガアリマス...私の代わりに______」

 

「ああ、分かった!でも、それは貴方がやらなくては意味がn」

 

 

「「「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」

 

ティーダが言葉をつなげようとした所で、倒れていたブラッドが立ち上がろうともがき始めていた。その様子は人間(スカリエッティ)とコブラロストスマッシュが混ざり合ている様に見える。

その声を聞いたグランディアは、ベルトからギアを取り外す。

 

「コレヲ...ヤツに撃ち込んで...」

 

「.....撃ち込めば、いいんですね」

 

グランディアからギアリモコン(・・・・・・)を受け取ったティーダは、変身を解除しJIMをトランスチームガンへと変形させる。

 

『ギアリモコン』

 

「これで終わりだ、スカリエッティ」

 

ギアをセットし、狙いを定めてトリガーを引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラッドは音もなく消滅した。グランディアが拘束時に流し込んでいたギアエンジンの成分とティーダが撃ち込んだギアリモコンの成分によって本体(人間)であったスカリエッティのハザードレベルを急上昇し続け消滅させた。そしてその中にいた『ブラッド』達も同時に消滅した。

その様子は何処かあっけなく、ティーダは独り(・・)その場に佇んだ。

 

 

 

「必ず貴方の願いを、叶えて見せます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グランディアが横たわっていた場所に血痕はなく、少しずつ粒子へと姿を変えるもう一つのギアをセットしたままのエボルドライバーのみが残っていた。




ブラッド編、完結!

しかし、グランディアは最後にティーダに自身の目的を伝えた。


それを知った戦兎達。そして動き出した。


次回、『ラブ&ピースの世界へ』


いつだって、この世界は等価交換を望む。
世界を変えるためにも、その代償は変わらない。


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70.ラブ&ピースの世界へ 後編

少し無茶をしてでも、連日投稿したいんだ...



ちょっと設定が難しいかもしれません。その為変更する場合が有ります。


それでは本編をどうぞ!


ブラッドの消滅。それにより仮面ライダー達の戦いは終わった。

 

その被害は数え切れず、ミッドチルダへと戻った戦兎達に休ませる時間を余り与えないでいた。

 

「戦兎さん、話があるんです」

 

戦兎はベッドから動く事が出来ないティーダに呼ばれ、一時的に作業を止める。身体を回復、制御と魔法で無理矢理動かしていた戦兎は念話で後の作業をミカに頼みベッドの脇にあった椅子に座る。

 

「お待たせ、それで話って?」

 

「グランディアから、聞いた彼の目的の事です。もしそれが出来れば、今まで起きた事で傷付いた人達を救うことができるかもしれません」

 

ティーダが話したのは、世界を一周(・・)させるというものだった。それを行うことでグランディアはこの世界を障害者が安心して暮らせる世界にしようとしていたのだ。そのすべてを、金色のギアリモコンに入っていたデータからティーダは知ったのだ。

 

「これが出来ればあの世界も、龍斗さん達も生き返る事になるんです」

 

「...そんな事をしていいのか?」

 

ティーダ目をそらした。勿論、デメリットが存在する。先ず、エボルトがそんな事ができるのかという事。そして、本当に世界を一周させて被害がないかという事。

 

「データには、新しく生み出したパンドラパネルに大量のエネルギーを流してパンドラボックスへと干渉させる事で出来るとなっています」

 

「...どうすれば、いいんだろうな」

 

戦兎はその答えを手に入れる事は出来なかった。その前に大きな音が響いたのだ。

 

「な、なんだ!?」

 

『マスター、緊急事態です。エボルトが裏切りました(・・・・・・)

 

「!?...っ、今行く!」

 

音の原因を知った戦兎は病室を飛び出した。そのすきを見て新たな人物が病室へと入る。

 

「これでよかったのですか」

 

「はい。ありがとうございます、ミカさん」

 

ティーダがベッドから動けなかったのは無茶をし過ぎただけではない。白い(・・)パンドラパネルにエネルギーを流していたのだ。

 

「...如何やら、時間のようですね」

 

「そうですね...後悔はありませんよ。僕の身体はもう持ちそうにありませんでしたから」

 

そう言って消えかかった(・・・・・・)手でパネルをミカへと差し出す。ミカはそれを確りと受け取ると、自身の中に収納した。

 

「おやすみなさいませ」

 

「ええ、後は...頼み____ました___よ...」

 

 

ミカは独り静かな病院の廊下を歩いていく。ティーダやグランディアの願いを受け継いで。

 

 

_____________

 

 

「エボルトォォ!!!!!!!!」

 

『ようやくきたか』

 

戦兎は息が上がっており、息を整えるにもかなり時間がかかる。

 

「巧、お前に頼みたい事がある」

 

「えっ」

 

エボルドライバーを装着した純一郎はボトルをセットする。

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

「必ず俺を、倒せ」

 

 

『ARE YOU READY?』

 




世界を一周させる事で今までの事をなかったこと(・・・・・・)にする。

それを目的としたエボルトと戦兎の最後の戦いが始まる。


次回、『ビルドが創る明日』



さぁ、実験を始めようか


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71.ビルドが創る明日 前編

遂に最終決戦!

彼らを見届けて下さい!

あと活動報告にて
今後について話しています。


静かに砂が踏みしめられる。波の音が響く中で向かい合った二人は武器を構えた。

 

「うおぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 

戦兎の攻撃から始まった戦いはエボルトが優勢のまま進んでいく。

 

「どうしたどうした!!お前の力はそんなものか!?」

 

「黙ってろ!」

 

バスターを振り回すツインフェニックスを楽々停めてしまうエボルト。手首を捻らせることで武器を落とさせた後、そのまま開いた腹部へ向けて蹴りを放つ。

 

「がっ!」

 

「お前がそんなんじゃ万丈は無駄死にだな」

 

「っ」

 

海岸で転がり変身が解除された戦兎は砂を握り締めた。

 

「お前が、龍斗を語るなぁああああ!!!!」

 

「威勢がいいのは好きだが、今のままじゃ俺は倒せないぞ」

 

戦兎は理解していた。今の自分では勝てないと。立ち上がりながら戦兎はあるものを取り出し起動させようとする。

 

「っ!?何で起動しない!?完璧に仕上げたはず...」

 

「ハァ...心底がっかりだ。消えろ」

 

『コブラ』

 

エボルトはコブラボトルをトランスチームガンにセットし戦兎へと狙いを定める。

 

「チャオ」

 

『スチームアタック!』『コブラ』

 

戦兎は逃げることもせず、只々近づいてくる弾丸とコブラを見ている事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グレイシャル・ナックル!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それをグリス(一斗)が受け止めるまでは。

 

 

 

「か、一斗」

 

「何やってるの、父さん」

 

「俺は、もう...」

 

 

諦めた戦兎を見ていた一斗は左手で戦兎の頬を叩いた。それに戦兎は驚いた。

 

 

「俺が、俺達が憧れた桐生戦兎(父さん)は、誰かのために戦ってきたんだ!!!今の父さんは、一体誰の為に戦っているの?」

 

「!」

 

そう言って一斗は戦兎を立ち上がらせるとエボルトへと向き合った。

 

「父さんが戦えないなら、俺がエボルトを倒す」

 

「お前とは久しぶりに闘うな」

 

戦兎はグリスとエボルの戦いを見ていた。

いつだってどこだって、今の今まで何をしてきたのか。

戦兎は理解できた。設計上だけで出来上がった力を誰かのために使えるわけがないのだから。

 

 

「...最悪だ」

 

だからこそ、父さん(純一郎)を助けるために、世界を救うために

 

「まさか自分の息子に気づかされちゃうなんてな。」

 

戦兎は、ジーニアスフルボトル(・・・・・・・・・・)を起動させた。

 

 

『グレイト!』『オールイェイ!』

 

 

 

 

「さぁ、実験を始めようか?」

 

『ジーニアス』

 

今まで出会ってきた人達を思い出しながらハンドルを回す。展開していくジーニアスライドビルダーは戦兎の身体を少し上げ、その周りに60本ものエンプティボトルが運ばれてくる。

 

 

 

 

「変身!」

 

 

 

 

『完全無欠のボトルヤロー!』

 

 

全身を白いスーツで覆われ

 

 

『ビルドジーニアス!』

 

 

全身にボトルを複数装着した仮面ライダー

 

 

『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

 

 

 

「自分の為じゃない、いつだって誰かのために闘うんだ。その為にこの力を使う」

 

 

 

 

ここに、我らが仮面ライダービルド(桐生戦兎)は復活した。




投稿が遅れた理由は
活動報告にて


いやはや、最後の投稿から早いものですね。

また時間を見つけたら書きますね。


______

ズルい、ディケイドアーマーカッコイイ(時すでに遅し

ウォズ、君は何者なんだ?

それでいてここからストーリーをどうするつもりなんだ?


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72.ジーニアスは止まらない 前編

必ず、書き続けてみせる...どんなに時間がかかっても、だ


エボルトは一斗で遊ぶように戦っている。

 

「ほらほら、どうした?そんなものかぁ?」

 

「相変わらず、人を煽るような、言葉ばかり使うな!」

 

一斗の攻撃をかわしながらエボルトは答える。

 

「人の反応は面白いからな。いくらでも弄ってやるよ!」

 

「うおおおおお!!!!!!」

 

ナックルとツインブレイカーを使いエボルトを攻め立てていく。だがそれすら、エボルトにとってはただの遊びに過ぎないのだ。

 

「おっと、そこまでだ」

 

「なっ!?」

 

突然攻撃を交わすのではなく受け止められた一斗は驚きその動きを遅くしてしまう。

 

「もう少しでパネルが完全に完成する。それさえできればこの世界に用はない。サッサと壊させて貰う」

 

「ぐっ、がぁっ」

 

両手首を握りしめられてそのままねじられる。一斗はその痛みに耐えきれずに武器を落としてしまう。

 

「お前も世界を一周させるエネルギーになるんだよ」

 

「俺は、なるきは、ないっ」

 

一斗にはまだ伝えられていない事があった。今もなお病室で独り自身の帰りを待っている彼女に、その言葉(・・)を。

 

「ここまでなんだよ。チャオ、一斗」

 

 

エボルトは片手を離してトランスチームガンを眉間に突き付けトリガーを引こうとした。

 

 

「そこまでだ、エボルト」

 

だが引けなかった。そのトランスチームガンを砕き壊したビルドがいなければ。

 

「ようやくか、戦兎ォ!!!!」

 

 

「お前は後だ!」

 

 

戦兎はエボルトの攻撃を受け止めて反撃し後退させる。その隙に一斗を連れて一旦その場を離れた。

 

「父さん...」

 

「ありがとう、俺に思い出させてくれて。俺はもう迷わない」

 

変身が解除された一斗を木陰に寝かせてすぐさまエボルトの元へと戻る。

その間に、一斗の元へミカが現れた。

 

「一斗様、お疲れ様でした」

 

「...これで、よかったんですよね」

 

一斗は知っていたのだ。自分達こそがこの世界を一周させるのが目的なのを。

 

「既にティーダ様は旅立たれました。このパネルも間もなく完成です」

 

「...ミカさん、今の僕はこれ以上動けそうにないです。だから、アインハルトさんに_________」

 

 

「...分かりました。必ず、お伝え致します。ですが、必ず一斗様自身の口からお伝え下さい」

 

「また、会えるなら...必ず...」

 

一斗はパネルへと吸収されていった。白いパンドラパネルは後一人、強大な力を持つ者(・・・・・・・・)が吸収されることで完成する。

 

 

「おやすみなさいませ、一斗様。貴方様の伝言、確かに伝えさせて頂きます」

 

ミカは静かに礼をしてその場を後にした。最後の目的地であるパンドラタワーの頂上へと。




少しずつ物語は終盤へと進んでいく。

残された仮面ライダーは二人。

仮面ライダービルド(桐生戦兎)

仮面ライダーエボル(純一郎/エボルト)

どちらが勝っても、世界は____


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平成ジェネレーションズFOREVER公開記念予告

予告ですが
後半、ネタバレになります。


「ハッピーバースデイ!!!!祝え!新たなる物語の始まりを!!!」

 

 

両腕を大きく広げ、左手には本を開きながらウォズはそう叫ぶ。

 

その後ろで静かに動き始めた者がいる。

 

「俺をこの世界に再び(・・)訪れさせたのは、あの魔王とやらを倒す為ってことでいいんだな?」

 

 

マゼンタカラーのライダーは座っていた椅子から立ち上がると変身を解除した。腰に巻かれたベルトのバックルは以前と異なりそのカラーが変化している。

 

「我が魔王がこれしきの事でやられるようでしたら、この先の未来は有り得ない。ですが、私は見てみたいのです。貴方が、貴方達(・・・)が変えたこの世界に再び大きな力が干渉すれば、一体どうなってしまうのかを」

 

 

変身を解除した男は、ウォッチを手の中で遊びながらその姿が変化していくのを眺めている。

 

 

「普段の俺なら知ったことか、と流すがこの世界は別だ。あいつら(・・・・)に被害が及ぶ様なら俺はお前を破壊する」

 

そう言って男は形が異なるウオッチをしまうと光がさす方へと歩き出す。

 

 

「____、お前がこの世界にどう影響を与えようと、我が魔王の進む道を妨げることなどできない。破壊者が逆に破壊されるなんて事も、あり得る様に」

 

 

ウォズは本を閉じようとするが静かに体の向きを変えた。

 

 

「おっと、言い忘れていましたね。この物語は、我が魔王が魔王たる者へと成長していく物語です。世界の破壊者ですら破壊できる地上最強の力を持った『ジオウ』は、唯一無二の存在。さぁ、新たなページを開きましょう。このページはまだ白紙(ブランク)。この先は、私ですら知らない未知の領域です」

 

 

ウォズは今度こそ本を閉じる。その音は誰もいない空間(・・・・・・・)に響き渡った。

 

 

_________________________

 

 

 

この物語は平成を生きた、すべての人たちへ贈る。

 

『憧れ』

 

『夢』

 

『希望』

 

彼らは全ての思いを背負って、時代を駆け抜けた___

 

「あの頃、本当に俺の傍に仮面ライダーはいたんだ」

 

「覚えている限り、ライダーはいる!!!」

 

時代が終わる

 

『クウガ』

 

『アギト』

 

『リュウキ』

 

『ファイズ』

 

『ブレイド』

 

『ヒビキ』

 

『カブト』

 

『デンオウ』

 

『キバ』

 

『ディケイド』

 

『ダブル』

 

『オーズ』

 

『フォーゼ』

 

『ウィザード』

 

『ガイム』

 

『ドライブ』

 

『ゴースト』

 

『エグゼイド』

 

『ビルド』

 

そして全てが始まる

 

 

『ジオウ』

 

 

『仮面ライダー』を愛してくれたあなたへ__

 

 

『平成ジェネレーションズ FOREVER』

 

  2018/12/22公開

 

この予告は、感謝を伝えるモノである。

ありがとう、そしてこれからもよろしく

 

我らがヒーローよ




前半はジオウ編の予告

後半は映画の予告になっています。


この小説は不定期更新であり、予想よりも時間がかかってしまうかもしれません。
ですが、長々とお付き合いください。


さぁ、今週のジオウは本当に面白くなるぞ!!!

勉強放り出して見なきゃ!!!

「それはだめです」


ミカさん!?わ、私は、ここで止まるわけにはいかないんだぁぁぁぁ_(ズルズル

「またお会いしましょう」


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73.ジーニアスは止まらない 後編

最後まで、走り抜ける!


お互いに一歩も引くことはなく攻撃と防御を繰り返す。しかし、少しずつだがビルドは押され始めていた。

 

「お前もここまでだ」

 

『オーバー・ザ・エヴォリューション!』

 

エボルはコブラフォームからブラックホールフォームへと姿を変えた。ビルドは威力の上がった攻撃を防ぎきれずに吹き飛ばされる。

 

「っ!?」

 

「ここまでだ戦兎。お前と闘うのはいつだって楽しかった...だからこそ、お前との決着を果たす!!!」

 

『READY GO!』

 

エボルトはベルトのハンドルを回し、最後の一撃を放とうとする。そんな中、一斗が居たはずの位置に飛ばされた戦兎はそこにあったあるモノに手を伸ばした。

 

『ブラックホール・フィニッシュ!』

 

「こんな所で、終われるかぁああああああ!!!!!」

 

ボトルをセットしエボルトのキックに向けてその一撃を放つ。

 

『グレイシャル・ナックル!』

 

残された(・・・・)ブリザードボトルとナックルを使って。

 

 

戦兎の起死回生の一撃、それは一斗の思いがカタチとなった一撃だった。

 

「な、なにぃ!!!???」

 

「う、おぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 

エボルトの一撃は止まらなかった。だがその一撃はビルドには当たらず、代わりにナックルが砕け散った。

 

 

「...ありがとう、龍斗」

 

『マックスハザード・オン!』

 

戦兎は直ぐにハザードトリガーを起動させベルトへと装填しハンドルを回す。

 

『ヤベーイ!』『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

「ふ、ふっはははぁぁぁ...戦兎ォ!!!」

 

ハザードトリガーを使用し、ジーニアスボトルの室力を最大にする。そうすることで、越えられなかった壁を越えたのだ。

 

お前(全て)を、壊す!!!」

 

「お前が何度壊そうと、俺がもう一度ビルドする!!!」

 

お互いの頭の中からは、この戦いの意味は変化していた。パネル完成の為の犠牲者(救世主)を決める戦いではなく、お互いの欲を満たす為の戦いへ。

 

戦兎は手が伸ばせる範囲の大事なものを守るために。

 

エボルトは戦兎との因縁を果たすために。

 

「戦兎ぉおおお!!!」

 

「エボルトォオオオ!!!」

 

お互いの顔面に拳が当たり合い吹き飛ばされる。そんな時だった。

 

 

 

「エボルト、純一郎様。準備が完了しました」

 

 

 

「み、ミカ!?」

 

「如何やら、時間切れみたいだな」

 

白いパンドラパネルを持ったミカがその場に現れたのは。

 

「...ミカ、これは、どうゆうことだ」

 

戦兎はふら付きながらも問いかける。その返事は無い。

 

「ミカが答えないなら、俺が答えてやるよ。ミカが抱えているあのパネルには、既に二人(・・)の生贄が吸収されている。俺はそれを取り込むことで、到達出来るんだよ。世界を完全に破壊し、新たな世界を誕生させるという奇跡にな!!」

 

テレビ本編でエボルトが求めていたのは、転移(ワープ)という絶対に持たせてはいけない力だったがこの世界のエボルトが求めていたのは世界そのものの破壊、そして再生(破壊)。繰り返される歴史の中で、全ての生命体を破壊し続ける事が目的だった。

 

「だが、その為には時間がなかった。その為の力を手に入れるために俺はお前らに協力したんだよ!!」

 

戦兎にはわからなかった。何故ミカがエボルトの味方をしているのか。そして、エボルトの声が震えているのか(・・・・・・・)

 

 

「お前には、この場で世界が滅びていくのを見ていられる権利がある」

 

ミカから奪い取ったパネルをふら付いたビルドへと向ける。するとパネルは発光し、ビルドから力を奪っていく。

 

ジーニアスボトルはその力を抜き取られ、その場に落下する。戦兎自身も戦いの中で受けたダメージでその場に倒れてしまう。

 

「み...か...」

 

「よくやった。お前も眠れ」

 

「はい。後は頼みます」

 

そしてミカもパネルへと吸い込まれていった。残されたビルドフォンが砂浜に落下する。

 

「終わりの、始まりだ!!!」

 

そして、エボルトはパネルを吸収した。




『ジーニアスは止まらない』

そのサブタイトルの本当の意味は、戦兎のヒラメキ。
そして、その出番の少なさ。

ジーニアスボトルはきっと、プトティラの様に再登場するのはかなり難しいだろう。


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74.ビルドが創る明日 後編

ありがとう、そして、お疲れ様。


パネルを吸収することで全身が白い怪人体へと変貌したエボルトを見た戦兎は、無理矢理立ち上がろうとする。

 

「だから、そこで見てろって言っただろ」

 

エボルトはそんな戦兎を蹴り飛ばした。その勢いで戦兎は持っていたボトルの大半を落としてしまう。

 

「これでお前は変身すら出来なくなったな」

 

エボルトは巨大なブラックホールを開き、世界を吞み込み始めた。

 

『エボルト、これで終わりだろ?』

 

「ああ、世界を一周させる為のエネルギーは集まる。そして最後に____」

 

純一郎はエボルトに話しかけて、最後の確認を取った。その目的を果たす為に。

 

_________

 

 

「がっ...」

 

全身が痛い。これ以上は戦えない。そう思えるほどに戦兎は追い詰められていた。

 

先のエボルトの蹴りでボトルを落としてしまった為に、戦兎に残されたボトルは3本。

 

『ラビット』『タンク』そして『ドラゴン』

 

ベルトのホルダーに刺さっていたボトルのみが残っていたのだ。だが、エボルトに対してベストマッチのフォームにしか変身できない戦兎では勝てない。

 

その事実に戦兎は悩まされていた。既にベルトに装着されていたハザードトリガーは壊れ起動しない。

 

ただ、一つだけ、その場に残されているものがあった。それがエンプティボトルだった。

 

「頼むっ」

 

戦兎は掛けたのだ、奇跡が起こるかもしれないと。その場に転がっていたビルドフォンにいる、あの王妃に。

 

『これが、余の最後の力だ___』

 

「___ああ、必ずエボルトを倒す」

 

エンプティボトルには見覚えのある4人(・・)の顔があった。ベルナージュの力で回復した戦兎は4本のボトルを持ってエボルトの元へと歩き出した。

 

_________

 

 

「よぉ、まだやるのか?」

 

「お前に、この世界を破壊させない」

 

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ!』

 

エボルトと対峙した戦兎はベルトにボトルをセットし、ハンドルを回した。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

展開されたライドビルダーに挟み込まれることでビルドへと姿を変える。

 

『フルボトルバスター!』

 

召喚したバスターにベルナージュが誕生させたボトルをセットする。

 

『ラビット』『ドラゴン』そして『仮面ライダー』フルボトルを。

 

『ミラクルマッチで~す!』

 

ビルドはバスターをエボルトへ向けて構えた。

 

「そんな攻撃が俺に通用するとでも思っているのかぁ?」

 

「...思ってるさ」

 

バスターの抑えられない力に身を任せ、エボルトへと急接近する。だがそれを狙っていたのかエボルトは殴り掛かってくる。それをも予想していたビルドは地面をラビットの足で蹴り高く飛び上がることで回避し、落下する中でバスターをエボルトへと振り下ろした。

 

「がぁっ!」

 

「俺や龍斗だけじゃなく、みんなが!」

 

一度振り下ろしたバスターを再度構えエボルトの反撃を食らう前に切りかかった。

 

「俺達『仮面ライダー』をつくってくれたからなぁ!!!!!!!!!!」

 

『ミラクルマッチ・ブレイク!』

 

その一撃を食らっても倒れないエボルトの動きが、いきなり鈍くなる。そしてその場で動けなくなってしまった。

 

「何故だ!?、うごけ、ない」

 

そして、バスターにセットしていたボトルが輝きその姿を変えた。

 

『よぉ戦兎。なんだ?一人じゃエボルトは倒せないってか』

 

「!龍斗!お前、一体何処から...」

 

『サッサとバスターを見てみろ!』

 

ボトルが変化したことで消滅した龍斗の意識が一時的にボトルへと宿ったのだ。

 

「色が変わってる?」

 

『俺はお前を、お前は俺を。士さん達との約束だ。忘れてないだろ?』

 

龍斗に言われて戦兎は思い出した。お互いに支え合った相棒(・・)がいる事を。

 

「...最悪だ。お前に思い出さされるなんてな」

 

『偶には良いだろ?サッサとエボルト倒して、風麺奢れ』

 

戦兎はバスターからボトルを2本抜き取り、それを両手に持ってエボルトの方へ向いた。

 

「さぁ、『実験を始めようか』」

 

『ラビット』『ドラゴン』

 

トライアルフォーム。それは必殺技が使えず、フォームとしての決定打がない状態。ビルドドライバーのシステムで出来たがしてこなかった有機物同士の組み合わせ。展開されたライドビルダーには金と銀のハーフボディが形成された。

 

『ARE YOU READY?』

 

「ビルドアップ」

 

二度と変身できないであろう奇跡のフォームへと姿を変える。

 

『♪~~~~~~』『ベストマッチ!』

 

「「勝利の法則は、決まった!!」」

 

クローズとビルドのポーズを取り、再びハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

「ぬぅ!?」

 

ラビットタンクのボルテック・フィニッシュの様にグラフ型の滑走路が作られ、その途中にいるエボルトにキックを放つ。

 

『ボルテック・アタック!』

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 

「はぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

キックを食らい続けるエボルトは、笑っていた。

 

「これで、俺は消える。俺達の目的も、達成だ」

 

「なに!?」

 

エボルトの口から語られたのは衝撃の事実だった。

 

「俺は元々消えるつもりだったんだ。世界を一周させる為に」

 

エボルトも考えていたのだ。破壊しか出来なかった自身が、相棒を持ち、他人の為に戦えた。それでも、今まで自分がしてきた事の落とし前を付けなくては、と。

 

「相棒だって賛成してくれたんだぜ。だからよ、戦兎...」

 

エボルトは静かに抵抗を辞めた。

 

明日(未来)を作れ」

 

 

「う、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ラビットドラゴンからラビットタンクへと姿を変えながらもキックを放ち続ける。

 

その速度を加速させ続け、次元の壁へと叩き付けた。

 

_______________

 

 

 

 

_______________

 

 

 

兎が飛び跳ねる高原に一人の青年が倒れていた。

 

 

「ここは...?」

 

意識がはっきりしない中で、その場に立ち上がろうとする。

 

「なんで、こんな所にいるんだ?」

 

だが、青年は一気に現実に戻されることとなった。

 

「パンドラタワーが、ない...」

 

ミッドチルダの街の真ん中に建てられた破滅の塔。その存在がまるでなかったかのように消えていたのだ。

 

「...世界が、一周したのか」

 

青年は、桐生戦兎はその答えに辿り着いた。他に何が起こったのかを確認するためにマシンビルダーを展開して高原から街へと向かう。

 

ビルドフォンからは、一度も声がすることはなかった(・・・・・・・・・・・・・)




一周した世界を見て回る戦兎。

だが、その世界の人々は戦兎の事を知らなかった。

そこへ______


次回、『ビルド(みんな)が創った明日(未来)


アナザールート、完結。


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75.『ビルド(みんな)が創った明日(未来)

ここまで付き合ってくださった皆様に、感謝を!!!


今回は【♪】というマークが登場します。

マークが登場したらあの曲を流して読み進めてください。

きっと、あのシーンを思い出せると思います。

それでは、どうぞ!


「...何にも、残ってないのか」

 

戦兎は一人、公園の噴水広場へと向かい歩いていた。

 

『_今日から活動を開始した新たな___党のグランディアさんのお話を___』

 

でかでかと街に備わった仮想スクリーンにグランディアが映し出される。

 

世界が一周した事により消滅した(死んだはずの)人々が生き返っているのだ。

 

だが先程戦兎には葛城巧から連絡が来ていた。

 

「急に元の世界に戻された上、そちらの世界への通信が巧君以外出来ない」と。

 

エボルトとの最終決戦。その後起きた爆発を吸収し、世界を一周させたのはこの世界(・・・・)のみなのだ。

世界は一周することで原作へと戻り、異物であった人物を元の世界へと飛ばした。勿論、ミッドチルダの人々に『エボルトによって滅ぼされかけた』という記憶はない。

 

あるのは、スカリエッティ一味による事件だけである。

 

「グランディアは、こっちの世界で目的を果たしたんだな」

 

グランディアの目的、それは障害を持った人々に優しい世界へと変える事。自分の子供のためにも、成し遂げたかったことを新世界で成し遂げたのだ。

 

「スカリエッティはっと、...はぁ~」

 

スカリエッティは殺されていない。この世界にエボルトはいない(・・・)のだから。

 

戦兎は世界を一周させて新たな未来を創ったが、その代わりに大切なものを失った。ふと、見慣れた髪型を見つけてしまった。

 

「はやてちゃん!?」

 

「へ?」

 

戦兎は彼女の名前を呼んだ。いや、読んでしまったのだ。

 

「あの...どなたですか?」

 

「あっ、すまない...人違いみたいだ」

 

戦兎は思い知ってしまったのだ。この世界には、自分の事を覚えている人はいないのだと。

 

「ただ、一つだけ言わせてくれないか?」

 

「...ええ、私でよければ」

 

だから、彼女に伝えたかった事を言う事にした。

 

「君が無事で...良かった」

 

 

 

 

 

 

「なんやったんやろ、あの人」

 

はやては一人、久しぶりに全員が休暇を得た家へと帰る。

 

「なんであんなにも、悲しそうやったんやろ...」

 

はやて自身も、頬を伝う雫の意味が理解出来なかった。

 

 

____________

 

 

 

 

噴水の脇に腰を下ろし、戦兎は静かに呟いた。

 

「今度は俺しか記憶がないのか...」

 

一人孤独を嚙み締める。あの日から始まった桐生戦兎としての人生にはいつも仲間が居た。それが、突然失われたのだ。世界を救うためとはいえ、戦兎にはこの平和を見続けられる自信は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦兎!」

 

 

 

 

 

 

 

 

【♪】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞き覚えのある声が戦兎の耳に届く。そして振り返ると居ないはずの人物が立っていた。

 

「龍斗!?」

 

「どうなってんだよこの世界。誰も俺の事を覚えてないし、誰とも通信できなくてよぉ...」

 

そう言いながら龍斗は噴水の脇に腰を下した。

 

「何でこの世界に龍斗が?葛城さんの話が合っているなら龍斗は元の世界に戻ったはず...」

 

「ああ、それなんだけどよ___」

 

どうやら龍斗はボトルの中に意識を入れていた時にエボルトの力を流し込まれて復活したらしい。何とも曖昧な事である。

 

「成程、俺が世界を一周させてもこの世界に残っていられたように、お前はエボルトの力を持ってたからこの世界に来られたって訳か」

 

「エボルトのヤツ、余計な事をしていきやがって...」

 

消滅覚悟で戦い抜いた龍斗にとっては何とも言えない状況である。

戦兎は静かに微笑みながらビルドフォンを変形させた。

 

「さて龍斗、最終確認だ。本当に俺についてくるのか?」

 

「俺はお前を支えなきゃなんねぇ。それが約束だからな!」

 

バイクは進んでいく。救世主とその相棒を乗せて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは?」

 

「俺達の戦いの記録だよ。ざっと70のエピソードで物語を作ろうと思うんだ」

 

「でもこれ、『仮面ライダービルド』ってなっているけど始まりが俺との出会いからになってるぞ?」

 

「それでいいんだよ。その物語は、『俺達の旅の一部』なんだからさ。さて、今までを振り返りながらっと___」

 

 

 

まだまだ彼らの旅は、終わらない。




これにてアナザールート完結です。

あの曲、[Be The One]を聞きながら読まれた方なら思っていると思いますが、
このアナザールートはビルド本編が完結した為に生まれた原作に限りなく近いルートになっています。

これがやりたかった!と思えるものを描きました。

実を言うとアナザールート最終回は複数考えてありまして、
もしかしたらカタチにするかもしれません。

話したい事が沢山ある。そんな一年間となった今年。
平成に生まれ、仮面ライダーシリーズと共に成長してきた作者も、
気が付けば平成の終わりを感じてしまう始末。
新年から始まるジオウ編を考えながら年を越す事にします。

長々と失礼しました。それでは、新たな物語でお会いしましょう!

良いお年を!!!

2018/12/31


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NEXT:ZI‐O
1.彼の帰還2017


お待たせしました!
ジオウ編、スタート!


ミッドチルダに何度目かの平穏が訪れていた。

 

「おっとっと、大丈夫ですか?」

 

「あ、はい。すいません、よそ見してしまったもので...」

 

戦兎は事件前と同じ様に見付かったスカリエッティのアジト跡を探索し、その結果を報告するという仕事を続けていた。そんな日々にも少しの休暇が与えられたのだ。

 

「久しぶりの、帰宅かぁ...」

 

『また、かなり長い間留守にしてしまいましたね』

 

ミカと話しながらも懐かしい住宅街を行く。あの日、管理世界中が戦兎の敵に回った日から既に半年が過ぎているのだが、未だにミッドチルダに戻ってくると戦兎は身構えてしまっていた。

先程、道を行く人に打つかってしまった時も身構えてしまっていた。

 

「あ、ミカ。スカリエッティのアジトから持って来たアレ(・・)、解析できたか?」

 

『解析できていません。如何やらあのアイテムには未知の技術が使われている様です』

 

「そうか、お疲れ様。この後そのデータを元にこっちでも分析してみるよ」

 

『管理局への資料提出は、後回しにしましょう』

 

家の玄関に立てば、何処からか懐かしさを感じ始める。留守にしていたと言っても20日程である。

戦兎の仕事事態は大体一月掛かるモノが殆どの為早く帰ってこれた今回は運がいい方なのだ。

 

「ただいま___」

 

「巧にぃ!!!!!!!!!」

 

「戦兎ぉ!!!!!!!!!」

 

玄関を開ければすぐさまミサイルが二つ飛んでくる。それを腹に受け止め衝撃に耐え続ける。戦兎が長期に渡る仕事から帰宅するとおこなわれる恒例行事となっているこの攻撃(お帰りなさい)。余談だが、ミサイルが二つに増えたとき戦兎は、喉から溢れ出る衝動を魔法で転移させ続けた事がある。

体の中で反永久機関を作り上げた挙句の果て動けなくなったのは今では懐かしい思い出である(戦兎の中では、苦労の始まりという認識であるが)

 

「________っ、た、ただいま、二人共」

 

「「お帰りなさい!!!」」

 

慣れている、と言ってもダメージがないわけではない。戦兎は玄関からこちらを見ている家族に目で助けてと訴えたが誰にも助けては貰えなかった。

 

家に入れば特に変化していないのがすぐにわかる。だがリビングには珍しい客が来ていた。

 

「クロノ、連絡なしに来るなんてどうしたんだ?」

 

「何、はやてが君が帰ってくるとはしゃいで仕事をしなかったからな。ここ(自宅)で君の帰りを待ちながらその続きを片付けていたんだ」

 

広げていた仮想デバイスを収納しながら、クロノは書類をまとめていく。

戦兎はミカに自由にして良いと伝え、クロノの向かいにあるソファーに座る。

 

「君をここで待っていたのは世間話をするためだ」

 

「...そんなわけないだろ」

 

このやり取りは初めてではない。普段戦兎の調べ得た情報は管理局に提出されるが、その一部の情報には管理局がこの世から消し去りたいものも入っている場合がある。その例題が、スカリエッティ関連と言えばわかりやすいだろう。そういう情報を戦兎は提出することなく、クロノ達、個人的につながりがある管理局員にしか伝えてないのだ

 

「まぁ、世間話は噓じゃない。その前に見てほしいものがあるんだ」

 

クロノはそう言って新たな仮想スクリーンを展開する。そこには、黒い用途不明な機械が写っていた。

 

「クロノ、この画像は?」

 

「実は最近、ミッドチルダで複数の未確認飛行物体を見たという噂がある。その未確認飛行物体が飛んでいったという場所に残されていたものを撮影した。今ユーノに調べて貰ってはいるが、その用途が分かっていないんだ」

 

戦兎はその機械に見覚えがあった。その機械の用途は分からないが戦兎はそれを所持していた(・・・・・・)

 

「スカリエッティのアジトに、それが有った」

 

「何!?」

 

戦兎は魔法陣を展開し机の上に黒い機械を転移させる。

 

「これの正体は分からない。ただ分っているのは、今の科学力が作ることは出来ないってことだけだ」

 

「...正に天才の置き土産って訳か」

 

結局この後、戦兎とクロノは世間話をすることなく互いの情報を交換していった。すっかり遅くなってしまったクロノは、嫁にこってりと絞られたという。

 

「マスター、未確認飛行物体の画像を発見しました」

 

「未確認飛行物体?」

 

大人モードとなったミカがインターネットから噂の画像を発見したと戦兎に知らせる。ミサイルの片方は今、仕事を提出する為にクロノに連れていかれ、もう片方であるアリシアはミカの言葉に反応しながらも黒い機械の解析を進めていた。

 

「どんな感じだ?」

 

「画質は余り良くないようです。この画像に見覚えはありませんか?」

 

戦兎は久しく立っていなかったキッチンにて夕食の準備を始めていたがその手を止め画像を確認する。

 

「...何処かで見たことあるような、ないような...」

 

見たことはあるはずなのだ。だが、それが何処だったかを思い出せないでいた。

 

「戦兎~、こっちも解析できそうにないよ~」

 

ぐで~としながらアリシアは結果を伝えてくる。あの事件の後アリシアは独学でデバイスマイスターの資格を取得している。その腕を見込んで戦兎は解析を頼んでいたのだ。決して、料理ができないからという理由ではない。

 

「そうか。ありがとう、アリシア。報酬はいつものでいいか?」

 

「うん!」

 

先程までの態度は何処へやら、彼女は楽しそうにテーブルの上を片付けていく。

 

そんな中で、誰一人も黒い機械が発光した事に気が付かなかった。




ジオウ編開始しました。

既に予告にあるように、あの方が再び登場しますので、お楽しみに!


______________

黒い機械の正体を知るために無限書庫へと足を進める事にした戦兎。

だが、それを妨害するように見覚えのない敵が現れる!!!!

「お前は、誰だ?」

その敵の正体とは!?

「?俺、____」

次回、『正体判明2017』

物語は、新たなステージへ____


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2.正体判明2017 前編

仮面ライダークイズ...一体何ロムなんだ?

必殺技が!マークなのは面白いが、玩具化が難しそう...


ミカやアリシアが解析しようとしたが結局出来なかった黒い機械の正体を調べる為に戦兎は無限書庫へ資料を探しに行くことにした。

 

『クロノからその画像は提供して貰ったんですけど、本体を確認できた訳じゃないんです』

 

「どういう事だ、ユーノ」

 

ユーノと連絡を取り合ってみると、管理局が手に入れた黒い機械は誰もが気が付かない間に消滅したらしい。監視の目がある中で一瞬の出来事だったようだ。クロノがそれを知らないのは彼が時空艦の館長であり、関係のないことだからだ。クロノ自身がそれを知ったのは、その噂を母親(リンディ)から聞いたからしい。因みに戦兎がリンディ本人に話を聞いたところ、「息子達の暮らす街にある困った噂の正体とか、知りたいでしょ?」と返された上、「最近、あの子たち遊びに来ないのよね~」と長々と話し続けられた。

 

『未確認飛行物体の画像を纏めた資料があるので、確認してみてはどうでしょうか』

 

「早い方がいいからな、明日そっちに行くよ」

 

通信を切った後に、戦兎は自分の記憶を洗い直し始めた。あの画像に写っていた影に見覚えがあるはずなのだが、その正体が思い出せない。そしてもう一つ。

 

「こいつに、見覚えがあるのは何でだ?」

 

黒い機械、解析不能な未知の技術で創られた時計のようなもの。その正体はレリックなのか、それともスカリエッティの置き土産か。

 

「...封印しとくか」

 

取り敢えず暴走しないように封印をし、戦兎は黒い機械を金庫の奥深くにしまい込んだ。

 

「おはようございます、マスター」

 

「ああ、おはよう...今何時だ?」

 

リンディとの会話で寝るのが遅くなりすっかり日が昇り切ってしまっている時間帯に目を覚ました戦兎は一人待っていたミカに返事を返す。

帰って来てから一斗に会えていない。最近どうしているのか聞きたいと思っている彼は、もうどこからどう見ても父親なのだろう。

 

「ミカ、この後無限書庫へ行くぞ。あの機械について調べてみよう」

 

「はい、それでは準備が出来次第声をお掛け下さい」

 

ミカがビルドフォンに戻り、スリープモードになったのを見ながら寝起きの胃にコーヒーを流し込む。

 

「...これ、マズイな」

 

何処かあの異星人の破壊者を思い出すような味のするコーヒーに、危機感を覚えながらも準備を終わらせミカに声を掛ける。マシンビルダーへと変形させ、ヘルメットを被りエンジンを掛けた。

 

久しく走っていなかった道を行けば、突然通信が入った。

 

『せ、戦兎!助けてくれ!スマッシュみないなのが俺を襲っt』

 

「龍斗!っ、ミカ、龍斗の居場所は!?」

 

『ナカジマジムの様です』

 

何があったのかは分からない。既にスマッシュを作り出す事が出来たスカリエッティはこの世を去っている。

もしもの可能性を頭の片隅で考えながらも、戦兎はナカジマジムを目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビルド、クローズ、べすとまっち~!」

 

「離れろ~!!!」

 

 

スマッシュ(ビルドの様な異形)クローズ(龍斗)がじゃれ合って無ければ。

 

 

「ナニコレ」

 

『さぁ?』




本編で見てやりたかったんですよね、アナザー___とクローズのあのやり取り。

それを見て呆れる戦兎とミカさん。

次回、アナザー___とビルドがぶつかり合う!


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3.正体判明2017 後編

助けを求められて駆け付けて見れば、目の前でじゃれ合っているのを見た場合、人の顔はどうなるのだろうか。

 

「ナニコレ」

 

『さぁ?』

 

呆れるのが一つの答えだろう。あのミカまでもが返答に困っているのだから。

 

「あ、戦兎!ちょ、ちょっと助けてくれ!こいつ、倒しても倒しても復活するんだ!!!」

 

「?俺、ビルド。お前、クローズ!べすとまっち~!!!!」

 

異形の怪人はビルド・ラビットタンクフォームに似た姿をしているが、ビルドには存在しない複眼のバイザーを嬉しそうに上下させている。時々見え隠れする口も、その異様さを強調させていた。

 

「何やってんだか、ミカ行くぞ」

 

『はい、マスター』

 

戦兎はすぐさまミカとのユニゾンを済ませるとビルドドライバーを装着し、ボトルを振る。

 

「あ~?」

 

異形は戦兎の持つボトルに興味があるのか、その様子を見ながら少しづつ戦兎に近付き始めた。

戦兎はボトルのキャップを正面にあわせると、ボトルをベルトにセットする。

 

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ!』

 

ハンドルを回し、ライドビルダーを展開するとそばに寄っていた異形はライドビルダーに当たりよろけてしまう。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

軽くファイティングポーズを取り、ライドビルダーに挟み込まれる。

 

『鋼のムーンサルト!』『ラビットタンク』『YEAH!』

 

ドリルクラッシャーを召喚し、構えたビルドに異形は襲い掛かった。

 

「ニセモノ、いらない。せいぶん、ヨコセ!!!」

 

「おっと、偽物はどっちかな!」

 

龍斗は戦兎の攻撃が異形に通用していることに気が付いた。先程から何度も倒しているはずなのに何回も何回も復活して来たあの異形が、初めて攻撃で衰えているのだ。

 

「戦兎!ソイツ、お前の攻撃が弱点だ!そのまま決めちまえ!」

 

「ああ!これで終わりだ!」

 

戦兎はベルトのハンドルを回した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____はずだった。

 

「あれ?何でだ?」

 

戦兎は何度もハンドルを回すが、ビルドドライバーは反応しない。

 

「っ!?な、何だ!?」

 

それよりも、ビルドの姿が不安定になり始めたのだ。

 

「う、うわぁああああああああああ!!!!!!」

 

「戦兎!!!」

 

龍斗もその様子を見て異常に気付きすぐさま戦兎の元へと向かうが、その前にビルドは戦兎の姿へと戻ってしまう。

 

「変身、解除?」

 

「何で...っ、戦兎ォ!」

 

「あっ__」

 

異形はエンプティボトルを戦兎へと向けていたのだ。ビルドではなくなった桐生戦兎は抵抗できずにボトルへと吸い込まれてしまった。

 

「かがくしゃ、まほうつかい、べすとまっち~!」

 

楽しそうに戦兎が吸い込まれたボトルと別のボトルを並べて見ている異形に、龍斗は一度固まってしまった。

 

「__っ、戦兎を返せ!!!」

 

 

「え、やだ!」

 

『魔法使い』

 

異形はボトルの成分を使い直ぐにその場から消えてしまう。

 

「戦兎...何だ、これ?」

 

変身を解除した龍斗は戦兎が居た場所に落ちていたアイテムを拾い上げる。するとその機械の時計版が発光しその姿を変えた。

 

 

 

「ビルド...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲイツ、遅かったみたいだ」

 

「俺はアナザービルドを追う。お前は『龍王』に接触してみろ」

 

「英雄にも会ってみたいからな~、龍王はどういう王様なんだろう?」

 

「さぁな」

 

龍斗がビルドライドウォッチを手に入れたのを見た彼らはそれぞれの目的の為に動き出した。

ゲイツと呼ばれた青年は、乗ってきた赤い巨大なマシンへと乗り込んでいく。もう一人の青年はワクワクした顔を隠すことなく、啞然とその場に立っている龍斗へと近付いた。

 

「『龍王』だよね?俺は常盤ソウゴ。あんたがどういう王様なのかを聞かせてくれないか?」




正体が判明したのは、異形の名前と黒い機械が変化したという事。
そして、龍斗に接触した新たな王。

どうなっていくかを、お楽しみに!

___________

常盤ソウゴと名乗る青年と出会った龍斗

「アナザーライダーを倒すためにそのウォッチを渡してくれないか?」

だがそこに、新たな乱入者が現れる!!!

「久しぶりだな_______」

次回、『再会の日2009』

「変身」


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4.再会の日2009

早くも登場するあの人!

ドンドンややこしくなっていく戦いに、ついてこれるか!?






因みに作者は、ジオウ本編の設定に振り回されまくっています。
それではどうぞ!!


「『龍王』だよね?俺は常盤ソウゴ。あんたがどういう王様なのかを聞かせてくれないか?」

 

龍斗は突然話しかけてきた青年に警戒した。戦兎がボトルに吸い込まれて連れていかれた上、正面のセグメントを回すとビルドの顔が出来上がる機械を手に入れたのだ。そんな時に急に王様について話してくれと言われても龍斗は話すことはなかった。

 

「...俺は王様じゃねぇ。闘う事しか出来ない、人間だ」

 

ソウゴはその言葉から興味を失ったのか、王様について聞くのを諦めた。そして本来の目的へと話を進めることにしたのだ。

 

「まぁいいや。アナザーライダーを倒すためにそのウォッチを渡してくれないか?」

 

ソウゴ達の目的は唯一つ。自身の世界軸で手に入れたビルドライドウォッチをある仮面ライダーに破壊されてしまったのだ。しかもアナザービルドが再び現れ、人々から成分を集めまわっていたのだ。倒す為に必要なビルドの力はライドウォッチの破壊により元に戻るはずの歴史事消えてしまったのだ。ビルド以前に存在していたライダー達のウオッチを手に入れたために、ビルドがいる歴史が、ライドウォッチを破壊することでは戻らないほどに破壊(・・)されてしまったのだ。

そこでソウゴはウォズに相談し、平行世界のビルドからライドウォッチを再び手に入れる事にしたのだ。

 

しかし、龍斗の答えは何を言われても変わらなかった。

 

「悪いがこいつは渡せねぇ。アイツは俺の相棒だ。だから、俺が助けに行く」

 

アナザービルドと呼ばれた異形に近付くただ一つの証拠品。それを手放すことは出来ないのだ。

 

「そっか...なら、」

 

ソウゴはデカい時計を腰に装着する。

 

「力尽くでも手に入れる」

 

右手に持ったライドウォッチのセグメントを回し、ライダーの顔を創り上げ起動させる。

 

『ジオウ』

 

ベルトにセットしてデカい時計、ジクウドライバーのロックを解除するとソウゴの背後に大きなアナログ時計が現れる。

 

「変身!」

 

そして、一気にベルトを回転させた。ライドウォッチを装着したジクウドライバー本体が360度ぐるっと回し正位置で固定される。すると、背後のアナログ時計はその針を10:10に合わせ、大きく『ライダー』の文字を出現させ放出、ソウゴ自身は時計のベルト部分が4つ程現れ地球儀の様に回転しその姿を変化させる。

 

『ライダータイム!』『仮面ライダージオウ』

 

複眼に『ライダー』の文字がセットされ、ここに仮面ライダージオウが参上した。

 

 

「仮面ライダーかよ...でもな、これはやれねぇんだよ!!!」

 

龍斗はジオウを倒す為にマグマナックルを構えようとする。だが、龍斗とジオウの足元が連続で発砲された。

 

 

 

「アナザーライダーを追ってきて見れば、懐かしい奴に会えるとはな」

 

「っ!?」

 

龍斗が驚愕するのも無理はない。その人物は本来この場に居ないはずなのだから。

 

「久しぶりだな、龍斗。会って早々だがお前はこの場を離れろ」

 

色が変化したベルトを巻いた彼は、慣れた手つきで銃を開き中から一枚のカードを取り出しバックルに挿入し、

 

 

『KAMEN RAIDE』

 

「変身」

 

左右のパーツを押し込んだ。

 

 

 

 

龍斗は未だに目の前で何が起きているのか理解出来ていなかった。ただ分っているのは、これが現実だという事。

 

「何で、あんたがここにいるんだよ...」

 

 

 

『DECADE』

 

 

世界の破壊者が、降臨した。




遂に再登場!!

本当に長かった!ようやくですよ!

この物語は、本編で破壊されたゴーストライドウォッチの代わりにビルドライドウォッチが破壊され、あのウオッチをジオウが手に入れていないというもの。
ここまで皆さんはついてこられていますか?
感想お待ちしています。
それではまた!


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5.異形形成201X 前編

後編は投稿が遅れるかもしれません。ご了承を。



そして今回は少しネタバレ注意です。


「俺はあんたと戦う気はないんだケド...」

 

「お前がどうあれ、アイツ(・・・)を狙うなら話は別だ」

 

ディケイドはライドブッカーを変形させ、慣れた手つきで剣先を撫でる。ジオウはその様子から相手が自分を逃がさないという事に気付き、ジカンギレ―ドを召喚し、変形させる。

 

『ケン!』

 

一方、龍斗は未だに状況を理解できないでいた。それは長い間共にいたからなのか、ディケイド(門矢 士)が言った通り体はその場から離れ始めていた。相棒を使いあの異形を探し出すために情報を集め始める。

 

『分かった、この事ははやてには伏せておく』

 

「ああ、なるべく早く解決するからよ」

 

クロノに連絡し、異形の情報と自身の現状を伝えながら、新たに連絡する。

 

「ティーダ、一斗。悪いが力を貸してくれ。戦兎が大変なんだ」

 

龍斗自身も、何故ここまで冷静でいられるのか理解できないまま管理局本部、無限書庫へと足を運んだ。

 

 

 

 

「やっぱり強い。でもこれなら!」

 

ディケイド相手に苦戦を強いられたジオウは腕のホルダーから黄と緑のライドウォッチを取り出し、セグメントを動かしてからスイッチを押した。

 

『オーズ』

 

「ほぉ...」

 

余裕がある立ち周りでディケイドはジオウの様子を伺う。

ジオウはライドウォッチをセットしていないレーンにオーズライドウォッチをセットしてジクウドライバーのロックを解除し一回転させた。

 

『ライダータイム!』『仮面ライダージオウ』

 

そしてどこからともなくタカ、トラ、バッタの三体が現れ、合体してアーマーを形成する。

 

『アーマータイム!』『タカ!』『トラ!』『バッタ!』『オーズ!』

 

複眼には『オーズ』という文字が、胸部にも片仮名でオーラングサークルが表現されている。右腕にあるトラクローZを構えた。

 

「その姿の相手ならこれだ」

 

ジオウ・オーズアーマーが構えている中でベルトを展開しライドブッカーから新たなカードを取り出し構える。

 

「変身!」

 

 

『KAMEN RIDE』

 

 

『000』

 

バックルが回転し頭部、胸部、脚部それぞれのメダルが選択される。

 

『タカ!』

 

それはかの相棒のメダル

 

『トラ!』

 

交換されることが多いメダル(ネタ)

 

『バッタ!』

 

ドクターに暴走させられた中々可哀想な怪人のメダル(作者は彼のことが気に入っています)

 

『タ・ト・バ♪』『タトバ・タトバ♪』

 

 

「さて、そう簡単に倒れてくれるなよ?」

 

次の瞬間、互いのトラクローがぶつかり合った。

 

______________

 

 

「一斗君、何か掴めたかい?」

 

「いえ、ハルにも頼んで探してもらっているのですが...」

 

一斗とティーダはそれぞれ連絡を取り合い、落ち合っていた。全ては龍斗から伝えられたビルドに似た異形を探し出すこと。

 

「龍斗さん曰く、かなりビルドに似ているらしいけど、何の情報も管理局には入ってきてないんだ」

 

「そうですか...まぁハルに連絡したのも今さっき(・・・・)ですから、僕たちも動き回って___」

 

一斗はその先の言葉を口にすることは無かった。

 

「ティーダさん」

 

「...見つかったんだね」

 

「...はい。ハルが見つけた様です」

 

彼らは改めて思い知った。アインハルトという女の子は、一斗の為なら何でも出来るのだと。

 

「...龍斗さんにも連絡して、僕たちも向かおうか」

 

「ソウデスネ」




内容確認しながら、FGOの周回...

他にもゲームがっ...






早く自由時間を手に入れなきゃ(使命感)


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6.異形形成201X 後編

ほぉら、言わんこっちゃない。



投稿が遅れたうえ、周回終わってないとか...


一斗から連絡を受け、本気を出して直ぐに異形を探し出したアインハルトは一斗の到着を待っていた。

彼女は只々望んでいるのだ。一斗の隣に居れることを。彼に必要とされることを。

今はまだ他の感情が混ざってはいないが、それも時間の問題だろう。

 

「ハル!」

 

「一斗さん」

 

アインハルトの行動は早かった。一斗が声を掛けた瞬間にその場から動き出しそのまま加速、一斗の目の前で止まるという謎技術を見せたのだ。

 

「....あの、アインハルトさん」

 

「ハルと、読んで下さい」

 

自分関係の物事から普段とは異なる力を発揮する彼女の力の発端は、『愛』なのだろうと彼は推測してはいたものの、いよいよ人間を辞めようとしている彼女に何を言えばいいのか迷っていた。

 

「えっt「ハルと、読んで下さい」

 

「読んで下さい」

 

段々と消えていくハイライト。その様子を以前見たことがあった一斗はそれをどうにかして止めなければならない事を理解していた。ハイライトが仕事を放棄した場合は自分だけでなく、他人にも被害が及ぶ事も。

 

「...ハル」

 

「はい、何でしょうか?」

 

ハイライトが戻った彼女は何時も通り一斗に微笑み掛ける。一斗は言いたかったことを胸にしまい込むと、最初に言うべきだった言葉を言う。

 

ありがとう(・・・・・)、お陰で父さんを助けられそうだ」

 

「!」

 

妹達(ヴィヴィオ達)を相手にしている時にしていた、褒めながら頭を撫でるという一斗の日常()。それがアインハルトに初めて(・・・)起きたのだ。

今彼女の頭の中は大変なことになっているだろう。今まで望んでいても、その光景を遠目で見ていたのだから。

 

「あ、ごめん。嫌だったか?」

 

「...いえ、出来れば暫くこのままで_____」

 

だからこそ彼女は自分の世界へと入り込みそうになった。その光景を静かに見詰めるモノが2人(・・)居たことで止まざるを得なくなったが。

 

「...おめでとう?」

 

「らぶあんどぴ~ず~」

 

この光景を見られていたのだ。いくら普段から大胆な行動をするアインハルトでも、この状況をうまく処理出来なかった。

 

「アスティオン、セットアップ」

 

名残惜しいがその場を一旦離れなければならない。目撃者を消さなければならないと。

 

 

「貴方方に罪は有りませんが、闘って貰います」

 

大人モードに懐かしいバイザーを添えて。

 

「八つ当たりに付き合って下さい!!!」

 

勿論だが

 

「拒否権は「有りません、覇王断空拳!!!!」

 

拒否権などのないのだ。ティーダの声はアナザービルドが吹き飛ばされたことでかき消された。

 




異形の正体は、一体誰なんだろう?

ヒントをここに置いていきますね。

アナザービルドの持ち物

戦兎が吸い込まれたボトル

魔導士、バット、エンジンのボトル。


この時点で分かる人はわかる事でしょう。

あの日、タイムジャッカーのアナザーライダーの作り方を知らなければこんなことには...


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SPECIAL
逃走中:あげいん


この作品を投稿し始めてから、間もなく一周年。

長らく読んでくださっている皆様へ贈る、本編と関係がある様で無い様な物語を。

お楽しみくださいませ。


皆様は毎週日曜日の朝に放送されている番組をご存じだろうか。

この小説を読んでいる方々はきっと毎週の様にどうにかして視聴している事だろう。

 

さて、今現在朝の9:00。ミッドチルダの街は日曜になれば人が普段よりも集まるのだ。そんなこんなで出来上がった人混みの中を駆け抜けていく幼女が1人。

 

 

「はぁ...はぁ...っ!」

 

 

推定小学三年生と思われる幼女は走る速度を落とすことなく、寧ろ加速させながら駆け抜けていた。全ては彼女たち(・・・・)から逃げる為に。

 

 

「ヒィッ!?」

 

「ねぇ...何で逃げるの?」

 

だがしかし幼女の願いは叶わない。両肩に爪が食い込み、出血しそうになっていることすら頭から消え失せるほどの恐怖が彼女を襲う。

 

 

「何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________ドウシテニゲルノ?

 

 

 

 

 

両肩を普通の(・・・)女の子では出来ない力で捕まれ、逃げられない幼女。彼女は自身の状況を理解していた。

 

このままだと周りを巻き込んで食われる(・・・・)と。

 

そして、彼女以外にも追手が近付きつつあることも。

 

 

 

「うわぁああああああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

 

「待ってよぉ、戦兎(・・)ォ!!!!!」

 

 

今、肩から血を流しながらも逃走している幼女こそ日曜朝8:30、否9:00に絶賛放送中の『仮面ライダー』という作品の視聴者であり、朝起きたら幼女になってしまった我らが主人公、桐生戦兎(佐野 巧)である。

 

全ては、何時も通り平和に過ごせると思われた今朝、午前6:00に始まったのだ_____

 




なるべく続けて投稿していくつもりですので、お楽しみに!

あ、士さんとソウゴはそのまま戦っていてくださいね。


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機械の復活

特別編第二話


午前6:00。それは基本的に昨夜に大きな作業をしていない限り、普段から変わらない戦兎の起床時間である。だがしかし、今朝は目が覚めなかったのだ。

 

『フフフ、ようやくです。ようやくここまできました』

 

戦兎のデバイスであるミカは戦兎を起こさないように静かに人型になると戦兎の睡眠を邪魔しないように小さな結界を展開する。結界展開は魔力を持つ者にはバレてしまうものなのだが、ここは戦兎の家、本人の部屋である。誰もがそのこと(結界展開)に疑問を持つことはないのだ。

 

「これで、マスター(先生)が私と同じ様に...」

 

展開した魔法陣に戦兎が吸い込まれてゆく。ミカの目的である『戦兎をデバイスにして、一生を添い遂げる』が達成したかに思われた。

 

ここまでして失敗した事に気が付かなければ。

 

 

『...ねぇ、何してるの?』

 

「っ!?、蘇ったとでも、言うのですか」

 

 

魔法陣を通り抜けデバイスと化した戦兎が現れるはずが、そこには何故か(・・・)幼女と真っ黒なビルドフォンが現れたのだ。更には、ミカにとっては聞き覚えのある声がそのデバイスから聞こえてきたのだ。

 

『戦兎は、私のモノだ。誰にも渡さない」

 

「っ」

 

ミカはデバイスから姿を変えていく彼女(・・)へと両手を構えた。勿論魔法陣を展開しながら。

 

剣をミカと幼女の間、ベッドに突き刺した少女は、ハイライトが消滅した目をミカへと向ける。

 

()は、戦兎だけ居ればそれだけでいい。邪魔するな」

 

 

 

「貴方が相手だろうと、今は唯のデバイス。マスター(先生)の弟子である私に勝てない訳じゃない」

 

 

「なら、やってみるか?」

 

今にも結界を破壊し、戦兎以外を破壊するまで止まらないという雰囲気を醸し出す少女とミカは互いに一歩も譲らない。

 

だが、その決着はあっけなく付いた。

 

 

「う、うぅうん...」

 

 

「...戦兎が目覚める。お前は気に食わないが、任せる」

 

少女はベッドから剣を引き抜くと魔法陣を展開し、その中へと吸い込まれてゆく。

 

 

「だが忘れるな。()は何時でもお前を消せる」

 

彼女の姿は消え、その場には黒いビルドフォンが残る。ミカはそれに触れることなくベッドに魔法をかけ修復し、目覚めるであろう戦兎の幼女化についてどう言い訳をしようか悩んでいた。

 

 

「な、なんじゃこりゃあぁああああああ!!!!!!!!!!!」

 

 

ミッドチルダの郊外に広がる住宅地に幼女の声が響いた。

 

 

この後、はやてにその姿を見られた戦兎は抵抗虚しく捕獲され、大変可愛いがられたのだった。




もうお分かりでしょうがこの世界、様々なIFの世界観が混ざり合っています。

結果、あの方がデバイスとして復活した上、主人公は以前女装時になった幼女へと変貌してしまいました。


ま、本編と関係ないから、良いか


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LOVE&EVOL

ネタバレ感、凄い...


今日で初投稿から丁度一年となりました!

ここまで読んで下さった、影ながらも楽しんで下さった方々、この小説に出会ってくれた方々に感謝を込めて...





主人公を犠牲にします!

では、本編!


戦兎がはやての手から解放されたのは、起床から既に2時間が経過した8時過ぎの頃だった。

 

今日は休みや、巧にぃを楽しむで!と気合い入れ方を間違えている彼女を尻目に、幼女となった戦兎はミカの話を思い出す。

 

曰く、昨日の魔法実験で自分(戦兎)は気絶しそのまま幼女化してしまったのだと。

 

定期的に記憶が飛んでしまうことがよくある(・・・・)戦兎はその事実を真実として受け入れてしまったのだ。誰が想像できるであろうか?自身の相棒(教え子)が目的の為に自身を狙っており、その実行に失敗しとんでもないことをしてしまった事を。

 

「...やっぱり恥ずかしい」

 

今、戦兎ははやてとミカによってアリシアの持っていた白いワンピースに着替えさせられている。外にも出られるように白いサンダルまで用意された。

 

「...やっぱり、着替えよう」

 

「なんだ、その格好ではいないのか?勿体無いではないか、折角似合っているというのに」

 

「えっ」

 

廊下を歩きながら独り言をつぶやいていただけの戦兎に、特徴的な喋り方声が背後からかけられた。

 

「なんで、君たちは未来に行ったはず...」

 

「どうでも良いことだ。今の我にはお前が必要なのだから」

 

過去で出会い、遥か未来へと旅立った王が、背後で仁王立ちしていたのだ。未だに少女の姿のままで。

 

 

 

 

「もう10年以上たったよね?」

 

「い、言うなぁ!!!我だって気にしているんだからなっ!!」

 

 

如何やら彼女は事故によりこの時代にきてしまった様だ。しかも、この家の廊下にだ。

 

 

「グズン、我、何も悪くないもん...」

 

「ごめんって...」

 

料理中に飛ばされて来た為かデバイスもなく、ここが何処なのかすら分からない状態でアタフタしていた所に、覚えのある魔力を感じた為に廊下で待っていたらしい。

 

手持ちアイテム:エプロンを装備し、王様ことディアーチェは胸を張る。

 

 

「さぁ、我を元の時代へ____」

 

 

ディアーチェが言葉を続けることはなかった。何故なら廊下が崩壊したからだ。

 

 

「戦兎から離れろぉ!!!」

 

 

戦兎は壁を破壊した本人を目視し、すぐさま身構えた。一度も会ったこともないはずなのに「彼女はキケンだ」と身体が判断したのだ。

 

「な、何者だ!」

 

「...あの女(・・・)と似ているけど違う...」

 

二人の言葉を聞き現実へと戻ってきた戦兎は思わず、その名前を口にしてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

「え、エボルト(・・・・)!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...フフフ、フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!ようやく、また、お前を、()のモノに出来る!!!!!」

 

 

 

 

 

黒いデバイスとして封印されたボトルから復活した少女は、以前異世界で戦った時とその容姿は変わらない。そして、彼女の正体こそがとある異世界で吸収を繰り返し、精神に異常を持った彼、彼女を誕生させたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦兎以外を破壊するっ、何もかも、世界も、次元すらも!それが()、『えぼたん』だよ?」

 

 

 

 

 

エb、えぼたんと名乗った彼女に困惑を隠せない戦兎は取り敢えずディアーチェを連れてこの場を離れることにした。

 

デバイスを持たない戦兎では明らかに彼女の相手をするのは不可能だからだ。

 

「ディアーチェ!逃げるぞ!」

 

「う、ウム」

 

ディアーチェの手を掴み、戦兎は来た道を引き返す。

 

 

様々な視線が、その手に集まっている事に気が付く事はなかった。




はい、あの方完全復活です。もう、滅茶苦茶だぁ


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ヤンデレスイッチ、オン

【悲報】ミカさん、やらかしてしまう


話はヤンデレ精霊宇宙人『えぼたん』が壁を破壊するほんの少し前まで遡る。

 

 

「さて、マスターがはやて様に遊ばれているのは気に食いませんが、今は貴方との決着が先です」

 

「本当に、()に勝てるとでも思っているのか?」

 

二人は戦兎が目覚めた事で止まった戦いを再び始めようとしていた。だが、ここでミカとえぼたん、エボルトはやってしまったのだ。

 

以前の実験から改良をし続けて出来上がった、『ヤンデレスイッチver.321』を戦いの中で押してしまったのだ。まだここまでならいい。もう一度スイッチを押せば効力が消えるのだから。

 

 

「「あ」」

 

 

エボルトの剣がスイッチを綺麗に真っ二つにしなければ。

 

その結果スイッチの効力はデバイスである彼女たちにも及ぶこととなった。ここで皆様はこう思う事だろう。「あれ?コレ周りに被害が出るんじゃ..」と。スイッチが二つに切られた事により、より強力な効力が狭い範囲で萬栄したのだ。

 

結果として機械(デバイス)にまで及んでしまったのだ。

 

二人は戦闘を続行する事なく、両腕を下ろし戦兎のいるであろう方向へと視線を向ける。

 

 

「あの女、消す」

 

 

こうしてエボルトは壁を破壊し、戦兎の元へと現れたのだ。本人には白馬の騎士を演じているつもりだが、戦兎にとっては魔女の登場である。

 

こうして前回へと繋がるのだが、戦兎達は逃げた先でも新たな刺客に襲われていた。

 

 

「なんやまだ小さいんか~、何年経っても王様は王様やな~」

 

「こ、これ!やめんか小鳩!ちょ、やめ、やめろぉ!」

 

戦兎は無事でディアーチェが捕まるという形でだが。

 

 

「さて、王様で遊んだところで...」

 

 

「...もうお嫁にいけない...グズン」

 

解放されたディアーチェはそこでようやく自身が取り残された事に気付いた。

 

 

「お、おのれあの科学者め!我を囮に逃げようとは!」

 

ばんしにあたいするっ!といいながらも涙目の為にその迫力はガタ落ちである。家に帰るためにも戦兎を探し出すしかないディアーチェはすぐさま戦兎を探しに行こうとするがそれを先程まで自身で遊んでいたはやてに止められる。

 

「さっき、巧にぃと手を繋いでいた事で話があるんやけど」

 

「ヒィッ!?」

 

そういう目を見慣れている彼女であっても、一度も見たことがなかったオリジナルのハイライト消滅は、恐怖へと導くきっかけにしかならなかった。

 

「そのことについては、私もお話を聞かせていただきたいですねぇ」

 

 

「ふ、増えた...」

 

リビングには更にミカが現れる。出口を塞がれた彼女はそのまま二人により精神に異常をきたしてしまうのだが、それはまた別のお話。




次回は逃走した主人公の話。

追跡を続けるえぼたん。

そして壊れる王様...

いよいよラストスパートです!


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被害

【流血注意

警告しましょう。この先、何があっても作者は責任を負いません。

恐怖で眠れなくなったりだとか、興奮して眠れなくなったりだとか、etc...

簡単にいえば、ヤンデレグロモノに慣れていない方はご注意を】


警告しましたからね?ブラウザバックするなら今ですよ?











...記念作品のはずが、ドウシテコウナッテシマッタンダ...


はやてに対してディアーチェを犠牲にする事で逃げ出すことに成功した幼女こと戦兎は、逃げ場に人の集まるミッドチルダの街中を選んだ。

理由は二つ。道を憶えている為に逃げやすいことと、幼女になってしまった為に無くなった体力を補う為だ。

本来ならば街を抜けた人気の少ない場所まで逃げるのがいいのだが、街に入るまでにかなり体力を持っていかれていた戦兎は逃走計画を変更せざるを得なかった。

 

「はぁ...はぁっ...」

 

エボルトに見つかり、捕まりかけ、傷付きながらも逃げ続ける戦兎。その先で待っていたと言わんばかりにはやてが両手を広げて構えているのが見えた。

 

「おいで~!巧にぃ~!」

 

「...」

 

それを尻目に逃走ルートをすぐさま変更しはやてからも距離を取る。後5分も走り続ければ町の外へ出れるというときに、彼は羽交い締めにあい捕まってしまったのだ。

 

 

「............」

 

「でぃ、ディアーチェ!?」

 

彼女の様子は数分前と異なっていた。その様子は目が死んでいる、それだけでなく小さく何かをつぶやいていた。

戦兎はその言葉を聞き取ることができなかったが、明らかに何かに怯えており、その小さな身体が持たないであろう力が発揮されているのだ。

 

「ナイスや王様...約束は守るで?」

 

「....かえりゅ」

 

「ええ、必ず未来へと返してあげますよ。さぁ、マスターをこちらに」

 

普段から戦兎に対して歪んだ感情を持っているはやてとミカはそれぞれが独占するのではなく、自分達の手の届くところに置いておくことにしたのだ。

 

勿論、自分達以外は関わらせないが。

 

「ディアーチェ!離してくれっ!今俺が捕まったらっ」

 

「みいつけたぁ」

 

戦兎は自身が街中で捕まってしまった事で焦っていた。エボルトがもし今の状況を見て暴れたら、世界が終わりかねないと。

 

彼の体にはしっかりとエボルトに吸収されかけた記憶が残されていたのだ。本人は無自覚だが、両足を震わせてゆく。

 

 

「あ、ああ、アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

羽を広げたえぼたんは直ぐに戦兎の目の前に現れ、剣を振り上げる。

 

「もう、逃がさない。逃げる手や足はいらないね」

 

緩みに緩んだ顔で、その剣を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ~!王様だ~!大丈夫だった?」

 

「良かった、無事だったんですね!」

 

「いや待ってお姉ちゃん。様子が変よ?」

 

「...ディアーチェ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....きゅう」

 

鉄臭い匂いの染みついたエプロンと、少しの赤い液体を顔に付けたまま気絶した彼女は無事に未来へと帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レヴィ、少し手伝って下さい」

 

「ええ~、僕が手伝ったら出来るものもできないかもよ~?」

 

「皿くらいなら運べるでしょう。ほら、ディアーチェも手伝って下さい」

 

「は~い、シュテルおねぇちゃん(・・・・・・)!」

 

 

 

 

コレ(・・)を無事と言えるのならば、だが。




サブタイトルの被害とは、只々巻き込まれたディアーチェの事。

最初はヤンデレスイッチで彼女もヤンデレに...なんて考えていたんですが
それよりもヤベーイ奴がいる為にボツになったという裏話があったりします。

これにて終了。と言いたいところですが、あと一話だけ続きます。



ええ、続きますとも。このままだと、四肢欠損の幼女(中身は男)が愛され続ける事になりますので、ね。


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行方

これにて、特別編完結!


「はっ!?」

 

目が覚めた戦兎は現在の状況が理解出来ていなかった。辺りは暗く、全身をベルトで壁に固定化され、四肢も動かない。

 

「えっ...」

 

否、動かなかった(・・・・・・)。戦兎は理解できなかった。何故自身の四肢全てが動かないのか。

 

 

「お早いお目覚めですね」

 

「み、ミカ」

 

真っ暗闇の部屋に光が灯る。スポットライトを当てられた位置には相棒であるミカの姿があった。

 

「なぁ、これってどういう状況なんだ?」

 

「おや?...貴方は今の状況を理解していないようですね。ならご覧になって下さい。現状を」

 

ミカが静かにその手を挙げて振り下ろす。すると、戦兎を固定化していた壁が動き出した。

 

「え、あ、ああ___」

 

「ええ、先生ならばこれだけで直ぐに理解できると思っていましたよ」

 

戦兎はそこで思い知ってしまった。自身の四肢が全て別々に壁に固定化されていることに。

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

神経を、肉を、骨を叩き切られた痛覚を思い出す。そして、彼女たちの事を。

 

 

「ああ...やはりいい声で鳴きますね...」

 

 

そして、戦兎の目の前に鏡が現れる。そこには幼女ではなく、元の姿が映し出されていた。

 

 

勿論だが、四肢は存在していない。

 

 

その代わりに、左肩と左脚の近くに黒いデバイスが存在していた。

 

『待ってたよ、この時を。戦兎を吸収できるこの時を!!!』

 

 

デバイスの正体はえぼたん。そしてその目的は____

 

「ひっ」

 

『大丈夫だよぉ?唯一つになるだけなんだからぁ』

 

戦兎の手足に自らがなる事。彼女は新しく、一つになる方法にたどり着いたのだ。唯飲み込むのではなく、一生離れられない様にする。黒いスライムがデバイス二つから溢れ、少しずつ戦兎の身体を浸食していく。

 

「入って、来るなぁっ!」

 

『諦めなよ?()を、()を受け入れてぇ?」

 

肩を浸食しているスライムが上半身だけのえぼたんへと変化する。

 

「っ、あ」

 

「もう誰も貴方を傷つけないよ。闘う必要もないんだよ?」

 

えぼたんは戦兎の顔に抱きつくと、そのまま溶けてしまう。そしてエボルトは、戦兎の身体の一部を支配した。

 

 

「...終わりましたか?」

 

「んんっ...はぁ...これでいいんだよねぇ?」

 

「ええ」

 

戦兎の身体は未だ左側のみ(・・・・)しか浸食されていないのだ。

 

「ようやく、ここまで...」

 

エボルトが生物的なのに対して、ミカ自身は機械で出来た腕と脚に変化して戦兎へと装着される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、行ってきます」

 

「はい、行ってらっしゃい」

 

「あ、一つだけ言っておくよ。戦兎をまだ(・・)壊さないでね?」

 

「そうやねぇ...どうしようかな~」

 

戦兎とうり二つの男はその両目を赤く染め(・・・・)玄関にいるはやてへとトランスチームガンを向ける。

 

「...はぁ、降参降参。大丈夫やよパンドラ(・・・・)

 

「...ふん。管理局なんて、戦兎からお願い(指示)があれば直ぐに消し去るのに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『先生、今日はどうしますか?』

 

「....何時も通り過ごそうか」

 

『やったー!()が先に楽しから」

 

『あ、それはズルですよエボルト!」

 

「だ・か・ら、えぼたんって呼んでってば!」

 

「呼びませんっ!」

 

 

 

 

四肢を失い、二種類のデバイスによってそれを補うこととなった戦兎。その生活は以前と比べると変わり果てていた。

 

 

「さて、巧にぃ?」

 

「あ、」

 

「今日は女の子で、楽しもうな?」

 

毎日の様に壊される。そして治され、また壊される。ただそれの繰り返し。はやては管理局を抜け、今は新婚生活を過ごしている事になっている。

 

 

「ぐっ、あ、はぁ...うぐっ!?」

 

 

「こら、えぼたん!内側から壊そうとしない!」

 

「ええ~。まぁ、いっか。()が楽しみすぎるのもだめだからな」

 

 

全ては、己の目的の為に。彼女たちの目的は唯一つ。他の何がどうなろうと構わない。

 

 

 

それが彼女達の『愛』なのだから。




一周年記念がコレって...何でこうなっちまったんだ?


気を取り直して、次回からは再びジオウ編が始まります。

ええ、すっかり忘れているかもしれませんがディケイドとジオウが戦っていて、ティーダとアナザービルドに八つ当たりしに行くアインハルト。


...FOREVERと仮面ライダークローズを書ききらなくちゃ、物語を終わらせられねぇ...



あ、えぼたんが生存しているクロスオーバールートも残ってるじゃん!?


次回、『覇王少女2015』


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AGAIN:ZI-O
7.覇王少女2015


「交わさないで、下さい!」

 

「いや、それを食らえば、僕の身体も壊れちゃうからね!?」

 

「私はそれを望んでいるっ!」

 

アインハルトはアナザービルドを吹き飛ばすとすぐさまティーダへと攻撃を開始したが、交わされ続けていた。

 

「と、取り敢えず止めなきゃ」

 

アインハルトを止める為に一斗はベルトを装着しようとする。だがそれを邪魔された。

 

 

「それは使わせません」

 

「え」

 

先程までティーダに攻撃をしていた彼女が一斗の元へ戻っており、ビルドドライバーを投げ飛ばしてしまう。

 

「一斗さん、貴方が願えば私はそれを叶えます。それが『戦え』というならば戦います」

 

「...それって、僕が願えば戦わないってことだよね」

 

「はい」

 

アインハルトの願いは唯一つ。一斗に傷付いて欲しくないのだ。だが、一斗にも戦う覚悟がある。

 

「ハル、僕は戦いを避けられそうにない。それでも、力を貸してくれる?」

 

「ええ、貴方がそう望むのならば」

 

ティーダは今の状況がよくわからなくなっていた。取り敢えず、目の前の問題から解決することにした。

 

『デンジャー』

 

「戦兎さんを返してもらおう」

 

『クロコダイル』

 

スクラッシュドライバーを使いローグへと姿を変えたティーダはアナザービルドが吸い込まれて行った壁に近づいてゆく。

 

「『医者』、『ゲーム』、べすとまっち~」

 

「ボトルの成分で、回復したのか!?」

 

先程までアナザービルドが吸い込まれていった壁は、病院の壁だったのだ。そこでアナザービルドは新たなボトルを創り上げ、ダメージを回復したのだ。

 

「二人共!こいつはかなり厄介だ、気を付けろ!」

 

『どうするマスター!?龍斗の話じゃビルドの力じゃなくちゃ倒せない上、放置したらしたで被害が増えるぞ!』

 

「なら、僕がビルドになればいい!」

 

通常なら倒せないアナザーライダーを倒すためには、そのオリジナルの力が必要となる。だがアナザーライダー誕生と同時にオリジナルの歴史はきれいさっぱり消滅することになる。

 

そう、オリジナルの歴史は消滅(・・)するはずなのだ。

 

それはオリジナルが別に存在しているか、又はアナザーライダーが平行世界から来た為の不具合か。

 

今回はその両者に当てはまっている。

 

「ハル、今すぐにビルドドライバーを取ってきて!」

 

「はいっ!」

 

戦兎を、アナザービルドによって被害を受けた人々を助け出すために一斗はベルトを欲した。そしてそれをアインハルトに願った(頼んだ)

 

「アインハルトさんが戻ってくるまでは僕がこいつを抑え込んでおく!一斗君は援護を頼む!」

 

「はい!」

 

ローグはアナザービルドを逃がさない様に立ち回りながら攻撃を続ける。一斗はフォレス・キャノンモードを構え、隙が生まれるたびにそのトリガーを引いていた。

 

「お待たせしました」

 

「ハル、ありがとう。これで戦える」

 

戻って来たアインハルトからベルトを受け取る。

 

「そのまま、ティーダさんに加勢して」

 

「分かりましたっ!」

 

アナザービルドを後方から襲い、その動きを鈍らせるアインハルト。時間稼ぎをしている間に一斗はボトルを取り出す。

 

「何で、このボトルがここに...?」

 

そのボトルは本来ならば一斗が持っていないものなのだから。




次回、『新王誕生20XX』


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8.新王誕生20XX

ま、待ってくれ公式っ!!!


「何で、このボトルがここに...?」

 

一斗が取り出したボトル、それは戦兎が持っているはず(・・)のものだった。

 

「仕方が無いっ」

 

悩んでいる暇はないと判断し、ボトルを振りキャップを正面に合わせる。

 

「...父さん、力を借りるよ」

 

『ラビット』『タンク』『ベストマッチ!』

 

ボトルをセットした一斗はハンドルを回し、ライドビルダーを展開する。

本来ならば自然体で音声が流れるのを待つのを、戦兎の様にファイティングポーズを取った。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

『鋼のムーンサルト!』『ラビットタンク!』『YEAH!』

 

ライドビルダーに前後から挟み込まれ一斗はビルドへと姿を変える。直ぐに戦っているアインハルト達の元へと走り出すはずだった。

 

「新たな王の誕生だ。それを邪魔する者は許されない」

 

「っ!」

 

「一体、何処からっ」

 

ティーダとアインハルトの間に割って入った青年は生身のまま(・・・・・)アナザービルドを吹き飛ばしてしまう。

 

「おっと失敬。だが私の事はどうでもいいのです」

 

青年は何処からともなく一冊の本を取り出し開き、その一文をなぞり言葉を続けた。

 

「祝えっ!過去と未来を切り開き、我が王の隣に立つに相応しいもう一人の王。その名を『仮面ライダービルド』。まさに力を引継ぎし瞬間である!」

 

「え、俺が、ビルド?」

 

「今はまだ、我が魔王とは出会ってすらいないご様子。このまま貴方が隣に立ち続ける事を願っているよ」

 

意味不明な言葉を残し、青年は本を閉じる。次の瞬間青年の姿は消えていた。

 

「今のは一体...」

 

「っ、二人共来るぞ!」

 

考える時間を与える事なくアナザービルドが走って戻ってくる。その手には見覚えのないボトルが握られていた。

 

「『科学者』、『魔術師』、いただきま~す」

 

「そのボトルは!?」

 

ティーダはそのボトルの一本が、戦兎が吸い込まれているものだと気が付いたが、時は遅くそのままアナザービルドが吞み込んでしまった。

 

「う、うぐぐぐ、ぐぁはははははは....AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」

 

ボトルを取り込んだ事でアナザービルドに変化が起こる。苦しみながらその姿を変えているのだ。ラビットタンクからスパークリングに、スパークリングからハザードに。

 

「...二人共、龍斗さんと合流してこいつを倒す方法を探してくれ」

 

「っ!?何言ってるんですか!!」

 

ハザードへと姿を変えたアナザービルドは既に自我を失っており、大きな音を発生させた一斗へと向かい走り出す。

 

「行かせるかぁ!」

 

『マスターっ!精々5分持てばいい方だ!』

 

JIMをセットアップし、ハザードを羽交い締めにしながらバインドを発動する。

 

「早く、行けっ!」

 

思ったよりも早くバインドの鎖にヒビが入ったティーダは焦りながらも2人に声を掛ける。

 

「...行きましょう、一斗さん」

 

「でも...」

 

「今の私達ではこのままやられるのが見えてます。一度引きましょう」

 

アインハルトは直ぐにこの場から離れるべきだと判断していた。このままでは自身だけでなく、一斗までやられてしまうと。

 

「...分かった。ティーダさん、必ず、助けますからっ!」

 

ビルドとアインハルトはその場を走り去ってゆく。

 

「...やれやれ、僕はいつだってこうだな」

 

『最後まで付き合うぜ、マスター』

 

バインドは破壊され、羽交い締めからも脱出したアナザービルド・ハザードはローグへと攻撃を開始した。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして黒い靄と全身をとげとげとさせた異形だけが、爆発を背中に受けながら立っていた。




先ずは一言。

ありがとう。これで僕らは救われる。

公式から『仮面ライダーグリス』の発表がありましたよ!!

これを喜ばずにいられるか!?

グリスパーフェクトキングダムっっっ!!!

エモい、ただひたすらにエモいっ!


こうなったら、書くしかないじゃないか!!!

『仮面ライダークローズ』絶対に書ききって、物語を繋げてやるぅ!!!


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9.DECIDE・ZIーO・2019 前編

アナザービルド・ハザード

その見た目は、ハザードフォームとアナザービルドを混ぜ合わせたもの。

自我は無く、オリジナルと同じ様に視界に入る全ての生物を破壊するまで止まらない。

大きな音などに敏感で、優先的に攻撃する。


「待たせたね、我が魔王」

 

「遅いよ、ウォズ。それよりアレ(・・)は完成した?」

 

本を持った青年は、ミッドチルダのビルの上で『我が魔王』と読んでいる青年にあるウオッチを渡す。

 

「うん、これで別世界のジオウには帰ってもらえそうだ。ありがとう」

 

「礼には及ばないよ。こちらも、歴史的瞬間に立ち会えたのだから」

 

本来の歴史とは異なるのだが、青年にその事実は関係ないのだ。

 

すぐに姿を消した青年の事を気にすることなく、少年はウォッチをしまい街を眺める。

 

「サッサと終わらせますか。戦兎さん達の為にも、ね」

 

 

________

 

 

 

 

「先輩に会っても、今の僕達じゃアイツには勝てない…」

 

「ですがこのままでは、被害は拡大していく一方です」

 

アインハルトと共にアナザービルドから逃走することに成功した一斗だったが、龍斗の力があっても勝てないのではと疑問を持っていた。

 

「龍斗さんと合流してから、これからの事を考えましょう」

 

「そうだね…」

 

一斗は変身を解除した。そこへ、突然男が現れた。

 

 

「よっ、お前が一斗か?」

 

「だ、誰ですか?」

 

「気を付けて下さい、一斗さん。この男、只者ではありません!!!」

 

アインハルトが警戒するのも無理はない。その男は魔法を使わずに突然現れたのだ。

 

「なぁに、何もしないさ。俺はお前にこいつを渡しに来ただけだ」

 

そう言って男は機械を投げ渡す。

 

「うわっと、これって...」

 

「あの黒い機械に似ていますね...貴方は何者ですか!?」

 

男は機械をしっかりと受けったのを確認するとその場に灰色のオーロラを出現させる。

 

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」

 

「仮面、ライダー?」

 

男はオーロラに吸い込まれて行き消えてしまった。アインハルトは直ぐに攻撃を仕掛けたが、当たらなかった。

 

「消えた...一斗さん!」

 

「だ、大丈夫だよ」

 

だが、直ぐに機械は何者かに奪われてしまった。長いマフラーによって。

 

「すまないね、コレ(・・)は貰っていくよ」

 

奪ったのは一斗を祝ったあの男だった。そしてその場に少年が現れた。

 

「どうしてもこれが必要だったんだ。こんな事をして悪いね」

 

一斗は不思議と、突然現れた彼らに警戒心を抱くことがなかった。その為アインハルトに声を掛け、その警戒を解く様に言う。

 

「ですが...」

 

「ならこの事件の後、一つ言う事聞くからさ」

 

「仕方がないですね!」

 

何でうれしそうなの?いえ、何でもないですよ?

そんな会話を聞いていた少年は、嬉しいのかその頬を緩めた。

 

「本当に、昔からああなんだなぁ」

 

「この本にもそうあるよ、だが事は一刻を争う。既に仮面ライダーローグの力が奪われてしまった」

 

ローグという名が出たことで、話を聞いていた一斗とアインハルトは現実に戻された。

 

「それって本当ですか!?」

 

「ああ、このままだとアナザービルドは一般人もを襲い、その力を増幅させていくだろう。その前に倒さなければ」

 

倒す。その言葉は言うだけなら簡単な事だが、それを実現することは難しい。それを理解していた一斗はその方法を考える。

 

「...貴方がアナザービルドと呼ぶあの怪物は、倒しても倒しても復活するんです。唯一ダメージを与えられたのは、ビルドの力だけで...」

 

「あ、それなら大丈夫だよ一斗。俺はアナザービルドを倒す力を持っているんだ。だから...」

 

その少年はウォッチを取り出し、それを見せる。

 

「俺に力を貸してほしい。アナザービルドを倒して、戦兎さんを助け出す為にも」

 




お待たせしました。

長らく投稿できなかった私に言い訳をさせて下さい。

【速報】作者、ようやく受験を終え進学する事に

しかも新作品を作ってしまい...そっちに時間を持っていかれまして...
まぁ、長々と語っても意味がないでしょう。

ジオウ本編はゲイツリバイヴの登場と黒ウォズ変身、再び登場する世界の破壊者...

楽しみですねぇ(遠い目)

...リアタイで見たかった(受験もろ被り)


次回予告はないですよ。次回がいつ頃の投稿になるのか分からないので。

それではまた!!!


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10.DECIDE・ZI-O・2019 後編

遂に始まる新生活...

作者は大学生となり、一人暮らしを始めることに___

バイトと学校、FGOのイベント、etc.

ようやく筆を持てる位にはなったので、投稿。
お待たせしました、それではどうぞ!


「アナザーライダーはそのオリジナルの力か、それ以上の力が無ければ倒せない」

 

アナザーライダーの誕生と、それによる影響、そしてどうやって倒すのか。

一斗達は少年と青年、常盤ソウゴとウォズからその話を聞いていた。

 

「尚更、先輩達の力を借りた方がいいと思うんだけど...」

 

「残念ながらそれは出来ない。何故なら今のクローズは力を失ってしまっている」

 

現在、龍斗を含めたこの事件に関わった人物達と連絡が付かなくなっている。それは全てアナザーライダーの誕生が原因であり、結果としてビルドがこの世界に来なかったらというIFの世界へと変わり始めているのだ。

 

クローズ、龍斗は倒されたわけでなく、その力を手に入れた事が無かった(・・・・)事になったのだ。

 

「つまり今戦えるのは私達のみということだ」

 

青年、ウォズは本を片手にそう話す。隣でソウゴが両腕を組み、うんうんと頷いている。

 

「だから、二人の力を貸してほしい。グリスと覇王の力を。」

 

このままだと大勢の人たちが、忘れてしまうのだ。この世界を何度も救った英雄のことを。

当の本人はそれを望んでいるかもしれないが、一斗にとってそれは関係のないことだった。

 

「分かった、よろしくソウゴ」

 

「ああ、一斗」

 

ウォズが勢い良く本を開き、両手を広げようとするがアインハルトにそれを阻止(祝えキャンセル)されてしまう。

 

「何をするんだ」

 

「私は貴方を信じられない。常盤さんの言葉は信じられますが、貴方は何か別の目的の為に___」

 

アインハルトが言葉を続けようとするがそれをウォズに止められる。

 

「おっと、私の目的はただ一つだよ、アインハルト君。この本に載っていない未来へと我が魔王を導くこと。ただそれだけさ」

 

アインハルトはそれ以降口を開くことはなかったが、暫くの間ウォズを睨んでいた。

 

___________

 

 

 

その場にただ立ち尽くし、動かない黒い異形。それは視界に入る生命体を跡形もなく破壊する。

 

ベルトも、JIM(デバイス)も壊されたティーダは静かに物陰からその姿をとらえていた。既に魔力も底をつきかけているためかその視界は安定しない。

無事に彼等は逃げられただろうか。他の誰かに助けを求められただろうか。

気になることは沢山あるが、いまの身体を動かして異形から逃げきれる可能性は低い。

 

そこへ、複数の足音が近づいてきた。

 

「な、なんで....」

 

そこには、先程逃がしたはずの彼らの姿があったのだ。自身が頼るように言った人物が傍に居なかった。代わりに見知らぬ2人がそこには居た。

 

「見つけたよ、アナザービルド」

 

ソウゴはウォッチを取り出すとベゼルを回し、正面にライダーの顔を創り上げる。

 

「我が魔王からの指示でね。君を倒す」

 

左手に本を抱え、右手で形が変化したウオッチを構える。

 

「父さんを返してもらうぞ」

 

スクラッシュドライバーを装着し、いつも通りにゼリーのキャップを捻る。

 

「行きますよ、ティオ」

 

制服の肩に乗せた相棒が返事をしたのを確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ジオウ』『ウォズ』『ロボットゼリー』

 

 

 

 

『ACTION!』

 

 

 

 

 

「「「変身!」」」「セットアップ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りは破壊されたのか、脆くなっていた建物の一部が風で崩れ落ちた。

 

それと同時に視野が広がったにティーダは4人の姿を見たのだ。

 

 

「心火を燃やして、ぶっ潰す!」

 

 

次世代の、新たな希望を。




さらば平成、よろしく令和

活動報告を最新したので、良かったらどうぞ。

デネブ「ブレンと響鬼をよろしく!」


???「シイタケ入れんな!!!!」


あれ?この人何処かで見た事が...

顔は覚えているんだけどなぁ...なんて名前だっけ?


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幕間・世界の破壊者

今回は話を繋げるための大事な話。

なお、前回の続きはほんの少しだけです。

それではどうぞ


「全く、俺にこれを任せるなんてな」

 

「だって、それは士さんにしか頼めないと思ったからなんだ」

 

ソウゴは一人、士と会っていた。その手から、自らが作ったウォッチを渡すために。

 

「それをこの世界に来た俺に渡してほしい。その時は遠慮なく倒しちゃって!」

 

「...大体分かった。それ以外は俺の好きなようにさせて貰うぞ」

 

ソウゴは、ビルドがエボルトに負ける世界からビルドの力を得、その滅びを無かった事にした。その為その世界からはエボルトだけが残り、完全復活は出来なくなってしまったのだ。

 

結果としてエボルトは地球を去るが、後に戻ってくる可能性だけが残されたのだ。この世界のソウゴには関係ない話だが。

 

「よぉ、こんなところで何やってるんだ?」

 

「それが...良くわからないんです。どうして俺はここに居て、コレ(・・)を持ったまま泣いているのか」

 

その場に立ち尽くした龍斗は、手に持ったソレを見ながら泣いていた。それをただ静かにその横を通りすぎた士はその場にあるガードレールに体重を掛ける。

 

「お前に何があったかは知らないが、ソレを持ち主に返す事は出来るぞ」

 

「...なら、頼みます。コレを___」

 

ウォッチを渡した後、言葉を続ける事なく世界から龍斗が消滅する。実際は消滅ではなく、元の世界へと戻っただけなのだ。エボルトによって破壊される事が無くなった(・・・・・)自身の世界に。

 

「...確かに受け取った」

 

既にソウゴから受け取ったウオッチは倒したジオウに渡している。ついでにもう一人、ゴーストと共に倒した男にも一つウオッチを投げ渡している。端から見ればあれは一方的に投げつけているが正解かもしれないが。

 

「魔王とやらは仲間と共に元の世界に戻ったみたいだな...さて、この世界でのやるべきことを終わらせるかな」

 

彼は、魔王ですら縛ることが出来ないだろう。記憶をなくした青年が、あの日、失くしたモノを再び手にしたあの日から。

タイムジャッカーでも縛れない。それはウォズ、もう一人のウォズも同じことである。

 

「こんなものかな」

 

やるべきことを終えた彼はいつも通りにカメラのシャッターを切る。四人が並び立ってアナザービルドへと向かっていく瞬間を彼は切り取った。

 

「...海東が来る前に帰るか」

 

夏美にいつも通りツボを押される、そんな事を考えながらオーロラを呼び出し進んでいく。

 

「また会おう」

 

その後写真を奪われ、そこに写っているライダーに見覚えがあった夏美からの問い詰めから逃げるために答えるのを渋った結果、ツボをいつもより強く押されたのは、また別の話。




さて、簡単に言うなればジオウ本編の世界でアナザービルドが再び誕生し、その結果ライドウオッチを既に手に入れていたソウゴ(本編)が戦いに向かったが、その結果ビルドライドウォッチを破壊されてしまう。

既にアナザービルドが誕生した上でライドウォッチが破壊された為に時間が修復されることなく、その結果ビルドライドウォッチを再びつくる事が出来なくなってしまったのだ。

そこで、時間移動が可能な事を利用してIFの未来へと進んだ世界(平行世界)へと向かいそこで新たなビルドライドウォッチを手に入れるはずだった。

しかし、そこに世界の破壊者が現れた。それだけではない。本来この世界にはいないはずのアナザービルドが現れたのだ。実際アナザービルドは、士が(巻き込んで)連れて来たタイムジャッカーによってこの世界で生まれ、その後元の世界へと送り込まれた。

結果複数の被害者を出しながらアナザービルドはオリジナルを探して歩き回った。
そこからは皆様もご存知の通り、戦兎は吸収されハザード化したアナザーライダーが誕生することとなった。

________

今週も面白かったですねぇ...

良かったね京介、醜名できたよ。

「悠斗~~!!!良かった~~~!!!」

ん?なんだあの弁慶みたいな_____

「デ・ネ・ブ!!!!!!!!」

何だったんだ一体...でも、何だかとてもうれしそうだったなぁ。

さぁて、次回はキバとギンガだ!

__________

この世界でアナザービルドと戦える者は残り3人___

「ハルっ!!」

大切な人の願いを叶える為に

「______勝って下さい」

次回、『少女の覚悟/彼の未来』

「あんたが何者であれ、俺はもう止まらねぇ!!!!!!!!!」


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11.少女の覚悟/彼の未来

お久しぶりです。

いやはや、お待たせしました。


アナザービルドと一斗達の戦いは、何処までもアナザービルドが有利だった。なぜなら本物を手に入れているのだ。その力を余すことなく使えるだろう。ハザード化していなければ、だが。

 

「ちぃ!」

 

ツインブレイカーとフォレスを使い乱射乱撃をしつつ、その上で攻撃に動くジオウとウォズのサポートもこなす。

日頃から様々な人達と戦う事が出来た一斗の新たな闘い方である。

 

「ソウゴ、ウォズ!」

 

「ああ!」

 

「分かっているとも」

 

彼等にとってもそれは同じ。過去(現在)現在(未来)でも一斗は彼等にとっても頼れる存在なのだ。

 

ジオウ、ウォズ、グリスによって四肢を拘束されたアナザービルドは脱出しようと暴れ出す。

 

「今だ!ハルっ!!!!」

 

「はいっ!」

 

異形な胸部装甲にアインハルトの鋭い一撃が刺さる。だがしかし、それはアナザービルドの動きを一瞬止める事しか出来なかった。

 

腕の拘束が緩んだのを見逃さなかったアナザービルドはそのままジオウとウォズを振り払い、アインハルトへと殴り掛かる。

 

「アブねぇ!!!!」

 

「っ、一斗さん!!!」

 

その攻撃を背中で受け止めた一斗は、一瞬意識を失ってしまう。何とか持ちこたえた彼はアインハルトがその場から離れるのを待っている。

 

いくらバリアジャケットがあろうと今のアナザービルドの一撃をもらえば、ただでは済まない。それが仮面ライダーだったとしてもだ。

 

「早くっ、行け!!」

 

鎧にノイズが走り、一部からは一斗の姿が確認できる。アナザービルドはハザード化したことにより新たな能力を手に入れていた。成分採取とその成分の利用に対して、破壊が追加されているのだ。アナザービルドはグリス、ロボットゼリーの成分の一部を破壊したのだ。それにより装甲が安定しない状態となった一斗は今、追撃を貰えば装甲を失う事になり兼ねない。

 

グリスの装甲の破壊に成功したと思いアナザービルドはエンプティボトルを取り出す。それはオリジナルのものとは異なり、人であれ何であれ、破壊して採取することができる異常な物。

キャップを回し、その口をグリスへと向けようとする。それにいち早く気が付いたアインハルトは____

 

 

「ハルっ!!」

 

 

グリス(一斗)の代わりにボトルへと吸い込まれ始めた。

 

とっさにジオウとウォズがその採取を止めようとアナザービルドへと攻撃し、その手からボトルを落とさせるが、採取が止まることはなかった。既に魔力を吸われ大人モードは解除され、制服に戻っている。

 

 

「____________勝って下さい」

 

 

そして彼女はボトルへと吸い込まれていった___

 

 

 

 

 

 

 

最後に見た彼女の顔はとても清々しいものだった。それは、彼女が知っているからこそできたことだったのだ。何があっても、一斗が助けてくれるという、彼女の信頼の形。彼女は覚悟していたのだ。この戦いで明らかに自身が足を引っ張っている為、責めて彼に何かを残してから撤退したいと。

 

 

「一斗...」

 

「一斗君...」

 

ボトルを拾い手にしたまま動かない一斗は、その場で変身を解除する。

 

 

「...ごめん、また君に無茶させちゃったね...」

 

何時もそうだ、と一斗は言葉を繋げる。彼女を守れているのだろうか。そう考えるのもおかしくはない。

あの時も、あの時も、あの時も、あの時も。

 

静かに立ち上がり一斗へと向かって走り出すアナザービルド。それに気が付いたウォズが止めようと動き出すがジオウに止められる。

 

「前にも言ったけどさ、一斗はビルドの名前を継いでても、そうじゃないんだ」

 

ウォズはカマモードとなったジカンデスピアを下ろしながら問い掛ける。

 

「と、言うと?」

 

ジオウは目の前で起こるであろう景色にどこか懐かしさを覚えていた。決して見たことなどないはずなのに。

 

「一斗はグリス(・・・)なんだ。大切な人の為、自分が心に決めた道を貫いてゆく。心の炎を燃やして、ソレを阻むものを超えてゆく。それが桐生一斗(俺の憧れ)なんだ」

 

「我が魔王...」

 

 

彼らの視線の先には、向かってきたアナザービルドを返り討ちにしているグリスの姿があった。

 

 

「あんたが何者であれ、俺はもう止まらねぇ!!!!!!!!!」




アインハルトの覚悟/ソウゴの未来

過去に世界を救った彼らにソウゴは憧れた。自分もそんな王になりたいと。
そんな彼が初めてであったのが同じクラスとなった一斗だった。



いかがでしょうか。ソウゴが憧れた一斗が大切なものを守るために何度でも立ち上がる。
一度は憧れた人物が目の前で再び立ち上がるシーンを見てみたいものです。

マンホール編と続いてカブト編、戦いの神再び。

いやはや、地獄兄弟が登場し変身してくれただけでこちらは満足です。
マンホールで色々持ってかれてたからね、仕方がないね。

次回は一体誰がカブトに変身するのでしょうか?今からでも楽しみです。

感想お待ちしてます。それではまた!

___________


男は望んだ。この世界を変えたいと。

女は与えた。この世界を変えられる王の力を。

異形となった彼は、王になるために()を襲う。

本来の目的を忘れて。

「いけるな、ソウゴ」

「勿論、いつも通り頼むよウォズ」

そして響く声_____


「祝え!!」


次回、「ベストマッチ2017」


「僕が___」


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12.ベストマッチ2017

感想、欲しいんです...

ええ、書きますとも!


自身へと向かってくる異形に気が付いた一斗は一人考えていた。

この異形(アナザービルド)は誰なのかを。一体何を目的に人を襲っていたのだろうと。

 

...何者であれ、ハザード化してしまえばどうなってしまうかは分からない。

 

そのまま殴り掛かってくるであろうアナザービルドに対して、反撃(殴り返し)を行うためにすぐさまベルトにゼリーをセットして押し潰す。

 

黒い拳を交わし、そのまま頭部に向かいアッパーを繰り出す。そのままアナザービルドは上に殴り上げられる。

 

「あんたが何者であれ、俺はもう止まらねぇ!!!!!!!!!」

 

空高く突き上げた拳には、彼女のボトルが握られていた。

 

 

_____________

 

 

ただ一人、この戦いを見ている事しか出来ないティーダは自身の不甲斐なさに考えさせられていた。

まだ中学生の一斗をこれまで何回も事件に巻き込んでしまっている。このままだと彼の日常はどうなってしまうのだろうか。

 

何もできない自分では彼を戦いから遠ざけることは出来ないのだろうか。

 

悔しさの中で、彼の前にウォズが現れた。

 

「ああ、話す必要はない。私はあなたにも目撃者になって頂く為にここに来たのだから」

 

変身を解除し、何時もと同じ様に本を広げ内容を確認すると一斗の方向へと視線を移動させる。ティーダには目撃者の意味を質問できるほどの体力は既に残されていない為、彼の戦いを眺めている。

 

 

 

「うぉおおおおお!!!!!」

 

ツインブレイカーとフォレス、スタッグを使い分けて反撃をさせない連撃を繰り出してアナザービルドを後退させてゆく。

 

切って、殴って、撃って。何度をそれを繰り返したか分からない。そんな中、アナザービルドの動きが鈍くなり始めた。

 

「!っあああああああああ!!!!!!」

 

それはアインハルトが放った拳が当たった胸部装甲が原因だった。一斗が懸命にダメージを与え続けた結果、装甲にヒビが入り、少しずつだがその大きさは胸部装甲を超え、背部にまで及び始めていた。

 

それを見逃さず、一斗はそのヒビの元へと攻撃を集中し始める。

 

「オラァ!!!」

 

ツインブレイカーが突き刺さり、ハンドルから手を離す。アナザービルドは、腹に刺さった為か全身をビクビクさせながらその行動が少しずつ遅くなっていく。それはまるで突然の遺物によってバグってしまった機械の様に。

 

すかさずレンチを倒し、ツインブレイカーに向かってオーラをまとった拳を叩き込む。

 

「ぐぅおおおおああああああああ!!!!!!」

 

一発、また一発、両腕を使い何度もツインブレイカーを押し込んでゆく。その度にアナザービルドは全身にその衝撃をくらいその体を震わせる。

 

『スクラップ・フィニッシュ!!!!』

 

「オラアアアアアッ!!!!!!!!!」

 

完全に装甲にめり込んだツインブレイカーと共に、アナザービルドは爆発する。すると爆発の中から複数のボトルと通常のアナザービルドが転がり落ちてくる。

 

「ハァ...ハァ...ッ」

 

まだ終わっていない。そのことに一斗は誰よりも早く気が付いていた。

 

「ナゼだ...ナゼ君はナンドモ私の邪魔をすルンだ!!!!!!!!!!」

 

そして同時に、異形が発した本来の声とその内容からアナザービルドの正体に気が付いたのだ。

 

「ワタシは王にならなけレバ、ならないのだ...必ず...オウニ...」

 

 

「あんたが作ろうとした世界は、俺が作り上げて見せる」

 

 

「エ」

 

 

グランディア(・・・・・・)、あんたの作ろうとした未来は____」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔法が使える使えない、関係ない平等な世界じゃなかったのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あああああ、あああああああアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

彼は自身の目的を忘れてしまっていたのだ。それは仕方がないことだが、それを引き継いだと考えている一斗はそれに怒っていた。

 

「あんた自身が自分の信念を忘れてどうする!!!!!」

 

 

「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!!」

 

既に狂っているのか、頭を抱えながら声を上げ続けるアナザービルド。それを一斗は見ていられなかった。

 

「いけるな、ソウゴ」

 

だからこそ、その苦しみから解放する為にジオウに声を掛けた。

 

「勿論、いつも通り頼むよウォズ」

 

アナザーライダーを倒すにはオリジナルの力が必要。それを行使できるのはジオウのみなのだから。

 

ジオウはベゼルを回転させビルドの顔を完成させると、上部のスイッチを押す。

 

『ビルド!』

 

起動音が鳴り響き、そのままジクウドライバーの空きスロットにセットする。

ベルトのロックを解除し、そのまま一回転させればベルトから『ビルド』の文字が飛び出し、その先でアーマーを形成する。

 

『アーマータイム!』

 

ジオウの全身にバラバラになったアーマーが自動的に装着されてゆく。最後はビルドクラッシャークラッシャーを右手に持つ。

 

『ベストマッチ!』『ビルド!!!!!!』

 

複眼にはでかでかと『ビルド』と描かれているが、気にしてはならない。

 

「祝え!」

 

声高らかにウォズは話し始める。

 

 

「全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしらしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・ビルドアーマー。また1つライダーの力を継承した瞬間である!」

 

 

あ、これかぁ...と思っているティーダをそのままに、グリスとジオウはそれぞれの取るべきポーズを取る。

 

「心火を燃やして、ぶっ潰す!!!」

 

「勝利の法則は、決まった!!!」

 

グリスが攻撃に向かっていく中、ジオウは右手のクラッシャーを持ち替えてベルトの横で手を回し始める。さながら、ハンドルを握って回転させているかのように。

 

「確かこうだったはず...」

 

だがしかし、流れてきた数式は、オリジナルのものとは異なりその殆どをソウゴが理解できていないことを物語っていた。

 

「なんだこれ!?」

 

「我が魔王...」

 

これはヒドイ。そう思わざるを得なかった。ティーダも遂に苦笑しか出なくなっていた。

 

 

「真面目にやれよ!!!!」

 

「無茶言わないでよ、これでも精いっぱいなんだからさ!!!」

 

『フィニッシュタイム!』『ビルド!』

 

両方のライドウォッチのスイッチを押し、そのままベルトのロックも外す。

 

「これが俺なりのビルド(・・・)だぁああああああ!!!!!」

 

ベルトは一回転し、アナザービルドを挟み込むようにしてグラフが形成される。

 

「うぉおおおおおお!!!!!!」

 

そのグラフに乗り、滑走しながらアナザービルドをクラッシャーで貫く。

 

「今だ、一斗!!!」

 

「おう!!!」

 

アナザービルドは未だにグラフに挟まれたままの為、逃げだすことは出来ない。

 

『スクラップ・フィニッシュ!!!!!』

 

「おるぅああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

そこへ肩のパックからの噴射による加速を加えたキックを叩き込む。

 

「おりゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

そこへ戻ってきたジオウがキックとは反対側からもう一度クラッシャーで貫き通った。

 

 

 

『ボルッテック・タイムブレーク!!!!!』

 

 

 

 

そして、アナザービルドが倒されたことにより時間が元に戻り始めたのだった。




久々に長いものになりました!!

次回でジオウ編は最終回となります!!!

それで続く『仮面ライダークローズ』なのですが、今の所『グリス』のストーリーが判明するまでは余り続けて書き続けることが出来ないと考えています。

そこで、先にクロスオーバー編の最終章を書き上げたいと思います。

感想、欲しいです。お待ちしてます、ホントに。

それではまた!

___________

少年は一人、海を眺める。

「僕は_____」

男は一人、行くべき道を進む。

「待って、待ってくれ!!」

「何を今更」





本編、最終章。執筆開始。


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