色々と間違えたダンまち転生日記 (helth)
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序章ー世界を飛び越えゆく無銘の魂

うわああああああああああああ(爆発)


 こういう笑い話がある。

 

 一人の少年がいた。彼は一人の少女のことが好きだった。少女は少年のことが好きじゃなかったけれど、色々便利だから少年のことを良いように利用していた。

 

 少年はそのことに気が付いていたが、それでも少女のことが好きだった。利用されていると半分理解しながらも、もう半分でどこか期待していたのだ。

 

 その結果どうなったか。道程はどこにでもある「かわいそうな男の話」であったが、結果だけ見ればそこそこドラマチックな終わり方をしたのかもしれない。

 

 

 少年は、少女を守って死んだのだ。飛び出してきたトラックにいち早く気が付いた少年が少女の手を引いて、自分の命と引き換えに。

 

 

 死ぬ瞬間に見せた少女のあの表情を、少年は死んだ後も思い出すだろう。頭を持ち上げ膝の上に乗せ、泣きそうな表情で見下ろす彼女の濡れそぼったまつげをなでながら、少年はその生涯を閉ざした。

 

 

 

 いわく。

 

 

 

 その豊満な胸は、見事あっぱれなり。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 はい、というわけで(胸が大きな)女の子を守るために死にました、名無しの魂です。

 

 下心だけで女の子に近づいて、いつかおっぱいだけでも触らせてくれるかなと期待半分あきらめ半分、しかしそこに双山あるのだから手を伸ばさないわけにも行かず、最後は巨乳の女の子が死ぬくらいなら喜んで命を差し出そう、と考えすぐに実行に移ったバカです。自己紹介終わり。

 

 我ながら本当に恥の多い障害(誤字)を送ってきたものだ。どうしてこうなった。

 

 だけど、おっぱいって素敵やん?男の悲しい性ね、これ。

 

 ちなみに彼女はアスナ似ww(聞いてない)。

 

 うん、死んだ直後だから少しテンションが上がってしまってるんだ。仕方がないね、死んだんだもの。ちょっとは八茶けちゃっても仕方がないね。

 

「ちっ、イキリトが・・・」

 

 おおん?キリトかっこええやろうが。っていうか誰だ今の。

 

 感覚的に振り返って(そもそも体がないから前も後ろもない)みると、そこには一人の少女がいた。胸はつるペタだ。遺憾である。

 

「死ね」

 

 ひいっ、いきなりチョップかましてきやがった!っていうか避けちまったよ畜生。女の子に触れてもらえる機会なんてあんまりないのに。こんな事なら素直に受けてしまえばよかった。

 

「・・・」

 

 ばきっ、という音がする。痛い。

 

 だけど女の子の手だ。やわらかい!ありがとうございます、ありがとうございます!

 

「気持ち悪っ。こいつぁ真性だなおい」

 

 初対面だというのにこの罵詈雑言。死後の世界の住人に自分の常識を求めるのはどうかとは思うが限度があるのではないだろうか。

 

 というか、第一村人発見である。俺死んだんだけどどうすればいい?

 

「転生するか地獄に行くかどっちか選べば?」

「転生でお願いします」

 

 というかその二択ほとんど選択肢として機能していない希ガス。

 

「あっそ。転生ね転生。じゃあとっとと好きなチート選んでもらえる?」

 

 あ、そういうタイプなんですね。転生=チート持ちって、さっぱり因果関係がわからないのは俺だけだろうか。どうして生き返ったら最強になれるのだろう。一度死んだ弱者なのに。

 

 まあいいや。貰えるものは貰っておこう。そうだな、定番でいえば魔法全属性適正とか成長補正とかそこらへんだろうけど、うーん迷うなぁ。

 

「何ならルーレットで決める?」

 

 受けな人生だけは送りたくない。俺の運命は俺が決めるのだ(キリット)。キリトみたいになりたいよなぁ俺もなぁ。

 

 そうだなぁ、とりあえず俺は赤の扉を選ぶぜ!

 

「はいはい、魔法全属性適正のほうね。ちなみに理由は?」

 

 催眠魔法とか使えそうだから!

 

「度し難い屑だなお前は。まあいい、しばらくすれば転生が始まるからそれまで待ってろ」

 

 足でぐりぐり踏みながら少女は消えていった。残念なのは生足ではなく普通に靴を履いていたことだろうか。角度的に見えた三角形の白い布地が太陽のごとくまぶしかったのは高得点ですよ。

 

「はぁい、そこな魂、お待たせしましたぁ」

 

 ん?我を呼び覚ますは誰だ?

 

「女神さまですよぉん!こんにちは、ボク?」

 

 ばるん、と俺の目の前で巨乳が揺れた。なん・・・だと・・・!?戦闘力1000・・・1200・・・1500・・・バカな、まだ上がるだと!?

 

 垂れ目で艶ほくろのある巨乳お姉さん・・・正直ジャンル的には好みじゃないけれどなるほどこれはそそられるものがある。何よりおっぱいが大きい。最高。

 

「正直な子ねぇ。いいわ、お姉さんそういうの大好きよぉ」

 

 奇遇ですね、僕も僕のこと大好きなんです。

 

 お姉さんに抱きかかえ上げられてなでられる。うふぉっふ、ちょ、ま・・・。あ、あかんて・・・。

 

「責められると弱いの?うふふ、かーわいい・・・本当はもっと遊んであげたいのだけれど、時間がないの。ごめんなさいね?」

 

 なでりこなでりこ。はい、なんでしょうか。聞こえなかった。たおやかな指が耳を優しくふさいで聞こえなかった。

 

「実は貴方は転生することが決定しましたぁ。ふふっ、信じられない?だけど本当のことなの。上の決定だからあなたに拒否権はないんだけど、男の子ならうれしいでしょう?」

 

 はい。はい?なんかもうすでに聞いた話のような気が・・・。

 

「とりあえずチートを決めさせてもらうわね。このガチャで!」

 

 あ、はい。ガチャですね。引けばいいんですね。胸が大きいですね。

 

「じゃあ、単発で回してみましょう!運命のガチャよ、頑張って!」

 

 お姉さんに頑張ってなんて言われたらそりゃもう頑張るしかないですね。唸れ俺のゴールデンライトフィンガー。直訳すると黄金の右腕。相手は死ぬ。

 

 本気になれよ!もっと、熱く、なれよおおおお!シジミもとぅるるんっなんだよぉぉ!

 

 がちゃん、と回るとこぶし大の大きさのカプセルが出てきて、それが空中に浮かんでくぱぁする。

 

「なんとガチャの結果はぁ・・・『成長補正』ぃ!やったね、これで来世も安心だわ!」

 

 うん?あれ、あれ?なんかどこかで聞いたような気がするんだけど。

 

 いや、まあいいや。女神さまのおっぱい柔らかいしすべてがどうでもいいや。喜んでくれたようで本当によかったよかった。え?転生?ああそうだねアルトだね。

 

「それじゃあ、私はもう行くわねぇ?ばいばい、かわいい魂ちゃん」

 

 女神さまは俺にキスを一つ落として消えていった。あびゃー。

 

 正直言ってもう辛抱たまらんです。ひとつ前の謎のロりっ子が俺のことを踏んだりなんたりしたことさえもう完全に過去の出来事である。やはり巨乳は正義であったか。ん?貧乳?・・・ふっ(嘲笑)。

 

「転生の時間だぞおら!失礼な事考えてねえでとっとと消えやがれ」

 

 ぐえぇぇぇ。ちょ、おま、踏むな。これマジで圧迫されて苦しい・・・。

 

「たくっ、あんな無駄な贅肉のどこがいいんだか・・・お前イラついたから女に転生させることにしたぞ。せいぜいがんばれよ」

 

 えっ、それ、どういう・・・。

 

 あっ・・・(消滅する音)

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 ふう、ここが私が転生してきた世界ね。なんつーか・・・森だ・・・(小並感)。近くに泉がある以外はすべてただの森だ。うん。

 

 というか去り際あの謎のロリっ子変なことを口走っていたような気がする。女に転生がどうたらとか。ははは、さすがに冗談だろ?俺まだ童貞なんだぜ?

 

 自分の体を触ってみる。うわぁ、やぁらかい。おっぱい小さいけど確かにある。股間はすーすーしていた。

 

 

 ・・・エ?ヲイヲイ、冗談デスヨネ・・・?

 

 

「・・・」

 

 見てみた。服は着せられている。これまたかわいいファンタジーものの小説で着られていそうなかわいらしい服である。スカートの中身は桃源郷が広がっていた。俺のだけど。

 

 近くにあった泉に姿を映してみる。うほっ、いいロリっ子。オレンジがかった薄い金髪がべりぐっ。幼くて丸っこい顔も小動物みたいでいいね。おっぱいは・・・まあ、うん。頑張ろう。

 

 言葉を失っているとふいにポケットに何かが入っているのに気が付いた。ごそごそと取り出してみる。手紙だ。

 

『ねえ今どんな気分?バカにしていたロリにロリにされてどんな気分?m9(^Д^)プギャー』

 

 あのロリっ子、手紙だとテンション上がるんですね。

 

 それはそれとしてやりやがったあのお子様。少しからかっただけじゃないか。それなのに性別という生きていく中で最も影響するような項目をあっさりと書き換えやがった。正直ありえない。

 

 これからどうしよう・・・この体、風俗いけるんだろうか・・・。



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